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アクセサ
メソッド ( method ) あるいは メンバー関数 (-かんすう, member function ) とは オブジェクト指向プログラミング 言語 において、ある クラス または オブジェクト に所属する サブルーチン を指す。 概要 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミングにおけるメソッドという用語は元々 Smalltalk によって Simula の メンバープロシージャー ( member procedure ) を メッセージ と メソッド に分けるために導入された。 C++ では メンバー関数 と呼ばれるが、これはSimulaのメンバープロシージャーを C言語 に流用したことに由来している。 Java のような言語や マイクロソフト [ 1 ] などの企業がメソッドという用語を使っているのは、 元々C++よりもSmalltalkの影響を受けていたためである [ 要出典 ] 。 近年 [ いつ? ] では言語設計やOS開発等で直接Smalltalkの影響を受けていない場合でも、Javaやマイクロソフト等の影響によりメンバープロシージャーやメンバー関数に当たるものをメソッドと呼ぶことが一般化している。 SmalltalkやSmalltalkの特色を色濃く受け継いだ Objective-C では、メッセージとメソッドを明確に使い分けている。 [ 2 ] メッセージとメソッドが分かれている言語では1個のメソッドに対しセレクターが異なる複数のメッセージを送ることができる。このためメンバー関数型の言語と違いメッセージとメソッドの分離を強く意識しておく必要がある。 [ 3 ] メソッドと通常の関数の違いは主に インスタンス 内部へのアクセスの有無である。クラスに所属するフィールドおよびメソッドにはそれぞれアクセシビリティ(アクセスレベル)を設定することができ、アクセス権がないコード領域からは参照したり呼び出したりすることができない。この機能は通常 カプセル化 と呼ばれており、 クラス 定義の 抽象化 に貢献する。また呼び出し時に操作の対象となるインスタンス (レシーバ) を this や self といったキーワード( 予約語 )、あるいはメソッドに渡された 引数 によって参照することができる。 C++ ではクラスに属さない関数である 大域関数 (グローバル関数あるいはフリー関数)と対比されることがある。 またメソッドは サブクラス 化の際に オーバーライド されることがあり、実際に発生する動作(振る舞い)がレシーバに依存するという特徴を持つ。これを 多態性 (ポリモーフィズム)と呼ぶ。 統一モデリング言語 (UML) ではメソッドのことを 操作 (operation) と呼ぶ。 インスタンスメソッドとクラスメソッド [ 編集 ] インスタンスメソッド ( instance method ) とは インスタンス に属するメソッドのことであり、インスタンスに対しメッセージを送信する事で実行される。インスタンス変数の操作に使われ、インスタンスメソッドはオブジェクト指向プログラミングの中核をなし、もっともよく使われる。 一方、 クラスメソッド ( class method ) とは クラス に属するメソッドのことであり、クラスに対しメッセージを送信する事で実行される。クラス変数の操作やオブジェクトの生成などに使われる。多くのオブジェクト指向言語は メタクラス をサポートしており、クラスオブジェクトの操作手段となる。 C++ や Java といったオブジェクト指向言語では 静的メンバー関数 あるいは 静的メソッド ( static method ) とよばれ、その振る舞いはクラス変数の操作が許可される点を除き非オブジェクト指向言語における 関数 や プロシージャ と変わらない。 インスタンスメソッドとクラスメソッドの例 [ 編集 ] Smalltalkによる例 [ 編集 ] Smalltalk によるインスタンスメソッドとクラスメソッドの例を示す。 Object subclass: #MethodSample instanceVariableNames: 'name' "インスタンスオブジェクトに持たせるインスタンス変数" classVariableNames: '' "クラスオブジェクトとクラスオブジェクト直属のインスタンスオブジェクトの間で共有するクラス変数" poolDictionaries: '' "クラスオブジェクトとインスタンスオブジェクトの間で共有するプール変数" category: 'Example' . "インスタンスオブジェクトのインスタンス変数を操作するメソッド(インスタンスメソッド)" MethodSample methodsFor: 'accessing' ! givenName ^ name . ! givenName: aString name := aString . !! "インスタンスオブジェクトとクラスオブジェクトを操作するメソッド(インスタンスメソッド)" MethodSample methodsFor: 'inter-accessing' ! name ^ self givenName, ' ' , self class familyName . !! MethodSample class instanceVariableNames: 'name' . "クラスオブジェクトに持たせるインスタンス変数" "クラスオブジェクトのインスタンス変数を操作するメソッド(クラスメソッド)" MethodSample class methodsFor: 'accessing' ! familyName ^ name . ! familyName: aString name := aString . !! MethodSample class methodsFor: 'instance creation' ! withGivenName: aString ^ self new givenName: aString ; yourself . !! インスタンスメソッドを実行するには、まず インスタンスオブジェクト を生成しなければならない: | objectA objectB | objectA := MethodSample withGivenName: 'John' . objectB := MethodSample withGivenName: 'Joe' . 上の例では #withGivenName: により二つのインスタンスオブジェクトを生成し変数 objectA と objectB に代入している。この時点で、 objectA と objectB のインスタンス変数 name にはそれぞれ "John" と "Joe" が代入されている。 インスタンスメソッドを実行するには次のように記述する: objectA givenName . "'John' を返す" objectB givenName . "'Joe' を返す" 上の例では objectA と objectB それぞれのインスタンスオブジェクトに対し #givenName メッセージを送りインスタンスメソッドを実行している。それぞれのメソッドの返り値が異なることから、同じクラスオブジェクトに属するインスタンスオブジェクトでもインスタンス変数が持つ値は、インスタンスオブジェクト毎に異なることがわかる。 一方、クラスメソッドを実行するには、クラスオブジェクトに直接属しているため、インスタンスオブジェクトの代わりにクラスオブジェクトに対してメッセージを送る。 クラスメソッドを実行するには次のように記述する: type := MethodSample type familyName: 'Hillton' . type familyName . "'Hillton' を返す" . 上の例では type にクラスオブジェクト MethodSample を代入して、 #familyName と #familyName: メッセージを送りクラスメソッドを実行している。 クラスオブジェクトのインスタンス変数 name は、インスタンスオブジェクトのインスタンス変数と異なり MethodSample に属する全てのインスタンスオブジェクトで共有される。 クラスオブジェクトのインスタンス変数が共有される例を示す: | type objectA objectB | type := MethodSample objectA := type withGivenName: 'John' . objectB := type withGivenName: 'Joe' . "#nameはクラスオブジェクトに#familyNameを送っているため、異なるインスタンスオブジェクトでも'Hillton'が共有されている。" type familyName: 'Hillton' . objectA name . "'John Hillton'を返す" objectB name . "'Joe Hillton'を返す" クラスメソッドは、変数に代入せず直接クラス名を指定して呼び出すことが多い。特にクラスがオブジェクトではない言語においては、直接クラス名を指定する書き方しかできない。 直接クラス名を指定したクラスメソッドの呼び出しは次のように記述する: MethodSample familyName: 'Hillton' . MethodSample familyName . "'Hillton' を返す" . なお、 MethodSample のインスタンスオブジェクト生成するときに使用した new もクラスメソッドである。 一般的にインスタンスオブジェクトを生成する場合には new という特別な演算子を用いる言語が多い。しかし、Smalltalkの影響が強い言語やRuby等いくつかの言語ではクラスメソッドによりインスタンスオブジェクトを生成する。クラスメソッドによりインスタンスオブジェクトを生成する言語の場合、 new を独自の実装に変更することができる。例えば new を実行したとき、別のクラスオブジェクトに属するインスタンスオブジェクトを返すようにすることができる。C++のように new が演算子でありながら、クラスメソッド (静的メンバー関数) として new を定義できる言語もある。 クラスがオブジェクトになっている言語の場合、インスタンスもクラスも同じオブジェクトとして扱われるため、インスタンスメソッドとクラスメソッドでメッセージの送り方に区別はない。インスタンスメソッドの代わりにクラスメソッドを呼び出すことも、クラスメソッドの代わりにインスタンスメソッドを呼び出すこともできる。どちらのメソッドを呼び出すかは、メッセージを送った変数にインスタンスとクラスのうち、どちらのオブジェクトを代入していたかで決まる。 多くの言語ではインスタンスメソッドとクラスメソッドは同じ シグネチャ (signature: 名前と引数) を定義できる。SmalltalkやObjective-Cなどメッセージが存在する言語ではメソッドの多重定義ができないため一見無理なように見えるが、メソッドが所属するオブジェクトがインスタンスとクラスで異なるため、同一のシグネチャでインスタンスメソッドとクラスメソッドを定義することができる。 Javaによる例 [ 編集 ] Java で記述したインスタンスメソッドと静的メソッド(クラスメソッド)の例を示す。Java では static 修飾子がついたメソッドが静的メソッドであり、ついていなければインスタンスメソッドである。 public class MethodSample { /** インスタンスフィールド */ private String name ; /** クラスフィールド */ private static int number ; /** インスタンスを生成するためのコンストラクタ */ public MethodSample ( final String name ) { this . name = name ; } /** インスタンスメソッド、getter */ public String getName () { return this . name ; } /** 静的メソッド、getter */ public static int getNumber () { return MethodSample . number ; } /** 静的メソッド、setter */ public static void setNumber ( final int number ) { MethodSample . number = number ; } } Smalltalk同様インスタンスメソッドを呼び出すには、まずコンストラクタを呼び出して インスタンス を生成しなければならない: MethodSample objectA = new MethodSample ( "John" ); MethodSample objectB = new MethodSample ( "Joe" ); 上記の例は、Smalltalkの例におけるインスタンスオブジェクトの生成と同様に動作する。C++の表記を踏襲したJavaでは、 new演算子 によってインスタンスを生成する。 インスタンスメソッドを呼び出すには次のように記述する: objectA . getName (); // "John" を返す objectB . getName (); // "Joe" を返す 上記の例は、Smalltalkの例におけるインスタンスメソッドの呼び出しと同様に動作する。 クラスメソッドを呼び出すには次のように記述する: MethodSample . setNumber ( 100 ); MethodSample . getNumber (); // 100 を返す 上記の例は、Rubyの例における直接クラス名を指定したクラスメソッドの呼び出しと同様に動作する。 Javaでは メタクラス として java.lang.Class クラスをサポートする。 java.lang.Object.getClass() メソッドにより Class 型オブジェクトを取得できる。また、 クラス名.class という構文で Class 型オブジェクトを取得することもできる。さらに リフレクション を使うことで、 Class 型オブジェクトからメソッドを呼び出したり、フィールドにアクセスしたりすることもできる。 .NET Framework ではメタクラスとして System.Type クラスをサポートする。 System.Object.GetType() メソッドにより Type 型オブジェクトを取得できる。C#では typeof 演算子により型シンボルから Type 型オブジェクトを取得することもできる。また、リフレクションもサポートしている。 C++はクラス型オブジェクトやリフレクションをサポートせず、クラス自体を何らかの変数に代入するようなことはできない [ 4 ] 。 メッセージ送信とメソッド呼び出し [ 編集 ] オブジェクト指向を解説した書籍などでメソッド呼び出しについてオブジェクトにメッセージを送信すると表現されることがある。C++系統の言語ではオブジェクトの操作は単なるメンバー関数(メソッド)呼び出しに過ぎず比喩として捉えられる場合が多い。SmalltalkやObjective-Cにおいては、メッセージ送信は単なる比喩ではなく実体のある機構であり、メソッド呼び出しとは別物であるため注意が必要である。 →詳細は「 メッセージ転送 」を参照 仮想メソッド、抽象メソッドと具象メソッド [ 編集 ] 仮想メソッド [ 編集 ] 仮想メソッド ( virtual method ) とは、 サブクラス で オーバーライド (再定義) し、動作を変更することのできるメソッドのことである。C++では 仮想関数 と呼ばれる。 C++および C# のメソッドはデフォルトで非仮想であり、メソッドに virtual 修飾子をつけることで仮想メソッドとすることができる。なお、C#のクラス(参照型)は仮想メソッドおよび非仮想メソッドの両方を定義することができるが、 構造体 (値型)は仮想メソッドを定義することができない。一方 Java のメソッド(インスタンスメソッド)は常に仮想であり、 final 修飾子をつけることでオーバーライドを禁止できるが、非仮想メソッドとなるわけではない。 final メソッドを非 final メソッドに変更しても、バイナリ互換性は維持される [ 5 ] 。 →「 仮想関数テーブル 」も参照 仮想と非仮想 [ 編集 ] C++では、一般に仮想関数はコンパイル時にどのメンバー関数を呼び出すかを確定できないため、通常の非仮想なメンバー関数呼び出しよりも パフォーマンス が悪いというデメリットがある。そのため、パフォーマンスを気にするC++ プログラマ には、継承する必要がないクラスのメンバー関数(特に デストラクタ を含む)に virtual 修飾子をつけることを非常に嫌う傾向がある。また、C++にはtemplateという機能が存在し、 多くの場合仮想関数はtemplateで代用できてしまうため仮想関数にこだわる必要がないという事情もある [ 疑問点 – ノート ] 。ただし、デストラクタが非仮想の場合、派生クラスのインスタンスのポリモーフィックなdeleteが不可能となる、という利便性および安全上のデメリットも発生する。 メソッドがデフォルトで非仮想というC++に準ずる設計選択をしたC#においても、仮想メソッドの呼び出しには非仮想メソッドよりもコストがかかることを念頭に置いて利用する必要がある [ 6 ] [ 7 ] 。 Javaのインスタンスメソッドは常に仮想であるが、クラスメソッド(静的メソッド)はオーバーライドすることのできない非仮想であるため、静的メソッドのほうが呼び出しコストが小さく、パフォーマンス上のメリットがある [ 8 ] 。 Javaの final 修飾子は、パフォーマンス上の理由というよりはむしろ、派生クラスでの不用意なオーバーライドを禁止してバグを未然に防止することにある。「Javaではメソッドを final 修飾することでコンパイラの最適化によりパフォーマンスが向上する」という神話があるが、一方で、 Java仮想マシン の性能によってはメソッドを final と宣言したからといって優れたパフォーマンスが得られるとは限らないという指摘もある [ 9 ] [ 10 ] 。なお、 Oracle の HotSpot VMは、 final メソッドを検出して非常に効率よく実行できるように最適化されていると説明されている [ 5 ] 。 抽象メソッドと具象メソッド [ 編集 ] 抽象メソッド ( abstract method ) とは仮想メソッドの一種で、メソッドの実装が無く、宣言だけされているもののことである。 C++ では 純粋仮想関数 ( pure virtual function ) と呼ばれる。このメソッドを利用するには、このメソッドを含む クラス を 継承 し、そこでこのメソッドを オーバーライド して実装する必要がある。従って、抽象メソッドを含むクラスは継承しない限りインスタンス化できない。このようなクラスを 抽象クラス と呼ぶ。 具象メソッド ( concrete method ) は抽象メソッドの逆で、実装をもつメソッドのことである。主に抽象メソッドを オーバーライド したインスタンスメソッドのことを意味するために使われる。 JavaおよびC#では abstract 修飾子を用いて抽象メソッドを宣言できる。抽象メソッドを持つクラス自体もまた、必ず abstract 修飾子を使って抽象クラスとして定義しなければならない。 抽象メソッドは デザインパターン の一つ Template Method パターン で主要な役割を果たす概念であり、ソフトウェアの 拡張性 、 再利用性 、 汎用性 を高めるのに役立つ。 また、抽象メソッドのみを持つ抽象型として、JavaおよびC#では インターフェイス (interface) を定義できる。JavaおよびC#においてクラスは多重継承できないが、インターフェイスを複数実装することはできる。 オーバーライド [ 編集 ] →詳細は「 オーバーライド 」を参照 アクセサ [ 編集 ] アクセサ ( accessor ) とは、特に オブジェクト が持つ フィールド に間接的にアクセスするために定義されるメソッドの総称である。フィールドに値の設定 (set) をするメソッドをsetter、フィールドから値の取得 (get) をするメソッドをgetterと呼ぶ。通例、個々のフィールドに対して、個別のアクセサが用意される(2つ以上のフィールドをまとめて設定/取得するようなものは一般的にアクセサとは呼ばれない)。つまり、setterは単一の入力を持ち、getterは単一の出力を持つ。1つのフィールドに対してsetter/getterが対称的に両方用意されることもあれば、片方だけが用意されることもある。日本語ではアクセサー、アクセッサあるいはアクセッサーとも表記する。C# 9では、オブジェクト構築時にのみ呼び出せるinitアクセサを定義することもできる [ 11 ] 。 アクセサの表記 [ 編集 ] 記法は言語により異なる。 Java系統では、 getXXX , setXXX の様に語幹部にアクセス対象の名詞が入る。Smalltalk系統では XXX , XXX: というようにアクセス対象の名前だけを記述し、入力と出力を引数の有無で区別する。Objective-Cでは、 XXX , setXXX: と片方にだけsetをつける命名規則が用いられる。 Delphi やC#などのプロパティ機能を持つ多くの言語では、プロパティ自体がアクセサにあたり、専用構文を使用する。Rubyでは、メソッド呼び出しの際の引数を囲むカッコが省略できるため、引数を持たないメソッド呼び出しが読み出し用アクセサに相当するが、書き込み用アクセサには XXX= という構文が存在する。C++には決まった規則はなくライブラリや開発環境に左右される。 アクセサとRADツール [ 編集 ] アクセサが他のメソッドと区別される大きな理由として RAD ツールの連携を想定していることにある。多くのRADツールでは、アクセサとして定義されたメソッドを特別扱いし、 グラフィカルユーザインタフェース (GUI) のデザイン時にデザイン画面からアクセサの引数を指定できるようになっている。 Javaには元々、get/setの接頭辞を記述するという規則はなかったが、RAD支援ライブラリの JavaBeans (java.beans) がset/getから始まるメソッドを値設定用のメソッドとして特別に扱うため、Beansが登場して以降、Javaのクラスライブラリ全体に渡ってset/getの接頭辞を使用する命名規則が導入された。現在でも初期の名残としてset/getを接頭辞として持たないアクセサメソッドが存在する( String.length() など)。 アクセサと公開フィールド [ 編集 ] 多くの言語では、フィールドを公開 (public) 状態にすることで、オブジェクトのフィールドをメソッドを介さず直接読み書きできる。 しかし、不特定多数のアプリケーションから利用されるライブラリなどでは カプセル化 の観点から、実際にはアクセサを介してフィールドを読み書きすることがほとんどであり、フィールドを公開状態にして直接読み書きすることは避けられる。アクセサを用意することで、ライブラリの仕様に則した使い方を強制することができるというメリットがある。 フィールドとアクセサが1対1の状態であれば、公開状態のフィールドの読み書きとアクセサを介したフィールドの読み書きはほとんど変わらない。それにも関わらず、わざわざアクセサを介してフィールドを読み書きする理由は、アクセサの実装はクラス実装者の自由であり、アクセサ (setter) が受け取った値をどう処理するかはクラスの実装に委ねられるからである。例えば、アクセサ (getter) が値を返す際、フィールドを参照せず常に0を返すという実装も有りうる。 公開フィールドへの直接アクセスと比較した際のアクセサの利点としては以下のようなものがある。 意図的に setter メソッドを実装しないことで、フィールドの値を外部から勝手に変更させないようにすることができる。 例えばコンストラクタで指定した初期値を常に保持し続ける イミュータブル (不変) なクラスを定義することも可能となる [ 12 ] 。 getter/setter でフィールドにアクセスするときにデータを加工してから取得したり設定したりすることができる。 例えば内部データの単位とは異なる単位の値に換算して返す、などである。 setter でフィールドにデータを設定するときにバリデーション (validation) を実行できる。 例えば設定したいデータを 整数 のみ、 自然数 のみ、 偶数 のみ、あるいは日付形式文字列のみ、などに限定して、範囲外あるいはフォーマット外の値が渡された場合に異常系とみなして例外をスローするといった実装ができる。 また、アクセサを使う最も重要な理由として、多態性の恩恵を受けられるという点がある。 例えばSmalltalkの#value, #contents, #name, #sizeといったセレクターが良い例である。#valueは値を示すセレクターで下記(1)のようにアクセサであったりアクセサでなかったり様々な実装が存在するが、#valueメッセージを送る手順はその違いを区別する必要が無いため下記(2)のようにどの実装に対しても共通の手順を適用することができる。これがアクセサによる多態性の恩恵である。アクセサを用意せず直接変数を公開しているクラスや、直接オブジェクト内の変数を参照しているような手順はこれらの枠組みから外れてしまうため共通の手順を使うことはできず変数の参照方法だけが異なる似たような手順をいくつも作る事となる。 (1) "アクセサ目的以外の#value" [ 1 ] value . "-> 1" ( Continuation currentDo: [ : sink | sink value: 0 . ] ) value . "-> 1" "純粋なアクセサとしての#value" ( 1 ) asValueHolder value . "-> 1" ( 0 -> 1 ) value . "-> 1" (2) "共通の手順" block := [ : valueHolder | self traceCr: valueHolder value printString . ] . "手順の適用" block value: ( 1 ) asValueHolder . block value: ( 0 -> 1 ) . block value: [ 1 ] . block value: ( Continuation currentDo: [ : sink | sink value: 0 . ] ) . #value以外の実例 "アクセサ以外:1と10を元に計算している。" ( 1 to: 10 ) size . "アクセサ" #( 1 2 3 ) size . "アクセサ以外:'text.txt'を全部読み込んだ結果を返す" 'text.txt' asFileRefarence readStream contents . "アクセサ以外:self valueの結果を返す" 1 asValueHolder contents . "アクセサ" #( 1 2 3 ) contents . "アクセサ以外: Class名を生成して返す。" Class name . "アクセサ" CmCommand new name . 純粋なオブジェクト指向環境として知られるSmalltalkでは、アクセサによる多態性がMVCの依存性辞書 [ 要説明 ] の管理を始めあらゆる箇所で活用されている。 アクセサ論争 [ 編集 ] Smalltalk のような言語ではインスタンスおよびクラス内の変数を外部から操作することはできず必ずメッセージを使った操作が必要となる。一方 C++ などでは public 変数への直接操作が往々にして利用されることがある。 効率の問題。メソッドをいちいち呼び出すコストを避けたい場合。ただしほとんどは コンパイラ最適化 によるインライン化で解決できる [ 13 ] 。 記述量の問題。単純に値を設定/取得するだけのことに 全て メソッドを記述するのは間違っているという考え方。 問題となるのは後者である。 まず カプセル化 や多態性の観点から、アクセサを用いない変数参照は将来にわたっての変更耐久性や拡張性が著しく劣る。また記法の一貫性からアクセサを指示する向きもある。一方否定派は「強力な IDE を用いれば リファクタリング は可能であり、むしろフィールドへの直接アクセスを用いる方が意味が明確となる」という主張を展開し、時に フレーム に発展する場合がある。これは現代の「 goto文論争 」ともいうべき、半ば宗教的な対立関係である。 そのほか、C++ではC言語との相互運用時に 構造体 を用いることがあるが、構造体のメンバー変数は隠蔽しないことが多い。C++における class キーワードと struct キーワードは、デフォルトのアクセシビリティが異なるという違いしかないが、メンバー変数を隠蔽しないC言語互換の構造体として利用するPOD ( Plain Old Data ) 型を定義する際に、 class キーワードではなく struct キーワードが使われることもある。 Object Pascal はこの反省から、変数を後からアクセサ化できる仕組みとして プロパティ を導入した。 [ 14 ] また Ruby など、アクセサを簡単に定義できるメソッドや構文を備えている言語もある。 多重定義 [ 編集 ] →詳細は「 多重定義 」を参照 引数 の数、型、順序などが異なる同じ名前のメソッドを定義することをメソッドの 多重定義 といい、多くのオブジェクト指向言語ではメソッドや コンストラクタ を多重定義できる機能を持つ。オーバーロード (overload) とも呼ばれるが、 オーバーライド との混同に注意が必要である。 ただし、 PHP や Perl のように、 プログラミング言語 によっては、型の曖昧さが原因によりメソッドを多重定義できないものもある。この場合はメソッドの引数をメソッド先頭で読み取り、引数の型を判定する 条件分岐 で対応する。 参考文献・脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ MFC 、 COM 、 .NET Framework ではメソッドという用語が使われる。 ^ SmalltalkやObjective-Cでは メッセージ転送 の仕組みによりオブジェクトが受信したメッセージを取得することができる。また、Objective-Cではメソッドを操作するために class_getInstanceMethod といったMethodが付く関数やメソッドを提供しており、メッセージを操作するためには objc_msgSend といったmsgが付く関数やメソッドを提供している。 ^ 例えばSmalltalkでは"#addSelector:withMethod:"により既存のメソッドにセレクターを追加できる。 [1] また メッセージ転送 により複数のメッセージを一つのメソッドで受け取ることができる。 ^ C++において、 obj.staticMemberFunc() のようにインスタンスから静的メンバー関数を呼び出す 糖衣構文 はサポートされるが、クラス自体をオブジェクトとして扱うことはできない。 ^ a b Javaにおけるメソッド呼出しの仕組み | Java Magazine | Oracle ^ Performance Tips and Tricks in .NET Applications | Microsoft Docs ^ Writing Faster Managed Code: Know What Things Cost | Microsoft Docs ^ パフォーマンスに関するヒント | Android デベロッパー | Android Developers , Internet Archive ^ Javaの理論と実践: ファイナル・アンサー? finalキーワードを有効に使用するためのガイドライン | IBM , Internet Archive ^ Javaの理論と実践: パフォーマンスの都市伝説 | IBM , Internet Archive ^ プロパティ - C# プログラミング ガイド | Microsoft Docs ^ C++/Java/C#の場合、イミュータブルに関してはpublicなconst/final/readonlyフィールドで代用することが可能なケースも存在する。この場合、getterも不要である。 ^ そのほか、C/C++ではコピーのコストを避けるため、関数の戻り値ではなくポインタあるいは参照による引数経由で値を返すことがあるが、コピー省略 (copy elision) およびReturn Value Optimization (RVO) をサポートするコンパイラでは、戻り値で返したとしても不要なコピー処理は除去される。 コピー省略 - cppreference.com ^ “ Properties (Delphi) - RAD Studio ”. docwiki.embarcadero.com . 2023年10月13日閲覧。 ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 メソッド 関連項目 [ 編集 ] ソフトウェア工学 オブジェクト指向プログラミング カプセル化 継承 (プログラミング) ポリモーフィズム クラス (コンピュータ) コンストラクタ 多重定義 (オーバーロード) オーバーライド インスタンス インスタンス変数 クラス変数 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ
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アクティブ
ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 アクティブ アクティブ 、 アクティヴ ( 英 : Active ) 一般 [ 編集 ] 能動的、積極的を示す 英語 、主体的に動くという意味であり、対する意味は消極的など。 現在活動中、有効、現役を示す英語 能動、強制を示す英語、外部からの動力などを使うという意味。対流や自由落下などの自然の力を利用していたものに対する概念。 乗り物 [ 編集 ] イギリス海軍の艦艇 アクティヴ (偵察巡洋艦) - アクティヴ級偵察巡洋艦 アクティヴ (駆逐艦) - A級駆逐艦 アクティヴ (フリゲート) - 21型フリゲート オートバイ ヤマハ・アクティブ - ヤマハ発動機 の スクーター 車いす アクティブ - ヤマハ発動機 の 電動車椅子 組織 [ 編集 ] アクティブ (企業) - 日本のオートバイパーツサプライヤー アクティブ (テレビ制作会社) - 日本のテレビ制作会社 ブランド・登録商標 [ 編集 ] Active (アダルトゲームブランド) - 日本のアダルトゲームブランド 作品 [ 編集 ] active (アルバム) - 1992年の カシオペア のアルバム。 関連項目 [ 編集 ] 「アクティブ」で始まるページの一覧 「Active」で始まるページの一覧 アクト アクション アクティ (アクティー) このページは 曖昧さ回避のためのページ です。一つの語句が複数の意味・職能を有する場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。 このページへリンクしているページ を見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。
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アジャイルソフトウェア開発
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "アジャイルソフトウェア開発" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2024年2月 ) ソフトウェア開発工程 中心となる活動 ソフトウェア ソフトウェア開発 要求分析 ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア設計 ソフトウェアエンジニアリング プログラミング ソフトウェアテスト デバッグ ソフトウェアデプロイメント ソフトウェア保守 パラダイムとモデル アジャイルソフトウェア開発 ソフトウェアクリーンルーム 反復型開発 ソフトウェアプロトタイピング スパイラルモデル Vモデル ウォーターフォール・モデル ソフトウェア開発方法論 とフレームワーク 適応型ソフトウェア開発 ( 英語版 ) DevOps ディシプリンド・アジャイル・デリバリー ( 英語版 ) 動的システム開発手法 ( 英語版 ) ユーザー機能駆動開発 反復型開発 かんばん リーンソフトウェア開発 ( 英語版 ) LeSS ( 英語版 ) モデル駆動工学 Microsoft Solutions Framework ( 英語版 ) パーソナルソフトウェアプロセス ( 英語版 ) 高速アプリケーション開発 ラショナル統一プロセス Scaled agile framework ( 英語版 ) スクラム SEMAT ( 英語版 ) Team software process ( 英語版 ) OpenUP ( 英語版 ) 統一プロセス エクストリーム・プログラミング 開発支援 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアドキュメンテーション ソフトウェア品質保証 ソフトウェアプロジェクト管理 ユーザーエクスペリエンス プラクティス 受け入れテスト駆動開発 ( 英語版 ) ビヘイビア駆動開発 Collective code ownership ( 英語版 ) 継続的インテグレーション 継続的デリバリー ドメイン駆動設計 ペアプログラミング 実例による仕様 ( 英語版 ) スタンドアップ・ミーティング ( 英語版 ) テスト駆動開発 プログラミングツール コンパイラ デバッガ リンケージエディタ 性能解析 GUIビルダ UML tool ( 英語版 ) 統合開発環境 ビルド自動化 アプリケーションリリース自動化 Infrastructure as code カテゴリ:ソフトウェアテストツール 標準と機関 BABOK Capability Maturity Model Integration IEEE Standards Association ISO 9001 ISO/IEC JTC 1/SC 7 ( 英語版 ) PMBOK SWEBOK ITIL 用語集 人工知能の用語集 ( 英語版 ) コンピュータ科学の用語集 ( 英語版 ) ソフトウェア工学 表 話 編 歴 ソフトウェア工学 における アジャイルソフトウェア開発 (アジャイルソフトウェアかいはつ、 英 : agile software development ) は、人間・迅速さ・顧客・適応性に価値を置く ソフトウェア開発 である [ 1 ] 。典型的なアジャイルソフトウェア開発では、チーム主導で設計・実装・デプロイを短期間に繰り返してユーザーが得た価値を学習し適応する、すなわちトライアルアンドエラーで開発が行われる。アジャイルソフトウェア開発を可能にする開発手法には エクストリーム・プログラミング や スクラム などがある。 概要 [ 編集 ] ペアプログラミング アジャイルソフトウェア開発 は人間・迅速さ・顧客・適応性に価値をおく ソフトウェア開発 である( アジャイルソフトウェア開発宣言 )。すなわち自己組織的なチームが対話の中で方向性・仮説を見出し、顧客へ価値を素早く届け、実践投入の学びから素早く改善をおこなう在り方に価値を置く。 この価値観を共有する開発がアジャイルソフトウェア開発であり、アジャイルソフトウェア開発という言葉は ソフトウェア開発工程 や ソフトウェア開発方法論 、またはその総称ではない。特定の 開発工程 に縛られることはないが、実態として多くのアジャイルソフトウェア開発でみられる典型的な 開発工程 が存在する。典型的にはまずアイデアを価値を生む範囲で小さく分割する(例: 新機能のコア部分)。その価値を実現する成果物を短い イテレーション の中で計画・実装・デプロイすることで(⇒ 反復型開発 )、迅速にプロダクトを届け価値の実証・学習・適応をおこなう。適応はプロジェクトにおける優先度の更新として可視化される。 アジャイルソフトウェア開発宣言 [ 編集 ] アジャイルソフトウェア開発宣言( 英 : Manifesto for Agile Software Development )は「アジャイルソフトウェア開発」という概念を提唱した文書である。 2001年に、軽量ソフトウェア開発手法(と当時呼ばれてた)分野で名声のある17人 [ 2 ] が アメリカ合衆国 の ユタ州 のスノーバードというスキーリゾートに会し、彼らがそれぞれ別個に提唱していた開発手法が共有する価値観を議論した。彼らはその結果を「 アジャイルソフトウェア開発宣言 」( Manifesto for Agile Software Development ) という文書にまとめた。アジャイルソフトウェア開発宣言はアジャイルソフトウェア開発とその諸原則を公式に定義した文書であると、広く認められている (参考: アジャイル宣言の背後にある原則 ) 。 この宣言は以下の4つの価値観を示し、これらの価値観を有するソフトウェア開発を「アジャイルソフトウェア開発」と名付けた。 Individuals and interactions over processes and tools ( プロセスやツールよりも 個人と対話 を ) Working software over comprehensive documentation ( 包括的なドキュメントよりも 動くソフトウェア を ) Customer collaboration over contract negotiation ( 契約交渉よりも 顧客との協調 を ) Responding to change over following a plan ( 計画に従うことよりも 変化への対応 を ) 適応型の価値提供 [ 編集 ] ソフトウェアは解決策(ソリューション)であり、目的ではない。ソフトウェアの利用を通じて問題が解決し、 価値 を提供することこそが目的である [ 3 ] 。そのためには重要な問題を見出し、その問題を適切に解く解決策を届ける必要がある。 しかし重要な問題はしばしば複雑であり、一見してもその重要性を判断できず、また解決策が容易に見出せない。予測型( 英 : predictive )の価値提供、すなわち「完璧に計画された価値提供」は往々にして不完全に終わる。見立てた問題が重要でない、あるいは解決策に穴があることが実利用時に判明してしまう。 そうでないやり方の1つが 適応型 ( 英 : adaptive )の価値提供である [ 4 ] 。適応型では完璧な予測が困難だと認め、実際の価値提供から学ぶことを重視する [ 5 ] 。仮説としての問題を定め、解決策をつくり、それを実際のユーザーへ届ける。この実際の価値提供により仮説に対する学びを得る(例: そもそも使われない・使われるが非常に使いづらい)。この学びに基づいて価値提供を適応する、すなわち問題自体・その解決策を方向修正する。たとえ事前に完璧な予測ができなくても、すばやく適応し価値を高めていくことで段階的に良い価値提供が可能になる。これが適応型の価値提供である。 適応型の価値提供にとって、実際に価値を提供できる、すなわち動くソフトウェアは最も重要である [ 6 ] [ 7 ] 。価値提供の素早い適応には、ソフトウェアの高頻度リリースと利用が必要である [ 8 ] 。実際の価値提供に基づく学習では 価値 (例: 顧客満足 )に焦点を合わせる [ 9 ] [ 10 ] 。学習に基づく適応こそが本質であり、問題と解決策が変わることは狙い通りであり、むしろ価値向上の機会として歓迎されるべきである [ 11 ] [ 12 ] 。 適応型の価値提供こそがアジャイルの目的である。アジャイルとはこの適応に対する姿勢である [ 13 ] 。宣言における「変化への対応」、 スクラム における「適応」、 エクストリーム・プログラミング における “ Embrace change ” ( 変化ヲ抱擁セヨ )はこの精神に他ならない。 開発チーム [ 編集 ] アジャイルは価値提供に関して経験を通じた学び・適応を重視する。それは人間/開発チームにも同様のことが言える。もし開発チーム全体が問題仮説の実証に携わり続けていればチームには経験が蓄積し、適応時により良い問題仮説をチーム全体から提唱できる。逆に開発チームが指示された解決策の実装にのみ従事していると問題仮説に関する経験は蓄積しない。また他者への価値提供を担う権限と責任を持つチームは高い意欲を持つことができる。指示された解決策の実装のみを担っても意欲は高まらない。 提供する価値の最大化がアジャイルの目的である。その価値を提供するソフトウェアは人間の手によって開発される。ゆえにアジャイルソフトウェア開発は開発プロセスより開発する人間/チームを重視する [ 14 ] 。価値を最大化できるチームは 自己組織的なチーム である [ 15 ] 。すなわち価値提供を担うことで高い意欲を持ち [ 16 ] 、問題設定・解決策提案・実装・適応をチーム自ら繰り返し経験を積み能力があり、それらをチームの権限と責任でおこなえるチームである。アジャイルソフトウェア開発ではチームの能力を信頼しチームの自己組織化に必要な環境・権限・責任をチームに付与することで提供価値を最大化する [ 17 ] 。 チームの構成は自由であるが、典型的にはエンジニア・デザイナー・プロダクトマネージャー・マーケター、他にもテスト担当者・テクニカルライタ・管理職などが見られる。 典型例 [ 編集 ] アジャイルの価値観を共有している全ての ソフトウェア開発 はアジャイルソフトウェア開発である。特定の 開発工程 に縛られることはないが、実態として多くのアジャイルソフトウェア開発でみられる典型的な 開発工程 が存在する。以下はその例である。 イテレーション [ 編集 ] 開発を短期間に区切りこの区切りごとに計画・開発・デプロイ・適応をおこなうパターンがしばしばみられる。この1サイクルは イテレーション (例: エクストリームプログラミング)や スプリント (例: スクラム )と呼ばれる。イテレーションを導入する目的は、迅速にプロダクトをデプロイし適応するサイクルが着実に回るよう 動機づけ る・習慣づけることである。 他の開発手法との比較 [ 編集 ] 開発は計画と実行の観点から4つに分類できる [ 18 ] 。 計画のタイプは 予測型 ( 英 : predictive )と 適応型 ( 英 : adaptive )に分類される。予測型は「事前の充分な予測により完成形の計画が策定できる」という立場をとり、必要な計画を事前に確定させる。一方適応型は「初期の計画を実行し、実行結果に基づいて計画を適応させる」という立場をとり、小さい計画・仮説を立てて実行し判明した問題点から計画自体を改善する。 実行のタイプは 逐次型 ( 英 : sequential )と 反復型 ( 英 : iterative )に分類される。逐次型は「計画全体を多段プロセスに分け、プロセスを順次実行する」という立場である。例えばまず設計プロセスを、次に実装プロセスを、最後にテストプロセスを、とシーケンシャルに実行する。反復型は「計画を価値・機能に基づき分割した上で "1つの価値・機能に対する全プロセス実行" を反復する」という立場である。例えば動画アプリを再生機能とお気に入り機能に分け、まず再生機能の設計からテストまでを完成させ、次にお気に入り機能の設計からテストまでを完成させる。 アジャイルは価値の実証と適応を繰り返すため、適応型計画・反復型実行タイプの開発である [ 19 ] 。 反復型開発 も同じタイプに分類される。事前に完璧な計画をおこなって次に実装・テストと段階を進める、すなわち予測型計画・逐次型実行の開発スタイルの代表例は ウォーターフォール モデルである [ 20 ] 。アジャイルとウォーターフォールでは開発プロセスが全く異なる。 表. 開発パターンの分類 計画 予測型 適応型 実行 逐次型 ウォーターフォール - [ 21 ] 反復型 段階リリース アジャイル・ 反復型開発 開発タイプにより完成時期や抱えるリスクが異なる。アジャイルは他のタイプと比較し、完成時期の目処が初期に立たないというリスクがある。これは計画自体が徐々に改善されて初めて意味ある計画となる特性に由来するため、本質的に避けられないリスクである。 表. 開発タイプと特性 タイプ 完成時期 品質 リスク 予測型計画・逐次型実行 プロジェクト終了時 一定(計画の質次第) 不完全な計画による全体の手戻り・品質不足 予測型計画・反復型実行 機能別段階リリース 一定(計画の質次第) 不完全な計画による機能レベルの手戻り・品質不足 適応型計画・反復型実行 機能別段階リリース 低→中→高 初期段階では完成時期が不明 反復型開発 [ 編集 ] アジャイルソフトウェア開発は適応型計画・反復型実行の観点で 反復型開発 と共通している。違いとして反復型開発は厳密なプロセス・様々なベストプラクティスを強調するが、アジャイル開発では開発体制すなわち人/開発チームに大きな価値をおきチームの非定型なコミュニケーションを推奨する。すなわちアジャイルは反復型開発と比較して人材に対するリスクの取り方が異なる。 カウボーイコーディング [ 編集 ] カウボーイコーディングは、各々の開発者が「自分が良いと思うプログラミング」をバラバラに行うことである。好ましくない状態を指すのに使う言葉であり、特定の開発手法を指す言葉ではない。職人的な個人技に依存するカウボーイコーディングには、明確な手法が欠如している。 アジャイルソフトウェア開発は適応を軸にそれを支える明確な価値観がある。アジャイルソフトウェア開発でみられる計画の頻繁な再評価・直接顔を合わせた意思疎通の重視・比較的少ない文書化などは明確な価値観に基づいたプロセスと結果であり、無秩序ではない。すなわちカウボーイコーディングとは異なる。 適性 [ 編集 ] アジャイルソフトウェア開発は万能な ソフトウェア開発 ではない。アジャイルソフトウェア開発が適性を発揮すると広く考えられている環境は以下が挙げられる [ 22 ] [ 出典無効 ] 。 1か所で作業を行う小規模なチーム(10人以下) 複雑な問題・要件が頻繁に変更される環境 適用の是非が議論される環境には以下が挙げられる。 20人以上の大規模なチームでの開発 [ 23 ] [ 出典無効 ] 開発者が地理的に分散した状況での開発 ミッションクリティカル・人命に関わるシステム: (非)適応のための「失敗」が許されない。(是)失敗を必ずfallbackする設計による対応 次の環境ではアジャイルの価値観が機能せず適用が難しいと考えられている(アジャイルソフトウェア開発の欠点)。 人材不足: アジャイルソフトウェア開発は優れたチームを信頼して結果を出す思想であり、人材を前提とする 命令型組織文化: アジャイルソフトウェア開発は価値を生む自己組織的チームを用いる思想であり、権限委譲を前提としている アジャイルソフトウェア開発に対して「 設計 工程が不十分」との指摘があるが、アジャイルソフトウェア開発は ソフトウェア開発方法論 ではなくその前提となる価値観である。またアジャイルソフトウェア開発を可能にする ソフトウェア開発方法論 には様々な批評がある。これらは具体的方法論への批評であり、アジャイルの価値観に対する批評とは限らない。 エクストリーム・プログラミング (XP) の初期の風評、およびその ペアプログラミング や継続的設計 (進化的設計) のような賛否両論のある実践原則は、特に批判の対象となった [ 24 ] [ 22 ] 。 一方でこうした批判の多くは、アジャイルソフトウェア開発に対する理解不足に基づいていると、指摘されることがある ( The Threat of the New ) 。 Matt Stephens は、 エクストリーム・プログラミング を再検討し批評して、再構成した ( Extreme Programming Refactored ) 。アジャイル開発手法の一つ Agile Modeling は、不十分な設計や少ない文書という批判に対して、解決するべく取り組んでいる。 歴史 [ 編集 ] 近年のアジャイル ソフトウェア開発 の定義は、 1990年代 半ばに、「重量ソフトウェア開発手法」への反対運動の一部から発展して形成されてきた。 重量開発手法の特徴は、 ウォーターフォール 開発モデルを適用した場合に多くみられる、厳格な規律と統制、管理不足などである。 ウォーターフォールモデルのこのような適用に端を発する重量開発手法は、官僚的で、もたもたしていて (slow) 、衰退的 (demeaning) で、そのためソフトウェア技術者が効果的に作業を進めるという観点と矛盾していた。 アジャイルで反復的な開発手法の実践例は、ソフトウェア開発の歴史の初期に見出すことができる ( Iterative and Incremental Development: A Brief History (PDF) ) 。 今日で言うアジャイルソフトウェア開発手法は、以前は「軽量ソフトウェア開発手法」と呼ばれていた。 先述したとおり、2001年に軽量開発手法において名声のある人々がスノーバードに会し、「アジャイルソフトウェア開発手法」と呼称を変えた。 その後、スノーバードに会した人々の一部は、非営利組織 Agile Alliance を設立し、アジャイル開発を推進する活動を行っている。 2000年 以前に開発された比較的歴史の長いアジャイル開発手法には次のようなものがある。 スクラム (1986) Crystal Clear エクストリーム・プログラミング (XP) (1996) Adaptive Software Development ユーザ機能駆動開発 (FDD; Feature Driven Development) Dynamic Systems Development Method (DSDM) (1995) エクストリーム・プログラミング (XP) は、最初のアジャイル開発手法ではなかったようだが、数あるアジャイル開発手法の中で抜きん出た評判を確立した。 エクストリーム・プログラミングは、 ケント・ベック が1996年に開発し、米クライスラー社で苦境にあった Chrysler Comprehensive Compensation (C3) プロジェクトを立て直す際に、実践した。 そのプロジェクトは最終的には中止となったが、ケント・ベックの開発手法は、Ron Jeffries による長期の指導と、 ウォード・カニンガム の Portland Pattern Repository wiki での公開議論と、ケント・ベックのさらなる改訂を経て、1999年に書籍として出版された [ 25 ] 。 エクストリーム・プログラミングの構成要素は、別のアジャイル開発手法 Scrum と、ウォード・カニンガムの Episodes pattern language を、基にしているようである。 Dynamic Systems Development Method (DSDM) は ヨーロッパ で最初に確立されたアジャイル開発手法であると考えられている。 アジャイルソフトウェア開発手法の実例 [ 編集 ] アジャイル ソフトウェア開発 を可能にする ソフトウェア開発方法論 の一部を示す。 適応型ソフトウエア開発 (ASD) ( 英語版 ) [ ※ 1 ] アジャイル・モデリング ( 英語版 ) [ ※ 2 ] アジャイル統一プロセス (AUP) ( 英語版 ) [ ※ 3 ] ダイナミック・システム開発メソッド (DSDM) [ ※ 4 ] ディシプリンド・アジャイル・デリバリー ( 英語版 ) エクストリーム・プログラミング (XP) [ ※ 5 ] ユーザー機能駆動開発 (FDD; Feature Driven Development) [ ※ 6 ] リーンソフトウエア開発 ( 英語版 ) [ ※ 7 ] かんばん (ソフトウェア開発) RAD(Rapid Application Development) スクラム [ ※ 8 ] スクラムばん ( 英語版 ) Crystal Clear および他の Crystal 開発手法 [ ※ 9 ] アジャイル開発について アジャイル方法論の概要 その他 の手法 Agile Documentation [ ※ 10 ] Agile ICONIX Microsoft Solutions Framework (MSF) Agile Data Method [ ※ 11 ] Database refactoring [ ※ 12 ] ソフトウェア開発との直接な関係はないが、類似した手法 リーン生産方式 (Lean manufacturing) 注釈 [ 編集 ] ^ Cleverworks® | Digitize and automate Administrative- Sales and Marketing Processes ^ Agile Modeling (AM) Home Page: Effective Practices for Modeling and Documentation ^ The Agile Unified Process (AUP) Home Page ^ DSDM Consortium - Enabling Business Agility ^ - XP_jp_TOP ^ Feature Driven Development | The portal for all things FDD. ^ Poppendieck.LLC ^ Control Chaos - Message from Ken ^ Coming Soon – Alistair Cockburn ^ Agile/Lean Documentation: Strategies for Agile Software Development ^ Agile Data Home Page ^ The Process of Database Refactoring: Strategies for Improving Database Quality 脚注文献 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ "私たちは以下の価値に至った。... 個人と対話 ... 動くソフトウェア ... 顧客との協調 ... 変化への対応... により価値をおく" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ ケント・ベック 、 マイク・ビードル ( 英語版 ) 、Arie van Bennekum, アリスター・コーバーン ( 英語版 ) 、 ウォード・カニンガム 、 マーティン・ファウラー , James Grenning、 ジム・ハイスミス ( 英語版 ) 、 アンドリュー・ハント ( 英語版 ) )、 ロン・ジェフリーズ ( 英語版 ) , Jon Kern, Brian Marick, ロバート・C・マーティン ( 英語版 ) , スティーブ・メラー ( 英語版 ) 、 ケン・シュウェイバー ( 英語版 ) , ジェフ・サザーランド ( 英語版 ) , Dave Thomas ^ "プロダクトとは価値を提供する⼿段である。プロダクトは、明確な境界、既知のステークホルダー、明確に定義されたユーザーや顧客を持っている。プロダクトは、サービスや物理的な製品である場合もあれば、より抽象的なものの場合もある。" Ken Schwaber & Jeff Sutherland (2020). スクラムガイド . ^ "複雑な問題に対応する適応型のソリューションを通じて ... 価値を⽣み出す" Ken Schwaber & Jeff Sutherland (2020). スクラムガイド . ^ "経験主義では、知識は経験から⽣まれ、意思決定は観察に基づく。" Ken Schwaber & Jeff Sutherland (2020). スクラムガイド . ^ "包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ "動くソフトウェアこそが進捗の最も重要な尺度です。" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ "価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供します。... 動くソフトウェアを、2-3週間から2-3ヶ月というできるだけ短い時間間隔でリリースします。" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ "契約交渉よりも顧客との協調を" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ "顧客満足を最優先し" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ "計画に従うことよりも変化への対応を" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ "要求の変更はたとえ開発の後期であっても歓迎します。変化を味方につけることによって、お客様の競争力を引き上げます。" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ Don’t just Do Agile, Be Agile ^ "プロセスやツールよりも個人と対話を" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ "最良のアーキテクチャ・要求・設計は、自己組織的なチームから生み出されます。" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ "意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。" アジャイルソフトウェア開発宣言. ^ "環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。" アジャイル宣言の背後にある原則 ^ "アジャイルプロセスには反復型のアプローチが必要であり、ウォーターフォール方式で作業することなどできない。だが、反復型のアプローチ(非ウォーターフォール)に従っているが、アジャイルではないことも可能である" Martin Fowler. (2019). ウォーターフォールプロセス . Martin Fowler's Bliki (ja). ^ "アジャイルの考え方には、適応型の計画づくりが必要不可欠な要素である。フィーチャはイテレーション間で移動し、新しいフィーチャが登場することもあれば、価値がなくなったフィーチャが破棄されることもある。" Martin Fowler. (2019). ウォーターフォールプロセス . Martin Fowler's Bliki (ja). ^ "ウォーターフォール方式は、予測型の計画づくりを強制してくる。このことは、あるフェーズ(たとえば要求分析フェーズ)が終わると、その成果物は後続のフェーズが乗っかる安定したプラットフォームになることが前提となっている" Martin Fowler. (2019). ウォーターフォールプロセス . Martin Fowler's Bliki (ja). ^ 逐次型の実行では学習した内容を適応すべき "計画" がすでに使用済みのため、理論上は存在しない。実務上、適応型計画をしているのにイテレーション#1が無限に終了しない場合はここに分類されうる。 ^ a b Boehm, B. and Turner, R. (2004) ^ “ Dr. Dobb's | Good stuff for serious developers: Programming Tools, Code, C++, Java, HTML5, Cloud, Mobile, Testing ”. Dr. Dobb's . 20xx-xx-xx閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。 ^ McBreen, P. (2003) ^ Beck, Kent (1999) 参考文献 [ 編集 ] Boehm, B. and Turner, R., Balancing Agility and Discipline: A Guide for the Perplexed, Addison-Wesley, Boston. 2004. ISBN 0321186125 Beck, Kent . Extreme Programming Explained: Embrace Change (first edition) . Addison-Wesley, Boston. 1999. ISBN 0201616416 長瀬嘉秀(監訳)、永田渉(訳)、飯塚麻理香(訳) 『 XPエクストリーム・プログラミング 入門 : ソフトウェア開発 の究極の手法 (第1版)』 ピアソンエデュケーション、2000年、 ISBN 489471275X Beck, Kent. Extreme Programming Explained: Embrace Change Second Edition . Addison-Wesley, Boston. 2004. ISBN 0321278658 長瀬嘉秀(監訳)、テクノロジックアート(訳) 『XPエクストリーム・プログラミング入門 : 変化を受け入れる 第2版』 ピアソンエデュケーション、2005年、 ISBN 4894716852 Fowler, Martin . Is Design Dead? . 小野剛(訳) 設計の終焉? Extreme Programming Explained 所収, G. Succi and M. Marchesi, ed., Addison-Wesley, Boston. 2001, ISBN 0201710404 . 「第一部 第1章 設計の終焉?」『XPエクストリーム・プログラミング検証編 : XPの基礎・応用・発展を考察する33篇精選論文集』ジャンカルロ・ズッチ(編)、ミシェル マルケシ(編)、小野剛(訳)、細川馨(訳)、石川真之(訳)、ピアソンエデュケーション、2002年、 ISBN 4894715422 Riehle, Dirk. A Comparison of the Value Systems of Adaptive Software Development and Extreme Programming: How Methodologies May Learn From Each Other . Extreme Programming Explained 所収, G. Succi and M. Marchesi, ed., Addison-Wesley, Boston. 2001, ISBN 0201710404 . 「第二部 第3章 ASDとXPの価値体系を比較する : 方法論は、互いに何を学びうるか」『XPエクストリーム・プログラミング検証編 : XPの基礎・応用・発展を考察する33篇精選論文集』 他の書誌情報は [3] を参照 Tomek, Ivan. What I Learned Teaching XP . M. Stephens, D. Rosenberg. Extreme Programming Refactored: The Case Against XP . Apress L.P., Berkeley, California. 2003. ISBN 1590590961 D. Rosenberg, M. Stephens. Agile Development with ICONIX Process . Apress L.P., Berkeley, California. 2005. ISBN 1590594649 Beck, et. al., Manifesto for Agile Software Development . アジャイルソフトウェア開発宣言 土居俊彦(訳) アジャイルソフトウェアの原則 有限会社メタボリックス(訳) McBreen, P. Questioning Extreme Programming . Addison-Wesley, Boston. 2003. ISBN 0201844575 Larman, Craig and Basili, Victor R. Iterative and Incremental Development:A Brief History IEEE Computer, June 2003 (PDF) アート・オブ・アジャイル-デベロップメント-―組織を成功に導くエクストリームプログラミング James Shore (著), Shane Warden (著), 木下 史彦(監訳) (監修), 平鍋 健児(監訳) (監修), 笹井 崇司 (翻訳), オライリージャパン, 2009, ISBN 4873113954 関連項目 [ 編集 ] ソフトウェア工学 エクストリーム・プログラミング ソフトウェア開発工程 テスト駆動開発 ビヘイビア駆動開発 外部リンク [ 編集 ] Manifesto for Agile Software Development アジャイルソフトウェア開発宣言 - 土居俊彦 (訳) アジャイルソフトウェアの原則 - 有限会社 メタボリックス(訳) 設計の終焉? - マーティン・ファウラー (著)、 小野剛 (訳) Agile business Institute The Agile Alliance Agileskunk/work アジャイルプロセス協議会 Agile Planet weblog aggregator SoftwareReality.com - a critical eye on agile development - Matt Stephens の ウェブサイト www.testdriven.com - テスト駆動開発のコミュニティのサイト 東邦チタニウム - 国内事例 - CASE FILE - CIO Online 記事 "The Demise of the Waterfall Model Is Imminent" and Other Urban Myths 論文 Neill, C. J., and Laplante, P. A. Requirements engineering: the state of the practice. IEEE Software 20, 6 (Nov./Dec. 2003), 40-45; (PDF) 記事 Agile, Multidisciplinary Teamwork - 著者: Gautam Gosh 記事 Agile Requirements - 著者: Rachel Davies 記事 Worse is worse - 著者: Jim Waldo 記事 Agile Modeling: Effective Practices for XP and RUP - Ambler, S.W. の著書紹介 What is agile project management ? 「 日本大百科全書(ニッポニカ) 」『編集部』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%AB 。 コトバンク より2020年11月28日閲覧 。 典拠管理データベース 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 その他 IdRef
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%83%88%E6%8C%87%E5%90%91%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
アスペクト指向プログラミング
アスペクト指向プログラミング (Aspect Oriented Programming、 AOP )は、 横断的関心 ( 英語版 ) を実装する手法によって、プログラムの モジュール性 を高めることを目的にした プログラミングパラダイム である。横断的関心とは、 関心の分離 による モジュール の複数以上にまたがっている共通機能を意味している。AOPはこの横断的関心を、既存コードに設けた間接点(joint point)を通しての振る舞い助言(advice)の追加によって、コード変更を伴なわずに実装できるようにしている。任意の間接点および振る舞い助言の定義をまとめたモジュールが アスペクト ( 英語版 ) と呼ばれ、これが横断的関心の表現体になる。例としては、全ての関数呼出しにログ出力を伴わせたい時に、全関数冒頭にjoint pointを設けてログ出力コードをadviceにしたアスペクトをプログラム内に定義することで、自動的に各関数呼出しとログ出力が同時実行されるようになる。 アスペクト指向は本来、 命令型プログラミング の一角を占めるパラダイムであり、 オブジェクト指向 とは異なる視点で 命令型 を発展させた サブジェクト指向 ( 英語版 ) の一種でもある。状態の遷移がプロセスに影響を与える命令型の特性( プログラム副作用 )に加えて、サブジェクト指向はプロセスもsubjectに基づいた遷移対象にしている。 オブジェクト指向 は、状態とプロセスの 抽象化 を追求したパラダイムなので、プロセスの具象/抽象を問わずにaspectに基づいた遷移対象にできるアスペクト指向と直交している。 しかし現状のアスペクト指向は、 オブジェクト指向 のコードをサポートする役割に留まっていることが多く、独立した パラダイム として扱われることは稀である。OOP言語 Java にAOPを追加した「 AspectJ 」がその代表例である。純粋OOP言語 Ruby [ 1 ] もAOP由来の機能を補完的に取り入れている [ 2 ] 。 主なアスペクト指向言語 [ 編集 ] Aspect C++ Aspect J Aspect R Aspect L e (IEEE 1647) ( 英語版 ) 主なアスペクト指向フレームワーク [ 編集 ] JBoss AOP Aspect Cocoa Aspect Werkz Spring Framework Seasar 主なアスペクト指向準拠のプロダクト [ 編集 ] Bugdel - アスペクト指向を使用したデバッグコードの挿入 WhiteDog System [ リンク切れ ] - ネットワーク共有機能の挿入 Association Aspects - アスペクト指向言語の拡張 MergeDoc Project : Pleiades Eclipse - プラグイン日本語化プラグイン Active Template Library - ATLにおけるCOMのインスタンス生成方法・スレッド安全性・アパートメントの制御を特徴として分離、柔軟な組み合わせを実現させる 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ “ まつもと直伝 プログラミングのオキテ 第0回 あらためてRuby入門(基本と他言語との違い) ”. 日経クロステック. 2020年12月18日閲覧。 ^ Module#prepend によってCLOS(Common Lisp Object System)のaround hookと同じように,あるメソッドの前後をフックして処理を行えるようになりました。これは以前注目されていた「アスペクト指向プログラミング」に近い振る舞いになります。 https://gihyo.jp/news/report/01/rubykaigi2017/0002 関連項目 [ 編集 ] 関心の分離 横断的関心 ( 英語版 ) ジョインポイント ( 英語版 ) ポイントカット ( 英語版 ) アドバイス ( 英語版 ) アスペクト ( 英語版 ) アスペクトウィーバー ( 英語版 ) 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E8%A8%80%E8%AA%9E
アセンブラ
プログラミング言語 >> 他のプログラミング言語 ■ カテゴリ / ■ テンプレート モトローラ MC6800 のアセンブリ言語のソースコード アセンブリ言語 (アセンブリげんご、 英 : assembly language 、 アセンブリ )は ビット列命令 に対応した文字列命令を利用する 低水準 プログラミング言語 の総称である [ 1 ] 。 アセンブラ ( 英 : Assembler )または アセンブラ言語 ( 英 : Assembler Language )とも呼ばれる [ 注 1 ] [ 2 ] 。 概要 [ 編集 ] プロセッサ は 機械語 プログラムを直接読み取り実行する。しかし人間にとってビット列は直観的に理解しづらいため、機械語コーディングは容易でない。これを解決するために、ビット列に対応する文字列命令( ニーモニック )を利用するプログラミング言語の総称が アセンブリ言語 である [ 1 ] 。 アセンブリ言語を用いることで、機械語相当の 低水準 なコードをより直観的に記述できる。高度なアセンブリ言語ではアセンブラに対する命令(疑似命令)や マクロ を用いて、より抽象的な記述が可能である [ 注 2 ] 。 パイプライン処理 などを最適化するために命令順序を入れ替えたり、ラベルの位置関係によってアドレッシングモードを最適化するアセンブラもあり、必ずしもソーステキストの記述とアセンブルの結果が直接対応するとは限らない。 アセンブリ言語は機械語と強く結びついているため、各プロセッサ向けに仕様の異なる様々な(具体的な)アセンブリ言語が存在する(「アセンブリ言語」は総称である)。同じ 命令セット に対しても複数のアセンブリ言語が存在しうる(例: GNU アセンブラのgasの インテル プロセッサ用)。 アセンブリ言語の基本文法として、1つの命令は1つの ニーモニック と0個以上の オペランド からなる。プログラム全体はニーモニック/オペランド列、ディレクティブや擬似命令と呼ばれるメタな文、コメント、データで構成されている。通常の文はオペコードのニーモニックで始まり、パラメータ(データ、引数)のリストがそれに続く [ 3 ] 。多くのアセンブリ言語はオペランドのアドレスや定数をラベル・シンボルで記述でき ハードコーディング を避けられる。 基本文法 [ 編集 ] アセンブラの開発者によって用語の使い方に大きな差異があり、文の分類などが異なる。例えば、マシンのニーモニックや拡張ニーモニック以外は全て擬似命令と呼ぶ場合もある。典型的なアセンブリ言語は、プログラムの操作の定義に使われる命令文をニーモニック、データセクション、アセンブリディレクティブの3種類に分類する。 ニーモニック [ 編集 ] ニーモニック ( 英 : mnemonic )は処理内容に応じて各機械語命令に与えられた文字列・命令語である [ 4 ] 。機械語の オペコード に相当する。 ビット列である機械語はその処理が直観的にわからないため、機械語コーディングは容易でない。人間がより容易に機械語と同等なコードを書くため、ビット列を意味ある文字列で表現するニーモニックが発明された [ 4 ] 。例えば X64 機械語 0x05 は「整数の加算」を意味するのでニーモニック ADD を対応させる。個々の機械語命令には少なくとも1つのニーモニックが対応する。 拡張ニーモニック は命令の特殊な用途をサポートするのに使われることが多く、本来の命令の名称からはその用途が連想できないときに使うことが多い。例えば、多くのCPUは明示的に NOP 命令を用意していないが、その用途に使える命令は存在する。8086では xchg ax,ax という命令が nop として使えるので、アセンブリ言語で nop を記述すると xchg ax,ax という命令に変換される。逆アセンブラにもこのあたりを認識し、 xchg ax,ax を nop に変換するものがある。同様にIBMの System/360 と System/370 のアセンブラでは、拡張ニーモニック NOP と NOPR を使用し、それぞれ BC と BCR のマスク0の命令に変換する。 SPARC アーキテクチャでは、拡張ニーモニックを synthetic instructions と呼んでいる [ 5 ] 。 命令は一般に「オペコード」と0以上の「オペランド」で構成される。多くの命令は1つまたは2つの値を参照する。オペランドには即値(命令内に置かれる値)、レジスタ(暗黙のうちに使用される場合もある)、記憶装置内のデータの位置を示すアドレスなどがある。「拡張ニーモニック」はオペコードと特定オペランドの組合せを表すのに使われることが多い。例えば、System/360では、BC命令にマスク15を組み合わせたものが B 、BC命令にマスク0を組み合わせたものが NOP という拡張ニーモニックで表される。オペランドの順序(例: ソースとディスティネーションの前後)は言語に依る。 オペランド [ 編集 ] オペランド ( 英 : operand 、 被演算子 )は命令の対象・引数である。1つの命令では、ニーモニックに続き0個以上のオペランドが記述される。オペランドにはソースとデスティネーションの二種類があり、データとして読み取られるのがソースで、オペコードで示された命令の実行結果が格納されるのがデスティネーションである。ソースには定数・レジスタ・メモリのいずれか、デスティネーションにはレジスタ・メモリのいずれかを指定する。 データセクション [ 編集 ] データと変数を保持するデータ要素を定義するのに使われる命令文がある。データの型、長さ、境界(アライメント)を定義する。また、そのデータがプログラム外部(別ファイルでアセンブルされたプログラム)からも利用可能なのか、それともデータセクションを定義したプログラム内でのみ使用可能なのかも定義できる。一部のアセンブラはこれを擬似命令に分類している。 アセンブリディレクティブ [ 編集 ] →「 ディレクティブ 」も参照 アセンブリディレクティブは、擬似命令とも呼ばれ、アセンブラがアセンブリ実施中に実行すべき命令となっている [ 6 ] 。プログラマが入力するパラメータによって、異なった形でアセンブルが行われるよう指示することができる。また、プログラムの見た目を操作して、 可読性 と保守性を向上させるのにも使われる。例えば、記憶装置の領域を予約し、その初期内容を指定するディレクティブなどがある。ディレクティブの名称はドットで始まることが多く、それによって通常のニーモニックと区別している。 擬似オペコード(pseudo-opcode)と言った場合、オブジェクトコードを実際に生成するディレクティブのみを指すこともある [ 7 ] 。 ラベル/シンボル [ 編集 ] シンボリックアセンブラでは、任意の名前( ラベル またはシンボル)とメモリ位置を対応付けることができる。通常、定数や変数に名前をつけることができ、命令文ではそれらの位置を名前で参照できる。実行コードではサブルーチンのエントリポイントと名前を関連付け、サブルーチンを名前で呼び出すことができる。サブルーチン内では、分岐命令の分岐先をラベルで示すことができる。一部のアセンブラは「ローカルシンボル」をサポートしており、通常のシンボルとは語彙的に区別する(例えば、"10$"を分岐先に使用する、など)。 一部のアセンブラは柔軟なシンボル管理を提供しており、複数の 名前空間 を管理したり、 データ構造 内のオフセットを自動的に計算したり、リテラル値やアセンブラが実施した単純な計算結果を参照するラベルを割り当てたりすることができる。ラベルは定数や変数を リロケータブル なアドレスで初期化するのにも使える。 例 [ 編集 ] x86 / IA-32 プロセッサにおいて 8ビット即値 を レジスタ に入れる命令を例にとる。 この命令のバイナリコードは 10110 で、その後に3ビットのレジスタを指定する識別子が続く。 AL レジスタの識別子は 000 なので、次に示す 機械語 は AL レジスタに 01100001 というデータをロードする [ 8 ] 。 10110000 01100001 このバイナリコードを人間が読みやすいように 十六進法 で表現すると次のようになる。 B0 61 ここで、 B0 は「 AL に後続の値をコピーする」ことを意味し、 61 は01100001を十六進法で表したもの( 十進法 では97)である。インテルのアセンブリ言語では、この種の命令に MOV というニーモニックを割り当てており、セミコロン以下に説明的コメントを添えたアセンブリ言語での表現は次のようになる。 MOV AL , 61 h ; Load AL with 97 decimal (61 hex) この場合、定数61Hがソース、レジスタALがデスティネーションに該当し、命令が実行されると、定数61Hが、レジスタALに単純に格納される。これが人間にとってはさらに読みやすく覚えやすい。 前述のインテルの MOV のようにデータの転送の多くを同一の命令あるいはニーモニックとする場合もあれば、データのコピー/移動の方向などによって別々の命令あるいはニーモニックとする場合もある(「メモリからレジスタへの移動」を L、「レジスタからメモリへの移動」を ST、「レジスタからレジスタへの移動」を LR、「即値をメモリへ移動」を MVI など)。(この段落では命令セットの設計の話とアセンブリ言語の話を一緒にしている) インテルのオペコード 10110000( B0 )は8ビットの値を AL レジスタにコピーするが、10110001( B1 )は CL レジスタにコピーし、10110010( B2 )は DL レジスタにコピーする。これらをアセンブリ言語で表現すると次のようになる [ 8 ] 。 MOV AL , 1 h ; Load AL with immediate value 1 MOV CL , 2 h ; Load CL with immediate value 2 MOV DL , 3 h ; Load DL with immediate value 3 MOVの構文には次の例のようにさらに複雑なものもある [ 9 ] 。 MOV EAX , [ EBX ] ; Move the 4 bytes in memory at the address contained in EBX into EAX MOV [ ESI + EAX ], CL ; Move the contents of CL into the byte at address ESI+EAX MOVというニーモニックを使った文は、その内容によってアセンブラが88-8E、A0-A3、B0-B8、C6、C7のいずれかのオペコードに変換するので、プログラマはオペコードを知る必要がないし、オペコードを覚える必要もない [ 8 ] 。 高級言語との違い [ 編集 ] アセンブリ言語は 低水準 プログラミング言語 であり、 C言語 などの 高級言語 より抽象度が低い。すなわち言語機能(構文や型)が少ない。次の表は「基本的なアセンブリ言語」と高級言語の間にある言語機能差である。 表. アセンブリ言語と高級言語 アセンブラ 高級言語 レジスタ ✔ - ジャンプ命令 ✔ △ [ 10 ] 制御構造 - ✔ 構造体 - ✔ 関数 - ✔ コメント ✔ ✔ この差はあくまで言語機能の差である。「高級言語でのみ可能、アセンブリ言語では不可」という意味ではない。例えばアセンブリ言語に関数構文は存在しないが関数に相当するパターンが存在する( 関数プロローグ・エピローグ ( 英語版 ) )。より正確な言い方をすれば、アセンブラで頻出するパターンを1つの機能として言語仕様に組み込んで抽象度を上げていった言語が高級言語である。 高水準文法 [ 編集 ] より抽象化され少ないコード量でアセンブラを書くために様々な高水準文法がアセンブリ言語に導入されてきた。現在では高水準化のメインストリームは 高級言語 に移った一方 [ 11 ] 、目的に応じてアセンブリ言語を選択するユーザー向けに高機能なアセンブリ言語の開発も続いている [ 12 ] 。 マクロ [ 編集 ] →「 マクロ (コンピュータ用語) 」も参照 アセンブリ言語においても マクロ が利用される。一般的なマクロと同様、高度なアセンブラマクロでは制御構文導入・引数展開・ユーザー定義マクロ適用などが可能である。文字列であるオペコード・ニーモニックはマクロの対象となるため、これを利用して疑似ニーモニックによる記述も可能になる。 例えば、一部の Z80 用アセンブラでは、 ld hl,bc というマクロ命令を ld l,c と ld h,b という2命令に展開する [ 13 ] 。メインフレームの時代には、マクロは特定顧客の大規模ソフトウェアシステムのカスタマイズや、メーカーのオペレーティングシステムを顧客の要望に合わせた特注版にするのに使われていた。 IBM の VM/CMS 、リアルタイムトランザクション処理用アドオン、 CICS 、 ACP ( 英語版 ) / TPF [ 14 ] などで使われてきた。 制御構造 [ 編集 ] 構造化プログラミング の要素を取り入れたアセンブラもある。最初期には "Concept-14 macro set" がSystem/360のマクロアセンブラにIF/ELSE/ENDIFなどの制御構造を導入した [ 15 ] [ 16 ] 。また8080/ Z80 プロセッサ向けの A-natural ではブロック構造や命令実行順序の制御が採用された。 また構造化プログラミングとは若干異なるが、 キャリーラボ は BASIC 風の文法のアセンブリ言語 BASE を開発した。 Z80 用のBASE-80と MC6809 用のBASE-09がある。BASEの表記例は下記の通り(BASE-09)。 S [ A , B , X , U A = $ 80 A = A + $ C0 S ] A , B , X , U , PC 上記の記述は下記のアセンブラ表記に対応する。 PSHS A , B , X , U LDA #$80 ADDA #$C0 PULS A , B , X , U , PC アセンブラ [ 編集 ] アセンブル ( 英 : assemble )はアセンブリ言語で書かれたプログラムから機械語で書かれた オブジェクトコード への変換である。具体的には、ニーモニックを オペコード に変換し シンボル名 をメモリ位置や他の実体に変換する [ 6 ] 。 アセンブルは比較的単純な規則からなるため、人の手でも実行できる( ハンドアセンブル )。単純な作業を効率良くミス無く行うのはプログラムの得意分野であり、そのようなソフトウェアが開発された。このアセンブリをおこなうプログラムを アセンブラ ( 英 : assembler )という。初期にはアセンブリプログラムとも呼ばれた [ 17 ] 。 シンボル名による参照の利用はアセンブラの重要な機能であり、面倒な計算やプログラム修正に伴うアドレスの更新の手間を省くことができる。また、オブジェクトコードを生成する際、ローダ用情報も併せて生成するアセンブラもある [ 18 ] 。マクロを含むアセンブリ言語に対応している場合、処理系には m4 のような汎用プロセッサあるいはプロセッサ内蔵アセンブラ( マクロアセンブラ )が利用される [ 19 ] 。 ポリモーフィズム 、 継承 [ 8 ] などをもつ高水準アセンブリ言語に対応したアセンブラは 高水準アセンブラ ( 英語版 ) と呼ばれる [ 20 ] 。 動作プラットフォーム以外のターゲットプラットフォームを選択できるアセンブラは クロスアセンブラ とも呼ばれる(参考: クロスコンパイラ )。 メタアセンブラ は、アセンブリ言語の文法や意味論を記述したものを入力とし、その言語のためのアセンブラを出力するプログラムである [ 21 ] 。 逆方向の変換、すなわちオブジェクトコードのアセンブリ言語化をおこなうプログラムを 逆アセンブラ という。 分類 [ 編集 ] アセンブラは様々な観点から分類できる。パス回数(アセンブル時のソースファイル走査回数)の観点では ワンパスアセンブラ と マルチパスアセンブラ に分類できる。 ワンパスアセンブラ ソースコードを1回だけパスするアセンブラ。定義される前にシンボルが使われているとオブジェクトコードの最後に "errata" を置く必要があり、 リンカ または ローダ が未定義シンボルが使われていた位置にあるプレースホルダーを書き換える。あるいは、未定義なシンボルを使用するとエラーになる。 マルチパスアセンブラ 最初のパスで全シンボルとその値の表を作成し、その表を使ってその後のパスでコードを生成する。 どちらの場合も、アセンブラは最初のパスで各命令のサイズを確定させる必要があり、それによって後に出現するシンボルのアドレスを計算する。命令のサイズは後から定義されるオペランドの型や距離に依存することがあるため、アセンブラは最初のパスでは悲観的な見積もりをし、必要に応じてその後のパスまたは errata にて1つ以上の NOP 命令(何もしない命令)を挿入してすき間を埋める必要がある。最適化を行うアセンブラでは、最初の悲観的コードをその後のパスで稠密なコードに書き換えてアドレスの再計算を行うことがある。 もともとワンパスアセンブラは高速であるためよく使われていた。マルチパス動作をするには、 磁気テープ を巻き戻したり パンチカード のデッキをセットし直して読み込む必要があったためである。現代のコンピュータではマルチパスであってもそのような遅延は生じない。マルチパスアセンブラは errata がないため、 リンク処理 (アセンブラが直接実行コードを生成する場合は ローダ の処理)が高速化される [ 22 ] 。 主なアセンブラ [ 編集 ] IBM High Level Assembler (HLASM) - IBM 系 メインフレーム 用のアセンブラ。 PDP-8のアセンブリ言語 - PAL-III (Program Assembly Language III) CAP-X - CASL 以前に情報処理技術者試験で使われていたアセンブリ言語 CASL - 情報処理技術者試験 ( 基本情報技術者試験 )用に作られたアセンブリ言語。同時に定義されているペーパーマシンCOMET用 as - UNIX 用のアセンブラ GNUアセンブラ (gas) - GNUプロジェクト が開発する、 x86 、 680x0 、 SPARC 、 VAX などの各種CPU用のアセンブラ Microsoft Macro Assembler (MASM) - インテル のx86 CPU用に マイクロソフト が開発したアセンブラ Netwide Assembler (nasm) - MASMと互換性の高いx86 CPU用アセンブラ Turbo Assembler (TASM) - ボーランド が開発していた、MASMと互換性の高いx86 CPU用アセンブラ MIXAL - ドナルド・クヌース が考案したペーパーマシンMIX用。また後継ペーパーマシンMMIX用の MMIXAL も存在する A-natural - Whitesmiths Ltd. が開発、8080/ Z80 プロセッサ向け。ストリーム指向。Cコンパイラが中間コードとしており人間が直接使うものではなかったが、その構文にはファンも存在した Unix系 システムでは、アセンブラを as と呼ぶのが一般的だが、実体はそれぞれのOSで異なる。 GNUアセンブラ を使っているものが多い。 同じ系統のプロセッサであっても、複数のアセンブリ言語の方言が存在する。アセンブラによっては他の方言のアセンブリ言語も使用可能な場合がある。例えば、 TASM は MASM 用コードを入力として受け付け可能だが、逆は不可能である。 FASM ( 英語版 ) と NASM は文法がほぼ同じだが、サポートしているマクロが異なるため、相互の翻訳は困難である。いずれも基本機能は同じだが、追加機能に差異がある [ 23 ] 。 歴史 [ 編集 ] アセンブリ言語は、ごく単純なものまで含めれば、 プログラム内蔵方式 のコンピュータの最初期の1940年代から存在している。世界で最初に実用的に稼働した ノイマン型 電子計算機とされる EDSAC (1949) の initial orders (現代の用語では ブート ローダーに相当するもの)は、テープにパンチされた十進によるアドレスを、内部表現の二進に変換するなどの機能を持っていた(命令については、「1文字のニーモニック」に見えるかもしれないが、それは実際には同機の機械語そのものである) [ 24 ] 。 ナサニエル・ロチェスター は1954年に IBM 701 用アセンブラを書いている。1955年、Stan Poley が IBM 650 用言語アセンブリSOAP (Symbolic Optimal Assembly Program) を開発した [ 25 ] 。 コンピュータの歴史の初期には、このような、プログラムによって機械語プログラムを生成することを 自動プログラミング と呼んだ。 ドナルド・ギリース は、まだ発明されていなかったアセンブラを開発中に、 フォン・ノイマン から開発を即座に止めるように言われた、という1950年代初期ならではの逸話がある。当時は、人間が手作業でもできるような瑣末な仕事をコンピュータにさせるような時代が来るとは考えられておらず、単に時間の無駄だとノイマンは考えたのである。 歴史的には多数のプログラム(OSやアプリケーション)がアセンブリ言語だけで書かれてきた。 ALGOL の方言である ESPOL で書かれた Burroughs MCP (1961) が登場するまで、オペレーティングシステムはアセンブリ言語で書くのが普通だった。 IBM の メインフレーム 用ソフトウェアの多くはアセンブリ言語で書かれていた。 COBOL 、 FORTRAN 、 PL/I などが取って代わっていったが、1990年代になってもアセンブリ言語のコードベースを保守し続けていた大企業も少なくない。 初期の マイクロコンピュータ でも同様に広く用いられた。これは、リソースの制約が厳しく、メモリやディスプレイのアーキテクチャが特殊だったからである。また、マイクロコンピュータ向けの高水準言語のコンパイラがなかったという面も重要である。また、初期のマイクロコンピュータのユーザは趣味としての使用が主であり、何でも自前で作るという精神もそれに影響していたと見られる。 1980年代から1990年代にかけて、 ホームコンピュータ ( ZX Spectrum 、 コモドール64 、 Amiga 、 Atari ST など)でもアセンブリ言語がよく使われていた。というのもそれらのBASICは性能が低く、ハードウェアの全機能を利用できないことが多かったためである。例えば、Amigaには フリーウェア のアセンブリ言語 統合開発環境 ASM-One assembler があり、 Microsoft Visual Studio に匹敵する機能を備えていた。 Don French が開発した VIC-20 用アセンブラは 1,639 バイトという小ささで、世界一小さいアセンブラと言われている。アドレスをシンボルで表現でき、各種アドレス計算(四則演算、AND、OR、冪乗など)が可能だった [ 26 ] 。 1980年代のビジネスソフトでは、例えば 表計算ソフト Lotus 1-2-3 などはアセンブリ言語で書かれていた。日本では 松 などが該当 [ 27 ] する。 1990年代に入っても、 コンシューマーゲーム の多くはアセンブリ言語でプログラムが書かれていた。しかしゲーム内容が複雑化し、プログラムの規模が増大するにつれて、アセンブラでは開発が困難となり、高水準言語による開発が主流となっていった。例えば プレイステーション では GCC が公式のSDKに含まれていて、標準の開発言語は C言語 であった [ 28 ] [ 29 ] 。この時代のゲーム機は 3次元コンピュータグラフィックス の積極的な導入が始まっており、ハードウェア性能も向上したことから、C言語による開発も十分可能となったが、コンパイラの最適化能力が未成熟だったこともあいまって、ハードウェア性能を最大限引き出すにはアセンブリ言語を駆使した手動最適化や細かなチューニングが必要となることも多かった。 セガサターン の最高性能を引き出して プレイステーション に対抗するには、アセンブリ言語を使うしかなかったと述べていた業界関係者もいた [ 30 ] 。ただし一方で、 ファミコン 時代すでに メタルスレイダーグローリー や スーパーファミコン の MOTHER 2 ・ シムシティ [ 31 ] 、プレイステーションの クラッシュ・バンディクー で [ 32 ] 、開発の一部に LISP が使われていたという話もあり、当時のコンシューマーゲームの分野ではアセンブリ言語やC言語が全てだったというわけではない。 2000年代初頭、 マイクロソフト は原始的な プログラマブルシェーダー に対応した DirectX ( Direct3D ) 8.0をリリースした。このDirect3D 8.0におけるシェーダープログラムは、グラフィックスハードウェアに依存しない中間言語(バイトコード)を出力することのできるアセンブリ言語(シェーダーアセンブラ)を使用して記述するものだった。2001年には世界で初めてプログラマブルシェーダーに対応したコンシューマーゲーム機として 初代Xbox が登場したが、このXboxに搭載されていたグラフィックスAPIもDirect3D 8.x相当のカスタマイズ版 [ 33 ] であり、CPU上で実行するホストプログラム(ゲームアプリケーション本体のコード)は C++ を使って記述する一方、 GPU 上で実行するシェーダープログラムの記述にはアセンブラを使用していた。のちに HLSL や Cg (C for Graphics) といった高水準シェーディング言語が開発され、HLSLに対応したDirect3D 9.0以降はシェーダープログラムも高水準言語を利用して記述するようになった。Direct3D 10のシェーダーモデル4.0以降は、シェーダーアセンブラではなくHLSLの使用が必須となっている [ 34 ] 。 現在の 最適化コンパイラ は人手で書かれたアセンブリ言語のコードと同等の性能を発揮すると言われている [ 35 ] (例外もある [ 36 ] [ 37 ] [ 38 ] )。 最近 [ いつ? ] のプロセッサやメモリサブシステムは複雑化してきたため、コンパイラでもアセンブリ言語でも効果的な最適化がますます困難になってきている [ 39 ] [ 40 ] 。さらにプロセッサが高性能化し律速が 入出力 や ページング へ移ることで、コーディングが性能向上に貢献するケースは以前より少なくなっている。 一方 C++ や C# のような、Cよりもさらに高水準の言語が主流になってからも、コンパイラが出力したアセンブリコードを解析して最適化やチューニングの余地を探るといった手法は一般的に行なわれている [ 41 ] 。 利用 [ 編集 ] 低水準 言語 であるアセンブラは C言語 などの 高級言語 と異なる領域で利用される。 目的 [ 編集 ] アセンブラを用いる目的として以下が挙げられる。 高速: レジスタ利用やループ展開の最適化 省フットプリント: ランタイムや標準ライブラリの排除 リアルタイム(時間的正確性): GC スパイク、 ページフォルト 、 プリエンプション の排除 ハードウェア操作 高級言語非対応命令の利用 挙動理解 事例 [ 編集 ] アセンブリ言語が用いられる事例として以下が挙げられる。 組み込みシステム : 省フットプリントでのハードウェア操作が目的 電話機のファームウェア 自動車の燃料・点火システム センサー デバイスドライバ や 割り込みハンドラ 、 ブートコード 、 BIOS 、 POST ハードウェアないしはファームウェアの呼び出し規約をアセンブリ言語によりカーネルやドライバにて使用している高級言語の規約へ変換することにより、主要な機能を高級言語で実装することができる。 暗号 化: 高級言語非対応命令の使用が目的 ビット単位ローテート 命令 数値計算: 高速化が目的 コンピュータゲーム ライブラリ: 例 - BLAS , 離散コサイン変換 ( x264 のSIMDアセンブリ版 [ 42 ] ) リアルタイムシステム : リアルタイム性が目的 フライ・バイ・ワイヤ システム: 航空航法システムの一種。 テレメトリ を厳密な制限時間内に解釈して対応する必要 医療装置 暗号アルゴリズムは常に厳密に同じ時間で実行することで、 タイミング攻撃 を防ぐ。 高度なセキュリティが要求され、環境を完全に制御する必要がある場合。 監視・トレース・ デバッグ のための 命令セットシミュレータ で、追加のオーバーヘッドを最小に保ちたい場合。 リバースエンジニアリング : 挙動理解が目的 デバッグ: 例 - コンパイラ最適化の確認 ソフトウェア改造: 例 - 商用 コンピュータゲーム の改造 ハッキング: 例 - コピープロテクト 解除 学習: コンピュータの理解 自己書き換えコード コードサイズの上限に制限がある環境 ブートセクタ に格納する ブートローダ 。例として、 MBR では最大446バイト。 トラップ処理や シグナル ハンドラ起動などのために、カーネルがプロセスのアドレス空間へ見せるコード。 vDSO を用い、プロセスからはシェアードオブジェクトを読み込んだように見せる実装が多い。 見せるコードの範囲を正確に把握する必要があるため、コードのエントリだけでなく終了部にもラベルを与える。アセンブリ言語では容易だが、高級言語では一般に不要な機能なのでサポートされていない。 元来はユーザモード用のスタック上にカーネルからコードをコピーして実行していた。欠点として、スタックはユーザモードでの書き込みが禁止できず、スタック上でのコード実行がセキュリティホールとしてしばしば利用されたことから、実装方法の変更が進められている。 オブジェクトファイル に依存した機能 コンパイラが通常は使用しないセクション等にシンボルを定義することができる。例として、 Linuxカーネル では モジュール へ公開するシンボルをマクロ EXPORT_SYMBOL (ないしはその派生) [ 43 ] へ与える。このマクロは、インラインアセンブリを用いてオブジェクトファイルのセクション .export_symbol へシンボルの情報を追加し、モジュールローダがシンボル解決にて使用できるようにする。マクロの内容はCPUアーキテクチャには依存せず、その定義もCPUアーキテクチャに依存しないヘッダファイル( include/linux/export.h ) [ 注 3 ] にあるが、C言語を含め高級言語のみでの実装が難しく、アセンブリが適している。 [ 注 4 ] なお一方で、 最近 [ いつ? ] のコンピュータの命令セットはその多くはどれも似ている。したがって、どれか1つのアセンブリ言語を学ぶだけで、基本概念、どんなときにアセンブリ言語を使用するのが適しているか、高水準言語から効率的な実行コードを生成する方法をある程度は学習できる [ 44 ] 。 高水準言語との連携 [ 編集 ] 高水準言語の処理系の 呼出規約 (言語処理系ではなくOSやハードウェアベンダ側で共通化している場合もある)に従うことで、高水準言語と相互にコードを呼び出すことができる。後述の インラインアセンブラ などにより同一のモジュールに埋め込むこともできれば、別モジュールとして リンケージエディタ でリンクすることもある。 多くのコンパイラは、機械語を直接生成するのではなく、アセンブリ言語のコードを生成し、それをアセンブラに通している。人間による デバッグ や最適化などに便利である(機械による最適化には、内部表現を使ったほうが便利なので、あまり意味がない)。その意味ではアセンブリ言語は、目に見えない形ではあるが最も利用頻度の高いプログラミング言語といえるという主張もあるが、その意味では機械語が絶対的に最も利用頻度の高いプログラミング言語である。 インラインアセンブラ のある言語ないし処理系では、ソース中にアセンブリ言語による記述を含めることができる。例えば Linuxカーネル ではその利用が多い。アセンブリ言語と同様の利点が得られるかわりに、やはりアセンブリ言語と同様にプログラミング言語を使う利点(移植性など)が失われる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ IBMは System/360 から2011年現在まで一貫してアセンブラ言語 (Assembler Language)と 呼んでいる。例: IBM High Level Assembler ^ MIPSのアセンブラの一部など、(分岐命令のターゲットアドレスの先頭にある機械語命令を対象として)その分岐命令の遅延スロットへの移動を(副作用がない場合に)アセンブラ疑似命令 (.set bopt) の指示に応じて行うものもある。OPTASM(SLR社)という最適化アセンブラもあった。 ^ 厳密にはCPUのビット幅に依存するが、マクロ定義はこれを条件付きコンパイルによりカバーしている。 ^ GCC等、C言語への拡張によりシンボルへのセクション指定が可能なコンパイラはあるが、コンパイラへの強い依存性が生じる。アセンブリ言語であれば、およそセクションをサポートしたオブジェクトファイルが出力できるならばセクションの指定は何らかの手段で実装可能となる。 出典 [ 編集 ] ^ a b "ニモニックによって表したプログラムをアセンブリ言語(assembly language)プログラムと呼ぶ。" 伊藤. 機械語とアセンブリ言語 . 埼玉大学, 電気電子物理工学実験III. 2022-12-25閲覧. ^ Stroustrup, Bjarne, The C++ Programming Language , Addison-Wesley, 1986, ISBN 0-201-12078-X : "C++ was primarily designed so that the author and his friends would not have to program in assembler, C, or various modern high-level languages." - assembler を assembly language の意味で使っている例 ^ Intel Architecture Software Developer’s Manual, Volume 2: Instruction Set Reference . 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ISBN 0-201-39828-1 関連項目 [ 編集 ] 逆アセンブラ コンパイル マクロ (コンピュータ用語) 命令セット 外部リンク [ 編集 ] Machine language for beginners Unix Assembly Language Programming IBM High Level Assembler IBMのメインフレーム用アセンブリ言語のマニュアル PPR: Learning Assembly Language Assembly Language Programming Examples Authoring Windows Applications In Assembly Language Assembly Optimization Tips by Mark Larson NASM Manual Z80/Z180/8085 Assembler 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 1950年代 FORTRAN ALGOL RPG COBOL 1960年代 LISP CPL BASIC PL/I APL BCPL Simula LOGO B 1970年代 Forth Pascal C Prolog Smalltalk Scheme ML AWK Ada Modula-2 1980年代 C++ Objective-C Common Lisp Eiffel Erlang Esterel Lustre Perl Mathematica J 1990年代 Python Tcl Haskell Visual Basic Ruby Lua Delphi Java ECMAScript ( JavaScript ) PHP OCaml SuperCollider R 2000年代 C# VB.NET Scala Clojure D F# Go Nim 2010年代 Dart Ceylon Elixir Crystal Hack Swift Rust Raku Elm Julia Kotlin Zig 架空の言語 擬似言語 CASL CAP-X 年表 パラダイム 一覧 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E8%A8%80%E8%AA%9E
アセンブリ言語
プログラミング言語 >> 他のプログラミング言語 ■ カテゴリ / ■ テンプレート モトローラ MC6800 のアセンブリ言語のソースコード アセンブリ言語 (アセンブリげんご、 英 : assembly language 、 アセンブリ )は ビット列命令 に対応した文字列命令を利用する 低水準 プログラミング言語 の総称である [ 1 ] 。 アセンブラ ( 英 : Assembler )または アセンブラ言語 ( 英 : Assembler Language )とも呼ばれる [ 注 1 ] [ 2 ] 。 概要 [ 編集 ] プロセッサ は 機械語 プログラムを直接読み取り実行する。しかし人間にとってビット列は直観的に理解しづらいため、機械語コーディングは容易でない。これを解決するために、ビット列に対応する文字列命令( ニーモニック )を利用するプログラミング言語の総称が アセンブリ言語 である [ 1 ] 。 アセンブリ言語を用いることで、機械語相当の 低水準 なコードをより直観的に記述できる。高度なアセンブリ言語ではアセンブラに対する命令(疑似命令)や マクロ を用いて、より抽象的な記述が可能である [ 注 2 ] 。 パイプライン処理 などを最適化するために命令順序を入れ替えたり、ラベルの位置関係によってアドレッシングモードを最適化するアセンブラもあり、必ずしもソーステキストの記述とアセンブルの結果が直接対応するとは限らない。 アセンブリ言語は機械語と強く結びついているため、各プロセッサ向けに仕様の異なる様々な(具体的な)アセンブリ言語が存在する(「アセンブリ言語」は総称である)。同じ 命令セット に対しても複数のアセンブリ言語が存在しうる(例: GNU アセンブラのgasの インテル プロセッサ用)。 アセンブリ言語の基本文法として、1つの命令は1つの ニーモニック と0個以上の オペランド からなる。プログラム全体はニーモニック/オペランド列、ディレクティブや擬似命令と呼ばれるメタな文、コメント、データで構成されている。通常の文はオペコードのニーモニックで始まり、パラメータ(データ、引数)のリストがそれに続く [ 3 ] 。多くのアセンブリ言語はオペランドのアドレスや定数をラベル・シンボルで記述でき ハードコーディング を避けられる。 基本文法 [ 編集 ] アセンブラの開発者によって用語の使い方に大きな差異があり、文の分類などが異なる。例えば、マシンのニーモニックや拡張ニーモニック以外は全て擬似命令と呼ぶ場合もある。典型的なアセンブリ言語は、プログラムの操作の定義に使われる命令文をニーモニック、データセクション、アセンブリディレクティブの3種類に分類する。 ニーモニック [ 編集 ] ニーモニック ( 英 : mnemonic )は処理内容に応じて各機械語命令に与えられた文字列・命令語である [ 4 ] 。機械語の オペコード に相当する。 ビット列である機械語はその処理が直観的にわからないため、機械語コーディングは容易でない。人間がより容易に機械語と同等なコードを書くため、ビット列を意味ある文字列で表現するニーモニックが発明された [ 4 ] 。例えば X64 機械語 0x05 は「整数の加算」を意味するのでニーモニック ADD を対応させる。個々の機械語命令には少なくとも1つのニーモニックが対応する。 拡張ニーモニック は命令の特殊な用途をサポートするのに使われることが多く、本来の命令の名称からはその用途が連想できないときに使うことが多い。例えば、多くのCPUは明示的に NOP 命令を用意していないが、その用途に使える命令は存在する。8086では xchg ax,ax という命令が nop として使えるので、アセンブリ言語で nop を記述すると xchg ax,ax という命令に変換される。逆アセンブラにもこのあたりを認識し、 xchg ax,ax を nop に変換するものがある。同様にIBMの System/360 と System/370 のアセンブラでは、拡張ニーモニック NOP と NOPR を使用し、それぞれ BC と BCR のマスク0の命令に変換する。 SPARC アーキテクチャでは、拡張ニーモニックを synthetic instructions と呼んでいる [ 5 ] 。 命令は一般に「オペコード」と0以上の「オペランド」で構成される。多くの命令は1つまたは2つの値を参照する。オペランドには即値(命令内に置かれる値)、レジスタ(暗黙のうちに使用される場合もある)、記憶装置内のデータの位置を示すアドレスなどがある。「拡張ニーモニック」はオペコードと特定オペランドの組合せを表すのに使われることが多い。例えば、System/360では、BC命令にマスク15を組み合わせたものが B 、BC命令にマスク0を組み合わせたものが NOP という拡張ニーモニックで表される。オペランドの順序(例: ソースとディスティネーションの前後)は言語に依る。 オペランド [ 編集 ] オペランド ( 英 : operand 、 被演算子 )は命令の対象・引数である。1つの命令では、ニーモニックに続き0個以上のオペランドが記述される。オペランドにはソースとデスティネーションの二種類があり、データとして読み取られるのがソースで、オペコードで示された命令の実行結果が格納されるのがデスティネーションである。ソースには定数・レジスタ・メモリのいずれか、デスティネーションにはレジスタ・メモリのいずれかを指定する。 データセクション [ 編集 ] データと変数を保持するデータ要素を定義するのに使われる命令文がある。データの型、長さ、境界(アライメント)を定義する。また、そのデータがプログラム外部(別ファイルでアセンブルされたプログラム)からも利用可能なのか、それともデータセクションを定義したプログラム内でのみ使用可能なのかも定義できる。一部のアセンブラはこれを擬似命令に分類している。 アセンブリディレクティブ [ 編集 ] →「 ディレクティブ 」も参照 アセンブリディレクティブは、擬似命令とも呼ばれ、アセンブラがアセンブリ実施中に実行すべき命令となっている [ 6 ] 。プログラマが入力するパラメータによって、異なった形でアセンブルが行われるよう指示することができる。また、プログラムの見た目を操作して、 可読性 と保守性を向上させるのにも使われる。例えば、記憶装置の領域を予約し、その初期内容を指定するディレクティブなどがある。ディレクティブの名称はドットで始まることが多く、それによって通常のニーモニックと区別している。 擬似オペコード(pseudo-opcode)と言った場合、オブジェクトコードを実際に生成するディレクティブのみを指すこともある [ 7 ] 。 ラベル/シンボル [ 編集 ] シンボリックアセンブラでは、任意の名前( ラベル またはシンボル)とメモリ位置を対応付けることができる。通常、定数や変数に名前をつけることができ、命令文ではそれらの位置を名前で参照できる。実行コードではサブルーチンのエントリポイントと名前を関連付け、サブルーチンを名前で呼び出すことができる。サブルーチン内では、分岐命令の分岐先をラベルで示すことができる。一部のアセンブラは「ローカルシンボル」をサポートしており、通常のシンボルとは語彙的に区別する(例えば、"10$"を分岐先に使用する、など)。 一部のアセンブラは柔軟なシンボル管理を提供しており、複数の 名前空間 を管理したり、 データ構造 内のオフセットを自動的に計算したり、リテラル値やアセンブラが実施した単純な計算結果を参照するラベルを割り当てたりすることができる。ラベルは定数や変数を リロケータブル なアドレスで初期化するのにも使える。 例 [ 編集 ] x86 / IA-32 プロセッサにおいて 8ビット即値 を レジスタ に入れる命令を例にとる。 この命令のバイナリコードは 10110 で、その後に3ビットのレジスタを指定する識別子が続く。 AL レジスタの識別子は 000 なので、次に示す 機械語 は AL レジスタに 01100001 というデータをロードする [ 8 ] 。 10110000 01100001 このバイナリコードを人間が読みやすいように 十六進法 で表現すると次のようになる。 B0 61 ここで、 B0 は「 AL に後続の値をコピーする」ことを意味し、 61 は01100001を十六進法で表したもの( 十進法 では97)である。インテルのアセンブリ言語では、この種の命令に MOV というニーモニックを割り当てており、セミコロン以下に説明的コメントを添えたアセンブリ言語での表現は次のようになる。 MOV AL , 61 h ; Load AL with 97 decimal (61 hex) この場合、定数61Hがソース、レジスタALがデスティネーションに該当し、命令が実行されると、定数61Hが、レジスタALに単純に格納される。これが人間にとってはさらに読みやすく覚えやすい。 前述のインテルの MOV のようにデータの転送の多くを同一の命令あるいはニーモニックとする場合もあれば、データのコピー/移動の方向などによって別々の命令あるいはニーモニックとする場合もある(「メモリからレジスタへの移動」を L、「レジスタからメモリへの移動」を ST、「レジスタからレジスタへの移動」を LR、「即値をメモリへ移動」を MVI など)。(この段落では命令セットの設計の話とアセンブリ言語の話を一緒にしている) インテルのオペコード 10110000( B0 )は8ビットの値を AL レジスタにコピーするが、10110001( B1 )は CL レジスタにコピーし、10110010( B2 )は DL レジスタにコピーする。これらをアセンブリ言語で表現すると次のようになる [ 8 ] 。 MOV AL , 1 h ; Load AL with immediate value 1 MOV CL , 2 h ; Load CL with immediate value 2 MOV DL , 3 h ; Load DL with immediate value 3 MOVの構文には次の例のようにさらに複雑なものもある [ 9 ] 。 MOV EAX , [ EBX ] ; Move the 4 bytes in memory at the address contained in EBX into EAX MOV [ ESI + EAX ], CL ; Move the contents of CL into the byte at address ESI+EAX MOVというニーモニックを使った文は、その内容によってアセンブラが88-8E、A0-A3、B0-B8、C6、C7のいずれかのオペコードに変換するので、プログラマはオペコードを知る必要がないし、オペコードを覚える必要もない [ 8 ] 。 高級言語との違い [ 編集 ] アセンブリ言語は 低水準 プログラミング言語 であり、 C言語 などの 高級言語 より抽象度が低い。すなわち言語機能(構文や型)が少ない。次の表は「基本的なアセンブリ言語」と高級言語の間にある言語機能差である。 表. アセンブリ言語と高級言語 アセンブラ 高級言語 レジスタ ✔ - ジャンプ命令 ✔ △ [ 10 ] 制御構造 - ✔ 構造体 - ✔ 関数 - ✔ コメント ✔ ✔ この差はあくまで言語機能の差である。「高級言語でのみ可能、アセンブリ言語では不可」という意味ではない。例えばアセンブリ言語に関数構文は存在しないが関数に相当するパターンが存在する( 関数プロローグ・エピローグ ( 英語版 ) )。より正確な言い方をすれば、アセンブラで頻出するパターンを1つの機能として言語仕様に組み込んで抽象度を上げていった言語が高級言語である。 高水準文法 [ 編集 ] より抽象化され少ないコード量でアセンブラを書くために様々な高水準文法がアセンブリ言語に導入されてきた。現在では高水準化のメインストリームは 高級言語 に移った一方 [ 11 ] 、目的に応じてアセンブリ言語を選択するユーザー向けに高機能なアセンブリ言語の開発も続いている [ 12 ] 。 マクロ [ 編集 ] →「 マクロ (コンピュータ用語) 」も参照 アセンブリ言語においても マクロ が利用される。一般的なマクロと同様、高度なアセンブラマクロでは制御構文導入・引数展開・ユーザー定義マクロ適用などが可能である。文字列であるオペコード・ニーモニックはマクロの対象となるため、これを利用して疑似ニーモニックによる記述も可能になる。 例えば、一部の Z80 用アセンブラでは、 ld hl,bc というマクロ命令を ld l,c と ld h,b という2命令に展開する [ 13 ] 。メインフレームの時代には、マクロは特定顧客の大規模ソフトウェアシステムのカスタマイズや、メーカーのオペレーティングシステムを顧客の要望に合わせた特注版にするのに使われていた。 IBM の VM/CMS 、リアルタイムトランザクション処理用アドオン、 CICS 、 ACP ( 英語版 ) / TPF [ 14 ] などで使われてきた。 制御構造 [ 編集 ] 構造化プログラミング の要素を取り入れたアセンブラもある。最初期には "Concept-14 macro set" がSystem/360のマクロアセンブラにIF/ELSE/ENDIFなどの制御構造を導入した [ 15 ] [ 16 ] 。また8080/ Z80 プロセッサ向けの A-natural ではブロック構造や命令実行順序の制御が採用された。 また構造化プログラミングとは若干異なるが、 キャリーラボ は BASIC 風の文法のアセンブリ言語 BASE を開発した。 Z80 用のBASE-80と MC6809 用のBASE-09がある。BASEの表記例は下記の通り(BASE-09)。 S [ A , B , X , U A = $ 80 A = A + $ C0 S ] A , B , X , U , PC 上記の記述は下記のアセンブラ表記に対応する。 PSHS A , B , X , U LDA #$80 ADDA #$C0 PULS A , B , X , U , PC アセンブラ [ 編集 ] アセンブル ( 英 : assemble )はアセンブリ言語で書かれたプログラムから機械語で書かれた オブジェクトコード への変換である。具体的には、ニーモニックを オペコード に変換し シンボル名 をメモリ位置や他の実体に変換する [ 6 ] 。 アセンブルは比較的単純な規則からなるため、人の手でも実行できる( ハンドアセンブル )。単純な作業を効率良くミス無く行うのはプログラムの得意分野であり、そのようなソフトウェアが開発された。このアセンブリをおこなうプログラムを アセンブラ ( 英 : assembler )という。初期にはアセンブリプログラムとも呼ばれた [ 17 ] 。 シンボル名による参照の利用はアセンブラの重要な機能であり、面倒な計算やプログラム修正に伴うアドレスの更新の手間を省くことができる。また、オブジェクトコードを生成する際、ローダ用情報も併せて生成するアセンブラもある [ 18 ] 。マクロを含むアセンブリ言語に対応している場合、処理系には m4 のような汎用プロセッサあるいはプロセッサ内蔵アセンブラ( マクロアセンブラ )が利用される [ 19 ] 。 ポリモーフィズム 、 継承 [ 8 ] などをもつ高水準アセンブリ言語に対応したアセンブラは 高水準アセンブラ ( 英語版 ) と呼ばれる [ 20 ] 。 動作プラットフォーム以外のターゲットプラットフォームを選択できるアセンブラは クロスアセンブラ とも呼ばれる(参考: クロスコンパイラ )。 メタアセンブラ は、アセンブリ言語の文法や意味論を記述したものを入力とし、その言語のためのアセンブラを出力するプログラムである [ 21 ] 。 逆方向の変換、すなわちオブジェクトコードのアセンブリ言語化をおこなうプログラムを 逆アセンブラ という。 分類 [ 編集 ] アセンブラは様々な観点から分類できる。パス回数(アセンブル時のソースファイル走査回数)の観点では ワンパスアセンブラ と マルチパスアセンブラ に分類できる。 ワンパスアセンブラ ソースコードを1回だけパスするアセンブラ。定義される前にシンボルが使われているとオブジェクトコードの最後に "errata" を置く必要があり、 リンカ または ローダ が未定義シンボルが使われていた位置にあるプレースホルダーを書き換える。あるいは、未定義なシンボルを使用するとエラーになる。 マルチパスアセンブラ 最初のパスで全シンボルとその値の表を作成し、その表を使ってその後のパスでコードを生成する。 どちらの場合も、アセンブラは最初のパスで各命令のサイズを確定させる必要があり、それによって後に出現するシンボルのアドレスを計算する。命令のサイズは後から定義されるオペランドの型や距離に依存することがあるため、アセンブラは最初のパスでは悲観的な見積もりをし、必要に応じてその後のパスまたは errata にて1つ以上の NOP 命令(何もしない命令)を挿入してすき間を埋める必要がある。最適化を行うアセンブラでは、最初の悲観的コードをその後のパスで稠密なコードに書き換えてアドレスの再計算を行うことがある。 もともとワンパスアセンブラは高速であるためよく使われていた。マルチパス動作をするには、 磁気テープ を巻き戻したり パンチカード のデッキをセットし直して読み込む必要があったためである。現代のコンピュータではマルチパスであってもそのような遅延は生じない。マルチパスアセンブラは errata がないため、 リンク処理 (アセンブラが直接実行コードを生成する場合は ローダ の処理)が高速化される [ 22 ] 。 主なアセンブラ [ 編集 ] IBM High Level Assembler (HLASM) - IBM 系 メインフレーム 用のアセンブラ。 PDP-8のアセンブリ言語 - PAL-III (Program Assembly Language III) CAP-X - CASL 以前に情報処理技術者試験で使われていたアセンブリ言語 CASL - 情報処理技術者試験 ( 基本情報技術者試験 )用に作られたアセンブリ言語。同時に定義されているペーパーマシンCOMET用 as - UNIX 用のアセンブラ GNUアセンブラ (gas) - GNUプロジェクト が開発する、 x86 、 680x0 、 SPARC 、 VAX などの各種CPU用のアセンブラ Microsoft Macro Assembler (MASM) - インテル のx86 CPU用に マイクロソフト が開発したアセンブラ Netwide Assembler (nasm) - MASMと互換性の高いx86 CPU用アセンブラ Turbo Assembler (TASM) - ボーランド が開発していた、MASMと互換性の高いx86 CPU用アセンブラ MIXAL - ドナルド・クヌース が考案したペーパーマシンMIX用。また後継ペーパーマシンMMIX用の MMIXAL も存在する A-natural - Whitesmiths Ltd. が開発、8080/ Z80 プロセッサ向け。ストリーム指向。Cコンパイラが中間コードとしており人間が直接使うものではなかったが、その構文にはファンも存在した Unix系 システムでは、アセンブラを as と呼ぶのが一般的だが、実体はそれぞれのOSで異なる。 GNUアセンブラ を使っているものが多い。 同じ系統のプロセッサであっても、複数のアセンブリ言語の方言が存在する。アセンブラによっては他の方言のアセンブリ言語も使用可能な場合がある。例えば、 TASM は MASM 用コードを入力として受け付け可能だが、逆は不可能である。 FASM ( 英語版 ) と NASM は文法がほぼ同じだが、サポートしているマクロが異なるため、相互の翻訳は困難である。いずれも基本機能は同じだが、追加機能に差異がある [ 23 ] 。 歴史 [ 編集 ] アセンブリ言語は、ごく単純なものまで含めれば、 プログラム内蔵方式 のコンピュータの最初期の1940年代から存在している。世界で最初に実用的に稼働した ノイマン型 電子計算機とされる EDSAC (1949) の initial orders (現代の用語では ブート ローダーに相当するもの)は、テープにパンチされた十進によるアドレスを、内部表現の二進に変換するなどの機能を持っていた(命令については、「1文字のニーモニック」に見えるかもしれないが、それは実際には同機の機械語そのものである) [ 24 ] 。 ナサニエル・ロチェスター は1954年に IBM 701 用アセンブラを書いている。1955年、Stan Poley が IBM 650 用言語アセンブリSOAP (Symbolic Optimal Assembly Program) を開発した [ 25 ] 。 コンピュータの歴史の初期には、このような、プログラムによって機械語プログラムを生成することを 自動プログラミング と呼んだ。 ドナルド・ギリース は、まだ発明されていなかったアセンブラを開発中に、 フォン・ノイマン から開発を即座に止めるように言われた、という1950年代初期ならではの逸話がある。当時は、人間が手作業でもできるような瑣末な仕事をコンピュータにさせるような時代が来るとは考えられておらず、単に時間の無駄だとノイマンは考えたのである。 歴史的には多数のプログラム(OSやアプリケーション)がアセンブリ言語だけで書かれてきた。 ALGOL の方言である ESPOL で書かれた Burroughs MCP (1961) が登場するまで、オペレーティングシステムはアセンブリ言語で書くのが普通だった。 IBM の メインフレーム 用ソフトウェアの多くはアセンブリ言語で書かれていた。 COBOL 、 FORTRAN 、 PL/I などが取って代わっていったが、1990年代になってもアセンブリ言語のコードベースを保守し続けていた大企業も少なくない。 初期の マイクロコンピュータ でも同様に広く用いられた。これは、リソースの制約が厳しく、メモリやディスプレイのアーキテクチャが特殊だったからである。また、マイクロコンピュータ向けの高水準言語のコンパイラがなかったという面も重要である。また、初期のマイクロコンピュータのユーザは趣味としての使用が主であり、何でも自前で作るという精神もそれに影響していたと見られる。 1980年代から1990年代にかけて、 ホームコンピュータ ( ZX Spectrum 、 コモドール64 、 Amiga 、 Atari ST など)でもアセンブリ言語がよく使われていた。というのもそれらのBASICは性能が低く、ハードウェアの全機能を利用できないことが多かったためである。例えば、Amigaには フリーウェア のアセンブリ言語 統合開発環境 ASM-One assembler があり、 Microsoft Visual Studio に匹敵する機能を備えていた。 Don French が開発した VIC-20 用アセンブラは 1,639 バイトという小ささで、世界一小さいアセンブラと言われている。アドレスをシンボルで表現でき、各種アドレス計算(四則演算、AND、OR、冪乗など)が可能だった [ 26 ] 。 1980年代のビジネスソフトでは、例えば 表計算ソフト Lotus 1-2-3 などはアセンブリ言語で書かれていた。日本では 松 などが該当 [ 27 ] する。 1990年代に入っても、 コンシューマーゲーム の多くはアセンブリ言語でプログラムが書かれていた。しかしゲーム内容が複雑化し、プログラムの規模が増大するにつれて、アセンブラでは開発が困難となり、高水準言語による開発が主流となっていった。例えば プレイステーション では GCC が公式のSDKに含まれていて、標準の開発言語は C言語 であった [ 28 ] [ 29 ] 。この時代のゲーム機は 3次元コンピュータグラフィックス の積極的な導入が始まっており、ハードウェア性能も向上したことから、C言語による開発も十分可能となったが、コンパイラの最適化能力が未成熟だったこともあいまって、ハードウェア性能を最大限引き出すにはアセンブリ言語を駆使した手動最適化や細かなチューニングが必要となることも多かった。 セガサターン の最高性能を引き出して プレイステーション に対抗するには、アセンブリ言語を使うしかなかったと述べていた業界関係者もいた [ 30 ] 。ただし一方で、 ファミコン 時代すでに メタルスレイダーグローリー や スーパーファミコン の MOTHER 2 ・ シムシティ [ 31 ] 、プレイステーションの クラッシュ・バンディクー で [ 32 ] 、開発の一部に LISP が使われていたという話もあり、当時のコンシューマーゲームの分野ではアセンブリ言語やC言語が全てだったというわけではない。 2000年代初頭、 マイクロソフト は原始的な プログラマブルシェーダー に対応した DirectX ( Direct3D ) 8.0をリリースした。このDirect3D 8.0におけるシェーダープログラムは、グラフィックスハードウェアに依存しない中間言語(バイトコード)を出力することのできるアセンブリ言語(シェーダーアセンブラ)を使用して記述するものだった。2001年には世界で初めてプログラマブルシェーダーに対応したコンシューマーゲーム機として 初代Xbox が登場したが、このXboxに搭載されていたグラフィックスAPIもDirect3D 8.x相当のカスタマイズ版 [ 33 ] であり、CPU上で実行するホストプログラム(ゲームアプリケーション本体のコード)は C++ を使って記述する一方、 GPU 上で実行するシェーダープログラムの記述にはアセンブラを使用していた。のちに HLSL や Cg (C for Graphics) といった高水準シェーディング言語が開発され、HLSLに対応したDirect3D 9.0以降はシェーダープログラムも高水準言語を利用して記述するようになった。Direct3D 10のシェーダーモデル4.0以降は、シェーダーアセンブラではなくHLSLの使用が必須となっている [ 34 ] 。 現在の 最適化コンパイラ は人手で書かれたアセンブリ言語のコードと同等の性能を発揮すると言われている [ 35 ] (例外もある [ 36 ] [ 37 ] [ 38 ] )。 最近 [ いつ? ] のプロセッサやメモリサブシステムは複雑化してきたため、コンパイラでもアセンブリ言語でも効果的な最適化がますます困難になってきている [ 39 ] [ 40 ] 。さらにプロセッサが高性能化し律速が 入出力 や ページング へ移ることで、コーディングが性能向上に貢献するケースは以前より少なくなっている。 一方 C++ や C# のような、Cよりもさらに高水準の言語が主流になってからも、コンパイラが出力したアセンブリコードを解析して最適化やチューニングの余地を探るといった手法は一般的に行なわれている [ 41 ] 。 利用 [ 編集 ] 低水準 言語 であるアセンブラは C言語 などの 高級言語 と異なる領域で利用される。 目的 [ 編集 ] アセンブラを用いる目的として以下が挙げられる。 高速: レジスタ利用やループ展開の最適化 省フットプリント: ランタイムや標準ライブラリの排除 リアルタイム(時間的正確性): GC スパイク、 ページフォルト 、 プリエンプション の排除 ハードウェア操作 高級言語非対応命令の利用 挙動理解 事例 [ 編集 ] アセンブリ言語が用いられる事例として以下が挙げられる。 組み込みシステム : 省フットプリントでのハードウェア操作が目的 電話機のファームウェア 自動車の燃料・点火システム センサー デバイスドライバ や 割り込みハンドラ 、 ブートコード 、 BIOS 、 POST ハードウェアないしはファームウェアの呼び出し規約をアセンブリ言語によりカーネルやドライバにて使用している高級言語の規約へ変換することにより、主要な機能を高級言語で実装することができる。 暗号 化: 高級言語非対応命令の使用が目的 ビット単位ローテート 命令 数値計算: 高速化が目的 コンピュータゲーム ライブラリ: 例 - BLAS , 離散コサイン変換 ( x264 のSIMDアセンブリ版 [ 42 ] ) リアルタイムシステム : リアルタイム性が目的 フライ・バイ・ワイヤ システム: 航空航法システムの一種。 テレメトリ を厳密な制限時間内に解釈して対応する必要 医療装置 暗号アルゴリズムは常に厳密に同じ時間で実行することで、 タイミング攻撃 を防ぐ。 高度なセキュリティが要求され、環境を完全に制御する必要がある場合。 監視・トレース・ デバッグ のための 命令セットシミュレータ で、追加のオーバーヘッドを最小に保ちたい場合。 リバースエンジニアリング : 挙動理解が目的 デバッグ: 例 - コンパイラ最適化の確認 ソフトウェア改造: 例 - 商用 コンピュータゲーム の改造 ハッキング: 例 - コピープロテクト 解除 学習: コンピュータの理解 自己書き換えコード コードサイズの上限に制限がある環境 ブートセクタ に格納する ブートローダ 。例として、 MBR では最大446バイト。 トラップ処理や シグナル ハンドラ起動などのために、カーネルがプロセスのアドレス空間へ見せるコード。 vDSO を用い、プロセスからはシェアードオブジェクトを読み込んだように見せる実装が多い。 見せるコードの範囲を正確に把握する必要があるため、コードのエントリだけでなく終了部にもラベルを与える。アセンブリ言語では容易だが、高級言語では一般に不要な機能なのでサポートされていない。 元来はユーザモード用のスタック上にカーネルからコードをコピーして実行していた。欠点として、スタックはユーザモードでの書き込みが禁止できず、スタック上でのコード実行がセキュリティホールとしてしばしば利用されたことから、実装方法の変更が進められている。 オブジェクトファイル に依存した機能 コンパイラが通常は使用しないセクション等にシンボルを定義することができる。例として、 Linuxカーネル では モジュール へ公開するシンボルをマクロ EXPORT_SYMBOL (ないしはその派生) [ 43 ] へ与える。このマクロは、インラインアセンブリを用いてオブジェクトファイルのセクション .export_symbol へシンボルの情報を追加し、モジュールローダがシンボル解決にて使用できるようにする。マクロの内容はCPUアーキテクチャには依存せず、その定義もCPUアーキテクチャに依存しないヘッダファイル( include/linux/export.h ) [ 注 3 ] にあるが、C言語を含め高級言語のみでの実装が難しく、アセンブリが適している。 [ 注 4 ] なお一方で、 最近 [ いつ? ] のコンピュータの命令セットはその多くはどれも似ている。したがって、どれか1つのアセンブリ言語を学ぶだけで、基本概念、どんなときにアセンブリ言語を使用するのが適しているか、高水準言語から効率的な実行コードを生成する方法をある程度は学習できる [ 44 ] 。 高水準言語との連携 [ 編集 ] 高水準言語の処理系の 呼出規約 (言語処理系ではなくOSやハードウェアベンダ側で共通化している場合もある)に従うことで、高水準言語と相互にコードを呼び出すことができる。後述の インラインアセンブラ などにより同一のモジュールに埋め込むこともできれば、別モジュールとして リンケージエディタ でリンクすることもある。 多くのコンパイラは、機械語を直接生成するのではなく、アセンブリ言語のコードを生成し、それをアセンブラに通している。人間による デバッグ や最適化などに便利である(機械による最適化には、内部表現を使ったほうが便利なので、あまり意味がない)。その意味ではアセンブリ言語は、目に見えない形ではあるが最も利用頻度の高いプログラミング言語といえるという主張もあるが、その意味では機械語が絶対的に最も利用頻度の高いプログラミング言語である。 インラインアセンブラ のある言語ないし処理系では、ソース中にアセンブリ言語による記述を含めることができる。例えば Linuxカーネル ではその利用が多い。アセンブリ言語と同様の利点が得られるかわりに、やはりアセンブリ言語と同様にプログラミング言語を使う利点(移植性など)が失われる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ IBMは System/360 から2011年現在まで一貫してアセンブラ言語 (Assembler Language)と 呼んでいる。例: IBM High Level Assembler ^ MIPSのアセンブラの一部など、(分岐命令のターゲットアドレスの先頭にある機械語命令を対象として)その分岐命令の遅延スロットへの移動を(副作用がない場合に)アセンブラ疑似命令 (.set bopt) の指示に応じて行うものもある。OPTASM(SLR社)という最適化アセンブラもあった。 ^ 厳密にはCPUのビット幅に依存するが、マクロ定義はこれを条件付きコンパイルによりカバーしている。 ^ GCC等、C言語への拡張によりシンボルへのセクション指定が可能なコンパイラはあるが、コンパイラへの強い依存性が生じる。アセンブリ言語であれば、およそセクションをサポートしたオブジェクトファイルが出力できるならばセクションの指定は何らかの手段で実装可能となる。 出典 [ 編集 ] ^ a b "ニモニックによって表したプログラムをアセンブリ言語(assembly language)プログラムと呼ぶ。" 伊藤. 機械語とアセンブリ言語 . 埼玉大学, 電気電子物理工学実験III. 2022-12-25閲覧. ^ Stroustrup, Bjarne, The C++ Programming Language , Addison-Wesley, 1986, ISBN 0-201-12078-X : "C++ was primarily designed so that the author and his friends would not have to program in assembler, C, or various modern high-level languages." - assembler を assembly language の意味で使っている例 ^ Intel Architecture Software Developer’s Manual, Volume 2: Instruction Set Reference . INTEL CORPORATION. (1999) . http://download.intel.com/design/PentiumII/manuals/24319102.PDF 2010年11月18日閲覧。 ^ a b "各命令に、人間にとって意味があり、その命令が行う処理を類推できる文字列を対応付ける。この文字列をニモニック(mnemonic)と呼ぶ。" 伊藤. 機械語とアセンブリ言語 . 埼玉大学, 電気電子物理工学実験III. 2022-12-25閲覧. ^ “ The SPARC Architecture Manual, Version 8 ”. SPARC, International (1992年). 2011年12月10日時点の オリジナル よりアーカイブ。2012年10月27日閲覧。 ^ a b David Salomon (1993). Assemblers and Loaders ^ Microsoft Corporation. “ MASM: Directives & Pseudo-Opcodes ”. 2011年3月19日閲覧。 ^ a b c d Intel Architecture Software Developer’s Manual, Volume 2: Instruction Set Reference . INTEL CORPORATION. (1999). pp. 442 and 35 . http://download.intel.com/design/PentiumII/manuals/24319102.PDF 2010年11月18日閲覧。 ^ Evans, David (2006年). “ x86 Assembly Guide ”. 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ISBN 0-201-39828-1 関連項目 [ 編集 ] 逆アセンブラ コンパイル マクロ (コンピュータ用語) 命令セット 外部リンク [ 編集 ] Machine language for beginners Unix Assembly Language Programming IBM High Level Assembler IBMのメインフレーム用アセンブリ言語のマニュアル PPR: Learning Assembly Language Assembly Language Programming Examples Authoring Windows Applications In Assembly Language Assembly Optimization Tips by Mark Larson NASM Manual Z80/Z180/8085 Assembler 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 1950年代 FORTRAN ALGOL RPG COBOL 1960年代 LISP CPL BASIC PL/I APL BCPL Simula LOGO B 1970年代 Forth Pascal C Prolog Smalltalk Scheme ML AWK Ada Modula-2 1980年代 C++ Objective-C Common Lisp Eiffel Erlang Esterel Lustre Perl Mathematica J 1990年代 Python Tcl Haskell Visual Basic Ruby Lua Delphi Java ECMAScript ( JavaScript ) PHP OCaml SuperCollider R 2000年代 C# VB.NET Scala Clojure D F# Go Nim 2010年代 Dart Ceylon Elixir Crystal Hack Swift Rust Raku Elm Julia Kotlin Zig 架空の言語 擬似言語 CASL CAP-X 年表 パラダイム 一覧 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/Adapter_%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3
アダプタパターン
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "Adapter パターン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2023年1月 ) Adapter パターン (アダプター・パターン)とは、 GoF によって定義された デザインパターン の1つである。Adapter パターンを用いると、既存の クラス に対して修正を加えることなく、 インタフェース を変更することができる。Adapter パターンを実現するための手法として 継承 を利用した手法と 委譲 を利用した手法が存在する。それぞれについて以下の節で説明する。 継承を利用したAdapter [ 編集 ] 継承 を利用したAdapterは、利用したいクラスの サブクラス を作成し、そのサブクラスに対して必要な インタフェース を実装することで実現される。 サンプルプログラム [ 編集 ] 下記の例において、Product クラス は既存のクラスであり修正できないものとする。 ここで、Productクラスを利用したい開発者がいて、 その開発者はgetPriceという メソッド でProductの値段を取得したいとする。 この場合、ProductAdapterというAdapterを作成することで、既存クラス(Product)クラスを修正することなく、 異なる インタフェース を持たせることができる。 このように、既存クラスを修正することなく、異なるインタフェースを持たせるということが、 Adapter パターン の役割である。 interface ProductPrice { public int getPrice (); } class Product { private int cost ; public int getCost (){ return cost ; } } class ProductAdapter extends Product implements ProductPrice { public int getPrice (){ return this . getCost (); } } クラス図 [ 編集 ] 継承を利用したAdapterの クラス図 は以下のようになる。 Adapter は Adaptee を継承し、同時に Target を実装する。実装したメソッド Adapter#requiredMethod() 内で Adaptee#oldMethod() を実行する 参考までに、上のサンプルコードとこのクラス図との対応を示す。 Target ProductPrice Target#requiredMethod ProductPrice#getPrice() Adapter ProductAdapter Adapter#requiredMethod ProductAdapter#getPrice() Adaptee Product Adaptee#oldMethod Product#getCost() 委譲を利用したAdapter [ 編集 ] 委譲を利用したAdapterは、利用したいクラスの インスタンス を生成し、そのインスタンスを他クラスから利用することで実現される。 サンプルプログラム [ 編集 ] interface ProductPrice { public int getPrice (); } class Product { private int cost ; public int getCost (){ return cost ; } } class ProductAdapter implements ProductPrice { private Product product = new Product (); public int getPrice (){ return product . getCost (); } } クラス図 [ 編集 ] 委譲を利用したAdapterの クラス図 は以下のようになる。 Adapter は Adaptee をメンバに持ち、同時に Target を実装する。実装したメソッド Adapter#requiredMethod() 内で、メンバの Adaptee#oldMethod() を実行する ※上図において、extendsはimplementsでも良い。 こちらのほうも、参考までにサンプルコードの対応を示す。 Target ProductPrice Target#requiredMethod() ProductPrice#getPrice() Adapter ProductAdapter Adapter#requiredMethod() ProductAdapter#getPrice() Adaptee Product Adaptee#oldMethod() Product#getCost() 表 話 編 歴 デザインパターン GoFによる23種のパターン 生成に関するパターン Abstract factory Builder Factory method Prototype Singleton 構造に関するパターン Adapter Bridge Composite Decorator Facade Flyweight Proxy 振る舞いに関するパターン Chain of responsibility Command Interpreter Iterator Mediator Memento Observer State Strategy Template method Visitor 並行性に関するパターン Active object ( 英語版 ) Balking ( 英語版 ) Double-checked locking ( 英語版 ) Event-based asynchronous ( 英語版 ) Guarded suspension ( 英語版 ) Join ( 英語版 ) ロック モニタ Proactor ( 英語版 ) Reactor Readers–writer lock ( 英語版 ) Scheduler ( 英語版 ) Thread pool ( 英語版 ) スレッド局所記憶 アーキテクチャに関するパターン Front Controller ( 英語版 ) Interceptor ( 英語版 ) MVC MVVM 多層アーキテクチャ Specification ( 英語版 ) 出版-購読型モデル Naked objects ( 英語版 ) Service Locator ( 英語版 ) Active Record Identity map ( 英語版 ) Data Access Object Data Transfer Object その他のパターン 依存性の注入 (DI) 遅延読み込み モックオブジェクト Null object ( 英語版 ) Object pool ( 英語版 ) Servant ( 英語版 ) Type tunnel ( 英語版 ) 関連する人々 ギャング・オブ・フォー エーリヒ・ガンマ リチャード・ヘルム ラルフ・ジョンソン ジョン・ブリシディース クリストファー・アレグザンダー グラディ・ブーチ ケント・ベック ウォード・カニンガム マーティン・ファウラー ロバート・セシル・マーティン ( 英語版 ) ジム・コプリエン ( 英語版 ) ダグラス・C. シュミット ( 英語版 ) リンダ・ライジング ( 英語版 ) 関連項目 アナリシスパターン アンチパターン 一覧 カテゴリ コモンズ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9
アドレス
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "メモリアドレス" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2017年6月 ) メモリアドレス ( 英 : memory address )は、 コンピュータ の 主記憶装置 にアクセスするために ソフトウェア および ハードウェア によって様々なレベルで使用される データ概念 である。通常、メモリアドレスは、 符号なし ( 英語版 ) 整数 として表示・処理される固定長の 数字 の列である [ 1 ] 。メモリアドレスの数値の意味は、CPUの機能( プログラムカウンタ ( 英語版 ) や メモリアドレスレジスタ ( 英語版 ) など)や様々な プログラミング言語 で採用されている 配列 のようなメモリの使用法に基づいている。 メモリアドレスの種類 [ 編集 ] 物理アドレス [ 編集 ] →詳細は「 物理アドレス 」を参照 デジタルコンピュータ のメモリ、より詳細には 主記憶装置 (メインメモリ)は、多数の メモリロケーション (memory location)からなり、それぞれのメモリロケーションは、 CPU や他の装置がそれにアクセスするために使用する 物理アドレス (physical address)を有する。一般に、 システムソフトウェア (すなわち BIOS )、 オペレーティングシステム 、および特定のユーティリティプログラム( メモリテスタ ( 英語版 ) など)だけが、プログラムのコマンドを実行するために、機械語のオペランドや レジスタ において物理メモリを使用し、CPUから メモリコントローラ と呼ばれるハードウェアデバイスに対して、 メモリバス ( 英語版 ) や システムバス を使用するか、あるいは 制御バス ( 英語版 ) 、 アドレスバス 、 データバス を分離するよう指示を出す。メモリコントローラのバスは、それぞれ1桁の二進数( ビット )を表す複数の パラレル な通信線からなる。 バス の幅はコンピュータによって異なり、したがってアドレス指定可能なメモリユニットの数、および各ユニットのビット数も、コンピュータによって異なる。 論理アドレス [ 編集 ] コンピュータプログラム は、メモリアドレスを使用して 機械語 を実行し、データを記憶・検索する。初期のコンピュータでは、論理アドレスと物理アドレスは対応していた。 仮想記憶 の導入以降、ほとんどの アプリケーションソフトウェア は、物理アドレスを使用せず 論理アドレス ( 英語版 ) ( 仮想アドレス ( 英語版 ) )でアドレス指定し、コンピュータの メモリ管理ユニット と オペレーティングシステム のメモリマッピングで物理アドレスに変換される。 下記 を参照。 アドレスの単位 [ 編集 ] →「 ワード 」および「 二進接頭辞 」も参照 現代の バイトアクセス のコンピュータでは、アドレスはメモリ中の1 バイト を識別する。そのため、1バイトに格納するには大きすぎるデータは連続したアドレスを占める複数のバイトに格納されることになる。 ワードアクセス として設計された マイクロプロセッサ では標準的な記憶単位( ワード )は1バイトより大きくなる。例えば、 データゼネラル の データゼネラルNova 、 テキサス・インスツルメンツ の TMS9900 、 ナショナル セミコンダクター の IMP-16 は 16ビット ワードを使用し、多くの 36ビット メインフレーム ( PDP-10 など)は、18ビットワードを使用し、36ビットワードで2 18 個の アドレス空間 、約1メガバイトの記憶域を使用できた。 メモリのアドレス指定の効率は、アドレスに使用されるバスのビットサイズに依存する。使用されるビットが多いほど、コンピュータで使用できるアドレスが増える。例えば、20ビットのアドレスバスを有する8ビットバイトアドレス可能なマシン( Intel 8086 など)は、2 20 (=1,048,576)個のメモリロケーション、1 MiB のメモリをアドレス指定することができる。32ビットバス( Intel 80386 など)では2 32 (= 4,294,967,296)個のメモリロケーション、4 GiB のアドレス空間をアドレス指定することができる。 18ビットアドレスバスを備えた36ビットワードアドレス可能マシンでは、1,179,648バイト(= 1,152 KB = 1.125 MiB = 9,437,184ビット)に相当する2 18 (= 262,144)個のメモリロケーションが指定可能であり、8086よりわずかに多い。 古いコンピュータの一部( 十進数コンピュータ ( 英語版 ) )は、 十進数 の数字でアドレス指定可能だった。例えば、IBM 1620の磁気コア・メモリの各アドレスは、 パリティビット 、フラグビット、および4つの数値ビットからなる単一の6ビット 二進化十進数 を識別した。1620は5桁の十進アドレスを使用していたため、理論上の最高可能アドレスは99,999だった。実際には、CPUは20,000のメモリロケーションをサポートし、オプションの外部メモリユニットを2つまで追加することができ、それぞれ20,000アドレスをサポートしたので、合計60,000( 00000 – 59999 )になった。 ワードサイズとアドレスサイズ [ 編集 ] ワードサイズは、 コンピュータアーキテクチャ によって異なる。ワードサイズは、CPUが一度に処理できる桁数を表す。組込みシステムを含む最新のプロセッサは、通常、8ビット、16ビット、24ビット、32ビット、64ビットのワードサイズを有する。 最新の汎用コンピュータは32ビットまたは64ビットを使用する。歴史的には、8ビット、9ビット、10ビット、12ビット、18ビット、24ビット、36ビット、39ビット、40ビット、48ビット、60ビットなど、さまざまなサイズのワードが使用されていた。 現代のコンピュータのワードサイズは、そのコンピュータにおけるのアドレス空間のサイズも記述される。例えば、「 32ビット 」と言われるコンピュータにおいては、通常32ビットのメモリアドレスが使用される。バイトアドレス指定可能な32ビットコンピュータは、2 32 = 4,294,967,296バイトのメモリ、すなわち4 ギビビット (GiB)をアドレス指定することができる。これにより、1つのメモリアドレスを効率的に1ワードに格納することができる。 しかし、これは必ずしも正しいとは限らない。コンピュータは、ワードサイズよりも大きい、あるいは小さいメモリアドレスを持つことができる。例えば、 MOS 6502 などの多くの 8ビット プロセッサでは 16ビット アドレスがサポートされていたが、そうでない場合はわずか256バイトのメモリアドレス指定に制限されていた。16ビットの Intel 8088 と Intel 8086 は セグメンテーション による20ビットアドレス指定をサポートしており、64 KiB メモリではなく1 MiB にアクセスできる。 Pentium Pro 以降の全ての Intel Pentium プロセッサには、36ビット物理アドレスから32ビット仮想アドレスへのマッピングをサポートする 物理アドレス拡張 (PAE)が含まれている。 理論上は、現代のバイトアクセス可能な 64ビット コンピュータは2 64 バイト(16 エクスビバイト )に対応することができるが、実際にはメモリの量はCPU、 メモリコントローラ 、プリント回路基板の設計(物理メモリコネクタの数や実装されたメモリの量)によって制限される。 各メモリロケーションの内容 [ 編集 ] →「 en:binary data 」も参照 プログラム内蔵方式 のコンピュータ内の各メモリロケーションは、「何らかの」 二進数 または 十進数 を保持する。保持された値をどう解釈するか( データ型 のデータとしてあるいは 命令 として)、およびどのように使用するかは、それを取り出して操作する命令によって決定される。 初期のプログラマの中には、メモリを節約する方法として、命令とデータを1つのワードの中に組み合わせた者もいた。 Manchester Mark I は、40ビットワードの中にデータを格納するスペースを持っていた。プロセッサはワードの途中でデータセクションを無視した。それはしばしば追加のデータストレージとして利用されていた [ 要出典 ] 。 コンピュータウイルス のような 自己複製 プログラムは、時にはデータとして、時には命令として扱われる。 自己書き換えコード は、今日では一般には 非推奨 とされている。これは、テストやメンテナンスが困難であり、コンピュータの 状態 ( 英語版 ) に関するコンパイラやプロセッサの前提によって間違った結果をもたらす可能性があるためである。現在でも細心の注意を払って意図的に使用されることはある。 アプリケーションプログラムにおけるアドレス空間 [ 編集 ] 現代の マルチタスク 環境では、アプリケーションの プロセス は通常、その アドレス空間 に以下のタイプのメモリチャンクを持っている。 以下の内容を含む 機械語 プログラム自体のコード(歴史的にはコードセグメントと呼ばれる) 共有ライブラリ 以下のものを含む データ 初期化データ(データセグメント) 非初期化変数 コールスタック ヒープ 共有メモリ と メモリマップトファイル アドレス空間の一部は、全くマッピングされないこともある。 アドレス指定方式 [ 編集 ] →詳細は「 アドレッシングモード 」を参照 コンピュータプログラムは、 明示的に 指定されたアドレスにアクセスすることができる。 低水準言語 ではこれは絶対アドレス(absolute address)と呼ばれ、 高水準言語 では ポインタ データ型として知られている。また、プログラムは 相対アドレス を使用して、 ベースアドレス ( 英語版 ) を基準としてアドレスを指定することもできる。他のも、多くの間接 アドレッシングモード がある。 論理アドレスを物理メモリと仮想メモリにマッピングすることで、いくつかのレベルの間接参照も追加される。 メモリモデル [ 編集 ] 多くのプログラマは、コードスペースとデータスペース( 上記 を参照)、物理メモリと仮想メモリの区別がないようにメモリをアドレス指定することを好む。つまり、数値的に同じポインタは、 RAM上で正確に同じバイトになる。 しかし、初期のコンピュータの多くは、このような フラットメモリモデル ( 英語版 ) をサポートしていなかった。特に、 ハーバード・アーキテクチャ では、プログラム領域とデータ領域を完全に分離する必要があった。最新の多くの DSP ( Motorola 56000 ( 英語版 ) など)には、プログラム記憶域、係数記憶域、データ記憶域の3つの独立した記憶領域がある。一般的に使用される命令の中には、3つの領域すべてから同時にフェッチするものがあり、記憶領域の合計バイト数が同じであっても、記憶領域が少なければ、命令の実行が遅くなる。 x86アーキテクチャのメモリモデル [ 編集 ] →詳細は「 en:Intel Memory Model 」を参照 初期のx86コンピュータは、メモリセグメントとそのセグメント内の オフセット という2つの数字の組み合わせに基づく、 セグメント方式 のアドレスを使用していた。一部のセグメントは、命令、 スタック セグメント、または通常のデータセグメント専用のコードセグメントとして暗黙的に扱われていた。用途は異なっていたが、セグメントにはこれを反映した異なる メモリ保護 がなかった。フラットメモリモデルでは、全てのセグメント(セグメントレジスタ)は一般に0に設定され、オフセットのみが可変である。 →「 en:Long mode 」も参照 関連項目 [ 編集 ] メモリ管理 メモリアドレスレジスタ ( 英語版 ) ベースアドレス ( 英語版 ) オフセット (コンピュータ) エンディアン メモリ管理ユニット (MMU) ページテーブル メモリ保護 セグメント方式 アドレス空間 アドレッシングモード ポインタ (プログラミング) オブジェクトファイル (リロケーションについて) 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 出典 [ 編集 ] ^ “ アーカイブされたコピー ”. 2012年10月21日時点の オリジナル よりアーカイブ。2013年12月15日閲覧。 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B9%E7%A9%BA%E9%96%93
アドレス空間
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "アドレス空間" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年4月 ) 情報処理 において、 アドレス空間 (アドレスくうかん、 英 : address space ) とは、 メモリアドレス が意味を成すコンテキストを定義したもの。あるいは、一連のメモリアドレスによってアクセス可能なメモリ空間を意味する。 メモリアドレスはコンピュータの メモリ 内の物理的位置を識別するものであり、 住所 とある意味で類似している。アドレスはデータが格納されている位置を指すが、それはちょうど人間の住所がその人の居住地を指すのと同じである。人間の住所とのアナロジーで言えば、「アドレス空間」とは、町や市や国といったある範囲の地域に対応すると考えることができる。2つのアドレスが数値的に同じでも、それぞれ異なるアドレス空間内のアドレスであれば、異なる位置を指していると言える。これは2つの市に「××町○丁目△-□」という住所が存在したとき、それらが別の場所を指すのと同じことである。 アドレス空間の例: 主記憶装置 (物理メモリ) 仮想メモリ I/O ポート空間 IPアドレス ××町○丁目(番地 △-□ がアドレスに相当) ○○○市××町(○丁目△-□ がアドレスに相当) 仮想記憶 方式の オペレーティングシステム (OS) は仮想メモリを カーネル空間 と ユーザー空間 に分離する。カーネル空間は カーネル や デバイスドライバ 走行のために厳密に確保される。カーネル空間とユーザー空間の区別はOSや CPU アーキテクチャ によって異なる。ユーザー空間を持たない実装もある ( MS-DOS 、 NetWare3 )。一般的な実装例として、ひとつの連続した仮想アドレス空間の特定のアドレスを境にして、ユーザー空間とカーネル空間を分離している場合が多い ( Windows 系OS、 Unix系 OS)。 カーネル空間 [ 編集 ] カーネル空間 または「カーネル仮想アドレス空間」はOSの カーネル が存在する仮想メモリ領域である。 Linux においては、全カーネルスレッドが存在しているアドレス空間である。 仮想記憶 方式によって、仮想アドレスのある範囲を占めている場合と、多重仮想記憶のひとつの仮想空間をカーネル空間として使用する場合がある。前者の場合、ユーザープロセスがその範囲のアドレスにアクセスしようとすると 例外 が発生する。逆にカーネルからはユーザープロセスの占めているユーザー空間もアクセス可能だが、あくまでも仮想なので物理メモリがマップされていないことがあり、注意を必要とする。 ユーザー空間 [ 編集 ] ユーザー空間 または「ユーザー仮想アドレス空間」はユーザー プロセス の動作するアドレス空間である。 コンピュータ システム上で動作する各 プロセス は、それに対応する データ と コード を持ち、実行中にはそれらがユーザー空間上にロードされる。ユーザー空間は プロセス 毎に割り当てられ、それぞれのアドレス範囲は同じである。従って、 仮想記憶 方式のOSでは、ユーザー プログラム のコードやデータは同じアドレスから開始されるようになっていることが多い。 アドレス変換 [ 編集 ] 仮想記憶 方式において、仮想アドレス空間と 物理アドレス 空間とを対応させるためのアドレス変換が必要となる。仮想アドレス空間がそのままの配置で物理アドレス空間に存在するなら、単に何らかのオフセットの加減算で変換が済むが、実際には ページング方式 や セグメント方式 が使用されているため、変換はやや複雑となる。多重仮想記憶方式では、複数の仮想アドレス空間内のアドレスが物理的には同じ位置を示していることもある。 関連項目 [ 編集 ] メモリアドレス CPUモード リングプロテクション メモリ管理ユニット 表 話 編 歴 オペレーティングシステム 概要 歴史 一覧 カーネル アーキテクチャ モノリシックカーネル マイクロカーネル エクソカーネル ( 英語版 ) ハイブリッドカーネル コンポーネント アドレス空間 デバイスドライバ ローダブル・カーネル・モジュール マイクロカーネル プロセス管理 概念 コンテキストスイッチ 割り込み プロセス間通信 プロセス プロセス制御ブロック リアルタイム スレッド タイムシェアリング スケジューリング アルゴリズム マルチタスク 多段フィードバックキュー プリエンプション ラウンドロビン メモリ管理 と リソース 保護 バスエラー メモリ保護 ページング方式 リングプロテクション セグメンテーション違反 仮想記憶 一般保護違反 ( 英語版 ) ストレージ アクセスと ファイルシステム ブートローダ デフラグメンテーション デバイスファイル Inode ジャーナル パーティション 仮想ファイルシステム 一覧 Unix系 AIX Android BSD FreeBSD OpenBSD NetBSD DragonFlyBSD ChromeOS Darwin GNU HarmonyOS HP-UX illumos iOS iPadOS watchOS tvOS audioOS visionOS Linux macOS MINIX NeXTSTEP QNX Redox SunOS Solaris Unix VisiOn webOS その他 ACOS AmigaOS BeOS CP/M Classic Mac OS 漢字Talk DOS DR-DOS FreeDOS MS-DOS PC DOS Haiku IBM i L4 Mona MorphOS Multics OpenVMS OS2200 OS/2 ArcaOS eComStation OS-9 ITS RISC OS ReactOS RSX-11 RT-11 RSTS/E TOPS-10 TOPS-20 TRON BTRON CTRON ITRON TRIPOS Windows Xinu z/OS OS/360 MVS OS/390 z/TPF z/VM z/VSE DOS/360 その他 API コンピュータネットワーク HAL Live CD Live USB OSシェル ( CLI GUI TUI ZUI ) PXE カテゴリ 一覧 Portal:コンピュータ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%89%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%89
アドレッシングモード
アドレッシングモード ( Addressing Mode )は、 CPU の 命令セットアーキテクチャ (ISA)において、命令のオペランド部(演算の対象となるデータのこと)を表すための方法のことである。一般に、プロセッサの命令において、オペランドとその結果を出力する場所が必要である。アドレッシングモードは、結果を出力する場所をオペランドと同じ場所とし、オペランドの領域に結果を書き戻す方法である。これによって、命令での場所の指定が最小限に抑えられる。そのため、狭義のアドレッシングモードでは、オペランドとして使用すべき メモリ 領域を指定する。しかし、広義には、レジスタを指定したり、値が命令のオペランドとして直接与えられたりする場合も含まれる。 プログラミングの観点では、アドレッシングモードは コンパイラ 開発を行う時や アセンブリ言語 を利用する際に重視される。 アドレッシングモードの複雑さ [ 編集 ] コンピュータ・アーキテクチャ が異なれば、それぞれに独自のアドレッシングモードが存在する。複雑なアドレッシングモードには、使用する命令数やレジスタの削減といった利点がある。一方、単純なアドレッシングモードだけにすることには、CPUの 命令パイプライン の設計が容易になるという利点があるとされる [ 1 ] 。 RISC では一般にアドレッシングモードが少なく単純だが、 DEC の VAX などの CISC では1ダース以上のアドレッシングモードを備え、その一部は非常に複雑である。IBM System/360 は3種類のアドレッシングモードしか持たなかったが、 System/390 ではいくつか追加された。 アドレッシングモードが少ない場合(例えばRISCや IBM System/390)、命令コード側にオペランドの意味を規定する情報が含まれている。しかしアドレッシングモードが豊富なアーキテクチャでは命令フォーマット内に命令コードとは別にアドレッシングモードを指定するフィールドが存在する。DEC VAX はほとんど全ての命令で複数のメモリオペランドを指定でき、オペランド指定フィールドの先頭数 ビット で、そのオペランドのアドレッシングモードを指定することになっている。アドレッシングモードを指定するビット列を オペコード から分離した 命令セット は「直交性が高い」と言われる。 豊富なアドレッシングモードを持つコンピュータであっても、実際のプログラムは、90%は単純なアドレッシングモードで構成される。これは高水準言語のコンパイラが生成したコードを調査した結果であり、コンパイラ自体の限界を反映したものである [ 2 ] 。 構成要素 [ 編集 ] アドレッシングモードは様々なものがISA毎に存在するが、共通の名称は存在しない。したがって、本項目で便宜的に採用している呼び方があらゆる場面で通用するわけではない。アドレッシングモードとは、単にアクセスすべき アドレス を指定する方法を意味するのではなく、命令のオペランドの記述方法そのものである。addressing とは「演算対象を指定する」ことを意味する。したがって、アドレッシングモードにはメモリアドレスの指定方法だけでなく、レジスタそのものや演算にそのまま使われるイミディエイト値も含まれる。アドレッシングモードを構成する要素として以下のようなものがある。 レジスタ 命令のオペランドとしてレジスタそのものを指定する場合と、指定されたレジスタの内容をメモリアドレス指定に使用する場合がある。以下に列挙するのはアドレッシングモードでメモリアドレス指定に使われるレジスタであるが、あくまでもアドレッシングモードでの役割名であり、下記の名称のレジスタが必ず存在するわけではない。 ベースポインタ(BP)/ベースレジスタ(BR) アクセスすべきメモリアドレスを格納するレジスタ。さらにメモリブロック(例えば C言語 の構造体など)の先頭アドレスを保持して、ディスプレースメント(後述)を使用してメモリブロック内の任意のアドレスを指定するのにも使われる。 インデックスレジスタ(IX) 配列のインデックスに相当する値を保持するレジスタ。単独で使われることはなく、ディスプレースメントの変数化したものと捉えることができる。 プログラムカウンタ(PC) 実行中の命令のアドレス(あるいは一般に次に実行予定の命令のアドレス)を保持するレジスタ。アドレッシングモードの文脈では、プログラムの流れを制御する際(分岐命令など)に使われる特殊なベースポインタである。 イミディエイト/即値 命令内に直接書かれている値を意味する。演算命令などのオペランドとしてそのまま使われる。以下に列挙するものは命令内に直接書かれアドレッシングモードでメモリアドレス指定に使われる値である。 直接アドレス アドレスを命令内で直接指定する場合に使われる。例えば大域変数のアドレスやライブラリ関数のアドレスなどは直接アドレスで指定されることが多い(ただし、ダイナミックリンクされるライブラリのアドレス指定はその限りではない)。 ディスプレースメント/オフセット 何らかの ベースアドレス からのオフセットを示す値である。 なお、インデックスレジスタはその性格上、必ずしもメモリアドレス全体を表せるビット幅を持つ必要はないが、一般的にはアドレス全体を表すことができるため、ベースポインタとの役割分担があいまいとなっている。 命令用の単純なアドレッシングモード [ 編集 ] 絶対 オペランドに直接アドレスを指定し、それを実効PCアドレスとする。修飾は特に行わない。 PC相対 次の命令のアドレス(PCの内容)にオペランドとして指定したオフセット値を加えたものを実効PCアドレスとする。オフセットは負の場合もある。一般に分岐命令でよく見られる。条件分岐やループなどの 制御構造 は一般に比較的近いアドレスへの分岐を行うので、絶対アドレスを指定するよりも現在の命令から見た相対的な位置で十分である。実際のプログラムを調査したところ、条件分岐先の90%は8ビットから10ビットのオフセット値でカバーできるという [ 3 ] 。任意のアドレスに配置可能な 位置独立コード でもPC相対のアドレッシングモードを多用する。なお、 条件分岐 命令の条件としては、 ステータスレジスタ 内のビットの状態を使う場合や、レジスタを1本(例えば、reg1=0 なら分岐)または2本(例えば reg1=reg2 なら分岐)指定する場合がある。 レジスタ間接 オペランドとしてレジスタを指定し、そのレジスタの内容を実効PCアドレスとする。例えば、A7 レジスタの内容を指す場合、アセンブリ言語では (A7) などと表記する。例えば、 ジャンプテーブル を使って分岐先を決める場合などに使われる。RISCの場合、サブルーチン呼び出しを行ったときリターンアドレスを所定のレジスタに格納する。そのため、サブルーチンからの復帰に際してレジスタ間接のアドレッシングモードを使用する。 逐次的アドレッシングモード [ 編集 ] 逐次的実行 PCを意図的に変更する命令以外は、メモリ上で一般に現在実行している命令に続いている命令のアドレスをPCに設定するので、メモリ上の次の命令を逐次的に実行することになる。これは自動的に行われるため、一般にアドレッシングモードとは見なされない。例えばNOP命令は何もしないと言われるが、PCだけはインクリメントする。ほとんどの命令は逐次的に実行することになるため、CPU設計においては逐次的実行の高速化を最優先とし、分岐命令を実行すると性能が低下するような設計にすることが多い。条件分岐命令は条件によって分岐する場合と分岐しない場合があり、分岐しない場合は逐次的実行となり、分岐する場合はアドレッシングモードで指定された分岐先を使用する。最近のCPUは命令 プリフェッチ 、 命令パイプライン 、 アウト・オブ・オーダー実行 といった機能を備えているが、アドレッシングモードの観点からは命令を1つ実行して、完了したら次の命令を実行しているかのように振る舞う(内部の動作は異なる)。逐次的命令だけが並んでいる「 基本ブロック 」は、時間的にも空間的にも 参照の局所性 を備えている。 プログラムカウンタ (PC) による逐次的実行を行わないCPUはほとんど存在しないが、各命令が常に次に実行すべき命令のアドレスを指定するというアーキテクチャのCPUも存在する。そのようなCPUは指定されたアドレスを保持する命令ポインタは持つが、それはカウントアップする性質はないのでプログラムカウンタではない。例えば、 磁気ドラムメモリ を主記憶とする一部のコンピュータ、 SECDマシン 、RTX 32P [ 4 ] などがある。さらに フォン・ノイマン・ボトルネック を回避するためにプログラムカウンタの代替となる機構を採用するアーキテクチャもある。 条件付き実行 ARM や x86 (条件付ロード命令)など一部のアーキテクチャは、分岐命令以外にも条件付きの命令を備えている。それによって分岐を不要とし、 命令パイプライン が乱れるのを防ぐことができる。比較命令で ステータスレジスタ の条件コードを設定し、その後の命令列でその条件コードを使い、各命令を実際に実行するか否かを決定する。 スキップ 比較命令の一種で、比較結果によって次の命令を実行するか否かを決定する命令を持つアーキテクチャもある。スキップ・アドレッシングは、オフセットが "+1" に固定されている特殊なPC相対アドレッシングモードと見なすことができる。条件分岐命令と同様、レジスタを1本指定する場合(reg1=0ならスキップ)や2本指定する場合(reg1=reg2ならスキップ)、 ステータスレジスタ の条件コードを設定する命令と条件コードを参照するスキップ命令が分かれている場合などがある。指定したレジスタの特定のビット位置が "1" か "0" かで判断する命令もある(reg12のビット7が0ならスキップ)。スキップ命令は 命令パイプライン を乱さないが、スキップされた命令の実行ステージは無視され、そのサイクルは無駄になる。 データ用の単純なアドレッシングモード [ 編集 ] レジスタ オペランドとしてレジスタのみを指定する。場合によってはアドレッシングモードと見なされない。 「ベース+オフセット」形式とその派生 「ベース+ディスプレースメント」とも。ベースレジスタの内容に、オフセット値を加えた値を実効アドレスとする。 オフセット は16ビットの符号付きの値で指定することが多い(i386では32ビットである)。オフセットがゼロの場合は「レジスタ間接」アドレッシングとなり、実効アドレスはベースレジスタの内容そのものとなる。RISCでは0番のレジスタは内容が常にゼロということが多く、0番のレジスタをベースレジスタとして指定した場合、一種の「絶対」アドレッシングとなる。ただし、それで表せるアドレス範囲は狭い(オフセットが16ビットなら64KBの範囲内のみ)。16ビットのオフセット値というのは、最近のメモリ容量の大きいコンピュータを考えると小さいように思われる(i386で32ビットに拡張したのもそれが理由である)。IBM System/390 ではオフセット値は符号無しの12ビットだった。しかし、 参照の局所性 の原則を適用すれば、あるプログラムが短時間にアクセスするデータの大部分は狭い範囲にあることが多いと言える。このアドレッシングモードは、インデックス付き絶対アドレッシングモードと深い関係がある。 サブルーチン単位で考えた場合、重要となるデータはサブルーチンの引数と局所変数であり、それらが64KBの範囲を超えることは滅多にない。したがって、1つのベースレジスタ( フレームポインタ )で十分である。オブジェクト指向言語のメソッドの場合、(オブジェクト指向言語で this や self と呼ばれる)現在のオブジェクトのデータメンバ群を指すもう1つのベースレジスタを必要とする 構造体 などの 複合データ型 ( 英語版 ) のアドレスをベースレジスタに設定すれば、オフセットを使ってその構造体の特定のフィールドを指定することができる(一般にレコードや構造体といった複合データは32kBよりも小さい)。 イミディエート/リテラル 演算に使用する値(定数)を直接オペランドに指定するもので、アドレッシングモードと見なさないこともある。定数は符号無しの場合と符号付きの場合がある。例えば、move.l #$FEEDABBA, D0 という命令は、"FEEDABBA" という16進の値をD0レジスタに入れる。DEC VAX では、リテラル・オペランドのサイズとして6ビット、8ビット、16ビット、32ビットがある。 アンドリュー・タネンバウム は、プログラム内で使われる定数の98%が13ビットで表せることを示した。 暗黙のアドレッシングモード ある命令がアクセスするリソースが決まっているため、実効アドレスを明記せず暗黙のうちにアクセスする場合である。1970年代中ごろまでのコンピュータではよく見られた。古い典型的なコンピュータは演算対象となるレジスタが1つしかなく、それを アキュムレータ と呼ぶ。アキュムレータ・マシンではほとんどの命令で暗黙のうちにアキュムレータを参照する。例えば、<a := b + c;> という処理は <load b; add c; store a;> という命令列になる。これらの命令はどれも暗黙のうちにアキュムレータにアクセスする。load 命令は b をアキュムレータにロードし、add 命令は c をアキュムレータに加算するといった具合である。store 命令はアキュムレータの内容を指定された場所に格納する。その後、複数の 汎用レジスタ を持つことが多くなり、算術演算の入力と出力をそれぞれ指定する必要が生じ、アドレッシングモードが複雑化していった。 x86 では乗除算命令などで暗黙のうちにALレジスタを使用する。 x86など多くのアーキテクチャでは、 スタックポインタ という特殊なレジスタがあり、スタックにデータを置いたり、スタックからデータを取り除いたとき、自動的にインクリメントまたはデクリメントされる。また、スタックのプッシュ/ポップをする際の実効アドレスは暗黙のうちにスタックポインタに格納されているアドレスを使用する。68k、ARM、PowerPC といったアーキテクチャでは、1つ以上のレジスタをスタックポインタとして使用できる。そのため、「自動インクリメント付きレジスタ間接」などのアドレッシングモードが用意されている。 多くの場合、 CPUモード の切り替えや割り込みマスク状態の変更には専用の命令があり、対応するビットなどを明示的に指定しない。このことは PopekとGoldbergの仮想化要件 を満足させようとする場合、そのような命令をトラップしなければならないハードウェアを単純化できる。すなわち、トラップ処理はオペランド(あるいは最終的な実効アドレス)を調べる必要がなく、命令コードだけを調べればよい。 その他のアドレッシングモード [ 編集 ] 絶対/直接 命令内でアドレスをそのまま指定する。例えば、ロード命令で参照するメモリアドレスを直接指定する。この場合、命令がかなり長くなる。CISCでは命令が可変長なので、このようなアドレッシングモードを持つことが多い。 x86 にもある。RISCではアドレスの上位半分だけをレジスタに格納する命令を持つことがある。その命令に続いて、OR命令でアドレスの下位半分をイミディエート値で指定し、上位半分とOR演算で組合わせて、アドレスをレジスタに格納する。そうしてアドレス全体をレジスタに格納してから「レジスタ間接」または「ベース+オフセット」のアドレッシングモードでそのアドレスにアクセスする。 インデックス付き絶対 命令内でアドレスをそのまま指定し、さらにインデックスレジスタを指定する。実効アドレスは絶対アドレスにインデックスレジスタの内容を加算したものになる。これも命令がかなり長くなる。絶対アドレスは配列などの先頭を指し、インデックスレジスタでその配列の特定の要素を示す。加算する前にインデックスレジスタの内容をスケーリングし、配列の添え字の値そのものをインデックスレジスタに格納しておき、スケーリングでメモリ上のオフセットに変換するアーキテクチャもある。 例えば、大域変数または局所定数として文字列などを定義した場合、そのアドレスは絶対アドレスとして命令に書かれる。文字列上を走査する場合、ループ変数がインデックスレジスタに格納され、このアドレッシングモードが使われる。 ベース+インデックス ベースレジスタとインデックスレジスタを指定し、それぞれの内容を加算した値を実効アドレスとするアドレッシングモード。ベースレジスタは配列などの先頭アドレス、インデックスレジスタは特定の配列要素を指す。加算する前にインデックスレジスタの内容をスケーリングし、配列の添え字の値そのものをインデックスレジスタに格納しておき、スケーリングでメモリ上のオフセットに変換するアーキテクチャもある。 ベース+インデックス+オフセット ベースレジスタの内容とインデックスレジスタの内容とオフセット値を加算して実効アドレスを得るアドレッシングモード。構造体やレコードの配列などで特定の構造体(レコード)の特定のフィールドを指定するといった場合に使用する。 レジスタ間接 ベースレジスタの内容を実効アドレスとするアドレッシングモード。通常は「ベース+オフセット」でオフセット値がゼロの場合である。 自動インクリメント付きレジスタ間接 ベースレジスタの内容が実効アドレスだが、実効アドレスを求めた後、ベースレジスタをそのデータのサイズだけインクリメントする。例えば32ビットのロード命令なら、ベースレジスタに4を加える。アセンブリ言語では (A7)+ などと表記される。ループで配列の各要素を走査する場合などに使用する。 高水準言語では、関数は 副作用 がない方が理解しやすく好ましいとされることが多い。このアドレッシングモードはベースレジスタが更新されるという副作用がある。例えばこのアドレッシングモードを使った命令でページフォールトなどが発生した場合、ベースレジスタの内容が命令実行前に戻っていないと正しく復帰できない。 MC68000 にはそのような問題があり、 MC68010 で対処された。DEC VAX では最大6オペランドで自動インクリメントが可能で、命令自体が最大50バイトにもなるため、命令とデータの両方で同時に ページフォールト となる可能性があった。 自動デクリメント付きレジスタ間接 ベースレジスタの内容をデータのサイズだけデクリメントしてから、その内容を実効アドレスとする。ループで配列を後ろの方から走査する場合などに使用する。自動インクリメント付きレジスタ間接のアドレッシングモードと組合わせて、スタックを実装することもできる。 メモリ間接 本項で述べている各アドレッシングモードで、オプションのビットを設定することで間接アドレッシングとなるアーキテクチャもある。すなわち、それぞれの解説で実効アドレスとされているアドレス位置に真の実効アドレスが格納されているというアドレッシングモードである。間接アドレッシングは命令またはデータに使える。 ポインタ または 参照 の実装を容易にする効果がある。 PDP-8 などの初期のミニコンピュータでは、レジスタが少なくアドレス範囲も小さかった。そのため、大きなメモリを参照する唯一の手段がメモリ間接アドレッシングだった。 PC相対 プログラムカウンタをベースレジスタとして、オフセット値も加えてロード命令の実効アドレスとするアドレッシングモード。「ベース+オフセット」の特殊ケースである。 x86-64 は、 位置独立コード のためにRIP(プログラムカウンタ)相対のアドレッシングをサポートしている。 ARMアーキテクチャ とVAXはどちらもPCが汎用レジスタファイルに含まれており、PC相対アドレッシングが可能である。これらは定数をリテラルプールと呼ばれるテキスト内の領域(サブルーチンの直前か直後)に配置し、PC相対でそれをロードするようなコードを生成する。PC相対の分岐命令はPC以外のレジスタは更新されないが、PC相対のロード命令ではデータレジスタにロード結果が格納される。 CISCの例 [ 編集 ] CISC アーキテクチャでは、分岐命令やメモリアクセス(ロード/ストア)命令だけでなく、演算命令などでもメモリアクセスを行うことができる。CISCの命令セットの設計思想はアドレッシングモードを豊富に用意して、ある処理を実現するのに必要となる命令数を減らすことが大きな目標となっていた。このため、現在では使われなくなった複雑なアドレッシングモードを用意したCPUも存在する( VAX が有名。日本では 日本電気 のV60などは豊富なアドレッシングモードを誇っていた)。 x86アーキテクチャのアドレス指定方式 右図は、現在最も多く使われているCISCである x86 アーキテクチャでのアドレッシングモードを示している。実効アドレス(実際にアクセスすべきメモリアドレス)は セグメント 内のアドレスであり、セグメントレジスタと組み合わせることでリニアアドレスと呼ばれる一種の論理アドレスに変換されるが、この部分は メモリ管理 に関わるものでアドレッシングモードには含まれない。実効アドレスは、ベースレジスタ、インデックスレジスタ、ディスプレースメントを加算することで得られるが、これらの要素は省略可能である。したがって、以下のようなアドレッシングモードが存在する。 レジスタ間接 ベースレジスタがアクセスすべきメモリアドレスを保持している。また、ベースレジスタを省略してインデックスレジスタだけを使う場合もこれにあたる。 ベース+インデックス ベースレジスタにインデックスレジスタの値を加算した値がアクセスすべきメモリアドレスとなる。インデックスレジスタの値は加算する前に2倍、4倍、8倍とスケーリングすることができる。これは例えば 32ビットのデータの配列のインデックスをインデックスレジスタに保持している場合に、4倍にスケールアップすることで配列先頭からのオフセット(アドレスの差分)に変換されるような場合に使われる。 ベース+オフセット ベースレジスタ(またはインデックスレジスタ)に命令内に直接書かれたディスプレースメントを加算した値がアクセスすべきメモリアドレスとなる。 ベース+インデックス+オフセット 全部を使用した指定方法 直接(絶対)アドレス ディスプレースメントのみを使用した場合。 x86では、ロード・ストア命令以外でもメモリアクセスが可能である。例えば加算の場合「A ← A + B」という形式であるため、A にメモリを指すようなアドレッシングモードを使用すると一命令で「ロード→加算→ストア」と二回のメモリアクセスを行うことになる。なお、MOV命令でメモリからメモリへの転送はできない。 RISCの例 [ 編集 ] RISC アーキテクチャでは、メモリアクセスを減らすことが設計思想にあるため、ロード/ストア命令と命令フェッチ以外ではメモリにアクセスしないのが一般的である。また、ロード/ストア命令も一命令でのメモリアクセスが一回というのが原則であり、CISCに存在したメモリ間接モードは存在しない。以下では、 PowerPC アーキテクチャでのアドレッシングモードを例として説明する。 PowerPCでの命令アドレス指定のアドレッシングモード 命令アドレス指定 PC相対ディスプレースメント付き 現在の命令アドレス(PowerPCなど 命令パイプライン を持つ スーパースケーラ プロセッサでは複数の命令が並行して処理されているためプログラムカウンタは仮想的に現在の命令を指しているものとして扱われる)に命令内で指定されたディスプレースメントを加算して実効アドレスを求める。ディスプレースメントは 符号拡張 されて加算される。 直接アドレス 実際にはPC相対ディスプレースメント付きでPCを考慮しないフラグが指定されている場合、この形式となる。ディスプレースメントで指定できる範囲は全アドレス空間をカバーできない。 レジスタ間接 レジスタの内容を実効アドレスとして使用する。ただし、アドレス指定に使えるレジスタは2本(リンクレジスタとカウントレジスタ)に限定されている。一般的な RISC アーキテクチャでは全ての汎用レジスタが使用できるのが普通であるが、PowerPC では条件付き分岐命令にして、さらにサブルーチンからの復帰命令を同じ命令にしているため、このような制限がある。 PowerPCでのデータアドレス指定のアドレッシングモード ロード/ストアアドレス指定 レジスタ間接を基本として、ディスプレースメントで修飾するか、インデックスレジスタで修飾する。この場合のベースレジスタは汎用レジスタであり、分岐命令のような制限はない。また、配列などの連続した領域へのアクセスを高速化するためにアップデート形式と呼ばれるものがあり、実効アドレスにアクセスした後でベースレジスタに実効アドレスを書きこむ命令もある。アドレス指定という意味ではこれだけの形式しかないが、PowerPCは、バイト順番を逆転させるロード/ストア命令(エンディアンを考慮しなければならない場合に便利)、汎用レジスタを連続で複数本ロード/ストアする命令( コンテキストスイッチ などに便利)、複数の汎用レジスタを連続したバイト列としてロード/ストアを行う命令がある。 一般命令のアドレッシングは、レジスタかイミディエイト値のみである。 既に使われなくなったアドレッシングモード [ 編集 ] 以下に挙げるのは、1980年代ごろまで使われていたアドレッシングモードであるが、現在では使われていない。これが全てを網羅しているものではなく、時に応じて様々なアドレッシングモードが使われてきた。例えば、直接アドレス値に複数のインデックスレジスタの論理和を加算するなどといったものもあった。 初期のコンピュータ [ 編集 ] EDSAC などは、 主記憶装置 の容量が小さいため、アドレス指定は全て直接であった(命令内にアドレスが書かれていた)。しかし、これでは配列の各要素に同じ演算をするようなループをコーディングすることが困難である。というのは、ループにしたとき毎回違う配列要素にアクセスするには命令を書き換えなければならなかったからである(実際、命令を書き換えてループさせていた)。これに対して Manchester Mark I ではインデックスレジスタを実装して命令を書き換えなくても済むようにした。 別の解決方法として、次の命令のオペランドを修飾する命令を持ったマシンも存在した。 エリオット・ブラザーズ の Elliott 503 [ 5 ] や Elliott 803 [ 5 ] [ 6 ] 、 アポロ誘導コンピュータ などは絶対アドレッシングしか持たず、インデックスレジスタも持っていなかった。従って間接アドレッシングによる分岐やレジスタを使った分岐は命令セットに存在しない。その代わりとして「指定したメモリワードの内容を次の命令に加える」という命令がある。例えば次の命令が JUMP 0 だった場合、メモリから読み込んだ値が 20 だったとすると JUMP 20 に書き換えられる。これによってインデックス付きの分岐命令と同等の効果を得る。なお、命令は実行時に更新されるのであって、メモリ上の内容は書き換えられない。したがってこれは 自己書き換えコード ではない。指定したメモリ位置の内容が大きい場合、オペランド(アドレス)だけでなく命令コードまで変更することができる。 多重メモリ間接 [ 編集 ] 何らかの実効アドレスがメモリ上の領域を示していて、そこに別のメモリ領域のアドレスが格納されていて、さらにその先にまでたどってメモリの内容をとってくるような場合を多重メモリ間接という。例えば MC68020 などは二重メモリ間接までは実装していた。その際、いったんメモリアクセスして取ってきたアドレス値にさらにインデックスレジスタやディスプレースメントを加算して第二の実行アドレスを計算するモードが存在した。 TRONCHIP では「多段間接モード」を持つ。1段の間接参照操作の中で、インデックスレジスタのスケーリングと加算、オフセットの加算、メモリの間接参照、の3動作を行い、これを任意の段数反復することが可能であった。 DEC の PDP-10 では、アドレスが18ビット幅でワード長が36ビットであるため、ワード内にポインタとフラグを含めることができる。メモリに格納するワードの中の、間接メモリ参照を許可するフラグを設定することによって自動的に多重メモリ間接が可能であった。この場合、ポインタがループを形成していると永久にループをたどり続けるため、注意が必要である。一般にワード長がアドレス長より長い場合、このような多重間接が可能で、他にも IBM 1620 、 データゼネラルNova などがある。Novaの多重メモリ間接から 間接スレッデッドコード の発想が生まれた。 メモリマップド・レジスタ [ 編集 ] DEC PDP-10 などは、レジスタがメモリの先頭アドレス部分(0番地付近)を使って実現されていた(つまり、レジスタがメモリ空間にマップされていた)。これを活用すると、小さなループを構成する命令( 機械語 )をレジスタに並べておくと、高速にループを実行することができた。 後の PDP-11 シリーズではレジスタを入出力エリアにマッピングしていたが、これは遠隔診断を意図したものである。 自動インクリメント付きメモリ間接 [ 編集 ] PDP-8 などの初期のミニコンピュータでは、特別なメモリアドレスがいくつかあり、そこにメモリ間接でアクセスすると、メモリの内容をアクセス後に自動インクリメントしたり、自動デクリメントしたりする(アドレスによって異なる)。これを使うとレジスタを使わずにループを実行することが容易になる。 ゼロページとダイレクトページ [ 編集 ] Data General Nova、 MC6800 ファミリ、 MOS 6502 ファミリなどは内蔵レジスタ数が非常に少ないアーキテクチャである。そのため、多くの算術命令をメモリ上の値に対して行う。普通にアドレスを指定すると16ビット必要とし、コードの中でアドレス指定に要するメモリ量がかなり大きくなる。 そのため、プロセッサ設計者は「ゼロページ」アドレッシングと呼ばれる緩和手段を実装した。メモリ空間の先頭256バイト($0000 - $00FF; これがすなわちページ "0" である)を1バイトで指定できるアドレッシングモードを用意したのである。インデックス付きもある。これによって命令長が1バイト短縮され、クロックサイクルも1サイクル短縮される。結果としてゼロページはレジスタファイルのような使い方をされた。 6502を発展させた WDC 65816 や MOS 65CE02 ( 英語版 ) 、 MC6809 などでゼロページ・アドレッシングが強化され、「ダイレクトページ」アドレッシングとなった。これは、256バイトのゼロページの開始アドレスを専用レジスタで自由に設定できるようにしたもので、それによって複数のソフトウェアがダイレクトページを切り換えて使えるようになった。 ワードを任意サイズのバイトで分けて指定 [ 編集 ] PDP-10 は36ビットのワード長で、1ビットから36ビットまでの任意サイズのバイト単位でメモリを指定する特殊なアドレッシングモードを持つ。18ビットのワードアドレス、ワード内のビット位置、バイトのサイズを指定する1ワードの記述子を使用する。 この記述子を使ってバイト単位でロード・ストアする命令が存在し、記述子が次のバイトを指すようインクリメントする(バイトはワード境界をまたがない)。DECのソフトウェアでは1バイトを7ビット( ASCII )とし、1ワードを5バイトと未使用の1ビットにする記述子を使うことが多かった。 C言語 では、 int 型が char 型の整数倍であるという前提で malloc 関数が成り立っていたため [ 7 ] 、1バイトを9ビットとし、1ワードを4バイトちょうどにする必要があった。実際何倍なのかはコンパイル時の演算子である sizeof で決まる。 脚注 [ 編集 ] ^ "How many addressing modes are enough?" by F. Chow, S. Correll, M. Himelstein, E. Killian, L. Weber, all from MIPS Computer Systems, Inc. 1987 "An Overview of the MIPS-X-MP Project" by John L. Hennessy and Mark A. Horowitz 1986: "MIPS-X uses a single addressing mode: base register plus offset. This simple addressing mode allows the computation of the effective address to begin very early" ^ "Instruction Set Principles: Addressing Mode Usage (Summary)" Archived 2011年9月30日, at the Wayback Machine . by Dr. Sofiène Tahar "3 programs measured on machine with all address modes (VAX)": "displacement mode" and "immediate mode" are used 75% of the time. "Fundamentals of Computer Design" [ リンク切れ ] p. 112-113 "Frequency of addressing modes for TI TMS320C54x DSP. The C54x has 17 data addressing modes, not counting register access, but the four found in MIPS account for 70% of the modes. Autoincrement and autodecrement, found in some RISC architectures, account for another 25% of the usage. This data was collected form a measurement of static instructions for the C-callable library of 54 DSP routines coded in assembly language." "Efficient and Language-Independent Mobile Programs" by Ali-Reza Adl-Tabatabai, Geoff Langdale, Steven Lucco, and Robert Wahbe 1995: "79% of all instructions executed could be replaced by RISC instructions or synthesized into RISC instructions using only basic block instruction combination." ^ Kong and Patterson. "Instruction set design". 1995. slide 27. [1] ^ "Architecture of the RTX 32P" by Philip Koopman 1989 ^ a b Dave Brooks. "Some Old Computers" . ^ Bill Purvis. "Some details of the Elliott 803B hardware" ^ "C Reference: function malloc()" メモリを確保するサイズをバイト数で指定 外部リンク [ 編集 ] Addressing modes in assembly language Addressing modes 表 話 編 歴 CPUテクノロジー アーキテクチャ ISA : CISC EDGE EPIC MISC ( 英語版 ) OISC RISC VLIW ZISC ( 英語版 ) ハーバード・アーキテクチャ ノイマン型 4ビット 8ビット 12ビット 16ビット 18ビット 24ビット 31ビット 32ビット 36ビット 48ビット 60ビット 64ビット 128ビット 並列処理 パイプライン 命令パイプライン イン・オーダー&アウト・オブ・オーダー レジスタ・リネーミング 投機的実行 レベル ビット 命令 スーパースカラー データ タスク スレッド マルチスレッディング 同時マルチスレッディング ハイパースレッディング スーパースレッディング ( 英語版 ) コア シングルコア マルチコア ホモジニアスマルチコア ヘテロジニアスマルチコア フリンの分類 SISD SIMD MISD MIMD タイプ マイクロプロセッサ DSP マイクロコントローラ System-on-a-chip ベクトルプロセッサ コンポーネント 演算装置 Back-side bus マルチプレクサ デマルチプレクサ レジスタ MMU TLB キャッシュ レジスタファイル マイクロコード 制御装置 CPUクロック 電源管理 APM ACPI Dynamic frequency scaling(英語版) Dynamic voltage scaling(英語版) Clock gating(英語版)
