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構成管理
トップレベルの構成管理の活動モデル 構成管理 (こうせいかんり、configuration management、 CM )とは、 システム のライフサイクルにわたる範囲、性能、機能的および物理的要件、設計、操作に関する情報などを確立し維持する作業またはプロセスである [ 1 ] [ 2 ] 。 形態管理 、 コンフィギュレーションマネジメント とも。CMプロセスは、 武器 システム、車両、 情報システム などの複雑なシステムを管理するため、軍事 工学 組織で広く使われている。軍事以外では、 ITIL や ISO/IEC 20000 で定義されるような IT サービス管理、 土木工学 や 生産技術 の分野での ドメインモデル でも使われており、例えば 道路 ・ 橋 ・ 運河 ・ ダム ・ 建築物 の建設や保守管理がある [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] 。 はじめに [ 編集 ] システムのライフサイクルに構成管理を適用するとき、その範囲・性能・機能・構成要素・物理的な属性の視認性と制御を提供する。構成管理はシステムが意図通りに機能することを確認し、計画したライフサイクルに対応すべく十分詳細に識別され文書化することがある。構成要素の変更、機能の改訂、性能・信頼性・保守性の改善、システムの寿命を延ばす、コスト削減、危険性や問題の低減、欠陥の修正など、役に立つシステムの変更やシステム情報の整然とした管理を容易にする。構成管理は相対的に低いコストで実施でき、多くのコスト削減を実現できる。人命に影響を与えるシステムでは、構成管理の欠如や実施がまずい場合、結果として人命が失われたり大きな事故を引き起こすなどの壊滅的結果を引き起こす可能性がある [ 2 ] 。 構成管理ではシステムの変更を効率的に制御するため、部品間、サブシステム間、システム間の機能的関係を強調する。それにより、変更案が逆効果を最小化するよう考慮しているかを体系的に検証可能となる。システムの変更は、一貫性を保証するよう標準化した体系的手法を使って提案し、評価し、実装する。変更案は予想されるシステム全体への影響について評価する。構成管理は変更を規定通りに行ったかを検証し、部品やシステムの文書が実際の構成を反映していることを確認する。完全性の高い構成管理では、部品毎、サブシステム毎、システム毎についての全システム情報が実体を反映するよう対策をとる [ 6 ] 。 構造化した構成管理では、文書(要求仕様、設計書、試験仕様、受納書など)が実際の設計を正確に表しかつ一貫していることを保証する。構成管理を実施しない場合、文書が存在しても実体と一貫していないことが多い [ 要出典 ] 。そのため、後に設計に変更を施す際、関係者が実体を反映させるべく何度も開発文書を改訂する必要が生じる。構成管理を行えば、そのような リバースエンジニアリング 的な無駄な作業を減らすことができる。 歴史 [ 編集 ] 形式的管理手法としての構成管理は、 アメリカ空軍 (USAF) が アメリカ国防総省 (DoD) のために1950年代に開発したもので、当初は物質的な材料についての技術的管理技法だった。その後様々な産業に広まっていった。DoDが1970年代に発行した「480シリーズ」と呼ばれる MIL規格 (MIL-STD-480、MIL-STD-481)を策定していた1960年代末、構成管理が独立した技術的規範となっていった。1991年、480シリーズは MIL–STD–973 という1つの規格としてまとめ、さらに 標準化団体 が策定した一般の 工業規格 を取り入れて軍独自の規格の数を減らすため、 MIL–HDBK–61 へと改訂した [ 7 ] 。これが構成管理の国際標準 ANSI–EIA–649–1998 へと発展 [ 8 ] 。2013年現在、広く採用されている構成管理のコンセプトとしては、 システム工学 (SE)、 Integrated Logistics Support (ILS)、 能力成熟度モデル統合 (CMMI)、 ISO 9000 、 PRINCE2 プロジェクト管理方法論、 COBIT 、 Information Technology Infrastructure Library (ITIL)、 アプリケーション・ライフサイクル・マネジメント などがある。構成管理を図書館の司書のような活動と捉え、変更を制御する側面を 変革管理 として独立して捉えることもある。ソフトウェアの構成管理では、ISO/IEC TR 15846:1998 Information technology -- Software life cycle processes -- Configuration Managementが標準技術文書(technical report)として1998年に発行している。しかし試用のち、2007年に廃止している。軍関連のソフトウェア開発部門での利用はあったが、他の分野では詳細すぎて仕立て(tailoring)の出発点としては重すぎるとの背景があった。 概要 [ 編集 ] 構成管理は変更を体系的に扱うことで、 システム の完全性を長期に渡って保つ。管理・変更案の評価・変更状態の追跡に必要な方針・手順・技法・ツールを与え、システムの変更に際してシステムの構成と対応文書を維持する。構成管理計画は開発と実装における技術的・管理的方向性を与え、複雑なシステムをうまく開発・保守するために必要とされる手順・機能・サービス・ツール・プロセス・資源を提供する。システム開発においては、検収・運用・保守を通して管理者が要件を追跡することを可能にする。要求仕様や設計に対して変更を加えることは必然的に発生し、その場合はシステムの状態の正確な記録を作成し、それを承認した上で文書化しなければならない。安全に関する理想的な構成管理プロセスはシステムのライフサイクル全体にわたって適用すものである。 ハードウェアとソフトウェアの構成要素についての構成管理プロセスは、 MIL–HDBK–61A や ANSI/EIA-649 で確立された5つの規則で構成されている。これらの規則は、方針手順を励行することでベースラインを確立し、変更を管理するプロセスを標準化して実行するためのものである。 構成管理の計画と管理 構成管理プログラムのガイドとなる正式な文書としては、人事関係、責任分担とリソース、訓練要件、(手順の定義やツールを含む)管理会議のガイドライン、ベースラインとなるプロセス、構成制御と構成現況記録、命名規則、監査とレビュー、下請け業者・供給業者への要件などがある。 構成識別 (Configuration Identification, CI) ベースラインの設定と保守からなり、システムやサブシステムのアーキテクチャ、部品群、任意の時点でどういう開発が必要かなどを定義する。これをベースラインとしてシステムへのいかなる変更も識別し、文書化し、設計から配備までを監視する。そうすることで構成現況記録 (CSA) のベースとなる現況の文書を徐々に確立していく。 構成制御 あらゆる変更要求・提案を評価し、採用・不採用を決定するプロセス。システムの設計・ハードウェア・ソフトウェア・文書の変更を制御する。 構成現況記録 (Configuration Status Accounting, CSA) 構成要素(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアなど)について記録・報告し、設計・製造段階でベースラインから乖離した部分を全て記録・報告するプロセス。問題が発生したとき、ベースラインとなる構成と採用された変更のうちどれが関係するかを素早く特定できるようにする。 構成検証と監査 個々のハードウェアやソフトウェアについて、要求仕様を満足しているか、標準規格に適合しているか、ベースラインに適合しているかといった観点でレビューを行う。構成監査では、システムおよびサブシステムをアーキテクチャ上の基準線に受け入れる前にそれらの構成文書が実際の機能や物理的特性と正しく対応しているかを検証する。 ソフトウェア [ 編集 ] →詳細は「 ソフトウェア構成管理 」を参照 ソフトウェア構成管理 (SCM) は本来、ソフトウェアプロジェクトにおける変更を扱う最良の解決策とされている。プロジェクトの様々な時点でソフトウェアの機能的・物理的特性を特定し、それら特性群の変更を体系的に制御することで、開発ライフサイクルを通じたソフトウェアの完全性とトレーサビリティを維持する。 SCMプロセスはさらに変更を追跡する必要性を定義し、最終的に提供されるソフトウェアがそのリリースで予定されていた機能を全て搭載しているかの検証を可能にする。SCMが正しく実施されるよう次の4つの手順を定義しなければならない。 構成識別 構成制御 構成現況記録 構成監査 これらの用語の意味するところはどういう標準を採用するかで異なるが、基本は同じである。 構成識別は、構成項目をあらゆる観点で定義する属性群を特定するプロセスである。構成項目とはエンドユーザーが触れる製品(ソフトウェアやハードウェア)である。それらの属性群は構成管理の文書に記録され、ベースラインとなる。ある属性に変更を加える場合、それを ベースライン ( 英語版 ) に含めるには、定式化された構成変更制御プロセスを経なければならない。 構成変更制御は、構成項目の属性に必要な変更を加えた際、それをベースラインに取り込むための一連の手順と承認からなる。 構成現況記録は、それぞれの構成項目について任意の時点で対応する構成ベースラインについて記録し、報告できるようにしておくことである。 構成監査は、機能的構成監査と 物理的構成監査 ( 英語版 ) に分けられる。変更を実システムに適用する際に行われる。機能的構成監査は構成項目が予定された機能や性能を満たしているかを確認するもので、物理的構成監査は構成項目が詳細な設計文書の通りに実装されているかを確認する。 情報保証 [ 編集 ] 情報保証 ( 英語版 ) の観点では、構成管理はセキュリティ機能の管理と定義でき、情報システムのライフサイクルにわたってハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、文書、試験、試験装置、試験文書に加えられた変更を制御することでそれを保証する [ 9 ] 。情報保証における構成管理は S ecure C onfiguration M anagement とも呼ばれ、 IT プラットフォームおよびIT製品の性能・機能・物理的属性とそれらの置かれる環境に基づき、適切なセキュリティ機能とセキュリティ保証を使ってシステム構成状態を判定する。例えば、企業内のネットワークと インターネット を接続する部分の ファイアウォール と企業内の部門間のファイアウォールでは、要求される構成が異なるかもしれない。 保守システム [ 編集 ] 構成管理は複雑な装備の状態への理解を維持するのに使われ、それによって高いレベルの有用性を維持しつつコストを低減させる。特に、計画された寿命を超過している装備(またはその一部)や品質レベルの低い装備が運用を妨げないと保証することを目指している。 軍では、そのような活動は "mission readiness"(任務準備)に分類され、任務の種類と利用可能な装備を特定することを含む。例えば、空母の艦載機に爆弾を装備するのか、ミサイルを装備するのかといったことである。 OSの構成管理 [ 編集 ] 構成管理は、 OS のコンフィギュレーションファイルの保守管理にも使われる [ 10 ] 。 CFEngine ( 英語版 ) 、 Bcfg2 ( 英語版 ) 、 Puppet 、 Chef 、 Ansible といったシステムがある。 リアルタイムの修理や予防保守を可能とするソフトウェア CFEngine ( 英語版 ) を開発した マーク・バージェス ( 英語版 ) は、構成保守の理論の研究でも知られている [ 11 ] [ 12 ] [ 13 ] 。 予防保守 [ 編集 ] 装備の現況を理解し、どの部品が必須の要素なのかを理解することは 予防保守 ( 英語版 ) の基本であり、そういった知識を修理や保守、 企業資産管理 システムで活用する。 航空機、船舶、産業機械などの複雑な装備(資産)は、多種多様な部品で構成されて役立つものになっている。その有用性は、部品が交換されるまでにどれだけ使われたか(期間、回数)などで定義される。寿命が尽きようとしている部品がどういう状態になるのかを把握することは、構成管理用ソフトウェアが発展するまでは重要な現場の仕事だった。 予知保全 [ 編集 ] 様々な部品は電子的センサーを使ってデータを提供し、 状態監視 ( 英語版 ) 手段を提供している。それらのデータは航空機や船舶内や遠隔地でコンピュータを使って解析され、 平均故障間隔 などから将来の故障発生を予測するアルゴリズムを使って、システムの状態を予測するのに使われる。これが 予知保全 ( 英語版 ) の基本である。 正確でタイムリーなデータが入手できるかは構成管理にとって重要であり、それがないとできることは限定される。運用データを捉えて各種サポート組織に配布することは、それだけで1つの産業になりつつある。 標準規格 [ 編集 ] ANSI/EIA-649-1998 National Consensus Standard for Configuration Management EIA-649-A 2004 National Consensus Standard for Configuration Management TechAmerica/ANSI EIA-649-B 2011 Configuration Management Standard ISO 10007:2003 Quality management systems - Guidelines for configuration management Federal Standard 1037C GEIA Standard 836-2002 Configuration Management Data Exchange and Interoperability IEEE 829 Standard for Software Test Documentation MIL-STD-973 Configuration Management (2000年9月20日にキャンセルされた) STANAG 4159 NATO Materiel Configuration Management Policy and Procedures for Multinational Joint Projects STANAG 4427 Introduction of Allied Configuration Management Publications (ACMPs) CMMI CMMI for Development, Version 1.2 CONFIGURATION MANAGEMENT CMII-100E CMII Standard for Enterprise Configuration Management ガイドライン [ 編集 ] 828-2012 - IEEE の2013年現在有効な規格(従来のものを置換またはサポート) MIL-HDBK-61A CONFIGURATION MANAGEMENT GUIDANCE 7 February 2001 ISO 10007 Quality management - Guidelines for configuration management GEIA-HB-649 - Implementation Guide for Configuration Management ANSI/EIA-649-1998 National Consensus Standard for Configuration Management EIA-836 Consensus Standard for Configuration Management Data Exchange and Interoperability ANSI/EIA-632-1998 Processes for Engineering a System MIL-STD-3046 (ARMY) Interim Standard on Configuration Management, 6 March 2013 建設業 [ 編集 ] 構成管理は、非常に複雑で大量の各種建材などを使用する大規模な建設プロジェクトでも使われている。設計変更もしばしば発生するので構成管理による文書化が必要となる。 アメリカ連邦高速道路局 ( 英語版 ) は道路建設に構成管理を用いている [ 14 ] 。設計変更、工期、予算などを管理する建設業向けのツールも存在する。そういったソフトウェアは、竣工後の保守や変更につかえる情報を蓄えることもできる。 アメリカ連邦公共交通局 ( 英語版 ) が資金提供してケーススタディとして試用されたツールとしてccsNetがある。 ロサンゼルス郡都市圏交通局 (LACMTA) の レッドライン の53億ドルの建設工事で使われ、効果があるとされた [ 15 ] 。 資格認証 [ 編集 ] 構成管理責任者向けのトレーニングや資格認証がある。 CMPIC Training & Certification The Configuration Management Process Improvement Center Configuration Management Training Foundation (Certified International Configuration Manager CICM / Certified International Software Configuration Manager CISCM / Certified Configuration Management Professional CCMP) Institute of Configuration Management 脚注 [ 編集 ] ^ “ MIL-HDBK-61A, ""Military Handbook: Configuration Management Guidance ”. Department of Defense (07-February-2001). 2012年3月24日閲覧。 ^ a b “ ANSI/EIA-649B, ""National Consensus Standard for Configuration Management ”. TechAmerica (01-April-2011). 2012年3月24日閲覧。 ^ “ History and Heritage of Civil Engineering ”. ASCE . 2007年8月8日閲覧。 ^ “ Institution of Civil Engineers What is Civil Engineering ”. ICE . 2006年9月23日時点の オリジナル よりアーカイブ。2007年9月22日閲覧。 ^ “ Configuration Management and the Federal Transportation Administration (FTA) National Lessons Learned Program ”. Federal Transportation Administration . 2007年9月22日閲覧。 ^ “ Systems Engineering Fundamentals ”. Defense Acquisition University Press (January-2001). 2012年3月25日閲覧。 ^ “ Memorandum, Specifications and Standards — A New Way of Doing Business ”. Secretary of Defense (29-June-1994). 2012年3月23日閲覧。 ^ “ Configuration Management Compliance Validation: Critical Review and Technology Assessment(CR/TA)Report ”. Defense Technical Information Center. 2001年5月14日閲覧。 ^ “ National Information Systems Security Glossary ”. Committee on National Security Systems. 2-13-03-26閲覧。 エラー: 閲覧日が正しく記入されていません。 ^ C. Lueninghoener. “ Getting Started with Configuration Management. ;login: issue: April 2011, Volume 36, Number 2 ”. 2012年11月23日閲覧。 ^ M. Burgess, Cfengine: a site configuration engine , USENIX Computing systems, Vol8, No. 3 1995 ^ M. Burgess, On the theory of system administration , Science of Computer Programming 49, 2003. p1-46 ^ M. Burgess, Configurable immunity for evolving human-computer systems , Science of Computer Programming 51 2004, p197-213 ^ “ Configuration Management for Transportation Management Systems Handbook ”. Federal Highway Administration . 2012年3月28日閲覧。 ^ “ Configuration Management Case Study ”. PACO Technologies, Inc . 2012年3月28日閲覧。 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 構成管理 に関連するカテゴリがあります。 システム管理 ネットワーク管理 プログラミングツール バージョン管理システム ソフトウェア工学 変更管理 テスト管理システム 外部リンク [ 編集 ] Extended List of Configuration Management & Related Standards 構成管理とプロジェクト管理の標準化 桐蔭横浜大学工学部 高橋宗雄(情報処理学会第62回全国大会)PDF 意外と知らない構成管理の正体(1) @IT情報マネジメント cfile Article Software Configuration Management for the Web from Methods & Tools Configuration Management and ISO 9001 SRA Rationalホームページ SRA構成管理 表 話 編 歴 システム工学 分野 航空宇宙工学 生物学的システム工学 ( 英語版 ) 構成管理(CM) 地球システム工学マネジメント ( 英語版 ) 電気工学 経営システム工学 パフォーマンス・エンジニアリング ( 英語版 ) 信頼性工学 安全工学 プロセス 要求工学 機能仕様 システムインテグレーション 検証と妥当性確認(V&V) ( 英語版 ) デザイン・レビュー ( 英語版 ) コンセプト ビジネスプロセス システム システムライフサイクル ( 英語版 ) Vモデル システム開発ライフサイクル 手法 意思決定 機能モデリング IDEF 数理最適化 品質機能展開(QFD) ( 英語版 ) システムダイナミクス Systems Modeling Language システム解析 システム・モデリング ( 英語版 ) Work Breakdown Structure 関連分野 制御工学 計算機工学 インダストリアル・エンジニアリング オペレーションズ・リサーチ プロジェクトマネジメント 品質マネジメント 品質マネジメントシステム リスクマネジメント ソフトウェア工学 関連項目 情報工学 インフォマティクス プロセス (工学) プロセスシステム工学 情報モデル システム・インフォメーション・モデリング(SIM) ( 英語版 ) エンタープライズエンジニアリング カテゴリ
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構造化プログラミング
プログラミング・パラダイム 命令型プログラミング 手続き型プログラミング モジュラープログラミング ( 英語版 ) 構造化プログラミング オブジェクト指向プログラミング クラスベース プロトタイプベース メッセージング アクターモデル アスペクト指向 宣言型プログラミング 関数型プログラミング 純粋関数型プログラミング ( 英語版 ) 論理プログラミング 並行論理プログラミング 制約論理プログラミング 解集合プログラミング 帰納プログラミング 仮説論理プログラミング ( 英語版 ) データフロープログラミング リアクティブプログラミング ( 英語版 ) 並行制約プログラミング マルチパラダイム ジェネリックプログラミング イベント駆動型プログラミング 動的プログラミング 並行プログラミング 制約プログラミング メタプログラミング 自動プログラミング 帰納プログラミング テンプレートメタプログラミング リフレクティブプログラミング マクロ 契約プログラミング インテンショナルプログラミング 文芸的プログラミング 量子プログラミング 表 話 編 歴 構造化プログラミング ( 、 英 : structured programming )は、 コンピュータプログラム の処理手順の明瞭化、平易化、判読性向上を目的にした プログラミング 手法である。一般的には順接、分岐、反復の三種の 制御構造 (control structures)によって処理の流れを記述することと認識されている [ 1 ] [ 2 ] 。 制御構造 は 制御構文 、構造化文(structured statement)、制御フロー文(control flow statement)とも呼ばれる。また、プログラムを任意に分割した部分プログラム( サブルーチン と コードブロック )の階層的な組み合わせによるプログラムの構造化も指している。 このプログラミング手法の普及に貢献したのは、1968年の計算機科学者 エドガー・ダイクストラ による ACM 機関紙への投書「Go To Statement Considered Harmful」と言われている。しかし同じくダイクストラが、1969年度 NATO ソフトウェア工学会議で発表した論文「Structured Programming」との混同を招いてこちら側の名称で知られるようになった。現在に到るまでの国内外の多くの書籍で、構造化プログラミングは制御構文に関する説明に結び付けられている。なお、1969年の論文内容は プログラム正当性 検証 のための設計技法を扱っており、 トップダウン設計 、段階的な抽象化、階層的なモジュール化、抽象データ構造と抽象ステートメントを連携させる共同詳細化といった考え方が提唱されていた [ 3 ] 。 制御構文 [ 編集 ] →詳細は「 ミルズの構造化プログラミング 」を参照 制御構文 (control structures)とは、 goto文 によるフロー分岐やループ表現を、 if文 の選択構文や while文 の反復構文に置き換えるためのプログラム記法を意味している。ラベル先にジャンプするというgoto文の機能を、if文やwhile文は「特定のコード群だけを実行する」という概念に置き換えている。goto文を用いた制御フローは、(1)データの照合/比較の結果にしたがって次の実行コード群を選択するパターンと、(2)データの照合/比較の結果が任意条件を満たしているならば実行コード群を反復するパターンの、二通りに集約されることが経験則で知られていたので、これを専用の記号で形式化したのが制御構文であった。 コード群とは命令コード(instruction code)のまとまりであり、 構造化定理 では部分プログラム(subprogram)と定義されている。部分プログラムは ステートメント (statement) コードブロック (code block) サブルーチン (subroutine)の総称である。ステートメントは命令コードの一行を意味する。コードブロックは一行以上のステートメントをまとめたものである。サブルーチンは一行以上のステートメントまたは一個以上のコードブロックを内包している。部分プログラムは直列状または入れ子状に配置される。その実行順序を決定するものが制御構文であり、以下の三つがある。 順次 (sequence)部分プログラムを順々に実行する。 選択 (selection)条件式が導出した状態に従い、次に実行する部分プログラムを選択して分岐する。 反復 (repetition)条件式が導出した特定の状態の間、部分プログラムを繰り返し実行する。 順次、選択、反復の描写図(青はNSダイアグラム、緑はフローチャート) 制御構造の導入は1960年公開の「 ALGOL60 」まで遡れるが、当時広く使われていた FORTRAN や COBOL での正式導入は1977年以降だったので、多くの開発現場では馴染みのないものであった。1966年に コラド・ベーム らが「順次・選択・反復」のフロー万能性を数学的に証明したが、それはあくまで論理的研究だった。それを参考にしたとされる ダイクストラ の1968年の投書「goto文は有害」はいわゆるgoto文論争を引き起こしたが、同時に制御構造への関心を大きく高めた。1970年代、goto文が多用される開発現場での制御構造の普及を重視していた IBM 社の ハーラン・ミルズ は、1969年にダイクストラが発表していた論文題名から知名度を得ていた「構造化プログラミング」を自社の技術セミナーマーケティングに活用するために、上述のベームらの数学的証明を「 構造化定理 」という独自のタイトルで復刻させて、彼らが勧める フローチャート 制御構造の裏付け理論にした。こうして構造化プログラミングは、 IBM社 が提唱する 構造化定理 を論拠にした制御構造を用いるプログラミング手法として世間に定着することになった。 制御構造を導入したプログラミング言語を指しての「構造化言語」というワードが浮上したのは1970年代からであり、これは当時のgoto文中心だった FORTRAN や COBOL や BASIC を意識してそれと線引きするための用語として存在していた。 構造化設計 [ 編集 ] →詳細は「 段階的詳細化法 」を参照 構造化設計の一例 上述の 制御構文 をコーディング視点の下流工程テクニックとすると、構造化設計(structured design)はプログラムデザイン視点の上流工程テクニックであり、こちらも構造化プログラミングと呼ばれるものである。構造化設計では、 サブルーチン (subroutine)をまとめたサブルーチン複合体と、データ要素をまとめた データ構造 (data structure)が主要な役割を果たしている。 段階的詳細化 に則ったサブルーチン複合体の階層的な組み合わせと、それに必要なデータ構造を連携させてプログラム全体を構築するというテクニックが構造化設計である。サブルーチン複合体は プログラムモジュール (program module)とも読み替えられ、モジュール 凝集度 と 結合度 もここから生まれている。 1974年頃から当初は IBM社 が主導する形で、いずれも構造化(structured)が接頭辞につく数々のテクニックが発表されるようになり、1975年発表「 ジャクソンの構造化プログラミング -Jackson structured programming(JSP)-」、1975年発表「構造化設計 -structured design(SD)-」、1978年発表「構造化分析 -structured analysis(SA)-」、1981年発表「 構造化分析設計技法 -structured analysis and design technique(SADT)-」、1980年代発表「 構造化体系分析設計手法 -structured systems analysis and design method(SSADM)-」、1989年発表「モダン構造化分析 -modern structured analysis-」などが広く普及している。著名な専門家としては、グレンフォード・マイヤーズ、ラリー・コンスタンティン、マイケル・ジャクソン、 エドワード・ヨードン 、 トム・デマルコ などがいる。これらは「構造化開発」と総称されるようになり、1980年代までのソフトウェア開発の主流になった。 この構造化設計と、 ダイクストラ の構造化プログラミングの違いは、前者がサブルーチン複合体とデータ構造の連携を中心にしたテクニックであるのに対して、後者は専属サブルーチンを通して扱われる抽象データ構造を中心にしたテクニックであるという点である。後者では、段階的に抽象化した各モジュールの階層的な連結と、抽象データ構造と抽象ステートメントを連携させる共同詳細化といった考え方が提示されており、この詳細については後節で述べられる。ダイクストラが提唱した抽象(abstraction)指向の構造化は、その思想の 前衛性 から1970年代を通して理解を得られることはなく、発案者本来の構造化プログラミングは上流工程視点からも普及することはなかった。 歴史 [ 編集 ] 第一幕 構造化プログラミングの誕生は、1960年代から浮上した ソフトウェア危機 問題と密接に結びついている。ソフトウェア危機とはコンピュータ性能の進化に伴うソフトウェア要求度の高まりが、プログラムサイズの際限無い肥大化と複雑化を招き、近いうちに現実的な期間内でのプログラム開発が不可能になるだろうとする悲観的予測である [ 注釈 1 ] 。実際に1960年代のソフトウェア開発現場では仕様不一致、納期遅れ、予算超過といった事態が頻発していた [ 4 ] 。当時のプログラムは goto文 を多用するタコ足 フローチャート によるものが大半だったので [ 5 ] 、すぐに スパゲティコード 化することが多く、複雑怪奇なジャングルフロー図と化しているものも珍しくなかった [ 6 ] 。1959年に計算機科学者 ハインツ・ツェマネク は、goto文の多用に警鐘を鳴らす論文を発表している。1960年に公開されたプログラミング言語「 ALGOL60 」は、BEGINとENDで区切られた コードブロック を制御するIF選択文とFOR反復文を初めて提供していた。計算機科学者 ニクラウス・ヴィルト はこれらを構造化文(structured statement)と呼んだ [ 7 ] 。1966年に計算機科学者 コラド・ベーム とジュゼッペ・ヤコピーニは、あらゆるフローチャートは順次・選択・反復の組み合わせで表現できることの数学的証明をし、これは ベームとヤコピーニの証明 と呼ばれた [ 8 ] 。計算機科学者 ドナルド・クヌース は、これらの潮流を構造化文の第一幕と定義した [ 6 ] 。 第二幕 1968年、計算機科学者 エドガー・ダイクストラ の ACM 機関紙への投書「Go To Statement Considered Harmful -goto文は有害- [ 9 ] 」は、その物議を醸す題名でコンピュータプログラミング界隈にいわゆるgoto文論争を巻き起こした [ 10 ] [ 11 ] 。これは構造化文の認知度を高めることに貢献している [ 12 ] 。これを構造化文の第二幕と定義したクヌースは「第二幕はそのムーブメントの大きさによって、多くの人にとっての第一幕になった」と評した [ 13 ] 。1968年度開催の NATO ソフトウェア工学会議で ソフトウェア危機 は正式な用語になり [ 14 ] 、産業界と計算機科学共通の懸案事項になった [ 15 ] 。翌69年度開催の同会議においてダイクストラは「Structured Programming -構造化プログラミング- [ 3 ] 」と題した論文を寄稿した。これが「構造化プログラミング」の正式な初出である。その論旨はソフトウェア危機解決策としての ソフトウェア正当性 検証技術 の確立であり、プログラムを適切に分割し抽象化して良く構造化(well-structured)しておけば、プログラムサイズ拡大に関係なくその 正当性 を 証明 できるとしていた。その具体的手法としては トップダウン設計 、段階的な 抽象化 、階層的な モジュール化 、抽象データ構造と抽象ステートメントを連携させる共同詳細化などが挙げられていた。goto文抑制など構造化文に関する事柄は数行に留まっていたが [ 注釈 2 ] 、goto文論争に熱心なプログラマの間ではこの論文を昨年の投書の延長と見る向きも少なからず存在していた。後年のダイクストラは構造化プログラミングという言葉を作った際に二つの失敗をしたと述べている。商標登録しなかった事と、厳密な定義化を避けた事である [ 16 ] [ 15 ] 。 第三幕 1960年代からの構造化文第一幕の潮流は、産業プログラム界隈にも影響を及ぼしており、こちらでは制御構造(control structures)などの名義で フローチャート に導入されていた。産業コンピュータ市場の最大手である IBM社 の上席研究員 ハーラン・ミルズ は制御構造を重視し、 ニューヨーク・タイムズ社 のニュースアーカイブシステム構築プロジェクトで大きな成功を収めた。順次・選択・反復の制御構造は、IBM社のプログラミング規範をまとめたImproved Programming Technologies通称「IPT」に採用され、後に同社の技術セミナーなどを通して広く流布されるようになった [ 17 ] [ 18 ] 。1970~71年頃から計算機科学者デビッド・ハレルは、前述のベームとヤコピーニの数学的証明に「 Structure theorem -構造化定理- 」 という全く新しい題名を付けて主に産業ソフトウェア開発界隈で紹介した [ 19 ] [ 注釈 3 ] 。ハレルはこの命名が実はハーラン・ミルズの提案であったことを後に明かしている [ 20 ] 。構造化定理はIPTの合理性を裏付ける根拠として盛んに引用されたので、構造化(Structured)プログラミングと言えばIBM社の発明品だと信じるプログラマたちも続出した [ 21 ] 。IBM社が1974年頃から発表するようになった所属研究員たちによるプログラム開発方法論の数々にも構造化(Structured)の接頭辞が付けられていたが、それらは抽象化を重視するダイクストラの構造化とは異なり、サブルーチン複合体とデータ構造を適切に連携させるための 構造化 であった。その違いを指摘して本来のダイクストラ方式を改めて紹介する動きもあったが、抽象化指向のダイクストラ理論は産業界ではむしろ不人気でさえあった [ 22 ] [ 23 ] [ 24 ] 。クヌースの言葉を借りれば、構造化文の第三幕は IBM社 と ハーラン・ミルズ がプロモートした制御構造の舞台になり、構造化プログラミングに対する世間一般の認識はこちらの方で定着するようになった。 終幕 後年、ダイクストラは自身が作った構造化プログラミングという言葉に不快感を示して避けるようになった [ 25 ] 。この言葉を作った時、彼はプログラミングが手工芸から科学へ発展することを期待していた [ 16 ] 。しかし構造化プログラミングという言葉は実利を求めるために使われるようになった [ 25 ] 。次のような逸話がある。 構造化開発 の第一人者 エドワード・ヨードン の事務所にセミナー依頼の電話がかかってきた。プロジェクトメンバー全員に構造化プログラミングを1日で叩きこんで欲しいという内容である。それが終わったらプロジェクト期間を半分にするという。その理由は「構造化プログラミングは生産性を2倍にするという話ですから」であった [ 26 ] 。 ダイクストラの構造化プログラミング [ 編集 ] 「Structured Programming」という言葉を作ったのは計算機科学者 エドガー・ダイクストラ であり、1969年のNATOソフトウェア工学会議で発表された論文が初出とされている。彼は2001年のノートで自分が作り出した「構造化プログラミング」という用語は結局異なる解釈で持ち去られてしまったと述べている [ 27 ] 。 ダイクストラが提唱した構造化プログラミングは、 プログラム正当性 検証 技術の確立を原点にして構想された数々のプログラム開発理論の複合体である。遅くとも1967年からその構想は始められていた。1968年の goto文 に依存しないシーケンスの制御、1969年の トップダウン設計 、 抽象化 、 モジュール化 、共同詳細化から始まり、1972年には抽象データ構造、情報隠蔽、階層的プログラム構造といった考えも取り上げられていた [ 28 ] [ 22 ] [ 17 ] 。1972年の共著は、ダイクストラの第一章・構造化プログラミングから始まり、 オルヨハン・ダール の第三章・階層的プログラム構造で締め括られている。 ダール は オブジェクト指向プログラミング言語 の草創 Simula67 の開発者である。 1968年の投書「goto文は有害」 [ 編集 ] →詳細は「 goto文 § goto文論争 」を参照 1968年の ACM 機関紙への投書「Go To Statement Considered Harmful [ 9 ] 」は、そのセンセーショナルなタイトルで当時のプログラマの間に大きな論争を巻き起こした。その要約は次の通りである。 プログラマの仕事は正しいプログラムを作り上げた時に終結し、コンピュータにそのプログラム実行が委託されるとプログラマの手を離れて、コンピュータ内の動作形態であるプロセスに作り替えられることになる。 私たち人間の能力は、静的なプログラムの内容を把握するのには向いているが、コンピュータ内で逐一変化していく動的なプロセスの状態を把握することには向いていない。従って私たちは静的なプログラムと動的なプロセスの間にあるギャップを埋めなければならない。 そのためには、動的なプロセスの動態指標(dynamic index)と正確に対応できる静的なプログラムの文体指標(textual index)の表現が必要になる。goto先ラベルはその要求を満たしていない。「if B then A」「if B then A1 else A2」の選択節や「while B repeat A」「repeat A until B」の反復節の方が適している。 gotoとラベルを用いた選択文と反復文の記述では、状態判定とジャンプが個々に並べられるので、これはプログラムの混乱の原因になる。特にラベルの多用は取り除かれるべきであり、それに伴ってgotoの使用数も削減される。 ただし、前述の節(clause、選択節と反節復)使用の徹底であらゆる必要性をまかなえるという訳ではない。goto文の論理冗長性は証明されているが、goto文削減がそのままフロー明瞭化に繋がる保証はないので推奨まではしない。 この投書は、当時のソフトウェア開発現場で横行していたgoto先ラベルの安易な使用に警鐘を鳴らすためのものであったが、添えられた学術的注釈と文芸的比喩の数々が却って読み手の理解を妨げてしまい、冒頭のタイトル印象のみを先走りさせて、goto文論争を発生させることになった。この投書は比較的さり気ないもので、当時のダイクストラが方々の現場で目にしていたラベル多用をたしなめたい所感から書かれていた。ダイクストラが記していた元々の題名はA case against goto statement(goto文への訴え)であり、その時の編集者によって挑戦的なタイトルにすげ替えられていたのが事の真相である [ 29 ] 。 goto文論争はプログラミング分野の一つの流行として1970年代から80年代までの長きに渡って続いており、多くのプログラマにとっても馴染み深いテーマになっている。 goto文 と 構造化定理 の応酬はプログラミング談義の定番でもあった。ダイクストラは後年の著作で自分が提唱した構造化プログラミングの本質の一つは、この投書のテーマであった状態遷移の適切な表現方法と把握手段の確立としている [ 30 ] 。 1969年の論文「構造化プログラミング」 [ 編集 ] 1969年度 NATO ソフトウェア工学会議に寄稿されたこの「Structured Programming [ 3 ] 」は、 プログラム正当性 の効率的な 検証技術 に重点を置き、当時問題視されていたコードサイズの際限なき肥大化による ソフトウェア危機 の解決策として従来の ボトムアップ設計 から トップダウン設計 への移行を推奨していた。 論文の前半では、プログラムサイズの肥大化に伴い、各プログラム部品およびそれらを組み合わせた際のプログラムの正当性( program correctness )の立証( demonstration )に必要な労力が指数的に増加して完遂が不可能になるという ソフトウェア危機 の問題について述べている。ダイクストラはプログラムの正しさに対して証明を与える従来の研究を分析して、証明の手続きを考えずに書かれたプログラムは証明に必要な労力がプログラムのサイズに対して爆発するとし、「与えられたプログラムに対してどうやって証明をするか」ではなく「証明がしやすいプログラムの構造とは何か」についてフォーカスするとした。 後半ではそのための方法について説明している。まず推論しやすい構造として、ステートメントが順に並んだだけのものを挙げている。また、if文1つだけも推論しやすいとしている。しかし、if文がN個並んだ場合、そのままでは2のN乗ステップの推論が必要であるとしている。そこでif文を抽象ステートメントで1つずつ置き換える 段階的抽象化 ( step-wise abstraction )により、Nに比例する推論で正しさを示せるとした。また、そのためには制御のジャンプを制限し、制御構造は順次の他に、選択、反復、および手続き呼び出しに限るべきとしている(なお、順次、選択、反復のいわゆる制御構造( control structures )に触れているのはこの文節だけである)。この例のように詳細なプログラムを 抽象化 ( abstraction )していくのではなく、逆に抽象的なプログラムから始めて 詳細化 ( refinement )していくというやり方を示している。 詳細化の際には 共同詳細化 ( joint-refinement )という考え方が示されている。これは抽象データ構造の詳細化と共にそれを扱う抽象ステートメントを同時に詳細化し、それを1つのプログラムテキストのユニットに分離するというものである。このユニットをダイクストラは真珠(pearl)と呼んだ。また、抽象的な真珠が1段階具体的な真珠に依存し、その真珠がさらに具体的な真珠に依存していったものをネックレスに例えた。そしてネックレスの上部は下部に関わらず正しさを証明することができ、また下部を取り替えることでプログラムのバリエーションを労力をかけずに作れるとした。 1972年の共著「構造化プログラミング」 [ 編集 ] 1972年の共著「Structured Programming [ 31 ] 」は計算機科学界の錚々たる三名による三章構成で、第一章はエドガー・ダイクストラの「structured programming」、第二章は アントニー・ホーア の「data structuring」、第三章は オルヨハン・ダール の「hierarchical program structures」となっていた。結びの章の「階層的プログラム構造」を著したダールは Simula67 の開発者である。Simula67はオブジェクト指向プログラミングの草分けであり、この章名から 継承 によるクラス階層構造を重視していたことがうかがえる。ダイクストラの構造化プログラミングは、制御構文と構造化定理と構造化設計の影に隠れながらも、Simula67をモデルにしたオブジェクト指向プログラミング発展の歴史に組み込まれて受け継がれていったと言える。1983年に C++ を開発した ビャーネ・ストロヴストルップ は「What Is Object-Oriented Programming? [ 32 ] 」において、オブジェクト指向を抽象データ構造と階層的プログラム構造の発展形として解説し、同時にSimula67の言語仕様を紹介している。 ダイクストラ提唱の構造化プログラミングを支持する ドナルド・クヌース は、1974年に自著「Structured Programming with go to Statements [ 6 ] 」を発表し、その中でgoto-lessの本質に関する補足と解説を加えている。これは当時のgoto文論争に一つの区切りを付けるものであったが、幅広い認知を得るには到らずにgoto文論争は1980年代になっても散発的に繰り広げられた。1970年代後半から マイコン が普及して BASIC などを扱うパーソナルユーザーが増えると、goto命令を使わないのが構造化プログラミングといった見解が取り上げられて再び議論が始まるなど、この論争の影響は後年まで根強く残っている [ 注釈 4 ] 。 プログラム正当性検証のための構造化(1967年のノート) [ 編集 ] ダイクストラは、プログラマは正しいプログラムを作り出すばかりでなく納得のいくやり方で正しさを証明( 検証 )することも仕事の一つであるという立場を取っていた [ 33 ] 。プログラムがどんなに巨大化しても良く構造化(well-structured)されていれば、サイズに関係なくその 正当性 を 検証 [ 34 ] できるというのが彼の信念であった [ 注釈 5 ] [ 35 ] 。well-formed formula( 論理式 )に因んでいるwell-structuredには、 数理論理学 の 証明論 をソースコードにも導入する意図が込められていた。1967年のノート「Towards Correct Programs」でダイクストラは、良く構造化するための三つのメンタルツール(mental tool)をこのように示している。 列挙(enumeration): 一人の人間の能力でできる範囲でプログラムの命令の妥当性を一つ一つ確認していく作業 数学的帰納(mathematical induction): while文など計算機特有の多数の繰り返し文についてのみ数学的帰納法を用いて確認する作業 抽象(abstraction): プログラムのブロックなどに名前をつけ、さらに中身を見ないで正しいと仮定することで検証作業を後回しにする操作 プログラムが正しいことを確認するには、それを証明しなければならない [ 3 ] [ 注釈 6 ] 。テストはプログラムに対する疑いを全て取り除くには不十分であるという意見が上がった [ 7 ] [ 37 ] 。これについてダイクストラは「テストはバグの存在を示すには有効だが、バグが存在しないことは証明できない」という表現を好んで用いた [ 3 ] [ 38 ] [ 39 ] [ 40 ] [ 41 ] 。構造化プログラミングの支持者らは、プログラムの正しさの重要性と証明の方法や表明(assertion)の使い方について熱心に説いた [ 4 ] [ 31 ] [ 7 ] [ 37 ] [ 42 ] 。理想的にはテストだけに依存せず、プログラムの正しさの証明も与えるべきだと言われている [ 43 ] [ 44 ] 。所与のプログラムの正しさを後付けで証明することは、はじめから証明を意識して作られたプログラムの場合より難しいことが経験的に知られている [ 45 ] 。ダイクストラは、プログラミングと同時にプログラムの証明を(わずかに証明を先行して)進めることを推奨している [ 46 ] 。そのようなアプローチでプログラムの正当性の問題にあたれば、複雑な問題であっても知的管理が可能であると述べた [ 注釈 7 ] 。しかし形式的な証明は、時として非人間的な長さの記述になることもダイクストラは認めている [ 46 ] [ 15 ] 。同氏は、プログラムの証明が形式的であることにはこだわらないという意見を明らかにした [ 46 ] [ 6 ] [ 注釈 8 ] 。 構造化定理との関係 [ 編集 ] →詳細は「 構造化定理 」を参照 1970年代初頭に計算機科学者 デビッド・ハレル ( 英語版 ) は、1966年に発表されていた ベーム とヤコピーニの数学証明に、 構造化定理 (Structure theorem)という全く新しいタイトルを付けて主に産業ソフトウェア開発界隈で紹介した。ハレルが後に明かしたところによると「構造化定理」という名称は、当時 IBM社 の上席プログラマーであった ハーラン・ミルズ の提案だったという [ 20 ] 。ダイクストラの提唱内容とは全く異なる、制御構造(順次・選択・反復)主体の構造化プログラミングは、IBM社のIPT(Improved Programming Technologies)に採用されており、同社主催の技術セミナーなどを通して当時のプログラマに広く流布されていた。その中で恐らく意図的にダイクストラのそれと名称を似せた「構造化定理」は、彼らが勧める制御構造の合理性を数学的にも証明した根拠として盛んに引用されていた。このような経緯から制御構造の使用と構造化定理は同一視されるようになり、ダイクストラのgoto文有害説から誤解された構造化プログラミングとも同一視されるようになった。goto文論争の中で引き合いに出されていた構造化定理もまた、ベームとヤコピーニから見れば誤解であった。 なお、ベームとヤコピーニの証明は、フローチャートやそれによって表現されるプログラム・関数・チューリングマシンなどの理論的側面に注目している。これは任意の論理回路が NAND 素子の組み合わせによって表現できるとか、 ラムダ式 がSとKの2つの コンビネータ によって表現できるとかいった研究に近い。回路設計者が直接NANDを組み合わせて電子回路を設計しないのと同じように、構造化定理は良いプログラムの作成を(少なくとも直接的には)意図していない。ハレルも構造化定理は実際の内容以上に引用されて民間伝承定理(folk theorem)化していると指摘していた [ 20 ] 。 ダイクストラの後述 [ 編集 ] ダイクストラは2001年のノート「 What led to “Notes on Structured Programming” 」(構造化プログラミング表記の由来)でこのように述べている。 1968年の自分は「A case against goto statement」(goto文への訴え)と題した記事(article)をCommunications of the ACM( ACM の機関紙)に投稿したが、当期の刊行を急ぐ編集担当者の意向で投書(letter to the Editor)にされる事になり、更にその担当者独自の考えで「The goto statement considered harmful」(goto文は有害)という全く新しい題名を付けられた。その担当者とは ニクラウス・ヴィルト であった。また、自分が提唱した構造化プログラミングの本質的内容の普及を好まない某社が ハーラン・ミルズ の主導で、まるでgoto文を廃止するかのようなプログラミング手法へと矮小化し、構造化プログラミングという用語まで持ち去ってしまった。 脚注 [ 編集 ] 注釈 ^ ソフトウェア危機 の始まりと構造化プログラミングの歴史について [ 4 ] の第23章に詳しい。 ^ "statements transferring control to labelled points" という言葉で一応 goto 文に触れている [ 3 ] ^ Harel,David (1980)."On Folk Theorems"(PDF) のP381の左列の中央にハーラン・ミルズ(Harlan Mills)が未公表の講義資料の中で "The Structure Theorem" と名付けたことが書かれている。この資料の出典[67]が1972年のため構造化定理が発明されたのは1970年代初頭と推測される。 ^ 直接は無関係だが、ダイクストラはBASIC批判の急先鋒でもあった。マイコン普及以前の1970年代に既に、BASICでプログラミング教育をすべきでない、と強く主張している( wikiquote:Edsger W. Dijkstra#How do we tell truths that might hurt? (1975) )。 ^ すなわち、プログラム検証と構造化プログラミングとは不可分の関係にある。 ^ D.グリースはプログラムの正しさの証明を、抽象的なレベルでは正当性証明、具体的なレベルではプログラムの検証と言葉を使い分けているが [ 36 ] 、ここでは厳密な区別はしない。 ^ ダイクストラはプログラミングと証明を並行するのに適した、最弱事前条件をによる検証方法を考案した。ホーア論理は作り終わったものは証明できるが、これから作るプログラムについては指標を与えてくれない [ 47 ] 。 ^ 形式化にとらわれない点では(当時のダイクストラの)構造化プログラミングは 形式手法 と趣きが異なる。なおプログラムの正しさの証明とはウォークスルーやインスペクションによるレビューではなく、帰納法や最弱事前条件による検証を指す。 形式的でない証明の方法については、ロバートの「プログラムの証明」 [ 43 ] が良い入門書の一つである。 出典 ^ “ 構造化プログラミングとは - IT用語辞典 ”. IT用語辞典 e-Words . 2020年6月1日閲覧。 ^ “ 構造化プログラミング - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典 ”. yougo.ascii.jp . 2020年6月1日閲覧。 ^ a b c d e f E. W. Dijkstra, “Structured Programming”, In Software Engineering Techniques , B. Randell and J.N. Buxton, (Eds.), NATO Scientific Affairs Division, Brussels, Belgium, 1970, pp. 84–88. ^ a b c グリース, D. 筧捷彦訳 (1991). プログラミングの科学 . 培風館. ISBN 4563007943 ^ 山崎利治, "流れ図", プログラムの設計 , 共立出版, 1990, pp.110-113. ISBN 4320023781 ^ a b c d Knuth, D. E. 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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A7%8B%E9%80%A0%E4%BD%93
構造体
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "構造体" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2011年11月 ) この項目では、プログラミング言語について説明しています。 工学 分野については「 構造工学 」をご覧ください。 構造体 (こうぞうたい、 英 : structure )は プログラミング言語 における データ型 の一つで、1つもしくは複数の値をまとめて格納できる型。それぞれのメンバー( フィールド )に名前が付いている点、またメンバーの型が異なっていてもよい点が 配列 と異なる。 レコード という名前の類似機能として実装されている言語もある。 C / C++ や C# などで struct としてサポートされているほか、 Visual Basic / VBA のユーザー定義型 Type [ 1 ] や、 Pascal や Ada の record 型も構造体に相当する。 クラスベース の オブジェクト指向言語 では、 抽象データ型 としての クラス が構造体の役割をも内包する。 C の文法を継承した言語では struct キーワードを含むこともあるが、言語によってその役割や性質は異なる。 C++ の struct は、アクセシビリティの初期値が public であることを除いて、 class と同等の機能を果たす。メンバー変数だけでなくメンバー関数を持つこともでき、派生型を定義することもできる。 Java では、 struct キーワードは存在しない。すべてのユーザー定義型は参照型であり、構造体に相当するデータ構造は class キーワードを使ってクラスとして実現する必要がある。Java 16では イミュータブル な「レコードクラス」をサポートする [ 2 ] [ 3 ] 。 Kotlin では、データを保持するためだけのクラスとして、 data class 構文により「データクラス」を定義することができる [ 4 ] 。データクラスはミュータブル [ 注釈 1 ] だが、通常のクラス同様に参照型であることには変わりなく、変数の代入は参照のみのコピーとなる。そのため、すべての プロパティ をコピーした新たなオブジェクトを生成するには、コンパイラの推論によって暗黙的に自動定義された copy() 関数を使うなどする。サブクラスを定義することはできない。 C# では、構造体の定義に struct キーワードを使用する [ 5 ] 。 class キーワードにより定義されるクラス [ 6 ] は「参照型」である一方、構造体は軽量なオブジェクト型を定義するための「値型」であり、クラスと比較していくつかの制約がある。 VB.NET では、構造体の定義に Structure キーワードを使用する [ 7 ] 。姉妹言語であるC#の構造体と類似の機能である。 Swift では、構造体の定義に struct キーワードを使用する。C#と同様、 class キーワードにより定義されるクラスは参照型である一方、構造体は値型である [ 8 ] [ 9 ] 。Swiftのクラスは Objective-C のクラスに対応する概念であり相互運用できるが、構造体は相互運用することができない。 オブジェクト指向言語でないCなどでオブジェクト指向プログラミングを模倣するために構造体を使うこともある。 C言語の例 [ 編集 ] ウィキブックスに C言語 関連の解説書・教科書があります。 下記は単純な例示のため、バッファオーバーフローや整数オーバーフローなどは考慮していないことに注意されたい。 #include <stdio.h> /* PersonalDataを構造体として定義 */ struct PersonalData { /* メンバー変数 (つまり構造体の要素) を名前と年齢とする */ char Name [ 100 ]; int Age ; }; /* 上で定義された構造体を使ってみる */ int main ( void ) { struct PersonalData pd ; /* 構造体変数の宣言 */ struct PersonalData * ppd ; /* 構造体へのポインタ */ scanf ( "%s" , pd . Name ); /* 値を入力 */ scanf ( "%d" , & ( pd . Age )); /* 値を入力 */ ppd = & pd ; ppd -> Age ++ ; /* ポインタの参照先のメンバーにアクセスするにはアロー演算子->を使う。*/ printf ( "%s-%d \n " , pd . Name , pd . Age ); return 0 ; } 下記は構造体へのポインタをユーザー定義のオブジェクト型の ハンドル として利用する例である。 /* MyObject.h */ /* 構造体の前方宣言 */ typedef struct MyObject MyObject ; extern MyObject * MyObject_create ( void ); /* コンストラクタの代替 */ extern void MyObject_destroy ( MyObject * obj ); /* デストラクタの代替 */ extern void MyObject_setPosition ( MyObject * obj , double x , double y ); extern void MyObject_getPosition ( const MyObject * obj , double * outX , double * outY ); /* MyObject.c */ #include <stdlib.h> #include <assert.h> #include "MyObject.h" /* 構造体の定義 */ struct MyObject { double x , y ; }; MyObject * MyObject_create ( void ) { return calloc ( 1 , sizeof ( MyObject )); } void MyObject_destroy ( MyObject * obj ) { free ( obj ); } void MyObject_setPosition ( MyObject * obj , double x , double y ) { assert ( obj ); obj -> x = x ; obj -> y = y ; } void MyObject_getPosition ( const MyObject * obj , double * outX , double * outY ) { assert ( obj && outX && outY ); * outX = obj -> x ; * outY = obj -> y ; } 近代的な API 設計では、このようにしてC互換のオブジェクト指向インターフェイスを定義することがよくある。例えば OpenCL [ 10 ] や Vulkan [ 11 ] などで類似の手法が実際に利用されている。ヘッダーでは構造体の 前方宣言 だけをすることにより、構造体の具体的な詳細(定義)はAPIのユーザーからは隠蔽されており、不透明な型 (opaque type) として扱われる(カプセル化)。 この手法を使うことで、C互換のインターフェイスを維持しつつ、API関数の実装をCだけでなくC++や他の言語で記述することもできるようになる。また、オブジェクトの生成・破棄を含むあらゆる操作をAPI関数経由に限定し、オブジェクトハンドルを介した操作のみを提供することで、異なる ABI 間でも正しくオブジェクトをやりとりすることができるため、C/C++以外の他の言語向けバインディング(ラッパーライブラリ)を記述することも容易になる。 C#の例 [ 編集 ] C# における構造体は、小規模なデータ構造の定義に適した値型 (value type) である [ 5 ] 。C#におけるクラスはヒープ割り当てを必要とし、完全な継承機能をサポートする参照型 (reference type) である [ 6 ] 一方、構造体はヒープ割り当てを必要としない軽量な値型であり、代わりに派生型を定義できないなど、制限されたクラスとして振る舞う。クラスと構造体の使い分けに関しては、ガイドラインが提示されている [ 12 ] 。 組み込みの軽量な型 ( bool , char , int , double , etc.) もまた構造体である。 // int 型の数値リテラルも構造体 (System.Int32) のインスタンスであり、オブジェクトである。 string str = 123. ToString (); struct キーワードを使用した、ユーザー定義の構造体の例を下に示す。プロパティやメソッド定義の一部にC# 6.0やC# 7.0で追加された 糖衣構文 が使用されているが、構造体自体はC# 1.0当初から存在する言語機能である。なお、C#の構造体は引数付きコンストラクタをユーザー定義することはできるが、引数のないコンストラクタ(デフォルトコンストラクタ)をユーザー定義することはできない。また、フィールドやプロパティを宣言時初期化することもできない。引数のないコンストラクタでは、各フィールドはその型の既定値で初期化される。C# 10.0以降の構造体は、引数のないコンストラクタをユーザー定義することもできるようになった [ 13 ] 。 using System ; public struct MutablePoint { /// <summary>カプセル化されたフィールド。</summary> private int _x , _y ; /// <summary>X座標を取得・設定するプロパティ。</summary> public int X { get => _x ; set => _x = value ; } /// <summary>Y座標を取得・設定するプロパティ。</summary> public int Y { get => _y ; set => _y = value ; } /// <summary>原点からの距離を取得するプロパティ。</summary> public double Distance => Math . Sqrt (( double ) _x * ( double ) _x + ( double ) _y * ( double ) _y ); /// <summary>引数付きコンストラクタ。</summary> public MutablePoint ( int x , int y ) { _x = x ; _y = y ; } /// <summary>System.ValueTypeのToString()メソッドをオーバーライド。</summary> public override string ToString () => $"({_x}, {_y})" ; } class Test { // フィールドで定義された構造体内の全てのフィールドはデフォルト値0で初期化されている。 static MutablePoint s_point ; static void Main () { Console . WriteLine ( s_point . ToString ()); // (0, 0) が表示される。 // デフォルトコンストラクタ呼び出し。 var zeroPoint = new MutablePoint (); Console . WriteLine ( zeroPoint . ToString ()); // (0, 0) が表示される。 // 引数付きコンストラクタ呼び出し。 var point = new MutablePoint ( 5 , 11 ); Console . WriteLine ( TranslatePoint ( point , 1 , - 9 ). ToString ()); // (6, 2) が表示される。 Console . WriteLine ( point . ToString ()); // (5, 11) が表示される。 TranslatePoint ( ref point , - 2 , 3 ); Console . WriteLine ( point . ToString ()); // (3, 14) が表示される。 Console . WriteLine ( "Press any..." ); Console . ReadKey ( true ); } // 構造体型 (値型) は、仮引数に値のコピーが渡されるため、 // メソッド内での仮引数の操作によって呼び出し元の実引数の値が変更されることはない。 // 引数がrefパラメータならば、 // あるいはMutablePoint型がstructではなくclassで宣言されていたならば、 // 仮引数の状態の変更は実引数の状態に影響する。 static MutablePoint TranslatePoint ( MutablePoint p , int dx , int dy ) { p . X += dx ; p . Y += dy ; return p ; } static void TranslatePoint ( ref MutablePoint p , int dx , int dy ) { p . X += dx ; p . Y += dy ; } } C#のデータ型 も参照のこと。 C#の構造体は属性によってメモリレイアウトを明示的に指定することができるため、C/C++の構造体との相互運用に便利である。 Windows API などで定義されている構造体と互換性のある型をC#の構造体によってユーザー定義することで、 P/Invoke に利用できる。 VB.NET や F# といった.NET言語も、構文は異なるがC#と同様の構造体を備えている [ 7 ] [ 14 ] 。 C++/CLI では、 value struct または value class によって.NETの構造体型を定義することができる [ 15 ] 。 アライメント [ 編集 ] →詳細は「 データ構造アライメント 」を参照 構造体のメンバーのメモリレイアウトは、必ずしも連続しているとは限らない。実行環境(プロセッサアーキテクチャ)に合わせてアクセス効率が最適になるよう、コンパイラによってバイト境界に応じた無名の詰め物(パディング)が挿入されることがある。このパディングはシリアライズや相互運用などで問題になることがあるため、フィールド属性やコンパイラ特有のディレクティブによってアライメントを明示的に調整できる言語や処理系も存在する [ 16 ] [ 17 ] 。ただし、アライメントされていないアドレスに構造体メンバーが配置された場合、メンバーアクセスが バスエラー を引き起こすケースもある。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ データクラスのすべてのプロパティを val で宣言することで、イミュータブルにすることもできる。 出典 [ 編集 ] ^ User-defined data type (VBA) | Microsoft Docs ^ レコード・クラス | Oracle Java SE 16 Help Center ^ Java 16の最新情報 | InfoQ ^ データクラス - Kotlin Programming Language ^ a b 構造体型 - C# リファレンス | Microsoft Docs ^ a b クラス - C# プログラミング ガイド | Microsoft Docs ^ a b Structure ステートメント - Visual Basic | Microsoft Docs ^ 構造体とクラス(Structures and Classes) · The Swift Programming Language日本語版 ^ Structures and Classes — The Swift Programming Language (Swift 5.6) ^ OpenCL-Headers/cl.h at master · KhronosGroup/OpenCL-Headers ^ Vulkan-Headers/vulkan_core.h at master · KhronosGroup/Vulkan-Headers ^ Choosing Between Class and Struct - Framework Design Guidelines | Microsoft Docs ^ Parameterless struct constructors - C# 10.0 draft specifications | Microsoft Learn ^ Structures - F# | Microsoft Docs ^ ref class and ref struct (C++/CLI and C++/CX) | Microsoft Docs ^ StructLayoutAttribute Class (System.Runtime.InteropServices) | Microsoft Docs ^ Storage and Alignment of Structures | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] 再帰データ型 Plain old data structure ( 英語版 ) (POD) ビットフィールド 共用体 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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高速フーリエ変換
高速フーリエ変換 (こうそくフーリエへんかん、 英 : fast Fourier transform, FFT )は、 離散フーリエ変換 ( 英 : discrete Fourier transform, DFT )を計算機上で高速に計算する アルゴリズム である。高速フーリエ変換の逆変換を逆高速フーリエ変換( 英 : inverse fast Fourier transform, IFFT )と呼ぶ。 概要 [ 編集 ] 複素関数 f ( x ) の離散フーリエ変換である複素関数 F ( t ) は以下で定義される。 F ( t ) = ∑ x = 0 N − 1 f ( x ) exp ⁡ ( − i 2 π t x N ) . {\displaystyle F(t)=\sum _{x=0}^{N-1}f(x)\exp \left(-i{\frac {2\pi tx}{N}}\right).} このとき、 { x = 0, 1, 2, ..., N − 1} を標本点と言う。 これを直接計算したときの 時間計算量 は、 ランダウの記号 を用いて表現すると O ( N 2 ) である。 高速フーリエ変換は、この結果を、次数 N が2の累乗のときに O ( N log N ) の計算量で得るアルゴリズムである。より一般的には、次数が N = ∏ n i と素因数分解できるとき、 O ( N ∑ n i ) の計算量となる。次数が 2 の累乗のときが最も高速に計算でき、アルゴリズムも単純になるので、 0 詰めで次数を調整することもある。 高速フーリエ変換を使って、 畳み込み 積分などの計算を高速に求めることができる。これも計算量を O ( N 2 ) から O ( N log N ) まで落とせる。 現在は、初期の手法 [ 1 ] をより高速化したアルゴリズムが使用されている。 逆変換 [ 編集 ] 逆変換は正変換と同じと考えて良いが、指数の符号が逆であり、係数 1/ N が掛かる。 高速フーリエ変換のプログラム中、どの符号が逆転するかを一々分岐させると、分岐の判定に時間がかかり、パフォーマンスが落ちる。一方、正変換のプログラムと、逆変換のプログラムを両方用意しておくことも考えられるが、共通部分が多いため、無駄が多くなる。このため、複素共役を使った次のような方法が考えられる。 離散フーリエ変換 を F ( t ) = ∑ x = 0 N − 1 f ( x ) exp ⁡ ( − i 2 π t x N ) {\displaystyle F(t)=\sum _{x=0}^{N-1}f(x)\exp \left(-i{\frac {2\pi tx}{N}}\right)} で定義したとき、逆変換は f ( x ) = 1 N ∑ t = 0 N − 1 F ( t ) exp ⁡ ( i 2 π t x N ) = 1 N ∑ t = 0 N − 1 F ( t ) ¯ exp ⁡ ( − i 2 π t x N ) ¯ {\displaystyle f(x)={\frac {1}{N}}\sum _{t=0}^{N-1}F(t)\exp \left(i{\frac {2\pi {tx}}{N}}\right)={\frac {1}{N}}{\overline {\sum _{t=0}^{N-1}{\overline {F(t)}}\exp \left(-i{\frac {2\pi tx}{N}}\right)}}} となる。 このため、 F ( t ) の離散フーリエ逆変換を求めるには、 (1) 複素共役 を取り、 F ( t ) を求める、 (2) F ( t ) の正変換の離散フーリエ変換を高速フーリエ変換で行う、 (3) その結果の複素共役を取り、 N で割る とすれば良く、正変換の高速フーリエ変換のプログラムがあれば、逆変換は容易に作ることができる。 アルゴリズム [ 編集 ] クーリー–テューキー型FFTアルゴリズム [ 編集 ] →詳細は「 クーリー–テューキー型FFTアルゴリズム ( 英語版 ) 」を参照 クーリー–テューキー型アルゴリズムは、代表的な高速フーリエ変換 (FFT) アルゴリズムである。 分割統治法 を使ったアルゴリズムで、 N = N 1 N 2 のサイズの変換を、より小さいサイズである N 1 , N 2 のサイズの変換に分割していくことで高速化を図っている。 最もよく知られたクーリー–テューキー型アルゴリズムは、ステップごとに変換のサイズをサイズ N /2 の2つの変換に分割するので、 2 の累乗次数に限定される。しかし、一般的には次数は 2 の累乗にはならないので、素因数が偶数と奇数とで別々のアルゴリズムに分岐する。 伝統的なFFTの処理実装の多くは、再帰的な処理を、系統だった再帰をしないアルゴリズムにより実現している。 クーリー–テューキー型アルゴリズムは変換をより小さい変換に分解していくので、後述のような他の離散フーリエ係数のアルゴリズムと任意に組み合わせることができる。とりわけ、 N ≤ 8 あたりまで分解すると、固定次数の高速なアルゴリズムに切り替えることが多い。 原理の簡単な説明 [ 編集 ] データ数12の離散フーリエ変換の模式図。時計を模した図形は1の12乗根の一つを表している。時計の針の向きと色は1の12乗根の偏角を表す。この図で表される行列をデータ列にかけることで離散フーリエ変換が得られる。上図で表されるような列の並べ替えを行うことで、元の行列のパターンはデータ数6の離散フーリエ変換のパターンに分解できる。この繰り返しにより最終的にはデータ数3のフーリエ変換に帰着される。 データ数100の離散フーリエ変換の模式図。色は1の100乗根の偏角を表す。バタフライ演算により元の行列のパターンは最終的にデータ数5の離散フーリエ変換のパターンに分解される。 FFTのバタフライ演算 離散フーリエ係数は、 1 の原始 N 乗根 の1つ W N = e −2 πi / N を使うと、次のように表せる。 F ( t ) = ∑ x = 0 N − 1 f ( x ) W N t x . {\displaystyle F(t)=\sum _{x=0}^{N-1}f(x)W_{N}^{tx}.} 例えば、 N = 4 のとき、 F ( t ) = X t {\displaystyle F(t)=X_{t}} 、 f ( k ) = x k {\displaystyle f(k)=x_{k}} とすれば、離散フーリエ係数は 行列 を用いて表現すると( W = W 4 と略記) [ X 0 X 1 X 2 X 3 ] = [ W 0 W 0 W 0 W 0 W 0 W 1 W 2 W 3 W 0 W 2 W 4 W 6 W 0 W 3 W 6 W 9 ] [ x 0 x 1 x 2 x 3 ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}X_{0}\\X_{1}\\X_{2}\\X_{3}\end{bmatrix}}={\begin{bmatrix}W^{0}&W^{0}&W^{0}&W^{0}\\W^{0}&W^{1}&W^{2}&W^{3}\\W^{0}&W^{2}&W^{4}&W^{6}\\W^{0}&W^{3}&W^{6}&W^{9}\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}x_{0}\\x_{1}\\x_{2}\\x_{3}\end{bmatrix}}} となる。入力列 x k を添字の偶奇で分けて、以下のように変形する。 [ X 0 X 1 X 2 X 3 ] = [ W 0 W 0 W 0 W 0 W 0 W 2 W 1 W 3 W 0 W 4 W 2 W 6 W 0 W 6 W 3 W 9 ] [ x 0 x 2 x 1 x 3 ] = [ W 0 W 0 W 0 W 0 W 0 W 0 W 0 W 2 W 1 W 0 W 1 W 2 W 0 W 0 W 2 W 0 W 2 W 0 W 0 W 2 W 3 W 0 W 3 W 2 ] [ x 0 x 2 x 1 x 3 ] {\displaystyle {\begin{aligned}{\begin{bmatrix}X_{0}\\X_{1}\\X_{2}\\X_{3}\end{bmatrix}}&={\begin{bmatrix}W^{0}&W^{0}&W^{0}&W^{0}\\W^{0}&W^{2}&W^{1}&W^{3}\\W^{0}&W^{4}&W^{2}&W^{6}\\W^{0}&W^{6}&W^{3}&W^{9}\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}x_{0}\\x_{2}\\x_{1}\\x_{3}\end{bmatrix}}\\&={\begin{bmatrix}W^{0}&W^{0}&W^{0}W^{0}&W^{0}W^{0}\\W^{0}&W^{2}&W^{1}W^{0}&W^{1}W^{2}\\W^{0}&W^{0}&W^{2}W^{0}&W^{2}W^{0}\\W^{0}&W^{2}&W^{3}W^{0}&W^{3}W^{2}\end{bmatrix}}{\begin{bmatrix}x_{0}\\x_{2}\\x_{1}\\x_{3}\end{bmatrix}}\end{aligned}}} ( ∵ W k + N = W k {\displaystyle \because W^{k+N}=W^{k}} ) すると、サイズ 2 のFFTの演算結果を用いて表現でき、サイズの分割ができる。 [ X 0 X 1 X 2 X 3 ] = [ 1 0 W 0 0 0 1 0 W 1 1 0 W 2 0 0 1 0 W 3 ] [ W 2 0 W 2 0 0 0 W 2 0 W 2 1 0 0 0 0 W 2 0 W 2 0 0 0 W 2 0 W 2 1 ] [ x 0 x 2 x 1 x 3 ] {\displaystyle {\begin{bmatrix}X_{0}\\X_{1}\\X_{2}\\X_{3}\end{bmatrix}}={\begin{bmatrix}1&0&W^{0}&0\\0&1&0&W^{1}\\1&0&W^{2}&0\\0&1&0&W^{3}\end{bmatrix}}\,{\begin{bmatrix}W_{2}^{0}&W_{2}^{0}&0&0\\W_{2}^{0}&W_{2}^{1}&0&0\\0&0&W_{2}^{0}&W_{2}^{0}\\0&0&W_{2}^{0}&W_{2}^{1}\end{bmatrix}}\,{\begin{bmatrix}x_{0}\\x_{2}\\x_{1}\\x_{3}\end{bmatrix}}} また、この分割手順を図にすると蝶のような図になることから、 バタフライ演算 とも呼ばれる。 バタフライ演算は、計算機上では ビット反転 で実現される。 DSP の中には、このバタフライ演算のプログラムを容易にするため、ビット反転 アドレッシング を備えているものがある。 原理の説明 [ 編集 ] FFTの原理は、 N = PQ として、 N 次離散フーリエ変換を、 P 次離散フーリエ変換と Q 次離散フーリエ変換に分解することである [ 2 ] 。 N 次離散フーリエ変換: F ( n ) = ∑ k = 0 N − 1 f ( k ) exp ⁡ ( − 2 π i n k N ) {\displaystyle F(n)=\sum _{k=0}^{N-1}f(k)\exp \left(-2\pi i{\frac {nk}{N}}\right)} を、 n = 0, 1, ..., N − 1 について計算することを考える。 n , k を次のように書き換える。ただし 0 ≤ n ≤ N − 1 また 0 ≤ k ≤ N − 1 である。 n = s Q + r 0 ≤ s ≤ P − 1 , 0 ≤ r ≤ Q − 1 k = q P + p 0 ≤ p ≤ P − 1 , 0 ≤ q ≤ Q − 1 {\displaystyle {\begin{aligned}n&=sQ+r\qquad 0\leq s\leq P-1,\,0\leq r\leq Q-1\\k&=qP+p\qquad 0\leq p\leq P-1,\;0\leq q\leq Q-1\end{aligned}}} すると F ( n ) = F ( s Q + r ) = ∑ p = 0 P − 1 ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i ( q P + p ) ( s Q + r ) P Q ) = ∑ p = 0 P − 1 ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i ( r q Q + s p P + p r P Q ) ) = ∑ p = 0 P − 1 [ exp ⁡ ( − 2 π i ( s p P + p r P Q ) ) ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i r q Q ) ] {\displaystyle {\begin{aligned}F(n)&=F(sQ+r)=\sum _{p=0}^{P-1}\sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {(qP+p)(sQ+r)}{PQ}}\right)\\&=\sum _{p=0}^{P-1}\sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i\left({\frac {rq}{Q}}+{\frac {sp}{P}}+{\frac {pr}{PQ}}\right)\right)\\&=\sum _{p=0}^{P-1}\left[\exp \left(-2\pi i\left({\frac {sp}{P}}+{\frac {pr}{PQ}}\right)\right)\sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {rq}{Q}}\right)\right]\end{aligned}}} ここで、 f 1 ( p , r ) = exp ⁡ ( − 2 π i p r P Q ) ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i r q Q ) {\displaystyle f_{1}(p,r)=\exp \left(-2\pi i{\frac {pr}{PQ}}\right)\sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {rq}{Q}}\right)} と置くと、 F ( n ) = F ( s Q + r ) = ∑ p = 0 P − 1 exp ⁡ ( − 2 π i s p P ) f 1 ( p , r ) {\displaystyle F(n)=F(sQ+r)=\sum _{p=0}^{P-1}\exp \left(-2\pi i{\frac {sp}{P}}\right)f_{1}(p,r)} となる。即ち、 F ( n ) = F ( sQ + r ) の計算は、次の2ステップになる。 ステップ1 p = 0, 1, ..., P − 1 と r = 0, 1, ..., Q − 1 について f 1 ( p , r ) = exp ⁡ ( − 2 π i p r P Q ) ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i r q Q ) {\displaystyle f_{1}(p,r)=\exp \left(-2\pi i{\frac {pr}{PQ}}\right)\sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {rq}{Q}}\right)} を計算する。これは、 Q 次の離散フーリエ変換 ∑ q = 0 Q − 1 f ( q P + p ) exp ⁡ ( − 2 π i r q Q ) {\displaystyle \sum _{q=0}^{Q-1}f(qP+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {rq}{Q}}\right)} の実行と、回転因子 exp(−2 πipr / PQ ) の掛け算を、全ての p , r の組( PQ = N 通り)に対して行うことと見ることができる。 ステップ2 s = 0, 1, ..., P − 1 と r = 0, 1, ..., Q − 1 について F ( s Q + r ) = ∑ p = 0 P − 1 exp ⁡ ( − 2 π i s p P ) f 1 ( p , r ) {\displaystyle F(sQ+r)=\sum _{p=0}^{P-1}\exp \left(-2\pi i{\frac {sp}{P}}\right)f_{1}(p,r)} を計算する。ここで、右辺は r を固定すれば、 P 次の離散フーリエ変換である。 ステップ1、2は、 N = PQ 次の離散フーリエ変換を、 Q 次の離散フーリエ変換と回転因子の掛け算の実行により、 Q 組 ( r = 0, 1, ..., Q − 1 ) の P 次離散フーリエ変換に分解したと見ることができる。 N 次離散フーリエ変換の問題 ⇒ Q 次離散フーリエ変換の実施 ⇒ N / Q 次離散フーリエ変換の問題に帰着 特に、 Q が 2 または 4 の場合は、 Q 次離散フーリエ変換は非常に簡単な計算になる。 Q = 2 の場合は、 exp(−2 πirq / Q ) は 1 か −1 なので、 Q 次離散フーリエ変換は符号の逆転と足し算だけで計算できる。 Q = 4 の場合は、 exp(−2 πirq / Q ) は 1 , −1 , i , − i のいずれかなので、 Q 次離散フーリエ変換の計算は、符号の逆転、実部虚部の交換と足し算だけで計算できる。 