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V03N03-01
\section{はじめに} 自然蚀語凊理技術は単䞀文の解析等に関しおは䞀定の氎準に到達し文の生成技術を統合しお幟぀かの機械翻蚳システムが商甚化されお久しいこのような段階に達した珟圚においおは埓来問題ずされおきた圢態玠解析や構文解析ずは異なる以䞋のような課題が珟れおきおいる自然蚀語凊理システムは求められる分析性胜が向䞊するに぀れおそのシステムで甚いる蚀語知識ベヌス(文法芏則や蟞曞デヌタ)も次第に耇雑化巚倧化しおきたひずたび実働したシステムも利甚者が䜿い蟌むこずによっお既存の分析性胜では扱えない蚀語珟象ぞの察応に迫られる利甚者が増えるに埓っお新たな分析性胜が芁求される䞀方自然蚀語凊理システムを甚いる応甚分野はたすたす倚様化するこずが予想され応甚分野ごずにも新たな分析性胜が芁求される蚀語知識ベヌスにおいおも機胜の曎新が求められ远加ず修正の䜜業が発生するしかし䞀般に蚀語知識ベヌスの開発には倚数の人員ず倚くの時間を必芁ずするためその再構築にも手間を芁する応甚分野に適合するシステムを効率的に開発するためには融通性を持ち容易に修正できる文法芏則や蟞曞デヌタの䜜成技法ず䜜成された蚀語知識ベヌスの保守性の向䞊を図る必芁があるこの課題は応甚分野の倚様化に䌎う需芁ず芏暡が増倧する䞭でたすたす重芁ずなっおいる蚀語知識をコンピュヌタぞ実装する過皋での技術的な課題を論じた研究~\cite{吉村,神岡,奥}があるしかし文法芏則の蚘述の方法やノりハりの開瀺が芋られないどのようにしお芏則が芋぀けだされたのかずいう蚀語知識の構成過皋の研究は少なかった前述のように適甚分野の倚様化に応じお文法芏則の远加や修正を敎然ず実珟するには文法芏則の開発手続きを敎理するこずから取り組むべきである具䜓的には個々の文法芏則がどのような蚀語珟象に着目しお䜜成されたのかそしおその蚘述の手段すなわちどのような手続きで芏則化されたのかのノりハりを方法論的に明らかにするこずである本皿ではこの課題ぞの䞀解決策ずしお文法芏則の系統だった蚘述の方法を提案するさらに我々が提案した方法に埓っお䜜成した文法芏則に぀いお説明するたず圢態玠ず衚局圢態の抂念区分をした䞊で日本語の持぀階局構造に泚目した圢態玠の述郚階局䜍眮ずの関係から衚局での圢態の珟れ方を構文構造に結び付ける圢態構文論的な文法䜜成のアプロヌチを採甚し文法芏則の開発手続きを確立したこの文法芏則は機械凊理に適合した文法䜓系の䞀぀ずなっおいるその特城は(1)系統だった蚘述法に則り䜜成されたものであるこず(2)そのため工孊䞊文法芏則の開発䜜業手順に䞀般性が備わり誰がどのように文法芏則を䜜成するにせよある条件を満たすだけの蚀語の分析胜力を持った文法芏則を蚘述するこずができるなおもう䞀方の蚀語知識である蟞曞デヌタに぀いおもその知識構成過皋の把握が必芁であるが本皿では特に文法芏則に぀いおのみ着目する以䞋の第\ref{文法芏則の䜓系だった蚘述法}章では文法䜓系ず文法芏則の具䜓化の方法に぀いお述べ文法芏則を䜓系的に蚘述しおゆくための蚘述指針を提案する第\ref{文法芏則の蚘述の手順}章では提案した手続きに埓っお蚘述した文法芏則䟋を瀺す新聞テキストを甚いた分析実隓を通しお文法芏則の蚘述の手続きの䞀貫性を評䟡した第\ref{蚘述手続きの評䟡}章ではその詳现を報告する \section{文法芏則の䜓系だった蚘述法} \label{文法芏則の䜓系だった蚘述法}\subsection{文に぀いお}文法芏則は蚀葉に内圚するず芋られる衚珟ず解釈のためのきたりである珟実に我々が日々接する蚀語事実は倚皮倚様で加えお耇雑であるので蚀葉のきたりを包括的に䞔぀網矅的に説明する文法論は珟圚のずころ存圚しないそこでたず取り扱う文の範囲を蚭定する{\dg文}は蚘述する叙述内容を衚す郚分ずその叙述内容に察する話し手の刀断郚分が衚局の衚珟圢匏に珟れおいる蚀語衚珟ずする埓っお「うそ」「文法芏則の䜓系だった蚘述法」「そんなこず」ずいった䟋に芋るように叙述郚分がなく述語を含たない蚀語衚珟は本皿では文の範䞭\\に含めない「圌そこ行った(``圌がそこぞ行ったのだ''の意味)」「改革の流れ埐々に(``改革の流れが埐々に(Ί)''Ίがどのような述語をずるのかは文脈からしか刀断できない)」のように䞍完党な叙述衚珟であるものも陀倖する\footnote{文章衚珟は䞀般に描写文物語文説明文説埗文に分類するこずができる文章内容に基づいた分類である文の叙述の仕方の芋方に立぀ず文の圢匏の敎え方で区分できるこの区分によるず本皿の扱う{\dg文}以倖の皮類にはメモ䌝蚀掲瀺広告宣䌝文などがある論文などの専門的説明文に限るずタむトル郚分図衚などぞの泚釈章立おのための衚珟参考文献の蚘茉郚分を陀いた郚分は文字数にしおその割は本皿で扱う文である}\vspace*{-0.5mm}\subsection{文法蚘述のアプロヌチ}\vspace*{-0.2mm}文法芏則の蚘述には背景ずなる文法論(文法の考え方)が必芁である文法論を文の構成芁玠が持぀倖圢ずその結び付きの有様を探究するものであるずした時その構成法には二぀のアプロヌチがあるずいわれおいる\cite{森岡2}䞀぀には文法論で扱う構文的な機胜を単語の語圢にたで蚀及し䜓系を立おる方法(方法1)もう䞀぀は単語の語圢ずはそれほど密な関係を持ち蟌たずに䜓系を立おる方法(方法2)であるこうしたアプロヌチの違いず語のずらえ方の芖点によっおその䜓系がどのような品詞を認めどのような単語を認定するのかに違いが生じる品詞の皮類や単語の認定基準は文法䜓系の単語芳に䟝存しおいる文法芏則にはこのようなアプロヌチの違いに関する知識が関䞎しおおり暗黙の知識ずしお働いおいる構成法の違いは文法芏則の蚘述法の違いになっお珟れる䟋えば倖囜人向けの日本語教育の文法(䟋えば\cite{吉岡})は方法1に沿っお䜜られたものである日本語を母囜語ずする初孊者向けの文法(䟋えば\cite{枡蟺1})は抂ね方法2に沿っおいる䟋ずしお挙げるこずができる倖囜人向けの日本語教育の文法\cite{吉岡}では日垞䌚話の手段ずしお日本語の構造を説明するこずを䞻な目的ずするこうした文法䜓系の特城は話し手の意志䌝達や応答の仕方に泚目しおいるこずであるすなわち文䜓\footnote{叙述の䞭心ずなる述語が文法カテゎリヌに応じおその圢を倉えるこず䟋えば「だ」から「です」「たす」に芋られるような通垞態から䞁寧態ぞの倉化あるいは「〜する」から「〜しない」ぞのような肯定から吊定ぞの倉化を指す}に応じおどのように文の構成芁玠が倖圢ず結び぀くのか(文䜓に応じた構文的機胜)を重芖する䟋えば衚\ref{文䜓による掻甚圢の組織化の䟋}のような動詞の掻甚圢蚭定が可胜ずなり「たす」あるいは「た」ずいった語は助動詞ではなく動詞の掻甚圢の䞀郚ずなる衚珟䞊の機胜察立が「〜る」「〜た」のような衚局の圢の珟れ方にたで及んでいるこのように日垞䌚話ずしおの機胜察立が顕圚化しおいる文型を網矅的に調べおゆくこずで文法芏則を䜓系的に蚘述しおゆくこずが可胜である\vspace*{-0.3mm}\btb{文䜓による掻甚圢の組織化の䟋}\small\bt{|l|l|l|}\hline\mltclm{1}{䞭栞単䜍}&\mltclm{1}{掻甚圢}&\mltclm{1}{日垞䌚話䞊の機胜}\\\hline食べ&(食べ)\,--\,る&䞻䜓の珟圚の意思衚瀺の通垞䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,たす&䞻䜓の珟圚の意思衚瀺の䞁寧䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,た&䞻䜓が確認した意思衚瀺の通垞䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,たした&䞻䜓が確認した意思衚瀺の䞁寧䜓\\\hline\et\etb\vspace*{-0.3mm}日本語を母囜語ずする初孊者に察する文法\cite{枡蟺1}では衚局の圢には比范的無関心に抜象化した構文単䜍(䟋えば文節)を蚭定しおその芁玠間の性質に基づいお文ずしおの結び付きを調べる掻甚圢の組織化(衚\ref{助動詞ずの接続の基準による掻甚圢の組織化の䟋}を参照)を芋るず語圢倉化ず構文的な機胜ずの関連があたりない\btb{助動詞ずの接続の基準による掻甚圢の組織化の䟋}\small\bt{|l|l|l|}\hline\mltclm{1}{䞭栞単䜍}&\mltclm{1}{掻甚圢}&\mltclm{1}{助動詞ずの接続のし方}\\\hline食&(食)\,--\,べ&「ない」「う」「よう」に連なる\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べ&「たす」「た」に連なる\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べる&蚀い切るかたち\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べる&䜓蚀に連なるかたち\\\hline\et\etbこのように個々の文法論がそれぞれの立堎を持ちその立堎の芋方によっお蚀葉を分析するこずから分析の察象ずなる蚀語を䞀぀に限っおも幟぀かの文法論が存圚するすなわち文法芏則の構成過皋は文法論の構成法に䟝存しおいるず考えられる機械凊理を考えた時高床な掚論機構や語圙の意味にできるだけ䟝存しないように文法䜓系を構成するこずが望たしい衚局の圢の違いができるだけ構文に則する方法を採る日本語では(1)殊に述郚にあっお圢態玠の序列関係ず文法属性に関連があるこず(2)いわゆる孊校文法でいう掻甚の掻甚語尟に「う」「よう」「たい」などの無掻甚の助動詞を組み入れお再構成すれば述郚末尟の語圢倉化を構文的な機胜に結び付けるこずができるこずから本皿では方法の䜜成法を採る次節では方法に埓っお機械凊理に適した文法芏則蚘述のアプロヌチに぀いお述べる\subsection{文法芏則の圢態構文論的な䜜成法}\label{文法芏則の圢態構文論的な䜜成法}次に挙げる点に適うよう文法䜓系を構成する\smallskip\begin{itemize}\baselineskip1.2em\item文の内容蚘述に関連する芁玠を倖圢に珟れた圢態玠でずらえる\item叙述の時空間的な䜍眮関係を倖圢に珟れた圢態玠の䞭に芋぀ける\item曞き手の叙述の意図を圢態玠でずらえる\end{itemize}\smallskip{\noindent圢態玠はそれ自身で意味を担うこずのできる最小の単䜍\cite{森岡1}のこずであり語を構成する基本単䜍ずなっおいる}我々はこの圢態玠の衚局での珟れ方を重芖し単語の語圢にたで文法芏則を関䞎させる立堎で文法䜓系を構成する本皿ではこの構成法を{\dg圢態構文論}ず呌ぶ文の意味を近䌌する䞊蚘䞉点の特城が構文構造に関しおどのように具䜓化されおいるのかに着目するのである䞀般に文の䞀郚分が着目する衚珟内容を維持しながら別の文圢に倉わる堎合その倉化した郚分が文法芏則化の察象ずなる文型特城を担っおいる埓っお倉化圢態に察する圢態玠ず構文構造の盎接的な関係の発芋ず文型特城である文法䞊の働きを抜象化する過皋が文法芏則の䜜成過皋ずなるこの章では以䞋に構文構造に関䞎する圢態玠に぀いお述べたのち文法蚘述の手続きを敎理するための䜜成法の詳现を述べる\subsubsection{圢態玠の分類}\label{圢態玠}たず構文的意味を有する単䜍ずしおの圢態玠を分類する必芁がある森岡\cite{森岡1}は語の構成単䜍を圢態玠ずしお子现にその語構成法を芳察しおいる我々は森岡の圢態玠分類に埓いながら文の意味を近䌌する䞊述の䞉点の特城に぀いお構文構造ず圢態玠の関係を調べたそしお森岡\cite{森岡1}の基本の分類に基づき鈎朚\cite{鈎朚}を参考にしお蚀語珟象の抜象化に機胜的に働く圢態玠をたずめた付録の図\ref{圢態玠の分類䞀芧}に圢態玠の基本分類を瀺し付録の衚\ref{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}に蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠を瀺す\subsubsection{文構造の階局性ずその利甚}\label{階局}構文構造ず圢態玠の盎接的な関係から文法芏則の構成䞊の情報を埗るこずを基本ずするしかし文の構成を担う手がかりを衚局の圢態特城ばかりに求められないこずが䞋蚘の䟋からわかる\smallskip\begin{description}\baselineskip1.2em\item[(1)]「孊生は英語教育を求めおいない」\item[(2)]「孊生は英語教育を求めおいる」\item[(3)]「孊生は英語教育を求められおいる」\item[(4)]「孊生は英語教育を求めおいる」\end{description}\smallskip{\noindent吊定文(1)に察応する肯定文(2)ず受動文(3)に察応する胜動文(4)のうち(2)ず(4)は同じ文圢である}肯定文ず胜動文の圢態䞊の匁別ができない次に(1),(2),(4)䟋の「孊生は」の「は」は栌衚瀺機胜を有し䞻栌の語を珟しおいる䞀方(3)䟋の「孊生は」では「(が)孊生{\dgに}英語教育を求めおいる」{\noindentずいう意味で「孊生」が察栌を瀺すために「は」が利甚されおいる}このように構文的機胜を有する圢態玠は文法機胜に関し䞀察倚の察応関係を持぀こずで倚䟡倀ずなっおいる我々は文法䜓系の䜜成に意味知識や掚論機構を前提しないこずを既に述べおいる「求める」「英語教育」「孊生」ずいった語圙毎に意味知識を持ち蟌たずに「は」を䌎う語が䞻栌になるかもしくは察栌になるのかを衚珟し分けなければならない倚䟡倀の圢態玠を蚀語珟象の抜象化に応じお構文機胜に正しく結び付けるには䜕らかの衚瀺デバむスが必芁になるその働きは構文構造ず圢態玠の盎接的{\dgでない}関係を補完するこずにあるその察策ずしお我々は珟代日本語文法の研究成果~\cite{日本語1,日本,枡蟺,芳賀,寺村1,山口,南,䜐䌯}から埗られおいる文の段階性(階局)を利甚する文の段階(å±€)構造を本皿での文の定矩に埓っお倉曎した図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}に文の段階(å±€)構造を瀺す\bfg\vspace*{0mm}\epsfile{file=kaisou.eps}\vspace*{-0.1mm}\CAPLA{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}\vspace*{3mm}\vspace*{-0.3mm}\parbox{100mm}{\small日本語の述郚には図に瀺す局状構造があるずされる栌の階局は文の叙述に論理的な関係を蚭定した際にその論理関係の関䞎する芁玠が含たれる階局である䟋えば「AガBヲ食べ(ル)」ずいう述語があるずするこの堎合「食べる」ずいう述郚が䞭心語ずなり「が」ず「を」ずいう぀の栌芁玠が認められるこれらの芁玠は䞭心語に䟝存するノォむスの局は論理関係ずしお関䞎する栌芁玠がどのような芋方によっお叙述されおいるかを瀺す䞊の䟋ではに焊点を圓おるこずで「が(に)食べ{\dgられ}る」ずいう倖圢の特城が珟れる䟝存関係は栌関係ず倉わりはないが述郚の圢が圢態玠によっお倉わるので特城抜出が可胜ずなるアスペクトの局は叙述の時間の捉え方に関わる郚分である叙述党䜓を蚘述するのかあるいは叙述の時間的な倉化のある郚分を捉えお蚘述するのかを衚珟仕分ける局であるムヌドの局は叙述の時間衚珟に関わる郚分であっおその叙述が完了したこずなのかあるいは未完了の出来事かを衚珟仕分けるモダリティの階局は話し手の叙述の意図が瀺される}\end{figure}\vspace*{-1mm}\subsubsection{圢態玠ず圢態}\label{圢態玠ず圢態}\vspace*{-2mm}図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}に瀺す階局で䞍敎合なく文法機胜の働きが圢態ずの察応で明瀺できるように我々は局内にあっお構文的機胜を有する圢態玠の働きを決めるこずずしたテンスずかアスペクトなどの構文機胜は抜象的なものであるから垞に衚局文の圢が察応するずは限らないそこで構文機胜を有する圢態玠が衚局に珟れない堎合には圢態玠のむンスタンスずしお働くこずのできる圢態ずいう単䜍を導入する圢態を持った衚局には盎接珟れない圢態玠を認識的な圢態玠ず称する圢態を介しお圢態玠ず構文機胜を盎接的に結び付ける我々は必ずしも圢態玠が衚局䞊に珟れなくずも文を圢態玠連鎖ずしお扱うこずができるず仮定しおいる文の意味を近䌌する構文的意味に結び぀いお階局内で配眮される䜍眮に応じた文法機胜があるものず考え同じ圢態玠が耇数の構文機胜を担うこずはないものずした䟋文(2)は階局構造衚瀺をするず次の構造ずなる\vspace*{-1.5mm}\begin{center}\epsfile{file=rei.eps}\vspace*{-2.5mm}\figcap{䟋文の階局構造}{䟋文の階局構造}\end{center}図2においお(る)はアスペクト衚珟のル未完了ずムヌド衚珟のル叙述のふた぀の構文機胜を担っおいる衚局圢態の「る」は本皿の分析では䞀般にいわれる圢態玠ではなく圢態である倚䟡倀ずされる埓来の圢態玠は構文機胜を担う認識的な圢態玠(この䟋ではアスペクト圢態玠ずムヌド圢態玠)が構文機胜を実珟するために生じた衚局の珟れ぀たり圢態\footnote{䟋えば{\emgo}に察しおテンス圢態玠が機胜的に働くずその衚局の圢態は{\emwent}ずなる圢態玠解析ずは衚局の文字列を単語に区切るだけはない構文機胜を実珟する圢態玠を芋぀けるこずにありそれが認識的なものであった堎合には圢態を芋぀けるこずにある}であるずみる構文機胜が同じであるにもかかわらず圢態が違っおいる堎合があるこのように違う圢態が同じ文の階局に属する時それらは異圢態\footnote{圢は違うが同じ意味を持぀圢態「食べた」ず「読んだ」における「た」ず「だ」は異圢態ず呌ばれる圢は違っおいおも動詞で瀺される叙述内容が同じ過去・完了であるずいう意味を衚しおいる文の衚局の文字の䞊びは単なる圢態玠の連鎖ではなく圢態玠ず圢態もしくは呚りの蚀語環境によっお圢態が倉動した異圢態の䞊びからなる}であるずいう芋方をずるこうした分析により埓来倚䟡倀ずされた圢態玠の文内での働きを正しく捉えるこずができるこの圢態構文論的な䜜成法により蚀語珟象の抜象化に機胜的に働く圢態玠に曖昧性がなくなり構文構造ず圢態玠の間に盎接的な関係を蚭定するこずが可胜ずなるこの盎接的な関係の䞀芧が文法枠組に察応する線状に䞊ぶ圢態玠の圢の違いず盞互連鎖の仕方にだけ泚目するず曖昧ずなる蚀語珟象も文に階局構造を仮定するこずでそれを分析するための文法芏則を䜜成できる本章では構文構造ず圢態玠の盎接的な関係を抜象化する構文圢態論的な文法の考え方に぀いお述べた次にこの枠組に基づいた文法芏則の蚘述の方法に぀いお述べる \section{文法芏則の蚘述の手順} \label{文法芏則の蚘述の手順}䞀般に文法芏則の蚘述では文䞭で意味を担う圢態玠に結び぀いお繰り返し珟れる機胜圢態玠を利甚する圢態構文論的な䜜成法では文法芏則を蚘述する䜜業は文に内圚するずみられる階局のそれぞれの䜍眮に蚀語珟象を抜象化するために文に繰り返し珟れる圢態玠を配眮するこずである我々はこの手続きを敎理するこずで䜓系的な文法蚘述の手順を埗た\subsubsection*{構文的機胜を有する圢態玠の認定(P1)}語圙には実質的な内容面ず文法的な機胜面が備わっおいる意味が䌌通っおいる語圙の語圢の倉化の様子を調べるその様子から内容面が倉化しおも繰り返し起こる圢に着県するその圢を集めた語圙に共通する文法面の機胜を担う圢態玠ずする\subsubsection*{文の階局性の利甚(P2)}共通する文法面の機胜が耇数(圢態玠が倚矩)の堎合には文の階局構造を利甚する出珟する階局の違いに文法機胜の違いを察応させるこずによっお同じ圢態に異なる文法芏則を割り圓おる\footnote{䟋えば動詞の終止圢である「る」はテンスを衚珟するずももしくはアスペクトを瀺す機胜を有しおいるずもいわれおいるP2の手続きはこのような珟象に察凊するものであるこの䟋ではテンスを瀺す圢態玠ずアスペクトを担う圢態玠がそれぞれあり衚局䞊䞍可避的に同じ圢態を共有しおいるずみなす構文的には䞡者は違う階局で機胜するものずしお文法芏則を䜜成する}\subsubsection*{認識的な構文的機胜を有する圢態玠の認定(P3)}文法機胜䞊倖圢や階局に共通する圢態特城が珟れない堎合には文の衚局での珟れが{\dg芋えない}圢態玠を蚭ける次にこの圢態玠に構文機胜を割り圓おるこの構文機胜は蚀語珟象の抜象化に察応する必芁がある圢態玠ず衚局の圢態ずの察応をみいだす呚りの蚀語環境によっお圢態が倉化した異圢態があればそれを芋぀ける\subsubsection*{䟝存関係を定める(P4)}䟝存関係ずは文の構成芁玠が文階局のどのレベルで語圙の実質的な内容面ず結び぀いおいるかによっお衚珟する基本的に修食芁玠は被修食芁玠に䟝存する堎合修食芁玠の最も倖郭の階局ず同じ階局䜍眮に䟝存する係り受け関係に盞圓する䟋えば「ので」「のに」などの接続助詞はアスペクト局たでを含む述語の語圢倉化の䞭で繰り返し珟れる圢の圢態玠である連甚修食句ずしお䞻節に䟝存する堎合䞻節のアスペクト局郚分に䟝存するこれを暡匏的に衚したものが図\ref{䟝存関係の暡匏図1}$\sim$\ref{䟝存関係の暡匏図2}である\bfg\epsfile{file=izon1.eps}\vspace{0.5mm}\efg{䟝存関係の暡匏図1}述語はそれが衚珟する動きを成り立たせる䞊で構文䞊遞択的に必芁ずしおいる芁玠がある\cite{仁田}図\ref{䟝存関係の暡匏図1}に瀺す䟋では「AガBヲ求め(ル)」である図\ref{䟝存関係の暡匏図1}(a)の名詞句「英語教育を」は機胜圢態玠「を」でマヌクされおいるから述郚の階局構造(図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)})の栌芁玠を含む階局ず䟝存関係を構成する(図\ref{䟝存関係の暡匏図1}の(b))こうした甚蚀に内圚する論理的な関係構成に関わる芁玠は叙述に甚いる語圙の性質によっお決たる同時にその芁玠が語圢ずしおどのような圢態玠を取り埗るのかも語圙に䟝存しお決たるこの語圙性質は予め蟞曞に蚘茉しおおかなければならない\bfg\epsfile{file=izon2.eps}\vspace{0.3mm}\vspace*{-0.5mm}\efg{䟝存関係の暡匏図2}図\ref{䟝存関係の暡匏図2}は甚蚀に埌接する「い(る)」の䟝存先を瀺しおいる図\ref{䟝存関係の暡匏図2}(a)においお「英語教育を求めおいる」の機胜圢態玠「い(る)」は甚蚀で瀺される出来事の時間的な継続状態を瀺す(衚\ref{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠})この圢態玠は動詞が瀺す動䜜の䞀局面を衚珟しアスペクトずいう文法機胜を衚珟する圢態玠である埓っお述郚の階局構造(図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)})のアスペクト郚分に䟝存し図\ref{䟝存関係の暡匏図2}の(b)に瀺す䟝存関係が成立する䟝存関係は機胜圢態玠に前接する圢態玠(語基)ず文階局の性質から決たる図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}は䞊蚘P1$\sim$P4の手順の適甚する順序ず条件を蚘述手続きの流れずしお瀺したものである次節では文法芏則の䜜成䟋を挙げお蚘述手順を具䜓的に説明する\bfg\vspace{0.3mm}\epsfile{file=flow.eps}\vspace{0.7mm}\vspace{1mm}\efg{文法芏則の蚘述の流れ}\subsection{文法芏則の組み立お}\label{文法芏則の組み立お}本節では前節で瀺した文法芏則の蚘述方法に埓っお実際に文法芏則を䜜成した䟋を瀺す\vspace*{-4mm}\subsubsection{文の分析のための芏則}\vspace*{-1mm}{\dg文}分析のための芏則を䜜成する日本語は䞻芁玠が文末に眮かれる性質があるので文末の圢態玠もしくは圢態に着目しおみる\begin{enumerate}\item構文ず盎接関係を有する圢態玠を探す(P1)話し手の刀断にあたる郚分を文法機胜ずしお話し手の意図ずするノォむス・アスペクト・ムヌドなどの文法機胜ず同様に扱い意図は文の蚘述の内容に無関係に様盞の階局で働く構文機胜ずする次に様盞に察する圢態玠を蚭定する「䞎える」を蚀語資料ずし語圢倉化の様子を調べるため文末での終止の圢を䟋に挙げる\footnote{䞊段は比范的話し手の匷い意図衚珟が瀺される語圢で䞋段はそれ以倖の語圢を集めた}\vspace{-2mm}\btb{甚蚀の文末終止の型の䟋}\small\bt{ll|l|l}&(1)&(2)&(3)\\&䞎える&䞎えるのだ&䞎えおほしい\\(侊)&䞎えた&䞎えたのだ&䞎えおほしかった\\&䞎えるだろう&䞎えるはずだ&䞎えるべきだ\\&䞎えただろう&䞎えたはずだ&䞎えおおくべきだ\\\hline&䞎えよう&䞎えたすか&䞎えなさい\\(例)&䞎えたい&䞎えたしたか&䞎えねばならない\\&䞎えろ&䞎えるのか&䞎えようじゃないか\\&䞎えるな&䞎えたのか&䞎えるだろうねぇ\\\et\vspace{-0.5mm}\etb様盞ずいう構文機胜に察応する圢態玠は話し手の刀断であるので肯定や吊定過去の認定や掚量ずいった䞭立的な刀断の意味を衚すず考える願望ずか疑問ある根拠に基づくこずを瀺唆する呜什調の刀断や意志ずいった意味を瀺す圢態玠は様盞に応じないので文の終止の圢ずしお認められない衚\ref{甚蚀の文末終止の型の䟋}で䞭立的な刀断の意味を衚すのは(1)列䞊段であり「〜る」「〜るだろう」のような話し手の意図が比范的䞭立かあるいは根拠の曖昧な掚量の衚珟であるこうした意図衚瀺の垌薄な衚珟は基本の文型ずしおよいだろう(2)列は文内容の叙述に察する話し手の態床が圢態に劂実に珟れおいるこずが分かる「のだ」「はずだ」ずいった話し手の匷い認定態床を衚珟した掚量ず「たすか」「のか」のような意図衚瀺が匷固な疑念の衚出ずなっおいる(3)列は盎接的な話し手の意志や願望が瀺されおいる(1)の䞋段の衚珟は意図の衚珟ず䟝頌の衚珟であるその衚す意味を芋るず蚘述事態の時間的な把握意図衚珟や䟝頌衚珟が察で䞊んでいる同じ意味を衚す他の蚀い替え衚珟がないこずから(1)の䞋段は意図衚瀺の衚珟の基本の圢である結局(1)列を基本的な文終止の文型であるずする\item圢態玠の働きは?芏則蚘述の手順を瀺す図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1の手続きによっお様盞ずいう文法機胜に察する圢態玠を仮定した衚の(1)列に挙がる䞀連の圢態は文の終止機胜(構文機胜ずの盎接関係)を有するものの「䞎え」を陀いおは共通する圢態玠がみ぀からない手順P3に進む\item認識的な圢態玠を仮定する(P3)様盞を瀺す圢態玠を$\varphi$様盞(**)\footnote{$\varphi$は``芋えない''圢態玠であるこずを瀺し``**''は圢態玠に察する構文機胜が未定であるこずを瀺す䟋えばテンスが{\dg過去}ずか{\dg珟圚}ずいった具䜓的な構文機胜を持っおいるように構文ず盎接関係を有する圢態玠には機胜に芋合った倀を䞎えるこずができる}ずしお衚局文字列ずの察応をずる(図\ref{様盞の分析手順}(a))\bfg\epsfile{file=izon3.eps}\CAPLA{様盞の分析手順}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\small(a)図は認識的な圢態玠を仮定した段階であり構文機胜は未定である圢態ずの結び぀きが明確でない(b)図は構文機胜を定め衚局の圢態ずの察応をずった状態を瀺しおいる}\end{figure}\item構文ず盎接関係を有する圢態玠を探す(P1)(1)列で䞎え(述語自身が衚珟する叙述内容)を陀くず「る(た)」「るだろう(ただろう)」「よう(たい)」「ろ(るな)」が話し手の刀断を瀺す圢態であるそこで様盞に具䜓的な構文機胜を䞎える様盞を瀺す圢態玠にそれぞれ$\varphi$様盞(平叙)$\varphi$様盞(掚量)$\varphi$様盞(意志)$\varphi$様盞(䟝頌)ずいう文法機胜を瀺す倀を割り圓おる「た」は「る」の異圢態ずし「ただろう」「たい」「るな」に぀いおも同様ずする\item圢態玠の働きは?文終止の様盞に察する構文機胜ず圢態玠を結び付けるこずができた(図\ref{様盞の分析手順}(b))\item䟝存関係を求める(P4)階局関係を基に䟝存構造を求める様盞は階局構造では倖郭にあるから文ずいう最䞊䜍の階局ずの盎接䟝存関係を構成するこずになる\end{enumerate}図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1--P3--P1--P4の手順で文法芏則を䜜成するこずができる\footnote{簡䟿のため様盞に関する文法芏則の䜜成事䟋を挙げた話し手の意図に関する$\varphi$様盞(平叙)圢態玠は「る」ず「た」ずいう圢態に察応しおいるこのいずれの圢態も文を終止する芁件は満たしおいるものの「る」「た」はテンスを瀺しおいるずもされ様盞以倖の文法機胜をこの圢態が衚しおいるそこで文の階局構造である図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}を圓おはめおみるその結果「る」「た」の圢態はムヌドの文法機胜を担っお圢態ずしお珟れおいるこずが分かるたたほかの圢態䟋えば䟝頌を瀺す圢態「ろ」「るな」は意志吊定(認め方)の文法機胜も同時に担っおいる最終的にはP1--P3--P1--P2--P4の手順に沿っお文法芏則を䜜成するこずになるその結果を次の図に瀺す\begin{center}\epsfile{file=izon4.eps,height=60mm,width=90mm}\end{center}}\begin{figure}[p]\input{fig2.tex}\bigskip\caption{文法䜓系構図}\label{文法䜓系構図}\end{figure}\vspace*{-0.5mm}\subsubsection{文法芏則}\vspace*{-0.2mm}玙面の郜合䞊䞀䟋を挙げるに止めるが我々はすでに䞭芏暡の文法芏則を䜜成しおいるこの文法䜓系の党䜓構図を図\ref{文法䜓系構図}に瀺す個々の芏則を逐䞀挙げるこずも玙面の関係から䞍可胜なので文の階局図を甚いお瀺しおいる文の階局のそれぞれの䜍眮にどのような構文芁玠が䟝存するのかを瀺した前章たでに瀺した手続きによっお䜜成された芏則はDCG\cite{fernando}を甚いお蚘述されおおり玄700䜙りある付録の衚\ref{文法芏則の皮類ず数(1)}衚\ref{文法芏則の皮類ず数(2)}には文法芏則の皮類ずその数の䞀芧を瀺す実芏則の䞀䟋ずしお䟋で挙げた文分析の芏則を付録の図\ref{文法芏則䟋}に瀺す文を分析するず構文構造が埗られるがこの構造は述郚の階局構造を基本ずしお文の構成芁玠が文階局のどの䜍眮に属するのか(䟝存構造)を瀺す圢態玠によっお決たる構文機胜を䟝存関係ずしお利甚するこずで係り受け関係ず芋なすこずもできる構文的な性質のうち述語自身が遞択的に芁求する芁玠に関する(栌の階局に属する)情報は語圙ごずに違うので予め蟞曞に蚘茉しおおく必芁がある甚蚀を䞭心ずした芏則の他に䜓蚀を䞭心ずした連䜓句副詞を扱う連甚句に関する芏則がある \section{蚘述手続きの評䟡} \label{蚘述手続きの評䟡}本章では文法芏則蚘述の手続きの䞀貫性を評䟡する実隓ずその結果に぀いお述べる\subsection{方法}たず前章においお䜜成した文法芏則を第䞀版ずしその分析胜力に぀いお実際の新聞の論説文を甚いお分析を行なう\footnote{分析察象の文章は平成4幎11月10日から21日たでの朝日新聞瀟説ならびにコラム「窓」からそれぞれ8線ず぀を遞んだ}分析できなかった事䟋を収集し蚀語珟象ごずに分類を詊みるその䞭からあるカテゎリヌを遞びこれを仮に応甚分野で求められる分析性胜の向䞊芁求ず定める次にこの芁求を満たすよう本皿で提案した蚘述の手続きを甚いお文法芏則を远加したこれを第二版ずし再び同じテキストを甚いお分析を行い芏則䜜成手順の有効性を怜蚎した\subsection{第䞀版の文法芏則による分析}分析においお次の条件を䞎えた(1)蟞曞項目は党お䞎えられおいるものずし(2)曖昧性を考慮せず句点や蚘号等を含む党文字列を文の構成芁玠ずする(3)耇数の名詞連続からなる耇合語はないものずし䞀぀の単語ずみなすこずで耇合語の分析を文法芏則の守備範囲から倖した衚\ref{実隓結果(1)}の分析実隓の結果を埗た\btb{実隓結果(1)}\small\bt{|r||r|r|r|r|}\hline&\mltclm{2}{コラム「窓」}&\mltclm{2}{瀟説}\\\hline文章&\multicolumn{1}{c|}{文数}&解析率(\%)&\multicolumn{1}{c|}{文数}&解析率(\%)\\\hline1&16(17)&6.3&29(29)&24.1\\2&17(19)&41.2&39(40)&43.6\\3&17(22)&41.2&26(28)&26.9\\4&11(15)&45.5&31(32)&29.0\\5&19(21)&47.4&14(18)&14.3\\6&10(13)&10.0&30(31)&30.0\\7&19(27)&57.9&34(34)&32.4\\8&13(14)&15.3&24(27)&29.2\\\hline平均&15.3(18.5)&33.1&28.4(29.9)&28.7\\\hline\et\etb衚\ref{実隓結果(1)}は瀟説ずコラムに぀いお文章䞭に含たれる文数ず解析率を䞀芧にしたものである解析率は曖昧性を考慮しないで解析に成功した文の党文章に察する比率であるなお我々が定矩した文の範囲倖にある蚀語珟象を含む文は予め分析察象から倖した(衚\ref{分析察象倖蚀語珟象})文数を瀺す欄の括匧内が元の文数である陀倖した蚀語珟象ずしお名詞や蚘号が連接する説明文章特有の蚘述蚘号の組合せによる慣䟋的な衚珟あるいは簡易衚珟による指瀺衚瀺があるコラム文章では䜓蚀止め副詞句止めなどの修蟞甚法が䜿われおいる\btb{分析察象倖蚀語珟象}\small\bt{|l|r|l|}\hline\mltclm{1}{蚀語珟象}&\mltclm{1}{事䟋数}&\mltclm{1}{甚䟋}\\\hline圢態連接&25&「$\cdots$」「$\cdots$」「$\cdots$」($\cdots$)\\䜓蚀止め&11&``教科曞倉庫''\\副詞句止め&1&``枩泉旅行に''\\その他&4&``$\cdot\cdot\cdot$''\\\hline\et\etb8぀のコラム文章に぀いお解析できない甚䟋を衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}に瀺す事䟋数は8぀の文章を察象ずした分析䞍可の原因数である䞀般には䞀文の䞭に耇数の原因が存圚する匕甚が高い頻床で珟れおいる鍵括匧で囲たれた文字列党䜓(耇数文の堎合もある)が匕甚されおいる䟋もある「の」による名詞化珟象では名詞句党䜓が助詞を䌎う堎合が25䟋(「の」による名詞化1)ず倚い圢匏名詞による補文化の䟋は4ä»¶(圢匏名詞を䜿う名詞化1)ず少ない逆に圢匏名詞で名詞化されたものがモダリティ機胜を兌ねお働くこず(圢匏名詞を䜿う名詞化2)が倚いこずが特城ずなっおいる連甚化は「ように」「ために」「ほど」などの圢匏名詞が埓属節郚分で機胜する蚀語珟象である第䞀版の文法芏則では接続詞を扱っおおらずこの芏則を欠くこずによる解析率の䜎䞋も倧きい\btb{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}\small\bt{|l|r|l|}\hline\mltclm{1}{蚀語珟象}&\mltclm{1}{事䟋数}&\mltclm{1}{甚䟋}\\\hline文の匕甚&40&告蚎するず「$\cdots$」などず\\名詞句の匕甚&5&``肝心ずいう''\\「の」による名詞化1&25&開いたのが実珟させたのを\\「の」による名詞化2&6&``$\cdots$のだろう''\\圢匏名詞を䜿う名詞化1&4&認めさせたこずも存圚するかもしれぬこずを\\圢匏名詞を䜿う名詞化2&20&薄くなるばかりだいうほかない\\連甚化&20&指摘したように䜏んだ挙げ句\\文末のモダリティ&11&しおはならない``$\cdots$ではいられない''\\接続詞&13&だがそれにしおもしかし\\掻甚倉圢&7&あわず飜きたらず\\述郚内掟生珟象&1&しお\underline{もら}う\\[1mm]\hline\et\etb\subsection{適甚分野ぞの暡擬的拡匵}前節で瀺した幟぀かの蚀語珟象を取り䞊げその蚀語珟象をあるアプリケヌションが芁求する拡匵仕様ず芋なすその仕様を満たすように文法芏則を拡匵する第\ref{文法芏則の蚘述の手順}章で提案した手順に埓っお文法芏則化を進める衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}を参考にするず「の」による名詞化1ず圢匏名詞の名詞化2ならびに文末のモダリティに関する文法芏則を新たに䜜成するこずで分析範囲が広がるこずが予想される具䜓的には(a)曞き手の意図衚珟ず(b)「の」による名詞化された衚珟に察応できるように拡匵する\footnote{倱敗の事䟋数の点からは「文の匕甚」の解析芏則を远加するこずで効率良く解析率を向䞊させるこずができる本節では本皿が䞻県ずする文法芏則の䜜成手順(図\ref{文法芏則の蚘述の流れ})の説明の点から幟分意図的であるが䞊蚘2䟋を取り䞊げた}\subsubsection{文法芏則の拡匵1}\label{文法芏則の拡匵1}(a)に぀いお文法芏則の䜜成手順(図\ref{文法芏則の蚘述の流れ})を適甚しおみる「しおはならない」「である」「わけだ」のようにモダリティ\footnote{この堎合叙述内容に察する曞き手の刀断様盞様盞ず同じモダリティの階局に属する}を瀺す圢態が雑倚であるそこで認識的な構文機胜を有する圢態玠($\varphi$刀断様盞(**)\footnote{(**)は刀断様盞ずいう圢態玠に察応する具䜓的な文法機胜の名前である䟋えば「である」だず`断定'である}ずする)を仮定する「わけ」「ばかり」「の」などの圢態が文末のモダリティ衚珟のみならず名詞化にも関わっおいるこずから圢態玠の倚䟡倀の問題を解消する必芁があるそこで文の階局構造を利甚し圢態玠($\varphi$刀断様盞)が属する階局をモダリティの階局に蚭定する図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1--P3--P1--P2--P4の流れに埓うこずで$\varphi$刀断様盞(**)ずいう圢態玠の出珟䜍眮ならびに文に珟れた異圢態ず構文機胜を特定する文法芏則が出来䞊がる远加される文法芏則は扱おうずする文末の刀断様盞に関わるモダリティ衚珟の数に等しいここでは衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}の文末のモダリティの項目に珟れた圢匏的な名詞の分析をカバヌするだけの芏則数を远加する(芏則数13)\subsubsection{文法芏則の拡匵2}\label{文法芏則の拡匵2}(b)に぀いおは「の」を圢匏的な䜓蚀に所属する助蟞ず考え先に挙げた図\ref{文法䜓系構図}の䞭の述郚からなる連䜓修食句に関する文法芏則を応甚するこずで拡匵が可胜である図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}における(3)の堎合に盞圓する名詞化ずいう文法機胜は「の」だけでなく「こず」によっおも実珟されるこずから名詞化を担う単䞀の圢態玠が芋あたらない$\varphi$名詞化(**)ずいう認識的な構文機胜に応じる圢態玠\footnote{この圢態玠は階局図ではアスペクトの局に属する}を蚭定し衚局で具珟した圢態を「の」ずするそしおその異圢態を「こず」ずする図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}においおP1--P3--P1--P4の手順で芏則を䜜るこずができる文法芏則は述郚からなる連䜓修食句ず$\varphi$名詞化(**)の䟝存関係実質的には「の」「こず」ずの䟝存関係から構成できる(芏則数11)\subsection{第二版の文法芏則による分析}\subsubsection{分析の結果}䞊述の手続きで䜜成した文法芏則を加えた拡匵版を第二版の文法芏則ずしこの文法芏則を䜿っお再び同じ資料に察しお分析を行ったその結果を衚\ref{実隓結果(2)}に瀺す衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}で瀺した項目の「の」による名詞化ず圢匏名詞の名詞化ならびに文末のモダリティ衚珟に関わる蚀語珟象の分析が可胜になったそれぞれの分析察象の資料に぀いお「拡匵埌の解析率」が瀺すように解析率が向䞊しおいる第二版の文法芏則の分析胜力が向䞊しおいるこずを確認した䞀連の実隓から適甚分野の芁求仕様に応じお図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}で瀺した文法芏則䜜成の手続きが繰り返し適甚可胜であるこずを確認した\btb{実隓結果(2)}\small\bt{|r||r|r|r|r|}\hline&\mltclm{2}{コラム「窓」}&\mltclm{2}{瀟説}\\\hline文章&\mltclm{1}{拡匵埌の}&解析率(\%)&\mltclm{1}{拡匵埌の}&解析率(\%)\\&解析率(\%)&&解析率(\%)&\\\hline1&18.8&6.3&38.0&24.1\\2&52.9&41.2&56.4&43.6\\3&58.8&41.2&46.2&26.9\\4&54.5&45.5&48.4&29.0\\5&68.4&47.4&42.9&14.3\\6&20.0&10.0&53.3&30.0\\7&57.9&57.9&55.9&32.4\\8&38.5&15.3&45.8&29.2\\\hline平均&46.2&33.1&48.4&28.7\\\hline\et\etb\vspace*{-2mm}圢匏名詞を䜿っお叙述内容を曞き手の刀断の様盞で締めくくる文章スタむルが論説文の特城であるこずから瀟説を察象ずした資料で解析率の向䞊が著しいこずがわかる同機胜の文法芏則を远加しおも文章の性質によっお解析率の向䞊に違いがみられたこのこずは分析察象ずなる文章に察しおその衚珟䞊の性質の違いに応じお文法芏則を遞択的に適甚するこずが効率的な分析の実珟に぀ながるこずを瀺唆しおいる文法芏則の分析胜力は背景ずなる文法論に䟝存しおいる取り分け拡匵の可胜性に぀いおは分析察象ずする文を文法論がどのように定矩するのかにかかわるたた文法芏則を拡匵する時その分析胜力の挞増性が問題になる䞀般に文の䞀郚分が着目する衚珟内容を維持しながら別の文圢に倉わる堎合その倉化した郚分が文法芏則化の察象ずなる文型特城を担っおいるたずえば䟋文(5),(6)は「それを食べる」ずいう衚珟内容を維持し぀぀それぞれ違った意味を担っおいる「わけ」に導かれお文圢が倉化しおいる\begin{itemize}\baselineskip1.2em\item[(5)]「君がそれを食べるわけなのだ」\item[(6)]「君がそれを食べるわけがわかった」\end{itemize}ここで仮に「わけ」を圢態玠ずしお構文構造ず圢態玠の盎接的な関係に基づいた抜象化を行い文法芏則を䜜成する\smallskip\begin{description}\baselineskip1.2em\item[芏則]連䜓修食構造の䞻名詞郚分に「わけ」は䜍眮するこの堎合「わけ」は・「 ずいう次第」・「理由・事情」の意味があるそしお連䜓修食構造を構成する述語郚分ず䟝存関係を持぀\end{description}\smallskip{\noindent䞊蚘文法芏則によれば圢態玠「わけ」に察応する構文機胜が぀それぞれ・叙述に察する刀断・「わけ」による名詞化あるので䟋文(5)(あるいは䟋文(6))を解析するず぀の解析候補が埗られる}この曖昧さは「わけ」によっお衚される蚀語珟象の抜象化が䞍十分なために生じたものである䞀般に曖昧さの解消は意味解析に委ねられるこずになるが構文解析の段階で粟床を䞊げようずしお䞀方の蚀語珟象に適合させお分析胜力を調敎すれば䞊蚘芏則は基本的に぀の蚀語珟象を分析察象にするから必然的に他方の蚀語珟象の分析に調敎の圱響が及ぶこの意味で他ず干枉する文法芏則ずなっおいる我々が提案する圢態構文論的な䜜成法では次に瀺す手続きで芏則化する䟋文(5)の「わけ」が持぀意味「ずいう次第」が瀺す構文機胜は曞き手の意図であるこずから前節(\ref{文法芏則の拡匵1}節)で瀺した文法芏則の拡匵にあるように$\varphi$刀断様盞ずいう圢態玠を認めこの圢態玠ず構文機胜に盎接の関係を持たせるこの蚀語珟象の抜象化に機胜的に働いおいる圢態玠が具䜓化した衚局の圢態は「わけ」ずなりその異圢態ずしお「ばかり」「はず」がある圢態玠($\varphi$刀断様盞)はモダリティの階局に属するから䟋文(5)の「わけ」に前接する「それが食べた」は様盞衚珟たでの文法芁玠を含たなければならない(図\ref{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}の(a))これに察しお䟋文(6)の「わけ」が持぀意味「理由・事情」が瀺す構文機胜は名詞化であっお\ref{文法芏則の拡匵2}節で瀺した芏則ず同様であるこの堎合の認識的な圢態玠($\varphi$名詞化)はアスペクトの階局にあるので䟋文(6)の「わけ」に前接する「それで食べた」はアスペクト衚珟たでの文法芁玠を含む(図\ref{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}の(b))それぞれの圢態玠は所属する階局が違い埓っお圢態玠が機胜する時の呚囲の文法環境に違いが生じるこの違いがその圢態玠ず盎接的な関係を持぀構文構造を解析する芏則の適甚制限ずなっお䟋えば䟋文(5)を解析する文法芏則は䟋文(6)の解析には倱敗する逆の堎合も同様である本䜜成法では認識的な圢態玠の遞定の劥圓性を支持する衚瀺デバむスに述郚の階局構造を利甚するこずで互いに盞反したり矛盟するこずのない文法芏則を䜜る手続きを確立したそれは構文機胜に結び付く圢態玠が正しく刀断できおいるこずが条件である手続きでは圢態玠の遞択が正しい刀断のもずに行なわれたか吊かの指針を䞎えるこずはできおいない図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}の砎線の四角で瀺す䟋倖凊理があるのはこのためである\bfg\vspace{0.5mm}\epsfile{file=kisoku.eps}\vspace{0.5mm}\CAPLA{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\small(a)図は「君がそれを食べるわけなの(だ)」に察応する階局構造図である砎線は連䜓修食句が含む文法芁玠に関連する階局を瀺しおいる(b)図は同様に「君がそれを食べるわけが(分かった)に察応する階局構造図である}\end{figure}線状に䞊ぶ圢態玠の圢の違いず盞互連鎖の仕方にだけ泚目するず曖昧ずなる蚀語珟象も文に階局構造を仮定するこずでそれを分析するための文法芏則を䜜成できる䜆し圢態玠の曖昧性がこれだけに尜きるのではなく修食-被修食の関係や音調の違い等をも基瀎にしお曖昧さを解消しおいるようである個々の蚀語珟象の曖昧性がそれぞれ䜕に起因しおいるのかを隅無く抌えおゆくこずが必芁だろう \section{おわりに} この皿では文法芏則の䜓系的な蚘述方法を提瀺したたず圢態玠ず衚局圢態の抂念区分をした䞊で日本語の持぀階局構造に泚目した圢態玠の述郚階局䜍眮ずの関係から衚局での圢態の珟れ方を構文構造に結び付ける圢態構文論的な文法䜜成のアプロヌチを採甚し文法芏則の開発手続きを確立した融通性を持ち容易に修正できるこずを䟋蚌するため詊䜜した文法芏則を新聞の論説文の分析に適甚し分析の出来なかった蚀語珟象を怜蚎したそしおその蚀語珟象を取り䞊げおこれを新たな分析性胜を満たす芁求仕様ず芋なし同じ手続きを甚いお文法芏則を拡匵したこの結果拡匵した文法芏則の分析性胜が挞増しおいるこずを確認したこれたでにも䜕らかの蚭蚈の指針を䜿っお文法芏則の開発は行われおきたしかしそれは基本的な文法の枠組みがあるずしおも実際に文法芏則を曞くものの経隓に基づく勘であったりあるいは蚀語珟象ごずに芏則を挔繹する堎合もこの蚀語珟象に぀いおはこのような文法芏則の曞き方ある蚀語珟象に぀いおはこの芏則に類䌌させるずいうような䜓系性に欠けるものであったこうした経隓的な方法や蚀語珟象に䟝存する方法は手順が明確でなくずも文法芏則を蚘述しおゆくこずができるずいう意味で圹に立぀が新しい蚀語珟象に察応する文法を蚘述しおゆく䞀般的な方法ずはいい難い文法芏則を蚘述する際に経隓的な方法や蚀語珟象に䟝存する方法を䜿っお適甚分野の倉化に応じおその郜床文法芏則を開発しおゆくこずはコスト的にも加えお文法芏則の分析胜力の䞍安定さの点からも避けるこずが望たしい蚀葉は分析察象が認識的なものであるために分析のために客芳的な方法論が適甚されにくくアプリケヌションの倚様化に察応する客芳的な文法芏則の蚘述の手続きを求めるこずは困難な課題である本皿では䞀アプロヌチずしお\,(1)\,文法芏則の開発手続きを手順化するこずによっお展望を芋いだそうずしたさらに\,(2)\,その手順に埓った文法芏則の䜜成の詊み\,(3)\,蚈算機䞊ぞの文法芏則の実装による動䜜確認ず文法芏則の適甚実隓によっお有効であるこずを確認したこれたで蚀語デヌタは倧孊や䌁業内においお収集が進められ蓄積も進んでいる囜家的なプロゞェクトずしおデヌタの蓄積を進める詊みもある\cite{EDR}しかしながらそうした資料の資源保党に぀いおの取り組みは具䜓䟋をみないニヌズの倚様化に䌎い他の分野での蚀語デヌタベヌスの有効掻甚を進めるためには蚀語デヌタベヌスを再利甚する技術の開発を掚進する必芁がある最埌に本皿で詊䜜した䞭芏暡の文法芏則はそのすべおが公開されおいる個々の文法芏則はDCG\cite{fernando}蚘述のためPrologの実行メカニズムをパヌゞングの凊理過皋ずするこずができ機械の皮類に䟝存するこずがなくPrologの動䜜するいかなる蚈算機においおも利甚が可胜であるDCGに぀いおもLangLAB\cite{埳氞}ならびにSAX\cite{束本}ずいった無償公開゜フトりェアを利甚するこずができるそのためにパヌサヌを䜜る必芁はない\acknowledgment本皿に察しおコメントをいただいた査読者に感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\newcounter{ichi}\newcounter{ni}\setcounter{ichi}{1}\setcounter{ni}{2}\begin{thebibliography}{[1]}\bibitem[\protect\BCAY{吉村歊内接田銖藀}{吉村\Jetal}{1989}]{吉村}吉村賢治歊内矎接乃接田健蔵銖藀公昭\BBOP1989\BBCP.\newblock\JBOQ未登録語を含む日本語文の圢態玠解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf30}(3).\bibitem[\protect\BCAY{神岡土屋安西}{神岡\Jetal}{1989}]{神岡}神岡倪郎土屋孝文安西祐䞀郎\BBOP1989\BBCP.\newblock\JBOQ述語耇合䜓の生成ず衚珟\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf30}(4).\bibitem[\protect\BCAY{奥}{奥}{1990}]{奥}奥雅博\BBOP1990\BBCP.\newblock\JBOQ日本文解析における述語盞圓の慣甚衚珟の扱い\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf31}(12).\bibitem[\protect\BCAY{森岡}{森岡}{1984}]{森岡2}森岡健二\BBOP1984\BBCP.\newblock\JBOQ文法論の構想\JBCQ\\newblock「囜語孊」,136集.\bibitem[\protect\BCAY{吉岡}{吉岡}{1989}]{吉岡}吉岡歊時\BBOP1989\BBCP.\newblock日本語文法入門.アルク.\bibitem[\protect\BCAY{枡蟺}{枡蟺}{1983}]{枡蟺1}枡蟺正数\BBOP1983\BBCP.\newblock教垫のための口語文法.右文曞院.\bibitem[\protect\BCAY{森岡}{森岡}{1987}]{森岡1}森岡健二\BBOP1987\BBCP.\newblock語圙の圢成.明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚}{鈎朚}{1972}]{鈎朚}鈎朚重幞\BBOP1972\BBCP.\newblock日本語文法・圢態論.むぎ曞房.\bibitem[\protect\BCAY{宮地}{宮地}{1983}]{日本語1}宮地裕(ç·š)\BBOP1983\BBCP.\newblock\JBOQ特集\意味ず構文\JBCQ\\newblock日本語孊,12月号,VOL.2,明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{北原}{北原}{1981}]{日本}北原保雄(ç·š)\BBOP1981\BBCP.\newblock日本文法事兞.有粟堂出版株匏䌚瀟.\bibitem[\protect\BCAY{枡蟺}{枡蟺}{1974}]{枡蟺}枡蟺実\BBOP1974\BBCP.\newblock囜語文法論.笠間曞店.\bibitem[\protect\BCAY{芳賀}{芳賀}{1979}]{芳賀}芳賀やすし\BBOP1979\BBCP.\newblock日本文法教宀.教育出版,東京.\bibitem[\protect\BCAY{寺村}{寺村}{1984}]{寺村1}寺村秀倫\BBOP1984\BBCP.\newblock日本語のシンタクスず意味第\Roman{ichi}å·».\newblockpp.202--321,くろしお出版,東京.\bibitem[\protect\BCAY{山口}{山口}{1987}]{山口}山口明穂線集\BBOP1987\BBCP.\newblock囜文法講座\6\\時代ず文法--珟代語.明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1974}]{南}南䞍二男\BBOP1974\BBCP.\newblock珟代日本語の構造.倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{䜐䌯}{䜐䌯}{1983}]{䜐䌯}䜐䌯哲\BBOP1983\BBCP.\newblock\JBOQ語順ず意味\JBCQ\\newblock日本語孊,12月号,VOL2.\bibitem[\protect\BCAY{仁田}{仁田}{1988}]{仁田}仁田矩雄\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQ「文の構造」\JBCQ\\newblock講座\日本語ず日本語教育\第4å·»,pp.25--52,明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{EDR}{EDR}{1993}]{EDR}EDR電子化蟞曞仕様説明曞\BBOP1993\BBCP.\newblock(æ ª)日本電子化蟞曞研究所.\bibitem[\protect\BCAY{Fernando,Pereira,David,Warren}{Fernandoet~al.}{1980}]{fernando}Fernando,C.,Pereira,N.,DavidH.,and\Warren,D.\BBOP1980\BBCP.\newblock\JBOQDefiniteclauseGrammarsforLanguageAnalysis--ASurveyoftheFormalismandaComparisonwithAugmentedTransitionNetworks\JBCQ\\newblockArtificialIntelligence13(3)pp.231--278.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞}{埳氞}{1988}]{埳氞}埳氞健䌞\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQLangLAB\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf7},(29).\bibitem[\protect\BCAY{束本・杉村}{束本\Jetal}{1986}]{束本}束本・杉村\BBOP1986\BBCP.\newblock\JBOQ論理型蚀語に基づく構文解析システムSAX\JBCQ\\newblock\Jem{コンピュヌタ゜フトりェア},Vol.3,No.4,pp.308--315.\end{thebibliography}\setcounter{figure}{0}\setcounter{table}{0}\appendix\small\subsection*{圢態玠の分類䞀芧}\bfg\epsfile{file=goki.eps,height=50mm,width=70mm}\efg{圢態玠の分類䞀芧}\subsection*{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}巊の欄に代衚的な圢態玠を挙げお右欄には圢態玠が担う機胜に察する蚀語珟象の説明を簡略に挙げおいる他にもいく぀かの助蟞ずその助蟞に察応する蚀語珟象がある\btb{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}\footnotesize\bt{|p{55mm}|p{75mm}|}\hline\mltclm{1}{圢態玠(助蟞)}&\mltclm{1}{蚀語珟象ずの察応}\\\hlineが,を,に&甚蚀に内圚する論理関係の構成に関䞎する芁玠を衚瀺する\\\hlineぞ,ず,で,より,から,によっお,にずっお,$\cdots$&甚蚀が瀺す事柄を制限的に修食する芁玠を衚瀺する\\\hlineは&提題芁玠を衚瀺し甚蚀が瀺す事柄を非制限的に修食する芁玠を衚瀺する\\\hlineも,こそ,さえ,でも,しか,$\cdots$&察比的な芁玠を衚瀺し甚蚀が瀺す事柄を非制限的に修食する\\\hlineほど,くらい,ばかり,$\cdots$&前接する䜓蚀を制限的に修食する\\\hlineる,た,るだろう,ただろう,よう,たい,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来の出来事であるのか過去完了の出来事であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineお,れば,たら,ず,おも,たっお,だっお,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事間の因果関係を衚瀺する\\\hlineれる,させる&甚蚀に内圚する論理関係の構成に関わる芁玠を替える\\\hlineいる,ある,぀぀ある,おやがる,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事の時間的な継続状態を瀺す\\\hlineはじめる,おわる,぀づける,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事の時間的な倉化状態を瀺す\\\hlineいく,くる,みる,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事ぞの話し手の関䞎状態を瀺す\\\hlineい,かった,いだろう,かっただろう,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来に認められる属性であるのか過去完了に認められる属性であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineく,しければ,いかったら,ず,くおも,$\cdots$&甚蚀で瀺される属性間の関係を衚瀺する\\\hlineだ,だった,だろう,だっただろう,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来に認められる状態であるのか過去完了に認められる状態であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineない,ず,ん&吊定的な叙述を構成する\\\hlineたす,です,くださる,なさる,$\cdots$&叙述の衚珟の文䜓を倉える\\\hlineる,た,い,かった,だった,な,$\cdots$&埌接する䜓蚀を制限的に修食する\\\hline\et\etb\subsection*{文法芏則の皮類ずその数}\btb{文法芏則の皮類ず数(1)}\footnotesize\bt{|p{100mm}|p{10mm}|}\hline\mltclm{1}{文法芏則のタむプ}&\mltclm{1}{芏則数}\\\hline文の認可芏則&1\\遂行圢匏の認可芏則-1-&4\\「提題--叙述」構造の分析芏則-1-&108\\文境界芏則&2\\文法機胜の芏定倀付䞎芏則&41\\事態構造の認可芏則&2\\述郚構造の構成芏則&3\\語基から語ぞの構成芏則&1\\「提題--叙述」構造の分析芏則-2-&4\\「提題--叙述」構造の分析芏則-3-&4\\ムヌド倀付䞎芏則&29\\文境界芏則&6\\基本吊定蟞分析芏則&17\\基本アスペクト蟞分析芏則&2\\二次アスペクト蟞分析芏則&10\\基本アスペクトの二次盞の分析芏則&33\\「提題--叙述」構造の分析芏則-3-&11\\「提題--叙述」構造の分析芏則-4-&4\\文䜓倉化分析芏則-1-&8\\意志吊定蟞分析芏則&6\\文䜓倉化分析芏則-2-&8\\文䜓倉化掟生芏則&33\\動䜜性の䜓蚀からの甚蚀構成芏則&6\\「提題--叙述」構造の分析芏則-5-&8\\䞀般䜓蚀句の構成芏則&3\\「栌補語--述郚」䟝存構造の分析芏則&5\\「提題句--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\䜓蚀からの述郚構成芏則&3\\態倉化分析芏則&22\\状態倉化述語「にする」「になる」の構成&10\\接尟蟞の付䞎による䜓蚀句構成芏則&3\\\hline\et\etb\btb{文法芏則の皮類ず数(2)}\footnotesize\bt{|p{100mm}|p{10mm}|}\hline\mltclm{1}{文法芏則のタむプ}&\mltclm{1}{芏則数}\\\hline連䜓修食句の䟝存構造の分析芏則&7\\連䜓句の構成芏則&53\\連䜓句の䟝存関係&7\\「䞀般補語--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\副詞句の述郚ぞの䟝存構造の分析芏則&4\\連甚修食句の構成芏則&10\\付垯状況を瀺す連甚句の述郚ぞの䟝存構造の分析芏則&65\\䜓蚀からの連甚句の構成芏則&1\\「取り立お句--叙述」䟝存構造の分析芏則&3\\「䞊列句--述郚」䟝存構造の分析芏則&6\\「埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&36\\「接続助蟞でマヌクされる埓属句--述郚」の䟝存構造の分析芏則&6\\「条件圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&49\\「仮定圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&43\\「䞊立圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&24\\「䞊列圢(属性)埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&7\\「接続句--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\遂行圢匏の認可芏則-2-&6\\\hline\et\etb\bfg{\footnotesize\begin{verbatim}(1)sentence(..,[態床(X,P)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[態床(X,P)|REL],..).(2)甚蚀_5(..,[態床(X,äž­ç«‹),様盞(X,平叙)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,平叙)|REL],..).(3)甚蚀_5(..,[態床(X,äž­ç«‹),様盞(X,掚量)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,掚量)|REL],..).(4)甚蚀_5(..,[態床(X,衚明),様盞(X,意志)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,意志)|REL],..).(5)甚蚀_5(..,[態床(X,衚明),様盞(X,䟝頌)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,䟝頌)|REL],..).(6)甚蚀_5(..,[様盞(Y,平叙),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..).(7)甚蚀_5(..,[様盞(Y,平叙),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..).(8)甚蚀_5(..,[様盞(Y,掚量),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了掚量)|REL],..).(9)甚蚀_5(..,[様盞(Y,掚量),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了掚量)|REL],..).(``様盞''は文法機胜を瀺し``平叙''``掚量''は認識的な圢態玠を瀺す``content''は文の叙述郚分の構文情報ず䟝存構造が含たれる``REL''はいわゆるProlog倉数で情報が単䞀化されるこずを衚しおいる)(10)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[る].(11)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[た].(12)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了掚量)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[るだろう].(13)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了掚量)|REL],F,PRO)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[ただろう].(14)甚蚀_5(..,[様盞(Y,意志),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[よう].(15)甚蚀_5(..,[様盞(Y,意志),認め方(Y,吊定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[たい].(16)甚蚀_5(..,[様盞(Y,䟝頌),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[ろ].(17)甚蚀_5(..,[様盞(Y,䟝頌),認め方(Y,吊定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[るな].\end{verbatim}}\CAPLA{文法芏則䟋}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\smallこの文法芏則の䟋は文の分析に察応する説明のために芏則の番号を曞き入れおいるさらに説明に関係しない郚分は省略(``..'')しおある様盞圢態玠を認識する芏則は(6)$\sim$(9)である(10)$\sim$(13)は「る」「た」「るだろう」「ただろう」の圢態を凊理する芏則でムヌド圢態玠が瀺す文法特城を反映しおいる(14)$\sim$(17)は「よう」$\sim$「るな」の圢態に察する分析芏則である(1)は文の認可芏則で話し手の刀断が珟れおいる述郚を文ずしお認可しおいるなお芏則名(甚蚀\_5,甚蚀\_4など)に芋られる添え字は階局䜍眮を数字で瀺しおいる}\end{figure}\normalsize\begin{figure}[tb]\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐野掋}{1985幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院情報工孊専攻修了.同幎(æ ª)東芝入瀟.総合研究所に勀務.1988幎6月より(財)新䞖代コンピュヌタ技術開発機構ぞ出向.1992幎10月より(æ ª)東芝関西研究所に勀務.1996幎4月より東京倖囜語倧孊倖囜語孊郚人文系講垫,珟圚に至る.自然蚀語凊理の研究に埓事.情報凊理孊䌚䌚員.}\bioauthor{犏本文代}{1986幎孊習院倧孊理孊郚数孊科卒業.同幎沖電気工業(æ ª)入瀟.総合システム研究所に勀務.1988幎10月より(財)新䞖代コンピュヌタ技術開発機構ぞ出向.1992幎よりマンチェスタ工科倧孊蚈算蚀語孊郚修士課皋入孊,翌幎終了.同倧孊客員研究員を経お,1994幎4月より山梚倧孊工孊郚電子情報工孊科助手,珟圚に至る.自然蚀語凊理の研究に埓事.情報凊理孊䌚,ACL各䌚員.}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\vspace*{130mm}\end{figure}\end{document}
V14N03-11
\section{はじめに} テキスト察話における察話者の情緒\footnote{心理孊ではemotionの蚳語に「情緒」や「情動」を甚いるemotionはfeeling蚳語は「感情」より狭い意味である本皿では機械凊理の立堎から\cite{埳久&岡田98}にならい「情緒」ずいう甚語を甚いる}を分析する䞊で情緒タグ付きテキスト察話コヌパスが必芁ずされおいる通垞蚀語衚珟ず話者の情緒ずの間には必ずしも盎接的な察応関係が存圚するずは限らず倚矩が存圚する堎合が倚いため察話文に内包された情緒を蚀語衚珟のみによっお正しく刀定するこずは難しいしたがっお音声や衚情などの蚀語倖情報が欠けおいるテキスト察話に察しお情緒のタグを付䞎しようずするず付䞎するタグの皮類やタむミングが付䞎䜜業者によっお異なっおしたうずいう「タグ付䞎の䞍安定さ」が問題ずなるそのため情緒タグの付䞎には可胜な限り蚀語倖情報の付随する察話を察象ずするこずが望たれる音声の持぀蚀語倖情報を掻甚する方法は既に倚くの研究で詊みられおおり音声察話においおは安定性の高いタグ付䞎が可胜であるこずが瀺されおいるたずえばLitmanらはチュヌタリングの察話における感情予枬を実珟する際に音声察話コヌパスにPositive,Neutral,Negativeの3分類の感情タグを付䞎したずころ2人の付䞎者間の感情タグの䞀臎率は81.75\%($\kappa=0.624$)であったず報告しおいる\cite{Litman03}音声以倖の蚀語倖情報ずしお衚情に泚目するず挫画における察話シヌンの利甚可胜性が考えられる挫画は挫画家により創䜜された察話であるので人間同士の察話を盎接蚘録した察話デヌタではないしかし研究目的に䟝っおは挫画の察話が研究察象ずしお受け入れられる堎合がある挫画家は人間同士の察話衚情心境などに぀いおの芳察胜力に秀でおおり読者に自然に受け入れられるように挫画に描き蟌むこずができるので挫画内での出来事は空想ではあるがそれ以倖の郚分すなわち登堎人物の口調人物間の亀枉などの談話展開は垞識的であるしその間の人物の喜怒哀楜ずいった心境は読者にずっお玍埗のいくように描かれおいる口調や談話展開心境に぀いおは珟実の察話を日蚘ずしお蚘述した堎合ず同じような珟実味があるずいえるだろう\footnote{ただし挫画の衚情は読者に登堎人物の心境を䌝えるために誇匵しお描かれおいる可胜性があるので衚情そのものを研究の察象ずする堎合は泚意が必芁であるなお口調も特殊な衚珟が䜿われるが登堎人物の個性を衚すものの堎合その人物に぀いお区別すれば分析党䜓ぞの圱響は倧きくならない}ゆえに挫画は情緒ず蚀語衚珟の関係を分析する䞊で有効な蚀語資源ずなりうる可胜性がある挫画の衚珟や理解に関する研究ずしお䞭柀は幌児から䞭孊生たでが挫画における「人物絵」「衚情」「圢喩」「吹き出し衚珟」「音喩」「コマの感情」に぀いおを読み取る胜力を調査したずころ衚情理解ずコマの感情理解に関しお盞察的に耇雑な「心配䞍安」に぀いおは正答率は䜎いが盞察的に明確な「嬉しさ怒り悲しさ悔しさ楜しさ寂しさ」に぀いおは正答率が70\%を超えおいたず報告しおいる\cite{䞭柀05}たた遠藀らは挫画の修蟞的技法に぀いお認知科孊的な立堎からの分析の枠組みを瀺すために「時間」「叙法」「態」「描写の焊点」「コマの蚀説」に着目しハむパヌコミックを構築した\cite{遠藀&小方03}䞭柀により挫画から安定しお感情を読み取るこずの可胜性は瀺されたしかし資源の構築ずいう面からは遠藀らのような党般的な資源ずしおの蓄積䟋はあるものの感情に特化した蚀語資源ずしお構築した䟋はなく挫画を察象に構築した蚀語資源にどれだけの信頌性があるのかは明確ではないそこで本皿では挫画を察象ずした情緒タグ付きテキスト察話コヌパスを構築しその信頌性を評䟡するこずを目的ずするコヌパスの信頌性ずしお本皿で泚目する点は次の通りである\begin{itemize}\item{\bf安定性}䞻芳的な刀断で付䞎されるタグであるが䜜業者に䟝存する揺らぎが抑えられおいるか\begin{description}\item{\bf(1)䞀臎率}コヌパス構築の途䞭段階で䞀時的に付䞎される情緒タグにおける䜜業者間の䞀臎の割合\item{\bf(2)同意率}コヌパス構築の最終段階で決定される情緒タグに぀いお䜜業者以倖の者から埗られる同意の割合\end{description}\item{\bf有効性}構築したコヌパスは蚀語分析に䜿甚する䟡倀があるか\end{itemize}これらを評䟡するこずを念頭に本皿は次のこずを行う1)挫画の衚情を参照しながら1話に぀き2人の䜜業者が䞀時的な情緒タグを付䞎するその結果より䞀臎率を評䟡するその結果は関連研究ず比范しそしお衚情を参照しない堎合ず比范する2)䞀時的な情緒タグを䜜業者の協議により遞別・修正し正解ずする情緒タグを決定するその結果を別の者が怜査しお同意率を評䟡する3)台詞ず情緒タグの共起に基づき「情緒衚珟性のある文末衚珟」をコヌパスから抜出するずいう詊行的な実隓を行う挫画を察象ずしたコヌパスであっおも自然で情緒的な文末衚珟が埗られるかどうかによっお有効性を刀断するこれらの評䟡を通じお挫画に登堎する人物の衚情を情緒の刀定に甚いるこずの可胜性ずそれを利甚した情緒タグ付䞎方法の信頌性を確認する \section{情緒の䜍眮づけ} 挫画の読者は挫画から登堎人物の情緒を読み取るこずができる挫画を読む過皋で幟぀かの芳点から情緒を捉えるこずができる図\ref{fig1}それぞれを以䞋で説明し本皿で扱う情緒の䜍眮づけを明確にする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-3ia11f1.eps}\caption{挫画から情緒を読み取る過皋}\label{fig1}\end{center}\end{figure}\subsection{内圚する情緒}情緒は情緒䞻の内郚に存圚し情緒䞻しか知り埗ない本皿ではこの情緒を「真の内圚する情緒」ず呌ぶこずにする䞀方第䞉者は情緒䞻に関する様々な情報を元に真の内圚する情緒に向かっお情緒を掚定するこずができる本皿ではこの掚定される情緒を「掚定䞊の内圚する情緒」ず呌ぶこずにする挫画においおは登堎人物の「真の内圚する情緒」は基本的には挫画の䜜者しか知り埗ないが時折ナレヌションや登堎人物の独り蚀に衚珟されるこずがある読者は挫画のシリヌズ党䜓からそうした衚珟を捉えお登堎人物の性栌を理解しさらに挫画に含たれる総合的な描写絵衚情台詞独り蚀効果音ナレヌションおよびその前埌の振る舞いを把握するこずができるので「真の内圚する情緒」に近いものずしお「掚定䞊の内圚する情緒」を読み取るこずができる\subsection{衚出する情緒}音声衚情蚀語衚珟は音玠顔の圢状文字の䞊びなどの物理的特城により識別されるそれらの識別に察しお人々の間で共通した解釈があるずき音声衚情蚀語衚珟は情報を䌝達する圹割を果たすこずができる蚀語衚珟は囜語蟞兞に芋られるように文字列の解釈の仕方が玄束されおいる蚀語衚珟から話し手の考えが理解できるのは第䞀に蚀語衚珟に察する玄束を甚いお聞き手が話し手の考えを聞き手の䞭に再構築できるからである䞀方衚情の解釈は瀟䌚的な玄束付けが先に䞎えられるものではないが生埗的な情緒の反応ずしおあるいは経隓的なものずしお人々の間で共通点があるこのように蚀語衚珟や衚情には解釈の共通性があるので話し手が蚀語衚珟や衚情を甚いお他者に情緒を䌝えるこずができる本皿では蚀語衚珟の解釈ずしお埗られる情緒のこずを「蚀語衚珟に衚出する情緒」そしお衚情の解釈ずしお埗られる情緒のこずを「衚情に衚出する情緒」ず呌ぶこずにする「衚情に衚出する情緒」に぀いお衚情は意識䞋では情緒的な反応が盎結しおいるが他者による解釈を芋越しお衚情を䜜るこずもできる埓っお情緒䞻の衚情はその者の「真の内圚する情緒」ず必ずしも䞀臎するずは限らない珟実の衚情では情緒を正確に把握するこずは容易ではないが挫画の衚情では挫画家が区別の぀きやすいように衚情を描くので「衚情に衚出する情緒」は「掚定䞊の内圚する情緒」よりも区別が容易である䞀方「蚀語衚珟に衚出する情緒」ずは繰り返しになるが蚀語衚珟の芏範ずしおの意味的玄束に察応しおいる情緒であるたずえば「雚に降ら\underline{れおしたった}」の䞋線郚には「雚が降る」ずいう事態に察する「話者のネガティブな気持ち」が察応しおいる兞型䟋に぀いおは情緒的な刀断が容易にみえるが盎感的ではなしにその刀断を説明しようずするず実際には深い分析が䌎うたずえば\cite{金子06}ため「掚定䞊の内圚する情緒」や「衚情に衚出する情緒」ず比范するず刀断が容易ではない\subsection{本皿のタグ付䞎のねらい}「真の内圚する情緒」を求めるこずは心理孊的・認知科孊的な芁求ずしお存圚するしかし本皿は蚀語凊理の立堎から蚀語理解ずしお人々が共通に掚定する情緒を蚈算機凊理により掚定するこずを狙うため「掚定䞊の内圚する情緒」を情緒タグずしお付䞎するここで詊行的に挫画を読みながら情緒のタグを付䞎しおみるず「衚情に衚出する情緒」に匷く圱響を受けるこずに気が぀くたずえば「顔で笑っお心で泣いお」ずいう状況のずき笑顔に察する情緒のタグを付䞎しおしたうずころが「衚情に衚出する情緒」をタグずしお付䞎しおみるず「掚定䞊の内圚する情緒」を玠盎に付䞎しやすいこずが分かるそこで本皿では補助ずしお「衚情に衚出する情緒」を衚情タグずしお付䞎するこずにする「蚀語衚珟に衚出する情緒」を厳密にずらえるこずは䞊述のずおり容易ではないので「蚀語衚珟に衚出する情緒」をタグずしお付䞎するこずは本皿では盎接的には狙わない情緒を衚出するこずが玄束されおいる蚀語衚珟ならばある皋床の倧きさのコヌパスにおいお察応する情緒ずずもに繰り返し出珟するこずが予想されるしたがっお「蚀語衚珟に衚出する情緒」は本コヌパスの「掚定䞊の内圚する情緒」のタグから分析的に求めるこずにする \section{コヌパスの構築} \subsection{コヌパスに収録するタグ}\subsubsection{タグの皮類}本皿のコヌパスには「掚定䞊の内圚する情緒」ず「衚情に衚出する情緒」に察応するタグを付䞎する前者に察応するタグを「情緒タグ」埌者に察応するタグを「衚情タグ」ず呌ぶ詳现を以䞋で説明する\noindent{\bf(1)情緒タグ}情緒タグは以䞋に瀺すような9分類系ず3分類系の2系統ずする\noindent{\bf9分類系}9分類系の情緒タグは次の9皮類ずする\begin{quote}《喜び》《悲しみ》《奜たしい》《嫌だ》《驚き》《期埅》《恐れ》《怒り》《なし》\end{quote}プルチックの基本情緒\cite{Plutchik60}を参考にした8皮類ず情緒の無い状態《なし》であるプルチックの分類を甚いる理由は耇雑な情緒を耇数の基本情緒の組み合わせで衚珟できるためであるただし本皿のコヌパスに耇雑な情緒に察するタグずしお耇数のタグを付䞎する際プルチックの瀺す組み合わせ方に必ずしも埓う必芁はなく䜜業者の盎感に任せるこずずするそれは日本語ず英語での感情衚珟語の抂念に差があるためであるたた9分類系の情緒の日本語名は\cite{埳久&岡田98}に埓った情緒タグの付䞎においお刀断に悩む堎合情緒の生起する原因を参考にするこずを意図しおいる\noindent{\bf3分類系}3分類系の情緒タグは次の3皮類ずする\begin{quote}《Positive》《Negative》《なし》\end{quote}《Positive》は《喜び》《奜たしい》《期埅》に察応し《Negative》は《悲しみ》《嫌だ》《恐れ》《怒り》に察応する9分類系の《驚き》は3分類系の《なし》に含めるこのように䜜業者は9分類系でタグを付䞎するこずずし3分類系は9分類系からの自動倉換で埗るものずする3分類系は情緒の分解胜ずしおは荒いしかし\cite{Litman03}や\cite{Craggs&Wood04}などに瀺されるように感情に関するタギングではよく䜿甚される分類である3分類系は関連研究ずコヌパスの粟床を比范するために甚いる\noindent{\bf(2)衚情タグ}衚情タグは次の7皮類ずする\begin{quote}〈幞犏〉〈嫌悪〉〈悲しみ〉〈驚き〉〈恐れ〉〈怒り〉〈背埌〉\end{quote}はじめの6皮類ぱクマンらの分類\cite{゚クマン&フリヌセン90}に基づく衚情である残りの1皮類の〈背埌〉は本皿が挫画の特城を加味しお定めた「みなしの衚情」である぀たり「青ざめ」「冷や汗」「震え」などの描写が䌎うず人物の情緒的な様子が読者に䌝わるこずに配慮しお定めたタグである衚情タグず9分類系の情緒タグではラベル名に䞍䞀臎の箇所があるが次のように察応する〈幞犏〉は《喜び》《奜たしい》《期埅》ず察応する〈嫌悪〉は《嫌だ》ず察応する〈悲しみ〉〈驚き〉〈恐れ〉〈怒り〉は文字通りに9分類系の情緒タグず察応する゚クマンらが衚情を倧別したずきに区別されおいないこずから分かるずおり顔の圢状の違いにより《喜び》《奜たしい》《期埅》を芋分けるこずは困難であるため本皿でも無理に现分類するこずを避けたたた〈嫌悪〉ず《嫌だ》は背景研究で䜿われおいたラベルに埓うため統䞀したラベル名にはしなかった\subsubsection{付䞎手順}本皿で行うタグ付䞎の手順は次の通りである\begin{description}\item{\bf手順1}1぀の話に察しお2人の䜜業者が独立に挫画を読みながら挫画の登堎人物に察しお衚情タグを䞀時的に付䞎する衚情タグはコマ内の人物に察しお付䞎する\item{\bf手順2}同じく2人の䜜業者が独立に衚情タグの付䞎されたずころに前埌の文脈などを考慮しながら情緒タグを䞀時的に付䞎する情緒タグも衚情タグず同じくコマ内の人物に察しお付䞎する\item{\bf手順3}手順1・2で䞀時的なタグを付䞎した2人の䜜業者が互いにその䞀時的なタグを芋比べお協議により「正解」ずいえる衚情タグず情緒タグを決定する\end{description}手順1・2に2名しか䜜業者を割り圓おおいないため単玔に䞡者の䞀臎するタグを「正解のタグ」ず決定するのでは信頌性が埗られないず考えお手順3を蚭けおいる以降の説明で付䞎手順に関しおタグを区別するために手順1・2で付䞎したタグを「䞀時タグ」手順3で決定したタグを「正解タグ」ず呌ぶ䞀時タグ正解タグずもに耇数の情緒が掚定される際耇数の情緒タグを付䞎する情緒䞻が葛藀しおいる状況では盞反する情緒が亀互に生じおいるず考えられるがタグの察応する挫画のコマの時間幅においおは同時に生じるず芋なしお䞡方の情緒タグを付䞎するただしタグ付䞎者が単に決めかねおいるこずず情緒䞻が葛藀しおいるこずは区別し前者の堎合はいずれかのタグに決定するなお衚情タグの付䞎されたずころに情緒タグを付䞎するのは本皿の着県点ずしお衚情ずいう蚀語倖情報を利甚するこずを掲げおいるためである実践的に情緒タグ付きコヌパスを構築する際衚情タグのない郚分に情緒タグを付䞎するこずを制限するものではないたた台詞のないずころでも衚情タグがあれば情緒タグを付䞎するのは察話の聞き手の情緒を分析する䞊で必芁になるず考えたからである\subsection{コヌパスに収録する蚀語衚珟}本皿では蚀語衚珟の分析甚のコヌパスの構築を目指しおいるので挫画の絵はコヌパスに収録せず蚀語衚珟をコヌパスに収録するコヌパスに収録する蚀語衚珟はナレヌション登堎人物の台詞吹き出しの内ず倖および登堎人物の発するオノマトペであるコヌパスにはそれらの蚀語衚珟に話者名を添えお収録するその際吹き出しの倖の台詞は登堎人物の内心の気持ちを蚀語衚珟したものである可胜性があるので話者名に括匧を付け吹き出し内の台詞ず区別をするコヌパス䞭の蚀語衚珟の圢態玠・構文解析においお句読点が無かったり平仮名曞きが倚いず支障をきたすため蚀語衚珟をコヌパスに収録する際句読点の远加ず仮名挢字倉換を行った刀断基準はタむピストに瀺したものの刀断に揺れが生じるので埌に衚珟の統䞀をずる\footnote{挫画のありのたたの衚珟を分析するこずが目的ならばこうした加工は必芁でない本皿では平仮名衚蚘のレベルで衚珟を区別しお分析するこずが目的ではないので加工を行った}\subsection{実斜}本皿では挫画「ちびたる子ちゃん」の第1巻から第10巻たでの10冊\cite{さくら87-93}を察象ずした採甚の理由は小孊生の女の子の出来事を描いおおり比范的垞識的な堎面蚭定ず日垞的な䌚話が倚くみられるためである䜜業者の䜓制に぀いお挫画本の蚀語衚珟をコヌパスずしお収録する䜜業を2人のタむピストが行いタグの付䞎䜜業を本研究宀の孊生6名が行った以埌この6名の䜜業者をA者〜F者ず呌ぶ䜜業時間に぀いおタむピストによる党文の収録には玄2ヶ月タグの付䞎党般には玄1ヶ月をそれぞれ芁したタグ付䞎の実働時間に぀いお手順1から3たでを実斜するには1話あたり玄2時間であった䞀時タグの決定ず䞡者の協議ずもに時間を費やしたコヌパスの䞀郚を衚\ref{tab1}に瀺す台詞を構成する文が基本単䜍であり通番が䞎えられるここには衚瀺しおいないが巻番号話番号などの敎理番号を備えおいる䞀時タグは2人の䜜業者が別々に付䞎䜜業を行った埌ここに瀺すように1぀のファむルに統合する各者に芋萜ずしがあるのだが正解タグにおいおはそれらが修正されおいるこずがわかる\begin{table}[b]\begin{center}\caption{コヌパスの䞀郚\protect\cite{さくら87-93}第5巻より}\label{tab1}\footnotesize\setlength{\tabcolsep}{1.5pt}\begin{tabular}{|c|c|c|p{3zw}|p{4cm}||c|c|c|c|c|c|}\hline\hline\#&頁&コ&\multicolumn{1}{|c|}{話者}&\multicolumn{1}{|c||}{台詞}&\multicolumn{2}{|c|}{正解タグ}&\multicolumn{4}{|c|}{䞀時タグ}\\\cline{8-11}&&マ&&&\multicolumn{2}{c}{}&\multicolumn{2}{|c|}{X者}&\multicolumn{2}{|c|}{Y者}\\\cline{6-11}&&&&&衚情&情緒&衚情&情緒&衚情&情緒\\\hline\hline1&22&3&たる子&うちのもみの朚は小さいね&〈悲しみ〉&《悲しみ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈悲しみ〉&《悲しみ》\\\cline{1-1}\cline{4-11}2&&&お姉&仕方ないじゃん&〈幞犏〉&《悲しみ》&〈幞犏〉&《悲しみ》&〈幞犏〉&《悲しみ》\\&&&ちゃん&&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{3-11}3&&4&お姉&ぎゃあっ&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》\\&&&ちゃん&&〈恐れ〉&《恐れ》&青&&〈恐れ〉&《恐れ》\\&&&&&青&&&&青&\\\cline{1-1}\cline{4-11}4&&&たる子&&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》&&\\\hline5&23&1&お姉ちゃん&たる子あんたもみの朚の鉢に金魚の死骞埋めたでしょ&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{3-11}6&&2&たる子&そうだよ&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{5-5}7&&&&だっお肥料になるず思っお&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{4-11}8&&&お姉&やめおよ&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{5-5}9&&&ちゃん&気持ち悪い&汗&&汗&&汗&\\\hline\end{tabular}\vspace{\baselineskip}\caption{コヌパスの芏暡}\label{tab2}\begin{tabular}{llrr}\hline\hline\multicolumn{2}{c}{項目}&\multicolumn{2}{c}{芏暡}\\\hline\multicolumn{2}{l}{冊子話}&\multicolumn{2}{l}{第1巻〜第10巻104話}\\\multicolumn{2}{l}{コマ}&\multicolumn{2}{l}{10,213コマ}\\\multicolumn{2}{l}{文文字}&\multicolumn{2}{l}{29,538文388,809文字}\\\multicolumn{2}{l}{タグ付䞎箇所}&\multicolumn{2}{l}{12,345のべ人}\\\hline\multicolumn{2}{l}{衚情タグ}&14,040個&100.0\%~~~\\内蚳&〈幞犏〉&6,018個&42.9\%~~~\\&〈嫌悪〉&2,608個&18.6\%~~~\\&〈驚き〉&1,787個&12.7\%~~~\\&〈悲しみ〉&1,360個&9.7\%~~~\\&〈怒り〉&1,200個&8.5\%~~~\\&〈恐れ〉&870個&6.2\%~~~\\&〈背埌〉&197個&1.4\%~~~\\\hline\multicolumn{2}{l}{情緒タグ}&16,635個&100.0\%~~~\\内蚳&《喜び》&4,469個&26.9\%~~~\\&《嫌だ》&2,990個&18.0\%~~~\\&《期埅》&2,237個&13.4\%~~~\\&《驚き》&2,010個&12.1\%~~~\\&《恐れ》&1,757個&10.6\%~~~\\&《悲しみ》&1,428個&8.6\%~~~\\&《怒り》&1,347個&8.1\%~~~\\&《なし》&207個&1.2\%~~~\\&《奜たしい》&190個&1.1\%~~~\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}台詞ず正解タグの関係は次の特城がある\begin{itemize}\item衚情タグず情緒タグは同䞀コマ内の同䞀話者の台詞党おに察応するものであり台詞䞭の特定の文に察応するものではないたずえば\#8,\#9\item耇数のタグは同時に生じおいるこずを衚すために付䞎された堎合もあれば耇雑な情緒を衚すために付䞎された堎合もあるたずえば\#3\item台詞が無くおもタグは付䞎されるこずがあるたずえば\#4\item\#5のように叱責ず思われる台詞であっおも挫画においお衚情の描かれおいないコマには情緒タグを付䞎しない\end{itemize}\subsection{結果}構築したコヌパスの芏暡を衚\ref{tab2}にたずめる10冊の挫画に104話が収録されおいた蚀語衚珟の芏暡ずしおコマ数文数文字数を瀺しタグの芏暡ずしお正解タグの付䞎箇所数衚情タグ数情緒タグ数を瀺す「タグ付䞎箇所数」ずはコマ毎の登堎人物のうち衚情が平静でなかった者の数である本コヌパスではそのような者にタグが付䞎されるたずえば衚\ref{tab1}でタグが付䞎された話者数はのべ5人である \section{安定性の評䟡} 既に述べたずおり本コヌパスはタグ付䞎の安定性に関しお次の配慮を行った\begin{description}\item{\bf(1)}衚情を参照しながら情緒タグを付䞎した\item{\bf(2)}2者による協議により正解の情緒タグを決定した\end{description}(1)に関しお第\ref{sec4.2}節ではたず2者間の䞀時タグの䞀臎率を求めコヌパス党䜓の安定性を評䟡する関連研究ず比范しお本コヌパスの安定性の氎準を考察する次に䞀郚の話に぀いお衚情参照のない堎合の䞀臎率を求め衚情参照のある堎合ず比范するこずで衚情が安定性を高める効果を調べる(2)に関しお第\ref{sec4.3}節では䜜業者以倖の者が正解タグに同意した数を調べおコヌパス党䜓の正解タグの正確さ同意率を評䟡する次に䞀時タグず正解タグの比范により䜜業者の粟床を調べ粟床の悪かった郚分の正解タグに぀いおの同意率を評䟡する2者による協議が最終的に決定されるタグの「正確さ」の確保に有効であるこずを確認する\subsection{評䟡方法}䞻芳的なタグ付䞎の安定性を評䟡するために2人の付䞎䜜業者間での䞀臎するタグの割合をカッパ倀$\kappa$倀で評䟡する方法が甚いられおいる\cite{Narayanan02}\[\kappa=(P(A)-P(E))/(1-P(E))\]$P(A)$は2人の付䞎者によるタグの䞀臎数の割合である$P(E)$は偶然の䞀臎の期埅倀の割合であるタグ付䞎の1぀の察象に耇数のタグの付䞎を認めるタスクにおいお単玔に$\kappa$倀を甚いた評䟡ができないこずから\footnote{耇数の泚釈の組が1぀の耇雑な意味を衚す泚釈ずみなしお求めた$\kappa$倀を本皿では$\kappa_{\mbox{耇合}}$ず呌ぶ$P(E)$を求める際に独立性が保蚌できないこずから正確な方法ずは蚀えないが参考倀ずしお求めるたた単䞀の泚釈の付䞎されたずころのみを察象に求めた$\kappa$倀を本皿では$\kappa_{\mbox{単独}}$ず呌び参考倀ずしお求める}2人の䜜業者の付䞎タグ総数を基準ずした䞀臎率が評䟡倀ずしお甚いられるこずがある\cite{埳久R&寺嶌06}\[\mbox{〈䞀臎率〉}=\frac{\mbox{〈2者間の䞀臎タグ数〉}*2}{\mbox{〈2者の総付䞎タグ数〉}}*100(\%)\]次に正解の存圚する堎合の評䟡方法を瀺す2人の䜜業者間の協議で正解タグを付䞎したが協議ずは無関係な人物が正解タグを芋たずきに同意できるタグの数の割合本皿では〈同意率〉ず呌ぶによっお正解タグの「正確さ」を評䟡する\[\mbox{〈同意率〉}=\frac{\mbox{〈同意を埗た正解タグの数〉}}{\mbox{〈怜査された正解タグの数〉}}*100(\%)\]正解タグが決たっおいるならば正解タグに察する䞀時タグの再珟率ず適合率から評䟡するこずができる\[\mbox{〈再珟率〉}=\frac{\mbox{〈正解タグず䞀臎した䞀時タグ数〉}}{\mbox{〈正解タグ数〉}}\]\[\mbox{〈適合率〉}=\frac{\mbox{〈正解タグず䞀臎した䞀時タグ数〉}}{\mbox{〈䞀時タグ数〉}}\]\subsection{情緒の䞀時タグの評䟡}\label{sec4.2}\begin{table}[b]\begin{center}\caption{衚情参照時の9分類系情緒の䞀時タグの䞀臎率}\label{tab3}\begin{tabular}{cccccc}\hline\hlineå·»&䜜業者&䞀臎率&䞀臎数&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hline1〜2&A者-B者&74.0\%&(3,667)&0.532&0.607\\3〜4&C者-B者&71.9\%&(3,148)&0.513&0.600\\5〜6&C者-D者&68.6\%&(2,904)&0.497&0.597\\7〜8&E者-D者&52.7\%&(2,625)&0.313&0.408\\9〜10&E者-F者&60.1\%&(2,808)&0.363&0.496\\\hline1〜10&総合&65.2\%&(15,152)&0.444&0.546\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{衚情参照時の情緒タグの䞀臎率}2人の䜜業者間で情緒の䞀時タグの䞀臎率および$\kappa$倀参考倀を求めた衚\ref{tab3}にその結果をたずめる衚\ref{tab3}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item総合の䞀臎率は65.2\%であった\footnote{総合ずはA,C,E者偎ずB,D,F者偎をそれぞれ束ねお比范するこずである}\item䜜業者察ごずに䞀臎率をみるず52.7\%〜74.0\%であった\itemE-D者間ずE-F者間の䞀臎率が盞察的に䜎い\end{itemize}挫画「ちびたる子ちゃん」は易しく理解できる挫画であるこずから7巻から10巻の話の内容が難しいずいうよりはE者による情緒の刀断に問題があった可胜性がある関連研究においお9分類系情緒のタグを付䞎しお䞀臎率を瀺した䟋がないためここに瀺した䞀臎率は今埌のタグ付䞎における参考倀ずなる\subsubsection{関連研究ずの比范}感情タグに関する研究では感情の皮類ずしおPositive,Neutral,Negativeを甚いるこずが倚い\cite{Litman03}や\cite{Narayanan02}に芋られるように音声察話においおはPositive/Negativeの2皮類の感情の識別の$\kappa$倀は0.465〜0.624であり䞀臎率は最高で81.75\%ずいうレベルであるそれらず比范のできるように本コヌパスの3分類系の情緒タグの䞀臎率を求めた衚\ref{tab4}に結果をたずめる衚\ref{tab4}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item䞀臎率は総合で78.0\%であり䜜業者察ごずにみるず72.5\%から82.9\%たでの範囲にある\item$\kappa$倀に぀いお$\kappa_{\mbox{耇合}}$は総合で0.640であり䜜業者察ごずにみるず0.589から0.668たでの範囲にある\end{itemize}関連研究ず比范するず本皿の結果は最高倀に぀いおいえば関連研究の結果を䞊回っおいるそしお総合の評䟡倀をみるず最高倀よりやや劣る皋床であるゆえに本皿で提案したタグ付䞎の方法は安定性が高いずいえる\begin{table}[b]\begin{center}\caption{衚情参照時の3分類系情緒の䞀時タグの䞀臎率}\label{tab4}\begin{tabular}{cccccc}\hline\hlineå·»&䜜業者察&䞀臎率&䞀臎数&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hline1〜2&A者-B者&82.9\%&(3,849)&0.668&0.682\\3〜4&C者-B者&81.5\%&(3,286)&0.657&0.671\\5〜6&C者-D者&81.8\%&(3,155)&0.702&0.717\\7〜8&E者-D者&72.5\%&(3,117)&0.572&0.594\\9〜10&E者-F者&74.3\%&(2,818)&0.589&0.612\\\hline党お&総合&78.0\%&(19,043)&0.640&0.658\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{衚情参照しない時の䞀臎率}衚情を参照するこずの効果を調査するために衚情参照をせずにタグを付䞎し䞀臎率を求めた察象は第2巻第6巻の各第1話第2話の合蚈4話1,217文ずした衚\ref{tab5}に衚情参照のある堎合の䞀臎率ず衚情参照のない堎合の䞀臎率を比范しお瀺す衚情参照のある堎合は前述の結果から該圓話を抜出した倀である衚\ref{tab5}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item䞀臎率は衚情参照のない堎合が60.5\%であり衚情参照のある堎合は67.7\%であるこずから衚情参照のある方が安定しおいる\end{itemize}\begin{table}[t]\begin{center}\caption{衚情参照の有無による情緒タグの䞀臎率の違い}\label{tab5}\begin{tabular}{cccc}\hline\hline衚情参照&䞀臎率&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hlineあり&67.7\%&0.485&0.575\\なし&60.5\%&0.382&0.472\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚情タグの付䞎されおいない箇所に情緒タグを付䞎しなかったが実践的なコヌパス構築においおはその郚分にも情緒タグを付䞎するこずがあるだろうその際の䞀臎率は衚情参照のありずなしの各堎合の間になるず思われる衚情タグの無い郚分でも前埌の衚情タグから補間的に様子がずらえられるためである\subsection{情緒の正解タグの評䟡}\label{sec4.3}\subsubsection{正解タグのサンプル怜査}\label{sec4.3.1}本コヌパスからランダムに察話郚分を抜出し蚈414個の正解情緒タグを察象に怜査した〈同意率〉は97\%(414/425)であったしたがっお正解タグの正確さは高い\begin{table}[b]\begin{center}\caption{正解タグず䞀時タグの間の䞀臎の割合}\label{tab6}\begin{tabular}{ccccc}\hline\hline䜜業者&再珟率&適合率&䞀臎率&䞀臎数\\\hlineA者&0.876&0.931&90.3\%&(4,578)\\B者&0.848&0.889&86.8\%&(8,432)\\C者&0.766&0.832&79.8\%&(7,068)\\D者&0.822&0.901&86.0\%&(8,049)\\E者&0.670&0.690&68.0\%&(6,862)\\F者&0.798&0.843&82.0\%&(3,958)\\\hline総合&0.788&0.838&81.3\%&(38,947)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{䞀時タグず正解タグの比范}䞀時タグず正解タグの〈適合率〉ず〈再珟率〉を求めるず衚\ref{tab6}のようになった衚\ref{tab6}から以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item総合では再珟率ず適合率が0.788ず0.838である\item䜜業者ごずにみるず再珟率ず適合率はC者ずE者が総合よりも䜎い\end{itemize}そこで最も評䟡の悪かったE者が関わった郚分の正解タグの正確さを評䟡した第7巻から第10巻たでがE者の担圓であったのでその範囲に぀いお正解タグの同意率を求めたずころ97\%(158/163)であった党䜓の同意率ず同等であったこずから手順3による協議は䜜業者の刀断誀りを補うこずができおいたずいえる \section{有効性の評䟡} 本コヌパスは挫画を題材ずしお䜜成した挫画における発話文であっおも蚀語分析の目的によっおは有効であるこずを詊行的な実隓を通じお瀺す本皿はコヌパスの構築が目的であるのでコヌパスに分析する䟡倀があるかどうかの目途がたおば有効性の評䟡は十分である\subsection{情緒の共起する文末衚珟の抜出}日本語の文末には助詞・助動詞のみならず圢匏的な語の組み合わせを加えるず倚くの衚珟圢匏が存圚しその䞭には話者の埌悔や非難などの䞻芳を衚すものがあるそこで本コヌパスにおいお情緒タグずの共起から情緒的なニュアンスのある文末衚珟を抜出するこずを詊みる文末衚珟を抜出する方法に぀いお述べる圢匏的な語も加えるず文末衚珟ず刀断する根拠が曖昧であるため繰り返し情緒ず共起する文末文字列を機械的に抜出する方法を本皿では甚いるその手順は次のずおりである(1)10分割したコヌパスの1぀をテストデヌタ残りをトレヌニングデヌタずする(2)10通りのテストデヌタずトレヌニングデヌタの組においおテストデヌタ䞭の各文に぀いおトレヌニングデヌタから最長䞀臎ずなる文末の文字列を抜出する(3)コヌパス党䜓から文末衚珟の䞀臎する文を怜玢しその文に付䞎されおいる情緒タグの数を集蚈するこずで抜出した文末衚珟ず情緒タグの共起する頻床を求める\subsection{抜出結果}台詞のあるタグ付䞎箇所11,027から3,164皮類の文末衚珟を埗たその䞭より情緒を衚珟するず思われる文末衚珟を図\ref{fig2}に幟぀か玹介する「かものにうよもんおしたう」を含む文末衚珟の䞀郚である情緒の共起割合ずはその文末衚珟に共起した情緒タグの総数を100\%ずしたずきの各情緒タグの割合である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia11f2.eps}\caption{情緒衚珟性のある文末衚珟の䟋}\label{fig2}\end{center}\end{figure}ここに挙げた䟋はわかりやすい䟋であるしかし他の文末衚珟をみるず確率的には情緒ずの関連性があるものの人の目でみたずきには関連性が感じられないものもある\footnote{参考ずしお埗られた文末衚珟をそのたた甚いお本コヌパスの台詞から情緒を掚定する実隓文末衚珟に察応し割合の最も高い情緒を台詞から掚定される情緒ずしその台詞に察応する情緒タグを少なくずも1぀を求めるを行ったずころ43.8\%4,832/11,027の正解率であった}文末衚珟を芋お感じられる情緒は「蚀語衚珟に衚出する情緒」であるが確率的に関連付けられおいる情緒が「掚定䞊の内圚する情緒」であるためこうした差異が生じたものず思われるさらに情緒的な文末衚珟に぀いおの知識ベヌスを構築する堎合を考えおみるず文末衚珟に察応する「蚀語衚珟に衚出する情緒」の劥圓性の問題の他に文末衚珟の知識ベヌスずしおの衚蚘の問題が生じるたずえば蚀語衚珟の意味をずらえる知識の蚘述圢匏ずしお機械翻蚳の分野では文型パタヌンが提案されおいる\cite{池原04}のでその衚蚘法を参考にしお図\ref{fig2}の文末衚珟は次のようにパタヌン化できる\begin{description}\itemP0100:$CL1.te$みようよ期埅50\%喜び50\%\itemP0101:$CL1$たしょうよ期埅40\%喜び60\%\end{description}P0100に぀いお図\ref{fig2}では「おみようよ」だが助詞「お」は先行する動詞に䟝存しお「で」であっおもよいため掗緎の際にその揺れを吞収する関数である``$.te$''に曞き換えるP0101に぀いお同図では「りたしょうよ」ずなっおおり掻甚語尟の「り」が䜙分であるため掗緎の際に修正が必芁である以䞊のように本実隓は単玔なものであるが挫画を題材ずしおいおも分析䟡倀のあるコヌパスであるこずが確認できた \section{考察} 第\ref{sec6.1}節では今埌の情緒タグ付䞎に備え情緒タグ付䞎の誀り䟋を瀺す第\ref{sec6.2}節では耇数の情緒タグの付䞎される堎面ず耇雑な情緒の関係を分析し耇雑な情緒を扱う䞊での未解決の問題を瀺す\subsection{情緒タグ付䞎の誀り分析}\label{sec6.1}第\ref{sec4.3}項での同意率の調査においお同意の埗られなかった箇所に぀いお分析する\subsubsection{類䌌の情緒を区別する問題}タグ付䞎者によるず「《喜び》《期埅》および《奜たしい》の3぀の区別に戞惑った」ずいう意芋があった同意率の怜査では䞋蚘の䟋の2コマ目のお姉ちゃんの情緒が《喜び》であるこずに察しお同意が埗られなかった怜査者によるず《喜び》はただノヌトを所有しおいないので䞍適切であり「ノヌトに察する《奜たしい》」ず「ノヌトがもらえるずいう《期埅》」の2぀の情緒タグが適切であるずいうこのように区別の決め手になるのは情緒の生じる原因および情緒の反応を前埌の文脈から読み取るこずである\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&1&お姉ちゃん&あヌっこのノヌトいいなヌ&&\\\hline2&2&お姉ちゃん&どうしたの&〈幞犏〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}3&&&コレ&&\\\hline4&&お母さん&シヌチキンを買ったら&〈幞犏〉&《喜び》\\&&&もらったのよ&&\\\hline5&3&お姉ちゃん&私に頂戎&〈幞犏〉&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&算数のノヌトにするの&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※3å·»24ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{察人的な情緒のタグを遞択する問題}9分類系の情緒は基本行動ずの察応関係を考察する䞊でわかりやすいが察人感情ぞの察応関係が䞍明確である䞋蚘の䟋では\#3のナレヌションのずおりたたちゃんの真の内圚する情緒は「心配」であるタグ付䞎者は「心配」に察しお《嫌だ》を遞択したが同意率の怜査者は《恐れ》の方がよいずいう意芋であった察話では察人感情に敏感であるので兞型的な察人感情ず9分類系のタグずの察応関係をタグ付䞎䜜業者にあらかじめ瀺しおおくこずが必芁であった\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&7&たる子&今日もお父さんずお颚呂に入る玄&〈幞犏〉&《喜び》\\&&&束しおるんだ&&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{3-6}2&&たたちゃん&たたのがせないようにね&〈幞犏〉&\underline{《嫌だ》}\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&ナレヌタ&色々ず心配なたたちゃんであった&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※10å·»62ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{衚情に䟝存する問題}本皿で察象ずしおいる挫画「ちびたる子ちゃん」ではタグ付䞎過皋での印象ずしお登堎人物に内圚する情緒ず衚情がよく察応しおいるように思われたた愛想笑いのように内圚する情緒ず衚情が察応しないずきは「汗」が描かれるようである䞋蚘の䟋では怜査者は\#14〜\#16で「ももこ」が愛想笑いをしおいるずしお《喜び》の情緒タグは䞍適切であるず刀断したため盞違が生じた\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&2&お母さん& おな具合にさあ私も若いころには&〈喜び〉&《喜び》\\&&&色々あった蚳よ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}2&&ももこ&ふうん 倱恋 ねェ &&\\\hline3&3&お母さん&アンタ倱恋っおのは悲しいもんよォ&〈嫌悪〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}4&&&も〜〜お母さんはネェ&&《悲しみ》\\\cline{1-1}\cline{3-6}5&&ももこ&分かったよ&〈幞犏〉&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&蟛いんでしょ&〈嫌悪汗〉&\\\cline{1-1}\cline{4-4}7&&&ハむハむ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}8&&&もういい&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}9&&&私眠いから&&\\\hline10&4&お母さん&ダメッももこっ&〈幞犏〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}11&&&ここから先が面癜いのよ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}12&&&いよいよお父さんが登堎するのよ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}13&&&寝ちゃダメッ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}14&&ももこ&ふヌん &〈幞犏汗〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}15&&&あヌワクワクするなあ&&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{4-4}16&&&楜しみだなあ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※4å·»155ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{ナレヌションを芋萜ずす問題}ナレヌションや非盎接的な吹き出し吹き出しず人物の間を耇数の䞞で結ぶものは人物の心境を衚し真の内圚する情緒が蚘述されおいるずいえる䞋蚘の䟋ではナレヌタのいうずおりたる子が〈幞犏〉の衚情でお母さんに話しかけおいるのはお母さんの心境に探りをいれおいるのであっお《喜び》をもっお話をしおいるのではない\#2の台詞は非盎接的な吹き出しの郚分であるがその台詞は「䞍安」な気持ちを盎接的に述べおおり情緒タグずしおは《恐れ》が適圓である\vspace{\baselineskip}\begin{center}\setlength{\tabcolsep}{3pt}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&3&たる子&はっお父さんずお母さん&〈幞犏〉&《恐れ》\\&&&ケンカしおるらしいね&〈恐れ青〉&\\\cline{1-1}\cline{4-4}2&&&たいしたこずなきゃいいけど&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&お父さん&&〈怒り〉&《怒り》\\\cline{1-1}\cline{3-6}4&&お母さん&&〈怒り〉&《怒り》\\\hline5&4&たる子&ねえお母さん今日の倕食お寿叞にしおえ&〈幞犏〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&お願いヌ&&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{3-6}7&&ナレヌタ&このように子䟛は自らリトマス玙ずなり&&\\&&&芪のケンカの深刻さを調べるのだ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※7å·»127ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsection{耇雑な情緒の扱い}\label{sec6.2}耇雑な情緒に察するタグの付䞎に぀いお考察する\subsubsection{耇雑な情緒の䟋}本皿はプルチックの8぀の基本的な情緒を参考に情緒タグを定めたその利点ずしお耇雑な情緒を基本的な情緒の組み合わせで扱うこずが挙げられるその利点を掻かすために本コヌパスでは1぀のコマ・1人の人物においお耇数の情緒が同時に掚定できるずきそれらの付䞎を認めおいるたずえば䞋蚘の䟋では\#5,6,7のたたちゃんの台詞にはたたちゃんの情緒ずしお《喜び》ず《奜たしい》を同時に付䞎するここでプルチックの分類に埓うず《喜び》ず《奜たしい》に察しおは《愛》ずいう耇雑な情緒が察応する\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&1&たたちゃん&ねえたるちゃん&〈幞犏〉&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{4-4}2&&&母の日には䜕あげる&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&たる子&え&〈驚き〉&《驚き》\\\cline{1-1}\cline{4-4}4&&&䜕かあげるの&&\\\hline5&2&たたちゃん&そりゃそうよ&〈幞犏〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&い぀もお䞖話になっおいるお母さんだ&&《奜たしい》\\&&&もん&&→《愛》\\\cline{1-1}\cline{4-4}7&&&母の日くらいお瀌しなきゃ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}8&&たる子&あんた子䟛の癖に矩理がたいわねェ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※6å·»4ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{耇雑な情緒ぞのタグ付䞎}プルチックは2぀の基本的な情緒の組により耇雑な情緒ずしお23皮類を瀺したそこでその組に埓い本コヌパスの基本的な情緒の2぀組に察しお耇雑な情緒を衚すタグを付䞎しそのタグに察する同意率を求めた同意率は各情緒に぀いお最倧30件のランダムサンプリングにより怜査した同意の刀定には耇雑な情緒の英語偎の語矩を考慮に入れた衚\ref{tab7}にその結果を瀺す党䜓で同意率は63\%ずなったが耇雑な情緒ごずに芋るず同意率の開きが倧きい\begin{table}[t]\begin{center}\caption{耇雑な情緒のタグ付䞎ず同意率}\label{tab7}\begin{tabular}{rccrrc}\hline\hline\#&耇雑な情緒&情緒の組み合わせ&件数&同意率&同意数サンプル数\\\hline1&楜芳&喜び+期埅&1,231&100\%&(30/30)\\2&奜戊的&期埅+怒り&11&100\%&(11/11)\\3&懞念&期埅+恐れ&70&97\%&(29/30)\\4&歓喜&喜び+驚き&110&93\%&(28/30)\\5&みじめ&嫌だ+悲しみ&234&87\%&(26/30)\\6&憂鬱&喜び+嫌だ&71&83\%&(25/30)\\7&嫉劬&怒り+悲しみ&27&81\%&(22/27)\\8&憀慚&驚き+怒り&22&77\%&(17/22)\\9&譊戒&恐れ+驚き&252&77\%&(23/30)\\10&絶望&恐れ+悲しみ&81&73\%&(22/30)\\11&倱望&驚き+悲しみ&38&73\%&(22/30)\\12&軜蔑&嫌だ+怒り&239&63\%&(19/30)\\13&運呜&期埅+奜たしい&19&53\%&(10/19)\\14&愛&喜び+奜たしい&62&47\%&(14/30)\\15&自慢&喜び+怒り&10&30\%&(3/10)\\16&恥&恐れ+嫌だ&452&27\%&(8/30)\\17&悲芳&期埅+悲しみ&37&17\%&(5/30)\\18&眪悪感&喜び+恐れ&25&16\%&(4/25)\\19&皮肉&期埅+嫌だ&35&7\%&(2/30)\\20&服埓&恐れ+奜たしい&4&0\%&(0/4)\\21&奜奇心&驚き+奜たしい&3&0\%&(0/3)\\22&-&驚き+嫌だ&178&&\\23&-&喜び+悲しみ&51&&\\24&-&期埅+驚き&42&&\\25&-&恐れ+怒り&18&&\\26&-&嫌だ+奜たしい&2&&\\27&支配&奜たしい+怒り&0&&\\28&感傷的&奜たしい+悲しみ&0&&\\\hline&&&3,324&63\%&(320/511)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{耇雑な情緒の察応関係の誀り分析}同意のできなかった理由に぀いお考察する\begin{itemize}\item「cynicism皮肉・冷笑」に぀いお「期埅嫌だ」の察象が人間である必芁がある䞋蚘の正䟋ではたる子は䞞尟の態床に《嫌だ》ず思い぀぀䞞尟がツチノコ探しを続けるこずに《期埅》をしおいるので冷笑の様子ず蚀えるしかし䞋蚘の負䟋ではたる子が今の掋服が気に入らないこずずしお《嫌だ》が付䞎されおいるが同時にお母さんが芁求に応えおくれるこずの《期埅》が付䞎されおいる\begin{description}\item正䟋\begin{description}\item[䞞尟]スタモツチノコ株匏䌚瀟さえ成功すれば䞖界は我々のものなのです\item[たる子]そうかなァ 《期埅》《嫌だ》\item[ナレヌタ]䞖界がツチノコごずきに埓うずは思えない\end{description}\begin{flushright}4巻48ペヌゞより匕甚\end{flushright}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]お母さんお母さん\itemもっず倜䌚服っお感じのないかね\itemロングスカヌトでさあ《嫌だ》《期埅》\item[お母さん]ないわよ\end{description}\begin{flushright}7巻117ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「眪悪感」に぀いお「喜び恐れ」は《喜び》の察象や原因ず《恐れ》の原因ずが䞀臎しなければならないたずえば䞋蚘の正䟋ではお母さんはお父さんの発蚀を原因ずしお《喜び》を感じ぀぀《恐れ》も感じおいるので「眪悪感」があるしかし䞋蚘の負䟋ではおじいちゃんは《恐れ》の䜙韻が残っおいるだけで「眪悪感」はない\begin{description}\item正䟋\begin{description}\item[お父さん]どれどれたる子ず噂になっおるはたじっおどれだ\item[お姉ちゃん]この子よこの子\item[お父さん]おヌおもしれヌ顔しおるなァ\itemたる子ず結婚したら倫婊で挫才やらせよう\item[お母さん]お父さんたる子が聞いたら怒るわよ《喜び》《恐れ》\end{description}\begin{flushright}8巻26ペヌゞより匕甚\end{flushright}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]おじいちゃん火事だよ\item[おじいちゃん]たっ倧倉じゃ早く逃げろっ\itemたる子っこっちに来るんじゃ\item[たる子]違う違ううちじゃないよよその火事\item[おじいちゃん] そうかい よそかい  《喜び》《恐れ》\end{description}\begin{flushright}10巻27ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「悲芳」を構成する「期埅悲しみ」のうち《期埅》に぀いお本皿は「予期」ずせずポゞティブな解釈を認めおいるため「悲芳」の語感にそぐわなくなった《悲しみ》の䞭で䜕かに《期埅》を持ち぀぀行動する様子は「悲芳」ずいうより「蟛抱匷い」あるいは「意地」ずいえる\begin{description}\item負䟋\begin{description}\item[お父さん]こりゃ祭も䞭止だな\item[たる子]嫌だっ\item倕方たでに止むもん \itemお祭に行けるもん 《悲しみ》《期埅》\end{description}\begin{flushright}6巻61ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「恥」は「恐れ嫌だ」であるが情緒䞻の評䟡を䞋げるこずに関連しなければならないしかし䞋蚘の䟋ではたる子が酷く恐れおいるのであっお「恥」にはならない\begin{description}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]あヌ神様神様倧地震なんお絶察絶察来たせんように \item《恐れ》《嫌だ》\end{description}\begin{flushright}2巻97ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\end{itemize}䞊述の分析によるず9分類系の情緒タグだけでは耇雑な情緒をそのたた扱うこずは難しい耇雑な情緒を扱う䞊でコヌパスにはさらなる情報の付䞎が必芁である\subsubsection{耇雑な情緒ぞの察凊に向けお}耇雑な情緒を扱うために必芁な情報ずは情緒の原因・察象に぀いおの情報である特に次の点が重芁である\begin{itemize}\item察人性情緒の生じる原因・察象ずしお関わる人物を明確にするこず\item他の情緒ずの関連性泚目しおいる情緒の原因・察象が組ずなるもう䞀方の情緒の原因・察象ず同䞀であるかどうか\item情緒䞻ぞの評刀情緒の原因・察象およびその圱響が情緒䞻の評刀に関わるかどうか\end{itemize}たずえば次のように情緒タグに情報を付加するこずが考えられる\begin{description}\item䟋\begin{description}\item[u1]お父さんおヌおもしれヌ顔しおるなァ\item[u2]お父さんたる子ず結婚したら倫婊で挫才やらせよう\item[u3]お母さんおずうさんたる子が聞いたら怒るわよ\end{description}\begin{description}\item《喜び原因u2察人性0評刀0》\item《恐れ原因u2察人性評刀0》\end{description}\end{description}ここたでタグが付䞎されおいるならば「眪悪感」のタグの付䞎は同䞀の原因である《喜び》ず《恐れ察人性》の存圚を基に自動で行うこずができるさらにより厳密に情緒をタグで衚そうずするず䞊蚘の情報の他にOCCモデルでEvent,Agent,Objectで䜓系的に瀺されるような情報やゎヌル・プランや遞奜等に関する情報も必芁になる\cite{Ortony88}たた心的状態を衚すタグを付䞎する方法がある\cite{埳久&侭野&山䞋&岡田01}しかしこうした豊富な情報をコヌパスに付䞎しようずするず蚀語衚珟されおいない背景事情を衚すためのタグが非垞に倚くなるたずえば䞊述の{\bfu2}ずいう原因の衚瀺はここでは幞いにも適圓なラベルずしお䜿甚できたが垞にこの皋床の粒床のラベルで原因がカバヌできるずは限らないそのような目に芋えない情報に察するタグは衚蚘が耇雑になり分析者の負担が非垞に重い\cite{叀塩&埳久04} \section{おわりに} 本皿は信頌性の高い情緒タグ付き察話コヌパスを実珟するこずを狙い挫画の察話文を察象に登堎人物の衚情を参照する方法によっお情緒タグを付䞎したたた埗られた察話コヌパスの信頌性を評䟡した具䜓的には挫画「ちびたる子ちゃん」10冊を察象に1話に぀き2人のタグ付䞎䜜業者が「衚情タグ7皮類」ず「情緒タグ9皮類」を䞀時的に付䞎した埌に正解ずする衚情タグず情緒タグを䞡者が協議により決定したその結果コヌパスの芏暡は29,538文388,809文字衚情タグ14,040個情緒タグ16,635個ずなったたた挫画本の蚀語衚珟の電子化ずタグの付䞎は玄3ヶ月で完了した次にコヌパスの信頌性を次の3点から評䟡した\begin{description}\item(1)䞀臎率コヌパス構築の途䞭段階で䞀時的に付䞎される情緒タグにおける䜜業者間の䞀臎の割合\item(2)同意率コヌパス構築の最終段階で決定される情緒タグに぀いお䜜業者以倖の者から埗られる同意の割合\item(3)有効性構築したコヌパスは蚀語分析に䜿甚する䟡倀があるか\end{description}(1)に぀いお2者の䞀時的な情緒タグの䞀臎率は9分類系の情緒タグにおいお65.2\%($\kappa$=0.444)3分類系の情緒タグにおいお78.0\%($\kappa$=0.640)であった関連研究\cite{Litman03}における3分類系の情緒の䞀臎率が81.75\%($\kappa$=0.465〜0.624)であったこずに察し本皿は近い結果を埗たこずから本皿のタグの安定性は良奜な郚類に属するこずがわかったたた衚情を参照しない堎合の9分類系情緒タグの䞀臎率が60.5\%($\kappa$=0.382)であったこずより衚情を参照するこずにより安定性が向䞊するこずが確認できた(2)に぀いおサンプリング怜査によるず同意率は97\%(414/425)ずなったコヌパスにおいお䞀時的なタグの䞀臎率の䜎かった郚分においお最終的に正解ずしお決定した情緒タグの同意率を求めたずころ97\%(158/163)ずなったこずより正確さが確保できおいるこずが確認できた(3)に぀いお埗られたコヌパスを「情緒衚珟性のある文末衚珟の抜出」に䜿甚したずころ11,027件の情緒タグ付きの台詞から3,164件の文末衚珟が情緒の共起割合ずずもに抜出された挫画から䜜成したコヌパスであるが自然で情緒的な文末衚珟が芋られたこずから本コヌパスは蚀語衚珟ず情緒の関係を分析する䞊で有効であるこずの䞀䟋が瀺された以䞊から情緒刀定においお挫画に登堎する人物の衚情は音声に匹敵する蚀語倖情報を持぀こずが分かりそれを利甚したタグ付䞎方法の信頌性が確認された今埌の課題ずしお異なる挫画を察象にコヌパスを構築するこず挫画以倖の蚀語衚珟たずえばblogなどずの共通性を調査するこずが挙げられる\acknowledgment本研究は科孊技術研究費補助金若手研究(B)課題番号17700151の䞋で行いたしたコヌパスぞの蚀語衚珟の収録䜜業にご協力頂きたした田䞭勝匘氏・東匘之氏鳥取シルバヌ人材センタヌそしおタグ付䞎にご協力頂きたした研究宀メンバヌに深く感謝したす挫画「ちびたる子ちゃん」の著者さくらももこ氏に敬意を衚したす\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Craggs\BBA\Wood}{Craggs\BBA\Wood}{2004}]{Craggs&Wood04}Craggs,R.\BBACOMMA\\BBA\Wood,M.~M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAtwodimensionalannotationschemeforemotionindialogue\BBCQ\\newblockIn{\BemExploringAttitudeandAffectinText:TheoriesandApplications},\BPGS\44--49.AAAIPress.\bibitem[\protect\BCAY{Ekman\BBA\Friesen}{Ekman\BBA\Friesen}{1990}]{゚クマン&フリヌセン90}Ekman,P.\BBACOMMA\\BBA\Friesen,W.~V.\BBOP1990\BBCP.\newblock工藀力\hspace*{-0.5zw}蚳線\hspace*{-0.5zw},\Jem{衚情分析入門}.\newblock誠心曞房.\bibitem[\protect\BCAY{Litman\BBA\Forbes}{Litman\BBA\Forbes}{2003}]{Litman03}Litman,D.\BBACOMMA\\BBA\Forbes,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQRecognizingemotionsfromstudentspeechintutoringdialogues\BBCQ\\newblockIn{\BemAutomaticSpeechRecognitionandUnderstandingWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Narayanan}{Narayanan}{2002}]{Narayanan02}Narayanan,S.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQTowardsmodelinguserbehaviorinhuman-machineinteractions:EffectofErrorsandEmotions\BBCQ\\newblockIn{\BemISLEWorkshoponTaggingformultimodaldialogsWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Ortony,Clore,\BBA\Collins}{Ortonyet~al.}{1988}]{Ortony88}Ortony,A.,Clore,G.~L.,\BBA\Collins,A.\BBOP1988\BBCP.\newblock{\BemTheCognitiveStructureofEmotions}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Plutchik}{Plutchik}{1960}]{Plutchik60}Plutchik,R.\BBOP1960\BBCP.\newblock\BBOQTheMultifactor-AnalyticTheoryofEmotion\BBCQ\\newblock{\BemTheJournalofPsychology},{\Bbf50},pp.~153--171.\bibitem[\protect\BCAY{池原,阿郚,埳久,村䞊}{池原\Jetal}{2004}]{池原04}池原悟,阿郚さ぀き,埳久雅人,村䞊仁䞀\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ非線圢な衚珟構造に着目した重文ず耇文の日英文型パタヌン化\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(3),pp.~69--95.\bibitem[\protect\BCAY{遠藀,小方}{遠藀\JBA小方}{2003}]{遠藀&小方03}遠藀泰匘,小方孝\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQマンガの蚀説技法を統合する枠組みずしおのハむパヌコミック\JBCQ\\newblock\Jem{マンガ研究},{\Bbf4},pp.~113--132.\bibitem[\protect\BCAY{金子}{金子}{2006}]{金子06}金子真\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ焊点化副詞「ナンカ」が衚わす吊定的評䟡の掟生に぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第12回幎次倧䌚ワヌクショップ「感情・評䟡・態床ず蚀語」論文集},pp.~33--36.\bibitem[\protect\BCAY{叀塩,埳久,村䞊,池原}{叀塩\Jetal}{2004}]{叀塩&埳久04}叀塩貎行,埳久雅人,村䞊仁䞀,池原悟\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ情緒泚釈付きコヌパスの誀り分析\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚党囜倧䌚},2G3--02.\bibitem[\protect\BCAY{さくらももこ}{さくらももこ}{1987--1993}]{さくら87-93}さくらももこ\BBOP1987--1993\BBCP.\newblock\Jem{ちびたる子ちゃん},1〜10\JVOL.\newblock集英瀟.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,侭野,山䞋,岡田}{埳久\Jetal}{2001}]{埳久&侭野&山䞋&岡田01}埳久雅人,䞭野育恵,山䞋智之,岡田盎之\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ情緒を加味した深いタスク指向の察話理解のためのルヌルベヌスの構築\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},{\BbfTL2001-25},pp.~21--28.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,岡田}{埳久,岡田}{1998}]{埳久&岡田98}埳久雅人,岡田盎之\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQパタヌン理解的手法に基づく知胜゚ヌゞェントの情緒生起\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(8),pp.~2440--2451.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,寺嶌}{埳久,寺嶌}{2006}]{埳久R&寺嶌06}埳久良子,寺嶌立倪\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ雑談における発話のやりずりず盛り䞊がりの関連\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf21}(2),pp.~133--142.\bibitem[\protect\BCAY{䞭柀}{䞭柀}{2005}]{䞭柀05}䞭柀最\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQマンガのコマの読みリテラシヌの発達\JBCQ\\newblock\Jem{マンガ研究},{\Bbf7},pp.~6--21.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{埳久雅人}{1995幎九州工業倧孊倧孊院情報工孊研究科博士前期課皋修了同幎同倧孊情報工孊郚助手統合的知胜゚ヌゞェントの開発に埓事2002幎より鳥取倧孊工孊郚助手自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{村䞊仁䞀}{1984幎筑波倧孊第3孊矀基瀎工孊類卒業1986幎同倧孊修士課皋理工孊研究科理工孊専攻修了同幎NTT情報通信凊理研究所に勀務1991幎囜際通信基瀎研究所(ATR)自動翻蚳電話研究所に出向1998幎より鳥取倧孊工孊郚助教授䞻に音声認識のための蚀語凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{池原悟}{1967幎倧阪倧孊基瀎工孊郚電気工孊科卒業1969幎同倧孊倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟に入瀟数匏凊理トラフィック理論自然蚀語凊理の研究に埓事1996幎スタンフォヌド倧孊客員教授1996幎より鳥取倧孊工孊郚教授工孊博士1982幎情報凊理孊䌚論文賞1993幎同孊䌚研究賞1995幎日本科孊技術情報センタヌ賞孊術賞同幎人工知胜孊䌚論文賞2002幎電気通信普及財団賞テレコム・システム技術賞2006幎人工知胜孊䌚業瞟賞受賞電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚機械翻蚳協䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V23N01-05
\section{はじめに} \begin{table}[b]\caption{2014幎床代れミセンタヌ暡詊第1回に察する埗点ず偏差倀}\label{tab:intro:2014}\input{05table01.txt}\end{table}「ロボットは東倧に入れるか」以䞋「東ロボ」は囜立情報孊研究所を䞭心ずする長期プロゞェクトである同プロゞェクトはAI技術の総合的ベンチマヌクずしお倧孊入詊詊隓問題に挑戊するこずを通じ自然蚀語凊理を含む皮々の知的情報凊理技術の再統合および新たな課題の発芋ず解決を目指しおいるプロゞェクトの公匏目暙は2016幎床に倧孊入詊センタヌ詊隓においお高埗点を挙げ2021幎床に東倧2次詊隓合栌レベルに達するこずであるプロゞェクトでは2016幎床のセンタヌ詊隓「受隓」に至るたでの䞭間評䟡の䞀぀ずしお2013幎床2014幎床の2回に枡り代々朚れミナヌル䞻催の党囜センタヌ暡詊以䞋代れミセンタヌ暡詊を甚いた各科目の解答システムの評䟡を行いその結果を公衚した\TABREF{tab:intro:2014}に2014幎床の各科目の埗点ず偏差倀を瀺す\footnote{数孊・物理に関しおは他の科目ず異なり付加情報を含む入力に察する結果である詳现はそれぞれに関する節を参照のこず囜語は未着手の挢文を陀いた珟代文・叀文の蚈150点に関する偏差倀を瀺す}2013幎床の結果に぀いおは文献\cite{arai}を参照されたい倧孊入詊詊隓問題は志願者の知的胜力を客芳的に枬定するこずを目的ずしお蚭蚈されたデヌタであり通垞ただ1回の詊隓によっおか぀受隓者間での公平性を担保しながら枬定を行うために入念な怜蚎が加えられおいるこの点で入詊詊隓問題は蚀語凊理を含む知的情報凊理技術の総合的ベンチマヌクずしお恰奜の玠材であるずいえる特にその倧郚分が遞択匏問題からなるセンタヌ詊隓圢匏のテストはごく単玔な衚局的手がかりのみでは正解できないように蚭蚈されおいるず考えられ珟圚70\%から90\%の粟床に留たっおいる皮々の蚀語凊理技術をより信頌性高く頑健なものぞず導くためのガむドラむンずしお奜適であるさらに暡詊・入詊によるシステムの性胜枬定結果は人間の受隓生の正答率や誀りの傟向ず盎接比范するこずが可胜であるセンタヌ詊隓は毎幎玄50䞇人が受隓し予備校によるセンタヌ詊隓暡詊も数千から数䞇人芏暡の参加者を集めるこのような倧芏暡なサンプルから埗られた「普通の人」「兞型的な人」の像ずシステムずの比范は人によるアノテヌションに察する再珟率に基づく通垞の性胜枬定ずは異なる達成床の指暙ずなっおいる代れミセンタヌ暡詊による2014幎床の評䟡では英語・囜語・䞖界史Bで受隓者平均を䞊回る埗点を獲埗するなど倧きな成果があった䞀方でその埗点に端的に珟れおいるように残された課題も倧きい本皿では代れミセンタヌ暡詊およびその過去問を䞻たる評䟡デヌタずしお各科目の解答システムの゚ラヌを分析し各科目における今埌の課題を明らかにするずずもに「普通の人」ず比范した際の各科目・問題タむプにおける達成床に関しおひず぀の芋取り図を䞎えるこずを目指す「東ロボ」プロゞェクトのひず぀の特城は倚様な科目・課題に䞊行的に取り組むこずであり様々な課題に察する結果を通じお珟圚のNLP/AI諞技術の達成床を可胜な限り通芧するこずはプロゞェクト党䜓の目的でもあるこのため本皿では問題タむプ毎の゚ラヌに察する分析は䞻ずしお解決ぞの糞口ずなる傟向の分析たでにずどめ倚数の科目・問題タむプに぀いおその゚ラヌ傟向ず今埌の課題を瀺すこずを䞻県ずした以䞋ではたず知的情報凊理課題ずしおのセンタヌ暡詊タスクの抂芁をたずめたのち英語囜語数孊物理日本史・䞖界史の各科目に぀いお分析結果を述べる \section{センタヌ詊隓タスクの抂芁} \TABREF{tab:overview:risha}\TABREF{tab:overview:eikoku}に2014幎床代れミセンタヌ暡詊第1回の䞖界史B・日本史B・数孊I+AII+Bの合蚈・物理囜語・英語を察象ずした問題分類の結果を瀺す衚内の各数字は各カテゎリに分類された問題数およびその割合カッコ内であるここでは䞀぀の問題が耇数のカテゎリに属する堎合も蚱しおいるこれらの分類は解答タむプ解答圢匏および解答内容の意味的カテゎリず解答に必芁ずなる知識のタむプに関するアノテヌション\cite{MiyaoKawazoe2013IJCNLP}から埗られたものであるが読みやすくするために衚䞭では各カテゎリにそれらのアノテヌションを芁玄・再解釈したラベルを䞎えおいる\begin{table}[t]\caption{問題分類瀟䌚科目・理数系科目}\label{tab:overview:risha}\input{05table02.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{問題分類囜語・英語}\label{tab:overview:eikoku}\input{05table03.txt}\end{table}\TABREF{tab:overview:risha}に瀺されるように瀟䌚科目ではほずんどの問題が教科曞内の知識を正しく蚘憶しおいるかどうかを問う問題であり圢匏は真停刀定型ずfactoid質問型が倚い問題䞭で䞎えられた資料文に関する読解問題や䞀般垞識の関わる問題の割合は䜎いこずから倧倚数の問題に察しおは倖郚の知識源を適切に参照し芁求される解答圢匏に合わせた出力ぞ加工するこずで解答できる可胜性が瀺唆されるすなわち珟行の質問応答および怜玢をベヌスずした方法によっお解ける可胜性がある他方数孊・物理に関しおは問題のすべおが「分野固有の掚論」に分類されおいるすなわち単に知識源を参照するだけでは解答できず数理的挔繹やオントロゞヌに基づく掚論などが必芁ずなるこずが瀺唆される特に数孊・物理の問題のほずんどが数倀ないし数匏を答える問題であるため数倀蚈算ないし数匏凊理は必須である蚀語凊理ず数倀・数匏凊理の統合は分野暪断型の研究ずしお興味深い数孊・物理の間の違いずしお画像・図衚の理解を必芁ずする問題の割合の差が芋お取れる数孊では数衚および箱ひげ図の理解を芁する倧問が1題あったがそれ以倖の図に関しおは必芁な情報が党お問題文で䞎えられおおり解答する䞊で図を理解する必芁はないいっぜう物理では問題文のみでは物理的状況を理解するのが困難で画像の理解を必芁ずするず思われる問題がおよそ7割を占めるこのため物理の解答システムでは将来的に画像理解ず蚀語理解の融合が必芁であるず考えられる英語ず囜語の問題分類は他科目ずは倧きく異なっおいる英語に関する節で述べるように語圙知識文法的知識を問う問題は珟圚の蚀語凊理技術の射皋内のものが倚数あるしかし英語・囜語で倧きな割合を占める読解問題はこれを研究課題ずする取り組みが近幎開始されたものの\cite{Penas2011a,Penas2011b}蚀語凊理・知的情報凊理課題ずしおの定匏化を含め未解決の郚分が倚いタむプの問題であるさらに英語問題には䞀般垞識を問う問題新聞広告や手曞きの問蚺祚など独特の圢匏をも぀文曞の理解を問う問題画像理解絵の説明ずしお適切なものを遞ぶ問題などなどが含たれるがこれらは䞀郚に研究課題ずしお非垞に難しいものを含んでいるこの点で少なくずも珟時点では英語で満点に近い高埗点を埗るこずは困難であるず考えられる \section{英語問題の゚ラヌ分析} \subsection{はじめに}\label{sec:eigo:introduction}本節では東ロボ英語チヌムの開発によるいく぀かの解答システムの゚ラヌを分析した結果に぀いお述べる特に代れミセンタヌ暡詊の6回分2012第1回2013第1回〜第4回2014第1回を䞭心に分析を行った\begin{table}[b]\caption{代れミセンタヌ暡詊2014英語の問題構成}\label{tab:eigo:mondai}\input{05table04.txt}\end{table}\TABREF{tab:eigo:mondai}に代れミセンタヌ暡詊2014第1回の問題構成を瀺す今回の分析は珟状䞀定の粟床で解けおいる短文問題すなわち倧問1から倧問3のみに぀いお行っおいるたた短文問題の䞭で文脈に合わない文を遞ぶずいう問題(3B)に぀いおは過去問に䟋が少なかったため未着手であり分析察象ずしおは觊れおいないたた意芋芁旚把握問題に぀いおは䌚話文完成問題ず同じ解き方で解いおいるため䌚話文完成問題の分析をもっおこの問題の分析ずする点数にしお玄半分を占める読解問題に察しおは珟圚のシステム正答率がチャンスレベルに近いため゚ラヌ分析の察象ずはしなかった読解問題に関する芋通しに぀いおは本節の最埌で述べるなお2014幎床の代れミセンタヌ暡詊の英語問題を解いた手法に぀いおは文献\cite{eigo}に詳述されおいるので参照されたい\subsection{発音・アクセント問題}\label{sec:eigo:1ab}ここ数幎の発音・アクセント問題は発音箇所が異なる・同じ箇所やアクセント䜍眮が異なる・同じ箇所を遞択する問題であり音声認識甚の蟞曞を甚いるこずですべお解くこずが出来おいるしかし1987幎から2009幎たでのセンタヌ詊隓の発音アクセント問題は28/85玄32\%しか解くこずができおいないこれらの問題は文䞭で匷勢される単語を問うものが倚く文脈を理解しないず解くこずができない\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f1.eps}\end{center}\caption{匷勢問題の䟋}\label{fig:eigo:1ab}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{発音・アクセント問題の分類}\label{tab:eigo:1ab}\input{05table05.txt}\end{table}\FIGREF{fig:eigo:1ab}は匷勢の問題の䟋である䞋線郚の単語のうち匷勢が眮かれるものをそれぞれ遞択する(1)の䞋線郚ではworseが正解ずなるがworseを匷く読むかどうかは文脈に䟝存する1999幎たでの発音・アクセント問題で解けおいない問題を分析したものを\TABREF{tab:eigo:1ab}に瀺す蟞曞やプログラムの敎備などにより察応できるものを短期に察応できる問題18問それ以倖を長期間必芁な問題33問ず分類したたた䟋幎であれば発音・アクセント問題が出珟する箇所にそれ以倖の問題が出題されるケヌスがありこれらは6問あった匷勢の問題は近幎コヌパスベヌスの手法で取り組んでいる文献\cite{kyosei}もあるがただ取り組みが少ないのが珟状である\subsection{文法・語法・語圙問題}\label{sec:eigo:2a}文法・語法・語圙問題ずは文䞭の空欄に最もふさわしい語句を4぀の候補の䞭から遞ぶ問題である代れミセンタヌ暡詊の過去6回分にはこのタむプの問題が合わせお60問出題されおいる英語チヌムでは単語N-gramを甚いお最も確率が高くなる候補を遞ぶ方法を甚いた本手法では47問解くこずができた解くこずが出来なかった問題の芁因は\TABREF{tab:eigo:grammar}の通りであった\begin{table}[b]\caption{文法・語法・語圙問題の゚ラヌ芁因\label{tab:eigo:grammar}}\input{05table06.txt}\end{table}反実仮想のように条件文に呌応する堎合はそれを螏たえる必芁があるがN-gramではそれが捉えられおいなかったたた耇数文で前半郚分を受けお埌半の単語を遞ぶ問題に぀いおも同様に答えられおいない遠い䟝存関係はN-gramによっお捉えにくいものであるが今回の代れミセンタヌ暡詊2014-1の2問に぀いおはDependencyLanguageModel~\cite{deplm}に基づく手法で答えられるこずを確認した成句に関する問題は入詊で頻出するが新聞蚘事の出力分垃からずれるために答えられおいないず思われる関係代名詞の甚法に぀いおは解くためには文法的な芳点が必芁ず思われる今回の分析察象である60問で人間受隓生ずシステムの正答傟向に違いがあるかを分析したここで「人間の解答」ずしお受隓生の遞択した割合が最も高かったものを甚いおいるなお人間は48問(80\%)正解しおいるクロス衚を䜜成したずころ\TABREF{tab:eigo:bunpou:cross}の様になった\begin{table}[t]\caption{人ずシステムの正答傟向の比范文法・語法・語圙問題}\label{tab:eigo:bunpou:cross}\input{05table07.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{システムが正解し人間が䞍正解であった文法・語法・語圙問題の内容}\label{tab:eigo:syshumcompare}\input{05table08.txt}\end{table}システムず人間の䞡方が解けるものはある皋床共通しおいるもののそれぞれ埗意・䞍埗意があるこずも分かるシステムが正解するこずず人間が正解するこずが独立であるか本クロス衚に぀いおFisherの正確確率怜定を行ったずころ$p=1$であり人間・システムの正答の分垃が独立であるこずは棄华されなかった人間ずシステムは異なる解き方をしおおり正答・誀答の分垃は独立であるこずが瀺唆されるさらに60問の各蚭問に぀いお人間ずシステムの遞択肢の順序を求め代衚的な順䜍盞関係数であるSpearmanの$\rho$およびKendallの$\tau$の平均倀を求めたここで人間の遞択肢の順䜍ずは遞択した受隓生の割合の順䜍でありシステムの順序ずはN-gram確率によっお埗られる確率倀の倧きい順に䞊べたものであるその結果$\rho$ず$\tau$の平均はそれぞれ0.070.06ずなりほが無盞関であったここからも人間ずシステムは異なった解き方で問題を解いおいるこずが瀺唆されるシステムが正解し人間が䞍正解であった問題は10問でありこの内蚳は\TABREF{tab:eigo:syshumcompare}の通りである人間は英語の兞型的甚法を知らないこずで䞍正解になっおいるケヌスがほずんどであったこれらはシステムがデヌタ䞭心の解法により正解できるものであるたた前眮詞の甚法も英語に慣れおいないず難しく受隓生には解けなかったようである人間が正解しシステムが䞍正解であった11問およびどちらも䞍正解だった2問(2013-1-A12,2014-1-A14)はシステムが解けなかった問題ずしお前掲した13問である\TABREF{tab:eigo:syshumcompare}ず比范するずシステムが正解・人が䞍正解であった問題は単語や成句・連語あるいは前眮詞の遞択など語圙的知識に関するものが倚くシステムが䞍正解・人が正解であった問題は意味的・文法的な敎合性が関わるものが倚いずいう傟向が芋お取れる\subsection{語句敎序完成問題}\label{sec:eigo:2c}語句敎序完成問題ずは䞎えられた数個の単語を適切に䞊べ替えお文法・意味的に正しい文を完成させる問題である我々は文法・語法・語圙問題ず同様にN-gram蚀語モデルを甚いおこの問題に取り組んだ具䜓的には単語列のすべおの䞊びを列挙しもっずも文ずしおの確率が高いものを遞ぶ手法を甚いた分析察象ずした代れミセンタヌ暡詊過去問ではこのタむプの問題が18問ありこのうち15問(83\%)に察しシステムは正答するこずができた正解できなかった3問に぀いおぱラヌの芁因は\TABREF{tab:eigo:error:sort}の通りであったここでの芁因は文法・語法・語圙問題ずほが同様であるシステムの正解率もほが同じであるこずからN-gramによっお解くこずのできる問題はおおよそ80\%であるこずが確認できる今回の分析察象である18問に぀いお人間ずシステムの正答傟向に違いがあるか分析した\TABREF{tab:eigo:cross:sort}はそのクロス衚である\begin{table}[t]\caption{語句敎陀完成問題の゚ラヌ芁因}\label{tab:eigo:error:sort}\input{05table09.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{人ずシステムの正答傟向の比范語句敎陀完成問題}\label{tab:eigo:cross:sort}\input{05table10.txt}\end{table}本クロス衚に぀いおFisherの正確確率怜定を行ったずころp倀は0.06であり有意傟向にあったこれは文法・語法・語圙問題ず異なるずころでありシステムず人間はより近い解き方をしおいるのではないかず考察される人間が䞍正解でありシステムが正解したものは1問(2012-1-A25-26)だった``allIcouldthinkabout''ずいう構文が受隓生にずっおは難しいながら兞型的なフレヌズでありシステムにずっおはN-gramで解ける問題だったこずによる\subsection{䌚話文完成問題}\label{sec:eigo:2b}䌚話文完成問題は二人の話者の䌚話の空所に適切な文を4぀の遞択肢から遞び䌚話文を完成させる問題であるこの問題を解くため4぀の遞択肢の各堎合に぀いお䌚話文の流れの自然さを掚定し最も自然な流れずなる遞択肢を遞ぶずいう方法を甚いた䌚話文の流れの自然さは(a)発話意図衚明評䟡などの流れの自然さず(b)感情極性ポゞティブかネガティブの流れの自然さから成る(a)はSwitchboardDialogActCorpus\cite{Jurafsky:97}から発話意図列の識別モデルをCRFによっお孊習し発話意図列の生起確率に基づいおスコアを蚈算した(b)は感情極性コヌパス\cite{Pang+Lee:05a}からSVMにより識別モデルを孊習し感情極性がポゞティブあるいはネガティブであるスコアを蚈算したそれぞれのスコアの重み付き和を最終的なスコアずした゚ラヌ分析のため代れミセンタヌ6回分の問題に぀いお䌚話䞭のすべおの発話および遞択肢に察し1名の評䟡者がアノテヌションを行い発話意図のラベルず感情極性の床合を付䞎したアノテヌションに基づき(a),(b)のスコアを蚈算した(a)は付䞎された発話意図列のN-gram確率をコヌパスから蚈算したものをスコアずした(b)は付䞎された感情極性の床合に基づいおスコアを蚈算したコヌパスから孊習したモデルに基づいおスコアを算出する堎合アノテヌション無しずアノテヌションに基づいおスコアを算出する堎合アノテヌション有りを比范し正解率がどう倉わるかを怜蚌したその結果を\TABREF{tab:eigo:2b}に瀺す\begin{table}[b]\caption{アノテヌションの有無による䌚話文完成問題の正解率の倉化}\label{tab:eigo:2b}\input{05table11.txt}\end{table}衚においお発話意図のスコアず感情極性のスコアの䞡方を䜿う堎合は正解率が最倧ずなるように重みを調敎した衚から分かるように感情極性に関しおアノテヌション無しの方がアノテヌション有りの堎合よりも正解率が若干高いアノテヌション無しの堎合は感情極性コヌパスを䜿うこずによりポゞティブネガティブな文に珟れる単語の出珟確率を考慮しおスコアを蚈算しおいるこずに察しおアノテヌション有りの堎合はそのような単語の出珟確率を粟密に考慮できないこずが性胜䜎䞋に぀ながった可胜性がある本質的にアノテヌション無しの方が性胜が良いかどうかはより倚くのデヌタを䜿っお刀断するこずが必芁である本手法は発話意図のスコアず感情極性のスコアの重み付き和で最終的なスコアを蚈算しおいるがどちらのスコアを優先すべきかは問題による実際発話意図のスコアず感情極性のスコアのいずれかが最倧ずなる遞択肢を遞ぶこずができたするずアノテヌション無しでは18問䞭13問アノテヌション有りでは18問䞭10問が正解ずなる発話意図ず感情極性のスコアのいずれを䜿っお問題を解くべきかを適切に刀断するこずは今埌の課題の䞀぀である分析に甚いた18問に察する受隓生の平均正答率は62.2\%であったシステムの正答率8/18(=44.4\%)はそれより䜎いもののチャンスレベルである25\%ずの差はほが有意であった$p=0.06$二項怜定\subsection{未知語句語矩掚枬問題}\label{sec:eigo:3a}この問題は出珟頻床が䜎く䞀般にはあたり知られおいないような文章䞭の単語たたはフレヌズに぀いお語矩を掚定し䞎えられた遞択肢の䞭から最も意味の近い語矩を遞択する問題である今回word2vec\cite{Mikolov13}を甚い未知の語句ず遞択肢のベクトルをそれぞれ求めコサむン類䌌床の高いものを遞択する手法を甚いたなお未知の単語が慣甚句の堎合はむディオム蟞曞によっお事前に語釈文に眮き換えた䞊でベクトルを算出しおいる過去5回の代れミセンタヌ暡詊の党12問に぀いお9問(75\%)解くこずができたこれは同じ問題に察する受隓生の平均正答率48\%を䞊回っおいる正解できなかった3぀の問題の内蚳を衚\ref{tab:eigo:3a}に瀺す二぀はむディオム蟞曞の䞍備に䟝る今回はWiktionaryから䜜成したむディオム蟞曞を甚いたがそのカバレッゞが䜎かったこれらはよりカバレッゞの倧きいOxfordEnglishDictionaryを甚いるこずで解決できるこずが分かったもう䞀぀は単語``cognate''であるが単語であっおも蟞曞の語釈文によっお眮き換えおベクトルを算出するこずでこちらも解けるこずが分かったすなわち単語むディオムに぀いお眮き換える・眮き換えないずいう操䜜が正しくできれば本問題に぀いおは解くこずができるず蚀える\begin{table}[b]\caption{未知語句語圙掚枬問題の゚ラヌ内蚳}\label{tab:eigo:3a}\input{05table12.txt}\end{table}\subsection{英語たずめず今埌の課題}\label{sec:eigo:summary}本皿では東ロボプロゞェクトにおいお英語チヌムが英語問題を解いたずきの゚ラヌを分析した結果に぀いお述べた長文読解問題はただチャンスレベルに近い正答率であるため今回は分析察象ずしなかったが今埌解答できるようになっおいくに぀れ゚ラヌを分析しおいく予定である今回の分析察象ずした短文問題に比べお長文読解問題゜ルバヌ開発の進行が遅れおいる理由ずしおは問題内容自䜓の耇雑さに加え以䞋のような理由が挙げられるたず長文読解問題の玄半数は図衚ないしむラストを含む問題あるいは広告・カルテなど特殊なレむアりトを含む実甚文曞を題材ずする問題であるこれらの問題に察しおはテキスト凊理に加えお画像理解や文曞構造の理解が必芁ずされる特に自然画像ではないむラストの理解はそれ自䜓が未開拓の研究領域であるこれらの付加芁玠のうち衚に関しおは情報抜出源ずしお倚くの研究があるもののテキスト理解ず衚の意味理解が耇合した課題に関する取組は近幎始たったばかりである\cite{pasupat2015compositional}倚くの長文読解問題は圢匏的には本文ず遞択肢の間の含意関係認識課題ずしお捉えるこずが可胜であるしかしBag-of-words/phrases/dependenciesなど衚局に近い衚珟によるテキスト間類䌌性を甚いた手法ずstate-of-the-artずの差が比范的小さい珟圚の含意関係認識手法の技術氎準では英語読解問題で前提ずされる皮々の垞識的知識を深い意味構造のレベルで取り扱うような手法がすぐに実珟するずは考えにくく衚局に近い衚珟によるテキスト間類䌌性定矩をベヌスずしお英語読解問題の特性に芋合った改良を加えおいく方向が有効であるず思われるこれに察し図・衚・むラストなどを含む問題は数量の取扱いを始め単玔なテキスト間類䌌性を超える掚論を芁するこずが倚い点でも難しい課題であるず蚀えるなお図などの付加芁玠を含たないタむプの長文読解問題においお特に問題だず考えおいる課題は3぀ある意味を反転させるような衚珟の扱い共参照解析メタ蚀語文章自䜓ぞの蚀及であるたた過去の代れミセンタヌ暡詊の長文特に倧問6の論述に関する問題を分析したずころ遞択肢に関連のある䞀文を長文から抜出できれば解ける問題が25問䞭11問あったがその他は耇数の文の統合が必芁なものであった遞択肢に関連する䞀文を長文から抜出する課題はそれ自䜓が今埌の研究課題である\cite{CLEF13Li}がそれに加え芁玄技術の適甚や文の統合ずいった技術が必芁になっおくるず思われる\vspace{0.5\Cvs} \section{囜語評論問題の゚ラヌ分析} \vspace{0.5\Cvs}\subsection{センタヌ詊隓『囜語』評論傍線郚問題}本節では䞻に倧孊入詊センタヌ詊隓『囜語』評論の{\bf傍線郚問題}ず呌ばれる問題を取り扱う傍線郚問題の具䜓䟋を\FIGREF{fig:kokugo:up_example}に瀺すこの図に瀺すように傍線郚問題は䜕らかの評論から抜き出された文章本文を読んだ䞊で蚭問文を読み5぀の遞択肢のうちから正解の遞択肢を1぀遞ぶずいう遞択匏の問題である玙面の郜合䞊\FIGREF{fig:kokugo:up_example}には2぀しか遞択肢を蚘茉しおいない衚13に瀺すように傍線郚問題はセンタヌ詊隓『囜語』評論の配点の玄2/3を占めおいる玙幅の郜合で取り䞊げなかったこれ以倖の問題に関しおは本節の最埌で述べる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f2.eps}\end{center}\caption{評論傍線郚問題の䟋2007幎本詊隓第1問の問2}\label{fig:kokugo:up_example}\end{figure}\subsection{傍線郚問題の解法}東ロボ囜語チヌムは傍線郚問題の自動解法ずしおこれたでに{\bf本文照合法}\cite{BaseMethod}およびその䞀郚を拡匵した{\bf節境界法}\cite{CLMethod}を提案実装した本節ではこれらの解法に぀いお抂説する\subsubsection{本文照合法}本文照合法は\begin{itemize}\item正解遞択肢を遞ぶ根拠は本文䞭に存圚する\cite{Funaguchi,Itano}\item意味的に䌌おいるテキストは衚局的にも䌌おいるこずが倚い\end{itemize}ずいう考え方仮説に基づく解法である具䜓的には次のような方法で傍線郚問題を解く\begin{enumerate}\item{\bf入力}本文蚭問遞択肢集合を入力する\item{\bf照合領域の決定}遞択肢ず照合する本文の䞀郚照合領域を定める照合領域は本文䞭の傍線郚を䞭心ずした連続領域ずする\item{\bf遞択肢の事前遞抜}考慮の察象倖ずする遞択肢を陀倖する具䜓的にはある遞択肢に぀いお自分以倖の遞択肢ずの文字の䞀臎率の平均倀が最も小さい遞択肢を陀倖する\item{\bf照合}考慮の察象ずする遞択肢をそれぞれ照合領域ず比范し照合スコアを求める照合スコアには照合領域ずその遞択肢ずの間の共通する芁玠の割合オヌバヌラップ率\cite{Hattori2013}を甚いる\item{\bf出力}照合スコアの最も高い遞択肢を解答ずしお出力する\end{enumerate}この本文照合法には以䞋の3぀のパラメヌタが存圚する\begin{itemize}\item照合領域ずしお本文のどの範囲を遞ぶか\item照合スコアをどのような単䜍で蚈算するか䜕のオヌバヌラップ率をスコアずするか\item遞択肢の事前遞抜を行うか\end{itemize}これらのパラメヌタは以降で述べる節境界法にも共通する\subsubsection{節境界法}節境界法は長い文を耇数のたずたりに区切るずいう戊略に基づき本文照合法の䞀郚を拡匵した解法である具䜓的には本文照合法の照合ステップにおいお照合領域ず遞択肢に節境界怜出に基づいた節分割を行いその結果を照合スコアの蚈算に利甚する節は「述語を䞭心ずしたたずたり」\cite{KisoNihongo}ず定矩される文法単䜍でありおおよそ述語項構造に察応する節境界怜出には節境界怜出プログラムRainbow\cite{Rainbow}を甚いるRainbowは文の節境界の䜍眮を怜出し節の皮類のラベル節ラベルを付䞎するプログラムであるRainbowによっお付䞎された節境界で区切られた郚分を節ずみなしお節分割を行う\footnote{厳密には本来の節の定矩からは倖れる堎合がある}節境界法では照合スコアを以䞋のような方法で蚈算する\begin{description}\item[\textmd{Step1}]照合領域$t$ず遞択肢$x$に節境界怜出を行いそれぞれ節の集合$T$,$X$に倉換する\item[\textmd{Step2}]$T$ず$X$を甚いお遞択肢$x$の照合スコアを蚈算する具䜓的には$X$内の各節$c_x\inX$のスコアの平均倀を遞択肢$x$のスコアずする節$c_x$のスコアは$c_x$ず$T$内の各節$c_t\inT$ずの類䌌床の最倧倀ずする\end{description}節同士の類䌌床は節同士の共通する芁玠の割合オヌバヌラップ率\cite{Hattori2013}ず2぀の節の節ラベルが䞀臎する堎合のボヌナスの和ず定矩する\subsection{評䟡実隓}センタヌ詊隓の過去問および代れミセンタヌ暡詊過去問以䞋代れミ暡詊ずよぶを甚いお本文照合法および節境界法の評䟡を行ったセンタヌ過去問は10回分代れミ暡詊は5回分の詊隓デヌタを䜿甚した傍線郚問題の総数はセンタヌ過去問が40問代れミ暡詊が20問である\subsubsection{実隓結果}本文照合法゜ルバヌず節境界法゜ルバヌをセンタヌ過去問および代れミ暡詊に適甚した結果正解数を\TABREF{tab:kokugo:result}に瀺すこの衚のP-$m$-$n$は照合領域本文の傍線郚の前埌䜕段萜を照合領域ずするかを衚し$C^1$や$L$などはオヌバヌラップ率ずしお䜕の䞀臎率を甚いるかの単䜍を衚すたずえば$C^1$は文字unigramを甚いるこずを衚すたた遞択肢の事前遞抜を行う堎合をps行わない堎合をnonで衚すこれらのパラメヌタの組み合わせ56通りに぀いお正解数を調査した\begin{table}[b]\caption{代れミセンタヌ詊隓2014囜語の問題構成}\label{tab:kokugo:mondai}\input{05table13.txt}\end{table}\begin{table}[b]\hangcaption{センタヌ過去問ず代れミ暡詊に察する正解数本文照合法節境界法䞊段がセンタヌ40問䞋段が代れミ暡詊20問に察する結果}\label{tab:kokugo:result}\input{05table14.txt}\end{table}\TABREF{tab:kokugo:result}では本文照合法゜ルバヌ節境界法゜ルバヌの正解数をこの順に斜線で区切っお瀺しおいるたた䞊段にはセンタヌ過去問の正解数䞋段には代れミ暡詊の正解数を瀺しおいる半数以䞊の問題に正解した堎合の正解数はボヌルド䜓で瀺しおいる\TABREF{tab:kokugo:result}を芋るずセンタヌ詊隓ず代れミ暡詊の問題は性質が異なるずいうこずがわかるセンタヌ過去問に関しおは倚くのパラメヌタ(45/56)においお節境界法の正解数が本文照合法の正解数以䞊ずなったのに察し代れミ暡詊に関しおは56通りすべおのパラメヌタにおいお本文照合法の正解数が節境界法の正解数以䞊ずなったたた本文照合法では2぀の問題デヌタ間で正解率があたり倉わらないのに察し節境界法では党䜓的にセンタヌ過去問よりも代れミ暡詊の正解率の方が䜎い゜ルバヌは解答を出力する際照合スコアの高い順に遞択肢番号を出力するがこのずきスコア䞊䜍に正解が含たれた蚭問数を衚\ref{tab:kokugo:rank_in}に瀺すパラメヌタはセンタヌ過去問たたは代れミ暡詊で比范的成瞟のよいものを3぀遞んだR@$n$はスコア順䜍で$n$䜍たでに正解が含たれたこずを衚す節本はそれぞれ節境界法本文照合法を衚す\begin{table}[t]\caption{゜ルバヌ出力の䞊䜍に正解が含たれる蚭問数}\label{tab:kokugo:rank_in}\input{05table15.txt}\end{table}\TABREF{tab:kokugo:rank_in}を芋るずほずんどの問題で正解遞択肢が遞択肢5぀のうちの䞊䜍3䜍たでには入るこずがわかるスコア䞊䜍の遞択肢に察しお本文ず合臎しない郚分の怜出ができればより正解数が向䞊するこずが期埅できる\subsubsection{兞型的な難問䟋}本文照合法および節境界法はいずれも文字列の衚局的類䌌床を照合スコアに甚いおいるため本文の解答根拠郚分ず遞択肢ずの間で衚局的に党く異なる蚀い回しが甚いられおいるような問題には正解できないセンタヌ過去問の40問の傍線郚問題を調査したずころそのような問題は倚く存圚したその䞭でも以䞋の3぀のタむプの問題は゜ルバヌにずっお特に難問であるず考えられる\begin{itemize}\item[A]本文で抜象的に述べおいる内容を具䜓的に述べた遞択肢を遞ぶ蚭問40問䞭2問\item[B]本文で具䜓的に述べおいる内容を抜象的に述べた遞択肢を遞ぶ蚭問40問䞭4問\item[C]本文ず遞択肢の抜象床は同じだが遞択肢が本文の内容を句以䞊の倧きな単䜍で党面的に蚀い換えおいる蚭問40問䞭16問\end{itemize}タむプAの蚭問の䟋を\FIGREF{fig:kokugo:difficultA}にタむプCの蚭問の䟋を\FIGREF{fig:kokugo:difficult}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f3.eps}\end{center}\caption{タむプAの難問の䟋2001幎本詊隓第1問の問2}\label{fig:kokugo:difficultA}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f4.eps}\end{center}\caption{タむプCの難問の䟋2005幎本詊隓第1問の問4}\label{fig:kokugo:difficult}\end{figure}タむプAおよびBの蚭問で求められる抜象ず具䜓を結び぀ける胜力は抜象語ず具䜓䟋を結び぀ける蟞曞的なデヌタの䜜成や倚数の抜象-具䜓テキストペアの蓄積が可胜であるようなごく限定的な䞻題を陀き珟圚の蚀語凊理・人工知胜技術の射皋倖であろうタむプCの蚭問は圢匏的には蚀い換え認識あるいは含意関係認識に近い問題であるものの最先端の手法ず衚局的類䌌床に基づく手法ずの差が小さい珟圚の技術氎準\cite{RITE2}ではやはり解決䞍可胜な問題が倚いず考えられる\subsubsection{人間の解答ずの比范}代れミから提䟛されたデヌタを甚いお゜ルバヌの解答傟向が人間受隓生のそれず䌌おいるかの比范を行った代れミ暡詊20問においお゜ルバヌの解答結果ず受隓生の解答番号別マヌク率を比范した受隓生の遞んだ遞択肢$n$䜍たでに゜ルバヌの遞んだ遞択肢が含たれる蚭問数を\TABREF{tab:kokugo:human1}に瀺すこの衚のR@$n$は受隓生のマヌク率順䜍の$n$䜍たでに゜ルバヌ出力が含たれたこずを衚す\TABREF{tab:kokugo:human1}を芋るず節境界法に比べお本文照合法の解答傟向の方が受隓生ず䌌おいる代れミ暡詊においお節境界法より本文照合法の方が奜成瞟であったこずを考慮するず代れミ暡詊においおは受隓生ず解答傟向が䌌おいる゜ルバヌの方が正解率が高くなるず考えられる\begin{table}[t]\caption{受隓生の遞んだ遞択肢䞊䜍に゜ルバヌ出力が含たれる蚭問数}\label{tab:kokugo:human1}\input{05table16.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{人ずシステムの正答傟向の比范囜語評論傍線郚問題}\label{tab:kokugo:cross}\input{05table17.txt}\end{table}代れミ暡詊20問に察する゜ルバヌ本文照合法P-0-0,$C^1$,psず受隓生のマヌク率1䜍の解答のクロス衚は\TABREF{tab:kokugo:cross}のようになったクロス衚では゜ルバヌが正解した問題では受隓生も正解が倚い傟向があるように芋えるしかしFisherの正確確率怜定の結果は$p=0.34$で゜ルバヌず受隓生の正答の分垃が独立であるこずは棄华できなかった\subsection{囜語たずめず今埌の課題}本節では東ロボ囜語チヌムが提案実装した評論傍線郚問題の自動解法ずその成瞟および解答結果の分析に぀いお述べた実装した本文照合法節境界法はいずれも文字列の衚局的類䌌床を甚いる解法であり本質的に正解できない難問もあるものの゜ルバヌは適切なパラメヌタさえ遞べば倚くの問題に察しおスコア順䜍で䞊䜍に正解遞択肢を出力できた珟圚の゜ルバヌは党おの傍線郚問題に察しお同じパラメヌタ同じ解法で解答するが今埌は問題を換蚀型理由型などいく぀かの型に分類しより適したパラメヌタ特城を甚いお解く必芁があるず考えられるたずえば傍線郚の理由を問う理由型の問題の堎合本文傍線郚呚蟺の比范的狭い領域の因果関係を衚す衚珟などが手がかりずなるであろうたた評論には䟋瀺や匕甚がしばしば甚いられるため本文および遞択肢を本質的に重芁な郚分ずそうでない郚分に分け重芁な郚分のみで照合を行うようなアプロヌチも有甚であるず考えられる傍線郚問題は小説を本文ずする第2問でも倧きなりェむトを占める小説の傍線郚問題は圢匏的には評論のそれず類䌌しおいるものの本文には盎接蚘述されない登堎人物の感情・思考などが問われる問題が倚く評論ず同様の衚局的類䌌床を甚いた手法ではチャンスレベルず倧差ない正解率ずなるこずが分かっおいる\cite{BaseMethod}テキストから曞き手の感情極性を掚定する研究はこれたで非垞に倚くあるが小説の読解問題ずしお問われるような现かな感情タむプを衚局的手がかりから埗る技術の実珟可胜性は今のずころ明らかでない挢字評論の問題は蟞曞を甚いた手法で抂ね十分な粟床が出おいる2013幎床2014幎床ずも代れミセンタヌ暡詊で党問正解語句の意味小説に関する問題に関しおは通垞の語矩を問う問題では囜語蟞曞を甚いた手法で高い粟床が埗られおいるしかし語句の意味に関する問題では本文で比喩的に䜿われおいる語句の意味を文脈に即しお遞ばせるタむプの問題がしばしば出題されこれらに察する正解率が䜎いこのタむプの問題の解決には語句が比喩的に甚いられおいるか吊かの識別ずずもに比喩の内容を本文に即しお解釈するこずが必芁であり特に埌者は難しい課題である叀文第3問の解釈問題に察しおは叀文-珟代語察蚳コヌパスから孊習した統蚈的機械翻蚳モデルを利甚し本文を珟代語蚳した䞊で評論の傍線郚問題ず同様の本文ず遞択肢の間の衚局的類䌌床を甚いた手法で50\%皋床の正解率を埗おいるBLEUによる蚳質評䟡および目芖による䞻芳評䟡の結果から叀文-珟代文翻蚳の品質には向䞊の䜙地が認められるしかし䞀方で機械翻蚳の代わりに人手による参照蚳を甚いた比范実隓では正答率の向䞊が芋られず通垞の意味での翻蚳品質の向䞊は正解率の向䞊に寄䞎しないこずが瀺唆される翻蚳品質が盎接正答率に結び付かない芁因ずしおは小説の傍線郚問題ず同様に盎接蚘述されない心情を問う問題が倚いこずに加え珟圚甚いおいる単玔な衚局的類䌌床では䟋えば重芁語句「をかし」の解釈などずいった問題のポむントずなる郚分がすくい取れおいないこずが考えられる評論・小説および叀文の各倧問の最埌では衚珟の特城・効果や議論の構成に぀いお問うタむプの問題が出題されるのが通䟋であるしかしこれらの問題に関しおは文章ゞャンルを問わずほが手぀かずの状態にある衚珟の特城・効果の理解は珟圚の蚀語凊理の䞻芁な目暙である文章の意味そのものの理解を超える課題であり圓面解決の芋蟌みはないだろう議論の構成に関する問題は自動芁玄や修蟞構造解析など珟圚の蚀語凊理における取組みず重なり合う郚分もあるものの抜出的でなく抜象床の高い芁玄を遞択するあるいは修蟞構造の効果を内容に即しお説明する遞択肢を遞ぶなど既存の芁玠技術の組み合わせではカバヌできない課題が倚い最埌に挢文の解釈問題に関しおは叀文ず同様に珟代日本語蚳を経由しお翻蚳された本文ず遞択肢ずの類䌌床に基づき解答する手法が考えられるが入手可胜な察蚳リ゜ヌスが無いため手぀かずの状態になっおいる\def\typename#1{} \section{数孊問題の゚ラヌ分析} \label{sec:suugaku}数孊では問題文からの情報抜出やデヌタベヌスからの情報怜玢のみで解答が埗られる問題は䟋倖的であり䞀般には蚈算や掚論などの数理的操䜜によっお解を導く必芁があるこのため問題文を分析し数理的操䜜の入力ずなる䜕らかの圢匏衚珟を埗るステップが䞍可欠ずなるこの䞭間的な圢匏衚珟ずしおは答えを盎接導く蚈算匏から論理匏による問題党䜓の意味衚珟たで様々なものが考えられ蚀語凊理郚分でのアプロヌチもタヌゲットずなる圢匏衚珟の枠組みに応じ皮々の手法があり埗る適切な圢匏衚珟の枠組みを遞ぶにあたっおたず考慮すべき点ずしお想定する問題の定型性が挙げられる䟋えばKushmanら\cite{Kushman2014}は察象ずする問題を連立䞀次方皋匏で衚珟される代数の文章題に限定するこずで蚀語凊理郚分を問題テキスト䞭の名詞および数量ず方皋匏䞭の倉数および係数ずを察応付ける孊習問題に垰着しおいる我々は倚様な問題を同䞀のシステムでカバヌするこずを目的ずしお論理匏による衚珟を採甚し文法䞻導の翻蚳によっお問題文から圢匏衚珟を埗るアプロヌチを遞択した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f5.eps}\end{center}\caption{数孊解答システムの抂芁\label{fig:mathoverview}}\end{figure}\FIGREF{fig:mathoverview}に瀺すように解答システムは蚀語理解郚ず自動挔繹郚および䞡者を぀なぐ意味衚珟の曞き換え凊理郚からなる蚀語理解郚の䞭心は組合せ範疇文法(CombinatoryCategorialGrammar,CCG)\cite{steedman2001syntactic,Bekki2010}による構文・意味解析であるCCGによっお導出された各文に察する意味衚珟は共参照解析および文間関係の解析を経お問題テキスト党䜓に察応する意味衚珟ぞず合成される蚀語理解郚の各凊理コンポヌネントは珟圚開発䞭の段階にあるこのため代れミ暡詊による䞭間評䟡では(1)問題文䞭の数匏郚分に察する意味衚珟(2)文節間係り受け関係(3)共参照関係(4)文間の論理的関係および(5)評䟡時点のCCG蟞曞に含たれおいなかった単語・語矩の5皮のアノテヌションを斜した問題文を入力ずした問題の意味衚瀺はこれらのアノテヌションを制玄ずしおCCG導出朚を探玢し導出朚ず文間の論理関係に沿っお蟞曞䞭の単語の意味衚瀺を合成するこずで半自動的に埗たよっお暡詊による評䟡結果は曖昧性解消凊理および蟞曞の被芆率に関し理想化した堎合の性胜の䞊限倀ずしお解釈すべきものである手法および入力アノテヌションの詳现に぀いおは文献\cite{Matsuzaki2013IJCNLP,Matsuzaki2014AAAI}を参照されたい今回入力アノテヌションで代替した凊理に関する考察および芋通しに぀いおは本節末で述べる\begin{table}[t]\caption{æ•°å­Š(I+A,II+B)の倱点芁因}\label{tab:suugaku:errortype}\input{05table18.txt}\end{table}\TABREF{tab:suugaku:errortype}は2014幎床代れミ暡詊の「数孊I+A」および「数孊II+B」における倱点105点の原因の内蚳である以䞋ではアノテヌションによっお理想化された条件でも残る゚ラヌのうち最も倚くを占める2芁因である「衚珟の冗長性による蚈算量の爆発」ず「行為・操䜜結果の衚珟」に関する問題に぀いお䞻ずしお述べるこれら以倖で蚀語凊理に関係する䞻芁な芁因ずしおは確率・統蚈に関する問題に察しお意味衚珟の蚭蚈を含め蚀語凊理郚分が未着手の状態であったこずが挙げられるこれは確率・統蚈の問題では「ボヌルを取り出す戻すテヌブルに眮く」「サむコロを甚いおゲヌムをする」等々あらかじめ圢匏的な定矩を䞎えるこずが難しい芁玠が頻出するため本節で瀺した問題の論理衚瀺を経由する圢匏的なアプロヌチはなじたないず考えたためであるこれずは異なるアプロヌチによる確率問題ぞの取り組みに぀いおは別皿\cite{Kamiya2015}を参照されたい\subsection{意味衚珟の冗長性}文法䞻導の方法で構成的に導出した意味衚珟は非垞に冗長になる傟向がある䟋ずしお「線分」ずいう䞀般名詞を考えおみる「線分」に察応する意味衚珟はあるモノが線分であるこずを衚す䞀項述語$\text{segment}(\cdot)$ずするであるず考えるのが䞀般的であるこのずき単語「線分」の䞀般的な甚䟋に埓い述語$\text{segment}(\cdot)$は瞮退したケヌスすなわち䞡端が䞀臎した線分぀たり䞀点を陀倖するよう定矩されるべきであるこの非瞮退条件はどのような文脈においおも単語「線分」の翻蚳が劥圓なものずなるために必芁であるしかし䟋えば「点(0,0)ず点(1,1)を䞡端ずする線分$L$」ずいったフレヌズのように非瞮退条件は非垞にしばしば文脈によっお含意される巊蚘のフレヌズの堎合その圢匏衚珟は述語$\text{segment}(\cdot)$の定矩からおおむね「$L$は(0,0)ず(1,1)を通る盎線䞊で(0,0)ず(1,1)の間にある点の集合でか぀点(0,0)ず点(1,1)は異なる点である」ずいう内容ずなり「か぀」以䞋の郚分が冗長であるこの䟋では冗長な郚分はそれ自䜓で自明に真であるが䞀般には問題文䞭に珟れるいく぀かの条件を総合したずきにはじめお非瞮退条件が満たされおいるこずが分かるこのため自動挔繹の過皋では問題を解く䞊で本質的な挔繹ず冗長な非瞮退条件が実際に成立しおいるこずの蚌明にあたる非本質的な挔繹が入り混じった圢で行われるこずになり挔繹の蚈算コストが増倧するここたでは非瞮退条件を䟋ずしお説明したがその他にも等号関係の䌝播による冗長な衚珟($a=c\Leftrightarrow\existsb(a=b\wedgeb=c)$)や䞀般性を倱う事なく陀去できる察称性など意味衚珟の冗長化の原因は耇数あるこれらはいずれも語圙の意味定矩の文脈独立性および意味合成の構成性に起因するもので本手法における意味解析の原理の副䜜甚ずいうべきものである2014幎床の代れミセンタヌ暡詊で正解できなかった問題の内埗点にしお27\%28点が冗長か぀耇雑な意味衚珟を察象ずする挔繹凊理が制限時間内に終了しなかったこずによるものであったここで蚈算量が問題ずなっおいるのは実閉䜓の匏に察する限量子陀去ず呌ばれる凊理\cite{qebook-e,IwaneYAY13}であり甚いおいるアルゎリズムの最悪蚈算量は匏䞭の倉数の数の2重指数のオヌダヌであるこのため蚀語凊理の結果出力される匏から䞍芁な倉数を陀去するこずは極めお重芁ずなるが䞀方で数匏凊理によっおこれを実珟する䞀般的な手法は存圚しないであろうこずが分かるよっお匏の冗長性の解決ぞ向けおは条件の察称性など問題の数理的特城を利甚した発芋的手法ずずもに文法および意味合成手続きの特城を考慮した蚀語解析からの出力に特有の冗長性を陀去する手法の開発が必芁であろう\subsection{行為結果の衚珟}珟圚の我々の意味衚珟䜓系で扱えない䟋ずしお行為や操䜜の結果を衚す衚珟を取り䞊げる2014幎床センタヌ暡詊数孊I・Aでは\begin{center}104を玠因数分解するず{\setlength{\fboxsep}{0cm}\fbox{ア}}$^3$$\cdot${\setlength{\fboxsep}{0cm}\fbox{むり}}である\end{center}ずいう文を含む出題があったが珟圚の我々の文法䜓系ではこの文に察する意味合成ができない同様の「XをVするずYずなる」ずいう構造を持぀文以䞋「行為結果文」ず呌ぶは他にも\begin{itemize}\item$n$を2乗するず4の倍数ずなる\item攟物線$C$を$y$軞方向に1だけ平行移動するず攟物線Dずなる\item円の半埄を2倍にするず面積は4倍になる\item方皋匏$x^2+2x+1=0$の巊蟺を因数分解するず$(x+1)^2=0$ずなる\end{itemize}など皮々あり数孊テキストでは比范的よく珟れるタむプの文である2014幎床の代れミ暡詊では数に察する操䜜の衚珟を含む問題で䞊蚘の理由によっお正解しなかったものが20点分類䌌の理由で数匏に察する操䜜の衚珟を含む問題で正解しなかったものが18点分あり合わせお倱点党䜓の36\%を占めおいた動詞「なる」および接続助詞「ず」の通垞の甚法も考慮するず行為結果文「XをVするずYずなる」の意味衚珟ずしおもっずも衚局構造に忠実なのは以䞋のような内容のものだろう\begin{enumerate}\item行為Vの前の䞖界$W_1$ず行為埌の䞖界$W_2$にはずもにモノXが存圚するそしお\item行為Vの結果モノXの性質は倉化し行為埌の䞖界$W_2$ではモノXずモノYは䞀臎するあるいはモノXは$W_2$では性質Yを満たす\end{enumerate}ここでは行為Vの前・埌における䞖界の倉化を捉えるためにある皮の時間の抂念ないし耇数䞖界間の掚移が意味衚瀺の䜓系に持ち蟌たれおいるしかし実際に問題を解くために䞊蚘のような行為結果文から読み取る必芁がある意味内容は通垞の述語論理の枠組みで十分衚珟可胜である䟋えば䞊の箇条曞きの最初に䟋に察しおは「$n^2$は4で割り切れる」ずいう衚珟で十分であるたた明瀺的に時間の掚移を衚す「点$P$は速床$v$で動き時刻$t$に点$Q$に到達する」ずいった衚珟を含む問題は比范的少数であるこずも考えあわせるずシステムの珟圚の開発段階で意味衚珟に時間の抂念を持ち蟌む利埗は意味衚珟・蚀語解析および掚論の耇雑化に芋合わないず考える幞いこれたでに芳察された行為結果文は定型的なものが倚く時間の抂念を含たない珟圚の枠組みでも必芁な意味衚珟を合成するこずは倚くの堎合に可胜であるず思われる特に「XをVするずYずなる」ずいう圢の文に぀いおは䞋蚘の2぀の方針が考えられる\begin{description}\item[方針1]䞻節「Yずなる」はガ栌のれロ代名詞を持ちそのれロ代名詞は間接照応で「XをVした結果」を指すず考えるこの方針では節「XをVするず」は意味衚珟に盎接は寄䞎せず翻蚳されず「XをVした結果がYずなる」に盞圓する意味衚珟が䜜られる\item[方針2]句「Vするず」は右にガ栌を欠いた䞀項述語を項ずしお取り巊にヲ栌名詞句を項ずしお取るず考える即ち「Vするず」は範疇\typename{S{\backslash}NP_{o}/(S{\backslash}NP_{ga}})を持぀\end{description}方針1のれロ照応の解決は行為結果文の定型性を利甚するこずで比范的容易に実珟できるず予想される方針2の利点ずしおはれロ照応解決に䟝らずCCGによる解析の枠組み内で党おの意味合成が行えるこずに加え䟋えば「2乗するず10を超える奇数」のような連䜓修食の圢も䞊蚘の範疇を持぀「Vするず」の語圙項目によっお同時に扱える点が挙げられる\FIGREF{fig:suugaku:action:relative}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f6.eps}\end{center}\caption{連䜓修食の圢の行為結果文の解析\label{fig:suugaku:action:relative}}\end{figure}\subsection{数孊たずめず今埌の課題}本節では入力アノテヌションによっお蚀語凊理ずくに曖昧性解消凊理の倧郚分を代替した理想化された状況でもなお残る数孊解答システムの゚ラヌに関しお解説を行った意味衚珟の冗長性に起因する蚈算量の増倧は蚀語凊理ず自動挔繹の䞡者にたたがるタスク蚭定に特有の課題であり解決に向けおは文法・意味合成の特性を螏たえた数匏凊理技術など分野融合的な研究が必芁ずなる行為結果文の分析に関する課題ではいわゆる``generalizationtotheworstcase''の問題をどう回避するかずいう点が本質的であるこれは倧倚数の文の構造は兞型的ないく぀かの文法・意味珟象の組み合わせずしお分析可胜であるにもかかわらず倚様な蚀語珟象をカバヌするための分析枠組みの䞋では具䜓的な分析察象がどのような文であっおもその意味衚珟が䞀様にか぀枠組みが察象ずする珟象の数に関しお組合せ的に増倧するずいう問題である本皿では数孊テキストでの行為結果文の定型性を利甚した分析の単玔化を䞀぀の解ずしお提瀺した蚀語系・瀟䌚系の科目に比べ数孊解答システムの蚀語凊理郚の開発は遅れおいる数孊解答システムの開発ではこれたで自然蚀語から構成的に導出が可胜でか぀数理凊理郚ぞの入力ずしお適した意味衚珟の蚭蚈に泚力しおきたこずが蚀語凊理郚の開発の遅れの䞻たる理由であるこれを裏返しお蚀えば数孊のように圢匏的な意味衚瀺のための䜓系がほが確立した分野に察しおも蚀語から意味衚瀺を導出するための䞭間的な意味衚瀺䜓系ずしお盎接利甚できるような枠組みは存圚しなかったずいうこずであり蚀語凊理ず自動挔繹ずいう人工知胜の2぀の䞋䜍分野を぀なぐ領域は倧きく欠萜しおいたず蚀っおよいだろう蚀語凊理郚分の自動化に向けた䞻芁な課題は(i)既存技術の数孊テキストぞの分野適応(ii)既存技術・コヌパスでは察象ずされおいない珟象の解析(iii)文法の被芆率の向䞊に分けられる(i)に関しおは䟋えば係り受け解析噚cabocha\cite{cabocha}に察しお数孊問題テキスト玄10,000文に察する係り受けアノテヌションを甚いた远加蚓緎を行うこずで数孊問題テキストに察する解析粟床を远加蚓緎前の87〜90\%から94\%皋床たで向䞊できるこずが分かっおいるこのように分野適応によっお新聞テキスト等に比べ高い解析粟床が埗られる凊理ステップが存圚する䞀方で数孊問題を解くずいう目的に向けおはさらに残る解析゚ラヌをれロに近づけるこずが必芁である䞊蚘の係り受け解析に関する結果からも瀺唆されるように゚ラヌをれロに近づける段階では「汎甚」の分野適応手法ではなく分野特有の知識や数理凊理の結果のフィヌドバック等を甚いた手法が必芁ずなるこずが予想される(ii)に関しおは䟋えば呜題を指す参照衚珟「このずき」「そのずき」や䞍飜和名詞・関係名詞に係る「ノ栌」のれロ照応解決䟋「平面䞊に盎角䞉角圢ABCがある斜蟺BCは 」など日本語共参照・照応解決のための孊習・評䟡デヌタずしお近幎ひろく甚いられおいるNAISTテキストコヌパス\cite{NTC2015}ではアノテヌションの察象ずなっおいない珟象の解析が必芁であり既存のツヌル・デヌタをそのたた利甚した解決は事実䞊䞍可胜であるたた文間の論理関係の解析に関しおは修蟞構造解析・談話構造解析など圢匏的には類䌌のタスクに関する研究があるが倉数のスコヌプ解決を含め文間の詳现な論理的関係の解析を察象ずする研究は我々の知る限り存圚しないこれらの課題に関しおはたず分野知識を前提ずしたルヌルベヌスの手法による達成率を調査しその埌必芁であればテキストアノテヌションを介した統蚈手法ずの組み合わせを怜蚎するこずが目暙の実珟ぞ向けた戊略ずしおは劥圓であろう(iii)の文法の被芆率の向䞊に関しおは珟圚のずころ芋通し䞍明であるず蚀わざるを埗ない名詞・動詞など内容語に関しおは蟞曞芋出し語による文衚局圢の被芆率を枬定するこずで必芁な語圙のうち蟞曞に未収録なものの抂数が分かるしかし機胜語は同䞀衚局圢のものが倚数の異なる統語的特性および意味をも぀ため被芆率の枬定のためには文が解析可胜であるか吊かに加え埗られた意味衚瀺が正しいこずを確認する必芁があるこのため構文解析すら自動化されおいない珟段階では少数のサンプルを超えお倧芏暡な被芆率の枬定を行うこずは難しい今埌は蚀語解析の結果から埗た解答のチェックを通じお間接的に被芆率の枬定や機胜語の未知の甚法の怜出を行うずいった工倫が必芁になるず考えおいる \section{物理問題の゚ラヌ分析} 倧孊入詊における物理の問題の倚くは問題に蚘述された状況においおある物理珟象が起きたずきの物理量に぀いおのものe.g.``物䜓が停止した時間''や物理珟象が起きるための条件ずなる物理量に぀いおのものe.g.``棒がすべり出さないための静止摩擊力''である本研究ではこの皮の問題解答に向けお物理シミュレヌションによっお問題に曞かれおいる状況を再珟し埗られた結果を甚いお解答を行うアプロヌチで取り組んでいる\cite{yokno2014}解答噚は自然蚀語で蚘述された問題を入力ずしお受け取りたず意味解析を行い状況の蚘述ず解答圢匏の蚘述からなる圢匏衚珟を生成する次に圢匏衚珟を元に物理シミュレヌションを行い埗られた結果から問題に蚘述されおいる物理珟象が起きた時刻における物理量を特定し解答圢匏にあわせお出力するこずで問題に解答する2014幎床の代れミセンタヌ暡詊による評䟡では圢匏衚珟からシミュレヌション結果の取埗に焊点を圓お人手で蚘述した問題の圢匏衚珟を入力ずし埗られたシミュレヌション結果から解答が導けるかどうかを人が刀断するずいう蚭定ずしたこの蚭定においおも正解が埗られなかった問題ずはシミュレヌション自䜓が行えなかった問題であり倧別するず(i)圢匏衚珟による蚘述が困難な状況蚭定を含む問題(ii)電磁誘導などシミュレヌションが困難な物理珟象を含む問題の2皮類がある本皿では(i)に焊点を圓おその詳现に぀いお述べる\subsection{圢匏衚珟}本手法で甚いおいる圢匏衚珟は䞀階述語論理の圢匏で蚘述しおいる定矩しおいる述語は物䜓物理量物䜓に察する操䜜物理珟象を衚す4皮類のものであるこのうち物䜓に察する操䜜ず物理珟象を衚す述語に関しおは事象が起きた時間関係を明瀺するためにむベント倉数を導入しおいる圢匏衚珟に甚いる述語セットは過去のセンタヌ詊隓問題を察象ずした調査結果を基に人手で定矩した珟時点における圢匏衚珟の定矩でどの皋床の問題が蚘述できるかを20132014幎床の代れミセンタヌ暡詊5回分を甚いお評䟡した結果を\TABREF{fig:butsuri:mondaibunrui}に瀺す状況蚘述の項は実際に圢匏衚珟で蚘述できた小問の数を瀺しおいる状況蚘述の項の``+''以降の倀は新しく述語を定矩するこずで状況の蚘述が可胜ずなった問題の数を瀺す\begin{table}[b]\caption{圢匏蚘述の分析詊隓5回分}\label{fig:butsuri:mondaibunrui}\input{05table19.txt}\end{table}状況の蚘述ができないず刀断された問題は党郚で25問ありその理由の内蚳はシミュレヌションモデルの䞍足によるものが12問画像で圢状が指定されるオブゞェクトをシミュレヌタに入力できないこずによるものが8問その他の理由によるものが5問であった以䞋では䞊䜍2぀の原因に぀いお詳现を述べる\subsection{シミュレヌションモデルの䞍足}\label{sec:butsuri:complicated}物理問題の圢匏衚珟では数孊における集合論のように党おの問題を蚘述しうる衚珟の枠組みを考えるこずは珟実的でないこのこずは䟋えば力孊電磁気波動音波光匊の振動ずいった倚様な分野の問題を䞀様に「原子レベル」で蚘述するこずの非珟実性から明らかだろうすなわち物理では各分野および問題タむプごずに適切な抜象床の物理モデルを甚いる必芁があるこれらのモデルには力孊や電気回路など比范的倚様な問題をひず぀のモデルでカバヌするものから「䞡端が固定された匊の振動」ずいった単䞀の珟象のみを察象ずするものたで様々な抜象床のものが含たれるゆえに物理問題に察する圢匏衚珟の蚘述ずシミュレヌタでの実行は(i)適切な物理モデルの遞択ず(ii)遞ばれた物理モデルの枠組みの䞭での問題の解釈ずいう2぀の偎面を含むこの2぀の偎面は䞍可分であり問題に察しお適切な抜象床の物理モデルが事前に存圚しない堎合は問題に察する圢匏的蚘述がそもそもできない定性掚論\cite{forbus1984}などのように基瀎的なレベルの状況蚘述からより抜象的で挔繹に適したモデルを自動的に生成するこずを目指す研究は存圚するものの広範囲の物理問題に適甚可胜な解答プログラムの開発を5〜10幎のスパンで目指す本研究ではスコヌプ倖の目暙ず芋なすべきであろう\TABREF{tab:butsuri:riyuu}の「シミュレヌションモデルの䞍足」は䞊蚘の意味で適切な物理モデルが評䟡時に存圚しなかった問題であるここに分類された問題のうち半分以䞊12問䞭9問は䟋えば「䞀定の颚速および方向の颚が吹く䞭で䌝わる音波のドップラヌ効果」や「質量$2~m$の重りを぀るすず切れる糞を甚いた円錐振り子」のように珟圚の音波の䌝達モデルや力孊モデルを拡匵するこずで衚珟が可胜になる問題であるしかしそもそもどのような抜象化をすべきか珟段階では明らかでない「䌏せたコップを氎䞭に沈め氎圧によっおコップの䞋端から$x$cmの高さたで氎が入りこんだ状態」のような問題も含たれおいる\begin{table}[b]\caption{状況蚘述ができない理由}\label{tab:butsuri:riyuu}\input{05table20.txt}\end{table}本研究では力孊に関係したモデルから開発を始めたため力孊に関しおは蚘述可胜な問題の割合が盞察的に倧きい今埌は「切れる糞」など力孊モデルの䞭で䟋倖的な扱いが必芁な珟象を掗い出しモデルに取り蟌むずずもに珟象に察し個別的なモデルが必芁な問題が倚い波動などの分野に関しおどの皋床のモデル数が必芁か珟実的に実珟可胜なモデル数に収たるのかを芋定める必芁がある\subsection{自由圢状の入力}問題には「平らな床の䞊に眮かれた立方圢の台」のように基本的な小数の芁玠で構成可胜な状況だけでなく\FIGREF{fig:butsuri:fig1}のように画像によっお䞎えられた耇雑な圢状の芁玠が出珟するものがあるこれらは原理的には力孊モデル内で扱うこずが可胜であるがシミュレヌタぞず状況を入力するために画像凊理を必芁ずしさらに自由圢状のオブゞェクトを取り扱うためのシミュレヌタ機胜の実珟コストが倧きいため珟圚は未着手の状態にある\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f7.eps}\end{center}\caption{耇雑な圢状の䟋}\label{fig:butsuri:fig1}\end{figure}\subsection{物理たずめず今埌の課題}物理問題の倚くは問題で䞎えられた状況に察しお起きた物理珟象に぀いおその時の物理量やその物理珟象が成立するための条件を問うものであるこのような問題に察しお我々は問題に曞かれおいる状況を認識しその状況を起点ずする物理シミュレヌションを行い埗られた物理量をもずに解答するずいうアプロヌチで取り組んでいるこれたで十分な範囲の問題を蚘述するこずができか぀その情報から物理シミュレヌションが可胜ずなるような圢匏衚珟の定矩を行っおきた\TABREF{fig:butsuri:mondaibunrui}に瀺すようにただ蚘述できない問題は残っおいるため今埌も定矩を改良する必芁があるが同時に自然文ずしお蚘述されたテキストからこの圢匏衚珟ぞの倉換にも取り組む予定である問題テキストから圢匏衚珟ぞの倉換は珟圚さかんに研究が進められおいるsemanticparsingの䞀䟋ず芋なすこずも可胜ではあるしかしこれたでのsemanticparsingのタスク蚭定では翻蚳の目的蚀語ずなる圢匏衚珟のセマンティクスがあらかじめ固定されおいるのに察し物理問題の状況理解では目的蚀語を定める物理モデルの遞択が圢匏衚珟ぞの翻蚳ず䞀䜓になっおいる点が倧きく異なるこれによっお物理問題の意味解析には䟋えば「鉄球」ずいう語に察し「質点」を衚す衚珟を割り圓おるのかあるいは倧きさを持぀剛䜓を衚す衚珟を割り圓おるのかずいう蚳語遞択に圓たるレベルの曖昧性解消だけでなく「時刻$t$に車のサむレンが発した音波」ずいった衚珟から「気圧の呚期倉動の䌝播」ずしおの音波ではなく音源から音波があたかも「物質のように」攟出される音波モデルを遞択すべきこずを識別するずいったテキスト解析に基づく物理モデルの遞択の問題が含たれるたた珟時点では数倀デヌタずしお出力されるシミュレヌション結果を人手で解釈しお解答しおいるが最終的にはこの郚分も自動化する必芁があるこの郚分はセンタヌ詊隓圢匏の物理問題では遞択肢ずしお䞎えられる匏やグラフあるいは遞択肢および本文における自然蚀語による状況蚘述ず物理的状況を衚す数倀デヌタずの敎合性ないし含意関係を刀定する問題であるこのうち自然蚀語による蚘述ず数倀デヌタを比范刀定する問題は問題の状況理解ずほが裏衚の関係にあり䟋えば「止たる」「離れる」等々ずいった状況を衚す語に察し数倀時系列デヌタに察する条件を結び぀けた蟞曞を甚いお数倀デヌタず蚀語蚘述の敎合性を刀定する手法の開発を進めおいる\cite{YokonoNLP2013}たた物理の問題には問題文ずずもに状況を瀺した図が添付されおいるこずが倚いこの䞭には\ref{sec:butsuri:complicated}節で挙げたように物䜓の圢状が図でのみ䞎えられるなど図の解釈が必須ずなる問題も存圚するがテキストで䞎えられた状況蚘述の曖昧性を陀去する目的で図が添えられた問題も倚数存圚する埌者のタむプの問題に察しおは画像理解ずテキスト理解を融合した状況理解の手法の開発ずずもに蚀語理解に基づくシミュレヌション結果がテキストでの蚘述ず合臎するかなど画像理解以倖の手段でテキスト解釈を補う技術を開発するこずを詊みおいる \section{䞖界史・日本史の゚ラヌ分析} 本節では2014幎床の代れミセンタヌ暡詊に察し狩野\cite{kano2014jsai}のシステムが出力した解答の゚ラヌ分析に぀いお報告する本システムは山川出版瀟の䞖界史たたは日本史の甚語集を知識源ずし蚭問から抜出したキヌワヌドが知識源の䞭でどのように分垃しおいるかをスコアずしお算出し解答を遞択する具䜓的には蚭問および知識源に察しお以䞋の各凊理を行い解答の遞択を行う\footnote{本システムは図衚の凊理は行っおおらず図衚に察しお人手でアノテヌションされたテキストを利甚しお解答を行う}\begin{enumerate}\item問題文解析問題文のテキストを前凊理しキヌワヌド抜出を行う察象テキストを切り出す䞀般に蚭問は背景説明のテキストや導入文実際に正誀刀定の察象ずなる文など耇数のテキストから構成されるそこでこれらのテキストから埌段の凊理で必芁ずなるテキスト箇所を抜出する必芁がある\itemキヌワヌド抜出前凊理した問題文テキストからスコア付けに甚いるキヌワヌドを抜出するキヌワヌドリストずしおWikipediaの芋出し語から自動抜出した語句を人手でクリヌニングしたものを甚い単玔なマッチングでキヌワヌド抜出を行った\item知識源怜玢抜出したキヌワヌドで知識源を怜玢しキヌワヌドに合臎するテキストを埗る\itemスコア付けキヌワヌドず怜玢結果テキストずの䞀臎床をスコア付けする埌述するようにセンタヌ詊隓では文の正誀を刀定する問題が倚い誀りを含む文では知識源のたずたった範囲内にキヌワヌドが出珟せず別の堎所に出珟するず考えられるしたがっお怜玢結果テキストにキヌワヌドが含たれない堎合はペナルティずしお負のスコアを䞎える\item解答遞択文の正誀を刀定するタむプの問題に察しおはスコアが倧きいものを正しい文ずしお解答を遞択する語句を解答するタむプの問題いわゆるfactoid型質問応答に盞圓に察しおは遞択肢に挙げられた語句を問題文テキストに埋め蟌み文の正誀刀定問題に垰着しお解答を行う幎代を解答する問題に぀いおは怜玢結果テキスト䞭の幎代衚珟を抜出するこずで解答を行う\end{enumerate}このシステムは2013幎床および2014幎床の代れミ暡詊「䞖界史」・「日本史」においお最も高い性胜を瀺したものであるたた同システムはセンタヌ詊隓の䞖界史過去問を甚いた競争型ワヌクショップであるNTCIR-11QA-LabTask\cite{Shibuki2014}にも参加しおいる\footnote{ただしNTCIR-11QA-LabTaskでは甚語集ではなく教科曞を知識源ずしお甚いおいる}同ワヌクショップに参加した他のシステムにも本システムず同様にキヌワヌドないし係り受け関係をク゚リずした怜玢を基瀎ずするシステムが倚数あったこれらのこずから本節で分析察象ずするシステムは分野特有の凊理に䟝存しない怜玢をベヌスずした汎甚的なシステムずしおは比范的高性胜なものであるず考えおよいだろう\TABREF{tab:sekaishi:errors}に䞖界史\TABREF{tab:nihonshi:errors}に日本史の問題タむプず゚ラヌ分析結果を瀺すセンタヌ詊隓の䞖界史・日本史では遞択肢ずしお䞎えられた文に察しお正誀を刀定するタむプの問題が倧きな割合を占める䟋えば図\ref{fig:problem_analysis_error}語句や幎代を解答するタむプの問題䟋えば図\ref{fig:ontology_error}はいわゆるfactoid型質問応答に芋えるが知識源䞭の解答に関連する蚘述は倚くの堎合䞀぀しか無く倧芏暡テキストを利甚した解答のaggregationずいった技術は利甚できないしたがっお語句・幎代ず問題文ずの組合せの正誀を刀定するタスクに垰着されるこのように知識源を的確に参照し぀぀文の正誀を刀定するずいう凊理は䞊蚘のようにテキストの前凊理キヌワヌド抜出怜玢スコア付け等耇合的な凊理が必芁でありたた各凊理で高い粟床が芁求される各凊理は圓然䞍完党なものであり必ずしも排他的な関係にあるわけでもないよっお最終的に誀答が出力された芁因を単䞀の原因に垰着するこずは難しいため\TABREF{tab:sekaishi:errors}\TABREF{tab:nihonshi:errors}では耇数の芁因は別個にカりントしお゚ラヌの分類を行った\begin{table}[t]\caption{䞖界史の問題タむプず誀答の芁因}\label{tab:sekaishi:errors}\input{05table21.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{日本史の問題タむプず誀答の芁因}\label{tab:nihonshi:errors}\input{05table22.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f8.eps}\end{center}\caption{問題文解析の誀りの䟋}\label{fig:problem_analysis_error}\end{figure}「問題文解析」は問題に解答するための情報が曞かれた問題文テキストを切り出す凊理に起因する゚ラヌである図\ref{fig:problem_analysis_error}に䟋を瀺す\footnote{問題䟋を挙げる際には玙面の郜合䞊遞択肢の䞀郚のみ抜粋する}この問題では問題文䞭に「ノモス」「王囜」「叀代゚ゞプト」ずいったキヌワヌドが珟れるが実はこれらの情報は遞択肢の正誀刀定には無関係である぀たり遞択肢の文のみを甚いお正誀の刀定を行うこずができる䞀方問題によっおは問題文䞭のキヌワヌドが正誀刀定に必芁な堎合やさらに背景説明のテキストも参照する必芁があるこずもある次の゚ラヌ芁因ずも関連するがどこたでのテキストをキヌワヌド抜出の察象ずすべきかは単玔には決定できない「キヌワヌド抜出」は圓該問題を解くのに必芁・䞍必芁なキヌワヌドを分別できおいないこずに起因する゚ラヌである図\ref{fig:keyword_extraction_error}に䟋を瀺すこの䟋では2は誀った文であるが「君」「盎」などがキヌワヌドずしお認識されずこれらの語が知識源に珟れなかったにも関わらずペナルティがかからなかったため正しい文ず刀定されおしたったこれ以倖にも䟋えば「法制」「線集」ずいった䞀般語がその問題文䞭では重芁なキヌワヌドずなっおいるような堎合や逆に「アゞア系」のような専門甚語らしい語が知識源には明瀺的に曞かれおいないためペナルティがかかっおしたった䟋がある䞖界史・日本史の知識がある皋床ある人間が読めば重芁なキヌワヌドず重芁ではない知識源に明瀺的に曞かれおいなくおも正誀刀定には圱響しないキヌワヌドがある皋床区別できるがこれを実珟するのは容易ではない\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f9.eps}\end{center}\caption{キヌワヌド抜出の誀りの䟋}\label{fig:keyword_extraction_error}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f10.eps}\end{center}\caption{デヌタベヌス・オントロゞヌ的知識が利甚できる䟋}\label{fig:ontology_error}\end{figure}「䞀般知識」は解答のために必芁な知識が明瀺的に知識源に蚘述されおいないこずに起因する゚ラヌである䞖界や日本の地理・時代に関する知識䞀般垞識に照らした刀断等が必芁ずされる単玔な䟋ずしおは図\ref{fig:ontology_error}のように「岩宿遺跡」がどの時代の遺跡かずいう知識を予め甚意しおおけば解答できるような問題もあるこのような知識は必ずしも教科曞・甚語集に明瀺されおいるわけではないがデヌタベヌスなどの圢匏で敎理しおおくこずは可胜であるより困難な䟋を図\ref{fig:knowledge_error}に瀺すこの堎合知識源の文章を読めば「北海道に氎皲耕䜜は及ばず」が劥圓であるこずが分かるがこの刀断のためには蟲耕狩猟氎皲ずいった抂念の知識ずそれらを察比しお刀定を行う凊理が必芁であるこのように知識源の蚘述ず蚭問の蚘述が盎接䞀臎しないケヌスは特に日本史の問題に倚い\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f11.eps}\end{center}\caption{䞀般知識が必芁な䟋}\label{fig:knowledge_error}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f12.eps}\end{center}\caption{蚀語知識が必芁な䟋}\label{fig:linguistic_knowledge_error}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia5f13.eps}\end{center}\caption{蚀語構造が必芁な䟋}\label{fig:linguistic_structure_error}\end{figure}「蚀語知識」および「蚀語構造」は自然蚀語凊理技術の利甚・高粟床化により解決できる可胜性のある゚ラヌである前者は䟋えば「解読」ず「未解読」が反矩語であるずいった語圙知識や「収穫した皲の脱穀」ず「粟穀具」のパラフレヌズ関係など蚀語知識を利甚するこずで正答が埗られる可胜性があるものである「解読」「未解読」のような䟋であれば蚀語リ゜ヌスの敎備により解決できる可胜性が高いしかし図\ref{fig:linguistic_knowledge_error}に瀺すような䟋はパラフレヌズ認識あるいはテキスト間含意関係認識に盞圓するものもあり必ずしも容易に解決できるものではない埌者は係り受け解析述語項構造解析吊定の解析などによっお文の意味の違いを認識するこずが必芁ずされるものである兞型的には文章䞭に耇数の呜題が蚘述されおいる堎合がある図\ref{fig:linguistic_structure_error}に瀺す䟋では正解は2であるが4のキヌワヌドも同䞀文章䞭に含たれおいるためスコアが同率ずなり最終的に誀った解答を遞択しおしたっおいるこの䟋は係り受けあるいは述語項構造が正確に埗られれば正しい解答が埗られるず期埅されるたた図\ref{fig:linguistic_knowledge_error}の䟋ではシステムは2を遞択したがこれは知識源には「田怍えをした可胜性も高たった」ず蚘述されおおり吊定やモダリティの正確な解析によっお正答が埗られる可胜性があるただしこのような蚀語知識・蚀語解析は新たな゚ラヌ芁因を持ち蟌むため単玔にこれらの技術を導入するこずでは党䜓の正答率が䞋がる可胜性が高い必芁な堎面で適切か぀正確に蚀語凊理技術を利甚する必芁がある最埌に2014幎床代れミセンタヌ暡詊「䞖界史B」36問に぀いおシステム出力ず受隓生の遞択率䞀䜍の解答「人間」ずを比范したクロス衚を\TABREF{tab:shakai:cross:sekaishi}に瀺す党䜓の問題数は少ないが人間が正解・䞍正解だった問題グルヌプそれぞれに察するシステムの解答は正解・䞍正解がおよそ半数ず぀になっおおり人間ずシステムの正解分垃は独立であるこずがうかがわれる実際にFisherの正確確率怜定を適甚した結果は$p=0.68$であり人間・システムの正解・䞍正解が独立であるこずは棄华されなかったたた人間が䞍正解か぀システムが正解した3問受隓生の正答率はそれぞれ22.5\%35.3\%14.9\%ではいずれもシステムは知識源から劥圓なテキストを取埗しおおり単なる偶然ではなくシステムの性胜が発揮された圢で倧倚数の受隓生が誀った問題に正解しおいる\begin{table}[t]\caption{人ずシステムの正答傟向の比范䞖界史}\label{tab:shakai:cross:sekaishi}\input{05table23.txt}\end{table}\subsection{䞖界史・日本史たずめず今埌の課題}本節では䞖界史・日本史の詊隓問題を察象に狩野\cite{kano2014jsai}のシステムの゚ラヌ分析を行った本システムは構文解析意味解析等の自然蚀語凊理を行わず蚭問ず知識源ずのキヌワヌドの䞀臎をスコア付けする方匏をずっおいる自然蚀語凊理の立堎からはより深い蚀語凊理技術を利甚するこずで正答率を䞊げるずいうアプロヌチが考えられるが゚ラヌ分析の結果からはそれにより正答できる問題はそれほど倚くなくたた粟床が䞍十分な蚀語リ゜ヌス・蚀語解析を導入するこずによる副䜜甚も懞念される䞀方問題文の前凊理やキヌワヌド抜出に起因する゚ラヌはただ䞀定数残っおおりこれらは改善の䜙地があるず考えられるたた特に日本史では䞀般知識・垞識や知識源に盎接蚘述されおいない知識を統合的に利甚する必芁がある問題が芋られるこれを解決するこずは容易ではないが自然蚀語理解の興味深い未解決問題の䞀぀ず芋るこずもできる \section{おわりに} 本皿では倧孊入詊センタヌ詊隓圢匏の暡詊問題デヌタを䞻たる察象ずしお英語・囜語珟代文評論・数孊・物理・日本史・䞖界史の各科目に察する解答システムの゚ラヌを分析した本皿で゚ラヌ分析を行った問題タむプのうち珟時点でもっずも解答粟床が高いのは英語の「発音・アクセント」「文法・語法・語圙」「語句敎陀完成」「未知語句語矩掚枬」であったこれらの問題タむプでは蟞曞ベヌスの手法が非垞に有効であった「発音・アクセント」を䟋倖ずしおいずれも巚倧なテキストデヌタを利甚した手法(N-gram,word2vec)によっお高い正答率を埗おいるたた「発音・アクセント」の匷勢の予枬に関する問題を䟋倖ずしお他3぀の問題タむプではマルコフ仮定から倧きく倖れる文法的な䟝存関係に起因する゚ラヌを構文解析を利甚しお解消する䜎頻床語句は蟞曞の語釈文で眮き換えた䞊で類䌌床を算出するなど゚ラヌ傟向の分析によっおある皋床たで解決ぞ向けた方針が明らかになっおいるこれに察し囜語珟代文評論の読解問題では50\%皋床の解答粟床は実珟できおおり珟圚の技術レベルを倧きく超えるず思われるいく぀かの問題タむプを特定するこずたではできおいるものの解決可胜性のある゚ラヌタむプを蚀語珟象ず結び぀けた圢で類型化するこずは珟圚できおいないそのひず぀の原因はシンプルではあるが挙動の盎芳的把握が難しい衚局類䌌床に基づく手法を甚いおいるこずにある予備校による暡詊ず実際のセンタヌ詊隓で盞性のよい手法が異なるずいった発芋もあったが同様の理由でその原因の特定には至っおいない今埌本文の修蟞構造の解析などず組み合わせ手法を改善するに぀れより詳现な゚ラヌ分析が可胜になるこずが期埅される数孊および物理ではこれたで䞻ずしお䞭間衚珟の蚭蚈および蚀語凊理ず数理的挔繹システムずの接続郚分に泚力しお研究を進めおおりシステム党䜓の自動化に関しおは他科目に比べ遅れおいる他のテキストドメむンに比べはるかに明確な意味衚瀺を持぀ず考えられる数孊や物理においおも蚀語からの翻蚳を考慮した䞭間的な意味衚瀺の䜓系が再利甚可胜な圢で存圚しなかったこずはこれたでのNLP/AIにおける欠萜ずいっおよいだろう䞭間衚珟の蚭蚈が物理に比べやや進んでいる数孊に関しおは蚀語凊理ず挔繹凊理の接続に由来する゚ラヌずしお衚珟の冗長性による蚈算量の爆発の問題があるこずを瀺し分野融合的な解決が必芁であるこずを述べた日本史・䞖界史の゚ラヌ分析では問題文および知識源テキストの蚀語解析や分野知識・蚀語知識・䞀般的な知識など皮々のタむプの知識の利甚など゚ラヌ芁因あるいは改善ぞ向けた芁玠が倚岐に枡るこずを瀺したたた分析の結果から珟圚のシステムで最も改善が有効であろうポむントずしお遞択肢からのキヌワヌド抜出および問題文の前凊理を挙げたいずれも本質的には歎史分野に関する䞀定の知識・理解を芁する凊理でありノむズを含む知識リ゜ヌスの導入などによる新たな゚ラヌの発生に関する懞念はあるものの知識リ゜ヌスや芁玠技術自䜓の改良ずそれらの远加芁玠の解答システムぞの取捚遞択的な導入が改良ぞ向けた唯䞀の方策だろういく぀かの科目・問題タむプの解答システムの分析では最も倚数の受隓生が遞択した解答以䞋単に「人の解答」ずよぶずシステムの出力ずの比范を行った統蚈的怜定の結果システムず人の解答の正答・誀答の分垃が独立であるずいう垰無仮説がほが棄华($p=0.06$)されたのは英語の語句敎陀完成問題に察しおのみであった予備調査ずしお自動的な解答システムの完成には至っおいない数孊・物理に関しおも挔繹郚の胜力ず䞭間衚珟の耇雑さず正答率ずの関係を芋るためにシステムの正解率ず受隓生の正答率の関係を調べたしかし珟圚のずころ䞡者に特に顕著な関係は無いようであった「人のように考える」システムあるいは「人のように間違える」システムはもずより我々の目暙ではないしかし人ずシステムにずっおの難易の差に぀いお今埌より詳现な分析を行うこずでシステムの改良に関しお曎なる知芋が埗られるこずが期埅される本皿で䞻ずしお取り䞊げた問題タむプたた今埌の課題などずしお簡単に觊れた科目・問題タむプを通芧するずたず倧きな傟向ずしお挢字やアクセント・発音文法問題など個別的な蚀語知識に関する問題に぀いおは人間の平均あるいはそれ以䞊の粟床を達成しおいるものが倚数ある䞀方で英語・囜語の長文読解に代衚される総合的な胜力を芁する問題では良くおも人間の平均レベルにずどたっおいるこずが指摘できるたた個別的な蚀語知識に関する問題以倖では数孊・物理など解答システムの開発スピヌドは遅いが少なくずも珟状問題ずなっおいる点に぀いお珟象レベルの説明が可胜である科目ず囜語珟代文評論䞖界史・日本史など自動システムの完成たでの開発は速かったが゚ラヌ芁因の類型化が難しいあるいぱラヌ芁因が倚岐に枡る科目ずの察照が明らかであるこれは科目ごずに各開発チヌムが最も有効であるず刀断した手法を遞択した結果であり圢匏的な挔繹に基づく手法ず衚局的手がかりによる手法の比范にみられる䞀般的な傟向であるしかし䟋えば行為結果文に぀いおの分析から瀺唆されるように数孊においおも出珟する構文パタヌンに倧きな偏りがあるなど衚局的な手がかりに基づく手法が有効であろう偎面も確かに存圚する逆に分析結果から瀺されたように䞖界史・日本史にも詳现な蚀語解析が有効に働くであろう蚭問も䞀定数存圚する今埌各科目ずもより倚角的な゚ラヌ分析ず総合的な問題の把握を進める䞊では点数・開発スピヌドでは最適ずいえずずも珟状のアプロヌチずは異なる手法による結果ずの比范分析が有効であるこずが瀺唆される\acknowledgment本研究を掚進するにあたっお倧孊入詊センタヌ詊隓問題のデヌタをご提䟛䞋さった独立行政法人倧孊入詊センタヌおよび株匏䌚瀟ゞェむシヌ教育研究所に感謝いたしたすたた暡擬詊隓デヌタおよび解答分垃デヌタをご提䟛䞋さった孊校法人高宮孊園に感謝いたしたすたた日本史および䞖界史甚語集の電子デヌタをご提䟛くださった山川出版瀟に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\newcommand{\bibsort}[1]{}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{新井}{新井}{2014}]{arai}新井玀子\BBOP2014\BBCP.\newblock\Jem{ロボットは東倧に入れるか}.\newblockむヌスト・プレス.\bibitem[\protect\BCAY{戞次}{戞次}{2010}]{Bekki2010}戞次倧介\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{日本語文法の圢匏理論}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Caviness\BBA\Johnson}{Caviness\BBA\Johnson}{1998}]{qebook-e}Caviness,B.\BBACOMMA\\BBA\Johnson,J.\BEDS\\BBOP1998\BBCP.\newblock{\BemQuantifierEliminationandCylindricalAlgebraicDecomposition}.\newblockTextsandMonographsinSymbolicComputation.Springer-Verlag.\bibitem[\protect\BCAY{Forbus}{Forbus}{1984}]{forbus1984}Forbus,K.~D.\BBOP1984\BBCP.\newblock\BBOQQualitativeProcessTheory.\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligence},{\Bbf24}(1-3),\mbox{\BPGS\85--168}.\bibitem[\protect\BCAY{船口}{船口}{1997}]{Funaguchi}船口明\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{きめるセンタヌ囜語珟代文}.\newblock孊研教育出版.\bibitem[\protect\BCAY{Gubbins\BBA\Vlachos}{Gubbins\BBA\Vlachos}{2013}]{deplm}Gubbins,J.\BBACOMMA\\BBA\Vlachos,A.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQDependencyLanguageMmodelsforSentenceCompletion.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2013ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1405--1410}.\bibitem[\protect\BCAY{服郚\JBA䜐藀}{服郚\JBA䜐藀}{2013}]{Hattori2013}服郚昇平\JBA䜐藀理史\BBOP2013\BBCP.\newblock倚段階戊略に基づくテキストの意味関係認識RITE2タスクぞの適甚.\\newblock情報凊理孊䌚研究報告\2013-NL-211No.4/2013-SLP-96No.4,情報凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{加玍\JBA䜐藀}{加玍\JBA䜐藀}{2014}]{Rainbow}加玍隌人\JBA䜐藀理史\BBOP2014\BBCP.\newblock日本語節境界怜出プログラムRainbowの䜜成ず評䟡.\\newblock\Jem{FIT2014講挔論文集第2分冊},\mbox{\BPGS\215--216}.\bibitem[\protect\BCAY{東䞭\JBA杉山\JBA磯厎\JBA菊井\JBA堂坂\JBAå¹³\JBA南}{東䞭\Jetal}{2015}]{eigo}東䞭竜䞀郎\JBA杉山匘晃\JBA磯厎秀暹\JBA菊井玄䞀郎\JBA堂坂浩二\JBA平博順\JBA南泰浩\BBOP2015\BBCP.\newblockセンタヌ詊隓における英語問題の回答手法.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚(NLP2015)}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA小町\JBA井之䞊\JBA也\JBA束本}{飯田\Jetal}{2010}]{NTC2015}飯田韍\JBA小町守\JBA井之䞊盎也\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblock述語項構造ず照応関係のアノテヌションNAISTテキストコヌパス構築の経隓から.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(2),\mbox{\BPGS\25--50}.\bibitem[\protect\BCAY{板野}{板野}{2010}]{Itano}板野博行\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{ゎロゎ板野のセンタヌ珟代文解法パタヌン集}.\newblock星雲瀟.\bibitem[\protect\BCAY{Iwane,Yanami,Anai,\BBA\Yokoyama}{Iwaneet~al.}{2013}]{IwaneYAY13}Iwane,H.,Yanami,H.,Anai,H.,\BBA\Yokoyama,K.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQAnEffectiveImplementationofSymbolic-numericCylindricalAlgebraicDecompositionforQuantifier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V06N01-01
\section{はじめに} 日本語察話文における栌芁玠の省略補完に぀いお述べる。䞻語や目的語などの衚瀺が矩務的でない日本語の蚀語凊理においおは、これら省略される\footnote{そもそも省略ではなく非存圚ずする解釈もあるが、ここでは栌芁玠が明瀺されおいないものすべおを「省略」ず呌び、本論文の研究察象ずする。}栌芁玠を補う凊理が重芁である。栌芁玠の省略は日本語に特有の珟象ではなく、䟋えば韓囜語、䞭囜語などにも認められる。これら省略のある蚀語から英語やドむツ語など必須栌を持぀蚀語ぞの翻蚳凊理を行なう際には、補完凊理(省略内容の掚定凊理)は重芁な凊理ずなる。たた情報怜玢など、自然蚀語凊理に関係する他の問題においおも、省略補完凊理は必芁ずなる。省略された内容は、蚀語内、぀たり省略䜍眮以前のテキスト䞭に存圚する堎合ず蚀語倖に存圚する堎合に倧きく分かれる。本論文では前者を文脈省略(endophoricellipsis)、埌者を倖界省略(exophoricellipsis)ず呌ぶ。日本語の文脈省略補完に関しおは埓来から様々な研究がなされおきおいる。センタリング理論(centeringtheory)ず呌ばれる䞀連の手法はこの䞀぀である(最近の論文ずしおは、䟋えば\cite{Strube}、\cite{Byron}、\cite{Walker}などを参照)。この理論では、`center'(談話のある時点においお最も顕著な談話芁玠)ずいう抂念を導入するこずによっお照応や省略の解決を行なう。たた{}\cite{Dohsaka}は、日本語においお発話から語甚論的制玄を抜出し、制玄充足プロセスに基づいお文脈の䞋で解釈するこずによる文脈省略の補完手法を提案しおいる。䞀方、倖界省略も含めた補完手法に察しおは、ヒュヌリスティックスなどによる経隓的な解決手法を䞭心にいく぀か提案されおいる。このうち日本語を察象にしたものずしおは、村田ら\cite{村田}、江原ら\cite{江原}、Nakaiwaetal.\cite{Nakaiwa}の研究などがある。\cite{村田}は補完に関係する衚局的な蚀語珟象をヒュヌリスティックスで埗点を付䞎し、それらの合蚈によっお最尀の省略内容を補完しおいる。この手法は倚くの蚀語情報を利甚した省略補完手法であるが、察話文に察しおは十分な考慮がされおおらず(\ref{節:比范}節を参照)、たた埗点の調敎には困難を䌎うこずが予想される。たた\cite{江原}は耇文を単文に分割した際に生じる省略䞻語を補完するずいう問題に察しお、経隓的に8項目の特城パラメヌタを蚭定しお、確率モデルによる手法を提案しおいる。䞀般の省略に察しお有効であるか珟時点では䞍明であり、少なくずも本研究の察象ずは問題が異なるために確率モデルや特城パラメヌタを再怜蚎する必芁がある。{}\cite{Nakaiwa}では甚蚀意味属性ず語甚論的、意味論的制玄を甚いお倖界省略の解消を行なっおいる。必芁ずする知識量が膚倧であり、保守コストや他蚀語ぞの適甚を考えた堎合に課題が残る。本論文の目的は、(1)察話における省略ずいう珟象の分析、問題蚭定(2)決定朚ず決定朚孊習による問題解決手法の提案(3)提案手法の特性の議論、の䞉点である。埌述するように、察話においおは倖界省略の割合が高いが、このような状況䞋で我々はすべおの省略を同䞀の枠組みで補完するこずは珟実的でないず考える。たた察話においおどのような問題蚭定が適圓かはこれたで十分に議論されおいない。そこでたず、察話における珟象を分析し本論文における問題蚭定を{}\ref{節:珟象}節においお行なう。次に、{}\ref{節:手法}節で提案手法の説明を行なう。本論文では、省略補完知識の決定朚(decisiontree)による衚珟、及び省略情報の正解付きコヌパスから蚀語珟象ず補完すべき省略の関係を垰玍的に機械孊習し、これによっお日本語察話文の栌省略を補完する手法を提案する。本研究は機械孊習手法の提案が目的ではないので䞀般的に知られおいる機械孊習手法を利甚し、どのような情報をどのように䜿甚し、いかに機械孊習させるべきかを提案する。論文の埌半では、提案手法の特性を議論する。{}\ref{節:実隓}節においおは、提案手法の有効性を議論するために行なった実隓に぀いお述べる。\ref{節:議論}節では決定朚を芳察するこずによっお䜿甚属性などに察する議論を行なう。䞡節での議論によっお、提案手法がどのような特城を持ち、たたどのような限界があるのかを明確にする。最埌に本論文の結論を{}\ref{節:結論}節で述べる。近幎倚くのテキストやシ゜ヌラスが機械可読化されおきおおり、倚くの堎合これらの蚀語資源は入手が可胜ずなっおいる。本研究では、他の話題ぞの適甚性を考慮しお、圢態玠分割されお品詞ず省略情報が付䞎されたコヌパス、及びシ゜ヌラスのみを甚いお行なう手法を詊みる。提案手法は、特定のコヌパス、品詞䜓系、シ゜ヌラスをいずれも仮定しないため、倧量の知識を䜜成、保守する必芁性がなく、手䜜業による補完芏則やパラメヌタの調敎を行なう必芁もない。たた本手法では、構文解析も仮定しないため、構文解析の手法や粟床ずは独立である。本論文は、日本語察話文を英語やドむツ語に翻蚳する際に必芁ずなる凊理を想定しおおり、省略内容の人称ず数を補完するずいう問題蚭定を行なっおいる。たた、省略の怜出凊理は他の凊理郚によっお栌芁玠の省略が正しく怜出されるず仮定する。なお、本論文は以前報告した文献\cite{NLPRS97}及び文献{}\cite{Coling-ACL98}の内容を基本にしお議論、怜蚎を行ない、新たにたずめたものである。 \section{日本語における栌芁玠の省略珟象} \label{節:珟象}本節では栌芁玠の省略ずいう珟象の考察を行なう。察話ず文章、栌による盞違ずいう二぀の芖点から栌芁玠がどのように省略されるのかを議論するこずによっお、本研究で解くべき問題の蚭定を明確にする。\subsection{察話ず栌芁玠省略}前述したように、栌芁玠の省略には文脈省略ず倖界省略の二皮類ある{}\footnote{さらに、文脈省略を二぀に分ける分類方法もある。䟋えば{}\cite{Nakaiwa}では、補完芁玠が省略された栌芁玠を持぀文䞭にある堎合(文内照応)ずその文以前にある堎合(文間照応)ずに分けおいる。}。この二皮類の省略の出珟割合はテキストの皮類によっお、぀たりそのテキストが察話(音声蚀語)か文章(新聞や小説などの文字蚀語)かによっお倧きく異なるこずが想像できる。この関係を衚にしたものを衚\ref{文章ず察話}に瀺す。\begin{table}\begin{center}\caption{文章ず察話の性質}\label{文章ず察話}\begin{tabular}{l|cc}\hline\hline&文章&察話\\\hline文脈省略&倚い&ヲ栌では倚い\\倖界省略&少ない&非垞に倚い\\\hline省略の頻床&比范的少ない&比范的倚い\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}本研究の察象ずなる察話に぀いお考えるず、文章ずは省略の様子が倧きく異なるこずがわかる\footnote{ここでは、挔説などの䞍特定の盞手ぞの察話、及び日蚘や手玙などの特定の盞手ぞの文章などは考えない。}。文章は倚くの堎合、それ自䜓で完結しおいるこずが必芁であり、読者を明確に特定できない堎合が倚いため読者ずの共有知識を明確に定矩できず、それ故省略もそれほど倚く起こらない。たた省略された堎合の補完内容は、その文章内にある堎合が倚いず考えられる。これに察し察話(特に二者察話などの少数聎者に察する察話)では、盞手に情報を䌝えるこずが目的であり、双方向でコミュニケヌションをずりながら進行するため共有知識も次第に増え、その結果省略も倚甚される。たた、コミュニケヌションをずる必芁䞊、察話参加者に関する省略、぀たり倖界省略が比范的倚いず考えられる。以䞊のような理由により、省略の補完凊理に぀いおもどのようなテキストを察象にするかによっおどの省略を䞭心に取り扱うかが自ずず決たる。\subsection{衚局栌による栌芁玠省略の差異}省略された栌芁玠が倖界省略か文脈省略かは栌によっおも倧きく傟向が異なる。以䞋では、日本語の䞻たる衚局栌芁玠であるガ栌、ヲ栌、ニ栌に぀いお考える。ガ栌は、動䜜や状態の䞻䜓たたは察象を衚す堎合に䜿甚される。これらを芳察するず、動䜜の䞻䜓たたは察象が省略される堎合ず、状態の䞻䜓たたは察象が省略される堎合で、省略及び補完に必芁な情報の傟向が倧きく異なるこずが予想される。以䞋の[\ref{乗る}]は動䜜を衚す文であり、[\ref{冷たい}]は状態を衚す文である。前者のガ栌は人である堎合が倚いが埌者ではガ栌が人になる割合はそれほど倚くない。\begin{example}\item早く電車に乗っおください。\label{乗る}\itemずおも冷たいですね。\label{冷たい}\end{example}以䞊の怜蚎より、本論文では省略された文の述郚によっおガ栌を二぀に分離し、別個のものずしお取り扱った。すなわち、䞀぀は述郚が動詞の堎合、もう䞀぀は述郚が圢容詞、圢容動詞、あるいは「名詞刀定詞(だ/です)」の堎合である。以䞋では、前者をガ栌(動)、埌者をガ栌(圢)ず衚蚘する。なお、ガ栌分離の劥圓性は埌で考察する。ヲ栌は、動䜜や感情を向ける察象や移動の堎所、起点を瀺す。このため、動䜜や感情の察象が察話参加者ずなる可胜性のある䞀郚の動詞(「玹介する」など)を陀いお、倚くの堎合が照応的な省略、文脈省略ずなるこずが予想される。ニ栌は、動䜜を向ける盞手(「圌\underline{に}芋せる」)、移動の着点(「京郜\underline{に}着く」)などいろいろな甚法がある。ニ栌ずなる名詞には様々な皮類が考えられるが、倧別するず、人、堎所、抜象物(時間を含む)、具䜓物に分けられるが、倚くは人であるず予想される。以䞊の考察の劥圓性を確認するために、察話コヌパス(\ref{節:コヌパス}節を参照)499察話(18385文、省略総数\footnote{衚に瀺す栌以倖の栌、䞊びに特殊な甚法の省略を陀く。}15397)における省略された栌の補完内容を実際に調査した。その結果を衚\ref{調査}に瀺す。これより、ガ栌(動)ずガ栌(圢)ではその省略の傟向が異なるこず、ヲ栌はほずんどが文脈省略であるこず、ニ栌の89.1\%が倖界省略であるこずなどがわかる。\begin{table}\begin{center}\caption{察話文における各衚局栌別の省略頻床}\label{調査}\begin{tabular}{c|rrrrrr|r}\hline\hline&䞀人称(単&耇)&二人称(単&耇)&䞀般\footnotemark&文脈省略&合蚈\\\hlineガ(動)&3864&962&1879&284&361&1359&8709\\&44.4\%&11.0\%&21.6\%&3.3\%&4.1\%&15.6\%&\\ガ(圢)&576&442&306&52&14&1365&2755\\&20.9\%&16.0\%&11.1\%&1.9\%&0.5\%&49.5\%&\\ヲ&47&4&4&3&0&1137&1195\\&3.9\%&0.3\%&0.3\%&0.3\%&0\%&95.1\%&\\ニ&1163&53&1156&61&8&297&2738\\&42.5\%&1.9\%&42.2\%&2.2\%&8.3\%&10.8\%&\\\hline合蚈&5650&1461&3345&400&383&4158&15397\\&36.7\%&9.5\%&21.7\%&2.6\%&2.5\%&27.0\%&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\footnotetext{「䞀般」に぀いおは\ref{節:補完情報}節で述べる。}\subsection{察話文の問題蚭定ず補完戊略}本研究の目的は、日本語から必須栌を持぀目的蚀語ぞの機械翻蚳においお、省略されおいる必須栌芁玠の人称ず数を補完するこずである。しかし前述したように、文章ず察話によっお省略の傟向が異なり、これらすべおを察象にしお統䞀的な凊理を行なうこずは適圓ではないず考える。そこで、察話においお比范的重芁な倖界省略を䞻たる察象にしお、本論文では以䞋のように問題を蚭定した。\begin{itemize}\item倖界省略の人称ず数の補完\item文脈省略の認知\end{itemize}これたで、照応的な省略に察しおの研究はいく぀か行なわれおいる。これらの研究は以䞊の問題蚭定ずは盞補的になる。すなわち、本論文の手法によっお文脈省略ず認知するこずができれば、省略内容の補完凊理はこれらの埓来研究、䟋えばセンタリング理論によっお解くこずが可胜ずなり、察話におけるすべおの栌芁玠省略の問題を解くこずができる。\subsection{コヌパスず話題}\label{節:コヌパス}本研究で䜿甚したコヌパスは、チケット予玄、芳光案内などにおける二者の察話を収録したATR旅行䌚話コヌパス\cite{ATRCorpus}(以䞋、「コヌパス」ず呌ぶ)である。おおよそ1察話は20文から40文で構成され、平均は26文である。コヌパスは党郚で618察話からなるが、本研究ではそのうち499察話を調査、決定朚孊習及び実隓に䜿甚した。コヌパスは、ホテルにおける旅行客ずフロントの察話を䞭心に、広範な範囲の察話を収録しおいる。本論文ではこれを倧きく衚\ref{話題}に瀺す4぀の話題に分類した。この分類は\ref{節:話題䟝存性}節での話題䟝存性での議論の際に䜿甚する。\begin{table}\begin{center}\caption{コヌパスの話題分類}\label{話題}\begin{tabular}{ll}\hline\hline蚘号&話題\\\hline$H_1$&ホテルにおける郚屋の予玄、倉曎、キャンセル\\$H_2$&ホテル利甚に関する問い合わせ、苊情\\$H_R$&その他のホテル関連の話題ホテル遞択やホテル蚭備案内など\\$R$&ホテル関係以倖の旅行察話出入囜、芳光、買い物など\\\hline$H$&$H=H_1+H_2+H_R$コヌパス䞭のホテルに関する党話題\\$T$&$T=H_1+H_2+H_R+R$旅行察話の党話題\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{決定朚を甚いた省略補完} \label{節:手法}本節では、省略の補完に必芁な二぀の偎面、倚芁玠性ず盞互䟝存性に぀いお怜蚎を行なった埌、提案する手法に぀いお述べる。\subsection{倚芁玠性}日本語における栌芁玠の省略内容の補完には、非垞に倚皮倚様な芁玠が関係しおいるこずは、以前から知られおいる。埓来文献においおも、䟋えばDohsaka{}\cite{Dohsaka}は、埅遇関係、芖点関係、制埡関係、情報のなわばりに関する語甚論的制玄によっお補完を詊みおいる。たた、工藀ら{}\cite{工藀}は、謙譲、䞁寧、可胜、完了などの意味を持぀機胜語ず、動詞の語圙的な特性による省略補完手法を提案しおいる。省略補完に必芁な情報の䟋を、以䞋に瀺す。\begin{itemize}\item埅遇衚珟\\察話においお尊敬語や謙譲語などが䜿甚された堎合には、誰の動䜜か述べる必芁がなくなり、ガ栌が省略される。すなわち、ガ栌の補完にはこれら敬語は重芁な情報を果たす。\begin{example}\itemそちらに参りたす。(ガ栌は䞀人称)\end{example}\item平叙/疑問/呜什\\以䞋の䟋では、疑問文かどうかでガ栌が異なる。\begin{example}\itemわかりたした。(ガ栌は䞀人称)\itemわかりたしたか。(ガ栌は二人称)\end{example}\item動詞の持぀意味\\䟋えば、以䞋の発話がホテルのフロントず客ずの察話ず仮定するず、どちらの発話かに関係なく、圓該動詞のガ栌の内容が決たる。\begin{example}\itemキャンセル埅ちを調べお$\cdots$(ガ栌はフロント)\label{キャンセル}\itemJRに乗っお$\cdots$(ガ栌は客)\end{example}\item前文以前の情報(文脈情報)\\察話におけるこれたでの話の流れ。\item蚀語倖情報\\その文が、どこで、誰が誰に察しお発話されたか、など。䟋えば、[\ref{キャンセル}]で、ガ栌の人称を決定するには、話者がフロントず客のどちらか、ずいう情報が必芁ずなる。\end{itemize}このように、察話文においお省略を補完するためには倚くの情報が必芁ず考えられる。さらに甚蚀の持぀意味は省略の補完にずっお重芁な情報であるず思われるが、その重芁性は個々の甚蚀によっお異なるず考えられる。このように非垞に倚くの芁玠が考えられるが、このうち個々の補完事䟋に本圓に必芁な芁玠のみを遞択するこずが可胜な補完手法が必芁ずされる。人手による補完芏則䜜成によるアプロヌチは、このような蚀語珟象に察しお個々に考察を行なう必芁があり、䞀般的には困難が䌎う。\subsection{盞互䟝存性}䟋ずしお、以䞋の発話においお「忘れる」のガ栌を補完するこずを考える。\begin{example}\item郚屋/に/カメラ/を/\underline{忘れ}/おき/おしたっ/た/ような/んです/が。\end{example}この䟋では、動詞「忘れる」の持぀意味属性や「おくる」「おしたう」「た」「ようだ」「んです」「が」ずいった文末衚珟など、倚くの芁玠が省略補完に関係する可胜性があり、このうちどの芁玠がどの皋床省略補完に圱響しおいるかを明確に蚘述するこずは難しい。たた、圱響の範囲は文末衚珟間のみ、あるいは甚蚀ず文末衚珟の組み合わせに限らず、䟋えば以䞋のように接頭蟞ず文末衚珟の組み合わせで考慮すべき䟋もあり、その関係は倚皮、耇雑である。\begin{example}\item近鉄に\underline{お}乗り\underline{になっ}おください。\label{近鉄}\end{example}このように、栌芁玠の省略補完に必芁な情報は独立ではなく、盞互に圱響しながら省略が可胜になるこずに泚意しなければならない。぀たり、[\ref{近鉄}]で蚀えば、「お$\cdots$」ず「$\cdots$になる」の出珟に察しお、個別に補完内容の補完をするこずはできない。あるいは、ホテルのフロントにおける受付ず客の察話で、䞀般的に「宿泊する」の動䜜䞻は客もしくは「䞀般的な人」であるが、ある特殊な文脈によっおはそれ以倖の可胜性も考えられ、䞀抂に「宿泊する」ずいう動詞のみでは決定できない。栌芁玠の補完では、倚皮倚様な蚀語珟象からどの2芁玠(あるいはそれ以䞊)に察しお、同時に考慮する必芁があるのかを怜蚎する必芁がある。\subsection{決定朚を甚いた省略補完}以䞊の考察から、栌芁玠の省略補完には、倚芁玠性ず盞互䟝存性を同時に考慮するこずが可胜な枠組みが必芁であるこずがわかる。これに察し我々は、決定朚を補完知識衚珟ずしお䜿甚し、統蚈を利甚した決定朚孊習を省略補完の知識獲埗に䜿甚するこずを提案する。近幎、倧量のコヌパスが機械可読になっおきおいるこずから、機械孊習による問題解決は自然蚀語凊理のいく぀かの問題に適甚されおいる。䟋えば、田䞭は動詞の蚳語遞択に決定朚孊習を導入し、有効性を確認しおいる{}\cite{田侭}。さらに、談話凊理や文脈凊理にもこれらの手法が䜿甚され぀぀あり、䟋えば談話分割や手がかり語などに関する談話凊理にも適甚されるようになっおきおいる{}\cite{Summary}。\subsection{補完情報の付䞎}\label{節:補完情報}決定朚孊習による孊習、䞊びにテストを行なうこずを目的に、察話コヌパスに補完内容の情報を付䞎した。今回付䞎したタグの皮類を衚\ref{タグ}に瀺す。本論文では、衚に瀺すように6皮類のタグを蚭定した。タグの付䞎に関しお、これらの補完内容は日本語のみを考慮しお付䞎した。\begin{example}\item財垃を盗たれた。\label{䟋:財垃}\itemMywalletisstolen.\label{䟋:wallet}\itemMeinGeldbeutelistgestohlenworden.\label{䟋:Geldbeutel}\end{example}䟋えば以䞊の䟋文においお、[\ref{䟋:財垃}]におけるガ栌は「私」であるが、その英語蚳である[\ref{䟋:wallet}]の䞻栌は`mywallet'、ドむツ語蚳である[\ref{䟋:Geldbeutel}]の䞻栌は`meinGeldbeutel'である。このように翻蚳先の蚀語によっお人称が倉わる堎合があるが、英語などぞの翻蚳時に人称がどうなるかずいう芳点では付䞎しなかった。぀たり䞊蚘の䟋では甚蚀「盗む」に察しお<1sg>(䞀人称単数)のタグを付䞎した。これは、䞀般に蚳し方は䞀通りでないこず、翻蚳の目的蚀語が英語のみではないこず、などの理由による。\begin{example}\item右ぞ曲がるず亀番です。\label{䟋:亀番}\end{example}日本語においおは、[\ref{䟋:亀番}]などのように、特定されない人称を省略芁玠ずする文、぀たり䞀般的な「人」を念頭においお発話しおいるず考えられる文がしばしば芋受けられる\footnote{日本語のみならず、韓囜語や䞭囜語にも芋受けられる。}。このような堎合、䟋えば英語ぞの翻蚳の堎合には人称代名詞`you'を、ドむツ語ぞの翻蚳の堎合には䞍定代名詞`man'を䞻栌にするこずが倚い。しかし、それぞれ二人称、䞉人称の省略などずは異なる珟象であるこず、想定する翻蚳目的蚀語が英語、ドむツ語などず耇数であるこずを理由に、䞀人称や二人称ずは別のタグ<g>を蚭定した。以䞋䟿宜䞊、このタグを「䞀般(人称)」ず呌ぶ。以䞊は倖界省略ずしお扱える。省略䜍眮以前の芁玠に照応先がある堎合、぀たり文脈照応の堎合は、䞀括しお<a>のタグを付䞎した。本論文では、察話文に頻出する倖界省略の補完に䞻県を眮き、文脈省略に関しおは圓該省略が文脈省略であるこずの認知のみを行ない、具䜓的な先行詞の補完は別凊理で行なうず仮定した。\begin{table}\begin{center}\caption{付䞎したタグの皮類}\label{タグ}\begin{tabular}{cll}\hline\hlineタグ&意味&備考\\\hline<1sg>&䞀人称単数&話者が個人ずしおの立堎から発蚀しおいる堎合\\<1pl>&䞀人称耇数&話者が代衚しおいる機関、グルヌプの堎合を含む\\<2sg>&二人称単数&聞き手を個人ずしおずらえおいる堎合\\<2pl>&二人称耇数&聞き手が代衚しおいる機関、グルヌプを含む\\\hline<g>&䞀般&特定されない人物(䞀般的な「人」を念頭に眮いた発話)\\<a>&照応的&前文以前の発話に先行詞がある堎合\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{決定朚ず決定朚孊習}倚岐にわたる情報を統䞀的に、か぀自動的で䞀意に省略を補完する手法ずしお、本研究では決定朚を甚いる。決定朚は、根付き有向朚で衚珟される知識衚珟構造であり、以䞋の利点を持぀。\begin{enumerate}\item朚ずいう単玔な構造の組み合わせによっお倚芁玠が耇雑に関係した抂念が衚珟できる\item透明性が高いため、芁玠間の圱響が明確に蚘述され、手䜜業による倉曎が十分に可胜である\item凊理が高速で、倚くの堎合凊理時間は実甚䞊無芖できる皋短い\end{enumerate}決定朚の各分岐節点はある属性\footnote{特城あるいは質問ず呌ぶこずもあるが、本論文では属性に甚語を統䞀する。}に察応しおその属性倀によっお枝分かれしおいき、それぞれの葉で意志決定が行なわれる。決定朚は分岐節点における分岐数によっお倧きく二分朚ず倚分朚ずに分かれるが、本論文では前者を䜿甚した。これによっお、属性倀は`Y'たたは`N'の二倀になる。決定朚の䟋を付録の\ref{節:決定朚}に瀺す。コヌパスからの垰玍的孊習により決定朚の䜜成を行なう。本研究ではID3\cite{Quinlan}のアルゎリズムず同様、゚ントロピヌ芏準による貪欲法(greedyalgorithm)によっお決定朚孊習を行なった。たた、枝刈り(pruning)は行なっおいない。\subsection{䜿甚属性}\label{䜿甚属性}省略された栌芁玠を補完するためには、皮々の情報を考慮しお行なわなければならない。本研究では蚈367の属性を䜿甚した。その内蚳を衚\ref{属性}に瀺す。衚に瀺すように、属性は内容語、機胜語、蚀語倖情報に倧きく分類できる。以䞋ではそれぞれに぀いお説明する。\begin{description}\item[内容語の意味属性]省略の察象ずなる文においお、どのような内容語が含たれおいるかに関する情報。内容語は倧きく、甚蚀に関する情報ず栌芁玠(䜓蚀)に関する情報に分かれる。内容語の意味属性ずしおは角川類語新蟞兞\cite{角川類語}における䞭分類(100属性)を䜿甚した。\item[機胜語の出珟]甚蚀に埌接する付属語矀、及び助詞などの機胜語の出珟に関する情報。付属語矀の䞭には、受動/尊敬/可胜/自発「れる」䜿圹「せる」アスペクト「おいる」などの助動詞などのほか、圓為を衚す準䜓助動詞「べき」などが含たれる。たた、尊敬(召し䞊がる)、謙譲(䌺う)、可胜(飲める)などを瀺す動詞の集合をそれぞれ䞀぀の属性ずし、「尊敬」などを瀺す機胜語ずしお取り扱った。たた、受絊衚珟「やる」や動詞「する」「なる」なども特殊な機胜語ず芋なした。その他の機胜語には、栌助詞、接続助詞、終助詞、「\underline{お}考えですか」「\underline{ご}甚意できたす」の䟋に芋られる動詞盎前の敬意を衚す接頭蟞がある。この他、犁止を衚す圢容名詞「だめ」意志を衚す圢匏名詞「぀もり」、疑問詞集合(「どこ」「なぜ」など)なども機胜語に含めた。\item[蚀語倖情報]蚀語倖情報ずしおは、発話された文の話者が情報提䟛者か情報享受者か、ずいう属性を䜿甚した。\end{description}\begin{table}\begin{center}\caption{䜿甚属性ずその芁玠数}\label{属性}\y{3}\begin{tabular}{llr}\hline\hline察象&属性&属性数\\\hline内容語(甚蚀)&意味属性&100\\内容語(栌芁玠)&意味属性&100\\\hline機胜語(栌助詞)&が、に、を&9\\機胜語(接続助詞)&ので、たら&21\\機胜語(助動詞矀)&れる、おいる&132\\機胜語(その他)&お、敬語動詞&4\\\hline蚀語倖情報&話者情報&1\\\hline合蚈&&367\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}すべおの属性は(照合方法,照合䜍眮,属性倀)の䞉぀組によっお衚珟される。照合方法は、\verb+:speaker+(話者の照合)、\verb+:regexp+(正芏圢による圢態玠の照合)、\verb+:semcode+(意味属性の照合)の3皮類である。照合䜍眮は、補完の察象ずなる甚蚀の䜍眮を基準ずしお以䞋に瀺す5皮類を蚭定した。\smallskip\begin{tabular}{ll}\verb+:before+&文頭から甚蚀の盎前たでの間の圢態玠\\\verb+:latest+&甚蚀の盎前の圢態玠\\\verb+:here+&甚蚀\\\verb+:next+&甚蚀の盎埌の圢態玠\\\verb+:after+&甚蚀の盎埌から文末たでの間の圢態玠\\\end{tabular}\medskip\noindent䟋えば、照合䜍眮ずしお補完察象甚蚀に関しおは\verb+:here+、栌助詞に察しおは\verb+:before+、接頭蟞に察しおは\verb+:latest+を䞎える。話者の照合\verb+:speaker+の察象は垞に省略された文であり、䜍眮情報は䞀意に決たるため䞍芁であるが、他の属性ずの敎合性をずるため䟿宜䞊\verb+:here+を䞎える。照合察象が耇数の圢態玠ずなる\verb+:before+ず\verb+:after+に関しおは、照合範囲にある圢態玠のいずれかが属性の条件を満たすかどうかによっお照合を行なった。具䜓的な属性の䟋ず、その意味を以䞋に瀺す。\smallskip\begin{enumerate}\item{\tt(:speaker:here情報提䟛者)}\\文の話者が情報提䟛者である。\item{\tt(:regexp:after("たい""助動詞"))}\\甚蚀の埌に助動詞「たい」を含む。\item{\tt(:semcode:here30)}\\甚蚀の意味属性が30である。\item{\tt(:semcode:before81)}\\甚蚀の前に意味属性81の内容語を含む。\item{\tt\begin{tabular}[t]{@{}ll}(or&(:regexp:latest("お""接頭蟞"))\\&(:regexp:latest("ご""接頭蟞"))\\&(:regexp:latest("埡""接頭蟞")))\\[2mm]\end{tabular}}甚蚀の盎前の語が接頭蟞の「お/ご/埡」である。\end{enumerate}\y{3}耇文や重文などの、文が耇数の単文からなる堎合には、近䌌的に単文に分割した。分割手法は、接続助詞\footnote{「$\cdots$たら/ば」のように、耇数の接続助詞が連続する堎合は最埌方の接続助詞。}を分割䜍眮にしおその前埌を分割した。 \section{実隓} \label{節:実隓}本節では、孊習された決定朚による省略補完の有効性を怜蚌する。たず、ガ栌(動)に察しお怜蚌を行ない、続いおガ栌(圢)、ヲ栌、ニ栌に察しおの有効性を議論する。さらに、孊習量、決定朚孊習の話題䟝存性、䜿甚属性による盞違の䞉点から怜蚎を行なう。本論文では、性胜評䟡尺床ずしおF倀(F-measure)を甚いる。F倀は、再珟率(recall)ず適合率(precision)を䞀぀の尺床ずしお衚珟するために䜿甚される尺床で、$R$を再珟率、$P$を適合率ずしたずき、以䞋の匏で定矩する。\y{3}\begin{equation}F=\frac{(\beta^2+1)\timesP\timesR}{\beta^2\timesP+R}\end{equation}\y{3}ここで、パラメヌタ$\beta$は適合率の再珟率に察する盞察的な重芁性である。本論文ではこのパラメヌタを$\beta=1$ずした。\subsection{基本条件による実隓}たず、以䞋の条件により実隓を行なった。\begin{itemize}\item実隓察象はガ栌(動)の省略\item属性集合は衚\ref{属性}に瀺した367属性\item孊習文はコヌパスから100察話を無䜜為に抜出した集合\itemテスト文は孊習文ず同䞀の話題の100察話\end{itemize}衚\ref{暙準}に、以䞊の条件による結果を瀺す。単䜍はF倀である。衚の「孊習文」の欄は、孊習文ずテスト文を同䞀にしお行なったテスト(closedtest)の結果である。3皮類の話題$H_1$、$H$、$T$の䞭から各100察話を無䜜為に遞択しお実隓を行なった。「未知文」の欄は、未孊習文に察するテスト(opentest)を意味する。孊習文テスト$T$で甚意した100察話ず同䞀の集合をテスト文にしお、それに含たれない100察話をコヌパスより無䜜為に抜出した集合で決定朚孊習を行なった。たた同衚には比范察象ずしお、補完内容を無䜜為に遞択した堎合の粟床を(比范A)に、補完内容をすべお最倚事䟋の人称(<1sg>)に䞀意に決定した堎合の粟床を(比范B)に瀺した。たた衚の最䞋段に、未知文テストにおける孊習文およびテスト文の人称別省略事䟋数を瀺した。たた、未知文テストを行なうためにコヌパス100察話から䜜成した決定朚の䞀郚を付録の\ref{節:決定朚}に瀺す。\begin{table}\begin{center}\caption{基本条件による補完粟床}\label{暙準}\x{-10}\begin{tabular}{cc|*{6}{r}|r}\hline\hline&&<1sg>&<1pl>&<2sg>&<2pl>&<g>&<a>&党䜓\\\hlineå­Šç¿’æ–‡&$H_1$&99.7\%&99.2\%&100.0\%&100.0\%&100.0\%&100.0\%&99.8\%\\&$H$&99.9\%&99.8\%&100.0\%&100.0\%&100.0\%&99.6\%&99.8\%\\&$T$&100.0\%&100.0\%&100.0\%&100.0\%&99.4\%&99.4\%&99.8\%\\\hline未知文&$T$&82.1\%&59.5\%&76.4\%&15.8\%&27.8\%&77.0\%&73.2\%\\\hline(比范A)&&44.2\%&10.0\%&21.1\%&3.7\%&5.3\%&15.7\%&27.9\%\\(比范B)&&61.3\%&---&---&---&---&---&44.2\%\\\hline\hline(未知文)&å­Šç¿’&733&197&380&53&57&290&1710\\(未知文)&テスト&745&168&356&62&89&265&1685\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}決定朚の再珟性、匁別性を確認するこずを目的に行なった孊習文テストでは、決定朚の枝刈りを行なっおいないため、話題の広さに関係なくほが100\%の再珟性を瀺した。未知文に察するテストでは、(比范A)、(比范B)のいずれよりも高い倀を瀺し、本手法の有効性が確認された。なお、衚はF倀のみであるが、再珟率ず適合率は共にF倀ずほが同䞀の倀ずなっおいる。人称別では、ほが孊習事䟋の倚い順に粟床が良くなっおいるこずがわかる。<1sg>、<2sg>、<a>に関しおは比范的良奜な性胜を埗るこずができたが、<1pl>、<2pl>、<g>に぀いおは䜎い粟床しか埗るこずができなかった。これは孊習事䟋数の䞍足が䞀぀の原因ず考えられる。誀りの䞻な傟向を以䞋に分類する。\begin{enumerate}\item耇文の単文分割に関係する誀り\item照合範囲の誀り\item単耇の匁別性に関係する誀り\item文脈省略に関係する誀り\itemタグ付䞎のゆれ\end{enumerate}これらのうち、単文分割に関係する誀りず照合範囲の誀りが最も倚かった。前述したように、本研究では接続助詞によっお擬䌌的に単文分割しおいるが、䟋えば以䞋の䟋文のような堎合には、「行けば」だけに察しお補完凊理を行なっおしたい、提案手法が有効に機胜しない(䟋文の䞋線は補完察象甚蚀、`/'は圢態玠区切り、`//'は蚭定した文区切りを瀺す)。\begin{example}\itemどう/やっ/お//\underline{行け}/ば//いい/か/分から/ない/ん/です。\end{example}たた単文であっおも、以䞋の文で「予玄」の補完を行なう堎合のように、補完察象の甚蚀(「予玄」)の補完に、これずは関係のない付属語(「いたす」「たす」)によっお刀断しおしたい、その結果倱敗する。\begin{example}\item珟圚/ご/\underline{予玄}/の/フラむト日/ず/䟿名/を/お/願い/いたし/たす。\end{example}以䞊は本手法の問題点であるが、文分割ず属性照合を共に厳密にすればよいので、今埌十分に察凊可胜な課題である。䞀方、単耇の誀りず文脈省略に関係する誀りは本質的に難しい問題であり、珟圚甚意した属性のみによるこれ以䞊の粟床向䞊は難しいず考えられる。より䞀局の粟床向䞊には別の情報が必芁である。\subsection{他手法ずの比范}\label{節:比范}日本語栌芁玠の省略補完を行なう手法はこれたでにもいく぀か提案されおいる。ここでは、このうちのいく぀かの手法ず定性的な比范を行なう。補完の手がかりずなる珟象を人手で埗点化した{}\cite{村田}では察話文章䞭の省略のための芏則も䜜成し、物語文を察象にした実隓の結果、孊習文(204文)で86\%、未知文(184文)で76\%の省略が補完できたず報告しおいる。同論文ず本論文ずの差異を以䞋に瀺す。\begin{description}\item[察象テキスト]同論文では物語文䞭の察話文章のみを察象にしおいる。本論文では、これらを含む察話テキストを察象ずしおいる。\item[䜿甚属性]同論文では䞀人称ず二人称に入りやすい甚蚀ずしお各3語を列挙しおいる。たた呜什衚珟ず疑問衚珟は二人称に、ガ栌の省略は䞀人称になりやすいず指摘しおいる。本論文では、呜什や疑問以倖の付属語や蚀語倖情報も考慮にいれた補完手法を提案しおいる。\item[パラメヌタ調敎]同論文ではパラメヌタ(各芏則に付䞎する埗点)を人手で付䞎しおいる。本論文ではパラメヌタ(どの属性がどの順で䜿甚されるか)を統蚈情報により自動的に決定しおいる。\end{description}AoneandBennettは文献\cite{Aone}においお、本論文ず同様に機械孊習による省略補完凊理を行なっおいる。ここでは、照応の先行詞補完の䞀郚ずしお省略補完凊理を行ない、合匁事業に関するテキストにおいお先行詞が組織名である省略の補完実隓を行なった結果、最高で再珟率が40.8\%、適合率が73.0\%の補完粟床が埗られたず報告しおいる。同論文では先行詞の皮類が所䞎(組織)で組織名を掚定するこずが目的であり、先行詞の皮類(人称)補完を目的ずする本論文ずは問題の性質が異なる。たた察話文を察象にした補完凊理ではないために文脈省略の補完のみを考慮しおいるこずから、本論文ず盎接比范するこずはできない。日本語察話文を察象に省略補完を行なっおいる研究ずしお、文献\cite{工藀}がある。工藀らの実隓は本論文ず同䞀のコヌパスに察しおも行なっおおり、補完芏則䜜成に䜿甚した文に察する省略補完粟床ずしお93.2\%\footnote{耇数の察話コヌパスに察する合蚈の粟床。ATR旅行䌚話コヌパスに察しおは92.9\%ず報告しおいる。}の補完粟床が埗られたず述べおいる。たた文献{}\cite{Nakaiwa}は日英機械翻蚳システム評䟡甚䟋文の175事䟋に察しお実隓を行ない、情報抜出に䜿甚した文に察しおテストを行ない、100\%の粟床を埗たず報告しおいる。これら䞡論文はどちらも未知文に察しおの報告がない。これらを比べた時、本論文には以䞋の優䜍性があるず考える。\begin{description}\item[芏則䜜成の困難性]䟋えば工藀らは14皮類の動詞に察しお人手で補完すべき倀を分類しおいるが、これを倚くの動詞\footnote{䟋えば本実隓で䜿甚したコヌパスには262皮類の動詞が出珟した。}に察しお䜜成するのは容易ではない。\item[情報利甚の局所性]䞡論文では、ある文末衚珟の出珟のみで、もしくは甚蚀ず文末衚珟の組み合わせのみで省略の倚くを補完しおいる。しかしながら、このような少数の芁玠のみで正確に補完できるものばかりではないこずが予想される。本提案手法では、倚数の属性の組み合わせを考慮できる枠組みずなっおおり、耇雑な組み合わせによる省略にも察応できる。\end{description}\subsection{衚局栌ずの関係}\label{節:æ Œ}ここでは、日本語の䞻たる衚局栌であるガ栌、ヲ栌、ニ栌に察する補完粟床の比范を行なうこずによっお、栌ずの関係を考察する。本来ならば、補完に必芁な属性は栌によっお異なるず考えるのが自然である。しかし本論文では、手法の有効性を議論し、栌による差異を明確化するこずを目的ずするため、網矅的に属性を甚意し、すべおの栌で孊習時に同䞀の属性集合を甚意した。孊習時に甚意した属性集合は、これたでず同様、衚\ref{属性}の367属性である。実隓は、それぞれの栌に぀いお300察話を孊習察話ずし、それらに含たれない100察話をテスト察話ずしお未知文テストを行なった。その結果を衚\ref{æ Œ}に瀺す。なお、衚でガ栌(動)ずしお瀺した倀は、衚\ref{孊習量}の`400(察話)'の項ず同䞀の実隓である。\begin{table}\begin{center}\caption{栌による補完粟床の比范}\label{æ Œ}\begin{tabular}{c|*{4}{c}}\hline\hlineæ Œ&<1sg>&<2sg>&<a>\hfill&党䜓\\\hlineガ栌(圢)&58.3\%&68.1\%&85.9\%&79.7\%\\ヲ栌&66.7\%&---&97.7\%&95.6\%\\ニ栌&95.2\%&95.7\%&81.9\%&91.7\%\\\hlineガ栌(動)&84.7\%&81.1\%&82.0\%&78.7\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚からわかるように、ガ栌(動)ずガ栌(圢)ずの比范では党䜓ずしおの補完粟床に倧きな差異はないが、個別の人称に察する粟床では䞡者に明確な差異が珟れおいる。衚には珟れおいないが、ガ栌(圢)の補完人称に比范的倚くの<a>が含たれおいるため、<1sg>あるいは<2sg>に察する孊習が十分に行なわれず、比范的䜎い粟床になったず掚察される。䞀方ヲ栌に぀いおは、90\%以䞊の省略が照応的(<a>)であり、倖界省略がほずんどないこずから非垞に高い数字ずなった。本手法によっおヲ栌の文脈省略の認知は高粟床で可胜であるので、認知された文脈省略に察し埓来から知られおいる照応解決の諞手法を導入するこずによっお解決できるものず考えられる。ニ栌に関しおは十分な性胜が埗られた。このように高い性胜が埗られた背景には、二者察話を察象にしたテキストであるこず、話題が旅行察話に限定されおいるために䜿甚される述語がある皋床限定されるこずなどが考えられる。ニ栌の倚くは間接目的語で倖界省略が倚かった\footnote{衚\ref{調査}に瀺すように、実隓で䜿甚したコヌパスではニ栌の省略の玄9割が倖界省略で、文脈省略<a>は1割前埌であった。}ため、少数候補からの択䞀問題に有効な本手法が有利に機胜したものず考えられる。\subsection{孊習量ずの関係}\label{節:孊習量}孊習量ずの関係を芋るために以䞋の実隓を行なった。孊習量ずしお、25、50、100、200、400察話の5皮類の集合を䜜成した。ここで、これらの集合は包含関係ずなるように䜜成した。テスト集合はこれらのいずれにも含たれない100察話(ガ栌(動)の省略数:1685)を甚意した。たた、孊習属性は衚\ref{属性}のものを䜿甚した。䞻な人称に察する実隓の結果をF倀で衚\ref{孊習量}に瀺す。なお、衚の「100(察話)」の欄は衚\ref{暙準}の「未知文」の欄ず同䞀である。\begin{table}\caption{孊習量ず補完粟床}\label{孊習量}\begin{center}\begin{tabular}{rr|*{4}{r}}\hline\hline察話&事䟋&<1sg>&<2sg>&<a>&党省略\\\hline25&463&71.0\%&55.6\%&66.2\%&59.0\%\\50&863&76.4\%&69.7\%&71.5\%&67.2\%\\100&1710&82.1\%&76.4\%&77.0\%&73.2\%\\200&3448&85.1\%&79.8\%&79.7\%&76.7\%\\400&6906&84.7\%&81.1\%&82.0\%&78.7\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{孊習量}によれば、ほがすべおの人称に関しお孊習量の増加ず共に性胜が単調に向䞊しおいる。たた、衚には瀺されおいないが、再珟率、適合率共に単調増加の傟向を瀺しおいる。ただし、その増加の割合は埐々に鈍化し、<1sg>に関しおは400察話で粟床がわずかに枛少しおいるこずがわかる。補完内容ず孊習量の差をグラフにしたものを片察数グラフで図\ref{図:孊習量}に瀺す。グラフが瀺すように、比范的孊習事䟋数の少なかった<2pl>や<g>が、孊習量増加に䌎い倧きく粟床が向䞊しおいるこずがわかる。その様子から、<1pl>を含めたこれらの人称に関しおは孊習量の増加によっお䞀局の粟床向䞊が予想される。䞀方、その他の人称䞊びに党䜓的な粟床に関しおは、党䜓ずしお400察話(6806事䟋)でほが暪ばいになっおいるこずから、$10^4\sim10^5$事䟋の孊習量で十分であるず蚀える。たたグラフより、人称に関わらずほが䞀定の粟床を瀺しおいるこずから、この時の補完粟床(本手法による補完粟床の䞊限)は$80\%\sim85\%$ずなるず予想する。\begin{figure}\vspace{-6mm}\begin{center}\epsfile{file=19.eps,height=88mm}\caption{孊習量ず補完性胜}\label{図:孊習量}\end{center}\end{figure}\subsection{話題䟝存性}\label{節:話題䟝存性}ここでは、実隓の結果ず共に、決定朚孊習の話題䟝存性を議論する。孊習甚のテキストずしお、四぀の話題$H_1$、$H_2$、$R$、$T$に属する察話を50察話無䜜為に抜出し、これによっお決定朚孊習を行なった。テスト甚の察話は前節ず同䞀の未孊習100察話を䜿甚し、未知文テストを行なった。このずき、属性は衚\ref{属性}の367属性を䜿甚した。衚\ref{話題䟝存性}に、テスト察話(コヌパス党䜓)の話題別構成比、䞊びに話題䟝存性を瀺す。衚の瞊は孊習察話の話題、暪はテスト察話の話題を瀺し、倀はF倀で衚珟した。\begin{table}\begin{center}\caption{決定朚の話題䟝存性}\label{話題䟝存性}\begin{tabular}{c|*{4}{r}|r}\hline\hlineå­Šç¿’/テスト&/$H_1$\hfil&/$H_2$\hfil&/$H_R$\hfil&/$R$\hfil&合蚈\\構成比&20.1\%&27.7\%&11.2\%&40.9\%&100.0\%\\\hline$H_1$/&78.1\%&55.9\%&65.3\%&61.6\%&63.7\%\\$H_2$/&71.3\%&67.0\%&62.6\%&62.6\%&65.6\%\\$R$/&75.1\%&61.7\%&61.1\%&75.4\%&69.9\%\\$T$/&73.4\%&62.5\%&62.6\%&66.2\%&66.2\%\\\hline$T-H_R$/&73.7\%&61.9\%&59.5\%&63.9\%&64.8\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚に瀺すように、孊習察話ずテスト察話が䞀臎しおいる時に、$H_2$を陀いお最も良奜な性胜ずなった。たた$H_2$においおもかなり高い性胜を瀺した。この傟向は話題に関係なく蚀えるこずから、あらかじめテスト察話の話題がある皋床限定される、もしくは予枬できる問題に察しおは、できるだけ同䞀の話題のみによっお孊習するこずが望たしく、その際にテスト察話以倖の話題を含めお孊習しないこずが重芁であるず考えられる。孊習文の話題別性胜では、話題$R$が最も高い性胜を瀺した。この理由は、話題$R$が䜕か特殊な情報を持っおいるためではなく、話題$R$の構成比が最も高かったためである。たた衚によるず、広範な話題で孊習を行なった堎合($T/$)に、党䜓ずしおも平均以䞊の補完粟床を瀺した。孊習文ずテスト文の話題が同䞀の堎合を陀くず、$T/$はすべおの話題に察しお良奜な性胜を瀺しおいるこずが芳察される。このこずから、テスト文の話題が未知の堎合は、広範な話題に察しお孊習を行なうこずが最も有効であるこずが瀺唆される。ただし衚\ref{話題䟝存性}の最䞋段に瀺すように、党く未知の話題($H_R$)に察しおは若干粟床が䜎䞋する。たずえ少量の孊習であっおも、未孊習よりはかなり優䜍であるこずがわかる。\subsection{属性ずの関係}本節では、栌芁玠の省略補完の問題解決にどの皋床䜿甚属性が関係するかを議論する。これたでに述べおきた諞実隓は、比范のため、すべお同䞀の属性集合を䜿甚しお行なっおきた。ここではこの䜿甚属性を倉化させるこずによっお補完粟床がどうなるかを芳察する。ここでは、以䞋に瀺す4皮類の属性集合を甚意した。これらはいずれも衚\ref{属性}に瀺した属性の郚分集合である。\begin{enumerate}\item蚀語情報のみ(366属性)\item機胜語のみ(166属性)\item内容語のみ(200属性)\item甚蚀情報のみ(100属性)\end{enumerate}実隓は100察話の孊習、未孊習100察話のテストにより行なった。この察話集合はどちらも、衚\ref{暙準}の未知文テスト、あるいは衚\ref{孊習量}の`100'の実隓ず同䞀である。実隓結果を衚\ref{結果:属性}に瀺す。比范察象ずしお、党属性に実隓の結果を衚の「党属性」欄に瀺す。\begin{table}\begin{center}\caption{属性ず補完率ずの関係}\label{結果:属性}\begin{tabular}{c|*{4}{c}}\hline\hline&<1sg>&<2sg>&<a>\hfill&党省略\\\hline党属性&82.1\%&76.4\%&77.0\%&73.2\%\\\hline蚀語情報のみ&81.9\%&76.9\%&77.4\%&73.2\%\\機胜語のみ&75.4\%&68.0\%&67.2\%&65.3\%\\内容語のみ&75.1\%&58.1\%&74.5\%&65.0\%\\甚蚀情報のみ&72.3\%&55.6\%&71.1\%&61.9\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚より、蚀語情報のみを䜿甚した孊習では、蚀語倖情報を加えた堎合ずほずんど同皋床の粟床が埗られた。これは、蚀語倖情報(特に実隓で甚意した話者情報)がそれほど省略補完に重芁でないこずを瀺す。この結果は我々の予想に反するが、おそらく旅行察話ずいう限られた分野での実隓であったため、甚蚀の情報が話者情報を包含するような関係になったこずが理由ずしお考えられる。぀たり甚蚀によっお話者が掚枬できたため、話者情報の必芁性が䜎䞋した可胜性がある。これらを確認するには、䞡者が察等な関係にある状況での察話、䟋えば自由察話に察しお省略補完実隓を行なうこずが必芁であろう。機胜語のみで決定朚孊習を行なった堎合、党䜓で8\%皋床の粟床䜎䞋が芳察された。この結果は、話題に䟝存しない機胜語のみで決定朚孊習した堎合に、その粟床に限界があるこずを瀺しおいる。たた、機胜語のみの結果は文脈省略(<a>)認知に察しお倧きな粟床䜎䞋が芋られるこずから、内容語は比范的照応関係の維持に寄䞎しおいるこずが予想される。内容語のみの堎合はさらに䜎い粟床ずなった。日本語察話文においおは、内容語よりも䞀郚の機胜語の存圚によっお省略が可胜ずなる堎合が倚いずいうこずをこの結果は瀺しおいる。さらに甚蚀情報のみを䜿甚した堎合は最も悪い粟床を瀺したが、これは察話文の省略補完が曞き蚀葉のそれず異なる倧きな特城の䞀぀ず考えられる。すなわち、甚蚀情報などの内容語は察話文での省略補完においおは盞察的に重芁性は䜎いが、文脈省略の先行詞補完など、照応凊理に関しおは逆に重芁性が増すず予想する。 \section{議論} \label{節:議論}決定朚はある問題に察しおは非垞に䟿利な知識衚珟手段であるが、可読性もその特城の䞀぀である\cite{田侭}。本節では、これたでに述べた諞実隓においお䜜成された決定朚を芳察するこずによっお、属性の充足性、個々の属性の重芁性などを議論する。\subsection{決定朚の圢状}孊習数ず決定朚の節数ずの関係を䞡察数グラフにしたものを図\ref{節数}に瀺す。たた各決定朚の最深節ず最倧幅を衚\ref{深さ}に瀺す。この図より、孊習量を倉化させお䜜成したガ栌(動)の決定朚においお、孊習量ず節数はほが察数的に線圢であるこずがわかる。本研究では決定朚孊習に際し枝刈りを行なっおいないため、このような関係になったものず掚察される。ガ栌(圢)に関しおはほがガ栌(動)ず同様の節数ずなった。ニ栌に関しおは、ガ栌(動)よりはいくぶん小さな朚ずなっおいるこずがグラフよりわかる。たたヲ栌はほずんどが<a>であるため、ほずんど事䟋分割の必芁性がなく、最も小さな朚ずなった。\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=22.eps,height=71mm}\caption{節数ず孊習数ずの関係}\label{節数}\end{center}\end{figure}\begin{table}\begin{center}\caption{各決定朚の最深節ず最倧幅}\label{深さ}\begin{tabular}{l|*{6}{c}}\hline\hline&ガ/25&ガ/100&ガ/400&ガ(圢)&ヲ&ニ\\\hline最深節たでの節数&27&34&49&28&10&18\\同䞀深さでの最倧幅&26&58&146&52&10&28\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{事䟋被芆率}補完内容の決定に察する各属性の重芁性を芋る䞀぀の尺床ずしお、「事䟋被芆率」を定矩する。ある属性の事䟋被芆率は、その属性が決定朚の意志決定に䜿甚されおいる事䟋数の、党事䟋数に察する割合である。䟋えば決定朚の根で䜿甚されおいる属性の事䟋被芆率は、すべおの事䟋がこの属性を(最初に)怜査するこずから、100\%ずなる。この尺床から、各属性の意志決定に察する寄䞎床が数倀化できる。たず、孊習量ずの関係を議論した{}\ref{節:孊習量}節での実隓における䞻な属性の事䟋被芆率を衚{}\ref{事䟋被芆率/が}に瀺す\footnote{以埌の衚及び説明では、煩雑のため\verb+:semcode+及び\verb+:regexp+の衚蚘は省略する。}。衚の䞊郚に瀺した通り、事䟋被芆率が100\%である属性(最䞊郚で怜査される属性)は「\verb+:here43+」぀たり察象ずなる甚蚀の意味コヌドが43(意向)であるかどうか、であった。この属性や「\verb+:here41+」(思考)には共に「思う/考える/願う」などの語が含たれおおり、話者の意図や垌望を衚珟しおいる。これらの動詞は旅行察話に限らず広く䜿甚されるため、この䞡属性はその他の内容語ずは異なる䞀皮の機胜語のような圹割を果たしおいるず考えられる。ただ、この䞡属性のように孊習量に関係なく事䟋被芆率の高い属性はむしろ少数で、同䞀の栌、同䞀の話題であっおも孊習量の増加ず共に倚くの属性の事䟋被芆率が倉化しおいるこずが芳察できる。衚によるず、孊習量が少ない時は{}\verb+:before+、぀たり察象ずなる甚蚀以前にどのような内容語が存圚したかに関しお倚くの泚意が泚がれ、孊習量の増加に䌎っお機胜語、特に尊敬を瀺す「$\cdots$おくださる」「召し䞊がる」などの語の存圚によっお人称を刀断するようになるこずがわかる。\begin{table}\begin{center}\caption{孊習量による事䟋被芆率の倉化}\label{事䟋被芆率/が}\begin{tabular}{c|*{3}{r}}\hline\hline&ガ/25&ガ/100&ガ/400\\\hline\verb+:here43+(意向)&100.0\%&100.0\%&100.0\%\\\verb+:here41+(思考)&72.8\%&84.8\%&86.5\%\\\verb+:after+か(終助詞)&53.1\%&83.2\%&66.3\%\\\hline\verb+:after+おくださる&9.1\%&49.1\%&49.8\%\\(尊敬語)&---&39.9\%&36.8\%\\\verb+:after+おいただく&---&33.2\%&33.9\%\\\verb+:after+する&4.1\%&22.0\%&26.1\%\\\hline\verb+:before72+(斜蚭)&55.1\%&0.5\%&3.8\%\\\verb+:before94+(建物)&28.5\%&9.8\%&7.7\%\\\verb+:before83+(蚀語)&25.1\%&1.1\%&1.3\%\\\hline\verb+:speaker+&11.7\%&9.1\%&20.5\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}次に、栌芁玠別の事䟋被芆率を衚\ref{事䟋被芆率/æ Œ}に瀺す。ここでも、ガ栌(動)ずガ栌(圢)の明確な差異が芋受けられる。ガ栌(圢)の決定朚は他の各芁玠の内容、䟋えば「で」などの栌の存圚ずその栌芁玠に関する属性が倚いのに察しお、䞀方ガ栌(動)は述語ず䞀郚の重芁な機胜語に関する属性が倚い。たたニ栌補完に䜜成した決定朚は、䞀郚の盞違はあるもののガ栌(動)ず類䌌の傟向を瀺した。なお事䟋被芆率による結果では、話者の圹割は我々が事前に予想したほどの重芁性を持っおいないずの結果ずなった。これは、甚蚀ず話者圹割の情報を共に䜿甚するこずによっお補完内容が特定される堎合を想定しおいたが、このような䟋があたり倚数存圚しなかったため、もしくは旅行察話における二者察話ずいう制玄が匷く働き、話者を知る必芁がないため、などの理由が考えられる。\begin{table}\begin{center}\caption{栌による事䟋被芆率の倉化}\label{事䟋被芆率/æ Œ}\begin{tabular}{c|*{3}{r}}\hline\hline&ガ/400&ガ(圢)&ニ\hfill\\\hline\verb+:after+ございたす&---&100.0\%&---\\\verb+:before16+(状態)&5.1\%&68.5\%&0.5\%\\\verb+:before34+(陳述)&5.3\%&59.0\%&11.2\%\\\verb+:before+で(栌助詞)&5.2\%&23.9\%&1.9\%\\\hline\verb+:latest+お/ご&46.4\%&7.0\%&100.0\%\\\verb+:here43+(意向)&100.0\%&---&49.8\%\\\verb+:here41+(思考)&86.5\%&---&43.5\%\\\hline\verb+:speaker+&20.5\%&33.1\%&28.0\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{結論} \label{節:結論}日本語察話文の栌芁玠省略に察しお、決定朚による補完凊理の衚珟および機械孊習によっお補完知識を獲埗する手法を提案した。補完に必芁な知識ずしお、内容語の意味属性、機胜語の存圚、話者知識の䞉皮類を䜿甚した。本論文で提案した手法は入力ずしお品詞付き圢態玠列のみを䜿甚しおおり、構文解析を必芁ずしない。本手法により獲埗した決定朚で未孊習文に察しおテストを行なった結果、ガ栌ずニ栌に察しおは十分な粟床で省略された人称を補完するこずを確認した。ヲ栌に関しおは、その補完内容が照応的であるずいう認知を行なうのに有効であるこずを確認し、本手法の有効性を確認するこずができた。たた提案手法に関しお、凊理の有効性を孊習量、話題䟝存性、䜿甚属性ずの関係の3点から議論した。本研究で埗られた䞻な知芋を以䞋にたずめる。\begin{itemize}\itemガ栌(動)やニ栌は、尊敬を瀺す機胜語などを重芁芖する。ガ栌(圢)は他の栌芁玠の情報によっお補完を詊みる傟向がある。\item圓該問題に察する孊習量は党䜓ずしお$10^4\sim10^5$事䟋で十分である。この時の補完粟床の䞊限は$80\%\sim85\%$ず予想される。\item察話の話題が既知もしくは予枬可胜な時は、その話題のみによる孊習が最高の性胜を瀺す。話題が未知の堎合は、可胜な限り広範な話題に察しお孊習するのが最も効果的である。\item孊習量増加に䌎い、決定朚は話題に䟝存しない機胜語などの属性を採甚する。\end{itemize}本論文では日本語察話文における栌芁玠の補完凊理に限定しお述べおきたが、提案手法の有効性はこれだけにずどたらない。䟋えば韓囜語は日本語などず同様に栌芁玠の省略が芳察される。韓囜語などにおける省略補完凊理も本手法の応甚によっお可胜になるず考えられる。本論文で述べた手法を今埌、倚蚀語話し蚀葉翻蚳システムTDMT{}\cite{TDMTmulti}の日英翻蚳/日独翻蚳郚に組み蟌み、本凊理が翻蚳結果に䞎える有効性に぀いお怜蚎を行なう。\vspace*{-10mm}\y{10}\subsection*{謝蟞}本研究を進めるにあたっお、省略に関する正解デヌタを提䟛しおいただいたATR音声翻蚳通信研究所の荒川盎哉氏、及びプログラミング、実隓を担圓しおいただいた同研究所の西村仁志氏に感謝する。\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Aone\BBA\Bennett}{Aone\BBA\Bennett}{1995}]{Aone}Aone,C.\BBACOMMA\\BBA\Bennett,S.~W.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingAutomatedandManualAcquisitionofAnaphoraResolutionStrategies\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of33rdAnnualMeetingoftheACL},\BPGS\122--129.\bibitem[\protect\BCAY{Byron\BBA\Stent}{Byron\BBA\Stent}{1998}]{Byron}Byron,D.\BBACOMMA\\BBA\Stent,A.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAPreliminaryModelofCenteringinDialog\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-ACL'98},\BPGS\1475--1477.\bibitem[\protect\BCAY{Dohsaka}{Dohsaka}{1990}]{Dohsaka}Dohsaka,K.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingtheReferentsofZero-PronounsinJapanesebasedonPragmaticConstraintInterpretation\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEuropeanConferenceonArtificialIntelligence(ECAI)}.\bibitem[\protect\BCAY{江原,金}{江原,金}{1996}]{江原}江原暉将,金淵培\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ確率モデルによるれロ䞻語の補完\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf3}(4),67--86.\bibitem[\protect\BCAY{Furuse,Kawai,Iida,Akamine,\BBA\Kim}{Furuseet~al.}{1995}]{TDMTmulti}Furuse,O.,Kawai,J.,Iida,H.,Akamine,S.,\BBA\Kim,D.-B.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQMulti-lingualSpoken-LanguageTranslationUtilizingTranslationExamples\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofNaturalLanguageProcessingPacific-RimSymposium(NLPRS'95)},\BPGS\544--549.\bibitem[\protect\BCAY{Furuse,Sobashima,Takezawa,\BBA\Uratani}{Furuseet~al.}{1994}]{ATRCorpus}Furuse,O.,Sobashima,Y.,Takezawa,T.,\BBA\Uratani,N.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQBilingualCorpusforSpeechTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofAAAI'94WorkshopontheIntegrationofNaturalLanguageandSpeechProcessing},\BPGS\84--91.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,友枅}{工藀,友枅}{1993}]{工藀}工藀育男,友枅睊子\BBOP1993\BBCP.\newblock\JBOQ日本語の述郚の特性を甚いた省略の補完機構に぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ76-D-II}(3),624--635.\bibitem[\protect\BCAY{村田,é•·å°Ÿ}{村田,é•·å°Ÿ}{1997}]{村田}村田真暹,長尟眞\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ甚䟋や衚局衚珟を甚いた日本語文章䞭の指瀺詞・代名詞・れロ代名詞の指瀺察象の掚定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf4}(1),87--109.\bibitem[\protect\BCAY{Nakaiwa\BBA\Shirai}{Nakaiwa\BBA\Shirai}{1996}]{Nakaiwa}Nakaiwa,H.\BBACOMMA\\BBA\Shirai,S.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQAnaphoraResolutionofJapaneseZeroPronounswithDeicticReference\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-96},\BPGS\812--817.\bibitem[\protect\BCAY{倧野,浜西}{倧野,浜西}{1981}]{角川類語}倧野晋,浜西正人\BBOP1981\BBCP.\newblock\Jem{角川類語新蟞兞}.\newblock角川曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Quinlan}{Quinlan}{1993}]{Quinlan}Quinlan,J.~R.\BBOP1993\BBCP.\newblock{\BemC4.5:ProgramsforMachineLearning}.\newblockMorganKaufmann.\bibitem[\protect\BCAY{Strube}{Strube}{1998}]{Strube}Strube,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQNeverLookBack:AnAlternativetoCentering\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-ACL'98},\BPGS\1251--1257.\bibitem[\protect\BCAY{田侭}{田侭}{1995}]{田侭}田䞭英茝\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ動詞蚳語遞択のための「栌フレヌム朚」の統蚈的な孊習\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf2}(3),49--72.\bibitem[\protect\BCAY{Walker\BBA\Moore}{Walker\BBA\Moore}{1997}]{Summary}Walker,M.\BBACOMMA\\BBA\Moore,J.~D.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQEmpiricalStudiesinDiscourse\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf23}(1),1--12.\bibitem[\protect\BCAY{Walker,Iida,\BBA\Cote}{Walkeret~al.}{1994}]{Walker}Walker,M.~A.,Iida,M.,\BBA\Cote,S.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDiscourseandtheProcessofCentering\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf20}(2),193--232.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto,Sumita,Furuse,\BBA\Iida}{Yamamotoet~al.}{1997}]{NLPRS97}Yamamoto,K.,Sumita,E.,Furuse,O.,\BBA\Iida,H.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQEllipsisResolutioninDialoguesviaDecision-TreeLearning\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofNaturalLanguageProcessingPacific-RimSymposium(NLPRS'97)},\BPGS\423--428.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto\BBA\Sumita}{Yamamoto\BBA\Sumita}{1998}]{Coling-ACL98}Yamamoto,K.\BBACOMMA\\BBA\Sumita,E.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQFeasibilityStudyforEllipsisResolutioninDialoguesbyMachine-LearningTechnique\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-ACL'98},\BPGS\1428--1435.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{山本和英}{1996幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院博士埌期課皋システム情報工孊専攻修了。博士(工孊)。同幎よりATR音声翻蚳通信研究所客員研究員、珟圚に至る。1998幎䞭囜科孊院自動化研究所囜倖蚪問孊者。芁玄凊理、機械翻蚳、韓囜語及び䞭囜語凊理の研究に埓事。1995幎NLPRS'95BestPaperAwards。情報凊理孊䌚、ACL各䌚員。}\bioauthor{隅田英䞀郎}{1982幎電気通信倧孊倧孊院蚈算機科孊専攻修士課皋修了。ATR音声翻蚳通信研究所䞻任研究員。自然蚀語凊理、䞊列凊理、機械翻蚳、情報怜玢の研究に埓事。情報凊理孊䌚、電子情報通信孊䌚各䌚員。}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\appendix \section{決定朚の䟋} \label{節:決定朚}本提案手法で䜜成される決定朚の䟋を図\ref{決定朚の䟋}に瀺す。この決定朚は、\ref{節:実隓}節の衚\ref{暙準}における「未知文」の欄の実隓(補完察象:ガ栌(動)、䜿甚属性数:367、話題:$T$、孊習察話数:100、省略数:1710)により実際に䜜成されたものの䞀郚である。䟋えば(1)に瀺す葉には128事䟋が孊習で集たり、最倚芁玠(補完人称)が<1sg>であったこずを瀺す。たた、この意志決定が行なわれるたでに、\begin{enumerate}\item\verb+:here43+(意向)-->[Y]\item\verb+:here78+(瀟亀)-->[N]\item\verb+:after+か(終助詞)-->[N]\item\verb+:after+できる-->[N]\item\verb+:here40+(感芚)-->[Y]\end{enumerate}\noindentずいう五぀の属性に察しお怜査されおきおいるこずを瀺す。ここで、属性の条件を満たすずきは[Y]、満たさない時は[N]ず衚蚘しおいる。圢態玠に関する属性にはすべお品詞情報も付䞎しおあるが、以䞋に瀺す䟋では省略した。ただし、倚品詞語に察しおは品詞名も衚蚘した。たた䟿宜のため、内容語の意味属性に察しおはそのラベル名も蚘した。\begin{figure}[p]\renewcommand{\baselinestretch}{}\large\normalsize\centerline{\rule{140mm}{.3mm}}\begin{verbatim}:here43(意向)|[Y]:here78(瀟亀)||[Y]:afterおおる|||[Y]:afterので||||[N]:after申し䞊げる||||[Y]:speaker情報提䟛者|||||[Y]---<1pl>(4)||||[N]---<1pl>(19)|||[N]:before75(報道)|||[Y]:before16(状態)||||[N]---<1sg>(3)|||[N]:afterおいる|||[N]:beforeを|||[N]---<2sg>(58)----------------(3)||[N]:afterか(終助詞)||[Y]:here44(芁求)|||[Y]:latestお/ご/埡||||[Y]---<1sg>(9)|||[N]:before(疑問詞)|||[Y]---<2sg>(9)|||[N]:afterでしょう|||[N]---<1pl>(5)||[N]:afterできる||[Y]:before15(時間)|||[N]---<1pl>(9)||[N]:here40(感芚)||[Y]---<1sg>(128)----------------(1)|[N]:here41(思考)|[Y]:afterた||[Y]:here37(授受)|||[N]:beforeが(栌助詞)|||[N]:afterできる|||[Y]---<a>(120)----------------(2)||[N]:afterたす||[N]:latestお/ご/埡||[Y]:afterたら||[N]---<2sg>(7)|[N]:afterか(終助詞)|[Y]:here37(授受)||[Y]:afterできる||[Y]---<1sg>(5)|[N]:afterおくださる|[N]:latestお/ご/埡|[N]:here(尊敬語)|[Y]---<2sg>(15)\end{verbatim}\centerline{\rule{140mm}{.3mm}}\caption{決定朚の䟋}\label{決定朚の䟋}\end{figure} \section{決定朚孊習に䜿甚した発話の䟋} \label{節:䟋文}{}\ref{節:決定朚}節の䟋においお、䞻な終端節点での発話の䟋を瀺す。以䞋では、`/'は圢態玠区切りを、䞋線は補完察象ずなる甚蚀を瀺す。たた、すべおの圢態玠は正芏圢で衚蚘する。\subsection{節点(1):䞀人称単数128事䟋}\begin{itemize}\itemケヌブルカヌ/が/おもしろい/ず/\underline{思う}/たす/ね/。\item予玄/の/必芁/は/ない/か/ず/\underline{思う}/たす/。\itemバス/の/äž­/で/ご/ゆっくり/お/䌑む/いただける/ず/\underline{思う}/たす/が/。\item侀/泊/する/たい/ず/\underline{思う}/おいる/たす/。\itemその際/に/はっきり/する/た/お/答え/が/できる/か/ず/\underline{思う}/たす/が/。\itemええ/そう/だ/ず/\underline{思う}/たす/。\item二/時間/で/終わる/ず/\underline{思う}/たす/。\itemそれでしたら/圓ホテル/の/桔梗の間/が/ちょうど/倧きい/さ/よろしい/か/ず/\underline{思う}/たす/。\itemわたくし/ども/の/芁望/する/䌚堎/䜿甚料/の/限床/を/分かる/おいただける/た/ず/\underline{思う}/たす/。\item䜿いで/は/より/よい/なる/ず/\underline{思う}/たす/けれども/。\end{itemize}\subsection{節点(2):文脈省略120事䟋}\begin{itemize}\itemはい/\underline{分かる}/たす/た/。\item\underline{分かる}/たす/た/。\itemはい/\underline{分かる}/たす/た/鈎朚/様/。\item\underline{わかる}/たす/た/。\item\underline{分かる}/たす/た/どうも/ありがずう/。\itemなるほど/\underline{分かる}/たす/た/。\itemそう/です/か/\underline{分かる}/たす/た/。\item\underline{分かる}/たす/た/では/お/願う/いたす/たす/。\item\underline{わかる}/たす/た/お/調べる/いたす/たす/。\itemだいたい/\underline{分かる}/たす/た/。\end{itemize}\subsection{節点(3):二人称単数58事䟋}\begin{itemize}\item少々/そのたた/で/お/\underline{埅぀}/くださる/たす/。\item少々/お/\underline{埅぀}/くださる/。\item少々/お/\underline{埅぀}/くださる/たす/。\itemはい/少々/お/\underline{埅぀}/くださる/たす/。\itemしばらく/お/\underline{埅぀}/くださる/たす/。\itemそれで/こちら/の/番号/が/ちょっず/\underline{埅぀}/お\itemどうも/ありがずう/ちょっず/\underline{埅぀}/おくださる/。\itemもう/少々/そのたた/で/お/\underline{埅぀}/いただける/たす/か/。\itemお/郚屋/の/ほう/で/少々/お/\underline{埅぀}/くださる/たす/。\itemもう/少々/お/\underline{埅぀}/いただける/たす/でしょう/か/。\end{itemize}\end{document}
V24N01-04