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88
アプレット
アプレット (applet)とは、他の アプリケーション の中に組み込まれて実行される小さなプログラムとのことである。多くの場合、アプレットを動作させるアプリケーションはWebブラウザである。アプレットという用語は Javaアプレット の略称として用いられることも多い。 他のアプリケーションの上で動くために、同じ機能を実現するのにも、単独のアプリケーションより必要なプログラミング量が減る特徴がある。 アプレット( 英語 : applet )という言葉は、application (の略称 app ) に 縮小辞 を付加して造語されたものである。 アプレットの例 [ 編集 ] 日本ではあまり用いられないが、英語圏では Macromedia Flash のようなWebページに組み込まれるものもアプレットに数えることもある。その他、Webブラウザ上のもの以外にも使われる例がある(例:パッケージソフト Siebel において自社製品の部品の一つの名称として使用している)。 また、 X Window System 用のデスクトップ環境 GNOME では、パネル上で動く小さなプログラムをアプレットと呼んでいる。 Microsoft Windows でシステムに関わる各種設定を行う コントロールパネル の個々のアイコンをコントロールパネルアプレットと呼ぶ。 関連項目 [ 編集 ] サーブレット プラグイン
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
アルゴリズム
ウィキバーシティに アルゴリズム に関する学習教材があります。 アルゴリズム ( 英 : algorithm [ 注 1 ] )とは、 解 が定まっている「 計算可能 」問題に対して、その 解 を正しく求める手続きをさす [ 注 2 ] 。 算法 [ 1 ] [ 2 ] 、 計算手順 [ 3 ] [ 4 ] 、 処理手順 [ 5 ] とも和訳される。「 ヒューリスティック 」に対置する概念である [ 6 ] 。 実用上は、アルゴリズムの実行に要する記憶領域の大きさや完了までに要する時間( 空間計算量と時間計算量 )が小さいこと、特に問題の規模を大きくした際に必要な記憶領域や計算量が急激に大きくならないことが重要となる。 アルゴリズムの実行は形態によらない。たとえばアルゴリズムは コンピュータ 上に コンピュータプログラム として実装して実行できる。 概要 [ 編集 ] フローチャート はアルゴリズムの視覚的表現としてよく使われる。これはランプがつかない時のフローチャート。 岩波 国語辞典「算法」に、まず「計算の方法」とした後に2番目の詳細な語義でalgorithmの訳として、 特に、同類の問題一般に対し、有限回の基本的操作を、指示の順を追って実行すれば、解がある場合にはその解が得られ、解がない場合にはそのことが確かめられるように、はっきりと仕組んである手順。 とある。一見では国語辞典らしい平易な日本語で書かれた説明だが、例えば解が無いと 無限ループ に陥るといったようなものは除外されるし、「アルゴリズムの視覚的表現」としてよく使われる フローチャート のようなもので書いてあっても、基本的操作がはっきりと書いてなければそれはアルゴリズムではない、というわけである。これは、 #形式化 の節で述べるような、 理論計算機科学 での「アルゴリズム」の扱いに沿っている。 歴史 [ 編集 ] 記録に残る最古のアルゴリズムは、 エウクレイデス の 原論 のものである。その中でも、二つの整数の 最大公約数 を求める ユークリッドの互除法 [ 7 ] は、典型的なアルゴリズムとして知られている。 「アルゴリズム」という名称は、現在の イラク の バグダード における9世紀の数学者 アル=フワーリズミー [ 注 3 ] の名前から来ているといわれている。彼が インド数学 を紹介した著作『 インドの数の計算法 』( 825年 )が、12世紀に チェスターのロバート (あるいは バースのアデラード )によってラテン語に翻訳され、『 algoritmi de numero Indorum アルゴリトミ・デ・ヌーメロ・インドルム』 [ 8 ] (直訳すると「インドの数におけるアルゴリトミ」)という題で、以後500年間にわたってヨーロッパ各国の大学で数学の主要な教科書として用いられた。この書は、冒頭に「 algoritmi dicti (アル・フワリズミーに曰く)」という一節があるので『 algoritmi ( ) 』と呼ばれていた。 1920〜30年代、計算可能性のための数学モデル( 計算モデル )がいくつも提案された( チューリングマシン 、 帰納的関数 、 ラムダ計算 など)。後にこれらの定義はすべて同等であることがわかり、それらにより同値な概念を「計算可能」とすることが提案された( チャーチ=チューリングのテーゼ 、提案者は スティーヴン・コール・クリーネ 。なお、 チューリング のほうを先とする専門家もいる)。したがって、現在では「これらによって『計算可能なもの』を計算する手続き」をアルゴリズムと呼ぶ。 形式化 [ 編集 ] ここではまず非形式的にアルゴリズムについて述べた後で、停止性など形式的(フォーマル)な議論を続ける。 アルゴリズムは コンピュータ が情報を処理する基盤である。すなわち、 プログラム は本質的にはアルゴリズムであり、コンピュータが特定のタスク(従業員の給与計算、学生の成績表の印刷など)を(指定された順序で)実行するためのステップをコンピュータに指示する。したがって、アルゴリズムは チューリング完全 なシステムで実行可能な操作の並びとみなすこともできる。 …チューリングの命題についての非形式的な論証から、より強い命題が正当化される。すなわち、全てのアルゴリズムはチューリング機械でシミュレート可能である…Savage [1987] によれば、アルゴリズムはチューリング機械によって定義される計算過程である。 [ 9 ] アルゴリズムは 情報処理 と結びついていることが多く、データは何らかの入力源(機器)から読み込まれ、結果は何らかの出力先(機器)に書かれるか、次の処理の入力となるよう保持される。保持されたデータはアルゴリズムを実行する実体の内部状態の一部とみなされる。実際、コンピュータでは状態を データ構造 に保持したりする。 このような計算過程について、アルゴリズムは厳密に定義されなければならず、ありうる全ての状況に適用可能な形で指定される。すなわち、どのような条件のステップでも、ケースバイケースで体系的に扱わなければならず、各ケースの扱い方は明確で(計算可能で)なければならない。 アルゴリズムは明確なステップの明確なリストなので、その計算順序は最も重要である。命令列は、先頭から最後尾に向かって逐次的に実行されるよう記述される。この考え方をより形式的にしたものが 制御構造 である。 以上の説明は、 命令型プログラミング を前提としてアルゴリズムを定式化する場合である。これは、最も典型的な概念であり、タスクを離散的かつ機械的なものとして表すものである。その場合に特有の操作として、変数に値を設定する「代入」がある。これは、直観的にはメモリをメモ帳のようなものとみなすところから生まれた。 これ以外のアルゴリズムの概念化として、 関数型プログラミング や 論理プログラミング がある。 アルゴリズムの記述 [ 編集 ] プログラマは 擬似コード などを使うことが多いが、 理論計算機科学 での形式的 [ 注 4 ] で厳密 [ 注 5 ] な議論には 計算モデル を使う。もちろん相互に得失があり、必要であれば互いにどちらも使う。 停止性 [ 編集 ] →「 計算可能性理論 」も参照 アルゴリズムは最終的に必ず停止しなければならないとする定義もある。というより形式的で厳密な議論では停止するものだけがアルゴリズムである( チャーチ=チューリングのテーゼ も参照)。 そのため、そうでないものと呼び分ける必要があることもあり、 クリーネ は停止性のあるアルゴリズムを「 decision procedure for the question 」「 decision method for the question 」「 algorithm for the question 」とした [ 10 ] 。停止しない可能性のある手続きについては、 クヌース は「 computational method 」 [ 11 ] と呼び、クリーネは「 calculation procedure 」「 algorithm 」 [ 10 ] と呼んでいる。 ミンスキー は、(特定の状態から開始された)アルゴリズムの停止性について次のように述べている。 しかしもし実行中のプロセスの長さが不明ならば、それを試すことは得策ではないかもしれない。何故なら、もしプロセスが永遠に続くなら、我々は答えを得られないかもしれないのだから。 [ 12 ] アラン・チューリング が 停止性問題 として提起したとおり、任意のプロシージャと初期状態が与えられたとき、それが停止するかどうかを判定するアルゴリズムは存在しない(この前半を「任意のアルゴリズムと初期状態が」としてはいけない。この記事の他の部分では完全に混用されているが、この文の後半の「アルゴリズムは」という表現は、必ず停止するもののみを指してそう言っているのだから。せめて1文の中では混用はまずい)。 不完全な(あるいは間違った)アルゴリズムは、次のいずれかの結果となる。 停止しない。 解の範囲を逸脱した値を返して停止する。 誤った解を返して停止する。 解を返さずに停止する。 これらの組合せ。 クリーネはこれらをアルゴリズム内で検出してエラーメッセージを返すか、可能ならば無限ループに入らせることを提案した [ 10 ] 。また、結果が真理値である場合についてクリーネは第三の論理記号「 u {\displaystyle u} 」 [ 注 6 ] を使うことも提案している [ 10 ] 。そうすれば、命題を扱うアルゴリズムで何らかの値を常に生成できるとした。誤った答えを返す問題は、帰納法を使ったアルゴリズムに関する個別の「証明」で解決される。 通常、これ(アルゴリズムが μ再帰関数 を正しく定義しているかという問題)には補助的な証拠を必要とする。それは例えば、個々の引数の値について、計算が一意な値で終了するかという帰納的証明の形式で示される。 [ 12 ] その他の表現 [ 編集 ] アルゴリズムには様々な記法があり、 自然言語 、 擬似コード 、 フローチャート 、 プログラミング言語 などがある。アルゴリズムの自然言語表現は冗長であいまいになる傾向があり、複雑なアルゴリズムや技術的な場面では単独ではほとんど使用されない。擬似コードやフローチャートはアルゴリズムを構造的に表現でき、自然言語のようなあいまいさもほとんどない。プログラミング言語でアルゴリズムを示すこともよくある。 アルゴリズムの記述は、例えば チューリング機械 を使ったならば、として次の3つに分類している書籍などがある [ 13 ] 。 高レベルな記述 自然言語でアルゴリズムを説明したもの。実装の詳細は省かれている。このレベルでは、チューリング機械のテープやヘッドの動きまでは説明しない。 実装レベルの記述 チューリング機械のヘッドの動きやテープへのデータ格納方法を自然言語で説明する。このレベルでは機械の状態や遷移関数の詳細は説明しない。 (以上の2つのような内容では、そもそも概要で説明したように「はっきり」していない可能性もあるし、詳細が無ければ無限ループに陥らないことを証明することもできない。従ってそもそも実際には「アルゴリズムを記述」してはいない) 形式的記述 チューリングマシン#形式的な定義 を参照。 実装 [ 編集 ] 多くのアルゴリズムは、 コンピュータプログラム として実装されることを意図している。しかし、アルゴリズムの実装手段はほかにもあり、 電気回路 で実装したり、機械で実装したりすることもある。人間が 算術 を覚えるのも、 脳 内の神経網にアルゴリズムが実装されたものと見ることもできる。 例 [ 編集 ] この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "アルゴリズム" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年7月 ) 簡単なアルゴリズムの例として、(整列されていない)有限長の数列(リスト)に含まれる(大きさが一定値以下の整数の)最大の数を見つけ出すアルゴリズムを考える。ここでは、リストに含まれる全ての数を調べる必要があるが、一度に調べらることができるのは1つだけであるとする。ここから得られるアルゴリズムを、日本語で記述すると次のようになる。 概念的記述 [ 編集 ] 最初の要素(数)が最大と仮定する。 残りのリスト上の数を順に見ていき、最大の数よりも大きい数が見つかったら、それを新たな最大として記憶する。 最後に記憶した数がそのリストでの最大の数であり、これで処理が完了する。 次に、プログラミング言語的にやや形式的に記述すると、次のような 擬似コード になる(「←」は代入を表し、「 return 」はその後に記された値を返してアルゴリズムが終了することを意味する)。 擬似形式的記述 [ 編集 ] 入力: 空でない数リスト L 、出力: リスト L 内の最大( largest )の数。 algorithm 最大値を求める is largest ← L 0 for each item ∈ リスト L ≧1 do if largest < item then largest ← item end end return largest end アルゴリズム解析 [ 編集 ] この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "アルゴリズム" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年7月 ) あるアルゴリズムの実行に必要な計算資源(時間や記憶領域)の量を見積もることは重要である。そのような量を定量的に求める分析法は アルゴリズム解析 と呼ばれ、研究がなされてきた。例えば、上記のアルゴリズムの実行に必要な時間はリストの長さを n {\displaystyle n} とするとき O記法 を用いて表せば O ( n ) {\displaystyle O(n)} となる。このアルゴリズムでは、(与えられたリスト以外には)常に(その時点での最大の数と、現在見ているリスト上の位置)2つの値だけを記憶しておけばよい。したがって、必要となる記憶領域の量は O ( 1 ) {\displaystyle O(1)} となるが、リストの長さ n を記憶して入力として与える場合にはそのための領域も含めるとすると O ( log ⁡ n ) {\displaystyle O(\log n)} になる。 同じ問題であっても、アルゴリズムが異なれば、必要とする時間や記憶領域の量も異なる。例えば、 ソート には様々なアルゴリズムがあり、それぞれ必要な時間や記憶領域の量が異なる。 アルゴリズム解析 は 計算機科学 の一部であり、特定の プログラミング言語 や実装を前提とせずに、抽象的に解析を行うことも多いが、特定のプログラミング言語や実装を前提として、具体的に解析を行うことも多い。これは、アルゴリズムの様々な属性に注目した他の数学的分野とも共通する。 分類 [ 編集 ] この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "アルゴリズム" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年7月 ) アルゴリズムには様々な分類方法があり、それぞれに利点がある。 実装による分類 [ 編集 ] アルゴリズム分類の1つの方法として、実装手段による分類がある。 再帰 / 反復 再帰アルゴリズム は、ある条件が成り立つまで自身を再帰的に呼び出すものであって、 関数型言語 でよく使われる。 反復 アルゴリズムは、ループのような反復構造と場合によっては スタック などの データ構造 を補助的に使い、問題を解く。一部の問題は、どちらか一方の実装が自然である。例えば、 ハノイの塔 は再帰的実装の方が分かりやすい。再帰アルゴリズムは全て反復アルゴリズムでも実装可能であり、逆も同じである(ただし、複雑さは変化する)。 論理 アルゴリズムは、制御された 演繹 であるとも言われる。これを アルゴリズム = 論理 + 制御 と表現することもある [ 14 ] 。論理部分は計算で使われる公理を表し、制御部分は公理に演繹が適用される方法を決定する。これは 論理プログラミング というパラダイムの基本である。純粋な論理プログラミングでは、制御部分が固定されていて、アルゴリズムは論理部分だけで指定される。この手法の魅力は、 プログラム意味論 的なエレガントさがある点である。公理の変化は定式化されたアルゴリズムの変更を伴う。 逐次 / 並列 / 分散 アルゴリズムは通常、コンピュータが一度に1つのアルゴリズム内の1つの命令だけを実行するものと仮定して議論される。このようなコンピュータは、シリアル・コンピュータなどと呼ばれることもある。そういった環境向けに設計されたアルゴリズムは逐次アルゴリズムと呼ばれ、それとは対照的な分類として 並列アルゴリズム や 分散アルゴリズム がある。並列アルゴリズムは、複数のプロセッサが同時並行して同じ問題を解くのに使える コンピュータアーキテクチャ で有効である。また、分散アルゴリズムは、複数のマシンが コンピュータネットワーク で相互接続された環境で使われる。並列/分散アルゴリズムは、問題を分割して解き、その結果を集めて最終的な結果を得る。その場合、個々のプロセッサの計算時間(実行命令数)だけでなく、プロセッサ間の通信オーバーヘッドも 計算資源 の消費量として問題になる。例えば、 ソート アルゴリズムは効率的に並列化できるものもあるが、通信オーバーヘッドは高くつく(部分数列をソートした結果を集めるには、結局部分数列そのものをやりとりしなくてはならない)。反復アルゴリズムは一般に並列化可能である。並列アルゴリズムがない問題は、本質的に逐次的な問題である。 決定性 / 非決定性 決定性アルゴリズム では解法の全ステップが常に正確に決定されるが、非決定性アルゴリズムはいわば推量や推測で問題を解くものであり、 ヒューリスティクス を使ってより正確に推測する。 正解 / 近似解 一般にアルゴリズムは正解を得るものだが、 近似アルゴリズム は近似解を求め、その近似性に一定の根拠があれば、これも広義のアルゴリズムとして含めて考えることができる。近似には、決定性の戦略もあれば、乱択の戦略もある。多くの難しい問題では、近似アルゴリズムしか実用的な解法が存在しない。近似アルゴリズムはその近似解の近似性能も評価・保証などがされる必要がある。 設計パラダイムによる分類 [ 編集 ] 別の分類方法として、アルゴリズムの設計方法論やパラダイムで分類する方法がある。それぞれ異なるいくつかのパラダイムが存在する。さらに、個々のパラダイムの中にも様々な異なる形式のアルゴリズムが含まれている。以下に主なパラダイムを挙げる。 分割統治法 分割統治法は、問題を(通常 再帰的 に)複数または単一の同じ種類のもっと小さい問題に還元していき、最終的に容易に解ける程度の大きさにする。分割統治の例としては マージソート がある。ソートは入力データを分割してそれぞれに対して行われ、統治フェーズではそれらの結果をマージする。分割統治法を単純化したものとして decrease and conquer algorithm がある。これは、問題を全く同じ複数の部分問題に分割し、その解をより大きな問題を解くのに利用する。分割統治法では一般に分割された個々の部分問題は全く同じではないため、統治フェーズは decrease and conquer algorithm よりも複雑になる。 decrease and conquer algorithm の例として 二分探索 がある。 動的計画法 部分問題の最適解から全体の最適解が得られるような構造の問題や、同じ部分問題の最適解が様々な問題の解法に有効であるような問題の場合、動的計画法を使って既に計算済みの解を再計算するのを避けることができ、解法を効率化できる。例えば重み付けのある グラフ での最短経路を求める場合、始点に隣接する全ての頂点について最短経路が分かっていれば、容易に最短経路が求められる。動的計画法と メモ化 は密接な関係がある。分割統治法との違いは、分割統治法では部分問題は多少なりとも独立しているのに対して、動的計画法では部分問題が重複している。単純な再帰との違いは、再帰部分をキャッシュ化またはメモ化する点である。部分問題が互いに独立している場合、メモ化は何の役にも立たない。したがって、動的計画法はあらゆる複雑な問題の解法とはならない。動的計画法では、メモ化あるいは既に解かれた部分問題の表を使うことによって、指数関数的性質をもつ問題を多項式レベルの 複雑性 に削減することができる。 貪欲法 貪欲法は 動的計画法 に似ているが、部分問題の解を各段階では知る必要がないという点が異なる。その代わりに、各時点で最もよい選択と思われるものを選んでいく。貪欲法では、それまでの選択と現時点の局所最適解から最適と思われる解を構築していくのであって、考えられるあらゆる解を評価することはない。したがって網羅的ではなく、必ずしも正解にたどり着けるわけではない。しかし、性能は非常によい。貪欲法としてよく知られている例として、 最短経路木 を求める クラスカル法 、 プリム法 、 ダイクストラ法 などがある。 線型計画法 線型計画法で解ける問題では、制約条件として入力に関する線型の 不等式 があり、入力に関するある線型の関数を最大化(または最小化)する値の組合せを求めるものである。有向 グラフ に関する 最大フロー問題 など、多くの問題が線型計画問題として記述でき、 シンプレックス法 などの汎用アルゴリズムで解くことができる。線型計画法の解空間を 整数 に限定したものを整数計画法と呼ぶ。 還元 この技法は、難しい問題をほぼ最適なアルゴリズムが既知の別の問題に変換するものである。例えば、ソートされていない数列から中央値を求める 選択アルゴリズム として、まずその数列を ソート し、そこから真ん中に位置する値を取り出すという方式がある。 探索 と数え上げ チェス の手を考えるなどといった問題は、 グラフ 問題としてモデル化できる。そのような問題では、比較的よく研究されているグラフ探索アルゴリズムを使うことができる。このカテゴリーには、 探索アルゴリズム 、 分枝限定法 、 バックトラッキング も含まれる。 確率的パラダイムとヒューリスティクス ここに分類されるのは広義のアルゴリズム、ないし、 遺伝的アルゴリズム のように(名前に反して)アルゴリズムではないものである。 乱択アルゴリズム - 選択を無作為(あるいは擬似無作為)的に行う。問題によっては、 無作為性 をもった解法が最も性能がよいと証明されているものもある。 遺伝的アルゴリズム - 生物の 進化 過程をまねた手法で解を求めるもの。無作為な突然変異を加えて、次世代の解を生成していく。自然淘汰と自己複製をエミュレートしているものと看做す視点から「遺伝的」という命名がされた。 ヒューリスティクス - 計算資源 が限られている状況での近似解を求めることを目的としている。正解を求めるのには適さない。例えば、 局所探索法 、 タブーサーチ 、 焼きなまし法 といった、何らかの無作為性を導入して確率的に解を発見しようとするアルゴリズムがある。例えば焼きなまし法という名前は、冶金学の 焼きなまし に由来する。加熱と冷却によって金属結晶の欠陥がなくなるように、無作為性を与えて局所的な最適解に陥るのを防ぎ、徐々に無作為性を小さくすることによって最終的に1つの解に落ち着くという手法である。 研究分野による分類 [ 編集 ] 科学のどんな分野にも固有の問題があり、効率的なアルゴリズムが必要とされている。ある分野の問題はまとめて研究されることが多い。そのような分類として、 探索アルゴリズム 、 ソートアルゴリズム 、 マージアルゴリズム 、 数値アルゴリズム 、 グラフアルゴリズム 、 文字列アルゴリズム 、 計算幾何アルゴリズム 、 組合せアルゴリズム 、 機械学習 、 暗号理論 、 データ圧縮 アルゴリズム、 構文解析 などがある。 各分野はオーバーラップしており、ある分野でのアルゴリズムの進歩が、時には全く異なる分野での改善につながることがある。例えば、動的計画法は、本来、産業における資源消費の最適化のために発明されたが、現在では様々な分野での各種問題に適用されている。 計算量による分類 [ 編集 ] →「 複雑性クラス 」も参照 アルゴリズムは、入力長に対する計算時間で分類される。あるアルゴリズムは入力長に対して線形時間で完了する。また別のアルゴリズムは指数時間以上かかるし、場合によっては完了しないこともある。さらに、問題によっては計算量の異なる複数のアルゴリズムが存在するし、効率的なアルゴリズムが全く知られていない問題もある。問題によっては、別の問題への写像が存在する。以上のようなことから、計算量による分類は、アルゴリズムについてではなく、問題について行うのが適当とされている。つまり、問題を解く最善のアルゴリズムの計算量に基づいて、問題を分類する。 計算能力による分類 [ 編集 ] アルゴリズムは計算能力によっても分類される。一般にアルゴリズムは計算能力によって階層的に分類される。「再帰的クラス」とは、全てのチューリング計算可能関数についてのアルゴリズムを含むクラスである。このような階層化によって、計算に必要とされる 計算資源 (時間とメモリ)を制限できる可能性が生じる。「部分再帰クラス」は、全てのチューリング計算可能な関数を得ることはできない。例えば、 多項式時間 で実行されるアルゴリズムには多くの重要な計算が含まれるが、チューリング計算可能な関数全体を含むことはない。 原始再帰関数 で実装されるアルゴリズムのクラスは、別の部分再帰的クラスの例である。 Burgin (2005, p. 24) [ 15 ] は、関数を計算するアルゴリズムは有限ステップ後に必ず出力が決定されなければならないという一般的条件を緩めたアルゴリズムの汎用的定義を行った。彼は「超再帰的クラス」を「チューリングマシンで計算可能でない関数を計算可能なアルゴリズムのクラス」と定義した(Burgin 2005, p. 107) [ 15 ] 。これは ハイパーコンピュータ の手法の研究と密接に関係している。 法的問題 [ 編集 ] 特許 [ 編集 ] →「 ソフトウェア特許 」も参照 アルゴリズム自体は一般に特許化できない。 アメリカ合衆国 では、抽象概念、数、信号の単純な操作だけから成る請求項は「プロセス」を構成しないとされるので [ 16 ] 、アルゴリズムは特許化できない。 しかし、アルゴリズムの具体的応用は特許化可能な場合がある。例えば、 Diamond v. Diehr のケースでは、単純な フィードバック アルゴリズムを使った合成ゴムの硬化処理が特許として認められた。 データ圧縮 アルゴリズムの分野では、ソフトウェア特許が論争の元になることが多く、例えば ユニシス の LZWアルゴリズムの特許問題 が有名である。 圧縮アルゴリズムで有名な特許問題は他に算術符号も挙げられる。算術符号で取得されている特許の範囲は3点であるとされている。算術符号によって断念されたソフトウェアやファイル形式は多く、代替品が相次いで開発された。 →詳細は「 算術符号 」を参照 線型計画問題 の解法である カーマーカーのアルゴリズム は日本において特許無効審判がなされたが、2000年12月11日付けで特許庁に当該特許の放棄による特許権抹消の登録が行われたため、最終的に審判が却下された。 →詳細は「 カーマーカーのアルゴリズム 」を参照 著作権 [ 編集 ] 著作権 の観点では、 日本 において 著作権法 10条 3項にて明示的にアルゴリズムは同法の保護対象の外であることが定められている [ 17 ] 。ただし人がアルゴリズムを記述した文書や、人がアルゴリズムを実装したプログラムコードは著作物として保護対象になりうる [ 18 ] (文書やプログラムを経由して「アルゴリズムが保護」されるということではない。つまりこの文章は、アルゴリズムについて書いてあるわけではない。保護を受けるのはアルゴリズムそのものではなくて、アルゴリズムの具体的な表現としての著作物である)。 登録商標 [ 編集 ] アルゴリズム自体が保護される訳では無いが、商標の基準を満たしていればアルゴリズム名称を商標として登録することはできる。ただしアルゴリズム名称はその性質上から通常は一般名詞として通用するものであり、一般名詞と同じ語について商標の基準を満たして商標として登録しても、一般名詞の一般名詞としての(すなわちごく当然の)使用を妨げるという通念に反するような権利の濫用はできないような商標法上の制限があるため、通常の、商品名などを登録した場合と違い権利は制限される。 その他 [ 編集 ] 暗号アルゴリズムには輸出規制されているものもある( アメリカでの例 )。 代表的なアルゴリズム [ 編集 ] →「 en:List_of_algorithms 」も参照 探索 線型探索 、 二分探索 幅優先探索 、 深さ優先探索 文字列探索 ハッシュ関数 ソート 挿入ソート バブルソート クイックソート マージソート ヒープソート バケットソート 選択 マージ 数学の問題に対するアルゴリズム [ 編集 ] 筆算 - かけ算(尾乗法)、わり算(長除法) ユークリッドの互除法 - 最大公約数 を求める ガウスの消去法 - 線型方程式系 (連立方程式)の解を求める ニュートン法 - 繰り返し計算により解の精度を高める方法で非線型方程式の数値解を1つ求める ガウス=ルジャンドルのアルゴリズム - 円周率 を求める 素数判定法 - 与えられた 自然数 が素数かどうかを判定する 素因数分解 - 与えられた自然数を素因数分解する 高速フーリエ変換 (FFT) - 離散フーリエ変換を計算機上で計算する。工学、理学、医療工学などに広く応用されている。例えば、波形データが含む周波数成分を算出するなど。 高速乗算法(数、行列など) 設計パラダイム [ 編集 ] 力まかせ探索 (ブルートフォース) - 全ての要素を片っ端から調べて探す方法。単純だが非常に汎用的な計算機科学の問題解決法 分割統治法 動的計画法 近似アルゴリズム 貪欲法 局所探索法 乱択アルゴリズム (確率的アルゴリズム) ラスベガス法 モンテカルロ法 ブートストラップ法 遺伝的アルゴリズム ヒューリスティクス 分散アルゴリズム 並列アルゴリズム 各分野の固有の問題に対するアルゴリズム [ 編集 ] 各種線型計算(連立1次方程式、線型固有値問題、特異値問題) 数値積分 微分方程式の近似解法(常微分方程式、偏微分方程式、確率微分方程式) 線型計画問題 シンプレックス法 - 線型計画法 の1つ カーマーカー法 非線形最適化 離散最適化 グラフ理論 における 最短経路問題 ダイクストラ法 ベルマン-フォード法 A* - 推定値つきの場合のダイクストラ法。 グラフ理論 における最小全域木問題 クラスカル法 - 貪欲法の一種 プリム法 データ圧縮 (デジタル圧縮) ファイル圧縮(ZIP)、画像圧縮(JPEG、GIF)、音声圧縮(MP3)、動画圧縮(MPEG-4、H.264)。 暗号 RSA暗号 - インターネットセキュリティにおける重要な技術。素因数分解の計算の困難さを利用した 公開鍵暗号 方式。 デジタル署名 にも応用されている。 誤り検出訂正 リード・ソロモン符号 - 最も実用化されている誤り訂正符号の一つ。身近なところではQRコードに使われている。アルゴリズムには有限体の理論が応用されている。 ターボ符号 - 第三世代携帯電話の規格や、宇宙探査機での通信などに使われている。 LDPC符号 - 最も効率的な誤り訂正符号の一つ。復号法に 確率伝播法 が応用されているところが特徴。実用化も進められていて、デジタルテレビの衛星通信の標準として採用されている。 擬似乱数生成法 線形合同法 メルセンヌ・ツイスタ 完全情報ゲーム における思考法 ミニマックス法 アルファ・ベータ法 - ミニマックス法の改良 パターン認識 サポートベクターマシン カーネル法 確率伝播法 - ベイジアンネットワーク 上の計算アルゴリズム。人工知能学習や情報理論の分野などに応用されている。 ページランク - Google社が開発したウェブページの重要度の判定技術 顔認識システム 音声認識 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ [ˈælgəˌrɪð ə m] ^ 解が存在しない問題に対しては、それを正しく判定できなければならない。 ^ アラビア語 : الخوارزمي , ラテン文字転写 : al-Khwarizmi ^ 英 : formal ^ 英 : rigorous ^ 英 : undecided 、不定 出典 [ 編集 ] ^ 「 アルゴリズム 」『百科事典マイペディア』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0#E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.E3.83.9E.E3.82.A4.E3.83.9A.E3.83.87.E3.82.A3.E3.82.A2 。 コトバンク より2024年9月29日閲覧 。 ^ 「 アルゴリズム 」『改訂新版 世界大百科事典』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0#E6.94.B9.E8.A8.82.E6.96.B0.E7.89.88.E3.80.80.E4.B8.96.E7.95.8C.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8 。 コトバンク より2024年9月29日閲覧 。 ^ 「 フローチャート 」『日本大百科全書(ニッポニカ)』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%83%95%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%88#E6.97.A5.E6.9C.AC.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E5.85.A8.E6.9B.B8.28.E3.83.8B.E3.83.83.E3.83.9D.E3.83.8B.E3.82.AB.29 。 コトバンク より2024年9月29日閲覧 。 ^ 「 algorithm 」『英和 用語・用例辞典』 。 https://kotobank.jp/ejword/algorithm%20algorism 。 コトバンクより2024年9月29日閲覧 。 ^ 「 プログラム 」『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0#E3.83.96.E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A.9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85.E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8 。 コトバンク より2024年9月29日閲覧 。 ^ “ アルゴリズム | IoT用語辞典 | キーエンス ”. キーエンス . 2024年12月27日閲覧。 ^ ユークリッド『 原論 』第 7 巻「数論」、命題 1〜3。 ^ Erik Gregersen: “ Britannica Encyclopedia - Algorithm: Definition, Types, & Facts ” (英語). 2023年1月14日閲覧。 ^ Gurevich, Yuri (2000-07-01). “Sequential Abstract State Machines Capture Sequential Algorithms”. 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ISBN 0387955690 ^ 米国特許商標庁 (2006), 2106.02 **>Mathematical Algorithms< - 2100 Patentability , Manual of Patent Examining Procedure (MPEP). ^ 著作権なるほど質問箱 - 文化庁 ^ 基本情報技術者 平成24年春期 午前問78 - 基本情報技術者試験ドットコム 関連項目 [ 編集 ] 逐次アルゴリズム 並列アルゴリズム 分散アルゴリズム/分散プロトコル 近似アルゴリズム 確率的アルゴリズム オンラインアルゴリズム 進化的計算 アルゴリズム作曲法 ( en ) データ構造 計算可能性と複雑性の理論の関連 [ 編集 ] 計算可能性理論 計算複雑性理論 (計算量理論) 計算モデル関連 [ 編集 ] チューリングマシン 帰納的関数 機械学習 λ計算 チャーチの提唱 量子計算 DNA計算 外部リンク [ 編集 ] Weisstein, Eric W. "Algorithm" . mathworld.wolfram.com (英語). Algorithms in Everyday Mathematics Algorithms - Curlie (英語) The web site of the textbook Algorithms, 4th edition by Robert Sedgewick and Kevin Wayne 『 アルゴリズム 』 - コトバンク 表 話 編 歴 アルゴリズム ソート 比較ソート バブルソート 選択ソート 挿入ソート シェルソート クイックソート マージソート ヒープソート シェーカーソート コムソート ノームソート 図書館ソート イントロソート 奇偶転置ソート 線形時間ソート 鳩の巣ソート 基数ソート バケットソート 並行ソート ソーティングネットワーク バッチャー奇偶マージソート シェアソート 非効率的 ボゴソート ストゥージソート グラフ トポロジカルソート 探索 リスト 線形探索 二分探索 木 ・ グラフ 幅優先探索 最良優先探索 均一コスト探索 A* 深さ優先探索 反復深化深さ優先探索 深さ制限探索 双方向探索 分枝限定法 ビームサーチ 文字列 クヌース–モリス–プラット法 ボイヤー-ムーア法 エイホ–コラシック法 ラビン-カープ法 Bitap法 最短経路問題 ダイクストラ法 ベルマン–フォード法 ワーシャル–フロイド法 最小 全域木 プリム法 クラスカル法 最大フロー問題 最小カット問題 フォード・ファルカーソン法 エドモンズ・カープ法 線型計画問題 シンプレックス法 カーマーカー法 順序統計量 選択アルゴリズム クイックセレクト 中央値の中央値 計算幾何学 凸包アルゴリズム 種類 近似アルゴリズム 乱択アルゴリズム 並列アルゴリズム 分散アルゴリズム 可積分アルゴリズム その他 分割統治法 動的計画法 貪欲法 累積和 アルゴリズム作曲法 カテゴリ 表 話 編 歴 コンピュータ科学 ハードウェア プリント基板 周辺機器 Integrated Circuit (IC) Very Large Scale Integration (超大規模集積回路、VLSI) Systems on Chip (SoC) エネルギー消費 (グリーン・コンピューティング) EDA ハードウェアアクセラレーション コンピュータシステムの構造 コンピュータ・アーキテクチャ 組み込みシステム リアルタイムシステム ディペンダビリティ ネットワーク ネットワーク・アーキテクチャ ( 英語版 ) 通信プロトコル ネットワーク・コンポーネント ( 英語版 ) ネットワーク・スケジューラ ( 英語版 ) ネットワーク性能評価 ( 英語版 ) ネットワーク・サービス ( 英語版 ) ソフトウェアの構造 インタプリタ ミドルウェア 仮想マシン オペレーティングシステム ソフトウェア品質 ソフトウェア記法 ( 英語版 ) と ツール プログラミングパラダイム プログラミング言語 コンパイラ ドメイン固有言語 モデリング言語 ソフトウェアフレームワーク 統合開発環境 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアライブラリ ソフトウェアリポジトリ ソフトウェア開発 ソフトウェア開発プロセス 要求分析 ソフトウェア設計 ソフトウェア構築 ( 英語版 ) ソフトウェアデプロイメント ソフトウェアメンテナンス プログラミングチーム ( 英語版 ) オープンソースモデル 計算理論 計算モデル 形式言語 オートマトン理論 計算可能性理論 計算複雑性理論 コンピュータ科学における論理学 ( 英語版 ) 意味論 アルゴリズム アルゴリズム ( 英語版 ) アルゴリズム解析 アルゴリズム効率 ( 英語版 ) 乱択アルゴリズム 計算幾何学 コンピューティングの数学 離散数学 確率 統計学 数学ソフトウェア 情報理論 解析学 数値解析 情報システム データベース管理システム 情報ストレージシステム 企業情報システム 社会情報システム ( 英語版 ) 地理情報システム 意思決定支援システム プロセス制御システム マルチメディア情報システム ( 英語版 ) データマイニング 電子図書館 コンピューティング・プラットフォーム デジタルマーケティング World Wide Web 情報検索 セキュリティ 暗号理論 形式手法 セキュリティ・サービス ( 英語版 ) 侵入検知システム ハードウェア・セキュリティ ( 英語版 ) ネットワーク・セキュリティ 情報セキュリティ アプリケーション・セキュリティ ( 英語版 ) ヒューマンコンピュータ インタラクション インタラクションデザイン ソーシャル・コンピューティング ( 英語版 ) ユビキタスコンピューティング 可視化 アクセシビリティ 並行性 並行コンピューティング 並列コンピューティング 分散コンピューティング マルチスレッディング マルチプロセッシング 人工知能 自然言語処理 知識表現と推論 コンピュータビジョン 自動計画とスケジューリング 検索手法 制御手法 人工知能の哲学 ( 英語版 ) 分散人工知能 ( 英語版 ) 機械学習 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 マルチタスク学習 ( 英語版 ) 交差検証 グラフィックス アニメーション レンダリング 画像編集 GPU 複合現実 バーチャル・リアリティ 画像圧縮 ソリッドモデリング 応用コンピューティング 電子商取引 企業アプリケーション 計算数学 ( 英語版 ) 計算物理学 計算化学 計算生物学 計算社会科学 計算工学 ( 英語版 ) 健康情報学 デジタルアート 電子出版 サイバー戦争 電子投票 コンピュータゲーム ワードプロセッサー オペレーションズ・リサーチ 教育工学 文書管理システム 概要 ( 英語版 ) カテゴリ ブック コモンズ 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ ラトビア 日本 チェコ その他 現代ウクライナ百科事典
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暗号
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)については理論上、他からの「それが暗号である」という情報が無ければ、ただのデタラメと全く区別が不可能であるのが理想である [ 注釈 1 ] )。 狭義の暗号は、古典的には主要な分類に、以下の2つがある。 「コード」 →詳細は「 コード (暗号) 」を参照 通信文内の、 単語 や フレーズ といったある程度意味のある塊の単位で、あらかじめ取り決めてある 記号 と交換する。 「サイファー」 →詳細は「 en:Cipher 」を参照 通信文に対し、意味とは関係なく、文字毎の(最小の)単位で、あらかじめ取り決めてある置換や転置を掛ける。 「コード」は一般に、軍の運用に必要なものなど、ある程度の(あるいは膨大な [ 注釈 2 ] )語彙について秘密の記号群を決めておくものであるが、「討ち入り」「開戦」などといった特定の重要な件のみについて、「○◇△といえば、~のこと」等と事前に取り決めておくことで秘匿することも行われた。個人間で行うものから 組合 や ギルド 等の特定のグループ内で行うものがある。事前の取り決めではなく、特定の人達だけが知る事項などを元に、意味は同じままで、言い方を変えることで秘匿することもある。秘匿したい特定の単語だけ置き換えることも、コードブックと呼ばれる辞書を作成して全ての単語を置き換えることもあり、歴史的な例としては、前者は「スコットランド女王メアリーの暗号」、後者は「 ルイ14世の大暗号 」や「ナポレオンの小暗号」などが知られている。 「サイファー」は、機械化以前は一般に作業手数が大きいといった欠点があったが、機械化以後はサイファーが主流の暗号である。機械化に次いで、暗号のコンピュータ化(あるいは、コンピュータの暗号化)の時代となったが、それらの暗号も、だいたいサイファーに分類するのが妥当であろう。 また以上のようなセキュア通信のための狭義の暗号に限らず、相手の身元を確認する認証や 改竄 の検出、貨幣の偽造防止技術、 電子署名 、 認証 、 ハッシュ関数 、 電子マネー その他、 情報セキュリティ の多くの局面で、暗号はキーテクノロジとなっている。 なお、暗号化の逆の操作を表す語は「復号( 英語 : decryption )」であり、本来 符号化 に対するそれ( 英語 : decode )同様「~化」とはしないが、「復号化」という誤用はかなり広く定着している。 暗号学 [ 編集 ] 記事の体系性を保持する ため、 リンクされている記事の要約をこの節に 執筆・加筆してください 。 ( 使い方 ) →「 暗号理論 」を参照 →「 Category:暗号技術 」も参照 歴史 [ 編集 ] 記事の体系性を保持する ため、 リンクされている記事の要約をこの節に 執筆・加筆してください 。 ( 使い方 ) →「 暗号史 」を参照 種類 [ 編集 ] まず、古典的な暗号と現代的な暗号を分けるものとして、 ケルクホフスの原理 がある。現代的な暗号理論よりも前の時代には、暗号の「方式」と「鍵」の識別は明瞭ではなかったし、そのどちらも秘匿されねばならぬものであった。すなわち攻撃側の視点からは、方式がわかってしまえば、それによって、鍵を得ることも容易になってしまうのであった。現代の暗号は、秘密は鍵に集中しており、その方式はむしろ公知のものであったほうが、その強度なども広く研究されているために、むしろ安全である。 鍵を使わない方法は、一度敵に知られた方法は二度と使えない、暗号の信頼性を客観的に評価することができないなどの問題がある。例えば単純な シーザー暗号 は、方式自体がバレないようにしなければ安全性が保てないほど脆弱であるし、ある程度の量の暗号文があれば何百年以上も前からある 頻度分析 という手法によって方式自体もバレてしまう。それに対し鍵を使う方法は、 アルゴリズム 自体を敵に知られても構わない方式を目標としており、一度考案した方式は鍵を変えることで何度でも使える、アルゴリズムを広く公開することで信頼性を十分に検討できる、などの多くの利点がある。 近代以降になると、このように「鍵さえ秘密にしていれば暗号化・復号の方法を公開しても安全が保てる」ことが暗号にとって望ましい性質であることが明確化された( ケルクホフスの原理 )。 古典暗号の時代の「サイファー」の主要な2種類は、以下の二つである(暗号システムとしては、他にも多種多様なものが考案された)。 換字式暗号 - ある文字に別の文字を割り当てる。 単一換字 、多表式換字などがある。 転置式暗号 - 文字の順序を並べ替える。 上の2つの分類は、現代暗号でもなんら変わるものではないが、現代的には次のような暗号の分類がある。このうち前者の共通鍵暗号は、分類としては古典暗号時代からなんら変わらぬ暗号の方式であって、「現代暗号の分類」とするのはむしろおかしいのだが、後者との対比としてしばしば挙げられるものである。後者の公開鍵暗号は、暗号をその時代の最新の数理で検討するようになった現代暗号ならではの暗号と言える。 共通鍵暗号 - 暗号化・復号で同じ鍵を使う。 公開鍵暗号 - 暗号化・復号で異なる鍵を使う。 近代以降、前述のように、秘密は鍵に集中すべきことから、暗号の問題は鍵の配送(共有)にあることが明確になった。暗号系を含む全体を通信 システム として検討したならば、そもそもそのような「鍵」をやりとりできるほどに安全な通信路があるならば、その通信路で本文も通信してしまえば良いからである。この問題には、 公開鍵暗号 方式の発明によって一応の決着が付いた。すなわち、公開鍵暗号であればその非対称なペアになっている鍵のうちの片方は秘密ではないため、配送の問題が生じないからである。ただし通常は計算量の理由から、公開鍵暗号を本文の暗号通信に直接使うことはせず、公開鍵暗号を利用した安全な鍵交換方式によって共通鍵を安全に交換し、その鍵によって共通鍵暗号通信をおこなう。 コードやサイファーのような記号による暗号ではなく、スクランブル(信号の切り混ぜ)といったアナログ技術による広義の暗号システムとしては、かつてアナログ電話の時代に盛んに研究されたものがある。 秘話 の記事を参照。 さらに、より「アナログ」な事例としては、少数民族の言語や方言などによる、相手側が仮に傍受しても瞭解が不可能な会話を利用したものがある [ 1 ] 。太平洋戦争での事例として、アメリカ側は ナバホ語 による通話を利用し( コードトーカー )、日本側は 薩隅方言 による通話を利用した [ 注釈 3 ] 。 具体的な暗号方式の一覧は、 暗号理論 を参照。 コードの例 [ 編集 ] ルイ14世 の大暗号(ロシニョールが作成): コードブックは「act=486、ion=102、…」のように音節単位で3桁の数に対応させる(600個程ある)。暗号文「486-102」を復号すると act-ion になる。19世紀末フランス軍の暗号解読者バズリが解読を発表した。 日露戦争 で使われた暗号文:「 アテヨ イカヌ ミユトノケイホウニセツシ、 ノレツ ヲハイ タダチニ ヨシス コレヲ ワケフ ウメル セントス、ホンジツテンキセイロウナレドモナミタカシ」。コードブックは「アテヨ=敵、イカヌ=艦隊、ノレツ=連合艦隊、…」のように秘匿したい単語をカナ3文字に対応(2文字目は単語の最初と同じ音にもなっている)させている。平文は「 敵 艦隊 見ユトノ警報ニ接シ、 連合艦隊 は 直チニ 出動 、コレヲ 撃沈 滅 セントス、本日天気晴朗ナレドモ波高シ」となる。 真珠湾攻撃 で使われた暗号文:「ニイタカヤマノボレ1208」(=12/8に日米開戦、事前に決めておいたフレーズを合図とし、更に1文字ごとに五連数字に換えた)。なお、「ト」の連打(=全軍突撃せよ)、「トラ」の反復(=我、奇襲に成功せり)などもよく知られているが、これらは正確には電信( モールス符号 )の聞き分け易い音を合図としたものである。日本海軍機が搭載していたのは無線電話機(音声通信)ではなく、無線電信機(モールス符号通信)であった(航空通信に無線電話が導入されるのは1950年代に入ってから)ため、交戦時に複雑な電文の送信・聴取は困難なことから、和文電信で聞き取りやすい符号の組み合わせとなった。 「ト」は(・・―・・)、「ラ」は(・・・)で、 [ト][ト][ト]...=・・―・・ ・・―・・ ・・―・・...=全軍突撃せよ) [トラ][トラ][トラ]...=・・―・・ ・・・ ・・―・・ ・・・ ・・―・・ ・・・ ...=我、奇襲に成功せり) を合図としたものである。 ちなみに 陸軍 の マレー作戦 の暗号は「ヒノデハヤマガタ」である。 単語を暗号書(コードブック)で対応する数字に変え、さらに 乱数表 から一定の法則で抜き出した数字を加える二部制の暗号もある。復号には、暗号作成時に使用したものと同一の 乱数表 と暗号書が必要。太平洋戦争における 日本海軍 がこうした二部制の暗号を使用していた。 実装 [ 編集 ] 初期の古典暗号は、多くは 紙 と 鉛筆 のみで暗号化を行うが、多少の道具を用いるものもあった。 暗号解読 の進歩により単純な暗号では安全ではなくなると、複雑な処理を自動化するための機械が発明された。 スキュタレー 南北戦争時の暗号円盤 ヴィジュネルの表 機械式暗号( M-209 ) 棒 紀元前5世紀、 古代ギリシア で、特に スパルタ で スキュタレー ( σκυτάλη ) と呼ばれる 棒 が暗号に使用された。同じ太さの棒を2本用意し、送信者と受信者がそれぞれ所持する。送信者は右図のように棒にテープを巻きつけて平文を横書きする。するとテープには平文の文字が飛び飛びに記されることになる。棒からテープを外してテープだけを受信者に送る。転置式暗号の一種である。暗号強度は決して高くないが、転置の際の書き誤り・読み誤りを回避できる手段である。 円盤 15世紀、 アルベルティ の考案した暗号円盤が最古のものとされる。大小2枚の 円盤 からなり、内側の円盤を回転させて平文・暗号文の対応を決める。位置を固定して暗号化・復号を行うとシーザー暗号となり、1文字ごとに位置をずらすと多表式暗号となる。 南北戦争 でも使用された。ローター式暗号は多段に接続した暗号円盤を機械化したものともいえる。 カード 16世紀、 ジェロラモ・カルダーノ が穴をあけた カード ( カルダングリル と呼ばれる)を使って作成する分置式暗号を考案している。 換字表 多表式暗号を行う際のツールとして使用。トリテミスの換字表またはヴィジュネルの表として知られる。 ブック コードの対応表(略号集、ノーメンクラタ)や 乱数表 などを記載するのに使った。鍵フレーズを指定するために聖書や辞典が使用されることもあった。MI5が捕まえたスパイが所持していたとされる乱数表は、指サイズの小型のもので多数の数値が印刷されている。 輪 18世紀末、 ジェファーソン が考案し、後にバセリも再発明している。ホィール(ディスク)、ストリップ、ロッドなど様々な形状をした暗号器が考案されている。M-94(アメリカ陸海軍、1922年から1942年ごろ)、M-138A(アメリカ陸海軍・沿岸警備隊・国務省、1935年から1941年ないし1942年)、Reihenschieber(ドイツ連邦軍、1956年から1960年代)など実際に使用された。 暗号機械 20世紀になると、 エニグマ (ドイツ)、 パープル (日本)、 M-209 、M-325、SIGABA(アメリカ)、NEMA(スイス)、TypeX(イギリス)など機械式の暗号装置が開発され、特に 第二次世界大戦 中に各国で使用された。 コンピュータ 「電子化された暗号機械」に分類されるようなものなどもあるが、歴史的にごく一時期のものであるためここでは略す。コンピュータ・プログラムは、何らかの情報処理機械のソフトウェア実装である、と見ることができる( チャーチ=チューリングのテーゼ )。すなわち、暗号のプログラムは暗号機械のソフトウェア実装であるとも言える。のどかな時代には、実際にエニグマ暗号機の方式をそのままコンピュータ・プログラムにしたようなものも使われていたりしたこともあったが(詳細は en:Crypt (Unix) を参照)、1970年代以降は、現代的な暗号として前述したような公開鍵暗号である RSA や、共通鍵暗号では DES などがある。攻撃側(暗号解読側)が最新鋭のコンピュータの計算力を利用できると仮定しても、計算量的に安全でなければならない、という考えかたが基本となった。 用語 [ 編集 ] 暗号で用いられる用語。 暗号理論 も参照。 平文[ひらぶん] (plaintext) 暗号化される前の文。 暗号文 (ciphertext) 平文を、独特の表記法によって第三者が読み解けないようにした通信文。 鍵 (key) 表記法のパラメータ。表記法によっては鍵はないこともある。鍵が異なると平文が同じでも暗号文が異なる。 平文空間 平文全体の集合 暗号文空間 暗号文全体の集合 鍵空間 鍵全体の集合 セキュリティパラメータ (security parameter) 暗号の安全性を表す尺度。鍵のサイズなどを指定する。 暗号化 (encryption; encode, encipher) 表記法に従って平文を暗号文に変換すること。 復号 (decryption; decode, decipher) 表記法に従って暗号文を平文に戻すこと。 攻撃 (attack) 暗号化に用いられた表記法の特定あるいは鍵を探索する行為。または鍵を用いずに暗号文を平文に戻すこと。解読ともいう。暗号の方式によって様々な攻撃法が考案されている。 暗号の攻撃法 も参照。 暗号解読 (cryptanalysis) 受信者以外の第三者が暗号文を通信文に戻そうとすること。 共通鍵 (common key; symmetric key) 共通鍵暗号 において、暗号化にも復号にも用いられる鍵。暗号化側と復号側が同じものを持っている必要があり、鍵を共有する過程で盗聴された場合に通信の秘密はまったく保てなくなる。秘密鍵ということもある。 公開鍵 (public key) 公開鍵暗号 において、暗号化に使用する鍵。暗号化鍵とも言う。復号側が持つ秘密鍵と対になった鍵が必要で、復号側はあらかじめ自分の公開鍵を暗号化側に通知しておく(公開する)ことから公開鍵と呼ばれる。 秘密鍵 (private key) 公開鍵暗号において、復号に使用する鍵。復号鍵とも言う。復号側だけがこのデータを持っている(秘密にする)ことから秘密鍵と呼ばれる。(秘密の共通鍵にたいして)私有鍵ということもある。公開鍵から秘密鍵を推測することが非常に困難(事実上不可能)である暗号法を選択する必要がある。 なお、公開鍵暗号においては、公開鍵の代わりに秘密鍵を使って暗号化を施すと、それによって生成された暗号文は、対応する公開鍵によってのみ復号できる。すなわち、ある公開鍵によって暗号文が復号できたことは、当該公開鍵に対応する秘密鍵の持ち主によって暗号文が作成されたことの推定となる。これが 電子署名 の基本原理となっている。 鍵ペア (key pair) 秘密鍵と、対応する公開鍵とからなるペアの事。同時に生成される。 鍵交換 (key exchange) 共通鍵暗号において、公開鍵暗号方式などを用いて暗号化側と復号側が共通鍵を共有すること。大量のデータをすべて公開鍵暗号で送受信しようとすると計算量が膨大になることから、全文の送受信は比較的簡便な共通鍵暗号で行うこととし、そのための鍵をまず公開鍵暗号方式で共有する、という方法が広く採用されている。 この際、鍵配布センター (KDC) などの信用できる第三者機関を利用する集中型と、各人が秘密の値と通信データを用いて共有の鍵を生成する分散型がある。 鍵配送 (key distribution) 、 鍵共有 (key agreement) ともいうが、集中型のことを鍵配送、分散型のことを鍵共有として両者を含めて鍵交換とする場合など、区別する書籍もある。 オラクル 入力に対して出力が得られる関数のようなもの。オラクルを必要とするモデルで使用される。 アリスとボブ (Alice and Bob) 暗号理論に登場するプレイヤーはAからアルファベット順に並ぶことが一般的であり、論文では通常Alice、Bobが使われる。これはRSA暗号が発表されたときのプレイヤー名にもとづく。C以降は様々だが、Catherine、Carol、Charlie、などが多い。 博物館 [ 編集 ] アメリカ国立暗号博物館 暗号博物館 (モスクワ) ( 英語版 ) 国立コンピューティング博物館 - イギリス。前身に 政府暗号学校 が置かれた ブレッチリー・パーク 内に設置。 暗号博物館 (オランダ) ( ドイツ語版 ) 参考文献 [ 編集 ] →「 暗号関係の書籍の一覧 」を参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 前述のステガノグラフィーのような、一見すると別の意味がちゃんとあるような情報の中に秘密の情報を忍び込ませる、という方法は、情報理論からの結論として、情報全体に比してごくわずかな情報を埋込むことしかできない。 ^ 過去の例として、太平洋戦争のような戦争ともなれば膨大になった。 ^ 明治期に、「方言札」などに象徴される苛烈な方言弾圧がもし旧薩摩藩領に行われていたら、不可能であっただろう。 出典 [ 編集 ] ^ “ 偽の戦車に官能的冒険、ノルマンディー上陸にまつわる知られざる話 ”. AFP (2019年6月5日). 2019年6月6日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] ウィクショナリーに 暗号 の項目があります。 符丁(符牒) 遺伝暗号 - 遺伝子の塩基配列とアミノ酸配列との変換ルール クロノグラム - 数字をアルファベットに置き換えて、年号を表す表記法で石碑などに記される。 暗号と情報セキュリティシンポジウム 乱数放送 表 話 編 歴 暗号 暗号史 暗号解読 Cryptography portal en:Outline of cryptography 共通鍵暗号 ブロック暗号 ストリーム暗号 暗号利用モード 公開鍵暗号 暗号学的ハッシュ関数 メッセージ認証コード 認証付き暗号 乱数生成器 ステガノグラフィー カテゴリ 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3
アンチパターン
ソフトウェア開発 における アンチパターン ( 英 : anti-pattern ) とは、必ず否定的な結果に導く、しかも一般的に良く見られる開発方式を記述する文献形式を言う [ 1 ] 。その内容は、基本的には、否定的な開発方式の一般的な形、主原因、症状、重症化した時の結果、そしてその対策の記述からなる [ 2 ] 。 デザインパターン を補完・拡張する関係にあるもので、多くの開発者が繰り返すソフトウェア開発の錯誤を明確に定義することにより、開発や導入を阻害する一般的で再発性の高い障害要因の検知と克服を支援することが目的である [ 3 ] [ 4 ] 。 概要 [ 編集 ] ある問題に対する、不適切な解決策を 分類 したものをアンチパターンと言う [ 5 ] [ 6 ] 。 アンチパターンという呼び方は、 アンドリュー・ケーニッヒ ( 英語版 ) が1995年に作り出したもので [ 7 ] 、後に書籍 The patterns handbook [ 8 ] で再掲された。 ギャング・オブ・フォー の書籍『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』からヒントを得て、書籍 AntiPatterns が出版され、3年後には「アンチパターン」という単語はソフトウェアの設計から一般的な社会の相互作用についても広く用いられるようになった。 AntiPatterns の著者によれば、アンチパターンと単なる悪癖、悪習などと区別するには二つの要素があるという。 動作やプロセス、構造についての繰り返されるパターンで、最初は有益だと思えるが、最終的に悪い結果をもたらすもので、 リファクタリング するための方法が存在し、文書化され、実例で証明されており、再現可能であること 数多く挙げられたアンチパターンは、 矛盾した言葉 を 侮蔑的に 用いた 新しい 用語で呼ばれ、可能なら避けられるべき、単なる誤り、未解決の問題、悪習以上の意味を持っている。「落とし穴」や「暗黒のパターン」とも呼ばれる別の呼び方があるが、これは、悪い問題の解決策が再発明されることを指す。こうしたアンチパターンの候補は、公式にアンチパターンとは考えられない。 繰り返される間違いを記述することによって、繰り返しにつながる力学的な構造や、誤ったパターンを取り除くようリファクタリングする方法を学習することができる。 よく知られるアンチパターン [ 編集 ] ソフトウェア開発のアンチパターン [ 編集 ] 肥満児 (The Blob) 肥大化したオブジェクト お邪魔妖怪 ( 英語版 ) (poltergeist) オブジェクトに情報を渡すことだけが目的のオブジェクト 溶岩流( lava flow ) 除去することが非常に困難で、結果が予測できないために悪い(冗長で品質の低い)コードを維持する [ 9 ] [ 10 ] 打出の小槌( golden hammer ) 気に入った方法が、あらゆるところで利用できると思い込む( 銀の弾丸 も参照) スパゲッティコード (spaghetti code) 構造がほとんど理解できないようなシステム、特にコードの構造が誤っているもの 切り貼りプログラミング ( 英語版 ) (copy and paste programming) 汎用的なコードを作らず、既存のコードをコピーし(改変して)使う 曖昧な視点 ( 英語版 ) (ambiguous viewpoint) (通例 オブジェクト指向分析設計 において)表現される視点を示さずに記述されたモデル 入力クラッジ ( 英語版 ) (input kludge) 正しくない入力の検出や扱いの失敗 暗室栽培 ( 英語版 ) (mushroom management) 部下に情報を伝えなかったり、誤った情報を伝える(暗所で栽培する) ソフトウェア基盤のアンチパターン [ 編集 ] システムのおんぼろ煙突化 ( 英語版 ) (stovepipe system) 複雑に相互関連したコンポーネントからなる、メンテナンスが困難なシステム 砂上の楼閣 (vendor lock-in) 外部提供のコンポーネントに極度に依存したシステム [ 11 ] 組織硬直 ( 英語版 ) (design by committee) 多数の人間が設計に関与しているが、統一された考え方がないこと 車輪の再発明 (reinventing the wheel) すでに知られている適切な解決方法を採用しない 組織上のアンチパターン [ 編集 ] ドル箱商品 ( 英語版 ) 収益が上がっている古い製品に満足して、新しい製品に無頓着になること 約束の拡大 ( 英語版 ) 後で誤っていると判っても、決定を取り消せないこと 閻魔の組織管理 ( 英語版 ) 異議を許さない、独裁的な組織管理方法 モラル・ハザード 意思決定者が、意思決定の結果から隔離されていること 縦割り ( 英語版 ) 上下方向の情報の流れが強く、組織間のつながりを禁じる組織構造 プロジェクト管理上のアンチパターン [ 編集 ] 分析地獄 ( 英語版 ) (analysis paralysis) プロジェクトの分析段階に、不釣合いなほどの労力を費やすこと デスマーチ (Death March) プロジェクトが大失敗に終わることを CEO 以外全員が気づいているが、プロジェクトはデイ・ゼロ(ビッグバン)が来るまで無理やり存続させられる。あるいは、理解できない締め切りのため、従業員が深夜や休日まで勤務するよう強要される 集団思考 (Group Think) 集団の各メンバーが、同意が得られそうな領域以外の考え方を避ける 手品師 (ソフトウェア) ( 英語版 ) 未実装の機能を実装されているように見せる ソフトウェアの肥大化 ( Software Bloat ) システムの後続のバージョンに、より多くの人員が必要になる スコープ・クリープ (Scope creep) プロジェクトの開始後に、プロジェクトのスコープ(範囲)が継続的に変化または適切な管理無しで増大する オブジェクト指向設計のアンチパターン [ 編集 ] 貧血ドメインモデル ( 英語版 ) ビジネスロジック が欠けた ドメインモデル 。オブジェクトは属性と振る舞いを持たなければならないので、 オブジェクト指向プログラミング ではない BaseBean ( 英語版 ) ユーティリティクラス に処理を委譲せず、継承して使ってしまうこと スーパークラスの呼び出し ( 英語版 ) サブクラスがスーパークラスのオーバーライドされたメソッドを呼び出さなければならないような設計 円-楕円問題 ( 英語版 ) 変更できない型から変更可能な 派生型 を作成する際の問題 循環依存 ( 英語版 ) オブジェクトやモジュール間の直接的・間接的な依存関係を不必要に取り込んでしまうこと 定数インターフェイス ( 英語版 ) インターフェイスを定数の定義に用いること 神オブジェクト ( 英語版 ) 設計の一部分(クラス)に、過剰に機能を集中させること オブジェクトのゴミ溜め ( 英語版 ) 再利用に必要な(暗黙のうちの)規則に合致しない状態のオブジェクトを再利用する オブジェクトの乱交状態 ( 英語版 ) 内部へのアクセスを制限なく許し、適切なカプセル化に失敗する シーケンスによる結合 ( 英語版 ) メソッドが特定の順序で呼び出される必要のあるクラス ヨーヨー問題 過剰な断片化により、理解するのが難しい構造(たとえば継承関係) プログラミングのアンチパターン [ 編集 ] 偶発的な複雑性 ( 英語版 ) 問題の解決に不要な複雑性を導入する 遠隔動作 ( 英語版 ) システムの大きく分散した部分同士が相互作用する 盲信 ( 英語版 ) バグ修正の正しさ、あるいはサブルーチンの結果を確認しないこと ボートの碇 ( 英語版 ) もはや使用されていない部分をそのままにしておく ビジーウェイト (Busy spin) 何らかの事象が発生するのを待つ際に、メッセージングを使わずに、繰り返し確認することで CPU を無駄に使用する 失敗のキャッシュ ( 英語版 ) 回復された後も、エラーフラグをリセットしない カーゴ・カルト・プログラミング ( Cargo cult programming ) パターンや方法論を理由を理解せずに用いる 特殊事項によるコーディング ( 英語版 ) 特殊なケースが認識される度に、それに対応するコードを追加する エラーの隠蔽 ( 英語版 ) エラーメッセージをユーザーに通知する前に捕捉し、隠蔽したり、安全なメッセージを見せたりする 例外によるプログラミング ( 英語版 ) プログラミング言語のエラー捕捉機構を、正常なプログラムのロジック記述に使用する ハードコード システムの動作環境についての仮定を実装に埋め込む switchとループによる順序処理 ( 英語版 ) switch文を使った順序的な処理を、ループ文の中に埋め込む マジックナンバー (Magic numbers) 説明のない数値をアルゴリズムで使用する マジックストリング ( Magic string ) イベントの比較などのために、リテラルの文字列を用いる ソフトコーディング ( Softcoding ) ビジネスロジックをソースコードではなく設定ファイルに格納する [ 12 ] 方法論のアンチパターン [ 編集 ] 発生しないであろう現象 ( 英語版 ) 既知のエラーを、実際に発生することはないだろうと思い込む 尚早な最適化 (Premature optimization) 初期の段階から効率を追求してコーディングし、良い設計やメンテナンス性を犠牲にしてしまう。時には現実の効率も悪化させてしまう 書き直しプログラミング ( 英語版 ) /偶然にもとづくプログラミング コードを徐々に修正しながら動くかどうかを確認することで、問題を解決しようとする 銀の弾丸 (Silver bullet) 気に入った方法が、問題の大半を解決できると思い込む テスター駆動開発 ( 英語版 ) 新しい要求がバグ報告書で記述されるようなプロジェクト 構成管理のアンチパターン [ 編集 ] 依存関係地獄 必要とする構成要素のバージョンによる問題 DLL地獄 (DLL hell) 特に Microsoft Windows における、 ダイナミックリンクライブラリ (DLL) の不適切な管理 機能拡張の競合 ( 英語版 ) Classic Mac OS において、オペレーティングシステムの同じ箇所に異なる機能拡張を追加しようとした際に発生する問題 JAR地獄 (JAR hell) JAR ファイルを使用しすぎ、 Javaクラスローダー のモデルを理解しておらず、バージョンや配置場所の問題を生じる 脚注・出典 [ 編集 ] ^ アンチパターン(2002) p.9 ^ 競合状態 が発生する ソフトウェア開発 や保守性の低い ソースコード などが主な例である。 ^ アンチパターン(2002) p.xxiii ^ 問題解決のための戦略の立案と実施をすることがアンチパターンの目的であり、ソフトウェア開発における不味いやり方に焦点を当てることが目的ではない。加えて、アンチパターンを破壊的な方向に利用することには社会的な危険が伴うと言われる。形の正しいアンチパターンは、否定的な解から肯定的な解への移行を定義しており、否定的な解のみを記述しているものはアンチパターンもどき(pseudo-AntiPattern)と呼ばれ区別される。 アンチパターン(2002) p.79,80,89 ^ Budgen, D. (2003). Software design . Harlow, Eng.: Addison-Wesley. pp. 225. ISBN 0-201-72219-4 . https://books.google.co.jp/books?id=bnY3vb606bAC&pg=PA225&dq=%22anti-pattern%22+date:1990-2003&lr=&as_brr=3&sig=r9gtkcqzMJILx1_JnUQ5yF1kx5s&redir_esc=y&hl=ja#PPA225,M1 "As described in Long (2001), design anti-patterns are 'obvious, but wrong, solutions to recurring problems'." ^ Scott W. Ambler (1998). Process patterns: building large-scale systems using object technology . Cambridge, UK: Cambridge University Press. pp. 4. ISBN 0-521-64568-9 . https://books.google.co.jp/books?id=qJJk2yEeoZoC&pg=PA4&dq=%22anti-pattern%22+date:1990-2001&lr=&sig=NExBN4vweIRBnMfR223RG0R-dVo&redir_esc=y&hl=ja "...common approaches to solving recurring problems that prove to be ineffective. These approaches are called antipatterns." ^ Koenig, Andrew (March/April 1995). “Patterns and Antipatterns”. Journal of Object-Oriented Programming 8, (1): 46?48. ^ Rising, Linda (1998). The patterns handbook: techniques, strategies, and applications . Cambridge, U.K.: Cambridge University Press. pp. 387. ISBN 0-521-64818-1 . https://books.google.co.jp/books?id=HBAuixGMYWEC&pg=PT1&dq=0-521-64818-1&lr=&as_brr=3&sig=Fb61zp1zqrcOZYysT7QjIXsuBvo&redir_esc=y&hl=ja#PPA387,M1 「アンチパターンは一般的なパターンとよく似ており、パターンが問題の解決方法を提供するが、アンチパターンは一見問題の解決方法に見えて実際はそうではない」 ^ Lava Flow at antipatterns.com ^ Undocumented 'lava flow' antipatterns complicate process ^ Vendor Lock-In at antipatterns.com ^ Soft Coding 参考文献 [ 編集 ] William J. Brown, Raphael C. Malveau, Hays W."Skip" McCormick III, Thomas J. Mowbray 著、岩谷宏 (訳) 編『新装版 アンチパターン ソフトウェア危篤患者の救出』ソフトバンククリエイティブ、2002年。 ISBN 978-4797321388 。 William J. Brown, Scott W. Thomas, Hays W."Skip" McCormick III 著、岩谷宏(訳) 編『ソフトウェア構成管理の悪夢 アンチパターン』ソフトバンククリエイティブ、1999年。 ISBN 978-4797311303 。 (初版) 関連項目 [ 編集 ] コードの臭い (Code smell)– 悪いプログラミングの兆候 ソフトウェア開発の哲学 (英語) – approaches, styles, maxims and philosophies for software development ソフトウェアにおけるピーターの法則 外部リンク [ 編集 ] Anti-pattern at WikiWikiWeb Anti-patterns catalog AntiPatterns.com Web site for the AntiPatterns book Patterns of Toxic Behavior 典拠管理データベース : 国立図書館 イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A7%94%E8%AD%B2
委譲
この項目では、プログラミングの手法について説明しています。 .NETの言語機能については「 デリゲート (プログラミング) 」をご覧ください。 権限の委譲については「 権限委譲 」をご覧ください。 他人に法律行為を委託することについては「 委任 」をご覧ください。 委譲 ( 英 : delegation ) とは オブジェクト指向プログラミング において、あるオブジェクトの操作を一部他のオブジェクトに代替させる手法のこと。 概要 [ 編集 ] 委譲を行うオブジェクトは委譲先オブジェクトへの参照を持ち、必要に応じてその参照を切り替える事で動作にバリエーションを持たせる事ができる。一種の実装遅延、プラグイン機構である。一例としては、オブジェクトの編集を行う時、編集の前処理、後処理を本処理と独立させ委譲先に任せる事で、オブジェクト本体の変更を最小限にとどめ局所性を向上させる、などがある。 操作の代替という観点では他に代理 ( Proxy ) と呼ばれる手法があるが、この場合は代理側のオブジェクトが実体への参照を保持する事で操作のフィルタを行う概念であり、実装の分離を目的とする委譲とは異なる。 委譲を引き受けるオブジェクトはどのような操作を実装しなければならないか知っている必要があるため、 インタフェース と併用される場合が多い。 いくつかの言語ではデザインパターンにおける手法であり、いくつかの言語ではコードで実装されライブラリとして提供されている。 例 [ 編集 ] C++ [ 編集 ] #include <iostream> struct ExampleInterface { virtual void Print () = 0 ; }; class Something1 : public ExampleInterface { public : void Print () { std :: cout << "Something1::Print() is called." << std :: endl ; } }; class Something2 : public ExampleInterface { public : void Print () { std :: cout << "Something2::Print() is called." << std :: endl ; } }; class SomethingDelegator { ExampleInterface * implementer ; public : SomethingDelegator () : implementer () { } void setImplementer ( ExampleInterface * something ) { implementer = something ; } void ExecuteProcess () { // 処理の詳細をExampleInterface::Print関数の実装者に委譲している if ( implementer ) { implementer -> Print (); } } }; int main () { SomethingDelegator delegator ; Something1 source1 ; delegator . setImplementer ( & source1 ); // Something1::Print関数が呼ばれる delegator . ExecuteProcess (); Something2 source2 ; delegator . setImplementer ( & source2 ); // Something2::Print関数が呼ばれる delegator . ExecuteProcess (); return 0 ; } Java [ 編集 ] class A { public void foo () { System . out . println ( "A.foo() is called." ); } } class B { private A a = new A (); public void bar () { a . foo (); } } JavaScript [ 編集 ] Self や JavaScript といった プロトタイプベース の言語では、言語機能として委譲と継承の中間とも言えるプロトタイプ機能を備えており、委譲先のオブジェクトを書き換えることはできないものの手軽に委譲ができるようになっている。 プロトタイプを使った委譲の例: /* 共通の反復処理を提供するオブジェクトとしてIterableを定義。 // Iterableはprototype(委譲先)の要件としてdoEachを要求する。 this.doEach = function( aBlock ) { // subclassResponsibility; } */ Iterable = function () { this . copyEmpty = function () { return []; } // 委譲先に追加する要素の選択関数 this . select = function ( aBlock ) { var result = this . copyEmpty (); this . doEach ( function ( anEach ) { if ( aBlock ( anEach ) ) result . push ( anEach ); } ); return result ; } } BaseCollection = [ 0 , 1 , 2 , 3 , 4 ]; BaseCollection . doEach = function ( aBlock ) { for ( var i = 0 ; i < this . length && false !== aBlock ( this [ i ] ); ++ i ) ; } // 配列にselect( aBlock )を追加する。 Iterable . prototype = BaseCollection ; Collection = new Iterable (). select ( function ( aEach ){ return 3 < aEach } ); BaseCollection = { 0 : 4 , 1 : 3 , 2 : 2 , 3 : 1 , 4 : 0 }; BaseCollection . doEach = function ( aBlock ) { for ( var i in this ) { if ( false === aBlock ( this [ i ] ) ) return ; } } // 連想配列にselect( aBlock )を追加する。 Iterable . prototype = BaseCollection ; Collection = new Iterable (). select ( function ( aEach ){ return 3 < aEach } ); なお、Selfの様に純粋なプロトタイプベースの言語ではprototype変数やnewに相当するものは無い。単純にプロトタイプとなるオブジェクトを委譲先としてオブジェクトを生成する機能のみ備わっているため、JavaScriptの様に委譲元を再利用するにはメソッド等サブルーチンの追加が必要となる。 Objective-C [ 編集 ] Objective-Cの例を説明する。Objective-Cではデリゲート先のオブジェクトはどんなオブジェクトでも構わない。デリゲートしないときは nil を指定してもよい。 Objective-C は C++ や Java とは異なり実行時解決を採用しているので、デリゲート先に指定したオブジェクトが必要なメソッドを持っていなくてもコンパイルエラーにはならず、単に何も実行されないだけである。文法上で特殊な扱いはされておらず、平時の記述の枠内で処理される典型的な実装パターンとして用いられる。 あるオブジェクトAがメインウィンドウを持っていて、そのAにメインウィンドウの処理を委譲する場合 [ mainWindow setDelegate : self ]; self は自分自身を指すポインタである。 [ ] 内はC言語に対してObjective-Cで拡張された文法で、インスタンス変数 mainWindow に対して setDelegate メッセージを送っている。 このdelegateを設定することで、Aがメインウィンドウの処理、たとえばウィンドウを閉じる前に何かしたい場合に用いるメソッド windowWillClose をかわりに実行するようになる。Aに -( void ) windowWillClose: ( NSNotification * ) notification { // 処理 } のようなメソッドを用意しておけば、ウィンドウのクラス( NSWindow )に修正を加えたり、 NSWindow を継承したクラスを作らなくても振る舞いをカスタマイズすることができる。 Smalltalk [ 編集 ] Smalltalkにおける委譲も基本的には他の言語と同じである。 ただし、 メッセージ機構 を利用することでSmalltalk独特の委譲を行うことが出来る。 Smalltalkは、オブジェクトに対しメッセージが送られた際、メッセージ内のセレクターに該当するメソッドがオブジェクト内に無ければ、そのメッセージはdoesNotUnderstand:メソッドに送られる。この時doesNotUnderstand:メソッドで受け取ったメッセージは自由に他のオブジェクトに送りつけることが出来る。 なお、Objective-CにもdoesNotUnderstand:と同等の仕組みが存在し、同様の処理を記述できる。上記のObjective-Cの委譲もこのメッセージ処理の仕組みを利用している。 委譲用クラスの定義例: "他のオブジェクトに委譲するクラスの登録" Object subclass: #MouseDelegator "ObjectクラスからDelegatorクラスを派生させる。" instanceVariableNames: 'deletage filter' "委譲先のフィールド( メンバー変数 )を定義" classVariableNames: '' poolDictionaries: '' category: 'ExampleDelegate' . MouseDelegator methodsFor: 'accessing for delegate' ! deletage ^ deletage ! deletage: anObject deletage := anObject . !! MouseDelegator methodsFor: 'accessing for filter' ! filter ^ filter . ! filter: anObject filter := anObject . !! MouseDelegator methodsFor: 'event handling' ! click "clickメッセージをaTargetに委譲する" self filter click . !! MouseDelegator methodsFor: 'message fowarding' ! doesNotUnderstand: aMessage "click以外のメッセージは全てdelegateに委譲する。" aMessage sendTo: self delegate . !! MouseDelegator class methodsFor: 'instance creation' ! withDelegate: aDelegateObject withFilter: aFilterObject "MouseDelegatorのインスタンスオブジェクトを生成し、初期化する。" ^ ( self new ) deletage: aDelegateObject ; filter: aFilterObject . !! 委譲用クラスの使用例: | delegator | delegator := MouseDelegator withDelegate: ( OtherExample new ) withFilter: ( Example new ) . delegator click . "Exampleのインスタンスオブジェクトにclickメッセージが送られる。" delegator doubleClick . "OtherExampleのインスタンスオブジェクトにdoubleClickメッセージが送られる。" 参考 [ 編集 ] "Delegation In Smalltalk" in Wiki Wiki Web Go [ 編集 ] Go言語においては、他の言語と異なり始めから委譲を想定した委譲専用構文を備えている。 Go言語では、表向き継承機能を持っていないが、この委譲構文によって継承に必要とされる殆どの機能を実現できる。例えば多重継承も可能であるが、基底型から派生型のメンバーを呼び出すようなことは出来ない。 下記にGoの委譲機能を使って、線分の頂点座標しか表示できない型に対して、Bezier曲線の頂点座標表示能力を付与する例を示す。 type Point2D struct { X , Y float64 } func AxisX ( point Point2D ) float64 { return point . X } func AxisY ( point Point2D ) float64 { return point . Y } /* 線分描画機能を定義した型 */ type SimpleContext interface { Location () Point2D MoveTo ( point Point2D ) LineTo ( point Point2D ) } /* 線分描画及びBezier曲線描画機能を定義した型 */ type BezierContext interface { Location () Point2D MoveTo ( point Point2D ) LineTo ( point Point2D ) CubicBezierTo ( control1 , control2 , point Point2D ) } /* SimpleContext型にBezier曲線描画機能を付与する型 */ type BezierAdapterContext struct { /* 委譲先の型名を記述する事でBezierAdapterContextに対し呼び出された Location、MoveTo、LineToは、記述した型に自動で委譲される。 */ SimpleContext } func ( this * BezierAdapterContext ) CubicBezierTo ( control1 , control2 , end Point2D ) { start := this . Location () cubicBezier := func ( axis func ( Point2D ) float64 , t float64 ) float64 { dis_t := 1.0 - t return axis ( start ) * math . Pow ( dis_t , 3 ) + axis ( end ) * math . Pow ( t , 3 ) + 3 * t * dis_t * ( axis ( control1 ) * dis_t * + axis ( control2 ) * t ) } split := 10 for i := 0 ; i < split ; i ++ { t := float64 ( i ) / float64 ( split ) this . LineTo ( Point2D { X : cubicBezier ( AxisX , t ), Y : cubicBezier ( AxisY , t ), } ) } } /* 線分の現在地管理し、入力された線分座標を表示する型 */ type BasicContext struct { current Point2D } func ( this * BasicContext ) Location () Point2D { return this . current } func ( this * BasicContext ) MoveTo ( point Point2D ) { this . current = point } func ( this * BasicContext ) LineTo ( point Point2D ) { this . MoveTo ( point ) fmt . Printf ( "%f @ %f\n" , point . X , point . Y ) } func main () { /* BezierAdapterContext型からBasicContext型への委譲関係構築。 BasicContextに対し、Bezier曲線の座標を表示する能力が付与される。 */ base_context := BasicContext {} var context BezierContext = & BezierAdapterContext { SimpleContext : & base_context } /* BasicContext型に委譲される */ context . MoveTo ( Point2D { X : 0 , Y : 0 } ) context . LineTo ( Point2D { X : 20 , Y : 20 } ) /* BezierAdapterContext型が直接処理する */ context . CubicBezierTo ( Point2D { X : 50 , Y : - 100 }, Point2D { X : 100 , Y : 100 }, Point2D { X : 200 , Y : 0 } ) } Ruby [ 編集 ] crubyでは標準添付のdelegateライブラリを利用して委譲が使える。 関連項目 [ 編集 ] デザインパターン (ソフトウェア) デリゲート (プログラミング) トレイト
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF
イテレータ
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "イテレータ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2017年9月 ) イテレータ ( 英語 : iterator )とは、 プログラミング言語 において 配列 やそれに類似する集合的 データ構造 (コレクションあるいは コンテナ )の各要素に対する繰り返し処理の 抽象化 である。実際のプログラミング言語では、 オブジェクト または文法などとして現れる。 JIS では 反復子 (はんぷくし)と翻訳されている [ 1 ] [ 2 ] 。 ジェネレータ (プログラミング) の記事も参照のこと。 種類 [ 編集 ] この節には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2022年2月 ) この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "イテレータ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2022年2月 ) 内部イテレータ [ 編集 ] hashなどのオブジェクトが 高階関数 として実装しているイテレータのことを内部イテレータという。 主に オブジェクト指向プログラミング の性質に基づき通常外部から明示的に使用することはないイテレータを指す。 [ 要出典 ] 各言語における例 [ 編集 ] C++ [ 編集 ] C++ では、 STL が外部イテレータの枠組みを定義している。この枠組みは ポインタ と構文上の互換性を持つよう定められているため、ポインタを用いるコードと同等のコードでイテレータを使用することができる。 template < typename InputIterator > void printall ( InputIterator first , InputIterator last ) { for (; first != last ; ++ first ) { std :: cout << * first << std :: endl ; } } C++ではイテレータの種類によって使用できる演算子に違いがある。例えば、 std::vector コンテナのイテレータのような「 ランダムアクセス イテレータ」と、 std::list コンテナのイテレータのような「双方向イテレータ」は、共に インクリメント /デクリメント演算子を用いて直後/直前(次/前)の要素を指すことができる。しかし、任意の幅の加算/減算はランダムアクセスイテレータでのみ定義されている。ランダムアクセスイテレータは双方向イテレータの一種だが、イテレータの進行操作は定数時間で実行できることが要件として定められている [ 3 ] 。 std::list コンテナの要素は、前後の要素へのポインタしか保持していないため シーケンシャルアクセス しかできず、イテレータの進行操作が定数時間で実行できないため、ランダムアクセスイテレータをサポートすることができない。 もともとC++のイテレータは テンプレート を利用した静的 ダックタイピング によるものであり、各イテレータの要件定義は規格で文書化されていたものの、言語構文としてはサポートされていなかった。しかし、 C++20 ではコンセプト ( concept ) をサポートしたことにより、 std::random_access_iterator や std::bidirectional_iterator などの形で満たすべき要件をコードとして書き下すことが可能になった [ 4 ] [ 5 ] 。 Delphi [ 編集 ] Delphi では、バージョン2005より for-in 構文によるイテレータがある。ユーザーによるイテレータは MoveNext メソッドや Current プロパティを任意のクラス等に実装することで定義でき、型に厳格な Pascal 系言語ながらこれらを実装するだけで for-in により認識されるという ダックタイピング にも似た仕組みとなっている。 for item in items do Writeln ( item ) ; Java [ 編集 ] Java では、 java.util.Iterator インターフェイス 族を実装するオブジェクトを外部イテレータとして扱うことができる。Java 1.5以降の Iterator は ジェネリクス に対応している [ 注釈 1 ] 。 import java.util.* ; // ... final List list = new ArrayList (); // Java 1.5 以降は以下のように書くこともできる。 //final List<Object> list = new ArrayList<Object>(); // Java 1.7 以降は以下のように書くこともできる。 //final List<Object> list = new ArrayList<>(); list . add ( "hoge" ); list . add ( Integer . valueOf ( 100 )); list . add ( Double . valueOf ( - 0.5 )); final Iterator it = list . iterator (); // Java 1.5 以降は以下のように書くこともできる。 //final Iterator<Object> it = list.iterator(); while ( it . hasNext ()) { final Object obj = it . next (); System . out . println ( obj . toString ()); } Java 1.5以降では、 java.lang.Iterable インターフェイスを実装すると、拡張for文( foreach文 )の対象にすることができる。 // java.util.List は Iterable を実装している。 for ( final Object obj : list ) { System . out . println ( obj . toString ()); } Perl [ 編集 ] Perl には、 foreach 、 each といった繰り返しのキーワードがある。 他に、Tie機能(変数操作のオーバーロード)でユーザーデータに対するイテレータを定義できる。 # foreachを使った例。配列・リストに対する反復。 foreach my $element ( @array ){ print $element , "\n" ; } # eachを使った例。ハッシュ(連想配列)に対する反復。 while ( my ( $key , $value ) = each %hash ){ print "$key=$value\n" ; } PHP [ 編集 ] PHP ではIteratorインターフェイスを実装することにより、任意のイテレータを定義することができる。Iteratorインターフェイスを実装したオブジェクトを foreach や while で使用することで反復を行うことができる。 また、配列はIteratorインターフェイスを暗黙に実装する。 # foreachを使った例。配列・連想配列・オブジェクト等に対し全く同じように使用できる。 foreach ( $elements as $key => $value ){ print $key . "=" . $value . " \n " ; } Python [ 編集 ] Python は次の要素を返す __next__() メソッドを持つオブジェクトを外部イテレータとして使う。コンテナオブジェクトの __iter__() メソッドがイテレータを返す。(便宜上、イテレータの __iter__() は自身を返す) 通常のプログラミングでは、 obj.__iter__() のように直接呼ぶのではなく、組込み関数iterを使って iter(obj) のようにする。同様に、通常の用法で呼ぶことを前提とした場合は __next__() ではなく next() を使う。for文( Foreach文 )はイテレータが使える場合はイテレータを使うが、そうでないコンテナオブジェクトに対しては直接、 __getitem__() メソッドにより要素を取得し繰返しを実行する。 Pythonのfor文においてはiterableを範囲にとって、暗黙的にiteratorを利用する点を指して内部イテレータと呼ばれる場合もある。 [ 要出典 ] cont = iteratable_container () # イテレータを直接使う it = iter ( cont ) while 1 : try : print it . next () except StopIteration : # 要素が残っていないならば、 # next()はStopIteration例外を発生させる break # for文で使う for element in cont : print element また、Pythonには一種の コルーチン を記述できる ジェネレータ もある。ジェネレータはイテレータを返す関数で、yield文により、 __next__() で実行される手続きを次々と記述できる。 def fruit_generator (): yield 'banana' # 最初の __next__() によりここまで実行され 'banana' を返す yield 'apple' # 次の __next__() によりここまで実行され 'apple' を返す yield 'orange' # 3回目の __next__() によりここまで実行され 'orange' を返す for fruit in fruit_generator (): print ( fruit ) it = fruit_generator () print ( next ( it )) print ( next ( it )) print ( next ( it )) print ( next ( it )) # この行で StopIteration 例外になる Ruby [ 編集 ] Ruby ではEnumerableが、eachなどのイテレートするメソッドを持っている内部イテレータである。 each メソッド呼出しに { ... } という書式で「ブロック」を書くと、その中の手続きが繰返し実行される。 class MyObj def my123 yield 1 yield 2 yield 3 end end arr = [ "a" , "b" , "c" ] arr . each do | x | p x end obj = MyObj . new obj . my123 do | x | p x end .NET言語 [ 編集 ] C# 、 VB.NET などの .NET Framework に準拠する.NET言語において、反復子 (iterator) は値の順序付き列を産出 (yield) する文のブロック(狭義ではyield文を含むメソッド)を意味する [ 6 ] [ 7 ] [ 8 ] 。これを反復子ブロック (iterator block) とも呼ぶ [ 9 ] 。また、コレクションに対する列挙操作を行なう機能を提供するための媒介インターフェイス [ 10 ] を列挙子 (enumerator) と呼び、 IEnumerator インターフェイスによって表す。 IEnumerator インターフェイスは MoveNext() メソッドを定義しており、このメソッドを使用することによりコレクション中の次の要素に進むと同時に、コレクションの末尾に到達するかどうかを判定する。 Current プロパティを使用することによってコレクション内部の要素を取得する。イテレータを最初の要素に戻す方法として Reset() メソッドが定義されるが、常に使用可能であるとは限らない [ 11 ] 。 列挙子を得るには通例 IEnumerable インターフェイスを実装するオブジェクトの GetEnumerator() メソッドを呼び出す。一般的にコレクション クラスはこの IEnumerable インターフェイスを実装する。 GetEnumerator() を明示的に呼び出さず、 foreach 文を代わりに使用することもできる( GetEnumerator() はコンパイラによって暗黙的に呼び出される)。 IEnumerator および IEnumerable インターフェイスは、.NET 2.0で ジェネリック 版 ( System.Collections.Generic ) として拡張された。 C# 2.0 [ 編集 ] // 明示的な使い方 IEnumerator < MyType > iter = list . GetEnumerator (); while ( iter . MoveNext ()) { Console . WriteLine ( iter . Current ); } // 暗黙的な使い方 foreach ( MyType value in list ) { Console . WriteLine ( value ); } Visual Basic 8.0 [ 編集 ] ' 明示的な使い方 Dim iter As IEnumerator ( Of MyType ) = list . GetEnumerator () Do While iter . MoveNext () Console . WriteLine ( iter . Current ) Loop ' 暗黙的な使い方 For Each value As MyType In list Console . WriteLine ( value ) Next value yield文 [ 編集 ] C# 2.0およびVB.NET 11は反復子の形で ジェネレータ (generator) をサポートする。ジェネレータは IEnumerator または IEnumerable を返すよう宣言されたメソッドであるが、オブジェクトインスタンスを返す代わりに要素のシーケンスを生成するための yield return ステートメントを使用する。yieldステートメントを用いて記述されたジェネレータはコンパイラによって、適切なインターフェイスを実装する新しいクラスに変換される。ただし、ジェネレータ(反復子)は IEnumerator.Reset() メソッドをサポートしない。 // 反復子の記述例。 static IEnumerable < int > MyIteratorMethod () { yield return 1 ; yield return - 1 ; yield return 0 ; yield break ; } IEnumerable < int > elements = MyIteratorMethod (); // この時点では、まだメソッドの本体は実行されない。 // 列挙によりメソッドの本体が順次「遅延実行」される(中断と再開を繰り返す)。 foreach ( int element in elements ) { Console . WriteLine ( element ); } Shared Iterator Function MyIteratorMethod () As IEnumerable ( Of Integer ) Yield 1 Yield - 1 Yield 0 Return End Function Dim elements As IEnumerable ( Of Integer ) = MyIteratorMethod () For Each element As Integer In elements Console . WriteLine ( element ) Next D言語 [ 編集 ] D言語 では、標準ライブラリにレンジ (Range) というイテレータが定義されており、規定されたインターフェイスを持っているオブジェクトなら何でもレンジとして扱うことができる。 foreach ( item ; range ) writeln ( item ); 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ Javaのジェネリクスは型消去による実装であり、型システムの上では Iterator も Iterator<E> も同じ型である。 出典 [ 編集 ] ^ JISC 日本産業標準調査会 JISX3014:2003『プログラム言語C++』、JISX3015:2008『プログラム言語C#』、JIS X 3005-10:2003『データベース言語SQL 第10部』など。 ^ 繰り返し子(くりかえしし)という訳もあるが一般的ではない。「Rubyプログラミング入門」著者: 原信一郎、出版: オーム社、p.197。 ^ C++ named requirements: LegacyRandomAccessIterator - cppreference.com ^ random_access_iterator - cpprefjp C++日本語リファレンス ^ std::random_access_iterator - cppreference.com ^ JIS X 3015「プログラム言語C#」p.64より引用。 ^ 反復子 (C#) | Microsoft Docs ^ yield (C# リファレンス) | Microsoft Docs ^ yield (C# リファレンス) | Microsoft Docs - Visual Studio 2008 ^ IEnumerable・IEnumerator - Programming/.NET Framework/列挙操作と列挙子 - 総武ソフトウェア推進所 ^ IEnumerator.Reset Method (System.Collections) | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] ループ (プログラミング) Foreach文 Iterator パターン コンテナ (データ型) カーソル (データベース) fgetc この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%BB%E6%A4%8D%E6%80%A7
移植性
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "移植性" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2016年7月 ) 移植性 (いしょくせい)、 ポータビリティ ( 英 : portability )とは他の環境への移行のしやすさの性質のこと。 概要 [ 編集 ] ソフトウェア においては、他の プラットフォーム に合わせて プログラム の ソースコード を書き換えるときに、修正が少なくて済む場合を「移植性が高い」と表現する。通例、ソースコードを静的 コンパイル あるいは アセンブル して実行プログラム( マシンコード )を事前生成する方式のソフトウェアは、コンパイル時に指定した CPU アーキテクチャや OS などに応じて、特定の環境でのみ動作する。一般に、移植の際の手間やコストを減らすために、できる限りこの移植性が高いプログラムを書くことが望まれる。 ただし、マーケティング手法によっては移植性の低いプログラミングモデルを用いた方がビジネスとしては成功するケースも存在する。 Microsoft Windows シリーズが 現在 [ いつ? ] も デファクトスタンダード の地位を維持できている理由は、 他のプラットフォームとの移植性が低く、移行が非常に困難であることによって、極めて強固な ベンダーロックイン が発生しているからである [ 要出典 ] 。 一般的に 低級言語 ( アセンブラ など) で作成されたプログラムは移植性が低く、 高級言語 で書かれたプログラムは移植性が高いと言われる [ 1 ] 。プロセッサ固有の命令を直接記述しなければならない低級言語よりも、命令の生成を コンパイラ に任せることのできる高級言語のほうが、ハードウェアを抽象化しやすく、ソフトウェアのロジックに集中できるからである。 C++ 言語に関しては、規格への準拠度がコンパイラごとに大きく異なることなどを理由に、テンプレートや例外といった比較的後発の機能の使用を制限する コーディング規約 を定めることでポータビリティを確保しているプロジェクト例もある [ 2 ] 。 Java や .NET Framework など、 仮想機械 上で動作するプログラムは、仮想機械がプラットフォームの差異を埋めるため、移植性が非常に高い。しかし、仮想機械ごとに実装が違ったり、 インストール されている フォント が異なったりと、移植性に関する問題が完全に解決したわけではない。また、移植性を高めるためにプログラムを高度に抽象化しすぎると、プログラマーがプロセッサ固有の命令や機能を使用した最適化を施しにくくなり、性能面に問題を抱えるというジレンマもある。 C# のunsafe [ 3 ] や、 P/Invoke もしくは JNI によるプラットフォーム固有機能あるいはネイティブコードの使用、System.Numerics.Vectorsによる SIMD 命令の活用 [ 4 ] [ 5 ] など、安全性・移植性と性能のトレードオフを提供する動きもある。 エンディアン の違いが移植性の問題点となるケースもある。 脚注 [ 編集 ] ^ ピクニック企画, 堤大介, ed. (1 March 1990). "移植". 『電脳辞典 1990's パソコン用語のABC』 . ピクニック企画. p. 10. ISBN 4-938659-00-X 。 ^ C++ Portability Guide | MDN ^ unsafe の限界 ^ Using System.Numerics.Vector for Graphics Programming | .NET Blog ^ System.Numerics.Vectors 関連項目 [ 編集 ] 移植 (ソフトウェア) ベンダーロックイン 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BE%9D%E5%AD%98%E6%80%A7%E3%81%AE%E6%B3%A8%E5%85%A5
依存性の注入
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "依存性の注入" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年6月 ) 依存性の注入 (いぞんせいのちゅうにゅう、 英 : Dependency injection )とは、ある オブジェクト や関数が、依存する他のオブジェクトや関数を受け取る デザインパターン である。英語の頭文字から DI と略される。DIは 制御の反転 の一種で、オブジェクトの作成と利用について 関心の分離 を行い、疎結合な プログラム を実現することを目的としている。 dependency を「依存性」と訳すのは本来の 意味 [ 1 ] から外れているため「 依存オブジェクト注入 」の用語を採用する文献も複数存在する [ 2 ] [ 3 ] 。 概要 [ 編集 ] DIを利用したプログラムを作成する場合、コンポーネント間の関係は インタフェース を用いて記述し、具体的なコンポーネントを指定しない。具体的にどのコンポーネントを利用するかは別のコンポーネントや外部ファイル等を利用することで、コンポーネント間の依存関係を薄くすることができる。 依存関係がプログラムから外部に取り除かれることで、以下のようなメリットが発生する [ 4 ] 。 結合度 の低下による コンポーネント 化の促進 単体テスト の効率化 特定の フレームワーク への依存度低下 Dependency injection という用語を作成したのはソフトウェア開発者の マーティン・ファウラー である。類似の概念としてそれ以前から 制御の反転 (IoC) と呼ばれるアイデアが存在していたが、それを整理・範囲を限定することでDIが生み出された。現在では代表的な DIコンテナ として知られる Spring Framework も、誕生当初はDIではなくIoCという表現を用いていた。DIは 2000年代 前半の Java による開発において、極めて複雑な標準仕様となっていたJava EE(現・ Jakarta EE )の特に EJB に対する批判を背景に広く用いられるようになった [ 4 ] 。 その概念は後に標準仕様にも取り込まれ、 2007年 のJava EE 5では限定的な機能を備えたEJB 3.0が、 2009年 のJava EE 6ではより汎用的なDIコンテナとしての機能を備えたCDIが定義されている [ 5 ] 。 DIの種類 [ 編集 ] プログラムに依存性を注入する方法としては、以下のような手法が存在する。 インタフェース注入 注入用の インタフェース を定義して注入を行う方法 setter 注入 setter メソッドを定義して注入を行う方法 コンストラクタ注入 コンストラクタ を定義して注入を行う方法 例 [ 編集 ] DIの例として、以下に Java によるDIを用いない場合と手動でのDI、ならびに DIコンテナ をイメージした自動でのDIのサンプルコードを示す。 初めに、一連のサンプルで用いる各コンポーネントの インタフェース を、株式売買を例題にして示す。 public interface IOnlineBrokerageService { String [] getStockSymbols (); double getBidPrice ( String stockSymbol ); double getAskPrice ( String stockSymbol ); void putBuyOrder ( String stockSymbol , int shares , double buyPrice ); void putSellOrder ( String stockSymbol , int shares , double sellPrice ); } public interface IStockAnalysisService { double getEstimatedValue ( String stockSymbol ); } public interface IAutomatedStockTrader { void executeTrades (); } DIを用いない状態 [ 編集 ] 以下はDIを用いない場合の実装例である。 public class VerySimpleStockTraderImpl implements IAutomatedStockTrader { private IStockAnalysisService analysisService = new StockAnalysisServiceImpl (); private IOnlineBrokerageService brokerageService = new NewYorkStockExchangeBrokerageServiceImpl (); public void executeTrades () { … . // omitted } } public class MyApplication { public static void main ( String [] args ) { IAutomatedStockTrader stockTrader = new VerySimpleStockTraderImpl (); stockTrader . executeTrades (); } } VerySimpleStockTraderImpl クラス では、直接 IStockAnalysisService , IOnlineBrokerageService インタフェースを実装したクラスの インスタンス を作成しており、これらの実装に深く依存してしまっている。 手動でのDI [ 編集 ] 上記のコードを、手動でDIを行うように リファクタリング すると下記のようになる。 public class VerySimpleStockTraderImpl implements IAutomatedStockTrader { private IStockAnalysisService analysisService ; private IOnlineBrokerageService brokerageService ; public VerySimpleStockTraderImpl ( IStockAnalysisService analysisService , IOnlineBrokerageService brokerageService ) { this . analysisService = analysisService ; this . brokerageService = brokerageService ; } public void executeTrades () { … } } public class MyApplication { public static void main ( String [] args ) { IStockAnalysisService analysisService = new StockAnalysisServiceImpl (); IOnlineBrokerageService brokerageService = new NewYorkStockExchangeBrokerageServiceImpl (); IAutomatedStockTrader stockTrader = new VerySimpleStockTraderImpl ( analysisService , brokerageService ); stockTrader . executeTrades (); } } この例では、 MyApplication.main() が依存性の注入を行っており、 VerySimpleStockTraderImpl 自体は特定の実装に依存しなくなっている。なお、この実装では コンストラクタ注入 の手法が用いられている。 自動的なDI [ 編集 ] DIコンテナ を用いることで、依存性の注入をコード上に直接記述せず、自動的に行うことが可能である。こうした手法を用いる場合、依存性は外部の XML ファイルや メタデータ にて定義する。上記のコードを、XMLを用いるDIコンテナを使用するようリファクタリングした例が下記である。 <contract id= "IAutomatedStockTrader" > <implementation> VerySimpleStockTraderImpl </implementation> </contract> <contract id= "IStockAnalysisService" singleton= "true" > <implementation> StockAnalysisServiceImpl </implementation> </contract> <contract id= "IOnlineBrokerageService" singleton= "true" > <implementation> NewYorkStockExchangeBrokerageServiceImpl </implementation> </contract> public class VerySimpleStockTraderImpl implements IAutomatedStockTrader { private IStockAnalysisService analysisService ; private IOnlineBrokerageService brokerageService ; public VerySimpleStockTraderImpl ( IStockAnalysisService analysisService , IOnlineBrokerageService brokerageService ) { this . analysisService = analysisService ; this . brokerageService = brokerageService ; } public void executeTrades () { … // omitted } } public class MyApplication { public static void main ( String [] args ) { IAutomatedStockTrader stockTrader = ( IAutomatedStockTrader ) DependencyManager . create ( IAutomatedStockTrader . class ); stockTrader . executeTrades (); } } この例では、 IAutomatedStockTrader のどの実装を使用するかの判断はDIコンテナに委ねられている。インタフェースが要求されたDIコンテナは、設定ファイルに基づきその実装である VerySimpleStockTraderImpl クラスのインスタンスを返す。さらに、 VerySimpleStockTraderImpl の IStockAnalysisService と IOnlineBrokerageService の依存性に対して、同様にコンストラクタ注入を行う。 DIコンテナには数多くの種類があり、上で示した例はそのごく一部でしかない。実際にはDIコンテナごとに様々な手法が用いられている。 DIを用いた単体テスト [ 編集 ] DIを用いることで、単体テストにおいて簡単に依存性をテスト用のクラス( モックオブジェクト 等)に差し替えることができる。以下はDIを用いた、前述の VerySimpleStockTraderImpl クラスのテストケースの例である。この例では、 IOnlineBrokerageService , IStockAnalysisService インタフェースを実装したテスト用クラスを作成し、DIによりそれを注入することで、実際のクラスを用いることなく、単体テストを実現している。 public class VerySimpleStockBrokerTest { // IOnlineBrokerageServiceを実装した単純なスタブ public class StubBrokerageService implements IOnlineBrokerageService { public String [] getStockSymbols () { return new String [] { "ACME" }; } public double getBidPrice ( String stockSymbol ) { return 100.0 ; // (テストに十分な値) } public double getAskPrice ( String stockSymbol ) { return 100.25 ; } public void putBuyOrder ( String stockSymbol , int shares , double buyPrice ) { Assert . Fail ( "Should not buy ACME stock!" ); } public void putSellOrder ( String stockSymbol , int shares , double sellPrice ) { // このテストでは使用しない throw new NotImplementedException (); } } public class StubAnalysisService implements IStockAnalysisService { public double getEstimatedValue ( String stockSymbol ) { if ( stockSymbol . equals ( "ACME" )) return 1.0 ; return 100.0 ; } } public void TestVerySimpleStockTraderImpl () { // このテスト専用の依存性を指定するため、DIコンテナに直接登録している DependencyManager . register ( IOnlineBrokerageService . class , StubBrokerageService . class ); DependencyManager . register ( IStockAnalysisService . class , StubAnalysisService . class ); IAutomatedStockTrader stockTrader = ( IAutomatedStockTrader ) DependencyManager . create ( IAutomatedStockTrader . class ); stockTrader . executeTrades (); } } 実装が DB や ネットワーク にアクセスする場合、また古い EJB のような重たいコンポーネントの場合、そのままでは単体テストを行うことは難しい。しかし、上記のようにDIを用いて依存関係のみをテスト用のものに差し替えることで、本来のテスト対象のプログラムには手を加えることなく、簡単に単体テストを行うことができる。 [ 4 ] HTML [ 編集 ] マークアップ言語である HTML (HyperText Markup Language) でも依存性の注入がおこなわれる。 WebComponents(カスタム要素 + Template要素+ ShadowDOM)の登場により、巨大なHTMLファイルを小さなHTML要素コンポーネントの集合として記述することが可能になった。しかし大きなコンポーネント Big が小さなコンポーネント Small を包む形でコーディングすると、Big が Small に依存してしまう。そこで slot要素 を用いた依存性の注入がおこなわれる。 slot要素 は弱いinterfaceとして働き、 slot要素 を用いて定義されたカスタム要素を利用する際に依存性をタグで囲むことで注入できる。 下記の例では大きなコンポーネント<my-element-with-slot>が2つの受け入れ可能slotを持っている。利用時にslotを指定したspan要素を挿入することで、<my-element-with-slot>はspan要素に直接依存せずにspan要素を利用できる。プログラミング言語のような明示的interfaceがない(interfaceによる型指定slot要素がない)ために型支援を受けた安全な依存性の注入は現時点ではおこなえないが、適切に設計することで依存性を切り分けることは可能である。 <!--when define--> < script > class myElementWithSlot extends HTMLElement { constructor () { super (); const shadowRoot = this . attachShadow ({ mode : "open" }); shadowRoot . innerHTML = ` <h2>My Element</h2> <h3>inserted #1: <slot name="slot1">no contents</slot></h3> <h4>inserted #2: <slot name="slot2">no contents</slot></h4> ` ; } } customElements . define ( "my-element-with-slot" , myElementWithSlot ); </ script > <!--when use--> < my-element-with-slot > < span slot = "slot1" > dependency-one </ span > < span slot = "slot2" > dependency-two </ span > </ my-element-with-slot > DIコンテナ [ 編集 ] DIの機能を提供する フレームワーク はDIコンテナと呼ばれる [ 4 ] 。 主なDIコンテナとしては、下記のようなものが存在する。 Java Jakarta EE (EJB, CDI) Spring Framework Seasar 2 Google Guice .NET Entity Framework Spring.NET Microsoft.Extensions.DependencyInjection [ 6 ] PHP Zend Framework 2 Symfony 2 注釈・出典 [ 編集 ] ^ “ Dependency Definition & Meaning - Merriam-Webster ”. Merriam-Webster. 2022年9月3日閲覧。 “: something that is dependent on something else especially : a territorial unit under the jurisdiction of a nation but not formally annexed by it” ^ 『Seasar2で学ぶ DIとAOP アスペクト指向によるJava開発』技術評論社、2006年8月9日。 ^ 『オブジェクト指向設計実践ガイド ~Rubyでわかる 進化しつづける柔軟なアプリケーションの育て方』技術評論社、2016年9月2日。 ^ a b c d “ Java開発を変える最新の設計思想「Dependency Injection(DI)」とは ”. ITPro (2005年2月18日). 2014年2月20日閲覧。 ^ “ Java EE 6: Understanding Contexts and Dependency Injection (CDI), Part 1 ”. オラクル (2010年5月25日). 2014年2月20日閲覧。 ^ Microsoft.Extensions.DependencyInjection Namespace | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 依存性の注入 に関連するカテゴリがあります。 制御の反転 (IoC) 設定より規約 テスト自動化 表 話 編 歴 デザインパターン GoFによる23種のパターン 生成に関するパターン Abstract factory Builder Factory method Prototype Singleton 構造に関するパターン Adapter Bridge Composite Decorator Facade Flyweight Proxy 振る舞いに関するパターン Chain of responsibility Command Interpreter Iterator Mediator Memento Observer State Strategy Template method Visitor 並行性に関するパターン Active object ( 英語版 ) Balking ( 英語版 ) Double-checked locking ( 英語版 ) Event-based asynchronous ( 英語版 ) Guarded suspension ( 英語版 ) Join ( 英語版 ) ロック モニタ Proactor ( 英語版 ) Reactor Readers–writer lock ( 英語版 ) Scheduler ( 英語版 ) Thread pool ( 英語版 ) スレッド局所記憶 アーキテクチャに関するパターン Front Controller ( 英語版 ) Interceptor ( 英語版 ) MVC MVVM 多層アーキテクチャ Specification ( 英語版 ) 出版-購読型モデル Naked objects ( 英語版 ) Service Locator ( 英語版 ) Active Record Identity map ( 英語版 ) Data Access Object Data Transfer Object その他のパターン 依存性の注入 (DI) 遅延読み込み モックオブジェクト Null object ( 英語版 ) Object pool ( 英語版 ) Servant ( 英語版 ) Type tunnel ( 英語版 ) 関連する人々 ギャング・オブ・フォー エーリヒ・ガンマ リチャード・ヘルム ラルフ・ジョンソン ジョン・ブリシディース クリストファー・アレグザンダー グラディ・ブーチ ケント・ベック ウォード・カニンガム マーティン・ファウラー ロバート・セシル・マーティン ( 英語版 ) ジム・コプリエン ( 英語版 ) ダグラス・C. シュミット ( 英語版 ) リンダ・ライジング ( 英語版 ) 関連項目 アナリシスパターン アンチパターン 一覧 カテゴリ コモンズ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E7%9A%84%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0
遺伝的アルゴリズム
遺伝的アルゴリズム (いでんてきアルゴリズム、 英語 :genetic algorithm、略称:GA)とは、 1975年 に ミシガン大学 の ジョン・H・ホランド (John Henry Holland)によって提案された近似解を探索する メタヒューリスティック アルゴリズム である。 人工生命 同様、偶然の要素でコンピューターの制御を左右する。4つの主要な 進化的アルゴリズム の一つであり、その中でも最も一般的に使用されている。 概要 [ 編集 ] 遺伝的アルゴリズムは データ (解の候補)を遺伝子で表現した「個体」を複数用意し、 適応度 の高い個体を優先的に 選択 して 交叉 ・ 突然変異 などの操作を繰り返しながら解を探索する。適応度は 適応度関数 によって与えられる。 この手法の利点は、 評価関数 の 可微分性 や 単峰性 などの知識がない場合であっても適用可能なことである。 必要とされる条件は 評価関数 の 全順序 性と、 探索空間 が 位相 (トポロジー)を持っていることである。 また、遺伝子の表現の仕方によっては 組合せ最適化 問題や NP困難 な問題などのさまざまな問題に適用可能である。 アルゴリズムの流れ [ 編集 ] 遺伝的アルゴリズムは一般に以下の流れで実装される。なお、下記では個体数を N , 最大世代数を G と置く。 あらかじめ N 個の個体が入る集合を二つ用意する。以下、この二つの集合を「現世代」、「次世代」と呼ぶことにする。 現世代に N 個の個体を ランダム に生成する。 評価関数により、現世代の各個体の適応度をそれぞれ計算する。 ある確率で次の3つの動作のどれかを行い、その結果を次世代に保存する。 個体を二つ選択(選択方法は後述)して 交叉 (後述)を行う。 個体を一つ選択して 突然変異 (後述)を行う。 個体を一つ選択してそのままコピーする。 次世代の個体数が N 個になるまで上記の動作を繰り返す。 次世代の個体数が N 個になったら次世代の内容を全て現世代に移す。 3. 以降の動作を最大世代数 G 回まで繰り返し、最終的に「現世代」の中で最も適応度の高い個体を「解」として出力する。 遺伝的操作 [ 編集 ] 遺伝的アルゴリズムでは一般的に次の遺伝的操作が用いられる。 選択(淘汰、再生) 交叉(組み換え) 突然変異 交叉する確率を 交叉率 、突然変異する確率を 突然変異率 という。一般には(交叉率)>>(突然変異率)とすることが望ましいとされる。また上記のアルゴリズムの流れからわかるとおり(交叉率)+(突然変異率)+ (再生確率) = 1である必要がある。 選択 [ 編集 ] 選択 は生物の 自然淘汰 をモデル化したもので、適応度にもとづいて個体を増やしたり削除したりする操作である。 選択のアルゴリズムには次のようなものがある。 ルーレット選択 [ 編集 ] ルーレット選択は個体 i を選ぶ 確率 を p i と置いたとき、 p i = f i ∑ k = 1 N f k {\displaystyle p_{i}={\frac {f_{i}}{\sum _{k=1}^{N}f_{k}}}} とする選択方式である。上記の式の f i は個体 i の適応度を表す。この方式はホランドが最初に提案したときに使われた選択方式であり、最も有名な選択方式であるが適応度が負の数を取らないことが前提になっている。また適応度が高いことが前提になっているため最小値を求める問題では使いづらい。さらに、もし個体間の適応度の格差が激しい場合は適応度の高い個体の選ばれる確率が非常に高くなり、 初期収束 (後述)の原因にもなる。このため、実際には適応度をスケーリングした値を使用することが多い。 ランキング選択 [ 編集 ] ランキング選択は各個体を適応度によってランク付けして、「1位なら確率 p 1 , 2位なら確率 p 2 , 3位なら…」というふうにランクごとにあらかじめ確率を決めておく方式である。 この方法は、ルーレット選択と違い選択確率が適応度の格差に影響されない。しかし、これは逆に適応度にあまり差がない個体間でも選択確率に大きな差が生じる可能性がある。また、個体にランク付けをするため次世代が揃うたびに ソート を行う必要がある。 トーナメント選択 [ 編集 ] トーナメント選択はあらかじめ決めた数(トーナメントサイズという)だけ集団の中からランダムで個体を取り出し、その中で最も適応度の高い個体を選択する方式である。トーナメントサイズを変更する事で選択圧をコントロールできる特徴がある。すなわち、トーナメントサイズを大きくする事で選択圧を高める事ができるが、初期収束による局所(的)最適解に陥りやすくなる。 その他 [ 編集 ] 上記の選択とは別に 適応度 が高い個体(エリート)を一定個数、次世代に残すことがある(エリート選択)。これを利用することで、選択によって解が悪い方向に向かわない(適応度の最大値が下がらない)ことを保証できる。しかし、エリートの遺伝子が集団の中に広まりすぎて解の多様性が失われるという恐れもある。 交叉(組み換え) [ 編集 ] 交叉(組み換え) は生物が交配によって子孫を残すことをモデル化したもので、個体の遺伝子の一部を入れ換える操作である。交叉はその性質上、最も重要な遺伝的操作と言うことができる。 交叉のアルゴリズムには次のようなものがある。 例として次の二つの個体を交叉する。 個体A: 0100111010 個体B: 1010101011 一点交叉 [ 編集 ] 一点交叉 遺伝子が交叉する場所(交叉点)をランダムで一つ選び、その場所より後ろを入れ換える方式である。ホランドが最初に提案したときの交叉方法であるが、効率は低く現在ではあまり使われていない。 個体A: 01001| 11010 ⇒ 01001 01011 個体B: 10101| 01011 ⇒ 10101 11010 二点交叉 [ 編集 ] 二点交叉 交叉点をランダムで二つ選び、二つの交叉点に挟まれている部分を入れ換える方式。 個体A: 010 | 01110 | 10 ⇒ 010 01010 10 個体B: 101 | 01010 | 11 ⇒ 101 01110 11 多点交叉 [ 編集 ] 一般に、3点以上の交叉点をもつ方法を多点交叉あるいは n 点交叉という。しかしながら一部の問題を除き、多点交叉は二点交叉と下記で述べる一様交叉のどちらかよりも良い値が出ることはほとんどなく、あまり使われていない。 一様交叉 [ 編集 ] 一様交叉 各要素ごと 独立 に1/2の確率で入れ換える交叉である。後述する ヒッチハイキング の問題をおさえることが可能である。一般に二点交叉が得意とする問題を苦手とし、二点交叉と逆の性質を示すことが知られている。 個体A: 0 1 0 0 1 1 1 0 1 0 ⇒ 0 0 1 0 1 1 1 0 1 1 個体B: 1 0 1 0 1 0 1 0 1 1 ⇒ 1 1 0 0 1 0 1 0 1 0 突然変異 [ 編集 ] 突然変異 は生物に見られる遺伝子の突然変異をモデル化したもので、個体の遺伝子の一部を変化させる操作である。局所(的)最適解に陥ることを防ぐ効果がある。 例えば、遺伝子型がビット列の場合は、ある 遺伝子座 の0と1を入れ換える。数字の場合は 乱数 と置き換える。他にも遺伝子座の位置を変更するなどの方法がとられる。 突然変異の確率は0.1%~1%、高くても数%である。確率が低すぎると局所(的)最適解に陥りやすくなり、高すぎるとランダム探索に近づいてしまう(解が収束しにくくなる)。 GAの問題点 [ 編集 ] GA はさまざまな問題に適用できる手法であるが、問題と使う方式によっては上手く探索しない場合がある。ここではよく起きる GA の問題点をまとめる。 初期収束 [ 編集 ] 初期収束とは、最初の方の世代で「偶然」他の個体より適応度が圧倒的に高い個体が生まれたとき、その個体の遺伝子が集団中に爆発的に増えて探索がかなり早い段階で収束してしまう現象である [ 1 ] 。ルーレット選択の設定が甘い場合や、突然変異の効果が上手く表れないときに起こりやすい。 対策としては、ルーレット選択を使う場合の適切な設定や適用する問題に合わせて効果的になるように突然変異の操作を変更したり、突然変異率を増やしたり、または集団の数を増やすなどの設定を行うことで防ぐことができる。しかしながら明確な解決法というものはなく、各パラメータを何度も繰り返し設定しなおすしかない。 ヒッチハイキング [ 編集 ] 例えば最適解が ~101~ という問題があるとする。このとき ~111~ ~000~ という二つの個体が交叉して最適解を得る確率を求める。 交叉の方式が二点交叉の場合は交差点が ~1|1|1~ ⇒ ~101~ ~0|0|0~ ⇒ ~010~ で最適解が得られる。このとき遺伝子型の長さを l とおくと、最適解が得られる確率 p は p = 2 l ( l − 1 ) {\displaystyle p={\frac {2}{l(l-1)}}} と求められる。これは l が長くなるにつれ加速度的に確率が低くなる。つまり l が長いとほとんどの確率で上記の二つの個体は最適解と一致しないビットを新しく生成した個体に受け継がせてしまうことになる。このように最適解と一致するビットの近くにいて最適解の生成を妨げる現象を ヒッチハイキング といい、そのビットを ヒッチハイカー という。 このヒッチハイキングは一様交叉によって防ぐことができる。一様交叉は各要素が独立で交叉するので、上記の場合は ~1 1 1~⇒ ~101~ ~0 0 0~⇒~010~ か ~ 1 1 1 ~⇒~010~ ~ 0 0 0 ~⇒ ~101~ で最適解を得る。このとき、最適解を生成する確率は p = 2 2 3 = 1 4 {\displaystyle p={\frac {2}{2^{3}}}={\frac {1}{4}}} であり、この確率は l の長さが長くなっても変化しない。 GA の理論 [ 編集 ] 遺伝的アルゴリズムは他の メタヒューリスティックス に比べて、主要な探索手段である交叉が 局所探索 ではないことに大きな特徴がある。この性質のため、GA は提唱されて以来有効性に関して多くの疑問が投げかけられた。しかし、GAの有効性をアルゴリズムを解析して検証するのは難しいため、初期のGAに関する研究では有効性を実験的に検証していた。 1980年代 後半から、以上の反省を踏まえて GA の理論的な考察が盛んに行われるようになった。ここではその基本的な部分をいくつか紹介する。 SGA [ 編集 ] SGA とは S imple G enetic A lgorithm(単純 GA)の略である。GAを通常のまま解析するとあまりにも複雑なので、処理を単純にした GA を用いて解析を進めるのが一般的になっている。SGA は具体的には 遺伝子表現は 1 と 0 のみ ルーレット選択 一点交叉 突然変異は1箇所の遺伝子座の値を反転させる という実装の遺伝的アルゴリズムである。 スキーマ理論 [ 編集 ] スキーマ理論 とは、遺伝子型の部分集合(スキーマ)の有無が適応度に大きな影響を与えることを前提とした解析理論である。現在の GA の理論の根幹を成している。スキーマとは例えば H = * * 0 1 * 1 * のような形で表す。ここで * (アスタリスク)は ワイルドカード のことであり、この部分には0と1のどちらが入っても良いことを意味している。このとき、 0 1 0 1 1 1 0 1 1 0 1 0 1 0 のように * 以外の部分が一致している遺伝子型を持つ個体のことを「スキーマ H を含む個体」と表現する。 スキーマ理論特有の用語として 定義長 と オーダ がある。定義長とはスキーマの一番左のアスタリスク以外の文字と一番右のアスタリスク以外の文字との距離のことである。これは δ(H) という形で表す。上記の例の場合は δ(H) = 3 である。オーダとはスキーマ内のアスタリスク以外の文字の数のことである。これは O(H) という形で表す。上記の例の場合は O(H) = 3 である。 スキーマ定理と積み木仮説 [ 編集 ] スキーマ定理 とは、ある世代 t でスキーマ H を含む個体の数を m(H, t) と表したとき、次の世代のスキーマ H を含む個体の数 m(H, t+1) は SGA において以下のように表すことができるという定理である。 m ( H , t + 1 ) ≥ m ( H , t ) ⋅ f ( H ) f ¯ ⋅ [ 1 − p c ⋅ δ ( H ) l − 1 − O ( H ) ⋅ p m ] {\displaystyle m(H,t+1)\geq m(H,t)\cdot {\frac {f(H)}{\overline {f}}}\cdot \left[1-p_{c}\cdot {\frac {\delta (H)}{l-1}}-O(H)\cdot p_{m}\right]} ここで、 f(H) はスキーマ H を含む個体の適合度の平均、 f ¯ {\displaystyle {\overline {f}}} は全個体の適合度の平均、 l は遺伝子型の長さ、 p c , p m は交叉率と突然変異率である。 このとき、 p c >> p m , δ(H) > O(H) であるので、括弧内の O(H)⋅p m はほとんど無視できる。そのため、この定理は 定義長 δ(H) が小さく f(H) が全体の平均より常に大きい となるようなスキーマ H の数は指数関数的に増大していくことを表している。 ここから、上記の条件を満たすスキーマを保持することが最適解を導くことになるような問題に対しては、GA は最適解を導き出すことが可能であるという考え方ができる。このようなスキーマを 積み木 (Building Block)といい、この考え方を 積み木仮説 という。 GA の拡張 [ 編集 ] GA にはさまざまな拡張手法が存在する。ここでは有名なものをいくつか挙げる。 Messy GA [ 編集 ] Messy GA とは積み木仮説、特に定義長 δ(H) が小さくなければならないという弱点を克服するために、Goldberg により提案された遺伝的アルゴリズムの拡張手法である。遺伝子表現は遺伝子座の位置とその値のペアで表現する。これに「カット」と「スライス」という手法で探索を進める。Goldberg はこれを用いて GA では非常に探索しにくい関数の最適解の導出に成功している。しかし、この手法は問題に対するかなり詳しい事前知識が必要なため、実際の応用例はほとんどない。 CHC [ 編集 ] CHC は 1990年 、Eshelman によって提案された GA の拡張手法である。この名前は 2世代エリート選択(Cross generational elitist selection) 異種間交叉(Heterogeneous recombination) 大変動突然変異(Cataclysmic mutation) のそれぞれの頭文字をとったものであり、それぞれ選択、交叉、突然変異を詳細に再検討してより効率的なアルゴリズムにしたものである。 分布推定アルゴリズム [ 編集 ] Estimation of Distribution Algorithm ( EDA )。GAは個体の集合に対して、交叉や突然変異を行い、個体の集合が進化するが、EDA では、個体生成の 確率分布 を進化させる。アルゴリズムは、 Population-based incremental learning (PBIL)など。 遺伝的プログラミング [ 編集 ] →「 遺伝的プログラミング 」も参照 遺伝的プログラミング (genetic programming;GP)は、J.Kozaによって提案された遺伝的アルゴリズムを拡張した物の一つである。遺伝子を 木構造 にすることで式やプログラムなどを扱えるようにした。工学分野だけではなく、経済分野などにも広く活用されている。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ “ [CEDEC 2008#08]生き物を相手にするようなゲームを作る~遺伝的アルゴリズム ”. www.4gamer.net . Aetas (2008年9月11日). 2021年4月9日閲覧。 参考文献 [ 編集 ] 伊庭斉志 『遺伝的アルゴリズムの基礎』、オーム社、 1994年 、 ISBN 4-274-07802-7 伊庭斉志 『進化論的計算の方法』、東京大学出版会、 1999年 、 ISBN 4-13-061401-0 北野宏明他 『遺伝的アルゴリズム』、産業図書、 1993年 、 ISBN 4-7828-5136-7 坂和正敏・田中雅博 『遺伝的アルゴリズム』、朝倉書店、 1995年 、 ISBN 4-254-20990-8 三宮信夫・喜多 一・玉置 久・岩本貴司 『遺伝アルゴリズムと最適化』、朝倉書店、 1998年 、 ISBN 4-254-20977-0 関連項目 [ 編集 ] メタヒューリスティック 進化的計算 最適化問題 人工生命 人工免疫システム Neuroevolution アストロノーカ (遺伝的アルゴリズムを利用したゲーム) 新幹線N700系電車 (フロントノーズの設計に遺伝的アルゴリズムが使用されている) 外部リンク [ 編集 ] 菅沼研究室 ( 静岡理工科大学総合情報学部 ) 平澤研究室 ( 早稲田大学大学院情報生産システム研究科 ) 遺伝的アルゴリズム http://www.gp-field-guide.org.uk/ Global Optimization Algorithms - Theory and Application 表 話 編 歴 数理最適化 • 最適化問題 : メソッド • ヒューリスティック 非線形(無制約) … 関数 黄金分割探索 直線探索 ネルダー–ミード法 放物線補間 パウエル法 勾配法 収束性 信頼領域 ウルフ条件 準ニュートン法 BFGS法 ブロイデン法 L-BFGS法 DFP法 SR1法 BHHH法 その他の求解法 ガウス・ニュートン法 最急降下法 ( 確率的 ) レーベンバーグ・マーカート法 共役勾配法 ( 非線形共役勾配法 ) 打ち切りニュートン法 ドッグレッグ法 鏡像 座標 バルジライ・ボールウェイン法 … ヘッセ行列 最適化におけるニュートン法 Optimization computes maxima and minima. 非線形(制約付き) 一般 バリア関数 ペナルティ関数法 微分可能 ラグランジュの未定乗数法 拡張ラグランジュ関数法 逐次二次計画法 逐次線形計画法 凸最適化 凸最小化 切除平面法 簡約勾配法 劣勾配法 近接勾配法 線形 および 二次 内点法 アフィンスケーリング法 カーマーカーの射影変換法 メロートラの予測子修正子法 基底 - 交換 単体法 改訂単体法 十文字法 レムケの相補掃き出し法 その他 カチヤンの楕円体法 有効制約法 列生成法 ベンダーズ分解法 組合せ最適化 系列範例 ( Paradigms ) 近似アルゴリズム 動的計画法 貪欲法 整数計画問題 ( 分枝限定法 ・ 分枝カット法 ・ 分枝価格法 ) グラフ理論 最小 全域木 ブルーフカ法 クラスカル法 プリム法 最短経路問題 ベルマン–フォード法 ダイクストラ法 ワーシャル–フロイド法 ジョンソン法 ネットワークフロー ( 最大流問題 ) ディニッツ法 エドモンズ・カープ法 フォード・ファルカーソン法 プリフロープッシュ法 メタヒューリスティクス 進化的アルゴリズム ( 進化戦略 ・ 遺伝的アルゴリズム ) 山登り法 局所探索法 焼きなまし法 タブーサーチ ベイスンホッピング法 量子焼きなまし法 カテゴリ( 最適化 • アルゴリズム ) • ソフトウェア 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0)
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この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "イベント" プログラミング – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2011年12月 ) プログラミングにおける イベント ( 英 : event ) は、プログラム内で発生した動作・出来事、またそれらを表現する信号である [ 1 ] 。 メッセージ あるいはアクション(動作)とも呼ばれる。 イベントの例として WEBブラウザ における「クリック」動作、ネットワークリクエストにおける「fetch完了」出来事が挙げられる。動作・出来事そのものではなく、それらをプログラム上で表現し詳細情報を保持しているオブジェクト(イベントオブジェクト)を単純にイベントと呼ぶことが多い。 イベントドリブン [ 編集 ] →詳細は「 イベント駆動型プログラミング 」を参照 イベントドリブン (イベント駆動型、 英 : event-driven ) とは、イベントに応じて選択的に インスタンス への処理( メソッド の実行)や コンテクスト の切り替えを行う方式である。アクションの例としては、 キーボード のキーが押される、 マウス のボタンがクリックされる、などがある。アクションが発生すると、イベント信号が付帯情報(キー種別やボタン種別などのデータ)とともに発信される。また、アクションを起爆剤としてさらに他のプログラムコードが動かされたりするようにプログラミングすることを イベント駆動型プログラミング と称することが多い。 一般的に GUI アプリケーションソフトウェア のプログラミングでは、イベントの発生を監視しながら待機する イベントループ (メッセージループ)にて、 オペレーティングシステム から受け取ったイベント(メッセージ)オブジェクトを、あらかじめ登録された コールバック 関数 [ 2 ] にディスパッチ(配送)してイベントに応じたユーザー処理(イベントハンドラー)を実行し、再びイベントループに戻る ポーリング 的な手法が用いられている。 なお、登録されるコールバック関数はそれぞれ インタフェース が決まっており、 プログラマ はインタフェースを除いてこの関数の中身を自由に記述することでイベントを処理することができる。 通常、コールバック処理の登録は 関数ポインタ や デリゲート などを用いて実現される。 Java ではコールバック処理のカスタマイズに、イベントリスナー インタフェース を実装するカスタム派生 クラス での メソッド オーバーライド を利用する [ 3 ] 。イベントを言語の仕様として組み込んでいる プログラミング言語 、たとえば C# では、特定のアクションが発生した場合に呼び出されるイベントハンドラーを簡潔に記述・登録できる。 DOM Events [ 編集 ] DOMイベントは Web において発生した動作・出来事である [ 1 ] [ 4 ] 。 正格な定義としては、 Document Object Model (DOM)で定義された Event interfaceを実装するオブジェクトが event と呼ばれる [ 5 ] 。 例として、ウェブブラウザが発火する click イベントや keydown イベントが挙げられる。またプログラマが任意に発火できる カスタムイベント ( CustomEvent interfaceの実装)も存在する [ 6 ] 。これらのイベントを用いることでマウスクリックのような動作(アクション)、ネットワークリクエスト完了のような出来事(イベント)の発生を表現し、イベントに応答した振る舞いを定義できる。 DOM Eventsの特徴は、イベントの伝播がDOM(ウェブブラウザ処理系)によって扱われる点にある。イベントはDOM treeのnodeに対して発行され、treeのrootへ向かって各nodeで処理されながら伝播していく。この伝播はすべてウェブブラウザによって処理されており、その点でウェブブラウザはイベント(メッセージ)処理のためのミドルウェアとして働いているとみなすことができる。 排他制御におけるイベント [ 編集 ] Windows ( Win32 以降)には、「イベント」と呼ばれる カーネル オブジェクト があり、「Win32イベント」と呼ばれることもある。 [ 7 ] このオブジェクトは、前述のイベントドリブンとはなんら関係ない。イベントオブジェクトは、そのオブジェクトがシグナル(発信)されることにより、待機状態にある スレッド を再開させるなど、待機状態にある何らかの処理を起動する目的に使われる。また、 プロセス 間をまたいでイベントオブジェクトを共有できることから、スレッド間通信のみならず プロセス間通信 にも利用される。 Win32イベントはイベント的事象を伝達することに特化しており、待機中スレッドがイベント待ちから解放されたとき、自動的にイベントを非シグナル状態にするといった機能がある。 セマフォ と似ているが、決定的な違いは、イベントは資源数が常に1であり、また伝達できる情報はシグナル発生のみである点である。 イベントは、各 API ごとに次のような クラス または関数を通して提供されている。 Windows API - CreateEvent() 関数( HANDLE 型オブジェクト) ATL / MFC - CEvent クラス .NET Framework - System.Threading.AutoResetEvent クラス、 System.Threading.ManualResetEvent クラス 脚注 [ 編集 ] ^ a b イベントは、あなたがプログラムを書いているシステムで生じた動作、出来事を指します。 MDN web docs - イベントの紹介 ^ Microsoft Windows では、ウィンドウごとに登録されるコールバック関数のことをウィンドウプロシージャ (window procedure) と呼ぶ。 ^ “ イベントドリブン | じっくり学ぶ Java講座 [初心者向け・入門 ]”. 2023年7月10日閲覧。 ^ Throughout the web platform events are dispatched to objects to signal an occurrence, such as network activity or user interaction. DOM Living Standard - 2.1. Introduction to "DOM Events" 2019-11-25T07:39+09:00閲覧 ^ An Event object is simply named an event . DOM Living Standard - 2.2. Interface Event 2019-11-25T07:43+09:00閲覧. ^ CustomEvent インターフェイスはどんな目的のアプリケーションからも初期化されるイベントを表現します。 MDN web docs - CustomEvent ^ “ カーネルオブジェクト-win32 apps | Microsoft Learn ”. 2023年7月10日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] ポータル コンピュータ イベント駆動型プログラミング イベントループ 擬似プリエンプティブ 割り込み 例外処理 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88%E9%A7%86%E5%8B%95%E5%9E%8B%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
イベント駆動型プログラミング
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "イベント駆動型プログラミング" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2015年12月 ) プログラミング・パラダイム 命令型プログラミング 手続き型プログラミング モジュラープログラミング ( 英語版 ) 構造化プログラミング オブジェクト指向プログラミング クラスベース プロトタイプベース メッセージング アクターモデル アスペクト指向 宣言型プログラミング 関数型プログラミング 純粋関数型プログラミング ( 英語版 ) 論理プログラミング 並行論理プログラミング 制約論理プログラミング 解集合プログラミング 帰納プログラミング 仮説論理プログラミング ( 英語版 ) データフロープログラミング リアクティブプログラミング ( 英語版 ) 並行制約プログラミング マルチパラダイム ジェネリックプログラミング イベント駆動型プログラミング 動的プログラミング 並行プログラミング 制約プログラミング メタプログラミング 自動プログラミング 帰納プログラミング テンプレートメタプログラミング リフレクティブプログラミング マクロ 契約プログラミング インテンショナルプログラミング 文芸的プログラミング 量子プログラミング 表 話 編 歴 イベント駆動プログラミング (イベントくどうプログラミング、 英 : event-driven programming )とは、ユーザー側の操作による受動的なイベントの発生によって、コンピュータ側の能動的なプロセスの実行と プログラムフロー の選択が決定されるという プログラミングパラダイム である。イベントドリブンとも邦訳される。 グラフィカルユーザーインターフェース (GUI)ソフトウェアでよく用いられており、ユーザー入力に対するレスポンス出力の実装に適している。 デバイスドライバ プログラムでも多用されている。 Webアプリケーション でも 並行計算 を実現するための 非同期処理 で活用されている [ 1 ] 。 ここで言うイベントとは、 マウスクリック や キーボード 押下によるユーザー操作、 センサー や シグナル 受信によるハードウェア入力、走行 スレッド や発生 トランザクション からの メッセージ 受信を指している。プロセスの実行とは、 スレッド の開始や 手続き / 関数 の呼出しを指している。 特徴 [ 編集 ] イベントフロー図 規則型(宣言型)のイベント駆動型プログラミングにおいては、規則の条件部が満たされ指定されたイベントが発生すると、その規則が実行される。このような規則を ECA 規則 ( event-condition-action rule ) という。例えば為替レート換算であれば プログラムの起動直後 → 換算前の金額 を1に設定する 換算前の通貨単位と変換後の通貨を「選択」する → 換算前の金額 とそれぞれの通貨を為替換算サービスに送る サービスから為替レートを「受け取る」→ 換算前の金額 とレートから換算式を組み立てる。 入力欄に換算前の通貨の金額を「入力」する → 入力された金額を 換算前の金額 に設定する 換算前の金額 が「設定される」→ 換算式を利用して換算結果を提示する といった規則を用意しておけば、利用者としては 通貨単位だけ選択済みで金額が未入力ならば、例えば1円あたり何ドルかが得られる 金額だけを変更することで、選択しておいた通貨間で換算を次々に行える 金額をそのままにしても、通貨を選ぶ度にすぐに換算される。 入力を「確定する」という余計な手順を省ける(リアルタイム性) というメリットを享受できる。ここで挙げた例は、データや状態の変化に反応して処理が起動される リアクティブプログラミング ( 英語版 ) と呼ばれる。 手続き 型のイベント駆動型プログラミングにおいては、まず各イベントに対応する処理を記述した手続き( サブルーチン 、関数、あるいは メソッド )を、 システム あるいは アプリケーションフレームワーク に登録する。この手続きはイベントハンドラー ( event handler ) と呼ばれ、イベントが発生したときにシステムあるいはアプリケーションフレームワークによって呼び出される( コールバック される)。イベントの待機中( アイドリング 時)の処理はシステムに任せる。 一般的に、 グラフィカルユーザインタフェース (GUI) を使用する オペレーティングシステム や アプリケーションソフトウェア では、イベント駆動型プログラミングを利用している。 マウス 操作や キーボード 操作といったユーザーからの入力や、システム状態の変化・変更といった各イベントに対する処理を統一的に記述することができる。 イベント駆動型プログラミングを行うメリットは、アプリケーションを作成する際に、必要なイベントハンドラーにのみ処理を書けばよい、ということである。イベントを待機するプログラム構造自体はどのアプリケーションもほぼ共通であり、結果として、アプリケーションフレームワークによるプログラム構造の ブラックボックス 化と再利用がしやすくなり、アプリケーションプログラマーが記述しなければならないコード量が減る。処理の記述をハンドラーごとに分けるので、プログラムの見通しも良くなる。 用語と解説 [ 編集 ] イベント 「キーボードのキーを押した」、「時計がある時刻になった」などの、プログラムの流れとは別に発生する事象。または、その事象に関する情報を含んだ メッセージ を指す。 → イベント (プログラミング) イベントハンドラー イベントが発生した際に実行すべき サブルーチン のこと。イベント フック 、イベントリスナーなどの呼び方がある。 トリガー イベントを発生させるきっかけ。プログラム内部でイベントを起こすことを「イベントをトリガーする」と表現することもある。 イベントディスパッチャー 発生したイベントをイベントハンドラーに振り分ける機能のこと。 イベントキュー 複数のイベントが連続して発生した場合に、それらのイベントを 待ち行列 として保持するデータ構造。イベントの発生間隔が短く、次のイベントが発生するまでにイベントハンドラーの処理が間に合わない場合に バッファ として用いられる。→ メッセージキュー イベントループ イベントを待機する ループ を持つ機構。イベントループ内にイベントディスパッチャーを持つ構造が一般的である。メッセージループ、メッセージポンプとも呼ばれる。 実装 [ 編集 ] イベントで駆動される処理はイベントハンドラーに記述されるが、その実装方法は開発者に一任される。処理の特性(実行内容、規模/複雑性)に合わせた典型的なイベントハンドラ実装パターンが存在する。以下に各パターンを挙げる。 Fluxパターン Flux(フラックス [ 注釈 1 ] )は、Actionを介したブロードキャスト型 メッセージパッシング によるパターンである。状態管理をStoresに委譲し、イベントハンドラはActionの発火に特化する。イベント側と状態管理(ビジネスロジック)側を 疎結合 にできる利点を持つ。またActionメッセージを保持・記録して取り回すことができる。 UIが関わる実装としては、 Redux が デファクトスタンダード である [ 2 ] 。 Commandパターン →詳細は「 Command パターン 」を参照 Commandパターンは オブジェクト指向プログラミング を用いたパターンである。実際の処理をCommandオブジェクトへ委譲し、command.Execute(コマンド実行)インターフェースをイベントハンドラ内で叩くことにより、イベントハンドラ側と処理側を 疎結合 に出来る利点を持つ。またCommandオブジェクトを保持・記録して取り回すことができる。 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ アプリケーションのデータフロー管理のためのアーキテクチャパターン。 引用 [ 編集 ] ^ https://www.tc3.co.jp/graphic-explanation-on-eventdriven-in-cloudnative/ ^ “ Related Libraries | Flux ” (英語). facebook.github.io . flux . Meta (2019年7月27日). 2023年3月6日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] イベント (プログラミング) イベントループ コールバック関数 割り込み 出版-購読型モデル メッセージ指向ミドルウェア データフロープログラミング シグナルプログラミング フローベースプログラミング ( 英語版 ) 外部リンク [ 編集 ] X-Media用語辞典 - 2007年9月28日12時00分51秒時点のアーカイブ。 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9
インスタンス
この記事の 正確性に疑問 が呈されています。 問題箇所に 信頼できる情報源 を示して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2011年6月 ) 疑問点:オブジェクト指向以外の 計算機科学 におけるインスタンスの説明及び関連性について触れられていません 計算機科学 での インスタンス ( instance )とは 実体 のことをいう。 instance は英語で「 実例 」を意味する。 オブジェクト指向におけるインスタンス [ 編集 ] オブジェクト指向 言語においては、多くの場合 クラス と呼ばれるものを元に作成したオブジェクトの実体を指す。データモデルやオブジェクト指向設計においても用いられる用語である。 インスタンスを生成するプロセスを インスタンス化 ( instantiation 、動詞形 instantiate )という。 概要 [ 編集 ] オブジェクト指向において、クラスあるいは型はオブジェクトの分類(分類概念)や集合に相当している。 あるクラス C のインスタンスとは、C という分類に属する(分類される)オブジェクトのことである。 Smalltalk の影響が強い言語では、クラス自体もまたオブジェクトとして扱うことができる(これをクラス・オブジェクトと言う)。そのような場合は特に、「クラスC のオブジェクト」といった言い方では、「クラスC に属するオブジェクト」の意味か「クラスC そのものを表すオブジェクト」の意味か曖昧になる。この場合、「クラスC のインスタンス」という言い方が利用できる。 クラス・オブジェクトと対比して、「インスタンス・オブジェクト」という言葉も使われている。 オブジェクト指向 におけるインスタンスという言葉は、元々 Sketchpad という言語の"Master"から"Instance"を生成するという仕組み"instance drawings"が由来となっている用語である。 [ 1 ] そしてC++と並びオブジェクト指向の概念を築づいた Smalltalk が、この"Master"と"Instance"の関係をクラスから生成されたオブジェクトになぞらえ、クラスから生成されたオブジェクト(インスタンス・オブジェクト)の意味で使い始めインスタンス・オブジェクトを表す言葉として定着させた。 [ 2 ] 静的型付け のオブジェクト指向言語では珍しいが、 動的型付け のオブジェクト指向言語の多くは、 メタクラス をサポートし、クラス自体もオブジェクトとして扱うことができる(クラス・オブジェクト)。クラス・オブジェクトは、端的に言えば変数に束縛できるクラスである。クラス・オブジェクト、インスタンス・オブジェクト双方を変数に束縛した際どちらもオブジェクトとして振る舞い見かけ上区別はつかない。例えばクラス・オブジェクト、インスタンス・オブジェクト双方が readFrom: というメソッドを持っていた場合、どちらも #readFrom: メッセージを送ってやるとエラーも起こさずそれぞれのメソッドを実行する。 Objective-C や Python においてはクラス・オブジェクトとインスタンス・オブジェクトの明確な区別が行われている。 [ 3 ] [ 4 ] メタクラス がサポートされているシステムでは、クラス・オブジェクトもまた別のクラス( メタクラス )のインスタンスであるということがありうる。この場合「クラス・オブジェクトはインスタンスではない」とは言えないので、注意されたい。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ http://gagne.homedns.org/~tgagne/contrib/EarlyHistoryST.html ^ http://stephane.ducasse.free.fr/FreeBooks/BlueBook/ ^ Objective-C Runtime Reference [1] ^ Classes ― Python v2.7.3 documentation [2] 関連項目 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング オブジェクト (プログラミング) クラス (コンピュータ) オブジェクトライフタイム ( ライフサイクル ) 外部リンク [ 編集 ] 『 インスタンス 』 - コトバンク この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%A4%89%E6%95%B0
インスタンス変数