Q = 2 か Q = 4 の場合のこの部分の Q 次離散フーリエ変換のことを、 バタフライ演算 と言う。 また、 N = Q k ( P = Q k − 1 ) の場合には、上を繰り返すことができ、 Q 次の離散フーリエ変換と回転因子の掛け算を繰り返すことだけで次数を下げられ、最終的に1次離散フーリエ変換(何もしないことと同じ)にまで下げると、 F ( t ) を求めることができる。 このため、 2 の累乗あるいは 4 の累乗次の離散フーリエ変換は、両方の性質を利用でき、非常に簡単に計算できる。 また、 Q = 2 か Q = 4 の場合において、計算を終了するまでに何回の「掛け算」が必要かを考える。符号の逆転、実部虚部の交換は「掛け算」として数えなければ、回転因子の掛け算のみが「掛け算」である。 N = Q k の次数を1落とすために N 回の「掛け算」が必要であり、次数を k から 0 に落とすにはそれを k 回繰り返す必要があるため、「掛け算」の数は Nk = N log Q N となる。高速フーリエ変換の計算において時間がかかるのは「掛け算」の部分であるため、これが「高速フーリエ変換では計算速度は O ( N log N ) になる」ことの根拠になっている。 ビットの反転 [ 編集 ] 上記の説明で、 N = Q k ( P = Q k − 1 ) {\displaystyle N=Q^{k}(P=Q^{k-1})} の場合、 N = Q k 個のデータ f ( q Q k − 1 + p ) {\displaystyle f(qQ^{k-1}+p)} から、 N = Q k 個の計算結果 f 1 ( p , r ) = exp ⁡ ( − 2 π i p r Q k ) ∑ q = 0 Q − 1 f ( q Q k − 1 + p ) exp ⁡ ( − 2 π i r q Q ) {\displaystyle f_{1}(p,r)=\exp \left(-2\pi i{\frac {pr}{Q^{k}}}\right)\sum _{q=0}^{Q-1}f(qQ^{k-1}+p)\exp \left(-2\pi i{\frac {rq}{Q}}\right)} を計算する場合に、メモリの節約のため、 0 ≤ q ≤ Q − 1 と 0 ≤ r ≤ Q − 1 を利用し、計算結果 f 1 ( p , r ) {\displaystyle f_{1}(p,r)} を元データ f ( r Q k − 1 + p ) {\displaystyle f(rQ^{k-1}+p)} のあった場所に格納することが多い。これが次の次数 Q k − 1 でも繰り返されるため、 p = q 2 Q k − 2 + p 2 {\displaystyle p=q_{2}Q^{k-2}+p_{2}} とすると、次の次数の計算結果 f 2 ( p 2 , q 2 , q ) {\displaystyle f_{2}(p_{2},q_{2},q)} は f ( q Q k − 1 + q 2 Q k − 2 + p 2 ) {\displaystyle f(qQ^{k-1}+q_{2}Q^{k-2}+p_{2})} のあった場所に格納される。繰り返せば、 t = q 1 Q k − 1 + q 2 Q k − 2 + ⋯ + q k {\displaystyle t=q_{1}Q^{k-1}+q_{2}Q^{k-2}+\cdots +q_{k}} とすると、計算結果 f k ( p k , q k , q k − 1 , … , q 2 , q 1 ) {\displaystyle f_{k}(p_{k},q_{k},q_{k-1},\dots ,q_{2},q_{1})} は f ( q 1 Q k − 1 + q 2 Q k − 2 + ⋯ + q k − 1 Q + p k ) {\displaystyle f(q_{1}Q^{k-1}+q_{2}Q^{k-2}+\cdots +q_{k-1}Q+p_{k})} のあった場所に格納される。 一方、 F ( s Q + r ) = ∑ p = 0 Q k − 1 − 1 exp ⁡ ( − 2 π i s p Q k − 1 ) f 1 ( p , r ) {\displaystyle F(sQ+r)=\sum _{p=0}^{Q^{k-1}-1}\exp \left(-2\pi i{\frac {sp}{Q^{k-1}}}\right)f_{1}(p,r)} を、 r を固定し s を変数とした Q k − 1 次離散フーリエ変換と見なして、 s = s 2 Q + r 2 {\displaystyle s=s_{2}Q+r_{2}} とすると、 F ( s 2 Q 2 + r 2 Q + r ) = ∑ p 2 = 0 Q k − 2 − 1 exp ⁡ ( − 2 π i s 2 p 2 Q k − 2 ) f 2 ( p 2 , r 2 , r ) {\displaystyle F(s_{2}Q^{2}+r_{2}Q+r)=\sum _{p_{2}=0}^{Q^{k-2}-1}\exp \left(-2\pi i{\frac {s_{2}p_{2}}{Q^{k-2}}}\right)f_{2}(p_{2},r_{2},r)} となる。繰り替えせば、 F ( s k Q k + r k Q k − 1 + ⋯ + r 2 Q + r 1 ) = ∑ p k = 0 Q k − k − 1 exp ⁡ ( − 2 π i s k p k Q k − k ) f k ( p k , r k , r k − 1 , … , r 2 , r 1 ) {\displaystyle F(s_{k}Q^{k}+r_{k}Q^{k-1}+\cdots +r_{2}Q+r_{1})=\sum _{p_{k}=0}^{Q^{k-k}-1}\exp \left(-2\pi i{\frac {s_{k}p_{k}}{Q^{k-k}}}\right)f_{k}(p_{k},r_{k},r_{k-1},\dots ,r_{2},r_{1})} となるが、左辺について s k Q k + r k Q k − 1 + ⋯ + r 2 Q + r 1 < Q k {\displaystyle s_{k}Q^{k}+r_{k}Q^{k-1}+\cdots +r_{2}Q+r_{1}<Q^{k}} より s k = 0 , また右辺について Q k − k − 1 = 0 {\displaystyle Q^{k-k}-1=0} より p k = 0 。このため、 F ( r k Q k − 1 + ⋯ + r 2 Q + r 1 ) = f k ( 0 , r k , r k − 1 , … , r 2 , r 1 ) . {\displaystyle F(r_{k}Q^{k-1}+\cdots +r_{2}Q+r_{1})=f_{k}(0,r_{k},r_{k-1},\dots ,r_{2},r_{1}).} これは f ( r 1 Q k − 1 + r 2 Q k − 2 + ⋯ + r k − 1 Q + r k ) {\displaystyle f(r_{1}Q^{k-1}+r_{2}Q^{k-2}+\cdots +r_{k-1}Q+r_{k})} のあった場所に格納されている。 このように、求める解 F ( r k Q k − 1 + ⋯ + r 2 Q + r 1 ) {\displaystyle F(r_{k}Q^{k-1}+\cdots +r_{2}Q+r_{1})} が f ( r 1 Q k − 1 + r 2 Q k − 2 + ⋯ + r k − 1 Q + r k ) {\displaystyle f(r_{1}Q^{k-1}+r_{2}Q^{k-2}+\cdots +r_{k-1}Q+r_{k})} のあった場所に格納されていることを、 ビット反転 と言う。これは、 Q 進法で表示した場合、 r k Q k − 1 + ⋯ + r 2 Q + r 1 {\displaystyle r_{k}Q^{k-1}+\cdots +r_{2}Q+r_{1}} は ( r k r k − 1 … r 2 r 1 ) Q {\displaystyle (r_{k}r_{k-1}\dots r_{2}r_{1})_{Q}} となるのに対し、 r 1 Q k − 1 + r 2 Q k − 2 + ⋯ + r k − 1 + r k {\displaystyle r_{1}Q^{k-1}+r_{2}Q^{k-2}+\cdots +r_{k-1}+r_{k}} は逆から読んだ ( r 1 r 2 … r k − 1 r k ) Q {\displaystyle (r_{1}r_{2}\dots r_{k-1}r_{k})_{Q}} となるためである。 プログラムの例 [ 編集 ] 以下は、高速フーリエ変換のプログラムを Q = 4 の場合に Microsoft Visual Basic の文法を用いて書いた例である。 Const pi As Double = 3.14159265358979 '円周率 Dim Ndeg As Long '4^deg Dim Pdeg As Long '4^(deg-i) Dim CR () As Double '入力実数部 Dim CI () As Double '入力虚数部 Dim FR () As Double '出力実数部 Dim FI () As Double '出力虚数部 deg = 5 '任意に設定。5ならN=4^5=1024で計算 Ndeg = 4 ^ deg ReDim CR ( Ndeg - 1 ) As Double '入力実数部 ReDim CI ( Ndeg - 1 ) As Double '入力虚数部 ReDim FR ( Ndeg - 1 ) As Double '出力実数部 ReDim FI ( Ndeg - 1 ) As Double '出力虚数部 'ここで、変換される関数の実部をCR(0)からCR(Ndeg-1)に、虚部をCI(0)からCI(Ndeg-1)に入力しておくこと 'フーリエ変換 For i = 1 To deg Pdeg = 4 ^ ( deg - i ) For j0 = 0 To 4 ^ ( i - 1 ) - 1 For j1 = 0 To Pdeg - 1 j = j1 + j0 * Pdeg * 4 'バタフライ演算(Q=4) w1 = CR ( j ) + CR ( j + Pdeg ) + CR ( j + 2 * Pdeg ) + CR ( j + 3 * Pdeg ) w2 = CI ( j ) + CI ( j + Pdeg ) + CI ( j + 2 * Pdeg ) + CI ( j + 3 * Pdeg ) w3 = CR ( j ) + CI ( j + Pdeg ) - CR ( j + 2 * Pdeg ) - CI ( j + 3 * Pdeg ) w4 = CI ( j ) - CR ( j + Pdeg ) - CI ( j + 2 * Pdeg ) + CR ( j + 3 * Pdeg ) w5 = CR ( j ) - CR ( j + Pdeg ) + CR ( j + 2 * Pdeg ) - CR ( j + 3 * Pdeg ) w6 = CI ( j ) - CI ( j + Pdeg ) + CI ( j + 2 * Pdeg ) - CI ( j + 3 * Pdeg ) w7 = CR ( j ) - CI ( j + Pdeg ) - CR ( j + 2 * Pdeg ) + CI ( j + 3 * Pdeg ) w8 = CI ( j ) + CR ( j + Pdeg ) - CI ( j + 2 * Pdeg ) - CR ( j + 3 * Pdeg ) CR ( j ) = w1 CI ( j ) = w2 CR ( j + Pdeg ) = w3 CI ( j + Pdeg ) = w4 CR ( j + 2 * Pdeg ) = w5 CI ( j + 2 * Pdeg ) = w6 CR ( j + 3 * Pdeg ) = w7 CI ( j + 3 * Pdeg ) = w8 '回転因子 For k = 0 To 3 w1 = Cos ( 2 * pi * j * k / Pdeg / 4 ) w2 = - Sin ( 2 * pi * j * k / Pdeg / 4 ) w3 = CR ( j + k * Pdeg ) * w1 - CI ( j + k * Pdeg ) * w2 w4 = CR ( j + k * Pdeg ) * w2 + CI ( j + k * Pdeg ) * w1 CR ( j + k * Pdeg ) = w3 CI ( j + k * Pdeg ) = w4 Next k Next j1 Next j0 Next i 'ビット反転 For i = 0 To Ndeg - 1 k = i k1 = 0 For j = 1 To deg k1 = k1 + ( k - Int ( k / 4 ) * 4 ) * 4 ^ ( deg - j ) k = Int ( k / 4 ) Next j FR ( i ) = CR ( k1 ) FI ( i ) = CI ( k1 ) Next i この例では、最深部 ( For k 、 Next k の間の部分)の繰り返し回数が Ndeg log 4 Ndeg となっている。 その他のアルゴリズム [ 編集 ] Prime Factor Algorithm ( 英語版 ) (PFA) Bruun's FFT algorithm ( 英語版 ) レーダーのFFTアルゴリズム Bluestein's FFT algorithm ( 英語版 ) (see "Chirp Z-transform") 任意長のデータ列に対する変換が高速に可能である。 オドリツコ・ショーンハーゲ法 ( 英語版 ) - アンドリュー・オドリツコ ( 英語版 ) 、 アーノルド・ショーンハーゲ ( 英語版 ) 。 Fast Walsh–Hadamard transform ( 英語版 ) この節の 加筆 が望まれています。 実数および対称的な入力への最適化 [ 編集 ] 多くの応用において、FFTに対する入力データは実数の列(実入力)であり、このとき変換された出力の列は次の対称性を満たす( は複素共役): F ( − t ) = F ( t ) ¯ . {\displaystyle F(-t)={\overline {F(t)}}.} そこで、多くの効率的なFFTアルゴリズム [ 3 ] は入力データが実数であることを前提に設計されている。 入力データが実数の場合の効率化の手段としては、次のようなものがある。 クーリー-テューキー型アルゴリズムなど典型的なアルゴリズムを利用して、時間とメモリーの両方のコストを低減する。 入力データが偶数の長さのフーリエ係数はその半分の長さの複素フーリエ係数として表現できる(出力の実数/虚数成分は、それぞれ入力の偶関数/奇関数成分に対応する)ことを利用する。 かつては実数の入力データに対するフーリエ係数を求めるのには、実数計算だけで行える 離散ハートリー変換 ( 英語版 ) (discrete Hartley transform, DHT)を用いると効率的であろうと思われていた。しかしその後に、最適化された 離散フーリエ変換 (discrete Fourier transform, DFT) アルゴリズムの方が、離散ハートリー変換アルゴリズムに比べて必要な演算回数が少ないということが判明した。また当初は、実数入力に対してブルーン (Bruun) FFT アルゴリズムは有利であると云われていたが、その後そうではないことが判った。 また、 偶奇の対称性を持つ 実入力の場合には、DFTは DCT や DST ( 英語版 ) となるので、演算と記憶に関してほぼ2倍の効率化が得られる。よって、そのような場合にはDFTのアルゴリズムをそのまま適用するよりも、DCTやDSTを適用してフーリエ係数を求める方が効率的である。 応用 [ 編集 ] スペクトラムアナライザ OFDM変復調器 OFDM ( 日本 および 欧州 で 地上デジタルテレビジョン放送 や ADSL 等に用いられる 変調方式 )の実装は、 LSI 化されたFFTおよびIFFT(逆変換)をそれぞれ復調器および変調器を用いて行われている。 フーリエ変換NMR 核磁気共鳴 (NMR) スペクトルを得るために使用される。 コンピュータ断層撮影 (CT)、 核磁気共鳴画像法 (MRI) 等 受像素子を360度回転させながら連続撮影した映像をフーリエ変換する事により、回転面の透過画像を合成する。 多 倍精度 の乗除算 自動列車停止装置 (例: JR西日本 の最新型車両。 地上子 が 発振 する周波数の検出に、高速フーリエ変換が用いられている) FFTアナライザ 周波数の分布を調べるために使用される。以前はハードウェアで信号を処理していたが、近年は CPU の性能が向上した為 ソフトウェア で処理される。 ノートパソコン と USB で接続して使用するもの [ 4 ] や、近年は デジタルオシロスコープ にFFTの機能を内蔵している物もある。 電波天文学 FX型デジタル分光相関器 等を使用して 星間分子 のスペクトルを解析する [ 5 ] [ 6 ] 。 歴史 [ 編集 ] 高速フーリエ変換といえば一般的には1965年、 ジェイムズ・クーリー ( 英語版 ) (J. W. Cooley) と ジョン・テューキー (J. W. Tukey) が発見した [ 1 ] とされている クーリー–テューキー型FFTアルゴリズム ( 英語版 ) のことをさす [ 7 ] 。同時期に 高橋秀俊 がクーリーとテューキーとは全く独立にフーリエ変換を高速で行うためのアルゴリズムを考案していた [ 8 ] 。しかし、 1805年 頃に既に ガウス が同様のアルゴリズムを独自に発見していた。それは彼の没後に刊行された全集に収録されている [ 9 ] (本ページの外部リンク先に同じ文章PDFへのリンクがある)。ガウスの論文以降、地球物理学や気候や潮位解析などの分野などで測定値に対する調和解析は行われていたので、計算上の工夫を必要とする応用分野で受け継がれていたようである(たとえば、Robart L. Nowack: "Development of the FFT and Applications in Geophysics", in Proceedings of the Cornelius Lanczos International Centenary Conference,SIAM, ISBN 978-0898713398 (1994), pp.395-397、の中では Danielson and Lanczos(1942年)などの先行例をあげている。和書でも沼倉三郎:「測定値計算法」、森北出版、(1956年)には,一般の合成数Nに対してではないが、人が計算を行う場合にある程度の大きさまでの合成数Nについてどのように計算すればよいかについての説明をみることができる)。 以下の書籍にも、天体観測の軌道の補間のためにガウスが高速フーリエ変換を利用したことが書かれている。 Elena Prestini:"The Evolution of Applied Harmonic Analysis", Springer, ISBN 978-0-8176-4125-2 (2004)のSec.3.10 'Gauss and the asteroids: history of the FFT'. ライブラリ [ 編集 ] 特定のデバイスに限定していない汎用の実装 [ 編集 ] FFTPACK FFTW ハードウェアベンダーによる、特定のデバイス向けの実装 [ 編集 ] Accelerate vDSP - Apple のデバイス用 [ 10 ] AOCL-FFTW - AMD CPU 用 [ 11 ] Arm Performance Libraries - Arm64 用 [ 12 ] cuFFT - NVIDIA GPU 用 [ 13 ] Intel oneAPI Math Kernel Library - Intel CPU, GPU 用 MathKeisan - NEC SX 用 [ 14 ] rocFFT - AMD GPU 用 [ 15 ] 参考文献 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ a b J. W. Cooley and J. W. Tukey: Math. of Comput. 19 (1965) 297. ^ 高橋秀俊「 高速フーリエ変換(FFT)について 」『情報処理』第14巻第8号、情報処理学会、1973年8月、 CRID 1050564287833399424 。 ^ 例えば、( Sorensen, H V and Jones, D and Heideman, Michael and Burrus, C (1987). “Real-valued fast Fourier transform algorithms” . IEEE Transactions on acoustics, speech, and signal processing (IEEE) 35 (6): 849-863. doi : 10.1109/TASSP.1987.1165220 . https://doi.org/10.1109/TASSP.1987.1165220 . ) ^ FFT spectrum analyzer ^ 惑星大気の観測「SPART」 ^ 空間FFT電波干渉計による電波天体の高速撮像 ^ IEEE Archives: History of FFT with Cooley and Tukey . ^ 『東京大学大型計算機センターニュース』第2巻Supplement 2、1970年。 ^ Carl Friedrich Gauss, " Nachlass: Theoria interpolationis methodo nova tractata ", Werke band 3, 265–327 (Konigliche Gesellschaft der Wissenschaften, Gottingen, 1866). See also M. T. Heideman, D. H. Johnson, and C. S. Burrus, "Gauss and the history of the fast Fourier transform", IEEE ASSP Magazine 1 (4), 14–21 (1984). ^ “ vDSP - Accelerate - Apple Developer Documentation ”. 2024年5月25日閲覧。 ^ “ AOCL-FFTW (Fastest Fourier Transform in the West) ”. AMD . 2024年5月25日閲覧。 ^ “ Arm Performance Libraries ”. 2024年5月25日閲覧。 ^ “ cuFFT ”. NVIDIA Developer . 2024年5月25日閲覧。 ^ “ NEC Corporation of America ”. mathkeisan.com . 2024年5月25日閲覧。 ^ AMD. “ rocFFT documentation — rocFFT Documentation ”. rocm.docs.amd.com . 2024年5月25日閲覧。 関連記事 [ 編集 ] フーリエ変換 離散フーリエ変換 (DFT) Butterfly diagram ( 英語版 ) Overlap–add method ( 英語版 ) / Overlap–save method ( 英語版 ) Spectral music ( 英語版 ) スペクトラムアナライザ 時系列 ショーンハーゲ・ストラッセン法 ( 乗算アルゴリズム ( 英語版 ) ) Sparse Fourier transform ( 英語版 ) ※ (高速)スパース・フーリエ変換(SFT) 学習用図書 [ 編集 ] 今後記述を追加の予定 Henri J. Nussbaumer: Fast Fourier Transform and Convolution Algorithms , 2nd Ed., Springer-Verlag, ISBN 978-3-540-11825-1 , (1982年). E.Oran Brigham:「高速フーリエ変換」、科学技術出版社 (1985年). Rafael G. Campos: The XFT Quadrature in Discrete Fourier Analysis , Birkhäuser, ISBN 978-3-030-13422-8 , (2019年). ※離散フーリエ変換の拡張 Douglas F. Elliott and K.Ramamohan Rao: Fast Transforms: Algorithms, Analyses, Applications , Academic Press, ISBN 0-12-237080-5 , (1982). Henri J. Nussbaumer:「高速フーリエ変換のアルゴリズム」、科学技術出版社、 ISBN 978-4-87653006-9 ,(1989年). Charles Van Loan: Computational Frameworks for the Fast Fourier Transform , SIAM, ISBN 978-0-89871-285-8 , (1992年). William L. Briggs and Van Emden Henson: The DFT: An Owners' Manual for the Discrete Fourier Transform , SIAM, ISBN 978-0-898713-42-8 , (1995年). Eleanor Chu and Alan George: Inside the FFT Black Box: Serial and Parallel Fast Fourier Transform Algorithms , CRC Press, ISBN 978-0-84930270-1 , (1999). Audrey Terras: Fourier Analysis on Finite Groups and Applications , London Mathematical Society, Cambridge Univ. Press, ISBN 978-0-521-45718-7 (1999). ※ 群上の調和解析 Gerlind Plonka, Daniel Potts, Gabriele Steidl and Manfred Tasche: Numerical Fourier Analysis , Birkhaeuser, ISBN 978-3-03004305-6 , (2019年2月). 谷萩隆嗣:「高速アルゴリズムと並列信号処理」、コロナ社、 ISBN 4-339-01124-X ,(2000年7月26日). Daisuke Takahashi: Fast Fourier Transform Algorithms for Parallel Computers , Springer, ISBN 978-981139967-1 , (2020). David K. Maslen and Daniel N. Rockmore: The Cooley-Tukey FFT and Group Theory , Notices of the AMS, (Nov, 2001), Vol.48, No.10, pp.1151-1161. ※ 群上の調和解析 David K. Maslen and Daniel N. Rockmore: The Cooley-Tukey FFT and Group Theory , Modern Signal Processing, MSRI Publications, Vol.46,(2003), pp.281-300. ※ 群上の調和解析 Rockmore, D.N. (2004). Recent Progress and Applications in Group FFTs . In: Byrnes, J. (eds) Computational Noncommutative Algebra and Applications. NATO Science Series II: Mathematics, Physics and Chemistry , Vol.136, Springer, ISBN 978-1-4020-1982-1 . ※ 群上の調和解析 外部リンク [ 編集 ] fast Fourier transform (Mathematics) - ブリタニカ百科事典 世界大百科事典 第2版『 高速フーリエ変換 』 - コトバンク Michael T. Heideman, Don H. Johnson, and C. Sidney Burrus: "Gauss and the History of the Fast Fourier Transform", IEEE ASSP Magazine, Vol.1,pp.14-21(1984). (PDF File) Alex H. Barnett, Jeremy F. Magland, Ludvig af Klinteberg:A parallel non-uniform fast Fourier transform library based on an "exponential of semicircle" kernel 高橋大介:「高速フーリエ変換におけるキャッシュ最適化」、RISTニュース、No.57,pp.24-31 (2014). 「2の累乗専用のFFTを用いて任意長FFTを実装:チャープZ変換」(Qiita記事,2018年11月13日) WEB SITE "FFT Report" 山本有作:「高速フーリエ変換とその並列化 (I)」(2003年6月6日) 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
105
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A7%8B%E6%96%87%E8%A7%A3%E6%9E%90
構文解析
構文解析 (こうぶんかいせき、 英語 : parsing, syntactic analysis, syntactic analysis)は、ある 言語 において、その 形式文法 に従って 記号 の 文字列 を分析する手続きである。構文解析を行う機構を 構文解析器 (parser)と呼ぶ。 概要 [ 編集 ] 文章(具体的にはマークアップなどの注記の入っていないベタの 文字列 )を対象として、 自然言語 であれば、 形態素 に切分け、さらにその間の関連(修飾-被修飾など)といったような、 統語論 的関係を図式化するなどして明確化・解析する手続きである。 プログラミング言語 など 形式言語 の場合は、 形式文法 に従い 構文木 を得る手続きである。 形式言語 [ 編集 ] プログラミング言語 の場合は一般にその性質から、文字列( ソースコード )から字句(トークン)の列を取り出す前処理段階である 字句解析 (lexical analysis)と、そのトークン列を受け取り 構文木 を作るなどする後処理段階の2段階に分けてその全体を広義の構文解析とし、特に後処理のみを指して狭義の構文解析とすることが多い( PEG のように融合して扱う場合も多い手法もある)。以下、その狭義の構文解析について述べる。 構文解析では、 構文木 や 抽象構文木 のような データ構造 を生成し、プログラミング言語のコンパイラであれば、いわゆるコンパイラバックエンドに渡す。サンプルなどによく見られる四則演算の式の演算などのような簡単な場合は、構文解析と同時に、目的の処理をおこなってしまう場合もある。 形式言語と オートマトン の対応は、良く理論付けられており、構文解析の アルゴリズム は、その入力である形式言語に対応するオートマトンの 実装 にほかならない。 プログラミング言語 の場合、実用上、プログラムとして正しい入力のみを受け付けるような構文規則を定めることは現実的でない [ 1 ] 。そのため、一般に構文規則では言語本来より制約を弱くし(つまり、本来の言語の文法よりも広く、不正な入力も受け付けるようにし)後で不正なものを排除するようにすることが多い。 構文解析器を一から作るのではなく、 パーサジェネレータ で生成することも広く行われている。 処理概要 [ 編集 ] 一般的なプログラミング言語処理系や、簡単なサンプルによくあるいわゆる「電卓プログラム」などの場合を例として説明する。 まず第一段階として字句(トークン)を生成する。これを 字句解析 と呼ぶ。入力文字列は 正規表現 などによる定義に従い、意味のあるシンボルに分割される。例えば、電卓プログラムに "12*(3+4)^2" と入力されたとき、これを 12, *, (, 3, +, 4, ), ^, 2 という字句(トークン)に分割する。各トークンは電卓プログラムの数式として意味のあるシンボルである。字句解析を含む構文解析器は *, +, ^, (, ) といった文字が新たなトークンの先頭になるという規則を持っているため、"12*" や "(3" といった無意味な字句の切り分けは発生しない。 次の段階は狭義の構文解析である。トークンの並びが構文規則に照らして正しい表現となっているかを判定する。このため、構文規則を参照して再帰的に規則を適用していく。前述したように、構文規則で表現するのは現実的ではない言語上のルール、たとえば関数定義における仮引数名の重複などがあるので、そういったものへの対処も適宜実装する。 以上のように構文解析が終わった後に、意味的な解析が行われ、構文が確認された表現の意味を識別して、適当な行動をとる。電卓プログラムの場合、適当な行動とは式の評価(計算)であり、コンパイラならコードの生成である。 yacc などでは 属性文法 的な考え方を活用し、トークン列に対するシフトや還元という解析の動作に対して実行すべきコード片を結び付け、それらのコード片により以上で説明したような処理を行う。 手法 [ 編集 ] 構文解析にはさまざまな手法が提案されており、それぞれの構文解析法に対して適用可能な文法の範囲が存在する。歴史的に、もっぱらプログラミング言語を対象に研究が進んだが、大まかに 演算子順位法 、 トップダウン構文解析法 、 ボトムアップ構文解析法 に分類できる。演算子順位法、トップダウン構文解析法は構文解析理論によって後から説明が加えられ、ボトムアップ構文解析法は理論主導で作成された。 演算子順位法とトップダウン構文解析法の手続きは人力で作成されることがコンパイラの初期の時代にはあった。特に、トップダウン構文解析法である 再帰下降構文解析法 はそのプログラムの実際のコードが文法の記述によく一致することが知られている。しかし、一般にボトムアップ構文解析は非常に多くの内部状態とその間の遷移規則を必要とし、その手続きを人力で作成するのは困難である。 現在は、主にボトムアップ構文解析法である LALR (1)を使用した構文解析器がパーサジェネレータによって生成されることが多い。この手法を使用するパーサジェネレータには yacc や bison などがあり、どちらも代表的なパーサジェネレータである。これらのパーサジェネレータがこの手法を採用する理由としては、適用可能な文法範囲が十分に大きく、効率もそこそこ悪くないことなどが挙げられる。その他に、トップダウン構文解析法である LL法 が使用・生成される場合もままある。 具体例 [ 編集 ] たとえば、 インターネット 上の Webページ や メールアドレス をあらわす URL は、次のような構文をもっている: http://サーバ名/パス名 (webページをあらわす場合, "http://www.yahoo.com/index.html" など) mailto:ユーザ名@ドメイン名 (電子メールアドレスをあらわす場合, mailto:[email protected] など) Webブラウザ に "http://ja.wikipedia.org/index.html" などの 文字列 を入力した場合、ブラウザはそこからサーバ名 "ja.wikipedia.org" とパス名 "index.html" を読みとらなければならない。これは構文解析の非常に簡単な例である。 一般に、 形式言語 の構文解析は 曖昧 でない言語を対象としている。ある言語が曖昧であるとは、ひとつの文にたいして2通り以上の構文解析が可能であることをいう。プログラミング言語でよく知られている例に「宙ぶらりんelse問題(dangling else problem)」がある。たとえば以下のような 文脈自由文法 であらわされる言語を考える: 文 ::= if 文 then 文 文 ::= if 文 then 文 else 文 すると、以下の文には 2通りの 解釈 が考えられる: if A then if B then C else D ひとつは「 if A then - 」と「 if B then C else D 」という2つの連なった文からなるとする解釈。もうひとつは「 if A then - else D 」という文の中に「 if B then C 」という文が埋めこまれているとする解釈である。elseに対応するifがどちらかはっきりしないことからその名がある。 一般的な解決は、elseは一番近いthenと結び付くと定めて曖昧さを解消するか、エラーとする。 自然言語 [ 編集 ] 機械翻訳 などの 自然言語処理 などで構文解析の対象となる 自然言語 の場合も、ごく基本的には前の節までで述べた 形式言語 の場合と同様である。しかし、自然言語の構文にはアドホックな変形などが多いという複雑さや、多くの言語では曖昧さもあり、さらには意味を考えなければ構文が決定できないこともあるなど、独特の難しさがある。また、プログラミング言語などの場合の 字句解析 に相当するのは 形態素解析 である。 形式言語の場合はもっぱら 文脈自由文法 ベース [ 2 ] の手法で構文解析されるが、自然言語の場合は前述の難しさなどの理由から、 言語学 的に見た目的やコンピュータでの扱いやすさなどを考慮し、さまざまな 文法 や手法を検討する必要がある。 例えば、いくつかの構文解析システムは 語彙機能文法 (LFG)を使用するが、一般にこの種の文法の構文解析は NP完全問題 であることが知られている。他にも 主辞駆動句構造文法 (HPSG)もよく使われるが、最近ではより単純な形式文法の研究が盛んで、Penn Treebank などが挙げられる。 シャロー(浅い)構文解析 では、 名詞句 などの大まかな構文の境界だけを見つけ出す。 句構造文法 ベースではなく 依存文法 や 格文法 などを検討することもある。一方で かな漢字変換 など、即座に結果が得られればそれで良いものなどは、「教科書的な 橋本文法 」(いわゆる 学校文法 )に橋本文法の連文節の概念など、実用上の改造を加えたようなものが使われていることもある。 最近の構文解析では 統計学 的手法を部分的に取り入れている。すなわち、事前に構文解析済みのトレーニング用データ群を使う手法である。この場合、システムは特定の文脈でどのような構文が出現しやすいかという頻度情報を持つことになる( 機械学習 参照)。この手法では 確率文脈自由文法 (PCFG)を使うもの、 最大エントロピー原理 を使うもの、 ニューラルネットワーク を使うものがある。成果を上げているシステムでは、「字句」統計をとっていることが多い(すなわち、 品詞 も含めた単語の出現順の統計をとる)。しかし、この種のシステムは 過剰適合 の問題があり、効果を上げるにはある種の平滑化が必要となる。 自然言語の構文解析アルゴリズムは、 形式言語 のように「良い」特性を持つ文法に依存することはできない。上述のように文法によってはコンピュータが扱いにくい場合がある。一般にたとえ目的とする構造が 文脈自由 でなかったとしても、最初に文脈自由な近似を文法に施して構文解析を行うことがある。文脈自由文法を使ったアルゴリズムは CYK法 に基づく場合が多く、時間を節約するためにそれに何らかの ヒューリスティック を加えることが多い( チャートパーサ など)。最近では、構文解析器が複数の解析結果を返し、上位のシステムがそれらの中で最も良いと思われるものを選択する手法もある。 自然言語の曖昧性の例 [ 編集 ] 自然言語の文法からは、場合によっては何通りもの解釈が可能な文も存在する。たとえば 形態素解析 の記事にある「うらにわにはにわとりがいる」のような例の他にも、次のような文: 美しい 水車小屋の 乙女 には少なくとも2つの解釈が存在する。「 水車小屋が美しい 」場合と、「 乙女が美しい 」場合である。この場合には、意味を含めても正しい解釈がどちらであるか不明であり、その文が置かれた前後の状況、言い換えると コンテキスト 、フレーム情報などを考慮しなければ同定できない。 日本語の構文解析は、おもに 文節 間の 係り受け 構造を発見することである。 たとえば、上の文が以下のような係り受け構造をもっている場合、「美しい」のは水車小屋ではなく乙女のほうであり、「水車小屋の美しい乙女」という言い換えも可能である(ちなみに原文のドイツ語では「水車小屋の娘」が一語であるため、美しいのが乙女であるのは明らかである)。 いっぽう、もし文が以下のような係り受け構造をもっていたとすれば、この場合「美しい」のは水車小屋のほうである。 さらには、 Colorless green ideas sleep furiously . のように、構文的には何の問題も無いが、意味を解するのが困難な文、といったものもある。 自由 に入手可能なもの [ 編集 ] KNP、 http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?KNP CaboCha、 http://taku910.github.io/cabocha/ GiNZA、 https://megagonlabs.github.io/ginza/ 注 [ 編集 ] ^ たとえば、多くのプログラミング言語では、関数や手続きの定義で「仮引数の並び」に、同じ名前の引数が複数個現れることは文法違反であるとしているが、そのようなルールを構文規則として埋め込むのは現実的ではない。 ^ 前述のように、プログラミング言語の場合など、文脈自由文法で必ずしも完全には定義できない場合も多い。
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構文解析器
構文解析器 (こうぶんかいせきき)とは、 構文解析 をおこなう プログラム 。 パーサ または パーザ [ 1 ] (parser)とも。 プログラミング言語 処理系の入力部分が代表的であるが、それに限らず設定ファイルの読み込みなど、構造を持った入力テキストの処理を行う。 自然言語処理 でも使われる。 構文解析のアルゴリズムには複雑なものも多いが [ 2 ] 、 パーサジェネレータ の研究は盛んであり、そういったものを使用すれば、構文規則を記述するだけで構文解析器を自動的に生成できる(プログラムの ソースコード が出力される)。 構文解析器の種類 [ 編集 ] 構文解析器の役割は基本的に、開始記号に形式文法の規則を適用することで入力された文字列が得られるかどうかを判定することである。これは次の2種類の手法で行われる: トップダウン構文解析 - 構文解析器は開始記号を始点として、それを変換していって入力された文字列を得ようとする。直観的に言えば、まず大きな要素から開始して徐々に細部に分解していく。例えば JavaCC はトップダウン構文解析手法を使っている。 ボトムアップ構文解析 - 構文解析器は入力された文字列を始点として、それを変換して開始記号に帰結させようとする。直観的に言えば、最も基本的な要素をまず特定し、それを含むより大きな要素、さらに大きな要素、と解析していく。例えば、Yacc はボトムアップ構文解析手法を使っている。 その他の重要な分類法として、構文解析器が「左端導出」なのか、「右端導出」なのかという分類もある( 文脈自由文法 参照)。LL法は左端導出であり、LR法は右端導出である(ほぼ正反対である)。 構文解析器の例 [ 編集 ] トップダウン構文解析器 [ 編集 ] トップダウン構文解析 に従った構文解析器を以下に示す: 再帰下降構文解析 LL法 末尾再帰構文解析 パックラット構文解析 ボトムアップ構文解析器 [ 編集 ] ボトムアップ構文解析 に従った構文解析器を以下に示す: LR法 SLR法 LALR法 CLR法 GLR法 アーリー法 CYK法 パーサジェネレータ [ 編集 ] →詳細は「 パーサジェネレータ 」を参照 ANTLR [1] Bison Coco/R [2] GOLD [3] JavaCC Lemon Parser [4] LRgen [5] Rebol [6] SableCC [7] Spirit Parser Framework [8] Yacc 注 [ 編集 ] ^ 英語でも"s"の発音に揺れがある( wikt:parser )。 ^ 再帰下降構文解析 など、簡単なものもある。 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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構文解析木
この記事は 英語版の 対応するページ を翻訳することにより充実させることができます。 ( 2023年12月 ) 翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。 英語版記事を 日本語へ機械翻訳したバージョン (Google翻訳)。 万が一翻訳の手がかりとして機械翻訳を用いた場合、翻訳者は必ず翻訳元原文を参照して機械翻訳の誤りを訂正し、正確な翻訳にしなければなりません。これが成されていない場合、 記事は削除の方針 G-3 に基づき、削除される可能性があります。 信頼性が低いまたは低品質な文章を翻訳しないでください。もし可能ならば、文章を他言語版記事に示された文献で正しいかどうかを確認してください。 履歴継承 を行うため、 要約欄 に翻訳元となった記事のページ名・版について記述する必要があります。記述方法については、 Wikipedia:翻訳のガイドライン#要約欄への記入 を参照ください。 翻訳後、 {{ 翻訳告知 |en|Parse tree|…}} を ノート に追加することもできます。 Wikipedia:翻訳のガイドライン に、より詳細な翻訳の手順・指針についての説明があります。 構文木 (こうぶんぎ)とは、 構文解析 の経過や結果(またはそれら両方)を 木構造 で表したもの。 例 [ 編集 ] 関連項目 [ 編集 ] 抽象構文木 生成文法 依存文法 句構造文法 句構造規則 Xバー理論 構成素 この項目は、 言語学 に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( ウィキポータル 言語学 )。 表示 編集 この項目は、まだ閲覧者の調べものの参照としては役立たない、 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています 。 このテンプレート は分野別のサブスタブテンプレートやスタブテンプレート( Wikipedia:分野別のスタブテンプレート 参照)に変更することが望まれています。 表示 編集
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固定小数点数
固定小数点数 (こていしょうすうてんすう、 英 : fixed-point number )は、小数点が置かれる桁を固定して表された 数 のことで、 コンピュータ上で小数を表現する方法 として使用される形式のひとつである。ある桁数のうちのある場所に 小数点 が固定されているもの(固定小数点)として扱う方式であるため、表現される仮数部に対して小数点の位置が移動する 浮動小数点数 の対義語として用いられる。すなわち、「固定-小数点数」ではなく「固定小数点-数」である。 演算自体は整数型と同じ方法で行われ、小数点位置は設計者の意図によって決定される。 10進法 で言えば、たとえば整数123は下から1桁分を小数点以下と決めれば12.3を表し、下から2桁分を小数点以下と決めれば1.23を表すことになる。コンピュータ上での演算で広く使用される 2進法 では、2進整数1111011(10進法表記: 123)は下から1桁分を小数点以下と決めれば111101.1(10進法表記: 61.5)、下から2桁分を小数点以下と決めれば11110.11(10進法表記: 30.75)となる。以下の文章では、特に断りがない限り2進固定小数点数について述べる。 特徴 [ 編集 ] 浮動小数点数に比べて表現できる値の範囲ははるかに狭いが、情報落ちが起こらない(そもそも情報落ちが起きるような差のある値は表現できない)ことや高速に演算できることが利点に挙げられる。コンピュータグラフィックスで用いられる座標や画素値はある程度値域が限られるため、固定小数点数でも表現することができ浮動小数点数にくらべ高速に計算できるようになる。また、 コンパイラ などにおいて、変数を定数で除算するような場合、普通に除算するよりも、除数の逆数を固定小数点の要領で表現したものを乗じてシフトして答えを求めた方が高速であることがあるため、そのような最適化をおこなうことがある [ 1 ] 。 なお、信号処理を実行するためのデバイスである デジタルシグナルプロセッサ では、処理対象である信号の振幅の値の範囲が固定小数点的であるので、コストの高い浮動小数点演算のハードウェア ( FPU ) を搭載せず、固定小数点数が主に用いられる。現代のパソコンにおいては、演算を行う CPU にFPUが付属するものが主流であるため、小数の計算は一般に浮動小数点数を用いるものがほとんどだが、対象とするデータの特性や特に高速化が必要な コーデック などでは固定小数点を用いることもある。 また、10進法での小数は2進法の小数として表現すると必ずしも有限小数とはならず、誤差を生じる。そのため、貨幣に関する計算のような、小数点以下で必要な桁数は決まっているが、2進法との変換を回避したい場合に、小数点以下の桁数をビット単位ではなく10進法の桁数で決めた固定小数点数も処理に用いられる [ 2 ] 。当然のことだが、10進計算が万能で無誤差というわけではない。例えば、3の倍数でない値を3で割る場合、10進計算では解が 無限小数 になるため、誤差は避けられない。 Q表記(Qフォーマット) [ 編集 ] 固定小数点数は、小数部分のビット数をQ表記(Qフォーマット)で表す。例えば、小数部分のビット数が12ビットである場合には、Q12表記もしくはQ12フォーマットと呼ばれる。 例えば、1.5をQ1表記で表現すると2進数表記では11である。この表記ではビット0とビット1の間に小数点がある。 注:(1*2^0)+(1*2^-1)=1.5 固定小数点演算 [ 編集 ] 固定小数点演算における 四則演算 においては、加算や減算はそのまま整数同士の加減算として計算できる。しかし、乗算や除算では演算結果の小数点位置が掛けた数の小数点の位置だけずれることになるため、元の小数点位置に戻す場合には乗算では右側(LSB側)へ、除算では左側(MSB側)へシフト演算を行う必要がある。 ここでは例えば、1.5と0.5の加算を考えてみる。1.5、0.5はQ1表記では各々2進数表記で11、01である。これらQ1表記の数(11と01)をそのまま足してみると100となるが、100を元の実数に直すと2.0であるので通常の加算のまま計算できている。次に乗算を考え単純にQ1表記の数(11と01)を掛けてみる。結果は11であるがこれをQ1表記であるとみなして実数に直すと1.5となる。1.5と0.5の乗算結果の正解は0.75であるのでこの解釈は間違いである。乗算では、小数点部分のビット数が、乗算対象となる2つの固定小数点数の小数点部分のビット数の和になる。Q1表記同士であれば、計算後の小数部のビット数は1ビット足す1ビットで2ビットとなる。そのため乗算結果の11はQ2表記として解釈する必要がある。またQ1表記に直す場合には、1ビット右にシフトする必要がある。 また、浮動小数点数にくらべ表現可能な範囲が狭く 算術オーバーフロー や 算術アンダーフロー が発生しやすいことに注意したほうがよい。 固定小数点数の精度 [ 編集 ] 固定小数点方式で有効桁数が十分にとれるのは、(符号ビットを除く)最上位桁が1の範囲内だけである。この時の相対誤差は桁数がn桁の時1/2 n である。表現しようとする数が0に近づき上位桁が0で埋まる(ないし2の補数表現の負の数であれば1で埋まる)と、有効桁数はそれだけ減るので、その場合に必要な精度を満たしているか注意が必要である。 実数値と固定小数点数値の換算 [ 編集 ] ある実数を x とし、これを固定小数点数で表した整数を n とする。 最下位ビット を実数 L、 オフセット を実数 O と定めると、実数 x は固定小数点数で次の数 n となる。ここで、round は 四捨五入関数 である。 n = round ⁡ ( x − O L ) {\displaystyle n=\operatorname {round} \left({\frac {x-O}{L}}\right)} 固定小数点数 n から実数 x は次のように求まる。 x = L n + O {\displaystyle x=Ln+O} 出典 [ 編集 ] ^ ヘンリー・S.ウォーレン、ジュニア 著、滝沢徹、玉井浩、鈴木貢、赤池英夫、葛毅、藤波順久 訳「第10章 整数定数による除算」『ハッカーのたのしみ―本物のプログラマはいかにして問題を解くか』エスアイビー・アクセス、2004年。 ISBN 4-434-04668-3 。 ^ 通貨型 PostgreSQL 9.2.4文書(2014年2月3日閲覧)。 関連項目 [ 編集 ] コンピュータの数値表現 浮動小数点数 二進化十進表現 (BCD) 誤差 、 端数処理 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ
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プログラミング
この項目では、コンピュータプログラムの作成について説明しています。その他の用法については「 プログラミング (曖昧さ回避) 」をご覧ください。 この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2017年5月 ) 古い情報を 更新 する必要があります。 ( 2021年3月 ) 出典検索 ? : "プログラミング" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL プログラミング ( 英語 : Programming )とは、 コンピューター 上で、ある特定の コンピューティング の結果を得るために、 実行可能 な コンピュータープログラム を作成することである。 インターネット チェス のプログラム Lichess の 人工知能 のプログラミングの例。もしb3にいる白のビショップがa2に移動すれば、黒のナイトを取る。プログラムは黒にとっての有利手を探索するよう試みるため、その後、b1のポーンが(a2に移動して)ビショップを取る可能性が高いと計算する。黒のプレイヤーは、ポーンをc2に移動したところである。 プログラミングが関係するタスクの例として、 アルゴリズム の生成、アルゴリズムの正確さとリソースの消費量のプロファイリング、選択したプログラミング言語でのアルゴリズムの実装(これは一般に コーディング ( 英語 :coding)と呼ばれる)などがある [ 1 ] [ 2 ] 。 プログラムの ソースコード は、 コンピューター の CPU で直接実行される 機械語 ではなく、 プログラマー (ヒト)が理解できる プログラミング言語 で書かれる。プログラミングの目的は、あるタスクを自動化する一連の命令をコンピューターに実行させ、与えられた問題を解決することである。 プログラミングを行うには、 アプリケーションドメイン に関する知識、特定のアルゴリズム、 形式論理 など、さまざまな主題への専門性が要求されることが多い。 プログラミングに関係する作業には、 テスト 、 デバッグ 、 ソースコード のメンテナンス、 ビルドシステム の構築、コンピュータープログラムの 機械コード などの生成された アーティファクト ( 英語版 ) の管理などがある。これらのプロセスはプログラミングのプロセスの一部と考えられるが、広義のプロセスはよく「 ソフトウェア開発 」と呼ばれ、実際にコードを書く行為に対しては、「プログラミング」、「実装」、「コーディング」という名前が使われることが多い。 ソフトウェア工学 (software engineering) は、 エンジニアリング の技術をソフトウェア開発の実践と組み合わせたものである。「 リバースエンジニアリング 」はこの逆のプロセスを表す。「 ハッカー 」とは、技術的な知識を使って問題を解決する技術のあるすべてのコンピュータの専門家を表す言葉であるが、一般的な用語では「 セキュリティハッカー ( 英語版 ) 」と同じ意味でも使われている。 歴史 [ 編集 ] エイダ・ラブレス 。 Luigi Menabrea ( 英語版 ) の論文の最後には、 解析機関 の処理のために設計された最初のアルゴリズムについて書かれた彼女のメモが記載されている。彼女は、世界史上初のコンピュータープログラマーであると考えられている。 パンチカードのつまった箱。プログラムデッキがいくつかある。 IBM 402 Accounting Machine のための配線された制御パネル。 最古のプログラマブルな 機械 (プログラムによって動作の変化を制御できる機械)としては、1206年に アル=ジャザリ が作った 二足歩行ロボット があると言われている。アル・ジャザリの ロボット は、ボートに4体の演奏人形が乗ったもので、宮廷のパーティで池に浮かべて音楽を演奏したと言われている。プログラムは カム にあり、それによって小さな てこ を押して、 打楽器 を演奏する。カムは実際には円筒に ペグ が突き刺された形であり、このペグの配置でプログラミングし、演奏パターンを変更した [ 3 ] 。 1801年に開発された ジャカード織機 がプログラマブルな機械の起源とされることが多い。この機械は、穴を開けた一連の厚紙(パンチカードの原型)を使った。穴の配列が布を織る際のパターンに対応している。従って、カードを入れ替えることで全く異なる布を織ることができた。1830年ごろには、 チャールズ・バベッジ が パンチカード を使った 解析機関 を考案した。 このような先駆者の発明をさらに発展させたのが ハーマン・ホレリス であり、 1896年 にタビュレイティング・マシン・カンパニー( Tabulating Machine Company 、後の IBM ) を設立した。彼はホレリス式パンチカード、 タビュレーティングマシン 、 キーパンチ 機などを発明した。これらの発明が情報処理産業の基礎となったのである。 1906年 には、タビュレーティングマシンに プラグボード を追加することで、組み替えれば様々な仕事ができるようになった。これがプログラミングへの第一歩である。 1940年代 には、プラグボードによるプログラマブルな機械が各種登場していた。初期のコンピュータにもプラグボードでプログラムを組むものがあった。 フォン=ノイマン・アーキテクチャ の発明により、プログラムを コンピュータのメモリ に格納できるようになった。初期のプログラミングは 機械語 のコードを直接並べる(「コーディング」の本来の意)ことで行われた。入力方法としては穿孔カードや鑽孔テープが利用された他、スイッチなどで直接入力したり、まだ半導体技術などのない時代のため、ROMに相当する電気的配線を直接変更したりすることもあった。しかし、機械語の命令は人間にとって扱いにくく、代わりに ニーモニック と呼ばれる略語を割り当てた アセンブリ言語 により、プログラマは命令をテキスト形式で記述できるようになった。しかし、アセンブリ言語は 機械語 と同様に プロセッサ の種類ごとに異なるため、(意図的に互換性があるように設計された機械以外では)他機種にはそのまま流用できなかった。また(人間から見れば)単純な処理でも、機械が操作できる基本的な処理命令は細粒度であり、大量に記述する必要があった。 そこで、特定のコンピュータに依存しない記述方法で、処理の内容をより抽象的に記述するための プログラミング言語 が開発された。そして、プログラミング言語によって記述されたプログラムを、 コンパイラ を利用して機械語に翻訳することで、実行プログラムを作成することが一般的になった。1954年、最初のプログラミング言語の1つである FORTRAN が開発された。これにより、演算を直接数式のように記述できるようになった(例えば、Y = X*2 + 5*X + 9)。このプログラムの記述(あるいは「ソース」)は コンパイラ と呼ばれる特別なプログラムで機械の命令に変換される。他にも様々な言語が開発された(ビジネス用途の COBOL など)。プログラムの入力は依然としてパンチカードや さん孔テープ で行われていた。1960年代後半、記憶装置や 端末 の価格が低下してきたことにより、キーボードから直接コンピュータにプログラムを入力できるようになってきた。また同じ頃、コンピュータによる処理対象のデータとしての文書についてもコンピュータ自身を利用して編集されるようになり [ 注釈 1 ] 最初はラインエディタ、続いてスクリーンエディタといった、 テキストエディタ が開発され、それらによってソースコード自身がコンピュータ上で編集されるようになった。 コンピュータ の能力は時と共に飛躍的に向上した。このため、より 抽象化 されたプログラミング言語が開発されるようになっていった。抽象化レベルの高い言語は オーバーヘッド も大きいが、コンピュータ自体の性能の向上が激しいため、多少オーバーヘッドが増えても以前よりも高性能な動作が実現された。このような抽象化レベルの高い言語の利点は、習得が容易であることと、プログラム作成時間が短縮されること。そして何より、バッファオーバフロー等の危険性を孕んだプログラムを書く余地が無いこと、である。しかしそれでも、巨大で複雑なプログラムや、高速性が何よりも重視されるプログラムでは、現在でも比較的低レベルな言語を使っている。 20世紀後半を通して、先進国ではプログラマが魅力的な職業の1つとされてきた。しかし、発展途上国の安い労働力をプログラミングに利用する傾向が強まっている。この傾向がどれだけ続くのか、それによってどのような影響があるのかは未知数である。 プログラミングの過程 [ 編集 ] BASIC によるプログラム例 まず、そのプログラムの目的、さらには「本当に解決したい問題は何なのか」ということについて十分な検討が必要である( ワインバーグ の著書などを参考のこと)。プログラミングの過程は文書化され、将来の拡張に利用できるため、これは非常に重要なことである [ 4 ] 。 続いて、全体のスタイルをおおまかに2つに分けると「トップダウン設計」と「ボトムアップ実装」 [ 5 ] になる。「なんとかの設計と実装」といったようなタイトルの本が多くあるように、どちらも重要だが、一般に対象についてよくわかっているものについてのプログラミングでは前者のスタイル、よくわかっていない場合は後者のスタイルとする。「設計された通りに実装することは不可能」といった場合に開発体勢の問題などから正しい対処がされないまま、設計と実装がちぐはぐになったプロダクトは悲惨である。また 反復型開発 では、あまりに大きなプログラムを一方通行のプロセスで書くことは最初から避けるものとされる。 目的のプログラムを書き始める前に、まずテストを書く、というスタイルもある(これを、「 テストファースト 」という。詳しくは、 テスト駆動開発 を参照)。あるいは対象が 有限オートマトン や プロセス計算 など、 形式手法 的な方法でモデル化できるのであれば、まずはそのようにすべきである(本来は モデル主導 というのはそのような意味のはずである)。 最初の段階として、トップダウン設計では 軽量プログラミング言語 や、非形式的な記述が適している場合には 擬似言語 ( 擬似コード )などで全体設計を検討する。ボトムアップ実装では、階層構造の「葉」にあたるサブルーチンの実装を検討する [ 注釈 2 ] 。なお、 流れ図 ( フローチャート )はコンピュータの黎明期である1940年代後半に、当時のプログラムは 機械語 [ 注釈 3 ] で読むのも書くのも難しかったことから、補助のために使われその当時には有用性が高く( en:Herman Goldstine#The First Draft に当時の流れ図がある)、 MIX という機械語を使っている教科書『 The Art of Computer Programming 』などでは使われているが、現代のプログラミング言語でも有用と信じられていることもあるようである。 プログラミングの過程で、 ソースコード を記述することを特に指して コーディング という。元々は 機械語 が符号であること、または アセンブリ言語 のニモニックがまるで 暗号 みたいである(正確には「コード」は暗号の1分類。 コード (暗号) を参照)というところからコンピュータプログラムに「コード」という語が使われ、それを書く作業というきわめて限定された意味の語だったが、近年はHTMLを書くという意味にも使われるなど濫用され気味である(なお、 デモシーン では機械語のテクニックを駆使して高効率のプログラムを書く、というような本来の意味に近い意味で使われている)。 可能な限り避けたいものではあるが、プログラムには バグ (bug) の混入が避けられない。場合によっては仕様にバグがあることもある(もっとひどい場合には標準規格のようなものでもバグがある)。 デバッグ (debug) とはバグを取る作業であり、プログラミングの過程に必要なものとして見積りなどでは含めておかなければならない [ 注釈 4 ] 。 一旦の完成の後も、ある程度の期間使われるプログラムでは、使用しているうちに、プログラムの性能や機能に新しい要求が発生したり、プログラムの設定を変更する必要がでてきたり、テストにより発見できなかったバグが見つかることがある。このような事態に対応するため、プログラムを 保守 していく作業が必要になる。 プログラマ [ 編集 ] →詳細は「 プログラマ 」を参照 プログラミングをする人を プログラマ という。プログラミングを行うには一般に、 コンピュータ科学 を中心としたプログラミングそれ自体についての能力や知識と、書こうとするプログラムが対象とする問題領域などについての能力や知識の両方が必要である。 職業としてのプログラマ [ 編集 ] プログラマの仕事 [ 編集 ] 要求分析 ソフトウェア設計 プログラム仕様 ソフトウェアアーキテクチャ コーディング コンパイル ソフトウェアテスト ソフトウェアドキュメンテーション ソフトウェア保守 この他、プログラムが、作者以外の人によって利用される場合には、プログラムの利用方法や機能について質問を受けることがある。プログラムを、意図したとおり稼働させてゆくためには、これらの問い合わせに対応する必要もある。 一般に、職業としてプログラミングを行う場合、これらの作業が工程として含まれる。大規模なプログラミングでは、これらの作業を分業することも多い。 このような業務は、 ソフトウェア工学 という学問の ソフトウェア開発工程 の分野として扱われる。 人工知能によるプログラミングが発達すれば、プログラミング・スキルは不要になると誤解している人もいるかもしれないが、2023年の体系的な文献分析によれば、人工知能の台頭後は、プログラミング・スキルはむしろそれ以上に重要になるという [ 6 ] 。 プログラミング言語 [ 編集 ] →詳細は「 プログラミング言語 」を参照 プログラミング言語が異なれば、プログラミングのスタイル( プログラミングパラダイム )も異なる。どの言語を使うかの判断には、企業としてのポリシー、その用途への適合性、サードパーティのパッケージが使えるか、個人の好みなど様々な要素がある。理想的には、用途に最も適した言語を選ぶべきである [ 7 ] 。しかし、その言語を使えるプログラマが十分揃えられないとか、その言語の処理系に問題があるとか、実行時の効率が悪いといった問題から、最適な言語を選べないこともある。 アレン・ダウニー ( Allen Downey ) は、著書『計算機科学者のように考える方法』( How To Think Like A Computer Scientist ) で次のように書いている。 言語が違えば、詳細も違って見えるが、どんな言語にも次のような基本的命令要素がある。 入力 : キーボード、ファイル、その他の機器からデータを入手する。 出力 : 画面にデータを表示したり、ファイルその他の機器にデータを送る。 演算 : 加減算のような基本的算術操作を行う。 条件付き実行 : 条件をチェックして、一連の処理を行うか否かを判断する。 繰り返し : ある処理を繰り返し実行する。通常、毎回何かが変化している。 — Allen B.Downey 、 How to Think Like a Computer Scientist§What is a program? プログラミングパラダイム [ 編集 ] →詳細は「 プログラミングパラダイム 」を参照 今日までに、プログラミングの進歩に貢献した パラダイム として、次があげられる: プログラムの実行制御の仕組みとして、命令から命令へと直接移動する代わりに、論理的な順接・反復構造を用いてロジックの抽象化を目指した 構造化プログラミング 変数 の使用による副作用の発生を排除しようとした 関数型プログラミング 宣言型プログラミング を可能にした 論理プログラミング データと手続きの直交化を押し進め、人間の概念構成に近い表現を可能にした オブジェクト指向プログラミング プログラミングには、文字による言語で記述する方法ばかりではなく、視覚言語や図形言語で記述する方法である ビジュアルプログラミング という方法もある。 最近のプログラミング [ 編集 ] ソフトウェア開発工程 中心となる活動 ソフトウェア ソフトウェア開発 要求分析 ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア設計 ソフトウェアエンジニアリング プログラミング ソフトウェアテスト デバッグ ソフトウェアデプロイメント ソフトウェア保守 パラダイムとモデル アジャイルソフトウェア開発 ソフトウェアクリーンルーム 反復型開発 ソフトウェアプロトタイピング スパイラルモデル Vモデル ウォーターフォール・モデル ソフトウェア開発方法論 とフレームワーク 適応型ソフトウェア開発 ( 英語版 ) DevOps ディシプリンド・アジャイル・デリバリー ( 英語版 ) 動的システム開発手法 ( 英語版 ) ユーザー機能駆動開発 反復型開発 かんばん リーンソフトウェア開発 ( 英語版 ) LeSS ( 英語版 ) モデル駆動工学 Microsoft Solutions Framework ( 英語版 ) パーソナルソフトウェアプロセス ( 英語版 ) 高速アプリケーション開発 ラショナル統一プロセス Scaled agile framework ( 英語版 ) スクラム SEMAT ( 英語版 ) Team software process ( 英語版 ) OpenUP ( 英語版 ) 統一プロセス エクストリーム・プログラミング 開発支援 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアドキュメンテーション ソフトウェア品質保証 ソフトウェアプロジェクト管理 ユーザーエクスペリエンス プラクティス 受け入れテスト駆動開発 ( 英語版 ) ビヘイビア駆動開発 Collective code ownership ( 英語版 ) 継続的インテグレーション 継続的デリバリー ドメイン駆動設計 ペアプログラミング 実例による仕様 ( 英語版 ) スタンドアップ・ミーティング ( 英語版 ) テスト駆動開発 プログラミングツール コンパイラ デバッガ リンケージエディタ 性能解析 GUIビルダ UML tool ( 英語版 ) 統合開発環境 ビルド自動化 アプリケーションリリース自動化 Infrastructure as code カテゴリ:ソフトウェアテストツール 標準と機関 BABOK Capability Maturity Model Integration IEEE Standards Association ISO 9001 ISO/IEC JTC 1/SC 7 ( 英語版 ) PMBOK SWEBOK ITIL 用語集 人工知能の用語集 ( 英語版 ) コンピュータ科学の用語集 ( 英語版 ) ソフトウェア工学 表 話 編 歴 品質 [ 編集 ] ソフトウェア開発手法がどうであれ、最終的にはプログラムは基本的な属性を満たさなければならない。プログラミングにおいてそれを気にかけておくことで、デバッグやその後の開発およびユーザーサポートにかかる時間とコストを削減できる。 ソフトウェア品質 を確保する方法は様々だが、以下の5つの属性が最も重要である。 効率性: リソース 使用量(プロセッサ、メモリ、デバイス、ネットワークその他)は可能な限り少ない方がよい。 信頼性: プログラムは正しく動作しなければならない。それは単にソースコードが正しく実装されているというだけでなく、誤差の伝播を少なくするとか、典型的な値の範囲に関するエラー(オーバーフロー、アンダーフロー、 ゼロ除算 など)を防ぐという観点も含まれる。 頑健性: データ型 の間違いなど実行時エラーによるプログラム停止を誘発するような事態に対処できなければならない。これは、特にユーザーとのやり取りの場面や、 エラーメッセージ の処理などで重要となる。 移植性 : 再プログラミングしなくとも、任意のソフトウェア環境やハードウェア環境で動作すべきである。 可読性 : 後の保守をコーディングした人が行うとは限らないため、 命名規則 やコメントなどをわかりやすくしておく。 方法論 [ 編集 ] ソフトウェア開発の第一段階は 要求分析 であり、その後モデル化し、実装し、 デバッグ する。これら作業については様々な方法論がある。 要求分析 で一般的な方法論として ユースケース 分析がある。 モデル化技法としては オブジェクト指向分析設計 (OOAD) と モデル駆動型アーキテクチャ (MDA)がある。 統一モデリング言語 (UML) は OOAD や MDA での記法として使われている。 データベース 設計では、似たような技法として 実体関連モデル がある。 実装技法としては様々な プログラミングパラダイム がある( オブジェクト指向プログラミング 、 手続き型プログラミング 、 関数型プログラミング 、 論理プログラミング など)。 デバッグには 統合開発環境 (IDE) が使われることが多い( Visual Studio 、 NetBeans 、 Eclipse など)。独立したデバッガ( gdb など)も使われている。 言語利用状況 [ 編集 ] どのプログラミング言語が一番使われているかというのは、非常に難しい問題である。言語によっては特定の分野でのみ一般的なものもあるし(例えば、 COBOL は企業のデータセンターでよく使われており、 FORTRAN は科学技術計算に強く、 C言語 は組み込み市場で強い)、汎用的に様々なアプリケーションを書くのに使われている言語もある。 言語の人気を測定する手段として、求人広告に挙げられている言語を数え上げる方法がある [ 8 ] 。また、既存の ソースコードの行数 を言語毎に推計する方法もある(ただし、言語によって同じ機能を実現するのに必要な行数が異なるため、補正が必要)。 デバッグ [ 編集 ] バグ だらけのプログラムは使いものにならないため、 デバッグ は重要である。C言語やアセンブリ言語などは、慣れたプログラマであっても、 バッファオーバーラン や不正な ポインタ やメモリの初期化忘れ/解放忘れといったバグを作りこみやすい。バッファオーバーランは隣接するメモリ領域を破壊し、全く関係ない箇所でプログラムに異常が発生する原因となる。このため、C言語や C++ でのプログラミング向けに Valgrind 、 Purify 、 BoundsChecker といった メモリデバッガ が開発されてきた。 Java 、 C# 、 PHP 、 Python といった言語にはそのような問題がほとんどないが、性能は低い。ただし、データベースアクセスやファイル入出力が性能を決定付けるような分野では、これらの言語の性能でも何ら問題ない。また、最近ではこれらの言語の処理系でも性能が向上してきている。 プログラミングコードがある程度自動生成できるようになった今、専門家の予測通りプログラミングエンジニアの役割は変わりつつあるが [ 9 ] 、現時点ではコード自動生成の商用・学術利用には著作権上の課題がある [ 10 ] 。さらに、自動生成されるプログラミングは、セキュリティとデバッグに大きな課題をもたらす。 プログラミングレス思想 [ 編集 ] プログラミング言語 が使えるようになったことにより、 機械語 によるプログラミングを人間が直接する必要がなくなったのも一種の「プログラミングレス」だと言えばそれは大成功していると言えるだろうし(プログラミング言語の研究はその初期には「自動プログラミング」等と呼ばれていた)、結局「思想」というものが何を指すのか明確でないので、どうとでも言えることである。あるいは、現代においてはアプリケーションソフトウェアを使うだけでもコンピュータの利活用の幅がおおいにある、というのも一種の「プログラミングレス」であろう。理屈としては、 ドメイン固有言語 のうち、 チューリング完全 でないようなものは汎用の言語ではないから、それらを使ったコンピュータの利活用も「プログラミングレス」と言えなくもない。また、GUIによる設定やドラッグ&ドロップでアプリケーションが開発できることなどを指して、プログラミングレス、あるいは、ノンプログラミングということもある [ 11 ] 。 プログラミング教育 [ 編集 ] プログラミング学習では、従来のプログラミング教育に比べて、Scratchに似たプログラミング教育ソフト「Alice」が非常に効果的で、プログラミングの習熟度向上との相関は0.54 [ 12 ] 。 大会 [ 編集 ] Robocode テラリウム ACM国際大学対抗プログラミングコンテスト U-20プログラミングコンテスト PALROコンテスト 議論 [ 編集 ] プログラムを書くことはアートなのか、クラフトなのか、工学なのかという議論がある [ 13 ] [ 14 ] 。よいプログラミングには、それら3つの要素すべてが必要とされ、最終的に効率的で保守しやすいソフトウェアを生み出すことを目的とする(何が効率的で、何が保守しやすいかという判断も様々である)。「プログラムを書くことは 設計 をすること」という意見もある [ 15 ] 。 プログラミングに関する資格 [ 編集 ] →「 Category:プログラミング関連資格 」も参照 国家資格 [ 編集 ] 情報処理技術者試験 - 経済産業省 所管の独立行政法人である 情報処理推進機構 (IPA)が実施する 国家資格 。 基本情報技術者試験 - 例年、午後科目で 擬似言語 を用いた アルゴリズム に関する問題が必須解答問題として出題される他、選択必須問題として C言語 、 Java 、 Python 、 アセンブラ言語 、 表計算ソフト のいずれかの言語に関する問題が出題される [ 注釈 5 ] 。現在は 表計算ソフト が選択可能になった [ 注釈 6 ] ため必ずしも プログラミング言語 の習得は必要ではなくなったものの、こちらは マクロ 定義の内容も出題されており、やはりアルゴリズムの知識や論理的思考力が要求される。 応用情報技術者試験 - 午後科目で自由選択制の問題としてプログラミングに関する内容が出題される(2014年春期までは選択必須問題であり、プログラミングまたは 経営戦略 のどちらかを必ず選択する必要があった)。前身の ソフトウェア開発技術者試験 では必須問題だった。 プロダクションエンジニア試験 - 午後試験では複雑な アルゴリズム を主に多岐にわたるのシステム設計技法が多数出題されていた。2000年度の試験を最後に廃止され、一部の出題範囲が ソフトウェア開発技術者試験 に継承された。 情報セキュリティスペシャリスト試験 - 午後科目で自由選択制の問題として例年セキュアプログラミングに関する内容が出題されていた。用いられるのは C++ 、 Java 、 ECMAScript のいずれかであり [ 注釈 7 ] 、受験者はいずれの言語にも対応できる必要があった(受験者が言語を選択できる基本情報技術者試験と異なる点である。)。2017年より名称独占資格である情報処理安全確保支援士に移行する形で廃止された。 テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験 - 情報セキュリティスペシャリスト試験の前身として2008年まで実施された。 情報処理安全確保支援士 (登録情報セキュリティスペシャリスト) - 名称独占資格。前身の情報セキュリティスペシャリスト試験を士業化し情報処理技術者試験制度から独立する形で2017年に新設された。 公的資格 [ 編集 ] 日商プログラミング検定 情報検定 (J検) 情報システム試験 プログラミングスキル 民間資格 [ 編集 ] マイクロソフト認定プロフェッショナル (MCP) 情報処理技術者能力認定試験 - サーティファイ が実施する検定試験。出題構成が国家資格である基本情報技術者試験と類似している。 C言語プログラミング能力認定試験 - サーティファイ が実施する、 C言語 に関する検定試験。 プログラミング能力検定 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ これは、 タイムシェアリングシステム の発達とも関連する。 ^ たとえば、アクションゲームで1フレーム中に行わなければならない計算が可能かどうかが、開発の最後までわからなかったりしては困るだろう。 ^ ないし極く単純な アセンブリ言語 ^ ただし、デバッグがあることをあてにしてルーズにプログラムを書くことは厳に戒められねばならない。バグにも種類があり、たとえば、インタプリタでも最初の構文解析で検出されるような簡単なものなら問題ないが、突き止めるのが極めて困難な部類のバグ( 特異なバグ を参照)はできる限り早い時点で回避されるに越したことはない。 ^ 2019年度(令和元年度)秋期までは COBOL が選択可能だった。 ^ 元々は 初級システムアドミニストレータ試験 (初級シスアド)に出題されていたが、2009年より基本情報技術者試験に移行した。初級シスアドは2009年春期を最後に廃止された。 ^ 2011年までは Perl が出題対象に含まれていた。 出典 [ 編集 ] ^ Shaun Bebbington (2014年). “ What is coding ”. 2014年3月3日閲覧。 ^ Shaun Bebbington (2014年). “ What is programming ”. 2014年3月3日閲覧。 ^ A 13th Century Programmable Robot. University of Sheffield. ^ Villiger, Jessica; Schweiger, Simone A.; Baldauf, Artur (2022-10). “Making the Invisible Visible: Guidelines for the Coding Process in Meta-Analyses” (英語). Organizational Research Methods 25 (4): 716–740. doi : 10.1177/10944281211046312 . ISSN 1094-4281 . http://journals.sagepub.com/doi/10.1177/10944281211046312 . ^ http://catb.org/jargon/html/B/bottom-up-implementation.html ^ Hudin, Salmiah Salleh (2023-03-30). “A Systematic Review of the Challenges in Teaching Programming for Primary Schools’ Students” (英語). Online Journal for TVET Practitioners 8 (1): 75–88. doi : 10.30880/ojtp.2023.08.01.008 . ISSN 2289-7410 . https://publisher.uthm.edu.my/ojs/index.php/oj-tp/article/view/13350 . ^ 荒井省三、いげ太『 実践F# 関数型プログラミング入門 』技術評論社。 ISBN 978-4-7741-5127-4 。 https://books.google.co.jp/books?id=NsSkLRVZ0fQC&pg=PA27#v=onepage&q&f=false 。 ^ Survey of Job advertisements mentioning a given language ^ “ What Are The Benefits Of Chat GPT-4 Over GPT-3.5 ”. mytasker.com . 2023年5月26日閲覧。 ^ Arnold, Vanessa (2023年2月21日). “ ChatGPT Copyright: Everything you need to know ” (英語). neuroflash . 2023年5月26日閲覧。 ^ 株式会社エクス コラム 「 ノンプログラミング が熱い!7つの背景 」 2017年11月13日閲覧 ^ Costa, Joana M.; Miranda, Guilhermina L. (2017-11). “Relation between Alice software and programming learning: A systematic review of the literature and meta‐analysis” (英語). British Journal of Educational Technology 48 (6): 1464–1474. doi : 10.1111/bjet.12496 . ISSN 0007-1013 . https://bera-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/bjet.12496 . ^ Paul Graham (2003年). 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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E7%94%9F%E6%88%90
コード生成
この項目では、コンパイルの最終段階について説明しています。ソースコード生成については「 自動プログラミング 」をご覧ください。 コード生成 ( 英 : Code Generation )とは、 コンパイル の最終段階であり、 ソースコード の意味が実現された目的コードを生成する過程である。「何らかの目的コード」が具体的には、 機械語 である場合もあれば、 アセンブリ言語 である場合もあれば、 バイトコード や、場合によっては「ソースコード側が比較すれば 高水準 であるのに対して 低水準 な側であると言える言語(例えばC言語など)」ということもある。同程度の水準の言語間の変換を指す トランスパイル などという語も近年はできた。 関連項目 [ 編集 ] 3番地コード 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%95%E3%83%88
コピーレフト