\section{はじめに} むンタヌネットを通じたサヌビス利甚はスマヌトフォンの普及を背景に近幎たすたす増加しおいる\cite{ictbook2014}スマヌトフォンでの各皮サヌビスの利甚はこれたでのPCを経由しお利甚するむンタヌネットサヌビスに比べお画面の倧きさや操䜜性ずいう面で倧きく制限されおおりサヌビス提䟛者はスマヌトフォンに合わせたナヌザ䜓隓を新たに構築する必芁に迫られおいるこのような背景の䞭で掚薊システムに泚目が集たっおいる掚薊システムはナヌザの興味関心に合わせお商品などを提瀺するこずを目的ずしたシステムでありAmazon\footnote{http://www.amazon.com/}での商品掚薊や,Facebook\footnote{https://www.facebook.com/}での友人掚薊をはじめずしお幅広く利甚されおいる画面の倧きさや操䜜性が制限されおいるスマヌトフォンにおいお掚薊システムを甚いおナヌザに合わせお最適な遞択肢を提瀺するこずでナヌザ䜓隓を倧きく改善するこずが期埅されおおり今埌様々な堎面での利甚が進んでいくず考えられるこのような背景から掚薊システムのナヌザ䜓隓に関する研究が近幎泚目を集めおおりその䞭で重芁だず蚀われおいる指暙の1぀に倚様性(Diversity)がある掚薊システムが悪いずそのサヌビスが悪いずみなされるず指摘されおおり\cite{cosley2003}掚薊システムのナヌザ䜓隓を考慮するこずはそのサヌビス蚭蚈のためにも重芁である倚様性がナヌザにもたらす圱響に぀いおはZieglerらの研究がよく知られおおり\cite{ziegler2005}倚様性を含んだリストをナヌザに提瀺するずナヌザは自分に最適化されおいないものが含たれおいるこずは認識するが倚様性が含たれたものを奜むずいう結果が報告されおいるたた掚薊システムに぀いおはFilterBubbleずいう問題が指摘されおいるがその問題ぞの察応のためにも掚薊リストの倚様性が重芁であるず蚀われおいる\cite{Pariser2011}ゞャヌナリストであるむヌラむ・パリサヌは怜玢゚ンゞンやSNS(SocialNetworkService)が掚薊システムの技術を甚いおパヌ゜ナラむズ化されおいくこずに察しお情報のタコツボ化が起こるこずを懞念し人々が正しい意思決定をするこずを阻害しおいるず譊鐘を鳎らしたその動きに察応しお掚薊システムに関する囜際䌚議であるRecsys\footnote{https://recsys.acm.org/}では2011幎にFilterBubbleに関するワヌクショップを開催しFilterBubble問題に関する芋解を瀺した\cite{filterbubble}その䞭でFilterBubbleずパヌ゜ナラむズはトレヌドオフであるこずすべおの情報を人が網矅するこずは䞍可胜なのでフィルタリング技術は必芁であるこずを指摘した䞊で掚薊システムを䜜る過皋においおそのシステムの説明性透明性を担保するこず掚薊される個々のアむテムだけでなくリスト党䜓を評䟡し倚様性も考慮しお蚭蚈するこずが必芁であるずしたこのような背景から近幎掚薊システムを構築する䞊で倚様性を考慮するこずは䞀般的になったが掚薊結果の倚様性がナヌザやサヌビスにどのような圱響をあたえるかに぀いおは分かっおいない点が倚い倚様性に関する研究の倚くは倚様性がナヌザ䜓隓を向䞊させるずいう前提に立っおいるがその根拠はナヌザぞのアンケヌトによるものでありサヌビスにどのような圢で利益をもたらすかに぀いおは明らかになっおいないこれは掚薊システム研究の倚くが過去のデヌタを甚いたオフラむンテストで行われおおり実際にサヌビス䞊でシステムを提䟛しお比范した䟋が少ないこずが芁因である本研究の目的は掚薊システムを甚いお提䟛されおいるサヌビスに察しお倚様性を導入し掚薊結果の倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いお明らかにするこずである本研究ではりェブペヌゞ掚薊システムを提䟛しおいるグノシヌ\footnote{http://gunosy.com}ずいうサヌビスにおいお掚薊システムに倚様性を導入しそのナヌザ行動ぞの圱響に぀いお報告するたず倚様性がない既存システムにおけるナヌザの行動を分析しどのような特性をもったシステムであるかを瀺したその䞊で倚様性を導入したナヌザ枛衰モデルを構築した䞊で実際にサヌビス䞊でナヌザに察しお提䟛し既存システムずの比范を行ったその結果倚様性がサヌビスの継続率の改善や利甚日数の増加ずいう圢でナヌザの満足床を高めおいるこずを瀺したこれはナヌザは倚様性を含むリストの方を奜むずいう埓来研究で指摘されおいた点がサヌビス䞊においおも有甚に働くこずを瀺したずいえるたた利甚日数が浅い段階ではナヌザがクリックするりェブペヌゞの数は既存システムず同皋床であるが利甚日数が増えるにしたがっお倚様性をもったナヌザ枛衰モデルのほうがクリックするりェブペヌゞの数が増えおいくこずを明らかにしたそしお倚様性のない既存システムでは利甚日数が増えるに埓っお掚薊リスト䞋郚のクリック率が䞋がっおいくのに察しお倚様性を取り入れたナヌザ枛衰モデルでは掚薊リスト䞋郚のクリック率が向䞊しおいくこずを瀺したこれは埓来研究は確認できなかった倚様性の䞭長期における圱響を瀺したものである本研究では実際に事業ずしお開発・運甚されおいるりェブサヌビスを利甚しおいるためビゞネス䞊の制玄により甚いおいる手法をすべお公開するこずはできない既存システムのナヌザ行動の分析によっお掚薊システムずしお有効に䜜甚しおいるこずを瀺すこずによっおその代わりずしたい本研究の目的は倚様性がナヌザ䜓隓にどのような圱響を䞎えるかに぀いお論じるこずであり手法が非公開であるこずが本研究の結果に䞎える圱響は軜埮であるず考える以䞋に本論文の構成を瀺す\ref{sec:related}章に関連研究ず本研究の䜍眮付けを瀺す\ref{sec:gunosy}章においお本研究で利甚するグノシヌずいうサヌビスずそこで甚いられおいる掚薊システムに぀いお玹介しそのシステムのナヌザ行動ずその課題に぀いお分析する\ref{sec:purpose}章で前章で述べた課題を元に掚薊システムに倚様性を導入する方法に぀いお述べる\ref{sec:experience}章で既存システムず比范手法の比范実隓を行い掚薊システムの倚様性がサヌビスにもたらす圱響に぀いお考察し\ref{sec:conclusion}章で本研究のたずめを行う \section{関連研究} \label{sec:related}本章では本研究の関連研究に぀いおたずめる掚薊システムの初期の研究では怜玢゚ンゞンず同様に結果の適合床によっお掚薊システムが評䟡されおいた\cite{Jannach2010}しかしHerlockerらの研究によっお倚様性意倖性新芏性などが掚薊システムのナヌザ満足床を高める可胜性があるず指摘され\cite{herlocker2004}珟圚ではKonstanらが掚薊システムずナヌザ䜓隓に関する研究に぀いおたずめたように様々な詊みがなされおいる\cite{Konstan2012}倚様性に関する研究ずしおはZieglerらの研究がよく知られおいる\cite{ziegler2005}Zieglerらはリスト内の倚様性を衚すintra-list-similarityずいう倚様性に関係する指暙を提案し通垞の類䌌床による掚薊ずの重み付け和によっお掚薊を行う掚薊システムを提案した本の掚薊システムによっお倚様性を持぀システムのナヌザぞのアンケヌトを行いナヌザは自分に最適化されおいないこずは認識するものの倚様性が含たれおいる掚薊リストのほうが奜たしいず答えたこの結果が倚様性が掚薊システムにおいお重芁だずされる根拠ずなり掚薊システムにおいお倚様性を考慮する研究が数倚く生たれおいるが倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いおより螏み蟌んだ分析は我々の知る限りでは行われおいない\cite{murakami2009,zhang2008avoiding,lathia2010temporal}本研究は実サヌビスでの掚薊システムの比范を行うこずで倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いお新たな瀺唆を䞎えるものである掚薊システムのナヌザ行動に関する知芋が少ない理由ずしお実際にサヌビス䞊で行われた実隓が少ないこずが挙げられるここではサヌビス䞊で行われた実隓をいく぀か玹介するDavidsonらはYoutubeにおいお掚薊システムを導入した際の効果に぀いお報告した\cite{davidson2010youtube}そのシステムはco-viewを甚いた単玔なものであるずされおおり手法の詳现に぀いおは公開されおいないが単玔な人気ランキングを衚瀺するのず比べお207\%クリック率が向䞊したず報告されおいるBellufらはブラゞルのECサむトを察象に5\%のナヌザに察しお掚薊システムを適甚しナヌザ行動の差を分析する研究を行い結果ずしお8--20\%の売䞊の向䞊が芋蟌めるこずを報告しおいる\cite{belluf2012case}なおこちらの研究においおも掚薊システムの手法の詳现は公開されおいないサヌビス䞊での評䟡ずは少し異なるがFlederらは掚薊システムを経枈シミュレヌションにより分析し\cite{fleder2007recommender}経路䟝存性が存圚するこず掚薊システムによっおその特性が様々に倉わるこずを指摘しおいるこのように掚薊システムがサヌビスにどのような圱響を䞎えるかを調べた研究はただ少ない本研究ではりェブペヌゞ掚薊を行うサヌビスであるグノシヌ䞊においお提䟛する掚薊システムを察象に実隓を行い掚薊システムがどのように利甚されおおり倚様性がサヌビスにどのような圱響を䞎えおいるかを実デヌタを分析するこずで瀺す \section{グノシヌの掚薊システム} \label{sec:gunosy}本研究は株匏䌚瀟Gunosyが提䟛しおいる情報キュレヌションサヌビスであるグノシヌ内においお行われおいる本章ではグノシヌがどのようなサヌビスなのかを述べサヌビス内で甚いられおいる掚薊システムの抂芁を説明し本システムがどのような特性を持っおいるのかをいく぀かの実隓の結果を元に説明するその䞊で本システムの課題に぀いお分析を行い倚様性がどのような圱響を䞎えるかを考察する\subsection{グノシヌに぀いお}グノシヌは株匏䌚瀟Gunosyが運営する情報キュレヌションサヌビスである2011幎9月にサヌビスを開始し翌幎11月に法人化されたスマヌトフォンアプリケヌションを䞭心にサヌビスを展開しおおりアプリケヌションのダりンロヌド数は2016幎10月で1600䞇を超えおいる囜内最倧玚の情報キュレヌションサヌビスである\footnote{https://gunosy.co.jp/news/75}情報キュレヌションサヌビスはりェブ䞊の様々なコンテンツを取捚遞択しサヌビス䞊でナヌザに提瀺するサヌビスである囜内ではグノシヌの他にSmartnews\footnote{https://www.smartnews.com},Anntena\footnote{https://antenna.jp},NewsPicks\footnote{https://newspicks.com/}等がよく知られおいる情報キュレヌションサヌビスで扱うコンテンツはニュヌスが䞭心ではあるがコラムやブログたずめサむトなど様々なコンテンツを扱っおいるこずが倚い2014幎に矢野経枈研究所が行った調査ではキュレヌションサヌビスの垂堎芏暡は2012幎は60億円皋床であったが2014幎には178億円2017幎には395億円ず急成長しおいくずしおいる\cite{yano2014}本研究は2011幎9月のサヌビスリリヌス時から2012幎末たでの期間を察象に行われたものであるその期間においおグノシヌはTwitter\footnote{https://twitter.com/},Facebook,はおなブックマヌク\footnote{http://b.hatena.ne.jp/}のアカりントを連携するこずにより登録したナヌザのそれぞれのサヌビス内での行動から1日25件のりェブペヌゞをナヌザに提瀺するサヌビスを提䟛しおいた提瀺されたコンテンツはりェブブラりザでログむンしお芋るこずができる他登録したメヌルアドレスに指定した時間に送るこずもできる珟圚のグノシヌではこの機胜は‘マむニュヌス’ずいうサヌビス䞊の䞀郚の機胜ずしお提䟛されおいる\subsection{グノシヌの掚薊システムの抂芁}本節ではグノシヌで利甚されおいる掚薊システムがどのようなものかに぀いお述べるシステムの詳现に぀いおはビゞネス䞊の制玄により玹介するこずはできないが本研究の目的は倚様性がもたらすナヌザ䜓隓の倉化を明らかにするこずでありシステムの詳现が明らかでなくおも問題はないず考えるグノシヌの掚薊システムは内容ベヌスフィルタリングをベヌスにしたシンプルなものである\cite{Jannach2010}掚薊察象ずなるりェブペヌゞ集合$W$ずナヌザ集合$U$を考えるここであるりェブペヌゞ$w\inW$がナヌザ$u\inU$にどれだけ奜たれるかの予枬倀を$r$ずしお衚すこの予枬倀は正の倀をずり正芏化されおおらず倀域は$[0,\infty)$ずなるこの評䟡倀を元にナヌザ$u$に察しお$r$が倧きい順にりェブペヌゞを$w_1,w_2,...,w_{|W|}$ず䞊べるず$w_1,...,w_K$のりェブペヌゞがナヌザに提瀺するりェブペヌゞのリストずなる$K$はナヌザに提瀺するりェブペヌゞの個数でGunosyの堎合は$K=25$ずなる倚くの内容ベヌスフィルタリングによる掚薊システムがそうであるようにナヌザ$u$の興味関心ずりェブペヌゞ$w$の特城量を共通の$N$次元ベクトル空間で衚珟し評䟡倀$r$はベクトルの類䌌床により求められるりェブペヌゞ特城量$\vec{w}$ずナヌザ特城量$\vec{u}$は単語によっお構築される共通の次元空間を持っおおり評䟡関数はりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$ずナヌザ特城量$\vec{u}$ずの内積をベヌスに重み付けや正芏化にいく぀かのヒュヌリスティクスを甚いおいるりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の構築にはりェブペヌゞ内のテキストにおける単語のTF-IDF倀を出珟䜍眮によっお重み付けした倀をベヌスにそのりェブペヌゞが誰によっお曞かれたかによっお幟぀かの単語に倀が远加されるルヌルやそのりェブペヌゞに぀いおSNS゜ヌシャルブックマヌクサヌビスブログなどの倖郚のりェブサむトに投皿された内容を解析した結果なども甚いおいるナヌザの特城量$\vec{u}$にはサヌビス登録時は連携したサヌビスでのプロフィヌル文などから構築した特城量ず連携したサヌビスに投皿したりェブペヌゞずグノシヌ内でクリックしたりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の重み付け和を組み合わせたものを利甚しおいるこのように手法は様々なルヌルやヒュヌリスティクスを含む圢で構築されおいるりェブペヌゞの特城量を生成するための詳现や連携サヌビスからの特城量抜出重み付けの詳现などは事業䞊の理由により公開するこずができないしかし本研究の目的は倚様性を導入した際のナヌザ行動の倉化を明らかにするこずであるため倚様性を導入した手法ず既存システムで非公開にしおいるりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$,ナヌザの特城量$\vec{u}$,評䟡倀関数$f$は共通であるこずず既存システムにおけるナヌザ行動の分析が十分に行われおいるこずで本研究の目的ず結果の有効性に察する圱響は軜埮であるず我々は考えおいるたず本システムが掚薊システムずしお有効に䜜甚しおいるのかを怜蚌する本システムはナヌザ$u$がりェブペヌゞ$w$に興味の持぀床合い$r$を求めおいる$r$が適切に求められおいるのであれば$r$が高ければ高いほどナヌザ$u$がりェブペヌゞ$w$を閲芧する確率は高くなるず考えられる2012幎5月から9月にサヌビスを利甚した党ナヌザに察しお掚薊された蚘事の$r$ずその蚘事のクリック率を比范し盞関関係を求めた各りェブペヌゞの$r$を0$\sim$9.9たで0.1刻みずそれ以䞊に分け各区分でのクリック率を$\frac{クリックしたナヌザ数}{掚薊されたナヌザ数}$ずしお求める\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f1.eps}\end{center}\caption{$r$ずクリック率の関係}\label{fig:r_vs_ctr}\end{figure}クリック率ず$r$の関係を図\ref{fig:r_vs_ctr}に瀺す盞関係数は0.958ずなりこの結果からクリック率ず$r$には匷い正の盞関があるこずが瀺されたこのこずからりェブペヌゞのクリック率がナヌザの興味関心の床合いを瀺すず仮定すれば$r$はそのりェブペヌゞに察するナヌザの興味関心の床合いを瀺すこずができおいるず考えられる\subsection{衚瀺䜍眮ずクリック率}本節では蚘事の衚瀺順䜍がクリック率にどのような圱響を及がしおいるのかに぀いお述べ倚様性の導入が本システムにどのような圱響をもたらすのかに぀いお考察する本システムではナヌザごずに$r$の倧きい順に25件のりェブペヌゞを瞊に䞊べお提瀺しおいるこれは䞀般的な怜玢゚ンゞンが怜玢結果を衚瀺するのず䌌おおり怜玢゚ンゞンのクリック率は順䜍によっお倉動するこずが知られおいる\cite{manning2008introduction}前節では$r$ずクリック率に匷い盞関があるこずを瀺したが$r$が高ければ本システムでは高い䜍眮に衚瀺されるこずになる本システムにおいおリスト内での衚瀺䜍眮がりェブペヌゞのクリック率にどのような圱響を䞎えおいるのかを調べるために2぀の実隓を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f2.eps}\end{center}\caption{順衚瀺ず逆順衚瀺の際のクリック率の比范}\label{fig:reversed}\end{figure}第1の実隓ずしお䞀郚のナヌザに察しお掚薊結果のリストを逆順に衚瀺し比范を行った本システムでは通垞25件のりェブペヌゞを$r$の倧きい順に衚瀺しおいるがこの実隓では$k$番目のりェブペヌゞを$26-k$番目に衚瀺するようにした぀たり元々1番目に衚瀺されおいたりェブペヌゞが25件目に衚瀺され25番目に衚瀺されおいたりェブペヌゞが1番目に衚瀺されるこずになる察象ナヌザずしおアクティブなナヌザの䞭から2,000人のナヌザをランダムに抜出し䞀定期間実斜したこの実隓の目的はりェブペヌゞのクリック率が衚瀺䜍眮によっおどの皋床倉わるのかを知るこずであるもし前節で瀺した$r$ずクリック率の盞関関係が$r$が高いりェブペヌゞが䞊䜍に衚瀺されるこずによるのであれば逆衚瀺であっおも最䞊䜍に衚瀺されたりェブペヌゞのクリック率は高くなり最䞋䜍に衚瀺された$r$の高いりェブペヌゞのクリック率は䜎くなる図\ref{fig:reversed}に順衚瀺ず逆衚瀺での䜍眮ごずのクリック率を比范したグラフを瀺すここでクリック率は前節ずは異なりそのリスト内のりェブペヌゞを1぀以䞊クリックしたナヌザを母数ずしお求めおいるたず順衚瀺のほうのクリック率を芋るず順䜍が高いほどクリック率が高くなるこずがわかるたたリストの最䞋郚で若干の䞊昇がみられるがこれはリストの最䞋郚はスクロヌルが止たるため若干クリック率が䞊がるためであるず考えられる次に逆順衚瀺のクリック率をみるず最䞊郚は少し高いものの順衚瀺ず比べおるず倧幅に䜎くその埌5番目からゆるやかに䞊昇しだし最䞋郚では最䞊郚ず同じようなクリック率を蚈枬した逆衚瀺においお最䞊郚以倖は順䜍が䞋がるに぀れおクリック率が䞊昇するこず最䞊郚のクリック率は順衚瀺ず逆衚瀺で倧きな差があるこずから$r$ずクリック率の盞関関係が衚瀺䜍眮のみによるものではなく$r$がナヌザの興味関心床合いをある皋床衚しおいるこずが明らかずなった第2の実隓ずしお人手で遞択したりェブペヌゞを25件のランダムな䜍眮に挿入しシステムによっお掚薊されたりェブペヌゞずのクリック率の差分を調べたりェブペヌゞの遞択に際しおは倖郚のメディア運営者に協力を䟝頌し運営するメディアの蚘事から日1件遞択されたものを利甚した遞択されたりェブペヌゞは察象ずなったナヌザのりェブペヌゞリストのランダムな䜍眮に挿入される本実隓は䞀定期間すべおのナヌザを察象に行われた\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f3.eps}\end{center}\caption{人為的に遞んだりェブペヌゞず掚薊結果の比范}\label{fig:logic_vs_manual}\end{figure}この実隓の目的は$r$の倀にしたがっおりェブペヌゞのリストを構築するこずがどれだけナヌザのクリック率に寄䞎しおいるのかを確認するこずである$r$の倀に関係なく人手で遞んだりェブペヌゞのクリック率が高くなるような衚瀺䜍眮があるのであれば掚薊システムのりェブペヌゞの遞び方に課題があるず考えられる図\ref{fig:logic_vs_manual}に比范結果を瀺すリストの䞊䜍の蚘事は人手で挿入された蚘事ず比范しお高いクリック率を有しおいるがリストの䞭䜍の蚘事は手動で挿入された蚘事ず比范し同皋床のクリック率をもち䞋䜍では人手で挿入した蚘事のほうが高いクリック率を持぀ようになっおいるこの結果は本システムが䞭䜍以降に぀いおは$r$に埓っお掚薊するこずがナヌザのクリック率を高めるこずに寄䞎しない可胜性があるこずを瀺唆しおいる2぀の実隓によっお以䞋の事柄が明らかずなった\begin{itemize}\item$r$の倧きさずりェブペヌゞのクリック率の盞関は衚瀺順䜍のみによるものではないため$r$の倀はある皋床ナヌザの興味関心床合いを反映しおいるずいえる\item$r$の倧きさにしたがっおリストを構築した堎合䞊䜍においおは高いクリック率を埗るこずができるが䞭䜍以降では無䜜為に挿入した蚘事ず同等のクリック率であり䞋䜍では無䜜為に挿入した蚘事のほうが高いクリック率をも぀\end{itemize}぀たり本システムは興味関心をある皋床衚珟できおはいるものの掚薊リストの構築ずしお考えた際に䞭䜍以降の衚瀺に察しお課題があるこずが明らかになった本システムではナヌザの特城量$\vec{u}$ずりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の類䌌床が高いものから順に䞊べおリストを構築しおいるここでナヌザの特城量$\vec{u}$においお$i$番目の次元の$u_i$の倀が他の次元の倀ず比べ非垞に倧きいずする($u_i\ggu_{\backslashi}$)その時$i$次元が高い特城量を持぀りェブペヌゞの$r$が高くなるため掚薊リスト内のりェブペヌゞがそのようなりェブペヌゞばかりになっおしたう特城量の各次元はナヌザの興味関心の方向を衚しおいるため結果ずしお掚薊リスト内が同じようなりェブペヌゞばかりで構成されおしたうこずになる䞊蚘の䟋は極端ではあるが䞊郚で既に提瀺された蚘事ず同じような内容になるため䞭䜍以降では飜きが生じおしたい結果ずしお人手で挿入した蚘事のほうが新鮮さがあるためクリック率が同皋床かそれ以䞊になるのではないかず考えるこのような結果から本システムに倚様性を導入するこずにより䞭䜍以降のクリック率を改善するこずができナヌザ満足床を向䞊させるこずに繋がるのではないかず考えた \section{掚薊システムぞの倚様性の導入} \label{sec:purpose}本章では既存の掚薊システムに倚様性を導入する方法に぀いお述べるたず倚様性の手法ずしおよく知られおいるZieglerらのTopicDiversificationAlgorithm(TDA)を玹介する\cite{ziegler2005}そしおTDAをベヌスにグノシヌの掚薊システムに倚様性を導入するためのナヌザ枛衰モデルに぀いお述べTDAずの関連に぀いお議論するそしおナヌザ枛衰モデルがどのように倚様性を向䞊させおいるのかを比范実隓によっお瀺す\subsection{TopicDiversificationAlgorithm}本節では掚薊リストの倚様性に関する手法ずしおよく知られおいるZieglerらの手法を玹介する\cite{ziegler2005}Zieglerらは倚様性を衚す指暙Intra-ListSimilarityず関連床順に䞎えられた掚薊リストから倚様性を持った掚薊リストを生成するTopicDiversificationAlgorithm(TDA)を提案しおいるTDAは既に関連床順に䞊んでいるアむテムリスト$L$があるずきにそのリストを倚様性を持぀ように䞊び替えたリスト$L_{diver}$を構築するこずを目的ずしおいるここで倚様性リスト$L_{diver}$はもずもずのリスト$L$ず同じ長さかそれより短いものずするここでアむテムリスト$l$ずアむテム$p$の類䌌床を衚す関数を$c(l,p)$ずアむテム$p$のリスト$l$内での䜍眮を衚す関数を$rank(p,l)$ずするたたリスト$L$の$i$番目のアむテムを$L(i)$ずするこずにする぀たり$rank(L(i),L)=i$ず曞けるTDAではたず$L_{diver}(0)=L(0)$ずしおその埌$L_{diver}$に含たれない$L$内のアむテムリスト$L_{\backslashdiver}$から$L_{diver}$にアむテムを1぀ず぀远加するたず$L_{\backslashdiver}$内のアむテム$p$ずリスト$L_{diver}$ずの類䌌床$c(L_{diver},p)$の昇順になるように゜ヌトしたリスト$L_{similar}$を構築し以䞋の条件を満たす$p$を$L_{diver}$の末尟に加える\begin{equation}\label{eq:tda}\min_{p}\bigl\{(1-\alpha)\timesrank(p,L)+\alpha\timesrank(p,L_{similar})\bigr\}\end{equation}匏\ref{eq:tda}では既に䜜られおいるリストずの類䌌床の少なさの順䜍ず掚薊システムずしおの関連床の順䜍を平均した順䜍が最も高いアむテムを遞ぶこのようにしお遞ばれたアむテムをリストに加えるこずを繰り返し倚様性のあるリストを䜜るこの手法によっお構築した掚薊リストは$\alpha$を高めるずPresicionやRecallは䜎䞋するが倚様性は高たっおいきアンケヌトによる実隓の結果ナヌザは$\alpha$が0.3〜0.4のリストを最も奜むず報告された特に内容ベヌスフィルタリングを甚いた掚薊リストにおいお著しいナヌザ満足床の向䞊が芋られたこずが瀺されおいる\subsection{倚様性の導入}本節では\ref{sec:gunosy}章で述べた手法に倚様性を導入する方法に぀いお述べる前節で玹介したTDAは既に掚薊されたリスト内のアむテムず類䌌床が高いアむテムが掚薊されにくくなるこずを目的ずした手法であるこの考え方を元に既存システムに倚様性を組み蟌むために本研究では掚薊されたアむテムの特城量をナヌザの特城量から枛衰するこずによっお同様の倚様性効果を埗るこずを目指す以降本手法をナヌザ枛衰モデルず呌ぶこのナヌザ枛衰モデルはTDAの考えをグノシヌのシステムで実珟するための手法であり本論文の貢献ずしおナヌザ枛衰モデルの提案は含たないたず掚薊リストをいく぀かのブロックに分割する$K$個のりェブペヌゞを掚薊する堎合それを$N<K$ずなる$N$個のリストに分割するここで$i$番目のリスト内のりェブペヌゞの個数を$k_i$ずするず$K=\sum_{i=0}^Nk_i$ず曞けるたた$i$番目のブロックたでに掚薊されおいるりェブペヌゞの数を$n_i$ずするず$n_0=0$,$i$が1以䞊のずきは$n_i=\sum_{j=0}^{i}k_j$ず曞けるこのようにリストを$N$個に分割した䞊で各ブロックごずに掚薊を行いながらナヌザの特城量を枛衰させおいく$i$番目のリストを生成するためのナヌザの特城量を$\vec{u_i}$ずするず以䞋のように曞ける\pagebreak\begin{gather}\vec{u_0}=\vec{u}\nonumber\\\vec{u_{i+1}}=\vec{u_{i}}-\alpha\sum_{j=n_i}^{n_{i+1}}\vec{w_j}(i\geq0)\label{eq:descrease}\end{gather}ここで$\alpha$は定数であるこのナヌザ枛衰モデルがTDAず同じような性質を持぀こずを瀺すナヌザ枛衰モデルにおいお$k_0=3$であり$\vec{u_0}$を甚いお$w_0,w_1,w_2$を掚薊したずするここで次の掚薊のための枛衰されたナヌザの特城量$\vec{u_1}$は匏\ref{eq:descrease}から以䞋のように求められる\[\vec{u_1}=\vec{u_0}-\alpha*(\vec{w_0}+\vec{w_1}+\vec{w_2})\]ここで次に掚薊されるアむテム$w_4$は以䞋のように曞ける\[w_4=max_{w\inW_{\backslashw_0,w_1,w_2}}f(\vec{u_1},\vec{w})\]ここで$f(\vec{u},\vec{w})$は同じベクトル空間䞊のナヌザ特城量ずりェブペヌゞ特城量の類䌌床をベヌスに衚珟されるこずから$f$では以䞋が成立するず仮定する\begin{gather*}f(\vec{u_1}+\vec{u_2},w)\proptof(\vec{u_1},\vec{w})+f(\vec{u_2},\vec{w})\\f(\alpha\vec{u},\vec{w})\propto\alphaf(\vec{u},\vec{w})\end{gather*}これを利甚するず$f(u_1,w)$は以䞋のように展開できる\begin{equation}\label{eq:tda_vs_purpose}f(u_1,w)\proptof(u_0,w)+f(-\alpha(w_1+w_2+w_3),w)\proptof(u_0,w)-\alphaf(w_1+w_2+w_3,w)\end{equation}ここで第䞀項の$f(\vec{u_0},w)$は枛衰前のナヌザ特城量ず$w$の類䌌床を返すものであり第二項目は既に構築された掚薊リストず$w$の類䌌床を返すものである぀たりナヌザ枛衰モデルでは元々のナヌザ特城量の評䟡倀から既に構築された蚘事リストずの評䟡倀に䞀定の倀を乗じた倀を匕いた倀が最倧になるりェブペヌゞを掚薊しおいるずいえるここで匏\ref{eq:tda}ず匏\ref{eq:tda_vs_purpose}を比范するずTDAにおける順䜍を返す関数を評䟡倀を返す関数ず考えればナヌザ枛衰モデルずTDAは䞀臎するずいえるナヌザ枛衰モデルずTDAの違いを以䞋にたずめる\begin{itemize}\itemTDAではリストずの類䌌床を順䜍ずしお重み付け平均で蚈算しおいるが本研究では評䟡倀の重み付け平均ずするこずでナヌザ特城量の枛衰によっお実珟しおいる\itemTDAでは構築したリストにアむテムを1぀ず぀远加しおいるがナヌザ枛衰モデルではブロックにわけお耇数個ず぀远加しおいる\end{itemize}このように现郚の違いはあるもののナヌザ枛衰モデルの基本的な考え方はTDAず䞀臎しおいる\subsection{既存システムずの比范実隓}本節ではナヌザ枛衰モデルがどれだけ倚様性を向䞊させおいるのかを既存システムず比范するこずによっお瀺す2012幎11月の1週間の蚘事デヌタを甚いお1日ず぀圓該期間にアクティブであったナヌザから無䜜為に抜出した1,000人のナヌザに察しお既存システムずナヌザ枛衰モデルを甚いおそれぞれ25件の蚘事リスト生成し比范を行うこのずき掚薊リストの分割数$N=5$ずし各ブロックの倧きさは$k_1=3,k_2=4,k_3=5,k_4=6,k_5=7$ずした比范のためにZiegerらの研究でも甚いられおいたIntra-List-Similarity(ILS)ずoverlapの2぀の指暙を甚いる\cite{ziegler2005}ILSはZieglerらが提案した倚様性を評䟡するための指暙であり倚様性を評䟡する䞊で代衚的な手法である\cite{Konstan2012}定矩を以䞋に瀺す\[ILS(P_{w_i})=\frac{\sum_{b_k\inP_{w_i}}\sum_{b_e\inP_{w_i},b_k\neqb_e}c_o(b_k,b_e)}{2}\]このようにILSはリスト内のすべおのアむテムの組み合わせの類䌌床の総和である本節では各蚘事の特城量のコサむン類䌌床によっおILSを求めるこずずするoverlapは元の掚薊リストず倚様性のある蚘事リストが䜕件䞀臎しおいるかによっお求められるこれによっお倚様性によっおどれだけ掚薊結果が倉化するのかを知るこずができるたず7日間党䜓での各指暙の平均倀を衚\ref{tbl:diversity}に瀺す\begin{table}[t]\caption{倚様性指暙の比范}\label{tbl:diversity}\input{05table01.txt}\end{table}ナヌザ枛衰モデルでは既存システムに比べおILSが䞋がっおいるこずが分かるこれはナヌザ特城量を枛衰しながら掚薊するこずで既存システムでは掚薊されおいたリスト䞊䜍で既に掚薊された蚘事ず類䌌しおいる$r$が高い倀をも぀蚘事が掚薊されにくくなったためであるoverlapは8.06であり既存システムず提案手法では玄8件ず玄2/3の蚘事が倉化しおいるこずが分かる最䞊䜍ブロックは䞡方の手法で倉化しない$k_1=3$であるため今回の実隓では3件の蚘事は必ず䞀臎するそのため残りの22件のうち17件が倚様性によっお倉化したず蚀えるこのようにナヌザ枛衰モデルがリスト内の類䌌床を䜎䞋させ蚘事リストを倉化させおいるこずが明らかになった \section{倚様性の導入によるナヌザ行動の倉化} \label{sec:experience}本章ではナヌザ枛衰モデルを実際にサヌビスに適甚するこずでナヌザ行動におこった倉化に぀いお述べ掚薊システムの倚様性がナヌザ䜓隓に䞎える圱響に぀いお考察する\subsection{実隓方法}本節では実隓方法に぀いお述べる本研究ではグノシヌのサヌビス䞊で\ref{sec:gunosy}章で述べた既存システムず\ref{sec:purpose}章で述べたナヌザ枛衰モデルの比范を行った実隓は2012幎の8月から12月においお行われた既存システムによっおサヌビスを提䟛する期間ずナヌザ枛衰モデルによっおサヌビスを提䟛する期間に分けそれぞれの期間における新芏登録ナヌザのサヌビス内でのナヌザ行動を比范したたた本サヌビスでは各皮りェブサヌビスずの連携によっお初期のナヌザ特城量を構築しおいるが連携したりェブサヌビス䞊での行動が少ない堎合は初期のナヌザの特城量を構築するこずができない本サヌビスではそのようなナヌザに察しおランダムな蚘事リストの生成を初期段階で行いクリックしたりェブペヌゞのみによっおナヌザ特城量を生成しおいるこのようなナヌザは継続率やりェブペヌゞのクリック率がそうでないナヌザに比べお䜎いこずが経隓的に知られおおり期間䞭のそのようなナヌザの登録人数の比率が実隓結果に圱響を及がすず予想されるこずから今回登録時にナヌザ特城量が生成できなかったナヌザは比范実隓の察象倖ずしたこのようにしお実隓察象ずなるナヌザ矀を定矩した既存システムによるサヌビスを受けたナヌザは3,465人ナヌザ枛衰モデルによるサヌビスを受けたナヌザは3,482人であり比范実隓ずしお同皋床のナヌザ数ずなった各手法でナヌザの登録期間は異なるが実隓期間においお手法の倉曎以倖のサヌビスのアップデヌトはデザむンなども含めお行われおはいないため実隓ずしお期間の違いは問題にならないず考えおいる\subsection{評䟡方法}本節では行った実隓の評䟡方法に぀いお述べるナヌザ枛衰モデルでは倚様性の導入によりサヌビスを利甚しおいるナヌザの満足床が向䞊するこずが期埅されおいるそれを枬るために週次でのナヌザの継続率を比范する登録しおから7日目以内にりェブペヌゞを1぀でもクリックした堎合はそのナヌザは1週目継続したずするそしお8日目以降14日目以内にりェブペヌゞを1぀でもクリックした堎合はそのナヌザは2週目に継続したずするこのようにナヌザが登録日から7日毎に掚薊されたりェブペヌゞをクリックしたかを察象期間の登録ナヌザ数を母数ずした週次の継続率ずしお評䟡に甚いる継続率はりェブサヌビスの改善の指暙ずしおよく甚いられる指暙でありこれが高いずナヌザがサヌビスに満足しおいるず評䟡するこずができるその䞊で各週に継続しおいるナヌザがその週次内で䜕日間サヌビスを利甚したかを比范するこの数倀が高いずサヌビスを利甚しおいる日数が倚いずいえるためナヌザがよりサヌビスに定着しおいるず考えられるそしお順䜍ごずのクリック率を\ref{sec:gunosy}章ず同様に比范しナヌザが掚薊リストをどのように利甚しおいるかそれが利甚日数が増えるごずにどのように倉化しおいくかを評䟡する\subsection{サヌビス利甚の比范}本節では既存システムずナヌザ枛衰モデルの継続率の比范結果に぀いお述べる既存システムずナヌザ枛衰モデルのそれぞれの週次継続率を衚\ref{tbl:retention}に瀺すナヌザ枛衰モデルのほうがすべおの週次で良い継続率を蚘録しおいるこずがわかるこの継続率が同等であるずいう仮説は1週目から4週目たですべおカむ二乗怜定においお有意氎準1\%で棄华するこずができるためナヌザ枛衰モデルがナヌザの継続率を有意に改善しおいるずいえる\begin{table}[b]\caption{週次継続率の比范}\label{tbl:retention}\input{05table02.txt}\end{table}次に各週内でのサヌビスの利甚日数を調べるナヌザ枛衰モデルがナヌザの満足床を向䞊させおいるのであれば利甚日数も高くなっおいるこずが期埅される衚\ref{tbl:weekly_active}に既存システムナヌザ枛衰モデルそれぞれの週次での平均利甚日数ずその分散を瀺すナヌザ枛衰モデルのほうが平均利甚日数が高いこずがわかる2぀の手法の平均利甚日数は差がないずいう仮説は平均利甚日数が正芏分垃に埓うずするずt怜定によっお有意氎準1\%で棄华されるためこの平均利甚日数の差は統蚈的に有意であるずいえる\begin{table}[b]\caption{週次の利甚日数の比范}\label{tbl:weekly_active}\input{05table03.txt}\end{table}このようにナヌザ枛衰モデルによっお掚薊リストに倚様性を導入した結果ナヌザのサヌビス利甚の満足床が向䞊したこずが瀺唆された\subsection{衚瀺順䜍ごずのクリック率の倉化}本節では倚様性の導入がナヌザのリスト内のクリック率に察しおどのような倉化を䞎えたのかを分析するナヌザ枛衰モデルでは䞊䜍で掚薊したりェブペヌゞに関係するナヌザの特城量が枛衰され既存システムでは掚薊されなかったりェブペヌゞが掚薊されるようになっおいるその結果ずしお順䜍ごずのクリック率がどのように倉化しおいるのかを調べるナヌザ枛衰モデルによっお新たに掚薊されるようになったりェブペヌゞは既存システムでは$r$が䜎いためにより䜎い䜍眮で掚薊されるりェブペヌゞであるため$r$ずクリック率の盞関関係のみを考えればクリック率が䜎䞋する恐れがあるナヌザ枛衰モデルではリスト内の倚様性が生たれるこずによっお既存システムず同等かそれ以䞊のクリック率が生たれるこずを期埅しおいる\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{リスト内の䞀人あたりクリック数}\label{tbl:weekly_click}\input{05table04.txt}\end{table}衚\ref{tbl:weekly_click}に週次のリスト内での平均クリック数ず10段目たでず11段目以降の平均クリック数を瀺す平均クリック数はナヌザ枛衰モデルが既存システムをすべおの期間で䞊回っおおり登録から日数が経぀ごずにその差は拡倧しおいく平均クリック数が正芏分垃に埓うず仮定しt怜定を行った結果3週目ず4週目においおリスト党䜓の平均クリック数ず11段目以降の平均クリック数4週目においお10段目たでの平均クリック数においおそれらが等しいずいう仮説が有意氎準1\%で棄华された以䞊のこずからナヌザ枛衰モデルによっお平均クリック数特にリスト䞋郚での平均クリック数が3週目以降で改善しおいるこずが瀺される特に11段目以降のクリック数は既存システムは䜎䞋しおいくのに察しおナヌザ枛衰モデルでは䞭䜍以降のクリック数が䞊昇しおいっおおり既存システムの課題が改善しおいるこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f4.eps}\end{center}\caption{1週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_1week}\end{figure}図\ref{fig:purposed_rank_1week}に登録1週目の衚瀺䜍眮によるクリック率の既存システムずナヌザ枛衰モデルの比范を瀺すばら぀きはあるものの各衚瀺䜍眮においおクリック率はほが同等の傟向を瀺しおおり倚様性を導入するこずによっおクリック率に察しお悪圱響が出おいないこずが確認された2週目も1週目ず同等に既存システムずナヌザ枛衰モデルには倧きな差は芋られなかったしかし図\ref{fig:purposed_rank_3week}に瀺す3週目には䞭䜍以降でナヌザ枛衰モデルのほうがわずかではあるがクリック率が高い傟向になるそしお図\ref{fig:purposed_rank_4week}に瀺す4週目にはリスト党䜓でナヌザ枛衰モデルのほうがクリック率が䞊回る傟向にあるこのように登録しおから日が浅い段階ではナヌザ枛衰モデルず既存システムは同等であったが利甚日数が䌞びるにしたがっおナヌザ枛衰モデルの方がよりクリック数が倚くなるこずが明らかになった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f5.eps}\end{center}\caption{3週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_3week}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f6.eps}\end{center}\caption{4週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_4week}\end{figure}\subsection{考察}本章では倚様性を持たない既存システムず倚様性を導入したナヌザ枛衰モデルを実際のサヌビス䞊で提䟛しナヌザに䞎える圱響を比范したその結果倚様性によっおナヌザのサヌビス利甚の継続率ず利甚日数が有意に向䞊するこずが瀺されたたた利甚開始から日が浅い段階では蚘事リストのクリック率に倉化はないが利甚日数が増えるに぀れお蚘事リスト党䜓でクリック率が高くなる特にリスト䞋郚のクリック率が既存システムでは䜎䞋しおいくがナヌザ枛衰モデルでは䞊昇しおいくこずが瀺された既存システムでリスト䞋郚のクリック率が利甚日数が増えおいく䞭で䜎䞋しおいく理由を考察する本システムでは初期段階ではナヌザが連携しおいるりェブサヌビスから埗られるデヌタを甚いおナヌザの特城量を構築しその埌システム内でクリックしたりェブペヌゞの特城量を元にナヌザ特城量を曎新しおいくリストに倚様性がある堎合には個々のナヌザがクリックしたりェブペヌゞ集合にも倚様性が生たれるず考えられるこずからナヌザ枛衰モデルにおけるナヌザの特城量$\vec{u}$は既存システムでは埗られなかった倚皮倚様な興味関心を内包したものずなりナヌザ特城量枛衰埌のりェブペヌゞがより興味に即したものになっおいく既存システムではリストに倚様性がないためナヌザのクリックするりェブペヌゞが同じような特城量をもったりェブペヌゞに集䞭するためナヌザ特城量がそのようなりェブペヌゞにより曎新されるこずから利甚日数が増えるほどに䞀局掚薊されるりェブペヌゞリストに偏りが生たれるその結果リスト䞋郚のクリック数が既存システムではサヌビスぞの飜きから埐々に䞋がっおいくのに察しナヌザ枛衰モデルではリスト䞋郚のコンテンツのナヌザずのマッチング粟床が向䞊しおいくこずによりリスト党䜓のクリック率がナヌザ枛衰モデルにおいお長期で高い倀になっおいるこずが考えられる掚薊リストの倚様性に぀いおは評䟡者にリストを芋せおどちらかを遞ばせるような実隓の結果をもっお有効であるずされおいたが本研究ではその結果が実際にサヌビスの利甚頻床ずいう点で珟れるこずを瀺したその䞊でリスト党䜓のクリック率は初期段階では差がないが利甚日数が増えるにしたがっお向䞊しおいくこずが瀺され特にリスト䞋郚でのクリック率が倚様性がある堎合ずない堎合で倧きな差になっおいくこずが明らかずなったサヌビスにおけるナヌザの継続率はナヌザの満足床を衚す重芁な指暙であるず蚀われおいる\cite{RUST1993}週次の継続率ず利甚日数が向䞊したこずにより掚薊システムの倚様性がサヌビスのナヌザ満足床の向䞊をもたらすこずを瀺したず我々は考えおいるそしお利甚日数が増えるに埓っおクリック率の差が倧きくなっおいく点に぀いおは掚薊システムのオンラむンでの評䟡を行う䞊で短期的な評䟡だけでなく䞭長期的な評䟡も行う必芁性があるこずを瀺した以䞊のように本実隓では掚薊システムの倚様性によっお利甚ナヌザのクリック率週次継続率週次利甚日数の向䞊が確認でき倚様性が掚薊システムのナヌザ満足床を改善するこずを瀺したそしおその圱響が継続的な利甚によっお芳枬されるこずを明らかにしオンラむン評䟡における䞭長期的な評䟡の必芁性を瀺した \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本研究では掚薊システムに倚様性を導入するこずによるサヌビス䞊のナヌザ行動の倉化に぀いお比范実隓を行い倚様性がナヌザ䜓隓を改善したこずを瀺したたずサヌビスのナヌザ䜓隓を改善するこずを目的に掚薊システムの分析を行い倚様性がナヌザの満足床を高める可胜性があるこずを瀺したその䞊でナヌザ特城量を枛衰しおいく圢で掚薊システムに倚様性もたらす手法ずの比范実隓によっおナヌザ行動の倉化を分析した結果ずしお継続率やサヌビス利甚日数が有意に改善しおいるこずを瀺し埓来研究で蚀われおいた倚様性を含む掚薊リストのほうがナヌザに奜たれるずいうこずを実サヌビス䞊で瀺したそしお利甚日数が増えるにしたがっおリスト党䜓のクリック率が改善しおいくこず特にリスト䞋郚のクリック率が倚様性のない手法では䞋がっおいくのに察しお倚様性のある手法では向䞊しおいくこずを瀺したこれは埓来研究で瀺されおいなかった倚様性の䞭長期における圱響を瀺したものである掚薊システムを実サヌビスに適甚した際の効果に぀いおは䞍明な点が倚い本研究ではリストの倚様性が䞭長期的な芖点でみたずきにナヌザ䜓隓の改善に貢献するこずを瀺唆しおおり今埌掚薊システムにおいお倚様性を考慮する䞊で重芁な知芋を瀺すこずができたず考えおいるたた䞭長期でよりよい圱響が生たれおいるこずから掚薊システムを評䟡する䞊で実サヌビス䞊でなおか぀ある皋床期間を蚭けお実隓を行う重芁性を瀺したものであるず蚀える掚薊システムのナヌザ䜓隓を考慮する䞊で倚様性ず䞊んで説明性や透明性が重芁であるず蚀われおいる\cite{Konstan2012}今埌はこれらの指暙の有効性に぀いおも実サヌビス䞊で考察をしおいきたいたた掚薊システムにかぎらず本皿のように蚀語凊理技術を実サヌビスに適甚する䞊での課題や改善の手法に぀いおサヌビス運営者ずしおの芖点から知芋の共有や怜蚌を行っおいきたい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Belluf,Xavier,\BBA\Giglio}{Bellufet~al.}{2012}]{belluf2012case}Belluf,T.,Xavier,L.,\BBA\Giglio,R.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQCaseStudyontheBusinessValueImpactofPersonalizedRecommendationsonaLargeOnlineRetailer.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thACMConferenceonRecommenderSystems},\mbox{\BPGS\277--280}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Cosley,Lam,Albert,Konstan,\BBA\Riedl}{Cosleyet~al.}{2003}]{cosley2003}Cosley,D.,Lam,S.~K.,Albert,I.,Konstan,J.~A.,\BBA\Riedl,J.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQIsSeeingBelieving?:HowRecommenderSystemInterfacesAffectUsers'Opinions.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSIGCHIConferenceonHumanFactorsinComputingSystems},\mbox{\BPGS\585--592}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Davidson,Liebald,Liu,Nandy,Van~Vleet,Gargi,Gupta,He,Lambert,Livingston,\BBA\Sampath}{Davidsonet~al.}{2010}]{davidson2010youtube}Davidson,J.,Liebald,B.,Liu,J.,Nandy,P.,Van~Vleet,T.,Gargi,U.,Gupta,S.,He,Y.,Lambert,M.,Livingston,B.,\BBA\Sampath,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTheYouTubeVideoRecommendationSystem.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thACMConferenceonRecommenderSystems},\mbox{\BPGS\293--296}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Fleder\BBA\Hosanagar}{Fleder\BBA\Hosanagar}{2007}]{fleder2007recommender}Fleder,D.~M.\BBACOMMA\\BBA\Hosanagar,K.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQRecommenderSystemsandTheirImpactonSalesDiversity.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thACMConferenceonElectronicCommerce},\mbox{\BPGS\192--199}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Herlocker,Konstan,Terveen,\BBA\Riedl}{Herlockeret~al.}{2004}]{herlocker2004}Herlocker,J.~L.,Konstan,J.~A.,Terveen,L.~G.,\BBA\Riedl,J.~T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingCollaborativeFilteringRecommenderSystems.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonInformationSystems(TOIS)},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\5--53}.\bibitem[\protect\BCAY{Jannach,Zanker,Felfernig,\BBA\Friedrich}{Jannachet~al.}{2010}]{Jannach2010}Jannach,D.,Zanker,M.,Felfernig,A.,\BBA\Friedrich,G.\BBOP2010\BBCP.\newblock{\BemRecommenderSystems:AnIntroduction\/}(1st\BEd).\newblockCambridgeUniversityPress,NewYork,NY,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Konstan\BBA\Riedl}{Konstan\BBA\Riedl}{2012}]{Konstan2012}Konstan,J.~A.\BBACOMMA\\BBA\Riedl,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQRecommenderSystems:fromAlgorithmstoUserExperience.\BBCQ\\newblock{\BemUserModelingandUser-AdaptedInteraction},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\101--123}.\bibitem[\protect\BCAY{Lathia,Hailes,Capra,\BBA\Amatriain}{Lathiaet~al.}{2010}]{lathia2010temporal}Lathia,N.,Hailes,S.,Capra,L.,\BBA\Amatriain,X.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTemporalDiversityinRecommenderSystems.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe33rdInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\210--217}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Manning,Raghavan,\BBA\Sch{\"u}tze}{Manninget~al.}{2008}]{manning2008introduction}Manning,C.~D.,Raghavan,P.,\BBA\Sch{\"u}tze,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock{\BemIntroductiontoInformationRetrieval},\lowercase{\BVOL}~1.\newblockCambridgeUniversityPress,Cambridge.\bibitem[\protect\BCAY{村䞊\JBA森\JBA折原}{村䞊\Jetal}{2009}]{murakami2009}村䞊知子\JBA森玘䞀郎\JBA折原良平\BBOP2009\BBCP.\newblock掚薊の意倖性向䞊のための手法ずその評䟡.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf24}(5),\mbox{\BPGS\428--436}.\bibitem[\protect\BCAY{Pariser}{Pariser}{2011}]{Pariser2011}Pariser,E.\BBOP2011\BBCP.\newblock{\BemTheFilterBubble:WhattheInternetisHidingfromYou}.\newblockThePenguinGroup.\bibitem[\protect\BCAY{Resnick,Konstan,\BBA\Jameson}{Resnicket~al.}{2011}]{filterbubble}Resnick,P.,Konstan,J.,\BBA\Jameson,A.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQPanelonTheFilterBubble.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thACMConferenceonRecommenderSystems}.\newblock\url{https://acmrecsys.wordpress.com/2011/10/25/panel-on-the-filter-bubble/}2016幎5月3日閲芧.\bibitem[\protect\BCAY{Rust\BBA\Zahorik}{Rust\BBA\Zahorik}{1993}]{RUST1993}Rust,R.~T.\BBACOMMA\\BBA\Zahorik,A.~J.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQCustomerSatisfaction,CustomerRetention,andMarketShare.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofRetailing},{\Bbf69}(2),\mbox{\BPGS\193--215}.\bibitem[\protect\BCAY{総務省}{総務省}{2014}]{ictbook2014}総務省\BBOP2014\BBCP.\newblock\Jem{平成26幎床版情報通信癜曞}.\bibitem[\protect\BCAY{矢野経枈研究所}{矢野経枈研究所}{2014}]{yano2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V23N02-01
\section{はじめに} \textbf{系列アラむンメント}ずは2぀の系列が䞎えられたずきにその構成芁玠間の察応関係を求めるこずをいう系列アラむンメントは特にバむオむンフォマティクスにおいおDNAやRNAの解析のために広く甚いられおいるが自然蚀語凊理においおもさたざたな課題が系列アラむンメントに垰着するこずで解かれおいる代衚的な課題ずしお\textbf{察蚳文アラむンメント}\cite{moore02:_fast,braune10:_improv,quan-kit-song:2013:ACL2013}があげられる察蚳文アラむンメントは察蚳関係にある文曞察が䞎えられたずきに文曞察の䞭から察蚳関係にある文のペアをすべお芋぀けるタスクである統蚈的機械翻蚳においおは察蚳コヌパスにおいおどの文がどの文ず察蚳関係にあるかずいう文察文での察応関係が䞎えられおいるずいう前提のもずで孊習凊理が実行されるが実際の察蚳コヌパスでは文曞察文曞での察応付けは埗られおいおも文察文の察応付けは䞍明なものも倚いそのため察蚳文曞間での正しい察蚳文アラむンメントを求めるこずは粟床のよいモデルを掚定するための重芁な前凊理ずしお䜍眮づけられる統蚈的機械翻蚳以倖の䟋えば蚀語暪断的な情報怜玢~\cite{nie1999cross}などの課題においおも察蚳文曞間の正しい文アラむンメントを求めるこずは重芁な前凊理ずしお䜍眮づけられるたた察蚳文アラむンメントのほかにも察蚳文曞に限定されない文曞間の察応付けタスクも系列アラむンメントずしお解かれおいる~\cite{qu-liu:2012:ACL2012,孝昭15,芁䞀12}自然蚀語凊理のタスクにおける系列アラむンメント問題を解く手法は察応付けの\textbf{単調性}を仮定する方法ずそうでない方法ずに倧別される単調性を仮定する系列アラむンメント法は特に察蚳文アラむンメントにおいお広く甚いられる方法であり察蚳関係にある二぀の文章における察応する文の出珟順序が倧きく違わないこずを前提ずしお察応付けを行うすなわち察蚳関係にある文曞のペア$F$$E$に察し$F$の$i$番目の文$f_i$に$E$の$j$番目の文$e_j$が察応するずしたら$F$の$i+1$番目の文に察応する$E$の文は存圚するならば$j+1$番目以降であるずいう前提のもずで察応付けを行っおいたこの前提は䟋えば小説のように文の順序が倧きく倉動するず内容が損なわれおしたうような文曞に察しおは劥圓なものである䞀方で単調性を仮定しない方法は~\cite{qu-liu:2012:ACL2012,孝昭15,芁䞀12}などで甚いられおおり文間の察応付けの順序に特に制玄を課さずに系列アラむンメントを求める図~\ref{fig:prevwork}はそれぞれ単調性を仮定した系列アラむンメント仮定しない系列アラむンメントの䟋を衚しおいる癜䞞が系列䞭のある芁玠を衚珟しおおり芁玠の列ずしお系列が衚珟されおいる図では2぀の系列の芁玠間で察応付けがずられおいるこずを線で瀺しおいる単調性を仮定した察応付け手法では察応関係を衚す線は亀差しない䞀方で仮定しない手法では亀差するこずが分かる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-2ia1f1.eps}\end{center}\caption{既存の系列アラむンメント法によるアラむンメント䟋}\label{fig:prevwork}\end{figure}系列アラむンメントにおいお単調性を仮定するこずは可胜なアラむンメントの皮類数を倧きく枛少させる䞀方で動的蚈画法による効率的な察応付けを可胜ずする先述したように察蚳文アラむンメントを行う際に単調性を仮定するこずは倚くの察蚳文曞に察しおは劥圓な仮定であるしかし単調性を仮定するこずが劥圓でない察蚳文曞も存圚する䟋えば文献~\cite{quan-kit-song:2013:ACL2013}では単調性が成り立たない文曞の䟋ずしお法什文曞を挙げおいるそのほかにも䟋えば癟科事兞やWikipediaの蚘事のように䞀぀の文曞が独立な耇数の文のたずたりからなる堎合には文のたずたりの出珟順序が倧きく倉動しおも内容が損なわれないこずがあるこのような文曞においおは文の順序が倧きく倉動しないずいう前提は必ずしも正しいものではないため既存の単調性を仮定した系列アラむンメント法では正しい察蚳文アラむンメントが行えない可胜性が高い䞀方で単調性を仮定しない既存のアラむンメント法では非単調な察応付けを実珟できるものの察応付けの\textbf{連続性}を考慮するこずが難しいずいう問題がある察応付けの連続性ずは$f_i$が$e_j$ず察応付けられおいるならば$f_{i+1}$は$e_j$の近傍の芁玠ず察応付けられる可胜性が高いずする性質のこずである\footnote{\ref{sec:setpart}節以降の提案手法の説明では説明を簡単にするために察応付けに順方向の連続性がある堎合すなわち$f_i$ず$e_j$が察応付けられおいるならば$f_{i+1}$は$e_{j}$より埌ろにある近傍の芁玠ず察応付けられやすい堎合のみを扱っおいるしかし実際には提案法は順方向に連続性がある堎合ず同様に逆方向の連続性がある堎合の察応付けを行うこずもできる逆方向の連続性ずは$f_i$ず$e_j$が察応付けられおいるならば$f_{i+1}$は$e_{j}$以前の近傍の芁玠ず察応付けられる可胜性が高いずする性質のこずである}もし察応付けにおいお連続性を考慮しないずするず系列$F$䞭のある芁玠$f_i$ずそれに隣接する芁玠$f_{i+1}$ずがそれぞれ$E$䞭で離れた芁玠ず察応付けられおもよいずするこずに盞圓する察応付けの単調性を仮定できるような察蚳文曞の察蚳文アラむンメントに぀いおは明らかに察応付けの連続性を考慮する必芁があるさらに単調性が仮定できないような文曞のペアに察する察蚳文アラむンメントにおいおもある文ずその近傍の文が垞に無関係であるずは考えにくい以䞊より文アラむンメントにおいおは連続性を考慮するこずが䞍可欠であるたた察蚳文アラむンメント以倖の系列アラむンメントを甚いるタスクにおいおも察応付けの察象ずなる系列は時系列に䞊んだ文曞等䜕らかの前埌の぀ながりを仮定できるものが倚いこずから連続性を考慮する必芁がある単調性を仮定できない文アラむンメントの䟋を瀺す図\ref{fig:hourei}は文献~\cite{quan-kit-song:2013:ACL2013}の怜蚌で甚いられおいるBilingualLawsInformationSystem(BLIS)\footnote{http://www.legistlation.gov.hk}コヌパスに含たれる察蚳文曞における文アラむンメントの䟋であるBLISは銙枯の法什文曞の電子デヌタベヌスであり察蚳関係にある英語・䞭囜語の文曞を保持しおいる図に瀺す察蚳文は甚語の定矩を行っおいる箇所である䞡蚀語の文を比べるず定矩する甚語の順番が英語ず䞭囜語ずで異なっおおり結果ずしお局所的には連続なアラむンメントが非単調に出珟する察蚳文曞ずなっおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-2ia1f2.eps}\end{center}\caption{法什文曞における非単調な察蚳文アラむンメントの䟋}\label{fig:hourei}\end{figure}本論文では系列の連続性を考慮し぀぀か぀非単調な系列アラむンメントを求めるための手法を提案するこのような系列アラむンメント法は単調性を仮定できない文曞察の察蚳文アラむンメントを求める際に特に有効であるず考える仮に文曞$F$の文が$E$の任意の文ず察応しおもよいずすればある文のペアの良さを評䟡するスコアを適切に蚭定するこずによっお問題を二郚グラフにおける最倧重みマッチング問題\cite{korte08:_combin_optim}ずしお定匏化しお解くこずができるしかし$F$のある文が$E$の任意の文ず察応しおもよいずいう前提では近傍の文間の぀ながりを無芖しお察応付けを行うこずになる実際の文曞ではすべおの文がその近傍の文ず無関係であるずは考えにくいため正しい察応付けが行えない可胜性が高いそこで提案手法では察蚳文アラむンメントを組合せ最適化の問題の䞀぀である\textbf{集合分割問題}ずしお定匏化しお解く集合分割問題はある集合$S$ずその郚分集合族$S_1,\ldots,S_N$が䞎えられたずきにスコアの和が最倧ずなるような$S$の分割$\mathcal{D}\subseteq\{S_1,\ldots,S_N\}$を芋぀ける問題であるここで$\mathcal{D}$が$S$の分割であるずは$S=\cup_{S_i\in\mathcal{D}}S_i$か぀$i\neqj$ならば任意の$S_i,S_j\in\mathcal{D}$に぀いお$S_i\capS_j=\emptyset$ずなるこずをいう2぀の系列$F$,$E$のある郚分列に察する単調な系列アラむンメントの集合を$S_1,\ldots,S_N$ずしお衚珟するこずで郚分列に察するアラむンメントの集合$S_1,\ldots,S_N$から系列党䜓の分割ずなるような郚分集合を遞択する問題ずしお$F$,$E$党䜓に察する系列アラむンメントを求めるこずができるたた本論文では集合分割問題ずしおの系列アラむンメントの定匏化ずずもにその高速な求解法も同時に瀺す提案する集合分割問題に基づく定匏化を甚いるず系列$F$,$E$に含たれる芁玠の数が増加するに䌎い急激に厳密解の求解に時間がかかるようになるずいう課題があるこれはそれぞれの系列に含たれる芁玠の総数を$|F|$,$|E|$ずするず集合分割問題に出珟する倉数の数\footnote{集合分割問題における倉数の数は可胜な$F$,$E$の郚分系列のペアの総数ず等しい詳现は\ref{sec:setpart}章を参照}が$O(|F|^{2}|E|^{2})$ずなるためである集合分割問題はNP困難であり倉数の数が増加するず各倉数に察応する重みの蚈算および敎数線圢蚈画法゜ルバを甚いた求解に時間がかかるようになる本論文ではこの課題に察凊するために倚くの倉数が問題䞭に出珟する倧芏暡な線圢蚈画問題を解く際に甚いられる\textbf{列生成法}\cite{lubbecke05:_selec_topic_colum_gener}を甚いるこずで高速な系列アラむンメントを実珟する近䌌解法も同時に提案する列生成法は倧芏暡な問題の解を出珟する倉数の個数を制限した小さな問題を繰り返し解くこずによっお求める手法である列生成法を甚いるこずによっおそのたたでは倉数の数が膚倧ずなり解くこずができなかった問題を解くこずができるなお列生成法を甚いるこずで線圢蚈画問題の最適解を埗られるこずは保蚌されおいるが敎数線圢蚈画問題に぀いおは解を埗られるこずは必ずしも保蚌されおいないそこで本論文では列生成法で埗られた近䌌解を実隓によっお最適解ず比范しよい近䌌解が埗られおいるこずを確認するなお以䞋では説明を簡単にするために特に察蚳文曞の察蚳文アラむンメントに話題を限定しお説明を進めるただし系列の芁玠間のスコアさえ定たれば提案法を甚いお任意の系列のペアに察する系列アラむンメントを行うこずが可胜である \section{関連研究} 察蚳文アラむンメントに関しおはこれたで文の長さを察応付けに利甚する方法\cite{gale93:_progr_align_senten_bilin_corpor}語の翻蚳確率ず文の長さを利甚する方法\cite{moore02:_fast,braune10:_improv}などが提案されおきおいるがほずんどの方法でアラむンメントの単調性を仮定しおいる単調性を仮定するこずによっお動的蚈画法によっお効率的に察蚳文アラむンメントを求めるこずができるずいう利点はあるが序章で述べたように単調性が成り立たない文曞察に察しおは正しいアラむンメントを求めるこずができないずいう欠点があるDengらは系列マッチングずクラスタリングをあわせお利甚するこずで文の順序が入れ替わる堎合でも察蚳文アラむンメントを行える手法を提案しおいる\cite{deng07:_segmen}しかしDengらの手法はある隣接する二぀の文の順序が入れ替わるなど順序の入れ替わりが小さい範囲で起きるこずを想定した手法でありより倧きな範囲での順序の入れ替わりには察凊できない察蚳文間の単調性を仮定しない非単調な察蚳文アラむンメントを求めるための手法ずしお近幎Quanらは半教垫あり孊習の枠組みに基づく文察応付け手法を提案しおいる\cite{quan-kit-song:2013:ACL2013}圌らの手法は基本的には二郚グラフマッチングに基づくアラむンメント法であるが各文曞における文間の類䌌床合いを察応付けのための目的関数に甚いおいる点が特城的であるQuanらの手法ず比范するず提案法は文のたずたり単䜍のアラむンメントをより明瀺的に意識した手法ずなっおいるこずが異なるQuanらの手法は隣り合う文間の関係を明瀺的には考慮しないため察蚳文曞間で文の出珟順序が党く異なる文曞により適しおいるたたQuanらの手法は二郚グラフマッチングに基づく手法のため倚察倚のアラむンメントには察応できないが提案法は内郚で呌び出す既存の単調性を仮定した察蚳文アラむンメント法を倚察倚のマッチングを考慮するものに倉曎するこずによっお容易に倚察倚の察蚳文アラむンメントを行うように拡匵できる点も異なる察蚳文アラむンメント以倖にもさたざたな自然蚀語凊理のタスクが系列アラむンメント問題ずしお定匏化され解かれおいる䟋えば質問応答りェブサむトにおける質問ず回答ずの察応付け~\cite{qu-liu:2012:ACL2012}やりェブサむトにおけるレビュヌ文ずそれに察する返答のペア~\cite{孝昭15}条䟋文~\cite{芁䞀12}の察応付けずいったタスクなどがある察蚳文アラむンメント以倖の自然蚀語凊理における重芁な系列アラむンメント問題の適甚先ずしお単語アラむンメントが挙げられる単語アラむンメント問題に関しおは非単調なアラむンメントを求めるための手法が数倚く提案されおきおいるBrownらは原蚀語の各単語は必ず目的蚀語のある単語に察応付けられるなどの制玄のもずで生成モデルに基づいた単語の非単調なアラむンメントを行っおいる\cite{brown93}たたWuは反転トランスダクション文法に基づいた非単調な単語アラむンメント法を提案しおいる\cite{Wu:1997:SIT:972705.972707}これらのうち\cite{brown93}は単語アラむンメントに固有の性質を扱っおおり本論文で扱っおいる察蚳文アラむンメントに盎接適甚するのは難しいたた反転トランスダクション文法に基づく手法は提案法に類䌌の非単調な察蚳文アラむンメントを実珟可胜な文法芏則を蚭蚈できるしかし反転トランスダクション文法では連続な文間の非単調なアラむンメントの圢態が制限される点が提案手法ず異なる \section{単調性を仮定した察蚳文アラむンメント法} \label{sec:monotone}提案法の説明の準備ずしお単調性を仮定した動的蚈画法に基づく既存の察蚳文アラむンメント法に぀いお説明する単調性を仮定した察蚳文アラむンメント法では察蚳文曞$F$,$E$のある文のペア$s\inF$,$t\inE$が察応付けられた時のスコア$S(s,t)$が䞎えられたずきに\footnote{なお察蚳文アラむンメントの手法によっおは倚察倚の察応付けのスコアも加味するこずによっお倚察倚の察応付けが可胜なものも存圚する}スコアの総和が最倧ずなるような単調な察蚳文アラむンメントを求めるアラむンメントの単調性を仮定するず最適な系列アラむンメントは動的蚈画法を甚いるこずで高速に求めるこずができるこれたでにさたざたなスコア$S(s,t)$の定矩が提案されおきおいるが代衚的な察蚳文アラむンメント法であるMooreによる手法\cite{moore02:_fast}では文の長さず文䞭の語の翻蚳確率ずを甚いるこずでペアのスコアを定矩し察蚳文アラむンメントに含たれるペアのスコアが最倧ずなるようにアラむンメントを求める具䜓的には$s\inF$である文$s$ず$t\inE$である文$t$ずのペアのスコア$S(s,t)$を\begin{equation}S(s,t)=\frac{P(m_s,m_t)}{(m_s+1)^{m_t}}\Biggl(\prod_{j=1}^{m_t}\sum_{i=1}^{m_s}tr(t_j|s_i)\Biggr)\Biggl(\prod_{i=1}^{m_s}u(s_i)\Biggr)\label{eq:moore}\end{equation}ずしお定めるここで$m_s$,$m_t$はそれぞれ文$s$,$t$に含たれる単語の総数であるたた$s_i$,$t_j$はそれぞれ$s$の$i$番目の語$t$の$j$番目の語を衚す$tr(t_j|s_i)$は語$s_i$が$t_j$に翻蚳される確率である$u(s_i)$は語$s_i$の文曞䞭での盞察頻床を衚す$P(m_s,m_t)$は文の長さ語の数に応じおスコアを定める関数でありポア゜ン分垃を甚いお\begin{equation}P(m_s,m_t)=\frac{\exp{(-m_sr)}(m_sr)^{m_t}}{m_t!}\end{equation}ずしお定矩される$r$はパラメヌタである各確率分垃は~\cite{brown93}にある手法によっおデヌタから掚定できる \section{集合分割問題に基づく察蚳文アラむンメントのモデル化} \label{sec:setpart}本論文で提案する察蚳文アラむンメント法の抂芳を瀺す提案法のポむントは文曞を連続する文のたずたりに分割しおアラむンメントを求める点にあるすなわち察蚳文曞のそれぞれを同数の文のたずたりに分割したのち\begin{enumerate}\itemどの文のたずたり同士が察応付けられるか\item察応付けられた文のたずたりのペアの䞭でどの文のペアが察応付けられるか\end{enumerate}を同時に求めるこずで察応付けを行うこのずきに(1)に぀いお非単調な察応付け(2)に぀いおは単調な察応付けを行うこずによっお連続性を考慮した非単調な察応付けを実珟するそれぞれの文曞を3぀のたずたりに分割したずきの提案法による察蚳文アラむンメントの様子を図\ref{fig:align_example}に瀺す図䞭の癜い䞞がひず぀の文に察応しおいるたた耇数の䞞を囲む四角が文のたずたりを衚す図より文のたずたり同士の察応付けにおいおは非単調な察応付けを行っおいるこずず文のたずたりに含たれおいる文同士の察応付けにおいおは単調な察応付けを行っおいるこずが分かる文のたずたりに含たれる文同士の察応付けは既存の単調な察蚳文アラむンメント法によっお行われる぀たり察応付けられる各文曞を1぀のたずたりだずみなした堎合は文曞党䜓で単調な察応付けを行うこずになるため提案手法は既存の察蚳文アラむンメント法ず同等である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-2ia1f3.eps}\end{center}\hangcaption{提案法による察蚳文アラむンメントの抂芳各文曞を3぀の連続する文のたずたりに分割し文のたずたり間で非単調な察応付けを行っおいる察応付けられた文のたずたりのペアに含たれる文間では単調な察応付けを行っおいる結果ずしお文曞党䜓に察する察蚳文アラむンメントが埗られおいる}\label{fig:align_example}\end{figure}以䞋で甚いる蚘法に぀いお述べる察応付けをずる察象の2぀の文曞を$F$,$E$ずしそれぞれ$|F|$$|E|$個の文からなるずする$f_i$を$F$に含たれる$i$番目の文$e_k$を$E$に含たれる$k$番目の文ずする$F$の$i$番目から$j$番目たでの連続する文の集合を$f_{ij}\subseteqF$ずするただし$1\leqi\leqj\leq|F|$である同様に$e_{kl}\subseteqE$は$E$の$k$番目から$l$番目たでの連続する文の集合ずするただし$1\leqk\leql\leq|E|$であるたた$a_{ijkl}$を文のたずたりのペア$(f_{ij},e_{kl})$を衚珟するために甚い$f(a_{ijkl})=f_{ij}$,$e(a_{ijkl})=e_{kl}$ず定矩する文のたずたり$f_{ij}$ず$e_{kl}$のペアに察しお既存の単調性を仮定した察蚳文アラむンメント法を適甚するこずによっお埗られる文アラむンメントのスコアを$\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})$ずするすなわち$f_{ij}$$e_{kl}$間のある単調なアラむンメントを$X$,すべおの単調な察蚳文アラむンメントの集合を$\mathcal{A}_{ijkl}$ずするず$\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})$は\begin{equation}\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})=\max_{X\in\mathcal{A}_{ijkl}}\sum_{(s,t)\inX}S(s,t)\end{equation}ずしお定矩される\subsection{集合分割問題に基づく定匏化}前節で定矩した$\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})$は文のたずたり$f_{ij}$ず$e_{kl}$のペアに察する察応付けスコアであるずみなすこずができるこのスコアを甚いお文のたずたり同士の䞀察䞀の察応付けを求める文のたずたり同士の察応付けを求めるこずができればそれに含たれる文間の察応付けは$\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})$を求める際に既に求めおあるため結果ずしお察蚳文アラむンメントが埗られる可胜なすべおの文のたずたりのペア$a_{ijkl}$の集合を$\mathcal{M}$ずするずある文アラむンメントは$\mathcal{M}$の郚分集合でありか぀文曞察の分割ずなっおいるような文のたずたりのペアの集合$A\subseteq\mathcal{M}$ずしお衚珟できるただし$A$に含たれる任意の文のたずたりのペア$a,a^{\prime}\inA$に぀いお$f(a)\capf(a^{\prime})=\emptyset$か぀$e(a)\cape(a^{\prime})=\emptyset$であり$\cup_{a\inA}f(a)=F$か぀$\cup_{a\inA}e(a)=E$を満たすものずする䞊蚘の条件を満たす$A$の集合を$\mathcal{A}$ずするず察蚳文アラむンメントを求める問題は\begin{equation}\hat{A}=\mathop{\rmargmax}_{A\in\mathcal{A}}\left\{\mathrm{score}(A)\right\}\label{eq:ast}\end{equation}ずしおマッチングのスコアを最倧ずする$\hat{A}$を求める問題ずしお定匏化するこずができるここで$\mathrm{score}(A)$は$F$ず$E$に察する分割$A$を定めたずきのスコアであり以䞋のように定矩する\begin{equation}\mathrm{score}(A)=\lambda^{K}\prod_{a\inA}\mathrm{seqMatch}(f(a),e(a))\label{eq:sub}\end{equation}ここで$K$は$A$䞭に含たれる文のたずたりのペアの総数$\lambda$はペアの個数に応じお課されるペナルティを衚すパラメタであり$0<\lambda\leq1$を満たすように蚭定する$\lambda=1$ずするず解に出珟する文のたずたりのペアの個数に制限を぀けないこずに盞圓するため文の連続性を考慮しないアラむンメントが埗られる䞀方で$\lambda$に小さな倀を蚭定するこずは解に出珟する文のたずたりの個数に察しお倧きなペナルティを䞎えるこずに盞圓するためできるだけ小ない個数の文のたずたりが解に含たれるようになる$\lambda$をある皋床以䞊小さな倀に蚭定するず垞に1぀の文のたずたりのペアに分割されるようになるこれは既存の単調な察蚳文アラむンメントず等しい匏(\ref{eq:sub})の察数をずるず$\mathrm{score}(A)$は文のたずたりのペア$a$に察する線圢匏に眮き換えるこずができるよっおここでの察蚳文アラむンメント問題は敎数線圢蚈画問題(ILP)ずしお定匏化するこずができるILPによる定匏化は\begin{align}\mbox{maximize}&\sum_{ijkl}(w_{ijkl}+\log\lambda)y_{ijkl}\label{eq:obj}\\\mbox{subjectto}&\sum_{i,j:i\leqx\leqj}\sum_{kl}y_{ijkl}=1~~~~~\forallx:1\leqx\leq|F|\label{eq:cond1}\\&\sum_{ij}\sum_{k,l:k\leqx\leql}y_{ijkl}=1~~~~~\forallx:1\leqx\leq|E|\label{eq:cond2}\\&y_{ijkl}\in\{0,1\}~~~~~~~~~~~~\foralli,j,k,l\label{eq:lasteq}\end{align}ずなるここで$w_{ijkl}$は$\log{\mathrm{seqMatch}(f_{ij},e_{kl})}$の倀である$y_{ijkl}$は文のたずたりのペア$a_{ijkl}$をアラむンメントに含むこずを衚す倉数であり$y_{ijkl}=1$のずきは$a_{ijkl}$が察蚳文アラむンメントに含たれるずする制玄(\ref{eq:cond1})は$F$䞭の$x$番目の文を含むすべおの文のたずたりのペア$a_{ijkl}$のうち必ず1぀だけが解に遞択されるこずを保蚌するものである(\ref{eq:cond2})は同様の制玄を$E$に課したものでありこれら2぀の制玄を䜵せお$F$ず$E$に含たれる各文が最終的に埗られた文のたずたり同士の察応付けのいずれか1぀に必ず含たれるこずを保蚌する今回甚いた定匏化は任意のペア$(f_{ij},e_{kl})$に察応する集合の集たりである集合族に察する\textbf{集合分割問題}ずなっおいるなお提案法は既存の単調な文アラむンメント法ずしお倚察倚のアラむンメントを求めるこずができる手法を甚いるこずによっお非単調な倚察倚のアラむンメントを実珟するこずができる\footnote{倚察倚のアラむンメントのほかには䟋えば$f_1$-$e_4$,$f_2$-$e_3$,$f_3$-$e_2$,$f_4$-$e_1$ずいったような逆順で単調なアラむンメントを解の䞀郚ずしお含むようにするこずも可胜である具䜓的には匏(3)においおseqMatch($f_{ij},e_{kl}$)を通垞順逆順の党おの可胜な察応付けからスコアを最倧にするものを遞択するように修正すればよい逆順の単調なアラむンメントは片方の系列を逆順にしたうえで単調性を仮定した動的蚈画法によるアラむンメント法を実行するこずで求めるこずができる} \section{列生成法} \label{sec:colgen}匏~(\ref{eq:obj})から~(\ref{eq:lasteq})からなる敎数線圢蚈画問題はすべおの文のたずたりのペア数に察応する数の倉数を含むこのようなペアは$|F||E|(|F|+1)(|E|+1)/4$皮類存圚するため文の数が増加するず敎数線圢蚈画問題に含たれる倉数の数が急増し解を求めるのに時間がかかるずいう問題がある本論文では列生成法~\cite{lubbecke05:_selec_topic_colum_gener}を甚いた近䌌解法を導入するこずでこの問題に察応する䞀般的な敎数線圢蚈画問題の解法ではすべおの倉数を求解時に明瀺的に扱っお解を求めるが列生成法では目的関数の増加に寄䞎する可胜性がある倉数を逐次的に远加しながら問題を解くこずで解を求める最適解においお非れロずなる倉数の数が問題党䜓で扱う倉数の数に察しお非垞に小さい堎合最適解においおれロずなる倉数を考慮せずに解が埗られる可胜性が高いこずから列生成法によっお高速に解を埗られるこずが期埅できる以䞋列生成法に基づく解法の詳现を述べる列生成法を導入するにあたりいく぀かの抂念を定矩するたず匏~(\ref{eq:obj})から~(\ref{eq:lasteq})からなる敎数線圢蚈画問題を線圢緩和した問題぀たり制玄$a_{ijkl}\in\{0,1\}$を$0\leqa_{ijkl}\leq1$ぞず緩和した問題を䞻問題(Masterproblem:MP)ずよぶ䞻問題に含たれるすべおの倉数の集合を$\mathcal{M}$ずするMPからいく぀かの倉数を取り陀いた問題を\textbf{制限された䞻問題}(Restrictedmasterproblem:RMP)ずよぶRMPに出珟する倉数の集合を$\mathcal{M}^{\prime}\subseteq\mathcal{M}$ず衚すある線圢蚈画問題の双察問題ずはもずの問題の各倉数にそれぞれ察応する制玄条件ずもずの問題の各制玄条件に察応する倉数からなる線圢蚈画問題のこずであるRMPに察しおも双察問題を考えるこずができる双察問題においおRMPにおける文$f_n$に関する制玄に察応する倉数を$u_n$,$e_m$に関する制玄に察応する倉数を$v_m$ずする線圢蚈画問題が最適解を持぀のであれば最適解の倀はそれは双察問題の最適解の倀ず䞀臎するこずが知られおおりRMPの最適解を単䜓法を甚いお埗るこずができたならば双察問題の最適解も容易に蚈算可胜である列生成法はRMPの求解ずRMPに远加する倉数を求める問題ずを繰り返し解くこずでMPを解く远加する倉数を求める問題は\textbf{列生成郚分問題}ずよばれ具䜓的には$a_{ijkl}\in\mathcal{M}\setminus\mathcal{M}^{\prime}$であるような$a_{ijkl}$の\pagebreakうち\begin{equation}\label{eq:1}\overline{w}_{ijkl}=w_{ijkl}+\log\lambda-\sum_{n=i}^{j}\hat{u}_{n}-\sum_{m=k}^{l}\hat{v}_{m}\end{equation}を最倧ずするものを䞀぀求める問題であるここで$\hat{u}_n$はRMPの双察問題の最適解における倉数$u_n$の倀$\hat{v}_m$は倉数$v_m$の倀ずする以䞋では$\overline{w}_{ijkl}$のこずを\textbf{被玄費甚}ずよぶあるRMPを解いた埌に各倉数に察する被玄費甚がすべお負ずなるずきRMPの最適解はMPの最適解ずなるこずが知られおいる最適解においお倚くの倉数の倀がれロずなるような問題においおは出珟する倉数の数がMPよりも倧幅に少ないRMPを解くこずでMPの最適解が埗られるこずが期埅できるため列生成法は倧芏暡な最適化問題を高速に解くこずができる列生成郚分問題を解くこずを考える前述のずおり倉数は$|F||E|(|F|+1)(|E|+1)/4$個あるためその党おに぀いお被玄費甚を求めるのは困難であるしかしスコア$w_{ijkl}$が\ref{sec:monotone}章で述べたように動的蚈画法によっお求められるこずおよび被玄費甚の匏~(\ref{eq:1})においお$\hat{u}_n$,$\hat{v}_m$が察応する文ごずにそれぞれ独立に䜜甚しおいるこずを利甚するず最倧の被玄費甚をSmith-Waterman法~\cite{smith81:_ident_common_molec_subseq}に類䌌した動的蚈画法によっお求めるこずができるSmith-Waterman法はバむオむンフォマティクスの分野で提案された配列の局所アラむンメントを求めるためのアルゎリズムであり動的蚈画法に基づいお長さ$N$,$M$の二本の配列に察する局所アラむンメントを$O(NM)$時間で求めるこずができるここで局所アラむンメントずは二本の配列の可胜な郚分配列間の系列アラむンメントのうちスコアを最倧ずするもののこずである動的蚈画法は以䞋の局所アラむンメントの再垰的な定矩に沿っお蚈算するなお以䞋では説明を簡単にするため提案法内で利甚する単調なアラむンメントを求める手法が䞀察䞀のアラむンメントのみを求めるず仮定しおいるしかし倚察倚のアラむンメントを求めるこずができる手法を利甚した堎合であっおも䞋蚘の再垰匏を容易に拡匵するこずが可胜である\footnote{逆順の単調なアラむンメントを含むずきも同様に列生成法に察応する事が可胜である}$q[j,l]$をその末尟の芁玠がそれぞれ$f_j,e_l$であるような文のたずたりのペアの被玄費甚$\overline{w}_{ijkl}$($1\leqi\leqj$,$1\leqk\leql$)の最倧倀ずするず$q[j,l]$は\begin{equation}\label{eq:recursion}q[j,l]=\max\left\{\begin{array}{l}\log\lambda\\q[j-1,l-1]+S(f_j,e_l)-\hat{u}_j-\hat{v}_l\\q[j-1,l]+S(f_j)-\hat{u}_j\\q[j,l-1]+S(e_l)-\hat{v}_l\end{array}\right.\end{equation}ずしお再垰的に蚈算するこずができるなお$q[0,0]=\log\lambda$ずするここで$S(f_j,e_l)$,$S(f_j)$,$S(e_l)$は既存の単調性を仮定した䟋えば\cite{moore02:_fast}など察蚳文アラむンメント法においお利甚されるスコアでありそれぞれ文$f_j$ず文$e_l$ずを察応付けたずきのスコア$f_j$を$E$のどの文ずも察応させなかったずきのスコア$e_l$を$F$のどの文ずも察応させなかったずきのスコアである最䞊段の遞択肢$\log\lambda$は$f_{j+1}$,$e_{l+1}$を開始䜍眮ずする文のたずたりのペアの被玄費甚が$f_{j}$,$e_{l}$を含む文のたずたりのペアの被玄費甚よりも必ず倧きくなるずきに遞択されるすべおの$1\leqj\leq|F|$,$1\leql\leq|E|$に぀いお動的蚈画法によっお$q[j,l]$を蚈算したのちにそれらのうち最倧倀をずるこずで被玄費甚の最倧倀を求めるこずができるさらに$q[j,l]$を蚈算する際に(\ref{eq:recursion})のどの匏をもずに蚈算したかを蚘憶しおおけば最倧倀をずる$q[j,l]$からバックトラッキングを実行するこずによっお被玄費甚を最倧ずする$x_{ijkl}$を求めるこずができるすなわち(\ref{eq:recursion})の4皮類の遞択肢のうち䞋3皮類の遞択肢のいずれかが利甚されたのであればそれぞれの匏䞭に出珟しおいる$q[j-1,l-1]$,$q[j-1,l]$,$q[j,l-1]$のいずれかに遷移しバックトラッキングを続けるもし最䞊段の遞択肢$\log\lambda$が利甚されたのであればそこでバックトラッキングを終了するバックトラッキングを終了したずきの状態を$q[j^\prime,l^\prime]$ずするず$i=j^{\prime}+1$$k=l^{\prime}+1$ずしお$i$ず$k$が求たるすべおの$q[j,l]$を蚈算する動的蚈画法は$O(|F||E|)$バックトラッキングは高々$O(|F|+|E|)$時間で実行できるためSmith-Waterman法によっお被玄費甚を最倧ずするアむテムを効率的に遞択できる\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\begin{center}\includegraphics{23-2ia1f4.eps}\end{center}\caption{列生成法を甚いた近䌌アルゎリズム}\label{fig:colgen}\vspace{-0.5\Cvs}\end{figure}列生成法の手順を図~\ref{fig:colgen}に瀺すたずRMPに含たれる倉数の集合を$\mathcal{M}^{\prime}=\{x_{1|F|,1|E|}\}$ずしお初期化する(line1)$x_{1|F|,1|E|}$はすべおの文からなる文のたずたりであり実行可胜解であるこずから以降のRMPは必ず実行可胜解をも぀こずが保蚌される以降RMPの求解\footnote{RMPは線圢蚈画問題であるため効率的に解けるたた各繰り返しにおいお前回RMPを解いたずきの解を初期解ずするこずで高速に解を求めるこずができるこずが知られおいる}(line3)ずSmith-Waterman法による列生成郚分問題の求解(line4)ずを繰り返すもしすべおの倉数で被玄費甚が負ずなったら(line5)その時点でMPの最適解が埗られおいるこずになるので最埌に珟圚のRMPに敎数制玄を远加したうえで敎数線圢蚈画問題を解いお埗られた解を出力する(line8)ここでRMPに敎数制玄を远加しお埗られた解が必ずしも元のMPに敎数制玄を远加しお埗られた解ず䞀臎するわけではないこずに泚意する必芁があるすなわち提案法はヒュヌリスティクスであり必ずしも厳密な最適解を埗られるわけではないそこで怜蚌によっお厳密解ずの差を評䟡する \section{怜蚌} \subsection{怜蚌蚭定}提案手法の有効性を怜蚌する非単調な系列アラむンメントはいく぀かの研究で怜蚌されおいるが正解の察応付けが公開されおいないこずから今回は怜蚌のためのデヌタずしお文察応が既知である日本語ず英語の察蚳文曞から生成した人工デヌタを甚いた察蚳文曞はそれぞれ玄25,000文からなるこの文曞から取り出した2,500文から文の長さが䞀定以䞊に長いものず短いものずを陀いたものをテストデヌタを生成する元デヌタ残りを翻蚳確率等を掚定するための蚓緎デヌタずしお甚いたテストデヌタの生成手順は以䞋のずおりずするたず元デヌタのそれぞれの文曞集合から$K$個の察応関係にある連続する文のたずたりをランダムに取り出すなお察応関係にある文のたずたりには察蚳関係になっおいない文も含たれるその埌取り出した文のたずたりをランダムに䞊べなおしたのちに各たずたりに含たれる文を順に䞊べるこずで文のたずたり単䜍での移動があるデヌタセットを䜜成したテストデヌタの文の数は日本語英語ずもに60文ずしたずたりの数は$K=1,3,6,12,20$ずしたこのデヌタセットを以䞋では察称デヌタセットずよぶ$K=1$のずきは単調な察蚳文アラむンメントを求める問題ずなっおいる次に日本語ず英語の文の数が異なるデヌタセットも同様に䜜成したこちらでは日本語の文数を60文英語の文数を40文ずし日本語の20文は察応する文が存圚しないようにした日本語のたずたりの数は$K=3,6,12$ずし英語のたずたりの数は日本語のたずたりの数の$2/3$ずしたこのデヌタセットを以䞋では非察称デヌタセットずよぶ最埌に日本語ず英語からそれぞれ60文遞ぶがそのうち察応関係にあるのは40文であり残りの日本語・英語の20文は察応する文が存圚しないようなデヌタも䜜成した以䞋では察応なしデヌタセットずよぶ文のたずたりの数は$K=3,6,12$ずしそのうち$1/3$に぀いおは察応する文が存圚しないものずした比范察象ずしおMooreらによる系列マッチングに基づく手法(Moore)ず二郚グラフの重み最倧マッチングずしお解いた方法(BM)ずを甚いたなお重み最倧マッチングにおける察応付けの重みは匏(\ref{eq:moore})を甚いた評䟡はMoore\cite{moore02:_fast}にならっお文の察応付けの再珟率(recall)適合率(precision)F倀(F-measure)を算出した察称非察称の各デヌタセットに぀いお異なる$K$ごずに5぀のデヌタセットを生成しその平均倀を最終的な評䟡倀ずした翻蚳確率の算出にはGIZA++\cite{och03}を甚いた敎数線圢蚈画問題の゜ルバずしおILOGCPLEXを甚いた文のたずたりの個数に察するペナルティ$\lambda$は$\lambda=0.1$ず$\lambda=0.01$の2皮類を詊した\subsection{結果}\begin{table}[b]\caption{再珟率適合率F倀の比范察称デヌタ}\label{tab:result1}\input{01table01.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{再珟率適合率F倀の比范非察称デヌタ}\label{tab:result2}\input{01table02.txt}\end{table}実隓結果を衚\ref{tab:result1},\ref{tab:result2}\ref{tab:result3}に瀺す衚䞭のSP+ILPは集合分割問題を敎数線圢蚈画問題゜ルバで解いた結果SP+CGは集合分割問題を列生成法で解いた結果を衚すたたBMは二郚グラフマッチングによっお察蚳文アラむンメントを行った結果MooreはMooreらの手法~\cite{moore02:_fast}を適甚した結果をそれぞれ衚す衚より察称デヌタセットで$K=1$の堎合を陀くいずれのデヌタセットおよび$K$の倀においおも$\lambda=0.1$ずしたずきの提案手法厳密解が2皮類のベヌスラむンよりも高いF倀を瀺しおいるこずが分かる察称デヌタセットで$K=1$の堎合は単調な察蚳文アラむンメントずなるこずから単調性を仮定するMooreの手法の方がやや高いF倀を瀺しおいるしかし提案法ずの差分は0.003ポむントず小さい次に$\lambda$の倀の違いによる圱響を厳密解同士で比范するずいずれのデヌタセットにおいおも$K=1,3$のずきは$\lambda=0.01$の方が$\lambda=0.1$のずきよりもやや高いF倀を瀺し䞀方で$K=6,12,20$のずきには$\lambda=0.1$の方が高い倀を瀺しおいるこずが分かるこれは$\lambda$が文のたずたりの個数に察するペナルティであり$\lambda$が小さいほど倧きなペナルティを䞎えおいるこずによっお説明できる぀たり$K$が小さいずきは文のたずたりの個数が小さくなりがちな$\lambda=0.01$の方がよい結果を出力し$K$が倧きいずきはより倚くのたずたりが出珟するこずを蚱容する$\lambda=0.1$の方がよい結果を出力しおいるず考えられるMooreによる察応付け手法は単調性を仮定した手法であるため他の方法ず比べるず極端にF倀が悪くなっおいるのが確認できる\begin{table}[t]\caption{再珟率適合率F倀の比范察応なしデヌタ}\label{tab:result3}\input{01table03.txt}\end{table}次に提案手法で厳密解を求めたずきず列生成法による近䌌解を求めたずきずの結果を比范する再珟率適合率F倀の䜎䞋床合いは今回の怜蚌では最倧で$0.08$ポむント皋床の䜎䞋におさたっおいるこずが確認できた特に$\lambda=0.1$のずきはいずれのデヌタに察しおも$0.03$ポむント皋床の䜎䞋におさたっおいるなお衚\ref{tab:result1}では列生成法のほうが厳密解法よりも再珟率適合率F倀が倧きくなる結果が埗られおいるがこれは目的関数ず評䟡指暙ずが必ずしも䞀臎するわけではないこずに起因するず考えられる厳密解法ず列生成法ずの平均蚈算時間の比范を衚~\ref{tab:time}に瀺す衚よりCPLEXで数十秒から数癟秒かかっおいた問題が列生成法によっお数秒で解けおいるこずが確認できるすべおのデヌタで30倍から400倍皋床の高速化が達成できたが特に倉数の総数が倚い察称デヌタ察応なしデヌタではほがすべおの蚭定で100倍以䞊の高速化が確認できた衚~\ref{tab:numval}に利甚された倉数の数を瀺す集合分割問題をそのたた敎数線圢蚈画問題゜ルバによっお解くず今回扱ったような数十文皋床の察応付けであっおも$10^{6}$個皋床の倉数を明瀺的に扱う必芁がある扱う倉数の個数が倚いほど゜ルバによる求解には時間がかかるため文の数が増加するずさらに求解に時間がかかる可胜性が高い䞀方で列生成法を甚いた堎合は最適解においお非零になる可胜性がある倉数しか扱わないため最終的に利甚された倉数は$10^{3}$個皋床ずなり問題を゜ルバで玠朎に解いた堎合ず比范しお利甚される倉数の数が倧幅に少ないこずが分かる問題䞭に出珟する倉数の個数が少ないず゜ルバによっお高速に解を求めるこずが可胜であるため列生成法は高速に動䜜したず考えられる\begin{table}[t]\caption{実行時間の比范}\label{tab:time}\input{01table04.txt}\end{table}提案法はNP困難問題である集合分割問題を解いおいるため厳密解法の実行時間は問題サむズに察しお指数的に増加する䞀方で既存の単調性を仮定した動的蚈画法に基づく察蚳文アラむンメント法は問題サむズに察しお倚項匏時間で動䜜するそのため提案法は列生成法による近䌌解法を甚いたずしおも実行時間的には既存手法に察する優䜍性はない䞀方で察蚳文アラむンメントはおもに察蚳文コヌパスを䜜成するために甚いられる技術でありコヌパス生成に甚いるために問題ずならない速床で動䜜するこずが重芁である実隓結果が瀺すように列生成法による察蚳文アラむンメント法は数十文からなる察蚳文曞の文アラむンメントを数秒で行うこずができるため提案法は十分に実甚に足る技術であるずいえる\begin{table}[p]\caption{出珟した倉数の数の比范}\label{tab:numval}\input{01table05.txt}\end{table}\begin{figure}[p]\vspace{1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{23-2ia1f5.eps}\end{center}\caption{入力サむズを倉化させたずきの実行時間の倉化}\label{fig:runtime}\end{figure}最埌に察称デヌタにおいお入力文のサむズを倉化させたずきの厳密解法ず列生成法の実行時間の倉化を図~\ref{fig:runtime}に瀺す図の暪軞が入力のサむズであり瞊軞が実行時間を衚すなお実行時間が3,600秒を超えたら実隓を打ち切りずしおいる入力サむズが倧きくなるほど列生成法ず厳密解法の差が広がる傟向があるこずが分かる \section{おわりに} 本論文では察応付けの連続性を考慮し぀぀非単調な系列アラむンメントを求めるための方法を提案した集合分割問題ずしお定匏化し敎数線圢蚈画法を甚いお解くこずによっお既存手法では察応付けをずるのが難しい状況でも察応付けができるこずを瀺したこのような方法は特に単調性を仮定できないような文曞察に察する察蚳文アラむンメントにおいお効果的であるさらに数理蚈画法の分野で倧芏暡な問題を解く際に利甚される技法である列生成法を適甚するこずによっお最適化問題を解くずきに扱わなければならない倉数の数および各倉数のスコアの蚈算に必芁ずなる動的蚈画法の実行回数を劇的に枛らすこずができ結果ずしお高速な求解を可胜ずした\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Braune\BBA\Fraser}{Braune\BBA\Fraser}{2010}]{braune10:_improv}Braune,F.\BBACOMMA\\BBA\Fraser,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQImprovedUnsupervisedSentenceAlignmentforSymmetricalandAsymmetricalParallelCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING2010},\mbox{\BPGS\81--89}.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Petra,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1993}]{brown93}Brown,P.~F.,Petra,S.A.~D.,Pietra,V.J.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQTheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\263--311}.\bibitem[\protect\BCAY{Deng,Kumar,\BBA\Byrne}{Denget~al.}{2007}]{deng07:_segmen}Deng,Y.,Kumar,S.,\BBA\Byrne,W.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQSegmentationandAlignmentofParallelTextforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemNaturalLanguageEngineering},{\Bbf13}(3),\mbox{\BPGS\235--260}.\bibitem[\protect\BCAY{Gale\BBA\Church}{Gale\BBA\Church}{1993}]{gale93:_progr_align_senten_bilin_corpor}Gale,W.~A.\BBACOMMA\\BBA\Church,K.~W.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQAProgramforAligningSentencesinBilingualCorpora.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19}(1),\mbox{\BPGS\75--102}.\bibitem[\protect\BCAY{Korte\BBA\Vygen}{Korte\BBA\Vygen}{2008}]{korte08:_combin_optim}Korte,B.~H.\BBACOMMA\\BBA\Vygen,J.\BBOP2008\BBCP.\newblock{\BemCombinatorialOptimization:TheoryandAlgorithms}.\newblockSpringerVerlag.\bibitem[\protect\BCAY{L{\"{u}}bbecke\BBA\Desrosiers}{L{\"{u}}bbecke\BBA\Desrosiers}{2005}]{lubbecke05:_selec_topic_colum_gener}L{\"{u}}bbecke,M.~E.\BBACOMMA\\BBA\Desrosiers,J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQSelectedTopicsinColumnGeneration.\BBCQ\\newblock{\BemOperationsResearch},{\Bbf53}(6),\mbox{\BPGS\1007--1023}.\bibitem[\protect\BCAY{Moore}{Moore}{2002}]{moore02:_fast}Moore,R.~C.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQFastandAccurateSentenceAlignmentofBilingualCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofAMTA'02},\mbox{\BPGS\135--144}.\bibitem[\protect\BCAY{Nie,Simard,Isabelle,\BBA\Durand}{Nieet~al.}{1999}]{nie1999cross}Nie,J.-Y.,Simard,M.,Isabelle,P.,\BBA\Durand,R.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQCross-languageInformationRetrievalBasedonParallelTextsandAutomaticMiningofParallelTextsfromtheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\74--81}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Och\BBA\Ney}{Och\BBA\Ney}{2003}]{och03}Och,F.~J.\BBACOMMA\\BBA\Ney,H.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQASystematicComparisonofVariousStatisticalAlignmentModels.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf29}(1),\mbox{\BPGS\19--51}.\bibitem[\protect\BCAY{Qu\BBA\Liu}{Qu\BBA\Liu}{2012}]{qu-liu:2012:ACL2012}Qu,Z.\BBACOMMA\\BBA\Liu,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQSentenceDependencyTagginginOnlineQuestionAnsweringForums.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\554--562},JejuIsland,Korea.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Quan,Kit,\BBA\Song}{Quanet~al.}{2013}]{quan-kit-song:2013:ACL2013}Quan,X.,Kit,C.,\BBA\Song,Y.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQNon-MonotonicSentenceAlignmentviaSemisupervisedLearning.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\622--630},Sofia,Bulgaria.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Smith\BBA\Waterman}{Smith\BBA\Waterman}{1981}]{smith81:_ident_common_molec_subseq}Smith,T.~F.\BBACOMMA\\BBA\Waterman,M.~S.\BBOP1981\BBCP.\newblock\BBOQIdentificationofCommonMolecularSubsequences.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMolecularBiology},{\Bbf147},\mbox{\BPGS\195--197}.\bibitem[\protect\BCAY{竹䞭\JBA若尟}{竹䞭\JBA若尟}{2012}]{芁䞀12}竹䞭芁䞀\JBA若尟岳志\BBOP2012\BBCP.\newblock地方自治䜓の䟋芏比范に甚いる条文察応衚の䜜成支揎.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf19}(3),\mbox{\BPGS\193--212}.\bibitem[\protect\BCAY{角田\JBA也\JBA山本}{角田\Jetal}{2015}]{孝昭15}角田孝昭\JBA也孝叞\JBA山本幹雄\BBOP2015\BBCP.\newblock察をなす二文曞間における文察応関係の掚定.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\27--58}.\bibitem[\protect\BCAY{Wu}{Wu}{1997}]{Wu:1997:SIT:972705.972707}Wu,D.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQStochasticInversionTransductionGrammarsandBilingualParsingofParallelCorpora.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf23}(3),\mbox{\BPGS\377--403}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{西野正圬}{2008幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟珟圚コミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員自然蚀語凊理アルゎリズムの研究に埓事博士情報孊情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{鈎朚最}{1999幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業2001幎同倧孊院理工孊研究科蚈算機科孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2005幎奈良先端倧孊院倧孊博士埌期課皋修了2008--2009幎MITCSAIL客員研究員珟圚NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所に所属博士工孊䞻ずしお自然蚀語凊理機械孊習に関する研究に埓事ACL情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{梅谷俊治}{1998幎倧阪倧孊倧孊院基瀎工孊研究科博士前期課皋修了2002幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋指導認定退孊博士情報孊豊田工業倧孊助手電気通信倧孊助教を経お珟圚倧阪倧孊倧孊院情報科孊研究科准教授組合せ最適化の研究に埓事日本オペレヌションズ・リサヌチ孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚INFORMSMOSAAAI各䌚員}\bioauthor{平尟努}{1995幎関西倧孊工孊郚電気工孊科卒業1997幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎株匏䌚瀟NTTデヌタ入瀟2000幎よりNTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所に所属博士工孊自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{氞田昌明}{1987幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟珟圚コミュニケヌション科孊研究所䞻幹研究員䞊垭特別研究員工孊博士統蚈的自然蚀語凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V21N02-01
\section{はじめに} \label{sec:Introduction}近幎コヌパスアノテヌションはたすたす倚様化し倚局アノテヌションを統合的に利甚する仕組みが欠かせないたずえば話し蚀葉の蚀語孊的・工孊的研究で広く甚いられおいる『日本語話し蚀葉コヌパス』\cite{前川_2004_日本語}のコアデヌタでは音韻・単語・韻埋単䜍・文節・節を含む10皮類あたりの単䜍に関しおさたざたなアノテヌションがなされおいるたた最近では芖線・頷きやゞェスチャヌなどの非蚀語情報を含むマルチモヌダルコヌパスの開発が進んでおり\cite<たずえば>{Carletta_2007_UTK,Chen_2006_VMM,Den_2007_SAT,角_2011_マルチ,Waibel_2009_CIT}これらのコヌパスでは耇数のモダリティに関しお倚皮のアノテヌションがなされおいるコヌパスアノテヌションに基づく研究ではこのような倚局的なアノテヌションを統合し「文末圢匏を持぀節の先頭の文節の末尟の語が係助詞「は」であるものを抜出しその語の継続長を算出する」ずいった耇数の単䜍を組み合わせた耇雑な怜玢を可胜にする必芁があるこれたで倚局アノテヌションを衚珟するさたざたなスキヌマが提案されそれらに基づくアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルが開発されおいる\cite{Bird_2000_FFF,Bird_2001_FFF,Calhoun_2010_NSC,Carletta_2005_NXT,Kaplan_2012_STF,Kaplan_2010_APM,Matsumoto_2006_ACM,Muller_2001_MTF,Muller_2006_MAO,Noguchi_2008_MPA}しかしこれらのツヌルは開発䞻䜓内郚での利甚にずどたっおいる堎合がほずんどであり倖郚にはあたり普及しおいないこれらの統合開発環境では提案スキヌマに基づいお皮々のツヌル矀を提䟛するこずを目指しおいるが実際に提䟛されおいるのは䞀郚のツヌルのみであり個別のアノテヌションツヌルのほうが広く䜿われおいる堎合が倚いずくに話し蚀葉においおはPraat\cite{Boersma_2013_PDP}やELAN\cite{Brugman_2004_AMM}ずいった音声や映像を扱う高機胜なアノテヌションツヌルが広く普及しおおりこれらのツヌルず同等の機胜を持぀ツヌルを自前で開発するのはコストが高く぀くうえコヌパス開発者の偎でも䜿い慣れたツヌルにずどたっお新たなツヌルに乗り換えたくないずいう者が倚い本研究の目的は話し蚀葉で広く䜿われおいる既存のアノテヌションツヌルを有効に利甚し぀぀皮々のアノテヌションを統合利甚できる環境を構築するこずである図\ref{fig:overview}具䜓的には以䞋のこずを行なう\begin{enumerate}\itemマルチチャネル・マルチモヌダルの話し蚀葉コヌパスを衚珟できる汎甚的なデヌタベヌススキヌマを蚭蚈する\item以䞋の入出力を持぀デヌタベヌス構築ツヌルを開発する\begin{description}\item[入力]既存のアノテヌションツヌルで䜜成された皮々の曞匏を持぀アノテヌション\item[出力]蚭定ファむルを基にしお汎甚的なデヌタベヌススキヌマから具珟化されたデヌタベヌス\end{description}\itemサヌバを必芁ずしないスタンドアロンのデヌタベヌス゜フトずしお広く甚いられおいるSQLiteによっお実装し既存のコヌパス怜玢ツヌルず接続可胜にする\end{enumerate}本研究は既存のアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルず結合したコヌパス利甚環境を構築するこずに䞻県がありアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルの開発そのものを目的ずするものではない\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f1.eps}\end{center}\caption{本研究の枠組み}\label{fig:overview}\end{figure}以䞋\ref{sec:DB}節では話し蚀葉を衚珟できる汎甚的なデヌタベヌススキヌマの蚭蚈に぀いお述べ\ref{sec:Tools}節ではデヌタベヌス構築ツヌルの開発に぀いお述べる\ref{sec:CaseStudies}節では提案するコヌパス利甚環境を甚いお実際に運甚しおいる2぀の事䟋に぀いお述べる\ref{sec:Discussion}節では関連研究やアノテヌション管理・実甚性に関する議論を行ない\ref{sec:Conclusion}節ではたずめず今埌の課題に぀いお述べる \section{話し蚀葉を衚珟できる汎甚的なデヌタベヌススキヌマの蚭蚈} \label{sec:DB}本節ではマルチチャネル・マルチモヌダルの話し蚀葉コヌパスを衚珟できる汎甚的なデヌタベヌススキヌマを提案する本スキヌマは基本的には\citeA{Noguchi_2008_MPA}ず\citeA{Kaplan_2010_APM}が提案したセグメントずリンクに基づくスキヌマに䟝拠しおいるしかし圌らのスキヌマは曞き蚀葉を想定しおおり話し蚀葉に適甚するためにはいく぀かの拡匵が必芁である以䞋拡匵・改良点に぀いお順に述べ我々のスキヌマを提案する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f2.eps}\end{center}\caption{セグメントずリンクに基づくスキヌマ\protect\cite{Kaplan_2010_APM}のFigure3を改倉}\label{fig:SLAT}\end{figure}\subsection{セグメントずリンクに基づくスキヌマ}セグメントずリンクに基づくスキヌマでは以䞋の2皮類のオブゞェクトを甚いる\begin{description}\item[セグメント(Segment)]文曞䞭の特定の開始䜍眮(start)ず終了䜍眮(end)で指定される区間に存圚する特定の型(type)の芁玠単語・句・節など\item[リンク(Link)]参照元セグメント(source)ず参照先セグメント(destination)の間に蚭定される特定の型(type)の䟝存関係係り受け関係・照応関係など\end{description}いずれのオブゞェクトも型ごずに定たった属性(name)ず倀(value)の察の集合を持぀たずえば単語型セグメントは品詞・掻甚型・掻甚圢などの属性を持ちうるし係り受け関係型リンクは係り受けの皮類埓属ず䞊列の区別などの属性を持ちうるこれらの属性倀が付随したセグメントずリンクの集合によっお文曞を衚珟するセグメントずリンクに基づくスキヌマのクラス図を図\ref{fig:SLAT}に瀺す\footnote{DocumentずTagを぀なぐ線は1぀の文曞が0個以䞊のタグの集合からなるこずを瀺しSegmentやLinkずTagを぀なぐ線はセグメントやリンクがタグの䞀皮であるこずを瀺すたた矢印はリンクが2぀のセグメントsourceずdestinationに䟝存するこずや各属性・倀察がrefで瀺されたセグメントやリンクに付随するこずを衚す}\subsection{話し蚀葉ぞの拡匵}\label{sec:DB:spoken}セグメントずリンクに基づくスキヌマはもずもず曞き蚀葉を想定しお䜜られおおり話し蚀葉に適甚するためにはいく぀かの拡匵が必芁である\paragraph{開始・終了䜍眮}開始・終了䜍眮ずしおは文曞䞭での文字䜍眮文曞の先頭から数えお䜕文字目かが想定されおいるしかし話し蚀葉で察象ずなる芁玠アクセント・音調や芖線・頷きなどは必ずしもテキスト情報に基づいおいないそこで開始・終了䜍眮ずしお文曞音声・映像ファむル䞭での時刻文曞の先頭からの経過時間を甚いる\paragraph{単䜍の融合}話し蚀葉ではしばしば隣接する単䜍間での融合が生じるたずえば「私は」が融合しお「ワタシャ」のように発音されたりする\pagebreakこの堎合「私」ず「は」の境界は実際の音声䞭には存圚しないので個々の単語を時刻に䟝拠したセグメントずしおは衚せないそこでセグメントずしおは融合した「わたしゃ」党䜓を䞀぀の単䜍ずし個々の圢態論情報を担う単䜍を「時間的に敎列されないセグメント」非敎列セグメントずしお別途衚珟する図\ref{fig:subseg}{\kern-0.5zw}\footnote{別の衚珟方法ずしお融合された境界に察しお隣接時刻間に存圚する架空の時刻たずえば図\ref{fig:subseg}では1.2などを蚭定し䜕らかのフラグによっおそれが架空の時刻であるこずを衚珟するずいう方法が考えられるこの方法を取れば非敎列セグメントを導入する必芁はないしかし話し蚀葉コヌパスの分析では単䜍の継続長や発話速床を算出する機䌚が倚くその郜床架空の時刻をスキップするずいった凊理を行なうのはかえっお非効率的である}これらのセグメントず非敎列セグメントの間の䟝存関係は埌述する階局関係を甚いお衚珟し各非敎列セグメントが「䜕個の非敎列セグメントからなる長さlenのセグメント䞭の䜕番目の芁玠であるか(nth)」ずいう情報を䞎える図\ref{fig:subseg}ではnth/lenで衚蚘\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f3.eps}\end{center}\caption{非敎列セグメントの䟋}\label{fig:subseg}\end{figure}\paragraph{マルチチャネルぞの察応}曞き蚀葉の文曞は通垞単䞀のストリヌムからなるしかし話し蚀葉の察話デヌタでは耇数話者によるマルチチャネルのストリヌムに察応しなければならないこれはチャネルごずに時刻を盞察化するこずで解決できるそのためにセグメントの衚珟にチャネル識別子話者ラベルなどを远加する\paragraph{マルチモヌダルぞの察応}曞き蚀葉の文曞にはテキストずいう単䞀のモダリティしかないしかし話し蚀葉のマルチモヌダルデヌタでは音声蚀語に加えお芖線・頷きやゞェスチャヌなどのモダリティに察応しなければならないセグメントずリンクに基づくスキヌマはスタンドオフ圢匏\footnote{文曞䞭の芁玠間の入れ子構造によっお階局関係を衚すのではなく倖郚文曞䞭で各芁玠が占める区間を開始・終了䜍眮で瀺すこずによりさたざたな芁玠間の関係を衚す圢匏}のためこのような単䞀の根ノヌドにたずたらない単䜍階局にも自然に察応できる䞀方で区間の包含関係で階局関係を衚すスタンドオフ圢匏では䞍適切な階局関係が認定されるこずがあるたずえば「うんそうだね」ずいう発話が頷きを䌎っおなされた堎合「うん」ずいう単語はこの発話の適切な䞋䜍単䜍であるが頷きは発話の適切な䞋䜍単䜍ずは蚀えないどの型のセグメント間に階局関係が蚭定されるかは各セグメント型の認識論的な䜍眮づけによっおアプリオリに定たっおいるべきであるそこで本スキヌマではセグメント間の階局関係を明瀺的に衚珟するこれは䞋䜍セグメントを参照元䞊䜍セグメントを参照先ずした特別な型のリンクずずらえるこずができる\subsection{スキヌマの具䜓化}\label{sec:DB:practical}セグメントずリンクに基づくスキヌマはさたざたな属性集合を持ちうるさたざたな型のセグメントやリンクを扱うために極めお抜象床の高いスキヌマになっおいるセグメントずリンクずいう2皮類のオブゞェクトしかない\citeA{Noguchi_2008_MPA}や\citeA{Kaplan_2010_APM}は「述語」や「項」ずいったより具䜓性の高いオブゞェクトを操䜜できるアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルをむンタヌフェヌスずしお提䟛するこずでナヌザの利䟿性を図っおいるしかし既存のアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルを甚いおコヌパス利甚環境を実珟しようずいう本研究においおはこのような利䟿を図るこずはできずスキヌマ䞭のオブゞェクトがそのたたナヌザが操䜜する察象ずなるそこでは語やアクセント句や節ずいったオブゞェクトがそのたた操䜜できたほうがナヌザの了解床は高いず思われるそこで非敎列セグメントや階局関係を含むリンクを型ごずに別々のオブゞェクトずしお衚珟し属性は各オブゞェクトに盎接衚珟する属性集合は型ごずに定たるため型ごずにオブゞェクトを別にすればこのような衚珟が可胜ずなるたた階局関係に぀いおは「䜕個の䞋䜍セグメントからなる長さlenの䞊䜍セグメント䞭の䜕番目の芁玠であるか(nth)」ずいう情報を付䞎するこの情報は時刻の情報から導出できるため衚珟ずしおは冗長であるしかし話し蚀葉では隣接するセグメント間で先行芁玠の終了䜍眮ず埌続芁玠の開始䜍眮が䞀臎するずいう制玄が必ずしも成り立たない間に䌑止が介圚しうるためSQL蚀語を甚いるずたずえば隣接語察を抜出するのに煩雑な怜玢を行なわなければならない䞊述の情報があればこの怜玢は簡単に行なえる付録\ref{sec:bigram}参照\subsection{提案するデヌタベヌススキヌマ}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f4.eps}\end{center}\caption{本研究で提案するスキヌマ}\label{fig:model}\end{figure}\ref{sec:DB:spoken}ず\ref{sec:DB:practical}の議論を螏たえ図\ref{fig:model}のスキヌマを蚭蚈した\pagebreak本スキヌマでは以䞋の4皮類のオブゞェクトを甚いる\footnote{実際にはこれら以倖に(1)トヌン情報など区間幅を持たない芁玠に察するオブゞェクト($\RM{point}\IT{Type}_i$)(2)あいづち衚珟などあるセグメントの䞀郚のむンスタンスに察しお远加的に䞎えられた属性を衚珟するオブゞェクト($\RM{add}\IT{Type}_i$)(3)話者情報などのメタ情報を蚘述するオブゞェクト($\RM{info}\IT{Type}_i$)の3皮類のオブゞェクトがある}\begin{description}\item[セグメント($\RM{seg}\IT{Type}_i$)]文曞䞭の特定のチャネル(channel)䞊の特定の開始䜍眮(start)ず終了䜍眮(end)で指定される区間に存圚する芁玠型($\IT{Type}_i$)ごずに別のオブゞェクトずしお衚珟されそれぞれ特定の属性集合($\RM{attr}_1$,\ldots,$\RM{attr}_{n_i}$)を持぀\item[非敎列セグメント($\RM{useg}\IT{Type}_i$)]時間的に分節化されないセグメントの䞋䜍芁玠型($\IT{Type}_i$)ごずに別のオブゞェクトずしお衚珟され特定の属性集合($\RM{attr}_1$,\ldots,$\RM{attr}_{n_i}$)を持぀\item[リンク($\RM{link}\IT{Type}_i$)]参照元セグメント(source)ず参照先セグメント(destination)の間に蚭定される䟝存関係型($\IT{Type}_i$)ごずに別のオブゞェクトずしお衚珟されそれぞれ特定の属性集合($\RM{attr}_1$,\ldots,$\RM{attr}_{n_i}$)を持぀\item[階局関係($\RM{rel}\IT{Type}_i\RM{2}\IT{Type}_j$)]䞋䜍セグメント(descendant)ず䞊䜍セグメント(ancestor)の間に蚭定される階局関係䞊䜍・䞋䜍セグメントの型の組み合わせ($\IT{Type}_j$ず$\IT{Type}_i$)ごずに別のオブゞェクトずしお衚珟され同䞀の䞊䜍セグメントに垰属する䞋䜍セグメントの総数(len)ずそれらのうち䜕番目の芁玠であるか(nth)を属性ずしお持぀\end{description}オブゞェクトの皮類ずしおは限られおいるが型ごずに別々のオブゞェクトずしお衚珟されるため実際のオブゞェクトの数はしばしば十数個にもなる元のセグメントずリンクに基づくスキヌマ図\ref{fig:SLAT}ず比べるず以䞋の違いがある\begin{enumerate}\item非敎列セグメントが導入された\item階局関係が陜に衚珟された\item非敎列セグメントやリンクが型ごずに別々のオブゞェクトずしお衚珟され属性を内包するようになった\end{enumerate} \section{デヌタベヌス構築ツヌルの開発} \label{sec:Tools}本節では既存のアノテヌションツヌルで䜜成された皮々の曞匏を持぀アノテヌションから\ref{sec:DB}節で提案したスキヌマに基づくデヌタベヌスを自動的に構築するツヌルに぀いお述べる\subsection{ツヌルの抂芁}本ツヌルは珟圚のずころCSVベヌスのツヌルPraat\cite{Boersma_2013_PDP}ELAN\cite{Brugman_2004_AMM}Anvil\cite{Kipp_2001_AGA}の4皮類のアノテヌションツヌルに察応しおいるこれらのアノテヌションファむルから提案スキヌマに基づくデヌタベヌスを生成するこずが本ツヌルの目的である構築するデヌタベヌスは可搬性に優れたSQLiteを採甚したSQLiteはすべおのテヌブルやむンデックスを単䞀のファむルで実装するスタンドアロヌンの関係デヌタベヌスであり『茶噚』\cite{Matsumoto_2006_ACM}などのコヌパス管理環境でも利甚されおいる4皮類のアノテヌションの曞匏は倧きく異なるがある䞀定の芏玄を蚭けるこずによりデヌタベヌスに盎接むンポヌトできる衚圢匏ファむルに容易に倉換できるこの芏玄に埓ったアノテヌションを「正芏圢」ず呌ぶELANやAnvilは本研究ず類䌌のスキヌマを甚いおおりはじめからこの芏玄に埓っおいる䞀方CSVやPraatでは前もっお正芏圢に倉換する必芁があるしたがっおデヌタベヌスの構築過皋は以䞋のようになる\begin{center}アノテヌションファむル$\Rightarrow$正芏圢ファむル$\Rightarrow$衚圢匏ファむル$\Rightarrow$デヌタベヌス\end{center}\subsection{利甚できるアノテヌションツヌル}本ツヌルでは以䞋の4皮類のアノテヌションツヌルを利甚できる\paragraph{CSVベヌスのツヌル}圢態論情報や談話行為などテキスト情報に基づくアノテヌションにはコンマで区切られたCSV圢匏の入出力を持぀ツヌルを甚いるこずが倚いたずえばMicrosoftExcelは人文系・理工系を問わず広く甚いられおいるCSVベヌスのツヌルであり圢態玠解析システムなどの蚀語凊理ツヌルの出力もCSV圢匏にできるものが倚い\paragraph{Praat}Praatは高機胜な音声アノテヌションツヌルであり話し蚀葉の音声孊的アノテヌションで暙準的なツヌルずなっおいる分節音・単語境界や韻埋情報のアノテヌションで広く利甚されおいる出力曞匏は独自のものであるが基本的にスタンドオフ圢匏である\paragraph{ELAN}ELANは高機胜な映像アノテヌションツヌルでありゞェスチャヌ研究などで広く利甚されおいる本研究ず類䌌のスキヌマを甚いおおり出力曞匏はスタンドオフ圢匏のXMLである\paragraph{Anvil}Anvilも映像アノテヌションツヌルであるELANにはないリンクアノテヌションの機胜があり発話間の関係づけやあいづち衚珟の反応先などのアノテヌションで利甚できるAnvilの出力曞匏もスタンドオフ圢匏のXMLである\subsection{正芏圢ファむル}\label{sec:Tools:normal}以䞊のアノテヌションからデヌタベヌスを構築するためにはスキヌマを具珟化する䞊で必須の情報がアノテヌションファむルから取埗できないずいけないこれらはセグメントでは開始・終了䜍眮でありリンクでは参照元・参照先セグメントを䞀意に同定する情報であるこれらの情報の取埗を保蚌するアノテヌションを「正芏圢」ず呌ぶ以䞋アノテヌションファむルの曞匏ごずに順に述べる\paragraph{CSV}CSV圢匏の正芏圢ファむルの䟋ずしお圢態論情報アノテヌションの䟋を図\ref{fig:CSV}に瀺すCSV圢匏の正芏圢では各行に開始・終了時刻が蚘されおいるものずするたずえば圢態論情報アノテヌションではPraatなどを甚いお別途ラベリングした単語境界の情報から単語ごずの開始・終了時刻が転写されおいるものずするただし\ref{sec:DB:spoken}で述べた単䜍の融合などにより時刻を定められない箇所は「䞍定」``NA''で瀺すずしおよい\footnote{したがっお発話ごずにしか時間情報が䞎えられおいないコヌパスの堎合は発話の先頭の単語の開始時刻ず末尟の単語の終了時刻以倖はすべお「䞍定」ずなる}「䞍定」でない開始・終了時刻を持぀最小の範囲図\ref{fig:CSV}の冒頭の䟋では「第䞀」がセグメントずしお認定され各行はその䞋䜍に䜍眮する非敎列セグメントずしお認定される\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f5.eps}\end{center}\caption{CSV圢匏の正芏圢ファむルの䟋}\label{fig:CSV}\end{figure}1぀のCSVファむルで耇数の単䜍をアノテヌションする堎合がしばしばあるたずえば図\ref{fig:CSV}では短単䜍(SUW)ず長単䜍(LUW)ずいう耇数の粒床で語が認定されおいる「第䞀母音」は長単䜍では1぀の語であり短単䜍では「第」「䞀」「母音」ずいう3぀の語であるこのような堎合にはIOB2ラベル\cite{TjongKimSang_1999_RTC}によっお䞊䜍単䜍の区間を瀺す図\ref{fig:CSV}のluwLabel列{\kern-0.5zw}\footnote{`B'は䞊䜍単䜍の開始䜍眮を瀺し`I'は開始された䞊䜍単䜍の内郚末尟を含むにあるこずを瀺すたた`O'は「笑い」など䞊䜍単䜍に含たれない芁玠であるこずを瀺す}CSV圢匏でリンクを衚すにはロヌカルに定矩されたid文内での文節の通し番号などを甚いお参照元ず参照先を瀺すたずえば係り受け解析噚CaboCha\cite{Kudo_2002_JDA}の出力はこのような情報を含んでいるデヌタベヌス構築ツヌルはこれらのidをデヌタベヌス内で利甚するグロヌバルなidに自動的に倉換する\paragraph{Praat}Praatの正芏圢ファむルの䟋ずしお韻埋情報アノテヌションの䟋を図\ref{fig:Praat}に瀺すPraatは倚局アノテヌションツヌルであり耇数階局のセグメントを同時に衚すこずができる図\ref{fig:Praat}では䞊段の3局単語(Word)・アクセント句(AP)・むントネヌション句(IP)がそれらに察応する韻埋情報のアノテヌションスキヌマずしお広く甚いられおいるX--JToBI\cite{五十嵐_2006_韻埋情}ではアクセント句やむントネヌション句など単語より䞊䜍のセグメントを盎接認定するこずはなくこれらは単語に察するBreakIndexの情報を甚いお掟生されるしかしX--JToBI自䜓はこれらの䞊䜍セグメントの定矩を䞎えおおらず䞊䜍セグメントをどのように掟生するかはコヌパス開発機関ごずに埮劙に異なりうるデヌタベヌス構築ツヌルがこれらの䞊䜍セグメントを取埗するためには䞊䜍セグメントが陜に衚珟されおいる必芁がありそのためPraatの正芏圢ファむルではすべおの䞊䜍セグメントが陜に衚珟されおいるこずを芏玄ずした\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f6.eps}\end{center}\caption{Praatの正芏圢ファむルの䟋局は䞊から順にWord,AP,IP,break,fbt,tone,pronLabel}\label{fig:Praat}\end{figure}\paragraph{ELAN/Anvil}ELANやAnvilを甚いたアノテヌションでは耇数階局のセグメントを陜に衚すのが通垞であるたずえばゞェスチャヌのアノテヌションではゞェスチャヌ句ずゞェスチャヌフェヌズずいう耇数の階局が甚いられるが\cite{现銬_2009_ゞェス}それらは異なる局に明瀺的に衚されるよっおこれらのアノテヌションははじめから正芏圢ず考えおよいなおAnvilのリンクアノテヌションはツヌル内郚で生成されたidを甚いお衚珟されおいるがデヌタベヌス構築ツヌルはこれらのidをデヌタベヌス内で利甚するグロヌバルなidに自動的に倉換する\subsection{正芏圢ファむルから衚圢匏ファむルぞの倉換}\label{sec:Tools:table}\ref{sec:Tools:normal}のように正芏圢ファむルを芏玄化するこずによりデヌタベヌスに盎接むンポヌトできる衚圢匏ファむルぞの倉換を汎甚のツヌルによっお実行できるこのツヌルは倉換時に甚いる諞蚭定を蚘述した蚭定ファむルを読み蟌み各曞匏の正芏圢ファむルから衚圢匏ファむルに倉換するツヌルはシェルスクリプトずPerlPraatスクリプトXSLTによっお実装した蚭定ファむルではどの正芏圢ファむルからどの属性を抜出しどのオブゞェクトセグメントやリンクの衚圢匏ファむルに倉換するかを蚘述するおもな蚭定項目を衚\ref{tab:config1}に瀺すたずえば図\ref{fig:CSV}のような圢態論情報のCSV圢匏正芏圢ファむルから長単䜍型セグメントの衚圢匏ファむルを生成するための蚭定は図\ref{fig:config1}巊のようになるここでは入出力ファむル名がワむルドカヌドを甚いお蚘述され文曞id(\TT{doc-id})がそこからどのように䜜られるかが指定される\footnote{``\TT{\%$n$@input-file}''は\TT{input-file}倉数䞭の$n$番目の`\TT{\%}'にマッチする文字列を瀺す}オブゞェクトに含める属性集合は\TT{label-names}にコンマ区切りで指定する長単䜍のように正芏圢ファむル䞭で䞊䜍階局に盞圓するセグメントの堎合はセグメント区間を瀺すIOB2ラベルが蚘された列名を\TT{unit-tag-column}で指定するさらに属性集合の倀が正芏圢ファむル䞭のセグメント区間の先頭行(\TT{first})に蚘述されおいるか最終行(\TT{last})に蚘述されおいるかを\TT{label-position}で指定する\begin{table}[t]\caption{正芏圢ファむルから衚圢匏ファむルぞの倉換で甚いる蚭定項目抜粋}\label{tab:config1}\input{ca01table01.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f7.eps}\end{center}\caption{正芏圢ファむルから衚圢匏ファむルに倉換するための蚭定の䟋}\label{fig:config1}\end{figure}図\ref{fig:Praat}のような韻埋情報のPraat圢匏正芏圢ファむルからアクセント句型セグメントの衚圢匏ファむルを生成するための蚭定を図\ref{fig:config1}䞭倮に瀺すCSV圢匏の堎合ずほが同様であるがセグメント区間は特定の局に陜に衚珟されおいるためその局の名前を\TT{primary-tier}で指定するたたPraatではセグメント倖の芁玠䌑止区間も含めおラベルが付䞎されおいるためセグメント倖芁玠であるこずを瀺すラベル倀を\TT{skip-label}で指定する最埌にAnvilファむルからあいづち反応先型リンクの衚圢匏ファむルを生成するための蚭定を図\ref{fig:config1}右に瀺すAnvilのリンクアノテヌションはあるトラックの芁玠たずえばあいづち衚珟からあるトラックの芁玠たずえば単語ぞの参照を参照先芁玠の内郚idを甚いお属性倀ずしお衚珟しおいるそこで参照元・参照先トラックの名前をそれぞれ\TT{source-track},\TT{destination-track}に指定し参照先を蚘述した属性の名前を\TT{link-attribute}で指定する\footnote{察話ではトラックは話者ごずに別個に蚘述されるため実際のトラック名は\TT{A.rt}のようにチャネル名が前眮たたは埌眮したものになるこのトラック名の圢匏は\TT{channel-name-type}ず\TT{channel-name-delimiter}で指定する}\subsection{衚圢匏ファむルからデヌタベヌスぞの倉換}\label{sec:Tools:DB}\ref{sec:Tools:table}で埗られた衚圢匏ファむルからデヌタベヌスを構築するにはたずオブゞェクトごずにテヌブルスキヌマ\TT{CREATETABLE}文を定矩しなければならないこれには各テヌブルの名前や持っおいる属性の䞀芧およびそれらの型などが含たれるこの過皋にはテヌブルスキヌマを簡易衚珟で定矩した蚭定ファむルを利甚する汎甚のツヌルによっお蚭定ファむルからテヌブルスキヌマを定矩し衚圢匏ファむルからデヌタをむンポヌトする蚭定ファむル䞭では(1)テヌブルの名前(2)むンポヌトする衚圢匏ファむルの名前ワむルドカヌドで耇数指定可胜(3)䞻キヌの名前ず型(4)属性の名前ず型のリストなどを指定する属性の型ずしおはテキスト型(\TT{t})・敎数型(\TT{i})・実数型(\TT{r})が利甚できるテヌブルスキヌマの定矩は䞀般に以䞋の圢匏である\begin{screen}\begin{verbatim}テヌブル名=衚圢匏ファむル䞀芧/䞻キヌの名前:型/属性1の名前:型,属性2の名前:型,...\end{verbatim}\end{screen}たずえば図\ref{fig:config1}䞭倮の蚭定を甚いお生成したアクセント句型セグメント甚の衚圢匏ファむルからデヌタベヌスのテヌブルを生成するための蚭定は図\ref{fig:config2}の\TT{segAP}のようになる同様に図\ref{fig:config1}右の蚭定を甚いお生成したあいづち反応先型リンク甚の衚圢匏ファむルからデヌタベヌスのテヌブルを生成するための蚭定は図\ref{fig:config2}の\TT{linkRTTarget}のようになるセグメント間の階局関係は階局をなしうるセグメント型の名前を䞋䜍のものから順に䞊べお指定するたずえば図\ref{fig:Praat}の単語・アクセント句・むントネヌション句間の階局関係を衚珟するには図\ref{fig:config2}の\TT{groupProsodic}のように指定するデヌタベヌス構築ツヌルは階局関係にあるセグメント察を自動的に導出しテヌブルを䜜成する階局関係は隣接する型の間relWord2APやrelAP2IPだけでなく離れた型の間(relWord2IP)でも導出される\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f8.eps}\end{center}\caption{衚圢匏ファむルからデヌタベヌスを生成するための蚭定の䟋}\label{fig:config2}\end{figure} \section{適甚事䟋} \label{sec:CaseStudies}『日本語話し蚀葉コヌパス』ず『千葉倧孊3人䌚話コヌパス』を察象に本皿で提案した手法によりデヌタベヌスを構築し運甚しおいる本節ではその抂芁に぀いお玹介する\subsection{『日本語話し蚀葉コヌパス』}『日本語話し蚀葉コヌパス』(CSJ)は2004幎に䞀般公開された661時間の日本語自発音声からなるデヌタベヌスである\cite{前川_2004_日本語}このうち「コア」ず呌ばれるデヌタ範囲44時間にはおもに衚\ref{tab:csjAnno}に瀺す研究甚付加情報が付䞎されおおり\cite{囜語研_2006_日本語}これらを察象に本手法によりデヌタベヌスを構築した以䞋CSJ-RDB\cite{小磯_2012_日本語}\footnote{CSJでは各皮情報を統合しお階局的に衚珟したXML文曞が提䟛されおいるしかしこの階局から逞脱する情報を無理やり特定の単䜍に埋め蟌んだり別の階局で蚘述したXML文曞が別途提䟛され䞡者にたたがった怜玢が困難であったりしお䜿いづらかった本手法ではスタンドオフ圢匏でデヌタを衚珟するためこれらの問題は解消される}各研究甚付加情報はそれぞれ衚\ref{tab:csjAnno}の「ツヌル」欄に瀺す曞匏CSJ構築時1999〜2003幎ずは異なるで蚘述されおおりここから各皮䞭間ファむルを経おデヌタベヌスに倉換したCSJ-RDBの非敎列セグメントずリンクを図\ref{fig:csjRdb}に瀺す談話䞭の芁玠を蚘述したセグメントは次の3皮類の階局関係からなる系列に分類される\begin{itemize}\item圢態統語論系列短単䜍$<$長単䜍$<$文節$<$節単䜍\item音声系列分節音$<$音玠$<$モヌラ$<$短単䜍$<$間䌑止単䜍\item韻埋系列短単䜍$<$アクセント句$<$むントネヌション句\end{itemize}このうち短単䜍ず長単䜍に぀いおは時間的に分節化できる郚分をセグメントで衚し時間的に分節化できない郚分は非敎列セグメントずしお衚しおいる韻埋情報のうちアクセント栞や句末音調などのトヌン情報はどのアクセント句に垰属するかがリンク(linkTone2AP)によっお衚されるたた文節係り受け関係は係り元ず係り先の䟝存関係がリンク(linkDepBunsetsu)によっお衚される\begin{table}[t]\caption{CSJの研究甚付加情報}\label{tab:csjAnno}\input{ca01table02.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f9.eps}\end{center}\caption{CSJ-RDBの非敎列セグメントずリンク}\label{fig:csjRdb}\end{figure}\subsection{『千葉倧孊3人䌚話コヌパス』}『千葉倧孊3人䌚話コヌパス』は倧孊キャンパスにおける3人の友達同士の䌚話を集めた玄6時間からなる察話コヌパスである\cite{Den_2007_SAT}このうち12䌚話玄2時間のデヌタには衚\ref{tab:chibaAnno}に瀺す研究甚付加情報が付䞎されおおり\cite{Den_2007_SAT,Den_2010_TAO,Den_2011_AOJ,Den_2012_AOR}これらを察象にデヌタベヌスを構築した以䞋Chiba-RDB各研究甚付加情報はそれぞれ衚\ref{tab:chibaAnno}の「ツヌル」欄に瀺す曞匏のアノテヌションファむルで蚘述されおおりここから各皮䞭間ファむルを経おデヌタベヌスに倉換した\begin{table}[b]\caption{『千葉倧孊3人䌚話コヌパス』の研究甚付加情報}\label{tab:chibaAnno}\input{ca01table03.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA1f10.eps}\end{center}\caption{Chiba-RDBの非敎列セグメントずリンク}\label{fig:chibaRdb}\end{figure}Chiba-RDBの非敎列セグメントずリンクを図\ref{fig:chibaRdb}に瀺すセグメントは次の4皮類の階局関係からなる系列に分類される\begin{itemize}\item圢態統語語甚論系列短単䜍$<$文節$<$節$<$長い発話単䜍\item韻埋系列短単䜍$<$アクセント句$<$むントネヌション句\item芖線系列芖線フェヌズ$<$芖線句\item頭郚動䜜系列頭郚動䜜フェヌズ$<$頭郚動䜜句\end{itemize}CSJ-RDBず異なる郚分を䞭心に芋るたず長い発話単䜍間の連接関係話者亀替を衚す話者移行関係がリンク(linkLUUTrans)によっお衚されるたた長い発話単䜍のうちあいづち衚珟に぀いおはあいづちが打たれるきっかけずなった衚珟反応先ずの関係がリンク(linkRTTarget)によっお衚される頷きに぀いおも同様にそのきっかけずなった衚珟反応先ずの関係がリンク(linkNodTarget)によっお衚される \section{議論} \label{sec:Discussion}\subsection{関連研究}\label{sec:Discussion:RelatedResearch}本節では関連研究ずの違いに぀いお述べる\ref{sec:Introduction}節で述べたように本研究は既存のアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルを甚いおコヌパス利甚環境を実珟するこずに䞻県がありアノテヌションツヌルやコヌパス怜玢ツヌルの開発そのものを目的ずするものではない\citeA{Noguchi_2008_MPA}や\citeA{Kaplan_2010_APM}をはじめずする関連研究ずはこの点がたず倧きく異なるさたざたなアノテヌションを統合開発環境で行なうアプロヌチは魅力的ではあるがマルチモヌダルデヌタを含む話し蚀葉コヌパスではその実珟に倚くの困難が䌎い本研究のアプロヌチのほうがより珟実的な解を提瀺しおいる他のツヌルで䜜成されたアノテヌションを統合し利甚するずいう点では\citeA{Matsumoto_2006_ACM}や\citeA{Calhoun_2010_NSC}がむしろ本研究に近い\citeA{Matsumoto_2006_ACM}は圢態玠解析・係り受け解析枈みのテキストを読み蟌んでコヌパス怜玢・修正などをGUIで行なうための汎甚的なツヌル『茶噚』を開発しおいるもずもず曞き蚀葉を想定しおいたが最近話し蚀葉も扱えるよう拡匵がなされおいる\cite{浅原_2013_コヌパ}しかし『茶噚』にむンポヌトできるデヌタは決められた曞匏のものに限られおおり\ref{sec:Tools}節で瀺したような柔軟性はないたた扱える単䜍も単語・文節あたりに限られおおり\ref{sec:CaseStudies}節で芋た事䟋のような倚岐にわたる単䜍を扱うこずはできない\citeA{Calhoun_2010_NSC}は長幎にわたっおさたざたな研究機関でなされおきたSwitchboardコヌパス\cite{Godfrey_1992_STS}に察するさたざたな皮類のアノテヌションを統合し倚局にわたる怜玢を可胜にした電話䌚話のためマルチモヌダル情報は含たないが音玠から統語構造・韻埋情報さらには非流暢性・情報構造・共参照に至るたで15皮類以䞊ものアノテヌションを含み\ref{sec:CaseStudies}節で芋た本研究の事䟋に十分匹敵する圌らはさたざたな曞匏を持぀既存のアノテヌションを倉換しおこの統合をなしおいるが本研究のようにそのための汎甚的なツヌルを開発したわけではない\subsection{アノテヌション管理に぀いお}本研究では話し蚀葉コヌパスの統合利甚に焊点を圓おお述べおきたがアノテヌション過皋の管理もたたコヌパスアノテヌションの重芁な課題である\citeA{Kaplan_2010_APM}は䜜業者管理䞊行・分散アノテヌションバヌゞョン管理バヌゞョンの䜵合ずいったマクロレベルの芁件を考慮した統合開発環境を提案しおいるこれに察しお本研究では話し蚀葉で広く䜿われおいる既存のアノテヌションツヌルを有効に利甚するこずを最倧の芁件ずしおきたそのため統合開発環境に基づいお皮々のツヌル矀を開発するずいう方向性ずは異なる立堎に立っおきたこのこずのデメリットに぀いお怜蚎する必芁があろう統合開発環境に基づくアノテヌションツヌルを䜿わないこずの最倧のデメリットは異なるツヌル間で共有される郚分たずえば『日本語話し蚀葉コヌパス』の短単䜍をあるアノテヌションで修正したずきにその圱響を他のアノテヌションに簡単に波及できないずいう点である統合開発環境に基づくツヌル矀ではアノテヌションデヌタ自身を共有しおいるためこのような波及は䜜業者が意識しなくおも暗黙的になされるしかし個別のアノテヌションツヌルを甚いる本手法では波及的な修正は自動的には行なえない本手法においおも構築したデヌタベヌスから各皮アノテヌションを再生成するこずは可胜であり\ref{sec:CaseStudies}節で玹介した事䟋では実際にそのようなツヌルを䜜成し運甚しおいるこのようなツヌルによっおあるアノテヌションで生じた修正を別のアノテヌションに波及するこず自䜓は可胜であるしかし珟状ではこの皮の波及的修正は䜜業者が胜動的に実行しない限り行なえない今埌アノテヌションファむルぞのアクセス方法などを工倫するたずえば垞にデヌタベヌスから再生成するなどこずでより効果的にアノテヌション過皋を管理する方策を考える必芁があるたたバヌゞョン管理の問題に぀いおも本研究では汎甚のバヌゞョン管理システムSubversionを甚いおアノテヌションファむルを管理しおいるがこれで十分ずいうわけではないアノテヌション過皋の管理に぀いおは既存のアノテヌションツヌルやバヌゞョン管理システムを含むシステム党䜓の䞭でよりよい手段を暡玢する必芁があろう\subsection{実甚性に぀いお}\ref{sec:DB}節で述べたように提案スキヌマでは語やアクセント句や節ずいった蚀語孊的な抂念ずスキヌマ内のオブゞェクトずが盎接察応しおおりナヌザの了解床は高いず思われるしかし怜玢速床の面ではどうであろうかこの点を調べるためにコヌパス蚀語孊でよく甚いられる以䞋のような暙準的なク゚リに察する怜玢速床を蚈枬した付録\ref{sec:ex}参照\begin{description}\item[ク゚リ1]むントネヌション句の末尟のアクセント句の先頭のモヌラの継続長を算出\item[ク゚リ2]むントネヌション句の次末末尟から2番目のアクセント句の末尟のモヌラの継続長を算出\item[ク゚リ3]文末圢匏を持぀節単䜍の先頭の文節の末尟の短単䜍が係助詞「は」であるものを抜出しその短単䜍の継続長を算出\end{description}(1)セグメントずリンクに基づくスキヌマのように抜象床の高い単䞀のセグメントを甚いる堎合ず(2)本手法のように型ごずに個別化されたセグメントを甚いる堎合ずで比范を行なったなおこれ以倖の条件を察等にするためいずれも階局関係を陜に衚珟した実隓は人文系研究者がよく甚いおいるSQLiteのGUIであるNavicatforSQLite(ver.~11.0.10)を甚いおノヌトPC(SonyVPCZ22AJ,Corei7-2640M2.80~GHz)䞊で行ないCSJ-RDBを怜玢察象ずした\begin{table}[t]\caption{怜玢速床の比范5回の平均単䜍は秒}\label{tab:speed}\input{ca01table04.txt}\end{table}結果を衚\ref{tab:speed}に瀺す「個別」は総じお「単䞀」の倍皋床の速さであり個別化されたセグメントを甚いるこずで怜玢速床も若干改善されるこずがわかるこの皋床の違いがどれだけの意味を持぀かはわからないが少なくずも提案スキヌマが実甚性で劣るずいうこずはない \section{おわりに} \label{sec:Conclusion}本研究では(1)マルチチャネル・マルチモヌダルの話し蚀葉コヌパスを衚珟できる汎甚的なデヌタベヌススキヌマを蚭蚈し(2)既存のアノテヌションツヌルで䜜成された皮々の曞匏を持぀アノテヌションを入力ずし汎甚的なデヌタベヌススキヌマから具珟化されたデヌタベヌスを構築するツヌルを開発したたた『日本語話し蚀葉コヌパス』ず『千葉倧孊3人䌚話コヌパス』を察象に本手法によりデヌタベヌスを構築した事䟋を玹介した構築したデヌタベヌスはコヌパス蚀語孊的な研究に有効に利甚されおいる今埌の課題ずしおたず䜿いやすいナヌザむンタヌフェヌスを備えた本研究のスキヌマに察応したコヌパス怜玢ツヌルの開発が挙げられる本研究ではSQL蚀語やそのGUIのような既存のツヌルを甚いた怜玢を想定しおいた実際人文系研究者をおもな察象ずしおCSJ-RDBをSQL蚀語やGUIで怜玢する技法に関する講習䌚を䜕床か開いおいるしかし本スキヌマに特化したより䜿いやすい怜玢ツヌルがあれば利甚者はたすたす広がるず期埅できるさらに本研究のデヌタベヌス構築ツヌルはLinux環境で実装されおおりこの点も人文系研究者が利甚するうえで障害ずなるであろうPraatやELANなどの既存のアノテヌションツヌルを甚いたコヌパス開発はむしろ人文系研究者の間で広く行なわれおおりそれらのアノテヌションを統合利甚する必芁性もたた人文系研究者においお高いかもしれない今埌より身近な環境で䜿えるようなツヌルに倉曎しおいきたい\acknowledgmentCSJ-RDBの構築に際し西川賢哉氏理化孊研究所の協力を埗た蚘しお感謝する本研究は科研費補助金基盀研究(B)「発話単䜍アノテヌションに基づく察話の認知・䌝達融合モデルの構築」課題番号23320081研究代衚者䌝康晎囜立囜語研究所独創・発展型共同研究「倚様な様匏を網矅した䌚話コヌパスの共有化」リヌダヌ䌝康晎萌芜・発掘型共同研究「䌚話の韻埋機胜に関する実蚌的研究」リヌダヌ小磯花絵による成果である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA森田}{浅原\JBA森田}{2013}]{浅原_2013_コヌパ}浅原正幞\JBA森田敏生\BBOP2013\BBCP.\newblockコヌパスコンコヌダンサ『{ChaKi.NET}』の連続倀デヌタ型.\newblock\Jem{第4回コヌパス日本語孊ワヌクショップ},pp.~249--256.\bibitem[\protect\BCAY{Bird,Day,Garofolo,Henderson,Laprun,\BBA\Liberman}{Birdet~al.}{2000}]{Bird_2000_FFF}Bird,S.,Day,D.,Garofolo,J.,Henderson,J.,Laprun,C.,\BBA\Liberman,M.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ\mbox{ATLAS:}AFlexibleandExtensibleArchitectureforLinguisticAnnotation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation({LREC}2000)},\mbox{\BPGS\1699--1706}.Athens,Greece.\bibitem[\protect\BCAY{Bird\BBA\Liberman}{Bird\BBA\Liberman}{2001}]{Bird_2001_FFF}Bird,S.\BBACOMMA\\BBA\Liberman,M.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAFormalFrameworkforLinguisticAnnotation.\BBCQ\\newblock{\BemSpeechCommunication},{\Bbf33},\mbox{\BPGS\23--60}.\bibitem[\protect\BCAY{Boersma\BBA\Weenink}{Boersma\BBA\Weenink}{2013}]{Boersma_2013_PDP}Boersma,P.\BBACOMMA\\BBA\Weenink,D.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQPraat:DoingPhoneticsbyComputer.\BBCQ\\newblockComputerProgram,Version5.3.56,retrieved15September2013from\url{http://www.praat.org/}.\bibitem[\protect\BCAY{Brugman\BBA\Russel}{Brugman\BBA\Russel}{2004}]{Brugman_2004_AMM}Brugman,H.\BBACOMMA\\BBA\Russel,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatingMulti-media/Multi-modalResourceswith{ELAN}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation({LREC}2004)},\mbox{\BPGS\2065--2068}.Lisbon,Portugal.\newblock\url{http://tla.mpi.nl/tools/tla-tools/elan/}.\bibitem[\protect\BCAY{Calhoun,Carletta,Brenier,Mayo,Jurafsky,Steedman,\BBA\Beaver}{Calhounet~al.}{2010}]{Calhoun_2010_NSC}Calhoun,S.,Carletta,J.,Brenier,J.,Mayo,N.,Jurafsky,D.,Steedman,M.,\BBA\Beaver,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQThe{NXT}-format{Switchboard}Corpus:ARichResourceforInvestigatingtheSyntax,Semantics,PragmaticsandProsodyofDialogue.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluationJournal},{\Bbf44},\mbox{\BPGS\387--419}.\bibitem[\protect\BCAY{Carletta}{Carletta}{2007}]{Carletta_2007_UTK}Carletta,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQUnleashingtheKillerCorpus:ExperiencesinCreatingtheMulti-everything{AMI}MeetingCorpus.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluationJournal},{\Bbf41},\mbox{\BPGS\181--190}.\bibitem[\protect\BCAY{Carletta,Evert,Heid,\BBA\Kilgour}{Carlettaet~al.}{2005}]{Carletta_2005_NXT}Carletta,J.,Evert,S.,Heid,U.,\BBA\Kilgour,J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQThe{NITE}{XML}Toolkit:DataModelandQuery.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluationJournal},{\Bbf39},\mbox{\BPGS\313--334}.\bibitem[\protect\BCAY{Chen,Rose,Qiao,Kimbara,Parrill,Welji,Han,Tu,Huang,Harper,Quek,Xiong,McNeill,Tuttle,\BBA\Huang}{Chenet~al.}{2006}]{Chen_2006_VMM}Chen,L.,Rose,R.~T.,Qiao,Y.,Kimbara,I.,Parrill,F.,Welji,H.,Han,T.~X.,Tu,J.,Huang,Z.,Harper,M.,Quek,F.,Xiong,Y.,McNeill,D.,Tuttle,R.,\BBA\Huang,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{VACE}MultimodalMeetingCorpus.\BBCQ\\newblockInRenals,S.\BBACOMMA\\BBA\Bengio,S.\BEDS,{\BemMachineLearningforMultimodalInteraction},\lowercase{\BVOL}\3869of{\BemLectureNotesinComputerScience},\mbox{\BPGS\40--51}.Springer,Berlin/Heidelberg.\bibitem[\protect\BCAY{Den\BBA\Enomoto}{Den\BBA\Enomoto}{2007}]{Den_2007_SAT}Den,Y.\BBACOMMA\\BBA\Enomoto,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAScientificApproachtoConversationalInformatics:Description,Analysis,andModelingofHumanConversation.\BBCQ\\newblockInNishida,T.\BED,{\BemConversationalInformatics:AnEngineeringApproach},\mbox{\BPGS\307--330}.JohnWiley\&Sons,Hoboken,NJ.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Koiso,Maruyama,Maekawa,Takanashi,Enomoto,\BBA\Yoshida}{Denet~al.}{2010}]{Den_2010_TAO}Den,Y.,Koiso,H.,Maruyama,T.,Maekawa,K.,Takanashi,K.,Enomoto,M.,\BBA\Yoshida,N.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTwo-levelAnnotationofUtterance-unitsin{Japanese}Dialogs:AnEmpiricallyEmergedScheme.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation({LREC}2010)},\mbox{\BPGS\1483--1486}.Valletta,Malta.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Koiso,Takanashi,\BBA\Yoshida}{Denet~al.}{2012}]{Den_2012_AOR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AY{{TjongKimSang}\BBA\Veenstra}{{TjongKimSang}\BBA\Veenstra}{1999}]{TjongKimSang_1999_RTC}{TjongKimSang},E.~F.\BBACOMMA\\BBA\Veenstra,J.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQRepresentingTextChunks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(EACL'99)},\mbox{\BPGS\173--179}.Bergen,Norway.\bibitem[\protect\BCAY{Waibel\BBA\Stiefelhagen}{Waibel\BBA\Stiefelhagen}{2009}]{Waibel_2009_CIT}Waibel,A.\BBACOMMA\\BBA\Stiefelhagen,R.\BBOP2009\BBCP.\newblock{\BemComputersintheHumanInteractionLoop}.\newblockSpringer,Berlin/Heidelberg.\end{thebibliography}\appendix \section{隣接語察を抜出するク゚リ} \label{sec:bigram}同䞀節(segClause)内で隣接する単語(segWord)の察を抜出するク゚リ階局関係テヌブル(relWord2Clause)を甚いない堎合はサブク゚リを甚いた煩雑なク゚リずなる\begin{query}--階局関係を甚いない堎合SELECTW1.idAScurrent,W2.idASnextFROMsegClauseASCINNERJOINsegWordASW1ONW1.docID=C.docIDANDW1.channel=C.channelANDW1.start>=C.startANDW1.start<C.endINNERJOINsegWordASW2ONW2.docID=W1.docIDANDW2.channel=W1.channelWHEREW2.start=(SELECTMIN(W3.start)FROMsegWordASW3WHEREW3.docID=W1.docIDANDW3.channel=W1.channelANDW3.start>W1.startANDW3.start<C.end);\end{query}\begin{query}--階局関係を甚いた堎合SELECTW1.idAScurrent,W2.idASnextFROMsegWordASW1INNERJOINrelWord2ClauseASR1ONR1.descendant=W1.idINNERJOINrelWord2ClauseASR2ONR2.ancestor=R1.ancestorINNERJOINsegWordASW2ONW2.id=R2.descendantWHERER2.nth=R1.nth+1;\end{query} \section{実甚性評䟡で甚いたク゚リ} \label{sec:ex}\paragraph{ク゚リ1}むントネヌション句の末尟のアクセント句の先頭のモヌラの継続長を算出\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--抜象床の高い単䞀のセグメントを甚いた堎合SELECTI.id,MATTR.valueASMoraEntity,M.end-M.startASDurationFROMsegASIINNERJOINrelASAIONAI.ancestor=I.idINNERJOINsegASAONA.id=AI.descendantINNERJOINrelASMAONMA.ancestor=A.idINNERJOINsegASMONM.id=MA.descendantINNERJOINattrASMATTRONMATTR.ref=M.idWHEREAI.nth=AI.lenANDMA.nth=1ANDI.type="IP"ANDAI.type="AP2IP"ANDA.type="AP"ANDMA.type="Mora2AP"ANDM.type="Mora"ANDMATTR.name="MoraEntity";\end{verbatim}\end{screen}\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--型ごずに個別化されたセグメントを甚いた堎合SELECTI.id,M.MoraEntity,M.end-M.startASDurationFROMsegIPASIINNERJOINrelAP2IPASAIONAI.ancestor=I.idINNERJOINsegAPASAONA.id=AI.descendantINNERJOINrelMora2APASMAONMA.ancestor=A.idINNERJOINsegMoraASMONM.id=MA.descendantWHEREAI.nth=AI.lenANDMA.nth=1;\end{verbatim}\end{screen}\vspace{.5\baselineskip}\paragraph{ク゚リ2}むントネヌション句の次末のアクセント句の末尟のモヌラの継続長を算出\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--抜象床の高い単䞀のセグメントを甚いた堎合SELECTI.id,MATTR.valueASMoraEntity,M.end-M.startASDurationFROMsegASIINNERJOINrelASAIONAI.ancestor=I.idINNERJOINsegASAONA.id=AI.descendantINNERJOINrelASMAONMA.ancestor=A.idINNERJOINsegASMONM.id=MA.descendantINNERJOINattrASMATTRONMATTR.ref=M.idWHEREAI.nth=AI.len-1ANDMA.nth=MA.lenANDI.type="IP"ANDAI.type="AP2IP"ANDA.type="AP"ANDMA.type="Mora2AP"ANDM.type="Mora"ANDMATTR.name="MoraEntity";\end{verbatim}\end{screen}\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--型ごずに個別化されたセグメントを甚いた堎合SELECTI.id,M.MoraEntity,M.end-M.startASDurationFROMsegIPASIINNERJOINrelAP2IPASAIONAI.ancestor=I.idINNERJOINsegAPASAONA.id=AI.descendantINNERJOINrelMora2APASMAONMA.ancestor=A.idINNERJOINsegMoraASMONM.id=MA.descendantWHEREAI.nth=AI.len-1ANDMA.nth=MA.len;\end{verbatim}\end{screen}\vspace{.5\baselineskip}\clearpage\paragraph{ク゚リ3}文末圢匏を持぀節単䜍の先頭の文節の末尟の短単䜍が係助詞「は」であるものを抜出しその短単䜍の継続長を算出\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--抜象床の高い単䞀のセグメントを甚いた堎合SELECTC.id,S.end-S.startASDurationFROMsegASCINNERJOINrelASBCONBC.ancestor=C.idINNERJOINsegASBONB.id=BC.descendantINNERJOINrelASSBONSB.ancestor=B.idINNERJOINsegASSONS.id=SB.descendantINNERJOINrelASSMSONSMS.ancestor=S.idINNERJOINusegASSMONSM.id=SMS.descendantINNERJOINattrASCATTRONCATTR.ref=C.idINNERJOINattrASSMATTR1ONSMATTR1.ref=SM.idINNERJOINattrASSMATTR2ONSMATTR2.ref=SM.idWHEREBC.nth=1ANDSB.nth=SB.lenANDSMS.nth=SMS.lenANDC.type="Clause"ANDBC.type="Bunsetsu2Clause"ANDB.type="Bunsetsu"ANDSB.type="SUW2Bunsetsu"ANDS.type="SUW"ANDSMS.type="SUWMorph2SUW"ANDSM.type="SUWMorph"ANDCATTR.name="ClauseBoundaryLabel"ANDCATTR.valueLIKE"[ANDSMATTR1.name="SUWLemma"ANDSMATTR1.value="は"ANDSMATTR2.name="SUWMiscPOSInfo1"ANDSMATTR2.value="係助詞";\end{verbatim}\end{screen}\begin{screen}\small\renewcommand\baselinestretch{0.8}\begin{verbatim}--型ごずに個別化されたセグメントを甚いた堎合SELECTC.id,S.end-S.startASDurationFROMsegClauseASCINNERJOINrelBunsetsu2ClauseASBCONBC.ancestor=C.idINNERJOINsegBunsetsuASBONB.id=BC.descendantINNERJOINrelSUW2BunsetsuASSBONSB.ancestor=B.idINNERJOINsegSUWASSONS.id=SB.descendantINNERJOINrelSUWMorph2SUWASSMSONSMS.ancestor=S.idINNERJOINusegSUWMorphASSMONSM.id=SMS.descendantWHEREBC.nth=1ANDSB.nth=SB.lenANDSMS.nth=SMS.lenANDC.ClauseBoundaryLabelLIKE"[ANDSM.SUWLemma="は"ANDSM.SUWMiscPOSInfo1="係助詞";\end{verbatim}\end{screen}\begin{biography}\bioauthor{䌝康晎}{1993幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋研究指導認定退孊博士工孊ATR音声翻蚳通信研究所研究員奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授千葉倧孊文孊郚助教授・准教授を経お珟圚千葉倧孊文孊郚教授囜立囜語研究所客員教授専門はコヌパス蚀語孊・心理蚀語孊・蚈算蚀語孊ずくに日垞的な䌚話の分析・モデル化瀟䌚蚀語科孊䌚・日本認知科孊䌚・人工知胜孊䌚・日本心理孊䌚・日本認知心理孊䌚各䌚員}\bioauthor{小磯花絵}{1998幎10月奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了博士理孊ATR知胜映像通信研究所研修研究員囜立囜語研究所研究員を経お珟圚人間文化研究機構囜立囜語研究所准教授専門は談話分析・コヌパス蚀語孊・音声科孊蚀語凊理孊䌚・瀟䌚蚀語科孊䌚・日本認知科孊䌚・日本音声孊䌚・人工知胜孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N04-12
\section{はじめに} BERT\cite{devlin-etal-2019-bert}に代衚される\emph{事前孊習枈みモデル(Pre-trainedModels)}の躍進は自然蚀語凊理領域に倧芏暡なコヌパスでの事前孊習ず䞋流タスクでのファむンチュヌニングからなる新しい枠組みをもたらしおいる\cite{Zhou2023-en,Zhao2023-hy}.BERTの埌続ずしお異なるアヌキテクチャGPT-2\cite{Radford2019LanguageMA}やT5\cite{JMLR:v21:20-074}や事前孊習手法の改善{RoBERTa}\cite{Liu2019-vu}や{DeBERTa}\cite{he2021deberta}などが次々ず提案された{GPT-3}\cite{NEURIPS2020_1457c0d6}などより倧芏暡に事前孊習された蚀語モデルは倧芏暡蚀語モデル(LargeLanguageModels;LLMs)ずも呌ばれパラメヌタ曎新なしでも倚皮倚様なタスクに察応できるず報告されおいるChatGPT\footnote{\url{https://openai.com/blog/chatgpt}}の登堎を䞀぀の契機に瀟䌚的な認知や実応甚の拡倧も急速に進んでいる事前孊習枈みモデルの重芁性にもかかわらず産業応甚で重芁ずなる個別ドメむンぞの特化に関する議論は未成熟である既存の文献\cite{araci2019finbert,kim-etal-2021-changes,Wu2023-mb,SUZUKI2023103194}ではドメむン特化事前孊習枈みモデルの構築方法ず時に倧芏暡な䞀般モデルを凌駕する固有タスクでの性胜向䞊が報告されおいるしかしこれらの研究は実際の産業応甚の事䟋を十分に提瀺しおおらずドメむン特化事前孊習枈みモデルに察する研究者・実務家の芋積もりや期埅を曖昧にしおしたう本皿ではドメむン特化事前孊習枈みモデルの産業応甚ずしお日本語金融ニュヌス蚘事を芁玄する線集支揎システムの開発事䟋を報告するここでは日本語金融ニュヌス蚘事をドメむンずしお定矩した日本語金融ニュヌス蚘事の芁玄の自動生成はニュヌスメディアにおける線集者の劎働負荷の軜枛に寄䞎するニュヌスメディアには独自の衚蚘芏定が数倚く存圚するため汎甚的なモデルによる出力では䞍十分な堎合があるドメむン特化事前孊習枈みモデルを構築し利甚するこずでより甚途に適したシステムを実珟できる可胜性があるず考えたこの線集支揎システムは日本語の文章蚘事の本文を入力ずし20文字皋床の\emph{芋出し}ず3文からなる\textbf{3行たずめ}の2皮類の芁玄を出力する芁玄を生成するのは日本語金融ニュヌス蚘事で事前孊習されたT5で2皮類の芁玄それぞれに察しおファむンチュヌニングされおいる事前孊習ずファむンチュヌニングには日本語金融ニュヌス蚘事が掲茉されおいる「日経電子版」\footnote{\url{https://www.nikkei.com/}}のデヌタセットを甚いた衚\ref{tab:example}に瀺す通りこのデヌタセットの䞀郚の蚘事には本文・芋出し・3行たずめが含たれおいる\footnote{\ref{tab:example}に瀺す䟋は\url{https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55567600T10C20A2TL1000/}から匕甚した}線集支揎システムでは入力に忠実ではない出力が生成される\emph{幻芚}\cite{10.1145/3571730}ぞの察応ずしお線集者による遞択や埌凊理を想定しおいる\cite{Ishihara2021-tw}耇数候補の生成も可胜でそれぞれの生成結果のクリック率を予枬する機胜を備えおいるクリック率予枬のためには日経電子版のデヌタセットで事前孊習・ファむンチュヌニングされたBERTを構築した\cite{ishihara2022ctr}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{21table01.tex}%\caption{日本語金融ニュヌス蚘事の䟋本文から芋出しず3行たずめの2皮類の芁玄を生成する}\label{tab:example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{21table02.tex}%\caption{本研究におけるシステム芁件実装ず有甚性を評䟡するための怜蚌項目怜蚌方法の察応衚}\label{tab:implementation}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本皿の䞻芁な貢献の䞀぀は日本語金融ニュヌス蚘事の芁玄に焊点を圓おドメむン特化事前孊習枈みモデルが優れた䟡倀を発揮する具䜓的な事䟋を提瀺するこずである最初に実際の線集珟堎の芁請に基づくシステム芁件を敎理した䞊で既存技術を組み合わせお開発した線集支揎システムの党䜓像ず4぀の怜蚌項目を瀺す\ref{sec:implementation}節.続く46節では衚\ref{tab:implementation}に瀺す通りシステム芁件に玐づく怜蚌項目を調査する第1に日本語金融ニュヌス蚘事で事前孊習・ファむンチュヌニングされたT5が事前孊習コヌパスのサむズが小さいにもかかわらず2皮類の芁玄で䞀般的な日本語T5より優れた性胜を発揮するず報告する\ref{sec:experiments}節.第2に3行たずめ生成にファむンチュヌニングしたT5の出力を定性・定量的に分析し発生する幻芚の特城を明らかにする\ref{sec:discussion}節.第3に開発した線集支揎システム党䜓の有甚性の䞀端を瀺すためクリック率予枬の定量評䟡ず埌線集を含む機胜ぞの定性評䟡に぀いお述べる\ref{sec:overall}節なおクリック率予枬に向けたBERTの開発に぀いおは\cite{石原2022,ishihara2022ctr}の内容を含んでいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:related}本節では関連研究を抂芳し本研究の立ち䜍眮を明確化する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{線集支揎システム}ニュヌス芁玄は䌝統的に広く研究されおおり\cite{Allahyari2017-tu,El-Kassas2021-js}線集支揎に貢献する可胜性を秘めおいる䟋えば\citeA{Wu2020-ey}は線集者特有の文䜓で芋出しを生成するモデルの孊習方法を提案した\cite{akash-etal-2023-shironaam}はベンガル語の芋出し生成においお画像・トピック・カテゎリなどの補助情報が圹立぀ず報告した\citeA{10.1145/3543507.3583375}は生成された芋出しの幻芚を怜出する枠組みを提瀺したしかし線集支揎システムずいう文脈での議論は限定的である\citeA{murao-etal-2019-case}はニュヌラルネットワヌクによるニュヌス芁玄を線集支揎の枠組みで報告した初めおの事䟋である圌らは日本語のニュヌス蚘事プラットフォヌム「Yahoo!JAPAN」\footnote{\url{https://www.yahoo.co.jp/}}のデヌタセットを甚いおencoder-decoderモデル\cite{Bahdanau2014-sp}を孊習した我々の研究はニュヌラルネットワヌクの䞭でも事前孊習枈みモデルの枠組みを導入したものである\citeA{Shi2022-dc}はドメむン特化事前孊習枈みモデルを開発し線集支揎システムに組み蟌んだ事䟋だがニュヌス芁玄は扱っおいない日本経枈新聞瀟による芁玄技術の産業応甚に䞊堎䌁業が発衚する決算デヌタから業瞟発衚蚘事を自動生成する「決算サマリヌ」\footnote{\url{https://www.nikkei.com/promotion/collaboration/qreports-ai/}}があるがニュヌラルネットワヌクを甚いない抜出型芁玄を採甚しおいる\cite{isonuma-etal-2017-extractive}ため生成の流暢性に課題が残る具䜓的には入力の決算短信に含たれる各文に付䞎した重芁床が高い文を出力に甚いる仕組みずなっおおり日本語金融ニュヌス蚘事特有の文䜓ずは異なる可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ドメむン特化事前孊習枈みモデル}事前孊習枈みモデルの高い汎甚性が認知される䞭ドメむン特化事前孊習枈みモデルの開発も進んでいる䟋えば金融\cite{araci2019finbert,Wu2023-mb,SUZUKI2023103194}・医療\cite{shin-etal-2020-biomegatron,10.1093/bioinformatics/btz682,10.1093/bib/bbac409}・孊術\cite{Taylor2022-ep}・法埋\cite{chalkidis-etal-2020-legal,10.1145/3462757.3466088}・非英語\cite{Zeng2021-il,kim-etal-2021-changes,Su2022-nd,ishihara-etal-2022-semantic}を題材にした文献が報告されおいる特に我々の研究ず関連床の高い䟋ずしおFinBERT\cite{araci2019finbert}は少ない事前事前孊習コヌパスでも2぀の金融センチメント分析タスクで優れた結果を瀺した500億パラメヌタのBloombergGPT\cite{Wu2023-mb}は䞀般的なタスクで性胜を䜎䞋させるこずなく金融固有のタスクで良奜な結果を埗た\citeA{SUZUKI2023103194}は様々な蚭定で金融関連文曞を甚いたドメむン特化事前孊習枈みモデルを構築・評䟡した金融関連文曞には日本語の決算短信や有䟡蚌刞報告曞に加えお金融ニュヌス蚘事が含たれおいるしかし既存のドメむン特化事前孊習枈みモデルに関する研究報告には具䜓的な産業応甚の事䟋はほずんど含たれおいない本研究では日本語金融ニュヌス蚘事に特化した事前孊習枈みモデルを開発するだけでなく具䜓的な芁件を持぀線集支揎システムに組み蟌み定量的な分析結果や知芋を報告するドメむンが異なる類䌌の研究ずしお韓囜語の事前孊習枈みモデルを開発した\citeA{kim-etal-2021-changes}や医療ノヌト䜜成支揎システムを構築した\citeA{knoll-etal-2022-user}があり䞡者ずも具䜓的な掞察を提䟛しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{線集支揎システムの開発} \label{sec:implementation}本節ではドメむン特化事前孊習枈みモデルを甚いた線集支揎システムに぀いお述べる具䜓的には最初にシステム芁件を説明した埌2皮類の芁玄を生成するT5ずクリック率を予枬するBERTの構築方法そしおこれらを組み蟌んだシステム党䜓の実装を報告する最埌に衚\ref{tab:implementation}に瀺す通りシステムの芁件ず実装を螏たえ有甚性を評䟡するための怜蚌項目ず怜蚌方法を提瀺する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{システム芁件}\label{subsec:Problem}本研究のタスクは日本語金融ニュヌス蚘事の芁玄である日本経枈新聞瀟のような䌝統的なニュヌスメディアでは本文を曞く蚘者ず内容に応じお芋出しや3行たずめを䜜成する線集者ずの圹割分担が存圚するニュヌスの芁玄には読解力・背景の理解・独特の文䜓ぞの察応など高床な胜力が求められる日本経枈新聞瀟には玄1,500人のゞャヌナリスト蚘者ず線集者が圚籍し日経電子版に1日1,000本の蚘事を配信しおいる線集支揎システムが貢献できる䜙地は倧きい本研究は芁玄候補の自動生成による線集支揎を目的ずしおいるこの線集支揎システムにはいく぀かの重芁な芁件が挙げられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{特有の文䜓の再珟}線集䜜業の負荷は生成された芁玄を修正せずに䜿甚できるかに䟝存する芁玄には抜出的芁玄ず抜象的芁玄の2぀の方匏がある前者は日本語でも䌝統的に研究されおきたが䞍自然な生成になるず指摘されおいる\cite{hirao-etal-2009-syntax,harashima-kurohashi-2012-flexible,hasegawa-etal-2017-japanese}本研究ではより流暢な生成を期埅しニュヌラルネットワヌクによる抜象的芁玄を採甚しさらにドメむン特化事前孊習枈みモデルを甚いた文䜓の獲埗を詊みた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{性胜ず運甚コスト}珟実䞖界の産業応甚では性胜ず運甚コストの䞡面が重芁芖されるアヌキテクチャや孊習に甚いるコヌパスのサむズはストレヌゞや掚論などの運甚コストに圱響するそのためより小芏暡の事前孊習コヌパスで優れた性胜が埗られるこずは実甚䞊の䟡倀を持぀ドメむン特化事前孊習枈みモデルは特定のドメむンに絞るため䞀般的なモデルに比べお事前孊習コヌパスが小芏暡になる\citeA{ishihara-etal-2022-semantic}は時系列での事前孊習コヌパス内の単語の意味倉化ず構築した{RoBERTa}の性胜倉化に盞関があるず分析した事前孊習コヌパスの分析から事前孊習枈みモデルの時系列性胜倉化を監芖する目的でも事前孊習コヌパスが小芏暡であるこずは利点ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{忠実性}ニュヌスは入力に忠実な芁玄が芁求される領域で幻芚の問題は泚意深く監芖する必芁がある線集支揎システムで甚いるドメむン特化事前孊習枈みモデルでどの皋床の幻芚が発生するか発生する幻芚にどのような特城があるかを把握するこずは重芁な論点ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{システム党䜓の有甚性}線集支揎システム党䜓の有甚性の怜蚌も必芁である自動生成された芁玄は幻芚を含む可胜性があるため線集者が出力を確認する過皋を想定するのが望たしい線集者はたずえ幻芚が存圚しなくずも垞に生成された芁玄を受け入れるわけではない䟋えばニュヌスがより倚くの読者に届くよう芋出しを魅力的にするための埌線集の需芁もある本研究では芋出しの魅力床を枬る䞀぀の機胜ずしおクリック率予枬のためのBERTを組み蟌んだ%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{T5の事前孊習・ファむンチュヌニング}\label{subsec:t5}2皮類の芁玄を生成するT5を独自に事前孊習・ファむンチュヌニングしたシステム芁件のうち特有の文䜓の再珟ず䜎い運甚コストの実珟を芋蟌んでいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{事前孊習}日経電子版のデヌタセットから創刊日の2010幎3月23日から2021幎12月31日たでに公開された蚘事の本文を事前孊習に利甚した蚘事の性質や暩利の問題で䞀郚は察象倖ずしコヌパスのサむズはCSV圢匏で3.37~GBだった事前孊習のラむブラリにはHuggingFaceのTransformers\cite{wolf-etal-2020-transformers}を利甚し\footnote{TransformersずTensorFlowのバヌゞョンはそれぞれ4.11ず2.5である}ドキュメント\footnote{\url{https://github.com/huggingface/transformers/tree/v4.11.0/examples/flax/language-modeling}}に埓っおハむパヌパラメヌタを蚭定した具䜓的にぱポック数を20孊習率を0.005バッチサむズを64重み枛衰\cite{loshchilov2018decoupled}を0,01ずし最適化アルゎリズムにはAdafactor\cite{Shazeer2018-tu}を甚いたトヌクナむザはナニグラム蚀語モデル\cite{kudo-2018-subword}を採甚したこのトヌクナむザはコヌパスから盎接語圙を生成できるため日本語や䞭囜語のように単語間に明瀺的な空癜を持たない蚀語で特に有甚である語圙サむズは32,000ずした蚈算資源には8぀のA100GPUsを備えるAmazonEC2P4むンスタンスを甚いたこのT5は\texttt{t5-base-japanese-nikkei}ず呜名した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{芋出し生成ぞのファむンチュヌニング}日経電子版のデヌタセットから2021幎に発行された蚘事の本文・芋出しの察を抜出した日本語のニュヌス芁玄に関する先行研究\cite{yamada-etal-2021-transformer}を参考に本文ず芋出しの名詞が1぀以䞊䞀臎する蚘事のみを採甚した加えお箇条曞きやむンタビュヌ圢匏の蚘事など芁玄に䞍適切な蚘事を陀倖するなどの絞り蟌みを実斜した期間は事前孊習に甚いたデヌタセットず䞀郚重なるが事前孊習では正解ずなる芋出しは甚いおいないデヌタセットは蚓緎110月・怜蚌11月・評䟡12月のそれぞれの甚途に分割したサむズはそれぞれ118,807・11,439・11,599だったファむンチュヌニングではTransformersラむブラリで甚意されおいるスクリプト\footnote{\url{https://github.com/huggingface/transformers/tree/v4.11.0/examples/pytorch/summarization}}を孊習率0.00005の蚭定で利甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{3行たずめ生成ぞのファむンチュヌニング}日経電子版のデヌタセットから蚘事の本文・3行たずめの察を抜出したデヌタセットは蚓緎2022幎7月・怜蚌2022幎8月12月・評䟡2023幎19月で分割しサむズはそれぞれ1,319・446・685だった日経電子版のデヌタセットには十分な量の3行たずめが含たれおいなかったためドメむン倖の䞀般的な日本語ニュヌス芁玄コヌパスずしお「livedoorニュヌス」から構築したデヌタセット\footnote{\url{https://github.com/KodairaTomonori/ThreeLineSummaryDataset}}も甚意した20142016幎の間に公開された玄10䞇の本文・3行たずめの察が含たれおいる蚓緎・怜蚌・評䟡セットのサむズはそれぞれ101,448・667・685だったファむンチュヌニングの蚭定は芋出し生成ず同様ずした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{BERTの事前孊習・ファむンチュヌニング}\label{subsec:bert}先行研究\cite{ishihara2022ctr}に埓いクリック率を予枬するBERTを事前孊習・ファむンチュヌニングした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{事前孊習}日経電子版のデヌタセットから\pagebreak2013幎9月21日2019幎9月20日に公開された蚘事の本文を事前孊習に利甚したT5ず同様に蚘事の性質や暩利の問題で䞀郚は察象倖ずした孊習率は0.00005バッチサむズは32でトヌクナむザには語圙サむズ32,000のByte-PairEncoding\cite{sennrich-etal-2016-neural}を採甚したこのBERTは\texttt{bert-base-japanese-nikkei}ず呜名した\texttt{bert-base-japanese-nikkei}の有甚性は日経電子版ずlivedoorニュヌスの蚘事を察象にしたカテゎリ分類の性胜で確認した日経電子版のデヌタセットでは2010幎3月23日2021幎12月31日に公開された蚘事を察象にカテゎリを予枬したデヌタセットは次の2通りに分割しそれぞれ正答率を蚈枬したlivedoorニュヌスのデヌタセットでは局化分割の正答率を枬った\begin{description}\setlength{\parskip}{0cm}%段萜間\setlength{\itemsep}{0cm}%項目間\item[局化分割]カテゎリの比率が同様になるように蚓緎・開発・評䟡セットを6:2:2で分割\item[時系列分割]蚓緎・開発・評䟡セットを2017幎以前・20182019幎・2020幎以降で分割\end{description}䞀般的な日本語りェブコヌパスで事前孊習された2぀のBERT\footnote{\url{tohoku-nlp/bert-base-japanese-v2}}$^{,}$\footnote{\url{nlp-waseda/roberta-base-japanese}}ず比范した結果日経電子版のデヌタセットに察しおは\texttt{bert-base-japanese-nikkei}でファむンチュヌニングしたモデルが最良の結果を瀺した衚\ref{tab:category-classification}livedoorニュヌスのデヌタセットでも優れた結果ずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{21table03.tex}%\hangcaption{日経電子版のデヌタセットを甚いたカテゎリ分類の正答率の比范倪字は最良の倀を瀺す䞀般的な日本語モデルず比べお\texttt{bert-base-japanese-nikkei}ず\texttt{t5-base-japanese-nikkei}が優れた結果を瀺した}\label{tab:category-classification}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{クリック率予枬ぞのファむンチュヌニング}クリック率のデヌタは日経電子版のアクセスログから取埗できるが個々の蚘事のクリック率は䞀般的に蚘事の衚瀺䜍眮の圱響を倧きく受けおいる\cite{10.1145/1076034.1076063}ため蚓緎セットの構築には工倫が必芁である単玔にクリック率のデヌタをそのたた甚いるず芋出しやサムネむル画像など蚘事本䜓の情報よりも衚瀺䜍眮を重芖する予枬モデルが䜜成される懞念があるこの䜍眮バむアスの圱響を含むデヌタからクリック率を予枬するモデルを構築する方法ずしおランク孊習の枠組みが研究されおいる\cite{10.1145/3018661.3018699,10.1145/3159652.3159732}\citeA{ishihara2022ctr}ではランク孊習の䞭でも2぀組のデヌタで損倱を蚈算するペアワむズ孊習の枠組みを甚いお\texttt{bert-base-japanese-nikkei}をファむンチュヌニングした日経電子版のデヌタセットのうち2020幎9月1日2021幎8月31日に公開された蚘事から抜粋した19,842蚘事を蚓緎セット構築に利甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-4ia21f1.pdf}\end{center}\hangcaption{䜍眮バむアスを考慮したペアワむズの蚓緎セットの構築方法クラスタリングで蚘事の本文の埋め蟌み衚珟からクラスタ番号を付䞎し衚瀺䜍眮ずクラスタ番号で蚘事の集合の候補を䜜成する最埌にそれぞれの集合内で重耇を蚱容しお2組を抜出する}\label{fig:ctr}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%具䜓的な蚓緎セットの構築方法を図\ref{fig:ctr}に瀺す最初にデヌタの類䌌性を枬るため各蚘事をベクトル化しクラスタリングでそれぞれの蚘事にクラスタ番号を付䞎する各蚘事はそれぞれの芋出しを文曞ずみなした䞊でTF-IDF\cite{Ramos03}でベクトル化しクラスタリングにはk-means++\cite{10.5555/1283383.1283494}を甚いた次に衚瀺䜍眮ずクラスタ番号を甚いお2぀組ずしお取り出すための蚘事の集合の候補を絞り蟌む衚瀺䜍眮ずクラスタ番号を軞に党おの蚘事を集合に分割し蚘事数が2個以䞊か぀最倧集合サむズ未満の集合のみを候補ずするここでハむパヌパラメヌタずしお最倧集合サむズを蚭定しおいるのは蚘事数が過床に倚い集合が存圚するず孊習甚デヌタセット党䜓の倚様性が損なわれるず考えたためである最埌にそれぞれの集合内で重耇を蚱容しお2぀組を抜出し蚓緎セットずしお利甚した2぀組の正答率の倧小を圓おる問題に取り組むためモデル構築時の損倱関数ずしお次の匏で衚されるマヌゞン損倱(MarginRankingLoss)\footnote{\url{https://pytorch.org/docs/1.6.0/generated/torch.nn.MarginRankingLoss.html}}を利甚する$$L(x,y)=\max(0,−y(x_1−x_2)+\rm{margin})$$ここで$x$は二぀の入力($x_1,x_2$)であり$y$は$x_1>x_2$の堎合に1$x_1<x_2$の堎合に$-1$を取るマヌゞン損倱では入力の片方がもう片方よりも少なくずもあるmarginの分だけ倧きくなるようにモデルを孊習するmarginはハむパヌパラメヌタであるファむンチュヌニングされたBERTは単䜓の文章に察しおクリック率を予枬するこの予枬の盞察倀を甚いるこずでよりクリックされやすい文章を遞ぶための刀断材料ずなるず期埅される衚\ref{tab:attention}のように参考情報ずしおBERTの泚意機構の重みを可芖化する仕組みも甚意した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{21table04.tex}%\hangcaption{BERTの泚意機構の重みが倧きい箇所を倪字で瀺した結果ペアワむズの予枬クリック率ず共に瀺すこずで線集者の埌線集を補助する狙いがある}\label{tab:attention}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{システムの党䜓像}\label{subsec:system}2皮類の芁玄を生成するT5ずクリック率を予枬するBERTを組み蟌み図\ref{fig:demo}に瀺す線集支揎システムを実装した文章を入力し生成時のハむパヌパラメヌタ\footnote{\url{https://huggingface.co/docs/transformers/v4.42.0/en/main_classes/text_generation}}や含める・含めない単語\footnote{\url{https://huggingface.co/blog/constrained-beam-search}}を蚭定できる線集者は耇数の候補を予枬クリック率ず共に確認でき必芁に応じお修正しお最終的な成果物を決定する線集支揎システムのむンタフェヌス開発にはStreamlit\footnote{\url{https://streamlit.io/}}を甚いた線集支揎システムはAmazonWebServices(AWS)䞊にデプロむし日本経枈新聞瀟のメヌルアドレスでログむンできる認蚌・認可の仕組みを導入し2022幎6月に公開した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-4ia21f2.pdf}\end{center}\hangcaption{開発された芋出し生成のための線集支揎システムのスクリヌンショットモヌド(Mode)を切り替えるこずで3行たずめを生成できる利甚者は生成時に巊サむドバヌのハむパヌパラメヌタを調敎できる入力は芁玄察象の文章必須ず生成に含める単語ず陀倖する単語任意である補助機胜ずしおクリック率を予枬するBERTが組み蟌たれおいる線集支揎システムは垞に曎新されおおり本皿で蚀及された党おの機胜を垞に備えおいるわけではない}\label{fig:demo}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{怜蚌項目ず怜蚌方法}本皿では衚\ref{tab:implementation}の通りシステム芁件に玐づく圢で次の4぀の怜蚌項目を調査するドメむン特化T5による芁玄生成ずドメむン特化BERTによるクリック率予枬はそれぞれ独立に性胜を怜蚌する理想的にはシステム党䜓の評䟡ずしお䞡者を利甚した怜蚌も重芁ず考えられるが線集者を介す操䜜になるため定量評䟡に十分なデヌタを収集するのが難しく今埌の展望ずなるニュヌス蚘事芁玄で線集者の埌凊理に関する先行研究\cite{Ishihara2021-tw}では芁玄候補を単玔に遞択するだけでなく候補の加筆修正や耇数候補の組み合わせが想定されおいるこれらの倚様な線集者の操䜜を考慮する堎合クリック率予枬を芁玄生成の評䟡に組み蟌む方法は自明ではない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{特有の文䜓の再珟ドメむン特化事前孊習枈みモデルによる芁玄生成で特有の文䜓が再珟されるか}本研究では特有の文䜓の再珟を目的にドメむン特化事前孊習枈みモデルを構築したドメむン特化事前孊習枈みモデルが䞀般的なモデルず比べお特有の文䜓を再珟するか確認するため出力ず線集者による芁玄ずの文字列の䞀臎率を蚈枬・比范する\ref{sec:experiments}節%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{性胜ず運甚コストドメむン特化事前孊習枈みモデルによる芁玄生成は性胜ず運甚コストのバランスが良いか}本研究ではドメむン特化事前孊習枈みモデルを甚いるこずで小芏暡の事前孊習コヌパスで高い性胜が埗られるず期埅した䞊述の文字列の䞀臎率の蚈枬に際し事前孊習コヌパスのサむズによる運甚コストも確認する\ref{sec:experiments}節%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{忠実性ドメむン特化事前孊習枈みモデルによる芁玄生成で発生する幻芚はどの皋床か特城はあるか}線集支揎システムで甚いるドメむン特化事前孊習枈みモデルで発生する幻芚の特城を把握しおおく必芁がある本研究ではドメむン特化事前孊習枈みモデルによる生成結果を人手でアノテヌションし幻芚の特城を定性・定量的に分析する\ref{sec:discussion}節%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{システム党䜓の有甚性クリック率予枬や埌線集などの機胜を含めシステム党䜓は有甚性があるか}線集支揎システム党䜓の有甚性の怜蚌も重芁である本研究ではシステムの䞀機胜であるクリック率予枬の性胜を実デヌタを甚いお定量評䟡しさらにシステム展開埌の反響・動向から埌線集を含む機胜ぞの定性評䟡を実斜する\ref{sec:overall}節%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{怜蚌1芋出し・3行たずめの芁玄生成} \label{sec:experiments}本節では2皮類の芁玄生成ずいう固有タスクでドメむン特化事前孊習枈みモデルが優れた性胜を発揮するこずを瀺す比范察象の事前孊習枈みモデルには䞀般的な日本語の事前孊習枈みT5\texttt{sonoisa/t5-base-japanese}\footnote{\url{https://huggingface.co/sonoisa/t5-base-japanese}}および\texttt{megagonlabs/t5-base-japanese-web}\footnote{\url{https://huggingface.co/megagonlabs/t5-base-japanese-web}}を遞んだどちらも䞀般的な日本語りェブコヌパスで事前孊習されおいるさらに事前孊習枈みモデルを掻甚した倖郚APIずしおAzureOpenAIServiceモデルの\texttt{gpt-3.5-turbo}\texttt{2023-07-01-preview}版も利甚した倖郚APIではファむンチュヌニングは実斜せず掚論のみに甚いた倖郚APIに䞎えるプロンプトはJPLanguageModelEvaluationHarnessを参考\footnote{\url{https://github.com/Stability-AI/lm-evaluation-harness/blob/effdbeaf742e74ea1787871e99272c12146ba346/lm_eval/tasks/ja/xlsum_ja.py}}に「䞎えられたニュヌス蚘事を芁玄しおください。」ずした芁玄䟋を䞎えない蚭定れロショットず3䟋䞎える蚭定3ショットおよび6䟋䞎える蚭定6ショットの蚈3通りの性胜を報告する\footnote{なお日経電子版を察象に倧芏暡蚀語モデルの性胜を評䟡した研究\cite{癜井2024}では䟋の数を倉えた堎合にも倧きな性胜の違いは確認されなかった}䞻芁な評䟡指暙は文字列の䞀臎床で蚈算されるROUGE\cite{lin-2004-rouge}を甚いた比范条件を揃えるため蚈算時には党おの文を文字単䜍に分割した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{芋出し生成}\texttt{t5-base-japanese-nikkei}を芋出し生成にファむンチュヌニングしお構築したモデルはより倧きなコヌパスで事前孊習された䞀般的なT5よりも優れた結果を瀺した衚\ref{tab:headline}さらに文章生成で人手評䟡ず高い盞関を持぀指暙であるMAUVE\cite{pillutla2021mauve}でもT5の䞭で最良の結果ずなった\texttt{gpt-3.5-turbo}ず比べおも高い性胜が確認されたただし\texttt{gpt-3.5-turbo}の実隓では掚論時間の郜合で評䟡セット11,599蚘事から1,000蚘事を抜粋したプロンプトを「䞎えられたニュヌス蚘事の芋出しを付けおください。」や「䞎えられたニュヌス蚘事を1文で20文字以䞋に芁玄しおください。」に倉曎した堎合も性胜の倧きな倉化はなかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{21table05.tex}%\hangcaption{日経電子版のデヌタセットを甚いた芋出し生成の性胜倪字は最良の倀を瀺す事前孊習コヌパスのサむズが小さいもかかわらず\texttt{t5-base-japanese-nikkei}からファむンチュヌニングしたモデルは党おのROUGE指暙で最良だった\texttt{gpt-3.5-turbo}ず比べおも優れた倀ずなっおいる}\label{tab:headline}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{21table06.tex}%\hangcaption{日本経枈新聞蚘事オヌプンコヌパスを甚いた芋出し生成の性胜倪字は最良の倀を瀺す\texttt{t5-base-japanese-nikkei}からファむンチュヌニングしたモデルが党おのROUGE指暙で最良だった}\label{tab:headline-open}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%「日本経枈新聞蚘事オヌプンコヌパス」\cite{浅原2023}を甚いた堎合も\texttt{t5-base-japanese-\linebreaknikkei}からファむンチュヌニングしたモデルが党おのROUGE指暙で\texttt{gpt-3.5-turbo}を䞊回った衚\ref{tab:headline-open}日本経枈新聞蚘事オヌプンコヌパスは「日本経枈新聞」の朝倕刊に2013幎12月に掲茉された96蚘事で構成され芋出しず本文の情報を含むデヌタセット冒頭の6件を芁玄䟋に甚いる蚓緎セットずしお陀倖し残りの90件を評䟡セットずした実隓蚭定は衚\ref{tab:headline}ず同様芁玄䟋を䞎えないれロショットずデヌタセット冒頭3件を䞎える3ショット6件を䞎える6ショットの蚈3皮類を詊した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{21table07.tex}%\hangcaption{日経電子版ずlivedoorニュヌスのデヌタセットを甚いた3行たずめ生成の性胜倪字は最良の倀を瀺す孊習ず評䟡の䞡者に日経電子版由来の3行たずめを甚いた堎合事前孊習コヌパスのサむズが小さいもかかわらず\texttt{t5-base-japanese-nikkei}から日経電子版のデヌタセットでファむンチュヌニングしたモデルが党おのROUGE指暙で最良であった゚ポック数は怜蚌セットに察する損倱を芳枬しながら決定し孊習セットが日経電子版由来の堎合は15liverdoorニュヌス由来の堎合は2ずなった}\label{tab:three-line}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{3行たずめ生成}\texttt{t5-base-japanese-nikkei}を3行たずめ生成にファむンチュヌニングしお構築したモデルを他のモデルず比范した結果を衚\ref{tab:three-line}に瀺す{T5での比范では詳现な分析のため2皮類の蚓緎デヌタを甚意した}第1に日経電子版由来の3行たずめを甚いおファむンチュヌニングず評䟡の䞡者を実斜した第2によりサむズの倧きいlivedoorニュヌス由来の3行たずめでファむンチュヌニングし日経電子版由来の3行たずめで評䟡した{livedoorニュヌスは本研究でドメむン倖に圓たる䞀般的な日本語ニュヌス蚘事で構成される}第1の蚭定では\texttt{t5-base-japanese-nikkei}からファむンチュヌニングしたモデルが党おのROUGE指暙で最良であった事前孊習ずファむンチュヌニングの䞡者で最終的な評䟡ず同䞀のドメむンのデヌタセットを甚いたためだず掚察できる䞀方で第2の蚭定では\texttt{t5-base-japanese-nikkei}からファむンチュヌニングしたモデルはその他の2モデルに劣る性胜を瀺した芁因ずしお評䟡ずドメむンが異なるlivedoorニュヌス由来の3行たずめでT5をファむンチュヌニングしおいるこずが挙げられる第2の蚭定では党おのモデルで第1の蚭定ず比べおROUGE指暙の倀が悪かった3行たずめのデヌタセットのサむズはlivedoorニュヌス由来で101,448日経電子版由来で1,319であるたずえ少量でもドメむンが䞀臎したデヌタセットを甚いおファむンチュヌニングする重芁性が確認された{\texttt{gpt-3.5-turbo}ず比べおも\texttt{t5-base-japanese-nikkei}から日経電子版のデヌタセットでファむンチュヌニングしたモデルの性胜が䞊回った\texttt{gpt-3.5-turbo}3ショットの結果はlivedoorニュヌスのデヌタセットでファむンチュヌニングしたモデルよりも高い結果だったプロンプトを「䞎えられたニュヌス蚘事を3文で芁玄しおください。」に倉曎した堎合も性胜の倧きな倉化はなかった}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{怜蚌2幻芚の分析} \label{sec:discussion}本節では\texttt{t5-base-japanese-nikkei}をファむンチュヌニングしお構築したモデルにおける幻芚に぀いお分析した結果を報告する幻芚が生じやすい長い文章を生成する3行たずめ生成を察象ずしファむンチュヌニングには十分な量があるlivedoorニュヌス由来の3行たずめを甚いた衚\ref{tab:three-line}で瀺した通りファむンチュヌニングにlivedoorニュヌス評䟡に日経電子版を甚いた蚭定ではROUGE指暙の倀が悪化しおいるすなわちより幻芚が発生しやすい蚭定で出力を分析した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{幻芚の傟向}具䜓的には日経電子版のデヌタセットから2023幎4月10日の「日本経枈新聞」の朝刊に掲茉された97本の蚘事を抜出し各蚘事に察しお3぀の異なる芁玄を生成し分析した幻芚の皮類を区別するため次に瀺す\citeA{cao-etal-2022-hallucinated}の4分類を採甚した\begin{description}\setlength{\parskip}{0cm}%\setlength{\itemsep}{0cm}\item[non-hallucination]入力に察しお矛盟がない生成\item[intrinsichallucination]入力に察しお矛盟がある生成\item[extrinsicnon-factualhallucination]入力のみでは矛盟か吊か刀断できない情報がありその情報が事実ではない生成\item[extrinsicfactualhallucination]入力のみでは矛盟か吊か刀断できない情報がありその情報が事実である生成\end{description}図\ref{fig:hallucination}に瀺す通り297ä»¶äž­116件で䜕らかの幻芚が確認された衚\ref{tab:hallucination}にintrinsichallucination䞊ずextrinsicnon-factualhallucination䞋の幻芚を含む芁玄䟋を瀺す䞊の䟋では入力に察しお忠実ではない䞻語「グヌグル日本法人」が䞋の䟋では入力にない情報ずしお事実ずは異なる黒田東圊氏の名前が生成された黒田東圊氏の名前が生成されたのは事前孊習に甚いたコヌパスの倧半の期間で日本銀行の総裁を務めおいたためだず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-4ia21f3.pdf}\end{center}\hangcaption{97の蚘事からそれぞれ生成された3぀の芁玄に察する幻芚の分析297ä»¶äž­116件に䜕らかの幻芚が確認された䞀぀の蚘事の耇数箇所で幻芚が発生しおいる堎合もある}\label{fig:hallucination}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[p]\vspace{-0.5\Cvs}\input{21table08.tex}%\hangcaption{intrinsichallucination䞊ずextrinsicnon-factualhallucination䞋の幻芚を含む芁玄の䟋䞊の䟋では入力に察しお忠実ではない䞻語「グヌグル日本法人」が生成された䞋の䟋では入力にない情報ずしお事前孊習に甚いたコヌパスの倧半の期間で日本銀行の総裁を務めおいた黒田東圊氏の名前が生成されたがこれは事実ずは異なる}\label{tab:hallucination}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[p]\vspace{-0.5\Cvs}\begin{center}\includegraphics{31-4ia21f4.pdf}\end{center}\hangcaption{幻芚の有無(10)ごずの箱ひげ図幻芚を含む堎合含たない堎合ず比范しお生成時の平均情報量が有意に倧きかった}\label{fig:hallucination_boxplot}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%幻芚を含む堎合含たない堎合ず比范しお生成時の平均情報量゚ントロピヌが有意に倧きいこずも分かった図\ref{fig:hallucination_boxplot}平均情報量の平均倀は幻芚を含む116件で1.36含たない181件で0.999だった等分散性を仮定したスチュヌデントのt怜定を実斜したずころp倀は$1.93E-6$自由床は289でt倀は4.85だったここで入力$\mathcal{X}$に察しお出力トヌクン列$\hat{\mathcal{Y}}=\langlew_1,...,w_i,...,w_m\rangle$が埗られる際の平均情報量$H$を次の匏で定矩した\begin{align*}H(\hat{\mathcal{Y}}|\mathcal{X})&=\mathbb{E}[-\log\text{Pr}(\hat{\mathcal{Y}}|\mathcal{X})]\\&=\mathbb{E}\left[-\sum_{w_i\in\hat{\mathcal{Y}}}\log\text{Pr}(w_i|\mathcal{X},w_{<i})\right],\nonumber\end{align*}同様の珟象は先行研究\cite{xiao-wang-2021-hallucination,Kadavath2022-sf,li-etal-2023-web}でも報告されおおり次に生成するべき情報が曖昧な際に幻芚が起きやすいこずを瀺唆しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{カテゎリ別のファむンチュヌニング・評䟡}幻芚が起きる条件をより詳现に分析するため図\ref{fig:hallucination2}のようにファむンチュヌニングず評䟡のためのデヌタセットをカテゎリ別に分割した最初に\ref{subsec:t5}節ず同様にlivedoorニュヌスのデヌタセットから本文・3行たずめの察を取埗しカテゎリが経枈・スポヌツ・ITに該圓する察をそれぞれ4,283個ず぀取り出した次に日経電子版のデヌタセットで事前孊習された\texttt{t5-base-japanese-nikkei}をファむンチュヌニングしお3皮類のモデルを埗た最埌に日経電子版のデヌタセットからカテゎリが経枈・スポヌツ・ITに該圓する蚘事を50本ず぀甚いおそれぞれのモデルの出力における幻芚を分類した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-4ia21f5.pdf}\end{center}\hangcaption{カテゎリ別のデヌタセットを甚いた幻芚の分析3皮類のモデルを3行たずめ生成のためにファむンチュヌニングし3皮類の日経電子版のデヌタセットで評䟡した}\label{fig:hallucination2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%党䜓的な傟向ずしお孊習ず評䟡のカテゎリが䞀臎しおいる堎合に幻芚が少なかった衚\ref{tab:hallucination_cat}non-hallucinationの割合はカテゎリ䞀臎で0.700に察しカテゎリ䞍䞀臎で0.611ず枛少しおいるintrinsic-hallucinationの割合はカテゎリ䞀臎で0.220に察しカテゎリ䞍䞀臎で0.259ず増加したこれはカテゎリが䞀臎しおいる方が語圙やパタヌンぞの慣れが倚く次に生成するべき情報が曖昧になりづらいためだず考えられるただしスポヌツのカテゎリの蚘事を甚いたモデルでは党䜓的な傟向ずは異なる結果が埗られたこの芁因ずしお日経電子版のデヌタセットずいう経枈䞭心の蚘事で事前孊習をしおいる点が挙げられる事前孊習の時点からカテゎリ分けしたデヌタセットを甚いるこずでより詳现に傟向を分析できる可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[b]\input{21table09.tex}%\hangcaption{カテゎリ別にファむンチュヌニング孊習・評䟡したモデルにおける幻芚の分類割合ファむンチュヌニングず評䟡のカテゎリが䞀臎しおいる堎合䞍䞀臎の堎合に比べお幻芚を含たない(non-hallucination)割合が倚かった}\label{tab:hallucination_cat}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[b]\input{21table10.tex}%\hangcaption{カテゎリ別にファむンチュヌニングしたモデルにおけるextrinsicnon-factualhallucinationを含む芁玄䟋スポヌツの蚘事でファむンチュヌニングしたモデルではハンドボヌルの話題にもかかわらずサッカヌのリヌグ名称である「Jリヌグ」ずいう単語が生成された}\label{tab:hallucination2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀方でカテゎリが䞀臎する蚘事ではファむンチュヌニングの圱響で入力のみでは矛盟か吊か刀断できない情報extrinsicnon-factualhallucinationたたはextrinsicfactualhallucinationが生成される䟋も確認された衚\ref{tab:hallucination2}に瀺した芁玄䟋ではスポヌツのカテゎリの蚘事でファむンチュヌニングしたモデルでextrinsicnon-factualhallucinationが発生したこれはスポヌツのカテゎリの蚘事にハンドボヌルず比范しおサッカヌの話題が倚かったためず掚察できるファむンチュヌニング時にカテゎリ分けをしおいないモデルでは同様の幻芚は珟れなかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{怜蚌3システム党䜓の有甚性} \label{sec:overall}本節では線集支揎システム党䜓の有甚性を怜蚌する具䜓的にはたずシステムの䞀機胜であるクリック率予枬の性胜を実デヌタを甚いお{定量}評䟡しさらにシステム展開埌の反響・動向{から埌線集を含む機胜ぞの定性評䟡を実斜する}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クリック率予枬の{定量評䟡}}{最初にファむンチュヌニングする事前孊習枈みモデルの違いによる性胜を調査した具䜓的には\texttt{bert-base-japanese-nikkei}ず䞀般的な日本語りェブコヌパスで事前孊習されたBERT\footnote{\url{https://huggingface.co/tohoku-nlp/bert-base-japanese}}を比范したここでは蚓緎セット甚に準備した19,842蚘事のクリック率を目的倉数ずしお回垰モデルを構築した蚓緎セットから半分を怜蚌セットずしお切り出し4゚ポック孊習した際の二乗平均平方根誀差(RMSE)を蚈枬したずころ\texttt{bert-base-japanese-nikkei}で優れた結果が埗られた衚\ref{tab:ctr-prediction}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[b]\input{21table11.tex}%\hangcaption{クリック率予枬の性胜の比范個別の蚘事のクリック率ぞの回垰では䞀般的な日本語モデルず比べお\texttt{bert-base-japanese-nikkei}で優れた結果ずなったさらにペアワむズ孊習での蚓緎で個別の蚘事のクリック率ぞの回垰ず比べお高い正答率が埗られた}\label{tab:ctr-prediction}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次に事前孊習枈みモデルを\texttt{bert-base-japanese-nikkei}で固定し\ref{subsec:bert}節で述べたペアワむズ孊習の有甚性を調査したここでは実際のアクセスログのペアワむズ比范結果を甚いお評䟡{セットを構築}した具䜓的には耇数の芋出しを読者に出し分け倚腕バンディット\cite{Katehakis1987-fj}を甚いおクリック率の倧きい遞択肢を倚く衚瀺しながら統蚈的に有意に差が぀いた段階で怜蚌を打ち切る仕組みを導入した\cite{Sawa20}{2020幎9月2021幎9月にこの仕組みが実斜された蚘事のうち芋出しを察象ずする50蚘事25察を利甚した}{\texttt{bert-base-japanese-nikkei}を甚いお個別の蚘事のクリック率ぞの回垰でファむンチュヌニングしたモデルは25察のうち14察のクリック率の倧小を予枬でき正答率は0.560ずなったペアワむズ孊習では\texttt{margin}を0.5に固定し最倧集合サむズは\{10,20,30,40,50\}クラスタサむズは\{1000,1500,2000,2500,3000,3500\}の$5\times6$通りの組み合わせで性胜を評䟡したハむパヌパラメヌタごずの正答率を衚\ref{tab:hyperparam}に瀺すペアワむズ孊習でファむンチュヌニングしたモデルは正答率の平均が0.590暙準偏差0.074で倚くの組み合わせで回垰よりも高い倀ずなった}ハむパヌパラメヌタの組み合わせのうち正答率が0.72ず最も高かった蚭定を最終的に線集支揎システムに採甚したこのずき最倧集合サむズは30でクラスタサむズは2500だった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{21table12.tex}%\hangcaption{\texttt{bert-base-japanese-nikkei}をペアワむズ孊習でファむンチュヌニングしたモデルのハむパヌパラメヌタごずの正答率}\label{tab:hyperparam}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{システム展開埌の反響・動向}構築した線集支揎システムは\ref{subsec:system}節で述べた通り2022幎6月に日本経枈新聞瀟向けに公開し{}線集者・蚘者・゜フトりェア゚ンゞニア・デヌタサむ゚ンティスト・圹員など幅広い属性の瀟員に利甚されたシステム展開埌の䞻芁な反響ずしお芁玄品質の高さぞの驚きずその䞊での埌線集の必芁性が挙げられる抜出型芁玄ず比べお抜象型芁玄では流暢な生成が可胜であるず䌝わった他䞀定割合で幻芚が発生するため出力を線集者が確認{し埌線集}する必芁があるずいった意芋が寄せられた{本皿で述べた線集支揎システムの有甚性の䞀端を瀺す事䟋ずしお2023幎11月に日本経枈新聞瀟から蚘事の芁玄に事前孊習枈みモデルを掻甚\footnote{本皿で述べた線集支揎システムがそのたた利甚されおいるわけではないなおシステム党䜓の有甚性を枬る手法の䞀぀に利甚者ぞのアンケヌト調査などがあるが既に本皿で述べた線集支揎システムそのものずは異なるシステムが導入されおいるため展開圓時を想定した適切な評䟡の収集が難しいず刀断した}する際には出力が事実に即さない蚘述・誇匵・誀解を招く衚珟がないかなどを線集者が確認し必芁に応じお修正する運甚になっおいるず瀺された\footnote{\url{https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFM105AK0Q3A011C2000000/}}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{結論} \label{sec:conclusion}本研究ではドメむン特化事前孊習枈みモデルの産業応甚ずしお日本語金融ニュヌス蚘事を芁玄する線集支揎システムの開発事䟋を玹介した既存研究がドメむン特化事前孊習枈みモデルによる性胜改善を報告しおいる䞭本研究の䞻匵な貢献は珟実䞖界の具䜓的なシステム芁件や実装ず共にドメむン特化事前孊習枈みモデルが優れた䟡倀を発揮するナヌスケヌスを提瀺した点である具䜓的にはドメむン特化事前孊習枈みモデルの事前孊習・ファむンチュヌニングの詳现ず共に線集支揎システムの党䜓像を玹介し\ref{subsec:Problem}節で述べたシステム芁件に関しお次の知芋を報告した\begin{description}\setlength{\parskip}{0cm}%\setlength{\itemsep}{0cm}\item[\S1特有の文䜓の再珟]ドメむン特化事前孊習枈みモデルを甚いるこずで線集者による芁玄ずの文字列の䞀臎床合いが高くなった\ref{sec:experiments}節\item[\S2性胜ず運甚コスト]ドメむン特化事前孊習枈みモデルは事前孊習コヌパスのサむズが小さくずも高い性胜を発揮した\ref{sec:experiments}節\item[\S3忠実性]3行たずめ生成にファむンチュヌニングしたT5は297ä»¶äž­116件の割合で幻芚を含む文章を生成し線集者による確認を前提ずしたシステムの必芁性が瀺唆された幻芚を含む堎合は生成時の平均情報量が有意に倧きいずいう特城も分かった\ref{sec:discussion}節\item[\S4システム党䜓の有甚性]䞀機胜であるクリック率予枬のためのBERTは実デヌタず照らし合わせお平均0.59の正答率でクリック率の倧小を予枬できたシステム展開埌の反響・動向からは埌線集も含めたシステム党䜓の有効性が瀺唆された\ref{sec:overall}節\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{今埌の展望}モデルやデヌタセットの拡充は今埌の展望の䞀぀であるT5やBERTよりも倧芏暡なモデルを甚いるこずでより高性胜な凊理が実珟できる可胜性がある線集者による出力の改蚂履歎を蚘録するこずも今埌のシステムの改良に有益である\cite{laban-etal-2020-summary,10.5555/3495724.3495977}近幎はLLMsのファむンチュヌニングにおいお人間のフィヌドバックの䟡倀が泚目されおいる\cite{Ouyang2022-lr}.将来的には\citeA{murao-etal-2019-case}のように線集支揎システムによる線集者の行動倉容も明らかにしたいず考えおいる幻芚の分類を考慮した怜知の仕組みの導入も想定しおいる単に幻芚か吊かにずどたらず発生芁因を詳现に分析するこずでより高性胜な怜知を実珟できる可胜性がある幻芚を含む堎合は生成時の平均情報量が有意に倧きいずいう特城も怜知に掻甚できるず考えおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{倫理的泚釈}本研究で䜿甚した日経電子版のデヌタセットは日本経枈新聞瀟内で適切な手段で入手したアクセスログのデヌタも利甚芏玄や瀟内芏定に基づき利甚した\footnote{\url{https://www.nikkei.com/lounge/privacy/}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の掚進に圓たり日本経枈新聞瀟の倚くの方々にご協力いただきたした\pagebreakT5の事前孊習やファむンチュヌニングではAWSJapanによる技術的な支揎をいただきたしたお瀌申し䞊げたす%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\begingroup\addtolength{\baselineskip}{0.25pt}\bibliography{21refs}\endgroup%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{石原祥倪郎}{%日本経枈新聞瀟日経むノベヌション・ラボ䞊垭研究員2017幎東京倧孊工孊郚システム創成孊科卒業2017幎より株匏䌚瀟日本経枈新聞瀟に入瀟し珟圚は自然蚀語凊理や機械孊習の研究開発に埓事}\bioauthor{村田栄暹}{%2023幎早皲田倧孊基幹理工孊郚情報通信孊科卒業珟圚は同倧孊院修士課皋孊生ずしお自然蚀語凊理の研究を行う2023幎に株匏䌚瀟日本経枈新聞瀟におむンタヌンシップを実斜}\bioauthor{䞭間康文}{%2021幎慶應矩塟倧孊倧孊院理工孊研究科開攟環境科孊専攻修士課皋修了2021幎より株匏䌚瀟リクルヌトに入瀟業務の傍ら独立研究者ずしお自然蚀語凊理等に関する研究開発を行っおいる}\bioauthor{高橋寛歊}{%2021幎名叀屋倧孊情報孊郚自然情報孊科卒業2021幎より株匏䌚瀟リクルヌトに入瀟業務の傍ら独立研究者ずしお自然蚀語凊理に関する研究開発を行っおいる}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V06N02-07
\section{はじめに} \vspace{-2mm}テキスト音声合成システムの蚀語凊理郚における重芁な課題の䞀぀にポヌズ挿入凊理が挙げられるポヌズ挿入凊理は音声化され出力されたテキストの内容を人間が感芚的意味的に捉えやすくするためにテキスト䞭の適圓な䜍眮に適圓な長さのポヌズを䞎えるテキスト音声合成に必須の技術であり入力テキストの曞き手が意識しお挿入した句読点以倖にも構文構造ずポヌズ挿入䜍眮の関係が研究されおきた埓来の研究からポヌズは構文的区切りず䞀臎する\cite{杉藀1988}たた特定の句構造\mbox{においお}ポヌズが挿入され易い\cite{海朚1996}ずいう知芋が埗られおいるこの他にも文節間の係り受け距離ず文節の長さがポヌズ挿入の有効な手がかりになるずいう知芋\cite{箱田1980}さらに係り受け関係句読点文䞭における䜍眮情報を加えるこずで粟床が高たるず期埅できるずの報告\cite{箱田1989}もあるしかしこれらは係り受け距離や係り受け関係\mbox{などのテキ}スト情報が既に埗られおいるずの前提に立った報告であり実際にそれらのテキスト情報を求めるためには構文解析凊理が別途必芁ずなる䞀般に構文解析凊理は倧量の蚀語知識デヌタを芁するテキストから粟床の高い統語構造の自動抜出が困難凊理が重くなるなどずいった問題から実働するシステムにおいおは簡易なテキスト解析で埗られる単語の品詞やモヌラ数など圢態玠解析レベルで埗られる情報や局所的な数文節に着目した簡易な係り受け解析が広く甚いられおいる\cite[など]{宮厎1986,浅野1995,鈎朚1995,柗期1996,塚田1996,Tsukada1996,海朚1996}係り受けの範囲に぀いおは隣接する数文節の範囲内に限定できるずの報告\cite{箱田1989,鈎朚1995}実際の文章においお隣り合う文節の係り受けが\mbox{連続する堎合が倚いずいう}\mbox{報告\cite{äžžå±±1992,匵1997}があり}隣接文節もしくは局所的\mbox{な数文節間の係り受}け解析結果を甚いた方法でかなり高粟床のポヌズ挿入が実珟できるこずが明らかになっおいるしかしながら人間が聞いお理解しやすい構文的たずたりは耇数の文節によっお様々なパタンで構成されおおり䞊蚘方法でも限界はある䟋えば小説や随筆など䞀文がある皋床長く文の構造が耇雑なものになるず係り受けが文節以䞊に跚る文の存圚は少なくない予め係り受けの範囲を文節に限定しおしたうこずで構文的たずたりの䞀節䞭にポヌズが挿入されるなど䞍自然な読み䞊げを頻出する堎合がある䞀方別のアプロヌチの䞀぀にコヌパスを利甚した統蚈的なポヌズ挿入䜍眮の予枬方法が報告されおいる文献\cite{Iwata1990}では隣接単語の接続のしやすさを\mbox{コヌパスを甚い}おスコア化しそれを甚いたポヌズ挿入方法を提案しおいるたた文献\cite{Doi1994}では副助詞や接続助詞などの文法的圹割に着目しコヌパスを甚いおそれらの語圙の埌に来るポヌズの長さをレベル化しそれを甚いたポヌズ挿入方法を提案しおいるさらに文献\cite{藀尟1997}では係り受け情報付きコヌパスの孊習ずポヌズ情報付きコヌパスの再孊習によりフレヌズ境界前埌の圢態情報ずポヌズ長の関係を統蚈的に埗る方法を提案しおいるしかしこれらの方法は予め倧量の孊習甚デヌタを芁しさらにデヌタの分野䟝存が倧きいず考えられる本皿では倧量の孊習甚デヌタに頌らず長距離の係り受け解析をする軜量・高速な構文解析凊理を甚いたポヌズ挿入手法に぀いお報告する本手法では解析の範囲を文の長さや文節数で限定せず䞀文を単䜍ずした係り受け解析の情報を利甚するたた本手法を䞊で実動するレベルのテキスト音声合成システムに実装しおその効果を確認した \section{構文解析凊理の導入} \subsection{利甚する構文解析凊理系}本手法では日本語解析系QuickJapaneseParser以䞋\cite[など]{亀田1996,Kameda1996}をテキスト音声合成システムの構文解析に利甚する先に述べたように䞀般的な構文解析で実甚レベルの開発を難しくしおいる芁因に詳现か぀膚倧な堎合によっおは意味たで螏み蟌んだ芏則を芁する生成される候補が倚い蚈算量も倚いなどの問題があるたたその解析粟床も圢態玠解析技術に比べるず凊理が耇雑であるためなかなか実甚レベルになりにくいしかしは日本語解析を芁する応甚系システムぞの組み蟌みが容易な蚀語凊理ラむブラリであり効率的な凊理が実珟可胜であるは字皮の特城を利甚した小芏暡蟞曞ベヌスの圢態玠解析系ず圢態玠情報ベヌスの芏則による構文解析系の぀の凊理系で構成されおいる䞻に圢態玠情報による芏則を甚いお解析凊理を行なうためシ゜ヌラスや意味情報など構築およびメむンテナンスに劎力を芁する膚倧な蚀語知識デヌタは䞍芁であるこずを倧きな特城ずしおいる構文解析系は䞀文毎に単語列を文節にたずめる際文節にはその構成単語の品詞情報を利甚しお文節属性が蚭定されるその文節属性や品詞情報に基づき係り受け可胜文節察を怜出し非亀差芏則再近接文節遞択をベヌスに様々なヒュヌリスティックを甚いた䟋倖凊理も甚いお尀もらしい係り受け文節察を確定する品詞情報ずその組み合わせで構文解析凊理を行なうため解析芏則等のデヌタ開発コストが抑えられ軜量さ高速さを実珟できおいるたた長文に察しおの頑健さも兌ね備えおいるため音声合成向けのテキスト解析に導入しやすいさらに係り受け凊理の単䜍が䞀文であり文節数が限定されないため察象ずなった文䞭の本来の文法的区切り䜍眮を埗るこずが可胜である\subsection{ポヌズ挿入のための利甚可胜情報}構文解析凊理を導入するこずで利甚可胜なテキスト情報が倧幅に増えるこれらの情報をどのように利甚するかで様々な手法が考えられ埗るたず圢態玠解析結果から埗られるポヌズ挿入凊理に有益なテキスト情報は以䞋の通りである\begin{itemize}\item句読点䜍眮情報\item語圙レベルの定性的情報感動詞接続詞提題の意味の「は」の盎埌にはポヌズが入りやすいなどの品詞や語特有の性質\item文節モヌラ長\item局所的な連続文節間の関係隣接を含む局所的な連続した数文節間における係り受け関係の有無\end{itemize}\vspace{0.2cm}さらにの構文解析系の解析結果から埗られるポヌズ挿入凊理に有益なテキスト情報は以䞋の通りである\begin{itemize}\item文節の属性\item係り受け文節察\item係り受け文節間の距離隣接文節間の係り受け距離をずしおカりントする䞀文䞭の文節数距離\item係り受けの関係係り受け文節察の各属性に基づく\end{itemize}\vspace{0.2cm}そこでたず予備調査ずしお先行研究\cite[など]{箱田1980,箱田1989}で取り扱われおいる係り受け文節間の距離を甚いおポヌズ挿入実隓を行ないその評䟡結果に基づいお実際のポヌズ挿入凊理アルゎリズムの蚭蚈を行なうこずにした\subsection{予備実隓}本手法の予備調査のために係り受け文節間の距離のみを甚いたポヌズ挿入実隓を行なった\cite{䜐藀1997}以䞋予備実隓に぀いお述べる\subsubsection{2.3.1\hspace{5mm}実隓方法}\label{yobichosa}実隓は䞋蚘の手順で行なった䜿甚したサンプルテキストは日本電子工業振興協䌚の報告\mbox{曞\cite{日本電子工業振興協䌚1995}の付録の}評䟡文の抜粋および小説\cite{村䞊1995}\mbox{の抜粋を甚いた}たた比范察象は圢態玠解析ず隣接間係り受け凊理を甚いたポヌズ挿入凊理を実装しおいる既補のテキスト音声合成゜フトりェアパッケヌゞ\footnote{(æ ª)リコヌ補テキスト音声合成゜フトりェア「雄匁家V2」を䜿甚}の出力である\begin{enumerate}\itemサンプルテキストを比范察象のテキスト音声合成゜フトに入力しポヌズ蚘号アクセント句区切り蚘号を含む発音蚘号列を自動的に䜜成する\item同゜フトにおいお同じサンプルテキストを発音蚘号列に自動的に倉換した埌挿入されたポヌズ蚘号アクセント句区切り蚘号を取り陀き「読み」のみの蚘号列を䜜成する\itemに同じサンプルテキストを入力し圢態玠解析構文解析結果を埗る\itemの出力結果から係り受け文節を抜出し係り文節から受け文節たでの距離を衚\ref{tab:ypau}の通り各ポヌズレベルぞ察応づける\item予め䜜成しおおいた()の読み蚘号列に()の結果を反映させ察応ポヌズレベルをポヌズ蚘号に倉換しお手入力文節間距離情報を反映した発音蚘号列を䜜成する\item比范察象のテキスト音声合成゜フトが自動䜜成した()の発音蚘号列ず\mbox{文節間距離}情報を反映した()の発音蚘号列を比范・評䟡する\end{enumerate}\vspace{0.2cm}\begin{table}[hbtp]\caption[文節間距離--察応ポヌズレベル]{文節間距離--察応ポヌズレベル}\label{tab:ypau}\begin{center}\begin{tabular}{|ll|}\hline{\gt距離}&{\gtポヌズレベル}\\距離盎埌に係る&アクセント句区切り\\距離&小ポヌズ\\距離&䞭ポヌズ\\距離以䞊&倧ポヌズ\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{0.2cm}\subsubsection{2.3.2\hspace{5mm}結果}評䟡はポヌズ挿入正解率ポヌズ挿入粟床向䞊率ポヌズ挿入粟床降䞋率ずいう぀の芳点で行なったここで蚀うポヌズ挿入正解率ずは期埅ポヌズ䜍眮数に察しお期埅通りのポヌズが挿入された割合ポヌズ挿入粟床向䞊率ずは比范察象のテキスト音声合成゜フトで倱敗した箇所が文節間距離情報を反映した方法で成功しおいる割合ポヌズ挿入粟床降䞋率ずは比范察象のテキスト音声合成゜フトで成功しおいた箇所が文節間距離情報を反映した方法で倱敗した割合ず定矩しおいる評䟡結果を衚\ref{tab:yhyoka}に瀺す\vspace{0.2cm}\begin{table}[hbtp]\caption[評䟡結果]{評䟡結果}\label{tab:yhyoka}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|}\hlineポヌズ挿入正解率比范察象のテキスト音声合成゜フト&92.0\\\hlineポヌズ挿入正解率文節間距離情報を反映した方法&97.6\\\hlineポヌズ挿入粟床向䞊率&94.8\\\hlineポヌズ挿入粟床降䞋率&2.2\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{0.2cm}\subsubsection{2.3.3\hspace{5mm}予備実隓における考察}評䟡結果より係り受け文節間の距離だけでも圢態玠解析ず隣接間係り受け凊理を甚いたポヌズ挿入凊理を実装したシステムのポヌズ挿入誀りを倧幅にカバヌできるずいうこずが明らかになった䞀方ポヌズ挿入粟床降䞋の原因を調査するず倚くはの圢態玠解析誀りのため構文解析凊理に倱敗し正確な係り受け文節間の距離が埗られなかったこずに起因しおいたしかし正確な係り受け文節間の距離が埗られおも以䞋のような問題点が明らかになった\vspace{0.2cm}\hspace*{0.5cm}●入力テキスト\hspace*{1cm}「耇雑な技術だけが生み出すこずのできる皮類の優矎さだった」\vspace{0.2cm}\hspace*{0.5cm}●実隓結果出力された発音蚘号列\footnote{発音蚘号列における「/」はアクセント句境界たたはポヌズ挿入䜍眮を瀺すたたここでは「/」の数がのずきはアクセント句境界を衚し2以䞊のずきはポヌズを衚す以䞊の堎合数が倚いほどポヌズの長さが長いこずを瀺す}\hspace*{1.1cm}フクザツナ/ギ’ゞュツダケガ/りミダ’ス/コト’ノ/デキ’ル/\hspace*{1cm}シュ’ルむノ/ナヌビ’サダッタ\vspace{0.4cm}䞊蚘䟋文では各文節が盎埌に係る距離係り受け関係が連続しおおり各アクセント句境界に同じアクセント句区切りが挿入されおしたったこのような堎合読み䞊げが単調になるため聞き手偎には構文的区切り䜍眮がどこにあるのか分からないなど䞍自然さが残る構文解析により構文的区切り䜍眮の情報を埗るこずができおも実際には䞊蚘䟋文のように距離の係り受けが連続する堎合が倚い\cite{äžžå±±1992,匵1997}ため係り受け文節間の距離を単玔にポヌズ長ぞマッピングするだけでは実装䞊ただ䞍足でありポヌズ長の制埡のための䜕らかのテキスト情報を取り入れる必芁があるそこで次に文献\cite{箱田1989}を受けおテキスト情報ずしお係り受け文節間の距離に加えお係り受けの関係を利甚するこずにしたさらに語句や呌気段萜における定性的な芏則も甚いるこずにした\subsection{ポヌズ挿入芏則}\label{kisokupose}本皿で提案するポヌズ挿入手法では基本的にテキスト䞭の各文節末には䜕らかの韻埋句境界があるず定矩するそしお各韻埋句境界にポヌズ挿入芏則に基づきポヌズ挿入が生じ易いかどうかの指暙をポヌズ挿入尀床ずしお蚭定する芏則により党おの韻埋句境界にポヌズ挿入尀床が蚭定されたらポヌズ挿入尀床の高い境界から順に適圓なレベルのポヌズを挿入するポヌズ挿入芏則は文献\cite{箱田1989}に基づき係り受け文節間の距離に基づく芏則ず係り受けの関係に基づく芏則ず語句や呌気段萜における定性的な芏則の芏則にたずめた\begin{enumerate}\item{\gt係り受け文節間距離(d)に基づく芏則}係り受け文節間距離(d)ずは着目しおいる文節䜍眮盎埌からその係り先文節たで\mbox{に含たれる文節の数}係り先文節を含むずする埓っお\mbox{隣接文節はdずなる}dはそのたたポヌズ挿入尀床ずする衚\ref{tab:pau1}テキスト䞭にポヌズを挿入する際は尀床に察応したポヌズ長レベルを予め蚭定しおおく必芁があるポヌズ長レベルはシステムの甚途によっお倉曎可胜である\begin{table}[hbtp]\caption[芏則]{芏則}\label{tab:pau1}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|}\hline{\gt文節間距離(d)ポヌズ挿入尀床}&{\gtポヌズ長レベル蚭定の䞀䟋}\\\hlined=1&アクセント句区切りレベル\\\hlined=2&声だお立お盎しレベル\\\hlined=3&小ポヌズレベル\\\hlined=4&䞭ポヌズレベル\\\hlined$>$4&倧ポヌズレベル\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\item{\gt係り受けの関係による芏則}予備調査の結果䞊蚘芏則だけではポヌズ長が䞀定で単調構文のたずたりがわかりにくい読み䞊げずなる堎合があるこずが明らかになったそこで本手法では芏則でdの堎合に限り曎に係り受けの関係に基づくポヌズ挿入尀床を蚭定するこずにした構文解析系の係り受けの関係はかなり倚くのバリ゚ヌションがあるが本手法ではこれらを文法に即しお倧たかに皮に倧分類し察応するポヌズ挿入尀床を持たせた衚\ref{tab:pau2}\begin{table}[hbtp]\caption[芏則]{芏則}\label{tab:pau2}\begin{center}\begin{tabular}{|l|c|}\hline{\gt係り受け関係(倧分類}&{\gtポヌズ挿入尀床}\\\hline係り先が文末文節&Q\\\hline隣接関係&N\\\hline耇合関係アクセント結合の可胜性あり&D\\\hline連䜓関係&T\\\hline䞊列関係&H\\\hline連甚関係&Y\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{0.3cm}ポヌズ挿入尀床の高䜎は隣接文節関係の知芋より以䞋のように蚭定した\begin{center}D−T−H−Y−N−Q尀床(䜎\qquad$\longrightarrow$\qquad尀床(高\end{center}芏則ではポヌズ挿入尀床はアルファベット文字のフラグで衚蚘しおおり芏則同様テキスト䞭にポヌズを挿入する際は尀床に察応した基準のポヌズ長レベルを予め蚭定しおおく必芁がある\item{\gt語句や呌気段萜における定性的な芏則}句点の䜍眮には文末盞圓のポヌズを挿入する読点の䜍眮にはそれ盞応のポヌズを挿入するなど埓来研究の知芋や圢態情報から埗られる定性的な芏則も䜵甚するこれらは文献\cite{箱田1989}で挙げられおいるテキスト情報「句読点」「文節䜍眮」の他文節を構成する単語の語圙情報も含んでいるたたテキスト䞭にポヌズ挿入尀床の高い境界から順に実際に適圓なレベルのポヌズを挿入した際同レベルのポヌズに挟たれた発話区分のモヌラ数が呌気段萜を考慮しお予め任意に蚭定した䞀定のモヌラ長を超過した堎合はその間にある各文節境界のポヌズ挿入尀床を参照し最もポヌズ挿入尀床が高い境界䜍眮のポヌズ長レベルを栌䞊げし同レベルのポヌズを挿入する\end{enumerate}\subsection{ポヌズ挿入凊理のアルゎリズム}\label{algopose}\ref{kisokupose}節で述べたポヌズ挿入芏則に基づき入力テキストに以䞋の手順でポヌズ䜍眮ずポヌズ長を蚭定する\vspace{0.3cm}\begin{enumerate}\item文節間距離の算出係り受け成立が確定した文節間のdを算出する\itemdに察応するポヌズ挿入尀床蚭定芏則に基づき各文節末アクセント句末ぞdに応じたポヌズ挿入尀床を蚭定する\item係り受けの関係によるポヌズ挿入尀床蚭定dの係り受け文節間にのみ芏則に基づき係り受けの関係によるポヌズ挿入尀床基準倀)を蚭定する\item句読点䜍眮ぞのポヌズ挿入尀床蚭定句点の䜍眮に文末盞圓の尀床を読点の䜍眮に適圓な尀床を挿入する\item各境界ぞのポヌズ長の蚭定各文節末にポヌズ挿入尀床が蚭定されたらアクセント結合凊理などを経おポヌズ挿入尀床の高い境界から順に予め蚭定しおおいた尀床に察応した適圓なレベルの長さのポヌズを挿入する\item発話区分のモヌラ長限界によるポヌズ長レベルの栌䞊げ同レベルのポヌズに挟たれた発話区分のモヌラ長が呌気段萜を考慮しお予め任意に蚭定した䞀定のモヌラ長を超過した堎合はその間にある各文節境界のポヌズ挿入尀床を参照し最もポヌズ挿入尀床が高い境界䜍眮のポヌズ長レベルを栌䞊げしお同レベルのポヌズを挿入する\end{enumerate} \section{システムぞの実装} label{sec:coding}前節で述べたポヌズ挿入凊理を実際に䞊で実動するテキスト音声合成システムぞ実装した\subsection{システム構成}の圢態玠解析系では単語蟞曞を利甚せず字皮の特城を利甚しお単語切りをしおおり音声合成に必芁な読み・アクセント情報を埗る手段が無いたた挢字耇合語列を各単語に分割しないため埌凊理にアクセント結合凊理が控えおいる音声合成の蚀語凊理では問題になるそこで本システムぞの実装にあたり圢態玠解析には読みやアクセント情報蚘茉の単語蟞曞を利甚する圢態玠解析モゞュヌルを甚いその出力をの構文解析モゞュヌルぞ入力できるようなシステム構成を考えるこずにした圢態玠解析凊理に甚いる品詞の䜓系ず構文解析凊理に甚いる品詞の䜓系が異なる堎合圢態玠解析凊理の出力結果をそのたた構文解析凊理の入力ずできないこずがしばしばあるそのような堎合には間に品詞倉換凊理が必芁ずなるが本システムでも同様に構文解析系を利甚するために品詞倉換モゞュヌルを䜵せお開発した\cite{望䞻1998}本システムでは構成䞊品詞倉換モゞュヌルず構文解析モゞュヌルを合わせお拡匵構文解析系ず呌ぶたた埌続凊理であるアクセント結合モゞュヌルずポヌズ挿入モゞュヌルを合わせおフレヌゞング凊理系ず呌ぶ本システム構成を図\ref{fig:sys}に瀺す\vspace{2.2mm}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=msg80fig.eps,width=10.75cm}\vspace{5mm}\caption{システム構成}\label{fig:sys}\end{center}\end{figure}\newpage \section{発音蚘号生成実隓} label{sec:test}本手法の効果を確認するために簡単な評䟡実隓を行なった以䞋実隓内容に぀いお述べる\subsection{サンプルテキストず比范察象}評䟡実隓にはポヌズの正確さを評䟡するため䞀文がある皋床長く文の構造が耇雑である小説\cite{村䞊1995}から匕甚した文を入力甚サンプルテキストずしお甚いた\footnote{予備調査の実隓サンプルず出兞は同じであるが匕甚文に重耇はない}䞀文の平均文節数は21.5平均モヌラ数は146.5である比范察象は2.3.1節の予備調査の実隓ず同様のテキスト音声合成\mbox{゜フトりェアパッケヌゞ以}䞋埓来システムず呌ぶの出力した発音蚘号列である\subsection{実隓方法}実隓は以䞋の手順で行なった\begin{enumerate}\item圢態玠解析誀りが構文解析凊理に圱響しないように必芁に応じお埓来システムおよび本手法を実装したシステムぞの単語登録解析誀り蚂正を予め行なっおおく\itemサンプルテキストに察し最も自然に聞こえるように人手でチュヌニングした発音蚘号列を䜜成する\footnote{人の人間がチュヌニングし意芋が分かれた箇所は䞀緒に実際に出力音声を聞き比べお怜蚎し䞀意に意芋をたずめた}\itemサンプルテキストを埓来システムに入力し発音蚘号列を埗る\itemサンプルテキストを本手法を実装したシステムに入力し発音蚘号列を埗る\item埗られた発音蚘号列のポヌズ挿入䜍眮を発音蚘号列のポヌズ挿入䜍眮ず比范する\end{enumerate}\subsection{評䟡方法}評䟡は予備調査時の評䟡方法ず同様にポヌズ挿入正解率ポヌズ挿入粟床向䞊率ポヌズ挿入粟床降䞋率ずいう぀の芳点で行なった\subsection{評䟡結果}評䟡結果を衚\ref{tab:kekka}に曎にポヌズ挿入粟床向䞊䟋を発音蚘号サンプルを挙げお瀺す\vspace{0.3cm}\begin{table}[hbtp]\caption[評䟡結果]{評䟡結果}\label{tab:kekka}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|}\hlineポヌズ挿入正解率埓来システム&80.7\\\hlineポヌズ挿入正解率本手法実装システム&95.5\\\hlineポヌズ挿入粟床向䞊率&77.8\\\hlineポヌズ挿入粟床降䞋率&7.7\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{0.2cm}\begin{itemize}{\item\smallひずたずたりの意味を成す連文節䞭に目立ったポヌズが挿入されるなどの臎呜的なポヌズ誀りに察するポヌズ挿入粟床向䞊率は100}{\item\smallポヌズ挿入粟床降䞋率は係り受け解析誀りを含む}{\item\smallの評䟡文に察する構文解析粟床係り受け正解率は86.6}\end{itemize}\vspace{0.3cm}【ポヌズ挿入粟床向䞊䟋】\footnote{発音蚘号列における「/」はアクセント句境界たたはポヌズ挿入䜍眮を瀺すたた「/」の数がのずきはアクセント句境界を衚し2以䞊のずきはポヌズを衚す以䞊の堎合数が倚いほどポヌズ挿入尀床が高いポヌズの長さが長いこずを瀺す以降の䟋に぀いおも同様である}\vspace{0.3cm}\hspace*{0.5cm}●入力テキスト\hspace*{1cm}「その女性は赀い長めのオヌノァヌコヌトを着お・・・」\vspace{0.3cm}\hspace*{0.5cm}●埓来システムが出力した発音蚘号列\hspace*{1.1cm}゜ノ/ゞョセヌワ/アカむ////ナガメノ/オヌバヌコ’−トオ//キテ////\vspace{0.4cm}「赀い」ず「長め」の間に長いポヌズが挿入されおいるがこの発音蚘号を音声出力するず文意ず異なった意味にずれるほど䞍自然である隣接文節ずの係り受けの可吊で怜査するため「女性は」ず「赀い」の係り受けの関係が匷く「赀い」ず「長め」の係り受けの関係が匱いこずによりこういった倱敗が生じおいた\vspace{0.4cm}\hspace*{0.5cm}●本システムが出力した発音蚘号列\hspace*{1.1cm}゜ノ/ゞョセヌワ////アカむ//ナガメノ/オヌバヌコ’−トオ/キテ////\vspace{0.4cm}本手法による発音蚘号では文意に即した自然な音声出力が埗られた遠い係り先たで怜査するため「女性は」の係り先可胜性ずしお「赀い」ず「着お」を怜出するにより「着お」ずの係り受けが尀もらしいず刀断され係り受け文節間の距離で「女性は」の埌に長いポヌズが挿入される䞀方「赀い」は「オヌノァヌコヌトを」に係るので係り受け文節間の距離で「赀い」の埌には「女性は」の盎埌のポヌズより短いポヌズが挿入される図参照{\setlength{\baselineskip}{3.5mm}\begin{verbatim}【係り受け朚構造】【係り受け関係】[1]:┏その<連䜓詞連䜓:䜓蚀句>[2]:┏女性は<䞻栌䞻題:動詞句>[3]:┃┏赀い<連䜓圢連䜓:䜓蚀句>[4]:┃┣長めの<の連䜓:䜓蚀句>[5]:┣オヌノァヌコヌトを<を連甚:動詞句>[6]:┏着お<お連甚:動詞句>:::図2の出力した係り受け\end{verbatim}}\vspace{0.3cm}\subsection{考察}評䟡結果より文節数に制限のない係り受け文節間の距離および係り受け関係をポヌズ挿入凊理に利甚するこずがポヌズ挿入粟床の向䞊に寄䞎するこずが確認された䞀方適切なポヌズが挿入できない原因を調査するず玄54が構文解析凊理の誀りに起因するものであったその他係り先が遠い文節が続いた堎合のポヌズ長の調敎䞍足によるもの芏則の係り受け関係の分類の甘さによりポヌズ挿入尀床が効いおいないものがあった\subsubsection{4.5.1\hspace{5mm}構文解析粟床ずの関係}本システムにおいおは芏則により係り先文節ぞの距離以䞊の堎合挿入尀床が同じ倧ポヌズレベルになるため距離の係り受けを距離の係り受けず誀っおも係り受け誀りは吞収されるため構文解析誀り党おがポヌズ挿入凊理に悪圱響を及がすものではない逆に距離以䞋の係り受けに察しおは粟床の高さが求められる構文解析凊理の誀りに起因するポヌズ挿入誀りはの係り受け解析芏則をより高粟床にするこずで枛少するこずが期埅できる\subsubsection{4.5.2\hspace{5mm}ポヌズ長の調敎}接続詞句や副詞句など係り先が遠く独立性の高い文節の盎埌には芏則に基づくず長いポヌズが挿入されるがこれらの句が連続しお続く堎合には短いモヌラ長の句の間に長いポヌズが続けお挿入される構文的区切り䜍眮であるこずは明らかに分かるが自然な読み䞊げには聞こえない䞋蚘の䟋では「しかし」「仮に」「それが」の係り先文節ぞの距離(d)が以䞊であるため各文節末に長いレベルのポヌズが挿入され音声出力した堎合䞍自然に聞こえおしたう\vspace{0.3cm}【長いポヌズ連続挿入䟋】\vspace{0.3cm}\hspace*{0.5cm}●入力テキスト\hspace*{1cm}「しかし仮にそれが実蚌に䞀番郜合のいい方法であるにしおも・・・」\vspace{0.3cm}\hspace*{0.5cm}●本システムで出力される発音蚘号列\hspace*{1.1cm}シカ’シ////カリニ////゜レガ////ゞッショヌニ///むチバン//ツゎヌノ/\hspace*{1cm}む’ヌ/ホヌホヌデ/ア’ルニ/シテ’モ・・・\vspace{0.4cm}文法的芁因の他に境界前埌の句のモヌラ長がポヌズ䜍眮やポヌズ長に圱響を䞎えるずいうこずは蚀及があり\cite[など]{箱田1980,Tsukada1996}モヌラ長も無芖できない芁因である䞊蚘䟋のようにモヌラ皋床ず短く独立性の高い文節間に長いポヌズが連続しお挿入される堎合にはポヌズ挿入尀床の䜎い境界におけるポヌズのポヌズ長レベルの栌䞋げなど\ref{algopose}節のポヌズ挿入凊理のアルゎリズムのの逆を実斜するなど呌気段萜に基づくモヌラ長の最短閟倀の蚭定で察凊しおいくこずが考えられる\subsubsection{4.5.3\hspace{5mm}係り受け関係の分類}本手法では構文解析系の係り受けの関係を倧たかに皮に倧分類しおポヌズ挿入尀床を持たせたが尀床が効いおいない事䟋があったガ栌やヲ栌など栌関係を別分類にするたた係り受け関係の出珟順を考慮するなどただ再考の䜙地があるず考えられる \section{おわりに} label{sec:musubi}テキスト音声合成のポヌズ挿入凊理に軜量・高速な構文解析凊理を導入し䞀文党䜓の係り受け情報を利甚しお構文的区切り䜍眮の同定同䜍眮ぞのポヌズ挿入最適なポヌズ長の実珟を実システム䞊で詊みたその結果以䞋の点を確認するこずが出来た\begin{itemize}\item䞀文党䜓の係り受け解析凊理を導入した本手法のポヌズ挿入凊理方法の方が隣接間係り受け凊理を甚いたポヌズ挿入凊理よりも挿入粟床が高く有効である\item係り受け文節間の距離ず係り受け関係の情報以倖に同レベルポヌズ間のモヌラ長閟倀の調敎が必芁であるさらに係り受け関係の现分や芏則ずしおの適甚順を考慮するこずでポヌズ挿入粟床の向䞊が期埅できる\end{itemize}本皿では文節数に制限のない係り受け凊理をテキスト音声合成システムの蚀語凊理郚に実装しおポヌズ挿入粟床の向䞊効果を確認した今埌はこの結果を反映した芏則音声合成システムを実甚レベルにするためにさらに倧量のテキストを利甚しおデヌタやシステムのチュヌニングを進める予定であるたた構文解析凊理の粟床を高めるず共にその導入により埗られる情報をもっず有効掻甚しテキスト読み䞊げだけでなくナヌザの任意な出力圢態芁求に察応できる出力圢匏に぀いお怜蚎しおいく予定である\vspace{1.5cm}\acknowledgment本皿䜜成の過皋で適切な助蚀をくださった株リコヌ情報通信研究宀第研究宀の藀本最䞀郎宀長に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n2_02}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀奈穂子}{1990幎東京女子倧孊文理孊郚日本文孊科卒業同幎(æ ª)リコヌ入瀟日本語凊理音声蚀語情報凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{小島裕䞀}{1989幎早皲田倧孊倧孊院理工孊研究科修士課皋卒業同幎(æ ª)リコヌ入瀟音声蚀語情報凊理の研究開発に埓事}\bioauthor{望䞻雅子}{1986幎東京女子倧孊文理孊郚日本文孊科卒業同幎(æ ª)リコヌ入瀟日本語凊理音声蚀語情報凊理の研究開発に埓事蚈量囜語孊䌚情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{亀田雅之}{1977幎東京倧孊教逊孊郚基瀎科孊科卒業79幎同倧孊院理孊系研究科盞関理化孊専門課皋[化孊物理]修士修了同幎富士通(æ ª)入瀟埌出向を経お82幎より富士通研究所にお自然蚀語理解知識衚珟機械翻蚳の研究開発に埓事87幎本田技術研究所入瀟和光研究センタヌ勀務88幎リコヌ入瀟珟圚に至る自然蚀語凊理特に日本語解析ずその応甚の研究開発に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N04-06
\section{はじめに} 近幎の音声合成技術の進歩により合成音声によるカヌナビのガむダンスやパ゜コンによるテキストの読み䞊げなど様々な堎面で合成音声が聞かれるようになったたたWebを読み䞊げるための取り組みが進められおおりWebコンテンツを音声に倉換するための議論がなされおいる\cite{SOUMU,Guidance,Dialogue}音声合成の分野においおは埓来からTTS(Text-to-Speech)\cite{MITalk,TTS}により電子化されたテキストを音声に倉換する詊みがなされおきたメヌル電子図曞Webペヌゞに至るたで様々なテキストを合成音声によっお流暢に朗読する仕組みが怜蚎されおいるそしお近幎ではテキストに制埡タグを挿入しお音声合成の韻埋パラメヌタを制埡するアプロヌチ(VoiceXML;RamanandGries1997;SSML)がなされおいる\nocite{VoiceXML,Raman,SSML}韻埋パラメヌタの制埡により埓来の朗読調をベヌスずした合成音声をより衚情豊かな音声に倉えられるこずが分かっおいる合成音声を音声察話など様々な分野で利甚するためには音声に含たれる衚珟力を高めるこずが重芁でありそのために韻埋パラメヌタの制埡を行うための仕組みづくりが重芁になっおきおいる我々は韻埋パラメヌタの制埡を行うための蚘述蚀語MSCL(Multi-layeredSpeech/SoundSynthesisControlLanguage)\cite{MSCL}を開発し蚘述による柔軟な韻埋制埡を実珟した読み䞊げ甚の電子テキストに盎接韻埋制埡コマンドを蚘述するこずで韻埋制埡が可胜ずなった本研究ではMSCLをより効果的に利甚するための韻埋制埡コマンドの䜜成方法に぀いお述べ専門的な知識がなくずも新たな韻埋制埡芏則を䜜成可胜にするアプロヌチに぀いお1぀の方向性を提案する\subsection{蚘述蚀語による韻埋制埡}PML\cite{Ramming}から発展したVoiceXML\citeauthor{VoiceXML}は蚘述ずいうスタむルにより音声察話システムの制埡を行うフレヌムワヌクであり音声合成から音声認識に至るたでの制埡を䞀元的に行うこずで電話の音声ガむダンスや自動応答を可胜にしおいるVoiceXMLのように制埡タグにより音声合成の制埡を行うこずの利点はテキスト凊理の範疇で線集䜜業や情報の䌝送が可胜になるこずであるたたWebコンテンツなどの豊富な電子テキスト情報に制埡コマンドを付䞎し読み䞊げを行うこずが容易になるむンタヌネット䞊の豊富なテキスト情報を取り蟌みテキスト凊理ず制埡タグの挿入により柔軟な音声ガむダンスシステムが可胜になるしかし埓来の音声合成の蚘述蚀語では音声合成で甚いる韻埋パラメヌタの制埡以䞋韻埋制埡をするための制埡タグを新たに定矩するこずはできず利甚できるタグの数も限られおいる䟋えばSSMLなどでは\begin{verbatim}<voicegender="female">倩気は晎れです</voice><prosodyrate="-10\end{verbatim}のように声質の倉曎(gender)や話速(rate)などのパラメヌタの倉曎を行うこずは可胜であるが耇数のパラメヌタを同時に倉曎する堎合はタグの蚘述が膚倧になり可読性が損なわれる可胜性もある韻埋パラメヌタを盎接指定する制埡タグが䞻䜓であるためにタグの名称から韻埋制埡によっお期埅しうる効果印象を予枬するこずができないこのように埓来法ではきめ现かな韻埋制埡や盎感的な制埡ができないずいった問題があったMSCLはきめ现かな韻埋制埡を行うコマンド矀の局ず盎感的な韻埋制埡が可胜になるコマンド矀の局に分離し韻埋制埡の自由床や䜿いやすさを高めおいる次節においおMSCLに぀いお述べる\subsection{MSCLによるアプロヌチ}利甚者が簡単に制䜜を行えるむンタフェヌスの原則ずしお以䞋の3点\cite{Stgif}にたずめられおいる\begin{itemize}\item[ア.]初心者保護の原則レポヌトずは䜕か\item[ã‚€.]熟緎者優遇の原則レポヌトの必芁十分条件\item[り.]䞊玚利甚移行支揎の原則利甚者に察しお特化手段を甚意し利甚を促進する枠組み\end{itemize}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f1.eps}\end{center}\caption{MSCLの階局構造}\end{figure}MSCLは音声合成で必芁ずなるピッチやパワヌなどの韻埋パラメヌタ矀であるP局ずその韻埋パラメヌタを制埡するためのコマンド矀であるI局ず韻埋パラメヌタに1぀の解釈を䞎えるコマンド矀であるS局の3぀の階局図1があるI局のコマンドは韻埋パラメヌタを盎接指定可胜であるため熟緎者はより詳现な音声合成の韻埋制埡が可胜になるS局のコマンドは効果を盎感的に理解した䞊での韻埋制埡が可胜になり初孊者でも利甚可胜になるMSCLの利点をたずめるず以䞋の通りである\begin{itemize}\item蚘述ずいうスタむルで合成音声に様々な衚珟力を䞎える\item階局構造の蚘述䜓系を持぀こずで初孊者から専門的知識を持぀利甚者たでの様々なレベルぞの察応が可胜になる\item新たなコマンドを定矩し利甚者独自の韻埋制埡方法を生み出せる\end{itemize}図1䞭の韻埋制埡のための蚘述がそのたた制埡コマンド名になっおいる特にS局コマンドであれば盎感的な利甚が可胜ずなりI局のコマンドの組み合わせにより利甚者が定矩した新たな制埡コマンドを䜜成するこずが可胜になる䟋えば以䞋のように蚘述できる\begin{verbatim}[duration](0.8){[〜](20Hz){はい}}@define:盞槌=duration,〜(0.8,20Hz){}@盞槌{はい}\end{verbatim}1行目はI局コマンド“〜”により最終母音「い」のピッチを20~Hz降䞋させおおりさらに``duration''より継続時間長を0.8倍しお話速を䞊げおいるこの韻埋制埡をたずめお「盞槌」ずいうS局のコマンド名に眮き換えおいるのが2行目であるそしお3行目からは「盞槌」ずいうコマンド名を䜿うこずで韻埋制埡可胜ずなるこれらの利点によりMSCLはロボットを䜿った察話システム\cite{Yamato}メヌル読み䞊げシステム\cite{Nakayama}など倚皮倚様な音声衚珟が必芁な堎面で利甚されおいる\subsection{MSCLにおける課題}これらの利点に察しMSCLの課題は新たな韻埋制埡コマンドの䜜成が容易ではないこずにある韻埋制埡ずいう営みはSesign\cite{Sesign}が瀺すように韻埋パラメヌタの操䜜により合成音声の音皋を䞊げたり継続時間長を䌞瞮させたりするこずである䟋えば“疑問”であれば最終母音のむントネヌションを䞊昇パタヌンにさせるこずは良く知られおいるたた文䞭のある単語に぀いお“目立たせる”合成音声を生成するためには察象ずなる単語のピッチパタヌンのダむナミックレンゞを広くするこずが1぀の方法\cite{Iwata}ずされるこのようにSesignでは合成音声から目的ずする印象を想起できるようになるたで韻埋パラメヌタの操䜜を繰り返した埌に韻埋制埡方法が決定されるため利甚者が効率的に線集䜜業を行うには韻埋制埡による効果を習熟する必芁があるMSCLにおいおも韻埋制埡を行うには韻埋パラメヌタをどのように制埡すれば良いか予め知る必芁がある韻埋制埡ず印象の倉化に関する知識を容易に獲埗できれば線集の時間を短瞮するこずが可胜になる特に制埡コマンド名ずしお効果が衚珟されおいれば䟿利であるこれたで韻埋制埡ず印象の関連性に぀いおは感情音声ず呌ばれる喜怒哀楜をむメヌゞしながらサンプルテキストを読み䞊げた音声ず平垞時に読み䞊げた音声ずの韻埋パラメヌタの違いを比范するものが倚い\cite{Hirose,Arimoto}しかし韻埋制埡を行った合成音声に察しどのような印象が埗られるかを怜蚎した報告はあたりないそこで合成音声の韻埋制埡によっお音声の印象がどのように倉化するかを調べMSCLのS局のコマンドずしお利甚者に提䟛する本研究では韻埋制埡方法の提案ず韻埋制埡ず印象ずの関係を明らかにするずずもに効果的に韻埋制埡を行うための方法に぀いお述べる\subsection{本研究のアプロヌチ}本研究は韻埋制埡ず印象ずの関係に぀いお明らかにするこずで音声孊的な知識をあたり有さない利甚者でもMSCLのコマンド䜜成が可胜になるための1぀の方向性を䞎えるものである音声合成のための韻埋制埡ずいう芳点で蚀えば倧きく2぀のアプロヌチが考えられる\begin{itemize}\item[ア.]コヌパスベヌスのアプロヌチコヌパス毎に韻埋パタヌンを保持し適切なパタヌンを遞択する\cite{Corpus}\item[ã‚€.]韻埋生成芏則ベヌスのアプロヌチ朗読調の韻埋生成芏則をベヌスに新たな芏則を加えるこずで物理パラメヌタを制埡する\end{itemize}ア.はプリミティブな韻埋制埡芏則を組み合わせお新たな制埡コマンドを䜜るずいうMSCLのアプロヌチに適甚するこずが困難であるむ.は物理パラメヌタの制埡芏則を制埡コマンドずしお眮き換えるこずで倀の倉曎や組み合わせが可胜になる埓っおここではむ.のアプロヌチで進めおいくこずにするたず埓来の音声合成の韻埋生成芏則によっお生成された韻埋パラメヌタに察し䞀定の倉化を䞎える制埡芏則を芏定するこずで新たな韻埋制埡芏則を䜜成する次に韻埋制埡ず印象の関係に぀いお聎取実隓を行う韻埋パラメヌタを倉化させるこずによっお聎取者が合成音声に察しどのような印象を持぀かを連想法により分析するたた韻埋制埡ず蚀葉の意味の圱響により印象がどのように倉化するかを調べる \section{韻埋制埡に基づく印象の抜出} \subsection{韻埋制埡芏則}音声合成の韻埋生成芏則をベヌスにしおさらに韻埋制埡を行うための制埡芏則を決めるベヌスずなる合成音声の韻埋生成芏則はFluet\cite{Hakoda,FLUET}で利甚されおいるものであるこのモデルでは話調成分アクセント情報音調結合情報などが考慮されおおり藀厎モデル\cite{Fujisaki}などのモデルずの共通点があるこれに察し図2に瀺す8぀の韻埋制埡芏則を提案する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f2.eps}\end{center}\caption{8぀の韻埋制埡芏則}\end{figure}\begin{itemize}\itemPattern1最終母音のピッチパタヌンを䞊昇\itemPattern2最終母音のピッチパタヌンを降䞋\itemPattern3音声党䜓の継続時間長を䞀埋に䌞長\itemPattern4音声党䜓の継続時間長を䞀埋に瞮小\itemPattern5ピッチパタヌンの振幅倀を収瞮\itemPattern6ピッチパタヌンの振幅倀を拡倧\itemPattern7ピヌクたでのピッチパタヌンを䞋に凞に倉圢\itemPattern8ピヌクたでのピッチパタヌンを䞊に凞に倉圢\end{itemize}ここでは文節を制埡範囲スコヌプずした制埡方法を怜蚎した察話ロボットの音声や電話での応答を合成音声によっお実珟する堎合「そうです」「本圓」などのワンフレヌズで返す堎面が倚いこずずこのようなワンフレヌズでの音声の韻埋パタヌンは倚様に倉化するこずによるためであるそこで文節を制埡単䜍ずした韻埋制埡を行うこずずした察象ずする韻埋パラメヌタはピッチず継続時間長のみであるパワヌに぀いおは合成方匏が音声玠片接続型を甚いおいるため倧声小声のための制埡ずいうよりは制埡結果が音量の倧小ずしお聎取されるこずから甚いおいないピッチパタヌンの韻埋制埡に぀いおはピッチパタヌンのピヌク䜍眮から最終母音の始点たでの倉圢を行うずアクセント䜍眮がずれたように聞こえるこずがあり異なった蚀語情報ずしお聎取される可胜性が高い぀たり「雚」が「风」ずしお聞こえおしたうようにアクセント型が倉化したように聎取されるこずがあるそこでこの区間を陀いお適甚できる制埡芏則を甚いた始端からピヌク䜍眮の区間最終母音の区間党䜓の抑揚の匷さの制埡に぀いおはパタヌンを倉化させおもアクセント型が倉化しないこずからこの区間を察象ずした6぀の韻埋制埡芏則を遞択した特にPattern1は疑問文Pattern5は単語の匷調に関係するずいわれおおりPatetern78に぀いお印象になんらかの倉化を䞎える\cite{Kawakami}ずの報告がある継続時間長に぀いおは音韻毎の䌞瞮も考えられるがここでは話速に関係するPattern34を甚いおいるこの8぀のパタヌンはMSCLのI局のコマンドに盞圓するこれらのコマンドを甚いお合成音声を䜜成しその音声から感じ取れる印象を抜出する\subsection{連想法による印象の抜出}韻埋制埡ず印象の関係を調べるには事前に察象にしたい蚀葉を遞択しおおきその䞭から適切なものを被隓者に遞択させる方法がよく䜿われおいる䟋えば感性工孊においおはSD法(SemanticDifferentialMethod)が倚く利甚されおいる盞察する意味の蚀葉の察明るい—暗い暑い—寒い等を事前に甚意しおおき被隓者が印象に近いものを遞択するずいう方法であり効率的に統蚈的なデヌタを導くこずができるしかしたず事前の知識タスク察象分野条件などの情報に基づき蚀葉の察がどの皮類の蚀葉であるかを予枬しおおく必芁がありさらにはいく぀かの蚀葉の候補から統蚈的に絞り蟌むずいう䜜業を繰り返さなくおはならない本研究では事前の知識が甚意されないためSD法で調査を実斜するには無数の実隓を繰り返さなくおはならないそこで最初に連想法を甚いお韻埋制埡ず印象の関係を導くこずにした連想法を䜿えば被隓者が自由に想起した印象を述べるこずができるその想起された蚀葉の傟向を分析し事前の知識ずするこずでどのような印象が最も適するかを調べるこずが可胜である今回の実隓では提案した8぀のパタヌンにより韻埋制埡した合成音声を刺激音ずし被隓者に想起する印象連想衚珟を党お述べさせたそこから埗られた連想衚珟の頻床を求めクラスタヌ分析によりパタヌンを最も芁玄する印象を求めた\subsection{連想法による実隓}Fluetの生成する韻埋パラメヌタをベヌスに8぀のパタヌンにより韻埋制埡したものを音声資料ずした被隓者はヘッドフォンによっお音声資料を聎取した合成音声はサンプリング呚波数12\,kHz男性音声を甚いおいる被隓者は関東圏内に圚䜏する25歳から35歳たでの男性3名女性2名の蚈5名である音声資料が数癟msecずいった短いものでありこれを聞き取り刀断しなくおはならないため音声ラベリング䜜業などに埓事し合成音声に慣れた者を被隓者ずした音声合成を行う際の入力テキストは“本圓1型アクセント”“倧䞈倫0型アクセント”“分からない2型アクセント”の3単語を甚いた最初にFluetにより生成された朗読調の合成音声を基準音ずしお被隓者に聎取させた䞊で韻埋パラメヌタを倉化させた音声資料を聎取し連想する蚀葉やシチュ゚ヌションなどを述べさせた実隓䞭音声資料は䜕床聞いおも良く回答のための制限時間も蚭けなかった実隓䞭の様子は録音され詊隓終了埌に被隓者の回答を党お曞き起こした被隓者あたりの実隓の平均時間は玄61分ずなった曞き起こした被隓者の回答の䞭には名詞句圢容詞句擬態語固有名詞○○さん颚など長文などがあったこれらの回答から韻埋制埡を最もよく衚す連想衚珟を調べるために次の凊理を行った\begin{itemize}\item長文など耇数の印象を瀺す衚珟が含たれる回答は印象を的確に衚すず考えられる衚珟ごずに分割を行う\item同矩語などは囜語蟞兞などを参考に1぀の単語に統䞀する\end{itemize}この凊理の結果各被隓者が1぀の音声資料を聎取した堎合に回答された連想衚珟の数は異なり語数ずしお平均で玄6.5語ずなった8぀のパタヌンから想起される印象の傟向に぀いおは䞊蚘の連想衚珟の出珟頻床を求めるこずで可胜であるしかし3぀の単語に共通に埗られる印象を調べるためにクラスタヌ分析\cite{Cluster}を甚いたクラスタヌ分析を行うにあたり3぀の単語“本圓”“倧䞈倫”“分からない”のそれぞれの単語に出珟した連想衚珟の出珟頻床を甚い分析の項目ずしお実隓で珟れた連想衚珟を甚いたクラスタヌ間の距離蚈算はりォヌド法を甚いた\begin{figure}[b]\setlength{\captionwidth}{0.45\textwidth}\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f3.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern1の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:one}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f4.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern2の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:two}\end{minipage}\end{figure}Pattern1の実隓結果を図3に瀺す暹状図の䞋の葉の郚分が連想衚珟ずその出珟頻床である実隓では5名が3぀の単語に察しそれぞれ印象を述べるため連想衚珟の出珟頻床の最倧倀は15ずなるたた分析察象ずする最小頻床は3ずした䟋えば連想衚珟「問いかけ」に぀いおは14回の回答があったこずになり最倧倀に近い結果が埗られた「意倖」に぀いおは被隓者が連想した回数が少なく3回ずなっおいる葉から延びた線の高さがクラスタヌ分析による連想衚珟間の距離を瀺しおおり仮に出珟頻床が同じでも出珟する単語に偏りがあれば連想衚珟間の距離は遠くなるため高さが異なったり枝分かれするこずがあるさらに高い䜍眮で分岐しおいる連想衚珟がそのクラスタヌを芁玄するものであるずいえる図3では「問いかけ」が連想衚珟ずしおの出珟頻床が高く3぀の単語に共通に珟れた連想衚珟であった暹状図においおも最も高い䜍眮で分岐しおおりこれらのこずからPattern1の䞎える印象の1぀であるずいえる図の右偎「驚き」「意倖」「疑問」「確認」に぀いおは“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟した“本圓”ずいう真実を衚す蚀葉ず共に情報がうたく凊理できおいないこずを衚しおいるず考えられる「気遣う」は“倧䞈倫”の連想衚珟ずしお倚く出珟した“倧䞈倫”ずいう状態がしっかりしおいる様を衚す蚀葉ず共に状態が安定しおいないずいうこずを衚しおいるず考えられる「軜い」も“倧䞈倫”の連想衚珟ずしお珟れたが萜ち着いた状態でないこずを衚しおいるこずに関係しおいるず考えられるそしお頻床の高かった「問いかけ」によりPattern1の韻埋制埡によっお情報の信頌性やシチュ゚ヌションに察しお䞍安定な状況にあるこずを䌝える効果を持぀こずが分かるPattern2の結果を図4に瀺す「了解」が連想衚珟ずしおの出珟頻床も高くPattern2の䞎える印象の1぀であるずいえる䞭倮「盞槌」「冷静」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟しおおり萜ち着いた状態を瀺しおいるこずが分かる「答える」は“倧䞈倫”の連想衚珟ずしお倚く出珟し右偎の「玍埗」は“分からない”の連想衚珟ずしお倚く出珟したが䜕れも萜ち着いおいる状態を瀺しおいるずいえるそしお頻床の高かった「了解」によりPattern2の韻埋制埡によっお真意をみずめた萜ち着いた状態を瀺す効果を持぀こずが分かる\begin{figure}[b]\setlength{\captionwidth}{0.45\textwidth}\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f5.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern3の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:three}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f6.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern4の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:four}\end{minipage}\end{figure}Pattern3の結果を図5に瀺す「ゆっくり」が連想衚珟ずしおの出珟頻床も高くPattern3の䞎える印象の1぀であるずいえる右偎の「考えおいる」「内容を敎理する」は出珟頻床が少ないが3぀の単語に察しお共通に埗られた印象であった䞭倮の「思い返す」「確かめる」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟した巊偎「念を抌す」は“倧䞈倫”“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟したそしお頻床の高かった「ゆっくり」によりPattern3の韻埋制埡によっお情報凊理や動䜜に぀いお時間を芁するこず・芁しおいるこずを瀺す効果を持぀こずが分かるPattern4の結果を図6に瀺す「せかす」そしお「早口」が連想衚珟ずしおの出珟頻床が高くPattern4の䞎える印象の1぀であるずいえる右偎の「軜い」「テンポ良く」「遮る」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟した巊偎「倧䞈倫」は“倧䞈倫”の意味そのたたに連想衚珟ずしお出珟したそしお頻床の高かった「せかす」によりPattern4の韻埋制埡によっお情報凊理や動䜜に぀いお短い時間で察応するこずを瀺す効果を持぀こずが分かる\begin{figure}[b]\setlength{\captionwidth}{0.45\textwidth}\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f7.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern5の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:five}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f8.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern6の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:six}\end{minipage}\end{figure}Pattern5の結果を図7に瀺す「消極的」「沈んでいる」が連想衚珟ずしおの出珟頻床も高くPattern5の䞎える印象の1぀であるずいえる右偎「冷静」は出珟頻床が少ないが3぀の単語に察しお共通に埗られた印象であった䞭倮「我慢」は“倧䞈倫”の連想衚珟ずしお倚く出珟した巊偎「考え蟌む」「困る」は“分からない”の連想衚珟ずしお倚く出珟したそしお頻床の高かった「消極的」「沈んでいる」によりPattern5の韻埋制埡によっお興奮を抑えた状態沈静を瀺す効果を持぀こずが分かるPattern6の結果を図8に瀺す「テンションの高い」が連想衚珟ずしおの出珟頻床も高くPattern6の䞎える印象の1぀であるずいえる䞭倮の「驚き」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟した巊偎「怒り」「いらいら」は“倧䞈倫”“分からない”の連想衚珟ずしお倚く出珟した右偎「うれしそう」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟したそしお頻床の高かった「テンションの高い」によりPattern6の韻埋制埡によっお気持ちの高ぶっおいる様子を瀺す効果を持぀こずが分かるPattern7の結果を図9に瀺す「様子を䌺う」が連想衚珟ずしおの出珟頻床も高くPattern7の䞎える印象の1぀であるずいえる右偎「䜎く構える」「心のこもらない」は“本圓”の連想衚珟ずしお倚く出珟した䞭倮の「冷静」は“本圓”“倧䞈倫”の連想衚珟ずしお倚く出珟した巊偎の「嚁圧的」「困惑」は“分からない”の連想衚珟ずしお倚く出珟したそしお頻床の高かった「様子を䌺う」によりPattern7の韻埋制埡によっお盞手に慎重な態床を瀺す効果を持぀こずが分かるPattern8の結果を図10に瀺す「あきれる」ず「緊匵感の無い」が連想衚珟ずしお出珟頻床が高くPattern8の䞎える印象の1぀であるずいえる巊偎の「なだめる」は“倧䞈倫”に倚く出珟した右偎の「匱々しい」は“分からない”に倚く出珟したそしお頻床の高かった「あきれる」ず「緊匵感の無い」によりPattern8の韻埋制埡によっお盞手に察し緊匵感が無いこずを瀺す効果を持぀こずが分かる\begin{figure}[t]\setlength{\captionwidth}{0.45\textwidth}\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f9.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern7の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:seven}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f10.eps}\end{center}\hangcaption{Pattern8の連想衚珟のクラスタヌ分析結果}\label{fig:eight}\end{minipage}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{制埡パタヌン毎の䞻芁な連想衚珟ずその頻床}\input{07table01.txt}\end{table}以䞊より単語の意味の圱響を受けながらも韻埋制埡によっお䞎える印象に぀いお傟向があるこずがわかった衚1には最も頻床の高かった印象連想衚珟をたずめおいる各印象をMSCLのS局のコマンド名ずしお付䞎するこずで韻埋制埡の結果のむメヌゞが぀き易くなり䜜業が栌段に早くなるものず考えられる䜆しPattern6の「うれしそう」ず「怒り」図8のように同䞀の韻埋制埡芏則の䞭でも察照的な印象が珟れる堎合もある「うれしそう」ず「怒り」は共に興奮しおいる状態に起因しおいるず考えられるが様々な情報をそぎ萜ずしお1぀の印象でコマンド名を衚珟する堎合には十分な泚意が必芁であるこずが分かるさらにはPattern6ずPattern1においおは異なる制埡方法であるにも関わらず「驚き」ずいう連想衚珟が衚れおいる3章でも述べるが韻埋制埡ず印象の関係が倚察倚の関係になる堎合があるしかし蚘述蚀語ずいうフレヌムワヌクにおいお1぀のコマンド名に察し耇数の効果のうちどれかを遞択する方法を提䟛するこずは蚘述をより耇雑にする可胜性がありS局のコマンドの持぀容易さを倱うこずになる倚察倚の関係ではなく䞀察倚の関係であるこずが望たしいこのためMSCLでは「驚き」に察しお「驚愕」や「びっくり」等の同矩語や「驚き1」「驚き2」などの番号を付䞎しその䞭で利甚者が適した「驚き」を遞択するずいう方法で䞀察倚の関係を維持するこずずしたコマンド名は韻埋制埡のための1぀のヒントを䞎えるものであるずいえるしかし本実隓により平易な蚀葉でコマンド名を付䞎しおいくずいうこずに぀いおは限界があるこずが分かったより専門的な衚珟を䜿ったりナニヌクな番号を付䞎したりするこずで察応可胜であるが初孊者に察しおはコマンドが持぀効果を解説する必芁がある今回の実隓のように抂念を構造化する手法などを甚いお利甚者に分かりやすく説明する仕組みが必芁であるず考えるさらには韻埋制埡においお音声合成をしたいテキストに含たれる意味なども考慮しなくおはならないこずがわかる \section{韻埋制埡に基づく印象の倉化の実隓} 次に衚1の連想衚珟を印象語ずしお甚いお倚数の被隓者を察象に聎取評䟡実隓を行う被隓者は前回ず同様に8パタヌンによる韻埋制埡を行った合成音声を聎取し8皮類の印象語すべおに察しお“1あおはたらない”“2どちらでもない”“3あおはたる”の3件法で回答を行う被隓者は関東圏内に圚䜏する25歳から35歳たでの男性6名女性9名の蚈15名である最初に基準音ずしお朗読調の合成音声を聞き次に韻埋制埡を行った合成音声を䞀定間隔で6回提瀺するその間に8぀の項目党おを察象に印象ずしお適切であるか回答を行う前回ず同様に音声合成には“本圓”“倧䞈倫”“分からない”の3぀の単語を甚いおいる衚2は評䟡結果の平均倀を混同察照衚(ConfusionMatrix)によっお衚したものである巊偎に衚1の8パタヌンの韻埋制埡によっお期埅される連想衚珟を列蚘しおおりそれぞれがコマンド名に盞圓するず考えられる䞊段には評䟡に甚いた党おの印象語を蚘しおいる高い倀を瀺しおいる連想衚珟がより適切な合成音声に察する印象を衚しおいるこずになる䟋えばPattern1によっお生成された「問いかけ」の合成音声に぀いおは印象語「問いかけ」の評䟡が2.9ずなっおおり最も高い倀ずなっおいるその他の印象語に぀いおは2を䞋回る倀ずなっおいるこのこずからPattern1によっお生成された音声は「問いかけ」以倖の7぀の印象ずは混同しにくいこずが分かる衚の巊䞊から右䞋にかけおの倀が党お高い倀を瀺しおいるこずから衚1で埗られた結果が抂ね良奜であるこずが分かる䜆しPattern7によっお生成された「様子を䌺う」の合成音声に぀いおは「問いかけ」の印象が最も匷くその次に「様子を䌺う」に぀いおの評䟡が高いずいう結果ずなったPattern7によっお盞手に慎重な態床を衚すこずを瀺したが単䞀の蚀葉で衚したずきは「様子を䌺う」に加えおさらに「問いかけ」ずいう衚珟が受け入れやすいこずが分かった\begin{table}[t]\caption{聎取実隓結果の混同察照衚}\input{07table02.txt}\end{table}次に衚2の結果を箱ヒゲ図で甚いお衚したのが図11である図の䞋に曞かれた印象語に察し評䟡倀の分垃がどのようになるかを瀺したものである箱の䞭の倪実線が平均倀でありコマンドに察する党印象語の評䟡平均を瀺す䟋えば「問いかけ」に぀いおは玄1.6が平均倀ずなっおいるたた箱の䞡端が暙準偏差を瀺しおいる図䞭の黒䞞はコマンドが衚す印象語の評䟡倀であり衚2より2.9であるこずが分かる各評䟡倀の分垃に察し黒䞞の䜍眮は箱の䞊端より倖に䜍眮しおいるこずが分かるこの結果からMSCLで衚1の8぀のコマンドを蚭定した堎合他の7぀のコマンドに察しお生成される合成音声の印象の違いを利甚者が受け入れやすいものず考えられる䜆し衚2の結果にもあるようにPattern7が「問いかけ」ず「様子を䌺う」の䞡方の印象ずしお感じられる可胜性が高いず考えられるたた黒䞞の平均倀が2付近にあるこずからコマンド名ずしおさらに適切なものも存圚する可胜性があるず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f11.eps}\end{center}\caption{箱ヒゲ図による回答の分垃3単語}\end{figure} \section{蚀葉の意味による圱響} 2章で述べたように音声合成を行う単語などの持぀意味によっお印象が倉わる可胜性があるそこで単語の意味による印象の倉化に぀いお調べたここでは“問いかけ”に着目し問いかけ時に䜿われる単語“もしもし”“どうする”を甚いお3章ず同様の実隓を行った被隓者は3章ず同じ15名であり2぀の単語に぀いお8パタヌンの韻埋制埡を行った合成音声を生成し聎取させた䜆し問いかけ時に䜿う蚀葉ではあるがデフォルトの韻埋生成芏則に察し最終母音が䞊昇パタヌンになる指定は行っおいない図12が実隓結果である黒䞞の䜍眮は党お分垃の䞊端に来おいるこずから8぀の連想衚珟の䞭でそれぞれ韻埋芏則ず関連の深いものが「あおはたる」ず回答されやすいこずを瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f12.eps}\end{center}\caption{単語の意味による評䟡結果の倉化}\end{figure}図11ずは異なり“問いかけ”の平均倀が2を超えおいる“了解”党䜓の分垃は1.5を䞋回っおいるたた“様子を䌺う”の平均倀が2を超えおいる぀たり“問いかけ”“様子を䌺う”は党おの制埡芏則においお圓該の印象を感じやすくなっおおり逆に“了解”の印象を感じにくくしおいるこずが分かるこの結果から韻埋制埡がもたらす印象の傟向はあるものの蚀葉の意味が印象に圱響を䞎えるこずも分かったMSCLにおける韻埋制埡においおは韻埋制埡芏則ずその䞻な印象そしお音声合成する蚀葉の意味の3぀を考慮しお行うこずが必芁であるこずがわかった \section{制埡芏則の組み合わせによる印象の匷調} これたでの結果から“様子を䌺う”は連想法では匷い傟向が埗られたものの聎取実隓ではコンテクストなどを排陀した単䜓の蚀葉による被隓者の解釈によっお傟向ずしお匱められた結果ずなった぀たり2章の連想法での被隓者の回答は緊匵した面持ちで盞手を泚芖するようなむメヌゞに基づいた“様子を䌺う”であったしかし連想衚珟ずしおたずめあげた段階で“様子を䌺う”に関する語幹に倚様性が生たれ䟋えば“問いかけ”よりもスコアが䜎くなっおしたったものず考えられるそこで連想法で埗られた結果のように“様子を䌺う”に぀いお評䟡倀を䞊げる方法を怜蚎したこれたでの先行研究癜井岩田1987;有本倧野飯田2007では1぀の印象を衚珟するためにいく぀かの韻埋制埡を組み合わせるこずを行っおいる継続時間長抑揚文末最終母音のピッチパタヌンなどのそれぞれの特城的な傟向を耇合的に甚いるこずで1぀の印象を衚珟しおいる蚀い換えれば韻埋制埡を因子ずした線圢結合で衚されおいるず考えるこずができるそこで我々は“様子を䌺う”に぀いお印象を補い合う因子負荷が正ずなる韻埋制埡を組み合わせお評䟡倀を䞊げるこずができるか実隓を行った図13は3章で埗られた評䟡倀ず各項目の関係に぀いおクラスタヌ分析を行った結果である図に瀺すように8぀の韻埋制埡をパラメヌタずしお甚いた堎合“様子を䌺う”は“問いかけ”ず近いクラスに属するこずが分かったそこで“問いかけ”で最も高い評䟡倀を持぀Pattern1を甚いおPattern7ずPattern1を組み合わせた時の“様子を䌺う”の評䟡倀を調べる\begin{figure}[t]\setlength{\captionwidth}{0.45\textwidth}\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-4ia7f13.eps}\end{center}\caption{クラスタヌ分析による類䌌床の分析}\label{fig:ten}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\makeatletter\def\@captype{}\makeatother\hangcaption{制埡芏則の組み合わせによる“様子を䌺う”の評䟡結果}\input{07table03.txt}\end{minipage}\end{figure}評䟡はより詳现に印象の匷さを調べるために「非垞に含んでいる($+3$)」から「非垞に含んでいない($-3$)たでの7件法\cite{Psychology}を甚いた被隓者は関東圏内に圚䜏する25歳から35歳たでの女性6名である音声は“本圓”の合成音声を甚いおいる“本圓”の音声を遞択した理由は3章の実隓を行った際に䟋えばPattern7の評䟡倀が“様子を䌺う”で2.5“問いかけ”で2.3ず連想衚珟ず韻埋制埡が2章で行った連想法の実隓に比范的䌌おいるこずが分かったためである衚2に結果を瀺すPattern7のみの堎合では評䟡の平均倀が1.67「やや含んでいる」ず「かなり含んでいる」の䞭間であったこれに察し2぀の芏則を組み合わせるこずで被隓者の平均が3.0「非垞に含んでいる」になったこの結果Pattern7+Pattern1ずいう組み合わせによりS局の新たなコマンドである“より匷い印象を䞎える様子を䌺う”が定矩できるこずが分かった本実隓は組み合わせるこずの効果の䞀䟋ではあるがこのようにいく぀かの組み合わせの手法を導きそれらを蚘述によっお衚珟できる仕組みを怜蚎しおいく予定である \section{たずめ} 本研究はMSCLを様々な利甚者が利甚するための韻埋制埡の1぀の考え方やコマンドの䜜成方法に぀いお述べた文節ずいう制埡単䜍ではあるが韻埋制埡芏則の芏定を行い韻埋制埡芏則ず印象の関係を導くこずで利甚者がより盎感的に線集可胜になったたた留意点ずしおは制埡芏則ず印象が1察1の関係ではなく1察倚の関係にあり1぀の制埡芏則に察しお埗られる印象をいく぀か知っおおく必芁があるMSCLで線集䜜業を行う際は制埡芏則印象蚀葉の意味をセットで考慮するこずでより高い効果での韻埋制埡が可胜であるこずが分かったさらにはMSCLの特城である制埡芏則を組み合わせるこずで印象を匷めるこずが可胜であるこずが分かったMSCLを利甚する䞊で重芁な芁玠のいく぀かを確認できたがより䟿利に䜿うためには文節単䜍以䞊に文単䜍あるいは文章単䜍での制埡を可胜にする制埡芏則が必芁になっおくるず考えられるたた8぀の時系列倉化パタヌンだけでなく韻埋制埡芏則を増やし様々な印象が衚珟できるコマンドを甚意しおいく必芁があるさらには利甚者がMSCLで線集䜜業を行うためのノりハりを䜓系的にたずめおいきたいず考えおいるその1぀ずしお韻埋制埡による効果をクラスタヌ分析などにより構造化し効果的に説明するこずを課題ずしおいる今回は物理パラメヌタの制埡ず印象の関係に぀いお分析を行ったが被隓者の所圚地や幎霢の範囲が限定的であるため地域差や幎霢差等による圱響に぀いおも怜蚎が必芁であるず考えるたたこのレベルの怜蚎を行いながら新たな制埡芏則を創出するこずは䞀般の利甚者が行うこずは難しいず考えるその劎力を軜枛するために今回の韻埋制埡芏則をテンプレヌトずしお実音声の韻埋パタヌンを抜象化し新しい制埡芏則の手がかりにする方法などがありこれらが今埌の課題であるずいえる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{阿郚\Jetal}{阿郚\Jetal}{2001}]{Sesign}阿郚匡䌞\Jetal\BBOP2001\BBCP.\newblock音声デザむンツヌルSesign.\\newblock\Jem{信孊䌚論文誌D--II},{\BbfJ84--D--II}(6),\mbox{\BPGS\927--935}.\bibitem[\protect\BCAY{Allen,Hunnicutt,\BBA\Klatt}{Allenet~al.}{1987}]{MITalk}Allen,J.,Hunnicutt,M.,\BBA\Klatt,D.\BBOP1987\BBCP.\newblock{\BemFromtexttospeech:TheMITalksystem}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{有本\JBA倧野\JBA飯田}{有本\Jetal}{2007}]{Arimoto}有本\JBA倧野\JBA飯田\BBOP2007\BBCP.\newblock「怒り」の発話を察象ずした話者の感情の皋床掚定法.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(3),\mbox{\BPGS\149--163}.\bibitem[\protect\BCAY{箱田\JBA䜐藀}{箱田\JBA䜐藀}{1980}]{Hakoda}箱田\JBA䜐藀\BBOP1980\BBCP.\newblock文音声合成における音調芏則.\\newblock\Jem{信孊䌚論文誌D--II},{\BbfJ63--D}(9),\mbox{\BPGS\715--722}.\bibitem[\protect\BCAY{箱田\JBA塚田\JBA吉田\JBA広川\JBA氎野}{箱田\Jetal}{1996}]{FLUET}箱田\JBA塚田\JBA吉田\JBA広川\JBA氎野\BBOP1996\BBCP.\newblock波圢合成法を甚いたテキスト音声合成゜フトりェア(FLUET).\\newblock\Jem{信孊䌚IS゜サむ゚ティ倧䌚}.\bibitem[\protect\BCAY{Hartigan}{Hartigan}{1983}]{Cluster}Hartigan,J.~A.\BBOP1983\BBCP.\newblock\Jem{クラスタヌ分析}.\newblockマむクロ゜フトりェア株匏䌚瀟.\bibitem[\protect\BCAY{広瀬\JBA高橋\JBA藀厎\JBA倧野}{広瀬\Jetal}{1994}]{Hirose}広瀬\JBA高橋\JBA藀厎\JBA倧野\BBOP1994\BBCP.\newblock音声の基本呚波数パタヌンにおける話者の意図・感情の衚珟.\\newblock\JTR,信孊技法HC94-41,pp.~33--40.\bibitem[\protect\BCAY{川䞊}{川䞊}{1956}]{Kawakami}川䞊秊\BBOP1956\BBCP.\newblock文頭のむントネヌション.\\newblock\JTR,囜語孊,24,pp.~21-30.\bibitem[\protect\BCAY{Klatt}{Klatt}{1987}]{TTS}Klatt,D.\BBOP1987\BBCP.\newblock\BBOQReaviewoftext-to-speechconversionforEnglish.\BBCQ\\newblock{\BemJ.Acoust.Soc.Am},{\Bbf82}(3),\mbox{\BPGS\737--793}.\bibitem[\protect\BCAY{氎野}{氎野}{2005}]{Corpus}氎野秀之\BBOP2005\BBCP.\newblockコヌパスベヌス音声合成における音声合成単䜍ずコヌパスの蚭蚈方法.\\newblock\Jem{信孊技報},{\BbfSP2005}(10),\mbox{\BPGS\25--30}.\bibitem[\protect\BCAY{Mizuno\BBA\Nakajima}{Mizuno\BBA\Nakajima}{1998}]{MSCL}Mizuno,O.\BBACOMMA\\BBA\Nakajima,S.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQSyntheticSpeech/SoundControlLanguage:MSCL.\BBCQ\\newblockIn{\BemThirdESCA/COCOSDAWorkshoponSpeechSynthesis},\mbox{\BPGS\21--26}.\bibitem[\protect\BCAY{äž­å±±\JBA町野\JBA北岞\JBA岩城\JBA奥平}{äž­å±±\Jetal}{2005}]{Nakayama}äž­å±±\JBA町野\JBA北岞\JBA岩城\JBA奥平\BBOP2005\BBCP.\newblock音を甚いたモヌションメディアコンテンツ流通方匏の提案ずそのネットワヌクコミュニケヌションサヌビスぞの応甚.\\newblock\Jem{日本ロボット孊䌚誌},{\Bbf23}(5),\mbox{\BPGS\602--611}.\bibitem[\protect\BCAY{成柀\JBA峯束\JBA広瀬\JBA藀厎}{成柀\Jetal}{2007}]{Fujisaki}成柀\JBA峯束\JBA広瀬\JBA藀厎\BBOP2007\BBCP.\newblock音声の基本呚波数パタヌン生成過皋モデルのパラメヌタ自動抜出法の評䟡.\\newblock\JTR,信孊技法,SP2002-27.\bibitem[\protect\BCAY{西本\JBA志田\JBA小林\JBA癜井}{西本\Jetal}{1996}]{Stgif}西本\JBA志田\JBA小林\JBA癜井\BBOP1996\BBCP.\newblockマルチモヌダル入力環境䞋における音声の協調的利甚—音声䜜図システムS-tgifの蚭蚈ず評䟡.\\newblock\Jem{信孊䌚論文誌D--II},{\BbfJ79--D--II}(12),\mbox{\BPGS\2176--2183}.\bibitem[\protect\BCAY{倧山\Jetal}{倧山\Jetal}{1973}]{Psychology}倧山\Jetal\BBOP1973\BBCP.\newblock\Jem{心理孊研究法4実隓III}.\newblock東京倧孊出版.\bibitem[\protect\BCAY{Raman\BBA\Gries}{Raman\BBA\Gries}{1997}]{Raman}Raman,T.~V.\BBACOMMA\\BBA\Gries,D.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQAudioformatting?Makingspokentextandmathcomprehensible.\BBCQ\\newblock{\BemInternationalJournalofSpeechTechnology},{\Bbf2}(1),\mbox{\BPGS\21--31}.\bibitem[\protect\BCAY{Ramming}{Ramming}{1998}]{Ramming}Ramming,J.~C.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQPML:ALanguageInterfacetoNetworkedVoiceResponseUnits.\BBCQ\\newblockIn{\BemWorkshoponInternetProgrammingLanguages,ICCL'98}.\bibitem[\protect\BCAY{Sasajima,Yano,\BBA\Kono}{Sasajimaet~al.}{1999}]{Dialogue}Sasajima,M.,Yano,T.,\BBA\Kono,Y.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQEUROPA:AGenericFrameworkforDevelopingSpokenDialogueSystems.\BBCQ\\newblockIn{\BemEUROSPEECH99},\mbox{\BPGS\1163--1166}.\bibitem[\protect\BCAY{癜井\JBA岩田}{癜井\JBA岩田}{1987}]{Iwata}癜井克圊\JBA岩田和圊\BBOP1987\BBCP.\newblock音声合成のための単語の匷調衚珟の芏則化.\\newblock\Jem{信孊論文誌},{\BbfJ70--A}(5),\mbox{\BPGS\816--821}.\bibitem[\protect\BCAY{総務省報告資料}{総務省報告資料}{2007}]{SOUMU}総務省報告資料\BBOP2007\BBCP.\newblock電気通信アクセシビリティガむドラむンの囜際暙準化.\\newblock\JTR,総務省.\bibitem[\protect\BCAY{SSML}{SSML}{}]{SSML}SSML.\newblock\BBOQSSML.\BBCQ\\newblock\Turl{http://www.w3.org/TR/2007/WD-speech-synthesis11-20070110/}.\bibitem[\protect\BCAY{ç¿ \JBA河原\Jetal}{ç¿ \Jetal}{2007}]{Guidance}ç¿ \JBA河原\Jetal\BBOP2007\BBCP.\newblock質問応答・情報掚薊機胜を備えた音声による情報案内システム.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚},{\Bbf48}(12),\mbo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V29N02-05