インスタンス変数 ( instance variable ) とは、 Smalltalk 等の オブジェクト指向言語 において、 オブジェクト の インスタンス ごとに割り当てられた変数のことである。 フィールド ( field )、 データメンバ ( data member )、 メンバ変数 ( member variable ) とも呼ばれる。それに対して クラス変数 は、同じ クラス に対する全ての インスタンス が同じ値を共有する。 インスタンス変数は、 インスタンスフィールド ( instance field ) あるいは、略して「フィールド」と呼ぶこともある (本来、この「フィールド」の意味には、「 クラス変数 」も含まれるが、 プログラミング言語 によってはインスタンス変数のことを「フィールド」と呼び、クラス変数とは名前を区別しているもの [ 要説明 ] もある)。 UML ではインスタンス変数のことを 属性 ( attribute ) とも呼ぶ。 Java のクラスを用いた例を示す。 class Foo { String bar ; static String baz ; } 上記の例において、barはクラスFooの インスタンス変数 である。それに対して、bazは クラス変数 である。 以下の プログラム で、Foo クラス を用いて クラス変数 と インスタンス変数 の違いを示す。 プログラム例: class TestFoo { public static void main ( String [] args ) { Foo foo1 = new Foo (); Foo foo2 = new Foo (); foo1 . bar = "foo1.bar" ; // foo1.bar (インスタンス変数) に"foo1.bar"を代入 foo1 . baz = "foo1.baz" ; // foo1.baz (クラス変数) に"foo1.baz"を代入 foo2 . bar = "foo2.bar" ; // foo2.bar (インスタンス変数) に"foo2.bar"を代入 foo2 . baz = "foo2.baz" ; // foo2.baz (クラス変数) に"foo2.baz"を代入 System . out . println ( "foo1.bar=" + foo1 . bar + " foo1.baz=" + foo1 . baz ); System . out . println ( "foo2.bar=" + foo2 . bar + " foo2.baz=" + foo2 . baz ); } } 実行結果: foo1.bar=foo1.bar foo1.baz=foo2.baz foo2.bar=foo2.bar foo2.baz=foo2.baz 上記のプログラムにおいて、foo1.bazとfoo2.bazはFooクラスの クラス変数 を表している。 つまり、foo1.bazとfoo2.bazが表している インスタンス は同一である。 そのため、結果として出力されるfoo1.bazとfoo2.bazの値は同じとなる。 逆に、foo1.barとfoo2.barは インスタンス変数 であり、独立した 変数 である。 そのため、結果として出力されるfoo1.barとfoo2.barは異なった値となる。 関連項目 [ 編集 ] クラス (コンピュータ) メソッド (計算機科学) フィールド (計算機科学) クラス変数 オブジェクト指向プログラミング プロパティ 属性
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%A1%E3%82%BD%E3%83%83%E3%83%89
インスタンスメソッド
メソッド ( method ) あるいは メンバー関数 (-かんすう, member function ) とは オブジェクト指向プログラミング 言語 において、ある クラス または オブジェクト に所属する サブルーチン を指す。 概要 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミングにおけるメソッドという用語は元々 Smalltalk によって Simula の メンバープロシージャー ( member procedure ) を メッセージ と メソッド に分けるために導入された。 C++ では メンバー関数 と呼ばれるが、これはSimulaのメンバープロシージャーを C言語 に流用したことに由来している。 Java のような言語や マイクロソフト [ 1 ] などの企業がメソッドという用語を使っているのは、 元々C++よりもSmalltalkの影響を受けていたためである [ 要出典 ] 。 近年 [ いつ? ] では言語設計やOS開発等で直接Smalltalkの影響を受けていない場合でも、Javaやマイクロソフト等の影響によりメンバープロシージャーやメンバー関数に当たるものをメソッドと呼ぶことが一般化している。 SmalltalkやSmalltalkの特色を色濃く受け継いだ Objective-C では、メッセージとメソッドを明確に使い分けている。 [ 2 ] メッセージとメソッドが分かれている言語では1個のメソッドに対しセレクターが異なる複数のメッセージを送ることができる。このためメンバー関数型の言語と違いメッセージとメソッドの分離を強く意識しておく必要がある。 [ 3 ] メソッドと通常の関数の違いは主に インスタンス 内部へのアクセスの有無である。クラスに所属するフィールドおよびメソッドにはそれぞれアクセシビリティ(アクセスレベル)を設定することができ、アクセス権がないコード領域からは参照したり呼び出したりすることができない。この機能は通常 カプセル化 と呼ばれており、 クラス 定義の 抽象化 に貢献する。また呼び出し時に操作の対象となるインスタンス (レシーバ) を this や self といったキーワード( 予約語 )、あるいはメソッドに渡された 引数 によって参照することができる。 C++ ではクラスに属さない関数である 大域関数 (グローバル関数あるいはフリー関数)と対比されることがある。 またメソッドは サブクラス 化の際に オーバーライド されることがあり、実際に発生する動作(振る舞い)がレシーバに依存するという特徴を持つ。これを 多態性 (ポリモーフィズム)と呼ぶ。 統一モデリング言語 (UML) ではメソッドのことを 操作 (operation) と呼ぶ。 インスタンスメソッドとクラスメソッド [ 編集 ] インスタンスメソッド ( instance method ) とは インスタンス に属するメソッドのことであり、インスタンスに対しメッセージを送信する事で実行される。インスタンス変数の操作に使われ、インスタンスメソッドはオブジェクト指向プログラミングの中核をなし、もっともよく使われる。 一方、 クラスメソッド ( class method ) とは クラス に属するメソッドのことであり、クラスに対しメッセージを送信する事で実行される。クラス変数の操作やオブジェクトの生成などに使われる。多くのオブジェクト指向言語は メタクラス をサポートしており、クラスオブジェクトの操作手段となる。 C++ や Java といったオブジェクト指向言語では 静的メンバー関数 あるいは 静的メソッド ( static method ) とよばれ、その振る舞いはクラス変数の操作が許可される点を除き非オブジェクト指向言語における 関数 や プロシージャ と変わらない。 インスタンスメソッドとクラスメソッドの例 [ 編集 ] Smalltalkによる例 [ 編集 ] Smalltalk によるインスタンスメソッドとクラスメソッドの例を示す。 Object subclass: #MethodSample instanceVariableNames: 'name' "インスタンスオブジェクトに持たせるインスタンス変数" classVariableNames: '' "クラスオブジェクトとクラスオブジェクト直属のインスタンスオブジェクトの間で共有するクラス変数" poolDictionaries: '' "クラスオブジェクトとインスタンスオブジェクトの間で共有するプール変数" category: 'Example' . "インスタンスオブジェクトのインスタンス変数を操作するメソッド(インスタンスメソッド)" MethodSample methodsFor: 'accessing' ! givenName ^ name . ! givenName: aString name := aString . !! "インスタンスオブジェクトとクラスオブジェクトを操作するメソッド(インスタンスメソッド)" MethodSample methodsFor: 'inter-accessing' ! name ^ self givenName, ' ' , self class familyName . !! MethodSample class instanceVariableNames: 'name' . "クラスオブジェクトに持たせるインスタンス変数" "クラスオブジェクトのインスタンス変数を操作するメソッド(クラスメソッド)" MethodSample class methodsFor: 'accessing' ! familyName ^ name . ! familyName: aString name := aString . !! MethodSample class methodsFor: 'instance creation' ! withGivenName: aString ^ self new givenName: aString ; yourself . !! インスタンスメソッドを実行するには、まず インスタンスオブジェクト を生成しなければならない: | objectA objectB | objectA := MethodSample withGivenName: 'John' . objectB := MethodSample withGivenName: 'Joe' . 上の例では #withGivenName: により二つのインスタンスオブジェクトを生成し変数 objectA と objectB に代入している。この時点で、 objectA と objectB のインスタンス変数 name にはそれぞれ "John" と "Joe" が代入されている。 インスタンスメソッドを実行するには次のように記述する: objectA givenName . "'John' を返す" objectB givenName . "'Joe' を返す" 上の例では objectA と objectB それぞれのインスタンスオブジェクトに対し #givenName メッセージを送りインスタンスメソッドを実行している。それぞれのメソッドの返り値が異なることから、同じクラスオブジェクトに属するインスタンスオブジェクトでもインスタンス変数が持つ値は、インスタンスオブジェクト毎に異なることがわかる。 一方、クラスメソッドを実行するには、クラスオブジェクトに直接属しているため、インスタンスオブジェクトの代わりにクラスオブジェクトに対してメッセージを送る。 クラスメソッドを実行するには次のように記述する: type := MethodSample type familyName: 'Hillton' . type familyName . "'Hillton' を返す" . 上の例では type にクラスオブジェクト MethodSample を代入して、 #familyName と #familyName: メッセージを送りクラスメソッドを実行している。 クラスオブジェクトのインスタンス変数 name は、インスタンスオブジェクトのインスタンス変数と異なり MethodSample に属する全てのインスタンスオブジェクトで共有される。 クラスオブジェクトのインスタンス変数が共有される例を示す: | type objectA objectB | type := MethodSample objectA := type withGivenName: 'John' . objectB := type withGivenName: 'Joe' . "#nameはクラスオブジェクトに#familyNameを送っているため、異なるインスタンスオブジェクトでも'Hillton'が共有されている。" type familyName: 'Hillton' . objectA name . "'John Hillton'を返す" objectB name . "'Joe Hillton'を返す" クラスメソッドは、変数に代入せず直接クラス名を指定して呼び出すことが多い。特にクラスがオブジェクトではない言語においては、直接クラス名を指定する書き方しかできない。 直接クラス名を指定したクラスメソッドの呼び出しは次のように記述する: MethodSample familyName: 'Hillton' . MethodSample familyName . "'Hillton' を返す" . なお、 MethodSample のインスタンスオブジェクト生成するときに使用した new もクラスメソッドである。 一般的にインスタンスオブジェクトを生成する場合には new という特別な演算子を用いる言語が多い。しかし、Smalltalkの影響が強い言語やRuby等いくつかの言語ではクラスメソッドによりインスタンスオブジェクトを生成する。クラスメソッドによりインスタンスオブジェクトを生成する言語の場合、 new を独自の実装に変更することができる。例えば new を実行したとき、別のクラスオブジェクトに属するインスタンスオブジェクトを返すようにすることができる。C++のように new が演算子でありながら、クラスメソッド (静的メンバー関数) として new を定義できる言語もある。 クラスがオブジェクトになっている言語の場合、インスタンスもクラスも同じオブジェクトとして扱われるため、インスタンスメソッドとクラスメソッドでメッセージの送り方に区別はない。インスタンスメソッドの代わりにクラスメソッドを呼び出すことも、クラスメソッドの代わりにインスタンスメソッドを呼び出すこともできる。どちらのメソッドを呼び出すかは、メッセージを送った変数にインスタンスとクラスのうち、どちらのオブジェクトを代入していたかで決まる。 多くの言語ではインスタンスメソッドとクラスメソッドは同じ シグネチャ (signature: 名前と引数) を定義できる。SmalltalkやObjective-Cなどメッセージが存在する言語ではメソッドの多重定義ができないため一見無理なように見えるが、メソッドが所属するオブジェクトがインスタンスとクラスで異なるため、同一のシグネチャでインスタンスメソッドとクラスメソッドを定義することができる。 Javaによる例 [ 編集 ] Java で記述したインスタンスメソッドと静的メソッド(クラスメソッド)の例を示す。Java では static 修飾子がついたメソッドが静的メソッドであり、ついていなければインスタンスメソッドである。 public class MethodSample { /** インスタンスフィールド */ private String name ; /** クラスフィールド */ private static int number ; /** インスタンスを生成するためのコンストラクタ */ public MethodSample ( final String name ) { this . name = name ; } /** インスタンスメソッド、getter */ public String getName () { return this . name ; } /** 静的メソッド、getter */ public static int getNumber () { return MethodSample . number ; } /** 静的メソッド、setter */ public static void setNumber ( final int number ) { MethodSample . number = number ; } } Smalltalk同様インスタンスメソッドを呼び出すには、まずコンストラクタを呼び出して インスタンス を生成しなければならない: MethodSample objectA = new MethodSample ( "John" ); MethodSample objectB = new MethodSample ( "Joe" ); 上記の例は、Smalltalkの例におけるインスタンスオブジェクトの生成と同様に動作する。C++の表記を踏襲したJavaでは、 new演算子 によってインスタンスを生成する。 インスタンスメソッドを呼び出すには次のように記述する: objectA . getName (); // "John" を返す objectB . getName (); // "Joe" を返す 上記の例は、Smalltalkの例におけるインスタンスメソッドの呼び出しと同様に動作する。 クラスメソッドを呼び出すには次のように記述する: MethodSample . setNumber ( 100 ); MethodSample . getNumber (); // 100 を返す 上記の例は、Rubyの例における直接クラス名を指定したクラスメソッドの呼び出しと同様に動作する。 Javaでは メタクラス として java.lang.Class クラスをサポートする。 java.lang.Object.getClass() メソッドにより Class 型オブジェクトを取得できる。また、 クラス名.class という構文で Class 型オブジェクトを取得することもできる。さらに リフレクション を使うことで、 Class 型オブジェクトからメソッドを呼び出したり、フィールドにアクセスしたりすることもできる。 .NET Framework ではメタクラスとして System.Type クラスをサポートする。 System.Object.GetType() メソッドにより Type 型オブジェクトを取得できる。C#では typeof 演算子により型シンボルから Type 型オブジェクトを取得することもできる。また、リフレクションもサポートしている。 C++はクラス型オブジェクトやリフレクションをサポートせず、クラス自体を何らかの変数に代入するようなことはできない [ 4 ] 。 メッセージ送信とメソッド呼び出し [ 編集 ] オブジェクト指向を解説した書籍などでメソッド呼び出しについてオブジェクトにメッセージを送信すると表現されることがある。C++系統の言語ではオブジェクトの操作は単なるメンバー関数(メソッド)呼び出しに過ぎず比喩として捉えられる場合が多い。SmalltalkやObjective-Cにおいては、メッセージ送信は単なる比喩ではなく実体のある機構であり、メソッド呼び出しとは別物であるため注意が必要である。 →詳細は「 メッセージ転送 」を参照 仮想メソッド、抽象メソッドと具象メソッド [ 編集 ] 仮想メソッド [ 編集 ] 仮想メソッド ( virtual method ) とは、 サブクラス で オーバーライド (再定義) し、動作を変更することのできるメソッドのことである。C++では 仮想関数 と呼ばれる。 C++および C# のメソッドはデフォルトで非仮想であり、メソッドに virtual 修飾子をつけることで仮想メソッドとすることができる。なお、C#のクラス(参照型)は仮想メソッドおよび非仮想メソッドの両方を定義することができるが、 構造体 (値型)は仮想メソッドを定義することができない。一方 Java のメソッド(インスタンスメソッド)は常に仮想であり、 final 修飾子をつけることでオーバーライドを禁止できるが、非仮想メソッドとなるわけではない。 final メソッドを非 final メソッドに変更しても、バイナリ互換性は維持される [ 5 ] 。 →「 仮想関数テーブル 」も参照 仮想と非仮想 [ 編集 ] C++では、一般に仮想関数はコンパイル時にどのメンバー関数を呼び出すかを確定できないため、通常の非仮想なメンバー関数呼び出しよりも パフォーマンス が悪いというデメリットがある。そのため、パフォーマンスを気にするC++ プログラマ には、継承する必要がないクラスのメンバー関数(特に デストラクタ を含む)に virtual 修飾子をつけることを非常に嫌う傾向がある。また、C++にはtemplateという機能が存在し、 多くの場合仮想関数はtemplateで代用できてしまうため仮想関数にこだわる必要がないという事情もある [ 疑問点 – ノート ] 。ただし、デストラクタが非仮想の場合、派生クラスのインスタンスのポリモーフィックなdeleteが不可能となる、という利便性および安全上のデメリットも発生する。 メソッドがデフォルトで非仮想というC++に準ずる設計選択をしたC#においても、仮想メソッドの呼び出しには非仮想メソッドよりもコストがかかることを念頭に置いて利用する必要がある [ 6 ] [ 7 ] 。 Javaのインスタンスメソッドは常に仮想であるが、クラスメソッド(静的メソッド)はオーバーライドすることのできない非仮想であるため、静的メソッドのほうが呼び出しコストが小さく、パフォーマンス上のメリットがある [ 8 ] 。 Javaの final 修飾子は、パフォーマンス上の理由というよりはむしろ、派生クラスでの不用意なオーバーライドを禁止してバグを未然に防止することにある。「Javaではメソッドを final 修飾することでコンパイラの最適化によりパフォーマンスが向上する」という神話があるが、一方で、 Java仮想マシン の性能によってはメソッドを final と宣言したからといって優れたパフォーマンスが得られるとは限らないという指摘もある [ 9 ] [ 10 ] 。なお、 Oracle の HotSpot VMは、 final メソッドを検出して非常に効率よく実行できるように最適化されていると説明されている [ 5 ] 。 抽象メソッドと具象メソッド [ 編集 ] 抽象メソッド ( abstract method ) とは仮想メソッドの一種で、メソッドの実装が無く、宣言だけされているもののことである。 C++ では 純粋仮想関数 ( pure virtual function ) と呼ばれる。このメソッドを利用するには、このメソッドを含む クラス を 継承 し、そこでこのメソッドを オーバーライド して実装する必要がある。従って、抽象メソッドを含むクラスは継承しない限りインスタンス化できない。このようなクラスを 抽象クラス と呼ぶ。 具象メソッド ( concrete method ) は抽象メソッドの逆で、実装をもつメソッドのことである。主に抽象メソッドを オーバーライド したインスタンスメソッドのことを意味するために使われる。 JavaおよびC#では abstract 修飾子を用いて抽象メソッドを宣言できる。抽象メソッドを持つクラス自体もまた、必ず abstract 修飾子を使って抽象クラスとして定義しなければならない。 抽象メソッドは デザインパターン の一つ Template Method パターン で主要な役割を果たす概念であり、ソフトウェアの 拡張性 、 再利用性 、 汎用性 を高めるのに役立つ。 また、抽象メソッドのみを持つ抽象型として、JavaおよびC#では インターフェイス (interface) を定義できる。JavaおよびC#においてクラスは多重継承できないが、インターフェイスを複数実装することはできる。 オーバーライド [ 編集 ] →詳細は「 オーバーライド 」を参照 アクセサ [ 編集 ] アクセサ ( accessor ) とは、特に オブジェクト が持つ フィールド に間接的にアクセスするために定義されるメソッドの総称である。フィールドに値の設定 (set) をするメソッドをsetter、フィールドから値の取得 (get) をするメソッドをgetterと呼ぶ。通例、個々のフィールドに対して、個別のアクセサが用意される(2つ以上のフィールドをまとめて設定/取得するようなものは一般的にアクセサとは呼ばれない)。つまり、setterは単一の入力を持ち、getterは単一の出力を持つ。1つのフィールドに対してsetter/getterが対称的に両方用意されることもあれば、片方だけが用意されることもある。日本語ではアクセサー、アクセッサあるいはアクセッサーとも表記する。C# 9では、オブジェクト構築時にのみ呼び出せるinitアクセサを定義することもできる [ 11 ] 。 アクセサの表記 [ 編集 ] 記法は言語により異なる。 Java系統では、 getXXX , setXXX の様に語幹部にアクセス対象の名詞が入る。Smalltalk系統では XXX , XXX: というようにアクセス対象の名前だけを記述し、入力と出力を引数の有無で区別する。Objective-Cでは、 XXX , setXXX: と片方にだけsetをつける命名規則が用いられる。 Delphi やC#などのプロパティ機能を持つ多くの言語では、プロパティ自体がアクセサにあたり、専用構文を使用する。Rubyでは、メソッド呼び出しの際の引数を囲むカッコが省略できるため、引数を持たないメソッド呼び出しが読み出し用アクセサに相当するが、書き込み用アクセサには XXX= という構文が存在する。C++には決まった規則はなくライブラリや開発環境に左右される。 アクセサとRADツール [ 編集 ] アクセサが他のメソッドと区別される大きな理由として RAD ツールの連携を想定していることにある。多くのRADツールでは、アクセサとして定義されたメソッドを特別扱いし、 グラフィカルユーザインタフェース (GUI) のデザイン時にデザイン画面からアクセサの引数を指定できるようになっている。 Javaには元々、get/setの接頭辞を記述するという規則はなかったが、RAD支援ライブラリの JavaBeans (java.beans) がset/getから始まるメソッドを値設定用のメソッドとして特別に扱うため、Beansが登場して以降、Javaのクラスライブラリ全体に渡ってset/getの接頭辞を使用する命名規則が導入された。現在でも初期の名残としてset/getを接頭辞として持たないアクセサメソッドが存在する( String.length() など)。 アクセサと公開フィールド [ 編集 ] 多くの言語では、フィールドを公開 (public) 状態にすることで、オブジェクトのフィールドをメソッドを介さず直接読み書きできる。 しかし、不特定多数のアプリケーションから利用されるライブラリなどでは カプセル化 の観点から、実際にはアクセサを介してフィールドを読み書きすることがほとんどであり、フィールドを公開状態にして直接読み書きすることは避けられる。アクセサを用意することで、ライブラリの仕様に則した使い方を強制することができるというメリットがある。 フィールドとアクセサが1対1の状態であれば、公開状態のフィールドの読み書きとアクセサを介したフィールドの読み書きはほとんど変わらない。それにも関わらず、わざわざアクセサを介してフィールドを読み書きする理由は、アクセサの実装はクラス実装者の自由であり、アクセサ (setter) が受け取った値をどう処理するかはクラスの実装に委ねられるからである。例えば、アクセサ (getter) が値を返す際、フィールドを参照せず常に0を返すという実装も有りうる。 公開フィールドへの直接アクセスと比較した際のアクセサの利点としては以下のようなものがある。 意図的に setter メソッドを実装しないことで、フィールドの値を外部から勝手に変更させないようにすることができる。 例えばコンストラクタで指定した初期値を常に保持し続ける イミュータブル (不変) なクラスを定義することも可能となる [ 12 ] 。 getter/setter でフィールドにアクセスするときにデータを加工してから取得したり設定したりすることができる。 例えば内部データの単位とは異なる単位の値に換算して返す、などである。 setter でフィールドにデータを設定するときにバリデーション (validation) を実行できる。 例えば設定したいデータを 整数 のみ、 自然数 のみ、 偶数 のみ、あるいは日付形式文字列のみ、などに限定して、範囲外あるいはフォーマット外の値が渡された場合に異常系とみなして例外をスローするといった実装ができる。 また、アクセサを使う最も重要な理由として、多態性の恩恵を受けられるという点がある。 例えばSmalltalkの#value, #contents, #name, #sizeといったセレクターが良い例である。#valueは値を示すセレクターで下記(1)のようにアクセサであったりアクセサでなかったり様々な実装が存在するが、#valueメッセージを送る手順はその違いを区別する必要が無いため下記(2)のようにどの実装に対しても共通の手順を適用することができる。これがアクセサによる多態性の恩恵である。アクセサを用意せず直接変数を公開しているクラスや、直接オブジェクト内の変数を参照しているような手順はこれらの枠組みから外れてしまうため共通の手順を使うことはできず変数の参照方法だけが異なる似たような手順をいくつも作る事となる。 (1) "アクセサ目的以外の#value" [ 1 ] value . "-> 1" ( Continuation currentDo: [ : sink | sink value: 0 . ] ) value . "-> 1" "純粋なアクセサとしての#value" ( 1 ) asValueHolder value . "-> 1" ( 0 -> 1 ) value . "-> 1" (2) "共通の手順" block := [ : valueHolder | self traceCr: valueHolder value printString . ] . "手順の適用" block value: ( 1 ) asValueHolder . block value: ( 0 -> 1 ) . block value: [ 1 ] . block value: ( Continuation currentDo: [ : sink | sink value: 0 . ] ) . #value以外の実例 "アクセサ以外:1と10を元に計算している。" ( 1 to: 10 ) size . "アクセサ" #( 1 2 3 ) size . "アクセサ以外:'text.txt'を全部読み込んだ結果を返す" 'text.txt' asFileRefarence readStream contents . "アクセサ以外:self valueの結果を返す" 1 asValueHolder contents . "アクセサ" #( 1 2 3 ) contents . "アクセサ以外: Class名を生成して返す。" Class name . "アクセサ" CmCommand new name . 純粋なオブジェクト指向環境として知られるSmalltalkでは、アクセサによる多態性がMVCの依存性辞書 [ 要説明 ] の管理を始めあらゆる箇所で活用されている。 アクセサ論争 [ 編集 ] Smalltalk のような言語ではインスタンスおよびクラス内の変数を外部から操作することはできず必ずメッセージを使った操作が必要となる。一方 C++ などでは public 変数への直接操作が往々にして利用されることがある。 効率の問題。メソッドをいちいち呼び出すコストを避けたい場合。ただしほとんどは コンパイラ最適化 によるインライン化で解決できる [ 13 ] 。 記述量の問題。単純に値を設定/取得するだけのことに 全て メソッドを記述するのは間違っているという考え方。 問題となるのは後者である。 まず カプセル化 や多態性の観点から、アクセサを用いない変数参照は将来にわたっての変更耐久性や拡張性が著しく劣る。また記法の一貫性からアクセサを指示する向きもある。一方否定派は「強力な IDE を用いれば リファクタリング は可能であり、むしろフィールドへの直接アクセスを用いる方が意味が明確となる」という主張を展開し、時に フレーム に発展する場合がある。これは現代の「 goto文論争 」ともいうべき、半ば宗教的な対立関係である。 そのほか、C++ではC言語との相互運用時に 構造体 を用いることがあるが、構造体のメンバー変数は隠蔽しないことが多い。C++における class キーワードと struct キーワードは、デフォルトのアクセシビリティが異なるという違いしかないが、メンバー変数を隠蔽しないC言語互換の構造体として利用するPOD ( Plain Old Data ) 型を定義する際に、 class キーワードではなく struct キーワードが使われることもある。 Object Pascal はこの反省から、変数を後からアクセサ化できる仕組みとして プロパティ を導入した。 [ 14 ] また Ruby など、アクセサを簡単に定義できるメソッドや構文を備えている言語もある。 多重定義 [ 編集 ] →詳細は「 多重定義 」を参照 引数 の数、型、順序などが異なる同じ名前のメソッドを定義することをメソッドの 多重定義 といい、多くのオブジェクト指向言語ではメソッドや コンストラクタ を多重定義できる機能を持つ。オーバーロード (overload) とも呼ばれるが、 オーバーライド との混同に注意が必要である。 ただし、 PHP や Perl のように、 プログラミング言語 によっては、型の曖昧さが原因によりメソッドを多重定義できないものもある。この場合はメソッドの引数をメソッド先頭で読み取り、引数の型を判定する 条件分岐 で対応する。 参考文献・脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ MFC 、 COM 、 .NET Framework ではメソッドという用語が使われる。 ^ SmalltalkやObjective-Cでは メッセージ転送 の仕組みによりオブジェクトが受信したメッセージを取得することができる。また、Objective-Cではメソッドを操作するために class_getInstanceMethod といったMethodが付く関数やメソッドを提供しており、メッセージを操作するためには objc_msgSend といったmsgが付く関数やメソッドを提供している。 ^ 例えばSmalltalkでは"#addSelector:withMethod:"により既存のメソッドにセレクターを追加できる。 [1] また メッセージ転送 により複数のメッセージを一つのメソッドで受け取ることができる。 ^ C++において、 obj.staticMemberFunc() のようにインスタンスから静的メンバー関数を呼び出す 糖衣構文 はサポートされるが、クラス自体をオブジェクトとして扱うことはできない。 ^ a b Javaにおけるメソッド呼出しの仕組み | Java Magazine | Oracle ^ Performance Tips and Tricks in .NET Applications | Microsoft Docs ^ Writing Faster Managed Code: Know What Things Cost | Microsoft Docs ^ パフォーマンスに関するヒント | Android デベロッパー | Android Developers , Internet Archive ^ Javaの理論と実践: ファイナル・アンサー? finalキーワードを有効に使用するためのガイドライン | IBM , Internet Archive ^ Javaの理論と実践: パフォーマンスの都市伝説 | IBM , Internet Archive ^ プロパティ - C# プログラミング ガイド | Microsoft Docs ^ C++/Java/C#の場合、イミュータブルに関してはpublicなconst/final/readonlyフィールドで代用することが可能なケースも存在する。この場合、getterも不要である。 ^ そのほか、C/C++ではコピーのコストを避けるため、関数の戻り値ではなくポインタあるいは参照による引数経由で値を返すことがあるが、コピー省略 (copy elision) およびReturn Value Optimization (RVO) をサポートするコンパイラでは、戻り値で返したとしても不要なコピー処理は除去される。 コピー省略 - cppreference.com ^ “ Properties (Delphi) - RAD Studio ”. docwiki.embarcadero.com . 2023年10月13日閲覧。 ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 メソッド 関連項目 [ 編集 ] ソフトウェア工学 オブジェクト指向プログラミング カプセル化 継承 (プログラミング) ポリモーフィズム クラス (コンピュータ) コンストラクタ 多重定義 (オーバーロード) オーバーライド インスタンス インスタンス変数 クラス変数 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
インスペクション
ソフトウェアインスペクション ( 英 : Software inspection )とは、ソフトウェア開発プロジェクトで作成された成果物(仕様書や プログラム など)を、実際に動作させることなく人間の目で見て検証する作業を言う。 通常のテストでは見つけられない 欠陥 、具体的にはコーディングルールに対する違反や極めて限定された条件でしか発生しない誤動作に繋がる問題点が検出されることがあり、プログラムを動作させて行うテストと補完関係にあるとされる。一般的に、プログラムを動作させて行うテストを 動的テスト 、インスペクションや ウォークスルー などのようにプログラムの動作を伴わないテストを静的テストと呼ぶ。 静的テストにはインスペクションの他に、ウォークスルーや ピアレビュー と呼ばれる技法がある。他の技法とインスペクションの違いは以下の通り。 責任者としてモデレーターが任命され、インスペクション作業全体を統括する 検出した欠陥をログに保管し、修正が行われたことを追跡調査する 関連項目 [ 編集 ] コードレビュー ソフトウェアテスト ソフトウェア工学 この項目は、 ソフトウェア に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BF
インタプリタ
「 インタープリタ 」はこの項目へ 転送 されています。元々の意味については「 通訳 」を、その他の用法については「 インタープリタ (曖昧さ回避) 」をご覧ください。 この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2019年3月 ) 正確性 に疑問が呈されています。 ( 2019年3月 ) 出典検索 ? : "インタプリタ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL プログラムの実行 一般的な概念 コード ( 英語版 ) トランスレーション コンパイル コンパイル時 コンパイラの最適化 ( 英語版 ) 中間表現 (IR) 実行 ランタイムシステム ランタイム 実行ファイル インタプリタ バーチャルマシン コードの種類 ソースコード オブジェクトコード バイトコード 機械語(マシン語) マイクロコード コンパイル戦略 実行時コンパイル (JIT) トレーシング実行時コンパイル 事前コンパイル (AOT) トランスコンパイル 再コンパイル ( 英語版 ) 有名なランタイム Android Runtime (ART) Common Language Runtime (CLR) & Mono crt0 ( 英語版 ) HHVM Java仮想マシン (JVM) Objective-C & Swift Chrome V8 & Node.js PyPy Zend Engine 有名なコンパイラとツールチェーン GNUコンパイラコレクション (GCC) LLVM & Clang 表 話 編 歴 インタプリタ ( 英 : interpreter )とは、 プログラミング言語 で書かれた ソースコード ないし 中間表現 を逐次 解釈 しながら 実行 する プログラム のこと [ 1 ] 。「インタープリタ」「インタープリター」などと表記することもある。 インタプリタは、およそ次のいずれかの動作をするプログラムである。 ソースコード を直接解釈実行する。 ソースコードを何らかの効率的な中間的なコード( 中間表現 )に、最初に全て変換して、あるいは、逐次変換しながら、解釈実行する。 何らかの コンパイラ が生成し出力した、何らかの効率的な(マシンに依存しない、あるいは、マシン依存の)中間表現を解釈実行する [ 注 1 ] 。 このように程度の差はあるが、ソフトウェアがソフトウェアを実行するという形になる。 いずれにしても、「インタプリタ言語」などという分類は本来は存在しない。単にそれぞれの言語の代表的な処理系の実装がインタプリタであったというだけで、理論上はどの言語であってもインタプリタとコンパイラのどちらでも作ることができる。しかしながら、インタプリタかしか存在しない言語があるが故に、「インタプリタ言語」や「コンパイラ言語」と区別されているのが現実である。インタプリタは実行中何度もプログラムを再解釈するため、 ダイナミックディスパッチ ( 英語版 ) や ダイナミックバインディング 、 リフレクション 、 動的型付け のような機能を実現することが容易である。一方、コンパイラは事前にCPUで実行できるように変換するだけで実行には関与しないため、実行中に振る舞いを変更したいときはそのためのプログラムを別途用意しなければならないケースがほとんどである。さらに、自前の言語から既存の何らかの表現に変換するには、その表現と対応付けるための知識と技術が必要であり、言語機能が大規模化や複雑化するほど、既存の表現との互換性をできるだけ確保しながら、自前の言語での振る舞いを実現することは難しくなる。中間表現も自前であれば、変換する手間はずっと楽になる。 仕組み [ 編集 ] インタプリタは各仮想命令に紐づく命令ボディとディスパッチ機構をもち、ホストマシン上で実行可能になっている(例: x86マシンコードbinファイル)。仮想命令群からなるコードを引数としてインタプリタが実行されると、仮想命令に基づいて制御が移行され対応する命令ボディが実行される。これを繰り返すことでインタプリタはコードを実行する。 命令ボディ [ 編集 ] 命令ボディ ( 英 : instruction body 、命令本体とも)は仮想命令をホスト言語で エミュレート するコードである [ 2 ] 。命令ボディがホストマシンで実行されることで仮想命令が事実上実行される。すなわち命令ボディは仮想命令の実装である。例えば二項和仮想命令 ADD2 に対応してC言語で書かれた push(pop() + pop()) は命令ボディである。 ディスパッチ [ 編集 ] ディスパッチ ( 英 : dispatch )は仮想命令に基づいた命令ボディから命令ボディへの 制御 移行メカニズムである [ 2 ] [ 3 ] 。ディスパッチの最もシンプルな例は Switch文 ( Jump命令 )である。ある仮想命令の実行後、次の仮想命令に対応する命令ボディへ制御を移す(Jumpする)ことでその仮想命令実装が実行される。 誤解 [ 編集 ] プログラミング言語処理系の実装には、インタプリタと コンパイラ の2つがある、とされてきた。インタプリタは 実行 を行う が、コンパイラは 実行 を行わない、という差がある。 インタプリタは、インタプリタが提供する言語のプログラム文を1文ずつ、インタプリタを実装した言語の機能を呼び出していく(単純な)方式が一般的であった。コマンドラインインタプリタではこれに加えて、別のプログラムに処理を委ねて一つの機能を実現する。 この時代のインタプリタの長所と欠点については、およそ次のような解説がされることが一般的であった。 (長所)プログラムを作成している途中でも、とりあえず書かれた箇所まで実行させることができ、プログラマの期待通りの動作をしている場合も、期待通りの動作をしていない場合も、早期にそれを確認・発見し、そして修正後すばやく実行、再確認できる。 (短所)実行速度が遅い。( ループ (=繰り返し)の箇所などでは)1度構文解釈した文でも、毎回(あらためて、最初から) 解釈 と実行を行うので、コンパイラ方式に比べて実行速度が遅くなる。(ループを全く含まないような、全ての命令が一回だけ解釈され、一回だけ実行されるような(ある意味、特殊な)プログラムであれば、解釈+実行のトータルの時間は、インタプリタでもコンパイラでもさほど差は生じない。だが、実用的なプログラムは一般的に、多数のループを含んでおり、そうしたプログラムではインタプリタのほうが実行を完了するまでの時間が多くかかり、特に、ループ回数が多ければ多いほど(古典的な、単純な)インタプリタの相対的な遅さは顕著になってくる。→ #長所と短所 その後、そうした欠点を解消すべく、(1990年代ころになって)毎回毎回、(高級言語から)機械語に変換するのではなく、中間言語に変換することで高速化をはかるインタプリタなどが作りだされた。 改良の結果、古典的な意味での「インタプリタ」と「コンパイラ」の双方の性質を備えたようなインタプリタが登場し、複雑化してきている。 (近年の)インタプリタがおこなう、(旧来の)コンパイラが行っているような変換のひとつとしては、高速化などを目的とした、 実行時コンパイラ による 動的コンパイル を挙げることができる。 [ 注 2 ] 歴史 [ 編集 ] インタプリタという手法、すなわち、「そのハードウェアが直接解釈するのではないプログラム」を受け取り、「プログラムで実装された抽象的な、あるいは仮想上のコンピュータで解釈実行する」というプログラムの実行法は、コンピュータが登場した時から、ないしそれ以前からある。 万能チューリングマシン は、「どんなチューリングマシンについても、それを模擬できるチューリングマシン」というもので、ある種の エミュレータ ないしインタプリタであり、考察されたのは電子式のコンピュータの誕生する以前である。 EDSAC (実用的な機能を持った プログラム内蔵方式 の世界初の電子計算機とされている)において既に、ある種のインタプリタが実装されていたことが記録に残っている。同機におけるプログラミングの技法が書かれた The Preparation of Programs for an Electronic Digital Computer の chapter 2 の § 2-22 Interpretive subroutines で説明されているが、複素数演算などのサブルーチンを明示的にサブルーチンとして呼ぶのではなく、通常の加減算などと同様の形式のプログラムをインタプリタで解釈してそれらのサブルーチンを利用する、というものである。また日本においても、 パンチカード を入力として パッチパネル の配線によるプログラミングで処理するような機械で、配線によってある種のインタプリタのようなものを実装し、パンチカードの内容をデータとしてではなくプログラムのように扱う、というような例があると言われている [ 4 ] 。 最初の Lisp インタプリタは スティーブ・ラッセル が IBM 704 上に実装した。これにはエピソードがあり、 ジョン・マッカーシー が「Lisp の論文」 [ 5 ] で「数学的」に示したものだったのであるが、マッカーシー自身は実装できるものだとは考えていなかった。それを、論文を読んだ、院生であったラッセルが、実装可能だと言って数学的な記述から変換して機械語で実装してみせたという。 [ 6 ] [ 7 ] 1960年代には(現在のJavaなどと同様な)、プログラミング言語から中間表現にコンパイルし、それをインタプリタで実行する、というような手法も一般的になった( pコードマシン を参照)。 長所と短所 [ 編集 ] 開発時に修正作業が容易 [ 編集 ] プログラム開発中、プログラマは頻繁にソースコードに手を加える。コンパイラの場合、ソースコードを変更するたびにコンパイルし、 リンク して 実行ファイル を完成させないと、そのプログラムを実行できない。プログラムが大きくなると、 ビルド の完了を待っている時間が長くなる。一方、インタプリタではソースコードをそのまま実行するか中間表現に変換するだけなので、ほとんど待つ必要がなく、修正がうまくいったかどうかのテストをより素早く確認できる。 この特性を利用したプログラムとして REPL がある。入力を受け取る(Read)、入力の評価(Eval)、評価結果を提示する(Print)を繰り返す(Loop)、テスト環境の一つである。評価はインタプリタに限らずコンパイラで行なわれるかもしれないが、ユーザからの入力は常にソースコードの断片であり、それを逐次実行するという点で一種のインタプリタということもできる。実際、その挙動はソースコードを指定せずに起動したBASICなどのそれとよく似ている。しかし、テスト環境も兼ねているため、エラーが起きた場合のメッセージが詳細であることが多い。 関数型言語 や 論理型言語 では、通常は 機械語 にコンパイルする 処理系 であっても用意される。 可搬性 [ 編集 ] AOTコンパイラ 方式では事前に生成された 機械語 実行ファイル がユーザーに配布される。 機械語 はプロセッサアーキテクチャに依存するため、このバイナリは特定のプロセッサでしか動作しない( 可搬性 が低い)。 一方インタプリタ形式ではソースコードとインタプリタが配布される。インタプリタは機械語実行ファイルであるため環境に依存するが、ソースコードには環境に依存しない言語を採用できる。その場合環境に合わせたインタプリタを事前配布しておけば、アーキテクチャに依存しないプログラムの配布が可能である( 可搬性 が高い)。またインタプリタの代わりに JITコンパイラ を用いても同様の利点が得られる。同一動作の保証はインタプリタ実装に依存しており(JITであればコンパイラ)、互換性バグの例として表計算マクロやWebページ(HTML)が挙げられる。 複雑性 [ 編集 ] AOTコンパイラ 方式では1つのバイナリを実行するだけでプログラムが機能する。一方インタプリタ方式では、まずインタプリタを インストール しその上でソースコードを動かす必要がある。その結果全体のプログラムサイズが大きくなり、ユーザーの手間が増える場合がある(複雑性が高い)。また JITコンパイル 方式でも同様の複雑性が生まれる。 可読性 [ 編集 ] インタプリタ用コード(高級言語コードあるいは バイトコード )は 機械語 バイナリより容易に解読できる( 可読性 が高い)。ゆえに配布後のデバッグや修正が容易な一方、 知的財産 保護上の問題を起こしうる。そのための 暗号 化・ 難読化 を考慮した言語・システムが存在する。また JITコンパイル 方式でも同様の可読性に関する特性が現れる。 速度 [ 編集 ] インタプリタ方式の実行速度はコンパイラ方式の実行速度よりも遅い傾向がある。 コンパイラではプログラム内の 文 の解析を実行前に1回だけ行うが、単純な実装のインタプリタではそれを文ごとに実行時に毎回行うため、実行性能が低くなる。単純な実装のインタプリタでは変数にアクセスする際も識別子とメモリ上の位置のマッピングを確認しなければならず、しかもそれを実行中に何度も行わなければならないので、遅くなる。 また ディスパッチ はインタプリタが本質的に抱えるコストである。コンパイル方式では事前(コンパイル時)にディスパッチ相当の命令ボディ整列がおこなわれるため、実行時にディスパッチコストが発生しない。ゆえにインタプリタ方式ではディスパッチコスト×命令数分の追加コストが本質的に掛かる。 ディスパッチ は 分岐予測 を難しくする。ゆえに パイプライン 方式を採用する CPU において速度へ影響を与える [ 8 ] 。影響の大きさは分岐予測器の性能に左右され、2000年代以前のCPUではインタプリタの低速度がこのペナルティによって引き起こされるとされていた。予測器の性能が上昇した2010年代以降のCPU(例: x86 Haswell )ではその影響は小さい [ 9 ] 。 インタプリタによる開発の速さとコンパイラによる実行の速さの間で、様々な妥協案が考案されてきた。一部の LISP 処理系などでは、インタプリタのコードとコンパイルされたコードが相互に呼び出しあうことができ、変数も共有できる。そのため、あるルーチンをインタプリタで評価しデバッグした後、先行してコンパイルして実行性能を高めつつ、他のルーチンを開発し続けることができる。多くのインタプリタはソースコードをそのまま実行するわけではなく、よりコンパクトな内部形式に変換している。多くの BASIC インタプリタは 予約語 を1 バイト の トークン に置換し、それを ジャンプテーブル のインデックスとして使用する。 PBASIC など一部のインタプリタでは、バイト単位ではなくビット単位でプログラムの短縮を行っており、例えばコマンドを5ビットで表し、一般に16ビットで表される定数をその数値の大きさに対応して可変長(3、6、10、18ビットなど)で表し、アドレスオペランドとして「ビットオフセット」を用意している。多くの BASIC インタプリタは独自にトークン化された内部表現を保存し、読み込むことができる。 インタプリタがコンパイラと同様の 字句解析 と 構文解析 を行い、その結果生成された 抽象構文木 を解釈することもある。 プログラムの実行時間はコンパイラよりもインタプリタの方が長いが、コンパイル時間と実行時間を合計すればインタプリタでの実行時間よりも長くなることがある。 プロトタイピング と テスト においては、この差が重要となる。 その他の技法に 制御フロー解析 や 静的単一代入 がある。 バリエーション [ 編集 ] スレッデッドコード [ 編集 ] →詳細は「 スレッデッドコード 」を参照 それ自体はインタプリタの手法とも言えるしコンパイラの手法とも言える。そのどちらと言うよりも、中間表現の1種類というべきかもしれない。 仮想関数テーブル や テーブルジャンプ によるフロー制御に似ていなくもない。 スレッデッドコードは、呼び出されるべきサブルーチンのアドレスのみが順番に羅列されたものである。「直接スレッディング」の場合は、そのアドレスが指す先は機械語のサブルーチンである。他にもいくつかのバリエーションがある。「サブルーチン・スレッディング」は最も違うタイプのバリエーションで、アドレスのみではなく、機械語のCALL命令として羅列するので、ハードウェアのプロセッサで直接実行できる。これは実行のオーバーヘッドは極小だが、メモリ効率は悪い [ 注 3 ] 。サブルーチン・スレッディング以外のスレッデッドコードは、きわめて単純なインタプリタで実行できる。 Forth では「内部インタプリタ」と呼んでいる(これは、Forth言語自体を実装しているインタプリタである「外部インタプリタ」と対になっている)。 バイトコード [ 編集 ] →詳細は「 バイトコード 」を参照 ソースコードを実行可能な形にするには、まず、ソースコードを構文木に変換する必要がある。構文木のまま、インタプリタ型の処理系で実行する処理系もあるが、構文木をさらに、中間コード( バイトコード など)などの 中間表現 に変換してから実行する物もある。中間コードをバイトコードと呼んでいる処理系ではそのインタプリタをバイトコードインタプリタと呼ぶ。 Java や .NET Framework のように、中間コードの仕様を公開しファイルに書き出すものもあるし、仕様は公開せず処理系内部だけで使用するものもある。 動的コンパイル を使っているインタプリタは、内部で実機の 機械語 に変換し実行する。 インタプリタとコンパイラの間には様々な中間的実装が存在し、それぞれにプログラム実行前に行われる解析の度合いが異なる。例えば Emacs Lisp は バイトコード にコンパイルされ、 LISP のソースを高度に圧縮し最適化した表現にしているが、それは機械語コードではない(したがって特定のプラットフォームに依存しない)。この「コンパイル」されたコードを解釈するのがバイトコードインタプリタである(それ自体は C で書かれている)。この場合のコンパイルされたコードは 仮想機械 の機械語コードであり、仮想機械はハードウェアで実装されておらず、バイトコードインタプリタとして実装されている。同様の手法は Open Firmware システムで使われている Forth コードでも使われている。ソース言語は「Fコード」(バイトコードの一種)にコンパイルされ、それを 仮想機械 が解釈実行する。他に Pコードマシン などがある。 コントロール・テーブル ( 英語版 ) はコンパイラを通さなくとも生成でき、バイトコードインタプリタと同様の方法でカスタマイズされたインタプリタでの適切なアルゴリズム的 制御構造 を記述できる。 抽象構文木 [ 編集 ] インタプリタとコンパイラの中間的手法の1つとして、ソースコードを最適化された 抽象構文木 (AST) に変換し、その木構造にしたがってプログラムを実行するか、 実行時コンパイラ での機械語コード生成に使用する方法がある [ 10 ] 。この方式では各文を1回だけ構文解析する必要がある。バイトコードに比べると、ASTではプログラムの全体的構造や文と文の関係を保持でき(それらはバイトコードでは失われる)、圧縮するとさらにコンパクトな表現になる [ 11 ] 。そのため、実行時コンパイラにとってはバイトコードよりもASTの方が優れた中間表現だとして提案されてきた。また、実行時の解析もより優れたものにできる。 しかし、ASTはバイトコードよりも冗長であるため、インタプリタとしてはオーバーヘッドが大きくなるという問題がある [ 12 ] 。 CRuby の場合は、1.8までは構文木インタプリタであったが、1.9では(開発中には YARV と呼ばれていた)バイトコードインタプリタに入れ替えられ、性能が向上した。 実行時コンパイル [ 編集 ] インタプリタとコンパイラの境界をさらにぼやけさせる方式として、中間表現を 実行時コンパイラ (JIT) でコンパイルし、実行時にネイティブの 機械語 にコンパイルする技法がある。これはネイティブなコードの実行効率を実現する代わり、ASTやバイトコードを最初にコンパイルする際に起動時間やメモリ使用量が増大するという欠点がある。これを補う技法として 適応的最適化 ( 英語版 ) があり、インタプリタが実行中のプログラムを 性能解析 して最も頻繁に実行される部分をネイティブのコードにコンパイルする。これらの技法は1980年代の Smalltalk などの言語で使われ始めた [ 13 ] 。 実行時コンパイルは近年多くの言語処理系で採用されており、 Java 、 .NET Framework 、最近の JavaScript の実装でも JIT が採用されている。 トランスレータ方式 [ 編集 ] 他のインタプリタ言語に変換して、ターゲット言語のインタプリタ上で実行する方式。例えば CoffeeScript は JavaScript に変換されて、 JavaScript インタプリタ上で実行される。 応用 [ 編集 ] インタプリタは、 コマンドライン 用言語や グルー言語 でよく使われている。 自己書き換えコード はインタプリタでは容易に実装できる。これは LISP と 人工知能 研究がインタプリタの起源であったこととも関係している。 仮想機械 を使って、あるアーキテクチャを別のアーキテクチャ上で実行させる 仮想化 は、基本的にインタプリタである。 サンドボックス : インタプリタまたは仮想機械はソースコードの命令を全て実際に実行することを強制されない。特に セキュリティ を脅かすような処理の実行は拒否できる。 デバッグ、教育用 [ 編集 ] 通常 C言語 はコンパイラで処理されるが、デバッグ目的および教育目的のインタプリタ型のC言語の処理系もある。MS-DOS時代に、いくつかの製品が提供されていた。C-Terpなどがその様な製品の例である。C/C++のインタプリタはほかに CINT や Ch がある。 パンチカード [ 編集 ] パンチカードシステム において、 パンチカード を読み込んで、その内容を人間が読める形式(文字)でパンチカード上に印字する機械をインタプリタと呼ぶ。例えば、 IBM 550 ( 英語版 ) Numeric Interpreter (1930年) や IBM 557 ( 英語版 ) Alphabetic Interpreter (1954年) がある。 プログラミング言語 [ 編集 ] ActionScript APL AWK Bash BASIC (古典的な マイクロコンピュータ 用) CFScript ( 英語版 ) Common Lisp Csh Curl dBASE Emacs Lisp FoxPro Hot Soup Processor HyperTalk Io Java FX Script ( 英語版 ) JavaScript Mathematica MATLAB Perl ( 第5版まで [ 要出典 ] ) PostScript Prolog REXX Ruby Python PHP R S Scheme SKILL Tcl TeX VBScript XSL Windows PowerShell なでしこ ひまわり インタプリタとコンパイラ方式が併用のもの [ 編集 ] 「共通言語ランタイム」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Boo C# J# Nemerle Visual Basic .NET 「 Erlang VM 」( BEAM )のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Erlang Elixir 「 Java 仮想機械」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Ceylon Clojure Fortress Groovy Java Kotlin Noop Scala Processing JavaScript に変換されるもの [ 編集 ] Ceylon CoffeeScript Dart Haxe JSX TypeScript 「 Lua VM」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Lua 「Pコードマシン」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Pascal 「 Parrot 」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Raku 「 Smalltalk VM 」のバイナリー・コードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Smalltalk VBAのPコードにコンパイルされるもの [ 編集 ] Visual Basic for Applications 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ この意味では、 CPU は機械語インタプリタであると見ることができる。 ^ 現在では、「インタプリタ / コンパイラ」という区分に関しては状況が変わっており、 [ 誰? ] に言わせると『だが、それらは必ずしも相互排他的に2つに分類できるわけではない。なぜなら多くのインタプリタ方式の処理系は、コンパイラが行っているような変換も内部で行っているからだ。 [ 要出典 ] 」とも言われ、『「インタプリタ言語」あるいは「コンパイラ言語」といった呼称も見掛けることがあるが、これらは単にその言語の規範的実装がインタプリタかコンパイラかを示しているに過ぎない(実際、詳しく調べれば、実験的な程度の実装まで含めれば両方ともあるということも多い)。』という見解も出てくることになる。 高水準言語 は基本的に抽象であり、(理想的には)特定の実装からは独立している。しかし、 動的プログラミング言語 のようにインタプリタでの実装が向いている方向性の言語、あるいはその逆もあるということは確かである。 ^ つまり、近年では高速化にはキャッシュのほうが重要なので、高速化に有利か否かはわからない。 出典 [ 編集 ] ^ bit 編集部『bit 単語帳』 共立出版 、1990年8月15日、19頁。 ISBN 4-320-02526-1 。 ^ a b "An interpreter dispatches a virtual instruction body to emulate each virtual instruction in turn." Zaleski (2007). YETI: a GraduallY Extensible Trace Interpreter . University of Toronto. ^ "we defined dispatch as the mechanism used by a high level language virtual machine to transfer control from the code to emulate one virtual instruction to the next." Zaleski (2007). YETI: a GraduallY Extensible Trace Interpreter . University of Toronto. ^ 日本のソフトウェアの草創期:座談会:日本のソフトウェアの草創期 ^ Recursive Functions of Symbolic Expressions and Their Computation by Machine, Part I のこと ^ History of Lisp の、§3 の最後のほうに、次のようにある「S.R. Russell noticed that eval could serve as an interpreter for LISP, promptly hand coded it, and we now had a programming language with an interpreter. (段落) The unexpected appearance of an interpreter ...(後略)」 ^ ポール・グレアム の『ハッカーと画家』(原著「 Hackers & Painters 、185ページ)によれば、マッカーシーは「ラッセルは『ねえ、この eval をプログラムしようか』と言った。…私は『ほう、ほう。君は理論と実際を混同している。この eval は読み物として書いたもので、実際に動かすために書いたものじゃない』と答えた。しかし彼はそれをやってのけた。つまり彼は私の論文にある eval を IBM 704 の機械語にコンパイルして、 バグ を修正し、それを LISP インタプリタだと宣伝したし、実際それはそのとおりだった。だからその時点で LISP は今日のような形態を本質的に備えていた」と述べたという。 ^ "Conventional wisdom states that this indirect jump incurs a major performance degradation on deeply pipelined architectures because it is hardly predictable" Rohou, et al. (2015). Branch Prediction and the Performance of Interpreters - Don’t Trust Folklore . International Symposium on Code Generation and Optimization, Feb 2015, Burlingame, United States. ^ "we show that the accuracy of indirect branch prediction is no longer critical for interpreters." Rohou, et al. (2015). Branch Prediction and the Performance of Interpreters - Don’t Trust Folklore . International Symposium on Code Generation and Optimization, Feb 2015, Burlingame, United States. ^ AST intermediate representations — Lambda the Ultimate forum ^ A Tree-Based Alternative to Java Byte-Codes — トーマス・キスラー、マイケル・フランズ ^ Annoucing SquirelFish ^ L. ドイチュ、A. シフマン、 Efficient implementation of the Smalltalk-80 system 、 Proceedings of 11th POPL symposium 、1984年 関連項目 [ 編集 ] コマンドラインインタプリタ 動的コンパイル 部分評価 スクリプト言語 外部リンク [ 編集 ] IBM Card Interpreters — コロンビア大学 Theoretical Foundations For Practical 'Totally Functional Programming' (特に Chapter 7 ) インタプリタとは何かについて定式化しようとした博士論文 Interpreters and Compilers - YouTube インタプリタとコンパイラの概念的差異を説明した短いアニメーション(英語) この記事は2008年11月1日以前に Free On-line Dictionary of Computing から取得した項目の資料を元に、 GFDL バージョン1.3以降の「RELICENSING」(再ライセンス) 条件に基づいて組み込まれている。 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 1950年代 FORTRAN ALGOL RPG COBOL 1960年代 LISP CPL BASIC PL/I APL BCPL Simula LOGO B 1970年代 Forth Pascal C Prolog Smalltalk Scheme ML AWK Ada Modula-2 1980年代 C++ Objective-C Common Lisp Eiffel Erlang Esterel Lustre Perl Mathematica J 1990年代 Python Tcl Haskell Visual Basic Ruby Lua Delphi Java ECMAScript ( JavaScript ) PHP OCaml SuperCollider R 2000年代 C# VB.NET Scala Clojure D F# Go Nim 2010年代 Dart Ceylon Elixir Crystal Hack Swift Rust Raku Elm Julia Kotlin Zig 架空の言語 擬似言語 CASL CAP-X 年表 パラダイム 一覧 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ科学 ハードウェア プリント基板 周辺機器 Integrated Circuit (IC) Very Large Scale Integration (超大規模集積回路、VLSI) Systems on Chip (SoC) エネルギー消費 (グリーン・コンピューティング) EDA ハードウェアアクセラレーション コンピュータシステムの構造 コンピュータ・アーキテクチャ 組み込みシステム リアルタイムシステム ディペンダビリティ ネットワーク ネットワーク・アーキテクチャ ( 英語版 ) 通信プロトコル ネットワーク・コンポーネント ( 英語版 ) ネットワーク・スケジューラ ( 英語版 ) ネットワーク性能評価 ( 英語版 ) ネットワーク・サービス ( 英語版 ) ソフトウェアの構造 インタプリタ ミドルウェア 仮想マシン オペレーティングシステム ソフトウェア品質 ソフトウェア記法 ( 英語版 ) と ツール プログラミングパラダイム プログラミング言語 コンパイラ ドメイン固有言語 モデリング言語 ソフトウェアフレームワーク 統合開発環境 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアライブラリ ソフトウェアリポジトリ ソフトウェア開発 ソフトウェア開発プロセス 要求分析 ソフトウェア設計 ソフトウェア構築 ( 英語版 ) ソフトウェアデプロイメント ソフトウェアメンテナンス プログラミングチーム ( 英語版 ) オープンソースモデル 計算理論 計算モデル 形式言語 オートマトン理論 計算可能性理論 計算複雑性理論 コンピュータ科学における論理学 ( 英語版 ) 意味論 アルゴリズム アルゴリズム ( 英語版 ) アルゴリズム解析 アルゴリズム効率 ( 英語版 ) 乱択アルゴリズム 計算幾何学 コンピューティングの数学 離散数学 確率 統計学 数学ソフトウェア 情報理論 解析学 数値解析 情報システム データベース管理システム 情報ストレージシステム 企業情報システム 社会情報システム ( 英語版 ) 地理情報システム 意思決定支援システム プロセス制御システム マルチメディア情報システム ( 英語版 ) データマイニング 電子図書館 コンピューティング・プラットフォーム デジタルマーケティング World Wide Web 情報検索 セキュリティ 暗号理論 形式手法 セキュリティ・サービス ( 英語版 ) 侵入検知システム ハードウェア・セキュリティ ( 英語版 ) ネットワーク・セキュリティ 情報セキュリティ アプリケーション・セキュリティ ( 英語版 ) ヒューマンコンピュータ インタラクション インタラクションデザイン ソーシャル・コンピューティング ( 英語版 ) ユビキタスコンピューティング 可視化 アクセシビリティ 並行性 並行コンピューティング 並列コンピューティング 分散コンピューティング マルチスレッディング マルチプロセッシング 人工知能 自然言語処理 知識表現と推論 コンピュータビジョン 自動計画とスケジューリング 検索手法 制御手法 人工知能の哲学 ( 英語版 ) 分散人工知能 ( 英語版 ) 機械学習 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 マルチタスク学習 ( 英語版 ) 交差検証 グラフィックス アニメーション レンダリング 画像編集 GPU 複合現実 バーチャル・リアリティ 画像圧縮 ソリッドモデリング 応用コンピューティング 電子商取引 企業アプリケーション 計算数学 ( 英語版 ) 計算物理学 計算化学 計算生物学 計算社会科学 計算工学 ( 英語版 ) 健康情報学 デジタルアート 電子出版 サイバー戦争 電子投票 コンピュータゲーム ワードプロセッサー オペレーションズ・リサーチ 教育工学 文書管理システム 概要 ( 英語版 ) カテゴリ ブック コモンズ 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%AF%E3%82%B5
インデクサ
プログラミング言語 における インデクサ ( 英 : indexer ) は、 クラス や 構造体 の インスタンス に 配列 と同様の添字を指定してアクセスするための構文である。 概要 [ 編集 ] 言語仕様に配列を持つプログラミング言語の多くは、配列要素にアクセスするための添字による特殊な構文を持つ。例えば C言語 から派生した言語では、添え字演算子 [] により要素アクセスできる。以下は C# の例である。 double [] array = new double [ 10 ]; for ( int i = 0 ; i < array . Length ; ++ i ) { array [ i ] = i * 0.1 ; } System . Console . WriteLine ( array [ 5 ]); その一方で、例えば動的配列 (配列リスト) や辞書 ( 連想配列 ) などのように、(言語組み込みの)配列以外のデータ構造を持つコレクションオブジェクトの要素に対しても、配列のように添え字でアクセスできると便利かつ直感的である。 インデクサがない言語では通常getterやsetterと呼ばれる要素アクセスのためのメソッドを実装したり、内部の配列を プロパティ として公開するなどしてアクセスするのが一般的であるが、以下の問題点がある。 コードの冗長化による可読性や直感性の低下 言語によってはgetやsetが識別子として扱われている場合があり、アクセサメソッドの名前が冗長化しやすい 内部配列(実装)を外部に公開するようなパターンは( カプセル化 の観点から)そもそも避けるべきである インデクサを用いることでオブジェクト内のコレクション要素へのアクセスを、配列へのアクセスと同様に記述できる。 ただし、インデクサは実質的にはgetter/setterメソッド呼び出しの 糖衣構文 であり、インデクサそのものは当然ながら 反復子 としての機能は持たない。インデクサを記述したからといって配列のように foreach文 などの反復構文がそのまま使えるわけではない [ ※ 1 ] 他、メソッド呼び出しのオーバーヘッド減少などの効果も特にない(コンパイラによるインライン展開等は当然受けるが、インデクサ固有の利点ではない)。 プログラミング言語C# のインデクサは C++ の添え字演算子の 多重定義 と似ているが、次のような点で発展したものだと見ることもできる。ただしC++とC#の言語設計上の事情も絡んでいるので、単純に比較できるものではない。 インデクサでは プロパティ のように値を得るときと代入するときとで実際には別のメソッドに分かれている。 インデクサは単独で多次元な配列を模倣できる。C++で同じようなことをするには間に一時的にオブジェクトを入れるなどの技巧を凝らす必要がある [ 要説明 ] 。 他の言語ではC#のインデクサに似た機能として、 Visual Basic .NET の引数付きプロパティや C++/CLI のインデックス付きプロパティなどが存在する。 インデクサをサポートしない言語、例えば Java において、配列リストを表す コレクション の要素へのアクセスは、次のような java.util.List [ ※ 2 ] インターフェイスのget/set メソッド によって提供される。 var list = new java . util . ArrayList < Integer > ( java . util . Collections . nCopies ( 10 , 0 )); // index 番目の要素に値を設定。 // void set(int index, E element) list . set ( 2 , 100 ); // index 番目の要素を取得。 // E get(int index) int val = list . get ( 2 ); 一方、C#のインデクサでは、配列リストの要素へのアクセスを配列のアクセスと同じように記述することができる。以下の例では System.Collections.Generic.IList インターフェイスで定義されているインデクサを使用している。 var list = new System . Collections . Generic . List < int > ( new int [ 10 ]); list [ 2 ] = 100 ; int val = list [ 2 ]; インデクサを定義する際、インデックスとして整数以外の値 (文字列やオブジェクトなど) も使用することができ、 ハッシュテーブル などの 連想配列 を表すコレクションに使用されている。 var map = new System . Collections . Generic . Dictionary < string , double > (); map [ "key1" ] = 0.1 ; double val = map [ "key1" ]; なお、 連結リスト 実装である System.Collections.Generic.LinkedList は、要素アクセスの計算量が O ( 1 ) {\displaystyle O(1)} ではなく O ( n ) {\displaystyle O(n)} であり、インデクサは提供されない。 例 [ 編集 ] C# [ 編集 ] C# においては、クラスおよび構造体の内部にインデクサを持つことができる。 インデクサは this[添え字リスト] の形式で宣言する。 インデクサの構文内では get / set が、 set アクセサ内では value がそれぞれ文脈キーワードとして機能する。 class Matrix2x2 { private readonly int [][] items = new []{ new [] { 0 , 0 }, new [] { 0 , 0 }, }; // セルの値を取得、設定するインデクサ。 public int this [ int index0 , int index1 ] { get { return items [ index0 ][ index1 ]; } set { items [ index0 ][ index1 ] = value ; } } } 呼び出し側では、配列にアクセスするような構文でインデクサの機能を呼び出す。 var matrix = new Matrix2x2 (); // setアクセス matrix [ 0 , 0 ] = 10 ; // getアクセス int num = matrix [ 0 , 1 ]; // get ⇒ 加算 ⇒ set matrix [ 1 , 0 ] += 10 ; 通常のメソッドと異なり、代入を伴わないインデクサメソッドの呼び出しは行えない。下記のような呼び出しは構文エラーとなる他、戻り値void型のインデクサを定義することもできない。ただし、インデクサを介して呼び出したオブジェクトのメンバを呼び出すような場合は構文上問題ない。 // 構文エラーとして扱われる。 matrix [ 1 , 0 ]; // 次の呼び出しは問題ない(この例では意味をなさない呼び出しだが) matrix [ 1 , 0 ]. ToString (); 他言語との相互運用 [ 編集 ] 他言語との相互運用のため、既定では Item という名前のインデックス付きプロパティが自動生成される。 System.Runtime.CompilerServices.IndexerNameAttribute 属性を付加することで、自動生成されるインデクサの名前を明示的に指定できる。 この機能が利用されている代表的な例として、 System.String クラスが挙げられる。 System.String クラスではインデクサの名前は Chars となるように指定されている。 [ 1 ] スニペット [ 編集 ] Visual Studio IDE や Visual Studio Code では、以下のようなコードスニペットが用意されている。 indexer : get,setアクセサを持つ標準的なインデクサ Visual Basic (.NET) [ 編集 ] Visual Basic においては、 Default キーワード付きのインデックス付きプロパティがインデクサとしてアクセス可能となる。 Public Class StringArray Private m_Item As String () = New String ( 10 ) {} ' Defaultが宣言されたインデックス付きプロパティはインデクサとしてアクセス可能 Default Public Property Item ( index As Integer ) As String Get Return m_Item ( index ) End Get Set ( ByVal value As String ) m_Item ( index ) = value End Set End Property End Class Dim obj As StringArray = New StringArray ' getアクセス Dim str As String = obj ( 1 ) ' setアクセス obj ( 2 ) = str 注釈 [ 編集 ] ^ C#ではGetEnumeratorという名前のメソッドを実装することでforeach文が使えるようになる。 ^ java.util.List 出典 [ 編集 ] ^ string.cs 関連項目 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング カプセル化 プロパティ 利用者定義演算子 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB
ウォーターフォール・モデル
ウォーターフォール・モデル (Waterfall Model)は、 ソフトウェア工学 における古典的な [ 1 ] [ 2 ] 開発モデルであり、開発活動を線形の連続的なフェーズに分割し、各フェーズが前のフェーズの成果物に依存し、タスクの専門化に対応している [ 3 ] 。 このアプローチは、 エンジニアリング設計 の特定の分野で典型的である。 ソフトウェア開発 では [ 3 ] 、反復が少なく柔軟性の低いアプローチの1つであり、進捗は主に1方向( 滝 のように「下方向」)に構想、着手、 分析 、 設計 、構築、 テスト 、 実装 、 メンテナンス のフェーズを通って流れる [ 4 ] 。 ウォーターフォールモデルは、ソフトウェア開発で使用された最も初期の SDLC アプローチである。 ウォーターフォール開発モデルは、 製造業 と 建設業 で生まれたものであり、高度に構造化された物理的環境では、開発プロセスのかなり早い段階で設計変更が非常に高価になることを意味していた。ソフトウェア開発に最初に採用されたとき、知識ベースのクリエイティブな作業に認められた代替案はなかった [ 5 ] 。 概要 [ 編集 ] ウォーターフォール・モデルの一例 プロジェクトによって工程の定義に差はあるが、開発プロジェクトを時系列に、主として以下のような工程で行われる。 要求定義 (要求仕様) 外部設計(概要設計) 内部設計(詳細設計) 開発 (プログラミング) テスト (ソフトウェア) 運用 (システム) 上記のように作業工程(局面、フェーズ)にトップダウンで分割する。線表( ガントチャート )を使用してこれらの工程を一度で終わらせる計画を立て進捗管理をする。原則として前工程が完了しないと次工程に進まない(設計中にプログラミングを開始するなどの並行作業は行わない)事で、前工程の成果物の品質を段階的に確保し、前工程への後戻り(手戻り)を最小限にする。ウォーターフォール・モデルの利点は、工程の進捗管理がしやすいことである。 ウォーターフォール・モデルの例には、 IBM によるADSG(Application Development Standardization Guide、アプリケーション開発標準化ガイド)などがある。 なお「ウォーターフォール・モデルは古く、 スパイラルモデル は新しい」と単純化して語られる場合もあるが、大規模開発ではスパイラルモデルだけでは収束せず破綻するケースが大半のため、現在でもウォーターフォール・モデルとスパイラルモデル等は、組み合わされて使用されている [ 要出典 ] 。 ウォーターフォール・モデルが採用される裏には、次のようなスパイラルモデルの問題が解決できないという理由もある。 要件を変更したときの見積もりや契約の方法が確立されていない 各工程の頻繁なリリースによるバージョン管理が難しい テストの自動化に関するノウハウが蓄積されていない 歴史 [ 編集 ] 1968年、NATO後援の国際会議にて、ソフトウェア開発を職人芸的な作成方法から工業製品としての作成方法に変える方法として、製品製造過程のように開発をいくつかの工程に分け、各工程の終了を意味する文書を作成することで進捗を管理し、早いうちから品質の作りこみをしようとするウォーターフォール・モデルの原形が提唱された。 [ 6 ] 「ウォーターフォール・モデル」という用語は、文字通り「滝」を意味し、W. W.ロイスによって1970年に発表された論文「Managing the Development of Large Software Systems」の内容が元になったとされる。この論文において、「大規模ソフトウェア開発には、製品製造過程のようにいくつかの工程に分けたトップダウンアプローチが必要」と述べている。しかし論文には「ウォーターフォール・モデル」という記述は無く、また、前工程への後戻り(見直し)も提唱されており、元の論文の内容とは異なっている。 初めて「ウォーターフォール」という用語を用いたのはT.E.BellとT.A.Thayerによる1976年に発表された論文「Software Requirement」であり、B.W.Boehamが1981年に出版した本「Software Engineering Economics」においてウォーターフォールモデルのオリジナルはロイスだと述べている。 問題点 [ 編集 ] ウォーターフォール・モデルに対する批判には、次のようなものがある。 「ウォーターフォールモデルは間違っており有害である。私たちはこのモデルから脱却しなければならない」 [ 7 ] 「ウォーターフォール・アプローチは,危険かつ問題をはらんだ,企業における風土病」 [ 8 ] 「秩序正しく、予測が可能で、説明が付きやすく、測定可能なプロセスであり、文書を中心とした単純なマイルストーンが存在するという幻想をウォーターフォールがあたえた」 [ 9 ] ウォーターフォール・モデルの問題点は、『 前工程に間違いがない 』ことを前提または期待していることである。 古くから(現代においても)、要求を事前に詳細に定義することは困難であると言われている。要求をユーザーに徹底的に確認したにもかかわらず、下流工程になって見え始めたシステムを見たユーザーから修正要望が出ることがある。この要望に応えるには、前工程に戻って進捗度を戻さざるをえなくなる。(要望に応えなければ戻さずに済む。) ウォーターフォール開発プロジェクトが成功するためには、過去に同じようなプロジェクトで一度失敗している必要があると言われている。これは、システム開発の名著『 人月の神話 』においても批判されていることである。 前工程への後戻りはスケジュールの遅延の原因であると評価されるため、前工程の完了要件(要件定義局面であれば、要件定義書などの成果物の完成)を徹底して品質を高め、後戻りの発生率を可能な限り低下させるとともに、後戻りが発生する場合は変更管理によって公式に決定し、後戻りや横展開を確実にフォローすることが求められる。 また大規模開発では、全システムを同じスケジュール(1時点では全システムの設計、1時点では全システムのプログラミング、など)とすると、管理可能な範囲を超える、似たような問題が各所で同時発生する、リソースの平準化がなされないなどの問題があるため、業務上またはシステム的に分割容易な適切なサブシステム単位に分割し、それぞれで局面化する事が一般的である。この場合は共通する仕様の問題は、先行するサブシステムで発見されるため、後続のサブシステムではより早い工程で変更できる。 要求の修正要望が出ないようにするために、「 プロトタイプ 」と呼ばれる試作プログラムや画面デモ用プログラムを作成することがある。この試作プログラムの開発を要求定義工程とみなせば前工程が完了しないと次工程に進まない原則とつじづまが合うが、開発工程とみなせば原則に違反したとしてプロトタイプを作成しないよう指示されてしまうことが考えられる。 テスト駆動開発 は着実に進捗を進めることを可能にする開発方法であると言われてるが、これも前工程が完了しないと次工程に進まない原則に違反する。また、テストの自動化に関するノウハウが必要になる。 脚注 [ 編集 ] ^ “From Waterfall to Agile software: Development models in the IT sector, 2006 to 2018. Impacts on company management” . Journal of International Studies (Fundacja Centrum Badań Socjologicznych) 11 (2): 315–325. (2018). ISSN 2071-8330 . https://www.ceeol.com/search/article-detail?id=718102 2023年9月28日閲覧。 . ^ Adenowo, Adetokunbo; Adenowo, Basirat A (2020-09-10). “(PDF) Software Engineering Methodologies: A Review of the Waterfall Model and Object- Oriented Approach” . International Journal of Scientific and Engineering Research (IJSER Publishing) 4 (7): 427–434. ISSN 2229-5518 . https://www.researchgate.net/publication/344194737\_Software\_Engineering\_Methodologies\_A\_Review\_of\_the\_Waterfall\_Model\_and\_Object-\_Oriented\_Approach 2023年9月28日閲覧。 . ^ a b Petersen, Kai; Wohlin, Claes; Baca, Dejan (2009). “The Waterfall Model in Large-Scale Development” . In Bomarius, Frank; Oivo, Markku; Jaring, Päivi et al. (英語). Product-Focused Software Process Improvement . Lecture Notes in Business Information Processing. 32 . Berlin, Heidelberg: Springer. pp. 386–400. Bibcode : 2009pfsp.book..386P . doi : 10.1007/978-3-642-02152-7_29 . ISBN 978-3-642-02152-7 . https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-3-642-02152-7_29 ^ “ The Traditional Waterfall Approach ”. www.umsl.edu . 2022年2月23日閲覧。 ^ Benington, Herbert D. (1 October 1983). “Production of Large Computer Programs” . IEEE Annals of the History of Computing (IEEE Educational Activities Department) 5 (4): 350–361. doi : 10.1109/MAHC.1983.10102 . http://sunset.usc.edu/csse/TECHRPTS/1983/usccse83-501/usccse83-501.pdf 2011年3月21日閲覧。 . Archived July 18, 2011, at the Wayback Machine . ^ 菅野孝男 1996 , p. 34. ^ Frederick P. Brooks Jr. 2010 , p. 34. ^ McBreen,P. 2002 , p. 125. ^ Larman,C. 2004 , pp. 129–132. 参考文献 [ 編集 ] 菅野孝男『改訂 ソフトウェア開発のマネージメント』新紀元社、1996年。 ISBN 978-4883170371 。 Frederick P. Brooks Jr. 著、松田晃一・小沼千絵 訳『デザインのためのデザイン』ピアソン桐原、2010年。 ISBN 978-4864010047 。 McBreen,P. 著、村上雅章 訳『ソフトウェア職人気質:人を育て,システム開発を成功へと導くための重要キーワード』ピアソン・エデュケーション、2002年。 ISBN 978-4894714410 。 Larman,C. 著、高慎治郎・松田直樹・越智典子 訳『初めてのアジャイル開発』日経BP社、2004年。 ISBN 978-4822281915 。 関連項目 [ 編集 ] Vモデル SSADM スパイラルモデル プロトタイプモデル : システムの試作品を作成し、ユーザーの確認を得ながら開発を進める開発モデル。 アジャイルソフトウェア開発 テスト駆動開発 ソフトウェア開発工程 ステージゲート法 (手法) 外部リンク [ 編集 ] システム開発プロセスは,本当に反復型が主流になるのか? ウォーターフォールモデルの起源に関する考察 ウォーターフォールに関する誤解を解く この項目は、 ソフトウェア に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
エクストリーム・プログラミング
エクストリーム・プログラミングの計画とフィードバックのループ ソフトウェア開発工程 中心となる活動 ソフトウェア ソフトウェア開発 要求分析 ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア設計 ソフトウェアエンジニアリング プログラミング ソフトウェアテスト デバッグ ソフトウェアデプロイメント ソフトウェア保守 パラダイムとモデル アジャイルソフトウェア開発 ソフトウェアクリーンルーム 反復型開発 ソフトウェアプロトタイピング スパイラルモデル Vモデル ウォーターフォール・モデル ソフトウェア開発方法論 とフレームワーク 適応型ソフトウェア開発 ( 英語版 ) DevOps ディシプリンド・アジャイル・デリバリー ( 英語版 ) 動的システム開発手法 ( 英語版 ) ユーザー機能駆動開発 反復型開発 かんばん リーンソフトウェア開発 ( 英語版 ) LeSS ( 英語版 ) モデル駆動工学 Microsoft Solutions Framework ( 英語版 ) パーソナルソフトウェアプロセス ( 英語版 ) 高速アプリケーション開発 ラショナル統一プロセス Scaled agile framework ( 英語版 ) スクラム SEMAT ( 英語版 ) Team software process ( 英語版 ) OpenUP ( 英語版 ) 統一プロセス エクストリーム・プログラミング 開発支援 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアドキュメンテーション ソフトウェア品質保証 ソフトウェアプロジェクト管理 ユーザーエクスペリエンス プラクティス 受け入れテスト駆動開発 ( 英語版 ) ビヘイビア駆動開発 Collective code ownership ( 英語版 ) 継続的インテグレーション 継続的デリバリー ドメイン駆動設計 ペアプログラミング 実例による仕様 ( 英語版 ) スタンドアップ・ミーティング ( 英語版 ) テスト駆動開発 プログラミングツール コンパイラ デバッガ リンケージエディタ 性能解析 GUIビルダ UML tool ( 英語版 ) 統合開発環境 ビルド自動化 アプリケーションリリース自動化 Infrastructure as code カテゴリ:ソフトウェアテストツール 標準と機関 BABOK Capability Maturity Model Integration IEEE Standards Association ISO 9001 ISO/IEC JTC 1/SC 7 ( 英語版 ) PMBOK SWEBOK ITIL 用語集 人工知能の用語集 ( 英語版 ) コンピュータ科学の用語集 ( 英語版 ) ソフトウェア工学 表 話 編 歴 エクストリーム・プログラミング 、 XP ( 英 : extreme programming )は、 ソフトウェア品質 を向上させ、変化する顧客の要求への対応力を高めることを目的とした ソフトウェア開発プロセス である。 アジャイルソフトウェア開発 の一つとして [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] 、短い開発サイクルで頻繁に「リリース」することを推奨することで、生産性を向上させ、新しい顧客の要求を採用するためのチェックポイントを導入することを意図している。 エクストリーム・プログラミングの他の要素には、 ペアでの プログラミングや広範な コードレビュー の実施、すべてのコードの ユニットテスト 、 機能は実際に必要となるまでは追加しない 、フラットな管理構造、コードのシンプルさと明快さ、時間の経過とともに問題がよりよく理解されたことでの顧客の要求の変化を期待する、顧客やプログラマーでの頻繁なコミュニケーションなどがある [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] 。この方法論は、伝統的なソフトウェアエンジニアリングのプラクティスの有益な要素を「極端な(エクストリームな)」レベルに持っていくという考えからその名前を取っている。例えば、 コードレビュー は有益なプラクティスと考えられており、これを極端にすれば、コードを「継続的」にレビューする、つまり、 ペアプログラミング のプラクティスとなる。 歴史 [ 編集 ] ケント・ベック は、 クライスラー総合報酬システム ( 英語版 ) (C3)給与計算 プロジェクト での業務の中で、エクストリーム・プログラミングを開発した [ 5 ] 。ケント・ベックは1996年3月にC3 プロジェクトリーダー になった。彼はプロジェクトで使用された開発方法論を改良し始め、その方法論に関する本を書いた ( エクストリームプログラミング , 1999年10月出版) [ 5 ] 。 クライスラー は7年後の2000年2月、 ダイムラー・ベンツ が同社を買収した際にC3プロジェクトをキャンセルした [ 6 ] 。 エクストリーム・プログラミングの多くのプラクティスは以前から存在していた。この方法論は、「 ベストプラクティス 」を極端なレベルに引き上げる。 たとえば、「テストファースト開発のプラクティス、各マイクロインクリメントの前にテストを計画して書く」は、1960年代初頭のNASAの マーキュリー計画 で早くも使われていた [ 7 ] 。総開発時間を短縮するために、一部の正式なテストドキュメント( 受け入れテスト のためのものなど)は、ソフトウェアのテストの準備がされるのと並行して(あるいは少し前から)開発されてきた。NASAの独立テストグループは、プログラマーがソフトウェアを書いてハードウェアと統合する前に、公式な要件と論理的限界に基づいてテスト手順を書くことができた。XPは、この概念を極限のレベルにまで引き上げて、機能という大きなテストしかしないのではなく、ソフトウェアコーディングの小さなセクションでさえも動作を検証する自動テスト(時にはソフトウェアモジュールの内部)を記述する。 起源 [ 編集 ] 2つの大きな影響が1990年代のソフトウェア開発を形作った: 内部的には、一部の開発者が好むプログラミングパラダイムとして、 オブジェクト指向プログラミング が 手続き型プログラミング に取って代わった。 外部的には、インターネットの台頭と インターネット・バブル により、競争力のある ビジネス 要因として市場投入のスピードと企業の成長が強調された。 急速に変化する要件は、 製品のライフサイクル の短縮を要求し、しばしばソフトウェア開発の伝統的な方法と衝突した。 クライスラー総合報酬システム(C3)は、クライスラーの給与計算システムを研究対象とし、言語として Smalltalk 、 データアクセス層 ( 英語版 ) として Gemstone を用いて、オブジェクト技術の最善の利用方法を見極めるために始まった。 クライスラーは、システムの パフォーマンスチューニング ( 英語版 ) のために、著名なSmalltalk実践者である ケント・ベック を招き入れた [ 5 ] が、開発プロセスに関するいくつかの問題点を指摘したことで、彼の役割は拡大した。 彼はこの機会を利用して、開発プラクティスのいくつかの変更 -親しい共同研究者である ウォード・カニンガム との業績に基づいたもの- を提案および実施した。 ケント・ベックは、手法の初期のコンセプトの説明を残している [ 8 ] : 初めてチームのリーダーを任された時に、テストやレビューなど、私が理にかなっていると思ったことを少しだけやってもらいました。2回目はもっとたくさんのことをやってもらいました。私は、「機雷にかまうな、少なくともこれは良いシステムになるぞ」と考え、[そして]チームに、私が必要不可欠だと思うこと全てのツマミを10に上げ、それ以外はすべて省いてくれと求めました。 ケント・ベックは、これらの方法の開発と改良の支援のために、 ロン・ジェフリーズ ( 英語版 ) をプロジェクトに招いた。 ロン・ジェフリーズはその後、C3チームに習慣としてのプラクティスを浸透させるためのコーチを務めた。 XPの背後にある原則とプラクティスに関する情報は、オリジナルの ウィキ であるカニンガムの WikiWikiWeb での議論を通じて、より広い世界に広まった。 さまざまな寄稿者がアイデアを議論し、拡張し、いくつかのスピンオフの方法論が生まれた( アジャイルソフトウェア開発 を参照)。 また、XPのコンセプトは、1999年頃のXPのWebサイト http://www.extremeprogramming.org での ハイパーテキスト システムによって、数年前から説明されている [ 誰によって? ] 。 ケント・ベックは、彼自身の書籍『XPエクストリーム・プログラミング入門―ソフトウェア開発の究極の手法』 (原書初版1999年、 ISBN 978-4894712751 )を皮切りに、XPに関する一連の書籍を編集し、彼の考えをより多くの人に広めていった。 このシリーズの著者たちは、XPとそのプラクティスについて、様々な側面から考察をしている。一連の書籍には、プラクティスに批判的な本も含まれている。 現状 [ 編集 ] XPは、1990年代後半から2000年代初頭にかけてソフトウェアコミュニティの間で大きな関心を集め、その起源とは根本的に異なる多くの環境で採用された。 元のプラクティスに求められていた高い規律はしばしば道端に捨て置かれ、厳しすぎると思われていたプラクティスの中には、銘々のサイトで非推奨になったり、縮小されたり、あるいは未完成のままにされるものもあった。 たとえば、各プロジェクトにおける一日の終わりの 統合テスト の実施を、週の終わりのスケジュールに変更したり、単に相互に合意した日でのテストに減らしたりする。 そのような弛んだスケジュールでは、一日の終わりのテストに合格するためだけに人為的なスタブを生成しなければならないという焦りを感じることはない。厳格でないスケジュールでは、代わりに、数日間も費やして複雑な機能を開発してしまう。 一方、他のアジャイル開発プラクティスは立ち止まっておらず、XPも、2019年の時点で、他のプラクティスを利用するために、現場での経験による多くの教訓を取り入れて進化し続けている。 初版から5年後の第2版の書籍『エクストリームプログラミング』(2004年11月原著発行)では、ケント・ベックはより多くの 価値 とプラクティスを追加し、基礎プラクティスと周辺プラクティスを区別した。 持続可能なソフトウェア開発の理論は、エクストリーム・プログラミングチームがチームの混乱にもかかわらず成長できる理由が説明されている [ 9 ] [ 要非一次資料 ] 。 コンセプト [ 編集 ] ゴール [ 編集 ] 書籍『エクストリームプログラミング』では、エクストリーム・プログラミングは、より高品質なソフトウェアをより生産的に生産するために人々を組織化するソフトウェア開発の規律として説明されている。 XPは、長い開発サイクルではなく、複数の短い開発サイクルにより、要件変更のコストを下げようとする。 この教義では、変更はソフトウェア開発プロジェクトの自然で避けられない望ましい側面であり、変わることがない要件定義をしようとするのではなく、計画すべしとしている。 エクストリーム・プログラミングでは、アジャイルプログラミングのフレームワークに加えて、いくつかの基本的な価値、原則、およびプラクティスを取り入れている。 アクティビティ [ 編集 ] XPでは、ソフトウェア開発プロセス内で実行される4つの基本的なアクティビティ(コーディング、テスト、傾聴、設計)を描き出す。これら各アクティビティを次に説明する。 コーディング [ 編集 ] XPの支持者は、システム開発プロセスの唯一の真に重要な製品はコード、つまりコンピュータが解釈できるソフトウェア命令であると主張する。コードがなければ、動作する製品は存在しない。 コーディングは、最適な解決策を導き出すのに役立つ。コーディングはまた、プログラミングの問題についての考えを伝えるのにも役立つ。 複雑なプログラミングの問題を扱うプログラマーや、他のプログラマーに解決策を説明するのが難しいと感じるプログラマーは、シンプルな形でコード化し、そのコードを使って自分が何を言いたいのかを示すこともできる。 この立場の支持者らによると、コードは常に明確で簡潔であり、複数の方法で解釈することはできないと言う。 他のプログラマーも、自身の考えをコード化することで、コードに対してフィードバックすることができる。 テスト [ 編集 ] →詳細は「 テスト駆動開発 」を参照 テストはエクストリーム・プログラミングの中心である [ 10 ] 。 エクストリーム・プログラミングのアプローチは、少しのテストでいくつかの欠陥を取り除ければ、多くのテストでより多くの欠陥を取り除くことができるというものである。 ユニットテスト は、特定の機能が意図した通りに動作するかどうかを判断する。プログラマは、コードを「壊す」可能性のある自動テストを思いつく限り多く書く; すべてのテストが成功したら、コーディングは完了である。書かれたすべてのコードは、次の機能の作成に進む前にテストされる。 受け入れテスト では、プログラマーが理解した要件が顧客の実際の要件を満たしているかどうかを検証する。 システム全体の 統合テスト は、最初は、互換性のないインターフェースを早期に発見し、各セクションが首尾一貫した機能から大きく乖離する前に再接続するために、毎日の終業時に実施することが推奨されていた。しかし、システム全体の統合テストは、システムの全体的なインターフェースの安定性に応じて、週1回、またはそれ以下の頻度にまで減少した [ 要出典 ] 。 傾聴 [ 編集 ] プログラマーは、顧客がシステムに何を必要としているのか、どのような「 ビジネスロジック 」が必要なのかに耳を傾けなければならない。 プログラマーはこれらのニーズを十分に理解して、問題がどのように解決されるか、あるいは解決されないのかの技術的な側面について顧客にフィードバックしなければならない。 顧客とプログラマーの間のコミュニケーションは、 計画ゲーム の中でさらに取り組まれる。 設計 [ 編集 ] 単純さの観点で言うと、当然のことながら、システム開発にはコーディング、テスト、傾聴以上のものは必要ないと言える。 これらのアクティビティが適切に行われていれば、その結果は常に動作するシステムになるはずだ。しかし、実際にはそうはならない。 設計せずに長い道のりを歩むことはできるが、いつかは行き詰まる。 システムが複雑になりすぎて、システム内の依存関係が明確でなくなる。 システム内のロジックを整理する設計構造を作成することで、これを回避できる。 優れた設計は、システム内の多くの依存関係を回避する; つまり、システムのある部分を変更しても、システムの他の部分に影響を与えない [ 要出典 ] 。 価値 [ 編集 ] 1999年の最初のエクストリーム・プログラミングでは、コミュニケーション、シンプルさ、フィードバック、勇気という4つの価値観に着目した。第2版の書籍『エクストリームプログラミング』では、新たに「リスペクト」という価値観が追加された。これら5つの価値観を以下で説明する。 コミュニケーション [ 編集 ] ソフトウェアシステムを構築するには、システムの要件をシステムの開発者に伝える必要がある。 格式ばったソフトウェア開発方法論では、このタスクは文書化によって行われる。 エクストリーム・プログラミング技法は、開発チームのメンバー間における組織化された知識を迅速に構築し、普及させるための方法と見なせる。 目標は、システムの利用者が持つ見解と一致するシステムの共有見解をすべての開発者に与えることです。 この目的を達成するために、エクストリーム・プログラミングは、シンプルな設計、共通のメタファー、ユーザーとプログラマーのコラボレーション、頻繁な口頭でのコミュニケーション、フィードバックを重視している。 シンプリシティ [ 編集 ] エクストリーム・プログラミングでは、最もシンプルな解説策から始めることを推奨している。機能は、後から追加できる。 このアプローチと従来のシステム開発手法との違いは、明日、来週、または来月のニーズではなく、今日のニーズに合わせた設計とコーディングに焦点を当てていることだ。 これは、「 実際に必要となるまでは追加しない 」(YAGNI)アプローチとして要約されることがある [ 11 ] 。 XPの支持者は、これが、システムの変更に明日より多くの努力を必要とすることがあるという欠点を認めている; 彼らの主張は、関係が生まれる前に変更される可能性のある将来の要件に投資しないという利点によって、これは十分に補償されるということだ。 将来の不確実な要件を考慮してコーディングや設計をすることは、必要ではないかもしれないものにリソースを費やすリスクを意味し、重要な機能を遅らせてしまう可能性がある。 「コミュニケーション」の価値に関連して、設計とコーディングのシンプルさは、コミュニケーションの質を向上させるはずである。 非常にシンプルなコードによるシンプルな設計は、チーム内のほとんどのプログラマーが簡単に理解できる。 フィードバック [ 編集 ] エクストリーム・プログラミングでは、フィードバックはシステム開発のさまざまな側面に関連している: システムからのフィードバック: ユニットテスト を書いたり [ 5 ] 、定期的に統合テストを実行することで、プログラマーは、変更した後にシステムの状態から直接フィードバックを得ることができる。 顧客からのフィードバック: 機能テスト(別名:( 受け入れテスト )は、顧客とテスターが作成する。彼らは、システムの現状について具体的なフィードバックを得られる。このレビューを2~3週間に1回のペースで計画することで、顧客は容易に開発の舵取りができる。 チームからのフィードバック: 顧客が計画ゲームで新しい要求を出すと、チームは直接、実装にかかる時間を見積もる。 フィードバックは、コミュニケーションとシンプルさに密接に関係している。 システムの欠陥は、特定のコードが壊れることを証明するユニットテストを書くことで簡単に伝達される。 システムからの直接のフィードバックは、プログラマーにこの部分を再コーディングするように伝える。 顧客は、 ユーザーストーリー [ 5 ] として知られる機能要件に従って、定期的にシステムをテストすることができる。 ケント・ベック を引用すると、「楽観主義はプログラミングの職業上の危険である。フィードバックが治療法である。」 [ 12 ] 勇気 [ 編集 ] いくつかのプラクティスは勇気を体現している。 1つは、明日のためではなく、常に今日のために設計とコーディングをするという戒めである。 これは、設計の行き詰まりを避け、余計なものを実装するために費やす多くの労力を回避するための取り組みである。 勇気により、開発者は必要に応じてコードの リファクタリング を快適に行える [ 5 ] 。 つまり、既存のシステムを見直し、将来の変更をより簡単に実装できるようにする。 勇気のもう一つの例は、コードを捨てるタイミングを知ることだ: そのソースコードを作成するためにどれだけの労力が費やされていたとしても、陳腐化したソースコードを削除する勇気である。 また、勇気とは永続性を意味する: プログラマーは複雑な問題に一日中悩まされても、翌日にはすぐに問題を解決しているかもしれない。だが、それは永続性がある場合に限られる。 リスペクト [ 編集 ] リスペクトの価値には、自尊心だけでなく、他者への尊敬も含まれる。 プログラマは、コンパイルを中断させたり、既存のユニットテストを失敗させたり、仲間の作業を遅らせたりするような変更をコミットしてはならない。 チームメンバーは、常に高品質を目指し、リファクタリングを通して目の前の解決策に対して最善の設計を追求することで、自分の仕事を尊重する。 先に述べた4つの価値観を採用することは、チーム内の他のメンバーからの尊敬を得ることにつながる。 チームの誰かが、感謝されていないと感じたり、無視されていると感じたりするのはいけない。 これにより、高いモチベーションが確保され、チームとプロジェクトの目標に対する忠誠心が高まる。 この価値は他の価値に依存しており、チームワークを重視している。 ルール [ 編集 ] XPのルールの最初のバージョンは、1999年にドン・ウェルズ [ 13 ] によってXPのウェブサイトで公開された。 29のルールが、計画、管理、設計、コーディング、およびテストのカテゴリで提供されている。 計画、管理、設計は、XPがこれらの活動をサポートしていないという文句に対抗するために、明示的に書き出されている。 XPのルールの別バージョンは、ケン・アウアー [ 14 ] によってXP/Agile Universe 2003で提案された。 彼は、XPはそのルールによって定義されるのであり、そのプラクティス(より多くのバリエーションがあり、あいまいさにさらされる)ではないと感じていた。 彼は2つのカテゴリーを定義した: ソフトウェア開発が効果的に行われる環境を規定する "交戦規定(Rules of Engagement)"と、 交戦規定の枠組みの中での分刻みのアクティビティとルールを定義する "ルールズ・オブ・プレイ(Rules of Play)"である。 以下、ルールの一部を示す(不完全): コーディング 顧客は常に対応可能 ユニットテスト コードファースト コードの統合は一度に1ペアのみ 最後まで 最適化 しない 残業 禁止 テスト 全てのコードは、 ユニットテスト を持つ 全てのコードは、リリース前にすべての ユニットテスト を通す バグ があれば、バグを調べる前にテストを書く(バグとは、ロジック内の誤りではない; 書かれていないテストである) 受け入れテスト は頻繁に実行され、結果は公開される 原則 [ 編集 ] XPの基礎となる原則は、先ほど説明した価値観に基づいており、システム開発プロジェクトにおける意思決定を促進することを目的としている。 原則は、価値よりも具体的で、より実践的な状況でのガイドラインに変換しやすいことを目指している。 フィードバック [ 編集 ] エクストリーム・プログラミングでは、フィードバックが頻繁かつ迅速に行われることが最も有用であると考えられている。 また、あるアクションとそのフィードバックの間の遅延を最小限に抑えることが、学習や変化をする上で非常に重要であると強調している。 伝統的なシステム開発手法とは異なり、顧客との接触がより頻繁に繰り返される。 顧客は開発中のシステムを明確に理解しており、必要に応じてフィードバックを与え、開発の舵取りをすることができる。 顧客からの頻繁なフィードバックがあれば、開発者が誤った設計決定をした場合でも、開発者がそれを実装するのに多くの時間を費やす前に、迅速に気付き、修正することができる。 ユニットテストは迅速なフィードバックの原則に貢献している。 コードを書くとき、ユニットテストを実行することで、システムに加えられた変更に対してどのように反応するかの直接的なフィードバックが得られる。 これには、開発者のコードをテストするユニットテストを実行するだけでなく、単一のコマンドで起動される自動化されたプロセスを使用した、すべてのソフトウェアに対するすべての単体テストを実行することも含まれる。 このようにして、開発者の変更がシステムのその他の部分で開発者がほとんどまたはまったく知らない障害を引き起こした場合、 自動化された全ユニットテストスイートはすぐに障害を明らかにし、その変更がシステムの他の部分と非互換であること、そしてその変更を削除するか修正する必要があることを開発者に警告する。 伝統的な開発手法では、自動化された包括的なユニットテストスイートがないため、開発者は無害であると思っていたコード変更がそのまま残され、統合テスト中でしか現れず、さらに悪いことに、本番環境でしか現れなかった; また、統合テストの数週間前または数か月前からすべての開発者が行ったすべての変更の中から、どのコード修正が問題の原因となったのかを特定することは、大変な作業だった。 シンプルさを前提に [ 編集 ] これは、すべての問題を、あたかもその解決策が「非常にシンプルである」かのように扱うことだ。 伝統的なシステム開発手法では、将来を見据えた計画を立て、再利用性を考慮したコーディングを行うように言われてきたが、エクストリーム・プログラミングはこれらの考え方を否定する。 エクストリーム・プログラミングの支持者は、一度に大きな変更を加えてもうまくいかないと言う。 エクストリーム・プログラミングでは、漸進的な変更を適用する: 例えば、システムは3週間ごとに小さなリリースを行うかもしれない。 多くの小さな段階が作られると、顧客は開発プロセスと開発中のシステムをより詳細に制御できるようになる。 変化を受け入れる [ 編集 ] 変化を受け入れるという原則は、変化に逆らうのではなく、変化を受け入れるということだ。 例えば、イテレーションでの会議の一つで顧客の要求が劇的に変化したことが判明したら、プログラマーはこれを受け入れ、次のイテレーションのために新しい要件の計画していく。 プラクティス [ 編集 ] →詳細は「 エクストリーム・プログラミング プラクティス 」を参照 エクストリームプログラミングには、4つの領域にグループ化された12のプラクティスがあると説明されている: 詳細スケールフィードバック [ 編集 ] ペアプログラミング [ 5 ] 計画ゲーム テスト駆動開発 チーム全体 継続的プロセス [ 編集 ] 継続的インテグレーション リファクタリング もしくは 設計の改善 [ 5 ] 小さなリリース 共有理解 [ 編集 ] コーディング規約 ソースコードの共同所有 [ 5 ] シンプル設計 [ 5 ] システムメタファー プログラマーの福祉 [ 編集 ] 持続可能なペース 物議を醸している側面 [ 編集 ] XP のプラクティスは激しく議論されてきている [ 5 ] 。 エクストリーム・プログラミングの支持者は、オンサイト顧客 [ 5 ] に非公式に変更を要求することで、プロセスが柔軟になり、形式的なオーバーヘッドのコストを節約できると主張している。 XPの批判者は、これがコストのかかる手直しや、以前に合意や資金提供されていた範囲を超えたプロジェクトの スコープ・クリープ につながる可能性があると主張している [ 要出典 ] 。 変更管理委員会は、プロジェクトの目的と複数のユーザー間の制約に潜在的な矛盾があることを示している。 XPの迅速な手法は、プログラマーが妥協した目的や制約の文書化ではなくコーディングに集中できるようにするのに、統一されたクライアント視点をプログラマー達が想定できるかどうかにある程度依存している [ 15 ] 。 これは、複数のプログラミング組織、特にプロジェクトのシェアを競い合う組織にも当てはまる [ 要出典 ] 。 他にも、エクストリーム・プログラミングの潜在的な議論の余地のある側面としては、以下のようなものがある: 要件は、仕様書ではなく自動受け入れテストとして表現される。 要件は、すべてを事前に取得しようとするのではなく、漸進的に定義される。 ソフトウェア開発者は通常、二人一組で作業することが求められる。 事前の大規模設計 ( 英語版 ) がない。ほとんどの設計作業は、 「可能で最も単純なもの」から始まり、テストの失敗によって必要になった場合にのみ複雑さを追加することで、その場で漸進的に行われる。批評家はこれを「システムの外観を デバッグ する」ことと比較し、要件が変更されたときだけ再設計するよりも、再設計の労力が増えることを危惧している。 プロジェクトに 顧客担当者 ( 英語版 ) が付き添う。この役割はプロジェクトの単一障害点になる可能性があり、それがストレスの原因になると気づいた者もいる。また、技術的なソフトウェアの機能やアーキテクチャの使用を指示しようとする非技術的な担当者による マイクロマネジメント の危険もある。 批評家は、不安定な要件の問題、ユーザーの衝突の妥協点が文書化されていないこと、全体的な設計仕様書や文書の欠如など、いくつかの潜在的な欠点を指摘している [ 5 ] 。 スケーラビリティ [ 編集 ] ThoughtWorks ( 英語版 ) は、最大60人の分散型XPプロジェクトにおいて、それなりの成功を収めている [ 要出典 ] 。 2004年に、XPの進化形として産業用エクストリーム・プログラミング(IXP) [ 16 ] が導入された。 これは、大規模で分散したチームで作業できるようにすることを目的としている。 現在、23のプラクティスと柔軟な価値がある。 分離可能性と対応 [ 編集 ] 2003年に、 マット・ステファン ( 英語版 ) とダグ・ローゼンバーグは、書籍『Extreme Programming Refactored:The Case Against XP』を出版した。 この本は、XPプロセスの価値に疑問を投げかけ、XPプロセスを改善する方法を提案している [ 6 ] 。 これにより、記事、インターネットニュースグループ、およびWebサイトのチャット界隈で長い議論が起きた。 この本の核心的な議論は、XPのプラクティスは相互に依存しているが、すべてのプラクティスを採用しようとする意志がある/可能な実際的な組織はほとんどないというものであり、したがって、プロセス全体が失敗するというものである。 また、本書は他の批判も行っており、XPの「集団所有」モデルを社会主義に例え否定的に描いている。 XPのある側面は『Extreme Programming Refactored』の出版以降、変化している; 特に、XPは現在、必要な目標が満たされているのであれば、プラクティスの変更を受け入れている。 XPはまた、プロセスに一般的な用語を使うようになってきている。 これらの変更により以前の批判は無効であると主張する人もいれば、これは単にプロセスを骨抜きにしているだけだという意見もある。 他の著者は、統一された方法論を形成するために、古い方法論とXPを調和させることを試みた。 これらのXPのいくつかは、 ウォーターフォール・モデル のような、置き換えを求めていた: 例: プロジェクトのライフサイクル: ウォーターフォール、 高速アプリケーション開発 (RAD)、およびそのすべて。 JPモルガン・チェース は、 能力成熟度モデル統合 (CMMI)および シックス・シグマ のコンピュータプログラミングの方法とXPを組み合わせてみた。 彼らは、3つのシステムが互いをよく補強し、よりよい開発をもたらし、相互に矛盾しなかったことを見つけた [ 17 ] 。 批判 [ 編集 ] エクストリーム・プログラミングの初期の話題性と、 ペアプログラミング や 継続的設計 ( 英語版 ) などの論争の的になっている教義は、 マクブリーン [ 18 ] ベームとターナー [ 19 ] 、 マット・ステファンとダグ・ローゼンバーグ [ 20 ] などからの批判を集めている。 しかし、批判の多くは、アジャイルの実践者によって、アジャイル開発への無理解であると信じられている [ 21 ] 。 とりわけ、エクストリーム・プログラミングは、マット・ステファンとダグ・ローゼンバーグの書籍『Extreme Programming Refactored』で考察と批判がされている [ 6 ] 。 批判には次のようなものがある: 方法論が人によりけり、アジャイルはこれを解決していない [ 要出典 ] 成果物を定義しないことで顧客からお金を垂れ流すための手段としてよく使用される [ 要出典 ] 構造と必要な文書の欠如 [ 要出典 ] 上級レベルの開発者のみに作用する [ 要出典 ] 不十分なソフトウェア設計を包含している [ 要出典 ] 顧客は莫大な費用をかけて頻繁に会議をする必要がある [ 要出典 ] 採用するにはあまりにも多くの文化的変化が必要 [ 要出典 ] より困難な契約交渉につながる可能性がある [ 要出典 ] 非常に非効率になる可能性がある: コードのある領域の要件が多くの反復によって変化する場合、同じプログラミングを数回繰り返す必要があるかもしれない。一方、計画にあってそれに従うのであれば、コードの1つの領域は1回しか記述されないことが期待される [ 要出典 ] プロジェクトの開始時には、誰も全体のスコープ/要件を知らないので、見積もりを出すのに必要な労力の現実的な見積もりを作ることは不可能 [ 要出典 ] 詳細な要件文書がないため、 スコープ・クリープ のリスクを増大させる可能性がある [ 要出典 ] アジャイルは機能駆動型である: 非機能的な品質属性を ユーザーストーリー として表現するのが困難 [ 要出典 ] 関連項目 [ 編集 ] アジャイルソフトウェア開発 継続的陳腐化 ( 英語版 ) エクストリーム・マニュファクチャリング ( 英語版 ) エクストリーム・プロジェクトマネジメント ( 英語版 ) エクストリーム・プログラミング プラクティス 改善 ソフトウェア開発哲学のリスト ( 英語版 ) ペアプログラミング スクラム_(ソフトウェア開発) ソフトウェア工学 ソフトウェア職人気質 ( 英語版 ) スタンドアップ・ミーティング ( 英語版 ) タイムボックス ( 英語版 ) 参照 [ 編集 ] ^ "Human Centred Technology Workshop 2006 ", 2006, PDF, Human Centred Technology Workshop 2006 ^ a b UPenn-Lectures-design-patterns "Design Patterns and Refactoring", University of Pennsylvania, 2003 . ^ a b USFCA-edu-601-lecture Extreme Programming . ^ “ Manifesto for Agile Software Development ”. 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ISBN 978-3-540-44024-6 Kent Beck : Extreme Programming Explained: Embrace Change , Addison–Wesley. ケント・ベック(著)、長瀬嘉秀(監訳)、永田渉、飯塚麻理香(訳)『XPエクストリーム・プログラミング入門:ソフトウェア開発の究極の手法』ピアソン・エデュケーション、2000。 ISBN 489471275X Kent Beck and Martin Fowler : Planning Extreme Programming , Addison–Wesley. ケント ベック (著), マーチン ファウラー (著), Kent Beck (原著), Martin Fowler (原著), 長瀬 嘉秀 (翻訳), 飯塚 麻理香 (翻訳)『XPエクストリーム・プログラミング実行計画』ピアソン・エデュケーション、2001。 ISBN 978-4894713413 Kent Beck and Cynthia Andres. Extreme Programming Explained: Embrace Change, Second Edition , Addison–Wesley. KentBeck、CynthiaAndres(著)、 角征典 (訳)『エクストリームプログラミング』オーム社、2015。 ISBN 978-4-274-21762-3 Alistair Cockburn : Agile Software Development , Addison–Wesley. Martin Fowler : Refactoring: Improving the Design of Existing Code , Addison–Wesley. Martin Fowler (著), 児玉 公信 (翻訳), 友野 晶夫 (翻訳), 平澤 章 (翻訳), 梅澤 真史 (翻訳)『リファクタリング(第2版): 既存のコードを安全に改善する』オーム社、2019。 ISBN 978-4274224546 Harvey Herela (2005). Case Study: The Chrysler Comprehensive Compensation System . Galen Lab, U.C. 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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BF
エディタ
ウィキペディア上の記事をテキストエディタで編集するときに使用するツールについては、 Wikipedia:ツール#エディタ をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "テキストエディタ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2018年4月 ) Leafpad テキストエディタ ( 英語 : text editor )は、 コンピュータ で 文字情報(テキスト) のみの ファイル 、すなわち テキストファイル を作成、編集、保存するための ソフトウェア ( プログラム )である。 一般的に、文字情報の入力、削除、コピー、貼り付け、 検索 、置換、整形などの機能を備えている。 Windows の メモ帳 や、 macOS の テキストエディット 、 UNIX の vi 、 Emacs など、多くの オペレーティングシステム (OS) や デスクトップ環境 に最初から装備されている。 特徴 [ 編集 ] ソースコード の記述のため プログラマ に愛用されるが、 ワープロソフト の代わりに 著述家 に愛用される場合もある。ワープロソフトは高機能な反面、起動や終了に時間がかかり、動作が鈍重で、出力されるファイルが大きくなる傾向がある。その点、テキストエディタは小回りが利く、素早く動けるなどのメリットがある。 禁則処理 など日本語編集に特化した機能を搭載したテキストエディタもある。 様々なテキストエディタ [ 編集 ] 編集形態 [ 編集 ] スクリーンエディタ 現在は、画面上に編集するテキストを表示し、その上で カーソル を移動させて編集を行うテキストエディタが主流で、スクリーンエディタと呼ばれる。 ラインエディタ 行 単位で編集を行うものである。スクリーンエディタが開発される以前のテキストエディタは、主にこれが使用されていた。その後は、最速のエディタが必要な場合や、スクリーンエディタが起動しないような緊急の場合に利用されるエディタとなった。 CP/M のED、 MS-DOS の EDLIN 、 UNIX 系では ed などがこれに該当する。ラインエディタの基本的な操作は一行のコマンドであり、数字や文字列検索で行を指定し、表示させたり挿入・削除や文字列置換などの編集をしたりした後、保存する。 ストリームエディタ 入力のテキストを、 正規表現 等の一定の規則に従って変換して出力するものは、 ストリームエディタ と呼ばれる。 GUIへの対応 [ 編集 ] GUI ではOSによるが、表示形態の違いで SDI と MDI の二種類がある。SDIの場合は、ひとつの ウィンドウ 内にひとつのデータのみを表示する。複数のデータを処理する場合は、複数のウィンドウを開くことになる。複数のデータを他の アプリケーション と見比べながら作業するには都合がいいが、その分、ウィンドウ管理が繁雑になる。MDIの場合は、ひとつのウィンドウ内に複数のデータを表示することができ、ウィンドウの代わりにタブなどの機能を通してデータを利用する。また他にも、Emacsや GVim の様に、ひとつのウィンドウ内に複数のデータを保持し、コマンドまたはタブを通じてアクセスするものもある。 テキストの種類 [ 編集 ] テキストエディタは文字情報だけを持つ プレーンテキスト を扱うが、そのデータの意味は、汎用的な文章、リッチな体裁のある文書、プログラム、インターネット上のコンテンツ、百科事典、画像、楽譜、回路図、数値データ、データベースの操作、システムの設定、予定表など、実に多様である。プレーンテキストには特定の意味が無いため、後から幾らでも意味付けできるからである。 文字情報に加えて、個々の文字に色や書体、スタイルなどを持たせることができるソフトウエアは、 マルチスタイルテキスト または リッチテキスト と呼ばれるファイルを生成する。 スクリプト [ 編集 ] テキストエディタの中には スクリプト 、または マクロ と呼ばれる、編集作業の自動化、機能拡張、さらにはテキストエディタの インタフェース そのものの変更を行える機能を持っているものもある。スクリプトには、言語 インタプリタ などの他のアプリケーションの機能を利用するもの、独自に開発されたもの、作業手順の自動記録などの機能を通じて利用するものなどの種類がある。代表的なスクリプトには、Emacsの Emacs Lisp 、 秀丸エディタ の秀丸マクロなどがある。スクリプトを利用することにより、ファイル管理や、ネットワーク通信まで行えるテキストエディタ以上の総合的な利用を行うことが出来る場合もある。 その他の種類 [ 編集 ] テキストエディタの中には、打鍵時に音がなったり、入力画面の背景に壁紙を挿入したりするような、アクセサリ的要素の強い機能を持つものもある。また、日本向けでは、縦書用のインターフェイスを持ち、普通の縦書文書を書くのと同じように利用することのできるものもある。 テキストエディタにはたくさんの種類があり、インターネットを通して公開されている。 テキストエディタの利用目的 [ 編集 ] 日常的な文書編集 [ 編集 ] テキストエディタの利用目的のひとつに、日常的な文書の編集がある。メモを取ったり、メールを記述したりなどでは、テキストエディタが利用されることがある。 それに対して業務用文書では、リッチテキストやオフィスアプリケーションによる文書が使われることもあるが、アプリケーションによっては、一般のテキストエディタ相当のものが組み込まれている場合や、テキストエディタそのものを呼び出す機能の付いている場合もある。 ほとんどのオペレーティングシステムにはテキストエディタがインストールされているので、環境の違うオペレーティングシステムでも確実に参照したり編集したりできるという利点がある。 プログラミング [ 編集 ] →「 ソースコードエディタ 」も参照 テキストエディタの古くからの利用目的にプログラミングがあるため、プログラミング支援機能を持っているものは多い。具体的には、プログラム言語の種類による予約語の色分け( シンタックスハイライト )、入力の補完、 コンパイラ や デバッガ など外部アプリケーションとの連携、自動インデントなどの機能である。これらは、プログラマーの負担を減らし、プログラミングの補助と成り得る。 データ編集 [ 編集 ] テキストエディタを通じて ログファイル などの固定長、可変長のデータを編集する場合もある。この際に、一部のエディタは矩形コピー、矩形貼り付け(「箱型」、「ボックス」など、エディタによって呼称に揺れがある)などの機能を通じて、作業負担を大幅に減らすことができる。何万行、何十メガバイトといった巨大なデータを扱う必要がある場合、こうしたデータの扱いにすぐれたテキストエディタが求められる。 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 テキストエディタ に関連するカテゴリがあります。 テキストエディタの一覧 エディタ戦争 統合開発環境 オーサリングツール 表 話 編 歴 テキストエディタ クロスプラットフォーム Ace ( 英語版 ) Atom † Brackets Emacs ( GNU Emacs ) ed gedit Geany jEdit Kate KEdit Komodo Edit ( 英語版 ) KWrite Leafpad Light Table MinEd nano nvi Scintilla SciTE Scribes † sed Sublime Text Text Editor and Corrector UltraEdit ( 英語版 ) vi Vim Visual Studio Code WZ EDITOR Windows 用のみ Aprotool TM Editor † Apsaly † Dana † EmEditor gPad † J-cref † K2Editor † Meadow † Mery Notepad++ Notepad2 † oedit Peggy † PerlEditor † QXエディタ † Space Editor † TeraPad TextPad UnEditor † ViVi xyzzy † サクラエディタ 秀丸エディタ メモ帳 Mac OS / macOS 用のみ Alpha Aquamacs BBEdit ( 英語版 ) CotEditor iText † Jedit mi SimpleText † Tex-Edit Plus ( 英語版 ) † TextMate ( 英語版 ) † VimR WriteRoom テキストエディット その他 EDLIN MIFES QED SE3 † VZ Editor † †印は開発終了 一覧 典拠管理データベース : 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BC%94%E7%AE%97%E5%AD%90_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E8%A8%80%E8%AA%9E)
演算子
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "演算子" コンピュータ言語 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2009年6月 ) コンピュータ言語 における 演算子 (えんざんし、 英 : operator )とは、各種の 演算 を表わす 記号 ・ シンボル である。通例、演算子は単なる記号あるいは記号列であって 構文論 的な要素であり、それに対応する演算は 意味論 の側にある。たとえば Java において、演算子 + を使った a + b という式は、構文論上は単にそういう式だというだけである。意味論的には 数値 の加算であったり、 文字列 の連結であったりするが、それは a と b の型に依って決まる(理論的には 項書き換え のように、構文論的といったものもある)。 演算が作用する対象のことを 被演算子 ( operand ; オペランド、被演算数、 引数 )という。たとえば、 n と 3 との 和 を表す式 " n + 3" において、"+" は演算子であり、その被演算子は " n " と "3" である。また、数式として一般的な被演算子と被演算子の間に演算子を記述する構文は 中置記法 と呼ばれる。 分類 [ 編集 ] コンピュータプログラミング においては、主に記号を用いて演算を指示するものが演算子と呼ばれる。概ね数式などの記述を模倣しているが、一部の演算子に( 文字コード および 文字セット の関係上)通常と異なる記号あるいは文字列が用いられたり、 副作用 を持っていることがあるなど、数学の演算子とは異なる点もある。 算術演算子 [ 編集 ] 算術演算子として、四則演算のうち加算の演算子には、一般的な算術と同じプラス記号 " + " を用いる。減算の演算子には "−" の代わりに ハイフンマイナス " - " が用いられることが多い。乗算の演算子には "×" の代わりに アスタリスク " * " を用い、除算の演算子には "÷" の代わりに スラッシュ " / " が用いられる。整数同士の除算の結果は通例切り捨てにより整数に丸められる言語が多いが、 Pascal では整数の商を求める専用の演算子として英字列 " div " を用いる。一般的な算術にはない演算子として、除算の余りを求める 剰余演算 のための演算子が定義されていることがある。 C言語 および C++ の剰余演算子は " % " であり、 整数型 にしか適用できないが、 Java および C# では 浮動小数点数 型にも適用できる。 Pascal では剰余演算子として英字列 " mod " を用いる。また、 BASIC における " ^ " や Python における " ** " のように 累乗 の演算子を持つ言語もある。 関係演算子 [ 編集 ] 関係演算子 は、およそ数学とあまり変わらないが、プログラミング言語によって細かい差異が比較的多い傾向にある。以下はその例である。 = の意味 Pascal の系統では、代入に := を用い、比較等号(等価演算子)には = を用いる。 C言語 の系統では、代入に = を用い、比較等号(等価演算子)には == を用いる。代入式は値を持ち、 = だけでは文脈によって違いを判断できない。 BASIC の系統では、代入にも比較等号(等価演算子)にも = を用いる。代入は 式 ではなく 文 であり、 = が代入と比較のどちらを意味するかは文脈によって決まる。 また、 PHP や JavaScript のように、 == と === という、異なる比較基準の演算子を持つ言語もある。 不等号 1 < x < 5 が「xは1より大きく5より小さい」を意味しないプログラミング言語が多い。そのような場合には論理演算子を使って「 1 < x and x < 5 」のように記述する。 ≤, ≥ <= , >= を用いることが多いが,言語によってはさらに =< , => を認めるものもある。 ≠ 言語によって、 <> や != などが使用される。 論理演算子 [ 編集 ] →「 論理演算子 」も参照 論理演算子 として、論理積の "and"、論理和の "or"、否定の "not" などがある。 排他的論理和 の "xor" もある。他に、数値に対して 二進法 での各桁に論理演算を適用する ビット演算 (bitwise operation)のためのビット演算子(bitwise operator)がある。一部の言語では、ビット演算の演算子が論理演算子の意味にも 多重定義 (オーバーロード)されている(C言語では ブーリアン型 が無く、基本 整数型 の int で代用されているので、論理演算子とビット演算子を混用すると バグ になることがある)。他に三項演算子の、 条件演算子 や、条件演算子のnull比較時の糖衣構文として Null合体演算子 をもつ言語もある。 その他の演算子 [ 編集 ] 代入や インクリメント といった、動作に応じて変化していく プログラミング言語の変数 としての機能に対応した演算子も存在する。 このほかにも、プログラミング言語によっては 文字列 、 正規表現 、 参照 、 配列 、 動的メモリ確保 、 名前空間 など、数学的な範囲を超えた多様な分野について、それを操作するための演算子が存在する。 C++ や C# などのように、プログラミング言語の中には既存の演算子に利用者(プログラマー)が自分で新たな意味を定義することができるものがある( 演算子多重定義 )。また Smalltalk 、 Haskell 、 OCaml 、 F# 、 ALGOL および Fortran (Fortran 90 以降)など、利用者が自分で新たな演算子を定義することができる言語もある( 利用者定義演算子 )。これらはうまく使いこなせばコードの記述性や直感性を向上させるのに有用だが、乱用すると混乱を招きかねない。Javaのように言語仕様をシンプルに保つため、あえて演算子多重定義をサポートしなかった言語もある。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] 出典 [ 編集 ] 関連項目 [ 編集 ] 関数 (プログラミング) 引数 演算子の優先順位 被演算子
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%B3
エンディアン
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "エンディアン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2016年7月 ) この記事には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2016年7月 ) 日付の表記方法については「 #日付表現のエンディアン 」をご覧ください。 エンディアン (endianness)あるいは バイトオーダ (byte order)は、 コンピュータ の 記憶装置 に複数 バイト (多バイト)からなる数値を記憶する際の、各バイトの順序についての規則 [ 1 ] [ 2 ] 。記憶装置は通信路ともみなせるため、 通信 で複数バイトを扱う際の、送る順序の規則 [ 3 ] 。 概要 [ 編集 ] コンピュータで扱う数値は、1バイトで表現されるもの以外に、2バイト、4バイト、8バイトなど複数バイト(多バイト)のものもある。記憶装置を汎用化するため、最小の1バイト単位でも扱えるように1バイト毎に番地(アドレス)が連続して割り振られている。記憶装置への多バイト数値配置順序の規則(バイトオーダ、バイト順)も、複数存在する。 ビッグエンディアンとリトルエンディアン [ 編集 ] リトルエンディアン(左)とビッグエンディアン(右) 数値の1番小さい桁1バイト分を、1番大きいアドレスの記憶装置に配置し順に並べる規則を ビッグエンディアン という。それと対称的に、数値の1番小さい桁1バイト分を、1番小さいアドレスの記憶装置に配置し順に並べる規則を リトルエンディアン という。 [ 1 ] [ 2 ] ビッグエンディアンを採用しているコンピュータやCPUとしては、 IBM の メインフレーム (および互換機)、 モトローラ の MC68000 (および後継)、 サン・マイクロシステムズ の SPARC などがある。 リトルエンディアンを採用しているものとしては、 DEC の VAX 、 インテル の x86 、 Appleシリコン 、などがある。 エンディアンを切り替えられる バイエンディアン (bi-endian) のプロセッサとしては、 PowerPC などがある。なお ARMアーキテクチャ のコアは両モードをサポートするが、デフォルトの設定としてはリトルエンディアンとしており、ARM向けLinux ディストリビューション の大半はリトルエンディアンのみに対応している [ 4 ] 。 言語処理系などの仮想マシンの類では、プラットフォームに応じエンディアンを使い分ける設計のものもあれば、片方に寄せる設計のものもある。例えば、 Java仮想マシン はプラットフォームを問わずビッグエンディアンである。 ミドルエンディアン [ 編集 ] 理論上バイトオーダはビッグエンディアンとリトルエンディアン以外にも存在し、2バイト数値では2!=2*1=2種類、4バイト数値では4!=24種類、8バイト数値では8!=40320種類となる。現在はビッグエンディアンかリトルエンディアンに収束しているが、過去に DEC の PDP-11 の32ビットワードは、リトルエンディアンの16ビットワードがビッグエンディアンで配置されるという混合的な形式を採用していた。このようなビッグエンディアン・リトルエンディアンを複合した形式は ミドルエンディアン とも呼ばれる。 バイトオーダの実例 [ 編集 ] ビッグエンディアン・リトルエンディアン・PDP-11のエンディアンに加えて、理論上は可能な他のバイトオーダの具体例の一部を示すため、4バイトの連続した記憶装置に4バイト数値0x01234567を記憶する例を下で提示する。16進数表記した上記数値の一番小さい桁の1バイト分は0x67であり、一番大きい桁の1バイト分は0x01である。表の相対アドレスは、左が小さいアドレス(オフセット値)+0で、右が大きいアドレス(オフセット値)+3を示すことに注意。 4バイト数値0x01234567の配置 [ 1 ] [ 2 ] 相対アドレス(オフセット値) +0 +1 +2 +3 ビッグエンディアン 01 23 45 67 リトルエンディアン 67 45 23 01 PDP-11 23 01 67 45 非現実的な規則の一例 45 67 23 01 判定プログラムの例 [ 編集 ] 下記は、記憶装置でのバイトオーダを表示し規則を簡易的に判定する C言語 プログラムの例である。表と同じく左が小さいアドレスで、右が大きいアドレスで表示している。 #include <stdint.h> #include <stdio.h> int isLittleEndian ( void ) { int i = 1 ; uint8_t * p = ( uint8_t * ) & i ; return * p ; } int main ( int argc , char * argv []) { uint64_t i8 = 0x0123456789abcdef ; uint32_t i4 = 0x01234567 ; uint16_t i2 = 0x0123 ; double d = -1.0 / 3.0 ; uint8_t * p ; /* 8ByteOrder */ p = ( uint8_t * ) & i8 ; printf ( "8Byte Order %016lx \n " , i8 ); printf ( " on Memory |%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x| \n " , * ( p + 0 ), * ( p + 1 ), * ( p + 2 ), * ( p + 3 ), * ( p + 4 ), * ( p + 5 ), * ( p + 6 ), * ( p + 7 )); /* 4ByteOrder */ p = ( uint8_t * ) & i4 ; printf ( "4Byte Order %08x \n " , i4 ); printf ( " on Memory |%02x|%02x|%02x|%02x| \n " , * ( p + 0 ), * ( p + 1 ), * ( p + 2 ), * ( p + 3 )); /* 2ByteOrder */ p = ( uint8_t * ) & i2 ; printf ( "2Byte Order %04x \n " , i2 ); printf ( " on Memory |%02x|%02x| \n " , * ( p + 0 ), * ( p + 1 )); /* 8Byte Double Order */ p = ( uint8_t * ) & d ; printf ( "DoubleOrder %lf == %le \n " , d , d ); printf ( " on Memory |%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x| \n " , * ( p + 0 ), * ( p + 1 ), * ( p + 2 ), * ( p + 3 ), * ( p + 4 ), * ( p + 5 ), * ( p + 6 ), * ( p + 7 )); /* UTF8 strings */ p = ( uint8_t * ) "01🥺語 \n " ; printf ( "StringOrder %s" , p ); printf ( " on Memory |%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x|%02x| \n " , * ( p + 0 ), * ( p + 1 ), * ( p + 2 ), * ( p + 3 ), * ( p + 4 ), * ( p + 5 ), * ( p + 6 ), * ( p + 7 ), * ( p + 8 ), * ( p + 9 ), * ( p + 10 )); if ( isLittleEndian ()) { printf ( "is LittleEndian \n " ); } else { printf ( "is Not LittleEndian \n " ); } return 0 ; } リトルエンディアン、日本語UTF-8の Linux 環境での処理結果 8 Byte Order 01234567 89 abcdef on Memory | ef | cd | ab | 89 | 67 | 45 | 23 | 01 | 4 Byte Order 01234567 on Memory | 67 | 45 | 23 | 01 | 2 Byte Order 0123 on Memory | 23 | 01 | DoubleOrder -0.333333 == -3.333333e-01 on Memory | 55 | 55 | 55 | 55 | 55 | 55 | d5 | bf | StringOrder 01 🥺 語 on Memory | 30 | 31 | f0 | 9f | a5 | ba | e8 | aa | 9 e | 0 a | 00 | is LittleEndian ビットオーダ [ 編集 ] 1バイト未満のビット単位の並び順序であるビットオーダ(ビット順)は、レジスタ内順序や信号線の接続順序として電子回路的には存在しているが、プログラマにとっては不要な情報であり、命令セットアーキテクチャなどでは隠蔽されている。シリアル通信をソフトウェア的に実装する場合などはビットの並び順を考える必要があるが、これはCPUの実装には依存しない通信プロトコル上の規定である。 相互運用 [ 編集 ] 現在は、ビッグエンディアンおよびリトルエンディアンいづれのコンピュータも存在し、また相互にネットワーク等を介して通信を行うため、コンピュータのネイティブとは異なるエンディアン形式にもOSやソフトウェア等で対応している。 TCP/IP の通信規約ではビッグエンディアンが採用され、通信に用いる数値は最上位桁を含む1バイトから先に送受信される。これは ネットワークバイトオーダ とも呼ばれる。 [ 5 ] [ 6 ] ハードディスクドライブ や テープドライブ および ソリッドステートドライブ なども、SASではビッグエンディアン、SATAではリトルエンディアンと、接続規格で定めている。 [ 7 ] 画像や音声などのデータフォーマットについては、どちらのエンディアンか規約で決めておいたり、ファイルヘッダ等のメタデータでいづれか指定する方式のものも存在する。 [ 8 ] [ 9 ] Unicode においても、構成要素が多バイトとなるエンコーディング(主にUTF-16)では、エンディアンが問題となる。そのため、 バイト順マーク [ 10 ] ( 英 : Byte Order Mark 、略語:BOM)と呼ばれる特殊なコード (U+FEFF) が予約されており、データの先頭にこれを付与することで、データを受け取る側がエンディアンを判別できるようになっている。BOMがない場合には、ビッグエンディアンだと決められている(→ UTF-16 )。 ただし、復号側が以上のルールでエンディアンを判別する狭義のUTF-16とは別に、エンディアンを事前に一方に決定しているUTF-16BEとUTF-16LEが存在する。 Windows 上の文書における「Unicodeテキスト」は、BOMがない場合、UTF-16LE(リトルエンディアン)である。 日付表現のエンディアン [ 編集 ] エンディアンは、 日付の年月日の表現 の分類にも使われる [ 11 ] 。2021年4月12日を例に取ると、 年月日の順(2021/04/12) ビッグエンディアン Big-Endian ( 中国 、 日本 、韓国など) 日月年の順(12/04/2021) リトルエンディアン Little-Endian ( 英国 、 フランス 、 ドイツ 、 イタリア 、 ロシア など) 月日年の順(04/12/2021) ミドルエンディアン Middle-Endian ( 米国 ) 日付の国際規格である ISO 8601 では、ビッグエンディアンのみが認められている。ただし、区切りの符号は、「/」ではなく、「-」でなければならない(例:2021-04-12)。 語源 [ 編集 ] ビッグエンディアン と リトルエンディアン という語は、18世紀に ジョナサン・スウィフト が書いた風刺小説『 ガリヴァー旅行記 』の中のエピソードに由来する。ガリヴァー旅行記の第1部「小人国」では、 ゆで卵 を丸い方(大きい方)の端 (big end) から割る人々( 英 : Big-Endians )と尖った方(小さい方)の端 (little end) から割る人々 ( 英 : Little-Endians ) の党派的な対立が描かれている。 この語を計算機に転用したのは ダニー・コーエン で、1980年4月1日に発表した ジョークRFC "On Holy Wars and a Plea for Peace" [ 12 ] [ 13 ] (聖戦と平和の嘆願について)で初めて使用した。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] 出典 [ 編集 ] ^ a b c ブライアン・カーニハン 、 ロブ・パイク 『プログラミング作法』 アスキー出版 。 ISBN 4-7561-3649-4 。 ^ a b c 中森章『マイクロプロセッサ・アーキテクチャ入門 インターフェース増刊 TECHI Vol.20』 CQ出版 。 ^ 村松純、岩田賢一、有村光晴、渋谷智治『情報理論』 オーム社 。 ISBN 978-4-274-20595-8 。 ^ “ Endianness ” (英語). ARM Cortex-R Series Programmer's Guide . Arm Limited (or its affiliates). 2024年7月17日閲覧。 ^ https://atmarkit.itmedia.co.jp/icd/root/72/116970472.html ^ https://ascii.jp/elem/000/004/099/4099994/ ^ https://www.seagate.com/staticfiles/support/disc/manuals/sas/100293071b.pdf ^ https://xiph.org/flac/format.html ^ http://www.libpng.org/pub/png/libpng-manual.txt ^ Unicode Terminology English - Japanese, B , Unicode, Inc. ^ Date Format Variations: Little-Endian, Middle-Endian, Big-Endian proofreading academy ^ IEN 137 (1 April 1980) http://www.ietf.org/rfc/ien/ien137.txt これ以前の用語が「byte order」であったことなどもわかる ^ D. Cohen. 1981. On Holy Wars and a Plea for Peace. Computer 14, 10 (October 1981), 48-54. doi : 10.1109/C-M.1981.220208 関連項目 [ 編集 ] 移植性 外部リンク [ 編集 ] White Paper: Endianness or Where is Byte 0? (英語)
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88
エントリーポイント
エントリーポイント とは、 プログラム を実行するうえで、プログラムや サブルーチン の実行を開始する場所のこと。プログラム全体のエントリーポイントとなる場所を含むルーチンが メインルーチン である。 例えば、 C言語 の標準では、 main という名前の関数(の先頭)がエントリーポイントであり、各関数のエントリーポイントは、それぞれの関数の先頭である。 スクリプト言語 や BASIC など、 ソースコード の先頭から実行していく言語も少なくない。それらにおけるエントリーポイントはソースコードの先頭である。 アセンブリ言語 では、通常は言語としてはエントリーポイントを決めず、OSや リンケージエディタ ・ ローダ などの規定をそのまま引き継ぐか、それらに対しエントリーポイントを指定する。 プラグイン や ライブラリ には複数のエントリーポイントが存在し、それを呼び出すことで外部からサブルーチンが実行できる。 各種プログラミング言語のエントリーポイント [ 編集 ] C、 C++ 、 Objective-C 、 Java 、 D言語 、 Pike : main C# 、 Visual Basic 、 Visual Basic .NET : Main Pascal : プログラムの定義の先頭がエントリーポイントである。名前は規格では規定されていない Mops : GO [ 1 ] 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ 変更可能 関連項目 [ 編集 ] プラグイン ライブラリ 構造化プログラミング この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB
オーサリングツール
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "オーサリングツール" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2015年12月 ) オーサリングツール (英語: authoring tool ) または オーサリングソフトウェア は、 コンピュータ で音楽や画像や映像やそれらを含む文書を編集するための アプリケーションソフトウェア である。 グラフィックツール、音楽ツール( DTM 系)、出版系( DTP 用)、 ウェブサイト 制作や運営管理に用いる Webオーサリングツール 、ゲームや スライドショー などの制作に用いる マルチメディア 系、DVDソフトの制作用などがある。 概略 [ 編集 ] Apple のプログラマ、 ビル・アトキンソン が開発した HyperCard ( Macintosh 標準 ハイパーテキスト 作成ツール)がマルチメディアオーサリングツールの元祖であるといわれている。HyperCardはプログラミング環境としてもよくできており、ゲームなどの作品制作をはじめ、ペイントツールのようなツール等も作ることができる(スタイルとしては、 イベント駆動型プログラミング 及び オブジェクト指向プログラミング であった)。その後、 HyperCard を基にした SuperCard や、Oracle Media Objects (OMO) など、数々のマルチメディアオーサリングツールが出回った。日本ではパソコン通信全盛期には MASL 、 Ray 、 FILLY といったマルチメディアオーサリングツールが主流であった。 富士通 の FM TOWNS には TownsGEAR というマルチメディアオーサリングツールが付属していたが、その後 アドビ の Director や Flash が主流になった。 eラーニング のコンテンツとして、 Microsoft Office PowerPoint のスライドと、それを発表している様子を撮影した動画を合成する各種ソフトウェアも、オーサリングツールであり、合成作業自体を「オーサリング」と読んでいる。 光学メディア用オーサリングツール [ 編集 ] UHD BD対応 [ 編集 ] HDR (ハイダイナミックレンジ) に対応するもの。 Scenarist ( ドイツ語版 ) (Scenarist, LLC [ 1 ] ← Rovi Corporation (現TiVo Corporation) [ 1 ] ← Sonic Solutions ( 英語版 ) 及びその子会社の Sonic Studio ( 英語版 ) ← ダイキン [ 2 ] ) DVD及びBDに対応するオーサリングソフトウェア。UHD BDにはScenarist UHDで対応している。Sonic DVD Creator及びSonic DVD Producerの後継製品。民生向けとして、Roxio (現在Corel子会社)の販売するMyDVDがある。 以前は民生向けとして、DVD Fusion、DVDit!、Reel DVDなども存在した [ 2 ] 。また、Avid Media ComposerにはAvid DVD by Sonicが付属していた。 DVDLogic BD Author/KITe (DVDLogic) BD用のオーサリングスイート。Blu-ray 3D対応のBD Author 3D、UHD BD対応のKITe UHDがある。 UHD BD未対応 [ 編集 ] HDR (ハイダイナミックレンジ) に対応しないもの。 VideoStudio ( Corel ← Ulead Systems ) ノンリニア動画編集ソフトウェア。X4でオーサリングソフト MovieWriter (旧DVD MovieWriter、海外名DVD MovieFactory)のオーサリング機能が統合された。ブルーレイのオーサリングにはBD packが必要となる。 MovieWriterは統合後も並列してリリースされていたが、その後、開発終了となった。 TMPGEnc Authoring Works (Pegasys) DVD及びBDに対応するオーサリングソフトウェア。 EDIUS ( グラスバレー ← トムソン・カノープス ← Canopus) ノンリニア動画編集ソフトウェア。DVD及びBDのオーサリングに対応している。 PowerDirector (CyberLink) ノンリニア動画編集ソフトウェア。DVD及びBDのオーサリングに対応している。 以前はオーサリング専用の PowerProducer もあったが、開発終了となっている。 BD未対応 [ 編集 ] DVDStyler ( 英語版 ) オープンソースのDVDオーサリングソフトウェア。ライセンスはGPL。 開発停止中 [ 編集 ] Adobe Encore (Adobe) DVD及びBDに対応するオーサリングソフトウェア。Adobe Premiere Pro CS6に付属されていたが、Adobe Creative Cloudで廃止となった。 DVD Studio Pro ( 英語版 ) (Apple) Mac用のDVDオーサリングソフトウェア。 DivX Author (NeuLion← DivX, LLC ( 英語版 ) ←DivX, Inc.←DivXNetworks, Inc.) DVD等に対応するオーサリングソフトウェア。 DVDforger オープンソースのDVDオーサリングソフトウェア。ライセンスはGPL。 DVD Flick オープンソースのDVDオーサリングソフトウェア。ライセンスはGPL。 VEGAS DVD Architect (MAGIX ← Sony Creative Software ← Sonic Foundry) DVD及びBDに対応するオーサリングソフトウェア。 Vegas Pro に付属していた。開発停止中 [ 3 ] 。 Pixelogic Blu-print (Pixelogic←Sony DADC New Media Solutions←Sony Creative Software) BDオーサリングソフトウェア。 映画用オーサリングツール [ 編集 ] DCI準拠JPEG2000連番画像やDCDM TIFF連番画像などの映像と、PCM音声から、DCP (デジタルシネマパッケージ)を作成するためのもの。なお、DCPパッケージの直接生成に対応する動画編集ソフトウェアとして、DaVinci ResolveやAdobe Premiere Proなども存在する。 DCPの再生には、easyDCP Player、CinePlayer、QuVIS DCPPlayer、NeoDCP Player、 VLCメディアプレーヤー 2.2以降 [ 4 ] (asdcplibベース)などが対応している。 IMF対応 [ 編集 ] IMFはNetflixなどのUHDストリーミングで使われている。IMF形式の直接出力に対応する動画編集ソフトウェアとして、DaVinci Resolve 15以降 [ 5 ] 、Avid Media Composer 2019以降 [ 6 ] なども存在する。 easyDCP Creator (Fraunhofer IIS) DCP及びIMF App2/App 2E [ 7 ] 作成ソフトウェア。DaVinci Resolveと連携できる。ステレオ3Dの出力やKDM(暗号鍵)の生成には上位版のeasyDCP Creator+が必要となる。 姉妹ソフトウェアにDCP/IMF [ 8 ] 再生のためのeasyDCP Playerがある。 Wailua (CineCert) DCP/IMF作成ソフトウェア [ 9 ] 。 asdcplib オープンソース。初めはDigital Cinema Initiativeの協力により開発されていたが、現在はCineCertの協力により開発されている [ 10 ] 。IMFにも対応している [ 11 ] 。 IMF未対応 [ 編集 ] Dolby CineExport ( 英語版 ) (Dolby Laboratories [ 12 ] ←Doremi Labs) Apple Compressor (エンコードソフト) 向けのDCP作成プラグイン。姉妹ソフトウェアにDCP再生のためのCinePlayerがある。有料版のCineAssetも存在する。 QuVIS Wraptor (QuVIS Technologies) Adobe Media Encoder 及びApple Compressor (エンコードソフト) 向けのDCP作成プラグイン。 姉妹ソフトウェアにDCP再生のためのQuVIS DCPPlayerがある。 CuteDCP (Fandev) After Effects及びPremiere Pro用のDCP作成プラグイン。 OpenDCP オープンソースのDCP作成ソフトウェア。 DCP-o-matic オープンソースのDCP作成ソフトウェア。 Web用オーサリングツール [ 編集 ] 多くの動画エンコードソフトウェアは標準でYoutubeやFacebookなどへの動画のオーサリングに対応している。 360度動画・VR動画 [ 編集 ] 360度動画の出力に直接対応するソフトウェアとしては、Adobe Premiere Pro CC 2015.3以降 [ 13 ] 、Final Cut Pro X 10.4以降 [ 14 ] [ 15 ] などがある。 360度動画の再生にはVLC 3以降、Scratch Play、GoPro VR Player (旧Kolor Eyes)、Whirligig Playerなどが対応している。 Spatial Media Metadata Injector (Google) 動画に360°動画用メタデータを付加するためのツール。別名360 Video Metadata app。Apacheライセンス。空間音声(Spatial Audio)にも対応している。 HDR動画 [ 編集 ] YoutubeのHDR動画は、H.264 10bit、ProRes 422、ProRes 4444、DNxHR HQX、VP9 profile 2のどれかのコーデックにエンコードする必要があり [ 16 ] 、また、動画コンテナにはHDRメタデータを付加する必要がある [ 16 ] 。この出力に対応するソフトウェアとしては、 DaVinci Resolve 、 Adobe Premiere Pro、Adobe After Effects などが存在する [ 16 ] 。 NetflixのHDR動画はIMF形式を採用している。IMF形式の出力に対応するオーサリングソフトウェアは #IMF対応 を参照。 ストリーミング [ 編集 ] →「 ストリーミング § 主なフラグメント化ソフトウェア 」を参照 マルチメディア用オーサリングツール [ 編集 ] →「 3DCGソフトウェア § ゲーム及びインタラクティブコンテンツ作成 」も参照 Adobe Animate (Adobe Systems) Adobe Flash及びWebGLのオーサリングが可能。旧Adobe Flash Professional。 MatrixEngine Studio MatrixEngine及びWebGLのオーサリングが可能。過去には民生版のDigitalLocaも存在した。 Clickteam Fusion ( Clickteam ( 英語版 ) ) HTML5へのオーサリングが可能。旧Klik & Play←Click & Create←Multimedia Fusion。 開発停止中 [ 編集 ] ZOOMA (ソフマップエフデザイン) 旧MADO、QUOVIS。 easy driver ( パナソニック システムネットワークス 及び 日本システムウエア ) オーサリングは独自形式となっており、独自Webプラグインでの再生にも対応していた。 Adobe Director (Adobe Systems) Adobe Shockwave形式のオーサリングが可能。 e-learning用オーサリングツール [ 編集 ] Dojo スクールプレゼンター その他のオーサリングツール [ 編集 ] LiveCode (旧 Runtime Revolution ) 出典 [ 編集 ] ^ a b Scenarist, LLC Acquires Authoring Technology Business Wire 2014年9月23日 ^ a b REGISTRATION STATEMENT UNDER THE SECURITIES ACT OF 1933 SONIC SOLUTIONS アメリカ証券取引委員会 2001年9月14日 ^ VEGAS Forum - Support MAGIX 2020年8月8日 ^ VLC Player 2.2.0 with X265 and DCP Support Slashcam News 2015年2月12日 ^ DaVinci Resolve 15 released with Fusion built-in CGPress 2018年4月10日 ^ Avid Unveils ‘All-New’ Media Composer with Modernized UI, 32-Bit Full-Float Color Processing Studio Daily 2019年4月6日 ^ Which IMF specification supports easyDCP Fraunhofer IIS ^ Does easyDCP Player support IMF? Fraunhofer IIS ^ CineCert’s DCP/IMF Mastering solutions, Wailua and Anini, certified for Dolby Atmos CineCert 2014年10月20日 ^ AS-DCP FILE ACCESS LIBRARY CineCert ^ DOWNLOAD ASDCP CineCert ^ Dolby Acquires Doremi Doremi Labs 2014年11月3日 ^ 新機能の概要 - Adobe Premiere Pro CC - 2015 リリース Adobe 2016年 ^ Final Cut Pro X: Final Cut Pro 10.4 の新機能 Apple 2018年1月26日 ^ Final Cut Pro X: 360° ビデオの概要 Apple 2018年1月26日 ^ a b c Upload High Dynamic Range (HDR) videos Google この項目は、 ソフトウェア に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%9C%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B0
オートボクシング
ボックス化 ( boxing ) [ 1 ] とは、 プログラミング言語 において 値型 を オブジェクト型 (参照型)に変換すること。逆に、ボックス化されたオブジェクトを値型に戻すことを ボックス化解除 ( unboxing ) [ 2 ] と呼ぶ。 概要 [ 編集 ] Java や .NET Framework などの環境においては、値型(Javaでは プリミティブ型 [ 3 ] がこれに相当する)と参照型という根本的に異なる二種類の型が存在する。参照型のインスタンスは ヒープ 上の独立した領域に確保される。値型は文脈によって確保される場所は異なるものの、いずれにせよメモリ上に連続的に確保される(例えば、ローカル変数として宣言された場合は スタック 上に確保され、参照型のメンバとして宣言された場合は参照型の一部として確保される)。 このように値型と参照型とは根本的に性質の異なるものであるが、さまざまな理由により、値型を参照型に 型変換 して運用することが必要となる場合がある。Javaにおいて 整数型 や 浮動小数点数 型といったプリミティブ型はオブジェクト( java.lang.Object 派生型)ではなく、 配列 以外の コレクション にプリミティブ型を直接格納することができないため、一度参照型( java.lang.Object 派生型)でラッピング(包含)してから格納する必要がある。このラッピング処理を ボックス化 と呼ぶ。各プリミティブ型をラップするための専用 クラス ( プリミティブラッパークラス )は標準 Javaクラスライブラリ に用意されているため、プログラマが自ら定義する必要はない。 次はJavaによる例である。プリミティブ型のひとつである int 型の値を、対応する プリミティブラッパークラス である java.lang.Integer 型のオブジェクトにボックス化し、さらにそれを int 型にボックス化解除している。ボックス化により、値はラッパークラス内の カプセル化 された フィールド にて保持されるが、ラッパークラスの使用者は詳細を知る必要はない。 int iv1 = 100 ; Integer iw = new Integer ( iv1 ); // ボックス化。 int iv2 = iw . intValue (); // ボックス化解除。 一見単純な型変換のように見えるが、ボックス化においてはヒープ上に新しく領域を確保し、そこに値型(プリミティブ型)のデータをコピーするという操作が行われているため注意が必要である。頻繁なボックス化の発生は性能の低下を引き起こす。一方、ボックス化解除ではデータのコピーが行われるだけであり、ヒープに領域を確保する必要がないのでパフォーマンスコストは比較的小さい。 なお、ゼロ近傍の整数などのよく使われる数値に対して使いまわせるように事前生成されている、ラッパーオブジェクトのキャッシュを優先的に利用できるようにするため、通例 Integer.Integer(int) コンストラクタ [ 4 ] よりも Integer.valueOf(int) メソッド などの使用が好ましい。 int iv1 = 100 ; Integer iw = Integer . valueOf ( iv1 ); // ボックス化。 関数型言語におけるボックス化 [ 編集 ] 関数型言語 でも用いられることがあるが、オブジェクト指向のそれとの関連性はまったくない。ボックス型は単なる 間接参照 であり、Javaのプリミティブ型に相当する型は 非ボックス型 (Unboxed type)やプリミティブ型と呼ばれ、直接参照される。関数型言語のひとつである Haskell では、そのデファクトスタンダードな処理系であるGHCに対してコンパイラオプションを指定し、なおかつ非ボックス型であることを随所で明示しない限り、非ボックス型を用いることができない。にもかかわらず、知らず識らずのうちに利用している、馴染み深い型でもある。IO型など、 副作用 を表現する型がその典型例である。 自動ボックス化 [ 編集 ] 前述のボックス化・ボックス化解除の操作を暗黙的に行なうことを、 自動ボックス化 ( autoboxing ) [ 5 ] および 自動ボックス化解除 ( auto-unboxing )と呼ぶ。 自動ボックス化は Java SE 5 (J2SE 5.0, Java 1.5) で追加され、JSR 201で宣言されている。自動ボックス化がサポートされた処理系では、対となる逆の操作、自動ボックス化解除もサポートされる。 以下のコードは自動ボックス化・自動ボックス化解除の例である。 int iv1 = 100 ; Integer iw = iv1 ; // ボックス化。 int iv2 = iw ; // ボックス化解除。 Java コンパイラ によって、プリミティブ型とプリミティブラッパークラス間の暗黙変換は、前述のようなボックス化・ボックス化解除を実行するコードに展開される。 .NET [ 編集 ] .NETにおいては、概念(型システム)上、値型も含めすべての型は System.Object 型(これは参照型である)の派生型であるため、この型への暗黙的な アップキャスト を行なうことができる。すべての値型は System.ValueType クラスから派生し、その基底クラスである System.Object への暗黙的なボックス化が可能となっている(Javaの自動ボックス化に相当)。一方、ボックス化解除は ダウンキャスト により明示的に実行する必要がある。 C# の例を示す。 int iv1 = 100 ; object iw = iv1 ; // 暗黙的なボックス化。 int iv2 = ( int ) iw ; // ボックス化解除。 明示的なボックス化も可能ではあるが、通例使われない [ 6 ] 。 object iw = ( object ) iv1 ; // 明示的なボックス化。 コレクションの例 [ 編集 ] Javaでは、配列以外の コレクション ( java.util.ArrayList や java.util.LinkedList など)には参照型のみ追加することができる。プリミティブ型のデータをそのまま要素として追加することはできない。 そこで、プリミティブ型のデータは対応する プリミティブラッパークラス のオブジェクトにボックス化して追加し、取り出すときにはダウンキャストしてからボックス化解除する。 import java.util.* ; ... List list = new ArrayList (); // Object 型のみ格納できる。 //list.add(5); // Java 1.4 以前ではコンパイルエラー。 list . add ( Integer . valueOf ( 5 )); // Integer 型にボックス化してリストに追加する。 Integer iw = ( Integer ) list . get ( 0 ); // Object 型から Integer 型にダウンキャスト。 int iv = iw . intValue (); // Integer 型からボックス化解除。 Java 1.5以降では ジェネリクス および自動ボックス化をサポートするので、プリミティブ型のデータもあたかもオブジェクトのように扱うことができる。ただしコレクションには参照型のみ追加できること、またボックス化・ボックス化解除が実行されることには変わりない。Javaのジェネリクスは型安全であることが保証されているだけであり、ジェネリクスを使わない場合と比べてパフォーマンス上の優位性はない [ 7 ] 。 List < Integer > list = new ArrayList < Integer > (); // Integer 型のみ格納できる。 list . add ( 5 ); // int 型の値から自動的に Integer 型のオブジェクトにボックス化される。 int iv = list . get ( 0 ); // Integer 型のオブジェクトから自動的に int 型の値にボックス化解除される。 .NET [ 編集 ] .NET 1.1まではジェネリクスをサポートしなかったため、配列以外のコレクションにはJava同様にボックス化・ボックス化解除を利用する必要があった。 using System.Collections ; ... IList list = new ArrayList (); // object 型のみ格納できる。 list . Add ( 5 ); // object 型にボックス化してリストに追加する。 object iw = list [ 0 ]; int iv = ( int ) iw ; // object 型から int 型にダウンキャストしてボックス化解除。 一方、.NET 2.0 (C# 2.0) 以降のジェネリクスでは値型を直接扱うことができ、Javaと違ってボックス化・ボックス化解除は発生しない。 using System.Collections.Generic ; ... IList < int > list = new List < int > (); // int 型のみ格納できる。 list . Add ( 5 ); int iv = list [ 0 ]; 脚注 [ 編集 ] ^ カナ表記で「ボクシング」とも。 ^ カナ表記で「アンボクシング」とも。 ^ 「原始型」とも。 ^ Java 9以降は @Deprecated すなわち廃止予定としてマークされている。 ^ カナ表記で「オートボクシング」とも。 ^ ボックス化とボックス化解除 (C# プログラミング ガイド) | Microsoft Docs ^ Autoboxing | Oracle Java Documentaiton 関連項目 [ 編集 ] 型変換 Java Community Process - Java技術の標準化プロセス 外部リンク [ 編集 ] JSR 201 Extending the Java Programming Language with Enumerations, Autoboxing , Enhanced for loops and Static Import (J2SE 5.0)
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オーバーフロー
オーバーフロー ( overflow , over flow ) ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 overflow overflow とは wikt:あふれる を意味する英語。 自然現象・土木建築 河川 や水路が 氾濫 すること。 →詳細は「 洪水 」を参照 en:Sanitary sewer overflow - 下水道 の氾濫。 放流設備 (洪水吐、余水吐) オーバーフロー管 - 容器の上部に設置してあふれた分を排出するための配管や穴。 コンピュータ 算術オーバーフロー - コンピュータ の演算において数値 データ型 が表現可能な値の上限を超えること、およびそれによって発生した エラー 。「桁あふれ」ともいう。対義語はアンダーフロー( underflow )。実数型(主に 浮動小数点数 型)ではオーバーフローとアンダーフローが発生しうるものの、 整数型 ではオーバーフローのみが発生しうる。 特に コンピュータゲーム におけるオーバーフローについては カウンターストップ も参照。 バッファオーバーフロー - バッファオーバーランの別名で、 コンピュータプログラム によって割り当てられたメモリ領域の境界を超えた書き込み動作(範囲外書き込みアクセス)を指す。 バグ によって引き起こされる不正な動作のひとつ。範囲外読み取りアクセスの場合はバッファオーバーリードと呼ばれる。 スタックオーバーフロー - 上記現象の分類のひとつ。 コールスタック の限界を超えたプッシュにより発生する。 マイコンBASICマガジン の欄外に記載されたミニコーナー。通称「OFコーナー」。 その他 オーバーフロー (ブランド) - ゲームソフトのブランドのひとつ。ちよれん加盟。 Overflows 〜言葉にできなくて〜 - ナオト・インティライミによる楽曲。 小竹向原駅 1番線の 発車メロディ 。 塩塚博 作曲。 Over Flow - SMAP の曲。アルバム「 SMAP 015/Drink! Smap! 」に収録。 Overflow - 家入レオ の曲。 常田大希 作詞・作曲。アルバム「 DUO 」に収録。また、常田大希が所属する King Gnu が同曲を セルフカバー したものがアルバム「 CEREMONY 」に収録されている。 Over flow - 元木あき のイメージビデオ。 OVER FLOW - 胃之上奇嘉郎 の成人向け漫画。 おーばーふろぉ - かいづかの成人向け漫画を原作としたテレビアニメ。 このページは 曖昧さ回避のためのページ です。一つの語句が複数の意味・職能を有する場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。 このページへリンクしているページ を見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。
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オーバーライド