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "コピーレフト" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2015年8月 ) この項目には、一部のコンピュータや 閲覧ソフト で表示できない文字(文字としてのコピーレフトマーク)が含まれています ( 詳細 ) 。 コピーレフトのシンボル(🄯)としてしばしば使われるアイコン。Cの文字が左右逆になっている。 コピーレフト ( 英 : copyleft )は、 著作権 ( 英 : copyright )に対する考え方で、著作権を保持したまま、 二次的著作物 も含めて、すべての者が 著作物 を利用・再配布・改変できなければならないという考え方である [ 1 ] 。 リチャード・ストールマン が 自由ソフトウェア運動 の一環として熱心に広めた考えである [ 2 ] 。 コンピュータプログラム の特に バイナリ に変換されることを前提とした ソースコード についてのものであったが、その後、 CC BY-SA などを用いて ソースコード 以外の著作物にも適用しようという動きがある [ 3 ] 。なお、1990年代前半の日本において、コピーレフトを「左隣の人からソフトウェアのコピーを求められた際に断ってはならないという意味である」と解説している一部の書籍も有ったが誤りである。 概念 [ 編集 ] コピーレフトの考えでは、 著作権者 はそのコピー( 複製 物)の受取人に対して撤回の出来ない ライセンス を認め、 販売 を含む再配布を許可し、 翻案 (改変)されることも可能とする必要がある [ 1 ] 。逆に、コピーレフトを利用する側では、このライセンスのものをコピーや変更、再配布する時にはこのライセンスをそのまま適用し、それを明確に示さなければならない。 コピーレフトの定義をまとめると次のようになる。 著作物 の利用、 コピー 、 再配布 、 翻案 を制限しない 改変 したもの( 二次的著作物 )の再配布を制限しない 二次的著作物の利用、コピー、再配布、翻案を制限してはならない コピー、再配布の際には、その後の利用と翻案に制限が無いよう、全ての情報を含める必要がある( ソフトウェア では ソースコード 含む) 翻案が制限されない反面、原著作物の二次的著作物にも同一のコピーレフトのライセンスを適用し、これを明記しなければならない コピーレフトという概念について、 フリーソフトウェア財団 および同代表の リチャード・ストールマン は 自由ソフトウェア運動 の一環として普及を推進している [ 2 ] 。 コピーレフト以外にも 自由ソフトウェア のライセンスは数多く存在し、 BSDライセンス や MIT license などの、 オープンソースソフトウェア で適用されているものがある。これらは二次的著作物へのライセンス適用や、使用可能なソースコードのコピーを義務づけていないため、コピーレフトではない [ 4 ] 。よく議論されることに、これらのライセンスとコピーレフトのどちらがより自由なライセンスであるのか?というものがある [ 要出典 ] 。これは視点の問題で、他のライセンスでは制作者など、現在のライセンス保持者の自由を最大限にしたもので、コピーレフトでは今後のライセンス保持者の自由を最大限にしたものだと考えることができる [ 要出典 ] 。 歴史的背景 [ 編集 ] リチャード・ストールマン が copyleft という語を気に入ったのは、1984年に ドン・ホプキンス が リチャード・ストールマン に宛てて送った「 Copyleft — all rights reversed 」(コピーレフト―全てのright(ここでは右の意)は逆さにされている)というフレーズに由来する [ 5 ] 。 これは著作権表示によく使われる「 Copyright — all rights reserved 」(著作権―全ての権利は留保されている)という句のもじりである。このある種のミームは、1980年頃のコンピュータ文化(1960年代生まれのミニコンピュータ文化と70年代生まれのマイクロコンピュータ文化が渾然としていた)の裡に育まれていたもので、1976年に発表されたLi-Chen Wangによる Tiny BASIC インタプリタのソースコードに見られるのが、今日知られている確認例である [ 6 ] [ 7 ] 。 rightに「正しい」という意味があることに掛けてそれを逆にした「 all wrongs reversed 」(全ての間違いは逆さにされている)というバージョンもある [ 要出典 ] 。 思想的背景 [ 編集 ] 著作物の利用権の共有 [ 編集 ] インセンティヴ論 に基づく著作権制度という議論はあるものの、 著作物 を不特定多数の者が利用できるようにすることは、著作物をより発展させるための有用な手段となる場合がある。これは典型的な商業ソフトウェアが 制作 ・流布される際に、複製や内的構造の研究( リバースエンジニアリング )や改変が禁じられているために、既存のソフトウェアを改良して新しいより優れたソフトウェアを開発する可能性が閉ざされている、という点を考えると分かりやすい。あるいは、 インターネット を支える基礎的な技術はソフトウェアを共有し改良し合うことで発展してきたということを考えても良い。 一般に、芸術作品や評論、解説文、コンピュータプログラムなどを含む著作物は、その作者が 著作権 を持っている。そのため、作者の許可を得なければ改変したり、(個人的なバックアップを除いて)複製したり、配布・販売することはできない。しかし、このような制度の枠組みは、作品を共有して多人数で共同的な創造活動を行う際にはかえって妨げとなる場合がある。 そのためにまず最初に行われたのは、明示的に著作権を放棄したり( パブリックドメイン )、放棄はしないが「誰でも自由に使って良い」と宣言したり、という形で共有する方法であった。 ところが、本当に誰でも自由に使えることにしてしまうと、共有・発展という作者の意図に反するような利用が行われることもある。パブリックドメインの状態にある著作物を改変した場合、 二次的著作物 は パブリックドメイン になるわけではなく、改変者に著作権が帰属することになるためである。 このような問題をストールマンが経験した際に、コピーレフトという発想が生まれた。 シンボリックス 社から、ストールマンが作成した LISP インタプリタを使いたいと打診された際、ストールマンは彼の作品の パブリックドメイン 版を提供した。シンボリックス社はそのプログラムを拡張して更に強力なものにした。そして、彼のもともとのプログラムに対して拡張した部分を見せてくれるよう求めた時に、シンボリックス社はそれを拒否した。これは法的にはどうすることもできなかった。 共有状態の維持・拡大 [ 編集 ] このような経緯のため、以降のソフトウェアの公開に際してストールマンは、著作権を主張し利用する際の決まりをライセンスに書くようになり、これがコピーレフトへと繋がっていった。 つまり、利用権を共有するための仕組みとして、著作権を放棄するのではなく、ライセンス(利用許諾)の形で共有と共同的な創造活動を保護する方法を採る。すなわち、「著作権は私が有していて複製・改変・配布(販売)には私の許可がいるのだが、ソフトウェアを共有して発展させるという意図に反しないならば、いつでも誰に対しても利用を許可する」という形態を採る。 その様な仕組みには、 「コピー/改変した共有物を共有的な状態から、独占的な状態へ移行させる事」を一定の条件の元に誰にでも許すパブリックドメインに近い仕組みと、 「独占的な状態への移行を許さない」より強い共有的な仕組みがある。 後者の「独占的な状態への移行を許さない」強い共有の仕組みは、特に フリーソフトウェア財団 (FSF) によって( コピーライト に対する) コピーレフト と呼ばれている。 しかしながら、ライセンスに反する形で利用され、著作権が侵害される事例も後を絶たない。 →「 GNU General Public License § 法廷におけるGPL 」も参照 法的・技術的背景 [ 編集 ] ライセンスの コピーライト の制約強度、左: パブリックドメイン は緩く、右: 企業秘密 は厳しい →「 ライセンス § コンピュータ関連 」、「 ソフトウェアライセンス 」、「 GNU General Public License § コピーレフト 」、および「 ライセンス感染 」も参照 コピーレフト ライセンス を構成するときに基本となる法的考え方は、独占的なライセンスを構成する場合と同じく、 著作物 の再配布に制限を設ける コピーライト である。この制限を厳しくして 二次著作物 の作成まで阻害しているのが独占的なライセンスであり、二次著作物のライセンスの変質を許し、自己のライセンスの適用例が 縮小再生産 されるほど緩いのが パブリックドメイン である。 コピーレフトに於いては、二次以降の著作物にも一次著作物と同一のライセンスが適用される という性質(「 ウイルス 性」「 ライセンス感染 」などと呼ばれる)が確保される様に、再配布制限をコピーライトによって設ける。この「ウイルス性」「ライセンス感染」の性質により、自己複製能力を獲得した生物が増殖するのと同様に、自己のライセンスを 拡大再生産 して広げる力をコピーレフトは得る。 その法的強制力の根拠は独占的なライセンスと同じくコピーライトであり、コピーライト無しにはコピーレフトは効力を持ち得ない。独占的なライセンス以外の使用法を示し、コピーライトの新たな可能性を発見したこの方法は「コピーライト・ハック」とも呼ばれる [ 8 ] 。 しかし以上はある意味で、「法(ルール)に、その精神にではなく、文字通りに従う」という行為であり、もし将来、仮に「コピーレフトこそが正しい」ということになって現行著作権制度が部分的に解体されたとするならば、それと同時に瓦解する。従って、ジャーゴンファイルの「 hack 」の項 [ 9 ] の第1義にある「 a quick job that produces what is needed, but not well. 」その通りの意味の「ハック」とも言える。 ライセンス種別 [ 編集 ] コピーレフトの考えが導入されているライセンスには以下のようなものがある。 GNU General Public License - GNUプロジェクト の強いコピーレフト性を持つライセンス GNU Lesser General Public License - GNUプロジェクトの弱いコピーレフト性を持つライセンス Mozilla Public License - Mozillaプロジェクトのライセンス コピーレフトではないライセンスの例としては以下のものがある。 Q Public License - 以前の Qt に適用されたライセンス [ 注釈 1 ] MIT License BSDライセンス また、コピーレフトの概念を プログラム 以外のものに適用しているライセンスには以下のようなものがある。 Open Content License GNU Free Documentation License CC Attribution-ShareAlike 文字コード [ 編集 ] 記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称 🄯 U+1F12F - &#x1F12F; &#127279; COPYLEFT SYMBOL 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 現行の Qt はGPLv3と商用ライセンスなどとの マルチライセンス形式 を採用している。 出典 [ 編集 ] ^ a b Free Software Foundation (2018年1月1日). “ What is Copyleft? ”. 2018年2月9日閲覧。 ^ a b “ Richard Stallman, Free Software, and Copyleft ”. University of California, Santa Barbara. 2018年3月1日閲覧。 ^ “ Attribution-ShareAlike 4.0 International (CC BY-SA 4.0) ”. Creative Commons . Creative Commons. 2015年8月14日閲覧。 ^ GNU Porject (2018年2月10日). “ Various Licenses and Comments about Them ”. 2018年2月9日閲覧。 ^ Stallman, Richard (2008年1月21日). “ About the GNU Project ”. Free Software Foundation . 2008年8月23日閲覧。 ^ Wang, Li-Chen (May 1976). “Palo Alto Tiny BASIC”. Dr. Dobb's Journal of Computer Calisthenics & Orthodontia, Running Light Without Overbyte 1 (5): 12–25. (NB. Source code begins with the following six lines. "TINY BASIC FOR INTEL 8080; VERSION 1.0; BY LI-CHEN WANG; 10 JUNE, 1976; @COPYLEFT; ALL WRONGS RESERVED". The June date in the May issue is correct. The magazine was behind schedule, the June and July issues were combined to catch up.) ^ Rauskolb, Roger (December 1976). “Dr. Wang's Palo Alto Tiny BASIC”. Interface Age 2 (1): 92–108. (NB. The source code begins with the following nine lines: " TINY BASIC FOR INTEL 8080; VERSION 2.0; BY LI-CHEN WANG; MODIFIED AND TRANSLATED TO INTEL MNEMONICS; BY ROGER RAUSKOLB; 10 OCTOBER, 1976 ; @COPYLEFT; ALL WRONGS RESERVED ") ^ “ The essential freedoms ”. OCL4Ed. 2018年3月1日閲覧。 ^ http://catb.org/jargon/html/H/hack.html 関連項目 [ 編集 ] ライセンス感染 継承 (クリエイティブ・コモンズ) 外部リンク [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 コピーレフト に関連するカテゴリがあります。 Copyleft: Pragmatic Idealism 表 話 編 歴 FOSS 全般 オープンソースソフトウェア 自由ソフトウェア 定義 オープンソース 定義 解説 歴史 ビジネスモデル セキュリティ 開発 OS ( 英語版 ) BSD Darwin FreeDOS GNU Hurd Linux ディストリビューション OpenSolaris Symbian ReactOS ソフトウェア FreeBASIC Tcl / Tk Perl Python PHP Ruby Lua OpenJDK Go Swift Rust GCC clang LLVM Apache HTTP Server Firefox Chromium WebKit Android VS Code Mattermost NetBeans Eclipse IntelliJ Gambas ホスティング SourceForge OSDN GitHub GitLab Bitbucket Google Developers GNU Savannah 団体 標準化団体 フリーソフトウェア財団 ヨーロッパ インド ラテンアメリカ オープンソース・イニシアティブ freedesktop.org Linux Foundation Open Handset Alliance 開発支援団体 GNUプロジェクト Apacheソフトウェア財団 Android Open Source Project Blender Foundation Eclipse Foundation GNOME Foundation KDE e.V. The Document Foundation VideoLAN X.Org Foundation Xiph.Org Foundation XMPP Standards Foundation ( 英語版 ) Software Freedom Conservancy Software in the Public Interest Google Developers Mozilla Foundation Symbian Foundation ライセンス 指針 自由ソフトウェアライセンス オープンソースライセンス Debianフリーソフトウェアガイドライン Microsoft Open Specification Promise 主要例 Apache BSD GPL LGPL MIT MPL CDDL EPL その他 パブリックドメイン CC0 WTFPL コピーレフト 課題 特性上の課題 ライセンスの氾濫 ウイルス性ライセンス 対立と論争 GNU/Linux名称論争 Mozilla関連ソフトウェアのブランド変更 TiVo化 SCO・Linux論争 その他 FOSS 代替用語 フォーキング 自由ソフトウェア運動 The Cathedral and the Bazaar Revolution OS オープンソースソフトウェアとクローズドソースソフトウェアの比較 一覧 オープンソースソフトウェアのカテゴリ OSSホスティングサービスのカテゴリ オープンソースライセンスのカテゴリ コモンズ ポータル プロジェクト 表 話 編 歴 著作権 総説 著作財産権 著作者人格権 著作隣接権 著作者 著作隣接者 実演家 レコード製作者 放送事業者 など 著作権の歴史 著作権の準拠法 権利の内訳 著作財産権 複製権 上演権・演奏権 上映権 公衆送信権 公衆伝達権 口述権 展示権 譲渡権 貸与権 頒布権 ( 出版権 など) 翻案権 翻訳 編曲 マッシュアップ 映画化 など 二次的著作物の利用権 著作者人格権 公表権 氏名表示権 同一性保持権 名誉声望保持権 出版権廃絶請求権 修正増減請求権 著作隣接権 原盤権 録音権 録画権 著作物 アイディア・表現二分論 二次的著作物 集合著作物 共同著作物 職務著作 孤児著作物 映画の著作物 権利保護 著作権の保護期間 世界各国の著作権保護期間の一覧 スリーステップテスト パブリックドメイン 戦時加算 (著作権法) 著作権の形式的手続 (方式主義) 著作権表示 著作権マーク 著作権の登録制度 デジタル著作権管理 (DRM) アクセスコントロール コピーガード 著作物の利用と 著作権侵害 フェアユース (公正利用) パロディ コピーレフト オープンソース 自由利用マーク リバースエンジニアリング 脱獄 非親告罪化 組織 WIPO UNESCO 著作権管理団体 知的財産権のポータル カテゴリ
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コメント(注釈)
「 コメントアウト 」は、この項目へ 転送 されています。ウィキペディアにおけるコメントアウトについては、「 Help:ページの編集#コメントアウト 」をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "コメント" コンピュータ – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2018年7月 ) この項目では 色 を扱っています。閲覧環境によっては、色が適切に表示されていない場合があります。 Java のソースコードを シンタックスハイライト した例。 赤 と 緑 で示されているのが コメント である。 コメント ( 英 : comment )とは、 コンピュータ言語 ( プログラミング言語 や データ記述言語 )によって書かれた ソースコード のうち、人間のために覚え書きとして挿入された 注釈 のことである。この部分は コンピュータ が処理を行うときには存在しないものとして無視されるため、自由に文を挿入することができる [ 注釈 1 ] 。 用途 [ 編集 ] プログラムの意図の明示 [ 編集 ] どのような言語を用いてソースコードを書いたとしても、記述者とは別の人が読んだり、当人であっても時間をおいてから読んだりする場合には、ソースコードからその意図を正しく読み取ることが困難な場合がある。そのために、ソースコードの意図をコメントとしてソースコード中に挿入することが役立つ。 コメントアウト [ 編集 ] 注釈ではなく有効なコードのうち、一時的にコンピュータに処理させたくない部分を削除するかわりにコメントとすることもしばしば行われる。これをコメントアウト (comment-out) という [ 1 ] 。このとき、コメントアウトさせたい部分中にコメントが記述されている場合もあるため、構文的にコメントの 入れ子 が可能かどうかは大きな意味を持つ。なお、対義語、すなわちコメントを解除し処理を有効にすることはアンコメント (uncomment) などと呼ぶ [ 2 ] 。 バージョンの相違への対応 [ 編集 ] 特殊な用途としては、ある言語を拡張した際、古いバージョンではその部分を解釈させたくないときにコメントアウトすることがある。 HTML の中に JavaScript を組み込む場合、 Internet Explorer の独自拡張である 条件付きコメント などが該当する。 種類 [ 編集 ] コメントは、特定の記号などの文字あるいは文字列( トークン )から行末までをコメントとして扱う 行コメント と、2つのトークンで前後を括りその内部をコメントとして扱う ブロックコメント に大別される。行コメントは、言語により行のどこからでもコメントを開始できるものと、行頭にのみコメント開始記号を記述できるものがある。いずれにしても行コメントは行の途中でコメントを終了することができない、コメントが数行に渡る場合にも行ごとにコメントの開始を指示しなければならないといったデメリットがある [ 注釈 2 ] かわり、コメントの終了を指示しなくてもよいというメリットがある。 行コメント [ 編集 ] 代表的な行コメントには以下のようなものがある。基本的に 半角 ( ASCII )の英数字や記号が開始トークンとして使用される。 C ( C99 以降 [ 注釈 3 ] )、 C++ 、 Java 、 C# 、 JavaScript などでは、2連の スラッシュ // 以降がコメントと見なされる。 BASIC では、 REM 、あるいは シングルクォーテーション [ 注釈 4 ] ' より後がコメントと見なされる。ただし、 REM は命令のひとつであるから、これを用いて行の途中からコメントとする場合には、その前に コロン : を置いてマルチステートメント(1行に複数の命令を書くこと)の形にしなければならない。一方、 ' は :REM の省略形と見なされるため、その前に : を置く必要はない。 各種 シェルスクリプト 、およびそれらの概念を継承している Perl や Python 、 Ruby [ 3 ] では、 ナンバーサイン [ 注釈 5 ] # 以降がコメントと見なされる。また、 ファイル の先頭にある #! から開始するコメントは、慣例的にそのスクリプトを実行するプログラムを指定するものとして扱われる( シバン )。 Ada や SQL 、 Lua では、2連の ハイフンマイナス -- 以降がコメントと見なされる。 Common Lisp や Scheme 、 x86アセンブリ言語 では セミコロン ; 以降がコメントと見なされる。 マイクロソフト 仕様の INIファイル では、行頭にセミコロン ; があると行末まで無視される [ 4 ] 。 MS-DOS のバッチファイルでは、 REM 、2連のコロン :: 、あるいはコロン+スペース : で始まる行がコメントと見なされる。コロンで始まる行は本来 ラベル の宣言を行うものだが、 解説書ではしばしばコメントと見なされる例として取り上げられる [ 要出典 ] 。 ブロックコメント [ 編集 ] 代表的なブロックコメントには以下のようなものがある。 HTML 、 Wiki では、原則として、 <!-- と --> で括る。また、HTMLではバージョンによって <comment> と </comment> で括ることもできる。タグ( < と > で括られた部分)の内部でコメントを作るには、 -- と -- で括るが、HTML 4.0以前のバージョンでなければならない。 C、C++、Java、C#、JavaScript、 CSS などでは、 /* と */ で括る。また、Javaでは /** と */ で括られたコメントをドキュメントとして扱う。これは、 Javadoc というツールを用いてこのコメントのみを抽出し、ドキュメントを生成する仕組みに使用されている。 D では、 /+ と +/ で囲むコメントがある。このコメント形式を使用することで、コメントを入れ子にすることができる。 Pascal では、 { と } で括る。なお、 { や } が 文字コード として定義されていない(主に初期の)コンピュータのために、 (* と *) で括る代替記法もある。 Perl (version 5 以降)の 正規表現 では (?# と ) で括る。 Mathematica では、 (* と *) で括る。 C/C++およびC#では、 プリプロセッサディレクティブ の #if - #endif が、ブロックコメントの代用として使われることもある。ディレクティブは入れ子にすることができ、また簡単にコードの有効化/無効化を切り替えることができるというメリットがある一方、多用すると「どのコードが有効であるか」が一見して判別しにくくなるというデメリットもある。 コメントに類似のもの [ 編集 ] コンピュータ言語のソースコード以外のデータを扱う アプリケーションソフトウェア でも、コメント同様の機能が利用できる場合がある。 ワードプロセッサ ソフトや 表計算 ソフトにおける「コメント」あるいは「付箋」などの機能が該当する。 備考 [ 編集 ] オープンソース /クローズドソースを問わず、コメントはプログラムの共同開発や ソースコード の保守管理に欠かせないものである。特にプログラム内にコメントによるドキュメントを含ませることで、チームを組んで共同作業したり保守したりするうえで役立つ。また、担当者が変わった後でも保守・改良、または バグ 修正に大きな力を発揮する。ただし、それは「正しいコメントが記述されている」という前提の話である。間違ったコメントが書かれている場合、解読を妨げたり誤解を生んだりする原因にもなる。 コメントの良し悪しは、読者の前提知識や主観もかかわってくるので、どのようなコメントが適切であるかは一概には述べることができない。プログラムコードの各ステップ行で何を実行しているかを自然言語によって逐一説明するようなコメントは、「冗長である」「記憶領域を無駄に浪費する」「読みづらくなる」などの短所をはらむ可能性もあるが、初心者や入門者向けのサンプルコードとしては役に立つこともある。 プログラムコードの本文を読めば、「何を実行しているか」自体は分かるため、コメントには「何を実行しているか」を記述するよりも、「なぜそのようなコードを書いたのか」という設計理由を記述するべきである、という方法論もある [ 5 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 言語構文によっては一定の制約があり、例えば C言語 における /* - */ のように、開始トークンと終了トークンを持つコメント構文の場合は、コメントの本文中には終了トークンを記述できない。また、一般的には同一の開始トークンと終了トークンを入れ子にすることもできない(後述する D言語 における /+ - +/ のような例外もある)。 ^ テキストエディタ や 統合開発環境 の中には、選択中の複数行に対してコマンドを実行すると、各行に対し行コメントのトークンを追加し、まとめてコメント化できるものもある。 ^ 行コメントが標準化されたのはC99規格以降だが、C99よりも前に拡張機能としてサポートしていた処理系もあった。 ^ ASCIIのシングルクォーテーションは アポストロフィ の代用として使われることもあるため、便宜上アポストロフィと呼ばれたり、混同されたりすることもあるが、文字コードとしては別物である。 ^ ASCIIのナンバーサインは シャープ の代用として使われることもあるため、便宜上シャープと呼ばれたり、混同されたりすることもあるが、文字コードとしては別物である。 出典 [ 編集 ] ^ comment outの意味・使い方|英辞郎 on the WEB ^ uncommentの意味・使い方|英辞郎 on the WEB ^ Ruby 2.5.0 リファレンスマニュアル > Rubyで使われる記号の意味 ^ GetPrivateProfileSection function (winbase.h) - Win32 apps | Microsoft Learn ^ 10:コメントには「なぜ」を書く — 自走プログラマー【抜粋版】 関連項目 [ 編集 ] 文芸的プログラミング プログラミング用語一覧
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF
コールスタック
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2023年4月 ) 出典 は 脚注 などを用いて 記述と関連付けて ください。 ( 2023年4月 ) 出典検索 ? : "コールスタック" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL コールスタック または 呼び出しスタック ( 英 : call stack )とは、 プログラム で実行中の サブルーチン (関数)に関する情報を格納する スタック である。実行中のサブルーチンとは、呼び出されたもののまだ処理が完了していないサブルーチンのことを指す。 実行スタック (execution stack)、 制御スタック (control stack)、 関数スタック (function stack) などとも呼ばれる。なお文脈によっては、短縮して単にスタックともいう。 概要 [ 編集 ] コールスタックを使う目的はいくつかあるが、主たる目的はサブルーチンの処理を完了して制御を戻す(呼び出し側に戻る)ときに、どこに戻ればよいかを記憶しておくことである。 コールスタックは スタック として構成されているので、呼び出し側はリターンアドレスをスタックに push し、呼び出されたサブルーチンが完了したときにリターンアドレスをコールスタックから pop する(そしてそのアドレスに制御を戻す)。呼び出されたサブルーチンがさらに別のサブルーチンを呼び出す場合も、リターンアドレスをコールスタックに push し、プログラムに書かれている通りに情報をスタックに積んだり下ろしたりする。あるサブルーチンに関する情報をコールスタックに載せることを ワインド ( 巻き上げ , winding )、逆にそれを削除することを アンワインド ( 巻き戻し , unwinding ) と呼ぶ。また、サブルーチンの呼び出しごとにコールスタックに格納するひとまとまりの情報の集合を スタックフレーム ( stack frame ) または単に フレーム と呼ぶ [ 1 ] 。 なお、コールスタックに割り当てられている領域を使い切ると「 スタックオーバーフロー 」と呼ばれる実行時エラーが発生する。スタックオーバーフローが発生したときの動作は プログラミング言語 や実行環境によって異なるが、通例プログラムの異常終了といった 未定義動作 を引き起こし、回復不可能であることが多い。 1つの実行中のプログラム(より正確に言えば スレッド )には、1つのコールスタックが対応して存在する。 シグナル 処理や協調的 マルチタスク 処理で追加のスタックを使う場合もあるが、通常使用中のコールスタックは常に1つなので、これを単に「(そのタスクの)スタック」と呼ぶことがある。 低水準言語 ( アセンブリ言語 )の多くでは、プログラマが明示的にスタックを操作する必要がある。一方、 高水準言語 からはコールスタックは 透過的 である。つまりコールスタックの存在を意識することなく、呼び出し階層構造によって実現される上位概念としてのプログラムロジックにのみ集中できるということである。コールスタックの詳細はプログラマからは見えず、引数あるいは ローカル変数 といった形でスタックから切り出された部分領域だけにアクセス可能で、スタックを構成しているメモリ全体にアクセスすることはできない。識別子を使ったサブルーチン(関数)の呼び出しは言語処理系によって対応するアドレスへのジャンプ命令に解決され、またスタックへのリターンアドレスの格納やリターンアドレスへの復帰といった下位レベルの前処理・後処理も隠蔽される。 x86 のcallとretのように、アセンブラレベルでもそのような下位レベルのスタック操作を隠蔽する命令が用意されているアーキテクチャもある。 各 プログラミング言語 におけるスタックの詳細は、 コンパイラ 、 オペレーティングシステム (OS)、 命令セット などに依存する。 x64 のように、特定の条件を満たす関数引数に関しては、スタックを使わずレジスタを使って渡すアーキテクチャもある [ 2 ] 。 いずれにせよ、言語環境を問わず、 ソフトウェア を正常動作させるにはコールスタックを正しく保つことは重要である。コールスタックの容量は、デスクトップOS環境であっても既定で(スレッドごとに)数 MiB 程度しかなく [ 3 ] [ 4 ] 、組み込み環境ではさらに制限が厳しい。高水準言語では普段コールスタックの存在を意識しないで済むがゆえに、ヒープではなくスタック上に巨大な配列を確保して容量を使い切ってしまい、スタックオーバーフローを発生させてしまうといった初歩的な間違いを犯すこともある。 具体例 [ 編集 ] コールスタックが関係する具体例として、次の 擬似コード を挙げる。 subroutine DrawSquare(Point p1, Point p2, Point p3, Point p4) { ... 略 ... DrawLine(p1, p2); DrawLine(p2, p3); DrawLine(p3, p4); DrawLine(p4, p1); ... 略 ... } 上の疑似高水準言語のコードでは、サブルーチン DrawSquare 内の4ヶ所から、直線を描画するサブルーチン DrawLine を呼び出すとしたとき、 DrawLine は4ヶ所のうちのどこに戻ればよいかを知る必要がある。一般に DrawSquare のコード内で DrawLine を呼び出しているそれぞれの箇所で、呼び出し処理の次の 命令 のアドレス(これをリターンアドレスと呼ぶ)をコールスタックに格納することでこれを実現する。 コールスタックの機能 [ 編集 ] 前述のように、コールスタックの第一の用途は以下の通りである。 リターンアドレスの格納 サブルーチンが呼び出されたとき、戻るべき命令のアドレスをどこかに記憶しておく必要がある。スタックを使ったリターンアドレスの格納は他の方法にはない利点がある。第一に、各タスクは対応するスタックを持っているので、サブルーチンは 再入可能 (リエントラント)、つまり複数のタスクが同時に同じサブルーチンを実行することが可能となる。第二に、 再帰呼び出し が可能となるという利点がある。関数自身は再帰的に呼び出されたとしても、リターンアドレスは呼び出される度に記憶しておかなければならない。スタックを使うとこの機能が自動的にサポートされる。 言語、オペレーティングシステム、ハードウェア環境に依存するが、コールスタックはそれ以外の機能も持つことがある。そのような機能として以下のものがある。 局所データ格納域 多くのサブルーチンは 局所変数 ( 自動変数 ( 英語版 ) )の値を格納するメモリ領域を必要とする。局所変数とは実行中のサブルーチンでのみ使われる変数で、そのサブルーチンの処理が終われば値を必要としない。このためにスタックのトップを動かして空き領域を作り、局所変数に利用することができる。これは 動的メモリ確保 に比べると非常に高速に行える。サブルーチンが呼び出される度にスタック上の局所データの領域が確保される点に注意されたい。 引数受け渡し サブルーチンには 引数 を必要とするものがある。引数は呼び出し側のコードが提供し、その引数をコールスタック上に置くことは珍しくない。一般に引数の個数が少なければ、プロセッサの レジスタ が引数の受け渡しに使われる。しかし、引数の個数が利用可能なレジスタ数より多ければ、何らかのメモリ領域を使わざるを得ない。コールスタックはそのような値の受け渡しには最適で、サブルーチンの呼び出しの度に固有の引数が渡されるのに対して、コールスタックも呼び出しの度に固有の領域を与えられる。 評価スタック 論理演算や数値演算のオペランドは多くの場合レジスタに置かれて処理される。しかし、式が複雑になるとレジスタだけでは収まりきらなくなり、何らかのメモリ領域が必要となる。そのようなオペランドのためのスタック( 逆ポーランド記法 の電卓に似ている)は評価スタック (evaluation stack) と呼ばれ、コールスタックを利用して実装することがある。 現在のインスタンスへのポインタ C++ のような オブジェクト指向言語 では、メソッド呼び出しの際に this ポインタを引数と共にコールスタックに格納する。thisポインタは呼び出されるメソッドに対応する オブジェクト の インスタンス を指している。thisポインタはオブジェクト指向言語のコンテキストの基本要素であり、現在のオブジェクトの持つプライベートデータへのアクセスを提供する。thisポインタは オブジェクト指向プログラミング とコールスタックを結びつけるものである。 ルーチンの入れ子における 静的スコープ サポート Pascal や Ada といったプログラミング言語はサブルーチンの 入れ子 が可能であり、内側のルーチンが外側のルーチンのコンテキスト(外側のルーチンの引数や局所変数)にアクセスできるようになっている。この静的な入れ子はいくつも繰り返すことができ、関数の中に別の関数を定義し、その中でさらに別の関数を定義し……といったことが可能である。このため実装に当たっては呼び出された関数が静的な入れ子を遡って外側のフレームにアクセスできる手段を提供する必要がある。一般に外側のフレームへのポインタとしてこの参照を実装し、これを「ダウンスタック・リンク」または「スタティック・リンク」と呼んで、直前の呼び出し側ルーチンとのリンク(ダイナミック・リンク)と区別する(呼び出し側は定義上の外側のルーチンとは限らない)。例えば、内側のルーチンは自分自身を再帰呼び出しできるようになっている言語が多く、同じルーチンのスタックフレームがコールスタック上にいくつも重なることがあり、それらが全て同じ外側のルーチンのコンテキストへのスタティック・リンクを持つことになる。スタティック・リンクの代わりに、外側のスタックフレームへの参照を集めてポインタの配列とする方式もある。この配列を display と呼び、インデックスを指定することで必要なフレームを得ることができる。 バロース B5000 はハードウェアでこれをサポートしており、32レベルの静的入れ子を使用可能だった。 他のリターンステータス リターンアドレスだけでなく、環境によってはサブルーチンから復帰する際に戻さなければならないハードウェアやソフトウェアのステータスがあるかもしれない。例えば、特権レベル、例外処理情報、演算モードなどである。必要に応じてこれらもリターンアドレスのようにコールスタックに格納される。 典型的なコールスタックはリターンアドレス、局所データ、引数を格納する(これを「コールフレーム」と呼ぶ)。環境によってはコールスタックの機能に差異がある。例えば FORTH 言語では、コールスタックにはリターンアドレスと局所変数のみが格納され(これをリターンスタックと呼ぶ)、引数は別のデータスタックに格納される。多くのFORTHの実装では 浮動小数点数 の引数を格納するための第三のスタックが存在する。 構造 [ 編集 ] コールスタックは スタックフレーム から構成される( アクティベーションレコード とも呼ばれる)。スタックフレームはマシン依存のデータ構造であり、サブルーチンの状態情報が格納される。各スタックフレームは完了していないサブルーチン呼び出しに対応する。例えば、 DrawSquare から呼び出された DrawLine を現在実行中としたとき、コールスタックのトップ部分は下図のようになる。 スタックトップのスタックフレームは現在実行中のルーチンのためのものである。最も典型的な手法では、スタックフレームには次の情報が格納されている。 そのルーチンの局所変数領域 呼び出し側に戻るためのリターンアドレス そのルーチンに渡された引数 フレーム内のメモリ領域は スタックポインタ と呼ばれるレジスタを使ってアクセスされることが多い。スタックポインタはスタックのトップを指している。別の方法として、スタックポインタとは別のレジスタ( フレームポインタ と呼ばれることが多い)を使うこともある。フレームポインタはフレームの中の決まった場所を指していて、例えばリターンアドレスが格納されている位置を指している。 スタックフレームは必ずしも同じサイズではない。サブルーチン毎に引数の個数も違うので、スタックフレームのサイズも異なる。ただし、同じサブルーチンを呼び出したときのスタックフレームは一般に同じサイズとなる。同様に局所変数領域もサブルーチンが違うとサイズが変わってくる。実際、言語によってはスタック上に動的にメモリを確保する機能を持っているので、同じサブルーチンを呼び出してもフレームサイズは変わってくるし、そのサイズはコンパイル時にはわからない。そのような場合、スタックポインタではなくフレームポインタでアクセスする必要が生じる。というのは、スタックポインタからリターンアドレス格納位置までのオフセットがコンパイル時に判明しないからである。 多くのシステムでは、スタックフレーム内に前のフレームポインタレジスタの値を格納する場所がある。つまり呼び出し側ルーチンを実行していたときに使っていたフレームポインタの値である。例えば、上図の DrawLine のスタックフレーム内に DrawSquare が使っているフレームポインタの値を格納する場所があるということになる。その値はサブルーチン呼び出し時に格納され、復帰時に戻される。そのようなフィールドがスタックフレーム内の所定の位置にあると、コールスタックに積まれているスタックフレーム群を(さかのぼって)辿っていくことが可能となる。 場合によっては、スタックフレームはオーバーラップしていると見なすこともできる。オーバーラップしているのは、呼び出し側から呼び出されたルーチンに渡される引数の部分である。環境によっては呼び出し側はスタックに引数をpushして自身のスタックフレームを拡張し、その後に呼び出しを行う。また別の環境では、各サブルーチンは自身が呼び出すかもしれない別のサブルーチンへの引数の領域を予めスタックフレーム内に確保していることがある。この領域は outgoing arguments area あるいは callout area と呼ばれる。この手法ではコンパイラが呼び出す可能性のあるサブルーチンのうち最大の引数領域を必要とするものを予め求めて領域サイズを決定する。 使用法 [ 編集 ] 呼び出し側処理 [ 編集 ] 通常、サブルーチンを呼び出す側でのコールスタック処理は最小限になっている。呼び出すコードがあちこちに存在することを考慮すれば、こうすることでコードの増大を抑えることができる。実際の引数の値は呼び出し毎に固有なので呼び出し側で評価され、 呼出規約 に従ってスタックにpushされるかレジスタに置かれる。「Branch and Link」のような実際の呼び出し命令が制御をターゲットのサブルーチンに転送するために実行される。 呼ばれた側の処理 [ 編集 ] 呼ばれたサブルーチンでは、最初に サブルーチンプロローグ ( 英語版 ) と呼ばれるコードを実行する。そこで実際のコードを実行する前に行わなければならない細々とした処理を行う。 プロローグでは、一般に呼び出し命令が所定のレジスタに置いたリターンアドレスをコールスタックにpushする。同様に現在のスタックポインタかフレームポインタ(あるいは両方)をpushする。命令セットアーキテクチャによってはこれらが呼び出し命令の一部として実行され、そのような環境ではプロローグですべきことは無い。 フレームポインタを使っている場合、プロローグではフレームポインタに新たな値をセットする(スタックポインタの値を活用する)。局所変数の領域は必要に応じて徐々にスタックポインタを変化させて確保していく。 FORTH 言語ではコールスタック(リターンスタック)を明示的にワインドすることができる。 Scheme 言語では「動的ワインド (dynamic wind)」という機能があり、スタック上に特殊なフレームをワインドすることができる。 復帰処理 [ 編集 ] サブルーチンから復帰することができる状態になると、プロローグの逆のエピローグ処理が行われる。これは一般的には保存されていたレジスタの値(フレームポインタなど)をスタックフレームからリストアし、スタックポインタの値を変更してスタックフレーム全体をpopし、最後にリターンアドレスに分岐する命令を実行する。多くの呼出規約ではエピローグ処理でpopする範囲に元々の引数も含まれる。その場合、呼び出した側に戻ったときにすべきことは何もない。呼出規約によっては、引数部分のpopを呼び出し側の責任で行うものがある。 アンワインド [ 編集 ] 呼び出された関数から復帰するとスタックのトップにあったフレームがpopされ、戻り値が残される。 Pascal などの言語は関数の入れ子を越えた広域の goto文 をサポートしており、呼び出し側関数に制御を移すことができる。このとき、スタックのアンワインドを行って、goto文の戻り先の関数に対応したスタックフレームまで戻す必要がある。このような制御の転送は一般にエラー処理にのみ使われる。 スタックは 例外処理 の際にもアンワインドされなければならない。例外をサポートするためには、スタックフレームにさらに例外ハンドラを示すエントリが必要となる。例外がスローされると、スタックはその例外を処理できる例外ハンドラが見つかるところまでアンワインドされる。 Common Lisp ではスタックがアンワインドされたときに起きることを制御する unwind-protect という特殊な形式がある。 継続 を適用する場合、スタックは一度アンワインドされ、再度ワインドされて実行を継続する。継続を実装する方法はこれだけではなく、明示的に複数のスタックを用意して継続するアプリケーションが単にそのスタックを起動して渡すべき値をワインドする。 コールスタックとソフトウェアテスト [ 編集 ] 2006年、コールスタックを使ったこれまでとは全く異なる技法が発表された [ 5 ] 。それはコールスタックを使った test suite reduction と呼ばれる技法である。大まかに言えば、実行時のコールスタックが同じになるテストケースは等価だとみなしてテスト件数を減らしつつ、テストスイート全体の問題検出能力を維持するという考え方である [ 6 ] 。 性能解析 [ 編集 ] 無作為にコールスタックの標本を採取することで、プログラムの性能最適化に利用することができる。コールスタック上によく現れるサブルーチンは頻繁に呼び出されるか1回の実行に時間がかかっていると想定でき、その呼び出し回数を減らしたり、1回の実行にかかる時間を短縮することで大きな効果が期待できる。詳しくは 性能解析 を参照。 セキュリティ [ 編集 ] コード(リターンアドレス)とデータ(引数、戻り値、局所変数)がコールスタックに混在していることはセキュリティ上危険である。詳しくは バッファオーバーラン および スタック を参照されたい。 脚注・出典 [ 編集 ] ^ Interstage Application Server/Interstage Web Server チューニングガイド - 7.1.4 スタック ^ x64 calling convention | Microsoft Learn ^ /STACK (Stack allocations) | Microsoft Learn ^ Threading Programming Guide - Thread Management | Apple Developer Documentation Archive ^ “Call Stack Coverage for GUI Test-Suite Reduction” by Scott McMaster and Atif M. Memon. In Proceedings of the 17th IEEE International Symposium on Software Reliability Engineering (ISSRE 2006), Nov. 2006. ^ “Call-Stack Coverage for GUI Test-Suite Reduction” by Scott McMaster and Atif M. Memon. IEEE Trans. Softw. Eng., 2008, IEEE Press. 関連項目 [ 編集 ] 動的メモリ確保 自動メモリ確保 呼出規約 スタック スタックトレース バッファオーバーラン 外部リンク [ 編集 ] この節には 参考文献 や 外部リンク の一覧が含まれていますが、 脚注 による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です 。 適切な位置に脚注を追加して、記事の 信頼性向上 にご協力ください。 ( 2023年4月 ) Stack Frame Allocation on MSDN(英文) [ リンク切れ ] Function Calling and Frame Pointer Operations in 68000
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コルーチン
コルーチン ( 英 : co-routine )とは プログラミング の構造の一種。 サブルーチン がエントリーからリターンまでを一つの処理単位とするのに対し、コルーチンはいったん処理を中断した後、続きから処理を再開できる。接頭辞 co は協調を意味するが、複数のコルーチンが中断・継続により協調動作を行うことによる。 サブルーチンと異なり、状態管理を意識せずに行えるため、協調的処理、イテレータ、無限リスト、パイプなど、継続状況を持つプログラムが容易に記述できる。 コルーチンはサブルーチンを一般化したものと考えられる。コルーチンをサポートする言語には Modula-2 、 Simula 、 Icon 、 Lua 、 C# 、 Limbo 、 Swift などがある。 マルチスレッド で理論的には同じことができるため、現在はそちらが使われるケースが多い。これはマルチスレッドであれば直接OSやCPUスレッドの支援を受けられることや、エントリー/リターンの構造を変えずにコードを多重化できるので、過去の言語との親和性が良いなどが理由である。一方、マルチスレッドの場合はプログラマがスレッド間の同期や排他制御を行わなければならないが、その結果スレッドが実行を続けられなくなった場合は別のスレッドを実行するために暗黙的にコルーチンを呼び出す。この点では、マルチスレッドはコルーチンの抽象度をより高めた応用と解釈することができる。 言語仕様以外の例では、マルチタスクOSやユーザスレッドにおけるコンテキストスイッチがコルーチンとなる。この点では、上記の問題は「コルーチンを言語仕様とOSやスレッドライブラリのどちらに持たせるか」とも解釈できる。この場合でもコルーチンをスレッドやタスクのスリープのために明示的に呼び出すだけでなく、割り込みや例外処理の結果暗黙的に実行する場合の両方がある。 コルーチンという名称は、 メルヴィン・コンウェイ の1963年の論文 [ 1 ] に最初の記述がある。 関連項目 [ 編集 ] サブルーチン マルチスレッド 継続 脚注 [ 編集 ] ^ メルヴィン・コンウェイ「 Design of a separable transition-diagram compiler 」 Communications of the ACM 、第6巻、No. 7、1963年7月 典拠管理データベース : 国立図書館 イスラエル アメリカ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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定数
「 定数 」のその他の用法については「 定数 (曖昧さ回避) 」をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "定数" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2012年8月 ) 本項における意味でのより狭義の扱いについては「 数学定数 」をご覧ください。 数学 における 定数 (ていすう、じょうすう、 英 : constant ; 常数 )あるいは 定項 (constant term) は、二つの異なる意味を示し得る。 そのひとつは、固定 (fix) され [ 注釈 1 ] 、 矛盾なく定義された 数 (またはもっとほかの 数学的対象 )であり、この意味であることをはっきりさせるために「 数学定数 」あるいは「 物理定数 」という語を用いることもある。 もう一つの意味は、 定数函数 またはその 値 ( 英語版 ) (これらはふつうたがいに同一視される)を指し示すもので、この意味での「定数」は扱う問題における主変数に依存しない 変数 という形で表されるのが普通である。後者の意味での例として、 積分定数 ( 英語版 ) は、与えられた函数の原始函数をすべて得るために特定の 原始函数 に加えられる、任意の(積分変数に依存しないという意味での)定数函数を言う。 例えば、一般の二次関数はふつう a, b, c を定数(あるいはパラメータ)として a x 2 + b x + c {\displaystyle ax^{2}+bx+c} のようにあらわされる。ここに変数 x は考えている関数の 引数 の プレースホルダ となるものである。より明示的に x ↦ a x 2 + b x + c {\displaystyle x\mapsto ax^{2}+bx+c} のように書けば x がこの函数の引数であることが明瞭で、しかも暗黙の裡に a, b, c が定数であることを提示できる。この例では、定数 a, b, c はこの多項式の 係数 と呼ばれる。 c の項は x を含まないから 定数項 ( 英語版 ) と呼ばれ(これを x 0 の係数と考えることができる)、多項式において 次数 が零の任意の項または式は定数である [ 1 ] :18 。 概観 [ 編集 ] 数学 において定数は、 値 ( 英語版 ) が固定されて変化しない数である。固定されていると言っても、必ずしもその値が具体的に特定されている必要はなく、特定の値をとることが決まっているというのが定数の特徴である。すなわち、「未知の定数」あるいは「任意定数」という概念が存在するのであるが、これは 変数 とは異なる概念であることに注意されたい。変数には、ある範囲を任意に動かすことのみが想定されており、値が定められているわけではないのである(実際には、変数を任意定数と見なして議論をすすめることは少なからずあるが、そのことの詳細は 変数 の項を参照されたい)。 未知あるいは既知の定数を表す記号としては、 ラテン文字 の最初の方からとって、 a , b , c がよく用いられる。特に c は英語の constant に通じるため他の文字より先に用いられることもある(これに限らず文脈に応じて、表す対象物が明確な数に対してはそれに相応しい文字が与えられることが多い)。ラテン文字の大文字か小文字のいずれを用いるかはそれほど厳格な指針があるわけではないが、複数の定数を扱う場合にはいずれか一方に統一されることが多い。小文字の ギリシャ文字 の最初の方から α , β , γ などを用いることもある。これは デカルト の記法に倣ったものである。また、ドイツ語 Konstante から k を用いることもある。 また、ある数が定数であることを示すために、 C = const. としばしば書き表される。この場合、ある数 C が定数であることを意味する。 const. は英語の constant を略記したものであり、著者によっては略さずに書いたり、頭文字を大文字にする場合がある。また、英語以外の文献では、その文献に用いられている言語の対応する語彙が使われることもある(たとえば日本語文献においては「定数」)。この記法は単一の記号で表された数に限らず、 x 2 + y 2 = const. のように、ある演算結果が定数となる場合を示すためにも用いられる。 定数はしばしば 関数 の 引数 である変数に 代入 される。たとえば x を引数に取る関数 f ( x ) について、 x に定数 a を代入したものを f ( a ) と表すことがある。より厳格な記法として、以下のように関数の横に線を引き、線の横に代入する定数と定数が代入される引数を示す方法もしばしば用いられる。 f ( x ) | x = a {\displaystyle \left.f(x)\right|_{x=a}} 主変数に依存しない変数 [ 編集 ] →詳細は「 定数函数 」および「 零項演算 ( 英語版 ) 」を参照 引数の変化を無視して常に同じ値をとる 定数函数 として「定数」を用いることができる。一変数の定数函数(例えば f ( x ) = 5 )は x -軸に平行な水平線をグラフに持つ。このような函数は定義式に引数が現れないから常に同じ値(いまの例では 5 )をとる。 この意味で「定数」であるという性質は文脈に依存する (context-dependent) 概念で、特定の変数に依存しない(その変数の変化に伴っては変化しない)という意味で「定数」と言うことができる。例えば初等解析学において、 d d x 2 x = lim h → 0 2 x + h − 2 x h = lim h → 0 2 x 2 h − 1 h = 2 x lim h → 0 2 h − 1 h since x is constant (i.e. does not depend on h ) = 2 x ⋅ c o n s t a n t , where c o n s t a n t means not depending on x . {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {d}{dx}}2^{x}&=\lim _{h\to 0}{\frac {2^{x+h}-2^{x}}{h}}=\lim _{h\to 0}2^{x}{\frac {2^{h}-1}{h}}\\[8pt]&=2^{x}\lim _{h\to 0}{\frac {2^{h}-1}{h}}&&{\text{since }}x{\text{ is constant (i.e. does not depend on }}h{\text{)}}\\[8pt]&=2^{x}\cdot \mathbf {constant,} &&{\text{where }}\mathbf {constant} {\text{ means not depending on }}x.\end{aligned}}} のような用例を見ることができる。この例で真ん中の行は h を動かすときに固定されているという意味で x は定数であると言っているのであり、最後の行では x に依存しないという意味で定数というのである。 有名な定数 [ 編集 ] →詳細は「 数学定数 」を参照 数学において特定の数値は頻繁に表れ、慣習的に特別な記号であらわされる。そのような数値とその標準的な記号は数学定数と呼ばれる。 0 (零): 群 ( Z , + ) {\displaystyle (\mathbb {Z} ,+)} における 加法単位元 . 1 (壱): 零の直後の 自然数 .群 ( R ∖ { 0 } , ⋅ ) {\displaystyle (\mathbb {R} \setminus \{0\},\cdot )} における 乗法単位元 . π ( 円周率 ): 円の直径に対する円周の長さの 比 ≈ 3.141592653589793238462643…. [ 2 ] e ( ネイピア数 ) ≈ 2.718281828459045235360287…. i ( 虚数単位 ): i 2 = −1. √ 2 ( 2の平方根 ): 一辺 1 の正方形の対角線の長さ ≈ 1.414213562373095048801688…. φ ( 黄金数 ): (1 + √ 5 )/2 ≈ 1.618033988749894848204586…. 解析学において [ 編集 ] 初等解析学 において定数は、そこで扱う演算によっていくつか異なる扱いをされる。例えば 微分 において、定数函数の導函数は零函数である。これは取りも直さず、微分係数が函数のある変数に関する変化率を測るものであって、定数函数は定義により変化をしないものなのだから、導函数が零であるのは必然である。他方、 積分 の場合は定数函数の原始函数において、その定数函数の値は積分変数に掛かる係数になる。 極限 の評価においては、定数は評価の前後で変わらず同じ値のままである。 一変数函数の 不定積分 においては 積分定数 ( 英語版 ) が含まれる。これが生じるのは不定積分が微分して得られる函数の原函数を恢復することを目的とするという意味において 微分 の逆演算になっているという不定積分の性質によるものである。既に注意したように定数函数の微分は零函数であり、微分演算は線型作用素であるから、定数だけしか違わない任意の函数同士は同じ導函数を持つ。このことの重要性を顕示するために積分定数は不定積分に加えられ、それにより可能なすべての解函数を表すことが保証される。積分定数(一般に C と書かれる)は、それが固定されているが未知 (fixed but undefined) の値であるものという意味での「定数」を表している。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 英 : constant は形容詞として「変化しない」こと (non-varying) を意味する 出典 [ 編集 ] ^ Foerster, Paul A. (2006). Algebra and Trigonometry: Functions and Applications, Teacher's Edition (Classics ed.). Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall . ISBN 0-13-165711-9 ^ Arndt, Jörg; Haenel, Christoph (2001). Pi – Unleashed . Springer. p. 240. ISBN 978-3540665724 外部リンク [ 編集 ] Weisstein, Eric W. "Constant" . mathworld.wolfram.com (英語). Hazewinkel, Michiel, ed. (2001), “Constant” , Encyclopedia of Mathematics , Springer, ISBN 978-1-55608-010-4 , https://www.encyclopediaofmath.org/index.php?title=Constant
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コンスタントプール
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF
コンストラクタ
コンストラクタ ( 英 : constructor )は、 オブジェクト指向 の プログラミング言語 で新たな オブジェクト を生成する際に呼び出されて内容の初期化などを行なう 関数 あるいは メソッド のことである。対義語は デストラクタ 。 オブジェクトの生成は、 メモリ割当( 英 : allocation ) 初期化( 英 : initialization ) の二段階を経て行なわれるが、コンストラクタを持つプログラミング言語ではメモリ割り当ては言語機能に組み込まれ、初期化用のコードのみを記述するのが普通である。 JIS では、「構築子」という直訳が割り当てられている規格もあるが [ 注釈 1 ] 、「コンストラクタ」という用語が使われている規格もある [ 注釈 2 ] 。 長音符 を付けた「コンストラクター」という表記を採用しているドキュメントもある [ 4 ] [ 5 ] 。 クラスベース言語でのコンストラクタ [ 編集 ] C++ 、 Java 、 C# 、 PHP など、 クラスベース のオブジェクト指向言語では、コンストラクタは クラス のメンバとして定義される。 C++、Java、C#のコンストラクタは、「クラス名と同一の名前を持ち、戻り値指定のない関数(メソッド)」であるかのような記法となっている。以下にJavaの例を示す。 class SomeClass { SomeClass ( /*引数リスト*/ ) { // 初期化用のコード } } SomeClass obj = new SomeClass ( /*引数リスト*/ ); なお、 コンストラクタについて「クラス名と同一の名前を持つ関数(メソッド)」と説明している場合がある [ 要出典 ] が、C++やJavaでは厳密にいえばこれは誤りであり、コンストラクタには名前はない。C++では「クラス名と同一の名前を持つメンバー関数」を定義することはできない。一方、Javaでは「クラス名と同一の名前を持つメソッド」を、コンストラクタとは別に定義可能であるが、これは混乱を招くだけでなく、「クラス名を大文字で始め、メソッド名を小文字で始める」というJava公式の慣習に反することにもなるため、通例コーディング規約で禁止または非推奨とされている [ 6 ] [ 7 ] 。 また、PHPでは __construct 、 Ruby では initialize というように、特定の名前を持つメソッドを作ればそれがコンストラクタになる、というプログラミング言語も存在する。 コンストラクタに渡す 引数 により初期化のバリエーションが定義される。特にパターンとして名前をもつコンストラクタは以下である。 デフォルトコンストラクタ 引数なしで呼び出すことができるコンストラクタのことである。通常は引数のないコンストラクタであるが、C++ では全ての引数にデフォルト引数が指定されているコンストラクタも引数なしで呼び出すことが可能なためデフォルトコンストラクタと呼ばれる。 コピーコンストラクタ 同一クラスのオブジェクトを基に、同一内容のオブジェクトを作成するコンストラクタ。複製を作る。ムーブコンストラクタと異なり、コピー元のオブジェクトが書き換えられることはない。 ムーブコンストラクタ 同一クラスのオブジェクトを基に、同一内容のオブジェクトを作成するコンストラクタ。コンストラクタ内では、内部状態をムーブ元のオブジェクトから自身のオブジェクトに移動する。すなわち、ムーブ元のオブジェクトの内容は破壊される(ムーブコンストラクタ実行前と異なる状態となる)。 C++11 で正式に導入された [ 8 ] 。 変換コンストラクタ 別の型からの暗黙変換を提供するコンストラクタ。C++において、 explicit 指定されておらず、1つだけ引数を受け取るコンストラクタは変換コンストラクタ (converting constructor) になり、明示的なコンストラクタ呼び出しの記述を省略できる [ 9 ] 。2つ以上の引数を受け取り、2つ目以降にデフォルト引数が指定されているコンストラクタも対象になる。 コンストラクタチェーン 引数の異なる複数のコンストラクタをチェーンのように一つのコンストラクタへ結び付けること。単純なものから複雑なものへ流すことで初期化コードの重複を防ぐ。 C++11 では委譲コンストラクタが言語機能として実装された。 JavaScriptのコンストラクタ [ 編集 ] JavaScript は プロトタイプベース のオブジェクト指向言語であるため、クラスは存在せず、 new演算子 付きで通常の関数を呼び出すことで、コンストラクタとして動作させる [ 10 ] 。コンストラクタとして呼び出された関数では、 this は新しく生成されるオブジェクトを指すようになり [ 10 ] 、また prototype プロパティも設定される [ 11 ] 。 なお、 ECMAScript 2015 (ES6) 以降はキーワード class をサポートし、 class の関数プロパティ constructor としてコンストラクタを定義し new 演算子に渡される式で暗黙に呼び出される [ 12 ] 。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ JIS X 3015「プログラム言語C#」 [ 1 ] では、instance constructorをインスタンス構築子、static constructorを静的構築子、default constructorを省略時構築子と訳している。JIS X 3060「ECMAScript言語」 [ 2 ] では構築子という訳語が使われている。 ^ JIS X 3014「プログラム言語C++」 [ 3 ] を参照。 出典 [ 編集 ] ^ JISX3015 2008 . ^ JISX3060 2000 . ^ JISX3014 2003 . ^ コンストラクター - C# プログラミング ガイド | Microsoft Docs ^ コンストラクターとデストラクターの概要 (C++ のみ) - IBM Documentation ^ Javaコーディング規約 | Future Enterprise Coding Standards ^ Java: Non-constructor methods should not have the same name as the enclosing class ^ Mayers, Scott 「3章 現代のC++への移行 項目17:自動的に生成される特殊メンバ関数を理解する」『Effective Modern C++』千住治郎、オーム社、2015年9月16日、107頁。 ISBN 978-4-87311-736-2 。「C++11から、ムーブコンストラクタとムーブ代入演算子の2つが追加されました。」 ^ Converting constructor - cppreference.com ^ a b 山田祥寛 (2007年9月25日). “ 連載:Ajax時代のJavaScriptプログラミング再入門 第4回 JavaScriptでオブジェクト指向プログラミング Page1 ”. @IT . 2011年12月13日閲覧。 ^ 山田祥寛 (2007年9月25日). “ 連載:Ajax時代のJavaScriptプログラミング再入門 第4回 JavaScriptでオブジェクト指向プログラミング Page2 ”. @IT . 2011年12月13日閲覧。 ^ "Jordan Harband" (2021年6月24日). “ "ECMA-262::15.7 Class Definitions" ”. ECMAインターナショナル. 2021年7月1日閲覧。 参考文献 [ 編集 ] JIS X 3014 :2003「プログラム言語C++」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) JIS X 3015 :2008「プログラム言語C#」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) JIS X 3060 :2000「ECMAScript言語」 ( 日本産業標準調査会 、 経済産業省 ) 関連項目 [ 編集 ] ウィクショナリー に関連の辞書項目があります。 コンストラクタ デストラクタ この項目は、 ソフトウェア に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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コンテナ (データ型)
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "コンテナ" データ型 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2025年2月 ) コンピュータプログラミング において、 コンテナ ( 英 : container )とは オブジェクト の集まりを表現する データ構造 、 抽象データ型 または クラス の総称である。 コレクション ( 英 : collection )とも言う。コンテナには複数の種類があり、それぞれ独自の方法でオブジェクトを組織的に格納する。 よく知られたものには、 配列 リスト スタック キュー テーブル 連想配列 集合 木 グラフ などがある。 同じ分類のコンテナであっても、実装形態の違いから、各種操作の計算量(計算時間)やメモリ上に占める空間的特性などが異なるものがある。例えばリストには主に動的配列によるリストと 連結リスト があり、それぞれ場面によって向き不向きがある。 コンテナクラスは一般的に以下のような操作を実装している。 新しい空のコンテナを作成する 格納しているオブジェクト(要素)の数を得る すべての要素を取り除く(空にする) 新しい要素を格納する 特定の要素を取り除く 格納している要素へのアクセス手段を提供する ジェネリックプログラミング をサポートする言語や、 動的型付け 言語では、一般的にコンテナの要素にはどのような データ型 のオブジェクトも取ることができるが、言語によっては要素の型が満たすべき要件が制約として課されていることもある [ 1 ] 。この要件を満たせば、他のコンテナ型を要素に取るコンテナを定義することもできる。またコンテナのサイズは要素数に合わせて自動的に変化する。 コンテナがオブジェクトを格納する方法には2種類ある。 値 によるものと 参照 によるものである。 値によるコンテナ オブジェクトのコピーを格納する。要素へのアクセスはそのコピーを返す。あるオブジェクトをコンテナに格納した(このときコピーされる)後で外部で変更を加えても、コンテナの中身には影響しない。 参照によるコンテナ オブジェクトへの参照や ポインタ のみを格納する。要素へのアクセスはその参照を返す。あるオブジェクトをコンテナに格納した後で外部で変更を加えると、コンテナの中身(その要素)が変更される。 弱い参照 によって ガベージコレクション を考慮するものもある。 Java のコレクション・フレームワークや C++ の STL などで、多くの汎用コンテナが実装されている。なお、Javaの場合はジェネリクスは型消去によって実現されている [ 2 ] ことから、型パラメータに int のようなプリミティブ型を指定することはできず [ 3 ] 、 java.lang.Object から派生する参照型のみが許可される。そのため配列以外の汎用コレクションにプリミティブ型を直接格納することはできず、必ず java.lang.Integer のような プリミティブラッパークラス を使う必要がある。 .NET のジェネリクスではこの点が改善されており、汎用コレクションの要素に値型・参照型を問わず任意の型を指定できる。 脚注 [ 編集 ] ^ std::vector - cppreference.com ^ Type Erasure (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Generics (Updated)) ^ Generic Types (The Java™ Tutorials > Learning the Java Language > Generics (Updated)) 関連項目 [ 編集 ] イテレータ Standard Template Library#コンテナ 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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コンパイラ
この項目では、コンピュータプログラムにおけるコンパイラについて説明しています。麻宮騎亜作の漫画については「 Compiler 」をご覧ください。 この記事には 参考文献 や 外部リンク の一覧が含まれていますが、 脚注 による参照が不十分であるため、情報源が依然不明確です 。 適切な位置に脚注を追加して、記事の 信頼性向上 にご協力ください。 ( 2018年10月 ) プログラムの実行 一般的な概念 コード ( 英語版 ) トランスレーション コンパイル コンパイル時 コンパイラの最適化 ( 英語版 ) 中間表現 (IR) 実行 ランタイムシステム ランタイム 実行ファイル インタプリタ バーチャルマシン コードの種類 ソースコード オブジェクトコード バイトコード 機械語(マシン語) マイクロコード コンパイル戦略 実行時コンパイル (JIT) トレーシング実行時コンパイル 事前コンパイル (AOT) トランスコンパイル 再コンパイル ( 英語版 ) 有名なランタイム Android Runtime (ART) Common Language Runtime (CLR) & Mono crt0 ( 英語版 ) HHVM Java仮想マシン (JVM) Objective-C & Swift Chrome V8 & Node.js PyPy Zend Engine 有名なコンパイラとツールチェーン GNUコンパイラコレクション (GCC) LLVM & Clang 表 話 編 歴 ソフトウェア開発工程 中心となる活動 ソフトウェア ソフトウェア開発 要求分析 ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア設計 ソフトウェアエンジニアリング プログラミング ソフトウェアテスト デバッグ ソフトウェアデプロイメント ソフトウェア保守 パラダイムとモデル アジャイルソフトウェア開発 ソフトウェアクリーンルーム 反復型開発 ソフトウェアプロトタイピング スパイラルモデル Vモデル ウォーターフォール・モデル ソフトウェア開発方法論 とフレームワーク 適応型ソフトウェア開発 ( 英語版 ) DevOps ディシプリンド・アジャイル・デリバリー ( 英語版 ) 動的システム開発手法 ( 英語版 ) ユーザー機能駆動開発 反復型開発 かんばん リーンソフトウェア開発 ( 英語版 ) LeSS ( 英語版 ) モデル駆動工学 Microsoft Solutions Framework ( 英語版 ) パーソナルソフトウェアプロセス ( 英語版 ) 高速アプリケーション開発 ラショナル統一プロセス Scaled agile framework ( 英語版 ) スクラム SEMAT ( 英語版 ) Team software process ( 英語版 ) OpenUP ( 英語版 ) 統一プロセス エクストリーム・プログラミング 開発支援 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアドキュメンテーション ソフトウェア品質保証 ソフトウェアプロジェクト管理 ユーザーエクスペリエンス プラクティス 受け入れテスト駆動開発 ( 英語版 ) ビヘイビア駆動開発 Collective code ownership ( 英語版 ) 継続的インテグレーション 継続的デリバリー ドメイン駆動設計 ペアプログラミング 実例による仕様 ( 英語版 ) スタンドアップ・ミーティング ( 英語版 ) テスト駆動開発 プログラミングツール コンパイラ デバッガ リンケージエディタ 性能解析 GUIビルダ UML tool ( 英語版 ) 統合開発環境 ビルド自動化 アプリケーションリリース自動化 Infrastructure as code カテゴリ:ソフトウェアテストツール 標準と機関 BABOK Capability Maturity Model Integration IEEE Standards Association ISO 9001 ISO/IEC JTC 1/SC 7 ( 英語版 ) PMBOK SWEBOK ITIL 用語集 人工知能の用語集 ( 英語版 ) コンピュータ科学の用語集 ( 英語版 ) ソフトウェア工学 表 話 編 歴 コンパイラ ( 英 : compiler )は、 高水準言語 で書かれた コンピュータプログラム を、 コンピュータが実行や解釈できる形式に、一括して( [ 注釈 1 ] )変換する ソフトウェア [ 2 ] 。 概説 [ 編集 ] コンパイラの技術書のバイブルとされるAlfred V.Aho( アルフレッド・エイホ )著 Compilers, Principles, Techniques, and Tools (通称「ドラゴンブック」 [ 注釈 2 ] )の第1章1節の冒頭に、コンパイラとはそもそも何かということについて説明が掲載されており、そこには「簡潔に言うと、コンパイラとは、ある言語(プログラミング言語)で書かれたプログラム(ソースプログラム)を読み、それを別の言語で書かれた等価のプログラム(ターゲットプログラム)へと翻訳(translate)するプログラムである。」と書かれており、さらに続けて「コンパイラは、ソースプログラムに含まれるエラーをユーザに報告するという重要なことを翻訳の1プロセスとして行う。」という説明も加えている [ 3 ] 。 英語の 動詞 で、あるプログラム言語で書かれたコードを別の言語で書かれたコードに変換することを" compile "( コンパイル )といい、コンパイラとはその変換を一括して [ 注釈 1 ] 行なう コンピュータプログラム のことである。 インタプリタ とよく対比される。 (なお、上では「ソースプログラム」「ターゲットプログラム」という古典的用語を含む説明文を紹介したが、最近の技術用語では、変換される前のプログラムを「 ソースコード 」と呼び、変換後の機械語あるいは中間言語のプログラムなどを「 オブジェクトコード 」と呼ぶ [ 4 ] 傾向がある。また機械語は二進数で書かれているので近年では「 バイナリ コード」ということもある。) よくあるのは、 高水準言語 で書かれたプログラムを、コンピュータの プロセッサ [ 注釈 3 ] が直接実行できる 機械語 あるいはアセンブリ言語のような 低水準言語 あるいは元のプログラムよりも"低いレベル"のコード(例えば バイトコード などの 仮想機械 向け 中間言語 あるいは 中間表現 )に変換するものである。 コンパイラを俯瞰してみると、この世には圧倒されるほど多種類のコンパイラがある [ 3 ] 。というのは、ソースコード(ソースプログラム)の記述に使われるプログラミング言語だけに着目しても、 FORTRAN など歴史の古い言語から始まり近年勃興してきている言語まで含めると数千にもおよぶプログラミング言語があり、他方、オブジェクトコード(ターゲットプログラム)の記述に使われる言語のほうに着目しても、種類がやはり非常に多く、ソースコードの言語とは別の言語であるかも知れないし [ 注釈 4 ] 、(あるいは中間言語であるかも知れないし)、あるいは機械語であるかも知れないからであり、その機械語も マイクロプロセッサ を用いたコンピュータのものから スーパーコンピュータ のものまであり多種多様だからである [ 3 ] 。 またコンパイラの種類には、シングルパス(ワンパスとも。1回で変換作業を完了できるもの)、マルチパス( en:Multi-pass compiler 。複数回の作業が必要だが、主記憶が少なくても動くもの)、ロード・アンド・ゴー(変換してすぐに実行を開始するもの)、 デバッグ 用、最適化用などの種類もある [ 3 ] 。 → #分類 の節で説明 またコンパイルを使ったコンパイル作業は、ひとつのプログラムとして動作する全てのコードをいっぺんにコンパイルするのではなく、モジュール毎などに分けてコンパイルし(「分割コンパイル」)、 ライブラリ などは あらかじめコンパイルされているものと合わせて 、実行するようにすることも多い [ 5 ] 。この場合、コンパイラは リロケータブルバイナリ を出力し、実行可能ファイルの生成には リンケージエディタ が必要であり、さらに 動的リンク で実行する場合はダイナミックリンカ/ローダ( ローダ の一種)も必要である。 なお、「コンパイラ(言語) / インタプリタ(言語)」という2分法的な分類は、 Java 登場以前では一般的で適切だったが、近年では適切でないことも増えている。開発環境などでは、コンパイルした後に実行するというような手続きを1コマンドで行えるものも増えている。そして、Java以降はインタプリタでも 実行時コンパイラ などの技術の利用がさかんになってきており、古典的な意味での「コンパイラ」と「インタプリタ」の中間的な性質のツール(プログラム)も増えてきているからである。 なお英語の「compile」はもともと「 編集 する」「 編纂 する」という意味の英語であり [ 6 ] [ 7 ] 、「compiler」というのは「編集者」という意味の英語である [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ] [ 11 ] 。 歴史 [ 編集 ] 1940年代まで、コンピュータのプログラミングは機械語で直接行なわれていた。プログラムを指して「コード」(英語では暗号を意味する)と呼ぶのは、知らない人間には機械語は全く意味のわからない数値の羅列だからである。しかし、(人間にとって比較的理解のしやすい) 十進法 の数字で書かれたアドレスを内部表現の二進法に変換する、といったプログラムならば EDSAC (1940年代末に登場した、イギリスのマシン)において既に存在していた。(つまり、この段階で、 アセンブラ のごく一部の機能に限れば、実現していたことになる) 機械語でのプログラミングは言うに及ばず、アセンブリ言語を用いても、プログラミングというのは面倒な作業である。そういった 低水準言語 から、人間がより扱いやすい 高水準言語 が徐々に求められるようになった。また、機械の詳細が抽象化されることにより、高水準なプログラミング言語で書かれた同一のソースコードを元に、詳細仕様が異なる機械でも動くプログラムを生成できる、という利点もあった。1950年代末までに、プログラミング言語がいくつか提案され、実験的なコンパイラがいくつか開発された。 世界初のコンパイラについては、1952年に グレース・ホッパー が書いた A-0 System だとされることもある。だが一般的には 1957年 に IBM の ジョン・バッカス のチームが開発した FORTRAN コンパイラ が世界初の完全なコンパイラであるとされている。一般的なコンパイラの開発では、まず動くものを作ってから 最適化 の機能が付け加えられるが、最初のFORTRANコンパイラでは、コンパイラが実用になることを示すために、最初から最適化に労力が向けられた。 1960年の、ホッパーらによる COBOL は複数の アーキテクチャ 上でコンパイル可能となった言語の最初期の1つである。 様々なアプリケーション領域で、高水準言語というアイデアは素早く浸透していった。機能が拡張されたプログラミング言語が次々と提案され、コンピュータの アーキテクチャ そのものも複雑化していったため、コンパイラはどんどん複雑化していった。 初期のコンパイラはアセンブリ言語で書かれていた。世界初の「 セルフホスティング コンパイラ」は、1962年に マサチューセッツ工科大学 の Hart と Levin が開発した LISP である [ 12 ] 。1970年代には、特に Pascal や C言語 などにおいて、コンパイル対象言語でコンパイラを書くことが一般化した。さらにより高水準の言語のコンパイラは、PascalやC言語で実装することも多い。セルフホスティング・コンパイラの構築には、 ブートストラップ問題 がつきまとう。すなわち、コンパイル対象言語で書かれたコンパイラを最初にコンパイルするには、別の言語で書かれたコンパイラが必要になる。Hart と Levin の LISPコンパイラではコンパイラをインタプリタ上で動作させてコンパイルを行なった。 分類 [ 編集 ] 機械語 にコンパイルするコンパイラもあれば、そうでないコンパイラ(後述)もある。機械語コードのことを、ハードウェアである プロセッサ の生のコード、というような意味でネイティブコードなどと言うことがあり、機械語にコンパイルするコンパイラのことをネイティブコンパイラと言うことがある。 コンパイラに限らず、入力と出力を持つあらゆる変換系は、入力の種類がm種類、出力の種類がn種類あるとすると、m×n種類があることになる。コンパイラの場合、プログラミング言語がm種類、コード生成の対象となる命令セットアーキテクチャがn種類、といったような感じになるわけであり、入力側をフロントエンド、出力側をバックエンドと言うが、中間表現の設計いかんでは、残りの中間処理の部分、特に重要な部分である コンパイラ最適化 を共有できるため、1980年代以降に基本設計が為されたGCCやCOINSやLLVMなどでは、そのようにして多言語・多ターゲットに対応している。 汎用OSなど、開発環境と同じ環境で目的プログラムも動作させるような開発を「セルフ開発」と言い、セルフ開発のコンパイラを「セルフコンパイラ」という。それに対し、開発環境とは別の環境で実行するような開発を「クロス開発」といい、そのためのコンパイラを クロスコンパイラ という。OSカーネル自身のコンパイルなどは、カーネル自身の実行環境は、そのOSではなくベアメタルであるという意味ではある種のクロスコンパイルのようなものであるし、新しいコンピュータシステムのための環境を最初に作るにはクロス開発の必要がある。あるいは、 組み込みシステム や PDA など、それ自体が開発環境を動作させるだけの機能や性能を持たない場合、といったものもある。 いわゆるネイティブコードではなく 中間コード を生成し、さらに別のコンパイラに処理を任せたり、別のインタプリタによって実行したりするものもある。これを中間コードコンパイラ、 バイトコード コンパイラなどと呼ぶ。またそのバイトコードを解釈実行する処理系をバイトコードインタプリタなどと呼ぶ。 ワンパスとマルチパス [ 編集 ] コンパイラは様々な処理の集合体であり、初期のコンピュータではメモリ容量が不十分であったため、一度に全ての処理を行うことができなかった。このためコンパイラを複数に分割し、ソースコードや何らかの中間的な表現に何度も処理を施すことで解析や変換を行っていた。 一回でコンパイルが可能なものを ワンパスコンパイラ と呼び、一般に マルチパスコンパイラ よりも高速で扱いやすい。 Pascal など、多くの言語はワンパスでコンパイルできるよう意図して設計されている。 言語の設計によっては、コンパイラがソースコードを複数回読み込む必要がある。たとえば、20行目に出現する宣言文が10行目の文の変換に影響を与える場合がある。この場合、一回目のパス(読み込み)で影響を受ける文の後にある宣言に関する情報を集め、二回目のパスで実際の変換を行う。 ワンパスの欠点は、高品質のコードに欠かせない最適化を行いにくいという点が挙げられる。最適化コンパイラが何回読み込みを行うかというのは決まっていないが、最適化の各フェーズで同じ式や文を何度も解析することもあるし、一回しか解析しない箇所もある。 コンパイラを小さなプログラムに分割する手法は、研究レベルでよく行われる。プログラムの 正当性 の判定は、対象プログラムが小さいほど簡単なためである。 ネイティブコンパイラの他にも以下のような、「ネイティブの機械語」以外をターゲットとするコンパイラ(ないしトランスレータ)がある。 何らかの高水準言語から、何らかの高水準言語に変換する「トランスレータ」。「 トランスコンパイラ 」などという語もある。たとえば、 OpenMP などの自動並列化コンパイラは並列化が明示されていないプログラムを、並列化を明示したプログラムに変換する。または、FORTRANの DOALL 文など何らかの言語構文を変換する。 ステージコンパイラ(Stage Compiler)は何らかの理論上のマシンのアセンブリ言語を出力する。たとえば、 一部の Prolog でそのような実装がなされている。 [ 要出典 ] Java や Python のバイトコードコンパイラもステージコンパイラの一種と言える。 Java や Smalltalk やマイクロソフトの 共通中間言語 システムで使われている JITコンパイラ 。コンパイラはいったん中間表現を生成し、実行時に中間表現がターゲットの機械語にコンパイルされる。 コンパイラ言語 [ 編集 ] もっぱらその言語の処理系がコンパイラとして実装される言語を「コンパイラ言語」などと言い、インタプリタとして実装される言語を「インタプリタ言語」などと言うこともあるが、実験的な実装まで含めればどちらもある言語も多い。 Microsoft Visual Studio に付属する F# / C# Interactiveのように、 対話環境 で入力したプログラムを、コンパイラで 共通中間言語 ( 中間表現 )にコンパイルし、さらに 共通言語ランタイム ( 仮想機械 )上でネイティブコードにJITコンパイルしてインタプリタ的に実行する、というような処理系もある。 Java や Microsoft Visual Basic のように、登場当初はインタプリタ方式だったが、のちにネイティブコードへのJITコンパイルやAOTコンパイルをサポートするようになった言語もある。 Common Lisp など言語によっては、実装にコンパイル機能を含むことを義務とする仕様もある(ただし、Common Lisp仕様は解釈実行の処理系を禁止しているのではない)。また、インタプリタの実装が容易でコンパイラの実装が困難な言語もある( APL 、 SNOBOL4 など)。メタプログラミングの利用、特に文字列を eval することは、インタプリタ方式では造作ないことだが、コンパイラ方式では実行環境にコンパイラ自体が必要となる( 動的プログラミング言語 も参照)。 ハードウェア・コンパイラ [ 編集 ] ハードウェア記述言語 の処理系(合成系)を、ハードウェアコンパイラとかシリコンコンパイラなどと呼ぶことがある。 コンパイルのタイミング [ 編集 ] コンパイルをアプリケーションの実行時に行うか、実行前に行うかで2つに分かれる。 事前コンパイラ - 実行前に事前にコンパイルする。Ahead-Of-Timeコンパイラ (AOTコンパイラ)。 実行時コンパイラ - 実行時にコンパイルする。Just-In-Timeコンパイラ (JITコンパイラ)。 教育用コンパイラ [ 編集 ] コンパイラ構築と コンパイラ最適化 は、大学での 計算機科学 や 情報工学 のカリキュラムの一部となっている。そのようなコースでは適当な言語のコンパイラを実際に作らせることが多い。文書が豊富な例としては ニクラウス・ヴィルト が1970年代に教育用に設計し、教科書中で示した PL/0 がある [ 13 ] 。PL/0 は単純だが、教育目的にかなった基本が学べるようになっている。PL/0 はPascalで書かれていた。ヴィルトによる教科書は何度か改訂されており、1996年の版では Oberon でOberonのサブセットOberon-0を実装している。 段階的改良によるプログラム開発 [ リンク切れ ] の採用 再帰下降構文解析 の採用 拡張BNF記法 による文法記述の採用 Pコード の採用 ブートストラップ問題 をT図式( en:Tombstone diagram )で形式的に記述 インタプリタとの違い [ 編集 ] もともとは、コンパイラはしばしば インタプリタ と対比されてきたものである。コンパイラは、生成された機械語プログラムなどの実行は行わないが、一度コンパイルすればコンパイラを使わずに何度も実行できるという利点がある。しかし、 インタプリタ は、 バイナリ の実行ファイルは生成せず、実行するときに常に必要だが、 プログラム を作ったらすぐに実行できるという利点がある [ 14 ] [ 15 ] 。 しくみと設計 [ 編集 ] コンパイラは、概念的に言うと、一般に次のようなフェーズ(phase(s)、段階)に従い処理を行う [ 16 ] [ 17 ] 。 通常、次のような入・出力図で説明される。 [ 16 ] ソースプログラム( ソースコード ) ↓ 字句解析器 ↓ 構文解析器 ↓ セマンティック解析器 ↓ 中間コード生成器 ↓ コード最適化器 ↓ コード生成器 ↓ ターゲットプログラム(オブジェクトコード) 太字で表記したものがコンパイラの中に含まれている部分(コンパイラの部品)である。つまり、まず 字句解析器 ( 字句解析 部)がソースコードを読み込み トークン に分解し、次に 構文解析器 ( 構文解析 部)がトークン列からプログラムの構文木を構築し、次にセマンティック解析器(意味解析器)が意味論的な解析を行い、次に中間コード作成器が中間コードを生成し、次に最適化器がコードの最適化を行い、最後に コード生成 器が最終的なターゲットプログラム(オブジェクトコード) [ 注釈 5 ] を生成する。 なお、コンパイラの作成に関することだが、字句規則から字句解析器を生成する lex [ 18 ] 、構文規則から構文解析器を生成する パーサジェネレータ [ 19 ] というプログラムがあり、広く実用的に使われている。つまりコンパイラのプログラムの一部分を自動的に書いてくれるようなプログラムがすでにあり、それのおかげで全部人力で書くようなことはしないで済む。(なお、コンパイラ全体を生成する コンパイラジェネレータ も研究されているものの、広く実用に使われるには至っていない。) コンパイラ設計手法は処理の複雑さ、設計者の経験、利用可能なリソース(人間やツール)に影響される。 コンパイル処理の分割を採用したのは カーネギーメロン大学 での Production Quality Compiler-Compiler Project であった。このプロジェクトでは、「 フロントエンド 」、「ミドルエンド」(今日では滅多に使われない)、「バックエンド」という用語が生み出された。 非常に小さなコンパイラ以外、今日では2段階(2フェーズ)以上に分割されている。しかし、どういったフェーズ分けをしようとも、それらフェーズはフロントエンドかバックエンドの一部と見なすことができる。フロントエンドとバックエンドの分割点はどこかというのは論争の種にもなっている。フロントエンドでは主に文法的な処理と意味論的な処理が行われ、ソースコードよりも低レベルな表現に変換する処理が行われる。 ミドルエンドはソースコードでも機械語でもない形式に対して最適化を施すフェーズとされる。ソースコードや機械語と独立しているため、汎用的な最適化が可能とされ、各種言語や各種プロセッサに共通の処理を行う。 バックエンドはミドルエンドの結果を受けて処理を行う。ここでさらなる解析・変換・最適化を特定のプラットフォーム向けに行う場合もある。そして、特定の プロセッサ やOS向けにコードを生成する。 このフロントエンド/ミドルエンド/バックエンドという分割法を採用することにより、異なるプログラミング言語向けのフロントエンドを結合したり、異なるCPU向けのバックエンドを結合したりできる。