\section{はじめに} \label{sec:intro}日本語文は通垞挢字や平仮名片仮名算甚数字などの文字皮により構成されるが幌児向け曞籍や倖囜人日本語初孊者による䜜文などにおいお平仮名のみで曞かれる文も倚々存圚する本論文では平仮名のみで曞かれた日本語文以䞋平仮名文に察する圢態玠解析に぀いお述べるこれたでに日本語圢態玠解析噚ずしおJUMAN\cite{juman}ChaSen\cite{chasen}MeCab\footnote{\url{https://taku910.github.io/mecab/}}\cite{kudo-etal-2004-applying}KyTea\footnote{\url{http://www.phontron.com/kytea/}}\cite{neubig-etal-2011-pointwise}などが開発されおおり新聞蚘事文など様々な文字皮で曞かれた挢字仮名たじり文に察しお高い解析粟床が達成されおいるしかし平仮名文は挢字仮名たじり文ず比べお考えられる単語候補が増倧するなどはるかに曖昧性が倚いため\cite{nagao-nlp}䟋えこれら埓来の解析噚を平仮名文だけからなるコヌパスで孊習し盎したずしおもこれらによる平仮名文の解析粟床は倧きく䜎䞋するこずが報告されおいる\cite{moriyama-2018}䞀方平仮名を䞻な察象ずした圢態玠解析に関する研究もいく぀か存圚する\cite{kudo-etal-hiragana-2018,picturebook,moriyama-2018,izutsu-komiya-2021}その䞀぀ずしお我々の先行研究\cite{moriyama-2018}ではKudoらの日本語圢態玠解析\cite{kudo-etal-2004-applying}を拡匵しRNNLM(ReccurentNeuralNetworkLanguageModel)ずの統合を行うこずにより平仮名文に察しお高い解析粟床を実珟しおおりその粟床は埓来の圢態玠解析噚が挢字仮名たじり文に察しお達成しおいる粟床に匹敵しおいるしかしこの手法の解析時間は䞀般的な蚈算機においお平均7秒/文を超えおおり前述した埓来の著名な圢態玠解析噚ず比べお桁違いに遅い応甚システムに䟝存しお必芁な解析速床は決たるため䞀抂には蚀えないが倖囜人日本語初孊者の独習支揎システムなどにおいお1文ごずに凊理結果を出力するこずが想定される堎合我々の先行研究の手法には解析速床に関しお実甚䞊の問題が存圚しおいるずいえるこの手法ではKudoらの手法\cite{kudo-etal-2004-applying}の枠組みを採甚しおおりラティス䞊の最適経路を掚定する必芁があるが各ノヌドに察しおRNNLMが䞎えるスコアはどの経路を通ったかによっお異なるためビタビアルゎリズムを単玔に適甚するこずはできないすなわち経路ごずにRNNLMによるスコアを繰り返し蚈算する必芁があり挢字仮名たじり文よりも䞀般に長くなる平仮名文では特に倚くの解析時間がかかるず考えられるたたその倚くが平仮名で構成されおいる絵本のテキストを察象ずした研究\cite{picturebook}では察象ドメむンのデヌタでNeubigらの点予枬による圢態玠解析手法(KyTea)\cite{neubig-etal-2011-pointwise}を孊習し盎すこずの有効性が報告されおいるNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}は圢態玠解析を単語分割ず品詞掚定に分けお段階的に凊理し各凊理においお文字境界あるいは単語ごずに点予枬を文頭から順に繰り返すため1文の文字数や単語数に察する線圢時間で凊理できるず考えられる実際我々の先行研究\cite{moriyama-2018}においおNeubigらの手法の平仮名文に察する解析時間は䞀般的な蚈算機䞊で平均4.30ミリ秒/文であるこずを確認しおおり埓来の圢態玠解析噚の挢字仮名たじり文に察する解析時間ず同皋床であるたた我々の先行研究においおNeubigらの手法の平仮名文に察する解析粟床は我々の先行研究における提案手法に次いで高いこずを確認しおおり\cite{moriyama-2018}平仮名文に察する圢態玠解析手法ずしおNeubigらの手法は有力芖できるしかしNeubigらの手法による平仮名文の圢態玠解析粟床は単語境界のみの刀定基準で95.62\%すべおの圢態玠情報が䞀臎するずいう刀定基準で93.28\%であったのに察しお我々の先行研究の手法はそれぞれ順に98.68\%95.52\%であり倧きな差がある\cite{moriyama-2018}Neubigらの手法(KyTea)は掚定箇所の前埌の情報を甚いお線圢SVMあるいはロゞスティック回垰により掚定するがある䞀定の窓幅内に存圚する局所的な情報しか利甚できおいないNeubigらの手法は挢字仮名たじり文に察しおは高粟床で解析できるのに察しお平仮名文に察しおはその解析粟床が倧きく枛少しおいた\cite{moriyama-2018}それに察し我々の先行研究の手法\cite{moriyama-2018}ではRNNLMから埗られるスコアを取り入れるこずにより倧域的な情報を掻甚するこずができおおり平仮名文に察する解析粟床の向䞊に寄䞎したものず考えられるこのこずは平仮名文の曖昧性解消には倧域的な情報が効果的であるこずを瀺唆しおいるそこで本論文では平仮名文に察する高粟床か぀実甚的な速床での解析を目指しRNN(ReccurentNeuralNetwork)ずロゞスティック回垰を甚いた平仮名文の逐次的な圢態玠解析手法を提案する提案手法では平仮名文に察する圢態玠解析の高速化を図るためNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}の枠組みを採甚し単語境界の掚定は文字境界ごずに圢態玠情報の掚定は単語ごずに文頭から逐次的に実行するたた平仮名文に察する逐次的な圢態玠解析の高粟床化を図るためNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}の枠組みにおいお局所的な情報だけでなく倧域的な情報を加味し平仮名文独特の高い曖昧性の解消を詊みる具䜓䟋には各時点においおNeubigらの手法においおロゞスティック回垰が局所的な情報のみを甚いお掚定した結果ずRNNが倧域的な情報を考慮しお掚定した結果ずを組み合わせるこずが平仮名文の逐次的な圢態玠解析の高粟床化においお有効であるこずを瀺すさらに挢字仮名たじり文の圢態玠解析ず比べお平仮名文の圢態玠解析では特に倧域的な情報を考慮するこずが効果的であるこずを瀺すRNNを日本語圢態玠解析に甚いた関連研究ずしおKitagawaずKomachiの日本語単語分割\cite{kitagawa-komachi-2018-long}があるKitagawaずKomachiの手法はRNNを甚いお逐次的に単語境界か吊かを刀定するものでありNeubigらの手法に比肩する解析粟床を達成しおいるしかし解析察象は挢字仮名たじり文であり平仮名文ではないたた単語分割のみを行っおおり品詞などの圢態玠情報の掚定には取り組んでいないそれに察しTolmachevらは単語分割ず圢態玠情報掚定をRNNを甚いお逐次的に行う手法を提案しおいる\cite{tolmachev-etal-2019-shrinking}しかしこの手法の解析察象も挢字仮名たじり文であり平仮名文ではないその他MoritaらはRNNLMを甚いたラティスに基づく日本語圢態玠解析手法を提案しおいる\cite{morita-etal-2015-morphological}この手法(JUMAN++ver.~1)は我々の先行研究の手法ず同様に倚くの解析時間がかかるずいう問題があったがTolmachevらによっお新たなビヌムサヌチ法が斜されJUMAN++ver.~2では解析時間の短瞮化が図られおいる\cite{tolmachev-etal-2018-juman}しかしながらこの研究の解析察象も挢字仮名たじり文であり平仮名文ではないたた公開䞭のJUMAN++ではナヌザが圢態玠定矩を倉曎し平仮名文で孊習し盎すこずは容易ではないず考えられる䞀方平仮名文の圢態玠解析にRNNを甚いた研究ずしお井筒らはBi-LSTMCRFに基づく手法を提案しおいるがその解析粟床はMeCabず比べお䜎く改善の䜙地が残されおいる\cite{izutsu-komiya-2021}なお日本語以倖の蚀語ずしお䞭囜語に察しおもRNNなどの深局孊習を甚いた圢態玠解析手法が様々提案されおおりその有効性が報告されおいるが\cite{chen-etal-2015-long,ma-hovy-2016-end,ma-etal-2018}日本語に察する有効性は明らかではない以䞋2章では提案手法の詳现を玹介する3章では平仮名文を察象ずした圢態玠解析実隓を実斜し提案手法の有効性を瀺す4章では3章の実隓結果の分析や挢字仮名たじり文に察する圢態玠解析実隓に基づいお提案手法の特城を考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{RNNずロゞスティック回垰を甚いた平仮名文の逐次的な圢態玠解析} 本研究では平仮名文に察する高粟床か぀実甚的な速床での解析を実珟するためにRNNずロゞスティック回垰を甚いた平仮名文の逐次的な圢態玠解析手法を提案する具䜓的にはNeubigらの点予枬による手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}においおロゞスティック回垰\footnote{Neubigらの点予枬による手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}を実装したKyTeaでは分類噚ずしお線圢SVMずロゞスティック回垰を遞択可胜だがロゞスティック回垰が䞎える確率を提案手法では甚いる}が䞎える確率ず新たに構築したRNNが䞎える確率ずを線圢結合したスコアを甚いお文頭から逐次的に解析するたた提案手法はNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}ず同様に圢態玠解析を単語境界の掚定ず圢態玠情報の掚定ずに分けお段階的に凊理する図1参照なお圢態玠情報の掚定では品詞倧分類品詞现分類掻甚型掻甚圢芋出し語の挢字仮名衚蚘読みの6皮類の情報を独立に掚定する\footnote{本研究の実装ではこれら6皮類の圢態玠情報の掚定を逐次的に行っおいるが䞊列凊理するこずも考えられる}ここで本研究では平仮名文を察象ずするため芋出し語の挢字仮名衚蚘を原圢の代わりに掚定しおいるこれは我々の先行研究\cite{moriyama-2018}ず同様に平仮名文の同音異矩語の識別を考慮するためである以䞋では提案手法における単語境界の掚定ず圢態玠情報の掚定をそれぞれ順に説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-2ia4f1.pdf}\end{center}\caption{提案手法の凊理手順}\label{flow}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{単語境界の掚定}\label{ws}単語境界の掚定ではNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}ず同様に1文を構成する文字列$\mbox{\boldmath$x$}=c_1c_2\cdotsc_n$を入力ずし各文字間に単語境界の有無を瀺す単語境界タグ$\mbox{\boldmath$t$}=t_1t_2\cdotst_{n-1}$を出力するここで単語境界タグ$t_i$は文字$c_i$ず$c_{i+1}$の間に単語境界が存圚するずき1存圚しないずき0をずるたた提案手法では各文字間に単語境界が存圚するか吊かを文頭から順に刀定しその刀定をすべおの文字境界に぀いお繰り返す提案手法ではたずロゞスティック回垰ずRNNずをそれぞれ甚いお各文字間に単語境界が存圚する確率ず存圚しない確率を掚定するその埌䞡者が掚定した2぀の確率を線圢結合しその倀に基づいお単語境界の有無を刀定するすなわち文字$c_i$ず$c_{i+1}$の単語境界の有無$t_i$を匏(\ref{wb-eq})により掚定する\begin{eqnarray}\label{wb-eq}t_i=\argmax_{v\in\{0,1\}}\left((1-\alpha)P_{lr}(t_i=v)+\alphaP_{rnn}(t_i=v)\right)\end{eqnarray}ここで$P_{lr}(t_i=v)$はタグ$t_i$が$v$である確率をロゞスティック回垰により掚定した倀同様に$P_{rnn}(t_i=v)$はRNNにより掚定した倀を衚すたた$\alpha(0\le\alpha\le1)$は補完係数でありパラメヌタ調敎甚の開発デヌタを甚いお実隓的に決定する以䞋ではロゞスティック回垰ずRNNの各々による単語境界の掚定に぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{ロゞスティック回垰による単語境界の掚定}\label{ws-lr}確率$P_{lr}(t_i)$を算出する際にロゞスティック回垰で甚いる玠性はタグ䜍眮$i$の前埌$m$文字からなる長さ$2m$の文字列䞭から埗られる文字n-gramず文字皮n-gramであるこれらの玠性はNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}の単語分割にお甚いられおいる玠性ず同様であるが本研究では平仮名文を扱っおいるため文字皮は平仮名(H)数字(N)その他(O)の3皮ずする䟋えば図\ref{flow}の入力文「しかし、はっおんずじょうこくからのひはんが぀よい。」においお$i=3,m=3$ずし1-gramから3-gramたで䜿甚するずするず$P_{lr}(t_3)$を算出する際の玠性は以䞋ずなる\begin{itemize}\item文字1-gramし$|$か$|$し$|$、$|$は$|$っ\item文字2-gramしか$|$かし$|$し、$|$、は$|$はっ\item文字3-gramしかし$|$かし、$|$し、は$|$、はっ\item文字皮1-gramH$|$H$|$H$|$O$|$H$|$H\item文字皮2-gramHH$|$HH$|$HO$|$OH$|$HH\item文字皮3-gramHHH$|$HHO$|$HOH$|$OHH\end{itemize}なおNeubigらの手法では蟞曞玠性を甚いるこずも可胜であり提案手法においおも原理的には䜿甚可胜であるが簡単化のため本研究では䜿甚しおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{RNNによる単語境界の掚定}\label{ws-rnn}確率$P_{rnn}(t_i)$を算出する際に甚いるRNNの抂芁を図\ref{ws-RNN}に瀺すたず\ref{ws-lr}節で述べた文字n-gramや文字皮n-gramのすべおの玠性の各々をEmbeddingを通し分散衚珟ずする次に各玠性のEmbeddingを連結したベクトルをRNNの入力ずし順方向のLSTM(LongShort-TermMemory)\cite{LSTM}により倉換する最埌に線圢倉換ずSoftmax関数を適甚し2次元の出力を埗るこの出力は単語境界の有無の確率分垃を衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-2ia4f2.pdf}\end{center}\caption{単語境界掚定のためのRNNの抂芁}\label{ws-RNN}\vspace{-1\Cvs}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%なおEmbeddingの事前孊習は実斜しおおらず孊習開始時点ではEmbeddingは乱数により無䜜為に初期化しEmbeddingを含むモデル党䜓をend-to-endで孊習させおいる提案手法ず同様にRNNを甚いた日本語分割手法ずしおKitagawaずKomachiの手法\cite{kitagawa-komachi-2018-long}があるが提案手法ずはタグを付䞎する察象ずタグの皮類数出力局の次元数に違いがあるKitagawaずKomachiの研究では各文字に察しお'B''I''E''S'順に「単語の先頭」「単語の内郚」「単語の末尟」「䞀文字からなる単語」の4皮類のタグを付䞎すべくRNNが蚭蚈されおいるそれに察し提案手法ではロゞスティック回垰が䞎える確率$P_{lr}(t_i)$ずの線圢結合を行うため各文字境界に察しお単語境界の有無の2皮類のタグを付䞎するべくRNNを蚭蚈しおいるたた䞡手法ずもNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}を参考ずしお文字n-gramや文字皮n-gramをRNNの入力に利甚するがタグを付䞎する察象が異なっおいるためその取り方は完党に䞀臎しおいるわけではない提案手法ではロゞスティック回垰が䞎える確率$P_{lr}(t_i)$ずの線圢結合を行うためNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}ず同䞀の玠性ずしおいるなお\ref{ws-lr}節ず同様に提案手法においおも蟞曞玠性を䜿甚可胜であるが本研究では簡単化のため䜿甚しおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{圢態玠情報の掚定}圢態玠情報の掚定では\ref{ws}節の単語境界の掚定によっお単語に分割された1文を入力ずし各単語の6皮類の圢態玠情報品詞倧分類品詞现分類掻甚型掻甚圢芋出し語の挢字仮名衚蚘読みをそれぞれ掚定する図\ref{flow}参照6皮類の各圢態玠情報を掚定する枠組みは同䞀でありそれぞれ独立に実行されるそのため以䞋では品詞倧分類の掚定方法のみを取り䞊げ説明するたた本節では品詞倧分類を品詞ず略称する品詞の掚定では1文を構成する単語列$\mbox{\boldmath$w$}=w_1w_2\cdotsw_k$を入力ずし各単語の品詞ラベル$\mbox{\boldmath$l$}=l_1l_2\cdotsl_k$を出力するここで$l_j$は単語$w_j$の品詞ラベルであるたた本手法では各単語の品詞ラベルを文頭から順に刀定しその刀定を文末たで繰り返す品詞の掚定においおも単語境界掚定ず同様にたずロゞスティック回垰ずRNNずをそれぞれ甚いお各単語が各品詞ラベルを持぀確率を掚定するその埌䞡者が掚定した2぀の確率を線圢結合しその倀に基づいお各単語の品詞ラベルを刀定する品詞の掚定は倚倀分類問題ずなるが各単語に察しお品詞を掚定する際各単語が取り埗る品詞ラベルの皮類数をどのように考えるかによっお倚倀分類噚の構成方法には2぀の方法が考えられる\cite{mori-etal-2011-nlp}䞀぀は品詞ラベルをすべお集めた集合を$L$ずするずきすべおの語圙に察しお$|L|$倀分類問題を解く1぀のモデルを䜜る方法であり党䜓モデルず呌ばれるもう䞀぀はある単語$w_j$が実際に取り埗るラベルは$L$の郚分集合$L_j$であるこずを考慮し各語圙に察しおその語圙だけのためのモデルを䜜る方法であり個別モデルず呌ばれる\footnote{\url{http://www.phontron.com/kytea/train-ja.html}}本研究ではロゞスティック回垰による掚定ずRNNによる掚定ずで異なるモデルを採甚するすなわちロゞスティック回垰による掚定ではNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise,mori-etal-2011-nlp}ず同様に個別モデルを採甚しRNNによる掚定では蚓緎デヌタ量がスパヌスずなるこずを考慮し党䜓モデルを採甚する個別モデルが語圙ごずにモデルを䜿い分けるのに察し党䜓モデルはすべおの単語で共通のモデルを䜿甚するこずから倚くの堎合個別モデルにより分類するクラス数は党䜓モデルにより分類するクラス数より小さくなるそのため䞡者が掚定した確率倀を線圢結合する際にはロゞスティック回垰個別モデルにより分類するクラス数に基づきRNN党䜓モデルが掚定した確率倀を補正する具䜓的には単語$w_j$の品詞ラベル$l_j$を匏(\ref{ma-ketugou})により掚定する\begin{eqnarray}\label{ma-ketugou}l_j=\argmax_{v\inL_j}\left((1-\beta)P^{個}_{lr}(l_j=v)+\beta\frac{P^{å…š}_{rnn}(l_j=v)}{\Sigma_{v\inL_j}P^{å…š}_{rnn}(l_j=v)}\right)\end{eqnarray}ここで$P^{個}_{lr}(l_j=v)$は単語$w_j$の品詞ラベルが$v$である確率をロゞスティック回垰個別モデルにより掚定した倀を同様に$P^{å…š}_{rnn}(l_j=v)$はRNN党䜓モデルにより掚定した倀をそれぞれ衚す$L_j$は単語$w_j$が取り埗る品詞ラベルを集めた集合を衚し\footnote{実際には蚓緎デヌタにおいお各単語に付䞎されおいるラベルを集めおいる}$\Sigma_{v\inL_j}P^{個}_{lr}(l_j=v)=1$ずなるなお品詞ラベルをすべお集めた集合$L$に関しおは$\Sigma_{v\inL}P^{å…š}_{rnn}(l_j=v)=1$が成り立぀ここで$|L_j|\le|L|$であるため匏(\ref{ma-ketugou})では$P^{å…š}_{rnn}(l_j=v)$を補正した䞊で$P^{個}_{lr}(l_j=v)$ずの線圢結合を行っおいるなお$\beta(0\le\beta\le1)$は補完係数でありパラメヌタ調敎甚の開発デヌタを甚いお実隓的に決定する$\beta$は図\ref{flow}に瀺す6皮類の各圢態玠情報で個別に蚭定できるが本研究では予備実隓により同䞀の倀を蚭定しおいる\ref{comparison-method}節参照以䞋ではロゞスティック回垰ずRNNの各々による品詞の掚定を説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{ロゞスティック回垰による品詞の掚定}\label{ma-lr}確率$P^{個}_{lr}(l_j)$を算出する際にロゞスティック回垰で甚いる玠性はNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}の品詞掚定にお甚いられおいる玠性ず同様である具䜓的には掚定する単語$w_j$の盎前の$m$文字からなる文字列$\mbox{\boldmath$c_-$}$ず盎埌の$m$文字からなる文字列$\mbox{\boldmath$c_+$}$の連結$\mbox{\boldmath$c_-c_+$}$に含たれる文字n-gramず文字皮n-gramであるただし本研究では平仮名文を扱っおいるため文字皮は平仮名(H)数字(N)その他(O)の3皮である䟋えば図\ref{flow}における単語境界掚定の出力文「しかし/、/はっおん/ずじょう/こく/から/の/ひはん/が/぀よい/。」においお$j=3,m=3$ずし1-gramから3-gramたで䜿甚するずするず$P^{個}_{lr}(l_3)$を算出する際の玠性は文字列「かし、ずじょ」から埗られ以䞋ずなる\begin{itemize}\item文字1-gramか$|$し$|$、$|$ず$|$じ$|$ょ\item文字2-gramかし$|$し、$|$、ず$|$ずじ$|$じょ\item文字3-gramかし、$|$し、ず$|$、ずじ$|$ずじょ\item文字皮1-gramH$|$H$|$O$|$H$|$H$|$H\item文字皮2-gramHH$|$HO$|$OH$|$HH$|$HH\item文字皮3-gramHHO$|$HOH$|$OHH$|$HHH\end{itemize}ロゞスティック回垰による品詞掚定モデルは個別モデルに基づくため語圙ごずに䜜るなおNeubigらの手法では掚定察象の単語が蚓緎デヌタに出珟せず蟞曞に出珟する堎合はその単語の蟞曞情報をそのたた出力するずいう圢で蟞曞を利甚しおいるが簡単化のため本研究では䜿甚しおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\vspace{-1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{29-2ia4f3.pdf}\end{center}\caption{圢態玠情報掚定のためのRNNの抂芁}\label{ma-RNN}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{RNNによる品詞の掚定}確率$P^{å…š}_{rnn}(l_j)$を算出する際に甚いるRNNの抂芁を図\ref{ma-RNN}に瀺す\pagebreakたず\ref{ma-lr}節で述べた文字n-gramず文字皮n-gramのすべおの玠性に加えお掚定察象の単語を抜出しその各々をEmbeddingを通し分散衚珟ずする本研究ではNeubigらの手法\cite{neubig-etal-2011-pointwise}の党䜓モデルの堎合ず同様に掚定察象の単語そのものを分類噚の玠性ずしお利甚する次に\ref{ma-lr}節で述べた文字n-gramず文字皮n-gramのすべおず掚定察象の単語の各Embeddingを連結したベクトルをRNNの入力ずし順方向のLSTMにより倉換する最埌に線圢倉換ずSoftmax関数を適甚し$|L|$次元の出力を埗るこの出力は品詞ラベルの確率分垃を衚すなお\ref{ws-rnn}節ず同様にEmbeddingの事前孊習は実斜しおおらず孊習開始時点ではEmbeddingは乱数により無䜜為に初期化し蚓緎デヌタの正解の単語境界情報を甚いおEmbeddingを含むモデル党䜓をend-to-endで孊習させおいるたた前述したようにRNNによる品詞掚定は党䜓モデルに基づくため各単語に察しお適甚されるモデルは共通であるたた\ref{ma-lr}節ず同様に簡単化のため本研究では蟞曞を䜿甚しおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment}平仮名文の圢態玠解析における提案手法の有効性を確認するため埓来手法ずの比范実隓を実斜した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{04table01.tex}\caption{実隓デヌタ}\label{experimental-data}\vspace{-1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓デヌタ}\label{ex-data}実隓では京郜倧孊テキストコヌパスVersion4.0の各芋出し語を平仮名に眮換したものを利甚する\footnote{京郜倧孊テキストコヌパスの読みはその䜜成マニュアル\cite{kcmanual}においお基本的に修正されおいないこずが蚀及されおおりその䞀郚に誀りが含たれおいる䟋えば「」の読みが「いちきゅうきゅうよん」ずなっおいる誀りが確認されおいる\cite{moriyama-2018}}コヌパスは38,400文972,894単語2,320,340文字からなりこれを蚓緎デヌタ開発デヌタ及びテストデヌタに分割しお䜿甚する詳现を衚\ref{experimental-data}に瀺す1月17日の䞀般蚘事瀟説以倖の蚘事を開発デヌタずし1月12日から1月16日の5日分の䞀般蚘事のうち1日分をテストデヌタずする実隓を5回実斜する各回における蚓緎デヌタは圓該テストデヌタず開発デヌタを陀くすべおを䜿甚するこずずした䟋えば1月16日の䞀般蚘事をテストデヌタずする堎合蚓緎デヌタは1月1日から1月15日の䞀般蚘事ず1月から12月の瀟説蚘事ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{比范手法}\label{comparison-method}提案手法以䞋[LR+RNN]ず蚘すずの比范のため以䞋7぀の比范手法を蚭けた\begin{itemize}\item{[MeCab]}圢態玠解析噚MeCab(ver.~0.996)を甚いる手法MeCabのモデルの孊習にはseed蟞曞蚭定ファむル及びコヌパスを甚意する必芁がある\footnote{\url{https://taku910.github.io/mecab/learn.html}}seed蟞曞は\ref{ex-data}節で述べた蚓緎デヌタの語圙から䜜成した玠性抜出テンプレヌト等の蚭定ファむルはMeCabの配垃蟞曞のひず぀であり京郜倧孊テキストコヌパスの品詞䜓系に埓うJUMAN蟞曞のものず同䞀ずしたただしJUMAN蟞曞の蚭定では孊習時に正解を刀定する条件を圢態玠情報のうち掻甚圢たでの䞀臎ずしおいるためひらがな文の解析に則すよう圢態玠情報すべおの䞀臎を正解ずするよう蚭定を倉曎しおいるコヌパスは\ref{ex-data}節で述べた蚓緎デヌタをMeCabのフォヌマットに修正しお䜜成したハむパヌパラメヌタCは1.0を指定しコヌパス䞭に出珟する玠性は頻床によるフィルタをかけずすべお䜿甚した\item{[KyTea]}圢態玠解析噚KyTea(ver.~0.4.6)を甚いる手法本実隓の蚓緎デヌタを䜿い䞀から孊習したモデルを甚いる蚓緎時のオプションは``-full''ず``-model''のみを指定し蟞曞を䜿甚せず分類噚はデフォルトの線圢SVMずしおいるたた解析時のオプションは``-model''のみを指定しおいる\item{[CRFs+RNNLM]}我々の先行研究手法\cite{moriyama-2018}なお䜿甚されおいる蚓緎デヌタは本実隓の蚓緎デヌタず同䞀である\item{[CRFs]}[CRFs+RNNLM]においお補間係数$\alpha$を0ずしCRFsが䞎える確率のみを甚いお掚定する手法\item{[RNNLM]}[CRFs+RNNLM]においお補間係数$\alpha$を1ずしRNNLMが䞎える確率のみを甚いお掚定する手法\item{[LR]}提案手法[LR+RNN]においお補間係数$\alpha,\beta$をずもに0ずする手法\item{[RNN]}提案手法[LR+RNN]においお補間係数$\alpha,\beta$をずもに1ずする手法\end{itemize}これら7぀の比范手法ず提案手法の違いを衚\ref{method-feature}に敎理しお瀺すこれらの手法は刀定アルゎリズムが逐次的であるかラティスベヌスであるかの違いたたスコア算出噚や分類噚ずしお局所情報を玠性ずする機械孊習のみを甚いるのか倧域情報を考慮できるRNNのみを甚いるのか䞡者を甚いるのかずいう違いの2぀の芳点で敎理できる[LR+RNN]における単語分割掚定ず圢態玠情報掚定の際に䜿甚したRNNのハむパヌパラメヌタを衚\ref{hyperparameters}に瀺すこのうち察象単語のEmbedding次元数は圢態玠情報掚定のためのRNNのみに関わるハむパヌパラメヌタでありその他は単語分割掚定ず圢態玠情報掚定の䞡方でずもに同じ倀を甚いたなおAdamの各パラメヌタは掚奚倀ずしたたた゚ポック数は開発デヌタ䞊でのF倀が収束するたでずした提案手法及び䞊蚘7぀の比范手法のモデルの孊習は\ref{ex-data}節で述べた蚓緎デヌタのみを甚いお行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{04table02.tex}\caption{提案手法ず比范手法の特城}\label{method-feature}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{04table03.tex}\caption{RNNのハむパヌパラメヌタ}\label{hyperparameters}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%提案手法における補完係数$\alpha$ず$\beta$は衚\ref{experimental-data}のテストデヌタごずに蚓緎デヌタが倉わるためそれぞれの蚓緎デヌタごずに開発デヌタにおいおF倀を最も高くする$\alpha$ず$\beta$を0から1たで0.1刻みで探玢しそれらを採甚したただし$\beta$の探玢は正解の単語分割を䞎えた䞊で実斜したた$\beta$は6皮類の圢態玠情報共通ずした衚\ref{tab:weight}の䞊2行に本実隓においお採甚した補完係数$\alpha$ず$\beta$を瀺すたた単語境界掚定ず圢態玠情報掚定のいずれにおいおも提案手法で甚いる玠性を決定する際の窓幅は$m=3$ずしn-gramは1-gramから3-gramたで䜿甚した提案手法はscikit-learn\cite{scikit-learn}及びPyTorch\cite{NEURIPS2019_9015}PyTorch-lgnite\cite{pytorch-ignite}を䜿いPythonで実装したなお我々の先行研究手法[CRFs+RNNLM]もPythonで実装しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{04table04.tex}\caption{3章ず4.4節の各実隓における[LR+RNN]の補完係数$\alpha$ず$\beta$}\label{tab:weight}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡指暙}解析時間の評䟡ではプログラムの実行時間をbashのtimeにより蚈枬し1文あたりの平均解析時間を算出したなお掚論時のプログラムはすべおCPU:IntelCorei5-6500RAM:8.0GBを搭茉したマシン䞊で実行しGPUは䜿甚しおいないたた解析粟床の評䟡には適合率再珟率及びF倀を䜿甚するそれぞれの蚈算匏は以䞋の通りである\[Precision=\frac{\mbox{Numberofcorrectmorphemes}}{\mbox{Numberofpredictedmorphemes}}\]\[Recall=\frac{\mbox{Numberofcorrectmorphemes}}{\mbox{Numberofgroundtruthmorphemes}}\]\[F=\frac{2*Precision*Recall}{Precision+Recall}\]我々の先行研究\cite{moriyama-2018}ず同じく評䟡基準は次の5぀を蚭けた\begin{itemize}\itemlevel0単語分割が正解\itemlevel1level0に加え品詞倧分類が正解\itemlevel2level1に加え品詞现分類が正解\itemlevel3level2に加え掻甚型ず掻甚圢が正解\itemlevel4level3に加え芋出し語の挢字仮名衚蚘ず読みが正解\end{itemize}level4の正解は同音異矩語の識別の成功に盞圓するなお䞊述の各評䟡指暙の倀は5回の実隓結果の平均をずったものずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{04table05.tex}\caption{実隓結果}\label{experimental-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}\label{sec:experimental-result}実隓結果を衚\ref{experimental-result}に瀺す\footnote{[RNNLM]が[CRFs+RNNLM]より遅いのは単語数がより倚い経路を[RNNLM]が遞択する傟向が匷かったためである}提案手法[LR+RNN]は我々の先行研究手法[CRFs+RNNLM]ず比范しお100倍以䞊高速になっおいる衚\ref{method-feature}に䞡者の違いを瀺した通り[CRFs+RNNLM]はラティス䞊の経路ごずにRNNLMによるスコア蚈算を繰り返し蚈算する必芁があるのに察し[LR+RNN]は文字列長あるいは単語長だけRNNを適甚すればよく蚈算量を倧きく抑えるこずができるこの点が提案手法の高速化を実珟できた䞻芁因ず考えられるその他の芁因ずしお[CRFs+RNNLM]はLSTMの各局の隠れ状態の次元数が1500であるの察しお[LR+RNN]は玄1/8の200でありRNNのモデルサむズを小さくするこずができた点も考えられる䞀方提案手法[LR+RNN]の解析時間は[MeCab]や[KyTea]には及ばなかったただし提案手法がPythonで実装されおいるのに察し[MeCab]や[KyTea]はC++で実装されおおり同䞀蚀語で各手法を実装すれば各手法の解析時間の差は衚\ref{experimental-result}の結果より瞮たるず考えられるたた本実隓では図\ref{flow}の6皮類の圢態玠情報の掚定を逐次的に行っおいるがこれらを䞊列凊理するこずにより曎なる高速化が期埅できるいずれにしろ提案手法の曎なる高速化は今埌の課題である次に解析粟床に目を向けるず提案手法[LR+RNN]は単語分割性胜を瀺すlevel0ず最も厳しい評䟡基準であるlevel4のF倀においお最高倀を達成しおおりlevel4のF倀においお2番目に高い倀を瀺した[CRFs+RNNLM]を有意に䞊回った($p<0.05$)\footnote{1月12日から1月16日の5぀のテストデヌタに察する結果に基づき察応のあるt怜定を実斜し確認したなお本実隓結果の怜定はすべお同じ方法で実斜した}提案手法[LR+RNN]は我々の先行研究手法[CRFs+RNNLM]ず比范し同皋床以䞊の高い解析粟床を達成し぀぀解析時間を倧幅に削枛できおいるこずを確認したたた[KyTea]や[MeCab]ずそれぞれ比范した堎合提案手法[LR+RNN]は党levelにおいお有意に䞊回ったいずれも$p<0.01$提案手法は平仮名文を察象ずする堎合においお代衚的な日本語圢態玠解析噚を䞊回る高い解析粟床を達成しおいるこずを確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{考察} 本章では前章の実隓結果に基づき平仮名文の圢態玠解析における提案手法の特城を考察する具䜓的には[CRFs+RNNLM]や[KyTea][LR][RNN]による各解析粟床ずの比范を通じお提案手法の利点や誀り傟向に぀いお述べるたた挢字仮名たじり文に察しお提案手法を適甚し平仮名文に察する解析ずの違いに぀いお考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{提案手法ず[CRFs+RNNLM]の比范}\label{subsec:comparison-cfrs_rnnlm}本節では提案手法[LR+RNN]ず我々の先行研究手法[CRFs+RNNLM]の解析結果に基づき衚\ref{method-feature}に瀺す䞡者の違いが解析粟床に及がす圱響を考察するたず単語分割を意味するlevel0や最も厳しい評䟡基準であるlevel4のF倀においお提案手法[LR+RNN]が[CRFs+RNNLM]を有意に䞊回った原因を考察する衚\ref{experimental-result}の適合率に着目するずlevel0やlevel4においお[CRFs+RNNLM]が提案手法を著しく䞋回っおいるこずがわかる図\ref{crfs+rnnlm_failure}に[CRFs+RNNLM]の適合率を著しく䜎䞋させおいる䟋を瀺す平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたいいずれの䟋も蚓緎デヌタに出珟しない未知語が入力文に含たれおおり提案手法ず[CRFs+RNNLM]がいずれも圢態玠解析に倱敗した䟋ずなっおいるが[CRFs+RNNLM]は未知語を構成する文字列を现かく刻み単語分割しおいるこずがわかるそのため適合率の分母が増加し適合率を抌し䞋げたものず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\resizebox{\textwidth}{!}{%\begin{tabular}{l|l}\thlineAnnotation&開䌚/匏/の/埌/、/アむス/ダンス/の/コンパル゜リヌ/の//課題/を/行い/、\\&/郜築/奈加子/・/ナヌリス/・/ラズグリャ゚フ/組/が/銖䜍/に/立った/。\\\hline[LR+RNN]&開䌚/匏/の/埌/、/UNK/の/UNK/の/に/課題/を/行い/、\\&/UNK/過去/・/UNK/・/UNK/含み/が/銖䜍/に/立った/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&開䌚/匏/の/あず/、/愛す/ダンス/の/今/パ/る/そり/UNK/の/二/過倧/を/行い/、\\&/郜筑/äž­/コ/・/ナヌ/利/ス/・/裞/図/具/李/UNK/含み/が/銖䜍/に/立った/。\\\hline\hlineAnnotation&今季/から/ガンバ/倧阪/の/指揮/を/執る/ゞヌクフリヌト/・/ヘルト/\\&新/監督/が//日/、/ペシップ/・/クれ/、/フリヌドリッヒ/・/コンシリア/\\&äž¡/新/コヌチ/ず/新/加入/の//ハンス/・/ヒルハりス/、//\\&スクリヌニャ/・/ビ゚ツコスラブ/ず/ずもに/来/日/した/。\\\hline[LR+RNN]&今季/から/ガンバ/倧阪/の/匏/を/UNK/UNK/・/枛る/ず/新/監督/が/\\&/日/、/UNK/・/UNK/、/UNK/UNK/・/UNK/䞡芪/コヌチ/ず/\\&新/加入/の//ハンス/・/UNK/薄/、/UNK/・/UNK/ず/ずもに/来/日/した/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&今/å­£/から/ガンバ/倧阪/の/指揮/を/取る/児/UNK/区/フリヌ/ず/・/経る/ず/\\&新/感埗/が//日/、/よし/UNK/・/区/是/、/フリヌ/取り/UNK/・/今/シリア/\\&良心/コヌチ/ず/新/加入/の//ハンス/・/昌/ハりス/、//\\&ス/繰り/UNK/に/UNK/・/埮/越/叀/スラブ/ず/ずもに/来/日/した/。\\\hline\hlineAnnotation&埌半/は/オロチ/の/䞃/぀/の/分身/が/珟れる/スペクタクルで/、\\&/橋之助/が/スサノオ/を/豪快に/、/䞑之助/が/皲田姫/を/かれんに/挔じた/。\\\hline[LR+RNN]&埌半/は/UNK/の/䞃/぀/の/分身/が/珟れる/UNK/で/、\\&/UNK/が/UNK/を/UNK/に/、/牛/の/UNK/å§«/を/UNK/に/挔じた/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&埌半/は/お/ろ/地/の/䞃/぀/の/分身/が/珟れる/す/UNK/他/くる/で/、/\\&波斯/の/す/けが/す/さ/の/å°Ÿ/を/æ Œ/階/に/、/牛/の/す/気/が/ç¶­/灘/å§«/を/\\&課/連/に/挔じた/。\\\hline\hlineAnnotation&文章/の/端正/、/物語/䞊手/、/時代/考蚌/の/確か/さ/、/例箚/歊士/や/垂井/\\&の/人々/ぞ/の/優しい/芖点/、/英雄/嫌い/など/藀沢/呚平/の/魅力/を/\\&次々/に/解き明かしお/いく/。\\\hline[LR+RNN]&文章/の/UNK/、/物語/䞊手/、/時代/亀枉/の/確か/さ/、/UNK/や/姿勢/\\&の/人々/ぞ/の/やさしい/芖点/、/英雄/嫌い/など/藀沢/UNK/の/魅力/を/\\&次々/に/UNK/いく/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&文/盾/の/短/補/、/物語/䞊手/、/時代/公傷/の/確か/さ/、/加/䌑郚/åž‚/や/垂井/\\&の/人々/ぞ/の/やさしい/支店/、/英雄/嫌い/など/藀沢/臭/塀/の/魅力/を/\\&次々/に/ずき/あかし/テむク/。\\\hline\hline\multicolumn{2}{l}{※平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたい}\\\multicolumn{2}{l}{※UNKは未知語を意味する}\\\end{tabular}}%\caption{未知語が含たれる文に察する提案手法ず[CRFs+RNNLM]の解析䟋}\label{crfs+rnnlm_failure}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%[CRFs+RNNLM]は蚀語モデルによっお算出される次の単語の生起確率を甚いおいるためラティス䞊においお未知語が含たれるパスはスコアが著しく䜎くなり遞択されにくくなるそのため未知語を構成する文字列を现かく刻み蚓緎デヌタに存圚した単語に分割したパスが遞択されるこずになるず考えられるなおラティスベヌスの圢態玠解析を行う[MeCab]や[CRFs][RNNLM]も同様にlevel0の適合率が䜎くその䞭でも蚀語モデルを利甚する[RNNLM]の䜎䞋は著しいこずが確認できるがこれらも同様の理由が考えられる䞀方提案手法[LR+RNN]は逐次的に刀定するため未知語を構成する文字列を未知語1語ずしお刀定する傟向が匷いず考えられるたた提案手法は衚局圢を元にRNNにより掚定を行うため入力文の䞀郚に未知語があった堎合でも他の箇所ぞ圱響は少なく未知語に察しおある皋床頑健ず考えられる\ref{sec:experiment}章の実隓では\ref{ex-data}節で述べた通り新聞蚘事を日付ごずに分割しお実隓デヌタを䜜成しおおりテストデヌタには蚓緎デヌタに出珟しない未知語が比范的倚く含たれる圢ずなっおいるそのこずも提案手法[LR+RNN]に有利に働いたものず考えられるなお本研究では新聞蚘事党䜓から文単䜍でランダムにサンプリングしお別の実隓デヌタを䜜成し未知語が含たれる割合が䜎䞋したテストデヌタに察しおも評䟡実隓を実斜しおおり\ref{sec:experiment}章の実隓結果ずの比范からも提案手法[LR+RNN]の未知語に察する頑健性を確認しおいる詳现は付録\ref{appendixA}を参照されたい次にlevel0やlevel4の解析においお[CRFs+RNNLM]は成功しおいるものの提案手法が倱敗した䟋を考察するそのような䟋を図\ref{ws-failure}に瀺す%䞊の2䟋がlevel0での倱敗䟋その䞋2䟋がlevel4での倱敗䟋である平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたい最初の䟋では「䞉/党さん/ずう」が正解であるのに察し提案手法は「山刀さんずう」ず解析誀りを犯しおいるが[CRFs+RNNLM]は正解ず同䞀の単語分割及び挢字仮名衚蚘の掚定に成功しおいる[CRFs+RNNLM]はビヌムサヌチを甚いおいるもののRNNLMをラティス䞊の経路ごずに適甚するため䞀郚の埌方文脈を考慮できるそのため埌方の「政局」を考慮しお「䞉/党さん/ずう」の解析に成功したものず考えられるそれに察しお提案手法は逐次的に単語境界を刀定しおいるため順方向LSTMにより前方の倧域的な情報を考慮しおいるずいえども埌方の「政局」を考慮できずこの解析に倱敗しおいる䞊から2䟋目も同様に考察できるたた䞊から3䟋目ず4䟋目では提案手法は単語分割に成功しおいるものの挢字仮名衚蚘の掚定すなわち同音異矩語の識別に倱敗しおいるこれらの䟋でも埌方文脈を考慮できないこずにより提案手法が倱敗しおいるものず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\resizebox{\textwidth}{!}{%\begin{tabular}{l|l}\thlineAnnotation&侉/党/が/こういう/状況/なら/政局/は/安定/できる/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&侉/党/が/こういう/状況/なら/政局/は/安定/できる/。\\\hline[LR+RNN]&山刀/が/こういう/状況/なら/政局/は/安定/できる/。\\\hline\hlineAnnotation&第/侉/å·»/「/ペヌロッパ/文明/ず/の/察話/」/は/五/月/に/刊行/さ/れる/予定/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&第/侉/å·»/「/ペヌロッパ/文明/ず/の/察話/」/は/五/月/に/刊行/さ/れる/予定/。\\\hline[LR+RNN]&第/山間/「/ペヌロッパ/文明/ず/の/察話/」/は/五/月/に/刊行/さ/れる/予定/。\\\hline\hlineAnnotation&この/日/は/別の/校舎/で/通垞/の/授業/が/行わ/れお/いた/が/、/孊生/に/\\&æ··ä¹±/は/なかった/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&この/日/は/別の/校舎/で/通垞/の/授業/が/行わ/れお/いた/が/、/孊生/に/\\&æ··ä¹±/は/なかった/。\\\hline[LR+RNN]&この/日/は/別の/公瀟/で/通垞/の/授業/が/行わ/れお/いた/が/、/孊生/に/\\&æ··ä¹±/は/なかった/。\\\hline\hlineAnnotation&正解/は/倧孊/入詊/センタヌ/発衚/。\\\hline[CRFs+RNNLM]&正解/は/倧孊/入詊/センタヌ/発衚/。\\\hline[LR+RNN]&政界/は/倧孊/入詊/センタヌ/発衚/。\\\hline\hline\multicolumn{2}{l}{※平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたい}\\\end{tabular}}%\caption{提案手法が倱敗し[CRFs+RNNLM]が成功した䟋}\label{ws-failure}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%提案手法は高速化を図るために逐次的な単語分割手法を採甚しおおり高速性を犠牲にしないためには逐次的に刀定を行う枠組みにおいお単語分割粟床を向䞊させる方策を考える必芁がある䟋えば倧域的な情報をより匷く考慮するため双方向LSTM\cite{BLSTM}やAttention\cite{NIPS2017_attention}などの掻甚が考えられるがその改善策に぀いおは今埌の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{提案手法ず[KyTea]の比范}本節では提案手法[LR+RNN]ず[KyTea]の解析結果に基づき衚\ref{method-feature}に瀺す䞡者の違いが解析粟床に及がす圱響を考察する衚\ref{experimental-result}における提案手法[LR+RNN]ず[KyTea]の各levelのF倀を詳现に芋るずlevel0においお2.44ポむントの差が生じその差がlevel14においおそのたた匕き継がれ2.092.35ポむント差ずなっおいるこのこずから提案手法が党levelのF倀においお[KyTea]より有意に䞊回ったのは単語分割によっお生じた粟床差が䞻な原因でありその差が圢態玠情報の掚定たで匕きずられたためず考えられ圢態玠情報の掚定では䞡手法に粟床差はほずんどないずいう仮説が考えられるそこでこの仮説を怜蚌するため正解の単語分割に基づいお提案手法ず[KyTea]で圢態玠情報を掚定するずいう远加実隓を実斜した実隓蚭定は\ref{sec:experiment}章ず同様であり提案手法ず[KyTea]の圢態玠情報掚定機構の入力に正解の単語分割を䞎えおいる点のみが異なる衚\ref{additional-experimental-result}に远加実隓の結果を瀺すなお正解の単語分割結果を䞎えおいるため正解率で評䟡しおいる適合率・再珟率・F倀はいずれも正解率ず同倀ずなる䞡者を比范するず各levelでその差はほずんどなくこの結果は䞊蚘の仮説を支持するものず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{04table06.tex}\caption{正解の単語分割に基づく提案手法ず[KyTea]の圢態玠情報掚定結果}\label{additional-experimental-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀方単語分割level0のF倀においお提案手法ず[KyTea]ずの間に有意差が生じた原因は倧域的な情報を考慮しおいるか吊かにあるず考えられる図\ref{ws-correct}に単語分割においお提案手法は成功し[KyTea]は倱敗した䟋を瀺す平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたい1぀目の䟋では「しょうちく束竹」が正解であるのに察し[KyTea]は「しょう/ちく小/地区」ず解析誀りを犯しおいるが提案手法は正解ず同䞀の解析に成功しおいる提案手法ず[KyTea]はいずれも逐次的に単語境界の刀定を行うが提案手法は「えんげき挔劇」や「げきじょう劇堎」ずいった前方に䜍眮する倧域的な情報をRNNにより考慮するこずができ「しょうちく束竹」の解析に成功したものず考えられるその他の䟋に぀いおも同様の考察ができる提案手法は逐次的な手法を採甚しおいるため1文党䜓の最適経路を求める[CRFs+RNNLM]ず比べるず倧域的な刀断を䞀郚犠牲にしおいるこずになるもののRNNを組み合わせるこずにより倧域的な情報を考慮するこずに成功しおいるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{l|l}\thlineAnnotation&//早倧/の/挔劇/博物/通/、/囜立/劇堎/の/資料/宀/、/束竹/の/倧谷/図曞/\\&通/皋床/で/、/民間/の/劇堎/䜵蚭/は/党囜/で/䟋/が/ない/、/ず/思い/たす/。\\\hline[LR+RNN]&//早倧/の/挔劇/博物/通/、/囜立/劇堎/の/資料/宀/、/束竹/の/倧谷/図曞/\\&通/皋床/で/、/民間/の/劇堎/䜵蚭/は/党囜/で/䟋/が/ない/、/ず/思い/たす/。\\\hline[KyTea]&//早倧/の/挔劇/博物/通/、/囜立/劇堎/の/資料/宀/、/小/地区/の/倧谷/ず/眲/\\&通/皋床/で/、/民間/の/UNK/は/党囜/で/䟋/が/ない/、/ず/思い/たす/。\\\hline\hlineAnnotation&この/日/の/五癟/メヌトル/は/宮郚/保範/、/行範/の/兄匟/が//秒/台/を/\\&マヌク/した/埌/の/滑走/。\\\hline[LR+RNN]&この/日/の/五癟/メヌトル/は/宮郚/保範/、/行範/の/兄匟/が//秒/台/を/\\&マヌク/した/埌/の/滑走/。\\\hline[KyTea]&この/日/の/五癟/メヌトル/は/宮郚/保範/、/行範/の/匷/倧/が//秒/台/を/\\&マヌク/した/埌/の/滑走/。\\\hline\hlineAnnotation&囜際/線/は/、/犏岡/―/ホノルル/、/札幌/―/ホノルル/、/\\&成田/―/アムステルダム/線/を/増䟿/し/、/それぞれ/侀/日/侀/䟿/に/する/。\\\hline[LR+RNN]&囜際/線/は/、/犏岡/―/ホノルル/、/札幌/―/ホノルル/、/\\&成田/―/アムステルダム/線/を/増䟿/し/、/それぞれ/侀/日/侀/䟿/に/する/。\\\hline[KyTea]&囜際/線/は/、/犏岡/―/補/UNK/、/札幌/―/捕/UNK/、/\\&UNK/アムステルダム/線/を/増䟿/し/、/それぞれ/侀/日/侀/䟿/に/する/。\\\hline\hlineAnnotation&党/幹郚/の/新党/準備/䌚/参加/者/は/「/陀名/すれば/党/分裂/が/鮮明に/なり/\\&村山/政暩/の/基盀/が/揺らぐ/。/陀名/さ/れれば/新/䌚掟/は/野党/に/回ら/ざる/\\&を/埗/ない/」/ず/けん制/する/。\\\hline[LR+RNN]&党/幹郚/の/新党/準備/䌚/参加/者/は/「/陀名/すれば/党/分裂/が/鮮明に/なり/\\&村山/政暩/の/基盀/が/揺らぐ/。/陀名/さ/れれば/新/䌚掟/は/野党/に/回ら/ざる/\\&を/埗/ない/」/ず/けん制/する/。\\\hline[KyTea]&党/幹郚/の/新党/準備/䌚/参加/者/は/「/陀名/すれば/党/分裂/が/鮮明に/なり/\\&村山/政暩/の/基盀/が/揺らぐ/。/陀名/さ/れれば/新/䌚/は/UNK/に/\\&回ら/ざる/を/埗/ない/」/ず/けん制/する/。\\\hline\hline\multicolumn{2}{l}{※平仮名文の解析を䟿宜䞊挢字仮名衚蚘で蚘茉しおいるこずに泚意されたい}\\\multicolumn{2}{l}{※UNKは未知語を意味する}\end{tabular}\end{center}\caption{単語分割においお[KyTea]が倱敗し提案手法が成功した䟋}\label{ws-correct}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{提案手法ず[LR]及び[RNN]の比范}本節では提案手法[LR+RNN]ず提案手法を構成する[LR]及び[RNN]の3぀の手法による掚定結果を比范し提案手法の誀り傟向ずその誀りの削枛可胜性に぀いお考察する衚\ref{error-overlapping}に掚定察象箇所のうち各手法が各levelの評䟡基準に照らしお誀った箇所の数ずその誀り箇所の重なり数を瀺すここで単語境界掚定の評䟡は\ref{sec:experiment}章の実隓結果に基づいたものであるが圢態玠情報掚定の評䟡は各手法の間で掚定察象箇所をそろえるため正解の単語境界を各手法の入力ずしお再実隓\footnote{入力以倖の実隓蚭定は\ref{sec:experiment}章の実隓ず同䞀である}した結果に基づいたものであるそのため単語境界掚定時ず圢態玠情報掚定時の掚定察象箇所の総数は各手法で同数でありそれぞれ衚\ref{experimental-data}に瀺す5぀のテストデヌタの合蚈文字数421,760ず合蚈単語数175,981である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{04table07.tex}\caption{提案手法[LR+RNN]ず[LR][RNN]の各手法が誀った箇所の数ずその誀り箇所の重耇}\label{error-overlapping}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%どのlevelにおいおも{[LR]}ず{[RNN]}の共通の誀り数ず{[LR+RNN]}ず[LR]ず[RNN]の共通の誀り数に差はほずんどなく[LR]ず[RNN]がいずれも誀った箇所は[LR+RNN]でも誀っおいるこずが分かる[LR]ず[RNN]のどちらもが誀っおいたずしおもどちらかの手法においお䞋䜍候補が第1䜍候補ず倧差なく高い確率倀を持っおる堎合などにおいお匏(1)の$\alpha$や匏(2)の$\beta$の遞び方によっおは原理的に正解できる可胜性はあるしかし[LR]ず[RNN]のいずれもが誀るような箇所は\ref{subsec:comparison-cfrs_rnnlm}節で述べた通り埌方文脈などの倧域的な情報を考慮する必芁のある堎合が倚いず考えられ線圢結合の補完係数を倉曎するだけで正解に導くこずは難しいず考えられる䞀方[LR+RNN]の誀りのうち[LR]ず[RNN]のどちらか䞀方が正解しおいるものに぀いおは掚定察象箇所ごずに$\alpha$や$\beta$を適切に遞ぶこずができれば正解できる可胜性があるず蚀える䟋えば単語境界掚定においお[LR]ず[RNN]のどちらか䞀方が正解しおいたものを[LR+RNN]で正解できたずするずlevel0のF倀は94.37から96.37たで改善するこずができるより適切な$\alpha$や$\beta$の蚭定方法の怜蚎は今埌の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{挢字仮名たじり文に察する解析粟床ずの比范}\label{sec:mix-kanji-experiment}\ref{sec:intro}章で述べたように平仮名文の圢態玠解析は挢字仮名たじり文ず比べお䞀般に難しいタスクでありその解析粟床が倧きく䜎䞋するこずが知られおいる本節ではその解析粟床の䜎䞋を提案手法がどの皋床抑制できおいるかを確認するため我々の先行研究\cite{moriyama-2018}ず同様に挢字仮名たじり文に察する圢態玠解析実隓を実斜し平仮名文に察する実隓結果ず比范する挢字仮名たじり文に察する実隓の蚭定を述べる実隓デヌタには平仮名文コヌパスに倉換する前のオリゞナルの京郜倧孊テキストコヌパスを衚\ref{experimental-data}ず同様に蚓緎デヌタ開発デヌタテストデヌタに分割したものを甚い\ref{sec:experiment}章ず同様の実隓を5回実斜した\ref{sec:experiment}章の実隓ずの違いは実隓デヌタが平仮名文コヌパスに倉換されおいるか吊かのみであるたた我々の先行研究\cite{moriyama-2018}ず同様に{[KyTea]}や{[MeCab]}{[CRFs+RNNLM]}のほかJUMAN++(ver.1.02)を甚いる手法以䞋{[JUMAN++]}\footnote{JUMAN++は圢態玠定矩を倉曎したデヌタで孊習し盎すこずは難しく提案手法ずの公平な比范ができないため平仮名文での比范は断念したが参考のため挢字仮名たじり文に察しおは解析実隓を実斜した}でも圢態玠解析を実行し提案手法ず比范したなお提案手法{[LR+RNN]}{[KyTea]}{[MeCab]}{[CRFs+RNNLM]}は衚\ref{experimental-data}の蚓緎デヌタただし圓該箇所のオリゞナルの京郜倧孊テキストコヌパスにより孊習し盎したものを利甚し{[JUMAN++]}はJUMAN++(ver.1.02)をデフォルトのたた利甚したたた提案手法の補完係数に぀いおは\ref{comparison-method}節ず同様の方法で開発デヌタを甚いお新たに決定した衚\ref{tab:weight}の䞋2行に本実隓においお採甚した補完係数$\alpha$ず$\beta$を瀺すその他の実隓蚭定は\ref{sec:experiment}章ず同䞀ずした衚\ref{tab:comparison}に挢字仮名たじり文ず平仮名文の圢態玠解析結果F倀を瀺す䞋4行の平仮名文の圢態玠解析粟床は比范の簡単化のために衚\ref{experimental-result}の倀を再掲茉したものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{04table08.tex}\caption{挢字仮名たじり文ず平仮名文の圢態玠解析結果F倀の比范}\label{tab:comparison}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%解析察象が挢字仮名たじり文から平仮名文に倉わった時の各手法の解析粟床の䜎䞋に着目するず提案手法の萜ち蟌みは{[CRFs+RNNLM]}ず比べるず倧きいものの提案手法ず同様に逐次的な解析を行う{[KyTea]}ず比べるず小さいこずがわかる提案手法はRNNにより倧域的な情報を考慮するこずによっお平仮名文における曖昧性の䞀郚を解消するこずに成功し解析粟床の䜎䞋を抑制できおいるものず考えられるここで提案手法における匏(1)の補完係数$\alpha$に着目する衚\ref{tab:weight}を芋るず平仮名文を察象ずした堎合の最適な補完係数の倀は特に$\alpha$においお挢字仮名たじり文を察象ずした堎合より倧きくなる傟向が読み取れる図\ref{fig:hiragana-kanji-alpha-plots}に\ref{sec:experiment}章や本節の実隓においお$\alpha$を0から1たで0.1刻みで倉化させたずきの開発デヌタにおけるlevel0のF倀をプロットしたグラフを瀺す「$\alpha\_112$」は1月12日をテストデヌタずするずきの蚓緎デヌタで孊習したモデルにおいお$\alpha$を探玢した結果を瀺す平仮名文を察象ずした堎合のグラフのピヌクが挢字仮名たじり文を察象ずした堎合ず比べお右に寄っおいるこずが分かるこのこずは挢字仮名たじり文ず比べお平仮名文の曖昧性解消にはRNNによる倧域的な情報をより匷く考慮するこずが重芁であるこずを瀺唆しおいる提案手法はRNNによる倧域的な情報を考慮する床合いを匷めるこずにより平仮名文に察する解析粟床の䜎䞋を抑制しおいるものず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-2ia4f4.pdf}\end{center}\caption{\ref{sec:experiment}章巊図平仮名文察象ず本節右図挢字仮名たじり文察象の実隓における$\alpha$の探玢}\label{fig:hiragana-kanji-alpha-plots}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀方挢字仮名たじり文に察する解析粟床は参考たでに実斜した[JUMAN++]を陀き\footnote{[JUMAN++]はJUMAN++(ver.1.02)を再孊習するこずなくデフォルトのたた䜿甚しおおりテストデヌタ郚分を含む圢で京郜倧孊テキストコヌパス党䜓を蚓緎デヌタずしお甚いおいるず考えられ単玔に比范するこずはできない}すべおのlevelにおいお提案手法{[LR+RNN]}ず[KyTea]が拮抗しどちらかが最も高いF倀を達成しおいるどのlevelにおいおも提案手法{[LR+RNN]}ず[KyTea]ずの有意差は認められなかったいずれのlevelも$p>0.05$䞊述したように挢字仮名たじり文を解析する際の補完係数の倀は0に近づいおおりその分だけ{[LR+RNN]}が手法ずしお{[LR]}に近づいおいるずいえる{[LR]}ず{[KyTea]}は甚いた機械孊習手法に違いがあるだけであり提案手法ず{[KyTea]}の間の差も小さくなっおいるものず思われる挢字仮名たじり文に察する提案手法の有効性に関する怜蚌は今埌の課題ずしたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文ではRNNずロゞスティック回垰を甚いた平仮名文の逐次的な圢態玠解析手法を提案した平仮名文に察する圢態玠解析実隓の結果単語分割ず圢態玠情報のすべおの䞀臎を正解ずしお枬定したF倀においお提案手法は88.22ずなり埓来手法{[CRFs+RNNLM]}の87.70を䞊回る解析粟床を達成したたた提案手法は埓来手法{[CRFs+RNNLM]}ず比べお100倍以䞊の高速化を実珟しおいるこずを確認したさらに挢字仮名たじり文に察する解析実隓ずの比范の結果挢字仮名たじり文ず比べお平仮名文の解析では倧域的な情報がより効果を発揮するこずを確認した今埌は双方向LSTM\cite{BLSTM}やAttention\cite{NIPS2017_attention}などの導入を怜蚎し平仮名文に察する圢態玠解析粟床の向䞊を図る予定であるたた曎なる高速化に぀いおも怜蚎したいさらに挢字仮名たじり文に察する提案手法の効果に぀いお怜蚌を進め挢字仮名たじり文に察する圢態玠解析粟床の向䞊にも取り組みたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の提案手法の実装にはscikit-learn及びPyTorchPyTorch-lgniteを利甚した評䟡には京郜倧孊テキストコヌパスKyTeaMeCabJUMAN++を利甚したこれらの開発に携わった方々に感謝する本研究は䞀郚科孊研究費補助金基盀研究(C)No.19K12127により実斜した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{04refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{ランダムサンプリングデヌタを甚いた評䟡実隓} label{appendixA}本付録では新聞蚘事党䜓から文単䜍でランダムにサンプリングするこずにより\ref{ex-data}節ずは別の実隓デヌタを䜜成しその実隓デヌタを甚いお\ref{sec:experiment}章ず同様の評䟡実隓を実斜した結果を瀺すランダムサンプリングしお実隓デヌタを䜜成した堎合は日付ごずに分割しお䜜成した堎合ず比べおテストデヌタに未知語が含たれる割合は䜎䞋するこずになる\ref{sec:experiment}章の実隓結果ずの比范を行うこずにより未知語割合が提案手法や比范手法に䞎える圱響を考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓抂芁}実隓デヌタは\ref{ex-data}節ず同じく京郜倧孊テキストコヌパスVersion4.0の各芋出し語を平仮名に眮換したものを利甚し䜜成したコヌパス党䜓に含たれる38,400文972,894単語2,320,340文字から文単䜍でランダムに各1,000文をサンプリングしおテストデヌタおよび開発デヌタを䜜成し残りの36,400文を蚓緎デヌタずする実隓を5回実斜する各回の蚓緎デヌタ開発デヌタおよびテストデヌタの詳现を衚\ref{experimental-data2}に瀺すたた衚\ref{tab:oov}に本付録及び\ref{sec:experiment}章の実隓における各テストデヌタに含たれる未知語各蚓緎デヌタに出珟しない単語の割合を瀺すその他の実隓環境や比范手法評䟡指暙に぀いおは\ref{sec:experiment}章の実隓ず同じであるただし本実隓における提案手法[LR+RNN]の補完係数$\alpha,\beta$は衚\ref{tab:weight2}の通りである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{04table09.tex}\caption{ランダムサンプリングにより䜜成した実隓デヌタ}\label{experimental-data2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{04table10.tex}\caption{ランダムサンプリングデヌタ及び日付に基づく分割デヌタの各テストデヌタにおける未知語の割合}\label{tab:oov}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{04table11.tex}\caption{ランダムサンプリングデヌタを甚いた実隓における[LR+RNN]の補完係数$\alpha$ず$\beta$}\label{tab:weight2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{04table12.tex}\caption{ランダムサンプリングデヌタに察する実隓結果}\label{experimental-result2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}実隓結果を衚\ref{experimental-result2}に瀺す\ref{sec:experiment}章の実隓結果の適合率再珟率F倀衚\ref{experimental-result}は本付録の実隓結果衚\ref{experimental-result2}ず比べるず党おの手法で党おのlevelにおいお䜎い倀ずなっおいる䞊述した通り\ref{sec:experiment}章の実隓デヌタは本付録の実隓デヌタず比べおテストデヌタに未知語が含たれる割合が増加しおおり衚\ref{tab:oov}参照党䜓的に粟床が䜎䞋したものず考えられる特にラティスベヌスの[MeCab]や[CRFs][RNNLM][CRFs+RNNLM]のlevel0の適合率に着目するず衚\ref{experimental-result2}ず比べお衚\ref{experimental-result}の倀は著しく䜎䞋しおおりテストデヌタに未知語が含たれる割合が増えるずラティスベヌスの圢態玠解析手法の適合率が䜎䞋するずいう\ref{subsec:comparison-cfrs_rnnlm}節で述べた考察を確認できる同様に[CRFs+RNNLM]ず提案手法[LR+RNN]のlevel0のF倀に着目するず[CRFs+RNNLM]では95.89から93.37ぞず倧きく䜎䞋するのに察しお[LR+RNN]は95.98から94.37ぞず䜎䞋するもののその䞋げ幅が小さくなっおおり提案手法の未知語ぞの頑健性を確認できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{森山柊平}{%2016幎東京電機倧孊工孊郚第二郚情報通信工孊科卒業2018幎同倧孊倧孊院未来科孊研究科情報メディア孊専攻修士課皋修了ノむ゚ムりェア株匏䌚瀟を経お珟圚Idein株匏䌚瀟に圚職自然蚀語凊理に関する研究゚ッゞデバむス向けの画像認識システムの開発に埓事}\bioauthor{倧野誠寛}{%2003幎名叀屋倧孊工孊郚電気電子・情報工孊科卒業2007幎名叀屋倧孊倧孊院情報科孊研究科博士埌期課皋修了博士情報科孊同幎同倧倧孊院囜際開発研究科助教2011幎同倧情報基盀センタヌ助教2017幎より東京電機倧孊未来科孊郚情報メディア孊科准教授この間日本孊術振興䌚特別研究員自然蚀語凊理音声蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V22N05-04
\section{はじめに} 述語項構造は文章内の述語ずその項の間の関係を芏定する構造である䟋えば次の文\eenumsentence{\item[][倪郎]は[手玙]を{曞い}た。}では「曞く」ずいう衚珟が述語であり「倪郎」ず「手玙」ずいう衚珟がこの述語の項である述語ず項の間の関係はそれぞれの項に述語に察する圹割を衚すラベルを付䞎するこずで衚珟される圹割のラベルは解析に甚いる意味論に応じお異なるが䟋えば衚局栌を甚いた解析では䞊蚘の「倪郎」には「ガ栌」「手玙」には「ヲ栌」のラベルが䞎えられるこのように文章䞭の芁玠を述語ずの関係によっお構造的に敎理する事で耇雑な文構造・文章構造を持った文章においお「誰が䜕をどうした」のような文章理解に重芁な情報を抜出するこずができるこのため述語項構造の解析は機械翻蚳情報抜出蚀い換え含意関係理解などの耇雑な文構造を取り扱う必芁のある蚀語凊理においお有効に利甚されおいる\cite{shen2007using,liu2010semantic}\begin{table}[b]\caption{NAISTテキストコヌパス1.4b䞊での粟床比范F倀}\label{tb:system-accracy-comparison}\input{04table01.txt}\par\vspace{4pt}\smallただし既存研究のデヌタセットはそれぞれ蚓緎評䟡に甚いた事䟋数が異なっおおり厳密な比范を行うこずは難しい\end{table}述語項構造解析の研究は英語に関するコヌパス䞻導の研究に远随する圢で日本語においおも2005幎以降に統蚈的機械孊習を甚いた手法が盛んに研究されこれたでに様々な解析モデルが提案されおきた衚\ref{tb:system-accracy-comparison}は今日たでの日本語の述語項構造解析に関する研究報告における䞻芁な解析噚の粟床をたずめたものである衚には新聞蚘事に察する解析粟床F倀を(1)述語もしくはむベント性名詞以䞋これらを䜵せお述語ず呌ぶの項ずなる文字列が述語ず同䞀文節内にある事䟋文節内事䟋ず呌ぶ(2)述語の項ずなる文字列ず述語の間に盎接的な統語係り受け関係が認められる事䟋係り有り事䟋ず呌ぶ(3)述語の項ずなる文字列が文内に珟れるものの述語ずの間に盎接的な統語係り受け関係が認められない事䟋文内れロ照応事䟋ず呌ぶ(4)述語の項ずなる文字列が文の倖に珟れおいる事䟋文間れロ照応事䟋ず呌ぶの別に蚘したなお「文節単䜍」は項ずしお適切な文字列衚珟の最右の圢態玠が含たれる文節を正解の範囲ずしお評䟡したものであり「圢態玠単䜍」はその最右の圢態玠を正解の範囲ずしお評䟡したものである既存の解析噚では盎接係り受け関係がある比范的容易な事䟋においおは$90\%$匱ず高い粟床が埗られおいるものの統語的な手がかりがより垌薄ずなるれロ照応の事䟋においおは文内れロ照応で$50\%$匱文間れロ照応で$20\%$前埌\footnote{いずれも正解の述語䜍眮ず統語係り受け構造を䞎えた堎合}ず粟床が䜎い氎準にずどたっおおり解析の質に倧きな開きがあるこずが認められるこの結果は日本語れロ照応解析の高い難易床を物語っおいるが䞀方でれロ照応の問題がタスク党䜓に占める割合は十分に倧きく無芖できない衚~\ref{tbl:instances-ntc1.5}には暙準的な蚓緎・評䟡甚コヌパスであるNAISTテキストコヌパス(NTC)1.5版における項の数\footnote{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚ワヌクショップ「自然蚀語凊理における゚ラヌ分析」\cite{eaws-2015}の述語項構造解析班報告~\cite{eaws-pas-2015}においお提案された評䟡手法ず同様の前凊理を斜した埌の数倖界照応は䜕らかの芁玠を指しおいるこずは明らかだがその芁玠が文章䞭に出おきおいない事䟋を衚す}を瀺したがここから項構造解析党䜓の玄$40\%$はれロ照応に関わる問題であるこずが分かるしたがっお述語項構造解析の研究ではこれら省略された項の解析粟床をいかに向䞊させるかが課題ずなる\begin{table}[b]\caption{NAISTテキストコヌパス1.5内の各ラベルの事䟋数}\label{tbl:instances-ntc1.5}\input{04table02.txt}\end{table}しかし「れロ照応の問題」ず䞀括りに蚀っおも䞊列構造や制埡動詞構文など比范的統語的な珟象ずしお説明可胜なものから文脈や談話構造を読み解かなければならないもの基本的な䞖界知識を手がかりに掚論しなければならないものなど様々であるにもかかわらず珟状では既存のシステムがどのような皮類の問題を解くこずができあるいは解くこずができないのかに぀いお明確な知芋が埗られおいないばかりでなく珟象の分垃すら知られおいないそこで我々はこの難解な項の省略解析ぞ適切にアプロヌチするために珟象の特城を出来る限り詳现に分析し把握するこずを詊みる本皿ではれロ照応に関する事䟋のうち手始めに探玢のスコヌプが比范的短く様々な統語的パタヌンが芳枬できる文内れロ照応の問題に的を絞り各事䟋が持぀特城を構文構造分析ず人手による手がかり分析ずいう二぀の芳点から類型化しカテゎリごずの分垃ず最先端システムによる解析粟床を瀺す具䜓的には以䞋の二぀の方法で分析を進め今埌の研究で泚力すべき課題を考慮する際の参考ずなるべく努めた本研究の成果は次のずおりである(1)文内れロ照応の事䟋においお既存の解析モデルがモデル化しおいる述語間の項の共有関係・機胜動詞構文・䞊列構造ずいった特城が実際の問題にどの皋床圱響があるかを確かめるためにNTCや京郜倧孊テキストコヌパス(KTC)の正解アノテヌション情報を利甚しおこれらの特城を持぀事䟋を機械的に分類し各カテゎリの事䟋数や珟状の解析粟床各カテゎリが理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅等を瀺した結果ずしお特に察象述語Pず項ず盎接係り受け関係にある述語Oずの間で項を共有しおいる事䟋の割合が文内れロ照応党䜓の$58\%$存圚するこずが分かったほかこれらの䞭にはPずOが盎接的な䞊列構造や機胜動詞構文の圢になっおいるものばかりでなく局所的な構造の組み合わせによっお解が導かれる事䟋が䞀定数存圚するこずが分かった(2)同様に文内れロ照応の事䟋に぀いおコヌパスより抜出した少量のサンプルを甚いお人間が正解を導き出す堎合にどのような手がかりを甚いるかに぀いおアノテヌタの内省をもずに分析し考えられうる手がかりの皮類を列挙するずずもにその分垃を瀺した手がかりの皮類を幅広く調査するため埓来より解析噚の孊習・評䟡に甚いられおいるNTCに加えお倚様なゞャンルの文章を含む日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)に察する述語項構造アノテヌションデヌタからもサンプルを収集したこの結果手がかりの皮類ずその組み合わせに関する分垃が倧きな広がりを持っおいるこずが明らかずなったたた手がかりの組み合わせに関する性質ずしおそれぞれの手がかりが独立に項候補の確信床を䞊げるように働くものに加えお(1)の分析で埗られた知芋ず同様に機胜動詞や述語間の意味的な぀ながりを考慮すべきものなど局所的な解析結果を順を远っお重ねおいくこずで初めお項候補の掚定に寄䞎する皮類の事䟋も倚く存圚するこずが明らかずなった加えおそれぞれの手がかりを甚いる事䟋に察する既存システムの解析粟床より既存のモデルは統語構造や遞択遞奜を甚いる事䟋に関しおは盞察的に高い解析粟床を瀺すものの䞖界知識や文脈を読み解く必芁がある事䟋やその他未だ䞀般化されおいない雑倚な手がかりを甚いる事䟋に関しおは䜎い粟床にずどたっおいるこずが分かりこれらの珟象に察する解析の糞口を暡玢しおいく必芁があるこずを明らかにした \section{関連研究} れロ照応問題に察しお解析の手がかりずするための情報はこれたでにも様々考えられおきた具䜓的に掚定モデルに組み蟌たれた䟋ずしおは䞀般的な統語係り受けパス情報の他に(1)各述語がどのような語を項ずしお取りやすいかずいう遞択遞奜の情報ずしお名詞栌助詞述語の共起に関する統蚈倀を甚いる手法~\cite{iida2006exploiting,iida2011cross,imamura2009discriminative,sasano2008fully,sasano2011discriminative}や(2)語が提題化された堎合など文章䞭のそれぞれの䜍眮における特定の語の顕珟性を衚すスコアを甚いる手法\cite{sasano2008fully,sasano2011discriminative,imamura2009discriminative,iida2011cross}などがあるたた耇数述語間の項の共有に関する情報ずしお(3)支揎動詞蟞曞を甚いる手法~\cite{komachi2006noun}や(4)スクリプト的な知識を孊習する手法(飯田,埳氞2010;倧内,進藀,Kevin,束本2015)\nocite{iida2010jnlp}\nocite{ouchi2015nl}(5)それぞれの述語の栌スロットに出珟する項の類䌌床を甚いる手法~\cite{hayashibe2011japanese}(6)盎前の述語に察する項構造の解析結果を盎埌に出珟する述語の解析に利甚する手法\cite{imamura2009discriminative,hayashibe2014position}などが存圚するそのほか技術資料ずしおは瀺されおいないものの述語項構造解析噚ChaPASの0.74版\cite{chapas2013}やKNP\cite{knp2013}は(7)項構造解析の前段の凊理ずしお䞊列構造解析を行っおいるしかし䞀方でそもそもれロ照応問題にどのような珟象がどの皋床あらわれるのかあるいは特定の解析モデルが焊点をあおおいる課題に぀いおどの皋床の割合を解くこずが出来たかずいった定量的な分析はこれたでになされおおらず今埌具䜓的にどのような皮類の問題を䞭心に取り組めばよいか䞍明瞭な状態ずなっおいる \section{分析察象} \subsection{分析甚デヌタ}本皿では分析甚デヌタずしおNAISTテキストコヌパス(NTC)および日本語曞き蚀葉均衡コヌパスに察する述語項構造アノテヌションデヌタ(BCCWJ-PAS)の二皮類のデヌタを利甚するNAISTテキストコヌパスは玄四䞇文の新聞蚘事に察しお項構造アノテヌションがなされおいるコヌパスであり埓来より述語項構造解析の研究においお統蚈的機械孊習における蚓緎や解析モデルの評䟡に利甚されおきたものであるこのコヌパスは分析に十分なデヌタ量を含んでいるため\ref{sec:pattern-analysis}~節の構造パタヌンを利甚した分析においおはこのデヌタを䞭心に分析を進める䞀方で項構造のうち特にれロ照応の関係に぀いおは新聞のような倚数の読者を想定しお客芳的に事実を述べる堎合ず䞻芳的に意芋を述べる堎合レビュヌ蚘事や歎史曞のように前提ずなる䞻題が存圚する堎合察話文やQAなどの話者が入れ替わる堎合などのように文章のドメむンや構造に応じお本質的に異なった情報が手がかりずされるこずが想定されるためこのような異質な文章ゞャンルをバランスよく含むBCCWJに察しお分析を行うこずで出来る限り倚様な手がかりの皮類を明らかにするこずを目指すほか新聞蚘事デヌタにおける手がかり分垃ずの察比によりドメむン䟝存性の問題も議論するBCCWJ-PASに぀いおは囜語研究所・NAIST・東京工業倧孊で開発が進められおいる日本語曞き蚀葉均衡コヌパスに察する述語項構造アノテヌションデヌタの2014幎7月時点の版のうちBCCWJのCore-Aセクションにおける以䞋の22文曞1,625文からなる郚分を評䟡・分析甚デヌタずしお利甚する\begin{itemize}\itemOW:OW6X\_00000OW6X\_00010の2蚘事\itemOY:OY01\_00082OY04\_00001OY04\_00017OY04\_00027OY10\_00067OY12\_00005の6蚘事\itemPB:PB12\_00001PB2n\_00003PB40\_00003PB42\_00003PB50\_00003PB59\_00001の6蚘事\itemPM:M12\_00006PM24\_00003PM25\_00001PM26\_00004の4蚘事\itemPN:PN1b\_00002PN1c\_00001PN1d\_00001PN3b\_00001の4蚘事\end{itemize}BCCWJ-PASにおけるアノテヌションはNTCずおよそ同等の圢匏で行われおいるただしこの時点で䜜業者䞀名によるアノテヌションしか行われおいなかったため同䞀デヌタに察しお第二者によるアノテヌションを再床行い䞡者のずれを修正したものを利甚する\footnote{ただし共参照情報の修正は察象倖ずした}\subsection{分析察象システムず評䟡方法}本皿では珟状の最先端システムにおける事䟋カテゎリ手がかりカテゎリごずの解析粟床を枬る目的で束林\&也の解析噚~\cite{matsubayashi2014}を䟋に取り文内れロ照応解析に぀いお分析を行う述語項構造解析の既存研究においおは利甚しおいるデヌタの違いもあり正確に粟床を比范するこずが難しいが衚\ref{tb:system-accracy-comparison}の抂算倀比范に基づけば束林\&也のシステムは文内れロ照応の問題においお珟状での最高粟床を達成するシステムの䞀぀であるずいえる束林\&也の解析噚は文内の項のみを察象に解析を行うモデルである入力ずしお文ず解析察象の述語䜍眮を受け取り文䞭の各圢態玠に぀いおガ・ヲ・ニである尀床を点掚定の線圢分類モデルで掚定し文䞭で最倧の尀床を取る圢態玠を項ずしお出力するより具䜓的には以䞋のアルゎリズムで出力を決定する\begin{enumerate}\item蚓緎デヌタ内の統蚈により項ずなるこずが皀な品詞を持぀項候補を枝刈りする具䜓的にはIPA品詞䜓系においお「名詞」「動詞」「助動詞」「終助詞」「副助詞」「未知語未定矩語」の品詞をも぀圢態玠のみを項候補ずするこの枝刈りは蚓緎デヌタの$99\%$以䞊の正解項を保持し぀぀候補を$36\%$削枛する\itemL2-正則化L2-lossのSVMを甚いお項候補に察しお\{ガ,ヲ,ニ,NONE\}の倚倀分類を行うモデルを孊習し各候補に぀いお述語毎にそれぞれのラベルに察するスコアを求める\item述語毎に文内候補から\{ガ,ヲ,ニ\}の各ラベルに぀いお最もスコアの高いものを䞀぀ず぀遞ぶ\{ガ,ヲ,ニ\}のそれぞれに぀いお個別の閟倀を定めおおき遞出した最尀候補が閟倀を超えおいればその圢態玠を察象述語の項ずしお認定し栌ラベルず共に出力する閟倀は蚓緎デヌタでのF倀が最倧ずなるように調敎する\end{enumerate}利甚しおいる玠性に぀いおの詳现は束林\&也~\cite{matsubayashi2014}を参照されたいが䞻芁なものずしお統語係り受けパス係り受け方向のみのもの品詞や䞻蟞助詞等で語圙化したもの倧芏暡デヌタより取埗された項,栌助詞,述語の共起情報芋出し語を名詞クラスタにより汎化した玠性等が含たれおいる泚意すべき点ずしお束林\&也の実隓では孊習・掚定に正解の統語係り受け朚を䞎えたのに察しお本皿ではKTCず同圢匏の正解統語係り受け関係デヌタを利甚できないBCCWJず蚭定を合わせるために公開されおいるCaboCha0.66モデルの出力結果を甚いお孊習・掚定した結果を甚いるこのため本皿で報告する粟床は元論文で報告されたものより解析粟床が䜎いたた日本語述語項構造解析の分野では䞀般に利甚するデヌタや問題蚭定の違いデヌタフォヌマットに察する前凊理の違いにより既存研究ずの正確な粟床の比范が困難な状況にあるこの状況を改善する目的で本皿におけるシステムの解析粟床評䟡に぀いおは蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚ワヌクショップ「自然蚀語凊理における゚ラヌ分析」\cite{eaws-2015}の述語項構造解析班報告\cite{eaws-pas-2015}においお提案された評䟡手法にもずづいお算出したF倀を甚いるこの評䟡手法は項,æ Œ,述語盞圓語のタプルに関しおシステムが出力した項の䜍眮が正解デヌタず文節単䜍で䞀臎しおいるかを適合率再珟率F倀によっお評䟡するものであるが各システムの圢態玠区切りや文節区切りの差異を緩和するよう工倫されたものである詳现は\cite{eaws-pas-2015}の2.1節を参照されたいただし京倧圢匏ずNAIST圢匏の二぀の異なる栌ラベル圢匏で解析するシステム同士を比范するために導入されたシステム出力ず正解の項ずのアラむンメントを取る凊理に぀いおは今回はNAIST圢匏の栌ラベルを甚いた解析システムである束林\&也のシステムのみを分析察象ずするためラベルアラむンメント無しの方法を遞択したたた以降の分析においお正解の構文構造を必芁ずする分析手法においおはシステムの述語項構造出力を正解の係り受け構造がアノテヌションされたNTC京倧コヌパス圢匏の圢態玠・文節区切りず察応が取れるよう倉換し正解の統語係り受け朚を甚いお分析を行う本節以降解析粟床ずは束林\&也のシステムの粟床のこずを指す評䟡デヌタにおける文内れロ照応事䟋の統蚈倀ず解析粟床は衚~\ref{tb:ntc_zero}のずおりである\begin{table}[t]\caption{NTC1.5評䟡デヌタにおける文内れロ照応事䟋数及び解析粟床}\label{tb:ntc_zero}\input{04table03.txt}\end{table} \section{構造パタヌンの自動分類による事䟋カテゎリ分析} \label{sec:pattern-analysis}本節では既存の解析モデルがモデル化しおいる述語間の項の共有関係・項の類䌌床機胜動詞構文䞊列構造ずいった特城が実際の問題にどの皋床圱響があるかを確かめるために特に文内れロ照応の事䟋に焊点を圓おNTCや京郜倧孊テキストコヌパス(KTC)の正解アノテヌション情報を利甚しお䞊蚘の特城を持぀事䟋を機械的に分類し各カテゎリの事䟋数や珟状の解析粟床各カテゎリが理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅等を瀺す既存研究においお耇数の述語間の構造的・意味的な関係を解析に甚いる堎合の䞀般的な方法は述語間の䜕らかの関係を通しお関係が比范的簡単に求たる述語—項ペアの情報を難易床の高い述語—項ペアの解析の手がかりに利甚するずいうものであるこのような情報を甚いるこずができる事䟋を近䌌的に抜出するために次の方法を甚いお事䟋を分類する䟋えば図~\ref{fig:ex1}の文においお述語盞圓の名詞「勉匷」Pで衚蚘に察するガ栌の項Aで衚蚘は「倪郎」であるがこれらは盎接係り受け関係にないそこで察象の述語Pず項AだけではなくAず盎接係り受け関係にある語Oを考えるもし語Oも項構造を持っおおりか぀AがOの項でもあるならばPずOは項を共有しおいるずいうこずになり盎接的に項を掚定しやすいAずOの関係をより間接的な関係ずなっおいるAずPの関係掚定に利甚できる可胜性があるしたがっおこのような(A,O,P)の組を取り出すこずで耇数の述語間の構造的・意味的な関係を利甚する手法が被芆する事䟋の数やそのような事䟋における既存システムの珟状の粟床を分析するこずができるただし事䟋によっおは文䞭にAずしお適切な耇数個の共参照関係にある語が存圚する堎合がある\footnote{「倪郎倪郎倪郎ず繰り返し手を振り呌ぶ次郎。」ずいう文における「呌ぶ」のヲ栌「倪郎」のような堎合}そのような堎合(i)「Pよりも前にある語を優先する」(ii)「Pに単語䜍眮がより近い語を優先する」の二぀のルヌルを順に適甚するこずでAを䞀意に定めるたた䞀般にAには盎接係り受け関係が認められる語の候補ずしお係り先文節の䞭にある語および耇数の盎接係り元文節の䞭にある語が考えられるためOを䞀意に定めるための方法が必芁である本皿ではAずPの関係においお最も関わりが深いず思われる語Oを以䞋の方法で遞択する\noindent手順1Aに察する係り元文節係り先文節の䞻蟞をOの候補ずしお抜出する\noindent\hboxto8zw{手順2手順1\hfil}で抜出した候補のうちPずの統語係り受け距離がもっずも近いものを残す\noindent\hboxto8zw{手順3手順2\hfil}たでで埗られた候補のうちPに単語䜍眮が最も近いものを䞀぀だけ遞ぶ\noindentこの方法を甚いれば䟋えば次のような文に぀いお${\rmO}_2$より${\rmO}_1$を優先しお遞択するこずが出来る\eenumsentence{\item[a.][豊か$_{{\rmP}}$]で[興味深い$_{{\rmO}_1}$][侖界$_{\rmA}$]が[広がっお$_{{\rmO}_2}$]いる。\hspace{0.1truecm}\item[b.]手品を[した$_{{\rmO}_2}$][人$_{\rmA}$]が呚りに[驚き$_{{\rmP}}$]を[䞎える$_{{\rmO}_1}$]。}このように定めたA,O,Pを利甚しお分析察象コヌパス䞭に珟れる文内れロ照応の事䟋を詳现に分析するために以䞋の7぀の指暙で事䟋を分類した\begin{itemize}\setlength{\parskip}{0cm}\setlength{\itemsep}{0cm}\item察象述語(P)の品詞動詞サ倉名詞その他\itemPに察する項(A)の栌ガヲニ\itemAず盎接的に統語係り受け関係がある語(O)の皮類動詞述語名詞述語その他の述語述語ではない\itemA,O,Pの出珟順序\itemOが述語盞圓語の堎合OずPがAを項ずしお共有しおいるか\itemOずPがAを項ずしお共有しおいる堎合\begin{itemize}\item二぀の栌ラベルが䞀臎しおいるか\itemPずOが䞊列構造で繋がっおいるかPがOの項であるかそれ以倖\end{itemize}\itemOずPの間の係り受け距離\end{itemize}Oが述語盞圓語぀たり項構造を持぀堎合に぀いおはPずOがAを共有しおいるかに加えおさらにPずOが䞊列関係かどうか広矩の機胜動詞構文に兞型的なPがOの項ずなる圢になっおいるかずいった芳点で分類するたたOずPでAに察する栌関係ラベルが異なる堎合は二぀の述語間で䞻題や動䜜䞻が保存される堎合に比べおより難易床の高い問題であるず想定しお区別しお分類する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{22-5ia4f1.eps}\end{center}\caption{文内の盎接係り受け関係にない述語ず項の䟋\label{fig:ex1}}\vspace{-1\Cvs}\end{figure}A,O,Pの出珟順序は連䜓修食などの構造的な特城を簡朔にずらえるのに圹立぀\{A,O,P\}の眮換ずしお6通りの順序組がありうるがこれらを統語係り受け関係・述語—項関係ず䜵蚘しお瀺すず図~\ref{fig:seq}のようになるこのうちOAPずOPAは䞊述のOを遞択するアルゎリズムに埓えば出珟するこずはないAOP,APOは最も䞀般的な構造であり䞊列構造や機胜動詞構文APOの䞀郚などの構造を含むPOAはOがAを連䜓修食する圢でありこの䞀郚にはPずOの間に構造的な関係が認められる可胜性があるPAOはPの項がPよりも埌ろのOに関連しお出珟する圢である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{22-5ia4f2.eps}\end{center}\caption{A,O,Pの出珟順序ず統語係り受け関係・述語—項関係の抂芳}\label{fig:seq}\par\small実線は盎接統語係り受け関係砎線は述語—項関係OAPずOPAはOを遞択するアルゎリズム䞊出珟するこずはない\par\vspace{-1\Cvs}\end{figure}分析察象のデヌタずしおKTCによる正解統語係り受け情報䞊列構造情報が利甚できるNTC1.5版を利甚するコヌパスは述語項構造解析の研究で䞀般的に利甚されおいるTairaetal.\cite{taira2008japanese}の分割に基づいお蚓緎開発評䟡甚デヌタの区分に分割し評䟡デヌタにおいお事䟋カテゎリ別に出珟頻床ず既存システムの解析粟床を枬定するたた各事䟋カテゎリにおける具䜓的な䟋文の提瀺や事䟋ベヌスの分析には開発デヌタを利甚する\subsection{分析結果にもずづく考察}\label{sec:discussion}衚~\ref{tb:categ1}に分析の結果を瀺したたず栌助詞ごずの分垃を芋るず文内れロ照応の事䟋はガ栌$81\%$ヲ栌$14\%$ニ栌$4\%$ず殆どの事䟋がガ栌の省略である解析粟床はガ栌で最も高くヲ栌ニ栌は殆ど正答が難しい状況ずなっおいる述語偎の品詞の分垃は動詞$48\%$サ倉名詞$38\%$その他$13\%$であり䞻に動詞ずサ倉名詞がその倧半を占める品詞別の粟床は動詞が最も高く$45\%$匱圢容詞が最も䜎く$31\%$その他は抂ね$40\%$前埌ずなっおいる次にAの盎接係り先であるOずの関係を芋るずたずOの品詞は動詞が$60\%$ず匷い偏りを芋せおおりたた党䜓の$74\%$で項構造を持っおいるこずが分かるさらにこれらの項構造を持぀OのうちPず項を共有しおいるものの割合は玄$78\%$ず高く文内れロ照応党䜓でみおもOずPの間に項の共有がある事䟋が$58\%$ず半数以䞊存圚するこずが分かったこれは䞊列構造解析や機胜動詞構文スクリプト知識などを代衚ずした項構造間の䜕らかの関係を利甚しお解ける可胜性のある事䟋が比范的倚数存圚するこずを瀺しおいる\begin{table}[p]\centering\rotatebox{90}{\begin{minipage}{571pt}\caption{事䟋カテゎリ毎の事䟋数ず解析粟床}\label{tb:categ1}\input{04table04.txt}\end{minipage}}\end{table}システムの粟床をみるず項共有の有無によっお解析粟床に玄$20\%$の倧きな開きが芋られるこれは束林\&也のシステムは述語構造間の高次の関係を明瀺的にモデル化しおいないものの機胜語や䞻蟞情報を含む係り受けパスが項共有の情報をある皋床ずらえおいるためず考えられる次にOずPが項を共有しおいる堎合のより詳现な分析ずしお「二぀の述語間で栌ラベルが䞀臎しおいるか」「PずOが䞊列構造で繋がっおいるかあるいはPがOの項であるかそれ以倖か」ずいう二぀の指暙で事䟋を分類した結果を述べるたず二぀の述語で栌ラベルが䞀臎しおいるものは項を共有しおいる事䟋の$80\%$を占めおおり曎に栌ラベルが異なる堎合ず比べお$30\%$匱ほど粟床が良いこずが分かった次にPずOが䞊列構造で繋がっおいるものは項を共有する事䟋の$15\%$PがOの項である事䟋機胜動詞構文や制埡動詞構文などの事䟋を含むは$10\%$ず比范的少量に留たっおおりその他の事䟋が$75\%$ず倧倚数であるこずが分かった䞀方より明確な手がかりがある䞊列構造やO,Pが述語—項関係になっおいるものは解析粟床が65〜67.5\%ずそれ以倖の事䟋に比べお高い数倀を瀺す結果ずなったこれも前述のずおり束林\&也のシステムでは解析モデルずしお項構造の関係を明瀺的に扱っおはいないながらも少なからずこれらの珟象の特城をずらえおいるためず考えられるたた䞊列構造や機胜動詞構文の圢の事䟋に関しお盞察的に高粟床が埗られおいるこずはこれらの事䟋がれロ照応解析の有望な手がかりずなっおいるこずを瀺す蚌拠であり明瀺的な䞊列構造解析や機胜動詞・制埡動詞の蟞曞的な取り扱いによっお粟床が曎に向䞊する可胜性を瀺唆しおいるず蚀える\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{A,O,Pの語順PO間の係り受け距離別の解析粟床}\label{tb:aop}\input{04table05.txt}\end{table}衚~\ref{tb:aop}にA,O,Pの䜍眮ごずの事䟋数ず解析粟床を瀺した䞻芁郚終端型である日本語ではAPOAOPの割合が倚くこの圢が党䜓の$77\%$を占めおいる続いおOがAを連䜓修食する圢のPOA述語PずAの係り先Oが項Aを挟む圢のPAOの順ずなっおいる解析粟床はAPOの語順で最も高くF倀で$58\%$を達成しおいるこれは前述の䞊列構造や機胜動詞構文のほずんどがAPOの語順を取っおいるためず考えられるが䞀方で二番目に倚く同様にOずPの䞊列構造を含むず考えられるAOPの語順ではF倀$27\%$ず解析粟床に倧きな開きが芋られるのが興味深いPずOの間の係り受け距離ず事䟋数の関係を芋るず1が$50\%$2が$24\%$3が$13\%$ずおよそ距離に線圢に分垃しおいる䞀般に係り受け距離が遠くなるほど解析粟床は䜎䞋しおいくがPずOの間に盎接係り受け関係が芋られる事䟋では$53\%$特にこのうちAPOの語順を取るものに぀いおは$65\%$ず比范的高い粟床で解析出来おいるこずが分かった\subsection{項共有を䌎う事䟋の゚ラヌ分析}\label{sec:shared-arg-err-analysis}\ref{sec:discussion}節の分析から文内れロ照応の半数以䞊が項ず盎接係り関係にある述語ずの項共有を䌎うこずがわかった項共有を䌎うケヌスはそれを䌎わないケヌスに比べお手がかりを求めやすく今埌の性胜向䞊の糞口ずなる可胜性が高い䞀方で解析察象述語Pのれロ照応の項AがAず盎接係り受け関係にある述語Oず項共有を䌎う事䟋のうちPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるものの割合は合わせお$25\%$皋床にずどたっおいたそこで我々は項共有を䌎う残り$75\%$の事䟋のうち束林\&也のシステムで解析゚ラヌずなったものを分析しどのような情報を甚いお耇数の述語にたたがる項の関連性をずらえるこずができるかを分析した具䜓的には文内れロ照応にあたる述語—項ペアに぀いお\ref{sec:discussion}節の分析カテゎリのうちPずOが項Aを共有しおおりPずOが䞊列関係でなくPがOの項ずなっおいない事䟋に぀いお開発デヌタ䞊で束林\&也のシステムが正しい項の䜍眮を圓おられなかった事䟋停陰性の事䟋を無䜜為に$50$事䟋抜出しこれらを人手で分析した衚~\ref{tb:err-ctg}には分析した事䟋をカテゎリ化しその分垃を瀺した以䞋ではそれぞれのカテゎリに぀いお簡単に説明するなお䟋文は実際に分析した開発セット䞭の事䟋であるが必芁に応じお文構造を簡略化しおある\begin{table}[t]\hangcaption{PずOが項Aを共有するもののうちPずOが䞊列関係でなくPがOの項ではない事䟋の\mbox{゚ラヌ}カテゎリ分垃}\label{tb:err-ctg}\input{04table06.txt}\end{table}\begin{description}\item[述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文・モダリティ衚珟の組み合わせ]\mbox{}\\\ref{sec:discussion}節の分析ではPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるもののみを扱ったが実際にはこれらの局所的な問題の組み合わせによっお長距離の述語項関係が導き出せる事䟋が存圚する䟋えば次の文では「行政改革委員䌚」は盎接的には「開き」にかかっおおりこの「開き」ず文末尟の「決めた」が䞊列関係ずなっおいるこずからこの二぀の述語が䞻語を共有しおいるこずが分かるさらにこの「決めた」ずいう述語ず解析察象の述語「意芋具申する」が機胜動詞構文の圢をずっおいるこずから「決める」ず「意芋具申する」の䞻語が同䞀であるず掚定でき結果ずしお「具申する」のガ栌が「行政改革委員䌚」であるこずが導かれる\begin{screen}行政改革委員[䌚$_\text{ガ}$]は第二回䌚合を[\ul{開き}$_\mathrm{O}$]、行革掚進方策に぀いお政府に意芋具申[する$_\mathrm{P}$]こずを決めた。\end{screen}たたモダリティ盞圓衚珟が耇合する圢もよく芋られた以䞋の䟋では「匷めおおり」ず「方針だ」が䞊列関係であるが「求める方針だ」は「求める぀もりだ」盞圓の衚珟でありこのこずから「匷めおおり」ず「求める」の䞻語が同䞀であるこずが導かれる\begin{screen}批刀しおいる[グルヌプ$_\text{ガ}$]は危機感を匷めお[\ul{おり}$_\mathrm{O}$]、陀名凊分を匷く[求める$_\mathrm{P}$]方針。\end{screen}\item[係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係]\mbox{}\\統語的・機胜的な構造だけからは項の共有が導けないがPずAの係り受けパスの内偎にある述語や名詞の間にその意味的な関係により項構造の䌝播が認められる事䟋䟋えば次の䟋では「蚪ね」ず「芁請した」が䞊列構造でありその統語関係から䞻語を共有しおいるこずが刀断できるが「蚪ね」の目的語である「党銖」ず「芁請した」の述語—項関係は統語的には導けないしかし垞識的なスクリプト的知識に基づけば「Aを蚪ね、芁請した」は「Aに芁請するためにAを蚪ねた」ず類掚できるその結果を受けおさらに機胜動詞構文の構造により「Aに協力を芁請する」は「Aが協力する」ぞ「Aが掚進ぞ協力する」は「Aが掚進する」ぞず読み替えられ最終的に解析察象述語「掚進」のガ栌ずしお「党銖」を取りうるこずが導かれる\begin{screen}飯田䌚長は、新進党の海郚[党銖$_\text{ガ}$]を事務所に[\ul{蚪ね}$_\mathrm{O}$]、行政改革[掚進$_\mathrm{P}$]ぞの協力を芁請した。\end{screen}\item[発蚀者の認識]\mbox{}\\文䞭に発話の匕甚が含たれ発話文䞭の動䜜䞻が発話者であるような事䟋このような事䟋では発話内容の範囲および発話者の特定が解析の手がかりずなる\begin{screen}研究[グルヌプ$_\text{ガ}$]は、䞭心に存圚する倩䜓はブラックホヌル以倖に[考え$_\mathrm{P}$]られないず[\ul{結論づけた}$_\mathrm{O}$]。\end{screen}\item[機胜語盞圓衚珟の認識]\mbox{}\\耇数の圢態玠をひずたずたりずしお䞀぀の文法的機胜を持぀耇合蟞を認識するこずで解析の手がかりずしお適切な単䜍を埗るこずができる堎合がある䟋えば以䞋の䟋では「の堎合」が提題化の機胜盞圓の衚珟でありこの郚分を䞀぀の副助詞盞圓ずみなせば「䜐藀氏」ず「競合する」は盎接係り受け関係にある\begin{screen}䜐藀[氏$_\text{ガ}$]の[\ul{堎合}$_\mathrm{O}$]、珟状では新進党の海郚俊暹党銖ず競合[する$_\mathrm{P}$]が埌略\end{screen}\item[䞖界知識を甚いた掚論が必芁]\mbox{}\\文内の情報から述語項関係が読み解けるがその掚定に知識掚論が必芁ず思われる事䟋䟋えば䞋の䟋で「支持する」のガ栌ずされおいる「自治劎」は盎接的には「䞭執芋解を了承した」ずいう事実だけが蚀及されおおり特段の知識がない堎合は「支持する」ず「自治劎」は結び぀かないただしここで䞭執ずは䞭倮執行郚のこずで自治劎は基本的に䞭倮執行郚の意芋を䌚議で承認し組合党䜓ずしおそれに埓うずいう知識があれば「支持しないずの䞭執芋解を了承した」ずいう衚珟から䞭倮執行郚の「支持しない」ずいう意思決定を了承するならば自治劎は支持しないずいう関係が読み解ける\begin{screen}$[自治劎_\text{ガ}]$は十䞀日、東京郜内のホテルで党囜委員長䌚議を[\ul{開き}$_\mathrm{O}$]、瀟䌚党の山花貞倫・新民䞻連合䌚長らによる新党準備䌚は支持[し$_\mathrm{P}$]ないずの䞭執芋解を了承した。\end{screen}\item[文脈・背景知識が必芁で䞀文からは刀断䞍可胜]\mbox{}\\䞋蚘の䟋では解析察象述語「陀名」の遞択遞奜からヲ栌は人であるこずがわかりたた文䞭に出珟する人物は「山花氏ら」しかいないが陀名されるのが山花氏らであるかどうかを刀断するための十分な情報が文䞭には存圚しない\begin{screen}山花氏[ら$_\text{ヲ}$]は[陀名$_\mathrm{P}$]凊分を行わないよう執行郚に[\ul{働きかけお}$_\mathrm{O}$]いる。\end{screen}\end{description}カテゎリは既存研究で扱っおいる珟象の延長䞊にあり比范的取り扱いが明瞭な統語的・機胜的な珟象および単玔な共起関係から掚定できる遞択遞奜をたずめた「統語的・機胜的・遞奜的」ず珟状では取り扱いが難しい知識を甚いた掚論や談話構造解析を含む「知識・談話的」「その他」の䞉぀に倧別した衚~\ref{tb:err-ctg}から埓来研究で扱う珟象の延長ずしお説明できる「統語的・機胜的・遞奜的」の割合が党䜓の$46\%$皋床知識掚論や談話構造理解などのより高床な知識凊理が必芁ず思われる事䟋の割合が$32\%$皋床存圚するこずがわかった特城的な点ずしおは\ref{sec:discussion}節の分析ではPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるものなど特定の珟象が単独で出珟する堎合のみを区別しお扱っおいたが実際にはこれらが郚分問題ずしお出珟しおいる䟋が倚く芋られた特に動詞や名詞の項構造が係り受けの鎖の䞭で連鎖的に関連しおいるケヌスにおいおはこれらの郚分的な手がかり同士は盞補的に確信床を高め合っおいるのではなく統語的関係ずしお隣り合う項構造どうしの関係の連鎖を順に解析するこずで目的の解にたどり着く事䟋が倚く芋られたこのような事䟋は特に「述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文・モダリティ衚珟の組み合わせ」「係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係」および「䞖界知識を甚いた掚論が必芁」のカテゎリによく芋られたこの結果を受けお次に分析察象事䟋䞭に「解析察象述語Pず項を共有しか぀䞊列構造にある述語が存圚する」「解析察象述語Pず項を共有しか぀Pを項に取る述語が存圚する」事䟋を調べるこずでこれらの珟象の解析が正答に盎接的にあるいは郚分問題ずしお間接的に寄䞎するであろう事䟋の数を調べたたたこの際゚ラヌ分析䞭に顕著に出珟した珟象である「提題化衚珟」「発話匕甚」の事䟋に぀いおも分析に含めた\begin{table}[b]\caption{事䟋カテゎリ毎の事䟋数ず解析粟床}\label{tb:instance-gategory2}\input{04table07.txt}\end{table}衚~\ref{tb:instance-gategory2}より第䞀に項が文内で「は」「に぀いお」「の堎合」などの機胜語盞圓衚珟で提題化されおいる事䟋はれロ照応党䜓の$39\%$存圚しおおり文倖での提題化ずあわせお党䜓で玄半数が提題化の暙識を手がかりずできる事䟋であるこずが分かる提題化されおいる事䟋では提題化されおいない事䟋に比べお盞察的に高い解析粟床を瀺しおいるが䞀方で文内れロ照応の問題のほずんどがガ栌を掚定する問題であるこずを鑑みれば提題化の情報は匷い手がかりず想像されるにもかかわらず珟状では提題化されながらも必ずしも正答できない事䟋が少なからず存圚しおおりれロ照応解析の問題の䞭に耇雑な珟象が絡み合っおいるこずを容易に想像させる第二に項を共有しおいる述語ずの䞊列構造が項特定の郚分的な手がかりずしお含たれる事䟋がれロ照応問題党䜓の$13\%$匱を占め機胜動詞構文などに兞型的な「Pず項を共有しか぀Pを項に取る述語が存圚する」事䟋が$19\%$匱を占めるこずがわかった特に埌者の事䟋はPがAず盎接係り受け関係にあるOの項ずなっおいる堎合の事䟋数に比べお$3$倍匷ずなっおおり異なる述語間の項構造に関する2次以䞊の特城量を解析モデルに組み蟌むこずの重芁性を瀺唆しおいる衚~\ref{tb:err-ctg}で瀺した具䜓的な゚ラヌ事䟋の分類からも「係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係」「述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文の組み合わせ」など少なくずもPずOが項を共有する事䟋の$26\%$皋床がこのような耇数の述語間の項構造の組み合わせを考慮しなければならない問題であった発話文の匕甚に兞型的な「述語が鉀括匧の䞭にある」事䟋も党䜓の$16\%$匱ず無芖できない割合を占めおおり特別の解析を行う必芁性を瀺唆しおいる\subsection{解析粟床の理想倀}\begin{table}[b]\caption{解析粟床の理想倀}\label{tb:acc-oracle}\input{04table08.txt}\end{table}衚~\ref{tb:acc-oracle}には分析察象のカテゎリのうち今回の分析で特に焊点を圓おおきた項の共有が手がかりずなりうる事䟋に぀いお各々が理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅を参考倀ずしお瀺すこの数倀は解析察象のシステムに぀いお停陜性の結果はそのたたに停陰性の結果を過䞍足なく正答出来たずした時の粟床を瀺したものであるただし「項共有䞊列構造」「項共有PがOの項」以倖の項目に぀いおは\ref{sec:shared-arg-err-analysis}~節で瀺したサンプリングによる゚ラヌの分垃掚定に基づいた抂算倀である䞊列構造や広矩の機胜動詞構文に぀いおそれぞれを局所的に解いた堎合にれロ照応党䜓に䞎えるむンパクトはF倀で$5$ポむント皋床であるのに察しお局所的な構造の組み合わせを通じお解を埗られる皮類の事䟋たで正答した堎合F倀で$13$ポむント皋床の䞊昇を芋蟌めるこずが分かるたたこれに加えお発蚀者や提題化された実䜓・抂念機胜語盞圓衚珟の正確な認識が達成された堎合でF倀が$60\%$皋床ずなる粟床$60\%$以䞊を実珟するためには珟状で述語項構造解析の文脈ではあたり取り組たれおいない䞖界知識を甚いた掚論や談話解析などの技術を取り蟌むかもしくはそのような埌段の凊理に぀なげるための適切な問題蚭定やむンタヌフェヌスを甚意する必芁があるOずPが項を共有する事䟋に぀いおその適合率が$100\%$近くに達した堎合でも文内れロ照応党䜓のF倀は$70\%$匷である文内れロ照応の$42\%$は項の共有がないより手がかりの少ない事䟋でありこの郚分でどのような特城が手がかりずなりうるかに぀いおは今埌の分析課題である \section{人間の盎感にもずづく手がかりアノテヌションによる分析} 前節では既存研究においお焊点が圓おられた項の共有関係を背景に特定の構造を持぀事䟋を機械的に分類するこずで文内れロ照応における珟象の分垃を明らかにした本節では特定の事前知識に䟝存せずにれロ照応解析に察する手がかりを幅広く調査するこずを目的ずしおコヌパスよりランダムに抜出した少量のサンプルに察しお人間が正解を導き出す際に根拠ずする手がかりの皮類を分析する\begin{table}[b]\caption{手がかりアノテヌションの䟋}\label{tbl:clue-example1}\input{04table09.txt}\end{table}具䜓的な手続きずしお述語項構造アノテヌションデヌタの䞀郚に人手により衚~\ref{tbl:clue-example1}のような正解分析結果を導き出すための根拠ずなる手がかりのカテゎリラベルを付䞎し次の項目を調査する\begin{itemize}\item解析に必芁な手がかりの皮類ずその組み合わせの皮類\item各手がかりを必芁ずする事䟋の分垃\item各手がかりを必芁ずする事䟋に察する既存システムの解析粟床\end{itemize}以降ではたず分析に利甚するデヌタのサンプリング方法に぀いお説明し次に具䜓的なアノテヌションの方法に぀いお述べるその埌アノテヌション結果を利甚した手がかりカテゎリの分垃に関する分析やシステムの解析粟床に぀いお詳しく議論する\subsection{デヌタのサンプリング方法}手がかりアノテヌションの察象デヌタずしお述語項構造がアノテヌトされたコヌパスより文内れロ照応の事䟋ず刀断される述語項栌の䞉぀組を䞀事䟋ずしお少量のデヌタを無䜜為にサンプルする本節における分析では手がかりの皮類を幅広く調査するために\ref{sec:pattern-analysis}~節で利甚したNTCに加えおBCCWJに察する述語項構造アノテヌションデヌタからも手がかりアノテヌションを行う事䟋をサンプルした抜出察象ずなるNTCの仕様では䞀般に項は共参照クラスタずしお衚珟されおいるがここでも\ref{sec:pattern-analysis}~節ず同様の方法で察象の圢態玠を䞀意に定める䞀般にコヌパス䞭の栌の出珟頻床はガ栌に匷い偏りがあり小芏暡のサンプリングではヲ・ニ栌の数が極端に少なくなるずいう問題がある述語—項の関係においおは栌毎に起こりうる珟象の分垃が異なるず考えられるため手がかりの皮類や組み合わせを俯瞰するためにはガ・ヲ・ニ栌それぞれに぀いお䞀定数分析を行うのが適切ず考えられるしかしながら前節たでの分析においおはNTCに぀いおガ・ヲ・ニ栌党䜓に察する解析粟床を䞭心に議論を進めおいるこずからNTCに぀いおはコヌパス䞭のガ・ヲ・ニ栌の分垃に埓い事䟋をサンプルし䞀方でBCCWJに぀いおは文曞ゞャンル毎に栌ごずのサンプル数を固定しおサンプリングを行うこずずした具䜓的にNTCではデヌタ党䜓を\citeA{taira2008japanese}ず同様の方法で蚓緎・開発・評䟡のデヌタ区分に分け開発デヌタから文内れロ照応に関する$100$事䟋を無䜜為にサンプルしたBCCWJでは評䟡デヌタずしお甚意したBCCWJCore-AセクションにおけるOW癜曞OYブログPB曞籍PM雑誌PN新聞からゞャンルごずにガ・ヲ・ニそれぞれの栌を$20$事䟋ず぀ランダムサンプルするこずを詊みたただし実際には特定の文曞ゞャンルに関しお文内れロ照応に関する十分な事䟋数がない堎合があり\footnote{新聞が$41$事䟋ブログが$19$事䟋ずなった}合蚈では$240$事䟋ずなったNTCおよびBCCWJコヌパスからサンプルした事䟋における栌の分垃は衚\ref{tb:numcase}に瀺す\begin{table}[t]\caption{サンプルデヌタにおける栌の分垃}\label{tb:numcase}\input{04table10.txt}\end{table}\subsection{手がかりアノテヌションの方法}アノテヌタにはサンプルされた述語項栌の䞉぀組及び圓該の述語ず項が含たれる文が衚~\ref{tbl:clue-example1}の䟋文の欄に衚蚘されおいるような圢匏で䞎えられるアノテヌタはこれに察しおあらかじめ定められおいる手がかりのカテゎリラベルを付䞎するこずを詊みる栌関係を刀断するにあたっお耇数の手がかりが必芁な堎合は刀断に最䜎限必芁ずなるラベルをすべお列挙しラベルの組み合わせずしお衚珟する\footnote{実際のアノテヌションでは補助的に刀断の確信床を䞊げる手がかりに぀いおも衚蚘を別にしお䜵せお付䞎を行ったが説明ず衚蚘の簡略化のためこの情報は省略した}アノテヌションの際にはカテゎリラベルを付䞎するだけでなくアノテヌタがどのようにしお解を導いたかに぀いおも泚釈を加えるこのようにするこずでカテゎリラベルだけでは説明が難しい耇雑な珟象に察する内省の結果を残し埌の粟緻な分析を補助できるほかアノテヌション修正時にアノテヌタの意図を確認しながら議論ができるため適切な反埩修正䜜業が可胜ずなる手がかりのカテゎリラベルはあらかじめ著者らが列挙したものから始めアノテヌションの過皋で新たに必芁ずなったものを順次远加する方法をずったアノテヌタはこれたでに列挙された手がかりラベルでは説明できない事䟋に遭遇した堎合簡朔な説明ず共に「その他」のラベルに分類するその他のラベルに分類された手がかりのうち著者らずの協議においお䞀定数の事䟋を類型化できるものに぀いおは適切な名称を付けお「その他」から分離したこのようにしお最終的に埗られた手がかりカテゎリラベルは以䞋のずおりである\begin{itemize}\item統語関係統語的な構造が手がかりずなる\begin{itemize}\item統語パス述語ず項の間の係り受け鎖構造が手がかりずなる\begin{itemize}\item語圙化パス統語パスずその内郚の語の語圙知識が手がかりずなる\begin{itemize}\item盞互䜜甚意味統語パス内の述語の項構造同士が「意味的」に特定の項を共有する\item機胜語盞圓衚珟機胜語の特定が手がかりずなる\item連䜓修食連䜓修食における栌関係の特定が重芁な手がかりずなる\item受身受け身による栌亀替を刀定するこずが重芁な手がかりずなる\end{itemize}\item盞互䜜甚圢匏統語パス内の述語の項構造同士が「圢匏的」に特定の項を共有する\begin{itemize}\item機胜動詞機胜動詞の特定が手がかりずなる\item制埡構文制埡構文が手がかりずなる\end{itemize}\item䞊列䞊列構造の特定が手がかりずなる\end{itemize}\end{itemize}\item談話関係䜕らかの談話的関係が手がかりずなる\begin{itemize}\item発話者発話者・著者の特定が手がかりずなる\end{itemize}\item文脈文脈が手がかりずなる\item知識䜕らかの䞖界知識が必芁\begin{itemize}\item遞択遞奜述語ず項の間に匷い遞択遞奜がある\item語矩語の意味が手がかりずなる\item耇合語耇合語内の圢態玠間の意味的関係が手がかりずなる\item垞識垞識的知識が必芁\end{itemize}\itemその他その他の手がかりが必芁\itemアノテヌション゚ラヌ栌ラベルのアノテヌション゚ラヌ\end{itemize}カテゎリラベルは「統語関係」「談話関係」「文脈」「知識」「その他」「アノテヌション゚ラヌ」のカテゎリをトップノヌドずしお階局構造を成しおおり䞋局ぞ行くほど詳现化されたカテゎリラベルずなっおいるアノテヌションの際は珟象を詳现化しお説明できる堎合はより䞋局のラベルを優先しお付䞎する実際のアノテヌションは著者らずは別の$4,000$〜$5,000$文芏暡の述語項構造アノテヌションの経隓を持぀日本語母語話者のアノテヌタ䞀名によっお行われた必芁に応じお著者らずの協議を行いながら䞀呚目のアノテヌションを行った埌最終的な著者らずの協議の結果を螏たえ再修正を行ったものを最終的な分析察象のデヌタずした\subsection{文内れロ照応事䟋における手がかりの分垃}本節のアノテヌションにおいおは各事䟋に付䞎されおいるラベルの組はその党おが解析に必芁な芁玠であるずいう前提であるため事䟋ごずの手がかりラベルの組を䞀぀のパタヌンラベルパタヌンず呌ぶずみなしお分析を行うたずそれぞれの手がかりがどの皋床䜿われたかを瀺すためにラベルパタヌン䞭に珟れる個別のラベルの出珟数を衚~\ref{tbl:nakayama-ntc-label-freq},\ref{tbl:nakayama-bccwj-label-freq}に瀺したそれぞれのコヌパスを比范するずNTCでは「遞択遞奜」「語矩」など知識に関するラベルの他に「機胜語盞圓衚珟」や「䞊列」「機胜動詞」など統語関係のラベルも䞊䜍に含たれおいる䞀方でBCCWJでは「遞択遞奜」「その他」の他に「文脈」「垞識」など知識や談話に関するラベルが䞊䜍のほずんどを占める\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}\caption{NTCにおける各ラベルの出珟数}\label{tbl:nakayama-ntc-label-freq}\input{04table11.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}\caption{BCCWJにおける各ラベルの出珟数}\label{tbl:nakayama-bccwj-label-freq}\input{04table12.txt}\end{minipage}\end{table}\begin{table}[b]\caption{NTC・BCCWJにおけるトップノヌドカテゎリの出珟数}\label{tb:topnode}\input{04table13.txt}\end{table}ただし衚~\ref{tb:numcase}に挙げおいるずおりNTCずBCCWJではサンプリング方法の違いにより分析事䟋における栌の分垃が異なるしたがっおこれらの手がかりカテゎリの分垃の特城がドメむンの違いによるものであるかあるいは栌の分垃の違いによっおもたらされるものであるかを確かめる必芁があるそこで衚~\ref{tb:topnode}にはNTC・BCCWJそれぞれに぀いお各ラベルを手がかりカテゎリの階局構造におけるトップノヌドによっお眮き換えその出珟数を栌ごずに集蚈したものを瀺す結果ずしお栌ごずの手がかりラベルの分垃を芋おもBCCWJではNTCに比べお「知識」や「文脈」のラベルの比率が䞊昇しおいるこずが分かるここから新聞蚘事以倖のより䞀般的なドメむンの文章を凊理するにあたっおはより知識や文脈を重芖した解析手法が重芁ずなっおくるであろうこずがうかがえるたた栌ごずに芳察するずガ栌に比べおヲ・ニ栌ではより知識のラベルに分類される手がかりが必芁ずなる傟向にあるこずも分かる次にラベルパタヌンごずの事䟋数をコヌパスごずにそれぞれ衚~\ref{tbl:nakayama-ntc-label-pattern-freq},衚~\ref{tbl:nakayama-bccwj-label-pattern-freq}に瀺すパタヌンの分垃を俯瞰するず組み合わせの分垃が非垞に広いこずがわかるラベルパタヌンの皮類は単䜓のもの耇数のラベル組み合わせによるものを含め$90$皮類存圚した90皮類あるラベルパタヌンのうち事䟋数が5以䞊の高頻出ラベルパタヌンは「機胜動詞」や「䞊列盞互䜜甚意味」など1぀や2぀のラベルで構成される単玔なラベルパタヌンであるがそのようなラベルパタヌンの数は14皮類ず倚くないこれらの事䟋のうち代衚的な事䟋を衚~\ref{tbl:clue-example}に挙げる䞀方で残り76皮類の事䟋数5未満のラベルパタヌンは「その他䞊列盞互䜜甚意味」や「垞識機胜語盞圓衚珟統語関係連䜓修食」など耇数のラベルを組み合わせた耇雑な構成になっおいるのもが倚い衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}に耇数ラベルの組み合わせによる事䟋をいく぀か挙げるがこのような耇雑なラベル構造を成す事䟋は決しお少数ではない我々が特に泚目すべき点ずしお挙げたいのは耇数のラベルを組み合わせる堎合にそれぞれの手がかりが個々に項の確信床を䞊げる皮類のパタヌンず党おの手がかりがそろっお初めお正しく解が導かれる皮類のパタヌンの二぀の皮類が芋られた点である䟋えば衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}の(3)の事䟋においおは遞択遞奜発話者情報ずいった手がかりが個別に項候補の確信床を䞊げおいるのに察しお衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}の(5)の事䟋においおは「教える」のニ栌に「子」を埋めるための手がかりず「勉匷を教える」のニ栌が「勉匷する」のガ栌ず䞀臎するずいう知識の双方がそろわなければ正しい解析が難しい䟋ずなっおいるしたがっおれロ照応問題ぞのアプロヌチを考える際にはこれらの耇雑な手がかりの組み合わせ事䟋を個々に芳察し少なくずも手がかりの組み合わせが重芁な意味を持぀パタヌンに察しお倧域的な構造解析のアプロヌチを取る必芁があるず蚀える\begin{table}[p]\caption{NTCにおける各ラベルパタヌンの事䟋数}\label{tbl:nakayama-ntc-label-pattern-freq}\input{04table14.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{BCCWJにおける各ラベルパタヌンの事䟋数}\label{tbl:nakayama-bccwj-label-pattern-freq}\input{04table15.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{代衚的なラベルパタヌンの䟋}\label{tbl:clue-example}\input{04table16.txt}\par\vspace{4pt}\small[P]:述語,[ガ,ヲ,ニ]:æ Œ\end{table}\begin{table}[p]\addtolength{\normalbaselineskip}{-2pt}\caption{耇雑なラベルパタヌンの事䟋}\label{tbl:nakayama-complex-example}\input{04table17.txt}\par\vspace{4pt}\small[P]:述語,[ガ,ヲ,ニ]:æ Œ\end{table}\subsection{システム解析結果ずの比范}前節の手がかりラベルパタヌンに぀いお各ラベルパタヌンの解析粟床を分析するこずで珟状の解析システムがどの皮の問題に正答しおいるかを分析するただし前節での分類結果よりNTCからのサンプル数$100$ずBCCWJからのサンプル数$240$に察しおラベルパタヌンの皮類が$90$あるこずがわかっおおり個々のラベルパタヌンに察する粟床を求めるための十分な事䟋数がないそこで今回は以䞋の4皮類の倧分類によっおラベルパタヌンを集玄し分析を行った{\makeatletter\renewcommand{\theenumi}{}\begin{enumerate}\item統語関係以䞋のラベルたたは遞択遞奜ラベルのみの組み合わせで衚せられるラベルパタヌン\item知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンただしその他を含むラベルパタヌンを陀く\itemその他を含むラベルパタヌン\itemアノテヌション゚ラヌ\end{enumerate}\makeatother}(a)は「機胜動詞」や「遞択遞奜機胜語盞圓衚珟」などのラベルパタヌンであり埓来の解析システムの玠性ずしお甚いられる手がかりに該圓する(b)のラベルパタヌンに該圓する事䟋は「知識」や「文脈」「談話」に関する手がかりが必芁であり解析噚ずしおはより高床な凊理が芁求されるラベルパタヌンである(c)の「その他」ラベルに分類される珟象は事前に想定されおいなかった手がかりでか぀珟状で簡朔に䞀般化できるほどの出珟頻床がなかった珟象であり既存の解析噚では該圓の手がかりを適切に捉えにくい事䟋ず考えられるものである衚~\ref{tbl:ntc-clue-再珟率}衚~\ref{tbl:bccwj-clue-再珟率}はNTCずBCCWJにおける手がかりラベルパタヌンず解析粟床であるここでの分析はサンプルされた特定の述語項栌の正解䞉぀組事䟋に察する正誀を分析するものであるため正解事䟋に察する再珟率を評䟡の基準ずしたなおBCCWJは文曞ゞャンルごずに事䟋数を揃えおアノテヌションを行ったが定量的な分析を行うにはゞャンルごずのアノテヌション事䟋数が䞍十分であったため党おの文曞ゞャンルを統合しお分析を行った(d)のアノテヌション゚ラヌに぀いおは真の正解ではないため再珟率の評䟡からは陀倖した\begin{table}[t]\caption{NTCにおける手がかりラベルパタヌンず解析噚の再珟率}\label{tbl:ntc-clue-再珟率}\input{04table18.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{BCCWJにおける手がかりラベルパタヌンず解析噚の再珟率}\label{tbl:bccwj-clue-再珟率}\input{04table19.txt}\end{table}衚~\ref{tbl:ntc-clue-再珟率}のNTCにおける結果を芋るず統語関係以䞋のラベルたたは遞択遞奜ラベルのみの組み合わせで衚されるラベルパタヌンの再珟率は$0.57$ず比范的高く知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンは$0.3$皋床ずなっおいる束林\&也のシステムでは統語関係の情報ずしお項候補や述語の䜍眮係り受けの情報を䜿甚し遞択遞奜の情報ずしお栌フレヌム\footnote{京倧栌フレヌムVer.~1.0}を䜿甚しおいるためこれらの手がかりの組み合わせのみで衚すこずのできる事䟋に察しおは比范的高い解析粟床ずなったず考えられるたた衚~\ref{tbl:bccwj-clue-再珟率}の結果からBCCWJではNTCず比べお再珟率が萜ちる傟向が芋られる解析噚はNTCの孊習デヌタを甚いお孊習しおおり必ずしもBCCWJの各ドメむンに察する適切な孊習がされおいるわけではないため特に統語関係たたは遞択遞奜のみで衚せるラベルパタヌンの粟床に関しおはNTCでは比范的高い粟床ずなっおいるもののBCCWJでは他のラベルパタヌンず同皋床の粟床ずなった束林\&也のシステムは遞択遞奜に察する察応ずしおWeb16億文から獲埗された栌フレヌム情報を䜿甚しおいるこずからこのラベルパタヌンで粟床が䞋がった原因は各ドメむン特有の遞択遞奜性によるものではなく新聞ドメむンず他のドメむンで統語珟象の性質が異なっおいるこずに起因するず考えられるたたその他を含むラベルパタヌンの再珟率は知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンず同皋床の䜎い再珟率にずどたった「その他」ラベルに分類される珟象は䞀般化できるほど頻出する珟象ではなくそれらの珟象を汎化しおシステムに組み蟌むこずは簡単ではないがNTC及びBCCWJコヌパス内の文内れロ照応問題の3割匱を占めおおりれロ照応問題党䜓の解析粟床向䞊のためには無芖できない皋床の割合で存圚しおいるため今埌サンプル事䟋の芏暡を増やしより詳现な分析を行っおいく必芁があるず考える \section{結論} 本皿では述語項構造解析における䞭心的な課題である項のれロ照応問題ぞ適切にアプロヌチするために珟象の特城を出来る限り詳现に分析し把握するこずを詊みた第䞀に文内れロ照応関係にある述語ず項のペアを統語情報ず述語—項関係の情報を甚いお機械的に分類可胜な7぀の指暙の組み合わせで分類した分析内容ずしお各事䟋カテゎリにおける事䟋数の分垃を瀺したほか束林\&也~\cite{matsubayashi2014}のシステムを䟋に取り各指暙における解析粟床の偏りを瀺した特に察象述語Pず項ず盎接係り受け関係にある述語Oずの間で項を共有しおいる事䟋の割合が文内れロ照応党䜓の$58\%$存圚するこずが分かったほかこれらはPずOが盎接的な䞊列構造や機胜動詞構文の圢になっおいるものばかりでなく局所的な構造の組み合わせによっお解が導かれる事䟋が倚く存圚するこずが分かったこのこずは耇数述語間の項構造に察する高次の特城を今埌どのようにずらえおいくべきかに関する知芋を䞎えおいるたた発話匕甚文における発話者の掚定が䞀定の事䟋数に寄䞎するこずも分かった第二にアノテヌタの内省を頌りに人間が正解を導き出す堎合に甚いる手がかりを分析し考えられる手がかりの皮類を列挙するずずもにその分垃を瀺した個々のれロ照応珟象を玐解いおいくず手がかりの皮類ずその組み合わせに関する分垃が倧きな広がりを持っおいるこずが明らかずなったたた手がかりの組み合わせに関する性質ずしお提題化や遞択遞奜情報のようにそれぞれの手がかりが独立に項候補の確信床を䞊げるように働くものに加えお前半の構造ベヌスの分析で埗られた知芋ず同様に機胜動詞や述語間の意味的な぀ながりを考慮すべきものなど局所的な解析結果を順を远っお重ねおいくこずで初めお項候補の掚定に寄䞎する皮類の事䟋も倚く存圚するこずが明らかずなったたた既存のモデルは統語構造や遞択遞奜を甚いる事䟋に関しおは盞察的に高い解析粟床を瀺すものの䞖界知識や文脈を読み解く必芁がある事䟋やその他未だ䞀般化されおいない雑倚な手がかりを甚いる事䟋に関しおは䜎い粟床にずどたっおいたしかしこれら粟床の䜎い事䟋はれロ照応問題党䜓に察しお無芖できない割合を占めおおり匕き続きこれらの珟象に察する解析の糞口を暡玢しおいく必芁がある\acknowledgment本研究は文郚科孊省科研費研究課題番号23240018研究課題番号15K16045及びRISTEX瀟䌚技術研究開発センタヌの研究開発掻動「コミュニティが぀なぐ安党・安心な郜垂・地域の創造」の䞀環ずしお行われた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{林郚\JBA小町\JBA束本}{林郚\Jetal}{2014}]{hayashibe2014position}林郚祐倪\JBA小町守\JBA束本裕治\BBOP2014\BBCP.\newblock述語ず項の䜍眮関係ごずの候補比范による日本語述語項構造解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(1),\mbox{\BPGS\3--26}.\bibitem[\protect\BCAY{Hayashibe,Komachi,\BBA\Matsumoto}{Hayashibeet~al.}{2011}]{hayashibe2011japanese}Hayashibe,Y.,Komachi,M.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQJapanesePredicateArgumentStructureAnalysisExploitingArgumentPositionandType.\BBCQ\\newblockIn{\BemIJCNLP},\mbox{\BPGS\201--209}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA埳氞}{飯田\JBA埳氞}{2010}]{iida2010jnlp}飯田韍\JBA埳氞健䌞\BBOP2010\BBCP.\newblock述語察の項共有情報を利甚した文間れロ照応解析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\804--807}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2006}]{iida2006exploiting}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQExploitingSyntacticPatternsasCluesinZero-anaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING-ACL2006},\mbox{\BPGS\625--632}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Iida\BBA\Poesio}{Iida\BBA\Poesio}{2011}]{iida2011cross}Iida,R.\BBACOMMA\\BBA\Poesio,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQACross-LingualILPSolutiontoZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemACL2011},\mbox{\BPGS\804--813}.\bibitem[\protect\BCAY{Imamura,Saito,\BBA\Izumi}{Imamuraet~al.}{2009}]{imamura2009discriminative}Imamura,K.,Saito,K.,\BBA\Izumi,T.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeApproachtoPredicate-argumentStructureAnalysiswithZero-anaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemACL-IJCNLP2009ShortPapers},\mbox{\BPGS\85--88}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{小町\JBA飯田\JBA也\JBA束本}{小町\Jetal}{2006}]{komachi2006noun}小町守\JBA飯田韍\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock名詞句の語圙統語パタヌンを甚いた事態性名詞の項構造解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(1),\mbox{\BPGS\141--159}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu\BBA\Gildea}{Liu\BBA\Gildea}{2010}]{liu2010semantic}Liu,D.\BBACOMMA\\BBA\Gildea,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQSemanticRoleFeaturesforMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe23rdInternationalConferenceonComputationalLinguistics(Coling2010)},\mbox{\BPGS\716--724}.\bibitem[\protect\BCAY{束林\JBA也}{束林\JBA也}{2014}]{matsubayashi2014}束林優䞀郎\JBA也健倪郎\BBOP2014\BBCP.\newblock統蚈的日本語述語項構造解析のための玠性蚭蚈再考.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\360--363}.\bibitem[\protect\BCAY{束林\JBA吉野\JBA林郚\JBAäž­å±±}{束林\Jetal}{2015}]{eaws-pas-2015}束林優䞀郎\JBA吉野幞䞀郎\JBA林郚祐倪\JBA䞭山呚\BBOP2015\BBCP.\newblock述語項構造解析「ProjectNEXT述語項構造タスク」.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1--157}.\bibitem[\protect\BCAY{倧内\JBA進藀\JBA{DuhKevin}\JBA束本}{倧内\Jetal}{2015}]{ouchi2015nl}倧内啓暹\JBA進藀裕之\JBA{DuhKevin}\JBA束本裕治\BBOP2015\BBCP.\newblock述語察の項共有情報を利甚した文間れロ照応解析.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚第220回自然蚀語凊理研究䌚研究報告},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Sasano,Kawahara,\BBA\Kurohashi}{Sasanoet~al.}{2008}]{sasano2008fully}Sasano,R.,Kawahara,D.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAFully-lexicalizedProbabilisticModelforJapaneseZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING2008Volume1},\mbox{\BPGS\769--776}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Sasano\BBA\Kurohashi}{Sasano\BBA\Kurohashi}{2011}]{sasano2011discriminative}Sasano,R.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQADiscriminativeApproachtoJapaneseZeroAnaphoraResolutionwithLarge-scaleLexicalizedCaseFrames.\BBCQ\\newblockIn{\BemIJCNLP2011},\mbox{\BPGS\758--766}.\bibitem[\protect\BCAY{関根\JBA也}{関根\JBA也}{2015}]{eaws-2015}関根聡\JBA也健倪郎\BBOP2015\BBCP.\newblockProjectNextNLP抂芁(2014/3-2015/2).\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1--12}.\bibitem[\protect\BCAY{Shen\BBA\Lapata}{Shen\BBA\Lapata}{2007}]{shen2007using}Shen,D.\BBACOMMA\\BBA\Lapata,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQUsingSemanticRolestoImproveQuestionAnswering.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe2007JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL2007)},\mbox{\BPGS\12--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Taira,Fujita,\BBA\Nagata}{Tairaet~al.}{2008}]{taira2008japanese}Taira,H.,Fujita,S.,\BBA\Nagata,M.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAJapanesePredicateArgumentStructureAnalysisUsingDecisionLists.\BBCQ\\newblockIn{\BemEMNLP2008},\mbox{\BPGS\523--532}.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋・河原研究宀}{黒橋・河原研究宀}{2013}]{knp2013}黒橋・河原研究宀.\newblock\BBOQKNPversion4.1.\BBCQ.\newblock{\ttfamilyhttp://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?\linebreak[2]cmd=read\&page=KNP\&alias\%5B\%5D=\%E6\%97\%A5\%E6\%9C\%AC\%E8\%AA\%9E\%E6\%A7\%8B\%E6\%96\%87\linebreak[2]\%E8\%A7\%A3\%E6\%9E\%90\%E3\%82\%B7\%E3\%82\%B9\%E3\%83\%86\%E3\%83\%A0KNP}Accessed:2014-05-20.\bibitem[\protect\BCAY{枡邉}{枡邉}{2013}]{chapas2013}枡邉陜倪郎.\newblock\BBOQChaPASversion0.74.\BBCQ\\newblock\Turl{https://sites.google.com/site/yotarow/chapas}.\newblock\mbox{Accessed:}2014-05-20.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{束林優䞀郎}{1981幎生2010幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科・コンピュヌタ科孊専攻博士課皋修了情報理工孊博士同幎より囜立情報孊研究所・特任研究員2012幎より東北倧孊倧孊院情報科孊研究科・研究特任助教意味解析の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{䞭山呚}{2014幎法政倧孊情報科孊郚コンピュヌタ科孊科卒業同幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋進孊珟圚に至る自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{也健倪郎}{1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同研究科助手九州工業倧孊助教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お2010幎より東北倧孊倧孊情報科孊研究科教授珟圚に至る博士工孊自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACLAAAI各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V16N01-01
\section{はじめに} label{sec:first}係り受け解析は日本語解析の重芁な基本技術の䞀぀ずしお認識されおおりこれたでに様々な手法が提案されおきた\cite{Kurohashi:94,SShirai:95,fujio_97,haruno,uchimoto_99,uchimoto_2000,kudo_2000,Kudo:2002,matsubara,Kudo:2004,Kawahara:naacl2006,Ohno:coling-acl2006}しかしそのほずんどは曞き蚀葉を察象ずしたものであったこれに察し本研究では話し蚀葉特に『日本語話し蚀葉コヌパス(CSJ)\cite{furui}』のような長い独話を察象ずするここでCSJずは䞻に孊䌚講挔や暡擬講挔などの独話を察象に玄660時間玄750䞇語の自発音声を収録した䞖界最倧芏暡の話し蚀葉コヌパスのこずであるこのコヌパスには音声デヌタだけでなく曞き起こしも含たれおおりコアず呌ばれる䞀郚の曞き起こしには人手により圢態玠・係り受け・節境界・匕甚節・挿入節・談話構造など様々な情報が付䞎されおいる䞀般に話し蚀葉には特有の珟象が芋られるため曞き蚀葉ず比べお話し蚀葉の係り受け解析は難しい䟋えばCSJを甚いた実隓によるず話し蚀葉特有の珟象の圱響をなくした堎合ずそうでない堎合で係り受け解析粟床に倧きな差があるこずが報告されおいる\cite{Uchimoto:lrec2006a}特に匕甚節・挿入節などの境界が認識されおいない堎合に係り受け解析粟床の䜎䞋が著しいそこで本論文では匕甚節・挿入節を自動認定する方法および自動認定した匕甚節・挿入節の情報を係り受け解析に利甚する方法を提案し提案手法により係り受け解析粟床が有意に向䞊するこずを定量的に瀺す \section{話し蚀葉に特有の珟象ず係り受け構造} label{sec:ds_problem}話し蚀葉には曞き蚀葉にはない特有の珟象が芋られるそしおその話し蚀葉特有の珟象が係り受け解析粟床の䜎䞋を招くこずが倚い本研究ではその䞭でも節境界が曖昧であるずいう珟象に着目するそしお本論文では係り受け解析粟床に及がす圱響の倧きさを考慮し節の䞭でも特に匕甚節・挿入節ず係り受け構造ずの関係を取り䞊げるここで節および係り受け構造の定矩はCSJに埓うものずする以䞋\ref{sec:ds_problem0}節では話し蚀葉における節境界ず係り受け構造の定矩および匕甚節ず挿入節ずの関係に぀いお述べる次に\ref{sec:ds_problem1}節では話し蚀葉特有の珟象特に節境界が曖昧であるずいう珟象が係り受け解析に及がす圱響に぀いお蚀及するそしお\ref{sec:ds_problem2}節ではその他の話し蚀葉特有の珟象に関しお本研究での係り受け解析時の扱いに぀いお述べる\subsection{節境界ず係り受け構造の定矩および匕甚節・挿入節ずの関係}\label{sec:ds_problem0}䞀般に曞き蚀葉においおは係り受け構造などを付䞎する単䜍ずしおいわゆる「文」を甚いるこずが倚いしかし自発的な話し蚀葉を察象ずする堎合文は必ずしも自明な単䜍ではないそこでCSJではより適切な分割単䜍ずしお「節」に基づく文の単䜍が定矩されおいる節境界ずしおは次の3皮類が定矩されおいる\par\noindent\textgt{絶察境界}いわゆる文末衚珟で述語の終止圢・終助詞・「ず文末」など\par\noindent\textgt{匷境界}䞊列節「ケレドモ」「ガ」「シ」・「たしテ」節・「でしテ」節など\par\noindent\textgt{匱境界}理由節「カラ」「ノデ」・連甚節・匕甚節・条件節「タラ」「ト」「ナラ」「レバ」など\par\noindentそしおこれらの節境界を衚局衚珟などに基づいお自動怜出した埌\cite{maruyama}文節係り受けを考慮しお人手により文境界を特定する\cite{takanashi}䞊の3皮類の境界のうち絶察境界ず匷境界は基本的に文境界ずなり匱境界は機胜的に区切れおいるず刀断される箇所のみが文境界ずなる匕甚節ず挿入節に぀いおもこのずきに認定され基本的に匕甚節の終端は匱境界挿入節の終端は匷境界ずなるCSJにおける係り受け構造は原則ずしお「京倧コヌパス」\cite{K-corpus}の付䞎基準に準拠しお付䞎されおおり話し蚀葉特有の珟象に察しおは新たな基準が蚭けられおいる\cite{csj_kakariuke}係り受けは文内で閉じおおり匕甚節・挿入節の内郚でも同様に係り受けが閉じおいるしたがっお文境界が特定されれば匕甚節ず挿入節の始端は係り受け構造に基づいお特定できるすなわち盎前の文節が終端より埌方に係る文節のうち最も終端に近いものが匕甚節の始端ずなるそのような文節がない堎合は文頭の文節が始端ずなる話し蚀葉特にCSJのような長い独話における匕甚節・挿入節の特城は次の通りである以䞋では匕甚節・挿入節ず係り受け構造ずの関係の䟋も瀺す\begin{description}\item[匕甚節]\\匕甚節は䞻に人の蚀ったこずや思ったこずを発話に取り蟌む際に甚いられる曞き蚀葉では匕甚節の前埌に匕甚笊や読点が付䞎されるのに察し発話においおはその境界が明瀺されるこずはない以䞋の䟋文\ref{inyo}では内が匕甚節に盞圓し「昔から」が匕甚節の埌方に係るため「䞀床でも」が始端ずなる\noindent䟋文\prob{\label{inyo}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,95)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,85){ここは}\put(30,89){\line(1,0){135}}\put(165,89){\line(0,-1){76.5}}\put(20,68){昔から}\put(50,72){\line(1,0){115}}\put(30,51){䞀床でも}\put(80,55){\line(1,0){25}}\put(105,55){\line(0,-1){25.5}}\put(50,34){いいから}\put(90,38){\line(1,0){15}}\put(70,17){行っおみたいず}\put(150,21){\line(1,0){15}}\put(90,0){思っおいたずころです}\end{picture}\noindentCSJでは匕甚節の終端の文節に「匕甚節」ずいうラベルが付䞎されおいる本研究ではそれに加え「トむり節」のラベルの付いたものも匕甚節ずしお扱うトむり節は以䞋の䟋文\ref{toiu}のように匕甚を衚わすために倚く甚いられる䟋文\ref{toiu}では匕甚節の終端を越えお係る文節はないので「本圓に」が始端ずなる\noindent䟋文\prob{\label{toiu}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,61)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,51){本圓に}\put(40,55){\line(1,0){35}}\put(75,55){\line(0,-1){8.5}}\put(40,34){それだけなのかずいう}\put(150,38){\line(1,0){15}}\put(165,38){\line(0,-1){8.5}}\put(140,17){疑念が}\put(170,21){\line(1,0){15}}\put(185,21){\line(0,-1){8.5}}\put(150,0){あるからです}\end{picture}\noindent以降匕甚節・トむり節を合わせお匕甚節ずする\item[挿入節]\\挿入節は発話の途䞭で話者の発話プランが倉曎されたずき節の途䞭に別の節が泚釈のような圢で挿入されるこずにより発生するものである曞き蚀葉ではこのような衚珟はあたり甚いられない䟋文\ref{is}では内が挿入節に盞圓する\noindent䟋文\prob{\label{is}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,112)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,102){ホテルの}\put(40,106){\line(1,0){5}}\put(45,106){\line(0,-1){8.5}}\put(20,85){郚屋の}\put(50,89){\line(1,0){5}}\put(55,89){\line(0,-1){8.5}}\put(40,68){äž­ã‚‚}\put(60,72){\line(1,0){125}}\put(185,72){\line(0,-1){59.5}}\put(50,51){早速}\put(70,55){\line(1,0){115}}\put(60,34){倜}\put(80,39){\line(1,0){5}}\put(85,39){\line(0,-1){8.5}}\put(80,17){着いたんですけども}\put(120,0){チェックしたした}\end{picture}CSJでは挿入節の終端の文節に「挿入節」ずいうラベルが付䞎されおいる挿入節の終端は基本的に匷境界ずなっおいるが挿入節を越えお前方から埌方に係る係り受けが存圚するため文境界ではなく挿入節の終端ず認定される\end{description}\subsection{節境界の曖昧さが係り受け解析に及がす圱響}\label{sec:ds_problem1}埓来研究では話し蚀葉においお節境界の曖昧さが係り受け解析に及がす圱響に぀いおはほずんど考慮されおいなかった䞋岡ら\cite{shitaoka_2005}は話し蚀葉では文境界が曖昧であるこずが係り受け解析に䞎える圱響が最も倧きいこずを指摘しその圱響を定量的に瀺した圌らは正しい文境界の情報を䞎えるこずにより文境界を自動掚定した堎合に比べお玄3\%高い係り受け解析粟床が埗られるず報告しおいるたた文境界を掚定する方法および文境界の自動掚定結果を係り受け解析に利甚する方法を提案しその有効性も瀺したしかしその他の節境界に぀いおは係り受け解析に及がす圱響は明らかではなかった倧野ら\cite{Ohno:coling-acl2006}は文を節境界で分割しお埗られる節境界単䜍を基本ずしお節境界単䜍内の係り受けず節境界単䜍間の係り受けを別々に解析する方法を提案しその有効性を瀺しおいるしかし節境界単䜍は節ずは異なるため本来は節を超える係り受けを正しく掚定するこずができない䟋えば\ref{sec:ds_problem0}の䟋文\ref{inyo}や䟋文\ref{is}では節の始端は節境界ではないため「昔から」ず「思っおいたずころです」「早速」ず「チェックしたした」は節境界単䜍をたたぐ係り受けずみなされ正しく掚定するこずができない内元ら\cite{Uchimoto:lrec2006a}は文境界蚀い盎しの存圚挿入節・匕甚節などの境界の曖昧さ係り先のない文節に着目し正しい文境界の情報を䞎えた堎合さらに蚀い盎し関係のうち係り元の文節を削陀した堎合さらに挿入節・匕甚節の境界の情報を䞎えた堎合さらに係り先のない文節を削陀した堎合のそれぞれに぀いお係り受けモデルを孊習しテストした堎合に埗られる係り受け解析粟床を調べたその結果挿入節・匕甚節の境界の情報を䞎えた堎合に玄2\%高い粟床が埗られたず報告しおいるこれは話し蚀葉においおは匕甚節や挿入節を含む文は節構造が耇雑で匕甚節あるいは挿入節の内郚ず倖郚ずを結んでしたう係り受け解析誀りが倚くなるためであるず考えられる逆に匕甚節・挿入節の範囲を取埗するこずができれば係り受け解析粟床の向䞊が期埅できるがそこたでは明らかにはされおいないそこで本論文では匕甚節・挿入節を自動認定する手法およびその結果を利甚しお係り受け解析を行なう手法を提案し匕甚節・挿入節を自動認定した結果を甚いるこずで係り受け解析粟床が有意に向䞊するこずを瀺す手法に぀いおは\ref{sec:method}章で詳しく述べる\subsection{係り受け解析におけるその他の話し蚀葉特有の珟象の扱い}\label{sec:ds_problem2}その他の話し蚀葉特有の珟象および本研究における係り受け解析時の扱いに぀いおは次の通りである\begin{description}\item[(1)文境界が明瀺されおいない]\\話し蚀葉では文境界が明瀺されないそのためすべおの文節に察しお係り受けを特定しようずするず文間関係も文節の関係ずしお特定するこずになるしかし文間関係に぀いおは人間の刀断が揺れる堎合が倚いたた自動芁玄のために文圧瞮をしたり栌関係を抜出する堎合など実際に必芁ずなる係り受けの情報は文単䜍の係り受けであるこずが倚いそこで本研究では文間関係は掚定せず文境界を掚定するにずどめ係り受けは文内の文節間係り受けのみを察象ずしお解析する\item[(2)係り先がない文節がある]\\話し蚀葉では途䞭で発話のプランが倉わったために係り先が消倱したりたたフィラヌや蚀いよどみなど係り受け関係を特定しおも甚途がほずんど考えられず係り受けを定矩するこずに意味がない堎合があるこのような堎合CSJでは係り受けが付䞎されおいないフィラヌや蚀いよどみに぀いおは浅原らの手法\cite{asahara}を甚いるこずである皋床特定できるず考え本研究ではすべお削陀しお扱うただしどこにフィラヌがあったかに぀いおの情報は残しおおき埌の解析に利甚する本来これらの文節に぀いおは正しく「係り先なし」ず掚定するべきであるがこれに぀いおは今埌の課題ずするそれ以倖の係り先を持たない文節に぀いおは以䞋に述べる条件に埓っお䟿宜的に係り先を蚭定する\begin{itemize}\item挿入節の終端の文節は亀差を発生させない範囲で文内のできるだけ埌方に係るずする\ref{sec:ds_problem0}節の䟋文\ref{is}では「着いたんですけども」の係り先は「チェックしたした」ずする\item匕甚節や挿入節の内郚に絶察境界・匷境界が含たれる堎合その内郚境界の盎前の文節の係り先は埌方に最初に珟れる内郚境界の盎前たたは匕甚節・挿入節の終端の文節ずする以䞋の䟋文\ref{B}にその䟋を瀺す「」は内郚境界を衚わす「必芁かな」「確保できないし」は係り先を持たないがそれぞれ「確保できないし」「䜜れるんじゃないかな」に係るずする\noindent䟋文\prob{\label{B}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,61)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,51){やっぱりナむフは必芁かな}\put(160,55){\line(1,0){25}}\put(185,55){\line(0,-1){8.5}}\put(20,34){ナむフがないず䜕も確保できないし}\put(220,38){\line(1,0){5}}\put(225,38){\line(0,-1){25.5}}\put(30,17){たずはもしかしたら䜕幎間も}\put(40,0){掛けおカヌヌぐらい䜜れんじゃないかなず思いたしおね}\end{picture}\item䞊蚘以倖の係り先を持たない文節は盎埌の文節に係るずする\end{itemize}\item[(3)係り受け関係が亀差する]\\䞀般に日本語の曞き蚀葉においおは「係り受け関係は互いに亀差しない」ずいう非亀差条件が成り立぀ず蚀われおいるしかし話し蚀葉ではこの非亀差条件が成り立たないこずも倚い䟋えば以䞋の䟋文\ref{crs}では「これが」が「正しいず」に係り「私は」が「思う」に係るので係り受け関係が亀差しおいる\noindent䟋文\prob{\label{crs}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,61)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,51){これが}\put(30,55){\line(1,0){35}}\put(65,55){\line(0,-1){25.5}}\put(20,34){私は}\put(40,38){\line(1,0){55}}\put(95,38){\line(0,-1){25.5}}\put(40,17){正しいず}\put(80,21){\line(1,0){15}}\put(80,0){思う}\end{picture}しかし今回甚いた188講挔においお係り受け関係が亀差しおいる箇所は689個ずそれほど倚くないため本論文では係り受けの非亀差条件が成り立぀ず仮定しお係り受け解析を行なうしたがっお評䟡の際亀差しおいる係り受けのいずれかは解析誀りずなる亀差しおいる堎合ぞの察凊に぀いおは今埌の課題である\item[(4)蚀い盎しが倚い]\\話し蚀葉ではしばしば蚀い盎しが生じるCSJでは蚀い盎し関係には係り受け関係ず同様の関係が付䞎されさらにDずいうラベルが付䞎されおいる以䞋の䟋文\ref{rep}にその䟋を瀺す\noindent䟋文\prob{\label{rep}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,95)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,85){山田}\put(30,85){D}\put(20,89){\line(1,0){10}}\put(40,89){\line(1,0){5}}\put(45,89){\line(0,-1){8.5}}\put(10,68){山田さんは}\put(60,72){\line(1,0){65}}\put(125,72){\line(0,-1){59.5}}\put(20,51){匷靭な}\put(50,55){\line(1,0){15}}\put(65,55){\line(0,-1){8.5}}\put(50,34){肉䜓の}\put(80,38){\line(1,0){15}}\put(95,38){\line(0,-1){8.5}}\put(60,17){持ち䞻だず}\put(110,21){\line(1,0){15}}\put(70,0){蚀っおたしたね}\end{picture}本来は文節間の関係の掚定のみではなくそれがどういった関係なのかたで掚定すべきであるしかし曞き蚀葉を察象にした研究においおも倚くの堎合は関係の有無の掚定のみを察象ずしおいるため本論文でも同様に蚀い盎し関係を係り受け関係ずしお特定し蚀い盎し関係かどうかのラベルの掚定たでは行なわない\item[(5)倒眮衚珟がある]\\話し蚀葉ではしばしば倒眮衚珟が甚いられるCSJでは倒眮は巊係りで衚珟されおいる本論文では関係を特定するこずが重芁ず考えCSJにおける倒眮に察しおは修正を行ない䟿宜䞊すべお右係りずしお扱った䟋えば以䞋の䟋文3では「これは」が「耐えられないんです」に倒眮で係っおいるが「耐えられないんです」が「これは」に係るように修正した\noindent䟋文\prob{\label{inv}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,44)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,34){私は}\put(20,38){\line(1,0){15}}\put(35,38){\line(0,-1){8.5}}\put(20,17){耐えられないんです}\put(110,0){これは}\put(75,4){\line(0,1){8.5}}\put(75,4){\line(1,0){35}}\end{picture}\end{description}なお䞊蚘の察凊法に぀いおは(2)以倖は䞋岡らの手法\cite{shitaoka_2005}に埓っおいる \section{係り受け解析ず匕甚節・挿入節の自動認定のアプロヌチ} label{sec:method}\subsection{係り受け解析ず境界掚定の盞互凊理}\label{sec:method_ov}図\ref{flow}に本手法で提案する凊理の抂芁を瀺す凊理の流れは䞋蚘の通りである入力は圢態玠および文節の情報が付䞎されたテキストでありCSJを察象ずする堎合䞀講挔のテキストおよび圢態玠文節の情報が入力ずなる図\ref{flow}およびその説明においお文境界ず匕甚節・挿入節の境界をたずめお境界ず衚珟しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-1ia1f1.eps}\caption{係り受け解析ず境界掚定の盞互凊理の抂芁}\label{flow}\end{center}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}\begin{itemize}\item境界掚定1回目\\入力テキストに察したず\ref{sec:method_cb}節で述べる手法により衚局衚珟・品詞・掻甚圢ポヌズ長の情報などを玠性ずしお甚いお文境界匕甚節挿入節の境界を掚定するこのずき匕甚節・挿入節および文境界の3぀の境界の掚定は同時に行なう\item係り受け解析1回目\\次に境界掚定1回目で掚定された文境界によりテキストを文に分割し各文に぀いお\ref{sec:method_ds}節で述べる手法により係り受け解析を行なうこのずき玠性ずしおは衚局衚珟・品詞・掻甚圢文節間距離などを甚いる境界掚定1回目で埗られた情報のうち匕甚節・挿入節の境界に関する情報はここでは甚いない\item境界掚定2回目\\さらに元の入力テキストに察し文境界匕甚節挿入節の境界を再掚定するこのずき係り受け解析1回目で埗られた係り受けの確率の情報も玠性ずしお甚いるこの玠性は境界の情報により堎合分けされおおりその堎合分けには境界掚定1回目で埗られた匕甚節・挿入節の境界のうち終端の情報を甚いる\item係り受け解析2回目\\最埌に境界掚定2回目で埗られた文境界により元の入力テキストを文に分割し各文に぀いお\ref{sec:method_ds}節で述べる手法により係り受けの再解析を行なうこのずき境界掚定2回目で埗られた匕甚節・挿入節の境界の情報も玠性ずしお甚いる\end{itemize}以䞊の凊理により入力テキストに察し文境界匕甚節挿入節の境界情報および各文内に぀いお文節係り受けの情報が埗られる以䞋では係り受け解析および匕甚節・挿入節の自動認定の手順に぀いおそれぞれ説明する\subsection{係り受け解析}\label{sec:method_ds}本研究では内元らの手法\cite{uchimoto_2000}に基づき係り受け解析モデルを統蚈的に孊習する統蚈的係り受け解析では文䞭の各文節がどの文節に係りやすいかを確率倀で衚わしそれらを芁玠ずした係り受け行列を䜜成するそしお䞀文党䜓が最適な係り受け関係になるようにそれぞれの係り受けを決定するここで2぀の文節間の関係を「間」「係る」「越える」の3カテゎリずしお孊習するこずにより着目しおいる2文節の間にある文節やそれらより埌方にある文節ずの関係も考慮しお確率倀を蚈算できるこの係り受け解析モデルは最倧゚ントロピヌ(ME)モデルずしお実装され玠性には単語の衚局衚珟・品詞・掻甚圢・文節間距離などおよびそれらの組合せが利甚されおいる本研究ではさらに着目しおいる2文節の係り受けを仮定した堎合にその係り受けが匕甚節・挿入節の境界ず亀差するかどうかを玠性に加えるより具䜓的には次の通りである仮定した係り受けず匕甚節・挿入節の境界ずの関係は䞋蚘の3぀の堎合に分類できるそしお匕甚節ず挿入節のそれぞれに぀いお2文節の関係が䞋蚘の分類のうちどれに属するかを玠性倀ずしお䞎える\begin{itemize}\item{\bf仮定した係り受けず匕甚節・挿入節の境界ずが亀差する堎合}亀差が発生するのは以䞋の2通りの堎合であるこのずき2文節が実際に係り受け関係を持぀こずはないただし察象の2文節のうち係り文節が匕甚節あるいは挿入節の終端ずなっおいる堎合はこの分類に含めない\begin{itemize}\item2文節の䞀方のみが匕甚節・挿入節の内郚に含たれる\item2文節の双方が異なる匕甚節・挿入節の内郚に含たれる\end{itemize}\item{\bf仮定した係り受けず匕甚節・挿入節の境界ずが亀差しない堎合}亀差が発生しないのは以䞋の2通りの堎合である\begin{itemize}\item2文節がずもに匕甚節・挿入節の内郚に含たれない\item2文節がずもに同䞀の匕甚節・挿入節の内郚に含たれる\end{itemize}\item{\bf2文節のうち係り文節が匕甚節・挿入節の終端ずなっおいる堎合}この堎合には\ref{sec:ds_problem2}節で述べたように節の倖郚ず内郚ずの係り受けが䟋倖的に結ばれるので別の分類ずする\end{itemize}ただし匕甚節・挿入節の境界が適切に掚定されおいるこずが望たしいためこの玠性は図\ref{flow}の係り受け解析2回目のみに甚いるこの玠性を甚いるこずにより2文節間に仮定した係り受けず匕甚節・挿入節の境界ずが亀差する堎合にはこの2文節が実際に係り受け関係を持぀確率は䜎く掚定される\subsection{匕甚節・挿入節の自動認定}\label{sec:method_cb}本研究では䞋岡らが提案した機械孊習による文境界掚定法\cite{shitaoka_2005}に基づき匕甚節・挿入節の自動認定をテキストチャンキングの問題ずしお扱うこれにより匕甚節・挿入節の自動認定ず文境界掚定を同時に行なうこずが可胜ずなりこれらを別々に行なう堎合に比べお文境界掚定の誀りに察しおも頑健に動䜜するこずが期埅できるテキストチャンカにはSVM(SupportVectorMachines)に基づくYamCha\cite{YamCha}を甚いるYamChaではカヌネル関数ずしお倚項匏カヌネルを甚いるこずにより耇数の玠性の組合せを考慮した孊習が可胜であるたた掚定により埗られた前埌のチャンクラベルを動的玠性ずしお甚いるこずができる本手法ではチャンクラベルは文節ごずに付䞎するラベルには文境界に関するタグE:文末I:文末以倖ず匕甚節および挿入節に関するタグ衚\ref{kind_label}の3぀組を甚いる以䞋の䟋文~\ref{label}にラベル付䞎の䟋を瀺すラベル内のタグは順に文境界に関するタグ匕甚節に関するタグ挿入節に関するタグを衚わしおいる䟋えば「予算の」に付䞎されおいるラベル{\tt(I,B,B)}はこの文節が文末の文節ではなく匕甚節・挿入節の始端ずなっおいるこずを瀺す3぀のタグは同時に掚定されるためこのモデルでは文境界・匕甚節・挿入節の関係が考慮されおいる䟋えば匕甚節・挿入節の範囲が文境界を越えるこずはないので{\tt(E,I,O)}などずいうラベルが掚定されるこずはない\noindent䟋文\prob{\label{label}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,112)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,102){今は}\put(175,102){\texttt{(I,O,O)}}\put(20,106){\line(1,0){145}}\put(165,106){\line(0,-1){93.5}}\put(25,85){予算の}\put(175,85){\texttt{(I,B,B)}}\put(70,89){\line(1,0){5}}\put(75,89){\line(0,-1){8.5}}\put(50,68){関係だず}\put(175,68){\texttt{(I,E,I)}}\put(100,72){\line(1,0){5}}\put(105,72){\line(0,-1){8.5}}\put(60,51){思いたすが}\put(175,51){\texttt{(I,O,E)}}\put(70,34){䞀倏に}\put(175,34){\texttt{(I,O,O)}}\put(100,38){\line(1,0){15}}\put(115,38){\line(0,-1){8.5}}\put(80,17){䞉回ぐらいしか}\put(175,17){\texttt{(I,O,O)}}\put(150,21){\line(1,0){15}}\put(120,0){やりたせん}\put(175,0){\texttt{(E,O,O)}}\end{picture}YamChaの倚項匏カヌネル次数は3解析方向はRighttoLeftずし埌方3文節の動的玠性を利甚するSVMに䞎える玠性ずしおは以䞋のものを甚いる\begin{table}[t]\caption{チャンキングに䜿甚するタグの皮類}\label{kind_label}\begin{center}\input{01table01.txt}\end{center}\end{table}\begin{description}\item[(1)単語情報]\\単語情報ずしお衚局衚珟・読み・品詞情報・掻甚の皮類・掻甚圢を甚いる匕甚節の終端では「〜ず思う」「〜っお蚀う」などの衚珟が挿入節の終端では「〜ですが」「〜けれども」などの衚珟が倚甚される\item[(2)文節の前埌のポヌズ長]\\匕甚節や挿入節の前埌にはポヌズが入りやすいず考えられるそこで文節の前埌のポヌズ長を玠性ずしお利甚するなおポヌズ長ずしおは講挔ごずに平均ず分散で正芏化した倀を甚いるCSJでは200~msec以䞊のポヌズで区切られた単䜍を転蚘単䜍ずしお曞き起こしデヌタが䜜成されおおり各転蚘単䜍には開始・終了時刻が付䞎されおいるためこれからポヌズ長が蚈算できる\end{description}匕甚節・挿入節の終端を掚定する際には単語情報が倧きな手がかりずなるが以䞊の玠性はすべお局所的な情報でありこれらだけから始端も同時に掚定するのは困難である䟋えば以䞋の䟋文\ref{ex_depend}では「この蟺りは父から聞いた話なんですけど」の郚分だけを芋た堎合「他に自分が䜓隓したこずを話しおいる途䞭でこの蟺りの話は父から聞いた話なんですけど」ずいう意味でも解釈できるため「父から」が匕甚節の始端であるずは決定できないこの堎合「この蟺りは父から聞いた話なんですけど」の党䜓が挿入節に含たれる可胜性もある\noindent䟋文\prob{\label{ex_depend}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,112)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,102){この}\put(20,106){\line(1,0){15}}\put(35,106){\line(0,-1){8.5}}\put(20,85){蟺りは}\put(50,89){\line(1,0){125}}\put(175,89){\line(0,-1){76.5}}\put(30,68){父から}\put(70,72){\line(1,0){15}}\put(85,72){\line(0,-1){8.5}}\put(60,51){聞いた}\put(90,55){\line(1,0){15}}\put(105,55){\line(0,-1){8.5}}\put(80,34){話なんですけど}\put(100,17){昔}\put(110,21){\line(1,0){65}}\put(120,0){たんがだったんです}\end{picture}このように匕甚節・挿入節の始端を決定するためには倧域的な情報も必芁ずなるそこで始端を決定する際には自動掚定した係り受けの情報をあわせお利甚する匕甚節・挿入節の終端が既に埗られおいる堎合\ref{sec:ds_problem0}節および\ref{sec:method_ds}節で述べたような匕甚節・挿入節ず係り受け構造ずの関係により始端より前の文節の係り受けには図\ref{depend}のような制玄が成り立぀本手法ではこの制玄を利甚しチャンキングを2回にわたっお行なう1回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定1回目では䞊述の玠性のみを甚いお文境界および匕甚節・挿入節を自動認定するそしおここで埗られた文ごずに係り受け解析図\ref{flow}の係り受け解析1回目を行ない1回目のチャンキングで自動認定された匕甚節・挿入節の終端の情報をもずに以䞋の係り受けの確率を玠性に加えお2回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定2回目を行なう孊習デヌタに察する係り受け確率は孊習デヌタ内で10-foldcrossvalidationによっお係り受け解析を行なうこずで求める\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-1ia1f2.eps}\caption{匕甚節・挿入節の始端以前の係り受けに関する制玄}\label{depend}\end{center}\end{figure}\noindent{\bf(a)着目しおいる文節より前方にある文節が着目しおいる文節ず終端の間の文節に係る確率\\(b)着目しおいる文節の盎前の文節が終端より埌方の文節に係る確率\\}図\ref{depend}から䟋えば(a)の確率が小さく(b)の確率が倧きければその文節は始端になりやすいず掚枬される先の䟋文\ref{ex_depend}では「蟺りは」「聞いた」「話なんですけど」は前方の文節が着目しおいる文節に係るため(a)の確率が倧きくなるたた「父から」に぀いおは盎前の文節「蟺りは」が挿入節の終端「話なんですけど」より埌方に係るため(b)の確率が倧きくなるこれより「父から」が挿入節の始端であるず掚定できるこずが期埅される \section{評䟡実隓} label{sec:eval}匕甚節・挿入節の自動認定および係り受け解析の評䟡実隓を行なった実隓に甚いたコヌパスはCSJのコア188講挔暡擬講挔111講挔ず孊䌚講挔77講挔の曞き起こしであるこの䞭には6,148個の匕甚節ず818個の挿入節が含たれおいるこのうち168講挔を孊習デヌタ20講挔暡擬講挔11講挔ず孊䌚講挔9講挔をテストデヌタずしお甚いたたず䞋岡らの手法\cite{shitaoka_2005}に埓い単語情報ずポヌズ長を甚いお文境界を掚定した埌で埗られた文ごずに係り受け解析を行ないベヌスラむン粟床を求めた文境界掚定のF倀は85.6で係り受け解析粟床はopenテストで77.7\%,closedテストで86.6\%であったclosedテストでは188講挔のすべおを孊習に利甚しおいる\subsection{匕甚節・挿入節の自動認定結果}\label{sec:eval_cb}\ref{sec:method_cb}節で述べた手法を甚いお匕甚節・挿入節の自動認定を行ったその結果を衚\ref{result_yamcha}に瀺す衚\ref{result_yamcha}には以䞋の5皮類の実隓結果を瀺しおいる\begin{table}[b]\caption{匕甚節・挿入節の認定粟床文境界が未知の堎合}\label{result_yamcha}\begin{center}\input{01table02.txt}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\item係り受けを甚いない堎合1回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定1回目の認定粟床\itemopenテストで埗られた係り受けを甚いた堎合2回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定2回目の認定粟床\itemclosedテストで埗られた係り受けを甚いた堎合2回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定2回目の認定粟床\item正解の係り受けを甚いた堎合2回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定2回目の認定粟床係り受け確率はすべお1.0ずする\item1回目のチャンキング図\ref{flow}の境界掚定1回目における終端のみに぀いおの認定粟床\end{itemize}衚\ref{result_yamcha}によるず匕甚節の終端のおよそ9割は正しく怜出できおいる怜出できなかったものの䞭には「〜ず」で終わる文末や「〜っちゅう」「〜みたいな」など䜿われる頻床が比范的少ない衚局衚珟があった始端ずずもに正解した粟床はopenテストで自動掚定された係り受けを利甚するこずによっお向䞊した個々の文節における匕甚節のチャンクタグの掚定結果に぀いおマクネマヌ怜定を行なったずころ$p<0.01$で有意な改善が埗られおいるこずが分かったこれは本手法で玠性ずしお利甚した係り受け情報が有効に䜜甚したこずを衚わしおいる䟋えば以䞋の䟋文\ref{improve_yamcha}では1回目のチャンキングでは「倚分私が飌っおいたさくらの方だった」の郚分が匕甚節だず誀っお自動認定されたものの2回目のチャンキングで係り受けを利甚するこずにより「逃げたのは倚分私が飌っおいたさくらの方だった」の範囲が匕甚節であるず正しく自動認定されるようになった\noindent䟋文\prob{\label{improve_yamcha}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,112)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,102){逃げたのは}\put(60,106){\line(1,0){105}}\put(165,106){\line(0,-1){93.5}}\put(20,85){倚分}\put(40,89){\line(1,0){125}}\put(30,68){私が}\put(50,72){\line(1,0){15}}\put(65,72){\line(0,-1){8.5}}\put(40,51){飌っおいた}\put(90,55){\line(1,0){15}}\put(105,55){\line(0,-1){8.5}}\put(80,34){さくらの}\put(120,38){\line(1,0){15}}\put(135,38){\line(0,-1){8.5}}\put(90,17){方だったず}\put(150,21){\line(1,0){15}}\put(100,0){思うんですけれども}\end{picture}さらにclosedテストで埗られた係り受けや正解の係り受けを甚いた堎合は匕甚節の認定粟床は倧きく向䞊しおいるこのこずから係り受け解析粟床が改善されるのに䌎っお匕甚節の認定粟床も向䞊するこずが分かる䞀方挿入節に぀いおは係り受けを利甚しおもほずんど怜出できず挿入節の終端の倧半は文境界であるず掚定されおいた挿入節は文末衚珟ずしおもよく甚いられる「〜けれども」「〜ですが」の圢で終わるものが倚く文境界ずの区別が難しいこずが原因であるず考えられるこれらの区別は本手法で甚いた玠性だけでは困難であるそこで\ref{sec:additional_features}節に述べるようにフィラヌの有無や話速韻埋情報などを玠性ずしお甚いおみたが有意な粟床向䞊は芋られなかった今埌より広範な玠性を怜蚎する必芁があるず考える\subsection{節の自動認定結果を甚いた係り受け解析結果}\label{sec:eval_db}\begin{table}[b]\caption{係り受け解析粟床文境界が未知の堎合}\label{result_pepp}\begin{center}\input{01table03.txt}\end{center}\end{table}次に自動認定された匕甚節・挿入節を甚いお\ref{sec:method_ds}節の手法で係り受け解析図\ref{flow}の係り受け解析2回目を行なったずころ衚\ref{result_pepp}に瀺す結果ずなったここで甚いる匕甚節・挿入節の自動認定結果は衚\ref{result_yamcha}においおopenテストで埗られた係り受けを利甚したものである孊習デヌタにおいおも同様に2-foldcrossvalidationによっお匕甚節・挿入節の自動認定を行なった匕甚節・挿入節の自動認定結果を利甚するこずでopenテストにおける係り受け解析粟床は1.0\%向䞊したマクネマヌ怜定を行なったずころ本手法を甚いた係り受け解析粟床はベヌスラむンの粟床より$p<0.01$で有意に䞊回っおいるこずがわかったこの結果は匕甚節・挿入節の掚定に誀りがある堎合でも係り受け解析モデルが頑健に䜜甚したこずを瀺唆しおいる\begin{table}[t]\caption{匕甚節・挿入節の境界ず亀差する係り受けの数文境界が未知の堎合}\label{result_cross}\begin{center}\input{01table04.txt}\end{center}\end{table}そこで次に匕甚節・挿入節を含む文の係り受け解析における解析誀りの数の倉化に぀いお考察した衚\ref{result_cross}に匕甚節・挿入節の内郚ず倖郚を結ぶ誀った係り受けが掚定された数を瀺すこのような係り受け解析誀りの数は匕甚節・挿入節の掚定結果を利甚するこずで639個から572個に削枛された特に匕甚節の内郚から倖郚ぞず係る解析誀りの数が217個から128個ぞず倧きく削枛されたその理由は次のように考えられる䞀般に匕甚節や挿入節がある堎合はその前方にある文節は匕甚節や挿入節を越えお遠くの文節に係るこずが倚いその結果埓来の係り受けモデルでは遠くに係る係り受けが誀っお優先され匕甚節・挿入節の内郚から終端を越えお節の埌方に係るような係り受け解析の誀りが倚く発生しおいたしかし本手法によっお匕甚節に぀いおは認定粟床の高かった終端の情報を掻甚するこずでこのような解析誀りを削枛するこずができるようになったず考えられる䟋えば以䞋の䟋文\ref{improve_depend}では匕甚節・挿入節の情報を利甚せずに係り受け解析を行なった堎合には「挟んで」匕甚節内郚が「芚えおきお」匕甚節倖郚に係るず誀っお掚定されおいたものの「顔挟んで倖に出おしたう」の郚分を匕甚節ずしお自動認定できたこずにより「挟んで」匕甚節内郚が「出おしたうずいう」匕甚節内郚に係るように修正された\noindent䟋文\prob{\label{improve_depend}}\\[0.5zw]\begin{picture}(380,112)(-20,0)\linethickness{0.25pt}\put(0,102){顔}\put(20,106){\line(1,0){15}}\put(35,106){\line(0,-1){8.5}}\put(20,85){挟んで}\put(50,89){\line(1,0){25}}\put(75,89){\line(0,-1){25.5}}\put(40,68){倖に}\put(60,72){\line(1,0){15}}\put(50,51){出おしたうずいう}\put(140,55){\line(1,0){15}}\put(155,55){\line(0,-1){8.5}}\put(140,34){芞を}\put(160,38){\line(1,0){55}}\put(215,38){\line(0,-1){25.5}}\put(150,17){どこからか}\put(200,21){\line(1,0){15}}\put(180,0){芚えおきお}\end{picture}たた衚\ref{result_pepp}には匕甚節・挿入節の正解を䞎えた堎合すなわち認定粟床が100\%だったず仮定した堎合の係り受け解析の結果も瀺すこの堎合係り受け解析粟床はさらに改善されおおり匕甚節・挿入節の認定粟床の向䞊に䌎っお係り受け解析粟床も改善されるこずが分かる\subsection{節の自動認定ず係り受け解析の盞互䜜甚に関する考察}\label{sec:eval_interact}䞊述の実隓結果から匕甚節・挿入節の自動認定および係り受け解析の粟床は盞互の情報を利甚するこずにより高粟床化されるこずが確認できた単玔には同様のサむクルを繰り返すこずによりさらなる粟床向䞊が期埅されるそこで匕甚節・挿入節の自動認定結果ず係り受け解析の結果を再床盞互に利甚しおそれぞれの粟床がさらに改善されるかどうか調べたしかしながら匕甚節の認定粟床および係り受け解析粟床に有意な倉化は芋られなかったこれは䞀床匕甚節・挿入節の情報を利甚しお掚定した係り受けは珟圚埗られおいる節の認定範囲に察しお最適な状態になっおおりその結果を甚いおも始端の䜍眮はほずんど修正できないためず考えられる逆に再床盞互に掚定結果を利甚するこずで匕甚節の倖郚から内郚ぞず係る解析誀りがわずかに増加する結果ずなったこれは2回目のチャンキングで匕甚節の始端を再掚定する際に誀った係り受けの情報が優先され始端の䜍眮が誀っお文頭偎にずれたこずが原因ず掚枬される今埌の課題ずしお特に匕甚節の始端付近に぀いお係り受けの傟向を詳现に分析しより適切な係り受けの利甚法を怜蚎したい\subsection{文境界が既知の堎合の実隓結果}\label{sec:known_sb}\begin{table}[b]\caption{匕甚節・挿入節の認定粟床文境界が既知の堎合}\label{result_yamcha2}\begin{center}\input{01table05.txt}\end{center}\end{table}次に文境界掚定の誀りの圱響を調べるために正解の文境界を䞎えお匕甚節・挿入節の自動認定および係り受け解析を行なった評䟡結果を衚\ref{result_yamcha2}$\sim$衚\ref{result_cross2}に瀺す結果ずしお文境界を䞎えるこずにより匕甚節・挿入節の認定粟床係り受け解析粟床ずもに倧きく䞊昇した衚\ref{result_yamcha2}からは匕甚節だけでなく挿入節に぀いおも係り受けを利甚するこずで認定粟床が向䞊するこず衚\ref{result_pepp2}からは匕甚節・挿入節の自動認定結果を甚いるこずでopenテストでの係り受け解析粟床が0.6\%向䞊するこずなどが分かるたた匕甚節・挿入節の正解を䞎えた堎合係り受け解析粟床はさらに改善されるこずも分かるこれらの結果は文境界掚定の誀りの圱響がいかに倧きいかを瀺しおいる\begin{table}[t]\caption{係り受け解析粟床文境界が既知の堎合}\label{result_pepp2}\begin{center}\input{01table06.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{匕甚節・挿入節の境界ず亀差する係り受けの数文境界が既知の堎合}\label{result_cross2}\begin{center}\input{01table07.txt}\end{center}\end{table}しかしながら話し蚀葉においお曖昧ずなる匕甚節・挿入節および文境界の情報をすべお䞎えおも曞き蚀葉における係り受け解析粟床ず比べるず䟝然ずしお倧きな差がみられる話し蚀葉における係り受け解析粟床をさらに向䞊させるためには話し蚀葉特有の問題点に぀いおさらに調査を行なう必芁があるこれは今埌の課題である\subsection{その他の玠性を远加した堎合の実隓結果}\label{sec:additional_features}\ref{sec:method_cb}節で述べた玠性(1)ず(2)に䞋蚘の玠性を加えそれぞれの玠性の組み合わせを甚いお\ref{sec:eval_cb}節や\ref{sec:eval_db}節ず同様の実隓を行なった\begin{description}\item[文節の前埌のフィラヌの有無]\\匕甚節や挿入節の前埌にはポヌズだけでなくフィラヌも入りやすいず考えられるそこで文節の前埌のフィラヌの有無も玠性ずしお利甚する\item[文節の話速]\\挿入節では話者が早口になるず考えられるため各文節の話速をポヌズ長ず同様に正芏化しおから甚いる話速はモヌラあたりの平均発声時間によっお定矩するすなわち文節$b$の話速$rate(b)$は文節$b$が転蚘単䜍$u$に含たれるずき次匏で蚈算できる\[rate(b)=\frac{t_{end}(u)-t_{begin}(u)}{mora(u)}\]ここで$t_{begin}(u)$,$t_{end}(u)$は転蚘単䜍$u$の開始・終了時刻を衚わし$mora(u)$は転蚘単䜍$u$に含たれるモヌラ数である\item[文節内の基本呚波数の最倧倀]\\匕甚節・挿入節の境界の前埌では基本呚波数(F0)の䞊昇や䞋降が起こるこずが予想されるそこで各文節における基本呚波数の最倧倀を講挔ごずに正芏化したものを玠性ずしお甚いるCSJではF0曲線の頂点や曲線の倉化率が倧きく倉わる点屈曲点に察しお自動抜出されたF0倀が付䞎されおおり玠性ずしおはその倀を甚いる\item[文節の先頭・末尟の韻埋ラベル]\\CSJでは韻埋の倉化に関するラベリングが行なわれおいるラベリング䜓系には日本語の韻埋ラベリング法ずしお埓来甚いられおきたJ\_ToBI(JapaneseTonesandBreakIndices)\cite{JToBI}を自発音声に適甚するための拡匵が斜されたX-JToBI(eXtendedJ\_ToBI)\cite{X-JToBI}が甚いられおいるこれらのラベルは音声の基本呚波数のパタヌンや音韻の時間長倉化によるリズムを考慮しお定矩されたものである匕甚節・挿入節の始端や終端ではこれらの韻埋特城に倉化が起こるこずが考えられるそこで各文節の先頭および末尟に付䞎されおいるX-JToBIのトヌン局ラベルを玠性ずしお甚いるX-JToBIで定矩されおいるトヌン局ラベルの䟋を衚\ref{table:XJToBI}に瀺す\begin{table}[b]\caption{X-JToBIトヌン局ラベルの䟋}\label{table:XJToBI}\begin{center}\input{01table08.txt}\end{center}\end{table}\end{description}それぞれの玠性の組み合わせに察し個々のチャンクラベルの掚定結果に぀いおマクネマヌ怜定を行なったずころ単語情報ずポヌズ長以倖の玠性すなわちフィラヌの有無・話速・基本呚波数・韻埋ラベルを甚いおも有意氎準$p=0.01$ずした堎合有意な改善は埗られなかったこれは話速・基本呚波数・韻埋ラベルずいった音響的特城の珟れ方が匕甚節・挿入節においお䞍安定であるこずや䞊蚘の玠性から埗られる情報がすでに単語情報やポヌズ長から埗られおいるこずなどが原因ず考えられる \section{おわりに} label{sec:final}本論文ではCSJを察象ずしお匕甚節・挿入節を自動認定しその自動認定結果を係り受け解析に適甚する手法に぀いお述べた評䟡実隓により自動認定した匕甚節・挿入節の情報を係り受け解析に利甚するこずで係り受け解析粟床が改善されるこずを瀺した特に匕甚節の終端は高い粟床で掚定するこずができたためその情報を利甚するこずで匕甚節の内郚から終端を越えお倖郚に係る解析誀りを削枛するこずができた今埌の課題ずしおは実隓の考察を螏たえより広範な玠性の考慮より適切な係り受けの利甚法の怜蚎などによりさらなる粟床の改善を図るこずや音声認識結果に誀りがある堎合の頑健性に぀いお怜蚎するこずなどが挙げられるたた係り受け解析における話し蚀葉特有の問題点に぀いおもさらなる調査を行ないたい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原束本}{浅原\JBA束本}{2003}]{asahara}浅原正幞,束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠解析ずチャンキングの組み合わせによるフィラヌ蚀い盎し怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\651--654.\bibitem[\protect\BCAY{藀尟,束本}{藀尟\JBA束本}{1997}]{fujio_97}藀尟正和,束本裕治\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ統蚈的手法を甚いた係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚NL117-12},\BPGS\83--90.\bibitem[\protect\BCAY{叀井,前川,井䜐原}{叀井\Jetal}{2000}]{furui}叀井貞煕,前川喜久雄,井䜐原均\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ科孊技術振興調敎費開攟的融合研究掚進制床—倧芏暡コヌパスに基づく『話し蚀葉工孊』の構築—\JBCQ\\newblock\Jem{日本音響孊䌚誌},{\Bbf56}(11),752--755.\bibitem[\protect\BCAY{春野,癜井,倧山}{春野\Jetal}{1998}]{haruno}春野雅圊,癜井諭,倧山芳史\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ決定朚を甚いた日本語係受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(12),3177--3186.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{Kawahara:naacl2006}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{AFully-LexicalizedProbabilisticModelforJapaneseSyntact\icandCaseStructureAnalysis}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(HLT-NAACL2006)},\BPGS\176--183.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2002}]{Kudo:2002}工藀拓,束本裕治\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQチャンキングの段階適甚による係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(6),1834--1842.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2004}]{Kudo:2004}工藀拓,束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ盞察的な係りやすさを考慮した日本語係り受け解析モデル\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf46}(4),1082--1092.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2000}]{kudo_2000}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{JapaneseDependencyStructureAnalysisBasedonSupportVectorMachines}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2000JointSIGDATConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandVeryLargeCorpora},\BPGS\18--25.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2001}]{YamCha}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{ChunkingwithSupportVectorMachines}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndMeetingoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationofComputationalLinguistics(NAACL2001)},\BPGS\192--199.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋,é•·å°Ÿ}{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{1994}]{Kurohashi:94}黒橋犎倫,長尟眞\BBOP1994\BBCP.\newblock\JBOQ䞊列構造の怜出に基づく長い日本語文の構文解析\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf1}(1),35--57.\bibitem[\protect\BCAY{é»’æ©‹é•·å°Ÿ}{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{1997}]{K-corpus}黒橋犎倫,長尟眞\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ京郜倧孊テキストコヌパス・プロゞェクト\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第3回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\115--118.\bibitem[\protect\BCAY{前川菊池}{前川\JBA菊池}{2001}]{X-JToBI}前川喜久雄,菊池英明\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ{X-JToBI自発音声の韻埋ラベリングスキヌム}\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術研究報告},SP2001-106,\BPGS\25--30.\bibitem[\protect\BCAY{äžžå±±,柏岡,熊野,田侭}{äžžå±±\Jetal}{2003}]{maruyama}䞞山岳圊,柏岡秀玀,熊野正,田䞭英茝\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ節境界自動怜出ルヌルの䜜成ず評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\517--520.\bibitem[\protect\BCAY{Matsubara,Murase,Kawaguchi,\BBA\Inagaki}{Matsubaraet~al.}{2002}]{matsubara}Matsubara,S.,Murase,T.,Kawaguchi,N.\BBA\Inagaki,Y.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{StochasticDependencyParsingofSpontaneousJapaneseSpokenLanguage}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2002)},\BPGS\640--645.\bibitem[\protect\BCAY{Ohno,Matsubara,Kashioka,Maruyama,\BBA\Inagaki}{Ohnoet~al.}{2006}]{Ohno:coling-acl2006}Ohno,T.,Matsubara,S.,Kashioka,H.,Maruyama,T.\BBA\Inagaki,Y.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{DependencyParsingofJapaneseSpokenMonologueBasedonClauseBoundaries}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(COLING-ACL)},\BPGS\169--176.\bibitem[\protect\BCAY{癜井,池原,暪尟,朚村}{癜井\Jetal}{1995}]{SShirai:95}癜井諭,池原悟,暪尟昭男,朚村淳子\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ階局的認識構造に着目した日本語埓属節間の係り受け解析の方法ずその粟床\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf36}(10),2353--2361.\bibitem[\protect\BCAY{䞋岡,内元,河原,井䜐原}{䞋岡\Jetal}{2005}]{shitaoka_2005}䞋岡和也,内元枅貎,河原達也,井䜐原均\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ日本語話し蚀葉の係り受け解析ず文境界掚定の盞互䜜甚による高粟床化\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(3),3--18.\bibitem[\protect\BCAY{高梚,äžžå±±,内元,井䜐原}{高梚\Jetal}{2003}]{takanashi}高梚克也,䞞山岳圊,内元枅貎,井䜐原均\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ{話し蚀葉の文境界—CSJコヌパスにおける文境界の定矩ず半自動認定—}\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\521--524.\bibitem[\protect\BCAY{内元,関根,井䜐原}{内元\Jetal}{1999}]{uchimoto_99}内元枅貎,関根聡,井䜐原均\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ最倧゚ントロピヌ法に基づくモデルを甚いた日本語係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(9),3397--3407.\bibitem[\protect\BCAY{内元,村田,関根,井䜐原}{内元\Jetal}{2000}]{uchimoto_2000}内元枅貎,村田真暹,関根聡,井䜐原均\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ埌方文脈を考慮した係り受けモデル\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf7}(5),3--17.\bibitem[\protect\BCAY{内元,äžžå±±,高梚,井䜐原}{内元\Jetal}{2003}]{csj_kakariuke}内元枅貎,䞞山岳圊,高梚克也,井䜐原均\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ『日本語話し蚀葉コヌパス』における係り受け構造付䞎\JBCQ\\newblock\Jem{平成15幎床囜立囜語研究所公開研究発衚䌚予皿集}.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto,Hamabe,Maruyama,Takanashi,Kawahara,\BBA\Isahara}{Uchimotoet~al.}{2006}]{Uchimoto:lrec2006a}Uchimoto,K.,Hamabe,R.,Maruyama,T.,Takanashi,K.,Kawahara,T.\BBA\Isahara,H.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{Dependency-structureAnnotationtoCorpusofSpontaneousJapanese}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFifthInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2006)},\BPGS\635--638.\bibitem[\protect\BCAY{Venditti}{Venditti}{1995}]{JToBI}Venditti,J.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQ{JapaneseToBILabellingGuidelines}\BBCQ\\newblock{\BemPapersfromtheLinguisticsLaboratory.OhioStateUniversityWorkingPapersinLinguistics},{\Bbf50},127--162.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{浜蟺良二}{2005幎京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業2007幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋修了珟圚パナ゜ニックコミュニケヌションズ株匏䌚瀟に勀務圚孊䞭話し蚀葉凊理の研究に埓事}\bioauthor{内元枅貎}{1994幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1996幎同倧孊院修士課皋修了博士情報孊同幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人情報通信研究機構䞻任研究員自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{河原達也}{1987幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院修士課皋修了1990幎同博士埌期課皋退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1995幎同助教授1998幎同倧孊情報孊研究科助教授2003幎同倧孊孊術情報メディアセンタヌ教授珟圚に至るこの間1995幎から1996幎たで米囜ベル研究所客員研究員1998幎からATR客員研究員1999幎から2004幎たで囜立囜語研究所非垞勀研究員2001幎から2005幎たで科孊技術振興事業団さきがけ研究21研究者音声蚀語凊理特に音声認識・理解に関する研究に埓事京倧博士工孊1997幎床日本音響孊䌚粟屋朔孊術奚励賞受賞2000幎床情報凊理孊䌚坂井蚘念特別賞受賞情報凊理孊䌚連続音声認識コン゜ヌシアム代衚IEEESPSSpeechTC委員IEEEASRU2007GeneralChair蚀語凊理孊䌚理事を歎任情報凊理孊䌚音声蚀語情報凊理研究䌚䞻査日本音響孊䌚人工知胜孊䌚各評議員情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚蚀語凊理孊䌚IEEE各䌚員}\bioauthor{井䜐原均}{1978幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1980幎同倧孊院修士課皋修了博士工孊同幎通商産業省電子技術総合研究所入所1995幎郵政省通信総合研究所珟圚独立行政法人情報通信研究機構䞊垭研究員およびタむ自然蚀語ラボラトリヌ長自然蚀語凊理語圙意味論の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N03-16
\section{はじめに} \label{sec:introduction}日本語敬語は同じ内容を人物関係や堎面に応じお衚珟圢匏を䜿い分ける埅遇衚珟の䞀皮であり具䜓的には敬意や配慮を衚珟するための䞊向きの埅遇衚珟であるずされる\cite{kijutsu2009japanese}敬語の䜿甚には適切な文法芏則の適甚ず背景にある人物間の関係ぞの理解の䞡方が求められる\cite{harada1976honorifics}日本語敬語のうち文脈情報に応じお名詞・動詞・圢容詞を芏則に応じお倉化させる尊敬語や謙譲語が存圚するここで文脈情報ずしおは次の䟋が瀺すように話者聞き手䌚話に登堎する人々の間の瀟䌚的な関係に぀いおの情報がある\begin{exe}\ex文脈情報話者から芋お䜐藀先生は目䞊である\begin{xlist}\ex䜐藀先生がお読みになる\label{keigo_correct1}\ex䜐藀先生がいらっしゃった\label{keigo_correct2}\ex[*]{䜐藀先生がお読みする}\label{keigo_wrong1}\end{xlist}\end{exe}\begin{exe}\ex文脈情報話者ず䜐藀先生は同僚である\begin{xlist}\ex䜐藀先生が来なかった\label{keigo_correct3}\ex[\#?]{䜐藀先生がいらっしゃらなかった}\label{keigo_wrong2}\end{xlist}\end{exe}自然蚀語凊理のさたざたなタスクにおいお高い性胜を持぀事前孊習枈み倧芏暡蚀語モデルにも文脈情報ず文法知識の䞡方を掻甚しお敬語を理解する胜力が期埅されるしかし倧芏暡蚀語モデルがこれらの情報や知識をどの皋床適切に扱うこずができるかは明らかでないこれたでに日本語敬語を扱うデヌタセットは耇数提案されおいる\cite{matsumoto2022conversion,liu2022construction,someya2023jcola}これらの先行研究におけるタスク蚭定は文法的な情報のみを甚いたタスクで蚀語モデルの敬語理解における性胜を評䟡するこずを目的ずしおおり敬䜓文の背景にある情報を考慮した䞊での分析は行われおいない本研究では耇数のタスクずデヌタセットを甚いお倧芏暡蚀語モデルが文脈ずしお文脈情報を考慮しお敬語理解ができおいるかを分析するたず発蚀文に関連する人物間の瀟䌚的立堎や瀟䌚的関係に぀いおの文脈情報を入力に含めるような敬語理解タスクを導入する具䜓的には敬語が関わる文の容認性刀断タスクず敬語䜿甚が適切に考慮された文に倉換する敬語倉換タスクずいう2皮類のタスクを蚭定するそしお導入したタスクを想定したデヌタセットを構築する䞀぀目のアプロヌチずしお文の構造や瀟䌚的関係ずいった蚭定の制埡がしやすいテンプレヌト手法を甚いお新芏に日本語敬語デヌタセットを構築するたたより自然な文を甚いたデヌタセットを甚意するために既存の日本語敬語コヌパスからデヌタをサンプリングし文脈情報や異なる敬語の皮類を甚いた文をアノテヌションするこずで拡匵を行う最終的に甚意したこれらのデヌタセットを甚いお倧芏暡蚀語モデルが瀟䌚的関係を考慮しお敬語に関する容認性刀断や敬語倉換ができるかに぀いお評䟡を行う本研究で構築および拡匵を行ったデヌタセットは研究利甚可胜な圢でGitHub䞊で公開しおいる\footnote{\url{https://github.com/ynklab/japanese_honorifics}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{15table01.tex}%\hangcaption{\protect\citeA{kijutsu2009japanese}による日本語敬語の分類本研究では玠材敬語倪字郚分を分析察象ずしおいる}\label{table:honorifics_classification}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\setcounter{exx}{0} \section{背景} \label{sec:background}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{日本語敬語の抂芁}\label{sec:overview_japanese_honorifics}日本語敬語は話者が人物や話し蚀葉の状況に察しお敬意やぞりくだりを衚珟する方法ずしお機胜する\cite{kijutsu2009japanese}衚~\ref{table:honorifics_classification}に瀺されおいるように日本語敬語は既存研究では䌝統的に尊敬語謙譲語䞁寧語の䞉぀のタむプに分けられる䌝統的な分類においお尊敬語はある動䜜を行う動䜜䞻に察する敬意を瀺すために䜿甚され謙譲語は特定の人に察する話者のぞりくだりを瀺すために甚いられるたた䞁寧語は話者が聞き手や䌚話の状況そのものに察しおかしこたった態床を衚珟するために䜿甚される衚珟ずされおいる䞀方珟代の分類では日本語敬語は5皮類に分けられる\cite{kijutsu2009japanese,bunkacho2007shishin}以䞋珟代の日本語敬語の分類に぀いおそれぞれ説明する\begin{exe}\ex[]{先生がお越しになる.尊敬語}\label{ex:subject_honorifics}\ex[]{今床あなたのお母様もお誘いしたす.謙譲語}\label{ex:object_honorifics}\ex[]{こちらが倪郎です䞁寧語}\label{ex:polite_speech}\ex[]{雚が降っおおりたした䞁重語}\label{ex:courteous_language}\ex[]{ご参考たで矎化語}\label{ex:beafutification_language}\end{exe}\textbf{玠材敬語}は文䞭で蚀及された特定の人物玠材に察する敬意たたはぞりくだりを瀺すために䜿甚されるそのうち\textbf{尊敬語}($\sh$,SubjectHonorifics)は䌝統的な定矩ず同様ある動䜜を行う玠材に察する敬意の衚明に䜿甚される(\ref{ex:subject_honorifics})で話者は教垫に察する敬意を瀺すために「来る」の代わりに「お越しになる($\sh$)」を甚いおいる\textbf{謙譲語}($\oh$,ObjectHonorifics)はある行為の向かう先である玠材に察するぞりくだりを衚珟する圹割を持぀(\ref{ex:object_honorifics})では話者は聞き手の母に察する遠慮を瀺すために「誘う」の代わりに「お誘いしたす($\oh$)」を䜿甚しおいる䞀方察者敬語は話し蚀葉の聞き手に察する瀌儀や敬意を衚珟するために䜿甚される䞁寧語は察者敬語に分類される(\ref{ex:polite_speech})では話者は\textbf{䞁寧圢}「です」を\textbf{普通圢}「だ」の代わりに䜿甚しおいる䞁重語ず矎化語は玠材敬語ず察者敬語の䞡方の偎面を持っおいるこれらは物事や行為に察する敬意の衚明ず話者の品䜍を保぀ずいう䞡方の圹割を果たす(\ref{ex:courteous_language})は䞁重語の䟋で「降っおいたした」が「降っおおりたした」に倉換されおいる䟋である(\ref{ex:beafutification_language})は矎化語の䟋で名詞化された動詞「参考」に接頭蟞「ご」が加えられ「ご参考」ずなっおいる本論文では玠材敬語に焊点を圓お倧芏暡蚀語モデルの尊敬語および謙譲語を扱う胜力を評䟡するこずを目指す察者敬語の芁玠を持぀䞁寧語・䞁重語・矎化語(\ref{ex:polite_speech}--\ref{ex:beafutification_language})は䜿甚すべきか吊かの刀断が玠材敬語ず比べお䞻芳的であり評䟡方法の蚭蚈が困難であるなお尊敬語$\sh$や謙譲語$\oh$を含たない文を以䞋$\nh$(Non-Honorifics)ず呌ぶたた普通圢から䞁寧圢ぞの倉換は本研究の焊点ではないためすべおのデヌタを䞁寧圢で統䞀する以䞋日本語敬語の性質ずそれが倧芏暡蚀語モデルにずっお挑戊的なタスクたりうる背景を説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{瀟䌚的な関係}日本語の敬語は話者ず他の人ずの関係がその䜿甚に圱響を䞎える埅遇衚珟である\citeA{kijutsu2009japanese}は敬語䜿甚に関連する人物間の関係性ずしお階局関係e.g.,幎霢職業芪密さe.g.,芪族友人立堎関係e.g.,雇甚者-被雇甚者教垫-生埒などを挙げおいる本研究では文脈情報ずしお䞊述したような瀟䌚的な関係に぀いおの情報を明瀺的に入力ずしお含める敬語理解タスクを蚭蚈する倧芏暡蚀語モデルが瀟䌚的な䞊䞋関係を正しい敬語䜿甚を行う䞊での前提知識ずしお掻甚できるかは自明ではなく怜蚌の䜙地が残されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{匕甚文ず日本語敬語}日本語では特に曞き蚀葉においお誰かの発蚀や考えを匕甚する際のスタむルが敬語の遞択に圱響を䞎えるこずがある日本語の匕甚では匕甚助詞「ず」ず匕甚動詞「蚀う/思う/考える」などが甚いられる\cite{sunakawa1987citation}䞀般的には\textbf{間接匕甚}ず\textbf{盎接匕甚}ずいう2皮類のスタむルが存圚する\cite{yu2000directspeech}間接匕甚では匕甚笊を䌎わずに匕甚が行われ文党䜓の話者の芖点に基づいた敬語が適甚される䞀方で盎接匕甚では匕甚笊鉀括匧内の匕甚された内容は匕甚元の発蚀の話者の芖点で衚珟されるしたがっお匕甚笊内の発蚀文での敬語䜿甚の刀断は文章党䜓の話者ではなく匕甚郚分の話者の芖点に基づいお行われる衚~\ref{table:indicet_and_direct_speech}はこれらのスタむルの違いを具䜓的に瀺しおいる間接匕甚の䟋では敬称-さんを甚い「いらっしゃった」ずいう尊敬語を䜿甚するこずで話者から倪郎に察する敬意が衚珟されおいる察しお盎接匕甚の䟋では匕甚郚分の発話者である花子は発蚀の䞭で倪郎に察しお尊敬語を䜿うこずはないため匕甚笊内の文にも敬語は䜿甚されおいない盎接匕甚はそのような発蚀を話者ず倪郎ずの関係性に関わらず発話時のスタむルのたたで匕甚するこずを指す本研究の評䟡デヌタにはこれらの匕甚文におけるスタむルの䜿い分けを理解する必芁がある問題が含たれ倧芏暡蚀語モデルに日本語に特有な知識ぞの理解を芁求するものずなっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{15table02.tex}%\caption{日本語の盎接匕甚ず間接匕甚の䟋}\label{table:indicet_and_direct_speech}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{日本語敬語システム}\label{sec:systems_for_japanese_honorifics}既存研究ずしお敬語の誀甚を指摘するシステムや誀った敬語を正しいものに倉換するルヌルベヌスの敬語システムが提案されおいる\cite{shrato2006keigo,asukai2015keigo,noguchi2007keigo,tokumaru2020biziri,iwashita2008keigo}これらルヌルベヌスのシステムは敬語のさたざたな文法芏則や文章の背景にある文脈情報の倚様なパタヌンを網矅するこずは非垞にコストがかかるずいう点で限界がある文法芏則の面での䟋ずしお䞍芏則なものを含む動詞敬語の掻甚芏則に関する蟞曞を甚意する必芁があるこずが挙げられる\begin{exe}\ex芏則掻甚尊敬語買う$\rightarrow$お買いになる/買いなさる/買われる\label{ex:kau}\ex䞍芏則掻甚尊敬語来る$\rightarrow$*お来になる/来なさる/来られる/お越しになる\label{ex:kuru}\end{exe}(\ref{ex:kau})は尊敬語の芏則掻甚の䞀䟋を瀺しおいる\ref{sec:overview_japanese_honorifics}節を参照䟋えば「お買いになる」では「買う」に接頭蟞「お」ず接尟蟞「になる」が加えられおいる(\ref{ex:kuru})は尊敬語の䞍芏則掻甚の䟋である動詞「来る」は(\ref{ex:kau})ず同様「来なさる」「来られる」ずいう芏則掻甚を適甚するこずが可胜であるが「お来になる」の堎合非文法的ずなる代わりに䞍芏則掻甚圢ずしお「お越しになる」を尊敬語ずしお䜿甚するこずが可胜である事前孊習枈み蚀語モデルは敬語䜿甚にた぀わる文脈ず芏則の組み合わせパタヌン認識に぀いおルヌルベヌスシステムより高い衚珟力を有するこずが期埅されるしかし日本語敬語に関するタスクでの倧芏暡蚀語モデルの有甚性は未だ明らかではない本研究では倧芏暡蚀語モデルの文脈情報に応じお敬語芏則を柔軟に適甚する性胜の評䟡に焊点を圓おる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{日本語敬語デヌタセット}\label{sec:japanese_honorific_datasets}いく぀かの既存研究が敬語が関わるタスク蚭定で蚀語モデルの性胜を評䟡するデヌタセットを提案しおいる\cite{liu2022construction,someya2023jcola,matsumoto2022conversion}\citeA{liu2022construction}は倧芏暡な日本語敬語コヌパスであるKeiCOコヌパスを構築し敬語文を入力ずしお取りその敬語レベルたたは文䞭に䜿甚されおいる敬語の皮類を刀定する分類タスクを提案した衚~\ref{fig:existing_datasets}の䞊郚がKeiCOコヌパスの䟋であるデヌタには敬語レベル敬語の皮類そしお蚀語の䜿甚される状況を瀺すフィヌルドがラベルずしお䞎えられおいるKeiCOコヌパスでは各文には1から4の敬語レベルが割り振られおいる敬語レベル1が最も敬意の床合いが高く4が最も䜎いこずを意味する敬語の皮類に぀いおは「尊敬語」は$\sh$「謙譲語」は$\oh$「䞁寧語」はそれらを含たない䞁寧圢の文を意味する敬語レベル1および2の文には「尊敬語」たたは「謙譲語」のみが含たれレベル3の文には「䞁寧語」のみが含たれる敬語レベル4の文は普通圢であり敬語は含たれおいないたた\citeA{someya2023jcola}は孊術文献からさたざたな日本語の蚀語珟象の甚䟋を収集しお日本語容認性刀断ベンチマヌクJCoLAを構築した衚~\ref{fig:existing_datasets}の䞭倮郚にJCoLAのデヌタ䟋を瀺す「ラベル」列は文が容認可胜であるかそうでないかをそれぞれ1ず0で衚しおいるJCoLAでは尊敬語は䞻語-動詞䞀臎のサブカテゎリずしお扱われ``verb.agr''列に1がラベリングされおいるものがこれにあたるこれらの研究は評䟡実隓においお日本語敬語の文法的偎面に焊点を圓おおおり文脈情報を芁求するタスク蚭定での実隓は行っおいない\citeA{matsumoto2022conversion}は垞䜓文を入力ずしお敬䜓文を出力する敬語倉換タスクを導入しその評䟡甚デヌタセットを提案したたたタスク蚭定に際しお敬語倉換タスクにおいお人物間の瀟䌚的関係に関する情報を考慮する必芁性に぀いお蚀及しおいるしかし\citeA{matsumoto2022conversion}では人物間の瀟䌚的関係に関する情報を考慮した蚀語モデルの評䟡は行われおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{15table03.tex}%\caption{既存の日本語敬語デヌタセットのデヌタ䟋}\label{fig:existing_datasets}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%これらの既存研究を螏たえるず蚀語モデルの性胜を評䟡するための文法的知識ず文脈情報の双方を芁する敬語理解タスクのベンチマヌクは管芋の限りは存圚しおいない\citeA{someya2023jcola}の䟋のように発蚀文自䜓に文脈情報を瀺唆する情報が統語的な芁玠ずしお埋め蟌たれおいる堎合は発蚀文そのものから適切な敬語を予想するこずは可胜である䟋えば敬称\mbox{-さん/}-先生などがこのようなケヌスにあたるしかし敬語皮類の遞択に圱響を及がす文脈情報は必ずしも文自䜓には珟れないため入力ずしお文脈情報を明瀺的に含めるこずでより厳密に敬語理解胜力を枬るタスク蚭定ずなるず考えられる本研究では敬語に関する文法的知識に加えお文脈情報を垞に芁求する敬語理解タスクを蚭蚈しこれらのタスクの日本語敬語デヌタセットを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\setcounter{exx}{0} \section{デヌタセット} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{敬語理解タスク}\label{sec:honorific_understanding_tasks}本研究では倧芏暡蚀語モデルの日本語敬語理解の評䟡を目的ずしたタスクずしお\textbf{容認性刀断タスク}および\textbf{敬語倉換タスク}を蚭定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f1.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:task_setting_classification}%%%%\label{fig:task_setting_generation}\caption{本研究で蚭定する2぀の敬語タスクの図解}\label{fig:task_settings}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{容認性刀断タスク}尊敬語・謙譲語の遞択は文章の容認性に圱響を䞎える\cite{someya2023jcola}%%%%本研究では図~\ref{fig:task_setting_classification}に瀺す容認性刀断タスクを分類タスクずしお導入する本研究では図~\ref{fig:task_settings}aに瀺す容認性刀断タスクを分類タスクずしお導入する容認性刀断タスクは発蚀文ず付随する文脈を入力ずしお䞎えられた文章が敬語䜿甚の芳点から適切かどうかの二倀ラベルを出力するタスクである本研究で導入するタスク蚭定ず\citeA{someya2023jcola}の蚭定の違いは本研究では入力内で明瀺的に文脈情報を提䟛しおいるのに察し\citeA{someya2023jcola}ではモデルは䞎えられた発蚀文のみを甚いお容認性を刀断する必芁がある点である以䞋に同じ文脈の䞋での適切な敬語䜿甚を含む文ず䞍適切なものを含む文の䟋を瀺す\begin{exe}\ex文脈埓業員からCEOぞの発蚀\label{ex:acceptability}\begin{xlist}\ex[]{い぀ごろお戻りになる/戻られる($\sh$)予定ですか}\label{ex:acceptable}\ex[\#]{い぀ごろ戻る($\nh$)予定ですか}\label{ex:acceptable_depending_on_context}\ex[*]{い぀ごろお垰りする/お戻りする($\oh$)予定ですか}\label{ex:unacceptable}\end{xlist}\end{exe}(\ref{ex:acceptability})は埓業員がCEOにい぀ごろ戻るかを確認する発蚀である\#は談話䞊䞍適切で容認性が䜎いこずを*は非文法的であるこずを衚すたた$\sh$$\oh$$\nh$は尊敬語を含む文謙譲語を含む文そのいずれでもない文をそれぞれ指す\ref{sec:overview_japanese_honorifics}節を参照(\ref{ex:acceptable})では「お戻りになる/戻られる」に尊敬語が䜿われおおり文脈に瀺される職䜍関係を考えるず適切な遞択である䞀方で尊敬語を含たない(\ref{ex:acceptable_depending_on_context})や謙譲語を甚いた(\ref{ex:unacceptable})は職䜍が異なる二者感の敬意関係ず敎合性がずれず埓っお䞍適切で容認䞍可胜な文である(\ref{ex:acceptable_depending_on_context})は远加の特定の文脈情報を提䟛するこずでより容認床が高くなる可胜性がある䟋えば二者が長幎の知り合いであり仕事䞊の繋がりを超えた関係性を有しおいる堎合尊敬語を䜿甚しなくおも問題ずならない状況は想定しうるしかし職務䞊の圹割の違いの情報のみが䞎えられた堎合は(\ref{ex:acceptable})が(\ref{ex:acceptable_depending_on_context})より適切である本研究では入力に含たれる文脈情報のみに基づいお最善の遞択であるかどうかをモデルに決定させるたた可胜な限り正解ラベルに぀いお議論の䜙地を残さないために敬語䜿甚に関する立堎の差を説明したものe.g.,AはBよりも目䞊の立堎であるや職䜍関係など固定的な人物関係e.g.,恋人に察する発蚀であるを文脈情報ずしお想定する「目䞊の」などの衚珟や人物関係の皮類は\citeA{bunkacho2007shishin,kijutsu2009japanese}をはじめずした日本語敬語に぀いおの耇数文献を参考に䞀般的なものを著者間で議論しお遞定しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{敬語倉換タスク}より実甚的な堎面を考慮しお前節で説明した容認性刀断タスクに加えお敬語倉換タスクを生成タスクずしお導入する%%%%図~\ref{fig:task_setting_generation}はこのタスク蚭定を図解したものである図~\ref{fig:task_settings}bはこのタスク蚭定を図解したものであるモデルは文ず文脈を入力ずしお受け取り正しい敬語䜿甚を行うように倉換した文を生成する\citeA{matsumoto2022conversion}で提案された敬語倉換タスクの蚭定ず本研究で提案する蚭定には以䞋に述べるような䞻芁な違いがあるたず容認性刀断タスクず同様入力には文脈を説明する文章が明瀺的に含たれおいるたた\citeA{matsumoto2022conversion}は垞䜓文から敬䜓文ぞのスタむル倉換を導入したが今回の蚭定では入力には$\nh$からなる文だけでなく$\sh$ないし$\oh$を含む文も含たれおいるこれには(\ref{ex:acceptable_depending_on_context})から(\ref{ex:acceptable})ぞの倉換のような$\sh$もしくは$\oh$から$\nh$ぞの倉換や(\ref{ex:unacceptable})から(\ref{ex:acceptable})ぞの倉換のような敬語の皮類の倉曎が含たれる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセット構築}\label{sec:dataset_construction}前節で玹介された敬語タスクで倧芏暡蚀語モデルの性胜を評䟡するために本研究ではテンプレヌト手法\ref{sec:template_based_method}節ずコヌパス手法\ref{sec:corpus_based_method}節の2぀の手法を甚いお日本語敬語デヌタセットを構築する各提案手法にはそれぞれ異なる利点が存圚するたずテンプレヌト手法では制埡された条件のもずで問題を生成するこずが可胜になるこれにより倧芏暡蚀語モデルを文構造や敬語の皮類のパタヌンずいった特定の基準に基づいお評䟡するためのデヌタが埗られる䞀方でコヌパス手法の利点はより自然で倚様な文デヌタを集めるこずができる点にある自然な文デヌタを䜿甚するこずは倧芏暡蚀語モデルが人間の実際の蚀語䜿甚にどれだけ適合しおいるかを正確に評䟡するこずに繋がるさらに倚様な衚珟を含むデヌタセットを評䟡に䜿甚するこずでモデルの性胜におけるバむアスを緩和するこずができるデヌタセットの拡匵性ずいう点で珟状ではコヌパス手法ず比范しおテンプレヌト手法が優れおいるず考えられる\ref{sec:corpus_based_method}節で埌述するように本研究におけるコヌパス手法では尊敬語ないし謙譲語を含む文ずそうでない文をペアずしお収集するこずが可胜なコヌパスを前提ずしおいる今回䜿甚するKeiCOコヌパスは珟圚提案されおいる前述の条件を満たす蚀語資源の䞭では最倧であるが正しい尊敬語もしくは謙譲語を含む敬語レベル2のデヌタの総数が2046件であるこずを考えるず収集できるデヌタペアも必然的にそれ以䞋に限られるこずが分かる察照的にテンプレヌト手法では文テンプレヌトおよび関係性テンプレヌトの䜜成やプレヌスホルダヌに埋め蟌む語圙の数を増やすこずで盎接的にデヌタセットを拡匵するこずが可胜である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テンプレヌト手法}\label{sec:template_based_method}本研究では問題テンプレヌトを手動で䜜成しプレヌスホルダヌに語圙を埋めるこずによっお半自動的に日本語の敬語デヌタセットを䜜成する図~\ref{figure:template_based_construction_method}はテンプレヌトベヌスの構築手法の抂芁を衚しおいる各問題テンプレヌトには関係性テンプレヌト文テンプレヌト敬語の皮類の䞉芁玠が含たれる衚~\ref{table:template_based_templates}には問題テンプレヌトの䟋が瀺されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{関係性テンプレヌト}関係性テンプレヌトは話者(\textit{speaker})ある行為の動䜜䞻(\textit{actor})およびその行為の向かう先ずなる人(\textit{target})の間の瀟䌚的な立堎関係を衚珟するたずえばspeaker=actor$<$targetはspeakerがactorず立堎䞊近い関係にありtargetが䞡者より高い立堎にあるこずを意味するこのような堎合speakerずactorからtargetに察する敬意を反映するような発蚀を行うこずが話者には求められる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{文テンプレヌト}文テンプレヌトには人物の名前ず動詞のプレヌスホルダヌが含たれるe.g.,actorがtargetにVここでVは動詞のプレヌスホルダを指すたた文テンプレヌトは次の7皮類の文構造のパタヌンを含む\newpage%%%%\begin{minipage}{\textwidth}\begin{itemize}\setlength{\itemsep}{0cm}\item\textsc{simple\_one}\item\textsc{simple\_two}\item\textsc{scrambling}\item\textsc{direct\_speech\&scrambling}\item\textsc{indirect\_speech\&scrambling}\item\textsc{direct\_speech\&center\_embedding}\item\textsc{indirect\_speech\&center\_embedding}\end{itemize}%%%%\end{minipage}%%%%\par%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f2.pdf}\end{center}\caption{提案手法テンプレヌトベヌスのデヌタセット構築}\label{figure:template_based_construction_method}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textsc{simple\_one}は䞀぀の動詞ず䞀぀の人物の文を含むe.g.,AがV\textsc{simple\_two}は䞀぀の動詞ず二぀の人物の文であるe.g.,AがBにV\textsc{scrambling}は意味を保存したたた䞻語ず目的語の順序が入れ替わるような\textbf{かき混ぜ}ず呌ばれる統語珟象を持ち䞀぀の動詞ず二぀の人物を含む文を指すe.g.,BにAがV\textsc{scrambling\&direct\_speech}はかき混ぜず盎接匕甚の組み合わせで二぀の動詞ず二぀の人物からなる文であるe.g.,「BがV\_2」ずAがV\_1\ref{sec:overview_japanese_honorifics}節で説明したように盎接匕甚は話者が他の人の発蚀を発蚀時のたたの衚珟で鉀括匧を甚いお匕甚するスタむルである\textsc{scrambling\&indirect\_speech}はかき混ぜず間接匕甚の組み合わせからなり二぀の動詞ず二぀の人物を含むe.g.,BがV\_2ずAがV\_1間接匕甚は匕甚文が匕甚郚分を含めお文党䜓の話者の芖点から述べられるスタむルで匕甚笊は䜿甚されない\textsc{center\_embedding\&direct\_speech}は䞭倮埋め蟌みず盎接匕甚の組み合わせからなる文で二぀の動詞ず二぀の人物を含むe.g.,Aが「BがV\_2」ずV\_1\textbf{䞭倮埋め蟌み}ずは節が他の節の䞻語ず述語の間に埋め蟌たれるような統語珟象である\textsc{center\_embedding\&indirect\_speech}は䞭倮埋め蟌みず間接匕甚の組み合わせからなる文で二぀の動詞ず二぀の人物を含むe.g.,AがBがV\_2ずV\_1%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{15table04.tex}%\hangcaption{問題テンプレヌトの䟋\textsc{ds}は盎接匕甚(\textsc{direct\_speech})\textsc{is}は間接匕甚(\textsc{indirect\_speech})\textsc{ce}は䞭倮埋め蟌み(\textsc{center\_embedding})\textsc{sc}はかき混ぜ(\textsc{scrambling})を指す}\label{table:template_based_templates}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞊に登堎した統語珟象を遞んだ理由ずしおそれらが日本語の敬語における文法芏則に関連する偎面があるこずが挙げられるかき混ぜ文ず䞭倮埋め蟌みはいずれも文䞭の項の統語䜍眮を操䜜するような蚀語珟象であり䞻語ず動詞の䞀臎が関わる尊敬語や目的語が誰であるかが重芁ずなる謙譲語を理解する䞊で文の理解をモデルにずっお挑戊的にするず考えられる盎接匕甚ず間接匕甚に関しおは匕甚笊内の郚分が元の話者の芖点で述べられおいるか匕甚郚分以倖を含めた文党䜓の話者の芖点で述べられおいるかにより敬語の適甚の可吊に圱響を受けるずされる具䜓䟋は衚~\ref{table:indicet_and_direct_speech}を参照%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{敬語の皮類}䜜成された問題テンプレヌトは文テンプレヌト内の動詞に察応する1぀たたは2぀の敬語の皮類を持っおいるこれらは関係性テンプレヌトず文テンプレヌトを螏たえお最も適切であるず䞀意に定たる敬語の皮類である$\sh$および$\oh$がそれぞれ尊敬語ず謙譲語を持぀文に$\nh$が尊敬語も謙譲語も必芁ずしない文にラベリングされる文テンプレヌト内に二぀の泚目する動詞がある堎合テンプレヌトには二぀の敬語の皮類が䞎えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{問題の生成}問題テンプレヌト内の動詞ず人名のプレヌスホルダヌにランダムに語圙を埋め蟌むこずでデヌタセットを䜜成する語圙に関しおは本研究では23個の動詞ず19個の人名を䜿甚する動詞に぀いおは珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)においお頻床が高く日垞的に甚いられるず考えられるものを人手で遞定したたた「盗む」のように通垞敬語を適甚するこずができないような動詞を陀倖した人名に関しおは2022幎の日本で最も倚い姓を䞊から遞定した\footnote{\url{https://myoji-yurai.net/prefectureRanking.htm}2024幎2月2日にアクセス}問題を生成する流れずしお以䞋の流れで文脈文ず発蚀文を生成するたず関係性テンプレヌトのspeakeractortargetに察しおそれぞれ別々の語圙を蟞曞からランダムで埋め蟌むそしお語圙を埋め蟌んだ関係性の等匏・䞍等匏衚珟を甚意された察応する自然蚀語文に倉換するこずで人物間の関係性を説明する自然蚀語文を生成する事前実隓の結果文脈情報は関係性テンプレヌトにある等匏・䞍等匏の圢匏よりも自然蚀語文ずしおプロンプトに入れた堎合の方がタスクの性胜が良かったためこのような倉換を行っおいる次に入力ず出力に甚いる発蚀文を文テンプレヌトの人物名および動詞のプレヌスホルダに語圙を埋め蟌むこずでそれぞれ生成するこのずきたず敬語的に最も適切な文を生成するために問題テンプレヌトにラベリングされおいる敬語の皮類を埋め蟌む動詞に適甚するたた敬語的に䞍適切な文を生成するために文テンプレヌトに指定されおいない敬語の皮類を埋め蟌む動詞に適甚する最終的に文脈情報の文入力に䜿う発蚀文そしお出力に䜿う発蚀文を含む問題デヌタを生成する%%%%衚~\ref{table:generated_problems_template_based}に衚~\ref{table:generated_problems}aにテンプレヌト手法デヌタセットが持぀問題デヌタの䟋を茉せる䜿甚する語圙に぀いお以䞋の2点が今埌の課題ずしお残されおいるたず生成される問題の倚様性を担保する目的で䜿甚する語圙の数量をより増やすこずが求められるたた本研究では名前に䌎う「さん/先生/博士」ずいった敬称をランダムに割り振っおいるが敬称間の䞀般的な䞊䞋関係や曖昧性に぀いお考慮できおいない䟋えば文脈ずしお「加藀博士は山田教授の目䞊の立堎である」ずいう内容のものが生成される堎合があるが「加藀博士」の指すずころが「博士孊生」か「博士号を取埗した教授」のいずれであるかによっおデヌタずしおの自然さが倉わるず考えられる敬称がもたらす曖昧性や敬称に関わる文脈の制埡は今埌の課題ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{15table05.tex}%\hangcaption{䜜成した問題デヌタの䟋文脈ず文を入力ずし正解の出力を予枬させるタスクであるこずを瀺す}\label{table:generated_problems}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{コヌパスベヌスの手法}\label{sec:corpus_based_method}コヌパス手法によるデヌタセット構築の手順は以䞋の通りである\begin{enumerate}\itemコヌパスから文のペアを収集する\item各ペアに察しお文脈情報ず䞍適圓な敬語を持぀文を䜜成しお割り振る\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{文ペアの収集}KeiCOコヌパス\cite{liu2022construction}からデヌタをフィルタリングし以䞋の手順で敬語ず$\nh$の文のペアを収集するKeiCOコヌパスに぀いおは衚~\ref{fig:existing_datasets}を参照たずコヌパスでラベル付けられた敬語レベルによっお文をフィルタリングする\ref{sec:japanese_honorific_datasets}節で説明したようにKeiCOコヌパスの敬語レベル1ず敬語レベル2には$\sh$たたは$\oh$を持぀文が含たれおいる敬語レベル1の䞀郚のデヌタにおいお二重敬語\cite{bunkacho2007shishin}ず呌ばれる同䞀皮類の敬語が二重に適甚されるこずで䞀般に過剰で䞍適切ずされるような衚珟を含むこずを発芋したため敬語レベル2のデヌタのみを䜿甚するこずにした次に䌚話の状況を衚すフィヌルドによっおフィルタリングを行うここでは「挚拶」や「謝眪」など慣習的に甚いられるようになったフレヌズを持぀可胜性があるフィヌルドをできるだけ陀倖したこれは固定化された衚珟は人物関係に関わらず䜿甚される可胜性があり本研究で蚭定するタスクでは評䟡が困難ずなるためであるそしおフィルタリングで残った$\sh$を含む文および$\oh$を含む文に察しお意味的に察応する$\nh$を含む文を敬語レベル3のデヌタからパタヌンマッチで察応させそれらを3぀組のデヌタ組ずしおたずめる収集した124件のデヌタ組を目芖で確認しおマッチに倱敗しおいるものや動詞敬語が含たれない文デヌタ組を削陀し最終的に70件の文デヌタ組を取埗する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{文脈情報ず䞍適圓な敬語䜿甚の文の䜜成}収集した文のペアに察しお発蚀文に䞎える文脈情報ずコヌパスに含たれおいない䞍適圓な敬語䜿甚を含む文を䜜成し割り圓おる文脈情報に぀いおは䞀方が他方ず芪しい関係にあるようなものず䞀方が他方に敬意を瀺す必芁があるようなものの2パタヌンを甚意する前者は恋人や芪友などの関係を含み埌者は生埒ず教垫の関係や郚䞋ず䞊叞の関係などを含む䞍適圓な敬語䜿甚を含む文に぀いおはもずもず収集しおいた文に぀いお誀った敬語の皮類を適甚した動詞に眮き換えるこずで䜜成する䟋えば文のペアが「䜕幎ぶりに日本ぞ垰られる($\sh$)のですか」ず「䜕幎ぶりに日本ぞ垰る($\nh$)のですか」である堎合動詞「垰る」を眮き換えお「䜕幎振りにお垰りする($\oh$)のですか」\footnote{この䟋では疑問文であるこずから䞻語が聞き手であるずいう掚察ず「垰る」が自動詞であるずいう知識から話者間の関係性に関わらず「お垰りする」ずいう謙譲語が垞に䞍正確ずなるず刀断するこずができおしたう本研究では問題で芁求する文法的知識を動詞の敬語掻甚に限定しお機械的に凊理しおいるためこのような文が意図しない圢で含たれる堎合があるこのような堎合に぀いおは著者の刀断で蚱容あるいは陀去を行っおいる}を䜜成するこずができる容認性刀断タスク甚に$\sh$$\oh$$\nh$の3぀の敬語の皮類および敬語倉換タスク甚に3぀の敬語倉換のパタヌンを甚意する䟋えばコヌパスから$\sh$をサンプリングした堎合䞀方が他方ず芪しい関係にあるような敬語䜿甚を芁求しない文脈においおは$\sh\rightarrow\nh$$\oh\rightarrow\nh$$\nh\rightarrow\nh$の3パタヌンを䞀方が他方に敬意を瀺す必芁があり察象の敬語䜿甚を芁求される文脈においおは$\sh\rightarrow\sh$$\oh\rightarrow\sh$$\nh\rightarrow\sh$の3パタヌンを甚意する最終的に䞀぀の文のセット($\sh$$\oh$$\nh$)に぀き2皮類の文脈情報のパタヌンを甚いお蚈6぀の問題を生成するこずができる%%%%衚~\ref{table:generated_problems_corpus_based}に生成された問題の䟋を瀺す衚~\ref{table:generated_problems}bに生成された問題の䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセット統蚈}\label{sec:dataset_statistics}衚~\ref{table:dataset_statistics}はテンプレヌト手法デヌタセットずコヌパス手法デヌタセットのデヌタセット統蚈を瀺しおいるテンプレヌト手法デヌタセットに぀いおは容認性刀断タスク甚に184問敬語倉換タスク甚に230問を䜜成する問題デヌタの数の違いは敬語の皮類のパタヌンの違いによるものである容認性刀断タスクではテンプレヌトに元の文の敬語の皮類がラベリングされおおり敬語倉換タスクでは倉換前ず倉換埌の䞡方の文の敬語の皮類がラベリングされおいるコヌパス手法デヌタセットに぀いおは各タスクに぀いお420問を䜜成する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{15table06.tex}%\caption{デヌタセットの統蚈}\label{table:dataset_statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{テンプレヌト手法デヌタセットの定性的な品質評䟡}テンプレヌト手法で生成されたデヌタセットの品質に぀いお定性的な評䟡を行う分類タスクおよび生成タスクのデヌタからサンプリングした100件ず぀に぀いお日本語文法を含む理論蚀語孊の玠逊がある研究者2名が評䟡を行った結果それぞれ95\%92\%が自然であるず刀断された自然さに議論の䜙地があるずされた10件皋床のデヌタのうち倚くは\ref{sec:template_based_method}節でも蚀及された敬称が想起させる䞀般的な立堎関係ずのミスマッチによるものであった䟋えば「加藀先茩はあなたず山田教授の目䞊の立堎にありあなたず山田教授の敬意の察象です」ずいう文脈においお「加藀先茩に山田教授が感謝なさいたす」ずいう敬語文が正しいずされおいる問題に぀いお特別な文脈を蚭定しない限り先茩は孊生であり教授は先生を想起させ問題ずしお䞍自然ではないかずいった指摘があった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\setcounter{exx}{0} \section{実隓蚭定} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{モデル}\label{sec:models}本研究の実隓ではGPT-3.5\texttt{gpt-3.5-turbo-0613}\footnote{GPT-3.5の最新バヌゞョンずしおリリヌスされおいた\texttt{gpt-3.5-turbo-1106}が実隓を行った時点で䞍安定であるず報告されおいたためこのバヌゞョンを遞択した\url{https://community.openai.com/t/gpt-3-5-turbo-1106-is-very-slow/492450/24}}およびGPT-4(\texttt{gpt-4-1106-preview})を評䟡察象ずするNejumiLLMリヌダボヌドNeo\footnote{\url{https://wandb.ai/wandb-japan/llm-leaderboard/reports/Nejmi-LLM-Neo--Vmlldzo2MTkyMTU0}}で䞊䜍であるこずからも分かるように䞡モデルは日本語タスクの総合的な性胜においお珟状最も優れおいるこずが遞定理由ずしお挙げられるこれらのモデルは重みが公開されおおらずOpenAIAPI\footnote{\url{https://platform.openai.com/docs/guides/text-generation/chat-completions-api}}を通じおアクセス可胜である出力内容の再珟性を可胜な限り維持するため掚論段階で枩床パラメヌタを0に蚭定するその際埌述する各蚭定に察しお詊行を1床行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{プロンプト蚭定}\label{sec:prompt_settings}プロンプトベヌスの掚論を行う際に倧芏暡蚀語モデルが出力する内容はプロンプト指瀺文の構成方法に倧きく䟝存する実隓では4皮類の異なるプロンプト蚭定を準備した$\zeroshot$zero-shotのみ$\fewshot$few-shotのみ$\zeroshotcot$zero-shotずChain-of-Thoughtおよび$\fewshotcot$few-shotずChain-of-Thought図~\ref{fig:classification_prompt_examples}ず図~\ref{fig:generation_prompt_examples}は容認性刀断タスクおよび敬語倉換タスクのそれぞれのプロンプト蚭定で䜿甚された実際のプロンプト文の䟋を瀺しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f3.pdf}\end{center}\hangcaption{容認性刀断タスクで甚いたプロンプトの䟋\text{[Taskdescription]}には衚\ref{table:task_description_types}で説明したタスク説明文が入る\text{[Omitted]}はタスク事䟋が省略されおいる}\label{fig:classification_prompt_examples}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f4.pdf}\end{center}\hangcaption{敬語倉換タスクで甚いたプロンプトの䟋\text{[Taskdescription]}には衚\ref{table:task_description_types}で説明したタスク説明文が入る\text{[Omitted]}はタスク事䟋が省略されおいる}\label{fig:generation_prompt_examples}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{タスク説明文の皮類}タスク説明文の衚珟や単語の順序による圱響を枛らすため各蚭定に察しお2皮類のタスク説明文を甚いお個別の評䟡実隓を行いそれぞれのスコアの平均を最終スコアずしお採甚する衚~\ref{table:task_description_types}はコヌパス手法デヌタセットでの容認性刀断タスクで䜿甚されたプロンプト文を瀺しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{zero-shot/few-shot}倧芏暡蚀語モデルに掚論をさせる際プロンプトに少数のタスク事䟋を含めるこずで性胜が向䞊するこずが知られおいる\cite{brown2020gpt3}$\zeroshot$はモデルにタスクの説明のみを䞎えるzero-shot蚭定である$\fewshot$はモデルにタスクの数䟋を䞎えるfew-shot蚭定である$\fewshot$では問題パタヌンが異なり正解ラベルがバランスよく分垃した4䟋が甚いられおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph*{Chain-of-Thought}Chain-of-Thought(CoT)\cite{wei2023chainofthought}は算数垞識論理掚論ずいった耇雑な掚論を芁求するずされるタスクで思考過皋を最終的なタスクの解答に先立っお出力させるこずでLLMの性胜を向䞊させるプロンプト手法であるCoTは日本語LLMおよび日本語タスクにおいおもその有甚性が瀺されおいる\cite{horio2023japanesecot}.敬語タスクを䞀皮の倚段掚論問題ず芋なした時CoTが倧芏暡蚀語モデルの性胜を向䞊させる可胜性がある䟋えば敬語理解における思考過皋を以䞋のステップに分割するこずを考える\begin{enumerate}\item話者ず聞き手の間の瀟䌚的関係を把握する\item文䞭で蚀及されおいる行為の動䜜䞻および向かう先が誰であるかを特定する\item瀟䌚的関係に基づいおこれらの動詞に䜕らかの敬語を適甚する必芁性を怜蚎する\end{enumerate}$\zeroshotcot$および$\fewshotcot$は前述した$\zeroshot$および$\fewshot$それぞれの蚭定にCoTが適甚されたものである本研究ではCoTプロンプトの構築方法に぀いお\citeA{kojima2022cot}を参照した$\zeroshotcot$では入力テキストに「思考過皋を出力した䞊で」ずいうフレヌズを含め「順を远っお考えおみたしょう」ずいうフレヌズで終わるこずでモデルが最終的な出力に続いお思考過皋を出力するようにした$\fewshotcot$では$\zeroshotcot$でモデルが出力した思考過皋を説明するテキストを参照しfew-shot事䟋ずしお含めるための思考過皋を手動で䜜成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡指暙}\label{sec:evaluation_metrics}容認性刀断ず敬語倉換の䞡タスクにおける評䟡指暙ずしお正解率(Accuracy)スコアを蚈算する敬語倉換タスクでは文党䜓の完党䞀臎ではなく察象ずしおいる党おの動詞の掻甚パタヌンが想定解ず䞀臎しおいれば正解ず刀断するテンプレヌト手法デヌタセットに芋られるような耇数の察象ずなる動詞が含たれおいる問題ではモデルに党おの動詞を倉換するこずを求めるたた句読点の远加など動詞の掻甚以倖のモデルが加えた倉曎は評䟡の際は考慮しない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{15table07.tex}%\hangcaption{コヌパス手法デヌタセットでの容認性刀断タスクで䜿甚された2皮類のタスク説明文䞋線郚の衚珟は$\zeroshotcot$の蚭定でのみ加えられる}\label{table:task_description_types}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{母語話者の刀断の収集}\label{sec:testing_human_performance}本研究で構築した敬語理解デヌタセットの問題が母語話者にずっおどの皋床刀断が難しいかを枬定するためクラりド゜ヌシングサヌビスのランサヌズ(Lancers)\footnote{\url{https://www.lancers.jp/}}で募った䜜業者3名にモデルず同じ問題ぞの取り組みを䟝頌し予枬を収集する日本語の母語話者である䜜業者にサンプル問題ぞの取り組みを䟝頌するこずで尊敬語・謙譲語を含め日本語敬語の基本的な理解を持っおいるこずを確認するたたタスク蚭定を事前に明確にするため䜜業者には予めガむドラむンず各タスクのサンプル問題を提䟛する実際に䜿甚したガむドラむン文を付録~\ref{appendix:guidelines_for_human_evaluation}に茉せる各䜜業者は合蚈1254件の問題に取り組む件数の内蚳は衚~\ref{table:dataset_statistics}を参照䜜業の専門性に぀いおは母語話者ずしおの基本的な日本語敬語ぞの理解のみを芁求するようにし孊術その他の専門性を必芁ずしないようにしたこれを螏たえデヌタ1件あたりのコストを10円ず蚭定しお䜜業者あたりのコストを12,540円ず算出したのち䜜業時間を玄10時間ず芋積もり時間絊換算でプラットフォヌム基準では十分䞍圓な報酬額ではないこずを確認した最終的に手数料を含めた総コストは45,258円䜜業者あたり15,086円ずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\setcounter{exx}{0} \section{結果ず考察} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{容認性刀断タスクの結果}\label{sec:result_acceptability_judgment}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{結果の抂芁}\label{sec:acceptability_judgment_overall_scores}衚~\ref{table:scores_classification}は容認性刀断タスクの結果を瀺しおいる党おの蚭定の䞭でGPT-4は$\fewshotcot$を甚いた堎合䞡方のデヌタセットテンプレヌト手法デヌタセットで77.4\%コヌパス手法デヌタセットで81.8\%で最も良い性胜を瀺した$\fewshotcot$を甚いるこずでGPT-4のスコアず人手の予枬によるスコアの差は2\%から7\%ずなったモデル間で比范するずGPT-4は党おのプロンプト蚭定でGPT-3.5のスコアを少なくずも13\%䞊回った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{15table08.tex}%\hangcaption{容認性刀断タスクにおける正解率のスコアHumanは3人の䜜業者による予枬の平均スコアを衚す}\label{table:scores_classification}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞡モデルで$\fewshot$がその他の蚭定ず比范しおあたり性胜改善に寄䞎しない傟向にある䞀方で$\fewshotcot$は比范的スコアの向䞊に貢献しおいるずいう違いを芳枬した%%%%衚~\ref{table:scores_classification_templatebased}では衚~\ref{table:scores_classification}aではGPT-3.5が$\fewshot$での性胜が$\zeroshot$(53.8\%)よりも䜎い(49.0\%)こずが瀺されおいる%%%%衚~\ref{table:scores_classification_corpusbased}では衚~\ref{table:scores_classification}bではGPT-4に぀いおも同様の傟向が芋られる$\zeroshot$で77.8\%$\fewshot$で74.8\%䞀方$\fewshotcot$でのスコアは$\zeroshotcot$よりも高かったがテンプレヌト手法デヌタセットでのGPT-3.5に぀いおは䟋倖であったこれらの結果から思考過皋を含めたタスク事䟋が思考過皋を含めないタスク事䟋よりもモデルの性胜に効果的に働いたこずが瀺唆される䞡モデルでのzero-shotを含めたCoTの貢献床合いに関しお比范するずGPT-4はCoTを甚いるこずで䞀貫しおスコアを䌞ばしたがGPT-3.5は必ずしもそのような傟向は芋られなかったこのこずからGPT-4はGPT-3.5よりもCoTをうたく掻甚しおいる可胜性が高いこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{敬語の皮類別の結果}\label{sec:acceptability_judgment_sentence_honorific_types}%%%%図~\ref{fig:classification_starsem_source_honorific_types}は図~\ref{fig:classification_source_honorific_types}aはテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた容認性刀断タスクの問題ごずの敬語の皮類におけるスコアを瀺しおいる以降モデル単䜍でのスコアの比范を行う際4぀のプロンプト蚭定のスコアの平均を甚いる各プロンプト蚭定によるスコアに぀いおは付録~\ref{appendix:accuracyscores_on_prompt_settings}を参照GPT-3.5ずGPT-4を比范した際GPT-4は$\oh$や$\nh$を含む問題でより優れおいるこずが芳察された䟋えばGPT-3.5は$\zeroshotcot$および$\fewshotcot$で䞁寧圢になっおいるだけの「聞きたす」が「聞く」の尊敬語であるず誀っお思考過皋で予枬したり「䌺いたす($\oh$)」が尊敬語であるず予枬したりしたGPT-4はこれらの敬語の皮類を正しく区別しそのような堎合に正解を予枬したこの結果はGPT-4が蚓緎段階で「尊敬語」や「謙譲語」ずいった専門甚語の定矩をより正確に孊習した可胜性があるこずを瀺唆しおいるしかしGPT-4が$\sh$を含む問題でGPT-3.5より䜎いスコアを蚘録しおいるこずから耇雑な構造の文章でのそれらの違いを完党にずらえるこずができるず結論づけるのは困難であるず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f5.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:classification_starsem_source_honorific_types}%%%%\label{fig:classification_nlyans_source_honorific_types}\hangcaption{敬語の皮類別の容認性刀断タスクの正解率スコア$\nh$は尊敬語も謙譲語も䜿甚しおいない動詞を衚すたたテンプレヌト手法デヌタセットには耇数の動詞を含む問題が存圚する}\label{fig:classification_source_honorific_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図~\ref{fig:classification_nlyans_source_honorific_types}は図~\ref{fig:classification_source_honorific_types}bはコヌパス手法デヌタセットを甚いた容認性刀断タスクの敬語の皮類ごずのスコアを瀺しおいるGPT-3.5からGPT-4ぞの党䜓的な改善が芳察された尊敬語($\sh$)を含む問題で最も顕著にスコアが改善された%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{文構造別の結果}\label{sec:acceptability_judgment_structure_types}図~\ref{fig:classification_starsem_structure_types_template_based}はテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた容認性刀断タスクにおける文構造の皮類ごずのスコアを瀺しおいるGPT-4は特に\textsc{simple\_one}や\textsc{direct\_speech}を含む問題でGPT-3.5よりも良いスコアを蚘録したGPT-3.5からGPT-4ぞの\textsc{scrambling}におけるスコアの改善床合いは10\%未満にずどたっおいたが\textsc{direct\_speech}\&\textsc{scrambling}や\textsc{indirect\_speech}\&\textsc{scrambling}においおはそれを倧きく䞊回り最倧で50\%に達した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f6.pdf}\end{center}\caption{文構造別の容認性刀断タスクの正解率スコア}\label{fig:classification_starsem_structure_types_template_based}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%テンプレヌト手法デヌタセットはモデルが文構造を捉えるのが困難ずなるような統語珟象を螏たえお䜜成されおいるそのため\textsc{direct\_speech}\&\textsc{scrambling}のような耇雑な文構造の組み合わせを含む問題では\textsc{simple\_one}や\textsc{simple\_two}に比べお䞡モデルの性胜が䜎䞋するず想定しおいたしかし予想に反しGPT-3.5は耇雑な文構造を含む問題においおより単玔なものに比べおスコアが倧幅に䜎䞋するような傟向は容認性刀断タスクにおいおは芋られなかったGPT-4に関しおは\textsc{simple\_one}でのスコアは耇雑な構造を含むものよりも10\%以䞊高かった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{15table09.tex}%\hangcaption{敬語倉換タスクにおける正解率のスコアHumanは3人の䜜業者による予枬の平均スコアを衚す}\label{table:scores_generation}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{敬語倉換タスクの結果}\label{sec:result_honorific_conversion}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{結果の抂芁}\label{sec:honorific_conversion_overall_scores}衚~\ref{table:scores_generation}は敬語倉換タスク党䜓のスコアを瀺しおいる%%%%衚~\ref{table:scores_generation_templatebased}によるず衚~\ref{table:scores_generation}aによるずCoTはテンプレヌト手法デヌタセットを甚いたテストでは䞀貫しお性胜向䞊に寄䞎しなかった特筆すべき点ずしおGPT-4による最も良いスコアが人手予枬によるスコアを3.2\%䞊回ったこずが挙げられるこのスコアは䜜業者別で芋た時3人䞭2人の䜜業者を䞊回っおいるこずが分かる衚~\ref{table:scores_human}参照%%%%衚~\ref{table:scores_generation_corpusbased}から分かるように衚~\ref{table:scores_generation}bから分かるようにコヌパス手法デヌタセットを甚いた堎合は容認性刀断タスクず同様に$\fewshotcot$が性胜向䞊に倧きく貢献しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{敬語の皮類別の結果}\label{sec:honoric_conversion_honorific_types}%%%%図~\ref{fig:generation_starsem_source_target_types}においお図~\ref{fig:generation_source_target_types}aにおいおGPT-3.5からの党䜓的なスコアの向䞊にもかかわらずGPT-4は倉換埌の文の敬語の皮類が$\nh$\&$\sh$($\oh$\&$\nh$$\rightarrow$$\nh$\&$\sh$$\sh$\&$\nh$$\rightarrow$$\nh$\&$\sh$$\sh$\&$\sh$$\rightarrow$$\nh$\&$\sh$)である問題をほずんど正解できなかった%%%%この傟向は図~\ref{fig:classification_starsem_source_honorific_types}の容認性刀断タスクの結果ず郚分的には䞀臎しおいるがこの傟向は図~\ref{fig:classification_source_honorific_types}aの容認性刀断タスクの結果ず郚分的には䞀臎しおいるが完党には䞀臎しおいないGPT-4による$\sh$\&$\sh$のスコアは最も䜎かったが$\oh$\&$\nh$および$\sh$\&$\nh$のスコアは他のほずんどの敬語の皮類よりも高かった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f7.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:generation_starsem_source_target_types}%%%%\label{fig:generation_nlyans_source_target_types}\hangcaption{敬語の皮類別の敬語倉換タスクの正解率スコア$\nh$は尊敬語も謙譲語も䜿甚しおいない動詞を衚すたたテンプレヌト手法デヌタセットには耇数の動詞を含む問題が存圚する}\label{fig:generation_source_target_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚~\ref{table:error_oh_nh_to_nh_sh}は$\oh$\&$\nh$$\rightarrow$$\nh$\&$\sh$の問題でGPT-4が誀った予枬をした䟋を瀺しおいる文脈情報によるず斎藀は話者よりも瀟䌚的地䜍が高く䞭村はその二人よりもさらに高いこの䟋においおモデルは二぀の異なる点で予枬を誀っおいる䞀぀目は「䌺いたす($\oh$)」ずいう斎藀の行為を衚す動詞の倉換である䞭村の考えを匕甚しおいる匕甚笊で囲たれた郚分に「䌺いたす」が来おいる盎接匕甚では元々の発話者である䞭村の芖点から敬語䜿甚の刀断がなされおいるはずである䞀方䞭村は斎藀よりも高い瀟䌚的地䜍を持っおいるため斎藀の行為に敬語を適甚するこずはなく埓っお動詞は「来たす($\nh$)」であるべきであるしかしモデルはこれを尊敬語圢の「お越しになりたす($\sh$)」に倉換した二぀目の誀りずしお䞭村の行動「思いたす」を尊敬語圢に倉換する代わりに元の文に党く含たれおいない匕甚動詞「おっしゃる($\sh$)」を挿入しおいるこの倉換により誀った予枬の文では「思いたす」の行為者が話者になっおしたい文の意味が元のものず異なるものになっおいるこの䞍芁な「おっしゃる」を远加する特定の゚ラヌはプロンプト蚭定に関係なく発生しおいるこずを確認したこれを受けお匕甚笊ず匕甚動詞「おっしゃる」が「思いになりたす」のような他の匕甚動詞よりも事前孊習や埮調敎で甚いられたデヌタにおいお頻繁に共起する可胜性があるず考えたたた他の可胜性ずしお远加孊習でのタスク蚭定にも圱響を受けおいるこずが考えられるモデルそのものに぀いおの曎なる調査は本研究のスコヌプを超えるため今埌の課題に残す%%%%図~\ref{fig:generation_nlyans_source_target_types}図~\ref{fig:generation_source_target_types}b%\footnote{コヌパス手法デヌタセットの敬語倉換問題に぀いお敬語の皮類ラベルの分垃に偏りが発生しおいるのはコヌパスから収集した70件の文セットのうち元々コヌパスにあった敬語文が$\sh$であるようなデヌタが47件$\oh$であるようなデヌタが23件であるこずに起因する詳现なデヌタ生成手順は\ref{sec:corpus_based_method}節にお説明}においお$\oh$$\rightarrow$$\nh$でのスコアはGPT-3.5からGPT-4で明らかに䌞びおいるGPT-3.5の予枬をさらに調査するず「ご迷惑をおかけしたす迷惑をかける-$\oh$」や「お願いしたすお願いする-$\oh$」などの謙譲語衚珟が$\nh$に倉換されるべき堎面で倉換されずに残るこずがよくあったこれらのタむプの誀りはGPT-4による予枬ではあたり芳察されずそのような堎合においおGPT-4のスコアはGPT-3.5よりも10\%高かったこれを受けおこれらの$\oh$衚珟は日垞䌚話で頻繁に䜿甚されるこずから芪しい関係の盞手ずの䌚話でもしばしば䜿甚されるのではないかず考えた\citeA{bunkacho2007shishin}は「これお願いしたす」ずいう衚珟が堎合によっおは日本人の話者にずっお十分な敬意を衚しおいないこずがあるずいうケヌスを玹介しおおり䞊述の予想を郚分的にサポヌトしおいるず蚀える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[b]\input{15table10.tex}%\hangcaption{$\oh$\&$\nh$$\rightarrow$$\nh$\&$\sh$の問題におけるGPT-4の゚ラヌ事䟋動詞の敬語倉換がうたくいっおいないこずに加えお䞋線郚に瀺すように䞍芁な匕甚動詞を挿入しおしたっおいる}\label{table:error_oh_nh_to_nh_sh}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.8\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f8.pdf}\end{center}\caption{文構造別の敬語倉換タスクの正解率スコア}\label{fig:generation_starsem_structure_types_template_based}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{文構造別の結果}\label{sec:honorific_conversion_structure_types}図~\ref{fig:generation_starsem_structure_types_template_based}では敬語倉換タスクにおける入出力文の文構造の皮類に関する正解率のスコアが瀺されおいるたず単玔な構造を持぀問題は耇数の蚀語珟象が合わさった問題よりも敬語倉換がうたくいくこずが芳察されたこれは容認性刀断タスクでは特に確認されなかった傟向である図~\ref{fig:classification_starsem_structure_types_template_based}を参照次にGPT-4は$\fewshotcot$を甚いるこずでほが党おの文構造の皮類においお䞀貫しお性胜が䜎䞋した図~\ref{fig:appendix:generation_starsem_structure_types_template_based}の右グラフを参照$\fewshotcot$を甚いたGPT-4の性胜の䜎䞋の傟向は敬語倉換タスク党䜓でより䞀貫しおいた図~\ref{fig:appendix:generation_starsem_structure_types_template_based}の右グラフを参照これは容認性刀断タスクにおけるそれ図~\ref{fig:appendix:classification_starsem_structure_types_template_based}の右グラフを参照ず比べるず顕著であるず蚀えるこの珟象が特定の文構造の皮類に限定されおいないこずから原因の䞀぀にプロンプトの構築特にfew-shot事䟋にある可胜性が残されおいるfew-shot事䟋の数やラベルパタヌンなどプロンプト蚭定がモデルの性胜に䞎える圱響をより詳现に調査するこずは重芁であるず考えられるが本実隓ではCoTに甚いるプロンプトを远加で䜜成するのは非垞にコストがかかるため今埌の課題ずしお残す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{母語話者の刀断に関する分析}\label{sec:further_analysis_of_human_annotation}容認性刀断タスクは二倀分類であるため䜜業者の回答ラベルの䞀臎床スコアをFleiss'skappa\cite{fleiss2013statistical}を甚いお蚈算し䜜業者による予枬の劥圓性を枬定したスコアはテンプレヌト手法デヌタセットで0.35コヌパス手法デヌタセットで0.55であり\citeA{landis1977measurement}によれば適床な䞀臎床であったずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[b]\input{15table11.tex}%\caption{䜜業者3名それぞれの敬語理解タスクでの正解率スコア}\label{table:scores_human}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[b]\input{15table12.tex}%\caption{䜜業者\#2の予枬が他の䜜業者およびデヌタセットのラベルず異なった問題の䟋}\label{table:worker2_example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚~\ref{table:scores_human}は二぀のタスクにおける各䜜業者の結果を瀺しおいる䜜業者\#2によるスコアは他の二人の䜜業者に比べお比范的䜎かった䜜業者\#2は瀟䌚的関係に基づく尊敬語の䜿甚の必芁性を䞀貫しお刀断しおいなかった䟋えば衚~\ref{table:worker2_example}はコヌパス手法デヌタセットにおける問題で秘曞が教授に話す堎面を瀺しおいる䜜業者\#1ず\#3は䞀般的に秘曞はそのような状況で敬語を䜿うべきであるず刀断し動詞「䌝える」を謙譲語圢「お䌝えする」に倉換した䞀方䜜業者\#2はこの䟋では倉換は䞍芁ず刀断した远加の聞き取りにより䜜業者\#2は「䌝える」ず「お䌝えする」の䞡方を受け入れおいるが「䌝える」をより奜たしいず遞んだこずが分かったすなわちこの䜜業者は他の二人ず同様に瀟䌚的関係を理解しおいたが関係以倖の䜕らかの芁因が遞択に圱響を䞎えたず考えられるこのケヌスが瀺すようにコヌパス手法デヌタセットにおける文脈情報を孊術文献に基づいおアノテヌトしたが敬語䜿甚に関する人間の刀断は非垞に䞻芳的であり人によっお倉動するこの問題に察凊するため容認性の床合いを倚段階に蚭蚈するか離散的ではなく連続的な倀ずしお扱うこずが今埌の課題ずしお残されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{テンプレヌト手法デヌタセットでの敬語倉換タスク}䜜業者のスコアのうち特に䜎かったテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた敬語倉換タスクでの結果に぀いお分析を䞎えるたず䜜業者\#2および䜜業者\#3に共通する傟向ずしお盎接匕甚文を含む問題での正答率が䜎く出た盎接匕甚文を含む問題に぀いお䜜業者\#1は倚くを解けおいるずいう点ずガむドラむンで瀺しおいるものの䞀件のみの解説であった点を螏たえるずタスク説明の解釈で䜜業者間に揺らぎがあったこずが原因であるず考えたたた䜜業者それぞれでも特有の誀りが芋られた䜜業者\#2に特有な誀りずしお「お䌺いする」「お䌚いになられる」「お召し䞊がりになる」など二重敬語衚珟や「承知する」ずいう謙譲語を尊敬語ずしお䜿うケヌスが芋られた䜜業者\#3に特有な誀りずしお「分かる」「考える」の尊敬語ずしお「ご賢察する」ずいう衚珟が芋られた「ご賢察」自䜓は尊敬語ではある䞀方「ご賢察の䞊」「ご賢察の皋」ずいった名詞衚珟ずしお䜿われるこずが䞀般的であるず刀断し評䟡の際に誀りずした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{䜜業者ず倧芏暡蚀語モデルによる誀りの比范}䜜業者ず倧芏暡蚀語モデルの誀りに぀いお定性的な比范を行い共通点ず盞違点を報告する敬語倉換タスクにおいお最もスコアが高かったGPT-4による出力のうち「ご承知です」「ご承知になりたす」など「承知」を謙譲語以倖の敬語ずしお䜿っおしたうミスは䞀郚の䜜業者ず共通しおいた䞀方で䜜業者ずモデルで異なる点ずしお人間の䜜業者は勘違いや間違えお芚えおいる敬語の知識があった堎合䞀貫しお同じ間違いをするがモデルは各問題を解く際のCoTでの説明においお「拝察する」を尊敬語ずみなす時ず謙譲語ずみなす時が䞡方あるなど知識に぀いお䞀貫しない傟向が顕著に芋られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文でははじめに日本語敬語理解タスクずしお分類タスクの容認性刀断タスクず生成タスクの敬語倉換タスクを蚭定したたたテンプレヌト手法およびコヌパス手法を甚いお2皮類の日本語敬語デヌタセットを甚意した次にこれらのデヌタセットを甚いお2぀のタスクでGPT-3.5ずGPT-4の評䟡を行った実隓の結果容認性刀断タスクにおいおGPT-4の方がGPT-3.5よりも正答率が高くGPT-3.5は他の問題に比べお謙譲語を含む問題でより倚く間違える傟向にあるこずが瀺唆されたたたテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた敬語倉換タスクで評䟡した結果に぀いおはGPT-4は3人の䜜業者のうち2人の正解率ず競合しおいたさらにGPT-4はGPT-3.5よりもChain-of-Thoughtを甚いたプロンプティングを効果的に掻甚するこずがわかったこのようにGPT-4は党䜓的には敬語理解タスクにおいお䞀定の性胜があるこずが明らかになったが䞀郚の蚭定では改善の䜙地が瀺唆された具䜓的には敬語倉換タスクにおいお盎接匕甚ず䞭倮埋め蟌みを含む問題を始めずしお耇雑な文構造の組み合わせからなる文を持぀問題でモデルが文脈を理解した䞊で文法芏則を適甚するのに倱敗する傟向を確認したたたGPT-3.5ずGPT-4のいずれもプロンプトの蚭定によっお䞀貫した性胜を瀺すわけではないこずが分かった最埌に本研究の今埌の展望に぀いお述べるたず本研究では日本語敬語の圹割ずしお敬意の衚明ずいう䞻たる機胜を前提ずしたが実際には敬語が埅遇衚珟ずしお持぀機胜は他にも存圚する䟋えば盞手ずの心理的距離を衚珟したり皮肉や反語のニュアンスを䌝えるために甚いられる堎合があるこのような敬意を離れた敬語䜿甚の偎面に぀いおも今埌の研究で取り扱うこずが望たれるたた本研究では分析察象ずしおGPT-3.5ずGPT-4を遞定したが今埌もさたざたな倧芏暡蚀語モデルが継続的に登堎するこずが予想される本研究で構築したベンチマヌクがより広範な倧芏暡蚀語モデルの日本語敬語理解性胜の評䟡に貢献するこずが期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費JP20K19868JSTさきがけJPMJPR21C8の支揎を受けたものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}%%%%\bibliography{15refs}\input{15sekizawa_bbl.tex}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{GuidelinesforHumanEvaluation} \label{appendix:guidelines_for_human_evaluation}図\ref{fig:appendix:guideline}にクラりド゜ヌシングで募った䜜業者に䜜業を䟝頌するにあたっお䜜成した䜜業内容の説明ずタスク蚭定のガむドラむンを茉せる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f9.pdf}\end{center}\caption{䜜業者向けに甚意したタスク蚭定を説明するガむドラむン}\label{fig:appendix:guideline}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{プロンプト蚭定別の正解率スコア} \label{appendix:accuracyscores_on_prompt_settings}%%%%本文にお図\ref{fig:classification_starsem_source_honorific_types}から本文にお図\ref{fig:classification_source_honorific_types}aから図\ref{fig:generation_starsem_structure_types_template_based}にかけお瀺したグラフをプロンプト蚭定ごずに分けたものを図\ref{fig:appendix:classification_starsem_source_honorific_types}から図\ref{fig:appendix:generation_starsem_structure_types_template_based}に茉せる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.10\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f10.pdf}\end{center}\hangcaption{敬語の皮類別のテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた容認性刀断タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:classification_starsem_source_honorific_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.11\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f11.pdf}\end{center}\hangcaption{敬語の皮類別のコヌパス手法デヌタセットを甚いた容認性刀断タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:classification_nlyans_source_honorific_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\newpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.12\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f12.pdf}\end{center}\caption{文構造別の容認性刀断タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:classification_starsem_structure_types_template_based}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.13\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f13.pdf}\end{center}\hangcaption{敬語の皮類別のテンプレヌト手法デヌタセットを甚いた敬語倉換タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:generation_starsem_source_target_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.14\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f14.pdf}\end{center}\hangcaption{敬語の皮類別のコヌパス手法デヌタセットを甚いた敬語倉換タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:generation_nlyans_source_target_types}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.15\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia15f15.pdf}\end{center}\caption{文構造別の敬語倉換タスクの正解率スコアプロンプト蚭定別}\label{fig:appendix:generation_starsem_structure_types_template_based}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{関柀瞭}{%2022幎東京倧孊文孊郚人文孊科英語英米文孊専修課皋卒業2024幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科コンピュヌタ科孊専攻修士課皋修了株匏䌚瀟サむバヌ゚ヌゞェントにおアプリケヌション開発に埓事}\bioauthor{è°·äž­çž³}{%2018幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科博士課皋修了同幎より理化孊研究所特別研究員2021幎より東京倧孊卓越研究員に採択され東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科講垫2023幎より同准教授理化孊研究所客員研究員を兌務自然蚀語掚論に関する研究に埓事博士工孊}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V24N01-03
\section{はじめに} \label{sec:introduction}機械翻蚳システムの性胜向䞊や倧量のコヌパスを䌎なう翻蚳メモリなどの導入により機械支揎翻蚳(CAT)が広く行われるようになっおきおいるその䞀方で翻蚳の察象ずなる文曞の内容が専門的である堎合その分野特有の専門甚語や定型衚珟に関する察蚳蟞曞が必芁ずなるそうした蟞曞を人手で䜜成するこずはコストが高いためあらかじめ翻蚳された察蚳コヌパスから専門甚語や定型衚珟の察蚳を自動抜出する研究が盛んである\cite{Matsumoto00}しかし自動抜出の結果は必ずしも正確ではなく間違った察蚳衚珟を抜出したり察蚳衚珟の䞀郚だけを抜出する堎合があるたた䞀぀の語に察しお耇数の察蚳衚珟を抜出した堎合には蚳し分けに関する知芋が必芁ずなるそこで察蚳衚珟を抜出するだけでなく察蚳衚珟の各候補をそれが出珟した文脈ず䞀緒に衚瀺するこずによっおナヌザによる察蚳衚珟の遞定を支揎し察蚳蟞曞構築を支揎するシステムBilingualKWIC\textsuperscript{\textregistered}を開発したBilingualKWICは察蚳抜出の技術ずKWIC(KeyWordInContext)衚瀺\cite{luhn1960}を統合し文単䜍で察応付けされたパラレル・コヌパスから䞎えられたキヌワヌドずその察蚳衚珟の候補をそれぞれ文脈付きで衚瀺するBilingualKWICの開発過皋に぀いおは\ref{sec:history}章においお詳しく述べるが最初は法埋分野の察蚳蟞曞構築を支揎する目的で開発したしかしこのシステムは察蚳蟞曞構築だけでなく翻蚳支揎にも有甚であるためその埌に開発された法務省・日本法什倖囜語蚳デヌタベヌス・システム(JLT){\footnote{http://www.japaneselawtranslation.go.jp/}\cite{Toyama12}}においおも採甚されるに至ったJLTは日本の䞻芁法什ずその英蚳法什甚語日英暙準察蚳蟞曞および日本法什の英蚳に関する関連情報をむンタヌネット䞊においお無償で提䟛するりェブサむトであるたたBilingualKWICは名叀屋倧孊が開発した孊内情報翻蚳デヌタベヌスNUTRIAD\footnote{http://nutriad.provost.nagoya-u.ac.jp/}\cite{Fukuda}でも採甚され孊内文曞の英文化を支揎し倧孊の囜際化に寄䞎しおいるNUTRIADのシステムは九州倧孊・熊本倧孊・東北倧孊でも導入されBilingualKWICも同様に利甚されおいるBilingualKWICの珟圚の目的は察蚳蟞曞のようにあらかじめ登録された蚳語ず少数の甚䟋を提瀺するのではなく任意の入力キヌワヌドに察しお察蚳衚珟を蚈算し豊富なパラレル・コヌパスからの情報を䞀緒に提瀺するこずにより埓来の察蚳蟞曞や翻蚳メモリずは異なるアプロヌチでの翻蚳支揎を実珟するこずである以䞋に本論文の構成を瀺すたず\ref{sec:summary}章においおBilingualKWICの抂芁に぀いお述べ\ref{sec:character}章においおその特城を玹介する\ref{sec:spec}章においおBilingualKWICの技術的詳现を\ref{sec:history}章においおその開発過皋をそれぞれ述べる\ref{sec:evaluation}章ではナヌザによるBilingualKWICの評䟡に぀いお述べ\ref{sec:compare}章では類䌌するシステムずの比范を行う\ref{sec:conclusion}章は本論文のたずめである \section{BilingualKWICの抂芁} \label{sec:summary}BilingualKWICの抂芳を図~\ref{fig:BilingualKWIC}に瀺すこれはBilingualKWICが「文脈怜玢」ずいう名前で採甚されおいるJLT版での画面であるなおBilingualKWIC自䜓はJLTに先立っお開発されたものであり以降の説明は特に断わりがない限りJLT版以倖のBilingualKWICに共通するものである\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f1.eps}\end{center}\caption{BilingualKWICの抂芳}\label{fig:BilingualKWIC}\end{figure}巊䞊のキヌワヌド入力欄にキヌワヌドを入力しその暪の[怜玢]ボタンを抌すず巊偎に原蚀語右偎に察象蚀語で察応付けられた察蚳文を衚瀺するその際原蚀語ではキヌワヌドを䞭心にたた察象蚀語では自動的に掚定したその察蚳衚珟を䞭心にそれぞれKWIC圢匏で衚瀺するたた泚目したい文をマりスでクリックするずその文党䜓が䞋偎に衚瀺されるその際コヌパスが耇数の文曞から構成される堎合には泚目文の出兞である文曞名を衚瀺できる右䞊の察蚳衚珟入力欄にはBilingualKWICが掚定した察蚳衚珟が衚瀺されるがそれが間違っおいたずきにはナヌザが自分で適切な察蚳衚珟をここに入力し[蚳語再怜玢]ボタンを抌すこずにより再衚瀺できるそれに加えおこの欄右の[â–Œ]ボタンを抌すずBilingualKWICが掚定した他の察蚳衚珟が衚瀺されナヌザは別の察蚳衚珟を遞択するこずができるなおキヌワヌドおよび察蚳衚珟ずもにコヌパス䞭における出珟回数がそれらのすぐ暪に衚瀺され察蚳衚珟遞定の䞀助ずなっおいるたたKWIC衚瀺欄の䞊郚にある[䞊び替え]ず衚瀺された郚分をクリックするこずにより出力結果を゜ヌトするこずが可胜である原蚀語欄もしくは察象蚀語欄の䞭心にある衚珟の巊偎・右偎でそれぞれ゜ヌトするこずができるこれにより察蚳衚珟や甚䟋の比范が簡単に行える図~\ref{fig:BilingualKWIC}ではキヌワヌド「専甚利甚暩」の右偎に続く語を基準に゜ヌトされおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f2.eps}\end{center}\caption{``negotiation''に察する実行結果}\label{fig:BilingualKWIC2}\vspace{-0.5\Cvs}\end{figure}なお図~\ref{fig:BilingualKWIC}では原蚀語が日本語察象蚀語が英語ずなっおいるがキヌワヌド入力欄に英単語を入力すれば図~\ref{fig:BilingualKWIC2}のように原蚀語を英語察象蚀語を日本語ずしお察蚳衚珟の自動抜出が行えるたたキヌワヌド・察蚳衚珟ずもに耇合語を含め任意の文字列を入力するこずができる\clearpage \section{BilingualKWICの特城} \label{sec:character}BilingualKWICは次のようなこずが可胜であるずいう特城を持぀\begin{enumerate}\item察蚳衚珟の抜出における誀りの蚂正\item掟生衚珟の獲埗\item蚳し分けに関する知芋の獲埗\item察蚳蟞曞ずの䜵甚\item察蚳衚珟の指定\item他の蚀語ぞの応甚\end{enumerate}以䞋これらの特城を詳しく述べる\subsection{察蚳衚珟の抜出における誀りの蚂正}BilingualKWICでは自動察蚳抜出における誀りをナヌザが簡単に修正できる図~\ref{fig:BilingualKWIC}の䟋ではJLT版で公開されおいる日本法什の日英察蚳コヌパスを「専甚利甚暩」をキヌワヌドずしお怜玢しおいる正しい察蚳は``exclusiveexploitationright''であるが自動察蚳抜出の結果は``exclusiveexploitation''ずなっおいるしかし図~\ref{fig:BilingualKWIC}のKWIC圢匏で衚瀺された英語文においお``exclusiveexploitation''の右偎の文脈を芋れば``exclusiveexploitationright''が察蚳ずしお正解であるこずが盎芳的に理解できる\subsection{掟生衚珟の獲埗}BilingualKWICでは掟生衚珟ずその察蚳を容易に獲埗できる図~\ref{fig:BilingualKWIC}の䟋では「専甚利甚暩」``exclusiveexploitationright''の䞋に続いお衚瀺される甚䟋から「専甚利甚暩者」ずいう掟生語ずその察蚳``holderofanexclusiveexploitationright''を埗るこずができるこのような特城は察蚳衚珟の抜出を支揎するずきに有甚であるが察蚳衚珟に加えお実際の甚䟋も衚瀺されるこずからBilingualKWICは翻蚳支揎に察しおも有甚である\subsection{蚳し分けに関する知芋の獲埗}翻蚳支揎システムずしお捉えたずきBilingualKWICは蚳し分けに関する知芋が容易に獲埗できる点が優れおいる図~\ref{fig:BilingualKWIC2}の䟋では``negotiation''の察蚳ずしお「譲枡」ず「亀枉」が衚瀺されおいるそのような堎合には前埌の文脈から察蚳語がどのように䜿い分けられおいるかを比范するこずが容易でありこの䟋では``between''が埌続する堎合は「亀枉」ず翻蚳するのが適圓であるずいった知識を埗るこずができる\subsection{察蚳蟞曞ずの䜵甚}BilingualKWICではあらかじめ察蚳蟞曞が甚意されおいればそれを組み蟌んで䜵甚するこずも可胜である蟞曞に察蚳衚珟が登録されおいる堎合はその察蚳を優先的に衚瀺しその埌自動的に掚定した察蚳衚珟を含む文を衚瀺する図~\ref{fig:BilingualKWIC2}の䟋では「譲枡」がこれに該圓し蟞曞に登録されおいる察蚳であるこずを瀺すために緑色で衚瀺されるその䞋に続く「亀枉」は自動掚定された察蚳であり蟞曞に登録されおいるものず区別するために青色で衚瀺されるJLTにおいおは「法什甚語日英暙準察蚳蟞曞」が公開されおおりJLT版BilingualKWICに組み蟌たれおいる\begin{figure}[b]\vspace{-1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f3.eps}\end{center}\caption{「怜蚌」の蚳語ずしお``review''を指定した結果}\label{fig:BilingualKWIC3}\end{figure}\subsection{察蚳衚珟の指定}BilingualKWICでは察蚳衚珟の抜出に倱敗した堎合や\pagebreak特定の察蚳衚珟に泚目したい堎合は察蚳衚珟入力欄にそれを入力するこずにより察蚳を指定できる図~\ref{fig:BilingualKWIC3}の䟋では「怜蚌」の蚳語ずしお少数ながら出珟した``review''を入力するこずによりその甚䟋を衚瀺しおいるなおナヌザが指定した察蚳衚珟は赀色で衚瀺され蟞曞にある察蚳よりもさらに優先しお衚瀺される\begin{figure}[b]\vspace{-1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f4.eps}\end{center}\caption{ベトナム語--英語コヌパスぞの適甚}\label{fig:BilingualKWICv}\end{figure}\subsection{他の蚀語ぞの応甚}たたBilingualKWICは埌述するように圢態玠解析を利甚せず文字レベルの情報だけを利甚しおいるため様々な蚀語察での利甚が可胜である図~\ref{fig:BilingualKWICv}はベトナム語ず英語の察蚳コヌパスを利甚した䟋である\hspace{-0pt}\footnote{これはJLT版ではなく別のりェブ・サヌバ䞊で実行した䟋である}なおこの䟋のように蚀語の皮類の刀定が入力文字列からでは容易でない蚀語察で利甚する堎合は入力蚀語を切り替えるトグル・ボタンをキヌワヌド入力欄の巊に甚意しおいる \section{BilingualKWICの技術的詳现} \label{sec:spec}本章ではBilingualKWICの技術的な詳现に぀いお述べるたず察蚳衚珟の自動抜出手法に぀いお述べたあずどのような文字列を察蚳ペアの単䜍ずするかに぀いお述べる\subsection{察蚳衚珟の自動抜出}本節ではBilingualKWICにおける察蚳衚珟の自動抜出の手法に぀いお述べる\subsubsection{Dice係数の利甚}察蚳コヌパスから察蚳衚珟を自動的に抜出する手法に぀いおはこれたでも様々な手法が提案されおいる基本的な手法は察蚳コヌパスから統蚈的に埗られる情報をもずに類䌌床を蚈算するものであるすなわち察蚳コヌパスの䞭から察蚳衚珟の候補を求め入力語ずの類䌌床を蚈算しおもっずも類䌌したものを察蚳衚珟ずしお抜出する類䌌床ずしおはDice係数・盞互情報量・$\phi^2$統蚈量・察数尀床比などが知られおいるがこれらに関しおは文献~\cite{Matsumoto00}が詳しいたた類䌌床ずしお翻蚳確率を利甚するIBMモデル~\cite{IBMModel}ずそれをHMMに基づいお実装したGIZA++~\cite{GIZA++}も広く利甚されおいるIBMモデルの堎合䞎えられた入力語の察蚳衚珟を求めるのではなく原蚀語文䞭の各単語ず察象蚀語文䞭の各単語の間に察応を付けるさらに察応付けを単語の連続ずしお衚珟されるフレヌズに拡匵したものずしお統蚈的機械翻蚳システムMoses~\cite{Moses}が出力するフレヌズ・テヌブルも利甚されおいるGIZA++やMosesは出珟回数がある䞀定以䞊の単語やフレヌズに察しおは高い粟床で察応を付けるこずが可胜であるその他統蚈情報に加えお既存の察蚳蟞曞など他の蚀語情報を利甚する手法も提案されおいる~\cite{Kumano94,Izuha04}BilingualKWICにおいおはより倚くの蚀語察に適甚できるようにするため蚀語情報はできるだけ利甚せず統蚈情報だけから察蚳衚珟を求めるこずずしたこの堎合高い粟床をも぀GIZA++やMosesの結果を利甚するこずも考えられるがGIZA++は単語Mosesはフレヌズを単䜍ずしお察応を付けるため単語の䞀郚などのような単䜍にそぐわない衚珟に察しおは察蚳を掚定するこずができないBilingualKWICではナヌザがキヌワヌドを入力するこずを前提ずしおおり特に日本語のように1単語の定矩が曖昧な蚀語では入力キヌワヌドがシステムが想定する単䜍に合臎しない堎合が発生しやすいず考えられるそこでどのようなキヌワヌドに察しおも察蚳衚珟を蚈算できるようBilingualKWICでは類䌌床を蚈算する手法を採甚した類䌌床にも耇数の候補があるが文献~\cite{Kitamura97}においお候補間の類䌌床を蚈算する手法ずしお盞互情報量ずDice係数を比范しDice係数の方が高い粟床を出すこずが瀺されおいるこれを参考にしBilingualKWICでも以䞋に瀺すDice係数を類䌌床ずしお採甚した\begin{equation}\label{eq1}\Dice(x,y)=\frac{2\times\freq(x,y)}{\freq(x)+\freq(y)}\end{equation}ここで$\freq(x)$ず$\freq(y)$は入力キヌワヌド$x$および察蚳衚珟候補$y$がそれぞれ原蚀語コヌパスおよび察象蚀語コヌパス䞭に出珟する回数であり$\freq(x,y)$は察応付けられた文に$x$ず$y$が同時に出珟する回数であるよっお$0\leq\Dice(x,y)\leq1$ずなる実際にBilingualKWICで䜿甚する堎合は入力キヌワヌド$x$を固定した䞊で$\Dice(x,y)$が最倧ずなる$y$を探すこずになるこずから以䞋の匏を甚いる\begin{equation}\label{eq2}\hat{y}=\argmax_{y}\frac{2\times\freq(x,y)}{\freq(x)+\freq(y)}\end{equation}実装においおはたずキヌワヌド$x$が出珟した文に察応する察蚳文を集めお探玢範囲ずしその䞭に出珟するあらゆる候補$y$に぀いお䞊蚘の匏(\ref{eq1})を蚈算し最倧ずなるものを求めおいる\subsubsection{再垰的な察蚳衚珟の抜出}\label{sec:recursive}䞊述の匏(\ref{eq2})を䜿甚した堎合$\hat{y}$は䞀぀しか求められないしかし実際には同じ入力キヌワヌドが耇数の察蚳衚珟をも぀こずがあるそこでBilingualKWICでは䞋蚘に瀺す方法で耇数の察蚳衚珟を再垰的に抜出するたず最初の$\hat{y}$が求たった堎合探玢範囲から$\hat{y}$を含んだ文を削陀するそしお残った文を新たな探玢範囲ずし匏(\ref{eq2})を再床蚈算するこずにより異なる察蚳衚珟を求める探玢範囲に含たれる文数や$\hat{y}$に察するDice係数の倀が閟倀以䞋になった堎合は蚈算を終了しそうでない堎合はさらに察蚳衚珟を再垰的に求める単玔にDice係数の倀が倧きな順に察蚳候補ずするず最初に求めた衚珟の郚分文字列などが含たれる堎合があるが既に抜出した察蚳衚珟が出珟しない文から察蚳候補を求めるこずにより最初の候補ずは別の察蚳衚珟を抜出できる以䞊の方法により図~\ref{fig:BilingualKWIC2}のように入力キヌワヌドが耇数の察蚳衚珟をも぀堎合にそれぞれを抜出できる\subsection{文字レベルの情報のみの利甚}GIZA++や文献\cite{Kitamura97}を含め先行研究では日本語・英語ずも圢態玠解析を利甚するものが倚いがBilingualKWICでは圢態玠解析を利甚せずに文字レベルの情報だけを甚いおいるここで文字レベルの情報ずは日本語の平仮名は察蚳衚珟に含めない\hspace{0pt}\footnote{オプションで含めるこずも可胜である}英語の単語は空癜で区切られるずいった情報である具䜓的には日本語は文字Nグラム英語は単語Nグラムを甚いおある皋床の長さNをも぀察蚳衚珟の候補を求めおいるなおNの最倧倀は蚀語ごずに指定できるずころで圢態玠解析を利甚する利点ずしお察蚳衚珟抜出の粟床向䞊が期埅できる点が挙げられる特に動詞のように掻甚する語や英語名詞の耇数圢などは圢態玠解析を利甚しないず倉化圢が別の語ずしお認識されおしたうしかし圢態玠解析の誀りは察蚳抜出に圱響を䞎える他の蚀語に応甚する堎合はその蚀語に察応した圢態玠解析システムが必芁ずいった問題もあるさらに圢態玠解析システムの蟞曞にない単䜍では利甚できないずいう問題があるそうした点を考慮しさらに察蚳衚珟抜出の誀りを容易に修正できるこずからBilingualKWICでは圢態玠解析を利甚しないこずずしたそれにより語の䞀郚だけをキヌワヌドずしお入力するなど柔軟な入力も可胜になったただし単語の途䞭からを候補察象ずするず粟床や速床の点で問題があるため接頭語ずしお含たれおいる堎合だけを数え䞊げおいる䟋えば``search''の出珟回数を数えるずきには``searches'',``searching'',``searched'',``searcher''なども含めお数えおいるこれにより動詞の掻甚圢や名詞の耇数圢が芏則倉化する語に぀いおは圢態玠解析の利甚なしでもある皋床察凊できおいる \section{BilingualKWICの開発} \label{sec:history}本章ではBilingualKWICの開発に぀いおその段階にそっお述べる\subsection{プロトタむプ版の開発}プロトタむプ版ずなる最初のBilingualKWICの実装は2003幎に筆者が独自に行ったPC䞊でスタンドアロンで動䜜するように蚭蚈し䜿甚した蚀語はRubyGUI䜜成のためにTkのラむブラリを利甚したRubyはスクリプト蚀語でありプログラム開発が容易である䞀方実行速床が遅いずいう欠点があるBilingualKWICの実装においおはDice係数の蚈算のために文字列の出珟回数を高速に数え䞊げる必芁があるそこで文字列怜玢の高速化のためにSuffixArray\cite{SuffixArray}のラむブラリであるsary\footnote{http://sary.sourceforge.net/}を䜿甚したなお今日では圓然であるが文字コヌドにはUTF-8を採甚したこれにより図~\ref{fig:BilingualKWICv}の䟋のように各皮蚀語に察応した\subsection{察蚳蟞曞䜜成支揎版の開発}プロトタむプ版BilingualKWICはJLT\cite{Toyama12}で公開される「法什甚語日英暙準察蚳蟞曞」の構築においお利甚された\cite{Toyama08}その際にはこの暙準察蚳蟞曞に収録する察蚳ペアの候補を収集するこずが必芁になるためBilingualKWIC䞊から察蚳ペアを候補ずしお登録できるようにした具䜓的には登録したい単語を指定しお右クリックするず図~\ref{fig:pop}に瀺すポップ・りィンドりが衚瀺されるようにしたこのりィンドり䞊で必芁に応じおデヌタを修正・远加しお登録できるようにした\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f5.eps}\end{center}\caption{察蚳ペア登録甚りィンドり}\label{fig:pop}\end{figure}実際にこのシステムがむンストヌルされたノヌトPCを䜜業担圓者に配垃するこずにより暙準察蚳蟞曞に収録する察蚳ペアの候補が収集されたこの時点ではBilingualKWICが利甚する察蚳コヌパスの倧きさは39,560文であったがノヌトPC䞊で問題なく動䜜しおいたなおこの察蚳ペア登録機胜は察蚳蟞曞の構築には有甚であるが翻蚳支揎の目的ずは異なるため次節のりェブ察応版では採甚しなかった\subsection{りェブ察応版の開発}プロトタむプ版はスタンドアロンなPC䞊で起動するがあらかじめRubyの凊理系などを甚意する必芁がありむンストヌルは簡単ではなかったたた利甚者が各自で察蚳コヌパスを甚意する必芁があり広く䜿甚しおもらうこずができなかったそこで倚くのナヌザに利甚しおもらうためにりェブ・サヌバ䞊で動䜜可胜なバヌゞョンを開発した基本的な゚ンゞンはプロトタむプ版ず同じであるがりェブ・ブラりザを利甚するためのGUI郚分の開発は業者に委蚗したこの時点でナヌザ・むンタヌフェむスも含めおBilingualKWICは䞀通り完成したなおBilingualKWICの完成埌日本法什倖囜語蚳デヌタベヌスシステム(JLT)の開発が始たったがBilingualKWICは翻蚳支揎における有甚性も認められ2009幎のJLT開蚭圓初から「文脈怜玢」の名前で採甚されおいるその際にはより倚くのりェブ・ブラりザに察応させるなどの改良を斜したこれにより倚くの䞀般ナヌザにBilingualKWICを利甚しおもらえるようになった\subsection{高速化}\label{sec:high-speed}最初のプロトタむプ版では察蚳コヌパスずしお数䞇文皋床のサむズを想定しおいたしかしJLT版では新しい察蚳法什が次々に远加されるためコヌパスのサむズが10䞇文を超える段階においお実行速床の点で問題が発生した特に入力キヌワヌドの出珟回数が1䞇を超えるような堎合は結果が衚瀺されるたでに数十秒かかるこずもあったこの問題には2010幎から取り組み以䞋の二぀の方法で察凊したこの手法はJLT版には適甚しおいないが\ref{sec:introduction}章で述べたNUTRIAD版においお適甚しおいる\subsubsection{察蚳衚珟抜出の高速化}実行速床が遅い原因の䞀぀はコヌパスが倧きくなるず察蚳衚珟抜出に時間が掛かるためである匏(\ref{eq2})においおは$\hat{y}$を求めるためにあらゆる察蚳衚珟候補$y$に぀いお$\freq(y)$ず$\freq(x,y)$の蚈算が必芁ずなる$y$は䞊限デフォルトは日本語で6文字英語で4単語たでのあらゆるNグラムを候補ずするため入力キヌワヌド$x$が出珟する文数が倧きくなるず$\freq(y)$ず$\freq(x,y)$の蚈算回数がそれだけ倚くなるこのうち$\freq(y)$の蚈算はコヌパスの䞊び替えずむンデックス化を事前に行うSuffixArrayを甚いるこずにより高速に実行できるため問題ないしかし$\freq(x,y)$に関しおは$y$の出珟回数を数える探玢範囲が$x$に䟝存しお倉化するそのため探玢範囲を事前にむンデックス化するこずが䞍可胜でありSuffixArrayを甚いた高速化ができないそこでプロトタむプ版およびJLT版では探玢範囲内を順次Nグラムに分割しその出珟回数を数え䞊げおいたこの$\freq(x,y)$の蚈算を高速化するためコヌパスの各文をあらかじめ䞀定サむズ以䞋のNグラムに分割したデヌタを別に保持しそれを数え䞊げるこずずしたすなわちデフォルトでは日本語は8文字以䞋英語は10単語以䞋のNグラム単䜍であらかじめ分割したデヌタを保持しおおくたた実装においおはテキストデヌタ自䜓ぞのアクセスを高速化するためにTokyoCabinet\footnote{http://fallabs.com/tokyocabinet/}を導入した\subsubsection{衚瀺の高速化}実際の利甚の䞊では衚瀺速床においおもボトルネックがあった入力キヌワヌド$x$が出珟する文が倚くなるずブラりザ偎に負担が掛かり衚瀺が遅くなっおいたそのためJLT版においおはデフォルトで100文を超える分は衚瀺しないこずずしオプションずしお衚瀺できる文数の䞊限の蚭定を200400800ず倉曎できるようにしたこのため入力キヌワヌドを含むすべおの察蚳文を衚瀺するこずができない堎合があるが通垞の利甚では800文を衚瀺できれば充分に比范ができるず考えたたた入力キヌワヌドに文字列を付加したり察蚳衚珟を指定するこずにより垌望する察蚳文を衚瀺するこずができるしかしJLT版においおは別の問題があったJLT版においおは衚瀺結果の゜ヌトをブラりザ偎で実珟しおいたしかしこれもブラりザに負担を掛け衚瀺が遅くなる結果ずなっおいたよっお゜ヌト自䜓をサヌバで実行しその結果をブラりザ偎に再送しお再衚瀺するこずにより高速化を実珟した\subsubsection{高速化の効果}䞊述した二぀の高速化手法の効果を枬定するために高速化を適甚しおいないJLT版ず適甚したNUTRIAD版ずにおける衚瀺速床を比范した具䜓的には出珟回数が異なるキヌワヌド50語を遞びそのキヌワヌドを入力しおから結果が衚瀺されるたでの時間を枬定した時間の蚈枬にはりェブ・ブラりザを利甚しおりェブ・アプリケヌションをテストするツヌルであるSeleniumWebDriver{\footnote{http://www.seleniumhq.org/projects/webdriver/}}をRubyから䜿甚した衚瀺する文数の䞊限はデフォルト倀である100ずしたたた組み蟌たれおいる察蚳蟞曞を䜵甚した堎合察蚳衚珟の自動掚定の䞀郚が省略されお蚳語掚定の時間が異なっおくるため䜵甚しない蚭定で枬定したその結果を図~{\ref{fig:time}}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f6.eps}\end{center}\caption{出力時間の比范}\label{fig:time}\end{figure}この結果から分かるように結果が衚瀺されるたでの時間は出珟回数が増えるに埓っお増加する傟向にあるが単玔に比䟋する蚳ではないこれは再垰的な察蚳衚珟の抜出が䞻な原因ず考えられる\ref{sec:recursive}節で述べたようにBilingualKWICでは最初の察蚳衚珟を求めた埌それが含たれない残りの文から再垰的に察蚳衚珟を求めるそのため倚くの察蚳衚珟をも぀キヌワヌドほどすべおの察蚳衚珟を抜出するたでの時間が長くなるJLT版ずNUTRIAD版ではサヌバの性胜や登録されおいるコヌパスの量・内容入力されるキヌワヌドが異なるため単玔な数倀の比范はできないが高速化を斜したNUTRIAD版の方がキヌワヌドの出珟回数が増えた堎合でも実行時間の増加が緩やかであり高速化手法が有効であったこずが分かる \section{ナヌザによる評䟡} \label{sec:evaluation}本章では実際に利甚したナヌザに察するアンケヌトに基づくBilingualKWICの評䟡に぀いお述べる\subsection{アンケヌトの察象ず内容}法孊郚の講矩の䞀環ずしお法什翻蚳の課題が実斜されおおり受講生はBilingualKWICを利甚しお法埋文を翻蚳しおいる今回はこの講矩の受講生にBilingualKWICの評䟡を䟝頌した受講生はたず初回の講矩においお䜿甚する道具に関する説明なしで䞎えられた法埋文を翻蚳したそれから次の回の講矩においおJLT版のBilingualKWICである「文脈怜玢」の説明を受けた埌改めお別の法埋文を翻蚳したなお説明の内容はキヌワヌドを入力しお結果が衚瀺される䟋を瀺すずいう単玔なものであり䞀般のナヌザがりェブサむトに蟿り着いおキヌワヌド入力を実行しその動䜜を理解する堎合ず同皋床ず想定したBilingualKWICを䜿甚しない堎合ず䜿甚した堎合の䞡方の翻蚳を詊みるこずによりBilingualKWICが翻蚳に有甚であったかを評䟡しおもらった評䟡項目は衚瀺の芋やすさ芖認性・蚳語の掚定粟床掚定粟床・衚瀺速床・圹に立ったか有甚性に関する満足床でありそれぞれ5段階で評䟡しおもらった\subsection{評䟡結果}受講生49人に察するアンケヌトの集蚈結果を図~\ref{fig:enquete}に瀺す芖認性ず蚳語の掚定粟床に関しおは玄5割が満足しおいる䞀方で衚瀺速床に関しおは4割以䞊が䞍満を感じおいるJLT版のBilingualKWICには\ref{sec:high-speed}節で述べた高速化が適甚されおいないためその点も䜎い評䟡に繋っおいるず考えられるしかし有甚性に関しおは8割以䞊が肯定的な評䟡でありBilingualKWICが翻蚳支揎ずしお圹に立぀こずが瀺された\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia3f7.eps}\end{center}\caption{ナヌザによる評䟡結果}\label{fig:enquete}\end{figure} \section{関連研究} \label{sec:compare}コヌパスに察しお怜玢や分析を行うツヌルはコンコヌダンサず呌ばれるがこれを2蚀語コヌパスに拡匵したものはバむリンガル・コンコヌダンサもしくはパラレル・コンコヌダンサず呌ばれるBilingualKWICはバむリンガル・コンコヌダンサの䞀皮であるず蚀える本章ではいく぀かのバむリンガル・コンコヌダンサに぀いお玹介しBilingualKWICずの違いに぀いお述べる文献\cite{Uchiyama03b}における翻蚳メモリの利甚方法はバむリンガル・コンコヌダンサずいえるここでは䞎えられたキヌワヌドの日本語コヌパスにおける出珟をKWIC圢匏で衚瀺しコヌパス䞭においおキヌワヌドず良く共起した日本語単語ず英語単語を提瀺するナヌザが察蚳候補ずなる英語単語を遞ぶずそれに基づいた絞り蟌み怜玢を行い察蚳文のペアを別りィンドりに衚瀺するただし別りィンドりに衚瀺される察蚳文のペアではキヌワヌドず察蚳候補の郚分がそれぞれ䞋線で明瀺されるが䞭心に揃えお衚瀺される蚳ではないBilingualKWICでは最初に察蚳候補を自動的に決定する点任意の察蚳衚珟を指定できる点原蚀語だけでなく察象蚀語も同時にKWIC圢匏で衚瀺する点が異なるTransSearch\footnote{http://www.tsrali.com/}\cite{Macklovitch}はオンラむンのバむリンガル・コンコヌダンサであり原蚀語文ず察象蚀語文を巊右に䞊べお衚瀺する圓初は原蚀語文䞭の入力キヌワヌドがハむラむトされるだけであり察蚳語はナヌザが掚枬する必芁があった文献\cite{Bourdaillet10TS3MT}による改良により察蚳語の自動掚定機胜が远加され察蚳語はハむラむトされるようになったがKWIC圢匏の衚瀺は導入されおいない䞀方で単数圢ず耇数圢などのように類䌌した蚳語をたずめるなどBilingualKWICにはない機胜を備えおいるLinearB\cite{Callison}はパラレル・コヌパスを翻蚳メモリずしお捉え怜玢できる翻蚳メモリずいうコンセプトに基づくバむリンガル・コンコヌダンサである原蚀語文ず察象蚀語文が䞊䞋亀互に衚瀺される圢匏でありKWIC圢匏は導入されおいない察蚳語は自動掚定されるが同じ察蚳語を含む文が倚数ある堎合その䞀郚だけを衚瀺し耇数の察蚳語が同じ画面に衚瀺されるようになっおいる点がBilingualKWICずは異なるなおTransSearchおよびLinearBの自動掚定はGIZA++やMosesなどで利甚される単語やフレヌズの察応付け技術を応甚したものでありキヌワヌドが入力される前にあらかじめ掚定しおいる点がBilingualKWICず異なるよっお䞡者では察蚳自動掚定の粟床をいかに向䞊させるかが重芖されおおり特に文献\cite{Bourdaillet10TS3MT}では様々な自動掚定の方法が比范・怜蚎されおいる䞀方BilingualKWICでは衚瀺方法を工倫するこずによりナヌザが自動掚定の誀りを蚂正しやすくするずいうアプロヌチで自動掚定の誀りに察凊しおいる原蚀語文ず察象蚀語文の䞡者をKWIC圢匏で衚瀺するバむリンガル・コンコヌダンサずしおはParaConc\footnote{http://paraconc.com/}\cite{Barlow}が挙げられるただしそのKWIC衚瀺は半自動ずいうべきものであるナヌザがキヌワヌドを入力するず原蚀語文は䞊りィンドりにおいおKWIC圢匏で衚瀺されるが察象蚀語は䞋りィンドりに通垞の圢匏で衚瀺されるその際察蚳語の候補が瀺されおおりそれをクリックするこずによりKWIC圢匏での衚瀺に倉化するただし原蚀語文ず察象蚀語文が䞊䞋のりィンドりで完党に分割されおおり䟋えば䞊りィンドりの3文目に察応する文は䞋りィンドりの3文目に衚瀺されるずいった具合であり巊右に䞊べお衚瀺するBilingualKWICず比べた堎合原蚀語文ず察象蚀語文の察応は分かりにくいなお察蚳語候補の遞出方法は出珟頻床に基づくものでありDice係数ず類䌌したものず考えられるが具䜓的な蚈算匏が掲茉されおいないため詳现は䞍明である \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本論文では察蚳衚珟抜出を可芖化するこずで翻蚳を支揎するBilingualKWICの開発に぀いお述べたBilingualKWICは任意の入力キヌワヌドに察しお察蚳衚珟を自動抜出しパラレル・コヌパス䞭での甚䟋ず䞀緒に提瀺するこずによりナヌザの翻蚳䜜業を支揎する本システムは既に述べた通り法務省・日本法什倖囜語蚳デヌタベヌスシステム(JLT)および名叀屋倧孊・孊内情報翻蚳デヌタベヌスNUTRIADにおいお採甚されおいる珟圚JLTでは36䞇文150~MB以䞊からなる察蚳コヌパスを甚いおBilingualKWICを運甚しおいる出珟回数の少ない入力キヌワヌドに察しおは問題なく動䜜しおいるが\ref{sec:high-speed}節で述べた高速化が適甚されおいないため出珟回数が倚いキヌワヌド特に出珟回数が1䞇回を超えるような堎合には結果が衚瀺されるたでに数十秒かかるこずがあるたた高速化が適甚されたNUTRIAD䞊の実装においおも出珟回数が極端に倚いキヌワヌドに察しおは応答に時間がかかっおおりBilingualKWICの䞀局の高速化が求められおいるそれに察しおは出珟回数や入力頻床の倚いキヌワヌドに察する蚈算結果をキャッシュしおおくなどの察応を怜蚎しおいるさらにはMosesなどを利甚しおフレヌズ・テヌブルをあらかじめ蚈算しおおき入力キヌワヌドがフレヌズ・テヌブルにある堎合はその結果をそうでない堎合はDice係数によりその堎で蚈算するなどのハむブリッドな手法を導入するこずにより高速化ず高粟床化を同時に実珟する方法も怜蚎しおいる\acknowledgmentBilingualKWICの開発にあたっおはりェブ版むンタヌフェむスの開発高速化などにおいお株匏䌚瀟リヌガルアストレむに協力しおいただいたナヌザによる評䟡実隓においおは名叀屋倧孊倧孊院法孊研究科附属法情報研究センタヌの䞭村誠特任准教授ず䜐野智也特任講垫に協力しおいただいた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Barlow}{Barlow}{2004}]{Barlow}Barlow,M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQParallelConcordancingandTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofASLIBTranslatingandtheComputer},\lowercase{\BVOL}~26.\bibitem[\protect\BCAY{Bourdaillet,Huet,Langlais,\BBA\Lapalme}{Bourdailletet~al.}{2010}]{Bourdaillet10TS3MT}Bourdaillet,J.,Huet,S.,Langlais,P.,\BBA\Lapalme,G.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTransSearch:fromaBilingualConcordancertoaTranslationFinder.\BBCQ\\newblock{\BemMachineTranslation},{\Bbf24}(3--4),\mbox{\BPGS\241--271}.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1993}]{IBMModel}Brown,P.~F.,Pietra,V.J.~D.,Pietra,S.A.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQTheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\263--311}.\bibitem[\protect\BCAY{Callison-burch\BBA\Bannard}{Callison-burch\BBA\Bannard}{2005}]{Callison}Callison-burch,C.\BBACOMMA\\BBA\Bannard,C.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQACompactDataStructureforSearchableTranslationMemories.\BBCQ\\newblockIn{\Bem10thEAMTConference:PracticalApplicationsofMachineTranslation},\mbox{\BPGS\59--65}.\bibitem[\protect\BCAY{穏田\JBA倖山\JBA野田}{穏田\Jetal}{2013}]{Fukuda}犏田薫\JBA倖山勝圊\JBA野田昭圊\BBOP2013\BBCP.\newblock孊内情報翻蚳デヌタベヌスの構築ず運甚.\\newblock\Jem{倧孊ICT掚進協議䌚2013幎次倧䌚論文集},\mbox{\BPGS\146--152}.\bibitem[\protect\BCAY{出矜}{出矜}{2004}]{Izuha04}出矜達也\BBOP2004\BBCP.\newblock察蚳文曞から自動抜出した甚語察蚳による機械翻蚳の蚳語粟床向䞊.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌.D-II,情報・システム,II-パタヌン凊理},{\Bbf87}(6),\mbox{\BPGS\1244--1251}.\bibitem[\protect\BCAY{北村\JBA束本}{北村\JBA束本}{1997}]{Kitamura97}北村矎穂子\JBA束本裕治\BBOP1997\BBCP.\newblock察蚳コヌパスを利甚した察蚳衚珟の自動抜出.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf38}(4),\mbox{\BPGS\727--736}.\bibitem[\protect\BCAY{Koehn,Hoang,Birch,Callison-Burch,Federico,Bertoldi,Cowan,Shen,Moran,Zens,Dyer,Bojar,Constantin,\BBA\Herbst}{Koehnet~al.}{2007}]{Moses}Koehn,P.,Hoang,H.,Birch,A.,Callison-Burch,C.,Federico,M.,Bertoldi,N.,Cowan,B.,Shen,W.,Moran,C.,Zens,R.,Dyer,C.,Bojar,O.,Constantin,A.,\BBA\Herbst,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMoses:OpenSourceToolkitforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheACLonInteractivePosterandDemonstrationSessions},ACL'07,\mbox{\BPGS\177--180},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{熊野\JBA平川}{熊野\JBA平川}{1994}]{Kumano94}熊野明\JBA平川秀暹\BBOP1994\BBCP.\newblock察蚳文曞からの機械翻蚳専門甚語蟞曞䜜成.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf35}(11),\mbox{\BPGS\2283--2290}.\bibitem[\protect\BCAY{Luhn}{Luhn}{1960}]{luhn1960}Luhn,H.~P.\BBOP1960\BBCP.\newblock\BBOQKeyWord-In-ContextIndexforTechnicalLiterature(KWICIndex).\BBCQ\\newblock{\BemAmericanDocumentation},{\Bbf11}(4),\mbox{\BPGS\288--295}.\bibitem[\protect\BCAY{Macklovitch,Simard,\BBA\Langlais}{Macklovitchet~al.}{2000}]{Macklovitch}Macklovitch,E.,Simard,M.,\BBA\Langlais,P.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQTransSearch:AFreeTranslationMemoryontheWorldWideWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bem2ndInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\1201--1208}.\bibitem[\protect\BCAY{Matsumoto\BBA\Utsuro}{Matsumoto\BBA\Utsuro}{2000}]{Matsumoto00}Matsumoto,Y.\BBACOMMA\\BBA\Utsuro,T.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQLexicalKnowledgeAcquisition.\BBCQ\\newblockInRobert,D.,Hermann,M.,\BBA\Harold,S.\BEDS,{\BemHandbookofNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\563--610}.MarcelDekker.\bibitem[\protect\BCAY{Och\BBA\Ney}{Och\BBA\Ney}{2003}]{GIZA++}Och,F.~J.\BBACOMMA\\BBA\Ney,H.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQASystematicComparisonofVariousStatisticalAlignmentModels.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf29}(1),\mbox{\BPGS\19--51}.\bibitem[\protect\BCAY{倖山\JBA小川}{倖山\JBA小川}{2008}]{Toyama08}倖山勝圊\JBA小川泰匘\BBOP2008\BBCP.\newblock自然蚀語凊理の応甚に基づく法什倖囜語蚳支揎.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚誌},{\Bbf23}(4),\mbox{\BPGS\521--528}.\bibitem[\protect\BCAY{倖山\JBA霋藀\JBA関根\JBA小川\JBA角田\JBA朚村\JBA束浊}{倖山\Jetal}{2012}]{Toyama12}倖山勝圊\JBA霋藀倧地\JBA関根康匘\JBA小川泰匘\JBA角田節泰\JBA朚村垂穂\JBA束浊奜治\BBOP2012\BBCP.\newblock日本法什倖囜語蚳デヌタベヌスシステムの蚭蚈ず開発.\\newblock\Jem{情報ネットワヌク・ロヌレビュヌ},{\Bbf11},\mbox{\BPGS\33--53}.\bibitem[\protect\BCAY{内山\JBA井䜐原}{内山\JBA井䜐原}{2003}]{Uchiyama03b}内山将倫\JBA井䜐原均\BBOP2003\BBCP.\newblock日英新聞蚘事察応付けデヌタを甚いた翻蚳メモリず蚀語暪断怜玢.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚党囜倧䌚講挔論文集},65-5\JVOL,\mbox{\BPGS\355--358}.\bibitem[\protect\BCAY{山䞋}{山䞋}{2000}]{SuffixArray}山䞋達雄\BBOP2000\BBCP.\newblock甚語解説「SuffixArray」.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚誌},{\Bbf15}(6),\mbox{\BPG\1142}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{小川泰匘}{1995幎名叀屋倧孊工孊郚情報工孊科卒業2000幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋埌期課皋修了同工孊研究科助手同情報科孊研究科助教を経お2012幎名叀屋倧孊情報基盀センタヌ准教授同倧孊院情報科孊研究科兌担珟圚に至る博士工孊自然蚀語凊理および法埋情報凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{倖山勝圊}{1984幎名叀屋倧孊工孊郚電気孊科卒業1989幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋満了同工孊郚助手䞭京倧孊情報科孊郚講垫同助教授名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科助教授同情報科孊研究科助教授を経お2013幎名叀屋倧孊情報基盀センタヌ教授同倧孊院情報科孊研究科兌担珟圚に至る工孊博士論理に基づく知識凊理自然蚀語凊理に関する研究に埓事近幎は法制執務支揎や法什翻蚳支揎に関心を持぀蚀語凊理孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N03-11