「 オーバーライド 」のその他の用法については「 オーバーライド (曖昧さ回避) 」をご覧ください。 オブジェクト指向プログラミング において オーバーライド ( override ) とは、 スーパークラス で定義された メソッド を サブクラス で定義し直し、動作を上書き(変更)することである。 例えば、ある クラス Base にメソッド print があり、あるクラス Derived がクラス Base を 継承 したとする。そのとき、クラス Derived はクラス Base にあるメソッド print をオーバーライドすることにより、再定義することができる。これは オブジェクト指向プログラミング における ポリモーフィズム (多態性)を実現する際によく使われる。 通例、オーバーライドを可能とする条件として、メソッドの名前、引数の数と型の順序、そして戻り値の型が統一されている必要がある [ 注釈 1 ] 。 メソッドの オーバーロード ( 多重定義 、 overload )と名前は似ているが、まったく異なる概念である。 Ruby のようにオーバーロードの概念がなく、引数の型や数の条件がなくメソッド名が同一なだけでオーバーライドが成立する プログラミング言語 もある。 オーバーライドの例 [ 編集 ] Java [ 編集 ] Java のインスタンスメソッドは仮想メソッドであり、派生クラスでオーバーライド可能である。インスタンスメソッドを非仮想にする手段はないが、 final キーワードを指定することでオーバーライドを禁止することはできる。 なお、 Java SE 5から導入された アノテーション @Override を用いることで、メソッドがオーバーライドされていることを コンパイラ に知らせることができる(正しくオーバーライドされていない場合、コンパイルエラーとなる)。しかし、アノテーションの指定はオプションであり必須ではない。 // 基本クラス。 class Base { // コンストラクター Base () { System . out . println ( "Base.Base()" ); } // インスタンスメソッド void print () { System . out . println ( "Base.print()" ); } // クラスメソッド static void staticPrint () { System . out . println ( "Base.staticPrint()" ); } } // 派生クラス。 class Derived extends Base { // コンストラクター Derived () { System . out . println ( "Derived.Derived()" ); } // スーパークラスのインスタンスメソッド print をオーバーライドしている。@Override の指定は必須ではないが推奨される。 @Override void print () { System . out . println ( "Derived.print()" ); } // スーパークラスのクラスメソッド staticPrint をオーバーライドすることはできない。隠蔽することになる。 static void staticPrint () { System . out . println ( "Derived.staticPrint()" ); } } public class Main { public static void main ( String [] args ) { System . out . println ( "■ Baseインスタンスメソッドの呼び出し:" ); Base base = new Base (); base . print (); System . out . println ( "■ Derivedインスタンスメソッドの呼び出し:" ); Derived derived = new Derived (); derived . print (); System . out . println ( "■ Base型変数を経由したDerivedインスタンスメソッドのポリモーフィック呼び出し:" ); Base derivedInBaseVariable = new Derived (); derivedInBaseVariable . print (); System . out . println ( "■ Baseクラスメソッドの呼び出し:" ); Base . staticPrint (); System . out . println ( "■ Derivedクラスメソッドの呼び出し:" ); Derived . staticPrint (); } } 実行結果: ■ Baseインスタンスメソッドの呼び出し: Base.Base() Base.print() ■ Derivedインスタンスメソッドの呼び出し: Base.Base() Derived.Derived() Derived.print() ■ Base型変数を経由したDerivedインスタンスメソッドのポリモーフィック呼び出し: Base.Base() Derived.Derived() Derived.print() ■ Baseクラスメソッドの呼び出し: Base.staticPrint() ■ Derivedクラスメソッドの呼び出し: Derived.staticPrint() C# [ 編集 ] C# のオーバーライドの特徴として、以下が挙げられる。 仮想メソッドおよび抽象メソッドのオーバーライドの際に override キーワードの指定が必要である。 ただし、 インターフェイス のメソッドを実装する場合は、 override の指定は不要 (不可) である。 メソッドは既定では非仮想であり、 virtual を指定することでオーバーライド可能な仮想メソッドとなる。 プロパティ 、 インデクサ 、イベントも、 virtual 修飾されている場合はメソッドと同様にオーバーライドの対象となる。 sealed キーワードを指定することでオーバーライドを禁止できる。 コードの例を示す。 // 抽象基本クラス。 abstract class Base { // 既定では非仮想メソッド。 public void GoodMorning () { Console . WriteLine ( "Good morning, Base!" ); } // virtualを指定することで仮想メソッドとなる。 public virtual void Hello () { Console . WriteLine ( "Hello, Base!" ); } public virtual void Goodbye () { Console . WriteLine ( "Goodbye, Base!" ); } // 抽象メソッド(実装を持たない)。 public abstract void GoodNight (); } // 派生クラス。 class Derived : Base { // 非仮想メソッドはオーバーライドできない。 // 同名のメソッドで隠蔽する場合、newを指定する。 // (ここでは指定しないが、さらにvirtualを指定することで仮想メソッドとなる) public new void GoodMorning () { Console . WriteLine ( "Good morning, Derived!" ); } // 仮想メソッドをオーバーライドする。 // overrideの指定が必須。 public override void Hello () { Console . WriteLine ( "Hello, Derived!" ); } // 仮想メソッドをオーバーライドする。 // overrideと共にsealedを指定することで、このクラスを継承した先ではオーバーライドが禁止される。 public override sealed void Goodbye () { Console . WriteLine ( "Goodbye, Derived!" ); } // 抽象メソッドをオーバーライドする。 // overrideの指定が必須。 public override void GoodNight () { Console . WriteLine ( "Good night, Derived!" ); } } class DerivedDerived : Derived { // 非仮想メソッドはオーバーライド不可。 //public override void GoodMorning() { Console.WriteLine("Good morning, DerivedDerived!"); } public override void Hello () { Console . WriteLine ( "Hello, DerivedDerived!" ); } // sealedされたメソッドはオーバーライド不可。 //public override void Goodbye() { Console.WriteLine("Goodbye, DerivedDerived!"); } public override void GoodNight () { Console . WriteLine ( "Good night, DerivedDerived!" ); } } 言語固有の注意点 [ 編集 ] ある スーパークラス とそれを継承した サブクラス を定義する際、Javaや C++ ではオーバーライドに関係した問題が起こりうるので注意が必要である(特にスーパークラスの実装者とサブクラスの実装者が異なる場合)。Javaのインスタンスメソッドは仮想メソッドであり、あとからスーパークラスにメソッドを追加したときに、そのメソッドと同じシグネチャのメソッドが既にサブクラスに存在すると、オーバーライドしたつもりがないのに関係のないメソッドをオーバーライドしてしまうという問題が起こる。逆にオーバーライドしたつもりでも、スーパークラスのメソッドシグネチャあるいはアクセシビリティの変更 [ 注釈 2 ] や、サブクラスのメソッド定義時の typo などによって正しくオーバーライドできていなかった、といった問題も起こる。後者の問題を回避するためにJavaでは @Override の指定が推奨されるが、後方互換性を保つため、アノテーションの指定は必須とはなっていない。 C++ においても C++11 で override 修飾子が導入されたが、 override 修飾子の指定はオプションであり必須ではない。 // 基底クラス。 class Base { public Base () { System . out . println ( "Base.Base()" ); this . init (); } // アクセス修飾子を変更して、派生クラスから見えるようにすると、 // Derived で意図せずオーバーライドしてしまうことになる。 // 結果として、コンストラクタの振る舞いが変わってしまう。 // 誤ってオーバーライドしてしまうことを防ぐには、final 指定する必要がある。 private void init () { System . out . println ( "Base.init()" ); } } // 派生クラス。 class Derived extends Base { public Derived () { System . out . println ( "Derived.Derived()" ); this . init (); } // もし基底クラスで同名の可視メソッドが定義されている場合、オーバーライドする。 public void init () { System . out . println ( "Derived.init()" ); } } public class Main { public static void main ( String [] args ) { Derived derived = new Derived (); } } C#ではメソッドが既定で非仮想であり、またオーバーライドするには当初から override 修飾子が必須なのでこの問題は起こらない。基底クラスを変更しても、破壊的な変更につながりにくくなっている。 // 基底クラス。 class Base { public Base () { System . Console . WriteLine ( "Base.Base()" ); this . Init (); } // アクセス修飾子を変更して、派生クラスから見えるようにしても、 // Derived で意図せずオーバーライドしてしまうことにはならない。 // 仮に基底クラスで virtual 指定したとしても、派生クラスで override 指定が必須となるため、 // 意図せずオーバーライドしてしまうことにはならない。 private void Init () { System . Console . WriteLine ( "Base.Init()" ); } } // 派生クラス。 class Derived : Base { public Derived () { System . Console . WriteLine ( "Derived.Derived()" ); this . Init (); } // もし基底クラスで同名の可視メソッドが定義されている場合、隠蔽する。 // new の指定は必須ではないが、new を指定せず隠蔽した場合はコンパイラが警告を出す。 public void Init () { System . Console . WriteLine ( "Derived.Init()" ); } } public class Test { public static void Main () { Derived derived = new Derived (); } } Kotlin [ 1 ] や Swift [ 2 ] のような後発言語では、C#同様にオーバーライドには override の指定が必須となっている。 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 広義では「 シグネチャ が同じメソッド」とも言えるが、 プログラミング言語 ごとに「 シグネチャ 」の厳密な定義は異なる。 ^ サブクラスから不可視なスーパークラスのメソッドと同じシグネチャを持つメソッドをサブクラスで定義することは可能であり、オーバーライドではなく別のメソッドとして認識される。 出典 [ 編集 ] ^ クラスと継承 - Kotlin Programming Language ^ 継承(Inheritance) · The Swift Programming Language日本語版 関連項目 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング ポリモーフィズム メソッド (計算機科学)#仮想メソッド
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%A4_(%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B7%A5%E5%AD%A6)
オーバーレイ (情報工学)
オーバーレイ (Overlay)とは、何かの表面を薄く覆うこと(あるいは覆うもの)を意味する。コンピュータの分野での 専門用語 として、以下のようなものがある。 オーバーレイの説明図 プログラミング [ 編集 ] ( en:Overlay (programming) ) 使用可能な アドレス空間 以上の大きさの プログラム を動作可能にする プログラミング 手法である。 オーバーレイでは、コードも、ある時点で必要なコードのみをアドレス空間上に置く。他のコードが必要になったら、それまで別のコードが置かれていたメモリ上の領域に必要なコードをロードして使用する。 仮想記憶 をサポートする以前のコンピュータシステムでは、このような手法で実装している 主記憶装置 の容量以上の大きさのプログラムを実行した。オーバーレイは仮想記憶と違って透過的ではなく、プログラマが明示的に指定してやる必要があった。 CPUのアドレス空間上の主記憶と、外部の 二次記憶 で構成した方式が一般的だが、過渡期に設計された機材など、アドレス空間が狭く、 バンク切り換え 等の方式の主記憶を切り替えながら実行するといった方式のオーバーレイもある。 制御システム に使用された16ビットの ミニコンピュータ では、仮想アドレス空間そのものが限られていることと、仮想記憶機構による実行中のページ入れ替えによる遅延を避けるため、オーバーレイによって全プログラムを物理メモリにロードして切り替えながら実行するという手法が採られることもあった。 オーバーレイのためのリロケーションとリンクのアルゴリズムは特殊であり、非常に複雑なオーバーレイ構造を構成することもある。利用可能な物理メモリ容量およびアドレス空間の拡大、なにより 仮想記憶 の一般化によって、オーバーレイ方式は使われなくなってきた。 exec システムコール [ 編集 ] →詳細は「 exec 」を参照 オペレーティングシステム では、新しくプログラムを起動する時に、同時にそれを実行する プロセス を新規に作る、という方式を採ると、起動元との資源の共有などが煩雑になる、という問題がある。 そこで、まず元のプロセスとほとんどの資源を共有したクローンのような新しいプロセスを作り、次に新しいプロセスが実行するプログラムを、実行したいプログラムに入れ替える、という2段階に分ける、という方式がある。この2段目の入れ替えは、前節の オーバーレイ とほぼ同じものであるため、そのように呼ばれる(ことがある)。 Unix では、 fork () システムコールで動作中プロセスの 子プロセス としてプロセスをクローンし、 exec () システムコールでそこに新たなプログラムをオーバーレイする。 オーバーレイ・ネットワーク [ 編集 ] →詳細は「 オーバーレイ・ネットワーク 」を参照 コンピュータネットワーク の下層の トポロジー とは関係なく構築された上層のネットワークを オーバーレイ・ネットワーク と呼ぶ。例えば、 IPネットワーク のトポロジーとは無関係に構築された P2P ネットワークなどを指す。 その他 [ 編集 ] 以下は、ほぼ一般的な語としての「オーバーレイ」の用例である。 オーバーレイ表示 [ 編集 ] 画像データやビデオ信号を重ね合わせて表示することを オーバーレイ表示 と呼ぶ。特に テレビ などのビデオ出力をアナログ信号として合成してコンピュータディスプレイに表示することを ビデオオーバーレイ と呼ぶ。また、画像処理ソフトや描画ソフトで複数の レイヤー を重ね合わせることも オーバーレイ表示 と呼ぶ。 スペースインベーダー ゲームでモノクロ画面をカラーに見せかけるために色付きセロファンを画面に貼り付けていたが、これも物理的なオーバーレイ表示の一種である。 フォームオーバーレイ [ 編集 ] フォームオーバーレイ とは、定型文書印刷の用語で、文書の定型部分を独立させ プリンター や プリントサーバ に格納したものである。使用頻度の高い文書形式を格納しておくことで、データ転送時間を短縮すると共に、 データベース から多量の定型文書を自動的に作成して印刷するのにも使用される。 オーバーレイシート [ 編集 ] タブレット 表面に重ねる透明なシートを オーバーレイシート と呼ぶ。下に写真や絵を挟んでトレースするのにも使われる。また、 電卓 状の キーボード にちょうど嵌るように穴のあいたシートも オーバーレイシート と呼ぶ。こちらは アプリケーションソフトウェア に応じてキーに設定された機能を分かり易くするためのもので、キーの穴毎に機能を説明した文字列が印字されている。 関連項目 [ 編集 ] 仮想記憶 ページング方式 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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オブジェクト
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "オブジェクト" プログラミング – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年7月 ) コンピュータ科学の分野において、 オブジェクト ( 英語 : object )は、 変数 、 データ構造 、 関数 、 メソッド など、 識別子 によって参照されるメモリ上の 値 を意味することがある。 オブジェクト指向プログラミング の パラダイム では、 オブジェクト は変数、関数、データ構造を組み合わせたものを意味することがある。特に、 クラスベース のオブジェクト指向プログラミングのパラダイムでは、特に、 クラス の インスタンス を指す。 データベース管理のリレーショナルモデルでは、オブジェクトは テーブル や 列 、データとデータベースエントリーの間の関係(たとえば、人物の年齢と特定の人物との関係など)などを指す場合がある [ 1 ] 。 オブジェクト指向プログラミング [ 編集 ] →「 オブジェクト指向プログラミング 」も参照 オブジェクト指向プログラミングのパラダイムでは、関連する データ を束ね、代入、演算、手続き(関数やメソッドなど)を介した受け渡しといった操作の対象にでき、またメッセージの受け手になれる実体をオブジェクトと呼ぶ(ただし、数値などの基本的な データ型 はオブジェクトとしない プログラミング言語 も多い)。多くの場合、オブジェクトは他のオブジェクトを要素として格納することができ、複雑なデータ構造を表現できる。 なお、英語の object には「対象」「もの」といった意味がある。 オブジェクトは、プログラム上で実現したい概念(例えば「顧客」「社員」「課」「商品」「注文書」など)をメタファとして表現するのにもしばしば使われ、 プログラム の設計を考えたり他人と共有したりするのに役立つと考えられている。またマウスカーソル、ウィンドウ、メニュー、ファイル、段落など、コンピュータ上でユーザが目にするもので、名前が付いているようなものはほとんどオブジェクトとして表現できる。 オブジェクトは、それ自身に関するデータだけでなく、それ自身や内部のデータに対する操作も束ねている場合が多い。例えば、注文書を表すオブジェクトには、注文する商品を追加する操作や注文を取り消す操作を用意することができる。またマウスカーソルを表すオブジェクトについては、上下左右に動かす、クリックするというような操作が考えられるし、 ファイル のオブジェクトについては、コピー、削除などの操作が考えられる。操作対象と操作そのものの定義や動作をまとめて表現することでプログラムの見通しが良くなり、 プログラミング 効率やプログラムの再利用性を高めるのに寄与すると考えられている。 クラスベースのオブジェクト指向では、共通した特徴や動作をもつオブジェクトをまとめ、その共通の性質を記述・定義した、「オブジェクトの分類」をクラスという(英語の class は種類・分類の意味がある)。そして、あるクラスに分類される具体的なオブジェクトをそのクラスのインスタンスという。例えば、「ファイルというもの」や「アイコンというもの」の性質を定義したのがクラスであり、「ファイルというもの」の性質に沿った一つ一つのファイルを表すものが「ファイルクラスのインスタンス」である。 処理系におけるオブジェクトの実装 [ 編集 ] オブジェクトは単純なデータとは限らない<何ものか>を指す概念だが、プログラムが 実行 される際、オブジェクトに相当する実体は 記憶装置 上のデータである。これに対し、クラスはインスタンスが持つデータの形式と操作についての定義であり、プログラムが実行されるときの実体としては記憶装置上のプログラムなどが対応する(より正確には言語や処理系によって異なる)。このとき、そのオブジェクトは、<何ものか>を 抽象化 していると表現される。(ここで言う「抽象化」は、 C++ の 抽象クラス とは無関係) 例えば、「会員」(ある1人の会員)を表す1つのオブジェクトは、処理系での実装上は、会員番号や氏名など会員としての情報、そして「 会員 クラスに属するオブジェクトであるという情報」などをまとめたデータとして表されうる。 オブジェクトに対する操作については、同種の動作(振る舞い)をするオブジェクトをクラスとしてまとめていることにより、動作を表すプログラムを個々の会員インスタンスに持たせる必要はなく、クラスの側に動作に相当するプログラム(処理系によっては翻訳後のプログラム)を持たせる実装が可能である。 インスタンス生成が可能なクラスは、記憶装置上に自らのインスタンスを作るための手続きを備えており、この手続きが何らかの形で(通常は他のオブジェクトによって)呼び出されることで、インスタンスが生成される。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Oppel, Andy (2005). SQL Demystified . McGraw Hill. p. 7. ISBN 0-07-226224-9 関連項目 [ 編集 ] 計算機科学 オブジェクト指向 オブジェクト指向プログラミング ビジネスオブジェクト 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E5%9E%8B
オブジェクト型
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "オブジェクト型" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2018年12月 ) オブジェクト型 (オブジェクトがた、 英 : object type ) 多くの オブジェクト指向プログラミング 言語あるいは環境において導入されている、全ての クラス に対する 基底クラス となる データ型 である。 ルートクラス (root class) とも。 Java では java.lang.Object クラス型である。 .NET Framework では System.Object クラス型である。 C# の object 型は.NETの System.Object に対するエイリアスである。 Delphi ( Object Pascal ) には class 構文で定義される型に対する暗黙の基底クラスとなる System.TObject 型が定義されているほか、 object 構文により定義される「オブジェクト型」の概念が存在する。 Visual Basic .NET の前身である Microsoft Visual Basic および Visual Basic for Applications は完全なオブジェクト指向言語ではないとされているが、基本型として Object 型が存在する。なお、 OLE / COM 由来の バリアント型 ( 英語版 ) ( 英 : variant type ) として Variant 型が存在するが、バリアント型とオブジェクト型は異なる概念である。 C++ のクラス(および 構造体 )には言語仕様で定義された基底クラスは存在しないが、利便性のために基本となる独自のオブジェクト型を定義しているライブラリやフレームワークも存在する。 オブジェクト を保持する 変数 の型のこと。 言語 によってはクラスと同一視される。 プリミティブ型 に対するラッパー型のこと。詳しくは プリミティブラッパークラス 、 ボックス化 を参照。 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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オブジェクト指向
この記事には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2019年2月 ) オブジェクト指向 (オブジェクトしこう、 英 : object-oriented )は、 ソフトウェア開発 と コンピュータプログラミング のために用いられる考え方である。元々は特定の プログラミングパラダイム を説明するために考案された言葉であり、その当時の革新的技術であったGUI( グラフィカル・ユーザーインターフェース )とも密接に関連していた。明確な用語としては1970年代に誕生し、1981年頃から知名度を得て、1986年頃からソフトウェア開発のムーブメントと化した後に、1990年頃にはソフトウェア開発の総合技術としての共通認識を確立している。ソフトウェア開発における一つの標語のような扱い方もされている。 オブジェクトとは、プログラミング視点では データ構造 とその専属 手続き を一つにまとめたものを指しており、分析/設計視点では情報資源とその処理手順を一つにまとめたものを指している。 データ と プロセス を個別に扱わずに、双方を一体化した オブジェクト を基礎要素にし、 メッセージ と形容されるオブジェクト間の相互作用を重視して、ソフトウェア全体を構築しようとする考え方がオブジェクト指向である。 →詳細は「 オブジェクト指向プログラミング 」を参照 オブジェクト指向の来歴 [ 編集 ] アラン・ケイ オブジェクト指向プログラミングの発案 [ 編集 ] オブジェクト指向( object-oriented )という言葉自体は、1972年から80年にかけてプログラミング言語「 Smalltalk 」を開発した ゼロックス社 パロアルト研究所 の計算機科学者 アラン・ケイ が、その言語設計を説明する過程で誕生している [ 1 ] 。本人の述懐によると、大学院時代のケイがプログラミング言語「 Simula 」に感化されて日夜プログラミング・アーキテクチャの思索に耽っていた1967年頃、今何をしているのかと尋ねてきた知人に対して「object-oriented programmingだよ」とその時の造語で答えたのが原点であるという。このオブジェクト指向が知名度を得るようになったのは1981年頃からであり、当時の著名なマイコン専門誌 BYTE によるSmalltalkの誌上紹介が契機になっている。オブジェクト指向の中でケイは メッセージング という考え方を重視していたが、世間の技術的関心は クラス と インスタンス の仕組みの方に集まり、オブジェクト指向の解釈はケイの考えとは異なる方向性で推移していった。 クラス を初めて導入した言語はSimulaの1967年版だったので、こちらも後付けでオブジェクト指向の源流に位置付けられることになった [ 2 ] 。Simulaに結び付けられたオブジェクト指向と、Smalltalkで提唱されたオブジェクト指向の性格は全く異なるものだったので、後のオブジェクト指向の解釈に数々の齟齬を生じさせている。1983年に計算機科学者 ビャーネ・ストロヴストルップ がSimulaをモデルにした言語「 C++ 」を公開し、このC++が人気を博した事や、Smalltalkでも実際の開発に対応するためにSimulaスタイルの継承などの機能が取り入れられたことで、 オブジェクト指向プログラミング はSimulaスタイルの方で認識されるようになった [ 3 ] 。 オブジェクト指向開発の始動 [ 編集 ] 1986年から ACM (計算機協会)が OOPSLA (オブジェクト指向会議)を年度開催するようになり、オブジェクト指向は コンピュータサイエンス の一つのムーブメントになった。 OOPSLA 初期のチェアパーソンは、 Smalltalk が生まれた ゼロックス社 パロアルト研究所 のフェローが務めることが多かった。Smalltalkは正確には プログラミング言語 と GUI フレームワーク を合わせた統合開発運用環境であり、 ゼロックスAlto 機上の OS または ミドルウェア として制作されていた。 ゼロックスAlto は GUI を初めて汎用的にサポートしたコンピュータと OS であり、かの スティーブ・ジョブス を啓発して Macintosh のモデルになったことはよく知られている。1980年代前半のコンピュータ界隈は、 CUI (キャラクタ・ユーザーインターフェース)から GUI (グラフィカル・ユーザーインターフェース)への過渡期であったので、すでに プログラミングパラダイム とGUIデザイン理論をミックスさせていたオブジェクト指向は、その当時における次世代的なソフトウェア開発技術になり得るものとして関心を集めていた。 また別の背景としては、1970年代からの主流である 構造化開発 が拡張を続けていた中で、様々な データ構造図 や データフロー図 の技法および データモデリング の手法がやや乱立気味になっていたという事情があり、その見直しを兼ねて一からの仕切り直しによるソフトウェア開発技術の標準化(standardization)を図りたいとする産業界や計算機科学界の思惑もあった。オブジェクト指向はそのためのスローガンとしても最適であった。こうした経緯から技術的以外の意味も与えられたオブジェクト指向は同時に バズワード 化することにもなっている。 構造化開発 が 機能 を中心にして 機能 と データ構造 を個別にデザインする 段階的詳細化 を基礎にしていたのに対し、オブジェクト指向はデータと機能を一つにまとめた object をソフトウェアデザインの中心にした上で エドガー・ダイクストラ 発案の 抽象データ構造 及び バーバラ・リスコフ 提唱の 抽象データ型 を基礎にしていた。これは前述の Simula スタイル由来である。オブジェクト指向開発(object-oriented development)という言葉を最初に引用したのは、1986年のソフトウェア技術者 グラディ・ブーチ であったとされる。その最初の活用対象になったのは、 データベース 開発と オペレーティングシステム 開発および ユーザーインターフェース 設計であった。 オブジェクト指向方法論の進展 [ 編集 ] OOPSLA の開催と連動してまず オブジェクト指向設計 (OOD)と オブジェクト指向分析 (OOA)が立ち上げられた。これは 構造化開発 のSDとSAに倣っていた。1980年代後半からOOPSLA界隈の識者たちによって様々な分析メソッドと設計メソッドが発表されるようになった。この分析/設計メソッドから導出される 概念モデル を、形式的にチャート化ないし ダイアグラム化 するという作業がモデリングであり、 構造化開発 でも 機能モデル や データモデル や 実体関連モデル (ER図)などが存在していたが、抽象化を尊ぶオブジェクト指向開発では特にこのモデリングが重視されたのが特徴である。1988年のオブジェクト指向システム分析(OOSA)、1990年からの Coad & Yourdon 法、1991年の Booch法 と オブジェクトモデル化技法 (OMT)、1992年の オブジェクト指向ソフトウェア工学 (OOSE)、1993年のフュージョンメソッドとMartin&Odell法といった数々のオブジェクト指向方法論(object-oriented methodology)による モデリング手法 が発表され、いずれも 形式言語 化されていたのでオブジェクト指向では、 モデリング言語 と プログラミング言語 が並んでソフトウェア開発の両輪になった。 1990年前後から認知されるようになったオブジェクト指向方法論とは、 要求分析 ・ 概念設計 ・ モデリング ・ プログラミング といった一連の工程を総括的に形式化した理論体系であり、ソフトウェア開発の総合技術としてのオブジェクト指向を体現していた。1994年にモデリング言語をプログラム設計に直接適用した GOF デザインパターン が初回発表された。Booch法とOMTとOOSEの考案者( スリーアミーゴス )は、後の IBM ブランドになる ラショナルソフトウェア で合流して 統一モデリング言語 (UML)を制作し、1995年のOOPSLAで初回発表した。オブジェクト指向は ソフトウェア開発工程 の分野にも広がり、 モデル駆動工学 、 ドメイン固有言語 、 リファクタリング 、 アジャイルソフトウェア開発 といった数々のトピックも OOPSLA から誕生している。 IBMラショナル はオブジェクト指向開発工程フレームワークを標榜する ラショナル統一プロセス を2003年に公開した。 1989年には IBM社 、 Apple 社、 ヒューレットパッカード社 、 サンマイクロシステムズ社 、 アメリカン航空 などの11社がコンピュータ産業共同事業団体 OMG (Object Management Group)を設立した。その主な目的は、企業システムネットワークの基盤になる 分散コンピューティング を構築するための分散オブジェクト設計の標準化を図ることであった。ここでのオブジェクトもデータとメソッドの複合体と定義されていた。1991年に分散オブジェクトの規格パラダイムとなる CORBA が発表された。1997年に OMG の標準モデリング言語は UML に策定された。モデリングの 形式体系 化に力を注いでいたOMGは モデル駆動工学 のメソッド確立を進めて、2001年に モデル駆動アーキテクチャ を発表している。 オブジェクト指向の種類 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング - 1970年代から オブジェクトデータベース - 1980年代から オブジェクト関係データベース - 1990年代から オブジェクト指向オペレーティングシステム ( 英語版 ) - 1980年代から オブジェクト指向ユーザーインターフェース ( 英語版 ) - 1980年代から オブジェクト指向ユーザーエクスペリエンス - 2010年代から オブジェクト指向設計 - 1980年代から オブジェクト指向分析 - 1980年代から オブジェクト指向モデリング - 1980年代から オブジェクト指向方法論 - 1990年代から Meyer法(オブジェクト指向ソフトウェア構築 - OOSC) Shlaer and Mellor法(オブジェクト指向システム分析 - OOSA) Wirfs-Brock法(責任駆動設計 - RDD) Coad and Yourdon法 Booch法 オブジェクトモデル化技法 (OMT) オブジェクト指向ソフトウェア工学 (OOSE) Gibson and Goldberg法(オブジェクト動作分析 - OBA) フュージョンメソッド ← Booch法・RDD・OMT・OOSE Martin and Odell法 Graham法(意味論オブジェクトモデル化導入論 - SOMA) Henderson-Sellers法(オブジェクト指向システムソフトウェア工学方法論 - MOSES) 統一モデリング言語 (UML)← Booch法・OMT・OOSE Openモデリング言語(OML)← フュージョンメソッド・SOMA・MOSES オブジェクト工学プロセス(OEP)← UML・OMT・OOSE ラショナル統一プロセス (RUP)← UML・OMT・OOSE オブジェクト指向存在論 ( 英語版 ) - 哲学分野 アラン・ケイのオブジェクト指向とは [ 編集 ] 1980年代の言及 [ 編集 ] 1989年に発表された「User Interface A Personal View」という記事の中でアラン・ケイは、 Smalltalk のオブジェクト指向性は大変示唆的であると前置きした上で、そのプログラミング言語での OOP と、その GUI フレームワークでのOOUIを照応させながらこう述べている [ 4 ] 。これは人とコンピュータの対話形式としてのオブジェクト指向に沿ったものになっている。1970年代から80年代にかけてのオブジェクト指向は、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)と半ば表裏一体で扱われていたという技術史背景がある。 object-oriented means that the object knows what it can do. (オブジェクト指向とは、オブジェクトが出来る「なにか」を知っていることを意味している) これは 認知心理学 の アフォーダンス につながる考え方と解釈されている。その説明の中でケイは、Smalltalkプログラミングを抽象シンボル舞台と形容しており、GUIフレームワークを具象ユーザーインターフェース舞台と形容している。前者の抽象シンボル舞台では、我々は最初にオブジェクトの名前(識別子)をコーディングし、次にそのオブジェクトが実行する「なにか」を伝えるメッセージをコーディングすることになる。後者の具象ユーザーインターフェース舞台では、我々は最初に操作する対象(アイコン)を選択し、次にその対象が提供する「なにか」のメニュー欄を表示選択することになる。この双方を踏まえた上でケイはこう結論している。 In both case we have the object first and the desire second. this unifies the concrete with the abstract in highly satisfying way. (双方の事例において私達は、オブジェクト(対象)を第一とし、欲求を第二とする。これは高い満足度で具象と抽象を一体化する) 80年代前半までのオブジェクト指向はプログラミングとGUIの融合思想と言った方が適当であり、オペレータがプログラミングでカスタマイズした結果をGUIビュー環境でほぼ同時に確認できるという特性は、コマンドライン実行とキャラクタ文字環境が当然であった時代において革新的であった。プログラミングはコンピュータとの潜在的な対話であり、GUIは顕在的な対話であると形容されている。長じてアイコン選択とメニュー処理を適宜に連携させるGUIの考え方をプログラミングにも応用したものが、後述のオブジェクトとメッセージ式になっている。 1990年代の言及 [ 編集 ] 1992年に ACM からプログラミング言語史編纂の一環として執筆を依頼されたアラン・ケイは、翌93年の「The Early History Of Smalltalk」でオブジェクト指向の原点としての Smalltalk について解説している [ 1 ] 。冒頭の序章で設計理念が説明され、第一章から第三章まではその着想元になった バロースB5000 、 Sketchpad 、 Simula 、Flex machine、 LISP などの技術史が記され、第四章から第六章まではSmalltalkの開発史が綴られている。ここでは序章から特徴的な要点のみを抜粋する。 Smalltalk's design—and existence—is due to the insight that everything we can describe can be represented by the recursive composition of a single kind of behavioral building block that hides its combination of state and process inside itself and can be dealt with only through the exchange of messages. (Smalltalkの設計―及び存在―とは、私たちの思い描ける全てが、自己の状態とプロセスの結合を内部隠蔽した個々の振る舞い組立ブロックの再帰構成によって表現され、徹底的なメッセージの交換のみによって処理されるということだ。) 再帰構成すなわち 再帰 の概念は、後続文にも繰り返し登場している。もっとも再帰は一般知識であり、例えば ジョン・マッカーシー も LISP の設計を recursive functions of symbolic expressions and their computation by machine. (記号式の再帰関数群と機械によるその計算)と概略していた。メッセージ交換は、徹底的な 疎結合 および 情報隠蔽 ( 英語版 ) を示唆している。 In computer terms, Smalltalk is a recursion on the notion of computer itself. Instead of dividing "computer stuff" into things each less strong than the whole—like data structures, procedures, and functions which are the usual paraphernalia of programming languages—each Smalltalk object is a recursion on the entire possibilities of the computer. (Smalltalkは計算概念の自己再帰である。コンピュータプログラムをその全体からの劣化要素―データ構造、手続き、関数といった言語機能の諸々に分割していくのではなく、Smalltalkのオブジェクトはそれぞれが計算の総体可能性を備えた再帰要素になる。) ケイが理想とする計算の総体可能性の反対である劣化要素への分割とは、いわゆる 型システム の導入を指している。他の論考でもケイは特に静的な 型システム に対して否定的な見解を示していた。 Philosophically, Smalltalk's objects have much in common with the monads of Leibniz and the notions of 20th century physics and biology. Its way of making objects is quite Platonic in that some of them act as idealizations of concepts—Ideas—from which manifestations can be created. (哲学面でのSmalltalkオブジェクトは、 ライプニッツ の モナド や20世紀の物理・生物学思考との共通点を見出せる。オブジェクトの構築は、 イデア から現象が創生されるという全くの プラトニック である。) 第四章では、Smalltalkの言語仕様が六つに概略されている。 1, EverythingIsAnObject. 2, Objects communicate by sending and receiving messages (in terms of objects). 3, Objects have their own memory (in terms of objects). 4, Every object is an instance of a class (which must be an object). 5, The class holds the shared behavior for its instances (in the form of objects in a program list). 6, To eval a program list, control is passed to the first object and the remainder is treated as its message. この和訳は以下のようになるが、ここでは長い説明を避けて特徴的な要点のみを解説する。 すべてはオブジェクトである。 オブジェクトはメッセージの送信と受信によってコミュニケーションする。 オブジェクトは自身の記憶を持つ。 すべてのオブジェクトはクラスのインスタンスである。クラスもまたオブジェクトである。 クラスはその各インスタンスで共有される振る舞いを保持する。振る舞いとはプログラムリスト・オブジェクトである。 プログラムリストの評価では、制御は最初のオブジェクトに渡され、残りはそのメッセージとして扱われる。 (2) は様々に解釈されるが、コミュニケーションする オブジェクト は、 プロセス や アクター としての性格が強くなる。 (3) の記憶は簡単に言うと フィールド や プロパティ や 属性 であるが、オブジェクトの振る舞いを制約するための私的環境を示唆している。 (4) は、 クラス もまた メタクラス の インスタンス 化であるという再帰構成を示唆している。 (5) の振る舞いは簡単に言うと メソッド であるが、 LISP のフォームリストに似たオブジェクトとして保持されることを示唆している。 (6) は、 式 内のオブジェクトはその時の並べられた順序によって、いずれもがコントローラ(関数式)になり、いずれもがそれへのメッセージ(引数)になることを示唆している。 2000年代の言及 [ 編集 ] 2003年にアラン・ケイはオブジェクト指向の貢献で チューリング賞 を受賞し、知人から改めてオブジェクト指向の意味を尋ねられたケイは以下のようにメール返信している [ 5 ] 。このメールは60年代末からの構想をさり気なく簡潔にまとめたものとしてしばしば引用される。ここでは文章順に各要点を抜粋していく。 I thought of objects being like biological cells and/or individual computers on a network, only able to communicate with messages. (さながら生物の細胞、もしくはネットワーク上の銘々のコンピュータ、それらはただメッセージによってコミュニケーションする存在、僕はオブジェクトをそう考えている) 上記はケイ本来のオブジェクトの在り方を述べたものであり、特に解説はしない。 I wanted to get rid of data. The B5000 almost did this via its almost unbelievable HW architecture. I realized that the cell/whole-computer metaphor would get rid of data, ... (僕はデータを取り除きたかった。これを バロースB5000 は驚くべきHWアーキテクチャでほとんど実現していた。僕は気付いた。細胞/全体コンピュータメタファはデータを除去できるであろうと、) ここでプログラムからデータを取り除きたいという考えが提示されている。 My math background made me realize that each object could have several algebras associated with it, and there could be families of these, and that these would be very very useful. (僕の数学専攻経験がこれを気付かせた。各オブジェクトは幾つかの関連付けられた代数を持ち、またその系統群もあるかもしれない。それらは大変有用になるだろうと) ここでの代数は、 プロセス代数 か、プログラミングに適用した 代数的構造 とも解釈できる。 OOP to me means only messaging, local retention and protection and hiding of state-process, and extreme late-binding of all things. (僕にとってのOOPとは、メッセージング、ステートプロセスの局所保持かつ保護かつ隠蔽、徹底的な遅延バインディング、これだけの意味だった) メッセージングは造語に近く、 メッセージパッシング に類似の概念であり、ただの リモートプロシージャコール とは異なることが明言されている。ステートプロセスは、データとコードの一元化概念であり、これも造語である。 遅延バインディング は、シンボルと実体の結合をランタイムで決定する概念である。 One of the things I should have mentioned is that there were two main paths that were catalysed by Simula. The early one (just by accident) was the bio/net non-data-procedure route that I took. The other one, which came a little later as an object of study was abstract data types, and this got much more play. (僕が触れるべきだった一つは、Simulaを触媒にした二本の道があったということだ。最初の一本はバイオ/ネットな非データ手順で僕が選んだ方。少し遅れたもう一本は抽象データ型でこっちの方がずっと賑わっている) ここで 抽象データ型 に対しての、非データ手順(non-data-procedure)というワードが登場する。振る舞いを通してデータを扱うというデータ抽象の概念を、更に抽象化したものが非データであり、 代数学 で言う 写像 だけでデータを表現するという概念を指している。これにケイの 生物学 専攻を背景にしたバイオ/ネット(bio/net)なる考えが加えられている。 And the very first problems I solved with my early Utah stuff was the "disappearing of data" using only methods and objects. At the end of the 60s (I think) Bob Balzer wrote a pretty nifty paper called "Dataless Programming", and shortly thereafter John Reynolds wrote an equally nifty paper "Gedanken" (in 1970 I think) in which he showed that using the lamda expressions the right way would allow data to be abstracted by procedures. ( ユタ での専攻知識で僕が解決した最初期の問題はメソッドとオブジェクトのみを用いてのデータの消滅だった。1960年代末にBob Balzerはデータレス・プログラミングというものを書き示した。直後の1970年にJohn Reynoldsは ラムダ式 を用いての手順によるデータ抽象化の方法を書き示した) 非データ手順(non-data-procedure)に関連付けられるものとしては、 代数的構造 、 圏論 の 射 や 関手 の構造、 Futuresとpromises ( 英語版 ) 、 ポイントフリースタイル ( 英語版 ) 、 プロセス代数 、 アクターモデル 、自由 モナド などが挙げられる。 The people who liked objects as non-data were smaller in number, (非データとしてのオブジェクトを好む者は少なかった、) ここで歴史に戻る。1970年前後になると ソフトウェア危機 としても語られるプログラム規模拡大に対応するために、サブルーチンとデータをまとめた プログラムモジュール という機能が登場した。それと同時期の1967年に オルヨハン・ダール らは クラス という機能を備えた Simula67 を開発し、1969年から エドガー・ダイクストラ は抽象データ構造という概念を備えた 構造化プログラミング を提唱した。1974年から IBM社 中心の研究者たちが 構造化分析/設計 と総称される技法を発表し、構造化プログラミングはこちらに取って代わられた。1972年からアラン・ケイはメッセージングという概念を備えたオブジェクト指向を誕生させている。オブジェクト指向は後に クラス・パラダイム にマウントされている。 構造化設計 は、サブルーチン複合体とデータ構造を扱っている具象データ(concrete data)技術である。Simula発のクラスとダイクストラ発の抽象データ構造は、プログラムモジュールに カプセル化 ・ 継承 ・ 多態性 を備えて抽象体として扱おうとする抽象データ(abstract data)技術である。そしてアラン・ケイ本来のオブジェクトとは、プログラムモジュールを 生物学 と 代数学 の観点から再解釈した非データ(non data)技術であった。構造化開発は1980年代までの主流であり、続けてオブジェクト指向が主流になったが、現在においてもクラスをただのデータとメソッドの複合体として扱っているようなオブジェクト指向は、構造化開発と大差ないものになり「具象データ」から「抽象データ」への思考転換の難しさを物語っている。モジュールの抽象化が提唱され始めたのは1970年代であったが、同時期にアラン・ケイは「抽象データ」を更に抽象化した「非データ」を構想していた。 2020年の言及 [ 編集 ] Q&Aサイトの Quora で「1966~67年のオブジェクト指向という造語を発したアラン・ケイに誰かが影響を与えていたのか?」という質問に対して本人がこう回答している。なお、強調されている“rotation”は「The Early History of Smalltalk」などにその経緯が記された1966年頃の彼自身による“オブジェクト”の、特にソフトウエアの基本構成単位としての発見(念のため、この時点ではSimulaはまだ「オブジェクト」ではなく後述のように相当するエンティティを「プロセス」という用語で表現していた)とその後の彼の中での発想の大転換を意味する。 In the 1960s, software composites that were more complex than arrays, were often called “objects”, and all the schemes I had seen involved structures that included attached procedures. A month or so after the “rotation” someone asked me what I was doing, and I foolishly said “object-oriented programming”. (60年代、配列より複雑なソフトウェア構成体はしばしばオブジェクトと呼ばれており、僕のスキームにあった手続き付きの構造体もそうだった。私の中での“発想の転換”が起こった後、今何をしているのかと尋ねられた僕は愚かにもこう言った。オブジェクト指向プログラミングと。) The foolish part is that “object” is a very bad word for what I had in mind — it is too inert and feels too much like “data”. Simula called its instances “processes” and that is better.“Process-oriented programming” would have been much better, don’t you think? (愚かしいこのオブジェクトは僕の考えを表現するのにとても悪い言葉だった。不活性的でデータを過剰に意識させたからだ。Simulaはプロセスと呼んでいた。こっちがよかったな。プロセス指向プログラミングの方がずっと良かったと思わないかい?) 脚注 [ 編集 ] 出典 ^ a b “ The Early History Of Smalltalk ”. 2019年1月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。 ^ How Object-Oriented Programming Started ^ “ OO History: Simula and Smalltalk ”. 2019年2月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。 ^ “ User Interface A Personal View ”. 2020年1月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。 ^ “ Dr. Alan Kay on the Meaning of “Object-Oriented Programming” ”. 2019年1月閲覧。 エラー: 閲覧日は年・月・日のすべてを記入してください。 関連項目 [ 編集 ] アラン・ケイ Smalltalk LISP Simula ダイナブック Xerox Alto GUI 仮想マシン アクターモデル 外部リンク [ 編集 ] ウィキブックスに オブジェクト指向 関連の解説書・教科書があります。 オブジェクト指向とは: 開発者向け技術情報 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム
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オブジェクト指向プログラミング
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プロトタイプベースOOPでは既存のオブジェクト(プロトタイプ)を複製し、プロトタイプの複製に変更を加えることで様々な対象を表すオブジェクトを生成する。 広く使われているプログラミング言語の多く、例えば C++ や Java や Python などは、 マルチパラダイム であるが、程度の差はあれ、オブジェクト指向プログラミングをサポートしており、大抵は 命令型 や 手続き型プログラミング との組み合わせで用いられる。 歴史 [ 編集 ] UML による クラス の表記法。この Button クラスは、データを表す 変数 (図中 xsize など)と 関数 (図中 draw() など)を持つ。一般的なクラスは 継承 により サブクラス を持つことができる。また、オブジェクトはクラスの インスタンス である。 アラン・ケイ によれば “ object-oriented ”( オブジェクト指向 )という言葉は、1967年ごろケイ自身が考案したものであるという [ 3 ] 。しかし、現在のオブジェクト指向プログラミングという文脈における「オブジェクト」や「指向」を表す用語が初めて登場したのは、1950年代後半から1960年代前半にかけての マサチューセッツ工科大学(MIT) においてである。 1960年代初頭の 人工知能 グループ界隈では、「オブジェクト」はプロパティ(属性)を持つ個体識別可能なアイテム( LISP の atom)を意味していた [ 4 ] [ 5 ] 。 後にケイは、1966年にLISPの内部構造を詳細に理解したことが彼の考え方に強い影響を与えたと述べている [ 3 ] 。 私は、オブジェクトとは、生物の細胞やネットワーク上の個々のコンピュータのようもの、そしてそれらのコミュニケーションは専らメッセージによって行なわれるもの、と考えていました (つまり、メッセージングは最初から存在していたのですが、プログラミング言語でメッセージングを実用的かつ効率的に行う方法を見つけるまでには時間がかかりました)。 アラン・ケイ, ( Meaning 2003 ) MITにおける初期の例としては、この他にも、1960年から1961年にかけて アイバン・サザランド が作成した Sketchpad が挙げられる。サザランドは、1963年の技術レポートの用語集 (Sketchpadに関する自身の博士論文をもとにしたもの)で、グラフィカルなインタラクションに特化しているとはいえ「オブジェクト」と「インスタンス」の概念を定義している (クラスの概念は"master"または"definition"として把握されている)。 [ 6 ] また、MIT版の ALGOL であるAED-0では、データ構造 (この言語の方言では"plexes"と呼称)と手続きを直接結びつけ、後に「メッセージ」、「メソッド」、「メンバ関数」と呼ばれるようなものの萌芽がみられる。 [ 7 ] 1962年、 クリステン・ニゴール は ノルウェー計算センター ( 英語版 ) でシミュレーション言語のプロジェクトを開始した。これは彼が以前に用いた モンテカルロ法 と実世界のシステムを概念化する仕事に基づくものであった。 オーレ=ヨハン・ダール が正式にプロジェクトに参加し、 UNIVAC I (UNIVAC 1107) 上で動作する Simula プログラミング言語が設計された。Simulaは、 クラス や オブジェクト 、継承、 ダイナミックバインディング など、今日のオブジェクト指向プログラミングには不可欠である重要な概念を導入した。 [ 8 ] Simulaはまた、プログラミングにおける データ保全 ( 英語版 ) を考慮して設計されたものでもあった。プログラミングのデータ保全のために 参照カウント による検出プロセスが実装されたのに加え、最終手段として ガベージコレクタ が 主記憶装置 (メモリ)内の使用されていないオブジェクトを削除するようになっていた。しかし、データオブジェクトの概念は1965年には既に確立されていたものの、プライベートやパブリックといった 変数 の スコープ のレベルによるデータのカプセル化については、アクセスする手続きもまた隠蔽できなければならなかったため、Simulaでは実装されなかった。 [ 9 ] 初期の段階では、Simulaはプログラミング言語 ALGOL 60のための手続きパッケージとされていた。しかし、ALGOLによる制約に不満を感じた研究者たちは、UNIVAC ALGOL 60コンパイラを使用した本格的なプログラミング言語としてSimulaを開発することにした。ダールとニゴールは1965年から1966年にかけてSimulaの普及に尽力し、スウェーデン、ドイツ、 ソビエト連邦 などでSimulaの使用が増加した。1968年には、 バロース B5000 上で広く利用されるようになり、後には URAL-16コンピュータ 上にも実装された。1966年、ダールとニゴールはSimulaの コンパイラ を書いた。彼らは、 SIMSCRIPT ( 英語版 ) (自由形式の英語的な汎用シミュレーション言語)を実装に用いて、 アントニー・ホーア のレコード・クラス概念を取り入れることに熱心に取り組んだが、彼らは、一般化されたプロセスの概念として、レコード・クラスの属性を保持する層と、接頭辞 (prefix) の系列を保持する層の二層構造とする方式に辿り着いた。 接頭辞の系列を通じて、プロセスは先行する定義を参照し、それらの属性を追加することができる。このようにしてSimulaは、クラスとサブクラスの階層を導入し、これらのクラスからオブジェクトを生成することを可能にする方法を導入することとなった。 [ 7 ] 1972年には IBM System/360 および IBM System/370 の IBMメインフレーム 用にSimula 67コンパイラが完成 [ 8 ] 。同年、フランスの CII 10070 および CII Iris 80 メインフレーム 用のSimula 67コンパイラが無償で提供された。1974年には、Simulaユーザー会は23カ国のメンバーを有するまでになっていた。1975年初頭、 DECsystem-10 メインフレームファミリー用のSimula 67コンパイラが無償でリリースされ、同年8月までにDECsystem-10のSimula 67コンパイラは28サイトにインストールされた (そのうちの22サイトは北米)。オブジェクト指向のプログラミング言語としてSimulaは、貨物港における船舶と積載貨物の動きを調査・改善するための研究のような、物理モデリングの研究に携わる研究者に主に利用されていた [ 8 ] 。 1970年代、 Xerox パロアルト研究所(PARC) において、 アラン・ケイ 、 ダン・インガルス 、 アデル・ゴールドバーグ らによって、プログラミング言語 Smalltalk の最初のバージョンが開発された。Smaltalk-72はプログラミング環境を含み、 動的型付け であり、当初は コンパイル してからの実行ではなく インタプリタ 実行であった。Smalltalkは、言語レベルでのオブジェクト指向の適用と、グラフィカルな開発環境で注目されたが、Smalltalkが様々なバージョンを経て成長するにつれ、この言語への関心も高まっていった [ 10 ] 。 SmalltalkはSimula 67で導入されたアイデアの影響を受けてはいるものの、クラスを動的に生成・変更できるなど、完全に動的なシステムとして設計された [ 11 ] 。 1970年代、Smalltalkは Lispコミュニティ に影響を与え、Lispコミュニティは、 Lispマシン を通じて開発者に紹介されたオブジェクトベースの技術を取り入れた。Lispの様々な拡張機能(LOOPS や Flavors ( 英語版 ) などが導入した 多重継承 や Mixin )の試みは、最終的に 関数型プログラミング とオブジェクト指向プログラミングを統合し、 メタオブジェクト・プロトコル ( 英語版 ) による拡張を可能にした Common Lispのオブジェクト指向システム (CLOS) へとつながった。 1980年代には、メモリ上のオブジェクトをハードウェアでサポートするプロセッサ・アーキテクチャを設計する試みがいくつか行われたが、 Intel iAPX 432 や Linn Smart 、 Rekursiv ( 英語版 ) など、いずれも商業的に成功しなかった。 1981年、ゴールドバーグは Byte Magazine 8月号のSmalltalk特集号で、Smalltalkとオブジェクト指向プログラミングをより多くの人々に紹介した。 1986年、 ACM が主催する第一回 OOPSLA が開催され、予想に反して1,000人が参加した。1980年代半ばには、 ITT でSmalltalkを使っていた ブラッド・コックス によって Objective-C が開発され、博士論文でSimulaを扱っていた ビャーネ・ストロヴストルップ よってオブジェクト指向の C++ が作られた [ 10 ] 。 1985年には、 バートランド・メイヤー も Eiffel の最初の設計を行った。ソフトウェアの品質に焦点を当てたEiffelは、純粋なオブジェクト指向プログラミング言語であり、ソフトウェアのライフサイクル全体をサポートする記法をもつ。メイヤーは、ソフトウェア工学とコンピュータサイエンスの少数の重要なアイデアに基づいたEiffelでのソフトウェア開発手法を オブジェクト指向入門 ( 英語版 ) で解説している。Eiffelでは、メイヤーが開発した信頼性担保の機構である 契約プログラミング が、開発手法と言語の双方に不可欠な要素となっている。 TIOBE プログラミング言語の人気ランキング の2002年から2018年のグラフ。2000年代のオブジェクト指向言語 Java (青)と 手続き型プログラミング 言語 C (黒)の首位争いの様子 1990年代前半から半ばにかけて、オブジェクト指向プログラミングは、その技術をサポートするプログラミング言語が広く普及したことにより、 プログラミングパラダイム として主要なものとなった。その中には、 Visual FoxPro 3.0 [ 注 1 ] [ 12 ] [ 13 ] 、 C++ [ 14 ] 、 Delphi [ 15 ] などがある。 その勢力は、オブジェクト指向プログラミング技術に支えられた グラフィカルユーザインタフェース の人気向上と共に高まった。動的なGUIライブラリとOOP言語が密接に連携している例としては、Smalltalkを規範にしたCのオブジェクト指向の動的メッセージング拡張である Objective-C で書かれた macOS の Cocoa フレームワークなどが挙げられる。また、OOPツールキットの存在は、 イベント駆動型プログラミング の人気を高めることにも繋がった(ただし、この概念はOOPに限定されるものではない)。 チューリッヒ工科大学 では、 ニクラウス・ヴィルト らが、 データ抽象化 や モジュール化プログラミング ( 英語版 ) などの研究を行っていた (ただし、これらは1960年代以前にも一般的に使われてはいた)。 1978年に発表された Modula-2 にはこの2つが盛り込まれており、その後に発表された Oberon では、オブジェクト指向やクラスなどに対する独自のアプローチが盛り込まれている [ 16 ] 。 オブジェクト指向の機能は、 Ada 、 BASIC 、 Fortran 、 Pascal 、 COBOL など、既存の多くの言語に追加されていったが、しかし、設計当初にこれらの機能を想定していなかった言語に追加した場合、コードの互換性や保守性には問題が生じることが多かった。 最近では、主としてオブジェクト指向でありながら、手続き型プログラミングの方法論にも対応した言語が数多く登場している。そのような言語としては、 Python や Ruby がある。最近の商業的なオブジェクト指向言語で最も重要なものには、 サン・マイクロシステムズ 社が開発した Java や、Microsoftの .NET プラットフォーム用に設計された C# 、 Visual Basic .NET (VB.NET) が挙げられる。 これら二つのフレームワークは、実装を抽象化することによるOOP使用の利点をそれぞれの方法で示している。VB.NETとC#間では言語間継承をサポートしており、一方の言語で定義されたクラスが他方の言語で定義されたクラスをサブクラス化することができる [ 17 ] 。 OOPLの特徴 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング言語 ( OOPL ) では、オブジェクトを使用するが、言語仕様でOOP対応を謳っていても、関連する技術や構造のすべてが言語機能により直接サポートされているわけではない。以下に挙げる特徴は、特に言及されている例外を除いて、クラス指向やオブジェクト指向の傾向が強いとされる言語 (あるいはOOPをサポートする マルチパラダイムプログラミング言語 )に共通すると考えられるものである。 非OOPLとの共通点 [ 編集 ] 変数 整数型 や英数字の 文字 のような形式化された少数の組み込み データ型 の情報、または、 文字列 、 リスト 、 ハッシュテーブル などの データ構造 に、組み込み型もしくは、 ポインタ が格納されたものを結果として格納することができる。 手続き(関数、メソッド、 サブルーチン とも呼ばれる) 入力を受け取り、出力を生成し、データを操作する。近年の言語には、 ループ や 条件構文 のような 構造化プログラミング の構成要素が含まれる。 モジュラープログラミング サポートでは、手続きをファイルやモジュールにまとめて整理する機能がある。モジュールは 名前空間 を持つため、あるモジュールの識別子が、他のモジュールの同名の手続きや変数と衝突することを避けることができる。 クラスとオブジェクト [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング(OOP)をサポートする言語は、コードの再利用と拡張性のために、典型的には、 クラス または プロトタイプ の形で 継承 を使用する。クラスを使用するものは、主に二つの概念をサポートする。 クラス 与えられた型やクラスのオブジェクトのデータ形式やそれらを利用可能な手続きの定義であり、また、データや手続き (クラスメソッドとも呼ばれる)そのものを含む場合もある。つまり、クラスは、メンバーとなるデータや手続きを含むものである。 オブジェクト クラスのインスタンス オブジェクトは、システムが扱おうとする(多くは現実世界の)対象を表現したものである。例えば、描画アプリケーションにおける「円」・「四角」・「メニュー」などのオブジェクトや、オンラインショッピングシステムにおける「ショッピングカート」・「顧客」・「商品」などのオブジェクトがある [ 18 ] 。 オブジェクトは、ファイルのオープンを表すオブジェクトや、 米国慣用単位 から メートル法 に変換するサービスを提供するオブジェクトのように、より抽象的なエンティティを表すこともある。 オブジェクト指向プログラミングとは、単なるクラスやオブジェクトではなく、データフィールドやメソッドを含んだオブジェクト (データ構造)を中心としたプログラミングパラダイム全般のことです。クラスを使って、関係のないメソッドをまとめて整理する——これがオブジェクト指向の本質ではないことを理解しましょう。 Junade Ali, Mastering PHP Design Patterns ( Ali 2016 , p. 11) 各々のオブジェクトは、特定のクラスの インスタンス と呼ばれる (例えば、 name フィールドに "Mary" が設定されているオブジェクトは、クラス Employee のインスタンスとなる)。OOPの手続きは メソッド と呼ばれ、変数は、 フィールド 、メンバー、属性、プロパティとも呼ばれる。関連して、以下のような用語がある クラス変数 クラス自体に属する。変数をクラス全体に唯一のものとして所有する。 インスタンス変数 または属性 各々のオブジェクトに属する。データはオブジェクトごとに所有する。 メンバ変数 特定のクラスで定義されるクラス変数とインスタンス変数の両方を指す。 クラスメソッド クラス自体に属する。クラス変数へのアクセスのみ有し、手続き呼び出しからの入力のみ受け付ける。 インスタンスメソッド 各々のオブジェクトに対して、呼び出された特定のオブジェクトのインスタンス変数、入力、およびクラス変数にアクセスできる。 オブジェクトは、複雑な内部構造を持った変数のようにアクセスされるが、多くの言語で実質的には ポインタ でありインスタンス (ヒープやスタック内のメモリ上オブジェクト)への参照として機能する。オブジェクトは、内部コードと外部コードを分離を可能とする 抽象化 の層を提供する。外部のコードは、特定の入力引数の組み合わせで特定のインスタンスメソッドを呼び出したり、インスタンス変数を読み込んだり、インスタンス変数に書き込んだりすることで、オブジェクトを使用することができる。オブジェクトは、 コンストラクタ と呼ばれるクラス内の特定メソッドを呼び出すことで生成される。プログラムは実行中に、それぞれ独立して操作することが可能な同じクラスのインスタンスを多数作成することができる。これは、同じ手続きを異なるデータセットで簡便に利用する方法となる。 クラスを使用するOOPを クラスベース ・プログラミングと呼ぶことがあるが、 プロトタイプベース ・プログラミングではクラスを使用しないのが一般的である。そのため、 オブジェクト と インスタンス という概念の定義は、それぞれで大きく異なるが類似した用語が用いられている。 言語によっては、 トレイト や mixin のような概念を用いてクラスやオブジェクトを構成することが可能である。 クラスベース対プロトタイプベース [ 編集 ] クラスベースの言語 では、予め クラス が定義され、そのクラスに基づいて オブジェクト がインスタンス化される。例えば、 apple と orange という2つのオブジェクトが、 Fruit というクラスからインスタンス化された場合、それらは本質的には果物であり、同じように取り扱えることの保証がされる。 プロトタイプベースの言語 では、 オブジェクト が主要な実体である。 クラス は存在しない。オブジェクトの プロトタイプ とは、あるオブジェクトからリンクされている別のオブジェクトに過ぎない。すべてのオブジェクトは一つの プロトタイプ リンクを持つ (一つのみ)。新しいオブジェクトは、プロトタイプとして選ばれた既存のオブジェクトに基づいて作成することができる。 fruit オブジェクトが存在し、 apple と orange の両方が fruit をプロトタイプとしている場合、2つの異なるオブジェクト apple と orange を果物と考えることができる。 fruit 「クラス」という概念は明示的には存在しないが、同じプロトタイプを共有するオブジェクトの 同値クラス としては存在する。 プロトタイプ の属性やメソッドは、このプロトタイプで定義された同値クラスのすべてのオブジェクトから 委譲 先とされる。オブジェクト固有の属性やメソッドは、同値クラスの他のオブジェクトに共有されない場合がある。例えば、属性 sugar_content は apple には予期せず存在しない場合がある。プロトタイプで実装できるのは 単一継承 のみである。 動的ディスパッチとメッセージパッシング [ 編集 ] メソッドの呼び出しに応じて実行する手続きのコードを選択するのは、外在するコードではなく、オブジェクトの責任である。典型的には、オブジェクトに関連付けられたテーブルから実行時にメソッドを検索するが、この機能は 動的ディスパッチ として知られており、 抽象データ型 (またはモジュール)において、すべてのインスタンスの操作が静的に実装されているのとは対照的である。呼び出しの変化が、呼び出されたオブジェクトの単一の型にのみには依らない場合 (つまり複数のオブジェクトがメソッド選択に関与する場合)、 多重ディスパッチ と呼ばれる。 メソッド呼び出しは、 メッセージパッシング とも呼ばれる。これは、メソッド呼び出しを、ディスパッチのためにオブジェクトに渡されるメッセージ (メソッドの名前とその入力引数)として概念化したものである。 カプセル化 [ 編集 ] カプセル化 とは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、データとそのデータを操作する関数を結び付け、両者を外部からの干渉や誤用から守ることである。データのカプセル化は、OOPの重要な概念である 情報隠蔽 ( 英語版 ) にも通じる。 クラスがメソッドを通じてのみオブジェクトの内部データへのアクセスを許可し、それ以外の呼び出しコードにアクセスを許可しない場合、これはカプセル化として知られる強力な抽象化、または情報隠蔽の形態である。いくつかの言語 (Javaなど)では、クラスがアクセス制限を明示的に行うことができる。例えば、内部データであることを private というキーワードで指定し、クラス外のコードが使用することを意図したメソッドを public というキーワードで指定することができる。また、メソッドはpublic、private、または protected (同クラスとそのサブクラスからのアクセスは許可するが、異なるクラスのオブジェクトからのアクセスは許可しない)のように中間のアクセスレベルとすることもできる。また他の言語 (Pythonなど)では、アクセス制限は、命名法などの慣例によってのみ強制される (例えば、 private のメソッドは アンダースコア で始まる名前を持つ、など)。カプセル化することで、外部のコードがオブジェクトの内部動作に関与してしまうことを防ぐことができ、 リファクタリング を容易にする。例えば、クラスの設計者は、外部のコードは変更することなく、そのクラスのオブジェクト内部のデータ表現を変更することができる (公開されているメソッドの呼び出しが同じように動作する限りにおいて)。また、特定のデータに関連するすべてのコードを同じクラスに配置することで、他のプログラマが理解しやすいように整理することもできる。カプセル化は、 疎結合 を促進する技術である。 コンポジション、継承、委譲 [ 編集 ] オブジェクトは、そのインスタンス変数に他のオブジェクトを含めることができ、これを オブジェクトコンポジション と呼ぶ。例えば、"従業員"クラスのオブジェクトは、"名前" や "役職"といった自身のインスタンス変数に加えて、"住所"クラスのオブジェクトを (直接またはポインタを介して)含むことができる。 オブジェクトコンポジションは、"has-a" の関係を表現するために使用できる。例えば、すべての従業員は住所を持っているので、すべての"従業員"オブジェクトは、"住所"オブジェクトを格納する場所 (オブジェクトに直接埋め込まれていることも、ポインターで指定された別の場所に格納されることもある)にアクセスできる。 クラスをサポートする言語は、大抵は 継承 をサポートしている。継承とは、クラスを「○○は△△である」という関係("is-a-type-of")の階層に配置することであるが、例えば、 Employee クラスは Person クラスを継承する場合、親クラスで利用できるデータやメソッドは、子クラスでも同じ名前で利用可能である。また、 Person クラスは、 first_name と last_name という変数を make_full_name() というメソッドで定義した場合、これらの定義は Employee クラスでも利用可能である。加えて、 Employee クラスには変数 position と salary を追加することもできる。この手法では、同じ手続きやデータ定義を簡単に再利用できるだけでなく、現実世界の関係を直感的に反映できる可能性を広げる。開発者は、データベースのテーブルやプログラミングのサブルーチンを扱うのではなく、開発アプリケーションのユーザーがより精通しているドメインのオブジェクトを扱うことができる [ 19 ] 。 サブクラスはスーパークラスで定義されたメソッドをオーバーライドできる。言語よっては 多重継承 が可能だが、多重継承ではオーバーライドの解決は複雑になる可能性がある。また、言語によっては mixin を特別にサポートしているものもあるが、多重継承をサポートする言語では、mixinは単に is-a-type-of の関係を表すことのないクラスの一つである。mixinは典型的には、同一のメソッドを複数のクラスに追加するために使われる。例えば、共通の親クラスを持たない FileReader クラスと WebPageScraper クラスに、 unicode_to_ascii() というメソッドを持つ UnicodeConversionMixin クラスを含ませる(mixinする)ことにより共通のメソッドを提供することができる。 抽象クラス は、オブジェクトへインスタンス化することはできない。インスタンス化できる他の具象クラスが継承するためにのみ存在する。Javaでは、 final キーワードを用いて、クラスがサブクラス化されるのを防止できる。 Composition over inheritance の方針は、継承の代わりに合成を使って has-a 関係を実装することを提唱している。例えば、EmployeeクラスはPersonクラスを継承する代わりに、各Employeeオブジェクトの内部にPersonオブジェクトを含めることで、仮にPersonクラスが公開された属性やメソッドを多数持っていても、外部のコードからは隠せるようにする。また、 Go のように、継承を全くサポートしていない言語も存在する。 開放/閉鎖原則 は、クラスやメソッドは「拡張に対しては開放的であるが、変更に対しては閉鎖的であるべき」という原則を提唱している。 委譲 もまた、継承の代わりに利用できる言語機能である。 ポリモーフィズム [ 編集 ] サブタイピング ( ポリモーフィズム の一形態)では、呼び出すコードが、サポートされている階層のどのクラスを操作しているのか (親クラスなのかその子孫なのか)という詳細には関知しないことが可能である。一方、継承階層内のオブジェクト間では、同じ操作名でも挙動が異なる場合がある。 例えば、Circle型とSquare型のオブジェクトが、Shapeという共通のクラスから派生している場合、Shapeの各型のDraw関数は、それぞれの描画に必要な機能を実装しているが、呼び出しのコードは、描画されるShapeが特定の型であるかどうかには無関心でいられる。 これもまた、クラス階層からコードを引き離して単純化し、強力な 関心の分離 を可能にする抽象化の一種である。 オープンな再帰 [ 編集 ] オープンな再帰 [ 20 ] をサポートする言語では、オブジェクトのメソッドは同じオブジェクト上の他のメソッドや自分自身を呼び出すことができる。通常は this や self と呼ばれる特別な変数やキーワードを使用して呼び出しをするのが一般的であるが、この変数は「 遅延結合 」であり、あるクラスで定義されたメソッドが、そのサブクラスで後から定義された別のメソッドを呼び出すことができる。 デザインパターン [ 編集 ] 継承とBehavioral subtyping [ 編集 ] 継承は 意味論 的には is-a の関係を作るため、サブクラスからインスタンス化されたオブジェクトは、スーパークラスからインスタンス化されたオブジェクトの代わりに、常に 安全に 使用できる、と推測するのは直感的ではあるが、この直観は、ほとんどのOOPL、特に ミュータブル なオブジェクトを許可している言語では誤りである。 (ミュータブルなオブジェクトを持つ)OOPLの型検査器によって強制される 部分型付け (部分型多相/サブタイピング多相) では、いかなる状況でも、振る舞いにおける部分型付け ( Behavioral subtyping ) は保証することはできない。 Behavioral subtyping は一般に決定不能であり、プログラム (コンパイラ)では実装できない。クラスやオブジェクトの階層は、文法間違いでは検出できない使い方がされる可能性を考慮に入れて、慎重に設計する必要がある。この問題は リスコフの置換原則 としても知られている。 GoFデザインパターン [ 編集 ] →詳細は「 デザインパターン (ソフトウェア) 」を参照 オブジェクト指向とデータベース [ 編集 ] →詳細は「 オブジェクト-リレーションインピーダンスミスマッチ 」、「 オブジェクト関係マッピング 」、および「 オブジェクトデータベース 」を参照 OOPL と 関係データベース管理システム (RDBMS) は、どちらも今日 [update] のソフトウェアとして非常に一般的であるが、双方を接続する場合、 関係データベース は、オブジェクトを直接格納しないため (ただし、今日ではこれに近しい拡張機能を持つ RDBMS も存在する)、この二つの世界を橋渡しすることが一般的な需要として擡頭した。アクセス方法やデータパターンを OOPL と RDB との間で橋渡しする際の問題は、オブジェクト-リレーションの インピーダンスミスマッチ と呼ばれている。 この問題に対処するためのアプローチはいくつかある。欠点のない一般的な解決策といえるものはない [ 21 ] が、代表的なものとして、 オブジェクト関係マッピング (ORM)があり、 Visual FoxPro などの IDE 言語や、Java Data Objects、 Ruby on Rails の Active Record などのライブラリが存在する。 また、RDBMS を代替する オブジェクトデータベース も存在するが、技術的にも商業的にも RDBMS ほど広く成功は収めていない。 OOPと制御構造 [ 編集 ] OOPは、ソースコードの コードの再利用性 や ソフトウェアの保守性 を高めるよう発展してきたが [ 22 ] 、ある時期までは 制御フロー の透過的な表現については、あまり省みられることもなく、コンパイラが任意に処理すれば良いと考えられてきた。しかし、OOPでの実現にはある種の困難を伴うものの、並列ハードウェアや マルチスレッドコーディング の重要性が増すにつれ透過的な制御フローの開発は重要になってきている [ 23 ] [ 24 ] [ 25 ] [ 26 ] 。 責任駆動設計 対 データ駆動設計 [ 編集 ] 責任駆動設計 では、クラスは、共有する情報とそれを扱う責務という観点から定義されるべきであるとし、クラス定義 (とその利用者)の契約として設計する。Wirfs-BrockとWilkersonは、責任駆動設計と対比して、 データ駆動設計 は、クラスが保持すべきデータ構造のみを中心に定義されるとし、責任駆動型の設計が望ましいとしている [ 27 ] 。 SOLID、GRASPのガイドライン [ 編集 ] SOLID のガイドラインは、プログラミングにおける五つの実践の頭文字をとった語呂合わせであり、マイケル・C・フェザーズ [ 28 ] が考案し提唱したものである S : 単一責任の原則(英語版) O : 開放/閉鎖原則 L : リスコフの置換原則 I : インターフェイス分離の原則(英語版) D : 依存性逆転の原則 GRASP (General Responsibility Assignment Software Patterns)は、 クレーグ・ラーマン が提唱したもう一つガイドラインである。 形式意味論 [ 編集 ] →「 プログラム意味論 」も参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 1995年6月 Visual FoxPro 3.0, FoxPro は手続き型言語からオブジェクト指向言語へと進化した。Visual FoxPro 3.0では、データベースコンテナ、シームレスなクライアント/サーバー機能、ActiveXのサポート、OLEオートメーションとヌルのサポートが導入された。 Summary of Fox releases 出典 [ 編集 ] ^ Kindler & Krivy 2011 . ^ Lewis & Loftus 2008 , §1.6 "Object-Oriented Programming". ^ a b Meaning 2003 . ^ LISP 1 Programmers Manual 1960 , p. 88f. ^ LISP 1.5 Programmers Manual 1962 , p. 105. ^ Sutherland 1963 . ^ a b Nygaard & Dahl 1978 . ^ a b c Holmevik 1994 . ^ Dahl 2004 . ^ a b Meyer 2009 . ^ Kay 1993 . ^ FoxProの歴史: Foxprohistory.org ^ 1995年のVisual FoxPro 3.0 レビュー/ガイド: DFpug.de ^ Khurana, Rohit (1 November 2009). 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ISBN 978-3-540-92144-8 関連項目 [ 編集 ] 契約プログラミング オブジェクトデータベース オブジェクト指向分析設計 オブジェクト関係マッピング システム [ 編集 ] CADES Common Object Request Broker Architecture (CORBA) Distributed Component Object Model Distributed Data Management Architecture Jeroo モデリング言語 [ 編集 ] IDEF4 インタフェース記述言語 Lepus3 UML 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 チェコ 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%8C%87%E5%90%91%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
オブジェクト指向プログラミング
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プロトタイプベースOOPでは既存のオブジェクト(プロトタイプ)を複製し、プロトタイプの複製に変更を加えることで様々な対象を表すオブジェクトを生成する。 広く使われているプログラミング言語の多く、例えば C++ や Java や Python などは、 マルチパラダイム であるが、程度の差はあれ、オブジェクト指向プログラミングをサポートしており、大抵は 命令型 や 手続き型プログラミング との組み合わせで用いられる。 歴史 [ 編集 ] UML による クラス の表記法。この Button クラスは、データを表す 変数 (図中 xsize など)と 関数 (図中 draw() など)を持つ。一般的なクラスは 継承 により サブクラス を持つことができる。また、オブジェクトはクラスの インスタンス である。 アラン・ケイ によれば “ object-oriented ”( オブジェクト指向 )という言葉は、1967年ごろケイ自身が考案したものであるという [ 3 ] 。しかし、現在のオブジェクト指向プログラミングという文脈における「オブジェクト」や「指向」を表す用語が初めて登場したのは、1950年代後半から1960年代前半にかけての マサチューセッツ工科大学(MIT) においてである。 1960年代初頭の 人工知能 グループ界隈では、「オブジェクト」はプロパティ(属性)を持つ個体識別可能なアイテム( LISP の atom)を意味していた [ 4 ] [ 5 ] 。 後にケイは、1966年にLISPの内部構造を詳細に理解したことが彼の考え方に強い影響を与えたと述べている [ 3 ] 。 私は、オブジェクトとは、生物の細胞やネットワーク上の個々のコンピュータのようもの、そしてそれらのコミュニケーションは専らメッセージによって行なわれるもの、と考えていました (つまり、メッセージングは最初から存在していたのですが、プログラミング言語でメッセージングを実用的かつ効率的に行う方法を見つけるまでには時間がかかりました)。 アラン・ケイ, ( Meaning 2003 ) MITにおける初期の例としては、この他にも、1960年から1961年にかけて アイバン・サザランド が作成した Sketchpad が挙げられる。サザランドは、1963年の技術レポートの用語集 (Sketchpadに関する自身の博士論文をもとにしたもの)で、グラフィカルなインタラクションに特化しているとはいえ「オブジェクト」と「インスタンス」の概念を定義している (クラスの概念は"master"または"definition"として把握されている)。 [ 6 ] また、MIT版の ALGOL であるAED-0では、データ構造 (この言語の方言では"plexes"と呼称)と手続きを直接結びつけ、後に「メッセージ」、「メソッド」、「メンバ関数」と呼ばれるようなものの萌芽がみられる。 [ 7 ] 1962年、 クリステン・ニゴール は ノルウェー計算センター ( 英語版 ) でシミュレーション言語のプロジェクトを開始した。これは彼が以前に用いた モンテカルロ法 と実世界のシステムを概念化する仕事に基づくものであった。 オーレ=ヨハン・ダール が正式にプロジェクトに参加し、 UNIVAC I (UNIVAC 1107) 上で動作する Simula プログラミング言語が設計された。Simulaは、 クラス や オブジェクト 、継承、 ダイナミックバインディング など、今日のオブジェクト指向プログラミングには不可欠である重要な概念を導入した。 [ 8 ] Simulaはまた、プログラミングにおける データ保全 ( 英語版 ) を考慮して設計されたものでもあった。プログラミングのデータ保全のために 参照カウント による検出プロセスが実装されたのに加え、最終手段として ガベージコレクタ が 主記憶装置 (メモリ)内の使用されていないオブジェクトを削除するようになっていた。しかし、データオブジェクトの概念は1965年には既に確立されていたものの、プライベートやパブリックといった 変数 の スコープ のレベルによるデータのカプセル化については、アクセスする手続きもまた隠蔽できなければならなかったため、Simulaでは実装されなかった。 [ 9 ] 初期の段階では、Simulaはプログラミング言語 ALGOL 60のための手続きパッケージとされていた。しかし、ALGOLによる制約に不満を感じた研究者たちは、UNIVAC ALGOL 60コンパイラを使用した本格的なプログラミング言語としてSimulaを開発することにした。ダールとニゴールは1965年から1966年にかけてSimulaの普及に尽力し、スウェーデン、ドイツ、 ソビエト連邦 などでSimulaの使用が増加した。1968年には、 バロース B5000 上で広く利用されるようになり、後には URAL-16コンピュータ 上にも実装された。1966年、ダールとニゴールはSimulaの コンパイラ を書いた。彼らは、 SIMSCRIPT ( 英語版 ) (自由形式の英語的な汎用シミュレーション言語)を実装に用いて、 アントニー・ホーア のレコード・クラス概念を取り入れることに熱心に取り組んだが、彼らは、一般化されたプロセスの概念として、レコード・クラスの属性を保持する層と、接頭辞 (prefix) の系列を保持する層の二層構造とする方式に辿り着いた。 接頭辞の系列を通じて、プロセスは先行する定義を参照し、それらの属性を追加することができる。このようにしてSimulaは、クラスとサブクラスの階層を導入し、これらのクラスからオブジェクトを生成することを可能にする方法を導入することとなった。 [ 7 ] 1972年には IBM System/360 および IBM System/370 の IBMメインフレーム 用にSimula 67コンパイラが完成 [ 8 ] 。同年、フランスの CII 10070 および CII Iris 80 メインフレーム 用のSimula 67コンパイラが無償で提供された。1974年には、Simulaユーザー会は23カ国のメンバーを有するまでになっていた。1975年初頭、 DECsystem-10 メインフレームファミリー用のSimula 67コンパイラが無償でリリースされ、同年8月までにDECsystem-10のSimula 67コンパイラは28サイトにインストールされた (そのうちの22サイトは北米)。オブジェクト指向のプログラミング言語としてSimulaは、貨物港における船舶と積載貨物の動きを調査・改善するための研究のような、物理モデリングの研究に携わる研究者に主に利用されていた [ 8 ] 。 1970年代、 Xerox パロアルト研究所(PARC) において、 アラン・ケイ 、 ダン・インガルス 、 アデル・ゴールドバーグ らによって、プログラミング言語 Smalltalk の最初のバージョンが開発された。Smaltalk-72はプログラミング環境を含み、 動的型付け であり、当初は コンパイル してからの実行ではなく インタプリタ 実行であった。Smalltalkは、言語レベルでのオブジェクト指向の適用と、グラフィカルな開発環境で注目されたが、Smalltalkが様々なバージョンを経て成長するにつれ、この言語への関心も高まっていった [ 10 ] 。 SmalltalkはSimula 67で導入されたアイデアの影響を受けてはいるものの、クラスを動的に生成・変更できるなど、完全に動的なシステムとして設計された [ 11 ] 。 1970年代、Smalltalkは Lispコミュニティ に影響を与え、Lispコミュニティは、 Lispマシン を通じて開発者に紹介されたオブジェクトベースの技術を取り入れた。Lispの様々な拡張機能(LOOPS や Flavors ( 英語版 ) などが導入した 多重継承 や Mixin )の試みは、最終的に 関数型プログラミング とオブジェクト指向プログラミングを統合し、 メタオブジェクト・プロトコル ( 英語版 ) による拡張を可能にした Common Lispのオブジェクト指向システム (CLOS) へとつながった。 1980年代には、メモリ上のオブジェクトをハードウェアでサポートするプロセッサ・アーキテクチャを設計する試みがいくつか行われたが、 Intel iAPX 432 や Linn Smart 、 Rekursiv ( 英語版 ) など、いずれも商業的に成功しなかった。 1981年、ゴールドバーグは Byte Magazine 8月号のSmalltalk特集号で、Smalltalkとオブジェクト指向プログラミングをより多くの人々に紹介した。 1986年、 ACM が主催する第一回 OOPSLA が開催され、予想に反して1,000人が参加した。1980年代半ばには、 ITT でSmalltalkを使っていた ブラッド・コックス によって Objective-C が開発され、博士論文でSimulaを扱っていた ビャーネ・ストロヴストルップ よってオブジェクト指向の C++ が作られた [ 10 ] 。 1985年には、 バートランド・メイヤー も Eiffel の最初の設計を行った。ソフトウェアの品質に焦点を当てたEiffelは、純粋なオブジェクト指向プログラミング言語であり、ソフトウェアのライフサイクル全体をサポートする記法をもつ。メイヤーは、ソフトウェア工学とコンピュータサイエンスの少数の重要なアイデアに基づいたEiffelでのソフトウェア開発手法を オブジェクト指向入門 ( 英語版 ) で解説している。Eiffelでは、メイヤーが開発した信頼性担保の機構である 契約プログラミング が、開発手法と言語の双方に不可欠な要素となっている。 TIOBE プログラミング言語の人気ランキング の2002年から2018年のグラフ。2000年代のオブジェクト指向言語 Java (青)と 手続き型プログラミング 言語 C (黒)の首位争いの様子 1990年代前半から半ばにかけて、オブジェクト指向プログラミングは、その技術をサポートするプログラミング言語が広く普及したことにより、 プログラミングパラダイム として主要なものとなった。その中には、 Visual FoxPro 3.0 [ 注 1 ] [ 12 ] [ 13 ] 、 C++ [ 14 ] 、 Delphi [ 15 ] などがある。 その勢力は、オブジェクト指向プログラミング技術に支えられた グラフィカルユーザインタフェース の人気向上と共に高まった。動的なGUIライブラリとOOP言語が密接に連携している例としては、Smalltalkを規範にしたCのオブジェクト指向の動的メッセージング拡張である Objective-C で書かれた macOS の Cocoa フレームワークなどが挙げられる。また、OOPツールキットの存在は、 イベント駆動型プログラミング の人気を高めることにも繋がった(ただし、この概念はOOPに限定されるものではない)。 チューリッヒ工科大学 では、 ニクラウス・ヴィルト らが、 データ抽象化 や モジュール化プログラミング ( 英語版 ) などの研究を行っていた (ただし、これらは1960年代以前にも一般的に使われてはいた)。 1978年に発表された Modula-2 にはこの2つが盛り込まれており、その後に発表された Oberon では、オブジェクト指向やクラスなどに対する独自のアプローチが盛り込まれている [ 16 ] 。 オブジェクト指向の機能は、 Ada 、 BASIC 、 Fortran 、 Pascal 、 COBOL など、既存の多くの言語に追加されていったが、しかし、設計当初にこれらの機能を想定していなかった言語に追加した場合、コードの互換性や保守性には問題が生じることが多かった。 最近では、主としてオブジェクト指向でありながら、手続き型プログラミングの方法論にも対応した言語が数多く登場している。そのような言語としては、 Python や Ruby がある。最近の商業的なオブジェクト指向言語で最も重要なものには、 サン・マイクロシステムズ 社が開発した Java や、Microsoftの .NET プラットフォーム用に設計された C# 、 Visual Basic .NET (VB.NET) が挙げられる。 これら二つのフレームワークは、実装を抽象化することによるOOP使用の利点をそれぞれの方法で示している。VB.NETとC#間では言語間継承をサポートしており、一方の言語で定義されたクラスが他方の言語で定義されたクラスをサブクラス化することができる [ 17 ] 。 OOPLの特徴 [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング言語 ( OOPL ) では、オブジェクトを使用するが、言語仕様でOOP対応を謳っていても、関連する技術や構造のすべてが言語機能により直接サポートされているわけではない。以下に挙げる特徴は、特に言及されている例外を除いて、クラス指向やオブジェクト指向の傾向が強いとされる言語 (あるいはOOPをサポートする マルチパラダイムプログラミング言語 )に共通すると考えられるものである。 非OOPLとの共通点 [ 編集 ] 変数 整数型 や英数字の 文字 のような形式化された少数の組み込み データ型 の情報、または、 文字列 、 リスト 、 ハッシュテーブル などの データ構造 に、組み込み型もしくは、 ポインタ が格納されたものを結果として格納することができる。 手続き(関数、メソッド、 サブルーチン とも呼ばれる) 入力を受け取り、出力を生成し、データを操作する。近年の言語には、 ループ や 条件構文 のような 構造化プログラミング の構成要素が含まれる。 モジュラープログラミング サポートでは、手続きをファイルやモジュールにまとめて整理する機能がある。モジュールは 名前空間 を持つため、あるモジュールの識別子が、他のモジュールの同名の手続きや変数と衝突することを避けることができる。 クラスとオブジェクト [ 編集 ] オブジェクト指向プログラミング(OOP)をサポートする言語は、コードの再利用と拡張性のために、典型的には、 クラス または プロトタイプ の形で 継承 を使用する。クラスを使用するものは、主に二つの概念をサポートする。 クラス 与えられた型やクラスのオブジェクトのデータ形式やそれらを利用可能な手続きの定義であり、また、データや手続き (クラスメソッドとも呼ばれる)そのものを含む場合もある。つまり、クラスは、メンバーとなるデータや手続きを含むものである。 オブジェクト クラスのインスタンス オブジェクトは、システムが扱おうとする(多くは現実世界の)対象を表現したものである。例えば、描画アプリケーションにおける「円」・「四角」・「メニュー」などのオブジェクトや、オンラインショッピングシステムにおける「ショッピングカート」・「顧客」・「商品」などのオブジェクトがある [ 18 ] 。 オブジェクトは、ファイルのオープンを表すオブジェクトや、 米国慣用単位 から メートル法 に変換するサービスを提供するオブジェクトのように、より抽象的なエンティティを表すこともある。 オブジェクト指向プログラミングとは、単なるクラスやオブジェクトではなく、データフィールドやメソッドを含んだオブジェクト (データ構造)を中心としたプログラミングパラダイム全般のことです。クラスを使って、関係のないメソッドをまとめて整理する——これがオブジェクト指向の本質ではないことを理解しましょう。 Junade Ali, Mastering PHP Design Patterns ( Ali 2016 , p. 11) 各々のオブジェクトは、特定のクラスの インスタンス と呼ばれる (例えば、 name フィールドに "Mary" が設定されているオブジェクトは、クラス Employee のインスタンスとなる)。OOPの手続きは メソッド と呼ばれ、変数は、 フィールド 、メンバー、属性、プロパティとも呼ばれる。関連して、以下のような用語がある クラス変数 クラス自体に属する。変数をクラス全体に唯一のものとして所有する。 インスタンス変数 または属性 各々のオブジェクトに属する。データはオブジェクトごとに所有する。 メンバ変数 特定のクラスで定義されるクラス変数とインスタンス変数の両方を指す。 クラスメソッド クラス自体に属する。クラス変数へのアクセスのみ有し、手続き呼び出しからの入力のみ受け付ける。 インスタンスメソッド 各々のオブジェクトに対して、呼び出された特定のオブジェクトのインスタンス変数、入力、およびクラス変数にアクセスできる。 オブジェクトは、複雑な内部構造を持った変数のようにアクセスされるが、多くの言語で実質的には ポインタ でありインスタンス (ヒープやスタック内のメモリ上オブジェクト)への参照として機能する。オブジェクトは、内部コードと外部コードを分離を可能とする 抽象化 の層を提供する。外部のコードは、特定の入力引数の組み合わせで特定のインスタンスメソッドを呼び出したり、インスタンス変数を読み込んだり、インスタンス変数に書き込んだりすることで、オブジェクトを使用することができる。オブジェクトは、 コンストラクタ と呼ばれるクラス内の特定メソッドを呼び出すことで生成される。プログラムは実行中に、それぞれ独立して操作することが可能な同じクラスのインスタンスを多数作成することができる。これは、同じ手続きを異なるデータセットで簡便に利用する方法となる。 クラスを使用するOOPを クラスベース ・プログラミングと呼ぶことがあるが、 プロトタイプベース ・プログラミングではクラスを使用しないのが一般的である。そのため、 オブジェクト と インスタンス という概念の定義は、それぞれで大きく異なるが類似した用語が用いられている。 言語によっては、 トレイト や mixin のような概念を用いてクラスやオブジェクトを構成することが可能である。 クラスベース対プロトタイプベース [ 編集 ] クラスベースの言語 では、予め クラス が定義され、そのクラスに基づいて オブジェクト がインスタンス化される。例えば、 apple と orange という2つのオブジェクトが、 Fruit というクラスからインスタンス化された場合、それらは本質的には果物であり、同じように取り扱えることの保証がされる。 プロトタイプベースの言語 では、 オブジェクト が主要な実体である。 クラス は存在しない。オブジェクトの プロトタイプ とは、あるオブジェクトからリンクされている別のオブジェクトに過ぎない。すべてのオブジェクトは一つの プロトタイプ リンクを持つ (一つのみ)。新しいオブジェクトは、プロトタイプとして選ばれた既存のオブジェクトに基づいて作成することができる。 fruit オブジェクトが存在し、 apple と orange の両方が fruit をプロトタイプとしている場合、2つの異なるオブジェクト apple と orange を果物と考えることができる。 fruit 「クラス」という概念は明示的には存在しないが、同じプロトタイプを共有するオブジェクトの 同値クラス としては存在する。 プロトタイプ の属性やメソッドは、このプロトタイプで定義された同値クラスのすべてのオブジェクトから 委譲 先とされる。オブジェクト固有の属性やメソッドは、同値クラスの他のオブジェクトに共有されない場合がある。例えば、属性 sugar_content は apple には予期せず存在しない場合がある。プロトタイプで実装できるのは 単一継承 のみである。 動的ディスパッチとメッセージパッシング [ 編集 ] メソッドの呼び出しに応じて実行する手続きのコードを選択するのは、外在するコードではなく、オブジェクトの責任である。典型的には、オブジェクトに関連付けられたテーブルから実行時にメソッドを検索するが、この機能は 動的ディスパッチ として知られており、 抽象データ型 (またはモジュール)において、すべてのインスタンスの操作が静的に実装されているのとは対照的である。呼び出しの変化が、呼び出されたオブジェクトの単一の型にのみには依らない場合 (つまり複数のオブジェクトがメソッド選択に関与する場合)、 多重ディスパッチ と呼ばれる。 メソッド呼び出しは、 メッセージパッシング とも呼ばれる。これは、メソッド呼び出しを、ディスパッチのためにオブジェクトに渡されるメッセージ (メソッドの名前とその入力引数)として概念化したものである。 カプセル化 [ 編集 ] カプセル化 とは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、データとそのデータを操作する関数を結び付け、両者を外部からの干渉や誤用から守ることである。データのカプセル化は、OOPの重要な概念である 情報隠蔽 ( 英語版 ) にも通じる。 クラスがメソッドを通じてのみオブジェクトの内部データへのアクセスを許可し、それ以外の呼び出しコードにアクセスを許可しない場合、これはカプセル化として知られる強力な抽象化、または情報隠蔽の形態である。いくつかの言語 (Javaなど)では、クラスがアクセス制限を明示的に行うことができる。例えば、内部データであることを private というキーワードで指定し、クラス外のコードが使用することを意図したメソッドを public というキーワードで指定することができる。また、メソッドはpublic、private、または protected (同クラスとそのサブクラスからのアクセスは許可するが、異なるクラスのオブジェクトからのアクセスは許可しない)のように中間のアクセスレベルとすることもできる。また他の言語 (Pythonなど)では、アクセス制限は、命名法などの慣例によってのみ強制される (例えば、 private のメソッドは アンダースコア で始まる名前を持つ、など)。カプセル化することで、外部のコードがオブジェクトの内部動作に関与してしまうことを防ぐことができ、 リファクタリング を容易にする。例えば、クラスの設計者は、外部のコードは変更することなく、そのクラスのオブジェクト内部のデータ表現を変更することができる (公開されているメソッドの呼び出しが同じように動作する限りにおいて)。また、特定のデータに関連するすべてのコードを同じクラスに配置することで、他のプログラマが理解しやすいように整理することもできる。カプセル化は、 疎結合 を促進する技術である。 コンポジション、継承、委譲 [ 編集 ] オブジェクトは、そのインスタンス変数に他のオブジェクトを含めることができ、これを オブジェクトコンポジション と呼ぶ。例えば、"従業員"クラスのオブジェクトは、"名前" や "役職"といった自身のインスタンス変数に加えて、"住所"クラスのオブジェクトを (直接またはポインタを介して)含むことができる。 オブジェクトコンポジションは、"has-a" の関係を表現するために使用できる。例えば、すべての従業員は住所を持っているので、すべての"従業員"オブジェクトは、"住所"オブジェクトを格納する場所 (オブジェクトに直接埋め込まれていることも、ポインターで指定された別の場所に格納されることもある)にアクセスできる。 クラスをサポートする言語は、大抵は 継承 をサポートしている。継承とは、クラスを「○○は△△である」という関係("is-a-type-of")の階層に配置することであるが、例えば、 Employee クラスは Person クラスを継承する場合、親クラスで利用できるデータやメソッドは、子クラスでも同じ名前で利用可能である。また、 Person クラスは、 first_name と last_name という変数を make_full_name() というメソッドで定義した場合、これらの定義は Employee クラスでも利用可能である。加えて、 Employee クラスには変数 position と salary を追加することもできる。この手法では、同じ手続きやデータ定義を簡単に再利用できるだけでなく、現実世界の関係を直感的に反映できる可能性を広げる。開発者は、データベースのテーブルやプログラミングのサブルーチンを扱うのではなく、開発アプリケーションのユーザーがより精通しているドメインのオブジェクトを扱うことができる [ 19 ] 。 サブクラスはスーパークラスで定義されたメソッドをオーバーライドできる。言語よっては 多重継承 が可能だが、多重継承ではオーバーライドの解決は複雑になる可能性がある。また、言語によっては mixin を特別にサポートしているものもあるが、多重継承をサポートする言語では、mixinは単に is-a-type-of の関係を表すことのないクラスの一つである。mixinは典型的には、同一のメソッドを複数のクラスに追加するために使われる。例えば、共通の親クラスを持たない FileReader クラスと WebPageScraper クラスに、 unicode_to_ascii() というメソッドを持つ UnicodeConversionMixin クラスを含ませる(mixinする)ことにより共通のメソッドを提供することができる。 抽象クラス は、オブジェクトへインスタンス化することはできない。インスタンス化できる他の具象クラスが継承するためにのみ存在する。Javaでは、 final キーワードを用いて、クラスがサブクラス化されるのを防止できる。 Composition over inheritance の方針は、継承の代わりに合成を使って has-a 関係を実装することを提唱している。例えば、EmployeeクラスはPersonクラスを継承する代わりに、各Employeeオブジェクトの内部にPersonオブジェクトを含めることで、仮にPersonクラスが公開された属性やメソッドを多数持っていても、外部のコードからは隠せるようにする。また、 Go のように、継承を全くサポートしていない言語も存在する。 開放/閉鎖原則 は、クラスやメソッドは「拡張に対しては開放的であるが、変更に対しては閉鎖的であるべき」という原則を提唱している。 委譲 もまた、継承の代わりに利用できる言語機能である。 ポリモーフィズム [ 編集 ] サブタイピング ( ポリモーフィズム の一形態)では、呼び出すコードが、サポートされている階層のどのクラスを操作しているのか (親クラスなのかその子孫なのか)という詳細には関知しないことが可能である。一方、継承階層内のオブジェクト間では、同じ操作名でも挙動が異なる場合がある。 例えば、Circle型とSquare型のオブジェクトが、Shapeという共通のクラスから派生している場合、Shapeの各型のDraw関数は、それぞれの描画に必要な機能を実装しているが、呼び出しのコードは、描画されるShapeが特定の型であるかどうかには無関心でいられる。 これもまた、クラス階層からコードを引き離して単純化し、強力な 関心の分離 を可能にする抽象化の一種である。 オープンな再帰 [ 編集 ] オープンな再帰 [ 20 ] をサポートする言語では、オブジェクトのメソッドは同じオブジェクト上の他のメソッドや自分自身を呼び出すことができる。通常は this や self と呼ばれる特別な変数やキーワードを使用して呼び出しをするのが一般的であるが、この変数は「 遅延結合 」であり、あるクラスで定義されたメソッドが、そのサブクラスで後から定義された別のメソッドを呼び出すことができる。 デザインパターン [ 編集 ] 継承とBehavioral subtyping [ 編集 ] 継承は 意味論 的には is-a の関係を作るため、サブクラスからインスタンス化されたオブジェクトは、スーパークラスからインスタンス化されたオブジェクトの代わりに、常に 安全に 使用できる、と推測するのは直感的ではあるが、この直観は、ほとんどのOOPL、特に ミュータブル なオブジェクトを許可している言語では誤りである。 (ミュータブルなオブジェクトを持つ)OOPLの型検査器によって強制される 部分型付け (部分型多相/サブタイピング多相) では、いかなる状況でも、振る舞いにおける部分型付け ( Behavioral subtyping ) は保証することはできない。 Behavioral subtyping は一般に決定不能であり、プログラム (コンパイラ)では実装できない。クラスやオブジェクトの階層は、文法間違いでは検出できない使い方がされる可能性を考慮に入れて、慎重に設計する必要がある。この問題は リスコフの置換原則 としても知られている。 GoFデザインパターン [ 編集 ] →詳細は「 デザインパターン (ソフトウェア) 」を参照 オブジェクト指向とデータベース [ 編集 ] →詳細は「 オブジェクト-リレーションインピーダンスミスマッチ 」、「 オブジェクト関係マッピング 」、および「 オブジェクトデータベース 」を参照 OOPL と 関係データベース管理システム (RDBMS) は、どちらも今日 [update] のソフトウェアとして非常に一般的であるが、双方を接続する場合、 関係データベース は、オブジェクトを直接格納しないため (ただし、今日ではこれに近しい拡張機能を持つ RDBMS も存在する)、この二つの世界を橋渡しすることが一般的な需要として擡頭した。アクセス方法やデータパターンを OOPL と RDB との間で橋渡しする際の問題は、オブジェクト-リレーションの インピーダンスミスマッチ と呼ばれている。 この問題に対処するためのアプローチはいくつかある。欠点のない一般的な解決策といえるものはない [ 21 ] が、代表的なものとして、 オブジェクト関係マッピング (ORM)があり、 Visual FoxPro などの IDE 言語や、Java Data Objects、 Ruby on Rails の Active Record などのライブラリが存在する。 また、RDBMS を代替する オブジェクトデータベース も存在するが、技術的にも商業的にも RDBMS ほど広く成功は収めていない。 OOPと制御構造 [ 編集 ] OOPは、ソースコードの コードの再利用性 や ソフトウェアの保守性 を高めるよう発展してきたが [ 22 ] 、ある時期までは 制御フロー の透過的な表現については、あまり省みられることもなく、コンパイラが任意に処理すれば良いと考えられてきた。しかし、OOPでの実現にはある種の困難を伴うものの、並列ハードウェアや マルチスレッドコーディング の重要性が増すにつれ透過的な制御フローの開発は重要になってきている [ 23 ] [ 24 ] [ 25 ] [ 26 ] 。 責任駆動設計 対 データ駆動設計 [ 編集 ] 責任駆動設計 では、クラスは、共有する情報とそれを扱う責務という観点から定義されるべきであるとし、クラス定義 (とその利用者)の契約として設計する。Wirfs-BrockとWilkersonは、責任駆動設計と対比して、 データ駆動設計 は、クラスが保持すべきデータ構造のみを中心に定義されるとし、責任駆動型の設計が望ましいとしている [ 27 ] 。 SOLID、GRASPのガイドライン [ 編集 ] SOLID のガイドラインは、プログラミングにおける五つの実践の頭文字をとった語呂合わせであり、マイケル・C・フェザーズ [ 28 ] が考案し提唱したものである S : 単一責任の原則(英語版) O : 開放/閉鎖原則 L : リスコフの置換原則 I : インターフェイス分離の原則(英語版) D : 依存性逆転の原則 GRASP (General Responsibility Assignment Software Patterns)は、 クレーグ・ラーマン が提唱したもう一つガイドラインである。 形式意味論 [ 編集 ] →「 プログラム意味論 」も参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 1995年6月 Visual FoxPro 3.0, FoxPro は手続き型言語からオブジェクト指向言語へと進化した。Visual FoxPro 3.0では、データベースコンテナ、シームレスなクライアント/サーバー機能、ActiveXのサポート、OLEオートメーションとヌルのサポートが導入された。 Summary of Fox releases 出典 [ 編集 ] ^ Kindler & Krivy 2011 . ^ Lewis & Loftus 2008 , §1.6 "Object-Oriented Programming". ^ a b Meaning 2003 . ^ LISP 1 Programmers Manual 1960 , p. 88f. ^ LISP 1.5 Programmers Manual 1962 , p. 105. ^ Sutherland 1963 . ^ a b Nygaard & Dahl 1978 . ^ a b c Holmevik 1994 . ^ Dahl 2004 . ^ a b Meyer 2009 . ^ Kay 1993 . ^ FoxProの歴史: Foxprohistory.org ^ 1995年のVisual FoxPro 3.0 レビュー/ガイド: DFpug.de ^ Khurana, Rohit (1 November 2009). 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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9
オブジェクトデータベース
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "オブジェクトデータベース" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年6月 ) データベースモデル 基本的なモデル 階層 ネットワーク 関係 オブジェクト関係 オブジェクト その他のモデル 多次元 スタースキーマ XMLデータベース 列指向 Associative Concept-oriented 表 話 編 歴 オブジェクトデータベース は、 オブジェクト指向プログラミング で使う オブジェクト の形式で表現されるデータを格納する データベース である。 オブジェクト指向データベース ともいう。オブジェクト指向プログラミングにおいて、オブジェクトをその接続構造(オブジェクトグラフ)ごと 永続化 するといった用途に利用するのが容易であるなどといった、オブジェクト指向プログラミングや、オブジェクト指向プログラミング言語との関連がある。 オブジェクトデータベースの データベース管理システム (DBMS) を、 オブジェクトデータベース管理システム ( ODBMS ; Object DBMS) 、あるいは オブジェクト指向データベース管理システム ( OODBMS ; Object Oriented DBMS) という。 この項目ではオブジェクトデータベースそのものについての他、オブジェクトデータベース管理システム (ODBMS) についても述べる。 概要 [ 編集 ] ODBMSの 実装 を使うと、データベースに格納されたオブジェクトを一つもしくは複数の オブジェクト指向プログラミング言語 のプログラミング言語の オブジェクト として継ぎ目なしに利用できる。 また、ODBMSはオブジェクト指向プログラミング言語に次の機能を備えるよう拡張した技術と位置づけることができる。 透過的なデータ 永続化 並行性制御 データ復旧 結合問い合わせ など ODBMSの実装のいくつかは、 Smalltalk 、 C++ 、 Java 、 C# 、 Visual Basic .NET などのオブジェクト指向プログラミングと連携して良好に動作するよう設計されている。 別のODBMSの実装のいくつかは、その ODBMS 独自のプログラミング言語をもつ。 ODBMSは データモデル としてオブジェクト指向プログラミング言語と厳密に同じモデルを採用している。 オブジェクトデータベースは、一般的には、複雑なデータの高速処理のビジネス要求がある際に、勧められるとされる。 データベース技術に オブジェクト指向 の概念を導入する手法には、後述するように、オブジェクトデータベースと オブジェクト関係データベース の2つの手法がある。 ODBMSの実装としては、ObjectStore、 Caché 、Objectivity/DB、 GemStone/S 、 db4o などがある。 歴史 [ 編集 ] ODBMSの研究開発 [ 編集 ] ODBMSの技術は、1970年代半ばの、 DBMS (データベース管理システム) で、 グラフ 構造をなす オブジェクト 群を扱うための本格的な機能の 研究開発 から発展してきた。 「オブジェクト指向データベースシステム」という用語が最初に現れたのは1985年頃である。 特筆すべき研究プロジェクトとしては次のようなものがある。 Encore-Ob/Server( ブラウン大学 ) EXODUS( ウィスコンシン大学 ) IRIS( ヒューレット・パッカード ) ODE( ベル研究所 ) ORION (Microelectronics and Computer Technology Corporation; MCC) Vodak (GMD-IPSI) Zeitgeist( テキサス・インスツルメンツ ) ORIONプロジェクトに関しては、他のどのプロジェクトよりも多くの論文が書かれた。 MCCに在籍していたウォン・キムは、優れた一連の論文を一冊の本にまとめてMIT Pressから出版した [ 1 ] 。 最初期のODBMSの商用 実装 としては次のようなものがあった。 GemStone(Servio Logic、後にGemStone Systemsに社名を変更する) Gbase (Graphael) Vbase (Ontologic) 1990年代前半にはさらに次のような製品 (商用実装) がODBMS市場に参入した。 ITASCA (Itasca Systems) Jasmine( 富士通 、 CA が販売) Matisse (Matisse Software) Objectivity/DB(Objectivity, Inc. 日本では オージス総研 が販売) ObjectStore(Progress Software、eXcelon社から買収した。またeXcelon社の旧社名はObject Designであった) ONTOS(Ontos, Inc.、旧社名はOntologic) O 2 [ 2 ] (O 2 Technology、この会社はいくつかの会社と合併し、 Informix 社に買収され、さらにそのInformixは IBM に買収された) POET(Versant FastObjects、もともとはPoet Systemsが開発販売していたがVersantが買収した) Versant Object Database (Versant Corporation) ここで挙げた製品のいくつかは、現在もODBMS市場で開発販売を続けている。 ODBMSは、 オブジェクト指向プログラミング言語 に 永続化 の機能を追加する。 初期のODBMS実装は、さまざまな言語に永続化機能を追加して統合した。 GemStone/S ( Smalltalk ) Gbase ( Lisp ) Vbase (COP) COP (C Object Processor) は、 C++ が世に出る以前に開発された、Vbaseの開発企業が C を基にして独自に開発した言語である。 1990年代のほとんどの期間においては、 C++ がODBMS市場において支配的な言語であった。 1990年代末期には、商用のODBMS開発企業は Java に対応し、さらに近年では C# にも対応するようになった。 ODBMSの必要性 [ 編集 ] データベース を使う人々にとって、ODBMSを必要とする背景には、主に2つの要因があった。 従来の 関係データベース で複雑な構造をもつデータを扱うことは、煩雑で能率が悪く扱いにくいということが、データベースに携わる人々に意識されるようになってきた。 近年、データを扱う アプリケーションソフトウェア を オブジェクト指向プログラミング言語 ( Smalltalk や C++ 、 Java 、 Delphi 、 Ruby 、 Python 、 C# など)によって記述することが多くなってきた。 このような状況で関係データベースを使うと、アプリケーションソフトウェアで、 オブジェクト として表現されたデータと 関係モデル に基づく関係データベースの 関係 (テーブル構造) のデータを相互に変換する処理を、 プログラマ が自分で記述する必要がある。プログラマにとってそのような作業は退屈でうんざりさせられるものであり、開発生産性が悪く、開発されたソフトウェアの実行速度も遅くなる傾向がある、などのデメリットがある。 こうした、オブジェクト指向プログラミング言語で記述されたアプリケーションソフトウェアと関係データベース(関係モデル)の間の不整合を、 インピーダンスミスマッチ と呼ぶことがある。インピーダンスミスマッチを軽減する技術として、この項目で説明するオブジェクトデータベースと、 オブジェクトリレーショナルマッピング がある。 ODBMSを採用する動き [ 編集 ] 1990年代の初めに、 データベース に オブジェクト指向 の概念を導入するという課題は、 情報技術 の研究者や新興企業の人々の中心に、広く関心を持たれるようになった。 データベースにオブジェクト指向の概念を導入するために、さまざまな手法が採られてきた。これらの手法は、2つのグループに分類することができる。 オブジェクトデータベース : 従来の プログラミング言語 もしくは新規に開発するプログラミング言語に、 永続化 の機能を追加する。 オブジェクト関係データベース : 従来の 関係データベース に オブジェクト指向 の機能( カプセル化 や 継承 など)を追加する。 オブジェクトデータベースはいくつかの分野で使われてきた。工学データベース、空間データベース、 電気通信 のデータベース、 高エネルギー物理学 や 分子生物学 ( バイオインフォマティクス )など 自然科学 の分野のデータベースとして、使われてきた。これまではオブジェクトデータベースは、商用のデータ処理にはあまり使われてこなかった。しかし現在では、 金融業 のいくつかの特定分野において使われる事例がでてきている。 オブジェクトデータベースは、現在、世界最大の容量のデータベースという記録を保持している。 スタンフォード線形加速器センターで 1000 テラ バイト以上のオブジェクトデータベースが運用されている ( "Lessons Learned From Managing A Petabyte" ) 。 またこのデータベースは、1日で1テラバイト以上という非常に高いデータ増加ペースという記録ももっている ( "High Ingest Benchmark Description" ) 。 いくつかの ODBMS は、機器やパッケージソフトウェアやリアルタイムシステムへの組み込みの用途を想定している。 一方、ORDBMSは広く使われるようになったが、単なる 関係データベース ( RDBMS ) として使われる傾向があり、現時点ではそのオブジェクト指向の機能を積極的に活用する事例はあまり多くない。オブジェクト関係データベースでは、 データ操作言語 として、関係データベースの 述語論理 に基づいた宣言型の言語 ( SQL ) を引き継いでいる。「オブジェクト関係データベース」という用語は、 マイケル・ストーンブレーカー が命名した。オブジェクト関係データベースはハイブリッドデータベースと呼ばれることもある。従来の関係データベース (RDBMS) を開発してきた企業(ベンダ)の多くが、ORDBMSの手法を採用し、もしくはオブジェクト関係データベースの開発企業を買収した。こうした関係データベースの開発企業は、自社の関係データベースにオブジェクト指向の拡張を行った。 ORDBMSの 実装 としては、 PostgreSQL 、 Illustra 、 Informix Dynamic Server (IDS) 、 IBM Db2 、 Oracle Database などがある。 2004年から、 オープンソース の ODBMSが注目されるようになり、ODBMS は第2の成長期に入っている。こうしたODBMSは、オープンソースであるため少ない費用で導入できる。またODBMS自体が Java や C++ 、 Python 、 C# のような オブジェクト指向プログラミング 言語によって全て 実装 されている。 オープンソースのODBMSとしては db4o (db4objects) や Perst (McObject) などがある。 さらに最近ではMagmaというオープンソースのODBMSが開発されている。 Magmaは、 Smalltalk 環境の一種である Squeak で実装されている。 技術面の特徴 [ 編集 ] ODBMSでは、 オブジェクト指向 の考え方を純粋な形で採用しており、データは オブジェクト として データベース に格納( 永続化 )される。オブジェクトは カプセル化 されている。オブジェクトに対しては、その設計図である クラス で定義された メソッド を介してのみ、扱うこと (オブジェクトの状態を参照・変更することなど) ができる。オブジェクトはなんらかのタイプ(型)をもつ。おのおののタイプの間には 継承 関係がある。あるタイプを継承して、そのタイプの特性を引き継いだ別のタイプを定義することができる。継承元となるタイプをスーパータイプといい、継承先のタイプをサブタイプという。スーパータイプを継承してサブタイプが定義される。サブタイプは、単一のスーパータイプのみもつことができる場合と、複数のスーパータイプをもつことができる場合とがある( オブジェクト指向プログラミング言語 により異なる)。 アプリケーションソフトウェア は、ナビゲーショナルな方法で、オブジェクトデータベースに格納されているオブジェクトへの 参照 を取得することができる( ナビゲーショナルデータベース )。オブジェクトは、他のオブジェクトへの参照をもつことができる。これを利用して、アプリケーションソフトウェアは、別のオブジェクトへの参照を取得するために、オブジェクト間の参照関係をたどって目的とするオブジェクトへの参照を取得することができる。 多くの ODBMSでは、オブジェクトデータベースに格納されているオブジェクトへの参照を取得するための、別の方法として、宣言的な データ操作言語 による方法も使うことができる。オブジェクト問い合わせ言語については、後述する ODMG の標準( オブジェクト問い合わせ言語 、OQL; Object Query Language)が策定されているが、実際にはODBMSごとに差異がある。またオブジェクト問い合わせ言語による方法とナビゲーショナルな方法の、2つの方法のインタフェースの統合のしかたについても、ODBMSごとに違いがある。 ODBMSの検索速度は、 関係 (テーブル構造) で実装する RDBMS (関係データベース管理システム) と比較すると、速くなる可能性がある。これはODBMSでは、RDBMSとは異なり、 結合 (join) のような処理を行うことはほとんど無く、またオブジェクトの参照をたどるという直接的な方法で目的とするオブジェクトへの参照を取得することができるからである(「結合」はポインタをたどる過程の高水準の抽象であると主張されることがある)。 一般的には、オブジェクトデータベースの スキーマ と、オブジェクト指向プログラミング言語は、同じタイプ定義を使う。ただし、ODBMSごとに微妙な違いがある。 オブジェクトデータベースを有効に使うと、 マルチメディア を扱う アプリケーションソフトウェア を、比較的容易に開発することができる。マルチメディアの音や映像などのコンテンツは、オブジェクトとして扱われる。そのため、コンテンツを 符号化 (エンコード)したり復号(デコード)したりすることなどのコンテンツの種類に特有な処理を、そのオブジェクトのメソッドに任せることができ、アプリケーションソフトウェア側で処理する必要は無い。 多くのODBMSでは、バージョニングのサポートを提供している。オブジェクトの状態の全ての変更履歴(バージョンの履歴)を確認することができる。オブジェクトの各バージョンもまた、オブジェクトとして扱うことが可能である。 いくつかのODBMSではまた、アクティブデータベースの基本的な機能である、トリガや制約のシステム的なサポートを提供している。 特長と課題 [ 編集 ] ベンチマーク による性能比較では、いくつかの処理形態において、ODBMSが、 RDBMS (関係データベース管理システム)よりも、明らかに優れた性能を示してきている。その主な理由は、ODBMSはその多くの処理を、宣言的な指示に基づいて実行するのではなく、ナビゲーショナルな指示に基づいて、実行しているからである。オブジェクトデータベースに対するナビゲーショナルなアクセスは、ほとんどの場合、 参照 をたどって目的とするデータ( オブジェクト )を取得するという性能面で有効な方法で実装されている [ 3 ] 。 ODBMSなどの ナビゲーショナルデータベース のDBMSに対する批判として、参照をたどってデータにアクセスする手法は、特定の「探索経路」もしくは視点に対して最適化されている、との意見がある。この意見によると、汎用的な データ操作言語 ( ODMG が策定した オブジェクト問い合わせ言語 など)によるデータアクセスを行う場合、ODBMSのように参照をたどる手法は、RDBMSなどと比較すると、処理速度が遅く、またデータ操作言語で検索式を記述することも簡単ではない、というデメリットがある。このように、ODBMSのようなナビゲーショナルなDBMSでは、データベース構築時に想定していた用途に対してはアクセスが最適化され簡単になっているが、それは想定していなかったさまざまな用途でアクセスする場合のデメリットを犠牲にした上で実現されているという、見解がある。 (ただし参照ルートの最適化などを適用することができる可能性がある) 他に ODBMSに対して不利にはたらいているとみられる要素としては、多くのツールや機能について、 相互運用性 が低いことが挙げられる。RDBMSにおいては相互運用性をもつ多くのツールや機能がある。RDBMSでは、例えば、データベースと アプリケーションソフトウェア との接続について業界で標準化されており( JDBC や ODBC )、帳票作成ツールや OLAP のツールがあり、 バックアップ と 復旧 (リカバリ)の標準がある。またODBMSには、RDBMSと異なり、形式化された 数学 的な基盤がない。数学的な基盤がないことが、ODBMSにおけるデータ操作言語のサポートに関して、不利にはたらいているとの批判がある。 しかしながら、現在ではこうした批判は必ずしも妥当ではないようである。 いくつかのODBMS実装では、ナビゲーショナルなアクセスに加え、完全な SQL によるアクセスも提供している(例えば、Objectivity社はObjectivity/SQL++というソフトウェアを提供しており、これは同社製のODBMSであるObjectivity/DBにSQLアクセス機能を追加する。Matisseなどでも同様のことが可能である)。パラダイムの相違を吸収する使い方が必要となる。 実際に、 オブジェクト指向 における カプセル化 の概念と、多くのデータベース技術の基本的な前提との間には、本質的に不整合な部分がある。オブジェクト指向のカプセル化の概念では、オブジェクトのデータは隠蔽されており、オブジェクトが公開しているインタフェース( メソッド )を通してのみ扱うことができる。一方データベース技術においては、データベース構築時に予めデータへのアクセスパスを想定しておくという発想よりも、構築時に想定していなかったアクセスパスによるデータアクセスも可能であるべきだとの前提がある。データベース中心の観点では、物事を宣言的な視点で認識する傾向がある。これに対し、オプジェクト指向の観点では、物事を複数のオブジェクトの動的なふるまいとして認識する傾向がある。こうした観点の違いは、オブジェクト指向とデータベースの間の インピーダンスミスマッチ の一端である。 一部の人々は、オブジェクトデータベース技術は失敗であったとの見解をもっている。 しかし多くの人々は、オブジェクトデータベース技術の本質的な方向性は、現時点においても有効であると考えている。現在も、オブジェクトデータベース技術を含め、データベースの機能を密接に オブジェクト指向プログラミング言語 と統合させる努力が、研究者のコミュニティと開発者のコミュニティの双方で続けられている。 標準化とネイティブクエリ [ 編集 ] DBMSに オブジェクト を格納する 移植性 のある アプリケーションソフトウェア を開発できるようにするための、複数の仕様を策定することを目的とした 標準化団体 として、 ODMG (Object Data Management Group) があった。 ODMGに参加していた会員は、ODBMS開発企業および オブジェクトリレーショナルマッピング 技術の開発企業、研究者のコミュニティ、その他 ODMGの目的に関心をもった団体であった。 ODMGは、いくつかの仕様を策定し公開した。 2008年現在の最新バージョンは ODMG 3.0 である。 ODMG 3.0 は次の内容から構成される。 概要 オブジェクトモデル: OMG ( Object Management Group ) オブジェクトモデルに基づく オブジェクト仕様言語 オブジェクト定義言語 (ODL; Object Definition Language) オブジェクト交換フォーマット (OIF; Object Interchange Format) オブジェクト問い合わせ言語 (OQL; Object Query Language) C++ バインディング Smalltalk バインディング Java バインディング 補遺 OMGオブジェクトモデルとの比較 1990年代後半に オブジェクト指向プログラミング言語 Java が普及する状況があり、主なODBMS開発企業とオブジェクトリレーショナルマッピング技術の開発企業の多くは、ODMG Java 言語バインディング の仕様を策定すべきだと主張した。 Java言語バインディングは、ODMG仕様に追加された [ 4 ] 。 2001年に、ODMG Java言語バインディングは Java Community Process (JCP) に提出され、 Java Data Objects (JDO) 仕様の基礎となった。 ODMGの参加企業は、Java Data Objects仕様の策定に専念することを決定した。 その結果、標準化団体ODMGは2001年に活動を停止した。 一方、ORDBMSにおいては、多くの オブジェクト指向 の機能が、 SQL :1999の標準に採用され規定された。 現時点では、実際のORDBMSによる、SQL:1999で規定されたオブジェクト指向機能の実装水準は、さまざまである。 2005年にクック、レイ、ローゼンバーガーが、ODBMSについて、ODMGとは異なる手法で取り組むことを提唱した。彼らは、ODBMSにODMGのような標準化されたオブジェクト指向のデータ操作のインタフェースを追加するという手法を放棄し、 オブジェクト指向プログラミング 言語( Java や .NET など)自体に、オブジェクトデータベースに対するデータ操作機能をもたせることを、提唱している。その結果として、db4oなどネイティブクエリを実装したODBMSがいくつか現れている。こうした動向と同様な動きとして、 マイクロソフト が、2005年9月に 統合言語クエリ (LINQ; Language Integrated Query) とDLINQ(LINQの実装)を発表した。LINQとDLINQは、マイクロソフトのプログラミング言語である C# や Visual Basic .NET に、密接にプログラミング言語に統合されたデータベースクエリ機能をもたせる技術である。 2006年2月に、オブジェクト指向技術の標準化団体OMG ( Object Management Group ) が、ODMG標準の権利を取得し、ODMG 3.0を基にして次世代のオブジェクトデータベース技術を開発すること、およびそのためにオブジェクトデータベース技術作業部会 (ODBT WG; Object Database Technology Working Group) を発足させたことを、発表した。 ODBT WGは、オブジェクトデータベースのさまざまな面での技術的革新の次のような標準群を作成している。 オブジェクトデータベース技術( レプリケーション など) データ管理(空間インデクシングなど) データフォーマット( XML など) オブジェクトデータベースの適用対象領域を支援する機能( リアルタイムシステム など) 関連項目 [ 編集 ] Object Data Management Group (ODMG) オブジェクト定義言語 (Object Definition Language) オブジェクト問い合わせ言語 (OQL, Object Query Language) Object Management Group (OMG) データベース オブジェクト指向プログラミング ナビゲーショナルデータベース オブジェクト関係データベース オブジェクトリレーショナルマッピング 関係モデル SQL 永続化 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Kim, Won. Introduction to Object-Oriented Databases. The MIT Press, 1990. ISBN 0-262-11124-1 ウォン・キム、増永良文 (監訳) 、鈴木幸市 (監訳) 『オブジェクト指向データベース入門』 共立出版 、1996年 ISBN 4-320-02840-6 ^ Bancilhon, Francois; Delobel,Claude; and Kanellakis, Paris. Building an Object-Oriented Database System: The Story of O 2 . Morgan Kaufmann Publishers, 1992. ISBN 1-55860-169-4 . ^ オブジェクトデータベースがどのように動くかを示すアニメーション ^ Barry, Douglas and Duhl, Joshua. Object Storage Fact Books: Object DBMSs and Object-Relational Mapping. Barry & Associates, Inc., 2001. ODMGがオブジェクトデータベース製品とオブジェクトリレーショナルマッピング製品の双方に対応したことを説明する文書 文献案内 [ 編集 ] 石塚圭樹 『オブジェクト指向データベース』 アスキー 、1996年 ISBN 4-7561-1909-3 ウォン・キム、増永良文 (監訳) 、鈴木幸市 (監訳) 『オブジェクト指向データベース入門』 共立出版、1996年 ISBN 4-320-02840-6 アクマル・チャウドリ (編) 、メアリ・ルーミス (編) 、松本一夫 (監訳) 、藤原淳一 (監訳) 『事例で学ぶオブジェクトデータベース活用技法』 プレンティスホール出版、1999年 ISBN 4-89471-104-4 W・キルステン、M・キューン、M・イリンガー、B・レーリッヒ、大櫛陽一 (監修) 、小田嶋由美子 (訳) 、インターシステムズジャパン(訳) 『オブジェクトデータベースCaché入門』 シュプリンガーフェアラーク東京 、2004年 ISBN 4-431-71062-0 R. G. G. Cattell, Douglas K. Barry, Mark Berler, Jeff Eastman, David Jordan, Craig Russell, Olaf Schadow, Torsten Stanienda, and Fernando Velez, The Object Data Standard: ODMG 3.0 , Morgan Kaufmann Pub, 2000 ISBN 1-55860-647-5 リック・キャッテル、河込和宏 (訳) 、 野口喜洋 (訳) 、山田広佳 (訳) 、田中立二 (訳) 、原潔 (訳) 『オブジェクト・データベース標準 ODMG -93 Release1.1』 共立出版 、1995年 ISBN 4-320-02745-0 外部リンク [ 編集 ] 技術情報 [ 編集 ] @IT オブジェクト指向データベースの復権 オージス総研 今日から始めるオブジェクト指向データベース - オブジェクト指向の広場 ODBMS.ORG - Object Database Resource Portal Benchmark for Databases (open source) Konstantin Knizhnik - GOODS、Perst など ODMG - 標準化団体 Object Data Management Group OMG - OMG CORBA サービス仕様 OMG Relationship Service OMG Persistent State Service Multi-Paradigm Database and "Dynamic Relational" Ideas オブジェクトデータベースの実装 [ 編集 ] 商用 [ 編集 ] いくつかの商用のオブジェクトデータベースでは、試用版をダウンロードすることができる。 ObjectStore (ソニックソフトウェア) - Java、C++ の バインディング を提供している ObjectStore (英語) Caché (インターシステムズ) - ポストリレーショナルデータベース Caché (英語) Objectivity/DB (オージス総研) - Java、C++、Smalltalk のバインディングを提供している Objectivity/DB (英語) GemStone - Smalltalk、Java、C++ のバインディングを提供している Versant - C++、Java のバインディングを提供している Matisse - Post-Relational Database JADE - オブジェクト指向プラットフォームJADE ObjectDB VOSS - Virtual Object Storage System Jeevan オープンソース・商用 [ 編集 ] db4o (英語) - database for objects db4o 製品情報 (日本語、PDF) オープンソース [ 編集 ] GOODS、Post++ for C++、PERST for Java/C#、DyBase for scripting languages Zope/ZODB - Python によるアプリケーションサーバ Zope とオブジェクトデータベース ZODB (Zope Object Database) Ozone Database Project - Javaバインディングを提供している Orient ODBMS - Java、C++ のバインディングを提供している Axiom - Pythonバインディングを提供している 表 話 編 歴 データベースモデル モデル フラットファイルデータベース 階層型データモデル ディメンショナルモデリング ( 英語版 ) データウェアハウス ネットワーク型データモデル 関係モデル 実体関連モデル 拡張 ( 英語版 ) グラフデータベース ( 英語版 ) オブジェクト(指向)データベース エンティティ属性数値(EAV)モデル ( 英語版 ) 他のモデル アソシアティブ(連想)モデル ( 英語版 ) コリレーション(相関)データベース ( 英語版 ) 多次元データベース(OLAP) Array DBMS ( 英語版 ) セマンティックデータモデル ( 英語版 ) スタースキーマ XMLデータベース 実装 フラットファイルデータベース データベース管理システム(DBMS) 列指向DBMS オブジェクト(ODBMS) 関係(RDBMS) オブジェクト関係(ORDBMS) Document-oriented database ( 英語版 ) 演繹的データベース ( 英語版 ) テンポラルデータベース ( 英語版 ) XML-DBMS キーバリュー型データベース トリプルストア ( 英語版 ) 典拠管理データベース : 国立図書館 イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E5%8C%96%E6%8A%80%E6%B3%95
オブジェクトモデル化技法
オブジェクトモデル化技法 (オブジェクトモデルかぎほう、 OMT ; 英 : Object Modeling Technique ) は、 オブジェクト指向ソフトウェア開発方法論 であり、1990年頃に ジェームズ・ランボー 、マイケル・ブラハ、ウィリアム・プレメラニ、フレデリック・エディ、ウィリアム・ローレンセンなどの人々によって開発された。 ジェームズ・ランボーたちは著書『オブジェクト指向方法論OMT モデル化と設計』 (原著は1990年刊、日本語訳は1992年刊) で OMT を説明している。 現在では OMT は、 モデル図の記法は、 Booch法 と オブジェクト指向ソフトウェア工学 (OOSE) を含む他の多くのオブジェクト指向開発方法論とともに、 Object Management Group (OMG) のもとで UML (Unified Modeling Language; 統一モデリング言語) に統合され、 開発手法は、OMTとOOSEとともに、ジェームズ・ランボーが在籍する Rational Software のもとで Unified Process (UP) に統合された。 UMLの策定と Unified Process の開発においては、Rational Software に在籍していた ジェームズ・ランボー 、 グラディ・ブーチ 、 イヴァー・ヤコブソン (この3人は スリーアミーゴス と呼ばれる) などの人々が、大きな役割を果たした。 Rational Software は、Unified Process (UP) をもとにして ラショナル統一プロセス (RUP; Rational Unified Process) を開発した。 Unified Process とラショナル統一プロセスでは、モデル図の記法 (モデリング言語) として UML を採用している。 開発方法 [ 編集 ] 分析 [ 編集 ] オブジェクトモデル図 ( UML の クラス図 に相当する) 状態図 ( 状態遷移図 ) データフロー図 データフロー図の記法 OMT (オブジェクトモデル化技法) においては分析過程に大きな労力を投入する。 問題の最初の記述を書き下ろす、あるいは入手する (問題記述) 。 オブジェクト モデルの構築。 データ辞書 とオブジェクトモデル図を作成する。 動的モデルを作る。 事象トレース図と状態図 ( 状態遷移図 ) を作成する。 機能モデルを作る。 データフロー図 を作成し、制約を文書化する。 3つのモデルを検証し、プロセスを繰り返し、モデルを改良する。 [ 1 ] オブジェクト モデル図では、システムの静的な構造を記述する (システム内のオブジェクト、オブジェクト間の関係、オブジェクトの各 クラス の属性や操作) [ 2 ] 。 状態図には、デヴィッド・ハレルの 状態遷移図 を採用しており、システムの動的な側面を記述する (あるクラスのとりうる複数の状態、状態遷移、状態遷移の契機となる事象) 。 データフロー図には、伝統的な データフロー図 を採用しており、システムの各機能を記述する (入力値からどのようにして計算の出力値が導出されるか) [ 3 ] 。 データフロー図には、データの流れ (データフロー) やデータを扱うプロセスなどを記述する。 設計 [ 編集 ] OMT の設計過程では、システムの高水準の構造について選択を行う。 システムをサブシステムの集まりとして構成する。 問題に内在する本質的な並行性を同定する。 プロセサ と タスク に対してサブシステムを割り当てる。 データ構造 、 ファイル 、 データベース などを用いてデータストア ( 永続化 ) を実装するための基本的な戦略を選ぶ。 広域資源を同定し、それらへのアクセスを制御するメカニズムを決定する。 ソフトウェア の制御構造を実装するためのアプローチを選択する。 トレードオフ の存在する各条件に対し優先順位を設定する。 [ 4 ] 実装 [ 編集 ] OMT では難しい決定判断は既に設計過程で終了しているため、 実装 は機械的かつ直接的に行うことができるとする [ 5 ] 。 ただし実装に際しては、留意すべき指針がある。 再利用性、拡張性、頑健性を高めるための指針、大規模プログラミングにおける注意点 オブジェクト指向プログラミング言語 ( C++ 、 Eiffel 、 Smalltalk ) を使う場合の指針 非オブジェクト指向プログラミング言語 ( C 、 Ada 、 Fortran ) を使う場合の指針 関係データベース ( 関係データベース管理システム 、 SQL ) を使う場合の指針 UMLと Unified Process への統合 [ 編集 ] 1990年代後半に、OMT (オブジェクトモデル化技法) は他の オブジェクト指向ソフトウェア開発方法論 と統合された。 OMT のモデル図の記法は、他の多くのオブジェクト指向開発方法論の考案者たちの意見を採り入れて UML (Unified Modeling Language; 統一モデリング言語) に統合された。 OMT の開発手法は、 Booch法 と OOSE と統合されて Unified Process (UP) となった。 Rational Software は、Unified Process (UP) をもとにして ラショナル統一プロセス (RUP; Rational Unified Process) を開発した。 この統合に至る経緯を述べる。 1990年代前半には、多くの人々が、それぞれ独自のオブジェクト指向開発方法論を提唱していた。 この項目で述べているとおり、 ジェームズ・ランボー たちは OMT を提唱していた。 また イヴァー・ヤコブソン は OOSE (オブジェクト指向ソフトウェア工学) を提唱していた。 グラディ・ブーチ はBooch法を提唱していた。 その他にも多くの人々が、それぞれ独自のオブジェクト指向開発方法論を提唱していた。 これらの開発方法論は、それぞれ固有のモデル図の記法を規定しており、また開発手法もさまざまであった。 この状況のもとでは、とりわけモデル図の記法が開発方法論ごとにばらばらであったことが問題となっていた。 ソフトウェア技術者は、オブジェクト指向で共同作業を行うためもしくはオブジェクト指向の技術書を理解するために、状況に応じて複数のモデル図の記法を習得する必要があった。 それぞれのモデル図の記法で実現しようとしていることは、大ざっぱにいえばほとんど同じであったため、記法が多く存在することによる利点はほとんど無くデメリットが大きかった。 こうした状況のもとで1994年に OMT の提唱者の一人ジェームズ・ランボーが、 ゼネラル・エレクトリック (GE) からグラディ・ブーチの在籍する Rational Software に移籍し、開発方法論を統合する作業に着手した。 さらに1995年には Rational Software は、イヴァー・ヤコブソンが在籍する Objectory AB を買収した。 Rational Software において、ランボーとブーチとヤコブソンはそれぞれの オブジェクト指向ソフトウェア開発方法論 を統合する作業を行った。 Rational Software で開発方法論を統合する作業の過程で、モデル図の記法と開発手法をまとめて統一するのではなく、モデル図の記法の統一と開発手法の統一の2つの作業に分割して作業する方針を採ることになった。 統一したモデル図の記法の名前は UML (Unified Modeling Language; 統一モデリング言語) といい、OMG ( Object Management Group ) のもとで Rational Software は他の企業と共同で開発を引き続き行い、1997年に UML 1.1 として標準化された。OMT のモデル図の概念と記法の多くが UML に引き継がれている。現在の UML の最新版はこの UML 2.0 であり、現在も OMG のもとで開発が進められている。 また、Rational Software のオブジェクト指向ソフトウェア開発手法は Unified Process (UP) として統合された。 Rational Software は、Unified Process (UP) をもとにして ラショナル統一プロセス (RUP; Rational Unified Process) を開発した。 Unified Process とラショナル統一プロセスでは、モデル図の記法 (モデリング言語) として UML を採用している。 現在、UML は情報技術で広く普及している。 ラショナル統一プロセスを含む多くのソフトウェア開発手法で、モデリング言語として採用されている。 ソフトウェア開発で使われる事例、情報技術の技術書で使われる事例が多い。 OMT の分析段階で作成するモデル図の概念と記法の多くが UML (Unified Modeling Language; 統一モデリング言語) に引き継がれている。 オブジェクトモデル図は、UML の クラス図 と良く似ている。 状態図 (デヴィッド・ハレルの 状態遷移図 ) は、UML の状態機械図 (状態遷移図) と良く似ている。 データフロー図 (伝統的な データフロー図 ) に記述する内容は、UML ではアクティビティ図で記述することができる。UML のアクティビティ図は、データフロー図はとあまり似ていないが、オブジェクトフローやコントロールフローを活用することで、データフロー図と同等以上の記述能力をもつ。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ J.ランボーほか (1992) pp.286-287 ^ J.ランボーほか (1992) p.25 ^ J.ランボーほか (1992) p.137 ^ J.ランボーほか (1992) p.287 ^ J.ランボーほか (1992) p.305 参考文献 [ 編集 ] J.ランボー 、M.ブラハ、W.プレメラニ、F.エディ、W.ローレンセン、羽生田栄一ほか訳、『オブジェクト指向方法論OMT モデル化と設計』、トッパン、1992年、 ISBN 978-4810185270 文献案内 [ 編集 ] James Rumbaugh, Michael Blaha, William Premerlani, Frederick Eddy, William Lorensen, Object-Oriented Modeling and Design , Prentice Hall, 1990, ISBN 978-0136298410 J.ランボー 、M.ブラハ、W.プレメラニ、F.エディ、W.ローレンセン、羽生田栄一ほか訳、『オブジェクト指向方法論OMT モデル化と設計』、トッパン、1992年、 ISBN 978-4810185270 J.Rumbaugh, OMT Insights: Perspectives on Modeling from the Journal of Object-Oriented Programming , Cambridge University Press, 1996, ISBN 978-0138469658 M. Blaha, J. Rumbaugh, Object-Oriented Modeling and Design with UML Second Edition , Prentice Hall, 2004, ISBN 978-0131968592
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B9
オープンソース
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "オープンソース" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年3月 ) Netscape のオープンソース化を経て生まれ変わったウェブブラウザの Mozilla Firefox は、オープンソースソフトウェアの代表的な成果物の1つである オープンソース ( 英 : open source )は、専ら オープンコラボレーション を促進する目的で [ 1 ] 、 コンピュータプログラム の 著作権 の一部を放棄し、 ソースコード の自由な利用および頒布を万人に許可する ソフトウェア開発 モデル [ 2 ] 。この開発モデルでは、コンピュータで実行できるが人間が容易に理解・変更できない オブジェクトコード だけでなく、ソースコードも含めて自由な再頒布を許可するライセンスのもとで公開する [ 3 ] 。 オープンソースを推進するために設立された オープンソース・イニシアティブ は、ソフトウェアがオープンソースであるための要件を定めた「 オープンソースの定義 」を策定した [ 4 ] 。 歴史 [ 編集 ] 「オープンソース」という用語が作られる前年、 1997年 当時、「 自由ソフトウェア 」というものに対する経営者や投資家の印象は必ずしも良いものではなかった。1つには、英語圏では「自由ソフトウェア」を表すのに「フリーソフトウェア(free software)」という言葉が使われていたが、「free」という単語には「自由」と「無料」という二つの意味があり、「無償のソフトウェア」という意味と紛らわしかったことや、無償という考え方は営利目的主体のビジネスには馴染まなかったことがある。また1つには、 自由ソフトウェア運動 を進める中心的な存在である フリーソフトウェア財団 が自由ではないソフトウェア( プロプライエタリソフトウェア )に対して攻撃的であったことがある。さらに1つには、フリーソフトウェア財団の「自由ソフトウェア」が掲げていた「コンピュータのプログラマとユーザは、何の制約も受けずにソフトウェア(の ソースコード )を他人と共有できるべきなのである」 [ 5 ] という主張が 共産主義 的だとされた。そのような背景から、「自由ソフトウェア」は営利目的の企業としては関わりたくない対象であった [ 6 ] 。 1998年 2月3日 、 パロアルト において、 マイクロソフト の Internet Explorer との競争でシェアが低下した ネットスケープコミュニケーションズ のブラウザ Netscape Navigator の建て直しの戦略会議が開かれた [ 7 ] 。会議では製品の機能と品質の向上とシェア回復のために、技術者の参加を募集する方法、誰でも開発および供給に参加できる理念について議論していた。そこでソースコードの公開は有意義であるが、自由ソフトウェア運動の急進的な思想は非現実的であり、その極端な思想がビジネスの世界からは拒否されていると考えた人々は [ 8 ] 、「free software」に代わる用語と理念を検討した。そこで「オープンソース」という用語を クリスティン・ピーターソン ( 英語版 ) が提案した [ 9 ] [ 10 ] 。また、「オープンソース」では敢えて自由という点を強調はせず、むしろ「ソースコードを公開するとどういうメリットがあるか」を関心の中心とした。 「オープンソース」は自由ソフトウェア運動をしている ラリー・オーガスティン 、 ジョン・ホール 、サム・オックマン、 マイケル・ティーマン 、 エリック・レイモンド などの会議の参加者に受け入れられた。翌週、エリック・レイモンドたちは用語の展開を働きはじめた [ 7 ] 。 リーナス・トーバルズ は翌日、全ての重要な承認を実施した。フィル・ヒューズは Linux Journal への投稿を提案した。自由ソフトウェア運動の先駆者である リチャード・ストールマン はこの用語を受け入れることを考えたが、後に考えを改めている。 1998年 4月7日 、 ティム・オライリー が開催した多くの自由ソフトウェアとオープンソースのプロジェクトリーダーが参加するフリーウェアサミット(後にオープンソースサミットに名称を変更)で大きく躍進を遂げた [ 11 ] 。会議には、リーナス・トーバルズ、 ラリー・ウォール 、 ブライアン・ベエレンドルフ 、 エリック・オールマン 、 グイド・ヴァンロッサム 、マイケル・ティーマン、エリック・レイモンド、 ポール・ヴィクシー 、そして ネットスケープコミュニケーションズ の ジェイミー・ザウィンスキー が参加した。その会議では名称について混乱を引き起こし、マイケル・ティーマンは新しく「sourceware」を主張し、エリック・レイモンドは「open source」を主張した。集まった開発者たちは投票を行い、同日午後に勝者である「open source」が記者会見で公表された。5日後の 4月12日 、エリック・レイモンドは自由ソフトウェアコミュニティへ新しい用語の「open source」の受け入れの発表をした [ 12 ] 。その後すぐ、同月末に オープンソース・イニシアティブ が設立された。 1999年 6月、アメリカでオープンソース・イニシアティブが「Open Source」の商標登録を求めたが、「Open Source」は一般的な用語であり特定団体が権利を持つ商標にはならないと判断されている [ 13 ] 。これについて、オープンソース・イニシアティブは「Open Source」が一般的な用語として周知されたことを歓迎する立場を取っている。 2002年 3月、日本では オープンソースグループ・ジャパン が「オープンソース/Open Source」を商標登録(第4553488号)している [ 14 ] 。日本での用語の利用に際しては特に許諾や制限は求められないが、オープンソースの定義と同等の扱いで利用されることが望まれている。 オープンソースの定義 [ 編集 ] →詳細は「 オープンソースの定義 」を参照 オープンソース・イニシアティブ (OSI)は オープンソース・ソフトウェア ( 英 : open-source software )の要件として、「 オープンソースの定義 」を掲げている [ 15 ] [ 16 ] 。オープンソースの定義は、ソフトウェアの ソースコード へのアクセスが開かれている(ソースコードが公開されている)ことを示すのではなく、オープンソース・ソフトウェアの配布条件として完全に従うべき事項を示している。オープンソースの定義では、ソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、頒布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることがないことが求められている。 オープンソース・イニシアティブは、「Open Source」という用語の利用は、オープンソースの定義に準拠したものにおいて使用されることを求めている。2007年には SugarCRM が自社のことを「Commercial Open Source」と表現して、オープンソースの定義に準拠していない ソフトウェアライセンス を ソフトウェア に課していたことを非難した [ 17 ] [ 18 ] 。 オープンソース・ソフトウェア [ 編集 ] →詳細は「 オープンソースソフトウェア 」を参照 オープンソース・ソフトウェア ( 英 : open-source software )とは、 オープンソース・イニシアティブ の掲げる オープンソースの定義 に準拠したソフトウェアである [ 15 ] 。 オープンソース・イニシアティブは オープンソースライセンス というライセンスカテゴリを管理しており、そのオープンソースの定義に準拠した ライセンス のみを オープンソースライセンス として承認している。オープンソース・ソフトウェアはオープンソースライセンスが課せられたソフトウェアであると言い換えることが出来る。オープンソースライセンスは ライセンスの氾濫 を防ぐために虚栄心による独自ライセンスや複製ライセンスを承認していないため、オープンソースの定義に準拠しているがオープンソースライセンスと承認されていないライセンス、およびそのライセンスが課せられたオープンソース・ソフトウェアは存在している。基準はオープンソースの定義であり、その定義に準拠したソフトウェアはオープンソース・ソフトウェアである。 オープンソース・ハードウェア [ 編集 ] →「 オープンソースハードウェア 」も参照 オープンソース・ハードウェアのひとつである Arduino Uno オープンソースの概念はソフトウェアにとどまらず、 集積回路 や プリント基板 、 CAD データなどの設計情報を公開し共有するものは オープンソース・ハードウェア と呼ばれる。 その種類は多肢にわたり、 ワンボードマイコン ( Arduino )、 CPU ( OpenRISC 、 OpenSPARC )、3Dプリンター ( RepRap 、 OpenSLS )、 人型ロボット (iCub) [ 19 ] 、 電気自動車 (Open Motors) [ 20 ] [ 21 ] などがある。 ライセンスはソフトウェア用のものや クリエイティブ・コモンズ・ライセンス も使用されるが、ハードウェア用としては TAPR Open Hardware License ( 英語版 ) や CERN Open Hardware Licence ( 英語版 ) がある。 オープンソースライセンス [ 編集 ] OSI 公認ライセンスのロゴ →詳細は「 オープンソースライセンス 」を参照 オープンソースライセンス は、一定の条件の下でソフトウェアの使用、複製、改変、(複製物または二次的著作物の)再頒布を認めている。次の2つの条件はほぼ共通している。 無保証であること オープンソースの性質上、ソフトウェアやその二次的著作物は元の著作者でも制御しきれない形で流通し、元の著作者がそこから直接に利益を得ることは難しい。したがって、ソフトウェアは「有用であるとは思うが無保証である」と謳っている。つまり、著作者は、そのソフトウェアについて、予期した動作をする/しないの保証をしない。また、その動作の結果何らかの損害をもたらしたとしても、それを保障しないと定めている。 著作権 表示を保持すること オープンソースは一定の条件内で自由な利用を認めるものであって、著作権を放棄するものではない。むしろ、「一定の条件」を守らせるための法的根拠は原著作者の著作権に求められる。したがって、多くの ライセンス は適切な形で ソースコード や付属文書に含まれる 著作権表示 を保持し、つまり 二次的著作物 を作った者が自分で0から作ったように偽らないことを定めている。 ソースコードを伴わない バイナリ 形式だけでの配布を認めているライセンスでは、その際にも付属文書に著作権表示を記載するように定めているものもある。 次の条件は、採用しているライセンスと、そうでないライセンスがある。 同一ライセンスの適用 複製や改変物を頒布する際には、必ず元と同じライセンスでの利用を認めるように定めているものがある。 GNU General Public License (GPL) が代表的である。例えば、GPLのソースコードを BSD ライセンス のソースコードと組み合わせて新しいソースコードを作った場合、GPL の規定によって、このソースコードを頒布する際には GPL での利用を認めなければならない(詳細は コピーレフト を参照)。このようなソースコードを利用して、ソースコードを独占する( プロプライエタリ な)ソフトウェアを作成することは難しい。 原著作者の特別な権利 この種の条件は、現在ソースコードを独占的に所有している企業がそれをオープンソース化するに当たって考慮する余地のあるものである。例えば Mozilla のためのライセンスとして作成された MPL では、二次的著作物を頒布する際にはソースコードを公開しなくてはならないが、元々のMozillaの著作権を有していた ネットスケープコミュニケーションズ だけは特別であって、二次的著作物のソースコードを公開しなくてもよい権利をもっている。 用語と概念への批判 [ 編集 ] オープンソースの概念は一定の成功を収め、オープンソースの ソフトウェア開発 の手法と意義の浸透をもたらしたが、自由を強調しないという点は 自由ソフトウェア運動 の支持者からの攻撃の標的となることがある。 1999年 2月17日 、 オープンソース・イニシアティブ の創始者の1人 ブルース・ペレンス はオープンソースが既に成功を収めたこと、そしてオープンソースが 自由ソフトウェア から離れすぎていることを挙げて「今こそ自由ソフトウェアについて再び語るべきときだ」と述べた [ 22 ] 。 2007年 、 フリーソフトウェア財団 の代表 リチャード・ストールマン はオープンソースの概念は自由ソフトウェアが主な目的としている利用者にとって重要な自由を守るに足りえないとして、オープンソースは自由ソフトウェアの的を外していると批判した [ 23 ] 。 またストールマンは 2013年 に、自由ソフトウェア運動が問題視している利用者の自由に対する制限の不当性をオープンソースは問題視していないと述べ、自由ソフトウェアの理念を正しく伝えるため「 OSS (Open Source Software)」ではなく、自由ソフトウェアとオープンソースを複合した用語の「 FLOSS (Free/Libre and Open Source Software)」の利用を推奨した [ 24 ] 。 出典 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Balter, Ben (2014年1月27日). “ Open source, not just software anymore ” (英語). 2023年3月6日閲覧。 ^ “ Open source and proprietary software ” (英語). 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The Document Foundation VideoLAN X.Org Foundation Xiph.Org Foundation XMPP Standards Foundation ( 英語版 ) Software Freedom Conservancy Software in the Public Interest Google Developers Mozilla Foundation Symbian Foundation ライセンス 指針 自由ソフトウェアライセンス オープンソースライセンス Debianフリーソフトウェアガイドライン Microsoft Open Specification Promise 主要例 Apache BSD GPL LGPL MIT MPL CDDL EPL その他 パブリックドメイン CC0 WTFPL コピーレフト 課題 特性上の課題 ライセンスの氾濫 ウイルス性ライセンス 対立と論争 GNU/Linux名称論争 Mozilla関連ソフトウェアのブランド変更 TiVo化 SCO・Linux論争 その他 FOSS 代替用語 フォーキング 自由ソフトウェア運動 The Cathedral and the Bazaar Revolution OS オープンソースソフトウェアとクローズドソースソフトウェアの比較 一覧 オープンソースソフトウェアのカテゴリ OSSホスティングサービスのカテゴリ オープンソースライセンスのカテゴリ コモンズ ポータル プロジェクト 表 話 編 歴 著作権 総説 著作財産権 著作者人格権 著作隣接権 著作者 著作隣接者 実演家 レコード製作者 放送事業者 など 著作権の歴史 著作権の準拠法 権利の内訳 著作財産権 複製権 上演権・演奏権 上映権 公衆送信権 公衆伝達権 口述権 展示権 譲渡権 貸与権 頒布権 ( 出版権 など) 翻案権 翻訳 編曲 マッシュアップ 映画化 など 二次的著作物の利用権 著作者人格権 公表権 氏名表示権 同一性保持権 名誉声望保持権 出版権廃絶請求権 修正増減請求権 著作隣接権 原盤権 録音権 録画権 著作物 アイディア・表現二分論 二次的著作物 集合著作物 共同著作物 職務著作 孤児著作物 映画の著作物 権利保護 著作権の保護期間 世界各国の著作権保護期間の一覧 スリーステップテスト パブリックドメイン 戦時加算 (著作権法) 著作権の形式的手続 (方式主義) 著作権表示 著作権マーク 著作権の登録制度 デジタル著作権管理 (DRM) アクセスコントロール コピーガード 著作物の利用と 著作権侵害 フェアユース (公正利用) パロディ コピーレフト オープンソース 自由利用マーク リバースエンジニアリング 脱獄 非親告罪化 組織 WIPO UNESCO 著作権管理団体 知的財産権のポータル カテゴリ 表 話 編 歴 ソフトウェアディストリビューション(ソフトウェア配布) ライセンス パブリックドメイン 自由(フリー) オープンソース FLOSS(自由かつオープンソース) ソースアベイラブル(ソース入手可能) シェアードソース プロプライエタリ ビールウェア Freely redistributable(自由に再配布可能) ( 英語版 ) 収入形態 ( 英語版 ) アドウェア(広告付) ドネーションウェア(寄付) フリーミアム(高度機能は有料) フリーウェア(無料提供) 商用 Nagware(購入を求めるメッセージ) ( 英語版 ) ポストカードウェア(葉書) シェアウェア(継続は対価) 望むだけ支払う方式 販売方法 市販 ( パッケージ ) デジタル配信 オンプレミス プリインストール バンドル SaaS 害意・不正 マルウェア ワーム トロイの木馬 スパイウェア スケアウェア ベーパーウェア サポート状況 アバンダンウェア 関連項目 アクティベーション ショベルウェア ソフトウェアの肥大化 カテゴリ 表 話 編 歴 知的財産権 改革運動 問題 · 議論 著作権侵害 知的財産への社会的見解 ( 英語版 ) 特許への社会的見解 ( 英語版 ) デジタル著作権管理 批判サイト ( 英語版 ) 音楽の著作権侵害史 ( 英語版 ) マッシュアップ 権利の所在が不明な著作物 パブリックドメイン ソフトウェア特許論争 パテント・トロール 概念 All rights reversed コピーレフト コピーレフト著作物の商用利用 ( 英語版 ) 共有財に基づいた協働生産 ( 英語版 ) フェアユース フリーコンテント 自由ソフトウェアライセンス 情報アナキズム ( 英語版 ) 自由論者による知的財産への見解 ( 英語版 ) オープンコンテント オープンデザイン ( 英語版 ) オープンミュージックモデル ( 英語版 ) オープンパテント ( 英語版 ) オープンソースハードウェア オープンソースソフトウェア 継承 運動 知識へのアクセス運動 反著作権 ( 英語版 ) 文化的環境保護主義 ( 英語版 ) フリーカルチャー運動 自由ソフトウェア運動 団体 クリエイティブ・コモンズ 電子フロンティア財団 フリーソフトウェア財団 パイレート・ベイ Piratbyrån ( 英語版 ) 海賊党 Open Rights Group インターネットユーザー協会 Students for Free Culture ( 英語版 ) Sci-Hub ドキュメンタリー Steal This Film ( 英語版 ) (2006年、2007年) GOOD COPY BAD COPY (2007年) RiP! リミックス宣言 ( 英語版 ) (2008年) 表 話 編 歴 フリーカルチャー と オープンコンテント 概念 オープンアクセス オープンコンテント オープンコミュニケーション ( 英語版 ) オープンデータ オープンデザイン ( 英語版 ) オープンエデュケーション ( 英語版 ) オープンガバメント ( 英語版 ) オープンハードウェア オープンイノベーション オープンナレッジ ( 英語版 ) オープンパテント ( 英語版 ) オープンリサーチ ( 英語版 ) オープンサイエンス オープンソースソフトウェア オープンソースガバナンス ( 英語版 ) オープンソースジャーナリズム ( 英語版 ) オープン標準 ツール FLOSS オープン教育リソース オープン音楽モデル ( 英語版 ) オープンノートブックサイエンス ( 英語版 ) オープンピアビュー ( 英語版 ) 関連団体 クリエイティブ・コモンズ フリーソフトウェア財団 オープンナレッジ財団 ( 英語版 ) Open Rights Group Public Library of Science SPARC 関連人物 ジョン・ウィルバンクス ( 英語版 ) ローレンス・レッシグ ピーター・マレー・ラスト ( 英語版 ) ピーター・サバー ( 英語版 ) リチャード・ストールマン ティム・バーナーズ=リー プロジェクト クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 自由文化作品の定義 自由ソフトウェア運動 表 話 編 歴 自主制作物 ( 英語版 ) 読物 オルタナティヴ・コミック オルタナティブ・マンガ ( 英語版 ) ファン雑誌 ( 英語版 ) ウェブコミック 事業 ウェブトゥーン ミニコミック ( 英語版 ) コピー本 ミニコミック協同組合 ( 英語版 ) 同人誌 集会 印刷所 ショップ 自家出版 ( 英語版 ) スモールプレス ( 英語版 ) Amateur press association ( 英語版 ) 音声 インディーズ インディーズレーベル ネットレーベル フリーミュージックレーベル ( 英語版 ) 自主ラジオ ( 英語版 ) 放送局 海賊放送 カセット文化 ( 英語版 ) 同人 音楽 Lo-fiミュージック モジュール・ファイル ( 英語版 ) ポッドセーフ ( 英語版 ) アンダーグランド・ミュージック ( 英語版 ) 楽器 サーキットベンディング 実験楽器 ( 英語版 ) 映像 アマチュア ホームムービー ( 英語版 ) アマチュア映画 アマチュアポルノ ( 英語版 ) ファンフィルム ( 英語版 ) マシニマ プロ 自主制作アニメ シネマ・オブ・トランスグレッション ( 英語版 ) 自主映画 エクスプロイテーション映画 ゲリラ映画 ( 英語版 ) B級映画 B級映画(ハリウッド黄金期) ( 英語版 ) 1950年代のB級映画 ( 英語版 ) B級映画(開拓ブーム) ( 英語版 ) 1980年代以降のB級映画 ( 英語版 ) Z movie ミッドナイトムービー 低予算映画 ( 英語版 ) 無予算映画 ( 英語版 ) ノーウェイブ・シネマ ( 英語版 ) 二本立て興行 ソフトウェア カウボーイコーディング ( 英語版 ) デモシーン 自由ソフトウェア オープンソースソフトウェア クラッキング 非公式パッチ ( 英語版 ) ワレズシーン ( 英語版 ) ビデオゲーム インディーゲーム ホームブルー(ビデオゲーム) ( 英語版 ) ファンゲーム 同人 ソフト Mod フリーゲーム ROMハック ( 英語版 ) 飲食物 自主制作ソフトドリンク ( 英語版 ) ホームブルーイング マイクロブルワリー その他 インディーズアート ( 英語版 ) ヴァナキュラーフォトグラフィ ( 英語版 ) メールアート ( 英語版 ) 素朴派 アウトサイダー・アート ビジョナリーエンバイロメント ( 英語版 ) 自主制作RPG ( 英語版 ) 自主制作サーキット ( 英語版 ) 独立テレビ放送局 一般 インディーズデザイン運動 ( 英語版 ) DIY 同人 Make(雑誌) ( 英語版 ) Maker Faire ( 英語版 ) ソーシャル・ピアトゥーピア・プロセス ( 英語版 ) 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89
オペコード
オペコード ( 英 : opcodeあるいはOpCodeあるいはoperation code ) は、操作(operation)に関する命令のコードという意味で、具体的には プロセッサ に与える、操作に関する(機械語の)命令の識別番号 [ 1 ] 。操作対象を示すオペランドと対比される。 (機械語に限らず)操作に関する命令のコード。やはり操作対象を示すオペランドと対比される。 アセンブリ言語 や仮想機械などの用語として用いられる。 操作(operation)に関する 命令 のコード(code) だからオペレーションコード(operation code)と呼ばれ、通常は略してオペコード(opcode, OpCode)と呼ばれている。 機械語のオペコード [ 編集 ] 機械語 関連の用語としては、操作命令の識別番号である。 例えば、 Intel 8086 の「指定された レジスタ の値を、指定された メモリ番地 に書き込め」という命令に割り当てられたオペコードは 二進 表記(ビット列)では「10001000」であり、 16進 表記では「0x88」であり、十進表記では「136」である [ 1 ] 。8086のオペコードの一覧表はこちら [1] に掲載されている。 各 CPU ごとに、命令セットアーキテクチャ(ISA:Instruction Set Architecture)が定められており、その中でオペレーションコードが定められている [ 1 ] 。 オペコードの多くは、操作対象のデータを示すオペランド( 被演算子 )と組み合わせて使う。 喩えるなら、オペコードは 数式 における 演算子 のようなものであり、一方、オペランドは数のようなものである。演算子は基本的には数と組み合わせて使うように、オペコードは基本的にはオペランドと組み合わせて使う。 ただし、オペコードの中には 暗黙的 なオペランドを持つものもある。 オペコードが示す操作命令は、主には レジスタ 、 コールスタック 、他の メモリ などへデータを書き込む命令である。 I/O ポートに関する命令もある。 アドレッシングモード を利用して指定されアクセスされる。また CPUID のような特別な命令や、 算術 、データコピー、 論理演算 の命令や、プログラム制御命令( 分岐命令 など)もある。 命令セットアーキテクチャとの関係 [ 編集 ] 機械語命令の仕様やフォーマットは当該 プロセッサ ( CPU や GPU ) の《 命令セット アーキテクチャ》 (instruction set architecture, ISA) 内で定められる。オペコードの多くは オペランド (操作対象のデータ)と組み合わせて使う。 オペコードとオペランドは、もともとは x86 のもののように、長さが変化する複雑な構造のものが一般的だったが、その後、ほぼ固定された構造で少数のバリエーションのみを持つもの(いわゆる RISC など)も登場した。 [ 2 ] →「 コンピュータ・アーキテクチャ 」も参照 アセンブリ言語のオペコード [ 編集 ] アセンブリ言語 はニーモニックで記述されるが、ニーモニックのうち操作に関する命令を示すものはやはりopcode(オペコード)と呼ばれる [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] 。やはりオペランド(操作対象を示すコード)と対比される。 仮想機械におけるオペコード [ 編集 ] ソフトウェアで実装されたいわゆる 仮想機械 や 抽象機械 にもオペコードは存在する。具体的には、いわゆる バイトコード やその他の 中間表現 の中にある。これらのコードは、しばしば相当するハードウェアより高い水準の データ型 と操作をおこなう命令セットに基づいているが、それでも類似のラインに沿って構築される。たとえば Java仮想マシン (JVM) により解釈される Javaクラスファイル のバイトコード、 Emacs のコンパイルされた Emacs Lisp バイトコード、.NET 共通中間言語 (CIL) 、そして多くの他のコードなどがある。 [ 6 ] 関連項目 [ 編集 ] en:Illegal opcode en:Opcode database 脚注 [ 編集 ] ^ a b c IT用語辞典、e-word【オペコード】 ^ Machine Language For Beginners - Introduction ^ IBMのドキュメント, opcodes in assembler ^ Assembly Language Opcodes ^ Intel 80x86 Assembly Language OpCodes ^ bytecode Definition
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
カーゴ・カルト・プログラミング