この手法の具体例としては GNUコンパイラコレクション や Amsterdam Compiler Kit 、 LLVM がある。これらは複数のフロントエンドと複数のバックエンドがあり、解析部を共有している。 フロントエンド [ 編集 ] フロントエンドはソースコードを分析して、 中間表現 または IR と呼ばれるプログラムの内部表現を構築する。また、 シンボルテーブル を管理し、ソースコード内の各シンボルに対応したデータ構造に位置情報、 型 情報、 スコープ などの情報を格納する。このような処理はいくつかのフェーズで実施される。たとえば以下のようなフェーズがある。 行再構築 (Line reconstruction) - キーワードに ストロッピング ( 英語版 ) を施す場合や識別子に空白を挿入可能な場合、字句解析の前に入力文字列を「正規化」する必要がある。1960年代の一般的な トップダウン の 再帰下降型の表駆動構文解析 では、ソースコードを一度読み込むだけでトークン化のフェーズは不要だった。ストロッピングを行う言語としては、 Atlas Autocode ( 英語版 ) 、 Edinburgh IMP ( 英語版 ) 、一部の ALGOL 処理系などがあり、これらは「行再構築」フェーズを持っている。ストロッピングとは、キーワードに何らかの記号をつけることでキーワードとして使われている文字列を 予約語 とせず、同じ文字列を変数名やサブルーチン名に利用できるようにしたものである。たとえば、シングルクオートでキーワードを囲むとか、%記号を先頭につけるなどの記法がある。 字句解析 - ソースコードの文字列を、「トークン」と呼ばれる、言語的に意味のある最小単位に分割する。各トークンは最小構成要素であり、たとえばキーワード、 識別子 、シンボル名、「10」や「365」のような数、などである [ 20 ] 。トークンは一般に 正規言語 に従うため、 正規表現 を解釈する 有限オートマトン で認識できる [ 21 ] 。字句解析を行うソフトウェアを 字句解析器 (lexical analyzer)と呼ぶ。 プリプロセッサ - コンパイル前の全処理を行うもの。 マクロ を実装や、定数の定義、ヘッダファイルの読み込みに使われる。一般にこのフェーズは構文解析や意味解析の前に行われる。プリプロセッサはトークンを操作するものであって、構文を考慮しない [ 22 ] 。だから、C言語などでは、プリプロセッサでマクロを実装できるが、 LISP のような言語では構文解析後に マクロ を置き換える必要があり、プリプロセッサは使われない。 構文解析 - トークン列を解析し、プログラムの構造を明らかにする。このフェーズで 構文木 が構築され、単なるトークンの列だったプログラムにその言語の文法を定義した 形式文法 の規則を適用することで 木構造 を生成する [ 23 ] [ 24 ] 。構文木は、この後の工程で解析され、強化され、変換される。 意味解析 ( 英語版 ) - 構文木 の要素に意味を追加し、シンボルテーブルを作成する。 型チェック (データ型などを間違っていないかのチェック)や、変数や関数の定義と参照箇所を結びつける処理、既定値代入(自動変数の初期化)、意味的に不正なプログラムを検出して通知するなどの処理が行われる。 [ 21 ] 意味解析には完全な構文木が必要であり、理論上 構文解析 と コード生成 の間に行わなければならない。もちろんコンパイラの実装によってはこれらを一度に行うこともある。 バックエンド [ 編集 ] 「バックエンド」という用語は「 コード生成 」という用語と混同されることが多い。アセンブリ言語コードを生成するという意味で機能的にも類似しているためである。書籍によっては、バックエンドの汎用解析フェーズと最適化フェーズを「ミドルエンド」と称してマシン依存のコード生成部と区別することがある。 バックエンドに含まれる主なフェーズは以下の通りである。 解析部 - 入力から生成された中間表現を使って各種情報を収集する。主な解析としてUD連鎖を構築する データフロー解析 、依存関係解析、エイリアス解析、ポインタ解析、エスケープ解析などがある。正確な解析によってコンパイラ最適化が可能となる。また、 コールグラフ や 制御フローグラフ がここで作られることが多い。 最適化 - 中間表現を機能的には等価だがより「ベター」な形式に変換する。主な最適化手法として インライン展開 、 デッドコード削除 、 定数伝播 、ループ変換、 レジスタ割り当て 、自動並列化などがある [ 25 ] 。 コード生成 - 実際に出力する 機械語 やバイトコードを生成する。ここでリソースや記憶装置の割り当てが決定される。たとえば、どの変数をレジスタに格納し、どの変数をメモリに格納するか、どの命令をどういう順番で実行するかをアドレッシングモードなどを セシィ-ウルマン法 などを用いて決定する。 コンパイラ解析とは、コンパイラ最適化の前に行われる処理で、両者は密接な関係がある。たとえば依存関係解析はループ変換実施に重要な意味を持つ。 さらに、コンパイラ解析と最適化の範囲は様々であり、基本的なブロック単位の場合からプロシージャや関数レベル、さらには プロシージャの垣根を超えてプログラム全体を対象とすること もある。広範囲を考慮するコンパイラほど最適化に用いることができる「ヒント」が増え、結果としてより良いコードを生成する可能性がある。しかし、広範囲を考慮する解析や最適化はコンパイル時間やメモリ消費のコストが大きい。これは特にプロシージャ間の解析や最適化を行う場合に顕著である。 最近の商用コンパイラはプロシージャ間解析/最適化を備えているのが普通である(IBM、 SGI 、 インテル 、 マイクロソフト 、 サン・マイクロシステムズ など)。オープンソースの GCC はプロシージャ間最適化を持たない点が弱点だったが、これも改善されつつある。他のオープンソースのコンパイラで完全な最適化を行うものとしてOpen64がある。 コンパイラ解析と最適化には時間と空間が必要となるため、コンパイラによってはデフォルトでこれらのフェーズを省略するものもある。この場合、ユーザーはオプションを指定して明示的に最適化を指示しなければならない。 簡単な例 [ 編集 ] この節には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2018年9月 ) 以下のプログラムは 中置記法 で入力された四則演算を 逆ポーランド記法 を経て、独自の中間表現にコンパイルするC言語で書かれた非常に単純なワンパス・コンパイラである。このコンパイラは 中置記法 を 逆ポーランド記法 にコンパイルすると共に、ある種の アセンブリ言語 にもコンパイルする。再帰下降型の戦略を採用している。このため、各関数が文法における各非終端記号に対応している。 #include <stdlib.h> #include <stdio.h> #include <string.h> #define MODE_POSTFIX 0 #define MODE_ASSEMBLY 1 char lookahead ; int pos ; int compile_mode ; char expression [ 20 + 1 ]; void error () { printf ( "Syntax error! \n " ); } void match ( char t ) { if ( lookahead == t ) { pos ++ ; lookahead = expression [ pos ]; } else error (); } void digit () { switch ( lookahead ) { case '0' : case '1' : case '2' : case '3' : case '4' : case '5' : case '6' : case '7' : case '8' : case '9' : if ( compile_mode == MODE_POSTFIX ) printf ( "%c" , lookahead ); else printf ( " \t PUSH %c \n " , lookahead ); match ( lookahead ); break ; default : error (); break ; } } void term () { digit (); while ( 1 ) { switch ( lookahead ) { case '*' : match ( '*' ); digit (); printf ( "%s" , compile_mode == MODE_POSTFIX ? "*" : " \t POP B \n\t POP A \n\t MUL A, B \n\t PUSH A \n " ); break ; case '/' : match ( '/' ); digit (); printf ( "%s" , compile_mode == MODE_POSTFIX ? "/" : " \t POP B \n\t POP A \n\t DIV A, B \n\t PUSH A \n " ); break ; default : return ; } } } void expr () { term (); while ( 1 ) { switch ( lookahead ) { case '+' : match ( '+' ); term (); printf ( "%s" , compile_mode == MODE_POSTFIX ? "+" : " \t POP B \n\t POP A \n\t ADD A, B \n\t PUSH A \n " ); break ; case '-' : match ( '-' ); term (); printf ( "%s" , compile_mode == MODE_POSTFIX ? "-" : " \t POP B \n\t POP A \n\t SUB A, B \n\t PUSH A \n " ); break ; default : return ; } } } int main ( int argc , char ** argv ) { printf ( "Please enter an infix-notated expression with single digits: \n\n\t " ); scanf ( "%20s" , expression ); printf ( " \n Compiling to postfix-notated expression: \n\n\t " ); compile_mode = MODE_POSTFIX ; pos = 0 ; lookahead = * expression ; expr (); printf ( " \n\n Compiling to assembly-notated machine code: \n\n " ); compile_mode = MODE_ASSEMBLY ; pos = 0 ; lookahead = * expression ; expr (); return 0 ; } この単純なコンパイラの実行例を以下に示す。 Please enter an infix-notated expression with single digits: 3-4*2+2 Compiling to postfix-notated expression: 342*-2+ Compiling to assembly-notated machine code: PUSH 3 PUSH 4 PUSH 2 POP B POP A MUL A, B PUSH A POP B POP A SUB A, B PUSH A PUSH 2 POP B POP A ADD A, B PUSH A 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ a b コンパイラの定義文にわざわざ「一括して」という言葉を含めることが多いのは、 インタプリタ と対比するためである。「一括して」を入れないとインタプリタまで含んでしまい、定義文としては落第点ものとなる。Merriam Websterの英文の定義文でも、やはり「translates an entire set of instructions 」 [ 1 ] と、「命令群(の一部分ではなく)全部を」と明記している。 ^ この本の表紙には赤い ドラゴン の絵が描かれているのでドラゴンブックと呼ばれている。 ^ 例えば CPU や GPU など。 ^ オブジェクトコードの記述に使われる言語は、要は、その言語から最終的に機械語に翻訳する道筋が1筋(1本)でもあるものであればよい。理論上、機械語にたどり着くまでに途中で何種類もの言語にコンパイル(翻訳)する必要があっても、ともかく最終的に機械語に翻訳するまでの道筋が1本あれば良い。オブジェクトコードの記述に使われる言語は必ずしもアセンブリ言語や機械語でなくてもよい。たとえば C++ で書かれたオブジェクトコードを出力するコンパイラや C言語 で書かれたオブジェクトコードを出力するコンパイラもある。それぞれ、C++を機械語に、あるいはC言語を機械語に変換するコンパイラを別途用意すれば最終的にCPUが実行できる機械語に変換できる。よくあるのは アセンブリ言語 で書かれたオブジェクトコードを出力するコンパイラである。アセンブリ言語で書かれたプログラムも通常そのままでは実行できないが、 アセンブラ を使ってやはりCPUが実行できる機械語に変換できる。 ^ 最終的に出力されるターゲットプログラムは、機械語やアセンブリ言語で記述したものが多いが、それらに限るわけではなく、中間コードや高級言語のプログラムを出力するコンパイラもある。 出典 [ 編集 ] ^ “ COMPILER Definition & Meaning ”. Merriam-Webster . 2025年3月24日閲覧。 ^ “ コンパイラとは - IT用語辞典 ”. IT用語辞典 e-Words . 2023年2月22日閲覧。 ^ a b c d Alfred V. Aho, Compilers, Principles, Techniques, and Tools. Reprinted with corrections March, 1988.(Copyright 1986,Bell Telephone Laboratories, Incorporated), pp.1-2. (Chapter 1.1 "COMPILERS"の節の説明) ^ ASCII.jpデジタル用語辞典,デジタル大辞泉,IT用語がわかる辞典. “ オブジェクトコード(おぶじぇくとこーど)とは ”. コトバンク . 2020年4月26日閲覧。 ^ “ 分割コンパイル ”. www3.nit.ac.jp . 2020年4月27日閲覧。 ^ プログレッシブ英和中辞典「compile」 ^ Oxford Dictionary; Produce (a list or book) by assembling information collected from other sources 「何らかの情報源から集めた情報を元にして、一覧や本を作りだす」 ^ プログレッシブ英和中辞典「compiler」 ^ 大辞泉「コンパイラ」 ^ Oxford Dictionary; compiler: A person who produces a list or book by assembling information or written material collected from other sources. ^ bit 編集部『bit 単語帳』 共立出版 、1990年8月15日、82頁。 ISBN 4-320-02526-1 。 ^ “ CSAIL Publications ”. publications.csail.mit.edu . 2020年6月16日閲覧。 ^ “ https://www.246.dk/ ” (デンマーク語). 2020年6月16日閲覧。 ^ 2020年4月13日 8分. “ コンパイラとインタプリタの違いは?言語の違いを分かりやすく解説! ”. じゃぱざむ . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ インタプリタとコンパイラ ”. nyumon-info.com . 2020年4月27日閲覧。 ^ a b Alfred V. Aho, Compilers, Principles, Techniques, and Tools. 1988., pp.10-15. 「1.3(1章3節) THE PHASES OF A COMPILER」 ^ “ コンパイラの構造を解説 | Shinta's Site ”. www.gadgety.net . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ コマンド:lex: UNIX/Linuxの部屋 ”. x68000.q-e-d.net . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ パーサジェネレータとは - Weblio辞書 ”. www.weblio.jp . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ コンパイラの入り口、「字句解析」のための文字列操作 (1/3) ”. @IT . 2020年4月27日閲覧。 ^ a b コンパイラの構成と最適化 . Nakata, Ikuo, 1935-, 中田, 育男, 1935-. Tōkyō: Asakurashoten. (2009). ISBN 978-4-254-12177-3 . OCLC 675837876 . https://www.worldcat.org/oclc/675837876 ^ “ プリプロセッサとは - IT用語辞典 ”. IT用語辞典 e-Words . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ 抽象構文木 ”. home.a00.itscom.net . 2020年4月27日閲覧。 ^ “ VU - exp. - compiler-general ”. www.is.s.u-tokyo.ac.jp . 2020年4月27日閲覧。 ^ MaryCore. “ 知っておいて損はない「コンパイラ最適化」の数々 ”. MaryCore 言語知能総合研究所 . 2020年4月27日閲覧。 参考文献 [ 編集 ] Compiler textbook references コンパイラ構成論の教科書(英語)のリスト Compilers: Principles, Techniques and Tools by Alfred V. Aho , Ravi Sethi, and Jeffrey D. Ullman ( ISBN 0-201-10088-6 ) 原田賢一 訳、『コンパイラ—原理・技法・ツール<1>』サイエンス社、1990年。 ISBN 4781905854 原田賢一 訳、『コンパイラ—原理・技法・ツール<2>』サイエンス社、1990年。 ISBN 4781905862 Advanced Compiler Design and Implementation by Steven Muchnick ( ISBN 1-55860-320-4 ). Engineering a Compiler by Keith D. Cooper and Linda Torczon . Morgan Kaufmann 2004, ISBN 1-55860-699-8 . Understanding and Writing Compilers: A Do It Yourself Guide ( ISBN 0-333-21732-2 ) by Richard Bornat - 構文木 からの 機械語 の再帰的生成を説明している貴重な書籍。古いメインフレームやミニコンピュータの経験に基づいており、最近の書籍が見落としがちな部分もカバーしている。 著者のサイトにあるPDF版 An Overview of the Production Quality Compiler-Compiler Project by Leverett, Cattel, Hobbs, Newcomer, Reiner, Schatz and Wulf. Computer 13(8):38-49 (August 1980) Compiler Construction by Niklaus Wirth ( ISBN 0-201-40353-6 ) Addison-Wesley 1996, 176 pages, PDF版 。 再帰下降構文解析 の解説。 Oberon-0 という小型の言語のコンパイラを題材にしている。 "Programming Language Pragmatics" by Michael Scott ( ISBN 0-12-633951-1 ) Morgan Kaufmann 2005, 2nd edition, 912 pages. 著者のサイト "A History of Language Processor Technology in IBM" , by F.E. Allen, IBM Journal of Research and Development, v.25, no.5, September 1981. ニクラウス・ヴィルト(著)、滝沢徹(訳)、牧野裕子(訳):「ヴィルトのコンパイラ構成法」、星雲社、 ISBN 4-7952-9706-1 (1997年11月28日)。 中田育男:「コンパイラの構成と最適化」、朝倉書店、 ISBN 978-4-254-12177-3 (第2版)(1999年9月15日初版、2009年11月15日第2版)。 A.V.エイホ、M.S.ラム、R.セシィ、J.D.ウルマン、原田賢一(訳):「コンパイラ[第2版]」、サイエンス社、 ISBN 978-4-7819-1229-5 (2009年5月25日第2版、1990年10月10日初版)。 五月女健治:「JavaCC:コンパイラコンパイラ for Java」、テクノプレス、 ISBN 4-924998-64-8 (2003年10月20日)。 Andrew W. Appel、神林靖、滝本宗宏(訳):「最新コンパイラ構成技法」、翔泳社、 ISBN 978-4-7981-1468-2 (2009年10月29日)。 中田育男、渡邊担、佐々政宏:「コンパイラの基盤技術と実践」、朝倉書店、 ISBN 978-4-254-12173-5 (2008年6月25日)。 柏木餅子、風薬:「きつねさんでもわかるLLVM コンパイラを自作するためのガイドブック」、インプレスジャパン、 ISBN 978-4-8443-3415-6 (2013年6月21日)。 中田育男:「コンパイラ 作りながら学ぶ」、オーム社、 ISBN 978-4-274-22116-3 (2017年10月25日)。 関連項目 [ 編集 ] ウィキブックスに コンパイラ 関連の解説書・教科書があります。 ウィキメディア・コモンズには、 コンパイルとリンク に関連するカテゴリがあります。 アセンブラ リンケージエディタ (リンカ) プリプロセッサ GNUコンパイラコレクション make (UNIX) Autotools オブジェクトコンバータ 逆コンパイラ 分割コンパイル 編集 外部リンク [ 編集 ] GCC, a widely-used open-source compiler Building and Testing gcc/glibc cross toolchains The Amsterdam Compiler Kit オープンソース The comp.compilers newsgroup and RSS feed コンパイラ構成論 河野真治(琉球大学) 表 話 編 歴 コンピュータ・ プログラミング言語 の関連項目 言語水準 機械語 (1G) 低水準言語 (2G) 高水準言語 (3G) 第四世代言語 第五世代言語 言語処理系 アセンブラ インタプリタ コンパイラ トランスレータ 言語分類 マルチパラダイム言語 命令型言語 宣言型言語 非構造化言語 構造化言語 非手続き型言語 手続き型言語 オブジェクト指向言語 関数型言語 論理型言語 データフロー言語 ダイナミック言語 スクリプト言語 軽量プログラミング言語 ビジュアルプログラミング言語 難解プログラミング言語 その他 ドメイン固有言語 ジョブ制御言語 問い合わせ言語 マークアップ言語 形式言語 関連項目 コンピュータ言語 プログラミング言語一覧 プログラミング言語年表 プログラミングパラダイム 表 話 編 歴 コンピュータ科学 ハードウェア プリント基板 周辺機器 Integrated Circuit (IC) Very Large Scale Integration (超大規模集積回路、VLSI) Systems on Chip (SoC) エネルギー消費 (グリーン・コンピューティング) EDA ハードウェアアクセラレーション コンピュータシステムの構造 コンピュータ・アーキテクチャ 組み込みシステム リアルタイムシステム ディペンダビリティ ネットワーク ネットワーク・アーキテクチャ ( 英語版 ) 通信プロトコル ネットワーク・コンポーネント ( 英語版 ) ネットワーク・スケジューラ ( 英語版 ) ネットワーク性能評価 ( 英語版 ) ネットワーク・サービス ( 英語版 ) ソフトウェアの構造 インタプリタ ミドルウェア 仮想マシン オペレーティングシステム ソフトウェア品質 ソフトウェア記法 ( 英語版 ) と ツール プログラミングパラダイム プログラミング言語 コンパイラ ドメイン固有言語 モデリング言語 ソフトウェアフレームワーク 統合開発環境 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアライブラリ ソフトウェアリポジトリ ソフトウェア開発 ソフトウェア開発プロセス 要求分析 ソフトウェア設計 ソフトウェア構築 ( 英語版 ) ソフトウェアデプロイメント ソフトウェアメンテナンス プログラミングチーム ( 英語版 ) オープンソースモデル 計算理論 計算モデル 形式言語 オートマトン理論 計算可能性理論 計算複雑性理論 コンピュータ科学における論理学 ( 英語版 ) 意味論 アルゴリズム アルゴリズム ( 英語版 ) アルゴリズム解析 アルゴリズム効率 ( 英語版 ) 乱択アルゴリズム 計算幾何学 コンピューティングの数学 離散数学 確率 統計学 数学ソフトウェア 情報理論 解析学 数値解析 情報システム データベース管理システム 情報ストレージシステム 企業情報システム 社会情報システム ( 英語版 ) 地理情報システム 意思決定支援システム プロセス制御システム マルチメディア情報システム ( 英語版 ) データマイニング 電子図書館 コンピューティング・プラットフォーム デジタルマーケティング World Wide Web 情報検索 セキュリティ 暗号理論 形式手法 セキュリティ・サービス ( 英語版 ) 侵入検知システム ハードウェア・セキュリティ ( 英語版 ) ネットワーク・セキュリティ 情報セキュリティ アプリケーション・セキュリティ ( 英語版 ) ヒューマンコンピュータ インタラクション インタラクションデザイン ソーシャル・コンピューティング ( 英語版 ) ユビキタスコンピューティング 可視化 アクセシビリティ 並行性 並行コンピューティング 並列コンピューティング 分散コンピューティング マルチスレッディング マルチプロセッシング 人工知能 自然言語処理 知識表現と推論 コンピュータビジョン 自動計画とスケジューリング 検索手法 制御手法 人工知能の哲学 ( 英語版 ) 分散人工知能 ( 英語版 ) 機械学習 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 マルチタスク学習 ( 英語版 ) 交差検証 グラフィックス アニメーション レンダリング 画像編集 GPU 複合現実 バーチャル・リアリティ 画像圧縮 ソリッドモデリング 応用コンピューティング 電子商取引 企業アプリケーション 計算数学 ( 英語版 ) 計算物理学 計算化学 計算生物学 計算社会科学 計算工学 ( 英語版 ) 健康情報学 デジタルアート 電子出版 サイバー戦争 電子投票 コンピュータゲーム ワードプロセッサー オペレーションズ・リサーチ 教育工学 文書管理システム 概要 ( 英語版 ) カテゴリ ブック コモンズ 典拠管理データベース : 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF
コンピュータ
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "コンピュータ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2014年4月 ) コンピュータ ( 英 : computer )は、計算やデータ処理を自動的に行う装置全般のことであり [ 1 ] 、 計算機 とも言う。 特に断らない限り エレクトロニクス を用いた電子コンピュータ( 英 : electronic computer 、漢字表記では電子計算機)を指す [ 1 ] 場合も多い。 概要 [ 編集 ] コンピュータ さまざまなコンピュータ。(1)20世紀前半の 真空管式コンピュータ (2)IBM System/360 (1964年-1970年代)。 アーキテクチャ と回路実装を明確に区別して作られた最初のコンピュータ。大成功しシリーズ化。その後のコンピュータに多大な影響を与えた。 (3) コネクションマシン (1980年代 - 1990年代)のCM5 Frostburg 2 (4)日本電気の PC-9801 (1980年代 - 1990年代)、この時代の日本で最も普及した 16bit パソコン であり2016年に 重要科学技術史資料 に選定された。(5) コモドール の パソコン Amiga500 (1987年)。 (6)NASAの スーパーコンピュータ Columbia (2004年) (7) ラック サーバ (DELL、 PowerEdge 、2006年) (8) Power Mac G5(2006年 ドレスデン でWikipediaのサーバとして使われたもの) (9)2005年や2010年ころまではしばしば使われていたデスクトップ型コンピュータ (10) MacBook Air#MacBook Air (M1, 2020) (2020年の Apple M1 搭載モデル。高性能なのに省電力で、バッテリーで長時間使える。) (11) 組み込みシステム (12) ARM プロセッサ搭載 シングルボードコンピュータ 、 Raspberry Pi (2010年代-現在) (13) コンピュータゲーム の コンソール PlayStation 4 とそのコントローラ (14) スマートフォン と呼ばれる電話・カメラ・GPS機能つき小型コンピュータ 「コンピュータ」とは、元は 計算手 (計算する人間の作業者)を指したが、今では計算する装置あるいはシステムを指す。 歴史的には、 機械式のアナログやデジタルの計算機 、 電気回路 による アナログ計算機 、 リレー 回路によるデジタル計算機、 真空管 回路によるデジタル計算機、 半導体 回路によるデジタル計算機などがある。 →「 コンピューティング 」も参照 1970年代や1980年代頃まではコンピュータといえば アナログコンピュータ も含めた [ 1 ] が、1990年代や2000年頃には一般には、主に 電子回路 による、 デジタル 方式でかつ プログラム内蔵方式 のコンピュータを指す状況になっていた。(広義の)演算を高速かつ大量に行えるため多用途であり、 数値計算 、 情報処理 、 データ処理 、 制御 、 シミュレーション 、 文書作成 、 動画編集 、 ゲーム 、 仮想現実 (VR)、 画像認識 、 人工知能 などに用いられる。さらに近年では、大学や先端企業などで、 量子回路 (現在よく使われる電子回路とは異なるもの)を用いた 量子コンピュータ も研究・開発されている。 様々な種類があり、 メインフレーム 、 スーパーコンピュータ 、 パーソナルコンピュータ ( マイクロコンピュータ )などの他、さまざまな機器(コピー機、券売機、洗濯機、炊飯器、自動車など)に内蔵された 組み込みシステム やそれから派生した シングルボードコンピュータ もある。2010年代には板状で タッチスクリーン で操作する タブレット (- 型コンピュータ)、板状で小型で電話・カメラ・GPS機能を搭載した スマートフォン も普及した。 世界に存在するコンピュータの台数は次のようになっている。 組み込みシステム は、2018年時点でおよそ100億台あると推計されている [ 2 ] 。 スマートフォン は、2018年時点で33億6千万台が稼働状態と推計されている [ 3 ] 。 サーバ ・ デスクトップPC ・ ノートPC は、2019年時点で20億台を超えると推計されている [ 4 ] 。 コンピュータ同士を繋ぐ ネットワーク は、 1990年代 に爆発的に普及して地球を覆うネットワークとなり、現在ではインターネットおよびそこに接続された膨大な数のコンピュータが ITインフラ として様々なサービスを支えている。 表記・呼称 [ 編集 ] 日本では「コンピュータ」や「コンピューター」という表記が多く使われている [ 注釈 1 ] 。 日本の法律 用語、たとえば 刑法 や 著作権法 等では「 電子計算機 ( ) 」と表現される(英語のelectronic computerに相当)。これは 電算機 ( ) と略される。なお「電算業務」「電算処理」「電算室」などの語には、「コンピュータの」という意味合いで「電算」という表現が織り込まれている。これについて、 情報処理学会 が日本における計算機の歴史について調査した際に、学会誌『情報処理』に掲載された 富士通 における歴史を述べた記事 [ 5 ] によれば、電子計算機以前の頃、 リレー による計算機によりサービスを開始した同社が(「電子」じゃないけど、ということで)使い始めた言葉であろう、と書かれている。 中華人民共和国 や 台湾 などでは「電脳」が使われ、日本でも趣味的な分野では「電脳(でんのう)」が使われることがある。 1950年代 では「人工頭脳」(じんこうずのう) [ 6 ] や「 電子頭脳 」(でんしずのう)とも表現した。 語源 [ 編集 ] 英語 の「 computer 」は 算術演算 を行う主体であるが、元々は計算する人を指した。この用法は今でも有効である。 オックスフォード英語辞典 第2版では、この語が計算する機械をも指すようになった最初の年を 1286年 と記している。同辞典では、 1946年 までに、「 computer 」の前に修飾語を付けることで異なる方式の計算機を区別するようになったとする。たとえば「 analogue computer 」「 digital computer 」「 electronic computer 」といった表現である。 →「 デジタル § 概要 」、および「 ジョージ・スティビッツ 」も参照 計算手 は、電子計算機と区別する場合は レトロニム で「human computer」とも呼ばれる。 コンピュータの構成要素 [ 編集 ] コンピュータは、 ハードウェア および ソフトウェア という2つの要素から構成される。 →「 コンピュータ・アーキテクチャ 」を参照 ハードウェア [ 編集 ] 5大装置。制御装置と演算装置(ALU)はCPU(茶色の部分)に収められている。中央下が記憶装置。左が入力装置で右が出力装置 →詳細は「 ハードウェア 」を参照 現在のコンピュータの基本は ノイマン型 で、その ハードウェア は コンピュータの5大装置 とも呼ばれる装置(または機能)、すなわち 制御装置 、 演算装置 、 記憶装置 、 入力装置 、 出力装置 に分類できる [ 7 ] [ 8 ] [ 9 ] [ 10 ] [ 8 ] 。このうち制御装置と演算装置の2つは通常は 中央処理装置(CPU) に含まれる [ 7 ] [ 8 ] 。また メモリマップドI/O では記憶装置・入力装置・出力装置、 タッチパネル では入力装置・出力装置は一体化されている。これは大型コンピュータから小さなコンピュータまで共通で [ 8 ] 、スマートフォンなども同様である [ 7 ] 。 制御装置は実行に必要な情報を記憶装置から読み出し、実行結果を記憶装置の中の正しい場所に収める。 演算装置は、加算・減算などの算術演算、AND・OR・NOTなどの 論理演算 、比較(2つの値が等しいかどうかなど)、ビットシフト等を行う装置である。 記憶装置(メモリ)は アドレス を附与された領域の列であり、各領域には命令又はデータが格納される。領域に格納された情報は書換可能か否か、揮発性(動力の供給を止めることで情報が失くなるという性質)を有つか否かは、記憶装置の実装方法に依存するため、通常はCPUが直接操作(アドレッシング)できて高速な DRAM などの 主記憶装置 と、大量データを保存できるが低速な 磁気ディスク装置 や ディスクドライブ などの 補助記憶装置 に分類できる。 入力装置と出力装置は、合わせて入出力装置とも呼ばれ、コンピュータが外部であるユーザーや他の機器との間の情報のやりとりを行う。現代のコンピュータで代表的な入力装置には キーボード 、 マウス 、 マイクロフォン 、 スキャナ などがあり、出力装置には ディスプレイ 、 スピーカー 、 プリンター などがある。また入力装置と出力装置を兼ね備えたものには上述のタッチスクリーンの他に ネットワークカード などがある。 ソフトウェア [ 編集 ] →詳細は「 ソフトウェア 」を参照 コンピュータの ソフトウェア は多種類あり、大別する方法もいくつかあり、まず システムソフトウェア と アプリケーションソフト (応用ソフトウェア)の2つに分類しておいて前者のシステムソフトウェアを更に基本ソフトウェアと ミドルウェア に分類する方法 [ 11 ] と、最初から基本ソフトウェア・ミドルウェア・応用ソフトの3つに分類する方法 [ 12 ] がある。基本ソフトウェアは「広義のOS」とも呼ばれ、更に「狭義のOS」とも呼ばれる制御プログラムと、 サービスプログラム 、 言語処理プログラム に分類できる [ 11 ] 。 ソフトウェアと機械語・アセンブラ・高級言語 [ 編集 ] コンピュータの中枢部である CPU が理解し実行することができる形式は 機械語 だけだが、 ソフトウェア開発 をする場合は、通常 プログラミング言語 でソフトウェアを記述しそれを コンパイラ を使って機械語に翻訳し、その機械語を 実行 させる。プログラミング言語は、機械語に近い形式で記述する 低水準言語 と、人間が理解しやすい自然言語に近い形式で記述する 高水準言語 [ 13 ] に大別できる。 機械語 は「0」か「1」を並べたビット列命令(二進コード、バイナリコード)で表現される。 →「 機械語 」も参照 アセンブリ言語 はCPUの 命令セット にほぼ対応した記述ができるプログラミング言語で、開発難易度は高くCPUの種類(命令セット)に依存するが、コンピュータを細かく制御でき、高速性が必要な制御系などで使用されている。 →「 アセンブリ言語 」も参照 高水準言語は時代・用途・特性などにより多種類あり、特に有名な言語を挙げるだけでも、1957年に誕生し「最初の高水準言語」とされる科学技術計算用の FORTRAN 、1959年に誕生し金融系の事務計算を得意とし2020年代の現在でも大企業の メインフレーム で使われ続けている COBOL 、1964年に大学の教育用に誕生し1970年代後半から1980年代の マイクロコンピュータ や パーソナルコンピュータ で普及した BASIC 、1958年に登場しリスト処理に優れ1950年代や60年代の方式の人工知能 [ 注釈 2 ] 用に発展した LISP などが使われたが、最初に挙げた3言語は 行番号 (文番号)や goto文 を多用する言語であったので 記述に混乱 が生じがちで開発時の デバッグ や運用開始後の改良作業も困難になりがちだったので [ 注釈 3 ] 、1972年にはその欠点を克服する 構造化プログラミング が可能な C言語 が登場し現在に至るまで広く使われるようになり、1983年にはそのC言語を オブジェクト指向 に対応させた C++ が登場し 組み込みシステム のソフト開発や 動作の高速性を求められる コンピュータゲーム の開発 等々で現在も重要な役割を果たしており [ 14 ] 、更に1995年にはCとC++の系統に属し「 Write once, run anywhere 」というスローガンを掲げコードを1回書けばどの プラットフォーム でも走り ネットの分散コンピューティングにも向いており おまけに様々な要素を言語仕様自体として最初から含んでいるという長所がある [ 15 ] Java が登場し、2020年代の現在でも常に人気最上位にランクインする状態となっている [ 16 ] 。また1991年には可読性を重視した Python が登場しこちらも人気となり、2010年代には ニューラルネットワーク 方式の 人工知能 用の ライブラリ も充実させ、人工知能開発分野では主流言語となっている。1995年には、全てをオブジェクトとして扱い真のオブジェクト指向である [ 17 ] Ruby が登場した。2004年にはファンにより簡潔にWebアプリケーションを書ける Ruby on Rails も開発され、 イーコマース・サイト を開発する人々や オープンソース のコミュニティ(コミュニティのサイト)で好んで使われるようになった [ 17 ] [ 注釈 4 ] 。2012年にはRubyが「日本発」のプログラミング言語としては初めて国際電気標準会議(IEC)で国際規格に認証された。 なお言語処理系は、プログラム言語で記述した ソースコード を事前に機械語コード(バイナリコード)に変換する コンパイラ や、ソースコードを実行時に逐次解釈しながら実行する インタプリタ や、それら2つの中間的な性質を備えた方式などに分類される。 制御プログラム(OS) [ 編集 ] →詳細は「 オペレーティングシステム 」を参照 「制御プログラム」とエンジニアに呼ばれるものは、別名では「狭義の オペレーティングシステム (OS) 」と言い [ 11 ] (そしてパーソナルコンピュータの世界ではこれのみを「OS」と呼んでおり [ 11 ] )、その主な役割はジョブ管理、タスク管理、記憶管理などである [ 11 ] [ 18 ] [ 13 ] 。この制御プログラムあるいはOSを細分すると、 カーネル と デバイスドライバ と ファイルシステム に分けることができる [ 11 ] [ 18 ] 。 カーネル カーネル はOSの中核であり、その主な役割は次のようなことである [ 11 ] [ 18 ] 。 ジョブ管理 タスク管理 記憶管理 システムコールサービス - システムコールサービスの API (Application Programming Interface、 アプリケーションプログラミングインタフェース )は アプリケーションソフト から、OSが用意しているさまざまな機能を利用するための仕組みであり [ 13 ] 、アプリケーション開発の手間が減り [ 13 ] 、統一的な操作性も実現できる。 デバイスドライバ デバイスドライバ は周辺機器を直接制御する抽象的なインタフェースをアプリケーションソフトに対して提供する [ 11 ] [ 18 ] 。 ファイルシステム ファイルシステム は、データやプログラムが記録される「ファイル」を管理するソフトウェアである [ 11 ] [ 18 ] 。 なお制御プログラムの構成法として、カーネルの機能を限定し最小限の記憶管理やタスク管理に限ったものを「マイクロカーネル」といい [ 11 ] 、これは機能を絞っている代わりに、その限定的機能に関しては信頼性が増すというメリットがある。マイクロカーネル方式が採用される場合は、ファイルシステムなどはマイクロカーネルの外で作動するサーバプロセスとして提供される [ 11 ] 。マイクロカーネル方式に対して、カーネル自体にファイルシステムなどさまざまな機能を担当させる方式を「モノリシックカーネル(方式)」という [ 11 ] [ 18 ] [ 注釈 5 ] 。 コンピュータのタイプごとのOS 世間に普及するコンピュータを台数を基準として見た場合、最も多いのは 組み込みシステム であり、すなわちエアコンや炊飯器などの家電製品、乗用車、各種の測定機器、工作機械などに組み込まれた非常に小さく安価なコンピュータであり、組み込みシステムでは 組み込みOS と呼ばれるOSを用いる。2019年時点でのシェアを見ると、東京大学の 坂村健 が開発し無料配布可能で機器開発者が改変することも許されている TRON 系OSのシェアが世界第1位のおよそ60%であり、24年連続トップ [ 19 ] 。TRON系のなかでも ITRON が最も普及している [ 19 ] 。TRON以外は POSIX 系つまり Unix系 、 Linux 類である [ 19 ] 。たとえば米リナックスワークスの LynxOS 、米ウィンドリバーの VxWorks 、米シンビアンの Symbian OS など。なお小規模な組み込みシステムのなかには、明確なOSを内蔵していないものもある。 次に台数が多いのがスマートフォンであり、スマートフォンのOSおよびそのシェアは、2021年9月時点で Android が約72%、 iOS が 約27%である [ 20 ] 。なおAndroidも広い意味でのLinuxの一種であり、より具体的に言うとLinuxの カーネル を一部改編し他の オープンソース ・ソフトウェアを組み合わせたものである。つまりおよそ7割の人々が実は意識せずにLinuxの一種を毎日使っているわけである。 ノートPCやデスクトップPCのOSおよびそのシェアとしては、2021年時点でWindows 75.4%、 MacOS 15.93%、 ChromeOS 2.59%、 Linux 2.33%となっている [ 21 ] 。なお、このMacOSは FreeBSD を基にしたOSでありUnix系である。 スーパーコンピュータにおけるOSの使用比率 スーパーコンピュータのOSは、2021年現在、ほぼ100%、 Linux である。スーパーコンピュータ用は2000年ころは UNIX が9割ほどを占めていたが、その後の10年間つまり2010年ころまでにそのほぼ全てがLinuxに置き換わるということが起きた。 CUIとGUI ハードウェアの抽象化層を持つ現在のオペレーティングシステムの多くは、何らかの標準化された ユーザインタフェース を兼ね備えている。かつては キャラクタユーザインタフェース ( CUI )のみが提供されていたが、1970年代に アラン・ケイ らが Dynabook 構想を提唱し、「暫定 Dynabook 」と呼ばれる Alto と Smalltalk による グラフィカルユーザインタフェース 環境を実現した。なお、「暫定 Dynabook 」は当時の ゼロックス の首脳陣の判断により製品化されなかった(ゼロックスより発売されたグラフィカルユーザインタフェース搭載のシステム Xerox Star は「暫定 Dynabook 」とは別系統のプロジェクトに由来する)が、この影響を受け開発されたApple Computer(現: Apple )の LISA や Macintosh 、 マイクロソフト の Windows の発売、普及により、グラフィカルユーザインタフェース( GUI )が一般的にも普及することとなった。一方、Unix系OSでも1980年代から X Window System が開発されグラフィカルユーザインタフェースが実現した。CUIとGUIはそれぞれ長所と短所があり、GUIは初心者に優しいので初心者向けにはもっぱらGUIを使う操作法が教えられ、上級者あたりになるとGUIとCUIを併用することになり、コンピュータ技術者やシステム運用エンジニアなどはしばしば主にCUIを使いGUIは補助的に使う。現在CUIを使う人はGUIとCUIを同時並行的に使用しGUIのマルチウィンドウのいくつかをCUI状態で使うといったことも一般的である。またLinuxなどではGUIモードとCUIモードを根本的に切り替えるということも可能である [ 22 ] 。 サービスプログラム [ 編集 ] サービスプログラム とは、基本的な テキストエディタ やファイル変換プログラムのことである。 言語処理プログラム [ 編集 ] 言語処理プログラム とは、 アセンブラ , コンパイラ , インタプリタ , ジェネレータ のことである。 アナログとデジタル [ 編集 ] →詳細は「 アナログ 」を参照 →詳細は「 デジタル 」を参照 1970年代や1980年代頃までは、「コンピュータ」といえば アナログコンピュータ と デジタルコンピュータ の両方を指した。その後は、アナログコンピュータがほとんど使われなくなり、「コンピュータ」といえば専らデジタルコンピュータを指す。 アナログコンピュータ は、 電気 的現象・ 機械 的現象・ 水圧 現象を利用してある種の物理現象を表現し、問題を解くのに使われる計算機の形態 [ 23 ] 。アナログ計算機はある種の 連続的な 物理量 を別の物理量で表し、それに数学的な関数を作用させる。入力の変化に対してほぼリアルタイムで出力が得られる特徴があり(これはいわゆる「高速型」の場合の話である。時間をかけてバランスが取れた状態を見つけ出すとか、移動量の合計を得るといったような「低速型のアナログ計算機」もある)、各種 シミュレーション などに利用されたが、演算内容を変更するには回路を変更する必要があり、得られる精度にも限界があるので、デジタルコンピュータの性能の向上とDA/ADコンバータの高精度化・高速化によって役目を終えた。 なお、かつて電子式アナログコンピュータの重要な要素として多用されたものと同じ機能を持つ電子回路は、IC化され「 オペアンプ IC」として今日でも広く使われているが、モジュール化され簡単に使えるものになっているため、一般にコンピュータとは見なされてない。 それに対して今日主流のデジタルコンピュータは 離散的な物理量 ( " 飛び飛び " の物理量)を利用するコンピュータである。以前は2値方式のほかに10値方式や他の方式があったが [ 注釈 6 ] 、今日ではもっぱら 2値方式 ( 電圧 のHigh/Low。数字で抽象化して表現すると1/0)によるものを指しており、その中枢部にあたるCPUでは 二進法 で数値が表現され、 ブール論理 の 論理演算 を行っている。 →「 デジタル 」および「 コンピュータの数値表現 」も参照 電気方式や エレクトロニクス 方式のデジタルコンピュータは1940年代や1950年代は リレー 式のものや 真空管式 のものが使われたが、これは素子を定期的・不定期的に交換しなければならずメンテナンスにそれなりの手間がかかるものだったので、1950年代以降は新たに発明された トランジスタ で論理回路や演算装置を構成することで低消費電力かつ高速動作で、リレー式や真空管式より小型で、素子交換も不要なコンピュータを実現し、さらに1960年代以降は 集積回路 も用いて一層の小型化・低消費電力化・高速化が実現することになった。 →「 計算機の歴史 」も参照 歴史 [ 編集 ] →詳細は 計算機の歴史 ならびに 情報・通信・コンピュータ一覧の一覧 を参照 古代 [ 編集 ] アンティキティラ島の機械 (紀元前150年 - 紀元前100年ころ)。現在確認できる最古の歯車式計算機。 紀元前2000年 頃 古代バビロニアで手動式 デジタル 計算器である アバカス が( そろばん は中国起源説もある)発明される( 古代ギリシア では 紀元前300年 頃に伝わって来たとされており、日本では西暦 1400年 頃の 室町時代 に 明 から伝わって来たといわれる)。 紀元前2世紀 - アンティキティラ島の機械 。 紀元前150年 - 紀元前100年 ころに 古代ギリシア 人によって作られた、現在確認できるものでは世界最古の 歯車 式 アナログ計算機 。 17・18世紀 [ 編集 ] ブレーズ・パスカル の歯車式計算機「パスカリーヌ」(1642年)とその機構図 1620年 イギリスの エドマンド・ガンター が、手動式アナログ計算器である 計算尺 の原型となる対数尺を発明。 1623年 頃、ドイツの ヴィルヘルム・シッカート が、 ネイピアの骨 を応用し、乗算と加減算を行なえる歯車式の計算機を作った。加減算に関しては繰り上がりができたが、乗算に関しては繰り上がりができなかった。 1642年 フランスの ブレーズ・パスカル が 歯車式計算機 パスカリーヌを開発。約50台が作成された。(英語版記事 en:Pascal's calculator が参照可) 1673年 ドイツの ゴットフリート・ライプニッツ が ライプニッツの環 ( 英語版 ) を発明 [ 24 ] 。その後パスカリーヌより高機能な計算機を開発し、60年間に約1500台が販売された。 1698年 ライプニッツが 二進法 の数理を確立。 1725年 織機の制御に パンチカード が使われ始める [ 25 ] 。 19世紀 [ 編集 ] 1801年 ジョゼフ・マリー・ジャカール が ジャカード織機 を発明。 1822年 解析機関 の設計者 チャールズ・バベッジ が第1 階差機関 の実験モデルを作成。 1823年 バベッジによる階差機関の開発開始。 バベッジの階差機関は彼の没後に完成した 1833年 追加予算が打ち切られ、階差機関の開発が中止となる。 1843年 シュウツ親子により階差機関が完成。 1854年 ジョージ・ブール が ブール代数 を発見する。 1865年 万国電信連合 (現・国際電気通信連合)設立。電気通信分野における初の 標準化 機関であり、国際機関。 1871年 バベッジが解析機関の実現を見ぬまま死去。解析機関のオペレータである エイダ・ラブレス は世界最初のプログラマとされる。 1889年 ハーマン・ホレリス が パンチカード 方式の自動集計機を実現。 パンチカード穿孔機 1897年 フェルディナント・ブラウン が陰極線管(通称 ブラウン管 )を発明。 20世紀 [ 編集 ] 1905年 イギリスの物理学者の ジョン・フレミング が二極 真空管 を発明。 1906年 国際電気標準会議 (IEC)設立。電気電子関連技術を扱う国際的な標準化団体。 リー・ド・フォレスト が三極真空管を発明。 1936年 アラン・チューリング が、論文 On Computable Numbers, with an Application to the Entscheidungsproblem を発表。同論文で チューリングマシン を提示。 1938年 ドイツの コンラート・ツーゼ が、自宅で機械式の計算機V1を作成。後に Z1 と改名。 1939年 ツーゼがZ1をベースに演算部が リレー 、記憶部が機械式のテスト用の計算機Z2を作成。 1940年 ツーゼがZ2をベースに全リレー式の計算機 Z3 を作成。Z3は(意図的にそのように設計されたものではないが)1998年に万能(チューリング完全)であると証明された [ 26 ] [ 27 ] [ 28 ] [ 29 ] 1942年 ジョン・アタナソフ と クリフォード・ベリー が真空管を使って演算処理をするデジタル計算機 ABC を作成。 1943年 ローレンツSZ42暗号機によるドイツ軍の 暗号 を解読するため、イギリスで Colossus が発明される。 1944年 ツーゼがZ4を作成。メモリ部分は機械式に戻る。 1945年 ジョン・フォン・ノイマン の EDVACに関する報告書の第一草稿 が発表。 プログラム内蔵方式 が提唱される。 1946年 ペンシルベニア大学 で真空管を使って演算処理をするデジタル計算機 ENIAC が作成される。一般に広く知られた初のコンピュータ。 17468本の真空管を使って作られたENIAC 1947年 AT&T ベル研究所 の ウォルター・ブラッテン 、 ジョン・バーディーン 、 ウィリアム・ショックレー らが トランジスタ を発明。 1948年 マンチェスター大学 の フレデリック・C・ウィリアムス と トム・キルバーン が、初のプログラム内蔵式のコンピュータ The Baby を発明。 1949年 モーリス・ウィルクス と ケンブリッジ大学 の数学研究所のチームによる EDSAC 稼働。 1951年 EDVAC 稼働。 1951年 レミントンランド が UNIVAC I を商品化。 プリンストン高等研究所(IAS)が開発した IASマシン の稼働が始まる。 1952年 米 IBM が商用のプログラム内蔵式コンピュータ IBM 701 を発売。 ETL Mark I (リレー式)を 通産省 工業技術院電気試験所(現: 産業技術総合研究所 )が完成。 1953年 MIT にて Whirlwind が実用化された。量産機AN/FSQ-7が1958年から SAGE に使われ、後のIBMのコンピュータ技術の基礎となった。 1956年 FORTRAN が誕生(最初のFORTRANマニュアルのリリース)。 「 FUJIC 」( 富士フイルム )稼働。 アメリカ合衆国 ブルックヘブン国立研究所 の ウィリアム・ヒギンボーサム が、アナログコンピュータ(オペアンプ)と オシロスコープ を用いた『 Tennis for Two 』を開発。 米IBMによる磁気ディスク( ハードディスクドライブ )「IBM 350」の初出荷。5Mキャラクタ。 1957年 MUSASINO-1 が稼働( 日本電信電話公社 電気通信研究所、現・NTT研究所 [ 注釈 7 ] )。 パラメトロン を利用した最初のコンピュータであった。 1958年 米 テキサス・インスツルメンツ の ジャック・キルビー が 集積回路 (IC)を発明。 フランク・ローゼンブラット 、 パーセプトロン の論文を発表する。 1960年 日本国有鉄道 が日本初の オンラインシステム である マルス1 を導入 [ 30 ] [ 31 ] 。 1960年 米 ディジタル・イクイップメント が、世界初の ミニコンピュータ PDP-1 を発売。 1961年 米IBM、 IBM 7030 を発売。 1962年 世界初の シューティングゲーム とされている「 スペースウォー! 」が開発される。 1963年 アメリカ電気学会 (AIEE)と 無線学会 (IRE)が合併し、 IEEE 設立。 アイバン・サザランド が Sketchpad を開発。 CAD プログラムの先駆け。 1964年 米IBMが メインフレーム の System/360 を発売。商用初の オペレーティングシステム が生まれる。 コントロール・データ・コーポレーション 、 CDC 6600 を製造開始。1969年まで世界最高速の地位にあり、世界で初めて成功した スーパーコンピュータ とも言われる。 1965年 Multics が開発される。後のUNIXはこのMultixの利点と欠点を踏まえて開発されたものである。 ゴードン・ムーア 、「Electronics」誌に発表された論文「Cramming more components onto integrated circuits」で ムーアの法則 を提唱する。 1966年 ACM 、 チューリング賞 を創設。 1967年 米IBMが フロッピーディスク を開発。 1968年 ダグラス・エンゲルバート が、 マウス や ウィンドウ などをデモンストレーション。 1969年 後に インターネット の母体となる ARPANET が運用開始。UNIXオペレーティングシステムの開発が始まる。 エドガー・F・コッド が リレーショナルデータベース を提唱。 1970年 インテル が世界初の DRAM 1103を発売。 後に イーサネット の原型となる ALOHAnet が運用開始。 1971年 インテル が世界最初のシングルチップの4ビット マイクロプロセッサ 、 i4004 を ビジコン と共同開発。10月に発売された ビジコン の電卓141-PFに搭載される。 1972年 4月、 インテル が8ビットのマイクロプロセッサ i8008 を発表。 アタリ 、業務用 ゲーム機 「 PONG 」を発売。 マグナボックス 、世界初の家庭用ゲーム機「 ODYSSEY 」を発売。 アラン・ケイ が オブジェクト指向 の概念を提唱。 1973年 米 ゼロックス の パロアルト研究所 において、 チャック・サッカー が Alto を製作。 アラン・ケイ らはこれを用い、オブジェクト指向に基づく汎用の GUI デスクトップ環境 である 暫定Dynabook 環境を構築。 ケン・トンプソン と デニス・リッチー が パデュー大学 で行なわれたthe Symposium on Operating Systems PrinciplesでUNIXに関する最初の論文を発表。 1974年 4月、インテルが8ビットのマイクロプロセッサ i8080 を発表。 12月 MITS が、世界初の一般消費者向けマイクロコンピュータ Altair 8800 を発売。主に組み立てキットとして販売された。 ゲイリー・キルドール が8ビットCPU(8080)用のディスクオペレーティングシステム CP/M を開発。 1975年 4月、 ビル・ゲイツ が マイクロソフト を設立。 クレイ・リサーチ が Cray-1 を発表。 スーパーコンピュータ の代名詞となる。 米IBM、 IBM 5100 ポータブル・コンピュータを発売。 米IBM、 ジョン・コック の統括のもとで、 RISC の概念に基づくマイクロプロセッサ IBM 801 の開発を行う。 1976年 NEC 、 TK-80 を発売。6万台を売り上げ、初期のマイコンとしては異例の大ヒットとなる。 1977年 ビル・ジョイ が開発した1 BSD が初めて配布される。 Apple Computer がパーソナルコンピュータ Apple II を発売。 富士通、日本初のベクトル型プロセッサFACOM 230-75APUを開発し 航空宇宙技術研究所 に納入。 1978年 米国シカゴで最初の 電子掲示板 「CBBS」が開設される。 1979年 NECが PC-8001 を発売。 ビジコープ、 VisiCalc を発売。世界初の 表計算ソフト であり、Apple IIの キラーアプリケーション となる。 オラクル 、商用初の 関係データベース 製品である Oracle 2をリリース。 1980年 CERN の研究員 ティム・バーナーズ=リー が、 World Wide Web の元となるEnquireを開発。 シャープ が ポケットコンピュータ PC-1210を発売。ポケットサイズで BASIC が動作する初のデバイス。 1981年 米IBMが PC DOS を搭載したパーソナルコンピュータ IBM PC を発売。以後、 マイクロソフト 社から各社に MS-DOS がOEM供給される。 ゼロックス、 Xerox Star を発売。GUIを装備した初の商用 ワークステーション であった。 1982年 米 サン・マイクロシステムズ がTCP/IPを採用したワークステーションを発売。 GRiD Systemsが世界初の折りたたみ型 ラップトップコンピュータ Grid Compass を発売。 世界初の(狭義の) コンピュータウイルス Elk Cloner ( 英語版 ) が出現。 NECが PC-9801 を発売。 エプソン が初期のハンドヘルドコンピュータである HC-20 を発売。 1983年 リチャード・ストールマン が GNUプロジェクト を開始。 1984年 Apple Computerが Macintosh を発売。 米IBMが PC/AT を発売。 オープンアーキテクチャ を採用し、 ATバス などの技術が PC/AT互換機 の基礎となる。 坂村健 によって TRON が提唱される。 1985年 デイヴィッド・ドイッチュ が 量子コンピュータ の原モデルである量子チューリングマシンを定義した。 Apple Computerが LaserWriter を発売。 ページ記述言語 として PostScript を採用した レーザープリンター で、ページレイアウトソフト「 PageMaker 」とともに DTP の時代を切り開く。 フィリップス が初の CD-ROM ドライブであるCM100を発表。 マイクロソフトが最初の Windows 製品である Windows 1.0 を発売。 1986年 SQL の最初の規約が批准される。 IETF 設立。 インターネット標準 の策定団体。 日本で Σプロジェクト が開始される。 1987年 ISO/IEC JTC 1 設立。国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の標準化作業をすり合わせるための組織。 3月、シャープが X68000 を発売。 米IBM、 IBM PS/2 を発売。バス MCA は普及しなかったが、 VGA 、 PS/2コネクタ などは PC/AT互換機 の標準となる。日本では 日本IBM が日本語対応を行った PS/55 シリーズを発売した。 1988年 NeXT が NeXTcube を発売。搭載された NEXTSTEP は後に Mac OS X の基盤となった。 PC-VAN において、 コンピュータウイルス の被害が日本で初めて報告された。 1989年 東芝がノートパソコン DynaBook を発売(IBM PC/XT互換)。 1990年 マイクロソフトが Windows 3.0 を発売。初の成功したWindows製品となった。 1991年 リーナス・トーバルズ がスクラッチビルドによるUnix風のOSカーネル Linux を発表。 ティム・バーナーズ=リーが World Wide Web プロジェクトを発表する。 フィル・ジマーマン が 公開鍵暗号 PGP を開発し公開した。 1992年 シリコングラフィックス 、 OpenGL を公開する。 1993年 Unicode と概ね互換のISO/IEC 10646が国際標準化される。 NetBSD ・ FreeBSD の発表。 CERN 、World Wide Webを無料で公開。同年に ウェブブラウザ ・ NCSA Mosaic がリリースされ、World Wide Webの普及が始まる。 1994年 ティム・バーナーズ=リー、 W3C を設立。World Wide Web関連のプロトコルを策定する標準化団体。 マイクロソフトが Windows NT を発売。 1995年 マイクロソフトが Windows 95 を発売。 1996年 サン・マイクロシステムズにより、 Java の開発環境が公式にリリースされた。 ECMAScript が策定され JavaScript が標準化される。 The Open Group が創設され、 UNIX戦争 が終結した。 USロボティクス 、 Palm Pilot を発売。最も成功した 携帯情報端末 となる。 1997年 チェス専用スーパーコンピュータ・ ディープ・ブルー がチェス世界チャンピオン ガルリ・カスパロフ に勝利した。 この頃、 Netscape Communicator と Internet Explorer のシェア争い(第一次 ブラウザ戦争 )を背景に、 Webブラウザ の機能が飛躍的にリッチになる。 2000年 2000年問題 。大きなトラブルはなかった。 21世紀 [ 編集 ] 2006年時点の、世界の 情報格差 を示す地図 2001年 インターネット・バブル が崩壊。 4月、Apple Computerが Mac OS X を発売。10月には iPod を発表。 2003年 中国で人工知能を応用したインターネット 検閲 システム グレート・ファイアウォール が本格稼働開始。 2004年 Mozilla Firefox 1.0 がリリース。この頃から第二次 ブラウザ戦争 が勃発し、デスクトップにおける Google Chrome の覇権が固まる2014年頃まで続く。 2007年 Apple が iPhone を発売。Mac OS X派生の モバイルオペレーティングシステム iPhone OS(現: iOS )を搭載し、以降 スマートフォン の普及が急激に進んだ。 2008年 Google がLinuxベースのモバイルオペレーティングシステム Android をリリース。 2009年 米 IBM 、 意思決定支援システム ワトソン を公開する。 2010年 Apple が iPad を発売。 2011年 アジア太平洋 地域インターネットレジストリ の IPv4アドレスが枯渇 。 D-Wave Systems は世界初の商用 量子コンピュータ システムであるD-Wave Oneを発表した。 量子アニーリング 方式により最適化問題を解く専用計算機である。 世界のパソコン出荷台数がピークの3億5280万台に達する。 2012年 Google、 スタンフォード大学 との共同研究である グーグル・ブレイン ( 英語版 ) (Google brain)を構築し、 ディープラーニング の有用性が認められる。 2014年 アマゾン 、AIアシスタント Amazon Alexa を発表、 スマートスピーカー の Amazon Echo に搭載される。 2016年 Google DeepMind が開発した AlphaGo が 世界最強の棋士と目される李世乭に勝利 した。 2020年 OpenAI が高性能な 自然言語処理 モデル GPT-3 を公開する。 種類 [ 編集 ] スーパーコンピュータ (スパコン、HPCサーバ) メインフレーム (汎用コンピュータ、汎用機) ミニコンピュータ (ミニコン) オフィスコンピュータ (オフコン) ワークステーション (WS) コンピュータ・クラスター 組み込みシステム (基本的には マイクロコントローラ を用いる) シングルボードコンピュータ 汎用 サーバ エンタープライズサーバ PCサーバ パーソナルコンピュータ (パソコン、PC) ノートパソコン デスクトップパソコン ゲーミングPC (GPUを搭載している高性能PC。ゲーム用途だけでなく、高い処理能力が必要とされるさまざまな用途に使用されている。) マイクロコンピュータ (マイコン。1970年代後半から1980年代にかけて一般的であったもの。PCの前段階。) シンクライアント ワードプロセッサ ゲーム機 据置型ゲーム機 携帯型ゲーム 機 (※ 近年では Nintendo Switch のように据置型と携帯型の境界を無くすような、単純に分類できないタイプの売上が伸びている。) スマートフォン タブレット ウェアラブルコンピュータ スマートウォッチ スマートグラス 携帯電話 機(フィーチャーフォン) PDA (個人情報端末、 ハンドヘルドコンピュータ ) ポケットコンピュータ (1980年代に使われたもの。マイクロコンピュータと電卓の中間的性質のもの) プログラム電卓 (ユーザが作成するプログラムをもとに複雑な手順の計算を自動的に行える電卓) 関数電卓 、 電卓 研究段階のコンピュータ [ 編集 ] 光コンピュータ - 半導体 の 電子回路 の代わりに 光集積回路 を使用する。 量子コンピュータ 分子コンピュータ DNAコンピュータ ニューロコンピュータ 生体コンピュータ 日本の行政での関連用語 [ 編集 ] 日本の行政組織内では次のような関連用語も使われている。それぞれ異なった意味で使われている。 「電子情報処理組織」- 市の機関等が使用する電子計算機(コンピュータ等)と申請者等が使用する電子計算機とを電気通信回線(インターネット等)で接続したもの [ 32 ] [ 33 ] 。 関連項目 (裁判用語) 電子情報処理組織による申立て - 裁判手続の申立ての方法の1つであり、「電子情報処理組織」を使う方法。 「電子計算組織」 - 電子計算機及びそれと 通信回線 により接続する 端末 機等を使用し、与えられた一連の処理手順に従つて事務を自動的に処理する組織(出典:南陽市の公式サイト [ 34 ] )。この場合、コンピュータ単体では「電子計算組織」とは呼んでいない。 「電子計算処理組織」-大切で厳重に管理されるべき情報を電子計算処理する際に、その適切な運営、事務の適正化と効率的な推進、各種データの保護を目的として市役所内に設けられている組織(出典:泉南市公式サイト [ 35 ] )。 ここでの「組織」は、人的組織を指す。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 長音符 の扱いについて、JISのルールと国語審議会のルールが食い違っている。( 長音符#長音符を付ける流儀・付けない流儀 参照) JIS Z 8301では 長音符 を付けない、というルールが提示されており、それに沿う形で 工学 専門書 では長音符をつけない。工学分野の 論文 でも長音符をつけないのが一般的である。それに対して 国語審議会 の報告に沿った基準では長音符をつけるとしており、 新聞社 、 放送局 、小中学校 教科書 などでは長音符付きで表記している。コンピュータ関連のメーカーに関しては、会社ごとに対応が別れている。 マイクロソフトの日本法人 は(もともとはJISの規定のほうを尊重し「2音の用語は長音符号を付け、3音以上の用語の場合は省くことを原則とする」という規定(JIS Z 8301:規格票の様式及び作成方法)に即した表記ルールを採用していたが)、2008年11月に、あくまで自社製品に関してのみの話として、 国語審議会 の報告のほうの影響を受けた内閣告示をもとにした「言語の末尾が-er、-or、-arなどで終わる場合に長音表記をつける」というルールに変更するとした [1] 。同社の担当者は、一般消費者は工業系・自然科学系の末尾の長音を省略する傾向の表記に対して違和感を感じていて、コンピュータが一般消費者の必需品になるにつれて違和感を感じる人の割合が増加してきたからだ、といった主旨の説明を述べた [2] 。ただしメーカーにより主なユーザの範囲が異なり、表記方法も異なる。 ^ LISPで開発されていた1960年代の人工知能は、現在主流の人工知能とは大きく異なっており、知識を記号で表現し記号を操作して推論を行うような方式の人工知能。現在主流の ニューラルネットワーク 方式とは全然異なる方式の人工知能。 ^ 当時のFORTRAN、COBOL、BASICの話。その後、1972年に登場したC言語の構造化プログラミングの良さが広く認知されるようになってからは、構造化を導入して行番号・文番号(およびGOTO文)を廃止する方向で改良され、FORTRANは1990年(FORTRAN 90や95)あたりからGOTO文を廃止し、BASICのほうも行番号を廃した構造化BASICが登場し、そのような構造化されたものが使われるようになっていった。 ^ GitHub や クックパッド (Cookpad)などもRubyおよびRuby on Railsで開発されることになった。(出典:増井敏克『プログラミング言語図鑑』ソシム、2017、pp.140-141.) ^ モノリシックは "一枚岩" という意味。 ^ デジタル方式にはタイガー計算器のように歯車の離散的な角度により 十進法 を表現するものや、機械として見ると2値論理方式の機械でも、数の扱いとしては 3増し符号 などにより十進法のものもあった。数値の表現法である「x進法」と、論理のモデルである「x値論理」は、厳密には別のものであることに注意されたい。 ^ 21世紀の現在、「NTT研究所」は研究開発分野ごとにサービスイノベーション、情報ネットワーク、先端技術の3総合研究所とIOWN総合イノベーションセンターの4つに分かれている。 出典 [ 編集 ] ^ a b c 『日本大百科全書』コンピュータ ^ Introduction to Embedded Systems ^ "So, How Many Smartphones Are There in the World?" ^ HOW MANY COMPUTERS ARE THERE IN THE WORLD? ^ 『日本における計算機の歴史 : 富士通における計算機開発の歴史』 NAID 110002753426 §3.1 ^ 全国書誌番号 : 57000106 ^ a b c 栢木厚『令和04年 栢木先生の基本情報技術者教室』技術評論社、2021年、pp.24-25, 「コンピュータの構成」 ^ a b c d 安井浩之・木村誠聡・辻裕之『基本を学ぶ コンピュータ概論』オーム社、2011年, pp.4-5、「5大装置」 ^ 大滝みや子『2020年版 基本情報技術者 標準教科書』オーム社、2019年, pp.106-107,「コンピュータの構成」 ^ 大滝みや子『基本情報技術者教科書 令和2年度』インプレス、p.154「コンピュータの基本構成」 ^ a b c d e f g h i j k l 『2020年版 基本情報技術者 標準教科書』オーム社, pp.154-158 「ソフトウェアの体系」「基本ソフトウェアの構成」 ^ 五十嵐順子 『かんたん合格 基本情報技術者 教科書 令和2年度』インプレス、2019年、p.70「ソフトウェアの分類」 ^ a b c d 栢木厚 著『令和04年 栢木先生の基本情報技術者教室』技術評論社、2021年、 ISBN 978-4297123932 , pp.62-65「ソフトウェア」 ^ 増井敏克『プログラミング言語図鑑』ソシム、2017、p.54、「C++」 ^ [3] ^ 増井敏克『プログラミング言語図鑑』p.94「Java」 ^ a b What is the popularity of the Ruby programming language? ^ a b c d e f 日高哲郎『情報処理教科書 基本情報技術者 テキスト&問題集 2015年版』翔泳社, pp.128-138「オペレーティングシステム」 ^ a b c 組み込みOSのAPIはTRON系OSがシェア60%、24年連続トップ ^ [4] ^ [5] ^ “ 【 init 】コマンド/【 systemctl 】コマンド――CUI/GUIモードを切り替える:Linux基本コマンドTips(5) ”. @IT (2016年3月25日). 2025年3月19日閲覧。 ^ Universiteit van Amsterdam Computer Museum (2007) ^ "ライプニッツの環" . 英辞郎 on the WEB . 2023年3月22日閲覧 。 ^ Sorrel, Charlie (8 April 2008). 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JRシステム. 2020年5月26日閲覧。 ^ 行政手続き等に係る電子情報処理組織の使用状況について 岩見沢市公式サイト ^ 「行政手続に係る電子情報処理組織の使用状況」 大田原市公式サイト ^ “ 南陽市電子計算組織管理運営要綱 ”. 2025年3月19日閲覧。 ^ 泉南市公式サイト 関連項目 [ 編集 ] ポータル コンピュータ 総合索引に関する項目 コンピュータ用語一覧 、 コンピュータ略語一覧 プログラミング用語一覧 、 プログラミング用語 (分野別) ハードウェア に関する項目 計算機の歴史 情報機器 コンピュータ・アーキテクチャ ノイマン型アーキテクチャ ハーバード・アーキテクチャ (Harvard architecture) / en:modified Harvard architecture ソフトウェア に関する項目 ファームウェア / システムソフトウェア / オペレーティングシステム / アプリケーションソフト プログラミング言語 プログラミング 、 ソフトウェア開発 コンピュータを含むネットワークに関する項目 インターネット LAN / WAN コンピュータネットワーク オンライン 、 データ通信 コンピュータを含むシステムやインフラに関する項目 コンピュータシステム 、 情報システム ITインフラストラクチャ コンピュータの使用(や研究、開発など)に関する項目 コンピューティング コンピューティングの歴史 ( 英語版 ) ユーザー (コンピュータ) 科学、工学に関する項目 計算機科学 情報工学 計算機工学 ソフトウェア工学 研究者、技術者に関する項目 コンピュータサイエンティスト ( 英語版 ) コンピュータ技術者 ( Computer engineer )、ハードウェアアーキテクト en:hardware systems architect 、 ソフトウェアエンジニア ( software engineer )、 システムエンジニア 、 ITエンジニア 、 プログラマ 、 システムオペレーター 健康・社会・地球環境との関係や、それへの影響に関する項目 VDT症候群 、 スマートフォン症候群 コンピュータ・リテラシー 、 情報格差 コンピュータと社会 グリーン・コンピューティング 外部リンク [ 編集 ] ウィキペディアの 姉妹プロジェクト で 「 コンピュータ 」に関する情報が検索できます。 ウィクショナリーの 辞書項目 コモンズの メディア ウィキニュースの ニュース ウィキクォートの 引用句集 ウィキソースの 原文 ウィキブックスの 教科書や解説書 ウィキバーシティの 学習支援 ウィキデータの データ コンピュータ博物館 ( 情報処理学会 ) English: IPSJ Computer Museum (Information Processing Society of Japan) 情報・通信事典 e-Words コンピュータの歴史 日本経営情報開発協会編:「コンピュータ白書1969 経営情報システムの高度化とネットワークの形成」 『 コンピュータ 』 - コトバンク 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ ラトビア 日本 チェコ その他 スイス歴史辞典 公文書館(アメリカ) 表 話 編 歴 コンピュータのサイズ 大型 スーパーコンピュータ ミニスーパーコンピュータ メインフレーム ミニコンピュータ スーパーミニコンピュータ オフィスコンピュータ ミッドレンジ サーバー マイクロ ワークステーション パーソナルコンピュータ デスクトップ ホビー 省スペース ミニPC ネットトップ スティック型 ポータブル プラグ ゲーム機 電話 スマートテレビ モバイル ラップトップ ノートパソコン CULV タブレットPC ネットブック Ultra-Mobile PC スマートブック Ultrabook ポケットコンピュータ ワードプロセッサ 携帯型ゲーム機 電子書籍リーダー ポータブルデータターミナル ( Mobile data terminal ) 電子手帳 ウェアラブル 電卓付き腕時計 網膜ディスプレイ ヘッドマウントディスプレイ ヘッドアップディスプレイ スマートウォッチ スマートリング PDA ハンドヘルドコンピュータ 携帯電話 フィーチャーフォン スマートフォン タブレット デジタルメディアプレーヤー デジタルオーディオプレーヤー 電卓 関数電卓 プログラム電卓 グラフ電卓 その他 ナンバークランチャ ワンボードマイコン シングルボードコンピュータ センサネットワーク マイクロコントローラ スマートダスト Nanocomputer 表 話 編 歴 コンピュータ の構成要素 全体 ノイマン型 コンピュータアーキテクチャ マイクロアーキテクチャ ハードウェア CPU プロセッサ 制御装置 実行ユニット 演算装置 マイクロプロセッサ コプロセッサ DSP FPU マイクロコントローラ 主記憶装置 半導体メモリ RAM DRAM SRAM 磁気コアメモリ 補助記憶装置 磁気ディスク HDD フロッピーディスク 光ディスク MO CD DVD BD UHD BD 磁気テープ 半導体メモリ ( フラッシュメモリ ) 入出力 経路 チャネル バス ISA PCI インターフェース USB IEEE 1394 イーサネット InfiniBand ファイバーチャネル 入力 装置 キーボード テンキー ポインティングデバイス ( マウス ) 出力 装置 プリンター ディスプレイ スピーカー その他 ケース マザーボード 拡張カード 電源装置 ファームウェア ソフトウェア システムソフトウェア オペレーティングシステム カーネル ミドルウェア アプリケーション その他 コンピュータシステム コンピュータネットワーク コンピュータの歴史 コンピュータのカテゴリ一覧
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E8%A8%80%E8%AA%9E
コンピュータ言語
この記事には 参考文献 や 外部リンク の一覧が含まれていますが、 脚注 によって参照されておらず、情報源が不明瞭です 。 脚注を導入して、記事の 信頼性向上 にご協力ください。 ( 2023年6月 ) コンピュータ言語 (コンピュータげんご)とは、 コンピュータ において用いられる 人工言語 の総称である。 プログラム を記述するための プログラミング言語 の一群が最も有名であり、そのためコンピュータ言語とプログラミング言語は同じ意味で使われることもある。 しかしコンピュータ言語には、プログラミング言語の他にも ハードウェア記述言語 や データ記述言語 などがあり、これらはプログラミング言語とは全く異なる特徴を持つ言語である。 コンピュータ言語の特性 [ 編集 ] コンピュータ言語の大きな分類として、『人間が読める言語』と『人間が読めない言語』という分類がある。 人間が読める言語は直接人間が使うことを想定して設計しており、人間が読めない言語は「人間による 可読性 」を犠牲にすることで、よりコンパクトでコンピュータが処理しやすい形式になるよう設計している(部分的には人間が読める場合もある。)。 なおコンピュータ言語に対しては、機械による可読性( 機械可読 )という観点もある。 コンピュータ言語の種類 [ 編集 ] プログラミング言語 [ 編集 ] →詳細は「 プログラミング言語 」を参照 →「 プログラミング言語の一覧 」も参照 プログラミング言語 は、 コンピュータ・プログラム を記述するためのコンピュータ言語である。プログラミング言語には、最近使われている頻度が高いものでは、 Python 、 Java 、 C言語 、 C++ などがある。また、最近はあまり使われていないが、 BASIC 、 COBOL 、 FORTRAN や アセンブリ言語 などのプログラミング言語もある。コンピュータ・プログラムを記述することを プログラミング といい、コンピュータ・プログラムを記述する人間のことを プログラマ という。 スクリプト言語 は、『容易に使えるプログラミング言語』を指す大雑把な分類である。どのような言語をスクリプト言語と呼ぶかは感覚的なものであり、正確に定義できるものではないが、一般にスクリプト言語には下記のような特徴を備えているものが多い。 処理系 の 実装 が インタプリタ 寄りである。 文字列 の扱いが容易である。 コードの作成や修正が容易である。( 軽量プログラミング言語 も参照。) 特定領域の問題に特化している。( ドメイン固有言語 も参照。) アプリケーションソフトウェア に内蔵されている。( マクロ言語 も参照。) 複数のアプリケーションソフトウェアの動作を協調させることができる。( グルー言語 も参照。) スクリプト言語には ActionScript 、 AppleScript 、 AWK 、 bash 、 Emacs Lisp 、 Google Apps Script 、 Groovy 、 JavaScript 、 Lua 、 Perl 、 PHP 、 Python 、 REXX 、 Ruby 、 PowerShell 、 SKILL 、 Tcl 、 TypeScript 、 VBScript などがある。 多くのプログラミング言語はテキストの ソースコード でプログラムが記述されるが、 ビジュアルプログラミング言語 はプログラム要素を 視覚 的に表現し操作することでプログラムを構築する。 コンピュータ が実際に実行する命令は 機械語 で現されている。これは一般に人間が読めない(読まない) バイナリ 形式のコンピュータ言語であり、 CPU の 命令セット に対応している。 高水準言語 のソースコードは コンパイラ によって機械語に変換される。 プログラミング言語によっては バイトコード のように コンピュータ・アーキテクチャ と独立した移植性の高い 中間言語 を使う場合がある。そのようなシステムでは、バイトコードから機械語へ変換するコンパイラもあるか、バイトコードを 仮想機械 ないし バイトコードインタプリタ で実行する。よく知られている例として Java がある。 情報を表現するコンピュータ言語 [ 編集 ] 問い合わせ言語 ( SQL 、 XQuery など) データ記述言語 マークアップ言語 ( HTML など) データベース言語 - データ操作言語 、 データ定義言語 、 データ制御言語 変換言語 モデル変換言語 ( XSLT など) テンプレート処理言語 正規表現 Category:データシリアライゼーションフォーマット ソフトウェア の動作を設定するコンピュータ言語 [ 編集 ] 設定ファイル 形式( INIファイル など) システム設計 のためのコンピュータ言語 [ 編集 ] モデリング言語 仕様記述言語 ハードウェア記述言語 人間が記述しないコンピュータ言語 [ 編集 ] ハードウェア制御言語 - プリンター や 表示装置 の制御など。 参考文献 [ 編集 ] Anderson, A. John (1994年). Foundations of Computer Technology . CRC Press. pp. 431. ISBN 0412598108 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 コンピュータ言語 に関連するカテゴリがあります。 ウィキブックスに コンピュータ言語 関連の解説書・教科書があります。 形式言語 人工言語 コンピュータ ソフトウェア ハードウェア プログラミング言語 低水準言語 機械語 アセンブリ言語 高水準言語 スクリプト言語 マクロ言語 ビジュアルプログラミング言語 中間言語 プログラミング言語の一覧 外部リンク [ 編集 ] The Encyclopedia of Programming Languages
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https://ja.wikipedia.org/wiki/Composite_%E3%83%91%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3
コンポジットパターン
