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audioduration (s) 0.48
32.2
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99
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そう?あはは、それもそうだね。じゃあ、白玉ちゃん、あっちに行きたいな。お願い |
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らぴすちゃん、やっと会えたねー! |
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あらら?セレナちゃんにはわたしの声、聞こえないのかな? |
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乗り移ってるんじゃないよう。白玉ちゃんがわたしの言葉を中継してくれてるだけ |
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なんだかややこしいね |
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そうだよそうだよ。どんな些細なことでもいいから言ってみて |
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覚えてないの?七年前に行方不明になったはずの飛行機がグラウンドに不時着したんだよ。で、記憶喪失のわたしを発見した |
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そうだったんだねぇ |
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知り合ったばかりのわたしの目から見ても二人は仲睦まじかったよー。ラブラブだったよねー |
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ぶう。セレナちゃんにもちゃんと伝えて欲しいにゃー。ねえ、白玉ちゃん |
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わたしもわたしも! |
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虎次郎くん!麻梨ちゃん!久しぶり! |
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あれ?二人とも、わたしの声、聞こえないの? |
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で?で?結論は? |
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なんか、ロマンチックだねぇー! |
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おおー、奇しくも同じ結論になりましたなー |
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大丈夫、大丈夫。白玉ちゃんも大丈夫だって言ってるから。ね? |
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やっと学校が終わったみたいだね。待ったよー |
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まあね。とは言っても白玉ちゃんとお散歩はしたけど |
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これからどうするの? |
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あの娘たち、何だって? |
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あー、それがお膳立てってこと? |
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どうしたの? |
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別に買っちゃえば?明日はいるんでしょ? |
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そっか。せっかく、頼斗くんとお買い物楽しめるかと思ったのに |
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大丈夫だよ、見た目はぬいぐるみなんだから |
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それにしても |
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七年も経つと、商店街も様子が変わっちゃうもんだなぁ |
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あは、もちろんおんなじお店もいっぱいあるけどね。でも、何ていうか、醸し出す雰囲気が微妙に違うんだよねー |
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そういう問題じゃないと思うけど |
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ああ、そうだった。じゃあ、この記憶はこの世界のわたしの記憶なのかなぁ? |
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まあ、君の置かれてる状況よりは単純だと思うよ |
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頑張ってね、応援してるから |
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ふふ、大変だね |
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そりゃいるでしょ、白玉ちゃんだもん。大変だねぇ |
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そりゃね。楽しいよー |
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好き合ってるのに素直になれない二人の反応を、猫になって観察できるなんて、なかなかないから |
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幸せそうで良かった |
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見ないように努力はしてたよ |
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見なくても、聞こえちゃうから |
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素敵だった |
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人と人とが愛し合うって、ものすごく素敵なことなんだなって思ったよ。ああ、この場合、人と神族か |
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わたしも素敵な殿方と出会いたいなって思っちゃった |
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おめでとう、頼斗くん。ようやくリシアちゃんと結ばれたね |
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わたしと白玉ちゃんはあっちの部屋で寝るから、朝までリシアちゃんを抱っこしてあげててね。手放しちゃダメだぞ |
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おはよー、二人とも |
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頼斗くん、大丈夫? |
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聞いたよ聞こえてたよ。ひょっとしてリシアちゃん、ゆうべ、記憶が戻ったこと自体、すっかり忘れちゃってる? |
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ありゃりゃ |
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原因は?不明? |
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これからどうするの? |
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とりあえず? |
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そうそう。頼斗くんの涙がひとしずく、リシアさんの頬に落ちた途端、涙が輝きだして、その拍子に記憶が戻ったってことで |
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それは鳴き声の感じから誰でもわかるんじゃない? |
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あ、その魔法でいいんじゃないかな? |
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ほら、一度はリシアちゃんも思い出したんでしょ?次に思い出すタイミングを見計らって、その瞬間に忘れない魔法をかけちゃうの |
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だって、言わないことには話が先に進まないでしょー?ちゃんと人払いもしたし |
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だってだって、わたしの言葉を翻訳できるのは、頼斗くん以外にはらぴすちゃんしかいないし |
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早く早くー!! |
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わかんない。タラップを昇ったら、元の姿に戻ってたの! |
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白玉ちゃん、ありがとね。また何かあったらよろしくねー! |
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あはは、頼斗くん! |
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ねえ、起きて。起きて、起きてってば |
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起きて。頼斗くん、起きてってば |
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あ、起きた。やっと起きてくれたよ |
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あのね…わたし、らぴすちゃんじゃなくて、藍…なんだけど。わかる? |
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そうだよ、天石藍。気が付いたらここで寝てたの。ここ、リシアちゃんのおうちだよね?わたし、らぴすちゃんなの? |
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落ち着くのは頼斗くんの方だよ。うん、そう。わたし、天石藍…だと思うんだけど |
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これってどういうことなのかな?わたしがらぴすちゃんになっちゃったってこと? |
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らぴすちゃんと入れ替わっちゃった? |
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わかんない |
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三人で仲良く寝てたの? |
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あら、素敵 |
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あー、でもだからか |
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だから、起きたらおまたがちょっとズキズキするんだね |
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なんか、なんにもしてないのに処女喪失しちゃった気分。初めての翌朝は、こんな感じなんだねぇ |
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3つ?2つじゃなくて? |
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じゃあ、わたしは今、この世界のらぴすちゃんの身体に乗り移っちゃってる感じなんだね? |
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ともかく、この状態なら二人と意思疎通できるんだね? |
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そっかそっかぁ、不安だったよー。今まで真っ暗なところにずっといたような感じだったから |
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ひょっとしたら、ずっとそこにいたのかも知れない。でも、何かの拍子にこっちに来ちゃった、みたいな |
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でも、これじゃ、らぴすちゃんとお話できないね |
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らぴすちゃんは元気? |
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どうかしたの? |
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あは、わたしと同じだ |
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どういうこと? |
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この世界のらぴすちゃんが主人格なんじゃないの? |
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で、恋人同士になっちゃったと |
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で、おまたがズキズキする、と |
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うーん。わたしがらぴすちゃんとお話しできればいいんだけど、お話しできないもんね |
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あ…ダメだ |
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きゅ、急激に眠気が。た、多分、らぴすちゃんが起きるんだと思う |
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ご、ごめん。ま、また、あと…で |
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えっと、頼斗くんたちの教室はここでいいのかな? |
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わかるんだ |
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すごーい |
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それがわかんないの。気付いたら授業受けてて。多分だけど、らぴすちゃん、疲れて眠っちゃったんじゃないかなって |
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らぴすちゃん、昨晩、あんまり眠れてなかったみたいだし、寝てる間にわたしが起きてたから、疲れが取れてないのかも |
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あ、ごめんね。らぴすちゃんじゃないんだよー |
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ひょーいけい魔法? |