カーゴ・カルト・プログラミング ( 英 : Cargo cult programming )とは、コンピューター プログラミング において、実際の目的には必要のないコードやプログラム構造が儀式的に含められているという状態で特徴づけられる悪習である。カーゴ・カルト・プログラミングは、 プログラマ が、自身が解決しようとしている課題や バグ 、明らかな解決策を理解していないことを示す兆候である( ショットガン・デバッギング ( 英語版 ) や ブードゥー・プログラミング ( 英語版 ) も参照) [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] カーゴ・カルト・プログラミングは、目の前の問題について経験の浅いプログラマが、他の場所にあるプログラムコードを、その仕組みや、それが本当に必要かどうかを理解することなしに、別の場所にコピーするときに生じうる。 また、他の場所で見つけてきた設計手法や コーディングスタイル を、それが生まれた背景理由などを理解しないまま盲目的に適用した結果にも見ることができる。例えば、ひと目見れば分かるようなコードに不要な コメント を加えたり、あるプログラミングパラダイムの慣習に過度に固執したり、プログラミング言語が暗黙に行う解放処理などを手動で実行したり、などが挙げられる。 カーゴ・カルト という語句は、元々は 第二次世界大戦 後の南太平洋で見られた先住民の宗教に由来している。これらの人々は、戦時中素晴らしい積荷をもたらしてくれた神のような飛行機を呼び出そうと、一心不乱に精巧な飛行機の模型や滑走路を作り上げた [ 2 ] [ 3 ] 。コンピュータプログラミングにおいてこの語句が使用されるようになったのは、おそらく リチャード・P・ファインマン の カーゴ・カルト・サイエンス ( 英語版 ) から派生したものと考えられる [ 3 ] [ 4 ] 。 カーゴ・カルト・ソフトウェア工学 [ 編集 ] この節の 加筆 が望まれています。 関連する ソフトウェア工学 の用語として、 スティーブ・マコネル の作成した カーゴ・カルト・ソフトウェア工学 が存在する。 マコネルは、ソフトウェア開発集団が、 ソフトウェア開発工程 を猿真似的にそのままか、あるいは長い時間と無給の残業を義務付けることにより(ソフトウェア開発者たちが彼らのプロジェクトが成功するのをみるのに多大な時間とエネルギーを費やす)コミットメント指向の開発アプローチを模倣しようとすることのどちらかによって、より成功している開発集団の真似をしようとしてしまう事例について説明している。しかし、成功した企業ではこれらは成功の原因ではなく高いモチベーションの結果である可能性がある。 どちらの場合でも、マコネルは、採用する開発手法にかかわらず、プロジェクトが成功するか否かは究極的には能力が決定すると主張する。さらに彼は不適格な(単に成功している開発組織の形式だけ真似しているに過ぎない)「詐称組織」は、彼の言う「カーゴ・カルト・ソフトウェア工学」に実際時間を費やしているという。 [ 3 ] 関連項目 [ 編集 ] 呪術的思考 コピー・アンド・ペースト・プログラミング ( 英語版 ) 参考文献 [ 編集 ] ^ Eric S. Raymond (1996). The New Hacker's Dictionary . MIT Press. ISBN 0262680920 . ^ Dr. Nikolai Bezroukov. “ Cargo Cult Programming article ”. Softpanorama (slightly skeptical) Open Source Software Education Society. 2008年3月25日閲覧。 ^ a b c From the Editor (March/April 2000). “ Cargo Cult Software Engineering ”. IEEE Software ( 英語版 ) . 2008年5月24日閲覧。 ^ “ Definition of cargo cult programming ”. Jargon File at jargon.net. 2008年3月25日閲覧。 この記事は パブリックドメイン である ジャーゴンファイル に由来する文章を含んでいます。 関連文献 [ 編集 ] Surely You're Joking, Mr. Feynman! , Richard Feynman, W. W. Norton & Co, New York, 1985, ISBN 0-393-01921-7 . One of the chapters is the transcript of a 1974 Caltech commencement address, which contained the coining of " Cargo cult science ( 英語版 ) ". Cargo Cult Science, by Richard P. Feynman . Article based on his 1974 Caltech Commencement address, with pictures, as originally published in Engineering and Science , Volume 37:7, June 1974. Digitized version from Caltech Library, retrieved June 20, 2007
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https://ja.wikipedia.org/wiki/Extensible_Markup_Language
XML
「 .xml 」はこの項目へ 転送 されています。その他のファイル形式については「 Category:XMLベースの技術 」をご覧ください。 Extensible Markup Language 拡張子 .xml MIMEタイプ application/xml UTI public.xml 開発者 World Wide Web Consortium (W3C) 初版 1998年 (27年前) ( 1998 ) 種別 マークアップ言語 派生元 Standard Generalized Markup Language (SGML) 拡張 XHTML 、 DocBook 、 RSS 、 ebXML 、 ... 国際標準 1.0 (Fifth Edition) 1.1 (Second Edition) Extensible Markup Language (エクステンシブル マークアップ ランゲージ)は、基本的な 構文 規則を共通とすることで、任意の用途向けの 言語 に拡張することを容易としたことが特徴の マークアップ言語 の総称である。一般的に XML (エックスエムエル)と略称で呼ばれる。 JIS による訳語は「 拡張可能なマーク付け言語 」と定義している。XML文書のフォーマットをあらかじめ統一することで、異種プラットフォーム間での情報交換も可能となる。 SGML からの移行を目的として開発された。 文法 はSGMLの構文解析器と互換性を保つようにSGMLのサブセットに定められシンプルになり、機能はSGMLに無いものが追加されている。 XML の仕様は、 World Wide Web Consortium (W3C) により策定・勧告されている。1998年2月に XML 1.0 が勧告された。2010年4月現在、XML 1.0 と XML 1.1 の2つのバージョンが勧告されている( #バージョン )。 ちなみに、「e X tensible M arkup L anguage の略である」と書かれることがあるが、これは間違いであり、 X は Ex の発音を表している [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 基礎的概念と利用目的 [ 編集 ] XMLは、個別の目的に応じたマークアップ言語を定めるための汎用的言語であり、「タグの入れ子」式の構文が拡張性を容易にするとして「extensible」を謳っている。 データ構造としては 木構造 になるため、巡回があるような ネットワーク構造 を直接扱うことはできない( XLink などの提案がある)。 XMLの最も重要な目的は、異なる 情報システム の間で構造化された文書や構造化されたデータの共有を容易にすることである [ 2 ] 。 HTMLとXMLの違い [ 編集 ] Webページを記述するマークアップ言語である HTML は、XMLと文法がよく似ている。これはどちらもSGMLが元になっているためである。 HTMLが特定目的のための言語であるのに対し、XMLはHTMLのような特定目的のための言語を新たに定めるための仕組みであり、タグを定義する事でXMLベースのマークアップ言語を定義することができる。実際、HTMLと同等の機能をXMLによって定義した XHTML が開発されている。 XMLを基盤とするマークアップ言語とスキーマ言語 [ 編集 ] XMLで文書の論理的構造を規定する制約を追加することによって、XMLを適用したマークアップ言語を 実装 できる。XMLを適用したマークアップ言語は非常に多く存在している ( #XMLの応用 の節を参照)。例えば、 Extensible HyperText Markup Language (XHTML) [ 注 1 ] 、 DocBook 、 RSS 、 Mathematical Markup Language (MathML)、 ebXML 、 Scalable Vector Graphics (SVG)、 MusicXML などがある。さらにXMLは、そういった個別のXMLについての構文規則を示すための スキーマ言語 も用意している。スキーマ自体もXMLの XML Schema の他、XMLではない記法でとても簡潔に大変わかりやすく書ける、Compact Syntaxも用意されている RELAX NG もある。 オープンな仕様 [ 編集 ] XMLは、同じく汎用的に使えるマークアップ言語である Standard Generalized Markup Language (SGML) の、簡素化されたサブセットとして、人間にとっても比較的判読しやすいように設計された ( #歴史 を参照)。XMLの仕様は、XMLワーキンググループなどにより設計が行われ、World Wide Web Consortium (W3C) により勧告 (策定) されている。XMLは無償で使える オープン標準 の技術である。XML仕様のW3C勧告ではXMLの文法とXMLプロセサ ( XMLパーサ 、XML文書の 構文解析器 ) のための要件を定めている。 1998年 2月に XML 1.0 が勧告され、2004年2月に XML 1.1 が勧告された( #バージョン 参照)。 正当性水準について [ 編集 ] XML文書の正当性の水準には、整形式XML文書と妥当なXML文書の、2つの水準がある ( #整形式XML文書と妥当なXML文書 を参照)。XML文書のマークアップ規則に従って記述されていることだけが問題とされる文脈で、スキーマ言語を使わずに、XML文書のマークアップ規則に従って記述された文書を、「整形式XML文書」 (well-formed XML document) という ( #XMLの構文と整形式XML文書 を参照)。さらに、XML文書をより厳密に構造化した文書やデータとして扱いたい場合は、XML文書の構造を スキーマ言語 によって定義することができ、XMLプロセサでそのXML文書(XMLインスタンス)に対してその文書構造に従っていることを検証する(妥当性検証を行う)というように、XML技術を使うこともできる ( #XML文書の論理的構造と妥当なXML文書 を参照)。 XML文書に対して妥当性検証を行うことにより、従来 アプリケーションソフトウェア で行ってきた、XML文書の構造の検査や、XML文書に含まれるデータに対する データ型 のチェックや値の範囲のチェックが、可能となる。スキーマ言語としては Document Type Definition (DTD、文書型定義)、W3C XML Schema、RELAX NG ( 文書スキーマ定義言語 : DSDL)などがある。XML文書の構造がスキーマ言語によって定義され、XML文書の妥当性を検証する ソフトウェア によって妥当性が検証されたXML文書のことを「妥当なXML文書」 (valid XML document) という。整形式XML文書は、妥当なXML文書である場合と、妥当なXML文書ではない場合とがある。スキーマ言語を採用して妥当性検証を行う方法でXMLを使うこともできるし、スキーマ言語を採用せず妥当性検証を行わないで手軽にXMLを使うこともできる。 幅広い人間言語のサポート [ 編集 ] XML勧告では、XMLプロセサがサポートすべき 文字符号化方式 ( 文字コード )として UTF-8 と UTF-16 ( Unicode ) を定めているため、英語以外の言語も扱いやすくなっている ( #多言語環境で使う を参照)。また、UTF-8とUTF-16以外の文字コード( UCS-4 、 EUC-JP 、 Shift_JIS 、 EBCDIC など)を用いることも可能である [ 注 2 ] 。 補完技術 [ 編集 ] XMLだけでは最低限の書式しか決められていないため、XMLの力を引き出す各種の関連技術が別途標準化されている ( #XMLの拡張 および #XML文書をプログラムで処理する 、 #XML文書を視覚的に表示する 、 #XML情報集合 を参照)。 以下に挙げるものをはじめとして、現在も多くの関連技術の標準化作業が行われている。 プログラム からXML文書を処理する方法として、 Document Object Model (DOM) や Simple API for XML (SAX) などの アプリケーションプログラミングインタフェース (API) が標準化されている [ 注 3 ] 。 XML文書のスタイルを指定する技術( スタイルシート )として Extensible Stylesheet Language (XSL) や Cascading Style Sheets (CSS) などがある。 XML文書を非 テキスト 形式( バイナリ )で効率的に表現する方法として、World Wide Web Consortium (W3C) は Efficient XML Interchange (EXI) フォーマットを定義した。 XMLの普及とXMLへの批評 [ 編集 ] XMLは現在、広く普及している技術であるが、その技術的な有用性などについて、肯定的に評価する人々が多い一方で、批判的に評価する人々も多い ( #XMLに対する支持と批判 を参照)。 整形式XML文書と妥当なXML文書 [ 編集 ] XML文書の正当性の水準には、整形式XML文書と妥当なXML文書の、2つの水準がある。なおXML文書に対して、整形式XML文書としての検査のみを行うXMLプロセサを 非検証XMLプロセサ といい、整形式XML文書としての検査に加えて妥当なXML文書としての検査を行うXMLプロセサを 検証XMLプロセサ という。 整形式XML文書 整形式XML文書 (well-formed XML document) は、XMLの構文の規則のすべてに準拠している。例えば、文書中のある要素が開始タグが有るが対応する終了タグが欠落している場合、その文書は 整形式 (well-formed) ではない。整形式ではない文書はXML文書とはみなされない。非検証XMLプロセサおよび検証XMLプロセサは、整形式ではない文書を処理することはできない (処理を試みるとエラーになる)。 妥当なXML文書 妥当なXML文書 (valid XML document) は、整形式XML文書としての条件を満たしていることに加えて、文書の論理的構造を規定する何らかの規則に準拠している。このような規則は、RELAX NG や XML Schema、Document Type Definition (DTD、文書型定義) などの スキーマ言語 で定義されたスキーマで定める。例えば、あるXML文書がスキーマに定義されていない要素 (タグ) を含んでいた場合、検証XMLプロセサは、そのXML文書を処理することはできない。検証XMLプロセサによって検証されたXML文書は、 妥当 (valid) であると位置づけられる。なお、妥当な文書であっても、非検証XMLプロセサでは 実体 の定義を確認しないため、仕様で定められている実体参照(&lt;、&gt;など)以外の私的な実体参照を用いている場合、非検証XMLプロセサは当該実体を参照できず致命的なエラーとなる。 XMLの構文と整形式XML文書 [ 編集 ] 整形式XML文書が満たすべき構文の規則を説明する。 整形式XML文書としての条件が満たされることのみを考慮する場合 (スキーマ言語を使わずに手軽にXMLを使う場合) においても、XMLは、大量の文書やもしくは 木構造 として表現することができるデータを格納するための、一般的な枠組みとしての役割を果たすことができる。 XML文書は、 要素 (element) と 属性 (attribute) が複数集まって、構成されている。 要素は内部に子要素を含むことができる。属性は要素に付随し、属性の内部に子要素を含むことはできない。要素は開始タグと終了タグで内容を挟むことで表現する。 開始タグは「<要素名>」、終了タグは「</要素名>」で記述する。 一つの要素を記述するための基本的な構文を次に示す。 <要素名 属性= "値" > 内容 </要素名> ここで、<要素名 属性="値"> をこの要素の開始タグといい、</要素名> を終了タグという。「内容」は何らかのテキストである。 次に示す例は整形式XML文書である。 <書籍 出版日= "2007-10-31" > これは書籍です.... </書籍> この例は、書籍という要素を一つもつXML文書である。 <書籍> が書籍要素の開始タグであり、</書籍> が書籍要素の終了タグである。「出版日="2007-10-31"」は書籍要素の属性である。この属性の名前 (属性名) は「出版日」であり、この属性の値 (属性値) は "2007-10-31" である。「これは書籍です.... 」は、書籍要素の内容である。 要素の内容を構成するテキストはまた、さらに任意の数の要素を含むことができる (なお、このように一つの要素内に文字列データと子要素が混在するものを、「混合内容」と呼ぶ [ 注 4 ] )。 すなわち、一般的なXML文書は 木構造 をなす。 この点において、XMLは プログラミング言語 LISP の S式 と似ている。 S式でも木構造を記述する。S式の木構造のおのおのの節は、自分自身のプロパティリストをもつことができる。 要素は内部に別の要素を含むことができる。構造化したXML文書の例を示す。 <レシピ 名前= "パン" 準備時間= "5分" 調理時間= "3時間" > <料理> 基本的なパン </料理> <材料 量= '3' 単位= 'カップ' > 小麦粉 </材料> <材料 量= '0.25' 単位= 'オンス' > イースト </材料> <材料 量= '1.5' 単位= 'カップ' 状態= "温かい" > 水 </材料> <材料 量= "1" 単位= "ティースプーン" > 食塩 </材料> <要領> <手順> 全ての材料を一緒にして混ぜます。 </手順> <手順> 十分にこねます。 </手順> <手順> 布で覆い、暖かい部屋で1時間そのままにしておきます。 </手順> <手順> もう一度こねます。 </手順> <手順> パン焼きの容器に入れます </手順> <手順> 布で覆い、暖かい部屋で1時間そのままにしておきます。 </手順> <手順> オーブンに入れて温度を180℃にして30分間焼きます。 </手順> </要領> </レシピ> 要素の属性の値は、必ずシングルクォート (') かダブルクォート (") で括らなければならない。そして要素内にある属性は、互いに属性名が異なっていなければならない。XML文書では要素は正しく入れ子になっていなければならない。要素は決してオーバーラップしていてはならない。 例えば、次の文書は整形式XML文書ではない。なぜなら 書名 要素と 著者 要素がオーバーラップしているからである。 <!-- 正しくありません! 整形式XML文書ではありません! --> <書籍目録> <書名> XML入門 <著者> 筒井 <書名> 続・XML入門 <著者> 小松 </書名></著者></書名></著者> </書籍目録> 次の2つの文書は整形式XML文書である。 <!-- 正しい整形式XML文書です --> <書籍目録> <書名> XML入門 </書名> <著者> 筒井 </著者> <書名> 続・XML入門 </書名> <著者> 小松 </著者> </書籍目録> <!-- もう一つの正しい整形式XML文書です --> <書籍目録> <書名> XML入門 </書名> <著者> 筒井 <書名> 続・XML入門 <著者> 小松 </著者></書名></著者> </書籍目録> 整形式XML文書においては、XML文書は正確に一つの ルート要素 ( 文書要素 ; document element とも呼ばれる) をもたなければならない。ルート要素とは、XML文書の要素の階層構造において最上位の要素のことをいう。最上位の要素は一つでなければならない。最上位の要素が複数ある文書は、整形式XML文書ではない。 整形式XML文書が一つのルート要素をもたなければならないという条件が意味することは、整形式XML文書のテキストは、ルート要素の開始タグと対応する終了タグの間に、収められなければならないということである。ルート要素の開始タグと終了タグの間に収められたテキストは、任意の数の要素や文字列データを含むことができる。 ルート要素の前に、必要に応じて、 XML宣言 (XML declaration) をおくことができる。このXML宣言は、XMLのどのバージョンが使われているか (現時点ではバージョン1.0であることが多い) などを示す。XML宣言では、XMLのバージョンの他に、 文字符号化方式 ( 文字コード ) の指定や、他のXML文書との依存関係についての指定を、行うこともできる。 XML文書の文字符号化方式が UTF-8 か UTF-16 の場合は、XML宣言をおいてもよいし、XML宣言をおかなくてもよい。 XML文書の文字符号化方式がUTF-8でもUTF-16でもない場合は、XML宣言をおいて文字符号化方式を明示する必要がある。 XML宣言を含んだXML文書の例を示す。 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <書籍 出版日= "2007-10-31" > これは書籍です.... </書籍> XML仕様では、 XMLプロセサ ( XMLパーサ 、XML文書の 構文解析器 ) が、 Unicode の文字符号化方式である UTF-8 および UTF-16 で記述されたXML文書を処理できることを、 必須 条件としている ( UCS-4 は必須条件ではない)。XMLプロセサは、UTF-8およびUTF-16の他にも、いくつかの任意の文字符号化方式の文書を処理できるようにして良い。例えば、 UCS-4 、 EUC-JP 、 Shift_JIS 、 EBCDIC などの文字符号化方式の文書を処理できるXMLプロセサが、広く普及し、使われている。 コメント はXML文書の木構造のどこにでもおくことができる。 コメントは、"<!--" で始まり、"-->" で終わる。 なお、コメント内に "--" を含むことはできない。 コメントを含むXML文書の例を示す。 <書籍 出版日= "2007-10-31" > <!-- これはコメントです.... --> これは書籍です.... </書籍> 内容のない要素を 空要素 (empty element) という。XMLでは、空要素を表現するために特別な構文を使うことができる。開始タグを書きその直後に終了タグを書くこともできるが、その代わりに空要素のタグを使うことができるのである。空要素タグは開始タグと似ているが、閉じ括弧の直前にスラッシュをおく。 次の3つの例は、XMLでは同等である。 <foo></foo> <foo/> <foo /> 空要素タグは属性を含むことができる。 <情報 著者= "小松左京" 分類= "サイエンスフィクション" 日付= "2009-01-01" /> 多言語環境で使う [ 編集 ] XML文書ではどの Unicode の文字も (XMLで特別な意味をもつ、開き山括弧 "<" のような文字を除いて)、要素名として、属性名として、コメント内容として、文字データとして、 処理命令 (後述) として、直接に使うことができる。このため、 漢字 と キリル文字 を共に含む次の文書も、整形式XML文書である。 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <俄語> Данные </俄語> 文書型宣言 [ 編集 ] XML文書 (あるいは SGML 文書、 HTML ウェブページ を含む) において、 文書型宣言 ( DOCTYPE宣言 、Document Type Declaration) は、その文書を特定の Document Type Definition(DTD、文書型定義) のスキーマと関連づけることを記述するものである。なお、Document Type Definition (DTD、文書型定義)は、XMLで使うことができる スキーマ言語 の一つである。文書型宣言は、その文書が特定のスキーマに準拠していることを宣言する。 XML文書では文書型宣言を記述してもよいし、記述しなくてもよい。DTDをスキーマ言語として妥当性検証を行うことを想定しているのであれば、文書型宣言の記述は必須となるであろう。DTDで妥当性検証を行わない場合でも、後述する 実体参照 などを文書中で使うのであれば、文書型宣言において文書中で使う実体を宣言することができる。 文書型宣言は、その文書が特定のスキーマに準拠していること (妥当なXML文書であること) を、保証しているわけではない。文書型宣言に記されたスキーマに準拠しているかどうかを判断するには、検証XMLプロセサでその文書を検証する必要がある。 文書型宣言の一般的な構文は次のとおりである。 <!DOCTYPE ルート要素名 [SYSTEM もしくは PUBLIC 公開識別子] 外部サブセット参照 [ <!-- 随意に内部サブセットを記述する --> ]> ここで 外部サブセット とは、そのXML文書のDTDを構成する (要素の型の宣言、後述する実体の宣言などの) 宣言群のうち、別ファイルに記述された宣言群のことである。また 内部サブセット とは、そのXML文書のDTDを構成する宣言群のうち、文書型宣言内に直接記述された宣言群のことである [ 3 ] 。 XHTML 1.0 Strict に準拠したXML文書での文書型宣言は、次のとおりである。 <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" " http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd "> XML文書においては、ルート要素がその文書の最初の要素である (例えば、XHTMLではルート要素は html である)。 SYSTEM キーワードと PUBLIC キーワードは、その文書型 (文書の構造) の種類を指定する。一般に広く知られていないDTDを使う場合は、 SYSTEM キーワードを使う。一般に広く知られているDTDを使う場合 (XHTMLなど) は、 PUBLIC キーワードを使う。 SYSTEM キーワードを使う際は、その後に続けて、その文書が準拠するDTDのファイルの URI を、外部サブセット参照として記述する。 PUBLIC キーワードを使う際は、その後に続けて、その文書が準拠するDTDの公開識別子 (public identifier) を指定しなければならない (例えば XHTML 1.0 の公開識別子は、"-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" である)。公開識別子を記述した後に続けて、SYSTEM キーワードを使う場合と同様に、その文書が準拠するDTDのファイルのURIを、外部サブセット参照として記述する。 内部サブセットは必要に応じて記述する。 内部サブセットとして、DTDの一部分もしくはDTDの全体を記述することができる。 なお、内部サブセットとしてDTDの全体を記述する場合は、 SYSTEM キーワード・ PUBLIC キーワード・外部サブセット参照は、いずれも記述しない。 実体参照 [ 編集 ] 実体参照 (entity reference) は、実体を表現するプレースホルダである。 XMLにおける 実体 (entity) とは、 SGML における実体と同じように、名前の付けられたデータの本体である。具体的には、ファイルもしくは置換文字列のように、何らかの形でXML文書の一部となるデータを格納しているもののことである [ 4 ] 。置換文字列を使う事例としては、次のような場合がある。 キーボードから簡単には入力できない文字をXML文書中に表現したい場合。 決まった単語の並びがXML文書中に何度も出現する場合。 実体参照の構成は、まず最初に アンパサンド (" & ") があり、その後に実体の名前が続き、 セミコロン (" ; ") で終わる。 XMLには、事前宣言された実体として次の表に示す5つの実体がある。 実体参照 実体 実体の説明 &amp; & アンパサンド (ampersand) &lt; < 小なり (less than) &gt; > 大なり (greater than) &apos; ' アポストロフィ (apostrophe) &quot; " クォーテーションマーク (quotation mark) 「AT&T」の名前で アンパサンド を表現するために、事前宣言されたXMLの実体を使う例を示す。 <会社名称> AT &amp; T </会社名称> 事前宣言された実体以外の実体を宣言する必要がある場合、XML文書の Document Type Definition (DTD、文書型定義) の内部で宣言する。 XML文書の内部に定義されたDTDを使って、置換文字列としての実体を宣言して、実体参照を使う例を次に示す。宣言された実体は、一つの文字であっても良いし、テキストの断片であっても良いし、他の実体への参照を含むテキストであっても良い。 <?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <!DOCTYPE 例 [ <!ENTITY copy "©"> <!ENTITY copyright-notice "Copyright © 2007 平成新報社"> ]> <例> &copyright-notice; </例> XMLに準拠した ブラウザ を使うと、先のXML文書は次のように表示される。 Copyright © 2007 平成新報社 ファイルの実体を参照するXML文書の例を示す。 <?xml version='1.0' encoding='UTF-8'?> <!DOCTYPE 文章 [ <!ENTITY tsutsui-yasutaka SYSTEM "another-file.xml"> ]> <文章> <文> 星新一はSF作家である。 </文> <文> 小松左京はSF作家である。 </文> &tsutsui-yasutaka; </文章> なお、別ファイル another-file.xml には次の内容が記されていることとする。 <文> 筒井康隆はSF作家である。 </文> XMLに準拠したブラウザでこのXML文書を表示すると、次のようになる。 星新一はSF作家である。小松左京はSF作家である。筒井康隆はSF作家である。 文字参照 [ 編集 ] 文字参照 (character reference) は、文字をXML文書内でコード番号を指定して記述する記法である。文字参照は、実体参照と似ているが、実体参照では名前を使うのに対し、文字参照ではその部分で始めに " # " 文字を記述し続けて数字を記述する。 文字参照で使う数字は、 符号化文字集合 の国際規格である ISO/IEC 10646 (および Unicode ) のコード番号である。文字参照で使うことができる数字は、十進数であるか " x " を前につけた十六進数である。文字参照は、実体参照とは異なり、事前宣言されているわけでもなく、XML文書のDTD内部で宣言されているわけでもない。文字参照は、簡単には符号化できない文字を表現するために使われることが多い。例えば、 欧州 のコンピュータ上で作成するXML文書で アラビア語 の文字を使う場合などである。「AT&T」の例の内のアンパサンドは、この場合に似ているともいえる。十進数の38と十六進数の26は、共に ISO/IEC 10646 の "&" 文字のコード番号である。つまり「AT&T」はXML文書では次のように記述することができる。 <会社名称> AT &#38; T </会社名称> <会社名称> AT &#x26; T </会社名称> →「 文字参照 」も参照 処理命令 [ 編集 ] 処理命令 (processing instruction) は、XML文書の構成要素であり、XML文書を扱う ソフトウェア に対する何らかの処理を行う命令を、記述する内容が、処理命令である。 次に処理命令の構文を示す。 <?処理命令ターゲット 処理内容?> 処理命令は ?> の文字列を除き任意の処理内容を記述することができる。処理命令には、処理内容として擬似属性 (pseudo attribute) を記述することがある。擬似属性は、記述のしかたが属性名と属性値のペアに似ている。しかしXMLプロセサは擬似属性を、属性として解釈せず、処理命令の処理内容として解釈する。 擬似属性を使った処理命令の例を次に示す。 これはXML文書に カスケーディングスタイルシート (CSS) と関連づけるという処理命令である。 <?xml-stylesheet type="text/css" href="monobook.css"?> あるXML文書内に記述された特定の処理命令について、その処理命令をプログラマーが意図したとおりの処理を実行させるためには、そのXML文書を処理するアプリケーションソフトウェア側がその処理命令に対応する必要がある。 CDATAセクション [ 編集 ] XML文書 (およびSGML文書) において CDATAセクション とは、文字列データのみで構成されておりマークアップされたデータは含まれていないと、XMLプロセサが解釈するようマークされた、要素の内容を構成する文字列データの一部である。CDATAセクションは、文字列データを表現するための単なる代替構文である。 CDATAセクションとして宣言された文字列データと、" < " と " & " を " &lt; " と " &amp; " で表現する通常の構文で記述した文字列データとの間に、意味的な違いはない。 CDATAセクションの構文と解釈 [ 編集 ] CDATAセクションは次の記述で始まる。 <![CDATA[ そしてCDATAセクションの内容が続き、次の記述が最初に出現したところでCDATAセクションは終わる。 ]]> CDATAセクションの内容の文字列は全て文字列データとして解釈され、マークアップや実体参照や文字参照として解釈されることはない。 次の例で「送信者」の開始タグと終了タグはマークアップとして解釈される。 <送信者>星新一</送信者> しかし次のように記述した場合は、 <![CDATA[<送信者>星新一</送信者>]]> 次のように記述したものと同等に解釈される。 &lt;送信者&gt;星新一&lt;/送信者&gt; すなわち、「送信者」タグは「星新一」の文字列と同列に位置づけられ、いずれも文字列データとして解釈される。 文字参照 &#x00F0; が要素の内容で出現した場合は、一つの Unicode 文字 00F0 ("ð") として解釈される。しかしCDATAセクション内で出現した場合は、8つの文字からなる文字列として解釈される。 すなわち、アンパサンド、#マーク、文字x、数字0、数字0、文字F、数字0、セミコロンの8つの文字からなる文字列として解釈される。 整形式XML文書を書くために [ 編集 ] 整形式XML文書は、とりわけ、次に示す規則に適合しなければならない。 空要素ではない要素は開始タグと終了タグの両方によって境界が定められる。 空要素は空要素タグ (自分自身で開始タグと終了タグの2つの機能を兼ねるタグ) で記述することができる。例えば <私は空です/> のように記述することができる。この例は <私は空です></私は空です> と意味的に同等である。 属性値は全てシングルクォート (') かダブルクォート (") のいずれかで括る。シングルクォートで始められた属性値はシングルクォートで終わり、ダブルクォートで始められた属性値はダブルクォートで終わる。 タグは入れ子の構造をとることができる。ただしタグがオーバーラップしてはならない。ルート要素ではない要素のおのおのは、必ず別の要素に含まれる。 XML文書は宣言された 文字符号化方式 ( 文字コード ) にしたがって記述される。文字符号化方式は、XML文書が HTTP を介して転送される場合に "Content-Type" ヘッダをつけるように暗黙的にXML文書の外部で指定しても良いし、XML文書の内部で文書の先頭のXML宣言内で宣言しても良い。このような宣言がない場合、 Unicode の文字符号化方式が使われていると仮定される。XML文書の最初の バイト をみて、 UTF-16 の バイト順マーク と合致すればUTF-16であると仮定する。合致しない場合は UTF-8 であると仮定する。 要素の名前ではアルファベットの大文字と小文字とが区別される。例えば、次の例は整形式である。 <Abc> ... </Abc> しかし次の例は整形式ではない。 <ABC> ... </abc> XML文書のスキーマを設計する際に、XMLの要素の名前を注意深く選択すると、そのスキーマに準拠したXML文書のデータの意味を、第三者に伝えるために有効であろう。XMLの要素の名前を注意深く選択することにより、そのスキーマに準拠したXML文書は、人間にとって読みやすいものとなる。 XMLの要素と属性の名前を、体が名を表すように注意深く選択決定することで、人間がXML文書を読む際に、要素と属性の意味を、外部の説明文書を参照することなく、よりよく理解できるようになる利点が生まれる。ただしこのような作業を行うことは、XML文書の冗長性が増えることでもある。 人によっては、XML文書を書く際の労力が増えることを、好まない場合がある。またファイルサイズも大きくなることになる。ただし 圧縮技術 をXML文書に適用してファイルサイズを小さくすることは可能である。 整形式XML文書を正確に書くためには、ここまで述べたことよりずっと多くの規則にしたがう必要がある。例えば、 XML名前空間 を使うことや、XMLでの「名前」として使うことができる正確な文字集合を使って、XML文書を書くことなどである。とはいえ、ここまで述べた整形式文書に関する概略を理解しておけば、多くのXML文書を読み理解しあるいは多くのXML文書を書くために必要な基礎は、身についたといえる。 自動的に検査する [ 編集 ] XML文書の正当性を自動的に検査するための方法を説明する。 あるXML文書が、整形式XML文書としての条件のみを満たした文書であるか、それとも妥当なXML文書としての条件をも満たした文書であるかを、判別することは、比較的容易である。というのも、整形式XML文書であるための規則と、XMLの妥当性検証のしくみについては、XML文書を扱うツールの 移植性 を考慮して設計されているからである。つまりこの設計方針は、XML文書を扱うツールであれば、どのようなXML文書でも扱うことができるということである。 独立したツールを使い、XML文書の正当性を自動的に検査する例を示す。 XML文書を扱える ウェブブラウザ で、例えば Mozilla Firefox や Internet Explorer などで、XML文書をロードする。 xmlwf のようなツールを使う (XMLプロセサの実装の一つである Expat に通常は同梱されている)。 何らかの プログラミング言語 を使って文書を構文解析する。例えばプログラミング言語 Ruby では次のようになる。 irb> require "rexml/document" irb> include REXML irb> doc = Document.new(File.new("test.xml")).root XML文書の論理的構造と妥当なXML文書 [ 編集 ] 妥当なXML文書について詳しく説明する。 XMLでは、要素に名前を付けることができ、階層構造をとることができ、 スキーマ言語 (Document Type Definition など) により用途に沿うように定義されたスキーマを使うことで要素と属性の意味を公開し説明することができる。XMLのこうした特徴により、目的に応じたXMLに準拠した マークアップ言語 を創るための、構文的な基礎が成り立っている。 スキーマは、制約の集合を記述することにより、XML文書の構文上の規則を単に補足するのみである。スキーマは、多くの場合、要素と属性の名前を限定し、各要素が内容とするものの階層構造を規定し、属性の内容を規定する。例えば、「誕生日」という名前の要素では、「月」という名前の一つの要素と「日」という名前の一つの要素をもつことができ、「月」要素と「日」要素のそれぞれは文字列データのみをもつことができる。 スキーマに定義された制約には、 データ型 の割り当てを含むことができる場合がある。 データ型を割り当てることにより、データ型が割り当てられた情報がどのように処理できるかを、規定することができる。 例えば、「月」要素の文字列データは、そのXML文書で採用したスキーマ言語の機能に準拠して、「1」から「12」までの数字のみが妥当であるという形で、定義することができる可能性がある。ここでスキーマ言語の (データ型に関する) 機能とは、おそらく特定の方法で形式にしたがって記述しなければならないということだけでなく、別のデータ型の値であるかのように処理されることを未然に防ぐことを、意味する。 何らかのスキーマに準拠したXML文書は、整形式であるということに加えて、 妥当 (valid) であるということが成り立つ。 XMLのスキーマは、XMLの文書型 (文書の種類、文書の論理的構造) を記述したものである。 多くの場合スキーマは、その文書の構造と内容に関する制約という形で表現される。XMLのスキーマは、XML仕様で規定されている、整形式XML文書としての基本的な制約に加え、それ以上の制約をXML文書に課すことができる。XMLのスキーマ言語は、標準規格のものもプロプライエタリなものも含めて、こうしたスキーマを表現するという目的のもと、数多く存在している。いくつかのスキーマ言語では、スキーマ自身をXML文書として記述する。 スキーマ言語の記述能力はスキーマ言語ごとにさまざまである。例えばスキーマ言語の一つである Document Type Definition (DTD) では、XML文書がとるべき構造の主な規則として、そのDTDに準拠したXML文書で使うことができる要素の名前、要素の内容モデル、要素で指定できる属性の名前、属性の値のデータ型を、記述することができる [ 5 ] 。 なお、要素の 内容モデル とは、要素の内容に出現可能な要素やデータとその順番、および要素の出現回数を規定したもののことをいう [ 6 ] 。 Standard Generalized Markup Language (SGML) やXMLなどの汎用的なデータ記述言語が世に出る前は、ソフトウェア設計者は、複数の プログラム の間でデータの受け渡しをするために、自分自身で ファイルフォーマット を定義するか、ちょっとした コンピュータ言語 を定義しなければならなかった。このため受け渡しするデータの詳細な仕様やその他の文書を書かなければならなかったし、文書の書き手を別途に確保しなければならないこともあった。 XMLが一定の構造をもち厳密な構文解析の規則をもつことで、ソフトウェア設計者は構文解析の作業を標準的な ソフトウェア ツール (妥当性検証器、バリデータ) に任せることができる。そしてXMLには、用途に特有の言語を開発するための一般的な、 データモデル 指向の枠組みがある。 このためソフトウェア開発者は、比較的高水準の抽象度において、自分たちが扱うデータの規則の開発に専念するだけでよい。 XML文書をスキーマに照らして妥当性検証を行うための、十分にテストされたツールが、数多く存在している。XML文書をスキーマに照らして妥当性検証を行うためのツールを、妥当性検証器 (バリデータ) という。妥当性検証器は、スキーマに表現された制約にXML文書が準拠しているかについて、自動的に妥当性検証を行う。 妥当性検証器は、XMLプロセサ ( XMLパーサ ) に含まれていることもあれば、XMLプロセサとは別に提供されていることもある。 これまでに述べたスキーマの使い方とは別の使い方も存在する。 例えば、XMLエディタは、XML文書の編集を支援するためにスキーマを使うことができる。こうしたXMLエディタでは、妥当な要素名や妥当な属性名を提示することなどができる。 Document Type Definition (DTD、文書型定義) [ 編集 ] →詳細は「 Document Type Definition 」を参照 XMLのための最も歴史の古いスキーマ言語は Document Type Definition (DTD、文書型定義) である。DTDは、XMLの前身である SGML から引き継がれた。DTDは XML 1.0 標準に含められているため、ほとんどあらゆるXMLプロセサがDTDを扱うことができる。しかし2007年現在ではDTDを使うことは限定的な範囲にとどまっているようである。その理由は次のとおりである。 DTDではXMLで新しく開発された機能を使うことができない。特に XML名前空間 を扱えないことが厳しい。 DTDは表現力が乏しい。DTDではいくつかの形式的な視点からXML文書を扱うことができない。 DTDによるスキーマはXMLではない独自の構文で記述する。この構文は、XMLの前身であるSGMLから引き継いでいるという、経緯がある。XML 1.0 の制定当時はDTD以外のスキーマ言語は存在しなかった。 DTDは現在も多くの用途で使われている。その理由は、一定の人々にとってはDTDは他の新しいスキーマ言語よりも読みやすく書きやすいと考えられているからである。 XML Schema [ 編集 ] →詳細は「 XML Schema 」を参照 XML Schema は、 World Wide Web Consortium (W3C) により開発された、DTDの後継となる新しいスキーマ言語である。 非公式には、 XSD と呼ばれることもある。XSDは、XML Schema の インスタンス (スキーマ) を意味する "XML Schema Definition" の 頭字語 である。 XML Schema は、豊富な データ型 を扱うことができるスキーマ言語である。XML文書の論理的構造について、DTDより詳細な制約を記述することができる。そしてDTDより詳細な妥当性検証の枠組みのもとで、妥当性検証が行われる。他にも、XMLによるマークアップ言語のスキーマの記述能力において、DTDと比べて非常に高いという長所も備えている。 また、XML Schema によるスキーマ自体を、XMLに準拠した形式を使って記述する。XML Schema のスキーマ自体がXMLに準拠することで、スキーマを編集したりスキーマに何らかの処理を行うために、普通のXMLツールを使うことができるようになる。 ただし、XML Schema の妥当性検証器を実装する作業には、単にXML文書を読むことができる能力よりも、非常に多くの知識と能力を必要とする。 XML Schema に対しては賛否両論がある。XML Schema に対する批判の一部を示す。 XML Schema の仕様は非常に膨大な分量がある。そのため XML Schema を理解することは難しい。またそのため XML Schema の妥当性検証器を実装することも難しい。 XML Schema でスキーマを記述する際、XMLに準拠した構文で記述する (記述しなければならない) のは、冗長である。このことが XML Schema のスキーマを理解することやスキーマを記述することを、DTDよりしんどい作業にしてしまっている。 XML文書の構文解析をした後に行う、XML Schema のスキーマによる妥当性検証は、費用が高くつく可能性がある。特にサイズの大きいXML文書の妥当性検証を行う際には、深刻な問題になる可能性がある。 XML Schema の データモデリング 能力は非常に限られている。属性の内容によってその要素の内容モデルを変更することはできない。 XML Schema における型派生モデルは、非常に限られた能力しかない。特に拡張による派生は、かなり使いにくい。 データベース と連携するためのデータ転送機能は、不可解な考え方によって実現されている。nillability ( SQL データベース用語でいう NULL に相当する状態をとることが可能であるという特性) は備えているが、出版業界の要件は満たしていない。 key/keyref/uniqueness の機構は、データ型を考慮していない。 スキーマ検証後 情報集合 (PSVI、Post Schema Validation Infoset) の概念は、標準のXML表現や アプリケーションプログラミングインタフェース (API) をもたない。このため、妥当性の再検証を行わない場合、ベンダ非依存の考え方に反する ( #情報集合への追加情報 を参照)。 RELAX NG [ 編集 ] →詳細は「 RELAX NG 」を参照 RELAX NGは人気のあるもう一つの新しいスキーマ言語である。2001年12月に OASIS (構造化情報標準促進協会) で仕様が策定された。 ISO (国際標準化機構) にて定められた国際標準でもある。ISOでは、 文書スキーマ定義言語 (DSDL) の一部分を構成する仕様として位置づけられている。 RELAX NGのスキーマの記述方法は、2つの形式がある。XMLに準拠した構文 ( XML構文 、xml syntax) と、XMLに準拠しない 短縮構文 (compact syntax) である。短縮構文は、読みやくすることとより書きやすくすることを目指している。ただし、短縮構文で記述されたスキーマをXML構文のスキーマに変換する方法と、その逆の変換を行う方法は、予め定義されているので、 ジェームズ・クラーク が開発した Trang conversion tool を使えば、標準のXMLツールを使う利便を享受することができる。 RELAX NGはXML Schemaよりも簡潔なスキーマ定義と簡潔な妥当性検証の枠組みを、備えている。そのためRELAX NGは、XML Schema と比べて、使いやすく、またRELAX NGの妥当性検証器を実装することも容易になっている。 RELAX NGもまた、 データ型 フレームワークプラグインを使う機能を備えている。 RELAX NG でスキーマを記述する人は、例えば、XML文書でXML Schemaのデータ型の定義に適合させたいと考えるかもしれない。 そして RELAX NG では、データ型フレームワークプラグインを使うことにより可能となっている。 ISO 文書スキーマ定義言語 [ 編集 ] →詳細は「 文書スキーマ定義言語 」を参照 ISO 文書スキーマ定義言語 (DSDL; Document Schema Description Languages) 標準は、小規模なスキーマ言語の広範なセットを共に提供する。DSDLを構成する複数の仕様のそれぞれが、特定の問題に対応するために特化されている。DSDLはRELAX NGのXML構文と短縮構文、 スキマトロン 、データ型ライブラリ言語、文字レパートリ記述言語、文書スキーマ再命名言語、名前空間に基づく検証委譲言語 (NVDL) を、含んでいる。DSDLスキーマ言語群はXML Schemasを支持するベンダの支援は2007年の時点ではまだ受けていない。DSDLは 出版 のための機能が欠如していることに対する、出版業界の一定の草の根の反応でもある。 XML文書を検証する過程でXML情報集合を変更することについて [ 編集 ] →「 § 情報集合への追加情報 」も参照 いくつかのスキーマ言語では、特定のXML文書の構造を記述する能力に加えて、個々のXML文書をその特定のXML文書構造に適合するように変換する機能も、限定的ながら備えている。 DTDとXML Schemaはこの変換機能を備えている。 DTDと XML Schema では、XML文書に属性の既定値を与えることができる。RELAX NGとスキマトロンは、意図的にこの機能を外している。 例えば、 XML情報集合 を正確に扱うことが、RELAX NGとスキマトロンの仕様策定時に変換機能を外した理由の一つである。 XML文書を視覚的に表示する [ 編集 ] XML文書を視覚的に表示するための方法を説明する。 XML文書は、その文書の内容をどのように視覚的に表示するかという情報を、一切含んでいない。 Cascading Style Sheets (CSS) や Extensible Stylesheet Language (XSL) のようなXMLのための スタイルシート言語 を使うのでなければ、ほとんどの ウェブブラウザ は普通のXML文書を生のXMLテキストとして描画する。いくつかのウェブブラウザは「ハンドル」をつけて表示する (例えば、余白に + と - の符号を表示する)。ハンドルを使うことにより、XML文書構造の部分木を、マウスクリックで展開したり折りたたんだりすることができる。 CSSを使って ウェブブラウザ でXML文書を描画するためには、XML文書は次のような要領で スタイルシート への参照を含めなければならない (XMLの 処理命令 を使ってスタイルシートを使って描画する旨を指定している)。 <?xml-stylesheet type="text/css" href="myStyleSheet.css"?> この方法は、 HTML 文書におけるスタイルシート指定の方法とは異なる。HTML文書では <link/> 要素を使ってスタイルシートを指定する。 XML文書を視覚的に表示するために、 Extensible Stylesheet Language (XSL、拡張可能なスタイルシート言語)を使うこともできる。XSLを使う場合は、XML文書を XHTML /HTML文書の構造に変換するか、もしくはウェブブラウザで視覚的に表示することができる他の文書の構造に変換する。 クライアント側で XSL Transformations (XSLT) のスタイルシートを指定するためには、XML文書に次のようにXSLTスタイルシートへの参照を含めることが、必要である(XMLの処理命令を使って実現している)。 <?xml-stylesheet type="text/xsl" href="myTransform.xslt"?> クライアント側のXSLTスタイルシート処理機能は、現在では多くのウェブブラウザが備えている。 別の方法として、このような利用者が常用しているウェブブラウザの能力に依存する方法を採らずに、サーバ側でXSLを使ってXML文書を視覚化可能な形式に変換する方法も、行われている。利用者は、「舞台の裏側で」何が行われているかを、意識する必要はない。実際に目にするものは、よく整形され視覚化された文書だけである。 XMLの拡張 [ 編集 ] XMLを拡張する技術を説明する。 XML Path Language (XPath) XML Path Language (XPath) を使うと、XML文書の個々の部分を参照することができるようになる。XPathは、 XSLT 、 XSL-FO 、 XQuery などの他の技術に対して、XML文書のデータに対する ランダムアクセス を行う機能を、提供する。XPathで記述された式は、XML文書を構成するXML要素、属性、処理命令、コメントなどの内側の、テキスト、データ、値を参照することができる。XPathの式は、要素の名前と属性の名前にアクセスすることもできる。Xpathは、妥当なXML文書に対しても整形式XML文書に対しても使うことができる。また名前空間が定義されたXML文書に対しても、名前空間が定義されていないXML文書に対しても使うことができる。 XML Inclusions (XInclude) XML Inclusions (XInclude) の仕様は、XML文書内に外部ファイルの全内容もしくは外部ファイルの一部の内容を含める機能を、定義している。XML文書においてXIncludeの処理が終了すると、XInclude処理終了後の XML情報集合 にはXIncludeの要素はなく、XIncludeの要素の代わりにそこに外部の文書もしくは文書の一部の複製が、最終的な情報集合に含まれている。XIncludeでは、外部文書の一部をXML文書に含める際に、外部文書の複製対象の領域を参照するためにXPathを使っている。 XQuery XQueryは、XMLにおいて、 関係データベース にとっての SQL や PL/SQL に相当する、 問い合わせ言語 としての機能を提供する。XML文書にアクセスし、XML文書を操作(編集)し、その結果をXML文書の形で返す。 XML名前空間 (Namespaces in XML) XML名前空間 (Namespaces in XML) を使うことで、同一のXML文書内で異なる複数の ボキャブラリ (スキーマ)に由来する要素と属性を、名前の衝突を発生させることなく、含めることができる。 後述 する。 XML Signature XML Signature の仕様は、XML文書の内容に対して 電子署名 を生成するための構文と処理規則を定義する。 XML Encryption XML Encryption の仕様は、XML文書の内容に対して 暗号化 を行うための構文と処理規則を定義する。 XML Pointer Language (XPointer) XML Pointer Language (XPointer) は、XMLに基づいたインターネットメディアのコンポーネントを指し示す体系である。 MIMEタイプ [ 編集 ] XML文書はさまざまな MIMEタイプ で配布することができる。 RFC 3023 は、"application/xml" および "text/xml" のMIMEタイプを定義する。 "application/xml" と "text/xml" のMIMEタイプは、そのデータがXML文書の形式をとっているということのみを述べているだけであり、そのXML文書の論理的構造については何も述べていない。 "text/xml" を使うことに対しては、符号化に関する問題が生じる可能性があるとの批判があり、現在では非推奨とされている [ 7 ] 。RFC 3023 では、加えて、XML文書を "application/" で始まり、"+xml" で終わるMIMEタイプで配布することを勧めている。例えば、 Atom のXMLデータに対しては、"application/atom+xml" のMIMEタイプで配布するのである。 XML名前空間 [ 編集 ] XML名前空間 ( Namespaces in XML ) は、一つXML文書内で、異なる複数の ボキャブラリ (スキーマ)に由来する要素と属性を、名前の衝突を発生させることなく、含めることができるようにするための仕様である。 World Wide Web Consortium (W3C) から、1999年1月14日に Namespaces in XML 1.0 が勧告された。XML文書に異なる複数のボキャブラリに由来する要素と属性を含める場合、ボキャブラリのそれぞれに 名前空間 をわりあてることにより、要素名の衝突と属性名の衝突の問題を、解決することができる。 一つの名前空間において定義された要素の名前は、一意でなければならない。 顧客への参照と注文された商品への参照を含む簡単なXML文書の例を考える。顧客要素と商品要素は、ともに「識別番号」という名前の子要素をもつことがあるだろう。識別番号要素への参照は、顧客要素の子要素の識別番号要素も商品要素の子要素の識別番号要素も同じ要素名をもつので、あいまいである。しかし2つのボキャブラリを区別する2つの名前空間のもとで識別番号要素を使う場合、顧客要素の子要素の識別番号要素と商品要素の子要素の識別番号要素は意味的に明確に異なる2種類の要素となる。 名前空間の宣言 [ 編集 ] 名前空間は、XMLの予約属性である xmlns を使って宣言される。 xmlns 属性の属性値は IRI (Internationalized Resource Identifier) である必要があり、通常は URI (Uniform Resource Identifier) である。 例を示す。 xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" この例の "http://www.w3.org/1999/xhtml" を名前空間名という。ここで注意すべきこととしては、名前空間の宣言で記述されたURIは、実際にインターネット上の住所として解釈されるわけではないということである(自由に考えよう、URIほど便利なものが必ずインターネットのアドレスをささなければいけないなどと、誰が決めたのか)。例えば、 http://www.w3.org/1999/xhtml 自体には何のコードもない。このURIの文書では、人間の読者に対して XHTML について簡単に説明しているだけである。 ("http://www.w3.org/1999/xhtml" のような) URIを名前空間の識別子として使うことで、("xhtml" のような)単純な文字列を名前空間名として使うよりも、異なる名前空間が意図せずして同じ名前空間名を使ってしまう危険性を低減する。名前空間の識別子は、ウェブの住所(アドレス)の慣習にしたがう必要はない。 名前空間の宣言は短い接頭辞を含むことができる。この名前空間接頭辞を使うことで、異なるボキャブラリに由来する要素と属性を識別することができる。 名前空間接頭辞を使う例を示す。 xmlns:xhtml="http://www.w3.org/1999/xhtml" XML名前空間を使ったXML文書の例を示す。 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <xsl:stylesheet xmlns:xsl= "http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" version= "1.0" xmlns= "http://www.w3.org/1999/xhtml" > <xsl:template match= "/社員名簿" > <html> <head> <title> XML文書をXHTML文書に変換する例 </title> </head> <body> <h1> 社員名簿 </h1> <ul> <xsl:apply-templates select= "社員" > <xsl:sort select= "姓" /> </xsl:apply-templates> </ul> </body> </html> </xsl:template> <xsl:template match= "社員" > <li> <xsl:value-of select= "姓" /> <xsl:value-of select= "名" /> </li> </xsl:template> </xsl:stylesheet> このXML文書は、次の2つの名前空間のボキャブラリから構成されている。 XSLT のボキャブラリ: xslの名前空間接頭辞をもち、名前空間名は "http://www.w3.org/1999/XSL/Transform"。 XHTML のボキャブラリ: 名前空間接頭辞をもたないデフォルトの名前空間であり、名前空間名は "http://www.w3.org/1999/xhtml"。 なおこのXML文書は、あるXML文書をXHTML文書に変換するXSLTスタイルシートである。 XML名前空間を使う場合、そのXML名前空間のボキャブラリが定義されていることが必要であるわけではない。しかしXML文書でXML名前空間を使う場合に、そのXML名前空間のボキャブラリを定義しておくことは、そのXML名前空間のURIのもとで正しい文書構造を定義しているスキーマに関連づけるために、行われることが多い。 XML文書をプログラムで処理する [ 編集 ] プログラマ や アプリケーションソフトウェア がXML文書を処理する手段としては、これまで次に示す3つの技法が伝統的に使われてきた。なお、この節の説明で使うAPIとは アプリケーションプログラミングインタフェース のことをさす。 プログラミング言語 と SAX API を使う。 プログラミング言語と DOM API を使う。 変換エンジンと フィルタ を使う。 さらに、近年に開発され使われるようになった、XML文書を処理する技法を示す。 Pull Parsing データバインディング Simple API for XML (SAX) [ 編集 ] →詳細は「 Simple API for XML 」を参照 Simple API for XML (SAX) は、 字句解析 を行い イベント駆動 で処理を行う API である。SAXを使うとXML文書は文書の最初から順次読み込まれ、その内容は プログラマ が実装したハンドラ オブジェクト の様々な メソッド への コールバック として報告される。SAXを使ったXML文書処理は高速であり、少ないコンピュータ資源を効率的に使って非常にサイズの大きいXML文書を処理することが可能である。 SAXを使うことに伴う問題は、XML文書に対して ランダムアクセス を行って情報を取り出すことが難しいことである。そのため、SAXを使うに際し、 プログラマ はXML文書のどの部分が現在処理対象となっているか把握する為の機構を実装しなければならない。 SAXは、処理対象となるXML文書中のある種類の情報がどの部分に出現するかに依らず、常に同じように処理されると保証できる場合に用いるのが望ましい。 Document Object Model (DOM) [ 編集 ] →詳細は「 Document Object Model 」を参照 Document Object Model (DOM) は、 インタフェース 指向の API であり、XML文書のおのおのの部分を表現する節 オブジェクト の集まりからなる 木構造 であるかのように、XML文書全体に対してナビゲーションを行うことを想定している。DOMでは、XML文書に対して ランダムアクセス を行って情報を取り出すことが、簡単にできる。 DOMにおけるXML文書全体に相当する Document オブジェクトは、XML文書をXMLプロセサが処理することにより生成することもできるし、プログラマがプログラミングすることによって生成することもできる。DOMにおける Node (節) のさまざまな型の データ型 は、DOM仕様においては抽象的にインタフェースとして定義されている。 Node のデータ型の 実装 は、 プログラミング言語 に固有の言語バインディングを提供する。 DOMの実装は、サイズの大きいXML文書を扱う場合はたくさんのメモリを使う。なぜならDOMの実装は、一般的にはXML文書全体からオブジェクトの木構造を構築してメモリにロード(展開)し、その後にDOMを介した処理をできるようにしているからである。 Java では、標準ライブラリを構成するいくつかのパッケージでDOMが実装されており、Javaの プログラマ は標準ライブラリのDOMを使うことができる。DOMの仕様は、 World Wide Web Consortium (W3C) で策定されているため、DOMで中核をなす Node や Document などのインタフェースや、 直列化 (出力) などの機能を提供するためのインタフェースはパッケージ org.w3c.dom.* に収められている。 [ 8 ] 変換エンジンとフィルタ [ 編集 ] →「 Extensible Stylesheet Language 」も参照 Extensible Stylesheet Language (XSL) 技術における フィルタ は、XML文書に対して、視覚的に出力したり印刷出力できるよう変換処理を行うことができる。 XSL Formatting Objects (XSL-FO) XSL Formatting Objects (XSL-FO) は、 World Wide Web Consortium (W3C) が策定した、XMLに準拠した宣言的なページ整形 ( 組版 ) 言語である。XSL-FO処理系を使うと、XSL-FO文書を他の非XML形式 ( PDF など) に変換出力することができる。 XSL Transformations (XSLT) XSL Transformations (XSLT)は、W3Cが策定した、XMLに準拠した宣言的な文書 変換言語 である。XSLT処理系を使うと、XSLT スタイルシート を指示書として、XML文書として表現されたあるデータの木構造を、別の木構造に変換することができる。変換後の文書として、XML (例えば、XSL-FO文書やXHTML文書など)、 HTML 、 プレーンテキスト などの形式にすることができる。またXSLT処理系によってはこの他の形式に変換できるものもある。 XQuery XQueryは、W3Cが策定した、XML文書に対する、問い合わせ、構築、変換を行うための、コンピュータ言語 ( 問い合わせ言語 ) である。 XML Path Language (XPath) XML Path Language (XPath) は、W3Cが策定した、XML文書中のデータを取得するための、DOMに似たノードの集まりからなる木構造を データモデル とするパス式言語である。XSLTおよびXQueryの技術はXPathを使って実現されている。XPathの実装はまた、便利な 関数 ライブラリ を含んでおり使うことができる。 Pull Parsing [ 編集 ] →「 Streaming API for XML 」も参照 Pull Parsing は、XML文書を、最初から順番に読み込み、 Iterator パターン の デザインパターン を使って項目 (item) の一連の流れとして扱う、近年に徐々に普及してきた技法である [ 9 ] [ 10 ] 。 Pull Parsing の技法により、再帰下降パーサを実装することができる。 再帰下降パーサでは、パースを実行するプログラムは、パースの対象となるXML文書の構造と似ている。 そしてパースの中間結果を取得することができる。 パースの中間結果を、パースを実行する メソッド 内の局所変数 (ローカル変数) として使うことができる。 あるいは、低水準のメソッドの引数として渡したり、高水準のメソッドへの戻り値として返すことができる。 Pull Parsing の技法を提供する実装としては次のものがある。 Streaming API for XML (StAX) - Java SimpleXML - PHP System.Xml.XmlReader - .NET Framework 例えば、JavaのStAXフレームワークでは、本質的な「 反復子 」 (イテレータ) を作成して使うことができる。 Pull Parsing で作成される「反復子」はXML文書中のさまざまな要素、属性、データを順番に訪れる。 「反復子」を使うプログラムは、処理中に現在の項目 (例えば、要素の開始、要素の終了、テキスト) を調べ、その特性 (例えば、要素の名前、名前空間、属性値、テキスト内容) を調査する。 そして反復子に「次の」項目へ移動するよう指示することもできる。 プログラムは、このようにXML文書を走査するようにして、文書から情報を取り出すことができる。 Pull Parsing の技法の特筆すべき長所は、XML文書をパースするDOMの技法と比べて非常に高速であり、メモリ使用が非常に少ないことである。 もう一つの長所は、再帰下降の手法は、パースを実行するプログラム内で、データを型づけされた変数として保持することに適していることである。 SAXでは、例えば、プログラマが自分で処理中の要素の祖先となる要素群を格納する スタック 内に中間データを保持するコードをプログラミングする必要があることが多い。 これに対し、Pull Parsing の技法を使ってXML文書を処理するプログラムは、SAXを使うプログラムよりも、非常に単純で理解し易く保守が容易になることが多い。 データバインディング [ 編集 ] →「 Java Architecture for XML Binding 」も参照 XML文書を処理するもう一つのAPIは、XMLデータバインディングであり、XMLデータバインディングを使うと、XML文書を、その文書型に対応した、強く型づけされたプログラミング言語データ構造 ( プログラム の ソースコード ) を、生成することができる。インタフェース指向のDOMとは対照的な手法である。データバインディングの実現例を次に示す。 Relaxer [ 11 ] Java Architecture for XML Binding (JAXB) [ 12 ] XMLに準拠したアプリケーションソフトウェアとエディタ [ 編集 ] OpenOffice.org 、 AbiWord 、および Apple の iWork などの アプリケーションソフトウェア のネイティブ ファイルフォーマット は、XMLである。 従前、 オフィススイート には各ソフトの特有の バイナリ 形式として データ が保存されていた。しかしながらこれでは互換性が低く、様々な情報を データベース として利用するオフィススイートでは不都合が生じていた。 そのため、データの標準化を進めて互換性を高めるため、各オフィススイートはXML形式でデータを出力する機能や、そもそも標準保存形式をXMLベースとするものが増えてきた。 OpenOffice.org はXMLベースの保存形式を当初より標準としていた(英語版バージョン1.0は2002年5月1日リリース)。また、OpenOffice.orgに限らず、どのオフィススイートでも利用できる OpenDocument 形式が 国際標準化機構 (ISO)によって標準規格として認定されている。 もう一つのオフィススイート用の保存形式である Office Open XML も、ISOにより標準規格として認定されている。 マイクロソフト の Microsoft Office では Microsoft Office XP のバージョンからXML形式への対応を始め、Microsoft Office 2003 で独自の定義の XML Schema がサポートされるに至った。 Microsoft Office 2007 ではデフォルトの保存方式がXMLとなった(Office Open XML)。Microsoft Office 2007 のいくつかの機能では、XMLファイルを利用者が指定したスキーマ (ただしDTDではない) に沿って編集することができるようになっている。 またマイクロソフトは、Microsoft Office 2003 のためのファイルフォーマット互換性キットを公開している。 この互換性キットを使うことにより、以前のバージョンの Microsoft Office で作成された文書をXMLに準拠した新しいフォーマットで保存することができる。 エディタについては現在、多くのXMLエディタが使えるようになっている。 XML情報集合 [ 編集 ] XMLインフォメーションセット ( 英 : XML Information Set , Infoset )または XML情報集合 [ 13 ] [ 14 ] (—じょうほうしゅうごう) は、XML文書の抽象的な データモデル を「情報項目」 (information item) の集合を使って規定している。 World Wide Web Consortium (W3C) から、2001年10月24日にXML情報集合仕様が勧告された。 XML情報集合の仕様における定義は、整形式XML文書内の情報を参照する必要がある他の仕様において使われることが想定されている。 一つのXML文書には、そのXML文書が整形式でありかつXML名前空間の制約に準拠している場合、一つのXML情報集合がある。 XML情報集合を構成するためには、そのXML文書が妥当なXML文書であることは、必須要件ではない。 一つのXML情報集合には、次に示す11種類の情報項目がある。 文書情報項目 要素情報項目 属性情報項目 処理命令情報項目 展開されなかった実体情報項目 文字情報項目 コメント情報項目 文書型宣言情報項目 解析対象外実体情報項目 記法情報項目 名前空間情報項目 XML情報集合の Second Edition (第2版) が2004年2月4日に勧告された。 情報集合への追加情報 [ 編集 ] 情報集合への追加情報すなわち情報集合に対する改変は、スキーマによる妥当性検証を行う際に、情報集合を改変することをいう。 例えば、情報集合に属性の既定値 (デフォルト値) を追加することなどがある。情報を追加された情報集合は、スキーマ検証後情報集合あるいはPSVI (post-schema-validation infoset) と呼ばれる [ 15 ] 。 情報集合への追加情報については、賛否両論がある。 情報集合に情報を追加することに否定的な見解としては、情報集合への追加情報はモジュール性を侵害し相互運用性の面での問題を引き起こす危険があるとする。 なぜなら、同じXML文書を扱う複数のアプリケーションソフトウェアは、受け取る情報が妥当性検証を行うかどうかに依存してしまうからである。 アプリケーションソフトウェアが、妥当性検証を行う場合に受け取る情報と、妥当性検証を行わない場合に受け取る情報が、異なってしまうのである [ 16 ] 。 XML Schema は、XML情報集合への追加情報を扱うことができる。 RELAX NGは、情報集合への追加情報を扱わない。 RELAX NG では、情報集合への追加情報に否定的な立場をとっている。 歴史 [ 編集 ] デジタルメディアの出版を行ってきた人々は、1980年の後半— インターネット が広く使われるようになるより前の時期—には既に、動的に情報を視覚化するための技術として、汎用的な マークアップ言語 である Standard Generalized Markup Language (SGML) が多くの用途に適していることを、理解していた [ 17 ] [ 18 ] 。 SGMLはいくつかの分野で普及していたが、仕様が複雑で 処理系 の開発が難しく、またSGML文書の処理が重いという欠点があった。1990年代半ばまでには、SGMLを実際に使っていた一定の人々は、新しく現れた World Wide Web (ウェブ) を経験した。 そうした人々は、ウェブが発展することにより直面するいくつかの問題に対して、SGMLが解決策を提供すると、強く考えるようになった。 Dan Connolly は、自分が1995年に World Wide Web Consortium (W3C) のスタッフになった時に、SGMLをW3Cのアクティビティの一覧に追加した。 このアクティビティの作業は、1996年の中頃に サン・マイクロシステムズ のジョン・ボサックが、このアクティビティに関する宣言を起草しアクティビティの共同作業者を募ることで、始まった。 ボサックは、SGMLとウェブの双方を経験していた人々の小さなコミュニティと良好な関係を築いていた。 ボサックは、自分の作業において マイクロソフト から支援を受けた。 XMLの仕様は、11人のメンバーからなるワーキンググループにより編集され [ 19 ] 、だいたい150人から構成される Interest Group のメンバーから支援を受けて作成された。 技術的な論議が Interest Group の メーリングリスト で提起され、提起された論議は合意形成により解決された。合意形成ができなかった場合は、ワーキンググループのメンバーの投票による多数により解決された。 このアクティビティで行われた設計上の決定とその根拠の記録は、Michael Sperberg-McQueen が1997年12月4日に編集した [ 20 ] 。 このアクティビティでは ジェームズ・クラーク が技術リーダとして貢献した。 クラークの貢献として特筆されるのは、空要素 "<empty />" の導入と、この技術の名称 "Extensible Markup Language" (XML) の命名である。 この技術の名称として、他に提案され吟味されたものの一部を次に示す。 MAGMA (Minimal Architecture for Generalized Markup Applications) SLIM (Structured Language for Internet Markup) MGML (Minimal Generalized Markup Language) XML仕様のワーキンググループではジョン・ボサックが議長を務めた。 このワーキンググループではジェームズ・クラークが技術リーダを務めた。 ワーキンググループの共同エディタは、もともとはティム・ブレイと Michael Sperberg-McQueen であった。 このアクティビティのプロジェクトの途中で、ブレイは ネットスケープ・コミュニケーションズ とのコンサルティングの契約を結んだ。 このブレイとネットスケープの契約に対しては、マイクロソフトが強く抗議した。 ブレイは、エディタの役割を一時的に辞することを要請された。 このことに関して、ワーキンググループでは激しい議論が行われた。 この議論は、最終的にはマイクロソフトの Jean Paoli が第3の共同エディタに就くことで解決した。 なおXMLワーキンググループには、日本人としてはただ一人 村田真 がメンバーとして1997年に参加した。 XMLワーキンググループは、直接会って活動したことは数回しかなかった(最初の会議は1997年8月22日)。 XML仕様の設計は、電子メールと週に一度の電話会議の双方を有機的に活用することにより、成し遂げられた。 XML仕様の設計では、SGMLの欠点を解決すべく文法を簡素化した。 XML仕様における設計上のいくつかの大きな決定は、1996年の7月から11月までの間の12週間の真剣な作業のなかで行われた。 この12週間の作業の後 (1996年11月) に、XMLの最初のワーキングドラフトが公表された [ 21 ] 。 その後も1997年をとおして設計作業は続けられ、XML 1.0 は、 1998年 2月10日 に W3C の勧告となった [ 22 ] 。 XML 1.0 は、ワーキンググループが目標としていた次の目標を達成したと、評価する人々が多い。 インターネット 環境での使いやすさ 汎用的な用途での使いやすさ SGML との互換性 XML文書を扱う ソフトウェア の開発を容易にする機能 オプショナルな機能の最小化 XML文書の読みやすさ 形式に即していること (formality) 簡潔さ XML文書の作成・編集の容易さ 技術者にとってはXMLはSGMLよりも習得しやすい技術であり、また処理系の開発が容易になったことで低い費用でXML技術を利用できるようになった。 現在ではXMLは広く普及している技術である。 XMLの前身であるSGMLと同様にXMLでも、いくつかの冗長な構文要素があり、要素記述子の繰り返しを仕様に含んでいる。 文書を短くすることは、XMLワーキンググループでは、XMLの構造において本質的な問題とは見なされなかった。 起源 [ 編集 ] XMLは、 ISO 標準 Standard Generalized Markup Language (SGML) のサブセットである。 XMLのほとんどはSGMLから変更されずに採り入れられている。 XMLがSGMLから採り入れられている技術的な要素には次のものが含まれる。 論理的な構造と物理的な構造を分離する (要素と実体) 文法に基づいた妥当性検証 (Document Type Definition (DTD、文書型定義)) データと メタデータ を分離する (要素と属性) 混合内容 (mixed content、要素の内容として子要素と文字列データが混在する内容モデル) 表現から処理を分離する ( 処理命令 ; processing instruction) 山括弧の構文 XMLがSGMLから採り入れなかった技術要素としては、SGML宣言がある (XMLでは文書の 文字符号化方式 として UTF-8 と UTF-16 を採用している)。 XMLの他の技術的起源としては、次の3つが挙げられる。 Text Encoding Initiative (TEI) Text Encoding Initiative (TEI、 en:Text Encoding Initiative ) は、「転送構文」として使うためのSGMLのプロファイルを定義している。 HyperText Markup Language (HTML) HyperText Markup Language (HTML) では、文書の文字符号化集合はリソースの文字符号化方式と分離されている。 Extended Reference Concrete Syntax (ERCS) Extended Reference Concrete Syntax (ERCS) から、XML 1.0 の命名規則が採用された。ERCSは、十六進数の文字参照を導入しており、全ての Unicode の文字を使うことができるようにするために参照の概念を導入している。 XML仕様の設計に関する議論のなかで開発された革新的な考え方には、次のものが含まれる。 XML文書の 文字符号化方式 ( 文字コード ) の決定の アルゴリズム と、XML宣言における文字符号化方式の指定 処理命令 のターゲット xml:space 属性 空要素のタグのための新しい要素終了区切り バージョン [ 編集 ] 2010年1月現在の時点では、XMLには2つのバージョンがある。 XML 1.0 XML 1.0 が最初に策定されたのは1998年2月10日であった。1998年の策定後、数度の改訂 (修正) を経ている。この数度の改訂については新しいバージョン番号は割り当てられていない。現在の時点では、Fifth Edition(第5版)が最新版である。XML 1.0 Fifth Edition は、2008年11月26日にW3Cから公開された。XML 1.0 は、多くの処理系が実装され、現在においても一般的な用途に対しては採用が勧められるとされている。日本ではJIS X 4159:2005としてJIS規格化されている [ 23 ] 。 XML 1.1 XML 1.1 が最初に策定されたのは2004年2月4日であり、XML 1.0 Third Edition が公開された日と同じ日であった。現在の時点では、Second Edition (第2版) が最新版である。XML 1.1 Second Edition は、2006年8月16日にW3Cから公開された。XML 1.1 にはいくつかの機能が追加されている。XML 1.1 で追加された機能については議論の対象となっている。XML 1.1 で追加された機能は、XML をいくつかの状況で使い易くすることを目指している [ 24 ] 。XML 1.1 で追加された主な機能は次のとおりである。 EBCDIC プラットフォームで使われている行終端文字を使えるようにする。 Unicode 2.0 の文字集合に含まれない文字を使えるようにする。 XML 1.1 を実装している XML の処理系は、あまり多くない。XML 1.1 は、XML 1.1 特有の機能を必要とする状況においてのみ、採用を勧められるとされている [ 25 ] 。 XML 1.0 と XML 1.1 は、要素名と属性名に使うことができる 文字集合 において異なっている。XML 1.0 では、 Unicode 2.0 で定義された文字集合のみ要素名および属性名として使うことができる。Unicode 2.0 の文字集合には、世界で使われているほとんどの文字が含まれている。しかし Unicode 2.0 の文字集合には Unicode 2.0 より新しいバージョンで追加された文字は含まれていない。こうした Unicode の新しいバージョンで追加された文字としては、 モンゴル語 、 クメール語 (カンボジア語)、 アムハラ語 、 ビルマ語 などの文字が、含まれる。 XML 1.1 においては、ほとんどのUnicode文字をXML文書の文字列データや属性値として使うことができる。また Unicode の現在のバージョンで定義されていない文字でさえ、使うことができる。 XML 1.1 の方式では、いくつかの文字については使うことができないが、その他の全ての文字は使うことができる。 一方で XML 1.0 では、仕様で明示的に規定された文字集合のみを、XML文書の文字列データや属性値として使うことができる。 このため XML 1.0 では、Unicode の新しいバージョンで追加される文字を扱うことはできない。 XML文書の文字列データや属性値について、XML 1.1 では XML 1.0 より多くの 制御文字 を使うことができる。 しかし「堅牢性」の観点から、XML 1.1 で使えるようになった制御文字の多くは、 文字参照 としてXML文書内に記述しなければならない。 XML 1.1 で使えるようになった制御文字には、2つの改行コードが含まれる。 この2つの改行コードは、XML 1.1 の処理系では空白記号として扱われる。 制御文字のうちこの空白記号として扱われる制御文字のみが、XML 1.1 で文字参照を使わずに直接にXML文書に記述することができる。 現在、XML 2.0 に関する議論が行われている。 XML-SW (SW は、skunk works スカンクワークス の意味) が、XMLの最初の設計者の一人によって書かれた。 XML-SW には、XML 2.0 はどのようなものかということについての、いくつかの提案を含んでいる。 その内容は次のとおりである。 Document Type Definition (DTD、文書型定義) をXMLの構文から排除する。 XML名前空間 、 XML Base および XML情報集合 (情報集合) をXML仕様に統合する。 World Wide Web Consortium (W3C) では、XML Binary Characterization (XMLバイナリ表現) のワーキンググループが活動しており、同ワーキンググループでは、XML情報集合をバイナリ形式に符号化するために、 ユースケース と特性を調査する予備研究を行っている。 このワーキンググループは、公的な標準を制定することが認可されているわけではない。 XMLは定義上明確に テキスト に基づいているため、 ITU-T と ISO は、それぞれが定めるバイナリインフォメーションセットに対して、混乱を避けるために Fast Infoset の名前を使っている (参照: ITU-T Rec. X.891 | ISO/IEC 24824-1)。 特許の主張 [ 編集 ] 2005年の10月に、Scientigoという小さな企業が、XMLの使用に対して同企業の2つの特許 U.S. Patent 5,842,213 と U.S. Patent 6,393,426 の対象になるという主張を、公的に表明した。 この2つの特許は、「特定の『階層構造ではない』統合されていない中立的な形式での、[データの]モデリングと格納と転送」を対象としている。 特許申請によると、この2つの特許は1997年と1999年に出願された。 Scientigoの最高経営責任者 (CEO) である Doyal Bryant は、この2つの特許を「金銭に換える」という願望を述べたが、同社は「世界を敵にするつもりはない」と言明した。 Bryant は、Scientigoは自社の2つの特許についていくつかの大企業と話し合っていると述べた [ 26 ] 。 XMLを使う人々や企業に在籍していない専門家たちは、Scientigoの主張に対して懐疑的で批判的な立場で反応した。 一定の人々は、Scientigoを パテント・トロール であると述べた。 ティム・ブレイは、この2つの特許がXMLを対象とするという主張は「ばかげている」と述べた [ 27 ] 。 XMLに関係する多くの先行技術が SGML を含めて存在している。 XMLに対する支持と批判 [ 編集 ] 多くの論者がXMLに対してさまざまな批判を行ってきた。 こうした批判は、XMLの長所と潜在的な欠点に対する言及を含んでいる [ 28 ] 。 XMLの長所 [ 編集 ] XMLは テキスト に基づいた技術である。 XMLは Unicode の 文字集合 を扱える。Unicodeを採用したことにより、どのような自然言語の書き言葉であってもほとんどの情報を通信の対象にできる。 XMLは汎用的に コンピュータ科学 の データ構造 を表現できる。例えば、レコード( 構造体 )、 リスト 、 木構造 などを表現できる。 XMLの自己文書化という形式は、構造とフィールド名とともに値も記述できる。 XMLの厳密な構文と 構文解析 の要件があるため、XMLプロセサ (XML パーサ ) のアルゴリズムは非常に簡潔で効率よく一貫性のあるものとなる。 XMLは文書データベースおよび文書処理のための技術として、 スタンドアロン 環境においても ネットワーク 環境においても、非常によく活用されている。 XMLは国際標準に基づいている。 XMLでは、RELAX NG や スキマトロン のような スキーマ言語 を使うことで妥当性検証を行える。こうした妥当性検証の機構は次のことを容易にする。 有効な単体テスト 有効な防火壁 (ファイアウォール) 有効な受け入れテスト 契約に基づく有効な仕様 有効な ソフトウェア構築 XMLの 階層構造 は、(全てではないが) ほとんどの種類の文書の表現に向いている。 XMLは プレーンテキスト として表現される。プレーンテキストは、他のプロプライエタリな文書形式と比べて制限が少ない。 XMLは プラットフォーム 独立である。このため技術の移り変わりによる影響に比較的強い。 XML文書は、スキーマが変更されても、前方互換性と後方互換性を保持することは、比較的容易である。 XMLの前身である SGML は、1986年から使われつづけている。そのため大量に蓄積された経験やソフトウェアを活用できる。 整形式XML文書の要素の断片もまた、整形式のXML文書である。 XMLの短所 [ 編集 ] XML文書の構文は、同じ情報を表すバイナリ表現と比べて、冗長でサイズが大きい [ 29 ] [ 30 ] 。 XML文書は冗長であり、記憶装置、転送、処理のコストの面で、効率的な運用に悪い影響を与える可能性がある [ 30 ] [ 31 ] [ 注 5 ] 。 XML文書の構文は、他の「テキストに基づく」データ転送形式と比べて冗長である [ 32 ] [ 33 ] 。 XMLはその前身である SGML よりも簡素化されたとはいえ、その処理は決して軽くはなく、インターネット上のプロトコルなど速度と軽さが要求される分野では、採用が見送られることがしばしばある [ 注 6 ] 。 XMLが表現形式として採用している 階層型モデル は、 関係モデル や オブジェクト指向 グラフと比べると制限が大きい [ 注 7 ] [ 34 ] 。 オーバーラップする (階層構造ではない) 節 (ノード) の関連を表現するには、余分な努力が必要である [ 35 ] 。 XML名前空間を使うことには問題がともなう。名前空間を正しく扱うXMLプロセサを実装することは、難しい作業になる可能性がある [ 36 ] 。 XMLは、「自己文書化」として表現されることが多い。しかしこの表現では、重大なあいまいさがあることを考慮していない [ 37 ] [ 注 8 ] 。 XML文書における内容と属性の区別は、一定の人々にとっては不自然に感じられる。XMLのデータ構造の設計を難しくする要因となっている。 [ 38 ] 標準化 [ 編集 ] 先述した ISO の標準群のほかに、XML関連では次の文書が発行されている。 ISO/IEC 8825-4:2002 Information technology -- ASN.1 encoding rules: XML Encoding Rules (XER) ISO/IEC 8825-5:2004 Information technology -- ASN.1 encoding rules: Mapping W3C XML schema definitions into ASN.1 ISO/IEC 9075-14:2006 Information technology -- Database languages -- SQL -- Part 14: XML-Related Specifications (SQL/XML) ISO 10303-28:2007 Industrial automation systems and integration -- Product data representation and exchange -- Part 28: Implementation methods: XML representations of EXPRESS schemas and data, using XML schemas ISO/IEC 13250-3:2007 Information technology -- Topic Maps -- Part 3: XML syntax ISO/IEC 13522-5:1997 Information technology -- Coding of multimedia and hypermedia information -- Part 5: Support for base-level interactive applications ISO/IEC 13522-8:2001 Information technology -- Coding of multimedia and hypermedia information -- Part 8: XML notation for ISO/IEC 13522-5 ISO/IEC 18056:2007 Information technology -- Telecommunications and information exchange between systems -- XML Protocol for Computer Supported Telecommunications Applications (CSTA) Phase III ISO/IEC 19503:2005 Information technology -- XML Metadata Interchange (XMI) ISO/IEC 19776-1:2005 Information technology -- Computer graphics, image processing and environmental data representation -- Extensible 3D (X3D) encodings -- Part 1: Extensible Markup Language (XML) encoding ISO/IEC 22537:2006 Information technology -- ECMAScript for XML (E4X) specification ISO 22643:2003 Space data and information transfer systems -- Data entity dictionary specification language (DEDSL) -- XML/DTD Syntax ISO/IEC 23001-1:2006 Information technology -- MPEG systems technologies -- Part 1: Binary MPEG format for XML ISO 24531:2007 Intelligent transport systems -- System architecture, taxonomy and terminology -- Using XML in ITS standards, data registries and data dictionaries 注釈 [ 編集 ] ^ Extensible HyperText Markup Language (XHTML) は、 マークアップ言語 HyperText Markup Language (HTML) を簡素化しその一貫性を改良しようという試みである。なお、HTMLは、 Standard Generalized Markup Language (SGML) に基づいたマークアップ言語である。 ^ XMLプロセサを利用する際には、XML文書で用いている文字コードをサポートしたものを選択することになる。 ^ 他の方法でXML文書を処理することも可能である ^ 一つの要素の内容として文字列データのみを含むものは、混合内容ではない。また内容のない「空要素」も混合内容ではない。一つの要素の内容がいくつかの子要素だけから構成されるものも、混合内容ではない。 ^ ただし、Binary XML の試みは、XML文書のバイナリ表現を使うことでこうした問題を軽減するべく努力している。例えば、 Java による Fast Infoset 標準の リファレンス実装 では、構文解析 (パース) の速度は Apache Xerces Java と比べて10倍速く、Javaによる最も高速なXMLプロセサの一つである Piccolo driver と比べて4倍速い [1] 。 ^ XMLの汎用性とそれに伴う重さはしばしば揶揄の対象とされることもある。 IP 、 TCP 、 UDP をXMLで定義するという ジョークRFC ( RFC 3252 ) が存在する。 ^ 階層型モデルは 木構造 の固定的な単一の視点による見方しか提供しない。例えば、役者が映画の下位に位置づけられるか、映画が役者の下位に位置づけられるかのいずれかであり、双方の視点を両立することはできない。 ^ 例えば 多義語 を参照 出典 [ 編集 ] ^ "XML stands for Extensible Markup Language. The X is for the first syllable of Extensible. eXtensible is a spelling error." ^ Bray, Tim; Jean Paoli, C. M. Sperberg-McQueen, Eve Maler, François Yergeau (2006年9月). “ 拡張可能なマーク付け言語 (XML) 1.0 ”. World Wide Web Consortium. 2007年10月6日閲覧。 ^ 株式会社日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘、2001年、p.132 ^ 株式会社日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘、2001年、p.139 ^ 株式会社日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘、2001年、pp.28-29 ^ 株式会社日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘、2001年、p.29 ^ xml-dev - Fw: An I-D for text/xml, application/xml, etc ^ JavaプラットフォームAPI仕様 ^ Fitzgerald, Michael (2004). Learning XSLT . Sebastopol, CA: O'Reilly Media . pp. p.243. ISBN 978-0-596-00327-2 ^ Push, Pull, Next! - Bob DuCharme, XML.com ^ http://www.asahi-net.or.jp/~DP8T-ASM/java/tools/Relaxer/index_ja.html ^ http://java.sun.com/xml/jaxb/ ^ 『 平成22年度 新ICT利活用サービス創出支援事業(電子出版の環境整備)メタデータ情報基盤構築事業)報告書 』(PDF)(レポート)インフォコム株式、2011年3月31日、66頁 。 https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3525270_po_metaproj2010.pdf?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F3525270&contentNo=1 。 2019年8月12日閲覧 。 ^ JIS X 4160 :2007「XMLパス言語」附属書 B ^ XML Schema 1.1 Part 1: Structures ^ RELAX NG and W3C XML Schema , James Clark , 4 Jun 2002 ^ Bray, Tim (2005年2月). “ A conversation with Tim Bray: Searching for ways to tame the world’s vast stores of information ”. Association for Computing Machinery's "Queue site". 2008年5月5日閲覧。 ^ “Publishers, multimedia, and interactivity”. Interactive multimedia . Cobb Group. (1988). ISBN 978-1-55615-124-8 ^ このワーキンググループはもともとは "Editorial Review Board" と呼ばれていた。このワーキンググループの最初のメンバーとXML仕様の first edition が完成するまでに加わっていた7人のメンバーは、XML 1.0 first edition のW3C勧告の最後に一覧して掲載されている。参照: https://www.w3.org/TR/1998/REC-xml-19980210#sec-xml-wg ^ Reports From the W3C SGML ERB to the SGML WG And from the W3C XML ERB to the XML SIG ^ Extensible Markup Language (XML) - W3C Working Draft 14-Nov-96 ^ “ W3CがXML 1.0を勧告 ”. INTERNET Watch (1998年2月12日). 2012年9月5日閲覧。 ^ JIS X 4159 :2005「拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) ^ “ Extensible Markup Language (XML) 1.1 (Second Edition) - Rationale and list of changes for XML 1.1 ”. W3C. 2006年12月21日閲覧。 ^ Harold, Elliotte Rusty (2004). Effective XML . Addison-Wesley. pp. 10-19. 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Springer. 3540309519 XMLの構文は、いくつかの用途においては、人間が読むにはとても冗長である。人間にとっての読みやすさを改善するために dual syntax を提案する ^ 世間で言われているところによれば、XMLより「冗長性の小さい」多くのテキストフォーマットが、XMLに刺激を受けかつ先行的な業績としてXMLを位置づけ言及している。 例えば次のページを参照: http://yaml.org/spec/current.html、 http://innig.net/software/sweetxml/index.html、 http://www.json.org/xml.html ^ Lim, Ee-Peng (2002). Digital Libraries: People, Knowledge, and Technology . Springer. 3540002618 固定的な階層構造を採用することに伴ういくつかの制限について議論する。2002年12月にシンガポールで開催された 5th International Conference on Asian Digital Libraries, ICADL 2002 の議事録より。 ^ Searle, Leroy F. (2004). Voice, text, hypertext: emerging practices in textual studies . University of Washington Press. 0295983051 オーバーラップする要素を表現する代替システムを提案する。 ^ 例えば次のページを参照: http://www-128.ibm.com/developerworks/library/x-abolns.html ^ “ The Myth of Self-Describing XML ”. 2007年5月12日閲覧。 ^ “ Does XML Suck? ”. 2007年12月15日閲覧。 ("8. Complexity: Attributes and Content" を参照) 参考文献 [ 編集 ] (株) 日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘 編著『改訂版 標準XML完全解説 (上)』技術評論社、2001年。 ISBN 978-4-7741-1186-5 。 (株) 日本ユニテック、中山幹敏、奥井康弘 編著『改訂版 標準XML完全解説 (下)』技術評論社、2001年。 ISBN 978-4-7741-1302-9 。 関連項目 [ 編集 ] XML関係の仕様 [ 編集 ] スキーマ言語 Document Type Definition (DTD、文書型定義) XML Schema Regular Language description for XML (RELAX) TREX 文書スキーマ定義言語 (DSDL: Document Schema Definition Languages) RELAX NG スキマトロン スタイルシート Extensible Stylesheet Language (XSL) XSL Formatting Objects (XSL-FO) XSL Transformations (XSLT) Cascading Style Sheets (CSS) Document Style Semantics and Specification Language (DSSSL) XML Path Language (XPath) XML Linking Language (XLink) XQuery Jaql 関連する団体 [ 編集 ] World Wide Web Consortium (W3C) - 標準化団体 の一つ。 OASIS - 標準化団体の一つ。 Apache XML - Apacheソフトウェア財団 のプロジェクト。 Apache XML Graphics - Apacheソフトウェア財団のもう一つのプロジェクト。 XMLと関連する技術 [ 編集 ] Abstract Syntax Notation One (ASN.1) - 電気通信やコンピュータネットワークでのデータ構造の表現・エンコード・転送・デコードを記述する記法 JavaScript Object Notation (JSON) - JavaScriptにおけるオブジェクトの表記法をベースとした軽量なデータ記述言語 YAML - 構造化データやオブジェクトを文字列に直列化(シリアライズ)するためのデータ形式 Broadcast Markup Language - XMLベースのデータ放送向け記述言語 外部リンク [ 編集 ] ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 XML W3C XML 公式ホームページ (英語) W3C XML 1.0 仕様 (英語) W3C XML 1.1 仕様 (英語) The W3C Markup Validation Service XML構文チェックサイト (英語) 表 話 編 歴 W3C標準 製品・標準 推奨 ActivityPub CDF CSS DOM EXI Geolocation API ( 英語版 ) HTML ( HTML5 ) ITS MathML OWL P3P PLS ( 英語版 ) RDF RDF Schema ( 英語版 ) SISR ( 英語版 ) SMIL SOAP SRGS ( 英語版 ) SSML SVG SPARQL Timed Text ( 英語版 ) VoiceXML ウェブストレージ WSDL WebSocket XForms XHTML XInclude XLink XML XML基底 XML暗号化 XML Events ( 英語版 ) XML情報集合 XML名前空間 XML Schema XML署名 XPath XPointer XProc ( 英語版 ) XQuery XSL XSL-FO XSLT 正準XML 勧告候補 Web Workers ( 英語版 ) 作業草稿 CCXML ( 英語版 ) CURIE Indexed Database API InkML ( 英語版 ) RIF ( 英語版 ) SCXML ( 英語版 ) sXBL ( 英語版 ) WICD ( 英語版 ) WebRTC XFDL ( 英語版 ) XFrames XBL ( 英語版 ) XHTML+MathML+SVG ( 英語版 ) XMLHttpRequest 覚書 XAdES XHTML+SMIL ( 英語版 ) 方針 Web Content Accessibility Guidelines 発案 W3C MMI ( 英語版 ) W3C MVS 廃止 C-HTML HDML JSSS ( 英語版 ) PGML ( 英語版 ) VML Web SQL Database ( 英語版 ) 団体 World Wide Web Consortium World Wide Web Foundation ( 英語版 ) SVG Working Group ( 英語版 ) WebOnt ( 英語版 ) W3C Device Description Working Group ( 英語版 ) WHATWG ソフトウェア Agora ( 英語版 ) Argo ( 英語版 ) Arena ( 英語版 ) Amaya Libwww Line Mode Browser 関連会議 IW3C2 ( 英語版 ) World Wide Web Conference ( 英語版 ) WWW1 ( 英語版 ) Category:W3C勧告 表 話 編 歴 データ交換 ( 英語版 ) フォーマット 対人可読 フォーマット Atom CSV EDIFACT ( 英語版 ) JSON Web Encryption Web Token Web Signature ( 英語版 ) プロパティリスト RDF Rebol TOML XML YAML バイナリ フォーマット AMF ( 英語版 ) Ascii85 ASN.1 SMI ( 英語版 ) Avro Base32 Base64 Bencode ( 英語版 ) BSON UBJSON ( 英語版 ) Cap'n Proto ( 英語版 ) CBOR FlatBuffers ( 英語版 ) MessagePack プロパティリスト Protocol Buffers Thrift Cyphal ( 英語版 ) DSDL XDR uuencode ( 英語版 ) yEnc ( 英語版 ) 典拠管理データベース : 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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仮想機械
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "仮想マシン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2020年1月 ) 仮想マシンソフトウェア VirtualBox を使用して、Linuxデスクトップ上で別のLinuxデスクトップを実行している様子 プログラムの実行 一般的な概念 コード ( 英語版 ) トランスレーション コンパイル コンパイル時 コンパイラの最適化 ( 英語版 ) 中間表現 (IR) 実行 ランタイムシステム ランタイム 実行ファイル インタプリタ バーチャルマシン コードの種類 ソースコード オブジェクトコード バイトコード 機械語(マシン語) マイクロコード コンパイル戦略 実行時コンパイル (JIT) トレーシング実行時コンパイル 事前コンパイル (AOT) トランスコンパイル 再コンパイル ( 英語版 ) 有名なランタイム Android Runtime (ART) Common Language Runtime (CLR) & Mono crt0 ( 英語版 ) HHVM Java仮想マシン (JVM) Objective-C & Swift Chrome V8 & Node.js PyPy Zend Engine 有名なコンパイラとツールチェーン GNUコンパイラコレクション (GCC) LLVM & Clang 表 話 編 歴 仮想マシン (かそうましん、仮想機械、バーチャルマシン、 英語 : virtual machine 、 VM )とは、 アプリ の使用を 最適化 する方法であり、 コンピュータ の動作を 再現 する ソフトウェア である。すなわち、エミュレートされた仮想のコンピュータそのものも仮想マシンという。仮想マシンによって、1つのコンピュータ上で複数のコンピュータや オペレーティングシステム (OS) を動作させたり、別の アーキテクチャ 用のソフトウェアを動作させることができ、アプリケーションが互いに干渉するのを防げる [ 1 ] 。 仮想マシンによるアプローチは、企業や個人がレガシーアプリケーションに対処し、1台のコンピュータで処理できるさまざまな種類のアプリケーションを最大化することで、ハードウェアの使用を最適化するための一般的な方法である [ 1 ] 。 システム仮想マシン [ 編集 ] システム仮想マシンはシステム全体を再現し、その上でOSを動かすことを可能にする。動作させるOSにいくらかの変更を加えることが必要な場合( 準仮想化 )もある。 システム仮想マシンでは、複数の仮想マシンに計算資源やメモリ資源、ディスク資源を効率的に配分( スケジュール )したり、ハードウェア割り込みなどを伝達する必要がある。これらを制御するプログラムを ハイパーバイザ と呼ぶ。 システム仮想マシンは、ユーザーやプログラムから「別のコンピュータ」に見えるもの(OS環境を実現するもの)を指すが、コンピュータの初期には 仮想記憶 や マルチタスク 、 マルチユーザー 、 タイムシェアリング など、現在ではOSの機能となった技術を含める場合がある。仮想マシンの技術は メインフレーム で使われていたが、現在でコンピュータによるサービス提供の分野で一般的な技術となりつつある。 クラウドコンピューティング においてハードウェアに依存しない仮想実行環境の構築は基盤技術 ( IaaS ) として利用される。 歴史 [ 編集 ] 1958年 IBM 709 ( マイクロコード による、商用初の別アーキテクチャの エミュレータ ) 1961年 バロース B5000 (商用初の 仮想記憶 装置) 1964年 IBM System/360 コンピュータ・アーキテクチャ の確立( マイクロコード による上位互換の確立) CP-67 (商用初の仮想化OS) 1970年 IBM System/370 (商用初の複数アドレス空間) 1973年 IBM System/370 モデル158/168(商用初の物理分割) 1985年 インテル i386 で 仮想86モード 採用 1987年 IBM PR/SM (商用初の ファームウェア による論理分割 ( LPAR )) 1995年 Java 公式発表( Java仮想マシン の登場) 1997年 サン・マイクロシステムズ ダイナミックシステムドメイン(DSD、UNIXサーバでは初の物理分割機能) 1999年 VMware の登場( x86 システムの本格的な商用仮想化OS) 2001年 IBM pSeries (UNIXサーバでは初の論理分割 (LPAR)) 2008年 3月 オラクル Oracle VM を発表(ベースは Xen ) 2008年 6月 マイクロソフト Hyper-V (開発コード名 Viridian)を発表 主な例 [ 編集 ] ハードウェア (ビルディングブロック)の機能による物理分割 IBM の PPAR 、 サン・マイクロシステムズ のDSD、 ヒューレット・パッカード のnParsなど。 ブレードサーバ を含む場合もある。 ハードウェア( マイクロコード )の機能による論理分割 IBMの LPAR 、サン・マイクロシステムズの LDOM 、ヒューレット・パッカードのvParsなど 仮想化ソフトウェアの機能による分割 z/VM 、 VMware 、 Xen 、 VirtualBox 、 Hyper-V など。内部的にハードウェアの機能を活用している場合も多い。 OS の機能による複数OS環境 AIX 6 ワークロードパーティション、 Solaris10 Solarisコンテナなど。なお Hyper-V は Windows Server 2008 の一部として提供されるが、単体提供もされ、技術的・構造的には専用の仮想化OSである。 ミドルウェア の機能による負荷管理 z/OSワークロードマネージャ、AIXワークロードマネージャ、Solarisリソースマネージャ、HP-UXワークロードマネージャなど メインフレーム [ 編集 ] ハードウェアによる仮想化 [ 編集 ] 1940年代-1950年代のコンピュータは、機種ごとにアーキテクチャが異なるのがあたりまえであったが、既存の設計を参考にすることで新規設計のリスクを避けたり、よそのコンピュータの既存のプログラム・ライブラリを流用するためなどの目的で、既存機と命令セットに 互換性 を持たせたり論理設計を共通にした、一種の 互換機 と言えるマシンも存在した。たとえば EDSAC はよく参考にされた。 1958年 IBM 709 は、既存の IBM 704 の命令セットをマイクロコードでエミュレーションし、上位互換性を提供した。 1964年 IBM System/360 は、同様に既存の IBM 1401 や IBM 1620 の命令セットをマイクロコードでエミュレーションした。また、コンピュータ・アーキテクチャを定義し標準化し、以後の互換性を提供した(通常は仮想化と呼ばれないが、プログラムから見れば一種の仮想マシンと言える。この効果として、メインフレームでは アセンブリ言語 でもバイナリでも、40年以上経過した現在まで互換が続いている)。 1973年 IBM System/370 モデル158およびモデル168により、物理分割( PPAR )をサポート。単一のコンピュータとしても、複数のコンピュータとしても使用可能。ただし細かいリソースの割り当てはできず、変更にはコンピュータ全体の再起動が必要。 1987年 IBM 3090 の PR/SM により、多数の論理区画( LPAR )を作成し、コンピュータ全体の停止を伴わず、より柔軟なリソースの割り当てが可能となった。 IBMのPR/SMに相当する機能には、 日立製作所 PRMFなどがある。 仮想化OSによる仮想化 [ 編集 ] 1964年 IBM System/360 では、商用初の仮想化OSである CP-40 、 CP-67 により、ひとつのコンピュータで複数の仮想コンピュータを作成し、それぞれでゲストOS ( MVS やCMSなど)を稼動させる事ができた。この仮想化OSは VM/CMS となり、現在も z/VM として、多数のゲストOS( Linux など)を同時稼動させる用途でも使われている。 IBMの z/VM に相当する製品には、 富士通 AVM、 日立製作所 VMS などがある。 OSによるリソースの仮想化 [ 編集 ] OSの機能による各種リソースの仮想化には、 仮想記憶 や マルチタスク 、 マルチユーザー 、 タイムシェアリング などがある。 主記憶装置 の仮想化である仮想記憶は、商用では 1961年 の バロース B5000 で登場し、 1970年 の IBM System/370 で広く普及した。 マルチタスク(アプリケーションによるマルチプログラミングではなく、OSの機能によるマルチタスク)は商用では、 OS/360 のバリエーションのひとつであるMVTと、後継の MVS で登場し、広く普及した。入出力待ちなどにCPUが他の処理を行えるため、処理の 応答時間 短縮と全体の スループット 向上がもたらされた。 なお、メインフレームにおけるこれらの「マルチタスク」は、単に複数のプログラムが同時に動かせるというだけではなく、複数の独立したアドレス空間(リージョン)を作成し、ハードウェアの機能も使用して完全に分離し、同時稼働するプログラム同士は直接見えない(バグや悪意あるプログラムでも相互に干渉できない)ものである。この点では、後の各種 UNIX や Windows などの「マルチタスク」と比較すると、「仮想マシン」に近いレベルのもので、 可用性 や セキュリティ も向上した。同様の仕組みは 2009年 現在、MVSの後継の z/OS の他、IBM z/VSE 、富士通 MSP / XSP 、日立製作所 VOS3 などでも採用している。 タイムシェアリング(時分割多重)による並列処理(マルチユーザー)は、アプリケーションプログラムやユーザーに、複数のコンピュータを同時使用するイメージをもたらし、 オンライン ・リアルタイム処理の普及をもたらした。なお、マルチタスクとタイムシェアリングは別の技術であるが、現在では組み合わせて使用されている。(上記のMVSなどでは、マルチタスク環境の一部で、タイムシェアリング環境を稼働させ、それによりマルチユーザーを実現している。またマルチタスク自体も、初期には入出力待ちによる 割り込み が基本であったが、現在ではタイムシェリングによる割り込みを併用している。) ミッドレンジ [ 編集 ] 1979年 IBM System/38 は、TIMI(Technology Independent Machine Interface、技術に依存しないマシンインターフェイス)を採用した。TIMIは、メインフレームで採用されたマイクロコードによる互換性確保を更に進めたもので、主に水平型レベル・マイクロコードにより実現され、ハードウェア・アーキテクチャ(CPU命令セット等)とプログラムを分離している。プログラムの配布は中間コードであるバイトコードで行われ、インストール時にハードウェアの命令セットに展開される。このためソースプログラムを配布すること無く、実行時の性能を犠牲にすることもなく、別のアーキテクチャのハードウェアへの移行も容易である。実際、 CPUアーキテクチャ の移行(独自CISC→POWER)も容易に行えたとされる。 TIMIは System/38 後継の AS/400 、 iSeries 、 System i 、 Power Systems i Edition に、現在でも使用されている。また現在は LPAR などと併用できる(後述のPowerVMを参照)。 各社の商用 ミッドレンジコンピュータ ( オフィスコンピュータ 、 ミニコンピュータ )では、TIMIと同等の機能を持ったシリーズは、過去も現在も存在しない。 商用UNIX [ 編集 ] 商用UNIXベンダーによる仮想化技術には以下がある。現在の仮想化技術は各種のハードウェアとソフトウェアが密接に連携しており、またベンダーにより各技術の範囲が異なるため、ベンダー単位に記載する。 IBM PowerVM - 3エディションあり、全モデルに搭載。 LPAR (論理区画) - ファームウェア による論理分割。複数OSを稼働。 マイクロパーティショニング - CPUを最小10分の1から100分の1単位でLPARに割り当てる。 WPAR - OS( AIX )の標準機能。アプリケーションから見て複数のOS環境(インスタンス)を提供。古い AIX V5.2も、WPARで稼動可能。 AIX WLM - ミドルウェアの機能でアプリケーションのワークロードを制御。 Sun N1構想( unified virtualization manager environment ) DSD ( dynamic system domain ) - 物理分割。動的なリソース移動も可能。上位機種のみ。 LDOM ( logical domain ) - ファームウェア による論理分割。複数OSを稼働。上位機種のみに提供予定。 Solarisコンテナ - OS(Solaris 10)の標準機能。アプリケーションから見て複数のOS環境(インスタンス)を提供。 Solarisリソース・マネージャ - ミドルウェアの機能でアプリケーションのワークロードを制御 HP Virtual Server Environment for HP-UX nPartitions(nPars) - ハードウェアによるパーティショニング技術 Virtual Partitions(vPars) - nParをさらに分割できる論理パーティション技術、1プロセッサ単位で構成 HP Integrity Virtual Machines (Integrity VM) - 各パーティションにプロセッサ・リソースを5% - 100%の範囲で動的に割り当てる、柔軟なsub-CPUパーティションニング技術 。 HP-UX Workload Manager - パーティショニング、クラスタ、ユーティリティ・プライシングと連携し、サービスレベル維持に向けた リソース割り当てを自動化 。 Apple macOS Hypervisor.framework [ 2 ] - macOS 10.10 以降 Virtualization framework [ 3 ] - macOS 11.0 以降 UNIX/Linux/Windowsなど [ 編集 ] UnixやLinux、Windows上で動作する仮想マシンには、 VMware や Xen 、 Oracle VM (ベースは Xen )、 Hyper-V などがある。物理的資源を区分けして特定のワークロードがシステム全体を独占させない機構(仮想マシンモニタ)を持つ。 一台のコンピュータを複数のコンピュータとして使うことができる。 オペレーティングシステム の変更なしに複数のゲストオペレーティングシステムを稼働できる。稼働させる複数のゲストオペレーティングシステムは、全く別の種類のオペレーティングシステムであることも可能である。 元々仮想マシンモニタは メインフレーム においてその資源を各ワークロードの負荷に応じて動的に分割し、システム全体の利用効率を上げるために用いられた。計算機が高性能化した現在では、小規模なWebホスティングのような処理であっても、それらを仮想マシンモニタを用いて並列に実行することが行われている。 CPUの機能による仮想化 [ 編集 ] 1985年 インテル の 80386 で採用された 仮想86モード は、保護モード導入以前のx86のアーキテクチャに則ったタスクを保護モード上で実行する仮想マシンを提供する。 OS/2 2.0 や Windows 3.0などのDOS互換環境( 仮想DOSマシン )で使用された。 現在のCPUアーキテクチャ( SPARC , POWER , IA-64 など)では、それぞれ仮想マシンソフトウェアとOSによる仮想化を支援する 命令セット を持っている。 プロセス仮想マシン [ 編集 ] いくつかのアプリケーション・プログラムを動作させるための仮想マシン。いくつかのプログラミング言語やその実装では理論上の機械によって実行されることを想定しているので、その機械をエミュレートする場合が多い。 実装 [ 編集 ] ソフトウェアによる仮想 CPU に バイトコード を実行させる形式が一般的である。バイトコードの実行方法には インタプリタ 方式、実行前に全バイトコードをネイティブに変換する 事前コンパイル 方式、 実行時コンパイル 方式がある。現在では、性能の観点から実行時コンパイル方式が主流である。 アーキテクチャ [ 編集 ] ハードウェアの制約がないのが特徴である。 型つきの演算をサポートしている仮想マシンもある。 例 [ 編集 ] アーキテクチャ 実装 特徴 ActionScript 仮想マシン Adobe AIR Adobe Flash Player スタックマシン CLI PlayStation Mobile .NET Framework DotGNU Portable.NET .net by au Mono SSCLI CLR スタックマシン Erlang VM BEAM Java仮想マシン GNU Interpreter for Java HotSpot IKVM.NET Kaffe leJOS Microsoft VM SableVM スタックマシン Lazy Virtual Machine LLVM 最適化のためのコンパイラ基盤 Lua VM Lua レジスタ型のシンプルなアーキテクチャ Parrot仮想マシン Parrot レジスタ型 Pコードマシン UCSD Pascal Python仮想マシン [ 4 ] CPython スタックマシン Smalltalk VM Smalltalk-72/74/76/78/80 ObjectWorks VisualWorks Squeak VisualAge Smalltalk Little Smalltalk GNU Smalltalk Smalltalk/V Smalltalk/X 他 スタックマシン 仮想マシンのハードウェア化 [ 編集 ] これらの仮想マシンは理論的に設計されたものであるが、実行を最適化するために対応するハードウェアが製造される場合もある。 Pascal の Pコードマシン は ウェスタン・デジタル MCP-1600チップセットが作られた Javaでは、 サン・マイクロシステムズ の en:picoJava などの en:Java processor がある。 ARMアーキテクチャ にはJazelleと呼ばれる Javaバイトコード のための拡張がある。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ a b Stallings, William,. Foundations of modern networking: SDN, NFV, QoE, IoT, and Cloud . Agboma, Florence, Jelassi, Sofiene,. Indianapolis, Indiana. ISBN 978-0-13-417547-8 . OCLC 927715441 . https://www.worldcat.org/oclc/927715441 ^ “ Hypervisor | Apple Developer Documentation ”. web.archive.org (2018年2月9日). 2020年11月23日閲覧。 ^ “ Virtualization ”. developer.apple.com . 2022年8月18日閲覧。 ^ “ dis --- Python バイトコードの逆アセンブラ ”. Python documentation . 2024年3月26日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] 仮想アプライアンス x86仮想化 エミュレータ スレッデッドコード 仮想化OS z/VM ハードウェアによる仮想マシン PR/SM OSによる仮想マシン 仮想DOSマシン 規格 オープン仮想化フォーマット (OVF) 外部リンク [ 編集 ] ITPro 仮想化の正体(1) 仮想化の正体(2) IBM - Advanced POWER Virtualizationの歴史 VMware - 仮想化の歴史(Internet Archiveによる2010年8月20日時点のアーカイブ) マイクロソフト - Hyper-V 表 話 編 歴 仮想化 全体 PopekとGoldbergの仮想化要件 ハイパーバイザ 準仮想化 PowerVM x86仮想化 プラットフォームの 仮想化 ( 仮想マシン ) ハードウェア レベル PR/SM LPAR LDOM 仮想86モード インテルVT AMD-V ブレードサーバ ハードウェア仮想化 I/O仮想化 ( 英語版 ) ソフトウェア レベル bhyve z/VM VMware Workstation Pro VMware Fusion Pro Hyper-V WPAR Sun xVM ( 英語版 ) Bochs KVM PearPC QEMU Xen VirtualBox jail Linux-VServer cgroups LXC ( Docker ) Parallels Desktop Parallels Virtuozzo Containers OpenVZ libvirt User Mode Linux Lguest OSレベルの仮想化 アプリケーション仮想化 デスクトップ仮想化 言語 レベル バイトコード Java仮想マシン CLR LLVM Lua リソースの仮想化 CPU タイムシェアリング メインメモリ 仮想メモリ ディスク装置 RAID LVM 仮想ファイルシステム ディスク仮想化ソフト ネットワーク VLAN VPN 仮想ハブ 仮想ネットワークIF 仮想LANカード HiperSocket チャネルボンディング NAT その他 仮想アプライアンス エミュレータ マイクロプログラム方式 互換レイヤー オブジェクト指向 カプセル化 クラスタリング クラウドコンピューティング バーチャルリアリティ カテゴリ 表 話 編 歴 コンピュータ科学 ハードウェア プリント基板 周辺機器 Integrated Circuit (IC) Very Large Scale Integration (超大規模集積回路、VLSI) Systems on Chip (SoC) エネルギー消費 (グリーン・コンピューティング) EDA ハードウェアアクセラレーション コンピュータシステムの構造 コンピュータ・アーキテクチャ 組み込みシステム リアルタイムシステム ディペンダビリティ ネットワーク ネットワーク・アーキテクチャ ( 英語版 ) 通信プロトコル ネットワーク・コンポーネント ( 英語版 ) ネットワーク・スケジューラ ( 英語版 ) ネットワーク性能評価 ( 英語版 ) ネットワーク・サービス ( 英語版 ) ソフトウェアの構造 インタプリタ ミドルウェア 仮想マシン オペレーティングシステム ソフトウェア品質 ソフトウェア記法 ( 英語版 ) と ツール プログラミングパラダイム プログラミング言語 コンパイラ ドメイン固有言語 モデリング言語 ソフトウェアフレームワーク 統合開発環境 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアライブラリ ソフトウェアリポジトリ ソフトウェア開発 ソフトウェア開発プロセス 要求分析 ソフトウェア設計 ソフトウェア構築 ( 英語版 ) ソフトウェアデプロイメント ソフトウェアメンテナンス プログラミングチーム ( 英語版 ) オープンソースモデル 計算理論 計算モデル 形式言語 オートマトン理論 計算可能性理論 計算複雑性理論 コンピュータ科学における論理学 ( 英語版 ) 意味論 アルゴリズム アルゴリズム ( 英語版 ) アルゴリズム解析 アルゴリズム効率 ( 英語版 ) 乱択アルゴリズム 計算幾何学 コンピューティングの数学 離散数学 確率 統計学 数学ソフトウェア 情報理論 解析学 数値解析 情報システム データベース管理システム 情報ストレージシステム 企業情報システム 社会情報システム ( 英語版 ) 地理情報システム 意思決定支援システム プロセス制御システム マルチメディア情報システム ( 英語版 ) データマイニング 電子図書館 コンピューティング・プラットフォーム デジタルマーケティング World Wide Web 情報検索 セキュリティ 暗号理論 形式手法 セキュリティ・サービス ( 英語版 ) 侵入検知システム ハードウェア・セキュリティ ( 英語版 ) ネットワーク・セキュリティ 情報セキュリティ アプリケーション・セキュリティ ( 英語版 ) ヒューマンコンピュータ インタラクション インタラクションデザイン ソーシャル・コンピューティング ( 英語版 ) ユビキタスコンピューティング 可視化 アクセシビリティ 並行性 並行コンピューティング 並列コンピューティング 分散コンピューティング マルチスレッディング マルチプロセッシング 人工知能 自然言語処理 知識表現と推論 コンピュータビジョン 自動計画とスケジューリング 検索手法 制御手法 人工知能の哲学 ( 英語版 ) 分散人工知能 ( 英語版 ) 機械学習 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 マルチタスク学習 ( 英語版 ) 交差検証 グラフィックス アニメーション レンダリング 画像編集 GPU 複合現実 バーチャル・リアリティ 画像圧縮 ソリッドモデリング 応用コンピューティング 電子商取引 企業アプリケーション 計算数学 ( 英語版 ) 計算物理学 計算化学 計算生物学 計算社会科学 計算工学 ( 英語版 ) 健康情報学 デジタルアート 電子出版 サイバー戦争 電子投票 コンピュータゲーム ワードプロセッサー オペレーションズ・リサーチ 教育工学 文書管理システム 概要 ( 英語版 ) カテゴリ ブック コモンズ 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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型システム
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プログラミング言語はさまざまな値を扱う。代表的かつ最も原始的なものは数値や 文字列 だが、一般的に有限の資源制約があるコンピュータにとって都合のよい内部表現が使われ、例えば数値には32ビットや64ビットといった固定サイズの 整数型 や 浮動小数点数 型が、文字列には特定の文字コード集合によって符号化された整数値の羅列(文字配列)が使われることが多い。文字列の表現には最後の文字(番兵)に 0 を使用するゼロ終端文字列( ヌル終端文字列 )が使われることもあれば、長さ情報を別途整数値で保持する複合データ構造が使われることもある。三角関数は 浮動小数点数 を 引数 にとり浮動小数点数を返す。先頭の文字を大文字にする関数は 文字列 を引数にとり文字列を返す。ユーザーからの入力を数値として扱うためには、文字列を解釈して数値を返す関数が必要である。ここで、3.14 や "hoge" といった値について「浮動小数点数」や「文字列」といった種類に分類して扱っているが、同じ種類の値であれば同じ操作(演算)が可能である。この「値の種類」が 型 ( データ型 )である。 型検査 [ 編集 ] プログラムにおけるエラーはさまざまだが、型に基づく一連のエラーがある。単純な例としては、浮動小数点数を表現している ワード を(一般的なコンピュータのハードウェアでは、メモリ上のワードとしては区別がつかないため) 整数型 として扱ってしまう、といったようなものである。この例では 0 と +0.0 のような特別な場合を除いてたいていの場合は得られる結果は無意味であり、より複雑な構造を持った値の場合は構造を壊して不正にしてしまうかもしれない。このような異常をプログラムが起こさないことを検査するのが型検査( 英 : type checking )である。 型の安全性 [ 編集 ] 型にまつわるものに限らず、プログラムの安全性( safety )とは、プログラミング言語や文脈によって定義が異なる場合があり、一概に述べることはできない。ひとつの指標として、プログラムが言語仕様で定義されていない「未定義」の状態に陥らない、という性質のことを指すことがある。たとえば C言語 や C++ の標準では、 NULLポインタ のデリファレンスや、配列の範囲外アクセスによる バッファオーバーラン など、そういった「未定義」の動作を引き起こすケースが決められている。大抵の実行環境では、NULLポインタのデリファレンスによって セグメンテーション違反 (アクセス違反)が引き起こされ、 オペレーティングシステム によってプログラムが異常終了させられることになるが、必ずしもそうなるとは限らず、実際には何が起こるか分からない。「安全な」プログラムを記述するためには、言語未定義の動作を避けるように注意深くコーディングしなければならない。この指標の観点では、プログラムのエラーを、言語未定義や処理系依存の異常動作によってではなく、ランタイムやインタプリタが 検出して 仕様通りに異常終了するような場合は「安全」の側に含まれることになる。一般的に 仮想マシン 上で動作する Java や C# のような言語は、ランタイムによって検証され、信頼されたコードのみを実行する仕組みが用意されているため、C/C++よりも安全である。未定義動作はコンピュータセキュリティと密接な関係があり、例えばバッファオーバーランが引き起こされると悪意のある不正なコードを実行できてしまったりする セキュリティホール につながることがある [ 4 ] 。ただし安全なチェック機構のある言語ほどオーバーヘッドが大きくなるため、安全性は実行速度とのトレードオフの関係にある。 例えば、 Java ではNullオブジェクトを参照した場合、実行時に NullPointerException 例外がスローされると言語仕様で規定されており、この点でC言語やC++よりも安全であると言える。しかし、JavaではNullオブジェクトを参照するコードを記述しても言語構文上は合法とみなされるため、コンパイラによるチェック機構は働かず、実行時にNullPointerExceptionがスローされるまでプログラミングミスに気づかない可能性がある。さらに進んだ Kotlin のように「Null安全」な言語では、Nullの状態を許容しない型を定義することができ、このNull非許容型を使う限りはNullオブジェクトを参照することはないことが保証される。また、Kotlinでは主にJavaとの相互運用のためにNullの状態を許容する型も定義できるが、この Null許容型 を使う場合は、事前にNullチェックコードを記述することを言語仕様によって強制されるため、安全性が増す。 そして型にまつわる安全性のことを型安全性( 英 : type safety )と呼ぶが、一般的に型安全性とは、データ(オブジェクト)の本来の型に従ってプログラムを正しく実行できる性質のことを指す [ 5 ] 。前述のように型安全性が具体的にどのようなものであるかはプログラミング言語や文脈に依存する。 一般的にコンピュータでは整数と浮動小数点数のように異なる型の値同士の演算はできず、いったん同じ型に揃えて演算する必要がある。プログラマがコード上で型変換(キャスト)を明示する必要のある厳しい言語もあれば、コンパイラによってある程度の暗黙の型変換や型昇格がなされるようなゆるい言語もある。さらにCにおいては、キャスト(型変換)構文を使うと、互換性のない型同士でも強制変換できてしまう。例えば整数とポインタとの間で相互変換することや、整数へのポインタを浮動小数点数へのポインタに無理やり変換することもできてしまい、簡単に型安全性が破壊される。誤った型へのポインタ経由で領域にアクセスした場合の動作は未定義である。型検査によって型安全性を確保するために、互換性のない型同士の変換は明示的・暗黙的問わず一切できないようになっている言語や、間違った型変換をすると実行時に例外をスローする言語もある。 型安全でない例としては、C/C++において、 可変長引数 の関数を利用する場面が挙げられる。代表的なものが printf や scanf で、これらの関数は任意の数のあらゆる型のデータ(オブジェクト)を可変長引数として統一的に渡せるように、いったん引数オブジェクトの型情報を消去し、別途入力として与えられた書式文字列をもとに型情報を関数内部で復元する仕組みになっている。しかし書式文字列の指定にミスがあると、本来のオブジェクトの型とは異なる誤った型として取り出すことになってしまうが、型が消去されてしまっているためにコンパイラはミスを検出することができない。結果として、想定されたものとは異なるでたらめな値が出力されてしまったり、間違った型へのポインタを経由することで誤った領域にデータを書き込んでしまいクラッシュしたり、といった未定義の異常動作を引き起こす。一方、JavaやC#の可変長引数では、実引数として渡される個々のオブジェクト自身が型情報を保持しており、書式指定ミスによる型の不一致があった場合は例外をスローして安全にプログラムを中断・異常終了させることができるため、C/C++よりも型安全性が高い。 別の例として、 ジェネリックプログラミング (ジェネリクス)をサポートしていなかった初期のJavaやC#では、可変長の動的配列や双方向リストなどのコレクションに型 T のオブジェクトを格納する場合はいったん基底型である java.lang.Object や System.Object にアップキャストし、またコレクションからオブジェクトを取り出す場合は型 T にダウンキャストしなければならず、正しい型のオブジェクトとして取り出すためには注意深くコーディングする必要があった。ジェネリクスをサポートすることで、コレクションに格納する型 T を静的に決めることができるようになり、誤ったキャストにより実行時エラーを引き起こす可能性を排除できるようになった。このような改善も型安全性の向上とみなされる。 型の互換性 [ 編集 ] 静的型付き言語の型検査では、すべての式の型がその式が現れた文脈で期待される型と一貫しているか、検証しなければならない。たとえば、 x := e という代入文では式 e の推論される型は変数 x の宣言型または推論型と一貫していなければならない。この一貫性の概念を 互換性 といい、プログラミング言語ごとに固有のものである。 明らかなように、 e と x の型が同一でかつその型への代入操作が許可されているなら、これは正当な式である。したがって最も単純な型システムでは、2つの型が互換であるかどうかは2つの型が同一である(または等価である)かどうか(等価性)という単純な問題に置き換えることができる。別の言語では2つの式が同じ型を持つと理解されるのに別の基準を採用している。これら、型の「同一性理論」は非常に多岐にわたっており、2つの対極の例は構造的型システムと名前的型システムとである。構造的型システムとは外部に見せている構造(インタフェース、特に暗黙的なもの)が同じものを持つ値を同じ型であるとするもので、名前的型システムとは型宣言の構文からのみ型の同一性を判定する(型が同じ「名前」を持たなければならない)ものである [ 6 ] 。 オブジェクト指向言語のように基底型と派生型の関係がある言語では、互換性の関係はより複雑なものとなる。型 Derived が型 Base の派生型であるとすると、 Derived 型の値は Base 型の値が必要とされる文脈で使用することができる( リスコフの置換原則 )。しかし逆は真ではない。等価性と同様に派生型の関係はプログラミング言語によって異なった方法で定義され、多くのバリエーションが存在しうる。 パラメータ付けされたまたはアドホックなポリモーフィズムを持つ言語の存在は型の互換性に何らかの意味を持つのかもしれない。 [ 要説明 ] 型付けの分類 [ 編集 ] 静的な型付けと動的な型付け [ 編集 ] →詳細は「 静的型付け 」および「 動的型付け 」を参照 静的(static)と動的(dynamic)は、プログラム要素の型を検査(check)する際の性質である。これは検査タイミングを示している。 プログラムの実行前(コンパイル時、インタプリタ開始時)に型検査を行うのが静的型付けであり、プログラムを実行しながら型検査を行うのが動的型付けである。Javaは一般に静的型付け(静的型付き言語)であるが、ダウンキャストは明示する必要があり実行時に型検査を受ける。 Common Lisp は一般に動的型付け(動的型付き言語)だが、type specifierという静的に型を指定する文法も持っている。このように、ある程度は混在している言語もある。さらに、静的検査が行われるタイミングについても、コンパイル時の他リンク時や インタプリタ の ソースコード 読み込み時といった場合もありえるため、簡単に見た目では分類できないこともある。 型なし [ 編集 ] 型付けを更に厳密に定義した区分として型なし( 英 : untyped )という区分が存在する。代表的な言語としてはSmalltalk [ 7 ] 、BCPL、B言語、アセンブリ言語などがある。Smalltalkでは高速化のため処理系依存で実行時に型検査することがあるものの言語的には型検査がなく、動的型付け言語のように文字列に割り算をするといった不正な操作をしても処理系が型検査して停止する事は無い。 BCPL、B言語、アセンブリ言語などオブジェクト指向とは関係なく型を持たない言語では、ハードウェアのワード長に依存した1種類の型のみを持つか、言語を使う側でデータを参照するときにデータ幅や種類の解釈を決定することとなる。 オブジェクト指向型の型なしの言語では処理系が型検査をしない代わり、ライブラリで例外を投げて停止する。例えばSmalltalkではオブジェクトに対し対応するメソッドが存在しないメッセージを投げると、最終的にクラスごとに定義した #doesNotUnderstand: メソッドに至る。このメソッドが例外を投げるようになっていれば停止するが、そうでなければ停止することなく走り続ける。対照的に動的型付け言語では、演算子のような一部の操作について値の型に応じた型検査を処理系が行いエラーとしてしまう。エラー発生時の挙動については言語によって異なり、例えば数値を文字列値で割るという 2 / 'A' のような無意味な演算に対して、 Python は TypeError 例外をスローし、 JavaScript は NaN を返す。型なしのオブジェクト指向言語は最適化がしづらい反面、オブジェクトの操作を処理系に制限されないため使用者が後から自由にオブジェクトの操作を追加できる利点がある。 強い型付けと弱い型付け [ 編集 ] 強い(strong)と弱い(weak)は、静的/動的型付けでのプログラム要素の型を解釈(interpret)する際の性質である。 強い型付けとは、プログラミング言語仕様内でデータ値の型を解釈するという全く普通の方法に従ったものである。暗黙的型変換(implicit type conversion)と型強制(type coercion)と型ジャグリング(type juggling)は、言語仕様内なので、こちら側になる。基底型を派生型にするなど一定の型制約での実行時型チェック付きの型キャスト(type casting)も、こちら側になる。特殊な例では、 LISP 風の潜在的型付けや ダックタイピング による型解釈も言語仕様内なので、こちら側である。 弱い型付けとは、言語仕様外になる明示的型変換(explicit type conversion)と型キャスト(type casting)の使用によって、データ値の型を様々に解釈できる変則的な方法を大幅に許容したものである。型安全性は保証されなくなる。具体例としては以下がある: 数値用例 明示的型変換によって、実数型を整数型に丸める。整数型を実数型に拡張する。ワード値をバイト値に切り詰める。バイト値をワード値に拡張して拡張部分を0で埋めるなど。 ポインタ用例 主にvoidポインタを型キャストして、あらゆる型を表わす。 タグ無し共用体用例 タグ無し共用体を明示的型変換して、あらゆる型を表わす。 型パンニング(type punning)用例 明示的型変換によって、ビット列と数値型を変換する。アドレス値と数値型を変換する。文字型/文字列と数値型を変換する。レコードのバイト列を切り詰めたり拡張したりして基底レコードと派生レコードを変換するなど。 明示的な型付けと暗黙的な型付け [ 編集 ] →詳細は「 型推論 」を参照 明示的(explicit)と暗黙的(implicit)は、静的型付けでのプログラム要素の型を宣言(declare)する際の性質である。 明示的な型付けとは、プログラマがその型を指名して変数を定義(宣言)するスタイルである。これは FORTRAN や C言語 などの 手続き型プログラミング に適したものであり、大抵のプログラミング言語はこちらを採用している。 暗黙的な型付けとは、型を指名しないで変数を定義(宣言)するスタイルである。その変数の型は、等号式で結び付けられた リテラル 、他の変数、リテラルと他の変数を引数にした関数、関数の組み合わせなどを再帰的に辿って解釈することで、コンパイラによって自動的に導き出される。これは 型推論 と呼ばれる。型推論は、 関数型プログラミング の 参照透過性 に準拠したatom(初期 リテラル )とvalue( 評価値 )によるデータ値表現に適したものであり、 ML や Haskell などで採用されている。従来の手続き型やオブジェクト指向プログラミング言語においても、型推論の機能を導入するケースが増えている。 コード中の数値や文字列の リテラル および式は型を暗示する。例えば、式 3.14 はおそらく 浮動小数点数 を暗示し、式 1, 2, 3 はおそらく整数の リスト (主に 配列 )を暗示する。リテラルがどのような型になるかは言語によって異なる。ユーザー定義のリテラルを記述することができる言語もある。リテラル自体がオブジェクトであり、変数に束縛することなくメソッドやプロパティを使用できる言語もある。 名前的型付けと構造的型付け [ 編集 ] →「 en:Nominal type system 」および「 en:Structural type system 」も参照 名前的(nominal) [ 注釈 1 ] と構造的(structural)は、静的/動的型付けでのプログラム要素の型を識別(identify)する際の性質である [ 6 ] 。 名前的型付けとは、システムが保持しているプログラム要素の参照情報上の型の名前を見て、データ値の型を識別するスタイルである。 構造的型付けとは、参照情報上の型の名前を見ないで、データ値本体の分析でデータ値の型を識別するスタイルである。ただし、データ集合を分解して行き着く リテラル の型識別は事実上の名前的型付けになる。例えば 構造体 では、 フィールド 構造(各フィールドの型の種類と順序)が一致しているならばフィールド名が違っても同じ型と判定される。構造的型付けは、 部分型 の判定にも多用される。例えば オブジェクト では、特定の関数/手続きの構造を双方が所持しているならば、その部分型での等価と見なされる。特定のフィールド構造を双方が所持している場合も同様である。 ダックタイピング [ 編集 ] ダックタイピング は、構造的型付けに類似した型付けのスタイルであり、 オブジェクト が対象になることが多い。例えばオブジェクトが特定のプロパティ/フィールド/変数を所持しているか、または特定のメソッド/関数/手続きを所持しているならば等価判定される。これも部分型(サブタイプ)視点である。この等価判定は、エラー発生のないプロパティ参照またはメソッド実行に直結している。ダックタイピングの名称は、帰納法の一種である ダックテスト に由来している。 『もしアヒル (a duck) のように歩いて、アヒルのように鳴くなら、それはおそらくアヒルだ』 さらに動的型付けに基づく動的ダックタイピングと、静的型付けに基づく静的ダックタイピングがある。特にC++のテンプレートは静的ダックタイピング機能の典型であり、例えば関数呼び出し演算子をオーバーロードした 関数オブジェクト を定義することで、 関数ポインタ と区別することなく統一的にアルゴリズムの述語オブジェクトとして扱うこともできる。適切な演算子オーバーロードを定義することで、組み込みの数値型やポインタ型と同じ記法で扱える型をユーザー定義することもできる。 分類には諸説あり、「ダックタイピングは実行時の動的な型付けであり、構造的型付けはコンパイル時の静的な型付けである」とみなす者もいれば [ 8 ] 、「構造的型付けはコンパイル時の静的なダックタイピングである」とみなす者もいる [ 9 ] [ 10 ] 。 型推論 [ 編集 ] →詳細は「 型推論 」を参照 静的な型システムの言語では型宣言を必要とし、基本的にプログラマはすべての変数に特定の型を明示的に関連付けなければならない。しかし、変数の初期化時の右辺値や変数の使われ方など、プログラマが型を明示せずともコードの文脈から型を自動的に決定する型推論(type inference)の機能を持つ言語もある。例として、Haskellにおいて変数 x と y を加算する関数 f を定義してみる。 f x y = x + y ここで、 x と y の型を特に明示していないが、 + による加算は数値のみに定義されているので、コンパイラは x と y は共に数値型であると推論できる。ゆえにプログラム中で f の引数として数値でない型(文字列やリストなど)の値を渡して呼び出すとエラーを報告する。 main = do print ( f 1 2 ) -- 3 print ( f 1.0 2.0 ) -- 3.0 --print (f "hoge" "fuga") -- コンパイルエラー。 型推論の目的は、単にコードの記述効率を向上したり、型のミスマッチに起因するエラーを軽減したりすることだけではない。 ラムダ式 や匿名型など、コンパイラが内部で型を自動生成し、プログラマが具体的な型の名前をコード上で書き下すことができない場合もあり、そういった機能に対応しなければならないという目的もあって型推論を導入した言語もある(C++やC#など)。 議論 [ 編集 ] 型付けについて [ 編集 ] 静的型付き言語はいわゆる コンパイラ 言語に、動的型付き言語はいわゆる 動的プログラミング言語 によくみられる。 型検査がどのように働くのかを見るために、次の 擬似コード を考える。 var x; x := 5; x := "hi"; この例では、1行目で x という名の変数を宣言し、2行目で x に整数 5 を代入し、3行目で x に文字列 "hi" を代入している。ほとんどの静的型付けの処理系ではこのようなコードは不正( 型エラー )となる。なぜなら2行目と3行目で x に一貫性のない型の値を代入しているからである。 対照的に動的型付けの処理系では、型は 変数 ではなく 値 に付けられるので、上のようなコードが実行できる。動的型付けの処理系は間違った文や式を実行したときに、値の誤用に関するエラーを 型エラー として捕捉する。つまり、動的型付けはエラーをプログラムの実行中に捕捉する。動的型付けの典型的な実装ではプログラム中のすべての値が型情報を持ち、演算に値を使う前に型情報を確かめる。例を挙げる。 var x := 5; var y := "hi"; var z := x + y; このコードでは、1行目で x を値 5 で 束縛 し、2行目で y を値 "hi" で束縛し、3行目で x と y を足そうとしている。動的型付き言語では x を束縛した値は (整数, 5) というペアとして表すことができ、 y を束縛した値は (文字列, "hi") というペアで表すことができる。プログラムが3行目を実行しようとしたとき、処理系は 整数 と 文字列 という型情報を検査し、もし演算 + (加算)がその2つの型について定義されていなかったら、エラーを出す。 プログラミング言語の中には、静的に型検査されないコードをプログラマが書けてしまう「 バックドア 」を持つものもある。例として、 Java やC風の言語には「 キャスト 」がある。 プログラミング言語が静的型付けをもつことは必ずしも動的型付けをもたないことを意味するわけではない。例えばJavaは静的型付けを採用しているが、処理によっては動的な型情報の取得を必要とするものもあり、それらは動的型付けの一形態とみなせる。静的型付けと動的型付けの違いについては様々な議論がある。 静的および強い型付けの支持者と動的および自由な型付けの支持者の間では衝突が度々おきる。前者のグループは厳密な型付けの使用によって、処理系がより多くのエラーを問題が大きくなる前に発見できるようになると主張している。後者のグループはより気軽な型付けによってコードはよりシンプルなものになり、そのようなコードは解析しやすいとされるので、エラーは減少すると主張している。型推論がある言語では型を手で宣言する必要はほとんどないので、強い型付けに伴う開発のオーバーヘッドは低減される。 個人がどのグループに分かれるかは、開発しているソフトウェアの種類やチームのメンバーの能力、他のシステムとの対話性の度合い、開発チームの規模などに依ることが多い。少人数で小回りのきくプロジェクトには気軽な型付けがより合い、フォーマルで大人数で仕事が分断されている(プログラマ、アナリスト、テスト部隊、など)プロジェクトは厳密な型付けのほうがうまくいくことが多い、と結論づける者もいる。 TypeScript のように、 JavaScript の持つ動的型付けにまつわる問題点を回避して大規模アプリケーション開発にも耐えうるようにするため、静的型付けをサポートするよう改良された言語もある。 型の利点について [ 編集 ] 最適化 [ 編集 ] 静的な型検査によってコンパイラは 最適化 に有用な情報を得ることがある。例えば データ構造アライメント の指定によって、ある型の値が16の倍数のアドレスに配置されることが保証されていれば、コンパイラはより効率の良い マシン命令 を選択できる。 可読性の向上 [ 編集 ] より表現力の高い型システムでは、型はプログラマの意図を説明することができるので、型自身が ドキュメント の役割を果たし、 可読性 の向上に寄与することもある。例として、何らかの時刻情報(タイムスタンプ)を返す 関数 を定義するとき、単なる64ビットの組み込み整数型ではなく専用のタイムスタンプ型(構造体型など)を返す関数として宣言すると、その型情報が関数の意味を記述していることになる。 抽象性/モジュール性の確立 [ 編集 ] 型によってプログラマは低レベルでの実装に煩わされずにより高レベルで考えることができるようになる。これはプログラム設計に適切な 抽象化 をもたらす。例えば文字列型によってプログラマは文字列を文字列として、単なる バイト の列ではないものとして考えることができる。 また型によって複数のデータ構造の間の依存関係を明確にすることができ、さらに上位レベルでは複数のサブシステム間の インタフェース を表現することができる。これはサブシステムの相互運用性に必要な定義を局所化し、それらのサブシステムが通信する際に起きる矛盾を防止するなど、 モジュール性 の向上に貢献する。 型のトレードオフについて [ 編集 ] 静的型付けか動的型付けかの選択はいくつかの トレードオフ を必要とする。 静的型付けは型エラーをコンパイル時にある程度確実に発見する。よって最終的なプログラムの信頼性を上げるはずである。しかしながら、型エラーがどれほど犯しやすい間違いなのか、その内の何割が静的型付けで検出できるのか、という点についてプログラマの意見は割れている。静的型付けの支持者は型検査されたプログラムの方が信頼性が高いと信じており、それに対して動的型付けの支持者は実際に流通しているソフトウェアの信頼性では大差ない点を指摘している。 静的型付けは大抵、より高速に実行可能なコンパイル済みコードを生成する。コンパイラが正確なデータ型を知っていれば、最適化されたコードを生成できる。さらに、静的型付き言語のコンパイラではショートカットをみつけるのもより簡単になる。この理由から Common Lisp などのいくつかの動的型付き言語では随意で型宣言ができるようになっている。最適化のための型付けは静的型付けの影響で普及した。 対照的に、動的型付けのほうがコンパイラやインタプリタの動作が高速になることがある。動的型付けの言語では ソースコード が変更されてもやり直すべき解析が少ないためである。これは「編集-コンパイル-テスト-デバッグ」というサイクルの時間を減らす。 型推論 のない静的型付き言語ではプログラマがメソッドや関数の型を宣言しなければならない。これはプログラムの追加的なドキュメントとして機能することがあり、コンパイラによってコードと同期させることが強制される。しかし型宣言のない静的型付き言語もあるので、これは静的型付けのというよりは型宣言の報酬である。言語が型推論の機能を持っていたとしても、型推論による暗黙的型付けを多用しすぎると可読性やメンテナンス性がかえって低下することがある。型推論を使用することが適切ではないケースについて一定のガイドラインが示されていることもある [ 11 ] 。 動的型付けはいくつかの静的型付けでは不正となり実現できない仕組みを可能にする。例えばデータをコードとして実行する eval 関数である。さらに動的型付けでは、具体的なデータ構造の代わりに文字列を暫定的に用いることなどがやりやすく、 プロトタイピング との相性も良い。 動的型付き言語の メタプログラミング 機能はより強力で使いやすいことが多い。例を挙げると、 C++ の テンプレート は Ruby や Python での等価なコードより、書くのが煩わしい。また イントロスペクション のような、より高度な実行時の仕組みを静的型付き言語で使うのは、さらに困難になることが多い。 型のバリエーション [ 編集 ] 典型的には、プログラム中ではすべての値には1つの特定の型が付けられる(1つの型が複数の派生型を持つ場合でも)。 オブジェクト や モジュール 、 通信路 、 依存関係 、及び型自身にさえ型が付けられることもある。 また、型システムの理念であるコンパイル時に重点を置いたフォールトアヴォイダンスを更に推し進めている拡張的な形式体系に エフェクトシステム ( 英語版 ) というものがある。こちらでは プログラム副作用 をも体系化して一種の型として扱っている。 型とポリモーフィズム [ 編集 ] →詳細は「 ポリモーフィズム 」を参照 ポリモーフィズム(多相)という語は、コード(具体的には関数やクラス)が複数の型の値に基づいて動作できること、または同じ データ構造 の異なるインスタンスが異なった型の要素を持てることを指す。型システムによっては コードの再利用 性を改善するためにポリモーフィズムを持つものもある。ポリモーフィズムのある言語ではプログラマは リスト や 連想配列 のようなデータ構造を使用される要素の型ごとにではなく、単に一度だけ実装すればよい。この理由から計算機科学ではこの種のポリモーフィズムの利用は ジェネリックプログラミング と呼ばれることがある。ポリモーフィズムの型理論における基礎は 抽象化 や モジュール 、また(場合によっては) 派生型 についての研究と密接な関連がある。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 英 : nominal は公称的、名目的または記名的とも訳される。 出典 [ 編集 ] ^ Pierce 2002 , p. 1: "A type system is a tractable syntactic method for proving the absence of certain program behaviors by classifying phrases according to the kinds of values they compute." ^ Cardelli 2004 , p. 1: "The fundamental purpose of a type system is to prevent the occurrence of execution errors during the running of a program." ^ 『 型システム入門 』 p. 1 ^ 6-1. バッファオーバーラン その1「こうして起こる」 ^ 非Java言語のサポート | Oracle Help Center | Java SE 11 | Java仮想マシン・ガイド ^ a b Benjamin C. Pierce「19.3 名前的型システムと構造的型システム」『型システム入門 −プログラミング言語と型の理論−』オーム社、2013年3月26日。 ISBN 978-4274069116 。 ^ http://web.cecs.pdx.edu/~harry/musings/SmalltalkOverview.html ^ Duck Typing vs Structural Typing vs Nominal Typing | by Saurabh Nayar | Higher-Order Functions | Medium ^ Structural Typing: Compile Time Duck Typing ^ typing --- 型ヒントのサポート — Python 3.9.4 ドキュメント ^ C# Coding Conventions | Microsoft Docs 参考資料 [ 編集 ] 出典 は列挙するだけでなく、 脚注 などを用いて どの記述の情報源であるかを明記 してください。 記事の 信頼性向上 にご協力をお願いいたします。 ( 2021年9月 ) Benjamin C. Pierce (2005). Advanced Topics in Types and Programming Languages . MIT Press. ISBN 0-262-16228-8 . http://www.cis.upenn.edu/~bcpierce/attapl/main.html Type System Terminology Meijer, Erik. “ Static Typing Where Possible, Dynamic Typing When Needed: The End of the Cold War Between Programming Languages ” (PDF). Microsoft Corporation . 2007年2月16日時点の オリジナル よりアーカイブ。2007年3月8日閲覧。 Pierce, Benjamin C. 著、遠藤侑介・ほか共 訳『型システム入門 : プログラミング言語と型の理論』オーム社、2013年3月。 ISBN 9784274069116 。 関連項目 [ 編集 ] 型理論 - 型システムの土台。 カインド (型理論) System F ラムダキューブ 依存型 ポリモーフィズム 多重定義 (アドホック多相) 総称型 (パラメトリック多相) 派生型 (サブタイプ多相) 抽象型 インタフェース (抽象型) 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9E%8B%E5%A4%89%E6%8F%9B
型変換
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "型変換" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2017年9月 ) 型変換 (かたへんかん、 英 : type conversion )とは プログラム において、ある データ型 を他のデータ型に変換することである [ 1 ] 。型キャスト( 英 : type casting )とも呼ばれる [ 2 ] 。 分類 [ 編集 ] 暗黙の型変換と明示的型変換 [ 編集 ] 暗黙の型変換 は、明示的に指定しなくても コンパイラ の判断によって自動的に行われる型変換で、 型強制 (type coercion)ともいう [ 3 ] 。逆に、明示的に指定して行う型変換を 明示的型変換 という。 暗黙の型変換では、たとえばある式の中に複数の型の変数がある場合、すべての変数を最も上位の型に変換する。 double d ; long l ; int i ; /* ... */ if ( d > i ) d = i ; if ( i > l ) l = i ; if ( d == l ) d *= 2 ; この C言語 のコードでは、 d と l と i は異なったデータ型をもっているので、すべての演算は自動的に同じ型に変換された後に行われる。より大きなサイズの型に変換されることを拡大変換 (widening conversion) と呼び、より小さなサイズの型に変換されることを縮小変換 (narrowing conversion) と呼ぶ。 暗黙の型変換には注意しなければならないこともある。たとえば double 型( 浮動小数点数 )の値を int 型( 整数型 )の変数に代入する場合、小数点以下の端数があったり、元の値が int 型で表現できる範囲を超えていたりすると、縮小変換により情報の一部が失われてしまう。浮動小数点数特有の誤差により、意図せず切り捨てられてしまうこともありうる。また、符号付き整数と符号無し整数との間の暗黙変換に関しても、同様に情報が失われたり、整数オーバーフローにより意図しない値になってしまったりする可能性がある。C言語および C++ では暗黙の縮小変換を許しているが、情報が失われる可能性のある変換に対して、通例 コンパイラ が警告を出す。 Java や C# などの後発言語では、暗黙の縮小変換を許可せず、後述するキャスト (cast) 構文による明示的な変換が必要となる。さらに型の扱いが厳密な F# などの関数型言語では、暗黙の拡大変換も許可せず、キャスト構文による明示的な型変換が必要となる。 組み込みの型変換とユーザー定義の型変換 [ 編集 ] 基本的な型変換(整数どうしの変換や、整数と浮動小数点数との間の変換など)は、多くのプログラミング言語処理系で最初から定義されており、通例 プロセッサ ( CPU ) によってサポートされる高速なハードウェア変換命令にコンパイルされる。一方、ある型から別の型への変換をユーザーが定義できる言語もある。 例えば C++ では、ユーザー定義型の中に変換元の型を一つだけとる引数付き コンストラクタ を定義すれば、ユーザー定義の暗黙の型変換が定義できる。これを変換コンストラクタ (converting constructor) と呼ぶ。コンストラクタに explicit 修飾子をつけると暗黙の型変換が許されなくなり、明示的型変換が必要となる。 class Class1 { }; class Class2 { public : explicit Class2 ( Class1 c1 ) { /* ... */ } }; void test () { Class1 c1 ; Class2 c2 = ( Class2 ) c1 ; // explicit 修飾子がなければ Class2 c2 = c1; でよい。 // explicit の有無にかかわらず、Class2 c2(c1); と書くことは常にできる。 } ここで、 Class1 と Class2 の間には継承関係がないにもかかわらず代入ができている。これは Class1 からコンストラクタを通して Class2 に型変換されるからである。 なお、上の例では型変換の構文をとってはいるが、実際の処理としては c1 はコンストラクタへの引数として渡されている。そのため、本来必要のない c1 のコピーが生成される。これを避けるために、変換元の型がユーザー定義型である場合には、通常は引数を 参照 として渡す。また、型変換という操作の意味を考えれば、変換元のインスタンスに変更を加えるということはあり得ないので、通常は引数に const 修飾子をつけて変更不可とする。結局、コンストラクタの宣言は explicit Class2(const Class1& c1) { ... } のように書くことが多い。 なお、 C++11 以降では複数の引数を持つコンストラクタであっても、 explicit を指定しない場合は変換コンストラクタとなることができる [ 4 ] 。 キャストとその分類 [ 編集 ] C言語とその流れにある言語では、キャスト演算子によるキャスト式により、式の右辺値を指定された型に型変換する。この構文をキャストと呼ぶ。C言語のキャスト演算子は、型名を括弧で囲んだ形式 ( Type ) であり、目的の式に前置する。 double d = 1234.5678 ; int x = ( int ) d ; C++ では従来のC言語形式のキャスト構文のほか、用途および意味を明確にした4つの異なるキャスト構文( static_cast , reinterpret_cast , const_cast , dynamic_cast )が用意されている。C++では意味が曖昧なC言語形式のキャスト構文は推奨されず、状況に応じて4つのキャスト構文を使い分けることが推奨される。 アップキャスト [ 編集 ] あるクラス Base と、 Base から派生したクラス Derived があるとする。アップキャストとは、派生クラスから基底クラスへの型変換、すなわち Derived のインスタンスを Base に変換する操作である。「 Derived のインスタンスは Base のインスタンスである」ことは保証されているので、この変換は安全である。そのため、多くの言語において、アップキャストは暗黙的に行うことができる( リスコフの置換原則 )。例外として、F#は暗黙変換を許可しない言語であり、 インターフェイス (抽象基底クラス)のメソッドはそのインターフェイスを実装したクラス(派生クラス)のインスタンスから直接呼び出すことができず、まずインターフェイス型への明示的なアップキャストが必要となる [ 5 ] 。 ダウンキャスト [ 編集 ] ダウンキャストはアップキャストの逆で、基底クラスから派生クラスへの型変換、すなわち Base のインスタンスを Derived に変換する操作である。 Base のインスタンスは必ずしも Derived のインスタンスとは限らないので、この変換は一般に安全ではなく、エラーが発生する可能性がある。そのため、多くの言語ではキャスト構文による明示的な変換の記述が必要である。通例、 オブジェクト指向プログラミング では ポリモーフィズム を使うべきであり、ダウンキャストおよびクロスキャストが必要になるということはプログラムの設計に問題があることを示唆している。 C++ では、安全なダウンキャストのために dynamic_cast という特別な構文が用意されている。この構文では、 実行時型情報 を参照し、ポインタ間の変換が失敗すると結果として nullptr が返る。参照間の変換が失敗すると std::bad_cast 例外がスローされる。 dynamic_cast を使用するためには、型に 仮想関数テーブル が必要となる。つまり、基底クラスに少なくとも1つの仮想関数を持つ必要がある。確実に成功することが分かっているダウンキャストの場合は static_cast で代用でき、これは dynamic_cast よりも実行時コストが小さくなるが、失敗する可能性のある場合には使えない [ 6 ] 。単一継承の場合はダウンキャストにC言語形式のキャスト構文を使うこともできるが、多重継承の場合はダウンキャストに dynamic_cast または static_cast を使う必要があり、またどの基底クラスへのポインタにキャストするかによって結果アドレスが変化しうる。 Java では、ダウンキャストに失敗すると java.lang.ClassCastException 例外がスローされる。C++の dynamic_cast に相当する機能は存在しないが、 instanceof 演算子で型情報を問い合わせることはできる。Java 14では、 instanceof 演算子の機能が拡張され、末尾で宣言した変数に変換結果を格納できるようになった [ 7 ] 。 C# では、ダウンキャストに失敗すると System.InvalidCastException 例外がスローされる。参照型または null 許容型( Nullable型 )への変換については as 演算子が用意されており、変換が失敗した場合は null が返る [ 8 ] 。 is 演算子は、左辺式の型と右辺で指定した型との互換性(変換可能性)を bool型 の値で返す [ 9 ] 。C# 7.0では、 is 演算子の機能が拡張され、変換可能性を bool 値で返すと同時に、末尾で宣言した変数に変換結果を格納できるようになった [ 10 ] 。C# 9.0以降では、否定パターン is not もサポートされるようになった。 as 演算子および is 演算子ともに、通常のキャスト演算子とは異なり、ユーザー定義変換は行われない。 クロスキャスト [ 編集 ] あるクラス Derived が、二つの基底クラス Base1 と Base2 を 多重継承 しているとする。このとき、例えば Base1 から Base2 のように基底クラスどうしの間で型変換することをクロスキャストという。変換する対象が Derived のインスタンスであればキャストは成功するが、それは実行時にならないと分からないので、ダウンキャストと同様に安全な型変換ではない。 C++では、ダウンキャストと同じ構文 dynamic_cast で安全なクロスキャストが行える。 C++/CLI および C++/CX ( 英語版 ) ではそれぞれ、 safe_cast 構文による マネージ 型間あるいは Windowsランタイム 型間のダウンキャストおよびクロスキャストをサポートし、失敗すると System.InvalidCastException 例外または Platform::InvalidCastException 例外がスローされる [ 11 ] [ 12 ] [ 13 ] 。 静的キャスト [ 編集 ] 整数どうしの型変換や整数と浮動小数点数との間の型変換などの、ごく一般的な型変換。内部的には64bitで表すデータを32bitなどに変換する縮小変換や、32bitで表すデータを64bitなどに変換する拡大変換を伴う場合もある。一例としては、JavaやC#の int から long への型変換はサイズ長を倍化させる拡大変換であり、逆に long から int への型変換はサイズ長を半減させる縮小変換である。 脚注 [ 編集 ] ^ ASCII.jpデジタル用語辞典『 型変換 』 - コトバンク ^ デジタル大辞林『 型キャスト 』 - コトバンク ^ Type coercion (型強制) - MDN Web Docs 用語集: ウェブ関連用語の定義 ^ explicit 指定子 - cppreference.com ^ F# のインターフェイス | Microsoft Learn ^ dynamic_cast 変換 - cppreference.com ^ Java 14におけるinstanceofのパターン・マッチング ^ https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/language-reference/keywords/as ^ 型のテスト演算子とキャスト式 - C# リファレンス | Microsoft Learn ^ https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/language-reference/keywords/is ^ Casting Operators | Microsoft Docs ^ safe_cast (C++/CLI and C++/CX) | Microsoft Docs ^ Casting (C++/CX) | Microsoft Learn 関連項目 [ 編集 ] 型システム 汎整数拡張
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%86%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%AB%E6%96%B9%E5%BC%8F
カテドラル方式
伽藍とバザール The Cathedral and the Bazaar: Musings on Linux and Open Source by an Accidental Revolutionary 著者 Eric S. Raymond 訳者 山形浩生 イラスト Liubov S. Popova 発行日 1999 発行元 O'Reilly Media ジャンル ノンフィクション、随筆 オープンソース、ソフトウェアリリースライフサイクル、トップダウン設計とボトムアップ設計 国 アメリカ合衆国 言語 英語 形態 著作物 ページ数 241 次作 ノウアスフィアの開墾 公式サイト www.catb.org コード ISBN 978-1565927247 ISBN 978-4904807026 (日本語訳版) [ ウィキデータ項目を編集 ] テンプレートを表示 『 伽藍とバザール 』(がらんとバザール、 英 : The Cathedral and the Bazaar 、カテドラルとバザール)は、 エリック・レイモンド によって書かれた オープンソースソフトウェア (OSS)のソフトウェア開発方式に関する エッセイ および 書籍 である [ 1 ] 。 当記事では、Cathedralの訳語に伽藍、Bazaarの訳語に バザール を使用する。訳語については、 「Cathedral」の日本語訳 の節を参照。 伽藍方式として GNU Emacs の開発スタイル、バザール方式として Linuxカーネル の開発スタイルと Fetchmail のマネジメント経験を挙げ、 トップダウン設計とボトムアップ設計 の葛藤について調査している。また、 ソースコード を常時公開して多くの利用者・開発者が ソフトウェア開発 に携わる開発手法のメリットを主張している。 歴史 [ 編集 ] 1997年5月27日、 ドイツ の ヴュルツブルク で開催された Linux Kongress で講演の形で発表された。その後、1999年に書籍として出版された。原作書籍の表紙に描かれているイラストは、 トレチャコフ美術館 所蔵の リュボーフィ・ポポーワ による1913年の絵画『 Composition with Figures 』である [ 2 ] 。エッセイは2000年前後以降より Open Publication License 2.0 の下で公開されている [ 1 ] 。日本語翻訳版は 山形浩生 が1999年に執筆し、 オープンコンテント 相当の制約で公開されている。 本書はオープンソース4部作となる『伽藍とバザール』『 ノウアスフィアの開墾 ( 英語版 ) 』『 魔法のおなべ ( 英語版 ) 』および2011年現在未発表の『Weaving the Net of Indra』のうち、ソフトウェア関係者向けに書かれた最初のひとつである。 バザール方式の教訓 [ 編集 ] さまざまなソフトウェア開発の取り組みから学んだバザール方式の19の教訓を挙げ、それぞれがオープンソースソフトウェア開発における優れた開発手法に関する題目を述べている [ 1 ] 。 全ての良いソフトウェアは開発者の個人的な希望から始まる。 良いプログラマは何を書けば良いか知っている。凄いプログラマは何を書き直せば・何を再利用すれば良いか知っている。 破棄する計画を立てる。いずれにせよ、そうすることになる。 [ 注釈 1 ] 適切な取り組みをしていれば、おかしな問題は自発的に主張してくる。 ソフトウェアに興味がなくなった時には、ソフトウェアを手放して優秀な後継者に引き継ぎする。 利用者を共同開発者として扱うことは迅速な実装改善と効率的なデバッグの最短ルートである。 素早く頻繁なリリース ( 英語版 ) を実施し、顧客の話を聞く。 十分なベータテスターと共同開発者の基盤があれば、大半の問題はすぐに特定されて誰かが直す。 賢いデータ構造と愚かなソースコードは、その逆であるよりずっと良い成果を出す。 あなたがベータテスターを最も有益な資産として扱うなら、彼らは最も有益な資産となり応えてくれる。 次の最適案は利用者による良いアイディアに気付かされる。後から出たアイディアの方が良いこともある。 大半の衝撃的で革新的な解決策は自身の問題の捉え方が間違っていることに気付くことから始まる。 完璧な設計はそれ以上の追加することがなくなった時ではなく、それ以上の削減することがなくなった時である。 [ 注釈 2 ] 全てのツールは想像通りに便利であるべきであるが、本当に凄いツールは作者の想像を越えた便利さを与える。 どんなゲートウェイソフトウェアを実装する場合でも、データストリームへの影響は可能な限り最小限に抑え、受け手が強制しない限りはデータを決して破棄しない。 自分の書き方が チューリング完全 から外れているなら、 シンタックス・シュガー は手助けになる。 セキュリティシステムのセキュリティはそれが秘密である時だけ意味を成す。見掛けのセキュリティには注意すること。 おかしな問題を解決することは、おかしな問題を探すことから始まる。 開発コーディネーターが少なくともインターネットと同等に良質な交流手段を持って圧力をかけない先導手法を知っているなら、必然的に頭数は多い方が良い。 受容と影響 [ 編集 ] 1998年、 ネットスケープコミュニケーションズ が Netscape Suite のソースコードを公開することを後押しをして、Netscape Suiteが Mozilla Application Suite として生まれ変わることとなった [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] 。このネットスケープコミュニケーションズのアクションは エリック・レイモンド を ハッカー 分野で著名にさせるに十分な出来事だった [ 6 ] (そもそもエリック・レイモンドは ジャーゴンファイル の編集(1990年以降)などで、もともとハッカー分野ではそれ以上著名になることはないくらいに著名な人物であり、正確にはハッカー以外に著名になった)。 1999年、 Oreilly Media が初版を出版したものは、 Open Publication License でライセンスされ公開している著書が初めて商用書籍として販売された事例となった [ 7 ] 。 マーシャル・ポー ( 英語版 ) はエッセイ『 The Hive 』で、 Wikipedia はバザール方式に似ていると述べた [ 8 ] 。 ジミー・ウェールズ 自身、バザール方式に触発されており、「大量の共同作業の可能性を目の当たりにした」と述べている [ 9 ] 。 1999年、 ニコライ・ベズロコフ ( 英語版 ) はエリック・レイモンドのオープンソースソフトウェアに関する2件の批判的エッセイを掲載し、2つ目のエッセイは『 A second look at The Cathedral and the Bazaar 』として知られている [ 10 ] [ 11 ] [ 12 ] [ 13 ] 。それらはエリック・レイモンドにより反論が提示されている [ 14 ] 。 「Cathedral」の日本語訳 [ 編集 ] 「Cathedral」は「 伽藍 」と訳されているが、建築学の訳語としてはともかく、開発におけるヒエラルキーといったことも踏まえた宗教的意味あいを表現する言葉としては「 大聖堂 」に当たる [ 15 ] 。「伽藍」は仏教寺院の建物 群 を指す言葉で、エリック・レイモンドが意図した中央集権スタイルを意味する言葉としては、本来はそぐわない。これは建築家 ル・コルビュジエ の著作『 When the Cathedral was White 』が『伽藍が白かったとき』と訳されており [ 16 ] 、これを踏まえて 山形浩生 が訳したものである。建築学において伽藍をCathedralと訳すことは一般的である [ 17 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ フレデリック・ブルックス の著書『 人月の神話 』からの引用 ^ アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ の発言より引用 出典 [ 編集 ] ^ a b c Raymond, Eric Steven. “ The Cathedral and the Bazaar ”. 2012年4月18日閲覧。 ^ “ Colophon ”. The Cathedral & the Bazaar . O'Reilly Media. 2011年12月20日閲覧。 ^ “ Epilog: Netscape Embraces the Bazaar ”. 2018年3月26日閲覧。 ^ Jim Hamerly and Tom Paquin with Susan Walton (January 1999). “Freeing the Source: The Story of Mozilla” . Open Sources: Voices from the Open Source Revolution (1st ed.). ISBN 1-56592-582-3 . http://oreilly.com/catalog/opensources/book/netrev.html . "Frank had done his homework, citing Eric Raymond's paper, "The Cathedral and the Bazaar," and talking to people in departments throughout the organization--from engineering to marketing to management." ^ Louis Suárez-Potts (1 May 2001), Interview: Frank Hecker , openffice.org , http://www.openoffice.org/editorial/ec1May.html , "(Since it always gets mentioned in relation to Netscape's Mozilla decision, I should also note that Eric Raymond's paper "The Cathedral and the Bazaar" was referenced by me and others who were lobbying Netscape's management. In my opinion the paper's importance in the context of Netscape's decision was mainly that it provided some independent validation of ideas that were already being actively discussed and promoted within Netscape. If you've ever tried to promote a proposal within your organization, then you may have discovered that it's somewhat easier to do this if you can point to someone outside the organization who's saying the same thing.)" ^ Sam Williams (30 November 2011). Free as in Freedom [Paperback]: Richard Stallman's Crusade for Free Software . "O'Reilly Media, Inc.". pp. 161. ISBN 978-1-4493-2464-3 . https://books.google.com/books?id=BB68Ql7ZY_AC&pg=PA161 . "When Netscape CEO Jim Barksdale cited Raymond's 'Cathedral and the Bazaar' essay as a major influence upon the company's decision, the company instantly elevated Raymond to the level of hacker celebrity. Determined not to squander the opportunity, Raymond traveled west to deliver interviews, advise Netscape executives, and take part in the eventual party celebrating the publication of Netscape Navigator's source code." ^ cathedral-bazaar ^ Poe, Marshall (2006年9月). “The Hive” . The Atlantic . https://www.theatlantic.com/magazine/archive/2006/09/the-hive/5118/ 2012年7月5日閲覧。 ^ “ Annals of Information ”. The New Yorker . 2014年7月4日閲覧。 ^ Karl Eugen Kurbel (23 June 2008). The Making of Information Systems: Software Engineering and Management in a Globalized World . Springer. pp. 222–. ISBN 978-3-540-79260-4 . https://books.google.com/books?id=ggVaezlfOCcC&pg=PA222 2012年10月15日閲覧。 ^ Bezroukov, Open source software development as a special type of academic research: Critique of vulgar Raymondism " Accessed 23 September 2010. ^ Bezroukov, A second look at The Cathedral and the Bazaar Accessed 23 September 2010. ^ Jan Bergstra; Mark Burgess (19 December 2007). 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Raymond - 原文 『伽藍とバザール』:新字新仮名 - 青空文庫 - 山形浩生 日本語訳 表 話 編 歴 FOSS 全般 オープンソースソフトウェア 自由ソフトウェア 定義 オープンソース 定義 解説 歴史 ビジネスモデル セキュリティ 開発 OS ( 英語版 ) BSD Darwin FreeDOS GNU Hurd Linux ディストリビューション OpenSolaris Symbian ReactOS ソフトウェア FreeBASIC Tcl / Tk Perl Python PHP Ruby Lua OpenJDK Go Swift Rust GCC clang LLVM Apache HTTP Server Firefox Chromium WebKit Android VS Code Mattermost NetBeans Eclipse IntelliJ Gambas ホスティング SourceForge OSDN GitHub GitLab Bitbucket Google Developers GNU Savannah 団体 標準化団体 フリーソフトウェア財団 ヨーロッパ インド ラテンアメリカ オープンソース・イニシアティブ freedesktop.org Linux Foundation Open Handset Alliance 開発支援団体 GNUプロジェクト Apacheソフトウェア財団 Android Open Source Project Blender Foundation Eclipse Foundation GNOME Foundation KDE e.V. The Document Foundation VideoLAN X.Org Foundation Xiph.Org Foundation XMPP Standards Foundation ( 英語版 ) Software Freedom Conservancy Software in the Public Interest Google Developers Mozilla Foundation Symbian Foundation ライセンス 指針 自由ソフトウェアライセンス オープンソースライセンス Debianフリーソフトウェアガイドライン Microsoft Open Specification Promise 主要例 Apache BSD GPL LGPL MIT MPL CDDL EPL その他 パブリックドメイン CC0 WTFPL コピーレフト 課題 特性上の課題 ライセンスの氾濫 ウイルス性ライセンス 対立と論争 GNU/Linux名称論争 Mozilla関連ソフトウェアのブランド変更 TiVo化 SCO・Linux論争 その他 FOSS 代替用語 フォーキング 自由ソフトウェア運動 The Cathedral and the Bazaar Revolution OS オープンソースソフトウェアとクローズドソースソフトウェアの比較 一覧 オープンソースソフトウェアのカテゴリ OSSホスティングサービスのカテゴリ オープンソースライセンスのカテゴリ コモンズ ポータル プロジェクト