Composite パターン (コンポジット・パターン)とは、 GoF (Gang of Four; 4人のギャングたち) によって定義された デザインパターン の1つである。「構造に関するパターン」に属する。Composite パターンを用いると ディレクトリ と ファイル などのような、 木構造 を伴う 再帰的 な データ構造 を表すことができる。 Composite パターンにおいて登場する オブジェクト は、「枝」と「葉」であり、これらは共通のインターフェースを実装している。そのため、枝と葉を同様に扱えるというメリットがある。 クラス図 [ 編集 ] Composite パターンの クラス図 を以下に挙げる。 利用例 [ 編集 ] Composite パターン を用いて ディレクトリ 構造を表す Java プログラムの例を示す。 このプログラムは、 枝を表すクラス : Folderクラス 葉を表すクラス : Fileクラス 共通インタフェース : FileInterfaceインタフェース 実行例を示すためのクラス : DirectoryUserクラス から構成される。 import java.util.ArrayList ; import java.util.List ; interface FileInterface { public void defaultMethod ( int depth ); public List < FileInterface > getChildren (); public boolean addComponent ( FileInterface c ); public boolean removeComponent ( FileInterface c ); } class File implements FileInterface { private String name ; public File ( String name ) { this . name = name ; } public void defaultMethod ( int depth ) { for ( int i = 0 ; i < depth ; i ++ ) System . out . print ( " " ); System . out . println ( "file:" + this . name ); } public List < FileInterface > getChildren () { return null ; } public boolean addComponent ( FileInterface c ) { return false ; } public boolean removeComponent ( FileInterface c ) { return false ; } } class Folder implements FileInterface { private String name ; private List < FileInterface > fileList = new ArrayList < FileInterface > (); public Folder ( String name ) { this . name = name ; } public void defaultMethod ( int depth ) { for ( int i = 0 ; i < depth ; i ++ ) System . out . print ( " " ); System . out . println ( "folder:" + name ); for ( FileInterface file : fileList ) { file . defaultMethod ( depth + 1 ); } } public List < FileInterface > getChildren () { return this . fileList ; } public boolean addComponent ( FileInterface c ) { return this . fileList . add ( c ); } public boolean removeComponent ( FileInterface c ) { return this . fileList . remove ( c ); } } public class DirectoryUser { public static void main ( String [] args ){ FileInterface root = new Folder ( "root" ); FileInterface usr = new Folder ( "usr" ); FileInterface var = new Folder ( "var" ); FileInterface home = new Folder ( "home" ); FileInterface user1 = new Folder ( "user1" ); FileInterface file1 = new File ( "file1" ); root . addComponent ( usr ); usr . addComponent ( var ); root . addComponent ( home ); home . addComponent ( user1 ); user1 . addComponent ( file1 ); root . defaultMethod ( 0 ); } } 実行結果 folder:root folder:usr folder:var folder:home folder:user1 file:file1 注意事項 [ 編集 ] 自分自身を参照している例 循環している例 Composite パターンを用いる際には、データ構造がきちんと木構造を保つようにしなければならない。 親子関係が循環してしまった場合、 Component#operation() を実行した際に 無限ループ に陥るからである。 例えば、 利用例 のソースコードを書き換えた以下のプログラムは、処理が dir1.defaultMethod(0); の行に達した時に、無限に出力し続けてしまう。 public class LoopExample { public static void main ( String [] args ){ FileInterface dir1 = new Folder ( "dir1" ); FileInterface dir2 = new Folder ( "dir2" ); FileInterface dir3 = new Folder ( "dir3" ); dir1 . addComponent ( dir2 ); dir2 . addComponent ( dir3 ); dir3 . addComponent ( dir1 ); dir1 . defaultMethod ( 0 ); } } 関係するパターン [ 編集 ] Interpreter パターン 文法表現が Composite パターンとなる場合が多い。 関連項目 [ 編集 ] 木構造 (データ構造) 再帰データ型 再帰呼び出し 無限ループ 表 話 編 歴 デザインパターン GoFによる23種のパターン 生成に関するパターン Abstract factory Builder Factory method Prototype Singleton 構造に関するパターン Adapter Bridge Composite Decorator Facade Flyweight Proxy 振る舞いに関するパターン Chain of responsibility Command Interpreter Iterator Mediator Memento Observer State Strategy Template method Visitor 並行性に関するパターン Active object ( 英語版 ) Balking ( 英語版 ) Double-checked locking ( 英語版 ) Event-based asynchronous ( 英語版 ) Guarded suspension ( 英語版 ) Join ( 英語版 ) ロック モニタ Proactor ( 英語版 ) Reactor Readers–writer lock ( 英語版 ) Scheduler ( 英語版 ) Thread pool ( 英語版 ) スレッド局所記憶 アーキテクチャに関するパターン Front Controller ( 英語版 ) Interceptor ( 英語版 ) MVC MVVM 多層アーキテクチャ Specification ( 英語版 ) 出版-購読型モデル Naked objects ( 英語版 ) Service Locator ( 英語版 ) Active Record Identity map ( 英語版 ) Data Access Object Data Transfer Object その他のパターン 依存性の注入 (DI) 遅延読み込み モックオブジェクト Null object ( 英語版 ) Object pool ( 英語版 ) Servant ( 英語版 ) Type tunnel ( 英語版 ) 関連する人々 ギャング・オブ・フォー エーリヒ・ガンマ リチャード・ヘルム ラルフ・ジョンソン ジョン・ブリシディース クリストファー・アレグザンダー グラディ・ブーチ ケント・ベック ウォード・カニンガム マーティン・ファウラー ロバート・セシル・マーティン ( 英語版 ) ジム・コプリエン ( 英語版 ) ダグラス・C. シュミット ( 英語版 ) リンダ・ライジング ( 英語版 ) 関連項目 アナリシスパターン アンチパターン 一覧 カテゴリ コモンズ
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最下位ビット
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "最下位ビット" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2024年8月 ) 十進数 149 の 二進数 表現。最下位ビット(LSB)をハイライトで示している。8ビット二進数表現のMSBは十進数の128に対応。LSBは十進数の1を指す。 最下位ビット (さいかいビット、 least significant bit 、 LSB と略記)は、 コンピュータ において 二進数 で最も小さな値を意味する ビット 位置のことである。LSBは 右端ビット とも言われる。十進数に当てはめれば、「一の位」に相当する。 二進数の特定のビットを示すために、各ビットにはゼロから n (その数値のビット数に依存)までのビット番号が割り当てられる。 従来、 エンディアン によってゼロ番のビットがMSBに対応していたり、LSBに対応していたりしていたが、最近ではゼロ番はLSBとされていることが多い。(訳注:これが関係してくるのはビット番号を指定する形式のビット操作命令が存在する 命令セット だけである。) これを拡張すると、LSBs(複数)はLSB側のいくつかのビットを意味する。 LSBs は変化が激しい。例えば、1 (二進数では 00000001) に 3 (二進数では 00000011) を足すと、結果は 4 (二進数では 00000100)であり、3桁のLSBsが変化している(011→100)。 対照的に3桁のMSBsは全く変化していない(000)。 この性質を利用して LSBsはしばしば 擬似乱数 、 ハッシュ関数 、 チェックサム などで使用される。 LSBが 最下位 バイト を意味する場合もある。この曖昧さを回避するため、 LSBit 、 LSByte と表記されることもある。 また、 組み込みソフトウェア 分野では、LSBは物理値を 固定小数点数 で表すときの 分解能 となる。例えば、 長さ を表す 16 bit 符号あり整数の LSB を 0.001 m と定めると、長さを -32.768 m ~ 32.767 m の範囲で表現できる。また、 オフセット を用いて表現範囲を自由に可変できる。例えば、 温度 を表す 16 bit 符号なし整数の LSB を 0.01 ℃ 、オフセットを -273.15 ℃ と定めると、温度を -273.15 ℃ ~ 382.20 ℃ の範囲で表現できる。 関連項目 [ 編集 ] 最上位ビット 二進記数法 符号付数値表現 2の補数
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再帰呼び出し
「 リカーシブ 」と「 リカーシブル 」はこの項目へ 転送 されています。米澤穂信の小説については「 リカーシブル (小説) 」をご覧ください。 再帰 (さいき、 英 : Recursion, Recursive )とは、ある物事について記述する際に、記述しているもの自体への 参照 が [ 注釈 1 ] 、その記述中にあらわれることをいう。 再帰は 言語学 から 論理学 に至る様々な分野で使用されている。最も一般的な適用は 数学 と 計算機科学 で、定義されている 関数 がそれ自身の定義の中で参照利用されている場合を言う。 定義 [ 編集 ] 合わせ鏡 の間で撮影すると鏡像が無限に映る。 平行な 合わせ鏡 の間に物体を置くと、その像が鏡の中に無限に映し出される。このように、あるものが部分的にそれ自身で構成されていたり、それ自身によって定義されている時に、それを「再帰的(Recursive)」だという [ 1 ] [ 2 ] 。論理的思考の重要な特質のひとつであり、数学では 漸化式 や 数学的帰納法 が再帰的構造を持っている [ 1 ] 。計算機科学だと、 オブジェクト や メソッド の クラス が、以下2つの項目で定義できる場合に再帰的構造だと言える。 単純な基底段階 ( base case ) - 答えを出すのに再帰を使わない、論理展開の終着点。基底は複数あっても構わない。 再帰段階 ( recursive step ) - 後続のあらゆる事例を基底段階に帰着させる一連の法則。 例えば、これは人間の祖先の再帰的定義である。ある人物の祖先は次のいずれかになる。 その人物の親(基底段階)、または その人物の親の祖先(再帰段階)。 フィボナッチ数列 は、再帰を用いた古典的な数式例である。 基底1として F i b ( 0 ) = 0 {\displaystyle Fib(0)=0} , 基底2として F i b ( 1 ) = 1 {\displaystyle Fib(1)=1} , n > 1 {\displaystyle n>1} のあらゆる 整数 について F i b ( n ) = F i b ( n − 1 ) + F i b ( n − 2 ) {\displaystyle Fib(n)=Fib(n-1)+Fib(n-2)} . 多くの数学的 公理 は、再帰を用いた法則に基づいている。例えば、 ペアノの公理 による自然数の正式な定義は「ゼロは自然数であり、各自然数には後続数があり、これも自然数である」と記述されうる [ 3 ] 。この基底段階および再帰を用いた法則によって、全ての自然数の集合を生成できる。 他にも再帰を用いて定義されている数学的対象としては、関数の 漸化式 、集合の カントール集合 、 フラクタル 分野、プログラミング言語における 階乗 、などがある。 言語 [ 編集 ] 言語学者 ノーム・チョムスキー らは、言語において 適格文 の数に上限がなく、適格文の長さにも上限がないことは、自然言語での再帰の結果として説明可能だと論じている [ 4 ] [ 5 ] 。 これは、文章など 統語範疇 での再帰的定義という観点から理解可能である。文章では、動詞の 補語 などが別の文章という構造を持つことができる。「ドロシーは魔女が危険だと考えている」には「魔女は危険だ」の一文がより大きな文章に含まれている。それゆえ文章とは、名詞句と動詞に別の文章を含みうる構造を持つものだと、再帰的に(非常に大まかだが)定義することができる。 これは、文章が任意の長さになり得ることも意味する。例えば、英語だと 関係代名詞 の"that"を使うことによって、 "Dorothy thinks that Toto suspects that Tin Man said that..." と再帰的に文を継ぎ足すことが可能である。再帰的に定義できうる文章の他にも多くの構造があり、別の品詞に文章を組み込む方法も沢山ある(例えば 修飾語 を文章形式にする)。長い歳月を経て、言語には一般的にこの種の分析で順応性があることが証明されている [ 6 ] 。 しかし近年、再帰が人類の言語の本来的な性質であるという一般的に受け入れられている思想は、 ダニエル・L・エヴェレット によって彼の ピダハン語 研究に基づく反論が行われている。アンドリュー・ネヴィンズ、デイヴィッド・ペセツキー、シリーン・ロドリゲスがこれに反対する識者達である [ 7 ] 。いずれの場合でも、文学的な 自己言及 は数学的・論理的な再帰とは種類が異なると論じられている [ 8 ] 。 再帰は、構文だけでなく自然言語の 意味論 においても重要な役割を果たしている。例えば 接続詞 "and"は、文意に沿った新しい文章を付加できる機能だと解釈することが可能で、名詞句や動詞句などに適用できる。これは、文を繋げる単純な場合について定義したもので、他の接続詞は同様の観点から再帰的に定義することができる [ 9 ] 。 再帰を使った洒落 [ 編集 ] 再帰的なウィキペディアのページ。 たまに再帰は、計算機科学・プログラミング等の書物で、ジョークとして掲載される場合がある。そうした本では概して 循環定義 や 自己参照 が付されており、次のような馬鹿らしい項目が用語集として載っていることも珍しくない。 再帰については「再帰」を参照のこと [ 10 ] 。 これは想定した再帰段階が基底段階へと帰着することなく、 無限後退 を引き起こすという(プログラミング失敗例の)洒落である。この手の最初のジョークは1975-76年に出版されたプログラム言語の教本『Let's talk Lisp 』と『in Software Tools』に見られる。これは 関数型プログラミング を伝授する一環としての洒落で、上の書籍が出版される前に(米国の)プログラミング関連コミュニティで既に広まっていた。 もう一つの冗談が「再帰を理解するには、再帰を理解する必要がある」 [ 10 ] というものである。英語版Googleウェブ検索エンジンで"recursion"を検索すると、同サイトでは一番上に"Did you mean: recursion(再帰って意味だったかな)"と赤く表示される [ 11 ] [ 注釈 2 ] 。 再帰的頭字語 は、再帰を含んだ洒落の例である。例えば、 PHP (プログラミング言語) は"PHP Hypertext Preprocessor"の略で、 WINE は"WINE Is Not an Emulator"、 GNU は"GNU's not Unix"を表す。 数学 [ 編集 ] シェルピンスキーのギャスケット - フラクタル を形成する三角形の再帰 日本国内の数学では、"Recursion"や"Recursive"に対して再帰の代わりに「帰納」の訳語をあてた数学用語も幾つか存在する( 帰納的可算集合 、 帰納言語 、 帰納的関数 など)。これは下にある「自然数の再帰的定義の例」でも分かるように、数学における再帰には 数学的帰納法 と原理的な共通性があるためである。 再帰的定義 [ 編集 ] →詳細は「 再帰的定義 」を参照 例: 自然数 [ 編集 ] →「 閉包 」も参照 再帰的に定義された集合の標準例が、 自然数 である。 0 は N {\displaystyle \mathbb {N} } に含まれる。 仮に n が N {\displaystyle \mathbb {N} } に含まれるなら、 n +1は N {\displaystyle \mathbb {N} } に含まれる。 自然数の集合 N {\displaystyle \mathbb {N} } とは、上記2つの性質を満たす最小の集合である [ 注釈 3 ] 。 数理論理学において、 ペアノの公理 とはドイツの数学者 リヒャルト・デーデキント とイタリアの数学者 ジュゼッペ・ペアノ によって19世紀に提示された自然数の公理である。ペアノの公理は、再帰的な 後者関数 と再帰関数としての加算・乗算を参照して自然数を定義している。 例: 証明手続き [ 編集 ] もう1つの例は、以下のように帰納または再帰を用いて定義される証明手続き ( Proof procedure ) の観点から定義される 公理体系 内のあらゆる「証明可能な」命題の集合である。 ある命題が公理であるならば、それは証明可能な命題である。 ある命題が推論規則によって真に到達可能な命題から導出できるなら、それは証明可能な命題である。 証明可能な命題の集合は、これらの条件を満たす命題の最小の集合である。 有限分割規則 [ 編集 ] →詳細は「 en:Finite subdivision rule 」を参照 有限分割規則は再帰の幾何学的形式で、これはフラクタル模様を作図するのに使用される。分割規則は、有限に多くの ラベル でラベル付けされた多角形の集まりを起点として、各多角形は最初の多角形ラベルにのみ依存する方法で、より小さなラベル付き多角形に分割される。この工程は繰り返し行うことができる。 カントール集合 を作るための標準的な「3等分の中央部を除去する」技法が、分割規則の例である。 関数での再帰 [ 編集 ] →詳細は「 漸化式 」を参照 関数は自身を再帰的に定義する場合がある。とりわけ漸化式が数列を再帰的に定める数式であり、その身近な例が F ( n ) = F ( n − 1 ) + F ( n − 2 ) {\displaystyle F(n)=F(n-1)+F(n-2)} という フィボナッチ数列 である。こうした漸化式による定義が成立する場合、その数式は再帰を用いずに定義された基底値 (フィボナッチの場合 F ( 0 ) = 0 {\displaystyle F(0)=0} と F ( 1 ) = 1 {\displaystyle F(1)=1} )に帰着できる必要がある。また、漸化式の再帰関係を解いた場合は非再帰的な定義(一般項)を得ることが可能である [ 注釈 4 ] 。 有名な再帰関数に アッカーマン関数 があるが、これは 原始再帰関数 よりも早く増大して 巨大数 を生み出すため、再帰を使わずに一般項を簡単な式で表すことが出来ない [ 13 ] 点がフィボナッチ数列とは異なる。 再帰的定義を含む証明 [ 編集 ] 前節のような、再帰的定義がされた集合や関数に対して複数場合分けによる証明の標準的な手法を適用すると、 構造的帰納法 が得られる。これは 数理論理学 とコンピュータサイエンスで証明を導出するのに広く使用されている 数学的帰納法 の強力な一般化である。 再帰を使った最適化 [ 編集 ] 動的計画法 は、多周期ないし多段階の 最適化問題 を再帰形式で再記述する 数理最適化 へのアプローチ手法である。動的計画法の主な成果が ベルマン方程式 で、これは最適化問題の直近時(直近段階)での値を、その次回時刻(次段階)における値の観点から記述するものである。 再帰定理 [ 編集 ] 集合論 において、これは再帰的定義がなされた関数が存在することを保証する定理である。集合 X と、 X の要素 a と、関数 f : X → X が与えられた場合に、任意の自然数 n について F ( 0 ) = a {\displaystyle F(0)=a} F ( n + 1 ) = f ( F ( n ) ) {\displaystyle F(n+1)=f(F(n))} となるような一意な関数 F : N → X {\displaystyle F:\mathbb {N} \to X} (where N {\displaystyle \mathbb {N} } が存在する、と同定理は述べている(ここでの N {\displaystyle \mathbb {N} } は、ゼロを含む自然数の集合を示す)。 一意性の証明 [ 編集 ] 2つの関数 F : N → X {\displaystyle F:\mathbb {N} \to X} と G : N → X {\displaystyle G:\mathbb {N} \to X} を採ると: F ( 0 ) = a {\displaystyle F(0)=a} G ( 0 ) = a {\displaystyle G(0)=a} F ( n + 1 ) = f ( F ( n ) ) {\displaystyle F(n+1)=f(F(n))} G ( n + 1 ) = f ( G ( n ) ) {\displaystyle G(n+1)=f(G(n))} ここで a は X の要素である。 すべての自然数 n について F ( n ) = G ( n ) であることは数学的帰納法によって証明できる。 基底段階 : F (0) = a = G (0) だから n = 0 に対して等式が成り立つ。 帰納段階 : ある k ∈ N {\displaystyle k\in \mathbb {N} } . について F ( k ) = G ( k ) と仮定すると、 F ( k + 1) = f ( F ( k )) = f ( G ( k )) = G ( k + 1) である。 したがって F ( k ) = G ( k ) は F ( k + 1) = G ( k + 1) を含んでいる。 帰納法により、全ての n ∈ N {\displaystyle n\in \mathbb {N} } について F ( n ) = G ( n ) である。 計算機科学 [ 編集 ] 単純化の一般的な方法は、問題を同じ種類の小問に分割することである。コンピュータプログラミングの技法としてこれは 分割統治法 と呼ばれ、多くの重要なアルゴリズム設計の鍵となる。分割統治法は、問題解決へのトップダウン型アプローチとして機能し、そこでは問題がより小さな インスタンス を解決することにより解決される。反対のアプローチ手法は 動的計画法 である。こちらはボトムアップ型アプローチとして機能し、目的の規模に達するまでより大きなインスタンスを解決することによって問題が解決される。 プログラミングの観点では、nを表現するのにn-1という参照を持ち出してくるものを「再帰」という。再帰の古典的な例としては、 C言語 で与えられた 階乗 関数の定義がある。 /* 階乗 n! の計算 */ int fact ( int n ) { if ( n == 0 ) return 1 ; /* 基底段階。(n = 0) の場合: 1*/ else return fact ( n - 1 ) * n ; /* 再帰的な構造。(n > 0) の場合: n * (n - 1)!。再帰呼出し */ } この関数では、掛け算のため入力自身より小さな(n-1)という参照を再帰的に呼び出し、再帰呼び出しの結果にnを掛ける処理を、階乗の数学的定義と同じく基底段階の値に達するまで実行する。 アルゴリズム における再帰の使用には、長所も短所もある。主な長所は、一般に命令の単純さである。主な短所は、自身を呼び出す手法なので引数が再帰終了条件を満たさない状況を避けるよう値の変化に注意する必要があること。また、再帰アルゴリズムのメモリ使用量が著しく激増して負荷がかかるため、大規模なインスタンスを扱うには非実用的な点である。 再帰呼出し [ 編集 ] 手続きや関数といった概念をもつプログラミング言語では、ある手続き中で再びその手続き自身を呼び出すことを認める場合が多い。これを再帰呼出しといい、階乗計算やフィボナッチ数列のように、本来再帰的な構造をもつアルゴリズム(再帰的アルゴリズム)を記述するのに適している。 複数の手続き/関数が互いに相手を呼ぶ場合も、広い意味での再帰呼出し( 相互再帰 )である。C言語での例: void a () { b (); } void b () { a (); } 処理を中断・終了する基底条件が必ず1つは必要で、その部分が誤っていると、無限に関数を呼び出し続けることがある( 暴走 )。無限再帰に陥ると、 スタックオーバーフロー によりプログラムが異常終了したり、システムが停止したりする原因となる。 再帰的データ構造 [ 編集 ] →「 再帰データ型 」も参照 連結リスト や 木構造 は、要素(ノード)の型の中にその要素型自身への参照( 自己参照 )が存在するようなデータ型を用いて実現される。これは再帰的データ構造( 再帰データ型 )である。再帰的データ構造の探索には、再帰呼び出しを使うことが多い。 下記は Java での例。Tree のクラス定義の中で Tree を使用している。 class Tree { Tree [] children ; } 生物学 [ 編集 ] ある大きな部位が複数の小さな 自己相似 に分岐する構造( フラクタル )など、再帰的な過程によって生じたと思われる形状が、植物や動物で時々見られる。野菜の ロマネスコ がその一例である [ 14 ] 芸術 [ 編集 ] 再帰的な人形の例:一組の マトリョーシカ人形 (1892年) ドロステ効果 と呼ばれる再帰の視覚形式。この ココア 箱に描かれた女性の持つ盆の上にあるココア箱には、再び同じ構図の絵が描かれている。ジャン・ミュゼ画(1904) →「 ドロステ効果 」も参照 ロシアで生まれた マトリョーシカ人形 は、再帰という概念の物理的造形例で [ 15 ] 、日本ではこうした形式を「 入れ子 細工」とも呼んでいる。 再帰は、1320年に作られた ジョット の三連祭壇画 ( Stefaneschi Triptych ) 以来、絵画で使用されている。この中央パネルにはステファネスキ枢機卿のひざまずく姿があり、三連祭壇画自体を供物として掲げている [ 16 ] [ 17 ] 。この手法は一般的に ドロステ効果 と通称されており、 紋中紋 技法の一例である。 マウリッツ・エッシャー による1956年の作品 ( Print Gallery (M. C. Escher) ) は、再帰的な絵を飾った画廊を含む歪んだ都市を描いた版画で、無限に堂々巡りする構図となっている [ 18 ] 。 日本の文芸作品では、 夢野久作 の『 ドグラ・マグラ 』が再帰的である。本作の序盤に、記憶喪失の青年は『ドグラ・マグラ』なる小説(記憶喪失の精神患者が書いたもの)を見つけることになり、この作中作に綴られている展開や結末をなぞるかのように本作も展開していき混迷の結末へ、という入れ子構造が見られる [ 19 ] 。 落語『 頭山 』の、自分自身の頭に出来た池に身投げしてしまう、というサゲも、再帰的なものとして言及されることがある。 [ 20 ] [ 21 ] 類似する概念 [ 編集 ] ここではプログラミング手続きの観点から、再帰との主な違いを述べる。 回帰 - 元々あったオブジェクト(元の位置や状態)に戻ってくる事を指す。 対して「再帰」は元々のオブジェクトではなく、その 参照 (計算機科学) にあたる小さいオブジェクトを呼び出す。 帰納 - 証明手続きの方向性として「基底段階の小さなものから段々と大きい(普遍的な)もの」へと進んでいく。特に 数学的帰納法 の帰納段階では、任意の自然数 k {\displaystyle k} に対して P ( k ) → P ( k + 1 ) {\displaystyle P(k)\to P(k+1)} が成り立つ事を示す。 対して「再帰」のプログラムは「大きなものから、段々と小さいもの」に進んでいく [ 22 ] 。 P ( k ) {\displaystyle P(k)} を計算するために k − 1 {\displaystyle k-1} の参照オブジェクトを呼び出し、この k {\displaystyle k} が基底段階に達するまで処理を繰り返し行う。 関連項目 [ 編集 ] 言語 再帰動詞 左再帰 自己言及 再帰代名詞 数学 再帰理論 反復関数系 漸化式 数学的帰納法 計算機科学 ネスティング 不動点コンビネータ 無限ループ#無限再帰 末尾再帰 リエントラント その他 ドロステ効果 / 紋中紋 / 入れ子 合わせ鏡 / ビデオフィードバック ハノイの塔 -解の操作手順が再帰的構造のパズル 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 記述している対象と同義な性質・情報を有する(幾何学でいう 相似 関係の)主に小さい事象を参照と呼ぶ。記述している対象と完全に同一なもの(幾何学でいう 合同 図形)は参照に含めない。 ^ 顛末まで解説すると、"recursion"の文字列には青のページリンクが張られており、このリンク先が"recursion"を再検索(自己参照)した結果ページという洒落。日本語版Google検索でも、「再帰」を検索すると同様の仕組みが「もしかして:再帰」で見られる。 ^ なお、自然数に0を含めるか否かは扱う数学分野によって異なることがある(例えば 数論 や 解析学 では一般に0を含めない)。詳細は 自然数 を参照。 ^ フィボナッチ数列の非再帰的な一般項は、次の通り [ 12 ] : F n = 1 5 { ( 1 + 5 2 ) n − ( 1 − 5 2 ) n } {\displaystyle F_{n}={\frac {1}{\sqrt {5}}}\left\{\left({\frac {1+{\sqrt {5}}}{2}}\right)^{n}-\left({\frac {1-{\sqrt {5}}}{2}}\right)^{n}\right\}} 出典 [ 編集 ] ^ a b 林 創「 再帰呼び出しを含む手続き処理の難しさ 」日本認知科学会『認知科学』6巻 (1999) 4号、389-405頁 ^ Wirth,N.(1986) Algorithms & Data Structures ( 浦昭二 ・国府方久史 訳『アルゴリズムとデータ構造』東京近代科学社、1990年) ^ “ Peano axioms | mathematics ” (英語). Encyclopedia Britannica . 2019年10月24日閲覧。 ^ Pinker, Steven (1994). The Language Instinct . William Morrow ^ Pinker, Steven; Jackendoff, Ray (2005). “The faculty of language: What's so special about it?”. Cognition 95 (2): 201?236. doi : 10.1016/j.cognition.2004.08.004 . PMID 15694646 . ^ Nordquist, Richard. “ What Is Recursion in English Grammar? ” (英語). ThoughtCo . 2019年10月24日閲覧。 ^ Nevins, Andrew; Pesetsky, David; Rodrigues, Cilene (2009). “Evidence and argumentation: A reply to Everett (2009)” . Language 85 (3): 671?681. doi : 10.1353/lan.0.0140 . オリジナル の2012-01-06時点におけるアーカイブ。 . https://web.archive.org/web/20120106154616/http://web.mit.edu/linguistics/people/faculty/pesetsky/Nevins_Pesetsky_Rodrigues_2_Evidence_and_Argumentation_Reply_to_Everett.pdf . ^ Drucker, Thomas (4 January 2008). Perspectives on the History of Mathematical Logic . Springer Science & Business Media. p. 110. ISBN 978-0-8176-4768-1 . https://books.google.com/books?id=R70M4zsVgREC&pg=PA110 ^ Barbara Partee and Mats Rooth. 1983. In Rainer Bäuerle et al., Meaning, Use, and Interpretation of Language . Reprinted in Paul Portner and Barbara Partee, eds. 2002. Formal Semantics: The Essential Readings . Blackwell. ^ a b Hunter, David (2011). Essentials of Discrete Mathematics . Jones and Bartlett. pp. 494. ISBN 9781449604424 . https://books.google.com/books?id=kuwhTxCVovQC&q=recursion+joke ^ “ recursion - Google Search ”. www.google.com . 2019年10月24日閲覧。 ^ 奥村晴彦 『C言語による最新アルゴリズム事典』 技術評論社 、1991年、305頁。 ISBN 4-87408-414-1 。 ^ 百物語改め「九一三・六物語」「 アッカーマン関数の漸化式による説明、数列・カリー化 」2015年1月27日 ^ “ Picture of the Day: Fractal Cauliflower ” (2012年12月28日). 2020年4月19日閲覧。 ^ “ Recursion ”. 2015年9月24日閲覧。 “More examples of recursion: Russian Matryoshka dolls. Each doll is made of solid wood or is hollow and contains another Matryoshka doll inside it.” ^ “ Giotto di Bondone and assistants: Stefaneschi triptych ”. The Vatican. 2015年9月16日閲覧。 ^ Svozil, Karl (2018). Physical (A)Causality: Determinism, Randomness and Uncaused Events . 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( 英語版 ) " 海岸線のパラドックス List of fractals by Hausdorff dimension ( 英語版 ) The Beauty of Fractals ( 英語版 ) (1986 book) カテゴリ 表 話 編 歴 数理論理学 一般 形式言語 構成規則 形式体系 演繹システム ( 英語版 ) 形式的証明 形式意味論 論理式 集合 元 クラス 古典論理 公理 自然演繹 推論規則 関係 定理 論理的帰結 公理系 型理論 記号 ( 英語版 ) 統語論 ( 英語版 ) 理論 ( 英語版 ) Traditional logic ( 英語版 ) 命題 推論 論証 妥当性 Cogency 三段論法 Square of opposition ( 英語版 ) ベン図 命題論理 ・ ブール論理 ブール関数 命題論理 命題論理式 ( 英語版 ) 論理演算 真理値表 多値論理 述語論理 一階 量化子 述語 ( 英語版 ) 二階 Monadic predicate calculus ( 英語版 ) 素朴集合論 集合 空集合 元 数え上げ 外延 有限集合 無限集合 部分集合 冪集合 可算集合 非可算集合 帰納的集合 定義域 終域 像 写像 関数 関係 順序対 集合論 数学基礎論 ツェルメロ=フレンケル集合論 選択公理 一般集合論 ( 英語版 ) Kripke–Platek 集合論 ( 英語版 ) フォン・ノイマン=ベルナイス=ゲーデル集合論 ( 英語版 ) モース-ケリー集合論 タルスキ=グロタンディーク集合論 ( 英語版 ) モデル理論 モデル ( 英語版 ) 解釈 ( 英語版 ) 超準モデル ( 英語版 ) 有限モデル理論 真理値 妥当性 証明論 形式的証明 演繹システム ( 英語版 ) 形式体系 定理 論理的帰結 推論規則 統語論 ( 英語版 ) シークエント計算 計算理論 再帰理論 計算可能性 計算複雑性 複雑性クラス P≠NP予想 再帰 帰納的集合 帰納的可算集合 決定問題 停止性問題 チャーチ=チューリングのテーゼ 計算可能関数 原始再帰関数 μ再帰関数 チューリングマシン ラムダ計算 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E4%B8%8A%E4%BD%8D%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%88
最上位ビット
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "最上位ビット" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2024年8月 ) 十進数 149 の 二進数 表現。最上位桁ビット(MSB)をハイライトで示している。8ビット二進数表現のMSBは十進数の128に対応。LSBは十進数の1を指す。 最上位ビット (さいじょういビット、 most significant bit または high-order bit 、 MSB と略記)は、 コンピュータ において 二進数 で最も大きな値を意味する ビット 位置のことである。MSBは 左端ビット とも言われる。 二進数の特定のビットを示すために、各ビットにはゼロから n (その数値のビット数に依存)までのビット番号が割り当てられる。 従来、 エンディアン によってゼロ番のビットがMSBに対応していたり、LSB( 最下位ビット )に対応していたりしていたが、最近ではゼロ番はLSBとされていることが多い。(訳注:これが関係してくるのはビット番号を指定する形式のビット操作命令が存在する 命令セット だけである。) 負の整数を 2の補数 で表すとMSBは必ず 1 になり、符号付正の整数では必ず 0 になるので、MSBは符号の判別に使われる。 これを拡張すると、MSBs(複数)はMSB側のいくつかのビットを意味する。 MSBが 最上位 バイト を意味する場合もある。この場合、MSB First はビッグエンディアンを意味する。この曖昧さを回避するため、 MSBit 、 MSByte と表記されることもある。 関連項目 [ 編集 ] 最下位ビット 二進記数法 符号付数値表現 2の補数 任意精度演算
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%80%E9%81%A9%E5%8C%96_(%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B7%A5%E5%AD%A6)
最適化
コンピュータ 関連において 最適化 ( 英 : Optimization )という語は、 最適化問題 のそれを指すことも多いが、ここでは、 コンパイラ最適化 などに似た話題について説明する(「情報工学」と記事名には付いているが、全く information engineering の話題ではない)。 コンピュータシステム は、主としてコストパフォーマンス上の理由から、効率的に(efficiently)動作することが望ましいことが多い。例えば、 コンパイラ最適化 は、高速化のためだったり、 メモリ の使用量を削減するためだったり、電力消費を抑えるためだったりする。最適化の対象となるシステムは、1つの プログラム の場合もあるし、複数の コンピュータ の場合もあるし、 インターネット のような ネットワーク 全体の場合もある。 "optimization" という単語の語源は "optimal"(最適な、最善な)と同じだが、最適化によって真に最適なシステムとなることは稀である。最適化されたシステムは一般にある面でのみ最適となる。プログラムの実行時間を削減するためにメモリ使用量を増やしてでも実行時間を最適化したり、逆にメモリが少ないシステムで実行時間が長くなることを覚悟してメモリ使用量が少ない アルゴリズム を選んだりする。あらゆる場合に最適な方法や設計は存在しないので、 技術者 は最も重要と思われる観点での最適化のために 妥協点 を探る。さらに、ソフトウェアを最適にする(それ以上どうやっても最適化できない状態にする)のに要する労力は、その最適化されたシステムを利用することで得られる利益よりも大きい。従って、最適化の工程は最適解に到達する以前に終了させられるのが普通である。幸いなことに、効果の大きい改善は最適化工程の初期に現れることが多い。 最適化は様々なレベルで行われる。最も高いレベルの最適化は設計段階に行われる。設計が最適化されていれば、実装でも効率的なアルゴリズムを利用でき、品質のよいコードになるという利点がある。コンパイラ最適化を使えば、 実行ファイル がさらに最適化される。最も低いレベルでは、 コンパイラ を使わずに人間が アセンブリ言語 で最適なコードを書く。コンパイラ最適化の技術の進歩と最近の CPU の複雑さのため、コンパイラよりも最適なコードを人間が書くには大変な技能を要する。そのため、このような最適化を行うプロジェクトは滅多にない。最適化は例外的なケースを考慮しつつ、複雑な妥協点を探ることが多い。従って最適化されたプログラムはプログラマが理解できないほど難解になることも多い。可能であれば等価であることが保証されながらプログラムを変形させるなどの手法で バグ の可能性をゼロにすべきだが、できない場合、できていないコードではバグを多く含む危険性がある。 基本 [ 編集 ] 計算処理には効率の異なる複数の実行方法が存在することが多い。例えば、以下の C言語 の コード は、1 から N までの整数の総和を計算するものである。 int sum = 0 ; for ( int i = 1 ; i <= N ; i ++ ) sum += i ; printf ( "sum: %d \n " , sum ); 演算でのオーバーフローが発生せず、かつ、N >= 0 ならば、これを以下のような数学的な式で書き換えることもできる。 int sum = ( N * ( N + 1 )) / 2 ; printf ( "sum: %d \n " , sum ); 最適化(特に自動的に行われる最適化)は、機能的に等価でより効率的な方法を選択することに他ならない。しかし、効果の大きい性能改善は無駄な機能を省いて実際の問題に集中することで実現されることも多い。 最適化は必ずしも自明で直観的なものとは限らない。上の例で「最適化」されたバージョンは N が小さければオリジナルよりも性能が悪い可能性がある。これは、そのコンピュータでの加算とループの性能と乗除算の性能の関係に依存する。 トレードオフ [ 編集 ] 最適化は一般に性能の様々な観点(実行時間、メモリ使用量、ディスク使用量、帯域幅、電力消費など)の一部だけを改善する。そこには何らかの トレードオフ があり、ある観点を犠牲にして別の観点を最適化することになる。例えば、 キャッシュ を大きくすれば実行時の性能は改善されるが、キャッシュも含めたメモリ消費は増大する。その他の典型的なトレードオフとしては、コードの読みやすさとコンパクトさ、デバッグのし易さ(命令の入替や冗長なコードの削除、関数インライン展開などの最適化の結果として、ソースコードとバイナリコードの間での対応関係が付け難くなったりブレークポイントを設定できる行数が減ったり、ブレークポイントでブレークしなかったり、とデバッグ時にコードの振る舞いや変数の変化が理解しにくくなる)などがある。 プログラマが最適化を行う際に、一部の処理を最適化するには他の処理の効率を悪くしなければならないという決断をせまられることがある。このようなトレードオフは技術的でない理由で必要となることが多い。例えば、競合他社が発表した ベンチマーク 結果に勝つため、通常のソフトウェアの効率が悪くなるとしてもベンチマークをより効率的に実行する最適化を施すといった場合である。 その他の分野 [ 編集 ] この記事ではなく、「 最適化問題 」の記事にある内容についての話題を混同する者も多い。 プログラミング では、より効率的なソフトウェアを生成するため、 アーキテクチャ に合わせたコンパイラの設定をしたり、そのアーキテクチャにあわせたコード修正を施すことを最適化と呼ぶこともある。 典型的な問題は様々な解法があり、プログラミングでは「十分によい」解だけを考慮する。 ボトルネック [ 編集 ] 最適化では ボトルネック を見つける必要がある。ボトルネックとは、化学反応における律速段階などのアナロジーで説明されるが( 反応速度#律速段階 も参照)、全体を「流れ」とした見た時に最もその流れが妨げられていて、全体の速さがその部分の速さで決まっている、という部分のことである。また近年のように並列実行のコストが下がっている場合、最適化に苦労するよりも問題が並列化可能であるならそちらで解決したほうが手っ取り早いということもある。並列化に関する法則としては アムダールの法則 や グスタフソンの法則 がある。 またボトルネックに関する経験則として、全体の1%〜25%のコードが75%〜99%のリソース(CPU時間、メモリ)を消費する( パレートの法則 も参照)、といったような傾向がある(当然、ザルに書いたコードほどその傾向は激しく、予めよくわかっている対象について綿密に計画され、さらに改良が重ねられたコードであれば逆になる)。 ボトルネックとなっている処理が非常に単純でそれ以上最適化しようがない場合もある。プログラムとは別のレイヤ、例えば、コンピュータ・アーキテクチャに原因があることもある。 アーキテクチャに関わる設計はシステムの性能をほとんど決定づける。 アルゴリズム の選択は設計の中でも最も効率に影響が大きい。複雑なアルゴリズムやデータ構造は多量の処理には適しているが、単純なアルゴリズムは少量のデータ処理により適している。複雑なアルゴリズムでは設定や初期化に時間がかかり、データが少量の場合に効果が薄れるためである。 場合によっては、メモリを追加することでプログラムが高速化されることがある。例えば、 フィルタ は入力を1行ずつ読み込んで、結果を即座に出力する。この場合、1行を読み込むだけのメモリがあれば十分だが、そのような方式での性能は一般にあまりよくない。ファイルを一括して読み込めば性能が劇的に改善されるが、メモリをより多く消費することになる。計算結果をキャッシングするのも効果的だが、同様にメモリ使用量が増大する。 最適化する時期 [ 編集 ] 最適化ではコードの 可読性 を損ない、性能向上にしか寄与しないコードを追加することがある。これはプログラムやシステムを複雑にし、保守やデバッグがしにくくなる。そのため、最適化や性能チューニングは ソフトウェア開発工程 の最後のほうで行われることが多い。 ドナルド・クヌース は、時宜を得ない(しばしば、早すぎる段階での)最適化を戒める言をいくつも記している。一例を挙げれば、 「ほんとうの問題点は、プログラマたちが誤った場所と誤った時点での効率について苦労して、多くの時間を浪費してしまったということにあります。プログラミングでは、時を得ない最適化は諸悪の根源なのであります。(すべてではないにしても、少なくとも悪の大部分と言えるでしょう。)」(1974年、 チューリング賞 受賞講演より。『ACMチューリング賞講演集』p. 56、『文芸的プログラミング』p. 30) クヌースは アントニー・ホーア に由来するとしているが、ホーアは否定している( アントニー・ホーア#語録 を参照)。 ダイクストラ に由来するのではないかとする説があり、ホーアもそう述べている。なお、クヌースが1974年に「未熟な最適化は諸悪の根源である」と書いているもうひとつの文献は、ダイクストラの Go To Statement Considered Harmful に対して書かれた、 Structured Programming with go to Statements [ 1 ] である。 これについて Charles Cook は次のように述べている。 「賛成だ。コードのボトルネックがどこなのかが判明する前に細かい最適化に時間を費やすのは無駄だ。しかし逆にシステムレベルのソフトウェアを設計するときは、性能問題を常に念頭に置くべきだ。よいソフトウェア開発者はこれを自動的に行っており、どこの性能が問題となるかを感覚的に感じ取ることができる。経験の浅い開発者は、後の工程でのちょっとした微調整で問題が全て解決するという間違った信念を持っていることがある」 [ 2 ] 「時期尚早な最適化」という言葉は、プログラマが個々のコードの設計時に性能への考慮をすることを指している。そのような小手先の最適化を最初から行っていると、コードが複雑化してその機能の本質を見誤り、コードが汚くなったり、バグを作りこんだりする。 よい手法とは、設計をまず行い、その設計からコードを書き、プロファイル/ベンチマークを実施して最適化すべき箇所を特定することである。単純で簡潔な設計であれば、この手法での最適化が容易であり、プロファイリングによって予想外の性能問題(時期尚早な最適化では思いもよらなかった問題)が明らかとなることもある。 実際には、ソフトウェアの設計の初期段階から性能目標を念頭に置く必要があるが、プログラマは設計目標と最適化のバランスを保つ(最適化での伸びしろを考慮してコードを書くときの時期尚早な最適化を控える)。 インタプリタ [ 編集 ] インタプリタ な処理系(特に PHP のように繰り返し実行され、性能も要求される場合)では、プログラマはコードからコメントや空白を削除し、使われないメソッドや関数の定義を削除してから、コードを配備することがある。これはネットワーク上の転送時間やインタプリタがコードを読み込む時間を少しでも改善しようという一種の最適化である。 このとき、元のコード(コメント付きの整ったコード)を捨ててしまうと、保守性が犠牲となる。そのようなコードは可読性が低く、 デバッグ や修正や改造が困難となる。従って、元のコードを手元に残しておくことが推奨され、修正を加える必要がある場合は、その元のコードを使うのがよい。 また、コメントや空白を削除することが実行時間の短縮に寄与するかどうかは事前に確かめておく必要がある。場合によっては「労多くして、益少なし」となることもある。一般に ソースコード をネットワーク上で転送する JavaScript などのコードの方が、ローカルに実行されるPHPなどよりも効果が大きい。 自動最適化と手動最適化 [ 編集 ] 最適化は コンパイラで自動的に 行うこともできるし、プログラマが自ら行うこともできる。局所的な最適化の効果は限定的であり、大域的な最適化の方が効果が大きい。一般に、より優れた アルゴリズム や データ構造 を見出すことが最も強力な最適化となる。一方、組込み用途のようにアクセス先がI/Oアドレスにマッピングされている場合、最適化の結果としてアクセス順序が入替えられると組込み機器としては問題が発生する可能性がある。そのような場合、volatile キーワードを付与することで、アクセス順序の入替を抑制することが可能である。 システム全体の最適化は自動化するには複雑すぎるため、人間の手で行うことが多い。その場合、プログラマやシステム管理者が自らコードを修正し、性能を改善する。効率が改善されるとしても、自動最適化に比べれば遥かにコストを要する作業である。 第一にリソースを最も多く消費している箇所(ボトルネック)を見つけるため、 プロファイラ を利用することが何よりも重要である。プログラマはボトルネックがどこか正確に把握していると思っているものだが、そのような予測は間違っていることが多々ある。重要でないコードの最適化は全体性能に与える効果が少ない。 ボトルネックを特定したら、まずそのプログラムで使われているアルゴリズムを再考するところから最適化が始まる。通常、汎用的アルゴリズムよりも特定の問題に特化したアルゴリズムの方が調整しやすい。例えば、大きなリストを ソート する処理では、効率のよい汎用アルゴリズムの1つである クイックソート を使うのが一般的である。しかし、ソート対象の性質が判っていれば(例えば事前に何らかの順番で並んでいるなど)、その他のアルゴリズムや特製のソートルーチンの方が有効な場合もある。 最善のアルゴリズムが選択されていると判明した場合、コードの最適化が開始される。 ループ展開 をしたり、なるべく小さい データ型 を使うようにしたり(浮動小数点でなくてもよい計算を整数の計算に直すなど)する。 性能ボトルネックがアルゴリズムの問題やデータ構造の問題ではなく、言語の制限による場合もある。このため、プログラムの重要な部分を異なる プログラミング言語 で書き換え、よりマシンに近いアクセスを行う場合がある。例えば、 Python などの 高級言語 で C言語 のモジュールを使用して高速化したりする。C言語で書かれたプログラムなら、一部を アセンブリ言語 で置換する。 D言語 などは インラインアセンブラ 機能が利用できる。 パレートの法則 によれば、書き換えはプログラムのごく一部だけで済む。従って、最適化にかかるコストと全体の性能向上が十分見合う結果となる。 手動の最適化は可読性を損なうことが多い。最適化にあたっては、その文書化と将来の開発への影響の評価が重要である。 自動最適化を行うプログラムを オプティマイザ (optimizer) と呼ぶ。オプティマイザはコンパイラに内蔵されていることが多く、コンパイル中に最適化が行われる。オプティマイザは生成されたコードを特定のプロセッサ向けに最適化することが多い。従って自動最適化は コンパイラ最適化 とほぼ同義である。 一部の高級言語( Eiffel や Esterel )は 中間言語 を使ってプログラムを最適化する。 グリッド・コンピューティング や 分散コンピューティング では、稼働率の高いコンピュータから別の稼働率の低いコンピュータにタスクを移すことでシステム全体の最適化を行う。 最適化に要する時間 [ 編集 ] オプティマイザによっても最適化が行われる。コンパイラで最適化を行うと(最適化しない場合より)時間がかかる。これが問題となるのは一般にプログラムが非常に大きい場合だけである。 ジャストインタイムコンパイル方式 では、オプティマイザの性能が実行時間の向上の鍵となる。オプティマイザが時間をかければかけるほど生成されるコードはよくなるが、それはつまり貴重なCPU時間をオプティマイザが使用するということを意味する。従って、特にジャストインタイムコンパイル方式では、オプティマイザにかかる時間とそれによって生成コードの性能が改善されて節約される時間のトレードオフが重要となる。 最適化のコスト [ 編集 ] ソフトウェア開発プロジェクトでは、コード最適化は新たな機能を追加するわけでもなく、失敗すれば既存の機能を壊してしまうこともある。最適化されたコードの可読性は低いので、最適化によってプログラムの保守性が損なわれることもある。「リファクタリング」と同様に、機能が保存されていることのテストが少なくとも必要とされる。 トリビアルな覗き穴最適化などはある程度以上のコンパイラならば実装しており、プログラマが手作業でそれと同等程度の最適化を施すのはバグの元でしかなく、意味が無いだけでなく有害である。例えば x = a + b * 4 のようなコードを x = a + b << 2 のように「最適化」してしまうのが典型的な失敗例であり、こういった最適化をプログラマの良い習慣であると評価しているような組織があったらそれはある種のシグナルである。 プログラマのリソースを消費して最適化を行うのではなく他の手段に頼るほうがコストパフォーマンスが良い場合がある。例えばWebアプリケーションの場合に最適化するのではなくサーバースペックの強化で対応したり、分散可能な場合にサーバー台数の増加で対応する。メモリ断片化やメモリリークの原因特定と修正を試みるよりも定期的に再起動するなど運用方法の変更で対応する。画像や映像処理は最適化余地の少ないCPU上で動作させるコードを最適化するのではなくGPUなど特化したハードウェアを用いるなど。 分類 [ 編集 ] コード最適化は、プラットフォーム依存の最適化とプラットフォームに依存しない最適化に分けられる。プラットフォームに依存しない最適化技法は多くのコンピュータで有効な技法である。プラットフォーム依存の技法は、 命令レベルの並列性 に関するもの、データレベルの並列性に関するもの、キャッシュ最適化技法など、プラットフォームによってパラメータが異なる技法である。 しかし、現代のコンピュータのマイクロアーキテクチャでは、本来プラットフォームに非依存のはずの改善ですら、逆効果の場合がある。たとえば一般論的には、多数の条件分岐がある場合、確率の高いほうから振り分けたほうが、少ない数の比較で済むから効率が良いはずである。ところが、分岐予測により「予測が当たった場合のペナルティは0で、外れた場合のペナルティは大きい」というマシンが現代ではありえる。ネットワーク時代のために多用されるデータ圧縮・展開の基本的な技法である ハフマン符号 は、パターンの出現がうまく分布していた場合、確率の高い順に 50%, 25%, 12.5%, 6.25%, ... というような出現率の分類をすることになるから、そのようなマシンで確率の高いほうから振り分けてしまうと、むしろ分岐予測が外れやすい側から試しているという結果になり、改善のはずが逆効果になるかもしれない。 他にも、変に数式や計算法をいじるよりも、倍精度浮動小数で素直に計算してしまったほうが、現代のマイクロプロセッサはそこに注力して高性能化されているので速い、ということもある。結局、 計算のオーダー が変わるようなアルゴリズム的改善を除けば、「最適化のつもり」が本当に改善になっているのかは、どんな場合であれ実際に測定しなければわからない、と、予防的に考えておくのが正解である。 格言 [ 編集 ] 「個々の操作を特定の順に実行させることは非常に興味深く奇妙な問題である。その上で全てを入力する余裕はない。どのような計算でもプロセスの遷移のための多種多様な配置が可能であり、様々な考慮の上でそれを選択しなければならない。基本的な目的は計算を完了するまでの時間を最小にする配置を選択することである」 - Ada Byron 's notes on the analytical engine 1842. 「情報処理における罪の多くは(必ずしも達成されることのない)効率の名においてなされる。そこには盲目の愚かさも含まれる」 - W.A. Wulf 「細かい効率のことは忘れて、時間の97%について考えよう。時期尚早な最適化は諸悪の根源だ。それでも残り3%についても機会を逃すべきではない」 [ 3 ] - ドナルド・クヌース 「ボトルネックは思いもよらない場所に存在するので、ボトルネックの箇所を特定するまで性能最適化(ハック)してはいけない」 - ロブ・パイク 「プログラム最適化の第一法則: 最適化するな。プログラム最適化の第二法則(上級者限定): まだするな。」 - Michael A. Jackson 関連項目 [ 編集 ] 正当性 (計算機科学) プログラム意味論 表示的意味論 操作的意味論 公理的意味論 形式的検証 ホーア論理 LLVM キャッシュ コンパイラ最適化 シミュレーション メモ化 ループ最適化 リンク時最適化 ( 英語版 ) 最悪実行時間 参照の局所性 制御フローグラフ 静的単一代入 プロファイリング 遅延評価 抽象解釈 投機的実行 待ち行列理論 クエリ最適化 可逆圧縮 脚注 [ 編集 ] ^ 該当部分は邦訳版『文芸的プログラミング』p. 52 ^ The Fallacy of Premature Optimization by Randall Hyde ^ ドナルド・クヌース : Structured Programming with Goto Statements Archived 2009年8月24日, at the Wayback Machine .. Computing Surveys 6 :4 (1974), 261–301. 参考文献 [ 編集 ] Jon Bentley: Writing Efficient Programs , ISBN 0-13-970251-2 . ドナルド・クヌース : The Art of Computer Programming 外部リンク [ 編集 ] Programming Optimization C,C++ optimization C optimization tutorial Software Optimization at Link-time And Run-time " A Plea for Lean Software " by Niklaus Wirth Description from the Portland Pattern Repository Performance tuning of Computer Networks An article describing high-level optimization Optimization for video games (gpu and cpu)
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%B3
サブルーチン
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "サブルーチン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2016年4月 ) プログラミング における サブルーチン ( 英 : subroutine )は、 プログラム 中で意味や内容がまとまっている作業をひとつにまとめたものである。 サブプログラム あるいは 副プログラム ( 英 : subprogram ) [ 1 ] とも呼ばれ、単に「ルーチン」( 英 : routine )と呼ばれることもある。 プログラミング言語 によっては、 関数 ( 英 : function )や プロシージャ あるいは 手続き ( 英 : procedure )とも呼ばれる。 概説 [ 編集 ] 繰り返し利用される ルーチン作業 を モジュール としてまとめたもので、呼び出す側の「主」となるもの( メインルーチン )と対比して「サブルーチン」と呼ばれる。 プログラムのソース中で、繰り返し現れる処理をサブルーチン化することで、 可読性 や保守性を高く保つことができる。繰り返し現れる処理でなくても、意味的なまとまりを示すためにサブルーチン化することもある。また、 キャッシュ のような階層的メモリの設計を持つ コンピュータ (現在の パソコン や ワークステーション などほぼすべて)では、よく使われるサブルーチンがキャッシュに格納されることで高速な動作を期待できる。 呼び出しと入出力 [ 編集 ] サブルーチンが結果として値を返す場合、その値は 戻り値 (もどりち)または 返り値 (かえりち)と呼ばれる。 プログラミング言語 によっては、サブルーチンに相当する処理のまとまりを、「結果として値を返すもの」と「処理だけを行ない値を返さないもの」に分類・区別することがある。この区分はプログラミング言語の仕様で定められるため、言語により区分や名称が異なる。例えば、 Pascal では戻り値があるものを関数と呼び、戻り値がないものを手続きと呼ぶ。 C言語 ではいずれも関数と呼ぶ。 ALGOL ではいずれも手続きと呼ぶ。これらは慣習的なものであり、 手続き型プログラミング や 関数型プログラミング といったプログラミングスタイルあるいはプログラミングパラダイムの分類とは関係がない。サブルーチンが属するスコープなどの特性によって名称を変えているものもあれば、特に区別せず同じ名称を与えているものもある。 日本の 情報処理推進機構 (IPA) が運営している 基本情報技術者試験 で使われる 疑似言語 では、サブルーチンを戻り値の有無により「関数」と「手続」(てつづき)に分類している。戻り値があるほうが関数であり、戻り値が無いほうが手続である [ 1 ] 。これはPascalの慣習と同じだが、もともとアルゴリズムの記述にはALGOLやPascal系の構文をもとにした疑似言語が使われることが多かった、という事情もある [ 2 ] 。 なお、サブルーチンは呼び出し時に入力として 引数 (ひきすう)を受け取り、サブルーチンの中で宣言された「仮引数」と呼ばれる変数を通じて内部処理に使うことができる。引数の渡し方には、一般的なものとして以下の2つがある [ 3 ] 。 実引数を渡すときにその値だけを渡して、記憶場所(アドレス)は渡さない方法を「値呼び出し」または「値渡し」という。値呼び出しで変数を渡す場合、メインルーチンとは別にサブルーチン側で変数の記憶領域を確保し、そこにいったん値(データ)をコピーする。そのため、サブルーチン側で変数の値を変更しても、メインルーチンに戻ったときには元の値のままになる。 実引数を渡すときにその記憶場所(アドレス)を渡す方法を「参照呼び出し」または「参照渡し」という。参照呼び出しで変数を渡す場合、メインルーチンとサブルーチンとで、変数の記憶領域が共有される。そのため、サブルーチン内でその変数に対して行なった変更操作は、メインルーチンに戻ってもそのまま反映される。 一般的には戻り値によって単一の結果を出力として返すが、参照呼び出しを使うことによって複数の結果を出力として返したり、受け渡しの際のデータコピーのコストを低減したりすることもできるようになる。 なお、Pascalでは関数/手続きの内部に、それらの中でのみ呼び出し可能な別の関数/手続きを記述することもできる。関数内関数やローカル関数などと呼ばれることもある。 一般的にサブルーチンにはプログラムソースコード上で識別可能な何らかの名前が付けられ、呼び出しの際にはその名前をもとに参照されるが、名前を持たないサブルーチン( 無名関数 、ラムダ式)を定義できる言語もある。 通例、サブルーチンとその呼び出し元の間での引数および戻り値の受け渡しや、サブルーチンが終了したときに呼び出し元にフロー制御を戻すための復帰位置(リターンアドレス)の一時記憶、サブルーチン内の ローカル変数 の割り当てには、 コールスタック やレジスタが使われる。引数がスタックに積まれる順序やメモリレイアウトなどの 呼び出し規約 は、プログラミング言語やプロセッサ ( CPU ) のアーキテクチャにも依存するが、コンパイラ固有の修飾子(キーワード)によって指定できる環境もある [ 4 ] [ 5 ] 。 x64 や ARM のように、特定の条件を満たす引数についてはスタックではなくレジスタを経由して受け渡しされるアーキテクチャもある [ 6 ] [ 7 ] 。 環境によっては、呼び出し規約を規定し、また引数と戻り値のデータ型を基本数値型やポインタ型などの POD ( 英語版 ) 型に限定することで、異なる言語間で相互運用可能な ABI 互換性のあるサブルーチンを定義することができる。例えばCで書かれた関数を ダイナミックリンクライブラリ (DLL) や共有ライブラリ (so) にエクスポートし、Pascalの関数または手続きとして呼び出したりすることも可能となる。別の例として、 Microsoft Excel では、C/ C++ やPascalや Visual Basic などを使ってDLLに実装された関数を、 Visual Basic for Applications (VBA) のコードモジュールからプロシージャとして呼び出したり、ワークシートから直接利用したりすることができる [ 8 ] [ 9 ] 。 数学の関数との違い [ 編集 ] 引数 をとり、値を返すという、数学における 関数 との類似性から、言語によっては関数 (function) とも呼ばれるわけであるが、一般にプログラミング言語における関数は、数学におけるそれとは以下のような点が異なる。 引数が同じでも状況に応じて戻り値が異なる( 状態 を持つ) 関数の処理の実行によってシステムに変化が発生する( 副作用 を持つ) (「関数」と「手続き」を区別しない言語では)戻り値が存在しない場合がある これに対し、 関数型言語 では状態や、プログラム自身に影響するような副作用をもたないことを基本とするなど、数学の関数に近い性質を持つ。特に純粋関数型言語では数学の関数と同等であり、同様の性質( 参照透過性 など)を持つことが利用される。 オブジェクト指向言語の場合 [ 編集 ] 多くの オブジェクト指向プログラミング言語 では、何らかの オブジェクト あるいは クラス に属するサブルーチンは、 メソッド と呼ばれている。Cから発展し、 Simula の影響を強く受けた C++ では、クラスや 構造体 に属する関数は メンバー関数 と呼ばれている。 Java や C# など、サブルーチンはクラスや構造体などの型に属するメソッドもしくはメソッド内のローカル関数として記述しなければならず、どこにも属さない関数(フリー関数)は定義できないオブジェクト指向言語もある。一方、 C++ や Swift のように、必ずしもクラスや構造体に属する必要はなく、名前空間スコープに関数を直接定義できるオブジェクト指向言語もある。 歴史 [ 編集 ] サブルーチンという考え方は、ことさら新しいものではない。 アルゴリズム などにおいて、問題を部分問題に切り分けて解くという 分割統治法 はコンピュータ以前からあり、コンピュータプログラミングについても、 EDSAC のプログラミングについて出版された、この分野の世界最初の書籍とされる The Preparation of Programs for an Electronic Digital Computer (1951)においても part one, chapter 2 がサブルーチンに関する章である。 各プログラミング言語におけるサブルーチン [ 編集 ] おおむね歴史が古い言語から説明する。 FORTRAN [ 編集 ] Fortran では、値を返すサブプログラムは関数( function )、値を返さないサブプログラムはサブルーチン( subroutine )と呼ばれる。 Fortran 90 以降の関数はPURE属性により副作用を持たないことを明示できる。 LISP [ 編集 ] LISP では関数と呼ばれることが多く、 Common Lisp でも関数と呼ぶ。しかし Scheme の仕様では手続きという用語を使っている。なおLispにはサブルーチンを マクロ で実装するという重要な手法もある。 BASIC [ 編集 ] 古典的な BASIC では、GOSUB 命令によるサブルーチンがあった。インタプリタは GOSUB 命令を見つけると、GOSUB 命令の終わりの場所(アドレス)をインタプリタ内の スタック にプッシュして保存し、命令で指定された行に飛び、実行を続ける。その後、実行中に RETURN 命令を見つけると、スタックから先ほど保存しておいた呼び出し元の場所をポップして取り出し、そこに飛び、GOSUB 命令の次の命令から実行を再開する。サブルーチンを作成したい場合は、ユーザーは「この行からこの行まではサブルーチンとする」と決めてプログラムを作成した。以上のように「RETURN できる GOTO」でしかない(引数も返り値もローカル変数もない)ため、(グローバル)変数を経由する、配列をユーザースタックとして使うなど、技巧を必要とした。比較的高機能な実装では、DEFFN 命令により、式一個で記述できる範囲という制限ながらも、引数と返り値のあるユーザー定義関数の追加(拡張)が行えるものもあった。 Pascal [ 編集 ] Pascal では function および procedure という 予約語 を使って宣言する [ 注釈 1 ] 。 C言語 [ 編集 ] カーニハン と リッチー による解説書『 プログラミング言語C 』、いわゆる「K&R」には、C言語の関数はPascalの「手続き」や「関数」に相当すると書かれてある [ 10 ] 。つまりC言語では戻り値の有無にかかわらず「関数」(function) と呼んでいる。 関数の定義の書式は次の通りである [ 10 ] 。 <戻り値の型> <関数名>( <引数> ) { 関数内の処理の記述 } C言語 では歴史的な理由から、値を返さない関数を宣言および定義する場合は、関数の型(返戻値の型)を書く場所に void ( void型 )と書く [ 注釈 2 ] 。 関数の宣言が複数ある場合、どの順番で書いても良いし、複数のファイルに分けて書いても良い [ 10 ] 。ただし、ひとつの関数を複数のファイルに分けて書いてはいけない [ 10 ] 。 なお、K&RのCは ANSI C (C89)として標準化される前の古い仕様に基づいており、Cの歴史を知るうえでは重要だが、2023年現在はISO/IEC 9899規格を参照することが望ましい。 Perl [ 編集 ] Perl では、ユーザー定義のものはサブルーチンであるが、引数を渡すことができ、値を返すこともできる。サブルーチン内からは、渡された引数には特殊変数からアクセスし、値を返すにはreturn文 [ 注釈 3 ] を使う。 Visual Basic [ 編集 ] Visual Basic (VB)、 Visual Basic for Applications (VBA)、 Visual Basic .NET (VB.NET) では、サブルーチンをプロシージャと総称しており、値を返すプロシージャを「 Function プロシージャ」、値を返さないプロシージャを「 Sub プロシージャ」と呼ぶ。さらに プロパティ を定義するための構文として「 Property プロシージャ」がある [ 11 ] [ 12 ] 。 他 [ 編集 ] Microsoft Excel における関数は、主に、計算をしたり、データの検索や集計をしたり、表示を変換したりするものである。合計値を求めるSUM関数や、平均値を求めるAVERAGE関数、 条件演算子 に相当するIF関数など、100を超える組み込みの「ワークシート関数」が存在する。一方、 VBA コードからのみ利用可能な「VBA関数」もある。例えばIIf関数 [ 13 ] はIF関数に似た働きをするが、ワークシート上の数式内では利用できず、VBAからのみ利用可能である。ワークシート関数およびVBA関数はいずれもユーザー定義の関数を登録して利用することもできる。 再帰呼び出し [ 編集 ] あるサブルーチン f の定義中で f 自身を再度呼び出すことを 再帰呼び出し (さいきよびだし、recursive function call)という [ 14 ] [ 1 ] 。再帰呼び出しを使うと、ある処理で得られた値に対しさらに同じ処理を何度も繰り返すような場合に簡潔な記述にすることができる [ 15 ] 。たとえば 階乗 の計算をするために使ったり [ 1 ] 、 ファイルシステム のような 木構造 の探索に使ったり [ 16 ] 、 オセロソフト ・ チェスソフト ・ 将棋ソフト ・ 囲碁ソフト などの「先読み」に使ったりできる [ 注釈 4 ] [ 17 ] [ 18 ] [ 19 ] [ 20 ] 。 なお、一般的なコンピュータおよびプログラミング言語では、サブルーチン呼び出しの際は コールスタック に引数やローカル変数などの領域が確保されるが、 パーソナルコンピュータ のような比較的リソースに余裕のある環境であっても、このコールスタックの容量は既定で スレッド ごとに数 MiB 程度に設定されており、サブルーチンの呼び出し階層が深すぎると スタックオーバーフロー を引き起こす場合がある。特に再帰呼び出しは呼び出し階層が深くなりがちで、再帰回数が多すぎるとスタックオーバーフローを引き起こしやすい。 →「 再帰 § 計算機科学 」、および「 スタックオーバーフロー 」も参照 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ C言語と違い、中身の記述すなわち定義まで含むものもPascalでは「宣言」と言う。 ^ 標準化以前(K&R初版時代のC)は、省略した場合のデフォルトとしてintを返すと解釈される仕様だったという経緯があり、互換性を保つためにそれが標準とされたため、値を返さない場合には void を書いて明示しなければならない、という仕様になっている。 ^ http://perldoc.perl.org/perlsub.html には return statement とあるが、return 自体の解説は http://perldoc.perl.org/functions/return.html のように関数扱いになっている。 ^ オセロゲームの盤面先読みのコードは、以前、基本情報技術者試験に出題されたことがあり教科書や問題集などでも掲載されるようになっていた。 出典 [ 編集 ] ^ a b c d 大滝みや子『2020年版 基本情報技術者 標準教科書』オーム社、2019年。pp.95-96「手続きと関数」「再帰呼び出し」の章 ^ 電子情報通信学会『知識の森』 - 6 群「基礎理論とハードウェア」 - 3 編「アルゴリズムとデータ構造」 - 1 章「アルゴリズムとアルゴリズム解析」 ^ 問49 変数を引数として渡しても、サブルーチンの実行後に変数の値が変更されないことが保証されているものはどれか。 | 日経クロステック(xTECH) ^ Calling Conventions | Microsoft Learn ^ Argument Passing and Naming Conventions | Microsoft Learn ^ x64 calling convention | Microsoft Learn ^ Overview of ARM ABI Conventions | Microsoft Learn ^ Working with DLLs | Microsoft Learn ^ Developing DLLs | Microsoft Learn ^ a b c d Brian W. Kernighan / Dennis M. Ritchie "The C Programming Language, Second Edition", 1988. ISBN 0-13-110362-8 , pp.24-27 "Functions". ^ Writing a property procedure (VBA) | Microsoft Learn ^ Property プロシージャ - Visual Basic | Microsoft Learn ^ IIf function (Visual Basic for Applications) | Microsoft Docs ^ 自分から自分を呼ぶ? Pythonで「再帰呼び出し」の不思議を体験 | 日経クロステック(xTECH) ^ 『令和04年 栢木先生の基本情報技術者教室』技術評論社、2021年、p.209「再帰的な関数の例」 ^ .NET TIPS [ASP.NET]データベースからツリー・メニューを生成するには? - C# VB.NET Webフォーム - @IT ^ Chess programming ^ 将棋ソフト作成入門 ^ 再帰呼び出し ^ 囲碁プログラムの作り方(基本編) 関連項目 [ 編集 ] 制御構造 関数型プログラミング 第一級関数 構造化プログラミング メソッド (計算機科学) プロシージャ 重複コード トランスクルージョン この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集 典拠管理データベース : 国立図書館 ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%A0%85%E6%BC%94%E7%AE%97%E5%AD%90
三項演算子
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "三項演算子" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2022年7月 ) 数学 における 三項演算子 (さんこうえんざんし、 英 : ternary operator )とは、3つの 被演算子 を持つ 演算子 のことである。 集合 A 上の三項演算は A の任意の 元 3つから A の元を1つ生成する。このような三項演算の例としてジョルダン三項積など 三項系 における 三項積 や、 ヒープ ( 英語版 ) の積がある。 プログラミング言語 [ 編集 ] →「 条件演算子 」も参照 プログラミング言語 における三項演算子の例として、 条件演算子 が挙げられる。 条件演算子は、典型的には expr1 ? expr2 : expr3 という形式で記述され、 ブール値 に変換できる式 expr1 を評価し、結果が真なら expr2 , 偽なら expr3 を評価し、その結果を値とする演算子である。 C言語 など一部のプログラミング言語では条件演算子が唯一の組み込みの三項演算子であるため、非公式な文書において、条件演算子を三項演算子と呼称されることがある。 他の三項演算の例として、 Python などにおける配列のスライス演算がある(ただしスライス演算自体は必ずしも3項を必要としない)。 三項演算としてのスライス演算は典型的には expr1 [ expr2 : expr3 ] の形式で記述され、配列(あるいは順序を持ち添字によるデータアクセスが可能なデータ構造)に変換できる式 expr1 と整数に変換できる式 expr2 , expr3 をそれぞれ評価し、 expr1 の与える配列から expr2 , expr3 が与える範囲の部分配列を値とする演算である。 関連項目 [ 編集 ] 三項系
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E7%85%A7_(%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%B7%A5%E5%AD%A6)
参照
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2011年10月 ) 独自研究 が含まれているおそれがあります。 ( 2019年4月 ) 正確性 に疑問が呈されています。 ( 2019年4月 ) 出典検索 ? : "参照" 計算機科学 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL 参照 (さんしょう、 英 : reference 、 リファレンス )は、他の場所にあるデータを指している情報を含む小さな オブジェクト であり、それ自身の中に(指している)データ自体を含まない。参照の指す 値 を取り出すことを デリファレンス ( dereference ) と呼ぶ( 間接参照 も参照)。参照は様々なデータ構造を構成する基本要素であり、プログラム内の各部で情報をやり取りするための基本でもある。 なお、 C++ には、参照型というものがあるが、以下で説明するのはC++のそれではなく、一般概念である。C++の参照については、 ポインタ (プログラミング)#参照 を参照のこと。 住所を使ったたとえ話 [ 編集 ] 参照は家の住所に似ている。住所は非常に小さな識別子であり、それが指しているモノにはさらに豊富な情報があるだろう。例えば、その家を見れば色がわかるが、住所だけでは色はわからない。住所は単に家を見つけることを可能にするだけである。しかし、もし家の色が知りたければ、住所さえあれば見つけ出して実際にその家を見ればよい。つまり、住所は家の色を知るための充分な情報源となる。住所から家を探すことは、参照をデリファレンスすることに似ている。 もっと複雑な例として、引越しの度に新しい家の住所を古い家に残しておくとする。誰かが最初の家を訪ねると、置いてある住所から次の家へ次の家へとたどっていき最終的に現在の家にたどり着くことができる。これは参照を使用した単純な 線形リスト に似ている。 住所の別の利点は、それが実際の家よりもずっと扱いやすいことである。例えば、町内の人々を姓の五十音順に並べたいとしよう。ひとつの方法として、巨大なクレーンを使って町内の家を全部物理的に並べ替える方法がある。もっと簡単な方法としては、町内の人たちの住所のリストを作り、姓の五十音順にそれを並べ替えるという方法がある。参照にも同様の利点がある。データへの参照を操作することによってデータ自体を変更することなく様々なことができるし、場合によってはその方が効率的である。 日常生活は参照の例であふれている。電話番号、電子メールアドレス、 URL などなど。いずれも遠隔にあるリソースを指し、それらへのアクセスを可能とする。 参照の利点 [ 編集 ] 参照によって、オブジェクトを格納する場所、格納方法、コード内での引き渡しなどの柔軟性が増す。参照によって実際のデータにアクセスできるなら、データ自体を移動させる必要はない。また、複数のコードが参照によってひとつのデータを共有することもできる。 ポインタ はオブジェクトのメモリ上の アドレス だけを格納したものである。これは最も基本的で間違えやすい参照だが、最も強力で効率的な参照でもある。 スマートポインタ は 不透明データ構造 の一種で、ポインタのように働くが、特定のメソッドを通さないとアクセスできない。 ファイルハンドル はファイルの内容を抽象化する参照である。それはファイルへの ロック を要求する際にはファイル自体を指すと同時に、ファイルを読む際にはファイル内の特定の位置を指す。 形式表現 [ 編集 ] より一般化すると、参照は、あるデータの一意の検索を可能とする別のデータとみなすことができる。これには データベース の 主キー や 連想配列 のキーなども含まれる。データの集合 D について、 D から D ∪ { null } への一意に定まる関数が参照の定義となる。ここで null は意味のあるものを指していないデータである。 このような関数の別の表現として、「到達可能性グラフ; reachability graph」と呼ばれる有向グラフがある。ここで、各データは頂点として表され、データ u から データ v へのエッジがあるとき、 u は v を参照している( グラフ理論 )。最大出次数は 1 である。このように参照をグラフとして捉えることは ガベージコレクション で到達不可能なオブジェクトからのアクセスを分離するのに有効である。 外部収納と内部収納 [ 編集 ] この節は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "参照" 計算機科学 – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2019年4月 ) 多くのデータ構造の中で、大きく複雑なオブジェクトは小さなオブジェクト群から構成されている。そのようなオブジェクト群の格納方法は以下のように2つに分けられる。 内部収納(internal storage) [ 要出典 ] では、小さなオブジェクトの内容は大きなオブジェクトの内部に格納されている。 外部収納(external storage) [ 要出典 ] では、小さなオブジェクトは独自の場所に置かれ、大きなオブジェクトはそれへの参照のみを格納する。 内部収納は、参照のための領域や 動的メモリアロケーション のためのメタデータを必要とせず、デリファレンスや小さなオブジェクト用のメモリ確保に要する時間も節約でき、効率的である。内部収納は、同種の大きなオブジェクトをメモリ内に連続して配置することで「 参照の局所性 」を高める効果もある。しかし、外部収納が好まれる状況も以下のようにさまざま存在する。 データ構造が再帰的(つまり自身を内包する可能性がある)ならば、内部収納は不可能である。 大きなオブジェクトが限られた領域に格納されている場合(例えば スタック )、オーバーラン(オーバーフロー)を防ぐためにその内容の大部分を外部収納にして物理的なサイズを削減する必要があるかもしれない。 小さなオブジェクトのサイズが可変である場合、それを内部収納すると大きなオブジェクトを可変サイズとする必要が生じ、効率が悪くなることがある。 参照を使うことで仕様変更などに柔軟に対応できる。 一例として Java では、プリミティブ型は内部収納であり、オブジェクト(クラス型)や配列は外部収納である。 言語サポート [ 編集 ] アセンブリ言語 では、参照はメモリアドレスや配列のインデックスで表現される。これを使うには注意が必要である。メモリアドレスは何を指しているかわからないし、指しているものの大きさも構造も意味もアドレスからはわからない。そのような情報はロジック自体に組み込む。その結果、間違ったプログラムが参照を間違って解釈してエラーが発生し、プログラマは途方にくれることになる。 最初の不透明参照のひとつとして、 LISP 言語の consセル がある。これは単純化すれば他の2個のLISPオブジェクトへの参照から構成されるデータ構造であり、他のconsセルへの参照も持つことが出来る。この構造で単純な 線形リスト を構成することもできるし、「ドットリスト」と呼ばれる 二分木 を構成することもできる。 他の初期の言語 FORTRAN は明示的な参照を持っていないが、 参照渡し で暗黙のうちにそれを使っている。 C言語 で導入された ポインタ は、原始的な参照の形態のひとつである。これはアセンブリ言語の生アドレス (raw address) 表現と似ているが、ポインタの参照しているデータが誤って解釈されることのないよう、コンパイル時に使用される静的な データ型 の概念を導入しているという点で異なる。しかし、C言語は「弱い 型システム 」を採用していることから、 型変換 (あるデータ型の値を明示的に他のデータ型の値に変換すること)によって不正なポインタを容易に生成することができるため、誤った解釈は依然として生じうる。Cの後継とも言える C++ は、新たな型変換演算子の導入、標準ライブラリでのスマートポインタ導入などによりポインタの型安全性を強化しようと試みているが、Cとの互換性維持のため意図的にこれらの安全機構を出し抜くことができる能力を依然として有している。なお、C++には、さらに型としても「参照」というものがある( #C++の「参照」 を参照)。 ガベージコレクション をサポートするような多くの 高水準言語 では、 reference などと称される不透明な参照を採用している。これらの参照はC言語のポインタのようなデータ型であるが、参照を生のアドレス値に変換したり、逆にアドレス値から参照を生成したり、といった危険な変換ができないという点でC言語よりずっと安全になっている。このように「管理された」言語 (managed language) では、参照は実際には指すべきデータへのポインタへのポインタになっていることが多い。C/C++から見れば、これらの言語は二段階ポインタを参照に使っていることになる(典型的な実装としては)。 ガベージコレクタ だけが不透明性を生む中間のポインタに直接アクセスすることができる。一般に参照同士の演算もサポートされていない。 FORTRAN [ 編集 ] FORTRAN で参照と言えば、オブジェクトの別名 (alias) を意味することが多い。例えばスカラ変数、配列の行と桁などである。参照をデリファレンスする方法はなく、参照されているものを直接操作するという概念もない。FORTRANの参照は null の場合もある。他の言語のように参照によって線形リスト、キュー、 木構造 などの動的構造を処理することができる。 Java [ 編集 ] Java のデータ型には、大別して参照型と プリミティブ型 が存在する。 クラス 型、 インタフェース 型、型変数( ジェネリクス の型引数)、 配列 型が参照型(reference types)である [ 1 ] 。 C# [ 編集 ] C# のデータ型には、大別して参照型、値型、ポインタ型が存在する。クラス、インターフェイス、配列、 デリゲート は参照型である。数値型や論理型を含む 構造体 や 列挙型 は値型である。 関数型言語 [ 編集 ] この節の 加筆 が望まれています。 C++の「参照」 [ 編集 ] →「 ポインタ (プログラミング) § 参照 」を参照 この節の 加筆 が望まれています。 出典 [ 編集 ] ^ Chapter 4. Types, Values, and Variables 関連項目 [ 編集 ] 弱い参照 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%82%E7%85%A7%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%83%88
参照カウント