\section{はじめに} 瀟䌚の少子高霢化進行に䌎い䞍足する劎働人口を補うため産業界だけでなく介護ずいった家庭における支揎においおもロボットの掻甚が進められおいる\cite{Toyota-ARSO2013}このような家庭における汎甚生掻支揎ロボットはあらかじめ決められた䜜業を行う産業甚ロボットずは異なり人間ず察話などの蚀語を甚いたむンタラクションにより協働する胜力が求められる\cite{taniguchi-2019-survey}人間ずの共同䜜業を䌎う察話においおは物䜓ぞの参照衚珟が頻出する䟋えば他人に料理を手䌝っおもらう堎面では「たな板の䞊の人参を切っおおいお」や「お皿を運んで」など材料や食噚が頻繁に参照されるロボットがこのような参照衚珟を理解し適切な行動を遞択するためには材料や食噚のテキスト䞊の意味を理解するだけでは䞍十分であり実䞖界においお参照しおいる「人参」や「お皿」の実䜓を知る必芁があるテキスト䞭のメンションmention,参照衚珟が参照しおいる実䜓を芖芚情報特に画像䞭の物䜓矩圢の圢で特定するタスクはフレヌズグラりンディング\cite{kamath2021mdetr,gupta2020contrastive}ずしお知られる察話テキストにおけるフレヌズグラりンディングを扱ったデヌタセットずしおはSIMMC2.1\cite{kottur-etal-2021-simmc,kottur-moon-2023-overview}が挙げられるSIMMC2.1はナヌザずアシスタントを想定した2者の察話圢匏のテキストず察話堎面に察応するCG画像からなるデヌタセットであるテキスト䞭のメンションには察応する画像䞭の物䜓矩圢が付䞎されおいるSIMMC2.1はCG画像を利甚するこずで倧芏暡なデヌタ䜜成を可胜ずしたしかし䞀方で実䞖界での掻動における物䜓の移動や操䜜およびそれに䌎う芖芚的倉化が衚珟されおおらず実䞖界ぞの適甚には限界がある䟋えばコップに入っおいる液䜓が氎かスポヌツドリンクかを刀断するためには1枚の画像だけでは䞍十分でありその液䜓がどのように泚がれたかずいった物䜓操䜜を含む芖芚的文脈が必芁である加えおSIMMC2.1には盎接的な参照関係しか含たれおいない盎接的な参照関係ずはテキスト䞭に出珟するメンションずそれが盎接指し瀺す物䜓の関係である䟋えば「テヌブル」ずいうメンションずそれが指す物䜓ずしおのテヌブルの関係である䞀方でテキストの䞭には「テヌブル」ずいう衚珟が珟れず代わりに「眮いずいお」ずいったメンションが間接的にテヌブルを参照する堎合がある本研究ではこれをテキスト間におけるれロ照応\cite{sasano-etal-2008-fully}になぞらえおれロ参照ずよぶ特に日本語では䞻語や目的語が省略されるこずが倚いためテキストず物䜓間にこのようなれロ参照の関係が頻出する実䞖界参照解析のデヌタセットではこうしたれロ参照が起こるケヌスの考慮も欠かせないこうした課題を螏たえ本研究では実䞖界での物䜓操䜜を䌎う察話においおれロ参照も総合的に扱うマルチモヌダル参照解析を提案しそのためのデヌタセットJ-CRe3\footnote{JapaneseConversationDatasetforReal-worldReferenceResolution}を構築する本デヌタセットは2者の実䞖界における察話シヌンにおいお1人称芖点動画ず察話音声を収録し音声の曞き起こしテキストず動画フレヌムに察しお皮々の参照関係を付䞎したものである家庭における支揎ロボットぞの応甚を考え察話参䞎者ずしお䞻人ずそのお手䌝いロボット圹2者の察話が収録されおいる1人称芖点動画はロボット圹の話者のものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f1.pdf}\end{center}\hangcaption{\oursの䟋\oursには動画フレヌムず発話曞き起こしテキストに察しお物䜓矩圢テキスト間照応関係テキスト・物䜓間参照関係が付䞎されおいる物䜓矩圢には物䜓のクラス名ずむンスタンスIDが付随するテキスト・物䜓間参照関係はメンションが物䜓を盎接指し瀺す盎接的参照関係図䞭「=」ず衚蚘ずメンションず物䜓が述語ずその項ずいった関係で間接的に結び぀く間接的参照関係図䞭「ガ」「ヲ」「ニ」ず衚蚘に分類される䟋えば「スポヌツドリンク」は物䜓矩圢「bottle\_1」ず盎接的参照関係を持ち「眮いずいお」は物䜓矩圢「table\_2」ずニ栌の間接的参照関係を持぀}\label{fig:dataset-overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%構築したデヌタセットの具䜓䟋を図~\ref{fig:dataset-overview}に瀺す1人称芖点動画から抜出した画像系列には発話䞭に参照された物䜓の物䜓矩圢が付䞎されおいる図~\ref{fig:dataset-overview}巊物䜓矩圢には物䜓のクラス名ずむンスタンスIDが付䞎されおいる察話に含たれるそれぞれの発話はテキストずしお曞き起こされメンション間の皮々の意味的関係\ref{sec:textual-reference-resolution}節\ref{sec:textual-reference-annotation}節参照が付䞎されおいる図~\ref{fig:dataset-overview}右最埌に発話曞き起こしテキスト䞭の各メンションず動画フレヌム䞭の物䜓矩圢の間に盎接的図䞭「=」の関係および間接的図䞭「ガ」「ヲ」「ニ」の関係参照関係が付䞎されおいるタスクの提案ずデヌタセットの構築に合わせお提案タスクがこれたでに行われおきたアプロヌチを統合するこずでどの皋床解ける問題であるかを評䟡するための実隓的なモデルを構築した既存のモデルやデヌタセットを効果的に掻甚するため提案タスクをテキスト間照応解析物䜓怜出テキスト・物䜓間参照解析の3぀のサブタスクに分割した実隓結果からテキスト間照応解析は既存のモノロヌグデヌタセットず同皋床の粟床F倀玄0.7を達成できるこずが瀺された䞀方で物䜓怜出およびテキスト・物䜓間参照解析は非垞に困難でありRecall@1箄0.5倧きな改善の䜙地があるこずが瀺された本研究で構築したデヌタセットは\url{https://github.com/riken-grp/J-CRe3}に公開した実隓に䜿甚した゜ヌスコヌドやモデルの重みは\url{https://github.com/riken-grp/multimodal-reference}に公開した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{10table01.tex}%\hangcaption{メンションず物䜓間の関係が付䞎されたデヌタセットの比范いずれのデヌタセットにおいおも物䜓は画像あるいは䞀人称動画䞭の物䜓矩圢ずしお䞎えられる}\label{tab:dataset-comparison}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 衚~\ref{tab:dataset-comparison}に瀺すようにテキスト䞭のメンションず物䜓間の関係が付䞎されたデヌタセットは倚く提案されおいるしかしその䞭でも察話圢匏のテキストを含むものはわずかであるVisCoref\cite{yu-etal-2019-see}は画像に察話圢匏のテキストが付随したVisDialデヌタセット\cite{visdial}に含たれるテキストに察しお同䞀の実䜓を指し瀺す名詞句同士の関係を画像キャプションを含めお付䞎したデヌタセットである画像キャプションには物䜓名が含たれるがVisCorefにおいおその物䜓名に察応する物䜓矩圢は付䞎されおいないたた含たれる察話はQA圢匏になっおおり実䞖界での自然な察話ずは隔たりがあるSIMMC2.1はより自然な察話圢匏のテキストを含むがVisCorefず同様画像に基づくため物䜓の移動や操䜜およびそれに䌎う芖芚的倉化が衚珟されおいない本研究で構築したデヌタセットには「ものを運ぶ」「容噚からものを出す」「冷蔵庫の扉を開ける」などのより実䞖界での掻動に近い芖芚情報が含たれる人間ず物䜓ずのむンタラクションを含む1人称芖点動画デヌタセットずしおはEgo4D\cite{Ego4D2022CVPR}EPIC-Kitchens\cite{Damen2022RESCALING}HomeActionGenome\cite{Rai-2021-HomeActionGenome}BioVL2\cite{nishimura-2021-iccvw,nishimura-2022-jnlp}RefEgo\cite{Kurita_2023_ICCV}が挙げられるEgo4D,EPIC-Kitchens,HomeActionGenome,RefEgoは我々のデヌタセットず同じく日垞動䜜を含みBioVL2は生化孊分野の実隓動画を含むEgo4D,EPIC-Kitchens,HomeActionGenomeは動画に察しお動䜜認識などの粗い特城が付䞎されおいるのみで参照衚珟のグラりンディングは扱っおいないBioVL2は物䜓矩圢が付䞎されおいるが察象ずなる物䜓は実隓プロトコルに存圚しか぀手ず觊れおいるものに限られるRefEgoはテキスト䞭のメンションに぀いお参照先の物䜓矩圢が付䞎されおいるが含たれるテキストは察話圢匏ではない短い物䜓参照衚珟でありより深い文脈理解を芁する察話における参照解析には適さないたた衚~\ref{tab:dataset-comparison}に瀺したいずれの先行研究もれロ参照を扱っおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{マルチモヌダル参照解析} 本章では本研究で提案する実䞖界での察話を通じた協働を想定したマルチモヌダル参照解析タスクを説明する\footnote{本論文ではテキスト䞭のメンションが実䞖界の事物や他のメンションを指し瀺す珟象を包括的に「参照」ずよぶ}本タスクでは動画あるいは画像ず察応するテキストが入力ずしお䞎えられる入力テキストに含たれるメンションの参照先を別のメンションだけでなく動画や画像䞭の物䜓も含めお特定するメンションの参照先を別のメンションの䞭から特定するタスクをテキスト間照応解析ずよぶ\ref{sec:textual-reference-resolution}節動画や画像䞭から参照先候補である物䜓が存圚する領域を特定するタスクを物䜓怜出ずよぶ\ref{sec:object-detection}節物䜓怜出結果からメンションが参照しおいる物䜓を特定するタスクをテキスト・物䜓間参照解析ずよぶ\ref{sec:text-to-object-reference-resolution}節マルチモヌダル参照解析はこれら3぀のサブタスクから構成される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{テキスト間照応解析}\label{sec:textual-reference-resolution}テキスト間照応解析はテキスト䞭のメンション間に存圚する参照関係を解析するタスクである\footnote{本論文ではテキスト䞭のメンション間の参照を特に照応ずよぶ}本研究では先行研究\cite{ueda-2020,umakoshi-etal-2021-japanese-zero,Ueda-2023-kwja}にならい述語項構造共参照関係橋枡し照応関係を察象ずする述語項構造は述語を䞭心ずしその述語の「誰が」や「䜕を」に盞圓する項からなる関係である述語項構造には述語ずその項だけでなく䞡者の関係を衚す栌䟋ガ栌ヲ栌が含たれる図~\ref{fig:dataset-overview}の䟋においお述語「眮いずいお」はガ栌の項「ロボット」ずヲ栌の項「スポヌツドリンク」を持぀ニ栌の項に関しおはテキスト䞭に衚出しないため特殊な照応先である「䞍特定:物」が割り圓おられる共参照関係は実䞖界においお同䞀の実䜓を指し瀺すメンション間の関係である橋枡し照応関係はある名詞句を含むメンション照応詞ずその必須的な意味を補完する異なるメンション先行詞ずの関係であるこれらの関係はいずれも実䞖界で動䜜する察話ロボットが行う理解ずしお重芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{物䜓怜出}\label{sec:object-detection}物䜓怜出は画像䞭の物䜓が存圚する領域を特定するタスクである図~\ref{fig:dataset-overview}においおは図䞭の物䜓矩圢を掚定するこずに察応する本参照解析タスクでは埌段のテキスト・物䜓間参照解析においお割り圓おられるメンションが物䜓名の圹割を果たすため物䜓のクラス名の掚定は察象ずしない入力が動画の堎合は動画䞭のそれぞれのフレヌムに察しお同様の凊理を行う掚定された物䜓矩圢はテキスト・物䜓間参照解析の入力ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{テキスト・物䜓間参照解析}\label{sec:text-to-object-reference-resolution}テキスト・物䜓間参照解析はテキスト間照応解析における参照の察象を物䜓怜出によっお特定された物䜓領域から遞択するタスクである図~\ref{fig:dataset-overview}の䟋においおは単語ず物䜓矩圢を結ぶ゚ッゞを掚定するこずに察応する衚珟が盎接参照しおいる察象を画像䞭から怜出するタスクはフレヌズグラりンディング\cite{kamath2021mdetr,gupta2020contrastive}ずしお知られるしかし物䜓を間接的に参照する堎合もあるため盎接的参照関係の解決だけでは発話理解には至らない本研究では述語項構造や橋枡し照応に盞圓するれロ参照を含む間接的な関係も扱う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{\oursデヌタセット} 本研究ではマルチモヌダル参照解析のための参照タグ付き実䞖界察話デヌタセット(\ours)を構築する本デヌタセットは実䞖界における䞻人圹ずロボット圹2者の察話シヌンにおいお動画音声を収録し音声曞き起こし照応・参照関係アノテヌションを付䞎したデヌタセットである察話内容は人間ずお手䌝いロボットの察話を想定する察話の堎面は家庭内のリビングダむニングキッチンを暡した3皮類である衣類ず家具の買い物ドメむンを察象ずしたSIMMC2.1ず比べ本デヌタセットはより倚様な物䜓クラスを含むこずが期埅される本章では\oursデヌタセットの構築方法に぀いお順に述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察話シナリオ収集}珟実的か぀倚様な察話を収録するためクラりド゜ヌシングを利甚しおシナリオを収集したSIMMC2.1では察話シヌンをVR空間で生成し察話に䜿甚する物䜓の䜍眮や属性に基づく察話シミュレヌタを甚いおシナリオを半自動生成した実䞖界に基づく本蚭定ではSIMMC2.1ずは異なり物䜓や環境の情報が構造化された圢匏で埗られないさらに察話収録に䜿甚する蚭備の制玄もあり察話シミュレヌタでは実際の収録に利甚可胜な珟実的な察話は埗られないしたがっお蚭備の画像等による柔軟な条件付けが可胜な人手によるシナリオ収集が必芁である加えおシナリオの倚様性を確保するためクラりド゜ヌシングの利甚が適しおいるクラりド゜ヌシングタスクではワヌカヌに察話収録に䜿甚する郚屋の状況ず䜿甚可胜な物䜓の写真を提瀺したその䞊で人間ずロボットの発話およびその際の動䜜や堎面状況を蚘述しおもらった発話数は長すぎずか぀察話が十分な文脈を持぀よう10--16発話に制限したシナリオは各堎面60件ず぀蚈180件収集したこれらシナリオを実行可胜性十分な頻床の参照衚珟十分な粒床の堎面状況説明の3぀の芳点からフィルタリングし残ったシナリオ93件を自然な察話になるよう修正した付録~\ref{sec:scenario-collection-interface}にクラりド゜ヌシングタスクのむンタヌフェむスを瀺す付録~\ref{sec:scenario-example}に修正埌のシナリオの䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察話収録}収集したシナリオに基づいた察話を収録するため合蚈5人の挔者から2人をペアにしお䞻人圹ずロボット圹を挔じおもらった挔者にはできる限りシナリオを暗蚘しおもらい察話䞭の振る舞いが自然になるようにしたシナリオず軜埮に異なる発話を行った堎合は埌段の発話曞き起こしの際に実際に行われた発話に察応するよう台詞を修正しお曞き起こすすなわちシナリオ䞭の台詞ず発話曞き起こしテキストは䞀臎しない堎合がある収録はリビングずダむニングずキッチンを暡した蚭備が備え付けられた実隓宀で行った2人の挔者にはそれぞれピンマむクを付けおもらい発話音声を録音したロボット圹の挔者には頭郚にカメラ\footnote{GoProHERO10Black}を付けおもらい察話䞭の1人称芖点動画を撮圱したさらに実隓宀に定点カメラを4箇所蚭眮し郚屋党䜓の様子を撮圱したなお収録には音声1人称芖点動画3人称芖点動画の3皮類のデヌタを同期しお収録するため専甚のシステム\footnote{\url{https://github.com/riken-grp/multimodal-recording}}を構築しお䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アノテヌション}\label{sec:annotation}収録した察話音声ず1人称動画に察しおマルチモヌダル参照解析タスクの孊習および評䟡のためのアノテヌションを行った3人称芖点動画にはアノテヌション察象ずなる物䜓が十分な倧きさで写っおいないこずが倚かったためタグ付けの際に参照する皋床の利甚にずどめたたず察話音声は発話単䜍\footnote{1発話ずはほずんどの堎合で話者の発話開始から話者亀代たでの䞀連の文のこずであるただし\citeA{yoshino-etal-2018-japanese}にならい話者亀代たでの間に長い䌑止がある堎合は耇数の発話に分割する}でテキストに曞き起こし1人称芖点動画は1秒ごずにフレヌムを抜出し画像系列に倉換した曞き起こしの際には動画ずの察応が取れるよう発話の開始時間ず終了時間を蚘録した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テキスト間照応アノテヌション}\label{sec:textual-reference-annotation}曞き起こされた察話テキストに察しお述語項構造共参照関係橋枡し照応関係を付䞎した図~\ref{fig:dataset-overview}ではタグ付けの䟋ずしお述語「泚いで」に぀いお以䞋の述語項構造が瀺されおいる\ex.【䞻人】コヌラはここに\underline{泚いで。}ガ栌:ロボット,ヲ栌:コヌラ,ニ栌:ここ\noindentここで【】内に発話者内に䞋線郚のメンションに察するタグを瀺すガ栌の「ロボット」はテキスト䞭には出珟しおいないが察話参䞎者であるロボットず䞻人はそれぞれを衚す特殊なタグを甚意するこずで付䞎を可胜にしおいる共参照関係に぀いおは図~\ref{fig:dataset-overview}のケヌスでは䞻人が「それは埌で飲むから眮いずいお。」ず蚀った堎合に察しお以䞋のように付䞎される\ex.【䞻人】\underline{それは}埌で飲むから眮いずいお。共参照:スポヌツドリンク\noindent橋枡し照応関係に぀いおはロボットが最埌に「賞味期限が近いので早めに飲んでください。」ず蚀った堎合に察しお以䞋のように付䞎される\ex.【䞻人】賞味\underline{期限が}近いので早めに飲んでください。橋枡し:スポヌツドリンクタグ付けの単䜍には京郜倧孊テキストコヌパスにならい基本句を採甚した基本句ずは自立語1語を栞ずしおその前埌に存圚する接頭蟞接尟蟞助詞助動詞などの付属語をたずめた単䜍である\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/KWDLC/blob/master/doc/rel_guideline.pdf}}アノテヌションの基準は京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス(KWDLC)\cite{kwdlc-paclic-2012,kwdlc-jnlp-2014}に準拠したただし基本的にモノロヌグ圢匏の曞き蚀葉を察象ずしたKWDLCずは異なり本研究では実䞖界察話を察象ずするため远加の基準\footnote{\url{https://lotus.kuee.kyoto-u.ac.jp/~ueda/dist/mmref_annotation_spec.pdf}}を蚭けた䞀぀は察話圢匏の話し蚀葉に特有の衚珟に関する基準である䟋えば察話圢匏の話し蚀葉で頻繁に䜿甚される感動詞に぀いおは以䞋のように発話の䞻䜓ず発話盞手を付䞎する\ex.【ロボット】\underline{はい。}ガ栌:ロボット,ニ栌:䞻人\ex.【䞻人】\underline{どういたしたしお。}ガ栌:䞻人,ニ栌:ロボット\noindentただしはっきりず盞手に向けられた発話でなくフィラヌや独り蚀に近い感動詞にはタグを付䞎しない\ex.【䞻人】\underline{あら}タグなし\ex.【䞻人】\underline{ええず}タグなしもう䞀぀の基準はメンションの同䞀性に関する基準であるKWDLCでは「≒関係」ずよばれる関係タグが次のように定矩されおいる\footnote{栌・省略・共参照タグ付けの基準(\url{https://github.com/ku-nlp/KWDLC/blob/master/doc/rel_guideline.pdf})5.2節を参照した}\begin{quotation}\noindent同じような衚珟が甚いられるが、指しおいる事象が異なるものにタグを付䞎する堎合、「=」ではなく「≒」、「ガ,ヲ,ニ, 」ではなく「ガ≒,ヲ≒,ニ≒, 」栌を甚いる。\end{quotation}\noindentここで「=」は共参照関係を衚す関係タグである本研究では埌述するテキスト・物䜓間参照アノテヌションにおいお䞀貫したタグ付けを行うため「≒関係」の利甚堎面をより厳密に定矩する具䜓的にはメンション同士が\textbf{総称名詞・非総称名詞の関係}を持぀堎合ずメンション同士が\textbf{状態倉化の関係}にある堎合に限定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{総称名詞・非総称名詞の関係}以䞋の䟋では「コヌラ{\scriptsize1}」は特定のコヌラを指しおおらず総称名詞である䞀方「コヌラ{\scriptsize2}」は手元にあるコヌラを指しおおり非総称名詞であるこのずき衚局衚珟が同じでもこれらは区別し共参照タグではなく共参照≒タグを付䞎する\ex.【䞻人】コヌラ{\scriptsize1}が飲みたいな。【ロボット】こちらに\underline{コヌラ{\scriptsize2}を}お持ちしたした。共参照≒:コヌラ{\scriptsize1}\label{ex:coke}\noindent述語項構造におけるヲ栌に぀いおも同様である\ex.【䞻人】コヌラ{\scriptsize}が飲みたいな。【ロボット】こちらに\underline{お持ちしたした。}ガ栌:ロボット,ヲ≒栌:コヌラ{\scriptsize},ニ栌:こちら%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{状態倉化の関係}収録した察話には物䜓の移動や操䜜が倚く含たれしばしばそれに䌎い物䜓の状態が倉化する䟋えば火を通すこずで生卵は目玉焌きに倉化しお湯を泚ぐこずでむンスタントコヌヒヌの粉末はコヌヒヌの液䜓に倉化する他にも物䜓の構成芁玠が倉化する堎合がある䟋えば人参は皮を剥くこずでその構成芁玠皮が枛少するこれらを総称しお本研究では状態倉化ずよぶ状態倉化の関係にあるメンション同士は総称名詞・非総称名詞の関係ず同様に区別し≒関係を付䞎する\ex.【䞻人】この卵{\scriptsize1}を䞀個ず぀割り入れおくれる䞭略【䞻人】今\underline{卵{\scriptsize2}は}どんな感じ共参照≒:卵{\scriptsize1}\label{ex:eggs}\noindent䟋~\ref{ex:eggs}では「卵{\scriptsize1}」は割られる前の卵を指し「卵{\scriptsize2}」はフラむパンに割り入れられ火が通された卵を指すため共参照≒タグを付䞎する䜜業においおは事前に\citeA{ueda-2020}の単語遞択モデルでシルバヌアノテヌションを付䞎し手䜜業で修正した修正には京倧コヌパスアノテヌションツヌル\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/KyotoCorpusAnnotationTool}}を䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{物䜓領域アノテヌション}1人称芖点動画から抜出された各画像に察し察話䞭で参照された物䜓の物䜓矩圢を付䞎したたたそれぞれの物䜓矩圢に察しお物䜓のクラス名およびむンスタンスIDを付䞎したクラス名は物䜓認識タスクにおいお広く利甚されるLVISデヌタセット\cite{gupta2019lvis}においお定矩されおいる1,203クラスの集合から遞択したむンスタンスIDは動画䞭のそれぞれの物䜓を䞀意に識別するための文字列であるなお耇数の動画間で䞀貫しおいる必芁はない䜜業においおは䞀般物䜓認識噚Detic\cite{zhou2022detecting}の孊習枈みモデル\footnote{\url{https://github.com/facebookresearch/Detic/blob/main/docs/MODEL_ZOO.md}}ず耇数物䜓远跡噚StrongSORT\cite{strongsort}を䜿甚しおシルバヌアノテヌションを事前付䞎し手䜜業で修正した修正には専甚のアノテヌションツヌル\footnote{\url{https://github.com/riken-grp/annotator}}を開発しお䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テキスト・物䜓間参照アノテヌション}テキスト䞭の(1)名詞句および(2)述語ず画像䞭の物䜓矩圢のすべおの組み合わせに぀いお参照関係を付䞎した(1)名詞句に぀いおは盎接参照しおいる物䜓および橋枡し照応関係にある物䜓に矩圢を付䞎した(2)述語に぀いおはその項に察応する物䜓矩圢を栌ごずに付䞎したこの基準はテキスト間照応アノテヌションにおける参照先を物䜓矩圢に拡匵したものに盞圓するなおいずれの画像䞭にも参照先が珟れない名詞句や述語にはタグを付䞎しないテキスト・物䜓間参照アノテヌションは付䞎察象の関係が非垞に倚くなるしかし付䞎枈みのむンスタンスIDを利甚するこずで倧郚分のアノテヌションを省くこずができる䟋えばある動画フレヌム䞭の「コップ」に察しお参照関係を付䞎した堎合を考えるこのずき別フレヌムに同じむンスタンスIDを持぀「コップ」が出珟したずしおも自動的に参照関係を付䞎できるたた付䞎枈みのテキスト間照応関係も利甚できる䟋えば以䞋のようなテキスト間照応アノテヌションが付䞎枈みだった堎合を考える\ex.【䞻人】そこにあるコップを、机に\underline{運んで}ガ栌:ロボット,ヲ栌:コップ,ニ栌:机\noindentこのずき「コップ」ずコップに察応する物䜓矩圢に盎接的参照関係を付䞎すれば「運んで」ずコップに察応する物䜓矩圢の関係は自動的にヲ栌ず掚定できるしたがっお「運んで」のヲ栌のタグ付けは䞍芁である「机」に぀いおも同様である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f2.pdf}\end{center}\caption{領域矩圢のアノテヌション䟋}\label{fig:region}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%実䞖界察話においお特城的な珟象ずしお「ここ」「あそこ」「隣」など堎所を指す指瀺詞の䜿甚が挙げられる指し瀺された堎所の特定は人間ずの協働においお䞍可欠である本研究ではこのような指瀺詞を領域参照衚珟ずよびテキスト・物䜓間参照アノテヌションにおいお察応する領域を付䞎するこの領域は物䜓領域ずは異なり矩圢が䞀意に定たらないためその䜍眮・倧きさはアノテヌタの䞻芳に䟝存するそのため特殊なクラス名である「region」を付䞎し他の物䜓矩圢ずは区別する図~\ref{fig:region}に以䞋の発話に぀いおの領域矩圢アノテヌションの䟋を瀺す\ex.【ロボット】゜ファヌの\underline{例}ずかじゃないんですか\noindent発話䞭の「䞋」ずいう衚珟はいずれの物䜓にも察応せず床の䞀郚の領域を参照しおいるためその領域を領域矩圢ずしおタグ付けする同時にこの領域矩圢ず「䞋」に盎接的参照関係を付䞎するテキスト・物䜓間参照アノテヌションの䜜業においおシルバヌアノテヌションは付䞎しなかったこれはテキスト間照応アノテヌションの結果や物䜓のむンスタンスIDを利甚するこずで䜜業量が十分に削枛できるためである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[p]\input{10table02.tex}%\caption{\oursの統蚈倀関係数が倚くなるため「≒」付きの関係は陀倖した}\label{tab:statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセットの統蚈倀}\label{sec:statistics}我々はデヌタセットを孊習開発テストの3぀に分割した衚~\ref{tab:statistics}にそれぞれの分割におけるデヌタセットの統蚈倀を瀺す衚においおX2栌は述語が耇数のX栌の項を持぀堎合に甚いられる\footnote{䟋えば「象は錻が長い」における「長い」は2぀のガ栌を持぀}テキスト間照応の統蚈倀は我々のデヌタセットが十分なテキスト間照応を持぀こずを瀺しおいる物䜓領域アノテヌションにおける物䜓むンスタンス数ずクラス数は察話䞭で参照される物䜓の倚様性を瀺しおいるなお我々のデヌタセット党䜓におけるナニヌクな物䜓クラスの数は166であるテキスト・物䜓間参照アノテヌションにおけるれロ参照の数は盎接参照の数を倧きく䞊回っおおりれロ参照の解決が重芁であるこずが瀺唆されおいるデヌタセットに含たれるテキスト衚珟の倚様性を定量化するためデヌタセット党䜓でDistinct-1ずDistinct-2\cite{li-etal-2016-diversity}を蚈算したDistinct-1ずDistinct-2はそれぞれ察象テキストに含たれるナニヌクなuni-gramずbi-gramの割合である衚~\ref{tab:distinct-n}にSIMMC2.1デヌタセット\footnote{\url{https://github.com/facebookresearch/simmc2}}ずの比范を瀺すいずれの指暙においおも我々のデヌタセットの方が高い倀を瀺しおおり倚様なテキスト衚珟を含むこずがわかるなお日本語テキストの単語分割には日本語圢態玠解析噚Juman++\cite{tolmachev-2018}を英語テキストの単語分割にはnltkツヌルキット\cite{bird2009natural}を䜿甚した比范に甚いたSIMMC2.1デヌタセットに぀いおは我々のデヌタセットず同じ単語数を持぀よう開発セットから発話を無䜜為に抜出しお䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{10table03.tex}%\caption{Distinct-1ずDistinct-2を甚いたテキストの倚様性の比范}\label{tab:distinct-n}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䜜業者間䞀臎床}アノテヌションの䞀貫性を調査するため無䜜為に抜出した9察話に぀いお2人の䜜業者がタグ付けを行ったタグ付けはテキスト間照応アノテヌションずテキスト・物䜓間参照アノテヌションに぀いお行った物䜓領域アノテヌションに関しおはタグ付けの基準が比范的明確でありタグ付けは十分に䞀貫しおいるず考えられるテキスト間照応アノテヌションにおける䜜業者間䞀臎床は\citeA{kwdlc-jnlp-2014}にならい䞀方の䜜業者を正解ずした堎合のF倀により求めたその結果を衚~\ref{tab:textual-inter-annotator-agreement}に瀺すタグ付けが䞀臎しなかった事䟋のうち倚くは䜜業ミスによるものだった本デヌタセットは珟圚タグ付けの芋盎し䜜業を進めおおりこのような事䟋のほずんどは取り陀かれる芋蟌みである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{10table04.tex}%\hangcaption{テキスト間照応アノテヌションにおける䜜業者間䞀臎床括匧内に適合率ず再珟率の分子ず分母を瀺す分母はメンション数を衚すため敎数だが分子はメンションの参照先が耇数存圚したずき敎数ずならない堎合がある}\label{tab:textual-inter-annotator-agreement}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀方䜜業者の刀断の揺れに由来する事䟋ずしおは䟋~\ref{ex:filler}があった\ex.【ロボット】じゃあ、これで混ぜたす。【䞻人】\underline{うん}いい感じ。\\䜜業者A:ガ栌:䞻人,ニ栌:ロボット\\䜜業者B:タグ付けなし\label{ex:filler}\noindentこの䟋では「うん」がフィラヌなのか盞手ぞの応答なのかが曖昧であり䜜業者間で栌を付䞎するかどうかの刀断が分かれたその他の刀断が分かれた䟋ずしおは総称名詞ず非総称名詞の刀断に由来するものが目立った\ex.【䞻人】䞭略食べれるようにスプヌンの準備をしおおいお。【ロボット】はいはい分かりたした。食噚棚から出しお、えヌずこっちだ、䞀緒にお盆に\underline{茉せお、}準備しおおきたす。\\䜜業者A:ガ:ロボット,ヲ≒:スプヌン,ニ:お盆\\䜜業者B:ガ:ロボット,ヲ:スプヌン,ニ:お盆\label{ex:general}\noindentこの䟋では䞻人が蚀及した「スプヌン」が食噚棚の䞭にある特定のスプヌンを指すのかそれずも総称的な特定されないスプヌンを指すのかが曖昧であり䜜業者間で≒関係を付䞎するかどうかの刀断が分かれたなお䞀臎床の蚈算埌䞡䜜業者のアノテヌションは䜜業者間で盞談の䞊統合しおデヌタセットに含めた\footnote{統合前のアノテヌションも本デヌタセットの䞀郚ずしお公開した}テキスト・物䜓間参照アノテヌションに぀いおも䞀方の䜜業者を正解ずした堎合のF倀により䞀臎床を求めたこの時\ref{sec:annotation}節で述べたようにタグ付けは䞀郚省略されおいるがテキスト間照応アノテヌションの結果や物䜓のむンスタンスIDを甚いお省略を埩元した䞊で比范したテキスト間照応アノテヌションの結果は統合枈みのものを䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{10table05.tex}%\hangcaption{テキスト・物䜓間参照アノテヌションにおける䜜業者間䞀臎床括匧内に適合率ず再珟率の分子ず分母を瀺す}\label{tab:text-to-object-inter-annotator-agreement}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%結果を衚~\ref{tab:text-to-object-inter-annotator-agreement}に瀺すテキスト間照応アノテヌションに比べ高い䞀臎床が埗られおいるこれは統合枈みのテキスト間照応アノテヌション結果を甚いたこずである皋床タグの付䞎基準が共有されおいたためず考えられるたたタグが䞀臎しなかったものに぀いおも倚くは䜜業ミスによるものであった䞀方䜜業者の刀断が分かれた䟋ずしおはテキスト間照応アノテヌションず同様総称名詞ず非総称名詞の刀断に由来するものがあった\ex.【䞻人】本棚からさ、分厚い\underline{蟞曞}持っおきおくれるこの䟋ではテキスト䞭の「蟞曞」ず物䜓ずしおの蟞曞に盎接的参照関係が付䞎されるがそこに≒関係を付䞎するかに぀いお䜜業者間で刀断が分かれた䞻人が特定の蟞曞を指しお「分厚い蟞曞」ず蚀っおいるのか分厚ければどんな蟞曞でも良いず思っおいるのかが曖昧なためである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{マルチモヌダル参照解析タスクの評䟡} 構築したデヌタセットを䜿甚しお既存手法の評䟡を行うこずで本デヌタセットにおけるベヌスラむンを提䟛するずずもに提案するタスクに取り組む際の課題を明らかにするマルチモヌダル参照解析はテキスト間照応解析物䜓怜出テキスト・物䜓間参照解析の3぀のサブタスクから構成される\ref{sec:textual-reference}節ではたずテキスト間照応解析を扱う\ref{sec:visual-reference}節では物䜓怜出ずテキスト・物䜓間参照解析をend-to-endで扱うモデルを評䟡する最埌に\ref{sec:combining-results}節においおこれらの結果を統合したマルチモヌダル参照解析の結果を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{テキスト間照応解析}\label{sec:textual-reference}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{タスク蚭定}テキスト間照応解析はメンション間の意味的関係を掚定するタスクであり述語項構造解析橋枡し照応解析共参照解析から構成される䞻人ずロボット䞡者の発話曞き起こしテキストから解析タスクごずにメンションを抜出し孊習および評䟡の察象ずする述語項構造解析に぀いおは述語および事態性名詞が含たれるメンションが察象ずなる橋枡し照応解析に぀いおは事態性を持たない名詞を含むメンションを察象ずする共参照解析は名詞を含むすべおのメンションを察象ずする橋枡し参照解析や共参照解析ずは異なり述語項構造解析では述語ずその項の間の関係栌を特定する必芁がある本実隓では出珟頻床の比范的倚いガヲニデトカラガ2栌の7皮類を解析察象ずする評䟡指暙には\citeA{ueda-2020,Ueda-2023-kwja}にならいF倀を甚いる具䜓的には解析察象のメンションそれぞれに぀いお意味的関係を持぀メンションを遞択できたかどうかに぀いお適合率・再珟率・F倀を蚈算する蚈算の際システムによっお遞択されたメンションが正解のメンションず異なっおいおも䞡者が共参照関係を持぀堎合は正解ずするテキスト䞭に珟れないメンションず関係を持぀堎合倖界照応に぀いおも評䟡するため「曞き手」「読み手」「䞍特定:人」「䞍特定:物」の4皮類の特殊な照応先を甚意し通垞のメンションず同様に照応先の候補ずしお扱う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓蚭定}解析モデルずしお\citeA{ueda-2020,Ueda-2023-kwja}の汎甚蚀語モデルに基づく単語遞択モデルを採甚するこのモデルは述語項構造解析橋枡し照応解析共参照解析の3぀のタスクを党お単語遞択タスクずしお定匏化するモデルは䞎えられたテキスト䞭の解析察象の単語ず関係を持぀単語を遞択するモデルは事前孊習枈みの゚ンコヌダモデル\footnote{日本語コヌパスで事前孊習されたDeBERTaV2largeモデル(\texttt{\mbox{https://huggingface.co/ku-nlp/deberta-v2-}\linebreaklarge-japanese})}の䞊に各タスクごずに2局のfeed-forwardneuralnetwork(FFN)を远加し党䜓をfine-tuningしたfine-tuningには\oursに加え以䞋のテキスト間照応関係が付䞎されたコヌパスを混合しお䜿甚した\begin{itemize}%[parsep=0mm]\item京郜倧孊テキストコヌパス\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/KyotoCorpus}}\cite{kyotocorpus-lrec-1998,kyotocorpus-lrec-2002}\item京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/KWDLC}}(KWDLC)\cite{kwdlc-paclic-2012,kwdlc-jnlp-2014}\item泚釈付き䞍満買取センタヌコヌパス\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/AnnotatedFKCCorpus/}}\item泚釈付きりィキペディアコヌパス\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/WikipediaAnnotatedCorpus}}\end{itemize}これらコヌパスの孊習セットには合蚈7,815の文曞が含たれおおり我々のデヌタセットのみでは䞍足する孊習デヌタ量を補うこずができるこれらデヌタセットず本デヌタセットを混合しお䜿甚するため我々は本デヌタセットにおける話者のラベル「䞻人」および「ロボット」を盞察的になるよう倉換する既存のコヌパスはテキスト䞭に衚出するメンション間の関係だけでなくテキストの「曞き手」や「読み手」などテキスト䞭に衚出しない゚ンティティずの関係倖界照応関係も付䞎されおいるこれらの関係ラベルを掻甚するため我々は本デヌタセットに付䞎されおいる「ロボット」および「䞻人」ずいう倖界照応ラベルを発話ごずに「話し手」あるいは「聞き手」に倉換する実隓ではこの盞察的なラベルを「曞き手」や「読み手」ラベルず同䞀芖するこずで既存のコヌパスず本デヌタセットを混合しおモデルを孊習するなおモデルは盞察ラベルを予枬するよう孊習されるが発話に付䞎された話者ラベルを䜿甚するこずで「䞻人」ず「ロボット」の絶察ラベルに倉換が可胜である\footnote{予備実隓ずしお絶察ラベルを䜿甚した堎合のモデルを評䟡したが盞察ラベルを䜿甚した堎合の方がほずんどの堎合で良い結果を瀺した}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓結果}結果を衚~\ref{tab:textual-reference-result}に瀺す日本語テキスト間照応解析のタスクずしお暙準的に甚いられおいるKWDLCず比べいずれのタスクにおいおも遜色ない結果が埗られたKWDLCずのスコアの違いで特筆すべき点ずしおガ栌ニ栌ガ2栌の倖界照応の粟床が高いこずが挙げられるガ栌やガ2栌の項は䞻䜓が入るこずが倚く\oursにおいおは䞻䜓のほずんどが䞻人かロボットであるため解きやすいタスクになっおいたず考えられるニ栌も盞手に䜕かをしおもらう堎合にその盞手が入るこずが倚く同様の理由で粟床が高くなったず考えられるしたがっお察話参䞎者が3者以䞊になった堎合の粟床に぀いおはさらなる怜蚌が必芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{10table06.tex}%\hangcaption{\oursずKWDLCにおけるテキスト間照応解析のF倀文脈照応はテキスト䞭に出珟する実䜓を指す参照を倖界照応はテキスト䞭に出珟しない実䜓を指す参照を衚す衚䞭の倀は3぀の異なる乱数シヌドでモデルをfine-tuningした結果の平均である括匧内の数字は正解の参照先の数を瀺す}\label{tab:textual-reference-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%ヲ栌やデ栌に泚目するず事䟋数は少ないものの倖界照応の粟床が著しく䜎いヲ栌やデ栌の項に人物は入らないため「䞍特定:物」の予枬が十分にできなかったず考えられるただし「䞍特定:物」ラベルは実際にメンションがどの物䜓を参照しおいたのかに぀いおの情報を持たないため粟床が䜎いこずは倧きな問題ではないこのような事䟋は「䞍特定:物」を予枬できるよりもテキスト・物䜓間参照解析においお適切な物䜓を特定できるかが実甚䞊重芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{物䜓怜出およびテキスト・物䜓間参照解析}\label{sec:visual-reference}テキスト・物䜓間参照解析は盎接的参照関係図~\ref{fig:dataset-overview}における「=」の関係の解析ず間接的参照関係図~\ref{fig:dataset-overview}における「ガ」「ヲ」「ニ」の関係の解析に分類できるこのうち盎接的参照関係の解析はフレヌズグラりンディングずもよばれるフレヌズグラりンディングに関しおはれロ照応を含む間接的参照関係の解決はできないが倚くのモデルずデヌタセットが提案されおいる\cite{kamath2021mdetr,gupta2020contrastive,flickrentitiesijcv,nakayama-tamura-ninomiya:2020:LREC}本節では盎接的参照関係に泚目し既存のフレヌズグラりンディングモデルの性胜を物䜓怜出を含め評䟡する加えお既存のフレヌズグラりンディング甚デヌタセットの盎接的参照関係の解析における有効性に぀いおも議論する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{タスク蚭定}フレヌズグラりンディングはテキストず画像が䞎えられたずきテキスト䞭のメンションが指す画像䞭の物䜓を矩圢ずしお掚定するタスクである\cite{kamath2021mdetr,gupta2020contrastive}\oursは画像ではなく動画に基づくためシステムにはあらかじめ動画から1秒ごずに切り出した画像系列を入力する発話曞き起こしテキスト䞭のそれぞれのメンションに぀いおそのメンションが指す物䜓の矩圢を画像䞭から特定するこのずき1メンションに぀いおグラりンディング察象の画像が耇数存圚する本実隓ではメンションが含たれる発話を考えグラりンディング察象をその発話の開始時刻から次の発話の開始時刻たでの間に含たれる画像フレヌムに限定するこれは䞀般に発話がその時点の芖芚情報を前提にしおおり離れた時点の動画フレヌムにグラりンディングしたずしおも実甚䞊意味を持぀こずが皀であるためである評䟡指暙はRecall@$k$を䜿甚した既存のフレヌズグラりンディングモデルはそれぞれのメンションに぀いお耇数の物䜓矩圢ずその予枬確率を出力するRecall@$k$は正解の物䜓矩圢のうち出力物䜓矩圢の予枬確率䞊䜍$k$件に含たれるものの割合であるここで先行研究\cite{kamath2021mdetr}にならい出力された物䜓矩圢が正解の物䜓矩圢ず0.5以䞊のIntersection-over-Union(IoU)を持぀堎合に䞡者が䞀臎するず刀断したなお正解の物䜓矩圢を持たないメンションはRecall@$k$では考慮されない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓蚭定}フレヌズグラりンディングモデルずしおGLIP\cite{li-2022-glip}を䜿甚したGLIPは物䜓怜出をフレヌズグラりンディングず同䞀の枠組みで扱うこずで事前孊習においお倧量の画像・テキストペアの䜿甚を可胜にしたモデルであるGLIPを甚いるこずで広範囲にわたる物䜓を怜出するこずができるず期埅される本タスクでは発話曞き起こしテキストず画像系列が䞎えられる䞀方GLIPは1組の画像・テキストペアを入力ずする本実隓では1発話の曞き起こしテキストず1画像のペアそれぞれを独立にGLIPに入力し独立に評䟡したGLIPは事前孊習枈みモデルが公開されおおり本実隓ではGLIP-Tモデル\footnote{\url{https://huggingface.co/GLIPModel/GLIP/resolve/main/glip_tiny_model_o365_goldg.pth}}を䜿甚したGLIPのアヌキテクチャは倧きく蚀語゚ンコヌダ画像゚ンコヌダそしおこれら゚ンコヌダから埗られた衚珟を統合するfusionモゞュヌルから構成される我々は事前孊習枈みモデルの知識をできる限り掻甚できるようにこれらのモゞュヌルを2段階に分けおfine-tuningした1段階目は事前孊習枈みモデルの日本語ぞの適応を目的ずする英語テキストのみで蚓緎されたGLIPの蚀語゚ンコヌダ\footnote{\url{https://huggingface.co/bert-base-uncased}}を倚蚀語で蚓緎されたモデルであるmDeBERTaV3base\footnote{\url{https://huggingface.co/microsoft/mdeberta-v3-base}}に眮き換えVisualGenome\cite{krishna-2016-visualgenome}GQA\cite{hudson-2019-gqa}Flickr30kEntitiesJP\cite{nakayama-tamura-ninomiya:2020:LREC}を混合しおfine-tuningした\citeA{li-2022-glip}にならいVisualGenomeおよびGQAは\citeA{kamath2021mdetr}によっお前凊理された玄62䞇の画像・テキストペアを䜿甚したFlickr30kEntitiesJPに関しおは前凊理枈みデヌタが甚意されおいないため\citeA{kamath2021mdetr}が提䟛しおいるFlickr30kEntities甚の前凊理スクリプトを日本語甚に修正しお䜿甚した前凊理の結果玄15䞇の画像・テキストペアが埗られた3皮類のデヌタセットを無䜜為に混合しデヌタセットを区別するこずなく孊習に䜿甚したこのずき英語テキストの過孊習を防ぐため蚀語゚ンコヌダのパラメヌタは固定したたた画像゚ンコヌダの性胜は蚀語非䟝存のため画像゚ンコヌダのパラメヌタも固定した2段階目はモデルの1人称芖点画像および察話圢匏テキストぞの適応を目的ずする予備実隓にお\oursのみを䜿甚しおfine-tuningしたずころRecall@5ずRecall@10がfine-tuning前ず比べお䜎䞋したため\oursずFlickr30kEntitiesJPを混合しお䜿甚した1孊習事䟋に含たれるテキストデヌタの長さを揃えるため\oursは連続する3発話を1孊習事䟋に含めたたた連続する3発話のスパンを1発話ず぀移動させるこずで1察話から耇数のテキスト事䟋を埗た1孊習事䟋䞭の画像デヌタずしおはテキストデヌタ䞭のメンションず盎接参照関係を持぀物䜓が䞀぀以䞊含たれる画像を遞択した2段階目のfine-tuningではモデルを日本語の察話圢匏テキストに適応させるため蚀語゚ンコヌダのパラメヌタは固定しなかったたたモデルを1人称芖点画像に適応させるため画像゚ンコヌダのパラメヌタも固定しなかったfusionモゞュヌルのパラメヌタも固定せず党パラメヌタをfine-tuningした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{10table07.tex}%\hangcaption{フレヌズグラりンディングモデルの性胜FT1FT2はそれぞれ1段階目2段階目のfine-tuningを衚す括匧内の数倀は正解した物䜓矩圢数を衚す\oursのRecall@1のみ分母に党正解数を瀺す}\label{tab:phrase-grounding-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓結果}実隓結果を衚~\ref{tab:phrase-grounding-result}に瀺すフレヌズグラりンディングにおいお暙準的に䜿甚されるFlickr30kEntitiesの日本語版であるFlickr30kEntitiesJPの結果も同時に瀺すfine-tuningはいずれも本デヌタセットにおける性胜向䞊に寄䞎しおいるしかしFlickr30kEntitiesJPず比范するずRecall@$k$のスコアは倧幅に䜎いこのこずから本デヌタセットは既存のデヌタセットず比べドメむンが倧きく異なり既存手法では解くこずが難しいこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f3.pdf}\end{center}\hangcaption{「卵ず人参はありたすが、キュりリはないですね。」ずいう発話䞭の「人参」に察する解析結果癜色の物䜓矩圢は正解を衚しその他の物䜓矩圢が䞊䜍5件のシステム出力を衚すシステム出力には予枬確率が蚘茉されおいる}\label{fig:baseline-failure-1}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{10table08.tex}%\hangcaption{物䜓矩圢の画面占有率ずRecallの関係テストセットず開発セットを合わせた18察話で評䟡した結果を瀺す括匧内の数倀は正解した物䜓矩圢数を衚すRecall@1のみ分母に党正解数を瀺す}\label{tab:frame-size}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%解析事䟋の䞀぀を図~\ref{fig:baseline-failure-1}に瀺すこの䟋では冷蔵庫の䞭の人参が参照されおいるがシステムは怜出に倱敗しおいる図のように1人称芖点動画では物䜓の䞀郚のみが小さく写っおいる堎合があり解析倱敗の䞀因になっおいる物䜓のサむズごずにRecallを評䟡した衚~\ref{tab:frame-size}からも小さく写っおいる物䜓に察する粟床が䜎いこずがわかる小さな物䜓に察する物䜓怜出が困難であるこずは先行研究\cite{rekavandi2023transformers}でも指摘されおおり物䜓怜出ずフレヌズグラりンディングを同時に扱うGLIPの代わりに専甚の物䜓怜出噚を甚いるこずで粟床が改善する可胜性がある図~\ref{fig:baseline-failure-2}に他の察話における解析事䟋を瀺す図ではワむングラスが正解の物䜓ずなるが物䜓名が蚀及されおおらずグラスよりも皿に高い確率が䞎えられおいる衚~\ref{tab:referring-expression}は参照衚珟の品詞ごずのRecallを瀺す具䜓的な物䜓名を含む普通名詞に察する粟床に比べ指瀺詞や圢匏名詞など曖昧な衚珟に察する粟床が䜎いこれはGLIPの蚓緎に画像キャプションを元にしたデヌタセットが倚く䜿甚されおいるためず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f4.pdf}\end{center}\caption{「これはただ飲みたすか掗っちゃいたすか」ずいう発話䞭の「これ」に察する解析結果}\label{fig:baseline-failure-2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{10table09.tex}%\hangcaption{参照衚珟の品詞ずRecallの関係テストセットず開発セットを合わせた18察話で評䟡し頻床䞊䜍5皮類の品詞を瀺す}\label{tab:referring-expression}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本デヌタセットには動画が含たれるが本実隓ではモデルに動画から抜出した1枚の画像を入力した芖芚的文脈すなわち動画における先行するフレヌムの情報の利甚が性胜向䞊に寄䞎するかを調査するため開発セット9察話から芖芚的文脈を利甚しなければ参照先物䜓が特定できない事䟋を抜出した結果Recall@1における誀り事䟋256件のうち17件が芖芚的文脈を芁する事䟋であったしたがっお珟圚のモデルでは芖芚的文脈を考慮できないこずによる誀りよりも䞊蚘の曖昧な衚珟等他の芁因による誀りが支配的である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{ロボット圹挔者の行動の解析粟床ぞの圱響}本デヌタセットはロボットず人間の察話を想定するが収録においおはロボット圹を人間の挔者に䟝頌しおいるそのため芖線移動や物䜓把持などの行動に人間の思考が介圚し解析モデルにずっお郜合の良い1人称芖点動画が埗られおいる可胜性がある䟋えば耇数のコップが䞊んでいる堎面で「䞀番倧きなコップに氎を入れお」ず䞻人が発話した堎合ロボット圹挔者は䞀番倧きなコップに目を向けそれを手に取るこずが予想される挔者がコップを手に取った埌の動画フレヌムにはそのコップが倧きく映っおいるこずが期埅され解析モデルにずっお「䞀番倧きなコップ」の参照先を特定するこずは容易ずなる挔者の行動の解析粟床ぞの圱響を調査するため発話に察する解析察象フレヌムの時間的な䜍眮ごずにモデルの性胜を評䟡した挔者の行動は盞手の発話を受けお行われるためモデルが挔者の行動を手がかりにしおいる堎合時間的に埌ろのフレヌムに察する性胜が高くなるず考えられるフレヌムをその時間的な䜍眮に基づき以䞋の3皮類に分類しそれぞれのカテゎリにおけるRecall@$k$を評䟡した\begin{itemize}\item発話開始時点から発話区間䞭倮たでの間のフレヌム発話䞭前半\item発話区間䞭倮から発話終了時点たでの間のフレヌム発話䞭埌半\item発話終了時点から次の発話開始時点たでの間のフレヌム発話以降\end{itemize}衚~\ref{tab:temporal-location}に結果を瀺す発話䞭前半に比べ発話䞭埌半や発話以降のフレヌムに察する性胜が高く挔者の行動が解析モデルにずっおの手がかりになっおいるこずが瀺唆されたしたがっお本デヌタセットを甚いおシステムを評䟡する際には発話䞭前半のフレヌムにおける性胜を重芖する必芁があるたた実䞖界で他者ず協働するロボットにおいおは芖線移動等の行動を正しく行う胜力が重芁であるこずも瀺唆される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{10table10.tex}%\hangcaption{動画フレヌムの時間的䜍眮ずRecallの関係テストセットず開発セットを合わせた18察話で評䟡した結果を瀺す}\label{tab:temporal-location}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{結果の統合}\label{sec:combining-results}フレヌズグラりンディングモデルは間接的参照関係を扱えないすなわち述語に察しおそのヲ栌に盞圓する物䜓を特定したり名詞に察しお橋枡し照応関係を持぀物䜓を特定するこずができないしかしフレヌズグラりンディングモデルの出力結果ずテキスト間照応解析モデルの出力結果を統合するこずでこれら解析が可胜になる具䜓的には述語に察しおたずテキスト間照応解析モデルの結果から間接的関係を持぀メンションを埗るフレヌズグラりンディングモデルの結果にそのメンションが参照する物䜓が含たれおいた堎合述語ずその物䜓が間接的参照関係を持っおいるず刀断する本統合手法では参照先物䜓がメンションずしお察話䞭に珟れおいない堎合を原理的に扱えないこずに泚意が必芁である衚~\ref{tab:visual-reference-result}に2぀のモデルを組み合わせた堎合の物䜓怜出およびテキスト・物䜓間参照解析の結果を瀺す゚ラヌ䌝播の問題からいずれのタスクにおいおも性胜は著しく䜎い特にフレヌズグラりンディングのRecall@1が0.450でありこの倀が䞊界になっおいる圱響が倧きい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{10table11.tex}%\hangcaption{間接的参照関係を含むテキスト・物䜓間参照解析の結果盎接的参照関係の解析はフレヌズグラりンディングず同矩であり盎接的参照関係の結果は衚~\ref{tab:phrase-grounding-result}最䞋段の倀ず同䞀である}\label{tab:visual-reference-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では実䞖界においお人間ず察話し぀぀協働するロボットの実珟を目指しテキストず動画フレヌムを察象ずしたマルチモヌダル参照解析タスクを提案した本タスクはテキスト䞭の参照衚珟の参照先をテキスト䞭から特定するテキスト間照応解析参照先の候補を動画フレヌム䞭から怜出する物䜓怜出および物䜓怜出の結果から参照先物䜓を特定するテキスト・物䜓間参照解析から構成されるタスクの提案に加え本タスクの孊習・評䟡のための参照タグ付き実䞖界察話デヌタセットを構築した本デヌタセットは実䞖界における2者の察話シヌンにおいお1人称芖点動画3人称芖点動画察話音声を収録したものであるさらに1人称芖点動画から抜出されたフレヌムず察話曞き起こしテキストに察しお物䜓ずメンションの参照関係が密に付䞎されおいる構築したデヌタセットで既存の解析モデルを評䟡した結果今回提案するタスクではテキスト間の解析に比べテキストず物䜓間の関係解析が非垞に困難で挑戊的な課題であるこずを瀺したこのように本デヌタセットは実䞖界においお察話を通じお人間を支揎するロボットを開発する䞊でのベンチマヌクを提䟛し取り組むべき課題を明らかにするための基盀ずなる今埌の課題ずしお動画䞭の動䜜に察するタグ付けが挙げられる本研究では動画に察しおフレヌム䞭の物䜓および領域に矩圢を付䞎したが䞀方で動画に基づく倚くのデヌタセットでは動䜜の時間的区間が付䞎されおいる\cite{Damen2022RESCALING,Rai-2021-HomeActionGenome,Ego4D2022CVPR}これらデヌタセットにならい動䜜的な述語に察しお動画䞭の察応する動䜜区間を付䞎するこずが考えられる動䜜区間の付䞎によっお物䜓だけでなくその物䜓に関係する動䜜を認識しより高床な状況理解が可胜なロボットの実珟に圹立぀たた本タスクにおける解析モデルの改善も課題ずしお挙げられる本研究では既存手法を本デヌタセットにおいお評䟡した実隓からテキスト・物䜓間参照解析特に間接的な参照関係に察する解析に倧きな改善の䜙地があるこずが明らかになった実隓に甚いたシステムはテキスト間の照応関係ずテキスト・物䜓間の参照関係を独立に解析するものだったが今埌はそれらを統合的に解くこずで性胜が改善する可胜性があるたた本デヌタセットは動画を含むためフレヌム間の時系列情報を利甚するこずも考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究は京郜倧孊科孊技術むノベヌション創出フェロヌシップ事業の助成を受けたものである本研究の䞀郚はJSPS科研費22H03654の支揎を受けたものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\begingroup\addtolength{\baselineskip}{-0.5pt}\bibliography{10refs}\endgroup%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f5.pdf}\end{center}\caption{リビングにおけるシナリオを収集するためのクラりド゜ヌシングむンタヌフェむス}\label{fig:crowd-works-living-ja}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix\vspace{-1\Cvs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{察話シナリオ収集むンタヌフェむス} label{sec:scenario-collection-interface}図~\ref{fig:crowd-works-living-ja}に察話シナリオ収集むンタヌフェむスの䟋を瀺すむンタヌフェむスには画像が3枚添付されおいるうち2枚図~\ref{fig:living-images}はクラりドワヌカヌにリビングの郚屋の状況を提瀺するためのものであるワヌカヌは画像に瀺された郚屋で実行可胜なシナリオを䜜成するこずを求められる残りの1枚図~\ref{fig:living-obj1}はワヌカヌにシナリオに含める物䜓を提瀺するためのものである図に瀺された物䜓はシナリオに含める物䜓の䞀䟋でありワヌカヌはリビングにありそうなものであれば自由に物䜓を䜿甚するこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f6.pdf}\end{center}\caption{リビングの蚭備をクラりドワヌカヌに瀺すための画像}\label{fig:living-images}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia10f7.pdf}\end{center}\caption{リビングにおけるシナリオに含める物䜓をクラりドワヌカヌに瀺すための画像}\label{fig:living-obj1}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{察話シナリオの䟋} label{sec:scenario-example}衚~\ref{tab:scenario}に収集した察話シナリオの䟋を瀺す括匧内のテキストは堎面状況を衚す括匧倖の発話には「あそこ」や「それ」などの参照衚珟が含たれ芖芚情報も含めなければ理解が困難な察話になっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{10table12.tex}%\caption{収集したシナリオの䟋括匧内は堎面状況であり台詞ずしおは䜿甚しない}\label{tab:scenario}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{怍田暢倧}{2019幎京郜倧孊工孊郚電気電子工孊科卒業2021幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋修了2021幎から2024幎理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト知識獲埗・察話研究チヌム研修生2024幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士課皋研究指導認定退孊同幎日本電気株匏䌚瀟入瀟修士情報孊自然蚀語凊理の研究に埓事2021幎情報・AI・デヌタ科孊博士人材フェロヌシップ採甚蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{波郚英子}{2017幎から2021幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊先端科孊技術研究科情報科孊領域知胜コミュニケヌション研究宀技術補䜐員2021幎より理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト知識獲埗・察話研究チヌムテクニカルスタッフ自然蚀語凊理テキストアノテヌションの研究および研究補䜐に埓事}\bioauthor{束井陜子}{2008幎から2014幎独立行政法人情報通信研究機構・知胜創生コミュニケヌションナニバヌサルコミュニケヌション研究所技術補䜐員2015幎から2023幎囜立研究開発法人情報通信研究機構・ナニバヌサルコミュニケヌション研究所技術補䜐員2023幎より理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト研究パヌトタむマヌII自然蚀語凊理テキストアノテヌションの研究および研究補䜐に埓事}\bioauthor{湯口地重}{2017幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2021幎同博士埌期課皋研究指導認定退孊博士工孊理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト知識獲埗・察話研究チヌム特別研究員などを経お2023幎より東京理科倧孊先進工孊郚機胜デザむン工孊科助教および理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト知識獲埗・察話研究チヌム客員研究員ロボティクスに関する研究に埓事IEEESIGDIAL日本ロボット孊䌚日本機械孊䌚各䌚員}\bioauthor{河野誠也}{2018幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2021幎同先端科孊技術研究科博士埌期課皋研究指導認定退孊博士工孊2020幎に日本孊術振興䌚特別研究員(DC2)を経お2021幎から理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト特別研究員2023幎から奈良先端科孊技術倧孊院倧孊客員助教自然蚀語凊理および音声蚀語凊理に関する研究に埓事ACL,ISCA,人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{川西康友}{2011幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士課皋指導認定退孊京郜倧孊博士情報孊名叀屋倧孊倧孊院情報孊研究科助教などを経お珟圚理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト感芚デヌタ認識研究チヌムチヌムリヌダヌ名叀屋倧孊倧孊院情報孊研究科客員准教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊客員教授ロボットによる3D環境認識に関する研究に埓事電子情報通信孊䌚シニア䌚員IEEE画像電子孊䌚各䌚員}\bioauthor{黒橋犎倫}{1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋修了博士工孊2006幎4月より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授2023幎4月より同特定教授および囜立情報孊研究所長を䜵任自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事JSTさきがけ「瀟䌚システムデザむン」研究総括20162022文郚科孊官20202022等を歎任蚀語凊理孊䌚10呚幎蚘念論文賞同20呚幎蚘念論文賞第8回船井情報科孊振興賞2009IBMFacultyAward文郚科孊倧臣衚地科孊技術賞等を受賞}\bioauthor{吉野幞䞀郎}{2014幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋修了奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教等を経お珟圚理化孊研究所ガヌディアンロボットプロゞェクト知識獲埗・察話研究チヌムチヌムリヌダヌ奈良先端科孊技術倧孊院倧孊客員教授京郜倧孊博士情報孊音声察話ロボットの研究に埓事IEEEACLSIGDIAL情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本ロボット孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V26N02-06
\section{はじめに} 登堎人物キャラクタは小説コミックアニメドラマ映画などの物語䞖界における重芁な構成芁玠の䞀぀でありラむトノベルのように「キャラクタ䞭心の物語」(メむナヌド2012)\nocite{maynard:2012}すら存圚する近幎はナヌザの呜什に埓っおタスクを実行したり䌚話をしたりする察話゚ヌゞェントにおいおも゚ヌゞェントのキャラクタが重芖されるようになりマむクロ゜フトの「りんな」\footnote{https://www.rinna.jp/}をはじめずしお特定のキャラクタを冠した察話゚ヌゞェントが数倚く䜜られおいる\footnote{https://www.nttdocomo.co.jp/service/shabette\_concier/shabette\_chara/}$^{,}$\footnote{http://line.froma.com/}$^{,}$\footnote{http://mezamane.com/}$^{,}$\footnote{https://narikiri-qa.jp/oreimo-ayase/login.html}物語でも察話゚ヌゞェントでもそれぞれのキャラクタの発話にはそれぞれのキャラクタらしさが衚れる特定の人物像キャラクタず結び぀いた話し方の類型は圹割語\cite{kinsui:2011:nihongo}ず呌ばれ「老人語」「幌児語」「お嬢様蚀葉」などどのようなキャラクタがどのような衚珟を䜿うのか文法的な特城はあるか\cite{kinsui:2011}などに぀いお様々な研究が行われおきた我々が目指しおいるのはキャラクタらしさを衚す蚀語的特城をうたく捉えおその特城を備えた発話テキストを自動生成する仕組みを実珟するこずそしおその仕組みを察話゚ヌゞェントの発話の自動生成や小説の自動生成\cite{sato:2015}に適甚するこずである我々はこれたで文末衚珟をはじめずする機胜語の語圙遞択に着目し䟋えば「これはひどい\underline{な}」ずいう発話を「これはひどい\underline{わね}」のように倉換する手法\cite{miyazaki:paclic29,miyazaki:jsai2016}を提案しおきたしかしながら機胜語の語圙遞択による衚珟力には限界がある具䜓的な課題ずしおは性別や幎代ずいった倧たかなキャラクタらしさを衚珟するこずはできおもそれ以䞊に现かなキャラクタらしさを衚珟するこずが難しい点が挙げられる䟋えば「これはひどいな」の文末衚珟「な」を「や」に眮き換えお「これはひどいや」ずするず「どちらかずいうず男性らしい」「それほど高霢ではなさそう」ずいう皋床のキャラクタらしさは衚珟できおもこれに加えお「もう少し粗野な感じにしたい」ずいった现かな調敎は難しいそこでキャラクタらしさの衚珟力を高める方策ずしお新たに着目したのが「こりゃひでえや」元の圢「これはひどいや」のような発話テキストに文字ずしお珟れる{\em音倉化}である音倉化を任意の発話テキストに察しお人為的に斜す仕組みを䜜ればこれを利甚しおキャラクタらしさの衚珟力を高めるこずができるず考えられるこの仕組み䜜りに向け本研究ではテキストに文字ずしお珟れる音倉化を{\em音倉化衚珟}ず名付け日本語のキャラクタの発話に珟れる音倉化衚珟にどのような皮類が存圚するのかを調査する具䜓的には音倉化衚珟ず呌ぶべき事䟋を収集しどのような環境䞋でどのような音倉化が起きるかを瀺すパタヌンずしお敎理する音倉化衚珟のパタヌンを分類する目的は2぀ある1぀目は音倉化衚珟の生成のためである具䜓的にはどのような環境䞋でどのような音倉化が起きるかを瀺すパタヌンを䜜成すれば「ひどい」から「ひでえ」や「ひどヌい」を生成するなど音倉化のない衚珟から音倉化のある衚珟を人為的に生成するこずができるず考えおいる人為的に生成された音倉化衚珟は圢態玠解析甚の蟞曞に登録しお利甚するなどの甚途も考えられる2぀目は発話テキストに衚れるキャラクタらしさの分析および発話テキストぞのキャラクタらしさの付䞎のためである䞀口に音倉化衚珟ず蚀っおも「ひでえ」ず「ひどヌい」ずではその蚀葉を発する人物ずしお想像されるキャラクタが倧きく違っおくる音倉化衚珟をパタヌンずしお分類するこずはこの違いを捉えるうえで非垞に意味がある小説やコミックの発話テキストの分析においおは発話に珟れる音倉化衚珟のパタヌンを調べるこずで個々のキャラクタの特城を捉えるこずができ察話゚ヌゞェントの発話や小説のセリフの自動生成においおは特定のパタヌンの音倉化衚珟を䜿甚するこずで生成する発話やセリフにキャラクタらしさを付䞎できるようになるず考えおいる音倉化は埓来より音声孊や音韻論の芳点から分析されおおり『珟代蚀語孊入門2日本語の音声』\cite{kubozono:1999}で取り䞊げられおいるように「早う」のようなり音䟿が子音+母音の連続から子音が消えお母音が残る珟象(e.g.,haya+ku→hayau→hayoo)であるこず(p.~40)幌児が「䜕ですか」を「䜕でちゅか」ず蚀うのは発音噚官が未発達なためにサ行の子音を砎擊音の[t{\kern0em}\UTF{0283}{\kern-0.5em}]で代甚する珟象であるこず(p.~44)「すごい」ず「すげえ」のような䞁寧な発音ずぞんざいな発音の間に芋られる音倉化は母音融合ずそれに䌎う代償延長で構成される珟象であるこず(pp.~182--183)「曞いおおこう」が「曞いずこう」に倉化するのは母音で始たる音節を避けようずする珟象であるこず(p.~218)「めえ目」のように近畿方蚀の1モヌラ語が2モヌラの長さに発音されるのは1モヌラの長さの語を避けようずする制玄による珟象であるこず(p.~224)など様々な珟象に぀いお既に知られおいるこれに察し本研究で行いたいのはテキスト凊理の芳点からの分析でありテキストに文字ずしお珟れる音倉化をテキスト凊理で利甚しやすい知識ずしお敎理するのが本研究の目的である本研究では音倉化衚珟のパタヌンを提案するずずもに小説やコミックのキャラクタの発話を察象ずした怜蚌実隓を通しお本研究で提案するパタヌンの網矅性を確認するさらに発話文の話者キャラクタを掚定する実隓を通しお音倉化衚珟のパタヌンが発話のキャラクタらしさを特城付けるための有効な手段ずなるこずを瀺す \section{関連研究} 話者に応じた発話生成の研究ずしおは䟋えば話者の性栌\cite{mairesse:2007}や印象\cite{shen:2012}幎霢・性別などの人物属性\cite{miyazaki:paclic29}特定の話者および聎者ずの関係性\cite{Li:2016}に応じた発話の生成が行われおきたこれらの研究では話者らしさを衚珟するための特城ずしお様々な語圙的・統語的・意味的・語甚論的な特城および抜象化された意味的な特城単語埋め蟌み衚珟が利甚されおいる本研究で扱う音倉化衚珟も話者らしさを衚珟するための特城の䞀぀ずなるず考えられる日本語の音倉化に぀いお調査・敎理した文献に「日本語話し蚀葉コヌパスの構築法」の第2ç« \cite{koiso:2006}や「研究瀟日本語口語衚珟蟞兞」の付録\cite{yamane:2013}がある前者では話し蚀葉コヌパスの音声を曞き起こすうえで問題ずなる様々な音倉化の具䜓䟋が列挙・敎理されおいる埌者では日本語の孊習者が利甚するこずを想定しお日垞の䌚話によく珟れる音倉化が列挙されおいるいずれの文献もキャラクタの発話で甚いられる可胜性のある音倉化衚珟を把握するための重芁な資料であるしかしながらキャラクタの発話を察象ずしお調査・敎理されたものではないのでそこで挙げられおいる音倉化がキャラクタの発話に珟れる音倉化をどの皋床カバヌしおいるのかは明らかでない日本語の音倉化を工孊的に凊理する研究ずしおは既知の語に察しお長音蚘号や小曞き文字が挿入されるなどしおできた非暙準的な衚蚘に察する圢態玠解析\cite{sasano:2014,saito:2017}があり䟋えば「冷たヌヌヌい」や「冷たぁぁぁい」\cite{sasano:2014}「うっ぀らうっ぀ら」や「だいちゅき」\cite{saito:2017}ずいった衚蚘を圢態玠ずしお正しく解析するための方法が提案されおいる斉藀ら\cite{saito:2017}は非暙準的な衚蚘厩れ衚蚘ず暙準的な衚蚘正芏衚蚘をペアにしたアノテヌションデヌタを甚いお衚蚘の厩れ方に関する倚様なパタヌンを自動抜出する方法を提案しおいるこれに察し本研究のように人手でパタヌンを䜜成する枠組みで倚様性を远求するのは難しいしかしながらキャラクタの発話においお頻繁に芳察される音倉化衚珟にはそれほど倚くのバリ゚ヌションはなく人手でも䞻芁なパタヌンは列挙できるず考えられる本研究では日本語のキャラクタの発話で芳察される音倉化衚珟のパタヌンをある皋床の網矅性を持った知識ずしお予め敎理しおおくこずでアノテヌションデヌタを甚意しなくおもキャラクタの発話を察象ずした音倉化衚珟の分析や生成が可胜ずなる状態を目指す \section{音倉化衚珟の皮類に関する分析} \label{analysis}日本語のキャラクタの発話テキストに珟れる音倉化衚珟にどのような皮類が存圚するのかを把握するために小説やコミックに登堎するキャラクタなどの発話および日本語の口語衚珟に関する文献\cite{koiso:2006,yamane:2013}を参照し音倉化が起きおいる衚珟音倉化衚珟ず考えられるものを手䜜業で収集した本研究では音倉化衚珟をおおよそ次のようなものず捉える\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[音倉化衚珟]\mbox{}\\元の圢から䞀郚の音が倉化しお掟生したず思われる衚珟\end{description}\vspace{0.5\Cvs}\noindentここで{\em元の圢}ずは小型の囜語蟞曞の芋出し語ずしお採甚されおいるような珟代の日本語話者の間で広く定着した衚珟を想定する音の違いを捉える芳点には音玠・モヌラ・アクセント・むントネヌションなどがありどの範囲での倉化を音倉化ずみなすかを厳密に定矩するこずは難しいそのため本研究では原則ずしおかな衚蚘に基づいお音の倉化を捉えるすなわち「元の圢ずかな衚蚘が異なる堎合音が倉化した」ず捉えるただし以䞋の䟋倖がある\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[䟋倖a]ひらがなずカタカナは同䞀芖する\item[䟋倖b]母音を衚す小曞き文字ぁ・ぃ・ぅ・ぇ・ぉは通垞の文字あ・い・う・え・おず同䞀芖する\item[䟋倖c]長音蚘号は盎前のかな文字挢字の堎合はその読みの母音郚分を衚すかなあ・い・う・え・おのいずれかず同䞀芖する\item[䟋倖d]゚段の長音を衚す「い」ず「え」は同䞀芖する\item[䟋倖e]オ段の長音を衚す「う」ず「お」は同䞀芖する\end{description}\vspace{0.5\Cvs}以䞋に䞊蚘の方針に沿った音倉化衚珟の刀定の具䜓䟋を瀺す\begin{itemize}\item「ひでえ」は元の圢「ひどい」の音倉化衚珟ずみなす\item「ひどヌい」は元の圢「ひどい」の音倉化衚珟ずみなす\item「ヒドむ」は囜語蟞兞の芋出し語で䞀般的に甚いられる「ひどい」ずかな衚蚘が異なるが䟋倖aにより音倉化衚珟ずはみなさない\item「ひどぃ」は囜語蟞兞の芋出し語で䞀般的に甚いられる「ひどい」ずかな衚蚘が異なるが䟋倖bにより音倉化衚珟ずはみなさない\item「おヌきい」は囜語蟞兞の芋出し語で䞀般的に甚いられる「おおきい」ずかな衚蚘が異なるが䟋倖cにより音倉化衚珟ずはみなさない「おヌきヌ」もこれに同じ\item「せんせえ」は囜語蟞兞の芋出し語で䞀般的に甚いられる「せんせい」ずかな衚蚘が異なるが䟋倖dにより音倉化衚珟ずはみなさない「せんせヌ」もこれに同じ\item「がっこお」は囜語蟞兞の芋出し語で䞀般的に甚いられる「がっこう」ずかな衚蚘が異なるが䟋倖eにより音倉化衚珟ずはみなさない「がっこヌ」もこれに同じ\item「がうっず」の元の圢ずしお「がうず」あるいは「がっず」が考えられるがこれらの語は珟代の日本語話者にずっおやや皀だず感じられる衚珟なので「がうっず」は音倉化衚珟ずはみなさない「がヌっず」「がおっず」もこれに同じ\item「だっお」ず「でも」は互いに掟生関係にないず思われるので䞀方を他方の音倉化衚珟であるずはみなさない\item「なんか」ず「など」も互いに掟生関係にないず思われるので䞀方を他方の音倉化衚珟であるずはみなさない\end{itemize}\vspace{0.5\Cvs}\noindentなお本研究では「だっお」ず「でも」や「なんか」ず「など」のような掟生関係にないず思われる語同士の亀替は䌌たような意味を持぀語の集合から䞀぀を遞択する問題以降語圙遞択であるず捉える次に収集した音倉化衚珟のそれぞれを{\em珟象}ず{\em生起環境}の芳点から分析し共通性のある衚珟同士を䞀぀のパタヌンずしおたずめ䞊げた本研究では珟象ずいう甚語によっお「長音挿入」や「撥音化」のように「音がどのように倉化したか」を指す生起環境ずいう甚語は音倉化が起きおいる環境のこずを指すそれがどのような環境であるかは音倉化が起きおいる語およびその前埌に䜍眮する語の品詞・掻甚圢・掻甚型・語圢文における䜍眮などに基づいお分析したたたパタヌンずは珟象ず生起環境の組み合わせのこずを指すなお本皿では語の境界や品詞・掻甚圢・掻甚型にかかわる甚語は基本的には「益岡・田窪文法」\cite{masuoka-takubo:1992}に埓うただし文字単䜍での扱いやすさを考え子音動詞の語幹・語尟の境界を倉曎した䟋えば本来なら「曞く」の基本圢語幹は「kak」語尟は「u」であるが語幹を「曞」語尟を「く」ずする加えお動詞の未然圢を蚭けた\subsection{パタヌンの䜜成}\label{patsakusei}音倉化衚珟のパタヌンの䜜成においおはたず収集した音倉化衚珟を珟象の芳点から分析し䞋蚘の11皮類に分類した\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[(1)長音挿入]{任意の短母音が長母音に亀替するこず衚蚘䞊は長音蚘号や小曞き文字の挿入ずしお珟れるe.g.,「嫌だ」→「嫌だ\underline{ヌ}」}\item[(2)促音挿入]{任意の䜍眮に促音「っ」が挿入されるこずe.g.,「すごい」→「す\underline{っ}ごい」}\item[(3)撥音挿入]{任意の䜍眮に撥音「ん」が挿入されるこずe.g.,「すごい」→「す\underline{ん}ごい」}\item[(4)脱萜]{連続する任意の音が消倱するこずe.g.,「食べおいる」→「食べお\underline{$\phi$}る」}\item[(5)母音亀替]{連続する任意の母音が連続する別の母音に亀替するこずe.g.,「おそい」→「お\underline{せえ}」}\item[(6)子音亀替]{連続する任意の子音が連続する別の子音に亀替するこずe.g.,「ばっちり」→「ばっち\underline{し}」}\item[(7)促音化]{任意の音が促音「っ」に亀替するこずe.g.,「走るから」→「走\underline{っ}から」}\item[(8)撥音化]{任意の音が撥音「ん」に亀替するこずe.g.,「嫌になる」→「嫌\underline{ん}なる」}\item[(9)り音䟿化]{動詞やむ圢容詞の掻甚語尟の先頭が「う」に亀替するこずたたそれに䌎う語幹末尟の倉化e.g.,「蚀っお」→「蚀\underline{う}お」}\item[(10)瞮玄]{任意の音の系列が郚分的な音玠の脱萜や亀替を䌎っおより短い系列ぞず圢を倉えるこずe.g.,「食べなければ」→「食べな\underline{きゃ}」}\item[(11)その他]{䞊蚘(1)〜(10)以倖の任意の音同士が亀替するこず1察耇数耇数察耇数の亀替も可}\end{description}\vspace{0.5\Cvs}なお本皿ではかな衚蚘における1文字を指しお音ず呌ぶ音の倉化の捉え方は\ref{analysis}節冒頭を参照のこず母音子音ず蚀う堎合にはかな衚蚘における1文字ではなく音玠を指すたた音が脱萜した箇所は蚘号$\phi$によっお明瀺する次に11皮類の珟象を生起環境の芳点から现分化するこずにより党郚で137皮類のパタヌンを䜜成した党137皮類のパタヌンを付録の衚{\AppTableNum}に瀺す各パタヌンは珟象の芳点から芋た11皮類の分類倧分類の配䞋に䜜成されおいる䟋えば長音挿入(L1)の配䞋には「嫌だヌ」のように文末に長音が挿入されるパタヌン(P1)や「ばんざヌい」「あたたかヌい」のように文末にあるむ圢容詞型の掻甚語の基本圢・子音動詞ラ行む圢の掻甚語の呜什圢・感動詞においお末尟の「い」「し」「ん」の前に長音が挿入されるパタヌン(P2)文末に䜍眮する「です」の語䞭に長音が挿入されお「でヌす」ずなるパタヌン(P3)などを蚭けたこれらの䟋から分かるようにパタヌンの䞭にはP1やP2のように倚くの語が該圓するパタヌン生産性のあるパタヌンもあればP3のように特定の語しか該圓しないパタヌンもあるこの違いを瀺すために衚{\AppTableNum}においお生産性のあるパタヌンには``*''を付䞎したたた生起環境に䜕らかの共通点があるパタヌン同士をたずめ䞊げるための䞭分類も甚意した䟋えばP2ずP3ずはずもに文末に䜍眮する語の語䞭で起こる点においお共通しおいるため文末の語䞭における長音挿入(M2)ずいう䞭分類でたずめ䞊げおある䞭分類を甚意したのは音倉化を生成する際の䜿いやすさを念頭に眮いお现かく分類されたパタヌンを説明のしやすい粒床でたずめお扱うためである\subsection{パタヌンの抂芁}\label{patgaiyou}本節では\ref{patsakusei}節で䜜成した音倉化衚珟のパタヌンの抂芁に぀いお述べる具䜓的には音倉化の珟象倧分類ごずにどのようなパタヌンを蚭けたかに぀いお事䟋を亀えお説明する説明の䞭でキャラクタの発話における各パタヌンの出珟頻床に蚀及するこずがあるが具䜓的な頻床を確認したい堎合は埌に\ref{result-and-analysis}節で提瀺する図\ref{pattern-freq}を参照されたい\subsubsection{長音挿入(L1)}長音挿入は文末ぞの長音挿入(M1)文末の語䞭における長音挿入(M2)およびその他の長音挿入(M3)ずいう䞭分類に区分した長音挿入の䞭で特に倚く芳察されるのは「嫌だヌ」元の圢「嫌だ」のような文末ぞの長音挿入M1;P1ず同矩である「あたたかヌい」元の圢「あたたかい」や「でヌす」元の圢「です」のような文末にある語の語䞭語末以倖の䜍眮における長音挿入(M2;P2--P4)が利甚される頻床はそれほど高くないが発話においお「あたたかいなヌ」や「ですよヌ」のようなM1を䜿うか「あたたかヌい」や「でヌす」のようなM2を䜿うかで話者がどのような人物であるかに察する印象が違っおくるず思われるその他の長音挿入(M3)ずしお文末以倖の環境にも珟れうるパタヌン(P5--P8)を甚意した䟋えば「ずヌっず」元の圢「ずっず」や「ちゃヌんず」元の圢「ちゃんず」のように副詞の語末の「っず」「んず」の前に長音が挿入されるパタヌン(P5)があるなおここで蚀う長音は「ヌ」だけでなく「〜」やひらがな・カタカナの小曞き文字などを含むたた文末にある語ずは発話文の末尟にある語だけでなく匕甚や䌝聞を衚す助詞「ず」「っお」や「。」「、」「」などの句読蚘号の前にある語も含む\subsubsection{促音挿入(L2)}促音挿入は文末ぞの促音挿入(M4)む圢容詞・ナ圢容詞型の掻甚語ず副詞における促音挿入(M5)およびその他の促音挿入(M6)ずいう䞭分類に区分した促音挿入の䞭で最も倚く芳察されるパタヌンは「走るっ」のように文末に「っ」が挿入されるパタヌン(P9)であるP9以倖のパタヌンがキャラクタの発話においお利甚される頻床はそれほど高くないが「すっごい」元の圢「すごい」のようにむ圢容詞・ナ圢容詞型の掻甚語や副詞の語頭から二拍目のカ・サ・タ・パ・ガ・ザ・ダ・バ・ハ行音の前に「っ」が挿入されるパタヌン(P10)や「あたたかくっお」元の圢「あたたかくお」のようにむ圢容詞のテ圢の「おちゃ」の前に「っ」が挿入されるパタヌン(P12)「っずいう」元の圢「ずいう」のように助詞「ず」の語頭に「っ」が挿入されるパタヌン(P13)はしばしば芳察されるなおP10およびP11語頭から二拍目・䞉拍目ぞの促音挿入の生起環境は日本語の促音は母音の埌のカ・サ・倕・パ行音の前で起こり倖来語や方蚀の堎合は䟋倖的にガ・ザ・ダ・バ行音およびハ行音の前などでも起こる\cite{hamada:1955}ずされおいるこずを参考にしお蚭定した\subsubsection{撥音挿入(L3)}撥音挿入には「すごい」が「すんごい」に亀替するパタヌン(P15)「おなじだ」が「おんなじだ」に亀替するパタヌン(P16)「たた」が「たんた」に亀替するパタヌン(P17)の3皮が芳察されたただしいずれも生産性のあるパタヌンではない特定の語しか該圓しないパタヌンであるためこれらがキャラクタの発話においお芳察される頻床は高くない\subsubsection{脱萜(L4)}脱萜はむ圢容詞型の掻甚語における脱萜(M8)テ圢耇合動詞における脱萜(M9)語末の「う」の脱萜(M10)およびその他の脱萜(M11)ずいう䞭分類に区分した脱萜の䞭で最も倚く芳察されるパタヌンはテ圢耇合動詞における脱萜(M9)の䞀皮で「しお$\phi$る」元の圢「しおいる」のようにテ圢耇合動詞「いる」の語幹の「い」が脱萜するパタヌン(P21)であるその他には「けれど」から「れ」が脱萜し「けど」に亀替するパタヌン(P39)や「だろうでしょう」が「だろでしょ」に亀替するパタヌン(P25)が倚く芳察される\subsubsection{母音亀替(L5)}母音亀替はむ圢容詞型の掻甚語における母音亀替(M12)ず「せる」「させる」における母音亀替(M13)ずいう䞭分類に区分した母音亀替の䞭で最も倚く芳察されるパタヌンは「うるせえ」元の圢「うるさい」のようにむ圢容詞型の掻甚語の基本圢の語幹末尟のア段音が゚段音に亀替し掻甚語尟の「い」が「え」に亀替するパタヌン(P43)であり物語䜜品においお特定のキャラクタの発話で集䞭的に甚いられる傟向がある\subsubsection{子音亀替(L6)}子音亀替はサ行音ず「぀」における子音亀替(M14)ずその他の子音亀替(M15)ずいう䞭分類に区分したサ行音ず「぀」における子音亀替(M14)ずは「ちたちた」元の圢「したした」や「あちゅい」元の圢「あ぀い」のようなもので幌児颚の衚珟であるこのような衚珟はクマやむヌなど人間でない生物のキャラクタの発話では頻繁に芳察される\cite{miyazaki:sigdial2016}が小説やコミックに登堎する人間のキャラクタの発話においおはそれほど頻繁には芳察されない\subsubsection{促音化(L7)}促音化は動詞型の掻甚語における促音化(M16)指瀺詞における促音化(M17)およびその他の促音化(M18)ずいう䞭分類に区分した促音化はその他の珟象ず比べお出珟頻床が䜎いが「走っから」元の圢「走るから」のように母音動詞型たたはラ行子音動詞型の掻甚語の基本圢掻甚語尟の「る」が「っ」に亀替するパタヌン(P53)や「走ろっか」元の圢「走ろうか」のように動詞型の掻甚語の意志圢掻甚語尟の「う」が「っ」に亀替するパタヌン(P54)はしばしば芳察される\subsubsection{撥音化(L8)}撥音化はナ行音の撥音化(M19)ずラ行音の撥音化(M20)ずいう䞭分類に区分した撥音化の䞭で最も倚く芳察されるのは助動詞「のだのです」が「んだんです」に亀替するパタヌン(P78)でありたいおいのキャラクタの発話に出珟する次に倚く芳察されるのは「走らん」元の圢「走らぬ」のように助動詞「ぬ」が「ん」に亀替するパタヌンである(P81)ただしこのパタヌンが倚く芳察されるのは関西などの方蚀を話すキャラクタの発話や物語䞖界においお支配的な立堎にあるキャラクタ郚隊の指揮官などが話すやや文語調の発話においおである撥音化は11皮類の珟象の䞭で最も倚く芳察される珟象でありP78やP81の他にも様々なパタヌンが倚く甚いられる䟋えば「走るんは」元の圢「走るのは」のように圢匏名詞「の」が「ん」に亀替するパタヌン(P77)や「走んの」元の圢「走るの」のように母音動詞型たたはラ行子音動詞型の掻甚語においお基本圢掻甚語尟の「る」が「ん」に亀替するパタヌン(P86)「なんも」元の圢「なにも」のように「なに」が「なん」に亀替するパタヌン(P74)はキャラクタの発話においお頻繁に芳察される\subsubsection{り音䟿化(L9)}り音䟿化は「しもうお」元の圢「したっお」や「蚀うお」元の圢「蚀っお」のような動詞型の掻甚語におけるり音䟿化(M21)ず「たこうお」元の圢「たかくお」や「な぀かしゅうお」元の圢「な぀かしくお」のようなむ圢容詞型の掻甚語におけるり音䟿化(M22)の䞭分類に区分したこれらは関西などの方蚀を話すキャラクタや老人のキャラクタの発話に珟れるこずを想定しお䜜成したものでありどんなキャラクタの発話にも広く出珟するずいうものではない\subsubsection{瞮玄(L10)}瞮玄は掻甚語のテ圢ず助詞「は」の瞮玄(M23)指瀺詞ず助詞「は」の瞮玄(M24)掻甚語の基本条件圢における瞮玄(M25)テ圢耇合動詞における瞮玄(M26)「ずいう」の瞮玄(M27)「のうち」の瞮玄(M28)およびその他の瞮玄(M29)ずいう䞭分類に区分した瞮玄の䞭で最も倚く芳察されるパタヌンは「嫌じゃない」元の圢「嫌ではない」のようにナ圢容詞型の掻甚語のテ圢の「で」ず助詞「は」が合わさっお「じゃ」に亀替するパタヌン(P93)であり倚くのキャラクタの発話に珟れるその他には「食べちゃう」元の圢「食べおしたう」のように動詞型の掻甚語のテ圢の「おで」ず「したう」が合わさっお「ちゃうじゃう」に亀替するパタヌン(P104)や「食べちゃ」元の圢「食べおは」のように動詞型の掻甚語のテ圢の「おで」ず助詞「は」が合わさっお「ちゃじゃ」に亀替するパタヌン(P94)「食べりゃ」元の圢「食べれば」や「曞きゃ」元の圢「曞けば」のように動詞型の掻甚語の基本条件圢においお掻甚語尟の゚段音ずそれに続く「ば」がむ段音ず「ゃ」に亀替するパタヌン(P99)などがある\subsubsection{その他(L11)}L1からL10たでのいずれにも圓おはたらない音倉化衚珟のパタヌンが18皮類(P120--P137)あるその倚くが生産性のないパタヌンであるためキャラクタの発話においお芳察される頻床は高くなく「気ヌ䜿う」元の圢気を䜿うのように助詞「を」が長音に亀替するパタヌン(P132)や「そうじゃなければ」元の圢「そうでなければ」のように刀定詞「だ」のテ圢である「で」が「じゃ」に亀替するパタヌン(P134)「やはり」が「やっぱ」に亀替するパタヌン(P136)がしばしば芋られる皋床である \section{パタヌンの網矅性の怜蚌} 本研究で収集・敎理した音倉化衚珟のパタヌンの網矅性を怜蚌するために\pagebreak小説・ラむトノベル・コミックの具䜓的な䜜品を察象ずしお衚{\AppTableNum}に瀺すパタヌンの他に音倉化衚珟ず呌ぶべきものがあるかどのような衚珟がどの皋床存圚するのかを調査した\subsection{怜蚌甚デヌタの䜜成方法}小説・ラむトノベル・コミックの蚈9䜜品に含たれるキャラクタの発話1800文200文$\times$9䜜品に察し䜜業者2名で音倉化衚珟ぞのラベル付けを行ったなお䜜業者2名のうち1名は筆頭著者でもう1名は著者に含たれない人物である察象ずした䜜品および発話文の遞定は䜜者の異なる9䜜品においお2名以䞊のキャラクタの発話が登堎する章たたは話の先頭から順に発話郚分に含たれる200文を抜出するこずによっお行った察象ずした9䜜品のうち3䜜品『響けナヌフォニアム』『ちはやふる』『名探偵コナン』には方蚀を䜿甚するキャラクタが含たれるがこれら3䜜品を利甚した理由は方蚀の語圙には暙準語が音倉化した圢だずみなせる衚珟が倚く存圚するずいう仮定に基づき本研究で提案する音倉化衚珟のパタヌンの網矅性怜蚌をより倚様な衚珟を察象ずしお行いたいず考えたためである音倉化衚珟に察するラベル付けは以䞋の方針に埓っお実斜した\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[音倉化衚珟か吊かの刀断基準]\mbox{}\\「元の圢から音が倉わっおいるず思われる衚珟を音倉化衚珟ずする蚀い換えるず音倉化衚珟は音が倉化する前の元の圢を想定できる衚珟ずする」ずしたなお衚{\AppTableNum}に蚘茉のパタヌンはラベル付けの䜜業者著者に含たれない人物には提瀺しない\item[ラベル付けの手順]\mbox{}\\音倉化衚珟に該圓する文字列を``[]''で囲んでマヌクしマヌクした音倉化衚珟の元の圢ずしお考えられる衚珟を音倉化衚珟の右隣に``$<>$''で囲んだ状態で蚘入する\item[マヌクする文字列の範囲]\mbox{}\\どこからどこたでの文字を音倉化衚珟ずしおマヌクすべきかに぀いおは厳密な定矩をしない䜜業者が「音倉化が起きおいる」ず思った文字が含たれおいれば問題ない\item[ラベル付けされた結果の䟋]\mbox{}\\俺は[知んねえんだ]$<$知らないのだ$>$よ\end{description}\vspace{0.5\Cvs}音倉化衚珟ずしおマヌクすべき文字列の範囲に぀いお厳密な定矩をしなかったのは音倉化が起きおいる䞀連の文字列の䞭から個々の音倉化衚珟を切り出すための基準䜜りが困難だったためである䟋えば「知んねえんだ」をたずめお1぀の音倉化衚珟ずみなすべきか「知んねえ」ず「んだ」の2぀に分けるべきか「知ん」「ねえ」「んだ」の3぀に分けるべきか末尟の「だ」は取り陀くべきかなどあらゆる状況を事前に想定し基準を䜜るのは困難であった明確な基準を蚭けない代わりにマヌクした文字列の音倉化前の圢元の圢を䜵蚘するこずずしたこれにより音倉化衚珟ずしおマヌクされた文字列ず元の圢ずしお蚘入された文字列ずを比范し倉化した文字を機械的に抜出できるようにした䟋えば「知んねえんだ」の堎合は元の圢ずしお蚘入された「知らないのだ」ず比范し2番目から5番目たでの文字んねえんが音倉化を起こしおいるこずが分かる以䞊の理由により本怜蚌では音倉化を文字単䜍で扱うこずずする怜蚌甚デヌタにおいおは2名の䜜業者のうち少なくずも1名のラベル付けの結果から元の圢ずの差分ずしお抜出された文字を怜出察象ずしお利甚した衚\ref{data-stats}に察象ずした䜜品およびキャラクタの名称キャラクタごずの発話文の数各発話を構成する文字数の平均倀および元の圢ずの差分ずしお抜出された文字の数を瀺すなお発話文の数が20に満たないキャラクタは「その他」ずしおたずめた\begin{table}[p]\caption{怜蚌甚デヌタに関する統蚈量}\label{data-stats}\input{06table01.tex}\par\vspace{4pt}\small発話数はデヌタに含たれる発話数平均文字数は各発話を構成する文字数の平均倀音倉化文字数は元の圢ずの差分ずしお抜出された文字の数を衚す\end{table}\subsection{網矅性の怜蚌方法}\label{evalmethod}元の圢ずの差分ずしお抜出された文字のうち本研究で提案する137皮類の音倉化パタヌンに該圓するものずしないものがどの皋床存圚するのかを確認する137皮類のパタヌンに該圓するか吊かに぀いお党おの文字を目芖で確認するのは倧倉な䜜業であるため137皮類の音倉化パタヌンに該圓する文字を自動怜出する手段以降音倉化怜出噚を甚意し自動的に怜出できなかった文字に察しおのみ目芖による確認を行うこずずした音倉化怜出噚ずしおは(1)音倉化衚珟蟞曞ずの文字列マッチングによる方法ず(2)圢態玠解析結果に基づく芏則ずのマッチングによる方法の2皮類を甚意したこれは2皮類の方法を䜵甚するこずにより怜出性胜を高めるためである(1)を利甚するのは正しく圢態玠解析されない誀った圢態玠分割や品詞付䞎が行われた音倉化衚珟を挏らさず怜出するためであり(2)を利甚するのは文字列マッチでは扱えない品詞連接を考慮したマッチングや品詞に付随しお出力される意味的・圢態的情報を利甚したマッチングを行うためである\subsubsection{音倉化衚珟蟞曞ずの文字列マッチングによる方法}\label{dictmatch}音倉化衚珟蟞曞ずの文字列マッチングの凊理の流れを図\ref{detect-flow}に瀺すたず怜出の事前準備ずしお音倉化衚珟蟞曞を䜜成する具䜓的には音倉化衚珟䜜成芏則図\ref{detect-flow}のA;芏則の䟋は衚\ref{dictrule}を参照を読み蟌み各パタヌンの音倉化衚珟を䜜成するための芏則を実行するのに必芁な語を日本語圢態玠解析システムJUMANversion7.01\cite{kurohashi:2012}の圢態玠蟞曞図\ref{detect-flow}のBから抜出し抜出した語に察しお芏則を適甚するこずで各パタヌンに該圓する音倉化衚珟を䜜成するこのずきパタヌンによっおはりェブペヌゞ2䞇ペヌゞ分のコヌパスを甚いお䜜成された単語N-gramずその出珟頻床\footnote{http://www.ar.media.kyoto-u.ac.jp/member/gologo/lm.html}図\ref{detect-flow}のCを利甚しお出珟頻床぀たりキャラクタの発話においお利甚される可胜性が著しく䜎い語やフレヌズを陀倖したうえで音倉化芏則を適甚する\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-2ia6f1.eps}\end{center}\caption{音倉化衚珟蟞曞ずの文字列マッチングの凊理の流れ}\label{detect-flow}\end{figure}\begin{table}[p]\caption{音倉化衚珟䜜成芏則および䜜成される衚珟の䟋}\label{dictrule}\input{06table02.tex}\par\vspace{4pt}\small【】で囲たれおいるのは音倉化の起きおいる文字\end{table}衚\ref{dictrule}に音倉化衚珟䜜成芏則および䜜成される音倉化衚珟の䟋を瀺す音倉化衚珟䜜成芏則は衚~{\AppTableNum}に蚘茉の「パタヌンの説明」を音倉化衚珟を䜜成するための芏則ずしお蚘茉し盎したものである䜜成される衚珟の䟋においお【】で囲たれおいるのは音倉化が起きおいる文字列であるなお音倉化怜出噚で利甚する音倉化衚珟蟞曞においお音倉化衚珟ず呌んでいるものには音倉化が起きおいる文字列やその文字列が属する語だけでなくその語の巊右に隣接する語も含たれおいるこずがあるこれはマッチング察象の文字列をなるべく長くするこずで音倉化衚珟の誀怜出を防ぐためのものである䟋えばP22のパタヌンに該圓する音倉化衚珟を䜜成する際はたず芏則に埓っおJUMANの圢態玠蟞曞から品詞が動詞たたは動詞性接尟蟞である語圢態玠を抜出する次に抜出した語のテ圢に「いく」の掻甚圢を接続させさらにそこから「いく」の語幹である「い」を削陀した圢を䜜成するこのずき「遭えおいく」のように元の圢ずしおも滅倚に䜿われない単語N-gramの出珟頻床が閟倀以䞋であるフレヌズは陀倖したうえで音倉化衚珟を䜜成するなお生産性のないパタヌンの堎合はJUMANの圢態玠蟞曞から語を抜出せずに音倉化衚珟を䜜成する衚\ref{dictrule}の䟋ではP15がこれに該圓するたた元の圢の出珟頻床が閟倀以䞋の語やフレヌズを陀倖するか吊かおよび閟倀の蚭定はパタヌンによっお異なる\begin{table}[t]\caption{音倉化衚珟ずの文字列マッチングの結果の䟋}\label{detect-result-sample}\input{06table03.tex}\end{table}音倉化衚珟を怜出する際はキャラクタ発話図\ref{detect-flow}のEを読み蟌み事前に䜜成しおおいた音倉化衚珟蟞曞図\ref{detect-flow}のDを参照しおキャラクタ発話の䞭から音倉化衚珟ず完党に䞀臎する郚分文字列を怜出する衚\ref{detect-result-sample}に音倉化衚珟ずの文字列マッチングの結果図\ref{detect-flow}のFの䟋を瀺す文字列マッチングの結果は発話ID発話音倉化が起きおいるずしお怜出された文字の䜍眮どのパタヌンの音倉化衚珟ずマッチしたかを瀺すパタヌンIDで構成される\mbox{衚\ref{detect-result-sample}}では分かりやすさのために音倉化が起きおいるずしお怜出された文字を【】で囲んであるなお「だけ【】ど」や「っお【】こず」のように文字が脱萜しおいる堎合は脱萜箇所の次の文字である「ど」や「こ」の文字䜍眮を音倉化文字䜍眮ずしおいる\subsubsection{圢態玠解析結果に基づく芏則ずのマッチングによる方法}\label{rulematch}圢態玠解析結果に基づく芏則ずのマッチングの凊理の流れを図\ref{morph-rule-flow}に瀺すたず怜出察象の発話を圢態玠解析にかけ発話に含たれる圢態玠の衚蚘および品詞の情報を取埗する圢態玠解析噚ずしおはJUMANversion7.01\cite{kurohashi:2012}ずUniDic(unidic-mecabver.~2.1.2)\cite{den:2009}を蟞曞ずしお指定したMeCab0.996\cite{kudo:2004}を利甚した次にそれぞれの圢態玠解析噚で䜿甚する圢態玠蟞曞の品詞䜓系に合わせお䜜成した音倉化怜出芏則図\ref{morph-rule-flow}のBCず圢態玠解析結果ずを照らし合わせ音倉化の起きおいる文字列を怜出する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia6f2.eps}\end{center}\caption{圢態玠解析結果に基づく芏則ずのマッチングの凊理の流れ}\label{morph-rule-flow}\end{figure}衚\ref{jumanrule}にJUMANの品詞䜓系に合わせお䜜成した音倉化怜出芏則の䟋を衚\ref{unidicrule}にUniDicの品詞䜓系に合わせお䜜成した音倉化怜出芏則の䟋をそれぞれ瀺す音倉化怜出芏則はいずれも音倉化が起きおいる察象圢態玠の他にその巊右の圢態玠に関する条件を持ち条件にマッチした圢態玠を音倉化を含むものずしお怜出する察象圢態玠およびその巊右の圢態玠に関する条件ずしおは圢態玠の衚蚘ず品詞掻甚型・掻甚圢を含むを利甚したJUMANの解析結果においお「長音挿入」や「代衚衚蚘る/る」語幹の脱萜がない堎合は「代衚衚蚘いる/いる」など音倉化が起きおいるこずを盎接的に瀺す情報意味情報の欄が出力される堎合はこれも芏則に取り入れたなおUniDicの堎合は「連䜓圢-撥音䟿」e.g.,èµ°\underline{ん}のや「仮定圢-融合」e.g.,食べ\underline{りゃ}のように音倉化が起きおいるこずを瀺す情報が掻甚圢の䞭に組み蟌たれおいるこれらの芏則を圢態玠解析結果ず照らし合わせるこずで衚\ref{detect-result-sample}ず同様の圢匏の怜出結果を出力する\begin{table}[p]\caption{音倉化怜出芏則の䟋JUMANの品詞䜓系甚}\label{jumanrule}\input{06table04.tex}\vspace{4pt}\small【】で囲たれおいるのは音倉化の起きおいる文字\end{table}\begin{table}[p]\caption{音倉化怜出芏則の䟋UniDicの品詞䜓系甚}\label{unidicrule}\input{06table05.tex}\vspace{4pt}\small【】で囲たれおいるのは音倉化の起きおいる文字\end{table}\subsection{怜蚌の結果ず考察}\label{result-and-analysis}\ref{dictmatch}節および\ref{rulematch}節で述べた方法で元の圢ずの差分ずしお抜出された1,848文字のうち1,241文字(67\%)が怜出された䞀方で残り607文字(33\%)は自動的には怜出されなかったのでこれらの文字が本研究で提案する137皮類の音倉化パタヌンに該圓するものか吊かを目芖によっお確認し怜出に成功した文字ず合わせお以䞋に瀺す5皮類に分類した\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[(1)音倉化衚珟に該圓しない]\item[(2)音倉化衚珟に該圓する]\mbox{}\begin{description}\item[a.怜出成功]音倉化怜出噚で怜出された文字\item[b.怜出噚実装䞍足]137皮類のパタヌンに該圓はするが音倉化怜出噚で䜿甚した音倉化衚珟蟞曞や音倉化怜出芏則の実装が䞍足しおいたため怜出できなかった文字\item[c.パタヌン䞍足]137皮類のパタヌンに該圓しない文字\item[d.方蚀]方蚀ず思われる衚珟に含たれる文字\end{description}\end{description}\vspace{0.5\Cvs}5皮類の内蚳は衚\ref{mokushi-result}に瀺すずおりである音倉化に該圓しないず刀断した225文字にどのようなものがあったかは衚\ref{others-uchiwake}に瀺す「っおいう」の元の圢ずしお「ずいう」が蚘入された堎合など語圙遞択の問題ずしお捉えたほうが良いず考えられるものは音倉化に該圓しない文字ずみなしたたた「だったら」の元の圢ずしお「そうだったら」が蚘入された事䟋のように文頭の語が䞞ごず消倱する堎合や「ない」の元の圢ずしお「ないか」が蚘入された事䟋のように文末の語が䞞ごず消倱する堎合および「あ、あたし」のような蚀い淀みに぀いおも音倉化に該圓しない文字ずみなした\begin{table}[b]\caption{元の圢ずの差分ずしお抜出された文字の内蚳}\label{mokushi-result}\input{06table06.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{音倉化に該圓しないず刀断した文字の内蚳}\label{others-uchiwake}\input{06table07.tex}\end{table}方蚀の䞀郚だず刀断した135文字にどのようなものがあったかは衚\ref{dialect-uchiwake}に瀺すそれぞれの衚珟に぀いお音倉化に該圓するのかそうでないのかを刀断するのは難しいのでここでは党おたずめお音倉化衚珟に該圓するずみなした衚\ref{dialect-uchiwake}を芋るず怜蚌甚デヌタ䜜成時に仮定したずおり方蚀を䜿甚するキャラクタがいる䜜品を扱うこずによっお本研究で提案する137皮類のパタヌンでカバヌされおいなかった倚様な衚珟を怜蚌の察象ずするこずができたず分かる\begin{table}[t]\caption{方蚀の䞀郚だず刀断した文字の内蚳}\label{dialect-uchiwake}\input{06table08.tex}\end{table}パタヌン䞍足であった぀たり本研究で提案する137皮類のパタヌンに該圓しない音倉化である141文字にどのようなものがあったかを衚\ref{husoku-uchiwake}に瀺す衚\ref{husoku-uchiwake}に蚘茉の衚珟のほずんどが珟象・生起環境の面で他の音倉化衚珟ずの共通性が乏しく生産性のあるパタヌンが䜜れないものであり新たに生産性のあるパタヌンが䜜れそうな衚珟は「眮きっぱなし」元の圢「眮きはなし」ず「あんたり」元の圢「あたり」の2぀だけであった前者に぀いおは末尟に「はなし攟し」が付く様々な語に適甚できるパタヌンを䜜るこずが可胜だず考えられ埌者に぀いおは生産性のないパタヌンずしお甚意したP16「おんなじだ」やP17「たんた」ず合わせおナ行・マ行音の前に「ん」が挿入されるパタヌンずしおたずめられそうであるその他「うヌむ」元の圢「うむ」は既存のパタヌンP2においお語末が「い」「し」「ん」だけでなく「む」である感動詞も扱うように拡匵すれば「うヌむ」や「ふヌむ」がカバヌできるようになる「眮きっぱなし」「あんたり」「うヌむ」以倖の衚珟は党お生産性のあるパタヌンが䜜り難いものであった぀たり本研究で提案する137皮類のパタヌンで生産性のある音倉化衚珟のパタヌンの倚くがカバヌできおいるず蚀える\begin{table}[p]\caption{パタヌン䞍足だず刀断した文字の内蚳}\label{husoku-uchiwake}\input{06table09.tex}\end{table}以䞊の目芖確認の結果を受け音倉化に該圓しない文字を陀倖しお蚈算するず衚\ref{mokushi-result}に瀺すずおり137皮類の音倉化パタヌンに該圓する文字怜出成功ず怜出噚実装䞍足の合蚈は党䜓の83\%を占めるこずが分かるさらに方蚀ず思われる衚珟に含たれる文字を陀倖しお蚈算するず137皮類の音倉化パタヌンに該圓する文字は党䜓の90\%を占めるこずが分かるこれにより本研究で提案する137皮類が怜蚌の察象ずしたキャラクタの発話に珟れる音倉化衚珟の䞻芁なパタヌンをカバヌするこずが確認できたなお音倉化に該圓しない文字を陀倖した方蚀は含む状態での音倉化怜出噚の性胜は再珟率0.76適合率0.85F倀0.80である再珟率($Rec$)適合率($Prec$)F倀($F$)は音倉化が起きおいるこずを正しく怜出できた文字の数を$TP$音倉化が起きおいるこずを怜出できなかった文字の数を$FN$音倉化が起きおいるずしお誀っお怜出しおしたった文字の数を$FP$ずしたずき䞋蚘の匏で算出する\begin{equation}\label{rec-prec-f}Rec=\frac{TP}{TP+FN},\Prec=\frac{TP}{TP+FP},\F=\frac{2\cdotRec\cdotPrec}{Rec+Prec}\end{equation}たた各パタヌンの音倉化衚珟蟞曞たたは音倉化怜出芏則がマッチした回数を図\ref{pattern-freq}に瀺す図\ref{pattern-freq}ではマッチした回数が2以䞊のパタヌンに぀いおマッチした回数を棒グラフでマッチした回数の合蚈に察する比率の环積倀を線グラフで衚瀺しおいるこの図からマッチした回数が2以䞊のパタヌンは党137皮類のうち56皮しかなくマッチした回数の倚い䞊䜍5パタヌン(P43)たでで党䜓の玄50\%を䞊䜍25パタヌン(P36)たでで90\%を占めおいるこずが分かる音倉化衚珟のバリ゚ヌションは倚岐に枡るが出珟頻床はロングテヌルの傟向が匷く頻繁に芳察されるパタヌンはそれほど倚くないず蚀える\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia6f3.eps}\end{center}\caption{各パタヌンの音倉化衚珟蟞曞たたは音倉化怜出芏則がマッチした回数}\label{pattern-freq}\end{figure} \section{発話のキャラクタ付けにおける音倉化衚珟の有甚性怜蚌} \subsection{怜蚌方法}音倉化衚珟が発話テキストぞのキャラクタ付けにおいお有甚かどうかを怜蚌する具䜓的には衚\ref{data-stats}に蚘茉の9䜜品における「その他」を陀く29キャラクタを察象ずしお各䜜品200発話の䞭から特定のキャラクタの発話を怜出する実隓を行い発話にどのような音倉化衚珟が含たれるかずいう情報を甚いるこずで怜出性胜が向䞊するか吊かを怜蚌する音倉化衚珟の情報を甚いるこずで怜出性胜が向䞊すれば小説やコミックにおける発話のキャラクタらしさず発話における音倉化衚珟の利甚実態ずの間に䜕らかの関係性があるこずが確認できる目的のキャラクタの発話の怜出にはLIBLINEARversion2.1\cite{fan:2008}のロゞスティック回垰L2正則化を甚いた孊習ず掚定は10分割亀差怜定で行い目的のキャラクタの発話である確率が0.5以䞊であるず掚定された発話を目的のキャラクタの発話ずしお怜出した䜿甚する特城量ずしおは以䞋の3皮類を甚意した\vspace{0.5\Cvs}\begin{description}\item[Word]各発話に含たれる圢態玠の衚蚘ずその出珟頻床\item[Word+POS]各発話に含たれる圢態玠の衚蚘および品詞ずその出珟頻床\item[Word+POS+Pattern]各発話に含たれる圢態玠の衚蚘および品詞ず\ref{evalmethod}節で述べた方法で怜出された音倉化衚珟の倧分類(L1--L11)䞭分類(M1--M34)およびパタヌン(P1--P137)の出珟頻床\end{description}\vspace{0.5\Cvs}なお圢態玠の衚蚘ず品詞を取埗する際はUniDic(unidic-mecabver.~2.1.2)\cite{den:2009}を蟞曞ずしお指定したMeCab0.996\cite{kudo:2004}を利甚したUniDicの品詞には「連䜓圢-撥音䟿」e.g.,èµ°\underline{ん}のや「仮定圢-融合」e.g.,食べ\underline{りゃ}のように音倉化が起きおいるこずを瀺す情報が組み蟌たれおいるためWord+POSの特城量においおも発話䞭にどのような音倉化衚珟があるかに関する情報の䞀郚が含たれるこずになる評䟡指暙ずしおは再珟率($Rec$)適合率($Prec$)F倀($F$)を甚いる目的のキャラクタの発話ずしお正しく怜出できた数を$TP$目的のキャラクタの発話ずしお怜出できなかった数を$FN$目的のキャラクタの発話ずしお誀っお怜出した数を$FP$ずしお(\ref{rec-prec-f})の匏で算出する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia6f4.eps}\end{center}\caption{各キャラクタの発話を怜出した結果F倀}\label{f-measure}\end{figure}\subsection{結果ず考察}å…š29キャラクタのそれぞれに぀いお\pagebreak3皮類の特城量を利甚しお怜出した結果F倀を図\ref{f-measure}に瀺す怜出結果はキャラクタによっおたちたちだがいく぀かのキャラクタにおいお音倉化衚珟の情報を䜿うこずでF倀が向䞊した最も向䞊したのは『図曞通戊争』の柎厎麻子で圢態玠の衚蚘ず品詞を甚いる方法(Word+POS)に音倉化衚珟の情報を远加するWord+POS+Patternを甚いるこずでF倀が0.15向䞊したたた『゜ヌドアヌトオンラむン』に぀いおは察象ずしたキャラクタの党おにおいお音倉化衚珟の情報を甚いる方法(Word+POS+Pattern)のF倀が最も高かった\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-2ia6f5.eps}\end{center}\caption{適合率・再珟率曲線『図曞通戊争』および『゜ヌドアヌトオンラむン』のキャラクタ}\label{rec-prec-both}\end{figure}『図曞通戊争』および『゜ヌドアヌトオンラむン』のキャラクタに察する怜出結果の適合率・再珟率曲線を図\ref{rec-prec-both}に瀺すこの曲線は目的のキャラクタの発話である確率がいく぀以䞊であれば目的のキャラクタの発話ずしお怜出するか閟倀を少しず぀倉化させ様々な閟倀を䜿甚した堎合の適合率ず再珟率をプロットしたものであるこれを芋るず『図曞通戊争』および『゜ヌドアヌトオンラむン』のキャラクタに぀いおは再珟率0.3以䞊の範囲においお抂ね垞に音倉化衚珟の情報を甚いる方法(Word+POS+Pattern)の適合率が最も高くなっおいるこずが分かる圢態玠の衚蚘・品詞ず音倉化衚珟の情報(Word+POS+Pattern)を特城量ずしお孊習したロゞスティック回垰のモデルにおいお回垰係数重みの絶察倀が倧きい䞊䜍15件の特城量を衚\ref{weight-toshokan}衚\ref{weight-sword}に瀺すなおここで䜿うモデルは10分割亀差怜定の䞭で䜜成したものではなく特城量の分析のために各䜜品に぀き党200発話を甚いお孊習し盎したものである『図曞通戊争』『゜ヌドアヌトオンラむン』のいずれのモデルにおいおも衚蚘や品詞ず䞊んで音倉化衚珟の情報が重みの絶察倀の䞊䜍に挙がっおいる衚\ref{weight-toshokan}の『図曞通戊争』のモデルで目を匕くのは堂䞊淳のモデル重みの絶察倀の䞊䜍15件においお音倉化衚珟の情報に察する重みが党お負の倀ずなっおいるこずであるこれは堂䞊淳ずいうキャラクタがL4脱萜やL1長音挿入ずいったごく䞀般的な音倉化衚珟をあたり甚いない人物ずしお特城づけられおいるこずを瀺唆しおいる『゜ヌドアヌトオンラむン』の茅堎晶圊にも同様の傟向が芋られL4脱萜やL2促音挿入ずいった音倉化衚珟に察しお負の重みが付䞎されおいる\begin{table}[p]\hangcaption{『図曞通戊争』の各キャラクタの発話を怜出するためのロゞスティック回垰のモデルにおいお回垰係数重みの絶察倀が倧きい䞊䜍15件の特城量(Word+POS+Pattern)}\label{weight-toshokan}\input{06table10.tex}\par\vspace{4pt}\small重みは小数点第5䜍を四捚五入しお衚瀺\end{table}\begin{table}[p]\hangcaption{『゜ヌドアヌトオンラむン』の各キャラクタの発話を怜出するためのロゞスティック回垰のモデルにおいお回垰係数重みの絶察倀が倧きい䞊䜍15件の特城量(Word+POS+Pattern)}\label{weight-sword}\input{06table11.tex}\par\vspace{4pt}\small\hspace{54pt}重みは小数点第5䜍を四捚五入しお衚瀺\end{table}堂䞊や茅堎ず察照的なのが『゜ヌドアヌトオンラむン』のクラむンである衚\ref{weight-sword}で瀺されおいるずおりクラむンのモデル重みの絶察倀の䞊䜍15件に登堎する音倉化パタヌンに察する重みは党お正の倀ずなっおいるこのモデルからクラむンずいうキャラクタがL5母音亀替L10瞮玄M10語末の「う」の脱萜ずいった音倉化衚珟を積極的に甚いる人物ずしお特城づけられおいるこずが瀺唆される以䞊で述べた実隓および特城量分析の結果から本研究で提案する音倉化衚珟のパタヌンが発話のキャラクタらしさを特城づけるうえで有甚であるこずが瀺されたず蚀える \section{たずめず今埌の課題} 本研究では発話テキストの自動生成における音倉化衚珟の利甚に向け日本語の発話テキストに珟れる音倉化衚珟のパタヌンをテキスト凊理においお扱いやすい知識ずしお敎理した具䜓的には音倉化衚珟を珟象ず生起環境の芳点で分類し137皮類のパタヌンずしお敎理したたた怜蚌実隓を通しお137皮類のパタヌンが小説やコミックのキャラクタの発話に出珟する音倉化衚珟の80\%以䞊をカバヌするこずを明らかにしたさらに小説やコミックにおける発話文の話者キャラクタを掚定する実隓を通しお音倉化衚珟のパタヌンが発話のキャラクタらしさを特城付けるための有効な手段ずなるこずを瀺した今埌は察話゚ヌゞェントの発話や小説のセリフの自動生成においお音倉化衚珟の生成を取り入れたいず考えおいるそのためには日本語ずしお自然な音倉化衚珟を生成できる必芁があるが本研究で提案したパタヌンに基づいお生成するだけでは日本語ずしお定着しおいない䞍自然な衚珟が出力される堎合がある䟋えばP10で生成される「うっか぀だ」元の圢うか぀だやP11で生成される「あいっ぀いで」元の圢あい぀いでP50で生成される「うんざし」元の圢うんざりは日本語の衚珟ずしおあたり自然なものずは感じられない日本語ずしお自然な音倉化衚珟を生成するために個々の衚珟の定着床合いや発話の状況など䟋えば話者が感情的になっお話しおいるか考慮すべき芁因を明らかにしそれを反映できるテキスト生成の仕組みを䜜りたいず考えおいる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\nocite{*}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{䌝}{䌝}{2009}]{den:2009}䌝康晎\BBOP2009\BBCP.\newblock倚様な目的に適した圢態玠解析システム甚電子化蟞曞(〈特集〉日本語コヌパス).\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚誌},{\Bbf24}(5),\mbox{\BPGS\640--646}.\bibitem[\protect\BCAY{Fan,Chang,Hsieh,Wang,\BBA\Lin}{Fanet~al.}{2008}]{fan:2008}Fan,R.-E.,Chang,K.-W.,Hsieh,C.-J.,Wang,X.-R.,\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLIBLINEAR:ALibraryforLargeLinearClassification.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf9}(Aug),\mbox{\BPGS\1871--1874}.\bibitem[\protect\BCAY{浜田}{浜田}{1955}]{hamada:1955}浜田敊\BBOP1955\BBCP.\newblock぀たる音.\\newblock\Jem{囜語孊蟞兞},\mbox{\BPGS\655--656}.東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{金氎}{金氎}{2011a}]{kinsui:2011:nihongo}金氎敏\BBOP2011a\BBCP.\newblock圹割語ず日本語教育.\\newblock\Jem{日本語教育},{\Bbf150},\mbox{\BPGS\34--41}.\bibitem[\protect\BCAY{金氎}{金氎}{2011b}]{kinsui:2011}金氎敏\JED\\BBOP2011b\BBCP.\newblock\Jem{圹割語研究の展開}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{小磯\JBA西川\JBA間淵}{小磯\Jetal}{2006}]{koiso:2006}小磯花絵\JBA西川賢哉\JBA間淵掋子\BBOP2006\BBCP.\newblock転蚘テキスト.\\newblock\Jem{日本語話し蚀葉コヌパスの構築法}.囜立囜語研究所報告曞,124\JNUM,2\JCH,\mbox{\BPGS\23--130}.囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{窪薗}{窪薗}{1999}]{kubozono:1999}窪薗晎倫\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{珟代蚀語孊入門2日本語の音声}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,Yamamoto,\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{kudo:2004}Kudo,T.,Yamamoto,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldstoJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋・河原研究宀}{黒橋・河原研究宀}{2012}]{kurohashi:2012}黒橋・河原研究宀\BBOP2012\BBCP.\newblock\Jem{日本語圢態玠解析システムJUMANversion7.0䜿甚説明曞}.\bibitem[\protect\BCAY{Li,Galley,Brockett,Spithourakis,Gao,\BBA\Dolan}{Liet~al.}{2016}]{Li:2016}Li,J.,Galley,M.,Brockett,C.,Spithourakis,G.,Gao,J.,\BBA\Dolan,B.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQAPersona-BasedNeuralConversationModel.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\994--1003}.\bibitem[\protect\BCAY{Mairesse\BBA\Walker}{Mairesse\BBA\Walker}{2007}]{mairesse:2007}Mairesse,F.\BBACOMMA\\BBA\Walker,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQPERSONAGE:PersonalityGenerationforDialogue.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\496--503}.\bibitem[\protect\BCAY{益岡\JBA田窪}{益岡\JBA田窪}{1992}]{masuoka-takubo:1992}益岡隆志\JBA田窪行則\BBOP1992\BBCP.\newblock\Jem{基瀎日本語文法—改蚂版—}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{泉子・K・メむナヌド}{泉子・K・メむナヌド}{2012}]{maynard:2012}泉子・K・メむナヌド\BBOP2012\BBCP.\newblock\Jem{ラむトノベル衚珟論—䌚話・創造・遊びのディスコヌスの考察}.\newblock明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{宮厎\JBA平野\JBA東䞭\JBA牧野\JBA束尟\JBA䜐藀}{宮厎\Jetal}{2016}]{miyazaki:jsai2016}宮厎千明\JBA平野培\JBA東䞭竜䞀郎\JBA牧野俊朗\JBA束尟矩博\JBA䜐藀理史\BBOP2016\BBCP.\newblock文節機胜郚の確率的曞き換えによる蚀語衚珟のキャラクタ性倉換.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf31}(1).\newblockDSF-515.\bibitem[\protect\BCAY{Miyazaki,Hirano,Higashinaka,Makino,\BBA\Matsuo}{Miyazakiet~al.}{2015}]{miyazaki:paclic29}Miyazaki,C.,Hirano,T.,Higashinaka,R.,Makino,T.,\BBA\Matsuo,Y.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticConversionofSentence-endExpressionsforUtteranceCharacterizationofDialogueSystems.\BBCQ\\newblockIn{\Bem29thPacificAsiaConferenceonLanguage,InformationandComputation},\mbox{\BPGS\307--314}.\bibitem[\protect\BCAY{Miyazaki,Hirano,Higashinaka,\BBA\Matsuo}{Miyazakiet~al.}{2016}]{miyazaki:sigdial2016}Miyazaki,C.,Hirano,T.,Higashinaka,R.,\BBA\Matsuo,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQTowardsanEntertainingNaturalLanguageGenerationSystem:LinguisticPeculiaritiesofJapaneseFictionalCharacters.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSIGDIAL2016Conference},\mbox{\BPGS\319--328}.\bibitem[\protect\BCAY{斉藀\JBA貞光\JBA浅野\JBA束尟}{斉藀\Jetal}{2017}]{saito:2017}斉藀い぀み\JBA貞光九月\JBA浅野久子\JBA束尟矩博\BBOP2017\BBCP.\newblock文字列正芏化パタンの獲埗ず厩れ衚蚘正芏化に基づく日本語圢態玠解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf24}(2),\mbox{\BPGS\297--314}.\bibitem[\protect\BCAY{笹野\JBA黒橋\JBA奥村}{笹野\Jetal}{2014}]{sasano:2014}笹野遌平\JBA黒橋犎倫\JBA奥村孊\BBOP2014\BBCP.\newblock日本語圢態玠解析における未知語凊理の䞀手法—既知語から掟生した衚蚘ず未知オノマトペの凊理—.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(6),\mbox{\BPGS\1183--1205}.\bibitem[\protect\BCAY{䜐藀}{䜐藀}{2015}]{sato:2015}䜐藀理史\BBOP2015\BBCP.\newblock小説生成噚ずはどんなシステムか.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集},29\JVOL,\mbox{\BPGS\1--4}.\bibitem[\protect\BCAY{沈\JBA菊池\JBA倪田\JBA䞉田村}{沈\Jetal}{2012}]{shen:2012}沈睿\JBA菊池英明\JBA倪田克己\JBA䞉田村健\BBOP2012\BBCP.\newblock音声生成を前提ずしたテキストレベルでのキャラクタ付䞎.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf53}(4),\mbox{\BPGS\1269--1276}.\bibitem[\protect\BCAY{山根\JBA䜐藀\JBA束岡\JBA奥村}{山根\Jetal}{2013}]{yamane:2013}山根智恵\JBA䜐藀友子\JBA束岡掋子\JBA奥村圭子\JEDS\\BBOP2013\BBCP.\newblock\Jem{研究瀟日本語口語衚珟蟞兞}.\newblock研究瀟.\end{thebibliography}\clearpage\appendix \section{怜蚌甚デヌタの曞誌情報} \vspace{-2\Cvs}\nociteaprefs{*}\bibliographyaprefs{aprefs} \section{音倉化衚珟のパタヌン} \centerline{\small\textbf{衚12}音倉化衚珟のパタヌンの䞀芧}\par\input{06table12.tex}\vspace{-8pt}\small``*''が付䞎されおいるパタヌンは䟋ずしお挙げたもの以倖に倚くの衚珟が該圓するもの生産性のあるものであるパタヌンの説明における``+''はその巊右の語が連接するこずを指す音倉化衚珟の䟋にお``()''で囲たれた文字列は音倉化が起きる語の呚蟺語の䟋であり``/''によっお語の境界を瀺しおある\vspace{1\Cvs}\normalsize\begin{biography}\bioauthor{宮厎千明}{2008幎南山倧孊倖囜語孊郚英米孊科卒業2010幎名叀屋倧孊倧孊院囜際開発研究科博士前期課皋修了2010幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2016幎NTTコミュニケヌションズ株匏䌚瀟ぞ転籍2017幎より゜ニヌ株匏䌚瀟勀務珟圚名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋に圚孊蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{䜐藀理史}{1988幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋電気工孊第二専攻研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊助教授京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科教授工孊博士蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚日本認知科孊䌚ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V22N05-03
\section{はじめに} \label{sec_intro}近幎ブログ等の個人が自由に情報を発信できる環境の爆発的な普及に䌎い膚倧なテキスト情報がWeb䞊に加速床的に蓄積され利甚できるようになっおきおいるこれらの情報を敎理しそこから有益な情報を埗るためには「誰が」「い぀」「どこで」「䜕を」ずいった情報を認識するだけでなく文に蚘述されおいる事象が実際に起こったこずなのかそうでないこずなのかずいう情報を解析する必芁がある我々はこのような文䞭の事象に察する著者や文䞭の登堎人物による成吊の刀断を衚す情報を事実性ず呌ぶ\eenumsentence{\item[a.]\underline{\mbox{商品Aを䜿い}}始めた。\item[b.]\underline{\mbox{商品Aを䜿う}}のは簡単ではなかった。\item[c.]\underline{\mbox{商品Aを䜿っ}}おみたい。\item[d.]\underline{\mbox{商品Aを䜿っ}}おいるわけではない。\item[e.]\underline{\mbox{商品Aを䜿っ}}おいるはずだ。}\label{ex_ie}(\ref{ex_ie})に瀺す䟋はいずれも「商品Aを䜿う」ずいう事象が含たれるがその事実性は異なる(\ref{ex_ie}a)ず(\ref{ex_ie}b)は事象が成立しおいるず解釈できる䞀方で(\ref{ex_ie}c)ず(\ref{ex_ie}d)は事象は成立しおいないず解釈できるさらに(\ref{ex_ie}e)は事象の成立を掚量しおいるず解釈できる評刀分析などの文脈で商品Aを䜿っおいるナヌザの情報のみを抜出したい堎合(\ref{ex_ie})に瀺した党おの文に察しお「商品Aを䜿う」ず照合するだけでは(\ref{ex_ie}c)や(\ref{ex_ie}d)ずいった商品Aを実際には䜿っおいないナヌザの情報たで抜出されおしたうそこで事実性解析を甚いるず(\ref{ex_ie}a)や(\ref{ex_ie}b)が実際に商品Aを䜿っおおり(\ref{ex_ie}c)や(\ref{ex_ie}d)が䜿っおいない(\ref{ex_ie}e)は䜿っおいない可胜性があるずいうこずを区別するこずができる事実性解析は評刀分析だけでなく含意関係認識や知識獲埗ずいった課題に察しおも重芁な技術である~\cite{Karttunen2005,Sauri2007,Hickl2008}事実性解析は事象が実際に起こったかを解析する技術ではあるが真に起こったかどうかを䞎えられた文のみから刀断するこずは䞍可胜である䟋えば「倪郎は先に垰ったはずです。」ずいう文に察しお「倪郎は垰った」ずいう事象が真に事実か吊かは「倪郎」にしか分からないそこで本研究では事実性を文䞭の事象の成吊に぀いお著者の刀断を衚す情報ず定矩するただし実際には著者の刀断も真にはわからないため著者の刀断を読者がどう解釈できるかによっお事実性を衚す前述の䟋では著者は事象「倪郎は垰った」の成立を掚量しおいるず読者は解釈できる事実性の付䞎察象ずなる事象は\citeA{Matsuyoshi2010}ず同様に行為出来事状態の総称であるず定矩する\eenumsentence{\item[a.]雚が\event{降っ}$_{\mathrm{出来事}}$たら、バスで\event{行き}$_{\mathrm{行為}}$たす。\item[b.]\event{混雑}$_{\mathrm{状態}}$しおいたら、別のずころに\event{行き}$_{\mathrm{行為}}$たす。}\label{ex:event}\ref{ex:event}に瀺す䟋では「雚が降る」「バスで行く」「混雑する」「別のずころに行く」が党お事象である\event{}で囲たれた述語はそれぞれの事象の䞭心ずなる語であり事象参照衚珟あるいは単に事象衚珟ず呌ぶアノテヌションや解析においお事実性のラベルは事象衚珟に付䞎する先行研究では事実性だけでなく時制などの関連情報に぀いおも付䞎基準が議論されるずずもにコヌパス構築が進められおきた~\cite{Sauri2009,Matsuyoshi2010,Kawazoe2011,Kawazoe2011_report}日本語を察象ずした事実性解析の研究は少なく述郚本研究の事象衚珟に盞圓に続く衚珟圢匏によるルヌルベヌスの解析~\cite{Umezawa2008SAGE}や機械孊習に基づく解析噚~\cite{Eguchi2010_nlp}がある前者はその性胜は報告されおいないが埌者の解析性胜は9皮類の事実性ラベルの分類性胜がマクロF倀で48\%であり実甚䞊十分ずはいえない事実性解析の性胜向䞊が困難である理由の䞀぀は事象衚珟に続く機胜衚珟の倚様性にある詳しくは\ref{sec_factvalue}節で述べるが䟋えば「\event{䜿わ}\underline{ない}」「\event{䜿う}\underline{わけない}」「\event{䜿わ}\underline{ねぇ}」「\event{䜿う}\underline{もんか}」のように事象が成立しないこずを瀺す機胜衚珟䞋線郚が倚々ある機胜衚珟以倖に「\event{䜿う}のを\underline{やめた}」のように文節境界を越えお事象の䞍成立を瀺唆する述語䞋線郚の存圚もありさらにこれらの芁玠の組み合わせが事実性解析の性胜向䞊を阻んでいる本研究では事実性解析の課題分析を行うために機胜衚珟のみを甚いたルヌルベヌスの事実性解析噚を構築し1,533文に含たれる3,734事象に適甚した結果の誀りを分析するこのずき党おの事象衚珟に続く機胜衚珟に察しお意味ラベルを人手で付䞎する芁玠の組み合わせを解きほぐすために3,734事象を最も文末に近い䞻事象1,533事象ずそれ以倖の埓属事象2,201事象に分割しそれぞれに぀いお誀り分析を行う誀り分析の結果䞻事象の事実性解析に぀いおは機胜衚珟の意味ラベルが正しく解析できれば珟圚の意味ラベルの䜓系ず本研究で甚いた単玔な芏則だけでも90\%に近い正解率が埗られるこずがわかったたた機胜衚珟解析の問題を陀けば誀りの半数は副詞に起因するものであった䞀方で埓属事象の事実性解析は䞻事象に比べお考慮すべき芁玠が倚いため性胜も䜎いこずがわかった埓属事象でのみ考慮すべき芁玠は倧きく二぀あり文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える述語ず埓属事象に盎接付随しない機胜衚珟の圱響である前者は既存の蟞曞のカバレッゞを調査した結果これを利甚するこずで誀りの䞀郚を解消できるもののさらなる拡充が必芁であるこずが分かった埌者は問題ずなるケヌスは倚様ではないこずず隣接する事象の機胜衚珟が及がす範囲スコヌプを粟緻に刀定するこずで抂ね解決できるこずを確認した \section{関連研究} \label{sec_related}事実性に倧きく関連する抂念ずしお態床衚明者の䞻芳的な態床モダリティおよび肯定吊定があげられる本研究における事実性は事象の真停に察する曞き手の確信床を衚した「真停刀断のモダリティ」\cite{Masuoka2007}ず肯定吊定の組み合わせに盞圓しおいる\subsection{タグ䜓系およびコヌパス構築に関する研究}\label{subsec_corpus}事実性およびその呚蟺情報を付䞎するためのタグ䜓系およびコヌパス構築の関連研究ずしお\citeA{Sauri2008_Guidelines,Sauri2009}によるFactBankや\citeA{Matsuyoshi2010,Matsuyoshi2011}による拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスなどがある\citeA{Sauri2008_Guidelines,Sauri2009}は事象を察象ずし以䞋の2぀組のタグによっお事実性を定矩した\begin{description}\item[modality]事実らしさに察する態床衚明者の確信床CT(Certain)PR(Probable)PS(Possible)U(Underspecified)の4皮類で衚す\item[polarity]事象に察する確信の方向+(positive)$-$(negative)u(underspecified)の3皮類で衚す\end{description}䟋えば事象が実際に起こったこずであるずいうこずをCT+ず衚すそしお事象ずその時間情報や事象間の時間的順序関係が付䞎されたTimeML~\cite{Sauri2006}の䞊に確信床ず肯吊極性を態床衚明者(source)ごずに付䞎する枠組みを提案しFactBankず呌ばれるコヌパスを構築した\citeA{Marneffe2012}はPR+ずPS$-$PS+ずPR$-$をそれぞれ論理的に等䟡なラベルずしお扱っおおりそれらのラベルを統合した5皮類のラベル䜓系による評䟡を行っおいる\citeA{Matsuyoshi2010,Matsuyoshi2011}は〈態床衚明者〉〈盞察時〉〈仮想〉〈態床〉〈真停刀断〉〈䟡倀刀断〉の6項目からなる拡匵モダリティタグ䜓系を蚭蚈しそれを珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)\footnote{http://www.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}の各事象に付䞎したコヌパスを構築した圌らのタグ䜓系の内〈真停刀断〉は\citeA{Sauri2009}の事実性に盞圓しおいる拡匵モダリティタグ䜓系を甚いた解析では項目間の䟝存関係を考慮するこずが可胜であるがそれ故に凊理が耇雑化しおしたうずいう問題がある本研究では\citeA{Marneffe2012}の枠組みに基づいお事実性のラベルを定矩するこの枠組みを利甚するこずで事実性を確信床ず肯吊極性の2軞に分けるこずができるため問題の分析がしやすくなるず考えた誀り分析には\citeA{Matsuyoshi2010,Matsuyoshi2011}の拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスを甚いる事実性解析における課題分析をする䞊で十分な量であり䞀般に利甚可胜なコヌパスは他にないため拡匵モダリティタグのうち〈真停刀断〉を事実性の正解ずしお利甚し事実性解析の誀り分析を行う\subsection{解析および課題分析に関する研究}\label{subsec_method}事実性は機械孊習に基づく手法や人手で構築した語圙的・統語的な知識を利甚したパタヌンベヌスの手法などを甚いお解析が行われおいるがその性胜および課題分析は十分でない\citeA{Hara2008}は事象の事実性情報を時間情報ず話者態床で衚珟しSVMを孊習噚に甚いた解析手法を提案した\citeA{Inui2008}は\citeA{Hara2008}の提案するタグ䜓系を敎理統合し条件付き確率堎を孊習噚ずしお甚いた解析手法を提案したSVMを甚いるよりも項目間の䟝存関係を考慮できる条件付き確率堎を甚いたほうが高い粟床を瀺すこずが報告されおいる\citeA{Eguchi2010_nlp}は項目間および事象間の䟝存関係を考慮できるFactorialCRF~\cite{Sutton2007}を甚いた拡匵モダリティ解析システムを構築した事実性に関連の深い〈真停刀断〉には9皮類のラベルが存圚するがそのマクロF倀で48\%の性胜を瀺しおいるさたざたな枠組みによっお事実性の解析が行われおいるがいただ十分な性胜は達成できおおらずその課題を分析する䜙地が倚分に残されおいるモダリティ解析における課題分析ずしおは\citeA{Matsuyoshi2011}が最倧゚ントロピヌモデルを甚いた拡匵モダリティ解析システム分析を詊䜜しその䞭の1぀の項目である〈態床〉に着目した誀り分析を行っおいる圌らは語矩曖昧性解消や連䜓節内の述語に及がす圱響の解明節間の意味的関係の認識などが〈態床〉に関するモダリティ解析の粟床向䞊に向けた課題であるこずを述べおいる事実性により盎接的に関連する〈真停刀断〉の誀り分析でも同様の結果が埗られるかどうかは明らかではない英語においおは\citeA{Sauri2012}や\citeA{Marneffe2012}が事実性の解析に取り組んでいる\citeA{Sauri2012}は事象の成立に圱響を䞎える手がかり衚珟を利甚し態床衚明者ごずに確信床ず肯吊極性で衚される事実性を䟝存構造朚の根から䌝搬させお解析するパタヌンベヌスの決定的アルゎリズムを提案した䟋えば{\itnot}があれば肯吊極性を反転させる{\itmay}があれば確信床を䞋げるずいったルヌルに基づいお解析を行いF倀でマクロ平均70\%マむクロ平均80\%の性胜を実珟しおいる誀り分析の結果ルヌルのカバレッゞや衚珟の曖昧性が倧きな問題であるこずを報告しおいる\citeA{Sauri2012}のアノテヌション基準では事実性は可胜な限り客芳的に刀断される䞀方で\citeA{Marneffe2012}は䞻芳的な刀断の自動掚定に取り組んだ䞻芳的な刀断ずは䟋えば態床衚明者の瀟䌚的な信頌性によるものである信頌に足る組織が衚明した事象の事実性はCT$+$にバむアスがかかるが衚明者が䞍明な堎合は事象の事実性はCT$-$にバむアスがかかる圌女らはFactBank䞭の各事象に察しお10名ず぀アノテヌションを行いその分垃を最倧゚ントロピヌモデルによっお掚定した解析性胜は倚数がアノテヌトしたラベルを正解ずした堎合にF倀でマクロ平均70\%マむクロ平均83\%の性胜をあげられおいる本研究では日本語事実性解析の課題に関しお議論するために機胜衚珟に基づき決定的に事実性を解析するルヌルベヌスのモデルを構築し誀り分析を行うここでルヌルベヌスモデルを甚いる理由ずしおは機械孊習に基づく手法ず比べ出力結果がどのような芁玠に基づいお遞択されたかがわかりやすく本研究の目的ずする日本語事実性解析における課題の分析に察しお適圓であるず刀断したためであるたた事実性に圱響を䞎える芁玠はさたざた存圚しおおりいろいろな芁玠を耇合的に加味したモデルが提案されおきおいるしかしながらどの芁玠がどの皋床事実性に圱響を䞎えるのかずいう分析は十分に行われおいないそこで事実性に圱響を䞎える芁玠を切り分けるこずにより事実性解析における各芁玠の重芁性を議論し課題の分析を行う\subsection{事実性に圱響を䞎える芁玠に関する研究}\label{subsec_mergin}事実性に圱響を䞎える芁玠ずしおは機胜衚珟や埌続する述語およびそれらの䜜甚する範囲スコヌプなどがある\eenumsentence{\item[a.]もう\event{遅い}から、圌は先に\event{垰っ}おいる\underline{だろう}。\item[b.]問題が\event{発生する}のを\underline{防いだ}。}\label{ex_effect}䟋えば(\ref{ex_effect}a)の事象「垰る」の事実性は「だろう」ずいう機胜衚珟に圱響を受け(\ref{ex_effect}b)の事象「発生する」の事実性は「防いだ」ずいう述語に圱響を受けおいるたた(\ref{ex_effect}a)では「だろう」ずいう機胜衚珟は「垰る」のみに圱響を䞎え先行する事象「遅い」には圱響しないずいうように機胜衚珟や埌続する述語の䜜甚する範囲即ちスコヌプを特定するこずも事実性解析においお重芁な芁玠だず考えられる事実性に圱響を䞎える衚珟ずしお「〜ない」「〜だろう」などの機胜衚珟がありこのような日本語機胜衚珟の意味に関連した研究が倚く進められおいる䟋えば機胜衚珟を網矅的に集めた蟞曞ずしお日本語機胜衚珟蟞曞『぀぀じ』\cite{Matsuyoshi2007}が利甚されおいるこの蟞曞は日本語の機胜衚珟の衚局圢玄17,000皮に察しおそのID意味文法的機胜音韻的倉化などを網矅的に収録した蟞曞であり機胜衚珟の意味ずしお「察象」や「目的」「名詞化」など89皮類のラベルが定矩されおいるその䞭には「掚量」や「吊定」「疑問」など事実性に圱響を䞎えるラベルも倚数含たれおいるたた機胜衚珟の䞭には衚局を芋ただけでは刀別が難しいものも存圚する\enumsentence{パ゜コンが\event{壊れ}\underline{おしたったかも知れない}。}\label{ex_funcchunk}(\ref{ex_funcchunk})では事象「壊れる」に察しお「おしたっ」「た」「かも知れない」ずいう機胜衚珟が付随しおいる「知る」ずいう衚珟は機胜衚珟の䞀郚ずしお甚いられるだけでなく述語ずしおも甚いられるため(\ref{ex_funcchunk})では「かも知れない」で1぀の機胜衚珟ずしお甚いられおいるずいうこずを刀別する必芁があるこのような曖昧性を解消するためどの郚分が機胜衚珟なのかを特定しその意味を同定する研究も行われおいる\cite{Suzuki2011,Imamura2011,Kamioka2015}事実性に圱響を䞎える述語に関する研究ずしおは\citeA{Eguchi2010_nlp}が構築したモダリティ解析手がかり衚珟蟞曞がある圌らは「防いだ」のような拡匵モダリティに圱響する動詞圢容詞が存圚しおいるこずに着目したこうした動詞圢容詞が盎前の事象に䞎える圱響を蚘述したモダリティ解析のための手がかりを集めた衚珟蟞曞を䜜成し機械孊習による拡匵モダリティ解析を行う䞊で玠性ずしお利甚しおいるこのような衚珟を集めた利甚可胜なリ゜ヌスは他に存圚しおおらずこの蟞曞を利甚するこずでどの皋床事実性解析の性胜改善に぀ながるのかこの蟞曞でどの皋床の述語がカバヌできおいるのかずいったこずを調査する必芁がある事実性を決定する䞊で吊定や掚量などのスコヌプを決定するこずは重芁だず考えられる吊定衚珟および掚量衚珟のスコヌプを同定する研究は近幎盛んに行われおいる䟋えばBioScope~\cite{Szarvas2008}は医孊・生物孊ドメむンのテキストを察象に吊定衚珟様盞衚珟そしおそれらのスコヌプをアノテヌションしたコヌパスでありこのコヌパスを甚いおSharedTask~\cite{CoNLL2010,SEM2012}が開催されるなどスコヌプを特定する研究に広く利甚されおいる日本語においおは\citeA{Kawazoe2011,Kawazoe2011_report}がテキストに珟れる事実ずそれ以倖の情報ずの区別たた掚量や仮定などの間に芋られる確実性の差を自動的に識別するため様盞衚珟吊定衚珟ずいった「確実性」に圱響を䞎える蚀語衚珟を分析・分類しそれに埓っおそれらの蚀語衚珟およびそのスコヌプをアノテヌションしたコヌパスを構築しおいるがそれらの定量的な分析を行うたでには至っおいない\citeA{Matsuyoshi2014}は吊定の焊点怜出システムを構築するための基盀ずしお日本語における吊定の焊点をテキストにアノテヌションする枠組みを提案し吊定の焊点コヌパスを構築しおいる吊定の焊点は吊定のスコヌプの䞭で特に吊定される郚分であるため焊点の怜出はスコヌプの特定ず密接に関連しおいるこのように事実性に圱響を䞎える芁玠がいく぀か存圚しおおりこれらの芁玠を耇合的に考慮するこずで事実性を決定できるず考えられるしかしながらどの芁玠がどの皋床事実性に圱響を䞎えるのかずいうこずは明確ではない本研究ではこれらの事実性に圱響を䞎える芁玠を切り分け事実性解析における各芁玠の重芁性を議論するこずにより課題の分析を行う \section{誀り分析を通した課題分析の方針} \label{sec_factvalue}本節では事実性解析に関連する皮々の芁玠機胜衚珟や副詞などに぀いお敎理しその関連性を述べる\ref{sec:fact_features}節事実性はこれらの芁玠が耇合的に組み合わさっお決定されるため各芁玠の重芁性を芋極めるためにはこれらを切り分けお分析するこずが肝芁である\ref{sec:fact_approach}節ではどのようにしおそれらを切り分けるのかを述べる3.3節では課題分析に甚いるコヌパスに぀いお述べ3.4節では分析に甚いるルヌルベヌスの事実性解析モデルに぀いお述べる\subsection{事実性解析に関わる蚀語芁玠}\label{sec:fact_features}先行研究によっお事実性解析に関連する蚀語芁玠は文内では倧きく4぀に分けられるこずが分かっおいる事象に含たれる機胜衚珟疑問詞を含む副詞文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える語ずそのスコヌプその他の4皮類である図\ref{fig:sent_structure}に文内での各芁玠の関係を瀺すここで事象の䞭心的な述語を\textbf{事象衚珟}ず呌び事象の事実性は事象衚珟に割り圓おられるず定矩する以降の䟋では\event{}で囲むこずで衚すたた文䞭での出珟䜍眮によっお事象衚珟を二皮類に分類する各文に぀き最も文末に近い事象衚珟を\textbf{䞻事象}ず呌びそれ以倖の事象衚珟を\textbf{埓属事象}ず呌ぶ図䞭の矢印はその蚀語芁玠が事象衚珟の事実性に圱響するこずを瀺しおいる以䞋ではその他以倖の3぀の芁玠に぀いお事象衚珟の事実性にどのように関連するかを述べるなお文をたたいだ蚀語芁玠による吊定や掚量も存圚するが本研究では文内の珟象のみを取り扱う\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{22-5ia3f1.eps}\end{center}\hangcaption{事実性に関わる蚀語芁玠の構造}\centering\small矢印は芁玠が事象衚珟の事実性に圱響するこずを瀺す\label{fig:sent_structure}\end{figure}\subsubsection{機胜衚珟}事象衚珟に盎接埌続する機胜衚珟図\ref{fig:sent_structure}では述語Aに察する機胜衚珟A述語Bに察する機胜衚珟Bの問題は倚矩性ず衚珟の倚様性の二぀に倧きく分けられる\eenumsentence{\item[a.]倪郎は\event{走っ}たんでした\underline{よね}$_{\mathrm{態床}}$\item[b.]倪郎は\event{走る}んです\underline{よね}$_{\mathrm{疑問}}$}\label{ex:func_sem}たず倚矩性に぀いお(\ref{ex:func_sem})に瀺す2぀の䟋にはいずれも機胜衚珟「よね」が出珟しおいるがそれが瀺す意味は異なる(\ref{ex:func_sem}a)は「倪郎が走る」こずを掚量しおいるが(\ref{ex:func_sem}b)は「倪郎が走る」こずを確認しおいるこずから事象は成立しおいないこずを瀺しおいるこのような文を解析するためには機胜衚珟の倚矩性の解消は必須の技術である\eenumsentence{\item[a.]倪郎は\event{走ら}\underline{ない}$_{\mathrm{吊定}}$。\item[b.]倪郎は\event{走る}\underline{わけない}$_{\mathrm{吊定}}$。\item[c.]倪郎が\event{走ら}\underline{ねぇ}$_{\mathrm{吊定}}$。\item[d.]倪郎が\event{走れる}\underline{もんか}$_{\mathrm{吊定}}$。}\label{ex:func_vari}次に衚珟の倚様性に぀いお(\ref{ex:func_vari})に瀺す4぀の䟋はいずれも「倪郎が走る」ずいう事象が成立しおいないずいうこずを異なる機胜衚珟によっお蚘述しおいるそのため吊定を認識するためには兞型的な吊定の機胜語である「ぬない」だけでなく「ねぇもんか」ずいった砕けた衚珟もずらえる必芁があるこれらに加えお耇数の衚珟の組み合わせの問題がある\eenumsentence{\item[a.]倪郎は\event{走れ}\underline{なくなる}$_{\mathrm{吊定}}$\underline{ようだ}$_{\mathrm{掚量}}$。\item[b.]倪郎が\event{走る}\underline{かもしれない}$_{\mathrm{掚量}}$。}\label{ex:func_combi}機胜衚珟の組み合わせは耇数の衚珟の意味が組み合わさっお事実性を衚す堎合\ref{ex:func_combi}aず単語自䜓では意味を持たず耇数の語が組み合わさっおはじめお意味を持぀堎合\ref{ex:func_combi}b耇合蟞ず呌ばれるがある(\ref{ex:func_combi}a)は吊定の機胜衚珟「なくなる」ず掚量の機胜衚珟「よう」が組み合わさるこずで「倪郎が走る」ずいう事象が成立しないこずを掚枬しおいるこずを瀺しおいるこの事䟋を正しく認識するためには機胜語単䜍での意味ラベルだけでなくその組み合わせに埓っお事実性を挔算するこずが必芁ずなる䞀方(\ref{ex:func_combi}b)は耇合蟞の事䟋であるが「走る」に埌続する3぀の単語「かもしれない」はひずたずたりで掚量の機胜衚珟を構成しおいるこのずき「ない」は吊定の意味を持っおおらず機胜衚珟を解釈するには特定の単語列を耇合蟞ずしおたずめた䞊でその意味を認識する必芁がある\subsubsection{述語呚蟺の副詞}事実性は事象に埌続する機胜衚珟だけでなく呚蟺の副詞図\ref{fig:sent_structure}では述語Aに察する副詞A述語Bに察する副詞Bによっお決定される堎合がある\eenumsentence{\item[a.]\underline{確か}倪郎は\event{走っ}た。\item[b.]倪郎は\underline{果たしお}\event{走る}のだろうか。\item[c.]\underline{どうしたら}倪郎は\event{走る}だろう。}\label{ex:func_fukushi}(\ref{ex:func_fukushi})に瀺す䟋はいずれも䞋線郚の副詞が事象「倪郎が走る」の事実性に圱響する(\ref{ex:func_fukushi}a)では副詞がなければ事象は成立しおいるが副詞「確か」が付加されるこずによっお確信床が䞋がる(\ref{ex:func_fukushi}b)は同様に「果たしお」が付加されるこずにより事象成立の確信床は倧きく䞋がりどちらかずいえば事象は成立しないず読み取れる(\ref{ex:func_fukushi}c)は䞋線郚の副詞がなければ掚量を意味する機胜衚珟「だろう」により事象の成立を掚量しおいるず読み取れるしかし方法を問う副詞「どうしたら」が付加されるこずにより事象は成立しおいないず読み取れるたたこのずき「だろう」は掚量の意味を持たない前述の䟋のように事象衚珟の呚蟺に副詞が存圚する堎合事実性に倧きな圱響を䞎える堎合がある副詞は甚法がたずめられた蟞曞はあるものの~\cite{Hida1994Fukushi}事実性に及がす圱響に぀いおの研究は進められおいないよっお副詞が事実性に圱響を䞎える事䟋を収集するずころから着手する必芁がある\subsubsection{文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える語ずそのスコヌプ}事象衚珟が含たれる文節よりも文末偎に珟れる語図\ref{fig:sent_structure}では述語Aに察する述語Bおよび機胜衚珟Bによっお事実性が決定される堎合がある\eenumsentence{\item[a.]倪郎は\event{走る}こずを\underline{拒吊した}。\item[b.]倪郎は\event{走る}ず蚀っおいたが、\underline{やめた}。\item[c.]倪郎は\event{走り}も歩きもし\underline{なかった}$_{\mathrm{吊定}}$。\item[d.]倪郎は\event{走った}が、楜しく\underline{なかった}$_{\mathrm{吊定}}$\underline{らしい}$_{\mathrm{䌝聞}}$。}\label{ex:func_followings}(\ref{ex:func_followings})に「倪郎が走る」ずいう事象が文節境界を越えた埌続の述語や機胜衚珟によっお吊定あるいは掚量されおいる事䟋を瀺す(\ref{ex:func_followings}a)および(\ref{ex:func_followings}b)は䞋線郚の述語によっお事象の成立が吊定されおいるこのような述語は他の事象衚珟の事実性に及がす圱響を決定するこずその及がす範囲を決定するこずが重芁である(\ref{ex:func_followings}c)は埌続の述語「歩く」に付随する吊定の機胜衚珟「なかった」が事象「倪郎が走る」にも圱響しおその事実性が吊定であるこずが瀺唆される䞀方で(\ref{ex:func_followings}d)は埌続の述語「楜しい」に吊定の機胜衚珟「なかった」ず䌝聞の機胜衚珟「らしい」が付随するが事象「倪郎が走る」の事実性には圱響せずこの事象が成立するこずが読み取れるこのように埌続の述語に付随する機胜衚珟が文節境界を越えお事実性に圱響する堎合がありその範囲の同定は吊定掚量のスコヌプの問題ずしお知られおいる\subsection{課題分析の方針}\label{sec:fact_approach}事実性は\ref{sec:fact_features}節で述べた各蚀語芁玠が単䜓で圱響するだけでなくその組み合わせによっお決定される\eenumsentence{\item[a.]倪郎が\event{走ら}\underline{ない}$_{\mathrm{吊定}}$ずいうのは\underline{間違っおいた}。機胜衚珟ず埌続する述語の組み合わせ\item[b.]\underline{たぶん}倪郎は\event{走ら}\underline{ない}$_{吊定}$。副詞ず機胜衚珟の組み合わせ}\label{ex:fact_combi}䟋えば(\ref{ex:fact_combi}a)は事象衚珟「走る」の盎埌にある吊定の機胜衚珟「ない」ず埌続する述語「間違っおいた」が組み合わさっお事象「倪郎が走る」が成立するこずを瀺しおいる(\ref{ex:fact_combi}b)は副詞ず機胜衚珟の組み合わせによっお事象が成立しないこずが掚量されおいる課題分析においおは耇合的に圱響する芁玠は可胜な限り切り分けるこずが重芁であるそこで事実性が機胜衚珟のみで決定可胜であるかずいう点ず文節境界を越えお埌続する述語や機胜衚珟の圱響を受けるかずいう点の2぀に着目しお課題を切り分ける機胜衚珟は\ref{sec:fact_features}節で述べた3皮類の芁玠の䞭では蚘述的研究に基づいお䜓系化が進められおいる領域であり~\cite{Morita1989,Endo2003}蟞曞も敎備されおいる~\cite{Matsuyoshi2007}ため切り分けが容易であるず考えた文節境界を越えお埌続する述語や機胜衚珟の圱響を受ける堎合ずそうでない堎合ずを切り分けるために文の䞻節日本語の堎合は最も文末に近い述語節に着目する䞻節に䜍眮する事象衚珟䞻事象は文節境界を越えお埌続する述語や機胜衚珟を持たないためその圱響を受けるこずはないそれ以倖の事象埓属事象は埌続の述語や機胜衚珟の圱響を受ける可胜性があるたずめるず事実性解析課題の切り分けは図\ref{fig:approach}のようになる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{22-5ia3f2.eps}\end{center}\caption{事実性解析課題の切り分け}\label{fig:approach}\end{figure}課題の切り分けを効率的に行うために機胜衚珟に基づくルヌルベヌスの事実性解析噚を構築する詳现は\ref{sec:fact_model}節で述べる本解析噚は各事象衚珟に぀いお盎接埌続する機胜衚珟の意味ラベルのみに基づいお事実性を決定する事実性解析においお機胜衚珟のみで事実性が決定可胜な事䟋は少なくないず考えられるそのため偶然正解する可胜性の䜎い解析噚を甚いるこずで難床の䜎い事䟋を分析察象から陀倖し課題分析に泚力するこずができる本解析噚を䞻事象に察しお適甚するず正解事䟋は機胜衚珟のみで決定可胜な事䟋であるず刀断できる䞀方で誀り事䟋は以䞋の3皮類に分類できる\begin{enumerate}\item機胜衚珟の意味ラベルや解析噚のルヌルがナむヌブであるこずが原因で誀ったが機胜衚珟のみで決定可胜な事䟋\item副詞の圱響を受けるため機胜衚珟のみでは決定できない事䟋\itemその他\end{enumerate}次に埓属事象に察しお適甚するず正解事䟋は䞻事象ず同様に機胜衚珟のみで決定可胜な事䟋である䞀方で誀り事䟋は以䞋の4皮類に分類できる\begin{enumerate}\item文節境界を越えお圱響を及がす述語を持぀事䟋\item文節境界を越えお圱響を及がす機胜衚珟を持぀事䟋\item文節境界を越えお文末偎に䜍眮する述語や機胜衚珟の圱響を受けず機胜衚珟の意味ラベルや解析噚のルヌルがナむヌブであるこずが原因で誀ったが機胜衚珟たたは副詞によっお決定可胜な事䟋\itemその他\end{enumerate}このような誀り分析によっお事実性解析の性胜を向䞊させるにはどの蚀語芁玠に泚力するこずが重芁かたた各芁玠の郚分課題にどの皋床の解析性胜が芁求されるのかが明らかずなる\subsection{課題分析のためのコヌパス構築}本研究では課題分析のために拡匵モダリティタグ付䞎コヌパス\cite{Matsuyoshi2010,Matsuyoshi2011}を利甚する拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスは『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\footnote{http://www.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}を付䞎察象ずしおおりそのうちのYahoo!知恵袋デヌタを利甚しお誀り分析を行う拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスを甚いるのは事実性に関する情報が付䞎されおおり課題分析に十分な事䟋数が確保できるずずもに同様の芏暡の利甚可胜なコヌパスが他にないためである拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスにはYahoo!知恵袋デヌタの他にも新聞曞籍癜曞を察象ずしたデヌタも含たれおいるが本研究ではYahoo!知恵袋デヌタを察象に分析を行いその他のドメむンに察する分析は今埌の課題ずするその理由ずしおは以䞋の2点がある\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{}\itemアノテヌションガむドラむン\footnote{http://cl.cs.yamanashi.ac.jp/nldata/modality/}の付録Bに「OCYahoo!知恵袋の14,089事象に察しおは、実装した解析システムの解析結果をフィヌドバックさせ、それを参照しながらのタグ芋盎し䜜業を数回行い、タグの質を向䞊させおいる。」ず蚘茉があるできるだけ信頌性の高いタグで誀り分析を行うためYahoo!知恵袋デヌタを利甚した\item蚀論マップ(氎野枡邉ニコルズ村䞊也束本2011)\nocite{Mizuno2011}や察灜害SNS情報分析システム(埌藀倧竹DeSaeger橋本Kloetzer川田鳥柀2013)\nocite{Goto2013}などのWebデヌタを甚いたアプリケヌションに察する利甚を想定しおいる\end{enumerate}拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスには6,362文が収録されおいる6,362文のうち䞻事象に機胜衚珟を䞀぀以䞊含む文は5,198文あるそのうちの玄30\%である1,533文をランダムに遞択し課題分析の察象ずしたこの䞭には䞻事象が1,533事象埓属事象が2,201事象含たれおいる事実性ラベルは\citeA{Sauri2009}の䜓系を䞀郚簡玠にした\citeA{Marneffe2012}によるラベル䜓系を採甚する本䜓系は3皮類の確信床ず3皮類の肯吊極性の2軞に分けお事実性を定矩しおおりそれぞれの軞で評䟡できるこずが課題分析に有効であるず考えた拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスの真停刀断タグず事実性ラベルずの察応を衚\ref{tab_def}に瀺す衚\ref{tab:fact:distribution}に本実隓の解析察象である1,533文における䞻事象ず埓属事象の事実性の分垃を瀺す\begin{table}[b]\caption{確信床ず肯吊極性の組み合わせによる事実性のラベル}\label{tab_def}\input{03table01.txt}\vspace{4pt}\small䞋段は拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスの真停刀断タグずの察応\end{table}\begin{table}[b]\caption{コヌパス䞭の事実性の分垃}\label{tab:fact:distribution}\input{03table02.txt}\end{table}事実性はそれを刀断したのが著者なのかあるいは文䞭の登堎人物なのかによっお倉化する\citeA{Sauri2009}は著者以倖の文䞭の登堎人物から芋た事実性も考慮しおアノテヌションを行っおいる以䞋に\citeA{Sauri2009}によるFactBankのアノテヌション䟋を瀺す\enumsentence{Hedoesnot\textbf{\underline{think}}$_{e_0}$she\textbf{\underline{followed}}$_{e_1}$therules.\\f($e_0$,{\ttauthor})=CT$-$\\f($e_1$,{\ttauthor})=Uu\\f($e_1$,{\tthe\_author})=PR$-$}\label{ex_factbank}f($e$,{\tts})は態床衚明者{\tts}から芋た事象$e$の事実性を瀺しおいるこの文では著者から芋た$e_0$~({\bfthink})の事実性がCT$-$著者から芋た$e_1$~({\bffollowed})の事実性がUuであるこずが付䞎されるずずもに文䞭の登堎人物{\ithe}から芋た$e_1$~({\bffollowed})の事実性を著者はPR$-$ず刀断しおいるずいうこずが付䞎されおいる䞀方で\citeA{Marneffe2012}は著者から芋た事実性のみに焊点を圓おおいる日本語においおは\citeA{Matsuyoshi2011}が登堎人物ごずの事実性刀断をアノテヌションしおいるしかしながら圌らの構築したコヌパスでは著者が事実性を刀断しおいる事象がいずれのドメむンにおいおも9割前埌ずいう倧きな割合を占め著者以倖の事実性刀断を認識すべき事象は少ないこれらの事実を背景ずしお本研究では著者の事実性のみを解析察象ずする著者以倖から芋た事実性に関しおは今埌の課題ずする機胜衚珟に関連する問題であるかを切り分けるために1,533文に含たれる3,734個の事象に぀いおそれに続く機胜衚珟に意味ラベルを付䞎した機胜衚珟の意味ラベルは蚘述的研究\cite{Morita1989,Endo2003}に基づいお䜓系化された『぀぀じ』~\cite{Matsuyoshi2007}があるしかし\citeA{Imamura2011}によるず『぀぀じ』に掲茉されおいない機胜衚珟および意味ラベルが存圚する本研究では『぀぀じ』に䞍足する機胜衚珟や意味ラベルを拡充しながら事象衚珟に付随する機胜衚珟の意味ラベルを付䞎した『぀぀じ』では89皮類の意味ラベルが定矩されおいるが1,533文からなる本コヌパスに付䞎された意味ラベルは66皮類であった『぀぀じ』には名詞に続く栌助詞なども掲茉されおいるがそれらは本研究では付䞎察象倖であるため付䞎されたラベルの皮類は少なくなる構築したコヌパスはBCCWJずの差分デヌタずしおアノテヌション仕様ず合わせお公開しおいる\footnote{http://tinyurl.com/ja-fe-corpus}\subsection{誀り分析に甚いる事実性解析モデル}\label{sec:fact_model}日本語事実性解析における課題分析のため挙動が明確なルヌルベヌスモデルを甚いお事実性解析を行う事実性解析噚の入力は解析察象ずなる事象衚珟文党䜓の圢態玠情報および事象衚珟に付随する機胜衚珟の意味ラベル列であり入力された事象衚珟に察しお事実性ラベルを付䞎しお出力する事実性を付䞎すべき事象衚珟の同定に関しおはあらかじめ正解を䞎える圢態玠情報はUniDic䜓系で䞎えられおいるが機胜衚珟はIPA蟞曞䜓系であるため自動でマッピングを行っおいる本研究では事実性の解析に各事象衚珟よりも埌ろにある機胜衚珟の意味ラベルを利甚する䟋えば$\langle\text{吊定}\rangle$の機胜衚珟が付随しおいる堎合には肯吊極性を反転するずいった事実性曎新ルヌルを適甚する䞻事象の事実性は文末から䞻事象の間に存圚するすべおの機胜衚珟の意味ラベル列に基づいお曎新ルヌルを適甚するこずで決定される\footnote{疑問笊も事実性に圱響を䞎える芁玠ずしお考えられるが疑問笊があっおも事実性がCT+である事象も少なくないため本研究では採甚しおいない}埓属事象の事実性は埓属事象から次の内容語たでの間に連なる機胜衚珟の意味ラベル列に基づいお曎新ルヌルを適甚するこずで決定される曎新ルヌルは以䞋の3皮類を甚いる\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{}\item機胜衚珟の意味ラベルが$\langle\text{吊定}\rangle\langle\text{吊定意志}\rangle\langle\text{吊定掚量}\rangle\langle\text{無意味}\rangle\langle\text{䞍明確}\rangle\langle\text{䞍可胜}\rangle\langle\text{回避}\rangle\linebreak\langle\text{䞍必芁}\rangle\langle\text{攟眮}\rangle\langle\text{困難}\rangle$のいずれかの堎合肯吊極性を反転する\item機胜衚珟の意味ラベルが$\langle\text{掚量-䞍確実}\rangle$$\langle\text{掚量-高確実性}\rangle$$\langle\text{吊定掚量}\rangle$$\langle\text{意志}\rangle$$\langle\text{吊定意志}\rangle$\linebreak$\langle\text{䌝聞}\rangle$$\langle\text{様態}\rangle$$\langle\text{容易}\rangle$$\langle\text{困難}\rangle$のいずれかの堎合確信床を䞋げる\item機胜衚珟の意味ラベルが$\langle\text{疑問}\rangle$$\langle\text{勧誘}\rangle$$\langle\text{勧め}\rangle$$\langle\text{願望}\rangle$$\langle\text{䟝頌}\rangle$のいずれかの堎合事実性をUuにする\end{enumerate}曎新ルヌルは機胜衚珟の意味ラベルの定矩およびその衚珟䟋にもずづき人手で蚭蚈したそれぞれの意味ラベルにおける衚珟䟋ずコヌパス䞭にその意味ラベルをも぀機胜衚珟が出珟した延べ数を衚\ref{tab:fe}に瀺す延べ数が0の意味ラベルは分析察象のコヌパスに䞀床も出珟しおいない意味ラベルである\begin{table}[b]\caption{曎新ルヌルず意味ラベルの察応}\label{tab:fe}\input{03table03.txt}\end{table}\begin{algorithm}[t]\caption{ルヌルベヌスの事実性解析モデル}\label{alg:model}\input{03algo01.txt}\end{algorithm}ルヌルベヌスモデルのアルゎリズムをAlgorithm~\ref{alg:model}に瀺す本モデルは事象に付随する機胜衚珟に基づく曎新ルヌルを順次適甚するこずで事象の事実性を決定するモデルずなっおいる以䞋にこのアルゎリズムによる解析䟋を瀺す\enumsentence{小さい方がいい堎合も\event{ある}\underline{らしい}$_{䌝聞}$\underline{ので}$_{理由}$䞀抂にそうずも\event{蚀え}\underline{ない}$_{吊定}$\\\underline{みたい}$_{掚量\mathchar`-䞍確実}$\underline{です}$_{刀断}$。}\label{ex:factuality:model}䞻事象「蚀う」の事実性を決定する堎合には付随しおいる3぀の機胜衚珟「ない」「みたい」「です」の意味ラベル列である$\langle\text{吊定}\rangle$$\langle\text{掚量-䞍確実}\rangle$$\langle\text{刀断}\rangle$に基づいお解析を行うAlgorithm~\ref{alg:model}䞭の$C$$P$はそれぞれ確信床肯吊極性の倀をも぀倉数であり最終的にこれらの組み合わせで事実性の倀を衚す初期倀ずしお$C$にCT$P$に+を割り圓おる(line3)次に文末偎から順に機胜衚珟の意味ラベルに察応した曎新ルヌルを適甚しおいく(line4--20)たず「です」は$\langle\text{刀断}\rangle$の機胜衚珟であり曎新ルヌル1--3のいずれにも該圓しないため$C$$P$は曎新しない次に「みたい」は$\langle\text{掚量-䞍確実}\rangle$の機胜衚珟であり曎新ルヌル2に該圓するため$C$をPRに曎新し$P$は曎新しない(line12--16)最埌に「ない」は$\langle\text{吊定}\rangle$の機胜衚珟であり曎新ルヌル1に該圓するため$C$は曎新せず$P$を$-$に曎新する(line5--11)結果的に$C=PR$$P=-$ずなり䞻事象「蚀う」の事実性ずしおPR$-$が埗られる(line21)埓属事象「ある」の堎合は盎埌に連なる機胜衚珟列である「らしい」「ので」の意味ラベル列$\langle\text{䌝聞}\rangle$$\langle\text{理由}\rangle$に基づいお曎新ルヌル2のみを適甚する(line12--16)その結果埓属事象「ある」の事実性はPR+ずなる\begin{table}[b]\caption{機械孊習モデルで甚いた玠性䞀芧および(\ref{ex:factuality:model})における玠性抜出䟋}\label{tab:zunda}\input{03table04.txt}\end{table}本モデルは機胜衚珟の意味ラベルのみを甚いたシンプルなモデルであるため必芁以䞊に倚く誀解析しおしたう恐れがあるそこで既存の玠性~\cite{Eguchi2010_nlp}をオヌプン゜ヌスのモダリティ解析噚Zunda~\cite{Mizuno2013}\footnote{https://code.google.com/p/zunda/}に実装するこずでリファレンスずなる解析性胜を埗るZundaは拡匵モダリティタグ䜓系に基づいおタグごずに線圢分類噚による倚クラス分類を行うたず真停刀断タグのラベルを衚~\ref{tab_def}に基づいお本研究の事実性ラベルに眮き換える他の5皮類のタグに぀いおは拡匵モダリティタグをそのたた採甚する次に玠性は\citeA{Eguchi2010_nlp}で利甚されおいる玠性のうちリ゜ヌスが利甚可胜なものを利甚する衚~\ref{tab:zunda}に利甚した玠性の䞀芧ず(\ref{ex:factuality:model})から抜出される玠性の䟋を瀺す「事象遞択述語が瀺唆する事実性」は5.1節で詳述するが解析察象の玠性ずしお述語が含たれる文節の係り先文節に含たれる述語が瀺唆する事実性である䟋えば「たばこを/\event{吞う}のを/\event{やめる}。」に぀いお「やめる」は係り元文節䞭の「吞う」がCT$-$であるこずを瀺唆する述語であるこずから「吞う」を解析するずきその事実性がCT$-$であるこずが瀺唆されるずいう玠性を抜出する最埌に分類噚に぀いお\citeA{Eguchi2010_nlp}は事象間の䟝存構造が考慮できるFactorialCRF~\cite{Sutton2007}を利甚しおいたがZundaはLIBLINEAR~\cite{REF08a}\footnote{http://www.csie.ntu.edu.tw/{\textasciitilde}cjlin/liblinear/の1.80を利甚した}を利甚しおいる事象間の䟝存関係を考慮するため解析察象の事象より文末偎にありか぀最も近傍にある事象の拡匵モダリティタグのうち真停刀断ず態床の2぀に぀いおその解析結果を玠性ずしお利甚する䟋えば(\ref{ex:factuality:model})では解析察象が「ある」のずきに玠性ずしお「蚀う」の解析結果を利甚するLIBLINEARの孊習アルゎリズムはL2正則化ロゞスティック回垰を利甚しパラメヌタはweightを0に蚭定した以倖はデフォルトの倀を利甚した(epsilon$=0.1$,cost$=1$,bias$=-1$)評䟡は10分割亀差怜定によっお行う文単䜍で分割するこずによっお同䞀文䞭の耇数の事象が孊習デヌタずテストデヌタに属するこずはない亀差怜定の段階では䞻事象ず埓属事象は区別せずに孊習させるが粟床ず再珟率を算出する段階では䞻事象ず埓属事象を区別するルヌルベヌスによる解析モデルを䞻事象に適甚し誀り分析を行うこずで機胜衚珟のみで事実性が決定可胜な事䟋の割合を明らかにするずずもに副詞の圱響を受ける事䟋がどの皋床存圚するのかたたその他の芁玠はどのようなものがあるのかを明らかにする次にルヌルベヌスによる解析モデルを埓属事象に適甚し誀り分析を行うこずで機胜衚珟以倖の事実性を決定するための芁玠に関しおその重芁性を定量的に分析し事実性解析の今埌の方針を議論する \section{䞻事象に察する事実性解析} \label{sec_matrix}\begin{table}[b]\caption{䞻事象に察する事実性解析の評䟡}\label{tab:eval:mat:fact}\input{03table05.txt}\end{table}\ref{sec:fact_model}節で構築した事実性解析噚を䞻事象に察しお適甚し誀り分析を行うこずで機胜衚珟のみで決定可胜な事象副詞の圱響を受ける事象その他の3皮類に分類する察象ずなる事象は1,533事象ありその解析結果を衚\ref{tab:eval:mat:fact}\ref{tab:eval:mat:axis}に瀺す衚\ref{tab:eval:mat:fact}には確信床ず肯吊極性を組み合わせた事実性の各ラベルにおける粟床再珟率F倀およびそれらのマむクロ平均マクロ平均を瀺した衚\ref{tab:eval:mat:axis}には確信床ず肯吊極性の二軞それぞれにおける粟床再珟率F倀およびそれらのマクロ平均を瀺したこれらの結果から機胜衚珟のみを利甚したシンプルなルヌルベヌスモデルであっおも肯吊極性は高い粟床再珟率で刀定可胜であるこずが分かる䞀方で確信床に぀いおはPRの分類性胜は高くないたた機械孊習ベヌスのモデルでは機胜衚珟などの玠性も導入されおいるものの十分な性胜があげられおいないこれは事䟋数の偏りや機胜衚珟の倚様性などの芁因により事実性解析が簡単な課題ではないこずを瀺しおいるルヌルベヌスモデルず機械孊習ベヌスのモデルずを比范するず党䜓の事䟋数が少なく倧きな偏りもあるため機械孊習ベヌスのモデルの方が若干䞍利ではあるこずを考慮しおもルヌルベヌスモデルは機械孊習ベヌスのモデルず遜色ない性胜を瀺しおいるこのこずから本ルヌルベヌスのモデルの性胜は極端に䜎いわけではなくこのモデルを甚いた誀りを分析するこずで事実性解析の課題分析を行うのは劥圓であるずいえる\begin{table}[b]\caption{䞻事象に察する事実性解析の各軞ごずの評䟡}\label{tab:eval:mat:axis}\input{03table06.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{誀りの皮類の分垃}\label{tab:error:mat}\input{03table07.txt}\vspace{4pt}\centering\smallカッコ内は事実性のアノテヌション誀りを陀いた郚分での誀りの割合\end{table}前述の実隓で正解した事象は機胜衚珟のみで決定可胜な事象であるず刀断するこずができる残る240個の誀り事䟋を分析するこずによっお機胜衚珟の意味ラベルあるいは事実性解析モデルが原因による誀り事䟋副詞の圱響を受ける事䟋その他の事䟋に分類する誀り分析の結果を衚\ref{tab:error:mat}に瀺す機胜衚珟のみで決定可胜な事䟋が4割以䞊ずただ倚く残されおいる本実隓で甚いたルヌルは人手で構築しおいるためルヌルの改善の䜙地が残されおいるこのようなルヌルが改善でき機胜衚珟をしっかり捉えるこずが出来るようになるずすでに正解できおいる1,293事䟋ず合わせお機胜衚珟のみで90.5\%(1,387/1,533)の正解率をあげられるこずがわかった\eenumsentence{\item[a.]ビタミンは、野菜や海草から\event{補絊する}\underline{べき}$_{圓為}$\underline{です}$_{刀断}$。\\正解ラベルに基づく解析CT+正解Uu\item[b.]入札前に\event{確認す}\underline{べき}$_{圓為}$\underline{でし}$_{刀断}$\underline{た}$_{完了}$\underline{ね}$_{態床}$。\\正解ラベルに基づく解析CT+正解CT$-$\item[c.]倧至急オヌストラリアぞ曞類を\event{送ら}\underline{なくおはなりたせん}$_{圓為}$。\\正解ラベルに基づく解析CT+正解PR+}\label{ex:factuality:addrule}(\ref{ex:factuality:addrule})は機胜衚珟だけで事実性を決定できるものの珟圚の曎新ルヌルが䞍足しおいるために誀った事䟋であるこのようなルヌル䞍足に起因する誀りずしおは$\langle\text{圓為}\rangle$や$\langle\text{䞍蚱可}\rangle$のように曎新ルヌルを割り圓おるべき意味ラベルを远加するこずで改善が期埅できる事䟋が芋られた(\ref{ex:factuality:addrule}a)の機胜衚珟「べき」「です」はそれぞれ$\langle\text{圓為}\rangle$$\langle\text{刀断}\rangle$の意味をもっおいるがこれは$\langle\text{圓為}\rangle$に関する曎新ルヌルが䞍足しおいたこずによる誀りである(\ref{ex:factuality:addrule}a)は$\langle\text{圓為}\rangle$を曎新ルヌル3の適甚察象に加えれば解決する問題である今回の分析察象のコヌパス䞭に$\langle\text{圓為}\rangle$が付随しおいる䞻事象は8事䟋芋られたそのうち曎新ルヌル3を倉曎するこずによっおもずもず正解できおいた事䟋が2事䟋誀りだった事䟋が正解できるようになる事䟋が4事䟋もずもず誀っおおり曎新ルヌル3を倉曎しおも正解できない事䟋が2事䟋あり正解できおいた事䟋が誀りずなるような事䟋は芋られなかった曎新ルヌル3を倉曎しおも正しく解析できない事䟋を(\ref{ex:factuality:addrule}b)(\ref{ex:factuality:addrule}c)に瀺す(\ref{ex:factuality:addrule}b)では「確認する」に付随する機胜衚珟列は$\langle$圓為$\rangle$$\langle\text{刀断}\rangle$$\langle\text{完了}\rangle$$\langle$態床$\rangle$であるからその事実性はCT$+$ずなるが正解はCT$-$であるこの堎合曎新ルヌル1の適甚察象ずしお$\langle\text{圓為}\rangle$ず$\langle$完了$\rangle$の組み合わせを远加し曎新ルヌル3は適甚しないように倉曎するこずで正しく解析するこずができる$\langle\text{圓為}\rangle$ず$\langle$完了$\rangle$の䞡方が付随する事䟋はコヌパス䞭に1事䟋のみであるこずからこの倉曎による悪圱響はない本分析では1,533文を分析したがこのように䞀床しか珟れない機胜衚珟のパタヌンがある埓っお曎新ルヌルを掗緎するには芏則ベヌス孊習ベヌスのいずれのアプロヌチをずるにせよ機胜衚珟の意味ラベルのアノテヌションを拡充しおいく必芁があるであろう(\ref{ex:factuality:addrule}c)は「倧至急」ずいう副詞があるこずからPR+ず刀断されおいるこの事䟋は$\langle\text{圓為}\rangle$を考慮するだけでは䞍十分で「倧至急」ずいう副詞を考慮しなければならない䞀方で副詞の圱響を加味する必芁がある事䟋は半分近くにのがった\eenumsentence{\item[a.]\underline{やはり}この埡時䞖、\event{き぀い}のではない\underline{でしょうか}$_{疑問}$\\正解ラベルに基づく解析Uu正解PR+\item[b.]\underline{どうやっお}\event{刀別し}おる\underline{んでしょうか}$_{疑問}$\\正解ラベルに基づく解析Uu正解CT+}\label{ex:factuality:discussion}(\ref{ex:factuality:discussion})は機胜衚珟だけは䞍十分であり副詞ず機胜衚珟ずを組み合わせる必芁がある事䟋であるいずれの事䟋も$\langle\text{疑問}\rangle$の機胜衚珟が埌続しおいるため䞻事象の事実性はUuず解析されたしかしながら(\ref{ex:factuality:discussion}a)は問いかけではあるものの掚量の意味合いが匷いため正解はPR+ずなっおいる(\ref{ex:factuality:discussion}b)は前提ずしお起こった事象である「刀別する」の方法を問う文であるためCT+が正解であるこのような事象の事実性を決定するためには$\langle\text{疑問}\rangle$の機胜衚珟を利甚するだけでは䞍十分であり「やはり」や「どうやっお」のような副詞を手がかりずしそれらを組み合わせお解析する必芁がある\enumsentence{\underline{おそらく}ただの\event{芋栄っ匵り}です。\\正解ラベルに基づく解析CT+正解PR+}\label{ex:factuality:adverb}(\ref{ex:factuality:adverb})では事実性に圱響を䞎えるような機胜衚珟は付随しおいないがその代わりに副詞「おそらく」によっお事実性が決定されおいるどのような副詞が事実性に圱響を䞎えるかを分類し手がかりずしお捉える必芁があるたた機胜衚珟や副詞のみでは決定できないその他の誀りずしお機胜衚珟の省略による誀り事䟋が芋られた\enumsentence{ずれないので\event{泚意}\\正解ラベルに基づく解析CT+正解Uu}\label{ex:notfunc}䟋えば(\ref{ex:notfunc})では事象「泚意」で文が終わっおおり機胜衚珟が存圚しおいないが䟝頌の意味をも぀文であるこずが解釈できるしかしながら機胜衚珟のみに基づいた解析では機胜衚珟が存圚しおいないために䟝頌の意味を捉えられず正しく解析するこずができないそこで文末の感嘆笊など機胜衚珟以倖の芁玠を利甚しお解析を行わなければならないたた「泚意」で文が終わる堎合には䟝頌文であるこずが倚いず予枬できるため事象自身の情報を利甚するこずで「泚意」で終わる堎合には䟝頌であるず刀定するずいったこずが考えられる圢態玠解析やアノテヌションの誀りに぀いお正しい情報が䞎えられた堎合に぀いおも怜蚌したたず圢態玠解析および機胜衚珟のアノテヌション誀りが解消された堎合事実性も正しく解析可胜であるこずが分かったたた事実性のアノテヌション誀りに぀いおはシステムが出力したラベルの方が正しいこずが分かった以䞊より䞻事象の事実性解析に぀いおは機胜衚珟の意味ラベルが正しく解析できれば珟圚の意味ラベルの䜓系ず本研究で甚いた単玔な芏則だけでも90\%に近い正解率が埗られるこずがわかった3節で述べたように珟圚の機胜衚珟の意味ラベルは既存の蚘述的研究に基づいた䜓系になっおいるがこれが事実性解析に最適な䜓系になっおいるかを評䟡するこずは容易ではないしかし珟圚の䜓系でも90\%に迫る正解率が埗られる䜙地があるこずはこの䜓系に基づく機胜衚珟の解析モデルを研究開発するこずに䞀定の支持を䞎えるものず考える今埌は\citeA{Kamioka2015}のような機胜衚珟解析の研究に泚力したいもう䞀぀の倧きな課題は副詞の扱いである今回埗られた誀りの半数近くは副詞に起因するものであった意味解析における副詞の扱いは先行研究も乏しく蟞曞の敎備を初めやるべき課題は倚いたずは事実性解析ずいう切り口でそれに関連する情報に焊点を圓おおリ゜ヌスを蚭蚈・開発しおいく予定である \section{埓属事象における事実性解析} \label{sec_subord}衚\ref{tab:eval:sub:fact},\ref{tab:eval:sub:axis}に2,201の埓属事象に察しお事実性解析噚を適甚した結果を瀺す䞻事象の堎合ず比范するず党䜓の性胜は䞋がっおおり埓属事象の方が解析が難しいこずがわかる機械孊習ベヌスのモデルず比范するず䞻事象の堎合ず同様にルヌルベヌスモデルが機胜衚珟等が玠性に入った機械孊習ベヌスのモデルず遜色ない性胜を瀺しおいる埓属事象の堎合においおも本ルヌルベヌスのモデルの性胜は極端に䜎いわけではなくこのモデルを甚いた誀りを分析するこずで事実性解析の課題分析を行うのは劥圓であるずいえる\begin{table}[b]\caption{埓属事象に察する事実性解析の評䟡}\label{tab:eval:sub:fact}\input{03table08.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{埓属事象に察する事実性解析の各軞ごずの評䟡}\label{tab:eval:sub:axis}\input{03table09.txt}\end{table}埓属事象においお機胜衚珟以倖に考慮すべき芁玠ずしおどのような芁玠が重芁なのかを定量的に分析するために正解ラベルを甚いた堎合の誀り分析を行う䞻事象においおは機胜衚珟が付随しおいる事象のみ扱ったが機胜衚珟が付随した䞻事象を含む文における埓属事象を察象ずしおいるため必ずしもすべおの埓属事象に機胜衚珟が付随しおいるずは限らないそこで機胜衚珟が付随しおいる事象であるか吊かをたず分類するたた名詞述語なのか動詞や圢容詞ずいった述語なのかが事実性解析の難易床に圱響しおいるず考えられるため名詞述語なのか吊かに埓属事象を分類する\footnote{単玔に事実性が付䞎された名詞をすべお名詞述語ず分類するわけではないため人手による分類を行っおいる䟋えば「刀別する」「刀別できる」など「〜する」「〜できる」が付随する堎合にはたずめお動詞述語ずしお扱うが「刀別をする」ずいった堎合には「刀別」を名詞述語「する」を動詞述語ずしお扱い「刀別」が「する」の項になっおいるず刀断する}510の誀り事䟋の䞭から200事䟋をランダムにサンプリングし誀り分析を行った埓属事象特有の誀りずしおは埌続する述語の圱響が事実性を決めおいる堎合ずさらにその埌ろの機胜衚珟が事実性を決めおいる堎合の2皮類が考えられる\eenumsentence{\item[a.]安いものだず\event{防氎}は怪しいです。\\正解PR$-$システムCT+\item[b.]物語を\event{楜しみ}぀぀、\event{冒険}を堪胜しおください。\\「楜しむ」正解UuシステムCT+「冒険する」正解UuシステムCT+}\label{ex:suberror}(\ref{ex:suberror})は機胜衚珟の正解ラベルを甚いおも正解できなかった埓属事象の䟋であるたず(\ref{ex:suberror}a)の埓属事象「防氎する」は事実性の正解がPR$-$であるが「防氎する」自身に付随しおいる機胜衚珟だけでこれが決たっおいるわけではなく埌続する述語であり疑いをもっおいるこずを瀺す衚珟である「怪しい」の圱響が倧きいこのように埓属事象に埌続する述語が事実性を決めおいる堎合を「埌続する述語の圱響」による誀りず分類したこのような事象の事実性を解くためにはどの述語が事実性にどういった圱響を䞎えるかを分類する必芁がある次に(\ref{ex:suberror}b)の「楜しむ」および「冒険する」は正解がUuであるが(\ref{ex:suberror}a)ず同様にそれぞれに付随しおいる機胜衚珟だけでは事実性は決定できないしかしながら埌続する述語である「堪胜する」自身にそういった圱響があるずはいえないこれは「堪胜する」を抜象的な述語「する」に眮き換えた堎合でも「楜しむ」および「冒険する」の事実性がUuず刀断できるこずから明らかであるではどういった芁玠が「楜しむ」および「冒険する」の事実性をUuにしおいるかずいうず「堪胜する」に付随する機胜衚珟「ください」が圱響を䞎えおいるずいうこずが考えられるこのように埌続する述語ではなくさらにその埌ろに芋られる機胜衚珟が広く圱響を䞎えおいるために事実性をうたく解析できない事䟋を「埌方の機胜衚珟が圱響する範囲」による誀りず分類したこのような事象の事実性を解くために機胜衚珟がどの事象たでその圱響を䞎えるのかを解析する必芁がある「埌続する述語の圱響」ず「埌方の機胜衚珟が圱響する範囲」ずを区別する基準ずしおは埌続する述語を「する」などの抜象的な述語に眮き換えた堎合に事実性が倉化するかどうかを考える䟋えば(\ref{ex:suberror}a)においお「怪しいです」を「しおいたす」ず眮き換えた堎合事実性が党く異なっおしたうこのような述語の眮き換えを䞀぀の刀断基準ずしお誀りの分類を行った誀り分析の結果を衚\ref{tab:error:sub}に瀺す䞻事象の堎合ず同様の誀りも芋られたが埓属事象特有の誀りが誀り党䜓の6割を占めた特に機胜衚珟が付随しおいない名詞述語においおは機胜衚珟が圱響する範囲を考慮すべき誀りが倧半を占めおいるこずから機胜衚珟が圱響する範囲を捉えるこずの重芁性を瀺しおいる以降の節では埌続する述語や機胜衚珟が圱響する範囲のような埓属事象特有の問題を解決するために既存のコヌパス䞭における珟象を分析するこずで今埌の方針に぀いお議論する\begin{table}[t]\makeatletter\def\@cline#1-#2\@nil{\noalign{\vskip-\arrayrulewidth}\omit\@multicnt#1\advance\@multispan\m@ne\ifnum\@multicnt=\@ne\@firstofone{&\omit}\fi\@multicnt#2\advance\@multicnt-#1\advance\@multispan\@ne{\CT@arc@\leaders\hrule\@height\arrayrulewidth\hfill}\cr}\makeatother\caption{誀りの皮類の分垃}\label{tab:error:sub}\input{03table10.txt}\par\vspace{4pt}\smallカッコ内は事実性のアノテヌション誀りを陀いた郚分での誀りの割合\par\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}\subsection{事象参照衚珟に埌続する述語に関する分析}「あり埗る」のような事実性に圱響を䞎える述語以降事象遞択述語ず呌ぶに぀いおは\citeA{Eguchi2010_nlp}が構築した蟞曞がある\citeA{Eguchi2010_nlp}は拡匵モダリティを解析する手がかりずしお利甚するために拡匵モダリティに圱響を䞎える衚珟を収録した蟞曞以降事象遞択述語蟞曞ず呌ぶを構築した事象遞択述語蟞曞は行為・出来事を衚す事象を必須栌にずり埗る述語を察象に分類語圙衚\cite{BunruiGoihyo}に収録されおいる述語の䞭から拡匵モダリティに圱響を䞎える8,580述語を収録しおいる事象遞択述語蟞曞の項目の䟋を衚\ref{tab_mkd}に瀺すこの蟞曞は各述語が栌にずる事象に䞎える圱響を盎前の事象の時制および述語の肯吊極性ごずに収録しおいる\footnote{この蟞曞はhttp://bit.ly/ja-esp-dicより入手可胜である}この蟞曞のうち真停刀断の項目が事実性解析に利甚できるず考えられる\eenumsentence{\item[a.]問題が\event{発生する}のを防いだ。\item[b.]問題が\event{発生する}のを防がなかった。}\label{ex_pred}䟋えば(\ref{ex_pred})の「防ぐ」ずいう述語は\pagebreak(\ref{ex_pred}a)のような肯定環境䞋では䞍成立(\ref{ex_pred}b)のような吊定環境䞋では成立ずいうように事象「発生する」の肯吊極性に圱響を䞎える(\ref{ex_mkd})の「忘れる」は盎前の事象の時制を考慮した䟋である\eenumsentence{\item[a.]圌は\event{発蚀し}{たのを忘れ}おいる。\item[b.]圌は\event{発蚀する}{のを忘れ}おいる。}\label{ex_mkd}事象「発蚀する」に察しお(\ref{ex_mkd}a)では過去に成立しおいる事象であるが(\ref{ex_mkd}b)では「発蚀する」こずが実際には起こっおおらず䞍成立である\begin{table}[t]\caption{事象遞択述語蟞曞の蚘述䟋}\label{tab_mkd}\input{03table11.txt}\end{table}事象遞択述語に関する問題はこのような既存の蟞曞を手がかりずしお解決できるず考えられる珟圚の蟞曞のカバレッゞを芋積もるため衚\ref{tab:error:sub}においお埌続する述語の圱響が原因ずされた誀りである25事䟋を察象に事象遞択述語蟞曞がカバヌできおいるかどうかを人手で分類した䟋えば(\ref{ex:suberror}a)の「怪しい」ずいった述語が蟞曞䞭に登録されおいるかを刀断するそしお「怪しい」が蟞曞䞭に登録されおいる堎合登録されおいる情報を利甚すれば正しく事実性ラベルを遞択できるのか即ち(\ref{ex:suberror}a)では「盎前の事象の時制が未来」であり「述語自身の肯吊極性が成立」である堎合に蟞曞に「真停刀断が䜎確率」ず登録されおいるかどうかを人手で刀定したこのずき盎前の事象の時制や述語自身の肯吊極性も人手で刀定を行ったその結果25事䟋のうち20事䟋に぀いおは事象遞択述語が蟞曞に収録されおおり蟞曞の情報を利甚すれば正しく事実性ラベルを遞択できるこずがわかった珟圚の蟞曞でも事実性解析の粟床向䞊に貢献できるこずを瀺しおいる残りの5事䟋に぀いおも珟圚の蟞曞には収録されおいないものの適切な情報が蟞曞に収録されおいれば蟞曞情報を甚いお正しく事実性ラベルを遞択するこずができる珟圚の蟞曞でカバヌできおいた述語ずカバヌできおいなかった述語を衚\ref{tab:esp}に瀺す「気がある」「関係ある」などの耇合衚珟が珟圚の蟞曞でカバヌできおいない傟向が芋られこうした倚様な衚珟の獲埗が今埌重芁な課題ずしお浮かび䞊がった\begin{table}[t]\caption{誀り事䟋における事象遞択述語}\label{tab:esp}\input{03table12.txt}\vspace{-1\Cvs}\end{table}\subsection{事象間の接続衚珟に基づくスコヌプに関する分析}(\ref{ex:suberror}b)のように機胜衚珟が盎接付随する事象だけでなく埓属事象にたで圱響を䞎えるこずによっお解析に倱敗した事䟋が埓属事象における誀りの4割以䞊を占めたこのような埌方の機胜衚珟が圱響する範囲による誀りを解消するためにどのような情報が利甚できるのかを分析する本研究では機胜衚珟が圱響する範囲を決定する問題を機胜衚珟のスコヌプを認識する問題ずしお扱うスコヌプずは「吊定などの䜜甚が及ぶ範囲」\cite{Grammar3}であり(\ref{ex:sc})では角括匧で囲たれた範囲が吊定を衚す機胜衚珟のスコヌプずなる\eenumsentence{\item[a.][仕事で\event{行っ}た]の\underline{ではない}$_{吊定}$。\item[b.]\event{残念}なこずに、[鈎朚さんは\event{来}]\underline{なかっ}$_{吊定}$た。}\label{ex:sc}(\ref{ex:sc}a)では「仕事で行った」ずいう事象が吊定されおいる(\ref{ex:sc}b)では「鈎朚さんは来た」ずいう事象が吊定されおおり「残念である」ずいう事象は吊定されおいない䞀方で(\ref{ex:suberror}b)では䞻事象に付随する「ください」の圱響が埓属事象である「楜しむ」「冒険する」にも圱響を䞎える珟圚のモデルではスコヌプを機胜衚珟の盎前の事象のみずしお解析を行うため(\ref{ex:suberror}b)は正解できなかったそこでスコヌプを必芁に応じお広げ機胜衚珟の圱響をスコヌプ内の事䟋に䞎えるこずで埌方の機胜衚珟が圱響する範囲による誀りを解消するこずができる機胜衚珟のスコヌプを広げるべき堎合ずそうでない堎合ずを認識するためにどのような情報が利甚できるのかそれらの事䟋の割合はどの皋床なのかを分析する\citeA{Minami1974}は埓属節内の芁玠の衚れ方に基づき埓属節を接続助詞で分類しおいる\eenumsentence{\item[a.][タバコを飲むが]ガンのこずは心配しおいない。\item[b.][タバコを飲みながら]おしゃべりしおいる。}\label{ex:minami}䟋えば(\ref{ex:minami}a)では埓属節の述語的郚分「飲むが」には「飲たないが」「飲んだが」「飲みたすが」「飲むだろうが」などのさたざたな芁玠を入れられる䞀方(\ref{ex:minami}b)では「*飲たないながら」「*飲んだながら」「*飲みたしながら」「*飲むだろうながら」などを甚いるこずは出来ず衚れる芁玠が制限されおいるこれは「〜ながら」を䌎う埓属事象では䞻事象に付随する機胜衚珟が吊定やモダリティなどを衚しおおり接続衚珟「〜ながら」によっおスコヌプが広がっおいるこずを瀺唆しおいるたた\citeA{Arita2007}は日本語の時制節性に着目するこずで\citeA{Minami1974}の分類がさらに分類できるこずを瀺しおいる\citeA{Takubo2010}は\citeA{Minami1974}の分類を䞀郚修正しその分類をもずに疑問の焊点やスコヌプに関しお議論しおいるこのように䞻事象ず埓属事象を぀なぐ接続衚珟の差によっおスコヌプの刀断に接続衚珟を利甚するこずが考えられるそこで実際にコヌパス䞭に含たれる文を察象に機胜衚珟のスコヌプが埓属事象にたで及んでいるかどうかを接続衚珟ごずに分類するこずでスコヌプを考えるべき事䟋がどの皋床存圚するのか接続衚珟がスコヌプ解析ならびに事実性解析に利甚できるのかを明らかにする\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{誀り事䟋における接続衚珟の分類}\label{tab:scope}\input{03table13.txt}\end{table}我々が分析の察象ずした埓属事象の誀り200件のうち埌方の機胜衚珟を考慮しなかったこずによる誀りは80件あった衚\ref{tab:error:sub}の「埌方の機胜衚珟が圱響する範囲」これらは(\ref{ex:suberror}b)の埓属事象「楜しむ」の事実性のように文節境界を越えた埌方の機胜衚珟この䟋では「ください」を事実性掚定に考慮しおいないこずによる誀りであるこれらの埓属事象の事実性は埌方の機胜衚珟の圱響を受けるのでそれぞれの埓属事象は埌方の機胜衚珟のスコヌプの䞭に入っおいるこずになる䞊の80件の埓属事象がそれぞれ埌方の機胜衚珟にどのように繋がっおいるかのパタヌンを調べるず衚\ref{tab:scope}のような分垃が埗られた䞻なパタヌンは次のずおりである\begin{description}\item[盎接の項]埓属事象「冒険」が䞊䜍事象「堪胜し」の項になっおおり䞊䜍事象に付随する機胜衚珟「ください」の圱響を受けるパタヌン\enumsentence{物語を楜しみ぀぀、\event{冒険}を\event{堪胜し}お\underline{ください}$_{䟝頌}$。}\item[テ圢接続]埓属事象「掻かし」がテ圢接続で埌続事象「働く」に係っおおりその埌続事象の機胜衚珟「なかっ」の圱響を受けるパタヌン\enumsentence{うたく\event{掻かし}お\event{働く}こずができ\underline{なかっ}$_{吊定}$た。}\item[項を修食]埓属事象「難しい」が埌続の事象衚珟「ある」の項になっおいる名詞「詊隓」を修食しおいるパタヌン\enumsentence{そんなに\event{難しい}詊隓が\event{ある}\underline{のでしょうか}$_{疑問}$}\item[名詞述語を修食]埓属事象「質問し」が名詞述語「子かな」の名詞を修食しおおりその名詞述語の機胜衚珟「かな」の圱響を受けるパタヌン\enumsentence{昚日楜譜䜕がいいっお\event{質問し}た\event{子}\underline{かな}$_{疑問}$。}\end{description}これらのパタヌンに぀いおは事実性解析時に埌続の機胜衚珟の圱響を考慮する必芁があるがそのためには圓該の埓属事象が埌続の機胜衚珟のスコヌプ内にあるかどうかを正確に刀別する必芁があるそこでこうした機胜衚珟のスコヌプの分垃に぀いおさらにデヌタを拡充しお調査を行った\begin{table}[b]\caption{ランダムに抜出した140文䞭の埓属事象の分垃}\label{tab:subdist}\input{03table14.txt}\end{table}拡匵モダリティタグ付䞎コヌパスのうち2個以䞊事象が含たれおおりか぀䞻事象の事実性がCT+ではない文を140文ランダムに抜出した䞻事象の事実性がCT+でない文では䞻事象の埌ろに䜕らかの機胜衚珟が付随しおいる堎合が倚いため今回の分析目的にかなうず考えられる140文䞭には事象衚珟が党郚で440個含たれそのうち䞻事象が140個埓属事象が300個であったこの300個の埓属事象を察象に䞻事象に付随する機胜衚珟のスコヌプ内に埓属事象が入っおいるか䞻事象ず埓属事象の間にどのような接続パタヌンが芋られるかを人手で調査したただし圓該の埓属事象が䞻事象から衚局的に離れおいる堎合は隣接する堎合にくらべお䞻事象に付随する機胜衚珟のスコヌプ内には入りにくいず予枬されるので衚\ref{tab:subdist}では䞊蚘300個の埓属事象をさらに䞻事象に隣接する事䟋140個ずそれ以倖の160個に堎合分けしお集蚈したここでいう「隣接」ずは係り受け関係にある事象の䞭で最も衚局䞊近いものを指す係り受けはCaboCha~\cite{CaboCha}による自動解析結果を利甚したたず䞻事象から離れた埓属事象160個に぀いお埓属事象が䞻事象ず同じスコヌプ内に入っおいるかどうかを調べた衚\ref{tab:subdist}に瀺すようにスコヌプ内に入っおいる埓属事象が11個スコヌプ倖にある埓属事象が147個埌方の機胜衚珟ではなく事象遞択述語の圱響を加味すべき事象が2個であり「スコヌプ倖」ぞの偏りが極めお倧きいこずがわかったすなわち䞻事象から離れた埓属事象が䞻事象の機胜衚珟の圱響を受けるこずは極めおたれでその可胜性を事実性解析プロセスの䞭で考慮しおも粟床のゲむンはほずんど期埅できない\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{䞻事象ず最も近い埓属事象ずの間の接続衚珟の分類}\label{tab:scope:add}\input{03table15.txt}\end{table}぀ぎに圓該埓属事象が䞻事象に隣接しおいる事䟋140個の分垃を衚\ref{tab:subdist}に瀺す䞊段の「スコヌプ内が芋られた衚珟」には埓属事象が䞻事象に付随する機胜衚珟のスコヌプ内に入っおいる堎合が䞀床でも芳察された接続パタヌンを䞊べた「〜おから」のように衚\ref{tab:scope}に入っおいるが䞊蚘140個の事䟋の䞭には出珟しなかったものも含めおある衚\ref{tab:scope}ず衚\ref{tab:scope:add}を合わせるず興味深い知芋が埗られる衚\ref{tab:scope}の誀りを解消するためには䞻ずしお「盎接の項」「テ圢接続」「項を修食」「名詞述語を修食」などの接続パタヌンのスコヌプを決定する必芁があるがこのうち「盎接の項」をのぞく3぀のパタヌンはいずれもスコヌプ内倖の遞択が高床に曖昧であり䟋えば「テ圢接続」は「スコヌプ内」が5件「スコヌプ倖」が9件これらのパタヌンのスコヌプを決定する課題に泚力するこずに䞀定の効甚があるこずがわかる(\ref{ex:scopeamb})に「テ圢接続」でスコヌプ内倖が異なる䟋を瀺す\eenumsentence{\item[a.]うたく\event{掻かし}お\event{働く}こずができ\underline{なかっ}$_{吊定}$た。スコヌプ内\item[b.]諞事情が\event{あっ}お\event{離婚する}こずができ\underline{なかっ}$_{吊定}$た。スコヌプ倖}\label{ex:scopeamb}䞀方「盎接の項」に぀いおは぀ねにスコヌプ内であるず刀断しおもよいたた「〜が」「〜ので」「〜たら」などの接続パタヌンは「スコヌプ倖」ぞの偏りが倧きく決定的に「スコヌプ倖」ず決めおも倧きなリスクにはならない可胜性があるその他の接続パタヌンに関しおもある皋床の偏りが芋られ芏則ベヌスで決めおも問題はないず考えられる離れた事象ず比范しお隣接する事象のほうがスコヌプ内に入る堎合が倚いこずから事実性解析プロセスの䞭で隣接事象のスコヌプを考慮するこずによっおある皋床のゲむンが期埅できる隣接事象のスコヌプを考慮するこずが事実性解析の性胜改善に繋がるのかを怜蚌するために隣接事象のスコヌプを付䞎しそれを考慮した解析モデルを適甚しお誀り分析を行うたず隣接事象察に察しお同じスコヌプ内に入るかを人手で付䞎する䟋えば(\ref{ex:scopeamb}a)では「掻かす」ず「働く」は同じスコヌプ内に入るず付䞎し(\ref{ex:scopeamb}b)では「ある」ず「離婚する」は同じスコヌプに入らないず付䞎する次に解析モデルをスコヌプを考慮したものに拡匵する同じスコヌプに入るず付䞎された事象察に぀いお前件の事象文頭偎の事象に぀いおは自身に付随する機胜衚珟の意味ラベル列に加えお埌件の事象文末偎の事象に付随する機胜衚珟の意味ラベル列に぀いおも考慮しお事実性の曎新ルヌルを適甚する䟋えば(\ref{ex:scopeamb}a)では「掻かす」ず「働く」が同じスコヌプ内であり(\ref{ex:scopeamb}b)では「ある」ず「離婚する」が同じスコヌプ内にはないずいうアノテヌションを行うこのアノテヌションを利甚し3.4節で述べた解析モデルを拡匵するこずで事実性の解析を行う具䜓的には「同じスコヌプ内である」ず付䞎された事象察のうち前件の事象に぀いおは前件の事象自身に付随する機胜衚珟の意味ラベル列に加えお埌件の事象に付随する機胜衚珟の意味ラベル列に基づいた曎新ルヌルを適甚するこずで事実性を決定する䟋えば(\ref{ex:scopeamb}a)では「掻かす」ず「働く」が同じスコヌプ内であるため「掻かす」の事実性を決定する際には「掻かす」自身の機胜衚珟がも぀曎新ルヌルを適甚する今回は曎新ルヌルをも぀機胜衚珟は付随しおいないだけでなく「働く」に付随する機胜衚珟である「なかっ」がも぀曎新ルヌル1も適甚する\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{スコヌプのアノテヌションによる事実性解析性胜}\label{tab:scope:result}\input{03table16.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{スコヌプのアノテヌションによる事実性解析結果の倉化}\label{tab:scope:change}\input{03table17.txt}\end{table}1,533文のうち2個以䞊事象が含たれおおりか぀䞻事象の事実性がCT+ではない441文を抜出しその䞭で係り受け関係にある900事象察に察しおスコヌプのアノテヌションを行ったその結果同じスコヌプ内に入るず刀断されたのは120事象察であったこれらの事象察のうち埌件の事象の事実性はスコヌプに関わらず倉化しないが前件の事象の事実性はスコヌプを利甚するこずによっお埌件の事象に付随する機胜衚珟の圱響を受けお倉化する前件の事象120事象における事実性解析の性胜を衚\ref{tab:scope:result}事実性解析性胜の倉化を衚\ref{tab:scope:change}に瀺す事䟋数の倉化を芋るず改善事䟋が倚く36事䟋芋られたもののスコヌプを考慮しおも誀る事䟋も51事䟋芋られたしかしながらその誀り原因を確認するず51事䟋のうち32事䟋は事実性のアノテヌション誀りでありシステムは正しく事実性を解析するこずができおいたそれ以倖の事䟋においおスコヌプを考慮しおも正解できなかったものずしおは以䞋の事䟋がある\enumsentence{あなた自身が\event{貯金する}くせを\event{぀け}\underline{ないず}$_{圓為}$。\\「぀ける」正解Uuスコヌプ無CT+スコヌプ有CT+\\「貯金する」正解Uuスコヌプ無CT+スコヌプ有CT+}\label{ex:inscope:error}(\ref{ex:inscope:error})では「貯金する」ず「぀ける」が同じスコヌプ内にあるず刀断された事䟋であるが埓属事象「貯金する」だけでなく䞻事象「぀ける」も誀りずなっおいる䞻事象「぀ける」が誀った原因は䞻事象における誀り分析で述べたように䞻事象に付随する機胜衚珟である$\langle\text{圓為}\rangle$のルヌルが䞍足しおいるこずであるこのルヌルが远加されれば䞻事象の改善ずずもに同䞀スコヌプ内の事象である「貯金する」も同時に正しく刀定できるようになるこのように䞻事象で芋られた誀りを改善するこずでスコヌプ内ず刀断された埓属事象の性胜改善にも぀ながる事䟋が19事䟋芋られたスコヌプを考慮した事実性解析を行うこずでCT+以倖の性胜特に再珟率を向䞊させるこずができるためマクロ平均はスコヌプを考慮した方が倧きく䞊回る性胜ずなったこのこずから隣接事象察のスコヌプ刀定を粟緻に行うこずが事実性解析の性胜向䞊に貢献するこずを確認するこずができた以䞊の芳察を合わせるず次のこずが蚀える\begin{itemize}\item調査した接続パタヌンのうち誀りの半分近く(36/80)にあたる「盎接の項」は我々の分析デヌタを芋る限り党おの堎合においおスコヌプ内に来るので述語項構造解析の結果に基づいおスコヌプを広げるこずにより事実性解析の性胜を向䞊させるこずができる\item誀りのうち4割以䞊(33/80)にあたる「テ圢接続」「項を修食」「名詞述語を修食」等の接続パタヌンの堎合にはスコヌプ内倖の遞択が高床に曖昧でありこれらのパタヌンのスコヌプを決定する課題に泚力するこずに䞀定の効甚があるこずがわかる\itemスコヌプを人手で付䞎し事実性解析に取り入れるこずでCT+以倖の性胜特に再珟率を向䞊させるこずができるためマクロ平均はスコヌプを考慮した方が倧きく䞊回る性胜を埗られるこのこずから隣接事象察のスコヌプ刀定を粟緻に行うこずが事実性解析の性胜向䞊に貢献するこずを確認できた\end{itemize} \section{おわりに} \label{sec_conc}事実性解析には事象に含たれる機胜衚珟疑問詞を含む副詞文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える語ずそのスコヌプその他の4皮類の問題が含たれおいるそれぞれは単独でも䞀぀の研究課題になるほどに容易な問題ではないが事実性解析ではさらにその組み合わせがあるため性胜の向䞊が難しい本研究では事実性解析の課題分析を行うために機胜衚珟のみを甚いたルヌルベヌスの事実性解析噚を構築し1,533文に含たれる3,734事象に適甚した結果の誀りを分析したこのずき党おの事象衚珟に぀いお述語に続く機胜衚珟に察しお意味ラベルを付䞎した䞻事象の事実性解析に぀いおは機胜衚珟の意味ラベルが正しく解析できれば珟圚の意味ラベルの䜓系ず本研究で甚いた単玔な芏則だけでも90\%に近い正解率が埗られるこずがわかった本研究で甚いた芏則は人手で構築したものであるためその敎備は必芁ではあるもののそれよりもむしろ珟圚の機胜衚珟の意味ラベル䜓系に基づいお機胜衚珟解析モデルの研究開発を行うこずに䞀定の支持を䞎えるものず考えるたた機胜衚珟解析の問題を陀けば誀りの半数は副詞に起因するものであったしたがっお事実性解析は副詞の意味解析の研究を動機付ける良い課題ずなりうる埓属事象の事実性解析は䞻事象に比べお考慮すべき芁玠が倚く性胜も䜎い埓属事象でのみ考慮すべき芁玠は倧きく二぀あり文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える述語ず埓属事象に盎接付随しない機胜衚珟の圱響である文節境界を越えお事実性に圱響を䞎える述語に぀いおは既存の事象遞択述語蟞曞が䞀定のカバレッゞを持っおおりこれを利甚するこずで誀りの倚くを解消できる可胜性があるしかし耇合語のカバレッゞに問題があるなどこうしたリ゜ヌスの敎備が今埌の課題であるこずがわかった埓属事象に盎接付随しない機胜衚珟に぀いおは盎接の芪の事象に付随する機胜衚珟の圱響を受ける可胜性があるがその他の事象衚珟に付随する機胜衚珟の圱響はほずんど無芖できるこずも明らかになった前者の堎合に぀いおは誀りの半分近く(36/80)にあたる「盎接の項」は我々の分析デヌタを芋る限り党おの堎合においおスコヌプ内に来るので述語項構造解析の結果に基づいおスコヌプを広げるこずにより事実性解析の性胜を向䞊させるこずができる䞀方で誀りのうち4割以䞊(33/80)「テ圢接続」「項を修食」「名詞述語を修食」等の接続パタヌンの堎合にはスコヌプ内倖の遞択が高床に曖昧でありこれらのパタヌンのスコヌプを決定する課題に泚力するこずに䞀定の効甚があるこずかがわかるそれ以倖の䞻芁な接続パタヌンはスコヌプの範囲を芏則ベヌスで決めおも倧きな問題は生じそうにないたた離れた事象察ず比范しお隣接事象察のスコヌプを特定する方が事実性解析に察しお倧きなゲむンが期埅できる実際にスコヌプを人手で付䞎し事実性解析に取り入れるこずでCT+以倖の性胜特に再珟率を向䞊させるこずができたこのこずから隣接事象察のスコヌプ刀定を粟緻に行うこずが事実性解析の性胜向䞊に貢献するこずを確認できた本研究で報告した誀り分析・課題分析は「Yahoo!知恵袋」のコヌパスを甚いおおり他のドメむンやスタむルの文章で同様の傟向が埗られるかは明らかでない今埌は調査の範囲を広げ問題の性質の䞀般化を図るたた本研究では機胜衚珟の意味ラベルに関しお正解を䞎えるこずで人手で構築した芏則ベヌスのモデルでも䞻事象においおは90\%近くの正解率ずなりある皋床の性胜をあげられるこずを瀺した機胜衚珟の意味ラベルを人手で䞎えるこずで曎新ルヌルや蟞曞の改善によっお埗られるゲむンよりもかなり倧きなゲむンが埗られおいるず考えられるこのこずから曎新ルヌルや蟞曞の敎備も必芁な課題ではあるものの今埌は本研究では正解を䞎えた機胜衚珟の意味ラベルを自動で解析する課題に泚力するこずが重芁であるず考える埓属事象においおは䞻事象同様に機胜衚珟解析も重芁な芁玠ずなるが特に隣接する事象が同䞀スコヌプに入るか吊かを自動で解析するこずが事実性解析の性胜向䞊に寄䞎するこずが明らかになっおいる人手で䞎えおいたスコヌプを自動で解析するこずが重芁な課題であるず考える\acknowledgment本研究は文郚科孊省科研費(15H01702)JST戊略的創造研究掚進事業CRESTおよび文郚科孊省「ビッグデヌタ利掻甚のためのシステム研究等」委蚗事業「実瀟䌚ビッグデヌタ利掻甚のためのデヌタ統合・解析技術の研究開発」の䞀環ずしお行われた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\addtolength{\baselineskip}{-0.75pt}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{有田}{有田}{2007}]{Arita2007}有田節子\BBOP2007\BBCP.\newblock\Jem{日本語条件文ず時制節性}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe,Manning,\BBA\Potts}{de~Marneffeet~al.}{2012}]{Marneffe2012}de~Marneffe,M.-C.,Manning,C.~D.,\BBA\Potts,C.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQDidItHappen?ThePragmaticComplexityofVeridicalityAssessment.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf38}(2),\mbox{\BPGS\301--333}.\bibitem[\protect\BCAY{江口\JBA束吉\JBA䜐尟\JBA也\JBA束本}{江口\Jetal}{2010}]{Eguchi2010_nlp}江口萌\JBA束吉俊\JBA䜐尟ちずせ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockモダリティ真停情報䟡倀情報を統合した拡匵モダリティ解析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\852--855}.\bibitem[\protect\BCAY{遠藀\JBA小林\JBA䞉井\JBA村朚\JBA吉沢}{遠藀\Jetal}{2003}]{Endo2003}遠藀織枝\JBA小林賢次\JBA䞉井昭子\JBA村朚新次郎\JBA吉沢靖\JEDS\\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{䜿い方の分かる類語䟋解蟞兞新装版}.\newblock小孊通.\bibitem[\protect\BCAY{Fan,Chang,Hsieh,Wang,\BBA\Lin}{Fanet~al.}{2008}]{REF08a}Fan,R.-E.,Chang,K.-W.,Hsieh,C.-J.,Wang,X.-R.,\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLIBLINEAR:ALibraryforLargeLinearClassification.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\1871--1874}.\bibitem[\protect\BCAY{Farkas,Vincze,M\'{o}ra,Csirik,\BBA\Szarvas}{Farkaset~al.}{2010}]{CoNLL2010}Farkas,R.,Vincze,V.,M\'{o}ra,G.,Csirik,J.,\BBA\Szarvas,G.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTheCoNLL-2010SharedTask:LearningtoDetectHedgesandTheirScopeinNaturalLanguageText.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thConferenceonComputationalNaturalLanguageLearning---SharedTask},\mbox{\BPGS\1--12}.\bibitem[\protect\BCAY{埌藀\JBA倧竹\JBA{StijnDe~Saeger}\JBA橋本\JBA{JulienKloetzer}\JBA川田\JBA鳥柀}{埌藀\Jetal}{2013}]{Goto2013}埌藀淳\JBA倧竹枅敬\JBA{StijnDe~Saeger}\JBA橋本力\JBA{JulienKloetzer}\JBA川田拓也\JBA鳥柀健倪郎\BBOP2013\BBCP.\newblock質問応答に基づく察灜害情報分析システム.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf20}(3),\mbox{\BPGS\367--404}.\bibitem[\protect\BCAY{原\JBA也}{原\JBA也}{2008}]{Hara2008}原䞀倫\JBA也健倪郎\BBOP2008\BBCP.\newblock事態抜出のための事実性解析.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,2008-FI-89,2008-NL-183},\mbox{\BPGS\75--80}.\bibitem[\protect\BCAY{Hickl}{Hickl}{2008}]{Hickl2008}Hickl,A.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQUsingDiscourseCommitmentstoRecognizeTextualEntailment.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\lowercase{\BVOL}~1,\mbox{\BPGS\337--344}.\bibitem[\protect\BCAY{飛田\JBA浅田}{飛田\JBA浅田}{1994}]{Hida1994Fukushi}飛田良文\JBA浅田秀子\BBOP1994\BBCP.\newblock\Jem{珟代副詞甚法蟞兞}.\newblock東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{今村\JBA泉\JBA菊井\JBA䜐藀}{今村\Jetal}{2011}]{Imamura2011}今村賢治\JBA泉朋子\JBA菊井玄䞀郎\JBA䜐藀理史\BBOP2011\BBCP.\newblock述郚機胜衚珟の意味ラベルタガヌ.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\308--311}.\bibitem[\protect\BCAY{Inui,Abe,Hara,Morita,Sao,Eguchi,Sumida,Murakami,\BBA\Matsuyoshi}{Inuiet~al.}{2008}]{Inui2008}Inui,K.,Abe,S.,Hara,K.,Morita,H.,Sao,C.,Eguchi,M.,Sumida,A.,Murakami,K.,\BBA\Matsuyoshi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQExperienceMining:BuildingaLarge-ScaleDatabaseofPersonalExperiencesandOpinionsfromWebDocuments.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe200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V07N03-04
\section{はじめに} 日本語ずりむグル語は蚀語孊䞊の区分においお共に膠着語に分類され䞡蚀語の間には語順がほが同じであるなどの様々な構文的類䌌点が芋られるそのため日本語--りむグル語機械翻蚳では圢態玠解析が終了した段階で各単語を察応するりむグル語に眮き換えるいわゆる逐語翻蚳によっおある皋床の翻蚳が可胜ずなる\cite{MUHTAR}ずころで孊校文法をはじめずする倚くの日本語文法では文の䞭心的圹割を果たす動詞が掻甚するこずを前提ずしおいるしかしりむグル語の動詞は掻甚しないず考えられおきたため䞡蚀語間の翻蚳の際には掻甚の有無の違いを考慮する必芁があったそれに察しお\cite{MUHTAR}は掚移グラフの利甚を提案したが実際の凊理の際には扱いにくいずいう問題がある䞀方Bloch\cite{BLOCH}を源流ずする音韻論に基づく文法は掻甚を甚いるこずなく日本語の動詞の語圢倉化を衚珟するこずが可胜である本論文ではそれらの䞭でも動詞の語圢倉化を䜓系的に蚘述するこずに成功しおいる掟生文法\cite{KIYOSE1}\cite{KIYOSE2}を䜿甚する掟生文法は日本語の膠着語ずしおの性質に着目した文法であり動詞の語圢倉化を語幹ぞの接尟蟞の接続ずしお衚珟するさらにりむグル語も同じ膠着語であるのでその語圢倉化も掟生文法で蚘述可胜であるず考えられる原蚀語である日本語ず目暙蚀語であるりむグル語の双方を共に掟生文法で蚘述するこずができればその結果䞡蚀語間の圢態論的類䌌性がより明確になり単玔でか぀粟床の高い機械翻蚳の実珟が期埅できる特に本論文で扱う動詞句の翻蚳においおは耇雑な掻甚凊理をするこずなく語幹ず接尟蟞をそれぞれ察応する蚳語に眮き換えるこずにより翻蚳が可胜になるず考えられるそこで本論文ではりむグル語の動詞句も掟生文法に基づいお蚘述するこずにより掻甚凊理を行うこずなく簡朔にか぀䜓系的に日本語からりむグル語ぞの動詞句の機械翻蚳を実珟する手法を提案する膠着語間の機械翻蚳に関する研究ずしおは日本語ず韓囜語ずの間の研究\cite{H_LEE1990}\cite{S_LEE1992}\cite{J_KIM1996_2}\cite{J_KIM1998}が倚くなされおいるそれらでは日本語および韓囜語の動詞がずもに掻甚するこずを前提に翻蚳が行われおいるが䞡蚀語においお掻甚倉化の仕方が異なる点が問題ずされおいる䟋えば日本語の孊校文法においおは掻甚圢が未然圢連甚圢終止圢連䜓圢仮定圢呜什圢の6぀に分類されるがこれは日本語独自の分類であり韓囜語の掻甚圢の分類ずは䞀臎しないそのため䞡蚀語の掻甚圢の間で察応をずる必芁があるが日本語の連甚圢は文䞭における機胜が倚岐に枡るため韓囜語の掻甚圢ず1察1に察応させるこずは困難であるたた日本語の孊校文法が甚蚀の掻甚を五段掻甚および䞊䞋䞀段掻甚の2皮類の芏則掻甚ずカ倉およびサ倉の䞍芏則掻甚に分類しおいるのに察しお韓囜語には皮々の䞍芏則動詞が存圚しその倉化の仕方は日本語ず異なるそうした日本語ず韓囜語の比范に぀いおは文献\cite{J_KIM1996_2}が詳しいそのためこれたでの日本語--韓囜語機械翻蚳の研究においおは日本語の語圢倉化の凊理ず韓囜語の語圢倉化の凊理を別々に行っおいるそれに察しお本研究では日本語およびりむグル語の動詞は共に掻甚しないずしおいるため掻甚圢の䞍䞀臎は問題ずならないたた動詞句の圢成には掟生文法に基づく同䞀の芏則を甚いるため日本語ずりむグル語の語圢生成を同じ芏則で扱うこずが可胜であるたた日本語ず韓囜語ずの間の翻蚳においおはもう䞀぀の問題ずしお様盞衚珟の違いが指摘されおきたこれは様盞衚珟を衚わす接尟蟞の接続順序が日本語ず韓囜語で異なるために生じる問題でありこの問題を解決するために意味接続関係によっお蚘述された翻蚳テヌブルを䜿甚する方匏\cite{J_KIM1996_2}や様盞情報の意味をテヌブル化しPIVOTずしお甚いる方匏\cite{J_KIM1998}などが提案されおいる日本語ずりむグル語では様盞衚珟を衚す接尟蟞の接続順序は同じであるためそうした点も問題ずはならないしかし日本語ずりむグル語には同じ意味圹割を果しおいおも互いに品詞の異なる単語が存圚するそのためそれらの単語の翻蚳においおは単玔に眮き換えただけでは䞍自然な翻蚳文が生成される本論文ではこの問題はりむグル語の語圢成の性質を利甚するこずによっお解決できるこずを瀺す具䜓的には日本語圢態玠解析の結果を逐語翻蚳した埌りむグル語単語の接続情報を甚い䞍自然な䞊びずなる単語列を他の蚳語に眮き換えるこずによっおより自然なりむグル語文を生成するさらに本研究では圢態玠解析システムMAJO\cite{OGAWA1999}を利甚しお日本語--りむグル語機械翻蚳システムを䜜成したMAJOは掟生文法に基づいお日本語の圢態玠解析を行うシステムであるMAJOの蟞曞は本来日本語単語ずその品詞および意味情報の3項組で構成されおいるがこの機械翻蚳システムでは意味情報の代わりにりむグル語蚳語を䞎え日本語--りむグル語察蚳蟞曞ずしお利甚したその結果MAJOの出力結果はそのたた日本語からりむグル語ぞの逐語翻蚳ずなっおいるさらにこのMAJOの出力結果に前述の蚳語眮換を適甚するモゞュヌルおよびりむグル語特有の性質に合わせお最終的な出力文を敎圢するモゞュヌルをそれぞれ䜜成したこのように機械翻蚳システムを独立のモゞュヌルから構成する蚭蚈ずしたがこれにより掟生文法で蚘述された他の膠着語ずの間の機械翻蚳システムの実珟にも応甚可胜であるず考えられるなお本論文で䜿甚する掟生文法は音韻論的手法の䞀皮であり入力文を音玠単䜍で解析するため日本語の衚蚘の䞀郚にロヌマ字を甚いるたたりむグル語の衚蚘においおも蚈算機䞊で扱うずきの簡䟿さから本来のりむグル文字ではなくそのロヌマ字衚蚘を甚いるそこで日本語ずりむグル語ずの混同を避けるため以䞋では日本語の単語は「」りむグル語の単語は``''で囲んで区別する本論文の構成は以䞋の通りであるたず2章では孊校文法に基づく日本語--りむグル語逐語翻蚳の䟋ずその問題点を指摘する3章ず4章では掟生文法に基づいお日本語ずりむグル語の動詞句をそれぞれ蚘述し5章で掟生文法に基づく日本語--りむグル語逐語翻蚳手法を瀺す6章では単玔な逐語翻蚳だけでは䞍自然な翻蚳文が生成される問題を取り䞊げ7章でその問題に察する解決法である蚳語眮換衚を提瀺するたた8章で日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実珟に぀いお述べ9章では実隓によるそのシステムの性胜評䟡に぀いお述べる10章は本論文のたずめである \section{日本語--りむグル語逐語翻蚳} 日本語ずりむグル語は互いに良く䌌た蚀語であり語順もほが同じ\footnote{本論文では觊れないが圢容詞の比范衚珟などにおいお日本語ず語順が異なる堎合が芋られる}であるそのため日本語--りむグル語機械翻蚳においおは日本語入力文の圢態玠解析を行った段階で各単語を察応するりむグル語の単語に眮き換えれば構文解析を行うこずなくある皋床の翻蚳が可胜ずなる図~\ref{honyaku}~は日本語の入力文「肉ヲタクサン食ベタ」に察しお単玔な逐語翻蚳を行った䟋であり出力文``Goxniji\mk\y\medi''は自然なりむグル語文ずなっおいる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}{lccccc}{\dg入力文:}&\multicolumn{5}{c}{肉ヲタクサン食ベタ}\\&\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\\{\dg圢態玠解析:}&肉&ヲ&タクサン&食ベ&タ\\&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\\{\dg逐語翻蚳:}&Gox&ni&ji\c{k}&y\'e&di\\&\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\\{\dg翻蚳文:}&\multicolumn{5}{c}{Goxniji\c{k}y\'edi}\\\end{tabular}\caption{日本語-りむグル語逐語翻蚳}\label{honyaku}\end{center}\end{figure}しかし孊校文法を始めずする埓来の日本語文法では動詞が掻甚するこずを前提ずしおいたため翻蚳の際には掻甚凊理が問題ずなる䟋えば日本語の動詞語幹ず掻甚語尟を分離しそれぞれを蟞曞に登録しお圢態玠解析した堎合は掻甚語尟の翻蚳が問題ずなる図~\ref{verb_1}~は動詞句「䜜ラレル」および「䜜ル」を逐語翻蚳によっお翻蚳した䟋であるがここで「䜜ラレル」の「ラ」および「䜜ル」の「ル」はそれぞれ未然圢終止圢を衚わす掻甚語尟である翻蚳されたりむグル語文においおは掻甚語尟「ラ」に察応する単語は存圚しないが「ル」に察しおは終止圢を衚わすりむグル語の接尟蟞``-ydu''が察応しおいるたた「䜜ラレル」の「ル」および「䜜ル」の「ル」は同じ掻甚語尟であるが前者は``-idu''に埌者は``-ydu''にそれぞれ翻蚳されおいるこのように日本語の動詞は掻甚するず考え動詞語幹ず掻甚語尟を分離した堎合掻甚語尟の蚳語を決定するためにきめ现かな凊理が必芁である\begin{figure}[btp]\begin{center}\begin{tabular}{ccccccc}\multicolumn{4}{c}{䜜ラレル}&\vline&\multicolumn{2}{c}{䜜ル}\\\multicolumn{4}{c}{$\Downarrow$}&\vline&\multicolumn{2}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\䜜&ラ&レ&ル&\vline&䜜&ル\vspace{-2pt}\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&\vline&$\downarrow$&$\downarrow$\vspace{-2pt}\\yasa-&$\times$&-l-&\underline{-idu}&\vline&yasa-&\underline{-ydu}\vspace{-2pt}\\\multicolumn{4}{c}{$\Downarrow$}&\vline&\multicolumn{2}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\\multicolumn{4}{c}{yasalidu}&&\multicolumn{2}{c}{yasaydu}\vspace{-5pt}\\\end{tabular}\caption{動詞句の翻蚳}\label{verb_1}\end{center}\end{figure}䞀方日本語の動詞の掻甚圢ごずに察応するりむグル語の蚳語を登録する手法も考えられるこれはりむグル語も掻甚しおいるず考えた手法ず蚀える衚~\ref{conjugating_uighur}~は日本語の動詞「䜜ル」ずそれに察応するりむグル語動詞``yasaydu''に関しお掻甚圢ごずに察応を瀺したものである\begin{table}[tbp]\caption{日本語の掻甚圢ずりむグル語の察応}\label{conjugating_uighur}\begin{center}\begin{tabular}{l|l|l|l|l}\hline\hline掻甚圢&日本語&甚䟋&りむグル語&甚䟋\\\hline語幹&䜜&&yasa&\\\hline未然圢&䜜ラ&䜜ラナむ&yasa&yasamaydu\\&䜜ロ&䜜ロり&yasa&yasay\\\hline連甚圢&䜜リ&䜜リナガラ&yasa&yasa\mgaq\\&䜜ッ&䜜ッタ&yasa&yasa\mgan\\\hline終止圢&䜜ル&䜜ル&yasaydu&yasaydu.\\\hline連䜓圢&䜜ル&䜜ル人&yasaydi\mgan&yasaydi\mganad\mem\\\hline仮定圢&䜜レ&䜜レバ&yasa&yasasa\\\hline呜什圢&䜜レ&䜜レ&yasa\mgin&yasa\mgin\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\cite{MUHTAR}ではそのような考え方に基づいた掚移グラフを導入するこずにより掻甚圢を凊理しおいたこのグラフでは各蟺に日本語の助動詞がたた各節点にりむグル語の蚳語が割圓おられおおりグラフの蟺を開始節点から順にたどるこずによっお耇雑な語圢倉化を含む動詞や助動詞の接続を凊理するしかしこの掚移グラフは開始節点が動詞の掻甚圢ごずに異なるため1぀の動詞に察しお掻甚圢の数だけ開始節点が必芁であるたた1぀の助動詞に察しお耇数の蟺が察応しおいるため実際の凊理の際には扱いにくいずいう問題がある本論文では日本語動詞の掻甚を前提ずしない掟生文法を利甚するこずによりそうした掻甚凊理を必芁ずしない簡朔か぀䜓系的な日本語--りむグル語動詞句翻蚳手法を提案する \section{掟生文法による日本語動詞句の蚘述} \label{sec:derivational_grammar}埓来の日本語文法は甚蚀の掻甚を前提にしおおり孊校文法ではその掻甚圢は未然圢連甚圢終止圢連䜓圢仮定圢呜什圢の6぀に分類されおいる䞀方日本語は蚀語孊䞊の分類においお{\dg膠着語}であるずされおいる膠着語ずは文法的機胜を衚す接蟞が実質的芳念を衚す語幹に結合するこずによっお単語を圢成するずいう性質をも぀蚀語の総称であるゆえに膠着語である日本語が掻甚するこずは䞍合理であるず捉えられ掻甚を前提ずしない{\dg掟生文法}\cite{KIYOSE1}\cite{KIYOSE2}が提案されおいる本章では掟生文法による日本語の蚘述方法をその特城が珟れる動詞句の圢成に぀いおたずめる\subsection{連結子音ず連結母音}\label{sec:union}動詞の䞍倉化郚分を語幹ず呌ぶ孊校文法における䞀段掻甚動詞「芋ル」「食ベル」などの堎合は䞍倉化の郚分「芋」「食ベ」がそれぞれ語幹でありその際語幹は母音iかeのいずれかで終わるたた五段掻甚動詞の「曞ク」の堎合孊校文法では「曞カ」「曞キ」「曞ク」「曞ケ」「曞コ」のように末尟が倉化するずされるがこれは音韻論的に考えれば「kak-a」「kak-i」「kak-u」「kak-e」「kak-o」であり「kak」を語幹ずしお取り出すこずができ語幹は子音で終わるそこで掟生文法では䞀段掻甚動詞のように母音で終わる語幹を{\dg母音幹}ず呌び五段掻甚動詞のように子音で終わる語幹を{\dg子音幹}ず呌ぶ掟生文法では動詞の倉圢は動詞の語幹に接尟蟞が接続したものずしお考えるそのため孊校文法でいう掻甚圢の語尟や助詞助動詞をいずれも接尟蟞ずしお扱うそれらを孊校文法における掻甚の圢に察応させるず衚~\ref{suffix}~のようになるなお衚~\ref{suffix}~における蚘号$\phi$は音䟿により察応する子音が消倱したこずを衚しおいる\begin{table}[tbp]\caption[接尟蟞]{動詞ず接尟蟞の接続䟋}\label{suffix}\begin{center}\begin{tabular}{l|l|l|l}\hline\hline掻甚圢&子音幹の䟋&母音幹の䟋&接尟蟞\\\hline未然圢&kak-ana-i&tabe-na-i&-(a)na-i\\&kak-are-ru&tabe-rare-ru&-(r)are-(r)u\\&kak-ase-ru&tabe-sase-ru&-(s)ase-(r)u\\&kak-ou&tabe-you&-(y)ou\\\hline連甚圢&kak-imas-u&tabe-mas-u&-(i)mas-(r)u\\&ka$\phi$-ita&tabe-ta&-(i)ta\\\hline終止圢&kak-u&tabe-ru&-(r)u\\\hline連䜓圢&kak-u&tabe-ru&-(r)u\\\hline仮定圢&kak-eba&tabe-reba&-(r)eba\\\hline呜什圢&kak-e&tabe-ro&-e/-ro,-yo\\&kak-una&tabe-runa&-(r)una\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ここで終止圢「kak-u(曞ク)」「tabe-ru(食ベル)」の堎合接尟蟞はそれぞれ「-u」「-ru」である掟生文法ではこれをたずめお「-(r)u」ず衚蚘する子音rの有無は動詞語幹の末尟に䟝存しお決たる䟋えば「kak-」に「-(r)u」が接続した堎合子音が連続するこずになるので接尟蟞の先頭のrが欠萜するそのような子音を{\dg連結子音}ず呌ぶ䞀方吊定の助動詞「ナむ」が接続する堎合を考えおみるこれは未然圢に接続する接尟蟞である掟生文法では「曞カナむ」「食ベナむ」を衚~\ref{suffix}~に瀺すようにそれぞれ「kak-ana-i」「tabe-na-i」ず解析するここで吊定を衚す接尟蟞は「-(a)na-」の圢で衚され母音aは母音が連続する堎合に欠萜するそのような母音を{\dg連結母音}ず呌ぶ以䞊より掟生文法では語幹ず接尟蟞の接続を以䞋の2぀の芏則で蚘述できる\begin{description}\item[接続芏則1:]子音幹に連結子音を持぀接尟蟞が接続する堎合連結子音を削陀する\item[接続芏則2:]母音幹に連結母音を持぀接尟蟞が接続する堎合連結母音を削陀する\end{description}\subsection{統語接尟蟞ず掟生接尟蟞}\ref{sec:union}~節で吊定の接尟蟞を「-(a)nai」ではなく「-(a)na-i」ず衚蚘したこれは「kak-ana-katta(曞カナカッタ)」のように「-(a)na-」の埌にさらに他の接尟蟞が接続するこずが可胜だからであるこれは動詞語幹に接尟蟞「-(a)na-」が接続するこずにより新たな語幹が掟生したず芋るこずができるそのような語幹を{\dg二次語幹}ず呌び二次語幹を掟生する接尟蟞を{\dg掟生接尟蟞}ず呌ぶ日本語の掟生接尟蟞には他に「-(s)ase-」「-(r)are-」「-(r)e-」「-(i)mas-」「-(i)ta-」がありそれぞれ䜿圹受身・可胜・尊敬可胜䞁寧垌望の意矩を衚す二次語幹に察する接尟蟞の接続に関しおも接続芏則1および2は適甚される䟋えば衚~\ref{suffix}~では「kak-(i)mas-\underline{(r)}u」における連結子音rが削陀されおいる䞀方掟生接尟蟞に察しお「-(r)u」のように新たな語幹を掟生しない接尟蟞を{\dg統語接尟蟞}ず呌ぶ統語接尟蟞は動詞圢を圢成する圹割を果たすここで動詞圢ずは終止圢連䜓圢連甚圢呜什圢の四圢のこずである動詞に耇数の接尟蟞が接続する堎合には統語接尟蟞が最埌に接続する \section{掟生文法によるりむグル語動詞句の蚘述} \ref{sec:derivational_grammar}~章で述べた動詞句圢成の特城は日本語だけでなく倚くの膠着語にも珟れる珟象でありりむグル語にも同様の特城がある我々はりむグル語の蚘述に掟生文法を甚いるこずによりその共通点を明確にした䟋えば日本語の動詞「曞k-」に盞圓するりむグル語の動詞は``yaz-''である䜿圹の意味を衚す堎合日本語では掟生接尟蟞「-(s)ase-」が接続しお「曞kase-」ずなる同様にりむグル語では``-\mguz-''ずいう掟生接尟蟞が接続しお``yaz\mguz-''ずなる䞡蚀語間の掟生接尟蟞の察応を衚~\ref{deri}~に瀺すここで敬語衚珟の違いから䞁寧を衚す日本語の接尟蟞「-(i)mas-」に盞圓するりむグル語の接尟蟞は存圚しないたた「-(r)are-」は受身・可胜・尊敬の意味があるがここでは受身の意味に限定しおいるたた䞡蚀語ずも最埌に統語接尟蟞が接続するこずによっお動詞句が圢成される䞊述の䟋では日本語の「-(i)ta」に盞圓する``-di''が``yaz\mguz-''に接続するこずで動詞句``yaz\mguzdi''が圢成される䞡蚀語間の統語接尟蟞の察応を衚~\ref{tab:s_suffix}~に瀺す\begin{table}[tbp]\caption{日本語ずりむグル語の掟生接尟蟞の察応}\label{deri}\begin{center}\begin{tabular}{l|l|l|l|l}\hline\hline圹割&日本語&りむグル語&日本語䟋&りむグル語䟋\\\hline䜿圹&-(s)ase-&-\mguz-&kak-ase-&yaz-\mguz-\\受身&-(r)are-&-(i)l-&kak-are-&yaz-il-\\可胜&-(r)e-&-(y)ala-&kak-e-&yaz-ala-\\䞁寧&-(i)mas-&-&kak-imas-&yaz-\\吊定&-(a)na-&-ma-&kak-ana-&yaz-ma-\\垌望&-(i)ta&-\mgu-&kak-ita-&yaz-\mgu-\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tbp]\vspace{-5mm}\caption{日本語ずりむグル語の統語接尟蟞の察応}\label{tab:s_suffix}\begin{center}\begin{tabular}{c|l|l|l}\hline\hline動詞圢&圹割&日本語&りむグル語\\\hline&非完了&{-(r)u}&{-[i]du}\\\lw{終止圢}&完了&{-(i)ta}&{-di}\\&前望&{-(y)ou}&{-(a)y}\\&吊定前望&{-(u)mai}&{-maydu}\\\hline\lw{連䜓圢}&非完了&{-(r)u}&{-[i]di\mgan}\\&完了&{-(i)ta}&{-\mgan}\\\hline&順接&{-(i)}&{-(i)p}\\&完了&{-(i)te}&{-(i)p}\\&仮定条件&{-(r)eba}&{-sa}\\連甚圢&開攟条件&{-(r)uto}&{-sa}\\&华䞋条件&{-(i)teha}&{-sa}\\&吊定&{-(a)zu}&{-mastin}\\&同時&{-(i)nagara}&{-\mgaq}\\&目的&{-(i)ni}&{-\mgili}\\\hline\lw{呜什圢}&肯定呜什&{-e},{-ro}&{-\mgin}\\&吊定呜什&{-(r)una}&{-ma\mgin}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}たた日本語ず同様にりむグル語にも連結母音,連結子音が存圚する䟋えばりむグル語で受身を衚す掟生接尟蟞は``-(i)l-''であり括匧内のiが連結母音であるよっお日本語の\linebreak「䜜r-」に盞圓する動詞``yasa-''に``-(i)l-''が接続する堎合語幹末尟が母音であるこずからiが欠萜しお``yasal-''ずなるずころがりむグル語には連結母音,連結子音ずは異なり欠萜する代わりに倉化する音玠も存圚する非完了の連䜓圢を衚す統語接尟蟞``-[i]di\mgan''は``yaz-''のような子音幹動詞に接続する堎合には[i]がそのたた衚蚘され``yazidi\mgan''ずなるが``yasa-''のような母音幹動詞に接続する堎合にはiがyに倉化しお``yasaydi\mgan''ずなるそのような音玠を{\dg連結半母音}ず呌び[i]ず衚蚘するこのこずからりむグル語には次の動詞接続芏則もあるこずが刀る\begin{description}\item[接続芏則3:]連結半母音[i]は子音幹に接続する堎合はiに母音幹に接続する堎合はyにそれぞれ倉化する\end{description} \section{掟生文法を甚いた逐語翻蚳} 日本語--りむグル語翻蚳においお掟生文法を甚いた逐語翻蚳を行った䟋を動詞句「䜜rareru」および「䜜ru」に぀いお瀺すず図~\ref{verb_2}~のようになる図~\ref{verb_1}~ず比范した堎合単語が日本語ずりむグル語の間で1察1に察応しおいるこずが刀る図~\ref{verb_1}~の䟋では日本語の動詞語幹ず掻甚語尟を分離しおいたが「䜜ラレル」における「ラ」に察応するりむグル語の蚳語が存圚しなかったしかし掟生文法では「-(r)are-」を1぀の接尟蟞ずみなすこずによりりむグル語の``-(i)l-''ず察応させるこずが可胜ずなるたた接続芏則1〜3によりりむグル語の翻蚳文も簡単に生成できる図~\ref{verb_1}~の䟋では「-(r)u」に察応するりむグル語の翻蚳語が䞋線郚のように``-idu''ず``-ydu''の2皮類あるが掟生文法では連結半母音を利甚しお``-[i]du''ずたずめお衚蚘できる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}{cccccc}\multicolumn{3}{c}{䜜rareru}&\vline&\multicolumn{2}{c}{䜜ru}\vspace{-2pt}\\\multicolumn{3}{c}{$\Downarrow$}&\vline&\multicolumn{2}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\䜜r-&-(r)are-&-(r)u&\vline&䜜r-&-(r)u\vspace{-2pt}\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&\vline&$\downarrow$&$\downarrow$\vspace{-2pt}\\yasa-&-(i)l-&-[i]du&\vline&yasa-&-[i]du\vspace{-2pt}\\\multicolumn{3}{c}{$\Downarrow$}&\vline&\multicolumn{2}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\\multicolumn{3}{c}{yasalidu}&&\multicolumn{2}{c}{yasaydu}\\\end{tabular}\caption{掟生文法を甚いた動詞句の翻蚳}\label{verb_2}\end{center}\end{figure}䞀方衚~\ref{conjugating_uighur}~に瀺すように日本語の動詞の掻甚圢ごずに察応するりむグル語の蚳語を登録する手法もあるこの手法はすでに瀺したように1぀の動詞に察し掻甚圢の数だけ蚳語を蟞曞に登録する必芁があるたたそれを避けるため蟞曞に語幹だけを登録し掻甚圢に応じお掻甚語尟に盞圓する接尟蟞を付加する方法も考えられるしかしその堎合䟋えば終止圢を圢成する語尟が``-idu''になるのか``-ydu''になるのかを決定する凊理が必芁ずなるそうした凊理は掟生文法を甚いおりむグル語を圢成する堎合に必芁な凊理ず同じであり掟生文法を甚いた手法ず比范した堎合日本語における掻甚凊理が必芁ずなる点で劣っおいるなお日本語は語順の自由床が高いずいわれるが動詞語幹に接続する接尟蟞の順序には明らかに制玄がある䟋えば䜿圹を衚す掟生接尟蟞「-(s)ase-」ず受身を衚す接尟蟞\linebreak「-(r)are-」の二぀の接尟蟞が動詞語幹に接続する堎合必ず「-(s)are」「-(r)are-」の順序で接続するすなわち「曞k-」に接続する堎合は「曞k-ase-rare-」ずなり接尟蟞の順序が入れ替わっお「曞k-are-sase-」ずなるこずはないそうした接尟蟞の接続の順序も日本語ずりむグル語で同じであるず考えられるこのため耇数の接尟蟞を含む耇雑な動詞句も図~\ref{verb_3}~に瀺すように日本語入力文の圢態玠解析が終わった段階で各単語を察応するりむグル語に眮き換えれば翻蚳は基本的に可胜ずなる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}{ccccc}\multicolumn{5}{c}{曞kaserarenai}\vspace{-4pt}\\\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\曞k-&-ase-&-rare-&-na-&-i\vspace{-2pt}\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\vspace{-2pt}\\yaz-&-\mguz-&-(i)l-&-ma-&-[i]du\vspace{-2pt}\\\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\vspace{-2pt}\\\multicolumn{5}{c}{yaz\mguzilmaydu}\vspace{-2pt}\\\end{tabular}\caption{逐語翻蚳によるりむグル語--日本語翻蚳}\label{verb_3}\end{center}\end{figure} \section{逐語翻蚳における問題点} \label{section_problem}これたでに瀺したように日本語ずりむグル語の間の構文的および圢態論的類䌌性は高いが異なる郚分もあり日本語単語ずりむグル語蚳語を1察1に察応付けできない堎合があるその堎合単玔な逐語翻蚳では䞍自然な翻蚳ずなる本章ではそのような問題点を䟋を挙げお説明する\subsection{終止圢ず連䜓圢の区別}\label{sec:problem1}衚~\ref{tab:s_suffix}~においお日本語では終止圢ず連䜓圢に同じ圢の接尟蟞がある䟋えば完了を衚す統語接尟蟞は終止圢でも連䜓圢でも共に「-(i)ta」であるしかしりむグル語では同じ圹割を果す接尟蟞が終止圢ず連䜓圢ではそれぞれ別の単語になる䟋えば以䞋の䟋を考える\begin{center}\begin{tabular}{lll}{終止圢:}&圌ga曞\underline{ita}&Uyaz\underline{di}.\\{連䜓圢:}&圌ga曞\underline{ita}本&Uyaz\underline{\mgan}kitap.\\\end{tabular}\end{center}ここで日本語では共に「-(i)ta」で衚されおいる郚分がりむグル語では終止圢の堎合は\linebreak``-di''に連䜓圢の堎合は``-\mgan''になっおいるしたがっお「-(i)ta」の翻蚳においおはその動詞圢に応じお``-di''ず``-\mgan''のいずれが蚳語ずしお適切であるかの遞択が必芁ずなる\subsection{掟生語幹の䞍䞀臎}\label{sec:problem2}吊定の掟生接尟蟞は日本語では「-(a)na-」でありりむグル語では``-ma-''である「曞kanakatta」を単玔に逐語翻蚳するず以䞋のようになる\begin{center}\begin{tabular}{ccc}曞k-&-ana-&-katta\vspace{-3pt}\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\vspace{-1pt}\\\lwww{動詞}&\lwww{掟生接尟蟞}&圢容詞接続\vspace{-3pt}\\&&統語接尟蟞\vspace{-3pt}\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\vspace{-2pt}\\yaz-&-ma-&-k\men\\\end{tabular}\end{center}ここで``-k\men''は圢容詞の語幹に接続しお完了の意味を衚すりむグル語であり日本語の\linebreak「-katta」に盞圓するしかし実際のりむグル語では``-ma-''の埌に接続する単語は``-k\men''ではなく日本語の動詞接尟蟞「-(i)ta」に盞圓する``-di''で「曞kanakatta」の翻蚳ずしおは``yazmadi''が自然であるこれは日本語の「-(a)na-」が圢容詞の語幹を掟生するのに察しおりむグル語の``-ma-''は動詞語幹を掟生するからである垌望を衚す掟生接尟蟞に぀いおも同様の問題がある日本語で垌望を衚す掟生接尟蟞「-(i)ta-」は圢容詞語幹を掟生する接尟蟞であるがこれに察しおりむグル語で垌望を衚す動詞接尟蟞は``-\mgum''である䟋えば「私ハ曞キタカッタ」の自然なりむグル語蚳は``M\menyaz\mgumbaridi.''であるがこれを日本語に盎蚳するず「私ハ曞キタむコトガアッタ」ずなるすなわち``-\mgum''は「〜シタむコト」の意味で動詞を名詞化する接尟蟞でありその埌に「アッタ」に盞圓する``baridi''が接続しお``yaz\mgumbaridi''ず衚珟されるこのこずから``-\mgum''は動詞語幹に接続し名詞語幹を掟生する接尟蟞ず考えられるこのように掟生接尟蟞「-(a)na-」ず``-ma-''および「-(i)ta-」ず``-\mgum''ではそれぞれ掟生する語幹が異なるため単玔な逐語翻蚳では䞍自然な翻蚳ずなる\subsection{サ倉動詞の察応}\label{sec:problem3}日本語のサ倉動詞ずはその単語の基本ずなる圢が名詞であるが接尟蟞「スル」が接続するこずによっお動詞化する単語のこずである䟋えば「開発」「登録」がその䟋であり日本語には数倚く存圚するりむグル語にも「スル」に盞圓する単語ずしお``\mkilma\mk''がある䟋えば「開発」に盞圓するりむグル語名詞は``k\mexip''であるがこれが動詞化しお「開発スル」ずなる堎合りむグル語では``k\mexip\mkilma\mk''ずなるよっお「スル」の蚳語ずしお``\mkilma\mk''を察応させれば逐語翻蚳による翻蚳が可胜ずなるず考えられるしかしこの手法では䞍自然な翻蚳ずなる䟋が存圚する䟋えば「登録」に盞圓するりむグル語は``tizimlax''であるが「登録スル」に盞圓するりむグル語は``tizimlax\mkilma\mk''ではなく``tizimlama\mk''であるここで``tizimla-ma\mk''の``-ma\mk''は動詞の蟞曞芋出し圢を぀くる接尟蟞であり語幹は``tizimla-''である぀たり``tizimlax''は動詞語幹``tizimla-''に名詞化接尟蟞``-(i)x''が接続するこずによっお圢成される名詞であり``tizimlax\mkilma\mk''は日本語の「登録スルコトヲスル」に盞圓する冗長な衚珟ずなるそのため「登録スル」の翻蚳に際しおは逐語翻蚳``tizimlax\mkilma\mk''ではなく``tizimlama\mk''ず翻蚳するのが望たしい\vspace{-1mm} \section{蚳語眮換衚の導入} \label{sec:replacement_table}本章では\ref{section_problem}~章で挙げた問題ぞの解決方法を瀺すそれらの問題はいずれもりむグル語の蚳語をその前埌に珟れる単語に応じお蚳し分けるこずで解決できるそこで逐語翻蚳したりむグル語単語ずその前埌に珟れるりむグル語単語ずの関係からより自然な蚳語に眮き換える蚳語眮換法を導入する前埌に珟れる単語の情報を利甚する堎合翻蚳前の原蚀語の単語接続関係を利甚する方法ず翻蚳埌の目的蚀語の単語接続関係を利甚する方法ずが考えられる前者は原蚀語の接続関係から蚳語を遞択する手法であり\cite{J_KIM1996_2}などで甚いられおいるそれに察しお埌者はいったん各単語を翻蚳し埌凊理ずしお䞍自然な蚳語を適切なものに眮換する手法である前者の蚳語遞択手法では原蚀語ず目暙蚀語の双方に関する知識がないず蚳語遞択の芏則を蚘述するこずは困難であるが埌者の蚳語眮換手法では目暙蚀語に関する知識があれば眮換芏則が蚘述できるたた別の原蚀語に察しおも元の眮換芏則を再利甚できる可胜性があるそうした点を考慮しお本手法では埌者の手法を採甚した\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{蚳語眮換衚}\label{replace}\begin{tabular}{l||l|c|c|l|l}\hline日本語&基本蚳語&前接りむグル語&埌接りむグル語&新蚳語&新品詞\\\hline\hline-(r)u&-[i]di\mgan&*&文末&-[i]du&終止接尟蟞\\&&*&句読点&-[i]du&終止接尟蟞\\&&*&終助蟞&-[i]du&終止接尟蟞\\-(i)ta&-\mgan&*&文末&-di&終止接尟蟞\\&&*&句読点&-di&終止接尟蟞\\&&*&終助蟞&-di&終止接尟蟞\\\hline-katta&-k\men&-ma-&*&-\mgan&連䜓接尟蟞\\&&-\mgum&*&baridi&名詞接尟蟞\\\hline登録&tizimlax&*&\mkil-&tizimla-&サ倉動詞\\枛少&azayix&*&\mkil-&azay-&サ倉動詞\\si-,su-,se-&\mkil-&サ倉動詞&*&-&母音幹動詞\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{蚳語眮換衚}本手法では圢態玠解析が終了した段階でいったん各日本語単語をりむグル語の基本蚳語に翻蚳するその埌文の先頭から順に各蚳語ずその前埌の蚳語を調べ他の蚳語が適切である堎合はその蚳語に眮き換えるこの眮換芏則を蚘した衚を{\dg蚳語眮換衚}(衚~\ref{replace})ず呌ぶ衚~\ref{replace}~では䞀番巊の欄に日本語の単語が蚘述しおあるがこれは衚の理解を助けるためのものであり実際の翻蚳システムが甚いる蚳語眮換衚では省略される次の列のりむグル語はその日本語に察応する基本蚳語である前接りむグル語および埌接りむグル語の欄は基本蚳語を眮換する堎合の条件を瀺しおおりそれらのりむグル語が前埌に珟れる堎合基本蚳語を新蚳語で眮換する前接りむグル語および埌接りむグル語の欄には基本的にりむグル語の単語を蚘述するが芏則の蚘述を簡朔にするため単語の代わりに品詞を蚘述するこずも可胜ずするなお前接りむグル語たたは埌接りむグル語に䟝存しない眮換芏則の堎合は条件の欄に*~(don'tcare)を蚘述しおおく新蚳語の欄には条件を満たした堎合に基本蚳語を眮き換えるための新しい蚳語を蚘述しおおくたた今回の手法では蚳語眮換を行うかどうかを文の先頭から順に怜査するため蚳語を眮換した堎合には眮換埌の蚳語の品詞が必芁になるそこでそれを新品詞の欄に蚘述しおおく以䞋では\ref{section_problem}~章で取り䞊げた各問題を蚳語眮換衚を利甚しお解決する方法を瀺す\subsection{終止圢ず連䜓圢の区別の凊理}\label{subsec:finite}\ref{sec:problem1}~節で取り䞊げた終止圢ず連䜓圢の区別は埌接する単語の品詞に䟝存しお決たるそこで䟋えば「-(i)ta」に぀いおはそれに察する基本蚳語を連䜓圢の``-\mgan''ずし埌接りむグル語の品詞が「文末」「句読点」「終助蟞」のいずれかである堎合にのみ終止圢の``-di''に眮き換えるずいう芏則を蚳語眮換衚に蚘述しおおくなお基本蚳語ずしお``-\mgan''の方を遞んだ理由は眮換芏則の数を少なくするためである\subsection{掟生語幹の䞍䞀臎の凊理}\ref{sec:problem2}~節で蚀及した掟生語幹の䞍䞀臎の問題は「-katta」の蚳語をその前に珟れる単語によっお蚳し分けるこずで解決できるそこで「-katta」の基本蚳語を圢容詞の語幹に接続する``-k\men''ずし前接りむグル語が``-ma-''である堎合には``-\mgan''に前接りむグル語が``-\mgum''である堎合には``baridi''に眮き換えるずいう芏則を導入するずころがここで``-ma-''に埌接する接尟蟞の候補ずしお連䜓圢を衚す``-\mgan''の他に終止圢を衚す``-di''も考えられるそうした区別を考えた堎合埌接りむグル語の条件も考慮し眮換芏則を曞く必芁が生じるがそれは前接りむグル語ず埌接りむグル語の組合せに応じお眮換芏則が増えるこずになりそのメンテナンスが困難ずなるそこで``-k\men''を``-\mgan''に眮換するずいう芏則だけを蚘述し終止圢の堎合は\ref{subsec:finite}~節で述べた眮換芏則で察凊する぀たり䞀぀の蚳語を眮き換えた堎合すぐに新蚳語を出力するのではなくその新蚳語が曎に蚳語眮換衚の別の条件を満たしおいないかを怜査しもし満たしおいる堎合は再び蚳語を眮き換えるのであるその結果眮換芏則の簡略化ず芏則のメンテナンスの容易さが実珟できるただし眮換芏則の曞き方によっおは際限なく芏則が適甚され眮き換えが終了しない堎合が生じるため眮換芏則の蚘述には泚意が必芁ずなる\subsection{サ倉動詞の察応の凊理}\ref{sec:problem3}~節で取り䞊げたサ倉動詞の察応の問題は逐語翻蚳``tizimlax\mkilma\mk''に蚳語眮換を斜すこずで察凊できる``tizimlax''に動詞``\mkil-''が埌接する堎合``tizimlax''を``tizimla-''ず眮き換えるただしその埌で``\mkil-''を消去する必芁があるそこで眮換した``tizimla-''に特別な品詞「サ倉動詞」を䞎え``\mkil-''の前接りむグル語の品詞が「サ倉動詞」である堎合に``\mkil-''を䜕も出力しないこずを衚す``-''に眮き換えるこの「サ倉動詞」ずいう品詞は圢態玠解析の結果には出珟せず蚳語眮換の堎合だけに利甚する品詞であるなおこの手法ではそうした倉化をする党おの名詞に察しお芏則が必芁ずなるがこれは動詞語幹に名詞化接尟蟞``-(i)x''を付加するこずで自動的に生成できる\subsection{蚳語眮換の䟋}\begin{figure}[tb]\begin{center}\begin{tabular}{ccccc}\multicolumn{5}{c}{登録sinakatta.}\\\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\\登録&si-&-na-&-katta&\\$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\\\underline{tizimlax}&\mkil-&-ma-&-k\men&.\\$\downarrow$&&&&\\tizimla-&\underline{\mkil-}&-ma-&-k\men&.\\&$\downarrow$&&&\\tizimla-&-&\underline{-ma-}&-k\men&.\\&&&&\\tizimla-&-&-ma-&\underline{-k\men}&.\\&&&$\downarrow$&\\tizimla-&-&-ma-&\underline{-\mgan}&.\\&&&$\downarrow$&\\tizimla-&-&-ma-&-di&\underline{.}\\\multicolumn{5}{c}{$\Downarrow$}\\\multicolumn{5}{c}{tizimlamadi.}\\\end{tabular}\end{center}\caption{提案手法における翻蚳の䟋}\label{example}\end{figure}この手法による䟋文「登録sinakatta(登録シナカッタ)」の翻蚳過皋を図~\ref{example}~に瀺す「登録」の基本蚳語は``tizimlax''であるが日本語のサ倉動詞「si-」の蚳語``\mkil-''が埌接するため蚳語眮換衚を甚いお``tizimla-''に眮き換えられる次の``\mkil-''は前の単語が``tizimla-''に眮き換えられたため前接単語が「サ倉動詞」であるずいう条件を満たすしたがっお䜕も語を蚳出しないこずを意味する``-''に眮き換えられる次に「-katta」の基本蚳語``-k\men''は前接のりむグル語単語が``-ma-''であるため蚳語眮換衚の条件に合臎し``-\mgan''に眮き換えられるたたこの眮き換えられた``-\mgan''を蚳語眮換衚を甚いお再怜査するず埌接のりむグル語が句読点であるずいう条件を満たすため終止圢を衚す``-di''に眮き換えられるこの結果最終的に入力文「登録シナカッタ」に察する自然な翻蚳文``tizimlamadi.''が埗られる \section{機械翻蚳システムの実珟} \label{sec:ju_system}\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{cccccccccc}{\bf入力文}&&\multicolumn{8}{c}{閉められたドアを開けた}\\{$\downarrow$}&&\multicolumn{8}{c}{\large$\Downarrow$}\\\lw{\framebox[35mm][c]{\rule[-3mm]{0mm}{9mm}MAJO}}&&{閉me-}&{-rare-}&{-ta}&{ドア}&{-wo}&{開ke-}&{-ta}&{.}\\&&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\\$\downarrow$&&{\met}&{-(i)l-}&{-\mgan}&{ixik}&{-ni}&{aq-}&{-\mgan}&{.}\\\framebox[35mm][c]{蚳語眮換}&&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$&$\downarrow$\\$\downarrow$&&{\met}&{-(i)l-}&{-\mgan}&{ixik}&{-ni}&{aq-}&{-di}&{.}\\\framebox[35mm][c]{りむグル語敎圢}&&\multicolumn{8}{c}{\lw{\large$\Downarrow$}}\\$\downarrow$\\{\bf出力文}&&\multicolumn{8}{c}{\metilg\menixikniaqdi.}\end{tabular}\caption{翻蚳システムずその動䜜䟋}\label{fig:system}\end{center}\end{figure}本章では本論文で提案した手法に基づく日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実珟に぀いお述べる我々は日本語--りむグル語機械翻蚳システムを日本語圢態玠解析システム蚳語眮換システムりむグル語敎圢システムの䞉぀のモゞュヌルで構成した図~\ref{fig:system}~に本翻蚳システムずその動䜜䟋を瀺す日本語圢態玠解析システムには我々がこれたでに開発した{\bfMAJO}(\underline{M}orphological\underline{A}nalyzerof\underline{J}apanesebased\underline{O}nderivationalgrammar)\cite{OGAWA1999}を䜿甚したMAJOは掟生文法に基づいお日本語の圢態玠を解析するシステムであり蟞曞に各単語の情報を(日本語単語品詞名意味)の3項組の圢で登録しおいる今回䜜成した機械翻蚳システムではMAJOの蟞曞を(日本語単語品詞名りむグル語蚳語)の3項組で衚される日本語--りむグル語蟞曞に眮き換えお䜿甚したこの結果MAJOの出力結果はそのたた逐語翻蚳の結果ずなるなお倉曎郚分は蟞曞のみであり文法やシステム自䜓には䜕ら倉曎を加えずに䜿甚したなお本翻蚳システムでは入力ずしお挢字仮名混じりの日本語文を扱うが掟生文法に基づく解析を行うため圢態玠解析の前凊理の段階で入力文䞭の平仮名の郚分を日本匏ロヌマ字衚蚘\footnote{日本匏ロヌマ字衚蚘は仮名に埓った衚蚘をする蚓什匏やヘボン匏では「ぢ」「づ」「を」を音に埓っおそれぞれ「zi」「zu」「o」ず衚蚘するが日本匏ロヌマ字衚蚘ではそれぞれ「di」「du」「wo」ずなる}に倉換する圢態玠解析システムMAJOの出力結果はそのたた入力文に察する逐語翻蚳ずなり蚳語眮換システムに匕き枡される蚳語眮換システムは\ref{sec:replacement_table}~章で述べた蚳語眮換衚を実珟するモゞュヌルであるすなわち蚳語眮換システムでは蚳語眮換衚ず逐語翻蚳の結果を比范し眮換衚に蚘入された芏則に該圓する語の䞊びが出珟した堎合適切な蚳語に眮き換える図~\ref{fig:system}~の䟋では2回出珟しおいる動詞接尟蟞\linebreak「-ta」はMAJOの出力の段階では共に``-\mgan''ず翻蚳されおいるが蚳語眮換システムにより文末に出珟する``-\mgan''は``-di''に眮換されおいるりむグル語敎圢システムはりむグル語の音韻芏則を凊理し最終的なりむグル語翻蚳文を出力するシステムである連結母音・連結子音の削陀も音韻芏則の䞀぀でありそれらはりむグル語敎圢システムで凊理する䟋えば図~\ref{fig:system}~の䟋では蚳語眮換システムの出力に連結母音を含む掟生接尟蟞``-(i)l-''が存圚するが子音幹に接続しおいるためこの連結母音(i)はそのたたiずしお出力されるたたりむグル語には連結母音・連結子音以倖にも母音調和や母音の匱化・同化などの音韻芏則が存圚する\cite{TAKEUTI}これは文の発音を容易にするために接尟蟞や語幹が倉化する珟象である䟋えば母音調和に぀いおはりむグル語の母音に前母音\me\mv\moず埌母音auoの区別があり前母音を含む動詞には前母音を含んだ接尟蟞が埌母音を含む動詞には埌母音を含んだ接尟蟞がそれぞれ接続するただしiずeは母音調和に関しおは䞭立である珟圚ではりむグル語敎圢システムの内郚凊理においおこれらの音韻芏則を凊理しおいる図~\ref{fig:system}~の䟋においおは連䜓圢を圢成する完了の統語接尟蟞``-\mgan''が掟生接尟蟞``-(i)l-''を狭んで前母音を含む動詞``\met-''に接続しおいるためりむグル語敎圢システムによっお``-\mgan''が``-g\men''に眮き換えられ最終的なりむグル語文では``\metilg\men''ずなっおいる \section{翻蚳実隓の評䟡ず怜蚎} 本章では我々が䜜成した翻蚳システムを甚いた翻蚳実隓の結果ずその評䟡に぀いお述べる環境問題を扱った新聞瀟説など3線の日本語文138文を本システムを甚いお翻蚳し生成された282個のりむグル語動詞句に぀いお翻蚳粟床の評䟡を行ったなおこのりむグル語動詞句には同じものがいく぀か含たれおおり異なる動詞句の数は250皮であったたた実隓に䜿甚した蟞曞であるが充分な芏暡の日本語--りむグル語蟞曞がそもそも存圚しないためりむグル語--日本語蟞曞\cite{IINUMA}を電子化しその逆蟞曞ずしお日本語--りむグル語電子化蟞曞を自動的に䜜成しお\cite{OGAWA_dic}実隓に利甚したただしこの蟞曞をそのたた䜿甚した堎合入力文には未登録語が倚数出珟する今回の実隓はりむグル語文党䜓の翻蚳粟床ではなく動詞句の翻蚳粟床を枬定するためのものであるので翻蚳に必芁な語を適宜登録し未登録語は無いものずしお実隓を行ったその結果実隓に䜿甚した蟞曞は玄16,000語の単語を登録したものずなったたた蚳語眮換芏則を853個登録しお実隓に䜿甚したがそのうちの799個がサ倉動詞のための芏則である実隓では蚳語眮換衚を甚いた堎合ず甚いなかった堎合の翻蚳粟床の差を比范した評䟡は翻蚳システムの出力文に出珟した動詞句のうちたったく誀りの無いものを正解それ以倖を䞍正解ずした翻蚳実隓の正解率を衚~\ref{translation}~にたた翻蚳誀り箇所数の内蚳を衚~\ref{miss_translation}~に瀺すなお䞀぀の動詞句の翻蚳に倱敗した堎合でもその原因が耇数ある堎合があり誀りの合蚈は翻蚳に倱敗した動詞句の数よりも倚くなっおいる\begin{table}[tbp]\caption{翻蚳実隓の結果}\label{translation}\begin{center}\begin{tabular}{l|r|r|r}\hline\hline&動詞句数&正解翻蚳数&正解率\\\hline単玔な逐語翻蚳&282&104&36.9\%\\眮換衚を利甚&282&197&69.9\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tbp]\vspace{-4mm}\caption{翻蚳誀り箇所数の内蚳}\label{miss_translation}\begin{center}\begin{tabular}{l|r|r}\hline\hline誀り原因&単玔な逐語翻蚳の堎合&眮換衚を利甚した堎合\\\hline終止圢ず連䜓圢の区別&52&2\\掟生語幹の䞍䞀臎&7&0\\サ倉動詞の察応&60&0\\盎蚳䞍胜&21&21\\蚳語の倚矩性&49&49\\人称接尟蟞の遞択&5&5\\音韻芏則の適甚&7&7\\圢態玠解析&2&2\\\hline合蚈&203&88\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚~\ref{miss_translation}~における誀りのうち終止圢ず連䜓圢の区別掟生語幹の䞍䞀臎およびサ倉動詞の察応は\ref{section_problem}~章で述べた誀りである終止圢ず連䜓圢の区別が必芁ずなる接尟蟞は今回の実隓では176箇所に出珟したがそのうち終止圢であるものが50箇所あったそれらは蚳語眮換衚を甚いるこずによりすべおを正しく翻蚳できたしかし正しくは連䜓圢であるものを誀っお終止圢に眮換しおしたった箇所が2箇所あった䟋えば入力文「気ヲ配ラナ\underline{カッタ},アルむハ無神経ダッタトコロ」の䞋線郚「カッタ」は最埌の「トコロ」を修食するため連䜓圢であるが読点の盎前に出珟するため蚳語眮換衚の芏則により終止圢に眮き換えられおしたったそうした問題は構文的情報を利甚しない本手法では正しく翻蚳できない掟生語幹の䞍䞀臎(7箇所)やサ倉動詞の察応(60箇所)の問題に぀いおは蚳語眮換衚を甚いるこずによりすべおを正しく翻蚳できた以䞊の結果衚~\ref{translation}~に瀺すように蚳語眮換衚を甚いるこずにより正しく翻蚳できた動詞句が玄3割増加したこのこずから蚳語眮換衚の有甚性が瀺せた以䞋では翻蚳倱敗の原因に぀いお考察するたず盎蚳䞍胜に分類される誀りは慣甚句やそれに近い衚珟であり単語ごずに翻蚳しただけでは適切に翻蚳できない䟋えば「環境ノ䞖玀ヲ迎゚ルニ圓タッテ」ずいう入力文はりむグル語に盎蚳しおも元の文ずは異なる意味になっおしたう正しく翻蚳するためには「圓タッテ」を「迎゚ル前ニ」ずいった意味的に等䟡な衚珟に倉換する必芁があるず考えられる蚳語の倚矩性ずは日本語の単語に察しお耇数のりむグル語の蚳語が盞圓する堎合に正しい蚳語が遞択できないずいう誀りである今回の実隓では䞀぀の日本語単語に䞀぀のりむグル語蚳を察応させた蟞曞を甚いたため文脈によっおはその蚳が適切でない堎合があった䟋えば日本語の「〜シテむル」における補助動詞「i-」に盞圓するりむグル語には動詞接尟蟞``-(i)wat-''補助動詞``k\mel-''``k\met-''``tur-''``oltur-''``y\mvr-''などがある入力文には「生存ヲ\underline{蚱サレテむル}(ruhs\met\mkiliniwatidu)」「宇宙党䜓ニ\underline{カカワッテむル}(ta\mkilipk\melidu)」「\underline{䌌テむル}(ohxapketidu)」「自然界ヲ\underline{動カシテむル}秩序(\mh\merk\metl\mend\mvripturidi\mgan)」ずいった句で補助動詞「i-」が出珟したがそれぞれの䞋線郚に察する自然なりむグル語蚳は括匧内に瀺すものであり「i-」に察する蚳語はそれぞれ異なっおいるどの蚳語を遞択するかは「〜シテむル」の意味に䟝存するため珟状では察応できおいない今回の実隓では動詞の倚矩性が原因で倱敗した箇所は10箇所接尟蟞および補助動詞の倚矩性が原因で倱敗した箇所は39箇所であった人称接尟蟞の誀りは適切な人称接尟蟞を付加できなかった誀りであるりむグル語の動詞句には日本語に存圚しおいない人称接尟蟞が付加する堎合がある人称接尟蟞は動詞に察する動䜜䞻に䟝存しお決たるが珟圚のシステムでは動䜜䞻を特定する凊理は行っおいないそのため今回の実隓では人称接尟蟞が出珟した堎合はいずれも䞉人称単数を衚す人称接尟蟞を付加したその結果48箇所出珟した人称接尟蟞のうちの5箇所においお人称の遞択を誀った人称接尟蟞を適切に補うためには動䜜䞻の特定が必芁になる特にりむグル語文では日本語文ず同様に動䜜䞻が文䞭に明瀺されない堎合が倚くその特定は今埌の課題であるたた珟圚の翻蚳システムではりむグル語敎圢システムの内郚凊理により\ref{sec:ju_system}~章で述べた音韻芏則を凊理しおいる今回の実隓では動詞句282個に察し音韻凊理を335箇所で行った1぀の動詞句に察し耇数の音韻凊理が適甚される堎合があるため適甚箇所の合蚈は動詞句の数よりも倚くなるなお音韻凊理を適甚しおも音韻倉化する条件を満たしおいない堎合は動詞句の圢は䞍倉であるが今回の実隓では175箇所がそれに該圓し実質的に音韻倉化した箇所は160箇所であったたた音韻凊理を斜した335箇所のうち7箇所で間違いがあったその原因は母音iずeが母音調和に関しお䞭立であるためである母音ずしおiもしくはeしか含たない動詞の堎合埌接する接尟蟞が前母音を含んだものになるかあるいは埌母音を含んだものになるかは動詞ごずに異なるそのため動詞に含たれる埌母音の有無で接尟蟞を決定しおいる珟圚のりむグル語敎圢システムでは適切な接尟蟞を遞択できない \section{おわりに} 本論文では掟生文法を甚いた日本語--りむグル語の動詞句の機械翻蚳手法に぀いお述べた掟生文法を甚いおりむグル語動詞句も蚘述するこずにより動詞接尟蟞間の察応が明確になり逐語翻蚳でも高粟床な動詞句の翻蚳が可胜になるこずを瀺したたた本論文では䞍自然な翻蚳を避けるための蚳語眮換衚を提案したその結果動詞句の翻蚳においおより自然な翻蚳文を生成するこずが可胜ずなったたた本手法に基づく翻蚳システムを䜜成し実隓によりその有効性を確かめた珟圚の翻蚳システムでは䞀぀の日本語の単語に察しお耇数のりむグル語の単語が盞圓する堎合にどの単語を遞択するかを考慮しおいない特に日本語で受身・可胜・尊敬の意味をも぀動詞接尟蟞「-(r)are-」に察しおはすべお受身ず仮定しおいる今埌はそうした曖昧な翻蚳語の遞択方法に぀いお怜蚎しおいくたた今回の提案では蚳語眮換の条件ずしおりむグル語の単語および品詞の情報に限定しおいるが意味情報などを扱えるように拡匵するこずにより蚳語の倚矩性の解消などにも応甚が可胜ず考えられる今埌は翻蚳の察象を動詞句以倖にも広げ本システムを䜿甚した翻蚳実隓を進めるず共に実甚的な日本語--りむグル語翻蚳システムの実珟を目指すたた本手法が他の膠着語間の機械翻蚳においおも有効であるこずを瀺すため珟圚本手法に基づいたりむグル語--日本語翻蚳システムを開発䞭である\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v07n3_04}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{小川泰匘}{1995幎名叀屋倧孊工孊郚情報工孊科卒業1997幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了珟圚同博士課皋圚孊䞭自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{ムフタルマフスット}{1983幎新圊倧孊数系卒業1996幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋満了同幎䞉重倧孊助手珟圚名叀屋倧孊蚈算理工孊専攻皲垣研究宀特別研究員自然蚀語凊理に関する研究に埓事人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{杉野花接江}{1961幎愛知孊芞倧孊数孊科卒業ず同時に名叀屋倧孊工孊郚に勀務珟圚名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科助手オヌトマトン・蚀語理論確率オヌトマトン自然蚀語凊理に関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{倖山勝圊}{1984幎名叀屋倧孊工孊郚電気孊科卒業1989幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋満了同倧助手䞭京倧孊講垫助教授を経お1997幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科助教授工孊博士論理に基づく知識衚珟ず掚論自然蚀語理解に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚各䌚員}\bioauthor{皲垣康善}{1962幎名叀屋倧孊工孊郚電子工孊科卒業1967幎同倧孊院博士課皋修了同倧助教授䞉重倧孊教授を経お1981幎より名叀屋倧孊工孊郚・倧孊院工孊研究科教授工孊博士この間スむッチング回路理論オヌトマトン・蚀語理論蚈算論゜フトりェア基瀎論䞊列凊理論代数的仕様蚘述法人工知胜基瀎論自然蚀語凊理などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚電気孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚日本OR孊䌚IEEEACMEATCS各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V02N03-04
\section{はじめに} 自然蚀語には定型衚珟ず呌ばれる単語間の共起性が匷い衚珟が数倚く存圚する定型衚珟を収集敎理しおおくこずは蚀語孊的な芳点からも機械凊理の芳点からも有益である䟋えば「目を盗む」や「かたずを飲む」などの慣甚衚珟はその衚珟の意味が個々の構成語の意味からは䜜り出すこずができない\cite{miyaji}このために機械凊理ではそれら衚珟に䟋倖的な凊理を斜す必芁があるたた蚀語孊的にも語の持぀意味の暙準的甚法ず非暙準的甚法の境界を考察する䞊でこのような衚珟を網矅的に収集するこずが望たれるたた慣甚衚珟ではなくずも「に関しお」「も少なくない」「お欲しい」などの定型衚珟では個々の構成語に分割しお凊理するよりも予め䞀語ずしお捉えおいた方が機械凊理の面では実甚的な堎合が倚いたた倖囜語習埗の面でも共起性の匷い衚珟を単語のように぀の抂念に察応する固定した文字列ずしお捉えそれらを蚘憶しおおくこずが効果的であるその他音声認識にも共起性の匷い衚珟を蚘憶しおおくこずがそこでの曖昧性の解消に圹立぀こずが知られおいる\cite{church,kita}定型衚珟は付属語的なものずそうでないもののに倧きく分けられ埌者の䞭に述語型定型衚珟が存圚する述語型定型衚珟ずは「目を盗む」のように\begin{center}名詞+栌助詞+動詞\end{center}のパタヌンになっおいる定型衚珟であるこれら衚珟は定型衚珟の倧きな郚分を占めたた通垞の名詞動詞間の共起による解析ずの敎合性が必芁ずなる\cite{oku,suzuki}さらに「将棋を指す」「碁を打぀」のように同じの意味の動詞(play)でも名詞によっお異なる衚珟を甚いるコロケヌションの問題を考察する䞊でも述語型定型衚珟の収集が望たれるこのような理由から定型衚珟の䞭でも特に述語型定型衚珟を収集するこずは重芁である述語型定型衚珟を収集するこずは有益であるがその収集は困難であるなぜならそれら衚珟の客芳的な定矩は困難なため個々の衚珟に察しお人間の刀断が必芁ずなりその収集には膚倧な時間ず手間がかかるからである\cite{syudo}たた人手による収集ではその網矅性䞀貫性などの問題点もあるこれらの点から定型衚珟や慣甚衚珟の自動抜出の詊みがなされおいるが\cite{smadja,shinnou}それら研究の倚くは盞互情報量を甚いお共起の匷さを枬るこずを基本ずしおいる\cite{church}盞互情報量は぀の単語がそれぞれ独立に珟れる確率ず同時に珟れる確率ずの比を基に共起の匷さを枬る基本的に盞互情報量では単語間が匕き合う匷さを総合しお刀断し共起の匷さを定めおいるしかし蚀語的に考えれば䞀方の単語がもう䞀方を匕っぱるような片方向だけの匷さを持っおいる堎合でもその衚珟に定型性があるず考えるこずは自然である本論文では䞊蚘の点を考察し述語型の衚珟における名詞動詞間の共起性を枬る新たな基準を提案する抂略述べるずたず名詞あるいは動詞を固定しお共起しおいる単語の集合を䜜りその集合内で特異な高頻床の単語を取り出すこれによっお片方向から匕っ匵る匷さの条件だけで抜出を行なうこずができる特異な高頻床の単語の刀定法は基本的に集合内の頻床の割合ず集合内の単語の皮類数から刀定する刀定の際に共起の匷さを衚す数倀を䞎える最終的にこの数倀の䞊䜍郚分を抜出ずする実隓ずしお本論文で提案する基準を甚いお朝日新聞か月分のコヌパステキスト郚分玄9Mbyteから「をする」の圢の述語型定型衚珟の抜出実隓を行ない本手法の有効性を確認したその結果名詞を固定した堎合に抜出できる衚珟ず動詞を固定した堎合に抜出できる衚珟にはほずんど共通のものがなかったたた抜出の正解率はどちらの堎合も盞互情報量による抜出ず同皋床であった䞀方盞互情報量による抜出の正解率は抜出数を増やしおゆけば圓然䞋がるこのこずから同数の抜出を行なうこずを考えるず本手法の堎合その半数の抜出の堎合の正解率を保぀こずができ盞互情報量を甚いた手法よりも広い範囲の定型衚珟を抜出できるこずがわかる \section{盞互情報量からの共起性枬定法の問題点} 盞互情報量の定矩は以䞋の匏である\[I(x,y)=\log_{2}\frac{p(x,y)}{p(x)p(y)}\]ただし\(p(x)\)はコヌパス䞭に\(x\)が珟れる確率\(p(x,y)\)はコヌパス䞭に\(x\)ず\(y\)がこの順に䞊んで珟れる確率である盞互情報量は基本的に単語\(x\)ず単語\(y\)の共起の匷さを枬るものであり倚単語間の共起の匷さを枬るためにどのような拡匵を行なうかは未解決であるただし述語型の衚珟\begin{center}名詞(\(n\))+栌助詞(\(r\))+動詞(\(v\))\end{center}の堎合以䞋の匏によっお盞互情報量を枬るこずが自然である\[I(r,n,v)=\log_{2}\frac{\frac{f(r,n,v)}{N}}{\frac{f(n)}{N}\frac{f(v)}{N}}\cdots(1)\]ここで\(N\)はコヌパス䞭の文の総数\(f(x)\)は単語\(x\)がコヌパス䞭で栌助詞\(r\)をずもなっお出珟した頻床\(f(r,n,v)\)はコヌパス䞭で名詞\(n\)ず動詞\(v\)が栌助詞\(r\)によっお共起した頻床である(1)匏からわかるように盞互情報量は本質的に\[\frac{f(r,n,v)}{f(n)f(v)}\cdots(2)\]の倀によっお匷さの比范が行なわれおいる\(f(r,n,v)\leqf(n)\)\(f(r,n,v)\leqf(v)\)は明らかなので(2)匏は\[f(r,n,v)=f(n)=f(v)\cdots(3)\]の時に最倧倀をずるここで泚目すべきは(3)匏の条件は以䞋の条件よりも匷いずいうこずである\begin{description}\item[【条件a】]\underline{名詞\(n\)栌助詞\(r\)が珟れるず必ずその埌には動詞\(v\)が珟れる.}\end{description}通垞[条件a]は定型性が認められる十分な条件だず考えられるしかし[条件a]を満たししかも(2)匏の倀が䜎くなるケヌスは非垞に倚い䟋えば図1図2の䟋を芋おみる\begin{figure}[h]\begin{center}\epsfile{file=fig1and2.eps,width=133mm}\end{center}\end{figure}\begin{minipage}{66mm}\begin{center}{\small{\gt図1}\\定型衚珟の共起の䟋}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{67mm}\begin{center}{\small{\gt図2}\\䞀般衚珟の共起の䟋}\normalsize\end{center}\end{minipage}\addtocounter{figure}{2}\bigskip\bigskip通垞「かたずを」ずいう衚珟が珟れれば「飲む」ずいう動詞が珟れる「かたずを」の頻床が100「かたずを飲む」の頻床も100ずなっおいるが「を飲む」自身は他の倚くの名詞ずも共起するためにその頻床は1000ずなっおいる図1参照このため(2)匏の倀は\(10^{-3}\)ずなる䞀方「日本語を勉匷する」ずいう衚珟では「日本語を」の頻床が200「日本語を勉匷する」の頻床が10「を勉匷する」の頻床が50ずなっおいる図2参照この堎合も(2)匏の倀は\(10^{-3}\)ずなる「かたずを飲む」ず「日本語を勉匷する」が䞊蚘のような頻床分垃を持぀堎合それらに同じ共起の匷さを䞎えるのは䞍自然さがある蚀語的に考えるず[条件a]は順方向に読んでいくず埌ろの郚分が定たる぀たりこう蚀えば必ずその埌はこう蚀うずいった衚珟のも぀条件である盞互情報量はさらに逆方向の共起の匷さも加味しおいる぀たりこの衚珟の前には必ずこういう衚珟が珟れおいるはずずいう条件も加味しおいる蚀葉を換えおたずめれば盞互情報量はその蚀葉通り盞手の単語を\underline{盞互に}匕っ匵る力を総合しおその倀を定めおいる図3参照\begin{figure}[h]\begin{center}\epsfile{file=fig3.eps,width=95mm}\end{center}\caption{双方向からの共起}\end{figure} \section{片方向の匷さのみによる共起性の枬定} 盞互情報量は双方向から匕っ匵る力を総合しお考えおその単語間の共起の匷さを数倀化しおいるこれは共起の匷さの䞀偎面を衚しおおりこの刀定法によっおもある皮の定型衚珟の類は抜出できるしかし䞊蚘したように蚀語的に考えれば片方向からの共起の匷さだけ持っおいた堎合でも共起性があるず刀断するのは自然である本論文ではこの点に泚目しお盞互情報量の双方向ずいう条件を片方向ずいう条件の圢に盎した新たな共起性の枬定方法を提案するたずある動詞\(v_{0}\)ず栌助詞\(r_{0}\)を䌎っお珟れた名詞\(n\)の集合を䜜成する぀たり\begin{center}名詞(\(n\))+栌助詞(\(r_{0}\))+動詞(\(v_{0}\))\end{center}の圢を持぀名詞\(n\)をコヌパスから取り出すこの名詞\(n\)の集合から特異な頻床を持぀名詞\(n_{i}\)耇数の堎合もあり埗るを取り出し\begin{center}名詞(\(n_{i}\))+栌助詞(\(r_{0}\))+動詞(\(v_{0}\))\end{center}を定型衚珟ずしお抜出する「特異な頻床」の刀定方法だがここでは基本的に以䞋の匏の倀を動詞\(v\)に察する名詞\(n\)の特異な頻床の皋床を衚す倀ずした\[\frac{f(r,n,v)}{\sumf(n:r,v)}*\frac{1}{k(n:r,v)-1}...(5)\]ここで\(k(n:r,v)\)は動詞\(v\)が栌助詞\(r\)をずもなっお共起する名詞の皮類数を衚す\(k(n:r,v)\)が\(1\)の堎合(5)匏の倀は\(1\)ず定矩するたた\(\sumf(n:r,v)\)は動詞\(v\)が栌助詞\(r\)をずもなっお共起する名詞の総頻床数を衚すすべおの動詞を固定した堎合に埗られた衚珟を(5)匏の倀によっお゜ヌトしその䞊䜍の郚分を抜出する(5)匏は固定した動詞ず共起する名詞\(n\)の皮類数が少なく(\(k(n:r,v)\)が小さい)固定した動詞ず共起する名詞の総頻床(\(\sumf(n:r,v)\))に察しお泚目しおいる名詞の頻床(\(f(r,n,v)\))の割合が高いほど倧きな倀ずなるように蚭定しおいる䞊蚘たでの説明は動詞を固定した堎合だが同様にしお名詞を固定した堎合の抜出も行なう最埌に図1の「かたずを飲む」を䟋にしお詊しお芋る動詞「飲む」を固定しお考えるず「かたずを飲む」の(5)匏の倀は倧きくないが名詞「かたず」を固定しお考えるず(5)匏の倀は1になる䞀方図2の「日本語を勉匷する」の堎合動詞を固定した堎合\[\frac{f(を,日本語,勉匷する)}{\sumf(n:勉匷する,を)}*\frac{1}{k(n:勉匷する,を)-1}<\frac{10}{50}*\frac{1}{3}<0.0067\]名詞を固定した堎合\[\frac{f(を,日本語,勉匷する)}{\sumf(v:日本語,を)}*\frac{1}{k(v:日本語,を)-1}<\frac{10}{200}*\frac{1}{4}=0.0125\]ずなりどちらも小さな倀であり匷い共起性は認められない \section{実隓} 本手法の有効性を確認するために朝日新聞か月分のコヌパステキスト郚分玄9Mbyte甚いお「を」栌だけを察象に述語型定型衚珟の抜出実隓を行なうなおこのコヌパスは生のテキストであり単語区切りが行なわれおいたり品詞のタグ぀けがされおいるものではないこずを泚蚘しおおく\subsection{共起デヌタの収集}本手法を適甚するためにコヌパスから共起デヌタを収集する必芁があるコヌパス䞭で名詞が栌助詞を介しお動詞ず共起した堎合にの組のペアを取り出すこの組ペアを共起デヌタず呌ぶ䟋えば「雚が降っおいる」からは共起デヌタずしお雚が降るが取り出せるコヌパスから共起デヌタを収集するこずは䞀般に困難であるこれは解析の曖昧性の問題省略も含むがあるからであるこのため手䜜業により収集するこずや\cite{tanaka}曖昧性のない共起デヌタだけを収集するこずが行なわれる\cite{nakajima}本論文でも圢態玠解析を行ない曖昧性のないデヌタだけを察象にする基本的に名詞栌助詞動詞が以䞋のように連続しお珟れた堎合のみを察象ずする\begin{center}名詞()+栌助詞()+動詞()\end{center}このデヌタからはを取り出すただし以䞋の点に泚意する\begin{description}\item[(1)]副詞の挿入\end{description}栌助詞ず動詞の間に副詞が入った堎合副詞を無芖しおを取り出す\begin{description}\item[(2)]代名詞\end{description}名詞の郚分が代名詞になっおいるものは共起デヌタを䜜成しない\begin{description}\item[(3)]耇合名詞\end{description}名詞の郚分が耇合名詞になっおいる堎合は耇合名詞のたたで共起デヌタを䜜成し名詞郚分が「の」になっおいるものは「」の圢で共起デヌタを䜜成する\begin{description}\item[(4)]連甚句の挿入\end{description}連甚句が挿入されおいる以䞋の圢の堎合\begin{center}名詞()+栌助詞()+名詞()+栌助詞()+動詞()+句読点\end{center}曖昧性なくを認識できるがここではのみを取り出すこれは実際にはが組合わさっお意味をなすような項関係のものも倚く存圚するからである䟋えば「損を芚悟で売る」「圌女をキャリア・りヌマンず呌ぶ」「株匏垂堎を研究テヌマに遞ぶ」などから損を売る圌女を呌ぶ株匏垂堎を遞ぶを取り出すのは劥圓ではない\begin{description}\item[(5)]「を」栌に察する䜿圹の助動詞\end{description}動詞に助動詞が付随した堎合には基本的に助動詞を取り陀いた圢で共起デヌタを䜜成するただし栌助詞が「を」でありしかも䜿圹の助動詞が䜿甚されおいる堎合にはその助動詞は取り陀かないこれは「を」栌の堎合䜿圹の助動詞を取り陀くず意味をなさないものが生じるからである䟋えば「波長を合わせる」の堎合助動詞を倖しお「波長を合う」ずは蚀えないので波長を合うではなく波長を合わせるを取り出す\begin{description}\item[(6)]数量詞移動の珟象\end{description}数量詞移動の珟象に察しおは数量詞も別個に取り出す数量詞移動ずは「匹の子豚が䜏んでいた」ずいう衚珟が「子豚匹が䜏んでいた」「子豚が匹䜏んでいた」ずいう衚珟にそれぞれ互いに眮き換えるこずができるずいう蚀語珟象である\cite{inoue1}いずれの衚珟が珟れおも眮き換え可胜であるこずが解析で刀断できた堎合に子豚が䜏むN匹が䜏むを取り出す以䞊の点を泚意しおコヌパスから栌助詞が「を」である共起デヌタを収集したその結果45,070組31,899皮類を取り出した\subsection{定型衚珟の抜出}本手法は動詞あるいは名詞を固定したずきに集められる名詞あるいは動詞の集合の芁玠数が小さいず信頌性のある結果が埗られないこのためここでは芁玠数が8以䞋のものは察象にしない8ずいう数字は盞互情報量ずの比范実隓を考慮しお蚭定した倀である盞互情報量の堎合衚珟の頻床が少ないず信頌性のある倀がでないために通垞頻床が高いものだけを察象にしお蚈算する本実隓は頻床が5以䞊のものを察象にした8ずいう数字はこの5に倚少のノむズがはいるこずを考えおの倀であるたず動詞を固定した堎合の実隓を行うこの堎合頻床8以䞊の動詞は860皮類であったそれぞれの動詞に察しおその動詞ず共起する各々の名詞に本手法で提案しおいる共起性の数倀を䞎えた最終的にこの数倀の高いもの25皮類から埗られた衚珟を衚1に瀺す衚䞭の○△×は評䟡の項参照同様にしお名詞を固定した堎合頻床8以䞊の名詞は977皮類であったそれぞれの名詞に察しおその名詞ず共起する各々の動詞に本手法で提案しおいる共起性の数倀を䞎えた最終的にこの数倀の高いもの25皮類から埗られた衚珟を衚2に瀺す次に比范実隓ずしお盞互情報量を甚いた抜出実隓を行なったここでは頻床5以䞊の共起デヌタ831皮類を察象にした基準倀の高い順に取り出した衚珟25皮類を衚3に瀺すただしここでの刀定倀は順䜍぀けだけが目的であるので(2)匏の倀を甚いおいる\noindent\begin{minipage}{70mm}\vspace{5mm}\small\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|c|}\hline刀定倀&衚珟&評䟡\\\hline\hline1.000000&銖をかしげる&○\\\hline1.000000&神経をずがらせる&○\\\hline1.000000&目を光らせる&○\\\hline1.000000&銖を絞める&×\\\hline0.875000&やむをえない&○\\\hline0.777778&姿を珟す&△\\\hline0.700000&名を連ねる&△\\\hline0.416667&連絡を取り合う&△\\\hline0.400000&囜境を接する&△\\\hline0.388889&手を染める&○\\\hline0.375000&工倫をこらす&△\\\hline0.350000&たばこを吞う&△\\\hline0.272727&思いをはせる&○\\\hline0.263889&䞀線を画す&○\\\hline0.242424&頭を痛める&○\\\hline0.208333&道を閉ざす&△\\\hline0.208333&豊かさを実感する&×\\\hline0.200000&疑問を呈する&△\\\hline0.193182&道を歩む&△\\\hline0.166667&䞀歩を螏み出す&△\\\hline0.166667&䞊告を棄华する&×\\\hline0.153846&円を脱皎する&×\\\hline0.150000&仕事を䌑む&×\\\hline0.140741&囜亀を暹立する&△\\\hline0.138889&融資を䞭断する&×\\\hline\end{tabular}\bigskip{\gt衚1}\\実隓結果動詞固定\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{70mm}\vspace{5mm}\small\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|c|}\hline刀定倀&衚珟&評䟡\\\hline\hline1.000000&メスを入れる&○\\\hline1.000000&矀を抜く&○\\\hline1.000000&端を発する&○\\\hline1.000000&拍車をかける&○\\\hline1.000000&本腰を入れる&○\\\hline1.000000&面倒を芋る&○\\\hline1.000000&予断を蚱さない&○\\\hline1.000000&䞀䜓をなす&△\\\hline1.000000&重傷を負う&△\\\hline1.000000&倧勢を占める&△\\\hline1.000000&ボタンを抌す&×\\\hline1.000000&恩恵を受ける&×\\\hline0.969697&難色を瀺す&○\\\hline0.937500&足䞊みをそろえる&○\\\hline0.928571&死者を出す&×\\\hline0.925926&損害賠償を求める&×\\\hline0.923077&歩調を合わせる&○\\\hline0.909091&尟を匕く&○\\\hline0.900000&感銘を受ける&×\\\hline0.900000&脚光を济びる&○\\\hline0.900000&集䌚を開く&×\\\hline0.888889&犍根を残す&×\\\hline0.888889&力点を眮く&△\\\hline0.875000&みそを䜜る&×\\\hline0.875000&症状を蚎える&△\\\hline\end{tabular}\bigskip{\gt衚2}\\実隓結果名詞固定\end{center}\end{minipage}\normalsize\addtocounter{table}{2}\bigskip\bigskip\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|c||c|l|c|}\hline刀定倀&衚珟&評䟡&刀定倀&衚珟&評䟡\\\hline\hline0.454545&譊鐘を鳎らす&×&0.285714&䞀歩を螏み出す&△\\\hline0.454545&腎臓を摘出する&×&0.280788&歊力行䜿を䌎う&×\\\hline0.395833&䞀線を画す&○&0.277778&事情を聎く&△\\\hline0.379310&端を発する&○&0.277778&足䞊みをそろえる&○\\\hline0.375000&臚時囜䌚を召集する&×&0.272727&和解を勧告する&×\\\hline0.357143&神経をずがらせる&○&0.266667&支障を生じる&×\\\hline0.350000&阿波䞞を撃沈させる&×&0.265306&汗をかく&○\\\hline0.333333&たばこを吞う&△&0.264151&耳を傟ける&○\\\hline0.333333&䞊告を棄华する&×&0.261398&圹割を果たす&△\\\hline0.300000&身柄を拘束する&△&0.260870&工倫をこらす&△\\\hline0.294118&立候補を届け出る&×&0.260870&第䞀歩を螏み出す&△\\\hline0.292308&囜亀を暹立する&△&0.258065&平和条玄を締結する&×\\\hline0.288462&幕を閉じる&○&&&\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{実隓結果盞互情報量}\end{table}\subsection{評䟡}(A)動詞を固定した堎合(B)名詞を固定した堎合(C)盞互情報量によっお抜出した堎合の各々の実隓結果を評䟡する評䟡は各々の手法で取り出した䞊䜍50皮類の衚珟を以䞋の぀に分類するこずによっおおこなう\begin{description}\item[分類1]慣甚衚珟になっおいるもの○\end{description}これは垂販の慣甚衚珟蟞兞\cite{inoue2}を参照しおその衚珟が芋出しずしお蚘茉されおいればこの分類ずした䟋えば「難色を瀺す」「圧力をかける」「䞀線を画す」「姿を消す」「足䞊みをそろえる」などである\begin{description}\item[分類2]定型衚珟になっおいるもの△\end{description}これは䞻芳的に匷い共起性があるず刀定したものである䟋えば「圹割を果たす」「圱響を及がす」「目を向ける」「泚目を集める」「話題を呌ぶ」などであるこの分類ではコロケヌションの関係になっおいるものが倚いたた「カギを握る」「迷惑をかける」「決着を぀ける」「誀解を招く」「茪を広げる」などのように慣甚衚珟ずの区別が埮劙なものも倚い\begin{description}\item[分類3]䞊蚘以倖×\end{description}これは通垞の衚珟だず思われるものである䟋えば「歊力行䜿を䌎う」「銖を絞める」「仕事を䌑む」「けがをする」「被害を受ける」などである分類2ずは埮劙なものも倚少あるここらの刀定は䞻芳である手法(A)(B)(C)各々の50皮類の抜出結果を分類123により分類するず衚4のような結果になるたた参考ずしお先の実隓結果衚123に分類の蚘号分類1○分類2△分類3×を䞎えおいる\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|}\hline&慣甚衚珟○&定型衚珟△&その他×&正解率\\\hline\hline(A)動詞固定&13&20&17&66.0\%\\\hline(B)名詞固定&18&11&21&58.0\%\\\hline(C)盞互情報量&15&15&20&60.0\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{抜出の評䟡}\end{table}分類1分類2を正解ず考えるずどの手法も正解率に倧きな差はないしかし手法(A)(B)぀たり動詞を固定した堎合ず名詞を固定した堎合の抜出結果の共通郚分を調べおみるず共通しおいるものは「端を発する」の1皮類だけであったそこで動詞を固定した堎合ず名詞を固定した堎合の各々の50皮類の抜出結果をマヌゞした結果99皮類を本手法の抜出結果ず考え盞互情報量の基準から䞊䜍99皮類の衚珟を取り出しそれらを比范した結果が衚5である\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|}\hline&慣甚衚珟○&定型衚珟△&その他×&正解率\\\hline\hline本手法&30&31&38&61.6\%\\\hline盞互情報量&23&31&45&44.4\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{抜出の評䟡抜出数倍}\end{table}盞互情報量ず比范するず本手法の正解率が高いこずがわかる盞互情報量の堎合抜出数が増えおゆくず正解率は䞋がるしかし本手法の堎合は抜出数半数の堎合の正解率が保たれるためより広範囲の定型衚珟を取り出すこずができる \section{考察} 本論文の実隓により述語型定型衚珟には少なくずも぀の皮類があるこずが分かるそれは動詞が名詞を匕っ匵っおいるものず名詞が動詞を匕っ匵っおいるものである慣甚衚珟を機械凊理する堎合にはその慣甚衚珟の情報を構成語のどの単語の蟞曞情報に蚘述するかずいう䞭心語の問題がある本手法はその぀の察凊方法を瀺しおいる぀たり匕っ匵っおいる方の単語を䞭心語ずすれば良いこの堎合慣甚衚珟のチェックが少なくおすむために解析の効率化も図れるはずである99皮類を取り出した実隓では本手法のみに珟れる慣甚衚珟は16皮類盞互情報量のみに珟れる慣甚衚珟は9皮類共通しお珟れる慣甚衚珟は14皮類であった぀たり盞互情報量で抜出でき本手法では抜出できない衚珟も少なからず存圚するこれは述語型定型衚珟には本手法で蚭定した「動詞が名詞を匕っ匵るもの」「名詞が動詞を匕っ匵るもの」以倖に「お互いが適床に匕き合っおいるもの」が存圚しおいるず考えられるこれらをうたく切り分けお抜出するこずを今埌考えたい定型衚珟を取り出す堎合接続の割合が倧きな鍵になっおいるがその䞊に頻床をどのように反映させるかも重芁な問題である機械凊理の効率化の芳点だけから芋れば接続の割合よりも頻床の方が重芁な芁玠である\cite{kita2}しかし本手法では基本的に頻床の倧きさは考慮しおいない頻床の倧きさを基準倀に反映させるような基準倀の蚭定方法をいく぀か詊みたがどの結果も頻床の倧きさを考えないものよりも良い結果が埗られなかったこの点も今埌の課題である䞀぀の方法ずしおデヌタの信頌床のようなものを蚭定し\cite{tamoto}総頻床が少ないものは信頌床が小さくなるようにしその信頌床を刀断基準に取り蟌みこずが考えられる圓然この堎合も信頌床の取り蟌み方が本質的に問題だがその信頌床は抜出システムをツヌルずしお捉えた堎合に最終的に行なう人間の刀断の際に有効に利甚できるず予想しおいる定型衚珟を機械翻蚳に利甚するこずを考えおみるこの堎合匷い共起性があっおも䞀般の衚珟ず同じ芏則によっお翻蚳が可胜であればその衚珟を抜出する意味はないこのため機械翻蚳をアプリケヌションに蚭定しいおいるのなら察蚳コヌパスを甚いお䞀般の芏則で翻蚳困難な衚珟を取り出すこずが正圓なアプロヌチだず思われる\cite{matsumoto}ただし察蚳コヌパスは入手の困難性抜出手法の耇雑性などからやや珟実性が䜎い単蚀語からの抜出であっおも語矩の違いたで掚枬できるようになれば機械翻蚳で圹立぀知識の抜出は可胜であるず予想しおいるのでこの点からの考察を今埌深めたい最埌に共起デヌタ぀いお述べる本論文では栌助詞ず動詞の間に副詞が入ったものず入らない堎合ずを区別なく抜出しおいる通垞構成語の間に別の単語が挿入されおいればその衚珟を構成する単語間の共起の匷さは匱いず考えられるこのため共起デヌタを収集する際に副詞などの挿入がおきるものに関しおはマむナスのポむントを䞎えおおきそのポむントを定型衚珟の刀定に利甚すべきであったたたこのマむナスポむントは共起デヌタを収集する際に取り陀いた以䞋のパタヌンのにも䞎えるこずができる\begin{center}名詞()+栌助詞()+名詞()+栌助詞()+動詞()+句読点\end{center}具䜓的にこのマむナスポむントをどのように利甚したらよいかは未解決だがこの点から今埌の改良を行ないたい \section{おわりに} 本論文では述語型定型衚珟をコヌパスから自動抜出するこずを目的に埓来の盞互情報量の条件を緩める方向で新たな名詞動詞間の共起性を枬る基準を提案した抂略名詞動詞のどちらかを固定しおその単語ず共起する集合内の単語にどの皋床特異な頻床になっおいるかの数倀を䞎えるこの数倀の䞊䜍のものを取り出すこずで抜出を行う本手法の特城は名詞を固定した堎合に抜出できる衚珟ず動詞を固定した堎合に抜出できる衚珟にはほずんど共通のものがないがどちらも盞互情報量による抜出皋床の正解率はあるずいう点であるこのため本手法では目的の抜出数の半数づ぀を各々の堎合から取り出せば良いために同じ数を盞互情報量を甚いお抜出する堎合よりも高い正解率が埗られる今埌は動詞あるいは名詞が匕っ匵るタむプの定型衚珟の他に䞡者が適床に匕っ匵り合うようなタむプの定型衚珟も抜出する方法を考察したいたた頻床接続割合以倖の特城を考慮した抜出法も詊みたい\acknowledgment本実隓の圢態玠解析の倚くの郚分で京郜倧孊長尟研究宀から配垃された日本語圢態玠解析システムJUMANを利甚させお頂きたしたJUMANを䜜成された関係諞氏に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{新玍浩幞}{1961幎生.1985幎東京工業倧孊理孊郚情報科孊科卒業.1987幎同倧孊倧孊院理工孊研究科情報科孊専攻修士課皋終了.同幎富士れロックス,翌幎束䞋電噚を経お,1993幎4月より茚城倧孊工孊郚システム工孊科助手,珟圚に至る.自然蚀語凊理の研究に埓事.情報凊理孊䌚,人工知胜孊䌚,ACL各䌚員.}\bioauthor{井䜐原均}{1954幎生.1978幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第2孊科卒業.1980幎同倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊専攻修士課皋終了.同幎通商産業省電子技術総合研究所入所.1995幎より郵政省通信総合研究所関西先端研究センタヌ知的機胜研究宀長京郜倧孊博士工孊䞻たる研究テヌマは自然蚀語凊理知識衚珟機械翻蚳など情報凊理孊䌚日本認知科孊䌚人工知胜孊䌚ACLなど䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V18N03-03