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3
ガベージコレクション
ガベージコレクション [ 注釈 1 ] ( 英 : garbage collection 、 GC )とは、 コンピュータプログラム が 動的に確保 した メモリ 領域のうち、不要になった領域を自動的に解放する機能である。 1959年 ごろ、 LISP における問題を解決するため ジョン・マッカーシー によって発明された [ 1 ] [ 2 ] 。 メモリの 断片化 を解消する機能は コンパクション ( 英 : memory compaction )と呼ばれ、実現方法によってはガベージコレクションと共にコンパクションも行う仕組みになっている。そのためコンパクションを含めてガベージコレクションと呼ぶ場合もあるが、厳密には区別される。 また、ガベージコレクションを行う主体は ガベージコレクタ ( 英 : garbage collector )と呼ばれる。ガベージコレクタはタスクやスレッドとして実装される場合が多い。 「ガベージコレクション」を直訳すれば「ゴミ集め」「ごみ拾い」となる。 JIS では「廃品回収」 [ 3 ] や「ゴミ集め」 [ 4 ] などという直訳が割り当てられている規格もあるが、一般的な意味での「ゴミ集め」と紛らわしく、プログラミングの分野ではかえって意味が通じなくなるため、ごく一部の学会誌や論文など [ 5 ] を除き、実際に使われることはほとんどなく、外来語として各種カナ表記やGCという略記が使われることが一般的である [ 6 ] 。 動作 [ 編集 ] 従来の メモリ管理 では、 プログラマ が プログラム の実行中においてメモリが必要となる期間を考え、必要となった時点でメモリを確保するコードを記述し、不要となった時点で解放するコードを記述していた。 ガベージコレクションを使用する場合、メモリを確保するコードはプログラマが明示的に記述するが、メモリの解放については明示的に記述する必要がなく、ガベージコレクタが不要と判断した時に、自動的にメモリを解放する。確保したメモリが不要かどうかは、プログラムが今後そのメモリにアクセスするかどうかで決まり、スタックや変数テーブルなどから参照をたどってメモリに到達可能かどうかによって判断される。 ガベージコレクションの機能は、初めから プログラミング言語 の言語機能や言語処理系あるいはフレームワークに組み込まれている場合や、外部ライブラリなどによって提供される場合がある。 特徴 [ 編集 ] ガベージコレクションはプログラマが明示的にメモリの解放を行う必要が無いため、以下に示すメモリ管理に関連する陥りやすいバグを回避することができる。 メモリリーク の回避 ガベージコレクションは、 オブジェクト (データを格納したメモリ領域)とそれを指し示す ポインタ を管理するため、オブジェクトは存在しているがそれを指すポインタが無い状態を回避することができる。 オブジェクトの二重解放の回避 いったん解放したオブジェクトをさらに解放することを防ぐ。 無効なポインタの回避 例えば、メモリを動的に割り当てる サブルーチン ( C言語 の malloc 関数や Pascal の New 手続きなど)で確保したメモリ領域を指すポインタだったが、メモリを解放するサブルーチン(C言語の free 関数やPascalの Dispose 手続きなど)に渡し解放した直後のポインタや、 サブルーチン 内の自動変数(非静的な ローカル変数 )のアドレスを指すポインタだったが、戻り値などによって誤ってサブルーチンの呼び出し元に返却されてしまったポインタ、などが該当する。これらのポインタにはあるアドレスが代入されているが、そのアドレスには有効なオブジェクトがすでに存在せず、ポインタは無効なメモリアドレスを指している。このような無効なポインタを ダングリング・ポインタ (dangling pointer) といい、ガベージコレクションはこの問題を回避する。 ただしガベージコレクションにおいても、今後使用することのないオブジェクトへのポインタをいつまでも保持しているようなコードでは、いつまでもオブジェクトが解放されず、メモリ不足を起こしてしまう。これは論理的な設計の問題であり、ガベージコレクションを持つ処理系においてもこの種のメモリリークは発生する。 メモリ管理に関するバグを回避する以外に、プログラミングスタイルの選択肢を広げる効果も持つ。 型変換 などのために一時的なオブジェクトを生成する、 マルチスレッド を利用したプログラムでスレッド間でオブジェクトを共有して使用する、といった処理はメモリ確保・解放の処理の記述が煩雑となることが多い。しかし、ガベージコレクションを持つ言語処理系においては煩雑な記述を省略することができ、これらの処理をより自然に記述することができる。 多くの実装では、入れ違いにより誤って到達可能なメモリが不可能と判断されないように、ガベージコレクトが開始されると他の処理を止め、本処理が中断される(Stop-the-world ガベージコレクタ)。 CPU を長時間(数百ミリ秒から数十秒)占有することもある。ガベージコレクションの動作タイミングの予測やCPUの占有時間の事前予測などが困難なことから、デッドラインが決められている リアルタイムシステム に使用することは難しい。リアルタイム性を改善したGCとして、インクリメンタルGCやコンカレントGCがある。 実装 [ 編集 ] ガベージコレクションは、 Java のように言語仕様および言語処理系(ランタイム)に標準的に組み込まれたものを透過的に利用する形態がほとんどである。しかし、 C言語 や C++ のように言語仕様および言語処理系には存在していなくとも、 Boehm GC ( 英語版 ) あるいは各種スマートポインタのような ライブラリ として実装されたものを利用することもできる。 ガベージコレクションは、プログラム本来の動作とは別に時間のかかる処理である。そこで、ガベージコレクションには本来のプログラムの動作に対して影響が少ないことが求められる。 一般に、デスクトップアプリケーションでは、 応答時間 を短くするため、ガベージコレクションによるプログラムの停止時間を最小にすることが要求される。また、サーバアプリケーションでは、応答時間よりも スループット を求められることが多く、ガベージコレクションにもスループット性能が高いものが求められる。さらに、機器組み込みアプリケーションでは、機器に搭載されるCPUの能力の低さやメモリ容量の小ささから、リソース消費が小さいものが求められる。また、リアルタイムシステムでは、プログラム動作時間のばらつきを最小にしたいという要求もある。 これらの要求をすべて満たすような アルゴリズム は存在しないため、さまざまな手法が提案されている。代表的なガベージコレクションアルゴリズムには、以下のものがある。 参照カウント オブジェクトを参照するポインタの数を数え、参照するポインタの数がゼロになったら解放する方法。 循環参照 の問題がある。解放が集中したときに、単純な実装だと停止時間が長くなる。 マーク・アンド・スイープ オブジェクトから別のオブジェクトへの参照をたどり、到達できないオブジェクトを破棄する方法。 コピーGC 通常使用するメモリ領域と同じ容量のメモリ領域をもうひとつ用意し、ガベージコレクションの際に有効なオブジェクトのみをもう一方のメモリ領域にコピーする方法。メモリ領域をデータ保持に必要な容量の2倍消費すること、コピーの際にオブジェクトのアドレスが変更されることなどの欠点があるが、ガベージコレクションとコンパクションが同時に行える利点がある。 これらのアルゴリズムは複合して使用することもあり、 世代別ガベージコレクション ではコピーGCとマーク・アンド・スイープの両方のアルゴリズムを使用している。 また、アプリケーション動作への影響の観点から、アプリケーション動作をすべて止める ストップ・ザ・ワールド方式 と、アプリケーション動作と並行して動作する コンカレント方式 に分類することができる [ 7 ] 。 言語による利用可能性 [ 編集 ] 一般論として、高レベルな言語ほどガベージコレクションを言語の標準機能として備えていることが多い。言語に組み込まれていない場合でも、 C言語 / C++ 向けの Boehm GC ( 英語版 ) やスマートポインタのように、非標準または標準のライブラリとして実装されていることもある。ただしライブラリベースのアプローチは、オブジェクトの生成と破棄のメカニズムを変更する必要があるなど、欠点もある。 ML や Haskell 、 APL などの 関数型言語 の多くはガベージコレクションが組み込まれている。特に、関数型言語の先駆けとなった LISP は最初にガベージコレクションを取り入れた言語でもある。 Lua や Ruby などといった動的言語も、ガベージコレクションを備えていることが多い(ただし Perl 5や PHP 5.2以前には参照カウント方式のものしかない)。 Smalltalk 、Java、 ECMAScript ( JavaScript )のようなオブジェクト指向言語には、たいていガベージコレクションが組み込まれている。 C# や Visual Basic .NET などの .NET 言語は .NET Framework / .NET Compact Framework / Mono / .NET Core といった実行環境下において、実装形態に差はあれどいずれもガベージコレクションを利用可能である。特筆すべき例外はC++と Delphi で、それらは デストラクタ がその代わりとなっている。 Rust はGCを持たないが、所有権に基づいてメモリを管理する [ 8 ] 。RustではC++のようにデストラクタを定義することもでき、また参照カウントベースのスマートポインタを標準的に利用することもできる。 古典的な BASIC インタープリタ( N88-BASIC 、 F-BASIC など)においてもガベージコレクションが備えられており、文字列の連結操作の結果使われなくなった領域を再度BASICが使えるようにする処理が行われた。その処理の間、BASICがフリーズしたかのようになることから、ガベージコレクションが発生しないようにする方法として、文字列の連結を極力行わず、最大文字数が格納できる領域を持った文字列変数に対して MID$ 、 LEFT$ 、 RIGHT$ 関数を使用することで代用することが推奨されていた。 Objective-C には参照カウントベースのオブジェクト寿命管理機能が組み込まれており、元々ガベージコレクションはなかったが、 Apple のObjective-C 2.0では、 Mac OS X 10.5 以降に限り [ 9 ] 保守的な世代別GCベースのランタイムコレクタが使用可能である。ただし iOS ではこのGCを利用できない。なお、 macOS に関しても、 NSGarbageCollector は OS X 10.8 から廃止予定扱いとなり、SDK 10.10を最後に廃止されており [ 10 ] 、また OS X 10.11 を最後に [ 11 ] このGCは搭載されなくなり、 macOS 10.12 で廃止された。2015年5月以降、 Mac App Store で新規登録/更新されるアプリはGCを使えなくなっている [ 12 ] 。代替として、自動参照カウント (Automatic Reference Counting; ARC) によるメモリ管理が推奨されている。 Swift もARCを採用している。一方で、 GNUstep はBoehm GCを使用している。 Python は主に参照カウント方式のガベージコレクションを用いているが、補助的に(伝統的なマーク&スイープとは逆順の探索アルゴリズムによる)世代別GCを併用している [ 13 ] [ 14 ] 。 C++/CLI では、 gcnew で生成した CLI オブジェクトは .NET Framework のガベージコレクションにより管理される。 C++/CX ( 英語版 ) では、 ref new で生成した Windowsランタイム オブジェクトは COM ベースの参照カウントにより管理される。 ライブラリ [ 編集 ] Boehm-Demers-Weiser conservative garbage collector (Boehm GC) - C/C++向け。 マーク・アンド・スイープ 。 スマートポインタ [ 編集 ] なお、 C言語 で 参照カウント 方式のガベージコレクションを利用する場合、通常煩雑なコーディングを必要とするが、 C++ では以下のような RAII を活用した スマートポインタ ( 英語版 ) を利用することで緩和できる。 Boost C++ライブラリ の boost::shared_ptr および boost::shared_array 。 参照カウントの増減処理をカスタマイズできる boost::intrusive_ptr もある。 C++11 以降の std::shared_ptr Active Template Library の ATL::CComPtr - COM オブジェクトのスマートポインタ。 Windows Runtime Library の Microsoft::WRL::ComPtr - Windowsランタイム オブジェクトのスマートポインタ。COMオブジェクトにも使用可能。 分散ガベージコレクション [ 編集 ] 分散コンピューティング 環境では、あるホスト内のオブジェクトだけではなく、リモートホスト上に存在するオブジェクトと メッセージ のやり取りが行われることがある。このような環境においてローカルなガベージコレクションと同様、不要なオブジェクトを破棄する手法が分散ガベージコレクションである。リモートホストからの参照状態の検出、通信が切れた場合の処理などローカルホストのガベージコレクションとは異なる課題を解決する必要がある。 世代別ガベージコレクション [ 編集 ] →「 世代別ガベージコレクション 」も参照 従来のGCは、対象となるメモリ領域がいっぱいになった時に一気にGCを行なうものであり、この方法では、メモリ領域のサイズが大きくなるに従い、GC時間が長くなっていく欠点がある。この問題に対処するために 世代別ガベージコレクション が考案された。 世代別GCでは新領域と古い領域にメモリ領域が分けられ、新規に作成されたオブジェクトは、新領域に配置され、新領域がいっぱいになった時点で、新領域内部だけのGCが走る。このGCはメモリ全体に対するGCに比べると当然のことながら低負荷・高速になる。新領域に対するGCを一定回数生き残ったオブジェクトは、古領域に移動し、古領域がいっぱいになった時に、初めて全てのメモリ領域を対象とするFULL GCが行われる。 SSDにおけるガベージコレクション [ 編集 ] →詳細は「 ライトアンプリフィケーション § SSDにおけるガベージコレクション(GC) 」を参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 英単語 garbage のカナ表記には「ガベージ」や「ガーベージ」のほかに、原音に近い「ガーベッジ」や「ガーベジ」などもあるが、本項では出典を除き、「ガベージ」に統一する。 出典 [ 編集 ] ^ Recursive functions of symbolic expressions and their computation by machine, Part I ^ RECURSIVE FUNCTIONS OF SYMBOLIC EXPRESSIONS AND THEIR COMPUTATION BY MACHINE (Part I) (12-May-1998) ^ JISX3002 2011 . ^ JISX3015 2008 . ^ 田浦健次朗、米澤明憲「 分散記憶並列計算機における局所ごみ集めのスケジュール方式について 」『情報処理学会論文誌』第41巻第5号、情報処理学会、2000年5月、1490-1499頁、 CRID 1050282812861984640 、 ISSN 1882-7764 。 ^ 金子雅志, 入江道生, 四七秀貴「Java-ASにおけるガベージコレクション対策に関する一考察」『電子情報通信学会技術研究報告』第109巻第448号、電子情報通信学会、2010年3月、321-324頁、 CRID 1520009408010420864 、 ISSN 09135685 。 松井祥悟, 田中良夫, 前田敦司, 中西正和「 相補型ガーベジコレクタ 」『情報処理学会論文誌』第36巻第8号、情報処理学会、1995年8月、1874-1884頁、 CRID 1050001337887661056 、 hdl : 2241/00136890 、 ISSN 1882-7764 。 平岡慶子, 小寺信治, 寺島元章「 三世代ガーベッジコレクションの圧縮方式による実装について 」『情報処理学会論文誌プログラミング(PRO)』第44巻SIG02(PRO16)、情報処理学会、2003年2月、36-36頁、 CRID 1050564287843999360 、 ISSN 1882-7802 。 五百蔵重典, 西尾孝典, 野木兼六「 世代管理を保守的に行う世代別GCアルゴリズムの提案およびRuby への実装と評価 」『情報処理学会論文誌プログラミング(PRO)』第48巻SIG10(PRO33)、情報処理学会、2007年6月、199-199頁、 CRID 1050564287843923968 、 ISSN 1882-7802 。 井手上慶, 里見優樹, 津邑公暁「GC実行時のポインタ判別コストを削減するハードウェア支援手法の検討」『電子情報通信学会技術研究報告』第113巻第169号、電子情報通信学会、2013年8月、19-24頁、 CRID 1520853833160204800 、 ISSN 09135685 。 ^ “ 古典的Javaガベージコレクションを理解する ”. 2020年9月15日閲覧。 ^ メモリー管理を安全に、次代のシステムプログラミング言語「Rust」の魅力とは | 日経クロステック(xTECH) ^ “ メモリ管理を理解する(後編) (2/2):Cocoaの素、Objective-Cを知ろう(8) - @IT ”. 2019年2月14日閲覧。 ^ “ NSGarbageCollector - Foundation | Apple Developer Documentation ” (英語). 2019年2月14日閲覧。 ^ “ Xcode Release Notes | Xcode 8.3 ” (英語). 2019年2月14日閲覧。 ^ “ Apple Warns Developers Garbage Collection is Dead, Move to ARC – The Mac Observer ” (英語). 2019年2月14日閲覧。 ^ “ 29.11. gc — ガベージコレクタインターフェース — Python 3.6.5 ドキュメント ”. 2019年2月10日閲覧。 ^ “ Garbage Collection for Python ” (英語). 2019年2月10日閲覧。 参考文献 [ 編集 ] JIS X 3002 :2011「電子計算機プログラム言語COBOL」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) JIS X 3015 :2008「プログラム言語C#」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) 関連項目 [ 編集 ] 動的メモリ確保 弱い参照 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%AF%E5%A4%89%E9%95%B7%E6%95%B0%E5%80%A4%E8%A1%A8%E7%8F%BE
可変長数値表現
可変長数値表現 ( かへんちょうすうちひょうげん )とは、数値の値によってその表現に要する領域が変化する、数値の表現形式のひとつである。 文字列としての数値 [ 編集 ] 文字(おもにアスキーコードが使われる)、ないしは BCD 表現で数値の各々の桁を表現する。値の大きさを表現する方法として、数列の先頭に桁数を置く方法と、 区切り文字 ないしは終端コード( NUL文字 がよく使われる。BCDでは0xffなどありえない値で代用する)を用いる方法がある。この表現は数値を表現する上でかなり効率が悪いが、異なる数値表現を使用するシステム間で確実に正確な値を伝達する方法として用いられる(伝達される双方のシステムが IEEE 754 表現を採用してあったとしても、値を取り扱う際に有効桁外の丸め方法によっては誤差が生ずる)。いくつかのインタプリタ言語では数値を内部表現に変換せず、メモリが許す限り長精度の値を扱う実装がある。これらの言語は、例えばIEEE 754表現では扱うことが不可能な国家予算規模の数値を扱う場合に有利である。 圧縮を目的とした数値表現 [ 編集 ] 数値を取り扱う際に、任意桁の数をコンパクトに表現する為の手段として可変長数値表現を使う場合がある。その実装のひとつして、 Standard MIDI File における数値表現があげられる。 MIDI では使われる数値の多くが0 - 127の間にある値、すなわち7ビットでほとんどを賄うことができる。しかし、ノート長など大きな値が必要な場合には、7ビット以上の値が必要となる。そこで1オクテットのうち 最上位ビットを1にした場合、続く1オクテットが値の一部 となることを示すようにする。最後のオクテットで最上位ビットを0とし、可変長数値表現の区切り文字の役割を持たせる。 0 - 127 0x00 - 0x7fで表現される 128 - 16383 0x81:0x00 - 0xff:0x7fで表現される 16384 - 2097151 0x81:0x80:0x00 - 0xff:0xff:0x7fで表現される 2097152 - 268435455 0x81:0x80:0x80:0x00 - 0xff:0xff:0xff:0x7fで表現される。 このような可変長数値表現は コンパクト符号 の一種でもある。このような実装は他にも、16・32bit固定長の UNICODE を可変長の1〜6バイトの数列にした UTF-8 等がある。 小数の取り扱い [ 編集 ] 小数の取り扱いについては、様々な方法がある。可変長数値表現と指数部を組み合わせたもの、小数部の桁数を定数で固定し固定小数点演算によって行うもの、小数点を示す符号(ピリオド文字)を数列に埋め込んだもの等がある。いずれも一長一短であり、可変長数値表現における小数表現の定石とされる方法はない。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%97%E3%82%BB%E3%83%AB%E5%8C%96
カプセル化
この項目では、オブジェクト指向での概念について説明しています。コンピュータネットワークの通信プロトコルに関する概念については「 カプセル化 (通信) 」をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "カプセル化" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2018年12月 ) カプセル化 (カプセルか、 英 : encapsulation )は、 コンピュータプログラミング で用いられる概念で互いに関連する データ とロジックなどを1つのモジュールとしてまとめることである [ 1 ] 。また、より広い意味ではまとめたモジュールの内側の詳細を外側から隠蔽することをも含む [ 2 ] 。この隠蔽は計算機科学者 デビッド・パーナス が提唱した 情報隠蔽 ( 英語版 ) と同義である。 カプセル化は オブジェクト指向 での使用が最も有名であり、そこでは フィールド とそれを操作する メソッド をまとめた オブジェクト の内部要素への直接アクセスを制限するための アクセスコントロール を設けている。内部隠蔽された フィールド を操作または閲覧するための メソッド は、 ミューテイタ/アクセッサ ( 英語版 ) と呼ばれ、これはセッター/ゲッターの俗称でも知られている。フィールドとメソッドの一体化には、フィールド展開用のメモリ基底アドレスを アドホック多相 ( 英語版 ) 表現にした This参照 の機構が用いられている。これらカプセル化のコンセプトの定義と実装の書式は、 オブジェクト の設計図に例えられている クラス に投影されている。 オブジェクト指向 のカプセル化は、特に データ抽象 の側面が強調されている。 なお、カプセル化は オブジェクト指向 の専売特許ではなく、 抽象データ型 、 プログラムモジュール 、 ソフトウェアコンポーネント の実装にも使用されている。 概要 [ 編集 ] 構造化プログラミング を提唱した エドガー・ダイクストラ は、プログラムの 段階的詳細化法 の知見から、プログラムを構成するアルゴリズムとそのアルゴリズムで用いられるデータ構造は密接に関連しており、アルゴリズムをある程度詳細化してからでないと多くの場合そのデータ構造は決定できないことを指摘した [ 3 ] 。 さらに、アルゴリズムに関連するデータ構造を決定するためには、まず必要なデータ構造の存在を変数名で代用、すなわち抽象(abstract)し(これを データ抽象 (data abstract)と呼ぶ)、アルゴリズムの方の詳細化を進めることでそのデータ抽象された変数名が必要とされる情報を徐々に集めてゆき、十分な情報が集まった段階でそのデータ構造を決定させればよいということを示した [ 注釈 1 ] 。なお、データ抽象を駆使してアルゴリズムとそのデータ構造を洗練化(段階的詳細化)したものは 真珠 (pearl) [ 注釈 2 ] と呼ばれる [ 4 ] [ 注釈 3 ] 。 このように開発されたプログラムにおいては、アルゴリズムとそのデータ構造は一体不可分のようになるため、プログラムの拡張などにより、アルゴリズムを後から変更する必要が出てくると、必然的に一度決定したはずのデータ構造や関連操作を修正しなくてはならなくなる。しかも、その修正箇所は大規模なプログラム開発であれば多数の関連ソースコードの各所に散在してしまうことになる [ 注釈 4 ] 。 以上のことを踏まえれば、ほとんど一体不可分のものであるアルゴリズムの操作と、そのアルゴリズムに関連するデータ構造に対しては、異なる名前を持つ異なる真珠として扱うよりも一つの変数名からなる一つのモジュール(module)とした方が、仮に後でアルゴリズムの変更を行うにしても変更箇所がそのモジュールの内部に限定されることになるので、保守管理しやすい。このように、関連するデータとその操作を一つの何かまとまりにまとめることを情報の カプセル化 (encapsulation)またはモジュール化(modulization)と呼ぶ [ 注釈 5 ] 。 情報隠蔽 [ 編集 ] デイビッド・パーナス はモジュール間の結合に関する議論を進める上で、プログラムやモジュールに関する設計情報は濫りに公開してはならず、むしろ積極的に隠蔽すべきであるという情報隠蔽(information hiding)の考え方を説いた。つまり、公開すべきものはプログラムやモジュールの仕様であって、その実現手段ではないと主張した [ 5 ] [ 注釈 6 ] 。 公開すべき仕様上の機能を呼び出す機構は インターフェース (interface)と呼ばれる。インターフェースを経由することでモジュールの機能の情報隠蔽をすることができる。ほかに情報隠蔽を実現する機構としては、モジュールの機構自体に公開/非公開(public/private)の区別を指定する方法が一般的である。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 構造化プログラミング pp.58-65 における image型 はデータ抽象の例である。 ^ なお、紛らわしい名称を持つプログラミング言語の Perl 開発者である ラリー・ウォール は、構造化プログラミングの真珠(pearl)との関連性を明確には述べていない。 本家インタビュー:Perl開発者ラリー・ウォール ^ ダイクストラやヴィルトの普及もあってか、以後「アルゴリズム」と「データ構造」と言う単語の入ったプログラミングに関する書籍が数多く出版されることとなった。 ^ このような構成からなるプログラムは変更に弱く、バグが発生しやすいため保守管理が困難である。 ^ 用法としてカプセル化という用語は情報隠蔽も含むことが多い。一方、モジュール化という用語はそういったニュアンスは少ない。 ^ ソフトウェア業界においては、理想的には顧客が提示する仕様書に基づいてソフトウェアを開発し、そのソフトウェアが仕様書を満たしていれば顧客に納品することができる。つまり、顧客が提示する仕様書にある機能が実現されており、かつその機能を実行する限りにおいて動作検証されていれば、そもそも顧客が関知する理由の無い実装上必要となる機能の幾つかが不具合を有していても、そのソフトウェアは仕様書を満たしていると主張可能ということである。 出典 [ 編集 ] ^ 上田勲『プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則』秀和システム、2016年3月29日、84頁。 ISBN 978-4-7980-4614-3 。 ^ 上田勲『プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則』秀和システム、2016年3月29日、86頁。 ISBN 978-4-7980-4614-3 。 ^ 構造化プログラミング pp.58-65 ^ 構造化プログラミング pp.68-69 ^ 山崎(1990) p.131 参考文献 [ 編集 ] E.W.ダイクストラ、C.A.R.ホーア、O.-J.ダール 著、野下浩平,川谷慧,武市正人(共訳) 訳『構造化プログラミング』サイエンス社、1975年。 山崎利治『プログラムの設計』共立出版〈計算機科学/ソフトウェア技術講座〉、1990年。 落水 浩一郎『ソフトウェア工学実践の基礎』日科技連、1993年。 D.L.Parnas (1971), “Information distribution aspects of design methodology”, Proceedings of IFIP Congress 関連項目 [ 編集 ] ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 カプセル化 オブジェクト指向プログラミング 抽象データ型 クラス アクセスコントロール フィールド (計算機科学) プロパティ (プログラミング) メソッド (計算機科学)#アクセサ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A9%BA%E6%96%87%E5%AD%97%E5%88%97
空文字列
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "空文字列" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2013年10月 ) 形式言語理論 における 空文字列 (くうもじれつ・からもじれつ、 英 : empty string )とは、長さが0の一意な 文字列 であり、文字列における 空集合 である。主に コンピュータ 、特に プログラミング言語 において用いられる用語である。 ヌル文字列 ( 英 : null string [ 1 ] [ 2 ] )とも呼ばれ、空文字列と同一視されることもあるが、 ヌルポインタ やヌル参照と紛らわしい。 Java ではnull stringと言えば無効な参照値である null を指し、 String 型の有効な参照値である空文字列 "" とは明確に区別する [ 3 ] 。 形式言語における空文字列 [ 編集 ] 形式的には、文字列は文字や数字といったシンボルの有限列として表現されるが、空文字列はこの有限列の特殊なケースである。空文字列は長さがゼロであり、何のシンボルも含まない。また、空文字列は必ず一つしか存在しない。これは、2つの異なる文字列が存在する場合、文字列の長さか、文字列に含まれるシンボルのいずれかが必ず異なっているためである。 形式言語 では、空文字列は λ で表される(λの大文字である Λ や、 ε を使う場合もある)。 空文字列を 空言語 ∅ と混同しないこと。空言語は、形式言語(文字列の集合)において、空文字列すらも含まない空集合のことを意味する。 空文字列の持つ性質を以下に挙げる。 | λ | = 0 {\displaystyle |\lambda \,|=0} : 空文字列の長さは0となる。 λ + s = s + λ = s {\displaystyle \lambda \,+s=s+\lambda \,=s} : ある文字列に空文字列を連結しても、元の文字列と同じものになる。空文字列は、文字列連結における 単位元 である(ある文字集合Σにおいて 自由モノイド を構成する)。 λ R = λ {\displaystyle {\lambda \,}^{R}=\lambda \,} : 空文字列は反転しても空文字列のままとなる。 辞書式順序 では、空文字列はいかなる文字列よりも前に配置される。これは空文字列が最も短い文字列であるためである。 [ 4 ] プログラミング言語における利用 [ 編集 ] 多くのプログラミング言語において、各文字列はそれぞれ個別のメモリ領域に格納される。そのため、同じ内容の文字列(例えば空文字列)がメモリ上の複数箇所に格納されることがある(長さ0の文字列でも格納にはメモリが必要なことに注意。使用するメモリの量は文字列の格納形式により異なる)。この場合、形式言語の定義と異なり、複数の空文字列がメモリ上に同時に存在することになる。しかし、文字列比較 ルーチン (関数や メソッド )を使えば、これらの空文字列は全て同じであることを示すことができる。 空文字列は ヌルポインタ や ヌル参照 とは別物である。ヌルポインタやヌル参照の指す先には何も存在しない(空文字列すら存在しない)。たいていの言語で、ヌルポインタやヌル参照に対して何らかの処理を実行しようとした場合は通例不正な操作であるとみなされてエラーが発生するが、空文字列は正当な文字列のひとつとして扱われる。たとえば Java において null を参照する文字列クラス変数の長さを求めようとすると NullPointerException 例外 が発生するが、空文字列の長さを求めれば0が返される。また、空文字列と null を比較すると偽が返される。 try { String str1 = null ; System . out . println ( str1 . length ()); // NullPointerException } catch ( Exception e ) { System . out . println ( e ); } String str2 = "" ; System . out . println ( str2 . length ()); // 0 System . out . println ( "" == null ); // false System . out . println ( "" . equals ( null )); // false C言語 および C++ の標準ライブラリにおける文字列操作関数および文字列クラスでは、引数にヌルポインタ ( NULL あるいは nullptr ) が渡された場合の動作は未定義となっており、通例不正な操作とみなされてプログラムが異常終了する原因となる。 一方、 Objective-C では nil を参照する文字列オブジェクトに対する操作(メッセージ送信)は正当なものとして扱われるが、空文字列と等価ではない。 NSString * str1 = nil ; NSLog ( @"%lu" , ( unsigned long )[ str1 length ]); // 0 NSLog ( @"%lu" , ( unsigned long ) str1 . length ); // 0 NSLog ( @"%@" , ([ str1 isEqualToString : @"" ] ? @"YES" : @"NO" )); // NO プログラミング言語によっては、エラーの発生を低減するため以下の値を同じものとして扱うことがある。 空文字列 ヌル参照 整数の0 浮動小数点数の0 ブーリアン型 のfalse ASCII の ヌル文字 また、プログラミング言語によっては、変数が最初に使われるとき、あらかじめ空文字列が入っているものとするものもある。 通常、空文字列は他の文字列と同じように表現される。文字列を、文字列終端文字を使用して( ヌル終端文字列 または改行区切りのプレインテキストとして)実装している場合、空文字列は単一の文字列終端文字で表現される。 プログラミング言語によっては、数値など文字列でないものと空文字列を連結すると、変数の型を文字列に 型変換 する。 Oracle Database では空文字列と ヌル (SQL) が区別されない。 多くのプログラミング言語において、空文字列は最小の クワイン である。 空文字列の表現 プログラミング言語 "" C , C++ , Java , Perl , PHP , Python , JavaScript , C# , Visual Basic .NET , Go , Turing , Haskell , Objective-C (C言語形式の文字列の場合), OCaml , Standard ML , Scala , Tcl '' Perl , PHP , Python , JavaScript , Delphi , Pascal {'\0'} C , C++ , Objective-C (C言語形式の文字列の場合) std::string() ""s C++ (後者のサフィックス s によるリテラル記法を利用するには、 C++14 以降に対応した処理系と、あらかじめ using namespace std::literals::string_literals; が必要) @"" Objective-C ( NSString 型定数オブジェクトの場合) [NSString string] Objective-C ( NSString オブジェクトを新規に作成する場合) q() Perl %{} Ruby """""" str() Python System.String.Empty .NET 言語全般(C#の string およびVB.NETの String は System.String へのエイリアス) String.make 0 '-' OCaml {} Tcl 空文字列の例 [ 編集 ] この節の 加筆 が望まれています。 ( 2013年10月 ) 位取り記数法 では、空文字列はいかなる基数においても0を表す( 先行ゼロ がない場合においても)。ただし形式言語理論以外の領域では、空文字列は視覚的に表現ができないため、ゼロという数は伝統的に数字 0 の形で表現される。 文字列が文字への ポインタ で表される C言語 などでは、ヌル文字へのポインタで表される 文字列 となる。ゼロで埋められたメモリ領域を ヌル終端文字列 として解釈すると空文字列となる。 空文字列はテキスト中の空行という形でも現れる。テキストファイルでよく見られるように、改行コードを2つ連続させることで空行が発生する。空行の用途として、テキスト処理で 段落 の区切りを表現するのに使われる場合がある(例: Markdown [ 5 ] )。 関連項目 [ 編集 ] 空集合 ヌル終端文字列 参考文献 [ 編集 ] ^ 空文字列(ヌル文字列)とは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words ^ Kernighan and Ritchie, C , p.38 [ 要検証 – ノート ] ^ 21.2 Validating Null and Empty Strings - Java Platform, Enterprise Edition: The Java EE Tutorial (Release 7) ^ CSE1002 Lecture Notes - Lexicographic ^ "Basic Syntax" . Markdown Guide . 2024年5月9日時点のオリジナルより アーカイブ 。2024年5月9日閲覧 。 表 話 編 歴 コンピューティング における null ヌル文字 Nullデバイス ヌル関数 ( 英語版 ) ヌルモデム Null Objectパターン ( 英語版 ) ヌルポインタ SQLのヌル ( 英語版 ) ヌル文字列 null合体演算子 null条件演算子 See also: ヌル終端文字列 Nullable型 未定義値
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関係モデル
データベースモデル 基本的なモデル 階層 ネットワーク 関係 オブジェクト関係 オブジェクト その他のモデル 多次元 スタースキーマ XMLデータベース 列指向 Associative Concept-oriented 表 話 編 歴 関係モデル (かんけいモデル、 リレーショナルモデル 、 英語 : relational model )は エドガー・F・コッド が 集合論 と 述語論理 に基づいて考案した データベースモデル であり、 関係データベース (リレーショナルデータベース)の基礎となっている。 モデル [ 編集 ] 関係モデル(リレーショナルモデル)における基本的な前提は、あらゆるデータは n 項 ( n - ary )の 関係(リレーション) で表現されるということである。 数学 における関係は 二項関係 をいうが、関係モデルでは関係の概念を n 項に拡張している(nは0もしくは正の整数)。 一つの n 項の関係は、n個の 定義域 (ドメイン、後述する)の 直積集合 の部分集合である。 数学モデルでは 推論 は二値の 述語論理 で行う。 すなわち個々の 命題 について真か偽かのいずれかの評価を行う。 数学の命題は真か偽かの二値であり「未知の値」(unknown) や「不適切な値」(not applicable) のような第三の値は無い。 なお コンピュータ科学 では「未知の値」や「不適切な値」はしばしば null に対応づけられる。 関係モデルにおいては、二値 論理 が関係モデルの重要な要素であり三値論理を許容すべきでないと考える人々と、三値論理を関係モデルで許容できると考える人々がおり、研究者の間で見解が分かれている。 関係モデルではデータ(関係)の演算は 関係代数 あるいは 関係論理 (関係計算)を使って行う。 関係代数と関係論理は同等の演算能力をもつ。 関係モデルを活用することにより、 関係データベース で データベース を設計( データベース設計 )する人はデータベースに格納する対象となる 情報 を、整合性を備え論理的に表現することができる。情報の整合性は、データベース設計で 制約 の宣言を行うことで実現することができる。 ここでいうデータベース設計は論理設計( スキーマ )と呼ばれることが多い。 関係モデルの理論には、 関係の正規化 という過程がある。 関係を正規化することにより、関係データベースであるデータベースの設計から、論理的に同等であり、かつ、いくつかの意味でより望ましい特性をもつ データベース設計 を、導き出すことができる。一方で、アクセスプランの算出やその他関係モデルの 実装 、データ演算の詳細は、 関係データベース管理システム (RDBMS)のエンジンにより制御されるのであって、論理設計は関知しない。論理設計はRDBMSでパフォーマンスチューニングのためによく行われる実践とは水準が異なる。ただしこうしたパフォーマンスチューニングでは論理設計の変更を必要とすることも多い。 関係モデルの概念 関係モデルの基礎的な要素は 定義域 ; instance( ドメイン ; domain)である。定義域は データ型 と同じ意味と考えて良い。現在は 型 ( タイプ ; type)と略されることも多い。 属性 (attribute) は、属性名と型名(定義域名)のペアから構成される。属性の名前と値のコンポーネントの順序づけられていない集合を 組 ( タプル ; tuple)という。属性値は、属性の定義域に適合する具体的な値である。属性値は、スカラ値もしくはより複雑な構造をもつ値である。 関係 ( リレーション ; relation)は、 見出し (heading) と 本体 (body) から構成される。 見出しは順序づけられていない属性の集合である。本体は順序づけられていない組の集合である。 n 項の関係の本体は n 組の集合から構成される。ある関係の見出しはその関係に含まれる組の見出しでもある。 関係は n 組の集合として定義される。数学の文脈においても、関係モデルの文脈においても、集合とは順序づけられていない要素の集まりである。 こうしたシステムは、関係モデルに準拠していないとして批判されることがある。数学では、組に含まれる要素間には順序が存在し、要素の重複は許容される。 関係モデルを考案した エドガー・F・コッド は、当初はこの数学上の定義を使って組を定義していた [ 1 ] 。 後に組の概念は変更されたが、組という概念名は変わっていない。この優れた組の概念により、直ちに重要な帰結として、関係モデルの関係代数の直積演算において交換法則が成立した。 現在、 表 (テーブル; table)は関係の視覚的表現として広く受け容れられている。組は表の行 (row) の概念に似ている。 データベース言語 SQL では、表の列(カラム; column)が順序づけられていることに注意する必要がある。SQL は関係モデルに準拠していないとして批判されることがあり [ 誰? ] 、こうした順序づけの存在は批判の根拠の一つとなっている。 関係変数 ( リレーション変数 ; relvar; relation variable)は、特定の関係型の名前つきの変数である。どの時点においても、関係変数にはその型に対応した何らかの関係(関係値)が割り当てられている。関係が含む組の数は0の場合もある。 関係モデルの基本的な原理は情報の原理である。あらゆる情報は関係に含まれるデータとして表現される。この原理から導き出されることとして、関係データベースは関係変数の集合であり、関係データベースに対するあらゆる検索の結果は関係として表現される。 関係データベースには整合性が強制的に適用される。関係データベースで 論理スキーマ の一部として整合性の制約が宣言され、RDBMS によって関係データベースにアクセスするあらゆる アプリケーションソフトウェア に対して強制的に適用される。関係データベースにアクセスするアプリケーションソフトウェアに関係データベースの整合性の規則を実装する必要があるわけではない。一般的に、制約は関係比較演算子を使って表現される。整合性制約を記述するには、理論的にはただ一つの関係比較演算子「—は—の部分集合である」(⊆) だけで十分である。実際には、便利ないくつかの短縮記法を使うことができるであろう。その中でもとりわけ重要なのは、 候補キー (candidate key; 実際には スーパーキー superkey)、 外部キー (foreign key) の各制約である。 述語論理での解釈 [ 編集 ] 関係モデルの理解を深めるためには、関係の別の解釈、すなわち 述語論理 での解釈を理解することが、一つの方法である。このことについての説明を クリス・デイト の著書から引用する。 [ 2 ] まず、 すべて の関係変数には 述語 が関連づけられており、その関係変数の 関係変数述語 と呼ばれる。 関係変数 R が述語 P を持つとすれば、ある時点で R に含まれる組 t はすべて、特定の命題 p を表すものと考えることができる。この命題は、t に含まれている属性値を引数として、その時点の P を呼び出す(またはインスタンス化する)ことによって得られる。 そして(非常に重要だが)このようにして得られた命題 p は、慣例として、それぞれ真に評価されると想定される。 このように実体化した組は真と評価される命題とみなすことができる。なぜかというと、関係の本体にその組が登場するからである。これに対し逆に、見出しが関係の見出しに適合するが関係の本体に存在しない全ての組は偽と評価される命題である。 この一つ前の文の根底にある仮説は 閉世界仮説 として知られており、関係モデルは閉世界仮説に依拠している。 関係の本体は述語論理の文脈では「外延」と呼ばれる。これは関係の本体が関係変数述語の 外延 として表現されると解釈できることが理由である。 データベースへの適用 [ 編集 ] 関係データベースにおける典型的な 定義域 は、 整数 型、 文字列 型、 論理 型などである。定義域の名前は、"int"、"char"、"boolean" など一連の名前が規定される。 属性 は関係の データ構造 の一部として宣言され、属性の宣言ではその属性名と定義域の名前を指定する。 組 は データベース言語 として SQL を採用しているデータベースでは基本的に行と同じ概念である。 属性名 の例は "name" や "age" などである。 属性値 は、特定の組の特定の属性に含まれる具体的な値(エントリ)であり、例えば "John Doe" や "35" などである。 関係 は 表 に似たデータ構造の仕様でありまたデータ(本体)を含んでいる。 見出し は関係のデータ構造の宣言である。 本体 は関係のデータ構造に含まれるデータである。 他のデータベースモデル [ 編集 ] 関係モデル(リレーショナルモデル)以外の データベース のモデルとしては、 階層型データモデル や ネットワーク型データモデル がある。 これらの古い アーキテクチャ を使ったいくつかのシステムが、現在も データセンター で使われており、大容量のデータを扱う必要がある場合や、既存のシステムが非常に複雑であるために関係モデルを採用したシステムに移行するには多大な費用を要する場合などに、使われている。 新しいデータモデルとしては オブジェクト指向 のデータモデルがあり、近年では オブジェクトデータベース を使うことができるようになっている。 2009年現在では 関係データベース と比べると使われる事例は少ないものの、少しずつ採用され始めている。 オブジェクトデータベースの有用性については見解が分かれている。 オブジェクトデータベースには オブジェクト指向プログラミング言語 との親和性が高いという特長がある。 一方で一部の人々は、オブジェクトデータベース管理システム (ODBMS) の多くは正統的な DBMS( データベース管理システム )というよりもむしろ DBMS 構築キットであるとして、あまり有用な技術とは認識していない。 関係モデルは形式化された最初のデータモデルである。関係モデルが定義された後に、非形式的なデータモデルが、階層型データベース( 階層型データモデル )やネットワーク型データベース( ネットワーク型データモデル )を記述するために作られていった。階層型データベースとネットワーク型データベースは、 関係データベース 以前に既に存在していた。しかしそれらがモデルとして記述されたのは、関係モデルが定義された後のことであり、その目的はデータモデル間の比較をするための基礎を確立するためであった。 歴史 [ 編集 ] 19世紀のドイツの数学者 ゲオルク・カントール は、 集合論 を考案した。 アメリカ合衆国の数学者 D・L・チャイルズは1968年の論文 "Description of a Set-Theoretic Data Structure" において、データやデータの検索を集合と集合演算を用いて表現する、集合論データ構造を考案した。集合と集合演算を採用することにより物理的データ構造からの独立性が実現された。これは当時としては先駆的な業績であった。 エドガー・F・コッド は、1970年の論文 "A Relational Model of Data for Large Shared Data Banks" で、関係モデル(リレーショナルモデル)をデータの一般モデルとして考案した。この論文では、チャイルズの1968年の論文も引用している。 その後、関係モデルは多くの人々によりモデルの修整や改良が行われた。 クリス・デイト と ヒュー・ダーウェン は著書 The Third Manifesto (第1版は1995年に出版された)において、関係モデルがその基本原理を損なうこと無く望ましい形で オブジェクト指向 機能に対応する技法を提示した。 SQL標準 [ 編集 ] SQL (Structured Query Language)は、最初に 関係データベース の標準言語となったが、いくつかの面で関係モデル(リレーショナルモデル)から逸脱している。SQLは、これらの関係モデルからの逸脱を根拠として批判されることがある(Date C. J. "Database in Depth" 参照)。2008年現在、 ISO SQL 標準は、関係モデルに言及しておらず、関係モデルの用語も概念も使っていない。しかしSQLを使って関係モデルに適合する データベース を構築することは、いくつかのSQLの機能を使わなければ、可能である。 まずSQLの用語とそれに相当する関係モデルの用語の対応関係を示す。 SQLの用語と関係モデルの用語の対応関係 SQL の用語 関係モデルの用語 表 (テーブル; table) 関係 変数(リレーション変数; relvar; relation variable) 行(row) 組 (タプル; tuple) 列(カラム; column) 属性 (attribute) 以下にSQL標準における関係モデルからの逸脱を記述する。ただしSQL標準の全てを 実装 している データベース管理システム (DBMS) はほとんど存在しない。 ここで述べる関係モデルからの逸脱のいくつかについては、ほとんどの SQL DBMS で逸脱している。 NULL はほとんどの SQL DBMS にも存在するが、一つの 表 (関係モデルでは 関係 変数に相当)に同じ名称を2つ(以上)の列(属性に相当)に重複してつけることができるかどうか、名前の無い列が許容されるかどうかについては、SQL DBMS ごとにさまざまである。 行の重複 SQLの一つの表では、同一内容の行が2回以上出現することを許容する。関係モデルの一つの関係変数では、同一内容の 組 が2回以上出現することはありえない。 名前の無い列 SQLの表では、名前の無い列が存在することがあり、このためそのような列はSQLの式では参照できない。関係モデルでは、あらゆる 属性 に名前が必要であり参照可能である必要がある。 列の名前の重複 SQLの一つの表では、2つ以上の列に対して同じ名前をつけることができ、このためそのような列は明らかにあいまいでありSQLの式では参照できない。関係モデルの一つの関係変数では、2つ以上の属性に対して同じ名前をつけることはできず、そのためあらゆる属性は参照可能である。 列の順序づけの重要性 SQLの表では、列の順序が定義されており重要である。この結果の一つとして直積と和の演算のSQL実装は交換法則が成立する演算ではなくなっている。関係モデルの関係変数では、列は順序づけられていないため、直積演算と和演算における交換法則が成立する。 CHECK OPTION の無いビュー SQL では CHECK OPTION をつけずに定義されたビューに対して更新を行うことができる。しかしその結果そうしたビューへの更新は必ずしも更新対象(当該ビュー)に反映されるわけではない。例えばSQLでは、ビューに対する INSERT の実行は可能であるが、追加された行がビューに反映されないことがある。またビューに UPDATE を行った場合、ビューから更新対象データが消える可能性がある。関係モデルでは、ビューに対する更新は基底関係変数に対する更新と同じ結果になることが必要である。 表は必ず1つ以上の列を持つ SQLでは表は少なくとも1つの列を持つ必要があり、列が0個である表は定義できない。関係モデルでは属性が0個である関係が2つ存在する。そのうち1つは濃度(組の数)が1つであり、もう1つの関係は濃度が0である。関係モデルにおいてこの2つの関係は 自由変数 が0個である 述語 の 外延 を表現するために必要である。 NULL NULL という特別な印(マーク)は、ある行のある列の値など、原則としてどこであれSQLの値を設定できるところであれば値の代わりにつけることができる。この関係モデルからの逸脱は、SQLにおいてこの場当たり的な概念の実装が三値論理の採用と関連しているという事実から、生じる。三値論理においては、NULLをNULL自身と比較すると真( true )とは評価されず、 unknown という第三の値に評価される。またNULLをNULL以外の何かと比較すると偽( false )とは評価されず、 unknown と評価される。比較におけるこのような振る舞いのために、NULLは値ではなく印(マーク)であると説明されるのである。関係モデルは排中律に依拠している。排中律のもとでは、真と評価されないものは何であれ偽と評価され、偽と評価されないものは何であれ真と評価される。関係モデルでは、関係の本体の全ての組の全ての属性には必ず値が割り当てられている。この逸脱は一部の人々の間で論争の対象となった。なぜなら、 エドガー・F・コッド 自身が最終的に特殊な印と四値論理の採用を提唱したからである。ただしこの四値論理の提唱はコッドの見解に基づいていた。コッドの見解とは値の代わりに特殊な印をつけたいと思う背景には2つの異なる理由があるということである。こうした経緯はさらに多くの異なる理由の発見するであろうような四値論理の採用に対する反対者を招き、19もの異なる理由が言及された。その場合は二十一値論理が必要となるであろう。SQL自体は、NULLを「未知の値」の表現以外にもいくつかの用途に使っている。例えば、空集合にSUM関数(合計値計算)を適用するとNULLとなる。これは0を意味する。空集合の平均値はNULLである。これは未定義を意味する。NULLは 左外部結合 の結果でも現れる。これは「右側には対応する行が存在しないため値は無い」を意味する。 実装 [ 編集 ] エドガー・F・コッド が考案し クリス・デイト や ヒュー・ダーウェン などの人々により説明されてきた意味での、関係モデル(リレーショナルモデル)に基づいた 関係データベース管理システム (RDBMS) の真の 実装 を開発しようという試みは、これまでいくつか行われてきた。しかし2008年現在の時点では広く採用されるに至った成功例は無い。近年のこうした試みの一つとして Dataphor (Alphora社) という RDBMS がある。 論争 [ 編集 ] エドガー・F・コッド 自身は、1970年に関係モデル(リレーショナルモデル)を公表して数年後に、欠損情報を扱うために関係モデルの三値論理バージョンを提唱した。そして論文 The Relational Model for Database Management Version 2 (1990) における関係モデルの四値論理バージョンの提唱へとさらに一歩踏み出した。しかしこれらが 実装 されることは全く無かった。その理由はおそらくそのモデルが複雑であったためであろう。 SQL の NULL の概念は三値論理システムの一部をなすものと想定されていた。しかしSQL標準とその実装に含まれた論理的齟齬によりすぐに崩壊した。 先の #SQL標準 の節を参照。 論理設計 [ 編集 ] →詳細は「 データベース設計 」を参照 関係の正規化は、多くの場合関係データベースの設計時に データベース設計 の論理的整合性と トランザクション 性能の向上をめざして、行われる。 2008年現在、論理設計を関係モデルの視覚的表現により効果的に行うために、3つの図(ダイアグラム)の体系が広く使われている。 実体-関連図 (entity-relationship diagram) IDEF 図 - アメリカ合衆国空軍 が実体-関連図に基づいて開発した IDEF1X 法で使われる 統一モデリング言語 (UML) - OMG により策定され オブジェクト指向ソフトウェア開発 などにおいて使われる データを 木構造 で表現しようとすると、関係変数群を親子関連をもつ 階層型モデル の構造にしなければならなくなるであろう。 データベース例 [ 編集 ] 簡単な複数の関係変数と属性の設計例 顧客( 顧客ID 、税ID、名前、住所、市、県、郵便番号、電話番号) 注文( 注文番号 、 顧客ID 、 請求書番号 、注文日、納品予定日、条件、状況) 注文明細( 注文番号 、 請求書番号 、 製品コード 、数量) 請求書( 請求書番号 、 顧客ID 、 注文番号 、日付、状況) 請求書明細( 請求書番号 、 明細番号 、 製品コード 、出荷数量) 製品( 製品コード 、製品名) 以上を表にすると、以下のようになる。 顧客表 顧客ID 税ID 名前 住所 市 県 郵便番号 電話番号 注文表 注文番号 顧客ID 請求書番号 注文日 納品予定日 条件 状況 注文明細表 注文番号 請求書番号 製品コード 数量 請求書表 請求書番号 顧客ID 注文番号 日付 状況 請求書明細表 請求書番号 明細番号 製品コード 出荷数量 製品表 製品コード 製品名 この設計では次の6つの関係変数がある。 顧客、注文、注文明細、請求書、請求書明細、製品 太字でかつ下線のついた属性の集合は 候補キー (candidate key)である。太字でない下線のついた属性は 外部キー (foreign key) である。 一つの関係変数に複数の候補キーがある場合は、複数の候補キーから一つを任意で選び 主キー (primary key) とする。候補キーが一つである場合は、必然的にその候補キーが主キーとなる。主キーは他の候補キーよりも選好して使われる。主キー以外の候補キーを 代理キー (alternate key) と呼ぶ (ただしこのデータベース設計例では代理キーは無い) 。 候補キーは一意 識別子 (unique identifier) であり、関係変数に組の重複を許さないよう強制するはたらきがある。組の重複が有ると 集合 の基本的定義に違反することとなり関係ではない別のもの(bag; バッグ)になってしまう。外部キーと スーパーキー (superkey; 候補キーを部分集合として含むキー)は複合している場合がある。つまり一つではなく複数の属性から構成されている場合がある。 次に顧客関係変数を表形式で記述する。関係は関係変数に割り当てられる値( 関係値 )と考えることができる。 例: 顧客関係変数 [ 編集 ] 顧客ID 税ID 名前 住所 1234567890 555-5512222 Jo Lee 323 Broadway 2223344556 555-5523232 Dorothy Red 1200 Main Street 3334445563 555-5533322 Linda de la Cruz 871 1st Street 4232342432 555-5325523 E. F. Codd 123 It Way 新しい 顧客ID 1234567890 をもつ顧客の「追加」を試みると、この追加は関係変数の設計に違反するため失敗する。 なぜなら 顧客ID は 主キー であり顧客関係変数には既に顧客 1234567890 が存在するからである。 RDBMSは、整合性制約に違反することにより 関係データベース を不整合な状態にするこのような トランザクション を、拒絶しなければならない。 外部キー は、整合性制約であり、外部キーの値が別の関係の 候補キー のいずれかの値に合致することを強制する。 例えば注文関係においては 顧客ID 属性が外部キーである。 結合は、複数の関係から一度に 情報 を引き出す演算である。 先の例の複数の関係で結合を行うことにより、全ての顧客、注文、請求書のデータを検索することができる。 もしこのとき特定の顧客に関する情報だけ必要なのであれば、 制限 条件を使って 結合 を行えば良い。 顧客 1234567890 の全ての注文を検索したい場合には、 顧客ID 1234567890 をもつ全ての注文関係の組を取得し、取得した結果に対して 注文番号 に基づいて注文明細関係と結合すれば良い。 先に示したデータベース設計には欠陥がある。請求書関係変数が注文番号属性をもっているのである。これは、請求書関係変数の各々の組が一つずつ注文番号をもつということである。このことは各々の請求書にはそれぞれ必ず一つの注文があるということである。しかし現実には、一つの請求書は複数の注文に対して発行することができる。また注文無しの請求書が実際に発行されることもあろう。さらに、注文関係変数は請求書番号属性をもつ。これは各々の注文はそれぞれ対応する一つの請求書をもつことを意味する。 しかし現実世界ではこれは必ずしも真ではない。一つの注文が複数の請求書を通して発行される場合もある。また請求書無しで支払いを行うこともあるであろう。すなわち、複数の請求書が一つの注文と対応することがあり、複数の注文が一つの請求書に対応することがある。これは注文と請求書の間に「多対多」の関連があるということである(「特定の関連は無い」ともいう)。この関連を関係データベースで表現するために、新しい関係変数を導入する必要があるであろう。 この新しい関係変数の役割は注文と請求書の関連を指定することである: 注文請求書( 注文番号 、 請求書番号 ) これを表にすると、以下のようになる。 注文請求書表 注文番号 請求書番号 ここで、注文関係変数は注文請求書関係変数との間に、注文関係変数と顧客関係変数の間の関連と同じく、一対多関連がある。 特定の注文に対する全ての請求書を検索したい場合、 注文関係の 注文番号 は注文請求書関係の 注文番号 と等しく 注文請求書関係の 請求書番号 は請求書関係の 請求書番号 と等しい という条件をつけて全ての請求書を検索することができる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Codd, E.F. (1970). “A Relational Model of Data for Large Shared Data Banks” . Communications of the ACM 13 (6): 377–387 . http://www.acm.org/classics/nov95/toc.html . ^ Date, C. J. ほか (2006) p.78 参考文献 [ 編集 ] Codd, E. F. (1970). " A relational model of data for large shared data banks ". Communications of the ACM , 13(6):377–387.( ACM から2004年9月4日に参照) Date, C. J. , Darwen, H. (2000). Foundation for Future Database Systems: The Third Manifesto , 2nd edition, Addison-Wesley Professional. ISBN 0-201-70928-7 . Date, C. J. (2003). Introduction to Database Systems . 8th edition, Addison-Wesley. ISBN 0-321-19784-4 . Date, C. J. ほか (1997)『データベースシステム概論 原著第6版』、1997年、丸善 ISBN 4-621-04276-9 Date, C. J. (2005). Database in Depth , 2005, O'Reilly Media, Inc ISBN 0596100124 Date, C. J. ほか (2006)『データベース実践講義—エンジニアのためのリレーショナル理論』、2006年、オライリー・ジャパン ISBN 4-87311-275-3 関連項目 [ 編集 ] 整合性制約 一意性制約 候補キー 主キー スーパーキー 外部キー 関係代数 (関係モデル) 関係論理 (関係計算) 関係の正規化 データベース 関係データベース 関係データベース管理システム (RDBMS) オブジェクト関係データベース (ORDB) データベース言語 / 問い合わせ言語 SQL Tutorial D D (データベース言語仕様) 二項関係 エドガー・F・コッド コッドの12の規則 外部リンク [ 編集 ] DMoz category Relational Model Database Debunkings 表 話 編 歴 データベースモデル モデル フラットファイルデータベース 階層型データモデル ディメンショナルモデリング ( 英語版 ) データウェアハウス ネットワーク型データモデル 関係モデル 実体関連モデル 拡張 ( 英語版 ) グラフデータベース ( 英語版 ) オブジェクト(指向)データベース エンティティ属性数値(EAV)モデル ( 英語版 ) 他のモデル アソシアティブ(連想)モデル ( 英語版 ) コリレーション(相関)データベース ( 英語版 ) 多次元データベース(OLAP) Array DBMS ( 英語版 ) セマンティックデータモデル ( 英語版 ) スタースキーマ XMLデータベース 実装 フラットファイルデータベース データベース管理システム(DBMS) 列指向DBMS オブジェクト(ODBMS) 関係(RDBMS) オブジェクト関係(ORDBMS) Document-oriented database ( 英語版 ) 演繹的データベース ( 英語版 ) テンポラルデータベース ( 英語版 ) XML-DBMS キーバリュー型データベース トリプルストア ( 英語版 ) 表 話 編 歴 データベース管理システム データモデル 関係モデル データベース設計 正規化 参照整合性 関係代数 関係論理 データベース管理システム 関係データベース管理システム オブジェクト関係データベース 分散データベース トランザクション処理 概念 データベース ACID CRUD 3値論理 ( NULL ) 候補キー 外部キー 主キー スーパーキー 代理キー オブジェクト 関係 ( 表 ) ビュー トランザクション ログ トリガ 索引 ストアドプロシージャ カーソル 分割 SQL SELECT INSERT UPDATE MERGE DELETE JOIN CREATE DROP COMMIT ROLLBACK TRUNCATE ALTER WHERE SAVEPOINT 構成要素 並行性制御 データ辞書 JDBC ODBC データベース言語 問い合わせ言語 クエリ最適化 クエリ実行計画 データベース製品 関係データベース管理システムの比較 データベース接続クライアント カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%95%B0_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0)
関数
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "サブルーチン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2016年4月 ) プログラミング における サブルーチン ( 英 : subroutine )は、 プログラム 中で意味や内容がまとまっている作業をひとつにまとめたものである。 サブプログラム あるいは 副プログラム ( 英 : subprogram ) [ 1 ] とも呼ばれ、単に「ルーチン」( 英 : routine )と呼ばれることもある。 プログラミング言語 によっては、 関数 ( 英 : function )や プロシージャ あるいは 手続き ( 英 : procedure )とも呼ばれる。 概説 [ 編集 ] 繰り返し利用される ルーチン作業 を モジュール としてまとめたもので、呼び出す側の「主」となるもの( メインルーチン )と対比して「サブルーチン」と呼ばれる。 プログラムのソース中で、繰り返し現れる処理をサブルーチン化することで、 可読性 や保守性を高く保つことができる。繰り返し現れる処理でなくても、意味的なまとまりを示すためにサブルーチン化することもある。また、 キャッシュ のような階層的メモリの設計を持つ コンピュータ (現在の パソコン や ワークステーション などほぼすべて)では、よく使われるサブルーチンがキャッシュに格納されることで高速な動作を期待できる。 呼び出しと入出力 [ 編集 ] サブルーチンが結果として値を返す場合、その値は 戻り値 (もどりち)または 返り値 (かえりち)と呼ばれる。 プログラミング言語 によっては、サブルーチンに相当する処理のまとまりを、「結果として値を返すもの」と「処理だけを行ない値を返さないもの」に分類・区別することがある。この区分はプログラミング言語の仕様で定められるため、言語により区分や名称が異なる。例えば、 Pascal では戻り値があるものを関数と呼び、戻り値がないものを手続きと呼ぶ。 C言語 ではいずれも関数と呼ぶ。 ALGOL ではいずれも手続きと呼ぶ。これらは慣習的なものであり、 手続き型プログラミング や 関数型プログラミング といったプログラミングスタイルあるいはプログラミングパラダイムの分類とは関係がない。サブルーチンが属するスコープなどの特性によって名称を変えているものもあれば、特に区別せず同じ名称を与えているものもある。 日本の 情報処理推進機構 (IPA) が運営している 基本情報技術者試験 で使われる 疑似言語 では、サブルーチンを戻り値の有無により「関数」と「手続」(てつづき)に分類している。戻り値があるほうが関数であり、戻り値が無いほうが手続である [ 1 ] 。これはPascalの慣習と同じだが、もともとアルゴリズムの記述にはALGOLやPascal系の構文をもとにした疑似言語が使われることが多かった、という事情もある [ 2 ] 。 なお、サブルーチンは呼び出し時に入力として 引数 (ひきすう)を受け取り、サブルーチンの中で宣言された「仮引数」と呼ばれる変数を通じて内部処理に使うことができる。引数の渡し方には、一般的なものとして以下の2つがある [ 3 ] 。 実引数を渡すときにその値だけを渡して、記憶場所(アドレス)は渡さない方法を「値呼び出し」または「値渡し」という。値呼び出しで変数を渡す場合、メインルーチンとは別にサブルーチン側で変数の記憶領域を確保し、そこにいったん値(データ)をコピーする。そのため、サブルーチン側で変数の値を変更しても、メインルーチンに戻ったときには元の値のままになる。 実引数を渡すときにその記憶場所(アドレス)を渡す方法を「参照呼び出し」または「参照渡し」という。参照呼び出しで変数を渡す場合、メインルーチンとサブルーチンとで、変数の記憶領域が共有される。そのため、サブルーチン内でその変数に対して行なった変更操作は、メインルーチンに戻ってもそのまま反映される。 一般的には戻り値によって単一の結果を出力として返すが、参照呼び出しを使うことによって複数の結果を出力として返したり、受け渡しの際のデータコピーのコストを低減したりすることもできるようになる。 なお、Pascalでは関数/手続きの内部に、それらの中でのみ呼び出し可能な別の関数/手続きを記述することもできる。関数内関数やローカル関数などと呼ばれることもある。 一般的にサブルーチンにはプログラムソースコード上で識別可能な何らかの名前が付けられ、呼び出しの際にはその名前をもとに参照されるが、名前を持たないサブルーチン( 無名関数 、ラムダ式)を定義できる言語もある。 通例、サブルーチンとその呼び出し元の間での引数および戻り値の受け渡しや、サブルーチンが終了したときに呼び出し元にフロー制御を戻すための復帰位置(リターンアドレス)の一時記憶、サブルーチン内の ローカル変数 の割り当てには、 コールスタック やレジスタが使われる。引数がスタックに積まれる順序やメモリレイアウトなどの 呼び出し規約 は、プログラミング言語やプロセッサ ( CPU ) のアーキテクチャにも依存するが、コンパイラ固有の修飾子(キーワード)によって指定できる環境もある [ 4 ] [ 5 ] 。 x64 や ARM のように、特定の条件を満たす引数についてはスタックではなくレジスタを経由して受け渡しされるアーキテクチャもある [ 6 ] [ 7 ] 。 環境によっては、呼び出し規約を規定し、また引数と戻り値のデータ型を基本数値型やポインタ型などの POD ( 英語版 ) 型に限定することで、異なる言語間で相互運用可能な ABI 互換性のあるサブルーチンを定義することができる。例えばCで書かれた関数を ダイナミックリンクライブラリ (DLL) や共有ライブラリ (so) にエクスポートし、Pascalの関数または手続きとして呼び出したりすることも可能となる。別の例として、 Microsoft Excel では、C/ C++ やPascalや Visual Basic などを使ってDLLに実装された関数を、 Visual Basic for Applications (VBA) のコードモジュールからプロシージャとして呼び出したり、ワークシートから直接利用したりすることができる [ 8 ] [ 9 ] 。 数学の関数との違い [ 編集 ] 引数 をとり、値を返すという、数学における 関数 との類似性から、言語によっては関数 (function) とも呼ばれるわけであるが、一般にプログラミング言語における関数は、数学におけるそれとは以下のような点が異なる。 引数が同じでも状況に応じて戻り値が異なる( 状態 を持つ) 関数の処理の実行によってシステムに変化が発生する( 副作用 を持つ) (「関数」と「手続き」を区別しない言語では)戻り値が存在しない場合がある これに対し、 関数型言語 では状態や、プログラム自身に影響するような副作用をもたないことを基本とするなど、数学の関数に近い性質を持つ。特に純粋関数型言語では数学の関数と同等であり、同様の性質( 参照透過性 など)を持つことが利用される。 オブジェクト指向言語の場合 [ 編集 ] 多くの オブジェクト指向プログラミング言語 では、何らかの オブジェクト あるいは クラス に属するサブルーチンは、 メソッド と呼ばれている。Cから発展し、 Simula の影響を強く受けた C++ では、クラスや 構造体 に属する関数は メンバー関数 と呼ばれている。 Java や C# など、サブルーチンはクラスや構造体などの型に属するメソッドもしくはメソッド内のローカル関数として記述しなければならず、どこにも属さない関数(フリー関数)は定義できないオブジェクト指向言語もある。一方、 C++ や Swift のように、必ずしもクラスや構造体に属する必要はなく、名前空間スコープに関数を直接定義できるオブジェクト指向言語もある。 歴史 [ 編集 ] サブルーチンという考え方は、ことさら新しいものではない。 アルゴリズム などにおいて、問題を部分問題に切り分けて解くという 分割統治法 はコンピュータ以前からあり、コンピュータプログラミングについても、 EDSAC のプログラミングについて出版された、この分野の世界最初の書籍とされる The Preparation of Programs for an Electronic Digital Computer (1951)においても part one, chapter 2 がサブルーチンに関する章である。 各プログラミング言語におけるサブルーチン [ 編集 ] おおむね歴史が古い言語から説明する。 FORTRAN [ 編集 ] Fortran では、値を返すサブプログラムは関数( function )、値を返さないサブプログラムはサブルーチン( subroutine )と呼ばれる。 Fortran 90 以降の関数はPURE属性により副作用を持たないことを明示できる。 LISP [ 編集 ] LISP では関数と呼ばれることが多く、 Common Lisp でも関数と呼ぶ。しかし Scheme の仕様では手続きという用語を使っている。なおLispにはサブルーチンを マクロ で実装するという重要な手法もある。 BASIC [ 編集 ] 古典的な BASIC では、GOSUB 命令によるサブルーチンがあった。インタプリタは GOSUB 命令を見つけると、GOSUB 命令の終わりの場所(アドレス)をインタプリタ内の スタック にプッシュして保存し、命令で指定された行に飛び、実行を続ける。その後、実行中に RETURN 命令を見つけると、スタックから先ほど保存しておいた呼び出し元の場所をポップして取り出し、そこに飛び、GOSUB 命令の次の命令から実行を再開する。サブルーチンを作成したい場合は、ユーザーは「この行からこの行まではサブルーチンとする」と決めてプログラムを作成した。以上のように「RETURN できる GOTO」でしかない(引数も返り値もローカル変数もない)ため、(グローバル)変数を経由する、配列をユーザースタックとして使うなど、技巧を必要とした。比較的高機能な実装では、DEFFN 命令により、式一個で記述できる範囲という制限ながらも、引数と返り値のあるユーザー定義関数の追加(拡張)が行えるものもあった。 Pascal [ 編集 ] Pascal では function および procedure という 予約語 を使って宣言する [ 注釈 1 ] 。 C言語 [ 編集 ] カーニハン と リッチー による解説書『 プログラミング言語C 』、いわゆる「K&R」には、C言語の関数はPascalの「手続き」や「関数」に相当すると書かれてある [ 10 ] 。つまりC言語では戻り値の有無にかかわらず「関数」(function) と呼んでいる。 関数の定義の書式は次の通りである [ 10 ] 。 <戻り値の型> <関数名>( <引数> ) { 関数内の処理の記述 } C言語 では歴史的な理由から、値を返さない関数を宣言および定義する場合は、関数の型(返戻値の型)を書く場所に void ( void型 )と書く [ 注釈 2 ] 。 関数の宣言が複数ある場合、どの順番で書いても良いし、複数のファイルに分けて書いても良い [ 10 ] 。ただし、ひとつの関数を複数のファイルに分けて書いてはいけない [ 10 ] 。 なお、K&RのCは ANSI C (C89)として標準化される前の古い仕様に基づいており、Cの歴史を知るうえでは重要だが、2023年現在はISO/IEC 9899規格を参照することが望ましい。 Perl [ 編集 ] Perl では、ユーザー定義のものはサブルーチンであるが、引数を渡すことができ、値を返すこともできる。サブルーチン内からは、渡された引数には特殊変数からアクセスし、値を返すにはreturn文 [ 注釈 3 ] を使う。 Visual Basic [ 編集 ] Visual Basic (VB)、 Visual Basic for Applications (VBA)、 Visual Basic .NET (VB.NET) では、サブルーチンをプロシージャと総称しており、値を返すプロシージャを「 Function プロシージャ」、値を返さないプロシージャを「 Sub プロシージャ」と呼ぶ。さらに プロパティ を定義するための構文として「 Property プロシージャ」がある [ 11 ] [ 12 ] 。 他 [ 編集 ] Microsoft Excel における関数は、主に、計算をしたり、データの検索や集計をしたり、表示を変換したりするものである。合計値を求めるSUM関数や、平均値を求めるAVERAGE関数、 条件演算子 に相当するIF関数など、100を超える組み込みの「ワークシート関数」が存在する。一方、 VBA コードからのみ利用可能な「VBA関数」もある。例えばIIf関数 [ 13 ] はIF関数に似た働きをするが、ワークシート上の数式内では利用できず、VBAからのみ利用可能である。ワークシート関数およびVBA関数はいずれもユーザー定義の関数を登録して利用することもできる。 再帰呼び出し [ 編集 ] あるサブルーチン f の定義中で f 自身を再度呼び出すことを 再帰呼び出し (さいきよびだし、recursive function call)という [ 14 ] [ 1 ] 。再帰呼び出しを使うと、ある処理で得られた値に対しさらに同じ処理を何度も繰り返すような場合に簡潔な記述にすることができる [ 15 ] 。たとえば 階乗 の計算をするために使ったり [ 1 ] 、 ファイルシステム のような 木構造 の探索に使ったり [ 16 ] 、 オセロソフト ・ チェスソフト ・ 将棋ソフト ・ 囲碁ソフト などの「先読み」に使ったりできる [ 注釈 4 ] [ 17 ] [ 18 ] [ 19 ] [ 20 ] 。 なお、一般的なコンピュータおよびプログラミング言語では、サブルーチン呼び出しの際は コールスタック に引数やローカル変数などの領域が確保されるが、 パーソナルコンピュータ のような比較的リソースに余裕のある環境であっても、このコールスタックの容量は既定で スレッド ごとに数 MiB 程度に設定されており、サブルーチンの呼び出し階層が深すぎると スタックオーバーフロー を引き起こす場合がある。特に再帰呼び出しは呼び出し階層が深くなりがちで、再帰回数が多すぎるとスタックオーバーフローを引き起こしやすい。 →「 再帰 § 計算機科学 」、および「 スタックオーバーフロー 」も参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ C言語と違い、中身の記述すなわち定義まで含むものもPascalでは「宣言」と言う。 ^ 標準化以前(K&R初版時代のC)は、省略した場合のデフォルトとしてintを返すと解釈される仕様だったという経緯があり、互換性を保つためにそれが標準とされたため、値を返さない場合には void を書いて明示しなければならない、という仕様になっている。 ^ http://perldoc.perl.org/perlsub.html には return statement とあるが、return 自体の解説は http://perldoc.perl.org/functions/return.html のように関数扱いになっている。 ^ オセロゲームの盤面先読みのコードは、以前、基本情報技術者試験に出題されたことがあり教科書や問題集などでも掲載されるようになっていた。 出典 [ 編集 ] ^ a b c d 大滝みや子『2020年版 基本情報技術者 標準教科書』オーム社、2019年。pp.95-96「手続きと関数」「再帰呼び出し」の章 ^ 電子情報通信学会『知識の森』 - 6 群「基礎理論とハードウェア」 - 3 編「アルゴリズムとデータ構造」 - 1 章「アルゴリズムとアルゴリズム解析」 ^ 問49 変数を引数として渡しても、サブルーチンの実行後に変数の値が変更されないことが保証されているものはどれか。 | 日経クロステック(xTECH) ^ Calling Conventions | Microsoft Learn ^ Argument Passing and Naming Conventions | Microsoft Learn ^ x64 calling convention | Microsoft Learn ^ Overview of ARM ABI Conventions | Microsoft Learn ^ Working with DLLs | Microsoft Learn ^ Developing DLLs | Microsoft Learn ^ a b c d Brian W. Kernighan / Dennis M. Ritchie "The C Programming Language, Second Edition", 1988. ISBN 0-13-110362-8 , pp.24-27 "Functions". ^ Writing a property procedure (VBA) | Microsoft Learn ^ Property プロシージャ - Visual Basic | Microsoft Learn ^ IIf function (Visual Basic for Applications) | Microsoft Docs ^ 自分から自分を呼ぶ? Pythonで「再帰呼び出し」の不思議を体験 | 日経クロステック(xTECH) ^ 『令和04年 栢木先生の基本情報技術者教室』技術評論社、2021年、p.209「再帰的な関数の例」 ^ .NET TIPS [ASP.NET]データベースからツリー・メニューを生成するには? - C# VB.NET Webフォーム - @IT ^ Chess programming ^ 将棋ソフト作成入門 ^ 再帰呼び出し ^ 囲碁プログラムの作り方(基本編) 関連項目 [ 編集 ] 制御構造 関数型プログラミング 第一級関数 構造化プログラミング メソッド (計算機科学) プロシージャ 重複コード トランスクルージョン この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%95%B0%E5%9E%8B%E8%A8%80%E8%AA%9E
関数型言語
プログラミング・パラダイム 命令型プログラミング 手続き型プログラミング モジュラープログラミング ( 英語版 ) 構造化プログラミング オブジェクト指向プログラミング クラスベース プロトタイプベース メッセージング アクターモデル アスペクト指向 宣言型プログラミング 関数型プログラミング 純粋関数型プログラミング ( 英語版 ) 論理プログラミング 並行論理プログラミング 制約論理プログラミング 解集合プログラミング 帰納プログラミング 仮説論理プログラミング ( 英語版 ) データフロープログラミング リアクティブプログラミング ( 英語版 ) 並行制約プログラミング マルチパラダイム ジェネリックプログラミング イベント駆動型プログラミング 動的プログラミング 並行プログラミング 制約プログラミング メタプログラミング 自動プログラミング 帰納プログラミング テンプレートメタプログラミング リフレクティブプログラミング マクロ 契約プログラミング インテンショナルプログラミング 文芸的プログラミング 量子プログラミング 表 話 編 歴 関数型プログラミング (かんすうがたプログラミング、 英 : functional programming )とは、 数学的な意味での関数 を主に使うプログラミングのスタイルである [ 1 ] 。 functional programming は、 関数プログラミング (かんすうプログラミング)などと訳されることもある [ 2 ] 。 関数型プログラミング言語 ( 英 : functional programming language )とは、関数型プログラミングを推奨している プログラミング言語 である [ 1 ] 。略して 関数型言語 ( 英 : functional language )ともいう [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 関数型プログラミングは、 関数 を主軸にしたプログラミングを行うスタイルである [ 1 ] 。ここでの関数は、数学的なものを指し、引数の値が定まれば結果も定まるという 参照透過性 を持つものである [ 1 ] 。 参照透過性 とは、数学的な関数と同じように同じ値を返す式を与えたら必ず同じ値を返すような性質である [ 1 ] 。次の square 関数は、 2 となるような式を与えれば必ず 4 を返し、 3 となるような式を与えれば必ず 9 を返し、いかなる状況でも別の値を返すということはなく、これが参照透過性を持つ関数の一例となる [ 1 ] 。 def square ( n ): return n ** 2 次の countup 関数は、同じ 1 を渡しても、それまでに countup 関数がどのような引数で呼ばれていたかによって、返り値が 1 , 2 , 3 , ... と変化するため、引数の値だけで結果の値が定まらないような参照透過性のない関数であり、数学的な関数とはいえない [ 1 ] 。 counter = 0 def countup ( n ): global counter counter += n return counter 関数型プログラミングは、参照透過性を持つような数学的な関数を使って組み立てた 式 が主役となる [ 1 ] 。別の箇所に定義されている処理を利用することを、手続き型プログラミング言語では「関数を実行する」や「関数を呼び出す」などと表現するが、関数型プログラミング言語では「式を評価する」という表現も良く使われる [ 3 ] 。 参照透過性 [ 編集 ] →詳細は「 参照透過性 」を参照 参照透過性とは、同じ値を与えたら返り値も必ず同じになるような性質である [ 1 ] 。参照透過性を持つことは、その関数が 状態を持たない ことを保証する [ 4 ] 。状態を持たない数学的な関数は、並列処理を実現するのに適している [ 4 ] 。関数型プログラミング言語の内で、全ての関数が参照透過性を持つようなものを純粋関数型プログラミング言語という [ 4 ] 。 入出力 [ 編集 ] 関数型プログラミングでは、数学的な関数を組み合わせて計算を表現するが、それだけではファイルの読み書きのような外界とのやり取りを要する処理を直接的に表現できない [ 5 ] 。このような外界とのやり取りを I/O (入出力) と呼ぶ [ 5 ] 。数学的な計算をするだけ、つまり 1 + 1 のようなプログラム内で完結する処理ならば、入出力を記述できなくても問題ないが、現実的なプログラムにおいてはそうでない [ 5 ] 。 非純粋な関数型プログラミング言語においては、式を評価すると同時に I/O が発生する関数を用意することで入出力を実現する [ 5 ] 。たとえば、 F# 言語 では、 printfn "Hi." が評価されると、 () という値が戻ってくると同時に、画面に Hi. と表示される I/O が発生する [ 5 ] 。 Haskell では、評価と同時に I/O が行われる関数は存在しない [ 5 ] 。たとえば、 putStrLn "Hi." という式が評価されると IO () 型を持つ値が返されるが画面には何も表示されず、この値が Haskell の処理系によって解釈されて初めて画面に Hi. と表示される [ 5 ] 。 I/O アクション とは、ファイルの読み書きやディスプレイへの表示などのような I/O を表現する式のことである [ 5 ] [ 6 ] 。 IO a という型は、コンピュータへの指示を表す I/O アクションを表現している [ 5 ] [ 7 ] 。ここでの IO は モナド と呼ばれるものの一つである [ 8 ] 。 Clean では、一意型を用いて入出力を表す。 手法 [ 編集 ] この節の 加筆 が望まれています。 主に: モナド ・ 永続データ構造 ( 2021年3月 ) 最初に解の集合となる候補を生成し、それらの要素に対して1つ(もしくは複数)の解にたどり着くまで関数の適用とフィルタリングを繰り返す手法は、関数型プログラミングでよく用いられるパターンである [ 9 ] 。 Haskell では、関数合成の二項演算子を使って ポイントフリースタイル で関数を定義することができる [ 9 ] 。関数をポイントフリースタイルで定義すると、データより関数に目が行くようになり、どのようにデータが移り変わっていくかではなく、どんな関数を合成して何になっているかということへ意識が向くため、定義が読みやすく簡潔になることがある [ 9 ] 。関数が複雑になりすぎると、ポイントフリースタイルでは逆に可読性が悪くなることもある [ 9 ] 。 言語 [ 編集 ] 関数型プログラミング言語とは、関数型プログラミングを推奨している プログラミング言語 である [ 1 ] 。略して関数型言語ともいう [ 1 ] 。全ての関数が参照透過性を持つようなものを、特に 純粋関数型プログラミング言語 ( 英語版 ) という [ 4 ] 。そうでないものを非純粋であるという [ 5 ] 。 関数型プログラミング言語の多くは、言語の設計において何らかの形で ラムダ計算 が関わっている [ 3 ] 。ラムダ計算はコンピュータの計算をモデル化する体系の一つであり、記号の列を規則に基づいて変換していくことで計算が行われるものである [ 3 ] 。 関数型プログラミング言語 名前 型付け 純粋性 評価戦略 理論的背景 Clean 静的型付け 純粋 遅延評価 Elm 静的型付け 純粋 正格評価 Erlang 動的型付け 非純粋 正格評価 F# 静的型付け 非純粋 正格評価 Haskell [ 2 ] 静的型付け [ 2 ] 純粋 [ 2 ] 遅延評価 [ 2 ] 型付きラムダ計算 [ 3 ] Idris 静的型付け 純粋 正格評価 型付きラムダ計算 Lazy K 型なし 純粋 遅延評価 コンビネータ論理 LISP 1.5 Scheme Common Lisp Clojure 動的型付け 非純粋 正格評価 型無しラムダ計算 [ 3 ] LISP の各種方言 [ 3 ] 方言による 方言による 方言による Miranda 静的型付け 純粋 遅延評価 ML Standard ML OCaml 静的型付け 非純粋 正格評価 Scala 静的型付け 非純粋 正格評価 Unlambda 型なし 非純粋 正格評価 コンビネータ論理 Lean 静的型付け 純粋 正格評価 型付きラムダ計算 手続き型プログラミングとの比較 [ 編集 ] C 言語 や Java 、 JavaScript 、 Python 、 Ruby などの2017年現在に使われている言語の多くは、手続き型の文法を持っている [ 10 ] 。そのような言語では、文法として式 (expression) と文 (statement) を持つ [ 10 ] 。ここでの式は、計算を実行して結果を得るような処理を記述するための文法要素であり、加減乗除や関数呼び出しなどから構成されている [ 10 ] 。ここでの文は、何らかの動作を行うようにコンピュータへ指示するための文法要素であり、条件分岐の if 文 やループの for 文 と while 文 などから構成されている [ 10 ] 。手続き型の文法では、式で必要な計算を進め、その結果を元にして文でコンピュータ命令を行うという形で、プログラムを記述する [ 10 ] 。このように、 手続き型言語 で重要なのは文である [ 10 ] 。 それに対して、 関数型言語 で重要なのは式である [ 10 ] 。関数型言語のプログラムはたくさんの式で構成され、プログラムそのものも一つの式である [ 10 ] 。たとえば、 Haskell では、プログラムの処理の記述において文は使われず、外部の定義を取り込む import 宣言も処理の一部として扱えない [ 10 ] 。関数型言語におけるプログラムの実行とは、プログラムを表す式の計算を進めて、その結果として値 (value) を得ることである [ 10 ] 。式を計算することを、 評価する (evaluate) という [ 10 ] 。 手続き型言語ではコンピュータへの指示を文として上から順に並べて書くのに対して、関数型言語では数多く定義した細かい式を組み合わせてプログラムを作る [ 10 ] 。手続き型言語では文が重要であり、関数型言語では式が重要である [ 11 ] 。 式と文の違いとして、型が付いているかどうかというのがある [ 11 ] 。式は型を持つが、文は型を持たない [ 11 ] 。プログラム全てが式から構成されていて、強い静的型付けがされているのならば、プログラムの全体が細部まで型付けされることになる [ 11 ] 。このように細部まで型付けされているようなプログラムは堅固なものになる [ 11 ] 。 歴史 [ 編集 ] 1930年代 [ 編集 ] 関数型言語の開発において、 アロンゾ・チャーチ が1932年 [ 注釈 1 ] と1941年 [ 注釈 2 ] に発表した ラムダ計算 の研究ほど基本的で重要な影響を与えたものはない [ 12 ] 。ラムダ計算は、それが考え出された当時は プログラム を実行するような コンピュータ が存在しなかったために プログラミング言語 として見なされなかったにもかかわらず、今では最初の関数型言語とされている [ 12 ] 。1989年現在の関数型言語は、そのほとんどがラムダ計算に装飾を加えたものとして見なせる [ 12 ] 。 1960年代 [ 編集 ] 1960年に ジョン・マッカーシー 等が発表した LISP は関数型言語の歴史において重要である [ 13 ] 。ラムダ計算は LISP の基礎であると言われるが、マッカーシー自身が1978年 [ 注釈 3 ] に説明したところによると、 匿名関数 を表現したいというのが最初にあって、その手段としてマッカーシーはチャーチのラムダ計算を選択したに過ぎない [ 14 ] 。 歴史的に言えば、 LISP に続いて関数型プログラミングパラダイムへ刺激を与えたのは、1960年代半ばの ピーター・ランディン ( 英語版 ) の成果である [ 15 ] 。ランディンの成果は ハスケル・カリー と アロンゾ・チャーチ に大きな影響を受けていた [ 15 ] 。ランディンの初期の論文は、ラムダ計算と、機械および高級言語 ( ALGOL 60 ) との関係について議論している [ 15 ] 。ランディンは、1964年 [ 注釈 4 ] に、 SECD マシン と呼ばれる抽象的な機械を使って機械的に式を評価する方法を論じ、1965年 [ 注釈 5 ] に、ラムダ計算で ALGOL 60 の非自明なサブセットを形式化した [ 15 ] 。1966年 [ 注釈 6 ] にランディンが発表した ISWIM (If You See What I Mean の略)という言語(群)は、間違いなく、これらの研究の成果であり、 構文 や 意味論 において多くの重要なアイデアを含んでいた [ 15 ] 。 ISWIM は、ランディン本人によれば、「 LISP を、その名前にも表れた リスト へのこだわり、手作業のメモリ割り当て、ハードウェアに依存した教育方法、 重い括弧 、伝統への妥協、から解放しようとする試みとして見ることができる」 [ 15 ] 。関数型言語の歴史において ISWIM は次のような貢献を果たした [ 16 ] 。 構文についての革新 [ 15 ] 演算子を前置記法で記述するのをやめて中置記法を導入した [ 15 ] 。 let 節と where 節を導入して、さらに、関数を順序なく同時に定義でき、相互再帰も可能なようにした [ 15 ] 。 宣言などを記述する構文に、インデントに基づいたオフサイドルールを使用した [ 15 ] 。 意味論についての革新 [ 16 ] 非常に小さいが表現力があるコア言語を使って、構文的に豊かな言語を定義するという戦略を導入した [ 15 ] 。 等式推論 (equational reasoning) を重視した [ 15 ] 。 関数によるプログラムを実行するための単純な抽象機械としての SECD マシンを導入した [ 16 ] 。 ランディンは「それをどうやって行うか」ではなく「それの望ましい結果とは何か」を表現することに重点を置いており、そして、 ISWIM の宣言的なプログラミング・スタイルは命令的なプログラミング・スタイルよりも優れているというランディンの主張は、今日まで関数型プログラミングの賛同者たちから支持されてきた [ 17 ] 。その一方で、関数型言語への関心が高まるまでは、さらに10年を要した [ 17 ] 。その理由の一つは、 ISWIM ライクな言語の実用的な実装がなかったことであり、実のところ、この状況は1980年代になるまで変わらなかった [ 17 ] 。 ケネス・アイバーソン が1962年 [ 注釈 7 ] に発表した APL は、純粋な関数型プログラミング言語ではないが、その関数型的な部分を取り出したサブセットがラムダ式に頼らずに関数型プログラミングを実現する方法の一例であるという点で、関数型プログラミング言語の歴史を考察する際に言及する価値はある [ 17 ] 。実際に、アイバーソンが APL を設計した動機は、配列のための代数的なプログラミング言語を開発したいというものであり、アイバーソンのオリジナル版は基本的に関数型的な記法を用いていた [ 17 ] 。その後の APL では、いくつかの命令型的な機能が追加されている [ 17 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ ( Church 1932 ) ^ ( Church 1941 ) ^ ( McCarthy 1978 ) ^ ( Landin 1964 ) ^ ( Landin 1965 ) ^ ( Landin 1966 ) ^ ( Iverson 1962 ) 出典 [ 編集 ] ^ a b c d e f g h i j k l 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 3 ^ a b c d e 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 2 ^ a b c d e f 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 4 ^ a b c d 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 5 ^ a b c d e f g h i j 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 6 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 23 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 31 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 32 ^ a b c d Lipovača 2012 , p. 22 ^ a b c d e f g h i j k l 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 22 ^ a b c d e 本間, 類地 & 逢坂 2017 , pp. 22–23 ^ a b c Hudak 1989 , p. 363 ^ Hudak 1989 , p. 367 ^ Hudak 1989 , pp. 367–368 ^ a b c d e f g h i j k l Hudak 1989 , p. 371 ^ a b c Hudak 1989 , pp. 371–372 ^ a b c d e f Hudak 1989 , p. 372 参考文献 [ 編集 ] Church, Alonzo (1932年4月), “A Set of Postulates for the Foundation of Logic” (英語), Annals of Mathematics 33 (2): 346, doi : 10.2307/1968337 , ISSN 0003-486X , JSTOR 1968337 , https://jstor.org/stable/1968337 , Wikidata Q55890017 Church, Alonzo (1941年) (英語), The Calculi of Lambda Conversion , プリンストン大学出版局 , Wikidata Q105884272 Hudak, Paul (1989年9月1日), “Conception, evolution, and application of functional programming languages” (英語), ACM Computing Surveys 21 (3): 359–411, doi : 10.1145/72551.72554 , ISSN 0360-0300 , Wikidata Q55871443 Iverson, Kenneth (1962年12月1日) (英語), A Programming Language , Wikidata Q105954505 McCarthy, John (1978年), History of LISP , doi : 10.1145/800025.808387 , Wikidata Q56048080 Landin, Peter (1964年1月1日), “The Mechanical Evaluation of Expressions” (英語), The Computer Journal 6 (4): 308-320, doi : 10.1093/COMJNL/6.4.308 , ISSN 0010-4620 , Wikidata Q30040385 Landin, Peter (1965年), “Correspondence between ALGOL 60 and Church's Lambda-notation” (英語), Communications of the ACM 8 , ISSN 0001-0782 , Wikidata Q105941120 Landin, Peter (1966年3月1日), “The next 700 programming languages” (英語), Communications of the ACM 9 (3): 157-166, doi : 10.1145/365230.365257 , ISSN 0001-0782 , Wikidata Q54002422 Lipovača, Miran 田中英行, 村主崇行訳 (2012年5月25日), すごいHaskellたのしく学ぼう! (1st (1st printing) ed.), オーム社 , ISBN 978-4-274-06885-0 , Wikidata Q105845956 本間雅洋; 類地孝介; 逢坂時響『Haskell入門 関数型プログラミング言語の基礎と実践』(1st (1st printing)) 技術評論社 、2017年10月10日。 ISBN 978-4-7741-9237-6 。 , Wikidata Q105833610 外部リンク [ 編集 ] なぜ関数プログラミングは重要か lang|en|The Functional Programming Language XSLT - A proof through examples ( PDF ) 関連項目 [ 編集 ] カリー化 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 典拠管理データベース : 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%96%A2%E6%95%B0%E5%9E%8B%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
関数型プログラミング
プログラミング・パラダイム 命令型プログラミング 手続き型プログラミング モジュラープログラミング ( 英語版 ) 構造化プログラミング オブジェクト指向プログラミング クラスベース プロトタイプベース メッセージング アクターモデル アスペクト指向 宣言型プログラミング 関数型プログラミング 純粋関数型プログラミング ( 英語版 ) 論理プログラミング 並行論理プログラミング 制約論理プログラミング 解集合プログラミング 帰納プログラミング 仮説論理プログラミング ( 英語版 ) データフロープログラミング リアクティブプログラミング ( 英語版 ) 並行制約プログラミング マルチパラダイム ジェネリックプログラミング イベント駆動型プログラミング 動的プログラミング 並行プログラミング 制約プログラミング メタプログラミング 自動プログラミング 帰納プログラミング テンプレートメタプログラミング リフレクティブプログラミング マクロ 契約プログラミング インテンショナルプログラミング 文芸的プログラミング 量子プログラミング 表 話 編 歴 関数型プログラミング (かんすうがたプログラミング、 英 : functional programming )とは、 数学的な意味での関数 を主に使うプログラミングのスタイルである [ 1 ] 。 functional programming は、 関数プログラミング (かんすうプログラミング)などと訳されることもある [ 2 ] 。 関数型プログラミング言語 ( 英 : functional programming language )とは、関数型プログラミングを推奨している プログラミング言語 である [ 1 ] 。略して 関数型言語 ( 英 : functional language )ともいう [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 関数型プログラミングは、 関数 を主軸にしたプログラミングを行うスタイルである [ 1 ] 。ここでの関数は、数学的なものを指し、引数の値が定まれば結果も定まるという 参照透過性 を持つものである [ 1 ] 。 参照透過性 とは、数学的な関数と同じように同じ値を返す式を与えたら必ず同じ値を返すような性質である [ 1 ] 。次の square 関数は、 2 となるような式を与えれば必ず 4 を返し、 3 となるような式を与えれば必ず 9 を返し、いかなる状況でも別の値を返すということはなく、これが参照透過性を持つ関数の一例となる [ 1 ] 。 def square ( n ): return n ** 2 次の countup 関数は、同じ 1 を渡しても、それまでに countup 関数がどのような引数で呼ばれていたかによって、返り値が 1 , 2 , 3 , ... と変化するため、引数の値だけで結果の値が定まらないような参照透過性のない関数であり、数学的な関数とはいえない [ 1 ] 。 counter = 0 def countup ( n ): global counter counter += n return counter 関数型プログラミングは、参照透過性を持つような数学的な関数を使って組み立てた 式 が主役となる [ 1 ] 。別の箇所に定義されている処理を利用することを、手続き型プログラミング言語では「関数を実行する」や「関数を呼び出す」などと表現するが、関数型プログラミング言語では「式を評価する」という表現も良く使われる [ 3 ] 。 参照透過性 [ 編集 ] →詳細は「 参照透過性 」を参照 参照透過性とは、同じ値を与えたら返り値も必ず同じになるような性質である [ 1 ] 。参照透過性を持つことは、その関数が 状態を持たない ことを保証する [ 4 ] 。状態を持たない数学的な関数は、並列処理を実現するのに適している [ 4 ] 。関数型プログラミング言語の内で、全ての関数が参照透過性を持つようなものを純粋関数型プログラミング言語という [ 4 ] 。 入出力 [ 編集 ] 関数型プログラミングでは、数学的な関数を組み合わせて計算を表現するが、それだけではファイルの読み書きのような外界とのやり取りを要する処理を直接的に表現できない [ 5 ] 。このような外界とのやり取りを I/O (入出力) と呼ぶ [ 5 ] 。数学的な計算をするだけ、つまり 1 + 1 のようなプログラム内で完結する処理ならば、入出力を記述できなくても問題ないが、現実的なプログラムにおいてはそうでない [ 5 ] 。 非純粋な関数型プログラミング言語においては、式を評価すると同時に I/O が発生する関数を用意することで入出力を実現する [ 5 ] 。たとえば、 F# 言語 では、 printfn "Hi." が評価されると、 () という値が戻ってくると同時に、画面に Hi. と表示される I/O が発生する [ 5 ] 。 Haskell では、評価と同時に I/O が行われる関数は存在しない [ 5 ] 。たとえば、 putStrLn "Hi." という式が評価されると IO () 型を持つ値が返されるが画面には何も表示されず、この値が Haskell の処理系によって解釈されて初めて画面に Hi. と表示される [ 5 ] 。 I/O アクション とは、ファイルの読み書きやディスプレイへの表示などのような I/O を表現する式のことである [ 5 ] [ 6 ] 。 IO a という型は、コンピュータへの指示を表す I/O アクションを表現している [ 5 ] [ 7 ] 。ここでの IO は モナド と呼ばれるものの一つである [ 8 ] 。 Clean では、一意型を用いて入出力を表す。 手法 [ 編集 ] この節の 加筆 が望まれています。 主に: モナド ・ 永続データ構造 ( 2021年3月 ) 最初に解の集合となる候補を生成し、それらの要素に対して1つ(もしくは複数)の解にたどり着くまで関数の適用とフィルタリングを繰り返す手法は、関数型プログラミングでよく用いられるパターンである [ 9 ] 。 Haskell では、関数合成の二項演算子を使って ポイントフリースタイル で関数を定義することができる [ 9 ] 。関数をポイントフリースタイルで定義すると、データより関数に目が行くようになり、どのようにデータが移り変わっていくかではなく、どんな関数を合成して何になっているかということへ意識が向くため、定義が読みやすく簡潔になることがある [ 9 ] 。関数が複雑になりすぎると、ポイントフリースタイルでは逆に可読性が悪くなることもある [ 9 ] 。 言語 [ 編集 ] 関数型プログラミング言語とは、関数型プログラミングを推奨している プログラミング言語 である [ 1 ] 。略して関数型言語ともいう [ 1 ] 。全ての関数が参照透過性を持つようなものを、特に 純粋関数型プログラミング言語 ( 英語版 ) という [ 4 ] 。そうでないものを非純粋であるという [ 5 ] 。 関数型プログラミング言語の多くは、言語の設計において何らかの形で ラムダ計算 が関わっている [ 3 ] 。ラムダ計算はコンピュータの計算をモデル化する体系の一つであり、記号の列を規則に基づいて変換していくことで計算が行われるものである [ 3 ] 。 関数型プログラミング言語 名前 型付け 純粋性 評価戦略 理論的背景 Clean 静的型付け 純粋 遅延評価 Elm 静的型付け 純粋 正格評価 Erlang 動的型付け 非純粋 正格評価 F# 静的型付け 非純粋 正格評価 Haskell [ 2 ] 静的型付け [ 2 ] 純粋 [ 2 ] 遅延評価 [ 2 ] 型付きラムダ計算 [ 3 ] Idris 静的型付け 純粋 正格評価 型付きラムダ計算 Lazy K 型なし 純粋 遅延評価 コンビネータ論理 LISP 1.5 Scheme Common Lisp Clojure 動的型付け 非純粋 正格評価 型無しラムダ計算 [ 3 ] LISP の各種方言 [ 3 ] 方言による 方言による 方言による Miranda 静的型付け 純粋 遅延評価 ML Standard ML OCaml 静的型付け 非純粋 正格評価 Scala 静的型付け 非純粋 正格評価 Unlambda 型なし 非純粋 正格評価 コンビネータ論理 Lean 静的型付け 純粋 正格評価 型付きラムダ計算 手続き型プログラミングとの比較 [ 編集 ] C 言語 や Java 、 JavaScript 、 Python 、 Ruby などの2017年現在に使われている言語の多くは、手続き型の文法を持っている [ 10 ] 。そのような言語では、文法として式 (expression) と文 (statement) を持つ [ 10 ] 。ここでの式は、計算を実行して結果を得るような処理を記述するための文法要素であり、加減乗除や関数呼び出しなどから構成されている [ 10 ] 。ここでの文は、何らかの動作を行うようにコンピュータへ指示するための文法要素であり、条件分岐の if 文 やループの for 文 と while 文 などから構成されている [ 10 ] 。手続き型の文法では、式で必要な計算を進め、その結果を元にして文でコンピュータ命令を行うという形で、プログラムを記述する [ 10 ] 。このように、 手続き型言語 で重要なのは文である [ 10 ] 。 それに対して、 関数型言語 で重要なのは式である [ 10 ] 。関数型言語のプログラムはたくさんの式で構成され、プログラムそのものも一つの式である [ 10 ] 。たとえば、 Haskell では、プログラムの処理の記述において文は使われず、外部の定義を取り込む import 宣言も処理の一部として扱えない [ 10 ] 。関数型言語におけるプログラムの実行とは、プログラムを表す式の計算を進めて、その結果として値 (value) を得ることである [ 10 ] 。式を計算することを、 評価する (evaluate) という [ 10 ] 。 手続き型言語ではコンピュータへの指示を文として上から順に並べて書くのに対して、関数型言語では数多く定義した細かい式を組み合わせてプログラムを作る [ 10 ] 。手続き型言語では文が重要であり、関数型言語では式が重要である [ 11 ] 。 式と文の違いとして、型が付いているかどうかというのがある [ 11 ] 。式は型を持つが、文は型を持たない [ 11 ] 。プログラム全てが式から構成されていて、強い静的型付けがされているのならば、プログラムの全体が細部まで型付けされることになる [ 11 ] 。このように細部まで型付けされているようなプログラムは堅固なものになる [ 11 ] 。 歴史 [ 編集 ] 1930年代 [ 編集 ] 関数型言語の開発において、 アロンゾ・チャーチ が1932年 [ 注釈 1 ] と1941年 [ 注釈 2 ] に発表した ラムダ計算 の研究ほど基本的で重要な影響を与えたものはない [ 12 ] 。ラムダ計算は、それが考え出された当時は プログラム を実行するような コンピュータ が存在しなかったために プログラミング言語 として見なされなかったにもかかわらず、今では最初の関数型言語とされている [ 12 ] 。1989年現在の関数型言語は、そのほとんどがラムダ計算に装飾を加えたものとして見なせる [ 12 ] 。 1960年代 [ 編集 ] 1960年に ジョン・マッカーシー 等が発表した LISP は関数型言語の歴史において重要である [ 13 ] 。ラムダ計算は LISP の基礎であると言われるが、マッカーシー自身が1978年 [ 注釈 3 ] に説明したところによると、 匿名関数 を表現したいというのが最初にあって、その手段としてマッカーシーはチャーチのラムダ計算を選択したに過ぎない [ 14 ] 。 歴史的に言えば、 LISP に続いて関数型プログラミングパラダイムへ刺激を与えたのは、1960年代半ばの ピーター・ランディン ( 英語版 ) の成果である [ 15 ] 。ランディンの成果は ハスケル・カリー と アロンゾ・チャーチ に大きな影響を受けていた [ 15 ] 。ランディンの初期の論文は、ラムダ計算と、機械および高級言語 ( ALGOL 60 ) との関係について議論している [ 15 ] 。ランディンは、1964年 [ 注釈 4 ] に、 SECD マシン と呼ばれる抽象的な機械を使って機械的に式を評価する方法を論じ、1965年 [ 注釈 5 ] に、ラムダ計算で ALGOL 60 の非自明なサブセットを形式化した [ 15 ] 。1966年 [ 注釈 6 ] にランディンが発表した ISWIM (If You See What I Mean の略)という言語(群)は、間違いなく、これらの研究の成果であり、 構文 や 意味論 において多くの重要なアイデアを含んでいた [ 15 ] 。 ISWIM は、ランディン本人によれば、「 LISP を、その名前にも表れた リスト へのこだわり、手作業のメモリ割り当て、ハードウェアに依存した教育方法、 重い括弧 、伝統への妥協、から解放しようとする試みとして見ることができる」 [ 15 ] 。関数型言語の歴史において ISWIM は次のような貢献を果たした [ 16 ] 。 構文についての革新 [ 15 ] 演算子を前置記法で記述するのをやめて中置記法を導入した [ 15 ] 。 let 節と where 節を導入して、さらに、関数を順序なく同時に定義でき、相互再帰も可能なようにした [ 15 ] 。 宣言などを記述する構文に、インデントに基づいたオフサイドルールを使用した [ 15 ] 。 意味論についての革新 [ 16 ] 非常に小さいが表現力があるコア言語を使って、構文的に豊かな言語を定義するという戦略を導入した [ 15 ] 。 等式推論 (equational reasoning) を重視した [ 15 ] 。 関数によるプログラムを実行するための単純な抽象機械としての SECD マシンを導入した [ 16 ] 。 ランディンは「それをどうやって行うか」ではなく「それの望ましい結果とは何か」を表現することに重点を置いており、そして、 ISWIM の宣言的なプログラミング・スタイルは命令的なプログラミング・スタイルよりも優れているというランディンの主張は、今日まで関数型プログラミングの賛同者たちから支持されてきた [ 17 ] 。その一方で、関数型言語への関心が高まるまでは、さらに10年を要した [ 17 ] 。その理由の一つは、 ISWIM ライクな言語の実用的な実装がなかったことであり、実のところ、この状況は1980年代になるまで変わらなかった [ 17 ] 。 ケネス・アイバーソン が1962年 [ 注釈 7 ] に発表した APL は、純粋な関数型プログラミング言語ではないが、その関数型的な部分を取り出したサブセットがラムダ式に頼らずに関数型プログラミングを実現する方法の一例であるという点で、関数型プログラミング言語の歴史を考察する際に言及する価値はある [ 17 ] 。実際に、アイバーソンが APL を設計した動機は、配列のための代数的なプログラミング言語を開発したいというものであり、アイバーソンのオリジナル版は基本的に関数型的な記法を用いていた [ 17 ] 。その後の APL では、いくつかの命令型的な機能が追加されている [ 17 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ ( Church 1932 ) ^ ( Church 1941 ) ^ ( McCarthy 1978 ) ^ ( Landin 1964 ) ^ ( Landin 1965 ) ^ ( Landin 1966 ) ^ ( Iverson 1962 ) 出典 [ 編集 ] ^ a b c d e f g h i j k l 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 3 ^ a b c d e 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 2 ^ a b c d e f 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 4 ^ a b c d 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 5 ^ a b c d e f g h i j 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 6 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 23 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 31 ^ 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 32 ^ a b c d Lipovača 2012 , p. 22 ^ a b c d e f g h i j k l 本間, 類地 & 逢坂 2017 , p. 22 ^ a b c d e 本間, 類地 & 逢坂 2017 , pp. 22–23 ^ a b c Hudak 1989 , p. 363 ^ Hudak 1989 , p. 367 ^ Hudak 1989 , pp. 367–368 ^ a b c d e f g h i j k l Hudak 1989 , p. 371 ^ a b c Hudak 1989 , pp. 371–372 ^ a b c d e f Hudak 1989 , p. 372 参考文献 [ 編集 ] Church, Alonzo (1932年4月), “A Set of Postulates for the Foundation of Logic” (英語), Annals of Mathematics 33 (2): 346, doi : 10.2307/1968337 , ISSN 0003-486X , JSTOR 1968337 , https://jstor.org/stable/1968337 , Wikidata Q55890017 Church, Alonzo (1941年) (英語), The Calculi of Lambda Conversion , プリンストン大学出版局 , Wikidata Q105884272 Hudak, Paul (1989年9月1日), “Conception, evolution, and application of functional programming languages” (英語), ACM Computing Surveys 21 (3): 359–411, doi : 10.1145/72551.72554 , ISSN 0360-0300 , Wikidata Q55871443 Iverson, Kenneth (1962年12月1日) (英語), A Programming Language , Wikidata Q105954505 McCarthy, John (1978年), History of LISP , doi : 10.1145/800025.808387 , Wikidata Q56048080 Landin, Peter (1964年1月1日), “The Mechanical Evaluation of Expressions” (英語), The Computer Journal 6 (4): 308-320, doi : 10.1093/COMJNL/6.4.308 , ISSN 0010-4620 , Wikidata Q30040385 Landin, Peter (1965年), “Correspondence between ALGOL 60 and Church's Lambda-notation” (英語), Communications of the ACM 8 , ISSN 0001-0782 , Wikidata Q105941120 Landin, Peter (1966年3月1日), “The next 700 programming languages” (英語), Communications of the ACM 9 (3): 157-166, doi : 10.1145/365230.365257 , ISSN 0001-0782 , Wikidata Q54002422 Lipovača, Miran 田中英行, 村主崇行訳 (2012年5月25日), すごいHaskellたのしく学ぼう! (1st (1st printing) ed.), オーム社 , ISBN 978-4-274-06885-0 , Wikidata Q105845956 本間雅洋; 類地孝介; 逢坂時響『Haskell入門 関数型プログラミング言語の基礎と実践』(1st (1st printing)) 技術評論社 、2017年10月10日。 ISBN 978-4-7741-9237-6 。 , Wikidata Q105833610 外部リンク [ 編集 ] なぜ関数プログラミングは重要か lang|en|The Functional Programming Language XSLT - A proof through examples ( PDF ) 関連項目 [ 編集 ] カリー化 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 典拠管理データベース : 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ チェコ
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機械語
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。 そのため、コンピュータのプログラムの開発に機械語が直接使われることはほとんどない [ 1 ] 。通常は人間が読みやすい形式( 高級言語 )でプログラムを書いてそれを コンパイラ で機械語に翻訳してその機械語でコンピュータを動かしている [ 1 ] [ ※ 1 ] 。 機械語は中央処理装置( CPU や MPU )の動作をひとつひとつ指示するものであり [ 1 ] 、指示の内容はたとえば次のようなものである [ 1 ] 。 記憶装置 と 演算装置 の間の情報のやりとり [ 1 ] 演算装置内部での演算 [ 1 ] ( 論理演算 や 2進数 と2進数の 加法 、 減法 、 乗法 、 除法 など) 入出力チャネル [ ※ 2 ] に対する指令 [ 1 ] 入出力チャネルと レジスタ の間の情報のやりとり [ 1 ] 各プロセッサは、その設計段階で 命令セットアーキテクチャ (ISA:Instruction Set Architecture)が定められ、そのISAの中で各命令の識別番号( オペコード )を定められる。機械語のプログラムは、基本的には、その識別番号(と操作対象のデータ)を実行順に並べた形式になっている [ 2 ] 。 機械語の体系は、CPU(MPU)のアーキテクチャごとに大きく異なっている。あるアーキテクチャのCPUのための機械語は、別のアーキテクチャのCPUには全く使えない。→ #機械語と互換性 現在ではコンピュータのプログラムは基本的には高級言語で書くということはすでに説明したが、ハードウェア寄りのエンジニアなどがあえて機械語レベルのプログラムを作成する場合でも、大抵は機械語そのものを直接書くのではなく、機械語と1対1で対応する アセンブリ言語 を使っている。→ #機械語とアセンブリ言語 、 エンジニアが機械語を使用する状況 機械語の具体例 [ 編集 ] 次に機械語の命令群が書かれた具体例を示す。 CASL のペーパーマシンCOMETについて、情報処理技術者試験の出題範囲を示す資料に処理系作成者に対する便宜として、定義の後に付されている参考資料( 定義ではない )にもとづく機械語の例を以下に挙げる。なお、この機械語コードは16進数表現であり、2 バイト 単位で区切ってある [ ※ 3 ] 。 アドレス 機械語(16進表示) CASL 8000 800C 800D 7001 0000 7002 0000 1210 800D 1220 800C F000 0002 7120 7110 000C 0048 0065 006C 006C 006F 0020 0077 006F 0072 006C 0064 0021 LEN TEXT OUT DC DC TEXT,LEN 12 'Hello world!' 別の例。 W65C816S というMPUの機械語を、 機械語モニタ で画面に表示した例。画面上部の左寄りが機械語(16進表示。これは2文字ごとに区切っている。)、右寄りがそれを 逆アセンブル したもの。プロセッサのレジスタとメモリ ダンプ ( コアダンプ )が表示されている。 構成 [ 編集 ] 一般的な機械語プログラムは以下のような構成となっている。 命令部( オペコード ) CPUに処理をさせるための命令の番号。 アドレス部(オペランド) 情報として利用する データ が格納されている、あるいは結果の記録先のレジスタや メモリアドレス 、ジャンプ先などを示す、後述のイミディエイト値もこれに含めることもある。命令によって、個数や長さが異なる。オペランドの数について、0アドレス方式、1アドレス方式、2アドレス方式、3アドレス方式がある。0アドレス方式はオペレーションコードだけで、オペランドは存在しない。 イミディエイト値 オペランドの一部に含めることもある。演算に使用する整数値などのデータが命令に引き続いて置かれているもの。即値とも。 データ部 データ部は実行されない部分である。プログラムで使用するデータのうち前述のイミディエイト値に収まらないもの、文字列リテラルなどのような定数データ、グローバル変数(機械語やアセンブリ言語プログラミングの用語ではワークエリア)のためのヒープ領域やローカル変数のためのスタック領域など。通常ある程度まとめて置かれる。通例、命令として解釈することはできないが、強制的にデータ部にジャンプさせ、命令部として解釈させることで、仮にデータ部に機械語相当の命令データが配置されていた場合はそれらを実行することができる環境も存在する。これを悪用して、リターンアドレスの書き換えなどにより不正なコードを実行させてしまうような悪意のあるソフトウェアからコンピュータを保護するため、 データ実行防止 (DEP)と呼ばれる機能を備えている環境もある [ 5 ] [ 6 ] 。 以上の各部分に具体的に何ビットずつ割り振って、どういう順番に並べるか、という形式(フォーマット)のことを機械語フォーマットなどと言う。アーキテクチャにより機械語フォーマットはまちまちだが、1命令を構成するデータ長が固定の「固定長」式と、命令やオペランドの種類により変化する「可変長」式に大別される。可変長の場合、機械語命令の種類によってアドレス部やデータ部、そして中には命令部までも長さが変わる。このため、読み込み位置が1バイトずれれば機械語の命令はそれ以降のすべての命令が正しく読み込まれず意味を失うため、そういった機械語フォーマットのバイナリを対象とする 逆アセンブラ は工夫を要する [ ※ 4 ] 。またメモリが限られるシステムでは本来の命令の途中に飛び込み別の意味に使うというトリック的な手法もある。 機械語と互換性 [ 編集 ] 基本的に、あるアーキテクチャの中央処理装置のための機械語は、別のアーキテクチャの中央処理装置のためには全く使えない。 たとえば、 Pentium 系列と PowerPC 系列の双方で動く機械語プログラムが存在しないのは、 命令セット に互換性が無いからである。 たとえ同じメーカー(や同系列企業)の中央処理装置でも、ある世代の中央処理装置のための機械語が、そのアーキテクチャの「世代」が代替わりし、アーキテクチャが変化すると、全く動かない。機械語プログラムがそのまま動くか否か、という互換性を「バイナリ互換性」と言う。 この常識を変えてみようと試みられたことがあり、1994年にIBMからコンセプトが公表されたプロセッサ PowerPC 615 ( 英語版 ) は x86 とPowerPC命令の両立を目指し、32-bit PowerPC コード、64-bit PowerPC コード、32-bit x86 コードの実行が可能になる、という構想のものだったが、結局量産には至らなかった。 なお、まったく役に立たない雑学だが、注意深く機械語命令を選ぶことによって、異なるアーキテクチャでもたまたま動作する、ごくごく小さなプログラムを、シャレで(お遊び的に)書くことは可能な場合がある [ ※ 5 ] 。 CPUによる仕様の差異 [ 編集 ] CPUの仕様が異なれば、機械語もそれぞれのCPUごとに異なる。上記類似点の範囲でのCPUごとの機械語の仕様の差異には、以下のようなものが挙げられる。 CPUが理解できる命令の種類や数が異なる( CISC 、 RISC 、 VLIW ) 命令の長さが異なる(CISCとRISCとでは長さが異なることがある。また、同じアーキテクチャでも、命令のビット数の違いも影響する) 命令部の命令番号が一致しない 同じ処理を行う命令でも処理結果が異なる 演算方法が異なる(レジスタ - レジスタ間演算やメモリ - レジスタ間演算の違い。RISCでは後者の演算ができない) データの記録方法が異なる( エンディアン や アラインメント の相違) 実行形式 のバイナリファイルの記録形式が異なる( PE 、 COFF 、 ELF など) パターン [ 編集 ] 機械語で書かれたコードには頻出するパターンが存在する。 関数 [ 編集 ] →「 呼出規約 」も参照 機械語に 関数 構文は存在しないが、関数に相当するパターンが存在する。 関数は引数を受け取り、ローカル変数を確保し、ボディの命令を実行し、戻り値を返すルーチンである。このルーチンを呼び出す場合、制御が戻るポイントを控え、引数を用意し、ルーチンへ制御を移して実行し、戻り値を記録し、戻りポイントへ制御を移す。 引数の準備 サブルーチン終了後の復帰ポイントメモ ローカル変数の確保 サブルーチン冒頭への制御移行 これらの処理によりサブルーチンへ制御が移り、関数ボディの命令列が実行される。関数命令の最終行が実行されたのち、次の処理が必要となる。 ローカル変数の解放 引数の解放 戻り値の保存 復帰ポイントへの制御移行 これらの処理によりメインルーチンへ制御が復帰する。 このパターンは関数の処理内容に関わらず普遍的である。前半の関数呼び出しに相当するパターンを 関数プロローグ ( 英 : function prologue )という。後半の関数からの復帰に相当するパターンを 関数エピローグ ( 英 : function epilogue )という。 関数プロローグ・エピローグは同じ結果が得られるいくつかのパターンが存在する( 呼出規約 )。例えば引数をスタックに積むパターンとレジスタに置くパターンがある。 機械語とアセンブリ言語 [ 編集 ] →詳細は「 アセンブリ言語 」を参照 機械語を扱いたい場合でも機械語は0/1の組合せや16進表記であり扱いづらいので、代わりに アセンブリ言語 を使うことが一般的である。アセンブリ言語は、プログラミング言語の中では機械語に一番近く、機械語とほぼ1対1に対応し、なおかつ人間に理解しやすい ニーモニック で書ける。 アセンブリ言語で書かれたプログラムを機械語に変換すれば、その機械語でコンピュータは動く [ ※ 6 ] 。 アセンブラ というソフトウェアを使えばアセンブリ言語から機械語への変換を自動的に行うことができる。 一方、 逆アセンブラ というものもあり、これはアセンブラと逆向きの作業、つまり機械語のプログラム(機械語コード)をアセンブリ言語に変換するソフトウェアである。アセンブラと逆アセンブラを使うことで、機械語←→アセンブリ言語 の間の変換を自在に行うことができる。 なお人が自分の眼と頭脳と手を使ってアセンブルの作業を行うことをハンドアセンブルという。コンピュータの黎明期にはしばしばハンドアセンブルが行われていたが、近年ではほぼ全く行われていない。プロセッサが 4ビット や 8ビット (2進数で4桁や8桁)の時代ならば、やろうとすればハンドアセンブルもできたが、その後CPUは 16ビット 、 32ビット 、 64ビット となり、16ビット以降は人間の頭脳や手の能力では扱いきれなくなった。 1970年代後半の マイクロコンピュータ や1980年代前半のパーソナルコンピュータの登場で個人ユーザがコンピュータを使うようになったが、当時はアセンブラも高額で個人では購入しづらく、コンピュータがまだ8bitだったので、個人ユーザはハンドアセンブルを行うことがよくあった。 なお基本的にはアセンブリ言語は機械語と1対1に対応するが、若干の例外はあり、簡単なマクロなどを備えているものは多く、遅延スロットを利用するコードに自動的に変形するなどといった機能を持つものもある。また特殊な短縮形など(x86でAXがオペランドの場合など)について、機械語では違いがある場合をアセンブリ言語では明示的に指定できない場合もある。 機械語コードの解析 システム開発の際の文書(仕様書)が失われることはよくある事だが、文書が残っていないシステムを分析する場合、プログラムを解析するしか方法が無いことがあり、特に ソースコード も残っていないような場合には、機械語コードを解析するしかなくなる。そのような場合は、逆アセンブラで逆アセンブルつまり機械語からアセンブリ言語に変換することで、最低限ではあるが、機械語コードを解析できるようになる。さらに ヒューリスティック な機能を備えたソフトウェアも使えれば、ソースコードのサブルーチン名や変数名などもある程度推測してくれる。ただしプログラムの"意味"を解析するのは人が行なう必要がある。 →「 逆アセンブラ 」も参照 機械語プログラムの読み込み [ 編集 ] ここでは、 プログラム内蔵方式 を前提とする。一般に電源投入ないし、いわゆるコールドリセットの直後に CPU が実行するコードは ROM に置いておくか、CPUの動作に依らない方法で RAM に書き込まれている必要がある( ブート )。 オペレーティングシステム (OS)がブートされた後の、OS運用下では、 ファイルシステム が存在するシステムの場合、 補助記憶装置 中のファイルシステムに、いわゆる「実行可能 バイナリ 」などと呼ばれる 実行ファイル として機械語プログラムが存在しており、それがファイルシステムから 主記憶 にロードされて実行される、というような形態が一般的である。なお、実行時に共有 ライブラリ を 動的リンク するなど、近年はこの「ロードして実行する」という手続きが複雑になる傾向もあり、実行時コンパイル等が一般的になると主流の形態も変化するかもしれない。 ダンプリスト [ 編集 ] ダンプリストそのものは機械語に限らず、 コアダンプ など、バイナリをリスティング出力したものであり、オクテット単位を基本とするコンピュータ [ ※ 7 ] では 十六進法 の2桁ずつで表現される。また1980年頃の「マイコン雑誌」の誌面に機械語プログラムが掲載される際の形態でもあった [ ※ 8 ] 。 命令セットと命令フォーマットの設計によって、ダンプリストではほとんど意味不明なコードの場合もあれば、比較的読みやすいものもある。前述のようなハンドアセンブルやハンド逆アセンブルの経験者であれば、かなりその場で読めるような者もいる。そうでなくとも、デバッグ等で頻出するパターン(システムコールやサブルーチン呼出、プッシュ・ポップ等)は、経験で覚えてしまうことも多い。 機械語が動いている状況とエンジニアが機械語を使用する状況 [ 編集 ] 現在でも全てのプログラムは、たとえ高級言語で書かれていようが、ユーザには見えていなかろうが、結局は全て機械語に変換されて実行されている。コンピュータの中央処理装置は常に機械語で動いている。コンピュータはどの瞬間も、機械語無しでは全く動かない。 コンピュータサイエンティストやエンジニアたちの数十年以上の努力の積み重ねのおかげでアセンブラが作られ、コンパイラも作られ、高級言語も作られ、便利なアプリケーション・ソフトウェアもあるので、現在では、一般ユーザも、パソコンしか触ったことがないような巷の若いソフトウェアエンジニアも、機械語は直接書いたり読んだりしなくても、コンピュータをそれなりに操れる。 だが、一般ユーザや巷のソフトウェアエンジニアが機械語を直接書いたり読んだりしていなくても、それは「彼らは直接書いたり読んだりしていない」というだけのことでしかなく、実際にはコンピュータの核心部分の中央処理装置は常に機械語で動いている。また、現在でもいわゆる「組み込み系のエンジニア」や「ハードウェア系のエンジニア」などは、しばしばアセンブラや逆アセンブラを扱う必要があり、アセンブラや逆アセンブラを使えばその画面には機械語そのものが表示されているのでそれを目にすることになる。こうしたエンジニアは、時には機械語を直接自分の目で読んだり書いたりする場合もある。また忘れてならないが、CPUやMPUの開発企業(たとえば インテル や AMD など)で新たなCPUやMPUのアーキテクチャを設計するエンジニアたちは、しばしば機械語についてかなり深いレベルで検討しており、新たなアーキテクチャを創造する場合は新たな機械語も作り出す。 人間がわざわざ直接機械語を書いたり読んだりする場合は、以前は次のような理由であった。 アセンブラが存在しないか高価なため購入できない、クロスアセンブラであるため別のコンピュータが必要、など きわめて単純な処理の繰り返しで高速に処理させたいのにもかかわらず、コンピュータの性能が低いうえに、プログラミング言語も BASIC インタプリタ で望みの処理速度が得られず、機械語で書いた別ルーチンを呼び出す形にすれば可能な場合 [ ※ 9 ] 高効率で処理する機械語を コンパイラ がうまく生成してくれない場合 今日では、 GNU Binutils ないし同様なライブラリがあることも多く、そういったユーティリティやライブラリを使うことで、アセンブラ・逆アセンブラを書いたり リバースエンジニアリング などですら、機械語に直接触れずできることも多い。そのため、巷のエンジニアたちが機械語を直接読んだり書いたりするのは、そのようなユーティリティやライブラリが(まだ)無い新しいプロセッサの場合や対応していない新機能などを使う場合、プログラミング言語には馴染まない特殊な命令を扱う場合、trampoline [ 7 ] のようなテクニックが必要な場合、プロセッサの バグ に当たった(等の可能性が疑われる)場合、何らかの理由で コアダンプ を直接解析しなければならない場合、などに限られてきている。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ ただし 組込システム のエンジニアなどハードウェア寄りのエンジニアは 機械語モニタ を用いて機械語を直接操作することもある。 ^ CPUが入出力バスとデータ信号をやりとりするための チャネル (通路、流路)のこと。I/Oチャネルとも [ 4 ] 。 ^ CPU自体が実行している生(なま)の機械語は、物理的な実態としては(4個から64個ほどの)電気的 スイッチ 群のOn/Off、正確に言うと各 電圧 の高・低(High/Low)の組み合わせであり、 それを直接的に文字(数字)にするには1/0を多数連ねた2進数(8 桁 、16桁、32桁、64桁など)で表現するが、人間が読みやすいように、その2進数を 16進数 に変換して表示することも一般的である。集積回路では片方を 0 ボルト にしてしまうと回路の動作が不安定になってしまうので、実際には、厳密に言うとHigh/Lowの2つの電圧で実現している。 デジタル コンピュータでは、2値方式であることが重要で、Hi/Lowでも2値論理の論理回路としてはOn/Offと等価な動作をするので、それを土台としてCPUは設計されている。そして16進表示でも、その文字列をただ長々と何十文字や何百文字も連ねてしまうと、人間の認識能力では誰でも誤読を連発するので、 2バイトつまり16進数の4文字ごとに、あるいは1バイトつまり16進2文字ごとに区切って間に空白を入れて可読性を高めるということが画面上や紙面上では一般的である。だから情報処理技術者試験の文面でも、受験者に分かりやすくなるように16進表示にしてあり、4文字ごとに空白をはさんでいる。 ^ 全て機械任せで良い結果を得ようとするよりも、人による補助をうまく取り入れられるようにするほうが良い場合もある。 ^ こうした変則的な機械語プログラミングは Polyglot の極端な1ジャンルともいえる。たとえばPC-98とX68k両対応の ブートセクタ 「 電脳インストーラ2 」が書かれたことがある。第1回 IOCCC の入選作のひとつでmullenderによるPDP-11とVAX両対応プログラム「 Previous IOCCC Winners 」は、その後コンテストのルールが変更されたことで、このようなプログラム自体が禁止されている。 ^ アセンブリ言語で書かれたプログラムを機械語に変換することを「アセンブル(する)」と言う。 ^ たいていはオクテット単位だが、 CASL のCOMETが16ビット単位のように、そうでないものもある。 ^ 「絶対にBASICプログラムという形態で載せる」という掟のあった、『マイコンBASICマガジン』(ベーマガ)を除く。このためベーマガでは、DATA文のデータから、BASICプログラムで機械語コードを書き込むようなプログラムを掲載していた。 ^ たとえば1970年代~1980年代など、たとえば2Dシューティング ゲームソフト の上下左右の画面 スクロール 処理など。 出典 [ 編集 ] ^ a b c d e f g h i j k l 『 日本大百科全書 』【機械語】 (コトバンク [1] にも転載されている)] ^ a b c d e IT用語辞典 e-words【機械語】 [2] ^ HardwareSoftwareIF 1994 , p. 7. ^ 入出力バスとは - コトバンク ^ データ実行防止 ^ IPA ISEC セキュア・プログラミング講座:C/C++言語編 第10章 著名な脆弱性対策:バッファオーバーフロー: #5 運用環境における防御 ^ trampoline 参考文献 [ 編集 ] L.Hennessy, John; A.Patterson, David (1994). Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface . Morgan Kaufmann Publishers. ISBN 1-55860-281-X 関連項目 [ 編集 ] CPU 命令セット 機械語モニタ アセンブリ言語 コンパイラ テーブルジャンプ バイナリ リンカ 低水準言語 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 1950年代 FORTRAN ALGOL RPG COBOL 1960年代 LISP CPL BASIC PL/I APL BCPL Simula LOGO B 1970年代 Forth Pascal C Prolog Smalltalk Scheme ML AWK Ada Modula-2 1980年代 C++ Objective-C Common Lisp Eiffel Erlang Esterel Lustre Perl Mathematica J 1990年代 Python Tcl Haskell Visual Basic Ruby Lua Delphi Java ECMAScript ( JavaScript ) PHP OCaml SuperCollider R 2000年代 C# VB.NET Scala Clojure D F# Go Nim 2010年代 Dart Ceylon Elixir Crystal Hack Swift Rust Raku Elm Julia Kotlin Zig 架空の言語 擬似言語 CASL CAP-X 年表 パラダイム 一覧 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E6%A7%8B%E9%80%A0_(%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E6%A7%8B%E9%80%A0)
木構造 (データ構造)
この記事には 参考文献 や 外部リンク の一覧が含まれていますが、 脚注 による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です 。 適切な位置に脚注を追加して、記事の 信頼性向上 にご協力ください。 ( 2023年1月 ) 親子構造 木構造 (きこうぞう)とは、 グラフ理論 における 木 に対応づけられる データ構造 である。 →数字的な木の扱いについては「 木 (数学) 」を参照 用語 [ 編集 ] 木 構造は、一般の グラフ構造 と同様の、ノード(節点、頂点)とノード間を結ぶエッジ(枝、辺)あるいはリンクで表すこともできるが、木構造専用の、特に有向の根付き木となるような表現が使われることも多い。 データ構造として使われる木は、ほとんどの場合、根となるノードが決められた根付き木である。さらに、有向木であることも多い。 [ 注 1 ] ノード間の関係は 家系図 に見立てた用語で表現される。木構造内の各ノードは、0個以上の 子ノード ( 英 : child node ) を持ち、子ノードは木構造内では下方に存在する(木構造の成長方向は下とするのが一般的である)。子ノードを持つノードは、子ノードから見れば 親ノード ( 英 : parent node ) である。あるノードから見て、同じ親を持つノードを 兄弟ノード ( 英 : sibling node ) という。あるノードから見て、その子ノードやそこから先の子ノード全てのいずれかを 子孫ノード ( 英 : descendant node ) と呼び、その親ノードやそこから先の親ノードの全てのいずれかを 先祖ノード ( 英 : ancestor node ) と呼ぶ。ノードは高々1個の親ノードを持つ。 根ノード ( 英 : root node ) とは、親ノードを持たないノードのこと。根ノードは木構造の最上位にあるノードであり、1つの木構造に高々1つしか存在しない。根ノードからスタートして、親から子へ、またその子へ、とエッジを辿っていくと、あらゆるノードへ必ず到達でき、そのような(根から特定ノードまでの)経路は常に一意である。図で示す場合、根ノードが一番上に描かれるのが普通である。 二分ヒープ などの木構造では、根ノードは特別な属性を持つ。木構造内の全てのノードは、そのノードを頂点とする部分木の根ノードと見なすことができる。 葉ノード ( 英 : leaf node ) とは、子ノードを持たないノードのこと。葉ノードは木構造の下位の末端にあるノードであり、ひとつの木に複数存在しうる。 内部ノード ( 英 : internal node 、 inner node ) とは、子ノードを持つノード、すなわち葉ノード以外のノードのこと。 高さ ( 英 : height ) とは、あるノードについて、そのノードからその子孫である葉ノードへのエッジ数の最大値のこと。 根ノードの高さはその木構造の高さである。 深さ ( 英 : depth ) とは、逆に、あるノードについて、そのノードから根ノードまでのエッジ数のこと。根ノードの深さは 0 である。 部分木 ( 英 : subtree ) は、木構造の一部であり、それ自身も完全な木構造となっている部分を指す。木構造 T の任意のノードは、その配下の全ノードと共に T の部分木を構成する。根ノードを頂点とする部分木は、その木構造全体と等しい。根ノード以外を頂点とする部分木は 真部分木 ( 英 : proper subtree ) と呼ばれる( 部分集合 と真部分集合とのアナロジー)。 森 ( 英 : forest ) とは、木の集合のこと。グラフ理論では、森は閉路をもたない(連結とは限らない)グラフである。 森が順序木の順序集合である場合、これを木の木と考えることで前順、間順、後順の走査法を再帰的に定義できる。 子ノードの順序性 [ 編集 ] あるノードの子ノード群の間に順序が存在しない木と、順序が存在する木がある。順序性のある木を実装するには、子ノードを リスト に入れたり、各エッジ(枝)に異なる 自然数 を付与するなどして子ノード間に順序を入れる。これが 順序付き木 ( 英 : ordered tree ) である。順序付き木の応用としては 2分探索木 などがある。コンピュータ中のデータ構造としては、順序が存在しないデータ構造といったものは( セット型 のように存在はするが)あまり一般的ではないため、普通の実装では自然に順序付き木となる。 実装方法 [ 編集 ] コンピュータ で利用する場合にはいくつかの実装方法がある。典型的な実装としては、 動的メモリ確保 でノードを表す構造体の領域を確保し、 ポインタ で親ノードや子ノードを 参照 できるようにする。 各ノードが子ノードへのポインタのリストを持つ 各ノードが親ノードへのポインタを持つ 各ノードが親ノードへのポインタと子ノードへのポインタのリストを持つ 各ノードが長男ノードへのポインタと弟ノードへのポインタを持つ 他にも、 配列 を使った実装(ポインタではなく、インデックスによって親子関係が決定される)などがある(例えば、 二分ヒープ )。 走査法 [ 編集 ] 前順: F, B, A, D, C, E, G, I, H 間順: A, B, C, D, E, F, G, H, I 後順: A, C, E, D, B, H, I, G, F レベル順: F, B, G, A, D, I, C, E, H 木構造の 走査 ( 英 : traverse ) とは、木構造にある全ノードを一回ずつ体系的に調査する処理である。 連結リスト や1次元の 配列 のような線形性のあるデータ構造では、走査は普通は前から順番に行われる(後ろからたどる方法などもある)。木構造の走査には下記の方法などがある。以下のアルゴリズムは 二分木 に関するものだが、多分木にも応用可能である。 深さ優先探索 [ 編集 ] 深さ優先探索 は、現在のノードを調査し、その子ノードに対して同じことを繰り返す。従って、 再帰呼び出し で容易に表現できる( ループ でも実装可能)。走査法は、ノードを調査する順序によって以下の3つに分類される(いずれの方法も、根から探索を開始する)。 前順・先行順・前置順・行きがけ順 ( 英 : pre-order ) 根ノードを調査する。 もしあれば、左の部分木を前順走査する。 もしあれば、右の部分木を前順走査する。 2分探索木 のコピーを作る際によく利用される。また、数式の 構文木 から ポーランド記法 の表現を得るのにも利用される。 間順・中間順・通りがけ順 ( 英 : in-order ) もしあれば、左の部分木を間順走査する。 根ノードを調査する。 もしあれば、右の部分木を間順走査する。 多分木では定義されない。 2分探索木 では、間順走査によって走査する順がソートされた順序になるため、よく使われる。 後順・後行順・後置順・帰りがけ順 ( 英 : post-order ) もしあれば、左の部分木を後順走査する。 もしあれば、右の部分木を後順走査する。 根ノードを調査する。 幅優先探索 [ 編集 ] レベル順 ( 英 : level-order ) 幅優先探索 は、深さが同じノードを浅い方から順に走査していく。 走査例 [ 編集 ] この 2分探索木 において、 前順走査での調査順: F, B, A, D, C, E, G, I, H 間順走査での調査順: A, B, C, D, E, F, G, H, I 2分探索木での間順走査は、ソートされた順となる。 後順走査での調査順: A, C, E, D, B, H, I, G, F レベル順走査での調査順: F, B, G, A, D, I, C, E, H 擬似コード [ 編集 ] 前順( n ) n を処理 for each (n の子ノード i) 前順(i) 間順( n ) if (n に左の子ノードがあれば) 間順(n の左の子ノード) n を処理 if (n に右の子ノードがあれば) 間順(n の右の子ノード) 後順( n ) for each (n の子ノード i) 後順(i) n を処理 これらの実装では、木構造の高さのぶんだけ コールスタック 領域を必要とする。平衡が保たれていない木では、これが深刻な問題となる場合もある。各ノードの親ノードの位置を覚えておくことでスタックを使わないようにもできる。 下記はレベル順の擬似コード。 レベル順( n ) n をキューに追加 while (キューに要素を含むなら) n ← キューから取り出す n を処理 for each (n の子ノード i) i をキューに追加 糸付き2分木 [ 編集 ] 糸付き2分木 また、 糸付き2分木 ( 英語版 ) ( 英 : threaded binary tree ) を使う方法もある。Joseph M. Morris が1979年に発表した [ 1 ] 。糸付き2分木は、子ノードがない場合に間順の前と後ろをそれぞれ左の子ポインタと右の子ポインタに設定しておいた木構造である。この場合、子ノードの有無はポインタ以外のフィールドで示す必要がある。これを使うと、間順走査の効率が非常によくなるが、前順や後順は通常のスタックを使った実装の方がよい。 糸付き2分木を間順走査するコードは次のようになる。 Sub inorder(n∈node) Do While hasLeftChild(n) Let node ← node.left Loop Do visit(n) If hasRightChild(n) Then Let n ← n.right Do While hasLeftChild(n) Let n ← n.left Loop Else Let n ← n.right End If Loop While n ≠ Null End Sub 主な操作 [ 編集 ] アイテム(データを持つノード)数を数え上げる。 あるアイテムを探索する。 新たなアイテムを木構造の特定の位置に追加する。 アイテムを削除する。 部分木を削除する(枝刈り) 部分木を追加する(接ぎ木) 任意のノードから根ノードを探す。 木構造の種類 [ 編集 ] 子ノード数での分類 二分木 - 各ノードが子ノードを最大2つしかもたない木 2分探索木 多分木 - 子ノードを3つ以上持つノードを含む木。二分木でない木 四分木 八分木 平衡木 (バランス木) - すべての葉について、深さがほぼ等しい木 平衡2分探索木 - 平衡木であり、同時に2分探索木でもある木 AA木 AVL木 (一般に平衡2分木と呼ばれるが、平衡2分探索木と紛らわしいので注意) スケープゴート木 赤黒木 (2色木) T木 ( T-tree ) スプレー木 (splay tree) Treap 多分木 B木 (B-tree) B+木 、 B*木 2-3木 、 2-3-4木 ヒープ 二分ヒープ (バイナリヒープ) 二項ヒープ フィボナッチヒープ デジタル木 - 主に 文字列 の格納のためにつかわれる木 トライ木 パトリシア木 (基数木) 接尾辞木 (Suffix tree) その他 領域探索木 (range tree) 区分木 (segment tree) 区間木 (interval tree) R木 (Rectangle tree) kd木 コンピュータにみる木構造 [ 編集 ] 木構造は主に以下のような用途で使われる 階層構造 のあるデータを操作する。 ディレクトリツリー 、 ドメイン名 、 構文木 、 制御構造 、 決定木 、 XML DOM ツリーなど。 情報を 探索 しやすくする。 データベースのインデックス など。この用途の木構造を 探索木 とも呼ぶ。 データの ソート のために使用する。 ヒープソート など。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 一般に無向木は、それに含まれる任意のノードを根として解釈可能な非根付き木である。有向木は、エッジが、葉から根に向かう向きの場合と、根から葉に向う向きの場合があるが、いずれにしても根となるノードが決められた根付き木となる。 出典 [ 編集 ] ^ Morris, Joseph M. (December 1979). “Traversing binary trees simply and cheaply”. Information Processing Letters 9 (5): 197-200. doi : 10.1016/0020-0190(79)90068-1 . 関連項目 [ 編集 ] バイナリ空間分割 (BSP) 木 (数学) 二分木 DSWアルゴリズム 参考文献 [ 編集 ] Donald Knuth . The Art of Computer Programming: Fundamental Algorithms , Third Edition. Addison-Wesley, 1997. ISBN 0-201-89683-4 . Section 2.3: Trees, pp.308–423. Thomas H. Cormen, Charles E. Leiserson, Ronald L. Rivest , and Clifford Stein. Introduction to Algorithms , Second Edition. MIT Press and McGraw-Hill, 2001. ISBN 0-262-03293-7 . Section 10.4: Representing rooted trees, pp.214–217. Chapters 12–14 (Binary Search Trees, Red-Black Trees, Augmenting Data Structures), pp.253–320. Dale, Nell. Lilly, Susan D. "Pascal Plus Data Structures". D. C. Heath and Company. Lexington, MA. 1995. Fourth Edition. Drozdek, Adam. "Data Structures and Algorithms in C++". Brook/Cole. Pacific Grove, CA. 2001. Second edition. 外部リンク [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 木構造 (データ構造) に関連するカテゴリがあります。 Description from the Dictionary of Algorithms and Data Structures List of data structures from LEDA Storing Hierarchical Data in a Database PHP による走査コード例がある Working with Graphs in MySQL Animation Applet of Binary Tree Traversal discmath_dvi :8.4. Tree Transversal 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ 表 話 編 歴 木構造 ( 計算機科学 ) 二分木 二分探索木(BST) Cartesian tree Top tree T tree 平衡2分探索木 AA木 AVL木 赤黒木 Scapegoat tree スプレー木 Treap B木 B+木 B*木 B x -tree UB-tree 2-3木 2-3 フィンガーツリー 2-3-4木 (a,b)-tree Dancing tree Htree トライ木 基数木 接尾辞木 接尾辞配列 三分探索木 二分トライ木 x-高速トライ木 y-高速トライ木 バイナリ空間分割 木(BSP木) 四分木 八分木 k -d 木 Implicit k -d tree vp-tree 非二分木 Exponential tree Fusion tree 区間木 PQ tree Range tree SPQR tree Van Emde Boas tree 空間データ パーティショニング木 R木 R+ tree R* tree X-tree M-tree Segment tree Hilbert R-tree Priority R-tree ヒープ 二分ヒープ 二項ヒープ フィボナッチヒープ 2-3 heap Beap D-ary heap Leftist heap Pairing heap Skew heap Soft heap Ternary heap その他の木構造 Hash tree Finger tree Metric tree Cover tree BK-tree Doubly-chained tree iDistance Link-cut tree フェニック木 カテゴリ 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ
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擬似コード
擬似コード (ぎじコード、 英 : pseudocode )とは、 アルゴリズム などを、架空の非常に 高水準 な プログラミング言語 ( 擬似言語 )で記述したものである。 Pascal 、 Fortran 、 C言語 などの既存のプログラミング言語の構文と、 自然言語 に近い表現を組み合わせて記述することが多い。 例 [ 編集 ] 擬似コードの記述例を示す。下は、同様の記述を実際のプログラミング言語で表記したものである。 擬似コード: if クレジットカード番号が有効 番号と注文で取引をする else エラーを表示する end if PHP によるコード: <?php if ( is_valid ( $cc_number )) { execute_transaction ( $cc_number , $order ); } else { show_failure (); } ?> 関連項目 [ 編集 ] 擬似 ( ウィクショナリー ) 外部リンク [ 編集 ] A pseudocode standard Pseudocode Guidelines ( PDF ) Pseudocode: A LATEX Style File for Displaying Algorithms 典拠管理データベース : 国立図書館 イスラエル アメリカ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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逆アセンブラ
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "逆アセンブラ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2014年11月 ) 逆アセンブラ (ぎゃくアセンブラ、 英 : disassembler ; ディスアセンブラ)とは、 逆コンパイラ の一種であるが、 実行ファイル または オブジェクトファイル の 機械語 コード(とシンボルテーブルなどの付随情報)を基に、 アセンブリ言語 のソースコードを生成する、すなわちアセンブラの逆の作用をするものを特に指す。一般の( 高水準言語 コードを生成するような) 逆コンパイラ よりも比較的容易である。 概要 [ 編集 ] コンピュータの プロセッサ ( CPU や GPU など)が直接実行できるプログラムは数値の羅列(バイナリ)である機械語であり、人間が直接理解することは困難である。コンピュータの性能が低く、プログラムの規模が極めて小さかった時代では、機械語そのものや機械語に1対1で対応する命令を持つアセンブリ言語(低水準言語)でプログラムが直接書かれていたこともあったが、このようなプログラミング形態はメンテナンス性や再利用性が極めて低かった。コンピュータの性能が向上し、プログラムが大規模化するにつれて、 Pascal や C言語 、あるいはそれらから発展した各種の派生言語のような、人間に分かりやすい高水準言語で書かれることが主流となっていった。機械語は、最終的にプロセッサが直接実行できるネイティブコードであることには変わりないが、低水準言語または高水準言語で書かれた ソースコード を、 アセンブラ や コンパイラ 、 リンカ といったソフトウェアによって機械的に変換して得られたものに過ぎないので、 プログラマ はソースコードを理解してソフトウェアを開発・メンテナンスすればよい。 すでに機械語に変換されており、元のソースコードも手に入らない場合は、アセンブルとは逆の手順をたどる(逆アセンブルする)ことで擬似的にソースコードを復元することができる可能性がある。ただし プログラミング言語 から機械語への変換は一般に不可逆変換であり、 API や ABI としてモジュール外部に公開される一部のメタ情報を除いて、ソースコード内に書かれてあった コメント や、内部的な実装に使われている ローカル変数 の名前、条件分岐やループの実装に使用されていた構文 [ 注釈 1 ] といったような高度な情報はほとんど失なわれてしまうため、機械語から元のソースコードを完全に復元することは不可能である。 リバースエンジニアリングツールとしての逆アセンブラ [ 編集 ] 秘匿されている、紛失したなどの理由によりソースコードが入手できないプログラムの動作を知りたい場合、プログラムの機械語を人間が直接理解することは困難であるため、より人間に理解しやすい ニーモニック に変換して解析の手助けとするために逆アセンブラを利用する。 人間に理解しやすいといっても、それはあくまでも機械語と比べて、という意味である。逆アセンブル結果からプログラムの内部動作を知り、元のソースコードを推定するまでの作業は一種の暗号解読のような困難な作業であり、非常に高度な技能を持つ技術者が膨大な手間と労力をかけて初めて達成されるものである。 ただし、プログラムの動作を解析されると様々な利害が絡むこともあるため、商用ソフトウェアの ライセンス には逆アセンブルなどによる リバースエンジニアリング を禁止する文言があることが多く、また 契約 の場合にも同様である。 しかし、ソフトウェア 特許 の侵害を立証するために行われる逆アセンブルについては、これを禁止する契約の効力は及ばない。また、ライセンスや契約でリバースエンジニアリングを禁止する法理について日本では、2008年(平成20年)の時点で文化庁でも検討中である [ 1 ] 。 デバッガとしての逆アセンブラ [ 編集 ] 高水準言語により作成されたソフトウェアの デバッグ の手段として逆アセンブラを用いることがある。このためには独立した逆アセンブラを利用することもあるが、 デバッガ の機能の一部として提供される、ソースコードと機械語と逆アセンブル結果を混合して表示する「混合モード」(Mixモードとも言う)を利用することも多い。 高水準言語は機械語(または 仮想機械 向けの 中間表現 )に コンパイル することによって 実行形式 を得るが、時としてプログラマが意図した高水準言語のコーディングと、コンパイラが生成したコンパイル結果が一致しないことがある。これは主に、C言語や C++ の言語仕様で 未定義動作 とされている危険なコードを誤って記述してしまったときに、コンパイラの最適化工程におけるアグレッシブな仮定によって発生しやすい。また、コンパイラには バグ があることもあり、時として間違ったコンパイルを行うことがある [ 注釈 2 ] 。このような場合は、コンパイル前のソースコードをいくら眺めてもバグの原因を見極めることは困難であるため、実行コードである機械語を直接検証する必要がある。しかし前述の通り、機械語を人間が直接理解することは困難なので、機械語と1対1で対応するニーモニックに変換して表示する逆アセンブル機能をデバッガが提供している。 デバッグシンボル情報が実行形式に付加されている場合は、デバッガは逆アセンブル結果と一緒にソースコードも表示できるため [ 注釈 3 ] 、プログラマがその意味を理解することは比較的易しい。開発中のソフトウェアのバイナリには通例デバッグシンボル情報が付加されるが、デバッグシンボル情報は巨大なファイルであり、またリバースエンジニアリングに役立つ情報も含まれているため、市場にリリースするソフトウェアのバイナリからは除去するのが普通である。除去したデバッグシンボル情報を保管しておく習慣のある開発組織は、ほとんどないため、エンドユーザー環境で発生したバグを逆アセンブルによって解析することは、時として他人が開発したソフトウェアを逆アセンブルによってリバースエンジニアリングするのと同様の困難を伴う。 サンプル [ 編集 ] オンライン逆アセンブルサイト [ 2 ] [ 3 ] を利用すると、個別CPUの命令とみなした逆アセンブルを試すことができる。 例えば、 00 を Z80 CPUの機械語として逆アセンブルすると nop 、 VAX CPUの機械語として逆アセンブルすると halt となり、 i8086 CPUの機械語として逆アセンブルすると 00 というデータ(命令とはみなされない)となる。 00 00 を AVR CPUの機械語として逆アセンブルすると nop 、 V850 CPUの機械語として逆アセンブルすると nop となり、 ARM CPUの機械語として逆アセンブルすると movs r0, r0 、 i8086 CPUの機械語として逆アセンブルすると add %al,(%bx,%si) 、 i386 CPUの機械語として逆アセンブルすると add BYTE PTR [eax], al 、 MIPS16 ( 英語版 ) CPUの機械語として逆アセンブルすると addiu s0,sp,0 となる。 00 00 00 00 を MIPS CPUの機械語として逆アセンブルすると nop 、 MC68000 CPUの機械語として逆アセンブルすると orib #0,%d0 となり、 Alpha CPUの機械語として逆アセンブルすると halt となる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 例えばCの場合、ループを実現する制御文には for文 、 while文 、 do-while文 があり、プログラマは状況や好みによって使い分けるが、これらは本質的には 糖衣構文 にすぎず、機械語に変換すると同じ結果が生成されることが多い。さらにCには原始的な goto文 と if文 を用いてループを書くという選択肢すらある。 ^ 規模にもよるが、バグが一切ないソフトウェアはほとんどない。コンパイラもソフトウェアの一種であり、例外ではない。処理系自体の知名度を問わず、複雑な仕様の言語コンパイラや、テストが十分なされていないコンパイラにはバグが混入しやすい。 ^ この機能を持つデバッガを特にシンボリックデバッガまたはソースレベルデバッガと呼ぶ。 出典 [ 編集 ] ^ “ リバース・エンジニアリングに係る法的課題についての論点 ”. 2022年10月4日閲覧。 ^ “ Online Disassembler ” (英語). onlinedisassembler.com . 2021年1月13日閲覧。 ^ “ Online Assembler and Disassembler ” (英語). shell-storm.org . 2024年5月17日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] クリーンルーム設計 アセンブラ コンパイラ 逆コンパイラ 機械語 アセンブリ言語 - ニーモニック 高水準言語 データフロー解析 制御フローグラフ ツール群 GNU Binutils Binary Ninja 外部リンク [ 編集 ] アセンブラ・逆アセンブラ - Vector のダウンロードページ 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%A9
逆コンパイラ
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "逆コンパイラ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年12月 ) 逆コンパイラ (ぎゃくコンパイラ、 英 : Decompiler )とは、 機械語 で記述された オブジェクトコード を解析し、人間にわかりやすい ソースコード を作成する プログラム である。 概要 [ 編集 ] 人間がプログラムを作成するときには C や Java といった 高水準言語 を用い、それを コンパイラ によって機械語へ翻訳することで、 コンピュータ が理解できるオブジェクトコードが作成される(コンパイル)。逆コンパイルとはその名の通り、オブジェクトコードを解析し、ソースコードを作成することであり、それを行うプログラムを逆コンパイラという。 「逆-」という名称が用いられているが、むろん完全にもとのソースコードが再現されるわけではなく、 コメント や 変数 名はコンパイル時に完全に失われているため、元に戻すことは不可能である。しかし、Java の実行ファイルについてはかなり高い再現度でソースコードを作成することができる。 なお平成30年に著作権法改正により柔軟な権利制限規定がされ、ソフトウェアの開発元が定める利用規約等によって、公開されているプログラムに対して逆コンパイル等の リバースエンジニアリング を行うことを禁じている場合でも著作権侵害とならないと解される [ 1 ] 、規約との関係については注意する必要がある。 EU では Directive on the legal protection of computer programs [ 2 ] の6条において、いくつかの条件のもとで逆コンパイルに権利者の許可が不要であると規定している。また9条の規定で、6条に反する契約条項は無効 (null and void) とされている。 主要な逆コンパイラ [ 編集 ] .NET Decompiler: Decompile Any .NET Code | .NET Reflector REC Studio 4 - Reverse Engineering Compiler Boomerang Decompiler - オープンソース の逆コンパイラ JAD Java Decompiler Download Mirror - Java 逆コンパイラ 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ デジタル化・ネットワーク化の進展に対応した柔軟な権利制限規定に関する基本的な考え方 ^ Council Directive 91/250/EEC of 14 May 1991 on the legal protection of computer programs 関連項目 [ 編集 ] クリーンルーム設計 コンパイラ アセンブラ 逆アセンブラ リバースエンジニアリング コンピュータセキュリティ 典拠管理データベース : 国立図書館 イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%86%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E8%A8%98%E6%B3%95
逆ポーランド記法
ポーランド記法 中置記法 逆ポーランド記法 HP-32SII の8×6の計算で押すキー 逆ポーランド記法 (ぎゃくポーランドきほう、 英語 : Reverse Polish Notation, RPN )は、数式やプログラムの記法の一種。 演算子 を 被演算子 の後にすることから、 後置記法 (Postfix Notation) とも言う。 その他の記法として、演算子を被演算子の中間に記述する 中置記法 、前に記述する 前置記法 (ポーランド記法)がある。 名称の由来は、演算子と被演算子の順序が ポーランド記法 の逆になっていることによる。 概要 [ 編集 ] 例えば、「3 と 4 を加算する」という演算を、一般的に数式の表記に用いられる中置記法で記述すると、以下のようになる。 3 + 4 一方、逆ポーランド記法では、加算を表す演算子 + を、被演算子である 3 と 4 の後(右)に置いて、以下のよう記述する。 3 4 + 逆ポーランド記法による表現は 日本語 など SOV型 の言語の 語順 とある程度似ており、上式程度であれば「3 と 4 を加算する」とそのままの順序で読み下せる。逆ポーランド記法を使う Forth の影響を受けている プログラミング言語 Mind では、「 3と 4とを 足す 」と書く。 もう少し複雑な例として、中置記法による以下の式は、 (3 + 4) * (1 - 2) 逆ポーランド記法で記述すると以下の通りとなる。 3 4 + 1 2 - * つまり、逆ポーランド記法では後で使われる演算子ほど、右に位置することになる(ポーランド記法では逆になり、左に位置する演算子ほど後で使われる)。ちなみに上式を日本語で読み下すと「3 と 4 を足したものに 1 から 2 を引いたものをかけ合わせる」となる。 その他、逆ポーランド記法の特徴として 区切り文字 の必要性などがあるが、これらについては ポーランド記法 と同様のため、そちらの項を参照のこと。 コンピュータへの応用 [ 編集 ] 逆ポーランド記法を使えば、式の 計算 をする(評価)には、先頭からひとつずつ順番に記号を読み込み、その記号が演算子以外であれば スタック に値を積み、演算子であればスタックから値を取り出して演算し結果をスタックに積む、という簡単な操作の繰り返しだけでよい。そのため、プログラミング初心者の練習課題として、逆ポーランド記法の電卓を作ることがよく行われる。 前述の手順であれば、スタックに積むのは値(たとえば後述する例では整数値)だけである。もしこれが他の順序だったとしたら、演算子に相当するものを記憶するか、順番に読むだけでは済まず行きつ戻りつするか、などしなければならない。 プログラミング言語 に Forth や PostScript などのこの記法を採用したものがある。 ヒューレット・パッカード 社の 電卓 ( HP-35 など)が有名で、他いくつかの電卓(特に 関数電卓 に採用がある)にもあるが、逆ポーランド記法 順 による入力方法を採用している電卓がある(近年の関数電卓のような数式入力ではなく、計算機械としてスタックモデルであり、それを直接操作しているという形なので、厳密なことを言うと逆ポーランド記法 「順」 ということになる)。 計算動作の例 [ 編集 ] (このような動作をベースとしている計算モデルやコンピュータを、 スタックマシン と言う) 例題として以下の式を考える。スタックの他に1個の アキュムレータ を持つ計算機だとする。 3 4 + 1 2 - * [] は スタック の内容。左から右に積む。最初は空である。 3をスタックに積む [3] 4をスタックに積む [3 4] + が押されたら、 スタックからデータを下ろしアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← 4) [3] スタックからデータを下ろしアキュムレータを足してアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← POPした値 + アキュムレータ) [] アキュムレータの内容は 7 になる (3 + 4 = 7) アキュムレータの内容をスタックに積む [7] 1をスタックに積む [7 1] 2をスタックに積む [7 1 2] - が押されたら、 スタックからデータを下ろしアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← 2) [7 1] スタックからデータを下ろしアキュムレータを引いてアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← POPした値 - アキュムレーター) [7] アキュムレータの内容は -1 になる (1 - 2 = -1) アキュムレータの内容をスタックに積む [7 -1] * が押されたら、 スタックからデータを下ろしアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← -1) [7] スタックからデータを下ろしアキュムレータを掛けてアキュムレータに入れる(アキュムレータ ← POPした値 * アキュムレーター) [] アキュムレータの内容は -7 になる (7 * -1 = -7) アキュムレータの内容をスタックに積む [-7] このように スタックにデータを積む (PUSH) 操作 スタックからデータを下ろす (POP) 操作 二つのオペランド間の演算 だけで計算動作が可能である。 スタックトップの直接演算が可能な構造ならば、例えば最初の部分は 3をスタックに積む [3] 4をスタックに積む [3 4] +が押されたら、 スタックからデータを下ろしレジスタに入れる(レジスタ←4) [3] スタックトップにレジスタの値を加算する [7] と簡略化される。 文献 [ 編集 ] 水谷静夫 「日本語の語順と逆ポーランド記法」 第7回 プログラミング・シンポジウム (1966) http://id.nii.ac.jp/1001/00237660/ 水谷静夫 「和文の語順と逆ポーランド記法」 『国語学』第61集 (1965年6月30日) 斎藤正彦 『数のコスモロジー』、 筑摩書房 〈 ちくま学芸文庫 Math&Science〉、2007年、189から192頁。 関連項目 [ 編集 ] 操車場アルゴリズム Intel 8087 外部リンク [ 編集 ] RPNとRPL(Kato Takenori)