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "参照カウント" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2021年5月 ) 参照カウント (さんしょうカウント、 英 : reference counting )は、メモリオブジェクトのライフサイクル(寿命)管理に使用される方式のひとつ。 ガベージコレクション の実装方法および ガベージコレクタ の動作方法のひとつとしても利用される。また、 コピーオンライト の実装方法としても多用される。 処理の概要 [ 編集 ] すべてのオブジェクト(メモリ上に置かれているデータの単位)に対して、参照カウントと呼ばれる整数値を付加しておく。これは、このオブジェクトへの 参照 (あるいは ポインタ )がシステム全体にいくつ存在しているかを数えるものである。 オブジェクトへの参照が変化するたびにこの値は随時書き換わる。 参照カウントが0になったものについては破棄が許される。ただし、ファイル キャッシュ のように参照カウントが0になっても直ちにオブジェクトを破棄せず、再利用に備えてリソースの容量が許す限り保存してもかまわない。この場合、オブジェクトを破棄するための判断には別の基準が必要となる。 共有された単一のオブジェクトへの参照ではなく、独立したデータを擬似的に表現する場合は、下記の処理を追加する。 オブジェクトのコピーが要求されても、実際にはコピーを行わず元のオブジェクトへの参照を返し、参照カウントに1加える。 オブジェクトの変更が行われる場合は、以下の手順で行う 参照カウントが1であればそのまま書き換える。 参照カウントが2以上であれば、元のオブジェクトをコピーして参照カウントが1の新オブジェクトを作成し、それを書き換える。元のオブジェクトの参照カウントは1減らす。 特徴 [ 編集 ] 長所 [ 編集 ] 処理が単純であり、高速である。 オブジェクトを多数生成し、すぐに参照を切るような処理においても、参照がなくなったことがその場で検知され、迅速に破棄が起きる。利用できるメモリが少ない状況では大きな利点となる。 ガベージコレクタのためのスレッドやプロセスを必要としない。 ガベージコレクションとコピーオンライトを同時に実装できる。 また、システムの空き時間(アイドル時)に動作する方式のガベージコレクションとは異なり、参照カウント方式は通例決定論的 (deterministic) に動作するため、オブジェクトの解放タイミングを確実に制御したい場合に有利である。 短所 [ 編集 ] オブジェクト同士が互いに参照しあうなど、参照が循環している場合、参照カウントが0にならないためにオブジェクトが破棄されないという問題がある。詳しくは後述の #循環参照の問題点 を参照のこと。 単純な実装では大量のオブジェクトが一斉に解放されることがあり、CPUの空き時間を利用してガベージコレクションを行う方法と比べると、処理が遅くなる場合もある。 コンテナオブジェクトなど、解放されるオブジェクトが、多くのオブジェクトを参照している場合に起こりやすい。 対象オブジェクトが小さく、コピーが頻繁に行われるような場合は、参照カウントの空間的・時間的オーバーヘッドが問題となる場合がある。 特に マルチスレッド 環境で参照カウントを利用する場合、スレッド間で共有されるオブジェクトのライフサイクルを正しく安全に管理するためには参照カウントの増減が スレッドセーフ になるよう配慮しなければならないが、 排他制御 や アトミック操作 などのロック機構は想定以上にコストの高い処理であり、大量に実行される場合は大きなオーバーヘッドを伴う [ 1 ] 。 用途 [ 編集 ] 文字列 オブジェクトの実装手段としては適しており、多くのシステムで採用されている。 これは、文字列であれば内部で他のオブジェクトを参照しないので、短所の多くには影響がないためである。 単純なビット列などのデータも同様に適している。 循環参照の問題点 [ 編集 ] 参照カウントには、 循環参照 によりデータを解放できなくなる( メモリリーク が発生する)という問題がある。 例えば C++ 向けの Boost C++ライブラリ あるいは C++11 規格以降の 標準C++ライブラリ には、参照カウントベースの スマートポインタ を実現するクラステンプレートとして、それぞれ boost::shared_ptr あるいは std::shared_ptr が用意されているが、これを使って自己参照あるいは相互参照を持つクラスを定義してしまうと、参照カウントが適切に減らされずに互いのインスタンスが解放されなくなってしまう。 #include <iostream> #include <memory> class A { public : std :: shared_ptr < class B > m_refB ; A () {} ~ A () { std :: cout << "Destructor of A is called." << std :: endl ; } }; class B { public : std :: shared_ptr < class A > m_refA ; B () {} ~ B () { std :: cout << "Destructor of B is called." << std :: endl ; } }; void doTest () { std :: shared_ptr < A > refA ( new A ()); std :: shared_ptr < B > refB ( new B ()); refA -> m_refB = refB ; refB -> m_refA = refA ; } // ここで A および B のデストラクタが呼ばれなくなり、メモリリークする。 int main () { doTest (); return 0 ; } 循環参照によるメモリリークを回避するためには、利用を終えたタイミングで明示的に参照を解除するコードを記述するなどの方法があるが、ソースコードが煩雑になってしまい、スマートポインタの利点を打ち消してしまう。 この問題を解消するために、多くの プログラミング言語 やソフトウェアライブラリあるいはシステムで 弱い参照 (ウィークリファレンス、 英 : weak reference ) が導入されている。弱い参照とは、参照カウントを増加させない参照である。例えばC++では boost::weak_ptr あるいは std::weak_ptr などが該当する。 一方、 マーク・アンド・スイープ や コピーGC によるガベージコレクションでは、循環参照によるメモリリークの問題は発生しない。 なお、 Java や .NET Framework では、いずれも参照カウントベースではないガベージコレクション方式を採用しており [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] [ 5 ] 、循環参照によるメモリリークは発生しない。例えば以下の Java コードは合法であり、循環参照していたとしてもガベージコレクションの回収対象となる。 class A { public B b ; } class B { public A a ; } public class Test { public static void doTest () { A a = new A (); B b = new B (); a . b = b ; b . a = a ; } // 十分な時間が経過すれば、いずれ GC により回収される。 public static void main ( String [] args ) { doTest (); } } ただし、非意図的オブジェクト保持(unintentional object retention)が引き起こすメモリリークを回避するために、通常の参照(強参照)の代わりに java.lang.ref.WeakReference のような 弱参照 クラスのインスタンスを使うこともある [ 6 ] 。 ウィキペディアでの例 [ 編集 ] ウィキペディア の「 孤立した記事 」は、参照カウントが0のものを表示しているだけなので、孤立した記事だけから参照されている記事は孤立した記事と見なされていない。 実用例 [ 編集 ] マイクロソフト の Component Object Model (COM) におけるCOMオブジェクトは参照カウント方式で管理される。 プログラミング言語 Objective-C および Swift のオブジェクトは参照カウント方式で管理される。 プログラミング言語 Perl のガベージコレクタは参照カウント方式を用いている。 プログラミング言語 Python のガベージコレクタは主に参照カウント方式を用いている。 ただし、補助的に(伝統的なマーク&スイープとは逆順の探索アルゴリズムによる)世代別GCを併用している [ 7 ] [ 8 ] 。 プログラミング言語 C++ の規格 C++11 以降には、参照カウントでオブジェクトを管理するためのクラステンプレートとして std::shared_ptr が存在する。 Boost C++ライブラリ の boost::shared_ptr および boost::shared_array [ 注釈 1 ] 。 参照カウントの増減処理をカスタマイズできる boost::intrusive_ptr もある。 POCO C++ Libraries の SharedPtr。 GLib に含まれるオブジェクトシステム GObject は参照カウント方式で管理を行う。 ファイルシステム における ハードリンク 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ Boost 1.53.0で boost::shared_ptr が配列にも対応したため [ 9 ] 、 boost::shared_array は非推奨となっている [ 10 ] 。 出典 [ 編集 ] ^ Improving .NET Performance by Reducing Memory Usage - InfoQ ^ Javaの理論と実践: ガベージコレクションとパフォーマンス | IBM , Internet Archive ^ Javaの理論と実践: ガーベッジ・コレクション小史 | IBM , Internet Archive ^ Resource management | Microsoft Docs | Blog Archive | Brad Abrams ^ .NETアプリを軽快にするためのガベージ・コレクション講座(2/4) - @IT ^ Javaの理論と実践: 弱参照でメモリー・リークを塞ぐ | IBM , Internet Archive ^ 29.11. gc — ガベージコレクタインターフェース — Python 3.6.5 ドキュメント ^ Garbage Collection for Python ^ Version 1.53.0 ^ Boost.SmartPtr: The Smart Pointer Library 関連項目 [ 編集 ] ガベージコレクション 弱い参照 循環参照
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参照透過性
参照透過性 (さんしょうとうかせい、 英 : Referential transparency )は、計算機言語の概念の一種である。ある 式 が参照透過であるとは、その式をその式の値に置き換えてもプログラムの振る舞いが変わらない(言い換えれば、同じ入力に対して同じ作用と同じ出力とを持つプログラムになる)ことを言う。具体的には 変数 の値は最初に定義した値と常に同じであり、 関数 は同じ変数を 引数 として与えられれば同じ値を返すということになる。当然変数に値を割り当てなおす演算である 代入 (Assignment) を行う式は存在しない。このように参照透過性が成り立っている場合、ある式の値、例えば関数値、変数値についてどこに記憶されている値を参照しているかということは考慮する必要がない、即ち参照について透過的であるといえる。 参照透過性が成り立つ言語は式の値がプログラムのテキストから定まるという特徴から 宣言型言語 (Declarative language) と呼ばれたりする。一方変数の値の変更が認められているような参照透過的でない言語を 手続き型言語 と呼ぶ。ただ、手続き型言語は 機械語 プログラミングとの繋がりという歴史的な事情により手続きが式でなく命令列で表現されたことから 命令型言語 と呼ばれることもあり、そのような場合との対比で単に式(例えば関数や変数の組み合わせ)でプログラムが表現されているだけの言語、あるいは 高階関数 の仕組みを備えた言語をひっくるめて、代入が可能であるかないかを問わず、関数型言語と呼ぶことも多い。結局現状では単に 関数型言語 という場合は参照透過的な言語(即ち純粋関数型言語)とそうでない関数型言語を両方とも含むということになっている。 また以上に関連して 分散処理 を記述する場合に、あるデータがどの ノード 上にあるかを意識せず透過的にアクセスできるという性質も参照 透過性 と呼ばれる。 代入と参照透過性を取り巻く技術的課題 [ 編集 ] 参照透過性が成り立つような言語では変数の値を定義する構文はあっても変数の値を再定義するような変数への 代入 (Assignment) を行う構文は存在せず、ある式の値、例えば関数値、変数値についてどこに記憶されている値を参照しているかということを考慮する必要がない。 ただこのような違いがありながらも参照透過性の有無は、計算理論上は言語の記述能力を左右しない。代入はプログラム、またその要素である関数内での変数の変更を許す、つまり内部状態を作るため数学的には チューリングマシン のような状態機械でモデル化できる一方、純粋関数型言語は ラムダ計算 でモデル化できるが、両者で記述できるプログラムの集合は同一であることが証明されているからである。とはいえ、人間にとっての記述しやすさ、可読性、現時点の技術で実現した場合の実行効率などは両者で当然異なる。 例えば関数値、変数値についてどこに記憶されている値を参照しているかということを考慮する必要がないということは記憶領域の使い方の管理がプログラマの手から完全に離れているということを意味するため、プログラムの表現を簡明にすることに寄与する一方で、実行効率向上のためには言語処理系によるデータの管理と最適化を多分に必要とする。具体的な例を挙げれば、参照透過性が成り立つような言語では大きなデータ構造(例えば要素数の多い 配列 や レコード型 など)の極一部を変更するような場合でも主記憶上にあるデータ構造の一部だけを単純に書き直すことが出来ない(例えばAとBが同じ式で配列として定義されているときにBの3番目を変更したらAの3番目をアクセスする式の値がどうなるか)。 また、当然のことながら参照透過性が成り立つような言語では参照され共有されている記憶領域に格納された値を監視するようなコードは書けない。このことはプログラムの動作を副作用の考察なしに追跡し、その実行をスケジューリングできるというようにプログラム理解を簡単にし最適化の可能性を広げる一方で、変数で同期を取るような素朴な並行・並列処理プログラムは最早書けず、入力動作を表現するためには様々な工夫が必要となり、スケジューリングに左右されないように出力を順序正しく行うためにも様々な工夫が必要となることを意味する。 以上のような理由から ML のように、基本的には関数型を指向して作られていながら補助的に代入の機能も備え、式に状態を持たせられるようにするケースがしばしばある。 Haskell では モナド ( Monad ) 型と構文糖衣を利用して参照透過性を保ったまま手続き型的な表現を可能にしている。また、Haskellと相互に影響を与え合ったもう一つの純粋関数型言語 Clean では、一度参照したら二度と参照しないという一意性をその値の型に付加属性として与え、代入を利用しつつ参照透過性を維持し、効率化も実現している。 参照透過性の解釈の変化 [ 編集 ] Haskellでは上述のような問題点を解決するための試みがなされ、新しい仕様であるHaskell 2010でSTモナドとして結実した。参照透過性を満たす関数は引数が同じなら同じ値を返すものであるから、代入を使ってもその性質を満たし、なおかつ他の計算にも影響しなければよいとするものである。わかりやすい例として再帰関数がある。合計や階乗などは代入を使った反復であっても、与えられた引数が同じなら結果も同じである。代入をその関数の内部だけにとどめ、結果の取得は変数の内容をコピーして返す関数を使わせることで、確実に副作用から切り離すといった工夫を盛り込んだ。これがSTモナド(State Transformerモナド)である。 参考文献 [ 編集 ] 出典 は列挙するだけでなく、 脚注 などを用いて どの記述の情報源であるかを明記 してください。 記事の 信頼性向上 にご協力をお願いいたします。 ( 2023年12月 ) Søndergaard, Harald; Sestoft, Peter (1990). “Referential transparency, definiteness and unfoldability” . Acta Informatica 27 (6): 505–517. doi : 10.1007/bf00277387 . http://www.itu.dk/people/sestoft/papers/SondergaardSestoft1990.pdf . 関連事項 [ 編集 ] 関数 (プログラミング) 関数型言語 手続き型言語 変数 (プログラミング) モナド (プログラミング) Lisp ML (プログラミング言語) Haskell 分散処理 メモ化 副作用 (プログラム) 冪等性
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参照渡し(関数の引数)
この記事には 複数の問題があります 。 改善 や ノートページ での議論にご協力ください。 出典 がまったく示されていないか不十分です。内容に関する 文献や情報源 が必要です。 ( 2023年3月 ) 信頼性 に 問題があるかもしれない資料 に基づいており、精度に欠けるかもしれません。 ( 2023年3月 ) 出典検索 ? : "引数" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ウィキペディアにおける テンプレート の引数については、「 Wikipedia:テンプレート引数 」をご覧ください。 引数 (ひきすう、 英 : parameter, argument )は、 数学における関数 や コンピュータプログラム における 手続き において、その外部と値をやりとりするための特別な変数、あるいはその変数の値のことである。 数学 や 最適化問題 に関するそれ(「 パラメータ 」と カタカナ で表現されることが多い)については「 媒介変数 」の記事を参照のこと。以下は専ら コンピュータ プログラミング に関して説明する。 関数 ・ サブルーチン ・ メソッド 等を定義する時に、外部から値を渡される特別な変数として指定されるのが 仮引数 。関数(等)を呼出す式において、仮引数に対応する式(あるいはその値)が 実引数 である。実行時には、実引数の値を仮引数が受け取る。 「引数」を「いんすう」と読む読み方もある [ 1 ] [ 2 ] が、 術語 としては変則的に 湯桶読み して「ひきすう」としている。数学分野で 因数 (factor)との取違えを防ぐためといった理由もある。 仮引数 [ 編集 ] 仮引数 (かりひきすう、かびきすう、 parameter 、 formal parameter (formal argument) )とは、 手続き(プロシージャー) で定義される 変数 のうち、実行時に呼び出し元から渡される(実引数の)値を受けるものをいう。例として C言語 系言語における定義を挙げる: int sum ( int addend1 , int addend2 ) { return addend1 + addend2 ; } 上の定義では、 int 型の仮引数 addend1 int 型の仮引数 addend2 2つを伴った 関数 sum を定義している。定義の中で addend1 と addend2 が変数のように使用されていることに注目されたい。 実引数 [ 編集 ] 実引数 (じつひきすう、 argument 、 actual argument (actual parameter) )とは、プロシージャーを呼び出す際に渡す値のことで、プロシージャーの挙動(動作や結果)に作用する。変数や リテラル を含む 式 を指定できる。 C言語 系言語において前に示した例中の関数 sum を用いた例を挙げる: sum ( 123 , 456 ); 上の文は、 仮引数 addend1 に対応する実引数 123 仮引数 addend2 に対応する実引数 456 2つを関数 sum に渡している [ 3 ] 。 評価戦略 [ 編集 ] →「 評価戦略 」も参照 値渡し [ 編集 ] 値渡し (あたいわたし、 call by value )は 右辺値 を渡す方法で、実引数として変数を渡したとしても、その値のみが渡される。もちろん即値や複雑な式を渡すこともでき、式の評価結果が渡される。その仕組みとしては、独立した新たな 変数 が関数内に用意され、元の値がコピーされる。そのため変数を渡したとしても、元の変数が変更されるという事はない。 これは「関数が副作用を持たない」という観点から、計算を中心とする言語では望ましい動作といえる。またそもそも代入概念のない 関数型言語 では、引数は必ず値で渡されると考えられる(ただし、代入が存在しない以上コピーをとる必要もない)。 値渡しを採用した言語としては C言語 、 ML 、 APL 、 Scheme 、 Java 等が挙げられる。 ポインタ渡し [ 編集 ] アドレス渡し (call-by-adress)とも呼ぶ。 C言語 や C++ の ポインタ が保持する値はオブジェクトに対する参照( メモリアドレス )であり、後述の 参照渡し の参照と似た性質を持つ。このため、ポインタ変数を値渡しすると、値渡しでありながら参照渡しと似たような効果を得ることができる。このため、ポインタ(=メモリアドレス)を値渡しする事を単なる値渡しと区別して俗に ポインタ渡し などと呼ぶ事もある。 名前渡し [ 編集 ] ALGOL で採用されていた特徴的な機能の一つである。名前渡しでは値でも参照でもなく、式がそのまま渡される。基本的には参照渡しのように振る舞うが、式を参照するごとに値を計算して取り出す事が特徴である。 C言語 のプリプロセッサのマクロ展開と似ているが、引数と、ローカル変数が衝突しないように配慮はされる。 次のような例は名前渡しに特徴的な動作と言われる。 swap(x,y) { tmp = x; x = y; y = tmp; } この例に対し、 x=i, y=a[i] という"式"を渡すとする。仮に i=2 だったとすると、 tmp = x; x=i=2 なので tmp は 2 になる。 x = y; x は i を渡されているので i が y の値になる。 y は a[i] だから、 i は a の2番目の値になる。 y = tmp; y は a の i 番目の値だが、前手順により i は a[2] になっている。従って y=a[a[2]] になる。 このような複雑さもあって、ALGOL以外で名前渡しが採用された事例はほとんどない [ 4 ] 。 変数渡し [ 編集 ] 変数渡し (へんすうわたし、 call by variable )は、変数そのもの( 左辺値 )を渡す方法で、この場合は仮引数に対する操作がそのまま実引数(渡された変数)に影響する。 多くの言語では(とくに配列のようなデータ構造を戻り値にできない場合)戻り値はひとつの値だけしか返せないが、データベース検索などで見つかったかどうかと、見つかったならその値も知らせるような場合に、見つかったかどうかを戻り値にして、検索結果の値は適当な引数を変更するといった使い方ができる。 参照渡し (さんしょうわたし、 call by reference )はその実装手段の一つ(と見ることもできる [ 5 ] )。変数に対する 参照 (アドレス情報)を渡す方法である(これは言語側が勝手に行う。C言語のように明示的にアドレス演算子を使うものは参照渡しとは呼ばない)。 その他、値渡しと同じようにコピーを渡しておいて、関数/サブルーチンからのリターン時に元の変数に変更結果をコピーしなおす方法もある(これは変数の共有(エイリアス)や再帰呼出しがあると奇妙な結果になることがある)。 PL/I では、どちらの方法で実装しても良いと規定されている。 原始的な言語である FORTRAN は機械語のアドレス操作を反映した参照渡ししか持たなかった。これは特にcall by indexと呼ばれている。 他に変数渡しをサポートする言語としては、 Pascal 、 Perl 、 C++ 、 C# 、 Quick BASIC 等の構造化 BASIC などが挙げられる。 なお変数渡しの関数・サブルーチンに、実引数として変数以外(右辺値)を渡した場合にどうなるかは、言語によって異なる。そのような操作が禁止されており、エラーが発生する言語(Pascal等)、テンポラリな変数を作成し、リターン時にそれを捨ててしまうため、値渡しと同じことができる言語(Quick BASIC等)、「 未定義の動作 」をひきおこし、何が起こるか全く予測がつかない言語(FORTRAN等)がある。C++ではconst修飾されていない型への参照に右辺値を渡すとエラーになるが、const修飾されていれば一時オブジェクトが作成され、また右辺値のみを参照できる「右辺値参照」が存在する。 値渡しによる引数の変更 [ 編集 ] C言語は値渡しのみをサポートするが、変数のポインタ( メモリアドレス )を取得することが可能であるため、変数へのポインタを値で渡す事で元の変数を変更できる。オフセット計算により配列や構造体の一部分を参照するコードも容易に記述できる。 しかしこれは、実際の変数領域を逸脱した部分をも参照できるので、あくまでも値渡しによる参照渡しのエミュレートである。参照渡しをサポートする言語でも内部的には同様の操作を行っているが、それは何らかの意味で言語の保護下にある参照となる。 参照の値渡し [ 編集 ] 参照渡しで言うところの「参照」と呼ばれているものと、特定の言語で「参照」と呼ばれているものが必ずしも同じでない事には注意が必要。例えば、 Java は参照型を扱うための『Javaの「参照」』を持つが、これはPascal等のポインタ相当で、『参照渡しの「参照」』とは概念が違うため、『Javaの「参照」』を渡しても参照渡しであるとは言えない。C言語の「ポインタの値渡し」と同じである [ 6 ] 。これは、Javaの参照型と似た参照型と、Javaのプリミティブ型に近い値型を持つ C# を見ると理解しやすいだろう。C#では、特に指定しなければ参照型も値型も値渡しされるが、引数に ref もしくは out を使用する事によって参照渡しにする事ができる。『C#の値型』を渡すから値渡し、『C#の参照型』を渡すから参照渡しとはならない。 例:Pascalの変数渡し [ 編集 ] Pascalの 手続き ( procedure )や 関数 ( function )では、 原始型 ( integer , real など) の値渡しと変数渡しのどちらでも行える。変数渡しの場合は手続き・関数の引数に var を付ける。 { 手続き swap 内で a,b の値を入れ替える。 sampleの i,j は変数渡しされ、aとi、bとjは同じアドレスを指して いるので、i,jの値は入れ替わる。 } procedure swap ( var a , b : integer ) ; { var をつけると変数渡し } var tmp : integer ; begin tmp := a ; a := b ; b := tmp end ; procedure sample () ; var i , j : integer ; begin i := 5 ; j := 10 ; swap ( i , j ) ; ... { iは10, jは5になる } end ; 遅延評価 [ 編集 ] →詳細は「 遅延評価 」を参照 Haskell などの遅延評価型関数言語に見られる形態で、値が実際に必要になるまで計算を行わない方法。概念上は、計算方法を遅延した thunk と呼ばれるオブジェクトが渡っていると考えられる。 脚注 [ 編集 ] ^ KAKASI (Kanji Kana Simple inversion program) MIT ^ Javascript練習 09 京都産業大学 ^ ちなみに、上の文の結果は 579 である ^ とはいえ 中島秀之 によれば、DEC 10 Prolog の移植に際して、「修羅場を見た」と述べている。 ^ 変数以外から成る任意の式に対して、その左辺値というものは考えづらいため。あたかも名前のない変数がテンポラリに作られるかのように振舞うものもある。 ^ JavaHouse-Brewers の議論 関連項目 [ 編集 ] 変数 (プログラミング) 多重定義 評価戦略 呼出規約 関数 アリティ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%9C%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9_(%E3%82%BB%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3)
サンドボックス (セキュリティ)
この項目では、セキュリティについて説明しています。その他サンドボックスについては「 サンドボックス 」をご覧ください。 この記事には 独自研究 が含まれているおそれがあります。 問題箇所を 検証 し 出典を追加 して、記事の改善にご協力ください。議論は ノート を参照してください。 ( 2011年4月 ) コンピュータセキュリティ技術において、 サンドボックス ( sandbox ) は、外部から受け取った プログラム を保護された領域で動作させることによって、システムが不正に操作されるのを防ぐセキュリティ機構のことをいう [ 1 ] 。 実行されるプログラムは保護された領域に入り、ほかのプログラムやデータなどを操作できない状態にされて動作するため、プログラムが暴走したり ウイルス を動作させようとしてもシステムに影響が及ばないようになっている。 ウェブページ に配置された Javaアプレット や Flash 、 JavaScript などのプログラムは自動的に実行される。そのため、気づかないうちにコンピュータ上にあるファイルを盗み見られたり書き換えられたり、あるいは コンピュータウイルス に感染させられたりするおそれがある。そこで安心して ネットサーフィン を楽しめるように提供されたのが、そういった攻撃のできない安全な「 砂場 」(サンドボックス)である。 保護の仕組み [ 編集 ] わかりやすいところでは、ファイルの読み書きをできなくしたり、許可なく マイクロフォン から録音できなくしたりすることで保護を実現する。また クロスサイトスクリプティング 攻撃からの保護のために、他の(攻撃者のものかもしれない)サイトへの送信が禁止されたり他のサイトの情報を読み込むことが禁止されたりする。 このほかにも、 プライバシー や オペレーティングシステム の安全を脅かすことが可能になる、さまざまなことが禁止されている。 サンドボックスへの不満 [ 編集 ] サンドボックスによる保護は利便性を損ねるものであり、事態を正確に認識できていない者からは不満の声もある。しかしながら、それを許すことはすなわち攻撃者にも利便性を与えることに留意しなければならない。 例えば、もしも「JavaScriptを利用すると メールアドレス を盗まれたり ウイルス に感染させられたりする」ということがわかれば、ユーザーは警戒して JavaScript を使っているウェブページを見なくなってしまう。JavaScriptを使っていると誰も見てくれなくなるので、作る側も誰もJavaScriptを使わなくなってしまう。それはJavaScriptを提供する側の望むところではない。このため、サンドボックスによる保護は強化される一方である。 こういった保護に不満がある場合、それを解除する方法が提供されている場合がある。例えば Javaアプレット に使われている Java のサンドボックスモデルでは、Javaアプレットに 電子署名 による署名をおこなうことができる。もしもユーザーがその電子署名を信頼し許可したならば、電子署名を施されたプログラムに限っては保護された領域外にアクセスすることができるようになる。 サンドボックスの例 [ 編集 ] サンドボックスの例として、次のようなものが挙げられる。 Sandboxie Javaアプレット Java Web Start Adobe Flash JavaScript 及びJavaScriptに基づいている Ajax VMware や Microsoft Virtual PC などの 仮想マシン XAML ブラウザアプリケーション (XBAP) Webブラウザ( Google Chrome • Mozilla Firefox など) その他のサンドボックス [ 編集 ] ソフトウェア開発 において、 バージョン管理システム を利用して構築される特定のバージョンの ソフトウェアテスト 環境。プレイグラウンドとも呼ばれる。 Wikipedia で編集のテストを行うページ。 Wikipedia:サンドボックス 脚注 [ 編集 ] ^ Ian Goldberg, David Wagner, Randi Thomas, and Eric Brewer (1996年). “ A Secure Environment for Untrusted Helper Applications (Confining the Wily Hacker) ”. Proceedings of the Sixth USENIX UNIX Security Symposium . 2015年10月25日閲覧。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%97%E5%8F%A5%E8%A7%A3%E6%9E%90
字句解析
言語学などで行われている 自然言語 の字句解析については「 形態素解析 」をご覧ください。 計算機科学 における 字句解析 (じくかいせき、 英語 : lexical analysis ) とは、ある 言語 で書かれた 文 について、その文字の並びを解析し、言語的に意味のある最小の単位(トークン)に分解する処理のこと [ 1 ] 。 文を解析してトークンに分解する作業を自動的に行うプログラムを 字句解析器 (英語: lexical analyser )という。 概要 [ 編集 ] 字句解析は、コンピュータを用いた 自然言語 処理でも、 プログラミング言語 の コンパイル でも行われる [ 1 ] 。 自然言語 の 文 であれ、プログラムの ソースコード であれ、文というのは結局、 文字 や 記号 や 約物 類が多数並んだもの( 文字列 )であるが、字句解析はそれを、言語的に意味のある最小単位トークン(英語: tokens )に分解する処理である。 具体例 [ 編集 ] コンパイラの中の字句解析の例を挙げる。 たとえば ソースコード 中に、あらかじめ現在値や初期値を入れるためのpresentやinitialという変数が宣言された後に、次の1行があるとする。 present := initial + 15 [ 2 ] これを字句解析すると次のようになる。 文字列 型 present 識別子 := 代入演算子 initial 識別子 + 演算子 15 数 つまり present や initial という変数名、変数への値の代入を示す := 演算子、 15 という数字列は、意味を持つ最小単位(トークン)である。 文字と文字の間の空白(ブランク。スペース文字の1〜数個の並び)は、通常、字句解析の途中で除去する [ 3 ] 。上の例では present と := の間やその後ろなどにある空白文字が除去されている。空白文字はトークンとトークンを分離する役割くらいしかないものなのでトークンには含めない。 また、コンパイラの字句解析では、 コメント文 つまり「 /* 現在値を計算するためのプログラム。 */ 」といったような文は、処理の最初の段階でひとつのカタマリとして扱い、まるごと除去してしまうこともある。 もうひとつ、 C言語 での文の例を挙げる。 sum = 35 + 21; これは、次の表のようにトークン化される。 文字列 トークンの種類 sum 識別子 = 代入演算子 35 数 + 加算演算子 21 数 ; セミコロン トークンは字句解析する段階では、プログラムの要素としての妥当性は必ずしも考慮されない。例えば上記の例で sum は、もしこの文の前にsumが宣言されていなければ意味がないが、字句解析器は通常トークンとしては問題ないとして扱う。 一方、数リテラルの値が、そのプログラミング言語で扱えるいかなる型がサポートする範囲よりも大きい値が書かれている場合は、最初からエラーにすることもある。 また、 Parsing Expression Grammar (PEG)のように、字句の規則も構文規則と一緒に扱ってしまうことも多い手法もあり、「字句解析」と(狭義の)「 構文解析 」という分担は絶対のものでもない。また実際のC言語の処理系では、言語処理系本体の前に プリプロセッサ によってもトークンとしての扱いがある(プリプロセッサトークン)。 字句解析器 [ 編集 ] スキャナ [ 編集 ] 一般に、文字列をなめるような処理をするものをスキャナという。字句解析の場合、文字列から、1個のトークンになるような部分文字列を切り出す部分をスキャナとして分けて考える場合がある。 スキャナはある種の 有限状態機械 にモデル化できる。その有限状態機械は、それが処理する任意のトークンに含まれる文字の考えられる並びに関するルールを元に生成される。ここでいうルールとは例えば、「整数」トークンは任意個の 数字 の並びである、といったようなものである。プログラミング言語では、一般に、空白でない先頭の文字の種類によって、そこから始まるトークンの種類が類推できるよう設計され、その後の文字の並びはそのトークンとして受理できない文字が出てくるまでひとまとめとして処理される( 最長一致 の規則)。言語によっては、規則がもっと複雑で、複数個の文字について戻るような バックトラッキング が必要になることもある。 狭義の 正規表現 (詳細に言うと、いわゆる非欲張り量指定子が無い正規表現)による表現が面倒な字句規則の代表例に、C言語の /* コメント */ のようなコメントがある。ルールを直感的に言明すると「コメントには任意の文字が使えるが、 */ という並びが現れたらそこで終わる」というものであるが、これを何も考えずにそのまま正規表現にしてしまうと、正規表現の * が最長一致(欲張り(greedy)な量指定子)であるために、「ソースコード中に現れる最初のコメントの開始から、ソースコード中に現れる最後のコメントの終了」にマッチしてしまう。正規表現に非欲張り量指定子か先読みがあればこれに対し正しい規則を書くのは簡単だが、無い場合は不可能ではないものの、その規則は読みやすいものではない。 コメントの例の場合は、手書きの解析器であればそこだけアドホックにちょっと先読みすれば簡単に済むが、こういったパターンが意外とあることも、手書きが選ばれる理由のひとつである。また、Javaの ジェネリクス やC++の テンプレート などの字句解析で >> という並びが現れうることも、悩ましい点のひとつである(C++でテンプレートが実装された初期の頃は、コードを書く側が空白を入れて分割しなければならないとしていた)。本格的な処理系では往々にして、こういった場合への対処のために後段からの情報を必要とし、実装がややこしいものになりやすい。 トークナイザ [ 編集 ] トークン化は、スキャナによって得られた部分文字列に、トークンの種別の情報を付け(この部分の仕事は、実際のところスキャナによって適合するルールが選ばれた時点でほとんど済んでいる)、その種類によっては、たとえば整数ならその整数値といったような意味値(英語: semantic value )を与える処理である。部分文字列の列からトークンを構築するには、字句解析器には第二段階の 評価器 が必要であり、評価器は文字列に対して「値」を付与する。文字列と型を結びつけたものが適切にトークンを表し、構文解析器に入力できるものとなる。括弧などの一部のトークンは「値」を持たないので、評価器(関数)はそれらについては何も返さない。整数、識別子、文字列などを扱う評価器は非常に複雑になる。空白やコメントなどはそのまま捨ててしまうこともある。最終的に、 #トークン の節に挙げた表のような形の情報を持った、トークン列が得られる。 字句解析器生成器 [ 編集 ] 字句解析器を自動的に作成するソフトウェアを 字句解析器生成器 (英語: lexical analyser generator )という。 1975年に マイク・レスク ( 英語版 ) と エリック・シュミット により字句解析器生成器 Lex が開発され、 POSIX にも採用された。Lexは、トークンの規則を 正規表現 で記述した文書をもとに、自動的に字句解析器を作る。入力がどの規則にもマッチしないようであればエラーとする。 1987年ころには、Lexを バーン・パクソン ( 英語版 ) が改良した Flex ( 英語版 ) がリリースされ、広く利用されるようになった。Linuxのディストリビューションの多くがFlexを標準採用している。 なおLex系の生成器は表駆動型の手法を採用している。 1994年にはPeter Bumbulisが開発した re2c ( 英語版 ) がリリースされた。re2cはFlexの2倍から3倍の速度で処理を行う字句解析器を生成すると言われている [ 4 ] 。 2017年にはFrank-Rene Schaeferが開発した quex がリリースされた。 [ 5 ] これも高速な字句解析器を生成する。 仕様が定まっていないプログラミング言語開発の途中段階においては、スキャナ生成器などの単純なツールの方が有用なこともある。正規表現として語彙構成要素を表現する能力により、字句解析器の記述が容易になる。一部の字句解析器生成器は、人間が書くのが難しい事前条件や事後条件を記述でき、開発時間を大幅に節約するのに役立つ。 出典 [ 編集 ] ^ a b IT用語辞典 e-words【字句解析】 ^ コンパイラの技術書のバイブル、Alfred V.Aho, Compilers,Principles, Techniques, and Tools のp.5で、字句解析についての、最初の説明で挙げられた例に、やや似た例を当記事で用意したもの。Ahoの例文では「position」や「initial」や「rate」などの変数あるいは定数が含まれている。 ^ Alfred V.Aho, Compilers,Principles, Techniques, and Tools p.5 ^ Bumbulis, Peter; Cowan, Donald D.. “ RE2C: a more versatile scanner generator ”. ACM Letters on Programming Languages and Systems. 2025年2月25日閲覧。 ^ quexのsourceforge.net上の外部リンクはこちら [1] ] 参考文献 [ 編集 ] CS 164: Programming Languages and Compilers (Class Notes #2: Lexical) Compiling with C# and Java , Pat Terry, 2005, ISBN 0-321-26360-X Algorithms + Data Structures = Programs , Niklaus Wirth, 1975, ISBN 0-13-022418-9 Compiler Construction , Niklaus Wirth, 1996, ISBN 0-201-40353-6 Sebesta, R. W. (2006). Concepts of programming languages (Seventh edition) pp.177. Boston: Pearson/Addison-Wesley. 外部リンク [ 編集 ] U-Tokenizer - 日中韓自然言語に対応している字句解析API Flex lexical analyser - lex の GNU 版 JLex - Java 向け字句解析器生成器 Quex ('Queχ') - C++ 向け字句解析器生成器 OOLEX - オブジェクト指向字句解析器生成器
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ジェネリックプログラミング
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public : T value ; private : Node * prev ; Node * next ; private : Node () : value (), prev (), next () {} explicit Node ( const T & value , Node * prev = NULL , Node * next = NULL ) : value ( value ), prev ( prev ), next ( next ) {} ~ Node () {} public : Node * getPrev () { return this -> prev ; } Node * getNext () { return this -> next ; } }; private : Node dummy ; public : LinkedList () : dummy () { this -> dummy . prev = & this -> dummy ; this -> dummy . next = & this -> dummy ; } ~ LinkedList () { this -> clear (); } size_t getSize () const { /* ... */ } Node * getHead () { return this -> dummy . next ; } Node * getTail () { return this -> dummy . prev ; } Node * getSentinel () { return & this -> dummy ; } static Node * insertBefore ( Node * node , const T & value ) { assert ( node ); assert ( node -> prev ); Node * temp = new Node ( value , node -> prev , node ); node -> prev -> next = temp ; node -> prev = temp ; return temp ; } static Node * insertAfter ( Node * node , const T & value ) { assert ( node ); assert ( node -> next ); Node * temp = new Node ( value , node , node -> next ); node -> next -> prev = temp ; node -> next = temp ; return temp ; } static void remove ( Node *& node ) { assert ( node ); if ( node -> prev ) { node -> prev -> next = node -> next ; } if ( node -> next ) { node -> next -> prev = node -> prev ; } delete node ; node = NULL ; } void clear () { for ( Node * current = this -> getHead (); current != this -> getSentinel (); ) { Node * temp = current ; current = current -> next ; delete temp ; } this -> dummy . prev = & this -> dummy ; this -> dummy . next = & this -> dummy ; } }; LinkedList < int > list_of_integers ; LinkedList < Animal > list_of_animals ; LinkedList < Car > list_of_cars ; 上記は要素型を T とする 双方向連結リスト の定義例である。 typename T はテンプレートによる抽象化の対象となる型の名前(プレースホルダー)を表す。そしてこの定義されたクラステンプレートの インスタンス化 、すなわち型パラメータ T に具象型を与えることによって生成されるクラス型は、 T について実際に指定した具象型のリストとして扱われる。これらの「T型のコンテナ」を一般に ジェネリクス (generics) と呼び、ジェネリックプログラミングの代表的なテクニックである。プログラミング言語によって制約は様々だが、このテクニックは、 継承 関係や シグネチャ といった制約条件 (constraint) を維持する限り、内包する T にあらゆるデータ型を指定可能なクラスの定義を可能にする。これはジェネリックプログラミングの典型であり、一部の言語 [ 要説明 ] ではこの形式のみを実装する。ただし、概念としてのジェネリックプログラミングはジェネリクスに限定されない。 オブジェクト指向プログラミング言語は、サブタイプ(派生型)でスーパータイプ(基底型)の振る舞い(アルゴリズム)を オーバーライド することによる動的な ポリモーフィズム (多態性)を備えており、動的な多態性もまたスーパータイプによる抽象化とサブタイプによる具象化 [ 2 ] を実現するものだが、ジェネリクスは静的な多態性による抽象化と具象化を実現するという点で設計を異にする。 ジェネリックプログラミングのもう一つの応用例として、型に依存しないスワップ関数の例を示す。 template < typename T > void Swap ( T & a , T & b ) // "&"により参照としてパラメーターを渡している。 { T temp = b ; b = a ; a = temp ; } using namespace std ; string s1 = "world!" , s2 = "Hello, " ; Swap ( s1 , s2 ); cout << s1 << s2 << endl ; // 出力は"Hello, world!" 上記の例で使用したC++の template 文は、プログラマーや言語の開発者たちにこの概念を普及させたジェネリックプログラミングの例といわれている。この構文はジェネリックプログラミングの全ての概念に対応する。またD言語はC++のテンプレートを基に構文を単純化した完全なジェネリックの機能を提供する。JavaはJ2SE 5.0よりC++の文法に近いジェネリックプログラミングの機能を提供しており、ジェネリクス(「T型のコンテナ」)という、ジェネリックプログラミングの部分集合を実装する。 C# 2.0、 Visual Basic .NET 2005 (VB 8.0) では、 Microsoft .NET Framework 2.0がサポートするジェネリクスを利用するための構文が追加された。 ML ファミリーは パラメータ多相 ( 英語版 ) (parametric polymorphism) とファンクタと呼ばれるジェネリックモジュールを利用してのジェネリックプログラミングを推奨する。 Haskell のタイプクラスのメカニズムもまたジェネリックプログラミングに対応する。 Objective-C にあるような 動的型付け を使い、必要に応じて注意深くコーディング規約を守れば [ 要説明 ] 、ジェネリックプログラミングの技術を使う必要がなくなる。全てのオブジェクトを包括する汎用型があるためである。Javaもまたそうであるが、キャストが必要なので静的な型付けの統一性を乱してしまう。例えば、ジェネリクスをサポートしていなかった時代のJavaでは、 List のようなコレクションに格納できる要素型は Object のみであったため、要素取り出しの際には実際のサブクラス型への適切なキャストが必要だった。それに対し、ジェネリクスは静的な型付けについての利点を持ちながら動的な型付けの利点を完全ではないが得られる方法である。 Adaのジェネリクス [ 編集 ] Adaには1977年-1980年の設計当初から汎用体 (generics) が存在する。標準ライブラリでも多くのサービスを実装するために汎用体を用いている。Ada2005では1998年に規格化されたC++の Standard Template Library (STL) の影響を受けた広範な汎用コンテナが標準ライブラリとして追加された。 汎用体 (generic unit) とは、0または複数の汎用体仮パラメータ (generic formal parameters) を採るプログラム単位(パッケージまたは副プログラム)である。 汎用体仮パラメータとしては、オブジェクト(変数・定数)、データ型、副プログラム、パッケージ,さらには他の汎用体のインスタンスさえ指定することができる。汎用体仮パラメータのデータ型としては、離散 (discrete) 型、 浮動小数点数 型、 固定小数点数 型、アクセス( ポインタ )型などを用いることができる。 汎用体をインスタンス化する際、プログラマは全ての仮パラメータに対応する実パラメータを指定する必要があるが、プログラマが明示的に全ての実パラメータを指定しなくても済むよう,仮パラメータにはデフォルトを指定することもできる。インスタンス化してしまえば,汎用体のインスタンスは、汎用体ではない通常のプログラム単位であるかのように振舞う。インスタンス化は実行時、例えばループの中などで行うことも可能である。 Adaの例 [ 編集 ] 汎用体パッケージの仕様部 generic Max_Size : Natural ; -- 汎用体仮オブジェクトの例 type Element_Type is private ; -- 汎用体仮データ型の例; この例では制限型でなければ任意のデータ型が該当 package Stacks is type Size_Type is range 0 .. Max_Size ; type Stack is limited private ; procedure Create ( S : out Stack ; Initial_Size : in Size_Type := Max_Size ); procedure Push ( Into : in out Stack ; Element : in Element_Type ); procedure Pop ( From : in out Stack ; Element : out Element_Type ); Overflow : exception ; Underflow : exception ; private subtype Index_Type is Size_Type range 1 .. Max_Size ; type Vector is array ( Index_Type range <>) of Element_Type ; type Stack ( Allocated_Size : Size_Type := 0 ) is record Top : Index_Type ; Storage : Vector ( 1 .. Allocated_Size ); end record ; end Stacks ; 汎用体パッケージのインスタンス化 type Bookmark_Type is new Natural ; -- 編集中のテキストドキュメント内の場所を記録する package Bookmark_Stacks is new Stacks ( Max_Size => 20 , Element_Type => Bookmark_Type ); -- ドキュメント中の記録された場所にユーザがジャンプできるようにする 汎用体パッケージインスタンスの利用 type Document_Type is record Contents : Ada . Strings . Unbounded . Unbounded_String ; Bookmarks : Bookmark_Stacks . Stack ; end record ; procedure Edit ( Document_Name : in String ) is Document : Document_Type ; begin -- ブックマークのスタックを初期化 Bookmark_Stacks . Create ( S => Document . Bookmarks , Initial_Size => 10 ); -- この時点でDocument_Nameファイルを開いたり、読み込んだりが可能 end Edit ; 利点と制限 [ 編集 ] Adaの言語構文では、汎用体仮パラメータとして何を許容するか、精密に制約条件を課することができる。例えば実パラメータとしてはモジュラー型(任意の上限で巡回する符号なし整数型)のみを許容するように、仮パラメータとして指定することも可能である。さらには汎用体仮パラメータ間に一定の制約があるように規制することも可能である。例えば、 generic type Index_Type is (<>); -- 離散型(discrete type)のみを許容 type Element_Type is private ; -- 制限型(limited type)以外の任意データ型 type Array_Type is array ( Index_Type range <>) of Element_Type ; この例でArray_Typeには、Element_Typeに対応する特定のデータ型を要素とし、Index_Typeに対応する特定の離散型の部分型を添字とする配列型でなければならないという制約を課している。プログラマがこの汎用体をインスタンス化する際には、同制約を満足する配列型を実パラメタとして渡さなければならない。 構文の複雑さに難はあるものの、精密な制約が表現できることで、汎用体仮パラメータの全ては仕様部として完全に定義される。このため、コンパイラは汎用体本体がなくても汎用体をインスタンス化することができる(もちろん本体がないと リンク はできない)。 C++と異なってAdaでは暗黙的な特化による汎用体のインスタンス化を許さないため、全ての汎用体は明示的にインスタンス化することが必要である。この規則により以下のような結果が生じる。 コンパイラは共有ジェネリクス (shared generics) を実装できる。すなわち、ある汎用体のオブジェクトコードは全インスタンスで共有できる(もちろんプログラマが副プログラムのインライン化を要求しない限り)。さらなる結果として、 コードが肥大化する可能性がない(コードの肥大化はC++では一般的であり後述のように特別な配慮が求められる)。 インスタンス化の都度に新たなオブジェクトコードを生成することは不要であるため、コンパイル時のみならず、実行時に汎用体をインスタンス化することができる。 汎用体仮オブジェクトに対応する実オブジェクトは、たとえ同実オブジェクトが静的である(コンパイル時に値が確定する)としても、汎用体本体中では常に静的ではないものとみなされる。詳細についてはWikibookのGeneric formal objectsを参照。 ある汎用体の全インスタンスは全く同一であるため、他人の作成したプログラムをレビューしたり、理解することが容易である。配慮すべき「特別な場合」はないのだから。 全てのインスタンス化は明示的であり、プログラムの理解が困難となるような暗黙的なインスタンス化はない。 Adaでは特化を許容しないため テンプレートメタプログラミング はできない。 ただし仮パラメータに精密な制約を課することができるため、例えば、スワップ副プログラムを仮パラメータとして、 ソート を目的とした汎用体の挙動をスワップ対象に応じて変化させたり、離散型の規定演算である大小判定を用いてMaxを実装するなど、特化の利点とされる目的の一部は他の方法により、達成することができる。 C++のテンプレート [ 編集 ] →詳細は「 テンプレート (プログラミング) 」を参照 C++のテンプレートは関数テンプレート、クラステンプレートをサポートするほか、 C++14 では変数テンプレートもサポートするようになった。C++のテンプレートは特に静的な ダック・タイピング を可能にする点で強力であり、JavaやC#のジェネリクスと比べて柔軟性が高い一方、テンプレート引数に関する制約条件を明示的にコード上で記述できないことからコンパイルエラーメッセージが難解になりやすい。テンプレートはC++言語仕様の複雑化の要因にもなっている。 C++の Standard Template Library (STL) はテンプレートによる汎用的なアルゴリズムとデータ構造を提供する。 D言語のテンプレート [ 編集 ] D言語はC++のものを発展させたテンプレートをサポートする。大半のC++テンプレートの表現はD言語でもそのまま利用できる。それに加え、D言語は一部の一般的なケースを合理化する機能をいくつか追加する。 最もはっきりとした違いは一部のシンタックスの変更である。D言語はテンプレートの定義で山形カッコ < > の代わりに丸カッコ ( ) を使用する。またテンプレートのインスタンス化でも山形カッコの代わりに !( ) 構文(感嘆符を前に付けた丸カッコ)を使う。従って、D言語の a!(b) はC++の a<b> と等価である。この変更は、テンプレート構文の 構文解析 を容易にするためになされた(山形カッコは比較演算子との区別がつきにくく、構文解析器が複雑化しがちであった)。 Static-if [ 編集 ] D言語はコンパイル時に条件をチェックする static if 構文を提供する。これはC++の #if と #endif のプリプロセッサマクロに少し似ている。 static if はテンプレート引数や、それらを使用したコンパイル時関数実行の結果を含めた全てのコンパイル時の値にアクセスできるというのがその主要な違いである。従ってC++でテンプレートの特殊化を必要とする多くの状況でも、D言語では特殊化の必要なく容易に書ける。D言語の再帰テンプレートは通常の実行時再帰とほぼ同じように書ける。これは典型的なコンパイル時の関数テンプレートに見られる。 template Factorial ( ulong n ) { static if ( n <= 1 ) const Factorial = 1u ; else const Factorial = n * Factorial !( n - 1 ); } エイリアスパラメーター [ 編集 ] D言語のテンプレートはまたエイリアスパラメーターを受け入れることができる。エイリアスパラメーターはC++の typedef と似ているが、テンプレートパラメーターを置き換えることもできる。これは今後利用可能なC++0x仕様に追加されるであろう、C++のテンプレートのテンプレート引数にある機能の拡張版である。エイリアスパラメーターは、テンプレート、関数、型、その他のコンパイル時のシンボルを指定できる。これは例えばテンプレート関数の中に関数をプログラマーが 挿入 できるようにする。 template wrapper ( alias Fn ) { // "extern(C)"インターフェイスでD言語の関数をラップする extern ( C ) void wrapper () { Fn (); } } この種のテンプレートはC言語APIとD言語のコードを接続するときに使いやすいだろう。仮想のC言語APIが関数ポインタを要求する場合、このようにテンプレートを利用できる。 void foo () { // ... } some_c_function (& wrapper !( foo )); Javaのジェネリクス [ 編集 ] 2004年、 J2SE 5.0の一部として Java にジェネリクスが追加された。C++のテンプレートとは違い、Javaコードのジェネリクスはジェネリッククラスの1つのコンパイルされたバージョンだけを生成する。ジェネリックJavaクラスは型パラメータとしてオブジェクト型だけを利用できる(基本型は許されない)。従って List < Integer > は正しいのに対して List <int> は正しくない。 Javaではジェネリクスはコンパイル時に型の正しさをチェックする。そしてジェネリック型情報は 型消去 (type erasure) と呼ばれるプロセスを通じて除去され、親クラスの型情報だけが保持される。例えば、 List < Integer > は全てのオブジェクトを保有できる非ジェネリックの(生の) List に変換されるだろう。しかしながら、コンパイル時のチェックにより、コードが未チェックのコンパイルエラーを生成しない限り、型が正しいようにコードの出力が保証される。 このプロセスの典型的な副作用はジェネリック型の情報を実行時に参照できないことである。従って、実行時には、 List < Integer > と List < String > が同じ List クラスであることを示す。この副作用を緩和するひとつの方法は Collection の宣言を修飾するJavaの Collections.checkedList(List<E>, Class<E>) メソッドを利用して、実行時に型付けされた Collection の不正利用(例えば不適切な型の挿入)をチェックすることによるものである。これは旧式のコードとジェネリクスを利用するコードを共存運用したい場合の状況で役立つ。 C++やC#のように、Javaはネストされたジェネリック型を定義できる。従って、例えば List < Map < Integer , String >> は有効な型である。 ワイルドカード [ 編集 ] Javaのジェネリック型パラメーターは特定のクラスに制限されない。与えられたジェネリックオブジェクトが持っているかもしれないパラメーターの型の境界を指定するためにJavaでは ワイルドカード を使用できる。例えば、 List <?> は無名のオブジェクト型を持つリストを表す。引数として List<?> を取るようなメソッドは任意の型のリストを取ることができる。リストからの読み出しは Object 型のオブジェクトを返し、そしてnullではない要素をリストへ書き込むことはパラメーター型が任意ではないために許されない。 ジェネリック要素の制約を指定するために、ジェネリック型が境界クラスのサブクラス(クラスの拡張と インターフェイス の実装のいずれか)であることを示すキーワード extends を使用できる。そして List <? extends Number > は与えられたリストが Number クラスを拡張するオブジェクトを保持することを意味する。従って、リストが何の要素の型を保持しているのかがわからないためにnullではない要素の書き込みが許されないのに対し、リストから要素を読むと Number が返るだろう。 ジェネリック要素の下限を指定するために、ジェネリック型が境界クラスのスーパークラスであることを示すキーワード super が使用される。そして List <? super Number > は List < Number > や List < Object > でありえる。リストに正しい型を保存することが保証されるため任意の Number 型の要素をリストに追加できるのに対し、リストからの読み出しでは Object 型のオブジェクトを返す。 制約 [ 編集 ] Javaのジェネリクスの実装上の制約により、配列のコンポーネントの型が何であるべきかを特定する方法がないために、ジェネリック型の配列を作成することは不可能である。従って new T[size]; 経由のようにメソッドが型引数 T を持っていた場合はプログラマはその型の新しい配列を生成することができない。しかし、この制約はJavaの リフレクション のメカニズムを利用して回避することが可能である。クラス T のインスタンスが利用可能な場合、 T に対応する Class オブジェクトのオブジェクトから1つを得て、新しい配列を生成するために java.lang.reflect.Array.newInstance(Class, int) を使うことができる。もう1つのJavaのジェネリクスの実装上の制約は、 <?> 以外に、型パラメーターの型でジェネリッククラスの配列を生成することが不可能であるということだ。これは言語の配列の取り扱い方法に起因するものであり、タイプセーフを維持するために、明示的にキャストしなくともコンパイラが警告を出さないことを全てのコードで保証する必要があるからである。 Haskellのジェネリックプログラミング [ 編集 ] Haskell 言語にはパラメータ化された型 (parameterized types)、パラメータ多相 (parametric polymorphism)、そしてJavaのジェネリクスやC++のテンプレートの両方に似たプログラミングのスタイルをサポートする型クラス (type classes) がある。Haskellプログラムではこれらの構文を様々なところで利用しており、避けることはかなり難しい。Haskellはまた、さらなるジェネリック性と、多態が提供する以上の再利用性を目指すようにプログラマーと言語開発者を奮起させる、さらに独特なジェネリックプログラミングの機能がある。 Haskellの6つの事前定義された型クラス(同一性を比較できる Eq という型と、値を文字列に変換できる Show という型を含む)は 導出インスタンス (derived instances) をサポートしている特別なプロパティを持つ。プログラマーが新しい型を定義するということは、クラスのインスタンスを宣言するときに、普通であれば必要なクラスメソッドの実装を提供することなく、この型がこれらの特別型クラスのインスタンスとなることを明示できるということである。全ての必要なメソッドは型の構造に基づいて導出(つまり自動的に生成)される。 例として、下記の 二分木 型の宣言はこれが Eq と Show のクラスのインスタンスになることを示している。 data BinTree a = Leaf a | Node (BinTree a) a (Bintree a) deriving (Eq, Show) T がそれらの演算子を自分でサポートしているのであれば、任意の型の BinTree T 形式のために比較関数 ( == ) と文字列表現関数 ( show ) が自動的に定義される。 Eq と Show の導出インスタンスへのサポートは、それらのメソッドである == と show を、パラメーター的な多態関数とは質的に異なるジェネリックにする。これらの"関数"(より正確には型でインデックス付けられた (type-indexed) 関数のファミリー)はたくさんの異なる型の値を受け入れることができ、各引数の型によってそれらは異なる動作をするが、新しい型へのサポートを追加するためにわずかな作業が必要とされる。Ralf Hinze氏 (2004) は、あるプログラミングテクニックによりユーザー定義型のクラスに対して同様の結果を達成できることを示した。彼以外の多くの研究者はこれと、Haskellの流れとは違う種類のジェネリック性やHaskellの拡張(下記参照)に対する取り組みを提案していた。 PolyP [ 編集 ] PolyPはHaskellに対する最初のジェネリックプログラミング言語拡張であった。PolyPではジェネリック関数は polytypic と呼ばれた。通常データ型のパターン ファンクタ の構造によって構造的な導出を通じて定義できるpolytypic関数のような特別な構文を言語に導入した。PolyPでの通常データ型はHaskellのデータ型のサブセットである。通常データ型tは * → * の種類でなければならず、もし a が定義における表面的な型の引数である場合は、 t に対する全ての再帰呼び出しは t a 形式でなければならない。これらの制約は、異なる形式の再帰呼び出しである入れ子のデータタイプと同様に、上位に種類付けされたデータ型を規定する。 PolyPの展開された関数はここに例として示される。 flatten :: Regular d => d a -> [a] flatten = cata fl polytypic fl :: f a [a] -> [a] case f of g+h -> either fl fl g*h -> \(x,y) -> fl x ++ fl y () -> \x -> [] Par -> \x -> [x] Rec -> \x -> x d@g -> concat . flatten . pmap fl Con t -> \x -> [] cata :: Regular d => (FunctorOf d a b -> b) -> d a -> b ジェネリックHaskell [ 編集 ] ジェネリックHaskellは ユトレヒト大学 で開発されたHaskellのもう1つの拡張だ。この拡張は下記の特徴がある。 Type-indexed values は様々なHaskell型のコンストラクタ(ユニット、基本型、合計、積、ユーザー定義型のコンストラクタ)に渡ってインデックス付けられた値として定義される。さらに コンストラクタケース を使って特定のコンストラクタに対してtype-indexed valuesの動作を指定することもでき、 デフォルトケース を使ったもう一つの中で1つのジェネリック定義を再利用することもできる。 type-indexed valueの結果は任意の型に特殊化され得る。 Kind-indexed types は * と k → k の両方のケースを与えることで定義された種別に対してインデックス付けられた型である。インスタンスは種別にkind-indexed typeを適用することで得られる。 ジェネリック定義は型もしくは種別にそれらを適用することで利用できる。これは ジェネリックアプリケーション と呼ばれる。どの種類のジェネリック定義が適用されたかに依存して結果は型か値になる。 Generic abstraction はジェネリック定義が(与えられた種別の)型パラメーターの抽象化で定義されることを可能にする。 Type-indexed types は型コンストラクタに対してインデックス付けられた型である。これらは型がもっとジェネリック値に取り入るために利用できる。type-indexed typesの結果は任意の型に特殊化され得る。 ジェネリックHaskellの比較関数の一例として。 type Eq {[ * ]} t1 t2 = t1 -> t2 -> Bool type Eq {[ k -> l ]} t1 t2 = forall u1 u2. Eq {[ k ]} u1 u2 -> Eq {[ l ]} (t1 u1) (t2 u2) eq {| t :: k |} :: Eq {[ k ]} t t eq {| Unit |} _ _ = True eq {| :+: |} eqA eqB (Inl a1) (Inl a2) = eqA a1 a2 eq {| :+: |} eqA eqB (Inr b1) (Inr b2) = eqB b1 b2 eq {| :+: |} eqA eqB _ _ = False eq {| :*: |} eqA eqB (a1 :*: b1) (a2 :*: b2) = eqA a1 a2 && eqB b1 b2 eq {| Int |} = (==) eq {| Char |} = (==) eq {| Bool |} = (==) 「決まり文句を捨てる」アプローチ [ 編集 ] 決まり文句を捨てるアプローチ (Scrap your boilerplate approach) は簡易的なジェネリックプログラミングのHaskellに対するアプローチである (Lämmel and Peyton Jones, 2003)。このアプローチはHaskellのGHC>=6.0の実装でサポートされる。このアプローチを使うことで、ジェネリックな読み込み、ジェネリックな明示、ジェネリックな比較(つまりgread、gshow、geq)と同様に、横断スキーム(例えばいつでもどこでも)のようなジェネリック関数をプログラマーは記述できる。このアプローチはタイプセーフなキャストとコンストラクタアプリケーションの実行のための一部の基本要素に基づいている。 C#と.NETのジェネリックプログラミング [ 編集 ] C#(およびその他の.NET言語)のジェネリクスは.NET Framework 2.0の一部として2005年11月に追加された。Javaと似てはいるが、.NETのジェネリクスは、コンパイラによるジェネリクス型から非ジェネリクス型へのコンバートとしてではなく、実行時に実装される。このことにより、ジェネリクス型に関するあらゆる情報はメタデータとして保存される。 .NETジェネリクスの機能 型情報を削除せず、 CLR の内部でジェネリクスが構築されるため(そしてコンパイラ上では全く構築しないため)、キャストや動的チェックの実行からくるパフォーマンスヒットがない。また、プログラマーはリフレクションを通じてジェネリック情報にアクセスできる。 型情報を削除しないので、Javaでは不可能なジェネリック型の配列の生成が可能。 ジェネリック型の引数として参照型だけでなく値型(組み込みの基本型、およびユーザー定義型の両方)も利用できる。値型の場合、JITコンパイラは特殊化のためにネイティブコードの新しいインスタンスを作成する。このことにより ボックス化 をする必要がなくなり、パフォーマンスが向上する。 Javaと同様、ジェネリック型引数がそれら自身のジェネリック型であるようにできる。つまり、 List<List<Dictionary<int, int>>> のような型は有効である。 C#(および一般の.NET)は、キーワード where を使用することで、値型/参照型、デフォルトコンストラクタの存在、親クラス、実装するインターフェイスなどでジェネリック型を制約することができる。 共変性と反変性 をサポートしている。C# 4.0以降ではout修飾子またはin修飾子により、型パラメータを共変または反変にすることができる。これによって、ジェネリック型の代入と使用の柔軟性が向上する。 using System ; using System.Collections.Generic ; static int FirstIndexOfMax < T > ( List < T > list ) where T : IComparable < T > { if ( list . Count == 0 ) { return - 1 ; } int index = - 1 ; for ( int i = 0 ; i < list . Count ; ++ i ) { if (( index == - 1 && list [ i ] != null ) || ( index >= 0 && list [ index ] != null && list [ i ] != null && list [ index ]. CompareTo ( list [ i ]) < 0 )) { index = i ; } } return index ; } この例では FirstIndexOfMax メソッドの型パラメータ T に対して、 IComparable<T> インターフェイスを実装していなければならないという制約を指定している。このことにより、 IComparable<T> インターフェイスのメンバである CompareTo メソッドが利用可能になっている。 C++/CLI は.NETのジェネリクスとC++のテンプレート両方をサポートする。ただしこれらの間に互換性はない。 その他の言語のジェネリックプログラミング機能 [ 編集 ] 数多くの関数型言語はパラメータ化された型 (parameterized types) とパラメータ多相 (parametric polymorphism) の形で小規模なジェネリックプログラミングをサポートする。さらに標準MLとOCamlはクラステンプレートとAdaのジェネリックパッケージに似たファンクタを提供する。 Verilog のモジュールは1つ以上のパラメタを取ることができる。パラメタの実際の値は、そのモジュールを実体化する際に与えられる。一例としてジェネリックな レジスタ アレイがあり、アレイの幅がパラメタで与えられている。そのようなアレイをジェネリックなワイヤベクトルと組み合わせることにより、単一のモジュール実装を用いて任意のビット幅を持つジェネリックなバッファやメモリを作ることができる。 [ 3 ] 脚注 [ 編集 ] ^ Stanley B. Lippman. “ Pure C++:Generic Programming Under .NET ”. マイクロソフト ・ MSDN マガジン. 2008年12月28日閲覧。 [ リンク切れ ] ^ 統一モデリング言語 (UML) の用語では、それぞれ汎化 (generalization) および特化 (specialization) と呼ぶ。 ^ Verilog by Example, Section The Rest for Reference . Blaine C. Readler, Full Arc Press, 2011. ISBN 978-0-9834973-0-1 関連項目 [ 編集 ] 総称型 ポリモーフィズム ダック・タイピング 典拠管理データベース : 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%88
シェルソート
シェルソート 間隔 23, 10, 4, 1 でのシェルソートの実行 クラス ソート データ構造 配列 最悪計算時間 間隔に依存 最良計算時間 O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle \mathrm {O} (n\log n)} [ 1 ] 平均計算時間 間隔に依存 間隔については 後述 最悪空間計算量 O ( 1 ) {\displaystyle \mathrm {O} (1)} ( in-place ) 間隔5, 3, 1のシェルソートにおける要素の交換を示した図 シェルソート ( 改良挿入ソート 、 英語 : Shellsort, Shell sort, Shell's method )は、 1959年 に ドナルド・シェル が開発した [ 2 ] ソート の アルゴリズム 。 挿入ソート の一般化 [ 3 ] であり、 配列 の中である程度間隔が離れた要素の組ごとに挿入ソートを行い、間隔を小さくしながら同様のソートを繰り返すことで高速化するアルゴリズムである。ただし、挿入ソートと異なり、 安定ソート ではなくなる。 アルゴリズム [ 編集 ] アルゴリズムの基本は 挿入ソート と同じである。挿入ソートは「ほとんど整列されたデータに対しては高速」という長所を持つが、隣接した要素同士しか比較・交換を行わないため、あまり整列されていないデータに対しては低速であった。 シェルソートは、「飛び飛びの列を繰り返しソートして、配列を大まかに整列された状態に近づけていく」ことにより、挿入ソートの長所を活かしたものである。 アルゴリズムの概略は次のとおりである。 適当な間隔 h {\displaystyle h} を決める(hの決め方については 後述 ) 間隔 h {\displaystyle h} をあけて取り出したデータ列に挿入ソートを適用する 間隔 h {\displaystyle h} を狭めて、2.を適用する操作を繰り返す h = 1 {\displaystyle h=1} になったら、最後に挿入ソートを適用して終了 動作例 [ 編集 ] 初期データ: 8 3 1 2 7 5 6 4 この例では、間隔hを4→2→1(2の 累乗 )とする。 まず、h=4とする。色の同じ部分は、同じグループのデータ列である。 8 3 1 2 7 5 6 4 同じグループ内で挿入ソートし、h=2にする。 7 3 1 2 8 5 6 4 同じグループ内で挿入ソートし、h=1にする。 1 2 6 3 7 4 8 5 間隔が1ということは、全体が同じ1つのグループということである。これを挿入ソートする。 1 2 3 4 5 6 7 8 間隔の決め方 [ 編集 ] シェルソートの実行時間( 時間計算量 )は、比較時に選ぶ間隔hによって大きく異なる。 前節の例ではhを2の累乗としたが、この場合、最悪計算量が O ( n 2 ) {\displaystyle \mathrm {O} (n^{2})} となってしまう。 [ 2 ] 各周回で同じ位置の要素ばかりが比較交換されるため、h=1となった段階で「全体が大まかに整列されている」という仮定が成り立たなくなるためである。 [ 4 ] より効率の良い(計算量の少ない)ソートを行うために、様々な間隔が提案されてきた。 [ 5 ] 以下の表は、間隔を決定するための数列の例である。( n {\displaystyle n} は要素数) 数列の一般項 ( k ≥ 1) 実際の数列 最悪計算時間 備考 ⌊ n 2 k ⌋ {\displaystyle \left\lfloor {\frac {n}{2^{k}}}\right\rfloor } ⌊ n 2 ⌋ , ⌊ n 4 ⌋ , … , 1 {\displaystyle \left\lfloor {\frac {n}{2}}\right\rfloor ,\left\lfloor {\frac {n}{4}}\right\rfloor ,\ldots ,1} O ( n 2 ) {\displaystyle \mathrm {O} (n^{2})} ドナルド・シェル が最初に考案した数列。 [ 2 ] n {\displaystyle n} が2の累乗の時、上記動作例と同一。 3 k − 1 2 {\displaystyle {\frac {3^{k}-1}{2}}} ( ⌈ n 3 ⌉ {\displaystyle \left\lceil {\frac {n}{3}}\right\rceil } 以下) 1 , 4 , 13 , 40 , 121 , … {\displaystyle 1,4,13,40,121,\ldots } O ( n 3 2 ) = O ( n 1.5 ) {\displaystyle \mathrm {O} \left(n^{\frac {3}{2}}\right){=}\mathrm {O} (n^{1.5})} ドナルド・クヌース 、 1973 [ 3 ] Pratt, 1971 [ 6 ] に基づく。 平均計算時間は O ( n 1.25 ) {\displaystyle \mathrm {O} (n^{1.25})} 。 [ 3 ] [ 4 ] A 0 = 1 , A k = 4 k + 3 ⋅ 2 k − 1 + 1 {\displaystyle A_{0}{=}1,A_{k}{=}4^{k}+3\cdot 2^{k-1}+1} 1 , 8 , 23 , 77 , 281 , … {\displaystyle 1,8,23,77,281,\ldots } O ( n 4 3 ) = O ( n 1.33 … ) {\displaystyle \mathrm {O} \left(n^{\frac {4}{3}}\right){=}\mathrm {O} (n^{1.33\ldots })} Sedgewick, 1982 [ 7 ] 2 p 3 q {\displaystyle 2^{p}3^{q}} ( p ≥ 0 , q ≥ 0 {\displaystyle p\geq 0,q\geq 0} ) 1 , 2 , 3 , 4 , 6 , 8 , 9 , 12 , … {\displaystyle 1,2,3,4,6,8,9,12,\ldots } O ( n log 2 ⁡ n ) {\displaystyle \mathrm {O} \left(n\log ^{2}n\right)} Pratt, 1971 [ 6 ] 既知の数列で最悪計算時間が最小となるもの。 間隔の狭め方が細かすぎるため、実用性は低い。 [ 5 ] これらの数列をソートの間隔として利用する際は、(要素数以内で)大きな数字から狭めていく。 3 k − 1 2 {\displaystyle {\frac {3^{k}-1}{2}}} を使う場合、間隔hを121→40→13→4→1とする(hを3で整数除算していけばよい)。 様々な間隔の計算量について理論的に考察されているが、現状、どのような間隔が最適か(例えば、平均 O ( n log ⁡ n ) {\displaystyle \mathrm {O} (n\log n)} 時間となる数列があるか)は 未解決問題 である [ 5 ] 。 C++による実装例 [ 編集 ] template < typename RandomAccessIterator , typename Compare > void shellsort ( RandomAccessIterator first , RandomAccessIterator last , Compare comp , const double sk = 3.14159265358979323846264338327950 , const short m = 5 ) { if ( first == last ) return ; double gap = distance ( first , last ); std :: ptrdiff_t h ; do { gap /= sk ; h = ( std :: ptrdiff_t )( gap + 0.5 ); if ( h < m ) h = 1 ; RandomAccessIterator H = first + h ; for ( RandomAccessIterator i = H ; i < last ; ++ i ) { if ( comp ( * i , * ( i - h ))) { auto t = std :: move ( * i ); RandomAccessIterator j = i ; do { * j = std :: move ( * ( j - h )); j -= h ; } while ( H <= j && comp ( t , * ( j - h ))); * j = std :: move ( t ); } } } while ( 1 < h ); } 脚注 [ 編集 ] ^ “ Shellsort & Comparisons ”. 2016年3月20日閲覧。 ^ a b c Shell, D. 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ISBN 978-0-201-31452-6 . https://archive.org/details/algorithmsinc00sedg/page/273 表 話 編 歴 ソート 理論 計算複雑性理論 ランダウの記号 全順序 リスト 安定性 ソーティングネットワーク 比較ソート ( 英語版 ) 整数ソート ( 英語版 ) 交換ソート バブルソート シェーカーソート 奇偶転置ソート コムソート ノームソート 比例拡張ソート ( 英語版 ) クイックソート 選択ソート 選択ソート ヒープソート スムースソート ( 英語版 ) デカルト木ソート ( 英語版 ) トーナメントソート ( 英語版 ) サイクルソート ( 英語版 ) 挿入ソート 挿入ソート シェルソート ツリーソート ( 英語版 ) 図書館ソート ペイシェンスソート ( 英語版 ) マージソート マージソート 多層マージソート ( 英語版 ) ストランドソート ( 英語版 ) 非比較ソート 基数ソート バケットソート 計数ソート プロキシマップソート ( 英語版 ) 鳩の巣ソート バーストソート ( 英語版 ) ビーズソート 並行ソート バイトニックソート バッチャー奇偶マージソート シェアソート サンプルソート ( 英語版 ) 混成ソート ティムソート ( 英語版 ) イントロソート アンシャッフルソート ( 英語版 ) その他 トポロジカルソート パンケーキソート ( 英語版 ) スパゲティソート 非効率的/ ユーモラスソート ボゴソート ストゥージソート スリープソート スローソート ( 英語版 ) エラーソート カテゴリ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%8F_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0)