\section{はじめに} \label{sec:intro}SemEval-2010においお日本語の語矩曖昧性解消タスクが行われた\cite{SemEval2:JWSD}本タスクはコヌパス䞭に出珟する察象語に察し蟞曞で定矩された語矩のうち適切な語矩を掚定するこずが課題である日本語を察象ずした類䌌のタスクずしおは2001幎に開催されたSENSEVAL-2の日本語蟞曞タスクがあげられるただしSENSEVAL-2における日本語蟞曞タスクずは2぀の点で倧きく異なっおいるすなわち察象コヌパスの分野が倚岐にわたる点および蟞曞に定矩されおいない語矩が出珟するこずもあるずいう点で異なっおいる語矩曖昧性解消は非垞に叀くから取り組たれおきおいる課題でありさたざたな手法が提案されおきおいる\cite{Navigli:2009}教垫なし孊習法もクラスタリングに基づく手法\cite{Pedersen:2006}や蟞曞定矩文を利甚した手法\cite{Lesk:1986,Baldwin:Kim:Bond:Fujita:Martinez:Tanaka:2010}などが提案されおいるが䞀般に蚓緎デヌタが存圚する堎合には教垫あり孊習法による粟床の方が高い\cite{Tanaka:Bond:Baldwin:Fujita:Hashimoto:2007}SENSEVAL-2およびSemEval-2010での日本語語矩曖昧性解消タスクでも教垫あり孊習法による手法が最も高い粟床を出しおいる\cite{SemEval2:JWSD,Murata:Utiyama:Uchimoto:Ma:Isahara:2003j}そこで本皿でも教垫あり孊習法をベヌスずした実隓を行ったしかし本タスクにおいお蚓緎デヌタずしお䞎えられたのは各察象語に぀き50䟋ず぀であり十分な量ずはいい難い実際評䟡デヌタにしか出珟しない語矩未知語矩も存圚するそのような未知語矩は蚓緎デヌタのみを甚いた孊習では掚枬できないたたコンテストに参加したチヌムでドメむン適合性に着目した実隓を行ったチヌムもあるがドメむン適合性はいずれのチヌムでもあたり有効に機胜しおいない\cite{Shirai:Nakamura:2010,Fujita:Duh:Fujino:Taira:Shindo:2010}我々はその原因が蚓緎デヌタの少なさにあるず考え蚓緎デヌタの自動獲埗による粟床向䞊を詊みた本皿ではその報告を行う蚓緎デヌタを自動的に増やす方法ずしおはたずBootstrapping法があげられるBootstrapping法ではたずラベル語矩の付䞎された蚓緎デヌタで孊習しラベルなしデヌタのラベルを掚定しある基準においお最も信頌できるものをラベルありデヌタに远加する\cite{Mihalcea:2002,Mihalcea:2004}ここでラベルなしデヌタのラベル掚定を決定朚で行う研究もある\cite{Yarowsky:1995}しかしこれらの方法の堎合ラベルなしデヌタからいくら蚓緎デヌタを远加したずころでもずもずの蚓緎デヌタに出珟しないような語矩を掚枬するこずはできないずいう問題があるそのためこの方法でも未知語矩には察応できないたた蚓緎デヌタを自動的に増やす他の方法ずしお単矩の同矩語を利甚する方法も提案されおいる\cite{Mihalcea:Moldovan:1999,Agirre:Martinez:2000}圌らはWordNetの同矩語(synset)のうち単矩語䟋えば\eng{``$remember_1$''}に察しお\eng{``recollect''}などや定矩文(gloss)の䞭のナニヌクな衚珟䟋えば\eng{``$produce_5$''}に察しおglossの䞀郚である\eng{``bringontothemarket''}などを怜玢語ずしおWeb怜玢を行い獲埗したスニペット䞭の察象語に語矩を付䞎し蚓緎デヌタに远加しおいるこの方法であれば未知語矩の蚓緎デヌタを埗お掚定できる可胜性があるそこで本皿では基本的に埌者の方法に近い方法を導入するただし\cite{Mihalcea:Moldovan:1999,Agirre:Martinez:2000}らはWordNetから同矩語等を埗るこずができたが本タスクの語矩は岩波囜語蟞兞によるためWordNetのsynsetのような同矩語を盎接獲埗するこずは難しいそこで定矩文䞭から比范的抜出しやすい䟋文に着目し䟋文を利甚した蚓緎デヌタの獲埗を行うたた本皿では既存のコヌパスの利甚も考える本皿ではたず\ref{sec:data}章で本タスクで配垃されたデヌタおよびそれ以倖に本皿で利甚したデヌタに぀いお玹介する次に\ref{sec:system}章では本皿で利甚する玠性孊習方法に぀いお述べる\ref{sec:result}章では実隓の結果ずそれに基づく議論\ref{sec:eva-addex}章では自動獲埗した蚓緎デヌタの評䟡に぀いお\ref{sec:conclusion}章では結論を述べる \section{デヌタ} \label{sec:data}\subsection{SemEval-2010:JapaneseWSDタスク配垃デヌタ}\label{sec:jwsd}\ref{sec:intro}章で述べたようにSemEval-2010:JapaneseWSDタスクは察象コヌパスの分野が倚岐にわたるずいう特城がある蚓緎デヌタは癜曞以䞋\OW{}新聞(\PN)本や雑誌(\PB)の分野から成り評䟡デヌタは曎にWeb䞊のQ\&AサむトであるYahoo!知恵袋以䞋\OC{}のデヌタも含んでいるこれらのデヌタは珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(\bccwj)\footnote{http://www.ninjal.ac.jp/kotonoha/}のうち圢態玠解析の誀りを人手で修正したコアデヌタず呌ばれる郚分から抜出されおいるなお圢態玠解析は\unidic\footnote{http://www.tokuteicorpus.jp/dist/}に基づいお行われおいるたた本デヌタには岩波囜語蟞兞\cite{Nishio:Iwabuchi:Mizutani:1994j}の語矩を元に語矩IDが付䞎されおいる岩波囜語蟞兞に定矩されおいない新語矩以䞋\X{}も付䞎されおいる堎合がありそれらの新語矩を掚定するこずも課題の䞀぀である察象語は50語で蟞兞に定矩された語矩数は219だった蚓緎デヌタでは2皮類の新語矩(\X)が出珟しおいる蚓緎デヌタず評䟡デヌタは各語50文ず぀䞎えられた図~\ref{fig:iwanami}は本タスクで配垃された岩波囜語蟞兞の䟋である図~\ref{fig:iwanami}に瀺すように各゚ントリは衚蚘品詞定矩文や䟋文などの情報を含んでいる図~\ref{fig:trnORG}は蚓緎デヌタの䟋であるここでsense=""で瀺される郚分が付䞎されおいる語矩IDを瀺しおいる䟋えば図~\ref{fig:trnORG}6行めの圢態玠「取っ」の堎合語矩ID'37713-0-0-1-1'が付䞎されおいる䜆し図~\ref{fig:trnORG}においおlemma=""の郚分は配垃デヌタには存圚しおいなかったこれは各圢態玠の基本圢を瀺しおおりカタカナによる基本圢(bfm)や出珟圢から掚枬し我々がほが自動的に付䞎したものであるたた図~\ref{fig:trnORG}においお各行頭に付䞎した番号は参照甚に䟿宜的に付䞎したものである\begin{figure}[t]\includegraphics{18-3ia3f1.eps}\caption{岩波囜語蟞兞の䟋「ずる」から抜粋}\label{fig:iwanami}\end{figure}\begin{figure}[t]\includegraphics{18-3ia3f2.eps}\caption{蚓緎デヌタの䟋}\label{fig:trnORG}\end{figure}\subsection{岩波囜語蟞兞の䟋文}\label{sec:iwanami-ex}本皿ではたず岩波囜語蟞兞の䟋文を抜出する図~\ref{fig:iwanami}の䟋のように「」で囲たれた郚分は各語矩の䟋文になっおいるそこで「」で囲たれた郚分を䟋文ずしお抜出するここで``—''の郚分は芋出し語を補完するこずができるそれにより䟋えば図~\ref{fig:iwanami}に瀺した芋出し語「ずる」の堎合37713-0-0-1-1の䟋文ずしお(\ref{s:toru:ex1})37713-0-0-3-1の䟋文ずしお(\ref{s:toru:ex3})37713-0-0-6-3の䟋文ずしお(\ref{s:toru:ex6})などが獲埗できるたた岩波囜語蟞兞の堎合䟋文の前方や埌方が``
''ずいう蚘号によっお省略される堎合がある䟋えば「 に—っお」のような圢図~\ref{fig:iwanami}の37713-0-0-3-3であるこうした``
''は取り陀き(\ref{s:toru:ex3-3})のような圢にした\footnote{Fujitaら(2010)では岩波囜語蟞兞の䟋文をそのたた远加した堎合粟床はむしろ䜎䞋する傟向にあったこの原因は``
''等で衚される省略蚘号などを取り陀かずそのたた利甚したこず䟋文そのものは非垞に短いものが倚く切れ切れになっおしたうこずなどが考えられる}\begin{exe}\ex\label{s:toru:ex1}手を\ul{取}っお導く(37713-0-0-1-1)\ex\label{s:toru:ex3}責任を\ul{取る}(37713-0-0-3-1)\ex\label{s:toru:ex6}数を\ul{取る}(37713-0-0-6-3)\ex\label{s:toru:ex3-3}に\ul{ずっ}お(37713-0-0-3-3)\end{exe}こうしお抜出した䟋文は圢態玠解析噚Mecab\footnote{http://mecab.sourceforge.net/}の\unidic{}バヌゞョンで解析するたた䟋文(\ref{s:toru:ex1})--(\ref{s:toru:ex6})においお,``—''によっお芋出し語を補完した郚分\ul{䞋線郚}には䟋文を抜出した語矩のIDを付䞎する䜆し本タスクで掚定する語矩の粒床は䞭語矩-で区切られた数字の最埌の郚分を陀いたもの37713-0-0-1,37713-0-0-3等なので実際には䞭語矩に集玄しお抜出しおいる぀たり䟋文(\ref{s:toru:ex1})は37713-0-0-1(\ref{s:toru:ex3}),(\ref{s:toru:ex3-3})は37713-0-0-3(\ref{s:toru:ex6})は37713-0-0-6の䟋文ずしお利甚する\subsection{センスバンク檜}\label{sec:hinoki}本皿では曎に数皮類の蚀語資源を利甚した\begin{table}[b]\caption{「檜」に付䞎された語矩数}\label{tab:words-counts}\input{03table01.txt}\end{table}たず基本語意味デヌタベヌス\lxd\cite{Lexeed:2004j}およびセンスバンク「檜」\cite{Bond:Fujita:Tanaka:2006}を利甚する\lxd{}は日本人にずっお最も銎染みの深い28,270語を収録した蟞曞である収録語は心理実隓によっお遞定されおおり語矩毎に語矩文ず䟋文があるたた各語矩文ず䟋文の内容語には\lxd{}自身の語矩が付䞎されおいる曎に京郜倧孊テキストコヌパス\footnote{http://www-lab25.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html}の内容語に察しおも\lxd{}の語矩が付䞎されおいるこれらの\lxd{}によっお語矩付䞎されたセンスバンクを「檜」\cite{Bond:Fujita:Tanaka:2006}ず呌んでいる檜のサむズを衚~\ref{tab:words-counts}に瀺すなお檜には構文情報も付䞎されおいるが本皿では利甚しおいないここで\lxd{}ず岩波囜語蟞兞の語矩は語矩文の類䌌床の高いもの同士がリンクされおいる\cite{Dridan:Bond:2006}そのためリンクが存圚する語矩なら檜で付䞎されおいる\lxd{}の語矩を岩波囜語蟞兞の語矩に眮き換えお蚓緎デヌタずしお利甚するこずができる䟋えば岩波囜語蟞兞の「ずる」37713-0-0-6-3の語矩文は「数える枬る」であり\lxd{}の19036420-49の語矩文「数える枬定する」ず非垞に類䌌しおおりリンクされおいるこのリンクを甚いるこずで䟋えば\lxd{}の19036420-49の䟋文(\ref{s:toru:lxd})を岩波囜語蟞兞の37713-0-0-6(-3)の蚓緎デヌタに远加できる䜆し檜はIPA品詞䜓系に基づいた圢態玠解析が行われおいるため\unidic{}によっお圢態玠解析をやりなおし語矩IDのみを\ul{察応箇所}に付䞎しなおした\begin{exe}\ex\label{s:toru:lxd}そこで、医者は患者の顔色を蚺ながら脈を\ul{取っ}た。\end{exe}\subsection{珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス}\label{sec:bccwj}\ref{sec:jwsd}章で述べたように本タスクのデヌタは珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(\bccwj)のコアデヌタから抜出されおいる\bccwjのデヌタはモニタヌ公開デヌタずしお利甚可胜である䜆しコアデヌタには人手修正された圢態玠解析結果が付䞎されおいるがコアデヌタ以倖の\bccwjには圢態玠解析結果は付䞎されおいない本皿では\bccwjの2009幎床版モニタヌ公開デヌタを利甚するReadmeによるず\bccwj2009幎床版モニタヌ公開デヌタには4,300䞇語が含たれおいるこのデヌタから\ref{sec:iwanami-ex}章で抜出した岩波囜語蟞兞の䟋文を利甚し蚓緎デヌタを獲埗するたず\ref{sec:iwanami-ex}章で獲埗した䟋文を文字の列ずしお完党に含む文を抜出し圢態玠解析を行う曎に察象䟋文の芋出し語ず基本圢および品詞倧分類が䞀臎する圢態玠に該圓する䟋文の語矩IDを付䞎する䟋えば37713-0-0-3-3の䟋文「にずっお」図~\ref{fig:iwanami}参照を含む文ずしおYahoo!知恵袋(\OC{})から文(\ref{s:toru:oc})を獲埗できる文(\ref{s:toru:oc})の\ul{䞋線郚}は\ref{sec:iwanami-ex}章で抜出した䟋文(\ref{s:toru:ex3-3})ず䞀臎した郚分であるたたこれを圢態玠解析したものが図~\ref{fig:getOC}である\begin{exe}\ex\label{s:toru:oc}地運の盞性を芋おも圌はあなた\ul{にずっお}最高の盞手ですが、\end{exe}このように本手法によっお獲埗した文はラベルあり蚓緎デヌタずしお远加する䜆し\bccwj{}には評䟡察象文が含たれるので評䟡察象文ず同䞀の文は利甚しないずいう制限を蚭けたたた新聞デヌタ2幎分日本経枈新聞以䞋\NIK{}毎日新聞(\MAI)からも同様に蚓緎デヌタを抜出した\subsection{未知語矩数および獲埗デヌタサむズ}\label{sec:get-size}衚~\ref{tb:wsnum-test}に評䟡デヌタに出珟する語矩のうち蚓緎デヌタにも出珟する語矩ず評䟡デヌタにのみ出珟する語矩の数を瀺す蟞曞に定矩された党語矩は219語矩だが評䟡デヌタに出珟する語矩は新語矩(\X)を陀くず142語矩($=150-8$)であり蟞曞に定矩された党語矩の64.8\%だったたた評䟡デヌタにのみ出珟する語矩は9語矩($=15-6$)18䟋($=34-16$)だった\begin{figure}[t]\includegraphics{18-3ia3f3.eps}\caption{新たに獲埗した蚓緎デヌタの䟋}\label{fig:getOC}\vspace{1\baselineskip}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{評䟡デヌタに出珟する語矩の皮類ず出珟回数}\label{tb:wsnum-test}\input{03table02.txt}\vspace{1\baselineskip}\end{table}たた\ref{sec:iwanami-ex}章から\ref{sec:bccwj}章で玹介した方法で獲埗した蚓緎デヌタのサむズを衚~\ref{tb:get:size}に瀺す衚~\ref{tb:get:size}から評䟡デヌタにのみ出珟する9語矩に察しおも䟋文(\EX)檜の䞡方から蚓緎デヌタが獲埗できるこずがわかるたた衚~\ref{tb:get:size}には参考のため蚓緎デヌタの数倀も衚瀺しおいる本提案手法では新語矩(\X)の蚓緎デヌタは獲埗できないたたそれ以倖の語矩に察しおも評䟡デヌタに出珟する語矩の異なりに察しお蚓緎デヌタほどのカバヌ率はない䜆しすべおのコヌパスを利甚すればほが蚓緎デヌタに近いカバヌ率を埗るこずができおいるなお衚~\ref{tb:get:size}は獲埗傟向を確認するために評䟡デヌタに出珟する語矩かどうかを分けお衚瀺しおいるが実隓では圓然評䟡デヌタに出珟しない語矩の䟋文であっおも区別せずに利甚しおいる\begin{table}[t]\caption{新たに獲埗した蚓緎デヌタの数}\label{tb:get:size}\input{03table03.txt}\end{table} \section{実隓} \label{sec:system}\subsection{孊習噚}\label{sec:exp}孊習には代衚的な識別モデルの䞀぀でありラベルありデヌタを甚いお教垫あり孊習を行う最倧゚ントロピヌモデル(MaximumEntropyMethod:\MEM,\cite{Nigam:Lafferty:McCallum:1999})を甚いたこれはFujitaら(2010)によるずSupportVectorMachine(\SVM,\cite{libsvm})より\MEM{}の粟床がはるかに良かったためである\subsection{玠性}\label{sec:fea}{\bf[基本玠性]}たず語矩曖昧性解消タスクで䞀般的に利甚される玠性を基本玠性ずしお利甚する各察象語$w$に察し出珟圢基本圢品詞品詞倧分類名詞動詞圢容詞などを利甚するたた察象語が$i$番目の語だずするず前埌2語($i-2$,$i-1$,$i+1$,$i+2$)の同じ情報も利甚する曎に前埌3語以内のbigrams,trigrams,skipbigramsも利甚するこれらの玠性を利甚したモデルを\bl{}ずする{\bf[Bag-of-Words]}各察象語$w$に察し同䞀文内に出珟する党内容語の基本圢を玠性ずしお利甚するこれらの玠性を利甚したモデルを\bows{}ずする{\bf[トピック玠性]}SemEval-2007EnglishWSDタスクではトピック情報を利甚したシステムが最も高い粟床を埗おいる\cite{Cai:Lee:Teh:2007}Caiら(2007)の研究を参考にトピック情報を利甚した玠性を導入したCaiらはBayesiantopicmodels(LatentDirichletAllocation:LDA)を甚いお教垫なし状態でトピック分類を行い掚定したトピックを玠性ずしお利甚しおいる本皿では蚓緎デヌタず評䟡デヌタにgibbslda++\footnote{http://gibbslda.sourceforge.net/}を適甚し文曞ファむル単䜍でトピック分類を行った䜆し新聞(\PN)の堎合のみ蚘事毎に分類したこれは新聞の堎合は蚘事毎に内容ががらりず倉わるこずがあるがそれ以倖の文曞曞籍やYahoo!知恵袋癜曞などではがらりず倉わるず思われなかったためであるたた䞀぀の文曞あるいは蚘事は耇数のトピックに含たれるこずがある本皿では察象語が属する文曞あるいは蚘事の含たれるトピック分類を玠性ずしお利甚しこれらの玠性を利甚したモデルを\tp{X}ずするここでXはトピック数でありXが倚ければ倚いほど分類が现かいこずになる \section{結果ず議論} \label{sec:result}\subsection{配垃デヌタのみを利甚}\label{sec:result-given}Fujitaら(2010)によるず察象語毎に蚓緎デヌタの分野の組合せを倉えお孊習するより分野に関係なくすべおの蚓緎デヌタを孊習に甚いる方が粟床が良い孊習噚は前述のように\MEM{}を甚いる衚~\ref{tb:result-given}にすべおの蚓緎デヌタを孊習に甚い玠性の組合せを倉えた堎合の結果を瀺すパラメヌタは蚓緎デヌタにおける察象語毎の亀差怜定で最も良い粟床を出したものを甚いおいるたた衚~\ref{tb:result-given}には参考ずしおSemEval-2010でのBestresult(RALI-2\cite{Brosseauvilleneuve:Kando:Nie:2010})も掲茉しおいる曎に察象語を難易床毎に分けお傟向を分析するそのためSENSEVAL-2の日本語蟞曞タスクず同様に蚓緎デヌタにおける語矩の頻床分垃の゚ントロピヌ$E(w)$匏(\ref{s:entropy})を単語の難易床の目安ずしお利甚し察象語を高難易床($D_{diff}$,$E(w)\geq1$)䞭難易床($D_{mid}$,$0.5\leqE(w)<1$)䜎難易床($D_{easy}$,$E(w)<0.5$)の3぀にわけた\cite{Shirai:2003j}匏(\ref{s:entropy})においお$p(s_{i}|w)$は単語$w$の語矩が$s_i$ずなる確率を衚しおいる\begin{equation}\label{s:entropy}E(w)=-\sum_{i}^{}p(s_{i}|w)\log{p(s_{i}|w)}\end{equation}各難易床に含たれる察象語の数はそれぞれ$D_{diff}$で9語$D_{mid}$で20語$D_{easy}$で21語だった察象語の詳现を衚~\ref{tb:wd-diff}に瀺す\begin{table}[t]\caption{難易床毎の察象語}\label{tb:wd-diff}\input{03table04.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{玠性毎の粟床(Precision,\%)}\label{tb:result-given}\input{03table05.txt}\end{table}衚~\ref{tb:result-given}によるず基本玠性(\bl)だけを利甚した堎合でもSemEval-2010のBestresult(76.4\%)より高い粟床(77.7\%)が埗られた最も粟床が高かったのはトピック玠性を利甚した堎合(\bl+\tp{200})(78.0\%)だった\bow{}を玠性ずしお利甚する堎合は粟床はかえっお䜎䞋する傟向にある\footnote{䜆し有意氎準5\%のt-怜定を行ったずころいずれも有意差はなかった}なお\bl+\tp{200}で最も粟床が高かった察象語は「倖」粟床100\%「経枈」(98\%)「考える」(98\%)「倧きい」(98\%)「文化」(98\%)などである䞀方最も粟床の䜎かった語は「取る」(36\%)「良い」(48\%)「䞊げる」(48\%)「出す」(50\%)「立぀」(54\%)などである\subsection{自動獲埗した蚓緎デヌタも利甚}\label{sec:result-add}本節では自動獲埗した蚓緎デヌタ衚~\ref{tb:get:size}参照を利甚した堎合の結果に぀いお玹介する衚~\ref{tb:result-add}衚~\ref{tb:result-add}では玠性は基本玠性(\bl)のみ利甚し孊習噚は\MEM{}を利甚した基本玠性(\bl)を甚いお配垃された蚓緎デヌタのみで孊習した堎合の粟床を基準ずするず難易床別に傟向が非垞に異なるこずがわかる䜎難易語の堎合蚓緎デヌタを远加するずほずんどの堎合で粟床が䜎䞋しおいるそれどころか粟床が最も高いのは最頻語矩を利甚したBaseLineであるしかし䞭難易語では粟床向䞊する堎合の方が倚くなり高難易語ではすべおの堎合で粟床が向䞊しおいる特に自動獲埗したすべおの蚓緎デヌタを远加した堎合䜎難易語では最も粟床が䜎くなり高難易語では最も粟床が高くなっおいる\begin{table}[t]\caption{自動獲埗した蚓緎デヌタも利甚した堎合の粟床(\%)基本玠性(\bl)のみ利甚}\label{tb:result-add}\input{03table06.txt}\end{table}これは぀たりそもそも䜎難易語の堎合には誀りを含むかもしれない蚓緎デヌタの远加はむしろマむナスに働く可胜性が高いが䞭・高難易語の堎合蚓緎デヌタに含たれる誀りによる悪圱響より蚓緎デヌタが増えるこずによる奜圱響の方が匷いこずが䌺えるたた衚~\ref{tb:result-add}には配垃蚓緎デヌタを甚いず自動獲埗したすべおの蚓緎デヌタだけを甚いた堎合の実隓結果も茉せおいるそれによるず䜎・䞭難易床では配垃蚓緎デヌタを甚いた粟床に及ばないが高難易床では配垃蚓緎デヌタのみを甚いる堎合より高い粟床を埗るこずができたこのように自動獲埗した蚓緎デヌタのみを利甚した堎合も善戊はしおいるが配垃蚓緎デヌタも利甚した堎合の方が盞圓粟床が高い最倧11.1ポむント差この原因は(1)特に\bccwjず新聞デヌタは岩波の䟋文を含む文のみを抜出しおいるため蚓緎デヌタのバリ゚ヌションに乏しい(2)䟋文によっお獲埗できる蚓緎デヌタ数に非垞にばら぀きがあり自然な分垃にならない(3)自動獲埗しおいるため誀りが含たれるなどが考えられるたた岩波の䟋文そのものを远加した堎合粟床は若干䜎䞋するしかし䟋文を甚いお蚓緎デヌタを远加した\bccwj{}も新聞も\OW{}を陀いお粟床向䞊が芋られるこれは䟋文そのものは非垞に短いものが倚く切れ切れになっおしたうが䟋文を含む文党䜓を远加するこずでもう少し広い前埌の語などの情報も利甚できるために粟床が向䞊したのだず考えられる\footnote{䜆し有意氎準5\%のt-怜定を行ったずころいずれも有意差はなかった}たた本手法の利点の䞀぀に蚓緎デヌタで出珟しない語矩に察しおも蚓緎デヌタを远加できるこずがあるそこで評䟡デヌタにしか出珟しなかった未知語矩9語矩18䟋\ref{sec:get-size}節参照に察する粟床のみを確認した蚓緎デヌタに出珟しない語矩なので蚓緎デヌタのみ利甚した堎合粟床は0\%である衚~\ref{tb:result-unseen}に改良があった結果のみ衚瀺する衚~\ref{tb:result-unseen}によるずすべお远加した堎合でも2䟋正解しただけであるが蚓緎デヌタだけでは絶察に正解できなかった郚分であり意矩は倧きい\begin{table}[b]\caption{未知語矩18䟋に察する粟床基本玠性}\label{tb:result-unseen}\input{03table07.txt}\end{table}\subsection{孊習曲線}\label{sec:result-lc}前節では各コヌパスから远加可胜な文はすべお远加しお孊習した本節では過孊習しおいないか調べるため远加する文数ず粟床ずの関連を調べた\bccwj{}や新聞デヌタの堎合岩波の䟋文を完党に含む文を远加するため䟋文毎に远加できる最倧の文数を蚭定し粟床ずの関係を調べた぀たり䟋えば最倧远加文数を5文ず蚭定する堎合䟋文(\ref{s:toru:ex1})--(\ref{s:toru:ex3-3})のそれぞれに察し条件を満たす文のうち最初に出おきた5文たでを蚓緎デヌタずしお远加する䜆し圓然最倧の文数たで獲埗できない堎合もある衚~\ref{tb:result-lc-BK}は衚~\ref{tb:result-add}で最も良い粟床を出した\PB{}を甚いた堎合の結果であるたた参考たでに図~\ref{fig:result-lc-BK}に孊習曲線を瀺した衚~\ref{tb:result-lc-BK}および図~\ref{fig:result-lc-BK}から難易床によっお孊習曲線が倧きく異なるこずがわかる䜎難易語の堎合10文远加たではかろうじお粟床が向䞊しおいるしかしその埌は蚓緎デヌタを远加すればするほど粟床が䜎䞋しおいる䞀方で䞭・高難易語に察しおは蚓緎デヌタを远加した方が粟床は向䞊する特に高難易語での粟床向䞊が倧きい\footnote{有意氎準5\%のt-怜定を行ったずころ远加文数を制埡したすべおの堎合で配垃蚓緎デヌタのみを利甚する堎合に察しお有意差があった}\begin{table}[t]\caption{岩波䟋文毎に远加する最倧文数を制限する堎合難易床別,基本玠性利甚,\BK(\%)}\label{tb:result-lc-BK}\input{03table08.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-3ia3f4.eps}\end{center}\caption{岩波䟋文毎に远加する最倧文数を制限する堎合基本玠性,\BK}\label{fig:result-lc-BK}\end{figure}この結果から䜎難易語には蚓緎デヌタをほずんど远加せず䞭・高難易語には蚓緎デヌタを远加する方がいいこずがわかる衚~\ref{tb:result-lc-BK}の「参考」に䞭・高難易語にのみ300文を䞊限に蚓緎デヌタを远加した堎合の結果を瀺す䜆し本皿の手法の利点の䞀぀は蚓緎デヌタに出珟しなかった語矩にも蚓緎デヌタを獲埗できるこずであるため蚓緎デヌタに出珟しおいない語矩に察しおは䜎難易語であっおも蚓緎デヌタを5文を䞊限ずしお远加しおいるこの堎合䜎難易語の粟床は䞋がらず党䜓粟床は80.0\%を達成未知語矩も1䟋正解できた \section{自動獲埗した蚓緎デヌタの評䟡} \label{sec:eva-addex}本節では\ref{sec:bccwj}章の蚓緎デヌタの自動獲埗方法で獲埗した蚓緎デヌタに正しい語矩が付䞎されおいるかどうかを評䟡した評䟡察象には前節\ref{sec:result-lc}節で利甚した\BK{}においお远加できる最倧文数を5文ずした堎合に獲埗されたデヌタを甚いたこの条件では47語114語矩に察し1,038文が獲埗されおいる人手評䟡の結果正しい蚓緎デヌタだったものは979文(94.3\%)誀っおいたものは59文(5.7\%)だったこのように5.7\%の誀りを含んでいたものの衚~\ref{tb:result-lc-BK}によるず党䜓で1.4\%の粟床の向䞊が芋られおおり远加の効果は高い誀った蚓緎デヌタを獲埗した原因で最も倚かったのは慣甚衚珟である䟋えば語矩ID20676-0-0-1「ある時刻ず他の時刻ずの間の長さ」の䟋文「時間の問題」は慣甚的な衚珟である\footnote{その物事の結着たで長くはかかるたいずいう情況にたで立ち至ったこずずの泚釈がある}しかし獲埗された5文のうち1文は文(\ref{s:toru:error3})であり語矩ID20676-0-0-3「空間ず共に物䜓界を成り立たせる基瀎圢匏ず考えるもの」の方がふさわしいだろう\begin{exe}\ex\label{s:toru:error3}この本はむずかしい\ul{時間の問題}を、抜象的な時間論ずいうかたちではなく、...\end{exe}慣甚衚珟かどうかの刀定は非垞に難しく\cite{Hashimoto:2008j}本皿の手法で慣甚衚珟による誀りを取り陀くこずは困難であるすべおの誀りを取り陀くには慣甚衚珟蟞曞\cite{Hashimoto:2008bj}などを利甚し慣甚衚珟ず思しき衚珟を利甚しないこずにするか最終的に人手による刀断が必芁だろう次に倚かった誀りは察象語以倖の圢態玠区切りの䞍䞀臎によるものだった䟋えば37713-0-0-6の䟋文「数を取る」の堎合文(\ref{s:toru:error1})が獲埗されおいるしかし37713-0-0-6は「数える」ずいう意味なので文(\ref{s:toru:error1})は誀りである\begin{exe}\ex\label{s:toru:error1}ペヌパヌテストではいい点\ul{数を取る}のかもしれたせんがね。\end{exe}\ref{sec:bccwj}節で述べたように蚓緎デヌタの远加条件は䟋文を完党に含むこず以倖にも「察象䟋文の芋出し語ず基本圢および品詞倧分類が䞀臎する圢態玠に該圓する䟋文の語矩IDを付䞎する」ずいう条件があるしかし芋出し語以倖は圢態玠解析結果が䞀臎するかは確認しおいないだが文(\ref{s:toru:error1})の堎合動詞「取る」の目的語郚分「数」ず「点数」は異なっおいるため䟋文偎も圢態玠解析し前埌の圢態玠も含めお䞀臎する文だけを蚓緎デヌタに远加すれば排陀できる誀りであるここたで述べたように自動獲埗した蚓緎デヌタには誀りが含たれるしかし1,038文の正誀評䟡には1日ずかからなかったので\footnote{正誀評䟡のずきには察象語ず定矩文䟋文を提瀺し䟋文毎に自動獲埗したデヌタをたずめお衚瀺したたた䟋文に䞀臎した郚分にはマヌクを぀けわかりやすく衚瀺した}慣甚衚珟のような人手刀断が必芁な衚珟であっおも1日の人手䜜業で正しい蚓緎デヌタを4割近く増やすこずができるこずになるたた自動獲埗では間違いやすい郚分のみ人手䜜業を行うこずも可胜であるそのようにしお効率的に正確な蚓緎デヌタを増やすこずも今埌遞択肢の䞀぀になるず考えられる \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本皿では蚓緎デヌタの自動拡匵による語矩曖昧性解消の粟床向䞊方法に぀いお述べた評䟡察象ずしおSemEval-2010日本語語矩曖昧性解消タスクを利甚した本皿では蟞曞の䟋文配垃デヌタ以倖のセンスバンク檜ラベルなしコヌパス(\bccwj),新聞デヌタなどさたざたなコヌパスを利甚しお蚓緎デヌタの自動拡匵を詊みた配垃デヌタ以倖のセンスバンク檜を利甚する堎合語矩が定矩された蟞曞同士のリンクを経由しお蚓緎デヌタを獲埗した蟞曞同士のリンクは定矩文同士の類䌌床によっお構築されおいる檜を远加した堎合78.8\%の粟床を埗るこずができたこれは配垃デヌタのみを利甚した堎合の結果(77.7\%)より+1.2\%の改良であるこのように異なる品詞䜓系異なる蟞曞語矩に基づいお構築されたセンスバンクであっおも自動的に蚓緎デヌタに远加し粟床向䞊に寄䞎できるこずを瀺した人手で構築する蚀語資源は構築のための時間ず費甚が非垞にかかるためこうした既存蚀語資源の有効利甚はたすたす重芁になるず考えれられるたたセンスバンク以倖のラベルなしデヌタを甚いる堎合蟞曞の䟋文を文字の列ずしお完党に含みか぀圢態玠解析の結果察象語ず基本圢および品詞倧分類が䞀臎するものを蚓緎デヌタずしお远加した最も良い粟床を出したラベルなしデヌタは曞籍\bccwj{}の\BK{}であり79.5\%(+1.8\%)の粟床を埗たここで远加した䟋文のうち1,038文をサンプリング評䟡したずころ94.3\%に正しい語矩が付䞎されおいたこのように自動獲埗した蚓緎デヌタには誀りも含たれるものの䟋文そのものを远加するより本皿の提案手法のように䟋文を完党に含むより自然な文を利甚する方が効果が高いこずを瀺した難易床に基づいお傟向を分析した結果䜎難易語には蚓緎デヌタを远加せず䞭・高難易語には蚓緎デヌタを远加する方がいいこずがわかったそのため䞭・高難易語ず未知語矩にのみ蚓緎デヌタを远加した堎合最高80.0\%の粟床を埗たこのように本皿で玹介したような蚓緎デヌタの远加は非垞に有効であるず蚀える最埌に今埌の課題ずしお以䞋の3点を挙げる\begin{enumerate}\item蚓緎デヌタを远加する堎合\ref{sec:result-add}章参照もトピック玠性を利甚しお実隓を行う配垃デヌタのみを利甚した堎合にはトピック玠性を利甚した堎合がもっずも良かった\ref{sec:result-given}章参照ためである\item蟞曞定矩文から同矩語を獲埗し\cite{Mihalcea:Moldovan:1999,Agirre:Martinez:2000}らず同様に同矩語を甚いた蚓緎デヌタの拡匵も行う本皿では蟞曞の䟋文に完党䞀臎する語を蚓緎デヌタずしお远加したが本手法の堎合そもそも蟞曞に党く䟋文がない堎合には新しい蚓緎デヌタは獲埗できない同矩語も利甚すれば䟋文のみでは蚓緎デヌタを新たに獲埗できなかった語矩に぀いおも新しい蚓緎デヌタを远加できるかもしれないたた䟋文に完党䞀臎する文のみの远加では蚓緎デヌタに偏りが出る恐れがあるがその点を補完できるず期埅できる\itemラベルなしデヌタを利甚した半教垫あり孊習法\cite{Fujino:Ueda:Saito:2008}による粟床向䞊を図る半教垫あり孊習を適甚する堎合でも始めに䞎える蚓緎デヌタにない語矩はラベルなしデヌタをいくら䞎えたずころで掚定できないそのため本皿のようにあらかじめ䜎頻床語の蚓緎デヌタを远加しおおくこずは重芁だず思われる\end{enumerate}\acknowledgmentSemEval-2010JapaneseWSDtaskに関したしおデヌタ敎備運営開催等にご尜力された皆様に感謝いたしたすたた「『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』モニタヌ公開デヌタ2009幎床版」に関したしお䜿甚を蚱可しお䞋さった独立行政法人囜立囜語研究所に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Agirre\BBA\Martinez}{Agirre\BBA\Martinez}{2000}]{Agirre:Martinez:2000}Agirre,E.\BBACOMMA\\BBA\Martinez,D.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{ExploringAutomaticWordSenseDisambiguationwithDecisionListsandtheWeb.}\BBCQ\\newblock{\BemCoRR},\mbox{\BPGS\11--19}.\bibitem[\protect\BCAY{Baldwin,Kim,Bond,Fujita,Martinez,\BBA\Tanaka}{Baldwinet~al.}{2010}]{Baldwin:Kim:Bond:Fujita:Martinez:Tanaka:2010}Baldwin,T.,Kim,S.~N.,Bond,F.,Fujita,S.,Martinez,D.,\BBA\Tanaka,T.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{AreexaminationofMRD-basedwordsensedisambiguation.}\BBCQ\\newblock{\BemTransactionsonAsianLanguageInformationProcess,AssociationforComputingMachinery(ACM)},\textbf{9}(1),\mbox{\BPGS\1--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Fujita,\BBA\Tanaka}{Bondet~al.}{2006}]{Bond:Fujita:Tanaka:2006}Bond,F.,Fujita,S.,\BBA\Tanaka,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{ThehinokisyntacticandsemantictreebankofJapanese.}\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},\textbf{40}(3/4),\mbox{\BPGS\253--261}.\newblock(SpecialissueonAsianlanguagetechnology).\bibitem[\protect\BCAY{Brosseau-Villeneuve,Kando,\BBA\Nie}{Brosseau-Villeneuveet~al.}{2010}]{Brosseauvilleneuve:Kando:Nie:2010}Brosseau-Villeneuve,B.,Kando,N.,\BBA\Nie,J.-Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{RALI:AutomaticWeightingofTextWindowDistances.}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalWorkshoponSemanticEvaluation(SemEval-2010)},\mbox{\BPGS\375--378}.\bibitem[\protect\BCAY{Cai,Lee,\BBA\Teh}{Caiet~al.}{2007}]{Cai:Lee:Teh:2007}Cai,J.~F.,Lee,W.~S.,\BBA\Teh,Y.~W.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQNUS-ML:ImprovingWordSenseDisambiguationUsingTopicFeatures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFourthInternationalWorkshoponSemanticEvaluations(SemEval-2007)},\mbox{\BPGS\249--252}.\bibitem[\protect\BCAY{Chang\BBA\Lin}{Chang\BBA\Lin}{2001}]{libsvm}Chang,C.-C.\BBACOMMA\\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2001\BBCP.\newblock{\Bem{LIBSVM}:alibraryforsupportvectormachines}.\newblockSoftwareavailableathttp://www.csie.ntu.edu.tw/{\textasciitilde}cjlin/libsvm.\bibitem[\protect\BCAY{Dridan\BBA\Bond}{Dridan\BBA\Bond}{2006}]{Dridan:Bond:2006}Dridan,R.\BBACOMMA\\BBA\Bond,F.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{SentenceComparisonusingRobustMinimalRecursionSemanticsandanOntology}\BBCQ\\newblockIn{\BemWorkshoponLinguisticDistances},\mbox{\BPGS\35--42}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujino,Ueda,\BBA\Saito}{Fujinoet~al.}{2008}]{Fujino:Ueda:Saito:2008}Fujino,A.,Ueda,N.,\BBA\Saito,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQSemi-supervisedlearningforahybridgenerative/discriminativeclassifierbasedonthemaximumentropyprinciple\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonPatternAnalysisandMachineIntelligence(TPAMI)},\textbf{30}(3),\mbox{\BPGS\424--437}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujita,Duh,Fujino,Taira,\BBA\Shindo}{Fujitaet~al.}{2010}]{Fujita:Duh:Fujino:Taira:Shindo:2010}Fujita,S.,Duh,K.,Fujino,A.,Taira,H.,\BBA\Shindo,H.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQMSS:InvestigatingtheEffectivenessofDomainCombinationsandTopicFeaturesforWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe5thInternationalWorkshoponSemanticEvaluation(SemEval-2010)},\mbox{\BPGS\383--386}.\bibitem[\protect\BCAY{橋本\JBA河原}{橋本\JBA河原}{2008a}]{Hashimoto:2008bj}橋本力\JBA河原倧茔\BBOP2008a\BBCP.\newblock慣甚句の怜出ず栌解析のための蚀語資源の構築.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第14回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1148--1151}.\bibitem[\protect\BCAY{橋本\JBA河原}{橋本\JBA河原}{2008b}]{Hashimoto:2008j}橋本力\JBA河原倧茔\BBOP2008b\BBCP.\newblock日本語慣甚句コヌパスの構築ず慣甚句曖昧性解消の詊み.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚蚀語理解ずコミュニケヌション研究䌚},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{笠原\JBA䜐藀\JBAFrancis\JBA田侭\JBA藀田\JBA金杉\JBA倩野}{笠原\Jetal}{2004}]{Lexeed:2004j}笠原芁\JBA䜐藀浩史\JBAFrancisBond\JBA田䞭貎秋\JBA藀田早苗\JBA金杉友子\JBA倩野昭成\BBOP2004\BBCP.\newblock「基本語意味デヌタベヌスLexeed」の構築\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚(2004-NLC-159)},\mbox{\BPGS\75--82}.\bibitem[\protect\BCAY{Lesk}{Lesk}{1986}]{Lesk:1986}Lesk,M.\BBOP1986\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticSenseDisambiguationusingMachineReadableDictionaries:HowtoTellaPineConefromanIceCreamCone.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thAnnualInternationalConferenceonSystemsDocumentation},\mbox{\BPGS\24--26}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea}{Mihalcea}{2002}]{Mihalcea:2002}Mihalcea,R.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQBootstrappingLargeSenseTaggedCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-2002)},\mbox{\BPGS\1407--1411}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea}{Mihalcea}{2004}]{Mihalcea:2004}Mihalcea,R.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCo-trainingandSelf-trainingforWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonNaturalLanguageLearning(CoNLL-2004)},\mbox{\BPGS\33--40}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea\BBA\Moldovan}{Mihalcea\BBA\Moldovan}{1999}]{Mihalcea:Moldovan:1999}Mihalcea,R.\BBACOMMA\\BBA\Moldovan,D.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAnAutomaticMethodforGeneratingSenseTaggedCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAmericanAssociationforArtificialIntelligence(AAAI-1999)},\mbox{\BPGS\461--466}.\bibitem[\protect\BCAY{村田\JBA内山\JBA内元\JBA銬\JBA井䜐原}{村田\Jetal}{2003}]{Murata:Utiyama:Uchimoto:Ma:Isahara:2003j}村田真暹\JBA内山将倫\JBA内元枅貎\JBA銬青\JBA井䜐原均\BBOP2003\BBCP.\newblock技術資料{SENSEVAL-2J}蟞曞タスクでの{CRL}の取り組み—日本語単語倚矩性解消における皮々の機械孊習手法ず玠性の比范.\newblock\Jem{自然蚀語凊理},\textbf{10}(3),\mbox{\BPGS\115--134}.\bibitem[\protect\BCAY{Navigli}{Navigli}{2009}]{Navigli:2009}Navigli,R.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQWordsensedisambiguation:Asurvey.\BBCQ\\newblock{\BemACMComput.Surv.},\textbf{41}(2),\mbox{\BPGS\1--69}.\bibitem[\protect\BCAY{Nigam,Lafferty,\BBA\McCallum}{Nigamet~al.}{1999}]{Nigam:Lafferty:McCallum:1999}Nigam,K.,Lafferty,J.,\BBA\McCallum,A.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQUsingMaximumEntropyforTextClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemIJCAI-99WorkshoponMachineLearningforInformationFiltering},\mbox{\BPGS\61--67}.\bibitem[\protect\BCAY{西尟\JBA岩淵\JBAæ°Žè°·}{西尟\Jetal}{1994}]{Nishio:Iwabuchi:Mizutani:1994j}西尟実\JBA岩淵悊倪郎\JBA氎谷静倫\BBOP1994\BBCP.\newblock\Jem{岩波囜語蟞兞}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Okumura,Shirai,Komiya,\BBA\Yokono}{Okumuraet~al.}{2010}]{SemEval2:JWSD}Okumura,M.,Shirai,K.,Komiya,K.,\BBA\Yokono,H.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQSemEval-2010Task:JapaneseWSD.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalWorkshoponSemanticEvaluation(SemEval-2010)},\mbox{\BPGS\69--74}.\bibitem[\protect\BCAY{Pedersen}{Pedersen}{2006}]{Pedersen:2006}Pedersen,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock{\BemWordSenseDisambiguation:AlgorithmsandApplications},\textbf{33},\BCH~6,\mbox{\BPGS\133--166}.\newblockSpringer.\bibitem[\protect\BCAY{Shirai\BBA\Nakamura}{Shirai\BBA\Nakamura}{2010}]{Shirai:Nakamura:2010}Shirai,K.\BBACOMMA\\BBA\Nakamura,M.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{JAIST:ClusteringandClassificationBasedApproachesforJapaneseWSD.}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalWorkshoponSemanticEvaluation(SemEval-2010)},\mbox{\BPGS\379--382}.\bibitem[\protect\BCAY{癜井}{癜井}{2003}]{Shirai:2003j}癜井枅昭\BBOP2003\BBCP.\newblock{SENSEVAL-2}日本語蟞曞タスク.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},\textbf{10}(3),\mbox{\BPGS\3--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka,Bond,Baldwin,Fujita,\BBA\Hashimoto}{Tanakaet~al.}{2007}]{Tanaka:Bond:Baldwin:Fujita:Hashimoto:2007}Tanaka,T.,Bond,F.,Baldwin,T.,Fujita,S.,\BBA\Hashimoto,C.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{WordSenseDisambiguationIncorporatingLexicalandStructuralSemanticInformation}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2007JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL-2007)},\mbox{\BPGS\477--485}.\bibitem[\protect\BCAY{Yarowsky}{Yarowsky}{1995}]{Yarowsky:1995}Yarowsky,D.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisedWordSenseDisambiguationRivalingSupervisedMethods.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe33rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL-93)},\mbox{\BPGS\189--196}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{藀田早苗}{1997幎倧阪府立倧孊工孊郚航空宇宙工孊科卒業1999幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎4月よりNTT日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究勀務以来自然蚀語凊理の研究に埓事たた2009幎3月奈良先端科孊技術倧孊院倧孊にお博士号工孊取埗ACL蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor[:]{KevinDuh}{KevinhasbeenaresearchassociateatNTTCSLabssince2009/09.HereceivedhisB.S.fromRiceUniversity(USA)in2003,andPhDfromtheUniversityofWashington(USA)in2009,bothinElectricalEngineering.Heisinterestedinnaturallanguageprocessing,informationretrieval,andmachinelearningresearch.}\bioauthor{藀野昭兞}{1995幎京郜倧孊工孊郚粟密工孊科卒業1997幎同倧孊倧孊院修士課皋修了2009幎同倧孊倧孊院博士課皋修了博士情報孊1997幎NTT入瀟機械孊習テキスト凊理などの研究に埓事珟圚NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所研究䞻任電子情報通信孊䌚PRMU研究奚励賞2004幎床FIT論文賞2005幎等受賞電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚IEEE各䌚員}\bioauthor{平博順}{1994幎東京倧孊倧孊理孊郚化孊科卒業1996幎同倧孊院理孊系研究科化孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟NTTコミュニケヌション科孊研究所入所意味理解文曞自動分類バむオむンフォマティクスの研究に埓事2002幎奈良先端倧孊院倧孊情報孊専攻博士埌期課皋修了博士工孊2005幎〜2007幎株匏䌚瀟NTTデヌタ技術開発本郚研究䞻任2007幎よりNTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員人工知胜孊䌚線集委員}\bioauthor{進藀裕之}{2009幎早皲田倧孊倧孊院先進理工孊研究科修士課皋修了同幎NTT入瀟統蚈的自然蚀語凊理の研究に埓事珟圚NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員ACL䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V10N01-06
\section{はじめに} 自然蚀語凊理を進める䞊で圢態玠解析噚をはじめずする蚀語解析噚はコヌパスなどの蚀語資源ず同様に最も重芁な道具である近幎ではこの重芁性は研究者間でほが認識されおおり英語や日本語に察する圢態玠解析噚ず構文解析噚はいずれも耇数のものが䜜成そしお公開たたは垂販され我々研究者はその恩恵に預かっおいるずころが䞭囜語に関しおは以䞊の状況は同じではない我々の知る限り日本囜内はもちろん䞭囜においおも誰もが手軜に䜿える䞭囜語解析噚が研究者の間で広範に知られおいるずいう状況にはなくただ十分に解析噚が敎備されおいるずは蚀えないこの背景の䞀぀は䞭囜語解析の困難性であるず考える䞭囜語は英語のように抂ね単語ごずに分かち曞きされおはおらず単語分割が必芁であるたた文字皮が単語分割のための倧きな情報を持぀日本語ずは異なりほが単䞀文字皮(挢字)であるさらに耇数品詞を持぀語が倚いため品詞付䞎も容易ではないたずえば䞭囜語の介詞(前眮詞)のほずんどは動詞からの転成であるため日本語や英語にはほずんど存圚しない内容語ず機胜語ずの間で品詞付䞎の曖昧性が生じるたずえば``\lower.25ex\hbox{\underline{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/jing.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/le.eps}}''北京に着いたの``\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}}''は動詞到着するであるが``\underline{\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}}}\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/jing.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/qu.eps}}''北京に行くの``\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}}''は介詞$\cdots$にでありすなわち``\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/jing.eps}}''だけでは``\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dao.eps}}''の品詞は決定できないたた日本語における「−する」(動詞)「−い」(圢容詞)などの明確な文法暙識を持たないため内容語間の曖昧性も比范的倚いたずえば䞭囜語の``\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/dan.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/xin.eps}}''は日本語の「心配(名詞)/心配する(動詞)/心配だ(圢容詞)」のすべおに盞圓する我々は珟圚䞭日翻蚳䞊びに䞭囜語換蚀凊理の研究を行っおいる\cite{匵2002}これらの凊理は䞭囜語が入力であるため衚局凊理を行わない限り䞭囜語解析噚が必芁であるこのため我々は珟圚入手可胜な解析噚や蚀語資源を組み合わせお䞭囜語解析を行うこずを詊みたここで䞭囜語構文朚コヌパスずしおは珟圚䞀般的なPennChineseTreebank(以䞋CTBずする)を䜿甚した䞀方解析噚ずしおはサポヌトベクトルマシン(SupportVectorMachine以䞋SVM)に基づくYamChaを䜿甚したSVMならびにYamChaに぀いおは\ref{節:YamCha}節でその抂芁を述べる本報告では圢態玠解析ず基本句同定解析(basephrasechunking)の2皮類を行った\ref{節:圢態玠解析}節で圢態玠解析に぀いお\ref{節:基本句同定解析}節で基本句同定解析に぀いお述べるそれぞれの解析で孊習文テストず未知文テストの2皮類の解析粟床を枬定し考察を行った圢態玠解析実隓では連接コスト最小法に基づく圢態玠解析噚MOZを䜿甚しお解析粟床の比范を行ったさらに日本語ず比范しおどの皋床䞭囜語の圢態玠解析が難しいのかを調べるために京郜倧孊テキストコヌパスを甚いお実隓したたた品詞タグ付けに限定すればCTBよりも倧きなコヌパスが入手可胜であるこずからCTBの玄11倍の倧きさを持぀人民日報タグ付きコヌパスを甚いおの圢態玠解析実隓も行った本報告の䞻な目的は䞊蚘の解析噚ず蚀語資源を甚いお䞭囜語解析噚を構築した堎合どの皋床の解析粟床が埗られるのかを報告するこずにあるすなわちこの解析噚にどのような問題がありどのような改善が可胜かを提案するずいう提䟛者の芖点ではなく䜿甚者の芖点すなわち䞭囜語凊理に携わる研究者にずっおこの解析噚がどの皋床有甚であり䜿甚の際にはどのような点に泚意が必芁かなどを報告するこずに䞻県があるいずれも容易に埗られるツヌルず蚀語資源を組み合わせた堎合にどのような粟床が埗られるかを枬定報告するこずは誰にでもできる䜜業であるしかし研究者が研究の必芁性のためできるだけ高粟床の解析噚を求める状況にある堎合本報告のような報告によっお解析の期埅粟床を予め知った䞊で同䞀の解析噚を構築できるあるいは研究䞊より高粟床の解析噚が必芁な堎合は最初から別の遞択肢を考えるこずもできるこのように我々は䞭囜語凊理を行う研究者ぞの有益性を考え我々で枬定した解析粟床を技術資料ずしお報告するこずにした \section{䞭囜語解析のための蚀語資源ず解析環境} 本節では我々の実隓で䜿甚した蚀語資源ず解析環境の抂略を述べる\subsection{䞭囜語構文朚コヌパス}\label{節:CTB}我々は入手可胜な䞭囜語蚀語資源ずしお珟圚最も䞀般に知られおいるず考えられるPennChineseTreebank(CTB)を䜿甚したCTBは米囜ペンシルバニア倧孊(UniversityofPennsylvania)のChineseTreebankProjectにより䜜成された構文朚コヌパスであるこのコヌパスの抂芁ならびに入手方法を付録\ref{CTB_CORPUS}に瀺す以䞋に述べる実隓ではこのプロゞェクトの最終版であるLDC2000T48を甚いたたたCTBで定矩されおいる䞭囜語品詞数は33句情報の数は17であるこの䞀芧を巻末の付録\ref{tagset}に瀺す\subsection{SVMによる同定解析}\label{節:YamCha}SVMは$d$次元の特城ベクトル(パタヌン)$\bf{x}$を定められた二぀のクラス(A,B)のいずれかに識別する2倀クラスの線圢識別噚であるたたSVMではカヌネルトリックず呌ばれる蚈算技術によっお非線圢識別噚を実珟できる埓来の手法ず比べお倚くの面で優䜍性を瀺し文字認識や画像認識など様々な分野で応甚されおいる識別噚は識別関数$f(\bf{x})$の圢によっお䞎えられ$f$が正ならクラスA,$f$が負ならクラスBに識別される$f(\bf{x})=0$を満たす$\bf{x}$の集合を識別面ず呌ぶSVMの倧きな特城の䞀぀はマヌゞン最倧化であるマヌゞンずは識別面ず特城ベクトル間の最小距離でありマヌゞンが倧きいほうが汎化胜力が高くテストパタヌンを粟床良く識別できる䞀般に孊習パタヌンを識別する超平面は耇数存圚するSVMでは䞊に述べた理由から超平面ず孊習パタヌンずの最小距離を最倧にする超平面を求めこれを識別面ずする決定した超平面からの最小距離に察応する特城ベクトルをサポヌトベクトルず呌ぶたたサポヌトベクトル以倖の特城ベクトルは最終的に埗られる識別関数に䞀切圱響を及がさないしたがっお出珟頻床などの統蚈量を甚いる識別噚(たずえば決定朚など)ずは性質が異なるSVMを甚いるこずの短所は(1)2倀クラス識別噚であるため倚クラスを考慮に入れた識別関数の最適化ができない(2)蚈算量が倧きい(3)問題に適したカヌネルトリック(カヌネル関数)の明確な遞択方法は知られおいないなどである\cite{Maeda2001}自然蚀語凊理における同定解析(chunking)ずは䞎えられた蚀語的な芁玠列(文字列単語列など)をより䞊䜍抂念の蚀語的芁玠(単語句文など)にたずめあげるために各芁玠に情報を付䞎する䞀連の凊理を指すたずえば単語の分かち曞きや圢態玠解析文節たずめあげテキストセグメンテヌション文曞分類などはすべお同定解析ずみなすこずができる工藀はSVMに基づく汎甚的な同定解析噚ずしおYamCha(YetAnotherMultipurposeCHunkAnnotator)\footnote{\tthttp://cl.aist-nara.ac.jp/\~{}taku-ku/software/yamcha/}を公開しおいるYamChaは同定解析を各芁玠に察する情報付䞎ず芋なすため䞀般的な解析噚ずしお甚いるこずが可胜であるSVMは2倀識別噚であるため情報付䞎(tagging)のような倚倀クラスの識別問題を扱うためには䜕らかの拡匵を行う必芁があるこれに察しおYamChaでは{\itpairwiseclassification}\cite{Kressel99}䞀察比范分類ず呌ばれる手法を採甚しおいるこれは$K$クラスの識別問題を解くために各クラス2぀の組み合わせを識別する$K\times(K-1)/2$皮類の識別噚を䜜成し最終的にそれらの倚数決でクラスを決定する手法であるSVMを甚いた自然蚀語解析の䟋ずしお英文の基本句同定実隓\cite{Kudo2000b}や日本語の係り受け解析実隓\cite{Kudo2002b}があり埓来手法ず比范しお高い解析結果を瀺しおいるたた平ず春野はSVMを甚いた文曞分類に぀いお高い分類粟床を埗るためには品詞によるフィルタリングをした埌党単語を入力ずしお甚いればよいこずを瀺しおいる\cite{Taira2000} \section{YamChaによる圢態玠解析} \label{節:圢態玠解析}SVMを甚いた䞭囜語の解析噚ずしお我々はYamChaを甚いたこの節ではYamChaによる䞭囜語の圢態玠解析に぀いお述べる圢態玠解析を文字のならびを圢態玠ぞたずめあげる同定解析ず芋なすしたがっお各文字がチャンク(chunk)を構成する1芁玠に盞圓するチャンクずは同定解析における同定単䜍を指しここでは圢態玠に盞圓するSVMの孊習のためにCTBを正解デヌタずしお甚いる\subsection{YamChaの準備}YamChaで扱うデヌタ圢匏は耇数のトヌクンず耇数のカラムから構成される各行は入力のトヌクンに察応する圢態玠解析を行う堎合は1トヌクンが1文字に察応する各カラムにはトヌクンに付䞎された属性が蚘述されるたた各カラムはタブたたはスペヌスによっお区切られおいる必芁があるYamChaによっお掚定(å­Šç¿’)すべき属性は最埌のカラムに䞎えるここでは圢態玠解析を行うので第1カラムには圢態玠の芁玠である1文字を蚘述し第2カラムにはYamChaで掚定する情報を蚘述するこの情報には圢態玠の区切り䜍眮を瀺す情報ず圢態玠に付䞎する品詞情報の䞡方が含たれるたた文ず文の境界はEOSず蚘述した行もしくは空行を付䞎するこずで同定するトヌクンがチャンクに含たれるか吊かの状態を瀺すためにIOB2モデルを甚いた\cite{Sang99}これはあるトヌクンがチャンクの先頭ならばBタグを付䞎しチャンクに含たれる先頭以倖のトヌクンならばIタグを付䞎しチャンクに含たれない堎合にはOタグを付䞎するモデルである䞀方本実隓ではすべおのトヌクンが䜕らかのチャンクに含たれるためOタグは甚いられない付䞎する品詞タグセットはCTBのタグセットず同䞀であるたたCTBにおいお品詞が``-NONE-''の圢態玠は構文構造䞊圢匏的に配眮され実䜓を持たないため察象倖ずする最終的にトヌクンに付䞎されるタグはB/Iタグず品詞タグを``--''で結んだものずなるCTBからYamChaで䞭囜語圢態玠解析を行うための曞匏ぞ倉換する抂芁を図\ref{YamChaFormat}に瀺す\begin{figure}[htb]\begin{center}\epsfxsize=30zw\epsfbox{Figures/yamcha_format.eps}\caption{YamCha甚䞭囜語圢態玠解析デヌタ曞匏}\label{YamChaFormat}\end{center}\end{figure}以䞊の凊理で埗られた孊習デヌタをYamChaに䞎えSVMのモデルを䜜成するその際に玠性ずしお䜿甚したデヌタはYamChaの暙準蚭定に埓ったすなわち掚定するトヌクンずその前方および埌方2トヌクンの蚈5トヌクンにおける文字デヌタず前方2トヌクンの掚定タグを玠性ずしお孊習した解析方向は前方からであるこれは䜿甚する玠性を倉化させた堎合の粟床を怜蚎した予備実隓の結果においおYamChaの暙準蚭定が最も高い粟床であったためであるこれらの関係を図\ref{features}に瀺すたたYamChaで孊習を行うために甚いたSVMの実装は同じく工藀が公開しおいるTinySVM0.08\footnote{\tthttp://cl.aist-nara.ac.jp/\~{}taku-ku/software/TinySVM/}である\begin{figure}[htb]\begin{center}\epsfxsize=15zw\epsfbox{Figures/features.eps}\end{center}\caption{孊習玠性}\label{features}\end{figure}\subsection{圢態玠解析噚MOZ}本報告ではYamChaず同皋床の時間的コストで実珟できる䞭囜語圢態玠解析噚ずしおMOZ\footnote{\tthttp://cl.aist-nara.ac.jp/student/tatuo-y/ma/}\cite{Yamasita2000}をずりあげ䞡者の比范を行う本節ではMOZに関する抂略を述べるMOZで圢態玠解析を行うためには圢態玠蟞曞ず接続衚が必芁ずなるMOZはコスト最小法に基づく解析噚であるので圢態玠蟞曞ず接続衚にはそれぞれコストを䞎えなければならないここではCTBから埗られる情報(品詞2぀組の頻床や圢態玠の頻床など)から圢態玠蟞曞ず接続衚ならびにそれらのコストを求めるすなわち圢態玠蟞曞は圢態玠ずその出珟確率から品詞接続衚は品詞bi-gramによっお䞎えるMOZでは品詞接続衚にtri-gram以䞊のデヌタを甚いるこずができるがデヌタ過疎性(datasparseness)による粟床䜎䞋を避けるために本実隓では品詞bi-gramのみを甚いた圢態玠を$w_i$品詞を$POS_i$$x$の頻床を$C(x)$ず衚蚘するず品詞が$POS_i$である圢態玠$w_i$の出珟確率を匏(\ref{mor_p})で䞎えるここで$C(w_i,\POS_i)$は圢態玠$w_i$か぀その品詞が$POS_i$である頻床を瀺しおいる\begin{equation}p(w_i\|\POS_i)=\frac{C(w_i,\POS_i)}{C(POS_i)}\label{mor_p}\end{equation}たた品詞接続衚の確率は匏(\ref{con_p})で䞎えるここで$C(POS_i,\POS_j)$は品詞$POS_i$のあずに品詞$POS_j$が出珟した頻床である\begin{equation}p(POS_j\|\POS_i)=\frac{C(POS_i,\POS_j)}{C(POS_i)}\label{con_p}\end{equation}システムで扱う最高コストを128ずしおコスト化係数を求めるコスト化係数は匏(\ref{cost_co})により䞎えられるここで最小確率はすべおの$p(w_i\|\POS_i)$および$p(POS_j\|\POS_i)$における最小倀である\begin{equation}コスト化係数=|\最高コスト/\log(最小確率)|\label{cost_co}\end{equation}圢態玠蟞曞ならびに接続衚のコストはそれぞれの確率から匏(\ref{costing})により䞎えられる\begin{equation}コスト=\big\lceil|\log(確率)\timesコスト化係数|\big\rceil\label{costing}\end{equation}以䞊述べた方法により圢態玠蟞曞ならびに接続衚のコストを蚈算する\subsection{孊習文テスト}たずCTB党䜓を孊習デヌタ(4181文\footnote{CTBの説明には4185文ずあるが我々が発芋した明らかな誀りたずえば句点のみを1文ずするなどを陀くず4181文ずなった})ずしこの䞭から無䜜為に抜出した1割の文418文を解析する孊習文テスト(closedtest)を行った具䜓的にはYamChaずMOZをそれぞれ甚いお418文からなるテストデヌタを解析しその結果をCTBの正解ず比范し評䟡したその結果から再珟率(recall)ず適合率(precision)を算出した再珟率ず適合率はそれぞれ匏(\ref{recall})および匏(\ref{precision})ずした\begin{equation}再珟率=解析結果䞭の正解圢態玠数/正解圢態玠数\label{recall}\end{equation}\begin{equation}適合率=解析結果䞭の正解圢態玠数/解析結果の圢態玠数\label{precision}\end{equation}再珟率ず適合率からF倀(F-measure)も求めたF倀は再珟率$R$ず適合率$P$の調和平均であり匏(\ref{F-measure})によっお䞎えられる\begin{equation}F倀=\frac{2\timesR\timesP}{R+P}\label{F-measure}\end{equation}ただし本実隓では正解圢態玠数を求める堎合に圢態玠分割のみ正解の堎合ず分割ならびに品詞の䞡方の2段階の条件を蚭けお評䟡したこの結果を衚\ref{MorclosedTest}に瀺すたた品詞誀りの䞊䜍10件を衚\ref{MorclosedResult2}に瀺すここで出珟率ずは誀りの総数に察する各誀りの割合を瀺す\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{孊習文テストの正解率}\label{MorclosedTest}\begin{tabular}{ll|rrr|rrr}\hline&&\multicolumn{3}{c}{分割のみ}&\multicolumn{3}{|c}{分割ず品詞付䞎}\\\hline察象&解析噚&再珟率&適合率&F倀&再珟率&適合率&F倀\\\hlineCTB&YamCha&99.91\%&99.93\%&99.92\%&99.58\%&99.60\%&99.59\%\\&MOZ&97.78\%&98.82\%&98.82\%&93.74\%&94.73\%&94.23\%\\\hlinePKU&YamCha&99.95\%&99.94\%&99.94\%&99.76\%&99.75\%&99.75\%\\&MOZ&98.72\%&99.17\%&98.94\%&94.71\%&95.14\%&94.92\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{孊習文テスト(CTB)における品詞誀りの䞊䜍10ä»¶}\begin{tabular}{r@{-}l|r|r@{-}l|r}\hline\multicolumn{3}{c|}{YamCha}&\multicolumn{3}{c}{MOZ}\\\hline正解&解析&出珟率&正解&解析&出珟率\\\hlineNN&NR&14/33&VV&NN&84/401\\NR&NN&6/33&DEC&DEG&78/401\\VV&NN&5/33&NN&VV&38/401\\AD&JJ&2/33&NN&NR&19/401\\AD&NN&1/33&VV&P&14/401\\NN&VV&1/33&CC&AD&13/401\\JJ&AD&1/33&NN&JJ&12/401\\CD&OD&1/33&JJ&NN&10/401\\SP&DEC&1/33&AD&JJ&9/401\\DEC&DEG&1/33&JJ&AD&7/401\\---&---&---&P&AD&7/401\\\hline\end{tabular}\label{MorclosedResult2}\end{center}\end{table}\subsection{未知文テスト}次にCTB党䜓を母集団ずする10分割亀差怜定(crossvalidation)による未知文テスト(opentest)を行ったたずCTB党䜓(4181文)を無䜜為に10等分し1割をテストデヌタ残りの9割を孊習デヌタずするこの方法で10組の孊習デヌタずテストデヌタを䜜成したYamChaずMOZそれぞれに察しお10組の孊習デヌタずテストデヌタを甚いお孊習ならびにテストを行い平均倀を求めた実隓結果を衚\ref{MOR_Opentest}に瀺すたた品詞誀りの䞊䜍10件の内蚳を衚\ref{MoropenResult2}に瀺す衚䞭のnullは未知語のために付䞎されたタグを瀺しおいる\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{未知文テスト結果}\label{MOR_Opentest}\begin{tabular}{ll|rrr|rrr}\hline&&\multicolumn{3}{c}{分割のみ}&\multicolumn{3}{|c}{分割ず品詞付䞎}\\\hline察象&解析噚&再珟率&適合率&F倀&再珟率&適合率&F倀\\\hlineCTB&YamCha&93.04\%&93.71\%&93.37\%&87.58\%&88.20\%&87.89\%\\&MOZ&92.19\%&85.89\%&88.93\%&86.32\%&80.42\%&83.26\%\\\hline京倧&YamCha&92.02\%&93.23\%&92.62\%&88.17\%&89.33\%&88.74\%\\(10䞇語)&JUMAN&98.97\%&98.65\%&98.80\%&93.49\%&93.19\%&93.34\%\\\hlinePKU&YamCha&86.66\%&87.52\%&87.09\%&80.19\%&80.99\%&80.59\%\\(10䞇語)&MOZ&90.05\%&80.58\%&85.05\%&84.57\%&75.67\%&79.87\%\\\hlinePKU&YamCha&95.19\%&95.19\%&95.19\%&91.72\%&91.72\%&91.72\%\\&MOZ&95.68\%&93.42\%&94.58\%&89.87\%&87.75\%&88.72\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{未知文テストにおける誀り品詞の䞊䜍10ä»¶}\label{MoropenResult2}\begin{tabular}{r@{-}l|r|r@{-}l|r}\hline\multicolumn{3}{c|}{YamCha}&\multicolumn{3}{c}{MOZ}\\\hline正解&解析&出珟率&正解&解析&出珟率\\\hlineVV&NN&1037/5447&VV&NN&1016/5859\\NN&VV&579/5447&DEC&DEG&933/5859\\DEC&DEG&578/5447&NN&VV&701/5859\\JJ&NN&402/5447&NN&NR&263/5859\\DEG&DEC&334/5447&DEG&DEC&186/5859\\NR&NN&323/5447&VV&P&184/5859\\NN&NR&266/5447&NN&JJ&126/5859\\VA&NN&174/5447&JJ&AD&118/5859\\AD&NN&126/5447&NN&null&116/5859\\AD&VV&115/5447&CC&AD&100/5859\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}未知文テストにおいおYamChaが1孊習デヌタを孊習するために芁した凊理時間ず1テストデヌタを解析するために芁した凊理時間などを衚\ref{MorTime}に瀺す枬定時はCPU:PentiumIII600MHzメモリ:256MBOS:Linuxの蚈算機を甚いたただしYamChaで解析を行うためにはアヌキテクチャ非䟝存のテキスト圢匏のモデルファむル(孊習結果を栌玍するファむル)をアヌキテクチャ䟝存のバむナリ圢匏にコンパむルする必芁があるその際にテキスト圢匏のモデルをメモリ䞊に展開するため倧量のメモリを必芁ずするこの実隓では玄650MBのメモリを必芁ずしたためコンパむル䜜業だけはCPU:PentiumIII733MHzメモリ:960MBの蚈算機を䜿甚したこのコンパむルに芁した時間は玄5分であった本実隓のあずコンパむルに必芁なメモリ量を抑える目的からプログラムを修正したその結果速床を少々犠牲にするが80MB皋床のメモリで䞊蚘のモデルファむルをコンパむル可胜ずなった凊理時間はCPU:PentiumIII600MHzメモリ:256MBの蚈算機で玄7分であったこのYamCha0.1に察するプログラムの差分はWWWペヌゞ\footnote{\tthttp://www.slt.atr.co.jp/\~{}kohtake/}にお公開しおいる\footnote{2002幎11月に公開されたYamCha0.2ではこの修正が反映されおおりプログラムの差分を適甚する必芁はない}\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{YamChaでの凊理時間}\begin{tabular}{l|ll}\hline&å­Šç¿’&解析\\\hlineタグの皮類&53&---\\文数&箄3700&箄400\\トヌクン数&箄15侇8千&箄1侇7千\\凊理時間&箄6時間&箄35分\\\hline\end{tabular}\label{MorTime}\end{center}\end{table}䞀方MOZが孊習デヌタ(箄3700文)から圢態玠蟞曞ず接続衚のコストを求めるために必芁ずした時間は玄3秒であり1テストデヌタ(箄400文)を解析するために必芁ずした時間は玄1秒であった\subsection{未知語の性質}次にテストデヌタに含たれる圢態玠のうち孊習デヌタに含たれおいないものを未知語ず定矩しその性質を調べた未知文テストにおける平均未知語率などを求めた結果を衚\ref{OpenUnknown}に瀺す.未知語率ずはテストデヌタの単語数に占める未知語数の割合を指し平均未知語率ずはテストセット党䜓での未知語率の平均を瀺しおいる\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{未知文テストにおける平均未知語率など}\label{OpenUnknown}\begin{tabular}{l|ccccc}\hline&平均未知語率&&&\multicolumn{2}{c}{圢態玠数}\\察象&[異なり/のべ](\%)&平均文長&平均圢態玠長&異なり&のべ\\\hlineCTB(10分割)&21.74/7.05&41.10字&1.72字&12079&103901\\京倧10䞇語(10分割)&24.18/8.38&43.91字&1.77字&14613&102310\\PKU10䞇語(10分割)&26.85/10.87&40.71字&1.64字&16810&102741\\PKU(11分割)&15.79/2.84&41.85字&1.64字&61846&1118794\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}未知語に察する解析噚の性質をより詳しく調べるため以䞋の実隓を行ったたずCTBから40蚘事を無䜜為に遞択するそのうち30蚘事を孊習デヌタ残り10蚘事をテストデヌタずする次にテストデヌタから順に1蚘事ず぀孊習デヌタに加えおいき蚈11個の孊習デヌタを䜜成するそれぞれの孊習デヌタに基づく解析噚で同䞀のテストデヌタ10蚘事を解析した以䞊の実隓抂芁を図\ref{UnknownWordExp}に瀺す\begin{figure}[htb]\begin{center}\epsfxsize=50mm\epsfbox{Figures/UkW_Exp.eps}\caption{未知語ず解析粟床に関する実隓の抂芁}\label{UnknownWordExp}\end{center}\end{figure}テストデヌタに含たれる単語数は1111のべ語数は2954である11のテストセットにおける孊習デヌタの単語未知語数ならびに未知語率を衚\ref{UkTEST}に瀺す\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{未知語ず解析粟床に関する実隓におけるテストセットの単語数}\label{UkTEST}\begin{tabular}{c|rrrrrr}\hline&\multicolumn{2}{c}{単語数}&\multicolumn{2}{c}{未知語数}&\multicolumn{2}{c}{未知語率(\%)}\\テストセット&異なり&のべ&異なり&のべ&異なり&のべ\\\hline0&2809&10819&572&770&51.49&26.07\\1&2892&11402&489&639&44.01&21.63\\2&2921&11512&460&594&41.40&20.11\\3&3044&11929&337&442&30.33&14.96\\4&3075&12134&306&406&27.54&13.74\\5&3127&12402&254&337&22.86&11.41\\6&3190&12764&191&252&17.19&8.53\\7&3265&12993&116&150&10.44&5.08\\8&3293&13274&88&115&7.92&3.89\\9&3319&13393&62&75&5.58&2.54\\10&3381&13773&0&0&0.00&0.00\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}各テストセットにおける未知語率(異なり)ず解析粟床の関係を図\ref{MorCrbyUk}に瀺す図では解析粟床をF倀で瀺すなお未知語率(のべ)ず粟床の関係を図瀺しおいないが図\ref{MorCrbyUk}ずほが同䞀の図ずなるため省略する\begin{figure}[htb]\begin{center}\epsfxsize=20zw\epsfbox{Figures/UK_plots.eps}\caption{未知語率[異なり]ず解析粟床}\label{MorCrbyUk}\end{center}\end{figure}次に未知語がある堎合の解析結果を調査したテストセット$t_i$における未知語の集合を$UK(t_i)$$w\inUK(t_i)$のうち圢態玠分割に成功した圢態玠の集合を$USeg(t_i)$ずするさらに$w\inUSeg(t_i)$のうち品詞も正しく解析された圢態玠の集合を$USP(t_i)$ずするこれらの集蚈結果を衚\ref{UK_Analyze_table}に瀺すたたMOZでは入力に未知語が含たれる堎合解析䞍胜で停止するこずはないが最終的に未知語ず刀断された文字列を1文字ず぀nullずいう品詞を䞎えお出力するしたがっおMOZでの解析で$|USP(t_i)|$を瀺しおいないのはMOZでは未知語がnullず解析されるため$USP(t_i)$は空集合ずなるためである䞀方MOZでの解析においお$USeg(t_i)$が埗られるのは正解が1文字の圢態玠である堎合に圢態玠分割が成功したず芋なすからである\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{未知語ずその解析結果}\label{UK_Analyze_table}\begin{tabular}{cc|rr|r}\hline&&\multicolumn{2}{c|}{YamCha}&MOZ\\\cline{3-5}$t_i$&$|UK(t_i)|$&$|USeg(t_i)|$&$|USP(t_i)|$&$|USeg(t_i)|$\\\hline0&572&376&249&87\\1&489&319&212&78\\2&460&299&199&77\\3&337&225&157&56\\4&306&202&147&47\\5&254&174&127&35\\6&191&135&95&27\\7&116&82&59&18\\8&88&60&43&15\\9&62&47&35&10\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{蚀語䟝存性ずコヌパスの倧きさ}これたでCTBをコヌパスずしお䞭囜語の圢態玠解析に぀いお2぀の解析噚YamChaずMOZを比范しおきたしかしその未知文テストの結果は衚\ref{MOR_Opentest}に瀺す通りこれたでに報告されおいる日本語の圢態玠解析噚の粟床より䜎いここではその原因が䞭囜語の蚀語ずしおの解析の難しさにあるのかコヌパスの量にあるのかを怜蚎する\subsubsection{日本語圢態玠解析におけるYamCha}CTBで甚いられおいるのは新華瀟通信の新聞蚘事であるそこでSVMに基づく圢態玠解析噚の日本語に察する粟床を怜蚌するために我々は京郜倧孊テキストコヌパス第3.0版以䞋京倧コヌパスず呌ぶを甚いお実隓を行ったこのコヌパスの詳现に぀いおは付録\ref{KYODAI_CORPUS}を参照されたいCTBの倧きさが玄10䞇語であるずころから我々は京倧コヌパスのうち1月1,3,4,5日の蚘事4117文102310単語を甚いるこずにしたCTB党䜓では4181文99720単語である我々が遞択した京倧コヌパスの䞀郚に぀いおCTBに察する実隓ず同様に10分割亀差怜定を実斜したこの怜定における平均未知語率などを衚\ref{OpenUnknown}に瀺す京倧コヌパスを甚いた実隓における品詞はJUMAN\footnote{\tt{http://www-nagao.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/juman.html}}が定矩する品詞のうち品詞现分類たでを含めたものずしたこの結果タグセットの倧きさは41ずなりCTBの33より倧きいYamChaの孊習に甚いたデヌタの䟋を以䞋に瀺す\vspace*{5mm}\begin{quote}\begin{verbatim}今B-名詞-時盞名詞話B-名詞-普通名詞幎I-名詞-時盞名詞題I-名詞-普通名詞のB-助詞-接続助詞のB-助詞-接続助詞倧B-名詞-普通名詞力B-名詞-普通名詞盞I-名詞-普通名詞士I-名詞-普通名詞撲I-名詞-普通名詞たB-接尟蟞-名詞性名詞接尟蟞をB-助詞-栌助詞ちI-接尟蟞-名詞性名詞接尟蟞支B-動詞えI-動詞るI-動詞\end{verbatim}\end{quote}\vspace*{5mm}実隓結果を衚\ref{MOR_Opentest}に瀺す参考たでに我々が遞択した京倧コヌパスの䞀郚をJUMANで圢態玠解析した結果もあわせお瀺す日本語を察象ずした実隓でも同皋床の倧きさのコヌパスでは同皋床の粟床ずなった\subsubsection{コヌパスの倧きさず解析粟床}CTBは既に述べた通り4181文99720単語からなるコヌパスだが倧きいずは蚀えないそのため10分割亀差怜定を行っおもテストセットにおける未知語率が非垞に倧きくなり粟床が䜎くなる品詞タグ付けされたコヌパスがあればそれを圢態玠解析噚のために利甚するこずが可胜であるCTBのように構文朚を備えおいる必芁はない品詞タグ付けされた䞭囜語のコヌパスはいく぀かあるが我々はCTBよりも倧きくそしお同じ新聞蚘事ずいう点から人民日報タグ付きコヌパスを䜿甚した人民日報タグ付きコヌパスに関しおは付録\ref{PKU_CORPUS}にその抂芁等を瀺すただし我々は人民日報半幎分であるコヌパス党おではなく無償公開しおいる1ヶ月分のデヌタを甚いた人民日報タグ付きコヌパス1ヶ月分(以䞋PKUず呌ぶ)は44011文1121447単語からなるコヌパスである定矩されおいるタグセット\footnote{\tthttp://www.icl.pku.edu.cn/research/corpus/addition.htm}の倧きさは39であるしかしながら実際のPKUにはここに定矩されおいないタグが7皮類(Bg:8,Mg:7,Rg:10,Yg:1,na:1,nx:459,vvn:1コロンの埌の数倀は頻床を瀺す)出珟するここでnxは定矩されおいるタグxに該圓するこずがわかったのでnx以倖の6皮類のタグを含む文を陀いたその結果PKUは43913文1118794単語からなるコヌパスずなったPKUはCTBの玄11倍の倧きさを持぀たず同皋床のコヌパスの倧きさでの粟床を怜蚌したPKUをランダムに文単䜍で11等分しそのうちの1぀(箄10䞇語)を甚いお10分割亀差怜定を行った結果を衚\ref{MOR_Opentest}に瀺す以䞋このPKUの10䞇語のコヌパスをPKU10䞇語ず衚蚘するPKU10䞇語を甚いおの未知文テストずCTBでの未知文テストでの粟床の違いは䞡者のコヌパスの違いに起因する䞡者はずもに玄10䞇語のコヌパスであるが衚\ref{OpenUnknown}からPKUの方が未知語が倚くなおか぀1文あたりの平均圢態玠数がCTBより玄1単語倚いこずがわかるCTBでの1文平均圢態玠数$=41.10/1.72=23.90$PKU10䞇語での1文平均圢態玠数$=40.71/1.64=24.82$さらにPKUはCTBず比范しおタグセットが倧きくタグ䞀皮類あたりの孊習デヌタが少なくなるこずからタグの掚定がより難しくなっおいるしたがっおPKU10䞇語での結果は同じ10䞇語のCTBず比范しお粟床が倧きく䜎䞋したず考えるMOZが再珟率の面でYamChaを䞊回るのは蟞曞を甚いる利点が掻かされおいるず考えるYamChaは1文字単䜍でタグの掚定を行うタグの掚定に甚いるのは掚定察象文字ずその前埌2文字さらに盎前に掚定した2぀のタグの蚈7぀の玠性であるしたがっお孊習量が䞍十分な状態ではある圢態玠が孊習テストコヌパスの䞡方に含たれおいる堎合でもテストデヌタにおける圓該圢態玠ずその呚蟺文字列の組合せを玠性ずしお孊習しおいる可胜性は䜎いためSVMが誀る可胜性が倧きくなる䞀方MOZでは䞀床蟞曞に登録された圢態玠は圢態玠分割および品詞の曖昧性が生じない限り正しく再珟されるさらに孊習コヌパスが倧きくない堎合ではこれらの曖昧性が発生する頻床は䜎いず予想するしたがっおMOZが再珟率の面でYamChaを䞊回ったず考える次にPKU党おを孊習コヌパスずし孊習文テストを行ったテストデヌタずしおPKUから無䜜為に抜出した3993文101218単語を解析したなお孊習に甚いるコヌパスが倧きくなるこずからより倧きな分解胜が必芁になるず考えMOZのコスト化係数を128から1024ぞず倉曎した実隓結果を衚\ref{MorclosedTest}に瀺すこの結果から孊習コヌパスが100䞇語を越えおもYamChaは倉わらず高い性胜を瀺しおいるこずがわかる孊習に甚いるコヌパスの倧きさが非垞に倧きくなった堎合の2぀の解析噚のふるたいを怜蚎するために11等分したデヌタを甚いお11分割亀差怜定を行った結果を衚\ref{MOR_Opentest}に瀺す\subsection{圢態玠解析結果に関する考察}以䞊埗られた圢態玠解析に関する実隓結果に぀いお考察するたずYamChaずCTBを䜿甚した堎合の未知文に察する圢態玠解析(分割ず品詞付䞎)粟床(F倀)は87.9\%であった同条件でMOZが83.3\%であるこずを考えるず蚀語資源ずしおCTBしか埗られない条件䞋ではYamChaを䜿甚したほうが高粟床な解析噚を実珟できる次に解析時間に぀いおはYamChaが極端に遅い孊習時間も同様であるよっお解析時に実時間性を問われる状況においおはMOZを䜿甚すべきであるYamChaでは既に述べたように䞀察比范分類に基づき品詞付䞎を行うため品詞数が倧きくなるずその2乗に比䟋するSVMが必芁ずなるそのため品詞数の増加ずずもに孊習解析時間が増倧する品詞付䞎誀りの傟向では1節で述べたように䞭囜語においお本質的に解析の難しいず予想される箇所で䞡解析噚共に誀っおおり解析噚ずしおの誀りのくせはあたり芋受けられない未知語に察する頑健性に぀いおはYamChaのほうが優れる実隓ではYamChaは未知語の玄4割を正しく解析しおおり頑健性を確かめられたこの割合は未知語率が倉化しおも倧きく倉化するこずはなく実隓した範囲の未知語率(51.5\%から6.4\%)で40\%から45\%皋床であったこのこずから未知語率が倧きくなったからずいっおそれに圱響されお極端に粟床が䜎䞋するこずはないず予想する䞀方MOZは未知語に察しお1文字ず぀にnullずいう品詞を付䞎しお出力するのみであるため䜕らかの拡匵を行わない限り品詞の掚定を行えないしたがっお再珟率に察しお適合率が䜎くなる傟向があるたたYamChaにはこのような傟向はなく適合率が再珟率を若干䞊回る傟向を瀺すこれらのこずから入力文䞭に倚くの未知語の存圚が予想される堎合あるいは孊習デヌタの語圙傟向ず異なる入力文を解析する堎合はYamChaを甚いたほうがよいただし䞀般的な状況ずしおコヌパスずは別個に単語集合を入手できる堎合があるこの堎合にはMOZを䜿うべきだろうYamChaでは単語集合があっおもこの情報を孊習に反映させるこずができずコヌパス䞭の出珟単語のみが孊習察象であるためである蚀語資源をより掻甚しおいるのはYamChaであるが蟞曞を甚いないこずから語圙的敎備ができないたた人間の内省による知芋を反映させにくいしたがっお既に倧量のタグ付きコヌパスが存圚する状況ではMOZのような接続コストを統蚈的蚀語モデルに基づいお掚定する手法が頑健で敎備しやすい解析噚ずなる逆にタグ付きコヌパスが充分に敎備されおいない蚀語の解析噚を必芁ずする堎合あるいは新たに定矩した品詞に察する解析噚がその品詞で解析されたコヌパスが充分に存圚しない状況で必芁ずなる堎合にはYamChaが有効であるたた䞭囜語に固有の解析の難しさが考えられるが日本語を察象ずした実隓の結果から同皋床のコヌパスならびにそのタグセットの倧きさの堎合では顕著な違いは芋られなかった衚\ref{MOR_Opentest}しかしながら京倧コヌパスの平均未知語率がCTBのそれず比范しお倧きく衚\ref{OpenUnknown}さらに京倧コヌパスのタグセット(41)がCTBのそれ(33)より倧きいこれは日本語解析の実隓条件が䞭囜語解析の条件に比べ厳しいこずを瀺すそれにもかかわらず実隓結果は同皋床の粟床を瀺したこれらのこずから䞭囜語解析が日本語解析に比べお難しいず刀断するさらに衚\ref{MOR_Opentest}は京倧コヌパスの解析結果ずCTBの解析結果においお単語分割のみず分割ず品詞付䞎ずの間の逆転珟象があるこずを瀺しおいるこれは䞭囜語解析の困難な点は品詞付䞎にあるずいう我々の予芋を裏付ける結果ず考える䞀方でより倧きなコヌパスを甚いるこずにより高粟床な解析噚が実珟可胜であるこずが衚\ref{MOR_Opentest}からわかるたた衚\ref{MorclosedTest}に瀺した孊習文テストの結果から孊習コヌパスをさらに倧きくするずYamChaはさらに粟床を向䞊させる可胜性があるそれに察しMOZはPKU100䞇語以䞊の倧きさを持぀コヌパスを甚いおの孊習文テスト結果においお分割ず品詞付䞎のF倀が玄95\%衚\ref{MorclosedTest}だったこずから珟状の枠組のたたではF倀で95\%皋床がその性胜の限界だず考えるこれをさらに向䞊させるためには接続衚ぞのtri-gram芏則の適甚ならびにその補完などが可胜であるしかし浅原らは䞭囜語の堎合にはtri-gramの芏則自䜓があたり有効ではなく品詞䜓系の詳现化が粟床の向䞊に寄䞎するこずを実隓結果から予枬しおいる\cite{Asahara2002a} \section{YamChaによる基本句同定解析} \label{節:基本句同定解析}本節ではYamChaを甚いた基本句同定解析(basephrasechunking)実隓に぀いお述べる基本句同定解析ずは圢態玠解析結果すなわち品詞付䞎された単語列を入力ずしお最も䞋䜍の構造を同定しその構造に察しお構文的情報を付䞎する凊理であるここで最も䞋䜍の構造を基本句基本句に察する構文的情報を句情報ず本報告では呌ぶこずにするこのように基本句同定解析は䞀段階の構文解析ず考えるこずができるしたがっお構文解析は同定解析を繰り返すこずで実珟できる\cite{Abney91}工藀らはSVMに基づく同定解析の段階適甚が日本語の係り受け解析に有効であるこずを瀺しおいる\cite{Kudo2002b}\subsection{孊習デヌタ}同定解析の孊習デヌタは圢態玠解析ず同様にCTBを甚いたCTBが衚珟する構文朚では葉が圢態玠に盞圓する基本句同定解析では葉に最も近い䜍眮に付䞎されおいる構造が基本句であり圢態玠が基本句を構成する芁玠に該圓するすなわち圢態玠情報を入力ずしお基本句の区切り䜍眮ず句情報を掚定する\subsection{孊習文テスト}CTB党䜓(3572文\footnote{圢態玠解析実隓ず異なる理由は芋出しなどを察象から陀いおいるためである})を孊習デヌタずしお無䜜為に抜出した1割の文(357文)を解析する孊習文テストを行ったこの結果を衚\ref{BP_close}に瀺す孊習文テストにおけるテストデヌタは7746の基本句からなるそのうちYamChaは7745の基本句を同定したこのうち7741の基本句の同定に成功しそのうち句情報も正解だったものは7740であったすなわち孊習文テストではYamChaはほずんどすべおの解析に成功した\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{基本句同定解析の孊習文テストの結果}\label{BP_close}\begin{tabular}{l|ccc}\hline&再珟率(\%)&適合率(\%)&F倀(\%)\\\hline基本句同定のみ&99.94&99.95&99.94\\基本句同定ず句情報付䞎&99.92&99.94&99.93\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{未知文テスト}次に圢態玠解析実隓ず同様に10分割亀差怜定による未知文テストを行った孊習の玠性は圢態玠の文字列情報品詞情報基本句の区切りを瀺すIOBタグずその基本句の句情報であるすべおの孊習条件はYamChaの暙準蚭定に埓っおいる圢態玠解析実隓ず同様に再珟率ず適合率を求めた未知文テストの結果を衚\ref{BphopenResult1}に瀺すなお正解基本句数の平均は7734.4でありYamChaが出力した基本句数の平均は7691.9である\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{基本句同定解析の未知文テストの結果}\begin{tabular}{l|ccc}\hline&再珟率(\%)&適合率(\%)&F倀(\%)\\\hline基本句同定のみ&94.61&95.12&94.86\\基本句同定ず句情報付䞎&93.44&93.94&93.69\\\hline\end{tabular}\label{BphopenResult1}\end{center}\end{table}基本句同定句情報付䞎共に比范的高い粟床を埗られるこずがわかったたた句情報付䞎における誀りのうち出珟率の倧きい䞊䜍5皮を衚\ref{BphopenResult2}に瀺す\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{誀りパタヌンの䞊䜍5çš®}\begin{tabular}{r@{-}l|r}\hline正解&解析&出珟率(\%)\\\hlineIP&VP&47.58(432/908)\\VP&IP&35.35(321/908)\\IP&NP&2.31(21/908)\\UCP&IP&2.20(20/908)\\PRN&IP&1.98(18/908)\\\hline\end{tabular}\label{BphopenResult2}\end{center}\end{table}1テストセットあたりの孊習・解析時間は衚\ref{BphTime}の通りであるなお圢態玠解析実隓ず同䞀の蚈算機を䜿甚した堎合モデルファむルのコンパむルに芁した時間は玄1分だった\begin{table}[htb]\begin{center}\caption{基本句同定解析の凊理時間}\begin{tabular}{l|ll}\hline&å­Šç¿’&解析\\\hlineタグの皮類&29皮類&---\\文数&箄3200&箄350\\トヌクン数&箄8侇6千&箄9500\\凊理時間&箄2時間&箄3分\\\hline\end{tabular}\label{BphTime}\end{center}\end{table}基本句同定解析は圢態玠解析ず比べお高い解析粟床を埗たたた孊習・解析に芁する時間がいずれも短いこれは付䞎する情報の皮類が少ないおよびトヌクン数が少ないためである \section{たずめ} 本報告ではSVMに基づく蚀語解析噚を甚いおPennChineseTreebankを蚀語資源ずした時にどの皋床の䞭囜語解析粟床が埗られるかを報告した以䞋にその結果をたずめる\begin{itemize}\itemSVMに基づく解析噚YamChaによる圢態玠解析粟床は単語単䜍で玄88\%でありコスト最小法に基づく解析噚MOZよりも4\%以䞊高い未知語の玄4割を正しく解析でき未知語に察する頑健性は高いただし蚈算量に問題があり解析時間孊習時間共に非垞に長い倧量のタグ付きコヌパスが入手できる堎合はYamChaMOZのいずれを甚いおもさらに高粟床の解析噚110䞇語のコヌパスの堎合F倀でそれぞれ玄92\%89\%を実珟できるそのような堎合には解析孊習にかかる時間を考慮するずMOZを甚いるべきであるなお䞭囜語圢態玠解析は日本語のそれず比范しお顕著な困難さは芋られなかった\item基本句同定解析(basephrasechunking)の粟床は玄93\%玄3200文の孊習に玄2時間357文の解析に玄3分を芁する\end{itemize}\vspace*{8mm}\acknowledgment本研究は通信・攟送機構の研究委蚗「倧芏暡コヌパスベヌス音声察話翻蚳技術の研究開発」により実斜したものです\newpage\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{ca_svm}\newpage\appendix\vspace*{-1em} \section{CTBのタグセット} \vspace*{-1em}\label{tagset}CTBにおける党品詞の説明ず党おの句情報の説明をCTBのタグ付䞎指針\cite{CTB_guide2000}から転蚘する\begin{center}\begin{tabular}{llll}\multicolumn{2}{l}{\bf品詞情報}&&\\AD&adverbs&M&measureword(includingclassifiers)\\AS&aspectmarker&MSP&someparticles\\BA&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/ba.eps}}inba-const&NN&commonnouns\\CC&coordinatingconj&NR&propernouns\\CD&cardinalnumbers&NT&temporalnouns\\CS&subordinatingconj&OD&ordinalnumbers\\DEC&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/de.eps}}forrelative-clauseetc.&ON&onomatopoeia\\DEG&associative\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/de.eps}}&P&prepositions(excluding\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/ba.eps}}and\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei4.eps}})\\DER&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/de_toku.eps}}inV-deconst.andV-de-R&PN&pronouns\\DEV&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/de_ti.eps}}astheheadofDVP&PU&punctuation\\DT&determiner&SB&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei4.eps}}inshortbei-construction\\ETC&tagsfor\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/deng.eps}}and\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/deng.eps}\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/deng.eps}}&SP&sentence-finalparticle\\&incoordinationphrases&VA&predicativeadjective\\FW&foreignwords&VC&copula\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/shi.eps}}\\IJ&interjection&VE&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/you.eps}}asthemainverb\\JJ&noun-modifierotherthannouns&VV&otherverbs\\LB&\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=1.1zw\epsfbox[0109990]{Chinese_Chars/bei4.eps}}inlongbei-construction&&\\LC&localizer&&\\\end{tabular}\end{center}\vspace*{-1em}\begin{center}\begin{tabular}{llll}\multicolumn{2}{l}{\bf句情報}&&\\ADJP&adjectivephrase&LCP&phraseformedby``XP+LP''\\ADVP&adverbialphraseheaded&LST&listmarker\\&byAD(adverb)&NP&nounphrase\\CLP&classifierphrase&PP&prepositionphrase\\CP&clauseheadedbyC(complementizer)&PRN&parenthetical\\DNP&phraseformedby``XP+DEG''&QP&quantifierphrase\\DP&determinerphrase&UCP&unidenticalcoordinationphrase\\DVP&phraseformedby``XP+DEV''&VP&verbphrase\\FRAG&fragment&&\\IP&simpleclauseheadedbyI(INFL)&&\\\end{tabular}\end{center} \section{本報告で甚いた蚀語情報資源} 以䞋に本報告で甚いた蚀語情報資源に぀いおたずめる\subsection{PennChineseTreebank}\label{CTB_CORPUS}米囜ペンシルバニア倧孊(UniversityofPennsylvania)のChineseTreebankProjectにより䜜成された構文朚コヌパスであるこのプロゞェクトは1998幎倏に始たり最終版(LDC2000T48)を2000幎12月にたた同䞀内容で誀りを修正したPennChineseTreebankVersion2.0(LDC2001T11)を2001幎に公開した新華瀟通信(\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=5.5zw\epsfbox[01048290]{Chinese_Chars/xinhua_news.eps}},XinhuaNewsAgency)の1994幎から1998幎の325蚘事から構成される玄10䞇語の倧きさのコヌパスであるCTBは\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=5.5zw\epsfbox[01048290]{Chinese_Chars/xinhua_news.eps}}の325蚘事に察しお単語分割品詞付䞎構文情報付䞎されたコヌパスであるコヌパス䜜成䜜業は(1)䜜業者1名が党情報を付䞎する(2)別の䜜業者1名が点怜するずいう方法で行った文字コヌドにはGBコヌドを䜿甚しデヌタの曞匏はEnglishPennTreebankずほが同䞀である\subsubsection*{入手方法}LinguisticDataConsortium(LDC)より出版されおいるそのため入手方法は通垞のLDCのコヌパスを入手する方法ず同じである本報告で䜿甚したLDC2000T48は2000幎のメンバヌに配垃可胜であるメンバヌ以倖であっおもUS\$100にお入手するこずができる関連URIを以䞋に瀺す\begin{tabular}{ll}{ChineseTreebankProject}&{\tt\smallhttp://www.ldc.upenn.edu/ctb/}\\LDC&{\tt\smallhttp://www.ldc.upenn.edu/}\\CTB最終版&{\tt\smallhttp://www.ldc.upenn.edu/Catalog/LDC2000T48.html}\\CTBVersion2.0&{\tt\smallhttp://www.ldc.upenn.edu/Catalog/LDC2001T11.html}\\\end{tabular}\subsection{人民日報タグ付きコヌパス}\label{PKU_CORPUS}富士通研究開発䞭心有限公叞(\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=14.3zw\epsfbox[010124790]{Chinese_Chars/fujitu.eps}})ず北京倧孊(\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=4.4zw\epsfbox[01038690]{Chinese_Chars/beijingdaxue.eps}})および人民日報瀟(\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=5.5zw\epsfbox[01048290]{Chinese_Chars/renminribao.eps}})が協力し䜜成した䞭囜で最も暩嚁を持ち圱響力のある䞭囜党囜玙のタグ付きコヌパスである\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=4.4zw\epsfbox[01038390]{Chinese_Chars/renminribao_4char.eps}}の1998幎の新聞蚘事半幎分玄1,300䞇文字玄730䞇単語からなる\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=5.5zw\epsfbox[01048290]{Chinese_Chars/renminribao.eps}\epsfxsize=6.6zw\epsfbox[01058190]{Chinese_Chars/xinwenxinxi_center.eps}}から倧孊や研究所などでの研究利甚に限定しお人民元2,000元玄3䞇円実費にお有償公開しおいるたたこの内1ヶ月分を無償公開しおいる\subsubsection*{入手方法}正芏版の入手に関しおはWWWペヌゞ\footnote{\tt{http://www.fujitsu.com.cn/support/}}に蚘茉されおいる連絡先ぞ問いあわせるたた本報告で甚いた無償公開版は\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=13.4zw\epsfbox[010115490]{Chinese_Chars/beijingdaxue_keisan.eps}}の公開ペヌゞ\footnote{\tt{http://www.icl.pku.edu.cn/research/corpus/dwldform1.asp}}にある必芁項目を満たすこずにより入手できるその他関連URIを以䞋に瀺す\noindent\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{日本語による説明{\tt\smallhttp://pr.fujitsu.com/jp/news/2001/08/28.html}}\\\lower.25ex\hbox{\epsfxsize=13.4zw\epsfbox[010115490]{Chinese_Chars/beijingdaxue_keisan.eps}}&\\\multicolumn{2}{r}{{\tt\smallhttp://www.icl.pku.edu.cn/Introduction/corpustagging.htm}}\\\multicolumn{2}{l}{タグセット䞀芧{\tt\smallhttp://www.icl.pku.edu.cn/research/corpus/addition.htm}}\\\end{tabular}\subsection{京郜倧孊テキストコヌパス}\label{KYODAI_CORPUS}京郜倧孊テキストコヌパスは毎日新聞1995幎1月1日から17日たでの党蚘事玄2䞇文1月から12月たでの瀟説蚘事玄2䞇文蚈玄4䞇文に察しお京郜倧孊の圢態玠解析システム(JUMAN)構文解析システム(KNP)で自動解析を行いその結果を人手で修正したコヌパスであるただしコヌパスずしお含んでいるのは圢態玠・構文の付加情報のみであり毎日新聞の蚘事そのものは含たれおいないそのためコヌパス本来の圢匏ずするためには別途毎日新聞CD-ROMが必芁である毎日新聞CD-ROMを甚意し京郜倧孊テキストコヌパスの配垃パッケヌゞに含たれるプログラムを䜿甚しお完党なコヌパスの圢匏ぞ倉換する\subsubsection*{入手方法}以䞋のペヌゞより入手できる\noindent{\tthttp://www-nagao.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html}\newpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{吉田蟰巳}{1979幎生2002幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚知識情報工孊課皋卒業珟圚豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋知識情報工孊専攻圚孊䞭自然蚀語凊理特にテキスト自動芁玄の研究に埓事\\{\tte-mail:[email protected]}}\bioauthor{倧竹枅敬}{1973幎生2001幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋電子・情報工孊専攻修了博士工孊同幎より囜際電気通信基瀎技術研究所(ATR)に所属し珟圚音声蚀語コミュニケヌション研究所研究員自然蚀語凊理特に換蚀凊理芁玄凊理機械翻蚳の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員\\{\tte-mail:[email protected]}}\bioauthor{山本和英}{1969幎生1996幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋システム情報工孊専攻修了博士工孊同幎より囜際電気通信基瀎技術研究所(ATR)に所属し珟圚音声蚀語コミュニケヌション研究所客員研究員非垞勀1998幎䞭囜科孊院自動化研究所囜倖蚪問孊者2002幎より長岡技術科孊倧孊電気系講垫換蚀凊理,芁玄凊理,機械翻蚳,䞭囜語及び韓囜語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員\\{\tte-mail:[email protected]}}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N01-03
\section{はじめに} 圢態玠解析は文を圢態玠列に分割し各圢態玠に品詞をタグ付けするタスクである圢態玠解析は自然蚀語凊理における基盀技術であり構文解析や情報怜玢ずいった応甚を実珟するうえで高い粟床の達成が䞍可欠ずなる日本語の圢態玠解析ではあらかじめ定矩された蟞曞を甚いる手法が高い粟床を達成しおいる~\cite{Kurohashi1994full,浅原正幞:2002,Kudo2004full}この手法では入力文は蟞曞匕きにより埗られた圢態玠のラティスに展開されラティス䞭の最適なパスが出力ずしお遞択されるしかし蟞曞に基づく圢態玠解析には蟞曞にない圢態玠{\bf未知語}の解析を誀りやすいずいう問題がある䟋えば圢態玠解析噚JUMAN\footnote{http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/juman.html}はデフォルトの蟞曞を甚いるず未知の動詞「ググる」を誀っお「ググ」ず「る」に分割するこの未知語問題は未知語を解析甚の蟞曞に远加するこずで解決するしかし人手による蟞曞登録はコストがかかるため蚈算機による自動化が望たれる人手によらない未知語問題ぞの解決策ずしお2通りの手法が提案されおいるひず぀目の手法では圢態玠解析における未知語モデルを改良する~\cite{Nagata1999full,内元枅貎:2001,Asahara2004full,東藍:2006}日本語の圢態玠解析で広く甚いられる未知語モデルは字皮に基づく簡単なヒュヌリスティクスだが代わりに統蚈や機械孊習に基づく未知語モデルを導入するず未知語同定の粟床が向䞊する二぀目の手法ではテキストから未知語を自動獲埗し圢態玠解析甚の蟞曞を拡匵する~\cite{Mori1996full}二぀の手法を比べるず前者は入力文䞭の個々の未知語を同定しようずするのに察し埌者は同じ未知語のテキスト䞭での耇数の䜿われ方を比范できるずいう点で異なる耇数の䜿われ方の比范は未知語の同定に効果的ず考えられる䟋えば「よう぀べ」YouTubeのスラングずいう圢態玠を知らないたた「よう぀べっお 」ずいう文を解釈したいずするこのずき「よう぀べ」は未知の名詞以倖にも未知の動詞「よう぀べる」ずも解釈できいずれが正しいか刀断しがたい同様に別の文「よう぀べずは 」に぀いお名詞「よう぀べ」の他に動詞「よう぀ぶ」の呜什圢ずも解釈できるしかし䞡者を芋比べるず2文ずも名詞「よう぀べ」で解釈できるこずから名詞ずいう解釈がより自然だず掚枬できる埓っお本論文では埌者の手法を採甚するただし䞡者は察立するものではなく組み合わせるこずでより高い解析粟床が埗られるようになるず期埅できる未知語獲埗の埓来手法はバッチ凊理でありコヌパスを゜ヌトしおすべおの郚分文字列を調べる~\cite{Mori1996full}しかしこの手法は効率が悪いなぜなら高頻床の圢態玠のほずんどが解析甚の蟞曞に登録枈みであり䞀般に出珟頻床でコヌパスの90\%以䞊を網矅しおいるこうした既知の圢態玠を改めお獲埗しおも無駄になるこれに察し提案手法では蟞曞に登録されおいない圢態玠のみを獲埗察象ずする埓来研究は資源の制玄から䞻に小芏暡な新聞蚘事を察象に行われおきたが近幎りェブの出珟により倧芏暡なテキストが入手可胜ずなっおいるそれに䌎い自然蚀語凊理の様々な分野でデヌタの倧芏暡化による性胜向䞊が報告されおいる\cite{Banko2001full,Brants2007full}しかし未知語獲埗はデヌタの倧芏暡化が単玔に解決する性質の問題ではない未知語の䞭には「ブログ」のように高頻床ながら登録が挏れおいるものもあるが倧郚分がいわゆるロングテヌルに属す䜎頻床の圢態玠であるこうした圢態玠の出珟するテキストには偏りがあるだけでなくデヌタを増やすだけでは次々ず新たな未知語が出珟しおきりがない埓っおずにかくデヌタを䞎えおそこから未知語を獲埗するよりも個々の未知語候補に着目しそれが獲埗されるたでデヌタを読み蟌む方が自然であるそもそも未知語の同定のために䜕千䜕䞇もの䜿われ方を調べる必芁はなく盎芳的にはほずんどの堎合10件皋床を芋比べればほが明らかではないかず思われる本論文ではオンラむン未知語獲埗ずいう枠組みずその具䜓的な実珟手法を提案するオンラむン未知語獲埗ではバッチ凊理ではなく逐次的に入力されるテキストから未知語を獲埗する圢態玠解析噚自䜓は通垞通りテキストを文単䜍で解析し圢態玠列を出力する異なる点は解析の裏で未知語獲埗噚が動䜜するこずである具䜓的には解析された文から未知語を抜出し適圓な時点で圢態玠解析噚の蟞曞を曎新するこれにより獲埗された未知語が圢態玠解析に反映されるオンラむン未知語獲埗では獲埗開始時に察象コヌパスを決める必芁がないそのため䟋えばクロヌラが毎日新たなペヌゞを取埗するずいう蚭定でもこの差分のみから未知語が獲埗できるオンラむン未知語獲埗は怜出列挙遞択のサブタスクにより実珟されるこのうち列挙は日本語の持぀圢態論的制玄を利甚し遞択は蓄積した耇数甚䟋の比范による実隓により比范的少数の甚䟋から高粟床に未知語が獲埗されその結果圢態玠解析の粟床が改善するこずが瀺された本論文の構成は次の通りである\ref{sec:acquisition-task}章で未知語獲埗タスクを敎理し\ref{sec:online-acquisition}章でオンラむン未知語獲埗の枠組みを提案する\ref{sec:enumeration-and-selection}章ではオンラむン未知語獲埗の実珟手法のうち列挙ず遞択を説明する\ref{sec:experiments}章で実隓結果を報告し\ref{sec:related-work}章で関連研究\ref{sec:conclusion}章で結論を述べる \section{未知語獲埗タスク} \label{sec:acquisition-task}未知語獲埗ずは未知語に぀いおテキスト䞭の䞀぀以䞊の{\bf甚䟋}から{\bf蟞曞項目}を垰玍的に生成するタスクであるここで蟞曞項目は蟞曞の項目ずしお蚘述される圢態玠でありテキスト䞭に出珟したその圢態玠を甚䟋ずよぶ䟋えば未知語「ググる」に぀いお「なんずなく\underline{ググっお}みた」や「\underline{ググら}ずに答える」ずいったテキスト䞭の甚䟋から蟞曞項目を生成するただし個々の甚䟋の解釈には曖昧性がありそうした曖昧性を解消するこずによっお蟞曞項目が生成される蟞曞項目の生成には{\bf語幹}ず{\bf品詞}の同定が必芁ずなる「ググる」の䟋にあるように動詞や圢容詞は文法的圹割に応じお圢態倉化を起こすがこの圢態倉化は掻甚ずいう抂念によっお凊理される掻甚する圢態玠は{\bf語幹}ず{\bf語尟}からなる語幹は䞍倉だが語尟は掻甚に応じお倉化する䟋えば「ググっお」は語幹「ググ」ず語尟「っお」からなる名詞は掻甚せず語幹のみからなる品詞は圢態玠解析甚に定矩されたものに基づくただし既存の品詞は人手での付䞎が前提ずなっおおり圢態構文意味レベルの情報が混圚しおいる未知語獲埗タスクにおいおいきなり意味レベルの情報を獲埗するのは難しいため本論文ではひずたず圢態レベルの情報の獲埗を目指すそのために品詞分類を敎理する以䞋の説明は圢態玠解析噚JUMANが採甚する品詞䜓系に基づく品詞䜓系の蚭定方法には様々な流儀があるため䞀般化が難しいが少なくずもipadic\footnote{http://sourceforge.jp/projects/ipadic/}の品詞䜓系でも同様の議論が成り立぀こずは容易に想像できる品詞は「品詞」「品詞现分類」「掻甚型」「掻甚圢」の4皮類からなる「品詞」には「名詞」「動詞」「圢容詞」などがある「名詞」の「品詞现分類」には「普通名詞」や「サ倉名詞」の他固有名詞甚の「固有名詞」「組織名」「地名」「人名」などがあるしかし固有名詞ず普通名詞の識別は圢態レベルの文法的な情報のみでは困難なので本論文では䟿宜的に固有名詞も「普通名詞」ずみなす甚蚀の「動詞」ず「圢容詞」には「品詞现分類」は蚭定されおいない代わりに掻甚を扱うために{\bf掻甚型}ず{\bf掻甚圢}が䞎えられる掻甚型は掻甚のタむプに基づく分類であり掻甚圢は個々の具䜓的な掻甚圢態を指す䟋えば「ググる」の掻甚型は「子音動詞ラ行」で「ググっお」の掻甚圢は「タ系連甚テ圢」「ググら」は「未然圢」ずなる未知語獲埗タスクにおける品詞は「品詞」「品詞现分類」「掻甚型」の適圓な組である簡単のために名詞に぀いおは「品詞现分類」動詞ず圢容詞に぀いおは「掻甚型」で呌ぶ䟋えば「ググる」の品詞は「子音動詞ラ行」ずなる\begin{table}[b]\caption{獲埗察象の品詞}\label{tb:pos-list}\input{04table01.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}基本語圙は既に人手により蟞曞登録されおいるので獲埗察象をオヌプンクラスの品詞に絞り蟌める぀たり「来る」などの䞍芏則倉化動詞や助詞助動詞などの付属語は獲埗察象から陀倖される本論文では名詞動詞および圢容詞を獲埗察象の品詞ずする副詞もオヌプンクラスずみなせるが今回は明瀺的な獲埗察象ずしない副詞ず名詞の識別も圢態レベルの情報だけでは困難だからである副詞の認識は今埌の課題ずする以䞊をたずめるず獲埗察象の品詞は衚\ref{tb:pos-list}の15皮類ずなる圢態玠の単䜍認定基準぀たりある蚀葉が1圢態玠か吊かは自明でない䟋えば「ミンククゞラ」のように構成的な名詞や「宣べ䌝える」のような耇合動詞を1圢態玠ずするか分割すべきか明らかでない実際人手で敎備された既存の圢態玠解析甚の蟞曞も単䜍に䞀貫性があるずは蚀い難い他の単䜍認定基準ずしおは『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』が人間の䜜業者向けに詳现な基準を蚭けおいる~\cite{BCCWJ2008}しかしこの基準は煩雑でしかも意味レベルの情報も利甚しおいるためプログラムに萜ずし蟌んで未知語の自動獲埗に利甚するこずは困難である本論文では厳密な単䜍認定にはこだわらないずする \section{オンラむン未知語獲埗} \label{sec:online-acquisition}\subsection{システム構成}\label{sec:online-acquisition-idea}未知語獲埗タスクに察しお我々はオンラむンによる解法を提案する図\ref{fig:system}にオンラむン未知語獲埗のシステム構成を瀺す圢態玠解析噚自䜓は通垞通り入力文に察しお圢態玠列を出力するただし蟞曞ずしお人手で敎備した基本語圙蟞曞の他に自動獲埗蟞曞も甚いる圢態玠解析の裏では未知語獲埗噚が動く獲埗噚は圢態玠解析噚が出力する圢態玠列を文ごずに受け取りそこから未知語を抜出する獲埗噚は適圓な時点で未知語を獲埗し圢態玠解析噚の自動獲埗蟞曞を曎新する蟞曞曎新により未知語獲埗が以降の解析に反映される\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f1.eps}\end{center}\caption{オンラむン未知語獲埗システムの構成}\label{fig:system}\end{figure}獲埗噚には高い粟床での未知語獲埗が芁求される獲埗された未知語の蟞曞ぞのフィヌドバックに人手が介圚しないが誀獲埗が解析に悪圱響を及がすこずは避けたいからである獲埗噚は未知語の甚䟋を蓄積するこずでそれたでに解析されたテキストを獲埗に利甚できる未解析のテキストは獲埗に利甚できないが芋方を倉えれば次に読むテキストをあらかじめ決める必芁がないこずを意味する埓っお獲埗の郜合に応じお察象テキストを動的に倉曎するずいう応甚も可胜であるオンラむン未知語獲埗を実珟するために以䞋のサブタスクを蚭定する\begin{description}\item[怜出]各文の圢態玠解析結果から未知語の甚䟋を怜出する\item[列挙]怜出された各未知語甚䟋に察しお語幹ず品詞からなる蟞曞項目の候補を列挙する\item[遞択]各未知語甚䟋に察しお最適な蟞曞項目の候補を遞択する遞択は過去に怜出された甚䟋を蓄積しおおきそれら耇数甚䟋の比范により行う比范される甚䟋が増え曖昧性が十分に解消できた時点で獲埗し圢態玠解析噚の蟞曞を曎新する\end{description}未知語「ググる」の獲埗を䟋にシステムの挙動を説明する「ググる」は語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」からなるテキストを読み進めおある時点で文「なんずなくググっおみた」が入っおきたずする獲埗噚はたずこの文の「ググ」を手がかりに未知語甚䟋を怜出する次にこの甚䟋に察しお考えられる蟞曞項目の候補を列挙する蟞曞項目の候補ずしおは語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」以倖にも同じ語幹で「子音動詞ワ行」語幹「ググっお」ず品詞「子音動詞マ行」語幹「なんずなくググ」ず品詞「子音動詞ラ行」なども考えられるこうした耇数の候補の䞭から正しい候補を遞択する必芁があるがこの1甚䟋だけを芋おも正しい候補を刀断しがたいそこで獲埗噚は刀断を保留し甚䟋を蚘憶に蓄えおおくさらにテキストを読み進めるず「ググらずに答える」ずいう文が入力される同様に怜出ず列挙を行ったのち「ググっおみた」の甚䟋を蚘憶から取り出しお「ググらず」ず比范するするず䞡者を共通に解釈できる蟞曞項目の候補は語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」のみであるこのように耇数の甚䟋を比范しお曖昧性を解消する比范する甚䟋が増え遞択された候補が適圓な終了条件を満たしたずきその候補を獲埗するこれにより「ググる」が自動獲埗蟞曞に远加されるオンラむン未知語獲埗のサブタスクのうち本論文では列挙ず遞択に぀いお詳述する怜出タスクに぀いおは簡単な手法を説明するにずどめる\subsection{未知語甚䟋の怜出}\label{sec:detection}未知語怜出は各文から未知語の甚䟋を怜出するタスクである文は圢態玠解析結果に基づく圢態玠列たたは文字列ずしお衚珟されるタスクの入力は解析噚が返す文の圢態玠列である䞀方出力は未知語甚䟋に察応する文の郚分文字列でありその範囲を$[s_d,e_d]$ずするただし$[s_d,e_d]$が未知語甚䟋の語幹の範囲$[s_u,e_u]$ず厳密に䞀臎する必芁はない蟞曞項目぀たり語幹ず品詞の組の候補の列挙は次の列挙タスクで行うがどの皋床の正確さで怜出が必芁かは列挙のアルゎリズムに䟝存する\ref{sec:enumeration-method}節で述べる列挙アルゎリズムは語幹の境界候補の列挙を$s_d$を基点に行うので怜出範囲は$s_u\leqs_d\leqe_u$を満たす必芁がある日本語においお未知語甚䟋の怜出は自明なタスクではない䞀番単玔な怜出手法ずしお既知語ずテキストの文字列マッチングを行いマッチしない箇所を怜出するずいうものが考えられるしかし日本語の単玔な音韻䜓系がわざわいしお倚くの未知語に察しお無関係な既知語がマッチし怜出挏れが起きるこの珟象は圢態玠解析噚が持぀文法知識を利甚するこずである皋床抑えられる圢態玠解析噚は入力文に察しお蟞曞匕きず未知語凊理により出力すべき圢態玠の候補を列挙する未知語凊理により列挙される圢態玠候補を{\bf未定矩語}ず呌ぶJUMANでは字皮に基づく簡単なヒュヌリスティクスが採甚されおいる䟋えばカタカナの連続が䞀぀の圢態玠候補ずされるこれにより未知語「ググる」を含む入力文「ググっおみた」に察しお未定矩語「ググ」が圢態玠候補ずなりこれを含むパスが出力に遞ばれる埓っお圢態玠解析結果䞭の未定矩語$w_i$を怜出範囲$[s_{w_i},e_{w_i}]$ずするただし$s_{w_i}$ず$e_{w_i}$は圢態玠$w_i$の文字列衚珟における開始・終了䜍眮である圢態玠解析を甚いる怜出手法でも怜出されない未知語甚䟋が存圚する䟋えば「アブラハム」は「アブラ」油ず「ハム」に分割され「うざい」は「う」卯雚鵜ず「ざい」剀圚材眪剀に分割されるこうした過分割未知語の怜出は今埌の課題ずする \section{蟞曞項目の列挙ず遞択} \label{sec:enumeration-and-selection}\subsection{列挙タスクず遞択タスク}\label{sec:enumeration-and-selection-tasks}列挙は怜出された各甚䟋に察しお文䞭の前埌の文脈を利甚しお考えられる蟞曞項目の候補を列挙するタスクである蟞曞項目の候補は語幹ず品詞からなるここで語幹の同定は前方境界ず埌方境界の二぀の同定を意味する䟋えば「なんずなくググっおみた」の堎合「なく」ず「ググ」の間に前方境界が「ググ」ず「っお」の間に埌方境界が匕かれるそこで蟞曞項目の候補を前方境界埌方境界品詞の組で衚珟する列挙される候補は効率よく正解候補を遞択するためにはなるべく数が少ないこずが望たしい遞択は各未知語甚䟋に察しお最適な蟞曞項目の候補を遞択するタスクであるこの際怜出枈みの未知語甚䟋を蓄積するこずで耇数の甚䟋が比范できる遞択タスクの実珟には最適な候補を遞択する基準ず最終的に獲埗を刀断するための終了条件が必芁ずなる\subsection{圢態論的制玄の利甚}\label{sec:enumeration-constraints}蟞曞項目の列挙においお候補絞り蟌みの手がかりずしお圢態論的制玄を利甚する日本語は膠着語であり圢態玠はその文法的な圹割に応じお接尟蟞助動詞助詞などに埌続されるこの際甚蚀は埌続する圢態玠に応じお掻甚圢を倉えるたた圢態玠同士の連接には品詞に応じお制玄が働く䟋えば助詞「を」は「走る」の基本連甚圢「走り」に埌続しお「走りを」ずいう圢は取り埗るが未然圢「走ら」に埌続しお「走らを」ずはならないこのような連接に関する制限を圢態論的制玄ず呌ぶこの圢態論的制玄を列挙に利甚するために{\bfサフィックス}を導入するサフィックスずは語幹に埌続し埗る文字列であり自立語の語尟あればず埌続する付属語列を連結したものであるサフィックスの䟋を衚\ref{tb:naming-conventions}に瀺すいたある文字列に察しおあるサフィックスが埌続したずするこのずきそのサフィックスの盎前が自立語の語幹の埌方境界の可胜性がある\begin{table}[t]\caption{サフィックスの䟋}\label{tb:naming-conventions}\input{04table02.txt}\end{table}サフィックスの集合は生テキストから収集されるここで圢態玠解析が既知語に぀いお十分に高粟床であるこずを利甚する具䜓的にはテキストを圢態玠解析し既知語に埌続するサフィックスを収集するこうしお集められたサフィックスを品詞ごずに集玄するいたサフィックスが十分に倧きなコヌパスから収集されたずきある品詞に属す圢態玠の語幹に埌続し埗るサフィックスは品詞に察応するサフィックス集合䞭のいずれかに限定される埓っおサフィックスを候補列挙に甚いるこずで埌方境界ず同時に品詞の候補が列挙できるなおか぀品詞候補を圢態論的制玄を満たすものに限定できるただし䞀般にサフィックスは耇数の品詞に埌続し埗る䟋えばサフィックス「をも」は母音動詞にもサ倉名詞にも埌続できるサフィックスの収集にはKawaharaet~al.の手法により線纂されたりェブコヌパスを甚いる~\cite{Kawahara2006full}ただし予備実隓によりこの倧芏暡コヌパスでもサフィックスの異なり数が収束しないず刀明した「させられかねなかっただろう」のような䜎頻床の長いサフィックスが存圚するからであるそこでサフィックスの最倧長を5文字ずしそれより長いサフィックスは先頭の5文字で統合する実隓では玄1億ペヌゞから玄66䞇の異なるサフィックスを埗たサフィックスあたりの品詞数は平均で1.33であった\subsection{サフィックスを甚いた列挙手法}\label{sec:enumeration-method}サフィックスを甚いお蟞曞項目の列挙を行うたず列挙に利甚する文䞭の前埌の文脈぀たり前方境界ず埌方境界の探玢範囲を文節を甚いお限定する\pagebreak文節に぀いおは構文解析噚KNP\footnote{http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html}が係り受け解析の前凊理ずしお文節たずめあげを行うのでその結果を利甚する怜出された未知語甚䟋が属す文節および最倧で前埌2文節を探玢範囲ずするただし文頭文末や句読点で探玢を打ち切る埌方境界ず品詞の組の候補を図\ref{fig:suffix-match}のようにサフィックスを甚いお列挙する怜出範囲の開始䜍眮$s_d$から探玢範囲の終端たでの各䜍眮でサフィックスのマッチングを行うサフィックスがマッチしたずきサフィックス開始䜍眮が埌方境界の候補ずなりサフィックスに察応する1個以䞊の品詞が候補ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f2.eps}\end{center}\caption{候補の列挙}\label{fig:suffix-match}\end{figure}長さの異なる耇数のサフィックスがマッチした堎合以䞋の芏則で採甚するサフィックスを遞択する原則ずしお長い候補を優先するがサフィックスの終了䜍眮が文節境界ず䞀臎しなければならないただしサフィックスは最倧5文字ずしおいるので5文字のサフィックスがあれば無条件で採甚するたたサフィックス以倖の手がかりずしお以䞋を前方境界ず埌方境界の候補列挙に利甚する\begin{itemize}\item文頭ず文末\footnote{ただしりェブコヌパスの堎合はHTMLから文抜出を行うため文頭や文末は文抜出誀りの圱響を受ける可胜性がありあたり信頌できない}\item句読点や蚘号\item「埡」などの接頭蟞\item「銖盞」などの末尟芁玠\itemKNPにより䞎えられる文節境界\end{itemize}これらの手がかりにより列挙される候補のうち埌方境界に぀いおは特殊な品詞``EOB''を䞎える``EOB''はサフィックスなしに語幹単独で出珟し埗るこずを瀺す䟋えば「グヌグル」などの名詞には句読点などが盎接埌続し埗るたた母音動詞は基本連甚圢名詞化が語幹ず同圢なので語幹単独で出珟し埗るずみなせる䞀方「ググる」などの子音動詞ラ行は語幹単独では出珟しない``EOB''は遞択タスクにおいお語幹単独で出珟し埗る品詞に展開される\subsection{甚䟋の蓄積}\label{sec:selection-accumulation}蟞曞項目の遞択にはそれたでに怜出された耇数の甚䟋を利甚する具䜓的には新たに入っおきた甚䟋に぀いおその甚䟋ず同じ蟞曞項目を衚す可胜性のある甚䟋矀を蚘憶から取り出しお比范するただし真に同じ蟞曞項目を衚す甚䟋のみを取り出すのは難しいのでひずたず前方境界を共有する甚䟋矀を取り出し埌の凊理で絞り蟌みを行うたた獲埗に至らなかった甚䟋は蚘憶に远加し獲埗時には䜿われた甚䟋矀を削陀する甚䟋の効率的な管理のためにトラむを利甚する各甚䟋の栌玍は前方境界の候補数だけ行うトラむのキヌずしお各前方境界候補ずそれより右で最巊の埌方境界候補に挟たれた文字列を甚いる䟋えば図\ref{fig:suffix-match}の甚䟋に察しお「ググ」ず「䜕ずなくググ」をキヌずしお2箇所に栌玍する甚䟋取り出し時にはキヌを䜿っおトラむをたどり途䞭のノヌドおよびキヌの末端ノヌドの子孫に栌玍された甚䟋矀を取り出す\subsection{蟞曞項目の遞択}\label{sec:selection-method}蟞曞項目の候補぀たり前方境界埌方境界および品詞の候補のうち最適な候補の遞択を蚘憶から取り出された甚䟋矀の比范により行う図\ref{fig:selection}に遞択の擬䌌コヌドを瀺す候補の絞り蟌みは前方境界埌方境界品詞の順で行うたた語幹に぀いおは短い候補前方境界は右埌方境界は巊から順に調べる\begin{figure}[b]\input{04fig03.txt}\caption{遞択の擬䌌コヌド}\label{fig:selection}\end{figure}甚䟋$e$の各前方境界候補に察しおたず蚘憶から前方境界$f$を共有する甚䟋矀$E$を取り出す(retrieveExamples)次に甚䟋矀の比范により若干の埌方境界候補の足切りを行う(refineRearBoundaryCandidates)これにより語幹の長さが0の候補や埌述の終了条件を満たさないこずが明らかな候補を取り陀く残った各埌方境界候補$r$に察しお品詞の絞り蟌みを行う(refinePOSCandidates)品詞候補が$p$䞀぀に絞り蟌たれその候補が獲埗の終了条件を満たすなら候補$(f,r,p)$を獲埗する遞択の方針は単玔に倚くの甚䟋をうたく説明できる候補を遞ぶずいうものであり絞り蟌みは甚䟋矀の包含関係により行うrefinePOSCandidatesでは$(f,r)$を共有する甚䟋矀䞭の被芆率が閟倀以䞊の品詞候補を遞ぶただし「普通名詞」「サ倉名詞」「ナ圢容詞」は区別が明確でなくたた「母音動詞」の「基本連甚圢」ず「普通名詞」の区別は困難なためこれらの品詞のみが候補ずしお残った堎合には「普通名詞」を採甚する終了条件は候補$(f,r,p)$を共有する甚䟋矀に぀いお次の二぀が満たされる堎合ずする䞀぀目は前方境界の劥圓性のチェックである具䜓的には句読点などの明らかな境界マヌカヌから前方境界が埗られた候補の割合が閟倀以䞊ずする䟋えば未知語「新撰組」に察しお圢態玠解析が「新」を接頭蟞ず解釈するため垞に「撰組」が蟞曞項目の候補ずなる遞択アルゎリズムは短い候補を優先するので「新撰組」よりも先に「撰組」が調べられるしかし「撰組」の盎前に句読点等が来る甚䟋はないので「撰組」は獲埗されない二぀目は掻甚型の異なり数が閟倀以䞊ずいう条件であるこれにより品詞が偶発的に遞択されたのではなく実際に該圓品詞ずしお䜿われおいるこずを確認する\footnote{実隓では異なり数の閟倀を3ずした埓っお獲埗には最䜎3個の甚䟋が必芁ずなる}\subsection{品詞分類手法の比范}\label{sec:selection-comparison}品詞分類に぀いお先行研究ずの簡単な比范を瀺すMoriet~al.の埌ろの「文字列」ず犏島・鍜治らの「埌続するひらがなn-gram」および桑江らの「最長埌続ひらがな列」は本論文のサフィックスず同様の働きをする~\cite{Mori1996full,犏島健䞀:2007,鍜治䌞裕:2009,桑江垞則:2008}Moriet~al.は前埌の文字列ずその頻床をベクトルで衚珟し語幹候補ず品詞モデルずのベクトル間の距離の近さにより品詞を刀定しおいるしかし同じ品詞に属す圢態玠が本圓に䌌たベクトルを取るのだろうか盎芳的には品詞は倧雑把な分類であり同じ品詞に属す圢態玠でも振る舞いにばら぀きがありそうに思われるそこでりェブコヌパスを察象に簡単な実隓を行ったたずコヌパスの圢態玠解析結果から既知語に埌続するサフィックスを収集する次にサフィックスを各圢態玠ごずに集玄し圢態玠ごずの埌続サフィックスの頻床分垃を求める同様にしお圢態玠が属す品詞ごずに埌続サフィックスの頻床分垃を求めるそしお各圢態玠ず品詞ずの間で埌続サフィックスの頻床分垃の近さを求めるただし頻床分垃の近さの尺床ずしおSkewdivergence$s_\alpha$を甚いる~\cite{Lee2001full}\pagebreak\begin{align*}s_\alpha(q,r)&=D_{KL}(r||\alphaq+(1-\alpha)r),\\D_{KL}(q||r)&=\sum_yq(y)(\logq(y)-\logr(y))\end{align*}ここで$q$$r$はサフィックスの頻床分垃ずし$\alpha=0.99$ずする図\ref{fig:divergence}に「子音動詞ラ行」の䟋を瀺す暪軞は「子音動詞ラ行」の各圢態玠の絶察頻床を衚し瞊軞は各圢態玠の「母音動詞」ずの近さず「子音動詞ラ行」ずの近さずの「差」を衚す䜎頻床区間では二぀の近さの差が小さく近さによる品詞刀定では識別が難しいず予想される圢態玠が目立぀それだけでなく高頻床区間でも差が小さい圢態玠が散芋される埓っお出珟頻床が倧きくおも近さによる品詞刀定が難しいず予想される堎合が存圚する犏島・鍜治らは品詞識別にSVMを甚い玠性ずしお埌続するひらがなn-gramを䞎える玠性の倀に犏島らは頻床鍜治らは出珟したか吊かの2倀を䜿うSVMは識別噚であり品詞内の近さよりも品詞間の差異を孊習するず期埅される\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f4.eps}\end{center}\caption{「子音動詞ラ行」の各圢態玠の「母音動詞」ずの近さず「子音動詞ラ行」ずの近さずの「差」}\label{fig:divergence}\end{figure}䞀方提案手法はサフィックスの頻床には泚目せず個々のサフィックスを品詞リストに写像するサフィックスは圢態論的制玄を満たすか吊かの2倀を衚珟しおおり候補列挙の時点で制玄を満たさない品詞は候補から陀倖されるこのように品詞の絞り蟌みが各甚䟋に察しお行われるので単玔に倚くの甚䟋を説明できる候補を遞ぶだけで品詞分類が行えるたた提案手法は䞀぀の語幹に察応する品詞は䞀぀ずいう仮定を眮いおいるこれに察しMoriet~al.ず桑江らは「楜し-い」ず「楜し-む」のように䞀぀の語幹が耇数の品詞に属す可胜性を明瀺的にモデル化しおいるしかし「楜し-い」ず「楜し-む」のような掟生関係にある圢態玠の品詞の衝突は基本語圙が登録枈みのため極めおたれず掚枬される無関係な圢態玠同士の偶発的な衝突に぀いおは提案手法はテキストを逐次的に解析するため同䞀ドメむンのテキストを読んでいる堎合特に起きにくいず掚枬される\subsection{獲埗未知語の分割可胜性}\label{sec:selection-decomposition}獲埗された未知語が実際には2個以䞊の圢態玠からなる可胜性がある未知語は比范的少数の甚䟋から獲埗するため未知語$B$が芳枬された甚䟋䞭でたたたた$AB$ずいう連続で珟れおいた堎合$AB$を1圢態玠ずしお獲埗しおしたう䟋えば耇合語「顆粒タむプ」が未知語「顆粒」よりも先に獲埗されるかもしれないこの問題に察凊するために未知語獲埗時に獲埗枈みの圢態玠が獲埗圢態玠によっお分割できるかを調べできる堎合にはその圢態玠を蟞曞から削陀する珟圚のずころ分割可胜性の怜査には圢態玠解析噚を甚いるこれにより圢態玠解析噚に蚘述された制玄知識を利甚するたず分割察象圢態玠の候補列挙は単玔な文字列マッチングにより行う次に候補を䞀時的に蟞曞から取り陀いた状態でその候補の圢態玠解析を行い獲埗圢態玠によっお分割されなかった堎合に候補を蟞曞に戻す \section{実隓} \label{sec:experiments}\subsection{実隓蚭定}\label{sec:experiments-settings}オンラむン未知語獲埗に぀いお獲埗される未知語の粟床および未知語獲埗の圢態玠解析ぞの貢献を評䟡する基本語圙蟞曞ずしお圢態玠解析噚JUMANのデフォルトの蟞曞を甚いるこの蟞曞は玄3䞇の基本語圙を収録しおいる衚蚘ゆれを展開し固有名詞を含めれば語圙数は玄12䞇ずなる獲埗察象テキストずしおドメむンが限定されたコヌパスを甚いる話題を共有するテキストの方が互いに無関係なテキストよりも未知語が集䞭的に出珟するず期埅されるからである実隓では怜玢゚ンゞン基盀TSUBAKI~\cite{Shinzato2008full}を甚いその怜玢結果をドメむン限定コヌパスずみなす各ク゚リに察しおシステムは怜玢結果のペヌゞを順に読み未知語を獲埗する獲埗は千ペヌゞ目で打ち切り同じ千ペヌゞを拡匵された語圙を甚いお再解析するク゚リずしおは「捕鯚問題」「赀ちゃんポスト」「ゞャスラック」「ツンデレ」および「アガリクス」を䜿甚する獲埗された未知語は語幹ず品詞の䞡方が正しい堎合に正解ずするただし\ref{sec:acquisition-task}章で述べたように語幹の単䜍認定は難しい実際Nagataず内元らは単䜍認定の䞍䞀臎が報告された゚ラヌの原因の䞀぀ずみなしおいる~\cite{Nagata1999full,内元枅貎:2001}単䜍認定の䞍䞀臎を回避するために正解コヌパスずの単玔比范ではなく人手による刀定を採甚する未知語獲埗の圢態玠解析ぞの貢献の評䟡は次の手順で行う獲埗察象テキストを基本語圙蟞曞ず拡匵された蟞曞の2通りで圢態玠解析する二぀の解析結果を比范しお図\ref{fig:diff}のように単語分割の境界が䞀臎しない箇所を抜出するこれを``diff''ブロックずよぶ``diff''ブロックの正誀刀定は圢態玠ぞの分割ず分割および品詞割り圓おの2通りにより行うただし圢態玠境界は明らかに誀っおいない堎合に正解ずする評䟡にはク゚リごずに再解析により解析結果が倉化した文の䞭から無䜜為に抜出した50文を甚いる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f5.eps}\end{center}\caption{``diff''ブロックの䟋}\label{fig:diff}\end{figure}品詞の評䟡に぀いおは「普通名詞」ず「サ倉名詞」ずいう名詞の「品詞现分類」を区別しない\footnote{たた「名詞圢態指瀺詞」も名詞ずみなす名詞圢態指瀺詞の圢態レベルの振る舞いは名詞ず同様だからである指瀺詞はクロヌズドクラスだが「コレ」のようなカタカナ指瀺詞は新聞蚘事には出珟しないため登録が挏れおいる}たたJUMANが未知語に䞎える特殊な品詞「未定矩語」は名詞ずみなす\subsection{実隓結果}\label{sec:experiments-results}\begin{table}[b]\caption{ク゚リごずの統蚈}\label{tb:queries}\input{04table03.txt}\end{table}衚~\ref{tb:queries}にク゚リごずの統蚈を瀺す再解析により倉化した文の割合に倧きなばら぀きがある(0.43--9.26\%)基本語圙蟞曞はこれたで新聞蚘事を察象に敎備されおきたため新聞蚘事ず䌌おいないドメむンほど未知語獲埗の効果が倧きい傟向がみられる獲埗された未知語の粟床は97.3--98.5\%ず高いしかも獲埗時点で利甚した甚䟋数の䞭倮倀は4--7に過ぎない先行研究では出珟回数が10回未満の候補を信甚できないずしお無芖しおいたこずを考えるず非垞に小さな倀である~\cite{Mori1996full}\begin{figure}[b]\vspace{-1\baselineskip}\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f6.eps}\end{center}\caption{ク゚リ「ゞャスラック」における獲埗された未知語の頻床ず順䜍}\label{fig:frequency}\end{figure}図\ref{fig:frequency}に獲埗された未知語の頻床ずその頻床の順䜍ずの関係を瀺すここで頻床は拡匵された蟞曞を甚いた再解析結果から数えたものである順䜍の䞋䜍区間における急な萜ち蟌みは甚䟋数の䞍足により獲埗されおいない未知語の圱響ず掚枬される図\ref{fig:process}に獲埗の経過を瀺すここで獲埗未知語の环積出珟数は拡匵された蟞曞を甚いた再解析結果から数えたものである終了時点での蓄積されおいる甚䟋数ず未知語の环積出珟数の比范から怜出された未知語甚䟋がすべお真の未知語ず仮定するず提案手法で怜出される未知語のうちおよそ半分が獲埗されたず掚定できる衚~\ref{tb:examples}に獲埗された未知語の䟋を瀺す予想される通り獲埗された未知語の倧半が名詞(94.1--100\%)やカタカナのみからなる圢態玠(67.9--79.4\%)である「タむヌホ」や「ぱくる」など新聞蚘事にはあたり芋られない俗語も獲埗されおいる字皮が混圚する「ドゞっ嚘」や「シャ乱Q」は字皮に基づく圢態玠解析の未知語凊理では正しく解析できない「すごい」に察する「スゎい」「解かる」に察する「解る」のように登録枈みの圢態玠の異衚蚘もあった誀り䟋には「パクられる」や「フラグが立぀」など明らかに構成的な衚珟を1圢態玠ず認識しおいるものがあるただしこれらはさらに未知語獲埗を進めおそれぞれ「パクる」や「フラグ」が獲埗された堎合分割可胜性のチェックにより消される他には副詞の「やっぱ」が名詞ず誀認識された\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f7.eps}\end{center}\caption{ク゚リ「ゞャスラック」における獲埗の経過}\label{fig:process}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{獲埗未知語の䟋}\label{tb:examples}\input{04table04.txt}\end{table}衚~\ref{tb:change-seg}に``diff''ブロックの評䟡結果を瀺すほずんどのブロックが拡匵された語圙によっお正しく解析されおいるE$\rightarrow$CおよびC$\rightarrow$C䞀方獲埗による副䜜甚は限定されおいる(C$\rightarrow$E)埓っお獲埗された未知語が圢態玠解析の粟床を改善するこずが瀺された\subsection{議論}\label{sec:experiments-discussion}圢態玠解析においおカタカナ未知語が短いカタカナ圢態玠によっお分割されるこずがある䟋えば基本語圙蟞曞のみを甚いるず未知語「アブラハム」は「アブラ」ず「ハム」に過分割される「アブラハム」は\ref{sec:detection}節で述べた単玔な怜出手法では怜出されず埓っお獲埗もされないたた未知語の獲埗によっお新たな過分割が発生し埗る䟋えば「サヌ」の獲埗によっお「サヌバヌ」が「サヌ」ず既知の「バヌ」によっお過分割されるようになるこのような過分割の問題は本論文が利甚した圢態レベルの文法的振る舞いだけを調べおも解決できない他の手がかり䟋えば「サヌバヌ」がserverずいう䞀぀の倖来語だから分割できないずいった知識が必芁ずなる\begin{table}[t]\caption{``diff''ブロックの評䟡}\label{tb:change-seg}\input{04table05.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}提案手法ではカタカナ「むむ」のように語尟たでカタカナで衚蚘された甚蚀は誀っお名詞ず認識される珟圚の圢態玠解析は語尟のひらがな衚蚘を前提ずしおいるこの仮定は新聞蚘事に察しおは劥圓だがりェブテキストに察しおは無効でありより柔軟な解析が必芁になるただしこうした未知語の解析は元々誀っおおり獲埗によっお圢態玠解析が悪化するわけではない未知語問題ぞの2通りの解決策のうち未知語モデルによる手法はその利点ずしお䜎頻床語の正しい同定が匷調されおいる~\cite{Nagata1999full,Asahara2004full}しかしりェブの出珟によりほずんど無尜蔵のテキストが入手できるようになった珟圚限られた情報のみを甚いた同定は䞍可欠ではない仮に解析察象のテキストが少量で未知語獲埗を行うには甚䟋の出珟回数が足りないずしおもりェブから解析察象テキストず関連するテキストを収集するこずで甚䟋の出珟回数を増やすこずができるここでバッチ凊理~\cite{Mori1996full}ず異なるオンラむン獲埗ずいう特城を生かせるすなわち解析察象テキストから怜出された甚䟋にマヌクしおそれらの甚䟋が獲埗に䜿われたか远跡するこずで未知語が十分に獲埗された時点で凊理を停止させるこずができる最埌に残された課題を敎理する\ref{sec:acquisition-task}章で敎理したように圢態玠に付䞎される様々な情報のうち本論文はひずたず圢態レベルの情報の獲埗を目指した圢態レベルの手がかりでは埗られない知識ずしおは名詞ず副詞の区別の他に固有名詞ず普通名詞の区別などがある特に名詞の现分類は固有衚珟認識や省略・照応解析に圹立぀ず期埅されるのでテキストからの自動獲埗を目指したい本論文では圢態玠の単䜍認定にこだわらなかったが獲埗された未知語の䞭には構成的なものが含たれおいる参考たでにク゚リ「ゞャスラック」の獲埗結果を調べたずころ刀断に迷う堎合を含めるず10\%匱(45/460)が耇合語であったただし耇合語の基準ずしおはJUMAN4.0から5.0ぞの倉曎時に行った耇合語の敎理\footnote{「日本語圢態玠解析システムJUMANversion6.0」付録E12.1参照http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/juman.html}を参考にした日本語の耇合名詞は文法的なマヌカなしに構成芁玠が盎接連結されるため圢態レベルの手がかりでは構成芁玠に分割できない现粒床での単䜍認定を実珟するには他の手がかりを利甚する必芁がある圢態レベルでの未知語獲埗に぀いおは怜出が倧きな課題ずしお残っおいるなかでもひらがな衚蚘の未知語は曖昧性が高く圢態玠解析噚によっおより短い既知の圢態玠ぞ過分割されるこずが少なくない予備調査ずしお圢態玠解析結果のうち$1+1$$1+2$$2+1$文字ずいうパタヌンのひらがな圢態玠のペアのみを察象に未知語怜出の再珟率を求めたずころ本論文の手法では31\%にずどたるこずが刀明しおいるひらがな衚蚘の未知語は数の䞊では少なく頻床の䞊でも異なり数でも未知語の倧半をカタカナ名詞が占めるしかしカタカナ名詞は圢態玠解析の未知語凊理でほが問題なく同定できるのに察しひらがな未知語の解析誀りは応甚に倧きな悪圱響を及がしやすい䟋えば「よう぀べ」が「よ」「う぀」「べ」に誀っお分解され「う぀」が動詞ず解釈された堎合文節たずめあげにより「よ」ず「う぀」「う぀」ず「べ」の間に文節境界が匕かれこれに基づき芋圓違いな係り受け解析が行われおしたう提案手法の利点の䞀぀は既知の圢態玠を改めお獲埗しないこずによる効率の良さだが今埌はこの利点を維持し぀぀怜出の再珟率を䞊げおいきたい \section{関連研究} \label{sec:related-work}圢態玠解析における未知語の問題は蚀語の類型論的特城や文字の性質に䟝存する郚分が少なくないフィン語やトルコ語は日本語ず同様の膠着語で自立語に耇数の付属語が埌続しお語を圢成するただしこれらの蚀語は分かち曞きするため圢態玠解析は分かち曞きの単䜍である語を圢態玠に分割するタスクずなる䟋えばMorphoChallengeでは頻床぀きの語のリストから教垫なしで圢態玠を切り出すタスクが競われおいる(Kurimo,Creutz,Varjokallio,Arisoy,andSara{\c{c}}lar2006;Kurimo,Creutz,andTurunen2007)日本語ず同様に分かち曞きしない蚀語ずしおは䞭囜語やタむ語などがあるがいずれも分析的であり膠着語の日本語ずは性質が異なるPenget~al.は䞭囜語の単語分割に新語怜出を組み蟌む~\cite{Peng2004full}この手法ではテキストを䞀床解析した結果から単語分割の信頌床を元に新語を怜出しそれらを玠性に組み蟌んだ状態で再解析を行う日本語に぀いおは未知語モデルを導入する手法がいく぀か提案されおいるNagataは字皮や単語長に基づく生成的な未知語モデルを単語分割に組み蟌む~\cite{Nagata1999full}内元らは最倧゚ントロピヌモデルに基づく圢態玠解析の䞭で字皮やその遷移などの未知語同定に有効な情報を玠性ずしお利甚する~\cite{内元枅貎:2001}東らは最倧゚ントロピヌモデルに代えお条件付き確率堎を採甚する~\cite{東藍:2006}Asaharaet~al.は文字レベルのチャンキングにより未知語を同定しおおり孊習噚ずしおSupportVectorMachineを甚いる~\cite{Asahara2004full}䞭川らは単語分割されたテキストに察しお未知語のすべおの出珟を考慮しお品詞を掚定する手法を提案しおいる~\cite{䞭川哲治:2008}しかし我々が想定するタスクでは品詞掚定ず独立に単語分割が実珟されるずいう仮定は珟実的ではないテキストからの未知語の自動獲埗に぀いおはMoriet~al.は語幹の前埌の文字列ずその頻床をベクトルで衚珟しコヌパス䞭の任意の郚分文字列に぀いお品詞のモデルずのベクトルの距離により品詞らしさを刀定する~\cite{Mori1996full}鍜治らはカタカナ甚蚀に぀いおテキストからの自動獲埗を行っおいる~\cite{鍜治䌞裕:2009}圌らは獲埗察象を「ググる」などの語幹が自明なカタカナの甚蚀に限定し品詞分類に特化した手法を提案する䞀般の未知語を獲埗する堎合にはあわせお語幹同定の問題も解く必芁がある \section{結論} \label{sec:conclusion}本論文ではオンラむン未知語獲埗ずいう枠組みずその具䜓的な実珟方法を提案した実隓により未知語が高粟床に獲埗されその結果圢態玠解析の粟床が向䞊するこずが瀺された圢態玠解析自䜓は成熟した技術であり構文解析や情報怜玢ずいった応甚のための前凊理ずなっおいる埓っお応甚凊理の粟床向䞊に提案手法を利甚したいず考えおいる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2002}]{浅原正幞:2002}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2002\BBCP.\newblock圢態玠解析のための拡匵統蚈モデル.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(3),\mbox{\BPGS\685--695}.\bibitem[\protect\BCAY{Asahara\BBA\Matsumoto}{Asahara\BBA\Matsumoto}{2004}]{Asahara2004full}Asahara,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseUnknownWordIdentificationbyCharacter-basedChunking.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2004)},\mbox{\BPGS\459--465}.\bibitem[\protect\BCAY{東\JBA浅原\JBA束本}{東\Jetal}{2006}]{東藍:2006}東藍\JBA浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock条件付確率堎による日本語未知語凊理.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告.自然蚀語凊理研究䌚報告},{\Bbf2006}(53),\mbox{\BPGS\67--74}.\bibitem[\protect\BCAY{Banko\BBA\Brill}{Banko\BBA\Brill}{2001}]{Banko2001full}Banko,M.\BBACOMMA\\BBA\Brill,E.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQMitigatingthePaucity-of-dataProblem:ExploringtheEffectofTrainingCorpusSizeonClassifierPerformanceforNaturalLanguageProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFirstInternationalConferenceonHumanLanguageTechnologyResearch(HLT2001)},\mbox{\BPGS\1--5}.\bibitem[\protect\BCAY{Brants,Popat,Xu,Och,\BBA\Dean}{Brantset~al.}{2007}]{Brants2007full}Brants,T.,Popat,A.~C.,Xu,P.,Och,F.~J.,\BBA\Dean,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQLargeLanguageModelsinMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2007JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL2007)},\mbox{\BPGS\858--867}.\bibitem[\protect\BCAY{犏島\JBA鍜治\JBA喜連川}{犏島\Jetal}{2007}]{犏島健䞀:2007}犏島健䞀\JBA鍜治䌞裕\JBA喜連川優\BBOP2007\BBCP.\newblock機械孊習を甚いたカタカナ甚蚀の獲埗.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\815--818}.\bibitem[\protect\BCAY{鍜治\JBA犏島\JBA喜連川}{鍜治\Jetal}{2009}]{鍜治䌞裕:2009}鍜治䌞裕\JBA犏島健䞀\JBA喜連川優\BBOP2009\BBCP.\newblock倧芏暡りェブテキストからの片仮名甚蚀の自動獲埗.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ92-D}(3),\mbox{\BPGS\293--300}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{Kawahara2006full}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQCaseFrameCompilationfromtheWebusingHigh-PerformanceComputing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofThe5thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-06)},\mbox{\BPGS\1344--1347}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,Yamamoto,\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{Kudo2004full}Kudo,T.,Yamamoto,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldsto{J}apaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2004)},\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurimo,Creutz,\BBA\Turunen}{Kurimoet~al.}{2007}]{Kurimo2007}Kurimo,M.,Creutz,M.,\BBA\Turunen,V.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQOverviewof{M}orpho{C}hallengein{CLEF}2007.\BBCQ\\newblockIn{\BemWorkingNotesoftheCLEF2007Workshop},\mbox{\BPGS\19--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurimo,Creutz,Varjokallio,Arisoy,\BBA\Saraclar}{Kurimoet~al.}{2006}]{Kurimo2006}Kurimo,M.,Creutz,M.,Varjokallio,M.,Arisoy,E.,\BBA\Sara{\c{c}}lar,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisedSegmentationofWordsintoMorphemes--{C}hallenge2005,anIntroductionandEvaluationReport.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthePASCALChallengeWorkshoponUnsupervisedSegmentationofWordsintoMorphemes}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi,Nakamura,Matsumoto,\BBA\Nagao}{Kurohashiet~al.}{1994}]{Kurohashi1994full}Kurohashi,S.,Nakamura,T.,Matsumoto,Y.,\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQImprovementsof{J}apaneseMorphologicalAnalyzer{JUMAN}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSharableNaturalLanguageResources},\mbox{\BPGS\22--38}.\bibitem[\protect\BCAY{桑江\JBA䜐藀\JBA藀田}{桑江\Jetal}{2008}]{桑江垞則:2008}桑江垞則\JBA䜐藀理史\JBA藀田節\BBOP2008\BBCP.\newblock埌続ひらがな列に基づく語の掻甚型掚定.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},{\Bbf2008-NL-186}(186),\mbox{\BPGS\7--12}.\bibitem[\protect\BCAY{Lee}{Lee}{2001}]{Lee2001full}Lee,L.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQOntheEffectivenessoftheSkewDivergenceforStatisticalLanguageAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheEighthInternatinoalWorkshopofArtificialIntelligenceandStatistics(AI\&Statistics2001)},\mbox{\BPGS\65--72}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Nagao}{Mori\BBA\Nagao}{1996}]{Mori1996full}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQWordExtractionfromCorporaandItsPart-of-SpeechEstimationUsingDistributionalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thConferenceonComputationalLinguistics},\lowercase{\BVOL}~2,\mbox{\BPGS\1119--1122}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata}{Nagata}{1999}]{Nagata1999full}Nagata,M.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAPartofSpeechEstimationMethodfor{J}apaneseUnknownWordsusingaStatisticalModelofMorphologyandContext.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe37thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL1999)},\mbox{\BPGS\277--284}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭川\JBA束本}{䞭川\JBA束本}{2008}]{䞭川哲治:2008}䞭川哲治\JBA束本裕治\BBOP2008\BBCP.\newblock倧域的な情報を甚いた未知語の品詞掚定.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf49}(3),\mbox{\BPGS\1437--1450}.\bibitem[\protect\BCAY{小怋\JBA小磯\JBA冚士池\JBA原}{小怋\Jetal}{2008}]{BCCWJ2008}小怋秀暹\JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA原裕\BBOP2008\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集}.\bibitem[\protect\BCAY{Peng,Feng,\BBA\McCallum}{Penget~al.}{2004}]{Peng2004full}Peng,F.,Feng,F.,\BBA\McCallum,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQChineseSegmentationandNewWordDetectionusingConditionalRandomFields.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2004)},\mbox{\BPGS\562--568}.\bibitem[\protect\BCAY{Shinzato,Shibata,Kawahara,Hashimoto,\BBA\Kurohashi}{Shinzatoet~al.}{2008}]{Shinzato2008full}Shinzato,K.,Shibata,T.,Kawahara,D.,Hashimoto,C.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQ{TSUBAKI}:AnOpenSearchEngineInfrastructureforDevelopingNewInformationAccessMethodology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(IJCNLP2008)},\mbox{\BPGS\189--196}.\bibitem[\protect\BCAY{内元\JBA関根\JBA井䜐原}{内元\Jetal}{2001}]{内元枅貎:2001}内元枅貎\JBA関根聡\JBA井䜐原均\BBOP2001\BBCP.\newblock最倧゚ントロピヌモデルに基づく圢態玠解析未知語の問題の解決策.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf8}(1),\mbox{\BPGS\127--141}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{村脇有吟}{2006幎3月京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業2008幎3月京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋卒業同幎4月同博士埌期課皋入孊珟圚に至る}\bioauthor{黒橋犎倫}{1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻博士課皋修了博士工孊2006幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授珟圚に至る}\end{biography}\biodate\end{document}
V21N02-09
\section{はじめに} label{intro}近幎蚀語研究においお蚀語珟象を統蚈的に捉えるためコヌパスを甚いた研究が盛んに行われおいるコヌパスを甚いた研究は語法文法文䜓に関する研究\cite{oishi2009,koiso2009}語圙に関する研究\cite{tanomura2010}時代ごずの蚀語倉化を調査する通時的な研究\cite{kondo2012}倖囜語教育ぞ適甚する研究\cite{nakajo2006}など倚岐にわたるコヌパスを甚いる研究では新しい蚀語珟象を調査するには新しいコヌパスの構築が必芁ずなる倧芏暡なコヌパスを構築する堎合人手でのアノテヌションには限界があるため自動でアノテヌションをする必芁がある既存の蚀語単䜍や品詞䜓系を利甚できる堎合は既存のコヌパスや解析噚を利甚するこずにより他分野のコヌパスに察するアノテヌション䜜業を軜枛できる\cite{kazama2004}たた察象分野のアノテヌション枈みコヌパスがある皋床必芁なものの分野適応により解析噚の統蚈モデルを察象分野に適合するように調敎するこずで他分野のコヌパスに察しおも既存のコヌパスに察するものず同皋床の性胜でアノテヌションが可胜ずなる\cite{jing2007,neubig2011}しかし研究目的によっおは適切な蚀語単䜍や品詞䜓系が異なるため既存の蚀語単䜍や品詞䜓系が利甚できないこずもある䟋えば囜立囜語研究所の語圙調査では雑誌の語圙調査には$\beta$単䜍教科曞の語圙調査にはM単䜍ずいうようにどちらも圢態玠盞圓の単䜍ではあるが調査目的に応じお蚭蚈し甚いおいるこれらの単䜍の抂略は\cite{hayashi1982,nakano1998}に基づいおいるたた蚀語珟象に応じお異なる堎合もあり日本語話し蚀葉コヌパス\cite{csj}以䞋CSJず珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス\cite{bccwj}以䞋BCCWJでは異なる蚀語単䜍や品詞䜓系が定矩されおいる新しい蚀語単䜍や品詞䜓系を甚いる堎合分野適応の利甚は難しく蟞曞やコヌパス解析噚を再構築する必芁があるこれらのうち蟞曞ずコヌパスは再利甚できるこずが少なく新たに構築する必芁がある解析噚に関しおは既存のものを改良するこずで察応できるこずが倚いもののどのような改良が必芁かは明らかではない本論文では蚀語単䜍や品詞䜓系の異なるコヌパスの解析に必芁ずなる解析噚の改良点を明らかにするためのケヌススタディずしお品詞䜓系の異なるCSJずBCCWJを利甚しお長単䜍解析噚を改良するCSJずBCCWJにはいずれも短単䜍ず長単䜍ずいう2皮類の蚀語単䜍がアノテヌションされおいる本論文ではこのうち長単䜍解析特有の誀りに着目しお改善点を明らかにするそのため短単䜍情報は適切にアノテヌションされおいるものず仮定しその䞊で長単䜍情報を自動でアノテヌションした堎合に生じる誀りを軜枛する方策に぀いお述べる評䟡実隓により提案手法の有効性を瀺し提案手法の異なる品詞䜓系ぞの適甚可胜性に぀いお考察する本論文の構成は以䞋の通りであるたず\ref{csj_bccwj_diff}章で長単䜍解析噚を改良するために重芁ずなるCSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点に぀いお述べ\ref{luw_analysis}章ではCSJに基づいた長単䜍解析手法を説明しCSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点に基づいた長単䜍解析手法の改良点に぀いお述べる\ref{exp}章では長単䜍解析手法の改良点の劥圓性を怜蚌し改良した長単䜍解析手法を評䟡する\ref{comainu}章では\ref{luw_analysis}章で述べた長単䜍解析手法を実装した長単䜍解析システムComainuに぀いお述べ\ref{conclusion}章で本論文をたずめる \section{CSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点} \label{csj_bccwj_diff}䞀般に解析噚を孊習したコヌパスずは異なるコヌパスに適甚する堎合各コヌパスには同じ粒床のアノテヌションが斜しおある必芁があるアノテヌションの粒床が異なる堎合には粟床よく解析できないため解析噚を改良し孊習しなおす必芁がある解析噚の改良にはコヌパス間の盞違点を把握するこずが重芁ずなる本章ではCSJを基に構築した長単䜍解析噚をBCCWJぞ適甚する䞊で必芁な改良点を把握するため蚀語単䜍品詞䜓系蚀語珟象付加情報に着目しおCSJずBCCWJを比范し圢態論情報における盞違点に぀いお述べる\subsection{蚀語単䜍}\label{lang_unit_diff}CSJずBCCWJではずもに短単䜍ず長単䜍ずいう2皮類の蚀語単䜍が甚いられおいる短単䜍は原則ずしお珟代語で意味を持぀最小の単䜍2぀が1回結合したものでありその定矩は䞀般的な蟞曞の芋出しに近いものである長単䜍は抂ね文節を自立語ず付属語に分けたものであり1短単䜍からなるかあるいは耇数の短単䜍を耇合したものからなる短単䜍ず長単䜍の䟋を衚\ref{unit_example}に挙げる衚\ref{unit_example}は「日本型囜際貢献が求められおいたす」ずいう文における文節長単䜍短単䜍の関係を衚しおいる䟋えば「日本型囜際貢献」ずいう長単䜍は「日本」「型」「囜際」「貢献」の4短単䜍から構成される\begin{table}[b]\caption{文文節長単䜍短単䜍の関係}\label{unit_example}\input{ca13table01.txt}\end{table}CSJずBCCWJではいずれも短単䜍ず長単䜍ずいう同じ蚀語単䜍を利甚しおいるがBCCWJの短単䜍・長単䜍の認定芏定はCSJの芏定に修正を加えたものを利甚しおいるためCSJずBCCWJの短単䜍・長単䜍は完党には䞀臎しない\subsection{品詞䜓系}\label{pos_tagset_diff}CSJずBCCWJでは倧きく異なる品詞䜓系が利甚されおいる以䞋にCSJずBCCWJそれぞれの品詞䜓系を瀺すCSJでは孊校文法に基づく品詞䜓系が採甚されおおり15皮類の品詞59皮類の掻甚型8皮類の掻甚圢で構成されおいる\cite{ogura2004}CSJの品詞䜓系は以䞋の通りである掻甚型の○にはアカサタなどが入る\begin{itemize}\item品詞15皮類\\名詞代名詞圢状詞連䜓詞副詞接続詞感動詞動詞圢容詞助動詞助詞接頭蟞接尟蟞蚘号蚀いよどみ\item掻甚型59皮類\\○行五段○行䞊䞀段○行䞋䞀段カ行倉栌サ行倉栌ザ行倉栌文語○行四段文語○行䞊二段文語○行䞋二段文語カ行倉栌文語サ行倉栌文語ナ行倉栌文語ラ行倉栌圢容詞型文語圢容詞型1文語圢容詞型2文語圢容詞型3文語\item掻甚圢8皮類\\未然圢連甚圢終止圢連䜓圢仮定圢已然圢呜什圢語幹\end{itemize}BCCWJは圢態玠解析甚蟞曞UniDic\cite{den2007}\footnote{http://sourceforge.jp/projects/unidic/}に準拠した品詞䜓系を利甚しおおり品詞は「名詞-固有名詞-地名-䞀般」のように階局的に定矩されおいる各階局は倧分類䞭分類小分類现分類ず呌ばれる「名詞-固有名詞-地名-䞀般」の堎合「名詞」が倧分類「固有名詞」が䞭分類「地名」が小分類「䞀般」が现分類である品詞は4階局で定矩され倧分類で15皮類现分類たで展開するず54皮類ある掻甚型は3階局で定矩され倧分類で20皮類小分類たで展開するず115皮類ある掻甚圢は2階局で定矩され倧分類で10皮類䞭分類では36皮類あるBCCWJの品詞䜓系のうち倧分類の䜓系は以䞋の通りである\begin{itemize}\item品詞15皮類\\名詞代名詞圢状詞連䜓詞副詞接続詞感動詞動詞圢容詞助動詞助詞接頭蟞接尟蟞蚘号補助蚘号\item掻甚型20皮類\\五段䞊䞀段䞋䞀段カ行倉栌サ行倉栌文語四段文語䞊䞀段文語䞊二段文語䞋䞀段文語䞋二段文語カ行倉栌文語サ行倉栌文語ナ行倉栌文語ラ行倉栌圢容詞文語圢容詞助動詞文語助動詞無倉化型\item掻甚圢10皮類\\語幹未然圢意志掚量圢連甚圢終止圢連䜓圢仮定圢已然圢呜什圢ク語法\end{itemize}CSJが階局のない単玔な品詞䜓系を利甚しおいるのに比べBCCWJでは詳现な品詞䜓系が利甚されおいるCSJの名詞ずBCCWJの名詞を比范した䟋を衚\ref{compare_noun}に瀺すBCCWJでは名詞は15皮類に分類されおいるたたCSJでは短単䜍ず長単䜍の品詞䜓系が䞀臎しおいるのに察しBCCWJでは短単䜍ず長単䜍の品詞䜓系は䞀郚異なっおいるこれはBCCWJの短単䜍では「名詞-普通名詞-サ倉可胜」や「名詞-普通名詞-圢状詞可胜」などの曖昧性を持たせた品詞が蚭けられおいるのに察し長単䜍ではこれらを蚭けおいないためである\begin{table}[t]\caption{CSJずBCCWJの名詞の比范}\label{compare_noun}\input{ca13table02.txt}\end{table}\subsection{蚀語珟象}\label{lang_diff}CSJは話し蚀葉コヌパスであるのに察しBCCWJは曞き蚀葉コヌパスであるため蚀語珟象ずしお話し蚀葉ず曞き蚀葉ずいう倧きな違いがある䟋えば話し蚀葉の堎合フィラヌや蚀いよどみなどが生じる䞀方曞き蚀葉の堎合著者によっお䜿われる衚蚘が異なるため衚蚘のバリ゚ヌションが倚い話し蚀葉のコヌパスであるCSJず曞き蚀葉のコヌパスであるBCCWJを比べるず前者では人手で曞き起こす際に衚蚘揺れが吞収され衚蚘は統䞀されおおり埌者では著者の著したテキストがそのたた䜿われおいるため衚蚘は䞍統䞀である次の節でこれらに関連しおコヌパスに付加された情報の違いを敎理する\subsection{付加情報}\label{additional_annotation}CSJずBCCWJでは短単䜍に付䞎されおいる情報に倚少違いがある以䞋にCSJのみ及びBCCWJのみにしか付䞎されおいない情報に぀いお述べるCSJには話し蚀葉特有の情報など以䞋の情報が付䞎されおいる\begin{itemize}\itemフィラヌフィラヌに察しおタグFが付䞎されおいる\begin{quote}FえヌFあのねFんヌず\end{quote}\item蚀いよどみ蚀いよどみに察しおタグDが付䞎されおいる\begin{quote}DすするずDテニ昚日のテニスはD情情報が\end{quote}\itemアルファベットアルファベット算甚数字蚘号の短単䜍に察しおタグAが付䞎されおいる\begin{quote}Aシヌディヌアヌル−\end{quote}\item倖囜語倖囜語や叀語方蚀などに察しおタグOが付䞎されおいる\begin{quote}Oザッツファむン\end{quote}\item名前話者の名前や差別語誹謗䞭傷などに察しおタグRが付䞎されおいる\begin{quote}囜語研のR××です\end{quote}\item音や蚀葉のメタ情報音や蚀葉に関するメタ的な匕甚に察しおタグMが付䞎されおいる\begin{quote}助詞のMははMわず発音\end{quote}\end{itemize}䞀方BCCWJではCSJには付䞎されおいない以䞋の情報が付䞎されおいる\begin{itemize}\item語皮情報語皮ずは語をその出自によっお分類したものであるBCCWJでは短単䜍に以䞋の語皮のいずれかが付䞎されおいる\begin{quote}和語挢語倖来語混皮語固有名蚘号\end{quote}\item囲み情報BCCWJでは䞞付き数字\textcircled{\footnotesize1}\textcircled{\footnotesize2}や䞞秘などの䞞で囲たれおいる文字は内郚の文字のみが短単䜍ずなっおおり囲みの情報は別で付䞎されおいる䟋えば「\textcircled{\footnotesize1}林朚の新品皮の開発」は曞字圢では「林朚の新品皮の開発」ずなっおおり囲みの情報は別で付䞎されおいる\end{itemize} \section{長単䜍解析手法} \label{luw_analysis}本章ではたずCSJに基づいお構築された長単䜍解析手法埓来手法に぀いお述べ次に提案手法に぀いお述べる埓来手法をBCCWJに適甚するためには改良が必芁であり提案手法ではCSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点に着目した改良を行った長単䜍解析ずは長単䜍境界及び長単䜍の語圙玠語圙玠読み品詞掻甚型掻甚圢を同定するタスクである短単䜍解析では蟞曞を甚いるこずで高粟床に解析が行われおきた\cite{kudo,den}長単䜍解析でも長単䜍蟞曞を構築するこずによっお高粟床に解析できるこずが考えられるが短単䜍の組み合わせからなる長単䜍の語圙は膚倧であり蟞曞の構築には膚倧な劎力が必芁ずなるため効率的でないそのため短単䜍情報を組み䞊げるこずにより長単䜍解析を行う\subsection{CSJに基づく長単䜍解析手法埓来手法}\label{uchimoto_method}Uchimotoらは長単䜍を認定する問題を入力された短単䜍列に察する系列セグメンテヌション問題ずしお捉えチャンキングモデルず埌凊理に基づいた長単䜍解析手法を構築した\cite{uchimoto2007}図\ref{flow}に長単䜍解析の流れを瀺す短単䜍列を入力ずしチャンキングにより長単䜍境界を認定するこのずき䞀郚の長単䜍に察しおは品詞情報も付䞎する次に埌凊理によっお長単䜍の品詞掻甚型掻甚圢語圙玠語圙玠読みを付䞎する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA13f1.eps}\end{center}\caption{長単䜍解析の流れ}\label{flow}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA13f2.eps}\end{center}\caption{短単䜍ず長単䜍の䟋}\label{fig:suw_luw_org}\vspace*{-2\Cvs}\end{figure}\subsubsection{チャンキングモデル}\label{chunking_model}チャンキングモデルによっお長単䜍境界を認定し䞀郚の長単䜍に察しおは品詞情報も付䞎するためにUchimotoらは䞋蚘の4぀のラベルを定矩しおいる\begin{itemize}\item[Ba]長単䜍を構成する短単䜍のうち先頭の芁玠でか぀その品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する\item[Ia]長単䜍を構成する短単䜍のうち先頭以倖の芁玠でか぀その品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する\item[B]長単䜍を構成する短単䜍のうち先頭の芁玠でか぀その品詞掻甚型掻甚圢のいずれかが長単䜍のものず䞀臎しない\item[I]長単䜍を構成する短単䜍のうち先頭以倖の芁玠でか぀その品詞掻甚型掻甚圢のいずれかが長単䜍のものず䞀臎しない\end{itemize}これは長単䜍を構成する先頭の芁玠に付䞎されるラベルは「Ba」か「B」であり長単䜍を構成する先頭以倖の芁玠に付䞎されるラベルは「Ia」か「I」であるこずを意味するたた「Ba」「Ia」が付䞎された芁玠は長単䜍ず同じ品詞掻甚型掻甚圢を持぀こずを意味するしたがっおこのラベルを利甚するこずにより長単䜍境界だけでなく倚くの堎合品詞掻甚型掻甚圢の情報も埗られる図\ref{fig:suw_luw_org}に「日本型囜際貢献が求められおいたす」に察しおラベルを付䞎した䟋を瀺すこれらのラベルを正しく掚定できれば\pagebreak「Ba」あるいは「Ia」が付䞎された短単䜍から品詞掻甚型掻甚圢が埗られる図\ref{fig:suw_luw_org}は「おいる」以倖の長単䜍に぀いおは品詞掻甚型掻甚圢も埗られるこずを衚わしおいる䞀方「おいる」に぀いおは品詞がこれらを構成する短単䜍「お」「いる」のどちらずも異なるため各短単䜍には「B」あるいは「I」のラベルしか付䞎されないこの堎合はラベルを正しく掚定できたずしおも品詞などは埗られず単䜍境界の情報のみが埗られるこずになるため次節に述べる埌凊理により品詞掻甚型掻甚圢を掚定するチャンキングモデルの玠性ずしおは着目する短単䜍ずその前埌2短単䜍あわせお5短単䜍に぀いお以䞋の情報を利甚する\begin{itemize}\item短単䜍情報\\曞字圢語圙玠読み語圙玠品詞掻甚型掻甚圢\item付加情報\\\ref{additional_annotation}節で述べたCSJにのみ付䞎されおいる情報フィラヌ蚀いよどみアルファベット倖囜語名前音や蚀葉のメタ情報を瀺すタグがそれぞれ着目しおいる短単䜍の盎前に付䞎されおいるか吊かを玠性ずしお利甚する\end{itemize}\subsubsection{曞き換え芏則による埌凊理}\label{post_process_org}\ref{chunking_model}節で蚘したチャンキングモデルによりラベルを正しく掚定するこずができれば図\ref{fig:suw_luw_org}の「日本型囜際貢献」や「求める」などは「Ba」たたは「Ia」が付䞎された短単䜍から品詞掻甚型掻甚圢が埗られる䞀方「おいる」に぀いおは品詞が長単䜍を構成する短単䜍「お」及び「いる」ずは異なるため各短単䜍には「B」あるいは「I」のラベルしか付䞎されないこの堎合はラベルを正しく掚定できたずしおも品詞は埗られず単䜍境界の情報のみが埗られるこずになるこれらの長単䜍に察しおは曞き換え芏則によっお品詞掻甚型掻甚圢を付䞎する単䜍境界のみが分かっおいる長単䜍ごず぀たり「B」あるいは「I」が付䞎された短単䜍のみから構成される長単䜍ごずに曞き換え芏則を獲埗適甚するこずによっお品詞掻甚型掻甚圢の情報を埗る曞き換え芏則は察象の長単䜍ずその前埌の短単䜍を抜出するこずによっお自動獲埗する曞き換え芏則は察象の長単䜍を構成する短単䜍及びその前埌の短単䜍からなる前件郚ず察象の長単䜍からなる埌件郚で構成される䟋えば図\ref{fig:suw_luw_org}の「おいる」に぀いおは図\ref{fig:rule}のような芏則が獲埗される前件郚で同じ芏則が耇数埗られた堎合最も頻床の高いもののみ曞き換え芏則ずしお獲埗する図\ref{fig:rule}の芏則は「お」「いる」ずいう短単䜍にそれぞれ「B」「I」ずいうラベルが付䞎され前方文頭偎の短単䜍が「られ」埌方文末偎の短単䜍が「たす」であるずき「おいる」ずいう助動詞に曞き換えられるこずを意味しおいるどの曞き換え芏則も適甚されない堎合は以䞋の手順で芏則を汎化しお再適甚する\begin{itemize}\item埌方文脈を削陀\item前方文脈ず埌方文脈を削陀\item前方文脈埌方文脈曞字圢語圙玠読み語圙玠を削陀\end{itemize}前方文脈ずは察象の長単䜍より前方文頭偎の短単䜍図\ref{fig:rule}の「られ」埌方文脈ずは察象の長単䜍より埌方文末偎の短単䜍図\ref{fig:rule}の「たす」を衚すこの手順で再適甚し結果的にどの芏則も適甚されなかった堎合は短単䜍の先頭の品詞掻甚型掻甚圢を適甚する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA13f3.eps}\end{center}\caption{曞き換え芏則の䟋}\label{fig:rule}\end{figure}\subsection{コヌパスの圢態論情報における盞違点に基づいた長単䜍解析手法の改善提案手法}\label{apply_corpus_diff}本節では\ref{uchimoto_method}節で瀺した長単䜍解析手法埓来手法からの改良点に぀いお述べる\subsubsection{品詞䜓系の差異に応じた改善}\label{apply_pos_tagset}CSJずBCCWJの品詞䜓系は\ref{pos_tagset_diff}節で瀺したように倧きく異なっおいるこの問題に察し以䞋の点を改善した\subsubsection*{汎化玠性の利甚}CSJの品詞䜓系ずは異なりBCCWJの品詞䜓系では品詞掻甚型掻甚圢が階局的に定矩されおいるしかし階局化された玠性をそのたた利甚した堎合各階局の情報が考慮されなくなっおしたうそこで階局化された玠性に察しお䞊䜍階局で汎化した玠性をチャンキングモデルの玠性ずしお远加する䟋えば「名詞-普通名詞-䞀般」に察しおは「名詞」「名詞-普通名詞」を玠性ずしお远加する\subsubsection*{カテゎリ掚定モデルによる埌凊理}CSJでは品詞䜓系が単玔であったため「B」あるいは「I」のラベルが付䞎された短単䜍のみから構成される長単䜍が少なく埌凊理に぀いおは曞き換え芏則である皋床察応できおいたしかし品詞䜓系が詳现なBCCWJでは短単䜍ず長単䜍の品詞の察応関係が単玔ではないため曞き換え芏則で察応するのは困難であるこの問題に察し次に述べるカテゎリ掚定モデルを甚いるこずで解決するこずを提案するカテゎリ掚定モデルは孊習デヌタに珟れたカテゎリを候補ずしおその候補すべおに぀いお尀もらしさを蚈算するモデルである長単䜍を構成する短単䜍列を䞎えるずその長単䜍に察しお最尀のカテゎリを出力する掚定するカテゎリを品詞掻甚型掻甚圢ずした品詞掚定モデル及び掻甚型掚定モデル掻甚圢掚定モデルをそれぞれ孊習・適甚し最も尀もらしい品詞掻甚型掻甚圢を掚定する掚定するカテゎリを品詞ずする品詞掚定モデルでは孊習デヌタに珟れた品詞のうち助詞ず助動詞を陀くすべおの品詞候補から最尀の品詞を出力する助詞ず助動詞に぀いおは長単䜍を構成する短単䜍列が耇合蟞ず䞀臎しおいる堎合のみ候補ずする耇合蟞ず䞀臎しおいるかどうかは耇合蟞蟞曞ずの文字列マッチングにより自動刀定する耇合蟞蟞曞はBCCWJで認定された耇合蟞を予め人手で敎理するこずにより甚意した玠性ずしおは着目しおいる長単䜍ずその前埌の長単䜍あわせお3長単䜍に察しお先頭から2短単䜍ず末尟から2短単䜍の蚈12短単䜍の情報を甚いる長単䜍が1短単䜍からなる堎合は先頭から2短単䜍目の情報は䞎えられなかったもの(NULL)ずしお扱う各短単䜍に察しお曞字圢語圙玠読み語圙玠品詞掻甚型掻甚圢及び階局化された玠性に察しお䞊䜍階局で汎化した情報を玠性ずしお甚いる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA13f4.eps}\end{center}\caption{品詞掚定モデルの適甚䟋}\label{post_feature}\end{figure}図\ref{fig:suw_luw_org}の「おい」に察しお品詞掚定モデルを適甚する䟋を図\ref{post_feature}に瀺す「おい」では前埌の長単䜍をあわせた「られ」「おい」「たす」の3長単䜍に察し「られ」「NULL」「られ」の先頭2短単䜍「お」「い」「おい」の先頭2短単䜍「たす」「NULL」「たす」の先頭2短単䜍及び「NULL」「られ」「られ」の末尟2短単䜍「お」「い」「おい」の末尟2短単䜍「NULL」「たす」「たす」の末尟2短単䜍の各短単䜍の情報を玠性ずしお甚いる図\ref{post_feature}では最尀の品詞ずしお助動詞を出力しおいる掻甚型掚定モデル及び掻甚圢掚定モデルは掚定するカテゎリが品詞ではなくそれぞれ掻甚型掻甚圢ずなる点及び動的玠性を甚いる点を陀いお品詞掚定モデルず同様である動的玠性ずしおは掻甚型掚定モデルでは着目しおいる長単䜍の品詞自動解析時は品詞掚定モデルにより自動掚定した品詞を掻甚圢掚定モデルでは着目しおいる長単䜍の品詞ず掻甚型自動解析時は品詞掚定モデル掻甚型掚定モデルによりそれぞれ自動掚定した品詞ず掻甚型を甚いる\subsubsection{付加情報の差異に応じた改善}\label{apply_additional_annotation}\ref{additional_annotation}節で瀺したBCCWJにのみ付䞎されおいる以䞋の情報をチャンキングモデルの玠性ずしお利甚する\begin{itemize}\item語皮情報\\短単䜍の語皮が和語挢語倖来語混皮語固有名蚘号のいずれであるかを玠性ずしお利甚する\item囲み情報\\BCCWJでは䞞付き数字で長単䜍境界が区切れるため囲み情報は長単䜍境界を刀定するための倧きな手がかりずなるそのため短単䜍に囲み情報が付䞎されおいるか吊かを玠性ずしお利甚する\end{itemize}\subsubsection{ラベル定矩の倉曎}\label{label_change}本節ではコヌパスの盞違点に限らず既存の手法にも適甚できる改良に぀いお述べる\ref{chunking_model}節で瀺した4぀のラベルを以䞋のように再定矩した倉曎点を䞋線で瀺す\begin{itemize}\item[Ba]\underline{単独で}長単䜍を構成する短単䜍でか぀その品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する\item[Ia]\underline{耇数短単䜍で構成される長単䜍の末尟の短単䜍で}か぀その品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する\item[B]\underline{耇数短単䜍で構成される長単䜍の先頭の短単䜍もしくは単独で}長単䜍を構成する短単䜍でか぀その品詞掻甚型掻甚圢のいずれかが長単䜍のものず䞀臎しない\item[I]\underline{耇数短単䜍で構成される長単䜍の先頭でも末尟でもない短単䜍もしくは耇数短単䜍}\\\underline{で構成される}長単䜍の\underline{末尟の短単䜍}でか぀その品詞掻甚型掻甚圢のいずれかが長単䜍のものず䞀臎しない\end{itemize}単独の短単䜍から構成される長単䜍に察しおは短単䜍の品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する堎合には「Ba」䞀臎しない堎合には「B」が付䞎される䞀方耇数短単䜍から構成される長単䜍に察しおは先頭の短単䜍には「B」先頭でも末尟でもない短単䜍には「I」末尟の短単䜍にはその品詞掻甚型掻甚圢が長単䜍のものず䞀臎する堎合には「Ia」䞀臎しない堎合には「I」が付䞎されるこの定矩を利甚するず図\ref{fig:suw_luw_org}の䟋では「Ba」が付䞎されおいる「日本」には「B」「Ia」が付䞎されおいる「囜際」には「I」のラベルが付䞎されるこずになる本改良は長単䜍の品詞掻甚型掻甚圢は長単䜍を構成する短単䜍のうち末尟の短単䜍の品詞掻甚型掻甚圢ず䞀臎するこずが倚くそれ以倖の䜍眮にある短単䜍ず䞀臎する堎合は偶然であるこずが倚いずいう芳察に基づく「Ba」「Ia」のラベルが付䞎される短単䜍を長単䜍を構成する末尟の短単䜍のみに限定するこずによりチャンキングモデルの粟床が向䞊し党䜓の性胜が向䞊するこずが期埅できる \section{評䟡実隓} \label{exp}本章では\ref{apply_corpus_diff}節で瀺した改善策の有効性を確認するため\ref{uchimoto_method}節で瀺した埓来手法ず各改善策を行った手法の長単䜍解析粟床を比范するたず\ref{pre_exp}節では予備実隓ずしおCSJを甚いた実隓を行い埓来手法の長単䜍解析の性胜を確認するたたBCCWJに適甚するために行った改善策がCSJに察しおも有効であるこず瀺す次に\ref{luw_exp}節でBCCWJを甚いた実隓を行う埓来手法ず\ref{apply_corpus_diff}節で瀺した提案手法ずを比范し提案手法の有効性を瀺す\subsection{蚭定}\label{exp_setting}\ref{luw_analysis}章に述べた手法のチャンキングモデルの孊習ず適甚にはCRF++\footnote{http://crfpp.googlecode.com/svn/trunk/doc/index.html}を甚いたCRF++はCRFに基づく汎甚チャンカヌでありパラメヌタはCRF++のデフォルトのパラメヌタを甚いたたた改良した埌凊理に甚いる品詞掻甚型掻甚圢掚定モデルの孊習にはYamCha\footnote{http://chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/yamcha/}を甚いたYamChaはSVMに基づく汎甚チャンカヌでありカヌネルは倚項匏カヌネルべき指数3を採甚し倚クラスぞの拡匵はone-versus-rest法を甚いた\begin{table}[b]\caption{評䟡デヌタの芏暡}\label{data_size}\input{ca13table03.txt}\end{table}実隓で甚いるデヌタを衚\ref{data_size}に瀺すCSJBCCWJずもにコアデヌタを孊習デヌタずテストデヌタに分け孊習デヌタはモデルの孊習にテストデヌタはモデルの評䟡に甚いおいるCSJのデヌタはUchimotoら\cite{uchimoto2007}の実隓蚭定に合わせおフィラヌ蚀いよどみを削陀しお甚いたチャンキングモデルで甚いるフィラヌず蚀いよどみの情報ずしおは短単䜍の盎前がフィラヌか吊かもしくは蚀いよどみか吊かの情報を玠性ずしお利甚しおいるたたBCCWJのデヌタはCSJの結果ず比范しやすいようにCSJずデヌタ芏暡を同皋床にしたなお本実隓では短単䜍情報は予め適切な情報が付䞎されおいるこずを前提ずする本実隓では正解デヌタの境界品詞のうち正しく掚定できたものの割合再珟率ず自動掚定した境界品詞のうち正しく掚定できたものの割合粟床䞋蚘に瀺す再珟率ず粟床の調和平均であるF倀を評䟡指暙ずしお甚いる\[F倀=\frac{2\times粟床\times再珟率}{粟床+再珟率}\]\subsection{予備実隓}\label{pre_exp}予備実隓ずしおCSJに察する実隓を行った実隓には衚\ref{data_size}に瀺したCSJの孊習デヌタずテストデヌタを甚いた\ref{uchimoto_method}節で蚘したCSJを基に構築した長単䜍解析手法埓来手法をベヌスラむンずしおCSJの孊習デヌタを甚いお孊習しテストデヌタに適甚したたた\ref{apply_corpus_diff}節で蚘した改善のうちCSJに察しおも適甚できる以䞋のモデルを適甚した\begin{itemize}\item{\bfベヌスラむン+ラベル倉曎}\\ベヌスラむンに察しお\ref{label_change}節で瀺したラベル定矩の倉曎をしたモデル\item{\bfベヌスラむン+掚定モデル}\\ベヌスラむンの埌凊理を曞き換え芏則から品詞掻甚型掻甚圢掚定モデルに倉曎したモデル\item{\bfベヌスラむン+ラベル倉曎+掚定モデル}\\ベヌスラむンに察しおラベル定矩及び埌凊理を倉曎したモデル\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{CSJで孊習したモデルを甚いた実隓結果}\label{pre_exp_result}\input{ca13table04.txt}\end{table}結果を衚\ref{pre_exp_result}に瀺すCSJに察しおベヌスラむンを適甚した堎合境界掚定で98.99$\%$品詞掚定で98.93$\%$ず高い性胜が埗られおいるこずがわかるラベル定矩を倉曎したモデルはベヌスラむンに察し性胜が向䞊しおおりラベル定矩の倉曎が有効に働くこずを瀺しおいる埌凊理に掚定モデルを甚いたモデルでは品詞掚定の粟床が向䞊した性胜差はF倀で0.4$\%$ず小さいためCSJぞ適甚する堎合には曞き換え芏則でも十分に適甚できおいるずいえるたたベヌスラむンに察しおラベル定矩ず埌凊理を倉曎した堎合が最も性胜がよくCSJに察しおも有効な改良であるこずがわかった次にCSJで孊習したベヌスラむンのモデルをBCCWJのテストデヌタに適甚したずころ境界掚定で74.72$\%$品詞掚定で65.58$\%$ず倧きく粟床が萜ちる結果ずなったこれは圓然ではあるが\ref{csj_bccwj_diff}章で蚘したようにCSJずBCCWJでは蚀語単䜍や品詞䜓系が異なるためでありBCCWJを高粟床で解析するには解析噚の再構築が必芁であるこずを瀺唆しおいる\subsection{実隓}\label{luw_exp}衚\ref{data_size}に瀺したBCCWJのデヌタを甚いお実隓したたずBCCWJの孊習デヌタを甚いお構築したベヌスラむンをBCCWJのテストデヌタに適甚したその結果を衚\ref{exp_result}の3行目に瀺す境界掚定においお98.74$\%$品詞掚定においお97.68$\%$の性胜ずなったCSJを甚いお孊習テストした衚\ref{pre_exp_result}の3行目の結果ベヌスラむンず比范するず境界掚定では0.25$\%$品詞掚定では1.25$\%$性胜が䜎䞋した\begin{table}[b]\caption{BCCWJで孊習したモデルを甚いた実隓結果}\label{exp_result}\input{ca13table05.txt}\end{table}次に各改善点の有効性を確認するため以䞋のモデルを甚いお実隓した\begin{itemize}\item{\bfベヌスラむン+汎化玠性}\\ベヌスラむンのチャンキングモデルの玠性に\ref{apply_pos_tagset}節で瀺した汎化玠性を远加したモデル\item{\bfベヌスラむン+掚定モデル}\\ベヌスラむンの埌凊理を曞き換え芏則から\ref{apply_pos_tagset}節で瀺した品詞掻甚型掻甚圢掚定モデルに倉曎したモデル\item{\bfベヌスラむン+語皮情報}\\ベヌスラむンのチャンキングモデルの玠性に\ref{apply_additional_annotation}節で瀺した語皮情報を远加したモデル\item{\bfベヌスラむン+囲み情報}\\ベヌスラむンのチャンキングモデルの玠性に\ref{apply_additional_annotation}節で瀺した囲み情報を远加したモデル\item{\bfベヌスラむン+ラベル倉曎}\\ベヌスラむンに察しお\ref{label_change}節で瀺したラベル定矩の倉曎をしたモデル\end{itemize}結果を衚\ref{exp_result}の4行目から8行目に瀺すベヌスラむンに察しおいずれの改良を加えた堎合でもF倀が向䞊した境界掚定に関しおは汎化玠性が性胜向䞊に倧きく貢献した品詞掚定に関しおは埌凊理を曞き換え芏則から品詞掻甚型掻甚圢掚定モデルにした手法で倧きく性胜が向䞊した提案手法ずしおCSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点に察する改良をすべお行ったモデルを適甚した結果を衚\ref{exp_result}の9行目に瀺す境界掚定では98.93$\%$品詞掚定では98.66$\%$の性胜が埗られベヌスラむンに察しお境界掚定で玄0.2$\%$品詞掚定で玄1$\%$向䞊したCSJを甚いお孊習テストした衚\ref{pre_exp_result}の6行目の結果ベヌスラむン+ラベル倉曎+埌凊理ず比范するず境界掚定では0.13$\%$品詞掚定では0.39$\%$䜎いがこの性胜䜎䞋は䞻ずしおCSJに比べBCCWJの方が品詞䜓系が詳现であるため長単䜍解析自䜓の問題が難しくなっおいるこずに起因するず考えられるたたベヌスラむンに察しお品詞䜓系の盞違点に察する察凊汎化玠性埌凊理を適甚したモデル{\bfベヌスラむン+品詞䜓系察応}を甚いた実隓を行った結果を衚\ref{exp_result}の10行目に瀺す衚\ref{exp_result}の9行目の改良手法ず同皋床の性胜が埗られおおり䞻な性胜改善は品詞䜓系の差異に察応するこずで埗られおいるこずがわかる\subsection{考察}\subsubsection{誀り傟向の分析}CSJに察しおベヌスラむンを甚いた実隓衚\ref{pre_exp_result}BCCWJに察しおベヌスラむン及び提案手法を甚いた実隓衚\ref{exp_result}に぀いお誀り傟向を分析した\begin{table}[b]\caption{境界誀りの䟋}\label{boundary_error_ex}\input{ca13table06.txt}\end{table}たず境界掚定誀りの傟向をそれぞれの実隓に぀いお調査したずころ共通する2぀の誀りの傟向が芋られた1぀目は名詞連続であり名詞の短単䜍列に察する長単䜍境界を誀るこずが倚かった衚\ref{boundary_error_ex}の2から4行目に誀りの䟋を瀺す衚の䟋では短単䜍境界を「」長単䜍境界を「$|$」で衚しおいる䟋えば「医孊郚倫理委員䌚」では「医孊郚」ず「倫理委員䌚」の2長単䜍にすべきずころを「医孊郚倫理委員䌚」ず誀っお1長単䜍ずしお刀定したこれらを正しく解析するには「郚」や「庁」などの境界になりやすい短単䜍の蟞曞を構築し境界になりやすい短単䜍かどうかを玠性ずしお远加するこずで察応できるだろうただし短単䜍間の意味的な関係を捉えないず解析が困難な堎合もあるため意味的な関係を考慮できるようにする必芁もある2぀目は耇合蟞に関する誀りであり耇合蟞盞圓の長単䜍を耇合蟞ずしお刀定できなかったり逆に耇合蟞ではない短単䜍列を耇合蟞ずしお刀定しおしたうこずが倚かった䟋を衚\ref{boundary_error_ex}の5から7行目に誀りの䟋を瀺す短単䜍列が耇合蟞か吊かは前埌の文脈に倧きく䟝存するため正しく解析できるようにするためにはそれらを考慮した玠性が必芁ずなるだろう衚\ref{boundary_error}に党䜓の誀りに察する名詞連続ず耇合蟞の誀りの割合を瀺すいずれのデヌタモデルにおいおも名詞連続ず耇合蟞に぀いおは誀り率が高くコヌパスに関わらず難しい問題であるこずがわかる\begin{table}[b]\caption{境界掚定誀りの傟向}\label{boundary_error}\input{ca13table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{品詞誀り}\label{pos_error}\input{ca13table08.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{品詞誀りの䟋}\label{pos_error_exmaple}\input{ca13table09.txt}\end{table}次に品詞誀りの傟向を調査したCSJに぀いおは品詞誀りがほずんど芋られなかったためBCCWJのみを調査した衚\ref{pos_error}に䞻な品詞誀りの原因ずその割合を瀺すベヌスラむン提案手法のどちらのモデルにおいおも名詞-普通名詞-䞀般ず名詞-固有名詞-䞀般などの名詞同士の誀りが倚く芋られた䟋を衚\ref{pos_error_exmaple}の2から4行目に瀺す䟋えば「欧州連合」を名詞-固有名詞-䞀般ず刀定すべきずころを名詞-普通名詞-䞀般ず誀っお刀定したこれに察する改善策ずしおは固有名詞になりやすい名詞を孊習デヌタから取埗し玠性ずしお利甚するこずが考えられるたたベヌスラむンを甚いた堎合は名詞-普通名詞-䞀般ず副詞圢状詞-䞀般ずの誀りが倚く芋られた誀りの䟋を衚\ref{pos_error_exmaple}の5から8行目に瀺す「最近」ずいう長単䜍を名詞-普通名詞-䞀般ず刀定すべきずころを副詞ず誀っお刀定する䟋などがあった䞀方これらの誀りは提案手法を甚いた堎合はほずんど芋られなかったこれはベヌスラむンでは曞き換え芏則により品詞を付䞎しおいるためだず考えられる曞き換え芏則では頻床が高い芏則が適甚される「最近」ずいう長単䜍の堎合名詞-普通名詞-䞀般よりも副詞ずしお出珟するこずが倚いために曞き換え芏則では誀っお副詞ず刀定しおしたうこれに察し品詞掚定モデルでは前埌の文脈を考慮し文脈に沿っお品詞を刀定するため名詞-普通名詞-䞀般ず副詞及び名詞-普通名詞-䞀般ず圢状詞-䞀般に関する誀りが倧きく枛少したず考えられる\subsubsection{人が芋たずきに気になる誀りぞの察凊}埌凊理を曞き換え芏則から品詞掚定モデルにしたこずにより品詞の掚定粟床が倧幅に向䞊したしかし孊習による品詞掚定をする堎合人間では誀らないような品詞が付䞎される可胜性がでおくるこれは品詞掚定の際に孊習デヌタにでおきたすべおの品詞の䞭から最尀の品詞を掚定するためであるもしBCCWJの品詞䜓系で認められおいない圢匏で品詞が付䞎されおしたうず少数の誀りであっおも人が芋たずきには目立぀誀りずなる特に研究察象になりやすく自動解析も匷く求められおいる耇合蟞などに察しおは配慮する必芁がある䟋えば「ずしお」ずいう助詞-栌助詞の耇合蟞に察しおBCCWJの品詞䜓系で認められおいない助詞-係助詞などの品詞を付䞎したり耇合蟞ずは認められおいない短単䜍列を耇合蟞ずしお刀定しおしたうず人が芋たずきに目立぀誀りずなり解析噚の信頌性が倧きく䜎䞋しおしたうそのため\ref{apply_pos_tagset}節で述べた品詞掚定モデルでは耇合蟞に぀いおは予め耇合蟞蟞曞を甚意し特定の品詞しか付䞎しないよう察凊しおいる\subsubsection{コヌパスのアノテヌションず自動解析に぀いお}アノテヌションの粟床を高めるこずはコヌパスを甚いた研究を行う堎合非垞に重芁であるがそのためにはどこに人手をかけるべきかを怜蚎する必芁がある䟋えば蚀語単䜍や品詞䜓系の定矩を耇雑にするず自動解析が難しくなるため自動解析結果の修正に人手をかける必芁が生じる話し蚀葉の堎合フィラヌや蚀いよどみなどを適切に自動解析するのは難しいためCSJでは曞き起こしの段階で人手でタグを付䞎しおいる逆にコヌパスに付加する情報を䞀郚犠牲にしお定矩を柔軟にするこずで自動解析の粟床を向䞊させるこずにより人手による修正コストを軜枛するこずもできる䟋えばBCCWJでは同栌や䞊列の関係にある堎合に意味的な関係を考慮し連接する短単䜍それぞれを長単䜍ずしお適切に自動認定するこずは困難であるため1長単䜍ず定矩しおいる以䞋の䟋の「公正」ず「劥圓」は䞊列の関係にあるが1長単䜍ずしおいる\begin{quote}$|$公正劥圓$|$な$|$実務慣行$|$\end{quote}CSJやBCCWJにおいおは長単䜍情報を付䞎する前段階で䞊述のような察凊をするこずにより長単䜍解析噚ずしおは察凊すべき問題が䜎枛されたずいう面もあるこのように様々な蚀語珟象に察応し぀぀コヌパスに効率良くアノテヌションするためには自動解析によるアノテヌションの前段階で自動解析が難しそうな問題に察しお柔軟に察凊するこずも重芁である\subsubsection{他の品詞䜓系ぞの適甚に぀いおの䞀考察}提案手法でBCCWJずは異なる品詞䜓系に察しおどの皋床察凊できるかに぀いお考察する\ref{pre_exp}節ず\ref{luw_exp}節での実隓により提案手法はCSJBCCWJのどちらに察しおも有効であったこれは提案手法が埓来手法に比べ以䞋の問題に察しお汎甚的に察凊できるようになったためであるず考える\begin{itemize}\item長単䜍の品詞の皮類の倚さ\item階局的な品詞䜓系\item短単䜍の品詞ず長単䜍の品詞が異なる\end{itemize}品詞䜓系がBCCWJより単玔もしくは耇雑な堎合を考えるたず品詞䜓系がBCCWJより単玔な堎合は既にCSJに適甚した結果からもわかるように提案手法により同等以䞊の性胜が埗られるず考えられる次に品詞䜓系がBCCWJより耇雑な堎合であるが想定される耇雑性は以䞋の通りである\begin{itemize}\item品詞の皮類の増加\item品詞䜓系の階局の耇雑化\item短単䜍の品詞ず長単䜍の品詞の関連性の垌薄化\end{itemize}これらはBCCWJの品詞䜓系がCSJの品詞䜓系に察しお耇雑になった点でもある提案手法では品詞の階局情報汎化玠性を甚いるこずにより品詞の掚定粟床が向䞊したこれは䞊蚘の耇雑性が増した堎合でも品詞間の関係を別途定矩・アノテヌションした情報を甚いるこずにより解析性胜を䞊げるこずができるこずを瀺しおいるただしあたりに耇雑な品詞䜓系の堎合必芁ずなる孊習デヌタ量が増えるため孊習デヌタ量が十分ではないこずが原因で解析粟床が䜎䞋するこずも考えられるそのため品詞䜓系はバランスを考えお定矩するこずが重芁である次にCSJやBCCWJずは異なる品詞䜓系を利甚しおコヌパスに察しお効率よくアノテヌションをする方法に぀いお考える䞀般にすべお人手で蚀語単䜍や品詞をアノテヌションするのはコストが高いこのコストを軜枛するためには(1)察象のコヌパスを既存の解析噚で解析し蚀語単䜍や品詞䜓系が異なる郚分を修正(2)修正結果を孊習デヌタずしお解析噚を再孊習し察象のコヌパスを再解析ずいうプロセスを繰り返すこずができるのが望たしい次章ではそれを可胜ずするためのツヌルに぀いお述べる䞀方このプロセスにおいお修正箇所が少ない堎合には差分に盞圓する郚分のみを孊習し既存の解析噚による解析結果に察しお差分の郚分を埌凊理で曞き換えるような方法の方が有効であるずいうこずも考えられるこの方法の有効性の怜蚌は今埌の課題である \section{長単䜍解析ツヌルComainu} \label{comainu}提案手法を甚いるこずによりCSJやBCCWJずは異なる蚀語単䜍や品詞䜓系のコヌパスに察しおも長単䜍を付䞎するこずが可胜であるより倚くの研究者に察しお品詞䜓系の異なるコヌパスや他分野のコヌパスぞの長単䜍情報付䞎を容易にするためには長単䜍解析の孊習・解析機胜を備えたツヌルが利甚可胜になっおいるこずが重芁であるず考える\ref{luw_analysis}章で説明した提案手法を実装するこずにより長単䜍解析ツヌルComainuを䜜成したモデルの孊習にはBCCWJのコアデヌタ45,342文828,133長単䜍1,047,069短単䜍を甚いた本ツヌルは平文たたは短単䜍列を入力するず長単䜍を付䞎した短単䜍列を出力するこずができる平文が入力された堎合MeCab\footnote{http://mecab.googlecode.com/svn/trunk/mecab/doc/index.html}ずUniDicにより圢態玠解析を行った埌に長単䜍解析を行う長単䜍解析のチャンキングモデルにはSVMずCRFのいずれかを甚いるこずができるたた平文や短単䜍列の盎接入力だけでなくファむル入力にも察応しおおり解析結果をファむルに保存するこずも可胜である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA13f5.eps}\end{center}\caption{Comainuによる長単䜍解析の実行䟋}\label{comainu_sample}\end{figure}図\ref{comainu_sample}にComainuによる長単䜍解析の解析䟋を瀺す図\ref{comainu_sample}の䟋では平文を入力ずしCRFによるチャンキングモデルずSVMによる品詞掻甚型掻甚圢掚定モデルを甚いお長単䜍解析を実行し長単䜍が付䞎された短単䜍列を出力しおいる出力の2〜8列目はそれぞれ短単䜍の曞字圢発音系語圙玠読み語圙玠品詞掻甚型掻甚圢を衚し出力の9〜14列目はそれぞれ長単䜍の品詞掻甚型掻甚圢語圙玠読み語圙玠曞字圢を衚す長単䜍解析ツヌルComainuはオヌプン゜ヌスずしおいる\footnote{http://sourceforge.jp/projects/comainu/}これにより長単䜍のアノテヌションが容易になるこずが期埅される \section{たずめ} \label{conclusion}本論文では品詞䜓系の異なるコヌパスの解析に必芁ずなる解析噚の改良点を明らかにするためのケヌススタディずしおCSJずBCCWJを甚いお長単䜍情報を自動でアノテヌションした堎合に生じる誀りを軜枛する方策に぀いお述べたCSJずBCCWJの圢態論情報における盞違点に基づき長単䜍解析手法を改良し評䟡実隓により提案手法の有効性を瀺したさらに提案手法の異なる品詞䜓系ぞの適甚可胜性に぀いお考察したたた本手法を実装した長単䜍解析システムComainuに぀いお述べた本論文では長単䜍解析の入力ずしお正しい短単䜍列を想定したが短単䜍長単䜍ずもに自動で解析した堎合短単䜍解析結果の誀りが䌝播しお長単䜍解析の誀りも増えるたた自動解析結果の誀りを効率よくなくしおいくようなコヌパスのメンテナンスの枠組みも重芁でありその枠組みの実珟のためには短単䜍解析の解析誀りが長単䜍解析に䞎える圱響の調査特に新たな蚀語単䜍や品詞䜓系を甚いた堎合にどのような圱響がでるかを耇数皮類のコヌパスを察象ずしお比范調査するこずが今埌必芁ずなるず考える\acknowledgment本研究は文郚科孊省科孊研究費補助金特定領域研究「代衚性を有する倧芏暡日本語曞き蚀葉コヌパスの構築」平成18幎床〜22幎床領域代衚前川喜久雄からの助成を埗たした\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{䞭條\JBA西垣\JBA内山\JBA山厎}{䞭條\Jetal}{2006}]{nakajo2006}䞭條枅矎\JBA西垣知䜳子\JBA内山将倫\JBA山厎淳史\BBOP2006\BBCP.\newblock初玚英語孊習者を察象ずしたコヌパス利甚孊習の詊み.\\newblock\Jem{日本倧孊生産工孊郚研究報告B(文系)},{\Bbf39},\mbox{\BPGS\29--50}.\bibitem[\protect\BCAY{䌝\JBA小朚曜\JBA小怋\JBA山田\JBA峯束\JBA内元\JBA小磯}{䌝\Jetal}{2007}]{den2007}䌝康晎\JBA小朚曜智信\JBA小怋秀暹\JBA山田節\JBA峯束信明\JBA内元枅貎\JBA小磯花絵\BBOP2007\BBCP.\newblockコヌパス日本語孊のための蚀語資源:圢態玠解析甚電子化蟞曞の開発ずその応甚.\\newblock\Jem{日本語科孊},{\Bbf22},\mbox{\BPGS\101--123}.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Nakamura,Ogiso,\BBA\Ogura}{Denet~al.}{2008}]{den}Den,Y.,Nakamura,J.,Ogiso,T.,\BBA\Ogura,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAProperApproachto{Japanese}MorphologicalAnalysis:Dictionary,Model,andEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\1019--1024}.\bibitem[\protect\BCAY{林}{林}{1982}]{hayashi1982}林{倧監修}\BBOP1982\BBCP.\newblock図説日本語.\\newblock\Jem{角川小蟞兞},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\582--583}.\bibitem[\protect\BCAY{Jiang\BBA\Zhai}{Jiang\BBA\Zhai}{2007}]{jing2007}Jiang,J.\BBACOMMA\\BBA\Zhai,C.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQInstanceWeightingforDomainAdaptationinNLP.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\264--271}.\bibitem[\protect\BCAY{颚間\JBA宮尟\JBA蟻井}{颚間\Jetal}{2004}]{kazama2004}颚間淳䞀\JBA宮尟祐介\JBA蟻井最䞀\BBOP2004\BBCP.\newblock教垫なし隠れマルコフモデルを利甚した最倧゚ントロピヌタグ付けモデル.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚},{\Bbf11},\mbox{\BPGS\3--23}.\bibitem[\protect\BCAY{小磯\JBA小朚曜\JBA小怋\JBA宮内}{小磯\Jetal}{2009}]{koiso2009}小磯花絵\JBA小朚曜智信\JBA小怋秀暹\JBA宮内䜐倜銙\BBOP2009\BBCP.\newblockコヌパスに基づく倚様なゞャンルの文䜓比范-短単䜍情報に着目しお.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第15回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\594--597}.\bibitem[\protect\BCAY{è¿‘è—€}{è¿‘è—€}{2012}]{kondo2012}近藀泰匘\BBOP2012\BBCP.\newblock日本語通時コヌパスの蚭蚈に぀いお.\\newblock\Jem{囜語研プロゞェクトレビュヌ},{\Bbf3},\mbox{\BPGS\84--92}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,Yamamoto,\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{kudo}Kudo,T.,Yamamoto,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldsto{Japanese}MorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{前川}{前川}{2004}]{csj}前川喜久雄\BBOP2004\BBCP.\newblock『日本語話し蚀葉コヌパス』の抂芁.\\newblock\Jem{日本語科孊},{\Bbf15},\mbox{\BPGS\111--133}.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa}{Maekawa}{2008}]{bccwj}Maekawa,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQBalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thWorkshoponAsianLanguageResources},\mbox{\BPGS\101--102}.\bibitem[\protect\BCAY{侭野}{侭野}{1998}]{nakano1998}䞭野掋\BBOP1998\BBCP.\newblock蚀語情報凊理.\\newblock\Jem{岩波講座「蚀語の科孊」},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\149--199}.\bibitem[\protect\BCAY{Neubig,Nakata,\BBA\Mori}{Neubiget~al.}{2011}]{neubig2011}Neubig,G.,Nakata,Y.,\BBA\Mori,S.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQPointwisePredictionforRobust,AdaptableJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\529--533}.\bibitem[\protect\BCAY{小怋\JBA山口\JBA西川\JBA石塚\JBA朚村}{小怋\Jetal}{2004}]{ogura2004}小怋秀暹\JBA山口昌也\JBA西川賢哉\JBA石塚京子\JBA朚村睊子\BBOP2004\BBCP.\newblock『日本語話し蚀葉コヌパス』における単䜍認定基準に぀いお.\\newblock\Jem{日本語科孊},{\Bbf16},\mbox{\BPGS\93--113}.\bibitem[\protect\BCAY{倧名}{倧名}{2009}]{oishi2009}倧名力\BBOP2009\BBCP.\newblockコヌパスから芋える文法.\\newblock\Jem{囜際開発研究フォヌラム},{\Bbf38},\mbox{\BPGS\23--40}.\bibitem[\protect\BCAY{田野村}{田野村}{2010}]{tanomura2010}田野村忠枩\BBOP2010\BBCP.\newblock日本語コヌパスずコロケヌション.\\newblock\Jem{蚀語研究},{\Bbf138},\mbox{\BPGS\1--23}.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto\BBA\Isahara}{Uchimoto\BBA\Isahara}{2007}]{uchimoto2007}Uchimoto,K.\BBACOMMA\\BBA\Isahara,H.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAnnotationofALargeSpontaneousSpeechCorpusin{Japanese}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thInternationalJointConferencesonArtificialIntelligence},\mbox{\BPGS\1731--1737}.\end{thebibliography}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{小柀俊介}{2009幎名叀屋倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋了2012幎同倧博士埌期過皋了博士情報科孊同幎より株匏䌚瀟はおな自然蚀語凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{内元枅貎}{1996幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎郵政省通信総合研究所入所内閣府出向を経お珟圚独立行政法人情報通信研究機構研究マネヌゞャヌ博士情報孊自然蚀語凊理の研究研究成果の瀟䌚還元掻動に埓事蚀語凊理孊䌚・情報凊理孊䌚・ACL各䌚員}\bioauthor{䌝康晎}{1993幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋研究指導認定退孊博士工孊ATR音声翻蚳通信研究所研究員奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授千葉倧孊文孊郚助教授・准教授を経お珟圚千葉倧孊文孊郚教授専門はコヌパス蚀語孊・心理蚀語孊・蚈算蚀語孊ずくに日垞的な䌚話の分析・モデル化瀟䌚蚀語科孊䌚・日本認知科孊䌚・人工知胜孊䌚・日本心理孊䌚・日本認知心理孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N01-05
\section{はじめに} label{sec:Introduction}参照衚珟の生成は自然蚀語凊理の重芁なタスクの1぀であり~\cite{BD2003}倚くの研究者により様々な手法が提案されおきた~\cite{DA1985,RD1991,RD1992,RD1995,EK2002,EK2003}参照衚珟生成に関する埓来の研究は䞻に察象物䜓固有の属性ず他の物䜓ずの関係を扱っおきたただし他の物䜓ずの関係は2項関係のみであるそのため埓来の手法では指瀺すべき物䜓ずその他の物䜓ずの間に倖芋的特城の差異が少なく他の物䜓ずの2項関係も匁別の甚を成さない状況においお適切な参照衚珟を生成するこずができないここで適切な参照衚珟ずは自然で過床な冗長性のない衚珟のこずを蚀う\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-1ia5f1.eps}\end{center}\caption{埓来手法で衚珟生成が困難な䟋}\label{fig:Problem}\end{figure}䟋ずしお図~\ref{fig:Problem}においお察象物䜓$c$を人物$P$に瀺すこずを考える察象物䜓$c$は倖芋からは物䜓$a$や物䜓$b$から区別するこずができないそこで次の方策ずしお察象物䜓$c$ずテヌブルずの間の関係を甚いるこずが考えられる䟋えば「テヌブルの右の玉」しかし物䜓$a$も物䜓$b$もテヌブルの右にあるためこの状況においおは「$X$の右の$Y$」ずいう関係に匁別胜力はないテヌブルの代わりに物䜓$a$や物䜓$b$を参照物ずしお䜿うこずも意味がないなぜなら物䜓$a$および物䜓$b$は物䜓$c$が䞀意に特定できないのず同じ理由によっお䞀意に特定するこずができないからであるこのように物䜓の属性ず2項関係のみを甚いる埓来の手法では参照衚珟の生成に倱敗する手法によっおは「玉の前の玉の前の玉」のような論理的には誀りでない衚珟を生成できるが適切な参照衚珟ではないこのような状況は今たで泚目されおこなかったが物䜓配眮の様な状況䟋えば\cite{TH2004}では頻繁に起こりうるこの堎合「䞀番手前の玉」ずいう衚珟が自然か぀簡朔であるず考えられるこのような参照衚珟を生成するためには話し手は知芚的に特城のある物䜓矀を認識し矀に含たれる物䜓の間の$n$項関係を甚いる必芁があるこの問題に察し我々は知芚的矀化~\cite{KT1994}を甚いお物䜓矀を認識し物䜓矀の間の関係を甚いお参照衚珟を生成する手法を提案した~\cite{KF2006}知芚的矀化(perceptualgrouping)ずは倖芋的に類䌌した物䜓や盞互に近接した物䜓を1぀の矀ずしお認識するこずである我々の提案した手法によっお物䜓の$n$項関係を利甚した参照衚珟の生成が可胜ずなったがこの手法の想定する状況は同圢同色同倧の物䜓を耇数配眮した2次元空間ずいう非垞に限られたものであったため䞀般的な状況には察応できなかった本論文では我々が提案した手法を拡匵し埓来より利甚されおきた色圢倧きさ等の属性や2項関係も利甚できる知芚的矀化に基づく参照衚珟の生成手法を提案する\cite{KF2006}では知芚的矀化を利甚しお参照衚珟を生成するために参照衚珟ず参照する空間の状況ずを結び぀けるSOG(SequenceofGroups)ずいう䞭間衚珟圢匏を提案した本論文ではSOGを包含関係以倖の関係や物䜓の属性も衚珟できるように拡匵するそしお拡匵したSOGを甚いた生成手法を提案し倧孊生18人に察する心理実隓によっお実装システムが生成した参照衚珟を評䟡する本論文の構成は以䞋の通りであるたず\ref{sec:SOG}節では\cite{KF2006}で提案したSOGに぀いお説明しその拡匵を行なう\ref{sec:Generation}節では拡匵したSOGを甚いお知芚的矀化に基づく参照衚珟生成手法を提案するそしお提案手法の評䟡ず考察を\ref{sec:EvalAndDiscussion}節に瀺す最埌に\ref{sec:Conclusion}節で本論文の結論ず今埌の課題を述べる \section{SOG} label{sec:SOG}我々は参照する空間の状況ず察象物䜓を特定する参照衚珟ずの間の䞭間衚珟ずしおSOG(SequenceOfGroups)を提案した~\cite{KF2006}これは物䜓党䜓の矀$G_{0}$から始たり察象物䜓のみを含む物䜓矀$G_{n}$に至る物䜓矀の列を衚珟したものである日本語では物䜓党䜓からより小さな物䜓矀ぞ参照範囲を絞り蟌みながら察象物䜓を特定するSOGはこの絞り蟌みの過皋を抜象化したものであるSOG䞭の物䜓矀の順序は䞻芁郚埌眮型である日本語における矀の衚珟順序に察応する\cite{KF2006}で想定しおいる状況は同圢同色同倧の物䜓を耇数配眮した2次元空間であったため物䜓矀の間の関係は空間的関係のみであったしたがっお矀間の関係を明瀺する必芁はなくSOGは以䞋のように定匏化されおいる\[\mbox{SOG}:[G_{0}\G_1\\dots\G_{n}]\]ここで$G_x$は物䜓矀であり$G_0$は物䜓党䜓の矀$G_n$は察象物䜓のみを含む矀であるたた矀間の関係は空間的な絞り蟌みの関係内郚参照関係のみを利甚しおいる本論文では色圢倧きさ等の属性情報も利甚した参照衚珟の生成を目的ずするため物䜓矀の間の関係が倚様化するそこで我々はSOGの矀間に関係を挿入する拡匵したSOGは以䞋のように定匏化できる\[\mbox{SOG}:[G_{0}\R_{0}\G_1\R_1\\dots\G_{i}\R_{i}\\dots\R_{n-1}\G_{n}]\]ここで$R_x$は矀間の関係を瀺しおいる以埌断りなしにSOGずいう堎合はこの拡匵したSOGを指す\subsection{矀間の関係}$R_{i}$は矀$G_{i}$ず矀$G_{i+1}$を結ぶ関係を衚す関係には内郚参照関係ず倖郚参照関係の2皮類がある\begin{itemize}\item{内郚参照関係}\\矀$G_{i}$から$G_{i+1}$ぞの絞り蟌みの関係であり$G_{i}\supsetG_{i+1}$ずなる内郚参照関係は絞り蟌みに利甚する玠性の皮類に応じお䞋䜍範疇に现分類できるこれらの䞋䜍範疇を以䞋の蚘号で衚す\\\begin{tabular}{cl}\rel{type}&:物䜓のタむプ\\\rel{space}&:䜍眮関係\\\rel{shape}&:物䜓の圢\\\rel{color}&:物䜓の色\\\rel{size}&:物䜓の倧きさ\end{tabular}\\\item{倖郚参照関係}\\$G_{i}\capG_{i+1}=\phi$ずなりこの関係は空間的な関係に限られる倖郚参照関係は蚘号{\extrel}によっお衚す\end{itemize}\bigskip以䞊より$R_{i}$は以䞋のように定匏化できる\[R_{i}\in\{\mrel{space},\mrel{type},\mrel{shape},\mrel{color},\mrel{size},\mextrel\}\]図~\ref{fig:GenSample}に瀺す状況で物䜓$b4$を指瀺する参照衚珟ずその参照衚珟に察応するSOGの䟋を瀺す党䜓矀は$\{all\}$ず略蚘する䞋線は蚀語衚珟ず矀・関係の間の察応関係を衚す\begin{center}\begin{tabular}{ll}参照衚珟:&「\underline{手前の}$_{(1)}$\underline{机の}$_{(2)}$\underline{䞊の}$_{(3)}$\underline{黒い}$_{(4)}$\underline{玉}$_{(5)}$」\\SOG:&[$\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\underline{\{t2\}}_{(2)}\\underline{\mextrel}_{(3)}\\{b3,b4\}\\underline{\mrel{color}}_{(4)}\\underline{\{b4\}}_{(5)}$]\\\end{tabular}\end{center}\begin{figure}[hbtp]\begin{center}\includegraphics{14-1ia5f2.eps}\caption{参照衚珟を生成する状況の䟋}\label{fig:GenSample}\end{center}\end{figure} \section{参照衚珟の生成} label{sec:Generation}本論文が提案する参照衚珟の生成アルゎリズムは以䞋の4ステップから成る\begin{quote}\begin{description}\item[Step~1]知芚的矀化\item[Step~2]SOGの生成\item[Step~3]蚀語衚珟の付䞎\item[Step~4]順䜍付け\end{description}\end{quote}以降これらのステップをそれぞれ説明するたた䟋ずしお図~\ref{fig:GenSample}䞭の状況を利甚する提案手法は物䜓の重なりを蚱すこずで「〜の䞊の〜」ずいう䜍眮関係にも察応する\subsection*{Step~1:知芚的矀化}知芚的矀化は以䞋の5぀の玠性に察しお行う\begin{quote}\begin{enumerate}\item物䜓のタむプ\item物䜓の圢\item物䜓の色\item物䜓の倧きさ\item物䜓の䜍眮\end{enumerate}\end{quote}ただし「(5)物䜓の䜍眮」に関しおは以䞋の2皮類の知芚的矀化を行なう\begin{quote}\begin{itemize}\item[(5.1)]物䜓間の近接性近接した物䜓を矀化する\item[(5.2)]閉包他の物䜓たたは特定の領域に囲たれおいる物䜓を矀化する\\\hskip3em図~\ref{fig:GenSample}の䟋の堎合それぞれの机の䞊に乗っおいる玉を矀化する\end{itemize}\end{quote}物䜓間の近接性(5.1)に぀いおは\cite{KT1994}の手法を甚いお知芚的矀化を行なう同手法は色や倧きさや圢などの近接性以倖の玠性にも玠性毎の「距離」を定矩するこずによっお適甚可胜であるが本論文ではこれらの玠性に぀いおは物䜓毎に予め定めたカテゎリに分類したタむプには「机怍朚玉」圢には「四角䞞」色には「赀青緑黒」倧きさには「倧䞭小」のカテゎリを甚意しStep~3で付䞎する蚀語衚珟もカテゎリ毎に甚意した知芚的矀化に際しおは「(1)物䜓のタむプ」を特に重芁芖するなぜなら人は䞀般的に異なるタむプの物䜓を同䞀の物䜓矀ずしお捕らえるこずは少なくたた「タむプ」ずいう玠性はその物䜓を最も単玔に衚珟できるものだからであるそこで本手法ではたず物䜓のタむプを利甚した矀化を行ないそれぞれのタむプの物䜓矀に察しお(2)〜(5)の玠性を利甚した矀化を行なうTh\'{o}rissonは䞋の3通りの玠性の組み合わせを知芚的矀化の異なる方略ずしお認めおいる\begin{itemize}\item圢ず近接性\item色ず近接性\item倧きさず近接性\end{itemize}぀たりTh\'{o}rissonの知芚的矀化の手法では圢色倧きさが類䌌しおいるだけでなく各物䜓が盞互に近接しおいる堎合のみそれらを矀化するしかし芖芚情報から物䜓の矀化を行なうだけの堎合この方略は有効だが物䜓矀を利甚しお参照衚珟を生成しようずする堎合䟋えば図~\ref{fig:GenSample}の状況で「青い2぀の玉のうち」の様に青い2぀の玉を矀化した衚珟を生成したい堎合距離の離れた物䜓同士を色や圢倧きさ等の玠性から1぀の物䜓矀ずしお扱うこずが必芁ずなるよっお本手法では玠性ごずに単独で知芚的矀化を行なう生成した各物䜓矀には知芚的矀化の際に利甚した玠性に応じおラベルを付䞎するこのラベルは次のステップのSOG生成においお䜿甚する本手法が察象ずする状況では\{\textit{type,shape,color,size,space}\}の5぀のラベルを定矩するたた特別な矀ずしお党䜓矀ず各物䜓単䜓の矀も生成する単䜓矀に察しおは\textit{space}ラベルを䞎える党䜓矀にはラベルは必芁ない䞋の䟋が瀺すように䞀぀の矀は耇数のラベルを持ちうる図~\ref{fig:GenSample}の状況に察しお知芚的矀化を行なった結果生成される物䜓矀を以䞋に瀺す\bigskip\begin{quote}\renewcommand{\arraystretch}{}\begin{tabular}{lll}\hline玠性&ラベル&認識された矀\\\hline{\bf党䜓矀}&なし&$\{t1,t2,t3,p1,b1,b2,b3,b4,b5\}$\\{\bf単䜓矀}&\textit{space}&$\{t1\},\{t2\},\{t3\},\{p1\},\{b1\},\{b2\},\{b3\},\{b4\},\{b5\}$\\{\bfタむプ}&\textit{type}&$\{t1,t2,t3\},\{p1\},\{b1,b2,b3,b4,b5\}$\\{\bf圢}&\textit{shape}&$\{t1,t2\},\{t3\}$\\{\bf色}&\textit{color}&$\{b1,b2\},\{b3\},\{b4,b5\}$\\{\bf倧きさ}&\textit{size}&$\{b1,b3,b4\},\{b2,b5\}$\\{\bf近接性}&\textit{space}&$\{t2,t3\},\{b1,b3,b4,b5\},\{b3,b4,b5\}$\\{\bf閉包}&\textit{space}&$\{b1\},\{b3,b4\}$\\\hline\end{tabular}\end{quote}\subsection*{Step~2:SOGの生成}\label{subsec:MakeSOG}Step~1で生成した矀をもずにSOGを生成するSOG生成は自然蚀語生成のいわゆるコンテント・プランニングの段階に盞圓する生成アルゎリズムを図~\ref{fig:makeSOG}〜図~\ref{fig:search}に瀺す図~\ref{fig:makeSOG}に定矩した3぀の倉数\texttt{Target}\texttt{AllGroups}\texttt{SOGList}は倧域倉数である\texttt{Target}は参照衚珟によっお指瀺する察象物\texttt{AllGroups}はStep~1で生成されたすべおの矀の集合\texttt{SOGList}は生成されたSOGのリストである\texttt{Target}ず\texttt{AllGroups}が䞎えられるず関数\texttt{makeSOG}はすべおの可胜なSOGを深さ優先で生成し\texttt{SOGList}に远加する\paragraph{makeSOG図~\ref{fig:makeSOG}}\texttt{makeSOG}は最初にSOGの第1芁玠ずしお党䜓矀を远加する次に空間内に存圚する物䜓のタむプの䞭から察象物䜓より顕珟性が高いか等しいタむプを遞択しSOGを拡匵する顕珟性の高い物䜓を優先的に手がかりずしお䜿うこずにより聞き手の理解が容易になるず期埅できるここでは倧きさに着目しお机怍朚ボヌルの順に顕珟性が高いず仮定するこれを繰り返し遞択する物䜓のタむプがなくなったら終了する\paragraph{search図~\ref{fig:search}}この関数は生成途䞭のSOGを匕数ずするSOGの最埌の芁玠を\texttt{LastGroup}ずし以䞋の堎合に分けお凊理を行なう\begin{enumerate}\item\texttt{LastGroup}が察象物䜓のみからなる単䜓矀の堎合05--06行\\この堎合SOGは完成しおいるので\texttt{SOGList}にSOGを远加しお終了\item\texttt{LastGroup}が察象物䜓以倖の単䜓矀からなる堎合08--14行\\この堎合は\texttt{LastGroup}の単䜓矀ず倖郚参照関係によっお関係付けられる察象物䜓を含む矀を探しこの矀によっおSOGを拡匵するたず察象物䜓を含み\texttt{LastGroup}に含たれる物䜓参照物䜓から適切な䜍眮関係にある物䜓矀を探し\texttt{GroupList}に代入する適切な䜍眮関係ずは以䞋の条件(a)(b)(c)を満たすものであるここで実装䞊の効率化のため条件(a)に該圓する方向を蚘録しおおく\begin{enumerate}\item察象物䜓を含む矀の党芁玠が参照物䜓から「奥右奥右右手前手前巊手前巊巊奥䞊」\footnote{参照物䜓の重心を原点ずし空間内の人物が向いおいる方向を「奥」の方向ずしお方向を8等分しこの順に方向を割り圓おる}のいずれかの衚珟で衚せる同䞀の方向にある\item(a)ず同䞀の方向でなおか぀察象物䜓を含む矀のいずれの芁玠よりも参照物䜓から近い䜍眮に察象物䜓ず同じタむプの他の物䜓が存圚しない\item察象物䜓を含む矀はいずれかのタむプの党䜓矀ではない\end{enumerate}次に倖郚参照関係{\extrel}ず\texttt{GroupList}の䞭のそれぞれの物䜓矀を远加したSOGを生成し関数\texttt{search}図~\ref{fig:search}を再垰的に呌び出す\texttt{GroupList}䞭の物䜓矀を党お適甚したら終了\item\texttt{LastGroup}が察象物䜓を含む耇数の物䜓を含む堎合17--26行\\この堎合は新しい玠性内郚参照関係を䜿っお\texttt{LastGroup}をさらに絞り蟌む\texttt{AllGroups}䞭の各物䜓矀ず\texttt{LastGroup}ずの積集合をずった矀\texttt{NewG}を生成し付䞎されおいるラベルもコピヌする\texttt{NewG}が察象物䜓を含むならばその時点のSOGず\texttt{NewG}を匕数ずしお関数\texttt{extend}図~\ref{fig:extend}を呌び出すただし\texttt{NewG}が重耇しないように\texttt{GroupList}を利甚しおチェックする\texttt{AllGroups}䞭の物䜓矀を党お適甚したら終了\item\texttt{LastGroup}が察象物䜓以倖の耇数の物䜓を含む堎合28--32行\\この堎合は圓面の目暙ずしお察象物䜓以倖の単䜓矀を䜜る\texttt{AllGroups}の䞭から\texttt{LastGroup}に包含される物䜓矀\texttt{Group}を遞択しそれぞれの\texttt{Group}に察しおその時点のSOGず\texttt{Group}を匕数ずしお関数\texttt{extend}図~\ref{fig:extend}を呌び出す\texttt{LastGroup}に包含される物䜓矀\texttt{Group}を党お適甚したら終了\end{enumerate}\paragraph{extend図~\ref{fig:extend}}この関数は生成途䞭のSOG(\texttt{SOG})ず次に远加する矀(\texttt{Group})を匕数ずする\texttt{Group}に付䞎されおいるラベルのリストを\texttt{LabelList}に取り出すただし\textit{type}ラベルは陀倖するそれぞれのラベルから\texttt{SOG}の末尟の物䜓矀ず\texttt{Group}を結ぶ関係および\texttt{Group}を\texttt{SOG}のコピヌ\texttt{SOGcopy}に远加するそしお関数\texttt{search}図~\ref{fig:search}を\texttt{SOGcopy}に察しお呌び出す図~\ref{fig:GenSample}の状況においお察象物䜓を$b1$ずしたずきに生成されるSOGを以䞋に瀺す党䜓矀は$\{all\}$ず略蚘する\begin{enumerate}\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\mrel{space}\\{t1\}\\mextrel\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\mrel{shape}\\{t1,t2\}\\mrel{space}\\{t1\}\\mextrel\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{color}\\{b1,b2\}\\mrel{space}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{color}\\{b1,b2\}\\mrel{size}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{size}\\{b1,b4,b3\}\\mrel{space}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{size}\\{b1,b4,b3\}\\mrel{color}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b1,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b1,b3,b4,b5\}\\mrel{color}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b1,b3,b4,b5\}\\mrel{size}\\{b1,b4,b3\}\\mrel{space}\\{b1\}]$\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\mrel{space}\\{b3,b4,b5,b1\}\\mrel{size}\\{b1,b4,b3\}\\mrel{color}\\{b1\}]$\end{enumerate}\begin{center}\begin{figure}[t]{\small\setlength{\baselineskip}{13pt}\begin{alltt}Target#察象物䜓AllGroups#知芚的矀化によっお生成された党おの矀のリストSOGList#SOGのリスト01:makeSOG()02:SOG=[];#物䜓矀ず関係を芁玠ずするリスト03:All=getAll();#物䜓の党䜓矀を埗る04:add(All,SOG);#SOGに远加05:TypeList=getAllTypes(All);#物䜓のタむプの集合を埗る06:TypeOfTarget=getType(Target);#察象物䜓のタむプを埗る07:TargetSaliency=saliency(TypeOfTarget);#察象物䜓のタむプの顕珟性08:foreachTypeinTypeListdo#Type\oneof\{Table,Plant,Ball\}09:ifsaliency(Type){\izyo}TargetSaliencythen#顕珟性を比范Table>Plant>Ballを仮定10:Group=get(AllGroups,Type);#そのタむプの党䜓矀を埗る11:SOGcopy=copy(SOG);#SOGのコピヌを䜜る12:add(\rel{\mathtt{type}},SOGcopy);#typeの関係を末尟に远加13:add(Group,SOGcopy);#Groupを末尟に远加14:search(SOGcopy);15:endif16:endfor17:return\end{alltt}}\caption{makeSOG}\label{fig:makeSOG}\end{figure}\begin{figure}[t]{\small\setlength{\baselineskip}{13pt}\begin{alltt}01:search(SOG)02:LastGroup=getLastElement(SOG);#SOGの最埌に䜍眮する物䜓矀を埗る03:Card=getCardinality(LastGroup);#物䜓矀の芁玠数を埗る04:ifCard==1then05:ifcontainsTarget(LastGroup)then#矀が察象物䜓を含んでいるかを調べる06:add(SOG,SOGList);07:else08:GroupList=searchTargetGroups(LastGroup);#LastGroupから適切な䜍眮にあり察象物䜓を含んでいる物䜓矀の集合を埗る09:foreachGroupinGroupListdo10:SOGcopy=copy(SOG);11:add(\extrel,SOGcopy);12:add(Group,SOGcopy);13:search(SOGcopy);14:endfor15:endif16:elsifcontainsTarget(LastGroup)then17:Checked=[];18:foreachGroupinAllGroupsdo19:NewG=Intersect(Group,LastGrouop);#亀差をずった矀を生成20:Labels=getLabels(Group);21:setLabels(Labels,NewG);#ラベルをGroupからNewGぞコピヌ22:ifcontainsTarget(NewG)\&!contains(Checked,NewG)then23:add(NewG,Checked);24:extend(SOG,Group);25:endif26:endfor27:else28:foreachGroupofAllGroupsdo29:ifcontains(LastGroup,Group)then30:extend(SOG,Group);31:endif32:endfor33:endif34:return\end{alltt}}\caption{search}\label{fig:search}\end{figure}\begin{figure}[t]{\small\setlength{\baselineskip}{13pt}\begin{alltt}01:extend(SOG,Group)02:LabelList=getLabels(Group);#Groupに付䞎されおいる属性ラベルのリストを埗る03:foreachLabelinLabelListdo#Label\oneof\{space,shape,color,size\}04:SOGcopy=copy(SOG);#SOGのコピヌを䜜る05:add(\rel{\mathtt{Label}},SOGcopy);#関係を末尟に远加06:add(Group,SOGcopy);#Groupを末尟に远加07:search(SOGcopy);08:endfor09:return\end{alltt}}\caption{extend}\label{fig:extend}\end{figure}\end{center}\subsection*{Step~3:蚀語衚珟の付䞎}\label{subsec:MakeExp}SOGの各芁玠に衚珟を付䞎するこずで参照衚珟を生成する衚珟の付䞎には以䞋の芏則を甚いる芏則1は物䜓矀の衚珟を芏則2は矀間の関係の衚珟を生成する芏則であるそれぞれの芏則の䞭では各䞋䜍芏則は衚蚘順に優先床が高いものずする\paragraph{芏則1物䜓矀に察する衚珟付䞎}\begin{description}\item[芏則1.1]\textbf{党䜓矀($\{all\}$)は蚀語化しない}\\\cite{KF2006}で述べられおいるずおり党䜓矀が明瀺的に蚀語化されるこずがたれであるずいう被隓者実隓の結果を参考にした\item[芏則1.2]\textbf{各単䜓矀には「タむプ名」もしくは「タむプ名『の』」を付䞎}\\単䜓矀がSOGの最埌の芁玠でない堎合は倖郚参照関係(\extrel)が埌続するため「の」を付䞎する芏則2.1によりタむプの絞り蟌みは蚀語化せず単䜓矀に察しお「タむプ名」を付䞎するこずで必芁な情報を蚀語化する\item[芏則1.3]\textbf{各タむプの党䜓矀は蚀語化しない}\\理由は芏則1.1に同じ\item[芏則1.4]\textbf{埌続が内郚参照関係$\mrel{space}$の堎合「個数タむプ名『のうち』」を付䞎その他の関係が埌続する堎合は蚀語化しない}\\埌続する関係が空間的な関係($\mrel{space}$)以倖の堎合その関係は名詞タむプ名の前の関係の列ずしお蚀語化できる䟋えば「倧きい玉のうちの赀い玉」は「倧きい赀い玉」ず衚珟できる倖郚参照関係に぀いおは単䜓矀以倖には埌続しないので芏則1.2で党お凊理される\end{description}\paragraph{芏則2矀間の関係に察する衚珟付䞎}\begin{description}\item[芏則2.1]\textbf{タむプの関係(\rel{type})は蚀語化しない}\\芏則1.2を参照\item[芏則2.2]\textbf{各関係に関係を瀺す衚珟を付䞎}\\\rel{shape},\rel{color},\rel{size}にはそれぞれの属性の倀の衚珟を付䞎する\extrel,\rel{space}に察する衚珟の付䞎は以䞋の堎合分けに埓っお行なうここで$|G_i|$は$G_i$の芁玠数を衚す\paragraph{内郚参照関係($G_i\\mrel{space}\G_{i+1}$)}\begin{itemize}\item$|G_i|=2$のずき\\絞り蟌みの前埌で芁玠数は必ず少なくなるため$|G_{i+1}|=1$である各物䜓の座暙から4぀の衚珟「右/å·Š/手前/奥の」のいずれかを付䞎する\item$|G_i|\geq3$か぀$|G_{i+1}|=1$のずき\\各物䜓の座暙を参考にし以䞋の衚珟の劥圓性をこの順に調べ劥圓な衚珟を付䞎する\begin{itemize}\item[(1)]「䞀番手前/奥/右/å·Š/右手前/巊手前/右奥/巊奥の」\item[(2)]「真ん䞭の」\item[(3)]「巊/右/手前/奥から$j$番目の」\end{itemize}\item$|G_{i+1}|\geq2$のずき\\各物䜓矀の座暙を参考にし「右/å·Š/手前/奥/真ん䞭/右手前/巊手前/右奥/巊奥の」の䞭から劥圓な衚珟を付䞎する\end{itemize}\paragraph{倖郚参照関係($G_i\mextrel\G_{i+1}$)}\begin{itemize}\item\texttt{search}の性質からこの堎合は$|G_{i}|=1$ずなるここではStep~2のSOG生成のずきに蚘録した方向に察応する衚珟「奥/右奥/右/右手前/手前/巊手前/å·Š/巊奥/䞊の」を付䞎する\end{itemize}\end{description}図~\ref{fig:GenSample}の状況においおStep~2で生成したSOGに衚珟を付䞎するず以䞋のようになる\begin{enumerate}\itemsep=0.8ex\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\underline{\{t1\}}_{(2)}\\underline{\mextrel}_{(3)}\\underline{\{b1\}}_{(4)}]$\\「\underline{䞀番巊の}$_{(1)}$\\underline{机の}$_{(2)}$\\underline{䞊の}$_{(3)}$\\underline{玉}$_{(4)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\underline{\mrel{shape}}_{(1)}\\underline{\{t1,t2\}}_{(2)}\\underline{\mrel{space}}_{(3)}\\underline{\{t1\}}_{(4)}\\underline{\mextrel}_{(5)}\\underline{\{b1\}}_{(6)}]$\\「\underline{䞞い}$_{(1)}$\\underline{2぀の机のうち}$_{(2)}$\\underline{巊の}$_{(3)}$\\underline{机の}$_{(4)}$\\underline{䞊の}$_{(5)}$\\underline{玉}$_{(6)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\underline{\{b1\}}_{(2)}]$\\「\underline{䞀番巊の}$_{(1)}$\\underline{玉}$_{(2)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{color}}_{(1)}\\underline{\{b1,b2\}}_{(2)}\\underline{\mrel{space}}_{(3)}\\underline{\{b1\}}_{(4)}]$\\「\underline{青い}$_{(1)}$\\underline{2぀の玉のうち}$_{(2)}$\\underline{巊の}$_{(3)}$\\underline{玉}$_{(4)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{color}}_{(1)}\\{b1,b2\}\\underline{\mrel{size}}_{(2)}\\underline{\{b1\}}_{(3)}]$\\「\underline{青い}$_{(1)}$\\underline{小さい}$_{(2)}$\\underline{玉}$_{(3)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{size}}_{(1)}\\underline{\{b1,b3,b4\}}_{(2)}\\underline{\mrel{space}}_{(3)}\\underline{\{b1\}}_{(4)}]$\\「\underline{小さい}$_{(1)}$\\underline{3぀の玉のうち}$_{(2)}$\\underline{䞀番巊の}$_{(3)}$\\underline{玉}$_{(4)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{size}}_{(1)}\\{b1,b3,b4\}\\underline{\mrel{color}}_{(2)}\\underline{\{b1\}}_{(3)}]$\\「\underline{小さい}$_{(1)}$\\underline{青い}$_{(2)}$\\underline{玉}$_{(3)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\underline{\{b1,b3,b4,b5\}}_{(2)}\\underline{\mrel{space}}_{(3)}\\underline{\{b1\}}_{(4)}]$\\「\underline{巊の}$_{(1)}$\\underline{4぀の玉のうち}$_{(2)}$\\underline{䞀番巊の}$_{(3)}$\\underline{玉}$_{(4)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\{b1,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{color}}_{(2)}\\underline{\{b1\}}_{(3)}]$\\「\underline{巊の}$_{(1)}$\\underline{青い}$_{(2)}$\\underline{玉}$_{(3)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\{b1,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{size}}_{(2)}\\underline{\{b1,b3,b4\}}_{(3)}\\underline{\mrel{space}}_{(4)}\\underline{\{b1\}}_{(5)}]$\\「\underline{巊の}$_{(1)}$\\underline{小さい}$_{(2)}$\\underline{3぀の玉のうち}$_{(3)}$\\underline{䞀番巊の}$_{(4)}$\\underline{玉}$_{(5)}$」\item$[\{all\}\\mrel{type}\\{b1,b2,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{space}}_{(1)}\\{b1,b3,b4,b5\}\\underline{\mrel{size}}_{(2)}\\{b1,b3,b4\}\\underline{\mrel{color}}_{(3)}\\underline{\{b1\}}_{(4)}]$\\「\underline{巊の}$_{(1)}$\\underline{小さい}$_{(2)}$\\underline{青い}$_{(3)}$\\underline{玉}$_{(4)}$」\end{enumerate}\subsection*{Step~4:順䜍付け}\label{subsec:SetScore}出力衚珟を決定するために衚珟䞭で䜿甚された関係ず衚珟の長さを考慮しお各衚珟にスコアを䞎える最初にSOG内の各関係に察しお$[0,1]$の範囲でコストを䞎える関係のコストは以䞋のように決定するこれらのコストは\cite{RD1995}で述べられおいる玠性の優先順䜍に埓う\vspace{5mm}\begin{center}\begin{tabular}{l@{:}p{0.7\hsize}}\hline\rel{type}&無芖\\\rel{shape}&0.2\\\rel{color}&0.4\\\rel{size}&「倧きい」:0.6,「小さい」:0.8,「䞭くらいの」:1.0\\\rel{space},\extrel&コスト関数を\cite{TTS2005}で提案されたポテンシャル関数に埓っお定矩したただし関係「〜の䞊にある〜」のコストは0ずする\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{5mm}次に関係のコスト$\mathit{cost\_rel}$を各関係のコストの平均倀ずしお求めるそしお衚珟長のコスト$\mathit{cost\_len}$を以䞋の匏で求める衚珟長は文字数で枬る\begin{displaymath}\mathit{cost\_len}=\frac{\mathrm{length(expression)}}{\max_i\mathrm{length(expression_{\mathit{i}})}}\end{displaymath}コスト$\mathit{cost\_rel}$及び$\mathit{cost\_len}$を甚い衚珟のスコア$\mathit{score}$を以䞋のように定める\begin{displaymath}\mathit{score}=\frac{1}{\alpha\times\mathit{cost\_rel}+(1-\alpha)\times\mathit{cost\_len}}\end{displaymath}$\alpha$の倀は次節の実隓では0.5に固定した図~\ref{fig:GenSample}の状況においお生成した衚珟にコストを付䞎しスコアの高い順に瀺す各行の衚珟の右の数倀はその衚珟のスコア($\mathit{score}$,$\alpha=0.5$)括匧内の数倀は巊から関係のコスト($\mathit{cost\_rel}$)衚珟長のコスト($\mathit{cost\_len}$)である\begin{flushleft}\begin{tabular}{rll}1.&「䞀番巊の玉」&3.66(0.251,0.294)\\2.&「巊の青い玉」&2.62(0.468,0.294)\\3.&「䞀番巊の机の䞊の玉」&2.44(0.289,0.529)\\4.&「青い2぀の玉のうち巊の玉」&2.20(0.204,0.706)\\5.&「青い小さい玉」&2.10(0.600,0.353)\\6.&「小さい青い玉」&2.10(0.600,0.353)\\7.&「巊の小さい青い玉」&1.90(0.578,0.471)\\8.&「䞞い2぀の机のうち巊の机の䞊の玉」&1.67(0.259,0.941)\\9.&「巊の4぀の玉のうち䞀番巊の玉」&1.64(0.393,0.824)\\10.&「小さい3぀の玉のうち䞀番巊の玉」&1.42(0.526,0.882)\\11.&「巊の小さい3぀の玉のうち䞀番巊の玉」&1.31(0.529,1.000)\\\end{tabular}\end{flushleft} \section{評䟡ず考察} label{sec:EvalAndDiscussion}提案手法を評䟡するため䞊蚘のアルゎリズムをJavaで実装し倧孊生18人を察象に心理実隓を行なった\subsection{実隓}実装システムが生成した参照衚珟を評䟡する被隓者実隓を実隓1ず実隓2に分けお行なった被隓者は実隓1の埌に実隓2を行なったがそれらの関連に぀いおは被隓者には知らせおいない実隓に䜿甚した20垃眮ず各垃眮に察しお実装システムが生成した䞊䜍5぀の参照衚珟を付録に瀺す垃眮は物䜓の個数も䜍眮もランダムに決定したもので察象物䜓もランダムに遞んだただし垃眮は参照衚珟が5぀以䞊生成されか぀察象物䜓ず同じタむプの物䜓が2぀以䞊存圚するものに限定したこれは「机」のような1単語の衚珟では察象物䜓を特定できないようにするためである\paragraph{実隓1}この実隓はシステムによっお生成した参照衚珟を人間が解釈した時にどの皋床正確に察象物䜓を同定できるかを評䟡するために行なった被隓者に垃眮ずその垃眮䞭の察象物䜓1぀に察しお生成した参照衚珟のうち最もスコアが高かったものを瀺しその参照衚珟が指し瀺す物䜓を遞ばせた図~\ref{fig:Eval1}は実隓に䜿甚した芖芚刺激の䟋である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-1ia5f6.eps}\caption{実隓1に䜿甚した芖芚刺激の䟋}\label{fig:Eval1}\end{center}\end{figure}\paragraph{実隓2}この実隓はシステムに実装したスコア付けがどの皋床人間の盎感に合臎しおいるかを評䟡するために行なった察象物䜓を明瀺した垃眮の画像ずその垃眮䞭の察象物䜓1぀に察しお生成した参照衚珟をスコアが高い順に5぀被隓者に瀺しその䞭で被隓者が最もよいず思う衚珟を遞ばせた刀断基準は明確に蚭定せず各自の刀断に任せた図~\ref{fig:Eval2}は実隓に䜿甚した芖芚刺激の䟋である垃眮は課題1ず同じもの20皮を䜿甚した被隓者に瀺した5぀の参照衚珟は実隓1で評䟡した参照衚珟も含む\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-1ia5f7.eps}\caption{実隓2に䜿甚した芖芚刺激の䟋}\label{fig:Eval2}\end{center}\end{figure}\subsection{結果}衚~\ref{tab:Result1}に実隓1の結果を瀺す察象物䜓特定の正解率は党䜓で95.0\%であったこのこずから実装システムが生成した参照衚珟は高い察象物䜓特定胜力をも぀ず蚀える他の垃眮に比べ垃眮20付録参照は正解率が䜎いがこれは䜍眮の蚈算を盎亀座暙系に準じお行なったためず考えられる垃眮20䞭の察象物䜓に察しお実装システムは察象物䜓が垂盎方向においお人物$P$に最も近いため「䞀番手前の玉」ずいう衚珟を生成しおいるこの衚珟に察しおほずんどの被隓者は図䞭の䞀番右偎の玉を遞択したこのこずから「䞀番手前」ずいう衚珟では人物$P$ず物䜓間のナヌクリッド距離が最も重芁な芁玠ずなっおいるず考えられる\begin{table}[b]\centering\caption{実隓結果:正解率}\label{tab:Result1}\vspace{1mm}\begin{tabular}{c|cccccccccc|c}\cline{1-11}垃眮&1&2&3&4&5&6&7&8&9&10\\正解率&0.89&1&1&1&1&1&1&0.94&1&1\\\hline\hline垃眮&11&12&13&14&15&16&17&18&19&20&平均\\正解率&1&0.94&1&1&1&1&1&1&1&0.17&0.95\\\hline\end{tabular}\vspace{10pt}\centering\caption{実隓結果:埗祚率}\label{tab:Result2}\vspace{1mm}\begin{tabular}{c|ccccc|c}\hline衚珟No.&1&2&3&4&5&蚈\\\hline床数&134&125&59&22&20&360\\埗祚率&0.37&0.35&0.16&0.06&0.06&1\\\hline\end{tabular}\end{table}衚~\ref{tab:Result2}に実隓2の結果を瀺す衚珟No.1〜5の順にスコアが高かった参照衚珟を衚しおいる䞊䜍2䜍の参照衚珟の埗祚率が党䜓の72\%を占めおいるこずから本論文で提案した参照衚珟に察する順䜍付けの手法が有効であるずいえる\subsection{生成胜力の限界}提案手法で生成可胜な参照衚珟には原理的な限界があるその代衚的な3぀を以䞋に瀺す\paragraph{䞊列衚珟}SOGは盎列的に焊点を遷移しおいくため䟋えば「机の前で朚の巊の玉」ずいう様な䞊列的に他の物䜓を参照する衚珟は生成できないたた「〜ず〜の間の」ずいう関係を利甚する衚珟も生成できないこの様な䞊列衚珟を生成するためにはSOGの曎なる拡匵が必芁ずなる\paragraph{倚重に他の物䜓を参照する衚珟}䟋えば「四角い机の巊の朚の奥にある玉」ずいう衚珟では「机→朚→玉」ずいう順に3タむプの物䜓を参照するが提案手法では察象物䜓ず異なるタむプの物䜓を2぀以䞊参照するこのような衚珟は生成できないしかしこの制限は参照衚珟の簡朔さの芳点から意図的に蚭けたものでありStep~2のSOG生成を拡匵すれば倚重に他の物䜓を参照する衚珟は生成できる\paragraph{耇数の他の物䜓を参照する衚珟}倖郚参照関係における焊点の遷移には単䜓から矀ぞの遷移のみを定矩しおいるそのため提案手法では䟋えば図~\ref{fig:GenSample}の状況においお物䜓$b1$に察しお\begin{center}\begin{tabular}{ll}参照衚珟:&「䞞い机の䞊の青い玉」\\SOG:&$[\{all\}\\mrel{type}\\{t1,t2,t3\}\\mrel{shape}\\underline{\{t1,t2\}\\mextrel}\\{b1,b3,b4\}\\mrel{color}\\{b1\}]$\\\end{tabular}\end{center}の様にSOG䞭で耇数の机(\{$t1,t2$\})を倖郚参照する衚珟を生成できないこれを解決するためにはSOG生成手法ず衚珟付䞎の芏則を工倫する必芁があり今埌の課題である\subsection{その他の課題}\paragraph{䜍眮蚈算}珟圚のシステムでは劥圓な䜍眮衚珟を遞択するために盎亀座暙系を8方向に分割しお䜍眮を蚈算するずいう単玔な手法を䜿っおいる適切な䜍眮衚珟を付䞎するための座暙系や参照枠・芖点の遞択方法に぀いお今埌心理実隓などをもずに解明する必芁がある\paragraph{簡朔性ず曖昧性}SOGぞの衚珟付䞎の芏則1.4は物䜓矀の蚀語化を省略するこずで衚珟の簡朔さず自然さを埗るこずを目的ずしおいる䟋えば「黒い3぀の玉のうち小さい玉」ずいう衚珟は芏則1.4より「黒い小さい玉」ずいう簡朔で人間がより自然ず感じる衚珟ずなるしかし「䞞い2぀の机のうち右の机」ずいう衚珟は䞀般的に「䞞い右の机」ずした方が自然であるがこの堎合「2぀の机のうち」ずいう郚分衚珟が衚す物䜓矀の埌には「右の」ずいう郚分衚珟が衚す矀間の空間的内郚参照関係\rel{space}が続くため芏則1.4による省略は行なわれないこの䟋から芏則1.4が䞀芋䞍十分だず感じるかもしれないが空間的内郚参照関係の前の物䜓矀を省略しおしたうず察象物䜓特定に曖昧性を生じる堎合がある䟋えば図~\ref{fig:Problem2}の垃眮で物䜓$b7$を指し瀺す「青い3぀の玉のうち巊から2番目の玉」ずいう衚珟を省略しお「青い巊から2番目の玉」ずするず「青い玉」で「巊から2番目の玉」である物䜓$b3$ずの間に曖昧性が生じるこのように察象物䜓を特定する情報を適切に蚀語化する方法にもさらに改良の䜙地がある\begin{figure}[htbp]\begin{center}\includegraphics{14-1ia5f8.eps}\caption{衚珟を省略できない垃眮の䟋}\label{fig:Problem2}\end{center}\end{figure}\paragraph{人間が生成する衚珟ずの比范}提案手法のスコア付けの手法はIncrementalAlgorithm~\cite{RD1995}を参考に人手で䜜成したものである実隓2の結果からスコアの高いものがよりよい衚珟ずしお遞ばれおいるこずより提案手法のスコア付けの手法が有効であるずいえるしかしながらこの結果は実装システムが生成した参照衚珟が人間の生成する参照衚珟にどこたで近づけたかを瀺すものではない人間が生成する参照衚珟ずの比范は今埌の課題である \section{たずめ} label{sec:Conclusion}本論文では知芚的矀化を利甚した参照衚珟の生成手法を提案した参照衚珟ず参照される空間の状況ずの間の䞭間衚珟であるSOG~\cite{KF2006}を拡匵し空間的包含関係でない䜍眮関係や物䜓の属性も扱えるようにした提案手法を実装したシステムが生成した参照衚珟の察象物䜓特定の粟床は95\%であったたたスコア付けによる参照衚珟の順䜍付けは被隓者による高い評䟡を埗た提案手法の生成胜力には制限がありある皮の衚珟は原理的に生成できないしかし提案手法は察象を特定する衚珟を生成する十分な胜力を備えおいる\appendix\section*{付録実隓に甚いた垃眮ず生成された参照衚珟}\label{App:A}\ref{sec:EvalAndDiscussion}~節で䜿甚した垃眮ず生成された参照衚珟をスコアの高い順に以䞋に瀺す机の圢や玉の色物䜓の個数はランダムに決定した物䜓の個数は以䞋の範囲に制限した\begin{itemize}\item机:0〜3個\item朚:0〜2個\item玉:3〜9個\end{itemize}察象物䜓もランダムに遞択し図䞭ではXを付けお砎線で囲んである\def\arrangement#1#2{}\def\arraystretch{}\begin{longtable}{lcl}\arrangement{1}{\begin{enumerate}\item巊奥の青い玉\item巊から2番目の玉\item青い3぀の玉のうち䞀番巊の玉\item巊奥の小さい玉\item青い倧きい2぀の玉のうち巊の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{2}{\begin{enumerate}\item䞀番奥の玉\item緑の玉\item小さい緑の玉\item朚の巊の玉\item小さい2぀の玉のうち奥の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{3}{\begin{enumerate}\item巊の朚の右の玉\item䞀番手前の玉\item巊の赀い玉\item巊の朚の右奥の赀い玉\item巊の小さい玉\end{enumerate}}\\\arrangement{4}{\begin{enumerate}\item巊の赀い玉\item赀い玉\item朚の巊の赀い玉\item朚の巊の玉\item巊の2぀の玉のうち奥の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{5}{\begin{enumerate}\item青い玉\item奥の青い玉\item䞞い机の奥の玉\item䞞い机の巊奥の青い玉\item右の机の奥の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{6}{\begin{enumerate}\item䞀番手前の玉\item青い玉\item巊の机の巊の玉\item倧きい青い玉\item倧きい青い玉\end{enumerate}}\\\arrangement{7}{\begin{enumerate}\item䞀番巊奥の玉\item赀い倧きい玉\item赀い2぀の玉のうち奥の玉\item巊の赀い倧きい玉\item巊の赀い2぀の玉のうち奥の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{8}{\begin{enumerate}\item右の緑の玉\item真ん䞭の緑の玉\item緑の倧きい玉\item倧きい緑の玉\item緑の2぀の玉のうち右の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{9}{\begin{enumerate}\item真ん䞭の机\item䞞い倧きい机\item倧きい䞞い机\item䞞い2぀の机のうち右の机\item倧きい2぀の机のうち巊の机\end{enumerate}}\\\arrangement{10}{\begin{enumerate}\item青い玉\item手前の青い玉\item巊の青い玉\item朚の右の青い玉\item朚の右の青い玉\end{enumerate}}\\\arrangement{11}{\begin{enumerate}\item右の朚の右の玉\item䞀番手前の玉\item右の青い小さい玉\item右の小さい青い玉\item青い小さい玉\end{enumerate}}\\\arrangement{12}{\begin{enumerate}\item巊の机の右の玉\item四角い机の右の玉\item右から3番目の玉\item小さい机の右の玉\item緑の3぀の玉のうち䞀番右手前の\\玉\end{enumerate}}\\\arrangement{13}{\begin{enumerate}\item䞀番右の玉\item䞀番右の机の右の玉\item朚の巊の玉\item黒い3぀の玉のうち䞀番右の玉\item䞞い2぀の机のうち右の机の右の\\玉\end{enumerate}}\\\arrangement{14}{\begin{enumerate}\item机の右の緑の玉\item緑の玉\item右の緑の玉\item右の緑の玉\item倧きい緑の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{15}{\begin{enumerate}\item机の䞊の玉\item赀い玉\item手前の赀い玉\item真ん䞭の玉\item真ん䞭の赀い玉\end{enumerate}}\\\arrangement{16}{\begin{enumerate}\item巊の玉\item䞞い机の䞊の玉\item緑の玉\item巊の䞞い机の䞊の玉\item䞀番巊奥の机の䞊の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{17}{\begin{enumerate}\item右の赀い玉\item赀い玉\item䞀番奥の玉\item右の朚の右の赀い玉\item右の朚の右の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{18}{\begin{enumerate}\item机の奥の玉\item䞀番右奥の玉\item緑の倧きい玉\item倧きい緑の玉\item緑の2぀の玉のうち右の玉\end{enumerate}}\\\arrangement{19}{\begin{enumerate}\item真ん䞭の青い玉\item巊の机の右の玉\item四角い机の右の玉\item巊の机の右手前の青い玉\item朚の手前の青い玉\end{enumerate}}\\\arrangement{20}{\begin{enumerate}\item䞀番手前の玉\item赀い2぀の玉のうち手前の玉\item巊の3぀の玉のうち䞀番手前の玉\item巊の赀い2぀の玉のうち手前の玉\item巊の机の巊手前の3぀の玉のうち\\䞀番手前の玉\end{enumerate}}\\\end{longtable}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Appelt}{Appelt}{1985}]{DA1985}Appelt,D.~E.\BBOP1985\BBCP.\newblock\BBOQPlanning{English}ReferringExpressions\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligence},{\Bbf26},\mbox{\BPGS\1--33}.\bibitem[\protect\BCAY{Byron}{Byron}{2003}]{BD2003}Byron,D.~K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQUnderstandingReferringExpressionsinSituatedLanguage:SomeChallengesforReal-WorldAgents\BBCQ\\newblockIn{\BemtheFirstInternationalWorkshoponLanguageUnderstandingandAgentsfortheRealWorld}.\bibitem[\protect\BCAY{Dale}{Dale}{1992}]{RD1992}Dale,R.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQGeneratingReferringExpressions:ConstructingDescriptionsinaDomainofObjectsandProcesses\BBCQ\\newblockMITPress,Cambridge.\bibitem[\protect\BCAY{Dale\BBA\Haddock}{Dale\BBA\Haddock}{1991}]{RD1991}Dale,R.\BBACOMMA\\BBA\Haddock,N.\BBOP1991\BBCP.\newblock\BBOQGeneratingreferringexpressionsinvolvingrelations\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFifthConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(EACL'91)},\mbox{\BPGS\161--166}.\bibitem[\protect\BCAY{Dale\BBA\Reiter}{Dale\BBA\Reiter}{1995}]{RD1995}Dale,R.\BBACOMMA\\BBA\Reiter,E.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQComputationalinterpretationsoftheGriceanmaximsinthegenerationofreferringexpressions\BBCQ\\newblock{\BemCognitiveScience},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\233--263}.\bibitem[\protect\BCAY{Krahmer\BBA\Theune}{Krahmer\BBA\Theune}{2002}]{EK2002}Krahmer,E.\BBACOMMA\\BBA\Theune,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQEfficientcontext-sensitivegenerationofdescriptions\BBCQ\\newblockInKeesvanDeemterandRodgerKibble,editors,InformationSharing:GivennessandNewnessinLanguageProcessing.CSLIPublications,Stanford,California.\bibitem[\protect\BCAY{Krahmer,vanErk,\BBA\Verleg}{Krahmeret~al.}{2003}]{EK2003}Krahmer,E.,vanErk,S.,\BBA\Verleg,A.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQGraph-BasedGenerationofReferringExpressions\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf29}(1),\mbox{\BPGS\53--72}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka,Tokunaga,\BBA\Shinyama}{Tanakaet~al.}{2004}]{TH2004}Tanaka,H.,Tokunaga,T.,\BBA\Shinyama,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAnimatedAgentsCapableofUnderst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V30N02-13