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0)
キャッシュ (コンピュータシステム)
ウィキペディアのサーバ上にある、高速に表示させるためのキャッシュについて、 詳細については meta:ウィキメディアのサーバ を、 破棄する方法については Help:キャッシュ破棄 を、 ウェブブラウザ 側のキャッシュを消す方法については Wikipedia:キャッシュを消す をごらんください。 この項目では、メモリやレジスタなどのハードウエアに限らず、システム全体でのキャッシュについて説明しています。キャッシュ用メモリについては「 キャッシュメモリ 」をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "キャッシュ" コンピュータシステム – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2020年9月 ) キャッシュ ( 英語 : cache )は、 CPU の バス や ネットワーク 、 データベース 、 GPU 、 DSP などにおいて、情報を転送する際、転送効率を向上するための 記憶階層 の実現手段である [ 要出典 ] 。 ハードウェア の形態と ソフトウェア の形態がある。 キャッシュ概要図 転送元と転送先の中間に位置し、データ内容の一部とその 参照 を保持する。 参照が既にキャッシュに格納されているデータが転送要求されたとき、転送元ではなくキャッシュが転送を代行する。これをキャッシュヒットという。所望のデータがキャッシュに存在せず元データから転送する状態をキャッシュミスという。由来は不明で和製英語と思われるが、日本の一部の文献及び資格試験において「キャッシュミスヒット」という用語が使われている。 もしくは、データを滞留させてデータ粒度を高める機能を持つ。これらにより、データの 時間的局所性 と 空間的局所性 を活用し、 データ転送 の 冗長性 や オーバヘッド を低減させることで、転送効率を向上させる。 基本概念 [ 編集 ] 記憶階層 ( Memory Hierarchy ) [ 編集 ] 記憶階層の例 データを保持する 記憶装置 の理想は大容量×高速 アクセス であるが、通常コストパフォーマンスが悪く実現困難である。そのため、小容量×高速、中容量×中速、大容量×低速など複数段階にまたがった記憶構造とすることが多い。また一般に、CPUなどバスマスタに近い側を上位レベル、遠い側を下位レベルとし、各レベルを各々下位レベルの一時記憶として用いる。この構造を 記憶階層 という。 小容量×高速の代表は CPU レジスタ であり、大容量×低速記憶装置の代表は ハードディスク や 磁気テープ などの 補助記憶装置 である。 記憶階層のうちキャッシュに該当する、L1キャッシュと L2キャッシュ について、上位のL1キャッシュに存在するデータが下位のL2キャッシュにもデータが存在する方式( インクルージョンキャッシュ )と、上位のL1キャッシュに存在するデータが下位のL2キャッシュに必ずしもデータが存在しない方式( ビクティムキャッシュ )がある。 局所性 ( Locality ) [ 編集 ] →「 参照の局所性 」も参照 時間的局所性 ( Temporal Locality ) [ 編集 ] データの再利用率とその時間的特性を示す言葉。ある領域のデータ転送が行われて、同一データの転送が再度、近い時間内に行われている場合を時間的局所性があるという。CPUにおける命令キャッシュや、 ウェブブラウザ などにおけるファイル単位のデータ保持などは、転送が行われた近い期間にループや戻るボタンなどによる再転送要求を期待して、アクセスがあったデータをある程度後まで保持しておく。逆に音声のようなストリームデータなどは時間的局所性はあまりなく、下記にある空間的局所性に頼った効率化を図る必要がある。 空間的局所性 ( Spatial Locality ) [ 編集 ] データの格納位置に対する偏在性を示す言葉。ある領域のデータ転送が行われて、近い時間内に、連続ないし近傍領域のデータ転送が行われている場合を空間的局所性があるという。真にランダムに転送されるべきデータというのは少なく、大抵のデータには空間的局所性が存在する。一般的にデータ転送で スループット より レイテンシ 、すなわちデータ転送帯域より転送距離が問題となる場合は、小さなデータを何度も転送するよりも少ない回数でより多くのデータを転送することで効率向上する場合が多い。従って転送元は空間的局所性を期待して未要求の近傍データも同時に送り、キャッシュにより未要求データを保持することで、キャッシュ下位レベルとの転送セット回数を削減しようとする。CPU キャッシュメモリ のラインサイズは、この空間的局所性に鑑みて決定される。 歴史 [ 編集 ] 1961年 マンチェスタ大学 の Tom Kilburn らが開発中のコンピュータAtlasに仮想記憶機構を搭載 1962年 Kilburnらが論文"One-level storage system"を発表 1965年 ケンブリッジ大学 の M. V. Wilkes がキャッシュに関する最初の論文"Slave Memories and Dynamic Storage Allocation"を発表(論文ではキャッシュをスレーブメモリと呼んだ) 1965年 ケンブリッジ大学でGordon Scarrottがダイレクトマップ方式の命令キャッシュを実装 1967年 最初のキャッシュ搭載商用マシン IBM System/360 Model 85が完成(16-32KB, 80-160ns)。1968年発売 1968年 IBMのDonald H. GibsonらがIBM System/360 Model 85の性能評価に関する論文"Structural Aspects of the System/360 Model 85 I: General Organization."を発表。そのなかで初めてキャッシュという用語が使用された 参考文献 [ 編集 ] 出典 は列挙するだけでなく、 脚注 などを用いて どの記述の情報源であるかを明記 してください。 記事の 信頼性向上 にご協力をお願いいたします。 ( 2023年5月 ) ジョン・L・ヘネシー / デイビッド・A・パターソン著、富田眞冶 / 村上和彰 / 新實治男訳、『コンピュータ・アーキテクチャ 設計・実現・評価の定量的アプローチ』、日経BP社、 ISBN 4-8222-7152-8 デイビッド・A・パターソン / ジョン・L・ヘネシー著、成田光彰訳、『コンピュータの構成と設計 ハードウエアとソフトウエアのインタフェース 第2版(上/下)』、日経BP社、 ISBN 4-8222-8056-X / ISBN 4-8222-8057-8 山崎傑著、『オペレーティング・システムの基礎』、CQ出版社、 ISBN 4-7898-3668-1 中森章著、『マイクロプロセッサ・アーキテクチャ入門 RISCプロセッサの基礎から最新プロセッサのしくみまで TECHI Vol.20』、CQ出版社、 ISBN 4-7898-3331-3 関連項目 [ 編集 ] CPU レジスタ キャッシュメモリ トランスレーション・ルックアサイド・バッファ バッファ バス ハードディスク 磁気テープ 補助記憶装置 ネットワーク データベース グラフィックスプロセッシングユニット (GPU) デジタル信号処理機 (DSP) キャッシュアルゴリズム 検索エンジン HTTP ETag コンテンツデリバリネットワーク (CDN) 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
キャラクタ (コンピュータ)
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2020年9月 ) 独自研究 が含まれているおそれがあります。 ( 2021年10月 ) 出典検索 ? : "キャラクタ" コンピュータ – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL キャラクタ ( 英 : character ) は、 文字 のことであるが、 情報処理 においては「 文字コード 」で表される「 文字集合 」という 集合 の要素(「 元 」)のことである。 概要 [ 編集 ] コンピュータ の 情報交換 において テキストデータ をやりとりする場合は、双方がそれに使用する 文字集合 を決めて通信を行う。キャラクタはその場合の最小単位である。 キャラクタは大きく分けて 図形文字 (グラフィックキャラクタ)と 制御文字 (コントロールキャラクタ)がある。図形文字が実際に画面に表示される文字であり、制御文字はその表示の仕方を制御する 改行記号 などや、それにとどまらず ビープ音 を発生させるものなどを含む。 図形文字には、 言語学 的な意味での文字記号(字母)以外に、 約物 類を含む。さらに、1つのキャラクタが1つの字母を表すとは限らない。 文字コード にもよるが、「㍍」のような 組文字 のキャラクタは複数の字母からなり、逆に、「Å」のような ダイアクリティカルマーク 付き アルファベット などは複数のキャラクタで表されることもある。 キャラクタとバイト [ 編集 ] キャラクタの 符号化 ( 文字符号化方式 )に、 バイト (この段落では オクテット と同義)を当てるという標準を確立し広く普及したのはIBMが1964年4月に発表した メインフレーム の System/360 による(それ以前については #歴史 の節を参照)。当初のアナウンスでは制定されたばかりの ASCII が採用されるはずだった。しかし、結果的には過去のしがらみを振り切ることができず、メインフレーム用としては EBCDIC が普及した。なお、一応System/360はモードを切り替えることはできる。 C言語 および C++ での 文字型 の名前は char だが、この char はバイトやオクテットと等価ではない。C/C++の char 型の幅は<limits.h>/<climits>をインクルードすることで定義される CHAR_BITS というマクロで示され、実際の数値は8ではなく9や16の可能性もある。なお、最低限必要とされている値の範囲の関係で8未満にはならない。 sizeof(char) は常に1である。バイトは 8ビット すなわちオクテットではない可能性もある。 幅を規定した 整数型 としては C99 および C++11 で追加された int8_t / uint8_t および std::int8_t / std::uint8_t がある。 C++20 では UTF-8 でエンコードされた文字を格納することを想定した符号なし文字型として、 char8_t が規定されたが、8ビット幅であるとは限らない [ 1 ] 。 Java や C# の char は 16ビット であり、内部表現は UTF-16 と規定されている [ 2 ] [ 3 ] 。 コンピュータの普及が米国に次いで早かった [ 要出典 ] 日本 では、日常の生活や業務に 漢字 が必須であるため、256より多くのキャラクタを扱いたいという要求が強かった。そこで現れたのが、1つのキャラクタを複数のバイトで表す マルチバイト文字 (MBC)である。特に初期には2バイトを使うものがほとんどであり、ダブルバイト文字(DBC)と言った。 また、米国以外の国や地域で、それぞれに必要な文字を追加した文字集合や文字コードを作ったため、多数の文字集合や文字コードが乱立する結果となった。 Unicode はその問題を解消し、文字集合を統一するために生まれた。 現在ではキャラクタとデータの関係は抽象化されている。キャラクタは 整数 値(通常非負整数)で表現され、その整数値から 文字符号化方式 によりバイト列が生成される。たとえばUnicodeではUnicodeスカラ値という値が、各キャラクタに付けられている。 歴史 [ 編集 ] 初期のコンピュータ [ 編集 ] 初期(1940年代〜1960年代前半)のコンピュータにおける「キャラクタ」について述べる。 初期のコンピュータでは、入出力媒体として、コンピュータ以前から存在していた情報処理機械である タビュレーティングマシン 用の パンチカード や、 テレタイプ 電信 網( テレックス )用の 紙テープ が使用されていた。そのため、それらにおける1カラム、または1列の5ビット〜7ビットのコードが1文字(1字)だった。 また、System/360より前のコンピュータは、使用する分野ごとに設計が違うのが通常で、主に科学技術計算用と事務処理用に分かれていた。それぞれの典型的な設計を示すと、科学技術計算用は40ビット前後のワード長で、ワードアドレッシングで、ワード単位の演算を得意とする ワードマシン だった。これに対し、事務処理用は字(前述の紙テープなどの1文字)単位のアドレッシングか、4字あるいは6字を1ワードとしたワードアドレッシングで、字単位の処理を得意とする キャラクタマシン だった。 System/360により、 バイトマシン が標準となった。 キャラクタディスプレイ [ 編集 ] 通常の ラスタースキャン 方式の ディスプレイ では、表示する際に、 ピクセル 毎にその輝度を決定する必要がある。 RAM が高価だった時代、コンピュータで使用したのは主にコマンドラインインターフェースであり、文字情報しか表示しないものにディスプレイ全面のピクセルに対応するRAM( VRAM )を用意するのはコストが合わなかった。そのため、ある一定の大きさ(8×8など)のドットマトリクスごとに1バイトの記憶領域を割り当てて、VRAMの容量を節約する キャラクタディスプレイ が一般的だった。また、それに合わせたディスプレイコントローラーが使用された。現在の PC/AT互換機 のチップセットにもこのような表示用の機能が残っており、 BIOS 画面等で使用しているものもある。 日本製パーソナルコンピュータの黎明期にも多くの機種は同様の構造を持っており、テキストVRAMの値を基準としてキャラクタディスプレイが行われていた。多くの場合、8×8ピクセルで構成されたパターンがあらかじめ定義されたキャラクタジェネレータROMを本体に持っており、大文字、小文字のアルファベット、数字、カタカナに加え、記号が定義された。記号の中には、4×4ピクセルのパターンを定義することで、それを配置することによって擬似的に図形等を表示し「セミグラフィックス」と呼称していた。記号部分については、機種によって様々であり、曜日の定義や、ゲームに使うようなキャラクター、トランプのスートなど様々なものがあり、ひらがなのパターンを持つ機種も存在する。 キャラクタディスプレイのみという制限を補完するため、テキストVRAMには、別途アトリビュート領域が設けられることが多く、表示色、背景色、ブリンク等の指定を、複数キャラクタ毎またはキャラクタ毎に指定することが可能になっていた。 各キャラクタ群のみの組み合わせて絵を書くことを アスキーアート と呼ぶことがある他、アトリビュートなどを併用したこれらのテキスト画面によって描かれた絵を キャラクターグラフィック と呼んだ。 MZ-700 にはグラフィック用のVRAMはないものの、テキスト、背景の色をキャラクタ単位で指定できるため、これらを応用し、チェッカを用いたディザリングをはじめとする方法によって描画する試みもあった。 これらの手法は、解像度は低い反面、非力なCPUでもダイナミックな描画を実現できるというメリットもあった。 グラフィックスプレーンを持つことが可能になった時期には、文字の描画をサブプロセッサと、その周辺回路に持たせ、グラフィックスプレーンに直接描画するという実装もあった。その場合でもこのテキストVRAMに相当するエリアは存在しており、「文字コードのみ」でテキストを扱う手段は存在している。 これらの実装は、英語圏や、英数字のみを扱う場合には有用だったが、日本語を取り扱うには大きな制限となった。多くの機種では、グラフィックスプレーンに対し、 漢字ROM を併用することでソフトウェアでROM内のパターンを描画していたが、ハードウェア的に拡張されたテキストプレーンを追加し、キャラクタディスプレイの形で漢字表示を実現している機種も存在する。 8ビット機では、 X1turbo 、 MZ-2500 。16ビット機では PC-9801 シリーズがこれらの仕組みを持っており、キャラクタとして漢字を取り扱うことでグラフィックスプレーンに描画するよりも高速に処理することが可能になっており、 PC-9801 シリーズが日本で普及した一因ともいわれている。 ただし、この実装では、画面に展開するフォントを本体に持っている必要があり、ROM、RAM等のメモリが高価な時代では、オプションであったり、JIS第1水準のみが実装されているケースもあり、その場合、本体に含まれないフォントについては正常に表示されないことになる。 PCG [ 編集 ] キャラクタのパターンを ROM ではなく RAM に保存して書き換え可能にした機能を プログラマブル・キャラクタ・ジェネレータ (Programmable Character Generator: PCG) と称したメーカーもあった。初期のアーケード基板や ファミリーコンピュータ 等のゲーム機におけるタイリング背景も機能や実装としては近似するが、これらの場合はソフトウェアカートリッジなどとセットでROMに書き込まれたものを使用する形であることも多かった。 PCGはキャラクタ単位で管理されるため、定義されたデータを変更した場合、テキストVRAMに定義された表示されるキャラクタに反映されるため、点在する物を同時に書き換えることも可能である。これらを利用し、表示パターン側を再定義することによって、擬似的なスムーススクロールや多重スクロールや、波や、星、水、川の流れ、を表現したり、画面のワイプ処理などに利用することが可能である。 また、 初代MSX規格 や MZ-1500 等ではテキスト画面を拡張する形でグラフィックス表示にも用いられており、前者は画面を三分割にし、画面上の上中下に相当する部分ごとに256種類のパターンと1ラインにつき2色、後者は1024個の定義パターンを任意に配置することでピクセルごとに8色の中から任意の色での ビットマップ 表示を実現している。 X1 ではピクセルごとに8色中任意の色で定義できるパターンを256種持つことができ、上記の機種とは異なりグラフィックスプレーンと重ねて表示することが可能であった。 尚、これらの実装ではパターン書き換えのタイミングには他の回路との調停もあり短時間にダイナミックな変更は難しい物となっていた。 フォントROMを使用した、ハードウェアによる文字表示を行っている表示系で、 外字 機能のために、一部の領域(たとえばPC-9801のある世代以降ではJISの86区と87区に相当する部分)が書き換え可能なRAMになっているものがあった。これも一種のPCGと言える。PC-9801では、文字を、グラフィックの上にスーパーインポーズのようにして表示できたため、ゲームなどでこれを使用しているものがあった。 スプライト [ 編集 ] 文字(当記事における意味)に由来するのか、それともゲーム等の キャラクター に由来するのかは定かではないが、主に 2D のコンピュータゲームにおいて、 キャラクター 表示に用いられる スプライト や、タイル状に敷き詰められ背景表示に用いられる PCG ・BGレイヤーなど、繰り返し表示機能向けに定義された ビットマップ画像 をキャラクタもしくは パターン と呼ぶ。「スプライトパターン」や「BGパターン」、あるいはまとめて「キャラクタパターン」「グラフィックパターン」など。 また、 パラパラマンガ のように アニメーション するよう描かれた一連の画像や表示 シークエンス は「アニメーションパターン」と呼ばれる。典型的なアニメーションパターンは、俗に「爆発パターン」「やられパターン」などと呼ばれることがある。 脚注 [ 編集 ] ^ UTF-8エンコーディングされた文字の型として`char8_t`を追加 - cpprefjp C++日本語リファレンス ^ Character (Java Platform SE 8 ) ^ .NET でのchar文字エンコードの概要 | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] 文字集合 文字コード ASCII Shift_JIS Unicode 文字列 ワイド文字 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集 この項目は、 文字 や 文字学 に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( P:文字 )。 表示 編集 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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ギャング・オブ・フォー (情報工学)
この記事の主題はウィキペディアにおける 独立記事作成の目安 を満たしていないおそれがあります 。 目安に適合することを証明するために、記事の主題についての 信頼できる二次資料 を求めています。なお、適合することが証明できない場合には、記事は 統合 されるか、 リダイレクト に置き換えられるか、さもなくば 削除 される可能性があります。 出典検索 ? : "ギャング・オブ・フォー" 情報工学 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2013年11月 ) コンピュータ関連における Gang of Four (ギャング・オブ・フォー、 GoF )とは、書籍『オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン』(原題: Design Patterns: Elements of Reusable Object-Oriented Software ) の著者である、 エーリヒ・ガンマ 、 リチャード・ヘルム 、 ラルフ・ジョンソン 、 ジョン・ブリシディース の4人を指す。 GoFによる デザインパターン (GoFパターン)は、多数のソフトウェアパターンの中で最も広く知られているものである [ 1 ] 。 脚注 [ 編集 ] ^ 鷲崎弘宜 「 ソフトウェアパターン概観 」『情報処理』第52巻第9号、一般社団法人情報処理学会、2011年9月、1119頁、 2017年6月1日閲覧 。 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
キュー
キューの単純な表現 キュー ( 英 : queue )あるいは 待ち行列 は、 コンピュータ における基本的な データ構造 の一つ。 データ を先入れ先出し [ 1 ] のリスト構造で保持するものである。キューからデータを取り出すときには、先に入れられたデータから順に取り出される。キューにデータを入れることを エンキュー [ 2 ] 、取り出すことを デキュー [ 3 ] という。 プリンター への出力処理や、 ウィンドウシステム における イベント あるいは メッセージ のハンドリング、プロセスの管理など、データを入力された順番通りに処理する必要があるケースに用いられる。また、個々のタスクの実行時間が予測できない、あるいは実行に時間がかかってしまい、即座に(同期的に)実行することができない場合、キューを使っていったんタスクを溜め込んでおき、後からタスクを取り出して非同期で実行する、というような目的で使用できる。 キューの変形として、先頭と末尾の両端から入出力を行えるものを 両端キュー [ 4 ] という。 キューとは逆に後入れ先出し [ 5 ] のリスト構造を持つデータ バッファ を スタック と呼ぶ。 プログラミング言語 によっては、キューを 標準ライブラリ として実装していて、プログラマがキューそのもののプログラムを書かなくても利用できるようになっている。標準ライブラリとして用意されていない場合であっても、他のデータ構造、例えば リンクリスト をキューと見立てて利用することも多い。 優先度付きキュー [ 編集 ] →「 優先度付きキュー 」も参照 キューに追加する要素に優先度をつけ、優先度に基づいて、キュー内でソートするものを 優先度付きキュー という。高速化のための各種アルゴリズムが研究されており、また様々な他のアルゴリズムで間接的に使われている。 キューの応用 [ 編集 ] メッセージキュー : 通信のために使用される メッセージ のキュー。 UNIX では、 msgsnd および msgrcv システム・コール により、それぞれデータを送信および受信できる。データを送信する先は同じ プロセス であってもよいし、他のプロセスであってもよい。 Microsoft Windows では、 メッセージループ を持つスレッドあるいはプロセスに イベント を送信するのに用いられ、 イベント駆動型プログラミング を実現している。特に GUI アプリケーションで必須であり、 プログラム は受信したイベントメッセージを1つずつメッセージループ内で取得し、適切なプロシージャ(イベントハンドラー)に配送し、イベントに対応する動作を実行する。メッセージ情報は MSG 構造体 [ 6 ] によるインターフェイスを介して提供される。 コマンドキュー: ソフトウェアまたはハードウェアに複数のコマンド(命令)を送信して非同期実行させるためのキュー。 例えばグラフィックスハードウェア ( GPU ) との双方向通信には時間がかかるので、 スループット を向上するためにほとんどの描画命令は応答が不要な単方向形式となっており、いったんコマンドキューにキューイングされ、まとめて非同期にバッチ処理される。 コマンドキューはハードウェアに近い デバイスドライバー 層で実装してあり、上位レベルの API や ミドルウェア を利用するアプリケーション層では意識しないで済むこともあるが、下位レベルのAPIではミドルウェアやアプリケーション側で明示的にコマンドキューを利用することもある [ 7 ] 。 タスクキュー: ワーカースレッドやサービスプロセスに委譲する処理を一時的に溜め込んでおくためのキュー [ 8 ] 。 キューマシン [ 編集 ] キューマシン は、中間結果格納用にキューを用いる計算モデルである。 演算はエンキューされたデータを用いて行い、その結果をデキューする。そのため、 スタックマシン と同じように0オペランドの命令で表現することができる。 また、キューマシンは データフロー に沿って命令を実行することになる。これはキューマシンの特徴の一つといえる。 脚注 [ 編集 ] ^ 英 : FIFO ^ 英 : enqueue ^ 英 : dequeue ^ 英 : double-ended queue ^ 英 : LIFO ^ MSG (winuser.h) - Win32 apps | Microsoft Docs ^ Design Philosophy of Command Queues and Command Lists - Win32 apps | Microsoft Docs ^ Queue サービスを作成する | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 キューデータ構造 に関連するカテゴリがあります。 待ち行列理論 スプーリング データ構造 Bufferbloat 外部リンク [ 編集 ] キューの可視化(まとめ) 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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共通型システム
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "共通型システム" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2017年5月 ) 共通型システム (きょうつうかたしすてむ、 英語 : Common Type System 、略称 : CTS)は、 マイクロソフト が開発した .NET Framework 対応の プログラミング言語 で使われる データ型 の統一、もしくは統一された型のこと。整数型などの基本的な データ型 以外に、 クラス や インターフェイス についても定義されている。例えば、 System.Int32 は32ビット符号付き整数型、 System.Int64 は64ビット符号付き整数型などと定められている。これは プラットフォーム 、 オペレーティングシステム (OS) によらず一意に決まっている。 .NET Frameworkに属する全ての言語は、2種類の言語仕様に則っていなければならない。1つがCTSであり、もう一つが 共通言語仕様 (CLS) である。CTSとCLSによって、.NET Framework対応のプログラミング言語間で型の互換性が維持できる。CLSの一例を挙げると、クラスを定義できること、さらにクラス間の継承ができること、つまり、 オブジェクト指向言語 でなければならないことを定めている。 具体例 [ 編集 ] 従来のプログラミング言語では、プラットフォームや言語によって、扱える型の種類や長さが異なっていた。例えば、 Visual Basic 6.0の組み込み整数型である Integer 型や Long 型のサイズはそれぞれ16ビットと32ビットであり、64ビット整数型はサポートされていなかった。 VB.NET では、 Short をSystem.Int16への組み込みエイリアス型、 Integer をSystem.Int32への組み込みエイリアス型、そして Long をSystem.Int64への組み込みエイリアス型として実装している。同様に C# では、 short をSystem.Int16への組み込みエイリアス型、 int をSystem.Int32への組み込みエイリアス型、そして long をSystem.Int64への組み込みエイリアス型として実装している。これにより、各言語は 相互参照 が可能になり、例えば C# で書いた ライブラリ をVB.NETで参照する、あるいはその逆も可能になっている。 なぜ共通型システムが必要か [ 編集 ] 各プログラミング言語はそれぞれ独自のデータ型を組み込む傾向がある。たとえば 文字列 を表す型として、 Visual Basic は組み込みの String 型を用意しているが、内部的に COM の BSTR 構造体 を使っている。 C / C++ では char 型の配列もしくは wchar_t 型の配列を文字列とみなす [ 1 ] 。 STL では std::string および std::wstring クラスを、 ATL / MFC では ATL::CString ( ATL::CStringA / ATL::CStringW ) クラスを提供する。また、C/C++ ( Visual C++ ) の int 型は Win16 環境では16ビット、 Win32 / Win64 環境では32ビットだが、Visual Basicの Integer 型は16ビットである。これらのデータ型は、言語間での互換性がない。 .NET Frameworkの目標の1つは アプリケーション 開発を容易にすることである。.NET Frameworkの前身である COM は、プログラミング言語の壁を超えて ソフトウェアコンポーネント をバイナリレベルで共有・再利用することを可能にする技術だが、開発者にとって多くの頭痛の種をもたらした。 GUID や HRESULT の定義、早期バインディング (early binding) と遅延バインディング (late binding)、 参照カウント の管理、実行環境の スレッディング モデル、そして上述の型の互換性などである。幸い、その状況から開発者を救うためにVisual Basicや ATL といった開発環境やフレームワークが登場し、この複雑さを解消した。例えばVisual Basicでは、適切なGUIDを自動的に生成したり、アプリケーション内で使用されるCOMオブジェクトの参照カウントを自動的に管理したりすることができた。しかし、Visual BasicのCOMの実装には依然として不満な点が多かった [ 要説明 ] 。 これを解決するために、さまざまな言語が共通して持つ型のシステムが考え出された。これが.NET Frameworkの共通型システムである。 型の種類 [ 編集 ] 共通型システムは大別して2つの型をサポートする。 値型 値型はデータを直接的に保持する。値型の インスタンス は スタック に確保されるか、あるいは 構造体 の中に直接確保される。値型には 整数 や 浮動小数点数 といった組み込みのもの(ランタイム内で実装されているもの)、ユーザー定義のもの、そして 列挙型 がある。いずれもCTSでは構造体の一種として扱われる。 参照型 参照型はデータのメモリアドレスへの参照を保持する。参照型のデータは ヒープ に確保される。参照型には自己記述型 (self-describing types)、 ポインタ 型、インターフェイス型があり、自己記述型はさらに 配列型 、クラス型に分けられる。さらにクラス型にはユーザー定義クラス、 ボックス化 された値型、 デリゲート がある。文字列型 System.String はimmutableな参照型として実装されている。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ C11 および C++11 ではさらにchar16_tとchar32_tが定義されるが、本記事では簡単のため言及しない。 関連項目 [ 編集 ] COM 共通言語ランタイム .NET Framework 表 話 編 歴 .NET アーキテクチャ 共通言語基盤 アセンブリ メタデータ マネージコード 基本クラスライブラリ .NET Standard 仮想実行システム Roslyn Native AOT 共通言語基盤 共通言語ランタイム 共通型システム 共通中間言語 動的言語ランタイム 言語 C# Visual Basic .NET F# PowerShell C++/CLI ( マネージ拡張 ) † J# JScript .NET IronPython IronRuby Nemerle Boo PiechPie ( 英語版 ) / † Phalanger † Cω † Spec# パッケージマネージャ NuGet myget ProGet 関連技術 Azure MAUI ( 英語版 ) † Xamarin Blazor Aspire Uno Platform ( 英語版 ) † UWP Avalonia UI ( 英語版 ) WPF WCF WF WCS Windows Forms ASP.NET ADO.NET ASP.NET MVC Framework Entity Framework ClickOnce XAML † Silverlight LINQ † .NET Remoting MSBuild XSP ML.NET ( 英語版 ) Windows UI Library Windows App SDK ( 英語版 ) その他の CLI 実装 † .NET Core .NET Framework Mono シェアードソースCLI Portable.NET .NET nanoFramework .NET Micro Framework .NET Compact Framework † Microsoft XNA 組織 .NET Foundation Microsoft Xamarin 開発環境 Visual Studio Visual Studio Code JetBrains Rider ( 英語版 ) MonoDevelop / Xamarin Studio SharpDevelop その他 async/await MVVM ReactiveX ( 英語版 ) カテゴリ
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競合状態
ウィキペディアにおける編集の競合については、「 Help:編集の競合 」をご覧ください。 競合状態 (きょうごうじょうたい、 英 : race condition 、 レースコンディション 、または 英 : race hazard 、 レースハザード )は、 システム や処理過程における欠陥であり、処理過程の出力結果がイベントなどの順序やタイミングと予期しない(かつ危険な)依存関係にある場合をいう。本来の意味は、2つの電気信号が競合していずれかが出力に影響を与える状態である。 競合状態は設計の不十分な 電子工学 システム、特に 論理回路 で発生するが、 コンピュータ ソフトウェア でもよく発生する。 この問題の最も厄介なところは、毎回誤った動作結果になるわけではなく、タイミングによっては正常に動作してしまう場合もある、ということである [ 1 ] 。そのため、原因が判明しにくく対処の難しい不具合(バグ)を引き起こす。 電子工学 [ 編集 ] 競合状態の典型例は 論理回路 システムで入力が変化するときに発生するものである。ある出力が入力の状態に依存する場合、それは定常状態の信号に関して定義されるだけかもしれない。入力の状態が変化するとき、電子システムの物理特性によって出力が変化するまである程度の遅延が生じる。その間、出力は定義された状態以外の不安定な状態となる可能性がある。このような一時的な障害を許すシステムもあるが、例えばその出力信号が他のメモリなどを含むシステムのクロックとして使用される場合、システムは設計されたものとは異なった振る舞いをするかもしれない。 例えば、2入力ANDゲートで論理信号 X とその否定 NOT X を入力にしている場合を考えてみる。理論上、その出力(X AND NOT X)はONになることはない。しかし、信号 X がそのまま入力される側と NOT ゲートを通して入力される側で遅延時間に差があった場合、短い時間ではあるが、一時的にANDゲートの出力がONになることがある。 適切な設計技法により設計者は競合状態を認識して事前にそれを排除することができる( カルノー図 )。他にも 準安定状態 (metastable state) が発生することもある。 情報処理 [ 編集 ] 情報処理における競合状態は「イベントタイミングへの予期せぬ依存が引き起こす異常な振る舞い」である [ 2 ] 。特に複数の プロセス や スレッド が通信しながら動作する場合( 並行計算 )に発生するが、たとえ単一スレッドで動作している場合であっても、 イベント駆動型プログラミング のような非同期処理によって複数の処理の実行順序が前後することや、 シグナル による 割り込み が原因で発生することもある。 以下は「read-modify-write」(「状態読み込み、変更、状態書き込み」を意味する典型的な処理)で発生する競合状態の例である。 並行動作する2つのスレッド T1 と T2 がそれぞれ 整数型 の共有変数( グローバル変数 ) i を 1 ずつインクリメントしていくとする。理想的には以下のような順序で処理したい。 Integer i = 0; T1 が i の値を読み、レジスタに格納する : 0 T1 が i の値をインクリメントする : (i の現在値) + 1 = 1 T2 が i の値を読み、レジスタに格納する : 1 T2 が i の値をインクリメントする : (i の現在値) + 1 = 2 この例では、i の最終的な値として 2 を期待している。しかし、二つのスレッドは並行に動作し、ロックや同期などの機構を使用しないため、処理結果は間違ったものとなる可能性がある。以下にそのような場合のシナリオを示す。 Integer i = 0; T1 が i の値を読み、レジスタに格納する : 0 T2 が i の値を読み、レジスタに格納する : 0 T1 が i の値をインクリメントする : (i の現在値) + 1 = 1 T2 が i の値をインクリメントする : (i の現在値) + 1 = 1 i の最終値は期待されている 2 ではなく 1 となる。 以下は「check-then-act」(「条件の確認(check)、それに続く(then)条件に応じた動作(act)」を意味する典型的な処理 [ 3 ] )で発生する競合状態( Time of check to time of use [ 4 ] )の例である。二つのタスクを示す 擬似コード である。 global integer A = 0; // A の値をインクリメントして "RX" を表示する // 端末からの割り込みが発生するたびに起動されるものとする task Received() { A = A + 1; print "RX"; } // A が偶数のときだけそれを表示する // 1秒間隔で起動されるものとする task Timeout() { if (A is divisible by 2) { print A; } } 出力結果は以下のようになるだろう: 0 0 0 RX RX 2 RX RX 4 4 ここで、以下のような順序でイベントが発生する場合を考える: タイムアウトによってタスク Timeout が起動される。 タスク Timeout が A を調べ、偶数だったので、次の "print A" を実行しようとする。 端末から割り込みが発生し、タスク Received に切り換えられる。 タスク Received が最後まで動作し、A をインクリメントして "RX" を表示する。 制御がタスク Timeout に戻される。 そのタスクは A を表示するが、そのときに A の現在値を使用するため、5 が表示されてしまう。 ミューテックス は、並行プログラミングにおけるこのような問題に対処するために使われる。 競合状態と似た概念として、 データ競合 ( 英 : data race )がある。データ競合は単一のデータに対する同時読み書きが非一貫性を引き起こす現象のことを指す。データ競合はそのデータへのアクセスをプロセッサが持つアトミック命令のような粒度の小さい 排他制御 で保護することによって回避できるが、競合状態も回避できるとは限らない。 アトミック操作 でなければならない金融 トランザクション のように、動作のタイミングによらず処理結果の一貫性を保つ必要がある場合は、より粒度の大きい排他制御が可能なミューテックスなどの同期・調停機構を使う必要がある。 競合状態の実例 [ 編集 ] ファイルシステム [ 編集 ] ファイルシステム における ファイルロック は一般的解決法を提供する。もっと面倒だが根本的な解決策としては、あるファイルについてひとつのプロセスが排他的なアクセス権を持ち( デーモン のような動作をする)、他のプロセスがそのファイルにアクセスしたいときは プロセス間通信 でそのプロセスに依頼するという方式が考えられる(もちろん、その際にプロセスレベルの同期が必要である)。 ネットワーク [ 編集 ] ネットワークでは、 IRC のような分散チャットネットワークがあり、ユーザーは新たなチャンネルを開始させるとそのオペレータ特権を得る。異なるサーバを使用中の2人のユーザーが同じ名前のチャンネルを同時に作成しようとする場合、それぞれのサーバは対応するユーザーそれぞれにオペレータ特権を与えてしまう。これは別のサーバからの信号が届く前に特権を与えてしまうことから発生した。なお、現在では多くのIRCサーバの実装でこの問題が解決されている。 この場合の競合状態では、 リソース 共有のコンセプトでネットワークの状態を隠して、各サーバが自由に状態を変更した後でネットワーク上のサーバにその変化を通知している。しかし、ネットワークによる遅延(レイテンシ)があるためにこのような競合状態が発生するのである。この競合状態を解決するには、何らかの中心となるシステムを用意してチャンネルの生成と特権の付与を集中管理する必要がある。ユーザーがそのような解決策を受け入れられない場合、競合状態を検出して後からそれを訂正するなどの処理が必要となる。 人命に関わるシステム [ 編集 ] 競合状態が致命的な問題を引き起こした事例として、放射線療法機器 セラック25 (Therac-25)の事故がある。この装置の制御をつかさどるリアルタイムOSには、競合状態によって引き起こされるバグが存在していたが、この判明しにくいバグが原因で、操作コマンドを素早く打ち込んだ場合、セラック25ではX線用の金属製ターゲットをきちんと配置しないまま高エネルギーの放射線を照射する設定が可能になっていた [ 5 ] [ 6 ] 。そもそもこの装置は、従来機に搭載されていた電気機械式の安全保護装置(ハードウェア・ インターロック )を取り除いてソフトウェア制御に置き換えてしまっていた。結果として顕在化したソフトウェアのバグが牙をむき出し、6件の重大な被ばく事故を引き起こし、5人の患者が死亡することになった [ 7 ] 。 他の例として、オハイオ州の FirstEnergy 社の電力管理システムの事故がある。このシステムは警報装置に競合状態を発生する問題があった。3本のたるんだ送電線が同時に外されたとき、競合状態が発生して監視要員に警報が届かなかった。このソフトウェア上の問題によって 2003年北アメリカ大停電 が発生した。 コンピュータセキュリティ [ 編集 ] 述語(例えば認証のための真理値を返す演算子か関数)のチェックと使用にかかわる競合状態というものがある。チェック時点と使用時点で状態を変更できるなら、競合状態が発生する。このような競合状態を発生させるバグが コンピュータセキュリティ に関わるコードに存在すると、 セキュリティホール になる可能性がある。例えば、ファイルのアクセス権をチェックした後で実際のファイルオープンをする場合(あくまでも オペレーティングシステム 内のこと)、チェックとオープンの間にファイルをすりかえる(例えば シンボリックリンク にする)と通常アクセスできないファイルにアクセスできる(これは、オペレーティングシステムにバグがある場合の話であって、一般に可能という話ではない)。 非同期有限状態機械 [ 編集 ] 常に1ビットだけ入力が変化すると仮定している非同期 有限状態機械 は、同時に複数の入力ビットが変化すると障害が発生する。これに対する解決策としては、マシンを設計する際に各状態が検知する入力ビットの変化を1ビットに限定することである。 種別 [ 編集 ] 静的競合状態 ある信号とその否定信号が入力として与えられるときに発生する可能性がある。 動的競合状態 一回の遷移が期待されているときに多重遷移が発生する。これはゲート間の相互作用で発生する。2段階より多いゲートを使わないことで防ぐことができる。 基本競合状態 全体のフィードバック伝播時間より短い間隔で2回入力が変化すると発生する。入力信号に何らかの遅延要素を取り入れることで解決する場合がある。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ 競合状態(レースコンディション)とは - 意味をわかりやすく - IT用語辞典 e-Words ^ Anomalous behavior due to unexpected critical dependence on the relative timing of events. FOLDOC. (2002) race condition . ^ In this idiom, the code first checks a condition, and then acts based on the result of the condition. Yu Lin, et al.. (2013) CHECK-THEN-ACT Misuse of Java Concurrent Collections. 10.1109/ICST.2013.41 ^ Secure programs must determine if a request should be granted, and if so, act on that request. There must be no way for an untrusted user to change anything used in this determination before the program acts on it. This kind of race condition is sometimes termed a time of check - time of use (TOCTOU) race condition. Secure Programming HOWTO ^ 「史上最悪のソフトウェアバグ」ワースト10を紹介(上) | WIRED.jp ^ History's Worst Software Bugs | WIRED ^ ソフトウェアのバグによって6件の重大な放射線事故が引き起こされた「セラック25事故」とは? - GIGAZINE 関連項目 [ 編集 ] 同期 (計算機科学) 並行性制御 排他制御 特異なバグ データ競合 外部リンク [ 編集 ] IPA セキュア・プログラミング講座 レースコンディションの一般的対策 C/C++言語編 synchronized とレースコンディション セキュアJavaプログラミング Unix のレースコンディション セキュアUnix/Linuxプログラミング 参考文献 [ 編集 ] bmurphy1976, et al.. (2008). What is a race condition? Stack Overflow David A. Wheeler. (2015). Avoid Race Conditions . Secure Programming HOWTO, 7:11. Article " Secure programmer: Prevent race conditions—Resource contention can be used against you " by David A. Wheeler
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%87%9D%E9%9B%86%E5%BA%A6
凝集度
凝集度 (ぎょうしゅうど、コヒージョン、cohesion)とは、 情報工学 において モジュール 内の ソースコード が特定の機能を提供すべく如何に協調しているかを表す度合いである。 IPA が実施する 情報処理技術者試験 では、 強度 (きょうど、ストレングス、strength)という言葉が使われる。凝集度は 順序尺度 の一種であり、「凝集度が高い」とか「凝集度が低い」といった言い方で使われる。凝集度の高いモジュールは、堅牢性、信頼性、再利用性、読みやすさなどの点で好ましく、凝集度の低いモジュールは保守/評価/再利用/読解が難しいため好ましくないとされる。 凝集度は 結合度 と組み合わせて議論されることが多い。凝集度が高いモジュールは他との結合度が低いことが多く、逆に凝集度が低ければ結合度が高くなる傾向がある。ソフトウェアの品質を凝集度と結合度で表す手法は、 Wayne P. Stevens ( 英語版 ) 、 Glenfold J. Myers ( 英語版 ) 、 ラリー・コンスタンチン ( 英語版 ) が定義したもので、「良い」プログラミングの実例の特徴を探るためにIBMで彼らが指揮したいくつかのソースコード解析から生まれた。 高い凝集度 [ 編集 ] 凝集度は、あるコードがどれだけそのクラスの責任分担に集中しているかを示す定性的な尺度である。 オブジェクト指向プログラミング では、 クラス の凝集度を高めるようにそのクラスの責任範囲を設定することが有益とされている。凝集度の高いシステムでは、コードの読みやすさと再利用の容易さが増し、複雑さが管理可能な程度に抑えられる。 凝集度は次のような場合に低下する: クラスの責任範囲(メソッド群)に共通性がほとんどない。 メソッドが様々なことを行い、しばしば 粒度の粗い データや全く関係のないデータ群を扱う。 凝集度が低い(弱い)場合の欠点は次の通りである: モジュール群を理解することが難しくなる。 システムの保守が難しくなる。ある論理的修正が複数のモジュールにまたがって影響する可能性が増すためである。 モジュールの再利用が難しくなる。凝集度の低いモジュールの提供する API には一貫性がないことが多いため。 凝集度の分類 [ 編集 ] 凝集度は品質尺度であり、ソースコードを調査検討することで凝集度の程度が分類される。低い凝集度から高い凝集度までを以下のように分類できる: 偶発的凝集(Coincidental Cohesion)「最悪」 適当(無作為)に集められたものがモジュールとなっている。モジュール内の各部分には特に関連性はない(例えば、よく使われる関数を集めたモジュールなど)。 論理的凝集(Logical Cohesion) 本質的には異なるが論理的には同じことを行うと分類される処理を集めたモジュール (例えば、全てのマウスとキーボードの入力処理ルーチンをグループ化する、または全てのモデル、ビュー、コントローラーをそれぞれのフォルダーに集めるなど)。 時間的凝集(Temporal Cohesion) 動作させたときにモジュール内の各部分が時間的に近く動作する(例えば、ある例外を受けたときに動作するルーチンとして、ファイルをクローズするルーチン、エラーログを作成するルーチン、ユーザーに通知するルーチンなどを集めたモジュール)。 手続き的凝集(Procedural Cohesion) いくつかの処理が常に決まった順番で呼ばれるために集められたモジュール(例えば、ファイルのパーミッションをチェックしてからファイルをオープンするなど)。 通信的凝集(Communicational Cohesion) 同じデータを扱う部分を集めたモジュール(例えば、同種のレコードの情報を操作するルーチンを集めたモジュールなど)。 逐次的凝集(Sequential Cohesion) ある部分の出力が別の部分の入力となるような部分を集めたモジュール(例えば、全体としてあるファイルを読み込んで処理をするモジュール)。 機能的凝集(Functional Cohesion)「最善」 単一のうまく定義されたタスクを実現するモジュール(例えば、角度の サイン を計算するモジュール) 凝集度は必ずしも上記の順に高いとか低いと言えるものではない。Larry Constantine や エドワード・ヨードン や他の人々の研究によると、上記の最初の2つは他の凝集よりも劣っており、通信的凝集以下の3つはそれ以外よりも優れている。いずれにしても7番目の機能的凝集が最も優れているとされる。 機能的凝集が最も好ましいとしても、現実には実現できない場合があるだろう。状況によっては通信的凝集が最善であることも多い。いずれにしても通信的凝集以下の3つの凝集では、モジュールを構成するコードが特定の機能を実現するために集中していて無駄がない傾向が強く、様々な状況で再利用の可能性が広がる。 参考文献 [ 編集 ] Yourdon, E.; Constantine, L L. (1979年). Structured Design: Fundamentals of a Discipline of Computer Program and Systems Design . copyright 1979 by Prentice-Hall. Yourdon Press 関連項目 [ 編集 ] 結合度 モジュール ソフトウェア測定法 外部リンク [ 編集 ] Cohesion metrics
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8C%E7%95%AA%E5%8F%B7
行番号
この記事には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2023年9月 ) 行番号 (ぎょうばんごう、 英 : line number / row number )とは、 テキストファイル や スプレッドシート の各行に割り振られる番号である。 また、古典的な プログラミング言語 の中には 行 頭に番号を打つことで 命令文 を区切る方式の仕様となっているものがあり、 FORTRAN や初期の BASIC 等に見られる。 概要 [ 編集 ] プレーンテキスト ファイルの場合は、一般的にLFやCR+LFなどの 改行コード ごとに行が区切られ、 テキストエディター ではこの区切りをもとにして0または1から始まる行番号(論理行番号)が内部的に割り振られる。ほとんどのテキストエディターは画面左側に行番号を表示でき、表示/非表示を切り替えることもできる。カーソル位置の行番号と桁番号 [ 注釈 1 ] ( 英 : column number )は ステータスバー などに表示される。プログラミング言語のソースコードはプレーンテキストによって記述されるが、言語処理系( コンパイラー や インタープリター )はエラーや警告のメッセージを該当箇所の行番号と桁番号を含む形で出力し、また デバッガー などが参照するシンボル情報はオブジェクトコードとソースコードを対応付けるときにソースコードの行番号を利用する。 統合開発環境 に搭載されているコードエディターも、行番号を表示したり [ 1 ] 、指定した行位置にジャンプしたりする機能を備えている [ 2 ] 。 しかし、ウィンドウの幅に応じて自動的に行の折り返し表示をするとき、設定によって見かけの行番号(表示行番号)を画面左側に表示できるものも存在する [ 3 ] 。この行折り返し機能と見かけの行番号を最初に搭載したのは、 メガソフト による国産テキストエディター MIFES だった。これらは日本語の文字原稿を ワードプロセッサー で作成するときに便利な機能であり、日本語のテキストエディターでは欠かせないものだったため、プログラミング用途以外でも人気を博した [ 4 ] 。 Microsoft Word などにも、改行ではなく文書の幅に応じた折り返しに基づいて行番号を文書中に表示できる機能が搭載されている [ 5 ] 。 表計算ソフト (スプレッドシート)で使われるデータ構造は、m×nの2次元の表形式だが、数学の 行列 に見立てて、縦方向(Y方向)の番号は行番号( 英 : row number )、横方向(X方向)の番号は列番号( 英 : column number )と呼ばれる。ただし画面表示上は、列番号には数値ではなくAから始まるアルファベットが使われることが多い。 プログラミング言語のラベルとしての行番号 [ 編集 ] 構造化されていない、古典的な BASIC のコードは以下のようなものである。 10 A = 2 20 B = 3 30 PRINT A + B goto文 などジャンプ系の命令文では、 ラベル の代用にも使われる。本来FORTRANの行番号はラベルの用途であり、全ての行に番号を付ける必要は無かった。 BASICは教育用途の言語であるため、命令が順次処理される様子を分かりやすく表現するようそのような形態になったものと思われる [ 独自研究? ] 。この特徴は「BASIC最大の設計ミス」と批判されることが多く、のちに登場した「構造化BASIC」では廃止され、姿を消している [ 注釈 2 ] 。 40 goto 10 BASIC では命令文を打ち込んで改行すると適度な数字間隔(主に10刻み)で自動に行番号を打ち込む仕様(自動的な行番号の採番はAUTO命令によって制御できる処理系もある)になっているため、行間に命令文を追加する場合には、手動でその間の行番号を打ち込む(10と20の間で15、など)。 また、 スクリーンエディタ 機能が未発達だった初期のコンピュータのBASICなどは行番号を指定してプログラム内容の表示、編集を行う ラインエディタ 指向での範囲指定という性格もある。そのためにLIST(指定した行番号の範囲のリストを表示する)、RENUM(行番号を一定間隔で振りなおす)といった命令も存在している。 たとえば、行番号に依存したBASIC処理系で、上記プログラムの行番号20のB=3をB=4と編集する場合には以下のように作業する。 LIST 20 と入力して、行番号20の内容を表示させる その下の行に 20 B=3 という現在のその行の内容が表示される カーソルを移動させ、 3 を 4 に編集する エンターキーを押下する。これにより、メモリ内の行番号20の内容が置き換わる。 今日 [ いつ? ] では、スクリーンエディタが発達しているため、 最近 [ いつ? ] の言語処理系ではこのような作業のために行番号が使われることはなくなった。 構造化プログラミングとの関係 [ 編集 ] 行番号と goto文 を用いるスタイルの プログラミング では、プログラムの規模が大きくなり、goto文をいくつも組み合わせるようになると処理の流れを追いにくくなるなどの欠点があった(→ スパゲティプログラム )。 Pascal や C言語 に代表される後発の言語では、文の区切りや複文ブロック、 サブルーチン などの記述仕様を工夫することによって、条件分岐やループ、サブルーチン呼び出しなどでジャンプする際に行番号とgoto文を使用しない専用構文を採用するようになった。これにより、純粋なアルゴリズムに専念した 制御構造 を記述できるようになり、プログラムの可読性とメンテナンス性を向上させる 構造化プログラミング が可能となった。構造化プログラミングに対応したBASIC(構造化BASIC)は行番号を使わない言語仕様となっている。 →「 構造化プログラミング 」も参照 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 桁位置とも。 ^ Visual Basic (VB) や Visual Basic .NET (VB.NET) などは構造化BASICの子孫である。 出典 [ 編集 ] ^ コードの行番号を表示する - Visual Studio (Windows) | Microsoft Learn ^ [指定行へのジャンプ] - Visual Studio (Windows) | Microsoft Learn ^ その他編 #4 TIPS質問箱-テキストエディタ MIFES Ver.7.0 TIPS ^ 【元麻布春男の週刊PCホットライン】価格とライセンスが見直された新MIFESを試す - PC Watch ^ 行番号を追加または削除する - Microsoft サポート 関連項目 [ 編集 ] goto文 ラベル 構造化プログラミング 制御構造 プログラミング作法
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E6%9C%89%E3%83%A1%E3%83%A2%E3%83%AA
共有メモリ
情報処理 において 共有メモリ (きょうゆうメモリ)とは、複数のプログラムが同時並行的にアクセスする メモリ である。 概要 [ 編集 ] 3つのプロセッサによる共有メモリシステムの図。 複数のプログラム間の通信手段として使う場合と、単に複製を用意する冗長さを防ぐ目的の場合などがある。共有メモリはプログラム間でデータをやりとりする効率的手段である。文脈によって、それらプログラムが単一のプロセッサ上で動作する場合と複数の異なるプロセッサ群上で動作する場合がある。単一のプログラムの内部でメモリを使って通信する場合もあり、例えば マルチスレッド が典型的だが、仮想空間をもともと共有している場合は「共有メモリ」とは呼ばない。 ハードウェアによる共有メモリ [ 編集 ] コンピュータの ハードウェア による 共有メモリ は、 マルチプロセッサシステム における複数の CPU がアクセスできる RAM の(通常)大きなブロックを意味する。 共有メモリシステムでは、全プロセッサがデータを共有しているためプログラミングが比較的容易で、同じメモリ位置へのアクセスによって高速なプロセッサ間通信が可能である。問題は、CPUはなるべく高速なメモリアクセスを必要とするため、それぞれに キャッシュメモリ を持っていることが多い点である。そのため、以下の2つの問題が生じる。 CPU-メモリ間が ボトルネック になりやすい。共有メモリ型コンピュータはあまりプロセッサ数を増やせない(CPUを増やしてもCPU数に比例して性能が強化されなくなる)。多くの場合、10個かそれ以下のプロセッサ数である。 キャッシュコヒーレンシ 問題。あるキャッシュ上であるメモリ位置の情報が更新され、それを他のプロセッサが必要とする場合、その更新を他のプロセッサにも反映させなければならない。さもないとそれぞれのプロセッサが一貫していないデータを使って動作することになる。そのためのプロトコルをコヒーレンシプロトコルと呼び、それがうまく機能すれば複数のプロセッサが高速に共有メモリ(上の情報)にアクセスできるようになる。しかし一方で、コヒーレンシプロトコルがオーバーヘッドとなり、性能のボトルネックになることもある。 ボトルネック問題を和らげる技術として、 クロスバースイッチ 、 オメガネットワーク ( 英語版 ) 、 HyperTransport 、 CPUバス の分離( フロントサイドバス とバックサイドバス、等)などがある。 共有メモリ以外の方式として 分散メモリ ( 英語版 ) や 分散共有メモリ があるが、どちらにも似たような問題がある。また、 NUMA も参照。 GPU内の共有メモリ [ 編集 ] GPGPU に対応したモダンな GPU は、GPUのスレッドブロック(ワークグループ、スレッドグループ)内でのみアクセス可能な共有メモリ(ローカルメモリ、グループ共有メモリ)を有している。この共有メモリは、 VRAM 上に確保されるグローバルメモリと比べると小容量だが高速であり、アプリケーションコードから操作可能なキャッシュメモリの役割を果たす [ 1 ] 。 CUDA 、 OpenCL 、 DirectCompute のようなAPIは、それぞれ名称は異なるものの、このGPU共有メモリを利用する機能を持ち、グローバルメモリから読み出したデータをGPUのスレッドブロック内で共有したり、計算結果を交換したりする用途に活用することで、高速化を図ることができる。 ソフトウェアによる共有メモリ [ 編集 ] ソフトウェアにおける 共有メモリ は、以下のいずれかを意味する。 プロセス間通信 (IPC) の技法の一つ。同時に動作しているプログラム間でデータを交換する方法である。1つの プロセス がメモリ上に他のプロセスからもアクセスできる領域を作成する。 通常、アクセスする主体ごとにコピーを用意するようなデータがあるとき、 仮想記憶 機構や何らかの明示的プログラム機構を使ってそれらが同じ実体(物理メモリ)をアクセスするようマッピングすること。 共有ライブラリ や XIP (Execute in Place) でよく使われる。 スレッド 実装の一方式 プロセス群は共有メモリ領域に通常のメモリ領域と同じようにアクセスできるので、他のプロセス間通信( 名前付きパイプ 、 ソケット 、 CORBA など)と比較して通信手段としては非常に高速である。しかし、プロセス群が同じマシン上で動作しなければならないという制約があり(他のIPC手段はネットワーク上でも機能する)、プロセスが別々のCPU上で動作する場合はハードウェアによる共有メモリを使っていることになり、 キャッシュコヒーレンシ などに注意が必要となる。プロセス間の通信が FIFO な ストリーム 型の場合は、名前付き パイプ も通信手段として検討すべきである。一般に共有メモリ自体は保護機能をもたないので動作は高速である。しかし共有されるメモリは不定のタイミングで複数のプロセスからアクセスされる可能性がある。競合を避ける為には セマフォ やロックなどで競合を回避しなければならない。 共有メモリによるIPCは、例えば UNIX 上の Xサーバ とアプリケーションの間で画像を転送する場合や、 Windows の COM ライブラリで CoMarshalInterThreadInterfaceInStream() 関数が返す IStream オブジェクトの内部で使われている。一般的に共有メモリが使われるアプリケーションとして Oracle などのデータベースがある。Unix版OracleではSGAと呼ばれる共有メモリ空間にデータベースバッファキャッシュがおかれて複数のプロセスからアクセスさせて性能の向上を図っている。 動的ライブラリ は一度メモリ上に置かれると、それが複数のプロセスにマッピングされ、プロセスごとにカスタマイズされるページ群(シンボル解決に違いが生じる部分)だけが複製され、通常 コピーオンライト という機構で、そのページに書き込もうとしたときにコピーが行われる。 UNIXでのサポート [ 編集 ] POSIX には共有メモリの標準化APIとして POSIX Shared Memory がある。これは、sys/mman.h にある shm_open という関数を使う [ 2 ] 。POSIXのプロセス間通信(POSIX:XSI拡張の一部)には共有メモリ関数として shmat 、 shmctl 、 shmdt が含まれている [ 3 ] [ 4 ] 。 shm_open で生成された共有メモリは永続的であり、プロセスが明示的に削除しない限りシステム内に存在し続ける。ただしこれには欠点もあり、共有メモリを削除すべきプロセスがその前に異常終了したとき、その共有メモリがシステムのシャットダウンまで残存し続けることになる。そのような問題を避けるには、 mmap を使って共有メモリを作成すればよい [ 5 ] 。2つの通信しあうプロセスが同じ名前の一時ファイルをオープンし、それに対してmmapすることでファイルをメモリにマッピングする。結果として、メモリマップされたファイル( メモリマップトファイル )への変更はもう一方のプロセスからも同時に観測できる。この技法の利点は、両方のプロセスが終了したとき、OSが自動的にファイルをクローズし、共有メモリを削除する点である。 Linuxカーネル 2.6 では、 RAMディスク 形式の共有メモリとして /dev/shm が導入された。より正確に言えば、誰でも書き込めるメモリ内のディレクトリであり、その容量の上限は /etc/default/tmpfs で指定できる。/dev/shm 機能サポートはカーネルの 設定ファイル で指定でき、デフォルトでは無効となっている。なお、 RedHat や Debian ベースのディストリビューションではデフォルトで有効になっている。 Androidでのサポート [ 編集 ] Android では Linux カーネルを使用しているが、IPC 関係が一部無効になっており、独自に開発した(現在はLinuxカーネルに入っている)ashmem (anonymous shared memory) を使用している。メモリが不足したときにカーネルが解放する仕組みがあり、解放されないようにするには、 ashmem_pin_region() を使い指定する。 Windowsでのサポート [ 編集 ] Microsoft Windows では、 Win32 API の CreateFileMapping() 関数を使って共有メモリ( メモリマップトファイル )を作成することができる [ 6 ] 。クライアント側プロセスは OpenFileMapping() 関数を使って、ホスト側プロセスにて作成済みの共有メモリのハンドルを取得することができる。共有メモリを各プロセスのアドレス空間にマッピングするには MapViewOfFile() 関数を使う。 なおWindows APIには、 CreateSharedMemory() [ 7 ] [ 8 ] など “-SharedMemory” の名前を持つ関数があるが、これはセキュリティ関連のAPIであり、メモリ共有のためのAPIではない。これをメモリ共有のために使用すれば、リソースを大量に消費しシステムリソースを使い果たす可能性がある。 プログラミング言語ごとのサポート [ 編集 ] 一部の C++ ライブラリは、共有メモリ機能への移植性の高いオブジェクト指向的なアクセスを提供している。例えば、 Boost C++ライブラリ には Boost.Interprocess があり [ 9 ] 、 POCO C++ Libraries には Poco::SharedMemory、 Qt には QSharedMemory クラスがある [ 10 ] 。 PHP では POSIX で定義している関数群とよく似た共有メモリ用APIが存在する [ 11 ] 。 .NET Framework はバージョン4で System.IO.MemoryMappedFiles.MemoryMappedFile クラス [ 12 ] を標準化した。 .NET Core あるいは Xamarin ( Mono ) を通じて、Windows以外の他のプラットフォームでも利用できる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ CUDAプログラミングの基本 / パート II - カーネル | NVIDIA ^ Documentation of shm_open from the Single UNIX Specification ^ Robbins, Kay A.; Steven Robbins (2003). UNIX systems programming: communication, concurrency, and threads (2 ed.). Prentice Hall PTR. p. 512. ISBN 978-0-13-042411-2 . https://books.google.co.jp/books?id=tdsZHyH9bQEC&redir_esc=y&hl=ja 2011年5月13日閲覧 . "The POSIX interprocess communication (IPC) is part of the POSIX:XSI Extension and has its origin in UNIX System V interprocess communication." ^ Shared memory facility from the Single UNIX Specification. ^ Stevens, Richard (1999). UNIX Network Programming, Volume 2, Second Edition: Interprocess Communications. (2 ed.). Prentice Hall PTR. p. 311. ISBN 0-13-081081-9 ^ Creating Named Shared Memory - Windows applications | Microsoft Docs ^ CreateSharedMemory function (Windows) , Internet Archive ^ LSA_CREATE_SHARED_MEMORY (ntsecpkg.h) - Win32 apps | Microsoft Learn ^ Chapter 16. Boost.Interprocess - 1.80.0 ^ QSharedMemory Class Reference ^ PHP 共有メモリ関数 ^ MemoryMappedFile Class (System.IO.MemoryMappedFiles) | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] 分散共有メモリ グローバル変数 ユニファイドメモリアーキテクチャ 学習参考書 [ 編集 ] Julian Shun: "Shared-Memory Parallelism Can be Simple, Fast, and Scalable", ACM books, ISBN 978-1-97000-191-4 , doi : 10.1145/3018787 (2017). 外部リンク [ 編集 ] shm_overview(7) – JM Project Linux Overview, Conventions and Miscellanea マニュアル IPC:Shared Memory by Dave Marshall Shared Memory Introduction , Ch. 12 from book by Richard Stevens "UNIX Network Programming, Volume 2, Second Edition: Interprocess Communications". 表 話 編 歴 並列計算 総論 クラウドコンピューティング グリッド・コンピューティング 高性能計算 コンピュータ・クラスター 分散コンピューティング 並列レベル タスク データ ビット 命令 スレッド スーパースレッディング ( 英語版 ) ハードウェアマルチスレッディング 同時マルチスレッディング ハイパースレッディング SIMT 理論 アムダールの法則 グスタフソンの法則 コスト効率性 ( 英語版 ) Karp-Flatt metric ( 英語版 ) Parallel slowdown ( 英語版 ) Speedup ( 英語版 ) 要素 スレッド ファイバー プロセス PRAM Instruction window ( 英語版 ) 調整 キャッシュコヒーレンシ 同期 バリア マルチプロセッシング メモリコヒーレンス キャッシュ無効化 Application checkpointing ( 英語版 ) プログラミング スレッド (コンピュータ) 並列プログラミングモデル Implicit ( 英語版 ) Explicit ( 英語版 ) 並行性 フリンの分類 SISD SIMD MISD MIMD SPMD ( 英語版 ) Lock-freeとWait-freeアルゴリズム 累積和 ハードウェア スーパーコンピュータ スーパースカラー ベクトル計算機 マルチプロセッシング 対称型 非対称型 ( 英語版 ) マルチコア メモリ NUMA COMA ( 英語版 ) 分散型 ( 英語版 ) 共有型 分散共有型 MPP Beowulf API Ateji PX ( 英語版 ) Boostスレッド C++ AMP Charm++ ( 英語版 ) Cilk ( 英語版 ) Coarray Fortran ( 英語版 ) CUDA Dryad ( 英語版 ) Global Arrays ( 英語版 ) Intel Cilk Plus ( 英語版 ) Intel Threading Building Blocks MPI OpenACC OpenCL OpenHMPP ( 英語版 ) OpenMP PVM POSIXスレッド UPC 問題 Embarrassingly parallel ( 英語版 ) Grand Challenge ( 英語版 ) Software lockout ( 英語版 ) 並行計算 カテゴリ:並行計算 カテゴリ:並列コンピューティング 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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予約語
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "予約語" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年9月 ) 予約語 ( 、 英 : reserved word )とは、 プログラミング言語 などの人工言語の仕様に定められているもので、ユーザープログラムの開発者が自分で付ける 識別名 としては利用できない特定の 文字列 のこと [ 1 ] 。たとえば変数名や関数名などに使用することができない、とあらかじめ定められた文字列(単語、 字句 など)のこと [ 1 ] 。あるいは、プログラミング言語などにおいて、固定された意味を持っており、その結果、プログラマーの側ではその意味を再定義できない語 [ 2 ] [ 3 ] 。 概要 [ 編集 ] 予約語と似た言葉に「キーワード」( keyword ) があるが、プログラミング言語の種類、また文脈によってreserved wordとkeywordは全く違う意味を持ちうるので、両者は異なる用語・概念と扱われている場合が多い。 キーワードであっても予約語でないこともあるし、その逆もある。たとえば ECMAScript (ECMA-262) 5th Edition (ES5) では、 class や extends は予約語だが言語で使われておらずキーワードではない。しかしECMA-262 6th Edition (ES6) では新たにサポートしたクラス構文のために使われるキーワードとなった。ECMA-262 では、キーワードは予約語の部分集合で、言語で制御構造などの意味を持つ予約語がキーワードである。 Java では言語で使われていない goto や const もキーワードである [ 4 ] 。 SQL には予約されたキーワードと予約されていないキーワードがある。例にも出てきたように、個々の規格によっても両者それぞれ微妙に意味が違うこともある。 なお、 FORTRAN や PL/I のように予約語を持たないプログラミング言語もある。 「予約されたキーワード」( reserved keywords ) や「予約されていないキーワード」( unreserved keywords ) という用語が使用されている場合もある [ 5 ] [ 6 ] 。 共通言語基盤 (CLI) 向けの 共通言語仕様 (CLS) にしたがって実装された C# や VB.NET では、キーワードを識別子として利用する構文が用意されている。 C#では @class などのように先頭に @ をつけることで識別子として利用することができる [ 7 ] 。 VB.NETでは [Class] などのように [...] で囲むことで識別子として利用することができる [ 8 ] 。 F# では ``class`` などのように ``...`` で囲むことで識別子として利用することができる [ 9 ] 。 上記の機能は、CLSを満たす他の.NET言語で記述されて アセンブリ に公開されたシンボルの名前を使う場合などでも有用である。例えばC#では Dim はキーワードではないため、プロパティなどの名前として使用できるが、VB.NETではキーワードであるためそのままでは使えず、相互運用に支障が出る。そこで、シンボル名を使用する際に [Dim] と記述することでVB.NETでも識別子として使えるようになる。 主な言語の予約語やキーワード [ 編集 ] Ada [ 編集 ] →詳細は「 予約語 (Ada) 」を参照 C言語 [ 編集 ] C言語 はキーワード (keywords) の他、予約済みの識別子 (reserved identifiers) を持つ [ 10 ] [ 11 ] 。正確な詳細は ISO/IEC 9899 規格を参照のこと。 →詳細は「 キーワード (C言語) 」を参照 →「 命名規則 (プログラミング) 」も参照 なお、 IBM の z/OS のドキュメントでは「reserved keywords」と呼んでいる [ 12 ] が、この用語はCの標準規格に準じたものではない。 C++ [ 編集 ] C++ には、C言語由来のキーワードと、C++で新たに追加されたキーワードがある [ 13 ] 。また、予約済みの識別子のルールもCと似ているが、若干異なる部分がある [ 14 ] 。 →詳細は「 キーワード (C++) 」を参照 →「 命名規則 (プログラミング) 」も参照 C# [ 編集 ] C#の構文はC/C++やJavaによく似ており、キーワードも類似している。 →詳細は「 キーワード (C Sharp) 」を参照 COBOL [ 編集 ] COBOL は、500ほどの予約語がある [ 15 ] 。 →詳細は「 予約語 (COBOL) 」を参照 FORTRAN [ 編集 ] FORTRAN にはキーワードがあるが、予約語を持たない [ 16 ] 。そのため、ユーザー定義の名前(識別子)に if や goto のようなキーワードと同じ綴りを使うこともできるが、プログラムの可読性やメンテナンス性を著しく下げるため使うべきではない [ 17 ] 。 隣接するキーワードは、その間に1つ以上の空白文字を入れる必要があるものもあれば、必要がないものもある [ 18 ] 。例えば GO TO を GOTO と書くことはできるが、 DO WHILE を DOWHILE と書くことはできない。 Java [ 編集 ] Javaの構文はC/C++によく似ており、キーワードも類似している。 →詳細は「 キーワード (Java) 」を参照 Pascal [ 編集 ] Pascal では特殊記号 ( special-symbol ) の中に含まれる部分集合として、綴り記号 ( word-symbol ) という用語が使われる。『PASCAL 原書第4版』(培風館、1981)では word symbol の訳として「綴り記号」という用語を使っている。また、同書には「綴り記号(すなわち予約語)」という記述がある(p.12)。 ISO/IEC 7185:1990 の翻訳である JIS X 3008:1994「プログラム言語Pascal」では、「 word-symbol 」に対して「予約語」という翻訳を割り当てている。 特殊記号は、 + , - などの演算子に使われる記号に加えて、 begin , end などの綴り記号を含む。 典型的な予約語・キーワード [ 編集 ] フロー制御を表す単語( if 、 while など) プログラムの構成要素を表す単語( function 、 class など) プログラムの構成要素を修飾する単語( static 、 const など) 組み込み関数( open 、 read など) 組み込みの型( int 、 string など) 他の言語などと混同して、誤用される可能性のある語(Javaの goto 、 const など) 将来キーワードとして利用するかも知れない語(JavaScriptの let 、 super ) 過去にキーワードだったため意味が無くなった後も(将来的な再利用のために)残してあるもの( C++11 の export 、 C++17 の register [ 19 ] ) なお、C系の言語では、 BASIC 系の言語における ELSEIF に直接相当するキーワードおよび構文は存在しない。C系言語の else if は複合キーワードや専用構文などではなく、 else 節に続く別のネストされた if 文とみなされる [ 20 ] [ 21 ] 。処理系によっては、あらかじめ定められたネスト数の上限に達するとコンパイルエラーとなる [ 22 ] 。 キーワード指向の言語と記号指向の言語 [ 編集 ] 抽象構文 的には全く違いは無いにもかかわらず、具象構文・字句構文(lexical syntax)的な違いは見た目の違いとしてわかりやすいこともあり、しばしばプログラマの好みの問題になりやすい。代表的には ブロック が { ... } か begin ... end か、などといった点であるが、そういった要素に記号を多用しがちな言語と、キーワードを多用しがちな言語がある。記号を使うのは簡潔だが、やりすぎると一見では暗号のようになりかねない(PerlやAPLなど)。キーワードを使う言語は冗長だが明示的という点は利点だが、識別子に使える名前が制限され、フォントを変えるなどシンタックスハイライトの支援がないと見た目にも区別しづらい。キーワードは全て大文字とし、識別子には必ず大文字アルファベット以外の文字が含まれるようにする、といった解決法もある。 近年 [ いつ? ] はISO 646の国際版に、世界的に7ビットの文字コードは定着したが、以前は、あるいは今も EBCDIC は絶滅していないので記号は自由に使えない場合もあった。 コンテキストキーワード [ 編集 ] コンテキストキーワード (contextual keywords) は C# や C++ などの言語で採用されている特殊なキーワードで、文脈キーワード、文脈依存キーワード (context-sensitive keywords) とも言われる。 言語を後から拡張する場合、新しい構文やキーワードあるいは予約語を追加すると既存のコードとの互換性が壊れてしまう場合がある。例えば、既存の変数やメソッドの名前が新しいキーワードあるいは予約語と同じだった場合、新しい言語仕様では構文エラーとなる。しかし、完全に将来の拡張を予期してあらゆるキーワードを予約しておくことは困難であり、予約語が拡張の障害になりうる。 そこで、新しく拡張された構文の中でのみキーワードとして動作するのがコンテキストキーワードである。コンテキストキーワードは特定の構文以外では変数などの名前として使用できるため、既存のコードを破壊することがない。 例えば、C#の プロパティ 構文では、C# 1.0の登場当初から get 、 set 、 value という多くの名前に使われているであろう語をコンテキストキーワードとして定義している [ 23 ] 。これは例えばC/C++やJavaのコードをC#に移植する際に、名前の衝突を避けるのに役立つ。C# 5.0で追加された async/await 構文でも、コンテキストキーワードを利用して言語仕様が拡張されている。 Cでは、例えば include や elif などはプリプロセッサディレクティブの文脈では命令のひとつとして認識されるが、それ以外では通常のユーザー定義識別子として使用することもできる [ 24 ] 。 C++では、例えば C++11 で追加された override や final は単独ではキーワードではなく、通常は変数名や関数名などの識別子として使用することもできるが、文脈によっては特殊な意味を持つようになる [ 25 ] [ 26 ] 。 マイクロソフト による独自の言語拡張である C++/CLI および C++/CX ( 英語版 ) では、プロパティや デリゲート など、標準C++からの拡張機能に関連するキーワードはすべてコンテキストキーワードとして規定されている [ 27 ] 。 コンテキストキーワードの問題点 [ 編集 ] 文脈によってキーワードか否かが決まるので正規表現などでは判断しがたいこともあり、テキストエディタの シンタックスハイライト を正確に行うのが困難なこともある。 パーサ(構文規則)が複雑になる場合もある。 他のスコープの変数やクラスメンバなどを使用する際に、新しい構文の中でも識別子として利用しないといけない場合があり、コンテキストキーワードだけでは回避できない(以下のC#によるコード例を参照) public class MyClass { private string value ; // value は setter でのみ使われるコンテキストキーワードなので、ここでは衝突しない。 public string Value { get { return value ; } // value は setter でのみ使われるコンテキストキーワードなので、ここでは衝突しない。 set { value = value ; } // フィールド MyClass.value への代入ではなく、パラメータ value への自己代入となる。 //set { this.value = value; } // フィールドへの代入とするには、this による修飾が必要。 } } var obj = new MyClass (); obj . Value = "hoge" ; System . Console . WriteLine ( "Value = \"{0}\"" , obj . Value ); 脚注 [ 編集 ] ^ a b “ 予約語とは - IT用語辞典 ”. IT用語辞典 e-Words . 2024年10月24日閲覧。 ^ Collins, reserved words ^ “ Dictionary.com | Meanings & Definitions of English Words ” (英語). Dictionary.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ Java Language Keywords (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Language Basics) ”. docs.oracle.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ KathleenDollard (2021年9月15日). “ Keywords - Visual Basic ” (英語). learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ KathleenDollard (2024年1月27日). “ キーワード - Visual Basic ”. learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ BillWagner (2023年3月27日). “ 逐語的テキストと文字列 - @ - C# reference ”. learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ KathleenDollard (2023年4月7日). “ 宣言された要素の名前 - Visual Basic ”. learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ cartermp (2024年1月27日). “ シンボルと演算子のリファレンス - F# ”. learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ C のキーワード - cppreference.com ”. ja.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ 識別子 - cppreference.com ”. ja.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ C reserved keywords ” (英語). www.ibm.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ C++ のキーワード - cppreference.com ”. ja.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ 識別子 - cppreference.com ”. ja.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ Reserved Words ”. cimec.org.ar . 2024年10月24日閲覧。 ^ Fortran 90, ISO/IEC 1539:1991 - §2.5.2 Keyword ^ “ キーワード ”. jp.xlsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ 自由形式 ”. jp.xlsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ 非推奨だったregisterキーワードを削除 [P0001R1 - cpprefjp C++日本語リファレンス]”. cpprefjp - C++日本語リファレンス . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ if 文 - cppreference.com ”. ja.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ BillWagner (2024年2月7日). “ Statements - C# language specification ” (英語). learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ TylerMSFT (2021年8月3日). “ Fatal Error C1061 ” (英語). learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ BillWagner (2024年8月14日). “ C# Keywords and contextual keywords - C# reference ” (英語). learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ C keywords - cppreference.com ”. en.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ C++ keywords - cppreference.com ”. en.cppreference.com . 2024年10月24日閲覧。 ^ “ overrideとfinal [N2928 - cpprefjp C++日本語リファレンス]”. cpprefjp - C++日本語リファレンス . 2024年10月24日閲覧。 ^ TylerMSFT (2021年8月3日). “ Context-Sensitive Keywords (C++/CLI and C++/CX) ” (英語). learn.microsoft.com . 2024年10月24日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] 命名規則 (プログラミング)
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89_(C%E8%A8%80%E8%AA%9E)
キーワード (C言語)
C言語 > キーワード (C言語) 本記事では、 C言語 の キーワード に関して説明する。 本記事は、あくまでC言語のキーワードに焦点をあてた記事であり、C言語の全体像や、C言語のキーワード以外の面には立ち入らない。ISO/IEC 9899 に沿って記載する。読者の理解を助ける場合は適宜、他のプログラミング言語と比較する説明は行う。なお、 1978年 発行の書籍『The C Programming Language』(通称K&R、日本語訳は『 プログラミング言語C 』)第1版にはキーワードの記載が無かったが、 1988年 の第2版では付録A2.4に「キーワード( 予約語 )」がある。 索引 auto break case char const continue default do double else enum extern float for goto if inline int long register restrict return short signed sizeof static struct switch typedef union unsigned void volatile while _Alignas C11 _Alignof C11 _Atomic C11 _Bool C99 _Complex C99 _Generic C11 _Imaginary C99 _Noreturn C11 _Static_assert C11 _Thread_local C11 Cのキーワードの特徴 [ 編集 ] キーワード数は以下の通り。 K&R 第2版 (1988): 32 C89/C90 : 32 C99 : 37。 _Bool , _Complex , _Imaginary , inline , restrict が追加。 C11 : 44。 _Alignas , _Alignof , _Atomic , _Generic , _Noreturn , _Static_assert , _Thread_local が追加。 基本型 [ 1 ] 、分岐 ( if , switch )、反復 ( for , while ) などの基本的な語は、 C++ でもほぼそのまま取り入れられている。 型に関するキーワード [ 編集 ] C++とほぼ共通の語を使用している。ただし、 C99 で導入された _Bool , _Complex , _Imaginary , restrict は、C++03以降の規格でもキーワードとなっていない。 整数型 [ 編集 ] _Bool, char, short, int, long C99以降では、 long は2つ続けて long long とすることで、 64ビット 以上の幅を持つ1つの型を表す。C99で加わった _Bool 型も 整数型 の一種として扱われ、また true や false はキーワードではなく、 stdbool.h で定義されるマクロである。 符号の有無 [ 編集 ] signed, unsigned signed および unsigned は、整数型の前後に付加することによって符号の有無を指定する。 浮動小数点型 [ 編集 ] float, double double は long と組み合わせて long double 型を表す際にも使用する。 複素数型 [ 編集 ] _Complex, _Imaginary C99にて標準化。 _Imaginary は厳密には 複素数 型ではなく虚数型であり、すべての処理系でサポートされるわけではない。これらは直前に浮動小数点型を伴って精度を指定する。 記述例: double _Complex z = 1.2 + 3.4 * I ; 構造体・共用体・列挙体 [ 編集 ] struct, union, enum これらは、タグ名を伴ってユーザー定義の型( 構造体 ・ 共用体 ・ 列挙体 )を定義するのに使用する。 記述例: struct my_type { int a ; double b ; }; 型修飾子 [ 編集 ] volatile, const, restrict volatile はコンパイラの最適化を抑止する。 const はオブジェクトが書き換えられないことを明示する。 restrict はオブジェクトへのアクセスが常にその ポインタ を用いて行われることを明示する。C99にて標準化。 記憶クラス指定子 [ 編集 ] auto, extern, static, register auto は自動記憶域期間 (automatic storage duration) を指定する。 関数 の引数を除く、ブロックスコープ (block scope) 内のオブジェクト( ローカル変数 )にのみ指定可能 [ 2 ] 。ブロックを抜けると寿命が尽きる自動変数の定義に使用する。ただし記憶クラス指定子を省略した場合は デフォルト で auto となるため、事実上使用されていない。 B言語 の auto 指定子との互換を意識したもの。 C++ にも存在するが、 C++11 で仕様が変更され、 型推論 の機能に使われるようになったので注意が必要となる。 extern は静的記憶域期間と外部リンケージを指定する。他のモジュール内で定義されている名前を参照する際に使う。変数に指定した場合は、いわゆる グローバル変数 となる。 static は静的記憶域期間と内部リンケージを指定する。ファイルスコープ(関数外)の変数または関数と、ブロックスコープ(関数内)の変数に指定可能だが、それぞれ意味が異なる。ファイルスコープの場合は可視性の制限で、 extern の対となり、 static 指定した変数や関数は他のモジュールから参照できない。ブロックスコープの場合は静的記憶域期間の指定で、 auto の対となり、 static 指定した変数はプログラムの開始時に一度だけメモリ確保・初期化され、プログラムの終了時に寿命が尽きる静的ローカル変数となる。 register は変数の記憶領域を CPU のレジスタに割り当てる(必ずしも割り当てられるわけではない)。それ以外は auto と同じ。 typedef →詳細は「 typedef 」を参照 型に別名を付ける。これは構文上は記憶クラス指定子に分類されるが、記憶クラスと直接関係はない。 その他の型 [ 編集 ] void 引数または返却値のない関数の宣言や定義に使用する。また、特定の型を指さない ポインタ 型にも使用する。 記述例: void func ( void ); int a ; void * p = & a ; 制御構造 [ 編集 ] 制御に関する語もC++とほぼ共通であるが、Cには 例外処理 に関する語(try, catch, throw等)は存在しない。 選択文 [ 編集 ] if, else switch, case, default 条件分岐 を実現する選択文 (selection statements) に使われる。 反復文 [ 編集 ] for, while, do ループ を実現する反復文 (iteration statements) に使われる。 ジャンプ文 [ 編集 ] goto ラベルの位置に無条件ジャンプする。 continue ループの本体をスキップし、ブロックの最後にジャンプする [ 3 ] 。 break ループのブロックから抜け出す。 return 関数から抜け出す。返却値のあるものは値を返す。 マルチスレッド [ 編集 ] _Atomic, _Thread_local C11にて追加 アライメント [ 編集 ] _Alignas, _Alignof C11にて追加 その他 [ 編集 ] インライン関数 [ 編集 ] inline C99にて標準化。関数指示子に使用することで、関数を インライン展開 するためのヒントをコンパイラに与える。 演算子 [ 編集 ] sizeof 式、またはかっこでくくった型名をオペランドに取る単項演算子として使用する。 アサート [ 編集 ] _Static_assert C11にて追加。コンパイル時の静的 表明 を提供する。 型ジェネリック [ 編集 ] _Generic C11にて追加 関数指定子 [ 編集 ] _Noreturn C11にて追加。関数が return しない(呼び出し元に戻らない)ことを指定。 脚注 [ 編集 ] ^ Type - cppreference.com ^ Storage-class specifiers - cppreference.com ^ continue statement - cppreference.com 関連項目 [ 編集 ] キーワード (C++) CとC++の演算子 表 話 編 歴 C言語 K&R ANSI C C89 C90 C95 C99 C11 C17 ( 英語版 ) C23 Embedded C ( 英語版 ) MISRA C Cの機能 関数 ヘッダファイル 演算子 文字列 ( 英語版 ) 文法 ( 英語版 ) プリプロセッサ ( 英語版 ) データ型 ( 英語版 ) キーワード フリースタンディング環境 標準Cライブラリ の関数 ctype.h ( 英語版 ) stdio.h math.h ( 英語版 ) stdlib.h ( 英語版 ) string.h ( 英語版 ) time.h stdarg.h ( 英語版 ) POSIXライブラリ ( 英語版 ) 標準Cライブラリ Bionic ( 英語版 ) libhybris ( 英語版 ) dietlibc EGLIBC glibc klibc ( 英語版 ) マイクロソフトランタイムライブラリ ( 英語版 ) musl Newlib uClibc BSD libc コンパイラ ACK ( 英語版 ) BDS-C Clang C++ Builder gcc Intel C++ Compiler LCC ( 英語版 ) LSI C-86 Pelles C ( 英語版 ) PCC TCC Turbo C Microsoft Visual C++ Watcom C/C++ ( 英語版 ) 統合開発環境 Anjuta Code::Blocks CodeLite Eclipse Geany Microsoft Visual Studio Xcode NetBeans CLion 派生言語 C++ Cg Cω D言語 Objective-C Alef ( 英語版 ) Limbo Go Vala SystemC Unified Parallel C 関連項目 IOCCC カテゴリ
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この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2024年8月 ) 脚注 による 出典や参考文献 の参照が不十分です 。 脚注を追加して ください。 ( 2024年8月 ) 出典検索 ? : "キーワード" C++ – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL 本記事では、 プログラミング言語 C++ における キーワード について解説する。 本記事は、あくまでC++のキーワードに焦点をあてた記事であり、C++の全体像や、C++のキーワード以外の面には立ち入らない。読者の理解の助けとなる場合は適宜、他のプログラミング言語と比較する説明は行う。 なおC++のものに限らず、キーワード( keywords )、予約語( reserved words )、予約済みの識別子( reserved identifiers )といった概念全般や細かな違いについては「 予約語 」の記事を参照のこと。 C++のキーワードの特徴 [ 編集 ] 最初に制定された規格であるISO/IEC 14882:1998(通称C++98)では63個のキーワードと11個の代替表現( alternative representations )が採用され、ISO/IEC 14882:2003(通称C++03)では追加のキーワードはなかった。ISO/IEC 14882:2011(通称 C++11 )で新たに13個のキーワードおよび2個の文脈依存キーワード(後述)が追加された。C++11から追加のキーワードおよび機能には(*)を付す。 C++14 および C++17 ではキーワードは増えていない。 C言語 の C89/C90 で存在したキーワードは、すべてがほぼそのままの形で取り入れられている。C95で追加された wchar_t はキーワードではなかったが、C++ではキーワードとなった。中には、 inline など最初C++98に導入されたキーワードが後から C99 にも導入されたものもある。C11では同時期に策定されたC++11の alignas , alignof , static_assert , thread_local に直接対応するキーワードは追加されず、 _Alignas , _Alignof , _Static_assert , _Thread_local というキーワード [ 注釈 1 ] が追加され、C++互換の名前に関しては別途マクロとして提供するヘッダーが追加された。C23では改めてC++同様のキーワードが追加され [ 2 ] 、C11で追加された古いキーワードの多くは非推奨となる予定である。 値に関するキーワード [ 編集 ] nullptr (*) [ 編集 ] ヌルポインタ ( null pointer ) を表す。この値はある std::nullptr_t 型のオブジェクトで、任意のポインタ型のヌルポインタ値に暗黙変換できるが、整数型には暗黙変換できない。なお、従来の NULL マクロは、もともとC++98の時点で実装定義のヌルポインタ定数 ( null pointer constant ) に展開される仕様だったが [ 3 ] 、C++ではヌルポインタ定数の1つとして整数リテラル 0 を任意のポインタに代入することができるため、C++03までは整数リテラル 0 に展開される実装が一般的だった。C++11以降は nullptr に展開される実装もありえることになる [ 4 ] 。 型に関するキーワード [ 編集 ] 複数のキーワードを組み合わせることで意味が変わるものが多い(文脈依存のキーワード)。 基本型 [ 編集 ] int, long, short, signed, unsigned [ 編集 ] →詳細は「 整数型 」を参照 short 単体では符号付き短整数型 signed short int を、 long 単体では符号付き長整数型 signed long int を意味する。 long long int は少なくとも64ビットの精度を持つ整数型である(*)。 float, double [ 編集 ] →詳細は「 浮動小数点数 」を参照 long double は少なくとも double と同じ精度を持つ浮動小数点数型。処理系によっては 拡張倍精度浮動小数点数 型となる。 bool, true, false [ 編集 ] →詳細は「 ブーリアン型 § C++ 」を参照 C99 ではマクロで定義されており [ 注釈 2 ] キーワードではないが、C++ではキーワードである。 char, wchar_t, char16_t (*), char32_t (*) [ 編集 ] →詳細は「 キャラクタ (コンピュータ) 」および「 ワイド文字 」を参照 wchar_t は、Cでは typedef による型エイリアスでありキーワードでないが、C++ではキーワードである。 char16_t と char32_t は、それぞれ UTF-16 および UTF-32 の文字を格納するための整数型を表す。 void [ 編集 ] →詳細は「 void (コンピュータ) 」を参照 戻り値や引数がないことを表す型。 デリファレンスする先の型を指定しないポインタ void* の表現に用いられる。 auto (*) [ 編集 ] 変数宣言の際に型として指定すると、初期化式から 型推論 を行う。 また、戻り値型を後置きする関数宣言に用いる。 // 以下の2つは同じ宣言。 int main ( int argc , char ** argv ); auto main ( int argc , char ** argv ) -> int ; 複合型 [ 編集 ] class, struct, union [ 編集 ] →詳細は「 クラス (コンピュータ) 」、「 構造体 」、および「 共用体 」を参照 C++において struct はデフォルトのアクセス制御が public であること以外は class と全く同じである。 union もクラスの一種という扱いである。 union はすべてのメンバ変数が同一メモリ領域を共有するのはCのままであるが、 class に準じてメンバ関数を持てるようになっている。 なお、C++規格では、クラス内で宣言した変数および関数は、それぞれデータメンバ( data member )およびメンバ関数( member function )と呼ぶ [ 注釈 3 ] 。データメンバはメンバ変数と呼ばれることも多い。 Java や C# のように、 フィールド ・ メソッド などといった用語は使われない。 enum [ 編集 ] →詳細は「 列挙型 」を参照 enum 単独では スコープ のない列挙型を意味する。 enum class 、 enum struct の形で、スコープ付きの列挙型の宣言に使用する(*)。 型修飾子 [ 編集 ] const [ 編集 ] →詳細は「 const 」を参照 Cの書き換え不能という意味に加え、定数の意味が加わっている。具体的にはCと違いブロックスコープにない場合、定数扱いとなり、 extern を指定しない限り内部結合になる。 プリプロセッサ による マクロ の代替的手段になる。 const int N = 16 ; int Array [ N ]; このコード片で、Cでは N が定数ではないので Array の宣言はエラーになる。C99でも グローバル変数 は 可変長配列 にできないのでやはりエラーになる。 クラス内では、 整数型 を static const で修飾すると クラススコープ の定数の定義になる。詳しくは static を参照のこと。 volatile [ 編集 ] →詳細は「 volatile 」を参照 volatileの指定された記憶領域は、実行しているコードが書き換えを行わない場合にも、何らかの理由で内容が書き換えられる可能性を持つ。書き換えの起きる具体的な要因としては、何らかのハードウェアによる書き換えが挙げられる。 コンパイラによる最適化では、メモリを書き換えない限り内容が変わらないことを利用し、メモリからの再読み込みの省略などを行うが、例えばあるメモリ領域にハードウェアが書き込んでいて、そのメモリ領域の変化を読み取りループで監視しようとするならば、volatile指定が無い場合はコンパイラが「書き込みを行っていないのでメモリ内容が変化する可能性は無い」と判断し、ループを消し去ったり、メモリを再読み込みせずに単純な無限ループを行ったりするなど、期待と異なる最適化を行う可能性が高い。そのような場合、volatileを適切に指定することで、メモリ領域を正しくポーリングすることが期待できる。 また、コンパイラによっては、volatileの指定された記憶領域へのアクセス前後において、適切なメモリバリアを自動的に配置することもある。が、逆にメモリバリアについては一切関知しないものもあるため、ノンブロッキング同期プログラミングなどでは特別な注意が必要となる。 ハードウェアに近い操作を行う処理を記述する際は、特に重要になる修飾子である。 記憶クラス指定子 [ 編集 ] →「 ブロック (プログラミング) 」および「 スコープ (プログラミング) 」も参照 auto (C++03まで) [ 編集 ] C++03以前では 自動変数 ( automatic variable ) を意味する記憶クラス指定子 ( storage class specifier ) [ 5 ] であったが、C++11で廃止され、 型推論 のための全く別の機能が割り当てられた。 もともと、関数のようなブロックスコープ内の変数( ローカル変数 )に記憶クラスを指定しなかった場合はデフォルトで自動記憶域期間 ( automatic storage duration ) を持つ自動変数となるため、C++03以前においても記憶クラス指定子としての auto を用いる必要は全くなかった。前方互換性のためにも、むやみに使用すべきではない。なお、C++11以降も自動記憶域期間を持つ変数を表す用語は「自動変数」のままであり変更はない。 extern [ 編集 ] Cからの外部結合の指定に加え、リンケージ指定の用法が加わっている。 C++では名前(関数名や変数名など)に対して多重定義や名前空間、型安全の保証などの都合から、多くのコンパイラは 名前修飾 を施しCとは異なった名前をリンカに対して用いている。その名前の修飾の仕方を指定するのがリンケージ指定である。少なくとも"C"と"C++"の2種類のリンケージが使用できる。何も指定しないと"C++"になる。"C"リンケージでは名前の変形を抑止しCと互換の名前をリンカに対して用いることを意味する。これによりCとC++を混在させてプログラムを作るときに使われる。 //a.cpp extern "C" { int a ; //Cリンケージの変数定義 extern int b ; //Cリンケージの変数宣言 void f (); //Cリンケージの関数宣言 } extern "C" int c ; //リンケージ指定と元々の外部結合の意味を兼ねた用法。 //b.c extern int a ; //変数の宣言 int b ; //変数の定義 int c ; void f () { /* ... */ } また、 extern template の形でテンプレート実体化宣言を修飾して、外部で実体化されたテンプレートを指定する(*)。 register [ 編集 ] C++17以降では何の機能もないキーワードである。将来のために予約されている。 C++14以前では、特に レジスタ に割り当ててほしい自動変数に指定する記憶クラス指定子であった。Cよりも意味合いが弱く、Cのregister変数はアドレス参照( & 演算子によるポインタ取得)を行えないが、C++では行えた。つまり、register変数として宣言してもメモリに配置されうる。コンパイラが高度な 最適化 を行う場合、レジスタに配置すべき変数の判断はコンパイラの方が適切に行えることが多いので、C++14以前のコンパイラでも、この指定を無視するのが一般的であった。 static [ 編集 ] ファイルスコープの指定(Cからの用法)。ただし、ファイルスコープを指定するのにstaticを用いるのはC++では推奨されず、無名名前空間を用いるべきとされている。 クラス・関数の静的変数とクラスの 静的関数 (関数内静的変数についてはCからの用法)。 特にクラスの場合、これは宣言となるため普通のグローバル変数などと同様に ソースファイル で定義が必要である。ただし次の場合、例外として不要である。 整数型にconstと共に指定し宣言と同時に初期化した場合。クラススコープの定数となる。 クラスの 静的メンバ関数 の場合。(クラス宣言とは別にソースファイルで定義をしてもよいし、クラス内にインラインで定義してもよい) // ヘッダbar.h class bar { static int a ; // OK: 静的メンバ a の宣言。 static const int b = 5 ; // OK: 静的メンバ b の宣言と定義。クラススコープの定数となる。 static const double c ; // OK: 静的メンバ c の宣言。 // static const double d = 2.0; // Bad: 整数型でない。 static void f (); // OK: 静的メンバ f の宣言。 static void g () { /* ... */ } // OK: 静的メンバ g の宣言と定義。 }; // ソースbar.cpp #include "bar.h" int bar :: a = 1 ; // OK: bar::a の定義。 //const int bar::b = 5; // クラススコープの定数は定義する必要がない。 const double bar :: c = 3.0 ; // OK: bar::c の定義。 void bar::f () // OK: bar::f の定義。 { /* ... */ } 古いC++処理系では 整数型 を static const で修飾することによる定数の定義ができなかったので、代わりにクラス内に定義した 列挙型 (enum) による列挙定数で代用をすることがしばしばあった。これはenumハックと呼ばれる。 C++11以降は constexpr を併用することで、クラス宣言部で定数定義できる型が増加した [ 6 ] 。 mutable [ 編集 ] constなオブジェクトでも書き換え可能にしたいクラスメンバ変数に指定する。 ラムダ式 を修飾して、コピーキャプチャした変数の書き換えを許可する(*)。 thread_local (*) [ 編集 ] グローバル変数やクラス・関数内静的変数について、 スレッドローカルな記憶域 に確保するよう指示する。 宣言指定子 [ 編集 ] friend [ 編集 ] フレンド関数・フレンドクラスの宣言に用いる。 typedef [ 編集 ] →詳細は「 typedef 」を参照 関数指定子 [ 編集 ] constexpr (*) [ 編集 ] 定数式を表す。変数や関数を修飾して、コンパイル時定数となりうることを指示する。 explicit [ 編集 ] コンストラクタ に指定して 暗黙の型変換 に用いないことを指定する。 変換関数 を修飾して、暗黙の型変換に用いないことを指定する(*)。 inline [ 編集 ] 関数指示子に使用することで、 関数 をインライン展開するためのヒントをコンパイラに与える。クラスの宣言内で関数を定義した場合は、inlineの有無にかかわらずinlineが指定されたものとして取り扱われる。 inline namespace の形で透過的な名前空間の宣言に用いる。透過的な名前空間の名前は、名前空間名で修飾しなくても使えるようになる(*)。 virtual [ 編集 ] 仮想関数 を宣言する。C++ではこれを明示しないと派生クラスで ポリモーフィック に オーバーライド することはできない。派生クラスではオーバーライドするときに特に何か指定する必要はないが、virtualを省略しないスタイルも一般的である。 仮想継承 するときにベースクラスの指定に修飾する。 クラスに関するキーワード [ 編集 ] アクセス制御 [ 編集 ] public, protected, private [ 編集 ] クラスメンバと継承のアクセス制御に用いられる。 publicはクラスの外部からも自由にアクセスできる。 protectedは宣言したクラス自身とその派生クラスからアクセスできる。 privateは宣言したクラスの内部からしかアクセスできない。 Java などとは違い個々の宣言に付けるものではなく、見た目には関数内でラベルを指定するのと似ている。1度指定すると他の指定がなされるか、クラスの宣言が終わるまでは指定した制御が続く。 class foo { int n ; //classであり、まだアクセス制御が指定されていないのでprivateになる public : foo ( int ); //コンストラクタ ~ foo (); //デストラクタ int getN (); //メンバ関数 //ここまでの3つはすべてpublicになる protected : void setN ( int ); //protectedになる }; //クラス宣言の終わりには ; が必要。 class hoge : private foo //private継承 外部からはhogeのインスタンスを通じてfooのメンバにはアクセスできない。 { public : using foo :: getN ; //このように個別にアクセス制御を上書きすることもできる。 hoge (); ~ hoge (); }; その他 [ 編集 ] operator [ 編集 ] 演算子多重定義(オペレータオーバーロード) の関数を定義するのに用いる。 自分のクラスから他の型へ、暗黙の型変換を行う関数を定義するのに用いる。なお、他の型から自分のクラスへの変換は1引数のコンストラクタを使用する。 ユーザー定義リテラルの定義に用いる。 operator"" suffix は接尾辞 suffix で記述するユーザー定義リテラルを定義する関数名である(*)。 this [ 編集 ] →「 this (プログラミング) 」も参照 自分自身への ポインタ 。当然ながらクラスの非 静的メンバ関数 内でのみ使用できる。参照でなくポインタである理由は、thisがC++に導入された当時まだ参照がなかったからである [ 7 ] 。 文に関するキーワード [ 編集 ] 制御構造 [ 編集 ] →「 制御構造 」も参照 if, else [ 編集 ] →詳細は「 if文 」を参照 for [ 編集 ] →詳細は「 for文 」を参照 while, do [ 編集 ] →詳細は「 while文 」および「 do-while文 」を参照 switch, case, default [ 編集 ] →詳細は「 switch文 」を参照 defaultは関数の定義にも用いる。特殊メンバ関数を「 = default 」の形で定義して、コンパイラ生成のものを使用することを明示する(*)。 break [ 編集 ] →詳細は「 break文 」を参照 continue [ 編集 ] →詳細は「 continue文 」を参照 goto [ 編集 ] →詳細は「 goto文 」を参照 return [ 編集 ] →詳細は「 return文 」を参照 try, catch [ 編集 ] →詳細は「 例外処理 」を参照 式に関するキーワード [ 編集 ] 動的記憶域確保 [ 編集 ] new, delete [ 編集 ] →詳細は「 new演算子 」および「 delete演算子 」を参照 new はヒープにオブジェクトまたは配列を割り当てる new演算子 とnew[]演算子に用いられ、 delete はそれを解放するdelete演算子とdelete[]演算子に用いられる([]の有無で演算子は区別される)。JavaやC#などと違い、C++は ガベージコレクション を持たないので、オブジェクトが不要になったら明示的に破棄する必要がある。もっとも、C++ではオブジェクトの構築に 動的メモリ確保 (動的記憶域期間)は必須ではなく、自動記憶域期間または静的記憶域期間を持つオブジェクトを定義してもよく、また スマートポインタ や STL コンテナのような RAII クラスを用いてnew/new[]とdelete/delete[]の手間を省くようにすることはできるため、 アプリケーションソフトウェア のような実践的なプログラムではnew/new[]やdelete/delete[]が直接的に使用されることは少ない。 deleteは関数の定義にも使用される。関数を「 = delete 」の形で定義して、そのシグネチャの関数を存在させないことを指示する(*)。 型変換 [ 編集 ] 型変換 (キャスト)は注意を要する操作であるにもかかわらず、Cの型変換演算子はあまりにも目立たず、目的がコードから見えにくいという理由からC++では、型変換を行う場合には用途ごとの4つの型変換演算子を用いることが推奨されている。 dynamic_cast [ 編集 ] 動的キャスト。 RTTI を用いて、目的の型に変換できるかどうかを確認し、不可能であればポインタの場合ヌルポインタを返し、参照の場合は std::bad_cast 例外を投げる。また、Cにない概念のため、Cの型変換演算子で代用できない。 static_cast [ 編集 ] 静的キャスト。コンパイル時に型チェックを行う。変換前の型から変換後の型へ、あるいはその逆向きの暗黙の変換が存在する場合に変換可能である。変換できなければコンパイルエラーになる。 const_cast [ 編集 ] const/volatile性を取り除く場合に用いるキャストである。他のキャストでconst/volatile性が失われる変換はできない。 reinterpret_cast [ 編集 ] 安全でなかったり移植性のない型変換に用いる。無関係なポインタ型同士の変換や、ポインタと整数型の変換などがそうである。 式に関する情報 [ 編集 ] alignof (*) [ 編集 ] 型の アライメント の値を得る。 decltype (*) [ 編集 ] 式から型を取得し、型名として用いる。 sizeof [ 編集 ] 型、あるいは式の型のサイズを得る。 →詳細は「 sizeof 」を参照 また、 sizeof... の形で、可変長引数テンプレートの可変長引数部の長さを取得する(*)。 typeid [ 編集 ] →詳細は「 RTTI 」を参照 例外処理 [ 編集 ] throw [ 編集 ] →詳細は「 例外処理 」を参照 例外を投げる。また、後述の例外指定の用法もある(C++11以降でこの用法は非推奨)。 noexcept (*) [ 編集 ] 関数に例外指定を付与する。 //noexceptはどんな例外も投げないことを示す。 int func2 () noexcept ; //noexceptはコンパイル時定数となる引数を取ることができ、trueならnoexceptと同じ。 int func3 () noexcept ( true ); //falseならあらゆる例外を投げる可能性がある。 int func4 () noexcept ( false ); //noexceptと等価な記述。 int func5 () throw (); //noexcept(false)と等価な記述。 int func6 () throw (...); //この関数から投げられる例外はstd::exception型(とその派生クラス型)かint型しかありえないことを示す。この用法は非推奨。 int func7 () throw ( std :: exception , int ) { /* ... */ } C++11以降は、throwを用いた例外指定は推奨されない。C++03以前でも、throwを用いた例外指定は 例外安全 のうち例外を投げない表明としてfunc5のように型を無指定にして用いられる場合が大半であった。 また、noexceptは例外指定の有無を判定する式としても用いられる。 //b2はtrue bool b2 = noexcept ( func2 () + 1 ); //b4はfalse bool b4 = noexcept ( func4 () + func7 ()); 表明 [ 編集 ] static_assert (*) [ 編集 ] コンパイル時に評価される 表明 を記述する。検査式が偽になると、指定されたメッセージを伴ってコンパイルエラーとなる。宣言として扱われるが、プログラムの動作には影響がない。 static_assert ( sizeof ( Foo ) == 4 , "Unexpected: the size of Foo must be 4" ); テンプレートに関するキーワード [ 編集 ] →「 テンプレート (プログラミング) 」も参照 template [ 編集 ] クラステンプレート・関数テンプレート の宣言あるいは定義。特殊化や部分特殊化にも使う。 クラステンプレート・関数テンプレートの明示的実体化。 メンバテンプレートをテンプレート引数を明示して使用する場合にはこれを先行しなければならない。理由はテンプレート引数の < > と不等号演算子との区別をつけるためである。 typename [ 編集 ] テンプレート引数で型を引数にとることを示すことに使う(classで代用可能)。 続く識別子が型名であることを示す。 //typenameの例 template < typename T > struct s1 //1の用法 { void f () { typename T :: type * ptr ; //2の用法 } }; 用法2.はなぜ存在するのかというと、曖昧性が生じさせないためである。 たとえばs1に次のようなクラスをテンプレート引数に渡すとする。 struct s2 { static const int type = 0 ; }; すると、仮にtypenameがなければs1<s2>::fの中の文はs2::type *ptr;となる。これはs2::typeとptrの乗算式と見られるので、構文としては正当なC++の式となってしまう(ただしこの例ではptrが宣言されていないためコンパイルエラーになる)。そうならないように、曖昧性を排除するために型名である場合はtypenameを先行させる仕様になっている。 export [ 編集 ] C++11では何の機能もないキーワードである。将来のために予約されている(*)。 C++03以前では、分離コンパイルを行うクラス・関数テンプレートに指定するものであった。分離コンパイルとは、通常の関数などのようにヘッダに宣言を書いて、どこかのソースファイルに定義を書く形式のことである。これを指定しないとテンプレートは通常ヘッダに定義を書く必要がある。 このキーワードに対応しているコンパイラは、一般に広く知られたものでは Comeau C++ のみである [ 8 ] 。対応しない多くのコンパイラでは、このキーワードは単に無視されるか、キーワードとして扱われない場合さえある。 名前空間に関するキーワード [ 編集 ] namespace [ 編集 ] 名前空間の宣言 (namespace NS { /* ... */ }) 名前空間は入れ子にすることができる。 名前空間名を省略すると無名名前空間の宣言になる。無名名前空間の中にある宣言は他の 翻訳単位 から見えない。 using ディレクティブ (usingを参照) 名前空間のエイリアス (namespace NS2 = NS ;) using [ 編集 ] using宣言 (using NS::NAME ;) usingディレクティブ (using namespace NS ;) アクセス宣言 - public, protected, privateのclass Hogeの例を参照。 テンプレートの別名を定義する(*)。 インラインアセンブラ [ 編集 ] asm [ 編集 ] asm(文字列リテラル) という構文が定まっているだけで、その文字列リテラルの書式等は処理系依存である。多くのコンパイラでは インラインアセンブラ を利用するために用いる。 アトリビュート [ 編集 ] alignas (*) [ 編集 ] 変数宣言を修飾するアトリビュートで、変数の アライメント を指定する。 文脈依存のキーワード(*) [ 編集 ] 文脈依存のキーワード (contextual keyword)は、ソースコード中の特定の位置に現れた場合にのみキーワードとして扱われ、それ以外の箇所では単なる識別子として扱われる(変数名や関数名として使用出来る)。C++11から新たに追加された。 final [ 編集 ] メンバ関数の宣言の直後、またはクラス宣言のクラス名の直後において文脈依存のキーワードとして扱われる。メンバ関数の宣言の直後では、その関数がオーバーライドされることを禁止する。クラス名の直後では、そのクラスから派生すること(基底クラスとして用いられること)を禁止する。 override [ 編集 ] メンバ関数の宣言の直後において文脈依存のキーワードとして扱われる。仮想関数が基底クラスのメンバ関数を オーバーライド することを明示する。 代替表現 [ 編集 ] 代替字句(alternative token)のうちの、記号ではなくアルファベット(と下線)で表現する 代替表現 (alternative representation)は、キーワードには列挙されていないが、キーワードと同様に扱われる。ISO 14882の英語版の注ではlexical keywords(字句的にはキーワードであるもの)という表現が使われているが、JIS X 3014:2003の注では「予約語」という用語を用いて説明されている。 C/C++では ASCII の記号類を多用しているので、 ISO/IEC 646 のUS以外を使用している環境では問題がある。それらの代用として、問題のない文字だけで表現するのが代替字句である(同じ用途のものとして他に トライグラフ がある)。代替字句のうち、記号で表す ダイグラフ (規格票の用語では「二つ組」)以外が代替表現である。これらはCではマクロ(ヘッダiso646.h、C95で標準化された)だが、C++では言語の一部である。 以下にそれぞれ対応する演算子を示してある。 and && and_eq &= bitand & bitor | compl ~ not ! not_eq != or || or_eq |= xor ^ xor_eq ^= C言語のキーワードのうち、C++ではキーワードでないもの [ 編集 ] C99 のキーワードのうち _Bool, _Complex, _Imaginary, restrict は C++ のキーワードではない。C11 で追加になったキーワードのうち _Alignas, _Atomic, _Generic, _Noreturn, _Static_assert, _Thread_local は C++ のキーワードではない。C99 の _Bool には C++ の bool が対応する。また、_Complex に関しては、代わりに std::complex クラステンプレートが 標準C++ライブラリ に存在する。 C++20で予定されている変更 [ 編集 ] C++の次期規格 C++20 では、機能の追加に伴い、新しいキーワードの追加、既存のキーワードへの意味の追加が予定されている。 追加のキーワード [ 編集 ] char8_t (基本型) UTF-8 の文字を格納するための整数型を表す。 concept (新機能: コンセプト )コンセプトを定義する。コンセプトは、型が満たすべき要件に名前を与える新しいプリミティブである。 consteval (関数指定子)変数や関数を修飾して、コンパイル時定数となることを指示する。 constexpr と異なり、コンパイル時に評価することを強制する。 requires (新機能:コンセプト)テンプレート引数のコンセプト要求を指定する定数式を指定する。 追加の文脈依存のキーワード [ 編集 ] audit, axiom (アトリビュート) expects , ensures , assert のいずれかのアトリビュートの内部で、アトリビュート名の直後に出現した際に文脈依存のキーワードとして扱われる。これらのアトリビュートはそれぞれ関数についての事前条件、事後条件、不変条件の契約を示すための新しいアトリビュートである( 契約プログラミング )。各アトリビュートの契約にはdefault, audit, axiomの三段階の契約レベルがあり、これらの文脈依存のキーワードはaudit契約レベルおよびaxiom契約レベルの指定に利用する(default契約レベルはキーワード default か、または指定を省略することによって指定する)。おおむね、defaultは実行時チェックの負荷が小さいもの、auditは実行時チェックの負荷が大きいもの、axiomは実行時チェックを意図しないものに指定することを規格では意図している。実際にどの契約レベルまで実行時にチェックするかは、「ビルドレベル」によって変更される。 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ Cの標準規格では、 _ とそれに続く大文字アルファベットで始まる名前は処理系によって予約される規則となっており、既存の処理系のライブラリ実装に使われているコードと名前衝突が発生する可能性はあるものの、規格に準拠したアプリケーションコードであれば名前衝突は発生せず、既存のユーザーコードの互換性を破壊しないことが保証される [ 1 ] 。Cでは新たなキーワードの追加にあたって、影響の大きさを鑑み、C++よりも慎重な配慮がなされることになった。 ^ C99の bool は typedef ではなくマクロで定義されることが規格で規定されている。 ^ 「メンバ」は 長音符号 を付けて「メンバー」と表記されることも多いが、ここではISO/IEC 14882:2003の日本語訳である「JIS X 3014:2003 プログラム言語C++」における表記に従った。 出典 [ 編集 ] ^ 識別子 - cppreference.com ^ C keywords - cppreference.com ^ ISO/IEC 14882:1998, C.2.2.3 Macro NULL ^ NULL - cppreference.com ^ Storage class specifiers - cppreference.com ^ 静的メンバ - cppreference.com ^ Stroustrup, Bjarne (1994). The Design and Evolution of C++ . Addison-Wesley. pp. 2.5.2. ISBN 0-201-54330-3 (日本語訳: 『 C++の設計と進化 』 ソフトバンクパブリッシング 、2005年。 ISBN 4-7973-2854-1 。 ) ^ [1] 参考文献 [ 編集 ] ISO/IEC 14882:2003 “Programming languages -- C++” JIS X 3014:2003 『プログラム言語C++』 ISO/IEC 14882: Programming Language C++ Working Paper (N2798) 関連項目 [ 編集 ] 予約語 C++ キーワード (C言語) CとC++の演算子
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89_(Java)
キーワード (Java)
この項目では Java における キーワード ( 予約語 の記事も参照) [ 注釈 1 ] に関して説明する。全部で50個ある。 この項目は、プログラムの細かい説明には立ち入らず、他の言語と比較できるような説明を目的としている。 特徴 [ 編集 ] プリミティブ型 名や分岐処理 ( if , switch )、反復処理 ( for , while ) などの基本的な構文とキーワードは C言語 および C++ と共通するものが多い。 クラス や 例外処理 に関しては C++ 類似の構文とキーワードが多い。 プリミティブ型 [ 編集 ] 型名 [ 編集 ] プリミティブ型 の名前である。C言語およびC++と共通するものが多い。ただし内部表現は処理系依存ではなく、言語仕様によって厳密に定められている。 byte , short , int , long 8ビット、16ビット、32ビット、64ビットの 整数型 。 2の補数 で表現される。Javaには符号なしの整数型がなく、C/C++で使われる unsigned はない。 float , double 32ビット 単精度 と64ビット 倍精度 の 浮動小数点数 型。 IEEE 754 準拠。 boolean 論理型 。 boolean はC言語( C99 )における _Bool や、C++における bool に相当するが、構文上は整数型ではないため整数型との暗黙的な相互変換はできないという違いがある。 char 文字型。 int および long には暗黙的に代入可能。C/C++の char とは異なり、16ビットの Unicode 文字( UTF-16 )を保持する [ 2 ] 。 void これはプリミティブ型ではないが、型と同じ文脈で使うキーワードなのでここに分類する。 メソッド に戻り値がないことを宣言する。 void (コンピュータ) も参照のこと。 値 [ 編集 ] 以下はキーワードと同様に扱われるが、定義では論理値リテラル、またはnullリテラルという リテラル である。 true , false 論理値 を表すリテラル。 null null型という特殊な型のリテラル。 Null も参照。 制御構造 [ 編集 ] C言語およびC++と共通のキーワードを使用している。 分岐 if , else switch , case , default 繰り返し for , while , do ジャンプ continue - ループの現在の反復 (iteration) をスキップする [ 3 ] break - ループのブロックから抜け出す return - メソッド から抜け出す。戻り値のあるものは値やオブジェクトの参照を返す。 yield - switch式の値を返す。 クラス、パッケージ [ 編集 ] package 自 クラス のパッケージを宣言する。Javaではパッケージと呼ばれるツリー構造でクラス群を分類している。クラスやメンバに アクセス修飾子 ( 英語版 ) (後述する public , protected , private ) を付けることにより、パッケージ内外でクラスやクラスのメンバにアクセス可能な範囲が変わってくる。 import 自クラスの所属するパッケージとは異なるパッケージにあるクラスを使用するときにこの宣言でインポートする。 class クラスの定義。例えば、以下のように宣言する。それぞれについてはこの後、説明する。 例 public class クラス名 { ... } public class クラス名 extends 親クラス名 { ... } public class クラス名 implements インタフェース名1 , インタフェース名2 , ... { ... } public class クラス名 extends 親クラス名 implements インタフェース名1 , ... { ... } interface インタフェース の定義。Javaのインタフェースとは、定義のみで実装をもたない 抽象型 であり、型の 多重継承 に使用される。インタフェースの インスタンス を直接生成することはできない。サブクラスでインタフェースを実装して使用する。実装するインタフェースはカンマ区切りで複数並べることができる。 例 public interface インタフェース名 { ... } public interface インタフェース名 extends 上位インタフェース名1 , 上位インタフェース名2 , ... { ... } extends class の宣言で他のクラスを継承するときに使用する。Javaのクラスは1つのスーパークラスのみ継承可能で、 多重継承 (実装の多重継承)はできない (参考: 菱形継承問題 )。 interface の宣言では一つ以上のインタフェースを継承するときに使用する。インタフェースがインタフェースを継承するだけなので、こちらの場合は多重継承が可能。 implements class の宣言で、インタフェースを実装するときに使用する。カンマ区切りで並べた複数のインタフェースを実装することができる。 this 自クラスを明示するときに使用する。 コンストラクタ 内から他の引数のコンストラクタを呼ぶときに使用するのが一般的である。また、例えば、コンストラクタの場合は this(引数) 、メソッドの場合は this.メソッド名(引数) などのように使い、親クラスに同一名・同一引数の メソッド があるときに明示的に区別できるようにする。こちらは、 ローカル変数 や同じクラス内メソッドや 上位クラス に同名のメソッドが存在しない場合は this を省略できる。内部クラスのコード領域で外部クラスのインスタンスへの参照を得るときの構文( OuterClass . this )でも使用される。 super 上位クラス の コンストラクタ 、 フィールド 、 メソッド にアクセスするときに使用する。上位クラスのコンストラクタを呼び出すときは単に super(引数) と書き、メソッドを呼び出すときは super.メソッド名(引数) などのように使う。フィールドやメソッドの場合は、自クラスに同一のものがない場合は super の記述を省略できる。 new コンストラクタ の呼び出し。インスタンスを生成するときに使用する。 例 SampleClass s = new SampleClass (); int [] numbers = new int [ 5 ] ; // int型の配列を生成 List < String > list = new ArrayList <> (); // ジェネリッククラスのインスタンス化 instanceof 指定された クラス のオブジェクトかどうか、あるいは指定されたインタフェースを実装しているオブジェクトかどうかを判定する。 a instanceof ClassName とした場合、 a が ClassName のオブジェクトか、その派生クラスのオブジェクトであれば true になる。 ClassName の箇所にオブジェクトの変数名を記述することはできない。 record record キーワードは、レコード型と呼ばれる新しい種類の型を定義するために使用される。レコード型は、従来のクラスと似ているが、いくつかの重要な違いがある。 レコード型は、コンストラクタ、フィールド、アクセサメソッドを自動的に生成する。 レコード型は、イミュータブル(変更不可)である。 レコード型は、簡潔で読みやすいコードを作成するために使用できる。 例 record Person ( String name , int age ) { /* コンストラクタ、フィールド、アクセサメソッドは自動的に生成されます */ } sealed sealed キーワードはクラスやインターフェースに対して使用され、指定されたサブクラスのみがクラスやインターフェースを拡張または実装できるようにする。これにより、クラス階層の管理が厳密に行えるようになる。 例 public sealed class Shape permits Circle , Square { // クラスの内容 } permits sealed クラスの許可されたサブクラスを指定するために使用される。 例 public sealed class Shape permits Circle , Square { // クラスの内容 } non-sealed sealed クラスのサブクラスで、このサブクラスがさらに他のクラスによって拡張可能であることを示す。 non-sealed は単一の識別子ではなく、トークンシーケンスでコンテキスト・キーワードと呼ばれる。 例 public non - sealed class Circle extends Shape { // クラスの内容 } 修飾子 [ 編集 ] クラス、メンバの宣言に付けられる修飾子である。 public , protected , private クラス、メンバのアクセス制御を指示する修飾子( アクセス修飾子 ( 英語版 ) )である。外部からアクセス可能な範囲を決める。Javaでは4つの段階が設けられ、以下の番号が大きくなるほど外部からのアクセスが制約される。 public では、すべてのクラスからアクセスできる。 protected では、同一パッケージにあるクラスかサブクラスからのみアクセスできる。異なるパッケージでサブクラスでないクラスからはアクセスできない。クラスを修飾することはできない ( 内部クラス は例外)。 アクセス修飾子がない場合は、同一のパッケージ内のクラスからのみアクセスできる。サブクラスであってもパッケージが異なる場合はアクセスできない。 private では、他のクラスからはアクセスできず、自クラスからのみアクセスできる。クラスに修飾することはできない (内部クラスは例外)。 Java SE 1.0では private protected という組み合わせを使用して、自分自身とサブクラスからのアクセスができるが同じパッケージ内の他のクラスからはアクセスできないというアクセス権を使用することができたが、これはJava SE 1.1以降から廃止され利用することができなくなった。 final フィールドに付けられた場合は再代入を禁止する。メソッド宣言に付けられた場合は、下位クラスで 上書き できないことを表す。クラス宣言に付けられた場合は、継承できないことを表す。なお、Javaでは、 final 宣言されたフィールドで、宣言部では初期化せずコンストラクタ内で1回だけ代入できる記述も行える。 abstract との併用はできない。メソッドの引数や ローカル変数 に使用すればその引数やローカル変数に対して再代入を許さないため、堅牢性の高いメソッドを作ることができる。 final 修飾子は「 イミュータブル (不変)」なクラスを実装するときに役立つ。 例1: public class SampleClass { final int constantValue = 5 ; } 例2: public class SampleClass { final int constantValue ; // 初期化なし // コンストラクタ public SampleClass () { constantValue = 5 ; // 1回だけ代入できる。 } } static フィールドに付けられた場合は、クラスに属する変数(クラス変数、静的フィールド、クラスフィールド)が確保されることを表す。この修飾子のついたフィールドは、インスタンスがいくつ生成されてもフィールドの実体は1つで、すべてのインスタンスの間で共有される。 記述例: class SampleClass { static String shared = "shared" ; static final String STR = "constant" ; } メソッド に付けられた場合は、オブジェクトを生成しなくても直接呼び出せるメソッド(静的メソッド、クラスメソッド)であることを表す。 手続き型言語 の 関数 と同じ扱いになる。 例: class Sample1 { // static なメソッド public static void method () { ... } } class Sample2 { void proc () { ... Sample1 . method (); // インスタンスを生成せず直接実行できる。 ... } } クラス内に static {...} というブロックが現れた場合は、そのクラスが最初に参照されたときにそのブロック内のコードを実行する。これを静的初期化子と呼び、主にstatic finalな 配列 や Collection オブジェクトの初期化などに利用される。 データベース にアクセスするために JDBC ドライバを呼び出す Class.forName("ドライバ名") もこの静的初期化子を呼び出している。 例: class StaticInitSampleClass { private static final List < String > list ; static { final List < String > tempList = new ArrayList <> (); tempList . add ( "Hello," ); tempList . add ( "World." ); StaticInitSampleClass . list = Collections . unmodifiableList ( tempList ); } } 内部クラス 入れ子にされたクラス(ネストされたクラス: nested class)のうち、 static 修飾されていないものは内部クラス (inner class) と呼ばれ、暗黙的に外側のクラスのインスタンスをキャプチャして参照することができるが、このネストクラスを static 修飾すると静的ネストクラス (static nested class) となり、暗黙的に外側のクラスのインスタンスを参照できなくなる [ 4 ] 。 例: class OuterClass { static int outerStaticField = 0 ; int outerField = 0 ; class InnerClass { void setOuterField ( int value ) { outerField = value ; // 暗黙参照可能。 outerStaticField = value ; // OK。 } } static class StaticClass { void setOuterField ( int value ) { //outerField = value; // コンパイルエラー。 outerStaticField = value ; // OK。 } } public OuterClass () { new InnerClass (). setOuterField ( 100 ); new StaticClass (). setOuterField ( - 100 ); } public static void test () { final OuterClass outer = new OuterClass (); System . out . println ( "OuterField = " + outer . outerField ); System . out . println ( "OuterStaticField = " + outerStaticField ); } } abstract クラスまたはメソッドに付けられる修飾子である。 final と併用することはできない。Javaでは、実装されないメソッドがあるクラスを作成することができる。抽象クラス自身のインスタンスを作成することはできない。似たものとしてインタフェースがあるが、 abstract class は以下の点においてインタフェースと異なる。 コンストラクタ を持つことができる メソッドなどの実装を記述できる インスタンス変数を持つことができる abstract class はそのままではインスタンス化できず、不足しているメソッドを実装した派生クラスを用意して使用する。 記述例: public abstract class Sample { // 実装があるメソッド public void method1 () { ... } // 実装がないメソッド public abstract void method2 (); } native メソッドがJava言語以外で実装されていることを宣言する( Java Native Interface を参照)。 synchronized メソッドの宣言や特定のブロックに付けられ、 排他制御 を指示する。同一オブジェクトが複数のオブジェクトから参照され、異なる スレッド で同時に処理を行っている場合でも、この修飾子があるブロックでは処理を行えるスレッドはただ1つしか存在しない。 記述例1: public synchronized void method () { ... } 記述例2: public void method () { ... synchronized ( this ) { // 自クラスのインスタンスに対して排他制御 // 排他制御されるブロック } ... } 記述例3: public void method ( Object obj ) { ... synchronized ( obj ) { // Object obj に対して排他制御 // 排他制御されるブロック } ... } volatile フィールドの宣言に付けられ、キャッシュを見に行かずに常に最新の値を見に行くようになる。マルチスレッド下における軽量かつ限定的な同期処理に使われる [ 5 ] 。 例: public class SampleClass { volatile int syncSample ; ... } transient フィールドの宣言につけられる。Javaにはオブジェクトをそのまま ネットワーク に送信したり ファイル などに保存したりするための シリアライズ と呼ばれる機能があり、 transient は対象フィールドがシリアライズの対象にならないことを指示する。スレッドオブジェクトなど、保存できないフィールドや保存されると不都合なフィールドに対して使用される。 例外処理 [ 編集 ] 例外処理 はC言語にはない。Javaでは、 C++ および C# とほぼ共通の構文およびキーワードが使用されている。ただしfinallyはC++には存在せず、throwsはC#には存在しない。 try , catch , finally 例外が発生しうる箇所で使用する。tryブロック ( try{ と } との間) で例外が発生しうるコードを囲み、catchブロック ( catch( Throwable の派生クラス例外オブジェクト ){ と } との間) に例外発生後の処理を書く。finallyブロック ( finally{ と } との間) には、ファイルのクローズ、データベースセッションの切断、ログアウトなど、例外発生の有無にかかわらずtry/catchブロック内の処理を終了する前に必ず実行しておきたいコードを書く。catchを記述した場合finallyは省略可能であり、finallyを記述した場合catchは省略可能である。try/catchブロックとfinallyブロックの両方にreturn文がある場合、後者が優先される。catchブロックにはif-else-if文のように連続して捕捉したい例外を記述することができる。 throw 例外を発生させる。 throws メソッドの宣言で使用される。そのメソッドがどのような例外をスローするかを列挙する。Javaにおける例外の種類には大きく分けて throws の明示が必要な例外と必要でない例外がある。前者は主にファイルエラーなどプログラムの動作中にその都度対応すべき例外で、後者は主に開発・デバッグの段階で対処すべき例外あるいは深刻なエラーである。 以下は IOException を使った記述例である。 public void method () throws Exception { // メソッドが例外をスローすることを宣言 try { ... if ( エラー条件 ) throw new IOException (); // 例外を発生させる。 // (1) 正常終了 // このtryブロックにはreturn文を記述することもできる。 // ただし、finallyブロックにすでにreturn文があるときは、ここにreturn文を書いてもfinallyブロックのreturnが優先される。 } catch ( IOException e ) { // IOException は Java の例外クラスの1つ // (2) 例外処理 // このcatchブロックにはreturn文を記述することもできる。 // ただし、finallyブロックにすでにreturn文があるときは、ここにreturn文を書いてもfinallyブロックのreturnが優先される。 } catch ( Exception e ) { // IOException よりも上位(親)の例外クラス // (3) 例外をさらに外のブロックにスローする。 throw e ; } finally { // (1), (2), (3) どの場合でもこのブロックは必ず実行される。 // ここにreturn文があるときはtry/catchブロックにreturn文があろうともこちらのreturn文が優先される。 ... } } 追加されたキーワード [ 編集 ] J2SE 1.4で assert が追加され、J2SE 5.0で enum が追加された。Java 9では制限されたキーワード (restricted keyword) として、 open , module , requires , transitive , exports , opens , to , uses , provides , with が追加された [ 6 ] 。また、Java 9では単一の アンダースコア _ が予約済みのキーワードとなり、識別子として使用できなくなった。 Java 10では var による 型推論 が追加されたが、これはキーワードではなく、予約された型名 (reserved type name) によって実現されている [ 7 ] 。 Java 13で追加された yield キーワードは、switch式で使用され、結果を返すために使用される。 Java 16で追加された record キーワードは、データキャリアとして使用される不変のデータオブジェクトを簡単に定義するために導入された。 Java 17で追加された sealed キーワードはクラスやインターフェースに対して使用され、指定されたサブクラスのみがクラスやインターフェースを拡張または実装できるようにする。 permits キーワードは sealed クラスの許可されたサブクラスを指定するために使用される。 non-sealed キーワードは sealed クラスのサブクラスで、このサブクラスがさらに他のクラスによって拡張可能であることを示す。 その他 [ 編集 ] 浮動小数点演算 [ 編集 ] その他のキーワードとして、浮動小数点演算の移植性を高める strictfp がある。浮動小数点の演算では一般に全く同じ結果は期待できないものではあるが、 x87 などハードウェアによっては、途中の値においてより高い精度や、より広い値の範囲で演算が行われるために、最終結果が他のプラットフォームと一致しない場合があり、特に IEEE 754 を前提として予想される結果から外れることが問題である。 strictfpを指定すると、途中結果についても全てIEEE 754の倍精度を強制し、相異なるプラットフォーム同士の間でも演算結果が一致することを保証するとされている(仕様では FP-strict という用語を使っている [ 8 ] )。 Java VM の実装で、これを正しく実現するには、x86系CPUを使った計算機の場合、x87を避けてSSE2で計算するか、それができない場合は特殊なテクニック [ 9 ] が必要である。 なお、同様に移植性のある結果を保証する StrictMath というクラスがあるが、そちらはFDLIBMというSun製のライブラリと同じ結果を保証するとされている。 未使用 [ 編集 ] const 、 goto がキーワードとして予約されているが、Javaでは使用できない。使用すると コンパイル 時に構文エラーになる。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ Java言語仕様においてreserved wordではなくkeywordと呼んでいる [ 1 ] 。 出典 [ 編集 ] ^ “ Chapter 3. Lexical Structure - §3.9. Keywords ”. Java SE 7 Specifications > Java Language Specification . Oracle. 2024年3月5日閲覧。 ^ Primitive Data Types (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Language Basics) ^ Branching Statements (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Language Basics) ^ Nested Classes (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Classes and Objects) ^ Javaの理論と実践: volatile を扱う , Internet Archive ^ The Java Language Specification, Java SE 9 Edition ^ Java 10リリース | InfoQ ^ “ Chapter 15. Expressions - §15.4. FP-strict Expressions ”. Java SE 7 Specifications > Java Language Specification . Oracle. 2024年3月5日閲覧。 ^ オライリー『Binary Hacks』Hack #98 を参照。 参考文献 [ 編集 ] “ The Java™ Language Specification Java SE 7 Edition ”. 2013年2月4日閲覧。 “ Java言語規定 第2版 ”. 2013年2月4日閲覧。 ウィキブックスに Java 関連の解説書・教科書があります。 表 話 編 歴 Java プラットフォーム Java言語 JVM Java ME (Micro) Java SE (Standard) Jakarta EE Javaカード Android SDK オラクルのテクノロジー Java開発キット OpenJDK JVM JavaFX Maxine VM Squawk プラットフォーム技術 アプレット サーブレット JSP JSF Web Start (JNLP) MIDlet 主なサードパーティ技術 Eclipse Spring GNU Classpath Hibernate GWT IcedTea Struts WildFly TopLink harmony Jazelle blackdown 歴史 Javaバージョン履歴 Java Community Process サンマイクロシステムズ 自由なJavaの実装 主要なJVM言語 BeanShell Clojure Groovy JRuby Jython Kotlin Processing Rhino Scala コミュニティ カンファレンス JavaOne Devoxx 組織 Apache Software Foundation Java Community Process オラクル サン・マイクロシステムズ 人物 ジェームズ・ゴスリン アーサー・ヴァン・ホフ ウルス・ヘルツレ パトリック・ノートン カテゴリ コモンズ Portal:コンピュータ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%88
クイックソート
クイックソート クイックソートのアニメーション クラス ソート 最悪計算時間 O ( n 2 ) {\displaystyle O(n^{2})} 最良計算時間 O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle O(n\log n)} 平均計算時間 O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle O(n\log n)} 最悪空間計算量 O ( n ) {\displaystyle O(n)} (素朴な実装) O ( log ⁡ n ) {\displaystyle O(\log n)} ( Hoare 1962) [ 1 ] クイックソート ( 英 : quicksort )は、 1960年 に アントニー・ホーア が開発した ソート の アルゴリズム 。 分割統治法 の一種。 n {\displaystyle n} 個のデータをソートする際の最良計算量および平均計算量は O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle O(n\log n)} ( ランダウの記号 )である。他のソート法と比べて一般的に最も高速だと言われている [ 2 ] が、対象のデータの並びやデータの数によっては必ずしも速いわけではなく、最悪の計算量は O ( n 2 ) {\displaystyle O(n^{2})} である。 安定ソート ではない。 アルゴリズム [ 編集 ] クイックソートは以下の手順で行われる。 ピボットの選択:適当な値( ピボット ( 英語版 ) という)を境界値として選択する 配列の分割:ピボット未満の要素を配列の先頭側に集め、ピボット未満の要素のみを含む区間とそれ以外に分割する 再帰 :分割された区間に対し、再びピボットの選択と分割を行う ソート終了:分割区間が整列済みなら再帰を打ち切る 配列の分割方法の一例として、以下のようなものが考えられる: 配列要素からピボット P を選ぶ(ピボットの選び方については #最悪計算量の回避 で詳述) 配列の先頭(左側)から順に、値が P 以上の要素を探索してその位置 LO を記憶する 配列の終端(右側)から逆順に、値が P 未満の要素を探索してその位置 HI を記憶する LO, HI について: LO が HI より左にあるなら、LO にある要素と HI にある要素の位置を入れ替え、それぞれ LO, HI の次の要素から手順 2, 3 の探索を再開する そうでない場合(LO が HI より右か同じ位置にあるなら)、HI を境界として配列を分割する 分割後の要素数が一定の 閾値 を下回ったら 挿入ソート のような「少数の要素に対してより効率的なソート」に切り替える、という手法がある。また、配列の分割方法自体にも様々な変種がある(同時に2つのピボットを選択して3分割する Dual-pivot Quicksort [ 3 ] など)。 アルゴリズムの動作例 [ 編集 ] クイックソートの動作を図示したもの。赤くなっているのがピボット 確定した部分は太文字で表す。ピボットには下線を引く。 初期データ: 8 4 3 7 6 5 2 1 中央付近に位置する7をピボットとする。左から7以上を探索して8を発見。右から7未満を探索して1を発見。前者が左にあるため入れ替え。 1 4 3 7 6 5 2 8 次の位置から探索を継続。7と2を発見して入れ替え。 1 4 3 2 6 5 7 8 次の位置から探索を継続。7と5を発見。前者が右にあるため探索終了。左からの探索で最後に発見した位置(7の位置)の左で分割。 1 4 3 2 6 5 | 7 8 「1 4 3 2 6 5」の領域で2をピボットとして探索。左からの探索で4、右からの探索で2を発見、前者が左にあるため入れ替え。 1 2 3 4 6 5 | 7 8 次の位置から探索を継続。3と2を発見。前者が右にあるため探索終了。3の左で分割。 1 2 | 3 4 6 5 | 7 8 「1 2 」の領域を2をピボットとして探索、双方とも2を発見、同じ位置であるため探索終了。2の左で分割。「1」「2」の領域は確定。 1 | 2 | 3 4 6 5 | 7 8 「3 4 6 5」の領域を6をピボットとして探索。6と5を発見、前者が左にあるため入れ替え。 1 | 2 | 3 4 5 6 | 7 8 次の位置から探索を継続。6と5を発見するが前者が右にあるため探索終了。6の左で分割。「6」は確定。 1 | 2 | 3 4 5 | 6 | 7 8 「3 4 5」の領域を4をピボットとして探索。双方4を発見して終了するため4の左で分割。「3」は確定。 1 | 2 | 3 | 4 5 | 6 | 7 8 「4 5 」の領域を5をピボットとして探索。双方5を発見して終了するため5の左で分割。「4」「5」は確定。 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 8 「7 8 」の領域を8をピボットとして探索。双方8を発見して終了するため8の左で分割。すべて確定。 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 最悪計算量の回避 [ 編集 ] 時間計算量 [ 編集 ] クイックソートの効率は配列の分割の効率に左右される。再帰の各段階で常に均等に分割される場合が最良であり、時間計算量は O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle O(n\log n)} となる。一方で、常に「1要素と残り全部」のように偏って分割された場合が最悪のケースで、時間計算量が O ( n 2 ) {\displaystyle O(n^{2})} に悪化する。 最悪ケースを避けるにはピボットの選択に注意を払う必要がある。たとえば、既にソートされた配列に対して先頭や末尾の要素をピボットとすると最悪ケースとなる [ 注釈 1 ] 。なるべく配列の 中央値 をピボットとして選べるようにすれば、このようなケースを回避できる。 代表的なピボット選択の戦略として、以下のようなものが挙げられる: 配列の一部の要素を選び、それらの中央値を選ぶ(典型的には、配列の先頭・中間・末尾の3要素の中央値 [ 4 ] ) ランダムに配列要素を選ぶ(真の 乱数 による配列選択を仮定すれば、人為的に最悪ケースを与えることが不可能になる) また、ピボットを選ぶ前に配列をランダムに並べ替えるなどの手法によっても、ソートに最悪計算時間を要する可能性を抑えられる [ 5 ] 。 ただし、いずれの場合も最悪ケースの可能性を完全に排除できるものではない。これに対する根本的な改良として、一定の閾値よりも再帰が深くなったら ヒープソート のような O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle O(n\log n)} 時間が保証されるアルゴリズムに切り替える方法がある( イントロソート )。 空間計算量 [ 編集 ] 分割の操作自体は追加の領域を必要としないが、再帰による コールスタック の消費が空間計算量となる。スタックの消費は平均的には O ( log ⁡ n ) {\displaystyle O(\log n)} となるが、最悪ケースでは O ( n ) {\displaystyle O(n)} に増大するため、大きなサイズの配列の場合 スタックオーバーフロー を起こす危険性がある。 対策として、「分割された配列のうち、要素数が少ない方を常に先に処理する」ことで、空間計算量を最悪 O ( log ⁡ n ) {\displaystyle O(\log n)} に抑えられる [ 1 ] [ 4 ] 。このようにすると、常に均等に分割される(最良時間の)場合に log ⁡ n {\displaystyle \log n} スタックとなる一方で、1要素ずつしか分割されない(最悪時間の)場合には定数スタックで済む [ 6 ] 。 これを実装するには、明示的な スタック を用いて非再帰(ループ)構造とする [ 注釈 2 ] か、( 末尾再帰 の最適化機能があれば)要素数が多い方を末尾再帰で処理すればよい [ 4 ] 。 また、 イントロソート によっても最悪 O ( log ⁡ n ) {\displaystyle O(\log n)} 空間を保証できる(再帰深さの閾値が log ⁡ n {\displaystyle \log n} となるように設定すればよい)。 実装例 [ 編集 ] C言語 [ 編集 ] C言語 による実装例を以下に示す: /** * 値を交換する * @param x - 交換するデータのポインタ * @param y - 交換するデータのポインタ * @param sz - データサイズ */ void swap ( void * x , void * y , size_t sz ) { char * a = x ; char * b = y ; while ( sz > 0 ) { char t = * a ; * a ++ = * b ; * b ++ = t ; sz -- ; } } /** 分割関数 * * 配列をピボットによって分割し、分割位置を返す。 * @param a - 分割する配列 * @param cmp - 比較関数へのポインタ * @param sz - データサイズ * @param n - 要素数 * @returns 分割位置を示すポインタ */ void * partition ( void * a , int ( * cmp )( void const * , void const * ), size_t sz , size_t n ) { // void* に対して直接ポインタ演算はできないので予め char* へ変換する char * const base = a ; if ( n <= 1 ) return base + sz ; char * lo = base ; char * hi = & base [ sz * ( n - 1 )]; char * m = lo + sz * (( hi - lo ) / sz / 2 ); // m が median-of-3 を指すようソート if ( cmp ( lo , m ) > 0 ) { swap ( lo , m , sz ); } if ( cmp ( m , hi ) > 0 ) { swap ( m , hi , sz ); if ( cmp ( lo , m ) > 0 ) { swap ( lo , m , sz ); } } while ( 1 ) { while ( cmp ( lo , m ) < 0 ) lo += sz ; // ピボット以上の要素を下から探す while ( cmp ( m , hi ) < 0 ) hi -= sz ; // ピボット以下の要素を上から探す if ( lo >= hi ) return hi + sz ; swap ( lo , hi , sz ); // ピボットがスワップされた場合、スワップ先を指すよう m を更新する if ( lo == m ) { m = hi ; } else if ( hi == m ) { m = lo ; } lo += sz ; hi -= sz ; } } /** クイックソート * * @param a - ソートする配列 * @param cmp - 比較関数へのポインタ * @param sz - データサイズ * @param n - 要素数 */ void quicksort ( void * a , int ( * cmp )( void const * , void const * ), size_t sz , size_t n ) { if ( n <= 1 ) return ; char * p = partition ( a , cmp , sz , n ); char * const base = a ; size_t n_lo = ( p - base ) / sz ; size_t n_hi = ( & base [ sz * n ] - p ) / sz ; quicksort ( a , cmp , sz , n_lo ); // 左側をソート quicksort ( p , cmp , sz , n_hi ); // 右側をソート } cmp(x, y) は x < y なら負、 x = y ならゼロ、 x > y なら正の整数を返す関数とする。 Scheme [ 編集 ] Scheme によるクイックソートの実装例を示す: ( require-extension srfi-1 ) ; SRFI 1 の呼び出し方は実装依存(場合によってはデフォルト)。これは Chicken Scheme の例。 ( define ( qsort f ls ) ( if ( null? ls ) ' () ( let (( x ( car ls )) ( xs ( cdr ls ))) ( let (( before ( qsort f ( filter ( lambda ( y ) ; filter は SRFI 1 の手続き ;; compose は Chicken、Gauche、Guile、Racket 等に備わってる「合成関数を作る」手続き。 ;; 詳細は Paul Graham の On Lisp ;; https://www.asahi-net.or.jp/~kc7k-nd/onlispjhtml/returningFunctions.html ;; を参照。 (( compose not f ) x y )) xs ))) ( after ( qsort f ( filter ( lambda ( y ) ; filter は SRFI 1 の手続き ( f x y )) xs )))) ( append before ( cons x after )))))) Python [ 編集 ] Python によるクイックソートの実装例を示す: from typing import Any from collections.abc import MutableSequence , Callable # median-of-three # 与えられた3値の中央値を返す def median3 ( x , y , z ): return max ( min ( x , y ), min ( max ( x , y ), z )) # 分割関数 # 配列の指定範囲をピボットに従って分割する # # @param seq - 分割する配列 # @param keyFn - 配列要素のキー値を計算する関数 # @param first - 分割範囲の最初のインデックス # @param last - 分割範囲の最後のインデックス # @returns 分割点のインデックス def partition ( seq : MutableSequence [ Any ], keyFn : Callable [[ Any ], Any ], first : int , last : int ): pivot = median3 ( keyFn ( seq [ first ]), keyFn ( seq [ first + ( last - first ) // 2 ]), keyFn ( seq [ last ])) while True : while keyFn ( seq [ first ]) < pivot : first += 1 while pivot < keyFn ( seq [ last ]): last -= 1 if first >= last : return last + 1 seq [ first ], seq [ last ] = seq [ last ], seq [ first ] first += 1 last -= 1 # クイックソート # # @param seq - ソートする配列 # @param keyFn - 配列要素のキー値を計算する関数 def quicksort ( seq : MutableSequence [ Any ], keyFn : Callable [[ Any ], Any ]): def quicksortImpl ( seq : MutableSequence , keyFn : Callable [[ Any ], int ], first : int , last : int ): while first < last : p = partition ( seq , keyFn , first , last ) if ( p - first ) < ( last - p ): quicksortImpl ( seq , keyFn , first , p - 1 ) first = p else : quicksortImpl ( seq , keyFn , p , last ) last = p - 1 quicksortImpl ( seq , keyFn , 0 , len ( seq ) - 1 ) 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 出典 [ 編集 ] ^ a b Hoare 1962 . ^ Skiena 2008 , p. 129. ^ Yaroslavskiy 2009 . ^ a b c Sedgewick 2018 , pp. 273–291. ^ Sedgewick & Wayne 2011 , p. 295. ^ 杉山 1995 , p. 159. 注釈 [ 編集 ] ^ 「先頭未満/以上」で分割してしまった場合、無限再帰による スタックオーバーフロー も起こりうる ^ Cによる実装例 。「再帰しないクイックソートの実装」の節を参照。 関連項目 [ 編集 ] ランダウの記号 イントロソート 参考文献 [ 編集 ] Hoare, C. A. R. (1962). “Quicksort”. The Computer Journal 5 (1): 11. doi : 10.1093/comjnl/5.1.10 . Skiena, Steven S. (2008). The Algorithm Design Manual . Springer. p. 129. ISBN 978-1-84800-069-8 Yaroslavskiy, Vladimir (2009年). “ Dual-Pivot Quicksort ”. 2015年10月2日時点の オリジナル よりアーカイブ。2021年8月2日閲覧。 Sedgewick, Robert『アルゴリズムC 第1~4部: 基礎・データ構造・整列・探索』近代科学社、2018年2月28日(原著1998年9月1日)、273-291頁。 ISBN 978-47-649-0560-3 。 Sedgewick, Robert; Wayne, Kevin (2011-03-19). Algorithms (4th ed.). Addison-Wesley. p. 295. ASIN 032157351X . ISBN 0-321-57351-X . NCID BB06083373 . LCCN 2011-707 . OCLC 951241174 杉山, 行浩『Cで学ぶデータ構造とアルゴリズム』東京電機大学出版局、1995年、159頁。 ISBN 978-45-015-2380-0 。 外部リンク [ 編集 ] クイックソート:アルゴリズム - Python と C言語 のコードで紹介. 表 話 編 歴 ソート 理論 計算複雑性理論 ランダウの記号 全順序 リスト 安定性 ソーティングネットワーク 比較ソート ( 英語版 ) 整数ソート ( 英語版 ) 交換ソート バブルソート シェーカーソート 奇偶転置ソート コムソート ノームソート 比例拡張ソート ( 英語版 ) クイックソート 選択ソート 選択ソート ヒープソート スムースソート ( 英語版 ) デカルト木ソート ( 英語版 ) トーナメントソート ( 英語版 ) サイクルソート ( 英語版 ) 挿入ソート 挿入ソート シェルソート ツリーソート ( 英語版 ) 図書館ソート ペイシェンスソート ( 英語版 ) マージソート マージソート 多層マージソート ( 英語版 ) ストランドソート ( 英語版 ) 非比較ソート 基数ソート バケットソート 計数ソート プロキシマップソート ( 英語版 ) 鳩の巣ソート バーストソート ( 英語版 ) ビーズソート 並行ソート バイトニックソート バッチャー奇偶マージソート シェアソート サンプルソート ( 英語版 ) 混成ソート ティムソート ( 英語版 ) イントロソート アンシャッフルソート ( 英語版 ) その他 トポロジカルソート パンケーキソート ( 英語版 ) スパゲティソート 非効率的/ ユーモラスソート ボゴソート ストゥージソート スリープソート スローソート ( 英語版 ) エラーソート カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B9_(%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF)
クラス