式 (しき、expression)とは、 プログラミング において、 言語 によって定められた優先順位や結びつきの規定に則って 評価 される 値 、 変数 、 演算子 、 関数 などの組み合わせである。 数学における式 と同様、式は評価された値を持つ。言語によっては式が 副作用 を持つこともあり、 参照透過性 がない場合もある。 式と文 [ 編集 ] 手続き型プログラミング 言語では、式と「 文 」が、はっきりと分けられていることが多い。そういった言語では、 プロシージャ は複数個の文から成り、式から成る「式文」という文がある、といったような感じの構文(syntax)が多い。構文的に見て、セミコロン等によって式や文を分割する、あるいは終端する、という言語が多く、改行でもそうなるものもある。 文を特殊なカッコで囲むと式にできる、というような言語もあるが、あまり多くない。GCCでは独自拡張としてサポートされている [ 1 ] 。 式と文がはっきり分かれていない言語もある。 部分を持たない式 [ 編集 ] 変数 や、いくつかの種類の リテラル は、内部にそれ以上細かい部分を持たない(配列のリテラルなどは、さらに内部に式がある)。 手続呼出 [ 編集 ] プロシージャ を サブルーチン として呼び出す式。 f(x, y) といったように、表面上の見た目では数学における関数の記法と同様な構文であることが多い。これは、 関数型言語 ではないプログラミング言語でも、多くはこのような記法であり、あるいはこの言語機能を持っている。 演算子式 [ 編集 ] →「 演算子 」も参照 演算子 と項から成る式である。 二項演算子 [ 編集 ] 数式などで見慣れている以下のような、 〈式〉〈演算子〉〈式〉 というような構文となる。 FORTRAN のように数値計算のことだけを考えていれば良かった時代にはごく普通の言語機能だと考えられていたが、その後あらゆる データ型 をプログラミング言語が扱うようになった際に、それらのデータ型と演算子をどう扱うかは、言語ごとにまちまちとなった。言語によっては、代入なども、代入演算子などによる式でおこなうという設計の場合もある。 このような構文における頭痛のタネに、「演算子の結合性」( en:Operator associativity )と「 演算子の優先順位 」(operator precedence)がある。直感的には、少なくとも初等教育以来ずっと慣れている「乗除が先、加減が後」という規則があったほうがわかりやすいが、その他にもいくつもの「コンピュータのプログラミングではこれも使いたい」という演算、たとえばビット演算などを追加してゆくと、階層が何段階も増えてしまう。 C言語の設計ミスに、ビット演算子の & や | の優先順位が == よりも低い、という点があるが、これは以前にはC言語に論理演算子の && や || が無く、文脈によって演算子の意味が変わるという仕様であったことが遠因である [ 2 ] 。 そういったように、演算子が関係する文法の仕様を設計するのは難しく、さらに近年は前述のように データ型 が増えたことによって余計に難しい要素が増えている。後述するような、他の種類の演算子も含めるとさらに複雑になる。 単項演算子 [ 編集 ] →「 単項演算 」も参照 前置演算子 [ 編集 ] やはり初等教育以来慣れている前置マイナス演算子を使いたいという要求はあるが、そうすると対称性のためにプラスの演算子も欲しいということになったり、そうすると前述の二項演算と同じ記号を使うことで字句解析・構文解析が複雑になることもある。単純にするために、前置マイナス演算子を - 以外の記号とすることもある。C言語のように多くの前置演算子がある言語もある。 後置演算子 [ 編集 ] C言語の場合、(後置の) ++ と -- すなわちインクリメントとデクリメントの演算子の他、 expression.name と expression->name のような構造体などの要素の選択も構文的には後置演算子である。 三項演算子 [ 編集 ] →「 三項演算子 」を参照 代入 [ 編集 ] 代入が文である言語もあれば、「代入演算子」による式である言語もある。普通はわざわざ混乱させたりはしないが、C#とVB.NETを「同じ.NET系言語」だから、として似たものと考えてしまうのか、混乱して考えられてしまうこともあるようである。 C#においては代入は式であるが、同じ.NET系言語であるVB.NETでは代入は文である。そのため、似たようなコードではあるが全く違う処理結果を得る。 // C# dynamic x = 123 ; dynamic y = 234 ; dynamic z ; z = y = x ; Console . WriteLine ( x ); // 123 Console . WriteLine ( y ); // 123 Console . WriteLine ( z ); // 123 y = x がまず評価される。 y に x の持つ 123 が代入され、この式の値は 123 となる。 z = 評価結果 が評価される。 z に y = x の結果の 123 が代入され、この式の値は 123 となる。 これ以上評価する式がない(セミコロンで終端している)ため、文として完結する。この時、式全体の評価結果である 123 は捨てられる。 ' VB.NET Dim x = 123 Dim y = 234 Dim z z = y = x Console . WriteLine ( x ) '123 Console . WriteLine ( y ) '234 Console . WriteLine ( z ) 'False y = x が評価される。 = は等価演算子と見なされ、この式の値は False となる。 z = 評価結果 が代入文として実行される。 z に y = x の結果の False が代入される。(文であるため、値を持たない) 出典 [ 編集 ] ^ Using the GNU Compiler Collection (GCC): Statement Exprs ^ http://www.lysator.liu.se/c/dmr-on-or.html この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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識別子
識別子 (しきべつし、 英 : identifier )とは、ある実体の 集合 の中で、特定の 元 を他の元から曖昧さ無く区別することを可能とする、その実体に関連する属性の集合のこと [ 1 ] をいう。ほぼすべての情報処理システムで何らかの識別子が使われており、識別子を利用することで機械的な処理が可能になる。 識別子の例 [ 編集 ] バーコード 氏名 メールアドレス HTTP cookie Uniform Resource Identifier (URI) UUID / GUID 匿名識別子 オペレーティングシステムにおける識別子 ユーザー識別子 /UID プロセス識別子 /PID セキュリティ識別子 ネットワークにおける識別子 デジタルオブジェクト識別子 /DOI サービスセット識別子 /SSID IPアドレス MACアドレス プログラミング言語における識別子 [ 編集 ] プログラミング言語 においては 変数 、 サブルーチン (関数、 プロシージャ 、 メソッド とも)、データ型などを識別する、プログラム中の トークン として表される。それぞれ変数名、ルーチン名(関数名、プロシージャ名、メソッド名)、型名のように呼ばれることもある。 一般的に識別子は スコープ 内で複数の意味を持ってはならない。また曖昧さが許されないので、文法上定まった形式に沿った名前でなければならない。ただし Java のように、たとえスコープ内で異なる構文要素(変数やメソッドなど)が同一の名前で定義されていても、文脈によって区別ができる言語もある。詳しくは 名前空間 の記事も参照のこと。 言語によって識別子に使える名前の規則は違うが、通例 ASCII [ 注釈 1 ] の英数字 [ 注釈 2 ] と '_' (アンダーバーもしくは アンダースコア ) などの一部の記号から構成され、トークンの区切りとして使われることの多い空白(スペース)や、減算の演算子として使われることの多い ハイフンマイナス '-' を含めることができない言語が多い。またレキシカルアナライザが容易に数値 リテラル と判別できるように、先頭にだけは数字を使えない言語が多い。大文字/小文字を区別しない言語もある。 Unicode をサポートする言語では、ソースコードを Unicode でエンコードすることにより、ASCII英数字に限らず日本語文字のような Unicode 文字が使える場合もあるが、 C# では サロゲートペア を識別子に使えない一方で、 Swift では 絵文字 などのサロゲートペアを識別子として使えるなど、言語によってUnicodeの中でも使える範囲が異なる場合がある。 また、多くの言語で識別子として使うことができないキーワードあるいは 予約語 が設定されている。C#の get / set などのように、通常は識別子として使用できるものの、出現場所によっては識別子ではなくキーワードとして扱われるようになる「文脈依存キーワード」が規定されている言語も多い。 FORTRAN 、 Perl などの様に変数名によって変数の中身となる値の型が定まる場合もある(正確には、FORTRANの仕様は、決められたいくつかのアルファベットで始まる名前の変数はデフォルトで整数型などで定義されているものと自動的にみなされる、というものである。Perlの仕様は、識別子自体ではなく、識別子に付ける $ や @ や # や & というプレフィックスと文脈により、その識別子の扱い方が変わる、というものである)。 言語間の問題 [ 編集 ] 異なる言語間でオブジェクトシンボルが共有できる場合など、識別子に関連した問題が発生することがある。 C#や C++/CLI では大文字/小文字が区別されるので、同じ名前空間内に大文字/小文字の差異しかない識別子を持つ複数の型を定義したり、同じ型内に大文字/小文字の差異しかない識別子を持つ複数の メソッド や プロパティ を定義したりすることができる。しかし、これらを公開 (public/protected) シンボルとして含むアセンブリ(ライブラリ)を作成し、そのアセンブリを、大文字/小文字を区別しない VB.NET で使おうとすると、同じ名前の識別子が複数存在する(競合)と判断されてコンパイルエラーになる。 また、 共通中間言語 では文法上の曖昧さが生じないため、記号や空白が含まれる識別子が許容されており、 F# などでは記号や空白を含む識別子を使う手段が提供される。しかし、C#など非対応の言語からはその識別子を扱うことはできず、 リフレクション などの手段を使わない限り参照することができない。 この問題を回避するためにライブラリ ( API ) などは 共通言語仕様 (CLS) に従うべきとされている [ 2 ] [ 3 ] 。 また、 JavaScript や JSON では$(ドルマーク)が識別子として使える。 $が識別子として利用できない言語からJSONを利用する場合、通常は data.hoge のようにアクセスできる言語でも data["hoge$piyo"] のように文字列として処理するなど、回避策をとる必要が出る。 形式 [ 編集 ] 識別子はしばしば構造を持つ。例えば郵便地域を識別する郵便番号は階層構造(上位の3桁あるいは5桁が広域、残りが区域内区分)をもつ。 区切り文字 などを用いた形式により識別子に構造が導入される。 典型的な区切り文字としては ピリオド ( IPv4 : 4階層 - 196 . 0 . 0 . 1 )や コロン ( IPv6 : 6階層 - 2001:0db8:0000:0000:0000:0000:0000:9abc )、 スラッシュ (パス: 任意階層 - root/home/app )などがある。構造が固定長の場合、省略記法が定義される場合もある(IPv6: 0の連続を省略 - 2001:0db8::9abc , ARN:存在しない階層を省略 - arn:aws:iam::123:role/roleA )。 脚注 [ 編集 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 言語および処理系によってはASCIIコードでないこともありえる。 ^ 便宜上、「 半角 英数」と呼ばれることもある。 出典 [ 編集 ] ^ ISO/IEC 25760-1:2011 3.1.1~3.1.4 ^ Capitalization Conventions | Microsoft Docs ^ Visual Basic Naming Conventions | Microsoft Docs 関連項目 [ 編集 ] 命名規則 (プログラミング) ハンガリアン記法 キャメルケース 名前空間 多重定義 変数 (プログラミング) この項目は、 工学 ・ 技術 に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( Portal:技術と産業 )。 表示 編集
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シグナルプログラミング
シグナルプログラミング は、しばしば イベント駆動型プログラミング と同じ意味で使用される。 「シグナル」という用語は、 Qt 、 GTK 、 libsigc++ のような ライブラリ のドキュメントで、「イベント」という用語の代わりに使われる。 しかし、「シグナル」は 非同期 なイベント待ちにも利用されるものの、むしろ 同期 のイベントを示すのにしばしば使われるようである。 同期シグナルプログラミングのための別の(より科学的な)名前は Observer パターン である。 また、シグナルプログラミングも狭い意味でSIGSEGVやSIGTERMなどの Unixシグナル でプログラムを作るのにも使われている。ちなみにUnixシグナルは非同期である。 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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シーケンス
シークエンス (sequence)、シークエンシング(sequencing)は、一般には「 連続 」「 順序 」という意味を持つ。 シークェンス 、 シーケンス とも。 生物学 [ 編集 ] 生物学 におけるシークエンスとは、 核酸 、 蛋白質 、 糖鎖 などの 高分子化合物 ( ポリマー )において、それを構成するモノマーのつながっている順番(配列)のこと。これらの高分子化合物を構成するモノマーには、それぞれ多種類が存在し、生体内では、それがつながりあう順番を認識し区別する仕組みが存在する。これが、生体内で用いられている情報の本体であると考えられているため、それらの高分子化合物を研究対象とする場合、そのシークエンスを調べることは、最も基本的な作業のうちのひとつである。目的の分子のモノマーのシークエンスを実験により調べて決定する作業のことを、 シークエンシング と呼ぶ。 核酸 (DNA、RNA)のシークエンスとは、 塩基配列 を指す。 DNAシークエンシング も参照。 蛋白質 (ペプチド)のシークエンスとは、 アミノ酸 配列を指す。 糖鎖 のシークエンスとは、 単糖 などの配列を指す。 ボードゲーム [ 編集 ] ボードゲーム のシークエンスのボードには、11を除いた トランプ の絵柄が敷き詰められており、プレイヤー(2〜6人)はそれぞれ手札からカードを出して、盤上のトランプを自分の所有にし、チップを置く。そのチップが、5枚連続で置かれると、チームの得点になり、それを規定個作ると勝利する。11には、相手のチップをとりのぞいたり、自分のチップを好きなところに置ける、などの特典がある。 Jax, Ltd., Inc.が販売しており。日本でもビバリーがライセンスを受け販売していた。 映画 [ 編集 ] 映画における、またはそこから派生したシークエンスとは、物語上の繋がりがある一連の断片のこと。日本においては シーン と言われることが多いが、シーンとはシークエンスよりもさらに小さな場面のことを指すため、シークエンスという呼び名が正しい。 通常は カット や ショット という最小単位を元にして、そのカットの集合がシーンを構成し、さらにはそのシーンの集合がシークエンスとなり、シークエンスが繋がりを持った束となって一つの映画が構成される。ただし、中には テオ・アンゲロプロス のように、一つのシークエンスをカット割りすることなく一つの連続したカットで撮り上げる作家や作品もある。 制御工学 [ 編集 ] 制御工学におけるシークエンスとは、 シーケンス制御 のことであり、「あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御」と 日本工業規格 (JIS)に定義されている。 ネットワーク工学 [ 編集 ] コンピュータネットワーク において、 パケット に分割して情報を送信する際、パケットのシーケンス(順序)が決まる必要がある。 通信プロトコル のヘッダに「シーケンス番号」などとして定義されていることが多い。 数学 [ 編集 ] 数学一般の用語としては、 列 を意味する。特に 数列 、 文字列 、 順列 、点列という分類がされる。 応用数学では、特に以下のような意味合いがある。 情報工学 においては、 抽象データ型 としての リスト を意味することがある。 周波数解析 では、 時間 、 空間 、 周波数 などの特定の次元によって並べられた 数列 を意味する。系列とも言う。 建築 [ 編集 ] 建築におけるシーケンスは シークエンスデザイン とも呼ばれる。「移動することで変化する景色」、「徐々に変わっていくデザイン」のこと。空間(線、面)や光など、様々な場面で用いられる。例: [1] 音楽 [ 編集 ] 音楽でのシークェンスには2つの意味がある。 古典的な 楽典 では、 反復進行 を意味する。 ドイツ語 で「 ゼクヴェンツ 」ともいう。 自動演奏 ( DTM 、 打ち込み など)の分野は、制御工学でのシークェンスに由来する、自動楽器( ミュージックシーケンサー )の制御(または制御データ)という意味で使う。 その他の用法 [ 編集 ] セクエンツィア ( 英語 : Sequence 、 ラテン語 : Sequentia )- キリスト教聖歌の曲種の一つ。 シーケンス図 - UML における、処理の時系列をオブジェクトごとに表した図。 シークエンス (アニメ) 関連項目 [ 編集 ] シーケンサー DNAシーケンサー DNAシークエンシング Sequence (game)
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シーケンス図
オブジェクト指向 > 統一モデリング言語 > シーケンス図 この項目では、 UML で定義されている言語の1つであるシーケンス図について説明しています。 制御工学 におけるシーケンス図については「 シーケンス制御 」をご覧ください。 UML の図 構造図 クラス図 コンポーネント図 オブジェクト図 コンポジット構造図 ディプロイメント図 パッケージ図 プロフィール図 ( 英語版 ) 振る舞い図 アクティビティ図 ステートマシン図 ユースケース図 コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 相互作用概要図 ( 英語版 ) 表 話 編 歴 シーケンス図 (シーケンスず: sequence diagram)とは、 UML で定義されている、相互作用図の1種類である。1964年に エリクソン 社が開発していた 電話交換機 を制御するソフトウェアの新版の開発で ソフトウェアコンポーネント を採用することを提案した。この過程で 計算機科学者 の イヴァー・ヤコブソン は、シーケンス図を考案し、コラボレーション図を開発した。 概要 [ 編集 ] シーケンス図 の例 オブジェクト 間のメッセージの流れを時系列的に表現する。 イベント の発生順序やオブジェクトの生存(ライフライン、lifeline)、メッセージ(message)、イベントオカレンス(event occurrence)、実行オカレンス(execution occurrence)、相互作用オカレンス(interaction occurrence)などの記述によって、もっぱら時系列にもとづいたシステム分析・設計に使用する。 表 話 編 歴 統一モデリング言語 (UML) 団体人物 団体 OMG 人物 グラディ・ブーチ イヴァー・ヤコブソン ジェームズ・ランボー 概念 OOP オブジェクト指向プログラミング オブジェクト指向分析設計 オブジェクト指向モデリング 構造性 アクター ( 英語版 ) 属性 アーティファクト ( 英語版 ) クラス コンポーネント ( 英語版 ) インターフェース ( 英語版 ) オブジェクト パッケージ ( 英語版 ) 操作性 アクティビティ ( 英語版 ) イベント ( 英語版 ) メッセージ メソッド ステート ( 英語版 ) ユースケース 関連性 ジェネラライゼーション スペシャライゼーション リアライゼーション インプリメンテーション 多重度 コンポジション アグリゲーション アソシエーション ( 英語版 ) ディペンデンシー 拡張性 プロファイル ( 英語版 ) ステレオタイプ ( 英語版 ) 図式 構造 クラス図 コンポーネント図 コンポジション構造図 ディプロイメント図 オブジェクト図 パッケージ図 プロファイル図 ( 英語版 ) 振る舞い アクティビティ図 ステートマシン図 ( 英語版 ) ユースケース図 相互作用 インタラクション概要図 ( 英語版 ) コミュニケーション図 ( 英語版 ) シーケンス図 タイミング図 ( 英語版 ) 派生言語 Systems Modeling Language UML eXchange Format ( 英語版 ) XML Metadata Interchange Executable UML ( 英語版 ) その他 UML用語集 ( 英語版 ) ラショナル統一プロセス UMLツール一覧 ( 英語版 ) カラーUML ( 英語版 ) カテゴリ この項目は、 工学 ・ 技術 に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( Portal:技術と産業 )。 表示 編集
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思考ルーチン
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "思考ルーチン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2018年12月 ) 思考ルーチン (しこうルーチン)は、 コンピュータゲーム の プログラム の一部。 将棋 や 麻雀 などの ボードゲーム の対戦相手、 戦略シミュレーションゲーム の他国、 コンピュータRPG の敵キャラクターなど、プレイヤーと対戦する側の行動を決定するプログラムである。 一般的には、一手ずつ考えて行動するターン制のゲームに対して主に用いる用語である。 対戦型格闘ゲーム や シューティングゲーム などリアルタイム性の高いアクションゲームで敵の行動パターンを思考ルーチンと呼ぶことは少ない。しかし アクションゲーム においても、敵キャラクターの動きはゲームを面白くする重要な要素であるので、思考ルーチンと呼び、その質が問われることがある。 商用のコンピュータゲームの場合には、相手が人間であることから、娯楽性を高めるために、強すぎないこと、人間の思考パターンに似せること、敵キャラクタ間で特徴を持たせることなども必要になる。また、人間の方でも、思考ルーチンのアルゴリズムを読み取って対策を考えることが行われる。 また、コンピュータ同士を戦わせて、思考ルーチン同士の優劣を競争させることも行われている。 ボードゲームの領域では特に 人工知能 研究の一環として思考ルーチンが研究されている。 IBM の開発したチェス専用コンピュータの ディープ・ブルー が、 チェス チャンピオンの ガルリ・カスパロフ を破ったことは話題になった。現在チェスでは、対局後の検討にコンピュータの解析を利用するのが一般的になっている。 関連項目 [ 編集 ] フレーム問題 コンピュータ将棋 コンピュータ囲碁 コンピュータチェス
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自己書き換えコード
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "自己書き換えコード" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2022年4月 ) 自己書き換えコード (じこかきかえコード、 英 : self-modifying code )とは、目的を問わず実行時に自分自身の 命令 を書き換える コード を指す。 自己書き換えコードは アセンブリ言語 を使用すると簡単に記述できる(CPUの キャッシュ を考慮する必要がある)。 また、 SNOBOL4 や LISP のような インタプリタ 型の高級言語でもサポートされている。また、 COBOL にはALTERという命令が存在していた。 コンパイラ で実装するのは難しいが、 CLIPPER と SPITBOL ではその試みが行われている。 バッチ スクリプト も自己書き換えコードを頻繁に使用する。 再構成可能コンピューティング は、言ってみれば「自己書き換え ハードウェア 」である。 再構成可能コンピューティングは ソフトウェア とハードウェアの境界を曖昧にする概念である。 自己書き換えコードの用途 [ 編集 ] 自己書き換えコードは様々な目的で用いられる。 状態依存ループの 最適化 実行時コード生成、実行時あるいはロード時に アルゴリズム を特化させる(これは、リアルタイムグラフィックスなどの領域で一般的である)。 オブジェクト の インライン 状態を変化させる。あるいは クロージャ の高度な構造をシミュレートする。 サブルーチン を呼び出す部分に パッチ を当てる。一般に ダイナミックリンクライブラリ をロードするときに行われる。しかし、これを自己書き換えコードと呼ぶかどうかは場合による。 ダイナミックリンクライブラリのロード時などにサブルーチンを呼び出すアドレスにパッチを当てる。これを自己書き換えコードと呼ぶかどうかは微妙である。 遺伝的プログラミング など 逆アセンブラ や デバッガ を使った リバースエンジニアリング を防ぐためにコードを隠す目的で行う。 コンピュータウイルス や スパイウェア が アンチウイルスソフトウェア から逃れる目的で行う。 メモリやディスク容量が限られている環境で、コードを 圧縮 しておき、実行時に解凍してから実行する。 命令セット が非常に小さい場合、自己書き換えコードを使う以外に機能を実現できない場合がある。例えば、「減算し、その結果が負であれば分岐する」 (subtract-and-branch-if-negative) という命令しかないコンピュータも原理的には可能だが、この場合 C言語 での "*a = **b" に相当するような間接コピーは自己書き換えコードを使わないと実行できない。 2と3は LISP のような高級言語でもよく使われる。 Linuxカーネル は起動時に環境に応じた自己書き換えを行ったり (alternative.c)、デバッグ用のコードを自己書き換えで挿入するようにしたり (jump labels) して、コードの最適化を図っている。また、自己書き換えによって任意の位置の性能解析をすることができる (perf events)。 状態依存ループを最適化する自己書き換えコード [ 編集 ] 仮想コードの例は以下の通りである。 repeat N 回 { if STATE == 1 A = A + 1 else A = A - 1 A に関して処理をする } 自己書き換えコードをこの場合に当てはめると、単純にループを以下のように書き換える。 repeat N 回 { A = A + 1 A に関して処理をする } when STATEが変化した時 { 上記の + 命令を - 命令に書き換える。 } ふたつの状態に対応した命令コードの書き換えは、 XOR交換アルゴリズム を使えば簡単に記述できる。 この手法をとるかどうかは N (ループ回数)が大きいかどうかと、状態変化が頻繁かどうかによる。 自己書き換えコードに対する態度 [ 編集 ] 他にも有効な選択肢がある場合は自己書き換えコードはお勧めできないという人もいる。 というのは、自己書き換えコードは理解しにくいし、後でメンテナンスが困難になるからである。 また他の人は、自己書き換えコードは単にコーディング時にやっていることを実行時にやるだけじゃないかと言う。 自己書き換えコードは初期のコンピュータで限りあるメモリ空間を節約するために使われていた。 また、単純な分岐しかないシステムでサブルーチンを実装するために自己書き換えコードを使用する場合もあった。 ドナルド・クヌース の MIX アーキテクチャでもサブルーチン呼び出しを実現するために自己書き換えコードを使用していた。 また、未来の高度に進化した 人工知能 は本質的に自己書き換えを行うはずだと主張する者もいる。未来のソフトウェアがユーザーとのやり取りから学習し、ほとんど無限の パーソナライゼーション を提供するだろうという見方もある。 偽装のための自己書き換えコード [ 編集 ] 自己書き換えコードは 1980年代 の MS-DOS 上のゲームで、 コピープロテクション を隠すのに使われた。 フロッピーディスク ドライブアクセス命令「 int 0x13」は、実行 プログラム のイメージには存在しないのだが、実行プログラムがメモリにロードされると自己書き換えを実施し、コピープロテクションのためのフロッピーディスクアクセス命令が書き込まれるようになっていた。 自己書き換えコードは自身の存在を隠したいプログラムにも使われることがある。 すなわち、 コンピュータウイルス などである。 自己書き換えコードを使用するウイルスの多くは、同時に ポリモルフィックコード を使っている。 ポリモルフィック(多様)なウイルスは、ある意味で自分を突然変異させるプログラムとも言える。 動作中のコードを書き換えることはある種の攻撃(たとえば バッファオーバーラン )にも使われる。 自己参照型機械学習システムでの自己書き換えコード [ 編集 ] 機械学習 システムは一般に学習アルゴリズムは事前に用意され固定であり、パラメータを変化させることで学習を行う。しかし、Jürgen Schmidhuber は1980年代から自己書き換え式の学習アルゴリズムを自ら変更できるシステムをいくつか発表している。機能不全に陥るような自己書き換えに陥らないように、ユーザー指定の フィットネス関数 などを使って、有効な書き換えのみが生き残るようにしている。 オペレーティングシステムおよびバイナリファイルフォーマットと自己書き換えコード [ 編集 ] 自己書き換えコードはセキュリティ上問題があるため、いくつかの オペレーティングシステム ではそれを禁止している。懸念されているのは、そのプログラム自身が自分のコードを書き換えることではなく、他者が悪意を持ってコードを改変することである。たとえば OpenBSD の最近のバージョンは W^X ( 英語版 ) ("write XOR execute")という機能を持っており、あるメモリページについてプログラムは書き込むことができるか「あるいは」実行することができるが、書き込んで実行することはできないというものである。W^X 機能を持った OpenBSDでは自己書き換えコードは通常は動作できない。自己書き換えが必要なプログラムは、 mmap で PROT_EXEC | PROT_WRITE 属性でページをマッピングしてそこにコードを書き込まなければならない。 メタ なレベルで考えれば、適切なデータ構造を使うことで振る舞いを変化させるプログラムは一種の自己書き換えとも言える( メタプログラミング 参照)。 バイナリ実行ファイル の フォーマット のうち、 Unix系 OSにて広く用いられている ELF にあっては、プログラムヘッダの記述に基づいて実行ファイルの各セグメントをメモリ上にロードないしは確保する。プログラムヘッダにはセグメントへのアクセス権限も含まれているため、コードセグメントのアクセス権限に書き込みと実行の両者を与えれば理論上はコードの自己書き換えが可能となる。ただし、ELFが用いられている実行環境では メモリ保護 によるコードの書き換え禁止を前提としていることが一般的なため、通常 リンカ はコードセグメントに書き込みと実行の両権限を与えないように設定する。 ジャストインタイムコンパイラ [ 編集 ] Java などの プログラミング言語 には ジャストインタイムコンパイラ があり、小さなプログラムを 機械語 に変換して即座に実行する。 キャッシュと自己書き換えコードの問題 [ 編集 ] 最近のプロセッサでは自己書き換えコードは実行速度が遅くなる。 実行コードを書き換えると、 命令キャッシュ に保持していた筈の命令が使えなくなるので、メモリからキャッシュにロードし直さなければならなくなり、遅くなるのである。 つまり自己書き換えコードで性能改善が図れるのは、書き換えがごくまれにしか発生しない、ループ内のスイッチ切り替え(前述の状態依存ループ)のような場合だけである。 コード書き換えは一瞬で終わるわけではないから、これは何も命令キャッシュに限った問題ではない。 最近のプロセッサは命令を実行前に内部に取り込むので、プログラムカウンタに近い箇所を書き換えるとプロセッサがそれに気づかない可能性があり、書き換え前のコードを実行してしまうことがある。これについては 命令プリフェッチキュー を参照されたい。 例 [ 編集 ] NASM 文法 の自己書き換え x86 アセンブラコード: 命令プリフェッチキュー のサイズ測定 code_starts_here: xor cx, cx  ; レジスタ cx をゼロクリア xor ax, ax  ; レジスタ ax をゼロクリア around: cmp ax, 1  ; ax が変化したかチェック je found_size mov [nop_field+cx], 0x90  ; 0x90 = "nop" (NO oPeration)命令の オペコード inc cx jmp short flush_queue flush_queue: mov [nop_field+cx], 0x40  ; 0x40 = "inc ax" (INCrease ax)命令のオペコード nop_field: nop times 256 jmp around found_size:  ;  ; これで、レジスタ cx は命令プリフェッチキューのサイズを保持している  ; このコードは処理の流れを変更して力ずくで命令プリフェッチキューの大きさを調べるものである。 コードを順次書き換えていき、どれだけ書き換えたらプロセッサが書き換え後の命令をフェッチするかを調べることでキューの長さがわかる。 これをプロテクトモードで実行する際には コンテキストスイッチ が発生しないようにしなければならない。 さもなくば、このプログラムは間違った値を返すだろう。 関連項目 [ 編集 ] リフレクション (情報工学) 自己複製 - 自己言及 クワイン (プログラミング) シェルコード EICARテストファイル - 自己書き換えコードとなっている。 Malbolge - 自分を書き換えながら実行する 難解プログラミング言語 。 外部リンク [ 編集 ] Using self modifying code under Linux self modifying C code Certified Self-Modifying Code Jürgen Schmidhuber's publications on self-modifying code for self-referential machine learning systems
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%97%E4%B8%8B%E3%81%92
字下げ
ウィキペディアにおける字下げ(インデント)については、 Help:ページの編集#字下げ 、 Help:ノートページ#ページ上の話題への応答 または Wikipedia:ノートページのガイドライン#レイアウト をご覧ください。 「 インデント 」はこの項目へ 転送 されています。UNIXのプログラミングツールについては「 indent (UNIX) 」をご覧ください。 字下げ (じさげ、 インデント 、 英 : indentation [ 注 1 ] )は、「行頭に空白を設けて文字開始位置を他行よりも下がった位置から始めた文字組み」を指す用語 [ 1 ] 。 概要 [ 編集 ] 多くの ワープロソフト などでは1文字以上のインデントを行う際に タブキー を使用し、またこの機能そのものを指して 字下げ機能 と称する [ 2 ] 。字下げ機能を自動的に行うソフトウェア機能を特に オートインデント と呼ぶ [ 3 ] 。 段落 の2行目以降を1行目より下げる形式を特に指して ぶら下げインデント と呼び [ 2 ] 、 プログラミング言語 における ソースコード や、 データ記述言語 を用いて記述したデータにおいて、その構造や属性を視覚的に明らかにするために行われる段組み表記方法でもある [ 3 ] 。 →詳細は「 字下げスタイル 」を参照 プログラミング言語におけるインデントは、一般的には視覚上の目的にてのみ用いられるものであり、インデントの有無がプログラムの内容に影響することはない。データ記述言語にあっても、 JSON のようにインデントがデータに影響しない規格がある。一方、 Python や YAML 等のようにあえてインデントを用いてプログラムやデータの論理構造を記述する言語もある。この場合、インデントはそれらの言語仕様に従って使用しなければならない。 例 [ 編集 ] 字下げ 「 学校の授業が始まるにはまだ大分《だいぶ》日数《ひかず》があるので鎌倉におってもよし、帰ってもよいという境遇にいた私は、当分元の宿に留《と》まる覚悟をした。友達は中国のある資産家の息子《むすこ》で金に不自由のない男であったけれども、学校が学校なのと年が年なので、生活の程度は私とそう変りもしなかった。したがって一人《ひとり》ぼっちになった私は別に恰好《かっこう》な宿を探す面倒ももたなかったのである。 宿は鎌倉でも辺鄙《へんぴ》な方角にあった。玉突《たまつ》きだのアイスクリームだのというハイカラなものには長い畷《なわて》を一つ越さなければ手が届かなかった。車で行っても二十銭は取られた。けれども個人の別荘はそこここにいくつでも建てられていた。それに海へはごく近いので海水浴をやるには至極便利な地位を占めていた。  私は毎日海へはいりに出掛けた。古い燻《くす》ぶり返った藁葺《わらぶき》の間《あいだ》を通り抜けて磯《いそ》へ下りると、この辺《へん》にこれほどの都会人種が住んでいるかと思うほど、避暑に来た男や女で砂の上が動いていた。ある時は海の中が銭湯《せんとう》のように黒い頭でごちゃごちゃしている事もあった。その中に知った人を一人ももたない私も、こういう賑《にぎ》やかな景色の中に裹《つつ》まれて、砂の上に寝《ね》そべってみたり、膝頭《ひざがしら》を波に打たしてそこいらを跳《は》ね廻《まわ》るのは愉快であった。 」 — 『こころ』:新字新仮名 - 青空文庫 ( 夏目漱石 )、 朝日新聞 連載分より抜粋。 ぶら下げインデント(ソースコード) local p = {} function p . hello () return "Hello, world!" end return p -- モジュール:Bananas より。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ 本項目の英語版は en:Indentation (typesetting) である。 en:wikt:indent には動詞としては「字下げする」の用法があるものの、名詞の場合は 和製英語 インデントと同じ意味は無いようである。 出典 [ 編集 ] ^ 「 字下げ 」『デジタル大辞泉』 。 https://kotobank.jp/word/%E5%AD%97%E4%B8%8B%E3%81%92 。 コトバンク より2025年4月1日閲覧 。 ^ a b 「 インデント 」『デジタル大辞泉、IT用語がわかる辞典、パソコンで困ったときに開く本』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%88 。 コトバンク より2025年4月1日閲覧 。 ^ a b 「 インデンテーション 」『デジタル大辞泉』 。 https://kotobank.jp/word/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3 。 コトバンク より2025年4月1日閲覧 。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2
システムエンジニア
システムエンジニア (略称: SE 、エスイー)とは、 日本 において 情報システム 関連の業務に従事する者を指す用語である。英語における Systems Engineer は システム工学 のエンジニアのことであり、情報技術者全般を指すような用法は 和製英語 と言える。 概要 [ 編集 ] システムエンジニアの職域に関する明確な定義は存在しないが、日本の企業では慣習的に コンピュータシステム やその周辺の情報システムに関わりながら以下のような業務を行う者を指すことが多い [ 1 ] [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] 。 企画 要件定義 設計 開発 評価 プロジェクトマネジメント コンサル 工事 保守 運用 「システムエンジニア」が指す具体的な職域は企業や団体によってまちまちであるため、上記以外にも様々な業務内容があると推測できる。とはいえ、全般的には情報システム関連の業務に携わる者が大雑把にシステムエンジニアと呼ばれる傾向がある。 システム工学との無関係性 [ 編集 ] 本来、「 システム 」という語は「相互に影響を及ぼしあう要素から構成されるまとまりや仕組みの全体」といった意味合いであり、英語では様々な分野・領域で使われる言葉である。しかし日本でいうところの「システムエンジニア」が対象とするシステムはもっぱら情報システムのみである。 学問領域・工学領域 に「システムズ・エンジニアリング( システム工学 )」というよく似た用語があるが、特に関係性はない。英語圏では「システム ズ ・エンジニア」と呼ばれる職域があるが、これは文字通りシステム工学に関わる技術者を指すものであり、日本のシステムエンジニアとは重ならない [ 5 ] 。「システムエンジニア」という用語自体が和製英語であり、日本で慣習的に使われているような用法は海外では基本的に通じないので注意が必要である。 略称 [ 編集 ] 略称として SE (エスイー) が使われることが多い。しかし、コンピュータ学会の Association for Computing Machinery (ACM)がまとめている「コンピュータに関する学位とキャリアについての報告」において「SE」は「 ソフトウェアエンジニア 」の略称として定義されており、また、 文科省 と 国立情報学研究所 が進めている技術者教育プログラム「トップエスイー」の「エスイー」も同様にソフトウェアエンジニアの略である [ 6 ] 等、コンピュータ関連でも行政や学界等で「SE」はソフトウェアエンジニアの略であることも多い。 関連項目 [ 編集 ] ITエンジニア コンピュータ技術者 プログラマ ソフトウェア開発者 ネットワークエンジニア カスタマエンジニア デジタル土方 脚注 [ 編集 ] ^ デジタル大辞林 ^ 「SEが20代で身につけておきたいこと」(技術評論社/googleブックレビューP60) ^ エンジニアライフ「下流から見たIT業界」(atmarkIT) ^ SEからコンサルタントに(Tech総研) ^ “ Best Jobs 2009 - Salary and Job Market Information - from Money Magazine ”. 2010年5月22日閲覧。 [ リンク切れ ] ^ https://web.archive.org/web/20150423042348/http://computingcareers.acm.org/?page_id=12
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%84%B6%E8%A8%80%E8%AA%9E
自然言語
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "自然言語" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2014年11月 ) 自然言語 (しぜんげんご、 英 : natural language )とは、 言語学 や 論理学 、 計算機科学 の 専門用語 で、「 英語 」・「 中国語 」・「 日本語 」といった「○○語」の総称。つまり普通の「 言語 」のこと。 人間 が 意思疎通 のために日常的に用いる言語であり、 文化 的背景を持っておのずから発展してきた言語。 対義語は「 人工言語 」「 形式言語 」、すなわち プログラミング言語 や 論理式 など。 概要 [ 編集 ] 人間がお互いに コミュニケーション を行うための自然発生的な 言語 である。形式言語との対比では、その構文や意味が明確に揺るぎなく定められ利用者に厳格な規則の遵守を強いる(ことが多い)形式言語に対し、話者集団の 社会的文脈 に沿った曖昧な規則が存在していると考えられるものが自然言語である。自然言語には、規則が曖昧であるがゆえに、話者による規則の解釈の自由度が残されており、話者が直面した状況に応じて規則の解釈を変化させることで、状況を共有する他の話者とのコミュニケーションを継続する事が可能となっている。 人間のコミュニケーションを目的として設計された形式言語、といったようなものも存在するが( ログラン など)あまり多くない。人工言語という分類は多義的であり、形式言語のことを指している場合もあれば、 エスペラント など「人為発生的な自然言語」といったほうが良い場合もある。 また、文法,単語の用法に 曖昧さ を含み、使用する単語,単語の順序を入れ替える等が可能であり、感情で文章を制御しやすいため、多様な情景表現が可能となっている。しかし、文法、単語の用法が曖昧であるため、「言語仕様」のように明確に固定することは難しい。各自然言語自体も他言語との統合が起きる事により変化し続けており、自然言語の 文法 その他あらゆる面が 言語学 によって研究が続けられている。また、統計的手法を利用する 計量言語学 ( 英語版 ) や、 情報処理 の対象として自然言語を扱う 自然言語処理 は、 コンピュータ の能力の向上にあわせ、またコンピュータのより便利な利用のために(例えばワードプロセッサや、音声入力による情報探索など)、さかんに研究され実地にも応用されるようになった。 関連項目 [ 編集 ] 自然言語処理 曖昧 文脈 修辞技法 モンタギュー文法 生成文法 依存文法 構文解析 形式文法 句構造規則 日常言語学派 認知言語学 典拠管理データベース : 国立図書館 チェコ
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E8%A3%85
実装
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "実装" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2012年5月 ) 実装 (じっそう、 英 : implementation )とは、何らかの 機能 (や 仕様 )を実現するための(具体的な)装備や方法のこと [ 1 ] 。 概説 [ 編集 ] 実装とは、何らかの 機能 (や仕様)を実現するための(具体的な)装備や方法のことである。名詞的に、「~の実装( implementation )」といった場合、何らかの機能を実現するモノやプログラム、もしくはある機能を実現するための手法や方式のことを指す。 また動詞的にも用いられ、何らかの 機能 を 実体化させ、実際に働く状態にすることを言う。 動詞では、英語ではimplement ~という表現を用い、日本語では「~を実装する」と言う。「○○機能を実装する」「~の機能を ハードウェア/ソフトウェア で実装する」といった文で用いられる。 何かに必要な機能が( 仕様書 などで)明らかにされていても、それはまだ理念上の存在でしかなく、現実の世界では作動していない。また、求められる機能が明らかになっていても、その機能を実現するための装備や方法が多種類ある場合もあり、それが最終的には定まっていないこともある。実装というのは、理念的段階にとどまる何らかの機能を、 具現化 させること(実際に動く具体的なものとして現実世界に出現させること)である。 「実装」が、具体的にどのような作業であるかということはひとつひとつの領域ごとに異なっている。 エレクトロニクス 通常、 エレクトロニクス の分野では、機器や装置の中に何らかの機能(電気的な機能)を果たす具体的な 電子部品 を組み込むこと(具体例では、 プリント基板 などに電子部品を はんだ付け することや、筐体にプリント回路板や配線を組み込むこと)が実装に当たる。 なお、英語では、「同一目的のために複数の要素を一か所にまとめること」を「assemble アセンブル」というので、エレクトロニクス分野の実装は「アセンブル」「アセンブリング」ともほぼ同義的に用いられることもある。 しかし、「アセンブル」、「アセンブリング」や「アセンブリー」は、組立て作業、あるいは、組立てられた物を指す狭義であり、実装は、この上位概念にあたる具現化技術の全般を指すものであり、英語では「assemble アセンブル」と区別して「packaging パッケージング」と呼ばれる事が多い。 ソフトウェア開発(プログラミング) ソフトウェア開発 ( プログラミング )の分野では、あらかじめ機能(/関数)だけが決められている箇所を、具体的な プログラム として作成している部分やその作業を実装(implement)と呼び、「この 関数 を実装する」「ある クラス を実装する」などという文で用いられる。 機械工学 機械工学においての[実装]という言葉は、他の物とはややニュアンスが異なっており、既存の機械に何らかの改良・新規設計部品への交換もしくは追加など改善において~を実装という表現が用いられている。主に車関係においては、物理的な機械的要素が主体である機能を追加した場合にでも~システムの実装と表現される事が多い。 社会・健康科学 [実装]は既存の領域における活動やプログラムにある特定の活動を実践させることと定義される。この定義に従えば、実装のプロセスは目的をもち、外部の人間が観察したとき、その“特定の活動”の存在と強度を評価できるほどに実装に関して十分に具体的に記述されていることになる。 設計と実装 [ 編集 ] 「設計と実装」は対で語られることが多い。 何らかの機能を実現するための方法や枠組みを決定する 抽象 的な作業(別の表現で言えば、紙の上での作業や、モニタ上での作業)を 設計 と呼び、その機能を実際に動作させるための具現化(具体化)作業を実装と呼ぶ。 設計と実装を比べると、設計は機能を実現するための要素と構成について抽象的・理論的に表現する作業であるのに対して、実装は現実の世界で実際に形作ることによって機能を実現することであるから、実装のほうが現実における様々な状況に影響を受ける。そのため、設計に比べて、物理的・コスト的・時間的な影響をより直接的に受ける。 モノを作り出す 工程 としては、設計は 上流 、実装は 下流 に位置する。ただし現実には、この2つの過程は単純に2つに分離できるわけではなく、設計と実装は緊密な関連がある。例えば、モノを実際に作り出すためには、実装時のことも考慮して設計することが一般的である(「実装上の制約」に配慮した設計)。なお、実装段階になって、当初の設計が実現できないことが判明して、工程を遡り、「実装上の都合」で設計が変更されることもある。 なお、比較的、単純な機能なモノやソフトウェアの場合には、特に一個人が独りで行うような開発では、設計と同時並行的に実装まで行うこともある。だが、現在の(複数名で行うことが一般的な)大規模開発においては 分業 が進んでおり、設計と実装の工程はかなりはっきりと区別されている。製品開発のモデルの詳細は、 ソフトウェア開発方法論 の ウォーターフォールモデル 、 コンカレントエンジニアリング などを参照のこと。 上記、「設計と実装」という用語での対比は、主にソフトウェアの分野で用いられる。ソフトウェア以外の分野では、「設計と製造」のように、実装ではなく 製造 が用いられることが多い。ソフトウェア以外の分野で、「製造」と言わずあえて「実装」という言葉を用いるのは「ある特定の機能を実現する」ことで注目するような場合である。 エレクトロニクス分野における実装 [ 編集 ] 実装技術 [ 編集 ] エレクトロニクスの分野における実装技術は、電子部品をプリント基板にはんだ付けする技術という意味で用いられ、 スルーホール実装 や SMT(表面実装技術) のことを示す場合が多かった。本来の実装技術の意味は、多様化する電子部品に対して、 ウェハー の状態から最終製品になるまでの電子部品の組み立て技術、具現化全般の技術であり、現在は、このような理解が定着しつつある。実装技術は、製品の重量、大きさ、性能、コストや信頼性に大きく影響する、学際的な技術である。 プリント基板における実装技術については、さらに高密度実装、高周波実装、高温・低温実装、 鉛フリーはんだ 、難燃性、長期信頼性、フレキシブル実装、プリンタブル実装など多様な細かい分野に分かれ、多くの企業や大学が力を入れて研究開発を行っている。 高密度実装 集積度向上を目的とした実装技術。特に 携帯機器 の分野で重要。 チップ部品 、 BGA などによる小型化、多ピン化とそれにともなう接合技術からなる。はんだ付けによる接合は、小型部品がはんだの表面張力で浮いてしまう「マンハッタン現象」という不良や、隣接するピン同士がはんだでくっついてしまうはんだブリッジ(→ソルダー レジスト )という不良の対策が必須である。さらに小型の機器には 超音波接合 も多用される。近年は部品を積層して集積度を上げる三次元実装技術が注目されている。 高周波実装 情報処理の速度を上げるため、高い周波数の信号を精度良く配線に通すことを目的とした実装技術。特に CPU や メモリ の分野で重要。信号の同着性確保、ノイズ対策、不要輻射軽減(→ 電磁波障害 )、電源の品質向上が主な技術となる。 高温実装 高温に耐えるための実装技術。特に 電力用半導体素子 (パワーデバイス)の分野で重要。プラスチックやはんだの融点は300度以下のものが多く、これをいかに向上させるかがポイントとなる。また、基板の熱による反りを抑制する技術や大電流を扱うための配線技術や放熱技術も重要。 低温実装 こちらは低温に耐えるための実装ではなく、熱に弱い部品を低い温度で実装するための技術である。特にセンサやディスプレイ、 有機半導体 の分野で重要。低融点はんだや銀ペーストなどの低温接合材料や、 異方性導電フィルム (ACF)などの局所加熱型のプロセスが主要技術。 難燃性 エレクトロニクス製品の出火事故を防ぐための技術。かつて紙フェノール基板が多く使われていたころは基板自体の難燃化が大きな課題だったが、近年は難燃材に含まれる環境負荷物質の削減に主眼が移ってきている。 フレキシブル実装 機器に可撓性を持たせるための実装技術。特に ICカード や 携帯機器 の分野で重要。フレキシブル配線板と、その配線板と部品とをつなぐ接合技術からなる。かつては曲がる配線板と曲がらない部品をどう繋ぐかが主な課題だったが、 有機半導体 の発達によって部品自体を曲げるという構造も可能になった。 プリンタブル実装 製造にリソグラフィを用いず、印刷を用いる低コストな実装技術。太陽電池やディスプレイ、有機半導体分野で重要。印刷用の材料開発と印刷機の開発が主な課題。印刷用材料の一部は曲げに対して強い耐性があり、前述のフレキシブル実装とも深い関係がある。 ソフトウェア分野における実装 [ 編集 ] ソフトウェア 分野では、 実装 とは 仕様 や アルゴリズム を、具体的な プログラミング言語 の プログラム 文として実現すること(書くこと)、つまり プログラミング である。 オープン な コンピュータ言語 や ファイルフォーマット などでは1つの仕様に対して複数の実装が存在しうる。この実装を 実装系 や 処理系 とも呼ぶ。定義通り、それぞれの処理系は仕様を満たす動作をしなければならないが、仕様の不備、 解釈 の違い、 バグ 、独自の拡張などで挙動が異なる場合も多く、それらは 方言 として処理系の違いに表れる。そういった違いを除けば処理系は原則として「同じ」と考えられる動作を行い、差違は性能面にのみ現れる。 脚注 [ 編集 ] ^ ASCII.jpデジタル用語辞典
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E4%BD%93%E9%96%A2%E9%80%A3%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB
実体関連モデル
チェンの記法を使った実体関連図の例 実体関連モデル ( 、 英 : entity-relationship Model 、ERM)は、概念的 データモデル の高レベルな記述を可能とするモデルの一種である。また、実体関連モデルによって具体的なシステムの データモデル を図で表現したものを 実体関連図 ( 英 : entity-relationship Diagram 、ERD)あるいは ER図 と呼ぶ。本項では ピーター・チェン の1975年の論文で提唱された技法を中心に解説する [ 1 ] 。ただし、同様のアイデアはそれ以前から存在し [ 2 ] 、実体と関連を扱う様々な派生モデルが考案されている。 概要 [ 編集 ] ERモデルは、 データベース 、特に 関係データベース を抽象的に表現する手法の1つである。関係データベースは 表 にデータを格納し、表内の一部のデータは他の表内のデータを指している。例えば 個人情報 のデータベースでは、ある個人のエントリが当人のいくつかの電話番号のデータを指している構成になっていることがある。ERモデルでは、その個人のエントリが1つの「実体」 [ 3 ] であり、電話番号も「実体」で、それら実体間に「一件の電話番号を持つ」という「関連」 [ 4 ] が存在するという見方をする。そういった実体や関連を設計する際に作られる図が実体関連図またはER図である。 三層スキーマ を ソフトウェア開発 に使用する場合、三層それぞれに対応するERモデルが構築される。 概念データモデル 詳細さという面では最も大まかだが、モデルセットに含めるべき全体像を明らかにするという役割を担う最も上位のERモデル。概念ERモデルは通常、組織が使用するマスタ参照データ実体を定義する。組織全体の概念ERモデルを開発することで、組織の データアーキテクチャ ( 英語版 ) の文書化に役立つ。概念ERモデルは1つ以上の論理データモデルの基盤として使うことができる。概念ERモデルのその際の目的は、論理ERモデル間でマスタデータ実体の構造的 メタデータ の共通性を確立することにある。概念データモデルは、データモデル統合の基盤としてERモデル間の共通性確立に使われることもある。 論理データモデル 異機種混合の単一のシステムを対象として論理ERモデルを構築するなら、概念ERモデルは特に必要とされない。論理ERモデルは概念ERモデルよりも詳細である。マスタデータ実体に加え、運用上および業務上のデータ実体も定義する。各データ実体を詳細化し、それらデータ実体間の実体関連を確立する。ただし、論理ERモデルの実装にはそれぞれ独立の技術が使用される。 物理データモデル 1つの論理ERモデルに対応して1つ以上の物理ERモデルが作られる。物理ERモデルは通常、そのままデータベースとして実体化される。したがって物理ERモデルにはデータベースを作るのに十分な詳細さが必須であり、個々の物理ERモデルは対応する データベース管理システム の仕様に影響される。物理モデルは通常、構造化メタデータをデータベース管理システム上の関係データベースオブジェクト( 表 、 主キー などの 索引 、 外部キー 制約などのデータベースの制約)として実装できるよう設計が進められる。物理ERモデルは関係データベースの改造の際にもよく使われる。 情報システム 設計の第一段階( 要求分析 )でこれを使い、必要な 情報 を洗い出し、それら情報を データベース に格納する際の型を決定する。 データモデリング 技術は、任意の 議論領域 について オントロジー (すなわち、使用する項目とその関連を分類し概観すること)を記述するのに使用可能である。データベースを基盤とする情報システムの設計では、 概念データモデル を論理設計などと呼ばれる後の工程で 関係モデル などの論理データモデルにマッピングする。関係モデルはその後さらに物理的設計時に物理的モデルにマッピングされる。ただし、設計工程の呼び方は様々であることに注意されたい。 実体関連モデリング [ 編集 ] 構成要素: 実体、関連、属性 [ 編集 ] 関連を持つ2つの実体 実体と属性 関連と属性 主キー 実体は、独立した存在として認識され、一意に識別されるものと定義できる。実体とは、ある領域の複雑さから抽象したものである。実体は、実世界のある面だけを取り出し、他の面を捨象したものである [ 5 ] 。 実体は家や自動車といった物理的な物体ということもあるし、住宅販売や自動車サービスといったイベントということもあるし、客単価や注文といった概念ということもある。実体という用語はよく使われるが、チェンによれば「実体」と「実体型」を明確に区別すべきである。実体型はカテゴリである。そして実体は、厳密にいえば1つの実体型のインスタンスである。1つの実体型には多数のインスタンスが存在するのが普通である。しかし、「実体」という用語で実体型も指すような使い方をすることが多い。 実体は 名詞 に対応すると考えることができる。例えば、コンピュータ、従業員、楽曲、数学的定理といった名詞である。 関連は2つの実体間の関係を捉えたものである。関連は2つ以上の名詞句を結び付ける 動詞 に対応すると考えることができる。例えば、企業とコンピュータの間の「所有する」という関連、従業員と部門の間の「監督する」という関連、アーティストと楽曲の間の「演奏するという関連、数学者と定理の間の「証明した」という関連などである。 このような言語的側面を利用したのが 宣言型 データベース クエリ言語 ERROL [ 6 ] であり、 自然言語 の構成を真似ている。ERROLの 意味論 と実装は実体関連モデルの言語的側面を捉えた 関係代数 の一種「 reshaped relational algebra 」 (RRA) [ 7 ] に基づいている。 実体と関連はどちらも属性 (attribute) を持つことができる。例えば、「従業員」という実体は「 社会保障番号 」(SSN) という属性を持つことがある。また、「証明した」という関連は(証明した)「日付」という属性を持つことがある。 全ての実体は( 弱実体 ( 英語版 ) でない限り)、一意に識別可能な最低限の属性集合を持たなければならない。この属性の集合を実体の 主キー と呼ぶ。 実体関連図はインスタンスとしての実体やインスタンス間の関連を表したものではなく、むしろ実体の集合と関連の集合を表したものである。例えば、ある特定の楽曲はインスタンスとしての実体であり、データベース内の全ての楽曲が実体の集合である。子どもと昼食の間に「食べた」という関連があるとき、データベース内の全ての「食べた」関連が関連の集合である。言い換えれば、関連の集合は数学における 関係 に対応し、個々の関連はその関係の個数に対応して存在する。 関連の集合上に 濃度制約 ( 英語版 ) が設けられることもある。 自然言語とのマッピング [ 編集 ] チェンは、自然言語とER図とのマッピングの経験則を次のように提案した [ 8 ] 。 自然言語における 品詞 ER構造 普通名詞 実体の型 固有名詞 実体 他動詞 関連の型 自動詞 属性の型 形容詞 実体の属性 副詞 関連の属性 役割 [ 編集 ] チェンの最初の論文で、関連とその役割 (role) についての例が示されている。彼が示した例は「結婚」関連と「夫」と「妻」という2つの役割である。役割とは、関連を持つ2つの実体について、関連から見たそれぞれの名称ということができる。結婚という関連において、夫という役割を演じる人物と、妻という役割を演じる人物がいる。これらの関連と役割は名詞である。 しかし、今では関連や役割の「名前」は動詞または動詞句にすることが多い。特に is-the-owner-of(-は-の所有者である)とか is-owned-by(-は-に所有されている)といった句を使うことが多い。これを名詞で表すなら「所有者」(owner) や「所有」(possession) である。 濃度 [ 編集 ] 役に立つ改良も加えられてきた。チェンは役割と関連する相手側の濃度 (cardinality)、すなわち対応する実体の数を論じていた。Oracle Designer が採用している Barker-Ellis 記法では、役割の側の最小濃度と相手側の最大濃度(カラスの足)を採用している。 Merise [ 9 ] や Elmasri & Navathe [ 10 ] などでは [ 11 ] 、最小濃度も最大濃度も役割と同じ側に設定する傾向がある。最近の研究者ら(Feinerer [ 12 ] 、Dullea et al. [ 13 ] )は、このような方式の方が2項を超えるN項関係にも一貫して適用できることを示した。 Dullea et al. によれば、UMLに見られるような相手側に濃度を記述する記法では、2項を超える多項関係の参加制約の意味論を効果的に表現できないとしている。 Feinerer でも同様にUMLで使われている相手側での濃度指定では問題が生じるとしている。Hartmann [ 14 ] がそういった状況を調査した。 ER図の様々な記法 [ 編集 ] 同じ1対多の関連を様々な記法で表現。いずれも人物 (person) と生誕地 (birthplace) の関連を表している。各人物はただ1つの場所で生まれているはずだが、各場所 (location) で生まれた人の人数は不定である(ゼロかもしれない)。 Crow's Foot(カラスの足)記法で2つの実体の関連を表現した図。"Song" の側の記号はゼロを含む不定個を意味している。"Artist" 側の記号は唯一であることを意味している。したがって、この図全体としては「アーティストは(ゼロかもしれない)不定個の楽曲を演奏する(ことができる)」ことを示している。 チェンが実体関連モデルの記法として採用したのは、実体の集合を長方形で表し、(それ自体が属性や関連を持つことができる) 第一級オブジェクト としての関連を菱形で表すものだった。実体の集合が関連の集合と関与している場合、それらを直線で結ぶ。 属性は楕円で表され、1つの実体または関連の集合と直線で結ばれる。 濃度制約は次のように表現される。 二重線が参加制約 (participation constraint)、 完全関係 または 全射 を意味する。その実体の集合に含まれる全実体は、その関連の集合にある「少なくとも1つの」関連に関与していなければならない。 実体の集合から関連の集合への矢印が キー制約 を意味する。すなわち 単射 であり、実体の集合にあるそれぞれの実体は、その関連の集合にある「 高々 1つの」関連に関与できる。 太い線がそれら両方、すなわち 全単射 を意味する。実体の集合にあるそれぞれの実体は、常に1つの関係に関与している。 属性名に下線をひいた場合、その属性が 主キー であることを示す。実体や関連にそのような属性がある場合、その値は常にそれぞれに異なる。 属性を書き込むと図が混み合うので、省略されることが多い。他の描法では、実体の集合を表す長方形内にその実体の持つ属性を列挙することが多い。 関連する図の描画技法: バックマン線図 Barker's Notation EXPRESS IDEF1X [ 15 ] Martin notation (min, max)-notation ( Jean-Raymond Abrial ,1974) UML のクラス図 Merise Object-Role Modeling (ORM) Crow's Foot (カラスの足)記法 [ 編集 ] Crow's Foot(カラスの足)記法は、 Barker's Notation 、 SSADM 、 IE で使われている。その場合、実体を矩形で表し、関連は矩形同士を結ぶ直線で表される。その直線の両端の形状によって関連の濃度を表現する。 この記法は1980年代に CACI がコンサルタント業務で使っていた。Richard Barker を含むCACIのコンサルタントらが オラクル イギリス支社に移籍し、 CASE ツールを開発。そこでこの記法を採用したことで広く知られるようになった。カラスの足記法を使っているツールとしては、 ARIS 、 System Architect 、 Visio 、 PowerDesigner 、 Toad Data Modeler 、 DeZign for Databases 、 Devgems Data Modeler 、 OmniGraffle 、 MySQL Workbench ( 英語版 ) 、 SQL Developer Data Modeler などがある。 CAテクノロジーズ の CA Gen もこの記法を採用している。 ER図作成ツール [ 編集 ] ER図を描画する様々なツールが存在する。ERモデルや SQL を入力としてER図を生成し、データベースを分析できるフリーソフトウェアとして MySQL Workbench ( 英語版 ) 、 Open ModelSphere (オープンソース)がある。ER図からデータベースやアプリケーション層のコード( Webサービス )を生成できるフリーウェアのERツールとして RISE Editor がある。SQL Power Architect は プロプライエタリ だが、フリーなバージョンもある。 プロプライエタリなER図描画ツールとしては、 Avolution 、 dbForge Studio for MySQL 、 ER/Studio 、 ERwin 、 MagicDraw 、 ModelRight 、 Navicat Data Modeler 、 OmniGraffle 、 Oracle Designer 、 PowerDesigner 、 Rational Rose 、 Sparx Enterprise Architect 、 SQLyog 、 IBM Rational System Architect 、 Toad Data Modeler 、 Visual Paradigm 、 GitMind などがある。 単に描画だけが可能なフリーソフトウェアの描画ツールもある。SQLの生成といった機能はない。例えば、 label=Creately 、 yEd 、 LucidChart 、 Calligra Flow 、 Dia などがある。 ERと意味論的モデリング [ 編集 ] ERモデリングを考案したピーター・チェンは、その論文で次のように述べている。 実体関連モデルは現実の世界が実体と関連から構成されるというさらに自然な見方を採用している。それは実世界についての重要な意味情報の一部を含んでいる。 [ 1 ] これは、古代ギリシアの哲学者 ソクラテス 、 プラトン 、 アリストテレス から パース 、 フレーゲ 、 ラッセル に始まる現代の 認識論 ・ 記号学 ・ 論理 までの流れを踏まえた上での言葉である。プラトンの イデア論 では、不変の範型があるとし、それらの関係を論じている。1976年の論文でチェンは実体関連モデルと様々なレコードモデリング技法を明確に対比させて次のように記している。 データ構造図 はレコード群の構成を表現したものであり、実体と関連を正確に表現したものではない。 この考え方を支持する人々もいる [ 16 ] [ 17 ] [ 18 ] [ 19 ] [ 20 ] 。 意味論的モデルは概念のモデルであり「プラットフォームに依存しないモデル」である。また、内包的なモデルである。 ルドルフ・カルナップ 以来、次のようなことが常識となっている。 ある概念の完全な意味は内包と外延という2つの側面から成る。前者は世界を構成する全概念における概念の埋め込み、すなわち他の概念とのあらゆる関連の総体からなる。後者はその概念の指示的意味を確立するもので、実世界や可能世界にそれに対応するものが存在する。 外延的モデルは、特定の方法論やテクノロジーの要素群にマッピングされるもので、「プラットフォーム固有のモデル」である。UML仕様においてクラスモデルの関係は外延的だと明確に記されており、そのことは仕様上さまざまな装飾が追加されている点からもUMLの元になった「意味論モデリング言語」群が提供したものからも自明である [ 21 ] 。 限界 [ 編集 ] ERモデルは関係データベースで表現されることが可能な情報を扱うことが多い。その場合、情報の関連構造だけを扱う。 関係モデルで表現されない情報を扱うのは難しい。例えば 半構造データ ( 英語版 ) などである。 多くの場合、システムに格納される情報のとりうる変化は自明ではなく、明確な仕様を定めるのに十分な重要性がある。 ERモデリングはそのような変化をも表現できるよう拡張が試みられており、ピーター・チェンもその方向性を支持している [ 22 ] 。例えば、 Anchor Modeling がある。別の対策として プロセス・モデリング 技法を使って変化を個別にモデル化する方法がある。また、システムの他の観点を表現する追加技法を使うこともできる。実際、 UML ではERモデルは14の各種モデリング技法の1つに過ぎない。 ERモデリングは一から情報を指定していくのに向いている。したがって新規システム設計やスタンドアロン型情報システムには適しているが、データ表現の詳細が決まっている既存の情報源との連携にはあまり役に立たない。 ERモデリングは 関係データベース を使ったシステムで主に使われ、他のシステムではたとえ原理的に問題なくとも滅多に使われない。これは、関係データベースを直接サポートしたツール群が豊富だということが影響している。 Brodie and Liu [ 23 ] の調査によれば、フォーチュン100企業10社で実体関連モデリングを使った例が全く見られなかったという。Badia and Lemire [ 24 ] ではその原因を、指導の欠如だけでなくデータ統合サポートなどの利点の欠如もあるとしている。 拡張実体関連モデル ( 英語版 ) (EERモデリング)はERモデリングには欠如していたいくつかの概念を導入しており、 is-a 関連のような オブジェクト指向分析設計 と密接に関連した概念も導入している。 時制データベース ( 英語版 ) のモデリングでは、実体関連モデルに様々な拡張を施す必要がある [ 25 ] 。また、 OLAP で使われる多次元データベースにも適さない [ 26 ] 。 脚注 [ 編集 ] ^ a b "The Entity Relationship Model: Toward a Unified View of Data" for entity–relationship modeling. ^ A.P.G. Brown, "Modelling a Real-World System and Designing a Schema to Represent It", in Douque and Nijssen (eds.), Data Base Description , North-Holland, 1975, ISBN 0-7204-2833-5 . ^ 英 : entity ^ 英 : relationship ^ Paul Beynon-Davies (2004). Database Systems. Houndmills, Basingstoke, UK: Palgrave ^ ERROL ^ RRA: A Reshaped Relational Algebra ^ "English, Chinese and ER diagrams" by Peter Chen. ^ Hubert Tardieu, Arnold Rochfeld and René Colletti La methode MERISE: Principes et outils (Paperback - 1983) ^ Elmasri, Ramez, B. Shamkant, Navathe, Fundamentals of Database Systems, third ed., Addison-Wesley, Menlo Park, CA, USA, 2000. ^ ER 2004 : 23rd International Conference on Conceptual Modeling, Shanghai, China, November 8-12, 2004 ^ A Formal Treatment of UML Class Diagrams as an Efficient Method for Configuration Management 2007 ^ James Dullea, Il-Yeol Song, Ioanna Lamprou - An analysis of structural validity in entity-relationship modeling 2002 ^ Hartmann, Sven. " Reasoning about participation constraints and Chen's constraints ". Proceedings of the 14th Australasian database conference-Volume 17. Australian Computer Society, Inc., 2003. ^ IDEF1X (2007年6月22日時点の アーカイブ ) ^ Kent in "Data and Reality" : "One thing we ought to have clear in our minds at the outset of a modelling endeavour is whether we are intent on describing a portion of "reality" (some human enterprise) or a data processing activity." ^ Abrial in "Data Semantics" : "... the so called "logical" definition and manipulation of data are still influenced (sometimes unconsciously) by the "physical" storage and retrieval mechanisms currently available on computer systems." ^ Stamper: "They pretend to describe entity types, but the vocabulary is from data processing: fields, data items, values. Naming rules don't reflect the conventions we use for naming people and things; they reflect instead techniques for locating records in files." ^ In Jackson's words: "The developer begins by creating a model of the reality with which the system is concerned, the reality which furnishes its [the system's] subject matter ..." ^ Elmasri, Navathe: "The ER model concepts are designed to be closer to the user’s perception of data and are not meant to describe the way in which data will be stored in the computer." ^ "UML as a Data Modeling Notation, Part 2" ^ P. Chen. Suggested research directions for a new frontier: Active conceptual modeling . ER 2006, volume 4215 of Lecture Notes in Computer Science, pages 1–4. Springer Berlin / Heidelberg, 2006. ^ M. L. Brodie and J. T. Liu. The power and limits of relational technology in the age of information ecosystems . On The Move Federated Conferences, 2010. ^ A. Badia and D. Lemire. A call to arms: revisiting database design . SIGMOD Record 40, 3 (November 2011), 61-69. ^ Gregersen, Heidi, and Christian S. Jensen. " Temporal Entity-Relationship models—a survey ." IEEE Transactions on Knowledge and Data Engineering, 11.3 (1999): 464-497. ^ RICCARDO TORLONE (2003). “Conceptual Multidimensional Models” . In Maurizio Rafanelli. Multidimensional Databases: Problems and Solutions . Idea Group Inc (IGI). ISBN 978-1-59140-053-0 . http://torlone.dia.uniroma3.it/pubs/idea03.pdf 参考文献 [ 編集 ] ERモデルの基本はたいていのデータベースの教科書で触れられている。 Chen, Peter Pin-Shan (March 1976). “The Entity-Relationship Model - Toward a Unified View of Data”. ACM Transactions on Database Systems 1 (1): 9–36. doi : 10.1145/320434.320440 . [Original paper by Chen] Peter Chen (2002) "Entity-Relationship Modeling: Historical Events, Future Trends, and Lessons Learned" in Software pioneers , pp. 296-310, Springer-Verlag, ISBN 3-540-43081-4 [A retrospective] ERベースのモデリングに関する論文: Richard Barker (1990). CASE Method: Entity Relationship Modelling , Addison-Wesley, ISBN 0201416964 Richard Barker (1990). CASE Method: Tasks and Deliverables , Addison-Wesley. ISBN 0201416972 Heikki Mannila, Kari-Jouko Räihä (1992). The Design of Relational Databases . Addison-Wesley. ISBN 0201565234 Bernhard Thalheim (2000). Entity-Relationship Modeling: Foundations of Database Technology . Springer. ISBN 978-3-540-65470-4 Sikha Bagui; Richard Earp (2011). Database Design Using Entity-Relationship Diagrams (2nd ed.). CRC Press. ISBN 978-1-4398-6176-9 関連項目 [ 編集 ] データ構造図 オブジェクトロールモデル (ORM) 統一モデリング言語 (UML) データモデリング データベース設計 概念地図 エンタープライズアーキテクチャフレームワーク オントロジー (情報科学) ER図ツール 外部リンク [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 実体関連モデル に関連するカテゴリがあります。 ER図 小暮仁(「経営と情報」に関する教材と意見) Entity Relationship Modeling - Article from Development Cycles Entity Relationship Modelling An Entity Relationship Diagram Example Case study: E-R diagram for Acme Fashion Supplies by Mark H. Ridley. Logical Data Structures (LDSs) - Getting started by Tony Drewry. Crow's Foot Notatition Introduction, Overview and Tutorial 表 話 編 歴 データモデル メイン データアーキテクチャ ( 英語版 ) データモデリング データ構造 スキーマ 概念スキーマ/概念データモデル (英語版) 論理スキーマ/論理データモデル (英語版) 物理スキーマ/物理データモデル (英語版) タイプ データベースモデル データ構造図 実体関連モデル 拡張 ( 英語版 ) データモデル(GIS) ( 英語版 ) ジェネリックデータモデル ( 英語版 ) セマンティックデータモデル ( 英語版 ) 関連モデル データフロー図 情報モデル オブジェクトモデル ( 英語版 ) オブジェクトロールモデリング ( 英語版 ) 統一モデリング言語 関連項目 データベース設計 ビジネスプロセスモデリング Core Architecture Data Model エンタープライズモデリング 機能モデル プロセスモデル プロセス・モデリング XML Schema en:XML schema en:XML Schema (W3C) データフォーマット記述言語 ( 英語版 ) モデリング (科学的) 概念モデル(計算機科学) ( 英語版 ) オントロジー (情報科学) データ辞書 共通データ辞書 ( en:IEC Common Data Dictionary ) データモデリング 種類別のモデル 概念モデル 表 話 編 歴 データベースモデル モデル フラットファイルデータベース 階層型データモデル ディメンショナルモデリング ( 英語版 ) データウェアハウス ネットワーク型データモデル 関係モデル 実体関連モデル 拡張 ( 英語版 ) グラフデータベース ( 英語版 ) オブジェクト(指向)データベース エンティティ属性数値(EAV)モデル ( 英語版 ) 他のモデル アソシアティブ(連想)モデル ( 英語版 ) コリレーション(相関)データベース ( 英語版 ) 多次元データベース(OLAP) Array DBMS ( 英語版 ) セマンティックデータモデル ( 英語版 ) スタースキーマ XMLデータベース 実装 フラットファイルデータベース データベース管理システム(DBMS) 列指向DBMS オブジェクト(ODBMS) 関係(RDBMS) オブジェクト関係(ORDBMS) Document-oriented database ( 英語版 ) 演繹的データベース ( 英語版 ) テンポラルデータベース ( 英語版 ) XML-DBMS キーバリュー型データベース トリプルストア ( 英語版 ) 表 話 編 歴 データベース管理システム データモデル 関係モデル データベース設計 正規化 参照整合性 関係代数 関係論理 データベース管理システム 関係データベース管理システム オブジェクト関係データベース 分散データベース トランザクション処理 概念 データベース ACID CRUD 3値論理 ( NULL ) 候補キー 外部キー 主キー スーパーキー 代理キー オブジェクト 関係 ( 表 ) ビュー トランザクション ログ トリガ 索引 ストアドプロシージャ カーソル 分割 SQL SELECT INSERT UPDATE MERGE DELETE JOIN CREATE DROP COMMIT ROLLBACK TRUNCATE ALTER WHERE SAVEPOINT 構成要素 並行性制御 データ辞書 JDBC ODBC データベース言語 問い合わせ言語 クエリ最適化 クエリ実行計画 データベース製品 関係データベース管理システムの比較 データベース接続クライアント カテゴリ 表 話 編 歴 ソフトウェア工学 分野 要求分析 システム解析 ソフトウェア設計 コンピュータプログラミング 形式手法 ソフトウェアテスト ソフトウェアデプロイメント ソフトウェア保守 コンセプト データモデリング エンタープライズアーキテクチャ プログラム仕様 モデリング言語 プログラミングパラダイム ソフトウェア ソフトウェアアーキテクチャ ソフトウェア開発方法論 ソフトウェア開発工程 ソフトウェア品質 ソフトウェア品質保証 ソフトウェア考古学 構造化分析 ( 英語版 ) 指向 アジャイル アスペクト指向 オブジェクト指向 オントロジー サービス指向 SDLC モデル 開発モデル アジャイル 反復型 RUP スクラム スパイラルモデル ウォーターフォール・モデル XP Vモデル インクリメントモデル ( 英語版 ) プロトタイピングモデル 他のモデル オートモーティブスパイス CMMI データモデル 実体関連モデル 機能モデル 情報モデル メタモデル オブジェクトモデル ( 英語版 ) システムモデル ( 英語版 ) ビュー・モデル モデリング言語 IDEF UML 主な人物 ケント・ベック グラディ・ブーチ フレデリック・ブルックス バリー・ベーム ( 英語版 ) ピーター・チェン ウォード・カニンガム オーレ=ヨハン・ダール トム・デマルコ マーティン・ファウラー アントニー・ホーア ワッツ・ハンフリー ( 英語版 ) マイケル・A・ジャクソン ( 英語版 ) イヴァー・ヤコブソン クレイグ・ラーマン ( 英語版 ) ジェームス・マーティン ( 英語版 ) バートランド・メイヤー デイビッド・パーナス ウィンストン・W・ロイス ( 英語版 ) コレット・ロラン ( 英語版 ) ジェームズ・ランボー ニクラウス・ヴィルト エドワード・ヨードン ビクター・バシリ ( 英語版 ) 関連項目 計算機科学 計算機工学 エンタープライズエンジニアリング 歴史 ( 英語版 ) 経営管理論 プロジェクトマネジメント 品質マネジメント ソフトウェア人間工学 システム工学 カテゴリ コモンズ 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ その他 IdRef
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9F%E5%BC%95%E6%95%B0%E4%BE%9D%E5%AD%98%E3%81%AE%E5%90%8D%E5%89%8D%E6%8E%A2%E7%B4%A2
実引数依存の名前探索
実引数依存の名前探索 ( じつひきすういぞんのなまえたんさく 、 ADL )とは、 C++ において関数呼出時に与えられた引数の型に依存して、呼び出す関数を探索 (lookup)する仕組みのことである。英語では Koenig lookup 、 argument dependent lookup ( ADL )、 argument dependent name lookup などと呼ばれる。なお、Koenig lookupとは、この仕組みを Andrew Koenig が提案したことにちなむ。 概要 [ 編集 ] ADLでは、探索される 名前空間 は実引数に依存する。A型のオブジェクトが関数呼出の際に実引数として用いられると、Aに関連する名前空間(Aが含まれる名前空間とAの基底クラスが含まれる名前空間の和集合)からその関数が探索される。 探索の後、見つかった宣言の集合の中から 多重定義 の解決が行われる。 以下に例を示す。 namespace SomeSpace { class A {}; void f ( A ) {} } int main () { SomeSpace :: A a ; f ( a ); // SomeSpace::f(a);と書かずとも、SomeSpace::fが呼ばれる。 return 0 ; } 標準C++ライブラリでは、ADLを主に演算子多重定義関数に対して用いている。たとえば次のプログラムはADLが無ければコンパイルできない。 #include <iostream> #include <string> int main () { std :: string msg = "Hello World, where did operator<<() come from?" ; std :: cout << msg << std :: endl ; return 0 ; } std::ostream& std::operator <<(std::ostream&, const std::string&) と宣言された関数は、ADLによって見付かる(この関数はstd名前空間の中に存在することに注目)。ところで、std::endlは関数であるが、operator <<の引数として用いられているため、std::などといった完全な修飾が必要であることに注意。 インタフェース [ 編集 ] C++ユーザからは、ADLで見つかる名前はクラスの インタフェース の一部と扱われる。 Standard Template Library (STL)では、一部のアルゴリズム関数がswap関数を修飾無しで呼んでいる。この場合、ADLで何も見つからなければ、stdのswap関数が呼ばれるが、ADLで見つかったときはそちらが呼ばれる。例えば、ある名前空間NSにクラスFooと関数swap(Foo&, Foo&)が定義されていると、アルゴリズム関数はNS::swap(Foo&, Foo&)を使用する。ただし、この挙動はC++03では規定されておらず、必ずしもそうなるとは限らない。 C++0x で規定される見込みである。 問題点 [ 編集 ] ADLは自由関数(クラスのメンバ関数でない関数)もクラスのインタフェースとして扱う。つまり、名前空間に制限をもたらし、ADLの必要がなければ完全に修飾された名前を用いる必要があることを意味する。逆の例として、 標準C++ライブラリ は2つの値の交換に std::swap を修飾なしで呼ぶことが挙げられる。 別の案として、std::swapをユーザに多重定義させるという方法がある。次のコードは挙動が異なる。 完全修飾した名前で呼ぶ場合: std :: swap ( a , b ); 予めusingしておく場合: using std :: swap ; swap ( a , b ); ただし、aとbはN::Aという型とする。 N::swap(N::A&, N::A&)が存在した場合、後者ではそれが呼ばれるが、前者では呼ばれない。さらに細かいことを言えば、仮に両方とも定義されていたら、前者ではstd::swap(N::A&, N::A&)が呼ばれるが、後者ではどちらにするか曖昧になる(名前の探索に失敗しコンパイルエラーになる)。 なお、std::swapを特殊化するという方法もあるが、特殊化しようとする型がテンプレートの場合に対応できない(自由関数で部分特殊化はできない)ために完璧ではない [ 1 ] 。 なお、std名前空間での多重定義は現在認められていない(特殊化は認められている)。 一般にADLに過度に依存すると意味の問題が起こる。あるライブラリL1がL1::foo(T)が呼び出される前提で未修飾のfoo(T)という呼出を行っているとする。別のライブラリL2も同様にfoo(T)の呼出を行っている。2つのライブラリを同時に使うと、L1::foo(T)が呼ばれなければならない場面でL2::foo(T)が呼ばれるなど互いに意図するとおりにならない可能性が生じる。しかし、L1が内部でL1::foo(T)とし、L2も内部で同様にL2::foo(T)と共に完全に修飾していれば、このようなADLの心配は全く起こらない(逆にADLを起こしたい場合はusing L1::foo; foo(x);のように書く)。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Cryolite (2004年9月2日). “ swapの特殊化・その他,細かいこと ”. Cry's Diary . 2009年2月1日閲覧。 外部リンク [ 編集 ] What's In a Class? - The Interface Principle by ハーブ・サッター Namespaces and the Interface Principle by ハーブ・サッター Why I Hate Namespaces by Danny Kalev "A Modest Proposal: Fixing ADL (revision 2)" by ハーブ・サッター