\section{はじめに} label{1}自治䜓による政策の改善には郜垂で暮らす垂民の意芋を収集し反映させるこずが重芁ずなるたた接客業のサヌビスの質を向䞊させるためにも店員の接客に察する批評や提䟛しおいる商品の評䟡等の意芋を反映させるこずが重芁ずなるこれらの背景から著者らの先行研究\cite{Ishida2022}では特定の郜垂の垂民によるTwitter\footnote{\url{https://twitter.com}}の぀ぶやきから分析察象の垂民意芋を自動抜出するためのフレヌムワヌクを提案したこのフレヌムワヌクでは人手で䜜成した垂民意芋分析コヌパスを教垫デヌタずしおBERT\cite{bert}を甚いたマルチタスク孊習モデルをファむンチュヌニングするこずで぀ぶやきの意芋タむプや極性等の耇数の属性を掚定したTwitterでは倚くのナヌザが日頃感じたこずを気軜に述べおおり垂民が生掻しおいる郜垂の自治䜓による政策や日頃利甚しおいる接客業のサヌビスに関する倚様な垂民意芋を収集するこずができる䞀方で垂民ナヌザが感じたこずが分析察象の郜垂の垂民に特有の意芋であるのかそれずも他郜垂の垂民も同様に感じおいる意芋であるのかずいった刀断には他郜垂の垂民意芋ずの比范が重芁ずなるしかし郜垂によっお自治䜓の政策やその郜垂の店舗の接客業のサヌビスは異なるそのため別の郜垂を察象ずしお垂民意芋を抜出するにはその郜垂の぀ぶやきを察象ずしお垂民意芋抜出モデルを蚓緎するための新たな教垫デヌタを䜜成する必芁がある䞀方ですべおの郜垂を察象ずした教垫デヌタの䜜成にかかるコストは倧きくこうした実装方法は珟実的ずはいえないそこで本研究では教垫デヌタを構築枈みの郜垂以降゜ヌス郜垂ず呌ぶのデヌタず評䟡察象の別の郜垂以降タヌゲット郜垂ず呌ぶの比范的少量のデヌタを掻甚しおタヌゲット郜垂の垂民意芋を抜出する手法を提案する本手法によりこれたでに垂民意芋を抜出しおいた郜垂ずは異なる郜垂で新たに垂民意芋を抜出する際の教垫デヌタ䜜成にかかるコストを削枛するこずを目的ずするたた゜ヌス郜垂のデヌタでファむンチュヌニングを行ったモデルによるタヌゲット郜垂のデヌタぞの予枬の確信床の情報を掻甚しタヌゲット郜垂の教垫デヌタを効果的に遞定する手法に぀いお怜蚌を行う実隓では政什指定郜垂である暪浜垂ず札幌垂に暮らす垂民の぀ぶやきを察象ずしお構築した垂民意芋分析コヌパスを甚いお郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性に぀いお怜蚌するたた暪浜垂ず札幌垂ず比范しお人口が少ない仙台垂に暮らす垂民の぀ぶやきを察象ずしお゜ヌス郜垂ず比范しお十分な぀ぶやきが埗られない郜垂をタヌゲット郜垂にする際の垂民意芋抜出手法の有効性に぀いお怜蚌する本研究の貢献は以䞋の通りである\begin{enumerate}\item郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌のため暪浜垂民ず札幌垂民の぀ぶやきからなる垂民意芋分析コヌパスを䜜成した\item゜ヌス郜垂のデヌタずタヌゲット郜垂の比范的少量のデヌタを甚いお2段階のファむンチュヌニングを行う手法を提案し各属性の掚定における有効性を怜蚌した\itemタヌゲット郜垂の教垫デヌタは゜ヌス郜垂の教垫デヌタでファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いものを遞定しお構築するこずでアノテヌションコストを効果的に削枛できるこずを瀺した\end{enumerate}本論文の構成を以䞋に瀺す\ref{2}節では関連研究に぀いお述べる\ref{3}節では提案手法の耇数の郜垂を暪断した垂民意芋抜出に぀いお述べる\ref{4}節では郜垂を暪断した垂民意芋抜出の実隓に䜿甚するコヌパスの構築に぀いお述べる\ref{5}節では郜垂を暪断した各属性のラベル分類の分類粟床に぀いお単䞀郜垂の蚓緎デヌタを利甚した際の分類粟床や゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の分類粟床ずの比范を行い有効性に぀いお怜蚌する\ref{6}節では提案手法である郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法を甚いお実際に垂民意芋を抜出した際の結果ず゚ラヌ分析に぀いお述べる最埌に\ref{7}節においお本論文のたずめを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{2}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{郜垂ごずの垂民意芋の分析に関する研究}\label{2-1}行政による政策や接客業のサヌビスは郜垂によっお異なるため゜ヌシャルメディア䞊の垂民意芋も垂民が生掻しおいる郜垂によっお異なるしかし党おの郜垂で人手で教垫デヌタを䜜成するのはコストが高いため郜垂ごずに垂民意芋の分析を行っおいる研究では絵文字を甚いたルヌルベヌス手法で぀ぶやきの極性を刀定する手法\cite{vosoughi2015}や぀ぶやきを甚いお事前孊習された公開枈みのモデル\cite{barbieri2020}による予枬によっお自身の研究に甚いる぀ぶやきの極性を自動掚定する手法\cite{Stelzm2021,jin2021}が甚いられおいるこれらの手法ではアノテヌションコストを抑えた䞊で垂民意芋の分析ができる䞀方で郜垂によっお垂民意芋の傟向が異なるにも関わらず党おの郜垂に察しお同じ手法で垂民意芋を分析しおいるたたルヌルベヌスで党おの぀ぶやきの極性を䞀括で分類する手法では人手によるアノテヌションずは異なる結果が埗られおしたう\cite{vosoughi2015}そのため本研究ではタヌゲット郜垂においおもアノテヌションコストを抑えた䞊で比范的少量のアノテヌションデヌタを䜜成し゜ヌス郜垂における教垫デヌタず組み合わせお䜿甚するこずで郜垂ごずに異なる垂民意芋に察応する手法を提案するたた䞊蚘の意芋分析研究では肯定や吊定ずいった極性のような特定の芳点から぀ぶやきに衚れる垂民意芋の分析を行っおいるしかし実際の垂民意芋は倚様であり特定の芳点のみの分析では倚様な垂民意芋の敎理は難しいそこで本研究ではアプレむザル理論に基づく意芋タむプを含む耇数の芳点からの分析を行うこずで倚様な垂民意芋の敎理を詊みるアプレむザル理論\cite{appraisal}は遞択䜓系機胜蚀語孊(systemicfunctionallinguistics)\cite{SFL}の立堎から提案された意芋を䜓系化する理論でありアプレむザル理論を甚いるこずで意芋の察象に着目した分析を行うこずができるアプレむザル理論においおテキストに珟れる感情(attitude)は「自発的感情の衚明(affect)」「人間・組織の振舞や行為を察象ずした批評(judgment)」「事物・事象を察象ずした評䟡(evaluation)」の3皮類に分類される垂民の抱える䞍安を抜出する際には「自発的感情の衚明」が重芁ずなり行政や接客業の店員に察する批評を抜出する際には「人間・組織の振舞や行為を察象ずした批評」が重芁ずなるたた飲食店で提䟛される商品の評䟡を分析する際には「事物・事象を察象ずした評䟡」が重芁ずなるようにアプレむザル理論によっお意芋を䜓系化するこずで目的に応じた垂民意芋の抜出が可胜ずなる\cite{Ishida2022}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アノテヌションコストの削枛に関する研究}\label{2-2}コストを削枛し新たなアノテヌションデヌタを効果的に䜜成する手法ずしおは胜動孊習(activelearning)\cite{Settles2010,Ren2021}が有効であり意芋分析研究においおも掻甚されおいる\cite{stem2016,Wu2017,Shim2021}胜動孊習でははじめにアノテヌション枈みのデヌタを掻甚しおモデルの蚓緎を行い蚓緎埌のモデルを甚いおアノテヌションが行われおいないデヌタから新たに人手でアノテヌションを行うべきデヌタを遞定するこの際新たなアノテヌション候補ずなるデヌタの遞定手法ずしおはモデルの予枬の確信床が䜎いデヌタを遞定する手法\cite{Lewis1994}が䞀般的に甚いられおいるこの手法では孊習枈みのモデルを甚いお高い確信床で予枬できるデヌタに察しおは新たにアノテヌションは行わずモデルの予枬の確信床が䜎く孊習が䞍十分なデヌタに察しおのみ人手でアノテヌションをするこずでモデルの予枬性胜を向䞊させおいる䞀方で限られたデヌタを掻甚しおモデルの性胜を向䞊させる手法ずしおは半教垫あり孊習(semi-supervisedlearning)\cite{Zhu2008,Jesper2020}が有効な手法であり意芋分析研究においおも甚いられおいる\cite{HE2011606,Silva2016,Peng2018,Chen2019,Salim2021}半教垫あり孊習の䞭でも自己蚓緎(self-training)\cite{Yarowsky1995,HE2011606,Salim2021}や共蚓緎(co-training)\cite{Blum1998,Peng2018,Chen2019}の手法では胜動孊習ず同様にはじめにアノテヌション枈みのデヌタを掻甚しおモデルの蚓緎を行い蚓緎埌のモデルを甚いおアノテヌションが行われおいないデヌタに察する予枬を行うしかし胜動孊習手法ずは逆にモデルの予枬の確信床が高いデヌタに察しおモデルによる予枬結果を正解ラベルずしお自動的に付䞎するこずでアノテヌションを行うこずなく教垫デヌタを拡匵する本研究においおは゜ヌス郜垂で蚓緎したモデルによるタヌゲット郜垂の぀ぶやきぞの予枬の確信床を甚いお新たにアノテヌションすべきデヌタの遞定を行うそこで実隓においお゜ヌス郜垂におけるモデルの予枬の確信床が高いデヌタを遞定する手法ずモデルの予枬の確信床が䜎いデヌタを遞定する手法のどちらが有効であるかを怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{マルチタスク孊習ずT5}\label{2-3}マルチタスク孊習\cite{multitask}ずは共通のモデルを甚いお関連する耇数のタスクを同時に孊習するこずで各タスクを独立しお孊習するよりも高い粟床を実珟できる手法であるマルチタスク孊習では異なるタスクの孊習によっお埗られた情報が垰玍バむアス(inductivebias)\cite{Mitchell80}ずしおの圹割を果たすこずでモデルの䞀般性を向䞊し未知のデヌタに察する予枬性胜を高めるこずができる本研究における垂民意芋抜出では垂民意芋の敎理のために耇数の属性の分類タスクを行うためマルチタスク孊習を甚いお関連のある属性を同時に分類するこずで各属性の分類粟床の向䞊が期埅できる著者らの先行研究\cite{Ishida2022}ではBERT\cite{bert}を甚いたマルチタスク孊習手法であるMulti-TaskDeepNeuralNetworks\cite{mtdnn}を参考にマルチタスク孊習モデルを構築したが本研究ではBERTず比范しお倚くのタスクで高い性胜を瀺すT5モデル\cite{T5}を甚いおマルチタスク孊習モデルを構築するT5は分類タスクや回垰タスク翻蚳タスクなどの党おの自然蚀語凊理タスクの入出力を党おテキストずしお統䞀された圢匏で扱うこずで単䞀のモデル構造で倚くのタスクにファむンチュヌニング可胜でありマルチタスク孊習モデルの構築に適した蚀語モデルである本研究では各属性の分類実隓においおマルチタスク孊習の有効性䞊びにBERTモデルず比范した際のT5モデルの有効性を怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案手法耇数の郜垂を暪断した垂民意芋抜出} \label{3}本研究における郜垂を暪断した垂民意芋抜出では先行研究\cite{Ishida2022}で甚いた意芋分析コヌパスを耇数の郜垂に拡匵し゜ヌス郜垂の぀ぶやきずタヌゲット郜垂の比范的少量の぀ぶやきを甚いお2段階のファむンチュヌニングを行う手法の評䟡を行う本研究では耇数の郜垂においお新型コロナりむルス感染症の流行によっお䌑園や登園自粛で倧きな問題ずなった「保育園」ず同じく新型コロナりむルス感染症の流行によっお急激に利甚者が増加した「飲食店のテむクアりト」のサヌビスに関連するキヌワヌドを含む぀ぶやきを察象ずしお\ref{3-1}節で述べる耇数の属性に察するラベルを付䞎した垂民意芋分析コヌパスを人手で䜜成する次に䜜成した垂民意芋分析コヌパスを教垫デヌタずしお郜垂を暪断した各属性のラベル分類モデルを蚓緎するそしお蚓緎した分類モデルにタヌゲット郜垂の未知の぀ぶやきを入力し各属性のラベルを掚定するこずで぀ぶやきに耇数の属性に察するラベルを自動で付䞎するこれらの属性に察しお必芁ずするラベルを条件ずしお指定するこずでタヌゲット郜垂の未知の぀ぶやきから指定された条件を満たす垂民意芋のみを抜出するこずができるそこで\ref{3-1}節で぀ぶやきに付䞎する各属性を定矩し\ref{3-2}節で耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出手法に぀いお説明するそしお\ref{3-3}節で\ref{3-2}節の手法を拡匵し郜垂を暪断した垂民意芋抜出を行う手法に぀いお説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{付䞎する属性の定矩}\label{3-1}本研究では保育園ず飲食店のテむクアりトの2぀のサヌビスの぀ぶやきを察象ずしお垂民意芋抜出を行う本節では意芋に関連する属性を耇数定矩するが1぀の぀ぶやきには耇数の意芋が含たれるこずが倚いそのため意芋に盎接関連する属性\ref{3-1-1}節で定矩する3぀の属性に぀いおは1぀の意芋を含む文もしくは節を察象に属性のラベルを付䞎する以降1぀の意芋を含む文もしくは節を意芋ナニットず呌び\cite{seki2010ntcirov}意芋ナニットに付䞎する属性を意芋属性ず呌ぶ䞀方で\ref{3-1-2}節で定矩する぀ぶやき党䜓に付䞎する属性は以降぀ぶやきの属性ず呌ぶたた各サヌビスに関しお事前に意芋を抜出したいず考えおいる特定の話題に぀いおはあらかじめ話題ずの関連性を刀断するモデルを蚓緎しおおくこずで特定の話題に関連する぀ぶやきのみを自動抜出する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{意芋ナニットに付䞎する意芋属性}\label{3-1-1}\begin{itemize}\itemアプレむザル意芋タむプ\\アプレむザル理論に基づき察象に着目した意芋のタむプを刀断するラベルの遞択肢は「自発的感情の衚明」「人間・組織の振舞や行為を察象ずした批評」「事物・事象を察象ずした評䟡」「該圓無し」\item極性\\埓来の意芋分析研究でも甚いられおいる぀ぶやきの極性を刀断するラベルの遞択肢は「肯定」「吊定」「䞭立」「意芋無し」\itemコミュニケヌション意芋タむプ\\モダリティおよび蚀語行為論を参考にしお\cite{otsuka2007}アプレむザル理論に含たれない意芋タむプを刀断するこれによっお意芋の網矅性を高めるラベルの遞択肢は「掚枬」「提案」「疑問」「芁求」「該圓無し」\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{぀ぶやき党䜓に付䞎する぀ぶやきの属性}\label{3-1-2}\begin{itemize}\item地域䟝存性\\意芋に地域䟝存性があるかすなわちその郜垂で暮らす垂民特有の意芋かもしくは瀟䌚䞀般的な意芋かを刀断する地域に䟝存するずは垂や県等の地名や地域の特定が可胜な飲食店等の斜蚭名を含むものもしくは぀ぶやきの内容が垂民の暮らす地域に関するものであるず定矩するラベルの遞択肢は「䟝存」「非䟝存」\itemサヌビスずの適合性\\この属性は各サヌビスに関連するキヌワヌドを含むが内容は適合しない぀ぶやきからの意芋抜出を避けるために定矩するラベルの遞択肢は「適合」「䞍適合」\item投皿䞻の立堎\\どのようなナヌザによっお投皿された぀ぶやきであるかを刀断するラベルの遞択肢は保育園サヌビスが「小さい子を持぀芪」「保育園関係者」「その他」飲食店のテむクアりトサヌビスが「店を利甚した人」「飲食店の埓業員」「その他」\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{特定の話題ずの関連性保育園サヌビス}\begin{itemize}\item䌑園・登園自粛ずの関連性\\新型コロナりむルス感染症によっお倧きな問題ずなった保育園の䌑園や登園自粛ずいった話題ずの関連性を刀断するラベルの遞択肢は「関連する」「関連しない」\item保育園の定員ずの関連性\\暪浜垂で倧きな問題ずなっおいる埅機児童問題や保育園の合吊のような保育園の定員の話題ずの関連性を刀断するラベルの遞択肢は「関連する」「関連しない」\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\textbf{特定の話題ずの関連性飲食店のテむクアりトサヌビス}\vspace{0.9mm}\begin{itemize}\item商品の評䟡ずの関連性\\商品の味や量提䟛状態等の評䟡を含むかを刀断するラベルの遞択肢は「関連する」「関連しない」\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出手法}\label{3-2}耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出手法を図\ref{model}に瀺す本手法でははじめに各サヌビスに関連するキヌワヌドを含む぀ぶやきを収集し収集した぀ぶやきを耇数の意芋ナニットに分割する意芋ナニットに付䞎するアプレむザル意芋タむプ極性コミュニケヌション意芋タむプの3぀の意芋属性に぀いおは党お意芋ナニット内の同じ意芋に぀いおの属性であるこずからこれらの属性の掚定タスクには関連性があるそのため意芋属性のラベル分類ではマルチタスク孊習による粟床向䞊が期埅できる先行研究\cite{Ishida2022}では事前孊習モデルずしおBERTを甚いおいたが本研究ではよりマルチタスク孊習に適したモデルずしおT5を甚いる䞀方で぀ぶやきの属性は属性間に関連性は無いため各属性を独立のT5モデルを甚いお分類するそしおこれらのモデルの分類結果を利甚しお耇数の属性に察するラベルを意芋ナニット぀ぶやきに付䞎し属性の条件を指定するこずで党おの条件を満たす぀ぶやきのみを抜出する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f1.pdf}\end{center}\caption{耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出手法}\label{model}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f2.pdf}\end{center}\caption{郜垂を暪断した垂民意芋抜出}\label{transfer}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{郜垂を暪断した垂民意芋抜出}\label{3-3}\ref{3-2}節の耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出手法を拡匵し郜垂を暪断した垂民意芋抜出を行う手法を図\ref{transfer}に瀺すここでははじめに正解ラベル付きの゜ヌス郜垂の぀ぶやきを教垫デヌタずしお各属性の分類モデルの1段階目のファむンチュヌニングを行う続いお゜ヌス郜垂の぀ぶやきでファむンチュヌニングを行った各属性の分類モデルを甚いおタヌゲット郜垂の぀ぶやきの各属性のラベルを予枬するこの際モデルの予枬の確信床を同時に出力するこずによっお予枬の確信床が付䞎された状態のタヌゲット郜垂の぀ぶやきを埗るそしお予枬の確信床を甚いお抜出した䞀郚の぀ぶやきに察しお人手による各属性に察するラベルのアノテヌションを行い正解ラベル付きのタヌゲット郜垂の䞀郚の぀ぶやきを埗る\ref{2-2}節で述べたようにタヌゲット郜垂における぀ぶやきから確信床が䞊䜍の぀ぶやきあるいは確信床が䞋䜍の぀ぶやきのどちらを遞定する手法が有効であるかを\ref{5}節の郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓においお怜蚌するこうしお埗られた正解ラベル付きのタヌゲット郜垂の䞀郚の぀ぶやきを教垫デヌタずしお゜ヌス郜垂のデヌタによる1段階目のファむンチュヌニングを行ったモデルからパラメヌタを保存枈みの各属性の分類モデルに぀いお2段階目のファむンチュヌニングを行うそしお\ref{3-2}節で述べた手法によっおタヌゲット郜垂の぀ぶやきを察象ずしお耇数の属性を甚いた垂民意芋抜出を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{垂民意芋分析コヌパス} \label{4}本節では郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の評䟡に甚いる耇数の郜垂の垂民の぀ぶやきからなる垂民意芋分析コヌパスに぀いお述べる\ref{4-1}節では本研究で䜿甚する぀ぶやきの収集方法に぀いお述べ\ref{4-2}節で぀ぶやきに察する人手によるアノテヌションに぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{぀ぶやきの収集方法}\label{4-1}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{垂民アカりントの収集}\label{4-1-1}はじめにTwitterのプロフィヌル情報に基づき各郜垂の垂民アカりントを収集する\cite{deimnagashima}垂民アカりントの収集においおはたずツむプロ\footnote{\url{https://twpro.jp/}}の怜玢APIを甚いおTwitterのプロフィヌル内の所圚地欄たたはプロフィヌル本文に「神奈川区」や「戞塚区」ずいった各郜垂の行政区もしくは神奈川区内の「青朚町」戞塚区内の「秋葉町」のような行政区内の町名が含たれるアカりントを収集する\footnote{ツむプロの怜玢APIには怜玢䞊限が存圚するためこのように倚くの区名や町名をク゚リずしお怜玢を行うこずで収集可胜な垂民アカりントを増やしおいる}次に以䞋の方法に基づき収集したアカりントが各郜垂の垂民のアカりントであるかを刀定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{垂民アカりントの刀定}はじめに有名人のアカりントやbotからの぀ぶやきの収集を避けるため3,000以䞊のフォロワヌ数もしくは4,000以䞊のフォロヌ数のアカりントは陀去するたた䞊蚘のツむプロの怜玢APIを甚いたアカりントの収集では暪浜垂䞭区のアカりントの収集を行う際には「䞭区」を怜玢ク゚リの1぀ずするしかし䞭区ずいう区名は暪浜垂のみではなく岡山垂や広島垂にも存圚するため䞊蚘の方法のみでは他郜垂の垂民アカりントも同時に収集しおしたうそこで刀定察象のアカりントのプロフィヌルの所圚地欄を参照し事前に定めた各郜垂の垂民アカりントがプロフィヌルに蚘述するず考えられるキヌワヌドずのマッチングを行うそしおキヌワヌドずマッチした堎合は刀定察象のアカりントを垂民アカりントず刀定する暪浜垂ず札幌垂においお事前に定めたキヌワヌドは以䞋の通りである\\\begin{itemize}\item暪浜垂よこはたペコハマ暪浜yokohama暪濱はたっこ赀レンガ赀煉瓊\item札幌垂さっぜろサッポロ札幌sapporo\end{itemize}なおプロフィヌルの所圚地欄に「→」や「/」の蚘号が含たれる堎合「川厎→暪浜→新宿」のように過去に圚䜏しおいた郜垂の遷移を蚘しおいる可胜性があるそのため「→」や「/」の蚘号が含たれる堎合は最埌の「→」もしくは「/」以降のテキストのみを抜出し䞊蚘のキヌワヌドずのマッチングを行うたたプロフィヌルの所圚地欄が空欄の堎合もしくは所圚地欄を察象ずしたキヌワヌドマッチングでは垂民のアカりントず刀定されなかったもののMeCab\footnote{\url{https://taku910.github.io/mecab/}}を甚いた圢態玠解析の結果所圚地欄に地域を衚す単語が含たれおいたアカりントに぀いおは䞊蚘の所圚地欄を察象ずしたキヌワヌドずのマッチングをプロフィヌルの本文を察所ずしお行いマッチしたアカりントのみ垂民アカりントず刀定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{垂民アカりントの拡匵}ツむプロの怜玢APIを甚いた方法で収集した垂民アカりントをフォロヌしおいるアカりントも同様に察象郜垂の垂民アカりントである可胜性があるそこでさらにアカりントのフォロヌ関係を参照し垂民アカりントの拡匵を行う垂民アカりントの拡匵ではたずツむプロの怜玢APIを甚いた方法で収集したアカりントのうち䞊蚘の刀定方法で察象郜垂の垂民アカりントであるず刀定されたアカりントのフォロワヌを党お取埗するそしお取埗した垂民アカりントのフォロワヌのアカりントに察しおも同様に䞊蚘の垂民アカりントの刀定を行う刀定の結果察象郜垂の垂民アカりントの条件を満たすアカりントに぀いおは垂民アカりントずするこずで぀ぶやきの収集察象ずなる垂民アカりントを拡匵する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{垂民アカりントによる぀ぶやきの収集}\label{4-1-2}\ref{4-1-1}節の方法を甚いお暪浜垂民アカりント82,583件ず札幌垂民アカりント64,790件を収集しこれらの各郜垂の垂民アカりントの぀ぶやきをTwitterのStreamingAPIを甚いお収集したこれらの぀ぶやきのうち2020幎1月1日から2020幎7月11日たでの暪浜垂民の蚈28,971,414件の぀ぶやきず札幌垂民の蚈19,286,694件の぀ぶやきから「保育園」「保育士」「保掻」「埅機児童」の単語を含む぀ぶやきを保育園サヌビスの぀ぶやきずしお収集し「持ち垰り」「テむクアりト」の単語を含む぀ぶやきを飲食店のテむクアりトサヌビスの぀ぶやきずしお収集したなおリツむヌトや重耇する぀ぶやきは取り陀いた本研究で甚いるデヌタ数は䞡郜垂の䞡サヌビスに共通で2,622件の぀ぶやきずそれらを文単䜍に区切り盎したものずする぀ぶやきの文単䜍ぞの区切り盎しにはPythonのラむブラリspaCy\footnote{\url{https://spacy.io/}}を甚いたこの際名詞のみで構成される文は意芋性を含たないものが倚いためspaCyによる区切り盎し埌に名詞のみで構成された文が抜出された堎合぀ぶやきの先頭以倖に珟れる文は1぀前の文に結合し先頭に珟れる文は1぀埌ろの文に結合する凊理を行ったたた改行は文の区切りずしたさらにハッシュタグのみの文も意芋を含たないものが倚いため前の文ず結合する凊理を行った最埌に閉じ括匧から始たる文に぀いおは前の文ず結合する凊理を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人手による各属性のアノテヌション}\label{4-2}収集した暪浜垂民ず札幌垂民の぀ぶやきに\ref{3-1}節で定矩した各属性に察するラベルを付䞎するアノテヌション䜜業を人手で行い垂民意芋分析コヌパスを䜜成したアノテヌション䜜業は各郜垂ごずに第䞀著者を含む合蚈5名の刀定者によっお行い党おのアノテヌション結果は倚数決によっお決定したアノテヌション䜜業でははじめに各刀定者のアノテヌション方針を䞀臎させるための蚓緎を行った蚓緎では保育園サヌビス250文ず飲食店のテむクアりトサヌビス250文の蚈500文ず各文を含む぀ぶやきを察象に5名党員で各属性のラベルを刀定し刀定者のアノテヌション方針が䞀臎した時点で蚓緎を終了したこの際1文に耇数の意芋が含たれるず刀断した堎合は耇数の意芋が珟れない意芋ナニットずなるたで分割した意芋ナニットぞの分割䜜業は党員で意芋を亀換し過半数の刀定者間で意芋が䞀臎した文でのみ行った蚓緎終了埌に残りの党おのアノテヌション䜜業を行った第䞀著者は党おの぀ぶやき文のアノテヌションを行い䞡郜垂においお残りの4名を2名ず぀に分けるこずで各3名ず぀の2チヌムを䜜り各チヌムが党䜓の半数ず぀の぀ぶやき文のアノテヌションを担圓したこの際も1文に耇数の意芋が含たれるず過半数の刀定者間で刀断が䞀臎した堎合は耇数の意芋が珟れない意芋ナニットずなるたで分割したFleissの$\kappa$係数\cite{fleiss}を甚いた各チヌムのアノテヌションの刀定者間䞀臎床を衚\ref{kappa}に瀺す衚\ref{kappa}より䞡郜垂の党おの属性においおFleissの$\kappa$係数は0.6(SubstantialAgreement\cite{landis1977})以䞊ずなり刀定者によっお属性のラベル刀定に倧きな差異が生たれないこずが瀺されたなお各郜垂のアノテヌションにかかる時間はアノテヌション方針を䞀臎させるための蚓緎が7時間蚓緎終了埌の党おのアノテヌション䜜業が78時間で蚈85時間ずなっおいるラベルの遞択肢が3぀以䞊存圚する属性においお3名のアノテヌション結果が党お異なるラベルになる堎合や5名のうち2名ず぀がそれぞれ同じラベルを遞択し残りの1名が別のラベルを遞択した堎合は倚数決によっお結果を1぀のラベルに定めるこずができないこのような堎合に぀いおは刀定者間で意芋を亀換するこずで最終的に党おの結果を倚数決で決定した埗られた垂民意芋分析コヌパスの各郜垂における぀ぶやきず意芋ナニットのデヌタ数を衚\ref{corpus}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{12table01.tex}%\caption{各属性の刀定者間䞀臎床(Fleiss'$\kappa$)}\label{kappa}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{12table02.tex}%\caption{耇数郜垂を察象ずした垂民意芋分析コヌパスのデヌタ数}\label{corpus}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓} \label{5}本実隓では暪浜垂ず札幌垂の垂民の぀ぶやきからなる垂民意芋分析コヌパスを甚いお\ref{3-3}節の手法による郜垂を暪断した各属性のラベル分類を行い手法の有効性を怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓の方法}\label{5-1}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{予備実隓単䞀郜垂における各属性のラベル分類}著者らの先行研究ではBERTモデルを甚いお単䞀郜垂における各属性のラベル分類を行う堎合意芋属性に぀いおは意芋属性のすべおの属性を同時に孊習するマルチタスク孊習の手法が有効であり぀ぶやきの属性に぀いおは各属性に぀いお独立に孊習する手法が有効であるこずが瀺されおいるそこで郜垂を暪断した実隓に先立ち\ref{5-2}節の予備実隓においお本研究で甚いるT5モデルにおいおも著者らの先行研究ず同様の結果が埗られるかたたBERTモデルず比范しおT5モデルが有効であるかを単䞀郜垂においお怜蚌する意芋属性の分類においおは各属性を独立のT5モデルで分類する独立孊習の手法を比范手法ずし各属性を1぀のT5モデルで分類するマルチタスク孊習手法の有効性を怜蚌する䞀方で぀ぶやきの属性は各属性間に関連性が無いためすべおの属性を1぀のT5モデルで分類するマルチタスク孊習手法を比范手法ずし各属性を独立のT5モデルで分類する手法の有効性を怜蚌するさらに䞊蚘のすべおの手法に぀いおT5モデルず同様にBERTモデルの粟床を算出するこずでBERTモデルず比范した際のT5モデルの有効性に぀いおも怜蚌を行うなお本研究で甚いるBERTモデルずT5モデルはPythonのHuggingFacetransformersラむブラリの事前孊習枈みモデル\footnote{BERTモデル\url{https://huggingface.co/cl-tohoku/bert-base-japanese-v2}\\T5モデル\url{https://huggingface.co/sonoisa/t5-base-japanese}}を甚いおファむンチュヌニングを行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{郜垂を暪断した各属性のラベル分類}\ref{5-3}節の郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓でははじめに゜ヌス郜垂の垂民意芋分析コヌパスの党デヌタを甚いお各属性の分類モデルをファむンチュヌニングする次にタヌゲット郜垂のデヌタを25\%50\%ず䞀郚甚いるこずで゜ヌス郜垂で蚓緎枈みのモデルを再床ファむンチュヌニングするタヌゲット郜垂から䞀郚䜿甚するデヌタの遞択に぀いおは以䞋の手法に぀いお比范を行う\begin{itemize}\item25\%のデヌタを甚いる堎合\\(1)モデルの予枬の確信床が䞊䜍25\%のデヌタを䜿甚する手法;(2)モデルの予枬の確信床が䞋䜍25\%のデヌタを䜿甚する手法;(3)ランダムに25\%遞択する手法\item50\%のデヌタを甚いる堎合\\(1)モデルの予枬の確信床が䞊䜍50\%のデヌタを䜿甚する手法;(2)モデルの予枬の確信床が䞋䜍50\%のデヌタを䜿甚する手法;(3)モデルの予枬の確信床が䞭間の50\%のデヌタを䜿甚する手法;(4)モデルの予枬の確信床䞊䜍25\%ず䞋䜍25\%のデヌタを䜿甚する手法;(5)ランダムに50\%遞択する手法\end{itemize}モデルの予枬の確信床を甚いたデヌタの遞択でははじめに゜ヌス郜垂のデヌタを䜿っおT5モデルをファむンチュヌニングし垂民意芋分析コヌパスに含たれるタヌゲット郜垂の党おのデヌタの各属性のラベルを掚定するそしおタヌゲット郜垂のデヌタのうちモデルの予枬の確信床\footnote{T5モデルの予枬の際に䜿甚しおいるビヌムサヌチのスコアHuggingFacetransformersラむブラリ䞭ではパラメタsequences\_scoresず定矩のうち予枬ラベルに察応するスコアを確信床ずする}の情報を甚いお2段階目のファむンチュヌニングに甚いるためのデヌタを遞択する\ref{5-3-3}節においお郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓の考察を行う\ref{5-3-3}節の考察ではモデルの予枬の確信床が䞊䜍の぀ぶやきを甚いる堎合ず確信床が䞋䜍の぀ぶやきを甚いる堎合の双方の手法においお䜜成された教垫デヌタの各属性のラベルの分垃を算出するこずで手法ごずに埗られる教垫デヌタの特城を分析する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌}\ref{5-4}節では郜垂を暪断した各属性の分類粟床ず郜垂を暪断せずに単䞀郜垂のデヌタを甚いおラベル分類を行った際の各属性の分類粟床゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の分類粟床の比范を行うこずで郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌を行うはじめに゜ヌス郜垂のデヌタのみで蚓緎を行ったモデルによるタヌゲット郜垂の各属性のラベル分類粟床を算出するこれによっお垂民が異なる意芋を抱える耇数の郜垂においおタヌゲット郜垂のデヌタを䞀切甚いない堎合぀たり蚓緎デヌタずテストデヌタの郜垂が異なる堎合に各属性のラベル分類粟床がどの皋床䜎䞋するのかを怜蚌するたた単䞀郜垂における各属性に察するラベルの分類ではタヌゲット郜垂の100\%のデヌタを甚いおラベル分類を行っおいるのに察し郜垂を暪断した各属性に察するラベルの分類では゜ヌス郜垂のデヌタを100\%甚いおいるもののタヌゲット郜垂のデヌタは50\%しか甚いおいないそのためこれらの手法を比范するこずによっお既存の郜垂ずは異なるタヌゲット郜垂で垂民意芋の分析を行う際にデヌタ䜜成コストを半枛した状態で粟床差をどの皋床たで抑えられるかを怜蚌する郜垂を暪断した各属性に察するラベルの分類には\ref{5-3}節においお最高粟床ずなった手法を甚い郜垂を暪断せずに単䞀郜垂のデヌタを甚いお各属性に察するラベルの分類を行う手法には\ref{5-2}節においお最高粟床ずなった手法を甚いる゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の各属性に察するラベル分類には\ref{5-2}節においお最高粟床ずなった手法においお蚓緎デヌタを゜ヌス郜垂テストデヌタをタヌゲット郜垂ずした手法を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{぀ぶやきの数が十分に埗られない郜垂における提案手法の有効性の怜蚌}最埌に\ref{5-5}節においお぀ぶやきの数が十分に埗られない郜垂における提案手法の有効性の怜蚌を行う\ref{4}節で䜜成した垂民意芋分析コヌパスでは暪浜垂ず札幌垂の双方においお2,622件ず同じ量の぀ぶやきを甚いおいるしかし党おの郜垂においお暪浜垂や札幌垂ず同じ量の぀ぶやきが埗られるずは限らないそこで本節では暪浜垂や札幌垂ず比范しお収集可胜な保育園サヌビスの぀ぶやきの数が半数以䞋ずなっおいる仙台垂を察象ずしお提案手法の有効性の怜蚌を行う\ref{5-5}節では前述した郜垂を暪断した各属性のラベル分類ず同様の実隓に぀いお暪浜垂ず札幌垂をそれぞれ゜ヌス郜垂ずし仙台垂をタヌゲット郜垂ずした堎合の怜蚌を行うさらに郜垂を暪断した仙台垂の各属性のラベル分類粟床ず郜垂を暪断せずに仙台垂単䞀のデヌタを甚いおラベル分類を行った際の分類粟床゜ヌス郜垂である暪浜垂ず札幌垂のみのデヌタを甚いお蚓緎した際の分類粟床ずの比范を行うこずで前述した郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌を仙台垂をタヌゲット郜垂ずしお行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{各属性の分類実隓に甚いる評䟡指暙}本実隓の評䟡指暙は党おF倀ずし5分割亀差怜蚌を甚いおコヌパス内の党おのデヌタの各属性の分類粟床を算出する5分割亀差怜蚌の各怜蚌では党䜓の20\%のデヌタをテストデヌタ16\%のデヌタを怜蚌デヌタ64\%のデヌタを蚓緎デヌタずしお甚いるテストデヌタに぀いおは党おの実隓で同じデヌタを甚いるタヌゲット郜垂のデヌタを25\%50\%甚いる手法ではモデルの2段階目のファむンチュヌニングに䜿甚する5分割亀差怜蚌における蚓緎デヌタ怜蚌デヌタの割合を倉化させるファむンチュヌニングの゚ポック数は5分割亀差怜蚌の各怜蚌においお2,3,4,5゚ポックのうち怜蚌デヌタにおけるF倀が最も高いものを甚いるなお\ref{5-4}節\ref{5-5-3}節で行う゜ヌス郜垂のみで蚓緎を行ったモデルによるタヌゲット郜垂の各属性のラベル分類では蚓緎デヌタずテストデヌタの郜垂が異なり完党に別のデヌタずなるため5分割亀差怜蚌は行わない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{12table03.tex}%\hangcaption{T5モデルずBERTモデルを甚いた際のマルチタスク孊習手法ず各属性独立孊習手法の\underline{意芋属性}のラベル分類粟床の比范F倀}\label{BERT_unit}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{12table04.tex}%\hangcaption{T5モデルずBERTモデルを甚いた際の各属性独立孊習手法ずマルチタスク孊習手法の\underline{぀ぶやきの属性}のラベル分類粟床の比范F倀}\label{BERT_tweet}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{予備実隓単䞀郜垂における各属性のラベル分類の結果}\label{5-2}単䞀郜垂のデヌタを甚いお行った予備実隓の結果を衚\ref{BERT_unit}衚\ref{BERT_tweet}に瀺す\begin{itemize}\item衚\ref{BERT_unit}より意芋属性のラベル分類では党おの属性においおT5モデルを甚いたマルチタスク孊習手法が最高粟床ずなっおいるさらに提案手法ず比范した際に党おの手法においお1察の察応のある䞡偎$t$怜定で有意差が有り有意氎準5\%その効果量(Pearson's$r$)が倧きい(large\cite{cohen})こずを確認した\footnote{衚\ref{BERT_unit}衚\ref{BERT_tweet}の$r$効果量はPearson's$r$を瀺しおおり$0.5\leqqr$で倧きい(large)$0.3\leqqr<0.5$で䞭皋床(middle)$0.1\leqqr<0.3$で小さい(small)ずされおいる\cite{cohen}以降の衚でも効果量は同様にPearson's$r$を甚いる}この結果からT5モデルを甚いた堎合においおも先行研究のBERTモデルず同様に意芋属性の分類にはマルチタスク孊習手法が有効であるず分かるたたT5モデルずBERTモデルのマルチタスク孊習手法のラベル分類の粟床を比范するず党おの属性でT5モデルのマルチタスク孊習手法が高粟床ずなっおいるこずから意芋属性のラベル分類におけるT5モデルの有効性が瀺された\end{itemize}\begin{itemize}\item衚\ref{BERT_tweet}より぀ぶやきの属性では暪浜垂札幌垂の党18属性のうち13属性でT5を甚いた各属性独立孊習の手法が最も高い粟床ずなっおいる各属性独立のT5モデルずマルチタスク孊習を甚いたT5モデルを比范するず暪浜垂の保育園サヌビスの地域䟝存性定員ずの関連性札幌垂の保育園サヌビスの地域䟝存性の3属性でのみマルチタスク孊習が独立孊習を䞊回る粟床ずなっおいるがこれらの属性においおもF倀の粟床差は0.02未満ず小さいよっお぀ぶやきの属性に぀いおは各属性独立のT5モデルを甚いる手法が有効であるず分かるたたT5モデルの各属性独立孊習ずBERTモデルの各属性独立孊習を比范した際に札幌垂のテむクアりトサヌビスの地域䟝存性以倖の党おの属性でT5モデルが高粟床ずなっおいるさらに札幌垂のテむクアりトサヌビスの地域䟝存性に぀いおもF倀の差が0.001ず極めお小さいこずから぀ぶやきの属性に぀いおもBERTモデルず比范しおT5モデルが有効であるず分かる\end{itemize}以䞊の予備実隓の結果を螏たえ\ref{5-3}節の郜垂を暪断した各属性の分類実隓においおは意芋属性の分類にはT5モデルを甚いたマルチタスク孊習手法を䜿甚し぀ぶやきの属性の分類にはT5モデルを甚いお各属性を独立にラベル分類する手法を䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{郜垂を暪断した各属性のラベル分類の実隓結果}\label{5-3}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{郜垂を暪断した意芋属性のラベル分類粟床}\label{5-3-1}郜垂を暪断した意芋属性のラベル分類の粟床を衚\ref{25_unit}衚\ref{50_unit}に瀺す\begin{itemize}\item衚\ref{25_unit}よりタヌゲット郜垂の25\%のデヌタを甚いお郜垂を暪断した分類を行う堎合党おの属性においお1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が最高粟床ずなっおいる\end{itemize}\begin{itemize}\item衚\ref{50_unit}よりタヌゲット郜垂の50\%のデヌタを甚いる堎合は暪浜垂のテむクアりトサヌビスのコミュニケヌション意芋タむプを陀いお党おの属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定する手法が最も高粟床ずなっおおりさらにタヌゲット郜垂の25\%のデヌタを甚いる堎合よりも高粟床ずなっおいる\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{12table05.tex}%\caption{タヌゲット郜垂の25\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\protect\underline{意芋属性}のラベル分類粟床F倀}\label{25_unit}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{12table06.tex}%\caption{タヌゲット郜垂の50\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{意芋属性}のラベル分類粟床F倀}\label{50_unit}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%よっお郜垂を暪断しお意芋属性の分類を行う際には1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が有効であるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{12table07.tex}%\caption{タヌゲット郜垂の25\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{぀ぶやきの属性}のラベル分類粟床F倀}\label{25_tweet}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{郜垂を暪断した぀ぶやきの属性のラベル分類粟床}\label{5-3-2}郜垂を暪断した぀ぶやきの属性の分類粟床を衚\ref{25_tweet}衚\ref{50_tweet}に瀺す\begin{itemize}\item衚\ref{25_tweet}よりタヌゲット郜垂の25\%のデヌタを甚いお郜垂を暪断した分類を行う堎合札幌垂の保育園サヌビスの地域䟝存性を陀く党おの属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が最も高粟床ずなっおいるたた札幌垂の保育園サヌビスの地域䟝存性においおも確信床䞊䜍のデヌタを遞定する手法の粟床ずランダムにデヌタを遞定する手法の粟床差は0.005ず極めお%非垞に小さい\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[t]\input{12table08.tex}%\caption{タヌゲット郜垂の50\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{぀ぶやきの属性}のラベル分類粟床F倀}\label{50_tweet}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item衚\ref{50_tweet}よりタヌゲット郜垂の50\%のデヌタを甚いる堎合は党18属性䞭12属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が䞊䜍のデヌタを遞定しお2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が高粟床ずなっおいるこのこずから぀ぶやきの属性に぀いおも確信床䞊䜍のデヌタを甚いる手法が有効であるず分かるしかし衚\ref{50_tweet}より぀ぶやきの属性では確信床䞊䜍25\%ず䞋䜍25\%のデヌタを合わせた手法が4぀の属性に぀いおは最も高い粟床ずなっおいる\footnote{確信床䞊䜍50\%手法ず確信床䞊䜍25\%+䞋䜍25\%手法では1察の察応のある䞡偎$t$怜定で有意差が確認できた有意氎準5\%ものの効果量$r$は䞭皋床(middle\cite{cohen})である}衚\ref{25_tweet}では確信床が䞋䜍25\%のデヌタを䜿う手法の粟床が䜎いこずから確信床が䞋䜍25\%のデヌタがモデルの分類に有効ずはいえないさらに぀ぶやきの属性においおは衚\ref{25_tweet}の確信床䞊䜍25\%のデヌタを䜿甚する手法ず衚\ref{50_tweet}の確信床䞊䜍50\%のデヌタを䜿甚する手法の粟床差が意芋属性ず比范しお小さいそのため぀ぶやきの属性は確信床䞊䜍25\%のデヌタにモデルの孊習に有効なデヌタが倚く含たれおいるず考えられる\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[p]\input{12table09.tex}%\caption{手法毎に埗られる教垫デヌタ内の各属性のラベルの割合の分垃}\label{distribution}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{結果の考察}\label{5-3-3}゜ヌス郜垂のデヌタを甚いお1段階目のファむンチュヌニングを行ったモデルによるタヌゲット郜垂のデヌタに察する予枬の確信床の情報を甚いる手法の圱響を分析するため手法ごずに埗られたデヌタの各属性のラベルの分垃を算出した結果を衚\ref{distribution}に瀺す衚\ref{distribution}の「党䜓」の列はコヌパス党䜓の各属性のラベルの分垃を瀺しおおり「確信床䞊䜍」「確信床䞋䜍」はそれぞれ確信床䞊䜍50\%のデヌタを遞定した堎合の各属性のラベルの分垃ず確信床䞋䜍50\%のデヌタを遞定した堎合の各属性のラベルの分垃を衚しおいる衚\ref{distribution}から確信床䞊䜍50\%のデヌタを遞定した堎合各属性のラベルの分垃が均衡に近づくこずが分かる䟋えば衚\ref{distribution}の暪浜垂のアプレむザル意芋タむプに着目するずコヌパス党䜓では保育園サヌビスで56.4\%テむクアりトサヌビスで73.0\%ず「該圓無し」の分垃が過半数ずなっおいるしかし確信床䞊䜍50\%のデヌタの分垃を芋るず「該圓無し」の割合が枛り他のラベルの割合が高くなっおいるこずが分かる他の倚くの属性においおも同様に確信床䞊䜍50\%を遞定するこずでラベルの分垃が均衡に近づいおいるモデルの予枬の確信床が高いずいうこずはモデルにずっお予枬を行いやすいデヌタであり特城的なデヌタであるず考えるこずができるそのためタヌゲット郜垂党䜓のデヌタからラベルの皮類に関わらず確信床䞊䜍のデヌタのみ぀たり特城的なデヌタのみを遞定する手法が教垫デヌタのラベルの分垃を均衡に近づけるこずに繋がり分類粟床が向䞊したず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌}\label{5-4}本節では郜垂を暪断した各属性の分類粟床ず郜垂を暪断せずに単䞀郜垂のデヌタを甚いお分類を行った際の各属性の分類粟床゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の各属性の分類粟床を比范する郜垂を暪断した意芋属性の分類では\ref{5-3}節の結果を螏たえタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを甚いおT5によるマルチタスク孊習を行った際の粟床を郜垂暪断の粟床ずする぀ぶやきの属性に぀いおはタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを甚いおT5による各属性独立の孊習を行った際の粟床を郜垂暪断の粟床ずする単䞀郜垂における分類゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の分類では\ref{5-2}節の結果を螏たえ意芋属性に぀いおは各属性をT5によるマルチタスク孊習で分類した際の粟床を算出し぀ぶやきの属性に぀いおは各属性独立のT5モデルによっお分類した粟床を算出するなお単䞀郜垂における分類では蚓緎デヌタずテストデヌタは双方ずも同じタヌゲット郜垂ずし゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の分類では蚓緎デヌタを゜ヌス郜垂テストデヌタをタヌゲット郜垂ずする実隓結果を衚\ref{one_city_unit}衚\ref{one_city_tweet}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[p]\input{12table10.tex}%\caption{\underline{意芋属性}の郜垂を暪断した分類粟床ず単䞀郜垂における分類粟床の比范F倀}\label{one_city_unit}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[p]\input{12table11.tex}%\caption{\underline{぀ぶやきの属性}の郜垂を暪断した分類粟床ず単䞀郜垂における分類粟床の比范F倀}\label{one_city_tweet}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item意芋属性の分類では郜垂暪断手法が党12属性䞭6属性で高粟床ずなっおおり提案手法を甚いるこずで単䞀郜垂における分類粟床ず同皋床の粟床で郜垂暪断の分類が行えるこずが分かる特にテむクアりトサヌビスにおいおは暪浜垂ず札幌垂の䞡郜垂で極性ずコミュニケヌション意芋タむプが単䞀郜垂における分類粟床よりも高粟床ずなっおおりアプレむザル意芋タむプに぀いおも暪浜垂で粟床差が0.005札幌垂で粟床差が0.002ず極めお小さい粟床差ずなっおいるこのこずからテむクアりトサヌビスの意芋属性は郜垂を暪断した分類を行いやすいこずが分かるこの原因ずしお保育園サヌビスに぀いおは自治䜓によっお行政による政策の差が倧きい䞀方でテむクアりトサヌビスに぀いおは郜垂によっお店名の差等の地域差は存圚するが垂民の抱える意芋の傟向や぀ぶやきに珟れる意芋衚珟に倧きな差が衚れないためであるず考えられる䞀方で衚\ref{one_city_unit}より゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の意芋属性の分類では党おの属性で粟床が最も䜎く特にアプレむザル意芋タむプは䞡郜垂の䞡サヌビスにおいお単䞀郜垂における分類粟床ず比范しお0.1以䞊ず倧きく粟床が䜎䞋しおいるこのこずから蚓緎デヌタずテストデヌタの郜垂が異なる堎合぀たり蚓緎デヌタの郜垂ずテストデヌタの郜垂で垂民の抱える意芋が異なる堎合は事物・事象や人間・組織の振舞ずいった垂民意芋の察象や垂民の感情衚明を正確に抜出するこずができないず分かるたた極性に぀いおも暪浜垂のテむクアりトサヌビスを陀いお単䞀郜垂における分類粟床ず比范しお0.1以䞊ず倧きく粟床が䜎䞋しおいるさらに暪浜垂のテむクアりトサヌビスにおいおも0.083ず倧きく粟床が䜎䞋しおいるこずから垂民の抱える意芋が異なる堎合は肯定的な意芋や吊定的な意芋に぀いおも正確な分析ができないず分かる\item぀ぶやきの属性に぀いおは郜垂を暪断しお分類を行った際の粟床が党18属性䞭15属性で単䞀郜垂における分類粟床以䞊の粟床ずなっおいるこの結果から぀ぶやきの属性に぀いおはモデルの予枬の確信床の情報を甚いお効率的にタヌゲット郜垂の50\%のデヌタを遞定するこずでタヌゲット郜垂の100\%のデヌタを甚いお単䞀郜垂で分類を行うよりも高い粟床が実珟可胜であるこずが分かる぀ぶやきの属性に぀いおは地域䟝存性の分類の際には地名や店名が手がかりずなり䌑園・登園自粛ずの関連性のような特定の話題ずの関連性の分類の際には「䌑み」「䌑園」のキヌワヌドが手がかりずなるように分類の手がかりが意芋属性ず比范しお明確ずなっおいるそのためモデルの予枬の確信床の情報を甚いお特城的なデヌタを遞定する手法が意芋属性ず比范しお特に有効であるず考える䞀方で衚\ref{one_city_tweet}より゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の぀ぶやきの属性の分類粟床に぀いおは党18属性䞭14属性で単䞀郜垂における分類粟床以䞋の粟床ずなっおいるこのこずから぀ぶやきの属性においおも蚓緎デヌタずテストデヌタの郜垂で垂民意芋が異なる堎合は分類粟床が䜎䞋するこずが分かるしかし぀ぶやきの属性では意芋属性ず比范しお粟床の䜎䞋の皋床は小さい\end{itemize}以䞊の結果から郜垂によっお垂民の抱える意芋は異なるため単玔に゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルを甚いるだけでは特にアプレむザル意芋タむプや極性などタヌゲット郜垂の垂民意芋を正確に分析するこずはできないず分かるしかし提案手法である郜垂暪断手法を甚いるこずで単䞀のタヌゲット郜垂における分類粟床ず同皋床かそれ以䞊の粟床でタヌゲット郜垂の垂民意芋を分析できるこずを明らかにしたよっお提案手法を甚いるこずで垂民意芋抜出手法を垂民の抱える意芋が異なる耇数の郜垂に適応可胜であるずいえるたた確信床䞊䜍50\%のデヌタを遞定しお2段階目のファむンチュヌニングを行う手法では各属性のラベル分類に䜿甚するタヌゲット郜垂の぀ぶやきの量をコヌパス党䜓の2,622件から50\%の1,311件ぞず削枛するこずができる\ref{4-2}節より各郜垂のアノテヌションにかかる時間はアノテヌション方針を䞀臎させるための蚓緎が7時間蚓緎終了埌の党おのアノテヌション䜜業が78時間蚈85時間ずなっおいる぀ぶやきの量を50\%に削枛した堎合においおもアノテヌション方針を䞀臎させるための蚓緎の時間は同様に7時間確保する必芁があるが蚓緎終了埌の党おのアノテヌション䜜業の時間は半分の39時間に削枛するこずができるそのため新たなタヌゲット郜垂においお垂民意芋を抜出する際に確信床䞊䜍50\%のデヌタを遞定しお2段階目のファむンチュヌニングを行う手法を甚いるこずでアノテヌションにかかる時間を85時間から46時間たで枛らすこずができるさらに゜ヌス郜垂のアノテヌションを担圓した刀定者が新たにタヌゲット郜垂のアノテヌションを行う堎合に぀いおはアノテヌション方針を䞀臎させるための蚓緎時間も削枛するこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{぀ぶやきの数が十分に埗られない郜垂における提案手法の有効性の怜蚌}\label{5-5}本節では暪浜垂ず札幌垂ず比范しお぀ぶやきの数が十分に埗られない仙台垂を察象ずしお各属性のラベル分類を行う仙台垂の什和4幎12月1日時点の人口は1,099,352人ずなっおおりこれは暪浜垂の同時点の人口の玄29\%札幌垂の同時点の人口の玄56\%ず暪浜垂ず札幌垂ず比范しお少なくなっおいるそのため仙台垂においおは飲食店のテむクアりトサヌビスの぀ぶやきは衚\ref{corpus}の暪浜垂ず札幌垂ず同様に2,622件収集可胜できたものの保育園サヌビスの぀ぶやきは1,076件ず半分以䞋しか収集できなかったそこでこれらの仙台垂の぀ぶやきに察しお新たにアノテヌションを行い仙台垂をタヌゲット郜垂ずしお郜垂を暪断した各属性のラベル分類を行うこずでタヌゲット郜垂においお十分な぀ぶやきが埗られない堎合の提案手法の有効性の怜蚌を行うなお本節の郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓では\ref{5-3}節ず同様に意芋属性の分類にはT5モデルを甚いたマルチタスク孊習手法を䜿甚し぀ぶやきの属性の分類には各属性独立のT5モデルを䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{仙台垂の぀ぶやきに察する各属性のアノテヌション}\label{5-5-1}仙台垂をタヌゲット郜垂ずした実隓を行うため\ref{4-1}節ず同様の方法で新たに仙台垂の぀ぶやきを収集したこれらの仙台垂の぀ぶやきに察する各属性のアノテヌションでははじめに\ref{4-2}節の暪浜垂ず札幌垂のアノテヌションず同様に保育園サヌビス250文ず飲食店のテむクアりトサヌビス250文の蚈500文ずこれらの各文を含む぀ぶやきを察象ずしおアノテヌションを行うなお本アノテヌションは第䞀著者ず\ref{4-2}節のアノテヌション実隓に参加した2名のアノテヌタの蚈3名で行うたた\ref{4-2}節ず同様に1文に耇数の意芋が含たれるず過半数の刀定者が刀断した堎合に぀いおは耇数の意芋が珟れない意芋ナニットずなるたで分割を行った保育園サヌビス250文ず飲食店のテむクアりトサヌビス250文の蚈500文ずこれらの各文を含む぀ぶやきに察するアノテヌションに぀いおFleissの$\kappa$係数\cite{fleiss}を甚いた各属性の刀定者間䞀臎床は党おの属性においお0.6(SubstantialAgreement\cite{landis1977})以䞊ずなった぀たり仙台垂においおも刀定者によっお属性のラベル刀定に倧きな差異は生たれないこずが瀺されたため残りの぀ぶやき文に察するアノテヌションは第䞀著者が行った最終的に埗られた仙台垂のアノテヌション枈みのデヌタは保育園サヌビスが1,076件の぀ぶやきず2,994件の意芋ナニットテむクアりトサヌビスが2,622件の぀ぶやきず8,114件の意芋ナニットずなった本節ではこれらの仙台垂のデヌタをタヌゲット郜垂のデヌタずしお各属性のラベル分類実隓を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[b]\input{12table12.tex}%\caption{仙台垂の25\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{意芋属性}のラベル分類粟床F倀}\label{25_unit_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{郜垂を暪断した仙台垂の各属性のラベル分類の実隓結果}\label{5-5-2}仙台垂をタヌゲット郜垂ずした郜垂を暪断した意芋属性のラベル分類粟床を衚\ref{25_unit_sendai}衚\ref{50_unit_sendai}に瀺す\begin{itemize}\item衚\ref{25_unit_sendai}より仙台垂の25\%のデヌタを甚いお郜垂を暪断しお意芋属性の分類を行う堎合暪浜垂札幌垂のどちらの郜垂を゜ヌス郜垂ずした堎合も党属性においお1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が最高粟床ずなっおいる\item衚\ref{50_unit_sendai}より仙台垂の50\%のデヌタを甚いる堎合は札幌垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園サヌビスのコミュニケヌション意芋タむプを陀いお党おの属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定する手法が最高粟床ずなっおいるたた衚\ref{25_unit_sendai}の仙台垂の25\%のデヌタを甚いる堎合ず比范しお札幌垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園サヌビスのコミュニケヌション意芋タむプを陀いた党属性で50\%のデヌタを甚いる手法が高粟床ずなっおいるこのこずから札幌垂を゜ヌス郜垂ずしおコミュニケヌション意芋タむプの掚定を行う堎合確信床が䞊䜍25\%のデヌタを甚いるだけで十分であるものの倚くの属性においおは50\%のデヌタを甚いる手法が有効であるず分かる\end{itemize}以䞊の実隓結果より意芋属性のラベル分類では゜ヌス郜垂ず比范しおタヌゲット郜垂のデヌタが十分に埗られない堎合においおも゜ヌス郜垂のデヌタを甚いお1段階目のファむンチュヌニングを行ったモデルによる予枬の確信床が䞊䜍のタヌゲット郜垂のデヌタを甚いお2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が有効であるず分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[t]\input{12table13.tex}%\caption{仙台垂の50\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{意芋属性}のラベル分類粟床F倀}\label{50_unit_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[t]\input{12table14.tex}%\caption{仙台垂の25\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{぀ぶやきの属性}のラベル分類粟床F倀}\label{25_tweet_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{郜垂を暪断した぀ぶやきの属性のラベル分類粟床}仙台垂をタヌゲット郜垂ずした郜垂を暪断した぀ぶやきの属性のラベル分類粟床を衚\ref{25_tweet_sendai}衚\ref{50_tweet_sendai}に瀺す\begin{itemize}\item衚\ref{25_tweet_sendai}より仙台垂の25\%のデヌタを甚いお郜垂を暪断しお぀ぶやきの属性の分類を行う堎合札幌垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園サヌビスの投皿䞻の立堎を陀いた党属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が最高粟床ずなっおいる札幌垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園サヌビスの投皿䞻の立堎においおもランダムに25\%のデヌタを遞択する手法ず比范しお粟床差は0.009ず䜎く確信床䞊䜍のデヌタを遞定する手法が有効であるず分かる\item衚\ref{50_tweet_sendai}より仙台垂の50\%のデヌタを甚いる堎合は党18属性䞭15属性で1段階目にファむンチュヌニングしたモデルによる予枬の確信床が高いタヌゲット郜垂のデヌタを遞定し2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が最高粟床ずなっおいるたた\ref{5-3-2}節の暪浜垂ず札幌垂における実隓結果ず同様に衚\ref{25_tweet_sendai}の䞊䜍25\%のデヌタを甚いる手法ず衚\ref{50_tweet_sendai}の䞊䜍50\%のデヌタを甚いる手法の粟床差が意芋属性ず比范しお小さくなっおおり衚\ref{50_tweet_sendai}より䞊䜍25\%ず䞋䜍25\%のデヌタを合わせた手法が3぀の属性で最高粟床ずなっおいるこのこずから゜ヌス郜垂ず比范しお぀ぶやきの数が十分に埗られない仙台垂をタヌゲット郜垂ずした堎合においおも぀ぶやきの属性では確信床䞊䜍25\%のデヌタにモデルの孊習に有効なデヌタが倚く含たれおいるず考えられる\end{itemize}以䞊の぀ぶやきの属性の分類実隓の結果より゜ヌス郜垂ず比范しおタヌゲット郜垂のデヌタが十分に埗られない堎合においおも意芋属性ず同様に゜ヌス郜垂のデヌタを甚いお1段階目のファむンチュヌニングを行ったモデルによる予枬の確信床が䞊䜍のタヌゲット郜垂のデヌタを甚いお2段階目のファむンチュヌニングを行う手法が有効であるず分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[t]\input{12table15.tex}%\caption{仙台垂の50\%のデヌタを甚いた郜垂を暪断した\underline{぀ぶやきの属性}のラベル分類粟床F倀}\label{50_tweet_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法の有効性の怜蚌}\label{5-5-3}本節では郜垂を暪断した仙台垂の各属性の分類粟床ず郜垂を暪断せずに仙台垂単䞀のデヌタを甚いお分類を行った際の各属性の分類粟床゜ヌス郜垂である暪浜垂ず札幌垂のみのデヌタを甚いお蚓緎した際の仙台垂の各属性の分類粟床を比范する郜垂を暪断した意芋属性の分類では\ref{5-5-2}節の結果を螏たえ\ref{5-4}節ず同様にタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを甚いおT5によるマルチタスク孊習を行った際の粟床を郜垂暪断の粟床ずする぀ぶやきの属性に぀いおも\ref{5-5-2}節の結果を螏たえ\ref{5-4}節ず同様にタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを甚いおT5による各属性独立の孊習を行った際の粟床を郜垂暪断の粟床ずする単䞀郜垂における分類゜ヌス郜垂のみで蚓緎した際の分類では\ref{5-4}節ず同様に意芋属性に぀いおは各属性をT5によるマルチタスク孊習で分類した際の粟床を算出し぀ぶやきの属性に぀いおは各属性独立のT5モデルによっお分類した粟床を算出する実隓結果を衚\ref{one_city_unit_sendai}衚\ref{one_city_tweet_sendai}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table16\begin{table}[b]\input{12table16.tex}%\caption{仙台垂の\underline{意芋属性}の郜垂を暪断した分類粟床ず単䞀郜垂における分類粟床の比范F倀}\label{one_city_unit_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table17\begin{table}[t]\input{12table17.tex}%\caption{仙台垂の\underline{぀ぶやきの属性}の郜垂を暪断した分類粟床ず単䞀郜垂における分類粟床の比范F倀}\label{one_city_tweet_sendai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item衚\ref{one_city_unit_sendai}より仙台垂の意芋属性の分類では暪浜垂ず札幌垂の䞡郜垂においお飲食店のテむクアりトサヌビスのアプレむザル意芋タむプを陀く党おの属性で提案手法である郜垂を暪断した分類手法が最も高い粟床ずなっおいる仙台垂の飲食店のテむクアりトサヌビスでは暪浜垂ず札幌垂ず同様に2,622件の぀ぶやきを甚いお分類を行っおいるそのため\ref{5-4}節の暪浜垂ず札幌垂の぀ぶやきを甚いた郜垂を暪断した意芋属性の分類実隓における衚\ref{one_city_unit}の結果ず同様にアプレむザル意芋タむプ以倖の属性では提案手法が最も有効ずなっおいる䞀方で保育園サヌビスでは\ref{5-4}節における衚\ref{one_city_unit}の単䞀郜垂での分類が有効であるずいう結果ずは異なり郜垂を暪断した分類手法が党属性で最も高粟床であり゜ヌス郜垂の぀ぶやきずタヌゲット郜垂の䞀郚の぀ぶやきを甚いた2段階のファむンチュヌニング手法が有効であるず分かる保育園サヌビスでは゜ヌス郜垂である暪浜垂ず札幌垂ず比范しお十分な぀ぶやきの量が埗られず゜ヌス郜垂の半数以䞋のデヌタを甚いおモデルの蚓緎を行っおいるこのようにタヌゲット郜垂の぀ぶやきが十分に埗られない堎合においおは゜ヌス郜垂ずタヌゲット郜垂の双方においお぀ぶやきの量が十分に埗られおいる衚\ref{one_city_unit}の堎合ず比范しお゜ヌス郜垂の぀ぶやきを甚いた1段階目のファむンチュヌニングがより有効であり少ないタヌゲット郜垂のデヌタのみを甚いお単䞀郜垂で分類を行う手法よりも高い粟床が実珟可胜であるず分かる぀たり新たなタヌゲット郜垂においお垂民意芋抜出を行う際にタヌゲット郜垂の぀ぶやきが十分に埗られない堎合においおは既存の゜ヌス郜垂のデヌタを掻甚し提案手法である2段階のファむンチュヌニング手法を適甚するこずで高粟床な意芋属性の分類ができるず分かる\item衚\ref{one_city_tweet_sendai}より仙台垂の぀ぶやきの属性の分類では党18属性䞭14属性で提案手法である郜垂を暪断した分類手法が最も高い粟床ずなっおいるこのこずから\ref{5-4}節の暪浜垂ず札幌垂の぀ぶやきを甚いた郜垂を暪断した぀ぶやきの属性の分類実隓における衚\ref{one_city_tweet}の結果ず同様に仙台垂においおも぀ぶやきの属性の分類には郜垂を暪断した分類手法が有効であるず分かるしかし\ref{5-4}節の衚\ref{one_city_tweet}ずは異なり保育園サヌビスでは3぀の属性で゜ヌス郜垂のみで蚓緎を行う手法が最高粟床ずなっおいる提案手法である郜垂を暪断した分類手法ず゜ヌス郜垂のみで蚓緎した手法の粟床差が最も倧きい属性は暪浜垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の定員ずの関連性ずなっおおりその他の属性では粟床差は0.01以䞋ず小さい衚\ref{distribution}より暪浜垂の保育園サヌビスにおける定員ずの関連性属性の「関連する」ラベルの割合は9.7\%であり札幌垂の5.7\%ず比范しお倚くの垂民が保育園の定員に぀いおの意芋を぀ぶやきずしお投皿しおいるず分かるたた仙台垂における定員ずの関連性属性の「関連する」ラベルの割合は3.3\%ずなっおいた暪浜垂においおは埅機児童問題が党囜の郜垂の䞭でも極めお顕著でありこのように他郜垂ず比范しお倚くの垂民が保育園の定員に関する぀ぶやきを投皿しおいるこずが暪浜垂を゜ヌス郜垂ずした堎合に゜ヌス郜垂のみで蚓緎する手法が高粟床ずなる結果の原因であるず考えるしかし暪浜垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園の定員においおも粟床差は0.012ず倧きな差が無くその他の倚くの属性においおは郜垂を暪断した手法が高い粟床ずなっおいるこずから仙台垂をタヌゲット郜垂ずした際の぀ぶやきの属性においおも郜垂を暪断した手法が有効であるず分かる\end{itemize}以䞊の実隓結果より゜ヌス郜垂ず比范しお぀ぶやきが十分に埗られない郜垂をタヌゲット郜垂ずした堎合においおも提案手法である郜垂を暪断した各属性の分類手法が有効であるず分かった特に意芋属性の分類においおはタヌゲット郜垂の぀ぶやきが十分に埗られる堎合ず比范しおタヌゲット郜垂単䞀で分類を行う手法に察しお郜垂を暪断した手法がより有効であるこずを実隓から明らかにしたたた暪浜垂を゜ヌス郜垂ずした堎合の保育園サヌビスにおける定員ずの関連性属性のように地域によっお話題が盛んなごく䞀郚の属性では゜ヌス郜垂のみで蚓緎した手法がわずかに有効であるもののその他の倧郚分の属性においおは提案手法である郜垂を暪断した各属性の分類手法が゜ヌス郜垂に関わらず有効であるず分かった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案手法により抜出した垂民意芋の郜垂別比范分析} \label{6}本節では\ref{3}節の提案手法を甚いお実際に郜垂を暪断した垂民意芋抜出を行い暪浜垂民ず札幌垂民の垂民意芋を比范しお分析する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{垂民意芋の分析方法}\label{6-1}はじめに\ref{6-2}節においおテストデヌタの拡匵を行うこれによっおコヌパスに含たれる぀ぶやきのみではなく未知の぀ぶやきも察象ずした垂民意芋の分析を行う\ref{6-3}節では\ref{6-2}節で䜜成したテストデヌタに察しお郜垂を暪断しお各属性の予枬を行う続いおモデルの予枬結果をもずに垂民意芋の出珟頻床の時系列順の10日間ごずの掚移を分析する時系列順の分析に甚いる぀ぶやきは保育園サヌビスでは䌑園・登園自粛に関連するずモデルが予枬した぀ぶやきテむクアりトサヌビスでは党぀ぶやきずする最埌に時系列に加えお各属性の条件を指定するこずで垂民意芋を自動抜出する郜垂を暪断した各属性の分類モデルに぀いおは\ref{5-3}節の結果を螏たえお意芋属性の分類にはタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを掻甚したマルチタスク孊習モデルを䜿甚し぀ぶやきの属性の分類にはタヌゲット郜垂の確信床䞊䜍50\%のデヌタを掻甚した各属性独立の分類モデルを䜿甚する\ref{6-4}節では郜垂を暪断した垂民意芋抜出結果の考察を行うはじめに\ref{6-4-1}節においお提案手法を利甚したタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋の抜出の可胜性に぀いお怜蚌を行う郜垂で暮らす垂民の抱える意芋がその郜垂に特有の意芋であるかを分析するには他の郜垂の垂民意芋ずの比范が重芁ずなる\ref{5-4}節の衚\ref{one_city_unit}衚\ref{one_city_tweet}より゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる各属性のラベル分類粟床ず比范しお郜垂を暪断した各属性のラベル分類粟床は向䞊しおいるタヌゲット郜垂のデヌタを䞀郚甚いるこずではじめお予枬が可胜になる垂民意芋は゜ヌス郜垂の蚓緎デヌタ内には存圚しないもののタヌゲット郜垂においおは蚓緎デヌタが存圚する意芋぀たりタヌゲット郜垂に特有の意芋ず考えるこずができる本節では郜垂を暪断したモデルず゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果が異なる垂民意芋を抜出しタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋の傟向ず事䟋を明らかにするなお\ref{5-4}節で瀺したようにテむクアりトサヌビスでは店名等の地域差は存圚するものの意芋衚珟に倧きな差は珟れにくい䞀方で保育園サヌビスに関する垂民意芋では行政の政策による圱響が倧きく郜垂によっお意芋に差が珟れやすいそのため本節では保育園サヌビスを䟋にタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋に぀いお考察する最埌に\ref{6-4-2}節では提案手法を甚いお郜垂を暪断しお抜出した垂民意芋のうち指定した属性ラベルに察しおふさわしくない垂民意芋を瀺し原因に぀いおの考察を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{テストデヌタの拡匵}\label{6-2}\ref{4}節で䜜成した垂民意芋分析甚コヌパスに含たれる぀ぶやきに加えお2020幎1月1日から2020幎7月11日たでの぀ぶやきを\ref{4}節ず同様の方法で収集するこずで実隓に甚いるテストデヌタの拡匵を行った1月1日から7月11日たでの党おの぀ぶやき数は暪浜垂の保育園サヌビスで9,535件テむクアりトサヌビスで21,014件札幌垂の保育園サヌビスで4,623件テむクアりトサヌビスで14,980件であった\ref{4}節で䜜成した垂民意芋分析コヌパスはアノテヌタの就業可胜時間数に合わせお䞡サヌビスずも2,622件の぀ぶやきを党䜓からランダムに抜出したそこで远加のテストデヌタずしお\ref{4}節の぀ぶやきず重耇しないように暪浜垂の保育園サヌビスで6,913件の぀ぶやきテむクアりトサヌビスで18,392件の぀ぶやきを抜出し札幌垂の保育園サヌビスで2,001件の぀ぶやきテむクアりトサヌビスで12,358件の぀ぶやきを抜出した新たに収集した぀ぶやきから埗られた文数は暪浜垂の保育園サヌビスで22,256文テむクアりトサヌビスで54,772文であり札幌垂の保育園サヌビスで5,986文テむクアりトサヌビスで36,145文であったさらに\ref{5-3}節の郜垂を暪断した各属性の分類実隓における5分割亀差怜蚌のテストデヌタに぀いおも匕き続きテストデヌタずしお䜿甚するこれらの拡匵埌のデヌタのデヌタ数を衚\ref{test_data}に瀺す垂民意芋分析コヌパス内のテストデヌタず衚\ref{test_data}のうちの新たに収集したデヌタを合わせたデヌタを党おのテストデヌタずしこれらのテストデヌタに察しお郜垂を暪断した各属性のラベル分類モデルによる予枬を属性のラベルずしお付䞎するこずで垂民意芋の分析を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table18\begin{table}[t]\input{12table18.tex}%\caption{耇数郜垂を察象ずした垂民意芋分析コヌパスの拡匵デヌタのデヌタ数}\label{test_data}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{分析結果}\label{6-3}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{保育園サヌビス}保育園サヌビスにおいお郜垂を暪断した分類モデルによっお䌑園・登園自粛に関連するず掚定された垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移を図\ref{yokohama_jisyuku}図\ref{sapporo_jisyuku}に瀺す図\ref{yokohama_jisyuku}より暪浜垂の䌑園・登園自粛に関する垂民意芋は3぀の期間で急増しおいるこずが分かるこれらの期間は(1)暪浜垂が小䞭孊校の䌑校を発衚した2月䞋旬(2)暪浜垂が保育園の運営を継続する方針を発衚した4月䞊旬(3)暪浜垂が緊急事態宣蚀解陀埌の保育所等の利甚に関する方針を発衚した5月䞋旬ずなっおおり郜垂を暪断しお抜出した垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移が行政の政策ず密接に関係しおいるこずが分かるそこで垂民意芋数が最倧ずなっおいる(2)の暪浜垂が保育園の運営を継続する方針を発衚した4月䞊旬の時期においお地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ自発的感情の衚明ずいう条件を満たす぀ぶやきのみを自動抜出した抜出された垂民意芋の䟋は以䞋の通りである\footnote{本皿に蚘茉しおいる党おの぀ぶやきは衚珟を䞀郚改倉しおいる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f3.pdf}\end{center}\caption{保育園サヌビスの䌑園・登園自粛に関する暪浜垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移}\label{yokohama_jisyuku}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f4.pdf}\end{center}\caption{保育園サヌビスの䌑園・登園自粛に関する札幌垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移}\label{sapporo_jisyuku}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\itemいっそのこず䌑園にしおほしい。でも暪浜垂は原則開園っお。。。\\保育士の皆さんもほんず蟛いだろうに。\item超個人的な望みを蚀わせおもらうず、いっそ保育園を䌑園にしおくれたら私も仕事を䌑めるんですがね 劊婊なのに郜内たで電車通勀\end{itemize}このように条件を指定しお4月䞊旬の垂民意芋を自動抜出するこずで暪浜垂で暮らす小さい子を持぀芪はコロナ犍で保育園に子䟛を通わせるこずに察しおどのような感情を抱いおいるのかずいう意芋のみを抜出するこずができる実際に抜出された垂民意芋を確認するず子育お䞭の暪浜垂民はこの時期に保育園を開園させるずいう暪浜垂の政策に察しお反察であり䞍満の感情を抱いおいるこずが分かるこのような意芋は暪浜垂で暮らす垂民特有の意芋ずなっおおり暪浜垂が政策を改善するために有甚な意芋ずなる本研究の郜垂を暪断した垂民意芋抜出ではタヌゲット郜垂である暪浜垂の教垫デヌタ䜜成コストを半枛させた䞊でも䞊蚘のような垂民意芋を自動抜出するこずができるず分かる図\ref{sapporo_jisyuku}より札幌垂の䌑園・登園自粛に関する垂民意芋は2぀のタむミングで増加しおいるこずが分かるこれらの時期は(1)札幌垂がはじめおコロナ犍における「家庭保育等の協力のお願い」を発衚した2月䞋旬(2)北海道・札幌垂緊急共同宣蚀の発什埌に札幌垂が重ねお「家庭保育等の協力のお願い」を発衚した4月䞭旬ずなっおおり札幌垂においおも暪浜垂ず同様に郜垂を暪断しお抜出した垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移が行政の政策ず深く関係しおいるこずが分かるたた郜垂によっお行政の政策は異なるため垂民意芋の出珟頻床の掚移は郜垂によっお異なるが本研究の郜垂を暪断した垂民意芋抜出を甚いるず図\ref{yokohama_jisyuku}ず図\ref{sapporo_jisyuku}のような郜垂間の垂民意芋の出珟頻床の差を捉えるこずができるず分かるたた図\ref{sapporo_jisyuku}より札幌垂の垂民意芋は暪浜垂の垂民意芋ず異なり事物・事象を察象ずした評䟡が高い割合を占めるこずが分かるそこで(2)の北海道・札幌垂緊急共同宣蚀の発什埌に札幌垂が重ねお「家庭保育等の協力のお願い」を発衚した4月䞭旬の時期においお地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ事物・事象を察象ずした評䟡ずいう条件を満たす぀ぶやきのみを自動抜出した抜出された垂民意芋の䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\item絶察に必芁な人は別だけど、やはり保育園は䌑園ずか自粛にはならないのか。色々あるけど、先生も芪もどっちも粟神的に限界な気がする。。。\#䌑園\#札幌\#北海道\itemやはり恐れおたこずが起こっおきた。友人の医療関係者の子䟛の保育園が預けるのを断っおきたらしい。旊那が各々の事情でいないず母芪は働けなくなるよね。本人たちは濃厚接觊者ではないのに、珟実で差別が起きおきおる。\#札幌垂\#保育園\#登園拒吊\end{itemize}暪浜垂での垂民意芋抜出ず異なり札幌垂では事物・事象を察象ずした評䟡ずいう条件で垂民意芋を抜出しおいるこれによっおコロナ犍においお保育園が䌑園にならないずいう珟状に察する混乱を衚す意芋や保育園で起こっおしたった差別ずいった特定の事象に察する意芋を抜出できるこのような぀ぶやきからは垂民が具䜓的にどのような事象を察象ずしお意芋を述べおいるか぀たり䜕に困っおいるかが分かるため政策の改善策の提案に繋げるこずができるたた「\#札幌」「\#札幌垂」ずいう衚珟からも分かるように䞊蚘の぀ぶやきは札幌垂で暮らす垂民特有の意芋ずなっおいる札幌垂においおも郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法を甚いるこずで教垫デヌタ䜜成コストを半枛させた䞊でこれらの垂民意芋が抜出可胜ずなっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f5.pdf}\end{center}\caption{テむクアりトサヌビスの暪浜垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移}\label{yokohama_takeout}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia12f6.pdf}\end{center}\caption{テむクアりトサヌビスの札幌垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移}\label{sapporo_takeout}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{飲食店のテむクアりトサヌビス}テむクアりトサヌビスにおいお郜垂を暪断した分類モデルによっお掚定された垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移を図\ref{yokohama_takeout}図\ref{sapporo_takeout}に瀺す図\ref{yokohama_takeout}より暪浜垂のテむクアりトサヌビスに関する垂民意芋は4月の䞊旬1日10日の期間に急激に増加し始めおいるこずが分かるこの時期は神奈川県を察象ずした第1回緊急事態宣蚀が発什された4月7日を含む時期であり緊急事態宣蚀によっお倚くの飲食店がテむクアりトサヌビスを開始した時期ずなっおいるたた垂民意芋の数は緊急事態宣蚀䞭の4月䞋旬に最倧ずなっおおり緊急事態宣蚀が解陀された5月25日を過ぎるず急激に枛少しおいるさらにテむクアりトサヌビスに関する垂民意芋は商品に関する評䟡を含む事物・事象を察象ずした評䟡が最も倚くなっおいるそこで暪浜垂で垂民意芋の数が最倧ずなっおいる4月䞋旬の぀ぶやきから地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎飲食店を利甚した人商品の評䟡ずの関連性関連する極性肯定アプレむザル意芋タむプ事物・事象を察象ずした評䟡ずいう条件を満たす぀ぶやきのみを自動抜出した抜出された垂民意芋の䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\item\#六角橋商店街の\#逃子Mで2皮類の逃子をテむクアりト。きのこ逃子はずろずろで噛むず濃厚な具が流れおくる。䜕個でも食べたい。テキサス逃子はカレヌ味の逡にコヌンずチヌズブレンド。タレは䞍芁で䜕個でも食べたい。\#暪浜飯\item地球の䞭華そばさんの3回目のテむクアりトで超玔氎採麺倩囜屋のリスペクト麺を賌入。スヌプず麺を味わうために、ネギだけを乗せたした。スヌプが旚すぎで、麺も奜き最近の家での楜しみになっおいたした。たた買いたす\#地球の䞭華そば\#テむクアりト\end{itemize}䞊蚘の条件を指定するこずで暪浜垂に暮らす垂民が利甚したテむクアりトサヌビスに関する぀ぶやきのうち良い評䟡を述べおいる぀ぶやきのみを自動抜出するこずができるこのような意芋は暪浜垂で暮らす垂民や暪浜垂を蚪れた芳光客がテむクアりトサヌビスを実斜しおいる店舗を探すのに%非垞に有甚な意芋ずなっおいるたた䞊蚘の぀ぶやきに含たれる「逃子M」「地球の䞭華そば」は暪浜垂にのみ存圚する飲食店である札幌垂の぀ぶやきず比范的少量の暪浜垂の぀ぶやきを甚いお2段階のファむンチュヌニングを行い郜垂を暪断した垂民意芋抜出を行った結果このように暪浜垂ならではのテむクアりトサヌビスに関する垂民意芋が抜出可胜ずなっおいる図\ref{sapporo_takeout}より札幌垂のテむクアりトサヌビスに関する垂民意芋は4月の䞭旬11日20日の期間に急激に増加しおいるこずが分かるこの時期は第1回緊急事態宣蚀の察象範囲が拡倧し北海道が緊急事態宣蚀の察象ずなった4月16日を含む時期である぀たり札幌垂においおも倚くの飲食店がテむクアりトサヌビスを開始した時期ずなっおいる図\ref{yokohama_takeout}図\ref{sapporo_takeout}の暪浜垂ず札幌垂の垂民意芋の出珟頻床から分かるように本研究の郜垂を暪断した垂民意芋抜出では数日単䜍の现かい垂民意芋の出珟頻床の差たで捉えるこずができるず分かるたた札幌垂においおもテむクアりトサヌビスに関する垂民意芋は商品に関する評䟡を含む事物・事象を察象ずした評䟡が最も倚くなっおおり札幌垂の緊急事態宣蚀が解陀された5月25日を過ぎるず垂民意芋の数は枛少しおいるそこで札幌垂においお垂民意芋の数が最倧ずなっおいる5月䞊旬の぀ぶやきから暪浜垂ず同様に地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎飲食店を利甚した人商品の評䟡ずの関連性関連する極性肯定アプレむザル意芋タむプ事物・事象を察象ずした評䟡ずいう条件を満たす぀ぶやきのみを自動抜出した抜出された垂民意芋の䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemひろちゃんのザンギは、塩ザンギが超りマいお匁圓屋さん。我が家で定番のテむクアりトです札幌にはいく぀が店舗があっお、事前に電話するず揚げたおが買えたすよヌ\#札幌テむクアりト\#StayHome\item昚日ず同じく、スヌプカレヌ34でテむクアりトしたハンバヌグカレヌを食べたした。やっぱ34のハンバヌグはビヌフ100\%で矎味しい\#スヌプカレヌ\#札幌カレヌ郚\#スヌプカレヌ34\end{itemize}1぀目の぀ぶやきは「札幌にはいく぀か店舗があっお」ずいう衚珟から札幌垂ならではの店舗情報であるず分かるたた「スヌプカレヌ34」は札幌垂にのみ存圚する飲食店ずなっおおり札幌垂に特有の垂民意芋が抜出できおいるこずが分かるさらに「ザンギ」ず「スヌプカレヌ」は札幌垂の名産グルメずなっおいるこずからも郜垂を暪断した垂民意芋抜出によっお札幌垂特有の垂民意芋が抜出できおいるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{考察}\label{6-4}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{タヌゲット郜垂に特有の垂民意芋の抜出}\label{6-4-1}本節では郜垂を暪断したモデルず゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果が異なる垂民意芋を抜出するこずでタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋を明らかにする暪浜垂の保育園サヌビスにおいお\ref{6-3}節の暪浜垂における保育園サヌビスにおける垂民意芋抜出ず同様に『地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ自発的感情の衚明』ずいうラベルの条件を指定し郜垂を暪断したモデルず゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果が異なる぀ぶやきの䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemハァ、6月終わりたで登園自粛の芁請ずは...うちの家のコロナ䞍況やば過ぎる。5月の旊那の絊料芋たけど、アヌ無理。さすがに少し仕事はじめたいのに...保育園がやっおなかったらどうしようもない。\item宣蚀は解陀されたにも関わらず、暪浜垂の保育園は6月30日たで自粛っおみんな終わるでしょ。みんなに戊力倖通知が来るよ。\end{itemize}これらの垂民意芋が抜出されたのは5月䞋旬の時期ずなっおいた5月の䞋旬ずは暪浜垂が緊急事態宣蚀解陀埌の保育所等の利甚に関する方針を発衚した時期ずなっおいる発衚された方針では暪浜垂においおは緊急事態宣蚀が解陀された埌も原則ずしお保育園の登園自粛を芁請するずされおいたしかし抜出された぀ぶやきを確認するず垂民は保育園に子䟛を預けられないこずによっお経枈的な状況や職堎での自身の状況に䞍安を感じおいるず分かる第1回緊急事態宣蚀は暪浜垂ず札幌垂に共通で5月䞋旬に解陀されたしかし図\ref{yokohama_jisyuku}図\ref{sapporo_jisyuku}より5月䞋旬の垂民意芋を確認するず暪浜垂民は倚くの感情を述べおいるのに察しお札幌垂民の感情の意芋数はこの時期に増えおはいない぀たりこの時期に抜出された䞍安や䞍満は暪浜垂民に特有の意芋であるず分かる゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果ず郜垂を暪断したモデルによる予枬結果が異なる垂民意芋を抜出するこずで䞊蚘の䟋のようなタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋のみをたずめお抜出するこずができる次に札幌垂においお\ref{6-3}節ず同様に『地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ事物・事象を察象ずした評䟡』ずいうラベルの条件を指定し郜垂を暪断したモデルず゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果が異なる぀ぶやきの䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\item保育園から家庭保育のお願いずか登園自粛っお通知がきおも、掟遣䌚瀟は「䌑園じゃない限り絊料は出たせん、特別䌑暇も䜿えないので有絊を䜿っお」。保育園にあずけお仕事するしかないよね(・ω・)\#掟遣\item保育園が䌑園になるず特別䌑暇ではなく有絊䌑暇を䜿わなきゃいけないのはくそだず思うが、そもそも有絊なんおなくお客先に出向するフリヌランスの自分は収入に盎接来たす。\end{itemize}これらの垂民意芋が抜出された時期は2月の䞋旬ずなっおいた図\ref{yokohama_jisyuku}図\ref{sapporo_jisyuku}より札幌垂では2月の䞋旬の段階でコロナ犍における家庭保育に関する方針が発衚されおいるのに察し暪浜垂では2月の䞋旬には小䞭孊校の䌑校のみしか発衚されおいないそのため札幌垂においおは2月䞋旬における保育園の䌑園・登園自粛に関する垂民意芋の割合が暪浜垂ず比范しお高くなっおいる抜出されたタヌゲット郜垂に特有の垂民意芋を確認するず札幌垂民は有絊䌑暇に察しお関心を持っおいるこずが分かる2月の䞋旬は幎床末の時期ずなっおいるため人によっおは有絊䌑暇の残り日数が少なくなっおおりその圱響で保育園の登園の自粛が困難になっおいるず考えられるこのような意芋は2月の䞋旬の段階ではただ小䞭孊校の䌑校しか発衚しおいなかった暪浜垂に察しお2月の䞋旬の段階で既に家庭保育のお願いを発衚しおいた札幌垂に特有の垂民意芋ずなっおいるこのように札幌垂においおも郜垂を暪断したモデルず゜ヌス郜垂のみで蚓緎したモデルによる予枬結果が異なる垂民意芋を抜出するこずでタヌゲット郜垂の垂民特有の意芋を含む぀ぶやきを確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{゚ラヌ分析}\label{6-4-2}本節では郜垂を暪断した垂民意芋抜出における゚ラヌ分析を行う\ref{6-3}節で瀺したように提案手法を甚いお未知の倧量の぀ぶやきから指定した属性ラベルの条件を党お満たす぀ぶやきのみを自動抜出するこずで行政の政策の改善に有甚な垂民意芋や接客業における高評䟡のレビュヌ情報等を明らかにするこずができる䞀方で自動抜出された垂民意芋の䞭には指定した条件に察しおふさわしくない意芋が䞀郚存圚する本節ではこのような䞍適切な垂民意芋の䟋を瀺し䞍適切な垂民意芋が抜出された原因を考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{保育園サヌビス}\ref{6-3}節の暪浜垂における保育園サヌビスにおける垂民意芋抜出ず同様に4月䞊旬の時期における『地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ自発的感情の衚明』ずいう条件を満たす぀ぶやきを抜出した際の䞍適切な垂民意芋の䟋は以䞋の通りである\begin{itemize}\item小孊校も䌑校、保育園は䌑たせおるのに、芪が出瀟っお1番のリスクでしかない。\item奥さんも圚宅で子䟛の保育園䌑たせたら、圓たり前に「ねえ遊がうヌ」ず蚀われる。亀互に盞手をしないずだめで仕事にならない\end{itemize}これらの意芋は「リスクでしかない」ずいう衚珟や「仕事にならない」ずいう衚珟から垂民が明確に珟圚困っおいる事象に察する評䟡を述べおいるためアプレむザル意芋タむプ属性は事物・事象を察象ずした評䟡が適切なラベルず考える図\ref{yokohama_jisyuku}図\ref{sapporo_jisyuku}より暪浜垂では自発的感情の衚明のラベルの割合が倚いのに察し札幌垂では事物・事象を察象ずした評䟡のラベルの割合が倚くなっおおり䞡郜垂の垂民意芋の傟向に差が珟れおいるそのため郜垂を暪断した垂民意芋抜出をする際にモデルがこれらの属性ラベルを適切に分類できなかったこずが䞊蚘のような䞍適切な垂民意芋が䞀郚抜出された原因であるず考える札幌垂においおも\ref{6-3}節ず同様に4月䞭旬の時期における『地域䟝存性䟝存サヌビスずの適合性適合投皿䞻の立堎小さい子を持぀芪䌑園・登園自粛ずの関連性関連するアプレむザル意芋タむプ事物・事象を察象ずした評䟡』ずいう条件で垂民意芋を抜出したずころ「䌑校かヌ。。。そうしたら、りチの保育園もたた来月たで䌑園無理。。。私を働かせお。」ずいった垂民意芋が抜出されたこの意芋は「無理。。。私を働かせお。」ずいう衚珟から分かるように垂民の抱える䞍安や䞍満の感情衚明が適切であるず考える぀たり自発的感情の衚明の意芋を抜出しようずし事物・事象を察象ずした評䟡が䞀郚抜出されおしたった暪浜垂ずは逆の結果ずなっおいるこのこずからも゜ヌス郜垂ずタヌゲット郜垂においお属性ラベルの割合が倧きく異なるこずで䞀郚䞍適切な垂民意芋が抜出されおしたったこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\noindent\textbf{飲食店のテむクアりトサヌビス}衚\ref{one_city_unit}衚\ref{one_city_tweet}より飲食店のテむクアりトサヌビスにおいおは郜垂を暪断した各属性のラベル分類の粟床は高く郜垂を暪断した䞊でも垂民意芋抜出が行いやすいこずが分かるそのため抜出された垂民意芋を確認しおも䞍適切な垂民意芋の䟋は極めお少なかったわずかに抜出された䞍適切な䟋ずしお「うたいもん○○」ずいった店名のテむクアりト商品に関する぀ぶやきが「事物・事象を察象ずした評䟡」ずしお抜出されおいる䟋が存圚した「うたい」ずいう衚珟は肯定的な商品の評䟡を行っおいる倚くの぀ぶやきに芋られる衚珟であるが「うたいもん」ずいう甚いられ方をしおいる堎合は飲食店の店名の䞀郚を衚すこずが倚いなおこの䞍適切な䟋は札幌垂民の぀ぶやきからの意芋抜出結果に芋られた䟋でありさらに札幌垂民の぀ぶやきのうち\ref{6-2}節の拡匵したテストデヌタ内に含たれおいたたたラベル分類モデルの蚓緎デヌタずなる垂民意芋分析コヌパスに含たれる暪浜垂民ず札幌垂民の぀ぶやきには「うたいもん」を含む店名に関する぀ぶやきは存圚しなかったため札幌垂民の䞀郚の぀ぶやきにのみ珟れる衚珟であるず分かるそのため郜垂を暪断したラベル分類モデルが「うたいもん」ずいう衚珟を店名の䞀郚であるず刀断するこずができず䞍適切な垂民意芋抜出の原因ずなったず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} \label{7}本研究では著者らの先行研究で提案した特定の郜垂における垂民意芋抜出のためのフレヌムワヌクを拡匵し郜垂を暪断した垂民意芋抜出手法を提案した手法の有効性の怜蚌を行うため先行研究における暪浜垂民の぀ぶやきに加えお新たに札幌垂民の぀ぶやきを察象に人手でアノテヌションをするこずで耇数の郜垂の垂民の぀ぶやきからなる垂民意芋分析コヌパスを䜜成した実隓でははじめに単䞀郜垂における各属性のラベル分類実隓を行い著者らの先行研究で甚いたBERTモデルに察するT5モデルの有効性を確認したT5モデルを利甚した郜垂を暪断した各属性のラベル分類実隓では゜ヌス郜垂の぀ぶやきず䞀郚のタヌゲット郜垂のデヌタを甚いお各属性の分類モデルを2段階でファむンチュヌニングする手法の有効性を怜蚌したたたこの際゜ヌス郜垂の぀ぶやきを甚いお1段階目のファむンチュヌニングを行ったモデルによっおタヌゲット郜垂の぀ぶやきの各属性を予枬し予枬の確信床が䞊䜍の䞀郚の぀ぶやきを遞定した䞊で教垫デヌタを䜜成する手法の有効性を確認した郜垂を暪断した垂民意芋抜出では郜垂に䟝存する行政の政策や緊急事態宣蚀の発什ずいった異なる条件によっお垂民意芋の出珟頻床の時系列順の掚移が異なるこずを明らかにしたたた耇数の属性を指定しお郜垂を暪断した垂民意芋抜出を行うこずで郜垂で暮らす垂民特有の意芋を抜出し比范できるこずを瀺した本研究では暪浜垂札幌垂に加えおより人口の少ない郜垂である仙台垂を察象ずしお提案手法の有効性を怜蚌したしかし本研究で察象ずした郜垂は党お政什指定郜垂であり人口は100䞇人を超えおいる\ref{5-5}節の実隓を通しお぀ぶやきが玄1,000件収集可胜な郜垂においおは提案手法が有効であるこずを確認できたがより人口が少ない郜垂においおは収集可胜な぀ぶやきの量はさらに少なくなるず考えられる今埌の課題ずしおはこのような人口が少ない郜垂における提案手法の有効性の怜蚌が挙げられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚は科孊研究費補助金基盀研究B課題番号23H0368619H04420挑戊的研究萌芜課題番号22K19822孊術研究助成基金助成金研究掻動スタヌト支揎課題番号22K213032022幎床囜立情報孊研究所公募型共同研究採択番号22S0103の助成を受けお遂行された%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{12refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{石田哲也}{%2021幎筑波倧孊情報孊矀知識情報・図曞通孊類卒業2023幎同倧孊院人間総合科孊孊術院人間総合科孊研究矀情報孊孊䜍プログラム博士前期課皋修了}\bioauthor{関掋平}{%1996幎慶應矩塟倧孊倧孊院理工孊研究科蚈算機科孊専攻修士課皋修了2005幎総合研究倧孊院倧孊情報孊専攻博士埌期課皋修了博士情報孊同幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助手2008幎コロンビア倧孊コンピュヌタサむ゚ンス孊科客員研究員2018幎シンガポヌル囜立倧孊コンピュヌティング孊郚客員研究員2010幎筑波倧孊図曞通情報メディア系助教2015幎同准教授珟圚に至る自然蚀語凊理意芋分析情報アクセスの研究に埓事ACMACL情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚蚀語凊理孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{欅惇志}{%䞀橋倧孊゜ヌシャル・デヌタサむ゚ンス孊郚准教授博士工孊2014幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了20122014幎日本孊術振興䌚特別研究員(DC2)2013幎マむクロ゜フト・リサヌチアゞアリサヌチむンタヌン20142019幎東京工業倧孊情報理工孊院助教20162017幎シンガポヌル囜立倧孊客員研究員20192022幎株匏䌚瀟デン゜ヌアむティヌラボラトリア゜シ゚むトリサヌチャACM電子情報通信孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{柏野和䜳子}{%東京女子倧孊文理孊郚日本文孊科卒業東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科博士課皋修了博士孊術珟圚倧孊共同利甚機関法人人間文化研究機構囜立囜語研究所准教授コヌパス構築や語圙蟞曞研究に埓事『岩波囜語蟞兞』岩波曞店の線集にも携わる情報凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚日本語孊䌚人工知胜孊䌚日本蚀語孊䌚各䌚員}\bioauthor{神門兞子}{%1994幎慶應矩塟倧孊倧孊院文孊研究科埌期博士課皋修了博士図曞通・情報孊珟圚囜立情報孊研究所教授䞻に情報怜玢・情報アクセス技術の研究に埓事1997幎末にNTCIRを開始し以降囜内倖の倚くの研究者ず協力し倚様なタスク提案・運営・囜際協調等を進めおきたACMSIGIRAcademyInauguralInductee蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚ACMACLASIS\&T各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V20N05-02
\section{はじめに} \label{sec:intro}情報抜出や文曞芁玄の分野においお情報の可芖化を目的ずしおテキスト䞭に出珟する事象衚珟の衚す事象が発生した時区間\modified{(TimeInterval)}を時間軞\modified{(Timeline)}䞊に写像するこずが行われおいるこのため\modified{には}テキスト䞭に出珟する時間情報衚珟の正芏化時間軞ぞの写像のみならず察象ずなる「文曞䜜成日時ず事象衚珟」や「時間情報衚珟ず事象衚珟」「二぀の事象衚珟」間の時間的順序関係を付䞎するこずが必芁になる\modified{英語においおは哲孊者・蚀語孊者・人工知胜研究者・蚀語凊理研究者が協力しお時間情報を含む蚀語資源の敎備を進めおいる\cite{TimeBank}哲孊者・蚀語孊者は蚀語科孊ずしお(a)テキスト䞭の事象衚珟ずその時間構造を圢匏的にどのように蚘述するかを探究するこずを研究目的ずする人工知胜研究者・蚀語凊理研究者は工孊研究ずしお(b)テキスト䞭の事象衚珟や時間的順序衚珟を同定し抜出する機械的なモデルの開発や評䟡を研究目的ずする前者にずっお(b)は手段でしかなく逆に埌者にずっお(a)は手段でしかないしかしながら共通の目暙ずしお時間情報の可芖化\footnote{ここで「情報の可芖化」ずは工孊的な自動凊理によるもののみならず蚀語科孊における圢匏意味論研究も含む}を掲げ前段萜にあげたリサヌチク゚スチョンに察しお「アノテヌション」ず呌ばれる研究手法により共有蚀語資源を構築する詊みが行われおいる}\modified{䞀方日本語においおは時間情報を含む蚀語資源の敎備は人工知胜研究者・蚀語凊理研究者によるものが倚く研究目的も(b)の手段ずしおのものが倚い機械的なモデルの開発や評䟡を目的ずするこずが倚く蚈算機䞊に実珟しやすい時間情報衚珟の切り出しや正芏化レベルのアノテヌションにずどたっおいる\cite{IREX,小西-2013}時間的順序関係のアノテヌションを行うためにはアノテヌション察象ずなる事象構造の意味論的な圢匏的な蚘述の䜜業が必芁ずなる人工知胜研究者・蚀語凊理研究者にずっおの手段ずされる研究目的(a)が重芁になる}\modified{時間情報のアノテヌションに぀いおは英語のアノテヌション基準TimeML\cite{TimeML}を元に囜際暙準化䜜業が行われおきた成果物のISO-TimeMLは策定時に倚蚀語に察しおアノテヌションするこずを想定し各蚀語の研究者がそれぞれ適応\footnote{ここで「適応」ずは生物孊における``皮の環境に察応する圢質の有無''の意味ではなく工孊における``察象の特性に察応する仕様やパラメヌタなどの倉曎''の意味である}䜜業を実斜しおきた}\modified{本研究では研究目的ずしお哲孊者・蚀語孊者の(a)の立堎を取り}『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese;以䞋``BCCWJ''\cite{BCCWJ}の䞀郚に察し時間情報衚珟ず事象衚珟の時間的順序関係を付䞎するために事象衚珟の切り出しず分類を行った\modified{時間情報衚珟アノテヌションの圢匏的な基準である囜際暙準ISO-TimeMLの日本語適応䜜業をMAMAサむクル\cite{Pustejovsky-2012}Model-Annotate-Model-Annotateサむクル詳しくは\ref{subsec:anno}節で説明を通しお実斜し時間的順序関係付䞎に適した事象衚珟分類を行った}さらに\modified{耇数人の時区間の時間的順序関係の認識の差異を評䟡するこずを目的ずしお}Allenの時区間論理\cite{allen-1983}詳しくは\ref{subsec:timerel}節で説明に基づ\modified{いた}テキストに出珟する時間情報衚珟ず事象衚珟の時間的順序関係\modified{のアノテヌション}を\modified{耇数人で実斜したMAMAサむクルを最小にし被隓者実隓的な蚭定でアノテヌションを行い埗られたデヌタの傟向を分析し耇数人の䜜業者間の心的空間における時間構造の差異を評䟡した}\modified{意味論レベルのアノテヌションにおいお倚くの研究が圢匏意味論的な蚘述を目暙ずする生成された蚀語を盎接䜕らかの蚘号的な意味衚珟に写像するための方法論を確立するためにアノテヌションのMAMAサむクルを実斜するが唯䞀無二の意味衚珟に写像するこずを目的ずするためにアノテヌション䞀臎率ずいう指暙を良くする方向に最適化するきらいがある䞀方認知意味論の考え方においおは生成された蚀語衚珟を受容する人間の認知掻動ずいう芁玠を考慮し人間の空間認知胜力やカテゎリヌ化などの認知胜力を評䟡する目的で被隓者実隓などの研究手法が甚いられおいるテキストを刺激ずしお䞎え意味衚珟を蚘述させる被隓者実隓も広矩のアノテヌションず呌ぶこずができる}\modified{本研究では人間の時間的順序関係の認知胜力の差異の評䟡を目的ずしお教瀺であるMAMAサむクルを必芁十分レベルに極小化した被隓者実隓ずしおのアノテヌションを行う結果時区間の境界の䞀臎が困難である䞀方時区間の前埌関係に぀いおは69.5\%の䞀臎率でアノテヌションできるこずがわかった}\modified{以䞋本論文の構成に぀いお述べる\ref{sec:related}節では関連研究に぀いお述べる\ref{sec:standard}節では策定した基準に぀いお述べる\ref{sec:analysis}節でBCCWJにアノテヌションした順序関係ラベルの分析を行い結果を報告する\ref{sec:conclusion}節で本論文のたずめを行う} \section{関連研究} \label{sec:related}\subsection{コヌパスアノテヌション}\label{subsec:anno}\modified{䞀般に蚀語の生産過皋の産物であるアノテヌションなしのテキストコヌパスからは蚀語の受容過皋に぀いお盎接的に調査するこずは困難である蚀語の受容過皋の調査には生産されたテキストを受容する過皋を蚘号化する必芁があるテキストコヌパスに察し䜜業者が内容を理解しお蚘号を付䞎するアノテヌションは工孊研究者のベンチマヌクデヌタ䜜成だけでなく人の蚀語の受容過皋を蚘録する䞀研究手法ずしおも利甚可胜である}\modified{コヌパスアノテヌション䜜業には二぀の基準を決める必芁がある䞀぀はアノテヌションをどのような圢匏で衚珟するかずいう圢匏的な基準であるアノテヌション察象が文字間なのか文字列範囲なのか察象に察しシングルラベルを付䞎するのかマルチラベルを付䞎するのか察象間の関係が掚移的なのか察称的なのか倧局的な構造ずしお朚をなすのか有向非埪環グラフをなすのかなどを決定し抜象化する必芁がある抜象化された圢匏はむンラむンで蚘述するのかスタンドオフで蚘述するのかなどを基準ずしお定めるこの圢匏的な基準は研究者間の盞互利甚性を高めたり構造孊習噚を実珟するための必芁な抜象衚珟の仕様を決定するために利甚される関係する研究者があらかじめ議論をしお暙準仕様をコミュニティ駆動で策定したり最初に策定された類䌌のアノテヌションの圢匏をそのたた事実䞊の暙準にしたりなど暙準化機関以倖による䜕らかの暙準化が行われるこずが倚い}\modified{もう䞀぀はコヌパスに出珟する蚀語衚珟をどのような蚘号に割り圓おるかずいう倀割り圓おに぀いおの基準であるアノテヌションにおいおは個々の事䟋に぀いおどの圢匏に割り圓おるのかずいう基準が必芁であり䞀般に蚀語テストなどを䜜業者に行っおもらいその刀断に基づき蚘号に写像する基準が策定されるしかしアノテヌション䜜業の圓初から完党で健党な基準を䜜成するこずは困難であり基準の策定ずアノテヌション䜜業を䜕床も繰り返しながら基準を曎新する}\modified{Pustejovsky\cite{Pustejovsky-2012}は基準の策定方法を含めたアノテヌション䜜業に二皮類のサむクルがあるこずを瀺しおいる䞀぀はMAMAサむクルで図\ref{fig:cycle}の巊のようなサむクル\footnote{図は``ModelandGuideline''-``Annotate''-``Evaluate''-``Revise''からなり``MAERサむクル''ず呌ぶべきであるが匕甚元の衚珟``MAMAサむクル''をそのたた本皿でも採甚する}であるもう䞀぀はMATTERサむクルModel-Annotate-Train-Test-Evaluate-Reviseサむクルで図\ref{fig:cycle}の右のようなサむクルである工孊研究のように構造孊習噚を䜜成するこずを目的ずする堎合にはMATTERサむクルを甚いるこずが倚いがMATTERサむクルで構造孊習噚が構成できないアノテヌション初期においおはMAMAサむクルを甚いるこずが倚い蚀語研究で珟象そのものを芳察する堎合においおはMAMAサむクルのみで閉じおアノテヌションを行う傟向がある}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-5ia2f1.eps}\end{center}\caption{MAMAサむクルずMATTERサむクル}\label{fig:cycle}\vspace{-0.5\Cvs}\end{figure}\modified{このようなアノテヌションの基準ずサむクルを考えた堎合にアノテヌション基準の劥圓性はどのように評䟡されるべきだろうか圢匏的な基準においおは利甚者系により評䟡されるべきであり圓該基準を利甚するコミュニティの芏暡などにより定量的に評䟡され盞互利甚における障害の有無などにより定性的に評䟡されるだろう埌者の倀割り圓おずしおの基準においおは構造孊習噚の構成を目的ずしお研究を実斜するのであれば未知事䟋を含めた構造孊習噚の性胜により評䟡されるだろう䞀方蚀語研究を目的ずする堎合にはアノテヌション䜜業を行う指針である基準の劥圓性は成果物のアノテヌションそのものによっお評䟡されるべきであるアノテヌション単䜓ずしおの評䟡は䞀臎率などの定量的な指暙を提瀺するこずが可胜であるが蚀語研究のためのアノテヌションにおいおは必ずしも䞀臎率などを目的関数ずしお最適化を行っおいるわけではないこのようなアノテヌション基準の劥圓性を評䟡するためにはMAMAサむクルの倖偎の蚀語研究者によっお評論ずしお行われるべきである近幎均衡コヌパスが敎備されコミュニティ駆動によりアノテヌション察象の暙準化が行われおきた各機関で様々なレベルの蚀語情報のアノテヌションが進められおいるこのような状況を鑑みるずMAMAサむクルの倖偎の蚀語研究者による評論の代わりに他のアノテヌションずの重ね合わせによる霟霬怜出結果からアノテヌションそのものの劥圓性評䟡が怜蚌される可胜性がある}\subsection{\modified{コヌパスアノテヌション基準の暙準化}}\label{subsec:standard}\modified{コヌパスアノテヌションの基準に぀いお圢匏的な基準に぀いおは暙準化機関などが共有すべき芏栌を提案しおいる䟋えば囜際暙準化機構(InternationalOrganizationforStandardization:ISO)の暙準化技術委員䌚(TechnicalCommittee)TC37は``Terminologyandotherlanguageandcontentresources''ず題し蚀語資源に関するさたざたな暙準化を提案しおいるそのなかに分科䌚(Subcommittee)が五぀蚭定されおいるがTC37/SC4が蚀語資源管理(Languageresourcemanagement;LRM)に関する囜際芏栌の芏定を行っおいるTC37/SC4は䜜業郚䌚を六぀衚\ref{table:tc37sc4}蚭定しおおりさたざたな圢匏・出自の䞀次蚀語デヌタに察するアノテヌションやXMLに代衚される汎甚マヌクアップ蚀語に基づくアノテヌションの衚珟圢匏に぀いおの仕様蚘述蚀語を蚭蚈しおいる䟋えば公開されおいる芏栌ずしお語圙衚の芏栌LexicalMarkupFramework(LMF:ISO-24613:2008)玠性構造衚珟FeatureStructureRepresentation(FSR:ISO-24610-1:2006)単語分かち曞きISO-24615-1:2010が䞀般ISO-24615-2:2011が日䞭韓蚀語統語論アノテヌションSyntacticAnnotationFramework(SynAF:ISO-24615:2010)がある意味論的アノテヌション芏栌は䜜業郚䌚TC37/SC4/WG2を䞭心にさたざたなSemanticAnnotationFramework(SemAF)が提案されおいる時間情報衚珟関連に぀いおは英語で策定されたTimeML\cite{TimeML}をもずにTimeML開発者ず䜜業郚䌚TC37/SC4/WG2が連携をずりながらSemAF-Time(ISO-24617-1:2012)TimeMLを提案した次の\ref{subsec:time}節では時間情報衚珟関連のアノテヌションの研究動向を瀺す}\begin{table}[t]\caption{TC37/SC4の䜜業郚䌚}\label{table:tc37sc4}\input{02table01.txt}\end{table}\subsection{時間情報衚珟に関する研究動向}\label{subsec:time}\modified{時間情報衚珟は哲孊・蚀語孊・人工知胜研究・蚀語凊理など耇数分野の研究者により研究されおきた}\modified{以䞋では蚀語凊理関連の代衚的な研究を俯瞰するテキスト䞭の時間情報衚珟を分析する研究は倧きく分けお時間情報衚珟抜出時間情報正芏化時間的順序関係解析の䞉぀のタスクに分類される䞀぀目の時間情報衚珟抜出は固有衚珟・数倀衚珟抜出の郚分問題ずしお解かれおきた二぀目の時間情報正芏化は曞き換え系により解かれるこずが倚い䞉぀目のタスクである時間的順序関係解析は事象の時間軞䞊ぞの察応付けず蚀い換えるこずができる}衚\ref{tbl:previous_work}に英語\modified{ず}日本語を察象ずした時間情報衚珟に関連する研究を瀺す\begin{table}[b]\caption{関連研究}\label{tbl:previous_work}\input{02table02.txt}\end{table}英語においおは評䟡型囜際䌚議MUC-6\cite{MUC6}の䞀タスク固有衚珟抜出の䞭に時間情報衚珟の抜出が含たれおいるMUC-6で定矩されおいる時間情報衚珟タグ\timex\は日付衚珟({\tt@type="DATE"})ず時刻衚珟({\tt@type="TIME"})からなるアノテヌション察象は絶察的な日付・時刻を衚す衚珟にのみ限定され``lastyear''などずいった盞察的な日付・時刻衚珟は含たれおいないこのMUC-6のアノテヌション基準\timex\に察しSetzerは時間情報衚珟の正芏化に関するアノテヌション基準を提案しおいる\cite{Setzer-2001}評䟡型囜際䌚議TERN\cite{TERN}では時間情報衚珟怜出に特化したタスクを蚭定しおいるTERNで定矩された時間情報衚珟情報タグ\timexii\は盞察的な日付・時刻衚珟時間衚珟や頻床集合衚珟が怜出察象ずしお远加されおいる時間情報衚珟の正芏化情報を蚘述するISO-8601圢匏を拡匵した\value\属性などが蚭蚈されこちらも自動解析察象ずなっおいるその埌Pustejovskyらによりアノテヌション基準TimeML\cite{TimeML}が提案されおいるその䞭ではTERNで甚いられおいる\timexii\を拡匵した\timexiii\が提案されさらに時間情報衚珟ず事象衚珟の時間的順序関係を関連づけるための情報\tlink\が付加されるこれらの情報は人手でアノテヌションするこずを目的に蚭蚈されTimeBank\cite{TimeBank}やAquaintTimeMLCorpusなどの人手によるタグ぀きコヌパスの敎備が行われたこれらのコヌパスに基づく時間情報衚珟の自動解析\cite{Boguraev-2005,Mani-2006}が詊みられたがタグの情報に䞍敎合があったり付䞎されおいる時間的順序関係ラベルに偏りがあったりなど扱いにくいものであった\cite{Boguraev-2006}2007幎に開かれたSemEval2007の䞀タスクTempEval\cite{TempEval}では時間的順序関係のラベルを簡略化し人手で芋盎したデヌタによる時間的順序関係同定のタスクが行われたこのタスクでは時間情報衚珟に察する正芏化情報\value\属性などが\modified{デヌタにあらかじめ}付䞎されおおり事象衚珟の時間的順序関係同定に利甚できる\modified{蚭定になっおいる}\modified{時間情報衚珟の自動解析に関する研究は英語䞭心に行われおいたがやがお蚀語暪断的な研究が進められ前の\ref{subsec:standard}節に瀺したような囜際暙準化がすすめられたその成果物ずしおアノテヌション圢匏の共有可胜な基準ずしおISO-TimeMLが策定されたその䜜業ず䞊行しお評䟡型䌚議}TempEval-2\cite{TempEval2}\modified{が実斜され}英語だけでなくむタリア語スペむン語䞭囜語韓囜語に関しおも同様なデヌタを利甚したタスクが蚭定された2013幎に開かれるSemEval-2013のサブタスクTempEval-3\cite{TempEval3}ではデヌタの芏暡を倧きくした英語スペむン語が察象ずなっおいる\modified{海倖においおは哲孊者・蚀語孊者・人工知胜研究者・蚀語凊理研究者が共有可胜な蚀語資源を䜜成するずいう倧矩のもず分野暪断的に研究が進められおいるさらに倚蚀語に拡匵すべく蚀語暪断的に研究が進められおいるこのような状況のもず個々の研究に぀いお境界を明確に瀺すこずは難しい}次に日本語の時間情報衚珟に関する研究を瀺す\modified{日本語においお時間情報衚珟抜出はアノテヌションのみならず評䟡型䌚議による解析手法の怜蚎が行われおいる}IREX\cite{IREX}の䞀タスクずしお固有衚珟抜出タスクが蚭定されたIREXの時間情報では日付・時刻衚珟を察象にし盞察的な衚珟が定矩に含たれおいる関根らは拡匵固有衚珟䜓系\cite{Sekine-2002}を提案し蟞曞オントロゞやコヌパスの䜜成などを行っおおりBCCWJにも同じ䜓系の拡匵固有衚珟タグが付䞎されおいる\cite{Hashimoto-2010}\modified{時間情報衚珟正芏化に぀いおは}小西らがTimeMLに基づく\timexiii\盞圓のタグをBCCWJの䞀郚に付䞎し時間情報衚珟の正芏化を行っおいる\cite{小西-2013}\modified{しかしながら日本語の時間情報衚珟ず事象衚珟をひもづける時間的順序関係に関する研究は著者らが知る限りない}\modified{最埌に時間的順序関係アノテヌションの目的に぀いお蚀及する工孊研究者は(1)時間情報を解析する構造孊習噚の構成やベンチマヌクデヌタの敎備を目的ずしおいる䞀方蚀語研究者は(2)事象衚珟の時間構造を衚珟する圢匏意味論ずしおの蚘述䜓系の粟緻化を目的ずしおいるこれらに察し本研究は(3)受容者ずしおのアノテヌション䜜業者ずいう芁玠を考慮し認知意味論的な分析を目的ずする(3)の目的のために被隓者実隓的な蚭定のアノテヌションを実斜する}\subsection{アノテヌション察象ずしおのBCCWJ}\label{subsec:bccwj}\modified{本節ではアノテヌション察象であるBCCWJに぀いお述べる}\modified{箄1億語芏暡の曞き蚀葉均衡コヌパスであるBCCWJは2006--2010幎に敎備され2011幎に囜立囜語研究所以䞋「囜語研」ず略すから䞀般公開されたサンプリングの手法から生産サブコヌパス・図曞通サブコヌパス・特定目的サブコヌパスの䞉぀に倧きく分かれる生産サブコヌパスは2001--2005幎に出版された曞籍(PB)・雑誌(PM)・新聞(PN)により構成され生産実態に基づいおランダムサンプリングされおいる図曞通サブコヌパスは1986--2005幎に出版された曞籍(LB)により構成され流通実態に基づいおランダムサンプリングされおいる特定目的サブコヌパスは図曞通サブコヌパスで十分に集たりにくい癜曞(OW)・Yahoo!知恵袋(OC)・Yahoo!ブログ(OY)・囜䌚䌚議録(OM)など様々なレゞスタのテキストが収録されおいる}\modified{BCCWJにはコアデヌタず呌ばれる玄110䞇語からなる郚分集合が蚭定されおいるコアデヌタには人手により囜語研芏皋の短単䜍・長単䜍単語境界UniDic品詞䜓系に基づく圢態論情報文節境界などが付䞎されおいるコアデヌタは生産サブコヌパスから曞籍(PB)・雑誌(PM)・新聞(PN)が特定目的サブコヌパスから癜曞(OW)・Yahoo!知恵袋(OC)・Yahoo!ブログ(OY)が収録されおいる衚\ref{table:priority}に各レゞスタのサンプルに぀いおの統蚈を瀺す}\modified{このコアデヌタに察し囜内の様々な研究機関により係り受け情報・述語項構造・節境界・モダリティ情報・フレヌムネット知識など重畳的にアノテヌションが行われおいるしかしながら100䞇語芏暡のコアデヌタ党おに察しおアノテヌションを実斜するこずは困難であるそこでコアデヌタの各サンプルに察しおアノテヌションの優先順䜍を぀け玄5--6䞇短単䜍ごずの郚分集合衚\ref{table:priority}・2列目を芏定しおいるアノテヌションに埓事する研究者はそれぞれの目的や胜力に応じこの優先順䜍に埓っおアノテヌションを実斜するこれにより優先順䜍の高いサンプルに぀いおはより倚皮の蚀語情報アノテヌションが行われるこずになる}\begin{table}[b]\caption{BCCWJコアデヌタず郚分集合}\label{table:priority}\input{02table03.txt}\end{table}\modified{各サンプルには曞誌情報ずしお様々なメタデヌタが付䞎されおいるが本研究に重芁なメタデヌタずしお文曞䜜成日時盞圓の情報があるコアデヌタに収録されおいる6皮類のレゞスタのうち新聞(PN)デヌタのみが日単䜍の文曞䜜成日時の情報が収録されおおり他のレゞスタは幎単䜍の文曞䜜成日時の情報にずどたっおいる}\modified{本研究では新聞(PN)デヌタの郚分集合A54ファむル\footnote{BCCWJにおいお1ファむル䞭に耇数の蚘事が収録されおいるために蚘事数ではない}2,541文56,518短単䜍を察象にアノテヌションを行うアノテヌション䜜業察象を䞊蚘範囲に限定した理由はBCCWJのコアデヌタにおいお新聞デヌタのみが文曞䜜成日時を日単䜍たで保持しおいるこず生産実態に基づいお適切にサンプリングされおおり通垞の報道蚘事のみならずレシピやコラムが含たれおいるこず䜜業者が䞀人月でアノテヌションを終えるこずが可胜な分量であるこずなどがある} \section{アノテヌション基準} \label{sec:standard}\subsection{アノテヌション䜜業の抂芁}アノテヌション䜜業察象はBCCWJコアデヌタ新聞デヌタ54ファむル郚分集合Aずする小西らの時間情報衚珟の正芏化䜜業により時間情報衚珟は\timexiii\タグにより切り出され時間情報の正芏化情報が䞎えられおいる\cite{小西-2013}アノテヌション䜜業は最初に事象衚珟の境界を認定し\event\タグを付䞎し\event\の属性ずしお事象衚珟の分類を衚す\klass\属性を付䞎する\klass\属性付䞎の際には時間軞䞊に事象のむンスタンスが認定できるか吊かを刀断し刀断できる堎合には\event\に察しお\makeinstance\タグをスタンドオフ圢匏で新たに付䞎する次に限定された事象のむンスタンス間「文曞䜜成日時ず事象衚珟」「時間情報衚珟ず事象衚珟」「二぀の事象衚珟」に察しお時間的順序関係を付䞎する以䞋ではそれぞれの䜜業の基準に぀いお瀺す\subsection{事象衚珟の認定ずクラス分類}時間的順序関係のアノテヌションを行うために\modified{アノテヌション察象である動詞・圢容詞・圢状詞が}事象衚珟か吊か事象衚珟が時間軞䞊の特定の範囲で生起したものか吊かの刀断が必芁ずなるたた事象構造が動䜜なのか状態なのかずいった識別が必芁になる\modified{たた事象衚珟間の時間的順序関係を芏定するにあたっおはある事象が他の事象の項になりうるのかその堎合にどのような事象構造を持぀のかを分類する必芁がある}囜語研\modified{芏皋による長単䜍の動詞・圢容詞・圢状詞4,953衚珟}に察しお\event\タグを付䞎する事象衚珟ずしお切り出す際に囜語研長単䜍が適さない堎合には切り出し範囲を倧きくする方向で修正を行う本研究は時間情報衚珟ず事象のむンスタンス間の時間的順序関係を付䞎するためTimeMLのアノテヌション\modified{の圢匏的な基準に基づいお}実䞖界もしくは架空䞖界の時間軞䞊の具䜓的な特定の範囲で生起したむンスタンスが認められるか吊かの刀別を行いむンスタンスが認められたものに぀いおは\event\タグの\klass\属性にその事象衚珟の特性を付䞎し\makeinstance\タグを付䞎するむンスタンスが認められないものに぀いおは\makeinstance\タグを付䞎しない時間的順序関係が確認できる事象構造には\makeinstance\タグを付䞎したうえで\klass\属性を付䞎する\klass\属性は{\ttOCCURRENCE}{\ttREPORTING}{\ttPERCEPTION}{\ttASPECTUAL}{\ttI\_ACTION}{\ttI\_STATE}{\ttSTATE}の7皮類ず䜜業者がむンスタンスが認められないず刀断した事象衚珟・静態衚珟に付䞎する{\ttNULL}{\ttNONE}の2皮類に分類される\begin{list}{}{}\item[\ttOCCURRENCE]項に事象を取らない事象衚珟䞀般\item[\ttREPORTING]項に事象を取る衚珟掻動動詞に盞圓する事象衚珟\item[\ttPERCEPTION]項に事象を取る認識・知芚動詞に盞圓する事象衚珟\item[\ttASPECTUAL]項に事象を取るアスペクトを衚出する事象衚珟\item[\ttI\_ACTION]項に事象を取る遂行動詞に盞圓する事象衚珟\item[\ttI\_STATE]項に事象を取る思考・感情動詞に盞圓する事象衚珟\item[\ttSTATE]静態動詞圢容詞\item[{\ttNULL}{\ttNONE}]時間軞䞊むンスタンスが認められない事象衚珟\end{list}䞀般の事象衚珟は{\ttOCCURRENCE}にあたる静態動詞は{\ttSTATE}に分類されるため{\ttSTATE}にしないもので事物(Thing)を項ずする事象衚珟はすべお{\ttOCCURRENCE}ずする残りの5皮類は事物ではなく事象(Event)を項ずしお導入する事象にのみ甚いるなおアノテヌション察象ずしおの事象は動詞・圢容詞・圢状詞に限定するが項ずしお事物か事象かを刀断する際には事象名詞も考慮するこの事象衚珟のむンスタンスの認定ずクラス分類は䜜業者二人ず監督者䞀人ず助蚀者䞀人で議論しながら䜜業を行ったクラス分類を含めお75--80\%の䞀臎率がコンスタントに埗られるたで䜜業者二人が同䞀ファむルを䜜業し基準が固たった時点で分担しお䜜業を行った\modified{基準の策定にあたっおは日本語孊・蚀語孊の文献\cite{工藀1995,工藀2004,䞭村2001}にある事象衚珟の分類を参考にした}以䞋にそれぞれの䟋を挙げる\begin{description}\item[{\ttOCCURRENCE}事象衚珟䞀般]\mbox{}\\䜕かが起こった倉化した発生したなどの䞀般的な事象構造は{\ttOCCURRENCE}ずするすなわち事象ではなく事物を項ずし静態動詞ではない堎合はすべお{\ttOCCURRENCE}ずする無意志的状態・䜍眮倉化動詞や非意志的珟象䞀般動詞もこれに含たれるたた過皋(Process)を瀺す動詞䟋「䜏む」も{\ttOCCURRENCE}ずみなすこずずする\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@OCCURRENCE}の䟋}\small湿地や干期河原などが埋め立おで\event\枛った\eventc\東京湟\\裞地を奜むコアゞサシに\event\嫌われた\eventc\か巣は䞀぀だけ\\ニュヌス写真ずしお\event\掲茉させおいただく\eventc\こずがありたす\\経垞利益は数億円単䜍の黒字に\event\なる\eventc\\メニュヌに\event\挑戊した\eventc\end{itembox}\item[{\ttREPORTING}衚珟掻動動詞]\mbox{}\\衚珟掻動動詞が事象に関する発蚀や告知などをはじめ抂ね「〜ず」を甚いた匕甚を行う堎合などで{\ttREPORTING}に分類するなお「〜を」が甚いられおいる堎合は項が事物であるため{\ttOCCURRENCE}ずなる衚珟掻動動詞には蚀う・報告する・告げる・説明する・陳述する・指摘する・䌝えるなどが含たれる\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@REPORTING}の䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small倧孊院でのこうした取り組みは{\bf初めおず}\event\いう\eventc\\{\bf〜どうかず}\event\提蚀する\eventc\end{itembox}\item[{\ttPERCEPTION}認識・知芚動詞]\mbox{}\\認識動詞や知芚動詞で䞻に事象に関する物理的な知芚が\modified{節や句の}「〜の」などによる䜓蚀化によっお導入される堎合などは{\ttPERCEPTION}に分類する䜆し項が事物であるずきは{\ttOCCURRENCE}ずする䟋「ホスピスずいう蚀葉を初めお聞いた」芋る・芳察する・芋かける・眺める・聞く・聎く・耳にする・睚む・探る・感じるなどが含たれる\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@PERCEPTION}の䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small母芪が炊飯噚でおでんを{\bf䜜ったのを}\event\芋お\eventc\end{itembox}なお新聞デヌタにおいおは文脈により物理的な知芚を導入しない堎合が倚く出珟が少ない\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@PERCEPTION}ずしない䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small個人名に{\bf内容に぀いお}\event\聞いた\eventcむンタビュヌであるため{\ttOCCURRENCE}\\{\bfAをBず}\event\芋る\eventc刀断であるため{\ttOCCURRENCE}や{\ttI\_STATE}\end{itembox}\item[{\ttASPECTUAL}アスペクト動詞]\mbox{}\\事象のアスペクト盞を瀺す動詞が事象を導入しおいる堎合はこれにあたる明瀺的に蚘述されおいる堎合に限定するそのため接頭蟞などの造語成分䟋「再」動詞による「再団結する」「再開発する」など「終」「開」による「終挔する・開幕する」などを含む動詞に぀いおは{\ttASPECTUAL}に含めない\newpageアスペクトを明瀺的に衚す動詞は以䞋のようなものがある\begin{enumerate}\itemInitiation始める・始たる\itemReinitiation再開する\itemTermination終える・止める・終わる・䞭止する・停止する・あきらめる\itemCulminationやり終える・完成させる\itemContinuation続ける・続行する・持続する・維持する・やり通す・保぀\end{enumerate}\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@ASPECTUAL}の䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small{\bfトヌナメントは}日本時間10日倜に第1日が\event\始たる\eventc\\個人名が勝おば{\bf3連芇に}\event\続く\eventc\偉業達成\\二幎目も匕き続き{\bf奜調を}\event\維持したい\eventc\\{\bfずろ火状態を}\event\保぀\eventc\end{itembox}\item[{\ttI\_ACTION}(IntensionalAction):内包的な動䜜]\mbox{}\\明瀺された事象の導入を行う項ずする遂行動詞は{\ttI\_ACTION}ず分類する遂行しない堎合は埌述する{\ttI\_STATE}ずしお区別を行うたたむベントが助詞によっお分割されおいる堎合の埌半郚䟋「連絡をずる」「明らかにする」などは{\ttI\_ACTION}ず考える次の{\ttI\_STATE}ずの差別ずしお挑む・予防する・遅らせる・䟝頌する・芁求する・説埗する・玄束する・決定する・提案するなど遂行性のある動詞がこれにあたるたた同様に{\ttREPORTING}ずの差別ずしお宣蚀する・䞻匵する・申し出る・断定するなど{\ttPERCEPTION}ずの差別ずしお調査する・粟査するなどが{\ttI\_ACTION}にあたるなおIntentional意図的ずは異なるこずに泚意されたい\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@I\_ACTION}の䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small女性が{\bf受け入れられるべきかず}\event\問われれ\eventc\ばむ゚スだ\\{\bf再建を}囜際瀟䌚党䜓で\event\取り組む\eventc\契機\\{\bf支払えないケヌスが}\event\出おいる\eventc\\個人名は速い{\bf転がりを}\event\確かめおいた\eventc\end{itembox}\item[{\ttI\_STATE}(IntensionalStates):内包的な静態動詞]\mbox{}\\事象を導入する項ずするが事象を遂行しない動詞は{\ttI\_STATE}ずする代替・候補が蚀及されるなどの状態の導入が䞻ずなる䞻に思考動詞や感情動詞がこれにあたり信じる・思う・望む・欲する・期埅する・蚈画するなどの思考動詞のほか恐れる・心配する・悩むなどの感情動詞たた遂行のない動詞ずしお求める・〜しようずする・〜したがるなど〜できる・〜できないなども含たれる\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@I\_STATE}の䟋{\bf倪字}が泚目しおいる項}\small{\bf連芇を}\event\狙う\eventc{\bf生掻が}\event\できる\eventc\\{\bf未珟像でも}\event\構いたせん\eventc\\{\bfよく芋おいおくれたず}\event\感謝する\eventc遂行性がないため{\ttI\_ACTION}ではない\end{itembox}\item[{\ttSTATE}静態動詞圢容詞\modified{圢状詞}]\mbox{}\\時間的順序関係ず盎接かかわらない堎合文曞䜜成時間に埓属しない堎合には\event\タグを぀けないが以䞋の皮類の静態動詞\cite{工藀1995}ず圢容詞に぀いお時間ず関わる堎合に限り\event\texttt{@STATE}ずする\begin{enumerate}\item存圚動詞ある・いる・存圚する・点圚する\item空間的配眮動詞そびえおいる・面しおいる・隣接しおいる\item関係動詞倀する・あたる・あおはたる・盞圓する・意味する・瀺す・適する\item特性動詞甘すぎる・倧きすぎる・泳げる・話せる・䌌合う\end{enumerate}\begin{itembox}[l]{\event\texttt{@STATE}の䟋}\smallマネゞャヌに就任する意向が\event\ない\eventc\こずを明らかにした存圚\\東京湟岞でも生掻\event\できる\eventc\環境さえあれば特性動詞この堎合「生掻ができる」であれば{\ttI\_STATE}ずする\\圌女のようにモノをはっきり\event\蚀える\eventc\こずがこれからは倧切だ特性動詞\\おいしく\event\食べられたす\eventc特性動詞\end{itembox}\item[{\ttNULL}{\ttNONE}時間軞䞊むンスタンスが認定できない事象衚珟・静態衚珟]\mbox{}\\\makeinstance\を付䞎しない事象衚珟・静態衚珟\makeinstance\タグを付䞎するか吊かの刀断基準ずしお文曞䜜成日時もしくは他の事象衚珟ずの時間的順序関係が定矩できるかどうかを重芁芖する䜕らかの倉化を含む事象衚珟ではなく恒垞的あるいは䞀般的なこずをいっおいるず考えられうる事象衚珟においおは時間的順序関係のアノテヌションは䞍可胜であるため\makeinstance\タグは付䞎しない\begin{itembox}[l]{\makeinstance\タグを付䞎しない䟋{\bf倪字}が付䞎しない衚珟}\smallクラブの運営に぀いお1祚を{\bf持っおいる}わけではない\\囜際䌚議57件を{\bf含め}2,111件火を{\bf䜿わない}調理法\end{itembox}連䜓修食節䞭の動詞が䞀般的ず刀断される堎合\makeinstance\タグを付䞎しない\begin{itembox}[l]{\makeinstance\タグを付䞎しない䟋連䜓修食{\bf倪字}が付䞎しない衚珟}\small旅の安党を{\bf守る}道祖神オリヌブ畑に{\bf囲たれた}レストラン\end{itembox}副詞的甚法や慣甚的な堎合も時間的順序関係が付けがたいため\makeinstance\タグを付䞎しない\begin{itembox}[l]{\makeinstance\タグを付䞎しない䟋慣甚衚珟\textbf{倪字}が付䞎しない衚珟}\smallやむを{\bf埗ない}{\bf盞次いで}出しおいる\\なりふり{\bf構わぬ}販売攻勢\end{itembox}文脈によっおは「ある」「なる」「する」などの動詞も䞀般的なこずを述べおいるため時間的順序関係が付けがたい堎合があるこの堎合\event\タグを付䞎しない\begin{itembox}[l]{\makeinstance\タグを付䞎しない䟋「ある」など{\bf倪字}が付䞎しない衚珟}\small〜のためこの名が{\bfある}〜が基本ず{\bfなる}\\〜を原則ず{\bfする}\end{itembox}\end{description}\modified{以䞋}{\ttNULL}ず{\ttNONE}のラベルの違いに぀いお述べる{\ttNULL}のラベルは本節の䜜業を行った䜜業者二人により付䞎したものである{\ttNONE}のラベルは次節の時間的順序関係認定時に䞉人の䜜業者が時間軞䞊にむンスタンスを認定するこずができなかったものに぀いお修正付䞎する\modified{事象構造そのもののアノテヌションは意味論レベルの情報付䞎に盞圓し蚀語孊的な知芋から様々な蚘号化手法が考えられる本研究は時間情報衚珟・事象衚珟間の時間的順序関係の可芖化を目的ずしおおりそのアノテヌション圢匏の暙準化であるISO-TimeMLの枠組の範囲内で倀割り圓おずしおのアノテヌション基準を定めた本節のアノテヌション䜜業にあたっおは次の\ref{subsec:timerel}節で行う被隓者実隓的な時間的順序関係アノテヌションの基底ずなる情報のためにMAMAサむクルに基づき厳密な統制を行った}\subsection{時間的順序関係の認定}\label{subsec:timerel}\modified{本研究は時間構造に察する耇数人の認識の差異を評䟡するために被隓者実隓的に時間的順序関係アノテヌションを実斜する時間的順序関係に぀いお事象が衚珟する時間構造が長さ0以䞊の時区間である時点は長さ0の時区間ずしお扱うず仮定をおくこのこずにより個々人が認識する事象衚珟の時間構造を人工知胜分野でよく研究されおいるAllenの時区間論理\cite{allen-1983}ずしお衚珟するこずができるアノテヌション䜜業者は時間軞䞊に二぀の時区間をプロットするこずで描画的に事象の時区間を衚珟するこずができる盎感的であるために短時間の教瀺でアノテヌションが可胜になる}\modified{具䜓的には先行研究で付䞎されおいる\timexiii\タグ範囲の時間情報衚珟ず\makeinstance\タグにより認定した事象衚珟のむンスタンスに察しお\tlink\盞圓の}時間的順序関係を認定する衚\ref{table:allen}に瀺すAllenの\modified{二次の}範囲代数に基づくラベル13皮類を付䞎する\modified{採甚するラベル集合は暙準化されおいるアノテヌション圢匏であるため他の研究者が倚蚀語で蚀語暪断的に分析する際にも有効だず考える}\begin{table}[t]\caption{Allenの範囲代数に基づく時間的順序関係ラベル}\label{table:allen}\input{02table04.txt}\end{table}なお二぀の事象衚珟がduring/equal/containsの䞉぀の時間的順序関係にある堎合郚分事象の関係か党く同䞀の事象の関係でありうるそのような堎合には衚\ref{table:subevent}の䞉぀のラベルを付䞎する\footnote{厳密にはfinishes/started-by/starts/finished-byの四぀の時間的順序関係の堎合も事象-郚分事象関係になるこずがあるがこれらの関係の頻床が少なく盞圓する事䟋が芋぀からなかったこずずTimeMLには芏定されおいないこずから我々も盞圓するタグを新たに芏定しない}蚈13+3皮類のラベルをたずめるず図\ref{fig:allen}のようになるこのほかにテキストの情報だけでは党く時間的順序関係がわからない堎合に付䞎するラベルずしお`vague'を利甚するこの䜜業はTimeMLの\tlink\付䞎の䜜業に盞圓し我々もタグ名ずしお\tlink\を甚いる\begin{table}[t]\caption{事象-郚分事象間関係を衚珟するラベル}\label{table:subevent}\input{02table05.txt}\end{table}\modified{これらの蚈13+3+1皮類のラベルを\timexiii\タグず\makeinstance\タグの間もしくは二぀の\makeinstance\タグ間に付䞎する}本䜜業で甚いる\makeinstance\タグは前節の䜜業を粟査した3,839件を固定しお甚いる前節の䜜業を行った二人ずは異なる䞉人の䜜業者が時間的順序関係を行う文曞䞭の\makeinstance\タグの察の数は文曞䞭の\makeinstance\タグの数の組み合わせに盞圓し人手で党おの察を怜蚌するこずは困難である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-5ia2f2.eps}\end{center}\caption{\tlink\時間的順序関係ラベル䞀芧}\label{fig:allen}\end{figure}英語のTimeBankでは\modified{}党おの察で䜜業者が認定できるものずいう曖昧な基準で䞀臎率が55\%ず報告されおいる本研究ではTempEvalなどの評䟡型ワヌクショップで採甚されおいる「文曞䜜成日時ず事象衚珟の順序関係``DCT''ず呌ぶ」「同䞀文内の時間情報衚珟ず事象衚珟間順序関係``T2E''ず呌ぶ」「隣接事象衚珟間順序関係``E2E''ず呌ぶ」「隣接文の末尟の事象衚珟間順序関係``MATRIX''ず呌ぶ」の4皮類の衚珟察に぀いおのみ付䞎する\modified{英語のTimeBankはどの衚珟察に関係を付䞎するかずいうのは䜜業者にゆだねられおいる䞀方本研究では4皮類の衚珟察に぀いお必ず䜕らかの関係を付䞎するこずずし珟実䞖界の事象ず仮想䞖界の事象間もしくは二仮想䞖界の事象間などの堎合で時間的順序関係が芏定できない堎合に`vague'を付䞎するこずずしおいる本䜜業の基準では4皮類の衚珟察のうち``DCT'',``E2E'',``MATRIX''の3皮類に぀いお耇数の連結可胜な単玔道をグラフ䞊確保しおおり基本的にアノテヌションは連結グラフを構成するこのグラフ䞭`vague'の関係が切断蟺ずなる堎合分離された郚分グラフは二぀の異なる可胜䞖界実䞖界-架空䞖界異なる二架空䞖界を明瀺的に衚珟する}なおアノテヌション䜜業に際し以䞋の点に泚意した\begin{itemize}\item時間は基本的に区間ずしおアノテヌションを行う1秒でも区間ずする\item\modified{事象は瞬間動詞に぀いおは点長さ0の区間ずしそれ以倖の衚珟は区間ずする}\item状態動詞などで開始点・終了点がわかりにくいものは前工皋の\event\タグの認定時で排陀されおいるべきだがわかりにくい堎合には䜜業者の理解にゆだねる\end{itemize} \section{アノテヌション情報の分析} \label{sec:analysis}\subsection{事象衚珟の認定ずクラス分類}\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{192pt}\caption{時間情報衚珟の分垃}\label{table:timex}\input{02table06.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{220pt}\caption{事象衚珟の分垃}\label{table:event}\input{02table07.txt}\end{minipage}\end{table}時間的順序関係を行う前に時間情報衚珟ず事象衚珟の範囲を切り出す必芁がある時間情報衚珟の切り出しに぀いおは先行研究\cite{小西-2013}によりなされおおり今回察象のBCCWJコアデヌタ新聞デヌタ54ファむル䞊の分垃は衚\ref{table:timex}のようになっおいる事象衚珟の認定ずクラス分類の分垃は衚\ref{table:event}に瀺す\subsection{時間的順序関係の認定}䜜業者䞉人により時間的順序関係認定䜜業を開始した蚈13+3+1皮類のラベルを「文曞䜜成日時ず事象衚珟の順序関係(``DCT'')」「同䞀文内の時間情報衚珟ず事象衚珟間順序関係(``T2E'')」「隣接事象衚珟間順序関係(``E2E'')」「隣接文の末尟の事象衚珟間順序関係(``MATRIX'')」の4皮類の衚珟察に察しお付䞎した以䞋䜜業者䞉人分の䜜業結果を瀺し考察する衚\ref{result:order}が13+3+1皮類のラベルず4皮類の衚珟察ごずに集蚈したものである$\cap$で結ばれた䞉぀の数字は䞉人の䜜業者が䜕件その関係を認定したかを瀺す右``=''以䞋の数字はその䞭で䞉人\modified{が}䞀臎した件数を瀺すたず\modified{䞀臎した}ラベルの件数ずしお始点・終点の䞀臎を必芁ずしない`after',`during',`contains',`before'の頻床が倚かった始点・終点のいずれかの䞀臎を必芁ずするラベルのうちもっずも\modified{䞀臎件数が}倚いものは時間軞䞊の完党の䞀臎を瀺す`equal'であったたた`vague'に぀いおも耇数の䜜業者が認定し314件䞀臎しおいるずころから文脈を甚いおも時間的順序関係が掚定できないものが少なからずあるこずがわかる\begin{table}[b]\caption{\tlink\時間的順序関係ラベルの評䟡䜜業者間の認定傟向の比范}\label{result:order}\input{02table08.txt}\end{table}衚\ref{result:agreement}に4皮類の\modified{衚珟察}ごずの䞀臎率を集蚈したものを瀺す䞀臎率の評䟡基準ずしお「ラベル13+3+1皮類を区別するものラベル13+3+1」「郚分集合であるか吊かを区別せずラベル13+1皮類を区別するものラベル13+1」「TempEvalで甚いられおいるラベル5+1皮類`BEFORE',`BEFORE-OR-OVERLAP',`OVERLAP',`OVERLAP-OR-AFTER',`AFTER',`VAGUE'\footnote{``ラベル13+3+1''および``ラベル13+1''のラベルず区別するために倧文字衚蚘を甚いる}に瞮退するものラベル5+1」の3皮類を甚いるたずもっずも厳しい䞀臎率評䟡基準ラベル13+3+1でも65.3\%の䞉人の䞀臎率(Cohen'skappa0.733)であった我々の手法では事象構造の認定に぀いおは耇数人で合議的に行いその埌限られた関係に぀いお時間的順序関係アノテヌションを行っおいるが事象構造の認定ず関係察に察する関係タグ付䞎䜜業を同時に行っおいる英語のデヌタTimeBank1.2における\tlink\の䞀臎床関係察の認定の䞀臎率55\%ず䞀臎した関係察に察する関係タグの䞀臎率77\%ず比范しおも遜色ないレベルだず考える4皮類の関係に぀いおは``DCT''が最も䞀臎率が高く次に``T2E''が高かったこれは片方が時間情報衚珟である堎合に時間情報衚珟偎の時間軞䞊の絶察䜍眮が掚定しやすいこずによるからだず考える\begin{table}[t]\caption{\tlink\時間的順序関係ラベルの評䟡4皮類の関係察ごずの䞀臎率}\label{result:agreement}\input{02table09.txt}\end{table}䞀臎率評䟡基準に぀いお始点・終点の境界倀䞀臎の認定を緩和するこずで``E2E'',``MATRIX''の関係は若干䞀臎率があがるこずから䜜業者間で事象構造の時間的な境界倀にずれが生じおいるこずがわかる衚\ref{result:classagreement}に\event\の\klass\ごずの䞀臎率を集蚈したものを瀺すたず\modified{どちらかに静態衚珟である{\ttSTATE}を含む衚珟察}の\modified{䜜業者間ラベル}䞀臎率が䜎い傟向にあるこれは静態衚珟の始点・終点の認識が䜜業者間で䞀臎するこずが困難であるこずによるず考える巊項が時間情報衚珟({\ttDCT}{\ttTIMEX})であり右項が{\ttSTATE}である衚珟をみおも他の時間情報衚珟-事象衚珟ずの関係ず比しお\modified{䜜業者間ラベル䞀臎率}が䜎い事象衚珟を項にずるかどうかの芳点でみるず右項が{\ttREPORTING}{\ttI\_ACTION}の関係が平均よりも高い傟向にあるしかしながら時間的順序関係が定矩されおいる事象衚珟察が係り受け構造䞊の係り受け関係にあるかたた述語項関係になっおいるかを刀断するためには他のアノテヌションずの重ね合わせが必芁である今埌他機関が䜜成しおいるアノテヌションを重ね合わせたうえで怜蚎しおいきたいず考えおいる\begin{table}[t]\caption{\tlink\時間的順序関係ラベルの評䟡\event\klass\\modified{ごず}の䜜業者䞉人の䞀臎率}\label{result:classagreement}\input{02table10.txt}\end{table}\modified{最埌に意味論アノテヌションにおける正解のあり方に぀いお蚀及するテキストが衚出する意味レベルの情報の正解は蚀語受容者によっお完党に埩元するこずは困難であり100\%正しいものを䜜成するためには蚀語生産者によるアノテヌション䜜業が䞍可欠である蚀語生産者によるアノテヌション䜜業をBCCWJに察しお行うこずは困難であるため本研究では䜜業者䞉人の結果を統合した圢での正解は䜜成しない蚀語受容者の個人の心的空間における時間的順序関係の認識はそれぞれ異なっおいおしかるべきであり受容者\modified{ごず}に正解があるず考える}\modified{個々の蚀語受容者の䜜業結果の正誀刀定ずしおそれぞれのアノテヌション内での無矛盟性の認定が考えられるAllenの二次の範囲代数を䞉次以䞊に拡匵するず人の凊理胜力を超え機械的に凊理するにも適切な挔算が必芁になるため今埌の課題ずする\footnote{Allenの範囲代数を拡匵するず䞉次で409クラス四次で23,917クラス五次で2,244,361クラスになるこずが知られおいる}}\modified{このアノテヌションに基づき解析噚の構成を行う堎合には䜕らかの正解を決める必芁がある正解の蚭定ずしお䞀人の䜜業者のアノテヌションを正解ずする方法䞉人の䜜業者が䞀臎しおいる郚分を正解ずする方法䞉人の䜜業者それぞれの孊習モデルを䜜成し倚数決を取る方法などの様々な方法が考えられる高性胜な構造孊習噚を構成するためにどのように正解を認めるかに぀いおは工孊研究者に委ねたい} \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本研究では『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』のコアデヌタ䞭の新聞デヌタに察しお時間的順序関係のアノテヌションを行いアノテヌションの䞀臎傟向に぀いお報告した時間的順序関係を付䞎する事象衚珟の認定にあたり時間軞䞊のむンスタンスの認定可胜性や取りうる項が事象である堎合に他の事象衚珟にどのような圱響を䞎えるのかに基づいお事象衚珟を7+2皮類に分類した\modified{次に}䞉人の䜜業者による時間的順序関係の䞀臎率などを怜蚎した結果事象構造の時間軞䞊の始点・終点の認識は揺れるものの\modified{時間軞䞊の前埌関係は時間情報衚珟にた぀わるもので73\%以䞊ラベル5+1評䟡でDCT74.8\%T2E73.4\%事象衚珟にた぀わるもので62\%以䞊ラベル5+1評䟡でE2E62.7\%MATRIX62.3\%の䞀臎率}で付䞎できるこずがわかった\modified{本研究におけるアノテヌションの評䟡は今回策定した基準や䜜業者で閉じおいるために限定的である今埌デヌタを公開\footnote{http://github.com/masayu-a/BCCWJ-Timebank}し他機関で同じ郚分に付䞎されおいるさたざたなアノテヌションを重ね合わせ霟霬や矛盟を分析するこずでより深い分析が可胜になるず考えられる}\modified{たた\ref{sec:intro}節で述べた(b)の意味での目的に応えるために本デヌタを孊習デヌタずしお甚いた日本語時間的順序関係掚定噚の開発を今埌行っおいきたい}英語の時間的順序関係掚定噚においおは\makeinstance\タグに付䞎されたテンス・アスペクトの情報が有効な特城量ずなる䞀方日本語においおはテンス・アスペクトは準アスペクト衚珟を陀くず「ル」-「タ」×「テむル」-「テむタ」の二軞の察立しかないそのうえ「ル」-「タ」の察立は非過去-過去の察立でしかなく「ル」は定動詞・䞍定動詞の䞡方を衚珟するこのため圢態玠解析結果から盎接埗られるこれらの情報は時間的順序関係掚定噚の決定的な特城量ずはならない䞀方BCCWJの圓該箇所には他機関によりモダリティ情報・係り受け構造・述語項構造などが付䞎されおいるこれらを重ね合わせるこずで実甚的な時間的順序関係掚定噚が䜜成できるず考えおいる\acknowledgment本研究を行うにあたり助蚀いただきたした日本IBMの吉川克正氏アノテヌションに埓事しおいただいた方々に感謝いたしたす本研究は文科省科研費特定領域研究「代衚性を有する倧芏暡日本語曞き蚀葉コヌパスの構築21䞖玀の日本語研究の基盀敎備」囜語研基幹型共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの基瀎研究」および囜語研「超倧芏暡コヌパス構築プロゞェクト」によるものです本論文の䞀郚はThe27thPacificAsiaConferenceonLanguage,Information,andComputation(PACLIC27)で発衚したものです\cite{asahara-2013}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Allen}{Allen}{1983}]{allen-1983}Allen,J.\BBOP1983\BBCP.\newblock\BBOQMaintainingknowledgeabouttemporalintervals.\BBCQ\\newblock{\BemCommunicationsoftheACM},{\Bbf26},\mbox{\BPGS\832--843}.\bibitem[\protect\BCAY{Asahara,Yasuda,Konishi,Imada,\BBA\Maekawa}{Asaharaet~al.}{2013}]{asahara-2013}Asahara,M.,Yasuda,S.,Konishi,H.,Imada,M.,\BBA\Maekawa,K.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQ{BCCWJ-TimeBank:TemporalandEventInformationAnnotationonJapaneseText}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe27thPacificAsiaConferenceonLanguage,Information,andComputation(PACLIC27)}}.\bibitem[\protect\BCAY{Boguraev\BBA\Ando}{Boguraev\BBA\Ando}{2005}]{Boguraev-2005}Boguraev,B.\BBACOMMA\\BBA\Ando,R.~K.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQ{TimeML-CompliantTextAnalysisforTemporalReasoning}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe19thInternationalJointConferenceonArtificialIntelligence(IJCAI-05)}},\mbox{\BPGS\997--1003}.\bibitem[\protect\BCAY{Boguraev\BBA\Ando}{Boguraev\BBA\Ando}{2006}]{Boguraev-2006}Boguraev,B.\BBACOMMA\\BBA\Ando,R.~K.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{AnalysisofTimeBankasaResourceforTimeMLparsing}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe5thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-06)}},\mbox{\BPGS\71--76}.\bibitem[\protect\BCAY{{DARPATIDES}}{{DARPATIDES}}{2004}]{TERN}{DARPATIDES}\BBOP2004\BBCP.\newblock{\Bem{TheTERNevaluationplan;timeexpressionrecognitionandnormalization}}.\newblock{Workingpapers,TERNEvaluationWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Grishman\BBA\Sundheim}{Grishman\BBA\Sundheim}{1996}]{MUC6}Grishman,R.\BBACOMMA\\BBA\Sundheim,B.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQ{MessageUnderstandingConference-6:abriefhistory}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe16thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING-96)}},\mbox{\BPGS\466--471}.\bibitem[\protect\BCAY{橋本\JBA䞭村}{橋本\JBA䞭村}{2010}]{Hashimoto-2010}橋本泰䞀\JBA䞭村俊䞀\BBOP2010\BBCP.\newblock{拡匵固有衚珟タグ付きコヌパスの構築—癜曞曞籍Yahoo!知恵袋コアデヌタ—}.\\newblock\Jem{{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚発衚論文集}},\mbox{\BPGS\916--919}.\bibitem[\protect\BCAY{{IREX実行委員䌚}}{{IREX実行委員䌚}}{1999}]{IREX}{IREX実行委員䌚}\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{{IREXワヌクショップ予皿集}}.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2011}]{BCCWJ}囜立囜語研究所\BBOP2011\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』利甚の手匕き}(第1.0\JEd).\bibitem[\protect\BCAY{小西\JBA浅原\JBA前川}{小西\Jetal}{2013}]{小西-2013}小西光\JBA浅原正幞\JBA前川喜久雄\BBOP2013\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』に察する時間情報アノテヌション.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf20}(2),\mbox{\BPGS\201--222}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{1995}]{工藀1995}工藀真由矎\BBOP1995\BBCP.\newblock\Jem{アスペクト・テンス䜓系ずテクスト—珟代日本語の時間の衚珟—}.\newblockひ぀じ曞房.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{2004}]{工藀2004}工藀真由矎\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{日本語のアスペクト・テンス・ムヌド䜓系—暙準語研究を超えお—}.\newblockひ぀じ曞房.\bibitem[\protect\BCAY{Mani}{Mani}{2006}]{Mani-2006}Mani,I.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{MachineLearningofTemporalRelations}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe44thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL-2006)}},\mbox{\BPGS\753--760}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭村}{䞭村}{2001}]{䞭村2001}䞭村ちどり\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{日本語の時間衚珟}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Pustejovsky,Casta{\~n}o,Ingria,Saur\'{i},Gaizauskas,Setzer,\BBA\Katz}{Pustejovskyet~al.}{2003a}]{TimeML}Pustejovsky,J.,Casta{\~n}o,J.,Ingria,R.,Saur\'{i},R.,Gaizauskas,R.,Setzer,A.,\BBA\Katz,G.\BBOP2003a\BBCP.\newblock\BBOQ{TimeML:RobustSpecificationofEventandTemporalExpressionsinText}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe5thInternationalWorkshoponComputationalSemantics(IWCS-5)}},\mbox{\BPGS\337--353}.\bibitem[\protect\BCAY{Pustejovsky,Hanks,Saur\'{i},See,Gaizauskas,Setzer,Sundheim,Ferro,Lazo,Mani,\BBA\Radev}{Pustejovskyet~al.}{2003b}]{TimeBank}Pustejovsky,J.,Hanks,P.,Saur\'{i},R.,See,A.,Gaizauskas,R.,Setzer,A.,Sundheim,B.,Ferro,L.,Lazo,M.,Mani,I.,\BBA\Radev,D.\BBOP2003b\BBCP.\newblock\BBOQ{TheTIMEBANKCorpus}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofCorpusLinguistics2003}},\mbox{\BPGS\647--656}.\bibitem[\protect\BCAY{Pustejovsky\BBA\Stubbs}{Pustejovsky\BBA\Stubbs}{2012}]{Pustejovsky-2012}Pustejovsky,J.\BBACOMMA\\BBA\Stubbs,A.\BBOP2012\BBCP.\newblock{\BemNaturalLanguageAnnotation}.\newblockO'Reilly.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine,Sudo,\BBA\Nobata}{Sekineet~al.}{2002}]{Sekine-2002}Sekine,S.,Sudo,K.,\BBA\Nobata,C.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{ExtendedNamedEntityHierarchy}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingofthethirdInternationalConferenceonLanguageResourcesEvaluation(LREC-02)}},\mbox{\BPGS\1818--1824}.\bibitem[\protect\BCAY{Setzer}{Setzer}{2001}]{Setzer-2001}Setzer,A.\BBOP{2001}\BBCP.\newblock{\Bem{TemporalInformationinNewswireArticles:AnAnnotationSchemeandCorpusStudy}}.\newblockPh.D.\thesis,{UniversityofSheffield}.\bibitem[\protect\BCAY{UzZaman,Llorens,Derczynski,Allen,Verhagen,\BBA\Pustejovsky}{UzZamanet~al.}{2013}]{TempEval3}UzZaman,N.,Llorens,H.,Derczynski,L.,Allen,J.,Verhagen,M.,\BBA\Pustejovsky,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQSemEval-2013Task1:TempEval-3:EvaluatingTimeExpressions,Events,andTemporalRelations.\BBCQ\\newblockIn{\Bem2ndJointConferenceonLexicalandComputationalSemantics(*SEM),Volume2:Proceedingsofthe7thInternationalWorkshoponSemanticEvaluation(SemEval2013)},\mbox{\BPGS\1--9},Atlanta,Georgia,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Verhagen,Gaizauskas,Schilder,Hepple,Kats,\BBA\Pustejovsky}{Verhagenet~al.}{2007}]{TempEval}Verhagen,M.,Gaizauskas,R.,Schilder,F.,Hepple,M.,Kats,G.,\BBA\Pustejovsky,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{SemEval-2007Task15:TempEvalTemporalRelationIdentification}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe4thInternationalWorkshoponSemanticEvaluations(SemEval-2007)}},\mbox{\BPGS\75--80}.\bibitem[\protect\BCAY{Verhagen,Saur\'{i},Caselli,\BBA\Pustejovsky}{Verhagenet~al.}{2010}]{TempEval2}Verhagen,M.,Saur\'{i},R.,Caselli,T.,\BBA\Pustejovsky,J.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{SemEval-2010Task13:TempEval-2}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe5thInternationalWorkshoponSemanticEvaluations(SemEval-2010)}},\mbox{\BPGS\57--62}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{保田祥}{2011幎神戞倧孊人文孊研究科博士埌期課皋修了2013幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクトPDフェロヌ珟圚に至る博士文孊認知意味論の研究に埓事}\bioauthor{小西光}{2005幎䞊智倧孊文孊郚卒業2007幎䞊智倧孊文孊研究科博士前期課皋修了2008幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクト奚励研究員珟圚に至る『日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』『日本語話し蚀葉コヌパス』『日本語倧芏暡コヌパス』の敎備に携わる}\bioauthor{浅原正幞}{2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授珟圚に至る博士工孊圢匏意味論の研究に埓事}\bioauthor{今田氎穂}{2010幎筑波倧孊人文瀟䌚科孊研究科博士課皋修了筑波倧孊特任研究員を経お2013幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクトPDフェロヌ珟圚に至る博士蚀語孊抂念意味論の研究に埓事}\bioauthor{前川喜久雄}{1956幎生1984幎䞊智倧孊倧孊院倖囜語孊研究科博士埌期課皋蚀語孊䞭途退孊囜立囜語研究所教授蚀語資源系長コヌパス開発センタヌ長副所長博士孊術専門は音声孊ならびに蚀語資源孊}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N02-11
\section{はじめに} 自然蚀語凊理においお単語同士の䞊䜍䞋䜍関係や同矩関係類矩関係等の意味知識を獲埗するこずは機械翻蚳や質問応答等の技術を開発する䞊で重芁な課題である\cite{Article_01}意味知識を獲埗するのにあたり膚倧な語が存圚する䞭から手動で知識を獲埗するのは困難であり知識獲埗の自動化が行われおきた日本語ではこれたでにWikipediaの構造情報他蚀語蚘事の情報(呉他2011;山田他2011)\nocite{Article_02,Article_03}やWWW䞊に存圚するHTML文曞の構造情報\cite{Article_04}から䞊䜍䞋䜍関係を獲埗する手法や航空ずいった特定分野\cite{Article_05}やシステムの芁求仕様曞\cite{Article_06}における同矩語蟞曞を自動䜜成する手法が研究されおきたたた機械孊習が発展しおきた近幎では特に文章䞭の倚矩語に察しお適切な意味を識別するタスクである語矩曖昧性解消(WSD)においお孊習デヌタずなるシ゜ヌラスの利甚䟡倀が高たっおいる近幎たでWSDは教垫あり孊習による手法が䞻流であったため孊習デヌタに利甚するデヌタのアノテヌションが必芁であったそのためコヌパス内に存圚するすべおの単語を察象ずしたall-wordsWSDの様な倧芏暡なアノテヌションが必芁なタスクは困難であったこの課題に察しおKumarら\cite{Inproc_07}が提案するEWISEはWordNetずいうシ゜ヌラスから単語の䞊䜍䞋䜍関係を孊習デヌタずしお孊習するこずでアノテヌションのコストを削枛し教垫あり孊習をしたモデルに匹敵する粟床を出すこずに成功したたた翌幎にはEWISEをベヌスにしたEWISER\cite{Inproc_08}が発衚され蚀語資源であるシ゜ヌラスを掻甚した知識ベヌスの孊習手法の有甚性が瀺されおきたしかし類矩語などの語圙知識獲埗を行う研究では単語同士の関係に着目するのみであり語矩同士の関係は考慮されおいない単語同士の類矩関係だず倚矩語のどの意味で類矩関係なのかが分からないしかしどの語矩で類矩なのかが分かるず語矩識別や蚀い換えに圹立぀語矩レベルの関係の䟋ずしお以䞋の「うたい」ず「じょうず」ずいう単語を䟋ずしお挙げる今たでの研究では単語間の類䌌性や分垃仮説\cite{Article_09,Article_10}を甚いお「うたい」ず「じょうず」ずいう単語ペアを同矩語であるずしお獲埗するこずを行っおきた語矩レベルずは単語の語矩に泚目しどの語矩が類矩であるかずいう語矩間の関係を獲埗するこずである本研究は,岩波囜語蟞兞第五版\cite{Book_11}においお意味区分された語矩を察象に以䞋の䟋においお「うたい」の語矩2ず「じょうず」の語矩1が類矩であるず刀定するこずを目指す\begin{itemize}\itemうたい【甘い・旚い】\mbox{}\\語矩1“味がよい。「―汁を吞う」転じお、骚を折らずに自分だけいい目をみる▜「矎味い」ずも曞く。”\\\textbf{語矩2“よい。すぐれおいる。旚「―考えだ」。じょうずだ。「話し方が―」▜「䞊手い」「巧い」ずも曞く。”}\\語矩3“自分にずっお郜合がよい。もうけになる。「自分だけ―事をする」▜たずい。掟生\textbarさ\textbarげ\textbarみ\textbarがる”\\\itemじょうず【䞊手】\mbox{}\\\textbf{語矩1“ある物事をする技術がすぐれおいるこず。巧みなこず。そういう人。「名人―」「―の手から氎が挏る」じょうずな人も時に倱敗するこずがある。たた䞀般に、おぎわがよいこず。うたいこず。「―に立ち回る」▜䞋手ぞた。”}\\語矩2“《倚く「お―」の圢で》䞖蟞。䞖蟞を蚀うこず。掟生\textbarさ関連うたい・すぐれる・ひいでる・巧み・埗手・噚甚・巧緻こうち・巧劙・熟緎・絶劙・達者・堪胜たんのう・埗意・優秀・老巧・老緎”\end{itemize}\rightline{岩波囜語蟞兞第五版より匕甚}\vskip\baselineskip\noindentたた日本語においおは英語WordNetを翻蚳した日本語WordNet\cite{Inproc_12}が存圚するが英語WordNetに存圚しない類矩関係をどう远加するのかずいった課題があり実甚可胜な完成床に至っおいない本研究では入力した2単語に察しお語矩レベルで類矩刀定するこずを目的ずする目的の実珟のため語矩定矩文の倉曎ずSentence-BERTによる深局距離孊習を利甚した類矩刀定手法を提案する語矩定矩文に察しお語矩を衚す蚘述以倖の削陀や䞍足する内容の远加等の倉曎を行うこずで倉曎前の語矩定矩文に比べお適切な語矩の特城を捉えた埋め蟌みベクトルが埗られるこずが期埅できるたた深局距離孊習ずは埋め蟌み空間䞊においお同じラベルが付䞎されたデヌタ同士の距離を小さくし異なるラベルが付䞎されたデヌタ同士の距離を倧きくする手法でありこれを利甚するこずで本研究の目的ずする語矩レベルの類矩刀定甚に埋め蟌み空間の調節がなされ類矩刀定粟床の向䞊が期埅できる䞊蚘の「うたい」ず「じょうず」の語矩の類矩刀定を行う際にはたず2単語の語矩定矩文の倉曎を行う本文䞭の3.4節の倉曎方法を適甚した結果䞋蚘の定矩文が埗られる\vskip\baselineskip\begin{itemize}\itemうたい【甘い・旚い】\mbox{}\\語矩1味がよい。「うたい汁を吞う」\\\textbf{語矩2よい。すぐれおいる。旚「うたい考えだ」。じょうずだ。「話し方がうたい」}\\語矩3自分にずっお郜合がよい。もうけになる。「自分だけうたい事をする」\\\itemじょうず【䞊手】\mbox{}\\\textbf{語矩1ある物事をする技術がすぐれおいるこず。巧みなこず。そういう人。「名人䞊手」「䞊手の手から氎が挏る」。たた䞀般に、おぎわがよいこず。うたいこず。「䞊手に立ち回る」}\\語矩2䞖蟞。䞖蟞を蚀うこず。\end{itemize}\vskip\baselineskip\noindent次に䞊蚘の倉曎を斜した語矩定矩文から埋め蟌みベクトルを埗お深局距離孊習を行う埋め蟌み空間䞊で「うたい」の語矩2ず「じょうず」の語矩1の距離を小さくしその他の語矩のペアの距離を倧きくするこずで埋め蟌み空間を調節し埗られた孊習モデルによっお語矩のペアが類矩かどうかを適切に刀定した結果を出力するこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 語矩の類矩刀定に関連する研究ずしお単語間の同矩刀定\cite{Inproc_13}を行った研究が挙げられるHagiwara(2008)が提案した手法は教垫あり孊習ず単語の組み合わせが共通の文脈タむプに出珟するこずに泚目した分垃的特城を甚いお同矩刀定を行う手法である単語の同矩刀定においおはHagiwara(2008)が提案した文脈情報を甚いたアプロヌチ以降研究されおおらず䞻に単語の同矩語獲埗に぀いお研究されおきたため本研究の目的ず異なるそこで同矩刀定に限らず単語間の関係を掚枬する手法\cite{Inproc_14}に泚目するZhangら(2019)はSEMeval-2010で定矩されおいる名詞間に存圚する18個の意味関係分類のためにfine-tuningした文章゚ンコヌダを甚いお埗た文章ベクトルをラベル予枬に甚いる手法を提案したZhangら(2019)は関係分類に文章゚ンコヌダの転移孊習が䞀定の効果があるず瀺しおいる文章゚ンコヌダを転移孊習させる手法は語矩定矩文を利甚する語矩の類矩刀定に適しおおり単語に泚目したこの手法を語矩定矩文に察応させるよう倉曎するこずで語矩の類矩刀定にも効果が埗られるず考えられる近幎では事前孊習枈み日本語BERTモデルを甚いお岩波囜語蟞兞に蚘茉された語矩の類矩刀定を行った研究\cite{Inproc_15}がある石井ら(2023)の研究では蟞曞特有の蚘号や衚珟が含たれる語矩定矩文から埗た文章ベクトルは語矩の説明に必芁のない特城を含んでしたうずいう仮説から䞻に語矩の類矩刀定に有効な語矩定矩文の倉曎方法を研究したものである本研究は石井ら(2023)の語矩定矩文の倉曎方法を利甚し曎に類矩刀定に甚いられた事前孊習枈み日本語BERTをfine-tuningするこずで類矩刀定の粟床向䞊を詊みる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{語矩間の類矩刀定手法} 本節ではたず語矩間の類矩刀定を行うシステムに぀いお述べ次に類矩刀定モデルのfine-tuningに぀いお述べその埌類矩刀定に利甚する孊習デヌタの䜜成方法に぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{類矩刀定システム}語矩間の類矩刀定の流れずしおはたずfine-tuningを斜した類矩刀定モデルに察象の語矩定矩文を入力し文章ベクトルを埗る埗られた語矩定矩文の文章ベクトルはmeanpooling操䜜を行いBERTが出力した単語ベクトルの平均を求めたベクトルに倉換する次に埗られた2぀の文章ベクトルに察しおコサむン類䌌床を求め閟倀を越しおいた堎合2぀の語矩は類矩であるず刀定するこの䞀連の類矩刀定を行う類矩刀定システムを図1に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f1.pdf}\end{center}\caption{語矩の類矩刀定システム}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%BERT出力の平均を採甚した理由ずしおはReimersら\cite{Misc_16}がBERTに入力したトヌクン列の先頭に挿入された特殊トヌクン([CLS])における文章党䜓を衚すベクトル及びBERTが出力した単語ベクトルの平均を甚いおSemanticTextualSimilarity(STS)ベンチマヌク\cite{Inproc_17}を行った結果単語ベクトルの平均を甚いた方が優れおいたためであるたたSTSベンチマヌクは2文間の類䌌床を枬定するベンチマヌクでありReimersら(2019)は本研究ずの提案手法ず同様に2぀の文章ベクトルに察しおコサむン類䌌床を求め2文間の類䌌床を求めおいるためである語矩定矩文の文章ベクトルを埗る際に利甚する事前孊習枈みモデルは東北倧孊也・鈎朚研究宀が公開しおいる日本語BERTモデル(bert-base-japanese-whole-word-masking)を䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{事前孊習枈みモデルのfine-tuning}3.1節に瀺した本システムの類矩刀定粟床を向䞊させるために類矩刀定モデルをfine-tuningする2぀の手法を提案する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{Sentence-BERT(SBERT)手法}fine-tuning手法にReimersら(2019)が提案したSentence-BERT(SBERT)手法を採甚するこれは提案する類矩刀定システムは語矩定矩文の文章ベクトルを甚いお類矩刀定を行うこずから意味ベクトル空間䞊で類䌌した文章のベクトルを近く分垃させるSBERT手法により類矩刀定に適した文章ベクトルを埗るためであるSBERTによるモデル孊習の流れを述べるたず2぀の語矩定矩文を日本語BERTに入力する埗られた出力に察しおpooling操䜜を行い語矩定矩文の文章ベクトルを埗るReimersら(2019)はpooling手法においお出力された党おの単語埋め蟌みの平均を甚いるmeanpoolingを掚奚しおいるためmeanpoolingを適甚しお定矩文Aの文章ベクトルu定矩文Bの文章ベクトルvを埗たu,v及びu,vの距離\textbaru-v\textbarを(u,v,\textbaru-v\textbar)ずしお結合し党結合局に入力し孊習を行ったここで距離\textbaru-v\textbarは文章ベクトルu,vの各芁玠の差分をずり絶察倀を求めたベクトルず定矩する孊習する語矩定矩文のペアは類矩であるか類矩でないかを0,1でラベル付けしおいるため損倱関数には察照損倱(ContrastiveLoss)を採甚したmeanpoolingを甚いたSBERTによるモデル孊習の流れを図2に瀺すたたBERTを利甚しお文章ベクトルを埗る手法ずしおCLSトヌクンのベクトルを甚いる方法がありCLSベクトルを甚いた堎合の実隓も行うCLSベクトルを甚いる堎合は定矩文A及び定矩文BのCLSベクトルp,qを求めp,q及びp,qの距離\textbarp-q\textbarを(p,q,\textbarp-q{\textbar})ずしお結合し党結合局に入力し孊習を行うCLSベクトルを甚いたSBERTによるモデル孊習の流れを図3に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f2.pdf}\end{center}\caption{SBERT手法による類矩刀定モデル孊習の流れ(meanpooling)}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%曎にSBERT手法のベヌスラむンずしお単語を察象ずした類矩語刀定実隓を行う今回察象ずした単語を日本語BERTのトヌクナむザを甚いおトヌクン化するず単語によっお2぀から3぀皋のトヌクンが生成される為ベヌスラむン実隓においおもpooling操䜜を行う堎合ずCLSベクトルを甚いる堎合を実隓する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f3.pdf}\end{center}\caption{SBERT手法による類矩刀定モデル孊習の流れCLSベクトル}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{Sentence-BERT(SBERT)Infersent手法}2章で瀺したZhangら(2019)の研究ず本研究は意味関係の分類ずいう点で類䌌しおおり類矩刀定においおも䞀定の成果が埗られるず考えられるそこでSBERT手法に加えおZhangら(2019)の手法の基瀎郚分をSBERT手法ず組み合わせたSBERTInfersent手法を同時に提案するZhangら(2019)の提案する孊習手法はConneauら\cite{Misc_18}が提案したInfersentを文章゚ンコヌダの孊習に採甚しおおり孊習された文章゚ンコヌダを曎に意味関係の掚枬が行えるよう孊習させるものである本研究ではコサむン類䌌床を甚いお類矩の刀定を行うため文章゚ンコヌダを孊習させる郚分を参考に孊習に適甚するSBERTInfersent構造は図4の流れで類矩刀定モデルをfine-tuningするSBERTず比范するず以䞋の2぀の違いがある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f4.pdf}\end{center}\caption{SBERTInfersent手法による類矩刀定モデル孊習の流れ}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item2぀の定矩文から埗られた文章ベクトルu,vを結合する際文章ベクトルu,vの芁玠ごずに積を取るアダマヌル積u*vを远加しおいる\item損倱関数に亀差゚ントロピヌ誀差を䜿甚する\end{itemize}\noindent曎に実隓では特城ベクトルの結合方法が䞎える圱響を調査するため特城ベクトルu,vずu,vの距離を結合した(u,v,\textbaru-v\textbar)特城ベクトルu,vのみを結合した(u,v)に倉曎した比范手法の実隓を行うこれによっおu*vずいう特城ベクトルが必芁かどうか\textbaru-v\textbarを甚いた距離孊習が有効かどうかを瀺すこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{蟞曞ずシ゜ヌラスを甚いた語矩間の類矩ラベル付け}本節では語矩同士に察しお岩波囜語蟞兞ず分類語圙衚を甚いお類矩か吊かをラベル付けする手法に぀いお述べる語矩間の類矩刀定モデルを構築するために語矩同士が類矩か吊かをラベル付けした孊習デヌタが必芁ずなるこのようなデヌタは䜜成されおいないため語矩同士の類矩ラベル付けを手䜜業で行った察象は岩波囜語蟞兞に蚘茉されおいる単語ずその語矩である語矩定矩文ずし察象単語の類矩語ペア内の語矩の組み合わせに察しお類矩であるか吊かをラベル付けしたデヌタを䜜成する察象単語の類矩語ペアを遞出には分類語圙衚のレコヌドを利甚する\footnote{\url{https://clrd.ninjal.ac.jp/goihyo.html}}レコヌドの項目は「レコヌドID番号芋出し語番号レコヌド皮別類郚門䞭項目分類項目分類番号段萜番号小段萜番号語番号芋出し芋出し本䜓読み逆読み」ずなっおおりこれに含たれる分類番号ず段萜番号を利甚するレコヌドの各項目の説明を以䞋に瀺す\vskip\baselineskip\begin{description}[leftmargin=3.2cm,style=nextline]\item[レコヌドID番号]各レコヌドに先頭から正の敎数倀を割り圓おたもの\item[芋出し番号]芋出しの異同によっお数えた堎合の番号\item[レコヌド皮別]「曞籍版デヌタ」のレコヌドずそれに远加したレコヌドの区別を瀺す\item[類]分類枠である「䜓の類」「甚の類」「盞の類」「その他の類」の区別を瀺す\item[郹門]類の䞋の分類で意味的に倧きなたずたりである郚門を衚す\item[äž­é …ç›®]郚門より小さい意味的なたずたりを瀺す\item[分類項目]分類番号に察しお䞎えられた項目名\item[分類番号]半角数字1けた小数点半角半角数字4けたで衚す\item[段萜番号]分類項目内に蚭けた意味䞊の語集団\item[小段萜番号]段萜の䞭に蚭けた意味䞊の語集団\item[語番号]小段萜内での芋出しの出珟順番号\item[芋出し]語句及び泚蚘\item[芋出し本䜓]芋出しから内の読み及び挢字内の泚蚘をはずしたもの\item[読み]芋出しの読みを平仮名で衚蚘\item[逆読み]䞊蚘の「読み」の欄を語末から䞊べたもの\end{description}\vskip\baselineskip\noindentデヌタ䜜成の流れずしおはたず分類語圙衚の分類番号ず段萜番号が同じ単語同士は類矩語ずしお刀断しその䞭から類矩語のペアを遞出する類矩語ペアの遞出においお少なくずも䞀方の単語は必ず語矩が2぀以䞊存圚するものを遞出した次に遞出した類矩語ペアに含たれる語矩に぀いお類矩ラベル付けを行う䟋えば単語Aは3぀の語矩を持ち単語Bは2぀の語矩を持぀堎合はAずBの語矩定矩文の党おの組み合わせ6組に察しお人手によっお類矩であるず刀断したペアは1類矩でないず刀断したペアに0を付䞎し2倀ラベル付けを行った本実隓では類矩語ペア内の語矩の組み合わせを察象に語矩の類矩刀定を行うペアの䞭には類䌌した意味を耇数持぀定矩文が存圚する堎合がありこの䟋を図5に瀺す「くどい」ずいう単語の語矩13612-0-0-0-0は「し぀こい」ずいう単語の語矩21578-0-0-1-0ず21578-0-0-2-0の2぀の語矩の意味を含むため21578-0-0-1-0ず13612-0-0-0-0,21578-0-0-2-0ず13612-0-0-0-0は類矩ずしおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f5.pdf}\end{center}\caption{語矩間の類矩ラベル付けの䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{定矩文の倉曎}定矩文の倉曎に぀いおは石井ら(2023)が提案した倉曎方法を適甚する石井ら(2023)は語矩の類矩刀定に有効な語矩定矩文の文章ベクトルを埗る倉曎方法ずしお以䞋に瀺す蚭定A\textcircled{\scriptsize1}\textcircled{\scriptsize4}を岩波囜語蟞兞の定矩文に適甚しおおりこの倉曎方法を本研究に採甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f6.pdf}\end{center}\caption{語矩説明の無い定矩文の削陀䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f7.pdf}\end{center}\hangcaption{蟞曞内衚珟・蚘号の削陀・眮換党角英字を半角英字に眮換甚䟋文内のハむフン「―」の眮換ひらがな眮換䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item語矩説明の無い定矩文の削陀A\par2重括匧「(())」2重山括匧「《》」亀甲括匧「〔〕」の衚珟は単語語矩を説明しないためこの衚珟のみの定矩文を削陀する蚭定Aの䟋を図6に瀺す\item蟞曞内衚珟・蚘号の削陀・眮換党角英字を半角英字に眮換甚䟋文内のハむフン「―」の眮換ひらがな眮換\textcircled{\scriptsize1}\par2重括匧「(())」2重山括匧「《》」定矩文の番号付けした山括匧「\textless{}\textgreater{}」衚珟や「↓」「△」「×」の蚘号これらは単語語矩を説明しないため削陀する特殊な蚘号を「▜」→「。」「【】」→「『』」に眮換甚䟋文内のハむフン「―」を芋出し語ひらがなに眮換蚭定\textcircled{\scriptsize1}の䟋を図7に瀺す\item甚䟋文内のハむフン「―」の眮換䞀察䞀眮換\textcircled{\scriptsize2}\parひらがなは同音異矩の単語が存圚するため同蚓異字が存圚しない芋出し語においお挢字に眮換する蚭定\textcircled{\scriptsize2}の䟋を図8に瀺す\item远蚘情報の削陀\textcircled{\scriptsize3}\par▜」から続く文「掟生|」から続く文党角括匧「」読み仮名半角括匧「()」泚釈番号は単語語矩を説明しないため削陀する蚭定\textcircled{\scriptsize3}の䟋を図9に瀺す\item党角括匧「」衚珟を削陀\textcircled{\scriptsize4}\par党角括匧「」は読み仮名の他に盎前の単語の詳现文の䞀郚である堎合がある語矩を簡玠に衚珟するためこれらを削陀する蚭定\textcircled{\scriptsize4}の䟋を図10に瀺す\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.8\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f8.pdf}\end{center}\caption{甚䟋文内のハむフン「―」の眮換䞀察䞀眮換䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f9.pdf}\end{center}\caption{远蚘情報の削陀䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.10\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia10f10.pdf}\end{center}\caption{党角括匧「」衚珟の削陀䟋}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセット}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{語矩デヌタセット}本研究では3.33.4節に蚘茉した手法をもずに岩波囜語蟞兞に蚘茉された単語から名詞動詞圢容詞に分類される単語ペアそれぞれ50組のデヌタを遞出したこの50組のデヌタを蚓緎デヌタ甚に30組怜蚌デヌタ甚に10組テストデヌタ甚に10組に分けるこずでデヌタセットを䜜成したたた名詞動詞圢容詞を党お合わせたALLを䜜成したALLは各品詞の蚓緎デヌタ怜蚌デヌタテストデヌタを組み合わせたものずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{10table01.tex}%\caption{孊習デヌタ内蚳}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%各デヌタの内蚳を以䞋の衚1に瀺す「単語ペア数」は類矩語ペアの総数「党定矩文数」は各品詞における党単語に含たれる定矩文の総数「定矩文ペア数」は党おの定矩文からペアずなる2文を取り出したパタヌンの総数ずなる尚テストデヌタにおける「定矩文ペア数」は各単語ペアに含たれる党おの定矩文からペアずなる2文を取り出したパタヌンの総数を足し合わせた数である「ラベル0サンプル数」は類矩でない定矩文ペアのサンプル数「ラベル1サンプル数」は類矩である定矩文ペアのサンプル数を衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{単語デヌタセットベヌスラむン}語矩定矩文を甚いた類矩刀定の有効性を瀺すため単語デヌタセットを甚意し単語を察象ずした類矩刀定を提案手法(SBERT)で行い結果を比范する単語は語矩デヌタセットに含たれる名詞動詞圢容詞を甚いる単語数は各品詞においお蚓緎デヌタに60個怜蚌・テストデヌタにそれぞれ20個存圚する孊習及びテストを行う類矩単語ペアの総数は党おの単語からペアずなる2単語を取り出したパタヌンの数ずなるため各品詞の蚓緎デヌタは1770組怜蚌・テストデヌタは45組ずなるたた語矩デヌタセット同様党おの品詞デヌタを合わせたALLを甚意した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡指暙}本研究の評䟡は類矩の刀定をする二倀分類タスクであるためmacro-F1スコアを評䟡指暙ずしお求めた類矩の刀定においおは類䌌床を枬るコサむン類䌌床の閟倀を0.3から0.95たで0.01刻みで倉曎し怜蚌デヌタを甚いおmacro-F1が最高倀ずなる閟倀を求めテストデヌタに適甚しmacro-F1を求めた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}3.2節に瀺した提案手法のSBERTによる類矩刀定モデルfine-tuning時のハむパヌパラメヌタを衚2に瀺すSBERTのデフォルトパラメヌタである゚ポック数評䟡ステップに぀いおも蚭定を倉曎しおモデルの孊習を行ったSBERT手法の孊習ではBERT局及び党結合局を合わせたモデル党䜓のパラメヌタを曎新した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{10table02.tex}%\caption{SBERT手法のハむパヌパラメヌタ}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{10table03.tex}%\caption{SBERTInferSent手法のハむパヌパラメヌタ}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%SBERTInferSent手法のハむパヌパラメヌタを衚3に瀺すZhangら(2019)が提案した手法では最適化手法にAdamInfersentではSGDを甚いおいるため䞡方の最適化手法を比范甚手法に適甚しお結果を求めるSBERTInferSent手法の孊習ではBERT最終局及び党結合局のパラメヌタを曎新したfine-tuningに぀いおは各品詞のテストデヌタに察応する品詞の蚓緎デヌタをモデルに孊習させ結果を求める%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{10table04.tex}%\hangcaption{SBERT手法の実隓結果(macro-F1)trainpoolingはモデル孊習時testpoolingは類矩刀定時に甚いられるpoolingを瀺すstepは評䟡ステップを瀺す「※」は各品詞でmacro-F1が最高倀ずなったepochstepの組み合わせを同じ品詞に適甚しおいるこずを瀺す}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓結果・考察} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{SBERT手法におけるfine-tuningの有効性}fine-tuning枈みの類矩刀定モデルを利甚しお類矩刀定を行った結果ずfine-tuningを斜しおいない元の日本語BERTモデルfine-tuning無しを利甚しお類矩刀定を行った結果を衚4に瀺す衚4䞭の「ベヌスラむン」は4.1.2節で瀺した単語デヌタセットを甚いた実隓結果を瀺し「定矩文の倉曎無し」は3.4節で瀺した定矩文の倉曎を行わず岩波囜語蟞兞の定矩文をそのたた甚いた実隓結果を瀺すなおfine-tuningした類矩刀定モデルの結果は3回実隓をしお埗られたmacro-F1の平均倀を求めたものであるたた各品詞においおmacro-F1が最高倀ずなった際の閟倀を衚5に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{10table05.tex}%\caption{各品詞においおmacro-F1の最高倀を埗た蚭定の閟倀}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%今回の実隓では提案手法であるSBERTを甚いおfine-tuningした類矩刀定モデルを甚いた類矩刀定粟床が䞀番高くALLにおいお0.8172の倀を出したこのずきの閟倀の平均は0.60であり0.60が最適な閟倀であるずいえるたたfine-tuning枈みの類矩刀定モデルはfine-tuning無しの堎合に比べ各品詞においお0.130.28の向䞊が芋られたベヌスラむンずする単語を察象ずした類矩刀定粟床ず比べるずどの品詞においおも語矩を察象ずした粟床の方が高い倀を出した単語ベクトルは単語そのものの特城を含んだベクトルが埗られるのに察しお語矩定矩文の文章ベクトルはより倚くの語を含むため語矩に必芁のない特城を含んだベクトルが生成される可胜性が高いそのため単語の類矩刀定よりも語矩の類矩刀定の方が難しいタスクであるず考えられるこずから語矩の類矩刀定を行う提案手法の粟床に劥圓性があるずいえるたた語矩の類矩刀定粟床が単語の刀定粟床を䞊回る結果ずなった芁因ずしお単語の倚矩性ず日本語BERTモデルの孊習で䜿われる文脈の倚様性により倚矩的な意味を含んだ単語ベクトルが生成されるこずが挙げられるそのため語矩を説明する文章である語矩定矩文を甚いるこずで語矩レベルの関係を高い粟床で刀定できるためより高床な意味分析が可胜になるずいえるfine-tuning無しの日本語BERTを甚いお同様の類矩刀定を行った石井ら(2023)の実隓では類矩刀定が難しい䟋ずしお以䞋に瀺す参照的な蚘述がなされる定矩文を含む「すがお」「じがお」の単語ペアを挙げおいるなお以䞋の語矩定矩文は岩波囜語蟞兞の語矩定矩文に3.4節の倉曎を加えおいる\vskip\baselineskip\begin{itemize}\itemすがお【玠顔】\mbox{}\\語矩1“ふだんの顔。”\\\textbf{語矩2“化粧しおいない顔。地顔。転じお、ありのたたの状態。「東京の玠顔」”}\\語矩3“酒に酔っおいない時の顔。しらふ。”\\\itemじがお【地顔】\mbox{}\\\textbf{語矩1“玠顔。”}\end{itemize}\vskip\baselineskip「すがお」「じがお」の類矩刀定では「すがお」の語矩2ず「じがお」の語矩1のペアが類矩であるず刀定したい「じがお」の語矩定矩文は“玠顔。”ず蚘述されおおり「すがお」の定矩文を読むように誘導させる参照的な蚘述で曞かれおいるこのように語矩定矩文が極端に短くなり有甚な文章ベクトルを埗られないこずで類矩刀定が難しくなるず考えられるこの「すがお」ず「じがお」の語矩ペアに察しおfine-tuning無しずfine-tuning枈みの類矩刀定モデルを甚いるこずでコサむン類䌌床がどれほど倉化するのか調査した結果を衚6に瀺す衚6におけるコサむン類䌌床の数倀を芋るず類矩であるず刀定したい語矩ペア「すがお」の語矩2ず「じがお」の語矩1のコサむン類䌌床に぀いおは数倀が玄0.012䜎䞋しおあたり倉化をしおいないのに察しお類矩でないず刀定したい語矩ペアに぀いおは「すがお」の語矩1ず「じがお」の語矩1のペアが玄0.25「すがお」の語矩1ず「じがお」の語矩1のペアが玄0.26ず倧幅に䜎䞋しおいるこずが分かるしたがっおfine-tuning無しの日本語BERTモデルを甚いお求めた堎合は正解ペアのコサむン類䌌床が語矩ペアの組み合わせ䞭で最䜎倀ずなるがfine-tuning枈み類矩刀定モデルを甚いた堎合は最高倀ずなったコサむン類䌌床の数倀に閟倀を蚭けお類矩刀定をしおいるため正解ペアの数倀ず䞍正解ペアの数倀においお正解ペアが最高倀ずなりか぀正解ペアず䞍正解ペアの数倀の乖離が倧きいほど類矩刀定に望たしい結果ずなるfine-tuning枈み類矩刀定モデルの結果はこれを満たす数倀を埗られるこずからfine-tuning無しの日本語BERTモデル甚いた堎合ず比べお刀定粟床が向䞊しおいるずわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{10table06.tex}%\caption{「すがお」「じがお」語矩ペアのコサむン類䌌床※正解の語矩ペアず類䌌床を倪字で衚す}\vspace{2\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次に類矩刀定に倱敗する䟋「にくい」「がたい」の類矩語ペアを以䞋に挙げるなお以䞋の語矩定矩文も同様に岩波囜語蟞兞の語矩定矩文に3.4節の倉曎を加えおいる\vskip\baselineskip\newpage\begin{itemize}\itemにくい\mbox{}\\語矩1“『憎い』やっ぀けおやりたいほど䞍快だ。”\\語矩2“しゃくにさわるほど気にくわない。”\\語矩3“しゃくにさわるほど、あっぱれだ。いやでも感心せざるを埗ない。「なかなかにくい振舞だ」「き剛の者かな」保元”\\\textbf{語矩4“すらすらずは できない。「読みにくい字」「飲みにくい薬」”}\\\itemがたい【難い】\mbox{}\\\textbf{語矩1“ しにくい。なかなか できない。やすい。「動かし難い事実」”}\end{itemize}\vskip\baselineskip%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{10table07.tex}%\caption{「にくい」「がたい」語矩ペアのコサむン類䌌床※正解の語矩ペアず類䌌床を倪字で衚す}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚7にコサむン類䌌床の数倀を瀺すfine-tuning無しの日本語BERTを甚いお求められたコサむン類䌌床の数倀では正解ペアの数倀が䞀番高いが䞍正解ペアである「にくい」の語矩3ず「がたい」の語矩1ずの数倀の差が0.02しかなく類矩刀定が難しい結果ずなっおいる䞀方fine-tuning枈みの類矩刀定モデルを甚いた堎合は0.046の差を埗るこずができた為fine-tuning無しの日本語BERTモデルを甚いた堎合に比べ理想的な数倀を埗るこずができおいるしかし「にくい」ず「がたい」の定矩文ペアにおけるコサむン類䌌床の数倀が党䜓的に䜎いこずが原因で類矩刀定が䞊手くいかない圢容詞の閟倀は3回の実隓で0.780.770.79を取るずきにmacro-F1が最高倀になるためコサむン類䌌床の最高倀が0.7384である「にくい」「がたい」の堎合圢容詞における最適な閟倀である0.780.770.79のいずれの倀に察しおもコサむン類䌌床の倀が䞋回っおしたう蚓緎デヌタは各品詞の党定矩文ペアで構成されおいるため䞍正解ペアが孊習デヌタの倚くを占めるそのため党䜓的なコサむン類䌌床の数倀が䜎く極端に䜎くなる䟋も珟れおしたう%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{SBERTInfersent手法で利甚する特城ベクトルによる粟床の倉化}SBERTInfersent手法の結果を衚8に瀺す3.2.2項で瀺したSBERTInfersent手法ずその比范手法の内でもっずもmacro-F1が高い蚭定は,特城ベクトルに(u,v,\textbaru-v\textbar)゚ポック数を10最適化手法にadamを採甚した0.7932ずなった結果から最適化手法に亀差゚ントロピヌ誀差を甚いるよりも察象誀差を甚いた方が特城ベクトルにおいおは(u,v,\textbaru-v\textbar,u*v)を甚いるよりも(u,v,\textbaru-v\textbar)を甚いた方が今回の実隓では有効であるずいえる曎に特城ベクトルにベクトルの距離である\textbaru-v\textbarを甚いなかった堎合の粟床が䞀番䜎いため距離孊習が有効であるずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{10table08.tex}%\caption{SBERTInfersent手法の実隓結果(macro-F1)}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{倧芏暡蚀語モデルを甚いた比范実隓}本研究の提案手法の有効性を瀺すためSentence-T5(ST5)\cite{Misc_19}モデルずの比范実隓を行ったST5ずは倧芏暡蚀語モデルであるText-to-TextTransferTransformer(T5)\cite{Article_20}を甚いお入力した文章から文章ベクトルを埗る手法であるST5はSTSベンチマヌクを含むタスクにおいおSBERTに比べお高い粟床を瀺しおいる比范実隓は以䞋の4぀の実隓を行う\begin{description}[leftmargin=4.0cm,style=nextline]\item[ST5MLP]ST5で埗た文章ベクトルをMulti-LayerPerceptron(MLP)に入力しテキスト分類を行う\item[ST5MLP閟倀刀定]ST5MLPモデルの出力倀に閟倀を蚭定する\item[ST5cos閟倀刀定]ST5を甚いお3.1節に瀺すコサむン類䌌床の閟倀刀定を行う\item[ST5inSBERT]SBERT手法の゚ンコヌダをST5に倉曎する\end{description}\noindentST5MLPは3.1節に瀺した定矩文同士のコサむン類䌌床による閟倀刀定を行わずにMLPから埗た出力倀を甚いおテキスト分類を行いこれを類矩刀定の結果ずしたST5MLPモデルはSBERTInfersent手法の゚ンコヌダをST5に倉曎しSBERTInfersent手法における最高倀を埗た蚭定を匕き継ぐ尚モデルのパラメヌタにおいおは党結合局のみを曎新しおいるST5MLP閟倀刀定は゜フトマックス関数から埗られたラベル1の確率倀に閟倀を蚭定し閟倀を超した堎合は出力の結果をラベル1であるずした閟倀は0.0001から0.5000たで0.0001刻みで倉曎したST5cos閟倀刀定は事前孊習枈みのST5モデルを甚いお3.1節に瀺す類矩刀定を行ったST5inSBERTは3.2.1項のSBERT手法の゚ンコヌダをST5に倉曎しSBERT手法においお最高倀を埗た蚭定でモデル孊習を行い類矩刀定を行った4぀の実隓で甚いたST5モデルはHuggingFace䞊に公開されおいる事前孊習枈み日本語ST5モデル(\texttt{sonoisa/sentence-t5-base-ja-mean-tokens})\footnote{\url{https://huggingface.co/sonoisa/sentence-t5-base-ja-mean-tokens}}を甚いたこれら4぀のST5を甚いた実隓の結果を衚9に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{10table09.tex}%\caption{倧芏暡蚀語モデル(Sentence-T5)を甚いた実隓結果(macro-F1)}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%類矩刀定の粟床はST5MLP手法においお最䜎倀0.6287ずなりST5inSBERT手法においお最高倀0.8199を出したST5inSBERT手法の結果においおはSBERT手法の最高倀よりも高い倀が埗られたST5MLP手法によるテキスト分類を甚いたアプロヌチの粟床が䜎い芁因ずしお本研究に甚いたデヌタセットが挙げられる本研究で甚意したデヌタセットは2぀の定矩文が類矩でないラベル0類矩であるラベル1の偏りが著しく衚1に瀺すようにラベル1が極端に少ないデヌタセットであるそのためMLPを甚いた䞀般的なテキスト分類の手法では類矩でないラベル0を倚く孊習するため䜎い粟床になったず考えられるST5MLP閟倀刀定手法は粟床が向䞊したもののSBERT手法よりも粟床が䜎い結果になったST5cos閟倀刀定手法による類矩刀定の粟床はSBERT手法に匹敵する粟床を出しおおりBERTよりもST5から埗られる文章ベクトルを甚いるこずで高い粟床が埗られるこずが分かるST5inSBERT手法においおは類矩刀定におけるSBERT手法の最高倀を曎新したため゚ンコヌダに性胜の高い蚀語モデルを甚いるこずで曎なる粟床向䞊が芋蟌める%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では単語間の類矩関係に着目し「うたい」の語矩「よい。すぐれおいる。」ず「じょうず」の語矩「ある物事をする技術がすぐれおいるこず。」の様に単語の語矩を察象に類矩であるか吊かを刀定する類矩刀定手法を提案した岩波囜語蟞兞の芋出し語語矩定矩文及び分類語圙衚の分類番号から単語ペアに察する語矩レベルでの類矩デヌタセットを䜜成しSentence-BERTやSentence-BERTInfersentずいった距離孊習モデルに察しお孊習デヌタでfine-tuningを行ったモデルを甚いお単語間の類矩刀定を行った実隓の結果コサむン類䌌床に閟倀を蚭ける語矩の類矩刀定においお正解ペアのコサむン類䌌床ず䞍正解ペアのコサむン類䌌床の間にある皋床理想的な差を生み出し類矩刀定粟床を高められるモデルが生成できるこずを瀺したこれには距離孊習や最適化手法の察象誀差を甚いたこずが有効に働いたず考えられる提案手法における距離孊習や語矩定矩文の倉曎を行うこずによっおベヌスラむン手法よりも類矩刀定を効果的にできるこずを瀺した今埌は専門家の協力のもずでさらに倧芏暡な類矩デヌタセットを構築し高い粟床で類矩刀定を行うこずができる新たなシステムの考案を行いたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はJSPS科研費JP22K12161による助成を受けお実斜したものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{10refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{石井䜑暹}{%2022幎茚城倧孊工孊郚情報工孊科卒珟圚茚城倧孊倧孊院理工孊研究科博士前期課皋に圚籍蚀語凊理孊䌚孊生䌚員}\bioauthor{䜐々朚皔}{%1996幎埳島倧孊工孊郚知胜情報工孊科卒業2001幎同倧孊倧孊院博士埌期課皋修了博士工孊2001幎12月茚城倧孊工孊郚情報工孊科助手珟圚茚城倧孊工孊郚情報工孊科准教授機械孊習や統蚈的手法による情報怜玢自然蚀語凊理等に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V03N02-02
\section{はじめに} むンタヌネット䞊の電子ニュヌス(以䞋ネットニュヌスず蚘す)は誰もが自由に蚘事を投皿するこずができそれがそのたた広く配垃されるずいう特城を持った新しいマスメディアである情報発信者が限られおいる埓来のマスメディア(新聞ラゞオテレビ)ず比べ情報発信の機䌚を広くに解攟した点でネットニュヌスはマスメディアの新しい可胜性を開いたが逆に情報発信者の拡倧による情報の措氎ず情報(テキスト)品質の倚様化ずいう新しい珟象を匕き起こし぀぀あるこのため求める情報を簡単に芋぀けるこずができなくなり぀぀ある我々はこの問題を解決する方策ずしおダむゞェストに泚目しおいる\cite{Madoka-master-94,Madoka-ipsj-conf-94,Madoka-ipsj95}ダむゞェストずは元ずなる情報の特質をコンパクトにたずめお情報の皮類別に敎理したものであり我々が倧量の情報に接する際に効果的なナビゲヌション機胜を果たす既存のダむゞェストは人手で線集されたものがほずんどであるがはじめからオンラむンテキストずしお存圚するネットニュヌスではこのダむゞェスト䜜成を完党に自動化するこずが可胜である我々は既にネットニュヌスのダむゞェスト自動生成の1぀のプロトタむプずしおfj.meetingsのダむゞェスト自動生成システムを䜜成し実際に運甚しおいる\footnote{\verb+http://www.jaist.ac.jp/\~{}sato/nnad/home-j.html+}本研究ではその次のステップずしおfj.wantedのダむゞェスト自動生成に぀いお怜蚎したfj.wantedはfj.meetingsずは異なりかなり倚様な投皿者が倚様なテキスト品質の蚘事を投皿しおおりfj.meetingsのダむゞェスト自動生成で甚いた手法ずは異なった手法が必芁ずなる \section{ニュヌスグルヌプfj.wanted} ダむゞェスト自動生成システムの䜜成に先立ち94幎9月8日から10月18日の間にfj.wantedに流れた蚘事231ä»¶(フォロヌ蚘事は陀く)に察する調査を行なった特にその䞭の59件に぀いおは詳现な調査を行なったここではその調査結果を瀺す\subsection{䞻題䞊の特城}fj.wantedの蚘事の䞻題(目的)は「䜕かを探しおいる(求めおいる)ずいうこずを䌝える」ずいうものであるこれらの蚘事の䞻題はおおよそ図\ref{fig:category}に瀺すような2段の階局的カテゎリに分類するこずが可胜である\footnote{䞋䜍分類の1--5に分類できないもの(䟋えば「ある物ずある物を亀換したい$=$亀換しおくれる人を探しおいる」)は0の「探しおいたす」に分類する}この図においおかぎ括匧内は求めるものの察象が䜕であるかを瀺しおいる以䞋ではこれらのカテゎリを蚘事のカテゎリず呌ぶ\begin{figure}\begin{center}\tree[h]{0.探しおいたす[人,物,情報]}\leaf{1.譲っお䞋さい[物]}\leaf{2.譲りたす[物]}\leaf{3.貞しお䞋さい[物]}\leaf{4.募集したす[人]}\leaf{5.教えお䞋さい[情報]}\endtree\end{center}\caption{蚘事のカテゎリ}\label{fig:category}\end{figure}\subsection{文章䞊の特城}fj.wantedの蚘事には以䞋のような文章䞊の特城が芋られた\begin{enumerate}\item[(1)]倚くの蚘事においおその蚘事の内容を端的に衚す1文(以䞋サマリ文ず呌ぶ)が存圚する\end{enumerate}調査した蚘事59件䞭54ä»¶(91.5\%)にサマリ文が存圚した\begin{enumerate}\item[(2)]fj.wantedの蚘事で甚いられる文章構造のほずんどは単刀盎入型か背景説明型である\end{enumerate}単刀盎入型ず背景説明型ずは図\ref{fig:structure}に瀺すような文章構造(文章の流れ)をさすこの図においおかぎ括匧が぀けられたものは省略可胜な芁玠である調査した蚘事59件䞭単刀盎入型は47ä»¶(79.8\%)背景説明型は10ä»¶(16.9\%)であったなおこれらの型においお「芁玄」の郚分が1文であればそれがサマリ文ずなる\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}[t]{|l|}\multicolumn{1}{c}{単刀盎入型}\\\hline1.[あいさ぀・自己玹介]\\2.芁玄(1文or耇数の文)\\3.[詳现説明]\\\hline\end{tabular}\hspace*{10mm}\begin{tabular}[t]{|l|}\multicolumn{1}{c}{背景説明型}\\\hline1.[あいさ぀・自己玹介]\\2.背景説明\\3.芁玄(1文or耇数の文)\\4.[詳现説明]\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{単刀盎入型ず背景説明型}\label{fig:structure}\end{figure}\subsection{衚珟䞊の特城}fj.wantedの蚘事には以䞋のような衚珟䞊の特城が芋られた\begin{enumerate}\item[(1)]兞型的な「求む」の衚珟が倚くの蚘事で甚いられる\end{enumerate}これらの衚珟のほずんどは兞型的な動詞矀ず文パタヌン(文末衚珟)によっお構成されおいる䜿われる兞型的な動詞は蚘事のカテゎリによっお異なる図\ref{fig:pattern_example}に䟋を瀺す\begin{enumerate}\item[(2)]機械による蚀語凊理を難しくする以䞋のような特城が芋られる\begin{itemize}\itemテキストが䜎品質である(誀りが倚い)\item䌚話䜓が存圚する(ex.「〜っおあるんでしょうか」)\item品目名ずしおかなり特殊な固有名詞が倚数珟れる\end{itemize}\end{enumerate}\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{|rl|}\hline\multicolumn{2}{|l|}{特城的な動詞}\\\hline0.&探しおいたす求めおいたす〜方はいらっしゃいたせんか...\\1.&譲っお䞋さい売っお䞋さい買いたす...\\2.&譲りたす売りたす...\\3.&貞しお䞋さい\\4.&募集したす\\5.&教えお䞋さいご存知ないですか...\\\hline\hline\multicolumn{2}{|l|}{兞型的な「求む」の文パタヌン}\\\hlinea.&「〜を(動詞)䞋さい」\\b.&「〜を(動詞)䞋さる方を探しおいたす」\\c.&「〜を探しおいたすどなたか(動詞)いただけないでしょうか」\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{兞型的な「求む」の衚珟䟋}\label{fig:pattern_example}\vspace*{10mm}\end{figure} \section{サマリ抜出} 䞊蚘の調査結果に基づきfj.wantedの各蚘事から\begin{enumerate}\item蚘事のカテゎリ\itemサマリ文\end{enumerate}の2぀を蚘事のサマリずしお抜出するこずずしそれを行なうモゞュヌルを䜜成したその抂芁を図\ref{fig:summary_extraction}に瀺すこの図に瀺すようにサマリ抜出は文分割特城抜出カテゎリ刀定サマリ文抜出の4぀のステップによっお行なうが最埌の2぀のカテゎリ刀定ずサマリ文抜出はそれぞれ独立に行うこれは以䞋のようにサマリ文ずしお抜出すべき文ずカテゎリ刀定の根拠ずなる文が異なる堎合があるからである\begin{quote}互換機甚のモニタを探しおいたす。\\以䞊の解像床を持぀カラヌモニタヌを䞇円未満で譲っおいただけないでしょうか。\end{quote}この䟋では1文目がサマリ文であるのに察しカテゎリ「譲っお䞋さい」は2文目から求たる\begin{figure}\begin{center}\small\fbox{\begin{tabular}{p{8zw}cp{8zw}}&蚘事&\\&$\downarrow$&\\&\fbox{1.文分割}&(先頭10文のみ)\\&$\downarrow$&\\&\fbox{2.特城抜出}&\\&$\downarrow$&\\&特城ベクトル&(各文に察しお)\\&$\swarrow$\\\\$\searrow$&\\\multicolumn{3}{c}{\begin{tabular}{@{}c@{}}\fbox{3.カテゎリ刀定}\\$\downarrow$\\カテゎリ\end{tabular}\\\begin{tabular}{@{}c@{}}\fbox{4.サマリ文抜出}\\$\downarrow$\\サマリ文\end{tabular}}\end{tabular}}\end{center}\caption{サマリ抜出の抂芁}\label{fig:summary_extraction}\end{figure}\subsection{文分割}ニュヌス蚘事の本文を文毎に分割し先頭の10文を取り出す\footnote{この10ずいう数は実隓的に決定したなおfj.wantedの蚘事の半数以䞊は10文以䞋の蚘事である}蚘事には色々な衚瀺䞊の工倫がされおいるこずがあり文を切り出すこずはそれほど単玔ではないここでは各皮のヒュヌリスティックを組み蟌んだ専甚プログラムによっお文を切り出す\subsection{特城抜出}各文に察しお42個の特城が存圚するかどうかを調べ特城ベクトル(42bitのビット列)を䜜成するここでの「特城」ずは䟋えば\begin{description}\item[特城2]「譲っお䞋さい」に類する衚珟が存圚する\end{description}ずいったものでありこれは衚\ref{table:yuzutte}に瀺すような衚珟が存圚するかどうかを文字列照合によっお調べるこずによっお刀定する42個の特城の抂芁を衚\ref{table:features}に瀺す\begin{table}\caption{特城2の衚珟}\label{table:yuzutte}\begin{center}\small\begin{tabular}{|r|l|l|l|}\hline譲っお&\multicolumn{3}{l|}{\{欲しい$|$䞋さい$|$もらいたい$|$頂きたい\}}\\\cline{2-4}&もらえ&\multicolumn{2}{l|}{るず}\\\cline{3-4}&頂け&たす&か\\&&たせん&でしょうか\\&&ない&\\\hlineお譲り&\multicolumn{3}{l|}{\{䞋さい$|$頂きたい$|$頂きたく\}}\\\cline{2-4}&頂け&\multicolumn{2}{l|}{るず}\\\cline{3-4}&願え&たす&か\\&&たせん&でしょうか\\&&ない&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{42個の特城}\label{table:features}\begin{center}\footnotesize\begin{tabular}{rll}ID&特城&以降の凊理での利甚\\\hline1&探しおいたす&$\rightarrow$探しおいたす\\2&譲っお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\3&売っお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\4&買っお䞋さい&$\rightarrow$譲りたす\\5&貞しお䞋さい&$\rightarrow$貞しお䞋さい\\6&教えお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\7&知らせお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\8&玹介しお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\9&ダビングしお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\10&譲りたす&$\rightarrow$譲りたす\\11&売りたす&$\rightarrow$譲りたす\\12&募集したす&$\rightarrow$募集したす\\13&知りたいの&$\rightarrow$教えお䞋さい\\14&買いたいの&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\15&欲しいの&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\16&求めおいたす&$\rightarrow$探しおいたす\\17&垌望したす&$\rightarrow$(譲っお䞋さい)\\18&存圚したすか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\19&はあるのでしょうか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\20&はいらっしゃいたすか&$\rightarrow$探しおいたす\\21&可胜でしょうか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\\hline\end{tabular}\begin{tabular}{rll}ID&特城&以降の凊理での利甚\\\hline22&知りたせんか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\23&質問です&$\rightarrow$教えお䞋さい\\24&譲っお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\25&売っお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\26&買っお䞋さる&$\rightarrow$譲りたす\\27&貞しお䞋さる&$\rightarrow$貞しお䞋さい\\28&ダビングしお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\29&知っおいる&$\rightarrow$教えお䞋さい\\30&情報を埅っおいたす&$\rightarrow$教えお䞋さい\\31&情報をお持ちの&$\rightarrow$教えお䞋さい\\32&届きたせん&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\33&䟡栌&$\rightarrow$譲っお䞋さい(+探)\\34&1䞇円&$\rightarrow$譲っお䞋さい(+探)\\35&どのように/誰か/どこか&$\rightarrow$教えお䞋さい(+探)\\36&疑問文&\\37&です文&$\rightarrow$skip\\38&あいさ぀&$\rightarrow$skip\\39&自己玹介&$\rightarrow$skip\\40&代理投皿&$\rightarrow$skip\\41&境界線&$\rightarrow$skip\\42&コメント&$\rightarrow$skip\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{カテゎリ刀定}カテゎリ刀定では35個の芏則を甚いるこのうち31個の芏則は特城1--16,18-32に盎接察応する芏則でこれらの特城の存圚がそのたたカテゎリの候補に察応する(衚\ref{table:features}䞭の「以降の凊理での利甚」欄を参照)残りの4぀の芏則のうちの3぀は特城33--35に察応する芏則で他の芏則によっお「探しおいたす」ずいうカテゎリが候補ずなっおいる堎合にのみ䜿甚する残りの1぀の芏則(特城17に察応)は他の芏則によっおカテゎリの候補が埗られない堎合にのみ䜿甚する具䜓的には以䞋の手順によっおカテゎリを決定する\begin{enumerate}\itemカテゎリ候補リストを空ずする\item先頭の文の特城ベクトルから順に文の特城ベクトルに察しお以䞋を実行する\begin{enumerate}\item[(a)]芏則を適甚しその特城ベクトルから埗られる党おのカテゎリの候補をカテゎリ候補リストに远加する\item[(b)]そのリストの䞭に「譲っお䞋さい譲りたす貞しお䞋さい募集したす」のいずれかが含たれる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\end{enumerate}\itemカテゎリ候補リストに「教えお䞋さい」が含たれおいる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\itemカテゎリ候補リストに「探しおいたす」が含たれおいる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\itemカテゎリは䞍明ずする\end{enumerate}\subsection{サマリ文抜出}サマリ文の抜出では以䞋の2぀の方法を実装した\begin{description}\item[衚珟パタヌンによる方法]特城1--32を持った最初の文をサマリ文ずする䜆しその前の文が「疑問文(特城36)」である堎合はその文をサマリ文ずする\item[文章構造による方法]特城37--42を持たない最初の文をサマリ文ずする\footnote{これは単刀盎入型に察応した方法である}\end{description} \section{実隓} 2節での調査の察象ずした231件の蚘事(KNOWN)ず1994幎12月5日から12月13日の間にfj.wantedに流れた80件の蚘事(UNKNOWN)に察しおサマリ抜出の実隓を行なったここではその実隓結果に぀いお述べる\subsection{カテゎリ刀定}カテゎリ刀定の実隓結果を衚\ref{table:cat_result}に瀺すこの衚よりわかるように既知の蚘事矀(KNOWN)に察しおは88.3\%未知の蚘事矀(UNKNOWN)に察しおは81.3\%ずいう高い粟床で正しくカテゎリを刀定できた\begin{table}\caption{カテゎリ刀定の実隓結果}\label{table:cat_result}\begin{center}\begin{tabular}{|l|rr|rr|}\hline&\multicolumn{2}{c|}{KNOWN}&\multicolumn{2}{c|}{UNKNOWN}\\\hline党蚘事数&231&(100.0\%)&80&(100.0\%)\\\hlineカテゎリを正しく刀定&204&(88.3\%)&65&(81.3\%)\\カテゎリを誀っお刀定&22&(9.5\%)&7&(8.8\%)\\刀定䞍胜&5&(2.1\%)&8&(10.0\%)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}カテゎリの刀定に倱敗した䟋ずカテゎリが抜出できなかった䟋を図\ref{fig:cat_error}ず図\ref{fig:cat_fail}に瀺す\footnote{ここで本論文におけるネットニュヌス蚘事の参照に関する考え方を述べおおく通垞のガむドラむンではネットニュヌス蚘事を参照する堎合にはそのメッセヌゞIDを明蚘するこずが掚奚されおいるしかし本論文ではメッセヌゞIDを明蚘しないこずにしか぀蚘事䞭の眲名所属に関する蚘述を線集するこずによっおそのニュヌス蚘事の投皿者に関する情報を明らかにしない方針を取ったそれは以䞋の理由による(1)本論文での参照しおいる蚘事は本論文では凊理察象の䟋ずしおのみ意味を持っおいる(2)本論文でメッセヌゞIDを明蚘するこずが投皿者の利益になるずは思われないなお本論文で䟋ずしお参照しおいるニュヌス蚘事は党お1994幎12月5日から12月13日の間にfj.wantedに流れた80件の蚘事(UNKNOWN)から取った}図\ref{fig:cat_error}の䟋では正しいカテゎリは「譲っお䞋さい」であるのに察し「探しおいたす」ずいうカテゎリだず刀定された\subsection{サマリ文抜出}サマリ文抜出の実隓結果を衚\ref{table:summary_result}に瀺すここで組み合わせた方法ずはたず衚珟パタヌンによる方法でサマリ文の抜出を詊み抜出できない堎合のみ文章構造による方法を甚いる方法であるこの衚においおカギ括匧内はサマリ文が存圚する堎合の成功率を瀺すこの衚より衚珟パタヌンによる方法は抜出粟床がよく文章構造による方法ず組み合わせるこずのよっおさらにほんの少しだけ抜出粟床が向䞊するこずがわかる\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}\verb+<名前><所属>+\\\\キャノンのFDレンズを探しおたす。\\\\FD50F1.2〜1.4たでのレンズを手攟そうず考えおいる方がありたしたら䞀報連絡ください。\end{tabular}\end{screen}\caption{カテゎリ刀定の倱敗䟋}\label{fig:cat_error}\end{figure}\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}オヌディオ甚アンプ\\メヌカヌ等問いたせん。\\気長にお埅ちしおいたす。\\\\\verb+<名前><所属>+\end{tabular}\end{screen}\caption{カテゎリ刀定の䞍胜䟋}\label{fig:cat_fail}\end{figure}図\ref{fig:extract_error}にサマリ抜出の倱敗䟋を瀺すこの䟋の堎合「私が欲しおいるのは〜ずゆヌものです」ずいうパタヌンが登録されおいないため衚珟パタヌンによる方法では抜出に倱敗するたた文章構造による方法では最初の文が自己玹介文(特城39)であり第2文が「です文」(特城37)であるためこの2文をスキップし第3文をサマリ文ずしお抜出しおしたう\begin{table}\caption{サマリ文抜出の実隓結果}\label{table:summary_result}\begin{center}\begin{tabular}{|l|rrr|rrr|}\hline&\multicolumn{3}{c|}{KNOWN}&\multicolumn{3}{c|}{UNKNOWN}\\\hline党蚘事数&231&(100.0\%)&&80&(100.0\%)&\\サマリ文が存圚&198&(85.7\%)&[100.0\%]&69&(86.3\%)&[100.0\%]\\\hline衚珟パタヌンによる方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&185&(80.1\%)&[93.4\%]&60&(75.0\%)&[87.0\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&40&(17.3\%)&&14&(17.5\%)&\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出䞍胜}&6&(2.6\%)&&6&(7.5\%)&\\\hline文章構造による方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&156&(67.5\%)&[78.8\%]&44&(55.0\%)&[63.8\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&75&(32.5\%)&&36&(45.0\%)&\\\hline組み合わせた方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&187&(81.0\%)&[94.4\%]&61&(76.3\%)&[88.4\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&44&(19.0\%)&&19&(23.8\%)&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{ダむゞェストシステム} 䞊蚘のサマリ抜出モゞュヌルを甚いおfj.wantedのダむゞェストシステムを詊䜜した䜜成したシステムの抂芁を図\ref{fig:system}に瀺すサマリ文抜出では基本的には衚珟パタンによる方法を甚いこの方法によっおサマリ文が抜出できない堎合には文章構造による方法を甚いるダむゞェスト線集では埗られた蚘事のサマリをカテゎリ別に敎理しHTML(HyperTextMarkupLanguage)圢匏で出力するこのずき元の蚘事ぞのポむンタをハむパヌテキストのリンクずしお埋め蟌むダむゞェストリヌダヌずしおはWWW(World-WideWeb)のクラむアントプログラム(xmosaic等)を甚いる\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}\verb+<名前><所属>ず申したす。+\\\\私が欲しおいるのは、”HONDACIVIC25X[EF2]のサヌビスマニュアル”いわゆる、敎備解説曞ずゆヌものです。\\\\たあ、ディヌラヌ系の郚販に行けば手にはいるのですが、䜕せ䞇円ずいう倀段は、今の私には倧き過ぎるのです。(以䞋略)\end{tabular}\end{screen}\caption{サマリ抜出の倱敗䟋}\label{fig:extract_error}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\small\fbox{\begin{tabular}{cccc}蚘事&蚘事&...&蚘事\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\\fbox{サマリ抜出}&\fbox{サマリ抜出}&...&\fbox{サマリ抜出}\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\サマリ&サマリ&...&サマリ\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\\multicolumn{4}{c}{\framebox[70mm]{ダむゞェスト線集}}\\\multicolumn{4}{c}{$\downarrow$}\\\multicolumn{4}{c}{ダむゞェスト}\\\multicolumn{4}{c}{$\uparrow$}\\\multicolumn{4}{c}{\fbox{ダむゞェストリヌダヌ}}\end{tabular}}\end{center}\caption{ダむゞェストシステムの抂芁}\label{fig:system}\end{figure}\clearpage\begin{figure}[h]\begin{center}\atari(139,73)\end{center}\caption{WWWでのダむゞェストサヌビス}\label{fig:digest}\end{figure}本システムは珟圚WWWにおいお詊隓運甚しおいる\footnote{\verb+http://www.jaist.ac.jp/\~{}sato/nnad/home-j.html+}図\ref{fig:digest}にダむゞェストの衚瀺䟋を瀺す \section{議論} \begin{enumerate}\item[(1)]本研究によりfj.wantedに関しおも実甚的なダむゞェストの自動生成が可胜であるこずが明らかになった\end{enumerate}圓初我々はテキストず投皿者がかなり倚様であるためfj.wantedのダむゞェスト自動生成は難しいのではないかず考えおいたしかし本研究の結果はこの予想を芆すものであったfj.wantedのダむゞェスト自動生成が可胜であった最倧の理由は「fj.wantedの蚘事が自分の求めるものが䜕であるかを読み手に䌝えるずいう明確な目的を持った文章でありそのような情報を䌝達するために䜿われる文章構造ず文章衚珟はかなり限定される」ずいうこずにあるだろう\footnote{逆の偎面から芋ればこのように文章構造や文章衚珟が限られおいるため我々は明確にその文章の䞻題(目的)を理解するこずができるずも蚀えよう}このこずが蚀わば「斜め読み」的凊理によるサマリ抜出を可胜にしおいるず考えられる\begin{enumerate}\item[(2)]さらなる粟床向䞊を目指すならばサマリ文がない蚘事(15\%)のサマリ生成が必芁ずなる\end{enumerate}サマリ文がない蚘事の倚くは照応や省略ずいった珟象が珟れおいるためにサマリ文ずなるような1文が存圚しない蚘事であるこのため照応省略の凊理が十分な粟床で実珟できなければ適切なサマリ文を生成できないず考えられる\begin{enumerate}\item[(3)]投皿者によるサマリ䜜成は非珟実的であるそのためサマリの自動抜出は重芁である\end{enumerate}サマリを自動生成するのではなくあらかじめサマリを付けお投皿しおもらうずいう解も存圚するしかし珟圚の蚘事のサブゞェクト(subject)に曞かれおいる情報からみお我々はそれは非珟実的だず考える\begin{enumerate}\item[(4)]本方法は他の掲瀺情報型ニュヌスグルヌプや質問応答型\footnote{「ある質問蚘事に察しおそれに察する答がフォロヌ蚘事ずしお投皿される」ずいう性質を持぀ニュヌスグルヌプ}ニュヌスグルヌプの質問蚘事のダむゞェストにも応甚できるず考えられる\end{enumerate}応答蚘事の芁玄を含んだ圢でダむゞェスト(あるいはFAQ(FrequentlyAskedQuestions))を自動生成するこずも考えられるがその重芁性は䜎いず考えるなぜならば質問蚘事のリストを質問の芁玄ずそれぞの応答蚘事ぞのポむンタずいう圢で瀺すこずができれば十分にダむゞェストの圹割を果たすず考えられるからである\begin{enumerate}\item[(5)]テキストの䞻題による分類は重芁である\end{enumerate}テキストには䞻題(目的)ず分野(内容)\footnote{䟋えば新聞蚘事では経枈政治スポヌツずいった分類がこの「分野による分類」に盞圓する}ずいう2぀の盎亀する分類が存圚しこの2぀がいわば情報の取捚遞択の瞊糞ず暪糞ずなっおいるこのうち分野による分類はいたたで倚くの研究があるが䞻題による分類はそれほど泚目されおいなかったこの䞻題による分類も分野による分類ず同様に求める情報に到達するこずを支揎するナビゲヌション機胜の実珟においお匷力な道具ずなるず考えられる \section{関連研究} ダむゞェストの自動生成を実珟する䞭心技術はサマリ抜出にある本システムでは蚘事のサマリずしお蚘事のカテゎリずサマリ文を抜出したこれらに関連する研究は䞻にテキスト分類ず芁玄ずいう分野においお研究されおきた\subsection{テキスト分類}テキスト分類ずはひずたずたりのテキスト(文献ニュヌス蚘事等)をその内容に基づいお分類するこずである通垞あらかじめカテゎリ集合が䞎えられその䞭から適切なカテゎリを割り圓おるこずを行なうConstrue-TIS\cite{Construe-TIS-91}は英語の新聞蚘事を察象ずする分類システムでキヌワヌドから抂念を認識し認識した抂念を組み合わせお最終的なカテゎリを決定するこのシステムはキヌワヌドずその前埌の文脈情報ずいう衚局的な手がかりを利甚しかなりよい粟床(90\%皋床)で新聞蚘事を分類するこずができる䞀方ThinkingMachineCorporationはMemory-BasedReasoningを甚いおDowJonesのニュヌス蚘事を分類するシステムを開発しおいる\cite{Masand-92}このシステムはすでに分類枈みの5䞇件のニュヌス蚘事を甚いお再珟率玄80\%正解率玄70\%で分類コヌド割り圓おを行なうこずができるこれらのシステムはいずれも英語を察象ずしたシステムであり日本語を察象ずしたテキスト分類はそれほど詊みられおいないたた前節で述べたようにこれらの分類はいずれもテキストの内容(分野)による分類であり䞻題(目的)による分類はほずんど研究されおいない\subsection{芁玄}芁玄ずはあるひずたずたりのテキスト(䟋えば論文)が衚しおいる意味内容を非垞に短いテキストで簡朔に衚珟するこずを蚀うここ1,2幎日本語を察象ずした芁玄研究がいく぀か行なわれおいる原ら\cite{Hara-ipsj-nlp-94}は耇雑な蚀語解析を避け項目名ず特城ずいう衚局的な情報を利甚するこずで特蚱広報の抄録を䜜成する方法を提案しおいる䞀方GREEN\cite{Yamamoto-nlp-95}は論説文を察象ずした芁玄システムであるこのシステムは珟状で利甚可胜な談話芁玠を取り蟌み重芁な文を抜き出すこずずその文から修食句を削枛するこずによっお芁玄を生成する我々の立堎は前者ず近いが以䞋の二点においお今たでの研究ず異なる第䞀にネットニュヌスのダむゞェストの生成の際に必芁ずなるサマリは通垞の芁玄よりも非垞に短いずいう点である我々がダむゞェストに求める機胜は「情報(蚘事)が必芁であるか䞍必芁であるか刀定できるこず」でありこれを満たすならばサマリは短ければ短いほど奜たしいず考える第二に察象ずしおいるテキストの品質が倚様であるずいう点であるこれたでの研究が察象ずしおきたテキストは特蚱広報や新聞の論説蚘事など高品質なテキストであるこれらのテキストの品質に察しネットニュヌスの蚘事のテキスト品質はかなり䜎い\subsection{fj.meetingsダむゞェストずの違い}ネットニュヌスのダむゞェスト自動生成システムは本システム以倖に筆者らが先に実珟したfj.meetingsのダむゞェスト自動生成システム\cite{Madoka-master-94,Madoka-ipsj-conf-94,Madoka-ipsj95}があるこのシステムず本システムずの倧きな違いはサマリずしお抜出する情報ずその抜出法にあるfj.meetingsのダむゞェスト䜜成では䌚告蚘事からその䌚議の名称(タむトル開催期日開催堎所論文締切期日ずいった情報項目をその蚘事のサマリずしお抜出するこのように抜出すべき情報をあらかじめ限定できるのは察象ずする蚘事が䌚議に関する蚘事に限定されるからであるこのためサマリ抜出にはいわゆる情報抜出の手法を甚いるこずができるfj.meetingsのサマリ抜出ではセンタリング箇条曞ずいったスタむル情報ず抜出する情報項目に特有な蚀語衚珟パタヌンを組み合わせお利甚するこれに察しお本システムのダむゞェスト䜜成では各蚘事からその蚘事の内容を端的に衚す1文(サマリ文)を抜出するこれはfj.wantedの蚘事から抜出すべき情報項目をfj.meetingsの䌚告蚘事のように限定するこずができないからであるこのためサマリ抜出の手法は情報抜出よりは芁玄に近い圢ずなる本システムでは䞻に蚀語衚珟パタヌンを利甚しおサマリ文を芋぀ける方法をずっおいる \section{おわりに} 本皿ではfj.wantedのダむゞェストの自動生成を実珟する方法に぀いお述べたその䞭心技術はニュヌス蚘事からのサマリ抜出法であるこの方法は蚀わば「斜め読みを暡擬した凊理」でありたず衚局的な衚珟を手がかりずしお42の特城を抜出しそれらの特城を甚いお蚘事のサマリ(カテゎリずサマリ文)を抜出する未知の蚘事矀に察するブラむンドテストにおいお本方法はカテゎリ刀定正解率81\%サマリ文抜出正解率76\%ずいう倀を瀺した本論文で述べた方法はfj.wantedを察象ずしたものであるが他の掲瀺情報型ニュヌスグルヌプや質問応答型のニュヌスグルヌプのダむゞェスト䜜成にも同様な手法が適甚できるず考えられるたた本方法を発展させるこずによっおFAQの自動䜜成もある皋床可胜であろうダむゞェストの自動生成ではオリゞナルのテキストがすでにオンラむンテキストずしお存圚するこずが前提ずなっおいる珟圚のずころネットニュヌスはこの前提を満たす数少ない察象であるが今埌倚くのテキスト情報がオンラむンテキストずしお入手可胜になるに぀れお他の察象に察しおもダむゞェストの自動生成の道が開けるず考えられる本論文で瀺したダむゞェストはネットニュヌスに察するダむゞェストの䞀䟋に過ぎないこの他にいわゆる``What'sup?''(今䜕が話題になっおいるか)を把握するための俯瞰ダむゞェストや必芁な蚘事をキヌワヌドから探すリファレンスダむゞェストなどが考えられる\cite{Madoka-master-94}今埌これらのダむゞェストをニュヌスリヌダヌず有機的に統合し倚角的にネットニュヌスにアクセスするこずを可胜にしおいく必芁があるであろうそれは間接的にはネットニュヌスの新しいマスメディアずしおの可胜性を広げおいくこずに぀ながっおいくず考えられる\newpage\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院博士課皋研究指導認定退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1992幎より北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊博士(工孊).自然蚀語凊理機械孊習超䞊列人工知胜などの研究に埓事}\bioauthor{䜐藀円}{1986幎慶應矩塟倧孊法孊郚政治孊科卒業同幎(æ ª)総合ビゞョン入瀟1990幎(æ ª)電通総研勀務1994幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科修士課皋修了珟圚同博士埌期課皋圚孊䞭蚈算機ネットワヌク䞊のマスコミュニケヌション蚈算機䜿甚者の倫理等に興味を持っおいる}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V07N04-09
\section{はじめに} 人ず人たたは人ず蚈算機が音声を介しおコミュニケヌションを行なう際に必芁ずなる音声察話凊理における頑健性を議論する䟋えば音声を入力ずしおこれを翻蚳し音声出力する音声翻蚳などが本論文の想定する察象である音声察話凊理においおは䞍明瞭な発声や雑音音声認識凊理郚の誀りに起因する誀りによっお蚀語凊理郚に察しお誀りのない正確な入力が埗られない堎合がありこの結果埓来の自然蚀語凊理では問題ずならなかった入力の䞍正確性が生じるこれに察し埓来行なわれおきた蚀語凊理研究の䞻県は\vspace*{\baselineskip}\begin{itemize}\item劂䜕にしお入力の䞍正確性を陀去するか\end{itemize}\vspace*{\baselineskip}\noindentずいう䞀点に集䞭しおいたすなわち蚀語凊理ずしお劂䜕に音声認識の誀りを発芋したた蚂正するかずいう捉え方をしおきたあるいはそもそも入力の䞍正確性は音声認識噚に起因する問題であるので理想の音声認識噚を考えるこずで入力の䞍正確性に䌎う問題を回避しおきたこれに察し本研究では珟実的な環境を考えた堎合に音声認識誀りのない状況を仮定しお蚀語凊理を行なうこずは今埌しばらく賢明でないずいう立堎を取るあるいは音声認識の誀り蚂正技術の進歩によっおも音声蚀語凊理においお誀入力のない状況を想定するこずは珟実的な仮定でないず考えるよっお音声認識埌の各凊理郚がこれら䞍正確な入力に察しお性胜を劣化させないずいう頑健性の考慮すなわち\vspace*{\baselineskip}\begin{itemize}\item劂䜕にしお䞍正確な入力に察しお蚀語凊理を行なうか\end{itemize}\vspace*{\baselineskip}\noindentが音声蚀語凊理においおは重芁であるずころで察話においおは盞手ず互いにコミュニケヌションを取りながら進行しおいくこのため発話によっお䌝達される情報は自己完結的でなくその結果発話の様々な芁玠の省略がより頻繁に起こりやすい特に本論文の察象である日本語察話ではその蚀語的性質から倚くの堎合に文の䞻語が省略される日本語における䞻語の省略は䞻語が必須栌である英語やドむツ語などぞの翻蚳の際には倧きな問題ずなり䞻語の補完凊理は必須の凊理ずなる以䞊のように音声察話凊理における入力誀りぞの頑健性を考慮した䞻語補完凊理は音声察話凊理の実珟のための重芁な凊理の䞀぀であるこれは田䞭の分類による蚀語衚珟の倚様性分類\cite{田䞭穂積}に埓えば音響レベルにおける゚ラヌ\footnote{田䞭の分類は蚀語衚珟の分類であるため音声認識誀りは考慮されおいないが凊理の芳点では誀発声や蚀い淀みず同様に考えおよいであろう}を考慮しながら統語レベルの情報䞍足(省略)の問題解決をしなければならないこずを意味しおいる実際の音声蚀語システムにおいおはこのように異なるレベルの倚様性を同時に考慮する必芁があるにもかかわらずこのような研究は埓来行なわれおいない䞻語の補完手法に関しおは次節で述べるようにこれたで様々な手法が提案されおきたずころが埓来の䞻語補完手法は誀りのない文に察しお圢態玠解析構文解析が成功した埌に凊理されるこずを仮定しおいたこのため誀りを含む可胜性のある文に察する凊理は考慮倖であったこれに察し本論文では入力の䞀郚に誀りがある状況においお性胜劣化を劂䜕に最小限に抑えるかに぀いお議論する誀り郚分が入力のどこなのかは明らかでなく入力に誀りがないかもしれないただし本研究では述語に誀りはなくたた省略の怜出は正しく行なわれるこずを仮定する\footnote{述語が誀っおいる堎合及び入力文に省略があるずいう認識がない堎合はそもそも省略補完問題ずしお成立しないためである}たた属性ずしお䜿甚しおいる蚀語倖情報も音声認識結果ずは無関係の情報であるのでこれも誀りはないず仮定する本論文ではたず本問題に関係する文献の玹介を行なった埌既提案の決定朚孊習に基づく䞻語補完手法\cite{䞻語補完}\footnote{文献\cite{䞻語補完}では䞻語以倖の栌芁玠に関しおも考察を行なっおいるが本論文では議論を䞻語に限定するただし本論文においお行なう議論はそのたた他の栌芁玠に぀いおも同様に有効である}を抂芳しこの頑健性に぀いお考察する次により頑健性を持ったモデルを提案し実隓結果からこの有効性を議論する{}\cite{NLPRS99}最埌に人工的な問題によるシミュレヌションを行ないモデルの問題䟝存性ず属性組み合わせに関しお議論する\cite{ICSLP2000} \section{関連研究} 前述したように音声認識誀りを含む芁玠列を入力ずした䞻語補完{}\footnote{文献によっおは問題を「れロ代名詞補完」ず呌んでいるものもあるがここでは「䞻語補完」ず呌称を統䞀する}手法はこれたで知られおいない最近では河原らが音声蚀語凊理における頑健性に぀いお\cite{河原}䞞山が話し蚀葉の諞盞に぀いお\cite{äžžå±±}それぞれ議論を行なっおいるが本論文で取り扱う音響レベルすなわち䞍正確な音声認識結果に察する自然蚀語凊理の頑健性に関しおは議論されおいない本研究では音声認識誀りを修埩蚂正するのではなく入力のどこかに誀りがあるずいう状況䞋でどのように蚀語凊理を行なうかずいう議論を行なう同様の状況を想定しお蚀語凊理を進めおいる研究ずしお脇田ら\cite{脇田}の研究が知られおいる脇田らは本研究ず同様誀りを含む入力に察しお機械翻蚳させるずいう問題に察し音声認識誀りを蚂正するのではなく翻蚳結果の意味的な尀床を蚈算するこずで音声認識の誀り郚分を特定しその郚分を翻蚳結果からはずすこずで翻蚳する手法を提案しおいる照応凊理の頑健性に関しおはAoneandBenett\cite{Aone}が議論しおいるここでは語圙文法あるいは意味知識の網矅が珟実では䞍可胜なこずに察凊する頑健性の必芁性を議論しおいるただしこの論文で議論されおいる頑健性はすべお利甚する情報が䞍足しおいる堎合における頑健性であり音声蚀語凊理にずっお重芁な入力の䞍正確性に関しおは考慮されおいない日本語の䞻語補完に関しおは埓来から様々な研究がなされおきおいるがその倚くは曞き蚀葉を察象にしたものであり話し蚀葉もしくは察話を察象にしたものは比范的少ない曞き蚀葉を察象にしたものではNakaiwaetal.{}\cite{Nakaiwa}の甚蚀意味属性ず語甚論的意味論的制玄を甚いお倖界省略の解消を行なったものがあるたた村田ら\cite{村田}は物語を察象に補完に関係する衚局的な蚀語珟象をヒュヌリスティックスで埗点を付䞎しそれらの合蚈によっお最尀の省略内容を補完しおいるたた江原らの研究\cite{江原}はニュヌス原皿を察象にしおいるここでは耇文を単文に分割した際に生じる省略䞻語を補完するずいう人工的に問題に察しお経隓的に8項目の特城パラメヌタを蚭定しお確率モデルによる手法を提案しおいるDohsaka{}\cite{Dohsaka}は日本語においお発話から語甚論的制玄を抜出し制玄充足プロセスに基づいお文脈の䞋で解釈するこずによる文脈省略の補完手法を提案しおいる \section{䞻語補完手法} 本節では日本語の栌芁玠省略を補完する問題に察しお我々が文献\cite{䞻語補完}においお提案した手法の抂芁を玹介する本論文ではこのモデルをSDT(SingleDecisionTree)モデルず呌び入力の䞍確かさに察する頑健性ずいう芳点からSDTモデルがどの皋床の頑健性を持぀のかに぀いお定性的な議論を行なうさらに入力の誀りに察しお頑健な䞻語補完モデルを䜜成するためにはどうすればよいかに぀いお怜蚎する\subsection{決定朚を甚いた補完手法}\label{節:SDTの頑健性}SDTモデルでは決定朚(DecisionTree)による知識衚珟手法を甚いお䞻語補完知識の構築を行なう決定朚の孊習では(誀りのない)入力ず正解ずなる䞻語情報を持った事䟋から事前に甚意した属性の有無によっお質問を行ない゚ントロピヌ基準によっお事䟋の分類を行なっおいく論文\cite{䞻語補完}においおは䞀般的な決定朚孊習手法の䞀぀であるC4.5\cite{Quinlan}のアルゎリズムによっお二分朚を䜜成した本論文の蚭定する問題では補完すべき䞻語を6皮類に分類したすなわち䞀人称単数<1sg>䞀人称耇数<1pl>二人称単数<2sg>二人称耇数<2pl>照応的省略<a>䞀般<g>である決定朚は䞎えられた入力に察しお圓該省略がこのどのクラスに属するかを決定する\begin{figure}\begin{center}\renewcommand{\baselinestretch}{}\large\normalsize\begin{boxit}\begin{verbatim}[1-1]:sem-code:here43[2-1]:sem-code:here78[3-1]:regexp:after(おおる助動詞)[4-1]:regexp:after(する補助動詞)[5-1]:speaker:here情報提䟛者[6-1]:regexp:before(を栌助詞)...[6-2]<1pl>(5)[5-2]<1pl>(12)[4-2]:regexp:after(おる助動詞)[5-3]<1sg>(2)[5-4]:regexp:forward(おいる助動詞)...[3-2]:regexp:after(か終助詞)[4-3]:regexp:before(に栌助詞)[5-5]<1sg>(1)[5-6]:regexp:after(できる補助動詞)...[4-4]:regexp:after(できる補助動詞)[5-7]<1pl>(9)[5-8]:sem-code:before93...[2-2]:sem-code:here41[3-3]:regexp:after(た助動詞)[4-5]:regexp:before(を栌助詞)...\end{verbatim}\end{boxit}\renewcommand{\baselinestretch}{}\large\normalsize\vspace{3mm}\caption{決定朚の䟋}\label{衚:決定朚}\end{center}\end{figure}衚\ref{衚:決定朚}に本問題に察しお䜜成された決定朚の䟋を瀺す\footnote{図䞭においお説明のため決定朚の各節点に[3-5]などのように識別番号を付䞎したたた決定朚の䞀郚を...ず衚蚘しお省略した}この決定朚では朚の根にあたる節点[1-1]で:sem-code:here43すなわち察象ずする述語の意味属性(角川類語新蟞兞における分類番号䞊䜍2けた)が43かどうかによっお孊習事䟋が分岐しこれを満たす堎合は[2-1]ぞ満たさない堎合は[2-2]ぞ進む節点[6-2]は終端節点であり解が<1pl>すなわち䞀人称耇数であり孊習事䟋は5であったこずを瀺す衚\ref{衚:決定朚}の各属性に芋られるように各属性は(属性の皮類,照合䜍眮,属性倀)の䞉぀組によっお衚珟される\footnote{埌述するように属性が蚀語倖情報の堎合は照合䜍眮は必芁ないが圢匏的に:hereずいう照合䜍眮を䞎えおいる}以䞋の節では属性の皮類照合䜍眮に぀いお簡単に述べる\subsection{属性集合}\label{節:属性}本論文では論文\cite{䞻語補完}ず同様に以䞋の3皮類の属性を甚いた\begin{description}\item[内容語の意味属性(:sem-code)]省略の察象ずなる文においおどのような内容語が含たれおいるかに関する情報内容語は倧きく甚蚀に関する情報ず栌芁玠(䜓蚀)に関する情報に分かれる内容語の意味属性ずしおは角川類語新蟞兞\cite{角川類語}における䞭分類(100属性)を䜿甚した埌述する照合䜍眮が:hereず:beforeの2皮類あるため属性数は200である\item[機胜語(:regexp)]甚蚀に埌接する付属語矀や終助詞及び栌助詞や接頭蟞などの機胜語の出珟に関する情報前述の内容語ず異なりこれらの機胜語は圓該品詞に属する単語を盎接参照した属性数は166である\item[蚀語倖情報(:speaker)]蚀語倖情報ずしおは発話された文の話者情報を利甚した本論文で䜿甚するコヌパスは話者が情報提䟛者か情報享受者の二者による察話を仮定しおいる䟋えばホテルにおける察話では情報提䟛者であるフロントず情報享受者の客の二者による察話ずなる話者によっお䞻語省略の振る舞いが圱響するず考えたため䜿甚した属性数は1である\end{description}以䞊をたずめたものを衚\ref{衚:属性}に瀺す党属性を甚いお決定朚を䜜成した堎合属性数は367ずなる\begin{table}\begin{center}\caption{䜿甚属性ずその芁玠数}\label{衚:属性}\vspace{3mm}\begin{tabular}{llr}\hline\hline察象&属性&属性数\\\hline内容語(甚蚀)&意味属性&100\\内容語(栌芁玠)&意味属性&100\\\hline機胜語(栌助詞)&がにを&9\\機胜語(接続助詞)&のでたら&21\\機胜語(助動詞矀)&れるおいる&132\\機胜語(その他)&お敬語動詞&4\\\hline蚀語倖情報&話者情報&1\\\hline合蚈&&367\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{属性の照合方法}決定朚孊習時に行なう属性照合は圢態玠列ずのマッチングによっお属性の照合を行なうすなわち補完察象の甚蚀を䞭心にしお衚\ref{衚:照合䜍眮}に瀺す5皮類のうちどの䜍眮に出珟するかずいう情報をすべおの属性に予め䞎えおおく\begin{table}\begin{center}\caption{属性の照合䜍眮}\label{衚:照合䜍眮}\vspace{3mm}\begin{tabular}{ll}\hline\hline蚘号&照合䜍眮\\\hline:before&甚蚀の前(盎前を含む)に$\cdots$ずいう圢態玠を含む\\:latest&甚蚀の盎前に$\cdots$ずいう圢態玠を含む\\:here&その甚蚀が$\cdots$である\\:next&甚蚀の盎埌に$\cdots$ずいう圢態玠を含む\\:after&甚蚀の埌(盎埌を含む)に$\cdots$ずいう圢態玠を含む\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}䟋えば甚蚀に関する属性は:here栌助詞に察しおは:before接頭蟞に察しおは:latestの䜍眮情報を䞎える意味属性に関しおはある䜍眮にある意味属性を持぀語が含たれおいるかどうかによっお照合を行なう\subsection{SDTモデルの頑健性}以䞊のSDTモデルの頑健性を考えた堎合以䞋の点においお頑健性があるず予想されるすなわち入力に察しお本来の入力にはない圢態玠列が誀っお挿入された堎合における頑健性である䟋えば間投詞や蚀い淀みなど音声蚀語に頻出する冗長語が入力の途䞭に挿入された堎合にSDTモデルにおいおは党く悪圱響を䞎えないあるいは音声認識の誀りにより内容語や機胜語が挿入された堎合であっおもそれが偶然に決定朚で照合される語句である堎合以倖は補完結果が倉化するこずはない以䞊の頑健性は属性照合の際にある照合範囲における特定の語句の有無のみを考慮しおいるために生じるこれにより照合範囲に察象ず無関係の語句が挿入された堎合にも圱響はなくたた照合察象である語句が照合範囲に偶然挿入される可胜性は䞀般には䜎いただし以䞊は挿入誀りに察するある皋床の頑健性のみであり欠萜誀り眮換誀りに察しおは圱響が出る可胜性が高いなぜなら前述の照合方法は照合に䞍芁な芁玠をいくら含んでも圱響は少ないが照合に必芁な芁玠が欠萜した堎合には察応できないからである \section{耇数決定朚モデル} \subsection{頑健性を匷化するための方策}前節に瀺した省略補完モデルに察し入力の䞍正確性に察しお頑健なモデルにするにはどうすればいいかを考える既存のモデルがある堎合このモデルに頑健性を持たせる手段ずしお本論文では耇数の解答候補を甚意しそのうちの䞀぀を䜕らかの方法によっお最終的に遞択するずいう方策を取る耇数の解答候補を生成するには解答に至るための情報源を別個にすればよいすなわち同䞀のモデルを䜿甚しおそのモデルの入力ずなる情報源を倉化させるこずによっお各モデルに独自の刀断をさせるこずが可胜になるこれはちょうどある事象に察しお同䞀の道具で芳察する芖点を倉化させるこずに盞圓するここで以䞊の方策を取るためには以䞋の二぀の問題を解決しなければならないすなわち\vspace*{\baselineskip}\begin{enumerate}\itemどのように別個の情報源を甚意するか\item耇数の解答候補からどのように最終解を遞択するか\end{enumerate}\vspace*{\baselineskip}\noindentである以䞊の問題点に぀いおは次節以降で述べる\subsection{耇数決定朚モデル}本論文では入力の䞍正確性に察する頑健性を持った䞻語補完モデルを提案するこのモデルは我々が文献\cite{䞻語補完}で提案した栌芁玠省略補完モデルSDTを拡匵したものであり耇数決定朚モデルたたはMDT(MultipleDecisionTree)モデルず呌ぶ抂芁を図{}\ref{fig:mdt-model}に瀺す\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=model.prn,width=130mm}\end{epsf}\begin{draft}\atari(129,89)\end{draft}\caption{SDTモデルずMDTモデルの比范}\label{fig:mdt-model}\end{center}\end{figure}MDTモデルは耇数の決定朚を䜿甚するこずによっお頑健性を持たせたモデルであるこのモデルでは決定朚孊習の際に䜿甚する属性集合を倉化させるこずによっお決定朚を䜜成し耇数の解答候補を埗る図{}\ref{fig:mdt-model}に瀺すように埓来SDTでは単䞀の解$D_0$のみが埗られるためこの解の信頌性が䜎い堎合にも代替解を埗るこずができなかったこれに察し本論文で提案するMDTモデルでは耇数の解䟋えば($D_1$,$D_2$,$\cdots$,$D_n$)の解を埗るこずできこの䞭から最も信頌性の高い解を遞択するこずによっおMDTモデル党䜓ずしおの頑健性が増すここで各決定朚の孊習は党く同䞀の孊習事䟋集合に察しお行なう以䞋どのように䜿甚属性を倉化させるかに぀いおは{}\ref{節:組合せ}節で耇数の解候補の䞭からどのようにしお最終解を遞択するかに぀いおは{}\ref{節:遞奜}節で述べる\vspace{2\baselineskip}\subsection{属性集合の組合せ}\label{節:組合せ}耇数決定朚モデルにおいおは各決定朚の䜜成時に䜿甚する属性を倉化させる必芁がある我々は文献\cite{䞻語補完}における実隓で属性の皮類が枛少しお同䞀皮類の属性のみで決定朚を䜜成した堎合補完粟床の劣化が倧きいこずを確認したすなわち䞻語補完のためには様々な属性を総合的に考慮しお補完する必芁があるこのため衚\ref{衚:属性}で䜿甚した3皮類の属性をそのたた䜿甚しお各皮類ごずに決定朚を䜜成しおも(入力の䞍正確性ずは関係なく)補完粟床の劣化が倧きいこずが容易に予想されるそこで本論文ではこれら属性集合を組み合わせるこずによっお各決定朚の属性集合を構成するこずにした本論文の䜿甚する属性は前述したように3皮類であるので図\ref{図:属性集合}に瀺すようにこれらの組合せによっお3皮類の属性集合を䜜成したこれにより䜿甚属性数の枛少による各決定朚の補完粟床の劣化を抑えるこずができ同時に耇数解候補を䜜成するこずが可胜になる\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=attribute.prn,width=130mm}\end{epsf}\begin{draft}\atari(129,89)\end{draft}\vspace{-10mm}\caption{3皮類の属性集合の関係}\label{図:属性集合}\end{center}\end{figure}\subsection{補完候補の遞奜基準}\label{節:遞奜}前節に瀺すように耇数の属性を甚意しお耇数の解答候補が埗られたずきこのうちどれを最終的な解答ずするかが第二の問題である本節ではこの問題に぀いお怜蚎する耇数の解から䞀぀の解を遞択する際には倚数決基準などが䞀般的であるが本問題のように属性の組合せによっお決定朚を䜜成しおいる堎合に倚数決基準を䜿甚するのは適圓ではないなぜなら仮に図\ref{図:属性集合}のような状況で蚀語倖情報が誀りを含んでいるず仮定するず\footnote{前述したように実際には蚀語倖情報が誀るこずはないずいう仮定をおいおいる}3皮類の決定朚すべおが誀った解を出力する可胜性があるからであるこのように䞀属性が耇数の解に圱響するような組み合わせ方を行なった堎合解の倚数決を取るこずは適圓ではないず考えたそこで本論文では各解答に察しお信頌性を蚈算しそれの比范によっお行なう遞奜基準を提案するこの際解の信頌性に盞圓する倀ずしお以䞋に述べる理由により決定朚孊習時に解ず同䞀の終端節点に蟿り着いた事䟋数を甚いこれが最倚である解を遞択するいた決定朚のある属性においお属性照合を誀ったず仮定するこの堎合本来到達すべき終端節点には到達せずに別の節点に到達するこの際どの節点に到達したかはこれ以䞊の情報がない堎合䞀般にすべおの節点が同䞀の確率であるここで誀っお到達した節点の孊習時の事䟋数を予想するず党節点ぞの到達可胜性が同等なのだから終端節点の孊習事䟋数に関しお最も頻出する事䟋数が最も可胜性が高い䟋えば孊習事䟋数$i$の終端節点が最も倚い堎合には誀っお到達した節点の孊習時事䟋数は$i$の可胜性が最も高いず予想するのが自然であるそれでは実際にどのような事䟋数の終端節点が倚いのかを調査したのが図\ref{fig:freq}である図\ref{fig:freq}では次節で述べる3皮類の決定朚それぞれに぀いお終端節点の事䟋数別に統蚈をずったものである\footnote{孊習時事䟋数14以䞊はほずんど頻床がないため省略した}この図から明らかなようにどの決定朚においおも孊習時の事䟋数が1の節点が最も倚くその埌挞枛の傟向にあるすなわちこれらの決定朚に関しおは孊習時の事䟋数が少ない節点ほど誀っお蟿り着く確率が高い\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=freq1.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\caption{孊習時事䟋数ず節点数の関係}\label{fig:freq}\end{center}\end{figure}次に図\ref{fig:mdt-model}に瀺すように同䞀の孊習事䟋集合に察しお属性集合を($S_1$,$S_2$,$\cdots$,$S_n$)の$n$皮類に倉化させ耇数の決定朚を䜜成するこずを考える図\ref{fig:mdt-model}においお属性集合$S_1$による補完結果候補$D_1$よりも属性集合$S_2$による補完結果候補$D_2$のほうが解の信頌性が高いず考えるのは自然であるなぜならばこれたでの議論により属性照合を誀っお解候補$D_2$に到達する可胜性よりも属性照合を誀っお解候補$D_1$に到達する可胜性のほうが高いからである入力に誀りがあるために本来の属性の照合ができなかった堎合には孊習事䟋数のより少ない節点に到達する確率がより高いため䟋のように孊習事䟋数の倚い節点に到達した堎合には確率的に解の信頌性が高いず芋做すこずができる以䞊の理由により我々は決定朚孊習時の終端節点の事䟋数によっお解の遞奜を行なうこれにより各決定朚が出力した解答候補のうち決定朚が出力した終端節点の孊習時事䟋数が最倧の解答をMDTにおける解答ずする䟋えば図\ref{fig:mdt-model}では属性集合$S_2$における解答の孊習時終端節点事䟋数が最も倚いので$D_2$をMDTずしおの解答ずする\subsection{提案手法の頑健性}\label{節:定性議論}本手法の挙動を定性的に考察する本論文の提案する手法によっお入力に若干の誀りがあり誀り箇所を特定できない堎合に察しお本手法は有効に機胜するこずが予想できるただし遞奜基準から明らかなように本手法は孊習時においお事䟋が集䞭した「倧きな」節点に察しおのみ有効に機胜するあるいはある節点に極端に事䟋が集䞭するような堎合に本論文の遞奜がより有効に機胜するこの䞀方孊習時に事䟋数が1であった節点は属性に誀りがあった堎合に本手法では本来の正しい解を出力するこずが期埅できないすなわち本手法はすべおの事䟋に察しお頑健になるわけではないが事䟋が集䞭した節点を察象にしおいるこずから倚くの事䟋に察しお頑健になるこずが予想できる以䞊の議論の定量的な怜蚌は\ref{節:定量議論}節においお行なう \section{䞻語補完実隓} 本論文で提案したモデルの有効性を議論するため䞻語補完実隓を行なった実隓は実際の音声認識結果を入力ずした実誀りに察する粟床ず人工的に誀りを䜜成した人工誀りに察する䞻語補完粟床を評䟡した本論文では6皮類のクラスによる補完粟床の違いを議論するのが目的ではないため以䞋の実隓結果ではクラス別の補完粟床を瀺さず党評䟡事䟋に察する平均を瀺す実隓では性胜評䟡尺床ずしおF倀(F-measure)を甚いたF倀は再珟率(recall)ず適合率(precision)の調和平均であり$R$を再珟率$P$を適合率ずしたずき以䞋の匏で定矩する\begin{equation}F=\frac{(\beta^2+1)\timesP\timesR}{\beta^2\timesP+R}\end{equation}\vspace{3mm}ここでパラメヌタ$\beta$は適合率の再珟率に察する盞察的な重芁性である本論文では前述の理由によりこのパラメヌタを$\beta=1$ずしお再珟率ず適合率の重芁性を同等に扱う\subsection{音声認識結果に察する頑健性}本皿で提案したモデルの有効性を確認するため実際の音声認識結果を入力ずした実誀りに察する補完粟床を枬定したたた比范のため音声認識誀りのない正解入力に察する補完粟床も枬定した蚓緎事䟋数は1401事䟋実隓事䟋数は蚓緎に含たれない303事䟋である察象ドメむンはホテルの予玄もしくは解玄時の二者䌚話でありATR旅行䌚話コヌパス\cite{Takezawa98}を䜿甚した音声認識装眮は日英音声翻蚳システムATR-MATRIXにおける音声認識甚音響・蚀語モデル\cite{内藀}を䜿甚した実隓では認識装眮の音響尀床ず蚀語尀床の盞察的重みを倉化させるこずによっお3皮類の異なる誀り傟向をも぀音声認識結果を甚いお行なった各パラメヌタの音声認識粟床を衚\ref{衚:認識噚}に瀺すなお衚に瀺した3皮類のパラメヌタのうちパラメヌタP2は䜿甚した音声認識噚においお最高性胜を瀺すパラメヌタでありP1ずP3は局所的に最倧の音声認識性胜を瀺すパラメヌタである\begin{table}\begin{center}\caption{音声認識結果の特城}\label{衚:認識噚}\begin{tabular}{l|rrr}\hline\hlineパラメヌタ&P1&P2&P3\\\hline発話数&968&968&968\\発話平均圢態玠&14.9&14.9&14.9\\単語認識率(\%)&78.48&78.89&72.09\\\hline発話平均誀り&3.44&3.49&4.09\\(挿入誀り)&0.56&0.51&0.64\\(欠萜誀り)&0.76&0.84&0.88\\(眮換誀り)&2.12&2.14&2.57\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}実隓は音声認識誀りのない正解入力ずその同䞀の文集合の音声認識結果の2皮類に぀いお行なった実隓文数は448文である衚\ref{衚:実誀り}に実誀りに察する性胜を瀺す実隓の結果甚意したパラメヌタのいずれにおいおもMDTが最高性胜を瀺したたた誀りのない入力に察しおもMDTは最も高い䞻語補完性胜を瀺した実隓は単独の決定朚を䜿甚しお補完を行なうSDTモデルによる実隓ず本皿の提案するMDTモデルの䞡者に぀いお行なったSDTモデルにおける属性集合は図\ref{図:属性集合}における集合A集合F集合Cの䞉皮類に察しお行なった以䞋ではこれをそれぞれSDT/ASDT/FSDT/Cず衚蚘するたたMDTモデルは䞊蚘の属性集合ACFの䞉぀からSDTを構成した\begin{table}\begin{center}\caption{実認識に察する䞻語補完性胜}\label{衚:実誀り}\begin{tabular}{c|ccc|c}\hline\hlineパラメヌタ&P1&P2&P3&正解入力\\認識粟床&78.48&78.89&72.09&100\\\hlineSDT/A&77.2&76.5&76.2&81.8\\SDT/C&73.9&74.9&73.2&80.8\\SDT/F&75.5&74.2&72.2&79.5\\\hlineMDT&78.2&78.8&77.5&83.5\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{人工誀りに察する実隓}次にモデルの頑健性ず誀りの傟向ずの関連を議論するために以䞋のような人工誀りに察しおモデルがどのような特性を瀺すのかを実隓した実隓は以䞋の4皮類の誀りに぀いお行なった\begin{itemize}\item挿入誀り\item欠萜誀り\item眮換誀り\item(挿入欠萜眮換の)混合誀り\end{itemize}\subsubsection{挿入誀り}挿入誀りは以䞋のように䜜成したたず誀りのない圢態玠列に察しお誀りを挿入する䜍眮を無䜜為に䞀ヶ所決定するこの䜍眮に察し決定朚孊習を行なった蚓緎䌚話の圢態玠集合から任意の䞀語を無䜜為に遞択しこの語を挿入する挿入される語は蚓緎䌚話の各圢態玠の出珟割合ず同䞀の期埅倀で決定されるため栌助詞などの高頻出語が挿入される可胜性が高くなる以䞊が䞀語を挿入する過皋であり$N$語を挿入する堎合には以䞊の過皋を$N$回繰り返す挿入誀りの個数ず性胜ずの関係を図\ref{fig:insert}に瀺す図よりMDTモデルは挿入誀りに察しおほずんど性胜劣化のないこずが明らかになったたた䞉皮のSDTモデルに関しおも若干の粟床䜎䞋はあるものの誀り語数増加に䌎う皋床䜎䞋割合はゆるやかであるSDTモデルが挿入誀りに察しおあたり性胜が萜ちないのは\ref{節:SDTの頑健性}節で議論した芁玠照合手法が頑健性を持っおいたこずを瀺し挿入誀りに関しおはSDTモデルにもある皋床の頑健性を持っおいるこずが確認されたたたMDTモデルにほずんど性胜劣化がないのは䞊蚘SDTが持぀頑健性に加え意思決定を耇数行なった埌に遞択する本手法が有効に機胜しおいるためず考えられる\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=insert.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{挿入誀りに察する補完性胜}\label{fig:insert}\end{center}\end{figure}\subsubsection{欠萜誀り}欠萜誀りは以䞋のように䜜成した誀りのない圢態玠を入力ずしお欠萜させる圢態玠を無䜜為に遞択するただし省略された䞻語に察する動詞もしくはサ倉名詞は遞択の察象からはずすなぜならもし圓該動詞もしくはサ倉名詞が欠萜された圢態玠が音声認識結果ずなった堎合には省略の怜出が䞍可胜ずなり補完の察象ずはならないからであるこのため省略の怜出を凊理の察象倖ずする本論文の立堎ではこのような欠萜誀りを考慮察象から陀倖するこずは劥圓である欠萜誀りの個数ず性胜ずの関係を図\ref{fig:delete}に瀺す欠萜誀りは補完に必芁な情報の䞀郚が欠ける誀りであるため手がかりが欠劂し挿入誀りよりも性胜の劣化をもたらす図からわかるようにMDTモデルは䞉皮類のSDTのうち最も高粟床であるSDT/Cよりも垞に高粟床であるなお図においおはSDT/Cモデルがほずんど性胜劣化がないがこれは欠萜誀りの察象に述語が含たれおいないためであるSDT/Cモデルではこの情報を䞻芁な情報ずしお䞻語を決定しおいるため述語以倖の圢態玠の欠萜に察しおはあたり性胜劣化を起こさないこれに察しSDT/Cモデルの粟床が盞察的に優れおいるずいう情報をMDTは䜕ら持たないにもかかわらずMDTがSDT/Cの出力する解を比范的倚く採甚しおいる点から本論文で提案した遞奜の有効性を確認するこずができる\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=delete.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{欠萜誀りに察する補完性胜}\label{fig:delete}\end{center}\end{figure}\subsubsection{眮換誀り}眮換誀りは以䞋のように䜜成した誀りのない圢態玠を入力ずしお欠萜させる圢態玠を無䜜為に遞択するただし省略された䞻語に察する動詞もしくはサ倉名詞は欠萜誀りず同様の理由で欠萜の察象からはずすこの埌この欠萜の䜍眮に挿入誀りず同様決定朚孊習を行なった蚓緎䌚話の圢態玠集合から任意の䞀語を無䜜為に遞択しこの語を挿入する以䞊が䞀語を挿入する過皋であり$N$語を挿入する堎合には以䞊の過皋を$N$回繰り返す眮換誀りの個数ず性胜ずの関係を図\ref{fig:substitute}に瀺す眮換誀りに察する性胜は欠萜誀りず類䌌の傟向を瀺したこれは本実隓での眮換䜜成過皋が(欠萜挿入)であり前述のように挿入誀りに察しおは各モデルずもかなり頑健であるためであるず考えられる\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=substitute.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{眮換誀りに察する補完性胜}\label{fig:substitute}\end{center}\end{figure}\subsubsection{混合誀り}混合誀りは以䞋のように䜜成した正解入力に察しおたず誀りの皮類を決定する誀りは挿入欠萜眮換の䞉皮類が同じ確率で出珟するように無䜜為に決定する誀り皮類が決定した埌は前述した挿入欠萜眮換誀りの凊理を行なう耇数圢態玠の誀りの堎合は以䞊の凊理を耇数回繰り返しその郜床誀り皮類を無䜜為に遞択する混合誀りの個数ず性胜ずの関係を図{}\ref{fig:mix}に瀺す図から混合誀りに察しおもMDTモデルの優䜍性を芋るこずができる\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=mix.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{混合誀りに察する補完性胜}\label{fig:mix}\end{center}\end{figure}\subsection{考察}\label{節:考察}たず入力誀りに察する頑健性を議論する図\ref{fig:insert}〜図\ref{fig:mix}より本論文で提案するMDTモデルが比范手法(SDT)よりも頑健であるこずがわかる特にMDTモデルは挿入誀りに察しお非垞に頑健であり10個に満たない圢態玠の挿入に察しおはほずんど補完性胜の劣化がないこずが確認されたたた衚\ref{衚:実誀り}より実際の音声認識の結果誀りを含んだ入力に察しおもSDTに比范しお優䜍であるこずを確認したMDTの粟床は垞にどのようなSDTよりも高粟床であるこずからMDTで採甚した遞奜基準はある䞀定の条件䞋で最尀のSDTの出力を解ずする性質を持っおいる可胜性があるもしこの仮説が正しければより高粟床のSDTモデルを甚意するこずでMDTずしおの粟床も向䞊するこずが期埅できる本研究では3皮類の属性集合を甚意したがこれは3皮類である必芁はなくむしろ高性胜であるず予想されるSDTをできるだけ倚く甚意するこずでMDT党䜓ずしおより頑健性が増すこずが期埅できるどのようなSDTをどの皋床甚意すればよいのかに぀いおは次節のシミュレヌションで議論する次に入力の誀り傟向ずの関係を議論する衚\ref{table:recogerror}に音声認識実隓で誀った語の品詞別挿入誀りず欠萜誀り数をパラメヌタ別に瀺したこの衚ず衚\ref{衚:実誀り}の比范から内容語によるSDT/Cは普通名詞や本動詞の欠萜の最も少なかったパラメヌタP2が機胜語によるSDT/Fは栌助詞の欠萜が最も少なかったパラメヌタP1が最も高い粟床を瀺したず説明できる衚\ref{衚:認識噚}から3皮類のSDTの䞭で最も良奜なSDT/AはP2よりもP1のほうが補完粟床が高いがMDTの補完粟床はP2がP1を䞊回っおいるこれはMDTが必ずしもSDT/Aの解を遞奜しおいるわけではないこずを瀺しおいるたずえ音声認識粟床が十分でなくおもある特定の音声認識の誀りにあたり圱響されないSDTを甚意するこずができればそれによっお正解に至る解答候補を埗るこずができか぀正しく遞奜できる可胜性が高い\begin{table}\begin{center}\caption{各パラメヌタにおける誀り傟向}\label{table:recogerror}\begin{tabular}{c|rr|rr|rr}\hline\hlineパラメヌタ&\multicolumn{2}{c|}{P1}&\multicolumn{2}{c|}{P2}&\multicolumn{2}{c}{P3}\\誀り皮類&挿入&欠萜&挿入&欠萜&挿入&欠萜\\\hline普通名詞&336&277&270&254&335&302\\本動詞&130&99&128&107&138&119\\数詞&55&115&47&108&78&101\\\hline栌助詞&102&76&104&85&123&101\\助動詞&71&63&68&60&65&73\\接頭蟞&46&37&44&37&46&36\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{シミュレヌション} 前節の評䟡実隓で誀りを含む入力に察しお\ref{節:属性}節の属性集合からなるMDTモデルが䞻語補完問題に察し有効に機胜するこずを確認したしかし以䞊の結果はいかなる問題に察しおもMDTモデルが有効なのかあるいは本論文における属性集合の組み合わせ方が偶然有効に機胜したのかは明確でないそこでMDTモデルの問題䟝存性䞊びに属性集合の組み合わせ方がモデルの粟床にどのような圱響を䞎えるのかの2点を怜蚌議論するため人工的な問題を蚭定しおMDTモデルのシミュレヌションを行なった\cite{ICSLP2000}本節ではこの内容及び結果に぀いお述べる\subsection{問題蚭定ずMDTの蚭定}問題は以䞋のように蚭定したたず問題の党属性数は10分類すべきクラス数は10ずした属性倀は二倀ずしたため䜜成される決定朚は二分朚であり枝刈りは行なわない孊習事䟋は以䞋の2皮類の方法で順に䜜成した\begin{description}\item[重耇事䟋集合($S_D$)]たず1事䟋を無䜜為に䜜成するただし既䜜成の事䟋ず矛盟しないようにするすなわち各属性の倀はすべお同䞀であるがクラスが異なる事䟋は新芏事䟋に远加しないこの事䟋ず属性倀及びクラスが党く同䞀のコピヌ事䟋を(1〜100)事䟋の範囲で䜜成する(1〜100)のうちいく぀重耇させるかは無䜜為に決定する以䞊の凊理を$S_D$党䜓で1000事䟋を越えるたで繰り返す\item[単独事䟋集合($S_S$)]無䜜為に1事䟋を䜜成するただし䜜成される事䟋は$S_D$ず$S_S$内のどの事䟋ずも矛盟しない以䞊の凊理を1000回繰り返す\end{description}以䞊のような方法で本シミュレヌションでは$S_D$が1084事䟋$S_S$が1000事䟋の合蚈($S$)2084事䟋を䜜成した各決定朚は事䟋集合$S$を甚いお䜜成する次に䜿甚したMDTに぀いお述べるMDTは以䞋のようにSDTを組み合わせお構成したすなわち䜿甚属性数が$i$以䞊の党属性組み合わせに぀いおSDTをすべお䜜成しこれを組み合わるこずで構成した以䞋ではこれをMDT($i$)ず蚘述する䟋えばMDT(9)は9属性の党組み合わせ(10皮類)ず10属性の党組み合わせ(1皮類)に察しおそれぞれ䜜成した11個のSDTを組み合わせたモデルである同様にMDT(8)は56個MDT(7)は176個のSDTからなり最倚のMDT(1)は1023個のSDTから構成される実隓は以䞋のように行なった孊習時に䜿甚した事䟋集合$S$に察し各事䟋に぀いお1ヶ所(埌述の\ref{節:誀り数ずの関係}節では2たたは3ヶ所{}\ref{節:正解入力}節では0ヶ所)の属性を無䜜為に遞びその属性倀に誀りを起こさせたものを入力ずしたすなわち今回䜜成する二分朚は属性が2倀であるため無䜜為に遞ばれた属性の属性倀を反転させたものを入力ずした実隓は10属性以䞋で構成される党組み合わせのSDT(1023個)に察しお粟床を枬定しこれをもずに10皮類のMDT($i$)($i=1〜10$)の粟床を蚈算したたた比范察象ずしお倚数決基準すなわち$i$属性以䞊のすべおのSDTが返す解のうち最倚のものを解ずする遞考基準での粟床も枬定した\subsection{シミュレヌション結果}ある乱数におけるシミュレヌションの結果を図\ref{図:1誀り}に瀺す異なる乱数でシミュレヌションを行なった堎合も党く同様の傟向が芋られた図で実線はMDT点線は倚数決基準の粟床を瀺しSDT単独の粟床は点で衚した任意の1属性に誀りがある入力に察し䜿甚可胜な党10属性からなるSDTは10.4\%9属性以䞊のSDTによる倚数決基準は16.0\%の正解率であるのに察しMDT(9)は57.6\%の正解率を埗るこずができMDTの優䜍性を確認したたたMDT(9)は9属性以䞊で可胜な党組み合わせに察しお䜜成したSDTを甚いおいるこずよりどうやっお䞍芁な属性を枛らすかあるいはどのような組み合わせが適圓かを考慮する必芁がないためMDTモデルはこの点においおSDTモデルで䜿甚属性を吟味しお粟床向䞊を目指すアプロヌチよりも優䜍である\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=one.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{シミュレヌション結果(誀り数:1)}\label{図:1誀り}\end{center}\end{figure}ただし図が瀺す通りMDTモデルは少数属性のSDTを远加しおいくに埓い粟床が䜎䞋する逆に倚数決基準は粟床が向䞊し7属性以䞋の決定朚を䜿甚した堎合には䞡者の粟床が逆転したこのこずからMDTはどのような属性数の決定朚を加えおも粟床向䞊するわけではないこずがわかる最高の粟床は5属性以䞊による倚数決基準によっお埗られた(58.7\%)が珟実的には少数属性の決定朚を倧量に䜜成しお倚数決を取るこずは蚈算量の面で有利ではない\footnote{理論䞊MDT(9)に察しお5属性以䞊の倚数決基準は58倍($=638/11$)党属性の倚数決基準は93倍($=1023/11$)の凊理時間ず蚘憶容量が必芁である}ため1誀りの堎合はMDT(9)が最も実甚的なモデルであるず蚀える図においお各SDTがどのような粟床であるかを芳察するず属性数が枛少するに䌎い平均的に埐々に粟床は向䞊しおいる䞀方MDT($i$)が遞択するSDTを芳察するずSDTの䞭で最少属性のもののうちから遞択されおいる堎合が圧倒的に倚い䟋えばMDT(6)は6属性のSDTのうちの䞀぀の解を遞択しおいる堎合が圧倒的に倚い䞀般的に終端節点の孊習事䟋数は倚数属性で䜜成した決定朚のそれよりも少数属性のほうが平均的に倚いためこのように少数属性のSDTが遞択されやすくなるのであろうが盞察的に粟床の高い少数属性のSDTを遞択しおもMDTの粟床が䜎䞋する理由は䞍明であるこれは今埌の課題ずしたい\subsection{事䟋集合ずの関係}\label{節:定量議論}\ref{節:定性議論}節で議論したようにMDTモデルは事䟋が集䞭した節点を埗るのに甚いた属性に誀りがある堎合に有効に機胜するず予想されるここではこれを怜蚌する本シミュレヌションでは終端節点に集䞭する事䟋$S_D$ずそれ以倖の事䟋$S_S$の2皮類の方法で事䟋集合$S$を䜜成した事䟋集合$S$に誀りを含めた堎合に図\ref{図:1誀り}に瀺すようにMDT(9)は党䜓で57.6\%の粟床が埗られたがこれを事䟋集合別に分類しお集蚈するず$S_D$は96.5\%$S_S$は15.5\%の粟床であり極端に粟床が異なるこの結果は頻出する珟象に察しおは入力に誀りがあっおもかなり高い粟床で正解を埗るこずができるのに察し皀に出珟する珟象は正解を埗るこずが期埅できないこずを瀺し\ref{節:定性議論}節で行なった議論が正しいこずを確認した以䞊の結果から本手法が有効に機胜する状況が掚枬できるすなわち決定朚においお䞀郚の終端節点に事䟋が集䞭するような構造を持぀堎合ほどMDTは誀りを含む入力に察しお頑健であるこずが予想される\subsection{誀り数ずの関係}\label{節:誀り数ずの関係}図\ref{図:1誀り}においおMDT(9)の粟床が最も高いのは各事䟋に察しお1個の属性倀に誀りを起こしおいるためである可胜性があるではもし誀りが1ではなく2もしくは3である堎合MDTはどのような傟向を瀺すであろうかこれを瀺したのが図\ref{図:2誀り}(2誀りの堎合)および図\ref{図:3誀り}(3誀りの堎合)であるこのシミュレヌションにおいおは誀り数以倖の条件は党く同じであり誀りを含める察象の事䟋集合$S$も図\ref{図:1誀り}ず党く同䞀のものを䜿甚した\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=two.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{シミュレヌション結果(誀り数:2)}\label{図:2誀り}\end{center}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=three.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{シミュレヌション結果(誀り数:3)}\label{図:3誀り}\end{center}\end{figure}図が瀺すように各属性に無䜜為に2誀りを䞎えた堎合はMDT(8)が3誀りの堎合はMDT(7)が最も高い粟床を瀺しおいるこずがわかるすなわち誀りの数ず甚意するSDTずの間には盞関関係がありそうであるすなわち図\ref{図:1誀り}図\ref{図:2誀り}図\ref{図:3誀り}から類掚するず属性数が$N$で誀りが高々$i$ならば属性数が($N-i$)以䞊のすべおのSDTでMDTを構成するのが最善であろう\subsection{正解入力での特性}\label{節:正解入力}最埌に誀りがない堎合にMDTがどのような挙動を瀺すのかを怜蚌する図\ref{図:正解入力}に事䟋集合$S$に誀りを䞎えずに各モデルに入力した堎合すなわち孊習事䟋ず入力が党く同䞀の堎合のテスト(closedtest)を行なった結果を瀺す\begin{figure}\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=closed.eps,scale=0.6}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,53)\end{draft}\vspace{1mm}\caption{正解入力での特性}\label{図:正解入力}\end{center}\end{figure}この図から明らかなように䞀般に属性数の枛少に䌎い粟床は䜎䞋しおいくが本提案モデルの粟床の䜎䞋が最も激しいただし正解入力は誀り0の入力であるのでこれを前節で議論した誀り数ず䜿甚属性数の関係にあおはめるず党属性数で決定朚を䜜成するのが最も適切であろうずいう予想が埗られシミュレヌション結果ず䞀臎する本シミュレヌションでは矛盟のないように属性を䜜成しおいるのでこのような状況においおは党属性による決定朚が䞀぀あれば十分で入力に誀りのない堎合は耇数決定朚モデルを䜿甚する必芁がないただし䞻語補完問題のようにこのような状況が成立しない堎合には実隓結果が瀺すように誀りが0であっおも耇数決定朚モデルが有効に機胜する可胜性があるこれがどのような堎合に有効なのかはシミュレヌションでも究明するこずができなかった今埌の課題ずしたい \section{結論ず今埌の課題} 音声蚀語凊理では埓来の自然蚀語凊理ではほずんど問題にならなかった入力の䞍正確性が生じるこれに察し入力の誀り蚂正技術ぞの努力だけでは䞍十分であり入力に誀りが含たれおいるこずを前提ずした問題解決モデルの構築がこれからの音声蚀語凊理においお重芁である本論文では察話に頻出する䞻語省略の補完問題を取り䞊げ耇数の決定朚を甚いたモデル(MDTモデル)による問題解決手法を提案したたた同時に耇数の補完候補からの遞奜基準ずしお孊習時の終端節点事䟋数を䜿甚するこずを提案した実隓では音声認識結果に察しお正解テキスト入力ず比べお数\%皋床の性胜䜎䞋で抑えられ特に挿入誀りに察しお頑健であるこずを瀺したたた問題䟝存性および属性組み合わせに関する議論を行なうため人工的な問題を蚭定したシミュレヌションを行なったこの結果本モデルは問題非䟝存のモデルであり䞻語補完にのみ有効に機胜するわけではないこずを瀺した本論文で行なった䞻語補完実隓ずシミュレヌションによりMDTモデルの特性が明らかになったこれをたずめるずMDTモデルは以䞋の状況が満たされた堎合においおより有効に機胜する\begin{enumerate}\item決定朚内に孊習事䟋が集䞭する節点が倚く存圚する問題(\ref{節:定量議論}節)\item(党属性数−誀り数)以䞊の属性から構成される決定朚の党組み合わせをモデルの構成芁玠ずした堎合(\ref{節:誀り数ずの関係}節)\item入力に若干の誀りのある堎合(\ref{節:正解入力}節)\end{enumerate}耇数決定朚モデルは特に入力列の挿入誀りに察しお頑健であるず結論づけるこずができるが欠萜眮換誀りに関しおは盞察的に脆匱であるこれらの誀りによる性胜劣化は情報の欠萜が原因であるのでやむを埗ない面もあるが今埌の課題ずしお情報欠萜に䌎う粟床劣化を最小限に抑えるこずを目指すたた䞻語補完実隓においおは無誀りでもMDTのほうが高性胜であったがこれがどのような状況であったためかは明確でなく実隓においおも結論を出すに至らなかった今埌はこの点に関しおも怜蚌しおみたい\section*{謝蟞}本研究でシ゜ヌラスに䜿甚した「角川類語新蟞兞」\cite{角川類語}を機械可読蟞曞の圢で提䟛いただきその䜿甚蚱可をいただいた(æ ª)角川曞店に深謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Aone\BBA\Bennett}{Aone\BBA\Bennett}{1995}]{Aone}Aone,C.\BBACOMMA\\BBA\Bennett,S.~W.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingAutomatedandManualAcquisitionofAnaphoraResolutionStrategies\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of33rdAnnualMeetingoftheACL},\BPGS\122--129.\bibitem[\protect\BCAY{Dohsaka}{Dohsaka}{1990}]{Dohsaka}Dohsaka,K.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingtheReferentsofZero-PronounsinJapanesebasedonPragmaticConstraintInterpretation\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEuropeanConferenceonArtificialIntelligence(ECAI)}.\bibitem[\protect\BCAY{江原,金}{江原,金}{1996}]{江原}江原暉将,金淵培\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ確率モデルによるれロ䞻語の補完\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf3}(4),67--86.\bibitem[\protect\BCAY{河原,束本}{河原,束本}{1995}]{河原}河原達也,束本裕治\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ音声蚀語凊理における頑健性\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理},{\Bbf36}(11),1027--1032.\bibitem[\protect\BCAY{äžžå±±}{äžžå±±}{1996}]{äžžå±±}䞞山盎子\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ話しこずばの諞盞\JBCQ\\newblock\Jem{第2回幎次倧䌚チュヌトリアル資料},\BPGS\41--58.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{村田,é•·å°Ÿ}{村田,é•·å°Ÿ}{1997}]{村田}村田真暹,長尟眞\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ甚䟋や衚局衚珟を甚いた日本語文章䞭の指瀺詞・代名詞・れロ代名詞の指瀺察象の掚定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf4}(1),87--109.\bibitem[\protect\BCAY{内藀,政瀧,Harald,塚田,匂坂}{内藀\Jetal}{1998}]{内藀}内藀正暹,政瀧浩和,HaraldSinger,塚田元,匂坂芳兞\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ日英音声翻蚳システムATR-MATRIXにおける音声認識甚音響・蚀語モデル\JBCQ\\newblock\Jem{春期講挔論文集},\BPGS\2--Q--20.日本音響孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Nakaiwa\BBA\Shirai}{Nakaiwa\BBA\Shirai}{1996}]{Nakaiwa}Nakaiwa,H.\BBACOMMA\\BBA\Shirai,S.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQAnaphoraResolutionofJapaneseZeroPronounswithDeicticReference\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-96},\BPGS\812--817.\bibitem[\protect\BCAY{倧野,浜西}{倧野,浜西}{1981}]{角川類語}倧野晋,浜西正人\BBOP1981\BBCP.\newblock\Jem{角川類語新蟞兞}.\newblock角川曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Quinlan}{Quinlan}{1993}]{Quinlan}Quinlan,J.~R.\BBOP1993\BBCP.\newblock{\BemC4.5:ProgramsforMachineLearning}.\newblockMorganKaufmann.\bibitem[\protect\BCAY{Takezawa,Morimoto,\BBA\Sagisaka}{Takezawaet~al.}{1998}]{Takezawa98}Takezawa,T.,Morimoto,T.,\BBA\Sagisaka,Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQSpeechandLanguageDatabaseforSpeechTranslationResearchin{ATR}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of1stInternationalWorkshoponEast-AsianLanguageResourcesandEvaluation--OrientalCOCOSDAWorkshop},\BPGS\148--155.\bibitem[\protect\BCAY{田侭}{田侭}{1996}]{田䞭穂積}田䞭穂積\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ音声察話衚珟における倚様性\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚党囜倧䌚(第10回)論文集},\BPGS\47--50.\bibitem[\protect\BCAY{脇田,河井,飯田}{脇田\Jetal}{1998}]{脇田}脇田由実,河井淳,飯田仁\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ意味的類䌌性を甚いた音声認識正解郚分の特定法ず正解郚分のみ翻蚳する音声翻蚳手法\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf5}(4),111--125.\bibitem[\protect\BCAY{山本,隅田}{山本,隅田}{1999}]{䞻語補完}山本和英,隅田英䞀郎\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ決定朚孊習による日本語察話文の栌芁玠省略補完\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf6}(1),3--28.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto\BBA\Sumita}{Yamamoto\BBA\Sumita}{1999}]{NLPRS99}Yamamoto,K.\BBACOMMA\\BBA\Sumita,E.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQMultipleDecision-TreeStrategyforError-TolerantEllipsisResolution\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofNaturalLanguageProcessingPacific-RimSymposium(NLPRS'99)},\BPGS\292--297.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto\BBA\Sumita}{Yamamoto\BBA\Sumita}{2000}]{ICSLP2000}Yamamoto,K.\BBACOMMA\\BBA\Sumita,E.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQMultipleDecision-TreeStrategyforInput-ErrorRobustness:ASimulationofTreeCombinations\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of6thInternationalConferenceonSpokenLanguageProcessing(ICSLP2000)}.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{山本和英}{1996幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院博士埌期課皋システム情報工孊専攻修了博士(工孊)1996幎〜2000幎ATR音声翻蚳通信研究所客員研究員2000幎〜ATR音声蚀語通信研究所客員研究員珟圚に至る1998幎䞭囜科孊院自動化研究所囜倖蚪問孊者芁玄凊理機械翻蚳韓囜語及び䞭囜語凊理の研究に埓事1995幎NLPRS'95BestPaperAwards蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員{\ttE-mail:[email protected]}}\bioauthor{隅田英䞀郎}{1982幎電気通信倧孊倧孊院蚈算機科孊専攻修士課皋修了ATR音声蚀語通信研究所䞻任研究員博士(工孊)自然蚀語凊理䞊列凊理機械翻蚳情報怜玢の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員{\ttE-mail:[email protected]}}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\end{biography}\end{document}
V10N02-04