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 独自研究 が含まれているおそれがあります。 ( 2019年1月 ) 正確性 に疑問が呈されています。 ( 2019年1月 ) オブジェクト指向プログラミング における クラス ( 英 : class ) [ 注釈 1 ] は、 オブジェクト を生成するための設計図あるいはひな形に相当するものである。 抽象データ型 の一つ。クラスから生成したオブジェクトの実体のことを インスタンス という。 クラスには、クラス自身またはクラスのインスタンスが保持する データ と、データに関連したオブジェクトの 振る舞い を記述できる。プログラミング言語によっては、それぞれに アクセス修飾子 ( 英語版 ) を指定できる。 統一モデリング言語 (UML) の クラス図 では、データのことを「 属性 」、振る舞いのことを「操作」と呼ぶ。 Java などでは、データのことを「 フィールド 」、振る舞いのことを「 メソッド 」と呼ぶ。 C++ などでは、データのことを「メンバー変数」、振る舞いのことを「メンバー関数」と呼ぶ。 クラスは、 クラスベース の オブジェクト指向プログラミング の基本である。また、 オブジェクト指向プログラミング における カプセル化 ・ 継承 ・ ポリモーフィズム などを、クラスベースのオブジェクト指向プログラミングにおいてはクラスを必要に応じて適宜使って実装する。一方、カプセル化・継承・ポリモーフィズムなどを、 プロトタイプベース のオブジェクト指向プログラミングにおいてはクラスを使わずに実装する。 プログラミング言語におけるクラスのサポートは、 オーレ=ヨハン・ダール によって Simula 67 において初めて導入された。この時点ではまだ オブジェクト指向 の概念や用語は確立されていなかったが、のちにSimulaの影響を受けた ビャーネ・ストロヴストルップ の C++ [ 1 ] と、 アラン・ケイ の Smalltalk によってオブジェクト指向が再定義されることになる。 クラス設計のための基本概念 [ 編集 ] カプセル化 ( encapsulation ) [ 編集 ] →詳細は「 カプセル化 」を参照 一般にどんなプログラムであれ、プログラム機能を提供するためにはデータを保有するだけではなく、データに対する操作ができなければならない。単に複数のデータをまとめる手段としては、 C言語 の 構造体 や Pascal のレコード型といった形で従来の 手続き型プログラミング 言語においても提供されている。一方クラスは、データだけでなくそのデータに関連する操作もひとまとめにして管理する枠組みを提供する。 このように関連する変数や操作などをクラスの所属物として一つにまとめてしまうことを、クラスによる情報の カプセル化 (encapsulation)と呼ぶ。適切なカプセル化により、データ構造やアルゴリズムなどを変更したとしても、変更箇所はカプセル化されたクラス領域内だけで済み、変更箇所がクラス外の関連ソースコード全体にまで散乱・波及してしまうことを防ぐことができる。 またアクセス修飾子 (access modifier) により、所属物に対して公開/非公開情報の区別をつけることで、クラス外部からクラス内に対して破壊的操作を加えることを防いだり、特定の機密データをクラス外部から見ることができないようにしたりするなど、外部に開放する情報に制限をつけることができる。カプセル化した上に公開/非公開情報の区別を加えることを 情報隠蔽 (information hiding)と呼ぶ [ 2 ] [ 注釈 2 ] 。 継承 ( inheritance/extension/generalization) [ 編集 ] →詳細は「 継承 (プログラミング) 」を参照 継承 (inheritance)または 拡張 (extension)とも呼ばれる。既存のクラスに基づき新たなクラスを構成する。その目的は、単純なクラスに基づいてもっと複雑なクラスを構成することである。また、複雑なクラスはそれを定義する単純なクラスに従属するという意味で、クラスに階層をつけることができるようになる [ 3 ] [ 注釈 3 ] 。継承の基になったクラスを 親クラス / 基本クラス / 基底クラス / スーパークラス などといい、継承してできたクラスを 子クラス / 派生クラス / サブクラス などという。派生クラスのインスタンスはまた基本クラスのインスタンスとしても扱えるようになる( リスコフの置換原則 )。継承により、後述のポリモーフィズムを実現することができるようになる。 UMLでは継承のことを 汎化 ( generalization ) と呼んでいる。汎化とはスーパークラスによる抽象化であり、対義語の 特化 ( specialization ) はサブクラスによる具象化を指す。 また、 オブジェクト指向 を効率よく使いこなすためには継承だけでなく 集約 ( aggregation )、 委譲 ( delegation ) を理解する必要がある。 継承は、 開放/閉鎖原則 に基づき、単純な基本クラスからより複雑な派生クラスを構成する機構であり、コードの再利用と拡張を容易にする。逆に複雑なクラスの所属物のいくつかを除いて単純なクラスを構成しようとすると、コードの再利用と拡張を阻害することになる。 すなわち、最初から多数の所属物をカプセル化したり、基本クラスから継承するにしても多数の所属物を付け加えて極めて特化されたクラスを最初から作成してしまうと、途中でそれよりやや一般的なクラスが必要になっても代替させることができない。 複数の基本クラスを継承して一つの新しいクラスを派生させることを 多重継承 (multiple inheritance) と呼ぶ。多重継承により、基となった全てのクラスの所属物は合わせて一つになり、全ての動作が組み合わさった新しい一つのクラスが構成される。ただし、実装の多重継承は二つの基本クラスの同名メソッドの オーバーライド によるコンフリクトを始めとするいくつかの問題点( 菱形継承問題 など)が指摘されている。したがって実装の継承は通例、一つのクラスに基づいてその拡張を行う単一継承を用いる。C++は多重継承を許可し、多重継承にまつわる問題の解決手段を 仮想継承 によって提供しているが、他の多くの言語、例えば Java 、 C# 、 D言語 では実装の多重継承はサポートされておらず、 インターフェイス の複数実装による型の多重継承のみサポートされている。ただしJava 8以降はインターフェイスのデフォルト実装により、実装の多重継承も限定的にサポートするようになった。なお、Simula 67は多重継承もインターフェイスもサポートしていなかった [ 4 ] 。 C++ などの言語では、既存のクラスを継承したクラスを作ることで新たなメソッドの作成(追加)が可能となる。 ポリモーフィズム ( polymorphism ) [ 編集 ] →詳細は「 ポリモーフィズム 」を参照 クラスを継承する際に、スーパークラスの振る舞いをサブクラスの振る舞いで上書きする(置き換える)ことを オーバーライド という。あるサブクラスのインスタンスがオーバーライドされた振る舞いを持つ場合、インスタンスの具体的な内容(クラス)が分からなくても、インスタンスに対してその振る舞いを実行するよう指示すれば、見かけがスーパークラスと同じ(すなわちインターフェイスが同じ)でありながら、インスタンスの実際のクラスに応じて実行される振る舞い(処理内容)を変えることができる。このようにして、見かけが一緒なのに動作が変わることを ポリモーフィズム (ポリモルフィズム) / 多様性 / 多態性 / 多相性 などという。 Simulaにおけるクラス [ 編集 ] ダイクストラの 構造化プログラミング は、プログラムの大規模開発への道を開いたが、あくまで単一スレッド(single thread)計算機を前提としたトップダウン型開発方法であった。すなわち、プログラムのすべての機能は単線の計算プロセス上で実行する必要があり、たとえ甲と乙という汎用的な単機能を提供する検証済みのプログラムがそれぞれ独立に存在していても、両機能を実現するプログラムを作成するためには、ソースコードから該当機能部分を抜き出し、単線上に乗るように連接(concatenation)した上で、一つのプログラムとして正しく動作するように修正し、さらに再度検証しなければならない。 一方で、複数スレッド(multi thread)計算機においては、主プログラムから、甲と乙のプログラムなどの従プログラムをそれぞれ並列に実行させた上で、処理内容を従プログラムに(OSの機能などを仲介して)伝言受け渡し(message passing)して代わりに処理させることで、検証済みプログラムのソースコードに手を加えることなく、低コストで開発することができる( コルーチン を用いたプログラミング) [ 注釈 4 ] 。 オーレ=ヨハン・ダール と アントニー・ホーア は、このような考え方の有効性を主張し [ 5 ] 、上記のような一連の操作を一つの言語の中で完結させるための機構を提案した。それがクラスの構文である。 ダールとホーアは、まず主プログラムから従プログラムを並列呼び出しする際、読み込みするにあたって新たに(new)割り当てられたメモリ領域に限定して走る計算プロセスを実例(instance;インスタンス)と名付け、さらにその実例の集まり( class of instances)をそれが記述されたソースコードと同一視した。その上で、呼び出されたときだけではなく、存在し続ける従プログラムの実例のもとになる手続きを クラス (class)、その実例を(「クラスの実例」ではなく)改めてクラスの 対象 (object)と名付けた [ 6 ] 。さらに、その考えに基づいて Simula 67 にクラスの構文を実装した [ 注釈 5 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 英語の class は、本来「分類」「種類」といった意味を持っている。 ^ 多くのプログラミング言語ではフィールドやメソッドの定義とアクセス権の指定は同時になされるため、カプセル化と情報隠蔽はしばしば混同される。 ^ これが、ダールとホーアの論文の題名である『階層的プログラム構造』である。 ダール(1972) ^ ただし、随所にOSの機能を利用することになるため異なるOSへの移植性が低い上に、主プログラムと並列呼び出しする従プログラムが異なる言語で記述されている場合、複数の異なるコンパイラが必要となり、場合によっては複数の異なる言語を使用しなければならなくなってしまう。 ^ 言語仕様にクラス構文を導入することで以下のような利益が得られる。 主プログラムと従プログラムに相当するものが異なる言語で記述されることがない。 複数スレッド計算機のOSに依存した以下の一連の操作を言語内部で統一的に処理できるようになる 主プログラムからのメモリ割り当て 並列呼び出し 抽象データ型として表現される場合、OSを仲介した伝言のやりとりのような形式ではなく、体裁上は具体的データ型のデータに対する処理への引数渡し、処理返しとして取り扱い可能になる 出典 [ 編集 ] ^ Bjarne Stroustrup. “ A History of C++: 1979−1991 ”. 2019年2月2日閲覧。 ^ 落水(1993) p.82 ^ 構造化プログラミング(1975) p.226 ^ INTRODUCTION TO SIMULA | WHAT IS WRONG WITH SIMULA ? ^ 構造化プログラミング(1975) pp.201-202 ^ 構造化プログラミング(1975) p.202 参考文献 [ 編集 ] オーレ=ヨハン・ダール, C.A.R. ホーア (1972), 階層的プログラム構造 E.W.ダイクストラ、C.A.R.ホーア、O.-J.ダール 著、野下浩平,川合慧,武市正人 訳『構造化プログラミング』サイエンス社、1975年。 (収録) 川合 慧『システム プログラム』近代科学社〈コンピュータサイエンス大学講座〉、1982年。 落水 浩一郎『ソフトウェア工学実践の基礎』日科技連〈実践ソフトウェア開発工学シリーズ〉、1993年。 Ole-Johan Dahl (2001), The Birth of Object Orientation: the Simula Languages 関連項目 [ 編集 ] ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 クラス クラス図 サブクラス (計算機科学) スーパークラス (計算機科学) メソッド (計算機科学) フィールド (計算機科学) プロパティ (プログラミング) オブジェクト指向 - オブジェクト指向プログラミング 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ
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クラス図
オブジェクト指向 > 統一モデリング言語 > クラス図 UML の図 構造図 クラス図 コンポーネント図 オブジェクト図 コンポジット構造図 ディプロイメント図 パッケージ図 プロフィール図 ( 英語版 ) 振る舞い図 アクティビティ図 ステートマシン図 ユースケース図 コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 相互作用概要図 ( 英語版 ) 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) における クラス図 (クラスず、 英 : class diagram)とは、 クラス 、属性、クラス間の関係からシステムの構造を記述する 静的な構造図 である。 クラス図と ソースコード の同期が可能なUMLモデリングツールも存在する。 クラス [ 編集 ] クラス図におけるクラスの例 ソフトウェアシステムにおける クラス は、中にクラス名の記述された四角で表現する。クラスはドメイン等、ソフトウェア要素ではない要素であってもよい。例えば、車のタイヤ、化学物質の一種、料理の材料などである。 クラス名の下に 属性 ( プロパティ )の区画を設けることができる。どの 属性 も最低でも名前を記述せねばならず、オプションとしてその型、初期値、その他の特性を記述することができる。 さらにその下に、クラスの 操作 ( メソッド )の区画を設けることができる。どの 操作 も最低でも名前を記述せねばならず、オプションとしてその引数や戻り値を記述することができる。 他の区画を定義してもよい。例えば、保存する義務や必要条件、制限などである。 属性や操作に対し以下の可視性を付けることができる。 " + "は public " # "は protected " - "は private " ~ "は package (パッケージ内で可視) また、クラス図で クラス変数 や クラスメソッド を表現するには、区画内の項目に下線を引けばよい。 関係 [ 編集 ] 関係 は、クラス図とオブジェクト図に見られる、以下に示すような論理的な連結の種類を総称する用語である。 インスタンスレベルの関係 [ 編集 ] 関連とリンク [ 編集 ] リンク は、基本的なオブジェクト間の関係である。 オブジェクト図 では、オブジェクトを表す長方形を実線でつなぐことでリンクを表す。 なお、ここで言うオブジェクトはプログラミング言語での オブジェクト に限られない。 2つ(以上)のクラスのそれぞれの インスタンス 間にリンクがありうる場合、これらのクラスに 関連 (association) があると言う。 2つのクラスに関連があることは、クラスを表す長方形を実線で結ぶことで表される。3者以上の関連を表す記法もある。 関連を表す線の端に、 ロール名 と呼ばれる、関連先の役割を表す名前を記すことができる。 関連の線を矢印(開いた矢印)とすることで、 誘導可能性 (navigability) を表現することができる。 集約 [ 編集 ] 2つのクラス間の集約を表すクラス図 集約 (aggregation) は、関連の一種であり、" has-a " の関係を表す。 インスタンス間のリンクとしては、「部分」に相当するオブジェクトと「全体」に相当するオブジェクトの結びつきである。 「部分」側のインスタンスが複数の「全体」インスタンスに共有される場合、後述のコンポジションには該当せず、「集約」とされる。UML規格書では shared aggregation とも表記されている。 「全体」インスタンスが破棄されても、「部分」インスタンスが破棄されるとは限らない。 図では、クラスを結ぶ関連の線を書き、「全体」側の端に中抜きの菱形を付けることで表現する。 全体-部分の関係の例として、例えば「車とエンジン」の関係を挙げることができる。これは集約またはコンポジションとしてモデル化されうる。 コンポジション [ 編集 ] コンポジション は、集約と同じく関連の一種であり、" has-a " の関係を表すが、集約よりも結びつきが強い。 コンポジションは、「集約」より制約が強く、「部分」側のインスタンスが共有されない。すなわち、「部分」インスタンスに対して結びついている「全体」インスタンスが同時には多くとも1個である。 両インスタンスのライフサイクルに強い関係があり、「全体」インスタンスが破棄される際には「部分」インスタンスもすべて破棄されることが普通である(必ずではない)。 表記は、「集約」と類似しているが、「全体」側の端に付ける菱形を黒塗りにする。 コンポジションでは、前述した制約(共有不可)により、全体側インスタンスの 多重度 は 0..1 か 1 となる。 クラスレベルの関係 [ 編集 ] 汎化・特化 [ 編集 ] 汎化 とは、一方のクラス( スーパークラス )がもう一方( サブクラス )に対してより一般的であると考えられることを表す。これはサブクラスのインスタンスがスーパークラスのインスタンスでもあることを意味している。 特化 は、汎化の逆である。つまり、 サブタイプ は スーパータイプ を特化したものである。 UMLでは、スーパークラス側に中抜きの三角を記述する事で表現する。 汎化・特化の関係は、" is-a "の関係としても知られる。 「 継承 」は、特化と関係はあるが同じではない。 汎化・特化の関係において、 スーパータイプ は" 親 "、" スーパークラス "、" 基底クラス "、" 基底タイプ "、"基本型"としても知られる。 サブタイプ は" 子 "、" サブクラス "、" 派生クラス "、" 派生タイプ "、" 派生型 "としても知られる。 この関係が生物の個体の親子関係とは類似していないことに注意。 汎化/特化の関係例として、例えば「貨物自動車は車の一種」という関係を挙げるとする。貨物自動車は車から特化され、車は貨物自動車から汎化されたといえる。 実現 [ 編集 ] 実現 とは、一方のクラスがもう一方( インターフェース や 仕様 )の実装となっていることを表す。例えば、 インターフェース とそれの実装となっているクラスの関係である。 UMLでは、インターフェース側に中抜きの三角を記述し破線を引く事で表現する。 一般的な関係 [ 編集 ] 依存 [ 編集 ] モデルの要素間に、片方を変更すればもう片方に変更が生じる依存が存在する。 「依存」には幾つかの名前付けされた種類がある。 依存はインスタンス間、クラス間、インスタンス-クラス間にあり得る。 図では、依存する側からされる側への破線矢印で表現する。 破線上に、ステレオタイプと呼ばれる、テキストをギュメ (« ») で囲んだものを付けて、依存の種類を記すことができる。 多重度 [ 編集 ] 関連の関係は、関連するクラスの一方がもう一方を参照していることを意味する。 UMLでは、それらのインスタンスにおける 多重度 をクラス間の両端に記述することができる。多重度とは、その関連に参加するオブジェクトの数を示すものである。 記述 インスタンス数 0..1 無し又は一つ 1 一つのみ 0..* または * ゼロ個以上 1..* 1個以上 関連項目 [ 編集 ] オブジェクト指向モデリング ドメインモデル 外部リンク [ 編集 ] UML Reference Card Object Relationships Model Notation Introduction to UML 2 Class Diagrams UML 2 Class Diagram Guidelines UML Class Diagram UML Overview Umbrello manual ClassDraw Manual dotnetcoders.com javaworld.com objectmentor.com phppatterns.com php and uml class diagrams uml2php.com examples Class Diagrams for Java Programmers Understanding UML Class Relationships 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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クラスベース
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "クラスベース" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2015年12月 ) クラスベース ( 英 : Class-based ) は、 オブジェクト指向プログラミング (OOP)のスタイルのひとつであり、 オブジェクト の生成に クラス を用いるスタイルを指している。OOPの標準的スタイルである。それと対比されるスタイルに プロトタイプベース がある。 クラスベースOOPは、先発の アラン・ケイ の Smalltalk 流と、後発の ビャーネ・ストロヴストルップ の C++ 流で二分されている。Smalltalk流は メッセージパッシング を基礎にしており、C++流は 継承 と動的ディスパッチを加えた 抽象データ型 のスーパーセットを基礎にしている。 クラスベースOOPでの オブジェクト は、総じて クラス を実体化した インスタンス と定義されている。クラスは、 状態 と 振る舞い の構成を定めた一種の 型 であり、オブジェクトのひな型や設計図に例えられている。クラスには カプセル化 、 継承 、 ポリモーフィズム をサポートするメカニズムが備えられているのが普通である。Smalltalkのクラスは、 メタクラス の インスタンス でもあるので オブジェクト である。C++流の クラス はただの 型 であり、そのインスタンスがオブジェクトである。 C++流のクラスベースは、 静的型付け と 動的型付け で二分されている。 静的型付け はクラスの構成解釈=オブジェクトの型チェックをコンパイル時にする機構であり、 動的型付け はクラスの構成解釈=オブジェクトの型チェックを実行時にする機構である。 脚注 [ 編集 ] 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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クラス変数
クラス変数 ( class variable ) または、 静的メンバ変数 ( static member variable )、 静的フィールド ( static field ) とは、同一 クラス ・ 派生クラス で共有される 変数 である。そのため、関連クラスに渡って共通に使用できる グローバル変数 (大域変数)であるともいえる。 これに対して、インスタンスごとに確保される変数のことを、 インスタンス変数 あるいは単に フィールド (計算機科学) 、 データメンバ 、 メンバ変数 などと呼ぶ。 UML ではクラス変数のことを、特別な意味を持つ 属性 として クラススコープ ( class scope ) と呼ぶ。 Ruby [ 編集 ] 本節では スクリプト言語 である Ruby でクラス変数の概略を記す。Rubyにおいては、@@で始まる変数がクラス変数となる。 # Ruby Script class A @@n = "Default Value" def printClassVariable p @@n end def setClassVariable ( var ) @@n = var end end class B < A end class C < B end a = A . new b = B . new c = C . new a . printClassVariable #=> Default Value b . printClassVariable #=> Default Value c . printClassVariable #=> Default Value a . setClassVariable ( "Value is changed" ) a . printClassVariable #=> Value is changed b . printClassVariable #=> Value is changed c . printClassVariable #=> Value is changed なお、Rubyにおいては クラス自身もClassクラスのインスタンス であるので、そのインスタンス変数(クラスインスタンス変数)も存在する。「クラスに属する変数」という意味で両者は共通するが、クラスインスタンス変数はインスタンスメソッドから直接使うことができないなど、機能としては別である。 Java [ 編集 ] 本節では、 Java におけるクラス変数の例を記す。 Javaにおいては、static修飾子を使うことでクラス変数を宣言できる。下記の例において、2行目で宣言されているfooはクラス変数であり、3行目で宣言されているbarは インスタンス変数 である。冒頭でも説明されているように、クラス変数は同一 クラス と 派生クラス で共有される。ただし、クラス変数のアクセスレベルが private の場合、あるいはアクセスレベルが パッケージ プライベート(デフォルト)で、派生クラスがパッケージ外にある場合は、派生クラスから参照することはできない。 class Hoge { static int foo ; // クラス変数 int bar ; // インスタンス変数 } このHogeクラスを実際に使用する例: public class Main { public static void main ( String [] args ) { Hoge . foo = 100 ; // Hogeクラスのクラス変数に100を代入 final Hoge hoge = new Hoge (); // インスタンスを生成 hoge . bar = 20 ; // hogeインスタンスのインスタンス変数barに20を代入 System . out . println ( "Hoge.foo = " + Hoge . foo ); // fooを表示 System . out . println ( "hoge.bar = " + hoge . bar ); // barを表示 // hogeインスタンスでクラス変数fooにアクセスすることもできる (ただし、推奨されない文法)。 System . out . println ( "hoge.foo = " + hoge . foo ); hoge . foo = 700 ; // クラス変数fooに700を代入 hoge . bar = 800 ; // hogeインスタンスのインスタンス変数barに800を代入 System . out . println ( "Hoge.foo = " + Hoge . foo ); System . out . println ( "hoge.foo = " + hoge . foo ); System . out . println ( "hoge.bar = " + hoge . bar ); final Hoge another = new Hoge (); // インスタンスをもう一つ生成 another . foo = 777 ; // クラス変数fooに777を代入 another . bar = 888 ; // anotherインスタンスのインスタンス変数barに888を代入 System . out . println ( "another.foo = " + another . foo ); System . out . println ( "another.bar = " + another . bar ); System . out . println ( "Hoge.foo = " + Hoge . foo ); System . out . println ( "hoge.foo = " + hoge . foo ); System . out . println ( "hoge.bar = " + hoge . bar ); } } 実行結果 Hoge.foo = 100 Hoge.bar = 20 hoge.foo = 100 Hoge.foo = 700 hoge.foo = 700 hoge.bar = 800 another.foo = 777 another.bar = 888 Hoge.foo = 777 hoge.foo = 777 hoge.bar = 800 この例ではインスタンス変数との違いを示すためにインスタンス変数barを用意した。 クラス変数Hoge.fooとhoge.fooとanother.fooはすべて同一のものであるためどれかに値を代入するとどれを参照しても代入された値となる。この例ではまずHoge.fooに100を代入した。当然100を出力する。hoge.fooはHoge.fooとクラス変数を参照しているため100を出力する。次にhoge.fooに700を代入する。Hoge.fooもhoge.fooもどちらも700を出力する。次に新たにインスタンスanotherを生成する。another.fooに777を代入しanother.barには888を代入する。このとき、当然another.fooは777、another.barは888を出力する。ただし、Hoge.foo、hoge.fooの値は、Hogeクラスで共有されているクラス変数であるためどちらも777になっている。hoge.barは異なるインスタンスの変数であるため800のままである。 用途 [ 編集 ] クラス変数はクラスから生成される全てのインスタンスで共有可能な特徴を持つ変数である。この特徴を生かしたクラス変数の代表的な用途は以下の通り。 定数 クラスと 関連 を持つ定数の定義に使用できる。 処理系の実装にもよるが、通常、クラス変数はクラスがロードされた際にメモリ上に確保され、そのメモリを全てのインスタンスが共有する。よって、メモリ使用量が節約できるメリットがある。 定数であることを明示的に示すため、定数に用いるクラス変数は読み取り専用にすることが望ましい。 クラスの状態の保持 あるクラスのインスタンス全てから共有可能な「クラスの状態」を表す変数の定義に使用できる。 クラスの状態の保持の代表例として、 Singleton パターン でシングルトンオブジェクトを記憶する変数が挙げられる。 Singleton パターンでクラス変数を用いる場合、初めて生成されるインスタンスをクラス変数と関連付けて「そのクラスのインスタンスが生成済みである」というクラスの状態を保持する。 関連項目 [ 編集 ] メソッド (計算機科学) フィールド (計算機科学) インスタンス オブジェクト指向プログラミング この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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グラフ
この記事は 英語版の 対応するページ を翻訳することにより充実させることができます。 ( 2024年5月 ) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。 英語版記事を 日本語へ機械翻訳したバージョン (Google翻訳)。 万が一翻訳の手がかりとして機械翻訳を用いた場合、翻訳者は必ず翻訳元原文を参照して機械翻訳の誤りを訂正し、正確な翻訳にしなければなりません。これが成されていない場合、 記事は削除の方針 G-3 に基づき、削除される可能性があります。 信頼性が低いまたは低品質な文章を翻訳しないでください。もし可能ならば、文章を他言語版記事に示された文献で正しいかどうかを確認してください。 履歴継承 を行うため、 要約欄 に翻訳元となった記事のページ名・版について記述する必要があります。記述方法については、 Wikipedia:翻訳のガイドライン#要約欄への記入 を参照ください。 翻訳後、 {{ 翻訳告知 |en|Graph (abstract data type)|…}} を ノート に追加することもできます。 Wikipedia:翻訳のガイドライン に、より詳細な翻訳の手順・指針についての説明があります。 6個の頂点と7本の枝からなるラベル付きグラフ グラフ ( 英 : Graph )とは、ノード(頂点)群とノード間の連結関係を表すエッジ(枝)群で構成される 抽象データ型 、and・orその実装である具象データ型である。 グラフ理論 を基盤として、なんらかの証明が可能であったり、豊富な アルゴリズム が利用できること、などが特徴である。 グラフは G=(V,E) で表され、 V は頂点(vertices)の 集合 、 E は頂点と頂点をつなぐエッジ(edges)の集合である。形式的には、グラフ G は順序対 G=(V,E) で定義され、 V は有限の集合、 E は V から選んだ2つの元からなる集合の集合である。 表現の選択肢 [ 編集 ] グラフを実際に表現するための主な データ構造 として、2種類のデータ構造がある。第一は 隣接リスト と呼ばれるもので、各ノード毎に隣接するノードのリストを保持するデータ構造である。第二は 隣接行列 と呼ばれるもので、行と列にエッジの始点と終点となるノードが並んだ2次元の配列で表され、配列の各要素は2つのノード間にエッジがあるかどうかを示す値が格納される。隣接リストはまばらなグラフに適しており、そうでない場合は隣接行列の方が望ましい。アルゴリズム上の要請から、何らかの情報をエッジに持たせる必要がある場合など、エッジごとのデータがあるデータ構造が必要な場合もある。非常に大きなグラフでエッジに何らかの規則性がある場合、 シンボリックグラフ という表現も選択肢としてありうる。 操作 [ 編集 ] グラフに関する アルゴリズム は数多く、よく研究されている。グラフに関する典型的な操作としては、2つのノード間の経路を探す操作がある。 深さ優先探索 や 幅優先探索 のような手法を使い、あるノードから別のノードへの 最短経路 を求める。例えば、 ダイクストラ法 がある。全てのノードの組合せについてそれぞれの最短経路を求める ワーシャル-フロイド法 もある。 有向グラフは フローネットワーク として見ることができ、各エッジに容量が定められ、何らかのフローがグラフ上を流れる。グラフの始点から終点への 最大フロー問題 を解くアルゴリズムとしては、 フォード・ファルカーソンのアルゴリズム がある。 関連項目 [ 編集 ] グラフ理論 シーングラフ 最短経路問題 全域木 Graphviz 外部リンク [ 編集 ] Interactive visualisations グラフなどのデータ構造を視覚化して表示( Mozilla Firefox では動作しない) Notes Boost Graph Library C++ 用の強力なグラフライブラリ Perl によるグラフルーチン群 QuickGraph: Graph Data Structures And Algorithms for .NET Algraf Project グラフ描画ツール、いくつかのグラフ関連アルゴリズム、XMLへの変換など WordGraph - タブインデントで記述されたテキストの構造を解析し、グラフ描画するソフト。 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ
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クロージャ
クロージャ、クロージャーのその他の用法については「 クロージャ (曖昧さ回避) 」をご覧ください。 クロージャ (クロージャー、 英語 : closure )、 関数閉包 は プログラミング言語 における 関数オブジェクト の一種。いくつかの言語ではラムダ式や 無名関数 にて利用可能な機能・概念である。 引数 以外の 変数 を実行時の環境ではなく、自身が定義された環境( 静的スコープ )において解決することを特徴とする。 関数 とそれを評価する環境のペアであるともいえる。この概念は少なくとも1960年代の SECDマシン まで遡ることができる。まれに、関数ではなくとも、環境に紐付けられたデータ構造のことをクロージャと呼ぶ場合もある。クロージャをサポートする言語によるプログラミングでは、単に関数の中に関数を定義することができるだけでなく、その際に、外側の関数( エンクロージャ )で宣言された変数を暗黙的に内側の関数に取り込んで操作することができる。主な利点としてはグローバル変数の削減や コールバック関数 記述の簡素化が挙げられる。 典型的にはクロージャは、エンクロージャの内側の関数リテラルや、ネストした関数定義によって必要になる。プログラミング言語により、そのような内側の関数内に出現する 自由変数 (内側の関数の仮引数でもなく、内側の関数自身のローカル変数でもない変数)の扱いは異なるが、自由変数をレキシカルに(字句的に)参照するのがクロージャである [ 1 ] 。エンクロージャが実行された際、クロージャが形成される。クロージャは内部の関数のコードとエンクロージャの スコープ 内の必要なすべての変数への参照からなる。 クロージャはプログラム内で環境を共有するための仕組みである。レキシカル変数はグローバルな 名前空間 を占有しないという点で グローバル変数 とは異なっている。また オブジェクト指向プログラミング におけるオブジェクトの インスタンス変数 とは、オブジェクトのインスタンスではなく関数の呼び出しに 束縛 されているという点で異なる。 クロージャは 関数型言語 では 遅延評価 や カプセル化 のために、また 高階関数 の引数として広く用いられる。 例: クロージャを使ったカウンタの例を Scheme で示す。 ( define ( new-counter ) ( let (( count 0 )) ( lambda () ( set! count ( + count 1 )) count ))) ( define c ( new-counter )) ( display ( c )) ; 1 ( display ( c )) ; 2 ( display ( c )) ; 3 関数 new-counter の中でクロージャが使用されている。 c に代入された無名関数は new-counter 内のローカル変数 count を参照している。 c を呼び出すたびに count はインクリメントされていく。 クロージャの用途 [ 編集 ] クロージャには多くの用途がある。 ライブラリ の設計者は、関数(コールバック関数)を引数として受け取る関数(高階関数)を定義することで、利用者が挙動をカスタマイズできる汎用的なライブラリ関数を提供することができる。その際、クロージャを高階関数の引数として渡すことで、記述の簡素化や高階関数の外側の状態の参照が可能となる。例えば コレクション の ソート を行う関数は、比較関数を引数に渡すことで、利用者が定義した基準でソートできるようになるが、クロージャを使うことでさらに自由度の高い比較処理を簡潔に記述することができるようになる。 クロージャは遅延評価される(呼び出されるまで何も実行しない)ので、制御構造の定義に用いることができる。例として、 Smalltalk の分岐 (if-then-else) や繰り返し (while、for) を含むすべての標準制御構造は、クロージャを引数にとるメソッドを持つオブジェクトを利用することで定義されている。同様な方法で利用者は自作の制御構造を簡単に定義できる。 遅延評価 される引数のように、その値を求めるためのものは揃っているが、まだ値自体は計算されていない、というものを記憶しておくために、追加の引数を持たないクロージャのようなデータ構造を使う。これをサンク(thinkの過去形)という。 ALGOL 60の名前渡しの実装において考案された。 クロージャを持つプログラミング言語 [ 編集 ] 本来の ラムダ計算 は 静的スコープ だが、1960年の LISP Iは 動的スコープ という不具合を抱えていて [ 2 ] 、その後の1960年代のLISPはスコープ解決に色々と問題を抱えていた [ 3 ] 。1975年に Scheme は完全な静的スコープのクロージャを持つ最初の言語として登場した [ 4 ] [ 5 ] 。1984年の Common Lisp はそれを取り入れた。実質的にすべての関数型言語( Scala 、 Haskell 、 OCaml など)と Smalltalk に由来するオブジェクト指向言語は何らかの形でクロージャを持っている。 クラス を使用するオブジェクト指向言語では、完全なクロージャになるには メソッド の中でクラス定義できることが必要だが、メソッドあるいは関数の中でラムダ式/ 無名関数 が使え、その中から外のローカル変数を読み書きできれば、一般的にはそのプログラミング言語はクロージャを使えるとみなされる。よって、クロージャを持つ言語には、 C# (3.0以降)、 C++ ( C++11 以降)、 ECMAScript ( JavaScript を含む)、 Groovy 、 Java (8以降)、 Perl 、 Python 、 Ruby 、 PHP (5.3以降)、 Lua 、 Squirrel などがある。 セマンティクスはそれぞれ大きく異なっているが、多くの現代的な汎用のプログラミング言語は静的スコープとクロージャのいくつかのバリエーションを持っている。 セマンティクスの違い [ 編集 ] 言語ごとにスコープのセマンティクスが異なるように、クロージャの定義も異なっている。汎用的な定義では、クロージャが捕捉する「環境」とは、あるスコープのすべての変数の束縛の集合である。しかし、この変数の束縛というものの意味も言語ごとに異なっている。 命令型言語 では、変数は値を格納するためのメモリ中の位置と束縛される。この束縛は変化せず、束縛された位置にある値が変化する。クロージャは束縛を捕捉しているので、そのような言語での変数への操作は、それがクロージャからであってもなくとも、同一のメモリ領域に対して実行される。例として、ECMAScriptを取り上げると var f , g ; function foo () { var x = 0 ; f = function () { x += 1 ; return x ; }; g = function () { x -= 1 ; return x ; }; x = 1 ; console . log ( f ()); // "2" } foo (); console . log ( g ()); // "1" console . log ( f ()); // "2" 関数 foo と2つのクロージャがローカル変数 x に束縛された同一のメモリ領域を使用していることに注意。 一方、多くの関数型言語、例えば ML は変数を直接、値に束縛する。この場合、一度束縛された変数の値を変える方法はないので、クロージャ間で状態を共有する必要はない。単に同じ値を使うだけである。 さらに、 Haskell など、遅延評価を行う関数型言語では、変数は将来の計算結果に束縛される。例を挙げる。 foo x y = let r = x / y in ( \ z -> z + r ) f = foo 1 0 main = do putStr ( show ( f 123 )) r は計算 (x / y) に束縛されており、この場合は 0による除算 である。しかしながら、クロージャが参照しているのはその値ではなく計算であるので、エラーはクロージャが実行され、実際にその束縛を使おうと試みたときに現れる。 さらなる違いは 静的スコープ である 制御構文 、 C言語 風の言語における return ・ break ・ continue などにおいて現れる。ECMAScriptなどの言語では、これらはクロージャ毎に束縛され、構文上の束縛を隠蔽する。つまり、クロージャ内からの return はクロージャを呼び出したコードに制御を渡す。しかしSmalltalkでは、このような動作はトップレベルでしか起こらず、クロージャに捕捉される。例を示して、この違いを明らかにする。 "Smalltalk" foo | xs | xs := #( 1 2 3 4 ) . xs do: [ : x | ^ x ] . ^ 0 bar Transcript show: ( self foo ) "prints 1" // ECMAScript function foo () { var xs = new Array ( 1 , 2 , 3 , 4 ); xs . forEach ( function ( x ) { return x ; }); return 0 ; } print ( foo ()); // prints 0 Smalltalkにおける ^ はECMAScriptにおける return にあたるものだと頭に入れれば、一目見た限りではどちらのコードも同じことをするように見える。違いは、ECMAScriptの例では return はクロージャを抜けるが関数 foo は抜けず、Smalltalkの例では ^ はクロージャだけではなくメソッド foo をも抜ける、という点である。後者の特徴はより高い表現力をもたらす。Smalltalkの do: は通常のメソッドであり、自然に制御構文が定義できている。一方、ECMAScriptでは return の意味が変わってしまうので、同じ目的には foreach という新しい構文を導入しなければならない。 しかし、スコープを越えて生存する 継続 には問題もある。 foo ^ [ x: | ^ x ] bar | f | f := self foo . f value: 123 "error!" 上の例でメソッド foo が返すブロックが実行されたとき、 foo から値を返そうとする。しかし、 foo の呼び出しは既に完了しているので、この操作はエラーとなる。 Ruby [ 編集 ] Rubyなどの言語では、プログラマが return の振る舞いを選ぶことができる。 def foo f = Proc . new { return "return from foo from inside proc" } f . call # control leaves foo here return "return from foo" end def bar f = lambda { return "return from lambda" } f . call # control does not leave bar here return "return from bar" end puts foo # prints "return from foo from inside proc" puts bar # prints "return from bar" この例の Proc.new と lambda はどちらもクロージャを作るための方法である。しかし、それぞれが作ったクロージャの return の振る舞いに関しては、異なるセマンティクスを持っている。 Common Lisp [ 編集 ] Common Lispでは、変数束縛を確立する let 、脱出点を確立する block 、Go Toのタグ(ラベル)を確立する tagbody の三つの要素を基盤とし、これらの三つの組み合わせによって基本的な構文体系が構築されているが、それぞれの構文で確立された要素は、スコープとエクステント(存続期間)という概念によって整理されている。 これら、三つの構文の、変数名、ブロック名、ラベル名は、レキシカルスコープであり、クロージャに閉じ込めることができるが、変数束縛以外は、スコープ外(エクステント外)からアクセスすることはできない。Common Lispでは、これをレキシカルスコープかつ動的エクステントと表現する(変数はレキシカルスコープかつ無限エクステント) block により確立された脱出点からは、 return-from によって抜け出す。また、 tagbody によって確立されたタグは、 go により参照される。 ( let (( m 3 )) ( defun a ( x ) ;; 関数定義は暗黙にblock名として関数名を設定する ( * 3 ( block b ( * 100 ( funcall ( lambda ( y ) ( block nil ( tagbody ( cond (( = 0 ( mod y m )) ( return-from a y )) ;mの倍数にはaから値をそのまま返す(m=3) (( oddp y ) ( return-from b ( * 2 y ))) ;奇数には二倍してbから脱出 ( T ( go exit ))) ;どちらでもなければexitへgo toする ;;return-from nilの略記としてreturnが利用可能 exit ( return y )))) ;lambda直下のblock nilから脱出 x )))))) ( a 1 ) ;--> 6 ( a 2 ) ;--> 600 ( let (( m 6 )) ;;aの内部で参照するmは定義時のm ( a 3 )) ;--> 3 C++ [ 編集 ] C++11 規格以降でラムダ式が使えるようになった。なお、以下のようにローカル変数のキャプチャの方法を制御することができる。詳細は C++11 を参照。 #include <iostream> #include <vector> #include <string> #include <algorithm> void foo ( std :: string s ) { int n = 0 ; // すべての自由変数をコピーキャプチャ。 auto func1 = [ = ]() { std :: cout << n << ", " << s << std :: endl ; }; n = 1 ; s = "" ; func1 (); // すべての自由変数を参照キャプチャ。 auto func2 = [ & ]() { n = -1 ; s = "hoge" ; }; func2 (); std :: cout << n << ", " << s << std :: endl ; } bool findName ( const std :: vector < std :: string >& v , const std :: string & name ) { // 名前を指定して自由変数を参照キャプチャ。 auto it = std :: find_if ( v . begin (), v . end (), [ & name ]( const std :: string & s ) { return s == name ; }); return it != v . end (); } クロージャに類似した言語機能 [ 編集 ] C [ 編集 ] C言語 では、 コールバック をサポートするライブラリ関数の中に、以下のように 関数へのポインタ と付随する任意のデータを指すためのポインタ(例えば汎用ポインタである void* など)という2つの値を受け取るものがある。 typedef int CallbackFunctionType ( void * userData ); extern int callUserFunction ( CallbackFunctionType * callbackFunction , void * userData ); ライブラリ関数 callUserFunction がコールバック関数 callbackFunction を実行するたび、実行コンテキストとしてデータポインタ userData を使用する。これによってコールバックは状態を管理することができ、登録した任意の情報を参照できる。このイディオムはクロージャと機能面で似ているが、構文面では似ていない。 C++ [ 編集 ] C++ では、 operator() をオーバーロードしたクラス(あるいは 構造体 )により、 関数オブジェクト を定義できる。これは関数型言語における関数にいくらか似た振る舞いをみせる。C++の関数オブジェクトは非静的メンバー変数により状態を持つこともできる。しかし、一般的なクロージャのように自動的に(暗黙的に)ローカル変数を捕捉(キャプチャ)するようなことはしない。 また、ローカルクラス、すなわち関数内でクラスを定義することも可能だが、 C++11 よりも前の規格(C++03以前)ではテンプレート型引数として渡すことができなかったり、暗黙的に参照できる外のローカル変数は static 変数のみであり、自由変数のキャプチャを模倣するためには関数オブジェクトの非静的メンバー変数として明示的に保存しておく必要があったりするなど、後述する Java の無名クラス以上に制約条件が多い。C++11以降のラムダ式は、内部的にはコンパイラによる関数オブジェクトの自動生成により実現されている。したがって、自由変数をキャプチャする際には、関数オブジェクトであってもラムダ式であっても、変数寿命に配慮する必要がある。 Eiffel [ 編集 ] Eiffel にはクロージャを定義するための inline agent (インラインエージェント)がある。インラインエージェントはルーチンを表すオブジェクトで、次のように利用する。 OK_button . click_event . subscribe ( agent ( x , y : INTEGER ) do country := map . country_at_coordinates ( x , y ) country . display end ) subscribe の実引数はインラインエージェントで、2つの引数を持つ手続きである。ユーザがこのボタンをクリックして、 click_event タイプのイベントが起こると、マウスの座標を引数としてこの手続きが実行される。 Eiffelのインラインエージェントの大きな限界は、外側のスコープのローカル変数を参照できないという点である。 Java 7 以前 [ 編集 ] Java 7 以前では、 メソッド 内部に「ローカルクラス」あるいは「匿名クラス」 [ 6 ] を定義することで似たようなことができる。ローカルクラス/匿名クラスからは、そのメソッドの final (リードオンリー)なローカル変数を、ローカルクラス/匿名クラスの フィールド と名前が衝突しない限り、参照できる。 class CalculationWindow extends JFrame { private JButton saveButton ; ... public final void calculateInSeparateThread ( final URI uri ) { // "new Runnable() { ... }" で匿名クラスを記述する Runnable runner = new Runnable () { void run () { // 匿名クラスの外にあるfinalなローカル変数へアクセスする calculate ( uri ); // 内包するクラスのprivateフィールドにもアクセスできる // SwingのスレッドからGraphicsコンポーネントを更新する SwingUtilities . invokeLater ( new Runnable () { public void run () { saveButton . setEnabled ( true ); } }); } }; new Thread ( runner ). start (); } } 要素が1つの配列を final な参照で保持すれば、クロージャで1つのローカル変数を参照する機能をエミュレートできる。内部クラスはその参照の値そのものを変えることはできないが、参照されている配列の要素の値は変えることができるからである。このテクニックはJavaに限ったものではなく、 Python など似た制限を持つ言語でも有効である。 Javaに完全なクロージャを追加するという言語拡張が検討されていた [ 7 ] 。様々な問題により、クロージャを導入せずに、関数型 インタフェース [ 8 ] を実装するための簡便な表記法(ラムダ式)が Java 8 にて導入された。 実装 [ 編集 ] クロージャは典型的には関数コードへのポインタ及び関数の作成時の環境の表現(例えば、使用可能な変数とその値の集合など)を含む特別な データ構造 によって実装される。 ある言語処理系の実行時のメモリモデルがすべてのローカル変数を線形な スタック に確保するものであれば、クロージャを完璧に実装するのは容易ではない。それは、以下のような理由による。 クロージャをつくった関数(エンクロージャ)の呼び出し元に復帰した際に、クロージャが参照するスタック上のローカル変数(レキシカル変数)が解放されてしまう。しかしクロージャにはレキシカル変数がエンクロージャの終了後も存続することが必要である。したがってレキシカル変数は必要がなくなるまで存続するように確保されなければならない。 クロージャが実行された時に、レキシカル変数のスタック上の位置を知ることは困難である。 第1の問題を解決するために、クロージャを実装するプログラミング言語は大抵、 ガベージコレクション を備えている。この場合、クロージャへの参照が全て無効になった時に、レキシカル変数はガベージコレクタに渡される。 第2の問題を解決するためには、 デリゲート のように、関数の参照と実行環境の参照をセットで扱える必要がある。しかし、これではC言語のようなネイティブコードの関数の呼び出しとの互換性がなくなる。そのため、実行時にスタックやヒープに、エンクロージャのスタックポインタを埋め込んだ、実際の関数を起動するだけの小さな関数(トランポリン関数)を動的に生成することでも実装できる。しかし、セキュリティの観点から近代的なOSでは標準でスタックやヒープ上のコードの実行を禁止しているのが一般的であり、この制限を一時的・部分的に解除することをサポートしている環境でなければ実現できない。 現代的なScheme処理系は、クロージャに使用される可能性のあるローカル変数は動的に確保し、そうでないものはスタックに確保するなどの最適化を行うものが多い。 やや異なる解法として、 Rust ではクロージャ内部から外部の変数を使用する場合、参照渡しの他に変数の所有権をクロージャ外部から内部へ渡すことも可能であり、プログラマがクロージャの定義時にどちらを使用するかを選択できる。 [ 9 ] 後者はデリゲートに似ているが、変数への参照ではなく実体そのものをクロージャが所有するので、これをクロージャのスタック上に確保することができる。これにより、ガベージコレクションを含めクロージャ内部へ渡した変数のための特別な後始末が不要となり、第1および第2の問題をまとめて解決する。一方、クロージャへ渡した変数はその定義以降クロージャ外部では消滅し、予めコピーを作らない限り、参照を含めクロージャ定義以降にて使用するとコンパイルエラーとなる。この解法は、メモリ上での変数の移動が容易である [ 10 ] というRustの特徴を利用したものである。 脚注 [ 編集 ] ^ クロージャ - JavaScript | MDN ^ “ From LISP 1 to LISP 1.5 ”. www-formal.stanford.edu . 2024年4月7日閲覧。 ^ Baker, Henry G. (July 1978). “Shallow binding in Lisp 1.5” . Commun. ACM (New York, NY, USA: Association for Computing Machinery) 21 (7): 565–569. doi : 10.1145/359545.359566 . ISSN 0001-0782 . https://doi.org/10.1145/359545.359566 . ^ Sussman, Gerald Jay; Steele, Guy Lewis (1975). Scheme: An Interpreter for Extended Lambda Calculus (PDF) (Report). Massachusetts Institute of Technology. ^ Sussman, Gerald Jay; Steele Jr, Guy L (1998). “Scheme: A interpreter for extended lambda calculus” . Higher-Order and Symbolic Computation (Springer) 11 (4): 405–439. doi : 10.1023/A:1010035624696 . https://www.researchgate.net/publication/227098423_Scheme_A_Interpreter_for_Extended_Lambda_Calculus . ^ 英 : anonymous class 。「無名クラス」とも。 オラクル 日本語版サイトの表記に準拠し、匿名クラスとした。 ^ Closures (Lambda Expressions) for the Java Programming Language ^ 英 : functional interface 。抽象メソッドを1つだけもつインタフェース。SAM (Single Abstract Method) typeと呼ばれることもある。 ^ “ Closures: Anonymous Functions that Capture Their Environment, Capturing References or Moving Ownership ”. The Rust Programming Language . 2023年12月24日閲覧。 ^ “ Module std::pin ”. The Rust Standard Library . 2023年12月24日閲覧。 “By default, all types in Rust are movable. Rust allows passing all types by-value, ...” 参考文献 [ 編集 ] Will Clinger. Foundations of Actor Semantics . MIT Mathematics Doctoral Dissertation. June 1981. 関連項目 [ 編集 ] 静的スコープ 継続 アクターモデル 無名関数 外部リンク [ 編集 ] JavaScript 猿でもわかるクロージャ超入門 The Original "Lambda Papers" by Guy Steele and Gerald Sussman
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%B9%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%A0
クロスプラットフォーム
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2021年3月 ) 古い情報を 更新 する必要があります。 ( 2021年3月 ) 出典検索 ? : "クロスプラットフォーム" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL クロスプラットフォーム ( 英 : cross-platform )とは、異なる プラットフォーム (例えば PC/AT互換機 と Macintosh 、あるいは Windows ・ macOS ・ FreeBSD ・ Linux などのように、仕様が全く異なる機械( ハードウェア )または オペレーティングシステム )上で、同じ仕様のものを動かすことが出来る プログラム ( ソフトウェア )のことを言う。同様の呼称に マルチプラットフォーム [ 注 1 ] がある。 また、 家庭用ゲーム においては「クロスプラットフォーム」と「マルチプラットフォーム」で意味が異なる場合がある。本項ではこのケースについても 後述 する。 クロスプラットフォームのアプリケーションプログラムの例 [ 編集 ] 具体的には次のようなものがある。 Emacs Smalltalk 環境 Java アプリケーション XUL アプリケーション Presto アプリケーション 実際のところ、いちいち挙げるまでもなく、 Unix系 の各システムについて、近年しばしば見られるように、ディストリビューション毎などに「別のプラットフォーム」とみなすようであれば(その是非はともかくとして(というより問題のほうが多いが))、無数にあるUnix系のプログラムの相当数が、そのままでは難しくても恐らく少々の手直しで、無数にあるUnix系の他のプラットフォームで動くであろう。そういう意味では、クロスプラットフォームのアプリケーションプログラムの例はいくらでも当然のごとく存在している。 クロスプラットフォームなプログラムは、表面上はどのオペレーティングシステム上でも全くほぼ同じように動作するが、場合によってはオペレーティングシステム側とのやり取りを行う部分は、それぞれのOSの機能に応じて最適化がなされていて、一方のオペレーティングシステムで動いていたものを、そのまま他のオペレーティングシステムに持っていっても動作しない場合がある。そのため一部のプログラムでは、各オペレーティングシステム専用のコードをどのオペレーティングシステム向けのパッケージにも含ませていることがある。また、保存された設定などの一部データは、他のオペレーティングシステムに移植しても正常に動作することがある。例えば、 Mozilla Thunderbird のメールデータや設定などのプロファイルを別のプラットフォームへ持っていけば、新たなプラットフォーム上で引き続き利用できる [ 1 ] 。 Java の実行環境は Windows や macOS 、 Linux や UNIX 、 携帯電話 などに存在するため、Java バイトコードできたアプリケーションはこれらのプラットフォーム上で同じように利用できる。 モジラ・ファウンデーションが オープンソース で開発しているインターネットアプリケーション群も複数のオペレーティングシステムに提供されている。 Mozilla は単なるブラウザやメールクライアントなどのアプリケーションという位置だけではなく、それらアプリケーション上で動作する共通のプログラムを扱える。例としては Firefox の 拡張機能(エクステンション、アドオン) にFTPクライアントの機能を持たせる FireFTP というものがある。これを用いれば Firefox から FTP を利用できる。つまり、 Firefox がインストールできる異なったOSで、同様の機能のソフトを利用できるということである。 Opera のケースでは、オペレーティングシステム環境に依存せず異なる環境へ移植可能で軽量なプログラムコードを用いているため、デスクトップ環境のみならず、容量の少ない携帯電話や家庭用 ゲーム機 にもブラウザ機能を移植するケースが存在する。 さらに、 ダイナミックHTML を活用した リッチインターネットアプリケーション が既に広く利用されており、 ウェブブラウザ もクロスプラットフォーム環境である。 家庭用ゲーム機におけるクロスプラットフォーム [ 編集 ] 家庭用ゲーム機 におけるクロスプラットフォームという語は、ハードの垣根を越えてゲームなどのコンテンツを楽しむことができるプラットフォーム連携機能のことを指す [ 2 ] 。異なるハードメーカーの間では サードパーティー のみで行われているが、ハードメーカーが発売するソフトでもサードパーティー製に遠く及ばないものの、それなりにある。具体的な機能としては、異なるハード間でのプレイを可能にする「 クロスプレイ 」、異なるハード間でのセーブデータの共有を可能にする「 クロスセーブ 」、ネットワークを通じてゲームを遠隔操作でプレイする「リモートプレイ」などがある。これらの機能を利用することで、家庭用ゲーム機のプレイヤーとPCのプレイヤーで対戦や協力プレイを楽しんだり、家では据え置き型のゲーム機で遊び、外出先では携帯型のゲーム機でその続きをプレイしたりするなど、より幅広い形でゲームを楽しむことができるようになっている。 また、家庭用ゲーム機におけるマルチプラットフォームという語は汎用コンピューターにおける意味とは異なり、ある一つのソフトウェアを各ハードウェア向けにそれぞれ別々に開発することを意味する場合がほとんどである。家庭用ゲーム機( コンシューマーゲーム )の場合は マルチプラットフォーム という語の方が主に用いられる。 こちらは主に 欧米 で主流となっており、 洋ゲー の主要タイトルのほか、 キャラクターゲーム や シネマゲーム 、 スポーツゲーム はこの手法を利用していることが圧倒的に多い。 日本 でこの販売手法を用いるメーカーは 1994年 までの 任天堂 ハードが主力の時代までは少数派で、極一部の人気シリーズと、人気の高い アーケードゲーム や パソコンゲーム の内容を家庭用ゲーム機に 移植 したタイトルくらいでしか用いられていなかった。この頃は アクレイムジャパン の洋ゲータイトルが積極的だった。 性能差が比較的少なく、1994年の同時期に発売された PlayStation ( 12月3日 発売)と セガサターン ( 11月22日 発売)で、 1995年 から 1998年 の ドリームキャスト 発売直前までにかけて積極的に行ったことがあり、この傾向は 中小規模 のゲームメーカーやゲーム事業を本業としないメーカーの作品が主であり、特に『 ときめきメモリアル 』が メディアミックス に発展する程の 社会現象 を巻き起こしたのを境に同時多発的に出てきた 恋愛シミュレーション など、殆どの ギャルゲー タイトルはこの手法だった。 大手ゲームメーカー でも、 KONAMI や カプコン などがこれに該当していた。 この時代にマルチプラットフォームを破棄した例もあり、『 エネミー・ゼロ 』がマルチプラットフォームからSS単独に変更された例が存在する。これは、主要開発者の 飯野賢治 が SCE 主催のPS関連イベントで発言されたものであり、以前関わった『 Dの食卓 』( 原作 は 3DO 専用ソフト)のPS移植版がSS移植版に比べて売上が大きく劣った [ 注 2 ] ことへの 不満 による 報復 措置だった。 PSとSSのマルチプラットフォーム主流時代の 1997年 1月31日 にPlayStationのみで発売した『 ファイナルファンタジーVII 』など、主力シリーズの最新作を独占販売すると、ハードの売上が上がることが多かった。このため、セガサターン単独でも『 サクラ大戦シリーズ 』という 恋愛 要素を持たせた 戦略シミュレーションRPG のゲーム作品を原作とした派手なメディアミックス戦略で対抗した経緯がある。 2001年 、当時は児童・少年向けゲームが主体の任天堂から ニンテンドー ゲームキューブ が発売されて以降、性能がやや劣る PlayStation 2 でもサードパーティー製の児童・少年向けゲーム [ 注 3 ] が積極的にリリースされるようになり、殆どのタイトルでこの手法が採られていた。代表的かつ作品単位で行われているものとしては コンパイル → セガ の『 ぷよぷよ 』シリーズ [ 注 4 ] が該当し、ほぼ全ての主要タイトルでこの手法が用いられている。 2000年代前半から中盤にかけては、『 バイオハザード4 』や『 テイルズ オブ シンフォニア 』といった人気シリーズ作品が当初はゲームキューブ独占での発売契約だったものの、買い渋りユーザーを ターゲット とした売上向上を重視する戦略で契約を破棄し、PS2にも移植されるようになったケースが多かった。 2000年代 後半の PlayStation 3 と Xbox 360 の時代以降はサードパーティの大作シリーズが積極的に両者の機種でのマルチプラットフォームに変化したうえでリリースされており、後に PC ( Steam での配信が主)も加わり、それ以降から現在までの大作タイトルはこの手法が日本でも一般的となった。 2020年代 の現在においては、以前ではまずあり得なかった「 ドラゴンクエストシリーズ 」や「 ファイナルファンタジーシリーズ 」などといった RPG の大作シリーズもマルチプラットフォームとなっている。 囲い込みを至上とした(かつては)家庭用ゲーム以外では、例えば 8ビットパソコン 時代のパソコンゲームのように、わざわざそのようなご大層な名前で呼んだりすることもなく、普通にあたりまえにあったものである。 メリットとして、ハード間である程度素材を流用できるため、別々にソフトを開発するよりも製作費や時間を抑えられ、より多くの人に買ってもらえる有効な手段である。ただし、ゲーム機の仕様として、インターフェースや表示手段などの動作環境がハードに強く依存しているため、ハードウェア性能が著しく異なる場合、ゲームデザインのレベルから再構成する場合もあり、中には同じ作品でありながら、テーマや世界観以外は全く異なるゲームとして発売されているものも存在する。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 英 : multi-platform ^ 原作の開発元であるワープが自社で移植開発した両ハード移植版とも同時期発売だった。SS移植版は 販売 元であるアクレイムジャパンのタイトルで一番多く売り上げていた。 ^ それ以前はハードメーカーのSCEからリリースされた『 サルゲッチュ 』シリーズぐらいだった。 漫画 を原作とした 児童・少年向け テレビアニメ を題材とした キャラクターゲーム が主だった。 ^ 原作の MSX2 版(旧ぷよ)から 魔導物語 シリーズの登場 キャラクター をそのまま起用した 対戦 物に リブート したセガから発売された アーケード 版の第一作が多くの家庭用ゲーム機やPC(旧ぷよを発売しなかったか移植が中止されたほぼ全ての現役ハード)に移植されるようになったが、アーケード第一作はセガからの下請けでコンパイルが開発したのに過ぎず、コンパイルから発売されるようになるのは『 ぷよぷよ通 』以降である。アーケードをオリジナルとするのは『 ぷよぷよSUN 』までで、セガ以降は『 ぷよぷよフィーバー 』と『 ぷよぷよeスポーツ 』がアーケードでもリリースされているが、何方も逆移植である。 出典 [ 編集 ] ^ 参考 [1] ^ “ クロスプラットフォーム機能って何? プレイステーションオフィシャルサイト ”. 2017年10月24日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] プラットフォーム この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集 この項目は、 コンピュータゲーム に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( P:コンピュータゲーム / PJ:コンピュータゲーム )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%88%E7%AE%97%E6%A9%9F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%A7%8B%E9%80%A0%E3%81%A8%E8%A7%A3%E9%87%88
計算機プログラムの構造と解釈
『 計算機プログラムの構造と解釈 』( Structure and Interpretation of Computer Programs 。原題の略称 SICP がよく使われる)は、1985年に MIT出版 から刊行された、 計算機科学 分野の古典的な教科書。著者は マサチューセッツ工科大学 (MIT) の教授 ハル・アベルソン と ジェラルド・ジェイ・サスマン 、 ジュリー・サスマン 。かつてMITコンピュータ科学科の 6.001 として知られるプログラミングの入門講義で使われていた [ 1 ] 。第2版(ハードカバー版 ISBN 0-262-01153-0 、ペーパーバック版 ISBN 0-262-51087-1 )が1996年に刊行された [ 2 ] 。計算機科学の古典として広く認められている。 表紙に魔術師が描かれているため 魔術師本 ( Wizard Book )としても知られ、まれに表紙の色をとって 紫本 ( Purple Book )とも呼ばれる。 プログラミング言語 LISP の方言 Scheme が用いられ、 抽象化 、 再帰 、 インタプリタ 、 メタ言語的抽象 といった計算機科学の概念の真髄が説明されている。 第二版の 和田英一 による日本語訳( ISBN 978-4894711631 )が ピアソン桐原 から2000年2月に発売された [ 3 ] [ 4 ] 。 2013年8月にピアソン桐原が撤退し絶版になり [ 要出典 ] 、和田はHTML版を公開した [ 5 ] 。 和田は一時MIT助教授であったため、著者の一人ジェラルド・サスマンとは知り合いである [ 要出典 ] 。 全体的に訳が古めかしいという不評も一部にある [ 要出典 ] 。その後2014年5月に翔泳社より再版されている [ 6 ] 。 評価 [ 編集 ] 出版後短期間のうちに米国や世界各地の学校で最初の講義に使われるようになった [ 7 ] 。MIT Press の Bob Prior によればSICPは最初の5年で4万5000部売れた [ 7 ] 。 Philip Wadler ( 英語版 ) はSICPが Scheme を採用したことを1987年に批判したが 関数型 を重んじた点は評価した [ 8 ] [ 9 ] 。 影響 [ 編集 ] SICPは計算機科学教育に大きな影響を与え、のちの数多くの教科書がその体裁に刺激を受けた。 Structure and Interpretation of Classical Mechanics (通称SICM)は、ジェラルド・ジェイ・サスマンによる、Schemeを使ったもう一つの教科書。 How to Design Programs (通称HtDP)は、SICPと同様のアイディアを数多く盛り込んだ、より取っ付きやすい初等的な教科書。 Essentials of Programming Languages は、プログラミング言語の講義の教科書。 Concepts, Techniques, and Models of Computer Programming は、Schemeを利用せずにインタープリタベースの学習を採用した最近の教科書。 関連項目 [ 編集 ] 関数型言語 ラムダ式 は、 SICPの核となる概念で [ 要出典 ] 、表紙にも描かれている。 表紙の中で、 陰陽マーク に eval と apply が描かれており、その相補的な関係を暗示している。 『 コンピュータプログラミングの概念・技法・モデル 』 (CTM、CTMCP) 脚注 [ 編集 ] ^ "The End of an Era" ^ Structure and Interpretation of Computer Programs - 2nd edition ^ 計算機プログラムの構造と解釈 第二版 - 和書 ^ 奥乃博 Introduction to Algorithms and Data Structures (SICP, 計算機プログラムの構造と解釈), 2013 ^ http://sicp.iijlab.net/ ^ http://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798135984 ^ a b Matthias Felleisen, Robert Findler, Matthew Flatt, Shriram Krishnamurthi ( PDF ), The Structure and Interpretation of the Computer Science Curriculum , http://www.cs.brown.edu/~sk/Publications/Papers/Published/fffk-htdp-vs-sicp-journal/paper.pdf ^ Parkin, Adam Robert Educational gems: an exploration and evaluation of a visual functional programming environment 2010 ^ Philip Wadler A critique of Abelson and Sussman - or - Why calculating is better than scheming 書籍 [ 編集 ] 『プログラムの構造と実行』、H. エーベルソン(著)、G. J. サスマン(著)、 元吉文男 (訳) 、マグロウヒル出版、1989年 上巻: ISBN 978-4895012935 下巻: ISBN 978-4895012942 。本書の第一版の和訳である。 『計算機プログラムの構造と解釈 第二版』、ジェラルド・ジェイ サスマン (著) 、ハロルド エイブルソン (著) 、ジュリー サスマン (著) 、 和田英一 (訳) 、ピアソン・エデュケーション、2000年 ISBN 978-4894711631 Structure and Interpretation of Computer Programs Second Edition , Harold Abelson, Gerald Jay Sussman, Julie Sussman, Mit Press, 1996, ISBN 978-0262510875 外部リンク [ 編集 ] 書籍 [ 編集 ] SICPの公式サイト 原文の全文が公開されている SICP Web Site for the Japanese Edition 日本語訳第二版の公式サイト 英語版HTML 英語版PDF 日本語版PDF MITでの講義 [ 編集 ] 著者によるSICP講義のビデオ MIT OpenCourseWareによるYouTubeでのプレイリスト The MIT Open CoursewareのSICP講義(2005年) 6.037 - Structure and Interpretation of Computer Programs 2019 - 2019年の講義 典拠管理データベース VIAF
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%A2%E5%BC%8F%E4%BB%95%E6%A7%98%E8%A8%98%E8%BF%B0
形式仕様記述
形式仕様記述 (けいしきしようきじゅつ、 英 : formal specification )とは 形式手法 のひとつで、何らの システム などについて、その性質などの 仕様 を形式的に記述する手法や、そういった手法による仕様の記述である。 形式的な 仕様 を与えることにより、対象システムが仕様に照らして正しいかどうかを形式的に判定することが可能となる( 形式的検証 )。また、仕様策定の工程で仕様の不整合を検出することが可能となり、実装工程のような開発の後半での仕様不備発覚、それに伴う手戻り(多大なコストを要する場合が多い)を防ぐという利点がある。他の使われ方として、仕様から設計、設計から実装へと段階的に検証可能なステップを踏んで 詳細化 し、開発工程で不具合を作りこむのを防ぐ。 設計(や実装)の「 正当性 」はそれ自身だけで確認できないという点が重要である。正当性は与えられた仕様に照らして初めて検証可能であり、形式仕様記述が解決すべき問題を正しく記述できるかどうかは別の問題である。これもまた困難な問題であり、非形式的な実際の問題を抽象化された形式的仕様記述で正しく記述する問題に帰着する。そして、そのような抽象化は形式的証明が不可能である。しかし、仕様が表現することを期待されている特性に関わる 定理 を証明することによって仕様記述を検証することは可能である。もし検証結果が正しければ、それらの定理は仕様記述者の仕様記述および根底にある問題領域との関係への理解を深める。検証結果が正しくない場合、その仕様は元となっている問題領域を正しく反映しているとは言えないので、仕様記述者はさらに理解を深めて仕様記述を改訂することになるだろう。 関連項目 [ 編集 ] 形式手法 ソフトウェア工学 仕様記述言語 外部リンク [ 編集 ] A Case for Formal Specification (Technology) by Coryoth 2005-07-30 Formal Specification この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%A2%E5%BC%8F%E7%9A%84%E6%A4%9C%E8%A8%BC
形式的検証
形式的検証 (けいしきてきけんしょう、 英 : formal verification )とは、 ハードウェア および ソフトウェア のシステムにおいて 形式手法 や 数学 を利用し、何らかの 形式仕様記述 やプロパティに照らしてシステムが正しいことを 証明 したり、逆に正しくないことを証明することである [ 要出典 ] 。 完全な形式的検証は、システムにプログラミングの誤りがないことを保証する既知の唯一の方法である。 “ ” ACM シンポジウムで発表された論文の要約から [ 1 ] 使い方 [ 編集 ] 形式的検証の適用例としては、内部にメモリを持つ暗号回路、組み合わせ回路、 デジタル回路 などのシステム、 ソースコード で表現される ソフトウェア がある。 これらのシステムの検証は、システムを抽象化した 数理モデル 上で行われ、その数理モデルと実際のシステムの性質は一致している。使用される数理モデルとしては、 有限状態機械 、 ラベル付き遷移系 、 ペトリネット 、 timed automata 、 hybrid automata 、 プロセス計算 、 プログラミング言語の形式意味論 ( 操作的意味論 、 表示的意味論 、 公理的意味論 )、 ホーア論理 などがある [ 要出典 ] 。 形式的検証の手法 [ 編集 ] 形式的検証の手法は大きく2つに分類される。 第一の手法は モデル検査 と呼ばれる。これは数理モデルの体系的かつ徹底的な検証を意味する( 有限なモデル でのみ可能だが、無限の状態を持つモデルであっても抽象化によって有限な表現が可能であれば検証可能である)。一般にモデル内の全状態と全遷移の検証を含み、演算時間を減らすために領域固有の抽象化技法などを駆使して効率化を図る。実装技法には 状態空間列挙法 ( 英語版 ) 、抽象状態空間列挙法、 抽象解釈 、 記号シミュレーション ( 英語版 ) 、abstraction refinment などがある。検証される特性(プロパティ)は 時相論理 で記述され、 線形時相論理 (LTL) や 計算木論理 (CTL) が使われる。 第二の手法は論理的推論である。一般に HOL 、 ACL2 、 Isabelle 、 Coq といった 定理証明 ソフトウェアを使い、システムに関して形式的な推論を行う。この手法は完全自動化されていないのが一般的で、ユーザーの対象システムについての理解に応じて行われる。最近では、 Perfect Developer や Escher C Verifier といったツールが証明の完全自動化を試みている。 線形論理 や 時相論理 などの 非古典論理 は、モデル検査だけでなく論理的推論でも使われる。 ソフトウェアの形式的検証 [ 編集 ] ソフトウェアの形式的検証のための論理推論はさらに以下のように分類される。 1970年代のより古典的手法では、まずコードを普通に書き、その後のステップで正しいことを検証する。 依存型プログラミング ( 英語版 ) では、関数の型がその関数の仕様(の一部)を含み、コードの型チェックによって仕様に対する正しさが保証される。完全な依存型プログラミング言語は第一の手法を特殊ケースとしてサポートする。 それとは相補的な若干異なる手法として プログラム導出 がある。その場合、正しさを保持したステップを踏んで 関数 仕様から効率的コードを生成する。例として Bird-Meertens Formalism (BMF) があり、"correctness by construction" の別の形態と見ることもできる。 Validation と Verification [ 編集 ] 検証(Verification)は製品が目的に適合しているかどうかをテストする観点の1つである。妥当性検証(Validation)はそれを補完する観点と言える。この両者を合わせて検証プロセス全体を V & V と呼ぶこともある。 Validation : 「我々は正しい製品を作っているか?」すなわち、その製品はユーザーが本当に必要とすることを行っているか? Verification : 「我々は製品を正しく作っているか?」すなわち、その製品は仕様通りに作られているか? 検証プロセスには静的部分と動的部分がある。例えばソフトウェア製品なら、ソースコードの検査ができるし(静的)、特定のテスト条件で実行させることもできる(動的)。妥当性検証(Validation)は動的にしかできない。すなわち、製品を典型的局面で利用してみたり、一般的でない局面で利用してみたりする(すなわち、それはあらゆる ユースケース に対して満足できる動作をするか、である)。 産業での応用 [ 編集 ] 設計の複雑さが増すにつれ、形式的検証技法の重要性は特にハードウェア業界で増している [ 2 ] [ 3 ] 。コンポーネント間の潜在的な微妙な相互作用により、シミュレーションだけで考えられる組み合わせをすべて調べるのは難しくなってきている。ハードウェア設計の重要な面は自動化証明技法に適しており、形式的検証の導入が容易で生産的である [ 4 ] 。 2011年現在、いくつかの オペレーティングシステム が形式的検証を採用している。 Embedded L4 microkernel ( NICTA ) [ 5 ] Integrity ( Green Hills Software ) [ 5 ] PikeOS ( SYSGO ) [ 6 ] 脚注 [ 編集 ] ^ Gerwin Klein; Kevin Elphinstone, Gernot Heiser, June Andronick, David Cock, Philip Derrin, Dhammika Elkaduwe, Kai Engelhardt, Rafal Kolanski, Michael Norrish, Thomas Sewell, Harvey Tuch, Simon Winwood et al. “ seL4: Formal Verification of an OS Kernel (paper submitted to 22nd ACM Symposium on Operating Systems Principles, October 2009) ”. 2011年11月7日閲覧。 ^ Harrison, J. (2003). Formal verification at Intel . pp. 45–54. doi : 10.1109/LICS.2003.1210044 . ^ Formal verification of a real-time hardware design . Portal.acm.org (1983-06-27). Retrieved on 2011-04-30. ^ Formal Verification in Industry ^ a b "A new OS has been proven to be correct using mathematical proofs. The cost: astronomical." by Jack Ganssle ^ Christoph Baumann, Bernhard Beckert, Holger Blasum, and Thorsten Bormer Ingredients of Operating System Correctness? Lessons Learned in the Formal Verification of PikeOS 関連項目 [ 編集 ] 形式等価判定 Property Specification Language 静的コード解析 自動定理証明
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形式文法
形式文法 (けいしきぶんぽう、 Formal Grammar )は、形式的に与えられた( 形式体系 を参照) 文法 である。「 言語 」をその言語における文の 集合 として与えるものとして、ここでは、(有限の)文字群上の有限長の文字列の(通常無限な)集合が、形式的に記述される。 →「 形式言語 」も参照 形式文法にはふたつの捉えかたがある。それは「生成」と「分析」である。 #チョムスキー階層 の節および単独記事に詳細があるが、両者は対応するので、ある意味では同じものをそれぞれ逆の側から見たものにすぎない。 以下で「文法の規則(構文規則)の集まり」と呼んでいるのは、具体的には、 句構造規則#基本モデル にあるようなものである。また 終端記号と非終端記号 の記事も参照のこと。 生成文法 ( Generative grammar )は、文法の規則(構文規則)の集まりを「トップレベルの非終端記号(たとえば <文>)から始めて、右辺に書き換える書き換え規則を適用していくことによって言語の文字列を生成することができる規則の集まり」と見るものである。 分析的文法 ( Analytic grammar )は、文法の規則(構文規則)の集まりを「任意の終端記号列に対し、パターンが一致すれば右辺から左辺に書き換え規則が適用できる規則の集まりであり、最終的にトップレベルの非終端記号(たとえば <文>)が得られれば 受理された として、入力の列がその言語に含まれるか否かを判定できるもの」と見るものである。 生成文法は、ある言語に含まれる文字列を生成する アルゴリズム を定式化するもの、分析的文法は、ある言語に含まれる文字列を 構文解析 し受理するアルゴリズムを定式化するもの、とも言える(この2者への分類は、構文解析の手法の分類の、 トップダウン構文解析 と ボトムアップ構文解析 といくぶんかまぎらわしい。実際に、トップダウン構文解析は流れとして左辺から右辺への書換えとなっている点は生成的であるのに対し、一方のボトムアップ構文解析は右辺から左辺への「還元」(reduce)を主要な動作とする点で分析的である。しかし、どちらも構文解析を目的とするという点では、分析的文法にあたる)。 生成文法 [ 編集 ] →詳細は「 生成文法 」を参照 生成文法は文字列変換規則の集まりである。ある言語の文字列を生成するには、まずひとつの「開始」文字だけから成る文字列から始めて、規則を適当な回数適用して文字列を書き換えていく。逆に言えば、その言語はその規則群によって生成される全文字列を含む。ある規則の組み合わせで生成された文字列について、別の規則の適用の仕方でも同じ文字列が生成できる場合、その文法は 曖昧 であると言う。 たとえば、' a {\displaystyle a} ' と ' b {\displaystyle b} ' から成る文字セットがあり、開始記号 ' S {\displaystyle S} ' に対して以下の規則を適用するものとする。 1. S ⟶ a S b {\displaystyle S\longrightarrow aSb} 2. S ⟶ b a {\displaystyle S\longrightarrow ba} そこで、" S {\displaystyle S} " から開始して、適用する規則を選んでいくことができる。規則1を選ぶと、開始記号 ' S {\displaystyle S} ' から ' a S b {\displaystyle aSb} ' に変換されるので " a S b {\displaystyle aSb} " が得られる。再度規則1を選ぶと、' S {\displaystyle S} ' が ' a S b {\displaystyle aSb} ' に変換されるので全体として " a a S b b {\displaystyle aaSbb} " となる。この過程は最終的に本来の文字セット(つまり ' a {\displaystyle a} ' と ' b {\displaystyle b} ')だけから構成される文字列になるまで続けられる。さて、終了させるために規則2を適用すると ' S {\displaystyle S} ' が ' b a {\displaystyle ba} ' に変換されるので、最終的に " a a b a b b {\displaystyle aababb} " を得る。この過程をまとめると S ⟶ a S b ⟶ a a S b b ⟶ a a b a b b {\displaystyle S\longrightarrow aSb\longrightarrow aaSbb\longrightarrow aababb} となる。この文法による言語はこのような過程で生成される全文字列 { b a , a b a b , a a b a b b , a a a b a b b b , . . . } {\displaystyle \left\{ba,abab,aababb,aaababbb,...\right\}} を含む。 形式的定義 [ 編集 ] 生成文法の定式化は 1950年代 に ノーム・チョムスキー によって最初に提案された [ 1 ] [ 2 ] 。文法 G は以下の構成要素から成る。 「 非終端記号 」の 有限集合 N {\displaystyle N} 。 「 終端記号 」の有限集合 Σ {\displaystyle \Sigma } 。 N {\displaystyle N} とは共通の元を持たない。 「生成規則」の有限集合 P {\displaystyle P} 。各生成規則は以下のような形式である。 ( Σ ∪ N ) ∗ {\displaystyle (\Sigma \cup N)^{*}} 内の文字列 ⟶ ( Σ ∪ N ) ∗ {\displaystyle \longrightarrow (\Sigma \cup N)^{*}} 内の文字列 (ここで ∗ {\displaystyle {}^{*}} は クリーネスター であり、 ∪ {\displaystyle \cup } は 和集合 であり) ⟶ {\displaystyle \longrightarrow } の左側には少なくともひとつ以上の非終端記号を含まなければならない。 N {\displaystyle N} 内の記号 S {\displaystyle S} は「開始記号」である。 一般にこのような形式文法 G {\displaystyle G} は 4要素 ( N , Σ , P , S ) {\displaystyle (N,\Sigma ,P,S)} で要約される。 形式文法 G = ( N , Σ , P , S ) {\displaystyle G=(N,\Sigma ,P,S)} の言語は L ( G ) {\displaystyle {\boldsymbol {L}}(G)} と記述され、開始記号 S {\displaystyle S} に P {\displaystyle P} の規則を非終端記号が無くなるまで適用して得られる( Σ {\displaystyle \Sigma } 内の文字から構成される)全ての文字列として定義される。 例 [ 編集 ] 以下の例では、 形式言語 を 集合 の内包的記法で記述している。 N = { S , B } {\displaystyle N=\left\{S,B\right\}} , Σ = { a , b , c } {\displaystyle \Sigma =\left\{a,b,c\right\}} の文法 G {\displaystyle G} について、生成規則 P {\displaystyle P} が以下の規則から構成される。 1. S ⟶ a B S c {\displaystyle S\longrightarrow aBSc} 2. S ⟶ a b c {\displaystyle S\longrightarrow abc} 3. B a ⟶ a B {\displaystyle Ba\longrightarrow aB} 4. B b ⟶ b b {\displaystyle Bb\longrightarrow bb} また、非終端記号 S {\displaystyle S} は開始記号である。 L ( G ) {\displaystyle {\boldsymbol {L}}(G)} における文字列生成の実例は以下のようになる。 S ⟶ ( 2 ) a b c {\displaystyle {\boldsymbol {S}}\longrightarrow (2)abc} S ⟶ ( 1 ) a B S c ⟶ ( 2 ) a B a b c c ⟶ ( 3 ) a a B b c c ⟶ ( 4 ) a a b b c c {\displaystyle {\boldsymbol {S}}\longrightarrow (1)aB{\boldsymbol {S}}c\longrightarrow (2)a{\boldsymbol {Ba}}bcc\longrightarrow (3)aa{\boldsymbol {Bb}}cc\longrightarrow (4)aabbcc} S ⟶ ( 1 ) a B S c ⟶ ( 1 ) a B a B S c c ⟶ ( 2 ) a B a B a b c c c ⟶ ( 3 ) a a B B a b c c c ⟶ ( 3 ) a a B a B b c c c {\displaystyle {\boldsymbol {S}}\longrightarrow (1)aB{\boldsymbol {S}}c\longrightarrow (1)aBaB{\boldsymbol {S}}cc\longrightarrow (2)a{\boldsymbol {Ba}}Babccc\longrightarrow (3)aaB{\boldsymbol {Ba}}bccc\longrightarrow (3)aa{\boldsymbol {Ba}}Bbccc} ⟶ ( 3 ) a a a B B b c c c ⟶ ( 4 ) a a a B b b c c c ⟶ ( 4 ) a a a b b b c c c {\displaystyle \longrightarrow (3)aaaB{\boldsymbol {Bb}}ccc\longrightarrow (4)aaa{\boldsymbol {Bb}}bccc\longrightarrow (4)aaabbbccc} (カッコ内の番号は適用した生成規則の番号であり、変換された部分がボールド体で示されている。) 以上のようにこの言語は、 { a n b n c n | n > 0 } {\displaystyle \left\{a^{n}b^{n}c^{n}|n>0\right\}} という形式を表している( a n {\displaystyle a^{n}} は n 個の a {\displaystyle a} が並んだ文字列を意味する)。従って、この言語は正数個の 'a' を含み、その後に同じ個数の 'b' とさらに同じ個数の 'c' を並べた全ての文字列から構成される。 生成的形式文法は リンデンマイヤーシステム (Lシステム)と等価であるが、相違点もある。Lシステムでは「終端記号」と「非終端記号」を区別しないし、規則を適用する順序に制限がある。また、Lシステムは永遠に規則を適用し続けることができ、無限の文字列を生成する。一般に各文字列は空間内のある点に対応付けることができ、Lシステムの出力は空間内の点の集合の極限を定義しているとも言える。 チョムスキー階層 [ 編集 ] →詳細は「 チョムスキー階層 」を参照 →「 形式言語の階層 」も参照 1956年に ノーム・チョムスキー が初めて生成文法を定式化したとき [ 1 ] 、彼はそれを4つのタイプに分類した。これを チョムスキー階層 と言う。これらのタイプの差異は、生成規則の制限の強さであり、表現できる形式言語の多様さである。重要なふたつのタイプとして「 文脈自由文法 」と「 正規文法 」がある。これらの文法で生成される言語はそれぞれ「 文脈自由言語 」と「 正規言語 」と呼ばれる。制限のない文法よりも非力ではあるが、これらの言語は 有限オートマトン で受容(認識)することができ、 構文解析 が簡単であるために [ 3 ] 、これらの文法はよく使われる。たとえば文脈自由文法については効率的な LL法 や LR法 の構文解析器を生成するアルゴリズムが知られている。 文脈自由文法 [ 編集 ] 文脈自由文法 では、生成規則の左側にはひとつの非終端記号だけが置かれる。この制限があるため、文脈自由文法はあらゆる言語を生成できるわけではない。文脈自由文法で表現される言語を「文脈自由言語」と呼ぶ。 前述の例で定義された言語は文脈自由言語ではない。これは 文脈自由言語の反復補題 を使って厳密に証明可能である。 { a n b n | n > 0 } {\displaystyle \left\{a^{n}b^{n}|n>0\right\}} で表される言語(ひとつ以上の 'a' の後に同じ個数の 'b' が続く)を定義する文法 G 2 {\displaystyle G2} を例として考えよう。 G 2 {\displaystyle G2} は N = { S } {\displaystyle N=\left\{S\right\}} , Σ = { a , b } {\displaystyle \Sigma =\left\{a,b\right\}} から成り、開始記号 S {\displaystyle S} と以下の生成規則で定義される。 1. S → a S b {\displaystyle S\rightarrow aSb} 2. S → a b {\displaystyle S\rightarrow ab} 文脈自由言語は アーリー法 のようなアルゴリズムを使って O ( n 3 ) {\displaystyle O(n^{3})} の時間( ランダウの記号 参照)で認識可能である。すなわち、全ての文脈自由言語について、任意の文字列を入力とし、それが特定の言語に含まれるかどうかを O ( n 3 ) {\displaystyle O(n^{3})} の時間内に決定する機械を構築できる。ここで、 n {\displaystyle n} は入力文字列長である [ 4 ] 。さらに、文脈自由言語の重要なサブセットは他のアルゴリズムを使って線形時間で認識可能である。 正規文法 [ 編集 ] 正規文法 でも生成規則の左側はひとつの非終端記号だけが置かれるが、さらに右側も制限が加えられ、ひとつの終端文字か、ひとつの終端文字とひとつの非終端記号から成る文字列のいずれかしか許されない。(広く採用されている定義として、複数の終端文字で構成される文字列か、ひとつの非終端文字のいずれか、という言い方もできる。どちらにしても同じクラスの言語を意味している。) { a n b m | m , n > 0 } {\displaystyle \left\{a^{n}b^{m}|m,n>0\right\}} で表される言語(ひとつ以上の 'a' の後にひとつ以上の 'b' が続く)を定義する文法 G 3 {\displaystyle G3} を例として考える。 G 3 {\displaystyle G3} は N = { S , A , B } {\displaystyle N=\left\{S,A,B\right\}} , Σ = { a , b } {\displaystyle \Sigma =\left\{a,b\right\}} から成り、開始記号 S {\displaystyle S} と以下の生成規則で定義される。 1. S → a A {\displaystyle S\rightarrow aA} 2. A → a A {\displaystyle A\rightarrow aA} 3. A → b B {\displaystyle A\rightarrow bB} 4. B → b B {\displaystyle B\rightarrow bB} 5. B → b {\displaystyle B\rightarrow b} 6. S → ϵ {\displaystyle S\rightarrow \epsilon } 正規文法で生成される言語は、全て 有限オートマトン で線形時間内で認識される。実際には正規文法は 正規表現 で表されるのが一般的だが、正規表現が必ずしも正規文法を表すためだけに使われるとは限らない。 正規言語と文脈自由言語 [ 編集 ] 以上のふたつの言語を生成した生成規則の違いとは別に、ふたつの言語 { a n b n | n > 0 } {\displaystyle \left\{a^{n}b^{n}|n>0\right\}} (文脈自由)と { a n b m | n , m > 0 } {\displaystyle \left\{a^{n}b^{m}|n,m>0\right\}} (正規)の高いレベルで見たときの大きな違いは、文脈自由言語では 'a' の個数と 'b' の個数が同じになるということである。つまり、文脈自由言語を理解する オートマトン は正規言語を理解するオートマトンよりも保持すべき情報が多い。正規言語では 'a' や 'b' の個数を数える必要はなく、単にどちらもゼロより多いことだけを確認できればいいのである。 詳細については 文脈自由言語 と 正規言語 を参照されたい。 生成文法のその他の形式 [ 編集 ] 形式文法についてのチョムスキーの本来の階層に対して言語学者や情報工学者が独自の拡張や派生を試みてきた。その目的は表現力を強化するか 構文解析 をやりやすくするためである。もちろん、これら二つの目的は方向性が異なる。表現力が強化された形式文法は自動化されたツールによる構文解析は困難となる。最近開発された文法には以下のようなものがある。 木接合文法 は、文字列だけでなく 構文木 も操作することによって規則を書き換えて、従来の文法で生成されるよりも表現力豊かな言語を生成する [ 5 ] 。 接辞文法 [ 6 ] と 属性文法 [ 7 ] [ 8 ] は、意味属性と意味に関する操作を加えて生成規則を書き換えられるようにした。これにより表現力を増加させると共に、実用的な言語変換ツールを構築するのにも有効である。 分析的文法 [ 編集 ] プログラミング言語 処理系の実装のフロントエンドとしてさかんに研究されたため、それに関係する 構文解析 についての論文は非常に多い。それらでは、解析対象の言語を形式的に定義し、そこから動作可能な構文解析器を生成することが目標である。 自然言語 についても 計算言語学 や 自然言語処理 などで必要であり、研究されている。いくつかの例を示す。 Yacc The Language Machine は制限のない分析的文法を直接実装したものである。置換規則は入力を変換して出力とふるまいを生成する。このシステムは、制限のない分析的文法の規則を適用したときに何が起きているかを図示することもできる。 Top-Down Parsing Language、TDPL: 1970年代 初期に開発された高度なミニマリスト分析的文法であり、 下降型構文解析 のふるまいを研究することがその目的である [ 9 ] 。 Parsing Expression Grammar :TDPLをさらに汎用化したもので、 プログラミング言語 や コンパイラ 作成者が実用的な表現をするために設計したものである [ 10 ] 。 リンク文法 :言語学者によって設計された分析的文法の形式。単語間の所有関係を調べる文法構造を導く [ 11 ] [ 12 ] 。 関連項目 [ 編集 ] 抽象構文木 バッカス・ナウア記法 曖昧な文法 文脈自由言語の反復補題 構文木 句構造規則 L-system ロジバン 脚注 [ 編集 ] ^ a b Chomsky, Noam, "Three Models for the Description of Language," IRE Transactions on Information Theory , Vol. 2 No. 2, pp. 113-123, 1956. ^ Chomsky, Noam, Syntactic Structures , Mouton, The Hague, 1957. ^ Grune, Dick & Jacobs, Ceriel H., Parsing Techniques—A Practical Guide , Ellis Horwood, England, 1990. ^ Earley, Jay, "An Efficient Context-Free Parsing Algorithm," Communications of the ACM , Vol. 13 No. 2, pp. 94-102, February 1970. ^ Joshi, Aravind K., et al. , "Tree Adjunct Grammars," Journal of Computer Systems Science , Vol. 10 No. 1, pp. 136-163, 1975. ^ Koster , Cornelis H. 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(Revised version of above report.) 外部リンク [ 編集 ] Yearly Formal Grammar conference 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%99%E6%89%BF_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0)
継承
コンピュータプログラミング における 継承 (けいしょう、 英 : inheritance )とは、任意の オブジェクト の特性を、他のオブジェクトの特性の基礎にするためのメカニズムと定義されている。 基礎にされる継承元は親、その継承先は子と呼ばれて、 状態 と 機能 と 定数 と 注釈 などが引き継がれるが、 コンストラクタ と デストラクタ は対象外になる。その親と子の関係を、 クラスベース OOPは スーパークラス と サブクラス の関係で、 プロトタイプベース OOPはプロトタイプとクローンの関係で導入している [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 継承図 継承は、他のオブジェクトの特性( データ ・ 手続き ・ 関数 ・ 定数 ・ アノテーション など)を引き継ぐという概念であり、引き継いだオブジェクトがどのような性質を持ち、どのように振る舞うのかは全くの任意になる。引き継ぎかたは、リクエストされた特性をそのオブジェクトが持たない場合は、自動的に上位オブジェクトの方でサーチするという方式が一般的であり、これは暗黙の 委譲 (delegation)ベースとも呼ばれる。他には、 インスタンス 化時にその型の継承チェーンを走査してその全要素を集めて同名重複要素を解決して1つの実体を生成するという方式もあり、これは連結(concatenation)ベースとも呼ばれる。 他オブジェクトの特性を引き継ぐという概念は、それに新しい特性群を付け足しての手軽なオブジェクトの機能拡張と、引き継がれる共通の特性群を上位ノードにしたオブジェクトの分類体系化をもたらしている。これは差分プログラミングとも呼ばれ、プログラムの再利用性と保守性を高めるとされている。 継承(inheritance)と サブタイピング (subtyping)は混同されやすい。ここでのサブタイピングは、親オブジェクトに対する子オブジェクトの安全な代替/代入(substitute)を保証する継承という意味で使われている。それに対してのただの継承は、親オブジェクトの特性をただ引き継ぐことに専念しており、安全な代替/代入には無関心である。たとえ話としては、親の白黒映画をカラー映画化するのが代替可能なサブタイピングであり、親の白黒映画をメディアミックス的グッズ販売につなげるのが代替不可な継承になる。継承に代入可能性(substitutability)を順守させてサブタイピングにすることを提唱しているのが、 リスコフの置換原則 である。 継承と対比される概念に コンポジション (合成) ( 英語版 ) がある。継承のサブタイピング用法の 上位概念と下位概念 ( Is-a )に対して、合成は( Has-a )であるが、継承の非サブタイピング用法では、スーパークラスとサブクラスの関係が( Is-a でも Has-a でもない)の関係になることがしばしばあるので、それと合成との使い分けが重視されるようになっている。 継承の目的 [ 編集 ] 差分プログラミング [ 編集 ] 差分プログラミング(difference coding)とは、クラス間の共通構成を、各クラスの特有構成に引き継がせるようにして、重複構成の削減と、分類体系化をもたらすことを目的にした継承の用法である。これは、クラスに新機能を付け足しての手軽なクラス拡張目的と、クラスの共通部分を括りだして体系化するクラス分類目的の双方に使われた。 差分プログラミングは、継承の元々の用法であり、プログラムの再利用性と保守性を高めると見なされていたが、後年になると階層分散配置されたデータとメソッドの把握のしづらさによる弊害の方が目立つようになって、この用法を否定する傾向が強くなった。同時にその代替としての 合成 ( 英語版 ) が重視されるようになっている。 サブタイピング [ 編集 ] →詳細は「 サブタイピング (計算機科学) 」を参照 サブタイピング (subtyping)とは、スーパークラスのインスタンスを、サブクラスのインスタンスで安全に代替できることを指針にした継承の用法である。基底クラスの変数への、派生クラスのインスタンスの安全な代入可能性(substitutability)を保証している。これは Is-a 関係とも言われる。サブタイピングでは、派生側でのフィールドの追加は抑制され、基底側からのメソッド実装の引き継ぎも抑制されており、基底側からのメソッド定義(メソッドシグネチャ)の引き継ぎが重視されている。派生インスタンスが代入された基底変数のメソッド名から派生メソッド内容が呼び出される言語機能は、 メソッドオーバーライド と呼ばれ、その機能概念は 動的ディスパッチ ( 英語版 ) と呼ばれる。サブタイピングは動的ディスパッチに焦点を当てた継承と解釈できる。 具象メソッド(定義+実装)の引き継ぎは実装継承(implementation inheritance)またはコード継承(code inheritance)と呼ばれており、抽象メソッド(定義だけ)の引き継ぎは界面継承(interface inheritance)と呼ばれている。 Is-a 関係サブタイピング主体の継承関係は、UML クラス図 では汎化/特化の関係に投影されている。抽象メソッドだけで構成される純粋抽象クラスは、 インターフェース と呼ばれており、それとの継承関係はUML クラス図 では実現/実装の関係に投影されている。 サブタイピングのコーディング例はこうなる。 #include <iostream> #include <string> #include <typeinfo> class Base { public : virtual ~ Base () {} virtual std :: string greet () const = 0 ; }; class Derived : public Base { virtual ~ Derived () { std :: cout << "Destructor of Derived is called." << std :: endl ; } virtual std :: string greet () const { return "Hello!" ; } }; int main () { Base * b = new Derived (); // OK std :: cout << "Message: " << b -> greet () << std :: endl ; std :: cout << "Is instance of Derived? " << std :: boolalpha << ( typeid ( * b ) == typeid ( Derived )) << std :: endl ; delete b ; return 0 ; } 多重継承 [ 編集 ] クラスに複数のスーパークラスを持たせることを多重継承という。単一継承と異なり、多重継承では、スーパークラス上のメンバサーチが複数方向に分かれるので、どのメンバが参照されるのかの把握が困難になるという欠点がある。特にフィールドの多重継承・分散配置は、早期に原則禁止が一般化している。メソッドの方はやむなく許容されたので、メソッド決定順序(MRO)問題が取り沙汰された。MRO問題を解決するために導入されたのが、 インターフェース の実装や トレイト のインクルードであり、双方はデータ主体クラスを単一継承にしてメソッド主体クラスを多重継承にするというハイブリッド継承の担い手になった。 また、多重継承上のスーパークラスの重複による 菱形継承問題 も問題視されるようになっている。 菱形継承問題 の解決策としては、 C++ / Eiffel 発の 仮想継承 、 Eiffel 発のリネーミング、 Python 発のC3線形化などがある。 多重継承と 仮想継承 のコーディング例を以下に示す。同一のクラスから継承している複数の派生クラスを多重継承して1つのクラスを作る場合に始めの基底クラスの存在をどうするかによって仮想継承と通常の多重継承の2つに分かれる。 class Base { public : int n ; }; // 非仮想継承。 class DerivedNV1 : public Base { /* ... */ }; class DerivedNV2 : public Base { /* ... */ }; // 仮想継承。 class DerivedV1 : public virtual Base { /* ... */ }; class DerivedV2 : public virtual Base { /* ... */ }; class DerivedNV : public DerivedNV1 , public DerivedNV2 { /* ... */ }; class DerivedV : public DerivedV1 , public DerivedV2 { /* ... */ }; int main () { DerivedNV nv ; //nv.n = 0; // 曖昧さが解決できないためコンパイルエラー。 nv . DerivedNV1 :: n = 0 ; nv . DerivedNV2 :: n = 0 ; DerivedV v ; v . n = 0 ; // コンパイルエラーにはならない。 return 0 ; } この例のような状態は特に 菱形継承 (ダイアモンド継承)と呼ばれる。 仮想継承でない場合、 DerivedNV の インスタンス には DerivedNV1 の基底の Base::n と DerivedNV2 の基底の Base::n という2つの n が別に存在することになる(メンバ関数も同様)。一方、仮想継承した場合、 DerivedV のインスタンスにはBaseの部分はただ1つしか存在しない。 DerivedV1 の基底と DerivedV2 の基底が共有されている状態である。 先発OOP言語の C++ や Eiffel では実装の多重継承ができたが、後発言語の Java や C# では実装は単一継承限定にされ、代わりにインターフェースの多重継承(界面の多重継承)が導入されている。なぜなら実装の多重継承はメリットよりもデメリットのほうが多いとみなされたためである。 継承関係が複雑になるため全体の把握が困難になる。 名前の衝突。同じ名前を複数の基底クラスがそれぞれ別の意味で用いていた場合、その両方を派生クラスで オーバーライド するのが困難。 処理系の実装が複雑になってしまう。 仮想継承にしていない場合に同一の基底クラスが複数存在してしまう(これが望ましい場面もあるが)。これの何が問題かというと、最初は仮想継承していなかったものを、後から仮想継承にしたくなったときに、変更点を洗い出すのが大変になるからである。つまり仮想継承を使用するには設計をきちんと行う必要があるということである。 しかしながら多重継承を使う方が直感的になる場合もあるとの主張もあり、どちらが正しいとは言えない状況である。 カプセル化の可視性と継承の可視性 [ 編集 ] カプセル化 の可視性(public/protected/package/private)によって、各 スーパークラス メンバの受け継ぎが取捨選択されることは、 派生型 に対する継承の大きな特徴である。privateメンバは サブクラス に受け継がれない。packageメンバは外部 パッケージ のサブクラスには受け継がれない。 継承の可視性は、スーパークラスメンバ(フィールド/メソッド)の可視性に更に制約をかける機能である。三段階ある。 public継承 - そのままの継承。 protected継承 - スーパークラスのpublicメンバを、protectedメンバに引き下げて継承する。 private継承 - スーパークラスのpublic/protectedメンバを、privateメンバに引き下げて継承する。 これは C++ で導入されていたが、後継OOP言語ではほとんど採用されていない。 ミックスイン [ 編集 ] →詳細は「 Mixin 」を参照 ミックスイン(Mix-in)は、多重継承問題の解決策を発端にしたもう1つの継承方法論である。メソッドの集合体を継承することで、その機能をクラスに注入することを目的にしており、メソッド集合体とクラスの間には汎化/特化の関係がないままで、多重継承を前提にしている。そのメソッド集合体は トレイト とされることが多く、他にモジュール、プロトコル、ロールといった形態もある。トレイトの継承はインクルードと呼ぶのが好まれ多重継承前提である。 ミックスイン はそれらをひっくるめた方法論としての用語になっている。 界面継承の インターフェース (抽象メソッドをまとめたクラス)と、Mix-in継承の トレイト (独立メソッドをまとめたモジュール)は双方とも多重継承前提なのでよく対比されて説明される。双方の違いを列挙すると以下のようになる。 界面継承は抽象メソッドをクラスに相続させるのに対して、Mix-in継承は独立メソッドをクラスに贈与する。 界面継承はインターフェースの継承先クラスに実装メソッドを記述するが、Mix-in継承はトレイトに実装メソッドを記述する。 界面継承は同名アルゴリズムを個々のクラスのメソッドに分散記述するが、Mix-in継承は1つのメソッドに個々のクラスのアルゴリズムを一括記述する。 インターフェースはデータメンバを持つことを想定されていないが、トレイトはデータメンバを持つ。すなわち界面継承は派生メソッドたち専用の共有データを持てないが、Mix-in継承はそれが可能である。 界面継承は this参照 を暗黙使用できるが、Mix-in継承は不可なのでThis参照の明示的な引数渡しや関連型の機能が必要になる。 インターフェースは 記名的型付け であるのに対して、トレイトは 構造的型付け で識別されることが多い。 UMLにおける継承 [ 編集 ] 統一モデリング言語 (UML) の クラス図 では、サブクラスから見たスーパークラスは 汎化 (generalization) 、スーパークラスから見たサブクラスは 特化 (specialization) と呼ばれる。 純粋抽象クラスは インターフェース と定義されており、 クラスから見たインターフェースは 実現 (realization) [ 要検証 – ノート ] 、クラスがインターフェースを継承することは 実装 (implementation)と呼ばれる。 サブタイピング 用法の投影は汎化/特化の関係であり、 インターフェース 用法の投影は実現/実装の関係である。 ミックスイン 用法はUMLクラス図で扱われていない関係であり、差分プログラミング用法も同様である。 脚注 [ 編集 ] ^ MDN contributors (2022年9月17日). "継承とプロトタイプチェーン - JavaScript" . developer.mozilla.org . 2022年9月18日閲覧 。 関連項目 [ 編集 ] スーパークラス ・ サブクラス 菱形継承問題 こうもり問題 サブタイピング インターフェース ・ 抽象クラス ・ 抽象メソッド ミックスイン ・ トレイト Is-a ・ Has-a 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%99%E7%B6%9A
継続
この項目では、プログラムの継続について記述しています。「 継続 」の語義については、 ウィクショナリー の「 継続 」の項目をご覧ください。 出典 は列挙するだけでなく、 脚注 などを用いて どの記述の情報源であるかを明記 してください。 記事の 信頼性向上 にご協力をお願いいたします。 ( 2022年5月 ) 計算機科学における 継続 (けいぞく、continuation)とは、プログラムを実行中のある時点において、評価されていない残りのプログラム(the rest of the program)を表現するものであり、手続き(procedure)あるいは関数(function)として表現されるものである [ 1 ] 。 継続に相当する概念は1960年代初頭から存在しており、 Algol 60 のコンパイラの実装 [ 2 ] などの文献にたびたび登場していたが、継続の利用に関する最も早い記述は、1964年のアドリアン・ファン・ワインハールデン ( en: Adriaan van Wijngaarden ) によるものである [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 計算一般における継続 [ 編集 ] Scheme による次の式を考える: ( + 4 ( + 1 2 )) この式を評価する際、まず ( + 1 2 ) が計算され、すなわち 1+2 が計算され、次にその結果に4を足して全体の計算結果が求められる。 ( + 1 2 ) の評価が行われた段階での「残りの計算」を表現すると、 ( lambda ( v ) ( + 4 v )) のようになる [ 3 ] 。この式はすなわち、値 v を引数に取り、それに4を足した値を返す関数である。実際、この後 ( + 1 2 ) の計算結果が v に代入されて、4を足した値が最終的に計算結果が求められるため、この関数は確かに ( + 1 2 ) を評価する段階での「残りの計算」の表現である。 call/cc [ 編集 ] Schemeの call-with-current-continuation ( call/cc と省略される) は、その時点での継続を引数として関数を呼び出す手続きである。Schemeの言語仕様書(R7RS [ 4 ] )には「もっとも単純な例」として次のコードが載っている: ( define list-length ( lambda ( obj ) ( call-with-current-continuation ( lambda ( return ) ( letrec (( r ( lambda ( obj ) ( cond (( null? obj ) 0 ) (( pair? obj ) ( + ( r ( cdr obj )) 1 )) ( else ( return #f )))))) ( r obj )))))) このコードは、真正な(終端が空リストである)リストが渡された際にはそのリストの要素数を数えて返し、そうでない場合はfalse値を返す。 goto文を持つ言語の意味論 [ 編集 ] 継続の概念は goto文 を持つ言語に意味論を与える。goto文を持たない場合、意味論は例えば命令文 γ 、変数に対する値の割り当て ρ 、抽象機械の状態遷移 θ ∊ [ S → S ] ( S は機械の状態空間を表す) を用いて C [ γ ] ( ρ ) = θ {\displaystyle {\mathcal {C}}[\gamma ](\rho )=\theta } のように与えられる [ 5 ] [ 6 ] 。この意味論において、2つの命令の逐次実行は2つの状態遷移の合成として表すことができるが、goto文が存在する言語の場合、goto文の直後の命令は、goto文を実行した直後に実行されるわけではないため、少なくともそのように意味論を与えることはできない。 goto文を持つような言語において、意味論を与える写像 P {\textstyle {\mathcal {P}}} は例えば、命令文の集合 Cmd 、環境の集合 Env 、継続の集合 C 、機械の状態の集合 S を用いて次のような型を持つ: P : [ C m d → [ E n v → [ C → [ S → S ] ] ] ] {\displaystyle {\mathcal {P}}:[{\mathit {Cmd}}\to [{\mathit {Env}}\to [C\to [S\to S]]]]} ここで継続は C = [ S → S ] すなわち状態の遷移として、また環境 Env は D ⊃ C {\textstyle D\supset C} を満たすようなラベルの集合 D と識別子の集合 Id を用いて Env = [ Id → D ] と表される。命令文 γ と環境 ρ に対して、 P [ γ ] ρ {\displaystyle {\mathcal {P}}[\gamma ]\rho } は継続を受け取って継続を返す関数の形となる。 この設定の下でgoto文はラベルの識別子 ξ ∈ I d {\textstyle \xi \in {\mathit {Id}}} に対して P [ g o t o ⁡ ξ ] ρ θ σ = ( ρ [ ξ ] | C ) σ {\displaystyle {\mathcal {P}}[\mathop {\mathbf {goto} } \xi ]\rho \theta \sigma =(\rho [\xi ]|_{C})\sigma } のように実装される。ここで ρ [ ξ ] | C {\textstyle \rho [\xi ]|_{C}} とは ρ [ ξ ] ∈ D {\textstyle \rho [\xi ]\in D} の C への射影であり、動的な型検査としての働きを持つものである [ 5 ] 。 応用 [ 編集 ] 実用 [ 編集 ] 例外的な処理の扱い [ 編集 ] たとえばC言語ではsetjmp/longjmpで実装するような、あるいは Ada 、 C++ 、 Java などの高水準プログラミング言語では言語機能として 例外処理 をサポートしているが、継続を扱うことができれば、同様の「今やっている計算を打ち切り、ネストの外側に値と処理を返す」、というふるまいをプログラムできる。 Web アプリケーション [ 編集 ] Webアプリケーションにおいて、継続の利用が開発効率を上げるとして、継続を利用するスタイルでのWebアプリケーションの開発がおこなえるフレームワークが開発されており、Kahuaなどの実装例がある。通常、Webサーバではユーザからの HTTP リクエストは完全に独立したものとして扱われており、したがってサーバ上で走っているプログラムは個々のリクエストを独立した計算過程として完了しなければならなかった。しかし、多くの Web アプリケーションでは『ログイン』や『買い物カゴへの追加』など、あたかもサーバ上で連続した状態を保持しているかのような機能をユーザに対して提供する必要がある。従来のWebプログラミングでは、これは一連のリクエストをいくつかの状態に分割してサーバ上に (あるいはクッキーなどで)保存しておき、各リクエストごとにそこから復帰するという手法が一般的だったが、このようなプログラミングは複雑になりがちで、バグも起こりやすかった。しかし継続をサーバ上に保持できれば、プログラマは状態の分割をなにも考えずにあたかもユーザと 1対1で通信しているかのようなコードを書くことができる。これにより複雑な Web アプリケーションがより簡単に(バグも少なく)書けるようになると、それらのフレームワークの開発者は主張している。 マイクロカーネル(Mach 3.0) [ 編集 ] Mach 3.0 では、あるタスクがスリープ中の別のタスクを実行可能とする一方、自分自身はその処理待ちでスリープする状況において継続をサポートしている。 Mach 3.0は当時既存の Unix系OS との互換性や応用を維持しつつ本格的な マイクロカーネル を実装したが、それに伴いCPUのスレッド数に比べてタスクのスレッド数がはるかに多くなった。これらのタスクはカーネル内でスリープする際にカーネルスタックを必要とし、そのためのメモリ消費がシステム全体を圧迫する問題が生じた。この問題を軽減するため、Mach 3.0ではタスクがスリープする際にオプションとして継続の規約をサポートし、保存が必要なデータをタスクに紐付いたメモリに退避した上でカーネルスタックを回収できるようにした。継続を使用してスリープしているタスクが実行可能となった場合は、カーネルから新たにカーネルスタックを受け取った上でタスクのメモリからデータを復元し、実行を再開するようにした。実行再開時のエントリポイントはスリープ時の処理とは別の箇所でも問題なく、これにより継続のセマンティクスを実装している。 回収されたカーネルスタックは通常は実行可能になった別のタスクへそのまま渡し、直ちに再利用するようにしている。これにより、カーネルスタックは原則として各タスクではなくCPUのスレッドに紐付いたリソースとしている。 理論 [ 編集 ] コルーチン [ 編集 ] 例外のようなスタックの巻き戻しのような処理ばかりではなく、 コルーチン のように相互に呼び出し合うような機構も継続を使って実装できる(なお、コルーチンの実装には継続の持つ能力の全ては必要ではなく、また性能や機能の理由から、 スレッド や ファイバー で実装されるほうが多い)。 継続渡しスタイル [ 編集 ] →詳細は「 継続渡しスタイル 」を参照 現在主流である、LIFOの関数呼び出しではなく、全ての関数呼び出しに、その関数が終わった後実行されるべき継続を、明示的に渡す、というプログラムのスタイルがあり、プログラマが書くコードとしてだけではなく、プログラミング言語処理系の中間表現としても使われており研究されている。 Schemeにおける継続 [ 編集 ] Schemeでは前述のように、継続が第一級オブジェクトであり、また簡単に実行中のコンテキストから継続を取り出して使うことができる。そればかりではなく、Schemeは仕様において プログラム意味論 が与えられているが、そこでも継続を利用して定義がおこなわれている。 プログラムの理論と継続 [ 編集 ] Scheme以前から、プログラムの理論として継続は意識されており [ 7 ] 、 SECDマシン の「D」は継続そのものである。また、手続き型(命令型)プログラミング言語の 表示的意味論 でも、gotoなどの意味を定めるために継続を使う。 限定継続 [ 編集 ] 計算の残り全体を扱う継続は、扱いづらいのみならず、一種の 副作用 のようなふるまいをする [ 8 ] 。 これに対し、限定継続( en:delimited continuation ・restricted ~、partial continuation 部分継続などとも)は、継続のうち、ある所までの計算を区切って取り出すことができる、というもので、近年研究や実装が進められている。限定継続に対し(ふつうの)継続をundelimited continuationなどと言う。 shiftとresetと呼ばれるプリミティブにより、限定された継続が作られる。Schemeでcall/ccを使った実装例が、論文 "Final shift for call/cc:: direct implementation of shift and reset" 中の§2のサーベイ中に示されている。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 出典 [ 編集 ] ^ a b Reynolds, John C. 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Fischer (1972), Lambda-Calculus Schemata , https://users-cs.au.dk/hosc/local/LaSC-6-34-pp259-288.pdf [ リンク切れ ] Gordon Plotkin (1975), Call-by-Name, Call-by-Value and the Lambda Calculus , http://homepages.inf.ed.ac.uk/gdp/publications/cbn_cbv_lambda.pdf Olivier Danvy , Andrzej Filinski (1990), Abstracting Control , http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.43.8753 Olivier Danvy , Andrzej Filinski (1992), Representing control: a study of the CPS transformation , http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.46.84 Andrzej Filinski (1994), Representing Monads , http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.43.8213 Martin Gasbichler. Michael Sperber (2002), Final Shift for Call/cc: Direct Implementation of Shift and Reset , http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/summary?doi=10.1.1.11.3425 Timothy G. 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契約 (契約プログラミング)
契約による設計 契約プログラミング (けいやくプログラミング、 英 : Contract programming )または 契約による設計 (けいやくによるせっけい、 英 : Design by Contract; DbC )は、ソフトウェアの正確性 [ 注 1 ] と頑健性 [ 注 2 ] を高めるための ソフトウェア設計 の方法論である。DbC は ロバート・フロイド 、 アントニー・ホーア 、 エドガー・ダイクストラ らの 形式的検証 の仕事を基礎にしている [ 1 ] 。DbC は( 抽象データ型 に基づく) オブジェクト指向プログラミング における 表明 の利用や、 継承 に伴う表明の再定義の原理的規則、 例外処理 の原理的規則などを提供する [ 2 ] 。 DbC は、 バートランド・メイヤー によって提案された [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] 。 概要 [ 編集 ] 「契約による設計」(DbC)における中心的な概念は、クライアントとサプライヤ [ 6 ] の 契約 ( contract ) である。DbC における契約とは、 クラス [ 7 ] の インスタンス [ 注 3 ] とその メソッド [ 注 4 ] の利用に関する条件を形式的に 表明 したものであり、 クラス不変条件 とメソッドの 事前条件 および 事後条件 で構成される。 不変条件、事前条件、事後条件はそれぞれ、クラスの振る舞いを定義するものであり、クライアントに対して公開された(コンストラクタを含む)メソッドに対して適用される。 契約はまたクライアントとサプライヤに生じる 義務と利益 によって特徴付けられる。 クライアントの設計者にはクラスのインタフェースとして示された事前条件を遵守する義務が生じる一方、事後条件が満たされること期待してよく、反対にサプライヤの設計者はクライアントが事前条件を満たしてクラスを利用することを期待してよい一方、事後条件を遵守する義務が生じる。 このクライアントとサプライヤの双方に生じる義務と、義務を守った際に保証された状態を得られる利益とが現れる点で、プログラミングにおける「契約」と一般的な意味での契約の類似を見出せる。 表明を予め記述しておくことで、実装者はその表明に従ってプログラムを記述することができる。一般に表明は静的な記述であり、必ずしもプログラム動作時に意味を持つものではないが、DbC をサポートする プログラミング言語 では、プログラム実行時に表明を違反していないか監視することができる [ 8 ] 。実行時の表明違反の監視に関連して、 例外 機構を利用することにより、実行時の表明違反を例外としてクライアントに処理させることができる。 クラス A が、クラス B に関するエンティティ(ローカル変数の定義やメソッド呼び出し)の記述を含む場合、B は A に対するサプライヤ、A は B に対するクライアントとなる。クライアントとサプライヤは同一クラスであってもよく、例えば this を介したメソッド呼び出しが相当する。 事前条件 [ 編集 ] 事前条件 ( precondition ) は、メソッド開始時に保証されるべき条件の表明である [ 9 ] 。事前条件はメソッドごとに定義され、以下に関する制約を与える: メソッドの 引数 メソッド開始時のサプライヤクラスのインスタンスの状態 メソッド引数に関する事前条件の例として、 配列 の要素を添字から参照する際、クライアントは指定した添字が配列の範囲に含まれることを保証する必要があることが挙げられる。 インスタンスの状態に関する事前条件の例として、 スタック から要素を取り出す操作(pop)に関して、クライアントは対象のスタックが空でないことを保証する必要があることが挙げられる(スタックが空の場合に何らかの値を返すことを認めない場合)。 事前条件をクライアントとサプライヤの間の契約と見なせば、事前条件を満たすことはクライアントの義務に相当し、事前条件が満たされている前提でメソッド本体を設計できることはサプライヤが受ける 利益 に相当する [ 10 ] 。またクライアントに事前条件を提示することは、クライアントとサプライヤの間で責任の所在がどちらにあるのかを明らかにすることつながる [ 11 ] 。事前条件に対する検査をクライアントが行うよう責任分担することで、サプライヤ側で冗長な検査を行うことや、逆に全く検査が行われないことを避けることができる [ 12 ] 。 事前条件は 表明 の一種であり、コンパイル時やプログラム実行時に検査することが可能である(詳細な仕様はプログラミング言語ごとに異なる)。 事後条件 [ 編集 ] この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "契約プログラミング" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年12月 ) 事後条件 ( postcondition ) は、メソッド正常終了時に保証されるべき条件の表明である。これはメソッド単位で表明される。正常終了とは、例外スロー終了やエラー発生終了ではないことを指す。具体的には以下になる。 メソッド開始時のサプライヤクラスのインスタンスの状態 メソッド正常終了時のサプライヤクラスのインスタンスの状態 クライアントに渡す 返り値 事後条件を満たすことはサプライヤの義務になり、もし満たされた場合は事前に決められた状態遷移が果たされて、これはクライアントの利益になる。クライアントは事後条件への作業から解放される。 不変条件 [ 編集 ] クラス不変条件 [ 注 5 ] ( class invariant ) は、クラスが持つ公開 [ 注 6 ] された各メソッドの開始時と正常終了時に共通して保証されるべき状態についての条件である [ 13 ] 。ただし コンストラクタ [ 注 7 ] の呼び出しに関しては、事後条件としてのみ適用され事前条件として保証する必要はない [ 13 ] 。(引数や返り値などを制約するメソッド個別の事前/事後条件と異なり)不変条件はインスタンスの状態にのみに対する表明である [ 14 ] 。インスタンスの「状態」はそのインスタンスのすべて フィールド の値によって決まるため、より具体的には、不変条件はフィールドの値に関する表明となる [ 14 ] 。 不変条件は公開メソッドの事前条件および事後条件として暗黙的に追加される [ 14 ] 。 不変条件を持つクラスに関して、そのクラスの公開メソッドの呼び出しの際、クライアントはメソッドの事前条件とサプライヤ・クラスの不変条件の両方を満たす義務がある。 またサプライヤは、事前条件(と不変条件)を満たしたメソッド呼び出しに対して、メソッド終了時にそのメソッドの事後条件と不変条件の両方を満たす義務がある。 義務と利益 [ 編集 ] 「契約による設計」(DbC)において、クライアントとサプライヤに課されるメソッド呼び出しの事前条件および事後条件は、クライアントとサプライヤとの間の契約に喩えられる [ 15 ] 。一般の契約と同様に DbC における契約は、クライアントとサプライヤの遵守すべき義務 ( obligation ) と義務を遵守することで得られる利益 ( benefit ) を記述したものと捉えられる [ 15 ] 。 クライアントの義務と利益は [ 15 ] : クライアントの義務:メソッド呼び出し時に 事前条件 を満たすこと クライアントの利益:メソッド終了時に 事後条件 を満たした状態が得られること 一方、サプライヤの義務と利益は [ 15 ] : サプライヤの義務:メソッド終了時に 事後条件 を満たすこと サプライヤの利益: 事前条件 を満たした状態でメソッドが呼び出されること である。 サプライヤは事前条件を満たすことをクライアントに課すことで、メソッド本体に冗長な検査を記述することを避けられる [ 12 ] 。 契約における例外の扱い [ 編集 ] メソッドの表明違反( 事前条件 、 事後条件 、 不変条件 のいずれかを満たさない状況)が生じた際や、 OS が異常を検出した際には、それらを 例外 として処理しなければならない [ 16 ] 。 例外処理はメソッドを失敗させるか成功させるかいずれかの形で行わなれなければならない [ 16 ] 。 メソッドを成功させる場合、定義より、不変条件を含むメソッドの事後条件を満たして呼び出し元に制御を返す必要がある。 失敗させる場合、システムの状態をメソッド実行前の状態に戻し、クライアントへ例外の発生を伝えなければならない。例えば データベース (DB)のトランザクションでエラーが生じた場合、サプライヤはトランザクションを巻き戻した上で DB 操作の失敗をクライアントに伝える必要がある。 メソッド内で定義された例外ハンドラでは、メソッド本体の実行を再開するか、クライアントへ例外を通知して終了するかのいずれかを行う。例外ハンドラからクライアントへ制御を戻す場合、クラスの不変条件に違反してはならない [ 17 ] 。 契約プログラミングにおいて、形式的には、数値計算における オーバーフロー や ゼロ除算 や、メモリ領域の確保失敗、ファイルへのアクセスや書き込みの失敗などは、システムとクライアントとの間の暗黙の契約違反と見なせる [ 18 ] 。 契約の継承 [ 編集 ] クラス をモジュールと見た場合、クラスは 開放/閉鎖原則 にしたがって設計されるべきである。すなわち、クラスのインタフェースの仕様が安定していて、クライアントから見た振る舞いが変わらないようにしなければならない一方で、将来的な機能の追加や仕様の変更を受け入れられなければならない。後者のモジュールの開放性を実現するための方法の一つとして、クラスの 継承 がある [ 19 ] 。 「契約による設計」(DbC)では、クラスのインスタンスの抽象的な振る舞い ( behaviour ) を 不変条件 と各メソッドの 事前条件 および 事後条件 として定義する [ 注 8 ] 。DbC に従ってプログラミングする際、クライアントは、事前条件を満たせば事後条件を満たす状態が得られること期待して、サプライヤクラスのエンティティを記述することになる。一方で、 ポリモーフィズム (多相性)のため、クライアントが記述したサプライヤクラスそれ自身が常に実装を提供するとは限らず、プログラム実行時には 動的束縛 された サブクラス [ 注 9 ] のインスタンスの実装が利用され得る [ 20 ] 。 サブクラスのインスタンスの振る舞いは前述の通りサブクラス自身の不変条件および各メソッドの事前条件と事後条件によって定義されるが、一方でサブクラスのインスタンスはクライアントと継承元の スーパークラス [ 注 10 ] の契約に拘束され、スーパークラスのインスタンスとしても振る舞えなければならない( リスコフの置換原則 )。 したがって、クライアントと継承元のスーパークラスの間の契約を実現するため、サブクラスはスーパークラスの不変条件を常に満たさなければならず(したがってサブクラスの不変条件は自身の不変条件とすべてのスーパークラスの不変条件の論理積となる) [ 21 ] 、またサブクラスの事前条件はスーパークラスの事前条件より弱く(または等しく) [ 21 ] 、サブクラスの事後条件はスーパークラスの事後条件より強く(または等しく)なければならない [ 21 ] 。 ここで、「条件 A が条件 B より 強い 」とは、 A が成り立つなら B も必ず成り立ち、逆は成り立たないことを言う [ 21 ] 。例えば、 実数 x に対して x > 2 が成り立つなら常に x > 0 が成り立つが、逆は成り立たない。この場合、実数 x に対する条件 x > 2 は条件 x > 0 より強い、と言える。他方「条件 A が条件 B より 弱い 」とは、 B が A より強いことを指す [ 21 ] 。 契約プログラミングをサポートする言語 [ 編集 ] Eiffel Ada D言語 Spec# ( C# のDbC拡張版) Kotlin Clojure 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ Meyer 1990 , p. 4 において、ソフトウェアの正確さは ソフトウェア製品が要求および仕様によって定義されたとおりに確実に仕事を行う能力 と定義されている。 ^ Meyer 1990 , p. 5 において、ソフトウェアの頑健さは 異常な状態においても機能するソフトウェアシステムの能力 と定義されている。ここで「異常な状態」とは仕様によって示されていない状態を指す。 ^ Meyer 1990 では基本的に「オブジェクト」の語を用い、あらわにインスタンスとは呼んでいない。クラスを型と見なす場合、クラスのインスタンス以外にオブジェクトは存在しないため ( Meyer 1990 , pp. 85, 139) 混用しても問題はないが、一般的な文脈を優先して本項ではインスタンスの語を用いる。 ^ Meyer 1990 では「メソッド」の代わりに「ルーチン」を用いているが、本項ではより一般的な前者を用いる。「メソッド」は Smalltalk 由来の同義語として Meyer 1990 , p. 589 に示されている。 ^ Meyer 1990 , p. 168 では「(クラス)不変表明」と呼んでいる。 ^ Meyer 1990 , pp. 113, 170, 273–274 では「エクスポート」と表現している。 ^ Meyer 1990 , pp. 103, 170 では「 Create プロシージャ 」と表現している。プロシージャの定義は Meyer , pp. 109–110 を参照。 ^ 同様な定義は例えば Liskov & Wing 1994 , p. 1817, 4.1. Type Specifications で与えられている。 ^ Meyer 1990 , p. 296 ではクラス自身とそれを継承するサブクラスを 子孫 ( descendant ) と定義し、クラス自身を除いた子孫を 真の子孫 ( proper descendant ) と定義しているが、本項では特に断りない限り、真の子孫の意味で「サブクラス」を用いる。 ^ Meyer 1990 , p. 296 ではクラス自身とそれが継承しているスーパークラスを 祖先 ( ancestor ) と定義し、クラス自身を除いた祖先を 真の祖先 ( proper ancestor ) と定義しているが、本項では特に断りない限り、真の祖先の意味で「スーパークラス」を用いる。 出典 [ 編集 ] ^ Meyer 1990 , p. 220. ^ Meyer, Bertrand (2021年2月26日). “ Some contributions ”. 2021年12月22日閲覧。 ^ Meyer, Bertrand: Design by Contract , Technical Report TR-EI-12/CO, Interactive Software Engineering Inc., 1986 ^ Meyer, Bertrand: Design by Contract , in Advances in Object-Oriented Software Engineering , eds. D. Mandrioli and B. Meyer, Prentice Hall, 1991, pp. 1–50 ^ Meyer, Bertrand: Applying "Design by Contract" , in Computer (IEEE), 25, 10, October 1992, pp. 40–51, also available online ^ クライアント(顧客)とサプライヤ(供給者)の用法については例えば Meyer 1990 , pp. 30, 101 を参照。邦訳では顧客/供給者が用いられているが本項ではクライアント/サプライヤを用いる。 ^ DbC の文脈における「クラス」の定義は例えば Meyer 1990 , p. 85 を参照。この定義ではクラスは静的な型として表現され、それ自体はオブジェクトと見なされない。また同書ではしばしばクラスを「モジュール」と表現する。 Smalltalk の流れを汲むクラスの扱いに関しては例えば Meyer 1990 , p. 138 を参照。 ^ Meyer 1990 , pp. 196–199. ^ Meyer 1990 , pp. 155, 157, 218. ^ Meyer 1990 , pp. 159–160. ^ Meyer 1990 , pp. 163–164. ^ a b Meyer 1990 , p. 161. ^ a b Meyer 1990 , p. 170. ^ a b c Meyer 1990 , p. 171. ^ a b c d Meyer 1990 , p. 159. ^ a b Meyer 1990 , p. 201. ^ Meyer 1990 , p. 206. ^ Meyer 1990 , pp. 209, 640. ^ Meyer 1990 , p. 307. ^ Meyer 1990 , p. 305. ^ a b c d e Meyer 1990 , p. 344. 参考文献 [ 編集 ] Meyer, Bertrand 『オブジェクト指向入門』酒匂, 寛(訳); 酒匂, 順子(訳); 二木, 厚吉(監訳)、アスキー出版局、1990年11月21日(原著1988年)。 ISBN 4-7561-0050-3 。 Meyer, Bertrand (2004年). “ Object-Oriented Software Construction, Lecture 9. Design by Contract ”. 2021年12月21日閲覧。 Liskov, Barbara; Wing, Jeannette (1994-11-01). “A behavioral notion of subtyping”. ACM Transactions on Programming Languages and Systems 16 (6): 1811–1841. doi : 10.1145/197320.197383 .
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BB%BD%E9%87%8F%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0%E8%A8%80%E8%AA%9E
軽量プログラミング言語
軽量プログラミング言語 ( 英 : lightweight language )は、2001年に MIT で開催されたワークショップ「 LL1: Lightweight Languages Workshop 」のCFPによれば [ 1 ] 、何らかの実際の機能によるカテゴライズではなく、習得・学習・使用が容易な プログラミング言語 を指し、当時におけるそのような言語として Perl ・ Python ・ Ruby ・ Scheme ・ Curl を例として挙げている。 軽量プログラミング言語の歴史 [ 編集 ] 「LL」という語が初めて使われたのは「LL1: 軽量言語ワークショップ」 [ 2 ] である。「LL1: 軽量言語ワークショップ」は、米国 MIT で開催される革新的な プログラミング言語 について語り合うイベントであるが、2001年「 スクリプト言語 」でも「 動的型付け 」でも外れてしまう言語を対象に包含する 概念 として「Lightweight Language」とい う言葉が作られた。翌年の2002年、「LL2:軽量言語ワークショップ」にて Ruby の開発者 まつもとゆきひろ が「より少ない 労力 で開発が行える プログラミング言語 」という 軽量プログラミング言語 の 定義 を提案。 [ 3 ] 2002年のIBMディベロッパー・ワークスの記事『IBM 軽量サービス、パート1: サーバー・サイド スクリプティング [ 4 ] 』に、本文に説明付で「 a lightweight language 」という表記があった。 日本では2004年に「 Lightweight language magazine ( ) 」が発売された。2004年にマイコミジャーナル、2007年にソフトウェア開発者向けのウェブサイト「 @IT ( ) 」や同「 CodeZine ( ) 」に軽量プログラミング言語という表現が現われている。 軽量プログラミング言語の例 [ 編集 ] 現在、日本で一般に軽量プログラミング言語と言った場合、おおむね以下のような スクリプト言語 を指す。 AWK bash csh ECMAScript と、その応用 ActionScript 、 JavaScript 、 JScript Lua Perl PHP Python Ruby Tcl VBScript また、以下の言語なども挙げられる。一部、事前にコンパイルが必要な言語も含まれる。 Clojure Curl Groovy Haskell JavaFX Script PowerShell Scala Scheme F# Interactive 軽量プログラミング言語のリソース消費量 [ 編集 ] 日本における軽量プログラミング言語の「軽さ」は、英語における lightweight の意味とは大きく異なり、 プログラマ の負担の軽重を指し、実行速度やメモリ消費量に優れているという意味ではない。この独特の文脈に基づき、軽量プログラミング言語の提案者である まつもとゆきひろ は、 事前に コンパイル が不要な インタプリタ 動的型 関数オブジェクト などの特色を備えるものを軽量プログラミング言語と分類しているが、 スクリプト言語 の特色を完全に逸脱するものではない。 lightweight programming language [ 編集 ] 2022年5月現在、 英語版ウィキペディア では「Light weight programing language are designed to have small memory footprint, are easy to implement (important when porting a language to different systems), and/or have minimalist syntax and features.(軽量プログラミング言語は メモリー・フットプリント が小さくなるように、また簡単に使用できるようになっている。異なるシステムに移す時に重要である。また、最小限の シンタックス を持つように 設計 されている。」とされており、例として Forth, Io, JavaScript, Lua, newLISP, Squirrel が挙げられている。 また、1997年に書かれた「エンジニアリング・ツールとしての軽量言語」 [ 5 ] では、プログラミング言語内で補助的に使われる、 正規表現 や SQL 、 GLSL を「 lightweight languages 」と呼んでおり、これはどちらかというと ドメイン固有言語 を指している。 英語で Perl や PHP を指し示す場合は「script laungage( スクリプト・ラングエッジ )」と表現するのが妥当である。 ただし、「LL1: 軽量言語ワークショップ」の参加者募集 [ 1 ] からは、『学術的研究から出てきた技術を取り込みつつ、職業プログラマーの手によって画期的なアイディアも組み込まれている言語。軽量は、実際の機能性ではなく、簡単に入手できて、覚えることができ、使う事ができることを意味する。このカテゴリーに分類される例としては、 Perl 、 Python 、 Ruby 、 Scheme (とscsh)、 Curl を含む。』と理解することができる。よって、主催者であるドブス [ 6 ] の定義は日本語における意味と近いと思われる。もっとも、非日本ドメインのウェブページにおける「 lightweight languages 」の語を含むページ数は、「 scripting languages 」の語を含むページ数の1%に満たない(2008年8月5日現在)ため、ドブスの定義が英語圏で定着しているとは言えない。 日本独自の用語・分類への批判 [ 編集 ] 英語版ウィキペディア から冒頭に挙げたMITでのLLワークショップや日本における用語や分類を「日本独自の用語・分類」であると主張し批判する [ 7 ] ような意見が存在する。日本における軽量プログラミング言語という用語と言語の分類は、多分に主観的なものであり、軽量プログラミング言語という言葉は不適切だという批判も多い。 比較対象がないことへの批判 [ 編集 ] 「重い」「軽い」という言葉は相対的な表現であり、比較対象となるものを明示せずに分類することはできない。 誤解を招く用語であるという批判 [ 編集 ] スクリプト言語は、 動的型付け のものが多く、 静的型付け で利用できるような型に依存した最適化が行えないため、速度の面では不利である。軽量プログラミング言語という用語は「実行速度が速い言語」と誤解される可能性が極めて高く、その意味でもこの用語の使用は 不適切 である。 脚注 [ 編集 ] ^ a b LL1 Call For Participation ^ 英 : LL1: Lightweight Languages Workshop ^ “ Lightweight Language Navigation ’06 ”. 日本UNIXユーザ会. 2022年5月2日閲覧。 ^ IBM Lightweight Services, Part 1: Server-side scripting ^ Lightweight Languages as Software Engineering Tools ^ 英 : Dr. Dobbs ^ “ PHP言語はなぜ批判されてしまうのか|shimakaze_soft|note ”. note(ノート) . 2022年5月2日閲覧。 外部リンク [ 編集 ] Learn Languages 2021 — 軽量言語を始めとする多様な言語に関する日本のイベント 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E5%90%88%E5%BA%A6
結合度
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "結合度" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2023年1月 ) 結合度 (けつごうど、カップリング、coupling)とは、 コンピュータープログラミング で用いられる(機械よりは)人間寄りの尺度。 ソフトウェア測定法 の一種。利用者またはメンテナンスをする者にとって対象を利用、保守しやすいように対象の内容が整理、分割できているかどうかを、その状態によって段階に分けて表現する。 概説 [ 編集 ] コンピュータープログラマ にとっては、既存の ソフトウェア 製品に対して 無い機能の追加、対応していないデータへの対応といった事柄に対応する場面がある。この際、全ての既存のソフトウェア製品の内部(より具体的には ソースコード )の各機能各データに対して、どのデータはどこで利用されまたどこで利用されていないか確実に判断できるよう整理、分割が行き届いている状態を結合度が 低い と表現する。結合度は低いほど好ましい。逆に結合度が高いとは、例えば1つのデータの持ち方の変更が 部品の関連性を伝って波及し(遠く離れた、と感じる)意図しなかった箇所での不具合を招く。1つの変更に対して 広範囲かつ複数の散在した箇所の部品の動作を改造する必要が出てくることがある。 結合度の程度 [ 編集 ] 結合度の概念モデル [ 編集 ] 結合度 結合度は、品質尺度であり、ソースコードを調査検討することで結合度の程度が分類される。高い結合度から低い結合度までを以下のように分類できる: 手続き型プログラミング [ 編集 ] 内容結合(Content coupling)「高」 病理学的結合とも呼ばれ、あるモジュールが別のモジュールの内部動作によって変化したり依存したりする(例えば別のモジュールの内部データを直接参照する)。したがって、あるモジュールのデータを生成する方法(場所、種類、タイミング)を変更することは、依存するモジュールの変更につながる可能性がある。 共通結合(Common coupling) グローバル結合とも呼ばれ、二つのモジュールが同じグローバルデータ(例えば、グローバル変数)を共有する [ 1 ] 。共通のリソースを変更すると、それを使用したすべてのモジュールを変更することを意味する。 外部結合(External coupling) 二つのモジュールは、外部から供給されたデータ·フォーマット、通信プロトコル、またはデバイスインターフェイスを共有している場合に起こる。 これは基本的に外部ツールやデバイスへの通信に関連している。 制御結合(Control coupling) あるモジュールに何をすべきかについての情報(例えば、処理を制御するためのフラグ)を渡すことで、別のモジュール処理の流れを制御する [ 2 ] 。 スタンプ結合(Stamp coupling) 複数のモジュールが複合データ構造を共有し、その一部のみを使用する [ 3 ] (例えば、全レコードの中の1つのフィールドを必要とする関数に全レコードのデータの構造体を渡す)。異なる部分も使用可能。これは、モジュールが必要としないフィールドが変更されることにより、モジュールのレコードを読み取る方法を変更することにつながる可能性がある。 データ結合(Data coupling) モジュールを介してデータを共有する場合、例えば、引数である。 各データは基本部分であり、これらは単純なデータの受け渡しのみを行う(例えば、数値を渡してその平方根を返す)。 メッセージ結合(Message coupling)「低」 最も結合度が低い結合の種類である。(引数のない)メソッドの呼び出し。メッセージパッシング。 無結合(No coupling) モジュールが相互に全く通信を行わない。 オブジェクト指向プログラミング [ 編集 ] サブクラス結合(Subclass Coupling) 子クラスとその親クラスとの間の関係で、子クラスは、その親クラスに依存しているが、親クラスが子クラスを知らない状態。子クラスが親クラスに依存しすぎると、親クラスを修正するのが難しくなる。 一時的結合(Temporal coupling) あるメソッドが別のメソッドに依存すること(例えば、executeしないとerrorが取得できない)。 脚注 [ 編集 ] ^ 上田勲 2016 , p. 192. ^ 上田勲 2016 , p. 193-194. ^ 上田勲 2016 , p. 194. 参考文献 [ 編集 ] 上田勲『プリンシプル オブ プログラミング 3年目までに身につけたい 一生役立つ101の原理原則』秀和システム、2016年3月29日。 ISBN 978-4-7980-4614-3 。 関連項目 [ 編集 ] 粒度 …結合度は、対象に含まれる全ての要素(粒)の結び付きの尺度である。結合度の高さ低さとは直接関係はしないが、基本的に 粒度が高い方が結合度を低くしやすく好ましい。 凝集度 …結合度が低い方が、基本的に凝集しやすく好ましい。 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%97
コアダンプ
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "コアダンプ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2017年7月 ) コアダンプ ( 英語 :core dump)は、ある時点の使用中の メモリ の内容をそのまま記録したものであり、一般に異常終了したプログラムの デバッグ に使われる。最近では、特定の プロセス のメモリイメージ(あるいはその一部)と レジスタ の内容などの情報を格納した ファイル を指すのが一般的である。しかし、本来は使用中メモリの内容を全てプリントアウトしたものを指した。 その名前は、かつて主記憶用に利用された 磁気コアメモリ の内容を、 ダンプトラック が砂利や小麦などを大量にダンプ(どさっと落とす)するかのようにプリントアウトすることから来ている。 背景 [ 編集 ] オペレーティングシステム (OS) が生まれ、大きなデータファイルを扱えるようになる以前は、コアダンプはメモリの内容を紙にプリントアウトしたものであり、一般に 8進数 か 16進数 (ヘックスダンプと呼ばれる)で記され、場合によっては、その横に何らかの形式に翻訳したものも表示された(機械語命令として翻訳したり、 ASCII 文字列として翻訳したり、十進数や浮動小数点数として翻訳したりする)。その後、コアダンプは特定の プロセス の アドレス空間 の一部または全部のメモリイメージを格納した ファイル となり、同時に レジスタ の値などの情報も格納するようになった。このようなファイルは適当なツールを使えば、かつての紙のコアダンプと同じように、人間が読める形式で参照可能となる。 コアダンプの原因 [ 編集 ] コアダンプは、プログラマがプログラムの バグ を特定するのに使われることが多い。 高級言語 では、コンパイラによって機械語命令列が生成される。コンパイル時にエラーとならない場合でも、実行してみると不正なメモリアクセスなどのエラーが発生することが多く、コアダンプが生成される。その原因は、データ量を小さく見積もったことに起因するバッファオーバフロー、初期化していない変数を使用したことによる Nullポインタ アクセスなどである。また、 kill -3 や gcore でコアダンプを手動で生成することもできる。プロセスを終了する前に、 gcore コマンドの引数に process-id を指定することで、process-id のコアダンプを取得できる [ 1 ] 。 コアダンプの利用 [ 編集 ] コアダンプはある種の状況では有益なデバッグツールとなる。初期のスタンドアロンシステムや バッチ処理 システムでは、コアダンプを使うことでユーザーは非常に高価なコンピュータ資源を独占せずにプログラムをデバッグすることができた。さらに、スイッチとライトを使ってデバッグするよりも、プリントアウトは便利であった。 タイムシェアリング やバッチ処理や サーバ 機能を兼ねているようなシステムでは、コアダンプを使うとOSのオフラインでのデバッグが可能となり、システムは即座に通常の作業に戻すことができた。コアダンプは後で解析したり、他のコアダンプと比較検討したりすることができた。コンピュータ自体にデバッグ機能を組み込むのは現実的ではないような 組み込みシステム でも、コアダンプを用いれば他のコンピュータ上でシステムを分析することができる。いくつかのオペレーティングシステム(初期の UNIX など)は、動作中のプロセスをデバッグする機能をサポートしていなかったため、コアダンプを使って障害発生時のプロセスのメモリ内容上でデバッグを行った。もちろん、現在でも対話型デバッガのないシステムでは有用である。また、障害の発生条件が不明で再現性がない場合もコアダンプの解析が重要となるし、タイミング条件で発生するバグの場合には、対話型デバッガを使っていると再現しないこともある。 多くのオペレーティングシステムでプログラムの中の致命的エラーは自動的にコアダンプを引き起こす。コアダンプで生成されるファイルの最大サイズは、 limit coredumpsize max-size にて設定できる。また、コアダンプを全部削除するには limit coredumpsize 0 が使用できる [ 2 ] 。従って、実際にコアダンプファイルが生成されたかどうかに関わらず、致命的エラーが発生したことを「コアを吐いた」と呼ぶこともある。プログラムのデバッグをするプログラマは、コアダンプが生成されるようになる unlimit coredumpsize コマンドを知っている [ 3 ] 。 コアダンプはあるメモリ領域の内容をそのまま完全に格納している。従って、 アセンブリ言語 やメモリの使用法に制限のない C言語 などで起きやすいポインターの不正(ポインターが壊れる現象)の状態を確認するのに適している。このようなバグに関しては、ソースレベルのデバッガは有効な情報を提供できないことが多い。デバッガは可能ならば シンボルテーブル を使ってダンプを翻訳し、変数名をシンボルとして表示したり、対応するソースコードを表示したりできる。またdump analyzerと呼ばれる特殊なツールも存在する。 最近の Unix系 OSでは、コアダンプファイルを GNU Binutils の BFDライブラリ を使って読むことができ、 GNUデバッガ (gdb) や objdump ( 英語版 ) はこのライブラリを使っている。このライブラリはメモリアドレスを指定すると、そのアドレスに相当する位置のコアダンプ内の生のデータを返すだけで、変数やデータ構造に関する知識は持たない。従って、このライブラリを利用する側が変数のアドレスやデータ構造を把握する必要があり、対象プログラムの シンボルテーブル などを使ってデバッグすることになる。 コアダンプをある時点で( gcore コマンドなどで)セーブしておき、後でその状態に戻すのに使うこともできる。 高可用性 システムによっては、このようなコアダンプファイルをプロセッサ間で転送することで高可用性を実現することもある。この手法は GNU Emacs や Perl といった、起動時のコストが非常に高いソフトウエアでも利用されている。また プリコンパイルヘッダー と呼ばれる技術では コンパイラ が ヘッダファイル を処理した時点でコアダンプを作成し、ヘッダファイル処理時間を節約するといった利用方法もある。 コアダンプは生成時のメモリの内容をそのまま書き出すことから、 セキュリティ 上敏感な情報を含むことがあるため信頼できない第三者にアクセスさせない等取り扱いに注意を要する。パスワードや秘密鍵等のように明らかにセキュリティ上敏感なデータを含むコアダンプはもちろんだが、 TLS 等における暗号処理のためにしばしば必要となる CSPRNG も、その状態を表すデータが漏洩するとセキュリティ上の脅威になる恐れがある。ユーザプロセスのコアダンプの場合、所有者以外が一切アクセスできないようカーネルが パーミッション を設定することが多い。また、 setuid ないしはsetgidビットにより実効UIDないしは実効GIDを変更したプロセスにあっては、実UIDないしは実GIDのユーザからの覗き見を防ぐため、コアダンプを生成しないのが一般的である。カーネルのコアダンプでは通常ユーザプロセスから見えないカーネル内部の状態や、OSを使用していた全てのユーザの情報が見えてしまうため、所有者は通常 スーパーユーザー とする。解析のためにコアダンプを外部へ持ち出す場合は、持ち出し先がコアダンプの取り扱いに際して信頼できることの確認や、コアダンプの暗号化等のセキュリティ対策を行うことが望ましい。 コアダンプファイルの形式 [ 編集 ] 古いOSでは、プロセスのアドレス空間は連続であり、コアダンプファイルは単にアドレス順にバイトが並んでいるだけだった。最近のOSでは、プロセスのアドレス空間には使っていない部分があり、それを表現するためにファイル形式も複雑化している。また、ダンプ採取時のプログラムの状態などの情報も格納される。 Unix系システムでは、コアダンプはメモリイメージの再現が容易になることから、 実行ファイル の ファイルフォーマット を使っている。古い UNIX では、 a.outフォーマット が使われていた。 ELF 形式の普及に伴いコアダンプにもELFが採用されるようになり、 Linux 、 System V 、 Solaris 、 BSD 等にて使用されている。 macOS では Mach-O 形式が使われている。いずれも、実行ファイルのロードとは逆の処理を実行することによりメモリイメージをファイルに書き出し、 コンテキスト や 仮想記憶 の状態などメモリイメージ以外でデバッグに必要な情報を付加した上でコアダンプとする処理が基本となる。デバッガではコアダンプを生成した実行ファイルを実行時と同様にロードし、それにコアダンプが出力したメモリイメージを上書きすることでコアダンプ生成時のメモリを再現する。 例としてELFの場合、メモリイメージはプログラムヘッダのLOADセクション、付加情報はプログラムヘッダのNOTEセクションに記述する。 ジャーゴン [ 編集 ] 日本語では異常終了したプロセスがコアダンプを出力することを、俗に「コアを 吐く 」という。ここから転じて、 嘔吐 の意で「(リアル)コアダンプする」という ジャーゴン がある。 関連項目 [ 編集 ] バグ デバッガ 本物のプログラマはPascalを使わない - むしろFORTRANとコアダンプを用いるという冗談 例外処理 コールスタック クラッシュダンプ 出典 [ 編集 ] ^ Mike 1991 , p. 53. ^ Mike 1991 , p. 241-242. ^ Mike 1991 , p. 242. 参考文献 [ 編集 ] Mike Loukides 著、砂原秀樹 監訳『UNIXシステムチューニング』 アスキー出版局 、1991年7月21日。 ISBN 4-7561-0077-5 。 外部リンク [ 編集 ] GDBマニュアル OS毎のファイル形式 Solaris HP-UX AIX NetBSD FreeBSD OpenBSD macOS
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%9A%8E%E9%96%A2%E6%95%B0
高階関数
高階関数 (こうかいかんすう、 英 : higher-order function )とは、 第一級関数 をサポートしている プログラミング言語 において少なくとも以下のうち1つを満たす関数である。 関数 (手続き)を引数に取る 関数を返す 概要 [ 編集 ] 高階関数 は厳密には 第一級関数 をサポートしている プログラミング言語 において定義される。 C言語 や Pascal では、 関数へのポインタ を利用して高階関数を模倣することができるが、関数ポインタによって第一級関数をサポートしているとみなされてはいない。高階関数は主に 関数型言語 やその背景理論である ラムダ計算 において多用される。 また、ある関数(手続き)の引数となる関数(手続き)のことを 関数引数 [ 1 ] や 手続き引数 [ 2 ] と呼ぶこともある。 関数を呼び出す関数 [ 編集 ] 以下に示す Python の関数 apply_2_3 は、与えられた関数に引数2と3を渡して呼び出し、その返り値を返す高階関数である。関数定義であるために、 f は評価はされても、式は呼び出されず、 apply_2_3(add) や apply_2_3(mul) のように関数そのものを引数として渡して呼び出すことで評価される。 add = lambda x , y : x + y mul = lambda x , y : x * y apply_2_3 = lambda f : f ( 2 , 3 ) apply_2_3 ( add ) # 5 apply_2_3 ( mul ) # 6 カリー化 [ 編集 ] →詳細は「 カリー化 」を参照 複数の引数をとる関数を1変数関数に置き換えることをカリー化と呼ぶ。例えば、 Python では二つの数を足し合わせる関数 add は以下のようになる。 # 通常の定義と呼び出し add = lambda x , y : x + y add ( 2 , 3 ) # 5 # カリー化を施した定義と呼び出し add = lambda x : lambda y : x + y add ( 2 )( 3 ) # 5 組み込みの関数が最初からカリー化されている言語がある。これは、関数呼び出しが常に1引数を取る関数を返すと定義するのと同じである(つまりn引数関数を、n個の引数の 直積 を取る関数とするのではなく、1引数の高階関数をn個並べたような型で定義する)。例えば Haskell において、 (2 +) と記述すると、これは先ほどの add(2) と同じく、2を足す関数になる。関数 + が既にカリー化されているため、1引数を適用するだけで関数として機能する。 2 + 3 も (2 +) 3 もどちらも5になる。 コレクションの高階関数 [ 編集 ] ここでは処理系に実装されていることが多いものだけをあげているが、高階関数も普通の関数と同様に、プログラマが自由に定義して利用できるということを特記しておく。 map [ 編集 ] map 関数はリスト構造の各要素に対して順々に与えられた関数を処理していくものである。ほとんどのプログラミング言語で実装されている。例えば、Pythonでリスト[1, 2, 3]の各要素に対して1を足したリストを得たい場合は以下のようにすれば良い。 list ( map ( lambda x : x + 1 , [ 1 , 2 , 3 ])) # [2, 3, 4] for-each [ 編集 ] mapと同じように動くが、結果を返さない。つまり、出力など、副作用を期待して利用する。 filter [ 編集 ] リスト中の各要素をおのおの引数として渡し、引数として渡された関数を呼び出し、その返り値が真なら返り値のリストに残し、偽なら排除される。排除したい要素に対して偽値を返す、述語のような役割の関数を与えて利用する。例えば、Pythonでリスト[1, 2, -3, -4, 5]から、正の数のみを抽出するには以下のようにする。 list ( filter ( lambda x : x > 0 , [ 1 , 2 , - 3 , - 4 , 5 ])) # [1, 2, 5] filterの並列アルゴリズムに関しては 並列アルゴリズム を参照。 fold [ 編集 ] fold 関数は 重畳 ( 英語版 ) 、堆積、畳み込みや折り畳みなどと呼ばれ、英語では reduce 、 inject とも表現される。foldは逐次処理を表現するためにあり、初期状態から始めて、funcは (状態, 要素) → 次の状態 という関数で、foldは最終状態を返す。状態遷移列を返すものがscanである。 関数型言語 では、 参照透過性 を重んじていて、変数は書き換えてはならないが、下記のPythonの実装は変数stateを書き換えていて、変数書き換え無しで実装するには関数の再帰を使用する形となるが、読みやすくするための 糖衣構文 としてfoldがある。 Python での実装例。 def fold_left ( iterable , func , initial ): state = initial for x in iterable : state = func ( state , x ) return state def fold_right ( iterable , func , initial ): state = initial for x in reversed ( iterable ): state = func ( x , state ) return state 例えば、 Python の場合、リスト[1, 2, 3, 4]の各要素の総和を取るには以下のようにできる。functools.reduceはfold_left相当である。初期状態を省略するとリストの先頭の要素が初期状態になる。 from functools import reduce reduce ( lambda x , y : x + y , [ 1 , 2 , 3 , 4 ]) # (((1 + 2) + 3) + 4) = 10 左方向の畳み込み( foldl )と右方向の畳み込み( foldr )とがあり、 言語 によっては最初から同様のものが標準ライブラリに含まれていることがある(詳しくは foldの英語版記事 の該当項目を参照)。 # A123 fold_left ([ 1 , 2 , 3 ], lambda s , i : f " { s }{ i } " , "A" ) # 123A fold_right ([ 1 , 2 , 3 ], lambda i , s : f " { i }{ s } " , "A" ) foldは二項演算子 ⊕ {\displaystyle \oplus } が 結合法則 を満たす場合は並列化が可能であり、上記のfold_leftの例ならば ( A ⊕ 1 ) ⊕ ( 2 ⊕ 3 ) = A 1 ⊕ 23 = A 123 {\displaystyle (A\oplus 1)\oplus (2\oplus 3)=A1\oplus 23=A123} と計算すれば良い。 scan [ 編集 ] 累積和 (scan)は、逐次処理を表現するためにあり、初期状態から始めて、funcは (状態, 要素) → 次の状態 という関数で、scanは状態遷移列を返す。最終状態だけを返すのがfoldである。 Python での実装例。 def inclusive_scan ( iterable , func , initial ): state = initial for x in iterable : state = func ( state , x ) yield state def exclusive_scan ( iterable , func , initial ): state = initial for x in iterable : yield state state = func ( state , x ) # yield state # この行を追加する流儀と追加しない流儀がある scanの中で、特に二項演算子が足し算の場合はprefix sum, cumulative sumとも呼ばれる。ここでは Python で[1, 2, 3, 4, 5]の累積和を求める例を示す。itertools.accumulateはscan相当である。初期状態を省略するとリストの先頭の要素が初期状態になる。 from itertools import accumulate list ( accumulate ([ 1 , 2 , 3 , 4 , 5 ], lambda x , y : x + y )) # [1, 3, 6, 10, 15] foldやscanは二項演算子が 結合法則 を満たす場合は並列化が可能であり、 GPGPU の分野で使用されている。 並列アルゴリズム の詳細は 累積和 を参照。 scanの特殊系として segmented scan ( 英語版 ) もある。 unfold [ 編集 ] 関数型言語 では、数学的な関数で処理を記述するのを基本としており、goto、break、continueなどの処理の流れを変える命令は使わないという考え方で、その際、breakを使って中断するような逐次処理を書けるようにするためにunfoldがある。breakを使わずに実装する際は、関数の再帰を使い実装できるが、読みやすくするための 糖衣構文 がunfoldである。 初期状態initialから始めて、 処理を継続する際は、funcは 前の状態 → (出力要素, 次の状態) という関数になる。 処理を終了させる際は、以下の Python の実装例では None を返すと終了する。Haskellは Nothing 、ScalaとOcamlとF#は None を返すと終了する。 多くのプログラミング言語の標準ライブラリで実装されているわけでは無いが、 Haskell [ 3 ] 、 Scala [ 4 ] 、 OCaml [ 5 ] 、 F# [ 6 ] などで実装されている。 def unfold ( func , initial ): state = initial while True : x = func ( state ) if x is None : break else : element , state = x yield element "123"からリスト['1', '2', '3']を生成する例。状態は "123" → "23" → "3" → "" と遷移する。 list ( unfold ( lambda s : ( s [ 0 ], s [ 1 :]) if s != "" else None , "123" )) # ['1', '2', '3'] 関数ポインタ [ 編集 ] →「 関数へのポインタ 」も参照 現代では、ほとんどの プログラミング言語 で クロージャ ( ラムダ式 )が使えるが、それらが使えない言語もあり、 C や Fortran における 関数ポインタ などがその一例である。これらは言語に カリー化 の機能やクロージャの機能がないという、制限はある。 例えばCで関数を引数にとる関数を書くと次のようになる。 #include <assert.h> /* int の二項演算 */ typedef int ( * Function )( int , int ); /* 左結合 */ int foldl ( int values [], int length , Function f , int identity_element ) { int folded = identity_element ; for ( int i = 0 ; i < length ; i ++ ) { folded = ( * f )( folded , values [ i ]); } return folded ; } /* 右結合 */ int foldr ( int values [], int length , Function f , int identity_element ) { int folded = identity_element ; for ( int i = length - 1 ; 0 <= i ; i -- ) { folded = ( * f )( values [ i ], folded ); } return folded ; } /* 加算 */ int add ( int x , int y ) { return x + y ; } /* 乗算 */ int mul ( int x , int y ) { return x * y ; } /* 使用例 */ int main ( void ) { int values [ 5 ] = { 31 , 4 , 159 , 26 , 53 }; int sum = foldl ( values , sizeof values / sizeof ( int ), add , 0 ); int product = foldl ( values , sizeof values / sizeof ( int ), mul , 1 ); assert ( sum == 273 ); assert ( product == 27168648 ); return 0 ; } 一方、関数を戻り値とする関数を書くことは難しいため、 クロージャ を高階関数に渡すことができず、便利に使えない。高階関数が別の引数も受け付けるようにすれば、環境を閉じ込めることは不可能でないが、汎用性が低くなってしまう。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 出典 [ 編集 ] ^ 英 : functional argument/parameter ^ 英 : procedural argument/parameter ^ “ Data.List ”. hackage.haskell.org . 2025年3月25日閲覧。 ^ “ Seq ”. scala-lang.org . 2025年3月25日閲覧。 ^ “ OCaml library : Seq ”. ocaml.org . 2025年3月25日閲覧。 ^ Contributors, F# Software Foundation; Microsoft; F#. “ Seq (FSharp.Core) ”. FSharp.Core . 2025年3月25日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] 汎関数 - 数学における同様の概念 モノイド
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%B4%9A%E8%A8%80%E8%AA%9E
高級言語
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "高水準言語" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2015年12月 ) 高水準言語 (こうすいじゅんげんご、high-level programming language、高級言語とも)とは、記述の抽象度が高い プログラミング言語 のことである [ 1 ] 。対義語は 機械語 や アセンブリ言語 を指す「 低水準言語 」である。「高級言語」の対は「低級言語」である。 概要 [ 編集 ] 抽象度が特に高いプログラミング言語という意味で代表的な言語としては、 C言語 や Java がある。 高水準言語は、低水準言語と比べ、 人間にとってわかりやすい プロセッサ に依存した処理を書かなくてよい メモリ制御、IO制御等、低水準の操作を意識しなくてよい といったことが特徴である [ 1 ] 。 その他 [ 編集 ] 高水準言語とハードウェアとの間には、大きな セマンティック ギャップがある。そのギャップを埋めるのが コンパイラ や インタプリタ といったプログラミング言語処理系であるわけだが、これを効率化するため、過去いろいろな努力がおこなわれてきた。 ひとつめは、ハードウェアを高水準言語の側に寄せる努力である。古くは1961年の バロース B5000 という例があり、 LISPマシン や、近年でも メインフレーム には COBOL の1命令(MOVEやADD等)をほぼ1つの機械語に変換できるアーキテクチャを持つものや、 ARMアーキテクチャ のJazelleのように 中間表現 を実行できる、といったものがある。( 高水準言語マシン ) ふたつめは、コンパイラが生成するプログラムやインタプリタが、高性能になるようにする、という努力である。 RISC は、あえてハードウェアを単純にし、コンパイラに高性能なプログラムを生成させよう、という方向であった。一方で、コンパイラが利用しやすいような複雑な命令を用意した TRONCHIP のような例もある。 脚注 [ 編集 ] ^ a b “ 高水準言語とは - IT用語辞典 ”. IT用語辞典 e-Words . 2024年3月14日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] 低水準言語 プログラミング言語一覧 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 1950年代 FORTRAN ALGOL RPG COBOL 1960年代 LISP CPL BASIC PL/I APL BCPL Simula LOGO B 1970年代 Forth Pascal C Prolog Smalltalk Scheme ML AWK Ada Modula-2 1980年代 C++ Objective-C Common Lisp Eiffel Erlang Esterel Lustre Perl Mathematica J 1990年代 Python Tcl Haskell Visual Basic Ruby Lua Delphi Java ECMAScript ( JavaScript ) PHP OCaml SuperCollider R 2000年代 C# VB.NET Scala Clojure D F# Go Nim 2010年代 Dart Ceylon Elixir Crystal Hack Swift Rust Raku Elm Julia Kotlin Zig 架空の言語 擬似言語 CASL CAP-X 年表 パラダイム 一覧 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集