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A0%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%AB%E6%96%B9%E5%BC%8F
ジャストインタイムコンパイル方式
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "実行時コンパイラ" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2022年10月 ) プログラムの実行 一般的な概念 コード ( 英語版 ) トランスレーション コンパイル コンパイル時 コンパイラの最適化 ( 英語版 ) 中間表現 (IR) 実行 ランタイムシステム ランタイム 実行ファイル インタプリタ バーチャルマシン コードの種類 ソースコード オブジェクトコード バイトコード 機械語(マシン語) マイクロコード コンパイル戦略 実行時コンパイル (JIT) トレーシング実行時コンパイル 事前コンパイル (AOT) トランスコンパイル 再コンパイル ( 英語版 ) 有名なランタイム Android Runtime (ART) Common Language Runtime (CLR) & Mono crt0 ( 英語版 ) HHVM Java仮想マシン (JVM) Objective-C & Swift Chrome V8 & Node.js PyPy Zend Engine 有名なコンパイラとツールチェーン GNUコンパイラコレクション (GCC) LLVM & Clang 表 話 編 歴 実行時コンパイラ (じっこうじコンパイラ、 just-in-time compiler 、 JITコンパイラ )とは、 ソフトウェア の実行時に ソースコード をコンパイルする コンパイラ のこと。通常の コンパイラ はコンパイルを実行前に事前に行い、これをJITと対比して 事前コンパイラ (ahead-of-timeコンパイラ、AOTコンパイラ)と呼ぶ。 概要 [ 編集 ] ソフトウェアを構成するモジュール、クラス、関数などのある単位のコードがまさに実行されるその時に、コンパイルすることから「Just In Time」と名付けられた。 動的コンパイル という用語は、実行時に機械語を生成するというより広い意味であり、JITコンパイルは動的コンパイルの一種である。 JIT方式の主な利点は、 オペレーティングシステム や CPU に依存しないソースコードや中間コードでソフトウェアを配布できる事である。これはその都度コードを解釈しながら実行する解釈実行方式でも可能であるが、JITではコンパイルを行いメモリ上に生成した 機械語 が実行されるため、実行速度を向上させることができる。 事前コンパイルと比べ、JITではコンパイル時間がプログラム実行時間の オーバーヘッド となる。また、事前コンパイルで可能な高度で時間のかかる最適化を行えないといった欠点がある。 利点 [ 編集 ] 上記以外にもJITコンパイルは実行環境を知った上でそれに応じた生成コードの選択や最適化が可能という利点もある。 一例として、 インテル の x86 CPUの場合、 IA-32 アーキテクチャの範囲内でCPU世代毎に命令が拡張されてきたが、アプリケーションの後方互換性を保持しようとすると、 80386 と互換の命令しか使うことができない。例えば、 MMX Pentium の MMX 命令は80386や Pentium では実行できない。JIT方式ではCPUがMMXをサポートしているならMMX命令を使ったコードを生成し、そうでなければ多少効率の悪いPentiumの命令範囲内で実行する、ということができる。 また、実行環境の キャッシュ や メモリ のサイズ、速度特性などは実行時にならないとわからないが、JITコンパイルでは実行中のCPUやメモリの情報を知ることができる。このためそれに応じたコードを生成し、事前コンパイルよりも優れたコードを生成できる可能性がある。 さらに、 オブジェクト指向言語 では仮想メソッドの呼び出しは仮想関数表を経由した間接呼び出しになるが、動的コンパイルでは、その メソッド をオーバーライド定義したサブクラスが存在しない限り、間接呼び出しを 静的束縛 として呼び出したり、インライン展開することができる(そのメソッドをオーバーライドするサブクラスが動的にロードされる可能性があるが、その場合はこのコンパイルされたメソッドは最適化戻し (deoptimize) される必要がある)。 適応的コンパイル (Adaptive Compilation) [ 編集 ] 上記のJITコンパイラの短所を補う一方式として適応的コンパイルがある。これは、起動当初はインタプリタとして実行し、繰り返し実行されるコードを検出( プロファイリング )、その部分のみをコンパイルするというものである。コードが使われた時にすぐにコンパイルするのではなく、何回か呼ばれた後に遅らせてコンパイルすることを 遅延コンパイル (Lazy Compilation)と呼ぶ。 プログラム実行時間の大半はごく一部のコードに費やされるという経験則がある - 典型的に実行時間の80%は20%のコードに費やされる、 80-20の法則 。適応的コンパイルはこのようなコードのみをコンパイルすることで、起動時のオーバーヘッドや利用メモリ増大を抑えつつ、実行速度を向上することができる。この適応的最適化 (Adaptive Optimization) は、静的コンパイルでは得られない情報を元に最適化するため、むしろパフォーマンスが上がる場合もある。 数百件以内といった少量レコードを処理するバッチジョブが、一日に何百本、何千本も走る場合は注意が必要である。JITコンパイルを用いた場合、適応的コンパイルをしてさえも、ジョブの初めに共通的なクラスのコンパイル処理が何百回と行われる。処理件数が少ないので、クラス群の多くはコンパイル効果が出る前に、あるいはコンパイルさえされないうちにジョブが終わってしまう。その結果、ユーザロジックよりこうした オーバヘッド にCPUなどの資源が消費されてしまう。処理件数によってJIT/AOTの有利不利が変わるが、使い分けるのは難しい。 また、 (Javaについていえば)AOTコンパイラを通常適用しにくい [ 独自研究? ] 。これらの理由で、 性能面ではマイナスな場面でも一般的な [ 独自研究? ] JITコンパイラを使用していることがある。長時間のバッチジョブおよびオンラインでは、JITコンパイラ、 特に適応的コンパイルが概してフィットしている [ 独自研究? ] 。適応的コンパイルの最適化のために、何回実行されたらコンパイルするといったパラメタが用意されているものもある [ 要出典 ] 。 パラメタチューニングは万能ではないとしても重要である [ 独自研究? ] 。 応用 [ 編集 ] JITはJavaの普及に伴い広範囲に使われるようになったが、Javaの HotSpot 技術は Self 言語の 動的コンパイル 技術研究に基づいている。それに先立つ商用 Smalltalk でもJITコンパイル技術は確立されていた。 Crusoe でx86コードからCrusoe VLIW 命令への変換にも用いられる。適応的コンパイルは DEC社 による FX!32 でも用いられていた。 .NETプラットフォーム も当初からJITを前提に設計されている。 JavaのJITコンパイラ [ 編集 ] Symantec社 の symjit および Borland社 のJITコンパイラは初期の主要なJITコンパイラであった。 Sun Microsystems の HotSpot コンパイラは本格的に適応的コンパイル方式を採用した。Hotspot以降はJITコンパイラ部分のインタフェースが規定されており、JITコンパイルエンジン部分を差し替えることが可能になった。 IBM のIBM JDK、 BEA のJRockitはいずれも独自の適応的コンパイルを行う。後者は特にx86に特化して実行効率を高めている。 学術的分野では、首藤によるShuJITや、 富士通研究所 と 東京工業大学 によるリフレクション機能を扱うOpenJITなどがある。 JavaScriptのJITコンパイラ [ 編集 ] 近年の主要な ウェブブラウザ は JavaScript のエンジンにJITコンパイラを搭載し、高速処理できるようになっている。 Internet Explorer 9、 Mozilla Firefox 3.5、 Google Chrome 1、 Safari 4、 Opera 10.50、 Opera Mobile 10.1以降のウェブブラウザに搭載されている。 NetFront Browser 4.1 には搭載されていない。 実行時に変数に代入された値の統計データから変数に型を割り振ることでJITコンパイルし、高速にJavaScriptを処理できるようになった [ 1 ] 。Google Chromeの V8 などでは、 インタプリタ を使わずに最初からJITコンパイルし、変数の型は実行時に随時割り振る。Firefox 3.5では事前に一度インタプリタで実行して、その情報から型を割り振りながらJITコンパイルするタイプがある。どちらのタイプであっても型が安定している場合は高速に実行できる。 関連項目 [ 編集 ] 動的コンパイル トレーシング実行時コンパイル PyPy – プログラミング言語 Python の実装の1つ Python 上の実行時コンパイラ JAX (ライブラリ) Numba 参照 [ 編集 ] ^ an overview of TraceMonkey ✩ hacks.mozilla.org 外部リンク [ 編集 ] John Aycock, A brief history of just-in-time
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%86%E5%90%88_(%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0)
集合
この項目では、プログラミングでのデータ構造について説明しています。数学については「 集合 」をご覧ください。 セット ( 英 : set )あるいは 集合 とは、 コンピュータプログラミング で用いられる 抽象データ型 の一種。順序のないデータの集まりを表現する抽象データ型であり、同一のデータは一つしか含まれないことが保証される。 重複したデータの挿入 [ 編集 ] データの同一性は与えられた比較関数で判定されるので、外の文脈で同一かどうかは関数依存である。例えば文字列 "hoge" と "HOGE" は異なるデータと見ることもできるし、大文字・小文字を区別せずに比較すれば(常に大文字化あるいは小文字化したもの同士を比較すれば)同一のデータと見ることもできるといった具合である。 そのような重複するデータを挿入しようとした場合はこれを処理する必要がある。 無視する 新しい物で置き換える 多重化する(→ マルチセット 参照) 狭義のセットにおいては重複データは無視されるか新しいデータで置き換えるかされる。もしここで多重化することを選択した場合は複数回の削除を行わなければ値は完全に取り除かれない。 アクセス速度は実装により様々だが、 二分木 (TreeSet)や ハッシュテーブル (HashSet)などのデータ構造を用いて高速化を図ることが多い。 その他の抽象データ型との違い [ 編集 ] リスト はそれぞれのデータに順序が定義される点が異なる。 配列 は順序が定義されるほか、静的配列ではさらに格納可能な要素数が変更できない。 マルチセット は同じデータを複数格納できるが、狭義のセットでは重複したデータは無視される。マルチセットはbagとも呼ばれる。 各プログラミング言語におけるセット [ 編集 ] C++ - 標準テンプレートライブラリ に std::set および要素の重複を許容する std::multiset が定義されている。 C++11 では、これらに加えて std::unordered_set および std::unordered_multiset が追加された。 Java - インタフェース java.util.Set を実装する java.util.TreeSet や java.util.HashSet など .NET Framework - System.Collections.Generic.ISet (.NET 4以降) を実装する System.Collections.Generic.SortedSet (.NET 4以降) や System.Collections.Generic.HashSet (.NET 3.5 SP1以降) など Python - ミュータブル な set 型と、 イミュータブル な frozenset 型がある。 [ 1 ] Ruby - 標準添付の set ライブラリに Set クラスと、ソートされた順番で取り出される SortedSet クラスがある。 [ 2 ] 参照 [ 編集 ] ^ 4. 組み込み型 — Python 3.6.5 ドキュメント ^ library set (Ruby 2.1.0) 関連項目 [ 編集 ] 集合 素集合データ構造 表 話 編 歴 データ構造 その他 コレクション ( 英 ) コンテナ 代数的データ型 素集合データ構造 永続データ構造 並行データ構造 ( 英 ) 配列構造 ( 英 ) 配列 可変長配列 ビット配列 ( 英 ) 接尾辞配列 スタック キュー 両端キュー リングバッファ 疎行列 リンク構造 ( 英 ) 連結リスト スキップリスト 展開リスト XOR連結リスト 優先度付きキュー 検索構造 ( 英 ) 連想配列 ハッシュテーブル ハッシュ配列木 ( 英 ) ハッシュ関数 コンシステントハッシュ法 分散ハッシュテーブル 連想リスト ( 英 ) 木構造 二分木 二分探索木 二重連鎖木 デカルト木 ( 英 ) トップ木 ( 英 ) T木 ( 英 ) 平衡二分木 AA木 AVL木 赤黒木 スプレー木 スケープゴート木 ツリープ 2-3木 2-3-4木 フィンガーツリー B木 B+木 B*木 Bx木 ( 英 ) UB木 ( 英 ) ダンス木 ( 英 ) H木 ( 英 ) X木 ( 英 ) M木 ( 英 ) トライ木 基数木 接尾辞木 三分探索木 Cトライ ( 英 ) X-fastトライ ( 英 ) Y-fastトライ ( 英 ) ハッシュ木 ( 英 ) BSP木 四分木 八分木 インターバル木 レンジ木 ( 英 ) セグメント木 ( 英 ) カバー木 ( 英 ) メトリック木 ( 英 ) BK木 ( 英 ) kd木 暗黙k-d木 ( 英 ) vp木 ( 英 ) R木 R+木 ( 英 ) R*木 ( 英 ) ヒルベルトR木 ( 英 ) 優先R木 ( 英 ) 多重木 多分木 ( 英 ) 三分木 ( 英 ) スパゲッティスタック フェニック木 リンクカット木 ( 英 ) フュージョン木 ( 英 ) ヴァンエムデボアス木 ( 英 ) 指数木 ( 英 ) SPQR木 ( 英 ) PQ木 ( 英 ) (a,b)木 ( 英 ) ヒープ 二分ヒープ 三分ヒープ ( 英 ) D分ヒープ ( 英 ) 二項ヒープ 2-3ヒープ ( 英 ) Beap ( 英 ) フィボナッチヒープ 左翼ヒープ ( 英 ) ペアリングヒープ ( 英 ) 傾斜ヒープ ( 英 ) ソフトヒープ ( 英 ) ウィークヒープ ( 英 ) グラフ構造 有向グラフ 有向非巡回グラフ 二分決定グラフ ハイパーグラフ 有向非巡回ワードグラフ ( 英 ) 抽象データ型 リスト キュー スタック セット マップ マルチセット ( 英 ) マルチマップ ( 英 ) クラス カテゴリ 表 話 編 歴 データ型 ビット列 ビット トリット ニブル オクテット バイト ワード ダブルワード ( 英 ) 数値 整数型 符号付整数型 十進型 ( 英語版 ) 有理数型 ( 英語版 ) 実数型 複素数型 固定小数点型 浮動小数点型 半精度 単精度 倍精度 四倍精度 八倍精度 ( 英語版 ) 拡張倍精度 ミニフロート bfloat16 ブロック浮動小数点 ポインタ 物理アドレス型 論理アドレス型 ( 英語版 ) 仮想アドレス型 ( 英語版 ) 参照型 テキスト キャラクタ型 ストリング型 ヌル終端 複合 配列 可変長配列 連想配列 構造体 レコード 共用体 タグ共用体 ( 英語版 ) タプル コンテナ リスト キュー スタック セット ツリー 代数的データ型 その他 ブーリアン型 void型 null型 列挙型 再帰データ型 トップ型 ( 英語版 ) ボトム型 関数の型 ( 英語版 ) 不透明型 ( 英語版 ) シンボル型 ( 英語版 ) Nullable型 Option型 Result型 関連項目 データ構造 型システム プリミティブ型 抽象型 抽象データ型 ボックス化 動的束縛 カテゴリ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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順接
順接 (じゅんせつ)とは、 前に述べたことが、後に述べることの原因・理由となること。「だから・それで」など。 接続詞 または 接続助詞 の機能的な分類の一つ。→ 接続詞#日本語の接続詞 プログラム の記述と コンピュータ の動作経過が一致するプログラム構造。→ 構造化プログラミング このページは 曖昧さ回避のためのページ です。一つの語句が複数の意味・職能を有する場合の水先案内のために、異なる用法を一覧にしてあります。お探しの用語に一番近い記事を選んで下さい。 このページへリンクしているページ を見つけたら、リンクを適切な項目に張り替えて下さい。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%95%E6%A7%98%E8%A8%98%E8%BF%B0%E8%A8%80%E8%AA%9E
仕様記述言語
この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "仕様記述言語" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2024年8月 ) 仕様記述言語 (しようきじゅつげんご)は、システムなどの 仕様 を記述する、 コンピュータ言語 (すなわち 形式言語 )である。形式的でない仕様記述もあるが(後述)、そういったものを含めて何らかの主張がされている場合もある。 プログラミング言語 がシステムそのものに変換されるのに対し、仕様記述言語は必ずしもシステムに自動変換されるものではなく、あくまで仕様の妥当性を検証することに重きを置いている。 ソフトウェア工学 における一般的な設計プロセスの位置づけから、多くはプログラミング言語を記述する前段階に記述されることを期待している。 仕様記述と検証の方法について説明する。仕様記述では、何らかのシステムの仕様を 論理学 的あるいは 代数学 的に、 形式的 に記述する( 形式仕様記述 )。検証では、論理学や代数学に基づき(すなわち「機械的」に)、無矛盾性などといったシステムにおける「好ましい性質」の保証、あるいはデッドロックの可能性があるといった「好ましくない性質」の不存在を保証する(あるいは存在することを示し、修正を促す)。代表的な形式的仕様記述言語として Z言語 や LOTOS などがある。研究段階では長い歴史を持つが、記述が複雑で高度なスキルを要求する上、システム全体の仕様を全て表現するには膨大な量の記述が必要になる。 保証の無い手法 [ 編集 ] 保証が無いものを「仕様」と言えるかどうかという根本的な疑問点はあるが、ここまでで述べたような形式的な記述と検証というような手法でないものについても、類似したものとして扱われていることがある。 たとえば、完全な妥当性は保証できないが、 シミュレーション を行うことで、ある限られた場合においての動作を模擬して確かめる方法もある。 SpecC はこの立場を取る。 あるいは、あくまでシステム全体のモデリングに重きを置き、仕様に対する人間の理解容易性を向上させることで、設計者自身によって(あるいは設計者同士のコミュニケーションによって)妥当性を検討させるものである。 UML がこれに該当するという主張もある。いずれにしても、形式的でない以上、論理的に何かが保証されることはなく、たとえば双方の当事者が「互いに誤解は無い」と信じていたとしても、「そう信じている」だけでしかない。 仕様記述言語一覧 [ 編集 ] Z言語 VDM LOTOS SDL OBJ CafeOBJ (その他の記述言語) SpecC UML この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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条件演算子
条件演算子 (じょうけんえんざんし、 英 : conditional operator )は、 プログラミング言語 の 演算子 で、 条件文 と同様な意味があるが、 文 ではなく 値 を持つ 式 になる。評価されると、条件式の値により異なる式が評価され、異なる値になる。 なお、 C言語 や C++ など一部のプログラミング言語において、条件演算子とは後述する「? :」( ハテナマーク と コロン ) の演算子の名称である。 概要 [ 編集 ] 「If 〜 Then 〜 Else 〜」にあたる 三項演算子 があり、ほぼ唯一の、プログラミング言語において一般的な三項演算子である。また「If 〜 Then 〜 if」にあたる 二項演算子 もある。 三項演算子は、条件式・真式・偽式の3つの オペランド を結ぶ。二項演算子の場合は、条件式と、真式または偽式のいずれかの、2つのオペランドを結ぶ。 条件文との違いは、 真式・偽式は式(条件文における節のように文を置くことができない) 式であるため値を持つ である。 種類 [ 編集 ] C言語など [ 編集 ] C言語 などには、次の構文の三項の条件演算子がある。 <条件式> ? <真式> : <偽式> 3項を結ぶ必要上、「 ? 」と「 : 」の2つの記号を使うが、演算子としては1つの演算子である。 <条件式> は 真 (true) または 偽 (false) の 論理値 を返す 論理式 ( ブール型 ) である(あるいは論理値に暗黙に 型変換 可能な 型 を返す)。真式と偽式は同じ型の値を返さなければならない(暗黙に型変換可能なら許されることもある)。 この構文自身も 式 であるので値をもち、その値は上記 <真式> または <偽式> の値のいずれかである。 <条件式> が真の場合は <真式> 、偽の場合は <偽式> の値となる。 例えば、 Java 言語では、次のように用いる。 int weight ; ... String message = weight <= 100 ? "OK" : "積載量オーバー" ; この場合、変数 weight の値が 100 以下であれば変数 message に "OK" という文字列が代入され、それ以外であれば "積載量オーバー" という文字列が代入される。これは通常の if-else文 を用いて書いた次の例と同じ意味であり、 コンパイル した結果はしばしば同じものとなる。 String message ; if ( weight <= 100 ) { message = "OK" ; } else { message = "積載量オーバー" ; } 条件演算子はこの例のように、条件によって異なる値をある処理(上の例では message への代入)に適用する、という場合に記述を簡潔にすることができる。 C言語 および C++ では、変数宣言時の初期化に条件演算子を用いることで、再代入を許可しない const 修飾された変数を定義することができるようになる。さらにC++においては、if-else文による初期化では必要な、変数宣言時のデフォルト コンストラクタ が不要となる。 const std :: string message ( weight <= 100 ? "OK" : "積載量オーバー" ); 演算子の結合性 [ 編集 ] 条件演算子の結合性(associativity)は、Cや Java や Perl などでは、 a ? b : c ? d : e は a ? b : (c ? d : e) という意味だが、 PHP の三項演算子 [1] では (a ? b : c) ? d : e なので注意が必要である。 Ruby [ 編集 ] Ruby では、 <条件式> ? <真式> : <偽式> というC と同じ形で条件演算子を使うことができる。しかし、Ruby の場合は if も文ではなく式なので、入れ子や複数行になる場合は、条件演算子ではなくifを使用する方が好まれている [ 1 ] 。 Python [ 編集 ] Python においては、Cの条件演算子と同じ機能は、構文に関する論争のため長い間実装されなかったが(論理演算子を使ったハックでなんとか似たことができる [ 注釈 1 ] というのもあった)、PEP 308として承認され、2006年9月の2.5 releaseに追加された [ 2 ] 。 Python ではこの機能の式を条件式と呼び、構文は、C言語などとは順序が異なっている(新しい演算子ないしキーワードは導入されなかった)。 Perl の後置if修飾子のような見た目になった。 < 真の場合の値 > if < 条件式 > else < 偽の場合の値 > Visual Basic [ 編集 ] Visual Basic (2008より前)、 VBA には演算子はないが、同じように使える 関数 Iif がある。 Iif(<条件式>, <真式>, <偽式>) ただし条件演算子と違い、真式・偽式いずれも関数の引数なので、条件式の真偽にかかわらず双方とも評価される。条件に合わない側の値は捨てられるので値に影響はないが、真式・偽式に 副作用 がある(何か出力する、 グローバル変数 を書き換えるなど)場合は挙動が異なってくる。 Visual Basic 2008以降には [ 3 ] 、条件演算子と同様の短絡評価をおこなうIf演算子がある。 If(<条件式>, <真式>, <偽式>) 'または If(<式1>, <式2>) 3引数の場合は、if-then-elseと同様の意味である。2引数の場合は、式1がNothingでない場合は式1の値を、式1がNothingの場合は式2の値を返す [ 4 ] 。 論理演算子の短絡評価 [ 編集 ] →「 論理演算子 」および「 短絡評価 」も参照 論理演算子 の 短絡評価 を利用して条件演算子のような処理を書くことができる。 短絡評価を持つ論理演算子について、 論理積 expr1 AND expr2 は左辺の式 expr1 が偽値(論理演算の文脈で false と等価な値)なら右辺の式 expr2 は評価されない。 同様に、 論理和 expr1 OR expr2 は左辺の式 expr1 が真値(論理演算の文脈で true と等価な値)なら右辺の式 expr2 は評価されない。 従って、左辺 expr1 を条件式とし、その結果が真値の場合に評価されるべき式を論理積の右辺の式 expr2 に書け、また同様に左辺の式 expr1 が偽値の場合に評価されるべき式を論理和の右辺の式 expr2 に書ける。 条件演算子ないしif-else式を短絡評価する論理演算子で模倣すると、 ( cond AND expr1 ) OR expr2 と書ける(ただし expr1 の値は偽値にならないとする)。上記の式は、 cond が偽値なら expr1 を評価せずに expr2 を評価し、 cond が真値(かつ expr1 も真値)なら expr2 を評価しない。 条件演算子などとの相違点として、論理演算子の評価結果が ブーリアン (またはそれに相当する整数型の値)に変換されるプログラミング言語では expr1 および expr2 の値そのものは利用できない。 条件演算子とif式 [ 編集 ] 条件演算子をサポートしない言語であっても、ifが文ではなく式となっている言語では、if式を用いることで同等の機能を実現できる。例えば F# には組み込みの条件演算子はないが、以下のようにif式で代用できる。 printfn "Now %s." ( if ( System . DateTime . Now . Hour >= 12 ) then "PM" else "AM" ) その他、無名関数を応用したものもある。例えばSmalltalkでは関数呼び出しに相当するメッセージ式に無名関数に相当するブロックを渡すことで条件式を実現している。 value := 0 < 1 ifTrue: [ 1 ] ifFalse: [ 2 ] . なお、この#ifTrue:#ifFalse:は分岐専用の構文ではなくメッセージ式の一例に過ぎない。メッセージ式は誰でも追加できるため、標準のライブラリーだけでも下記のような亜種が存在する。 value := 0 < 1 ifTrue: [ 1 ] . value := value ifNil: [ 1 ] ifNotNil [ 2 ] . value := value ifNil: [ 1 ] . value := value ifNotNil: [ : argument | 1 ] . value := value at: 1 ifAbsent: [ 0 ] . 関連する演算子 [ 編集 ] 条件演算子: A ? B : C Null合体演算子 : A ?? B など (null時のデフォルト値設定) エルビス演算子 : A ?: B (false時のデフォルト値設定) Null条件演算子 : A?.B など (nullチェックの自動化) 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 注釈 [ 編集 ] ^ (c and (x,) or (y,))[0] のようにする。要素数がゼロ個より多いタプルはPythonではtruthyであることを利用している(ので、xの値がfalsyな値であっても誤動作しない)。 出典 [ 編集 ] ^ The Ruby Style Guide ^ PEP 308 ^ Visual Basic 言語の新機能 ^ If 演算子 (Visual Basic)
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条件付分岐
「 条件分岐 」はこの項目へ 転送 されています。プログラミング言語の制御構文については「 If文 」をご覧ください。 この記事は 検証可能 な 参考文献や出典 が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加 して記事の信頼性向上にご協力ください。 ( このテンプレートの使い方 ) 出典検索 ? : "分岐命令" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL ( 2020年11月 ) 分岐命令 (ぶんきめいれい、 英 : branch instruction )は、 プロセッサ の 命令 のうちプログラム制御命令(Program control instruction) [ 1 ] の一種である。ジャンプ命令ともいう。条件ジャンプ命令と無条件ジャンプ命令があり、厳密には「分岐」するのは条件ジャンプであって無条件ジャンプは「分岐」と言えないかもしれないが、特に区別しないことが多い。 サブルーチン 呼出や戻りの命令も分岐命令の一種とすることもある。 一般的なプロセッサでは、 機械語 の命令列はアドレスの昇順に逐次実行されるが、分岐命令が実行されると次に実行される命令が切り替わる。 高水準言語 の コンパイラ は、 条件文 ・ Goto文 ・ サブルーチン 呼出などの 制御構造 から分岐命令を生成する。 たいていの分岐命令は [ 2 ] 引数として少なくともターゲット アドレス を持つ。ターゲットアドレスは、分岐命令の実行により プログラムカウンタ に代入される。 命令パイプライン が深い一方で、先読みが浅いプロセッサでは、ジャンプによりパイプラインにバブルが発生しペナルティとなる設計にならざるをえないことがある。そのペナルティを軽減するため、分岐命令の直後を「 遅延スロット 」と称し、そこにある命令は分岐処理の直前に実行されるものとする、遅延分岐という方式がある。 MIPS 、 SH 、 SPARC など、初期のいわゆる RISC に採用例が多いが、1986年に NEC から発表されたμPD77230、1988年に TI から発表されたTMS320C30、 デジタルシグナルプロセッサ にも(その前から)多い。ディレイスロット(にある命令)の数は、μPD77230の場合で 1 、TMS320C30の場合で 3 であった。大多数の(遅延スロットを採用している場合の)RISCのディレイスロットは 1 である。 パイプライン処理では命令のフェッチが重要であり、 分岐予測 が用いられることがある。分岐予測は失敗時のコストが大きいので、これを減らすために 投機的実行 などの技術が用いられる。 「汎用 レジスタ の内1つをプログラムカウンタにする」「全ての命令を条件実行可能とする」という、分岐命令の必要性を低減したり、パイプラインストールの可能性を低くする [ 3 ] 工夫がある。 ARM はこの両方を採用し、 IA-64 は後者をプリディケートで実現している(また前者は古くは PDP-8 や PDP-11 などで使われ DEC の 特許 [ 4 ] でもあったため、技術的な理由でなく特許回避という観点が非採用の理由としてあった。一例として TRONCHIP#特許 )。前者は分岐命令のバリエーションを増やすことなく単純な命令セットで複雑な機能を実現できることが、DECの 発明 であってアーキテクトを魅了した [ 5 ] 。 しかし、命令セットは単純でも複雑な機能というのはRISC原理に反することもあり、RISCではARMなど採用例はあるが下火となった。 RISC-V では命令のデコード・実行を複雑化させ、性能を低下させるとして前者・後者共に採用されなかった。ARMでも、 64ビット 化の際に両者とも廃止された( AArch64 を参照)。 ただし、後者のごく部分的な実装である「条件実行命令を一部に用意する」のはRISCの観点にも適っており、AArch64では分岐の他に比較・選択といった命令に条件実行が残り、RISC-VのZicond拡張や、 Pentium Pro 以降の x86 ( P6マイクロアーキテクチャ 、俗に686)にて、 CISC だからというよりは内部RISCアーキテクチャでのソフトウェア的な性能向上のために実装されたCMOV命令なども同様である。 脚注・出典 [ 編集 ] ^ P.HAYES, JOHN (1978,1979). Computer Architecture and Organization . pp. 169. ISBN 0-07-027363-4 ^ 命令セットアーキテクチャにも依り、例えば スタックマシン においてスタックのトップを暗黙の引数とするため引数を持たない、という設計もあるかもしれない。またサブルーチンからの戻りを分岐命令とする場合、多くの設計で特定のレジスタか コールスタック のトップが暗黙の引数であり、命令自体は引数を持たない。 ^ 後者はともかく、前者はPCへの任意の代入があり得ることから、パイプラインストールのペナルティは悪化しうる。 ^ w11: PDP-11/70 CPU and SoC の DEC Patents (2024年9月4日閲覧)のページで PC as general register とある特許・他。 ^ うんちく:アドレッシングモードの色々 2024年9月4日閲覧「3. さらなる一般化:汎用レジスタをPCにしたら?」 関連項目 [ 編集 ] テーブルジャンプ この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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情報工学
情報工学 (じょうほうこうがく、 英語 : computer science [ 1 ] )とは、「 計算機 による 情報処理 に関連する 科学技術 の一分野」を指す言葉であり、「 情報科学 」や「 計算機科学 」ともいう [ 1 ] 。 なお英語の information engineering は ソフトウェア工学 における一手法であり( データ中心アプローチ も参照)、日本語の「情報工学」とは対応しない。また似た言葉に 情報学 がある。 概要 [ 編集 ] 語感としては、 情報科学 という語がもっぱらおおまかに「科学」という語が指す範囲を中心としているのに対し、情報工学は「工学」的な分野に重心があるが、内実としてはどれもたいして変わらないことが多い(たとえば、大学の学部学科名などに関しては、個々の大学の個性による違いのほうが、名前による違いより大きい)。日本で、大学の工学部などに コンピュータ科学 ないし情報関係の学科を設置する際に、「工学」部という語との整合のためだけに便利に使われた、という面が大きい( 情報工学科 の記事を参照)。 [ 独自研究? ] ここでは、いくつかの大学の学科紹介などから(研究などにおける専門的な解説ではない)抜粋する。情報工学とは「 情報 」を工学的に利用するための学問分野である [ 2 ] 。情報の発生( データマイニング 、 コンピュータグラフィックス など)、情報の伝達( コンピュータネットワーク など)、情報の収集( コンピュータビジョン 、 検索エンジン など)、情報の蓄積( データベース 、 データ圧縮 など)、情報の処理( 計算機工学 、 計算機科学 、 ソフトウェア工学 )を扱う総合的な工学分野といえる [ 3 ] 。また情報工学を、物理現象を支配している原理や法則や社会・経済活動を情報という観点から捉え,コンピュータ上の設計手順に変換することにより自動化する方法を創出する学問分野とする見方もあり、これは英語でいう コンピューティング (computing)に相当する [ 4 ] 。いずれにしても以上の説明は、大学の学科紹介などからの抜粋である。 計算機科学や 情報科学 ・情報工学を扱う学会としては、米国では発足が早かったこともあり、 ACM は直訳すると「計算機械学会」である。国際機関である 情報処理国際連合 の1960年発足の頃には、コンピュータは(数の)計算のみならず情報を処理する機械であるという認識は広まっており、日本の学会発足に関しても、和田弘により [ 5 ] 「 情報処理学会 」の名が付けられ、 情報処理 という言葉が使われるようになった。また 電子情報通信学会 もこの分野をあらわす語として「情報」を使っている。 日本技術士会 に「情報工学部会」があり、また同会が課している2次試験は部門別であるが、コンピュータソフトウェアに関連する部門を「情報工学部門」としている [ 6 ] ( 技術士情報工学部門 )。 学科名としては、 京都大学 ( 工学部 )および 大阪大学 ( 基礎工学部 )に、1970年初めて、情報工学科が登場する。同年、 東京工業大学 には情報科学科が、また、 電気通信大学 および 山梨大学 には計算機科学科が、 金沢工業大学 には情報処理工学科が設立された。 学部名としては、1986年に設置された 九州工業大学 の情報工学部が最初である。1987年から学生を受け入れ始めた知能情報工学科と電子情報工学科の2学科に加えて、制御システム工学科、機械システム工学科、生化システム工学科(現在のシステム創成情報工学科、機械情報工学科、生命情報工学科)の全5学科すべてが情報工学を専門とする学部である。また、 情報科学 を専門とする学部として、 情報科学部 が存在し、 情報学 を専門とする学部として、 情報学部 が存在する。 工学 系では1996年に 大阪工業大学 が最初に設置している [ 7 ] 。 日本の大学の「 情報工学科 」では、英語名はcomputer science(計算機科学)としていることが多い。information engineering とするところは、2007年時点で、8/33程度である。information engineering を掲げる例に、 ケンブリッジ大学 の Information Engineering Division がある [ 8 ] 。 研究科では 情報学研究科 など。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] 出典 [ 編集 ] ^ a b コンピュータ用語辞典編集委員会 2001 , p. 507. ^ 情報工学科のねらい 慶應義塾大学 情報工学科 ^ 情報工学とは何か 大阪電気通信大学 情報工学科 ^ カリキュラム 芝浦工業大学 情報工学科 ^ https://museum.ipsj.or.jp/pioneer/h-wada.html ^ http://www.engineer.or.jp/c_categories/index02022.html ^ https://www.oit.ac.jp/is/ ^ CUED - Division F: Information Engineering ケンブリッジ大学 参考文献 [ 編集 ] コンピュータ用語辞典編集委員会『和英コンピュータ用語大辞典』(第1刷) 日外アソシエーツ 、2001年6月1日。 ISBN 978-4816916618 。 表 話 編 歴 工学 ・ エンジニアリング 分野 建設工学 測量学 リモートセンシング (GIS、GPS) 建築工学 土木工学 耐震 工学 地震工学 地盤工学(土質力学) 基礎工学 振動環境工学 岩盤工学 土壌汚染 学、 地下水汚染 学 河海工学 河川工学 海岸工学 治水工学 水理学 水資源 工学( ダム ) 電力土木 工学 鉱山学 防災工学 海洋土木工学 水産土木工学 砂防 学 土木材料工学 舗装 工学 コンクリート工学 構造工学 橋梁工学 港湾工学 空港 工学 道路 工学 市民工学 海洋工学 津波工学 船舶工学 水産工学 海上交通工学 理論 造船学 都市工学 都市環境工学 環境都市工学 都市交通工学 都市鉄道工学 衛生工学 (英語) 衛生工学 / 上水道 (供給システム)/ 下水道 (中水道、工業用水道)/ 水道 工学 都市計画学 都市社会工学 建築環境工学‎ 空気調和工学 緑化工学 機械工学 人間工学 人間情報工学 信頼性工学 音響工学 (英語) 音響工学 音響学 建築音響工学 電気音響工学 航空宇宙工学 航空工学 航空力学 飛行力学 宇宙工学 空気力学 ロケット工学 自動車工学 鉄道工学 熱工学 燃焼工学 海洋機械工学 水産機械工学 鉄道車両工学 振動工学 機構学 建築設備 / 設備 工学 流体工学 制御工学 ロボット工学 伝熱工学 冷凍工学 空気調和工学 電気工学 計算機工学 制御工学 デジタル制御工学 計測工学 電気計測工学 精密工学 エレクトロメカニクス ( 英語版 ) メカトロニクス 量子エレクトロニクス 電子工学 電磁波工学 半導体工学 放送工学 マイクロ波工学 マイクロエレクトロニクス 光工学 (英語) 光学 フォトニクス 光エレクトロニクス パワーエレクトロニクス 電力工学 発電工学 電波工学 通信工学 通信トラヒック工学 通信ネットワーク工学 光通信工学 無線工学 伝送工学 交換工学 照明 工学 磁気 工学 ロボット工学 資源工学 地球工学 地球情報学 原子力工学 エネルギー工学 惑星工学 化学工学 工業化学 化学プロセス工学 化学システム工学 分子工学 (英語) ナノテクノロジー 石油工学 プロセスシステム工学 プロセス (工学) 反応工学 分離工学 マイクロ流体力学 組織工学 伝熱工学 物質工学 繊維 工学 生物化学工学 ( 英語版 ) 生物工学 生物工学 (英語) バイオテクノロジー / バイオインフォマティクス‎ 遺伝子工学 生体工学 医工学 医用工学 / 医療工学 遺伝子工学 医薬品 工学/ 医薬 工学/ 製薬 工学 医用生体工学 メドテック ( medtech ) /メディテック ( meditech ) /医療IT 神経工学 生命工学 サイボーグ工学 食品工学 醸造工学 発酵工学 乳業工学 冷凍工学 経営工学 経営システム工学 数理工学 / 線形数学 管理工学 経済工学 社会工学 金融工学 サービス工学 オペレーションズ・リサーチ 生産工学 品質工学 ロジスティクス工学 流通 工学 学際 システム工学 プロセス工学 ロボット工学 群ロボット工学 進化ロボット工学 ニューロロボティクス ニューロモルフィック・エンジニアリング 道徳感情数理工学 感性工学 芸術工学 レオロジー 応用力学 応用物理学 環境工学 農業工学 農林工学 生態工学 工業地理学 セキュリティエンジニアリング ( 英語版 ) 安全工学 火災安全工学 インダストリアル・エンジニアリング 情報工学(インフォメーションエンジニアリング) 情報工学 インフォマティクス ソフトウェア工学 / オブジェクト指向ソフトウェア工学 モデル駆動工学 コンピュータアーキテクチャ ‎ ヒューマンコンピュータインタラクション 材料工学 セラミック工学 窯業(セラミックス工学) 金属工学 冶金 工学 溶接 工学 高分子材料科学 トライボロジー 破壊力学 粉体工学 軍事工学 兵器 工学 福祉 工学 プライバシーエンジニアリング ( 英語版 ) 教育工学 知識工学 サステイナブル工学 ユーザ工学 (ユーザビリティ工学) 写真工学 ・ 画像 工学・映像工学 関連項目 科学 / 理学 工学者 技術者 技術者不足 レコーディング・エンジニア 機電系 コンピュータ技術者 ITエンジニア システムエンジニア リバースエンジニアリング 失敗学 理工学 家庭 理工学 用語集 工学 (英語) 航空宇宙工学 (英語) 土木工学 (英語) 電気電子工学 (英語) エレクトロニクス用語一覧 通信用語一覧 機械工学 (英語) 構造工学 (英語) 工学の一覧 カテゴリ 工学 工学の分野 この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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情報システム
情報システム (じょうほうシステム 、英:Information system)、または 情報処理システム (じょうほうしょりシステム、英:Information processing system)とは、 情報 の 処理 や伝達などを行う システム [ 1 ] 。 コンピュータ や ネットワーク などを使用する、いわゆる コンピュータシステム を指すことも多い [ 1 ] 。または IT システム とも呼ばれることも多い。 情報システムと情報処理システム [ 編集 ] いずれも情報処理を目的とするが、情報システムは人や機械、コンピュータから構成される仕組み全体を指し、情報処理システムは情報システムの内、コンピュータから構成される仕組みの部分を指す [ 2 ] 。 日本語の「情報システム」について [ 編集 ] 「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学 分野」では「 情報 を扱う」という表現で、「情報の生成・探索・表現・蓄積・管理・認識・分析・変換・伝達」といった種々累々にわたる情報の取扱いを総称している。また、JIS Z 8115「ディペンダビリティ(信頼性)用語」では「 システム 」を「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム (ハードウェア、ソフトウェア、人間要素) の組合せ. 」としている。この2つを組み合わせて、情報システムとは「情報を扱う」「システム」である、と逐語的には捉えることができる。 実際には、英語の Information Systems、日本語の「情報システム」のいずれも、以上のような逐語的解釈に加え、社会的な文脈を含めた意味合いが付け加わっていることが多く、たとえば コンピュータ科学 の国際学会ACMによるキャリア形成支援のウェブサイトにある Information Systems(と呼ばれる分野)の説明 [ 3 ] によれば「... computer systems can provide to aid a company, non-profit or governmental organization in defining and achieving its goals.」といったように、営利企業・非営利団体・政府団体などの組織体におけるコンピュータ・システムの利用、といったような応用分野のもの、という意味付けが加わっている。さらに日本の学会である 情報システム学会 は「人間中心の」という限定を加えている(詳細は 情報システム学会#概要 を参照) [ ※ 1 ] 。 日本において「情報システム」という言葉が最初に見られるのは、「 情報 」および「 システム 」というどちらの言葉が一般化するよりも古く、いわゆる「MIS」こと 経営情報システム という語の一部としてであり、1963年に「経営情報システムの展開と経営構造の高度化--わが国の経営機械化の問題との関連において」という題の文献がある [ 4 ] 。MISという語自体はその後、バズワードの典型のような [ ※ 2 ] 経過を辿るが、Information Systems 及び「情報システム」という部分は、前述の英語の語義のように、法人などの組織体におけるコンピュータ・システムの利用、といった意味で使われるようになり、 情報処理学会 の学会誌『情報処理』の総目録を調べると、1972年に「データ開発と情報システム」 [ 5 ] という記事があるのが、記事名での初出である。 その後、1980年代に 浦昭二 らにより「人間中心の情報システム」が提唱され(1989年に『情報システムハンドブック』が上梓されている)、「 情報システム学会 」および情報処理学会の「情報システムと社会環境研究会」では、その主張に沿った「 情報システム学 」が研究されている。同研究会が中心となってまとめられた「ISディジタル辞典」の「情報システム」の記事 [ 6 ] によれば、『 情報システム学 では,「情報システムとは,組織体(または社会)の活動に必要な情報の収集・処理・伝達・利用に関わる仕組みである。広義には人的機構と機械的機構とからなる。コンピュータを中心とした機械的機構を重視したとき,狭義の情報システムとよぶ。しかし,このときそれが置かれる組織の活動となじみのとれているものでなければならない。」と定義している』とあり、その後に引き続く説明によれば、コンピュータ無しの情報システムというものもあるが、人間無しの情報システムというものは無い、といったような説明がある。 これらの情報システムを管理する法人内の部門はしばしば「情報システム部」「情シス」と呼称される。 法令による定義 [ 編集 ] 法令 において情報処理システムは、「 電子計算機 及び プログラム の集合体であって、 情報処理 の業務を一体的に行うよう 構成 されたものをいう。」( 情報処理の促進に関する法律 第20条第5項)と説明されている。 企業内の情報処理システム [ 編集 ] 明確な定義は存在しないが、一般的には企業内に構築されている情報処理システムは、主たる機能と運用方法の違いによって以下の2つのシステムに分けて扱われることが多い。以下に書かれているもの以外にも、コンピュータを利用した情報処理を行っているシステムは数多くあるが、いわゆる「情報システム」と呼んでいる業界が扱うことが可能な範囲が以下の2つである、ということである。 基幹系システム 基幹系システムは、企業の主たる業務の情報処理を支えるためのコンピュータシステムであり、銀行業では 勘定系システム 、製造業では受注・生産・配送計画システムや会計システム、運輸では 運行管理システム などを指す。 情報系システム 情報系システムは、主たる業務に付随した情報処理を行うためのコンピュータシステムであり、経営判断をサポートする目的で基幹系システム内部や別途に構築したデータベースを分析して報告書を作成するシステムや人事管理システム、企業内ネットワーク/電子メール/Web/デジタル電話/会議システムなどを指す。 注釈 [ 編集 ] ^ たとえば、宇宙探査機や惑星ローバのような、人間から遠く離れた情報システムについては扱わない、ということだろう。 ^ 過剰な宣伝による期待を持たされたがための失望という 出典 [ 編集 ] ^ a b 情報システム - 大辞林、デジタル大辞林 ^ 岸 & 野田 2016 , p. 2. ^ http://computingcareers.acm.org/?page_id=9 ^ 経営情報システムの展開と経営構造の高度化--わが国の経営機械化の問題との関連において : 1963-11|書誌詳細|国立国会図書館サーチ ^ http://id.nii.ac.jp/1001/00008136/ ^ 情報システム | ISディジタル辞典-重要用語の基礎知識- 参考文献 [ 編集 ] 岸 知二、野田 夏子『ソフトウェア工学』近代科学社、07-31。 ISBN 978-4-7649-0509-2 。 関連項目 [ 編集 ] ウィキメディア・コモンズには、 情報システム に関連するメディアがあります。 システム 扱う対象・解決する問題による分類 企業情報システム ビジネスシステム 社会システム GPS ICカード 勘定系システム ( 金融機関 ) POSシステム ( コンビニエンスストア など) 図書館システム( 図書館 ) 地理情報システム eラーニング システム ( 学校 、 企業 研修 など) 戦術情報処理装置 戦術データ・リンク 海軍戦術情報システム ( 西側諸国 海軍 ) 公共車両優先システム 配車配送計画ソフト 自動車ナンバー自動読取装置 構成要素による分類 コンピュータシステム ハードウェア ソフトウェア コンピュータネットワーク インターネット World Wide Web その他 組み込みシステム 遷移段階 システム開発 ソフトウェア開発 システム運用 システム管理 ソフトウェア保守 一般システム理論 心の計算理論 表 話 編 歴 システム科学 全般 システム 系 (自然科学) システム科学 システムアーキテクチャ タイプ 解剖学(人体) アート体系 ( 英語版 ) 生物学的体系 ( 英語版 ) 複雑系 複雑適応系 Conceptual system ( 英語版 ) 概念体系(オントロジー) en:Coupled human–environment system データベース 力学系 生態系 経済体系 エネルギー体系 ( 英語版 ) 形式体系 Holarchic(ホロン) 情報システム 法系 法系の一覧 単位系 メートル法 マルチエージェントシステム 神経系 非線型システム論 線型システム論 オペレーティングシステム 惑星系 政治システム 感覚器 社会体系 ( en:Social system ) 恒星系 文字 コンセプト 倍加時間 12のレバレッジ・ポイント ( 英語版 ) 制限要因 ネガティブフィードバック ポジティブフィードバック 理論分野 カオス理論 複雑系 制御理論 サイバネティックス 地球システム科学 ( 英語版 ) リビングシステム ( 英語版 ) 社会技術システム ( 英語版 ) Systemics ( 英語版 ) アーバン・メタボリズム ( 英語版 ) 社会システム理論 オートポイエーシス ゲーム理論 分野 システム解析 システム生物学 システムダイナミクス システムエコロジー ( 英語版 ) システム工学 システム神経科学 システム薬理学 ( 英語版 ) システム心理学 ( 英語版 ) 一般システム理論 人物 ラッセル・エイコフ ( 英語版 ) ウィリアム・ロス・アシュビー ベラ・バナシー ( 英語版 ) グレゴリー・ベイトソン リチャード・E・ベルマン スタッフォード・ビーア ルートヴィヒ・フォン・ベルタランフィ マレー・ボーエン ( 英語版 ) ケネス・E・ボールディング チャールズ・ウェスト・チャーチマン ( 英語版 ) ジョージ・ダンツィーグ ハインツ・フォン・フェルスター ( 英語版 ) ジェイ・フォレスター ジョージ・クリアー ( 英語版 ) エドワード・ローレンツ ニクラス・ルーマン ウンベルト・マトゥラーナ マーガレット・ミード ドネラ・メドウス ( 英語版 ) ミハイロ・メサロビッチ ( 英語版 ) ジェームス・ミラー ( 英語版 ) ハワード・オダム ( 英語版 ) タルコット・パーソンズ イリヤ・プリゴジン アナトール・ラパポート クロード・シャノン フランシスコ・バレーラ ケビン・ウォーリック ( 英語版 ) ノーバート・ウィーナー アンソニー・ワイルデン ( 英語版 ) チャールズ・A・S・ホール ( 英語版 ) 応用 人類学でのシステム理論 (英語版) 考古学でのシステム理論 (英語版) 政治学でのシステム理論 (英語版) システム システム理論 システム科学 Commons 表 話 編 歴 コンピュータ科学 ハードウェア プリント基板 周辺機器 Integrated Circuit (IC) Very Large Scale Integration (超大規模集積回路、VLSI) Systems on Chip (SoC) エネルギー消費 (グリーン・コンピューティング) EDA ハードウェアアクセラレーション コンピュータシステムの構造 コンピュータ・アーキテクチャ 組み込みシステム リアルタイムシステム ディペンダビリティ ネットワーク ネットワーク・アーキテクチャ ( 英語版 ) 通信プロトコル ネットワーク・コンポーネント ( 英語版 ) ネットワーク・スケジューラ ( 英語版 ) ネットワーク性能評価 ( 英語版 ) ネットワーク・サービス ( 英語版 ) ソフトウェアの構造 インタプリタ ミドルウェア 仮想マシン オペレーティングシステム ソフトウェア品質 ソフトウェア記法 ( 英語版 ) と ツール プログラミングパラダイム プログラミング言語 コンパイラ ドメイン固有言語 モデリング言語 ソフトウェアフレームワーク 統合開発環境 ソフトウェア構成管理 ソフトウェアライブラリ ソフトウェアリポジトリ ソフトウェア開発 ソフトウェア開発プロセス 要求分析 ソフトウェア設計 ソフトウェア構築 ( 英語版 ) ソフトウェアデプロイメント ソフトウェアメンテナンス プログラミングチーム ( 英語版 ) オープンソースモデル 計算理論 計算モデル 形式言語 オートマトン理論 計算可能性理論 計算複雑性理論 コンピュータ科学における論理学 ( 英語版 ) 意味論 アルゴリズム アルゴリズム ( 英語版 ) アルゴリズム解析 アルゴリズム効率 ( 英語版 ) 乱択アルゴリズム 計算幾何学 コンピューティングの数学 離散数学 確率 統計学 数学ソフトウェア 情報理論 解析学 数値解析 情報システム データベース管理システム 情報ストレージシステム 企業情報システム 社会情報システム ( 英語版 ) 地理情報システム 意思決定支援システム プロセス制御システム マルチメディア情報システム ( 英語版 ) データマイニング 電子図書館 コンピューティング・プラットフォーム デジタルマーケティング World Wide Web 情報検索 セキュリティ 暗号理論 形式手法 セキュリティ・サービス ( 英語版 ) 侵入検知システム ハードウェア・セキュリティ ( 英語版 ) ネットワーク・セキュリティ 情報セキュリティ アプリケーション・セキュリティ ( 英語版 ) ヒューマンコンピュータ インタラクション インタラクションデザイン ソーシャル・コンピューティング ( 英語版 ) ユビキタスコンピューティング 可視化 アクセシビリティ 並行性 並行コンピューティング 並列コンピューティング 分散コンピューティング マルチスレッディング マルチプロセッシング 人工知能 自然言語処理 知識表現と推論 コンピュータビジョン 自動計画とスケジューリング 検索手法 制御手法 人工知能の哲学 ( 英語版 ) 分散人工知能 ( 英語版 ) 機械学習 教師あり学習 教師なし学習 強化学習 マルチタスク学習 ( 英語版 ) 交差検証 グラフィックス アニメーション レンダリング 画像編集 GPU 複合現実 バーチャル・リアリティ 画像圧縮 ソリッドモデリング 応用コンピューティング 電子商取引 企業アプリケーション 計算数学 ( 英語版 ) 計算物理学 計算化学 計算生物学 計算社会科学 計算工学 ( 英語版 ) 健康情報学 デジタルアート 電子出版 サイバー戦争 電子投票 コンピュータゲーム ワードプロセッサー オペレーションズ・リサーチ 教育工学 文書管理システム 概要 ( 英語版 ) カテゴリ ブック コモンズ 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル 2 アメリカ 日本 チェコ その他 公文書館(アメリカ) この項目は、 コンピュータ に関連した 書きかけの項目 です。 この項目を加筆・訂正 などしてくださる 協力者を求めています ( PJ:コンピュータ / P:コンピュータ )。 表示 編集
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情報量
この項目では、情報量(エントロピー)の概念の 情報理論 的側面について説明しています。 熱力学 的側面については「 エントロピー 」をご覧ください。 「 データ量 」とは異なります。 情報理論 情報量 情報量 微分エントロピー 条件付きエントロピー 交差エントロピー 結合エントロピー 相互情報量 カルバック・ライブラー情報量 エントロピーレート 通信路 情報源符号化定理 通信路容量 通信路符号化定理 シャノン=ハートレーの定理 単位 シャノン ナット ハートレー その他 漸近等分割性 ( 英語版 ) レート歪み理論 ( 英語版 ) カテゴリ 表 話 編 歴 情報量 (じょうほうりょう)や エントロピー ( 英 : entropy )は、 情報理論 の概念で、あるできごと( 事象 )が起きた際、それがどれほど起こりにくいかを表す尺度である。ありふれたできごと(たとえば「風の音」)が起こったことを知ってもそれはたいした「 情報 」にはならないが、逆に珍しいできごと(たとえば「曲の演奏」)が起これば、それはより多くの「情報」を含んでいると考えられる。情報量はそのできごとが本質的にどの程度の情報を持つかの尺度であるとみなすこともできる。 なおここでいう「情報」とは、あくまでそのできごとの起こりにくさ( 確率 )だけによって決まる数学的な量でしかなく、個人・社会における有用性とは無関係である。たとえば「自分が宝くじに当たった」と「見知らぬAさんが宝くじに当たった」は、前者の方が有用な情報に見えるが、両者の情報量は全く同じである(宝くじが当たる確率は所与条件一定のもとでは誰でも同じであるため)。 自己情報量(自己エントロピー)と平均情報量(エントロピー) [ 編集 ] それぞれのできごとの情報量だけでなく、それらのできごとの情報量の平均値も情報量と呼ぶ。両者を区別する場合には、前者を 自己情報量 ( 自己エントロピー とも)、後者を 平均情報量 ( エントロピー とも)と呼ぶ。 自己情報量 [ 編集 ] 事象 E {\displaystyle E} が起こる 確率 を P ( E ) {\displaystyle P(E)} とするとき、事象 E {\displaystyle E} が起こったことを知らされたとき受け取る自己情報量 I ( E ) {\displaystyle I(E)} は、以下で定義される: I ( E ) = log ⁡ 1 P ( E ) = − log ⁡ P ( E ) {\displaystyle I(E)=\log {\frac {1}{P(E)}}=-\log P(E)} 確率は 0 ≤ P ( E ) ≤ 1 {\displaystyle 0\leq P(E)\leq 1} なので自己情報量 I ( E ) {\displaystyle I(E)} は非負である。また対数の 単調増加 性により、起こりにくい事象(=生起確率が低い事象)の情報量ほど値が大きい。 対数 の 底 として何を選んでも情報量の値が定数倍変わるだけなので本質的な差はない。慣習的に底に2を選ぶことが多い。底が2の場合、 1 / 2 n {\displaystyle 1/2^{n}} の確率で起こる事象の情報量は n {\displaystyle n} である。 直観的意味 [ 編集 ] 整数 u {\displaystyle u} に対し、 u {\displaystyle u} の対数 log m ⁡ u {\displaystyle \log _{m}u} は m {\displaystyle m} 進法での u {\displaystyle u} の桁数にほぼ等しい値を表す。したがって、 確率 1 / u {\displaystyle 1/u} で起こる事象の情報量は、ほぼ u {\displaystyle u} の桁数になる。 情報量の加法性 [ 編集 ] 情報量は加法性を持つ。すなわち 独立 な事象AとBに対し、事象「AもBも起こる」の情報量は、Aの情報量とBの情報量の和である。これは以下で証明される。 I ( A , B ) = − log ⁡ P ( A , B ) = − log ⁡ ( P ( A ) ⋅ P ( B ) ) = − ( log ⁡ P ( A ) + log ⁡ P ( B ) ) = I ( A ) + I ( B ) {\displaystyle I(A,B)=-\log P(A,B)=-\log(P(A)\cdot P(B))=-(\log P(A)+\log P(B))=I(A)+I(B)} 例えば、52枚の トランプ から無作為に1枚を取り出すという試行を考える。「取り出したカードはハートの4である」という事象の情報量は、前述の定義から log 52 であると分かる。ここで、「取り出したカードの スート はハートである」という事象と「取り出したカードの数字は4である」という事象の二つを考えると、前者の情報量は log 4 、後者は log 13 である。この両者の和は log 4 + log 13 = log (4×13) = log 52 となり、「取り出したカードはハートの4である」という事象の情報量と等しい。これは「独立した情報の和が、全体の情報量と一致する」という直感的要請に合致する。 導出 [ 編集 ] 情報量に対する直感的要請には「発生確率が低いほど大きく( 単調減少性 )」「確率に関して連続的に変化し( 連続性 )」「独立同時事象の情報量が周辺事象の情報量和に等しい( 加法性 )」の三条件が挙げられる。この3条件を満たす関数は コーシーの函数方程式 を利用することで C log ⁡ p {\displaystyle C\log p} と一意に求まる。よって情報量の定義は上記の3条件から一意に導出できる。典型的には対数の底を2として p =1/2 で1となるようにCを設定( C=-1 )する。 平均情報量(エントロピー) [ 編集 ] ( Ω , F , P ) {\displaystyle (\Omega ,{\mathcal {F}},P)} を 確率空間 とする。 全事象 Ω の 分割 A が与えられたとき [ 2 ] [ 3 ] 、各事象 A i ∈ A {\displaystyle A_{i}\in A} の自己情報量 I ( A i ) {\displaystyle I(A_{i})} で定義した値 H ( P ) = ∑ A i ∈ A P ( A i ) I ( A i ) = − ∑ A i ∈ A P ( A i ) log ⁡ P ( A i ) {\displaystyle H(P)=\sum _{A_{i}\in A}P(A_{i})\ I(A_{i})=-\sum _{A_{i}\in A}P(A_{i})\log P(A_{i})} を 確率測度 P の エントロピー H ( P ) と呼ぶ( 平均情報量 、 シャノン情報量 、 情報論のエントロピー とも)。ただし、ここで P ( A i ) = 0 {\displaystyle P(A_{i})=0} のときは、 P ( A i ) log ⁡ P ( A i ) = 0 {\displaystyle P(A_{i})\log P(A_{i})=0} とみなす。これは lim p → 0 + p log ⁡ p = 0 {\displaystyle \lim _{p\to 0+}{p\log p}=0} であることによる。 また、 離散型確率変数 X が 確率分布 P に従う場合には、 X の エントロピー H ( X ) を自己情報量 I の 期待値 によって定義する。すなわち、 H ( X ) = E P [ I ( X ) ] = − ∑ x ∈ X f X ( x ) log ⁡ f X ( x ) {\displaystyle H(X)=\mathbb {E} _{P}[I(X)]=-\sum _{x\in X}f_{X}(x)\log f_{X}(x)} である [ 4 ] 。ここで f X は X の 確率質量関数 である [ 5 ] 。 0 ≦ I ( ⋅ ) {\displaystyle 0\leqq I(\cdot )} より、エントロピーは常に非負である。 確率変数 X と Y の組 ( X , Y ) も確率変数とみなせる。この確率変数の値の発生確率すなわち 同時確率 を P X , Y ( X , Y ) {\displaystyle P_{X,Y}(X,Y)} とすると、 ( X , Y ) のエントロピー H ( X , Y ) {\displaystyle H(X,Y)} は H ( X , Y ) = E P X , Y [ I ( X , Y ) ] = − ∑ ( x , y ) ∈ ( X , Y ) P X , Y ( x , y ) log ⁡ P X , Y ( x , y ) {\displaystyle H(X,Y)=\mathbb {E} _{P_{X,Y}}[I(X,Y)]=-\sum _{(x,y)\in (X,Y)}P_{X,Y}(x,y)\log P_{X,Y}(x,y)} になる。これを 結合エントロピー と呼ぶ。 ( X , Y ) が互いに 独立 な確率変数である場合には、 H ( X , Y ) {\displaystyle H(X,Y)} は H ( X ) + H ( Y ) {\displaystyle H(X)+H(Y)} に一致する。すなわち、全体の情報量 H ( X , Y ) {\displaystyle H(X,Y)} は、それぞれの確率変数の情報量の和である。 しかし、 X と Y が互いに独立ではない場合は、 H ( X , Y ) {\displaystyle H(X,Y)} と H ( X ) + H ( Y ) {\displaystyle H(X)+H(Y)} は一致せず、前者より後者の方が大きい値になる。両者の情報量の差を 相互情報量 と呼び、 I ( X , Y ) = H ( X ) + H ( Y ) − H ( X , Y ) {\displaystyle I(X,Y)=H(X)+H(Y)-H(X,Y)} で表す。相互情報量は常に非負の値になる。 事象 B が生じているという条件下における事象 A の 条件付き情報量 を − log ⁡ Pr ( A ∣ B ) {\displaystyle -\log \Pr(A\mid B)} によって定める。確率変数 X が与えられたとき、事象「 X = x {\displaystyle X=x} 」の条件付き情報量 − log ⁡ Pr ( X = x ∣ B ) {\displaystyle -\log \Pr(X=x\mid B)} の x に関する加重平均を 条件付きエントロピー と言い、 H ( X ∣ B ) = E P X ∣ B [ I ( X ∣ B ) ] = − ∑ x ∈ X Pr ( X = x ∣ B ) log ⁡ Pr ( X = x ∣ B ) {\displaystyle H(X\mid B)=\mathbb {E} _{P_{X\mid B}}[I(X\mid B)]=-\sum _{x\in X}\Pr(X=x\mid B)\log \Pr(X=x\mid B)} で表す。 さらに確率変数 Y が与えられたとき、事象「 Y = y {\displaystyle Y=y} 」が生じているという条件下における条件付きエントロピー H ( X ∣ Y = y ) {\displaystyle H(X\mid Y=y)} の y に関する加重平均 H ( X ∣ Y ) = ∑ y ∈ Y Pr ( Y = y ) H ( X ∣ Y = y ) = − ∑ x ∈ X , y ∈ Y Pr ( X = x , Y = y ) log ⁡ Pr ( X = x ∣ Y = y ) {\displaystyle H(X\mid Y)=\sum _{y\in Y}\Pr(Y=y)H(X\mid Y=y)=-\sum _{x\in X,y\in Y}\Pr(X=x,Y=y)\log {\Pr(X=x\mid Y=y)}} も、やはり 条件付きエントロピー と呼ぶ。 エントロピーの基本的性質 [ 編集 ] 情報量は確率だけによって決まる。 情報量は非負の値または無限大を取る。 n ビットのビット列の空間( 情報源 )から(一様ランダムとは限らない方法で)ランダムにビット列を選んだときのエントロピーは、 n 以下になる。エントロピーが n になる必要十分条件は、ビット列が一様ランダムに選ばれることである。 確率変数 X と Y が独立である必要十分条件は、 H ( X ) + H ( Y ) = H ( X , Y ) {\displaystyle H(X)+H(Y)=H(X,Y)} が成立することである。 コイン投げの例 [ 編集 ] あるコインを投げたときに表が出る確率を p {\displaystyle p} 、裏が出る確率を 1 − p {\displaystyle 1-p} とする。このコインを投げたときに得られる平均情報量(エントロピー)は、 H ( X ) = − p log ⁡ p − ( 1 − p ) log ⁡ ( 1 − p ) {\displaystyle H(X)=-p\log {p}-(1-p)\log {(1-p)}} である。 この関数 f ( p ) = − p log ⁡ p − ( 1 − p ) log ⁡ ( 1 − p ) {\displaystyle f(p)=-p\log {p}-(1-p)\log {(1-p)}} を エントロピー関数 と呼ぶ。 図を見ると分かるように、 p = 0 {\displaystyle p=0} と p = 1 {\displaystyle p=1} では H はゼロである。つまり、コインを投げる前から裏または表が出ることが確実に分かっているときに得られる平均情報量は、ゼロである。 H が最大になるのは p = 1 / 2 {\displaystyle p=1/2} のときであり、一般にすべての事象(できごと)が等確率になるときにエントロピーが最大になる。 連続系のエントロピー [ 編集 ] 実数値を取る確率変数 X の確率密度関数を p ( x )とするとき、 X のエントロピーを h ( X ) = − ∫ − ∞ ∞ p ( x ) log ⁡ p ( x ) d x {\displaystyle h(X)=-\int _{-\infty }^{\infty }p(x)\log p(x)dx} によって定義する。 X が有限集合に値を取る確率変数である場合には、 X のシャノン情報量 H ( X ) {\displaystyle H(X)} も定義できる。 X が n 通りの値を取るとき、 H ( X ) {\displaystyle H(X)} と h ( X ) {\displaystyle h(X)} は、 h ( X ) = H ( U n ) − H ( X ) {\displaystyle h(X)=H(U_{n})-H(X)} を満たす。 ただし、ここで U n {\displaystyle U_{n}} は n 元集合上の一様分布とする(すなわち H ( U n ) = log ⁡ n {\displaystyle H(U_{n})=\log n} )。 Renyiエントロピー [ 編集 ] Ω {\displaystyle \Omega } を、台が有限集合である確率空間とする。 P を Ω {\displaystyle \Omega } 上の確率分布とし、 α {\displaystyle \alpha } を非負の実数とする。 α ≠ 1 {\displaystyle \alpha \neq 1} のとき、 P のdegee α {\displaystyle \alpha } の Renyiエントロピー を H α ( P ) = log ⁡ ( ∑ A ∈ Ω P ( A ) α ) 1 − α {\displaystyle H_{\alpha }(P)={\frac {\log(\sum _{A\in \Omega }P(A)^{\alpha })}{1-\alpha }}} によって定義する。 また、 α = 1 , ∞ {\displaystyle \alpha =1,\infty } の場合には、Renyiエントロピーを { H 1 ( P ) = lim α → 1 H α ( P ) H ∞ ( P ) = lim α → ∞ H α ( P ) {\displaystyle \left\{{\begin{array}{lll}H_{1}(P)&=\lim _{\alpha \to 1}&H_{\alpha }(P)\\H_{\infty }(P)&=\lim _{\alpha \to \infty }&H_{\alpha }(P)\end{array}}\right.} によって定義する。 単に Renyiエントロピー と言った場合は H 2 ( P ) {\displaystyle H_{2}(P)} を意味することも多い。 さらに、確率変数 X が確率分布 P に従うとき、 H α ( X ) {\displaystyle H_{\alpha }(X)} を H α ( X ) = H α ( P ) {\displaystyle H_{\alpha }(X)=H_{\alpha }(P)} によって定義する。 Renyiエントロピーは以下の性質を満たす: H 0 ( P ) = log ⁡ # Ω {\displaystyle H_{0}(P)=\log \#\Omega } が成立する。 H 1 ( P ) {\displaystyle H_{1}(P)} はシャノン情報量 H ( P ) = − ∑ A ∈ Ω P ( A ) log ⁡ P ( A ) {\displaystyle H(P)=-\sum _{A\in \Omega }P(A)\log P(A)} と一致する。 α {\displaystyle \alpha } が2以上の整数の場合には、 H α ( P ) = 1 1 − α log ⁡ Pr ( X 1 = ⋯ = X α ) {\displaystyle H_{\alpha }(P)={\frac {1}{1-\alpha }}\log \Pr(X_{1}=\cdots =X_{\alpha })} が成立する。ここで、 X 1 , … , X α {\displaystyle X_{1},\ldots ,X_{\alpha }} は確率分布 P {\displaystyle P} に従う独立同一分布であって、 Pr ( X 1 = ⋯ = X α ) {\displaystyle \Pr(X_{1}=\cdots =X_{\alpha })} は x 1 , … , x α {\displaystyle x_{1},\ldots ,x_{\alpha }} をそれぞれ X 1 , … , X α {\displaystyle X_{1},\ldots ,X_{\alpha }} に従って選んだときに x 1 = ⋯ = x α {\displaystyle x_{1}=\cdots =x_{\alpha }} が成立する確率とする。 H ∞ ( P ) = min A ∈ Ω { − log ⁡ P ( A ) } {\displaystyle H_{\infty }(P)=\min _{A\in \Omega }\{-\log P(A)\}} が成立する。この H ∞ ( P ) {\displaystyle H_{\infty }(P)} を minエントロピー ともいう。 歴史 [ 編集 ] 「エントロピー」の概念は 1865年 に ルドルフ・クラウジウス がギリシャ語の「変換」を意味する言葉を 語源 として、熱力学における気体のある状態量として導入した。これは統計力学では微視的な状態数の対数に比例する量として表される。 1929年 には レオ・シラード が、気体についての情報を観測者が獲得することと統計力学におけるエントロピーとの間に直接の関係があることを示し、現在 1 ビット(1 シャノン)と呼ぶ量が統計力学で k ln 2 に対応するという関係を導いていた [ 6 ] 。 現在の情報理論におけるエントロピーの直接の導入は 1948年 の クロード・シャノン によるもので、その論文『 通信の数学的理論 』でエントロピーの概念を情報理論に応用した [ 7 ] 。シャノン自身は熱統計力学でこの概念と関連する概念がすでに使われていることを知らずにこの定義に到達したが、その名称を考えていたとき同僚 フォン・ノイマン が、熱統計力学のエントロピーに似ていることから示唆したもので、フォン・ノイマンは「統計エントロピーが何なのかを理解してる人は少ないから、議論になったら有利であろう」と語ったとされる [ 8 ] [ 9 ] 。しかしシャノンはフォン・ノイマンとの会話は認めつつその影響を否定している [ 10 ] 。 なお、シャノン以前にも ラルフ・ハートレー が 1928年 に、集合 A に対して log ⁡ # A {\displaystyle \log \#A} という量を考察している(“ # A {\displaystyle \#A} ”は A の 元数 )。 log ⁡ # A {\displaystyle \log \#A} は A 上の一様分布のエントロピーに一致する。現在では、 log ⁡ # A {\displaystyle \log \#A} を A の ハートレー・エントロピー と呼ぶ [ 11 ] 。 単位 [ 編集 ] 情報量は本来 無次元 の量である。しかし、対数の底として何を用いたかによって値が異なるので,単位を付けて区別している。前述のように、情報量は確率の逆数の 桁数 の期待値なので、単位も桁数のそれを流用する。この為、対数の底として2、 e 、10を選んだときの情報量の単位は、それぞれ ビット (bit)、 ナット (nat)、 ディット (dit)である。 また、今のところ主流ではないものの、1997年に 日本工業規格 JIS X 0016:1997(これは国際規格 ISO /IEC 2382-16:1996と一致している)は、これらの量を表す単位を別に定めている。 対数の底と単位 底 通常の単位 JISおよびISOが定めた単位 備考 2 ビット (bit) シャノン (shannon) lb, 二進対数 e =2.718… ナット (nat) ナット (nat) ln, 自然対数 10 ディット (dit) ハートレー (hartley) lg, 常用対数 単位「シャノン」、「ハートレー」の名称は、それぞれ情報量の概念を提案した クロード・シャノン 、 ラルフ・ハートレー にちなむ。 脚注 [ 編集 ] [ 脚注の使い方 ] ^ Gray, Robert M. (2013-03-14) (英語). Entropy and Information Theory . Springer Science & Business Media. ISBN 978-1-4757-3982-4 . https://books.google.co.jp/books?id=ZoTSBwAAQBAJ&pg=PA23&q=entropy+as+a+function+of+the+partition ^ この分割は離散型確率変数の確率質量関数から誘導されることもある [ 1 ] 。 ^ 標本空間 Ω 上の(部分) 集合族 を事象族と呼ぶことがある。あるいは事象の 集合系 を事象系と呼ぶこともある。事象系が全事象の分割であるとき、それらの確率との組を完全事象系と呼ぶことがある(このとき確率の総和は1である)。 ^ Cover, Thomas M.; Thomas, Joy A. (2012-11-28) (英語). Elements of Information Theory . John Wiley & Sons. ISBN 978-1-118-58577-1 . https://books.google.co.jp/books?id=VWq5GG6ycxMC&pg=PA14 ^ f X ( x ) を P X ( x ) = P ( X = x ) = P ( { ω ∈ Ω ∣ X ( ω ) = x } ) {\displaystyle P_{X}(x)=P(X=x)=P(\{\omega \in \Omega \mid X(\omega )=x\})} と書くこともある。 ^ Szilard, L. (1929) "Über die Entropieverminderung in einem Thermodynamischen System bei Eingriffen Intelligenter Wesen", Zeitschrift für Physik 53 :840–856 ^ Cover & Thomas 2006 , Historical Notes . ^ 『ファインマン計算機科学』 p. 96 ファインマンによる脚注*8で、「言い伝えによれば」と断りのうえでこの説を紹介している。 ^ 韓太舜、小林欣吾『情報と符号の数理』 ^ CLAUDE E. SHANNON: An Interview Conducted by Robert Price, 28 July 1982 ^ なお、JIS X 0016:1997 で定義される選択情報量(decision content)も同じ定義である。「互いに排反な事象から成る有限集合中の事象の数の対数。」 参考文献 [ 編集 ] Shannon entropy calculator (English) A Mathematical Theory of Communication Shannon 1948 (English) Cover, Thomas M.; Thomas, Joy A. (2006). Elements of information theory (Second ed.). John Wiley & Sons. ISBN 978-0-471-24195-9 . MR 2239987 . https://books.google.co.jp/books?id=VWq5GG6ycxMC 関連項目 [ 編集 ] 標本化定理 (シャノンの定理) データ量の比較 エントロピー マクスウェルの悪魔 ハフマン符号 コルモゴロフ複雑性 ランダウアーの原理 交差エントロピー 結合エントロピー 量子エントロピー 外部リンク [ 編集 ] 情報量 - 脳科学辞典 『 情報量の意味と対数関数を使う理由 』 - 高校数学の美しい物語 “ JISX0016:1997 情報処理用語(情報理論) ”. kikakurui.com . 2023年10月28日閲覧。 典拠管理データベース 全般 FAST 国立図書館 スペイン フランス BnF data ドイツ イスラエル アメリカ 日本 チェコ 表 話 編 歴 確率論 確率の歴史 アンドレイ・コルモゴロフ トーマス・ベイズ アンドレイ・マルコフ ジョゼフ・L・ドゥーブ 伊藤清 確率の定義 客観確率 統計的確率 古典的確率 公理的確率 主観確率 ベイズ確率 確率の拡張 外確率 負の確率 基礎概念 モデル 試行 結果 事象 標本空間 確率測度 確率空間 確率変数 確率変数の収束 確率分布 離散確率分布 連続確率分布 同時分布 周辺分布 条件付き確率分布 独立同分布 関数 確率質量関数 確率密度関数 累積分布関数 特性関数 用語 独立 期待値 モーメント 条件付き確率 条件付き期待値 確率の解釈 ベルトランの逆説 3囚人問題 モンティ・ホール問題 サンクトペテルブルクのパラドックス 合接の誤謬 ギャンブラーの誤謬 問題 壺問題 クーポンコレクター問題 法則・定理 ベイズの定理 大数の法則 中心極限定理 コルモゴロフの0-1法則 デ・フィネッティの定理 ウィーナー=ヒンチンの定理 測度論 確率測度の拡張 カラテオドリの拡張定理 E.ホップの拡張定理 コルモゴロフの拡張定理 ヴィタリの収束定理 優収束定理 ラプラス原理 スコロホッドの表現定理 確率微分方程式 伊藤の補題 確率過程 独立増分過程 定常過程 マルチンゲール マルコフ過程 マルコフ性 マルコフ連鎖 マルコフ決定過程 部分観測マルコフ決定過程 マルコフ再生過程 ウィーナー過程 ブラウン運動 幾何ブラウン運動 非整数ブラウン運動 ベルヌーイ過程 ガウス過程 自己相似過程 経験過程 中華料理店過程 オルンシュタイン=ウーレンベック過程 情報量 最大エントロピー原理 交差エントロピー 結合エントロピー カルバック・ライブラー情報量 相互情報量 応用 数理ファイナンス ブラック–ショールズ方程式 確率的ボラティリティモデル 系統学 ベイズ法 カテゴリ 表 話 編 歴 データ圧縮 方式 可逆 エントロピー符号 一進法 算術 Asymmetric numeral systems ( 英語版 ) ゴロム ハフマン 適応型 ( 英語版 ) 正準 ( 英語版 ) MH レンジ シャノン シャノン・ファノ シャノン・ファノ・イライアス ( 英語版 ) タンストール ( 英語版 ) ユニバーサル ( 英語版 ) 指数ゴロム ( 英語版 ) フィボナッチ ( 英語版 ) ガンマ デルタ レーベンシュタイン ( 英語版 ) 辞書式 ( 英語版 ) BPE Deflate Lempel-Ziv LZ77 LZ78 LZFSE LZH LZJB ( 英語版 ) LZMA LZO LZRW ( 英語版 ) LZS ( 英語版 ) LZSS LZW LZWL ( 英語版 ) LZX LZ4 ROLZ ( 英語版 ) 統計型 ( 英語版 ) Brotli Snappy Zstandard その他 BWT CTW ( 英語版 ) Delta DMC ( 英語版 ) MTF PAQ PPM RLE 音声 理論 ビットレート 平均(ABR) 固定(CBR) 可変(VBR) コンパンディング 畳み込み ダイナミックレンジ レイテンシ ( 英語版 ) 標本化定理 標本化 音質 音声符号化 サブバンド符号化 変換符号化 知覚符号化 コーデック A-law μ-law ACELP ADPCM CELP DPCM フーリエ変換 LPC LAR LSP MDCT 音響心理学 WLPC 画像 理論 クロマサブサンプリング 符号化ツリーユニット ( 英語版 ) 色空間 圧縮アーティファクト 解像度 マクロブロック ピクセル PSNR 量子化 ( 英語版 ) 標準テストイメージ ( 英語版 ) 手法 チェインコード ( 英語版 ) DCT EZW ( 英語版 ) フラクタル KLT ( 英語版 ) ピラミッド ( 英語版 ) RLE SPIHT ( 英語版 ) ウェーブレット 映像 理論 ビットレート 平均(ABR) 固定(CBR) 可変(VBR) 画面解像度 フレーム フレームレート インターレース 映像品質 ( 英語版 ) コーデック ( 英語版 ) 重複変換 ( 英語版 ) DCT デブロッキングフィルタ ( 英語版 ) フレーム間予測 理論 情報量 複雑性 非可逆 量子化 レート歪み ( 英語版 ) 冗長性 情報理論の年表 ( 英語版 )