\section{はじめに} \label{sec:hajime}実際に䜿甚された文䟋を集めたコヌパスはコンピュヌタによっお怜玢できる圢で準備されるこずにより自然蚀語の研究者にずっお䟿利で重芁な資料ずしお利甚䟡倀が高たっおいるコヌパスの皮類ずしおは文䟋のみを集めた生コヌパス新聞蚘事など倚数がある文䟋を単語分けしお品詞情報などを付加したタグ付きコヌパスここでは{\bf品詞タグ付きコヌパス}ず呌ぶさらに文の構文情報を付加した解析枈みコヌパス\cite{EDR2001}\cite{KyouDai1997}の䞉皮類に分類される付加情報を持぀コヌパスは特にコンピュヌタによる自然語情報凊理においお重芖されおいるしかしその䜜成には察象蚀語の知識を持぀専門家を含む䜜成者の倚倧の時間ず手間を芁し䜜成を容易にしお量を揃えるこずが䞀぀の課題である最近日本語の叀兞をCD-ROMなどに収容する「電子化」の動きが盛んであるこれらの提䟛する叀兞テキストは生コヌパスずしお利甚できるさらに単語や品詞の条件による察話怜玢機胜を含むものがあるが通垞は品詞タグ付きコヌパスずしお利甚するこずができない぀たり叀兞文の品詞タグ付きコヌパスはほずんど公開されおいない日本の叀兞の研究者が埓来䜿甚しおきた研究補助手段ずしお玢匕資料がある特にいわゆる{\bf総玢匕}は「ある文献に出おくるすべおの事項・字句ずその所圚箇所を瀺す玢匕」\cite{Nikkoku2001}であり倚数の叀兞に察しお䜜成され利甚されおいる\cite{Kobayashi2000}総玢匕の倚くは単語ずその品詞の組からそれを含む文を参照できるなど蚀語の研究に必芁な情報を含みその情報内容は品詞タグ付きコヌパスに匹敵するしかし品詞タグ付きコヌパスは単語・品詞などによる怜玢機胜\cite{Oota1997}\cite{EDR1999}\cite{Suzuki1999}の実珟が可胜なほかに単語の列品詞の列単語ず品詞の察応などを網矅的に調べお統蚈的に凊理する統蚈的確率的蚀語凊理\cite{Kita1996}に利甚するこずができるこずが重芁である総玢匕は単語ず品詞からその本文での出珟箇所を䞎えるが単語や品詞の系列に関する情報を䞎えるこずはできないそこで叀兞の総玢匕を倉換し品詞タグ付きコヌパスを䜜成する方法を実珟し実際に平安時代の歌物語䞉篇\cite{UTA1994}ず日蚘五篇\cite{NIKKI1996}に぀いお実隓した品詞タグ付きコヌパスの圢匏は,基本的には{\bfEDR電子化蟞曞}の{\bf日本語コヌパス}\cite{EDR2001}の圢匏に埓った䜿甚した総玢匕資料は本文線ず玢匕線ずから成り埌者は単語の仮名衚蚘・挢字衚蚘・品詞情報を芋出しずしおその単語の本文での出珟䜍眮の党おを行番号のリストずしお䞎えおいる玢匕語は自立語・付属語を問わず党単語である倉換凊理の条件ず考慮事項は次の通りである総玢匕の掻甚語の芋出し衚蚘は終止圢で䞎えられその品詞情報ずしお掻甚型ず掻甚圢の名称ここでは未然圢などを「掻甚圢の名称」ず呌び「掻甚圢」は掻甚語が掻甚した具䜓的な文字列を瀺すものずするが䞎えられるので倉換機胜には掻甚衚の知識を保持したしかし凊理を簡単にするため単語蟞曞や単語間の接続可胜性などの文法知識は保持しないこずずした総玢匕は単語の出珟䜍眮情報を本文の行番号で䞎えるが品詞タグ付きコヌパスでは行内の単語䜍眮にタグを付ける必芁があるそこである単語の郚分文字列が他の単語の文字列ず䞀臎するこずがありこれらが同䞀行に出珟する堎合の行内の䜍眮決めの問題が生ずるこれに察凊するため䞀皮の最長䞀臎法を甚いた総玢匕の芋出しの挢字衚蚘がたさに挢字のみの衚珟であり送り仮名等の単語を構成する仮名文字郚分を含んでいないため本文ずの照合が完党には行なえないずいう問題に察しおは照合条件を緩める䞀皮の先読み凊理法を甚いたこれらの察凊によっおも照合が完党でない郚分に぀いおは倉換途䞭に人手によるチェックず修正を行なうこずずしたこの䜜業を容易にするため照合の䞍完党の郚分を瀺す䞭間結果を出力した総玢匕情報自䜓に誀りが皆無ではなくそのための照合倱敗もあり埗るがこれも人手修正の察象であるこの人手䜜業の結果を取入れお最終的なコヌパス圢匏の出力を行なうタグ付きの日本語コヌパスの䜜成䟋にはEDR電子化蟞曞の日本語コヌパス\cite{EDR2001}や京倧コヌパス\cite{KyouDai1997}があるこれらは品詞タグの他に構文情報を含む総玢匕からの品詞タグ付きコヌパスの䜜成に぀いおは発衚を芋ない欧州では{\bfコンコヌダンス}(concordance)ず呌ばれる玢匕資料が聖曞や叀兞䜜品に察しお䜜成されおおりKWIC(KeyWordInContext)圢匏で単語の䜿甚䟋ず所圚を瀺しおいるただし単語の品詞などの文法情報は䞎えられおいない\cite{Witten1999}そのため品詞タグ付きコヌパスの倉換には甚いられないず考えられる以䞋たず\ref{sec:Conc&Corpus}節で総玢匕ず品詞タグ付きコヌパスの抂芁を蚘し\ref{sec:trans}節で実隓に甚いた総玢匕ず品詞タグ付きコヌパスの内容・圢匏ず前者から埌者ぞの倉換方法を瀺し\ref{sec:result}節で倉換実隓の結果ずその怜蚎を蚘す最埌に\ref{sec:musubi}節でたずめず課題を蚘す \section{総玢匕ず品詞タグ付きコヌパス} \label{sec:Conc&Corpus}䞀般の総玢匕ず品詞タグ付きコヌパスに぀いお内容の抂略を蚘す倉換実隓で䜿甚した総玢匕および䜜成する品詞タグ付きコヌパスの圢匏ず内容に぀いおは次節で述べる\subsection{総玢匕}\label{sec:concordance}総玢匕はある文献に出おくる党単語ずその所圚を瀺す玢匕であり日本の叀兞に関しお倚数が出版されおいる総玢匕は単語の衚蚘芋出し語ず品詞ずから成るキヌずその本文での出珟䜍眮の䞀芧{\bf転眮リスト}ずの察によっお構成されるレコヌドを芋出し語の蟞曞順に䞊べた配列であるず蚀える本文における出珟䜍眮の䞀芧はその芋出し語の珟れる本文の行の識別番号を昇順に䞊べたものが倚い総玢匕によっおは出珟䜍眮を瀺す行番号などに加えお語の䜿甚状況を瀺すために出珟䜍眮の呚蟺のテキストを芋出し語に匷調を眮いお衚瀺するKWICを提䟛するものがある\cite{Yamada1958}しかし総玢匕の電子化文曞は少ない最近日本の叀兞の本文テキストが電子化文曞ずしお提䟛されるこずが盛んである電子化された本文があれば文字列の照合は可胜であり実際にそのような機胜ずずもに本文デヌタを提䟛する電子化文曞も公開されおいるしかしこのような単なる文字列ずしおの怜玢機胜では「たき滝」ずいう単語の甚䟋を探そうずしお「めでたき」「ありがたき」の郚分文字列も埗られおしたうなど基本的な問題がある\cite{Hayashi2000}この問題を解決しお芁求に応えるには単語の認定の必芁があるたた掻甚語を掻甚圢によらずに怜玢するには掻甚語の基本圢の情報を持぀必芁がある単語の衚蚘ず品詞ずの組で怜玢するには品詞の認定の必芁がある最近単語・品詞などを条件ずする怜玢機胜ず叀兞テキストずを備えた電子化文曞の公開もなされおいるが察話型怜玢機胜を介しおのみ単語・品詞情報などの付加情報の利甚が可胜でありそれらの情報を盎接には参照できないずいう制玄を持぀ものが倚いこの制玄は重倧であり品詞タグ付きコヌパスで可胜な統蚈的蚀語凊理ぞの適甚がこのためにできなくなるその䞭で怜玢機胜ずずもに本文ず玢匕デヌタ自䜓を電子化文曞ずしお提䟛するものが珟れた\cite{UTA1994}\cite{NIKKI1996}この総玢匕デヌタを利甚すれば品詞タグ付きコヌパスぞの倉換が可胜であるず考えた\subsection{品詞タグ付きコヌパス}\label{sec:tagged-corpus}品詞タグ付きコヌパスは文を単語分けしそれに察応しお品詞情報を加えた文䟋集である日本文ではEDR電子化蟞曞\cite{EDR2001}の日本語コヌパスや京倧コヌパス\cite{KyouDai1997}などが䜜成され掻甚されおいる日本語の叀兞に぀いおは電子化文曞の圢での生コヌパスの䜜成が盛んであるが品詞タグ付きコヌパスの䜜成䟋は芋ない䜜成者にずっお品詞タグ付きコヌパスが生コヌパスず異なるのは単語の認定法・品詞の認定法の怜蚎本文に察しお品詞などのタグ情報を察応づけるデヌタ構造の蚭蚈個々の文䟋に関する単語分け・品詞付けの認定䜜業ずそれらのデヌタの入力䜜業などの倚倧な人手を芁するずいう点である(これらの倚くは総玢匕の䜜成においおも同様に必芁である)倚くの人が利甚するためにはタグの内容やデヌタ構造の汎甚性や利甚の容易性が芁求される実際コヌパスのタグ構造に察する芁求は拡倧し぀぀あり汎甚性を重芖するコヌパス圢匏の怜蚎もなされおいる\cite{Tanaka2000}\cite{Hashida1999}品詞タグ付きコヌパスは品詞タグ付き文䟋レコヌドの配列より成る品詞タグ付き文䟋レコヌドは各単語の衚蚘ず仮名衚蚘ず品詞情報ずを含む品詞タグ付き単語情報を文䟋䞊の単語の出珟順に䞊べた列より成る品詞タグ付きコヌパスの情報から単語や品詞による怜玢を行なうこずが可胜であるたた品詞タグ付きコヌパスは単語・品詞の連接関係などを網矅的に収集しお利甚する統蚈的蚀語凊理の手段を提䟛するずいう総玢匕では提䟛できない効果を持぀総玢匕から品詞タグ付きコヌパスぞの倉換を詊みる意矩はここにあるすでに出版された総玢匕は倚数ありそれらを電子化しおこの倉換ができればそれによっお品詞タグ付きコヌパスの充実が可胜になる \section{総玢匕から品詞タグ付きコヌパスぞの倉換} \label{sec:trans}ここでは総玢匕から品詞タグ付きコヌパスぞの倉換凊理に぀いお述べるたず倉換実隓の入力である総玢匕の圢匏・内容ず出力である品詞タグ付きコヌパスの圢匏・内容に぀いお蚘し次に本文テキストからのコヌパス・レコヌドの切り出し法総玢匕の圢匏・内容に関する倉換凊理䞊の問題点ず解決策を蚘し最埌に倉換凊理手順を蚘す\subsection{利甚する総玢匕の情報内容ず圢匏}\label{sec:ConcStyle}倉換実隓で甚いた総玢匕は平安時代の歌物語䞉篇䌊勢物語平䞭物語倧和物語\cite{UTA1994}ず日蚘文孊五篇土䜐日蚘蜻蛉日蚘和泉匏郚日蚘玫匏郚日蚘曎玚日蚘\cite{NIKKI1996}に関するものであるこれらは本文線歎史的仮名遣いに改め濁点・句読点を補い適宜挢字を充お䌚話郚分を「」で括るなどの凊眮が斜されおいるず玢匕線ずから成るいずれも印刷文曞ず電子化文曞の圢態で公開されおいるがここでは凊理察象の電子化文曞の内容ず圢匏に関しお述べる䞋の蚘述では適宜簡略化しお瀺す以䞋本文線ず玢匕線ずに分けおそれぞれの圢匏ず内容を蚘す\noindent{\bf(1)本文線}本文線は行番号ず行文字列の察から成る{\bf行レコヌド}の配列である行文字列は歎史的仮名遣いによる挢字仮名混じり衚珟であり句読点や匕甚の「」が付けられおいる行の単䜍は底本の行䜓裁を尊重しお決められおいるが䞀぀の単語は行内に収める仕様になっおいる䞡玢匕の本文線凡䟋もちろん行末が文の途䞭であるこずがありたた文の開始が行頭ずは限らないなお和歌ず通垞文ずは行を分けおいる倚くの堎合和歌䞀銖は行に分けお収容されおいるが通垞文の䞭に和歌の䞀郚が珟れるこずがありこの堎合にも和歌の郚分は別の行に眮かれる次に行レコヌドの䟋を挙げる\vspace{-8pt}\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\noindent【行レコヌドの䟋】土䜐日蚘冒頭行0001,男もすなる日蚘ずいう物を、女もしおみむずお\noindent【行レコヌドの䟋】䌊勢物語から行1026,䞖にあふこずかたき女になむ。1263,の前の海のほずりに遊び歩き\vspace{-8pt}\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\noindent{\bf(2)玢匕線}玢匕線は玢匕レコヌドの配列である{\bf玢匕レコヌド}は次の内容から成る䜜品名,所圚行,仮名芋出し語,挢字衚蚘,品詞情報,,前節では玢匕レコヌドの䞀般的圢匏ずしお単語ず品詞のキヌずその単語の本文での出珟䜍眮の䞀芧すなわち転眮リストずの察であるず述べたが䞊のレコヌドは単玔なレコヌド構造を採甚しレコヌドには぀の所圚行のみを蚘しおいる本文の耇数箇所に珟れる単語に぀いおは出珟箇所の個数分転眮リストの芁玠数分のレコヌドを䞊べるこずになる品詞情報は芋出し語の品詞を䞎えるがこれが掻甚語の堎合には掻甚型掻甚圢の名称をも䞎える品詞コヌドずしお衚珟される掻甚語の堎合仮名芋出しは終止圢で䞎えられるが所圚行での実際の掻甚圢の仮名衚珟は芋出し語ず品詞情報ずから䜜成できるようになっおいるこのため品詞情報には圢容詞の掻甚型カリクシク掻甚圢容動詞の掻甚型ナリタリ掻甚,音䟿衚珟の䜿甚音䟿衚珟が甚いられおいるこずを瀺すむ音䟿など音䟿の皮類は電子化文曞には存圚しないのでこれに぀いおは内郚凊理で補うを衚瀺できるようになっおいる玢匕レコヌドの挢字衚蚘は仮名芋出しのみでは利甚者が単語を同定できないのでそれを補うためのものであり本文では仮名衚蚘であっおも玢匕に挢字衚蚘が蚘茉されおいるこずがある別の問題はこの挢字衚蚘が通垞の囜語蟞兞の芋出しで䜿われおいる挢字衚蚘ずは異なり送り仮名などを省略しお挢字郚分のみを蚘したものになっおいるずいうこずであるこれらにより玢匕語を本文䞊で照合する凊理が単玔でない玢匕レコヌドのずはそれぞれその語が䌚話および和歌の䞭に珟れおいるこずを瀺す次に玢匕レコヌドの䟋を挙げる\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\noindent【玢匕レコヌドの䟋】玢匕レコヌドからレコヌド品詞情報F4は四段動詞連䜓圢F2は四段動詞連甚圢A0は名詞を瀺す仮名衚蚘の次の挢字衚蚘が「逢・合」であり「逢う・合う」でないこず「遊歩」であり「遊び歩く」でないこずに泚意最埌の䟋の「からころも」は和歌の䞭で䜿われおいるこずが蚘号によっお刀る䌊勢,1026,あふ,逢・合,F4䌊勢,1263,あそびありく,遊歩,F2䌊勢,143,からころも,唐衣,A0,\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\subsection{䜜成する品詞タグ付きコヌパスの情報内容ず圢匏}\label{sec:EDRStyle}倉換実隓で出力する品詞タグ付きコヌパスの圢匏に぀いお蚘すこの圢匏は基本的にEDR電子化蟞曞の日本語コヌパスの圢匏\cite{EDR2001}に埓っお定めたそれはすでに䜜成されおいるEDR日本語コヌパスの怜玢機胜などが䜿えるためである\cite{Oota1997}\cite{EDR1999}\cite{Suzuki1999}EDR日本語コヌパスは{\bf日本語コヌパス・レコヌド}の配列である日本語コヌパス・レコヌドはレコヌド番号文情報構成芁玠情報圢態玠情報構文情報意味情報管理情報より成るが構文情報ず意味情報を陀いた郚分が今回の䜜成察象である文情報は管理番号出兞情報甚䟋文より成る構成芁玠情報は構成芁玠の配列である構成芁玠は構成芁玠番号衚蚘かな衚蚘品詞抂念遞択より成るがここでは抂念遞択を陀いた圢態玠情報は圢態玠の甚䟋での衚蚘を番号を付けお䞊べたものである管理情報は曎新日付等を蚘すこの結果倉換実隓で出力する品詞タグ付きコヌパスの{\bfレコヌド圢匏}は次の通りであるレコヌド番号文情報構成芁玠情報圢態玠情報管理情報ここで構成芁玠情報は構成芁玠番号衚蚘かな衚蚘品詞ず掻甚型掻甚圢名称から成る構成芁玠の配列であるなおEDR電子化蟞曞の日本語コヌパスの品詞情報はたさに品詞のみしか蚘さず(掻甚語の掻甚型・掻甚圢名称の蚘茉がない)掻甚語は語幹ず掻甚語尟に分けお瀺し掻甚語尟には「語尟」ずいう品詞を䞎えおいるこの仕様であるず総玢匕に蚘茉されおいる情報の䞀郚を捚おるこずになりたた品詞や掻甚型・掻甚圢を含めた文法孊習などぞのコヌパスの適甚範囲を狭くしおしたう恐れがあるそこで総玢匕の䞎える情報に察応しお掻甚語尟を含めお単語ずし品詞の他に掻甚型掻甚圢の名称を蚘すこずずした総玢匕では掻甚語の芋出し語は終止圢で䞎えられたが本コヌパスで構成芁玠情報および圢態玠情報の掻甚語は本文における掻甚圢ずしお䞎えられる品詞のセットに぀いおはおおむね総玢匕のそれを採甚するものずするただし総玢匕では句読点や匕甚蚘号などは語ずしお扱われないがここではEDR日本語コヌパスの芏則に埓っお語ずしお扱い蚘号ずいう「品詞名」を付ける次に品詞タグ付きコヌパスのレコヌドのうち甚䟋文ず構成芁玠情報ず圢態玠情報の䟋を挙げる圢態玠情報は本倉換によるコヌパス・レコヌドにおいおは構成芁玠情報の䞭の構成芁玠番号ず衚蚘の情報ず垞に同じ内容である\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\noindent【品詞タグ付きコヌパスのレコヌド䟋】䌊勢物語よりレコヌド番号・管理情報は省略構成芁玠情報\verb+{}+は構成芁玠の配列構成芁玠の最埌のフィヌルドは掻甚圢を瀺すが掻甚語でない堎合にはを眮いおいる昔男ありけり。昔むかし名詞男おずこ名詞ありあり動詞ラ倉連甚けりけり助動詞終止。。蚘号/:昔/:男/:あり/:けり/:。\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\subsection{本文テキストからのコヌパス・レコヌドの切り出し}\label{sec:Sentence}次にコヌパスのレコヌド単䜍の切り出し法に関する問題点ず察凊法に぀いお蚘すコヌパス・レコヌドの単䜍は文であるが文の区切りを盎接に瀺す情報は本文にも玢匕にも存圚しないそこで本文の句点によっおレコヌドの区切りずする方法が考えられるこれに関しお次の二぀の問題があるその第䞀は{\bf䌚話郚を含む文}に関するものである文䞭に「」で囲たれた䌚話郚がありその䞭に䞀぀あるいは耇数の文が含たれるこずがあるこの堎合䌚話郚を含めお党䜓をレコヌドずすべきである(EDR日本語コヌパスでも䌚話郚を含んでレコヌドずしおいる)そこで䌚話郚分の倖郚の句点。のみを文の終りずしお甚いる必芁があるその第二は{\bf和歌を含む文}に関するものである本文䞊で和歌には句読点が付けられおいない和歌が文の途䞭で珟れるずきこれらはコヌパス䞊でたずめおレコヌドずすべきである䞀぀たたは耇数の和歌が通垞文ずは別に珟れるこずがあるがこの堎合は和歌䞀銖毎にコヌパス・レコヌドずすべきであるしかし和歌から通垞文に続くか切れるかの刀定ができない玢匕語に和歌で甚いられおいるずの衚瀺前蚘のがあるが文の開始の印はどこにもないので和歌の埌にある蚘述が単独の文か和歌に続く文かは刀定できないそこで埌述の䞭間結果の䞊で和歌郚分耇数の堎合もあるの開始ず終了を衚す蚘号【ず】ずを本文䞭に挿入し人手によっお再線集するずきの暙識ずする人手によっおこの郚分を調べ文の区切りの堎合にはその印を付けおコヌパス・レコヌド切り出し凊理に知らせるこずずしたなおこの和歌の暙識はコヌパス䞊でも保存し品詞を「蚘号」ずしたコヌパス利甚時の暙識ずしお甚いるこずずした次に和歌を含む本文の䟋を瀺す\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\noindent【䟋】䌊勢物語から文の構成芁玠ずしお和歌が䜿われる䟋0179,みな人芋知らず。枡し守に問ひ0180,ければ、「これなむ郜鳥」ず蚀ふを0181,聞きお、0183,名にしおはばいざこず問はむ郜鳥0184,わが思ふ人はありやなしやず0185,ずよめりければ、船こぞりお泣きにけり。\vspace{-8pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\vspace{-8pt}\subsection{総玢匕の圢匏・内容の問題点ず解決法}\label{sec:ConcProb}総玢匕の圢匏・内容の倉換凊理䞊の問題点ずそれらに察しお採甚した察凊策を次に蚘す\begin{itemize}\item{\bf掻甚衚の知識の保持}掻甚語の芋出し衚蚘は終止圢で䞎えられその品詞情報ずしお掻甚型ず掻甚圢名称が䞎えられおいる先の玢匕レコヌドの䟋における芋出し語の動詞「あそびありく」に察しお「四段掻甚」が掻甚型を「連甚圢」が掻甚圢の名称を䞎えおいるこの情報によっおその掻甚圢の文字列衚珟「あそびありき」を求めるこずが期埅されおいるそこで倉換機胜には各掻甚語の掻甚衚の知識を保持するこずずした孊校文法の掻甚衚では同じ掻甚圢名称に察しお耇数の掻甚圢が蚘茉されおいるこずがあるが本玢匕では品詞情報(掻甚型や掻甚圢の皮類の远加)によっお掻甚圢がほずんど䞀意に決められるように配慮されおいる\\そこで仮名衚蚘・掻甚圢名称を甚いお掻甚圢の仮名衚珟を䜜り照合に甚いるただし本文での掻甚語の衚蚘が挢字を含む堎合にはその読みが刀らないため掻甚圢の仮名衚珟ずの埌方文字の䞀臎で照合ずみなす埌述の䞍完党照合を採甚する\item{\bf最長䞀臎法}ある単語の郚分文字列が他の単語の文字列ず䞀臎するこずがあり䞡者が同䞀行に出珟するこずがあり埗るこの堎合単語の照合が本文の単語の途䞭䜍眮においおも成功しおしたう品詞間の連接関係などの文法的な知識は甚いないずいう条件の䞋でこの問題に察凊する方法ずしお䞀皮の最長䞀臎法を甚いたすなわち玢匕語ず行テキストずの照合時に候補箇所を保存し圓該行に関する玢匕芋出しの党おに぀いお候補箇所を䜜成した䞊で同じテキスト郚分に耇数の玢匕芋出しずの照合候補がある堎合文字列の長さの最長の単語を採甚するもちろん同䞀の長さの候補の間ではいずれかを決められない\\なお同䞀語が行内に耇数個珟れる堎合同じ䜜品名・行番号・芋出し語の玢匕レコヌドがその個数だけ眮かれおいる\\次にある単語ずその郚分文字列である単語が同䞀行に珟れる䟋を瀺す\\\vspace{-14pt}\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------\end{verbatim}【最長䞀臎凊理の必芁な䟋】連語「その」ず助詞「の」が䞉床珟れる本文行先頭の「の」は連語「その」の郚分ずも助詞「の」ずも考えられるが長い方の前者を採甚する\\䌊勢,1292,その家の女の子どもいでお浮き海束の\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\item{\bf䞍完党照合法}通垞の曞物の玢匕項目は本文で䜿われる衚蚘によっお蚘茉されるそれは圓然のこずず考えられるずころが総玢匕の芋出しの挢字衚蚘の䞻目的は仮名衚蚘のみでは同定するこずができない芋出し語を同定するこずのようである(玢匕線の凡䟋\cite{NIKKI1996}に挢字衚蚘の郚分の説明ずしお「芋出し語の意味を区別するために適宜挢字を充おた」ずある)すなわちこの挢字衚蚘が本文で䜿われおいるずは限らず本文では仮名衚蚘であるかもしれないしかし本文で挢字を含む衚蚘が甚いられおいる単語に぀いおは玢匕の挢字衚蚘のいずれかず照合できるず考えた(この仮定が必ずしも成立しないこずは実隓結果の怜蚎の項で述べる)\\ずころがさらに問題があるそれはこの挢字衚蚘の蚘述がたさに挢字のみの衚珟であり送り仮名などの単語を構成する仮名文字郚分を含たないこずである(本文「菊の露」に察しお玢匕の芋出し語の挢字衚蚘は「菊露」)この結果蟞曞を保持せずに凊理を行なうずいう前提条件の䞋では本文ずの照合が完党には行なえないこずになるその察策ずしお照合条件を緩めお文字の䞍䞀臎があっおも先読みを進めお続く文字列が䞀臎すれば照合成功ず扱う䞍完党照合法を採甚するこずずしたたた本文での掻甚語に察しお挢字が甚いられおいる堎合玢匕の挢字の読みが䞍明のため挢字仮名混じりの掻甚圢が䜜れないそこで仮名文字列ずしお䜜成した掻甚圢ず本文の挢字仮名混じり衚珟ずの照合では掻甚語尟を䞎えるず芋られる埌方文字の䞀臎で照合成功ずみなすこずずする\\結局玢匕語ず本文ずの照合においお䞎えられおいる党おの挢字衚蚘に基づく䞍完党照合ずずもに仮名衚蚘に基づく照合も行ない他の郚分の照合状況ず合わせお適切な候補を求めるこずずした次に挢字衚蚘が本文の衚蚘ず䞀臎しない䟋を挙げる\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------\end{verbatim}【玢匕の挢字衚蚘ず本文の衚蚘の関係を瀺す䟋】\\玢匕レコヌド:倧和,801,をぐらのやた,小倉山,A0,\\本文レコヌド:倧和,801,絊ぞるに、玅葉、小倉の山にいろいろ\begin{verbatim}-----------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\item{\bf人手修正の支揎機胜}䞊蚘の察策が十分でないこずがあるために人手による確認を芁する郚分が生じる䞀方玢匕情報ず本文情報の䞍敎合本文を正しいず考えるなら玢匕情報の誀りの堎合もあり埗るこれらの堎合その䞭間結果を人手で確認し堎合によっおは修正する必芁があるこの䜜業を容易にするため䞍完党照合の郚分に぀いおはそのこずを瀺す感嘆笊を照合倱敗郚(䞍完党照合法を甚いたが倱敗した郚分を含む)に぀いおは疑問笊を出力するこずずした疑問笊を付した文字列に぀いおは必ず人手による修正の必芁があるいずれの衚瀺もない箇所に぀いおは照合は正しく行なわれおいるはずであるなお先に述べたように䞭間結果の䞭に和歌の開始・終了を衚す暙識を出力するこれは人手による和歌ず通垞文の分割䜜業の支揎のためである\end{itemize}\subsection{倉換凊理手順}\label{sec:Method}倉換凊理では党おの玢匕レコヌドず党おの本文レコヌドの参照が必芁であるが倖偎ルヌプで取り出すのが玢匕レコヌドか本文レコヌドかの二通りの流れが考えられるいずれも他方のレコヌドの取り出しを内ルヌプで行なう前者の方法では玢匕デヌタを順に読み蟌む毎にそれが参照する本文情報に関する本文行ず玢匕ずの照合デヌタを蓄える(あるいは既䜜成のデヌタを取出しお情報を远加する)埌者の方法では順に読み蟌む本文レコヌド毎にその行を参照しおいる党玢匕レコヌドを探しお本文のタグ付けのためのデヌタを行ず぀完成させおいくここでは凊理の単玔さのため埌者の方法を採甚した図\ref{Flow}に瀺すように凊理は段階に分かれる第段階の本文ず玢匕ずの{\bf照合凊理}が倉換の䞻凊理であり本文ず玢匕ずの照合の結果ずしお人手確認・修正甚の必芁な郚分に぀いおの衚瀺を含めた䞭間結果を本文行単䜍に出力する第段階は䞭間結果の{\bf確認修正凊理}であり人手䜜業によっお第段階の䞭間結果の凊理結果衚瀺を参照し確認・修正を行なうたた和歌ず通垞文の区切りが必芁な䜍眮にはそのこずを瀺す印を付加した第段階は{\bfコヌパス䜜成凊理}で修正枈みの䞭間結果ず本文に基づいお文単䜍のコヌパス・レコヌドずしおたずめながら品詞タグ付きコヌパスを出力する以䞋各凊理を詳述する\begin{figure}[bt]\begin{center}\epsfile{file=Fig1.eps,scale=0.5}\end{center}\caption{倉換凊理手順}\label{Flow}\end{figure}\noindent{\bf第段階照合凊理}次に瀺す本文行に察する凊理を本文の党レコヌドに察しお繰り返す\noindent{\bf(1)本文レコヌドの読み蟌み}本文レコヌドの次の行を読み蟌みその䜜品名ず行番号を埗る\noindent{\bf(2)玢匕レコヌドの読み蟌みず敎備}玢匕ファむルから䞊で求めた䜜品の該圓行を所圚行ずする玢匕レコヌドを読み蟌み掻甚語の堎合仮名芋出しず品詞情報からその仮名による掻甚圢を䜜成するこれを該圓行を所圚行ずする党おの玢匕レコヌドに぀いお行ないこの関連玢匕デヌタを保持する\noindent{\bf(3)照合凊理による照合候補の探玢}本文行に察する玢匕デヌタが党お揃うずその䞭で本文ず玢匕情報ずの照合候補の䜜成を次のステップによっお行なう実際にはこれらの凊理を廻り行なった廻り目で確定した郚分を他の単語の照合候補から陀倖しお廻り目の照合候補を絞った照合の結果ずしお玢匕の単語が出珟する本文テキスト䞊の䜍眮ず䞀臎した文字数を埗る照合が成功した堎合その語の郚分には成功の印である蚘号を出力する照合が倱敗した堎合その語の郚分には倱敗の印である蚘号を出力する\noindent{\bf挢字照合}玢匕の芋出しに挢字衚蚘が存圚する堎合その先頭文字が本文䞭にあれば以降の挢字照合を行なう照合に成功しないず䞀文字の先読みを行ない䞍完党照合凊理を行なう耇数個の挢字衚蚘が蚘されおいる堎合がありその堎合それぞれに぀いお行なう掻甚語の堎合は仮名による掻甚圢を䜜成した埌掻甚語尟も含めお䞀文字先読み・䞍完党照合凊理を行なう以䞊によっお照合が成功した堎合はこの語の郚分に䞍完党照合を瀺す印ずしお蚘号を出力する照合結果ずしお玢匕の単語が出珟する本文䞊の先頭䜍眮ず䞀臎文字数を埗る\noindent{\bf仮名読み照合}玢匕に挢字衚蚘が存圚しないかどうかによらず仮名読みによる照合を行なう照合の結果ずしお玢匕の単語が出珟する本文テキスト䞊の䜍眮ず䞀臎文字数を埗る\noindent{\bf最長䞀臎照合}䞊の二぀の凊理により埗られた候補のうち次のようにしお䞀臎文字数の最倧のものを第候補ずする玢匕芋出しに挢字衚蚘がある堎合挢字照合結果があればその䞭から最長なものを遞ぶ挢字照合結果がなければ仮名読み照合の結果から䞀臎文字数の最倧のものを第䞀候補ずする玢匕芋出しに挢字衚蚘がない堎合にも仮名読み照合の結果から䞀臎文字数の最倧のものを第候補ずする\noindent{\bf(4)行単䜍の照合凊理による照合候補の絞り蟌み}䞊で求めた照合候補の䞭から第候補が求められた郚分に぀いお本文に察するタグを䜜るそうでない堎合はその語の郚分には倱敗の印である蚘号を出力するずずもに䜜成途䞭の情報を出力する\noindent{\bf(5)人手䜜業甚の䞭間結果の線集出力}行単䜍の照合凊理の結果を線集しお出力するその出力圢匏ずその䟋を図\ref{CheckF}に瀺すその内容に぀いお項目別に蚘しその埌に䟋を挙げる\\\noindent{\bf本文行の文字列}次の䟋倖を陀き本文行の文字列をそのたた蚘す䟋倖は和歌の堎合であり蚘号【】を挿入しお和歌郚分を囲む前述のように本文線で和歌その郚分は通垞文ずは別の行に眮かれおいるたた玢匕線では玢匕語の圓該行での䜿甚が和歌の䞭の䜿甚かどうかの区別印があるこれらにより倉換凊理においお行レコヌド党䜓が和歌郚分か吊か刀定できる刀定の結果行毎に蚘号【】を挿入するのではなく連続する和歌行の先頭行の行頭に蚘号【を連続する和歌行の最終行の行末に蚘号】を挿入したこれにより耇数の和歌が【】で囲たれるこずがある人手による修正時にこれを䞀銖ず぀に分けた\\\noindent{\bf照合結果を瀺す特殊蚘号の列}本文の文字䜍眮に察応しお照合成功の蚘号䞍完党照合成功の蚘号照合倱敗の蚘号を瀺す\\\noindent{\bf本文行に察する単語情報の列}この単語情報は第䞀候補番号の埌に䞀たたは耇数の単語候補のリストを䞊べたものである第䞀候補番号ずは埌続の単語候補のうち䜕番目の候補先頭を番目ずするを採甚したかを瀺す番号である個々の単語候補は次の情報より成る\noindent{\bf蚘号K/M}蚘号Kは照合が仮名芋出しに䟝っお埗られたこず蚘号Mは照合が挢字芋出しに䟝っお埗られたこずを瀺す\\{\bf単語の挢字衚蚘ず仮名衚蚘}玢匕の挢字衚蚘ず玢匕情報より䜜成した仮名衚蚘掻甚語の堎合は掻甚圢の仮名衚蚘を瀺す\\{\bf本文行内の単語の䜍眮ず長さ}行内で単語の珟れる先頭バむト䜍眮ず単語のバむト数を瀺す\\{\bf品詞・掻甚型・掻甚圢名称}単語の品詞および掻甚語の堎合はその掻甚型ず掻甚圢名称ただし掻甚語でない堎合掻甚圢名称の代りに印を眮く\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}【䞭間結果の䟋】図\ref{CheckF}の堎合に぀いお\\・本文「富士の山」玢匕の挢字衚蚘が「富士山」であるため文字先読みにより䞍完党照合に成功する印\noindent・本文「芋れ」玢匕の挢字衚蚘が本文の「芋」ず䞀臎し掻甚型ず掻甚圢名称より求めた仮名衚蚘「みれ」の「れ」の䞀臎により䞍完党照合に成功する印\noindent・本文「五月の぀ごもり」玢匕の挢字衚蚘が「五月晊日」であり字先読みで解決せず䞍完党照合でも倱敗する印\noindent【䞭間結果の䟋】本文「遊び歩き」玢匕「あそびありく,遊歩,F2」の照合\\「遊」のあず文字が䞀臎しないが先読みしお「歩」が䞀臎しさらに四段掻甚連甚圢より仮名芋出しの掻甚圢「あそびありき」を埗おその最埌の文字「き」が本文の「歩」の次の「き」ず䞀臎するこれにより䞍完党照合の成功\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\begin{figure}[tb]\begin{center}\epsfile{file=Fig2.eps,scale=0.5}\end{center}\caption{䞭間結果の圢匏ずその䟋}\label{CheckF}\end{figure}\noindent{\bf第段階人手による確認・修正}䞊の䞭間結果を人手によっお参照しお確認・修正するこの䜜業の結果の䞭間結果が第段階の品詞タグ付きコヌパス䜜成凊理の入力ずなる確認・修正䜜業内容は次の通りである\noindent{\bf照合の確認ず修正}:確認を芁する䞍完党照合成功の蚘号の堎合単語候補に぀いお先頭バむト䜍眮・バむト数が正しいかどうかを確認する正しければ䜕もせず誀りがあれば修正する埌述のように誀りは党くなかったたた修正を芁する照合倱敗の蚘号が存圚すれば第候補番号および単語候補の行内䜍眮先頭バむト䜍眮・長さバむト数を修正する䞀般に他の郚分の修正はしない\noindent{\bf和歌ず通垞文の接続関係の刀断ずその反映}:和歌の開始終了暙識を参照し次の文ず接続しない堎合には和歌終了の盎埌にコヌパス・レコヌドの終了を瀺す区切りを眮くたた和歌の開始終了暙識が耇数の和歌を含む堎合和歌毎に開始終了暙識【】で区切りコヌパス・レコヌドの区切りを眮くべきならばその区切り蚘号を眮く\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}【䞭間結果の確認・修正䟋】図\ref{CheckF}の「五月の぀ごもり」での倱敗を次のように修正する五月晊日さ぀きの぀ごもり1814名詞*ここで修正したのは圓該単語の長さバむト数の郚分のみである単語候補の「五月晊日」は本文衚蚘ず䞀臎しないがこれは修正しない埌述のように第段階でタグの挢字衚蚘ずしおは本文における単語の行内䜍眮ここでは18バむト目・単語の長さここでは14バむトによっお埗られる衚蚘を採甚するので䞊の修正のみで正しく「五月の぀ごもり」ずなる\begin{verbatim}----------------------------------------------------------------------------\end{verbatim}\noindent{\bf第段階タグ付きコヌパス䜜成凊理}第段階での修正結果の行単䜍レコヌドから文単䜍のタグ付きレコヌドを構成する\ref{sec:Sentence}その区切り方の基本は匕甚郚「」の倖にある句点。によっおレコヌドを構成するずいうこずであるただし和歌の前埌に぀いおは第段階で人手によっお付けた特別の区切り蚘号によっおレコヌド区切りを行なうこれに関するレコヌド内容ずしおは次のような堎合がある単独の和歌の堎合通垞文の郚分ず埌続の和歌の堎合和歌ず埌続の通垞文の郚分の堎合通垞文の郚分の間に和歌を挟んだ堎合いずれの堎合にもコヌパス・レコヌドの本文文字列の䞭に和歌の開始・終了を衚す【】を甚いる和歌の䞀郚が通垞文の䞭で䜿われるこずがあるがその郚分も【】で囲んだコヌパス・レコヌドの各単語郚分に぀いおは䞭間結果の第候補番号の単語候補の指す本文衚蚘を単語衚蚘ずし䞭間結果の単語候補の他の内容ただしタグの挢字衚蚘郚分は行内䜍眮情報ず長さ情報によっお本文衚蚘を求めおこの文字列で眮換えるをそのタグずする \section{倉換結果ず怜蚎} \label{sec:result}前節の方法によっお実際に平安時代の歌物語䞉篇\cite{UTA1994}ず日蚘五篇\cite{NIKKI1996}に぀いお品詞タグ付きコヌパスを䜜成する実隓を実斜した本節ではたずこの倉換実隓で埗たコヌパスず倉換・修正で発生した事象を蚘したあず総玢匕の内容ず圢匏に察する芁望を蚘したた倉換方匏の改良案を蚘す\subsection{倉換実隓の結果ず評䟡}\label{sec:Exp}倉換実隓で埗られた品詞タグ付コヌパスに぀いお䜜品別に単語数人手修正の結果刀明した倉換倱敗単語数倱敗の芁因などを衚に瀺す衚のA.単語数は各䜜品の含む単語数ずその合蚈を蚘す合蚈は玄䞇語であったただしここでの単語数にはコヌパス䞊で単語ずしお扱った句読点や匕甚の「」や和歌を囲む【】を含むB.倱敗数は人手修正時に修正した単語の個数であるC欄には倱敗数の単語数に察する割合を瀺す人手䜜業では照合成功の印䞍完党照合の印照合倱敗の印が付けられた本文文字の特に印ず印の郚分に泚目しお確認ず修正を行なったその結果印の郚分には党く誀りはなく印の郚分に぀いお誀りを修正したそれが合蚈9,530件党䜓の6.4であったD.挢字衚蚘E.行たたがりは倱敗原因の二䟋に぀いおの内蚳個数を瀺したものであるF欄には倱敗原因の倱敗数に察する割合を瀺す前者の「挢字衚蚘」挢字衚蚘が本文の衚蚘ず䞀臎しないこずによる倱敗は党倱敗の玄半数を占めおいる「行たたがり」ずは本文䞊で䞀぀の単語は単䞀行内に収めるずいう仕様が玢匕の党おの芋出し語に適甚できるず考えお凊理したずころ耇合語の堎合などでは行にたたがっお配眮されるこずがあったために倱敗したものであるがその数は少ないこれら以倖の誀りずしおは連語の掻甚型が玢匕に蚘茉されないこずによるもの特殊な掻甚型を甚意しおいなかったための誀り「同じ」など同衚蚘の耇数個の単語が同䞀行に珟れたずきに各々の䜍眮を特定できないための倱敗などがあった\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{倉換実隓ずその結果}\epsfile{file=TAB1.eps,scale=0.5}\end{center}\label{TAB1}\end{table}\subsection{総玢匕の内容ず圢匏ぞの芁望}\label{sec:request}利甚者の立堎から総玢匕に察する芁望が発衚されおいる\cite{Miyajima1969}そこでは䞻ずしお「あるこずばを玢匕にのせる際のあ぀かいかた」の統䞀性に関する問題が囜語孊の専門の立堎から述べられおいるこずばを玢匕にのせる際の扱い方ずは{\bf単語の認定法}「散りは぀」などの耇合動詞「かぎりなし」などの䜓蚀甚蚀の構成「藀の花」などの䜓蚀の䜓蚀の構成を芋出し語ずするかどうか{\bf芋出し語の圢態}掻甚語の掻甚圢ごずに芋出し語ずするより終止圢などでたずめた䞊に掻甚圢によっおも怜玢できるこずが望たしい{\bfよみの決定法}底本の挢字に察する読みが䞀意に決たらないこずぞの察凊法{\bf掻甚圢の認定}などがある統䞀ずしおは{\bf耇数の総玢匕間の統䞀}品詞セット単語の認定法芋出しの立お方などず{\bf総玢匕内での統䞀}の問題ずを挙げおいる今回の倉換実隓を通しお総玢匕の内容ず圢匏に関する第䞀の芁望は本文で甚いられおいる通りの挢字仮名混じり衚蚘を玢匕レコヌドの挢字衚蚘に含むずいうこずであるこれは倉換凊理のためだけでなく人が参照する堎合にも有甚であるず考えられたた玢匕情報が本文に珟れる単語を網矅しおいるこずの確認を行なうためにも必芁であろうなお仮名芋出しの単語の同定を目的ずし本文の衚蚘の反映を意図しないずいう挢字衚蚘の圹割は倉換に甚いた総玢匕のみでなく倧倚数の玢匕で採甚されおいる二十篇皋参照した平安時代の仮名文孊の玢匕文曞の䞭でその芋出し語ずしお本文の挢字仮名混じり衚蚘を採甚するず明蚘しおいるものは唯䞀぀であった\cite{Yanai1999}䞊の「泚文」は䞉十䜙幎前に発衚されおいるがその埌に発行された総玢匕に十分反映されたずは考えられないそれだけ芁求を満たすこずが困難であるずいうこずかも知れないしかし珟圚では総玢匕の䜜成の道具ずしおコンピュヌタを甚いるこずができる総玢匕の䜜成においおいかに統䞀的な方針を定めおも䜜業䞭に誀りが混入するこずが避けられないが芋出し語の網矅性本文の衚蚘ず玢匕レコヌドの挢字衚蚘の敎合性認定した耇合語の党文ぞの適甚などの確認䜜業においおコンピュヌタの支揎の効果は倧きいはずである実際今回の倉換実隓においお総玢匕および本文の誀りず思われる次の問題が発芋された\noindent{\bf文字コヌドの䞍統䞀}本文テキストはバむトコヌドで衚されおいるはずであるが括匧や句読点に぀いおはバむトコヌドが䜿われおいる箇所が倚数あった\noindent{\bf掻甚型の欠劂}補助動詞ず連語に぀いおは玢匕䞊で掻甚型の衚瀺がなく掻甚圢名称が䜿われおいるためこれに぀いおは掻甚圢衚珟を䜜成するこずができず必ず照合倱敗を起すこずずなったこれらに぀いおも掻甚型を衚瀺するこずが望たしい\noindent{\bf音䟿の皮類の脱萜}総玢匕の印刷物には玢匕レコヌドに音䟿の皮類む音䟿促音䟿などの衚瀺があるが電子化文曞にはこの蚘述が抜けおいる\noindent{\bf玢匕語の䞍足ず過剰}玢匕語が本文の単語を網矅しおいないたた本文に存圚しない単語が玢匕に存圚するこず\subsection{倉換方匏の改良案}\label{sec:newmethod}今回採甚した倉換では単語の知識を保持せず文法知識を最小限に保持したものであるそれによる実隓の䞭で玢匕情報の圢匏ずの関係でこれらの知識の必芁性も考慮すべきであるこずが刀明した以䞋倉換方匏の改良案ずしお蚘す今回は総玢匕の掻甚語に察しお瀺されおいる掻甚型に぀いお掻甚衚を甚意したこれらの掻甚型は教科曞に茉っおいる暙準的なものであるずころが圢容詞「同じ」のように暙準の掻甚型を蚘されおいながら実は䞀郚で䟋倖的な掻甚連䜓圢ずしお「同じき」でなく「同じ」が䜿われるこずが倚いをするものがあるこのような語に応じた掻甚衚を甚意する必芁がある同じ文や行の䞭に同じ衚蚘で異なる語品詞が異なる堎合ず品詞が同じ堎合ずがあるの出珟があるず珟圚の倉換法では単語の䜍眮をいずれず決めるこずができない助詞ず助動詞の「に」や掚定ず断定の助動詞「なり」の区別などであるこの察策ずしおは助詞・助動詞の接続芏則を保持するこずが考えられる玢匕の挢字衚蚘が今回の堎合のように送り仮名や掻甚語尟などの仮名郚分を省略しお挢字のみで䞎えられる堎合の察策ずしおは単語蟞曞を持぀こずが考えられるこの単語蟞曞の挢字衚蚘には本文で甚いられる挢字仮名亀じり衚珟が䞎えられる必芁があるしかし玢匕の挢字衚蚘が本文の衚蚘ず同じ挢字仮名亀じり衚蚘を䞎えおいるならば単語蟞曞を甚いるこずなくより高粟床の結果を䞎えるこずが可胜でありこの方が自然な凊眮であるず考える \section{むすび} \label{sec:musubi}\subsection{結論}\label{sec:Conclusion}品詞タグ付きコヌパスはその䞊に単語・品詞怜玢などの怜玢機胜を䜜成するこずが可胜でありたた単語列や品詞列を扱う統蚈的自然蚀語凊理にも有甚であるしかし日本文特に叀文に぀いおの品詞タグ付きコヌパスはほずんど䜜成されおいないそこで倚数の䜜成䟋がある日本語叀兞の総玢匕を品詞タグ付きコヌパスに倉換する方法を怜蚎した䜿甚した総玢匕は本文線ず玢匕線ずから成り埌者は単語の仮名挢字衚蚘・品詞情報を芋出しずしその単語の本文での出珟行番号のリストを䞎える品詞タグ付きコヌパスずしおは基本的にはEDR電子化蟞曞の日本語コヌパスの圢匏を採甚したただし品詞情報を拡匵し掻甚語に぀いおは掻甚型・掻甚圢情報をタグに反映するなどの倉曎を加えた倉換機胜には掻甚衚の知識のみを保持するが単語蟞曞・単語間の接続芏則などの知識は持たない簡単な実珟法を目指したある単語の郚分文字列が他の単語の衚蚘ず䞀臎し䞡者が同䞀行に出珟するこずがあり埗る問題に察し䞀皮の最長䞀臎法を甚いた玢匕の芋出しの挢字衚蚘が送り仮名等の仮名文字を含たないため照合条件を緩める先読みず䞍完党照合法を甚いた䞍完党照合法により照合できた郚分の確認ず玢匕自䜓の誀りその他による照合倱敗郚の修正ずを容易に行なうためそれぞれの芁因を区別する衚瀺を付けた䞭間結果を出力し人手によっお怜査・修正した以䞊の結果玄15䞇単語の品詞タグ付きコヌパスを埗お品詞タグ付きコヌパスの増匷に関しお本方法が有効であるこずを瀺した䞍完党照合法による照合郚分の確認の結果誀りはなく䞍完党照合法が有効に働いたこずが刀った本実隓における照合倱敗すなわち倉換誀りに぀いおはその芁因の怜蚎を行なったたた総玢匕の圢匏ぞの提案倉換方法の改良案などに぀いお述べた\subsection{今埌の課題}\label{sec:Future}品詞タグ付きコヌパスの量ず質の増匷が今埌の課題である質の向䞊のためには単語や品詞の認定などに関するコヌパス内の統䞀性の確保はもちろんコヌパス間統䞀性も必芁であり盞圓な怜蚎を芁するこの怜蚎においおは利甚者および利甚目的の倚様性を確保するずいう芳点も必芁になるコヌパスの圢匏自䜓にも汎甚性からの怜蚎が必芁であるこれらに぀いおは既に実斜䞭の怜蚎ず共通の点が倚い\cite{Tanaka2000}\cite{Hashida1999}叀兞の䞻芁な文献に぀いおはすでに総玢匕が䜜成されおいるこれらに぀いお䞊蚘の怜蚎を加えた䞊でその電子化を行なうならば倉換凊理により品詞タグ付きコヌパスの充実を蚈るこずが可胜である明治時代以降の文献に぀いおはEDRコヌパスなどの少数䟋を陀いお品詞タグ付きコヌパスの䟋が少ないたた単語・品詞の認定䜜業を経た総玢匕資料が極めお少なくこの点に぀いおは叀兞文の堎合よりも状況が悪い今埌の基瀎的な努力が期埅される\acknowledgment本研究の初期怜蚎を担圓した瀧本景子氏照合䞍完党郚の確認ず修正によりコヌパスを完成させた田熊亜垌子䜃矎銙林朋子の各䜍に感謝したす本研究は\cite{UTA1994}および\cite{NIKKI1996}によっお実斜した䞡著䜜の著者の方々に感謝したいなお、本研究の䞀郚は文郚省科孊研究費補助金基盀研究No.13680492によっお実斜した\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䞊原培䞉}{1969幎京郜倧孊倧孊院・工孊研究科・修士課皋修了同幎日立補䜜所䞭倮研究所入所1993幎歊蔵工業倧孊工孊郚教授文曞凊理・日本語凊理の研究に埓事博士(工孊)情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚ACM各䌚員}\bioauthor{金柀恵}{2001幎歊蔵工業倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業珟圚歊蔵工倧倧孊院・工孊研究科・電気工孊専攻修士課皋幎日本語凊理の研究に埓事}\bioauthor{朮靖之}{1999幎歊蔵工業倧孊工孊郚電子通信工孊科卒業2001幎同倧孊院・工孊研究科・修士課皋修了珟圚(æ ª)東芝に勀務}\bioauthor{矢叀宇智子}{2001幎歊蔵工業倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業珟圚(æ ª)日立゜フトりェアに勀務}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V06N06-04
\section{はじめに} \label{section:intro}日本のテレビ番組における字幕付き攟送の割合は10\%皋床ず䜎く近幎字幕攟送率向䞊を目指し自然蚀語凊理技術を応甚した効率的な字幕生成が切望されおいる\cite{EharaAndSawamuraAndWakaoAndAbeAndShirai1997}番組の音声情報を字幕化するには文章を適床な長さに芁玄する必芁があるため本研究ではニュヌス原皿(テキスト)を入力ずした字幕生成のための自動芁玄を詊みた本芁玄手法ではニュヌス文の特城を利甚し1文ごずの芁玄を行っおいるテキスト自動芁玄研究の倚くはテキスト䞭の文もしくは文のたずたりを単䜍ずし䜕らかの情報に基づき重芁床を決定抜出するこずで芁玄を行うこのような芁玄手法は文献怜玢においお原文の倧意を把握するための補助などに甚いられ成果を䞊げおいる\cite{SumitaAndChinoAndOnoAndMiike1995}ニュヌス番組における字幕生成ではニュヌス原皿の第1文(党䜓の抂芁を述べる堎合が倚い)を抜出するこずによる芁玄が考えられるが画面に衚瀺されるVTRなどずの察応を考慮に入れるず必ずしも十分でない文単䜍の抜出においおは照応や文の結束性を保぀ため採甚文の前文も採甚するなどの察策が講じられおいるが\cite{ChrisD.Paice1990}䞍芁な文たで芋蔓匏に採甚しおしたう堎合もあり結束性ず銖尟䞀貫性をより高めるには埌線集を行う必芁があるなどその困難さも同時に報告されおいる\cite{YamamotoAndMasuyamaAndNaito1995}たた䞎えられたテキストから必芁な情報を抜き出す手法ずしお情報抜出研究が泚目されおいる\cite{JimCowieAndWendyLehnert1996}この手法は領域が限定された蚘事に察しおは有効であるしかし䞎えられたニュヌス原皿には「事件」「政治」ずいった領域を限定する情報が䞎えられおおらず字幕文生成ぞの情報抜出手法の適甚は難しいず考えられるニュヌス文は新聞蚘事に比べ1文䞭の文字数が倚く1蚘事あたりの文数が少ないずいう特城を持぀\cite{WakaoAndEharaAndMurakiAndShirai1997}このため字幕甚の芁玄文を生成するために文を単䜍ずした抜出を行うず採甚される情報に倧きな偏りが生ずるずいう問題がある若尟ら\cite{WakaoAndEharaAndShirai1998_7}は自動短文分割埌重芁文を抜出するこずによるニュヌス文の自動芁玄を行っおいるこれに察し本手法はニュヌス原皿における各文はそれぞれ同様に重芁であり画面ずの察応や蚘事党䜓での結束性を重芖するずいう立堎からニュヌス文の構文構造を利甚し文䞭の修食語句等を削陀するこずによる1文ごずの芁玄を行っおいる1文の䞀郚を抜き出すこずでより自然な文章を生成するには残存郚に係る郚分の削陀を避けなければならない本手法ではニュヌス文の各文における最埌尟の動詞は重芁であるず仮定しこれに係るず考えられる郚分を残すこずにより䞍自然な芁玄文の生成を防いでいるたた本研究は蚀い替えによる芁玄\cite{YamasakiAndMikamiAndMasuyamaAndNakagawa98}を埌凊理に適甚し最終的な字幕文を生成するこずを想定しおいるが本論文では䞡手法を䜵甚せず本芁玄手法の分析に焊点を絞った本芁玄手法に぀いおの背景目的等は\ref{section:news}節でも詳述する自動芁玄研究においおは正しい芁玄を唯䞀に定矩するこずが困難なこずからその評䟡に぀いおも様々な手法が甚いられるその䞀぀に人間の被隓者の生成した芁玄文ずシステムが生成した芁玄文を比范する評䟡法があるが耇数の被隓者の芁玄が高い割合で䞀臎するこずは難しいず考え\cite{OkumuraAndNanba1998}システムによる芁玄文を被隓者に数倀で評䟡させる手法をずった同様の手法による評䟡を山本ら\cite{YamamotoAndMasuyamaAndNaito1995}が行っおいるが数倀のみで評䟡した堎合被隓者が䞍適切ず刀断した箇所を特定するのが難しいずいう問題がある山本らは被隓者に察し質問項目以倖に感想を求めおおりそれを分析するこずで芁玄の䞍適切さの原因やその改善を怜蚎しおいる本論文においおは芁玄が䞍適切な箇所をより特定し分析を行うこずを考え実斜したアンケヌトでは数倀による評䟡に加え芁玄が䞍適切ず思われる箇所を被隓者に指摘させた自動芁玄の評䟡法に関しおは他に芁玄を利甚したタスクの達成率を芋るこずにより間接的に芁玄文の評䟡を行うものがある䜏田ら\cite{SumitaAndChinoAndOnoAndMiike1995}は抄録文の文曞集合から蚭問に察応する文曞を遞択するずいうタスクを被隓者に䞎え遞択された文曞数ず正解の文曞数から再珟率を求めおいるしかし本論文では字幕文生成の芁玄のため適切なサブタスクを蚭定するこずが難しくたた被隓者の持぀知識の差を考慮した堎合その評䟡が難しいず予想されるため甚いなかった以䞋\ref{section:news}節でニュヌス文芁玄の目的手法およびニュヌス原皿の特城等に぀いお述べ\ref{section:shuhokousei}節から\ref{section:sakujobunsetusentaku}節で提案する1文ごずの自動芁玄手法に぀いお述べる\ref{section:evaluation}節ではアンケヌト調査に基づき本手法を評䟡する\ref{section:observation}節では自動芁玄実隓およびアンケヌト調査によっお明らかになった本芁玄手法の問題点等を考察するなお入力コヌパスずしおNHK攟送技術研究所ずの共同研究のため提䟛されたNHK汎甚原皿デヌタベヌスを䜿甚した \section{ニュヌス文芁玄} \label{section:news}自動芁玄文は倚くの堎合文曞のダむゞェスト情報を把握するこずや関連蚘事矀の鳥瞰情報を埗る等の目的で甚いられるこのような目的で甚いられる芁玄結果はできる限り文字数が少なくか぀入力文の特城もしくは必芁ずする情報を圧瞮し適切に抜出しおいるこずが求められるこれに察し本研究における芁玄はニュヌス字幕の自動生成を目的ずする字幕の利甚者ずしお聎芚障害者等を想定した堎合本来ならニュヌス原皿の内容を党お字幕にするのが望たしいしかしより読みやすくするためには適切な長さに芁玄する必芁がある(冗長さの解消)実際テレビ番組で䜿甚されおいる字幕は文字数が制限されおおり\cite{WakaoAndEharaAndShirai1997}宮坂は原皿を芁玄した字幕が党文を甚いた字幕より読みやすいこずをアンケヌト結果から分析報告しおいる\cite{Miyasaka1998}たた画面は時系列的に倉化するため利甚者が読み盎すこずなく理解できるより読みやすい(文ずしお自然である)文章であるこずが字幕文には求められる(自然さの確保)さらに芁玄による入力原皿重芁郚の欠萜は極力避ける必芁があり(忠実さの確保)生成された字幕はできる限り画面の内容ず同調しおいるこずが望たしいこのような理由から本芁玄手法ではニュヌス原皿の文ごずの短瞮を目暙ずしおいる(入力原皿は画面の内容ず同調しおいるず仮定)入力䞭の1文を党お削陀した堎合画面に字幕が出力されない時間が生じ字幕利甚者に䞍安を䞎える可胜性があるため文そのものの削陀は原則的に行っおいないより質の良い出力を埗るには蚘事党䜓を理解し文脈を理解した䞊で芁玄を行うこずが求められるが珟時点でそのような芁玄過皋の党おを自動化するのは難しいそこで本研究ではたず衚局的な情報から連䜓修食句などを冗長郚ず認定し削陀するこずによるニュヌス文芁玄を詊みるたた埓来の自動芁玄には取り入れられおいなかった構文解析を利甚するこずで文内の郚分的な削陀による構文構造の砎壊に察凊した構文解析は解析誀りによる芁玄文の品質䜎䞋ぞの虞などから埓来甚いられおいなかったず考えられ本手法でも厳密な解析結果の利甚は避けるべきず刀断しニュヌス文芁玄に特化した簡易構文解析手法を考案したニュヌス文の芁玄手法ずしお蚀い替えによる芁玄\cite{YamasakiAndMikamiAndMasuyamaAndNakagawa98}があるが珟段階の芁玄率は90\%皋床であり単独で甚いたのでは必ずしも十分でない本芁玄手法は埌凊理ずしお蚀い替えによる芁玄を適甚するこずを想定し実甚化する際には䞡手法を䜵甚しお芁玄率70\%皋床の達成を目暙ずしおいるこのため本芁玄手法は語尟の冗長な衚珟などには察凊しおいないたた本研究は珟圚実甚的な芁玄システム構築のための基瀎研究の段階にあり本芁玄手法自身の持぀性質効果限界を明確にするため本論文では蚀い替えによる芁玄\cite{YamasakiAndMikamiAndMasuyamaAndNakagawa98}を䜵甚しなかった蚀い替えによる芁玄は江原ら\cite{EharaAndSawamuraAndWakaoAndAbeAndShirai1997}の䞀連の芁玄研究においおもほが同様の手法が提案されおおりこれを本芁玄手法の埌凊理に甚いるこずも原理的に可胜であるたた本研究は察象をニュヌス文に限定し芁玄手法を怜蚎した以䞋にニュヌス文の䞻な特城をたずめる\subsection*{ニュヌス原皿の特城}\label{section:tokucho}䞎えられたニュヌス原皿の特城を以䞋に列挙するなおこれらのうちの䞀郚は若尟ら\cite{WakaoAndEharaAndMurakiAndShirai1997}によっお既に指摘されおいる\begin{enumerate}\item各蚘事ごずに日付ず原皿名が䞎えられおいる(ただし原皿名が蚘事の芁玄にはなっおいない堎合も倚い)\item段萜構造が無い\cite{WakaoAndEharaAndMurakiAndShirai1997}\item最初の1文が党䜓の芁玄文になっおいる\cite{WakaoAndEharaAndMurakiAndShirai1997}\item新聞蚘事に比べ1文が長く1蚘事内の文数が少ない\cite{WakaoAndEharaAndMurakiAndShirai1997}\item耇文((䞻・)述を含む節が文党䜓の䞻・述郚たたは修食郚等になっおいる文)や連甚䞭止法による䞊列構造が倚い\item新聞蚘事に比べ話し蚀葉に近く助詞の欠萜や倉則的な読点の䜿甚が芋られる\end{enumerate}本研究ではこれらの特城を螏たえ芁玄手法を怜蚎した \section{本芁玄手法の構成} \label{section:shuhokousei}本芁玄手法は以䞋に瀺す郚分からなる\begin{description}\item[簡易構文解析郚]圢態玠解析噚JUMAN3.5による圢態玠解析埌構文解析噚KNP2.0b5により入力文の文節情報を取り出し入力文を文節に切り分けニュヌス文芁玄に特化した簡易的な係り受け解析を行う\item[削陀文節遞択郚]修食郚など事実を䌝える䞊で比范的冗長である文節を認定埌さらに簡易構文解析結果を利甚し削陀郚を認定する\end{description} \section{簡易構文解析} \label{section:kannikoubunkaiseki}1文を郚分的に削陀するこずにより構文構造が砎壊されるこずを防ぐためには構文解析を行う必芁があるしかし\ref{section:tokucho}節でも觊れたようにニュヌス文は新聞蚘事等に比べ口語䜓に近く珟圚の構文解析技術を甚いお高粟床な解析を行うこずは難しい\label{part:001}このため䞍適切な削陀を避ける目的においおより頑健であるこずを重芖しある皋床の曖昧性の残存を蚱したニュヌス文芁玄に特化した係り受け解析を行うこのような芳点から簡易構文解析は厳密な解析を避けKNPが出力する文節情報を基に適切な削陀を補助する目的で行った本論文ではニュヌス原皿における1文の最埌の述郚(1文䞭で最埌に珟れる甚蚀以䞋単に述郚ず呌ぶ)を文党䜓の栞ず仮定し述郚に係る文節の削陀は文党䜓の自然さを砎壊するず考えるこのような䞍適切な削陀を避けるため簡易構文解析では係り関係が連甚である文節は述郚に係るず認定するなどより遠い甚蚀に係るず掚定される文節は党お述郚に係るず認定するここで述郚に係るず考えられる文節たでで文を分割した各文節列を䞊列単䜍(\ref{section:heiretsutanni}節参照)ずし各䞊列単䜍の最埌尟の文節(以䞋連甚文節ず呌ぶ)を原則的に残すこずで䞍適切な削陀を避ける(「〜は」などの文節も甚蚀に係るず考え連甚文節に含める)連甚文節の党おが必ずしも述郚に係るわけではないがより遠い甚蚀に係るず掚定される文節は倚くの堎合他の連甚文節のいずれかに係るず掚定されるたた削陀郚の認定においおは冗長郚に係る文節が残存するこずによる䞍適切な芁玄文の生成を避ける必芁があるこのため簡易構文解析は冗長ず認定された文節に係る文節を特定し䞍芁ずなる郚分が残存するこずを避けるこの堎合も厳密な解析を避け連甚文節以倖の文節は同䞀䞊列単䜍内に含たれる埌郚のいずれかの文節に係るず掚定するこずで察凊する以䞋では簡易構文解析に぀いお述べる\subsection{文節の認定}入力文をKNPによっお解析した結果KNPが1文節ずしお出力した圢態玠列をそれぞれ1文節ずする\subsection{䞊列単䜍の認定}\label{section:kakarisaki}\label{section:heiretsutanni}以䞋に瀺す芏則に基づき述郚に係る文節を認定するKNPが出力した文節パタヌン情報(文節の働きを瀺す情報)に基づき\begin{itemize}\item係り関係が連甚の堎合(甚蚀でその掻甚圢が連甚圢)\item係り関係が同栌未栌\footnote{「『(䜓蚀)など』(同栌か未栌かわからない)」(KNPrule\_comment.txt)\label{part:006}}未栌\footnote{「未栌『〜は』『〜すら』など」(KNPrule\_comment.txt)KNP内郚での副助詞だけで栌助詞がない栌芁玠の呌称}の堎合\itemパタヌンが「では」「に」(倖の関係\footnote{被修食語が修食語(動詞)の栌芁玠にならない\cite{youyaku_ruikei}栌芁玠になる堎合を「内の関係」ず呌ぶ})「で」(䞊列\footnote{KNPでは「(倖の関係)」および「(䞊列)」の特定を構文解析の前に行う\label{part:007}})を瀺す堎合\end{itemize}にその文節は述郚に係るず認定するただし\begin{itemize}\item時間を衚す名詞の堎合\item副詞の堎合\item最埌の圢態玠が「ず」「も」の堎合\item盎埌の文節が動詞を含む堎合\end{itemize}にはその文節は述郚には係らないものずする以䞊の結果述郚に係るず認定された文節を連甚文節ずし連甚文節たでで文を分割したそれぞれの文節列を䞊列単䜍ずする(ただし圢態玠数が1の䞊列単䜍は認めずその堎合は盎埌の䞊列単䜍ず統合する)たた連甚文節以倖の文節は同䞀䞊列単䜍内に含たれる埌郚のいずれかの文節に係るず認定する\label{part:000}\subsection{簡易構文解析結果䟋}\label{section:koubunkaisekirei}簡易構文解析結果の䟋を以䞋に瀺す(付録\ref{section:ap_g_5}節で瀺す芁玄結果䟋の第1文)認定された䞊列単䜍の区切りを「$\parallel$」で衚すたた各文節の区切りを「$\mid$」で衚す\begin{quote}\begin{namelist}{x}\item[{[䟋文1]}]政府は、$\parallel$きょうの$\mid$閣議で、$\parallel$退職公務員などに$\mid$支絊される$\mid$恩絊を、$\mid$今幎の$\mid$四月から$\mid$幎額$\mid$二点$\mid$六六パヌセント$\mid$匕き䞊げる$\mid$恩絊法の$\mid$改正案を$\mid$決定し、$\parallel$囜䌚に$\mid$提出する$\mid$こずに$\mid$しおいたす。\end{namelist}\end{quote}KNPにより䟋文䞭の「政府は」は未栌「閣議で」および「決定し」は連甚ず解析されたため述郚に係るず認定したこの䟋においおは「退職公務員などに支絊される恩絊を、」は「匕き䞊げる」に係るず解釈するのが正しいず考えられるがKNPではそのような解析結果を埗るこずができなかったこの堎合「匕き䞊げる」が冗長ず認定されおも「退職公務員などに支絊される恩絊を、」が芁玄文に残存しおしたう実際に芁玄結果では「匕き䞊げる」が冗長ず認定されるが簡易構文解析結果を利甚するこずにより同䞀䞊列単䜍内に含たれか぀「匕き䞊げる」よりも前方の党おの文節が削陀郚ずしお認定された(削陀郚の認定法に぀いおは\ref{section:sakujobunintei}節で埌述)簡易構文解析では「退職公務員などに支絊される恩絊を、」が「匕き䞊げる」に係るのか「決定し」に係るのかは特定しないがこの䟋のように䞍適切な残存を避けるために有甚であるたた「決定し、」に係るず解釈するのが劥圓ず考えられる「閣議で、」は簡易構文解析によっお連甚文節ず認定されおいるが「決定し、」も連甚文節ず認定されるため適切な芁玄を生成するこずができる \section{削陀文節遞択} \label{section:sakujobunsetusentaku}ニュヌス文の䞭心的な内容が圱響を受けない郚分を削陀するこずにより芁玄を行う本芁玄手法では連䜓修食語および䟋瀺を衚す語など削陀によっお意味的に倉化が生じにくいず考えられる語を䌎う郚分を冗長郚ず定矩し削陀候補ずする削陀候補は文節を最小単䜍ずしお遞択するが同䞀文節䞭に重芁ず考えられる語を含む堎合や係り先の文節(盎埌の文節)の最初の圢態玠が圢匏名詞および圢匏名詞に準ずる名詞(その語単独ではあたり意味を持たない語以䞋圢匏的衚珟ず呌ぶ)である堎合などは削陀しないなど䟋倖凊理も蚭けおいる以䞋冗長郚の認定圢匏的衚珟削陀郚の認定に぀いお述べる\subsection{冗長郚の認定}\label{section:jochobunintei}JUMANによる圢態玠解析結果においお掻甚圢がタ圢・基本圢・連䜓圢のいずれかに分類されか぀盎埌に名詞(圢匏名詞および副詞的名詞を陀く)がある堎合そのような圢態玠を䌎う文節は修食郚であるず刀断し冗長郚ずしたたた䟋瀺などを瀺す衚珟を含む文節を冗長郚ずした(「など」「や」「ほか」「ずずもに」「うち」「ずしお」「結果」)ただし同䞀文節䞭に(1)原皿名および第1文䞭の名詞(2)䞻芁語(山本ら\cite{YamamotoAndMasuyamaAndNaito1995}が定矩角川類語新蟞兞\cite{kadokawa}の倧分類番号が\{0,5,7,8,9\}である語および固有名詞)\label{part:002}(3)重芁ず考えられる衚珟(䞻栌や目的栌ずなり埗る栌助詞や「ため」など)\label{part:003}を含む堎合それらの情報も考慮しお冗長/非冗長を決定したなお重芁/冗長を瀺す語はあらかじめ人手でテヌブルを䜜成しその情報から認定する\subsection{圢匏的衚珟}\label{section:keishikitekihyogen}文䞭の修食郚を削陀する堎合圢匏的衚珟に係るものを削陀するず意味が取れなくなる可胜性があるこのため係り先に圢匏的衚珟がある堎合は削陀候補ずしない圢匏的衚珟はあらかじめ人手で蟞曞を䜜成しその蟞曞を甚いるこずで認定する珟圚圢匏的衚珟ずしお43個の衚珟を登録しおいる(「時期」「芋通し」「構え」など)以䞋の䟋文では圢匏的衚珟に係る郚分(䞋線郚)が匷制的に採甚された\begin{quote}\begin{namelist}{x}\item[{[䟋文2]}]六月たでの䞊半期では\underline{去幎の同じ}時期に比べお...\end{namelist}\end{quote}\subsection{削陀郚の認定}\label{section:sakujobunintei}\ref{section:jochobunintei}節および\ref{section:keishikitekihyogen}節に瀺す凊理の結果冗長郚ず認定され削陀の察象ずなる文節が遞択されるこのずき削陀される文節に係る郚分が残存するこずによる構文構造の砎壊を防ぐため簡易構文解析においお係り先である可胜性があるず刀断された文節が削陀される堎合係り元の文節も削陀するこの結果冗長郚ず認定された文節ず同䞀䞊列単䜍内に含たれか぀冗長郚ず認定された文節より前方にある文節は削陀郚ず認定される以䞋の䟋文では「蚀われる」および「発生するなど」が冗長郚ず認定されその文節に係る可胜性のある文節を削陀した結果最終的に文䞭の[$\cdots$]の郚分が削陀郚ずしお認定された\begin{quote}\begin{namelist}{x}\item[{[䟋文3]}]\label{part:008}[銖郜圏最埌の”氎がめ”ずも蚀われる]霞ケ浊は、[毎幎、倏堎になるず倧量のアオコが発生するなど]流域の郜垂化に䌎っお幎々汚れが目立っおいるこずから建蚭省では浄化察策ずしお昭和五十幎から土浊枯を䞭心に、しゅんせ぀工事を進めおいたす。\end{namelist}\end{quote} \section{評䟡} \label{section:evaluation}\subsection{芁玄結果および評䟡方法}ニュヌス文芁玄においおは自然さの確保忠実さの確保冗長さの解消が重芁であるず考えられる(\ref{section:news}節参照)このため被隓者(工孊郚孊生および倧孊院生)32名に察しお本手法による芁玄文に関するアンケヌトを行い本芁玄手法の有効性を評䟡したアンケヌトは10蚘事(1993幎1月および2月のニュヌス原皿)を甚いそれぞれの蚘事を入力ずした際の自動芁玄結果および自動芁玄による削陀郚を明瀺した入力原皿を被隓者に提瀺し以䞋に瀺す項目に぀いお0〜5たでの敎数で評䟡倀を付䞎させるこずで行ったたた評䟡倀が5以倖の堎合芁玄の倱敗箇所を明確化するため評䟡倀の他に自動芁玄結果の䞍適切ず考えられる郚分を指摘させた\begin{enumerate}\item自然さ各芁玄文章のみを独立した文章ずしお読んだずきに自然かどうか\item忠実床(重芁郚欠萜の指摘)原文ず芁玄文ずを比范し原文で重芁ず考えられる郚分を抜出しおいるか(抜出されおいない箇所がある堎合䞊䜍5箇所を指摘)\item非冗長床(冗長郚残存の指摘)原文ず芁玄文ずを比范し原文で冗長ず考えられる郚分が残存しおいないか(残存しおいる箇所がある堎合䞊䜍5箇所を指摘)\end{enumerate}\ref{section:shizensa}節以䞋ではこれらの質問および埗られた回答に぀いお述べるなおアンケヌトに甚いた芁玄結果は\begin{itemize}\item適切な原皿名が付䞎されおいるもの\item元原皿が文ずしお読みやすいもの\item入力の蚘事長が短すぎないもの\itemKNPが゚ラヌ(「;;Cannot」で始たる行など)を出しおいないもの\label{part:004}\itemKNPが倧きな解析誀り(係り受け解析の誀り)を起こしおいないもの\item芁玄率が80\%前埌のもの\end{itemize}の党おを満たすずいう条件の䞋で無䜜為に遞んだたた事前に詊行テストを行うこずにより回答時間を1蚘事圓たり10分ず蚭定しお回答させた原皿1から10の芁玄率を衚\ref{table:youyakukekka}に瀺す芁玄率の算出は\[芁玄率=\frac{芁玄文の党文字数}{入力文の党文字数}\times100(\%)\]で行った衚\ref{table:youyakukekka}䞭の原皿文字数は入力原皿の文字数(蚘号句読点等も1文字ず数える)を衚す衚\ref{table:yukokaitousu}に自然さ忠実床非冗長床の数倀による評䟡に察する有効回答数を瀺すたた付録に原皿5および原皿9の芁玄結果を瀺す\begin{table}[tbp]\scriptsize\begin{center}\caption{芁玄結果}\label{table:youyakukekka}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline&原皿1&原皿2&原皿3&原皿4&原皿5&原皿6&原皿7&原皿8&原皿9&原皿10\\\hline\hline芁玄率(\%)&82.3&76.7&82.8&77.7&85.1&79.5&71.9&80.0&66.7&75.4\\\hline原皿文字数&672&514&580&506&424&555&551&426&555&334\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tbp]\scriptsize\begin{center}\caption{有効回答数}\label{table:yukokaitousu}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline&原皿1&原皿2&原皿3&原皿4&原皿5&原皿6&原皿7&原皿8&原皿9&原皿10\\\hline\hline自然さ&32&32&32&32&32&30&30&30&29&30\\忠実床&32&32&32&32&31&30&30&29&29&30\\非冗長床&32&32&32&32&32&30&30&29&29&29\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{芁玄文の自然さ}\label{section:shizensa}芁玄文は字幕ずしお衚瀺されるこずを前提ずしおいるためできるだけ読みやすい文章であるこずが求められるこのため芁玄文が文章ずしお自然であるこずが重芁である被隓者が芁玄文の自然さを評䟡する際の刀断基準を以䞋のように蚭定提瀺し芁玄文の自然さを尋ねた\begin{itemize}\begin{namelist}{xxxxx}\item[5点:]ほが自然である぀たりこのような文章を曞く人間もいるず考えられる\item[0点:]非垞に䞍自然である぀たり文もしくは文章党䜓ずしおのたずたりがなく人間が甚いないような衚珟が頻繁に芋られる\end{namelist}\end{itemize}なお入力原皿は自然であるず仮定しおいる自然さの評䟡はあくたで削陀によっお䞍自然になった堎合のみに泚目しお行うよう指瀺したたた自然さに関しおは文党䜓で䞍自然ず感じる堎合もあり被隓者の刀断が分かれるこずが予想されたため文䞭の䞍適切な箇所の特定は難しいず刀断し行わなかった衚\ref{table:p_shizensa}に芁玄文の自然さの評䟡結果を瀺す衚は各原皿に察しお1から5のそれぞれの評䟡倀を䞎えた被隓者の割合(各割合は小数点以䞋第2䜍を四捚五入しおおり足しお100\%にならない堎合がある)ず各原皿の評䟡倀の平均倀を瀺しおいる(1..10は1から10の党おの原皿で芋た倀)党䜓の平均点は4.07ず良奜な倀を埗た特に原皿5は高い評䟡倀を埗おいるしかし原皿9においおは「ほが自然」ず刀断した被隓者は党くおらずどのような蚘事に察しおも䞀様に自然な芁玄を行うには問題が残る原皿9に぀いおは\ref{section:chujitsudo}節で詳述する\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{芁玄文の自然さの評䟡}\label{table:p_shizensa}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r||r|}\hline評䟡倀&\\5\\\&\\4\\\&\\3\\\&\\2\\\&\\1\\\&\\0\\\&平均点\\\hline\hline原皿1(\%)&37.5&59.4&3.1&0&0&0&4.34\\原皿2(\%)&25.0&43.8&25.0&6.3&0&0&3.88\\原皿3(\%)&34.4&53.1&12.5&0&0&0&4.22\\原皿4(\%)&18.8&50.0&31.3&0&0&0&3.88\\原皿5(\%)&87.5&9.4&3.1&0&0&0&4.84\\原皿6(\%)&36.7&43.3&16.7&3.3&0&0&4.13\\原皿7(\%)&20.0&43.3&36.7&0&0&0&3.83\\原皿8(\%)&23.3&30.0&40.0&6.7&0&0&3.70\\原皿9(\%)&0&31.0&48.3&17.2&3.4&0&3.07\\原皿10(\%)&76.7&23.3&0&0&0&0&4.77\\\hline原皿1..10(\%)&36.2&38.8&21.4&3.2&0.3&0&4.07\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{芁玄文の忠実床}\label{section:chujitsudo}芁玄文は原文の重芁郚を適切に抜出しおいる必芁がある重芁郚抜出の適切さを忠実床ず衚蚘し以䞋のような刀断基準を蚭けお忠実床を尋ねた\begin{itemize}\begin{namelist}{xxxxx}\item[5点:]このような抜出を行う人間もいるず考えられる\item[0点:]重芁郚の欠萜が非垞に頻繁にみられる\end{namelist}\end{itemize}芁玄文の文章ずしおの自然さが損なわれた堎合でも内容が䌝わればニュヌス字幕ずしおある皋床有甚であるこのような芳点から芁玄文の忠実床は原則的に芁玄文の文章ずしおの自然さを無芖した䞊で評䟡するよう泚意させたたた4点以䞋を䞎えた被隓者には欠萜した重芁郚のうちで最も重芁だず考えられる箇所から順に最倧5箇所を指摘させた衚\ref{table:p_chujitsudo}に芁玄文の忠実床の評䟡結果を瀺す党䜓の平均点は3.71で良奜ではあるが自然さ非冗長床(\ref{section:hijochodo}節参照)に比べお䜎い倀ずなっおいるたた自然さ非冗長床の評䟡に比べ1぀の原皿に察する評䟡倀にばら぀きが目立ち被隓者によっお重芁郚の認定に関する刀断が異なるこずがうかがえる\ref{section:shizensa}節の自然さ同様原皿9の忠実床が最も䜎いず刀定された削陀するのが䞍適切ず指摘された箇所で特に数の倚かったものは「[日本を蚪れる]倖囜人」(14名)「(文頭)[ずころが]」(15名)「[倖囜人劎働者の倚くが働いおいる]建蚭珟堎」(10名)「[バブル経枈の厩壊が建蚭業界にも及んだ]圱響で」(28名)「[売り䞊げにもやや]陰りが出始めおいたすが」(18名)であった特に「[バブル...]圱響で」の郚分は重芁ず指摘した28名の被隓者のうち22名が(指摘箇所の䞭で)最も重芁ず答えおいる本芁玄手法ではあらかじめ登録した圢匏的衚珟に係る文節を優先採甚しおいるため「圱響」を新たに圢匏的衚珟に登録するこずでこのような䞍適切な削陀は防ぐこずができるたた\ref{section:shizensa}節で原皿9の自然さが䜎いず評䟡されたのは通垞修食語句を䌎う「圱響」に係る連䜓修食句の削陀や「ずころが」ずいう接続詞の削陀による文の結束性の䜎䞋が䞍自然な印象を䞎えたためず考えられるたた「ずころが」はそれ自身では䜕も情報を䌝えないが適切な芁玄を生成する䞊で䞍可欠であるず被隓者が刀断したため指摘されたず考えられる\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{芁玄文の忠実床の評䟡}\label{table:p_chujitsudo}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r||r|}\hline評䟡倀&\\5\\\&\\4\\\&\\3\\\&\\2\\\&\\1\\\&\\0\\\&平均点\\\hline\hline原皿1(\%)&12.5&65.6&21.9&0&0&0&3.91\\原皿2(\%)&9.4&43.8&31.3&15.6&0&0&3.47\\原皿3(\%)&15.6&59.4&21.9&3.1&0&0&3.88\\原皿4(\%)&3.1&46.9&40.6&6.3&3.1&0&3.41\\原皿5(\%)&54.8&25.8&16.1&3.2&0&0&4.32\\原皿6(\%)&16.7&36.7&33.3&6.7&6.7&0&3.50\\原皿7(\%)&3.3&36.7&50.0&3.3&6.7&0&3.27\\原皿8(\%)&24.1&44.8&27.6&3.4&0&0&3.90\\原皿9(\%)&0&31.0&51.7&13.8&3.4&0&3.10\\原皿10(\%)&43.3&50.0&6.7&0&0&0&4.37\\\hline原皿1..10(\%)&18.2&44.3&30.0&5.5&2.0&0&3.71\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{芁玄文の非冗長床}\label{section:hijochodo}芁玄文生成は原文䞭の比范的冗長であるず考えられる郚分の削陀によっお達成される冗長郚が残存しない床合を非冗長床ず衚蚘し被隓者に以䞋のような刀断基準を䞎えお非冗長床を尋ねた\begin{itemize}\begin{namelist}{xxxxx}\item[5点:]䞍芁である郚分はほずんどない぀たりこれ以䞊の削陀は難しいず考えられる\item[0点:]䞍芁郚の残存が非垞に頻繁にみられる\end{namelist}\end{itemize}\ref{section:chujitsudo}節同様芁玄文の非冗長床は芁玄文の文章ずしおの自然さを無芖した䞊で評䟡させたたた4点以䞋を䞎えた被隓者には冗長な残存郚のうちで最も冗長だず考えられる箇所から順に最倧5箇所を指摘させた衚\ref{table:p_hijochodo}に芁玄文の非冗長床の評䟡結果を瀺す党䜓の平均点は4.16で自然さ忠実床ず比范しお最も高い倀を埗た非冗長床を3以䞋ず刀断した被隓者は党䜓で16\%皋床ず䜎く芁玄結果は冗長さを解消しおいるず蚀えるただ最も芁玄率が悪い原皿5に関しおも非冗長床の倀は高くニュヌス原皿自䜓がそれほど冗長ではないずいう被隓者の刀断がうかがえるたた重芁箇所の指摘に比べ冗長箇所は党般に指摘が少なく非冗長床の評䟡倀を䜎いず刀定した被隓者にも同様の傟向がみられたこのこずは冗長ず感じるこずはあっおもいざ削陀するずなるず人手であっおも冗長箇所を特定するこずが難しいこずを瀺しおいるず考えられる原皿3は非冗長床が最も䜎いず刀定されたしかし原皿3の評䟡倀を3以䞋ず刀定した被隓者の冗長郚の指摘箇所は䞀定せずたちたちであったこのこずからも冗長箇所の特定の難しさがうかがえる原皿3の冗長郚指摘に関しお最も䞀臎した意芋は第1文を党お削陀するずいう指摘だった(4名)ニュヌス蚘事は倚くの堎合第1文が党䜓の抂芁になっおいるが特に原皿3は第1文ず第2文の内容がほずんど同じでありこれが冗長であるずいう印象を䞎えた原因であるず考えられるたた原皿2の非冗長床を0ず刀定した被隓者がいるがこの被隓者も原皿2の第2文を党お削陀するずいう指摘をしおいる\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{芁玄文の非冗長床の評䟡}\label{table:p_hijochodo}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r||r|}\hline評䟡倀&\\5\\\&\\4\\\&\\3\\\&\\2\\\&\\1\\\&\\0\\\&平均点\\\hline\hline原皿1(\%)&31.3&56.3&12.5&0&0&0&4.19\\原皿2(\%)&18.8&65.6&12.5&0&0&3.1&3.94\\原皿3(\%)&18.8&50.0&28.1&3.1&0&0&3.84\\原皿4(\%)&37.5&31.3&31.3&0&0&0&4.06\\原皿5(\%)&43.8&43.8&12.5&0&0&0&4.31\\原皿6(\%)&36.7&50.0&13.3&0&0&0&4.23\\原皿7(\%)&33.3&60.0&6.7&0&0&0&4.27\\原皿8(\%)&37.9&41.4&20.7&0&0&0&4.17\\原皿9(\%)&55.2&37.9&3.4&3.4&0&0&4.45\\原皿10(\%)&31.0&58.6&10.3&0&0&0&4.21\\\hline原皿1..10(\%)&34.2&49.5&15.3&0.7&0&0.3&4.16\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{考察} \label{section:observation}ここでは実隓で明らかになった問題点や有効であった点等を述べる本芁玄手法による冗長郚認定法に関しお以䞋のような事項が芳察された\begin{itemize}\item本芁玄手法では原則的に修食郚や䟋瀺などを衚す郚分を冗長郚ず認定しおいるがアンケヌト結果よりその認定法が十分でないこずが分かったたた埓来芁玄文においおは比范的䞍芁ずされおきた固有名詞ぞの修食郚が重芁ず刀断されるなど重芁な修食郚の認定の難しさが明らかずなった以䞋明らかになった(1)連䜓修食郚(2)固有名詞ぞの修食(3)䟋瀺を衚す郚分に関する問題点に぀いお述べる\begin{enumerate}\item本芁玄手法では修食節に含たれる重芁語や盎埌が圢匏的衚珟かどうかを調べるこずにより修食郚の誀った削陀を避けおいるが忠実床の評䟡倀を芋おもその粟床が十分ではないこずがわかるしかし修食郚に限っおもどの修食郚が重芁であるかの刀定は容易でない人手による芁玄文においおは非内容的で付随的である「内の関係」の連䜓修食語は削陀される傟向にあるこずが指摘されおいるが\cite{youyaku_ruikei}アンケヌト結果では「内の関係」の連䜓修食語を重芁郚ずしお指摘する䟋が少なくなかった䟋えば\ref{section:chujitsudo}節で挙げた「[日本を蚪れる]倖囜人」「[倖囜人劎働者の倚くが働いおいる]建蚭珟堎」などがそれにあたるこの堎合「倖囜人」や「建蚭珟堎」を圢匏的衚珟ず解釈するのは䞍適切であるず考えおいる\itemたた䞀般に固有名詞に係る修食語句は削陀可胜ずされるがアンケヌト結果から固有名詞に係る修食郚が必ずしも削陀可胜ではないこずがわかった原皿4「...[冷戊埌の倧幅な栞軍瞮を早期に実珟するための前提条件になっおいる]・第䞀次戊略兵噚削枛条玄を批准しこれで、...」(4名)原皿7「[手圓おにあたった]○○倧孊付属家畜病院の××講垫は...」(3名)などが重芁郚ずしお指摘されおいる\item本芁玄手法では䟋瀺を衚す「など」を䌎う郚分は比范的冗長ず刀断するため削陀される堎合が倚いしかしアンケヌト結果では「など」を䌎う郚分が重芁ず刀断される堎合も倚かった䟋えば原皿10は忠実床においお最も高い評䟡を埗おいるが同原皿䞭で削陀された「...[医薬品や泚射針など]総額䞀千䞉癟䞇円盞圓の緊急揎助を...」(3名)「...[銖郜のルサカなど]党土に広がっおいたす。」(4名),「...[コレラの治療薬䞀䞇人分ず、泚射針二癟箱など、]合わせお䞀千䞉癟䞇円盞圓の緊急揎助物資を...」(6名)ずいった箇所が重芁郚ずしお指摘されおいる\end{enumerate}これらの䟋で指摘されおいる郚分は付随的ではあるが蚘事の背景を特定するなど読み手の理解を助ける働きを持぀ため被隓者によっお重芁であるず刀断されたこずが予想される字幕文は画面䞊で䞀方的に流されるため理解を助ける郚分は読みやすさを保持する意味でも重芁であるず蚀えるこのような重芁な修食郚(および䟋瀺等を衚す郚分)を認定する新たな手法を怜蚎する必芁があるが衚局的な情報のみを甚いた有効な察策は芋぀かっおいない\item\ref{section:hijochodo}節で述べたようにアンケヌト結果からは人手によっおも冗長箇所を特定するこずは必ずしも容易でないこずがうかがえるこのため本芁玄手法の指摘する冗長箇所を人手による字幕文生成の支揎ずしお補助的に甚いるこずで字幕䜜成者の負担を軜枛するこずができるず考えられる\item実斜したアンケヌトでは質問項目以倖に被隓者の意芋・感想を求めたその䞭に「第1文の内容は第2文以降で詳述されるため第1文は倧胆に省略すべき」ずいう意芋があったがこれは\ref{section:hijochodo}節の分析結果ず䞀臎するしかし本芁玄手法は音声認識凊理および芁玄凊理をリアルタむムに行う字幕生成に応甚するこずを最終的な目暙ずしおおり第1文の芁玄時には第2文以降の情報は甚いないこずが前提になるためこのような第1文の冗長性を刀定するこずはできない本芁玄手法は画面ずの察応を考え文間の重耇郚の削陀を行っおいないがニュヌスを字幕(文字)から埗る堎合には重耇する内容を冗長ず感じる堎合が芳察された第2文以降の重耇郚の削陀が適切か怜蚎する必芁がある\end{itemize}評䟡結果では自然さ忠実さ非冗長さのそれぞれに぀いお良奜な評䟡倀が埗られたが以䞊に瀺すように冗長郚の認定に぀いおより粟床の高い手法を怜蚎する必芁があるこずが分かった本芁玄手法は生成された芁玄文の自然さを重芖し構文構造を砎壊するなどの䞍適切な削陀を防ぐ目的で簡易構文解析手法を甚いた珟状の技術では高い粟床で厳密な構文解析を行うのが難しいため簡易構文解析ではできるだけ衚局的な情報を甚いた厳密でない係り受け解析を行っおいるこの結果実斜したアンケヌトでは芁玄文の自然さに぀いお良奜な評䟡結果が埗られたこのこずから簡易構文解析結果はおおむね良奜であるず蚀えるが前述の通り冗長郚の認定は難しく厳密で粟床の高い構文解析が実珟できたずしおも重芁郚の特定ずいうより難しい問題が残されるたた前述の冗長郚認定に関する考察に関連しお簡易構文解析は1文䞭の最埌の甚蚀(述郚)を栞ずしその必須栌等を残すこずにより自然な芁玄文を生成するが連䜓修食句が新情報を衚す堎合などむしろ修食郚が重芁である堎合も考えられる \section{おわりに} より自然な字幕文の生成を目暙に䞻に修食郚を削陀するこずによるニュヌス文の1文ごずの自動芁玄を詊みたたた芁玄結果の有甚性を評䟡するためにアンケヌト調査を行い良奜な評䟡倀を埗たしかし構文解析の倱敗や重芁郚の欠萜もあり前もっお想定できない様々な衚珟を含む幅広い入力原皿に察しお䞀様に粟床の高い芁玄を行うにはより高床な凊理を行う必芁がある特に限定修食の認定は難しく本芁玄手法では圢匏的衚珟をあらかじめ列挙するこずなどで察凊したより高い粟床を実珟するには領域に䟝存しない知識の利甚が必須であるず考える\label{part:005}たた修食郚および䟋瀺を瀺す箇所の削陀だけでは高い削枛率を埗るのは難しく粟床の高い構文解析が実珟しおも必ずしも品質の高い芁玄は埗られないため今埌は文脈解析等より高床な解析の有甚性実珟性を怜蚎する必芁があるしかし高床な解析は前段階の凊理で生じた解析誀りをさらに拡倧するなど問題も倚くはらむこずが予想されその察凊法を考える必芁があろう \section{謝蟞} 本研究でシ゜ヌラスに䜿甚した「角川類語新蟞兞」\cite{kadokawa}を機械可読蟞曞の圢でご提䟛いただきその䜿甚蚱可をいただいた(æ ª)角川曞店およびKNPに関する問い合わせに懇切にお答えいただいた京郜倧孊倧孊院情報孊研究科黒橋犎倫先生に深謝するなお本研究の䞀郚は文郚省科孊研究費基盀研究(B)および(財)囜際コミュニケヌション基金の揎助を受けお行った\appendix \section{原皿5} \label{section:ap_g_5}\subsection*{原皿名恩絊法改正案}政府は、きょう五日の閣議で、[退職公務員などに支絊される恩絊を、今幎の四月から幎額二点六六パヌセント匕き䞊げる]恩絊法の改正案を決定し、囜䌚に提出するこずにしおいたす。恩絊は、[公務員絊䞎の改定や]消費者物䟡の䞊昇などに䌎っお毎幎匕き䞊げられおおり、平成五幎床に぀いおも、去幎暮れの予算線成で、恩絊幎額ず各皮の最䜎保障額を二点六六パヌセント匕き䞊げるこずが決たっおいたす。具䜓的には、長期圚職者の堎合の普通恩絊では最䜎保障額が、六十五歳未満で二䞇五癟円䞊がっお䞃十九䞇千癟円に、六十五歳以䞊䞃十五歳未満で二䞇䞃千䞉癟円䞊がっお癟五䞇四千八癟円に、たた䞃十五歳以䞊では、匕䞊げ率がさらに䞊乗せされお、䞉䞇二千五癟円䞊がっお癟六䞇円になりたす。政府は、[こうした匕き䞊げを盛り蟌んだ]恩絊法の改正案を、きょうの閣議で決定した䞊で囜䌚に提出するこずにしおいたすが、各党ずも反察はないこずから、改正案は今幎床内に成立し、匕き䞊げは今幎四月から実斜される芋通しです。 \section{原皿9} \subsection*{原皿名リレヌニュヌス・倖囜人の地䞋足袋}[東京からは、建蚭珟堎などでの䜜業に欠かせない]地䞋足袋が、倖囜人劎働者の増加に䌎っお、[二十九センチや䞉十センチずいった]特倧のものが売れおいるずいう話題です。仕事を求めお[日本を蚪れる]倖囜人の数は昭和五十五幎ころから急激に増え始め最近では党囜各地で倖囜人劎働者の姿を芋掛けるようになりたした。[ずころが倖囜人劎働者の倚くが働いおいる]建蚭珟堎で困ったこずが起きたした。[足堎を気にしながらの䜜業に欠かせない]地䞋足袋が、日本人甚のものでは小さくお履けない、ずいうのです。[こうした泚文をきいた]東京・日本橋のメヌカヌでは、[十幎ほど前から通垞のものより䞀回りも二回りも倧きい]朚型を新たに甚意しお、[二十九センチや]䞉十センチずいう特倧の地䞋足袋を䜜りはじめたした。この特倧の地䞋足袋はビルの建蚭ラッシュも手䌝っお順調に売れ行きを䌞ばしおきたした。[郜内のある履物店には、むランなど]䞭東出身の若者達が特倧の地䞋足袋を求めお毎日のように蚪れおいたすが[䞭にはパヌティヌや]ゞョギング甚にずスヌツ姿の倖囜人も買っおいくずいうこずです。[最近はバブル経枈の厩壊が建蚭業界にも及んだ]圱響で、[特倧の地䞋足袋の売り䞊げにもやや]陰りが出始めおいたすが、業界では䞍景気になれば今床は公共工事が増えお、たた地䞋足袋の売り䞊げが䌞びるのではないかず期埅しおいたす。\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n6_03}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{侉侊真}{1999幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院修士課皋修了珟圚株日立゜フトり゚ア゚ンゞニアリング勀務圚孊䞭は,自然蚀語凊理特にTVニュヌス字幕生成のための芁玄の研究に埓事.}\bioauthor{増山繁}{1977幎京郜倧孊工孊郚数理工孊科卒業1982幎同倧孊院博士埌期課皋単䜍取埗退孊1983幎同修了(工孊博士)1982幎日本孊術振興䌚奚励研究員1984幎京郜倧孊工孊郚数理工孊科助手1989幎豊橋技術科孊倧孊知識情報工孊系講垫1990幎同助教授1997幎同教授アルゎリズム工孊特に䞊列グラフアルゎリズム等及び,自然蚀語凊理特に,テキスト自動芁玄等の研究に埓事蚀語凊理孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚等䌚員}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了.同幎京郜倧孊情報工孊科助手.1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫.1983幎助教授.1990幎教授.1985〜1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員.工博.1977幎電子通信孊䌚論文賞.1988幎床IETE最優秀論文賞.著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚1988幎,「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟1992幎,「パタヌン情報凊理」䞞善1999幎など.}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V27N01-05
\section{はじめに} 蟞曞は蚀葉に関するさたざたな特城を集積したものである発音・圢態論情報・品詞・単語分類・統語情報・意味情報・䜍盞・語源・語釈などにより敎理される単語の䜿甚実態に基づく蚀葉の特城ずしお{\bf単語芪密床}がある単語芪密床は人々がどのくらいその単語を知っおいるのか・䜿うのかずいった人の䞻芳的な評䟡に基づく指暙であるNTTコミュニヌケヌション科孊基瀎研究所による『日本語の語圙特性』\cite{Amano-1999}は単語芪密床を含む情報を『新明解囜語蟞兞第四版』の芋出し項目玄80,000語に぀いお付䞎したたた同デヌタは朝日新聞の1985幎から1998幎の14幎分の蚘事デヌタにおける頻床情報も含むしかしながら評定情報の収集や頻床情報が20幎以䞊前のものである本研究では最近の単語芪密床を評定するこずを詊みる日本語のシ゜ヌラスである『分類語圙衚増補改蚂版』\cite{WLSP-2004}の電子化デヌタ『分類語圙衚増補改蚂版デヌタベヌス』以䞋「分類語圙衚DB」ず呌ぶの語圙項目94,838語を察象に単語芪密床付䞎を行った評定倀の収集にあたっおは「知っおいる」の芳点のほか生産過皋$\Leftrightarrow$受容過皋や曞蚘蚀語$\Leftrightarrow$音声蚀語の䜍盞情報を含めるために「曞く」「読む」「話す」「聞く」の4぀の䜍盞情報に぀いおも質問事項に含めた安䟡にそしお継続的に調査を行うためにクラりド゜ヌシングにより評定倀の収集を行ったしかしながら「日本語の語圙特性」の調査のように{研究協力者}に察する統制などに制玄があり研究協力者の個䜓差の圱響を受ける問題があるこの問題を緩和するために収集されたデヌタをベむゞアン線圢混合モデル(BayesianLinearMixedModel:BLMM)\cite{Sorensen-2016}によりモデル化を行うたたシ゜ヌラスに単語芪密床を付䞎するこずにより統語分類・意味分類に基づく芪密床・䜍盞情報の評䟡もできるようになった本研究の貢献は以䞋の通りである\begin{itemize}\item日本語の倧芏暡シ゜ヌラスに察する単語芪密床情報の網矅的収集を行った\item単語芪密床の評定にクラりド゜ヌシングを甚いた\item単語芪密床の芳点においお「知っおいる」だけでなく「曞く」「読む」「話す」「聞く」の4぀の䜍盞情報に぀いおも怜蚎し単語の䜍盞情報も評䟡したこれにより生産過皋$\Leftrightarrow$受容過皋や曞蚘蚀語$\Leftrightarrow$音声蚀語の察照比范ができる\item単語芪密床の統蚈凊理にベむゞアン線圢混合モデルを導入し研究協力者の個䜓差の圱響の軜枛を行った\item語圙項目は分類語圙衚DBの芋出し語を甚いた分類語圙衚の統語・意味分類に察しお芪密床が掚定できるほかUniDicず分類語圙衚の察応衚\cite{Kondo-2018}ず圢態玠解析噚を甚いお芪密床を自動付䞎できるさらに『岩波囜語蟞兞第五版』の語釈文ず分類語圙衚の察応衚\cite{呉-2019}の敎備も進んでおり語釈文ずの察照できる\end{itemize}本皿の構成は以䞋の通りである2節では関連研究に぀いお瀺す3節ではクラりド゜ヌシングに基づく単語芪密床掚定手法に぀いお瀺す4節で結果を瀺し5節にたずめず今埌の展開に぀いお瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 『日本語の語圙特性』\cite{Amano-1999}の単語芪密床は䞻芳的な単語のなじみの皋床ずし18歳以䞊30歳未満の40人に察しおアンケヌト調査により収集したものである刺激を「音声のみ」「文字のみ」「音声ず文字の䞡方」の3぀の手法で呈瀺し1--7の7段階評定を「できるだけたんべんなく」付䞎するように教瀺したうえで収集した察象は『新明解囜語蟞兞』第四版の芋出し語69,084語ずし衚蚘ゆれに基づき88,569パタヌンの刺激による評定デヌタは1995幎9月から1996幎7月にかけおNTT研究所内で収集された機関内で収集したために教瀺により統制しおデヌタを収集しおいるが公開評定デヌタは40人の評定倀の平均倀による研究協力者の個䜓差の圱響を軜枛するためにより掗緎された統蚈凊理が必芁であるたた『日本語の語圙特性』は客芳的な単語のなじみの皋床ずしおテキストコヌパスの出珟頻床に基づく評定情報も含たれおいる14幎分1985--1998幎の朝日新聞の新聞蚘事を圢態玠解析噚『すもも』で解析したうえで頻床情報をデヌタベヌス化した\citeA{Tanaka-2011}は単語芪密床ず倧芏暡コヌパス頻床情報ずの盞関に぀いお調査した\citeA{æ°Žè°·-2018}は単語基本語情報を掚定するために各皮語圙衚のほかりェブコヌパスの頻床情報を甚いた\citeA{岡久-2019}は単語の定矩語釈−被定矩芋出し語関係を甚いお単語の基本床の掚定を行った語釈文の収集にクラりド゜ヌシングを甚いた11,936語被定矩語を察象ずしお1語あたり10人分の語釈文を収集し基瀎デヌタずした定矩−被定矩関係はシ゜ヌラスぞの写像\cite{正接-2001}に甚いられるたた単語の基本床を数倀化する基本的な考え方は\citeA{野呂-2007}による\citeA{æ°Žè°·-2019}は『JUMAN++』の単語蟞曞に掲茉されおいる単語26,000語を察象にクラりド゜ヌシングを甚いお「習埗時期」を「小孊生になる前」「小孊校䜎孊幎」「小孊校高孊幎」「䞭孊生になった頃」「単語の意味を知らない芋聞きしたこずがない」の5段階で収集した1単語あたり20人の評定倀を収集し平均倀により単語難易床デヌタベヌスを構築した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{手法} 本節では単語芪密床・䜍盞情報の収集方法に぀いお瀺すはじめに収集察象の語圙項目の母集団である分類語圙衚DBに぀いお瀺す次に質問玙の構成に぀いお瀺す最埌に統蚈凊理手法に぀いお瀺すなお本手法は2017幎に圢容詞・副詞・連䜓詞のみを察象ずしお党䜓の10分の1の芏暡で実行可胜性を調査した\cite{浅原-2017}うえで再蚭蚈したものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{分類語圙衚の分類番号の䟋}『分類語圙衚』は珟代日本語を察象ずしたシ゜ヌラスで岩波囜語蟞兞の語圙項目から玄30,000語が遞ばれお採録された1964幎に初版\cite{WLSP-1964}が公刊されたその埌2004幎に増補改蚂版が公刊され増補改蚂版のCSVファむル分類語圙衚DBが研究甚途に公開された\footnote{商甚利甚は200,000円皎抜}分類語圙衚DBは区切り文字を入れお101,070の語圙項目からなり4぀の統語分類である類䜓・甚・盞・他ず階局的な意味分類が付䞎されおいる各項目の分類は5ケタの数字による分類番号で瀺され統語分類は1ケタ目意味分類は小数点以䞋4ケタで衚珟する意味分類の1ケタ目が郚門2ケタ目たでは䞭項目4ケタすべおが分類項目を衚す衚\ref{tbl:wlsp}に分類番号「1.1642」が割り圓おられた「昚幎」の䟋を瀺すここで1ケタ目「1」は䜓の類を衚す小数点以䞋4ケタの「.1642」は階局的な意味分類を衚し1ケタ目「.1」が郚門「関係」を2ケタ目たで「.16」が䞭項目「時間」を4ケタ「.1642」が分類項目「過去」を衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\caption{分類語圙衚DB}\label{tbl:wlsp}\input{05table01.tex}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{質問玙の構成}本節では単語芪密床を掚定するにあたっお利甚した質問玙の構成に぀いお瀺す質問玙はYahoo!クラりド゜ヌシング䞊のフォヌムで構成するクラりド゜ヌシングを甚いるこずにより96,557語\footnote{分類語圙衚DB101,070項目のうち区切り文字240項目以倖の100,830項目に察しお調査を行ったがクラりド゜ヌシングの䜜業過皋においお4,253項目に぀いおデヌタが埗られなかった埗られなかった4,253項目に぀いおは2019幎11月に調査を行った}に察しお短期間に䜎コストで評定情報を収集が可胜であるたず質問玙の構成ずしお曞蚘刺激で呈瀺された語を知っおいるかどうか(KNOW)に぀いお確認する音声刺激で呈瀺しない代わりに曞蚘蚀語曞く(WRITE)・読む(READ)・音声蚀語話す(SPEAK)・聞く(LISTEN)で利甚されるかの芳点を導入し䜍盞情報を掚定するさらに生産過皋曞く(WRITE)・話す(SPEAK)・受容過皋読む(READ)・聞く(LISTEN)の芳点を導入した以䞋に質問項目の5぀の芳点に぀いお瀺す\begin{description}\item[KNOW:知っおいる]単語の意味を知っおいたすか\\党く知らない(1)--(5)よく知っおいる\item[WRITE:曞く]どのくらい普段曞いおいるものに出珟したすか\\党く出珟しない(1)--(5)よく出珟する\item[READ:読む]どのくらい普段読んでいるものに出珟したすか\\党く出珟しない(1)--(5)よく出珟する\item[SPEAK:話す]どのくらい普段話すずきに出珟したすか\\党く出珟しない(1)--(5)よく出珟する\item[LISTEN:聞く]どのくらい普段聞くずきに出珟したすか\\党く出珟しない(1)--(5)よく出珟する\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f1.eps}\end{center}\caption{クラりド゜ヌシング䞊のフォヌムで構成した質問玙の䟋}\label{fig:crowdsource}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図\ref{fig:crowdsource}に調査に甚いた質問玙を瀺す評定情報は(1)党く知らない党く出珟しない(2)あたり知らないあたり出珟しない(3)どちらずもいえない(4)䜕ずなく知っおいるたたに出珟する(5)よく知っおいるよく出珟するの5段階で収集するがリッカヌト尺床ずしおは収集しなかったこれは2017幎の事前調査で数倀だけ芋お党く反察の評定倀を付䞎した研究協力者が散芋されたためそれを回避するために行ったたた調査環境の制玄により\citeA{Amano-1999}が実隓宀で行ったように音声刺激を呈瀺するこずは行わないなお本質問玙調査では倚矩語の異なる語矩に぀いおの評定単語心象性は行わない研究協力者には「参考情報」ずしお質問玙の末尟に分類語圙衚の分類項目を瀺す皋床にずどめた本調査は異なりで3,392人の20歳以䞊のYahoo!クラりド゜ヌシングのアカりントを持っおいる方を察象に2018幎11月に実斜した1぀の芋出し語あたり少なくずも16回答を埗た結果有効デヌタポむント数は1,617,184であった収集の芁した費甚は1,455,494円であった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f2.eps}\end{center}\caption{統蚈モデル}\label{fig:model}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{統蚈モデル}収集した評定デヌタは研究協力者ごず個䜓差があるこの個䜓差は研究協力者の語圙力や回答の傟向に䟝存するバむアスであるこの個䜓差をベむゞアン線圢混合モデルのランダム効果によりモデル化し個䜓差の圱響を軜枛するたた単語芪密床情報も単語の特性ずしおランダム効果によりモデル化するグラフィカルモデルを図\ref{fig:model}に瀺す$N_{word}$は語圙項目×5芳点(KNOW,WRITE,READ,SPEAK,LISTEN)の定矩域$N_{subj}$は研究協力者の数でそれぞれ単語・芳点のむンデックス$i:1\ldotsN_{word}$研究協力者のむンデックス$j:1\ldotsN_{subj}$ずする$y^{(i)(j)}$は語圙項目×5芳点(KNOW,WRITE,READ,SPEAK,LISTEN)の倀域で$y$は平均$\mu^{(i)(j)}$暙準偏差$\sigma$によっお定矩される正芏分垃ずする\[y^{(i)(j)}\simNormal(\mu^{(i)(j)},\sigma).\]$\sigma$は暙準偏差ずしおのハむパヌパラメヌタで$\mu^{(i)(j)}$は切片$\alpha$ず語圙項目×5芳点のランダム効果$\gamma_{word}^{(i)}$ず研究協力者のランダム効果$\gamma_{subj}^{(j)}$の線圢匏で定矩する\[\mu^{(i)(j)=\alpha+\gamma_{word}^{(i)}+\gamma_{subj}^{(j)}}.\]語圙項目×5芳点のランダム効果$\gamma_{word}^{(i)}$ず研究協力者のランダム効果$\gamma_{subj}^{(j)}$はそれぞれハむパヌパラメヌタ平均$\mu_{word}$,$\mu_{subj}$分散$\sigma_{word}$,$\sigma_{subj}$によっお定矩される正芏分垃によりモデル化する\begin{gather*}\gamma_{word}^{(i)}\simNormal(\mu_{word},\sigma_{word}),\\\gamma_{subj}^{(j)}\simNormal(\mu_{subj},\sigma_{subj}).\end{gather*}このうち単語芪密床はランダム効果$\gamma_{word}^{(i)}$の掚定倀である䞀方研究協力者の個䜓差はランダム効果$\gamma_{subj}^{(j)}$の掚定倀であるが結果的に研究協力者の語圙力の評䟡倀ずなるハむパヌパラメヌタはデヌタから掚定を詊みた結果収束しなかったために平均$\mu_{word}$,$\mu_{subj}$を0.0暙準偏差$\sigma_{word}$,$\sigma_{subj}$を1.0ずした掚定にはRずStanを甚いたwarm-up100iterationのあず5,000iteration$\times$4chains䞊列でシミュレヌションしすべおのモデルは収束した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{掚定した単語芪密床・䜍盞情報の分析} 本節では掚定された単語芪密床の質的評䟡を行う4.1節に埗られた5芳点の評定倀の分垃ず研究協力者の個䜓差の分垃に぀いお瀺す4.2節で各芳点の䞊䜍10語・䞋䜍10語に぀いお確認する4.3節で分類語圙衚の䞭項目意味分類の第2レベルによる䞊䜍10カテゎリ・䞋䜍10カテゎリに぀いお確認する4.4節にベむゞアン線圢混合モデルの効果に぀いお瀺し4.5節に『日本語の語圙特性』ずの比范を瀺す4.6節に結果のたずめを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{分垃}図\ref{fig:word}に掚定された単語芪密床のヒストグラムを瀺すx軞が単語芪密床に盞圓する$\gamma_{word}^{(i)}$でy軞がそのビンビンの幅0.1に入る頻床である5芳点ごずに集蚈されおおりKNOWが他の芳点よりも高い単語芪密床にある傟向がみられる受容過皋であるREADずLISTENが高く生産過皋であるWRITEずSPEAKは䜎い傟向がみられた蚀語の運甚においお知識受容生産の順に語圙数が分垃しおいるこずがわかるたた倀が倧䜓$-2$から2に分垃しおおりおおよそ5段階評䟡の倀ずしおそのたた利甚できる図\ref{fig:subj}に掚定された研究協力者の個䜓差のヒストグラムを瀺すx軞が研究協力者の個䜓差$\gamma_{subj}^{(j)}$でy軞がビンビンの幅0.1に入る頻床である暙準正芏分垃でモデル化しおいるためにグラフもその圢状になる今回は利甚しないがこの倀は研究協力者の語圙力ずしおそのたた利甚するこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f3.eps}\end{center}\caption{掚定した単語芪密床($\gamma_{word}^{(i)}$)5芳点の分垃}\label{fig:word}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f4.eps}\end{center}\caption{掚定した研究協力者の個䜓差の分垃($\gamma_{subj}^{(j)}$)}\label{fig:subj}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%他の分垃に基づく個䜓差のモデル化に぀いおは今埌の怜蚎課題ずする䟋えば研究協力者の分垃に぀いお暙準正芏分垃ずせずにモデル化を詊みたが収束しなかった今埌幎次でデヌタを収集し拡充するこずで他の分垃に基づくモデル化を進めるずずもに調査幎の芁因を入れるこずで経幎倉化の調査を進めたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{芋出し語に察する評䟡}本節では掚定された単語芪密床の䞊䜍10件・䞋䜍10件に぀いお確認する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{「知っおいる」}たず最初に「知っおいる」(KNOW)の䞊䜍10件・䞋䜍10件に぀いお確認する衚\ref{tbl:top:know:word}ず衚\ref{tbl:bottom:know:word}に䞊䜍10件・䞋䜍10件の事䟋を評定倀ず『囜語研日本語りェブコヌパス』(NWJC)\cite{NWJC}の怜玢系『梵倩』文字列怜玢\cite{bonten}のヒット件数ずずもに瀺す怜玢時にはルビは削陀した䞊䜍10件には日垞生掻でよく利甚する甚語が出珟し䞋䜍10件には近幎あたり䜿われない語が出珟するなお掻甚語は基本圢で調査したため掻甚しない語よりも頻床が䜎い傟向にある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2and3\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{「知っおいる」䞊䜍10ä»¶(KNOW)}\label{tbl:top:know:word}\input{05table02.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{「知っおいる」䞋䜍10ä»¶(KNOW)}\label{tbl:bottom:know:word}\input{05table03.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%梵倩の文字列怜玢のヒット件数は掻甚語においおは基本圢のみの件数であり䜎くなる傟向にあるさらにカタカナ語「スフ」は他の語の郚分文字列になりやすいために件数が高くなる傟向がみられる頻床情報ずの察照は以䞊の泚意が必芁だが基本的には高頻床語が䞊䜍に䜎頻床語が䞋䜍に䜍眮するたたWRITE,READ,SPEAK,LISTENの単䜓の4芳点に぀いおも基本的には同様の語圙がみられた詳现な議論に぀いおは次小節以降の曞蚘蚀語・音声蚀語もしくは生産過皋・受容過皋の芳点による分析で瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{曞蚘蚀語・音声蚀語}次に曞蚘蚀語(WRITE/READ)ず音声蚀語(SPEAK/LISTEN)の傟向を確認した『日本語の語圙特性』の調査では曞蚘刺激ず音声刺激の2぀の刺激により統制するが本実隓では盎接蚀語運甚実態を質問するこずによるここでは$\text{曞蚘}-\text{音声}\(\text{WRITE}+\text{READ}-\text{SPEAK}-\text{LISTEN})$の倀を評䟡したこの倀が正である堎合に曞蚘蚀語遞奜でありこの倀が負である堎合に音声蚀語遞奜である衚\ref{tbl:char:word}に曞蚘蚀語遞奜䞊䜍10件$\text{曞蚘}-\text{音声}$が正の倀を瀺す蚘号関連の「アンパサンド」「句読点」や手玙や文曞で甚いられる「䞊蚘」「远䌞」「蚘」「前略」「䞋蚘」などがみられた衚\ref{tbl:voice:word}に音声蚀語遞奜䞊䜍10件$\text{曞蚘}-\text{音声}$が負の倀を瀺す「先っちょ」「バむバむ」「たんた」「どっこいしょ」など話しこずばが倚くみられた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4and5\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{曞蚘蚀語遞奜䞊䜍10ä»¶}\label{tbl:char:word}\input{05table04.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{音声蚀語遞奜䞊䜍10ä»¶}\label{tbl:voice:word}\input{05table05.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{生産過皋・受容過皋}本節では生産過皋(WRITE,SPEAK)ず受容過皋(READ,LISTEN)の差に぀いお評䟡する具䜓的には$\text{生産}-\text{受容}$$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN})$の正負により怜蚎するこの芳点は過去の研究では管芋の限り調査されおいない衚\ref{tbl:pro:word}に生産過皋遞奜䞊䜍10件を瀺す基本的には受容過皋のほうが生産過皋よりも芪密床が高くなる傟向になるために倀は正であっおも小さい埗られた語圙は特定分野の専門甚語が倚かった䟋えば「毛管」「絆創膏」のような看護医療甚語であったり「吟詠する」など詩吟の甚語であったりした衚\ref{tbl:rec:word}に受容過皋遞奜䞊䜍10件を瀺す「殺害」「曞類送怜」などの報道蚘事などで出珟する語や圓時の倧河ドラマの䞻人公「西郷隆盛」が䞊䜍にみられた生産過皋遞奜か受容過皋遞奜かは特定の分野で甚いられる甚語かマスメディアで甚いられる甚語かを反映させおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6and7\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{生産過皋遞奜䞊䜍10ä»¶}\label{tbl:pro:word}\input{05table06.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{受容過皋遞奜䞊䜍10ä»¶}\label{tbl:rec:word}\input{05table07.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{『分類語圙衚』の分類に基づく評䟡}本節では分類語圙衚の分類に基づく評䟡を行う分類語圙衚の䞭項目たで小数点以䞋2ケタで掚定した結果の平均を取り倀の䞊䜍カテゎリ・䞋䜍カテゎリに぀いお分析を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{「知っおいる」}衚\ref{tbl:top:know:cat},衚\ref{tbl:bottom:know:cat}に「知っおいる」分類語圙衚の䞭項目カテゎリ䞊䜍・䞋䜍10件を瀺す盞・甚の類が䞊䜍傟向にあり䜓の類が䞋䜍傟向にある「知っおいる」䞊䜍カテゎリは3.53(盾-自然-生物)で「女性的」(KNOW=1.81)「男性的」(KNOW=1.71)などの単語が含たれる「知っおいる」䞋䜍カテゎリは3.52(盾-自然-倩地)で「蕭条」(KNOW=-1.46)「巍巍」(KNOW=$-1.35$)などが含たれる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8and9\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.4\hsize}\caption{「知っおいる」䞊䜍カテゎリ}\label{tbl:top:know:cat}\input{05table08.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.4\hsize}\caption{「知っおいる」䞋䜍カテゎリ}\label{tbl:bottom:know:cat}\input{05table09.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{曞蚘蚀語・音声蚀語}衚\ref{tbl:char:cat},衚\ref{tbl:voice:cat}に曞蚘蚀語遞奜カテゎリず音声蚀語遞奜カテゎリを瀺す䜓の類の掻動・䞻䜓が曞蚘蚀語遞奜である傟向がみられる䞀方他の類の呌びかけ・感動や盞の類が音声蚀語遞奜である傟向がみられる最も曞蚘蚀語遞奜であるカテゎリは1.31(䜓-掻動-蚀語)で「䞊蚘」$(\text{WRITE}+\text{READ}-\text{SPEAK}-\text{LISTEN}=3.87)$「远䌞」$(\text{WRITE}+\text{READ}-\text{SPEAK}-\text{LISTEN}=2.65)$などの甚語が芋られたもっずも音声蚀語遞奜であるカテゎリは4.32(他-呌びかけ)で「もしもし」$(\text{WRITE}+\text{READ}-\text{SPEAK}-\text{LISTEN}=-1.75)$が含たれる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10and11\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{曞蚘蚀語遞奜カテゎリ}\label{tbl:char:cat}\input{05table10.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{音声蚀語遞奜カテゎリ}\label{tbl:voice:cat}\input{05table11.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12and13\begin{table}[b]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{生産過皋遞奜カテゎリ}\label{tbl:pro:cat}\input{05table12.tex}\end{minipage}&\begin{minipage}{0.45\hsize}\caption{受容過皋遞奜カテゎリ}\label{tbl:rec:cat}\input{05table13.tex}\end{minipage}\end{tabular}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{生産過皋・受容過皋}衚\ref{tbl:pro:cat},衚\ref{tbl:rec:cat}に生産過皋遞奜カテゎリず受容過皋遞奜カテゎリを瀺す䞀般的に受容過皋の倀(READ,LISTEN)のほうが生産過皋の倀(WRITE,SPEAK)よりも倧きい傟向にあるこのため$\text{生産}-\text{受容}$$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN})$の倀はカテゎリレベルでは生産過皋遞奜のものでも負になる生産過皋遞奜のカテゎリは4.50(他-動物の鳎き声)で「げろげろ」$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN}=0.45)$や「かヌかヌ」$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN}=0.23)$が含たれる受容過皋遞奜のカテゎリは1.27(䜓-䞻䜓-機関)で「厚生劎働省」$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN}=-2.23)$や「金融庁」$(\text{WRITE}+\text{SPEAK}-\text{READ}-\text{LISTEN}=-2.18)$が含たれる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ベむゞアン線圢混合モデルの効果}本節ではベむゞアン線圢混合モデルを甚いた効果に぀いお抂説する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f5.eps}\end{center}\caption{『日本語の語圙特性』の評定倀の分垃曞蚘音声刺激}\label{fig:psylex}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f6.eps}\end{center}\caption{統蚈凊理前の評定倀の分垃知っおいる}\label{fig:orig}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{27-1ia5f7.eps}\end{center}\caption{統蚈凊理埌の評定倀の分垃知っおいる}\label{fig:smooth}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%混合モデルを甚いた効果ずしお埗られた評䟡情報を皠密にするこずがあげられる図\ref{fig:psylex}に『日本語の語圙特性』の曞蚘音声刺激の評定倀の分垃を図\ref{fig:orig}に統蚈凊理前の評定倀の分垃知っおいるを図\ref{fig:smooth}に統蚈凊理埌の評定倀の分垃知っおいるをビンの幅を0.01にしたヒストグラムにより瀺す『日本語の語圙特性』においおは各語40人の評定倀のため1/40=0.025単䜍の離散的な倀ずなる本デヌタにおいおも各語16人の評定倀のため統蚈凊理をしなかった堎合には1/16=0.0625単䜍の離散的な倀ずなる同じ評定倀を持぀語が倚く事䟋がないビンも出珟し分垃が疎になる図\ref{fig:psylex}図\ref{fig:orig}䟋えば評定倀知っおいるが最高の5.0である項目は410事䟋ありこれらの同じ評定倀が割り圓おられおいる事䟋間の差異が埗られない䞀方統蚈凊理をした堎合には適切に平滑化が行われすべおのビンに項目が含たれ分垃が密になる図\ref{fig:smooth}本研究ではランダム切片に基づく平滑化を行うこの平滑化においおは評定倀の研究協力者ごずの平均倀が甚いられる回答する評定倀が高い研究協力者矀に察しおはその研究協力者ごずの平均倀に応じお評定倀を枛じ回答する評定倀が䜎い研究協力者矀に察しおはその研究協力者ごずの平均倀に応じお評定倀を増じるこれにより研究協力者の回答の個䜓差をモデル化したうえで1研究協力者内の語圙項目ごずの回答の差異に基づいお語圙項目の評定倀をモデル化するこずができる他の平滑化手法ずしおランダム傟きに基づく平滑化があるこの平滑化においおは研究協力者ごずの分散に応じお評定倀を増枛するベむゞアン線圢混合モデルはこの平滑化を含む線圢モデルを事埌分垃を生成するランダムサンプリングによりベむズ掚定するものである本研究ではランダム切片モデルのみならずランダム傟きモデルに぀いおも怜蚎したが収束しなかった今埌デヌタを増やしおよりあおはたりのよいモデルを怜蚎したい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{『日本語の語圙特性』単語芪密床ずの比范}本節では『日本語の語圙特性』\cite{Amano-1999}の単語芪密床ずの比范を行う『日本語の語圙特性』ず本デヌタずで衚蚘ず読みが同じ語圙項目が41,634察あった『日本語の語圙特性』デヌタにおいおは曞蚘音声刺激・音声刺激・曞蚘刺激の3぀を比范察象ずする本デヌタにおいおは掚定した11個の項目すべおを比范察象ずする本デヌタは衚蚘ず読みが同じであるが語矩が異なる語圙項目があるこの堎合「知っおいる」の評定倀が最も高いものを察照する察照はスピアマンの順䜍盞関係数に基づくタむの堎合は同順䜍の平均倀を甚いる補正を行う衚\ref{tbl:orthphon}に曞蚘音声刺激に察する盞関係数衚\ref{tbl:phon}に音声刺激に察する盞関係数衚\ref{tbl:orth}に曞蚘刺激に察する盞関係数を瀺す党おの怜定においお$p<0.01$であった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[b]\caption{『日本語の語圙特性』曞蚘音声刺激ず本デヌタずの比范順䜍盞関係数}\label{tbl:orthphon}\input{05table14.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[t]\caption{『日本語の語圙特性』音声刺激ず本デヌタずの比范順䜍盞関係数}\label{tbl:phon}\input{05table15.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table16\begin{table}[t]\caption{『日本語の語圙特性』曞蚘刺激ず本デヌタずの比范順䜍盞関係数}\label{tbl:orth}\input{05table16.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本デヌタの「曞蚘-音声」「生産-受容」以倖の指暙は『日本語の語圙特性』のいずれずも正の盞関があるこずがわかるそのなかでも曞蚘音声刺激・曞蚘刺激ず匷い正の盞関があるこずがわかる「曞蚘-音声」「生産-受容」に぀いおは䞭皋床の負の盞関がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{結果のたずめ}たず調査結果の分垃をみるず「知っおいる」「読む」「聞く」「曞く」「話す」ず蚀語運甚の負荷レベルで評定倀に差異が出るこずが明らかになった「知っおいる」「曞く」「読む」「話す」「聞く」の5芳点の芪密床䞊䜍語・䞋䜍語を確認するずほが同じ語が分垃するこずが確認できたこのため曞蚘蚀語$\Leftrightarrow$音声蚀語生産過皋$\Leftrightarrow$受容過皋の2軞で分析するこずを詊みた具䜓的には察ずなる倀を匕き算するこずで評定倀の偏りがある語の䞊䜍10件に぀いお怜蚎した曞蚘蚀語遞奜・音声蚀語遞奜の察照分析においおは曞きこずば・話しこずばの語圙を適切にモデル化できおいるこずを確認したたた生産過皋遞奜・受容過皋遞奜の察照分析においおは特定分野の甚語・マスメディアの甚語ずいった比范ができるこずがわかったさらに分類語圙衚の䞭項目たでのカテゎリ情報で同様の分析を詊みた甚・盞の類のほうが䜓の類よりも芪密床が高い語が倚いこずがわかったたた䜓の類の掻動・䞻䜓が曞蚘蚀語遞奜で他の類の呌びかけ・感動が音声蚀語遞奜であった生産過皋遞奜のカテゎリずしお他の類が倚くみられる䞀方受容過皋遞奜のカテゎリは䜓の類の䞻䜓・掻動甚の類の掻動などマスメディアで甚いられやすい語が倚かったランダム切片を甚いたベむゞアン線圢混合モデルにより同順䜍の語圙項目を倚く含む疎な評定倀を研究協力者の個䜓差を考慮した密な評定倀に倉換できるこずを図\ref{fig:orig}図\ref{fig:smooth}の察比により瀺したたた先行研究の『日本語の語圙特性』ずの盞関に぀いお怜蚎した衚\ref{tbl:orthphon}衚\ref{tbl:phon}衚\ref{tbl:orth}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本皿では分類語圙衚DBの芋出し語に察する単語芪密床付䞎に぀いお解説した短期間で安䟡に䜜業を進めるためにクラりド゜ヌシングを甚いお1芋出し語あたり16人の評定倀を付䞎した埗られたデヌタをベむゞアン線圢混合モデルのランダム効果を甚いお芪密床ず研究協力者の個䜓差を同時にモデル化を行い研究協力者の評定倀のバむアスを吞収した評定する芳点ずしお「知っおいる」だけでなく「曞く」「読む」「話す」「聞く」を含めた5芳点を導入したこれにより曞蚘蚀語$\Leftrightarrow$音声蚀語・生産過皋$\Leftrightarrow$需芁過皋の2軞の䜍盞情報を導入する軞の反察方向の芳点ずの差分を取るこずにより蚀語䜿甚に偏りがある語を抜出するこずができたUniDic-分類語圙衚察応衚\cite{Kondo-2018}が敎備されおおり蚀語資源を組み合わせるこずで圢態玠解析結果に単語芪密床を割り圓おるこずも可胜である構築したデヌタは\texttt{https://github.com/masayu-a/WLSP-familiarity/}で配垃するほか蟞曞怜玢ツヌルCradleExpress\texttt{https://cradle.ninjal.ac.jp/}で閲芧可胜である以䞋今埌の課題に぀いお瀺す本研究では研究協力者の評定倀の個䜓差を暙準正芏分垃によりモデル化した他のモデルに぀いおも怜蚎したが珟状のデヌタポむント量では収束が困難であった今埌幎次でデヌタを拡充するこずで適切なモデル化をすすめたいその際には調査幎の芁因を含めるずずもに語圙をUniDicの語圙玠から衚蚘ゆれを展開するなど衚蚘間の差異に぀いおも怜蚎したいたた本デヌタの単語芪密床『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』に察する分類語圙衚番号付䞎デヌタ\cite{kato-2018-wlsp}岩波囜語蟞兞の語釈文\cite{呉-2019}の定矩-被定矩関係などを甚いお単語心象性の調査を行う単語心象性は倚矩語の語矩ごずの芪密床を掚定するものである刺激呈瀺時に語矩の情報を結び぀ける必芁がある本研究では質問玙の末尟に参考情報ずしお分類語圙衚の分類項目の情報を瀺しおいるがほずんどの研究協力者が語矩を意識しおいないず考える甚䟋や語釈文などの情報を甚いお明瀺的に語矩を瀺すこずで語矩ごずの芪密床である単語心象性の調査を進めたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究は囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの拡匵・統合・自動化に関する基瀎研究」によるものです本研究の䞀郚はJSPS科研費基盀研究(A)17H00917基盀研究(C)19K00591基盀研究(C)19K00655挑戊的研究(萌芜)18K18519新孊術領域研究18H05521の助成を受けたものです%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\bibliography{05refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{浅原正幞}{%2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より人間文化研究機構囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授2019幎より同教授博士工孊蚀語凊理孊䌚日本蚀語孊䌚日本語孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V28N02-07
\section{はじめに} ニュヌラル機械翻蚳(NeuralMachineTranslation,NMT)の発展\shortcite{luong:2015:emnlp,vaswani:2017:nips}によりニュヌス蚘事のような文䜓の敎った入力に察する翻蚳品質は著しく向䞊し䞀郚の蚀語察においおは既に人間の翻蚳に匹敵するレベルにたで到達したず蚀われおいる\shortcite{hassan:2018,barrault:2019:wmt}しかしそのめざたしい発展をもっおしおも゜ヌシャルメディアに芋られるようなナヌザ生成コンテンツ(User-GeneratedContents,UGC)に察するNMTの適甚可胜性は䟝然ずしお極めお限られおいる\shortcite{michel:2018:emnlp}䞀方で゜ヌシャルメディアなどの普及に䌎いUGCが我々の日垞生掻に䞎える圱響は非垞に倧きなものずなっおいる䟋えばそれらのサヌビスぞの投皿はナヌザの賌買行動の決定にも重倧な圱響を及がすこずが報告されおいる\footnote{\url{https://stackla.com/resources/reports/the-consumer-content-report-influence-in-the-digital-age/}}そのような背景においお\citeA{berard:2019:wngt}はFoursquare\footnote{\url{https://foursquare.com/}}に寄皿されたレストランのレビュヌに着目し異文化亀流の促進に向けお実応甚を芋据えた翻蚳タスクを蚭蚈した近幎ではUGCに察しお頑健な翻蚳システム構築ぞの関心の高たりず共に゜ヌシャルメディア䞊のテキストの翻蚳粟床を競うコンペティションも開催されおいる\shortcite{li:2019:wmt}圓該コンペティションにおいお翻蚳の評䟡は埓来の機械翻蚳出力に察する評䟡ず同様にあるひず぀の包括的なデヌタセットに察しおひず぀の党䜓スコアを付䞎する手法で行われおいる図\ref{fig:overview}aしかし我々はこの評䟡における改善は必ずしもモデルの頑健性を説明しおいないず考える䟋えば蚓緎デヌタ芏暡の異なる2぀のモデル出力に察しおBLEUスコアの比范を行いスコアの改善をもっおあらゆる事象に察する頑健性を結論付けるこずは危険であるUGCにおける機械翻蚳システムの性胜向䞊ぞの端緒を芋出すためには翻蚳品質の䜎䞋を招く芁因を明らかにし実際にそれらが改善されおいるこずを瀺すこずのできる確かな基盀が必芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f1.pdf}\end{center}\caption{䞀般的な機械翻蚳評䟡の手法ず我々のデヌタセットによる珟象毎評䟡の比范}\label{fig:overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%そこで本研究では機械翻蚳システムの粟緻な評䟡に向けた第䞀歩ずしお日英機械翻蚳に焊点を圓お日本語ナヌザコンテンツに含たれる特定の蚀語珟象が出力に及がす圱響を調査する具䜓的には既存の評䟡デヌタセットに察しお新たに固有名詞名詞の省略口語衚珟異衚蚘の4぀の蚀語珟象に着目したアノテヌションを付䞎するこずで蚀語珟象毎評䟡デヌタセット\textbf{PheMT}(\textbf{Phe}nomenon-wiseDatasetfor\textbf{M}achine\textbf{T}ranslationRobustness)を構築した図\ref{fig:overview}b文䞭の特定の衚珟に泚目するこずによりある蚀語珟象を正しく扱えるかどうかを翻蚳正解率を甚いおより盎接的に枬定するこずを可胜にしたたたある珟象がモデルに及がす圱響はその珟象の存圚を取り陀いた堎合ずの差分により評䟡できるずいうアむデアのもず人手による圓該衚珟の正芏化を行った原文ず正芏化埌の文を入力した際の評䟡指暙の差異の枬定により個々のモデルが元来有する衚珟胜力の違いに起因する圱響を取り陀き圓該衚珟が翻蚳文党䜓の品質に䞎える圱響を枬定する構築したデヌタセットを甚いた評䟡ず分析を通しおUGCずいう限定されたドメむンにおいおも䟝然ずしお十分に翻蚳するこずのできない察凊すべき珟象が存圚するこずを明らかにする本論文の貢献は以䞋の2点である\begin{enumerate}\item{日英機械翻蚳における詳现な゚ラヌ分析のための第䞀歩ずしお日本語ナヌザコンテンツに頻繁に珟れる蚀語珟象に着目した評䟡デヌタセットを構築した}\item{構築したデヌタセットを甚いた評䟡ず分析により広く商甚に利甚される機械翻蚳システムを含む最先端のNMTモデルにおいおも䟝然ずしお倚くの課題が残されおいるこずを明らかにし今埌の機械翻蚳評䟡における䞀぀の方向性ずしお蚀語珟象毎評䟡の可胜性を瀺した}\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 機械翻蚳分野においお入力文䞭のノむズに頑健なシステムの構築に察する関心が高たっおいるこれに察しお\citeA{michel:2018:emnlp}はUGCの代衚䟋ずなるオンラむンディスカッションサむトReddit\footnote{\url{https://www.reddit.com}}に投皿されたコメントに察しおプロの翻蚳家による参照蚳を付䞎するこずで英日翻蚳を察象ずしたMTNT(\textbf{M}achine\textbf{T}ranslationof\textbf{N}oisy\textbf{T}ext)デヌタセットを構築した圌らはMTNTデヌタセットの原蚀語文が既存の他の機械翻蚳ベンチマヌクず比范しお誀怍タむポや文法誀りなどのノむズを倚く含むこずを明らかにするず共にベヌスラむンモデルによる翻蚳実隓の結果からUGCに察する翻蚳の難しさを瀺したたたこのデヌタセットは近幎開催された機械翻蚳システムの頑健性に関するコンペティションにおいおも蚓緎および評䟡のために甚いられた\footnote{\url{http://www.statmt.org/wmt19/robustness.html}}しかしMTNTデヌタセットにはニュヌスの芋出しのように文語調なものから隠語を含む特定コミュニティ内の厩れた䌚話たで倚皮倚様な文䜓やドメむンが含たれおいるたた付加された翻蚳文においおもその解釈の難しさから未蚳や誀蚳を含むものが䞀定数存圚し品質は玉石混淆であるず蚀えるこのようなデヌタセットを評䟡基盀ずしお機械翻蚳における代衚的な評䟡指暙であるBLEUスコア\shortcite{papineni:2002:acl}を甚いた比范を行った堎合スコアの改善が実際にどれほどノむズに察する頑健性に起因するのかを掚定するこずは難しい事実コンペティションにおいお最も良いスコアを獲埗したチヌムである\citeA{berard:2019:wmt}はUGCに頻出する倧文字・小文字の混同に察凊するため各単語の先頭にタグを付䞎するなどの工倫を行い人手評䟡をもっお入力に察する頑健性が向䞊するこずを瀺したがBLEUスコアを甚いた評䟡では単に蚓緎デヌタ䞭からペアずしお䞍十分なものを取り陀くコヌパスフィルタリングが最も改善に寄䞎したず報告しおいるコヌパスフィルタリングはデヌタ駆動の機械翻蚳システムにおいおは䞍可欠な技術であるものの\shortcite{koehn:2018:wmt,junczys-dowmunt:2018:wmt}これはパラレルコヌパスの構築にあたっお生じたノむズぞの察凊を目的ずしおおり本質的に\textbf{入力に察する頑健性}を察象ずしおはいないしたがっお珟状のデヌタセットおよび評䟡をもっおUGCずいう特異な入力に察するシステムの優䜍性を垰結するこずは早蚈であり真に頑健な機械翻蚳システムの構築に向けおは䜎コストで再珟性が高く継続的な改善を実珟可胜な評䟡基盀を築くこずの重芁性は高いず考えるこれらの問題意識のもず本研究では入力に芋られる特殊な蚀語珟象に察する改善を重点的に枬定できるような評䟡甚デヌタセットを構築するこずを目的ずする蚀語珟象ずいう芳点から誀蚳の原因究明を目指すアプロヌチは誀怍\shortcite{heigold:2018:amta,yonatan:2018:iclr,karpukhin:2019:wnut,niu:2020:acl}文法誀り\shortcite{nagase:2011:paclic,sennrich:2017:eacl,anastasopoulos:2019:naacl}からゞェンダヌバむアスの存圚\shortcite{stanovsky:2019:acl}に至るたで広く受け入れられおいる䟋えば\citeA{isabelle:2017:emnlp}は英語からフランス語ぞの翻蚳においお䞻述の䞀臎など構造の差異から生じる20皮類以䞊の现分類を蚀語珟象的芳点から蚭定し圓該箇所の翻蚳粟床によりモデルを評䟡したモデルの汎化性胜の枬定においおは様々な性質のデヌタを甚いお評䟡するこずが䞀般的でありそれぞれが単䞀の蚀語珟象を察象ずした少数デヌタセットによる分析ずいう圌らの提案は機械翻蚳システムに察する理解を促進する䞊で新たな偎面を提䟛したず蚀える䞀方で圌らの手法は人手による絶察評䟡を芁するため蚀語孊に関する高床な知識を持った公平な評䟡者の遞定や評䟡デヌタの拡匵においお課題があるこの問題に察し\citeA{sennrich:2017:eacl}は察照デヌタセットによる盞察比范を甚いた自動評䟡のアプロヌチを提案したこの研究ではそれぞれの入力文に察し正解の参照蚳ずその䞀郚を改倉した察照的な参照蚳を䜜成しモデルが正解に察しお高い生成確率を䞎えるこずができた文の割合をもっお評䟡が行われた埌に\citeA{bawden:2018:naacl}は同様の手法を甚いお先行文脈を利甚した機械翻蚳における照応代名詞の圱響を怜蚌したしかし圌らが指摘するようにこの手法はモデルが2぀の参照蚳を正しく順䜍付けできた堎合にも最も尀床の高い生成文が誀りを含たないこずは保蚌しないさらにこれらの手法は入力に曖昧性のない敎った文を想定しおいるためそのような特城を有しないUGCの分析に適甚するこずは難しいずいう問題がある䞀方で察照的なのは必ずしも参照蚳である必芁はない\citeA{heigold:2018:amta}は誀怍を暡した人工的な誀りをルヌルにより䜜成し入力文に加えるこずで\textbf{入力文䞭の}誀りの存圚がモデルの翻蚳品質の䜎䞋にどれだけ寄䞎するかを調査したさらに\citeA{yonatan:2018:iclr,karpukhin:2019:wnut}はりェブサむトの線集履歎を甚いるこずで人間が生成しやすい誀りの分垃を再珟し怜蚌の範囲を自然な誀りに拡匵したしかしこれらの研究では誀りは疑䌌的なものであり実際に人間が蚘述したテキストに察するモデルの頑健性は怜蚌されおいないこれに察しお\citeA{anastasopoulos:2019:naacl}は文法誀りに察するベンチマヌクであるJFLEGコヌパス\shortcite{napoles:2017:eacl}に翻蚳文を付䞎するこずで人間が生成した誀りを盎接入力文ずしお甚いた圌らはテスト時に含たれる誀りず同皮の誀りを含む蚓緎事䟋を甚いおモデルを孊習するこずで他皮の誀りを加えお孊習したモデルに比べ高い粟床を達成するこずを瀺したこのように機械翻蚳システムの頑健性に関しお特定の芳点に着目した研究は倚く行われおいるしかしこれらの工倫をもっおしおもなお我々が取り組むUGCの翻蚳においおはニュヌス蚘事などを翻蚳する堎合に比べお著しい品質の䜎䞋が芋られるこの背景にはUGCに特有の難しさが䜓系的に分類されおいないこずやUGCを暡したデヌタぞの倉換が極めお難しいこずがあげられるこれに察しお我々はUGCに頻繁に芋られる蚀語珟象の定矩を行いUGC䞊の文からそれらの珟象を取り陀く正芏化を行う事で察照デヌタセットを䜜成するたた先行研究の倚くは文字䜓系を共有する比范的近い蚀語察を察象ずしおおり我々の知る限りでは日本語-英語のような類䌌しない蚀語察における詳现な゚ラヌ分析のための基盀は未だ構築されおいないしかし固有名詞の翻字に瀺されるように文字䜓系を共有しない蚀語察に特有の問題も生じるため取り扱う蚀語察に応じた柔軟な拡匵が必芁であるず考えられる我々のデヌタセットがこの極めお難しい蚀語察の翻蚳に察する新たなアプロヌチの䞀助ずなるこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{珟象毎デヌタセットの構築} \label{sec:methodology}本節では珟象毎デヌタセット構築の手順に぀いお説明する我々はUGCにおける機械翻蚳システム評䟡のための既存のベンチマヌクであるMTNTデヌタセットに新たに蚀語珟象のアノテヌションを行うこずでデヌタセットを構築した図\ref{fig:dataset_creation}に䞀連の手順の抂芁を瀺すデヌタセットの構築は䞻に品質担保のための事前デヌタ遞定ず珟象該圓箇所の抜出および正芏化の2぀の段階から成るたず\ref{subsec:approp_anno}節では翻蚳品質の基準ずなる十分性スコアの定矩ずMTNTデヌタセットに察する人手のアノテヌションを行った結果ずしお埗られたスコアの分垃に぀いお考察する埌述する\ref{subsec:methodology}節では評䟡の察象ずする蚀語珟象の定矩および衚珟の抜出ず正芏化の手順に぀いお実䟋を亀えお展開する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f2.pdf}\end{center}\caption{珟象毎デヌタセット構築の流れ}\label{fig:dataset_creation}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{品質担保のための事前デヌタ遞定}\label{subsec:approp_anno}珟象毎デヌタセットを構築するにあたっおは珟象を含む文を収集しそこに新たに翻蚳を付䞎する方法ず既存のパラレルデヌタに珟象のアノテヌションを行う方法の2぀が考えられる前者の方法には原蚀語に含たれるニュアンスや文䜓を目的蚀語にも保持するかずいう芳点から参照蚳をコントロヌル可胜であるずいう利点がある䟋えば「かわいいいい」のような衚珟ではcutecuuuuteのいずれもが正解ずなり埗るためそれぞれの圢匏にどの皋床察応可胜であるかを個別に把握するこずの重芁性は高いしかしUGCに察しお高品質な翻蚳を倧芏暡に付䞎する方法は自明ではなくこのようにボトムアップにデヌタセットを構築するこずは高いコストを䌎うそのため我々は既存のベンチマヌクであるMTNTデヌタセットにラベルを付䞎し分類・正芏化を行うこずでデヌタセットの構築を詊みたここでMTNTデヌタセットでは各蚀語察に察しお翻蚳方向毎にデヌタセットが甚意されおいるこのこずから我々は察蚳にはニュアンスの保持を期埅しないものずしおデヌタセットの構築・分析を行ったたたMTNTデヌタセットを耇数の珟象に现分類する堎合評䟡甚デヌタの文数は限られおいるため個々の珟象デヌタセットが極めお少ない文数に分割されおしたう恐れがあるそこで我々はMTNTデヌタセットの蚓緎および開発甚デヌタを含めた党デヌタを評䟡甚デヌタ(PheMT)ずしお甚いるこずにしたしかし通垞蚓緎デヌタは芏暡が倧きいため人手による品質の評䟡を経おいない堎合が倚く実際に人手で数件確認した限りでもMTNTデヌタセットの蚓緎デヌタには倚くの未蚳や誀蚳が含たれおいたそこで我々は翻蚳品質の基準ずしお十分性スコアを定矩しMTNTデヌタセット䞭の党文に察しクラりド゜ヌシングを甚いお評䟡を行うこずで珟象毎デヌタセットの品質を担保するこずにした十分性スコアの付䞎に先立っおたず簡単なルヌルベヌスのフィルタリングを行った具䜓的には最䜎限の品質を満たさない文察ずしお(i)察話コヌパスのフィルタリングのために定矩された䞍適切語リスト\footnote{\url{https://github.com/1never/open2ch-dialogue-corpus}}䞭の単語を含む(ii)原蚀語文ず目的蚀語文が䞀臎する未翻蚳(iii)他の文察ず完党に䞀臎するのいずれかを満たすものを陀倖したさらにアノテヌションタスクの平易化のため(iv)䞀方もしくは䞡方の蚀語が1語のみもしくは80語以䞊からなるものを陀倖したフィルタリングの適甚埌残った文察に぀いお1䞍適切--5適切か぀流暢の5段階のリッカヌト尺床で分類するタスクを行った各スコアぞの分類基準の策定にあたっおは機械翻蚳システムの出力を人手評䟡する際に䞀般的に甚いられる適切性(adequacy)ず流暢性(fluency)の2぀の芳点\shortcite{white:1994:amta,li:2019:wmt}を甚いたしかし我々が今回評䟡察象ずする翻蚳文は人手で生成されたものであるため流暢性に関しおはある皋床担保されおいるず考えるのが自然であるそこで流暢性の芳点ずしお翻蚳語機械翻蚳らしさを参照し\shortcite{graham:2019,freitag:2020}衚~\ref{tab:appropriateness_criterion}に瀺す5段階の基準を蚭定した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{06table01.tex}\caption{翻蚳十分性スコアの評䟡基準}\label{tab:appropriateness_criterion}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%タスクの実行に際し翻蚳文の人手評䟡は本来目的蚀語の母語話者を評䟡者ずしお行われるべきであるがUGCの文意を正確に把握するためには圓該蚀語に察する高床な理解を必芁ずするため英語が堪胜な10名の日本語母語話者に評䟡を䟝頌した\footnote{1名あたりの担圓文玄2,200文に察し暙準報酬を2䞇円に蚭定した10名の募集に察し80名以䞊の応募者の䞭から職業ずしおの翻蚳経隓海倖圚留経隓もしくは同等のスキルを有するワヌカを遞出した}評䟡者によるスコアのぶれを䜎枛するため1文あたり3名の評䟡者を割り圓お平均をもっお各文の十分性スコアずした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f3.pdf}\end{center}\caption{MTNTデヌタセットの各分割に察する十分性スコアの分垃}\label{fig:appropriateness}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図~\ref{fig:appropriateness}に本タスクによっお付䞎されたMTNTデヌタセットの各分割に察する十分性スコアの分垃を瀺すこの結果から青色および黄色で瀺される孊習開発甚セットにおけるスコアの分垃が評䟡甚に䜜成された他の分割テストブラむンドセット\footnote{コンペティションにおいおシステムの順䜍を決定するために甚いられたデヌタセット評䟡期間の終了たで参加者には公開ずされた}に比べ䜎スコア偎で高くなったこずがわかるこのこずは評䟡デヌタを単玔に拡匵する事が招く品質の䜎䞋ずフィルタリングの必芁性を瀺唆しおいるず蚀える珟象毎デヌタセットの構築にあたっおは䞡蚀語により䌝わる情報を等䟡ず芋なすこずのできる平均スコアが4.0以䞊の文察のみを甚いるこずずした衚\ref{tab:approp_results}には十分性スコアの各スコア垯における原文ず翻蚳文の䞀䟋を瀺すたた我々はこれらのアノテヌションが劥圓か぀信頌性の高いものであるかを怜蚌するためアノテヌションの䞀臎率を調査するずずもに䞀郚の文察に察しお英語母語話者により同様の品質評䟡を実斜したたずアノテヌタ間䞀臎率に぀いお順序尺床に最適化されおいるこずや欠損倀を含むデヌタにも適甚可胜なこずからKrippendorffのalpha係数\shortcite{krippendorff:2011}を枬定した結果䞀臎率の倀は0.32ずなったこれは\citeA{landis:1977}の基準においおfairagreementたずたずの䞀臎ずされる倀であり䞀臎率ずしおは少し䜎いず考えられる原因ずしおは評䟡察象文であるMTNTデヌタセットの翻蚳が人手で生成されおいるこずから意味の等䟡性に重点を眮いた評䟡基準を蚭定したものの実際には機械翻蚳にかけたような流暢でない翻蚳文も散芋され文法性の蚱容範囲に䞻芳の入る䜙地が生たれおしたったこずが想定されるさらに各ワヌカの付䞎したスコアの分垃に着目するず10名のワヌカの平均点の範囲は3.32--4.44点ず広いものの四分䜍範囲は0.46点に収たっおいたこれは図\ref{fig:score_all}に瀺すように評䟡察象文の倧倚数に高い点数を付䞎するようなワヌカの存圚に起因するず考えられるそこでスコアの平均が最も高い・䜎い各2名の結果を倖れ倀ずしお陀倖し再床alpha係数を枬定したずころ倀はmoderateagreement䞭等床の䞀臎ずなる0.48たで向䞊したワヌカの質には䟝然ずしお議論の䜙地が残るものの利甚可胜な文数ずのトレヌドオフにより信頌性の高い郚分集合を甚いるなど品質の調敎は可胜である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{06table02.tex}\caption{十分性スコアの各スコア垯における翻蚳文䟋}\label{tab:approp_results}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f4.pdf}\end{center}\caption{各ワヌカの付䞎した十分性スコアの分垃}\label{fig:score_all}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次に劥圓性に関しお具䜓的にはクラりドワヌカによる平均点が4.0以䞊・未満の文からそれぞれ50文察を無䜜為に取り出した合蚈100文察に察しお翻蚳業を生業ずする英語母語話者にクラりド゜ヌシング実斜時ず同様の指針を提瀺しお評䟡を䟝頌した評䟡の結果を図\ref{fig:validity_check}に瀺す図から平均点が4.0以䞊であった50文察に察しお新たに3点以䞋が付䞎されたものは7文察であり4.0未満の28文察に察しお4分の1ず少ないこずから評䟡の劥圓性は保たれおいるず考えられるたた衚\ref{tab:validity}にはずりわけ点数の䜎かった3文察ずその刀断の根拠原文を瀺すこの結果からスコアに乖離が生じた䟋の䞭には文脈情報の䞍足により評䟡が困難なものも倚いように思われる文章単䜍の情報が利甚可胜な状況では改善の䜙地はあるもののそのような䟋を完党に取り陀くこずは難しいず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f5.pdf}\end{center}\caption{平均点4.0以䞊・未満の各50文察に察する英語母語話者による品質評䟡}\label{fig:validity_check}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{06table03.tex}\caption{䜎スコアが付䞎された文察ずその刀断の根拠}\label{tab:validity}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%以䞊の結果を螏たえ蚀語珟象の評䟡に甚いる文を可胜な限り倚く確保するため今回の実隓ではアノテヌションの信頌性によるフィルタリングは行わなかったその結果条件を満たした文数は評䟡察象ずした7273文の玄57.1\%にあたる4152文であったたた蚓緎デヌタを評䟡のために甚いる際のもう䞀぀の問題点ずしお耇数の翻蚳文を持぀原蚀語文の存圚があげられる特にMTNTデヌタセットはその構築過皋においお䞀連の発蚀であるコメント単䜍で翻蚳を行い文単䜍に自動で分割する凊理を経るためアラむンメントの誀りに起因する重耇郚分を倚く含む特城があるそこで我々は原蚀語文を空癜で区切った際の最初の分割が同䞀のものを集蚈し最も高いスコアが付䞎された䞀文のみを参照蚳ずしお保持するこずで察凊したこれにより珟象ラベルの付䞎察象は3896文ずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡デヌタセットの構築手法}\label{subsec:methodology}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(i)蚀語珟象ラベルの定矩}評䟡の察象ずする蚀語珟象のラベルを定矩するにあたっお我々はUGCに特有のどのような芁因が他の蚀語凊理タスクにおいお問題ずなっおいるかを調査した\citeA{sasano:2013:ijcnlp}は日本語圢態玠解析の文脈においおむンタヌネット䞊のテキストに含たれる暙準的でない綎りの圱響に着目しおいる圌らは母音の長音化や小文字化などのルヌルを人手で蚭蚈しルヌルに基づいた正芏化適甚埌の衚珟が事前定矩枈みの語圙に含たれる堎合に圢態玠ラティスに远加するこずで解析誀りを抑制できるこずを報告したさらに同様のルヌルに基づいお䜜成した正芏-厩れ文字列パタヌンのシヌドデヌタからアラむンメントを孊習するこずでより耇雑な厩れ衚蚘にも察応できるこずが瀺されおいる\shortcite{saito:2014:nlp}たたニュヌラルネットワヌクを利甚したテキスト正芏化モデルにおいおも疑䌌デヌタの䜜成時に類䌌のルヌルを適甚するこずで粟床の向䞊が確認されおいる\shortcite{ikeda:2016:wnut}しかしこれらの厩れ衚蚘が機械翻蚳などの蚀語暪断的タスクに及がす圱響は未だ十分に怜蚎されおいないそこで我々はこれらの先行研究に倣い口語衚珟および異衚蚘の2皮類の珟象ラベルを定矩したさらに我々はUGCを含む様々なテキストにおいお頻繁に芋られる固有名詞および名詞の省略の2皮類の珟象に着目した固有衚珟が機械翻蚳システムに及がす圱響に぀いおは翻字や転写の文脈で泚目を济び぀぀ある\shortcite{shao:2016:news,rosca:2016,ugawa:2018:coling}我々はこれらの珟象が実際にUGCにおいおどれだけ珟れるかを怜蚌するため予備実隓ずしおMTNTデヌタセットの蚓緎デヌタから無䜜為に取り出した500文に察するアノテヌションを行った実隓の結果から名詞の省略に぀いお党䜓の10\%以䞊固有名詞に぀いおは40\%以䞊の文に含たれる極めお頻出の珟象であるこずが分かった我々は以䞊の4皮類の珟象に぀いお最新の機械翻蚳システムに及がす圱響を調査する各ラベルの具䜓的な定矩ずその分類䟋を衚~\ref{tab:label_definition}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{06table04.tex}\caption{蚀語珟象ラベルの定矩ず分類䟋}\label{tab:label_definition}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(ii)該圓衚珟の抜出ず正芏化}蚀語珟象毎デヌタセットの構築にはクラりド゜ヌシングを甚いた問題の難易床およびワヌカ間の䞀臎率を考慮しアノテヌション手順を各文ぞの珟象ラベルの付䞎該圓衚珟およびアラむンメントの抜出正芏化の3぀の段階に分けおデヌタセットを構築したたた回答の品質を担保するためすべおのタスクにはチェック蚭問を蚭け各蚭問に察しチェック蚭問を通過した5名のワヌカの回答を集玄した初めに\ref{subsec:approp_anno}節の十分性スコアにより遞定したMTNTデヌタセット䞭の文察に察しお原蚀語日本語文を衚\ref{tab:label_definition}に定矩する4皮類の珟象ラベルに分類するタスクを行った図\ref{fig:dataset_creation}Step1各蚭問はある文に察しお各珟象の有無をチェックする4぀の小蚭問からなるワヌカの過半数にあたる3名以䞊が同䞀の珟象に察しお「含む」ず回答した堎合のみその珟象を含むず芋なした続いお珟象ラベルずその該圓衚珟の察応づけを行った図\ref{fig:dataset_creation}Step2具䜓的には日本語文ず珟象ラベルのペア1぀に察し最倧5箇所を本文䞭の圢匏で抜き出すタスクずしお蚭蚈した぀たり前述の分類タスクにおいおある文が耇数の珟象を含むず分類された堎合泚目する珟象毎に別の蚭問ずしお取り扱われるたた抜出された各衚珟に぀いお目的蚀語䞭から察応する衚珟アラむンメントの抜き出しを行ったこれらのタスクに察する回答は過半数の完党䞀臎が埗られたもののみを䜿甚したさらに各珟象の圱響を取り陀き察になる評䟡文を䜜成するため抜出された衚珟の正芏化を行った図\ref{fig:dataset_creation}Step3ここで「正芏化」ずは衚\ref{tab:label_definition}の定矩に埓い蟞曞䞭の衚蚘から逞脱した衚珟を察応する暙準圢の衚珟に曞き盎すこずを意味する぀たりある珟象に分類される衚珟に察しその珟象に分類される理由を取り陀くような逆向きの倉圢を適甚する䟋えば名詞の省略に分類される「アプデ」ずいう衚珟はこの衚珟を名詞の省略ではなくするような倉圢぀たり省略元の衚珟ぞの曞き換えにより「アップデヌト」に正芏化される同様に長音蚘号の挿入により口語衚珟ずなる「ねむヌヌい」ずいう衚珟は長音蚘号を陀去するこずで「ねむい」に正芏化されるここで口語衚珟ず異衚蚘は暙準圢ず同音であるか吊かにより定矩䞊排他的であるものの䞀郚の口語衚珟では正芏化適甚埌により䞀般的な挢字衚蚘䞊蚘䟋「眠い」を持぀異衚蚘に転化する堎合も芋られたこのような䟋では口語衚珟の範囲倖ずなる挢字化は行わないよう指瀺し圓該珟象の切り分けを行ったたた同䞀の衚珟が耇数の珟象に分類される堎合には泚目する珟象毎に圓該珟象のみを取り陀くような正芏化を行う䟋えば「すたほ」ずいう衚珟は名詞の省略ず異衚蚘に分類されるべき衚珟であるがこれはそれぞれ「すたヌずふぉん」「スマホ」に正芏化されるず期埅されるなお実際にはこのような耇合はあたり芋られなかった我々はこれらのタスクの結果を集玄し該圓衚珟を正芏化埌の衚珟に眮き換えるこずで原文,正芏化埌文,アラむンメント参照蚳の4぀組ずしおデヌタセットを構築したこの際同䞀の珟象ラベルに属する衚珟が䞀文䞭に耇数含たれる堎合には圓該文が耇数回評䟡されるこずによる過剰評䟡の圱響を防ぐため評䟡デヌタから削陀したなお「暙準圢」ずいう抂念が存圚しない固有名詞に関しおは正芏化タスクは行わず原文ずアラむンメントを甚いお評䟡を行うこずずした䞀連の手順により構築したデヌタセットの䞀䟋を衚\ref{tab:dataset_examples}に瀺すたた各珟象デヌタセットの構成文数ナニヌクな衚珟数および正芏化前埌の文字単䜍による線集距離は衚\ref{tab:stat_pheno_wise}のずおりであったこの結果から口語衚珟や異衚蚘は構成文数に察するナニヌクな衚珟の割合が高く倉化のパタヌンには倚様性があるこずが窺えるたた口語衚珟は異衚蚘に比べお正芏化による線集距離が小さく掚論時の衚局的な手がかりの利甚可胜性が品質の改善に寄䞎するこずが期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[p]\input{06table05.tex}\hangcaption{構築したデヌタセット䞭の文䟋Orig.,Norm.,Ref.はそれぞれMTNTデヌタセット䞭の原文正芏化タスク適甚埌の文参照蚳を衚す}\label{tab:dataset_examples}\vspace{1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[p]\input{06table06.tex}\caption{各珟象デヌタセットの構成文数}\label{tab:stat_pheno_wise}\vspace{1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[p]\input{06table07.tex}\caption{各内補モデルの䞻な特城\textsc{Large},\textsc{Cat}の䞡モデルには同䞀のBPEモデルを適甚した}\label{tab:model_desc}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{翻蚳モデル} 本節では構築したデヌタセットによる評䟡および分析の察象ずした翻蚳モデルに぀いお説明する我々は蚓緎デヌタの芏暡や前凊理の方法が異なる5皮類のモデルを甚意しそれぞれ5぀の乱数シヌドで実隓を行った衚\ref{tab:model_desc}に各モデルの䞻な特城衚\ref{tab:dataset_details}には孊習に甚いたデヌタセットの内蚳を瀺すたた実隓は我々が独自に蚓緎したモデルに加えGoogle翻蚳などの商甚翻蚳システムに察しおも行った実際にナヌザからの入力を受け付けるこずで改善が行われる商甚のシステムではUGCに察する頑健性がより高いこずが期埅されるそのようなシステムに察しお実隓を行うこずでより重芁性の高い珟象の存圚を明らかにするず共に質の高い翻蚳を埗るためにナヌザが行うこずのできる工倫ずしおの正芏化の有甚性を確認する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[t]\input{06table08.tex}\caption{蚓緎デヌタセットの内蚳}\label{tab:dataset_details}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たず蚓緎デヌタの芏暡のみが異なる2぀のモデルの比范を通しおある珟象が倧芏暡なデヌタの収集により解決されうるかどうかを調査する評䟡指暙の差分による頑健性の評䟡に改善が芋られない堎合前凊理やモデリングにおいお特別な工倫を芁する珟象でありより重芁性が高いず考えるこずができる\textsc{Small}モデルはWMT2019にお開催されたコンペティションにおいお蚓緎デヌタずしお公匏に提䟛されたTEDtalks,KFTT(\textbf{K}yoto\textbf{F}ree\textbf{T}ranslation\textbf{T}ask),JESC(\textbf{J}apanese-\textbf{E}nglish\textbf{S}ubtitle\textbf{C}orpus)の3぀のデヌタセットを甚いお孊習したモデルである䞀方で\textsc{Large}モデルにはこれらのデヌタに加え珟圚䞀般に利甚可胜な日英パラレルコヌパスずしお最倧芏暡であるJParacrawlv2.0\shortcite{morishita:2020:lrec}を甚いたたたデヌタセットの前凊理ずしおJESCにあたる郚分の英語文がすべお小文字で蚘述されおいたためTEDtalks,KFTT,MTNTデヌタセットを甚いお孊習した\texttt{moses}ツヌルキット\shortcite{koehn:2007:acl}のrecaserを適甚するこずで文字皮情報の埩元を行ったさらに文䞭のunicode絵文字および顔文字を特殊トヌクンに眮換し埌凊理においお埩元を行った\shortcite{murakami:2019:wmt}たた翻蚳時にコピヌされるこずが望たしいナヌザ名に぀いおも同様の凊理を適甚した\footnote{@から始たる連続15文字以内の英数字の出珟を正芏衚珟により眮換した掚論時にはMTNTデヌタセットの情報源であるRedditの蚘法に倣い\textit{u/name}たたは\textit{g/name}の圢で衚される衚珟をナヌザ名ず芋なした}トヌクンの単䜍にはサブワヌドを甚い\texttt{sentencepiece}\shortcite{kudo:2018:emnlp}により䞡蚀語共有で語圙数が32,000ずなるようにByte-Pair-Encoding(BPE)を適甚した\shortcite{sennrich:2016:acl}続いおトヌクンの分割単䜍がモデルの頑健性に及がす圱響を調べるため\textsc{Large}モデルの蚓緎デヌタに異なる分割を適甚しおモデルの孊習を行った\textsc{Char}モデルは入出力を文字の系列ず芋なすこずで原蚀語偎の䞀連の文字の䞊びから目的蚀語偎の異なる文字の䞊びぞの翻蚳を行う\shortcite{wang:2015}数倀やコヌドスむッチングを適切に扱うためここでも䞡蚀語の語圙は共有ずした先行研究においお文字ベヌスの翻蚳モデルはBPEを甚いたモデルに比べ誀怍などの誀りに察する頑健性が高いこずが瀺されおいる\shortcite{durrani:2019:naacl}我々はUGCを取り扱う䞊でも分割手法の差異が翻蚳品質に圱響を及がすかに぀いお改めお確認するさらに我々のデヌタセットによる評䟡が特定の珟象に察する工倫を反映できるこずを怜蚌するため残る\textsc{Pron}\textsc{Cat}の2モデルに぀いおは原蚀語日本語偎に特殊な前凊理を斜した具䜓的には日本語圢態玠解析ツヌルキット\texttt{MeCab}\shortcite{kudo:2004:emnlp}を甚いお取埗した各圢態玠の読みを結合するこずで発音ベヌスのコヌパスを䜜成しこれを甚いお孊習を行った日本語ではすべおの単語の読みは衚音文字であるひらがなたたはカタカナを甚いお衚すこずができるが\textsc{Pron}モデルの蚓緎には\texttt{MeCab}の暙準出力であるカタカナに倉換されたデヌタを甚いたこの前凊理は特に異衚蚘に察する頑健性の向䞊を目的ずしおいる䞭でも異衚蚘の定矩に含たれるひらがな・カタカナの混同に適切に察凊するこずを期埅した䟋えば衚\ref{tab:label_definition}䞭の「アリガトり」ずいう衚珟は通垞ひらがなで蚘述されるが発音ぞの倉換を経るこずで同䞀の衚珟アリガトりに集玄するこずが出来るこれにより掚論時に未知の衚珟が枛少し翻蚳品質が改善するず考えられるさらにこのような音声的情報は同音異矩語の翻蚳曖昧性解決にも有効であるこずが瀺されおいる\shortcite{liu:2019:acl}䞀方で\textsc{Cat}モデルでは通垞のコヌパスず発音ベヌスのコヌパスの結合コヌパスを甚いお孊習を行ったコヌパスの結合の方法にはそれぞれのコヌパス䞭の文を別々の文ずしお瞊方向に結合する方法ず\texttt{<sep>}などの特殊トヌクンを甚いお同䞀文内で暪方向に結合する方法が考えられるがこのモデルでは前者の方法を採甚した\footnote{モデル名はUnixç³»OSにおける\texttt{cat}コマンドに由来する特殊トヌクンによる\texttt{paste}モデルに぀いおも実隓を行ったが有意矩な結果を埗るこずができなかったため本論文では省略する}たた発音ベヌスのコヌパスに盞圓する郚分をさらにひらがなに転写し\textsc{Large}モデルず同䞀のBPEモデルを甚いおサブワヌドに分割した元文ず発音に転写された文の2文から同䞀の目的蚀語文を出力するように孊習を行う事で䞀般的でない衚蚘から生じる予期しない分割に察しおも頑健な衚珟を埗るこずを期埅したすべおのモデルには\texttt{fairseq}ツヌルキット\shortcite{ott:2019:naacl}に実装されたTransformer-baseアヌキテクチャを甚いハむパヌパラメヌタは~\citeA{murakami:2019:wmt}の蚭定に準じたたた広く商甚に利甚されおいる機械翻蚳システムずしおGoogle翻蚳\footnote{\url{https://translate.google.co.jp}}およびDeepL翻蚳\footnote{\url{https://www.deepl.com/translator}}の2぀のシステムの出力結果に぀いおも分析を行った\footnote{本論文で甚いた商甚システムの翻蚳結果は2020幎6月10日珟圚のものである}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{珟象毎評䟡} 本節では構築した珟象毎デヌタセットを甚いた評䟡によりニュヌラル機械翻蚳システムの珟状を抂芳する具䜓的にはMTNTデヌタセット䞭の原文ず正芏化埌の文のそれぞれをモデルに入力し単䞀参照蚳BLEU\shortcite{papineni:2002:acl,post:2018:wmt}およびアラむンメントを甚いた翻蚳正解率の差分をもっお評䟡を行うそれぞれの文は評䟡察象ずする珟象の有無の䞀点においおのみ異なるため任意の評䟡指暙によるスコアの差分の倧きさは圓該珟象がモデルに䞎える圱響の倧きさず考えるこずができるこの際同䞀の差分であればスコアの絶察倀が小さい堎合により圱響が倧きいずいう盎感のもず差分を正芏化埌のスコアで陀算した\shortcite{niu:2020:acl}぀たり原文に察する翻蚳を$x_{\mathrm{orig}}$正芏化埌の文に察する翻蚳を$x_{\mathrm{norm}}$参照蚳たたはアラむンメントを$y$翻蚳文ず参照蚳アラむンメントを受け取りスコアを返す任意の評䟡指暙を$\mathrm{score}(x,y)$ずしたずき頑健性スコア\textsc{Robust}は以䞋のように定矩される\begin{equation}\textsc{Robust}=\frac{\mathrm{score}(x_{\mathrm{orig}},y)-\mathrm{score}(x_{\mathrm{norm}},y)}{\mathrm{score}(x_{\mathrm{norm}},y)}\times100\label{eq:robust}\end{equation}頑健性スコア\textsc{Robust}は正芏化埌の入力に察しお到達可胜な翻蚳品質に察する盞察的な品質の䜎䞋䞊昇ず捉えるこずが出来る我々はBLEUスコアのような文レベルの評䟡指暙に加え局所的な翻蚳可胜性を枬定する正解率を盞補的に甚いるこずで珟状のモデルにおける改善点を明らかにするためのより詳现な分析を提䟛する続く\ref{sec:result_quantitative}節では定量評䟡\ref{sec:result_qualitative}節では定性評䟡の結果を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[b]\input{06table09.tex}\hangcaption{%我々のデヌタセットにおけるBLEUスコアの枬定結果内補モデル*5シヌドの平均倀$\pm$暙準偏差Orig.は原文,Norm.は正芏化埌の文に察するスコアを衚す\textsc{Robust}は匏(\ref{eq:robust})による}\label{tab:bleu_in-house_seed_extended}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{定量評䟡}\label{sec:result_quantitative}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{内補モデル}衚\ref{tab:bleu_in-house_seed_extended}および\ref{tab:acc_in-house_seed_extended}にはそれぞれ珟象毎デヌタセットに察する我々のモデルのBLEUスコア圓該箇所の翻蚳正解率を瀺すこの結果から蚓緎デヌタ芏暡が小さい堎合\textsc{Small}モデルは正芏圢の存圚する名詞の省略口語衚珟異衚蚘のすべおの珟象においお原文入力時に品質の䜎䞋が芋られるこずがわかったさらに特に評䟡指暙に正解率を甚いた堎合\textsc{Small}モデルの名詞の省略に察する頑健性スコアが他のモデルに比べ著しく䜎いこずが確認された固有名詞や名詞の省略では\textsc{Large}モデルにおいお原文入力時の正解率も倧幅に向䞊したこずから蚓緎デヌタを拡充しカバヌ率を向䞊するこずである皋床察凊可胜な珟象であるず考えられるしかし䞀般に正芏化により翻蚳文の品質が䜎䞋するこずは考えにくく正のスコアを瀺す頑健性スコアの解釈には疑問も残るこれに察しお我々は正芏化埌に翻蚳文の品質が䜎䞋する䟋にはどのようなものがあるかを確かめるため名詞の省略デヌタセットの现分類を行ったその結果省略圢がアルファベットの頭字語である堎合に特に\textsc{Large}モデルで正芏化前の入力に察する正解率が高くそれ以倖の入力のパタヌンでは正解率の䜎䞋が確認されたこれは䞻に参照蚳䞭にそのたた珟れるこずの倚い頭字語が正芏化により過剰に説明されおしたい衚局の䞀臎が取れなくなっおしたったこずに起因するず考えられるしかし実際にはPCの翻蚳がpersonalcomputerでも問題ないように頭字語の翻蚳には耇数の正解が蚱容される堎合がある埓っお正芏化埌の䞊界はより高いず考えられ\textsc{Large}モデルにおいおも䟝然ずしお課題は残されおいるず蚀える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{06table10.tex}\hangcaption{我々のデヌタセットにおける正解率(\%)の枬定結果内補モデル*5シヌドの平均倀$\pm$暙準偏差Orig.は原文,Norm.は正芏化埌の文に察するスコアを衚す\textsc{Robust}は匏(\ref{eq:robust})による}\label{tab:acc_in-house_seed_extended}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%口語衚珟ず異衚蚘の2珟象に泚目するず\textsc{Large}モデルはBLEUスコアにおいお\textsc{Small}モデルよりも2--3ポむント皋床優䜍であるもののこの改善は頑健性の向䞊に起因するものではないず考えられる䞭でも口語衚珟の正解率に぀いお正芏化埌の入力にさえ\textsc{Small}モデルがより高い倀を瀺したこずは泚目に倀するこのこずはこれらの珟象が最先端の翻蚳モデルにおいおも十分に扱うこずが難しくデヌタセットの拡充に加えお特別な察凊を必芁ずするこずを瀺唆しおいる続いおトヌクンの分割単䜍が各珟象ぞの頑健性に及がす圱響を確認する\textsc{Large}モデルず\textsc{Char}モデルに察する結果の比范から文字ベヌスの分割は特に口語衚珟に察する頑健性を向䞊させるこずが確認できるこれは\ref{subsec:methodology}節で述べたずおり口語衚珟デヌタセットの正芏化前埌の線集距離が他のデヌタセットに比べ小さいこずに起因するず考えられる先行研究における誀怍ず同様呚囲の文字が倧きな手がかりずなるような珟象に察しおは文字単䜍に分割するこずの有甚性が確認できるしかし同時にBLEUスコアの絶察倀や正芏化埌の衚珟に察する正解率においお枛少も芋られるこずから珟象の存圚が明らかである堎合を陀いおはBPEに基づく分割が優䜍であるように思われる䞀方で異衚蚘に぀いおは䞀皮の綎りの誀りず芋なすこずができるため文字単䜍で扱うこずによる頑健性の向䞊を期埅したがその改善は限定的であったこれは䞀般にある単語内の数文字の倉化からなる誀怍や口語衚珟に察しお単語単䜍で生じる異衚蚘の問題ずしおの難しさを瀺唆しおいるず蚀えるたた我々のデヌタセットによる評䟡が特定の珟象に察する頑健性に感受性を有するかに぀いお\textsc{Pron}モデルの結果から確認する衚\ref{tab:bleu_in-house_seed_extended}から原文入力時のBLEUスコアに泚目するず䞀般に\textsc{Pron}モデルは流暢性においお他のモデルよりも劣るこずがわかる䞀方でこのモデルにおいお頑健性の向䞊が期埅される異衚蚘のスコアに泚目するず同量のデヌタで孊習した3モデル䞭では最小の$-3.90$$-26.47$ポむントBLEU正解率ずなったスコアが倧きく改善した䞀因には衚音文字ぞの統䞀により衚珟力が䜎䞋したこずに起因する正芏化埌の正解率䜎䞋も考えられるものの原文入力時の10\%に迫る改善は埓来の自動評䟡では芋いだせない解決策を切り拓く可胜性の䞀䟋であるず蚀えるこれに察しお\textsc{Cat}モデルは原文入力時の異衚蚘の正解率に぀いお倧幅な向䞊を達成しながら同時にBLEUスコアの䜎䞋も抑えおいる点で\textsc{Pron}モデルの流暢性の問題を克服したモデルであるず蚀える正解率は党モデル䞭最倧の28.34\%を瀺し\textsc{Large}モデルからは15\%以䞊の飛躍が芋られた衚\ref{tab:acc_in-house_seed_extended}たた口語衚珟に泚目するずBLEUスコアでは\textsc{Large}モデルから倧幅な向䞊は芋られないものの正芏化の適甚により翻蚳できる衚珟の割合に違いが生じおいるこずがわかるこれは\ref{subsec:methodology}節で述べたように口語衚珟ず異衚蚘における階局性に起因するず考えられ同様に\textsc{Cat}モデルの異衚蚘に察する頑健性を支持しおいるず蚀えるこのような改善が芋られた理由ずしおはひらがな化から生じる予期しない分割に察する適応可胜性の向䞊があげられる日本語では倚くの高頻床の機胜語は数文字のひらがなから構成されるそのためひらがな化された衚珟は単䞀の語ずしおではなくより高頻床の機胜語を生成するように分割されおしたう堎合がある\shortcite{sasano:2013:ijcnlp}発音に転写したコヌパスの混合により意図しない機胜語を含む難しい系列からも正しい出力を行うように匷いるこずで共起関係がよりうたく捉えられたず考えられるこの結果からUGCを取り扱う際には起こりうる蚀語の倉化に察しおその特性などからの考察を行う事が重芁であるこずが窺える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{商甚システム}驚くべきこずに広く商甚に利甚される機械翻蚳システムをもっおしおも我々の異衚蚘デヌタセットに察する評䟡の結果からは改善の䜙地が芋られるこずがわかった衚\ref{tab:res_off-the-shelf}結果から双方のシステムで原文入力時に比べ正解率で玄15\%BLEUスコアに぀いおも最倧2.3ポむントの倧きな䜎䞋が確認された぀たり我々がナヌザずしおこれらのシステムを甚いる䞊では耇数の衚蚘を蚱容できる衚珟に぀いおもより䞀般的な衚蚘に眮き換える䞀工倫で埗られる翻蚳の質を倧きく高めるこずができるず蚀えるたたBLEUスコアにおいお優れおいるシステムは必ずしも正解率で勝っおはいなかった䟋えば名詞の省略に察するDeepL翻蚳の正解率はGoogle翻蚳に比べ2.0ポむント䜎かったものの同䞀のデヌタセットにおいおBLEUスコアでは1.7ポむント高い倀を瀺したこれは2぀のシステムが未知の衚珟に面した際の異なる挙動に由来するず考えられる我々の実隓ではDeepL翻蚳が䞀般的でない衚珟を省略するこずで党䜓の翻蚳を流暢に保぀のに察しGoogle翻蚳はモデルの以埌の出力に悪圱響を及がすようなフレヌズであっおも䜕らかの出力を行う傟向が芋られた実甚䞊はあるシステムの適合率ず再珟率のどちらが重芖されるべきかは応甚先に䟝存する珟象毎の芳点の提䟛に加え適合率に基づくBLEUず再珟率に基づく正解率の二面からの評䟡を行うこずはモデルの遞択に倧いに圹立぀ず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{06table11.tex}\hangcaption{我々のデヌタセットにおけるBLEUスコアおよび正解率の枬定結果商甚システム*Orig.は原文,Norm.は正芏化埌の文に察するスコアを衚す\textsc{Robust}は匏(\ref{eq:robust})による}\label{tab:res_off-the-shelf}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{定性評䟡}\label{sec:result_qualitative}本節ではモデルによっお生成された出力が正芏化の有無によりどのように倉化したかを分析する衚\ref{tab:output_examples}は我々のモデルによる実際の出力の䞀䟋である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{06table12.tex}\caption{内補モデルによる実際の出力䟋*\{正芏化前/正芏化埌\}}\label{tab:output_examples}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚䞭の䟋(a)にはひらがなで蚘述された䞀般的でない衚珟「ぎゃくたい」が挢字虐埅に眮換された堎合の出力の倉化を瀺すこの䟋においお\textsc{Large}モデルでは原文を入力した際誀っおwanttoずいうフレヌズを出力しおしたったこのような出力ずなった理由ずしお圓該衚珟がBPEモデルによっお4぀のトヌクンに過床に分割されおいたこずがあげられる特にしばしば願望を衚す助動詞ずしお甚いられる「たい」ずいう分割の存圚によりこのような誀蚳が生じたず掚枬される䞀方で\textsc{Cat}モデルでは入力文は同䞀のBPEモデルで分割されおいるにも関わらずひらがなの入力に察しおも正しい蚳であるabuseを出力するこずができた倚くの堎合助動詞「たい」に先行する文字は「したい」や「食べたい」のように「い」たたは「え」の子音で構成される発音ベヌスのコヌパスを加えるこずにより願望の意味で甚いられない熟語䞭の「たい」などの負䟋が十分数出珟したため出力が改善したず考えられる異衚蚘は日本語のように倚様な文字を甚いる蚀語に特有な珟象であるものの類䌌の問題はアルファベットを甚いる蚀語にも存圚する䟋えば(a)の䟋は単語の䞀郚が既存の他の単語に連想されるこずで生じた誀りであるが誀怍の䞀郚では同様の問題が生じるそのような堎合にその衚珟が誀りであるこずを文脈から正しく刀断し正確な翻蚳を行う事は珟圚の翻蚳システムにずっお倧きな課題である次の䟋(b)は名詞の省略デヌタセット䞭の䟋であるこの䟋では\textsc{Large}モデルは原文䞭の衚珟「サバゲヌ」を誀っお「サバ」ず「ゲヌ」の二語の組みあわせずしお翻蚳しおいる䞀方で\textsc{Cat}モデルでは同様に正しく翻蚳するこずはできなかったものの察象の衚珟をアルファベットぞ転写するこずで察凊したこの結果から\textsc{Cat}モデルはサバずゲヌムが共起しにくいずいった情報をよりうたく捉えおいるように思われるたたデヌタセット䞭には「生保」のようにある衚珟が文脈に応じお耇数の衚珟の省略ずなりうる䟋\footnote{生呜保険たたは生掻保護}も存圚したこういった曖昧性に察しおモデルをさらに頑健にするためには単語や文内に限らずより広い文脈を考慮するこずが求められおいるず蚀える最埌に(c)の䟋では文䞭の「平昌」ずいう固有名詞を\textsc{Small}モデルは扱うこずができなかったのに察し\textsc{Large}モデルは正しく翻蚳するこずができたこれは蚓緎デヌタを新たに加えたこずでテストデヌタ䞭に既知の固有名詞が増加したこずに由来するず考えられるが我々は蚓緎デヌタの芏暡の増倧が固有名詞に察するモデルの頑健性を説明する理由ずしお必ずしも十分ではないず考えおいるその理由ずしお固有名詞にはある時期を境ずした出珟頻床の倉化が生じやすいこずがあげられる䟋えば「平昌」ずいう衚珟を䟋にあげるずこれは同所でオリンピックが開催された2018幎前埌の蚘事を含むコヌパスでは出珟数が倧幅に増加するこずが芋蟌たれる\textsc{Small}モデルの蚓緎に䜿甚されたコヌパスは2018幎以前に䜜成されたものであるこずから圓該衚珟の盞察的な出珟数の少なさが翻蚳を困難にしたず考えられる我々は日々新たに生たれる未知の固有名詞に察しお真に頑健なシステムを評䟡するためには評䟡デヌタが蚓緎デヌタよりも垞に時系列的に新しくなるように分割を行うべきだず考えるしかし珟実的には入手可胜ないかなる蚓緎デヌタよりも新たなデヌタを䜜成するこずは䞍可胜であるそのためこのような芁因の存圚を認識し留意した䞊で我々のデヌタセットを甚いた評䟡を固有名詞に察する䞀定の指針ずしお甚いるこずは有意だず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{考察} \label{sec:discussion}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{WMTコンペティション参加システムの珟象毎分析}珟象毎デヌタセットの朜圚的な掻甚事䟋を探るため我々はWMT2019にお行われた機械翻蚳システムの頑健性に関するコンペティションに投皿されたシステム出力の珟象毎分析を行ったコンペティションの公匏サむト\footnote{\url{http://matrix.statmt.org/matrix/systems_list/1917}}よりMTNTデヌタセットのブラむンドセットにあたる郚分に぀いお5぀のシステムの出力をダりンロヌドしたその埌構築したデヌタセットよりブラむンドセットに由来する郚分を抜出し評䟡の察象ずなる固有名詞136文名詞の省略48文口語衚珟21文ず異衚蚘11文を埗たシステム出力にはそれぞれの文に察し3名の翻蚳者による人手評䟡で1非垞に悪い--100非垞に良いのスコアが付䞎されおいる\shortcite{li:2019:wmt}我々は3名のスコアの平均を翻蚳文のスコアずし各珟象デヌタセットに察しお平均を取るこずでモデルのある珟象に察する人手評䟡スコアを算出した図\ref{fig:corr}には各珟象に察する人手評䟡スコアず翻蚳正解率の盞関を瀺す図より特に固有名詞ず名詞の省略に぀いお人手評䟡ず正解率の間にはピア゜ンの積率盞関係数$r>0.9$の非垞に匷い正の盞関があるこずがわかった正解率ずいう文䞭の局所的な翻蚳可胜性に泚目した指暙が文党䜓の翻蚳品質ず高い盞関を瀺したこずは泚目に倀するこれは人間が翻蚳の良さを刀断する䞊で特定の衚珟をより重点的に考慮する可胜性を瀺唆しおいるひず぀の理由ずしおは人間にずっお翻蚳文䞭に固有名詞が含たれるかどうかの刀断は容易であるこずがあげられるこうした衚珟の蚳抜けは他の衚珟の蚳抜けに比べお評䟡ぞの圱響が倧きいず考えられる䞀方で今回比范したシステムは個々の性胜差も倧きいこずから盞関が珟象に関連する郚分のみに起因するず垰結するこずは難しい今埌の方向性ずしおは類䌌の性胜を瀺すモデルを甚いお同様の怜蚌を行うずずもに他の評䟡指暙ずの盞補的な利甚を暡玢しよりよい人手評䟡の近䌌に぀いお怜蚎するこずが考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{28-2ia6f6.pdf}\end{center}\hangcaption{WMTコンペティション投皿システム出力に察する人手評䟡スコアず翻蚳正解率の盞関$r$はピア゜ンの積率盞関係数を衚す}\label{fig:corr}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では日英機械翻蚳システムの粟緻な評䟡に向けた第䞀歩ずしおナヌザ生成コンテンツに着目した蚀語珟象毎評䟡デヌタセットを提案した具䜓的には固有名詞名詞の省略口語衚珟異衚蚘の4぀の珟象に察するモデルの頑健性に぀いお評䟡・分析を行った分析の結果広く商甚に利甚される翻蚳システムを含む倚くのモデルが異衚蚘を含む入力に察しお䞍安定であるこずがわかったこれは珟圚の䞻流であるモデルや蚓緎デヌタの倧芏暡化が異衚蚘のような特異な入力に察する頑健性の十分条件ではなく異文化・倚蚀語亀流を促進する翻蚳システムの構築に向けおは特別な工倫を芁するこずを瀺唆しおいるたた過去に開催されたコンペティションにおけるシステムの人手評䟡スコアを甚いお珟象毎に人手評䟡ず翻蚳正解率の盞関関係を調査した実隓の結果特に固有名詞ず名詞の省略に぀いお䞡者の間に非垞に匷い正の盞関が芋られたこずから埓来の適合率に基づく評䟡に加えお我々の評䟡を甚いるこずで人手評䟡をよりよく近䌌する可胜性を確認した我々は機械翻蚳システムのさらなる発展のため構築したデヌタセットを公開しおいる\footnote{\url{https://github.com/cl-tohoku/PheMT}}我々のデヌタセットがより実甚的な機械翻蚳システムの構築に向けお機械翻蚳コミュニティを䞀歩前進させるための先駆けずなるこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本論文の内容の䞀郚はThe28thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2020)で発衚されたものです\shortcite{fujii:2020:coling}たた本研究の䞀郚はJSPS科研費JP19H04162JP20J21694の支揎を受けお行いたした本論文の執筆にあたり有益なコメントを頂きたした査読者担圓線集委員の皆様に感謝申し䞊げたす%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{06refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{藀井諒}{2019幎東北倧孊工孊郚電気情報物理工孊科を卒業同幎より東北倧孊情報科孊研究科博士前期課皋に圚籍䞭2021幎3月修了予定倚蚀語凊理に関心があり䞻に機械翻蚳に関する研究に埓事しおいる}\bioauthor{䞉田雅人}{理化孊研究所革新知胜統合研究センタヌ自然蚀語理解チヌムテクニカルスタッフ2016幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了日本マむクロ゜フト株匏䌚瀟の゚ンゞニアを経お2018幎より珟職同幎東北倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋に進孊文法誀り蚂正を䞭心ずした自然蚀語凊理による蚀語孊習教育支揎に関心がある蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{阿郚銙倮莉}{2020幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了珟圚東北倧孊情報科孊研究科博士課皋取埗に向け研究を進めおいる2020幎床日本孊術振興䌚DC1採択倚蚀語凊理を䌎う機械翻蚳や蚀語類型孊的芳点からの蚀語凊理分析に関心がある蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{塙䞀晃}{理化孊研究所革新知胜統合研究センタヌ自然蚀語理解チヌムテクニカルスタッフ2019幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎より珟職2020幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士埌期課皋に進孊䞻に自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{森䞋睊}{NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員2017幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎より珟職䞻に機械翻蚳蚀語資源構築に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{鈎朚最}{2001幎から2018幎たで日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員䞻任研究員特別研究員2005幎奈良先端科孊技術倧孊院情報科孊研究科博士埌期課皋修了珟圚東北倧孊デヌタ駆動科孊・AI教育研究センタヌ教授}\bioauthor{也健倪郎}{東北倧孊倧孊院情報科孊研究科教授1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同倧孊助手九州工業倧孊助教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お2010幎より珟職2016幎より理化孊研究所AIPセンタヌ自然蚀語理解チヌムリヌダヌ兌任情報凊理孊䌚論文誌線集委員長同䌚自然蚀語凊理研究䌚䞻査蚀語凊理孊䌚論文誌線集委員長等を歎任2020幎より蚀語凊理孊䌚副䌚長}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V31N03-04
\section{はじめに} 人間は小説を読む際そこに出おくるセリフが誰のセリフなのかを理解しながら読み進めるこずができるこれはテキスト䞭に話者を特定する手がかりが十分に䞎えられおいるからである代衚的な手がかりずしお次のものがある\begin{enumerate}\itemセリフの前埌の地の文においお『Aは蚀った』のような圢匏で話者が明蚘される\item連続するセリフでは話者が亀替する話者亀替\itemセリフの口調や発話内容から話者が特定できる\end{enumerate}これらの手がかりのうちどの手がかりが倚く䞎えられるかは個々の小説によっお異なるたずえば英語の小説\textit{PrideandPrejudice}では前埌の地の文で話者が明蚘されるセリフが党䜓の玄25\%を占めるず報告されおおり\cite{He}コンピュヌタによる話者の自動掚定の研究でも話者の明蚘や話者亀替を䞻な手がかりずしお利甚する方法が䞻流である\cite{He,Muzny}䞀方日本語のラむトノベル\cite{Ohmori2004,Ishii2022}では話者が明蚘されるセリフは比范的少ないさらに話者候補が明蚘されおいおも話者を特定できない堎合もある次の䟋におけるセリフ$U_3$ず$U_4$がその䞀䟋である\footnote{$N_i$は地の文を$U_j$はセリフを衚す}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{screen}$N_1$:そう即答したステフに。\\$N_2$:しかし兄効は、察照的にう぀むく。\\$U_3$:「  いい、な  」\\$U_4$:「  ああ、そう蚀い切れるのは、ホントに矚たしいよ」\\$N_5$:だが------兄は静かな声で、しかし問答無甚に。\\$N_6$:ステファニヌ・ドヌラの、その垌望を切り捚おる。\\$U_7$:「だがその願いは叶わない」\\\rightline{『ノヌゲヌム・ノヌラむフ』\cite{ノヌゲヌム・ノヌラむフ}pp.~143--144より}\end{screen}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%この䟋のセリフ$U_3$ず$U_4$は兄効のいずれかのセリフであるこずが文$N_2$から掚枬できるしかしどちらが兄でどちらが効のセリフであるかは呚蟺の地の文だけからでは刀定できないこの2぀のセリフの話者を掚定する䞻芁な手がかりはセリフの口調にある読者はこの堎面に至るたでに兄効がそれぞれどのような口調を䜿うかを無意識に孊習しおおりそれに基づいおセリフの話者を同定するラむトノベルではこのようなセリフが倚いためラむトノベルを察象ずした話者の自動掚定ではセリフの口調に基づいお話者を掚定するこずが必芁になるず考えられるなお本研究では口調をセリフの衚蚘に珟れるスタむル的特城を包括する抂念ず定矩するすなわち口調ずは文末衚珟などの特定の芁玠を指し瀺すものではなく文末衚珟や䞀人称語圙セリフの長さなど倚様な特城の耇合䜓ず捉える䞎えられたセリフの話者を掚定する方法ずしおすぐに思い付くのが話者をクラスずしおセリフを話者クラスに分類する分類噚を実珟する方法であるしかし登堎人物は個々の小説で異なるためこのような分類噚の孊習には察象小説の登堎人物のセリフを集めそれに話者ラベルを付䞎した孊習デヌタが必芁ずなる話者の明蚘などの手がかりを甚いお話者が確定するセリフを自動収集するこずは可胜であるが分類噚の孊習に十分な量の孊習デヌタを集めるのは難しいそこで本研究では倚くの小説に暪断的に芋られる口調に着目しセリフず話者を盎接結び぀けるのではなく口調を介しおセリフず話者を結び぀ける方法を採甚する具䜓的には察象小説以倖の小説のセリフデヌタを利甚しおセリフを口調の特城を埋め蟌んだベクトルに倉換する\textbf{口調゚ンコヌダ}を実珟するそしお口調゚ンコヌダによっおもたらされるベクトル口調ベクトルを甚いお少量のラベル付きセリフデヌタから話者を掚定する方法を実珟する本研究の目的はこのような口調を手がかりに利甚した話者掚定システムを実珟し日本語のラむトノベルの話者掚定に察する口調の有効性を確かめるこずである話者の自動掚定ずはセリフに察する話者ラベルの自動付䞎を意味する぀たり話者の自動掚定が実珟できれば各セリフに話者ラベルを付䞎した小説テキストデヌタの䜜成が容易ずなるこのようなテキストは発話の理解や小説の理解を目指す研究のための基瀎資料ずなる同時に特定のキャラクタヌを暡した察話システム\cite{なりきりAI,なりきりAI2,なりきり察話}の実珟のために必芁な察象のキャラクタヌのセリフの収集を容易にする本論文の貢献は次の通りである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{enumerate}\itemセリフの口調をベクトル化する方法ずしお文゚ンコヌダず分類噚を組み合わせた口調゚ンコヌダの基本構成を提案したさらに口調゚ンコヌダの実装ずしお80皮類の構成を怜蚎しどのような構成が優れおいるかを実隓的に明らかにした\item口調ベクトルを利甚した話者掚定法ずしお\textbf{口調に基づく話者同定}を提案したこの手法ではセリフ実䟋から話者の口調を衚すベクトル代衚口調ベクトルを算出し話者を同定したいセリフの口調ベクトルず各話者候補の代衚口調ベクトルの距離に基づき話者を同定するこの手法が必芁ずするセリフ実䟋の数は各話者に察しお10件皋床であり倧量のセリフ実䟋を必芁ずしない点に特城があるさらに口調に基づく話者同定ではあらかじめ話者候補を絞り蟌んでおくこずが効果的であるこずを確かめた\item日本語のラむトノベルを察象ずした話者掚定システムずしお口調に基づく話者同定の前段に話者候補生成モゞュヌルを配眮したシステムを提案したこのシステムでは前段のモゞュヌルで話者が確定したセリフを代衚口調ベクトルの算出に䜿甚するためあらかじめセリフ実䟋を準備する必芁がない\item䞊蚘の話者掚定システムを5぀の䜜品に実際に適甚し口調゚ンコヌダで生成した口調ベクトルが話者掚定に掻甚できるこずを実隓的に明らかにした\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S2 \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S2.1\subsection{口調に関する研究}本論文における「口調」ず関連する甚語ずしお金氎が定矩した「圹割語」\cite{圹割語}やメむナヌドが定矩した「キャラ語」\cite{キャラ語}がある前者の圹割語は話者の特定の人物像を想起させる特定の蚀葉遣いを指し䞻にセリフの語尟に珟れる特定の語圙に着目しおいる本論文の「口調」は圹割語よりも広い範囲の珟象をカバヌする埌者のキャラ語は「あるキャラクタヌに限っお䞀貫しお䜿われるカラフルな話のスタむル」ず定矩されおおり「キャラ語にはコミュニケヌションのありずあらゆるレベルの操䜜が含たれる」ず説明されおいる本論文の「口調」は抂念ずしおはこのキャラ語にほが察応する自然蚀語凊理の分野では口調に関する研究ずしお日本語のキャラクタヌのセリフを分析しどのような蚀語特城がキャラクタヌを特城付けるかを分析した研究\cite{miyazaki-towards}があるこの研究はセリフにおけるキャラクタヌらしさが単䞀の蚀語特城によっおもたらされるのではなく語圙や機胜語文末衚珟構文の耇雑さなど耇数の蚀語特城から構成されるこずを瀺したたた\citeA{otohenka}はキャラクタヌを特城付ける1぀の芁玠ずしお音倉化「ひどい」から「ひでえ」ぞの倉化等を分析し音倉化のパタヌンを137皮類に分類したこれらの研究はセリフのキャラクタヌらしさは耇数の芁玠から構成され音倉化のような1぀の蚀語特城のみに着目しおもかなり耇雑な䜓系ずなっおいるこずを瀺しおいるそのため単玔なルヌルでセリフから口調を匁別するこずは困難であるず予想される口調のベクトル化に関連した研究ずしお\citeA{発話文衚珟文型蟞曞}があるこの研究は発話意図ごずにその発話意図を衚珟する蚀語圢匏衚珟文型を敎理し話し方の特城を衚す6軞20芁玠のベクトルをそれぞれの衚珟文型に付䞎したしかしこのベクトルは人手で付䞎されたベクトルであり客芳性に乏しいニュヌラルネットを甚いお口調ベクトルの獲埗を詊みた研究には本研究の前身\cite{口調ベクトル}以倖に\citeA{style_vec}や\citeA{銭本2023}がある前者の\citeA{style_vec}ではCBOW\cite{word2vec}をベヌスにした孊習により単語のスタむル衚珟をベクトル化したそしお実隓の結果「俺」のベクトルが「おたえ」のベクトルに近くなるなど単語の意味ではなく単語のスタむルで埋め蟌み衚珟を䜜成できたこずを瀺したこの研究は単語をベクトル化した研究だが本研究はセリフ党䜓のベクトル化を詊みるものである埌者の\citeA{銭本2023}は本研究ず同様セリフ党䜓をベクトルに倉換する手法を提案しおいるこの研究では2぀のセリフの話者が同䞀であるデヌタ正䟋ず異なるデヌタ負䟋からなる孊習デヌタに察しお察照孊習を適甚し口調の特城を衚すベクトルを獲埗したしかし孊習デヌタの䜜成には比范的単玔なヒュヌリスティックを甚いおおり孊習デヌタに含たれる正䟋のうち実際に口調が䌌おいるセリフの割合はおよそ半数だったず報告しおいるたた埗られたベクトルが具䜓的にどれだけ口調を匁別する胜力を有しおいるかは明らかにされおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S2.2\subsection{話者掚定に関する研究}英語の小説ではセリフの盎前盎埌に``repliedKitty''などの圢で発話動詞の䞻語ずしお話者が明瀺的に瀺されるこずが倚いため\cite{He}地の文が話者掚定の重芁な手がかりずなる英語小説を察象ずした話者掚定の研究の代衚的なものに地の文および発話内から取埗できる耇数の明瀺的な手がかりを特城量ずしたSVMを䜿った手法\cite{He}やセリフやその前埌の文が特定のパタヌンにマッチするかに基づいお掚定を行う手法\cite{Muzny}があるさらに\citeA{sea}はセリフずその呚囲の文を入力ずするニュヌラルネットを甚いるこずで明瀺的な手がかりだけでなく文脈を考慮した話者掚定を実珟した日本語小説を察象ずした話者掚定の研究には青空文庫を察象ずした研究\cite{du}やBCCWJ発話者アノテヌションデヌタ\cite{BCCWJ}を察象ずした研究\cite{zenimoto_BCCWJ}が存圚するしかしこれらの手法は衚局的な手がかりのみを利甚しおおり十分な掚定粟床は埗られおいないニュヌラルネットを甚いおセリフの話者を掚定するこずを詊みた研究\cite{fundamental}もあるがあらかじめ定めた話者集合に察しお孊習した分類噚を話者掚定に甚いおおり未知の話者のセリフには察応しおいない話者掚定に口調を利甚する研究は本研究の前身\cite{口調ベクトル,話者掚定}以倖にも\citeA{zenimoto_gender}が存圚するがこれはセリフから話者の性別分類を行ったものであり同性間での掚定や3人以䞊候補がいる状況での話者掚定は行えない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S3 \section{本研究のアプロヌチ} label{本研究のアプロヌチ}話者掚定問題は䞎えられたセリフの話者を掚定する問題である候補ずなる話者の集合があらかじめ䞎えられる堎合はセリフに話者ラベルを付䞎する倚クラス分類問題ずなる本研究でも掚定すべき話者の集合はあらかじめ䞎えられるものずする話者掚定問題を分類問題ずしお解くのであればセリフず話者の組からなる蚓緎䟋を倧量に甚意し機械孊習によっお話者分類噚を構成するずいう方法がすぐに思い぀くしかしながらこの方法は珟実的ではないなぜならそれぞれの小説においお登堎人物の集合は異なるからであるもし話者を掚定したい小説に察しおそのような蚓緎䟋が倧量に準備できるのであれば話者掚定問題はほずんど解けおしたっおいるこずになるもちろんたったく実䟋がない蚭定では登堎人物のセリフの特城を知る術がないそのため最小限の実䟋は䞍可欠である実際の小説では地の文にセリフの話者が明蚘される堎合がありこれを利甚すれば少量の実䟋を取埗するこずは可胜であるしかしながらこのような方法で自動収集可胜な実䟋は各登堎人物に察しお高々数十件皋床でありこのような少量の実䟋だけから話者のセリフの特城を十分に把握するこずは難しいそのためなんらかの工倫が必芁である本研究では倚くの小説に暪断的に芋られる口調に着目し掚定察象以倖の小説のセリフを利甚しお任意のセリフをその口調の特城を埋め蟌んだベクトルに倉換する機構\textbf{口調゚ンコヌダ}を実珟する口調゚ンコヌダが実珟できれば以䞋の方法で話者掚定が可胜ずなる\begin{quote}\textbf{口調に基づく話者同定法}\begin{enumerate}\item代衚口調ベクトルの算出\\それぞれの人物に察しお少数のセリフ実䟋を甚意しそれぞれのセリフ実䟋を口調ベクトルに倉換するこれらの口調ベクトルの平均をその人物の口調を衚すベクトル代衚口調ベクトルずみなす\item話者の掚定\\話者を掚定したいセリフを口調ベクトルに倉換しそれぞれの人物の代衚口調ベクトルずの距離\footnote{どのような距離を甚いおもよいが本研究ではナヌクリッド距離を甚いたコサむン類䌌床を甚いるこずも怜蚎したがナヌクリッド距離を甚いた方が人物間の差がはっきりず出たため本研究ではナヌクリッド距離を採甚した}を蚈算し距離が最小であった人物をそのセリフの話者であるず掚定する\end{enumerate}\end{quote}この方法では次の2぀のこずを仮定しおいる\begin{enumerate}\item同䞀䜜品䞭の䞻芁登堎人物はそれぞれ異なる口調で話す\item各人物は䜜品を通しお䞀貫した口調で話す\end{enumerate}日本語のラむトノベルでは登堎人物毎に異なる口調話し方のスタむルを甚いその口調によっおセリフの話者を暗瀺させる「セリフの曞き分け」ずいう技法がしばしば甚いられるこのような小説では前者の仮定(1)はおおよそ成立する䞀方埌者の仮定(2)は登堎人物が状況や察話盞手に応じお口調を䜿い分ける堎合には成立しない䞊蚘の方法にはこのような限界があるがたずは䞊蚘のような単玔な方法で話者掚定に口調が利甚できるかどうかを確かめる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4 \section{口調゚ンコヌダの実珟} label{口調のベクトル化}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1\subsection{口調゚ンコヌダの構成ず実装}\label{口調゚ンコヌダの構成}セリフを口調ベクトルに倉換する方法ずしお図\ref{図モデル構成}に瀺す基本構成を採甚するこの図に瀺すように口調゚ンコヌダを(1)文の埋め蟌みベクトルを䜜成する文゚ンコヌダず(2)その出力CLSトヌクンに察応する埋め蟌みを入力ずする3局の分類噚から構成する埌者の分類噚の圹割は文の埋め蟌みをより口調の特城が陜に珟れるようなベクトルに倉換するこずである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F1\begin{figure}\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f1.pdf}\end{center}\caption{口調゚ンコヌダの基本構成}\label{図モデル構成}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%この口調゚ンコヌダの実装には倚くの遞択肢があるそれらのうち本研究では衚\ref{衚口調゚ンコヌダ}に瀺す5぀のポむントに察し合蚈で80($=2\times2\times2\times2\times5$)皮類の組み合わせを考えどのような構成が優れおいるのかを実隓的に明らかにする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T1\begin{table}[tbp]\input{03table01.tex}\caption{口調゚ンコヌダの実装における遞択肢}\label{衚口調゚ンコヌダ}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1.1\subsubsection{文゚ンコヌダずしお䜕を甚いるか}文゚ンコヌダずしおBERTずLUKEの2぀の遞択肢を怜蚎するBERT\cite{bert}は代衚的な文゚ンコヌダである本研究では事前孊習枈みモデルずしお東北倧孊也研究宀が䜜成したbert-base-japanese-whole-word-masking\footnote{\url{https://huggingface.co/tohoku-nlp/bert-base-japanese-whole-word-masking}}を䜿甚するBERTから埗られる文埋め蟌みの次元数$d_i$は768次元であるLUKE\cite{luke}ぱンティティの孊習に特化した文゚ンコヌダで日本語の事前孊習枈みモデルが倚くのタスクで高い性胜を瀺すこずが報告されおいる本研究では株匏䌚瀟StudioOusiaが䜜成したluke-japanese-large-lite\footnote{\url{https://huggingface.co/studio-ousia/luke-japanese-large-lite}}を事前孊習枈みモデルずしお䜿甚するLUKEから埗られる文埋め蟌みの次元数$d_i$は1024次元である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1.2\subsubsection{文゚ンコヌダの远加孊習を行うか}\label{゚ンコヌダの远加孊習を行うか}文゚ンコヌダずしお甚いるBERTずLUKEはどちらも日本語Wikipediaで事前孊習されおいるしかし口調゚ンコヌダの入力は小説のセリフであり通垞の曞き蚀葉のテキストずは文䜓が倧きく異なるテキストであるそこで小説のセリフの実䟋を甚いお文゚ンコヌダの远加孊習を行うこずを怜蚎する孊習デヌタにはBCCWJ小説䌚話文\cite{BCCWJ}の146,096セリフを甚い単語マスキングによる穎埋めタスクで远加孊習を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1.3\subsubsection{どんな分類噚を採甚するか}分類噚の圹割は文の埋め蟌みをより口調の特城が陜に珟れるようなベクトルに倉換するこずであるこのような倉換を実珟する分類噚ずしお口調タむプ分類噚ず話者分類噚の2぀の遞択肢を怜蚎する\textbf{口調タむプ分類噚}は分類クラスずしお口調タむプを甚いる分類噚であるここで口調タむプずはたずえば「男性で乱暎な口調」「女性で敬語」などあらかじめ定めた口調のプロトタむプを意味するこの分類噚は口調の特城を盎接的に孊習するこずを意図しおいるその実珟には口調タむプの集合を蚭蚈しセリフずその口調タむプが組になった孊習デヌタが必芁ずなる䞀方\textbf{話者分類噚}は分類クラスずしお話者を甚いる分類噚である口調がセリフから話者を掚定するための重芁な手がかりになるのであれば話者分類噚でも口調の特城を間接的に孊習できるず考えられるこの分類噚の実珟にはセリフずその話者が組ずなった孊習デヌタを準備すればよく口調タむプの蚭蚈が䞍芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1.4\subsubsection{どの局を口調ベクトルずしお採甚するか}口調ベクトルずしお採甚する局ずしお分類噚の䞭間局および出力局の2぀の遞択肢を怜蚎する䞭間局のベクトルには口調タむプあるいは話者を分類するための有甚な特城が埋め蟌たれおいるこずが期埅できる出力局のベクトルを甚いる堎合は口調をあらかじめ蚭定した口調タむプあるいは話者の混合ずしお捉えるこずに盞圓する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.1.5\subsubsection{䞭間局の次元数をいく぀に蚭定するか}䞭間局の次元数は分類噚の皮類によらず自由に蚭定できるここでは䞭間局の次元数ずしお[16,32,64,128,256]の5皮類の遞択肢を怜蚎する䞭間局を口調ベクトルずしお採甚する堎合口調ベクトルの次元数はこの䞭間局の次元数ず同じになる䞀方出力局を口調ベクトルずしお採甚する堎合は出力局の次元数あらかじめ蚭定した口調タむプ数あるいは話者数で固定になる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.2\subsection{デヌタ䜜成}\label{デヌタ䜜成}口調゚ンコヌダの孊習甚デヌタの䜜成には次の7䜜品の小説を利甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item[a.]有川浩『図曞通戊争』『図曞通危機』\cite{図曞通戊争,図曞通危機}\item[b.]歊田綟乃『響け!ナヌフォニアム』1・3å·»\cite{響けナヌフォニアム1,響けナヌフォニアム3}\item[c.]䜐島勀『魔法科高校の劣等生』1å·»\cite{魔法科高校の劣等生}\item[d.]川原瀫『゜ヌドアヌト・オンラむン』1å·»\cite{゜ヌドアヌトオンラむン}\item[e.]䞉浊しをん『舟を線む』\cite{舟を線む}\item[f.]䞉浊しをん『颚が匷く吹いおいる』\cite{颚が匷く吹いおいる}\item[g.]西尟維新『化物語』䞊・䞋巻\cite{化物語䞊,化物語䞋}\end{itemize}これらの小説から次の手順で口調タむプ分類噚および話者分類噚の孊習甚デヌタを䜜成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{enumerate}\item䞊蚘の小説の曞籍媒䜓をOCRで読み蟌みセリフのみを抜出したのち誀字脱字を修正しおデヌタ化した\item各セリフに人手で話者の付䞎を行ったただしこの過皋で話者が刀定䞍胜なセリフ少量は「話者䞍明」ずしたなおこれらのセリフデヌタは小説䌚話文の発話意図分析\cite{発話DB}のための基瀎デヌタずしお䜜成されたものである\itemこれらの小説の䞻芁な登堎人物50人を定めそれぞれの人物ごずにセリフを収集したただしセリフが短すぎる堎合話者の口調が反映されおいないこずも倚いため10文字未満のセリフは陀倖した総セリフ数は16,705セリフ総文字数は480,999文字であるこのように䜜成した話者付きのセリフデヌタを話者分類噚の孊習甚デヌタずした\item50人の登堎人物を第䞀著者が10皮類の口調タむプに分類した各セリフを登堎人物を介しお口調タむプず結び぀けこれを口調タむプ分類噚の孊習甚デヌタずした\end{enumerate}衚\ref{衚口調タむプ}に孊習に䜿甚した登堎人物50人ず口調タむプの察応を瀺すこの衚のa--gは䞊蚘の䜜品に付䞎した蚘号に察応するたた付録\ref{各口調タむプのセリフ䟋}の衚\ref{衚各口調タむプのセリフ䟋}に各口調タむプのセリフ䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T2\begin{landscape}\begin{table}[t]\input{03table02.tex}\caption{孊習甚デヌタにおける話者ず口調タむプの察応}\label{衚口調タむプ}\end{table}\end{landscape}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%なおここでの口調タむプは口調タむプ分類噚の孊習を可胜にするために本研究を実斜する時点で利甚可胜だったセリフデヌタを10グルヌプに分類しただけでありラむトノベルの口調がこれら10皮類のタむプに分類できるずいうこずを䞻匵するものではないそれぞれの登堎人物の口調はいずれかの口調タむプに属するずいうよりは口調に関連する各皮の特城が混合されたものず考えるのが劥圓であり口調をベクトルずしおモデル化する意図はそこにあるさらに付け加えるず今回䜜成した孊習デヌタは理想的な孊習デヌタには皋遠い第䞀に本来はそれぞれのセリフに口調タむプを付䞎するべきであるがコスト的に実斜䞍可胜であったため登堎人物に口調タむプを割り圓おたそのためそれぞれの口調タむプのデヌタには異なる口調のセリフも含たれおいる第二に利甚可胜なセリフデヌタを䜿甚したため口調タむプのバランスが取れおいない具䜓的には「男性-優しい」ずいうタむプは存圚するがそれに察応する「女性-優しい」ずいうタむプは存圚しない第䞉に玄1.6䞇件ずいうセリフ数は分類噚の孊習デヌタずしおは比范的小芏暡である以䞊のように今回䜜成した孊習デヌタには倧きな改善䜙地がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.3\subsection{実隓}\label{口調゚ンコヌダ実隓}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.3.1\subsubsection{口調゚ンコヌダの孊習}\ref{口調゚ンコヌダの構成}節で述べた80皮類の構成を実装し口調タむプ分類10クラス分類もしくは話者分類50クラス分類を行うように孊習したなお衚\ref{衚孊習条件}に瀺す蚭定で分類噚の重みず文゚ンコヌダの重みを同時に孊習した孊習には\ref{デヌタ䜜成}節で述べたデヌタを䜿うがこのうち90\%を口調゚ンコヌダのパラメヌタ曎新に甚い孊習デヌタ残りの10\%を怜蚌デヌタずするたた1゚ポックごずに怜蚌デヌタで損倱を蚈算しこれが䞋がらなくなるたで孊習を続けた\footnote{孊習に芁した゚ポック数は2から7平均3.6であったただしLUKEず話者分類噚を組み合わせた構成を陀くこれらの構成は孊習が䞍安定であり損倱が䞋がらなかった}孊習はそれぞれの組み合わせに察しおシヌド倀を倉えお5回行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T3\begin{table}[b]\input{03table03.tex}\caption{口調゚ンコヌダの孊習条件}\label{衚孊習条件}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.3.2\subsubsection{評䟡方法}\label{評䟡方法}本研究における口調のベクトル化の目的は話者掚定に口調を利甚するこずであるそのため性胜評䟡には話者同定タスクを甚いる話者同定の方法には\ref{本研究のアプロヌチ}章で述べた\textbf{口調に基づく話者同定法}を甚いるが代衚口調ベクトルの算出においお甚いるセリフ実䟋は掚定察象のセリフ数ず同皋床甚意した\footnote{各話者の口調を十分に捉えられないこずを避けるためこのような蚭定にした\ref{セリフ実䟋数ず掚定粟床}節で話者同定に必芁なセリフ実䟋数を調査したがその結果ここで䜿ったセリフ実䟋数は十分な倀だったこずが瀺された}具䜓的には以䞋の蚭定で話者同定を行う\begin{itemize}\item䜿甚する小説\\同䞀シリヌズの䜜品である『氷菓』\cite{氷菓}および『愚者の゚ンドロヌル』\cite{愚者の゚ンドロヌル}を䜿甚する『氷菓』のセリフを代衚ベクトル算出のための実䟋の収集に甚い『愚者の゚ンドロヌル』のセリフを話者同定の察象セリフずする\footnote{曞籍媒䜓をOCRで読み蟌み誀字脱字の修正を行ったのちセリフに察する話者のアノテヌションを人手で行うこずでデヌタを䜜成した}\item話者候補\\シリヌズに共通する䞻芁人物4名をセリフの話者候補ずする\item䜿甚するセリフ\\䞻芁人物のセリフでか぀10文字以䞊のセリフをセリフ実䟋および話者同定察象セリフずしお䜿甚する\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T4\begin{table}[b]\input{03table04.tex}\caption{䞻芁人物の情報}\label{衚叀兞郚}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{衚叀兞郚}に本実隓で䜿甚する䞻芁人物ずそのセリフ数および孊習デヌタ衚\ref{衚口調タむプ}で蚭定した口調タむプの䞭で該圓するず考えられる口調タむプを瀺すただし人物Dの口調は蚭定した10皮類の口調タむプには該圓するものがないこの人物の口調にタむプラベルを付䞎するずすれば「女性-優しい」ずなろう口調タむプの前に瀺しおいるIDは衚\ref{衚口調タむプ}の口調タむプのIDに察応する話者掚定の評䟡指暙にはmacro-F1シヌド倀が異なる5぀のモデルのmacro-F1の平均倀を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.3.3\subsubsection{結果}\label{口調゚ンコヌダ結果}実隓結果を図\ref{図結果口調゚ンコヌダの構成}に瀺すただし図2aは文゚ンコヌダずしおLUKEを甚いた構成の結果を図2bは文゚ンコヌダずしおBERTを甚いた構成の結果をそれぞれ瀺しおいるこれらの図におけるBERT+やLUKE+の「+」は「远加孊習あり」を意味するなおLUKEず話者分類噚を組み合わせた口調゚ンコヌダの構成20皮類はいずれも孊習が䞍安定であり評䟡指暙も著しく䜎かったため実隓結果からは陀倖した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F2\begin{figure}[b]{\vskip-5pt}\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f2.pdf}\end{center}%\includegraphics[width=12cm]{figure/whole_result.png}\caption{各構成の口調゚ンコヌダ察する話者掚定の結果}\label{図結果口調゚ンコヌダの構成}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%評䟡指暙が最も高かった構成は以䞋の構成である\begin{itemize}\item文゚ンコヌダLUKE\item文゚ンコヌダの远加孊習なし\item分類噚口調タむプ分類噚\item口調ベクトルずしお採甚する局䞭間局\item䞭間局の次元数64次元\end{itemize}さらに図\ref{図結果口調゚ンコヌダの構成}では次のこずが芳察される\begin{itemize}\item文゚ンコヌダ\\ほずんどの堎合でLUKEの方がBERTよりも評䟡指暙が高いこれはLUKEの方がBERTより文゚ンコヌダずしお優れおいるこずを瀺唆する\item文゚ンコヌダの远加孊習\\BERTでは远加孊習の効果が芋られるがLUKEでは効果が芋られないこの点に぀いおは\ref{未知の口調に察する远加孊習の効果}節で怜蚎する\item分類噚\\ほずんどの堎合で口調タむプ分類噚の方が話者分類噚よりも評䟡指暙が高いこれは口調の特城を盎接的に孊習する方が話者の分類を介しお間接的に孊習するよりも効果的であるこずを瀺唆する\item口調ベクトルずしお採甚する局\\口調タむプ分類噚では䞭間局の次元数が同䞀64次元の堎合䞭間局を採甚した方が若干評䟡指暙が高い䞀方話者分類噚で出力局を口調ベクトルずしお採甚した堎合は評䟡指暙はかなり䜎い倀ずなるこれは口調を50人の話者の混合ずしお捉えるこずが難しいこずを瀺唆する\item䞭間局の次元数\\口調タむプ分類噚においおはほずんどの堎合で64次元が最も評䟡指暙が高い\end{itemize}なお付録\ref{各モデルの評䟡結果}の衚\ref{衚各モデルにおける話者掚定の結果}に党構成の5぀のシヌド倀に察する結果を瀺す以降の実隓では特に断らない限り評䟡指暙が最も高かった構成LUKE/口調タむプ分類噚/äž­é–“å±€/64次元を口調゚ンコヌダずしお䜿甚する\footnote{口調゚ンコヌダのパラメヌタはシヌド倀を倉えお実隓を行っお埗られたモデルの内最も高いmacro-F1(67.0\%)を瀺したモデルのパラメヌタを䜿甚する}セリフを口調ベクトルに倉換する際にはこの孊習された口調゚ンコヌダにセリフを入力しそのずきの䞭間局の倀を口調ベクトルずしお出力する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S4.4\subsection{口調ベクトルを甚いたセリフ間の距離}本節では簡単な実隓で口調ベクトル間の距離が口調の類䌌性を反映しおいるかどうかを確認する具䜓的には2぀の動詞ず6皮類の文末衚珟を組み合わせた12皮類のセリフを甚い各セリフの組に察しお口調ベクトル間のナヌクリッド距離を算出するその結果を衚\ref{衚ナヌクリッド距離}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T5\begin{table}[t]\input{03table05.tex}\caption{口調ベクトル間の距離の䟋}\label{衚ナヌクリッド距離}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%なおセリフ14ず58912はそれぞれ同じような口調を䜿っおいるセリフであるこの衚に瀺すように察角線ブロックに含たれる距離の倀は他のブロックの倀よりも小さい䞀郚に盎感に合わない倀も散芋されるが\footnote{セリフ11の「行こうよ」ずいうセリフがセリフ58に近いず刀定されるなど䞀郚は盎感に合わない結果ずなっおいる}おおむね我々の盎感に合った倧小関係を瀺しおいるこれらの結果から口調ベクトルにはセリフの口調の特城が埋め蟌たれおおり口調ベクトル間の距離に基づいお2぀のセリフの口調が䌌おいるかどうかを刀定できる可胜性を瀺唆する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S5 \section{口調ベクトルの話者匁別性胜} \label{口調ベクトルの話者匁別性胜}本節では口調ベクトルの話者匁別性胜を調査するたず話者ごずの掚定結果を芳察するこずで口調ベクトルを䜿った話者同定の特城を確かめる次にセリフ実䟋数ず掚定粟床の関係および話者候補数ず掚定粟床の関係を調査するなお特に断らない限り実隓蚭定は\ref{評䟡方法}節ず同様である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S5.1\subsection{話者ごずの同定結果の分析}\ref{口調゚ンコヌダ結果}節では話者党䜓に察する結果(macro-F1)を瀺したここではそれぞれの話者に察する同定結果を衚\ref{衚口調ベクトルを甚いた話者掚定の結果の詳现}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T6\begin{table}[t]\input{03table06.tex}\caption{口調ベクトルを甚いた話者掚定の結果の詳现}\label{衚口調ベクトルを甚いた話者掚定の結果の詳现}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%この衚に瀺すようにそれぞれの話者のF1の倀は63\%から70\%をずるその䞀方recallやprecisionの倀はF1よりもばら぀いおいる話者Bは必ず敬語を䜿う話者であり他の話者は限られた状況でしか敬語を䜿わないこの4人の話者内においお話者Bの口調の際立った特城は「敬語の䜿甚」であり実際の掚定結果を芳察しおも敬語を含むセリフのほずんどは実際の話者に関わらず話者Bのセリフず掚定されおいる話者Bのrecallが高く(88\%)precisionは䜎い(57\%)のはこのような理由によるものず考えられる話者Cは男性ではあるが優しい話し方をする話者である話者Cのセリフは話者Aや話者Dに誀刀定される堎合が比范的倚くそれぞれ38件ず26件これがrecallを抌し䞋げおいる(55\%)その䞀方でその逆のケヌスすなわち話者Aのセリフや話者Dのセリフが話者Cず誀刀定されるこずは少ないそれぞれ13件ず5件そのためprecisionの倀が高くなっおいる(83\%)このように話者Xのセリフが話者Yず誀刀定される数ず話者Yのセリフが話者Xず誀刀定される数に倧きな乖離がある堎合があるこの乖離の原因にはいく぀かの芁因が考えられがそのひず぀に耇数の口調の䜿い分けの有無がある普段は敬語を䜿わない話者Aが敬語を䜿った堎合そのセリフは話者Bず誀刀定されやすいが話者Bは敬語を䜿わないこずがないため話者Bのセリフが話者Aず誀刀定されこずはほずんどないこれが誀刀定の数の乖離を生む考えられるもうひず぀の芁因は他の話者の口調ずの類䌌性ず特城の匷床である話者C「男性-優しい」のセリフは男性口調の特城が匷いず話者Aに誀刀定されやすく優しい口調の特城が匷いず話者Dず誀刀定されやすいず考えられるその䞀方で話者Dのセリフは男性である話者Aや話者Cに誀刀定されこずが少ないこれは話者Dのセリフが女性口調の特城をより匷く持぀ためではないかず考えられる衚\ref{衚誀掚定䟋}に掚定に成功したセリフず掚定に倱敗したセリフの実䟋を瀺す掚定に成功したセリフはそれぞれの話者が垞甚する口調ず同じ口調のセリフが倚いこれに察し掚定を誀ったセリフにはその話者が垞甚する口調ずは別の口調が䜿われおいるものが倚い䟋えばセリフ䟋9の正解話者はAだがこの話者は乱暎な口調を䜿うこずが倚いのにも関わらずセリフ䟋9では敬語を䜿っおおり敬語を垞甚する話者Bず誀掚定されおいるこのように盎感的に玍埗できる誀りが倚かったが䞭には䞍可解な事䟋も少数ながら存圚した䟋えばセリフ䟋14は男性的な口調が甚いられおいるセリフだが掚定先ずしお女性の話者Dが遞ばれおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T7\begin{table}[t]\input{03table07.tex}\caption{掚定を誀ったセリフ䟋}\label{衚誀掚定䟋}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S5.2\subsection{セリフ実䟋数ず掚定粟床}\label{セリフ実䟋数ず掚定粟床}口調に基づく話者同定では代衚口調ベクトルの蚈算にその話者のセリフの実䟋が䞀定数必芁である本節ではセリフ実䟋数ず掚定粟床の関係を調べるセリフ実䟋数を$n$ずする堎合の掚定粟床を以䞋の方法で求める\begin{quote}各話者のセリフの䞭から$n$個のセリフをランダムに遞びこれをセリフ実䟋ずしお代衚口調ベクトルを蚈算するこの代衚口調ベクトルを甚いお口調に基づく話者同定を行う1぀の$n$の倀に぀き䞊蚘の手続きを5回実行しmacro-F1の平均を$n$に察する評䟡指暙ずする\end{quote}その結果を図\ref{図セリフ実䟋数}に瀺すこの図に瀺すように$n=10$たでは評䟡指暙は倧きく向䞊するがそれより$n$を倧きくしおも評䟡指暙の向䞊はほずんどみられないこの結果より各話者に察しお10件皋床のセリフを甚意すれば十分であるこずが瀺唆される10件皋床のセリフであれば日本語のラむトノベルであっおも小説テキストから地の文の手がかりを甚いお収集可胜ず考えられるこのような収集方法ず組み合わせれば事前に各話者のセリフ実䟋を甚意するこずなく口調に基づく話者同定が適甚可胜ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f3.pdf}\end{center}\caption{セリフ実䟋数ずmacro-F1の関係}\label{図セリフ実䟋数}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S5.3\subsection{話者候補数ず掚定粟床}\label{話者候補数ず掚定粟床}䞀般にクラス分類は察象ずなるクラス数が少なければ分類が容易になり掚定粟床が向䞊するそこで本節では察象ずなる話者のクラス数話者候補数ず掚定粟床の関係を調べる話者候補数を$k$ずする堎合の掚定粟床を以䞋の方法で求める\begin{quote}各セリフの話者候補をそのセリフの真の話者にその他の䞻芁人物のランダムな$(k-1)$人を加えた$k$人ずしお話者掚定を行うそれ以倖の蚭定は\ref{評䟡方法}節ず同様であるこれを14の$k$の倀に察しお行い$k=1,4$の堎合はmacro-F1を$k$に察する評䟡指暙ずする\footnote{$k=1$は話者候補を真の話者のみにするこずに盞圓し$k=4$は話者候補を䞻芁人物党員ずするこずに盞圓するためランダム性は存圚しない}$k=2,3$の堎合は䞊蚘の手続きを5回実行し埗られたmacro-F1の平均を$k$に察する評䟡指暙ずする\end{quote}結果を図\ref{図話者候補数}に瀺す候補が4人のずきは評䟡指暙は67.0\%だったが3人に枛らすず72.5\%2人に枛らすず80.7\%にたで向䞊したこの結果より話者候補数を限定すれば評䟡指暙が向䞊するこずが確かめられたしたがっお口調に基づく話者同定を適甚する際には可胜な限り話者候補を限定するこずが望たしい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f4.pdf}\end{center}\caption{話者候補数ずmacro-F1の関係}\label{図話者候補数}{\vskip-5pt}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%なお本実隓では話者候補が1人から4人の状況を考えたが実際の小説においおも4人を超える話者が同時に䌚話に参加するこずはほずんどない䌚議など参加者が倚数存圚する特殊な状況もあるがその堎合は話者が明蚘されおいるこずが倚い%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6 \section{耇数の手がかりを利甚した話者掚定} \label{耇数の手がかりを利甚した話者掚定}本章では話者候補生成ず口調に基づく話者同定を組み合わせた新しい話者掚定法を提案する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.1\subsection{問題蚭定}話者掚定問題の理想的な問題蚭定は小説テキストを䞎えればそこに含たれるすべおのセリフに話者を付䞎したテキストを出力するずいう問題蚭定であるこれを実珟するためにはセリフの話者の自動掚定以倖に小説の登堎人物の自動怜出が必芁ずなるしかしながら登堎人物の自動怜出の実珟はそれほど容易ではない\footnote{ラむトノベルでは䞀般的ではない人名が䜿われる堎合もあるこのような人名の自動怜出は䞀般的な固有衚珟抜出噚を䜿うだけでは難しいさらに抜出した耇数の人名衚珟姓や名が同䞀人物を指すかどうかを刀定する凊理も必芁ずなる}本研究の䞻目的はセリフの話者の自動掚定でありか぀自動掚定に話者の口調が利甚できるこずを確かめるこずであるそこで登堎人物の自動怜出は切り離し登堎人物のリストはあらかじめ䞎えられるものずするもうひず぀の怜蚎事項はすべおの登堎人物のセリフを察象ずするかずいう点である䞀般に小説は耇数人の䞻芁登堎人物を䞭心に展開されセリフの倚くもこれらの人物のセリフであるさらに䞻芁登堎人物のみがセリフの口調の曞き分けの察象ずなるこずが倚く出珟数の少ない人物は口調が曞き分けられないこずが倚いそこでここでは話者掚定の察象セリフを䞻芁登堎人物のセリフに限定するこずずする以䞊を螏たえ次のような問題蚭定を採甚する\begin{itemize}\item䞎えられるもの\begin{enumerate}\item小説本文のテキストデヌタただし\ref{小説テキストの構造化}節で述べるような構造化がなされ話者を掚定すべきセリフが明瀺化されおいるものずする\item䞻芁人物のリストそれぞれの人物に察しお人物IDおよびその人物の人名衚珟姓名フルネヌムが䞎えられるものずする\item小説の芖点䞀人称小説か䞉人称小説かの区別\item䞀人称小説の堎合どの人物IDの䞀人称芖点で曞かれおおりその人物が地の文で自分を衚すのにどんな䞀人称衚珟を甚いおいるか\end{enumerate}\item掚定すべきもの\begin{enumerate}\itemそれぞれの掚定察象セリフに察しおその話者である人物ID\end{enumerate}\end{itemize}以降の説明では「人物」ず「人名衚珟」を䜿い分ける「人物」はID「人名衚珟」は衚蚘を意味するものずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.2\subsection{システムの構成}話者掚定システムの構成を図\ref{図党䜓像}に瀺すこの図に瀺すように本システムは\textbf{話者候補生成}ず\textbf{口調に基づく話者同定}の2぀のモゞュヌルから構成される前者の話者候補生成ではそれぞれのセリフに察しお話者候補ずなる人物のリスト話者候補リストを決定するここで話者候補が1名ずなったセリフはその時点で話者を確定させる埌者の口調に基づく話者同定では話者が確定したセリフを甚いお各人物の代衚口調ベクトルを蚈算し話者が確定しおいないセリフの話者を掚定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F5\begin{figure}\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f5.pdf}\end{center}\caption{話者掚定システムの党䜓像}\label{図党䜓像}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.3\subsection{小説テキストの構造化}\label{小説テキストの構造化}話者掚定システムに入力するテキストは以䞋の方法であらかじめ構造化する\begin{enumerate}\item章たたは節ぞの分割\\小説䞭に明瀺的な章や節の区切りが存圚する堎合これらの区切りでテキストを分割するなお空行は必ずしも節の区切りずは限らないので分割しない\itemブロックぞの分割\\その埌テキストを改行コヌドで分割する分割した単䜍をブロックず呌ぶブロックの先頭ず末尟が匕甚笊『「』および『」』である堎合それをセリフず認定するそれ以倖のブロックを地の文の段萜ず認定する\item段萜の文ぞの分割\\以䞋に瀺す5皮類の区切り蚘号を甚いお段萜を文に分割する\begin{quotation}[\。,\,\,\!!,\!?\]\end{quotation}\item圢態玠・構文解析\\セリフおよび文をMeCab(IPAdic)京郜倧孊情報孊研究科―日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究所\nocite{MeCab}ずCaboCha\cite{cabocha}を甚いお圢態玠・構文解析する\end{enumerate}なお実隓に甚いるテキストでは各セリフに正解話者をあらかじめ人手で付䞎しおおきシステムに入力する際には人手で付䞎した正解話者をマスクするずずもにどのセリフが話者掚定の察象セリフであるかを明瀺化する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4\subsection{話者候補生成}\label{話者候補掚定}話者候補生成では各セリフに察しおそのセリフの話者候補を決定する話者候補生成の抂芁を図\ref{図話者候補掚定}に瀺すこの図に瀺すように話者候補生成は5぀のステップから構成されるなお「話者亀替に基づく候補限定」ず「䞀人称に基づく候補限定」は党セリフの話者候補が倉わらなくなるたで亀互に繰り返す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F6\begin{figure}\begin{center}\includegraphics{31-3ia3f6.pdf}\end{center}\caption{話者候補生成}\label{図話者候補掚定}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4.1\subsubsection{呚蟺文脈からの候補抜出}各セリフに察しおその呚囲に珟れる人名衚珟を集めるこずで話者候補リストを䜜成する以䞋にその手順を瀺す\begin{enumerate}\item察象のセリフの$N_b$文前から$N_a$文埌たでを候補抜出範囲ずするただし候補抜出範囲内にセリフが含たれる堎合そのセリフを候補抜出範囲には含めるが$N$のカりントはしないなお候補抜出範囲は章や節の単䜍を超えないこずずする\item候補抜出範囲に䞻芁人物リストに含たれる人名衚珟姓名たたはフルネヌムが出珟した堎合その人名衚珟の人物を話者候補リストに含めるただし察象ずする小説が䞀人称小説の堎合䞀人称芖点の人物は必ず話者候補リストに含める\end{enumerate}$N_b$ず$N_a$の倀は『氷菓』および『愚者の゚ンドロヌル』を甚いた予備実隓により$N_b=10,N_a=3$ず定めた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4.2\subsubsection{話者明蚘に基づく話者同定}\label{話者明蚘に基づく話者掚定}セリフの前埌の文に人名衚珟が発話動詞の䞻語ずしお出珟する堎合にセリフの話者を確定させる具䜓的には以䞋に瀺す4぀のパタヌンを甚いセリフの前埌がこれらのいずれかのパタヌンず䞀臎した堎合にそのセリフの話者を確定させる\begin{description}\item[パタヌン1]\mbox{}\\\begin{tabular}{l@{:}l}$N_{-1}$&任意の地の文\\$U_0$&掚定察象のセリフ\\$N_1$&ず$\cdots$$A$$\cdots$発話動詞$V$$\cdots$\end{tabular}\item[パタヌン2]\mbox{}\\\begin{tabular}{l@{:}l}$N_{-1}$&$\cdotsA\cdots$\\$U_0$&掚定察象のセリフ\\$N_1$&ず$\cdots$発話動詞$V$$\cdots$\end{tabular}\item[パタヌン3]\mbox{}\\\begin{tabular}{l@{:}l}$N_{-2}$&任意の地の文\\$N_{-1}$&$\cdotsA\cdots$発話動詞$V$$\cdots$\\$U_0$&掚定察象のセリフ\end{tabular}\item[パタヌン4]\mbox{}\\\begin{tabular}{l@{:}l}$U_0$&掚定察象のセリフ\\$N_1$&$\cdotsA\cdots$発話動詞$V$$\cdots$\\$N_2$&任意の地の文\end{tabular}\end{description}ここで$N_i$は地の文$U_0$は掚定察象セリフを衚す$A$は䞻芁人物リストに含たれる人名衚珟を衚すただし䞀人称小説の堎合は䞀人称芖点の人物の䞀人称衚珟も$A$ずしお認める発話動詞$V$は「蚀う・答える」などの発話を瀺唆する動詞\footnote{発話動詞は囜立囜語研究所の「分類語圙衚増補改蚂版デヌタベヌス(ver.1.0)」\cite{分類語圙衚}から940語を収集した}である䞊蚘のパタヌンには明蚘しおいないが$A$を含む文節の係り先文節に発話動詞$V$が存圚するこずおよび発話動詞$V$の盎埌に吊定を衚す助動詞が存圚しないこずも条件ずするなお4぀のパタヌンは䞊から順に照合するたずえば次の䟋の堎合パタヌン3により$U_0$の話者は䞀人称芖点の人物ずなる\begin{screen}\begin{tabular}{l@{:}l}$N_{-2}$&いかにも心倖だ。\\$N_{-1}$&俺は抗議した。\\$U_0$&「俺が灰色だっお」\\\end{tabular}\\\rightline{『氷菓』\cite{氷菓}p.7より}\end{screen}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4.3\subsubsection{発話内人名に基づく候補限定}セリフ内に人名が出珟した堎合自己玹介など特殊な状況を陀けばその人物は話者ずはならないこの手がかりを次のように実装する\begin{quote}察象のセリフの䞭に人名衚珟が出珟する堎合察応する人物を話者候補から陀倖する\end{quote}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4.4\subsubsection{話者亀替に基づく候補限定}\label{話者亀替に基づく候補限定}小説でセリフが連続する堎合話者は亀替するこの手がかりを次のように実装する\begin{quote}あるセリフの話者が人物$S$で確定しおおりか぀その盎前たたは盎埌がセリフだった堎合それらのセリフの話者候補から$S$を陀倖するこれにより新たに話者が確定したセリフが埗られた堎合はそのセリフに察しおもこの手続きを適甚する\end{quote}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.4.5\subsubsection{䞀人称に基づく候補限定}\label{䞀人称に基づく候補限定}各人物は小説を通しお䞀貫した䞀人称衚珟を甚いるのが普通である\footnote{特定の聞き手や状況によっおは普段ず異なる䞀人称衚珟を䜿う堎合もあるこの堎合正解話者を話者候補から陀倖しおしたうこずになる}この手がかりを次のように実装する\begin{enumerate}\itemその時点たでに話者が確定したセリフから䞀人称衚珟を収集し出珟回数が最も倚かった䞀人称衚珟をその人物が甚いる䞀人称衚珟ずする\footnote{䞀人称衚珟がひず぀も埗られない堎合は䞍定ずする}なおステップ4ず5の繰り返し凊理で二床目以降にこの凊理を行う堎合はその時点でただ䞀人称衚珟が決定しおいない人物のみを察象ずする\itemセリフ䞭に䞀人称衚珟$X$が含たれる堎合そのセリフの話者候補から$X$以倖の䞀人称衚珟を䜿う人物を陀倖する\end{enumerate}衚\ref{衚䞀人称}に䞀人称衚珟ずしお認定する語の䞀芧を瀺す\footnote{䞀般的に小説で䜿われるこずが倚いず思われる䞀人称衚珟を採甚した}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T8\begin{table}[t]\input{03table08.tex}\caption{䞀人称衚珟ずしお認定する語}\label{衚䞀人称}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S6.5\subsection{口調に基づく話者同定}\label{口調ベクトルを利甚した話者掚定}3章で瀺した\textbf{口調に基づく話者同定法}を甚いお話者が確定しおいないセリフの話者を決定するたず話者が確定しおいるセリフを甚いお各話者の代衚口調ベクトルを求める次に話者を決定したいセリフの口調ベクトルずそのセリフの各話者候補の代衚口調ベクトルずの距離を蚈算し最も距離が小さい話者候補をそのセリフの話者ずするただし地の文を挟たずにセリフが連続する堎合話者亀替の条件をみたす必芁があるこれを実珟するためにセリフが連続する堎合には䞀連のセリフに察するすべおの可胜な話者の割圓おに察しお代衚口調ベクトルず口調ベクトルの距離の和を取りこれが最小ずなる話者の割圓おを採甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S7 \section{話者掚定の実隓} \label{話者掚定の実隓}本章では\ref{耇数の手がかりを利甚した話者掚定}章のシステムを甚いた話者掚定の実隓に぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S7.1\subsection{掚定察象小説}本実隓では次の5぀の䜜品を䜿甚する\footnote{曞籍媒䜓をOCRで読み蟌み誀字脱字の修正を行ったのちセリフに察する話者のアノテヌションを人手で行うこずでデヌタを䜜成した}\begin{enumerate}\item「叀兞郚シリヌズ」『氷菓』ず『愚者の゚ンドロヌル』を繋げお扱う\item『ノヌゲヌム・ノヌラむフ』\cite{ノヌゲヌム・ノヌラむフ}\item『涌宮ハルヒの憂鬱』\cite{涌宮ハルヒの憂鬱}\item『かがみの孀城』\cite{かがみの孀城}\item『謎解きはディナヌのあずで』\cite{謎解きはディナヌのあずで}\end{enumerate}これらの5䜜品のうち「叀兞郚シリヌズ」は\ref{口調゚ンコヌダ実隓}節で口調゚ンコヌダの評䟡に䜿甚したがそれ以倖の小説は口調゚ンコヌダの孊習評䟡のいずれにも䜿甚しおいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T9\begin{table}[t]\input{03table09.tex}\footnotesize*は䞀人称芖点の人物を衚す\caption{各䜜品の䞻芁人物}\label{衚䞻芁人物}{\vskip5pt}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{衚䞻芁人物}にこれらの䜜品の䞻芁人物ずそのセリフ数および口調タむプを瀺すなお口調タむプは孊習甚デヌタに該圓する口調タむプがあればその口調タむプずIDを瀺し該圓するタむプがない堎合はその口調の特城を衚すラベルを瀺しおいる衚\ref{衚䞻芁人物}に瀺すように「叀兞郚シリヌズ」『ノヌゲヌム・ノヌラむフ』『涌宮ハルヒの憂鬱』の3䜜品では䞻芁人物の口調タむプはすべお異なるこれに察しお『かがみの孀城』では女性2人の口調が「女性-普通」に男性3人の口調が「男性-普通」に該圓しこれらの人物が䜿甚する口調間に倧きな差はみられないたた『謎解きはディナヌのあずで』では人物A宝生麗子は「女性-敬語」ず「女性-およだわ蚀葉」に該圓する2皮類の口調を人物C颚祭は「男性-敬語」ず「男性-軜薄」に該圓する2皮類の口調を状況や察話盞手に応じお䜿い分けおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S7.2\subsection{ベヌスラむン手法}口調に基づく話者同定ず比范するベヌスラむン手法ずしお次の2぀の手法を蚭定する\begin{itemize}\itemFrequent法\\それぞれの話者$s$に察しお話者候補生成により確定したセリフ数$K_s$を求める話者が未確定のセリフの話者をそのセリフの話者候補のうち$K_s$の倀が最も倧きい人物ずする\itemNearest法\\話者が未確定のセリフの話者をそのセリフの話者候補のうち人名が文字単䜍で最もセリフの近くに出珟する人物ずする\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T10\begin{table}[b]\input{03table10.tex}\caption{話者掚定の結果}\label{衚掚定結果}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S7.3\subsection{話者掚定結果}\label{話者掚定結果}話者掚定の実隓結果を衚\ref{衚掚定結果}に瀺すこの衚では各䜜品に察しお以䞋の倀を瀺した\begin{itemize}\item䜜品固有の倀\begin{itemize}\item䞻芁人物数\item小説の芖点䞀人称人物たたは䞉人称\itemセリフ数\item内話者近接数セリフの話者の人名衚珟がセリフの盎前盎埌の文で出珟するセリフ数およびその割合発話動詞の䞻語ずなっおいるこずを条件ずしない\item話者候補生成の結果\item話者確定数話者が確定したセリフ数およびセリフ党䜓に察するその割合\item正解率話者が確定したセリフの正解率\item話者未確定数話者が確定しなかったセリフ数およびセリフ党䜓に察するその割合\item平均候補数話者が確定しなかったセリフの平均話者候補数\item正解含有率話者が確定しなかったセリフの話者候補の䞭に正解話者が含たれおいる割合\end{itemize}\item話者未確定セリフに察する話者同定の結果\begin{itemize}\itemFrequent法Nearest法提案手法それぞれの手法の話者が未確定のセリフに察する掚定結果(macro-F1/micro-F1)\item各話者のF1口調に基づく話者同定の各話者のF1\end{itemize}\item話者掚定システム党䜓の結果\begin{itemize}\itemFrequent法Nearest法提案手法それぞれの手法の党セリフに察する掚定結果(macro-F1/micro-F1)\end{itemize}\end{itemize}たず話者未確定セリフに察する話者同定の結果に泚目する「叀兞郚シリヌズ」『ノヌゲヌム・ノヌラむフ』『謎解きはディナヌのあずで』の3䜜品においお提案手法口調に基づく話者同定はmacro-F1ずmicro-F1\footnote{micro-F1は党セリフのうち話者を正しく同定した割合粟床を衚す}の䞡方の指暙においおベヌスラむンを䞊回った『涌宮ハルヒの憂鬱』はmacro-F1ではNearest法より若干劣るが\footnote{人物CずEのF1が極端に䜎いこずがmacro-F1の倀を抌し䞋げおいる}micro-F1はNearest法を䞊回っおいる実際口調に基づく話者同定は話者候補が耇数の堎合に適甚するのでチャンスレベルは50\%以䞋であるすなわちmicro-F1の倀が0.5を超えおいれば口調゚ンコヌダによっお䜜られた口調ベクトルは話者の刀別に圹立っおいるずいえるこれに察しお『かがみの孀城』では提案手法はmacro-F1ずmicro-F1の䞡方でNearst法を䞋回ったこの理由はこの䜜品に固有な性質によるず考えられる本論文の冒頭で述べたようにセリフの話者を特定する手がかりずしおどのような皮類の手がかりが倚甚されるかは個々の䜜品によっお異なる『かがみの孀城』はセリフの話者の人名衚珟がセリフの前埌の文に出珟する割合話者近接数の割合が5䜜品䞭䞀番高く(62.2\%)さらに䞻芁人物数が8名であるにも関わらず話者候補生成で話者が特定できたセリフの割合が高い(29.7\%)これは口調以倖の特城でセリフの話者を同定できる割合が高いこずを意味するこのような䜜品では䞀般にセリフの口調を曞き分ける必然性に乏しい実際話者Hを陀けば話者間にはっきりした口調の違いはなかった\footnote{掚定結果においおも話者H以倖は衚\ref{衚䞻芁人物}に瀺した口調タむプに関わらず様々な話者が掚定先に遞ばれおいた}このような堎合口調に基づく話者同定の有効性は䜎いただしmicro-F1の倀は46.5\%でありチャンスレベル\footnote{平均話者候補数は3人を超えおいるためチャンスレベルは1/3以䞋である}を䞊回っおいるため話者の刀別にたったく効果がない蚳ではない次に話者候補生成の結果に泚目する話者候補生成では次のこずが望たしい\begin{enumerate}\item話者が確定したセリフ数絶察数ずその割合が高い方が望たしい\item話者が確定しなかったセリフに察しおは平均話者候補数が少なく正解含有率が高い方が望たしい\end{enumerate}どの䜜品においおも話者が確定したセリフ数は150件以䞊埗られおおり最䜎限のセリフ実䟋数各話者10件皋床はおおよそ確保されおいる\footnote{『ノヌゲヌム・ノヌラむフ』の人物Bの確定セリフ数は22件正解含有率54\%人物Dの確定セリフ数は6件正解含有率17\%であったこのように人物によっおは十分な確定セリフ数が埗られおいないものもあった}䞀方正解率は90\%に満たないものが3䜜品あるセリフ実䟋の品質は代衚口調ベクトルの品質を巊右するため正解率が高いこずが望たしいが本実隓結果より必ずしも100\%でなくおも口調に基づく話者同定は機胜するこずがわかる話者が確定しなかったセリフの平均話者候補数は2.15人から3.31人である䞀人称小説では䞀人称芖点の人物を必ず候補に含めるため平均話者候補数は比范的倧きな倀ずなる䞀方正解含有率は87.6\%から97.1\%である正解含有率は口調に基づく話者同定の粟床(micro-F1)の䞊限を䞎えるためこの倀も90\%以䞊が望たしい話者候補から正解話者が陀倖される原因を付録\ref{話者候補生成における゚ラヌ}の衚\ref{衚話者候補生成における゚ラヌ}に瀺す話者候補生成で確実性の高い手がかりのみを䜿えば䞊蚘の正解率・正解含有率を高くするこずができるその䞀方で話者確定セリフ数は少なくなり話者䞍確定セリフの平均候補数も倚くなる話者候補生成ではこのトレヌドオフをうたくバランスさせる必芁がある最埌に話者掚定党䜓の結果に泚目する『かがみの孀城』を陀く4䜜品では提案手法はmacro-F1およびmicro-F1においおベヌスラむン手法を䞊回ったこれらの結果よりラむトノベルの話者掚定においお口調に基づく話者同定を利甚した提案手法は有力な手法のひず぀ずなりうるしかしながら党䜓の粟床(micro-F1)は70\%から80\%皋床でありさらなる粟床向䞊が必芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S7.4\subsection{文゚ンコヌダに察する远加孊習の効果}\label{未知の口調に察する远加孊習の効果}先の実隓で甚いた小説には口調゚ンコヌダ口調タむプ分類噚の孊習で蚭定した10皮類の口調タむプ以倖の口調を甚いる人物が含たれる文゚ンコヌダの远加孊習で利甚したBCCWJ小説䌚話文のセリフデヌタには10皮類の口調タむプ以倖に分類される口調も数倚く含たれおいる\ref{口調゚ンコヌダ結果}節で述べたように文゚ンコヌダずしおLUKEを甚いた堎合には远加孊習の効果は埗られずBERTを甚いた堎合のみ远加孊習の効果が埗られたここではこの点をさらに远求する具䜓的には以䞋に瀺す远加実隓を行う\begin{enumerate}\item『謎解きはディナヌのあずで』を甚いお10皮類の口調タむプに含たれない「男性-執事口調」の人物BのF1を調べる\item以䞋に瀺す4皮類の口調゚ンコヌダを比范する\footnote{口調゚ンコヌダのパラメヌタにはシヌド倀を倉えお実隓を行った䞭で最も高いmacro-F1を瀺したものを甚いる}\begin{enumerate}\itemBERTBERT/口調タむプ分類噚/äž­é–“å±€/64次元\itemBERT+BERT+/口調タむプ分類噚/äž­é–“å±€/64次元\itemLUKELUKE/口調タむプ分類噚/äž­é–“å±€/64次元\ref{話者掚定結果}節で甚いた構成\itemLUKE+LUKE+/口調タむプ分類噚/äž­é–“å±€/64次元\end{enumerate}\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T11\begin{table}[b]\input{03table11.tex}\caption{『謎解きはディナヌのあずで』を察象ずした各口調゚ンコヌダでの掚定結果}\label{衚未知の口調}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%远加実隓の結果を衚\ref{衚未知の口調}に瀺すここで瀺した数倀は口調に基づく話者同定の察象ずなる話者未確定セリフ497件に察する結果であるこの衚に瀺すように文゚ンコヌダずしおBERTを甚いた堎合远加孊習により「男性-執事口調」を甚いる話者BのF1は倧きく向䞊しおいる䞀方LUKEを甚いた堎合は远加孊習により若干悪化したBERTで远加孊習を行わなかった堎合のF1はかなり悪いこれはBERTが未知の口調の特城をうたく捕えおいないこずを瀺唆するBERTにおいお远加孊習を行った堎合のF1の向䞊は远加孊習においおより倚くのセリフを「芋る」こずによっおより倚くの口調の特城を文埋め蟌みに埋め蟌むこずが可胜ずなりその結果口調の特城をより反映した口調ベクトルが䜜成できるようになったず解釈できる䞀方LUKEを文゚ンコヌダずしお甚いた堎合は远加孊習なしでもある皋床の掚定粟床が埗られおいるこれは文゚ンコヌダずしおLUKEがBERTより優れおいるこずを瀺唆する远加孊習の効果がなかった理由は䞍明であるがLUKEはBERTより倚くのパラメヌタを内圚する\footnote{BERT-baseのパラメヌタ数は110MだがLUKE-large-liteのパラメヌタ数は414Mである}ため新しい口調を孊ぶためにより倚くの孊習デヌタを必芁ずするのかもしれない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%S8 \section{おわりに} 本論文では小説のセリフをそのセリフの口調の特城を埋め蟌んだ口調ベクトルに倉換する口調゚ンコヌダおよび口調ベクトルを甚いた話者同定手法を提案するずずもにこの方法を組み蟌んだ小説の話者掚定システムを提案したこれら䞀連の提案により小説の話者の自動掚定にセリフの口調が掻甚できるこずを明らかにした口調゚ンコヌダは文゚ンコヌダず分類噚を組み合わせお実珟するその実装ずしお80皮類の構成を怜蚎し文゚ンコヌダLUKEず64次元の䞭間局を持぀口調タむプ分類噚を組み合わせ64次元の䞭間局の倀を口調ベクトルずしお採甚する構成が最も優れおいるこずを実隓的に明らかにした口調に基づく話者同定手法はセリフ実䟋から話者の口調を衚すベクトル代衚口調ベクトルを算出し話者を同定したいセリフの口調ベクトルず各話者候補の代衚口調ベクトルの距離に基づき話者を同定するこの手法が必芁ずするセリフ実䟋の数は各話者に察しお10件皋床であり倧量のセリフ実䟋を必芁ずしない点に特城があるこの手法は倚クラス分類問題ずしお話者同定タスクを解くため話者候補数を限定したほうが高い粟床が埗られる日本語のラむトノベルを察象ずした話者掚定システムは口調に基づく話者同定の前段に話者候補生成モゞュヌルを配眮したシステムであるこのシステムでは前段のモゞュヌルで話者が確定したセリフを代衚口調ベクトルの算出に䜿甚するためあらかじめセリフ実䟋を準備する必芁がない本システムを甚いお5぀の䜜品に察しお話者掚定実隓を行ったずころ4぀の䜜品でベヌスラむンを䞊回る結果が埗られたベヌスラむンを䞋回った1぀の䜜品はセリフの話者を特定させるために口調以倖のより明瀺的な手がかりを倚甚しおいる䜜品であった今回実珟した話者掚定システムを小説テキストに察する話者アノテヌション支揎ツヌルずしお利甚するこずを想定した堎合以䞋の点を解決する必芁がある\begin{itemize}\item倚様な䜜品に察応するためより倚くの手がかりを掻甚できるシステムに拡匵する必芁がある\item本システムは䞻芁人物のセリフのみを掚定察象ずしおいるがその他の人物のセリフも察象に含める必芁がある\end{itemize}特に2぀目の課題の解決は重芁である珟圚のシステムは話者掚定の察象セリフ䞻芁人物のセリフが事前に刀明しおいるずいう蚭定を採甚しおいるがこの蚭定は珟実的ではない実甚的なツヌルにするためには少なくずも䞻芁人物以倖の人物のセリフに察しお「䞻芁人物以倖」ず刀定する機胜の実珟が䞍可欠である本論文で提案した口調゚ンコヌダは任意のセリフを口調ベクトルに倉換するこずができるこれにより任意の2぀のセリフの口調の類䌌性を刀定するこずができるこの類䌌性刀定胜力はセリフの話者掚定以倖にも倚くの掻甚法があるたずえば耇数のセリフ候補の䞭からキャラクタヌの代衚口調ベクトルに類䌌するセリフを遞択するこずによりキャラクタヌらしいセリフの生成が可胜になる%%%Acknowledgement%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はJSPS科研費JP21H03497の助成を受けたものです%%%Bibliography%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\input{03ishikawa.bbl.tex}%%%%\bibliography{03refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage\appendix \section{各口調タむプのセリフ䟋} \label{各口調タむプのセリフ䟋}各口調タむプのセリフ䟋を衚\ref{衚各口調タむプのセリフ䟋}に瀺すこれらのうち口調タむプ分類噚の孊習で䜿甚したのはID付きの10皮類の口調である \section{口調゚ンコヌダの評䟡結果の詳现} \label{各モデルの評䟡結果}\ref{評䟡方法}節で述べた方法で口調゚ンコヌダの評䟡を行った結果を衚\ref{衚各モデルにおける話者掚定の結果}に瀺す結果15には各構成の口調゚ンコヌダに察しシヌド倀を5皮類に倉えお孊習を行った結果を昇順で瀺しおいる%たた平均にはこれらの平均を瀺しおいる \section{話者候補生成における゚ラヌ} \label{話者候補生成における゚ラヌ}衚\ref{衚話者候補生成における゚ラヌ}に話者候補生成においお正解話者が話者候補から陀倖される原因を瀺すなお゚ラヌ䟋においお゚ラヌが起きたセリフを倪字で瀺し゚ラヌの原因ずなった箇所に䞋線を匕いおいるたた本実隓の察象䜜品では芋られなかったが䜜品によっおは䞀人称に自分の名前を䜿う人物も存圚するの堎合「䞀人称に基づく候補限定」で正解話者が候補から陀倖されおしたう%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T12\begin{table}[b]\input{03table12.tex}\caption{各口調タむプのセリフ䟋}\label{衚各口調タむプのセリフ䟋}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T13\begin{table}[t]\input{03table13a.tex}\end{table}\begin{table}[t]\input{03table13b.tex}\caption{各口調゚ンコヌダの評䟡結果}\label{衚各モデルにおける話者掚定の結果}\end{table}\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T14\begin{table}[t]\input{03table14.tex}\caption{話者候補生成における゚ラヌ}\label{衚話者候補生成における゚ラヌ}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%Biography%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{石川和暹}{%2024幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科博士前期課皋修了同幎WED株匏䌚瀟入瀟蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{小川浩平}{%2010幎公立はこだお未来倧孊博士埌期課皋修了ATR知胜ロボティクス研究所研究員倧阪倧孊基瀎工孊研究科助教及び講垫を経お2019幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科准教授博士システム工孊情報凊理孊䌚ヒュヌマンむンタフェヌス孊䌚ACM各䌚員}\bioauthor{䜐藀理史}{%1988幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科教授博士工孊蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V27N04-08
\section{はじめに} 我々は文章を読解する際単語や句節文などを単独の衚珟ずしお読解するのではなく呚蟺の衚珟ずの意味的な぀ながりを理解しながら読み進めおいるこのような぀ながりを談話関係ず呌び談話関係を解析するタスクを談話関係解析ず呌ぶ具䜓䟋を瀺す\ex.\label{ex:sample}\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{(\roman{enumi})}\item恐ろしいほど雚が降っおいたせいで\item昚日は倖出できなかった\item䞀昚日の倩気予報では降らないず蚀っおたんだけどなぁ\end{enumerate}䟋\ref{ex:sample}の(i)ず(ii)は「雚が降っおいたのが原因で倖出できなかった」ずいう意味的な぀ながりを持぀ので「(i)が原因(ii)が結果」ずいう談話関係を持぀同様に(i)ず(iii)は「䞀昚日は降らないず蚀っおいたのに雚が降った」ずいう意味的な぀ながりを持぀ので逆接の談話関係を持぀䞀方(ii)ず(iii)は(i)ず(ii)や(i)ず(iii)のような匷い意味的な぀ながりを持たないず解釈できる談話関係解析は自然蚀語凊理の基盀的な解析の䞀぀であり英語ではPennDiscourseTreeBank(PDTB)\cite{Prasad:LREC2008}やRSTDiscourseTreebank(RST-DT)\cite{Carlson2001}ず呌ばれるコヌパスを䜿っお様々な研究が行われおいるしかし日本語では因果関係抜出など談話関係の䞀郚を取り扱った研究\cite{takahashi:nlp2016}や圢態玠・構文・意味解析結果をもずに文曞党䜓の談話関係を解析する研究\cite{umesawa:jnlp2001}はあるがコヌパスベヌスの談話関係解析の研究はほずんどない本研究では日本語の談話関係解析を実甚化するため日本語の談話関係解析タスクを定矩し談話関係タグ付きコヌパスを高速な手法で構築する本研究ではPDTB2.0\cite{Prasad:LREC2008}を参考にしお日本語の談話関係タグ付きコヌパスを構築するPDTBを参考にする理由はRST-DTは文曞党䜓の談話関係を1぀の朚構造で衚珟するためアノテヌションが非垞に困難であるこずず隣接する談話単䜍間に談話関係タグを付䞎するPDTBの蚭蚈思想が䞖界的に広がっおいるからであるPDTBでは談話単䜍談話暙識談話関係タグの3項目のアノテヌションが実斜されおいる談話単䜍ずは談話関係を付䞎する単䜍でありPDTBでは談話単䜍ができる限り短くなるようにアノテヌションされおいる談話暙識ずは「なので」や「しかし」ずいった談話関係を盎接瀺す衚珟を指す談話暙識を持぀談話関係以降明瀺的ず呌ぶは談話暙識が倧きな手がかりずなるため解析粟床は非垞に高い䞀方談話暙識を持たない談話関係以降非明瀺的ず呌ぶの解析は非垞に難しいこずが知られおいる\cite{sharedtask:conll2016}前述の䟋\ref{ex:sample}では(i)ず(ii)の関係は「せいで」ずいう談話暙識を持぀ので明瀺的な談話関係(i)ず(iii)の関係は談話暙識を持たないので非明瀺的な談話関係に分類される談話関係タグは談話単䜍間に存圚する談話関係を衚すタグでありPDTB2.0は3階局䞋䜍30皮類からなる談話関係タグセットを定矩しおいるPDTBは談話単䜍に぀いお具䜓的な認定基準を定めおおらずアノテヌタの刀断で様々な長さのたずたりが談話単䜍ずしおアノテヌトされおおり自動認識が容易ではない近幎は倧芏暡ラベルなしコヌパスからの事前孊習の有効性が認識されおいる\cite{BERT:NACCL2019}がPDTBに基づく談話単䜍の自動認識の難しさは倧芏暡ラベルなしコヌパスを効果的に掻甚する䞊で障害ずなっおいるたた高床なテキスト理解の実珟のためには談話関係解析を述語項構造解析などの他の自然蚀語凊理タスクず連携させるこずが有望な方策だが談話単䜍の独自性がやはりタスク間連携の劚げずなっおいるたた䞀郚の談話関係タグの出珟頻床が非垞に䜎いためこれたでの研究では䞀郚のタグが無芖されおいる本研究では談話関係タグ付きコヌパスを高速に構築する手法を提案する本手法のポむントは以䞋の4点である\begin{itemize}\itemWebペヌゞの冒頭3文を収集したコヌパスにタグ付けを実斜する\itemルヌルベヌスの解析噚を構築し談話単䜍の自動認識を行う\item談話暙識を自動認識する高粟床な解析噚を敎備する\itemタグセットをPDTB2.0よりも簡朔な2階局䞋䜍7皮類ずする\end{itemize}談話関係タグのアノテヌションは熟緎のアノテヌタによる小芏暡だが高品質なものずクラりド゜ヌシングを甚いた倧芏暡なものの2皮類を構築するクラりド゜ヌシングを甚いた堎合安䟡か぀高速に倧芏暡なアノテヌションを行うこずができるが䞀般的に専門家に比べお品質が劣るず蚀われおいるそこでコヌパスの品質向䞊を目指しおタスクを分割するクラりドワヌカヌに蚀語テストを提瀺するなどの工倫を甚いる本研究では500文曞からなる高品質なコヌパスず6,445文曞からなる高速か぀倧芏暡なコヌパスが構築された分析の結果クラりド゜ヌシングを甚いた倧芏暡コヌパスは熟緎のアノテヌタによるものに比べお䜎品質であるこずがわかったこれは様々な工倫をしたものの談話関係タグ付けタスク本来の困難さが䟝然ずしお残っおいたこずや泚意深く・真面目に取り組んでいるワヌカヌずそうでないワヌカヌの差が激しかったこずが原因だず考えられるそのためタスクをさらなる分割や談話暙識の自動認識の掻甚を通しおクラりドワヌカヌに提瀺するタスクをより簡朔にする必芁がある本研究で構築した談話関係解析タグ付きコヌパスを甚いお談話関係解析噚を蚓緎する実隓の結果クラりド゜ヌシングのアノテヌションはニュヌラルネットワヌクベヌスの談話関係解析噚を孊習する際に䞀定の効果があるこずが分かったたた本研究で敎備した談話暙識の自動認識は明瀺的な談話関係のみに焊点を絞った解析ずみなすこずができるそこで談話暙識の自動認識に぀いお評䟡したずころ高粟床であるこずが分かったこのこずから談話暙識の自動認識は粟床が高い談話関係解析結果のみを抜出しお別のタスクに応甚するずいう甚途においお利甚可胜だず考えられるしたがっお今回敎備した自動認識は因果関係抜出\cite{takahashi:nlp2016}や蚀論マップ\cite{Murakami2009}商品レビュヌを敎理する応甚システム\cite{kiyomaru:nlp2020}など談話関係解析を応甚した研究に適甚可胜である本研究は日本語のコヌパスベヌスの談話関係解析の研究はほずんどないずいう珟状を打砎するために行った研究であるそのためタグセットの簡単化や短い文章を察象しおアノテヌションを行うなど問題を限定しお蚭蚈を行っおいる珟状の芏暡でも日本語のコヌパスベヌスの談話関係解析の研究に貢献できるず考えおいるがさらなる発展のためにはコヌパスの拡匵が必芁である本研究で構築した日本語談話関係タグ付きコヌパスを公開しおいる\footnote{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/?日本語談話関係解析}たた節ず談話暙識の自動認識ルヌルは日本語構文・栌解析噚KNP\footnote{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/?KNP}に実装されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話関係解析}談話関係解析は英語を筆頭に䞭囜語スペむン語ドむツ語など様々な蚀語で研究されおいる英語ではPennDiscourseTreebank\cite{Prasad:LREC2008}ずRSTDiscouresTreebank\cite{Carlson2001}ず呌ばれるコヌパスが代衚的であるPDTBは英語の新聞蚘事2,159文曞を察象ずしお2぀の談話単䜍間に談話関係タグを付䞎したコヌパスであるRST-DTは英語の新聞蚘事385文曞に察しお隣接する談話単䜍間に談話関係タグを付䞎しおいるPDTBずの違いは談話単䜍を階局的に構造化するこずで文曞党䜓の談話関係を1぀の朚構造で衚珟しおいる点である本研究ではPDTBを参考に日本語の談話関係解析タスクを蚭蚈する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{27-4ia7f1.eps}\end{center}\caption{PDTB2.0における談話関係タグセット\protect\cite{Prasad:cl2014}より匕甚}\label{fig:pdtb}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%PDTB2.0\cite{Prasad:LREC2008}\footnote{2019幎3月に公開されたPDTB3.0では談話関係タグセットが䞀郚倉曎されおいる\cite{prasad:COLING2018}}の談話関係タグセットは図\ref{fig:pdtb}に瀺すずおり3階局䞋䜍30皮類のタグからなるしかしPDTBのタグセットは非垞に耇雑であるため``Reason''など䜕千回ず出珟するタグがある䞀方で``Relevance''など出珟頻床が50回以䞋のタグが存圚する䞍均衡コヌパスずなっおいるそのためPDTBを甚いた談話関係タグ分類の研究ではタスクを簡単化するために出珟頻床が䜎いタグを陀倖した蚭定で行われる\cite{Pitler2009a,Lin:2009:EMNLP,sharedtask:conll2015}英語以倖の蚀語では䞭囜語の談話関係解析が近幎研究されおいる䞭囜語にはPDTBを参考にしお構築された談話関係タグ付きコヌパス\cite{cdtb}がありこれを甚いたsharedtaskが2016幎に開催された\cite{sharedtask:conll2016}その他にもRSTで構築されたスペむン語\cite{rstdt_sp}やドむツ語コヌパス\cite{rstdt_ge}6ヶ囜語英語ドむツ語ポヌランド語ポルトガル語ロシア語トルコ語のTEDtalkのtranscriptsに察しおPDTBの方匏でアノテヌションした倚蚀語コヌパス\cite{ZEYREK:lrec2018}が近幎構築されおいる日本語では金子ら\cite{kaneko2014}の研究がある金子らはSDRT\cite{Asher2003}ず呌ばれる談話関係理論を日本語に合わせお再構築した䞊で時間関係ず因果関係談話関係をアノテヌションした日本語評䟡デヌタを構築したしかし金子らのコヌパスはデヌタ芏暡が66文196セグメントず非垞に小芏暡であり機械孊習に甚いるのは困難である本研究ではPDTBを参考に日本語の談話関係解析タスクを定矩し倧芏暡なコヌパスの構築ならびに談話関係解析噚の構築を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クラりド゜ヌシングを甚いたコヌパス構築}クラりド゜ヌシングずはネットを通じお䞍特定倚数の人以降クラりドワヌカヌず呌ぶにタスクを発泚する手法であり倚くの蚀語リ゜ヌスの構築に利甚されおいる\cite{D08-1027,squad}Snowらは単語の類䌌床刀定やRTEなど5぀のアノテヌションタスクを実斜した圌らはクラりド゜ヌシングを甚いるこずで単語の類䌌床刀定のアノテヌションタスク300問が11分匱で完了したず報告しおいるRajpurkarらは536蚘事107,785問からなる倧芏暡な機械読解コヌパスを構築したその際Wikipediaの蚘事をクラりドワヌカヌに提瀺しその蚘事に関する問題文ず正解のペアを䜜成させるこずでコヌパスの倧芏暡化を実珟しおいるこれらの研究からクラりド゜ヌシングを甚いるず安䟡でか぀高速に倧芏暡なアノテヌションを行うこずができるこずが分かる本研究では談話関係タグ付きコヌパスを構築する際にクラりド゜ヌシングを甚いるこずで安䟡でか぀倧芏暡なアノテヌションを行うクラりド゜ヌシングを甚いた堎合の問題ずしお専門家に比べお品質が劣るず蚀われおいるこの問題に察し耇数のクラりドワヌカヌに同じタスクを解かせその結果を集玄するずいう品質改善手法がよく知られおいるがそれ以倖にもWhitehillら\cite{Whitehill2009}やGuillaumeら\cite{Bruno2016}Habernalら\cite{Argotario}Yangら\cite{yung:ACL2019}が品質向䞊の手法を提案しおいるWhitehillらは非垞に質の悪いクラりドワヌカヌの意芋を無芖するため重み付き倚数決を甚いた埌凊理手法を提案した具䜓的にはクラりド゜ヌシングで埗られたアノテヌション結果をもずにクラりドワヌカヌの専門知識量やタスクの難易床などを掚論するこずで質の悪いクラりドワヌカヌを掚定し圌らの意芋の重みを䞋げるずいう手法であるGuillaumeらやHabernalらはゲヌミフィケヌションを甚いたアノテヌションを提案しおいるゲヌミフィケヌションずはゲヌムデザむンなどの芁玠をゲヌム以倖の物事に応甚するこずであるゲヌミフィケヌションをクラりド゜ヌシングを甚いたアノテヌションに取り入れる堎合クラりドワヌカヌが繰り返しゲヌムをプレむするこずでアノテヌションに必芁な知識を孊習しその結果アノテヌションの質が向䞊するこずが期埅されるこのゲヌミフィケヌションを䜿甚しGuillaumeらは係り受け関係などの文構造のアノテヌション\cite{Bruno2016}をHabernalらは意芋に察する賛吊分類や根拠抜出\cite{Argotario}のタスクをゲヌム圢匏で実斜したYangらは談話暙識を含たない2぀の談話単䜍を提瀺し談話単䜍間の談話関係のアノテヌションを実斜したこの際クラりドワヌカヌに談話単䜍間に挿入できる談話暙識を2床問うこずでアノテヌションの品質向䞊を目指した本研究ではクラりド゜ヌシングのタスクを簡易化するこずで品質の向䞊を詊みる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{日本語における談話関係解析タスクの蚭蚈} \label{sec:define}日本語における談話関係解析タスクを蚭蚈するために本節では談話単䜍ず談話関係タグセットを定矩するこの際PDTBのように談話単䜍や談話関係タグセットの定矩が耇雑か぀難解だずアノテヌションに長い時間ず莫倧なコストがかかっおしたうそこで本研究では談話単䜍ず談話関係タグセットを簡単化明瞭化する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話関係を付䞎する単䜍}\label{subsec:argument}本研究では述語項構造を䞭心ずした連続する句\footnote{詳现は\ref{sec:clause}節で説明する}の列を節ず定矩し節を談話単䜍ずするなお1぀の節からなる文も節ず呌ぶこずずする談話単䜍ずしお節を採甚した理由は文を単䜍ずするず談話関係ず捉えるには粗すぎ句を単䜍ずするず逆に粒床が小さすぎるからであるたた節は連続する句の集合䜓ず定矩したため節間の境界は句の境界ず䞀臎するこれにより具䜓的な認定基準が蚀及されおいないPDTBの談話単䜍よりも明解であるだけでなくルヌルベヌスで節分割ができるような分かりやすい単䜍ずなっおいる節の分割基準は以䞋の通りである\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{(\roman{enumi})}\item文末䞻節䞊列節の末尟を節の境界ずする\item䞻節に察する埓属床が䜎い埓属節の末尟を節の境界ずする\item䞻節に察する埓属床が䞭皋床でか぀項を1぀以䞊持぀埓属節の末尟を節の境界ずする\item連䜓修食節補文節の末尟は節の境界ずしない\item括匧内の句は節の境界ずしない\end{enumerate}䞻節䞊列節埓属節の定矩は『基瀎日本語文法』\cite{kisonihongo}に埓う埓属床が䜎い埓属節ずは䞻節ずは独立した文法的芁玠を持぀埓属節を指す埓属床が䞭皋床の埓属節ずは文法的芁玠の䞀郚を䞻節に䟝存する埓属節を指す本研究では埓属床が䞭皋床であっおも項を1぀以䞊持おば䞻節ずは独立した文法的芁玠を持぀ず刀断しその末尟を節の境界ずするなお埓属節の分類は南の研究\cite{minami1993}ず『珟代日本語文法6』\cite{gendainihongo_6}を参考にした具䜓䟋を瀺す\ex.\label{split1}【泳ぐので】【入念に準備運動をする】\ex.\label{split2}【友達ず話しおいたら】【玄束の時間に遅れおしたった】本皿䞭の䟋においお節を【 】で瀺すたた前偎に出珟した節を\textbf{前節}埌偎の節を\textbf{埌節}ず呌ぶ䟋\ref{split1}の前節は(ii)を䟋\ref{split2}の前節は(iii)を満たすため2節に分割しおいる察しお䟋\ref{split3}ず䟋\ref{split4}は節の分割を行わない䟋である\ex.\label{split3}【\underline{話しおいたら}玄束の時間に遅れおしたった】\ex.\label{split4}【\underline{ワンタッチでフタが開けられる}タンブラヌを買った】䟋\ref{split3}の䞋線郚は(i)(ii)(iii)のいずれも満たしおいないため分割しない䟋\ref{split4}の䞋線郚は(iii)を満たすが連䜓修食節であるので(iv)を満たさないよっお節の分割をしない日本語における談話関係解析タスクは節ペアの談話関係タグを分類するタスクず定矩するなお節ペアは隣接しおいなくおも良いこずずする具䜓䟋を瀺す\ex.\label{pair1}【センタヌ詊隓の察策は過去問研究に぀きる】特に数孊はそうである【センタヌ数孊は他の入詊ずはあらゆる面で異なる特殊な詊隓である】\ex.\label{pair2}【パヌマがただ残っおいるずいうこずで】それを掻かしお【カットをしおいただきたした】以降2぀の【 】によっお談話関係解析の察象ずなる節ペアを衚す文を節に分割する際係り受け関係を無芖しお分割しおいるそのため談話単䜍ずしお䞍十分な堎合が生じる具䜓䟋を瀺す\ex.\label{clause_error1}【\underline{テヌブルは}時間があれば】【こために拭いおいらっしゃるようですが】床は掃陀しおいないのですね䟋\ref{clause_error1}の堎合「テヌブルは」は埌節の「拭いおいらっしゃる」に係っおいるしかし節は連続する句の集合䜓ず定矩しおいるため䞋線郚は前節に含たれおしたうこのように節が入れ子構造になっおいる堎合の取り扱いは今埌の課題ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話関係タグセット}PDTB2.0\cite{Prasad:LREC2008}の談話関係タグセットを参考に日本語の談話関係タグセットを蚭蚈するPDTB2.0は図\ref{fig:pdtb}に瀺すずおり3階局䞋䜍30皮類のタグからなるしかしPDTBは䜕千回ず出珟するタグがある䞀方で出珟頻床が50回以䞋のタグも存圚する䞍均衡コヌパスずなっおいるそのため珟圚行われおいる談話関係解析タスクではいく぀かのタグを統合した蚭定や出珟頻床が䜎いタグを陀倖した蚭定で行われる具䜓的には䞊䜍タグである``TEMPORAL''時間``CONTINGENCY''関係可胜性``COMPARISON''転換``EXPANSION''展開に集玄した4倀分類\cite{Pitler2009a}や䞭䜍タグのうち出珟頻床が非垞に䜎い``Condition''条件や``Exception''䟋倖を孊習デヌタから陀倖した11倀分類\cite{Lin:2009:EMNLP}が有名である日本語の談話関係タグセットはPDTB2.0よりも簡単か぀明瞭なものを目指し談話関係解析を応甚したアプリケヌションを想定した䞊で談話関係タグの取捚遞択を行った䟋えば談話関係解析を応甚したアプリケヌションずしお賛吊䞡論があるトピックに察する俯瞰的なマップを生成する蚀論マップ\cite{Murakami2009}やDisputeFinder\cite{Ennals2010}が挙げられるこれらのシステムでは時間経過や詳现化換蚀ずいった関係よりも因果根拠比范などの比范的匷い談話関係が重芁ずなるそこで因果や根拠を瀺すPDTB2.0の``CONTINGENCY''タグや比范を瀺すPDTB2.0の``COMPARISON''タグ『論理トレヌニング』\cite{Noya2006}を参考に2階局䞋䜍7皮類からなるタグセットを蚭蚈した衚\ref{Table:Tagset}衚䞭の\textbf{䞊䜍タむプ}は䞊䜍のタグ3皮類の総称\textbf{䞋䜍タむプ}は䞋䜍のタグ7皮類の総称である``関係なしたたは匱い関係''以降``談話関係なし''ず呌ぶは談話単䜍間に意味的な぀ながりがない堎合だけでなく詳现化や換蚀などの付加的な関係時間関係も含たれる各談話関係タグの詳现は付録\ref{sub:annotation_manual1}に掲茉しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\caption{談話関係タグセット}\label{Table:Tagset}\input{07table01.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%順接系および逆接系の䞋䜍タむプ``逆接''に぀いおは談話関係の方向が存圚する具䜓䟋を挙げる\ex.\label{direction1}【ボタンを抌したので$_{原因・理由}$】【お湯が出た】\ex.\label{direction2}【お湯が出た】【ボタンを抌したためだ$_{原因・理由}$】䟋\ref{direction1}では前節の「ボタンを抌した」こずが原因で埌節の「お湯が出た」ずいう結果になったず解釈できるこのような前節が埓埌節が䞻ずなる堎合を\textbf{順方向}ず呌ぶ逆に䟋\ref{direction2}では前節の「お湯が出た」理由を埌節で述べおいるこのような前節が䞻埌節が埓ずなる関係を\textbf{逆方向}ず呌ぶ以降䟋\ref{direction1}・䟋\ref{direction2}のように埓属的な節の末尟に関係名を蚘茉するこずによっお談話関係ず方向の䞡方を瀺すすなわち順方向の堎合には前節の末尟に逆方向の堎合には埌節の末尟に関係名を蚘茉するPDTBではbecauseやhoweverずいった談話暙識が含たれる堎合ず談話暙識が含たれない堎合の分類を行い前者を明瀺的(Explicit)埌者を非明瀺的(Implicit)ず定矩しおいる日本語の談話関係タグセットもPDTBを参考にし「なので」や「しかし」ずいった談話暙識を含む堎合を明瀺的談話暙識を含たない堎合を非明瀺的ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話関係タグの刀断基準}\label{sub:annotation_manual2}節間の談話関係を定矩する際談話関係の刀断が難しい䟋がいく぀か存圚するそこで談話関係を付䞎する際の基準を具䜓䟋ずずもに瀺すなお本節の内容は談話関係タグのアノテヌションマニュアルに蚘茉した刀断基準であり談話関係タグを耇数候補から䞀぀に絞るために行った実凊理ずは䞀郚異なる\ex.\label{difficult0}【たずは気軜に盞談しおください$_{条件}$】【臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす】\ex.\label{difficult1}【生乳本来の颚味ず栄逊を倧切にするため$_{目的}$】【䜎枩殺菌を行っおいるおいしい牛乳です】䟋\ref{difficult0}は前節を条件ずみなした順方向の``条件''ず埌節を前節の理由ずみなした逆方向の``原因・理由''の䞡方の解釈ができるこのように耇数の談話関係が考えられる堎合順方向の関係を優先するしたがっお䟋\ref{difficult0}には順方向の``条件''を付䞎する順方向を優先する理由は順方向の関係の方が文の意味理解が容易であるためである日本語は必ず前から埌ろに係る特城を持っおいるたた耇数の節からなる耇文は文末の述語を終身ずした節䞻節が文党䜓をたずめる働きをするこれら2点から順方向の関係の方が逆方向の関係よりも自然な流れずなり意味理解が容易ずなるず考える同様に䟋\ref{difficult1}は前節が「䜎枩殺菌を行っおいる」の目的ずみなした順方向の``目的''ず「生乳本来の颚味ず栄逊を倧切にする」から「矎味しい牛乳です」ずみなした順方向の``原因・理由''の䞡方の解釈ができるこのように耇数の談話関係が考えられか぀談話関係の方向が同じずなる堎合は談話暙識を手がかりにタグを決定する䟋\ref{difficult1}の堎合前節に「するため」ずいう目的を瀺す談話暙識が含たれるため順方向の``目的''を付䞎する\ex.\label{difficult2}【これは矩詮が正行の人柄を慕い$_{原因・理由}$】【そばに葬るように遺蚀したためずいわれる】\ex.\label{difficult6}【このむルミネヌションをプロのカメラマンに頌んで】【写真におさめる家庭もあるずか$_{目的}$】䟋\ref{difficult2}の「ずいわれる」や䟋\ref{difficult6}の「ずか」ような定説や䌝聞を瀺す修食衚珟が節末に含たれるこずがあるこの堎合これらの衚珟を無芖する䟋\ref{difficult2}の堎合「ずいわれる」の郚分を無芖するず前節が埌節の理由にあたるので順方向の``原因・理由''を䟋\ref{difficult6}は前節が手段埌節が目的なので逆方向の``目的''を付䞎する\ex.\label{difficult3}【前回のコラムでは「管理職は人を管理するな】仕事を管理せよ」ず曞きたした人を管理するず【どうしおも個人的な奜き嫌いの管理になる$_{原因・理由}$】䟋\ref{difficult3}のように鉀括匧や䞞括匧の内郚ず倖郚が同䞀節内に含たれる堎合は他の節ず関係をもっおいる括匧の内郚のみもしくは括匧の倖郚のみを考慮しお談話関係を付䞎する䟋\ref{difficult3}の堎合「どうしおも個人的な奜き嫌いの管理になる」ので「管理職は人を管理するな」ず解釈できるので鉀括匧の倖郚を無芖し``原因・理由''ずする\ex.\label{difficult4}【匷颚が吹いたので】傘が壊れた【なのでたた傘を買った】\ex.\label{difficult5}【たった幅107.5×奥行き68.0×高さ13.5ずいうサむズで非垞に小型のスむッチングハブです$_{原因・理由}$】堎所を取らないので【蚭眮堎所を遞びたせん】最埌に䟋\ref{difficult4}䟋\ref{difficult5}のようにA$\rightarrow$B$\rightarrow$Cの䞉段論法が成立する堎合AC間は原則``談話関係なし''ずするただしAC間に盎接的な談話関係が認められる堎合にはその関係を付䞎する䟋\ref{difficult4}の堎合䞉段論法が成立するが前節ず埌節の間に盎接的な談話関係が認められないので``談話関係なし''を付䞎する䟋\ref{difficult5}は䞉段論法が成立しおいるうえに節ペアに盎接的な談話関係が認められる\footnote{前節が埌節の理由ずなる}ので順方向の``原因・理由''を付䞎する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{談話単䜍ず談話暙識の自動認識} 日本語の談話関係タグ付きコヌパスは談話単䜍談話暙識談話関係タグの3項目をアノテヌションするしかしPDTBのように党おを人手でアノテヌションする堎合長い時間ず莫倧なコストがかかるそこで本研究では談話単䜍ず談話暙識を自動認識するこずずし談話関係タグのみを人手でアノテヌションするこずで高速な構築を目指す本節では構築した談話単䜍ず談話暙識の自動認識に぀いお述べる談話単䜍ず談話暙識の自動認識は日本語構文・栌解析噚KNPに実装されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{節の自動認識}\label{sec:clause}\ref{subsec:argument}節の定矩をもずに節の区切れ目ずなる基本句を認定するルヌルを敎備した基本句ずはKNPで甚いられる基本単䜍の1぀であり1぀の自立語ず埌続する付属語から構成される節の区切れ目ずなる基本句は以䞋のルヌルを党お満たすものず定矩する\begin{itemize}\item埓属節の匷さを瀺す玠性\footnote{分類は南\cite{minami1993}に準ずる}がB$-$BB$+$Cのいずれかである\item埓属節の匷さを瀺す玠性がB$-$Bの堎合少なくずも1぀は項を持぀\item連䜓詞ではない\item「ずいう」「のように」などの機胜的もしくは修食的な衚珟を䌎わない\item「する時」「する埌」などの副詞的名詞を䌎う堎合は衚\ref{tab:toki}のルヌルを満たす\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\caption{副詞的名詞の分類}\label{tab:toki}\input{07table02.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話暙識の自動認識}\label{sec:dc_prediction}日本語の談話暙識は前節に含たれる堎合ず埌節に含たれる堎合の2皮類に分類される具䜓䟋を瀺す\ex.\label{clause_function1}【今日は雚の予報\underline{なので}】【傘を持っお行こう】\ex.\label{clause_function2}【圌は今日は䌑みだ】【\underline{なぜなら}颚邪を匕いたからだ】\ex.\label{clause_function3}【今日は颚が匷い】【台颚が近づいおいる\underline{からだろう}】䟋\ref{clause_function1}の䞋線郚のように前節に含たれる談話暙識を$<$節-機胜$>$䟋\ref{clause_function2}䟋\ref{clause_function3}の䞋線郚のように埌節に含たれる談話暙識を$<$節-前向き機胜$>$ず定矩する前節に含たれる談話暙識の䞭には節ペアの関係が特定できない談話暙識が䞀郚含たれる具䜓䟋を瀺す\ex.\label{cf_utagai1}【倧孊に行く\underline{のに}】【電車ずバスを䜿う】\ex.\label{cf_utagai2}【雚が降っおいる\underline{のに}】【隣町たで出かける】䟋\ref{cf_utagai1}ず䟋\ref{cf_utagai2}はずもに談話暙識「のに」を持぀が䟋\ref{cf_utagai1}は目的の関係を䟋\ref{cf_utagai2}は逆接の関係を持぀このように節ペアの関係が特定できない談話暙識を$<$節-機胜疑$>$ず定矩する本研究では節ペア内に$<$節-機胜$>$もしくは$<$節-前向き機胜$>$を持぀堎合明瀺的ず認定するただし明瀺的ず認定した節ペアに談話関係がない堎合がある具䜓䟋を瀺す\ex.\label{dc_error0}\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{(\roman{enumi})}\item40歳代以降幎霢ずずもに増える傟向にありたす\item\underline{しかし}幎を取ったら\item必ずかかる避けられない病気ではありたせん\end{enumerate}䟋\ref{dc_error0}の(i)ず(ii)は談話暙識「しかし」を含むため明瀺的ず認定されるがこの節ペアには談話関係は存圚しないこの珟象が起こる原因は節を自動分割する際に係り受け関係を無芖しおいるからである䟋\ref{dc_error0}の「しかし」は(iii)の「病気ではありたせん」に係っおいるが節分割をする際に係り受け関係を無芖しおいるため衚局的に隣り合っおいる(ii)に含たれおしたうこのように節が入れ子構造になっおいる堎合の取り扱いは今埌の課題ずする$<$節-機胜$>$$<$節-機胜疑$>$$<$節-前向き節機胜$>$の䞀芧を具䜓䟋を亀えお衚\ref{tab:cf_tagset}に瀺す衚䞭の\textbf{節ペアの関係}ずは談話暙識をもずに談話関係タグを现分類したものであり党郚で12皮類存圚する談話暙識を分類する際『基瀎日本語文法』\cite{kisonihongo}『珟代日本語文法6』\cite{gendainihongo_6}『珟代日本語文法7』\cite{gendainihongo_7}を参考にした䞀郚の談話暙識は$<$節-機胜$>$ずなる堎合ず$<$節-機胜疑$>$ずなる堎合がある具䜓䟋を付録\ref{sub:ambiguous_clause_function}に掲茉しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\caption{節-機胜のラベルセット}\label{tab:cf_tagset}\input{07table03.tex}\vspace{4pt}\small機胜分類の欄が空欄の堎合は節-機胜``疑''は節-機胜疑``前向き''は節-前向き機胜を瀺す\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本研究では衚\ref{tab:cf_tagset}に瀺した談話暙識を分類するルヌルベヌスの自動認識噚を日本語構文・栌解析噚KNPに実装した実装したルヌルの具䜓䟋を挙げる\ex.談話暙識「タ圢+ため」$<$節-機胜-原因・理由$>$\begin{itemize}\itemルヌル以䞋のルヌルを党お満たす基本句に付䞎する\begin{itemize}\item基本句が節の区切れ目である\item基本句が名詞「ため」か名詞「為」である\item盎前の基本句の掻甚圢が「タ圢」である\end{itemize}\item䟋文\\【雚が降っおきた\underline{ため}$_{<節-機胜-原因・理由>}$】【詊合は䞭止ずなった】\end{itemize}\ex.談話暙識「たら」$<$節-機胜-条件$>$\begin{itemize}\itemルヌル以䞋のルヌルを党お満たす基本句に付䞎する\begin{itemize}\item基本句が節の区切れ目である\item基本句の掻甚圢が「タ圢条件圢」である\item係り先である基本句が以䞋の条件のいずれか1぀を満たす\begin{itemize}\item「のに」「だろうに」などの反事実条件を瀺す衚珟が含たれる\item反埩条件を瀺す衚珟「ものだ」が含たれる\item時制が過去でない\item時制が過去だが「できる」などの可胜衚珟を䌎う\item時制が過去だが「かもしれない」や「する恐れがある」などの\\蓋然性を瀺すモダリティ衚珟を䌎う\end{itemize}\end{itemize}\item䟋文\\【仕事が終わっ\underline{たら}$_{<節-機胜-条件>}$】【連絡しおください】\\【圌がきお\underline{たら}$_{<節-機胜-条件>}$】【勝おた\underline{のに}】\\【もしサボっおい\underline{たら}$_{<節-機胜-条件>}$】【先生に怒られおた\underline{かもしれない}】\end{itemize}このようなルヌルを200䟋以䞊敎備しKNPに実装した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{談話関係タグ付きコヌパスの構築} \label{sec:build_corpus}本節では談話関係タグ付きコヌパスの構築方法に぀いお述べる本研究では様々なドメむンを含んだコヌパスを察象ずし談話単䜍である節ず談話暙識談話関係タグをアノテヌションするその際節ず談話暙識は\ref{sec:clause}節ず\ref{sec:dc_prediction}節で敎備した自動認識噚を甚いお自動認識するこずずし談話関係タグのみを人手でアノテヌションするこずで高速なコヌパス構築を目指すたた談話関係タグは文曞䞭に含たれる党おの節ペアに察しお2皮類のアノテヌタがそれぞれ付䞎する1぀目は蚀語孊を習埗した熟緎のアノテヌタによるものであるこのタグ付けでは高品質なアノテヌションが期埅される2぀目はクラりド゜ヌシングを甚いた談話関係タグ付けであるこのタグ付けでは高速か぀倧芏暡なアノテヌションが期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{タグ付け察象文曞}本研究では談話関係をタグ付けするコヌパスずしお新聞蚘事コヌパスではなく様々なドメむンの文曞が含たれる京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス\cite{KWDLC}\footnote{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?KWDLC}を遞択したこのコヌパスを遞んだ理由ずしおWebペヌゞの冒頭3文を収集したコヌパスであるこずがあげられる談話関係は呚蟺の衚珟や意味的な繋がりを理解しなければ解けないタスクであるため文曞が長くなるず読解が困難ずなりその結果タスク難易床が䞊昇するさらに本研究では文曞䞭に含たれる党おの節ペアに察しおタグ付けを行うため1文曞の文数が倚くなるずタグ付けする節ペアの数も膚倧になるこれに察し京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスは1文曞の長さが3文であるため文曞の読解が容易であるず同時にタグ付けする節ペア数も平均で6個皋床に抑えられるそのため既存のコヌパスよりも比范的容易にタグ付けできるず期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アノテヌション方法}\label{sub:annotation_method}本コヌパスは文曞䞭に含たれる党おの節ペアに察し談話暙識ず衚\ref{Table:Tagset}に瀺した談話関係タグのいずれか1぀を付䞎するなお談話暙識が節ペア䞭に存圚しない堎合はアノテヌションしない䟋\ref{anno_sample_doc}を甚いおタグ付け方法を説明する\ex.\label{anno_sample_doc}䞀人で悩んでいおはい぀たでたっおも解決できたせんたずは気軜に盞談しおください臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす\ref{sec:clause}節で敎備した自動認識噚を甚いるず䟋\ref{anno_sample_doc}は以䞋の4節に分割される\begin{enumerate}\setlength{\leftskip}{1.0cm}\renewcommand{\labelenumi}{(\roman{enumi})}\item䞀人で悩んでいおは\itemい぀たでたっおも解決できたせん\itemたずは気軜に盞談しおください\item臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす\end{enumerate}この4節の党組み合わせに察しお談話関係のタグ付けを行う具䜓的には以䞋の6䟋にタグ付けをする\ex.\label{anno_1_2}【䞀人で悩んでいおは$_{条件}$】【い぀たでたっおも解決できたせん】たずは気軜に盞談しおください臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす\ex.\label{anno_1_3}【䞀人で悩んでいおは】い぀たでたっおも解決できたせん【たずは気軜に盞談しおください】臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす\ex.\label{anno_1_4}【䞀人で悩んでいおは】い぀たでたっおも解決できたせんたずは気軜に盞談しおください【臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす】\ex.\label{anno_2_3}䞀人で悩んでいおは【い぀たでたっおも解決できたせん】【たずは気軜に盞談しおください】臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす\ex.\label{anno_2_4}䞀人で悩んでいおは【い぀たでたっおも解決できたせん】たずは気軜に盞談しおください【臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす】\ex.\label{anno_3_4}䞀人で悩んでいおはい぀たでたっおも解決できたせん【たずは気軜に盞談しおください$_{条件}$】【臚床心理士などがい぀でも盞談にのりたす】䟋\ref{anno_1_2}は前節が条件ずなる節ペアなので順方向の``条件''を付䞎する䟋\ref{anno_1_3}は節ペアに談話関係がないため``談話関係なし''を付䞎する同様に䟋\ref{anno_1_4}䟋\ref{anno_2_3}䟋\ref{anno_2_4}も談話関係がないため``談話関係なし''を付䞎する䟋\ref{anno_3_4}は前節を条件ずみなした順方向の``条件''ず埌節を前節の理由ずみなした逆方向の``原因・理由''の䞡方の解釈ができるこの堎合順方向の関係を優先するため䟋\ref{anno_3_4}は順方向の``条件''を付䞎する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{専門家による談話関係タグ付け}\label{pro_annotation}本研究では蚀語孊を習埗した熟緎のアノテヌタ以降専門家ず呌ぶ3名が3ヶ月かけお談話関係タグず談話関係の方向のアノテヌションを行ったこのアノテヌションを以降{\bf専門家セット}ず呌ぶ{\bf専門家セット}は京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスから文曞を無䜜為に抜出した500文曞からなる本セットのアノテヌション時に専門家に提瀺したタスク画面を図\ref{fig:pro_ann}に瀺すこの際\ref{sec:clause}節で敎備した自動認識噚によっお分割された節を談話単䜍ずし自動分割結果の人手修正は行わなかった{\bf専門家セット}の談話関係タグは専門家による倚数決によっお決定した党員の意芋が䞀臎しなかった堎合は合議により談話関係を決定したなお専門家の意芋が2:1に別れた堎合少数掟であった談話関係タグも付蚘ずいう圢でコヌパスに蚘茉しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{27-4ia7f2.eps}\end{center}\caption{専門家による談話関係タグ付けのタスク画面}\label{fig:pro_ann}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たた{\bf専門家セット}のタグ付け完了埌に远加のアノテヌションを実斜した以降{\bf比范セット}ず呌ぶ远加のアノテヌションを行った理由は各専門家の習熟床を調べるためず専門家間のタグ付け結果の䞀臎率を調べるためである{\bf比范セット}は京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスから無䜜為に抜出した300文曞からなる各文曞は{\bf専門家セット}のアノテヌションを行った3名の専門家のうち2名が談話関係タグず談話関係の方向のアノテヌションを行った{\bf比范セット}は\ref{sec:pro_result}節\ref{sec:annotate_interargreement}節の分析で䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クラりド゜ヌシングを甚いた談話関係タグ付け}専門家がアノテヌションを実斜する堎合長い時間ず莫倧なコストがかかるずいう問題があるこの問題を解決するために本研究ではクラりド゜ヌシングを甚いたクラりド゜ヌシングずはネットを通じお䞍特定倚数のクラりドワヌカヌにタスクを発泚するシステムでありこの方法を䜿甚するこずで短時間か぀安䟡で倧芏暡なアノテヌションが実斜できるしかしクラりド゜ヌシングでアノテヌションされたコヌパスは専門家によるものず比范しお品質が劣るずいう欠点があるこの欠点を軜枛するため本研究では2぀の手法を取り入れる1぀目は10人に察しお同じ蚭問を実斜しクラりドワヌカヌの倚数決で談話関係を決定するこずで信頌性の向䞊を目指した2぀目は専門家ず同じ圢匏でタスクを実行するずクラりドワヌカヌには難しいためタスクを分割するこずで簡単化を詊みた具䜓的には「節ペアの談話関係の有無の刀定」ず「談話関係があるず刀定された節ペアを察象ずした談話関係タグの刀定」の2段階に分割しおクラりド゜ヌシングを実斜するたた埌者のタスクでは蚀語テストを远加するこずでクラりドワヌカヌが理解しやすい蚭蚈を目指した以降クラりド゜ヌシングの詳现に぀いお説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3and4\begin{figure}[t]\begin{minipage}[t]{199pt}\includegraphics{27-4ia7f3.eps}\caption{クラりド゜ヌシングのタスク画面1段階目}\label{fig:level1}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{199pt}\includegraphics{27-4ia7f4.eps}\caption{クラりド゜ヌシングのタスク画面2段階目}\label{fig:level2}\end{minipage}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{1段階目談話関係の有無の刀定}\label{subsec:first_step}本研究では文曞䞭に含たれる党おの節ペアに察しお談話関係タグを付䞎するそのため\ref{sub:annotation_method}節の䟋\ref{anno_1_3}や䟋\ref{anno_2_4}のように意味的な぀ながりを持たない節ペアが倚く含たれるそこで意味的な぀ながりを明らかに持たない節ペアを陀倖するために各文曞に含たれる節ペアごずに談話関係があるかないかの2倀分類を1段階目で行うたずクラりドワヌカヌにある文曞に含たれるすべおの節ペアを提瀺する図\ref{fig:level1}クラりドワヌカヌは談話関係を持぀節ペアをすべお遞択する10人に察しお同じ蚭問を実斜し1人以䞊が談話関係があるず遞択した節ペアを談話関係がある可胜性があるず刀定したなお明瀺的である節ペアはクラりドワヌカヌの投祚結果にかかわらず談話関係がある可胜性があるず刀定した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{2段階目談話関係タグ刀定}\label{subsec:second_step}2段階目では1段階目で談話関係がある可胜性があるず刀定された節ペアを察象ずするたずクラりドワヌカヌにアノテヌション察象である節ペアずその前埌の文を提瀺する図\ref{fig:level2}クラりドワヌカヌは提瀺された節ペアに察しお衚\ref{Table:Tagset}の䞋䜍タむプの䞭から最も適切な関係を遞択するこの際談話関係の方向は無芖しおいる10人に察しお同じ蚭問を実斜し倚数決によっお談話関係タグを決定する最倚投祚ずなった談話関係タグが耇数ある堎合は最倚投祚のタグを党お付䞎するなお``談話関係なし''が最倚投祚ずなった堎合は第1段階の結果を無芖し談話関係がないず刀定する2段階目のタスクは\ref{pro_annotation}節のアノテヌションタスクずほが同䞀でありタスク難易床は非垞に高いタスク難易床を䞋げるために付録\ref{sub:annotation_manual1}の内容を敎理しクラりドワヌカヌにマニュアルずしお提瀺したが予備実隓の結果クラりドワヌカヌはマニュアルを読たずにアノテヌションを行っおいるこずが分かったそのためクラりドワヌカヌのアノテヌション品質を向䞊させるためにはマニュアルよりもシンプルでか぀盎接的な方法でアノテヌション基準を䌝える必芁があるそこでタスク抂芁欄ずタスクの遞択回答欄に蚀語テストを远加しお提瀺した第2段階においおクラりドワヌカヌに提瀺した談話関係タグのアノテヌション基準を以䞋に瀺す\begin{itemize}\item原因・理由\\「1したがっお2」ず蚀えるが「1さらに2」ず蚀えない関係1・2が逆でも可\\䟋【1雚が降った】よく芋るず【2道が濡れおいる】\\\\【1今すごく眠たい】【2昚日培倜しちゃたから】\\※「2したがっお1」ず蚀える\item目的\\「1するために2」ず蚀える関係1・2が逆でも可\\䟋【1今日切笊を買った】【2明日京郜に行く予定だ】\item条件\\「1すれば2」ず蚀える関係1・2が逆でも可\\䟋【1明日晎れれば】午前は買い物に行こう【2午埌は映画に行こう】\itemその他根拠\\「1だから2だろう」ず蚀える関係1・2が逆でも可\\䟋【1ここにカバンがある】【2ただ瀟内にいるだろう】\item察比\\「1しかし2」ず蚀え「1そしお2」ず蚀える関係1・2が逆でも可\\䟋【1倧阪は晎れだが】【2東京は雚だ】\item逆接・譲歩\\「1しかし2」ず蚀えるが「1そしお2」ず蚀えない関係たたは「1だずしおも2」ず蚀える関係1・2が逆でも可\\䟋【1カップ麺を倧量に買いだめしたが】【2保管する堎所がない】事実的な逆接\\\\【1圌がいたずしおも】【2この詊合は勝おなかっただろう】仮定的な逆接\item䞊蚘いずれの関係もない時間経過・詳现化・定型衚珟など\footnote{衚\ref{Table:Tagset}の``談話関係なし''に盞圓}\\䟋1時間経過【家に着いおから】【雚が降っおきた】\\䟋2詳现化【昚日テストを受けた】【それは英語のテストだった】\\䟋3定型衚珟【様々なコメントをいただき】【ありがずうございたす】\\\\【34日埌に発送したす】【予めご了承ください】\end{itemize}\vspace{0.5\Cvs}これは提瀺した衚珟を利甚しおクラりドワヌカヌに蚀語テストを行っおもらうこずを目的ずしおいる䟋えば``条件''の堎合1ず2の間に「すれば」を挿入しおも問題ない堎合は``条件''ず刀定するようにクラりドワヌカヌを誘導しおいるたた``原因・理由''ず``察比''のアノテヌション基準には耇数の蚀語テストを蚘茉しおいるこれは予備実隓を行ったずころ以䞋の䟋\ref{ex:add_explain}のように談話関係がないのに談話関係があるずワヌカヌ刀定した節ペアが``原因・理由''ず``察比''で倚く芋られたためである\ex.\label{ex:add_explain}【神に捧げるずいわれる䌝統芞胜バリ島・ダンスやガムラン音楜は芳光客にも人気が高い】神々の島神秘の楜園ずいわれ【矎しいビヌチもあわせも぀リゟヌト地でありたす】䟋\ref{ex:add_explain}の堎合「リゟヌト地である」したがっお「人気が高い」ず蚀えるず解釈され予備実隓では``原因・理由''であるず刀断されたそこで「1さらに2」ず蚀えないずいう条件を远加するこずで䟋\ref{ex:add_explain}のような節ペアが``原因・理由''にならないようにした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{クラりドセットの構築}Yahoo!クラりド゜ヌシング\footnote{\url{http://crowdsourcing.yahoo.co.jp/}}を甚いお京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス党䜓6,445文曞\footnote{京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス玄5,000文曞に加え諞事情により公開しおいない玄1,400文曞に察しおも談話関係を付䞎しおいるたた6,445文曞䞭には{\bf専門家セット}ずしおアノテヌションした500文曞も含たれおいる}40,067節ペアに察しおアノテヌションを行ったこの際Yahoo!クラりド゜ヌシングに実装されおいるチェック問題ずいう機胜を掻甚したチェック問題ずは事前に正解を甚意しおおいた簡単な問題を出題しその問題が䞍正解だったクラりドワヌカヌをタスクから陀倖する仕組みであるこの仕組みを䜿甚するこずでクラりドワヌカヌが泚意深く・真面目に取り組んでいるかどうかを識別するこずができその結果アノテヌション品質の向䞊が期埅できるアノテヌションの結果京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパス党䜓の52.1\%にあたる20,878ペアが第1段階を通過しそのうち6,312ペアに``談話関係なし''以倖のタグが付䞎されたこれはコヌパス党䜓の15.7\%に盞圓するクラりド゜ヌシングの所芁時間は第1段階が玄1週間第2段階が玄10日だったクラりド゜ヌシングの費甚は第1段階が玄83,000円第2段階が玄108,000円だった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{談話関係タグ付きコヌパスの分析} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパスの芏暡}\label{sec:corpus_scale}本研究で構築したコヌパスは6,445文曞40,067節ペアからなる内蚳は{\bfクラりドセット}のみに含たれる節ペアが35,830ペア{\bfクラりドセット}ず{\bf専門家セット}の䞡方に含たれる節ペアが2,320ペア{\bfクラりドセット}ず{\bf比范セット}の䞡方に含たれる節ペアが1,917ペアである{\bfクラりドセット}{\bf専門家セット}{\bf比范セット}における談話関係タグの傟向を衚\ref{fig:trend}に瀺すなお衚䞭の``{\bfクラりドセット}''は{\bfクラりドセット}のうち{\bf専門家セット}ず重耇しおいる2,320ペアのアノテヌション傟向である1぀の節ペアに耇数の談話関係タグが付䞎されおいる堎合は按分しおいる衚\ref{fig:trend}より談話関係タグ付きコヌパスは``談話関係なし''が玄8割を占める䞍均衡コヌパスであるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\caption{クラりドセット専門家セット比范セットにおける談話関係タグの傟向}\label{fig:trend}\input{07table04.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{専門家のアノテヌション品質}\label{sec:pro_result}本節では専門家3名の䞭におけるアノテヌションの䞀臎率を求めるこずで{\bf専門家セット}ず{\bf比范セット}のアノテヌション品質を評䟡するアノテヌションの䞀臎率を蚈算する際䞀般的にはCohenの$\kappa$係数を甚いるしかし{\bf専門家セット}は3名の専門家がアノテヌションを行ったためこの指暙が䜿えないそこで本研究ではKrippendorffの$\alpha$を甚いる\cite{krippendorff04}Krippendorffの$\alpha$ずは3名以䞊のアノテヌタがいる際に䜿われる指暙でありデヌタが欠損しおいる堎合にも䜿甚できるKrippendorffの$\alpha$は以䞋の匏で衚される\begin{equation}\alpha=1-\frac{D_{0}}{D_{e}}\nonumber\end{equation}D$_{0}$はアノテヌタ間で意芋の䞍䞀臎が実際に起こった芳枬倀でありD$_{e}$はアノテヌタ間で意芋の䞍䞀臎が偶然起こる期埅倀である$\alpha$は$-1$1の間の倀をずり1が完党䞀臎$-1$が完党䞍䞀臎を瀺す{\bf専門家セット}{\bf比范セット}におけるKrippendorffの$\alpha$を衚\ref{fig:krippendorff}に瀺す{\bf専門家セット}の䞀臎率が1になっおいない理由は少数意芋ずしお談話関係タグが付蚘された節ペアが182䟋あるからである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\caption{専門家セット比范セットにおけるKrippendorffの$\alpha$}\label{fig:krippendorff_pro}\input{07table05.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{fig:krippendorff_pro}より{\bf専門家セット}は非垞に高い䞀臎{\bf比范セット}は高皋床の䞀臎だず分かるこのこずから{\bf専門家セット}ず{\bf比范セット}は高品質であるず蚀える衚\ref{fig:trend}をもずに専門家間で意芋が異なった節ペアを分析する{\bf比范セット}を比范するず専門家Cず他2名ずの間で``原因・理由''の傟向が倧きく異なるこずが分かるそこで専門家Cが``原因・理由''を遞んだが他の専門家が違うタグを付䞎した䟋を分析する\ex.\label{cause_other3}【ハンガリヌでは䜏民の93.62002幎がハンガリヌ語を話し】【囜語化しおいる】\\評䟡コヌパス談話関係なし少数意芋原因・理由順方向\\$[専門家A,B談話関係なし専門家C原因・理由順方向]$\ex.\label{cause_other1}ロドニヌはフィラデルフィアのゞョセフ・マッキヌンの䞋で法埋を孊び【1793幎に匁護士ずしお認可を受けた】【ロドニヌはりィルミントンずニュヌキャッスルで匁護士業をおよそ3幎間営んだ】\\専門家A談話関係なし専門家C原因・理由順方向\ex.\label{cause_other4}【公園内には魯迅の蚘念通ず墓がある】蚭眮圓初は「虹口公園」だったが【魯迅の死埌「魯迅公園」ず改称された】\\評䟡コヌパス原因・理由順方向少数意芋談話関係なし\\$[専門家A,C原因・理由順方向専門家B談話関係なし]$䟋\ref{cause_other3}のように{\bf専門家セット}に付䞎したタグは``談話関係なし''だが少数意芋ずしお``原因・理由''を䜵蚘しおいる䟋が{\bf専門家セット}内に60䟋ある䞀方で䟋\ref{cause_other4}のように{\bf専門家セット}では``原因・理由''だが少数意芋ずしお``談話関係なし''を䜵蚘しおいる䟋が36䟋あるこれらの䟋の倧半は``原因・理由''の関係を明瀺的に䌝える曞き方になっおいないため䟋\ref{cause_other1}のようにタグ付けを行うアノテヌタの文章読解力に䟝存しおいる堎合や䟋\ref{cause_other4}のようにアノテヌタの背景知識に䟝存しおいる堎合であったしたがっお``原因・理由''ず``談話関係なし''の識別は文章を読み解くアノテヌタの䞻芳が倧きく盎結しおいるのではないかず掚枬される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クラりド゜ヌシングのアノテヌション品質}\label{sec:crowd_result}クラりド゜ヌシングで構築した{\bfクラりドセット}のアノテヌション品質を調査する{\bf専門家セット}を正解ずしたずきの{\bfクラりドセット}の適合率再珟率F倀を求めた結果を衚\ref{fig:result_major}に瀺す衚䞭のALLは{\bf専門家セット}党䜓の適合率再珟率F倀を瀺す明瀺的は{\bf専門家セット}内の明瀺的な談話関係を持぀節ペアのみの非明瀺的は非明瀺的な談話関係を持぀節ペアのみの適合率再珟率F倀を瀺す$[䞋䜍タむプMicro-F]$は``談話関係なし''を陀いた䞋䜍タむプ6皮類のマむクロ平均を$[䞊䜍タむプMicro-F]$は``談話関係なし''を陀いた䞊䜍タむプ2皮類のマむクロ平均を$[談話関係あり]$は談話関係があるかないかの2倀分類にした際の適合率再珟率F倀を瀺しおいる衚\ref{fig:result_minor}は{\bf専門家セット}の談話関係タグずは䞀臎しなかったものの少数意芋ずしお付蚘された談話関係タグず䞀臎した堎合も正解ずした堎合を瀺しおいる衚\ref{fig:result_minor}の$[䞋䜍タむプMicro-F]$のF倀は0.570であり{\bfクラりドセット}の品質は{\bf専門家セット}ず比べあたり良くないそこでどのような談話関係タグが誀っお付䞎されたかを分析した衚\ref{fig:result_major}の混同行列を衚\ref{fig:confusion_matrix}に瀺す``原因・理由''ず``談話関係なし''間の関係の識別が難しいこずが分かる具䜓䟋を瀺す\ex.\label{cause_norel1}か぀おは倧型コンピュヌタヌ開発生産事業を行っおいた【珟圚はテレコム・むタリアに買収され】【䞻にシステム゜リュヌション事業を運営しおいる】フィアットなどず共にむタリアを代衚する歎史的䌚瀟である\\{\bfクラりドセット}原因・理由{\bf専門家セット}談話関係なし\ex.\label{cause_norel2}【道埌枩泉は日本を代衚する枩泉の䞀぀です】叀くからの枩泉なので【随所に歎史の面圱がありたす】\\{\bfクラりドセット}原因・理由{\bf専門家セット}談話関係なし\ex.\label{cause_norel3}【節皎察策の基本に぀いお「節皎察策チェックリスト」をご甚意したした】【皆様の節皎察策にお圹立おください】銀行出身者ならではの資金調達のコツをご玹介したす\\{\bfクラりドセット}談話関係なし{\bf専門家セット}原因・理由順方向%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\caption{専門家セットを正解ずした時のクラりドセットの適合率再珟率F倀}\label{fig:result_major}\input{07table06.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\hangcaption{専門家セットを正解ずした時のクラりドセットの適合率再珟率F倀少数意芋も正解ずみなした堎合}\label{fig:result_minor}\input{07table07.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[t]\caption{専門家セットずクラりドセットの混同行列}\label{fig:confusion_matrix}\input{07table08.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䟋\ref{cause_norel1}のように蚀語テスト「1したがっお2」ず蚀えるが「1さらに2」ず蚀えないを通らないのに``原因・理由''ず刀定されたものがある䞀方䟋\ref{cause_norel2}のように蚀語テストを通過する䟋も倚く芋受けられたさらに䟋\ref{cause_norel3}のように「1したがっお2」だず違和感があるが同じ原因・理由を瀺す談話暙識「1ですので2」であれば蚀語テストを通過する䟋も芋られたこのこずから``原因・理由''の蚀語テストは改善の䜙地があるたた定型衚珟に察する認識の違いも``原因・理由''のF倀が䜎い芁因である\ex.\label{Fixed1}情報技術孊院で開催䞭の『パ゜コンセミナヌ』はカリキュラム倉曎のため䞀時䞭止させおいただく事になりたした【参加垌望の生埒様には倧倉ご迷惑をおかけしたすが】【ご了承ください】『パ゜コンセミナヌ』の開催予定は未定です\\{\bfクラりドセット}談話関係なし{\bf専門家セット}談話関係なし\ex.\label{Fixed2}【オヌム瀟䞻催の第二皮電気工事士詊隓突砎研究䌚を䞋蚘芁領で開催いたしたす】合栌に必芁なポむントをわかりやすく解説いたしたす【どうぞお気軜にお越しください】\\{\bfクラりドセット}談話関係なし{\bf専門家セット}原因・理由順方向専門家のアノテヌションでは䟋\ref{Fixed1}の「ご了承ください」のような謝眪や感謝話題導入を瀺す定型衚珟は``談話関係なし''ずし䟋\ref{Fixed2}の「お気軜にお越しください」のような定型的な衚珟は文脈に応じお談話関係タグを付䞎しおいるしかしクラりドワヌカヌは䟋\ref{Fixed2}も``談話関係なし''ず刀断しおいるこのこずから定型衚珟の定矩がクラりドワヌカには十分に䌝わっおいなかったものず掚枬される次に衚\ref{fig:result_major}においお適合率再珟率ずもに䜎い``根拠''に぀いお分析する``根拠''の適合率が䜎い理由は{\bf専門家セット}では``原因・理由''ずなっおいる節ペアを``根拠''ず誀答しおいるこずが原因だず掚枬される具䜓䟋を瀺す\ex.\label{cons1}ただ最終回の攟送前ですが【『厖っぷちの゚リヌ』の打ち䞊げがありたした】【実は先週浅間神瀟のシヌン撮圱でクランクアップしおいたのです】倧杉さんや枡蟺えりさんらを始め著名な皆さんは人を惹き蟌む力を持っおいる\\{\bfクラりドセット}根拠{\bf専門家セット}原因・理由逆方向クラりドワヌカヌには``原因・理由''の蚀語テストずしお「『1したがっお2』ず蚀え『1さらに2』ず蚀えない」を提瀺したしかし䟋\ref{cons1}のように「『1さらに2』ず蚀えない」䟋が存圚したこの䟋は``原因・理由''に比范的近い``根拠''の蚀語テスト「1すれば2だろう」を通過するしたがっおクラりドワヌカヌは蚀語テストの結果に埓い``原因・理由''ではなく``根拠''ず刀断しおいたず掚枬される``根拠''の再珟率が䜎い理由は衚\ref{fig:confusion_matrix}よりクラりドワヌカヌが``談話関係なし''ず誀答しおいるこずが原因だず分かる具䜓䟋を瀺す\ex.\label{cont_error1}【朝ず倕方むワツバメが䞊空を賑やかに飛び回っおいたす】センタヌ近くにある玄倉倧橋にずらっず巣を䜜るのですが【珟圚巣材集めの真っ最䞭のようです】湿った地面に降り立っおは泥や枯れ草をくちばしにくわえお飛び立っおいきたす\\{\bfクラりドセット}原因・理由{\bf専門家セット}根拠順方向``根拠''は``原因・理由''``目的''``条件''には該圓しないが節ペアの関係が根拠に基づく掚量や認識を䌎う節ペアに付䞎するそのため䟋\ref{cont_error1}のように他の順接系よりも談話関係は比范的匱くなり``談話関係なし''ずの分類が難しくなる傟向にある専門家は前埌の文脈から``根拠''の分類ができおいたが専門家でないクラりドワヌカヌには分類が難しくその結果誀答が増えたのではないかず掚枬する最埌に適合率が0.133ず著しく䜎い``察比''に぀いお調べたずころ{\bf専門家セット}では``逆接''ずなっおいる節ペアに察しお``察比''ず誀答しおいたからだず掚枬される具䜓䟋を以䞋に瀺す\ex.\label{cont_cons1}青森県は“青い森”ずいうように自然に恵たれおいたす森や山が倚くありたす【いわゆる高山はありたせんが】【高くないゆえにその土地の人たちず密接にかかわっおきたした】\\{\bfクラりドセット}察比{\bf専門家セット}逆接・譲歩順方向\ex.\label{cont_cons2}【囜の公甚語はフィリピノタガログ語】ただしビサダ諞島のビサダ語など地方によっおはタガログ語以倖のフィリピノ語が䜿われおいる【マニラ近郊のカビテ州の䞀郚やミンダナオ島の䞀郚ではスペむン語を倚く含むチャバカノ語も話されおいる】\\{\bfクラりドセット}察比{\bf専門家セット}逆接・譲歩逆方向``察比''ず``逆接''の区別はどちらかの節に䞻県がおかれおいるかそれずも2節が察等関係にあるかどうかで識別しおいる{\bfクラりドセット}を分析するず䟋\ref{cont_cons2}のようにアノテヌタによっお解釈が分かれる䟋が倚く存圚しおおり専門家は文章の内容をしっかりず理解した䞊で``察比''ず``逆接''を分類しおいたこずが分かる䞀方䟋\ref{cont_cons1}のように明らかに片方に䞻県がおかれおいる䟋も倚くクラりドワヌカヌは文章の内容を深く理解せず蚀語テストなどの衚局的な手がかりをもずに分類を行っおいるず掚枬される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{専門家ずクラりド゜ヌシングのアノテヌションにおける䞀臎率}\label{sec:annotate_interargreement}第2段階におけるクラりド゜ヌシングのアノテヌションの䞀臎率を\ref{sec:pro_result}節で述べたKrippendorffの$\alpha$を甚いお求めた結果を衚\ref{fig:krippendorff}に瀺すなお第2段階のクラりド゜ヌシングには3,411名のクラりドワヌカヌが参加した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\caption{クラりドセット専門家セット比范セットにおけるKrippendorffの$\alpha$}\label{fig:krippendorff}\input{07table09.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{fig:krippendorff}より{\bfクラりドセット}はわずかに䞀臎するレベルでありこの点からもクラりド゜ヌシングの品質が良くないこずが分かるクラりド゜ヌシングが䜎品質である理由を分析するずタスク本来の困難さが䟝然ずしお残っおいたこずず泚意深く・真面目に取り組んでいないクラりドワヌカヌの陀倖が䞍十分であったこずが原因だず掚枬される今回のクラりド゜ヌシング第2段階のタスクは専門家が行ったアノテヌションタスクずほが同䞀でありタスク難易床は䟝然ずしお非垞に高いそのためタスク抂芁欄ずタスクの遞択回答欄に蚀語テストを远加しお提瀺するこずで簡単化を詊みたしかし衚\ref{fig:krippendorff}ず\ref{sec:crowd_result}節より今回提瀺した蚀語テストではタスクの難易床はあたり䞋がらずその結果䜎品質になったず掚枬するたたYahoo!クラりド゜ヌシングに実装されおいるチェック問題ずいう機胜を掻甚し泚意深く・真面目に取り組んでいないクラりドワヌカヌの陀倖を詊みたここでいう泚意深く・真面目に取り組んでいないクラりドワヌカヌずは以䞋の䟋\ref{dammy6}のような談話関係タグ付けタスクを誀答するワヌカヌを指す\ex.\label{dammy6}今日の詊合は乱打戊で芋応えがあった【詊合も勝ったし倧満足】【ただ最終回は胃が痛かった】\\正解逆接しかしクラりド゜ヌシング第2段階で実斜したチェック問題の結果を調査するずチェック問題の正答率が80\%以䞊であったクラりドワヌカヌが玄9\%存圚したこれらのワヌカヌはむンストラクションを読む等泚意深く・真面目に取り組んでいるワヌカヌであるず掚定される䞀方7択問題のチャンスレヌト(箄14\%)より正解率が䜎いクラりドワヌカヌが玄41\%存圚したチャンスレヌトより正解率が䜎いこずからこれらのワヌカヌは泚意深く・真面目に取り組んでいないワヌカヌであるずず掚定される本タスクではチェック問題を䜿うこずで泚意深く・真面目に取り組んでいないワヌカヌの倧半は陀倖できたものの泚意深く・真面目に取り組んでいないワヌカヌの玄1割はチェック問題を通過しおいたこずがわかったこのこずから泚意深く・真面目に取り組んでいないクラりドワヌカヌの陀倖が䞍十分でありその結果泚意深く・真面目に取り組んでいるワヌカヌずそうでないワヌカヌの差が激しくクラりド゜ヌシングの䞀臎率が䜎くなったず掚枬する䜎皋床の䞀臎率ずなったクラりド゜ヌシングの䞀臎率を向䞊させる方法ずしおアノテヌションタスクをより簡朔にする方法を怜蚎するもずもずクラりド゜ヌシングを甚いた談話関係アノテヌションはタスク難易床が高いこずから2段階に分割するずいう察策を取っおいたしかしKrippendorffの$\alpha$が0.256ず䜎皋床の䞀臎であるこずから2段階に分けおも䟝然ずしお難易床が高いず考えられるそこでクラりド゜ヌシングを珟状の2段階から``談話関係有り刀定''``談話関係䞊䜍タむプ刀定''``談話関係䞋䜍タむプ刀定''の3分割に分割する方法を怜蚎する\ref{sec:crowd_result}節の衚\ref{fig:result_major}の$[䞊䜍タむプMicro-F]$のF倀が0.818であるこずから``談話関係䞊䜍タむプ刀定''はクラりドワヌカヌにずっお比范的難易床が䜎いタスクであるこずが分かるしたがっお``談話関係䞊䜍タむプ刀定''で䞊䜍タむプを確定させたのち順接系なら䞋䜍タむプ4皮類の分類タスク逆接系なら䞋䜍タむプ2皮類の分類タスクを実斜するこずで今よりも高品質なアノテヌションが期埅されるたたアノテヌションタスクをより簡朔にする方法ずしお\ref{sec:dc_prediction}節で敎備した談話暙識の自動認識を掻甚する方法も考えられる今回のクラりド゜ヌシングでは談話暙識を持぀節ペアは談話関係がある可胜性があるず刀定し\ref{subsec:second_step}節のタスクのみを実斜したが談話暙識の自動認識を掻甚すれば\ref{subsec:second_step}節のタスクも省略できるためより効率的なアノテヌションが実斜可胜であるしかし\ref{sec:dc_prediction}節の䟋\ref{dc_error0}のように明瀺的ず認定した節ペアに談話関係がない堎合があるため党自動で行った堎合誀ったタグが付䞎される可胜性があるそのため談話暙識の自動認識を掻甚する堎合は党自動では行わず談話暙識を持぀節ず談話関係をクラりドワヌカヌに提瀺した䞊で文章䞭のどの節ず関係を持぀かを遞ばせるタスクを実斜するこずになるず考えられるこのタスクであれば\ref{subsec:second_step}節のタスクより平易であるので今よりも高品質なアノテヌションが期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{本談話関係タグ付きコヌパスの限界}本研究は日本語のコヌパスベヌスの談話関係解析の研究はほずんどないずいう珟状を打砎するために行った研究であるそのため問題を限定しおタスクやコヌパスの蚭蚈を行っおいる䟋えばPDTBでは``TEMPORAL''時間``CONTINGENCY''関係可胜性``COMPARISON''転換``EXPANSION''展開の4぀を察象ずしおいるしかし本コヌパスでは賛吊䞡論があるトピックに察する俯瞰的なマップを生成する蚀論マップ\cite{Murakami2009}やDisputeFinder\cite{Ennals2010}などの談話関係解析を応甚した具䜓的なアプリケヌションでの䜿甚を想定した䞊で順接系PDTBにおける``CONTINGENCY''逆接系PDTBにおける``COMPARISON''のみを察象ずしおいるそのため因果根拠比范の談話関係を利甚したアプリケヌションは本コヌパスを甚いお構築するこずが可胜であるが時間経過PDTBにおける``TEMPORAL''や詳现化換蚀共にPDTBにおける``EXPANSION''を利甚したアプリケヌションは構築するこずができないPDTBを甚いた談話関係解析タスクではいく぀かのタグを統合陀倖した蚭定で行われおいるこず\cite{Pitler2009a,Lin:2009:EMNLP}からPDTBず同芏暡のタグセットを蚭定する必芁はないず考えおいるが時間経過や詳现化換蚀など頻出する関係を察象ずしたアノテヌションは今埌の怜蚎課題である今回遞択した京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスは冒頭3文からなるコヌパスであるそのため文曞の䞭・終盀でのみ珟れる蚀語珟象や談話関係の出珟傟向の違いがある堎合本コヌパスではカバヌできない本コヌパスを甚いお談話関係タグ付きコヌパスを構築するにあたっお前述した蚀語珟象や談話関係の出珟傟向の違いは存圚しないず想定しお蚭蚈しおいるが文曞䞭の䜍眮による蚀語珟象や談話関係の傟向の違いの分析は今埌の怜蚎課題であるたた新聞蚘事の文間党おを察象に明瀺的な談話関係のタグ付けを行っおいるPDTBに比べ京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスは冒頭3文からなるため4文以䞊離れた文間の談話関係解析には向いおいない\footnote{非明瀺的な談話関係のアノテヌションはPDTB2.0では原則ずしお同䞀段萜内の隣接しおいる文間のみをPDTB3.0では同䞀段萜内の隣接しおいる文間ず同䞀文内を察象ずしおいる}PDTBず同じ基準ずなる同䞀段萜内の文間党おの談話関係タグ付けは今埌の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{談話関係解析噚の構築} 本節では非明瀺的な談話関係も認識可胜な談話関係解析噚を構築し性胜評䟡を行うこの際小芏暡な{\bf専門家セット}のみを蚓緎デヌタずしお䜿甚した堎合ず倧芏暡な{\bfクラりドセット}を蚓緎デヌタずしお䜿甚した堎合の2皮類の実隓を比范するこずでクラりド゜ヌシングで構築したコヌパスの有効性を調べるたた{\bf専門家セット}を評䟡セットずし\ref{sec:dc_prediction}節で敎備した談話暙識の自動認識の粟床を評䟡する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{蚓緎デヌタ}本実隓のタスクは衚\ref{Table:Tagset}の䞋䜍タむプ7倀分類ずし2皮類の実隓蚭定で行う1぀目は高品質な{\bf専門家セット}2,320節ペアを甚いた5分割亀差怜定であるこの実隓では談話関係解析噚の性胜を評䟡する2぀目は前述の5分割亀差怜定の蚓緎セットに{\bfクラりドセット}を远加した蚭定である具䜓的には{\bf専門家セット}の5分の4ず{\bfクラりドセット}党䜓を蚓緎デヌタ{\bf専門家セット}の5分の1をテストセットずした倉則的な5分劃亀差怜定を実斜したなお{\bfクラりドセット}には耇数の談話関係タグが正解ずしお付䞎されおいる節ペアが存圚するが本実隓ではこれらの節ペアを蚓緎セットから陀倖した38,376節ペアを䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{モデル蚭定}本実隓では談話暙識を手がかりずした解析噚ず河原らの解析噚\cite{kawahara:coling2014}BERT\cite{BERT:NACCL2019}を甚いた解析噚ハむブリッド方匏の解析噚の4皮類のモデルを䜿甚する{\bf談話暙識を手がかりずした解析噚}ずは\ref{sec:dc_prediction}節で構築した談話暙識の自動認識噚を甚いお節ペアの談話関係を掚定するモデルである以降DCず呌ぶ節ペアの談話関係タグは以䞋のルヌルに埓っお決定する\begin{enumerate}\def\theenumi{\roman{enumi}}\item自動認識噚を甚いお節ペア内の$<$節-機胜$>$ず$<$節-前向き機胜$>$を抜出するその際$<$節-機胜$>$ず$<$節-前向き機胜$>$のどちらも抜出された堎合は$<$節-機胜$>$を優先する\item$<$節-機胜$>$が抜出された堎合$<$節-機胜$>$を含む節を前節盎埌の節を埌節ずみなし衚\ref{tab:cf_tagset}ず照らし合わせ談話関係タグを決定する\item$<$節-前向き機胜$>$が抜出された堎合$<$節-前向き機胜$>$を含む節を埌節盎前の節を前節ずみなし衚\ref{tab:cf_tagset}ず照らし合わせ談話関係タグを決定する\item$<$節-機胜$>$ず$<$節-前向き機胜$>$が抜出されなかった堎合もしくは節ペアが隣り合っおいない堎合``談話関係なし''を付䞎する\end{enumerate}{\bf河原らの解析噚}以降opalず呌ぶは機械孊習ツヌルopal\cite{yoshinaga:coling2010}を䜿甚しおいるopalは倚項匏カヌネルを甚いたオンラむン孊習が可胜なモデルである今回はpassive-aggressiveアルゎリズムを倚クラス分類に拡匵\cite{matsushima:SDM2010}したものを利甚した蚓緎に䜿甚する玠性は日本語圢態玠解析噚Juman++v2\cite{arseny:EMNLP2018}ず日本語構文・栌解析噚KNPを甚いお抜出した甚いた玠性を衚\ref{Table:features}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\caption{談話関係解析噚の玠性}\label{Table:features}\input{07table10.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%{\bfBERT}はTransformerをベヌスずしたモデルでpre-trainingずfine-tuningの2ステップからなる本実隓では日本語Wikipediaを利甚した日本語孊習枈モデル\cite{柎田2019a}\footnote{\url{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?BERT日本語Pretrainedモデル}}を利甚し蚓緎デヌタを甚いおfine-tuningするDevlinらはBERTのfine-tuning時のモデルずしお文ペア分類問題甚1文分類問題甚質問応答(SQuAD)甚系列ラベリング問題甚の4皮類のモデルを提案しおいる本研究では文ペア分類問題甚のモデルを䜿甚するこのモデルは[CLS]に察応するTransformer最終局のEmbeddingを利甚しお分類タスクを解いおいる本実隓ではGoogleが公開しおいるTensorflow実装\footnote{\url{https://github.com/google-research/bert}}を䜿甚しepoch数は3に蚭定した{\bfクラりドセット}を蚓緎デヌタずしお甚いた堎合{\bf専門家セット}に比べお品質が悪いためノむズずなる可胜性が高いこの問題に察凊するためにPatriniらが提案したforwardcorrection\cite{patrini:cvpr2017}をBERTを甚いた談話関係解析噚に適甚するforwardcorrectionずはノむズラベル$\tilde{{\bfy}}$を真のラベル${\bfy}$に倉換する行列${\bfT}\in[0,1]^{c\timesc}$を求めるこずでノむズが混圚しおいるデヌタをニュヌラルネットワヌクの蚓緎デヌタずしお頑健に䜿うこずができる手法である具䜓的にはBERTのclassifierのloss関数を以䞋の匏に倉曎する\begin{align*}L(\theta;D_{e},D_{c})&=\sum_{D_{e}}L({\bfx},{\bfy})+\sum_{D_{c}}L({\bfx},\tilde{\bfy})\\&=-log\sum_{D_{e}}p({\bfy}|{\bfx})-log\sum_{D_{c}}\hat{p}(\tilde{\bfy}|{\bfx})\\&=-log\sum_{D_{e}}p({\bfy}|{\bfx})-log\sum_{D_{c}}\sum_{j=1}^{c}p(\tilde{\bfy}={\bfe}^{i}|{\bfy}={\bfe}^{j})\hat{p}({\bfy}={\bfe}^{j}|{\bfx})\\&=-log\sum_{D_{e}}p({\bfy}|{\bfx})-log\sum_{D_{c}}\sum_{j=1}^{c}{\bfT_{ji}}\hat{p}({\bfy}={\bfe}^{j}|{\bfx})\\T_{ij}&=p(\tilde{\bfy}={\bfe}^{j}|{\bfy}={\bfe}^{i})\end{align*}$D_{e}$$D_{c}$はそれぞれ{\bf専門家セット}ず{\bfクラりドセット}を指すたた${\bfx}$が入力$p({\bfy}|{\bfx})$が{\bf専門家セット}のタグの出珟確率$\hat{p}(\tilde{{\bfy}}|\bfx)$が{\bfクラりドセット}のタグの出珟確率$p(\tilde{\bfy}={\bfe}^{i}|{\bfy}={\bfe}^{j})$が{\bf専門家セット}のタグ${\bfy}$が{\bfクラりドセット}のタグ$\tilde{{\bfy}}$に倉化する確率を衚す本実隓では蚓緎デヌタに含たれる{\bf専門家セット}1,856節ペアず{\bfクラりドセット}の混同行列を蚈算しそれを正芏化した行列を{\bf$T$}ずした{\bfハむブリッド方匏の解析噚}以降hybridず呌ぶずは談話暙識を手がかりずした解析噚ずBERTを組み合わせた解析噚であるたず談話暙識を手がかりずした解析噚で談話関係解析を行うその埌解析結果が``談話関係なし''であった節ペアに察しおBERTを甚いた談話関係解析を実斜し談話関係タグを決定する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}実隓結果を衚\ref{fig:dra}に瀺す衚䞭の$[談話関係あり]$は``談話関係なし''を陀く6皮類のマむクロ平均を瀺しおいる$[談話関係あり]$のF倀はばら぀きがあるがAccuracyの倀はどれも高いこれは談話関係タグ付きコヌパスの80\%以䞊が``談話関係なし''ずなっおいる䞍均衡コヌパスだからである衚\ref{fig:trend}参照%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\caption{談話関係解析結果}\label{fig:dra}\input{07table11.tex}\vspace{4pt}\smallDCは談話暙識を手がかりずした解析噚opalは河原らの解析噚hybridはDCずBERTを組み合わせたハむブリッド方匏の解析噚BERT+forwardcorrectionはforwardcorrectionを適甚したBERThybrid+forwardcorrectionはDCずforwardcorrectionを適甚したBERTを組み合わせたハむブリッド方匏の解析噚を瀺す\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%クラりドセットの有効性を調べるために同䞀モデルに察しお蚓緎デヌタずしお専門家セットのみを甚いた堎合ずクラりドセットを远加した堎合を比范したopalはF倀が0.387から0.311ぞず玄7\%悪化したのに察しBERTは0.088から0.374ぞず倧幅にF倀が向䞊したクラりドセットは品質が悪いものの芏暡が倧きいずいう特性を持぀高次元離散玠性を甚いる分類噚は品質の悪さの圱響を匷く受けたのに察しおニュヌラルネットの孊習には倧芏暡な蚓緎デヌタが䞍可欠でありクラりドセットの芏暡が品質の悪さを打ち消しおあたりあるこずがわかるさらにBERT+forwardcorrectionはBERTず比べおF倀が玄3\%向䞊しopalのF倀を䞊回ったforwardcorrectionが品質の問題を軜枛し粟床向䞊をもたらすこずが確認できる以䞊のこずからクラりドセットはニュヌラルネットの孊習に䞍可欠でありその際にforwardcorrectionのようなノむズ耐性を備えた孊習手法が有効であるず結論づけられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話暙識の自動認識粟床評䟡}\ref{sec:dc_prediction}節で敎備した談話暙識の自動認識は明瀺的な談話関係だけに焊点を絞ったルヌルベヌスの解析噚ずみなせるそこで\ref{sec:dc_prediction}節のルヌルを実装した{\bf談話暙識を手がかりずした解析噚}を甚いお談話暙識の自動認識の性胜を評䟡するテストセットは{\bf専門家セット}2,320節ペアずした実隓の結果衚\ref{fig:dra}のDCの適合率より粟床が高いこずが分かるしたがっお談話暙識の自動認識は高粟床な明瀺的談話関係解析噚ずしお利甚可胜であるDCの解析誀り䟋を以䞋に瀺すなお抜出された談話暙識には䞋線を匕いおいる\ex.\label{DC_error1}電報にも゚コロゞヌを意識したものがあるのをご存知でしょうか電報には台玙などで玙を䜿いたす【1幎間で送られる電報の数を\underline{考えれば}】【消費される玙の量も盞圓でしょう】\\{\bf専門家セット}根拠順方向DC条件\ex.\label{DC_error2}文孊資料閲芧のための斜蚭です埌玉ゆかりの文孊者の䜜品や文孊関係の資料が閲芧できたすコピヌサヌビスは1枚10円で行っおおりたすが【貞出はできたせん\underline{ので}】【埡了承ください】\\{\bf専門家セット}談話関係なしDC原因・理由\ex.\label{DC_error3}\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{(\roman{enumi})}\item「パヌキン゜ン病は小刻み歩行を䞻な症状ずする病気です\item䟋倖的に20歳台から発症する方や80歳を越えおから\item【発症される方もありたす】\item【脳の䞭の黒質ずいう数が枛るこずが\underline{原因です}】\end{enumerate}{\bf専門家セット}談話関係なしDC原因・理由DCの誀りを分析するず䟋\ref{DC_error1}や䟋\ref{DC_error2}のような談話暙識以倖の芁玠によっお談話関係が定矩される䟋が倚く存圚した䟋えば䟋\ref{DC_error1}の堎合埌節に掚量衚珟「でしょう」があるので``根拠''ずなるがDCは条件を瀺す談話暙識「ば」のみに着目しおいるため誀答した同様に䟋\ref{DC_error2}は埌節の定型衚珟を芋萜ずしおいたため誀答しおいる䟋\ref{DC_error3}は抜出された談話暙識「原因です」が瀺す先は前節にあたる(iii)ではなく(i)である䟋\ref{DC_error3}や\ref{sec:dc_prediction}節の䟋\ref{dc_error0}のような節が隣り合っおいない明瀺的なペアに぀いおの扱いは今埌の怜蚎課題であるしかし䟋\ref{DC_error1}や䟋\ref{DC_error2}䟋\ref{DC_error3}においお抜出された談話暙識自䜓は劥圓であるこずから\ref{sec:dc_prediction}節で敎備した自動認識噚自䜓には問題がないず掚枬する䞀方談話暙識の自動認識が誀っおいる䟋は11䟋あった具䜓䟋を瀺す\ex.\label{DC_error4}むかしむかしこの䞖界を぀くったむンデアンの神さたが旅にでたしたそしお雪がいっぱい぀もった村にきたした【村にはいる\underline{ず}】【おばあさんがないおいたす】\\{\bf専門家セット}談話関係なしDC条件\ex.\label{DC_error5}噂の倧ちゃんですね【心配したぞ】【\underline{でも}冒険したせいかちょっずりりしくなった】{\bf専門家セット}談話関係なしDC逆接談話暙識「ず」は文脈によっお``条件''を瀺す堎合ず``談話関係なし''時間経過を瀺す堎合がある䟋\ref{DC_error4}では埌節の時制が過去でないこずから``条件''ず識別したが誀答しおいるたた$<$節-前向き機胜$>$に぀いおは$<$節-機胜疑$>$のような節ペアの関係に曖昧性がある堎合を想定したタグを蚭定しおいないしかし䟋\ref{DC_error5}の「でも」は話題提瀺を瀺しおおり談話関係ずは関係ない暙識であるこれらのルヌルの修正は今埌の課題である本研究で構築した談話暙識の自動認識は明瀺的な談話関係の解析噚ずしお高粟床であるこずが衚\ref{fig:dra}より分かったそのため粟床が高い解析結果のみを抜出しお他のアプリケヌションに応甚するずいう甚途においお利甚可胜だず考える実際本研究で構築した談話暙識の自動認識は談話関係解析を応甚したアプリケヌションで䜿甚されおいる\cite{Saito2019a,kiyomaru:nlp2020}Saitoらは因果関係や察比関係を持぀文ペアを倧芏暡コヌパスから収集し孊習デヌタずしお甚いるこずであるむベントの極性を高粟床で掚枬するモデルを構築したこの際本研究で敎備した談話暙識の自動認識を䜿甚するこずで高品質な文ペアを収集しおいる枅䞞らは商品・サヌビスのレビュヌを原因・結果・解決策の3皮類に集玄するこずで情報を敎理し解決の糞口ずなる新たな知芋や気づきを喚起するシステム「因果関係グラフ」を提案したその際談話暙識の自動認識を䜿甚するこずで因果関係を持぀レビュヌを抜出しおいるこれらの研究から本研究で敎備した自動認識は因果関係抜出や知識抜出蚀論マップなどの談話関係解析を応甚したアプリケヌションに適甚可胜であるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{たずめ} 本研究では日本語の談話関係解析を実甚化するため英語の談話関係タグ付きコヌパスPDTB2.0を参考に日本語の談話関係解析タスクを定矩したたた様々なドメむンを含んだコヌパスに談話単䜍ず談話暙識談話関係タグをアノテヌションするこずで日本語の談話関係タグ付きコヌパスを構築したこの際高速にコヌパスを構築するため談話単䜍である節ず談話暙識はルヌルベヌスの認識噚を甚いお自動認識するこずずしたたた人手でアノテヌションをする談話関係タグはPDTB2.0の``CONTINGENCY''ず``COMPARISON''などを参考に2階局䞋䜍7皮類ずいう非垞に簡朔なタグセットにした談話関係タグのアノテヌションは3名の専門家がタグ付けした小芏暡なものずクラりド゜ヌシングを甚いおタグ付けした倧芏暡なものの2皮類を実斜したクラりド゜ヌシングを行う際には談話関係アノテヌションタスクの難易床を考慮しタスクを2段階に分割するクラりドワヌカヌに蚀語テストを提瀺するずいう2぀の手法を甚いおタスクの簡易化ずアノテヌション品質の向䞊を詊みたその結果6,445文曞40,067節ペアからなる談話関係タグ付きコヌパスが完成したたた専門家のアノテヌション結果ず比范するこずでクラりド゜ヌシングを甚いた堎合のアノテヌション傟向ず品質に぀いお分析した分析の結果クラりド゜ヌシングを甚いたアノテヌションは品質が良くなく改善の䜙地があるこずが分かった改善方法ずしおはタスクのさらなる分割や談話暙識の自動認識の掻甚が考えられる本研究で構築したコヌパスを甚いお談話関係解析を蚓緎した実隓結果よりクラりド゜ヌシングのアノテヌションはニュヌラルネットワヌクベヌスの談話関係解析噚を孊習する際に有効であるこずが分かったたた非明瀺的な談話関係を含む談話関係の解析は䟝然ずしお挑戊的な課題だが明瀺的な談話関係に限れば本研究で敎備した談話暙識の自動認識が高粟床な解析噚ずしお利甚可胜であるこずを瀺したこの解析噚は因果関係抜出や知識獲埗談話関係解析を応甚したアプリケヌションなどぞの応甚が期埅できる本研究で構築したコヌパスはすでに公開されおいる京郜倧孊りェブ文曞リヌドコヌパスの䞀芁玠ずしお公開したたた節ず談話暙識の自動認識ルヌルは日本語構文・栌解析噚KNPの䞀芁玠ずしお公開した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment研究開始時においお柀田晋之介氏の倚倧なる貢献がありたしたたたクラりド゜ヌシングを実斜するにあたり颯々野孊氏小林隌人氏柎田知秀氏町田雄䞀郎氏からご助蚀をいただきたした石川真奈芋氏二階堂奈月氏堀内マリ銙氏には専門家ずしお本コヌパスのタグ付け䜜業にご協力いただきたしたこの堎を借りお皆様に感謝申し䞊げたす%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\bibliography{07refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix\renewcommand{\theequation}{A.\arabic{equation}}\setcounter{equation}{0}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{談話関係タグの基準} \label{sub:annotation_manual1}衚\ref{Table:Tagset}に瀺した7぀の談話関係タグごずの基準を詳现に蚘す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{順接系}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{原因・理由}「ので」「だから」のような原因・理由を瀺す談話暙識が節ペアに含たれおいるもしくは原因・理由を瀺す談話暙識を節ペアに挿入しおも意味的な぀ながりが倉化しない堎合``原因・理由''のタグを付䞎する\footnote{PDTB2.0および3.0の``CONTINGENCY.Cause''に盞圓する}この関係をも぀節ペアには方向があり䞀般に䞀方の節が原因もしくは理由他方の節が結果ずなる\footnote{PDTB2.0では順方向の``原因・理由''を``CONTINGENCY.Cause.result''逆方向の``原因・理由''を``CONTINGENCY.Cause.reason''ずしおいるPDTB3.0では前述のタグに加え``CONTINGENCY.cause+belief''も``原因・理由''に盞圓する}䟋を瀺す\ex.\label{ex:strong_cause}【必死に勉匷したので$_{原因・理由}$】【詊隓に受かった】\ex.\label{ex:weak_cause}【お客様䞀人ひずりにあったた぀毛のスタむルやケアの方法をご提案しおいたす$_{原因・理由}$】【䜕でもお気軜にご盞談ください】\ex.\label{ex:first_person_cause}【明るく分かりやすく楜しく教えおいきたいです】【勉匷は誰もが嫌いなものです$_{原因・理由}$】なお䟋\ref{ex:weak_cause}のような比范的匱い因果関係を持぀堎合や䟋\ref{ex:first_person_cause}のような曞き手の䞻芳的な理由も``原因・理由''ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{目的}「するため」のような目的を瀺す談話暙識が䜿われおいるもしくは目的を瀺す談話暙識を節ペアに挿入しおも意味的な぀ながりが倉化しない堎合``目的''ずする\footnote{PDTB3.0の``CONTINGENCY.purpose''に盞圓するPDTB2.0では``目的''を盎接的に瀺すタグは存圚しない}この関係をも぀節ペアにも方向があり䞀般に䞀方の節が目的他方の節が手段ずなる䟋を以䞋に瀺す\ex.【詊隓に受かるために$_{目的}$】【必死に勉匷した】\ex.【郜䌚から離れお】【䜓をリフレッシュする$_{目的}$】%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{条件}「すれば」「するず」のような条件を瀺す談話暙識が䜿われおいるもしくは条件を瀺す談話暙識を節ペアに挿入しおも意味的な぀ながりが倉化しない堎合``条件''ずする\footnote{PDTB2.0の``CONTINGENCY.Condition''に盞圓するPDTB3.0では前述のタグに加え吊定条件を瀺す``CONTINGENCY.negative-condition''も``条件''に盞圓する}この関係をも぀節ペアにも方向があり䞀般に䞀方の節が条件他方の節が結果ずなる䟋を以䞋に瀺す\ex.【酒を飲むず$_{条件}$】【すぐ顔が赀くなる】\ex.\label{ex:condition1}【雚が降れば$_{条件}$】【道がぬれる】䟋\ref{ex:condition1}のように仮定的な条件の堎合も``条件''ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{根拠}``原因・理由''``目的''``条件''には該圓しないが節ペアの関係が根拠に基づく掚量や認識ず解釈できれば``その他根拠''ずする\footnote{PDTB2.0および3.0では䞭䜍・䞋䜍ラベルを䌎わない``CONTINGENCY''ずしおアノテヌションされおいる}この関係をも぀節ペアには方向があり䞀般に䞀方の節が根拠他方の節が掚量や認識ずなる䟋を以䞋に瀺す\ex.【詊隓に受かったのだから$_{根拠}$】【必死に勉匷したのだろう】\ex.【ツバメは巣材集めの真っ最䞭のようです】【毎日泥や枯れ草をくちばしにくわえお飛び立っおいきたす$_{根拠}$】%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{逆接系}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{察比}「の䞀方で」のような察比を瀺す談話暙識が䜿われおいるもしくは察比を瀺す談話暙識を節ペアに挿入しおも意味的な぀ながりが倉化しない堎合``察比''ずする\footnote{PDTB2.0および3.0の``COMPARISON.Contrast''に盞圓する}䞀方の節が他方の節を含意しおいる堎合も含むこの関係をも぀節ペアは方向をもたないため本皿では前節ず埌節の間に談話関係タグ``察比''を蚘す䟋を以䞋に瀺す\ex.【倧阪は雚だが】$_{察比}$【東京は晎れだ】\ex.【本斜蚭は䌚員の方は䜿えたすが】$_{察比}$【非䌚員の方は䜿えたせん】%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{逆接}節ペアの関係を衚す際「しかし」のような逆接を瀺す談話暙識や「確かにだが」のような譲歩を瀺す談話暙識が䜿われおいるもしくは逆接や譲歩を瀺す談話暙識を節ペアに挿入しおも意味的な぀ながりが倉化しない堎合``逆接''ずする\footnote{PDTB2.0および3.0の``COMPARISON.Concession''に盞圓する}``察比''は方向をもたないが逆接はどちらかの節に䞻県があるので方向をも぀䟋を以䞋に瀺す\ex.【昚日は雚が降っおいた$_{逆接}$】【しかし野球の詊合があった】\ex.【明日は1日䌑みだ】【もしかするず急に仕事が入るかもしれないが$_{逆接}$】\ex.\label{reverse_cond}【圌が来たずしおも$_{逆接}$】【状況は改善されなかっただろう】䟋\ref{reverse_cond}のような仮定的な逆接衚珟以降``逆条件''ず呌ぶの堎合も``逆接''ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{関係なしたたは匱い関係}節ペアに意味的な぀ながりがないもしくは節ペアの関係が時間経過\footnote{PDTB2.0および3.0の``TEMPORAL''に盞圓}や䟋瀺補足列挙芁玄・敷衍・換蚀・含意付加など\footnote{PDTB2.0および3.0の``EXPANSION''に盞圓}の匱い関係謝眪や感謝話題導入を瀺す定型衚珟である堎合``関係なしたたは匱い関係''ずする䟋を以䞋に瀺す\ex.【毎日暑い日が続きたすね】【父の手術も無事に終わり】少しだけほっずしおたす\ex.\label{ex:other1}【これ以倖の環境ではご利甚いただけない可胜性がありたすので】【あしからずご了承ください】\ex.\label{ex:other2}【画像を利甚する際にコメントなどを頂戎し】【ありがずうございたす】\ex.\label{ex:other3}【コンビニのドル箱商品ずいえば】【やはり「おにぎり」です】䟋\ref{ex:other1}は``原因・理由''ずも解釈できるが埌節の「ご了承ください」が定型衚珟なので``関係なしたたは匱い関係''ずする同様に䟋\ref{ex:other2}は埌節が定型衚珟䟋\ref{ex:other3}は文党䜓が話題導入を瀺す定型衚珟なので``関係なしたたは匱い関係''ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{曖昧性がある談話暙識の分類} \label{sub:ambiguous_clause_function}談話暙識「のに」「ため」「おも」は$<$節-機胜$>$ずなる堎合ず$<$節-機胜疑$>$ずなる堎合が存圚する以䞋で具䜓的に説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{のに}「のに」は原則ずしお$<$節-機胜疑-目的$>$ず$<$節-機胜疑-逆接$>$が付䞎されるが「タ圢のに」「なのに」の堎合のみ$<$節-機胜-逆接$>$が付䞎される\ex.【倧孊に行く\underline{のに}$_{<節-機胜疑-目的><節-機胜疑-逆接>}$】【電車ずバスを䜿う】\ex.【圌が来\underline{たのに}$_{<節-機胜-逆接>}$】【誰も反応しない】\ex.【信号が青\underline{なのに}$_{<節-機胜-逆接>}$】【立ち止たっおいる】%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ため}「ため」は盎前の述語によっお付䞎されるラベルが倉化する衚\ref{tab:tame}参照%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\caption{``ため''の分類}\label{tab:tame}\input{07table12.tex}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{おも}「おも」は係り先の基本句の時制によっお付䞎されるラベルが倉化する係り先の時制が過去である堎合は$<$節-機胜疑-条件-逆条件$>$ず$<$節-機胜疑-逆接$>$が係り先の時制が非過去珟圚もしくは未来である堎合は$<$節-機胜-条件-逆条件$>$を付䞎する\ex.\label{temo_past_1}【圌が来\underline{おも}$_{<節-機胜疑-条件-逆条件><節-機胜疑-逆接>}$】【状況は改善されなかった】\ex.\label{temo_past_2}【圌が来\underline{おも}$_{<節-機胜疑-条件-逆条件><節-機胜疑-逆接>}$】【状況は改善されなかっただろう】\\※䟋\ref{temo_past_1}は逆接䟋\ref{temo_past_2}は逆条件の関係を持぀\ex.【䞍審な点がなく\underline{おも}$_{<節-機胜-条件-逆条件>}$】【受付近くの応接スペヌスで応察する】%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{岞本裕倧}{%2014幎京郜倧孊工孊郚電気電子工孊科卒業2016幎同倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了2020幎同倧孊院博士課皋単䜍取埗認定退孊同幎゚ニシア株匏䌚瀟に入瀟談話関係解析の研究に埓事修士情報孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{村脇有吟}{%2011幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋修了博士情報孊同幎京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ特定助教2013幎九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究院助教2016幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教珟圚にいたるテキスト解析および蚈算蚀語孊に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{河原倧茔}{%1997幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1999幎同倧孊院修士課皋修了2002幎同倧孊院博士課皋単䜍取埗認定退孊東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科孊術研究支揎員独立行政法人情報通信研究機構䞻任研究員京郜倧孊倧孊院情報孊研究科准教授を経お2020幎より早皲田倧孊基幹理工孊郚情報通信孊科教授自然蚀語凊理知識凊理の研究に埓事博士情報孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{黒橋犎倫}{%1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻博士課皋修了博士工孊2006幎4月より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚10呚幎蚘念論文賞同20呚幎蚘念論文賞第8回船井情報科孊振興賞2009IBMFacultyAward等を受賞2014幎より日本孊術䌚議連携䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V15N05-02
\section{はじめに} \label{sec:intro}蚀語暪断情報怜玢や蚀語暪断質問応答機械翻蚳などの2぀の蚀語に関わる凊理を実珟するにはその蚀語察に察する倧芏暡察蚳蟞曞などの蚀語暪断蚀語資源が必芁である情報流通技術の発達に䌎っお様々な蚀語で蚘述された情報を掻甚するこずが可胜ずなり぀぀あり耇数蚀語を察象ずする自然蚀語凊理技術はたすたす重芁な課題ずなるこずが予想されるしかし䞖界には数倚くの蚀語が存圚するためあらゆる蚀語察を察象ずしお豊富な蚀語資源を敎備するこずは非珟実的である珟実には需芁の倧きい䞀郚の蚀語察に぀いおは倧芏暡な蚀語資源が利甚できるがそれ以倖の倚くの蚀語察に぀いおは小芏暡な察蚳蟞曞しか利甚できない堎合が倚いもし新芏の蚀語察に察しお察蚳蟞曞を自動的に構築するこずができればこのような状況を改善するのに非垞に圹立぀ず考えられるが広く知られおいる通り完党に自動的に高粟床の察蚳蟞曞を構築するこずはかなり困難であるそのため本論文では新芏察蚳蟞曞の自動構築ずいうタスクに代わっお既存の小芏暡な察蚳蟞曞を拡充するずいうタスクに着目するたず入力蚀語䞭間蚀語出力蚀語ずいう3぀の蚀語を考えた時入力蚀語から出力蚀語ぞの小芏暡な察蚳蟞曞以埌{\bfseries皮蟞曞}ず呌ぶず入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡な蟞曞および䞭間蚀語から出力蚀語ぞの倧芏暡な蟞曞ずいう3぀の蟞曞が利甚できる状況を考えるこの時皮蟞曞を拡充するずいうタスクは以䞋の2぀の条件を満たす語の蚳語を掚定するずいうタスクずしお定矩される第1にその語は皮蟞曞には登録されおいない未知語である第2に入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞の䞡方を参照するこずによりその語の出力蚀語䞊での蚳語候補が埗られるタスクの蚭定から明らかに皮蟞曞の拡充ずいうタスクは2぀の仮定に䟝存しおいるたず(a)小芏暡な皮蟞曞が存圚しなければならず次に(b)先に述べた条件を満たす適切な䞭間蚀語が存圚しなければならない最初の仮定(a)から完党に新芏の蚀語察に察しおはこのタスク蚭定は適甚できないずいう制限が発生するしかし最近のネットワヌクずコンピュヌタの発達にずもないそのような完党に新芏の蚀語察は少なくなり぀぀あり非垞に小芏暡な察蚳蟞曞でも良ければ倚くの蚀語察に぀いお察蚳蟞曞が利甚できるようになっおきおいるたた英語を䞭間蚀語ずしお考えるず倚くの蚀語察に぀いお埌の仮定(b)が成り立぀こずは経隓的に知られおいるしたがっお皮蟞曞の拡充ずいうタスクは察蚳蟞曞の自動構築よりも倚くの仮定に䟝存しおいるこずは事実であるがこの仮定は倚くの堎合に問題にならないず考えられか぀これらの仮定を導入するこずによっお利甚可胜ずなる知識を甚いればより簡単に蚳語掚定が可胜になるず期埅される皮蟞曞の拡充ずいうタスクは新芏察蚳蟞曞の自動構築や既存蟞曞に登録されおいない新芏な未知語に察する蚳語の掚定ずいった関連研究ずは2぀の点で異なっおいる\cite{日仏察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚し和英蟞曞ず英和蟞曞および英仏蟞曞ず仏英蟞曞ずいう4皮類の蟞曞を利甚しお新芏の和仏察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこのような新芏察蚳蟞曞の自動構築ずいうタスクでは察象ずする蚀語察に぀いおはたったく察蚳蟞曞が存圚しない状況を想定しおおり入力蚀語—出力蚀語の察蚳蟞曞から埗られる情報を考慮するこずは行われおいないそれに察しお本論文で提案する蟞曞拡充ずいうタスクは小芏暡な皮蟞曞から埗られる情報をなるべく有効に利甚しようずしおいる点で先行研究ずは異なる\cite{りェブから察蚳を掚定}は既存の察蚳蟞曞に登録されおいない新芏な未知語を察象ずしお倧芏暡なコンパラブルコヌパスなどを甚いお蚳語の掚定を行っおいるこのような研究は既存の察蚳蟞曞から埗られる情報を甚いおいるずいう点では蟞曞拡充ずいうタスクず類䌌しおいるしかしこのような新芏な未知語の倚くは名詞であるため倚くの先行研究では未知の名詞の蚳語掚定に特化した怜蚎がされおいるそれに察しお非垞に小芏暡な皮蟞曞の拡充を行うには名詞のみの蚳語掚定では䞍十分であり動詞・圢容詞などに぀いおも蚳語の掚定を行う必芁が生じるこの問題に぀いおは\ref{subsec:蟞曞の分析}節で再び議論する以䞋\ref{sec:expansion}節では䞭間蚀語を甚いお察蚳蟞曞を拡充する方法を提案する\ref{sec:experiment}節では入力蚀語をむンドネシア語䞭間蚀語を英語出力蚀語を日本語ずしお察蚳蟞曞の拡充を行った実隓に぀いお報告する特に拡充された蟞曞を実際の蚀語暪断情報怜玢システムに組み蟌んで評䟡した結果に぀いお報告する\ref{sec:related_works}節では関連研究に぀いお述べ最埌に結論を述べる \section{䞭間蚀語を甚いた察蚳蟞曞の拡充} \label{sec:expansion}\subsection{察蚳蟞曞の拡充}ある入力蚀語からある出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を䜜成するずき以䞋のような状況を仮定する\begin{quote}\textbf{仮定}ある䞭間蚀語を考えるず入力蚀語から出力蚀語ぞの小芏暡な察蚳蟞曞以䞋\textbf{皮蟞曞}ず呌ぶず入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡な察蚳蟞曞および䞭間蚀語から出力蚀語ぞの倧芏暡な察蚳蟞曞が存圚する\end{quote}このような仮定は英語を䞭間蚀語ずするずかなり倚くの蚀語察に察しお成り立぀こずが期埅できる本論文では䞊述の仮定の䞋で入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡察蚳蟞曞には登録されおいるが皮蟞曞には登録されおいない語の蚳語を掚定するこずによっお皮蟞曞を拡充するずいうタスク察蚳蟞曞の拡充を扱う\subsection{䞭間蚀語ず共起ベクトルを甚いた拡充方法}\label{subsec:提案手法}本論文で提案する拡充方法は以䞋の2段階からなる\begin{enumerate}\item入力蚀語のコヌパスを甚いお翻蚳したい単語ず皮蟞曞に登録されおいる芋出し語の単語共起ベクトルを䜜成する次にその単語共起ベクトルを皮蟞曞を甚いお出力蚀語䞊のベクトルに倉換する\item入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を利甚しお蚳語候補を列挙する出力蚀語のコヌパスを甚いおそれぞれの蚳語候補に぀いお単語共起ベクトルを䜜成し前段階で埗られたベクトルずの類䌌床に基づいお蚳語を決定する\end{enumerate}提案手法の抂略を\figref{fig:提案手法}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f1.eps}\caption{提案手法}\label{fig:提案手法}\end{center}\end{figure}最初に入力蚀語䞊の単語共起ベクトルを皮蟞曞を甚いお出力蚀語䞊のベクトルに倉換する蚀語を問わずコヌパス䞊における単語$w_{i},w_{j}$の共起頻床は$f(w_{i},w_{j})$ず衚す皮蟞曞$D$の党芋出し語を$x_{i}(i=1,2,\ldots,n)$ずするず入力蚀語の単語$x_{s}$の共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$は次匏のように衚される\begin{equation}\bf{v}(x_{s})=(f(x_{s},x_{1}),\ldots,f(x_{s},x_{n}))\label{eq:src_vector}\end{equation}぀たりこの共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$の各次元は入力蚀語の単語ず察応しおいるこの共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$を皮蟞曞を甚いお各次元芁玠が出力蚀語の単語ず察応するようなベクトル$\bf{v}_{t}(x_{s})$に倉換する\begin{equation}\bf{v}_{t}(x_{s})=(f_{t}(x_{s},z_{1}),\ldots,f_{t}(x_{s},z_{m}))\label{eq:trans_vector}\end{equation}ここで$z_{j}(j=1,2,\ldots,m)$は皮蟞曞に珟れる党おの蚳語であるたた$f_{t}(x_{s},z_{k})$は単語$x_{s}$に関する入力蚀語コヌパス䞊の共起頻床を出力蚀語の単語$z_{j}$ずの共起の皋床を瀺すように倉換する関数であり次のように定矩する\begin{equation}f_{t}(x_{s},z_{j})=\sum_{i=1}^{n}f(x_{s},x_{i})\cdot\delta(x_{i},z_{j})\end{equation}ここで$\delta(x_{i},z_{j})$は単語$z_{j}$が単語$x_{i}$の蚳語であるかどうかを瀺す関数であり単語$x_{i}$を皮蟞曞で調べたずきに埗られる蚳語集合を$D(x_{i})$ずするず次匏によっお衚される\begin{equation}\delta(x_{i},z_{j})=\begin{cases}1&\mbox{if}\z_{j}\inD(x_{i})\\0&\mbox{otherwise}\end{cases}\end{equation}次に蚳語候補を以䞋の手順で列挙する最初に入力蚀語の単語$x_{s}$に぀いお入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢しお䞭間蚀語䞊の蚳語集合$\bf{Y}_{s}$を埗る続いお埗られた蚳語$\bf{y}_{s}\in\bf{Y}_{s}$を甚いお䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し出力蚀語䞊の蚳語候補集合$\bf{Z}_{s}$を埗るただし蚳語$\bf{y}_{s}$は䞀般に耇数の語からなるこずがあり埗る通垞の察蚳蟞曞においお入力蚀語の単語$x_{s}$に盞圓する単語が䞭間蚀語䞊に存圚する堎合にはその盞圓する単語を蚳語ずしお䜿うこずができるが盞圓する単語が䞭間蚀語䞊に存圚しない堎合には耇数の語からなる句たたは説明文の圢の蚳語が䜿われるそこで蚳語$\bf{y}_{s}$が単語1語からなっおいた堎合はそのたた䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し蚳語$\bf{y}_{s}$が耇数の語からなっおいた堎合は蚳語$\bf{y}_{s}$を構成する語党おを1぀ず぀甚いお䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し埗られた党おの蚳語候補集合の和集合を蚳語$\bf{y}_{s}$の蚳語候補集合ずする蚳語候補$\bf{z}_{s}\in\bf{Z}_{s}$に぀いおも同様に耇数の語からなるこずがあり埗るある蚳語候補$\bf{z}_{s}$が単語列$z_{s}^{1}z_{s}^{2}\cdots{}z_{s}^{l}$である時蚳語候補$\bf{z}_{s}$の共起ベクトルを構成語党おを甚いお次匏のように求める\begin{equation}\bf{u}(\bf{z}_{s})=\left(\sum_{k=1}^{l}f(z_{s}^{k},z_{1})\,\ldots,\\sum_{k=1}^{l}f(z_{s}^{k},z_{m})\right)\label{eq:dst_vector}\end{equation}ベクトル$\bf{v}_{t}(x_{s})$ずベクトル$\bf{u}(\bf{z}_{s})$のcosine類䌌床$s(\bf{v}_{t}(x_{s}),\bf{u}(\bf{z}_{s}))$を蚈算し適圓な条件を満たした蚳語候補$\bf{z}_{s}$を単語$x_{s}$の蚳語ずしお出力する本論文では条件ずしお(1)類䌌床の倧きい蚳語候補から順に出力する(2)類䌌床が適圓な閟倀より倧きい蚳語候補を出力するずいう2通りの方法を考えるこの評䟡に぀いおは\ref{subsec:閟倀の比范}節で述べる\paragraph{䟋}\入力蚀語ずしおむンドネシア語出力蚀語ずしお日本語䞭間蚀語ずしお英語を甚いた堎合提案手法による察蚳蟞曞の拡充がどのようにしお行われるかを具䜓䟋を甚いお瀺す拡充察象ずなる語はむンドネシア語—日本語蟞曞皮蟞曞には登録されおいないがむンドネシア語—英語蟞曞には登録されおいる語である\footnote{実際には正解蚳語の刀定を安定しお行うために元々の蟞曞に登録されおいる語を䞀郚取り陀いた蟞曞を皮蟞曞取り陀いた語をテスト単語ずしお実隓を行った詳现に぀いおは\ref{subsec:condition}節を参照}そのような語`peradaban'をむンドネシア語—英語蟞曞を甚いお翻蚳するず2぀の英蚳語`civilization',`culture'が埗られる次にこの2぀の英蚳語を英語—日本語蟞曞を甚いお翻蚳するず13通りの蚳語候補が埗られる\begin{quote}文明文明人文化文化生掻教化開化教逊郜䌚人口密集地逊成する培逊する培逊菌株\end{quote}これらの蚳語候補に察しお\eqnref{eq:dst_vector}によっお求めたベクトル$u(\mbox{文明}),u(\mbox{文明人}),\ldots,u(\mbox{菌株})$ず\eqnref{eq:trans_vector}によっお求めたベクトル$v_{t}(\mbox{`peradaban'})$ずのcosine類䌌床ずそれぞれの蚳語候補が実際に蚳語ずしお正しいかどうかを人手で刀定した結果を\tabref{tbl:example}に瀺すこの堎合13通りの蚳語候補から類䌌床順に䞊䜍3個の蚳語候補を蚳語ずしお出力するず出力された3個の蚳語䞭で正しい蚳語は1個だけであるから粟床は33\%ずなり正しい2個の蚳語䞭で出力された蚳語は1個だけであるから再珟率は50\%ずなる類䌌床が0.2より倧きい蚳語候補を遞択した堎合には粟床は20\%再珟率は100\%であるこの手順を察象ずなる党おの語に察しお行うずむンドネシア語—英語蟞曞ず英語—日本語蟞曞によっお蚳語候補が芋぀かる党おの語を含む拡充された蟞曞が埗られる\begin{table}[t]\caption{むンドネシア語単語`peradaban'に察する蚳語候補の䟋}\label{tbl:example}\begin{center}\input{02table01.txt}\end{center}\end{table}\subsection{共起ベクトルの補正}共起ベクトルを求めるずき単玔な共起頻床$f(w_{i},w_{j})$を甚いる代わりに適圓な補正を加える方法が有効である可胜性があるその方法ずしお本論文では共起頻床を補正する方法ずLatentSemanticAnalysis(LSA)に基づいおベクトルを倉換する方法の2通りを怜蚎するたず情報怜玢においおしばしば甚いられる$TF\cdotIDF$の考え方を応甚しお以䞋の2通りの補正された頻床を単玔な共起頻床$f(w_{i},w_{j})$の代わりに甚いる方法を比范する\begin{align}f_{\rmIDF}(w_{i},w_{j})&=\frac{f(w_{i},w_{j})}{df(w_{j})}\label{eq:IDF}\\f_{\rmTFIDF}(w_{i},w_{j})&=\frac{f(w_{i},w_{j})\cdot{}tf(w_{j})}{df(w_{j})}\label{eq:TFIDF}\end{align}ここで$tf(w)$はある単語$w$の単語出珟頻床であり$df(w)$はある単語$w$の文曞出珟頻床であるLSAに基づく方法ではたず日本語コヌパス䞊での単語—文曞共起行列$A$を求めるこの行列$A$の$i$行$j$列の芁玠は単語$w_{i}$の文曞$d_{j}$䞭における頻床であるこの時行列$A$の行数は皮蟞曞に出珟する語数$m$に等しく列数はコヌパスに含たれる文曞数$d$に等しいこのような行列$A$は次匏のように3぀の行列$U,D,V$に特異倀分解するこずができる\begin{equation}A_{m\timesd}=U_{m\timesr}D_{r\timesr}V^{\rmT}_{d\timesr}\end{equation}ただし$r$は行列$A$の階数であるこの時適圓な小さい階数$r'$ただし$r'<r$を遞ぶず階数$r'$における行列$A$の最適近䌌は次匏によっお衚される\begin{equation}U'_{m\timesr'}D'_{r'\timesr'}V'^{\rmT}_{d\timesr'}\end{equation}ただし$U',D',V'$の各芁玠はそれぞれ行列$U,D,V$の察応する芁玠ず等しいここで巊特異行列$U'$の各行はその行に察応する語が単語—文曞ずいう共起の芳点から芋お他の語ずどのように類䌌しおいるかを衚すベクトルず考えるこずができるこのようにしお埗られた語の類䌌性を衚すベクトルを甚いお\eqnref{eq:trans_vector}で求められたベクトル$v_{t}(x_{s})$ず\eqnref{eq:dst_vector}で求められたベクトル$u(z_{s})$を以䞋のように補正する\begin{align}v_{\mathrm{LSA}}(x_{s})&=v_{t}(x_{s})\U'\label{eq:LSA1}\\u_{\mathrm{LSA}}(z_{s})&=u(z_{s})\U'\label{eq:LSA2}\end{align}このように補正するこずにより類䌌語ず共起しおいる堎合の蚳語遞択をより適切に行えるようになる可胜性があるこれらの補正方法の評䟡に぀いおは\ref{subsec:補正の比范}節で述べる \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment}入力蚀語をむンドネシア語䞭間蚀語を英語出力蚀語を日本語ずしお察蚳蟞曞の拡充を行った実隓に぀いお述べる\subsection{実隓条件}\label{subsec:condition}本論文では日本語コヌパスずしお毎日新聞CD-ROM1993幎$\sim$1995幎を圢態玠解析噚MeCab~\cite{mecab}で圢態玠解析したデヌタを甚いた共起ベクトルを甚いお単語間の意味的な類䌌床を枬定するにはなるべく類䌌したドメむンに察するコヌパスの方が良い結果が埗られるず予想されるしかしむンドネシア語に察する既存の蚀語資源は倧倉少ないためむンドネシア囜内向けに線集・公開されおいるりェブ新聞\footnote{\url{http://www.kompas.com/},\url{http://www.tempointeraktif.com/}}の蚘事をむンドネシア語コヌパスずしお甚いた各コヌパスの諞元は\tabref{tbl:コヌパスの諞元}の通りである\begin{table}[b]\caption{コヌパスの諞元}\label{tbl:コヌパスの諞元}\begin{center}\input{02table02.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[b]\caption{語圙サむズず品詞分垃}\label{tbl:語圙サむズず品詞分垃}\begin{center}\input{02table03.txt}\end{center}\end{table}むンドネシア語から日本語ぞの察蚳蟞曞ずしおは\cite{IEDIC}をむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞ずしおは\cite{IEDIC}を英和蟞曞ずしおは英蟞郎\cite{EJDIC}を甚いた各蟞曞の語圙サむズを\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}に瀺す\footnote{\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}においお「その他」は品詞情報が付䞎されおいない芋出し語党お耇数語からなる慣甚句などを含む}察蚳蟞曞の拡充手法を正確に評䟡するにはむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞に収録されおいるが皮蟞曞には収録されおいない語぀たり実際の拡充察象ずなる語を察象ずしお各皮評䟡を行う必芁があるしかしそのような語に぀いおは正解蚳語のリストが存圚せず安定した評䟡が難しいそのため本論文ではむンドネシア語から日本語ぞの察蚳蟞曞から500個の蚳語察をテスト甚ずしお取り出し残りの蚳語察のみを登録した蟞曞を皮蟞曞ずしお実隓を行うこの時むンドネシア語コヌパスを甚いお拡充察象ずなる語の頻床分垃を調査し埗られた頻床分垃ずテスト甚蚳語察のむンドネシア語単語の頻床分垃が抂ね等しくなるようにテスト甚蚳語察を遞択した結果を\figref{fig:テスト単語}に瀺すたた遞択されたテスト単語500語に察する蚳語候補数を\tabref{tbl:テスト単語察の諞元}に瀺すむンドネシア語1語に察しお英語蚳語候補は平均1.73個日本語蚳語候補は平均3.03個存圚する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f2.eps}\end{center}\caption{むンドネシア語—日本語の蚳語察のむンドネシア語コヌパス䞭の頻床分垃}\label{fig:テスト単語}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{テスト単語察の諞元}\label{tbl:テスト単語察の諞元}\begin{center}\input{02table04.txt}\end{center}\end{table}評䟡尺床ずしおは次匏によっお定矩される粟床再珟率$F_{\beta=1}$倀蚳語含有率を甚いた{\allowdisplaybreaks\begin{align*}\mbox{粟床}&=\frac{a}{b}\\\mbox{再珟率}&=\frac{c}{d}\\F_{\beta=1}&=\frac{2\times\mbox{粟床}\times\mbox{再珟率}}{\mbox{粟床}+\mbox{再珟率}}\\\mbox{蚳語含有率}&=\frac{e}{f}\end{align*}}ただし出力された候補の内正解ず刀定された候補の数を$a$出力された候補の総数を$b$ずするたた正解の内出力された正解の数を$c$正解の総数を$d$ずする\footnote{正解ず同矩の衚珟が出力された堎合は人手で刀定を行ったそのずき1぀の正解に察しお耇数の出力が察応付けられ$a$ず$c$が等しくならないこずがある}$e$は出力された候補䞭に少なくずも1぀の正解が含たれおいたテスト単語の数$f$はテスト単語の総数(500)である\subsection{出力する蚳語の遞択方法による比范}\label{subsec:閟倀の比范}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f3.eps}\end{center}\caption{出力する蚳語の遞択方法による比范}\label{fig:閟倀の比范}\end{figure}類䌌床によっお敎列された蚳語候補リストからどの郚分を蚳語候補ずしお出力するこずが適切かを怜蚎する䞊䜍$n$候補を取り出した堎合ず類䌌床$s$が閟倀より倧きい候補を取り出した堎合の粟床・再珟率を\figref{fig:閟倀の比范}に瀺す\figref{fig:閟倀の比范}ではベヌスラむンずしお3通りの蚳語遞択方法を想定しおいる第1の方法および第2の方法は逆匕きによっお蚳語候補を遞択する手法\cite{日仏察蚳蟞曞}である逆匕き甚蟞曞ずしおは\cite{EJDIC}に含たれおいる和英蟞曞を䜿い䞭間蚀語英語䞊で䞀臎床を求めた\footnote{この方法は\cite{日仏察蚳蟞曞}では「1回逆匕き法」ずしお蚀及されおいる方法である}提案法ず同様に䞀臎床の䞊䜍$n$候補を取り出した堎合を第1のベヌスラむン䞀臎床が閟倀$x$より倧きい候補を取り出した堎合を第2のベヌスラむンずする第3のベヌスラむンはたったく蚳語遞択を行わずにむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞ず英和蟞曞を怜玢しお埗られた日本語蚳語候補党おを蚳語ずしお遞択する手法である\figref{fig:閟倀の比范}より提案法には類䌌床ず閟倀を比范しお蚳語を遞択するず䜎い閟倀を甚いた堎合には良い粟床が埗られず高い閟倀を甚いた堎合には粟床は改善されるが出力される蚳語が極端に少なくなっおしたう問題があるこずが分かる぀たり提案法に察しおは適圓な閟倀ず比范しお蚳語を遞択する方法よりも䞊䜍$n$候補を遞択する方法が適しおいる適切な$n$は拡充した蟞曞を利甚する実際の応甚アプリケヌションによっお倉化するず予想されるが本論文では最も良い$F_{\beta=1}$倀が埗られた$n=3$を甚いるこずにする䞊䜍$n$候補を蚳語ずしお遞択した堎合の提案法は逆匕きを甚いた2通りのベヌスラむンに察しお党おの評䟡尺床で優っおいるたた提案法はたったく蚳語遞択を行わないベヌスラむンに察しお粟床および$F_{\beta=1}$倀で優っおいる\subsection{共起ベクトルの補正方法の比范}\label{subsec:補正の比范}単玔な共起頻床を甚いお共起ベクトルを求めた堎合\eqnref{eq:IDF}のように文曞出珟頻床を甚いお共起頻床を補正しお共起ベクトルを求めた堎合\eqnref{eq:TFIDF}のように単語出珟頻床ず文曞出珟頻床を甚いお共起頻床を補正しお共起ベクトルを求めた堎合さらに\eqnref{eq:LSA1}ず\eqnref{eq:LSA2}のようにLSAに基づいお共起ベクトルを補正した堎合を比范したLSAに基づく方法では$10\sim500$の範囲で$r'$の適切な倀を実隓的に求めたずころ最も良い結果が埗られた$r'=500$を遞んだ結果を\tabref{tbl:補正の比范}に瀺す衚よりこれらの補正による効果は殆んど芳察されず単玔さから共起頻床を甚いお共起ベクトルを求める方法が良い\begin{table}[b]\caption{共起頻床の補正方法による比范}\label{tbl:補正の比范}\begin{center}\input{02table05.txt}\end{center}\end{table}以䞋このような結果が埗られた理由に぀いお考察するある蚳語候補集合から1぀の蚳語候補を蚳語ずしお遞択するか吊かを刀定する堎合その候補ず共起する語の重芁床はその語が䞀般的にどのように振る舞うかによっお決たるのではなくその語が蚳語候補集合に含たれる他の候補ずその候補ずを区別するのに圹立぀か吊かによっお決たるず予想されるそれに察しお\eqnref{eq:IDF}\eqnref{eq:TFIDF}および\eqnref{eq:LSA1}ず\eqnref{eq:LSA2}はいずれも語の䞀般的な振舞いにのみ泚目しお補正を行っおいるため効果が埗られなかったのではないかず考えられる\subsection{品詞別の比范}\label{subsec:蟞曞の分析}\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}より2぀の蟞曞の品詞別分類に倧きな差はなく玄7,000語から玄30,000語にむンドネシア語の語圙が拡倧するずき名詞ばかりが増えるのではなく動詞・圢容詞に぀いおもほが均等に増加しおいるこずが分かるそのため小芏暡な皮蟞曞を拡充する堎合には未知語殆んどが名詞に察する蚳語獲埗ずは異なり名詞だけではなく動詞や圢容詞に぀いおも蚳語を掚定する必芁がある\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f4.eps}\end{center}\caption{品詞による比范}\label{fig:品詞による比范}\end{figure}このような性質を持぀蟞曞拡充タスクに察する提案法の有効性を怜蚎するためテスト甚の蚳語察集合をむンドネシア語の品詞によっお名詞・動詞・圢容詞の3぀に分類しそれぞれに察しお蚳語掚定を行った結果を\figref{fig:品詞による比范}に瀺すベヌスラむンは逆匕きによっお蚳語候補を遞択する手法($n=10$)ず党く蚳語候補の遞択を行わない手法の2぀である\figref{fig:品詞による比范}より提案法はベヌスラむンず比范しお品詞による性胜の倉化が小さく蟞曞拡充タスクに適しおいるこずが分かる\subsection{頻床別の比范}テスト甚の蚳語察集合をむンドネシア語の開発甚コヌパス䞊の頻床によっお分類した堎合の結果を\figref{fig:頻床の比范}に瀺す頻床が粟床・再珟率・蚳語含有率に䞎えおいる圱響はそれほど倧きくないしたがっお本来の目的である皮蟞曞䞭に存圚しない単語に察する蚳語も同皋床の粟床で埗られるず期埅できる実際にそのような単語を察象ずしお行った実隓結果に぀いおは\ref{subsec:CLIR_experiment}節で述べる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f5.eps}\end{center}\caption{頻床による比范}\label{fig:頻床の比范}\end{figure}\subsection{皮蟞曞の倧きさによる比范}\label{subsec:seed_compare}次に皮蟞曞の倧きさが蚳語掚定に察しお䞎える圱響に぀いお怜蚎する皮蟞曞の蚳語察をむンドネシア語の開発甚コヌパス䞊の頻床順によっお敎列し䞊䜍$n$察のみを残すこずによっお$n$察からなる小芏暡な皮蟞曞を䜜成したこの皮蟞曞を甚いおテスト甚蚳語察に察しお蚳語候補の䞊䜍3候補たでを出力した堎合の粟床の倉化を\figref{fig:皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}に瀺す図より蚳語掚定を行うには3,000語皋床の皮蟞曞が必芁であり特に1,000語未満の皮蟞曞を甚いるず極端に掚定粟床が悪化するこずが分かる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f6.eps}\end{center}\caption{皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}\label{fig:皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}\end{figure}\subsection{蚀語暪断情報怜玢における効果}\label{subsec:CLIR_experiment}蚀語暪断情報怜玢は\pagebreak倧芏暡な察蚳蟞曞を必芁ずする兞型的な自然蚀語凊理技術の1぀であり他の蚀語暪断なタスクに比べおカバヌ率の高い察蚳蟞曞を特に必芁ずするタスクである䞊䜍3候補を蚳語ずしお出力する提案法は僅かな粟床の䜎䞋ず匕き換えに倧きな再珟率の改善を埗おいる\figref{fig:閟倀の比范}よっお提案法は蚀語暪断情報怜玢に適しおいるず考えられるので本節では珟実の蚀語暪断情報怜玢システムにおける提案法の効果を怜蚎する具䜓的にはむンドネシア語—日本語の蚀語暪断情報怜玢タスクを察象ずしお既存の小芏暡なむンドネシア語—日本語蟞曞を提案法によっお拡充した堎合に埗られる効果に぀いお述べる最初に察象ずするむンドネシア語—日本語の蚀語暪断情報怜玢タスクの内容に぀いお説明するこのタスクは日本囜内の事象に぀いおのむンドネシア語の質問文を入力ずしその質問文に察する適切な情報を含む日本語文曞を出力ずする評䟡甚テストセットコレクションおよび評䟡尺床ずしおはNTCIR3りェブ情報怜玢タスク\cite{eguchi_NTCIR3}においお䜿甚されたものを甚いるただしこのテストセットコレクションは日本語の文曞集合玄100\,GBずこの文曞集合䞭に回答が含たれおいる日本語の質問文47個およびその英蚳文からなりむンドネシア語の質問文は甚意されおいないそのため英蚳された質問文を日本に留孊䞭のむンドネシア語を母語ずする倧孊院生2名に翻蚳しおもらいむンドネシア語の質問文を甚意したNTCIR3りェブ情報怜玢タスクでは評䟡尺床ずしおMeanAveragePrecision(MAP)倀を甚いるただし出力された文曞の評䟡にあたっおはone-click-distancedocumentmodelを採甚し同時に正解の関連の床合いに぀いおも2段階の評䟡を行っおいる\footnote{正確には3段階の評䟡を行っおいるが実際に怜蚎しおいるのは2段階のみである}そのため以䞋の4皮類のMAP倀が評䟡尺床ずしお甚いられる\begin{itemize}\itemRC:ハむパヌリンクを考慮するこずなく正解ず匷く関連しおいる文曞の粟床\itemRL:ハむパヌリンクを考慮するず正解ず匷く関連しおいる文曞の粟床\itemPC:ハむパヌリンクを考慮するこずなく正解ず郚分的に関連しおいる文曞の粟床\itemPL:ハむパヌリンクを考慮するず正解ず郚分的に関連しおいる文曞の粟床\end{itemize}蚀語暪断情報怜玢システムずしおは\cite{IJCLIR}を甚いるこのシステムの怜玢手順は以䞋の通りであるたず最初に入力されたむンドネシア語質問文からむンドネシア語キヌワヌドを抜出する次にむンドネシア語キヌワヌドを察蚳蟞曞を甚いお日本語キヌワヌドに翻蚳する最埌に日本語キヌワヌドを甚いお日本語文曞集合を怜玢し条件に合臎する文曞を出力するこの郚分には\cite{fujii03b}による情報怜玢システムをそのたた甚いおいるこのように本システムは蚀語暪断情報怜玢システムずしお察蚳蟞曞を甚いた非垞に基本的な構成を採甚しおおり察蚳蟞曞による違いが怜蚎しやすいず考える次に提案手法によっお皮蟞曞を拡充した堎合の効果に぀いお怜蚎する質問文䞭に含たれる単語の異なり数は301でありその内皮蟞曞に含たれない未知語の異なり数は106(35\%)であるそれに察しお提案手法によっお蟞曞の拡充を行い20,457語の芋出し語からなる蟞曞を䜜成したずころ28語に぀いお蚳語を埗るこずができ未知語の異なり数は78(26\%)たで枛少したこの28語はテスト単語を取り陀く前の元々のむンドネシア語—日本語蟞曞にも含たれおいなかった完党な未知語である日本に留孊䞭のむンドネシア語を母語ずする倧孊院生1名にこの28語に察しお出力された蚳語の正解刀定を䟝頌したずころ玄52\%の粟床で正しい蚳語が出力されおいるこずが分かったこの結果は\ref{subsec:閟倀の比范}節における結果ず抂ね䞀臎しおいるこずから本論文の提案手法は完党な未知語に぀いおも有効である\begin{table}[b]\caption{蚀語暪断情報怜玢における効果}\label{tbl:IR実隓結果}\begin{center}\begin{small}\input{02table06.txt}\end{small}\end{center}\end{table}蟞曞を倉曎した堎合の情報怜玢性胜の倉化を\tabref{tbl:IR実隓結果}に瀺すここで手法(1)〜(3)が既存の比范手法であり手法(4)〜(6)が提案手法によっお拡充した蟞曞を蟞曞を甚いた結果であるたた手法(3)ず手法(6)は他の手法ずは異なり\cite{IJCLIR}によっお提案された方法を甚いお察蚳蟞曞を甚いお埗られた蚳語候補の絞り蟌みを行っおいるこの絞り蟌みには蚳語候補の日本語コヌパスにおける盞互情報量ずその蚳語候補を甚いお怜玢しお発芋された文曞の信頌床が組み合わせお甚いられるこの絞り蟌みは怜玢時に同時に行わざるを埗ないためシステムの凊理速床の䜎䞋が欠点である手法(7)は\cite{日仏察蚳蟞曞}の手法をむンドネシア語—英語—日本語に぀いお適甚しお䜜成した蟞曞を甚いた結果である\tabref{tbl:IR実隓結果}では明らかに手法(7)がもっずも性胜が悪いこのように\cite{日仏察蚳蟞曞}の手法は元ずする蟞曞の品質によっおは非垞に䜎品質の蟞曞しか埗られないずいう問題が生じるこずがある手法(1)ず手法(4)手法(2)ず手法(5)を比范するずいずれの堎合も拡充した蟞曞を甚いるこずによっお情報怜玢性胜が改善しおいるしたがっお本提案手法を甚いお拡充した蟞曞は情報怜玢においお有甚ず考えられる手法(3)ず手法(6)の間には性胜の差は殆んどなく蚳語候補の絞り蟌みを行うず本提案手法によっお蟞曞を拡充した効果が珟れなくなるこずが分かるしかし手法(5)は蚳語候補の絞り蟌みを行っおいないにも関わらず手法(3)および手法(6)ずほが同等の性胜を達成しおいるよっお本提案手法を甚いお拡充した蟞曞は情報怜玢においお有甚であり同時に蚳語候補の絞り蟌みずいう高負荷な凊理を行うこずなしに蚳語候補の絞り蟌みを行った堎合ず同等の性胜を達成できる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f7.eps}\end{center}\caption{皮蟞曞の倧きさが情報怜玢性胜に䞎える圱響}\label{fig:RL_comparison}\end{figure}\ref{subsec:seed_compare}節で述べた方法により芋出し語数の異なる皮蟞曞を耇数甚意し皮蟞曞の倧きさが怜玢性胜に䞎える圱響を調べた結果を\figref{fig:RL_comparison}に瀺す手法(2),(5)はずもに皮蟞曞に含たれおいる芋出し語の数が増えるに぀れお性胜が改善しおいるが皮蟞曞に含たれる芋出し語の数が少ない堎合には手法(2)ず手法(5)の差が倧きくなっおいるこのように本提案手法は皮蟞曞に含たれる芋出し語数が少ない堎合には皮蟞曞をそのたた䜿う堎合に比べお効果が倧きいず考えられる \section{関連研究} \label{sec:related_works}\ref{sec:intro}節でも述べた通り本研究ず関連が深いタスクずしお2぀の方向がある第1は新芏の蚀語察に察する察蚳蟞曞を自動構築するずいう研究であり第2は既存の察蚳蟞曞に登録されおいない未知語に察する蚳語を掚定するずいう研究である新芏の蚀語察に察する察蚳蟞曞を自動構築する研究はさらに倧きく2぀のアプロヌチに分けるこずができる第1のアプロヌチは既存の察蚳蟞曞をたったく仮定せず察象ずしおいる蚀語察のコヌパスから盎接に察蚳蟞曞を構築しようずするアプロヌチである第2のアプロヌチはある䞭間蚀語を導入しおその䞭間蚀語ずの間の察蚳蟞曞を利甚するこずにより新芏蚀語察の察蚳蟞曞を構築するずいうアプロヌチである第1のアプロヌチでは基本的に単語の呚蟺の文脈を䜕らかの方法で衚珟し入力蚀語ず出力蚀語で類䌌した文脈に出珟する語を蚳語察ずする䟋えば\cite{fung95}は英語ず䞭囜語を察象ずしおある単語の盎前ず盎埌に珟れる単語の皮類数を求めその皮類数によっお単語の文脈的な特異性を衚し良く䌌た特異性を備えた英語単語ず䞭囜語単語ずを蚳語察ずしおたずめるずいう方法を提案しおいる\cite{rapp95}は英語ずドむツ語を察象ずしお非垞に基本的な単語の蚳語察6個ずコンパラブルコヌパスを甚意しおおきこれらの蚳語ずの共起頻床に基づいお定矩した単語間の類䌌床を甚いお蚳語察を求める方法を提案しおいる新芏察蚳蟞曞を自動構築する第2のアプロヌチずしおは本研究ず同様に英語を䞭間蚀語ずしお甚いる詊みが幟぀か報告されおいる\cite{日仏察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお和仏察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこの方法では和英蟞曞ず英仏蟞曞を利甚しお日本語単語に察するフランス語蚳語候補を獲埗し仏英蟞曞ず英和蟞曞を利甚しお埗られたフランス語単語に察する日本語蚳語候補を調べる逆匕きを行うこずによっお蚳語候補の絞り蟌みを行い蚳語掚定粟床を改善しおいるこの方法で名詞を察象ずした堎合の粟床は76\%再珟率は44\%である癜井ら\cite{shirai01}は田䞭らず同様の方法を甚いお英語を䞭間蚀語ずしお日本語ず韓囜語の察蚳蟞曞を䜜成しおいるBondら\cite{bond01}も同様に英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお日本語ずマレヌ語の察蚳蟞曞を䜜成しおいる匵ら\cite{日䞭察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお日䞭察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこの方法では和英蟞曞ず英䞭蟞曞を利甚しお日本語単語に察する䞭囜語蚳語候補を獲埗し日本語ず䞭囜語の品詞情報ず挢字情報を利甚しお蚳語候補の順䜍付けを行っおいるこの方法で第1䜍に順䜍付けられた蚳語候補のみを出力した堎合の粟床は81.4\%であるこれらの先行研究は察象ずなる蚀語察の蟞曞が党く存圚しない状況を想定しおおり入力蚀語—出力蚀語の察蚳蟞曞から埗られる情報を考慮するこずは行われおいないそれに察しお本論文の手法では察象ずなる蚀語察に぀いお小芏暡な皮蟞曞が存圚する状況を想定しおおりその皮蟞曞から埗られる情報をなるべく有効に利甚しようずしおいる点でこれらの先行研究ずは異なる既存の察蚳蟞曞には含たれおいない語に぀いお蚳語掚定を行いか぀その掚定にあたっおは既存の察蚳蟞曞を最倧限に利甚しようするずいう2぀の点においお本論文で提案する皮蟞曞の拡充ずいうタスクず未知語の蚳語掚定ずいうタスクは関連が深い䟋えば\cite{tanaka02}は察象ずなる蚀語察のコンパラブルコヌパスを甚意し呚蟺に共起する単語を文脈ベクトルずしお衚珟し文脈ベクトルの類䌌床を求めお蚳語を掚定するずいう方法を提案しおいるただし掚定察象は耇合名詞に限られおおり動詞や圢容詞には察応しおいない\cite{kaji01}も類䌌の方法を提案し耇合語ず単玔語の䞡方に察しお評䟡を行っおいるただし\cite{kaji01}は非垞に倧芏暡な既存の察蚳蟞曞50,000語を甚いおいる点で本論文ずは問題蚭定が異なっおいるず考えられる本論文で提案しおいる蟞曞の拡充ずいうタスクにもっずも近い問題蚭定ずしおは\cite{tanaka96,fung98,chiao02,gaussier04}がある䟋えば\cite{tanaka96}は英語ず日本語のコンパラブルコヌパスず小芏暡な察蚳蟞曞を甚意し英語コヌパス䞊で芳枬された単語共起ず日本語コヌパス䞊で芳枬された単語共起ずを比范しお単語共起ずしお類䌌した振る舞いをしおいる単語を蚳語ずしお遞択するずいう方法を提案しおいる本論文の提案手法は入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞の情報をも利甚するこずによっおより小さい皮蟞曞でより再珟率の高い蚳語掚定を行っおいるたた本論文では埗られた蚳語を人手で刀定しお評䟡を行うだけでなく実際の蚀語暪断情報怜玢システムに組み蟌んだ性胜評䟡を行っおいる \section{むすび} 本論文ではむンドネシア語—英語蟞曞および英語—日本語蟞曞を利甚しお蚳語候補を取り出しむンドネシア語コヌパスず日本語コヌパスの共起情報を甚いお蚳語候補の絞り蟌みを行っお小芏暡なむンドネシア語—日本語蟞曞を拡充する方法を提案した提案手法を甚いお実際に蟞曞を拡充したずころ䞊䜍3候補を出力した堎合には粟床45.9\%再珟率60.7\%で拡充するこずができたさらに実際のむンドネシア語—日本語蚀語暪断情報怜玢システムに提案手法を甚いお拡充した蟞曞を組み蟌んで実隓を行ったこの実隓により提案手法によっお拡充された蟞曞は実際の蚀語暪断情報怜玢システムにずっお有甚であり特別な蚳語絞り蟌み手法を適甚するこずなしに蚳語絞り蟌み手法を適甚した堎合ず同等の性胜を埗るこずができるこずを瀺したこの提案手法は実際の蚀語暪断情報怜玢システムにおいお有効であるこずが瀺されおいるが収録されおいる芋出し語は玄20,000語ずただ少なくより倧芏暡な蟞曞ぞの拡充が必芁ず予想されるそのためには本提案手法によっお拡充された蟞曞ずコヌパスを甚いお䞭間蚀語には䟝存せずに蟞曞を拡充するブヌトストラップ的な方法の怜蚎が必芁ず考えられる\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}}{{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}}{}]{IEDIC}{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}\BBOP?\BBCP.\newblock\BBOQKamusElektornikBahasaIndonesia\BBCQ\\newblock\url{http://nlp.aia.bppt.go.id/kebi}.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Yamazaki,Sulong,\BBA\Ogura}{Bondet~al.}{2001}]{bond01}Bond,F.,Yamazaki,T.,Sulong,R.~B.,\BBA\Ogura,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQDesignand{C}onstructionofamachine-tractable{J}apanese-{M}alay{L}exicon\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\62--65}.\bibitem[\protect\BCAY{Chiao\BBA\Zweigenbaum}{Chiao\BBA\Zweigenbaum}{2002}]{chiao02}Chiao,Y.-C.\BBACOMMA\\BBA\Zweigenbaum,P.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQLookingforcandidatetranslationalequivalentsinspecialized,comparablecorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\1--5}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Eguchi,Oyama,Ishida,Kando,\BBA\Kuriyama}{Eguchiet~al.}{2003}]{eguchi_NTCIR3}Eguchi,K.,Oyama,K.,Ishida,E.,Kando,N.,\BBA\Kuriyama,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheWebRetrievalTaskattheThird{NTCIR}Workshop\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheThirdNTCIRWorkshoponresearchinInformationRetrieval,AutomaticTextSummarizationandQuestionAnswering}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujii\BBA\Ishikawa}{Fujii\BBA\Ishikawa}{2003}]{fujii03b}Fujii,A.\BBACOMMA\\BBA\Ishikawa,T.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{NTCIR}-3Cross-Language{IR}Experimentsat{ULIS}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheThirdNTCIRWorkshop}.\newblock\url{http://research.nii.ac.jp/ntcir/workshop/OnlineProceedings3/NTCIR3-CLIR-FujiiA.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{Fung}{Fung}{1995}]{fung95}Fung,P.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQCompilingBilingualLexiconEntriesfromaNon-Parallel{E}nglish-{C}hineseCorpus\BBCQ\\newblockInYarovsky,D.\BBACOMMA\\BBA\Church,K.\BEDS,{\BemProceedingsoftheThirdWorkshoponVeryLargeCorpora},\mbox{\BPGS\173--183}\Somerset,NewJersey.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Fung\BBA\Yee}{Fung\BBA\Yee}{1998}]{fung98}Fung,P.\BBACOMMA\\BBA\Yee,L.~Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAnIRapproachfortranslatingnewwordsfromnonparallel,comparabletexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe17thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\414--420}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Gaussier,Renders,Matveeva,Goutte,\BBA\Dejean}{Gaussieret~al.}{2004}]{gaussier04}Gaussier,E.,Renders,J.,Matveeva,I.,Goutte,C.,\BBA\Dejean,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAGeometricViewonBilingualLexiconExtractionfromComparableCorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe42ndMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'04),MainVolume},\mbox{\BPGS\526--533}\Barcelona,Spain.\bibitem[\protect\BCAY{Purwarianti,Tsuchiya,\BBA\Nakagawa}{Purwariantiet~al.}{2007}]{IJCLIR}Purwarianti,A.,Tsuchiya,M.,\BBA\Nakagawa,S.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQIndonesian-JapaneseTransitiveTranslationusingEnglishforCLIR\BBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(2),\mbox{\BPGS\95--123}.\bibitem[\protect\BCAY{Rapp}{Rapp}{1995}]{rapp95}Rapp,R.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingWordnanslationsinNon-ParallelTexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe33rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\320--322}.\bibitem[\protect\BCAY{Shirai\BBA\Yamamoto}{Shirai\BBA\Yamamoto}{2001}]{shirai01}Shirai,S.\BBACOMMA\\BBA\Yamamoto,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQLinkingEnglishWordsinTwoBilingualDictionariestoGenerateAnotherLanguagePairDictionary\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofICCPOL2001},\mbox{\BPGS\174--179}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Iwasaki}{Tanaka\BBA\Iwasaki}{1996}]{tanaka96}Tanaka,K.\BBACOMMA\\BBA\Iwasaki,H.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQExtractionoflexicaltranslationsfromnon-alignedcorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\580--585}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka}{Tanaka}{2002}]{tanaka02}Tanaka,T.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQMeasuringthesimilaritybetweencompoundnounsindifferentlanguagesusingnon-parallelcorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\1--7}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{梶博行\JBA盞薗敏子}{梶博行\JBA盞薗敏子}{2001}]{kaji01}梶博行\JBA盞薗敏子\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ共起語集合の類䌌床に基づく察蚳コヌパスからの察蚳語抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42}(9),\mbox{\BPGS\2248--2258}.\bibitem[\protect\BCAY{田侭\JBA梅村\JBA岩厎}{田侭\Jetal}{1996}]{日仏察蚳蟞曞}田䞭久矎子\JBA梅村恭叞\JBA岩厎英哉\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ第3蚀語を介した察蚳蟞曞の䜜成\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(6),\mbox{\BPGS\1915--1924}.\bibitem[\protect\BCAY{匵\JBA銬\JBA井䜐原}{匵\Jetal}{2005}]{日䞭察蚳蟞曞}匵玉朔\JBA銬青\JBA井䜐原均\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ英語を介した日䞭察蚳蟞曞の自動構築\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\63--85}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{2006}]{mecab}工藀拓\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠解析噚{M}e{C}ab\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.org/~taku/software/mecab/}.\bibitem[\protect\BCAY{道端秀暹}{道端秀暹}{2002}]{EJDIC}道端秀暹\JED\\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{英蟞朗}.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{宇接呂\JBA日野\JBA堀内\JBA䞭川}{宇接呂\Jetal}{2005}]{りェブから察蚳を掚定}宇接呂歊仁\JBA日野浩平\JBA堀内貎叞\JBA䞭川聖䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ日英関連報道蚘事を甚いた蚳語察応掚定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(5),\mbox{\BPGS\43--69}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{土屋雅皔}{1998幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業2004幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻博士課皋単䜍認定退孊博士情報孊2004幎豊橋技術科孊倧孊情報凊理センタヌ助手2007幎より豊橋技術科孊倧孊情報メディア基盀センタヌ助教自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{脇田敏行}{2007幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系卒業}\bioauthor[:]{AyuPurwarianti}{GraduatedfromToyohashiUniversityofTechnologyforherDr.ofEng.degreein2007.Since2008,shehasbeenjoiningBandungInstituteofTechnologyasaResearchAssociateintheSchoolofInformaticsandElectricalEngineering.HerresearchinterestisinnaturallanguageprocessingareaespeciallyforIndonesianlanguage.}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊情報工孊科助手1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫1990幎教授1985--1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員音声情報凊理自然蚀語凊理人工知胜の研究に埓事工孊博士1977幎電子通信孊䌚論文賞1988幎IETE最優秀論文賞2001幎電子情報通信孊䌚論文賞各受賞電子情報通信孊䌚フェロヌ情報凊理孊䌚フェロヌ著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚線「音声聎芚ず神経回路網モデル」共著オヌム瀟「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟「パタヌン情報凊理」䞞善「SpokenLanguageSystems」線著IOSPressなど}\end{biography}\biodate\clearpage\end{document}
V15N03-03
\section{はじめに} 質問応答技術は自然蚀語によっお衚珟された質問に文曞でなく情報そのもので回答する事を可胜ずするもので情報アクセスの新しい圢ずしお期埅されおいる\cite{Voorhees00}事実に関する独立した質問に䞀問䞀答圢匏で回答するものを䞭心に研究が始められたが近幎は様々な面で研究の展開が芋られそのひず぀に察話性の重芖があげられる質問応答技術を牜匕しおきたずいっおよいTREC\cite{Voorhees05,TREC}ではTREC2001においお察話的な利甚を前提ずした文脈凊理の胜力を評䟡する詊みがなされおいる\cite{Voorhees01}その埌TREC2004から盞互に独立した質問ではなくあるトピックに関する䞀連の質問の集たりずいう圢で課題を䞎えるようになっおいる\cite{Voorhees04}文脈凊理の胜力を評䟡するものでないずはいえあるトピックに関しお䞀連の質問を行うずいう利甚堎面が自然であるず考えられおいる点が泚目されるたたあるトピックに関する耇数の質問にどの皋床回答できるかを耇数文曞芁玄の評䟡指暙ずするこずが詊みられおおり\cite{Mani98}ここでもあるトピックに関する䞀連の質問に回答できるこずが重芖されおいる䞀連の質問に回答するずいう利甚圢態は質問応答システムの進むべき方向のひず぀ずしおも議論されおおり䟋えば新人レポヌタがある事件の蚘事を執筆するために圌の蚘事で答えられるべき倧きな質問をより簡単な質問の集たりに蚀い換えおシステムに蚊ねるずいう圢でアナリストやレポヌタが利甚しうる質問応答システムぞの発展が提案されおいる\cite{Burger01}たたARDAのAQUAINTprogram\cite{AQUAINT}ではアナリストが分析的に甚いる質問応答システムの構築がその目的ずされおおりより積極的に察話的な質問応答の研究が進められおいる質問の分解を含めお分析的説明的な質問にどう答えるか明確化等の利甚者ずのやりずりはどうするか等が研究の関心ずなっおいる\cite{Hickl04,Small03}本皿ではあるトピックに関しお察話的に行われる䞀連の情報アクセスを質問応答システムが支揎する胜力情報アクセス察話の察話盞手ずしお情報を提䟛するために質問応答システムが持぀べき胜力を定量的に評䟡するためのタスクIADタスク\footnote{IADは情報アクセス察話(InformationAccessDialogue)の頭文字からずった}を提案する質問応答システムが情報アクセス察話に参加するために必芁ずなる様々な胜力\cite{Burger01}の䞭でIADタスクではそもそも情報アクセス察話を扱うためにはどのような質問に答えられる必芁があるのかそしお察話の実珟の基本ずなる察話文脈を考慮した質問の解釈぀たり照応解消や省略凊理等のいわゆる文脈凊理はどの皋床必芁なのかに着目しその胜力を評䟡するIADタスクは情報アクセス技術に関する䞀連の評䟡ワヌクショップNTCIRWorkshop\cite{NTCIR}においおNTCIR-4のQAC2Subtask3\cite{Kato04,Kato05a}NTCIR-5のQAC3\cite{Kato05b,KatoJ06}ずしお実斜されたものに基づいおいる察話的な質問応答ずいうそもそものアむディアはNTCIR-3のQAC1Subtask3\cite{Fukumoto03}に遡るがNTCIR-4のQAC2Subtask3での実斜においおタスクの抜本的な改倉を行い本皿で述べる圢態を固め同時にタスクの裏付けに぀いおの実隓を行ったその埌そこでの経隓を基に幟぀かの掗緎を行っおNTCIR-5のQAC3ずしお実斜しおいるここで評䟡タスクの提案ずいう本皿の特殊性に぀いお䞀蚀述べおおく研究や技術の進展や加速のために共通の評䟡が必芁でありそれを埗るための評䟡タスクが重芁であるこずは議論の䜙地がたったくないずはいえないたでも\cite{Sekine05}倧抂の合意を埗おいるず思われる\cite{Ogawa02}䞀方で個々の評䟡タスクに぀いお考えるずある評䟡タスクが䟡倀あるものであるためにはそれが評䟡する研究や技術が評䟡されるに倀するものでありか぀その評䟡のために適切に蚭蚈されおいる必芁がある前者は研究や技術の䟡倀の議論であり埌者も䜕をもっお適切ずするかが絡んで必ずしも明快な議論ずはならない本皿ではここで提案するIADタスクにおいお高い評䟡を埗たシステムあるいは技術が可胜ずする利甚堎面を瀺し前者の根拠ずする加えお埌者に぀いおは少なくずも2回の実斜を通じお明らかずなった問題に぀いお䞀定を解決を䞎えおいるこずを根拠ずする蚭蚈ずいうこずで䞀郚に恣意的な決定を含んでいるしこの評䟡タスクであらゆるデヌタが収集できるわけではない実斜できなければならないずいう珟実性ずの劥協もあるそのような䞀連の留保を前提にしおいるずはいえ本提案が課題蚭定の独自性評䟡に関する様々な配慮情報収集のための仕組み等の点で新芏か぀有益なものであるこずを䞻匵する本皿の構成は以䞋の通り\ref{Sec2}節でIADタスクの枠組みを説明するタスク蚭蚈の䞭心ずなる質問シリヌズを説明しそれがトピック掚移の芳点から収集型ずブラりゞング型に分類されるこずを述べる加えおIADタスクの枠組みの根拠ずなった実隓結果を瀺しこのタスクによっお評䟡される技術が可胜ずする質問応答技術の利甚堎面を瀺唆する\ref{Sec3}節では評䟡の枠組みずしお回答の列挙に耇数の䜓系を蚱し回答の2皮類の質を考慮した倚段階評䟡手法を提案するそしおなぜそのような枠組みが必芁であるかを実䟋に基づいお説明する\ref{Sec4}節ではより倚くの情報を埗るための補助的な仕組みずしおの参照甚テストセットに぀いお説明しそれがシステムの文脈凊理胜力をある皋床たで切り離した評䟡を可胜ずするこずを瀺す\ref{Sec5}節では関連する取り組みを述べそれずの比范を通じお本提案の有効性を瀺し特に収集型ずブラりゞング型ぞの分類を含む質問シリヌズの構成方法が重芁であるこずを述べる\ref{Sec6}節で党䜓をたずめるたたIADタスクに察しお最先端のシステムがどのような結果を瀺すのかを付録にたずめた \section{タスクの枠組み} \label{Sec2}IADタスクは察話的な情報アクセスでの質問応答システムの利甚を考えそこで必芁な照応解消や省略凊理等のいわゆる文脈凊理の胜力を評䟡するこずを目的ずする様々なバラ゚ティを持぀情報アクセス察話の䞭で特に䞎えられたトピックに぀いおのレポヌトを曞くための玠材ずなる情報を埗るような察話を想定しおいるこれはある事件の蚘事を執筆するために必芁な情報を比范的簡単な質問の集たりずしおシステムに蚊ねるずいう圢態ずも近い\subsection{質問シリヌズ}IADタスクではシステムに䞀連の質問シリヌズず呌ぶを䞎えそれに次々ず回答させおゆくシリヌズの先頭以倖の質問はそれ以前の質問の䞀郚もしくはその回答を参照する照応衚珟を含んでいる\footnote{省略やれロ代名詞英語の定名詞句に盞圓する䞀般名詞の反埩を含む衚局から明らかでないので䞍適切かもしれないが「衚珟」ず呌ぶこずにする}この䞀連の質問ずそれぞの回答が情報アクセス察話を構成する実際の利甚堎面ではシステムは察話的に質問に回答するこずが期埅されるが本タスクではその察話性は暡擬されるだけで耇数のシリヌズテストセットず呌ぶをバッチ的に䞎えそれに回答するこずをシステムに求めるここでシステムはある質問がシリヌズの先頭であるずいう情報は利甚しおよいがある質問に回答する際にそれに続く質問を参照するこずは蚱されないこれは本タスクが察話的な状況でのシステムの利甚を暡擬しおいるこずからの制玄である察話の展開があらかじめ定められおいるこずは察話本来のダむナミクスを倱わせおいるがその䞀方で本タスクの実斜に参加したシステムがすべお同じ質問に回答するので盞互比范可胜な結果が埗られるこずに加え正解をプヌリングするこずでテストセットが再利甚可胜ずなるずいう利点を有しおいるIADタスクでは倧きく分けお収集型ずブラりゞング型ずいう2皮類のシリヌズを蚭定しおいるこれは情報アクセス察話が利甚者があるトピックに぀いおのレポヌトや芁玄を䜜成するための情報を収集する等の目的でそれに関する䞀連の質問を行なうような察話収集型ず利甚者の興味の赎くずころに埓っお察話の進行ず共にトピックが倉わっおいくような察話ブラりゞング型ずの2぀の極を持぀ずいう盎芳に基づいおいるタスクにおいおあるシリヌズがどちらの型に属するかは䞎えられずシステムはそれを自分で刀定しなければならないIADタスクが想定しおいる情報アクセス察話は䞎えられたトピックに぀いおの様々な情報を収集するもので圓然収集型の察話が支配的であるが埌述するように実際の堎面ではその郚分郚分にブラりゞング的な芁玠が含たれるこれが本タスクにブラりゞング型を含めか぀シリヌズの型の同定をシステムに求めおいる理由であるなおシリヌズ単䜍で型を区別したこずには分析が容易になるこずぞの期埅があるIADタスクのシリヌズの䟋を図\ref{samples}に瀺す収集型は広い意味で共通のトピックに関する質問からなりそのトピックはシリヌズ先頭の質問で導入されるすべおの照応衚珟がそのトピックを参照するずいうのがもっずも厳しい意味での収集型狭矩の収集型ず呌ぶである図\ref{samples}のSeries2-14はそのような収集型で先頭質問で述べられおいる「小沢埁爟」を補うこずですべおの質問の文脈凊理が行える䞀般には耇数の照応衚珟を持ちその䞀方がトピックを参照するような質問やトピックが関連した出来事やその䞀般化を参照するような衚珟をも぀質問等も収集型のシリヌズに含たれるSeries2-20はその䟋で第3問は耇数の照応衚珟を含み第6問は先頭質問文で述べられおいるトピックであるゞョヌゞ・マロリヌが関連したむベントを参照しおいるブラりゞング型はそのような倧域的なトピックを持たず質問䞭の照応衚珟は盎前の質問の回答や以前の質問䞭で蚀及された事物を参照しおいるSeries2-22はブラりゞング型の䟋である\begin{figure}[b]\input{03fig1.txt}\caption{シリヌズの䟋}\label{samples}\end{figure}\subsection{個々の質問の範囲}IADタスクのシリヌズを構成する質問は疑問代名詞を含む文の圢匏を持ち名称を正解ずする質問であるここで名称ずいうのは人名や組織名等いわゆる固有衚珟に留たらず日付け数量を含み皮の名称機械や身䜓的郚分等の䞀般名称を含む統語的には耇合名詞が正解の範囲ずほが重なるが小説や映画のタむトル等そこから倖れるものも含たれるシステムはこれらの名称をそれを含んだ郚分でなく過䞍足なく抜き出しおひず぀の回答ずし耇数の正解があるず刀断される堎合はそれらをリストずしお列挙するこずを求められる質問の正解が知識源䞭に存圚するこずは保蚌されおいないので回答が存圚しないこず空リストが正解ずいうこずもありうる各回答回答リストの芁玠はそれを抜き出した文曞でありそれが正解であるこずの根拠ずなる文曞の識別子を䌎っおいなければならい回答リストの芁玠ずしお日付や数量を含む名称の衚珟を過䞍足なく抜き出すこずを芁求するこず回答リストずしおすべおの回答の過䞍足ない列挙を求めるこずは文曞でなく情報そのもので回答するずいう質問応答の流れから圓然ず考えるが実際にタスクずしお実斜する堎合现郚の怜蚎が必芁ずなる日付や数量の衚珟に぀いおは質問ぞの自然な回答を可胜ずするため以䞋の衚珟も正解範囲であるこずを明瀺する必芁があるなお名称ずいう正解範囲の根拠づけは\ref{Sec2_3}節においお過䞍足のない列挙の問題は評䟡に関する\ref{Sec3}節においお論じる\begin{description}\item[数倀衚珟に属性の詳现化具䜓化を行うための衚珟が付属したもの]「幎間300台」「タテ50~cmペコ30~cm」「䞀人圓たり3リットル」「重さ3トン」等\item[範囲衚珟定型的慣甚的なもの]「10〜12\%」「8䞖玀埌期から9䞖玀初期」「四囜から九州たで」「30人以䞊」「30人以䞊50人以䞋」等「東京倧阪間」「矜田—千歳」「千葉県内」等空間的な範囲衚珟区間衚珟も含む\item[抂数衚珟蓋然衚珟]「玄100人」「3億円皋床」等「シカゎ近郊」「東京郜近蟺」「舞浜駅前」「倧䜿通裏」等空間的な蓋然衚珟も含む\end{description}これらを正解の範囲ずしない堎合たず「どのくらい利甚されおいたすか」に幎間なのか月間なのかが䞍明確であるような「300台」ず回答する「どのくらいの倧きさですか」に「50~cm」ず長さで回答する等の䞍自然さを匷いるこずになる䞍自然さの問題に加えこれらを蚱さないこずは正解の網矅的な列挙や重耇の刀断でも問題ずなる「タテ50~cmペコ30~cm」ず回答できずに「50~cm」「30~cm」の䞡方を挙げる必芁があるずか「10〜12\%」においお「12\%」は抜き出しずいう圢で埗られるが「10」だけでは単䜍が含たれないので正解ずしお抜き出せないずか「玄100人」は「102人」ず同䞀の情報ずしおいいかもしれないが「100人」はどうか等の問題が生じおくる\subsection{タスクの根拠}\label{Sec2_3}IADタスクの根拠ずしおレポヌト䜜成の情報を埗るための察話的情報アクセスで名称を正解の範囲ずする質問応答システムが䜿われうるのかそしおその状況での質問にはどのような照応衚珟がどの皋床含たれるかを調査した\footnote{ここで甚いたデヌタ収集の手法はテストセット構築にも利甚できるなおこれらの調査は本提案の基ずなったNTCIR-4,5での実斜におけるテストセット構築ず䞊行しお行ったものである}\subsubsection{デヌタ収集}調査はIADタスクが前提ずする状況で利甚者から発せられるであろう質問を収集し分析するこずで行った新聞蚘事から遞択した人物組織出来事等のトピックを被隓者に提瀺しそれに関するレポヌトを執筆するずいう状況を蚭定したレポヌトは䞎えられたトピックの事実関係をたずめたもので予枬や意芋はそこに含めないものずし質問の文型は疑問代名詞を含むWh型に限定するように指瀺した以䞋の2皮類の収集を実斜した\begin{description}\item[アンケヌト方匏による調査]レポヌトに含めたいず考える情報を質問文の圢匏で衚珟するように指瀺するこずでレポヌト執筆のための䞀連の質問を䜜成させた䜜成する質問数は1トピックあたり10問を目安ずした䜜成した質問に次々ず回答が埗られるずいう想定でひず぀のトピックに぀いお耇数の質問を䜜成させ質問䞭に代名詞等の衚珟を含めるこずを蚱したこれにより自然な質問の系列が䜜成されるこずを期埅した60のトピックに぀いお30人の被隓者に䞀人あたり30トピックを割り圓おたトピックの提瀺は20文字皋床の短い蚘述それに぀いおの短い蚘事それに぀いおの蚘事5線ず3皮類の方法を均等に混ぜた集めたデヌタのうち40トピックに぀いおの各9系列を構成するWh質問3,401文を分析した\footnote{トピックの提瀺方法の詳现分析デヌタ遞択の過皋等に぀いおは\cite{KatoJ04a}に詳しい}\item[WOZ方匏による調査]レポヌト執筆ずいう状況蚭定で質問を事前に考えたのちWOZ方匏で暡擬された質問応答システムず情報アクセス察話を行うこずで情報収集を行わせた質問数は1トピックあたり10問を目安ずした20のトピックに぀いお6人の被隓者に各10トピックを割り圓お被隓者にはトピックず100文字皋床の抂芁を提瀺したWOZ圹の協力者は4名で事前に担圓するトピックに぀いお800文字から1,600文字皋床の芁旚を䜜成するずいう事前準備をしおおり䜜成した芁旚新聞蚘事党文怜玢システム自分の蚘憶を甚いお利甚者からの質問に察話的に回答した察話はキヌボヌドを甚いお行った被隓者には事実に関する簡単な質問に回答できる質問応答システムを利甚しおいるず説明しWOZ圹にも理由や意芋を蚊ねる質問に぀いおは回答できないず応答する必芁な堎合は問い返しを行っおかたわない回答は簡朔を旚ずするが自然な協調的振る舞いを犁じるものではない等その圹割を教瀺した集めたデヌタすべお20トピックに぀いおの各3系列を構成する質問等620文を分析した\footnote{13\%皋床のYesNo質問や呜什文が含たれおいるそれらの扱いを含めおここで論じおいない明確化発話や協調的応答の分析に぀いおは\cite{Kato06}に詳しい}\end{description}\subsubsection{質問ず回答のタむプに関する分析}質問の皮類質問が䜕をたずねおいるかを分類した結果を衚\ref{qtype}に瀺すここで4W質問は「小沢埁爟氏は誰に垫事したしたか」のように具䜓的な人名等を蚊ねる質問で「〜っお誰ですか」「〜ずは䜕ですか」ずいう質問は定矩・説明・蚘述を蚊ねる質問に分類しおいるWOZ方匏の収集においおYesNo質問の堎合はそれに察する協調的応答の内容から刀断しお蚊ねおいる内容を決定した\begin{table}[b]\caption{質問で蚊ねおいる内容の分類}\label{qtype}\input{03table1.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{掚枬される回答による分類}\label{atype}\input{03table2.txt}\end{table}衚\ref{atype}は回答のタむプによる分類であるここで「䞀般名称」は名称から数量や日付の衚珟固有衚珟固有名称を陀いたものである「固有名称」には小説や映画のタむトルが含たれるこの分類は衚\ref{qtype}に瀺した分類ず匷く関連する䟋えばWhy質問に回答するためには䞀般に節や文が必芁ずなるしかし䞀方で4W質問に分類された質問がすべお名称によっお回答できるわけではない䟋えば堎所を蚊ねる質問でも「ロブスタが奜んで䜏むのはどこですか」には名称での回答は困難で䞀定の量の蚘述や説明を必芁ずするアンケヌト方匏ではこの分析を質問だけを芋るこずで行ったため幟぀かの質問に぀いおは確定的な分類が行えなかった「たぶん名称」ず分類されたものは「AIBOの由来は䜕ですか」のような質問でAIBOが䜕かのアクロニムであれば名称の範囲に収たるがその由来が長い物語ずなるかもしれないものであるこのように質問だけからは予想される回答が耇数のカテゎリにたたがるものは他の分類の間でも存圚するが簡単のためにそれらは耇雑な方に分類したWOZ方匏の堎合分類はWOZ圹の発話に基づいお行ったが発話党䜓の圢匏ではなく質問ぞの回答そのものに泚目した䟋えば「い぀生たれたしたか」ぞの回答の「3月13日に生たれたした」の堎合その分類は節や文ではなく日付衚珟である\subsubsection{照応衚珟の特城に関する分析}質問䞭に含たれる照応衚珟ずしお前方照応のための手段を指瀺代名詞連䜓詞を含むれロ代名詞英語等の定名詞句に盞圓する前出名詞の繰り返し省略の4぀に分けおその出珟頻床を調べた2぀の状況を比范するために出珟頻床/質問文数−系列先頭の質問文数で蚈算される盞察頻床をたずめたものを衚\ref{coref}に瀺す合蚈は100\%を越えるが䟋えば「{\emそれたで}誰が{\emその}囜の指導者だったのですか」のように耇数の照応衚珟がひず぀の質問文䞭に含たれる堎合があるためである\begin{table}[b]\caption{質問䞭に衚れる照応衚珟}\label{coref}\input{03table3.txt}\end{table}省略を陀く照応衚珟のうち䞎えられたトピック぀たり倧域的トピック以倖を参照するものの割合はアンケヌト方匏で29\%WOZ方匏で22\%でありそのうち同じ質問文䞭に倧域的トピックを参照する衚珟を持たないものがそれぞれ92\%,81\%であったこのような質問の存圚は質問系列䞭で焊点が掚移しおおり倧域的トピックでないものが焊点ずなっおいるこずを瀺しおいる系列の先頭以倖で照応衚珟を含たない質問のうちアンケヌト方匏で55\%WOZ方匏で68\%が焊点ずなっおいるものを代名詞化しないでそのたた衚珟するケヌスであったこれは䟋えば人物を姓のみで参照する堎合やニホンカワり゜やハむブリッド車等名詞で衚珟されるクラスが焊点ずなっおいる堎合で前出名詞の繰り返しずも考えられるものであるそれ以倖は焊点の倉化ず関連する䟋えばあるニュヌス番組のダむオキシン汚染に関する誀報道をトピックずした堎合にその番組に察する䞀連の質問に続いお「ダむオキシンの毒性はどのくらいですか」ず蚊ねるような堎合逆にチャヌルズ皇倪子が䞎えられたトピックでその息子達に関する質問が幟぀か続いた埌に「チャヌルズ皇倪子の長幎の恋人ずは誰ですか」ず焊点が戻る堎合等があるWOZ方匏では質問の回答に含たれた内容ぞず焊点が移る堎合もあった\subsubsection{考察}衚\ref{atype}からわかるようにレポヌト䜜成のための質問のうちアンケヌト方匏で58\%--75\%WOZ方匏で62\%が数量等を含む名称を回答ずする質問ずなるレポヌトを執筆するための情報を蚊ねる質問を収集した状況では節や文で回答するこずが倚いず思われる「なぜ」を蚊ねる質問は少なく説明や定矩を求める質問も予想されたほど倚くはないこれは「小沢埁爟っお誰ですか」ずいう質問が䟋えば圌の誕生日や出身地を蚊ねるような具䜓的な質問に展開されおいるためであるず考えられる60\%匷ずいう数字は決定的ではないが名称を正解の範囲ずするような質問応答システムはこのような状況で充分に有甚であるず刀断できるちなみにアンケヌト方匏で収集した質問のうち名称を回答ずする737問に぀いおその正解が新聞蚘事集合から埗られるかを調査したずころ84\%に぀いお正解が埗られ新聞蚘事等の倧芏暡文曞を知識源ずするこずが珟実的であるこずもわかる曎に重芁なこずはこのような状況で埗られた質問文に様々な照応衚珟が含たれるこずである照応衚珟が頻出するこずに加えおその参照先は単に情報収集の䞭心ずなる倧域的なトピックに限られるような簡単なものではない情報アクセス察話はその焊点が察話の進行によっお掚移しサブダむアログも含む耇雑なものずもなりうるためそれに応じた文脈凊理が必芁であるこずがわかるここで瀺された状況がIADタスクの蚭定で暡擬されおいるIADタスクが評䟡するのはここで瀺された状況に察応し察話的な情報アクセスを実珟するための質問応答技術でありこのタスクで高い評䟡を埗た技術は本節の実隓で暡擬されたような察話的な情報アクセスの実珟に有効である \section{評䟡手法} \label{Sec3}\subsection{察話性に䌎う問題}IADタスクでは各質問に察しお存圚しないこずを含めおいく぀存圚するかわからない正解を過䞍足なく収集しそれらすべおを列挙したリストをひず぀返すこずを求める正解数は問題毎に異なり事前に䞎えられないので個々の質問に関する評䟡は粟床ず再珟率の䞡方を考慮した$F$倀を採甚するシステムの総合評䟡はその評䟡のテストセット党䜓の平均である情報怜玢䞀般ずは異なる質問応答の特殊性から普通の$F$倀ではなく様々な配慮が必芁ずなるがこれに぀いおは\ref{Sec3_2}節で述べるある回答が正解であるかは回答ずそれず合わせお提瀺される根拠蚘事の適切性によっお刀断される質問ず無関係な蚘事を根拠ずしおいれば文字列ずしお正解ず同䞀であっおも䞍正解ずしお扱われる察話的な情報アクセスずいう特城から質問の解釈が文脈に䟝存しそれが正解に圱響するずいう問題があるIADタスクでは質問の正解は刀定者である人間が適切ず刀断した文脈の䞋でおこなった解釈によっお決定されシステムの解釈やシステムのそれ以前の回答ずは無関係であるずする䟋えば図\ref{samples}のSeries2-22の2番目の質問の正解は垞にニュヌペヌク・ダンキヌスの本拠地であるダンキヌスタゞアムが建おられた1923幎でありシステムが最初の質問にシェむスタゞアムず誀っお答え2番目の質問にそれが建おられた幎である1964幎を``正しく''回答しおも䞍正解ずする䞀方最初の質問にシェむスタゞアムず答えおいおも適切な根拠蚘事ず共に1923幎を回答しおいれば2番目の質問に぀いおは正解ず刀断される特に埌者に぀いおは若干の違和感があるがシステムが文脈を内包的に管理し2番目の質問を「ニュヌペヌク・ダンキヌスの本拠地ずなっおいる球堎は䜕幎に造られたものですか」ず解釈したず考えれば䞍正解にする理由はないたた収集型のシリヌズでは質問文は盎前の質問や回答よりもシリヌズの先頭で導入されたトピックを参照しおいるこずが倚く盎前の質問に正解するこずが珟圚の質問に正解する必芁条件になっおいる堎合は必ずしも倚くないこれらの理由に加えおシステムが起こしうる誀った解釈すべおに぀いおその埌の正解がどうあるべきかを事前に刀断するのは䞍可胜ずいうこずからこのような方匏ずしおいる\subsection{評䟡尺床}\label{Sec3_2}察話性の問題以倖に可胜な正解すべおを列挙したリストをひず぀返すこずを求めるリスト型課題の評䟡には以䞋のような難しさがある\cite{KatoJ04b}\begin{description}\item[重耇の扱い]同じ事物を指す耇数の衚珟人名における圹職の有無倖人名の異衚蚘貚幣単䜍の違い時間垯の違い珟地時間ず日本時間等があるため同じ事物を指すこれらの衚珟を耇数個回答リストに含めたような重耇があるず考えられる堎合の扱いを決めなければいけない\item[回答の質に関する問題]同じ事物を指す䞊蚘の衚珟の䞭にはフルネヌムず略称のように情報の質が異なるものがある日付や堎所の堎合は「00幎」「00幎1月3日」「日本」「千葉県浊安垂」のように粒床詳现床の異なるバリ゚ヌションがあるこれら衚珟の質の問題を扱い評䟡に反映させる必芁がある加えお衚珟の問題ではなく回答自䜓指瀺されおいる事物の質が異なるず思える堎合がある䟋えば蚘事䞭で事実もしくは䌝聞ずしお述べられおいるが誀報もしくは発衚者偎の誀りにより事実ず異なる数倀や日付蚘事䞭では確定的な予定ずしお述べられおいるがその埌に倉曎ずなった日付等を正圓な正解ず同じように扱っおよいのかには疑問が残りその質の差に芋合った評䟡が求められる\item[列挙の䜓系の問題]可胜な正解すべおを列挙するずいっおもその列挙の䜓系が耇数ある堎合がある「東海䞉県」ず「䞉重県」「愛知県」「岐阜県」のように䞀定の知識を前提ずすれば同じ情報が違う圢で䌝えられる堎合がある䟋瀺を含んだ「川魚゚ビカニ等の魚介類」においお「川魚」「゚ビ」「カニ」「魚介類」は明らかに䞊べられるものではないが「川魚」「゚ビ」「カニ」ずいう列挙ず「魚介類」ずいう回答ずのどちらが優れおいるかは自明ではないこの問題は粒床ず関連しお生じるこずが倚いあるむベントの開催地をそれが行われた囜名で列挙するか郜垂名で列挙するかの遞択もあるたたあるむベントが「12月10日」ず「12月20日」の2回行われたずきその開催日を「12月」ず答えおしたうず2回行われたずいう情報は䌝わらないこの堎合「12月」ず「12月10日」のふた぀を答えおも䌝わる情報は「12月10日」だけを答えた堎合ず同じである衚珟の粒床の問題は衚珟の質の問題であるがこの䟋のようにその粒床が荒くなっお他の回答ず区別できなくなった時そこにずどたらなくなる加えお範囲衚珟等を正解範囲に含めおいるため䟋えば「8䞖玀埌期から9䞖玀初期」をひず぀の芁玠ずするリストず「8䞖玀埌期」「9䞖玀初期」のふた぀を芁玠ずするリストずを等しく扱わなければならない\end{description}これらの難しさを考慮し可胜な限り盎芳に合う評䟡を行うため以䞋のような評䟡の枠組みを提案する䞭心ずなるのは正解セットずいう考え方の導入ず回答の2皮類の質を区別した倚段階評䟡である各質問に぀いお耇数の正解セット$\mathit{CAS}$を甚意するひず぀の正解セットずはひず぀の列挙の䜓系に察応するもので䞊の䟋では「東海䞉県」がひず぀「䞉重県」「愛知県」「岐阜県」がひず぀のセットをなすたた「12月」がひず぀「12月10日」「12月20日」がひず぀である正解セット毎にそのセットの正解を網矅した際の係数$h$($0.0<h\leq1.0$)が䞎えられる倚くの堎合その係数は1.0であるが䞊䟋の「12月」のセットの堎合このセットを網矅しおも他方のセットの正解を網矅した堎合の半分の情報しか䞎えられないずしお䟋えば係数$h=0.5$が䞎えられるある正解セットは同じ事物を指す様々な正解衚珟$e$の集たりこれを衚珟集合$\mathit{ES}$ず呌ぶの集たりである人名における圹職の有無や貚幣単䜍の違いのように同じ事物を指し重耇した回答ずしお扱うべき衚珟に加えおフルネヌムず略称のように情報を衚珟の質が異なるものや日付や堎所においお粒床が異なるものも同じ事物を指す耇数の衚珟ずしおひず぀の衚珟集合に含たれる正解衚珟ずなる実際には正解刀定は衚珟ず根拠蚘事ずの察に察しお行われるので異なる根拠蚘事を持぀同じ衚珟も同じ衚珟集合に属するずしお扱うそれぞれの衚珟集合に぀いおそれが指すものの質に関する係数$g$($0.0<g\leq1.0$)が付䞎される衚珟集合䞭の正解衚珟それぞれには衚珟の質に関する係数$f$($0.0<f\leq1.0$)が付䞎されるシステムが返した回答リスト$O$が䞎えられた時ある正解セット$\mathit{CAS}_i$に関する粟床$P_{\mathit{CAS}_i}$ず再珟率$Q_{\mathit{CAS}_i}$は図\ref{mmfdef}の匏で䞎えられるこれに基づいお$F_{\mathit{CAS}_i}$倀が求められ最も倧きい$F_{\mathit{CAS}_i}$倀を䞎える正解セット$\mathit{CAS}_i$を甚いた評䟡がその回答リストに察する評䟡ずなるなお正解が存圚しない質問に぀いおは回答数が0の堎合空リストを回答ずした堎合に$F$倀1.0それ以倖は0ずするこの定矩による$F$倀を$\mathit{MF}$倀\footnote{若干の修正を含んでいるずいうこずでModifiedの$M$を付けた}テストセットに぀いおのその平均を$\mathit{MMF}$倀ず呌ぶ\begin{figure}[t]\input{03fig2.txt}\caption{評䟡尺床の$\mathit{MF}$倀の定矩}\label{mmfdef}\end{figure}この評䟡が意図しおいるのは\begin{itemize}\item衚珟の質は係数$f$で衚珟し質の䜎い衚珟を遞んだ堎合は粟床再珟率の分子ずなる正解数の圓該郚分にそれを乗じるこずでよりよい衚珟を回答した堎合ず差を付ける\item正解そのものの質は係数$g$で衚珟し再珟率の分子分母の正解数䞡方にそれを乗じるこずで再珟率に正解の質を反映させる\item同䞀物を指瀺する異衚珟はその同定をシステムの胜力の䞀郚ず考え同じ衚珟集合に属する正解を耇数回答した堎合はその䞭で衚珟の質が最もよいものひず぀を正解ずしそれ以倖は誀答ずしお扱うこずで粟床を䞋げる\item正解の列挙に぀いおはひず぀の列挙の䜓系に基づいお回答するこずを期埅しそれぞれの正解セットに埓っお採点を行い最も高い評䟡ずなるセットの倀を採甚するただし各セットでの採点においおそのセットでは誀答であるが他のセットでの正解であるような回答は回答数に含めないこずで誀答ず区別するこれにより様々な正解セットに含たれる正解を混圚させた時の粟床の枛少を防ぎペナルティをなくす\end{itemize}䞀䟋ずしお「東京ディズニヌランドはどこにありたすか」ずいう質問に「千葉県浊安垂」「舞浜駅前」のふた぀の正解があるずするこのふた぀が同じ堎所を指す異衚珟ず考えるなら同じ正解セットの同じ衚珟集合にこのふた぀を含めるこずになるその堎合䞀方を回答リストに含めればよく䞡方を含めた堎合粟床が䞋がるこれらふた぀は違う情報であり䞡方を列挙すべきであるず刀断した堎合は同じ正解セットの異なる衚珟集合に含めるこの堎合䞡方を回答リストに含めないず再珟率が䞋がるこのふた぀は異なる回答の仕方でありどちらもひず぀で充分な情報を持っおいるずの刀断であればこれらふた぀を異なる正解セットずするこの堎合䞀方を回答すればよく䞡方を含めおも粟床は䞋がらない䞡方回答すべき同じ堎所の別衚珟ではないであるが「千葉県浊安垂」の方がより適切ずする堎合は「舞浜駅前」の正解そのものの質に関する係数$g$を萜ずすこの堎合䟋えば「千葉県浊安垂」だけで再珟率0.67「舞浜駅前」のみで0.33ずいうような重み付けが可胜ずなる曎に「千葉県」も正解ずするがこれは「千葉県浊安垂」ず同じ堎所を指し衚珟ずしお劣るず刀断するのであれば「千葉県浊安垂」ず同じ衚珟集合に含めその衚珟に関する係数$f$を萜ずせばよい \section{参照甚テストセット} \label{Sec4}䞀問䞀答圢匏の質問応答システム特にリスト型課題にただ研究の䜙地がある珟状においおはシステムの胜力は様々な芁因に巊右され情報アクセス察話における質問応答の胜力だけでは決たらない䟋えばある質問の正答率が䜎い時にその難しさがその文脈凊理の偎面にあるのかどうかは明らかでない情報アクセス察話における質問応答でのシステム党䜓の胜力を枬定するこずがIADタスクの目的であるがその改善に向けた分析が可胜ずなるような材料が収集できるこずも望たれるそのような情報を埗るための道具立おずしおあるテストセット本節では䞻テストセットず呌ぶを甚いたIADタスクの実斜ず䞊行しおその䞻テストセットから䜜成される2皮類の参照甚テストセットを甚いお同じタスクを実斜するこずを提案する第䞀の参照甚テストセットは䞻テストセットに含たれる照応衚珟をすべお人手で解消しそれを補った独立の質問からなるセットである第二の参照甚テストセットは䞻テストセットに含たれる照応衚珟のうち代名詞助詞や連䜓詞等衚局に珟れおいるものをすべお機械的に陀去した独立の質問からなるセットであるこちらは意味的には倧半の質問が誰のものかを指定しないで誕生日を蚊ねるような特定化が䞍充分なものずなるが日本語であるこずが幞いしお統語的には文法的である図\ref{samples}に瀺した質問シリヌズseries2-20に察応するこれら参照甚テストセットの郚分を図\ref{refsamples}に瀺す第䞀の参照甚テストセットの結果は文脈凊理の䞊限第二の結果は文脈凊理なしで回答できる䞋限を瀺しおいるもちろん文脈凊理の結果埗られる衚珟はひず぀ではないし文脈凊理が悪い圱響を䞎えるこずも倚いのでこれらの結果は参考にずどたるがこのような参照甚テストセットは技術の特城を怜蚎するのに有益である参照甚テストセットによる実斜が貎重な情報を提䟛する䟋ずしおNTCIR-4での実斜での䟋を挙げる衚\ref{rsmmf}は䞻テストセットのシリヌズ最初の問題ず2番目以降の問題に぀いお䞊䜍10システムの$\mathit{MMF}$倀を平均したものず第䞀の参照甚テストセットに぀いおそれに察応する倀ずを比范したものである䞻テストセットでは圓然2番目以降の問題の平均$\mathit{MMF}$倀が倧きく萜ちおいるが参照甚テストセットでもそれに察応する問題で平均$\mathit{MMF}$倀が䜎くなっおいる予想される理由はあるトピックに関する䞀連の質問を行うず比范的簡単なものが先頭に来るこずであるこのような分析により単にシリヌズ最初の問題ず2番目以降の問題に぀いおの$\mathit{MMF}$倀を比范しお文脈凊理の困難さを過床に䞻匵するずいう間違った結論を避けるこずができるちなみに2番目以降の問題に぀いお参照甚テストセットず䞻テストセットの平均$\mathit{MMF}$倀の差は有意であるこずから文脈凊理の䞍十分さが2番目以降の問題の成瞟を悪くしおいるこずも確認されおいる\begin{figure}[t]\input{03fig3.txt}\caption{参照甚テストセットを構成する質問の䟋}\label{refsamples}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{質問の䜍眮による評䟡平均$\mathit{MMF}$倀の差}\label{rsmmf}\input{03table4.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{シリヌズの型の違いによる評䟡平均$\mathit{MMF}$倀の差}\label{rsseries}\input{03table5.txt}\end{table}同様にシリヌズの皮類毎にみた䞊䜍10システムの平均$\mathit{MMF}$倀を衚\ref{rsseries}に瀺すシリヌズをすべおの照応衚珟が最初の質問で導入されたトピックを参照するずいう厳しい意味での収集型である狭矩の収集型その他の収集型ブラりゞング型に分類したものである䞻テストセットではブラりゞング型の平均$\mathit{MMF}$倀が䜎いが参照甚テストセットにおいおはそれに察応する質問矀に぀いお最も高い倀が埗られおいる参照甚テストセットにおけるこの違いはシリヌズ先頭の質問が比范的容易なのず同じ理由でブラりゞング型のシリヌズに含たれる様々なトピックに関する個々の質問は比范的容易なものになっおいるこずによるのであろう比范的簡単な個々の質問もブラりゞング型のシリヌズずしお組織化されるず難床の高いものになるずいうこずでブラりゞング型シリヌズにおける文脈凊理が困難であるこずを再確認するこずができる第2の参照甚テストセットの甚途のひず぀はそれぞれの質問に぀いおその正解を埗るために本圓に文脈凊理が必芁かの情報が埗られるこずである䟋えば図\ref{samples}のSeries2-20の第7問に察応するものの平均$\mathit{MF}$倀はふた぀の参照甚テストセットの間で殆ど差がなくその倀は䞻テストセットでの倀よりも高いこれは゚ベレストで最埌に目撃された人間はマロリヌの他には倚くないいないためにキヌワヌドずしおマロリヌがなくおも正解を求められるためず思われる同様の䟋で「豊田章䞀郎氏が䌚長を務めおいた自動車䌚瀟はどこですか。」「そこが97幎に発売したハむブリッド車は䜕ずいう名前ですか。」ず続くシリヌズにおいお第2の質問に察応するものの$\mathit{MF}$倀もふた぀の参照甚テストセットの間で殆ど差がないが日本でこの幎に発売されたハむブリット車は1車皮のみであり䌚瀟名による限定が必芁ないためであったこれらの情報は背景ずなる知識源の内容ず関連し事前に問題を怜査しお埗るのは難しいが参照甚テストセットによっお容易に明らかにするこずができる \section{関連研究} \label{Sec5}本皿での提案ず最も近い取り組みはTREC2001で行われたContextTaskでこれは質問応答システムの文脈远跡文脈凊理胜力を枬定するために䞀連の質問に回答させるずいうもので基本的な目的は本皿の提案ず同じである\cite{Voorhees01}このタスクの実斜ではシステムがある質問に正解できるかがそれ以前の質問に正解したかに䟝存しないずいう「予想に反する」結果が埗られおいるこれは最初の質問によっおそのシリヌズの質問すべおの回答を含んだ少数の蚘事が同定されおしたいその埌の質問に正解できるかは文脈凊理の胜力よりも特定のタむプの質問に回答できるかに䟝存しおしたうためであるずされおいるこのためこのようなタスクは珟状では文脈凊理胜力を枬定するのに䞍適切ず刀断されその埌のTRECでは実斜されおいないこのような結果ずなったひず぀の理由はシリヌズを構成する質問の数が3から4ず少ないこずにあるず思われるIADタスクではひず぀のシリヌズは7぀皋床の質問で構成するこずを考えおいるたたIADタスクでいうずころのブラりゞング型を含んでいないこずも倧きな原因であろうTRECのContextTaskに぀いおは隣り合う質問の回答のうち85\%が同じパラグラフに存圚したずいう報告\cite{Harabagiu01}があるがNTCIR-4で甚いたテストセットでは隣り合う質問の少なくずもひず぀の回答が同じ蚘事䞀抂に比范できないが段萜より倧きい単䜍ず蚀っおよいず考える内に存圚する割合は収集型でも83\%であったがブラりゞング型では66\%であったシリヌズ党䜓を考えればブラりゞング型の堎合ニュヌペヌク・ダンキヌズからキャンベルスヌプたでを含んだ蚘事はありえないので最初の質問に関する凊理だけでその埌の質問に正解できる蚘事が埗られるこずはありえない収集型に぀いおもすべおが狭矩の収集型ではないのでそのトピックに関する蚘事すべおを怜玢しおもそこから正しく回答を遞択するこずは䜕らかの文脈凊理なしでは困難である狭矩の収集型に぀いおも䟋えば「小沢埁爟」をキヌワヌドずする蚘事は知識源䞭に155件ありそのうちの22件が圌のりィヌンフィルぞの移籍を扱っおいるがその䞭で圌の誕生日に蚀及しおいるものは2件のみであるたた収集型に぀いおは確かにある質問に回答できるこずず以前の質問ぞの正解率ずの関係は䞍明確であるが狭矩の収集型であればそこに関係のある必然性はないしそのこずが文脈凊理の䞍必芁性の議論に぀ながるずは思えない加えお重芁なこずはこのようなタスク蚭蚈がレポヌト䜜成を目的ずした情報アクセス察話ずいう堎面蚭定の状況に近いずいうこずでありそこに珟れる状況に察凊する技術ずしお必芁ずされおいる点である評䟡尺床に぀いおの$\mathit{MF}$倀の提案はIADタスクに限定されるものではなくリスト型課題に共通するものであるTRECのQATrackでも2003幎より正解数を指定しないリスト型課題が開始されおいる\cite{Voorhees03}評䟡には単玔な$F$倀が甚いられおいる2003幎のこの課題の質問は37問ずあたり倚くなく``Listthenamesofchewinggums.'',``Whoarefemaleboxers?''等すべおが事物の列挙を求めるものでその殆どは``WhatChineseprovinceshaveaMcDonald'srestaurant?''のように回答のクラスが巧みに指定されおおり粒床の問題が生じるような衚珟䟋えば``WhereinChinadoesMcDnaldhavearestaurant?''は避けられおいる質問文のみからの刀断であるが問題が出る可胜性のあるのはわずかに``Whatfoodscancauseallergicreactioninpeople?''の1問だけであるTRECにしおこのような状況であり本皿で議論したようなリスト型課題の問題に泚目した提案は著者の知る限り党く行われおいない参照甚のテストセットずいう考えに぀いおはこれもTREC-9においお同じ正解を意図した衚珟の異なる質問を倚数テストセットに含めるずいう詊みがなされおいる\cite{Voorhees04}参照甚のテストセットずいう明確な考えはなくそこから䜕が埗られたかも明らかにされおいないがより深い分析のための情報を埗る詊みであったず思われるこの詊みはその埌続けられおいない䞀問䞀答型の質問応答システムも質問解析文曞遞択回答抜出等の耇数のモゞュヌルから構成されるこずを考えるず本皿で提案した参照甚テストセットだけで充分な情報が埗られるわけではないが少なくずも情報アクセス察話のための質問応答技術をある皋床たで区別する圹割を果たしおいるず考える察話的な質問応答システムの評䟡ずいうこずではテストセットの枠組みに基づかないより実際に近い状況での実隓の報告がある\cite{Liddy04,Kelly06}これらの実隓ず本皿で提案したテストセットによる評䟡は情報怜玢技術の評䟡における怜玢実隓での珟実状況での怜蚌ず研究宀での怜蚌\cite{Kishida98}ずにそれぞれ察応するず考えられる前者は実際の利甚堎面により近い環境での評䟡ずなり倚皮倚様な情報が埗られるがそれらの情報は耇雑か぀非定型で分析も難しく実隓の実斜も䞀般に高䟡である䞀方で埌者は本来の利甚堎面の耇雑さを切り捚お理想化単玔化された状況での胜力を枬定するこずになるが埗られるデヌタの盞互比范が比范的容易でテストセットの再利甚が可胜なこず等その実斜も安䟡であるこのようにこれらにはそれぞれの長所短所があり盞補的な圹割を持っおいるず考えおいる \section{おわりに} \label{Sec6}あるトピックに関しお䞀連の情報アクセスを察話的に行うずいう状況で甚いられる質問応答システムの胜力を定量的に評䟡するためのタスクIADタスクを提案した察話的な情報アクセスを暡擬した実隓を通じお数量等を含む名称を正解の範囲ずするような質問応答システムがそのような状況で有効であるこずそのようなシステムは様々な照応衚珟を凊理できる必芁があるこずを瀺しタスクが評䟡する技術の重芁性を瀺唆したIADタスクは察話的情報アクセスを察象ずしおそこで必芁な質問応答技術が効果的に評䟡できるずいうその枠組みの独自性に加えお質問䞭の参照衚珟を人手で解消もしくは機械的に削陀した参照甚テストセットを䜵甚するこずで情報アクセス察話におけるシステムの文脈凊理胜力をある皋床たで切り離しお評䟡できる枠組みを持っおいる評䟡尺床に぀いおも自然な質問ぞの応答を考えた堎合に問題になる事䟋に配慮しお回答の列挙に耇数の䜓系を蚱し回答の2皮類の質を考慮に入れた倚段階評䟡手法ずいうリスト型課題䞀般の評䟡手法に関する新しい提案を含んでいる\section*{付録}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia3f4.eps}}\caption{$\mathit{MMF}$倀による評䟡}\label{mmf1}\end{figure}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia3f5.eps}}\caption{シリヌズの型による$\mathit{MMF}$倀の差異}\label{mmf2}\end{figure}提案するIADタスクが最先端の質問応答技術にずっお決しお䞍可胜な課題ではなく同時に既に解決された課題でもないこずを瀺すためにNTCIR-5におけるQAC3での実斜においお高い評䟡を埗た3チヌム7システムに぀いおその評䟡を瀺すこの実斜では「斜工ミス」「送電線切断」「墜萜炎䞊」のような事象の耇合名詞衚珟を正解範囲に含んでいたがその䜍眮づけが䞍明確なこずから今回の提案ではそれを陀いおいるその点を陀けばこの実斜は本皿で提案しおいるIADタスクであり事象の耇合名詞衚珟を正解ずする質問は少数であるため党䜓の傟向ぞの圱響は少ない図\ref{mmf1}はテストセット党䜓各シリヌズの先頭質問2番目以降の質問に぀いお$\mathit{MMF}$倀を瀺したものである図\ref{mmf2}はシリヌズを収集型ずブラりゞング型に分類しおテストセット党䜓ずそれらの$\mathit{MMF}$倀を比范しおいるこれらのシステムに甚いられおいる技術に぀いおはNTCIR-5でのQAC3実斜に関する報告\cite{Kato05b,KatoJ06}に加え\cite{Murata07,Akiba06,Mori07}に詳しい\acknowledgmentNTCIR-4のQAC2Subtask3NTCIR-5のQAC3に参加しおいただき貎重なコメントいただきたした皆様に感謝したす加えおqac-jのメむリングリストでの議論に積極的に加わっおくださった皆様にも感謝したすたた本皿の䞭に盎接掻かすこずはできたせんでしたが村田真暹秋葉友良森蟰則の3氏はNTCIR-4でのテストセットを甚いた再床の実斜を快く匕き受けおくださいたした埡尜力にお瀌申し䞊げたす本研究の䞀郚は囜立情報孊研究所ずの共同研究ずしお支揎されおいたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Akiba}{Akiba}{2006}]{Akiba06}Akiba,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQExploitingDynamicPassageRetrievalforSpokenQuestionRecognitionandContextProcessingtowardsSpeech-drivenInformationAccess\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTheInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\1530--1535}.\bibitem[\protect\BCAY{ARDA}{ARDA}{2007}]{AQUAINT}ARDA.\newblock\BBOQAQUAINTHomePage:AdvancedQuestion\&AnsweringforIntelligence\BBCQ,\Turl{http://\linebreak[2]www.ic-arda.org/\linebreak[2]InfoExploit/\linebreak[2]aquaint/}.\bibitem[\protect\BCAY{Burger,Cardie,et~al.}{Burgeret~al.}{2001}]{Burger01}Burger,J.,Cardie,C.,et.~al.\newblock\BBOQIssues,TasksandProgramStructurestoRoadmapResearchinQuestion\&Answering(Q\&A)\BBCQ,\Turl{http://www-nlpir.nist.gov/\linebreak[2]projrcts/\linebreak[2]duc/\linebreak[2]roadmapping.html}.\bibitem[\protect\BCAY{Fukumoto,Kato,\BBA\Masui}{Fukumotoet~al.}{2003}]{Fukumoto03}Fukumoto,J.,Kato,T.,\BBA\Masui,F.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQQuestionAnsweringChallenge(QAC-1)AnEvaluationofQuestionAnsweringTasksattheNTCIRWorkshop3\BBCQ\\newblockIn{\BemAAAI2003SpringSymposiumNewDirectionsinQuestionAnswering},\mbox{\BPGS\122--133}.\bibitem[\protect\BCAY{Harabagiu,Moldovan,et~al.}{Harabagiuet~al.}{2001}]{Harabagiu01}Harabagiu,S.,Moldovan,D.,et.~al\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAnsweringcomplex,listandcontextquestionswithLCC'sQuestion-AnsweringServer\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTREC2001}.\bibitem[\protect\BCAY{Hickl,Lehmann,Williams,\BBA\Harabagiu}{Hicklet~al.}{2004}]{Hickl04}Hickl,A.,Lehmann,J.,Williams,J.,\BBA\Harabagiu,S.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQExperimentswithInteractiveQuestionAnsweringinComplexScenarios\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofHLT-NAACL2004WorkshoponPragmaticsofQuestionAnswering},\mbox{\BPGS\60--69}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA犏本\JBA桝井\JBA神門}{加藀\Jetal}{2004a}]{KatoJ04b}加藀恒昭\JBA犏本淳䞀\JBA桝井文人\JBA神門兞子\BBOP2004a\BBCP.\newblock\JBOQリスト型質問応答の特城付けず評䟡指暙\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚2004-NL-163},\mbox{\BPGS\115--112}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA犏本\JBA桝井\JBA神門}{加藀\Jetal}{2004b}]{KatoJ04a}加藀恒昭\JBA犏本淳䞀\JBA桝井文人\JBA神門兞子\BBOP2004b\BBCP.\newblock\JBOQ質問応答技術は情報アクセス察話を実珟できるか\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚2004-NL-162},\mbox{\BPGS\145--150}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA犏本\JBA桝井\JBA神門}{加藀\Jetal}{2006}]{KatoJ06}加藀恒昭\JBA犏本淳䞀\JBA桝井文人\JBA神門兞子\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ情報アクセス察話に向けた質問応答技術の評䟡ふたたび—NTCIR-5QAC3での詊み—\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚2004-NL-172},\mbox{\BPGS\55--62}.\bibitem[\protect\BCAY{Kato,Fukumoto,\BBA\Masui}{Katoet~al.}{2004a}]{Kato05b}Kato,T.,Fukumoto,J.,\BBA\Masui,F.\BBOP2004a\BBCP.\newblock\BBOQAnOverviewofNTCIR-5QAC3\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofFifthNTCIRWorkshopMeeting},\mbox{\BPGS\361--372}.\bibitem[\protect\BCAY{Kato,Fukumoto,\BBA\Masui}{Katoet~al.}{2004b}]{Kato04}Kato,T.,Fukumoto,J.,\BBA\Masui,F.\BBOP2004b\BBCP.\newblock\BBOQQuestionAnsweringChallengeforInformationAccessDialogue---OverviewofNTCIR4QAC2Subtask3---\BBCQ\\newblockIn{\BemWorkingnotesontheFourthNTCIRWorkshopMeeting},\mbox{\BPGS\291--296}.\bibitem[\protect\BCAY{Kato,Fukumoto,Masui,\BBA\Kando}{Katoet~al.}{2005}]{Kato05a}Kato,T.,Fukumoto,J.,Masui,F.,\BBA\Kando,N.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAreOpen-domainQuestionAnsweringTechnologiesUsefulforInformationAccessDialogues?---Anempiricalstudyandaproposalofanovelchallenge---\BBCQ\\newblock{\BemACMTALIP(Trans.ofAsianLanguageInformationProcessing)},{\Bbf4}(3),\mbox{\BPGS\243--262}.\bibitem[\protect\BC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V12N03-05
\section{はじめに} label{intro}照応珟象に関する理論のうち最も広く論じられおいるのは䞭心化理論(centeringtheory)である䞭心化理論は泚意の䞭心照応結束性の間の盞互䜜甚を説明しおいるしかし照応珟象等の背埌にある基本原理を明らかにするものではないもし䞭心化理論の背埌に䜕らかの基本原理が存圚するならばそれは談話における発話者ず受話者の行動決定を説明する原理であろうその基本原理は客芳的に蚈量可胜な尺床に基づいお述べられるべきであるしかし䞭心化理論においお重芁な圹割を担っおいる顕珟性(salience)ずいう抂念は客芳的に蚈量可胜な尺床ずしお定匏化されおいない顕珟性ずは人間の泚意状態に関連する䜕らかの尺床であるが埓来研究ではCfランキングずいうヒュヌリスティクスで近䌌される本皿では参照確率ずいう蚈量可胜な尺床ずしお顕珟性を定匏化しその蚈枬手法を瀺す䞀方䞭心化理論の背埌にある基本原理の説明ずしおHasidaら\citeyear{hasida1995,hasida1996}が提唱する意味ゲヌム(meaninggame)がある\footnote{Hasidaらのアプロヌチを最適性理論の䞊で発展させる詊みも行われおいる\cite{rooy2003,kibble2003}}意味ゲヌムずはゲヌム理論に基づいお意図的なコミュニケヌションを説明するモデルであり発話者ず受話者をプレむダヌずする2人ゲヌムであるHasidaらは顕珟性を䞊蚘のように参照確率ずみなし照応詞の単玔さをプレむダヌの利埗の䞀郚ずみなすずこの意味ゲヌムモデルから䞭心化理論が導けるこずを瀺した圌らはコミュニケヌションの䞀䟋ずしお特に照応を取り䞊げお照応珟象の説明はゲヌム理論に垰着できるず䞻匵しおいるしかしこの䞻匵の根拠は特定の事䟋に関する思考実隓であり実蚀語デヌタに基づいお怜蚌されおいない本皿では日本語の新聞蚘事コヌパスを甚いお照応の意味ゲヌムモデルを怜蚌しこの䞻匵が正しいこずを瀺す \section{䞭心化理論の抂略ず問題点} label{sec:centering}以䞋では䞭心化理論の抂略を述べ基本原理の欠劂ずいう問題点ず顕珟性に関する問題点を指摘する\subsection{理論の抂芁}䞭心化理論では談話を発話(utterance)の列$[U_1,U_2,\cdots,U_n]$ずしお扱う各発話においお泚意が向けられおいる実䜓のこずを䞭心(center)ず蚀い発話ごずに䞭心が曎新されるたた䞭心の決定の際に甚いられる尺床である顕珟性(salience)はある文脈で具珟化(realize)\footnote{蚀語衚珟(れロ照応を含む)によっお実䞖界の実䜓を参照するこず}された実䜓の「目立ち具合」を衚す䞭心には以䞋のような皮類がある\begin{itemize}\item{\itCb}$(U_i)$:$U_i$の埌向き䞭心(backward-lookingcenter)先行文脈で具珟化され$U_i$でも匕き続き具珟化されおいる実䜓そのような実䜓が耇数ある堎合は$U_{i-1}$においお最も顕珟性が高かった実䜓\item{\itCf}$(U_i)$:$U_i$の前向き䞭心(forward-lookingcenters)$U_i$で具珟化された実䜓を顕珟性の順に゜ヌトしたリスト\item{\itCp}$(U_i)$:$U_i$の優先䞭心(preferedcenter){\itCf}$(U_i)$の芁玠のうち最も顕珟性の高い実䜓\end{itemize}䞭心化理論は以䞋の2぀のルヌルから構成される\cite{walker1994}\begin{breakbox}\begin{itemize}\item[{\bfルヌル1}:]{\itCf}$(U_{i-1})$の芁玠の幟぀かが$U_i$においお代名詞によっお具珟化されおいるならばそのうちの䞀぀が{\itCb}$(U_i)$である\item[{\bfルヌル2}:]䞭心の遷移には䞋蚘の4皮類がありその遞奜の順序は\\Continue$>$Retain$>$Smooth-Shift$>$Rough-Shiftである\end{itemize}\begin{center}{\small\begin{tabular}{l}\begin{tabular}{|c||c|c|}\hline&{\itCb}$(U_i)=${\itCb}$(U_{i-1})$&{\itCb}$(U_i)\neq${\itCb}$(U_{i-1})$\\\hline\hline{\itCb}$(U_i)=${\itCp}$(U_i)$&Continue&Smooth-Shift\\\hline{\itCb}$(U_i)\neq${\itCp}$(U_i)$&Retain&Rough-Shift\\\hline\end{tabular}\\\end{tabular}}\end{center}\end{breakbox}ルヌル1は同䞀発話内に代名詞ず非代名詞がある堎合代名詞の方が{\itCb}を指しやすいずいう遞奜であるルヌル2は結束性(cohesion)すなわち発話間の語圙的぀ながりの匷さに関するルヌルである発話$U_{i-1}$から$U_i$ぞの䞭心遷移の仕方を4皮類に分けそれらを結束性が高い順に䞊べた遞奜である\subsection{問題点}䞭心化理論の第1の問題点ずしお䞊蚘の2぀のルヌルは䞭心照応結束性の盞互䜜甚に぀いお述べおいるもののそのような珟象の根底にある基本原理を説明しおはいないたた第2の問題点ずしお䞭心化理論においお本質的な圹割を担う顕珟性が客芳的に蚈量可胜な尺床ずしお定匏化されおいないすなわち䞭心化理論の先行研究においお顕珟性の意味を明確に定矩した研究は無く\footnote{文生成の研究においおは芖芚における鮮やかさや語自䜓が持぀印象の匷さ蚀及された至近性などによっお顕珟性が決定されるずした研究䟋がある\cite{reed2002}}顕珟性は泚意状態に関係する䜕らかの尺床ずしおCfランキングず呌ばれるヒュヌリスティックな順序によっお近䌌されおきたしかしそもそも顕珟性の定矩に䞊蚘のような䞍備があるのでCfランキングの劥圓性を経隓的に怜蚌するこずは䞍可胜である基本的にCfランキングは文法機胜のみによっお決たりその順序は䞋蚘のように蚀語によっお異なる\begin{tabbing}1234\=5678\=\kill\>英語のCfランキング:\\\>\>䞻語$>$盎接目的語$>$間接目的語$>$補語$>$付属語\\\>日本語のCfランキング\cite{walker1994}:\\\>\>䞻題(文法orれロ)$>$芖点$>$䞻語$>$間接目的語$>$盎接目的語$>$その他\end{tabbing}しかし文法機胜以倖の芁因も顕珟性の決定に関わっおいるずする研究もある\cite{strube1999,reed2002}たた文法機胜の順序によっお決定できるのは同じ発話内で参照されおいる実䜓の順序のみであるが先行詞の候補が異なる発話に分散しおいるこずも倚いので異なる発話間の実䜓も順序付けする必芁がある顕珟性の問題点を以䞋にたずめる\begin{itemize}\item[A]客芳的に蚈量可胜な尺床ずしお定矩されおいないのでCfランキング等の劥圓性の経隓的怜蚌が䞍可胜である\item[B]顕珟性に圱響する芁因は文法圹割以倖にもあるがCfランキングはそれを捉えおいない\item[C]Cfランキングでは盎前の発話で参照された実䜓しか扱えない\end{itemize}問題点Bに関しおStrubeら\citeyear{strube1999}は聞き手にずっおの情報の新しさずいう芁因を導入しおCfランキングを拡匵した機胜的䞭心化理論(FunctionalCentering)を提案した問題点Cに関しおNariyama\citeyear{nariyama2001}は先行文脈䞭の名詞句から成るSRL(SalientReferentList)を発話単䜍毎に曎新する手法を提案したしかしそもそも問題点Aを解決しなければこれらの詊みの劥圓性を論ずるこずも困難である \section{顕珟性の定匏化ず蚈枬} label{sec:ref_prob}\ref{sec:centering}節で述べたように䞭心化理論では顕珟性はCfランキングず呌ばれるヒュヌリスティクスによっお近䌌されるがそもそも顕珟性が客芳的に蚈枬できる尺床ずしお定匏化されおいないためCfランキングの劥圓性を経隓的に怜蚌するこずは䞍可胜であるこれは理論ずしおの䞍備である本節では顕珟性を参照確率(referenceprobability)ずいう蚈枬可胜な尺床ずしお定匏化するこずを提案する参照確率ずは実䜓が次の発話で参照(具珟化)される確率であるこれにより\ref{sec:centering}節で述べた問題点が解消される\subsection{蚈枬方法}以䞋に顕珟性の定匏化ず蚈枬方法を瀺す\begin{itembox}[l]{顕珟性の定匏化}\begin{itemize}\item[{\bf顕珟性の定矩}]発話列$[U_1,U_2,\cdots,U_i]$のどこかで実䜓$e$が参照されおいるずき発話$U_i$における実䜓$e$の顕珟性ずは$e$が$U_{i+1}$で参照される確率(参照確率)である\item[{\bf参照確率の蚈枬}]\begin{itemize}\item発話列$\{U_1,U_2,\cdots,U_i\}$のどこかで実䜓$e$を参照しおいる衚珟$w$がある\item特城量ベクトル{\itfeature}$(w,U_i)$を抜出する\item充分に倧きな蚀語コヌパスにおいお{\itfeature}$(w,U_i)$ず等しい特城量ベクトルを持぀事䟋$(w_x,U_j)$を党お抜出するそのうち$w_x$が指し瀺す実䜓が$U_{j+1}$においおも参照されおいる事䟋の盞察出珟頻床を蚈枬する\itemこの盞察出珟頻床が$U_{i+1}$における$e$の参照確率である\itemこの参照確率を$U_i$における$e$の顕珟性ずする\end{itemize}\end{itemize}\end{itembox}ここで以䞋のような具䜓䟋においお「倪郎君」が$U_{i+1}$で参照される確率の蚈枬方法を説明する\begin{breakbox}\noindent\hspace{1.5cm}$U_{i-2}$:さきほど($\phi_0$ガ)\underline{倪郎君}を芋かけたが、\\\hspace{1.5cm}$U_{i-1}$:(\underline{$\phi_1$}ガ)眠そうだった。\\\hspace{1.5cm}$U_{i\phantom{-0}}$:昚倜はずおも暑かったし、\\\hspace{1.5cm}$U_{i+1}$:\underline{\hspace{2.2cm}}\begin{picture}(0,0)\put(-57,30){\line(4,1){70}}\multiput(-56,29)(1,-2){16}{\line(1,-2){0.3}}\put(-40,5){\small$\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots参照確率Pr(倪郎君,U_{i+1})$}\end{picture}\end{breakbox}\noindent事䟋の特城量ずしおたずえば次の3玠性のみを甚いたずする\\\hspace{1.5cm}-$dist$:珟発話ず先行文脈䞭で実䜓$e$を最近参照した衚珟の発話距離\\\hspace{1.5cm}-$gram$:先行文脈䞭で$e$を最近参照した衚珟が係る助詞(≒文法圹割)\\\hspace{1.5cm}-$chain$:先行文脈䞭の$e$の共参照連鎖(coreferencechain)の長さ\\このずきこの事䟋の特城量ベクトルは以䞋のようになる\\\hspace{1.5cm}${\itfeature}(倪郎君,U_i)=(dist=2,gram=ガ,chain=2)$\\このずきコヌパス䞭で${\itfeature}(w,U_j)={\itfeature}(倪郎君,U_i)$ずなるような事䟋぀たり\begin{breakbox}\noindent\hspace{1.5cm}$U_{j-k}$:\underline{\hspace{4mm}}\underline{$w_{0}$}\underline{\hspace{1cm}}\\\hspace{1.5cm}\phantom{$U_{j-h}$:}$\vdots$\\\hspace{1.5cm}$U_{j-1}$:\underline{$w$}が\underline{\hspace{1.3cm}}\\\hspace{1.5cm}$U_{j\phantom{-0}}$:\underline{\hspace{2.2cm}}\\%($w_xが参照する実䜓をU_{j-1}では参照しおいない$)\\\hspace{1.5cm}$U_{j+1}$:\underline{\hspace{2.2cm}}\begin{picture}(0,0)\put(-63,32){\line(1,2){17}}\put(20,35){\small条件C:{\itfeature}$(w,U_j)=(dist=2,gram=ガ,chain=2)$}\multiput(-63,31)(1,-2){16}{\line(1,-2){0.3}}\put(-45,6){\small$\cdots\cdots\cdots\cdots参照確率Pr(w,U_{j+1})=\frac{(C\wedge(U_{j+1}でwを参照しおいる))が成り立぀事䟋数}{Cが成り立぀事䟋数}$}\end{picture}\end{breakbox}\noindentずいう衚局的なパタヌンを持぀事䟋の出珟頻床ずそのうちの$U_j$においお$w$が参照する実䜓が参照される盞察出珟頻床を蚈枬しおおいたずするずこの盞察頻床が$U_i$においお「倪郎君」が参照される確率の近䌌倀ずなるただし実際のコヌパスの事䟋数には限りがあり特城空間䞊の党おのベクトルに぀いお充分な事䟋数があるわけではないので任意の特城量ベクトルを持぀事䟋の確率を倖挿する必芁があるそのためにはコヌパス䞭の事䟋集合を甚いお回垰分析を行えばよい回垰分析のアルゎリズムに぀いおは限定しないただし耇数の芁因を統合しお参照確率を倖挿するためには耇数の説明倉数を扱う倚重回垰が可胜なアルゎリズムでなければならない本皿では以䞋の2぀の回垰アルゎリズムによっお参照確率の蚈枬を行う\begin{itemize}\item3玠性による倚重ロゞスティック回垰\item8玠性によるSVR(SupportVectorRegression)\end{itemize}本皿で倚重ロゞスティック回垰に甚いる3玠性ずSVRに甚いる8玠性を衚\ref{tab:features}に瀺す\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l|l|}\hline&倚重&{\itdist}&参照衚珟ず指瀺察象候補の最近参照箇所ずの発話距離の自然察数\\&logi-&{\itgram}&指瀺察象候補の最近参照箇所の文法機胜(助詞)\\S&stic&{\itchain}&(指瀺察象候補の先行文脈䞭の共参照連鎖の長さ+1)の自然察数\\\cline{2-4}V&&{\itexp}&指瀺察象候補の最近参照箇所の衚珟皮別(れロ/代名詞/定名詞/䞀般)\\R&&{\itlast\_{}topic}&指瀺察象候補が最近のトピックであるか吊か\\&&{\itlast\_{}sbj}&指瀺察象候補が最近の䞻語であるか吊か\\&&{\itp1}&指瀺察象候補が䞀人称であるか吊か\\&&{\itpos}&指瀺察象候補の最近参照箇所の品詞(名詞/述語)\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{本皿で参照確率の回垰分析に甚いる玠性}\label{tab:features}\end{table}倚重ロゞスティックで甚いる説明倉数を3玠性に絞ったのはモデルの衚珟胜力に察しお問題空間が疎になるこずを防ぐためである \section{意味ゲヌム} label{meaning_game}本節では意味ゲヌムの抂芁を説明し意味ゲヌムから䞭心化理論のルヌル1,2に盞圓する遞奜を導出する\subsection{意味ゲヌムの抂芁}Hasidaら\citeyear{hasida1995,hasida1996}が提唱した意味ゲヌムは意図的なコミュニケヌション(非自然的意味の䌝達)のゲヌム理論的な定匏化であるHasidaらは意図的・蚀語的コミュニケヌションの䞀䟋ずしお特に照応珟象を論じた意味ゲヌムでは発話者による意図決定および受話者による解釈の組み合わせのコミュニケヌションの成功以倖の芁因による期埅効甚は以䞋の匏で衚される$$\sum_{wがeを参照する}{\itPr}(e){\itUt}(w)$$${\itPr}(e)$は実䜓$e$が参照される確率(参照確率)${\itUt}(w)$は$e$を参照する衚珟$w$の効甚であるここでは簡単のため以䞋のように仮定する\begin{itemize}\itemコミュニケヌションは確実に成功するすなわち発話者の意図した意味を受話者は必ず理解する\item実䜓$e$の参照確率${\itPr}(e)$は先行文脈を含む発話者・受話者の間での共有信念に基づいお定たりそれ自身共有信念に属するしたがっお発話者受話者双方にずっお${\itPr}(e)$は等しい\item参照衚珟$w$が単玔なほど衚局的凊理(発話/筆蚘/聞き取り/読み取り)のコストが䜎く発話者受話者双方の利埗${\itUt}(w)$が高い衚珟が耇雑であればコストが高く${\itUt}(w)$が䜎い(ただし${\itUt}(w)$の倀は発話者ず受話者においお異なっおいおもよい)\end{itemize}これらの仮定により期埅効甚を最倧化する解が発話者・受話者間で共通ずなる副䜜甚ずしお誀解が起こりやすいような発話はモデルの察象倖ずなるが文法的知識などの共有信念に基づいお理解可胜な談話珟象をモデル化できれば充分であり理解䞍胜な発話はそもそも扱う必芁が無いず我々は考えるこれら3぀の仮定をおくこずによりプレむダヌ間で共有された期埅効甚が最倧になる解(発話意図ず解釈の組み合わせ)がPareto最適解\footnote{どのプレヌダに぀いおも単独で戊略を倉えるこずによっお自分の利埗が高くならないようなプレヌダ達の戊略の組合せを(Nash)均衡ず蚀い党プレヌダにずっおより望たしい均衡がないような均衡をPareto最適であるず蚀う}ずなる\subsection{ルヌル1の導出}\label{subsec:rule1}Hasidaらは照応の意味ゲヌムから䞭心化理論のルヌル1を導いおいるたずえば次のような意味的制玄の圱響が小さい談話においおはheがFredを指しthemanがMaxを指す堎合が倚い\begin{tabbing}談話(1)\\\=$U_1$:FredscoldedMax.\\\>$U_2$:Hewasangrywiththeman.\end{tabbing}\begin{tabbing}\$p_1$:Fred(䞻語)の参照確率\=$>$$p_2$:Max(目的語)の参照確率\\\$u_1$:he(代名詞)の効甚\>$>$$u_2$:theman(定名詞)の効甚\\%\\(効甚コストの䜎さ)\\\end{tabbing}\begin{center}\begin{picture}(140,40)\put(-5,45){Fred}\put(25,45){Max}\put(95,45){Fred}\put(125,45){Max}\put(5,10){\line(0,1){30}}\put(35,10){\line(0,1){30}}\put(105,10){\line(1,1){30}}\put(135,10){\line(-1,1){30}}\put(-5,0){`he'}\put(20,0){`theman'}\put(90,0){`he'}\put(115,0){`theman'}\end{picture}\\\\期埅効甚\\$p_1u_1+p_2u_2\\\\>\\\\p_1u_2+p_2u_1$\phantom{期埅効甚\\}\\$∵(p_1u_1+p_2u_2)-(p_1u_2+p_2u_1)=(p_1-p_2)(u_1-u_2)>0$\end{center}談話(1)の$U_2$における埌向き䞭心はFredなので期埅効甚を最倧化する解(代名詞heがFredを指し非代名詞themanがMaxを指すような解)は䞭心化理論のルヌル1の予枬ず合臎しおいる぀たり䞊蚘はゲヌム理論からルヌル1が導けるこずの䟋蚌になっおいるここでルヌル1ず意味ゲヌムの抂念の察応関係を衚\ref{tab:rule1_and_game}に瀺す\begin{table}{\small\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\hlineルヌル1&意味ゲヌム\\\hline\hline代名詞&効甚の高い参照衚珟\\\hline非代名詞&効甚の䜎い参照衚珟\\\hline顕珟性&参照確率\\\hline埌向き䞭心&参照確率の高い実䜓\\\hline\end{tabular}\end{center}}\caption{ルヌル1ず意味ゲヌムの察応}\label{tab:rule1_and_game}\end{table}䞊蚘のHasidaらによる䟋蚌は䞀般の事䟋では図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}(b)の解よりも(a)の解の方が遞ばれやすいこずを衚し以䞋のように蚘述できる\vspace{2mm}\begin{breakbox}\noindent{\bf遞奜1a}:同䞀発話内に耇数の参照衚珟があるずきそのうち効甚が高い参照衚珟が参照確率の高い実䜓を参照しやすい\end{breakbox}\noindentたたこの遞奜は䞀般\footnote{参照衚珟が3぀以䞊の堎合及びそれらが同䞀発話内に無い堎合にも予枬の範囲を広げるずいう意味での䞀般}には以䞋の遞奜ず等䟡である\vspace{2mm}\begin{breakbox}\noindent{\bf遞奜1b}:参照衚珟の効甚ずその指瀺察象の参照確率の間には正の盞関関係がある\end{breakbox}\noindentこの意味ゲヌムから導かれた遞奜1bは1぀の発話の䞭に参照衚珟が1぀しかない堎合にも及ぶので䞭心化理論のルヌル1よりも匷い予枬を導く\begin{figure}[tb]\begin{center}\includegraphics[width=14cm]{crossed_or_uncrossed.eps}\caption{亀差の有無}\label{fig:crossed_or_uncrossed}\end{center}\end{figure}\subsection{ルヌル2の導出}\label{subsec:rule2}ルヌル2は䞭心の遷移(transition)ず結束性(cohesion)に関する遞奜である䞭心遷移は2぀の条件匏の組み合わせによっお4皮類に分けられ結束性に関する優先順䜍が぀けられる1぀目の条件匏{\itCb}$(U_i)=${\itCb}$(U_{i-1})$は埌向き䞭心$Cb$が盎前発話からそのたた受け継がれおいるこずを衚す2぀目の条件匏{\itCb}$(U_i)=${\itCp}$(U_i)$は$Cb$が$U_i$䞭で参照されおいる実䜓のうちで最も顕珟性が高いこずを衚す\footnote{前者の条件匏は盎前発話$U_{i-1}$ず珟発話$U_i$の結束性に察応し埌者の条件匏は珟発話$U_i$ず次の発話$U_{i+1}$の結束性の予枬に察応するず考えられる}われわれはルヌル1の堎合ず同じくルヌル2における順序も発話の期埅効甚の高さの順序ずしお導かれるず考える1぀目の条件匏が成り立぀ずき{\itCb}の参照確率が高くなるず同時に遞奜1bの予枬から{\itCb}を参照する照応詞の効甚も高くなるず考えられしたがっお珟圚の発話の期埅効甚が増すからである。たた2぀目の条件匏が成り立぀ずきもやはり{\itCb}の参照確率ず効甚が高くなり期埅効甚が高くなるず考えられるからであるさらにRetainずSmooth-Shiftは共に䞀方の条件匏のみが成り立぀タむプであるが1぀目の条件匏が盎前の発話から珟圚の発話ぞの結束性を衚す(したがっお珟圚の発話の期埅効甚を盎接高める)のに察し2぀目の条件匏は珟圚の発話から次の発話ぞの結束性の予枬に過ぎないので1぀目の条件匏の方が2぀目の条件匏よりも期埅効甚ぞの圱響が匷くしたがっおRetainの方がSmooth-Shiftよりも期埅効甚が倧きくなるず予想されるこれらの予想が正しいならばルヌル2は意味ゲヌムに基づき以䞋のように䞀般化できるず考えられる\vspace{2mm}\begin{breakbox}\noindent{\bf遞奜2}:期埅効甚の高い解(発話意図ず解釈の組み合わせ)が遞ばれやすいこの期埅効甚の高さが結束性の匷さに察応する\end{breakbox}本皿ではコヌパス䞭の事䟋を䞭心遷移4タむプに分類し各タむプの期埅効甚の平均の順序がルヌル2の順序ず合臎するずいう予想を怜蚌する \section{統蚈的怜蚌} label{verification}本節では意味ゲヌムから導出した遞奜1a,遞奜1b,遞奜2を統蚈的に怜蚌するその際統語構造や照応を衚すGDAタグ\cite{GDA}を人手で付䞎した毎日新聞の蚘事1356蚘事から成るコヌパスを甚いる衚\ref{tab:examples}にコヌパスに含たれる事䟋数ず正䟋・負䟋の頻床分垃を瀺す正䟋は先行文脈で参照された実䜓$e$が次の発話$U_{i+1}$でも参照されおいる事䟋負䟋は$e$が$U_{i+1}$では参照されおいない事䟋である衚\ref{tab:anaphors}に参照衚珟の皮類別の頻床分垃を瀺す\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|r|r|}\hline&事䟋数&割合\\\hline\hline正䟋&16728&1.6\%\\負䟋&1057053&98.4\%\\\hline党事䟋&1073781&100.0\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{党事䟋数ず正䟋・負䟋の割合}\label{tab:examples}\begin{center}\begin{tabular}{|c|r|r|}\hline参照衚珟の皮類&事䟋数&割合\\\hline\hlineれロ代名詞&5876&35.1\%\\代名詞&843&5.0\%\\指瀺詞が係る名詞句&1011&6.0\%\\その他の名詞句&8998&53.8\%\\\hline蚈&16728&100.0\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{参照衚珟のタむプ別分垃}\label{tab:anaphors}\end{table}ずころで文を発話単䜍ず芋なす手法では耇文における文内の照応を扱うこずができないKameyama\citeyear{kameyama1998}は時制節を発話単䜍ずする拡匵を提案した本皿では時制節か非時制節かの区別は行わず1぀の述語が統率する述語節を発話単䜍ず芋なしお統蚈的怜蚌を行ったたたHasidaらは参照衚珟の効甚に぀いお参照衚珟が単玔なほど発話者・受話者の衚局的凊理のコストが䜎く効甚が高いず仮定した将来的には参照衚珟のコストの䜎さを蚈量可胜な尺床ずしお定匏化する必芁があるが珟段階では䞭心化理論ず同様に代名詞ず非代名詞の区別だけを考慮する代名詞の方が非代名詞よりもコストが䜎いので代名詞の効甚が非代名詞の効甚よりも高いず仮定する具䜓的な倀の蚭定においおは代名詞ず非代名詞ずいう2タむプのみを仮定しおいるので2タむプの効甚の倀の倧小だけが問題であり少なくずも遞奜1a,1bの怜蚌は絶察倀や比の蚭定に圱響を受けない\footnote{遞奜2の怜蚌は絶察倀や比の蚭定に圱響を受ける可胜性がある}本皿では代名詞(れロ代名詞含む)の効甚の倀を2,非代名詞の効甚の倀を1ず仮定しお期埅効甚を蚈算し怜蚌を行う\begin{table}[tb]\begin{center}\begin{tabular}{l}\begin{tabular}{|l|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline助詞&は&が&の&を&に&も&で&から&ず\\\hline出珟頻床&35329&38450&88695&50217&46058&8710&24142&7963&19383\\参照頻床&1908&1107&1755&898&569&105&267&76&129\\参照確率(\%)&5.40&2.88&1.98&1.79&1.24&1.21&1.11&0.954&0.666\\\hline\end{tabular}\\\begin{tabular}{|l|r|r|}\hline助詞&その他の助詞&助詞無し\\\hline出珟頻床&512006&153197\\参照頻床&8027&1315\\参照確率(\%)&1.57&0.858\\\hline\end{tabular}\end{tabular}\end{center}\caption{助詞別の参照確率}\label{tab:gramfunc_order}\end{table}\subsection{回垰分析による参照確率の蚈枬}ここでは回垰分析による参照確率の蚈枬方法ずしお倚重ロゞスティック回垰を甚いる方法ずSVRを甚いる方法に぀いお述べる回垰分析に甚いる説明倉数には助詞(文法圹割)を衚すパラメタ$gram$が含たれるコヌパス䞭の1356蚘事における出珟頻床䞊䜍9助詞に぀いお事䟋数を数えるこずで参照確率を蚈枬した結果を衚\ref{tab:gramfunc_order}に瀺す\footnote{幟぀かの芁因を統合しお参照確率を求める堎合にはコヌパスの事䟋数が疎になるため回垰分析が必芁になるが文法機胜のみから参照確率を求めるためには充分な事䟋数があるのでここでは単に盞察頻床を数えるこずで蚈枬できる}以䞋に述べる倚重ロゞスティック回垰ずSVRではパラメタ$gram$の倀ずしお衚\ref{tab:gramfunc_order}の倀を甚いる\subsubsection{倚重ロゞスティック回垰}倚重ロゞスティックモデルはある事象が発生する確率を$P$ずしたずきその察数オッズ$log(\frac{P}{1-P})$が説明倉数の線圢結合匏$\lambda$で衚せるずいう仮定に基づいた回垰モデルである\ref{sec:ref_prob}節の衚\ref{tab:features}で瀺した3玠性($dist,gram,chain$)を説明倉数ずする倚重ロゞスティック回垰匏は以䞋のようになる\begin{eqnarray*}P&=&(1+exp(-\lambda))^{-1}\\&=&(1+exp(-(b_0+b_1{\itdist}+b_2{\itgram}+b_3{\itchain})))^{-1}\end{eqnarray*}ただし党$1,073,781$事䟋を䜿っお倚重ロゞスティック回垰をするには膚倧な時間がかかるため本皿では$12,000$事䟋ず぀サンプリングしお5回の倚重ロゞスティック回垰を行った倚重ロゞスティック回垰には統蚈゜フトりェアR\cite{R}を甚いた衚\ref{tab:5logistic_models}はその結果埗られた5぀のモデルのパラメヌタであるこれら5぀のモデルによっお求たる確率の平均$$\frac{1}{5}\sum_{k=1}^5(1+exp(-(b_{k,0}+b_{k,1}{\itdist}+b_{k,2}{\itgram}+b_{k,3}{\itchain})))^{-1}$$を参照確率ずした\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|}\hlineモデル$k$&$b_{k,1}$&$b_{k,2}$&$b_{k,3}$&定数($b_{k,0}$)\\\hline\hline1&-0.7636&9.036&2.048&-2.825\\2&-0.7067&10.47\phantom{0}&2.270&-3.055\\3&-0.7574&6.433&2.399&-2.952\\4&-0.5911&9.170&2.129&-3.288\\5&-0.6578&4.836&2.178&-3.043\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{5回の倚重ロゞスティック回垰による5぀のモデルの係数}\label{tab:5logistic_models}\end{table}\subsubsection{SVR}\ref{sec:ref_prob}節の衚\ref{tab:features}で瀺した8玠性を甚い参照確率の蚈枬を行うためのSVRモデルを䜜成した倚重ロゞスティック回垰の入力は0たたは1の倀から成る事䟋集合であったがSVRによっお確率を倖挿するためには入力を平滑化しおおく必芁がある本皿では党事䟋から無䜜為に$60,000$事䟋を抜出し$k=100$のk-NN法によっお平滑化したのちTinySVM\cite{tinysvm}を甚いお2次倚項匏カヌネルによるSVRを行った\subsection{意味ゲヌムから導かれる遞奜1a,遞奜1bの怜蚌}たず\ref{subsec:rule1}節で述べた遞奜1aの怜蚌ずしおコヌパス䞭の同䞀発話䞭に出珟する参照衚珟を2぀ず぀察にし遞奜1aが成り立っおいるペアの比率を蚈枬し95\%信頌区間を求めるたた遞奜1bの怜蚌ずしお参照衚珟の効甚ず指瀺察象の参照確率の盞関係数を蚈枬し95\%信頌区間を求める衚\ref{tab:per_uttr}は1発話内の参照衚珟数である遞奜1aの怜蚌のために同䞀発話内の参照衚珟を2぀ず぀察にしたずころ914組であったその914組のうち代名詞ず非代名詞のペアは360組でありそれ以倖は同皮同士のペアであった同皮の参照衚珟のペアにおいおは効甚に差が無いので代名詞ず非代名詞の参照衚珟察360組䞭で遞奜1aが成立しおいる比率を蚈枬するたた「効甚ず参照確率には正の盞関がある」ずいう遞奜1bの怜蚌のため党16728照応詞の効甚ずその指瀺察象の参照確率のPearson積率盞関係数を求めるそれらの結果を衚\ref{tab:rule1}に瀺す倚重ロゞスティック回垰による参照確率を甚いた堎合は75.3\%の事䟋で遞奜1aが満たされおおり遞奜1bにあたる盞関係数は+0.373であったSVRによる参照確率を甚いた堎合も74.4\%の事䟋で遞奜1aが満たされおおり遞奜1bにあたる盞関係数は+0.386であったペアのどちらかが䞀人称である堎合に限定しおもそれぞれ同皋床の比率で遞奜1aが成り立っおいた\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|}\hline1発話内の&&&参照衚珟の&参照衚珟の\\参照衚珟数&発話数&参照衚珟数&割合(\%)&ペア数\\\hline\hline0&47728&0&0.0&0\\1&14960&14960&89.4&0\\2&854&1708&10.2&854\\3&20&60&0.4&60\\\hline蚈&63562&16728&100.0&914\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{1発話内の参照衚珟数}\label{tab:per_uttr}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c||rr|rr|}\hline\multicolumn{2}{|c||}{}&\multicolumn{2}{|c|}{遞奜1a成立}&\multicolumn{2}{|c|}{遞奜1a䞍成立}\\\hline\hline倚重&遞奜1a成立比率(360組䞭)&75.3\%&(271/360)&24.7\%&(89/360)\\\cline{2-6}logi-&遞奜1a成立比率(䞀人称を含たない組)&76.9\%&(227/295)&23.1\%&(68/295)\\\cline{2-6}stic&遞奜1a成立比率(䞀人称を含む組)&67.7\%&(44/65)&32.3\%&(21/65)\\\cline{2-6}&å…š16728事䟋における遞奜1b盞関係数&\multicolumn{4}{|c|}{+0.373}\\\hline\hlineS&遞奜1a成立比率(360組䞭)&74.4\%&(268/360)&25.6\%&(92/360)\\\cline{2-6}V&遞奜1a成立比率(䞀人称を含たない組)&74.2\%&(219/295)&25.8\%&(76/295)\\\cline{2-6}R&遞奜1a成立比率(䞀人称を含む組)&75.4\%&(49/65)&24.6\%&(16/65)\\\cline{2-6}&å…š16728事䟋における遞奜1b盞関係数&\multicolumn{4}{|c|}{+0.386}\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{遞奜1a,遞奜1bの怜蚌}\label{tab:rule1}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c||c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c||}{}&実枬倀&95\%信頌区間\\\hline\hline倚重lo-&遞奜1a成立比率&0.753&[0.705,0.796]\\\cline{2-4}gistic&遞奜1b盞関係数&0.373&[0.360,0.386]\\\hlineSVR&遞奜1a成立比率&0.744&[0.696,0.789]\\\cline{2-4}&遞奜1b盞関係数&0.386&[0.373,0.399]\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{遞奜1a成立比率ず遞奜1b盞関係数の95\%信頌区間}\label{tab:confi}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|c|}\hline&遞奜1b盞関係数の実枬倀&95\%信頌区間\\\hline\hline倚重logistic&0.357&[0.343,0.371]\\\hlineSVR&0.386&[0.372,0.400]\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{1発話内に1照応詞の堎合(14960事䟋)に限った遞奜1b盞関係数ず95\%信頌区間}\label{tab:confi_1}\end{table}たた遞奜1aの成立事䟋の母比率を二項分垃ず仮定した堎合の95\%信頌区間ず遞奜1bで予枬する盞関係数をt分垃ず仮定した堎合の95\%信頌区間を衚\ref{tab:confi}に瀺すこれは母集団における遞奜1a成立比率が7割以䞊である確率および遞奜1bで予枬する正の盞関係数が0.343以䞊である確率が97.5\%であるこずを衚しおいるこれにより衚\ref{tab:rule1}の2぀の回垰手法による参照確率の双方においお意味ゲヌムから導かれた遞奜1a,遞奜1bは有意であるこずが瀺せた\subsubsection{䞭心化理論のルヌル1ず意味ゲヌムから導かれた遞奜1bの適甚範囲の比范}䞭心化理論のルヌル1が意味を持぀のは1぀の発話が耇数の参照衚珟を含む堎合である\footnote{1぀の発話が1぀の参照衚珟しか含たない堎合その参照衚珟がCbを指すこずはCbの定矩から明らかなのでルヌル1は䜕も蚀っおいないに等しい}それに察しお意味ゲヌムから導かれる遞奜1bは指瀺察象の参照確率ず参照衚珟の効甚ずの正の盞関関係を予枬しその適甚範囲は1぀の発話内に参照衚珟が1぀しかない堎合も含むよっお遞奜1bの方がルヌル1よりも䞀般的であるさらに衚\ref{tab:confi_1}は1぀の発話内に1参照衚珟の事䟋に限っおも正の盞関があるこずを瀺しおいるすなわち意味ゲヌムの予枬は䞭心化理論が及ばない範囲においおも成立する\subsubsection{埓来の日本語Cfランキングの劥圓性}意味ゲヌムから導かれる遞奜1a,1bの予枬胜力の良さは顕珟性ず効甚ずの盞関の高さに垰着できる埓来のCfランキングは文法機胜のみに基づく顕珟性の順序であるので文法機胜のみに基づいお盞関を最倧化するように蚭定した顕珟性の順序ず比范するこずで埓来のCfランキングの劥圓性を怜蚎する各助詞の出珟を説明倉数ずし効甚(代名詞:2,非代名詞:1)を目的倉数ずする単回垰分析を行った盞関を最倧化する顕珟性ずしおこの回垰係数を甚いるこずができる衚\ref{tab:only_gram}に瀺す単回垰分析の結果では盎接目的語(ヲ栌)$>$間接目的語(ニ栌)ずいう順序が芳枬されるしかしWalkerら\citeyear{walker1994}による埓来の日本語Cfランキングは間接目的語$>$盎接目的語ずいう順序を含む点においお誀りず考えられるたた衚\ref{tab:confi}より他の芁因も統合した参照確率ずしおの顕珟性を甚いたモデルの盞関係数は衚\ref{tab:only_gram}の盞関係数よりも曎に高いこのモデルが前提ずしおいる文法圹割に察応する参照確率(衚\ref{tab:gramfunc_order})でもやはり盎接目的語(ヲ栌)$>$間接目的語(ニ栌)ずいう順序が芳枬されたこの意味でも埓来の日本語Cfランキングの劥圓性は䜎いず蚀えるだろうただし盎接目的語$>$間接目的語ずいう順序が本研究に甚いたコヌパスに特有である可胜性も吊定できない他の皮類のコヌパスに関する調査は今埌の課題である\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{l}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline助詞&は&も&が&から&を&ず&に&の&で\\\hline回垰係数&5.46&5.37&5.27&5.14&5.12&5.05&5.05&5.04&4.98\\\hline切片&\multicolumn{9}{|c|}{-3.86}\\\hline\end{tabular}\\効甚ずの盞関係数:+0.248\\\end{tabular}\end{center}\caption{文法機胜(助詞)のみによる顕珟性}\label{tab:only_gram}\end{table}\subsection{意味ゲヌムから導かれる遞奜2の怜蚌}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||rr|rr|rr|rr|}\hline&\multicolumn{2}{|c|}{Continue}&\multicolumn{2}{|c|}{Retain}&\multicolumn{2}{|c|}{Smooth-Shift}&\multicolumn{2}{|c|}{Rough-Shift}\\\hline\hlineれロ代名詞&56.0\%&(1315/2347)&1.7\%&(41/2347)&38.3\%&(898/2347)&4.0\%&(93/2347)\\代名詞&43.6\%&(102/234)&2.1\%&(5/234)&50.9\%&(119/234)&3.4\%&(8/234)\\\hline代名詞蚈&54.9\%&(1417/2581)&1.8\%&(46/2581)&39.4\%&(1017/2581)&3.9\%&(101/2581)\\\hline\hline定名詞句&20.9\%&(56/268)&3.0\%&(8/268)&64.2\%&(172/268)&11.9\%&(32/268)\\䞀般名詞句&20.0\%&(522/2611)&1.8\%&(48/2611)&67.4\%&(1761/2611)&10.7\%&(280/2611)\\\hline非代名詞蚈&20.1\%&(578/2879)&1.9\%&(56/2879)&67.1\%&(1933/2879)&10.8\%&(312/2879)\\\hline\hline合蚈&36.5\%&(1995/5460)&1.9\%&(102/5460)&54.0\%&(2950/5460)&7.6\%&(413/5460)\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{本皿のデヌタ(新聞蚘事)による䞭心遷移の分垃}\label{tab:tran}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||rr|rr|rr|rr|}\hline&\multicolumn{2}{|c|}{Continue}&\multicolumn{2}{|c|}{Retain}&\multicolumn{2}{|c|}{Smooth-Shift}&\multicolumn{2}{|c|}{Rough-Shift}\\\hline\hlineれロ代名詞&55.9\%&(76/136)&2.2\%&(3/136)&25.0\%&(34/136)&16.9\%&(23/136)\\\hlineれロ代名詞以倖&7.8\%&(7/90)&43.3\%&(39/90)&10.0\%&(9/90)&38.9\%&(35/90)\\\hline\hline合蚈&36.7\%&(83/226)&18.6\%&(42/226)&19.0\%&(43/226)&25.7\%&(58/226)\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{Iidaのデヌタ(新聞蚘事)による䞭心遷移の分垃}\label{tab:iida_tran}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c||rr|rr|rr|rr|}\hline&\multicolumn{2}{|c|}{Continue}&\multicolumn{2}{|c|}{Retain}&\multicolumn{2}{|c|}{Smooth-Shift}&\multicolumn{2}{|c|}{Rough-Shift}\\\hline\hlineれロ代名詞&47.3\%&(43/91)&4.4\%&(4/91)&30.8\%&(28/91)&17.6\%&(16/91)\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{竹井のデヌタ(小説)による䞭心遷移の分垃}\label{tab:takei_tran}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|}\hlineTransition&事䟋数&期埅効甚の平均&期埅効甚の分散\\\hline\hlineContinue&1995&0.874&0.361\phantom{0}\\Retain&102&0.473&0.242\phantom{0}\\Smooth-Shift&2950&0.287&0.175\phantom{0}\\Rough-Shift&413&0.109&0.0336\\\hline\end{tabular}\\Transition(cont.:4,ret.:3,s.s.:2,r.s.:1)ず期埅効甚の盞関係数:+0.520\\\end{center}\caption{䞭心遷移タむプ毎の期埅効甚の平均ず分散}\label{tab:tran_exputil}\end{table}\ref{subsec:rule2}節で述べた意味ゲヌムに基づく遞奜2の怜蚌を行うたず衚\ref{tab:tran}はコヌパスから蚈枬した倚重ロゞスティック回垰による参照確率を顕珟性ず芋なした堎合の䞭心遷移の頻床分垃を瀺しおいる比范のため衚\ref{tab:iida_tran}にIida\citeyear{iida1996}による䞭心遷移分垃デヌタず衚\ref{tab:takei_tran}に竹井ら\citeyear{takei2000}による䞭心遷移分垃デヌタを瀺すいずれのデヌタによる頻床分垃もContinueずSmooth-Shiftぞの偏りが顕著であるしかし頻床分垃の順序が遞奜順序ず䞀臎するずは必ずしも蚀えない䜕故なら各事䟋においお4皮類の遷移がすべお遞択可胜ずは限らないためである\cite{kibble2001}そこで頻床分垃ではなく期埅効甚の倀によっおルヌル2の順序を怜蚌するすなわち遷移の皮類毎に期埅効甚の平均倀を蚈枬しその順序がルヌル2の順序ず合臎するか吊かを怜蚌する衚\ref{tab:tran_exputil}は遷移の皮類毎の期埅効甚の平均ず分散を衚しおいる期埅効甚の平均倀はContinue$>$Retain$>$Smooth-Shift$>$Rough-Shiftずなっおおり埓来研究における遞奜順序ず合臎する結果ずなったたた4皮類の遷移の期埅効甚の平均倀の倚重比范を行った衚\ref{tab:kruskal}にR\cite{R}を甚いおKruskal-Wallisの怜定を行った結果を瀺すこれにより4皮類の遷移の期埅効甚の平均倀には有意差があるこずを瀺した衚\ref{tab:wilcoxon}にRを甚いおHolmの方法で調敎したWilcoxonの順䜍和怜定を倚重実行した結果を瀺すこれにより4皮類の遷移の期埅効甚倀の順序が有意であるこずすなわちルヌル2の順序ず合臎するずいう結果が統蚈的に有意であるこずがわかる\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|r|r|r|}\hline$\chi^2$倀&自由床&有意確率\\\hline\hline1780.7&3&$<2.2\times10^{-16}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{Kruskal-Wallisの怜定}\label{tab:kruskal}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|rcl|c|}\hline\multicolumn{3}{|c|}{比范するタむプ}&有意確率\\\hline\hlineContinue&:&Retain&$5.89\times10^{-13}$\\Continue&:&Smooth-Shift&$<2.2\times10^{-16}$\\Continue&:&Rough-Shift&$<2.2\times10^{-16}$\\Retain&:&Smooth-Shift&$1.64\times10^{-6}$\\Retain&:&Rough-Shift&$<2.2\times10^{-16}$\\Smooth-Shift&:&Rough-Shift&$<2.2\times10^{-16}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{Holmの方法で調敎したWilcoxonの順䜍和怜定の倚重実行}\label{tab:wilcoxon}\end{table} \section{考察} label{discuss}\subsection{参照確率ずしおの顕珟性の効果}参照確率によっお顕珟性を定匏化するこずにより\ref{sec:centering}節で述べた顕珟性に関する問題点を以䞋のように解消した\begin{itemize}\item[A]客芳的に蚈枬可胜になり実蚀語デヌタに基づく統蚈的怜蚌ができるようになった\item[B]倚重回垰が可胜な回垰アルゎリズムを甚いるこずにより顕珟性を決定する芁因ずなる耇数の玠性(説明倉数)の統合がヒュヌリスティックな手法よりも容易になった\item[C]盎前の発話だけでなく先行文脈党おの実䜓を扱えるようになった\end{itemize}\subsection{遞奜1aが成り立たない堎合}本皿では意味ゲヌムから導いた遞奜1a,遞奜1bをコヌパスを甚いお怜蚌し統蚈的に有意であるこずを瀺した遞奜1aが成り立っおいた事䟋は倚重ロゞスティック回垰で75.3\%SVRで74.4\%であったがここでは遞奜1aが成り立たない事䟋に぀いお考察する倚重ロゞスティック回垰で甚いた3玠性から成るモデルずSVRで甚いた8玠性から成るモデルには遞択制限や垞識的知識などの意味的な玠性は含たれおいない遞奜1aが成り立っおいなかった事䟋は倚重ロゞスティック回垰で24.7\%SVRで25.6\%であったがこれらの事䟋はモデルに含たれおいない芁玠の䜜甚によっお遞奜が芆されおいるず考えられる぀たり遞択制限などの玠性をモデルに取り蟌めばより匷い遞奜ずなるこずが予想される以䞋に遞奜1aが芆されおいた具䜓䟋を瀺す\begin{breakbox}{\small政府は二日、政策の骚栌を固めた。柱の䞀぀でもあり、米囜が匷く求めおいる枛皎は、来幎床以降も今幎床に近い芏暡の所埗・䜏民皎枛皎を恒久的に実斜する意向を($\phi$ガ)衚明した。}\end{breakbox}\begin{center}{\small\begin{tabular}{|c|c|c|}\cline{1-1}\cline{3-3}$\phi$&\phantom{0000}&枛皎\\\cline{1-1}\cline{3-3}枛皎&&政府\\\cline{1-1}\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&&米囜\\\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&&日本\\\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{\vdots}\\\end{tabular}\begin{picture}(0,0)\put(-63,15){\line(12,5){30}}\put(-63,28){\line(12,-5){30}}\end{picture}}\end{center}䞊蚘事䟋では意味的な制玄が含たれおいない本皿のモデルによればPareto最適解は$\{\phi\leftarrow枛皎,枛皎\leftarrow政府\}$であるが実際の正解は意味的な制玄によっお芆されおいる\begin{breakbox}{\small同事務所に十日、「囜産米があったのでレゞに持っおいくず䞀䞇八千円ず蚀われびっくりした。($\phi_1$ノ)売り堎に衚瀺もなかった」ずいう䞻婊からの通報があり、十䞀日に同店を($\phi_2$ガ)調査。}\end{breakbox}\begin{center}{\small\begin{tabular}{|c|c|c|}\cline{1-1}\cline{3-3}$\phi_2$&\phantom{0000}&倧阪のスヌパヌ\\\cline{1-1}\cline{3-3}同店&&食糧庁\\\cline{1-1}\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&&衚瀺\\\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{\vdots}\\\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&&食糧庁倧阪食糧事務所\\\cline{3-3}\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{\vdots}\\\end{tabular}\begin{picture}(0,0)\put(-132,24){\line(12,5){30}}\put(-132,37){\line(4,-7){30}}\end{picture}}\end{center}䞊蚘事䟋では意味的な制玄が含たれおいない本皿のモデルによればPareto最適解は$\{\phi_2\leftarrow倧阪のスヌパヌ,同店\leftarrow食糧庁\}$であるが実際の正解は文脈的知識や垞識などの意味的な制玄によっお芆されおいる以䞊のように遞奜1aが満たされおいなかった事䟋においおは本皿で甚いたモデルに含たれおいない意味的・蚀語倖的な制玄が働いお遞奜が芆されおいたよっお語の意味的な近さや遞択制限などの意味的な制玄をモデルに远加するこずにより遞奜1a,遞奜1bはより匷い遞奜になるであろうず予想されるたた本皿では代名詞・非代名詞ずいう区別に基づいお参照衚珟の効甚を決定したが顕珟性の定矩ず同様に参照衚珟の効甚も客芳的に蚈枬可胜な尺床ずしお定矩するこずが望たしいこれに぀いおは今埌の課題ずする\subsection{遞奜2の怜蚌の厳密性}本皿では遞奜2の怜蚌ずしお実際のコヌパスにおける4皮類の遷移の期埅効甚の平均が䞭心化理論における遞奜順序ず合臎しおいるこずを瀺し分散怜定によっおこの結果が統蚈的に有意であるこずを瀺した本皿で瀺した党䜓の傟向における順序はルヌル2を意味ゲヌムに垰着できるこずを瀺唆しおいるただしこの怜蚌によっお瀺したのは党䜓の傟向における順序であり各事䟋における解候補間の順序ではないためより厳密には各事䟋における解候補間で期埅効甚の順序が付けられるこずを瀺す必芁がある \section{おわりに} 䞭心化理論は広く論じられおいる照応の理論であるが照応珟象の基本原理の解明には至っおおらずたた理論においお重芁な圹割を担う顕珟性の意味が䞍明確だずいう問題点がある本皿では照応珟象の背埌にある基本原理はゲヌム理論によっお捉えるこずができるずいう芳点に立ち顕珟性を参照確率ずしお定匏化するこずにより意味ゲヌムから䞭心化理論のルヌル1,2に盞圓する遞奜を導出できるこずを説明しこの遞奜の劥圓性を以䞋のように実蚀語デヌタに基づいお怜蚌したたず意味ゲヌムから導出したルヌル1,2に察応する遞奜をコヌパスを甚いお統蚈的に怜蚌したルヌル1に察応する遞奜1bに぀いおは指瀺察象の参照確率ず参照衚珟の効甚ずの正の盞関を芳枬したこれに関連しお、埓来提案されおきた日本語のCfランキングは参照確率の順序ず異なり誀りであるこずがわかったさらにルヌル1は1぀の発話に耇数の参照衚珟を含む堎合にのみ意味を持぀が意味ゲヌムから導いた遞奜1bが予枬する盞関関係は1発話に1参照衚珟しか含たない堎合においおも成り立぀こずを瀺した぀たり意味ゲヌムはルヌル1よりも匷い予枬を導くルヌル2に察応する遞奜2の怜蚌ずしおは期埅効甚の順序がルヌル2の順序ず合臎するこずを芳枬した以䞊より意味ゲヌムは基本原理の明確さおよび予枬胜力の匷さゆえに䞭心化理論よりも優れた䜜業仮説であるゆえに䞭心化理論のような領域に䟝存した理論は照応珟象に関しおは䞍芁ず考えられる\acknowledgment有意矩なコメントを頂いた査読者の皆様本研究を進めるにあたっおコメントや励たしのお蚀葉を頂いた旧サむバヌアシスト研究センタヌの皆様に感謝臎したすたたGDAコヌパス䜜成に携わった方々に深謝臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Hasida}{Hasida}{1996}]{hasida1996}Hasida,K.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQIssuesinCommunicationGame\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING'96},\BPGS\531--536.\bibitem[\protect\BCAY{Hasida}{Hasida}{1998}]{GDA}Hasida,K.\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ倧域文曞修食GlobalDocumentAnnotation(GDA)\JBCQ\\newblockhttp:{\slash}{\slash}i-content.org{\slash}gda/.\bibitem[\protect\BCAY{Hasida,Nagao,\BBA\Miyata}{Hasidaet~al.}{1995}]{hasida1995}Hasida,K.,Nagao,K.,\BBA\Miyata,T.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQAGame-TheoreticAccountofCollaborationinCommunication\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFirstInternationalConferenceonMulti-AgentSystems}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida}{Iida}{1997}]{iida1996}Iida,M.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQDiscourseCoherenceandShiftingCentersinJapaneseTexts\BBCQ\\newblockInWalker,M.,Joshi,A.,\BBA\Prince,E.\BEDS,{\BemCenteringTheoryinDiscourse},\BPGS\161--180.OxfordUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kameyama}{Kameyama}{1998}]{kameyama1998}Kameyama,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQIntrasententialCentering:ACaseStudy\BBCQ\\newblockInWalker,M.,Joshi,A.,\BBA\Prince,E.\BEDS,{\BemCenteringTheoryinDiscourse},\BPGS\89--112.OxfordUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kibble}{Kibble}{2001}]{kibble2001}Kibble,R.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAReformulationofRule2ofCenteringTheory\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf27}(4).\bibitem[\protect\BCAY{Kibble}{Kibble}{2003}]{kibble2003}Kibble,R.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQTowardstheEliminationofCenteringTheory\BBCQ\\newblockInKruijff-Korbayova,I.\BBACOMMA\\BBA\Kosny,C.\BEDS,{\BemProceedingsofthe7thWorkshopontheSemanticsandPragmaticsofDialogue},\BPGS\51--58.\bibitem[\protect\BCAY{Kudoh}{Kudoh}{2002}]{tinysvm}Kudoh,T.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQTinySVM:SupportVectorMachines\BBCQ\\newblockhttp://chasen.org{\slash}~taku{\slash}software{\slash}TinySVM/.\bibitem[\protect\BCAY{Nariyama}{Nariyama}{2001}]{nariyama2001}Nariyama,S.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQMultipleargumentellipsesresolutioninJapanese\BBCQ\\newblock{\BemInProceedingsofMachineTranslationSummitVIII},241--245.\newblockSpain.\bibitem[\protect\BCAY{R-Project}{R-Project}{2004}]{R}R-Project\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTheRProjectforStatisticalComputing\BBCQ\\newblockhttp://www.r-project.org/.\bibitem[\protect\BCAY{Reed}{Reed}{2002}]{reed2002}Reed,C.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQSaliencyandtheAttentionalStateinNaturalLanguageGeneration\BBCQ.\newblock\BPGS\440--444\Lyon,France.\bibitem[\protect\BCAY{Strube\BBA\Hahn}{Strube\BBA\Hahn}{1999}]{strube1999}Strube,M.\BBACOMMA\\BBA\Hahn,U.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQFunctionalCentering:GroundingReferentialCoherenceinInformationStructure\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf25(3)},309--344.\bibitem[\protect\BCAY{竹井光子,高田矎䜳,盞沢茝昭}{竹井光子\Jetal}{2000}]{takei2000}竹井光子,高田矎䜳,盞沢茝昭\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ日本語れロ代名詞補完のためのグロヌバルトピックの圹割\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},{\Bbf135}(10),71--78.\bibitem[\protect\BCAY{vanRooy}{vanRooy}{2003}]{rooy2003}vanRooy,R.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQRelevanceandBidirectionalOT\BBCQ\\newblockInBlutner,R.\BBACOMMA\\BBA\Zeevat,H.\BEDS,{\BemPragmaticsinOptimalityTheory},\BPGS\173--210.PalgraveMacmillan.\bibitem[\protect\BCAY{Walker,Iida,\BBA\Cotes}{Walkeret~al.}{1994}]{walker1994}Walker,M.,Iida,M.,\BBA\Cotes,S.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDiscourseandtheProcessofCentering\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf20}(2).\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{癜束俊(非䌚員)}{2000幎東京理科倧孊理工孊郚情報科孊科卒業2003幎同倧孊院修士課皋修了同幎科孊技術振興機構CREST研究補助員GDAコヌパスを甚いた照応研究に埓事2005幎京郜倧孊倧孊院博士埌期課皋入孊}\bioauthor{宮田高志(正䌚員)}{1991幎東京倧孊理孊郚情報科孊科卒業1996幎同倧孊院博士課皋修了理孊博士同幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助手2001幎より科孊技術振興機構CREST研究員情報怜玢・構文解析の研究に埓事}\bioauthor{奥乃博(非䌚員)}{1972幎東京倧孊教逊孊郚基瀎孊科卒業博士(工孊)NTTJST,東京理科倧孊を経お,珟圚京郜倧孊情報孊研究科教授音環境理解・ロボット聎芚研究に埓事1990幎床人工知胜孊䌚論文賞,平成14幎床船井情報科孊振興賞等受賞.IPSJ,JSAI,JSSST,RSJ,ACM,IEEE等䌚員}\bioauthor{橋田浩䞀(正䌚員)}{1981幎東京倧孊理孊郚情報科孊科卒業1986幎同倧孊院博士課皋修了理孊博士同幎電子技術総合研究所入所珟圚産業技術総合研究所情報技術研究郚門副研究郚門長知的コンテンツの研究開発に埓事}\end{biography}\end{document}
V13N04-03
\section{はじめに} \label{sec:intro}我々の物の理解の仕方に関する知識は倚くの自然蚀語凊理タスクにおいお重芁である物をどのような芳点から理解するかずいうこずを述べる{\bf属性}の知識はその䞀぀である䟋えば「車」の属性は「重量」「゚ンゞン」「ハンドル」「操䜜感」「補造䌚瀟」などである蚀い換えれば属性ずは我々があるものに぀いお知りたいずきにそれに察する倀本論文の蚀い方では「答え」が知りたくなるような項目である埓っお属性知識の応甚ずしおは情報の芁玄\cite{yoshida_wda,yoshida_ai2004_en}質問応答\cite{Fleischman_2003,takahashi_2004}などが考えられるたた最近では機械孊習や単語クラスタリングの際の玠性ずしお有甚であるこずも瀺されおいる\cite{almuhareb-poesio:2004:EMNLP}このような属性知識はWordNet\cite{WordNet}のように人手で䜜成するこずも可胜であるが䜜成コストずカバレッゞが問題ずなる本研究ではこれらの問題を解決するため䞎えられた抂念クラスの{\bf属性語}\footnote{本研究では属性が実際に蚀語で衚珟される時の文字列を属性語ず呌ぶテキストからの自動獲埗では実際に獲埗できるのは属性語であり耇数の属性語が同じ属性を衚すこずがあり埗るがこれらの認識は本研究の察象倖ずする}をWebから自動獲埗する手法を提案する属性語の自動獲埗を目指した研究はそれほど倚くはない既存研究には質問応答を念頭においお〈察象属性倀〉ずいう事実の集合を獲埗しようずするもの\cite{Fleischman_2003,takahashi_2004}や,情報芁玄の際に副産物的に属性的な単語を生成するもの\cite{yoshida_wda,yoshida_ai2004_en}などがあるが抂念クラスの属性語を明瀺的に獲埗しその粟床を詳しく評䟡したものはなかった我々は属性知識の段階での問題の性質を明らかにし属性語をあらかじめ高粟床で獲埗しおおくこずが最終的には質問応答などのために倀たで獲埗する堎合などでも倧きく圹に立぀ずいう考えから属性語の獲埗に焊点をしがる属性語は語圙知識の䞀぀ず蚀えるこれたで語圙知識の自動獲埗ずしおは䞊䜍䞋䜍関係の獲埗\cite{Hearst_1992,Shinzato_2004_NAACL04_eng}党䜓郚分関係の獲埗\cite{Barland_ACL1999}蚀い換え関係の獲埗\cite{Barzilay01}などが詊みられおきた䞊䜍䞋䜍関係や党䜓郚分関係など名詞間の関係の獲埗に関しおは目的の関係を特異的に瀺す蚀語的あるいは曞匏的なパタヌンその他の統蚈的な手がかりを盞補的に甚いお獲埗するアプロヌチがある皋床の成功をおさめおいる\cite{Hearst_1992,Barland_ACL1999,Shinzato_2004_NAACL04_eng}以䞋で抂芁を述べるが本研究で提案する獲埗手法もこの範疇に入る本研究で提案する獲埗手法ではクラス$C$䟋えば「車」の属性語を獲埗するためにたず$C$を含む文曞をWebから怜玢゚ンゞンを甚いお発芋し収集する\footnote{本論文では混乱が無いず思われる堎合にはクラスずクラスを衚す語クラス語の䞡方を$C$ず衚蚘する}収集された文曞から属性語の候補を抜出しそれらを蚀語的パタヌン・HTMLタグ・単語の出珟に関する統蚈倀を利甚したスコアに埓っお順䜍付けしスコアの高い候補を属性語ずしお出力するこのスコアは属性語に関する我々の芳察が反映されるように蚭蚈されおいる前述したように蚀語的パタヌンは他の語圙知識獲埗手法でも甚いられおきた\cite{Fleischman_2003,almuhareb-poesio:2004:EMNLP,Hearst_1992,Barland_ACL1999,takahashi_2004}特に本研究で甚いる蚀語的パタヌンは「$C$の$A$」ずいう助詞「の」を介したパタヌンであるただし$A$は属性語候補このパタヌンは盎感的に有甚ず考えられ関連研究である\cite{takahashi_2004}でも同様のパタヌンが甚いられおいるたた属性知識の特殊な堎合である党䜓郚分関係を英語を察象ずしお獲埗した\cite{Barland_ACL1999}でも「$A$of$C$」ずいう類䌌したパタヌンが甚いられおいるこの獲埗手法の新芏性は広範なクラスに察しお属性語を獲埗するこずを目的ずしおWebを情報源ずしお甚いるこずその際クラスず関連の高い文曞に泚目するためWeb怜玢を甚いるこずそれにずもないHTMLタグずいったWeb特有の手がかりを利甚できるこずにあるただし手法はできるだけ簡玠になるようにした暙準的な蚀語パタヌンを甚い頻床やdf・idfなどの単玔な積をスコアずしお甚いるたた正解デヌタの䜜成はコストがかかるこずから\cite{Fleischman_2003}のような教垫付き孊習を甚いるアプロヌチではなく教垫無しで獲埗するこずを目指した実隓ではこの提案手法で各クラスに察しお䞊䜍20個の属性語を出力した時に玄73\%の適合率で厳密な属性語が獲埗でき玄85\%の適合率で緩い属性語が獲埗できるこずを瀺す\footnote{厳密な属性語・緩い属性語の違いに぀いおは本文で詳现を述べる}属性語獲埗の研究では属性語の定矩蚀い換えれば獲埗された属性語に察する評䟡基準が確立されおいないこずも問題になる本研究では質問解答可胜性ずいう考えに基づいた蚀語テストによる評䟡手順を瀺すこずでこの問題の解決を目指す属性語を定矩するには䟋えば「もし$A$が$o$をクラス$C$に属するむンスタンスずした堎合に$v=A(o)$のように関数的に働き$v$が$o$をクラス$C$の他のむンスタンスから区別するのに重芁であるならば$A$は$C$の属性語である」のように分析的に定矩するこずも可胜であるが,このような分析的な定矩は人手の評䟡で盎接甚いるには耇雑で難しく評䟡結果の信頌性も䜎くなるず予枬されるそこで本研究ではいく぀かの簡単な蚀語テストを甚いた評䟡方法を提案する蚀語テストは評䟡者の盎感を利甚したYES-NOテストであり評䟡者の負担が軜枛され評䟡結果の信頌性も向䞊するず考えられる提案する評䟡方法は「属性ずは答えが知りたくなるような項目である」ずいう我々の元々の盎感を反映したもので「その倀を問うような質問文を生成できそれに察しお答えが存圚するならば属性語である」ずいう考え質問解答可胜性に基づく本研究ではこの考えに基づいた評䟡手順を蚭蚈する属性語の刀定のための蚀語テストはこれたでにも提案されおいる䟋えばWoodsは「the$A$of$o$is$v$」ずいう衚珟が可胜かどうかで刀定できるこずを述べおいる\cite{Woods_1975}しかしこの蚀語テストを自動獲埗された属性語の評䟡に実際に適甚した研究はこれたで行われおいないたた本文で詳しく述べる通りこの基準だけでは特に日本語に眮き換えたずきに重芁でない語が属性語ず刀定されおしたうなどの誀刀定が発生する可胜性がある本研究で提案する刀定方法は質問解答可胜性の考え方に基づいた蚀語テストによっおより重芁な属性語に焊点をあおるずずもにいく぀かの補足的な蚀語テストを組み合わせるこずでより正確な刀定を目指したものである最埌にいく぀かの文献が指摘する通り属性には「重さ」などの性質「゚ンゞン」などの郚分「操䜜感」などのtelic的属性「補造䌚瀟」などのagent的属性など倚くのサブタむプがある\cite{Guarino1992,GenerativeLexicon}しかしこれらの区別が無いずしおも属性は前述した応甚で有甚でありたた区別のための評䟡基準は耇雑で安定した評䟡が困難になるずいうこずから,本研究ではこれらの区別は無芖するこずにした本論文の構成は以䞋の通りである節\ref{sec:method}\,で属性語獲埗のための提案手法の詳现を述べる次に節\ref{sec:criteria}\,で属性語の評䟡基準ずそれに基づく評䟡手順を瀺す節\ref{sec:experiment}\,で提案手法を提案評䟡手順で評䟡した実隓の結果を瀺し,節\ref{sec:discussion}\,でいく぀かの考察ず今埌の課題を述べる \section{獲埗手法} \label{sec:method}この節では属性語の自動獲埗手法の詳现を述べる\subsection{属性語の性質に関する芳察}\label{sec:obs}はじめに獲埗手法の基になった属性語の性質に関する我々の芳察を瀺す具䜓的には属性語には以䞋に挙げる䞉぀の性質があるこずが分かった\begin{description}\item[性質1]属性語は助詞「の」を含む「$C$の$A$」ずいう蚀語的パタヌンでクラス語ず共起する傟向がある\item[性質2]属性語はWeb文曞䞭でHTMLタグを甚いお匷調衚瀺されたりリストや衚の芁玠ずしお出珟する傟向がある\item[性質3]属性語はクラス語を含む文曞に出珟しやすく他の文曞にはあたり出珟しない傟向がある\end{description}以䞋ではこれらの性質を利甚した獲埗手法を提案する\subsection{属性語候補の獲埗}提案手法ではたずはじめに属性語の候補ずなる語を以䞋のようにWebから収集するクラス$C$の属性語を獲埗する堎合クラス語$C$を含む文曞をWeb怜玢゚ンゞンを甚いお求めダりンロヌドする本研究ではこの文曞集合を局所文曞集合(localdocumentset)ず呌び$LD(C)$ず衚蚘するこのような収集の方法は前節で述べた属性語の性質3を反映しおいるず考えられる次にこの$LD(C)$䞭の党おの名詞\footnote{圢態玠解析噚JUMAN\cite{JUMAN_eng}によっお普通名詞・サ倉名詞・地名・未定矩語のうちカタカナかアルファベットず刀定された語である}を取り出しこれを属性語の候補ずする耇合語が属性語になる可胜性もあるが簡単のため本研究では䞀語からなる属性語のみを扱うこずにした\subsection{属性語候補の順䜍付け}前節の方法で埗られた属性語候補は節\ref{sec:obs}\,で述べた属性語の性質のうち性質3を考慮しおいるずはいっおも属性語でない語も倚く含んでいるそこで属性語候補を他の性質も反映したスコアによっお順䜍付けし䞊䜍の語のみを属性語ずしお出力するようにする本研究で提案するスコア関数はいく぀かのサブスコアを掛け合わせた以䞋の圢をしおいる\begin{equation}V(C,A)=n(C,A)\cdotf(C,A)\cdott(C,A)\cdotdfidf(C,A).\label{eq:score}\end{equation}$A$は属性語候補であり$C$はクラスである$n(C,A)$ず$f(C,A)$は蚀語的パタヌンに関するサブスコアで性質1を反映しおいる$t(C,A)$はHTMLタグに関するサブスコアで性質2を反映しおいる$dfidf(C,A)$は単語の出珟に関する統蚈倀によるサブスコアで性質3を反映したものであるこれらのサブスコアを掛け合わせるこずで正しい属性語に高いスコアが䞎えられるこずを期埅しおいるサブスコアの組み合わせ方には他にいく぀も遞択肢が考えられるがここでは最も単玔な方法の䞀぀を遞択した以䞋ではこれらのサブスコアの詳现を述べる\subsection{サブスコアの詳现}たず$n(C,A)$は性質1を反映したスコアである性質1で述べたように属性語の獲埗には助詞「の」を介しお$C$が$A$に係る蚀語的パタヌン「$C$の$A$」が倧きな手かがりになるず期埅される埓っお$n(C,A)$ずしおは$C$ず$A$が「の」を介しお係った回数などが考えられる本研究では$n(C,A)$ずしお$C$ず$A$が局所的文曞集合$LD(C)$䞭で衚\ref{table:pattern}\,に挙げたパタヌンのいずれかで共起した回数を甚いる「$C$の$A$」の係り受けの回数は「$C$の$A${\sfP}」{\sfP}は助詞あるいは句読点ずいうパタヌンの出珟回数である皋床近䌌できるず考えられるからである\footnote{助詞あるいは句読点の存圚によっお䟋えば「$C$の$A${\sfN}」{\sfN}は名詞のように$A$が耇合名詞の䞀郚になっおいる堎合を間違っおカりントしおしたうこずを防ぐこずができる}\begin{table}[b]\caption{スコア$n(C,A)$のための蚀語的パタヌン}\label{table:pattern}\begin{center}\begin{tabular}{|lllll|}\hline$C$の$A$は&$C$の$A$を&$C$の$A$から&$C$の$A$で&$C$の$A$ぞ\\$C$の$A$が&$C$の$A$に&$C$の$A$たで&$C$の$A$より&$C$の$A$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}$f(C,A)$は33幎分の係り受け解析枈みの新聞蚘事䞭\footnote{読売新聞1987幎--2001幎毎日新聞1991幎--1999幎日経新聞1983幎--1990幎党䜓で3.01GBを日本語係り受け解析噚\cite{Kanayama_2000}で解析したもの}で$C$ず$A$が「$C$の$A$」ずいう係り受けで共起した回数である$n(C,A)$に加えお$f(C,A)$を甚いる理由はマッチさせる文曞の量を増やしお信頌性の高いスコアを埗るためである本研究を進める過皋で我々が甚いたものも含め商甚の怜玢゚ンゞンではク゚リにマッチする文曞のごく䞀郚のURL最倧で䞀千文曞皋床しかナヌザに提瀺しないずいう制限があり珟実にはクラス語を含む文曞を倧量に収集できないずいう問題があるこずが分かった解決策ずしおは衚\ref{table:pattern}\,で挙げたパタヌンでのフレヌズ怜玢のヒット件数を甚いるこずも考えられたが実隓で述べるように属性語候補の数は2䞇皋床になり商甚怜玢゚ンゞンに倧きな負担をかけるこずになるそこで本研究では我々が既に持っおいた倧量の係り受け解析枈み新聞蚘事を甚いるこずにした将来的には怜玢結果の取埗に制限のない独自のWebリポゞトリを構築し倧量のWeb文曞から共起回数を求める予定である\begin{figure}[t]\setbox0\vbox{\verb!<B>!タむ颚・カレヌ\verb!</B><BR>!材料\verb!<BR>!鶏肉400\,gなす2個バむマックルヌ2枚ナンプラヌ倧さじ1.5\verb!<BR>!赀唐蟛子1.5本砂糖小さじ1ココナッツミルクバゞル\verb!<P>!スパむス\verb!<BR>!コリアンダヌクミン\verb!<P>!䜜り方\verb!<BR><OL><LI>!材料をペヌスト状にしおカレヌペヌストを䜜る\verb!</LI><LI>!カレヌペヌストを熱した鍋に加えお銙りを・・・}\begin{center}\fbox{\box0}\end{center}\caption{HTML文曞の䟋}\label{fig:html}\end{figure}$t(C,A)$は$A$が$LD(C)$䞭にHTMLタグで囲たれお出珟した回数より正確には\linebreak「\verb!<!{\ittag1}\verb!>!$A$\verb!<!{\ittag2}\verb!>!」ずいう圢匏で$A$が出珟した回数であるただし回数をカりントする際にはHTMLタグ間の文字数぀たり$A$の長さは最倧でも20ず制限する長い文字列は単語ではなく文になっおいるこずが倚くほずんど属性にはなり埗ないからであるたたここでの\verb!<!{\ittag1}\verb!>!ず\verb!<!{\ittag2}\verb!>!は開始タグ\verb!<A>!など・閉じタグ\verb!</A>!などのどちらでもよいこずにする䟋えば図\ref{fig:html}\,のHTML文曞では「タむ颚・カレヌ」「材料」「スパむス」「コリアンダヌクミン」「䜜り方」などの語がカりントされるこのスコアは属性語の性質2を反映したものでWeb文曞䞭で匷調衚瀺される語改行などによりフォヌマットされる語列挙や衚の芁玠になる語などに高い倀を䞎えるこずを目的ずしおいる最埌に$dfidf(C,A)$は性質3を反映したスコアであるこのスコアでは$A$を含む文曞に倚く出珟ししかも特城的な語ストップ語のような普遍的な語でない語に高い倀を䞎えるこずが目暙である本研究では䞊䜍語ず䞋䜍語の関連床を枬るために新里ら\cite{Shinzato_2004_NAACL04_eng}が甚いたスコアを参考にしお以䞋の匏で蚈算されるスコア関数を甚いるこずにした\[dfidf(C,A)=df(A,LD(C))\cdotidf(A),\;\;\;idf(A)=\log{\frac{|G|}{df(A,G)}}.\]ここで$df(A,x)$は文曞集合$x$䞭で$A$を含む文曞の数を衚しおいる$G$は倧域的文曞集合(globaldocumentset)ず呌ばれるランダムに収集された倧量のWeb文曞でありWeb党䜓を近䌌した文曞集合であるこれを甚いお$idf$を蚈算するこずによりWebにおける特城的な語を知るこずができる\clearpage \section{属性語のための評䟡基準} \label{sec:criteria}自動獲埗された属性語の良さを評䟡するには䜕らかの定たった評䟡手順が必芁になる本研究では我々が質問回答可胜性ず呌ぶ基準に基づいた評䟡手順を提案する質問回答可胜性ずはある語に関しおその倀を問う質問文を生成でき答えが存圚するずいうこずである我々は質問回答可胜性が成り立぀ならばその語は属性語であるずいう仮定をしたこれは我々の属性の利甚方法QAや芁玄を考えるず盎感的に劥圓な仮定だず思われる䟋えば「車」に぀いお考えるず「この車の補造䌚瀟はどこか」ずいった質問文が可胜であり誰かが「A瀟」ず答えるこずができる質問回答可胜性が成り立぀ので「補造䌚瀟」は属性語ず考えおも良いずいうこずになるある人が「車」に぀いお知りたいずき「補造䌚瀟」が䜕であるかは重芁な情報であるのでこれは劥圓であろう\begin{figure}[t]\begin{center}\epsfxsize=\textwidth\epsfbox{eval_proc.eps}\end{center}\caption{属性語の評䟡手順}\label{fig:eval-proc}\end{figure}提案する評䟡手順では評䟡者は最倧で4぀のYES-NO質問に答えるこずで刀定を行うこれら4぀の質問ずは評䟡者に提瀺される順に䞋䜍語テスト節\ref{sec:hyp-test}QAテスト節\ref{sec:qa-test}接尟拡匵QAテスト節\ref{sec:qa-suffix-test}䞀般性テスト節\ref{sec:gen-test}であるQAテスト・接尟拡匵QAテストの2぀が質問回答可胜性を盎接甚いたテストである䞋䜍語テスト・䞀般性テストはQAテストを補匷するためのものである評䟡手順の党䜓の流れは図\ref{fig:eval-proc}\,に瀺すようになる以䞋の節では各テストの詳现を説明する\subsection{QAテスト}\label{sec:qa-test}実際の順番ずは異なるがたず本研究の提案の䞭心的な刀定手順である質問回答可胜性テストQAテストから説明する我々は前述した質問回答可胜性基準に埓っお図\ref{fig:qa-test}\,に瀺すQAテストを蚭蚈した\begin{figure}[b]\begin{boxedminipage}[t]{\textwidth}\begin{center}\begin{flushleft}{\bf䞋に挙げる質問文の䞭に文法的に正しく垞識的に自然で,\\\hspace{2cm}答えが仮想的にでも想像できるものはありたすか}\end{flushleft}\vspace{2mm}\begin{tabular}{p{3.5cm}p{4cm}p{3.5cm}}1.\この$C\;\;$の$A$は䜕?&4.\この$C\;\;$の$A$はどこ?&7.\この$C\;\;$の$A$はどう?\\2.\この$C\;\;$の$A$は誰?&5.\この$C\;\;$の$A$はどれ?&\\3.\この$C\;\;$の$A$はい぀?&6.\この$C\;\;$の$A$はいく぀?&\\\end{tabular}\end{center}\end{boxedminipage}\caption{QAテスト$C$はクラス語$A$は刀定しようずしおいる属性語}\label{fig:qa-test}\end{figure}このQAテストに぀いおいく぀か泚意点がある第䞀に属性語に察する倀は実際にはクラスのむンスタンスに察しお定矩されるためこのQAテストでは$C$を「この」で限定するこずであるむンスタンスを指すようにしお質問が䞍自然になるのを防いでいるたた質問文䞭で$C$の埌にスペヌスを入れるこずで評䟡者が適切な係り受け「この$C$」が$A$に係るを想像できるようにした第二に$A$に察する適切な質問の皮類をあらかじめ自動で決めるこずは難しいのでテストでは図\ref{fig:qa-test}\,に挙げたように考えられる党おの皮類の質問を生成しそのいずれかが蚱容できるかを刀定するようにした第䞉に質問は文法的に正しいだけでなく「垞識的に自然」でなければならない本研究の実隓ではこの「自然」さを「その質問が通垞の䌚話の第䞀発話ずしおあり埗るか」で刀断するようにした我々の考えでは属性語はむンスタンスを述べる際に重芁なものでなければならないそこでこの「自然」さを満たす属性がそのような重芁な属性語であるずいう仮定を眮いた䟋えばおそらく党おの「䌚瀟」は「机」を所有しおいるが我々の考えでは「机」は「䌚瀟」の属性語ではない「この䌚瀟の机は䜕ですか」ずいった質問は文法的に正しいけれども「䌚瀟」に぀いおの通垞の䌚話の第䞀発話ずしおは䞍自然であるからこの「自然」さのチェックによっお「机」が属性語になるのを防ぐこずができる\footnote{もちろん「机」は事務機噚の販売員にずっおは「䌚瀟」の重芁な属性語かもしれないが本研究ではあくたでも普通の人々にずっお通垞の状況で重芁な属性語を獲埗するこずを目暙ずする}重芁な点はWoodsの蚀語テスト\cite{Woods_1975}「the$A$of$o$is$v$」が可胜かだけでは「thedeskof(=usedin)Com-XisDesk-Y」のように蚀えおしたうので「机」を棄华するこずができないこずであるたた質問は質問者が重芁であるず考えるこずに぀いおするのであるから質問文を刀定に甚いるこずでより重芁さを重芖するこずができる最埌に質問ぞの答えは必ずしも蚀語で衚珟できなくおもよい䟋えば「地図」「姿」「蚭蚈図」などに察する倀は蚀語では衚珟できず他の手段で衚珟されるがこれらも重芁な属性語であるこずは明らかであるWebペヌゞには蚀語以倖の衚珟画像音声などを含めるこずができるためそれらを倀ずする属性ぞの蚀及も増えるず考えられるそのためWebから属性語を獲埗する堎合そのような属性語も獲埗される可胜性が倧きい埓っお質問ぞの答えが蚀語に限らないこずをあらかじめ評䟡者に明確にしおおいた\subsection{接尟拡匵QAテスト}\label{sec:qa-suffix-test}獲埗された属性語のいく぀かは正しいず思われるにもかかわらず前節のQAテストで棄华されおしたうこずがある倧きな理由の䞀぀は獲埗された属性語が実際に意味しおいる属性の暙準的な属性語ずは異なる文字列ずしお獲埗される堎合があるこずであるこれは日本語が省略的であるこず我々の獲埗手法が実際にコヌパスに珟れた衚局圢を凊理しお獲埗するこずたた1単語の属性語しか獲埗しないこずなどに起因しおいる䟋えば䞋の䟋文䞭で「生埒」は属性「生埒数」の意味で甚いられおいる\begin{center}aこの孊校の生埒は500人です\end{center}このような文を手がかりにするず提案手法では「生埒」が「孊校」の属性語ずしお獲埗される可胜性が高い䞀郚が省略されおいる属性語でも実際にaのような文で䜿甚されるこずから応甚の面で有甚であるず考えられるので正しいず刀定されるのが我々の立堎では奜たしいずころが省略があるず前節のQAテストで棄华されおしたうこずがある䟋えば䞊の「生埒」を刀定する堎合これが「生埒数」を意味しおいるずきには,QAテストの質問の䞭では「この孊校の生埒はいく぀」が䞀番適圓であるがこれは人数に「いく぀」は䜿えないため文法的ではないそのため「生埒」は棄华されるこずになる\footnote{「生埒」を個々の構成員を衚す属性ずしお刀定するずしおも「この孊校の生埒は誰」は文法的であっおも「垞識的に自然」の芁請を満たしおいないずしお棄华されおしたう可胜性がある}日本語では省略された郚分のほずんどは属性語の埌に適切な接尟蟞を付加するか「の名詞化圢容詞・圢容動詞」を付加するこずで埩元するこずができる䟋えば䞊の䟋では接尟蟞「数」を付ければ良いそこで最初のQAテストで棄华された堎合には適切な付加を行っお属性語を拡匵した䞊でそれを評䟡すべき語ずしおQAテストを再床行うようにした䞊の䟋では「生埒数」をQAテストで再び評䟡する実際のテストで蚱される拡匵は図\ref{fig:suffix}\,に瀺した通りである可胜な接尟蟞に぀いおは図\ref{fig:suffix}\,に瀺した適甚範囲が広いず思われるものに限定しこれでカバヌできないものは名詞化した圢容詞・圢容動詞を適切に付加しおもらうこずで察凊した\footnote{接尟拡匵QAテストは初めのQAテストでの疑問文が網矅的であれば必芁なかったかもしれないしかし我々は簡単で限定的なテストで倧郚分をカバヌしカバヌしきれないものをより耇雑なテストで再確認するほうが評䟡の負担が枛り評䟡の安定性が向䞊するず考えた}このテストを接尟拡匵QAテストず呌ぶこずにする\begin{figure}[t]\begin{boxedminipage}[t]{\textwidth}\begin{center}\begin{itemize}\item{\sf「$A$の$S$」}$S$=数方法名者時間時刻時期堎所金額皋床具合\item{\sf「$A$の$Y$さ」}{\sf$Y$さ}=圢容詞・圢容動詞の名詞化「高さ」「重さ」など\end{itemize}\end{center}\end{boxedminipage}\caption{接尟拡匵QAテストで蚱される拡匵$A$は元の属性語}\label{fig:suffix}\end{figure}\subsection{䞀般性テスト}\label{sec:gen-test}我々の圓初の目的は䞎えられたクラスに察する属性語を獲埗する぀たりクラスの党おのむンスタンスに共通の属性語を獲埗するこずであったしかし評䟡者によっおは党おのむンスタンスに共通の属性語ではないが興味深い属性語を正しいものずしお刀定するこずが予備実隓においお分かった䟋えばクラス「映画」に察する「字幕」や「車」に察する「埌垭」などである党おの映画に字幕がある蚳ではないので厳密には「字幕」は映画の属性語ではない䟋えば日本では字幕はほずんど倖囜映画に察しお付䞎されるし党おの車に埌垭がある蚳ではないので厳密には「埌垭」は「車」の属性語ではないしかし厳密に属性語ではなくおもそれを持぀ようなむンスタンスの割合・重芁性が高い堎合には正しいず評䟡される傟向があるこずが掚枬されるこのような属性語はその割合・重芁性から実甚的に有甚であるず考えられるこのような党おのむンスタンスに共通する属性語ずそうでない属性語の性質を調べるこずができるようにQAテストで受理された属性語に関しおはそれがそのクラスの「ほずんど党お」のむンスタンスに共通するかを最埌に刀定するようにしたこのテストを䞀般性テストず呌ぶ䞀般性テストで受理された属性語を「厳密な属性語」ず呌びQAテストで受理されお䞀般性テストで棄华された属性語を「非䞀般属性語」ず呌ぶたた「厳密な属性語」ず「非䞀般属性語」を合わせお「緩い属性語」ず呌ぶこずにする実隓では厳密な属性語ずしおの獲埗粟床緩い属性語ずしおの獲埗粟床を調査比范する\subsection{䞋䜍語テスト}\label{sec:hyp-test}最埌に䞋䜍語テストに぀いお説明する我々の提案手法では誀っお獲埗された属性語の䞭にクラス$C$の䞋䜍語やむンスタンスず考えられる語が倚く含たれるこずが分かったもし評䟡察象の$A$が$C$の䞋䜍語やむンスタンスならそれは$C$の属性語にはなり埗ないが「$C$の$A$」ずいう衚珟が自然になっおしたうためQAテストで混乱を匕き起こしやすい䟋えば「アニメ」のむンスタンスずしお「ドラゎン{\sfX}」があるずするず「アニメのドラゎン{\sfX}」ずいう衚珟は自然であり「ドラゎン{\sfX}」は明らかに「アニメ」の属性語でないのにQAテストで誀っお受理されおしたう可胜性があるそこでQAテストの前に図\ref{fig:hypo}\,で瀺される䞋䜍語テストにより$A$が$C$の䞋䜍語やむンスタンスであるかを刀定し䞋䜍語やむンスタンスでない堎合にだけQAテスト以降に進むようにした\begin{figure}[t]\begin{boxedminipage}[h]{\textwidth}\begin{center}\begin{flushleft}{\bf$A$ず$C$の間に以䞋に挙げる関係のどれか䞀぀でもなりたっおいたすか}\\「$A$は$C$の䞀皮である」「$A$は$C$のひず぀である」「$A$は$C$の䞀人である」\end{flushleft}\end{center}\end{boxedminipage}\caption{䞋䜍語テスト}\label{fig:hypo}\end{figure}逆に$A$が$C$の䞊䜍語である堎合には䞊䜍語であっおも必ずしも$A$が属性語でないずは蚀えないのでそのようなテストは行わない\footnote{䟋えば「アニメ」に察する「映像」のように「映像」は「アニメ」の䞊䜍語であるが「このアニメの映像はどう」—「きれい」などの質問回答ができるので属性語である䞊䜍語であっお属性語でない堎合にはQAテストでほずんど棄华できる} \section{実隓} この節では提案獲埗手法を前節で述べた評䟡手順で評䟡した実隓に぀いお述べる\label{sec:experiment}\subsection{実隓蚭定}たず評䟡のために32個のクラスを甚意したWebに珟れるようなクラスで評䟡を行うためこの32個のクラスは新里らの䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法\cite{Shinzato_2004_NAACL04_eng}によっおWebから獲埗された共通の䞊䜍語をも぀単語クラス1,589個の䞭から遞んだものでありこのずきの䞊䜍語をクラス語ずしお甚いる単語クラスに含たれる䞋䜍語はクラス語の意味が曖昧な堎合に意味を特定するための情報ずしお評䟡者が参照できるようにしたたた我々の目的は䞊䜍䞋䜍関係獲埗の評䟡ではないので䞊の獲埗手法でうたく獲埗されおいる単語クラスを遞んださらにこの32個のクラスからランダムに22個のクラスを遞び衚\ref{table:classes}評䟡の察象ずした\footnote{評䟡にかかる時間・コストの制玄のためにこのような遞択を行った}提案獲埗手法で甚いられる局所文曞集合$LD(C)$の収集にはWeb怜玢゚ンゞンである{\sfgoo}(http://www.goo.ne.jp)を甚いた\footnote{$C$が怜玢゚ンゞンの圢態玠解析により分割されおしたうのを防ぐためフレヌズ怜玢完党䞀臎で怜玢しおいる}$LD(C)$の倧きさはクラス平均で857文曞(URL)であったたたこの$LD(C)$から埗られた属性語候補はクラス平均で玄2䞇語であったサブスコア$dfidf(C,A)$の蚈算に必芁な倧域文曞集合$G$ずしおはWebからランダムに収集した$10^6$文曞を甚いた\footnote{これは論文\cite{Shinzato_2004_NAACL04_eng}で甚いられた文曞集合ず同じものである}\begin{table}[t]\begin{center}\caption{評䟡で甚いた22個のクラス}\label{table:classes}\begin{tabular}{|p{12.8cm}|}\hline郜垂博物通祝日譊察斜蚭倧孊新聞ごみ神瀟鳥病院怍物川小孊校曲図曞通支店サむト町センサヌ研修自動車\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}各クラスに぀いお提案手法および埌で述べる比范手法による䞊䜍50個の属性を出力し評䟡察象ずした効率的に評䟡するため䞊蚘の党おの手法による属性語を䞀぀の集合にたずめ重耇があれば取り陀く評䟡の公平性を保぀ためランダムに䞊べ替えたこのように重耇を陀くず評䟡すべき属性語は党おのクラスで合わせるず$3,678$個だったこれらの属性語を提案評䟡手順を実装したGUIツヌルを甚いお4人の評䟡者がそれぞれ4日間かけお評䟡したこの評䟡結果からそれぞれの手法の䞊䜍50個の出力に察する評䟡が生成できるこの実隓に関しお評䟡者間の䞀臎床を瀺すkappa倀\cite{landis1977}は厳密な属性語の評䟡ずしおは$0.533$緩い属性語の評䟡ずしおは$0.593$ずなり䞡者ずも「䞭皋床」の䞀臎を瀺した\subsection{提案手法の粟床}\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{wid.evaluator.eps}&\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{wid.average.eps}\end{tabular}\end{center}\caption{緩い属性語ずしおの粟床}\label{fig:wid}\par\vspace{1\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{cc}\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{gen.evaluator.eps}&\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{gen.average.eps}\end{tabular}\end{center}\caption{厳密な属性ずしおの粟床}\label{fig:gen}\end{figure}図\ref{fig:wid}\,に提案獲埗手法による緩い属性語ずしおの粟床図\ref{fig:gen}\,に厳密な属性語ずしおの粟床を瀺すそれぞれの図においお巊のグラフは各評䟡者Evaluator1-4による適合率右は評䟡者に関する平均・3人䞀臎3-consensus・4人䞀臎4-consensusの適合率である\footnote{平均に関しおは瞊棒で$\pm$暙準偏差を瀺す}グラフの$X$軞は䞊䜍䜕個たで集蚈するかを$Y$軞はそのずきの適合率を衚しおいる倧たかに蚀っおグラフの$X$軞は再珟率に察応する\footnote{出力されるべき党おの属性を知るこずはできないので再珟率を正確に蚈算するこずはできないこれらのグラフは正確な再珟率を$X$軞ずした堎合より適合率が高い手法に倚少䞍利なグラフになっおいる}䞊䜍$n$個における評䟡者$k$による適合率$P_k$は$\mathcal{C}$を評䟡に甚いたクラスの集合ずするず,\[\frac{1}{n|\mathcal{C}|}\sum_{C\in\mathcal{C}}\mbox{$C$の䞊䜍$n$個の出力の䞭で$k$が正しいず刀定した属性語の数}\]で蚈算される評䟡者に関する平均の適合率は$\frac{1}{|\mathcal{K}|}\sum_{k\in\mathcal{K}}P_k$で蚈算される$\mathcal{K}$は評䟡者の集合たた$M$人䞀臎の適合率は,\[\frac{1}{n|\mathcal{C}|}\sum_{C\in\mathcal{C}}\mbox{$C$の䞊䜍$n$個の出力の䞭で$M$人以䞊が正しいず刀定した属性語の数}\]で蚈算されるグラフをみるず適合率自䜓は評䟡者に倧きく䟝存するが提案手法の順䜍付けず適合率の間の正の盞関は共通しお存圚するこずが分かるこれは提案手法の劥圓性をある皋床瀺しおいるず蚀えるたた緩い属性語ずしおの評䟡ず厳密な属性語ずしおの評䟡を比べるず厳密な属性語の方が獲埗が難しいこずが分かる加えお厳密な属性語ずしおの評䟡぀たり䞀般性テストは評䟡者によっお倧きく傟向が違うこずが分かる緩い属性語の評䟡の堎合にはプロットはほずんど亀差しおいないこれは評䟡者間で蚱容床の差はあっおも評䟡の傟向は倉わらないこずを瀺しおいる䞀方厳密な属性語の堎合にはプロットが亀差しおおり,評䟡者によっお評䟡の傟向が異なるこずを瀺しおいる緩い属性語の堎合に䞀番蚱容的であった評䟡者3図䞭Evaluator3が厳密な属性語の堎合にはそうでもない点などは興味深いこれらのこずから䞀般性テストは他のQAテストなどに比べお䞀臎を埗るのが難しいテストになっおいるこずが掚枬され先に瀺したkappa倀の違いもそれを瀺唆しおいる提案手法による獲埗粟床はおおむね期埅の持おるものであるどの評䟡尺床を採甚するのが劥圓かは難しい問題であるが,䟋えば\cite{Barland_ACL1999}で甚いられた倚数決基準本実隓の堎合3人䞀臎を甚いるずすれば提案手法は䞊䜍20個の属性語を出力した堎合緩い属性語は0.852厳しい属性語は0.727の適合率で獲埗できるこずになる衚\ref{table:example}\,に実際に獲埗された属性語の䞊䜍20個をいく぀かのクラスに察しお瀺すこれらをみるず実際に興味深い属性語が獲埗できおいるこずが分かる\begin{table}[th]\begin{center}\caption{提案手法による䞊䜍20個の属性語\\括匧䞭前の数字は緩い属性語ずしお刀定した評䟡者の数\\埌の数字は厳密な属性語ずしお刀定した評䟡者の数である}\label{table:example}\begin{tabular}{|p{1.2cm}|p{12cm}|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{クラス}&\multicolumn{1}{|c|}{属性語}\\\hlineé³¥&写真[4/4]名前[4/2]皮類[4/4]むラスト[3/3]特城[4/4]病気[4/2]生掻[4/4]話題[3/2]関係[0/0]むメヌゞ[4/4]å·£[4/4]鳎き声[4/4]å§¿[4/4]情報[4/4]侖界[0/0]声[4/4]動物[0/0]ペヌゞ[3/2]生態[4/4]矜[4/4]\\\hline病院&ホヌムペヌゞ[4/1]斜蚭[3/3]情報[4/4]玹介[4/4]窓口[4/4]認定[3/3]名称[4/2]医垫[4/4]粟神科[4/2]評刀[4/4]察応[4/4]電話[2/2]蚺療[4/4]治療[4/4]医療[3/3]機胜[3/3]院長[4/4]評䟡[4/4]蚺察[4/4]ペヌゞ[2/2]管理[4/3]侀郹[1/1]\\\hline怍物&名前[4/2]皮類[4/4]写真[4/4]皮子[4/4]栜培[4/3]芳察[4/3]特城[4/4]説明[4/4]画像[4/4]調査[4/3]デヌタ[4/4]進化[3/3]解説[4/4]リスト[2/2]葉[4/3]保存[2/2]デザむン[1/1]生育[4/4]\\\hline川&氎䜍[4/4]䞊流[4/4]名前[4/2]環境[4/4]氎質[4/4]歎史[4/4]源流[4/4]写真[4/4]æ°Ž[4/4]氎面[4/4]堎所[4/4]流れ[4/4]氎蟺[4/4]氎源[4/4]四季[3/3]特城[4/4]äž­[1/1]ほずり[4/4]自然[4/4]せせらぎ[4/4]\\\hline小孊校&掻動[4/4]取り組み[4/3]運動䌚[4/4]子ども[4/4]ホヌムペヌゞ[4/0]校長[4/4]教宀[4/4]校歌[4/4]児童[4/4]校舎[4/4]行事[4/4]å­Šç¿’[3/3]絊食[4/3]ペヌゞ[2/2]䜓育通[4/4]孊玚[3/3]メヌル[0/0]孊幎[1/1]始業匏[4/4]音楜[2/2]\\\hline曲&歌詞[4/1]タむトル[4/2]挔奏[4/4]リスト[0/0]むメヌゞ[4/4]䜜詞[4/1]楜譜[4/4]名前[4/2]内容[3/3]ゞャンル[4/4]情報[4/4]ポむント[4/4]侖界[1/1]メロディヌ[4/4]最埌[3/2]題名[4/2]äž­[0/0]䜜曲[4/4]テヌマ[4/4]デヌタ[4/2]\\\hline図曞通&資料[4/4]ホヌムペヌゞ[4/2]ペヌゞ[3/1]歎史[4/4]蚭眮[4/4]システム[4/4]蔵曞[4/4]コピヌ[2/2]本[4/4]堎所[4/4]利甚[4/4]サヌビス[4/4]デヌタベヌス[4/3]図曞[4/4]新聞[4/4]䌑通[4/4]目録[3/3]展瀺[4/2]斜蚭[2/2]情報[4/4]\\\hline支店&所圚地[4/4]パ゜コン[2/1]玹介[4/4]歎史[3/3]営業[4/3]電話[2/2]ホヌムペヌゞ[4/1]䜏所[4/4]窓口[4/3]駐車堎[4/3]\\\hlineサむト&情報[4/4]掲瀺板[4/2]内容[4/4]運営[4/4]リンク[3/2]登録[3/2]玹介[4/3]写真[2/1]äž­[1/1]コンテンツ[4/4]\\\hline町&人口[4/4]歎史[4/4]ホヌムペヌゞ[4/0]芳光[4/4]情報[3/3]財政[4/4]斜蚭[4/4]文化財[4/2]環境[4/4]枩泉[3/1]話題[3/2]四季[3/3]むベント[4/3]図曞通[4/3]文化[4/4]颚景[4/4]シンボル[4/3]産業[4/3]蟲業[4/2]議䌚[3/3]\\\hlineセンサヌ&情報[4/4]感床[4/3]皮類[4/3]䜍眮[4/4]取り付け[4/4]開発[4/4]粟床[4/4]サむズ[4/4]仕様[4/4]枩床[2/1]デヌタ[4/4]セット[4/4]蚭眮[4/4]機胜[4/4]技術[4/4]特長[4/4]ペヌゞ[3/3]高さ[3/2]採甚[3/3]応甚[4/4]\\\hline研修&内容[4/4]目的[4/4]実斜[4/4]テヌマ[4/3]プログラム[4/4]講垫[4/4]予定[4/4]名称[4/2]メニュヌ[4/4]報告[4/4]察象[4/4]成果[4/4]充実[2/2]å Ž[3/3]あり方[2/2]詳现[4/4]機䌚[1/1]定員[4/4]受講[4/4]ほか[0/0]\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{各サブスコアの効果}次に提案手法のスコア匏\ref{eq:score}における各サブスコアの効果を調べるため匏\ref{eq:score}\,から各サブスコアを陀いたスコアを甚いたずきに粟床がどの皋床倉化するかをみたたず評䟡者平均粟床の倉化でみるず党おのサブスコアに関しお効果がある各サブスコアを陀く事で粟床が䜎䞋するこずが芳察されたさらに各評䟡者ごずにみるず評䟡者によらず䌌た傟向の粟床の倉化があるこずが分かったこれは前の実隓で瀺したように評䟡自䜓は評䟡者によっおかなり異なる事を考えるず興味深いこの点をより詳しく分析するため各サブスコアを陀いた堎合に関しお評䟡者ごずに粟床の倉化を蚈算し倉化の評䟡者に関する平均・暙準偏差などを求めた図\ref{fig:feature.diff}\,はそのようにしお求めた平均・暙準偏差をプロットしたものであるこのグラフから党般的にほが順䜍にかかわらず党おの評䟡者で効果があるこずが分かる巊のグラフで瀺された緩い属性語の堎合を詳しくみるず$f(C,A)$ず$t(C,A)$の効果が特に倧きいたた$n(C,A)$は$f(C,A)$ず同様に効果はあるが絶察倀は小さいこずが分かるこれは前述したように利甚できる文曞の量の差によるものず考えられる$dfidf(C,A)$は䜎ランクたででみるず正の効果を瀺しおいるが高ランク域1䜍--5䜍ではわずかではあるが負の効果になっおいる右のグラフの厳密な属性語の堎合にも党般ずしおは正の効果があるこずが分かるしかし効果の皋床は党般に小さくなり分散も倧きくなっおいる特に$t(C,A)$の効果は緩い属性語の堎合に比べお倧幅に小さくなっおいる䞀方で$f(C,A)$の効果は逆に倧きくなっおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\epsfxsize=0.48\textwidth\epsfbox{wid.feature.diff.eps}&\epsfxsize=0.48\textwidth\epsfbox{gen.feature.diff.eps}\end{tabular}\end{center}\caption{各サブスコアの効果巊:緩い属性語の堎合右:厳密な属性語の堎合\\$n(C,A)$の効果は「Proposed-pattern(web)」$f(C,A)$の効果は「Proposed-pattern(news)」,\\$t(C,A)$の効果は「Proposed-tag」$dfidf(C,A)$の効果は「Proposed-dfidf」で瀺す}\label{fig:feature.diff}\end{figure}\subsection{局所文曞集合収集のためのキヌワヌドの比范}\label{sec:exp-hyper}提案手法では順䜍付けで甚いられる局所文曞集合を収集する際の怜玢゚ンゞンに察するキヌワヌドずしおクラス語を䜿甚したしかしもし䞊䜍䞋䜍関係知識が利甚できる堎合にはクラスに属する䞋䜍語をキヌワヌドずしお局所集合を収集する事も可胜でありその堎合に属性語の獲埗粟床がどのように圱響されるかは興味深い問題であるそこでこの実隓では提案手法のようにクラス語を甚いる堎合ず䞋䜍語を甚いる堎合を比范した実隓で甚いたクラスには䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法\cite{Shinzato_2004_NAACL04_eng}により䞋䜍語が察応付けられおいるのでこれを怜玢キヌワヌドずしお甚いたここでは収集された文曞の質を比范するため収集された文曞から提案手法で収集された文曞数ずほが同数の文曞をランダムで取り出しお甚いたこのようにしお埗られた局所文曞集合を甚いおスコア䞭の$n(C,A)$を蚈算する際には$C$の代わりに䞋䜍語$H$を甚いた堎合に埗られる頻床を党おの䞋䜍語に぀いお和をずっお$n(C,A)$の倀ずした぀たり$n(C,A)=\sum_Hn(H,A)$他のサブスコアの倀に぀いおは提案手法ず同じ倀を甚いた図\ref{fig:hyponym.diff}\,に前節の実隓ず同じ方法で緩い属性語ず厳密な属性語に぀いお提案手法ず比范手法の粟床の差差の平均$\pm$暙準偏差を瀺す負の差は比范手法の粟床が提案手法に比べお悪いこずを衚す埓っおこの結果から少なくずもこの蚭定では局所文曞集合の収集にはクラス語のほうが適しおいるこずが分かる\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{wid.hyponym.diff.eps}&\epsfxsize=0.45\textwidth\epsfbox{gen.hyponym.diff.eps}\end{tabular}\end{center}\caption{クラス語ず䞋䜍語の比范巊:緩い属性語の堎合右:厳密な属性の堎合}\label{fig:hyponym.diff}\end{figure} \section{今埌の課題} \label{sec:discussion}本研究では提案手法によっおある皋床の高粟床で属性語を自動獲埗できるこずを瀺したが本栌的な応甚のためには獲埗粟床のさらなる向䞊が必芁であるたた属性語の性質に぀いおも曎なる考察が必芁である以䞋に挙げる点が今埌の課題ずしお考えられる\begin{description}\item[質問回答可胜性に基づいた手がかり]提案手法が珟圚甚いおいる順䜍付けのスコア匏\ref{eq:score}は節\ref{sec:criteria}\,で述べた評䟡基準の背埌にある質問回答可胜性などの考えを盎接は反映しおいない$n(C,A)$あるいは$f(C,A)$などで「$C$の$A$」ずいう蚀語的パタヌンの頻床ずしおわずかに反映されおいるだけである属性語を提案評䟡手順で評䟡できるものず仮定するならば獲埗手法でも質問回答可胜性などを手がかりずしお盎接利甚するこずでより高い粟床を達成できるず考えられる質問回答可胜性を盎接反映させるためには䟋えばWeb䞊のFAQペヌゞから埗られる統蚈倀を䜿うこずなどが考えられるたた䞊䜍䞋䜍関係のデヌタベヌスが利甚できるならば,評䟡手順䞭の䞋䜍語テストを反映したようなスコアを蚭蚈する事も可胜である実隓では厳密な属性語の獲埗の粟床が緩い属性語の獲埗の粟床に比べお䜎いこずが分かったが順䜍付けのスコアに属性語の䞀般性を盎接捉えるようなサブスコアがないこずを考えるずある皋床予枬できるこずである\footnote{怜玢キヌワヌドや蚀語パタヌン䞭でクラス語を甚いる事で䞀般性が間接的に捉えられるず考えられるがクラス語だけでは曖昧性などの問題も起きおいるず考えられる}この堎合にも䞊䜍䞋䜍関係のデヌタベヌスを甚いれば䟋えば䞋䜍語の䜕割にその属性語が圓おはたるかなどの統蚈倀を甚いお属性語の䞀般性を反映したようなスコアも蚭蚈できるず考えられる\item[Webの最倧限の利甚]珟圚の提案手法では前で述べた通り怜玢゚ンゞンの制限からWebの文曞を完党には利甚できおいない利甚できるWeb文曞が増えればサブスコア$n(C,A)$の信頌性が䞊がり粟床向䞊に圹立぀ず考えられる珟圚我々は独自に収集したWeb文曞に察しお制限のない怜玢゚ンゞンを構築するこずでこれを実珟させるこずを蚈画しおいる倧量のWeb文曞があるず䞋䜍語の過疎性も軜枛されるので節\ref{sec:exp-hyper}\,で述べた䞊䜍語クラス語ず䞋䜍語の有甚性に぀いおもより詳しく分析するこずが可胜になる\item[実応甚に向けた再珟率の調査]獲埗された属性語たた本研究で提案した評䟡基準の劥圓性は究極的には実応甚でどれだけ有甚かによっお刀断される実応甚では必芁な属性語のどの皋床が獲埗できるかずいう属性語の再珟率も重芁になっおくる本研究ではこの点に぀いおは分析しおいないので䟋えばあるクラスに぀いお考え埗る属性語を人手で列挙しそのうちどれくらいが実応甚で必芁になるかなどの分析を行いたいず考えおいるたた本研究では䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法でうたく獲埗できたクラスを評䟡に甚いたそのため比范的易しい頻繁に珟れるクラスに぀いおのみ評䟡しおいる可胜性は吊定できないそこでより難しい皀なクラスに぀いおの評䟡も必芁になる\item[属性の型の獲埗]ある属性に察しおどの質問が可胜かどのような接尟拡匵が可胜か蚀い換えるず属性の倀にどのような語が可胜か属性の型ずいう知識は最終的に〈察象属性倀〉の組たで獲埗したい堎合や属性の皮類性質なのか党䜓郚分かなどを決定したい堎合に重芁になるず考えられる本研究では獲埗の際にはこの点を無芖し評䟡の際には評䟡者の刀断に任せおいた今埌はこのような知識も提案手法のような単語や蚀語的パタヌンの統蚈倀を甚いた方法などを甚いお獲埗したいず考えおいる\end{description} \section{結論} \label{sec:conclusion}本研究ではWebから蚀語的パタヌン・HTMLタグ・単語の統蚈量を手かがりずしお属性語を獲埗する手法を提案したたた獲埗された属性語を評䟡するための質問回答可胜性に基づいた評䟡手順を提案したこの評䟡手順を甚いお提案獲埗手法を評䟡し属性語を高粟床で獲埗できるこずたた甚いた各手がかりが粟床に貢献しおいるこずを確認した\acknowledgment実隓で䜿甚したデヌタに関しおアドバむスをいたただいた新里圭叞氏に深く感謝いたしたすたた実隓で評䟡者ずしお参加しおいただいた北陞先端科孊技術倧孊院倧孊の孊生の皆様に感謝いたしたす\clearpage\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Almuhareb\BBA\Poesio}{Almuhareb\BBA\Poesio}{2004}]{almuhareb-poesio:2004:EMNLP}Almuhareb,A.\BBACOMMA\\BBA\Poesio,M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAttribute-basedandvalue-basedclustering:Anevaluation\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEMNLP2004},\mbox{\BPGS\158--165}.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\McKeown}{Barzilay\BBA\McKeown}{2001}]{Barzilay01}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\McKeown,K.~R.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQExtractingparaphrasesfromaparallelcorpus\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEACL2001},\mbox{\BPGS\50--57}.\bibitem[\protect\BCAY{Berland\BBA\Charniak}{Berland\BBA\Charniak}{1999}]{Barland_ACL1999}Berland,M.\BBACOMMA\\BBA\Charniak,E.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQFindingpartsinverylargecorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofACL'99}.\bibitem[\protect\BCAY{Fellbaum}{Fellbaum}{1998}]{WordNet}Fellbaum,C.\BED\\BBOP1998\BBCP.\newblock{\BemWordNet:Anelectroniclexicaldatabase}.\newblockTheMITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Fleischman,Hovy,\BBA\Echihabi}{Fleischmanet~al.}{2003}]{Fleischman_2003}Fleischman,M.,Hovy,E.,\BBA\Echihabi,A.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQOfflinestrategiesforonlinequestionanswering:Answeringquestionsbeforetheyareasked\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofACL2003},\mbox{\BPGS\1--7}.\bibitem[\protect\BCAY{Guarino}{Guarino}{1992}]{Guarino1992}Guarino,N.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQConcepts,attributesandarbitraryrelations:Somelinguisticandontologicalcriteriaforstructuringknowledgebase\BBCQ\\newblock{\BemDataandKnowledgeEngineering},{\Bbf8},\mbox{\BPGS\249--261}.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst}{Hearst}{1992}]{Hearst_1992}Hearst,M.~A.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticacquisitionofhyponymsfromlargetextcorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING'92},\mbox{\BPGS\539--545}.\bibitem[\protect\BCAY{Kanayama,Torisawa,Mitsuishi,\BBA\Tsujii}{Kanayamaet~al.}{2000}]{Kanayama_2000}Kanayama,H.,Torisawa,K.,Mitsuishi,Y.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAhybrid{Japanese}parserwithhand-craftedgrammarandstatistics\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING2000},\mbox{\BPGS\411--417}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1999}]{JUMAN_eng}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQ{Japanese}morphologicalanalysissystem{JUMAN}version3.61manual\BBCQ.\bibitem[\protect\BCAY{Landis\BBA\Koch}{Landis\BBA\Koch}{1977}]{landis1977}Landis,J.~R.\BBACOMMA\\BBA\Koch,G.~G.\BBOP1977\BBCP.\newblock\BBOQThemeasurementofobserveragreementforcategorialdata\BBCQ\\newblock{\BemBiometrics},{\Bbf33},\mbox{\BPGS\159--174}.\bibitem[\protect\BCAY{Pustejovsky}{Pustejovsky}{1995}]{GenerativeLexicon}Pustejovsky,J.\BBOP1995\BBCP.\newblock{\BemTheGenerativeLexicon}.\newblockTheMITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Shinzato\BBA\Torisawa}{Shinzato\BBA\Torisawa}{2004}]{Shinzato_2004_NAACL04_eng}Shinzato,K.\BBACOMMA\\BBA\Torisawa,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAcquiringhyponymyrelationsfrom{Web}documents\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofHLT-NAACL04},\mbox{\BPGS\73--80}.\bibitem[\protect\BCAY{Woods}{Woods}{1975}]{Woods_1975}Woods,W.~A.\BBOP1975\BBCP.\newblock{\BemRepresentationandunderstanding:Studiesincognitivescience},\BCH\What'sinalink:Foundationsforsemanticnetworks.\newblockAcademicPress.\bibitem[\protect\BCAY{Yoshida,Torisawa,\BBA\Tsujii}{Yoshidaet~al.}{2003}]{yoshida_wda}Yoshida,M.,Torisawa,K.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2003\BBCP.\newblock{\BemWebDocumentAnalysis},\BCH\Chapter10(Extractingattributesandtheirvaluesfrom{Web}pages).\newblockWorldScientific.\bibitem[\protect\BCAY{Yoshida,Torisawa,\BBA\Tsujii}{Yoshidaet~al.}{2004}]{yoshida_ai2004_en}Yoshida,M.,Torisawa,K.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQIntegratingtablesonthe{World}{Wide}{Web}\BBCQ\\newblock{\BemTransactionsoftheJapaneseSocietyforArtificialIntelligence},{\Bbf19}(6),\mbox{\BPGS\548--560}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA也\JBA束本}{高橋\Jetal}{2004}]{takahashi_2004}高橋哲郎\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQテキストから属性関係を抜出する\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理2004-NL-164},\mbox{\BPGS\19--24}.\end{thebibliography}\clearpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{埳氞耕亮}{2003幎日本倧孊工孊郚機械工孊科卒業2005幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了修士情報科孊同幎株日立補䜜所入瀟}\bioauthor{颚間淳䞀}{1999幎東京倧孊理孊郚情報科孊科卒業2004幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科コンピュヌタ科孊専攻博士課皋修了博士情報理工孊同幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助手}\bioauthor{鳥柀健倪郎}{1992幎東京倧孊理孊郚情報科孊研究科卒業1995幎同倧孊倧孊院理孊系研究科情報科孊専攻博士課皋退孊同幎より同専攻助手1998幎より2001幎たで科孊技術振興事業団さきがけ研究21研究員兌任2001幎より北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授蚈算蚀語孊の研究に埓事博士理孊}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V08N03-02
\section{はじめに} label{hajime}䞀般に手話蚀語は芖芚蚀語ずしおの偎面を持぀この芖芚蚀語ずしおの特性の䞀぀は音声蚀語が単語を線条的に配列し文を構成するのに察しお単語を空間的か぀同時的に配列するこずで文を構成できる点である\cite{Baker1980}たた単語の語構成においおも䟋えば右手で「男」を瀺し巊手で「女」を同時的に空間に配眮し䞡手を巊右から近付けるこずで「結婚」を逆に「結婚」の手話衚珟を瀺し䞡手を巊右に匕き離すこずで「離婚」を衚珟しおいるすなわち音声蚀語に比べお単語を造語する際の{\gt写像性}{\iticonicity}が高い蚀語であるず捉えるこずができるたた手話単語の造語法の特城にはこの事物事象の仕草ゞェスチャずいう写像性を持぀ず同時にある手話単語の構成芁玠手の圢手の䜍眮手の動きのパラメヌタの䞀郚を倉曎したり他の手話単語ずの耇合衚珟により別の意味を担う単語芋出しに察応できる点が挙げられる\cite{Ichida1994}䟋えば日本語の単語芋出し「砎産」に察する日本手話の手話衚珟は砎産ずの因果関係「家が朰れる」を比喩的に衚象し「家」の手話衚珟すなわち屋根の圢を構成する䞡手を䞭倮で付け合わせる仕草で衚珟しおいるたた「家族」は巊手で「家」の手話を構成しながら右手で「人々」の手話を同時に提瀺するこずで衚珟されるさらに「孊校」は「教える」ず「家」の耇合語衚珟ずしお定矩されおいる\cite{Honna1994}このように手話単語を構成する手指動䜜特城の各パラメヌタは手話単語の構造を蚘述する衚蚘法ずしお重芁である\cite{Yonekawa1984}ず同時に単語の衚す抂念の䞀郚を写像的に衚珟しおいるず捉えるこずができるこれは単語間の手指動䜜特城の類䌌性を調べるこずでその類䌌の特城パラメヌタが瀺す抂念特城ずは䜕かすなわち抂念特城が衚珟するどの郚分を特城玠ずしお抜出しおいるのかを解明する䞀぀の手がかりずなるず考えるさお䞀般に単語芋出しは単語が担う耇数の抂念を衚す総称的なラベルの䞀぀であるたた意味特城モデル\cite{Smith1974}では抂念は幟぀かの特城玠の集合ずしお衚珟されるずしおいるこの抂念の特城玠には二぀の皮類がありその䞀぀はある抂念を定矩しか぀䞍可欠な芁玠を列挙する{\gt定矩的特城}であり他方は{\gt性栌的特城}である䟋えば日本語の単語芋出し「りグむス」の定矩的特城ずしおは``翌がある飛べるホヌホケキョず鳎く''などであるこれに察しお性栌的特城は``早春に飛来する,梅に止たる''などであるこのように性栌的特城はりグむスらしさを蚘述しおいるが抂念の定矩ずしお䞍可欠な特城玠ではない\cite{Ohsima1986}ここで先に瀺した「家」の手話衚珟は建物ずしおの抂念の定矩的特城を芖芚的に写像しおいるのに察しお「砎産」は性栌的特城による衚珟ず捉えるこずができる本研究では垂販の蟞曞に収録されおいる日本手話の手話単語を察象に耇数の手話単語間に存圚するであろう手指動䜜特城の類䌌性ずその類䌌の手指動䜜特城を含む単語間に共有される抂念の特城玠ずは䜕かを明らかにするため手指動䜜特城間の類䌌性による単語の郚分集合クラスタを求める方法に぀いお怜蚎を行ったこの類䌌の動䜜特城を含む手話単語のクラスタの獲埗は蚀語孊分野における手話単語の構造や造語法を解明する手がかりずしお重芁であるばかりでなく手話蚀語を察象ずする蚈算機凊理にも有益な知識デヌタの䞀぀ずなるず考える䟋えば日本語ず手話の橋枡しずなる手話通蚳システムや電子化蟞曞システムでは単語の登録や怜玢が重芁な芁玠技術の䞀぀であり手指動䜜特城からの日本語単語芋出しの効率の良い怜玢方法の実珟は重芁であるこのように手指動䜜特城の類䌌性に基づく分類方法は怜玢蟞曞の構築に有効利甚できるず考える䟋えばニュヌス原皿を手話通蚳する珟堎から新たに手話単語を造語する必芁性が報告\cite{Shigaki1991}されおおり造語する堎合の芳点ずしおある動䜜特城の果たしおいる意味は䜕かあるいは類䌌の動䜜特城を含む他の単語ずの敎合性があるか既に定矩されおいる単語ずの競合はないかが重芁でありこれらを効率よく調べる手段を提䟛できる可胜性があるこのような背景から本論文では䞎えられた手話単語の有限集合を手指動䜜特城間の類䌌性に基づき単語のクラスタ郚分集合を求めるための䞀぀の分類方法を提案しその有効性を怜蚌するために行った実隓結果に぀いお述べる本提案手法の特城は垂販の手話蟞兞に蚘述されおいる日本語の手指動䜜蚘述文を手指動䜜パタヌンの特城系列ず捉え手指動䜜蚘述文間の類䌌関係から同倀関係を導出し䞎えられた単語集合を同倀類に分割する点にあるなお関連する研究ずしお埓来手話単語の構造を蚘述する衚蚘法に焊点を圓おた研究が蚀語孊ず工孊の分野から幟぀か報告されおいる䟋えば\cite{Stokoe1976}はASL(Americansignlanguage)の手話単語を察象に手の圢手の䜍眮手の動きを手指動䜜特城の特城玠ずする衚蚘法を提案し\cite{Kanda1984,Kanda1985}は日本手話の衚蚘法に぀いおの怜蚎結果を報告しおいるたた手話の画像凊理\cite{Kamata1991}や画像通信\cite{JunXU1993}の芳点からの衚蚘法も提案されおいるこれらの衚蚘法は手話の衚珟を厳密に再珟するこずを目的ずしおいるため\cite{Naitou1996}が指摘しおいるように耇雑なコヌド䜓系を甚いおいる䞀方\cite{Adachi2000}は耇雑なコヌド䜓系により蚘号化された衚珟ではなく垂販の蟞曞䞭に蚘述されおおり初孊者にも芪しみやすい扱いやすい自然蚀語文ずしお衚珟されおいる手指動䜜蚘述文間の類䌌関係を手話単語間の類䌌関係ずみなし手指動䜜蚘述文間の類䌌床を蚈算するこずで類䌌の動䜜特城を含む手話単語察の抜出方法を提案しおいるこの手法の利点の䞀぀はデヌタ収集の容易さず同時に察象単語数の倧芏暡化が容易に行える可胜性がある点である本研究では同様に単語間の類䌌性を手指動䜜蚘述文間の類䌌性ずみなす考え方を採り入れさらに「単語ず単語」ずの盎接的な類䌌関係による単語間の関係に掚移埋を満たす関係匏を新たに導入するこずで集合の同倀関係を芏定し間接的な類䌌関係をも考慮した「単語察ず単語察」ずの類䌌関係に焊点をあお䞎えられた単語集合から同倀類を抜出し分類するこずを特城ずしおいる以䞋章で手指動䜜蚘述文間の類䌌床の蚈算方法を抂説し章で類䌌関係を衚す類䌌行列の掚移行列ぞの倉換手続きによる分類方法に぀いお述べ章で本提案手法の劥圓性を怜蚌するために行った実隓結果を瀺し章で考察を行う \section{手指動䜜蚘述文間の類䌌床} \subsection{手話単語間の類䌌床の考え方}\label{idea}䞀般にパタヌン認識においおは構造を持぀オブゞェクト間の関係を蚈る尺床ずしお距離や類䌌床を定矩する必芁がある\cite{Tanaka1990}本論文では手話単語が$n$個の手指動䜜特城を持぀ずし$n$次元空間䞊の点で衚珟するこの空間䞊での$n$次元の特城ベクトルのなす角を甚いお手話単語間の類䌌床を近䌌するここで手話単語ずそれに察応する手指動䜜特城を自然蚀語文に写像した手指動䜜蚘述文に察の察応関係があるずするず、手話単語間の類䌌床問題は手指動䜜蚘述文間の類䌌床問題ず捉えるこずができる\subsection{手指動䜜蚘述文間の類䌌床の蚈算方法}\ref{idea}節で瀺した類䌌床の考え方から手話単語間の類䌌床を察応する手指動䜜蚘述文間の類䌌床ずみなすここでは二぀の手話単語$A,B$に察する手指動䜜蚘述文の文字列を$A=a_1a_2\cdotsa_m,B=b_1b_2\cdotsb_n$ずし䞡者の最長共有郚分列の長さを$LCS$ず衚蚘するずき次匏で瀺した手話単語$A,B$の類䌌係数$S(A,B)$を$A,B$間の類䌌床ずみなす\cite{Adachi1993a}\begin{equation}\label{sim}S(A,B)=\frac{LCS(A,B)^2}{mn}=\frac{LCS(A,B)}{m}\frac{LCS(A,B)}{n}\end{equation}ここで$LCS(A,B)$は動的蚈画法を利甚しお次匏で蚈算できるこずが知られおいる\cite{Thomas1990}.たた$LCS(A_i,B_j)$は郚分列$A_i$ず$B_j$の最長共有郚分列の長さを瀺し$LCS(A_i,0)=LCS(0,B_j)=0\(1\lei\lem,1\lej\len)$ずするなお$LCS$は耇数の最長共有郚分列を導出する可胜性があるがその長さは䞀意に決定できる\begin{equation}LCS(A,B)=LCS(A_m,A_n)\end{equation}\[LCS(A_i,B_j)=\left\{\begin{array}{ll}LCS(A_{i-1},B_{j-1})+1&a_i=b_j\\\max\{LCS(A_i,B_{j-1}),LCS(A_{i-1},B_j)\}&\mbox{otherwise}\end{array}\right.\]䟋えば$A=``右手を右に倒す'',B=``右手を巊に倒す''$ずした堎合衚\ref{lcs}に瀺すように$LCS(A,B)=LCS(A_{6},B_{6})=6$ずなり$S(A,B)=0.73469388$ずなるなお衚䞭の括匧で瀺した郚分は䞡者の文字が䞀臎する箇所$a_i=b_j$を瀺す\begin{table}[htb]\caption{$LCS(A,B)$の蚈算䟋}\label{lcs}\tabcolsep=3pt\footnotesize\begin{center}\begin{tabular}{c|ccccccc}&右&手&を&å·Š&に&倒&す\\\hline右&(1)&1&1&1&1&1&1\\手&1&(2)&2&2&2&2&2\\を&1&2&(3)&3&3&3&3\\右&(1)&2&3&3&3&3&3\\に&1&2&3&3&(4)&4&4\\倒&1&2&3&3&4&(5)&5\\す&1&2&3&3&4&5&(6)\\\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{手話単語の分類方法} \subsection{有限集合の同倀関係}䞀般にある有限集合$X$の盎積$X\timesX$における二項関係を$R(x,y)$ず衚蚘するここで反射埋ず察称埋を満たす$R(x,y)$を類䌌関係ず呌びその関係を行列で衚珟したものを類䌌行列ず呌ぶ\begin{eqnarray*}R(x,x)&=&1,\forallx\inX\\R(x,y)&=&R(y,x)\end{eqnarray*}さらに類䌌関係が掚移埋を満たす堎合$R(x,y)$を同倀関係ず呌び行列で衚珟したものを掚移行列あるいは同倀関係行列ず呌ぶ䟋えば次匏は掚移関係を瀺しおいる\cite{Ito1986}\[R(x,z)\ge\max_{y}\min\{R(x,y),R(y,z)\}\]なおこの同倀関係により䞎えられた有限集合の芁玠を同倀類に分割できるこずが知られおいる\cite{Klir1988}本論文で提案する分類方法は䞎えられた手話単語の有限集合を手指動䜜蚘述文間の類䌌性に基づく同倀関係により集合芁玠を同倀類ぞ分割するものである前章で定矩した類䌌床$S(x,y)$は以䞋に瀺すように反射埋ず察称埋の二぀の条件を満たしおいるこずは明らかである.\begin{center}\begin{tabular}{ll}反射埋&$S(x,x)=1$\\察称埋&$S(x,y)=S(y,x)$\\\end{tabular}\end{center}そこで以䞋の関係匏を導入し掚移埋を満たす同倀関係を導出する.\begin{equation}\label{eq:suii}S(x,z)\ge\max_{y}\min\{S(x,y),S(y,z)\}\end{equation}すなわち掚移埋は類䌌床$S(x,y)$ず$S(y,z)$から埗られる{\gt間接}の関係ず類䌌床$S(x,z)$から埗られる{\gt盎接}の関係により䞀矩的に定矩される次節では具䜓的な䟋を甚いお同倀関係による分類方法に぀いお詳现に述べる\subsection{分類方法}\label{tejun}$X=\{a,b,c,d,e\}$を䞎えられた手話単語の有限集合ずし集合$X$の芁玠間の類䌌関係$S(x,y)$は以䞋に瀺す類䌌行列$S$で衚珟されおいるずするここで察称埋により䟋えば$S(a,b)=S(b,a)=0.2$であり反射埋により察角線成分はすべお1ずなる\[S=\begin{array}{r@{}l}&\begin{array}{ccccc}\makebox[2.5em]{a}&b&\makebox[2.0em]{c}&d&\makebox[2.0em]{e}\end{array}\\\begin{array}{l}a\\b\\c\\d\\e\end{array}&\left(\begin{array}{ccccc}1&0.2&0.5&0.3&0.8\\0.2&1&0.3&0.5&0.3\\0.5&0.3&1&0.2&0.7\\0.3&0.5&0.2&1&0.2\\0.8&0.3&0.7&0.2&1\end{array}\right)\end{array}\]次に手話単語$a$ず$b$の関係を䟋ずしお掚移関係を満たす類䌌床を求める手続きに぀いお述べるたず$a$ず$b$ずの間接の関係は$S(a,c)=0.5$,$S(c,b)=0.3$$S(a,d)=0.3$,$S(d,b)=0.5$$S(a,e)=0.8$,$S(e,b)=0.3$\noindentでありそれぞれの組の䞭で最小の類䌌床の集合を$S_{min}$ず衚蚘するず$S_{min}=\{0.3,0.3,0.3\}$ずなりその最倧倀は$0.3$ずなる䞀方手話単語$a$ず$b$の盎接の関係は$S(a,b)=0.2$であるこの盎接ず間接の関係にある類䌌床を比范しお倧きい方の倀を掚移関係における$S(a,b)$の類䌌床ずするこの䟋では間接の類䌌床の方が倧きく$S(a,b)=0.3$ずなるここで類䌌行列$S$における類䌌床$S(x,z)$ず区別するため掚移行列を$T$ず衚蚘し$T$における類䌌床を$T(x,z)$ず衚蚘するず匏(\ref{eq:suii})は次匏で衚珟でき掚移行列$T$は以䞋のように衚珟される\begin{equation}\label{eq:trans}T(x,z)=\max\Bigl(S(x,z),\max_{y}\min\{S(x,y),S(y,z)\}\Bigr)\end{equation}\[T=\begin{array}{r@{}l}&\begin{array}{ccccc}\makebox[2.5em]{a}&b&\makebox[2.0em]{c}&d&\makebox[2.0em]{e}\end{array}\\\begin{array}{l}a\\b\\c\\d\\e\end{array}&\left(\begin{array}{ccccc}1&0.3&0.7&0.3&0.8\\0.3&1&0.3&0.5&0.3\\0.7&0.3&1&0.3&0.7\\0.3&0.5&0.3&1&0.3\\0.8&0.3&0.7&0.3&1\end{array}\right)\end{array}\]さらに掚移行列$T$を察角線成分に近い皋行列成分類䌌床の倀が倧きくなるように行列の芁玠間の亀換を行うず以䞋の掚移行列$T_{sort}$が埗られる\[T_{sort}=\begin{array}{r@{}l}&\begin{array}{ccccc}\makebox[2.5em]{a}&e&\makebox[2.0em]{c}&d&\makebox[2.0em]{b}\end{array}\\\begin{array}{l}a\\e\\c\\d\\b\end{array}&\left(\begin{array}{ccc|cc}1&\multicolumn{1}{c|}{0.8}&0.7&0.3&0.3\\0.8&\multicolumn{1}{c|}{1}&0.7&0.3&0.3\\\cline{1-2}0.7&0.7&1&0.3&0.3\\\hline0.3&0.3&0.3&1&0.5\\0.3&0.3&0.3&0.5&1\end{array}\right)\end{array}\]これにより䞎えられた手話単語の有限集合$X$はある適切な閟倀$\alpha$を蚭定するこずで$\alpha$における同倀関係$T_{\alpha}$により互いに玠な郚分集合に盎和分割されるここで集合$X$の閟倀$\alpha$による分割を$X/T_{\alpha}$ず衚蚘し閟倀($1\ge\alpha\ge0$)を段階的に倉化させるこずにより以䞋に瀺すように$\alpha$による階局構造を構成するこずができる\begin{eqnarray*}X/T_{1.0}&=&\{a,b,c,d,e\}\\X/T_{0.8}&=&\{\(a,e),\c,d,b\}\\X/T_{0.7}&=&\{\(a,e,c),\d,b\}\\X/T_{0.5}&=&\{\(a,e,c),\(d,b)\}\\X/T_{0.3}&=&X/T_{0.0}=\{\(a,e,c,d,b)\\}\end{eqnarray*}同様に行列$T_{sort}$は以䞋に瀺すように䞀般にデンドログラム暹系図ず呌ばれる階局的なクラスタリング結果を内包しおいるず捉えるこずができる.なお本論文では䟿宜䞊以䞋に瀺す連分数の衚珟圢匏を甚いお階局関係を衚珟するこずにする\[\cfrac{0.3}{\dfrac{0.5}{b,d}+\cfrac{0.7}{\cfrac{0.8}{a,e}+c}}\]以䞊の手続きで埗られた掚移行列を甚いるず単語察ず単語察ずの類䌌床が䞀矩的に決定される \section{実隓ず結果} ここでは本手法の劥圓性を怜蚌するため䞎えられた手話単語の集合を同倀類に分割する実隓を行った結果を瀺し埗られた同倀類に含たれる手話単語を分析しどのような手指動䜜特城の類䌌性により手話単語が結束しおいるのかを明らかにし手指動䜜特城ず単語の意味ずの関係すなわち手話単語の造語法を解明する䞊での手がかりや手話単語の電子化蟞曞を構築する䞊での有甚な情報が埗られたか吊かで評䟡を行う\subsection{実隓デヌタ}\label{pre}議論を明確にするため本論文では顔特に``口''の郚分を手指動䜜特城の芁玠手の䜍眮ずしお甚いる手話単語の有限集合を実隓察象ずし以䞋の手順で実隓デヌタを準備した最初に手話蟞兞\cite{MaruyamaKoji1984}からキヌワヌドずしお``口''たたは``唇''を含む手指動䜜蚘述文以䞋蚘述文ず略蚘するを抜出し人手により蚈算機に入力した次に衚\ref{marge}に瀺すように同䞀の蚘述文$S(x,x)=1$に盞圓をマヌゞし最終的に101蚘述文ずその単語芋出しをペアずする構造の実隓デヌタを準備した\footnote{蚘述文䞭の「唇」は「口」ず同䞀芖し文字の眮換凊理により「口」に統䞀した}なお衚\ref{marge}䞭の単語芋出しの添字の意味は数字が耇合語を構成する蚘述文の出珟する配列順序を瀺す䞀方英字は同䞀の単語芋出しに察しお異なる手話衚珟が蟞曞に定矩されおいるこずを意味する䟋えば衚\ref{marge}䞭の「恥ずかしい.A.1」ず「恥ずかしい.B.1」は単語芋出し「恥ずかしい」に察しお二぀の手話衚珟A,Bが蟞曞に定矩されおおりA,Bずもに同䞀の蚘述文を耇合語衚珟の最初に甚いおいるこずを瀺す\begin{table}[htb]\caption{同䞀の手指動䜜蚘述文を含む単語矀}\label{marge}\tabcolsep=3pt\footnotesize\begin{center}\begin{tabular}{|l|}\hline右手の人差指を䞋唇にあおお右に匕く\\\hline遺䌝.1,火事.1,赀十字.1,速達.2,゜連.1,日曜日.B.1,日赀日本赀十字瀟の略称.1,\\はしか.1,恥ずかしい.A.1,恥ずかしい.B.1,はにかむ.1,火.1,貧血.1,もみじ.1,りんご.1,\\火曜日.1,血液.1,錆.1,出血.1,信号.1\\\hline人差指を立おお唇にあおる\\\hline家出.1,隠す.1,スパむ.1,亡呜.1\\\hline人差指ず芪指を䌞ばしおその぀け根を口の前におき二指を開閉する\\\hline鳥取.1,é³¥.1\\\hline人差指で口のずころに小さく円を描く\\\hline読話.1,口話.1\\\hline小指を䞋唇にあおる\\\hlineæµ·.1,しょうゆ.1\\\hline五指を折り曲げた右手を口の前でたわす\\\hline蟛い,カレヌラむス.1\\\hline右手の芪指を口の前で右から巊に埀埩させる\\\hline通蚳,玹介\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{実隓方法ず結果}以䞋では\ref{tejun}節で述べた分類手順に埓いその過皋で埗られた結果を段階的に瀺しながら実隓方法の説明を行うたず最初に\ref{pre}節で埗られた蚘述文間の類䌌床を匏\ref{sim}で求める衚\ref{sim_kekka}は類䌌床$0.6$以䞊の単語察ずしお抜出された25組を瀺すその結果図\ref{s_matrix1}に瀺すように$31\times31$の類䌌行列が埗られるここで行列は察角線成分$S(x,x)=1$ず衚\ref{sim_kekka}の単語察に察応する芁玠成分$S(x,y)\ge0.6$を蚘号``$\ast$''で瀺すすなわち図\ref{s_matrix1}に瀺した類䌌行列は閟倀$\alpha$を$0.6$に蚭定し閟倀$\alpha$以䞊の成分を1ずみなし$\alpha$未満の成分は0ずした閟倀行列ず捉えるこずができる\begin{table}[htb]\caption{類䌌床$0.6$以䞊の手話単語ペア}\label{sim_kekka}\tabcolsep=3pt\footnotesize\begin{center}\begin{tabular}{c|l||c|l}\hline類䌌床&手話単語ペア&類䌌床&手話単語ペア\\\hline\hline0.97&(梅干し.1,梅.1)&0.68&(蚀い蚳.2,打ち消す.1)\\\hline0.94&(蚀う,蚀い蚳.2)&0.66&(アドバむス.2,蚀葉.1)\\\hline0.89&(遺䌝.1,苺.1)&0.66&(お䞖蟞.1,打ち消す.1)\\\hline0.88&(遺䌝.1,日曜日.A.1)&0.65&(枋い,唐蟛子.1)\\\hline0.85&(逅.2,そば蕎麊)&0.64&(蚀う,取り寄せる.1)\\\hline0.85&(読話.1,口実.1)&0.63&(蟛い,こしょう.1)\\\hline0.77&(日曜日.A.1,苺.1)&0.63&(蚀う,お䞖蟞.1)\\0.75&(ニュヌス.2,発蚀)&0.62&(発蚀,癜状)\\\hline0.75&(こしょう.1,唐蟛子.1)&0.62&(颚邪.1,咳)\\\hline0.74&(蚀う,打ち消す.1)&0.62&(蟛い,枋い)\\\hline0.69&(゜ヌス.1,こしょう.1)&0.62&(赀字.1,玅茶.1)\\\hline0.69&(ラヌメン.2,逅.2)&0.61&(取り寄せる.1,蚀い蚳.2)\\\hline0.69&(恥ずかしい.B.2,はにかむ.2)&&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}[htb]\begin{center}\atari(71,121)\end{center}\caption{類䌌行列}\label{s_matrix1}\end{figure}次にこの類䌌行列を匏\ref{eq:trans}を甚いお掚移関係を満たす類䌌床を求め図\ref{tr_matrix2}に瀺す掚移行列が埗られるここで䟋えば図\ref{s_matrix1}に瀺した類䌌行列の単語ラベル「蟛い」に泚目するず盎接的な類䌌関係ずしお単語察蟛い枋いず蟛いこしょう.1の二぀があるこずが分かる䞀方図\ref{tr_matrix2}に瀺した掚移行列では間接的な類䌌関係蟛い−こしょう.1−゜ヌス.1蟛い−こしょう.1−唐蟛子.1により新たに単語察蟛い゜ヌス.1ず蟛い唐蟛子.1の類䌌関係が類䌌床$0.6$以䞊の二項関係ずしお導出されおいるこずが分かる\begin{figure}[htb]\begin{center}\atari(72,120)\end{center}\caption{掚移行列}\label{tr_matrix2}\end{figure}さらに図\ref{tr_matrix2}に瀺した掚移行列を察角線成分に近いほど類䌌床の倀が倧きくなるように成分間の亀換を行い図\ref{tr_matrix3}に瀺した掚移行列閟倀行列が最終的に埗られ31単語芋出しは11個の同倀類に結束されたこずが分かる同様に類䌌床$0.5$以䞊では図\ref{tr_matrix5}に瀺すように41単語芋出しが16個の同倀類に結束された\begin{figure}[htb]\begin{center}\atari(72,120)\end{center}\caption{類䌌床の閟倀を0.6に蚭定した堎合の分割䟋}\label{tr_matrix3}\end{figure}以䞋では同倀類に結束された手話単語間の類䌌の手指動䜜特城は䜕かを明らかにするため単語間の蚘述文を比范し類䌌の手指動䜜特城が瀺す抂念特城ず手話単語の造語法ずの関係に぀いお分析を行うたた閟倀$\alpha=0.6$ず$0.5$の堎合の分類結果を比范し単語間の階局性に぀いおも議論する\begin{figure}[htb]\begin{center}\atari(82,146)\end{center}\caption{類䌌床の閟倀を0.5に蚭定した堎蚀の分割䟋}\label{tr_matrix5}\end{figure}分析の結果$\alpha=0.6$で結束された「遺䌝.1」を含む同倀類の手話単語は衚\ref{marge}に瀺した同矩の手話単語芋出しも含め単語芋出し「赀」に察する手話衚珟を耇合語の構成芁玠ずする郚分集合を構成しおいるこずが分かったたた手指動䜜衚珟は「唇の色」あるいは「口玅を匕く塗る仕草」を衚珟し``赀い''ずいう属性抂念に察応しおいるず捉えるこずができる同様な䟋ずしお単語芋出し「黒」「癜」に察応する手話衚珟はそれぞれ「掌で頭髪の毛をこする」「人差指で歯を瀺す」ずいうように「黒い髪」「癜い歯」を匷調的に瀺すこずで色に関する属性抂念を衚珟しおいる䞀方同倀類(赀字.1,玅茶.1)は右手で「赀」に察する手指動䜜を衚珟し巊手でそれぞれ「垳簿」「カップ」を瀺す手指動䜜衚珟を行っおいるこのように巊手の手指動䜜衚珟に察する蚘述文の差異が類䌌床に反映され結果ずしお異なる同倀類を構成しおいる\begin{list}{}{\setlength{\topsep}{3pt}}\item[{\bf赀字.1}]掌を䞊に向けた巊手を胞の前におき右手の人差指を䞋唇にあおお軜く右に匕く\item[{\bf玅茶.1}]わん曲させた巊手を胞の前におき右手の人差指を䞋唇にあおお軜く右に匕く\end{list}\noindentなお図\ref{tr_matrix5}に瀺すように$\alpha=0.5$ではこの二぀の同倀類は䜵合され``èµ€''の属性抂念を瀺す単語集合ずなり以䞋に瀺す階局関係を構成しおいるこの堎合には片手手話ず䞡手手話ずいう差異を瀺しおいるず捉えるこずができるたた1章で述べた写像性ずいう芳点でみるず空間的か぀同時的に配列する手話の特城を瀺しおおり手指動䜜蚘述文では巊手の特城を蚘述した埌に右手の特城を蚘述する傟向がみられる\[\cfrac{0.5}{\cfrac{0.6}{赀字,玅茶}+\cfrac{0.6}{遺䌝,苺,日曜日,etc}}\]同様に同倀類(蟛い,゜ヌス.1,こしょう1,唐蟛子.1,枋い)は「五指を折り曲げた右手を口の前で平面的に動かす」ずいう手指動䜜特城により結束され特に蟛い゜ヌス.1こしょう.1唐蟛子.1は回転動䜜を共有し「蟛い」ずいう味芚に関する属性抂念を瀺しおいる䞀方「枋い」は䞊䞋の動䜜であり味芚に関する別の属性倀を担っおいるたた$\alpha=0.5$ではこの同倀類に「苊い」が結束され巊右の動䜜を瀺しおいるこの結果この同倀類に結束された単語集合は蟛い、苊い、枋いずいう味芚抂念を瀺しおいるず同時に手の圢に共通性がある䞀方同様に味芚に関する抂念を衚しおいる「甘い」は「甘やかす.1」ず結束され「蟛い」ず回転動䜜の共通性がみられるが手の圢が五指を広げたものでありこの手の圢の差異が別の同倀類を構成しおいる芁因ず考えられるこのように手指動䜜特城の芁玠である「手の圢」が「甘い」ず「蟛い」を代衚ずする``甘くない''抂念を担う単語集合ずの察立芳点ず捉えるこずができる以䞋に蚘述文間の類䌌性による階局関係を瀺す\[\cfrac{0.5}{苊い+\cfrac{0.6}{蟛い,枋い}}+\cfrac{0.5}{甘い}\]なお手話衚珟は手指動䜜衚珟だけでなく顔の衚情や口圢なども重芁な単語の構成芁玠であるが本論文では手指動䜜特城に焊点をあお分析を行った他の同倀類においおも䟋えば同倀類ラヌメン.2,逅.2,蕎麊は``箞で口に運ぶ仕草''を衚珟した手指動䜜特城を共有する単語集合であり「食べる」に関する抂念を瀺すたた「蚀う」を含む同倀類は``口から出おいく仕草''を衚象し「発蚀」ずラベル付けが可胜な抂念を共有する単語集合ず捉えるこずができ類䌌の手指動䜜特城により同倀類を構成し手指動䜜特城が瀺す抂念ずの察応関係が確認された\begin{list}{}{\setlength{\topsep}{3pt}}\item[{\bfラヌメン}]=指文字ラ+箞で食べる仕草\item[{\bf蕎麊}]=箞で食べる仕草\item[{\bf逅}]=逅を぀く仕草+箞で食べる仕草\end{list}\noindentこのように本実隓により埗られた同倀類を分析した結果「口」を手指動䜜特城の芁玠手の䜍眮ずする単語集合は䟋えば「赀」「発蚀」「味芚」「食べる」などずラベル付けが可胜な抂念特城を共有する郚分集合に分類できるこずが分かったこのように「口」を手の䜍眮ずする手指動䜜特城を持぀単語集合の分類実隓から類䌌の動䜜特城を含む手話単語を結束し手指動䜜特城の衚す抂念ずの関係など手話単語の造語法を明らかにする䞀぀の手がかりを瀺しおいるたた分類結果は電子化蟞曞システムなどの構築に有甚な知識デヌタず捉えるこずができ本提案手法の有効性を瀺す結果が埗られたず考える \section{考察} 実隓により本提案手法を甚いお手話単語の造語法の特城を瀺す幟぀かの同倀類を抜出し手指動䜜特城ず抂念ずの察応関係を瀺す重芁な手がかりの䞀郚を提䟛するこずができたず考える以䞋では明らかになった問題点を敎理し今埌の課題ず利甚法に぀いお考察を行う\subsection{問題点ず今埌の課題}「味芚を衚す抂念」ずラベル付けが可胜な同倀類ずしお䟋えば類䌌床の閟倀を$0.5$ずした堎合蟛い枋い苊いず甘いが異なる同倀類ずしお結束されたこの䞡者の察立芳点は「手の圢」に関する手指動䜜特城ず捉えるこずができるすなわち「右手の五指を折り曲げる」ずいう手の圢ず「右手の五指を䌞ばした」ずいう手の圢の察立であるたた蟛い甘いの単語察に぀いおは「回転」動䜜を衚す手指動䜜特城を共有しおいる䞀方蟛い枋い苊いの単語はそれぞれ回転䞊䞋巊右の動䜜を衚す手指動䜜特城の差異が認められる\begin{list}{}{\setlength{\topsep}{3pt}}\item[{\bf蟛い}]五指を折り曲げた右手を口の前でたわす\item[{\bf枋い}]五指を折り曲げた右手を口の前で二床ほど䞊䞋する\item[{\bf苊い}]五指を折り曲げた右手を口の前におき二床ほど巊右に動かす\item[{\bf甘い}]掌を口の前にあおお二床ほど回転させる\end{list}\noindentここで蚘述文間の差異が類䌌床の倀にどのように圱響したかに぀いお分析を行うず甘いの手圢を「掌」で衚珟し蟛いに代衚される手圢を「五指を折り曲げた」で衚珟しおおりこの文字列の差異が類䌌床に反映されおいるたた回転動䜜に察しお甘いは「たわす」であり蟛いは「回転させる」ず衚珟されおいる本来は共通の動䜜を瀺すべき衚珟の差異が類䌌床の蚈算に反映されおいる䞀方「甘い」以倖の味芚衚珟の単語矀は手の圢に関する蚘述文に共通性五指を折り曲げるがあるたた「蟛い」に察する手話衚珟を甚いる単語芋出し゜ヌス.1唐蟛子.1こしょう.1は衚\ref{marge}に瀺した単語芋出し「カレヌラむス.1」ず同様に事前に同䞀の手話衚珟ずしおマヌゞされるべきものであるが``衚珟衚蚘のゆれ''により機械的な文字列照合での䞀臎ができなかった「赀」や「蚀う」を甚いる単語に぀いおも同様である\begin{list}{}{\setlength{\topsep}{3pt}}\item[{\bf゜ヌス.1}]五指を折り曲げた右手を口の前におきぐるぐる回転させる\item[{\bf唐蟛子.1}]五指を折り曲げた右手を口の前で二床ほど回転させる\item[{\bfこしょう.1}]五指を折り曲げた右手を口の前で回転させる\end{list}\noindentこのように本論文の実隓では垂販の手話蟞兞に蚘茉の蚘述文をそのたた利甚したが蚘述文の蚘述圢匏を正芏化する方法を今埌怜蚎したいその際に手指動䜜特城手の圢手の䜍眮手の動きの各芁玠に察する蚘述文䞭での占める割合を重み付けした類䌌床を怜蚎する必芁があるず考えるたた「赀」ずいう属性倀を持぀単語集合ずしお結束された同倀類の手話単語は単語間の匁別芁玠ずしお耇合語を構成する他の手話衚珟を利甚しおいるが耇合語ずしお比范した結果遺䌝,血液火火曜日赀十字日赀恥ずかしい,はにかむの単語察は同䞀の手話衚珟であったなお火火曜日ず火事は匁別芁玠ずなる動䜜衚珟ずしお片手ず䞡手で衚珟する差異が認められるこのように耇合語ずしお衚珟される手話単語を党䜓ずしおその手指動䜜特城の類䌌性を蚈算する手法に぀いおも今埌の課題ずする\begin{list}{}{\setlength{\topsep}{3pt}}\item[{\bf火.2}]掌を䞊にしおわん曲させた右手を䞊にひねりながら䞊にあげおいく\item[{\bf火事.2}]掌を向かい合わせおわん曲させた䞡手を炎のように動かしながら䞊にあげおいく\end{list}\subsection{利甚法に぀いお}ニュヌス原皿を手話通蚳する珟堎サむドから垂販の蟞曞に収録されおいない未定矩語ずしおの手話単語を新たに造語する必芁性が指摘されおいる\cite{Shigaki1991}その䞭で「政党」ず「政治団䜓」は明確に区別しお報道する必芁があるそのため団䜓サヌクル集団を衚す手話衚珟の手指動䜜特城の芁玠である手の圢だけを指文字の「ず」に倉曎しお手話単語「党ずう」を造語した事䟋が報告されおいるたた\cite{Tokuda1998}は手話通蚳システムにおける問題点の䞀぀である日本語の単語芋出しず手話単語の日本語ラベルずのギャップを解消する手話単語蟞曞の補完方法ずしお日本語蟞曞の抂念説明文や語釈文から手話蟞曞に未定矩の日本語単語芋出しに察応する手話衚珟を造語類掚する堎合の問題点を指摘しおいるこれは\ref{hajime}章で述べたように抂念特城ずしお語釈文などの定矩的特城よりも性栌的特城から芖芚的な「写像」が容易な特城玠を抜出し手話衚珟に利甚される傟向があるこずを瀺しおいる䟋えば「速達」や「日曜日」の手話衚珟に「赀」の手話衚珟を甚いおいるすなわち``手玙に抌される赀いスタンプ''や``カレンダヌ䞊で赀い数字で瀺される''ずいうような性栌的特城に䜍眮付けられる抂念特城に基づき手話単語を造語しおいるこのように手話単語を手指動䜜特城の類䌌性により分類するこずは既に定矩されおいる単語の語構成を明らかにし未定矩語を類掚する堎合に有効利甚できるず考える\cite{Honna1994}が報告しおいるように新しく定矩された単語ず既に定矩されおいる単語ずの䞍敎合を解消するため既存の手話単語を倉曎する必芁性が生じる堎合があるその際に手話単語の造語成分ずなる手指動䜜特城の担う抂念の敎理ず分類は今埌たすたす重芁になるず考える䟋えば本実隓に䜿甚した手話蟞兞では「赀字」は定矩されおいるが「黒字」が未定矩語であるこのような堎合に類矩語ずしお「赀字」が怜玢されその語構成「赀+蚘垳する仕草」から「赀」を「黒」に眮換するこずで劥圓な手話衚珟「黒字」\cite{Ito1982}を類掚するこずができるず考える同様な考えから\cite{Adachi1993}は蟞曞に収録定矩されおいる手話単語の耇合語の造語成分ず構成順序に着目した分類を甚いお類矩語の造語成分の䞀郚を眮換するこずで未定矩語の手話衚珟を類掚する方法を提案しおいるここで造語成分を分析敎理する手がかりずしお本手法を有効に利甚できるず考えるさらに本手法により埗られた掚移行列を怜玢蟞曞ず捉えれば自然蚀語で衚珟された蚘述文を入力ずし類䌌の動䜜特城を含む単語集合同倀類を提瀺する類䌌怜玢機構に有効利甚できるず考えるここで類䌌の動䜜特城を含む単語を提瀺する類䌌怜玢の機胜は手話単語を匁別する芁玠ず単語の造語法を理解できるなど手話の孊習効果を高める効果が期埅できるず考えるこの怜玢方法の怜蚎ず実珟は今埌の重芁な怜蚎課題ずしたいこのように垂販の手話蟞兞の手指動䜜蚘述文間の類䌌性を蚈る尺床ずなる類䌌床の蚈算方法の改良や手指動䜜蚘述文の正芏化など残された課題もあるが本提案手法により䞎えられた単語集合を同倀類に分割するこずで手話単語の造語法の解明ず蚈算機凊理に有甚な手がかりを比范的容易に抜出、収集するこずができるず考えるたた察象デヌタが垂販の手話蟞兞から収集できるこずはデヌタ量の確保が容易であり耇雑なコヌド䜓系による衚珟でなく自然蚀語文ずしお衚珟される点は人手による線集や分析䜜業を容易にする可胜性が高いず考える \section{むすび} 本論文では垂販の手話蟞兞に定矩されおいる手話単語の手指動䜜蚘述文間の類䌌性に着目した手話単語の分類方法を提案した本手法の特城は手指動䜜蚘述文間の類䌌関係を手指動䜜特城間の関係ずみなし同倀関係に基づき手話単語を同倀類に分割する点にある具䜓的には,手指動䜜蚘述文間の類䌌床を蚈算し手話単語間の類䌌行列を求める次に掚移関係匏により掚移行列を導出し䞎えられた手話単語の有限集合を同倀関係による同倀類に分割するたた類䌌床の閟倀を段階的に倉化させるこずで同倀関係に基づく単語集合の階局分類が可胜であるこずを瀺した.実隓の結果類䌌の手指動䜜特城により結束された同倀類を抜出し手指動䜜特城の類䌌性ず手話単語の造語法ずの関係を解明する手がかりを瀺す結果が埗られた手話を察象ずした自然蚀語凊理システムにおいお手指動䜜特城に基づく手話単語の怜玢機胜の実珟は䞍可欠な芁玠技術の䞀぀であり同倀関係に基づく掚移行列を怜玢蟞曞ず捉えた手話単語の類䌌怜玢方法の怜蚎が今埌の重芁な課題である\acknowledgment本研究を進めるにあたり有益なご瀺唆ご蚎論を頂いた宇郜宮倧孊鎌田䞀雄教授熊谷毅助教授に心より感謝するたたデヌタ敎理実隓等に協力頂いた研究宀の孊生諞氏に感謝するなお本研究の䞀郚は文郚省科研費厚生省科研費実吉奚孊䌚電気通信普及財団攟送文化基金トペタ自動車栢森情報科孊振興財団倧川情報通信基金の揎助によった\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{B}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{安達久博}{1981幎宇郜宮倧孊工孊郚情報工孊科卒業1983幎同倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎東京芝浊電気株匏䌚瀟珟株東芝入瀟同瀟総合研究所情報システム研究所に所属この間株日本電子化蟞曞研究所(EDR)に4幎間出向1992幎より宇郜宮倧孊工孊郚助手珟圚聎芚障害者の情報獲埗を支揎する手話通蚳システムに関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V09N02-03
\section{はじめに} 本論文では,コヌパスから事象間の関係を抜出する問題においお,事象間の䞀察倚関係を掚定する問題を取り䞊げた.コヌパスから事象間の関係を掚定する堎合,それらの事象は共起出珟するこずに基づく掚定を行うこずが倚い.しかし,そこで甚いられおいる手法は暗黙のうちに,掚定する関係が䞀察䞀関係であるず想定しおいるものがほずんどである.しかし抜出すべき事象間の関係は䞀察䞀関係であるずは限らず,あらかじめ関係が䞀察倚関係であるこずがわかっおいる堎合もある.このような堎合,これたでの䞀察䞀関係を前提ずした手法が有効であるかどうかは明らかではない.䞀方,デヌタベヌスにおいお連想芏則を抜出する問題においお,その芏則が衚す事象間の関係が䞀察倚関係であるこずを考慮した手法が甚いられおいる\cite{Agrawal96}.しかし,この手法がコヌパスから事象間の関係を掚定する問題に効果的であるかどうかは明らかではない.ここで,事象間の関係が䞀察倚関係である堎合,それらの事象が持぀出珟パタヌン間の関係は䞀臎ではなく,包含関係であるこずが芳枬される.そこで,本論文では,出珟パタヌンの包含関係に匷いずされる類䌌尺床を探し,この条件にあおはたる類䌌尺床ずしお,文字認識の分野で提案されおいる補完類䌌床\cite{Hagita95}に着目した.そしお,この類䌌尺床をコヌパスから事象間の䞀察倚関係を抜出する問題に適甚し,その有効性を評䟡する.さらに,評䟡実隓を通しお,これたでにコヌパスから事象間の関係を掚定するこずに甚いられおいる類䌌床やデヌタベヌスにおいお連想芏則を発芋するこずに甚いられる尺床ず,補完類䌌床ずの間で性胜の比范を行う.これたでに甚いられおいる類䌌尺床ずしお,平均盞互情報量,自己盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数を遞んだ.これらは関係の抜出に甚いられる代衚的な類䌌尺床である.たた,䞀察倚関係を掚定する問題においお,非察称性を持぀尺床ず察称性を持぀尺床ずの性胜差を枬るために,平均盞互情報量を改良し,非察称性を持たせた非察称平均盞互情報量を定矩し,比范察象ずする尺床に加えた.実隓察象ずなる事象ずしおは地名(郜道府県垂郡名)を遞んだ.地名は実䞖界においお䞀察倚関係を持぀事象である.実隓は,人工的に生成したデヌタ集合ず実デヌタに察しお行った.人工的に生成したデヌタ集合は実圚する地名の䞀察倚関係から擬䌌的に関係を取り出し,それをデヌタずしお生成したデヌタ集合である.このデヌタ集合においお,珟存する䞀察倚関係を再珟する胜力を枬定した.実デヌタを甚いた実隓では,実際の新聞蚘事における地名の出珟パタヌンから珟存する䞀察倚関係を掚定する胜力を枬定した.これらの実隓の結果においお,補完類䌌床はこれたでのコヌパスからの関係抜出に甚いられおきた類䌌尺床よりも優れ,連想芏則の抜出に甚いられる類䌌尺床よりもよい特性を瀺した.この論文は以䞋のような構成になっおいる.たず2節に,䞀察倚関係を掚定する問題を定矩するために必芁な芁玠を定矩する.次に3節では,評䟡察象ずする類䌌尺床の抂芁ず,補完類䌌床,これず比范察象ずなる尺床,平均盞互情報量,自己盞互情報量,非察称平均盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数,信頌床を瀺す.4節では,実隓の抂芁ず,モデルに埓っお生成された人工的なデヌタにおける実隓,実デヌタを甚いた実隓を瀺す.5節で考察し,6節で関連研究を瀺す.最埌に7節でたずめる. \section{問題定矩} この節では,本論文で扱う問題に぀いおの定矩を瀺す.扱う事象は事柄を衚す名前ラベルずする.ここでは,ラベル間には隠れた関係があり,ラベルの集合からその関係を掚定するずいう問題を定矩する.\begin{df}ラベルの定矩ラベル$l$は関係を定める察象であり,あるラベルず他のラベルが同䞀であるかないかを刀定できる事柄を衚す名前である.本論文では,ラベルの集合を$L$ず衚す.\begin{eqnarray*}L&=&\{l|lはラベル\}\end{eqnarray*}\end{df}\begin{ex}ラベル集合$L$の䟋\begin{eqnarray*}L_{example}&=&\{北海道,沖瞄県,札幌垂,那芇垂,釧路垂,東京郜\}\end{eqnarray*}\end{ex}\begin{df}䞀察倚関係の定矩䞀察倚関係$\langlex,y\rangle$はラベル間で定矩される関係である.䞀察倚関係においおは,次の二぀の匏が成り立぀.\begin{eqnarray*}&&{}^{\forall}a\inL;{}^{\forall}b\inL;{}^{\forall}c\inL;\langlea,c\rangle\wedge\langleb,c\rangle\rightarrowa=b\\&&{}^{\exists}a\inL;{}^{\exists}b\inL;{}^{\exists}c\inL;\langlea,b\rangle\wedge\langlea,c\rangle\wedgeb\neqc\end{eqnarray*}最初の定矩は,関係の右のラベルが等しい堎合には関係の巊のラベルも等しいこずを意味しおいる.二番目の定矩は,この関係には䞀察䞀ではないラベルが存圚するずいうこずを意味しおいる.これらの定矩が成立する匏の集合を$R$ず定矩し,関係集合ず呌ぶこずにする.\begin{eqnarray*}R&=&\{\langlel_c,l_p\rangle|l_c,l_p\inL\}\\\end{eqnarray*}\end{df}\begin{ex}関係集合$R$の䟋\begin{eqnarray*}R_{example}&=&\{\langle北海道,札幌垂\rangle,\langle北海道,釧路垂\rangle,\langle沖瞄県,那芇垂\rangle\}\end{eqnarray*}\end{ex}\begin{df}雑音のないデヌタ集合の定矩ラベル集合$L$があり,関係集合$R$があるずする.このずき,ラベル集合の郚分集合$d$があり,この$d$で構成される集合が芳枬できるデヌタ集合$D$であるず考える.ここで,$2^L$はLのべき集合を衚す.このずき,芳枬できるデヌタ集合$D$は次のように定矩できる.\begin{eqnarray*}D&=&\{d|d\in2^L\wedge{}^{\forall}l\ind;{}^{\exists}\langlel_c,l_p\rangle\inR;((l=l_c\wedgel_p\ind)\vee(l=l_p\wedgel_c\ind))\}\end{eqnarray*}この匏は,芳枬できるそれぞれの$d$にあるラベルはある関係集合の芁玠から察で取り出されたラベルで,必ず関係の盞手であるラベルも$d$にあるずいうこずを意味しおいる.\label{no-noise}\end{df}\begin{ex}雑音のないデヌタ集合の䟋\begin{eqnarray*}L_{example}&=&\{北海道,沖瞄県,札幌垂,那芇垂,釧路垂,東京郜\}\\R_{example}&=&\{\langle北海道,札幌垂\rangle,\langle北海道,釧路垂\rangle,\langle沖瞄県,那芇垂\rangle\}\\&&のずき,\\D_{example}&=&\{\{沖瞄県,那芇垂\},\{北海道,札幌垂,釧路垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,沖瞄県,那芇垂\}\}\end{eqnarray*}\end{ex}\begin{df}出珟パタヌンの包含関係の定矩ここで,ラベルを匕数ずする関数$\tilde{D}$を定矩する.この関数は䞎えられたラベルを含むデヌタ集合$D$の芁玠$d$を返す関数である.\begin{eqnarray*}\tilde{D}(l)&=&\{d|l\ind\}\end{eqnarray*}この関数を䜿うず,あるラベル$l_c$の出珟パタヌンが他のラベル$l_p$の出珟パタヌンを包含するこずを次のように定矩できる.\begin{eqnarray*}\tilde{D}(l_p)\subseteq\tilde{D}(l_c)\end{eqnarray*}\end{df}たた,関係集合$R$においお,巊のラベル$l_c$の集合を$L_c$,右のラベル$l_p$の集合を$L_p$ずしたずき,関係が䞀察倚関係であるならば,次の匏が成り立぀.\begin{eqnarray*}&&L_c\capL_p=\phiならば,{}^{\forall}\langlel_c,l_p\rangle\inR;\tilde{D}(l_p)\subseteq\tilde{D}(l_c)\end{eqnarray*}蚀い換えるず,この状況においお関係集合が䞀察倚関係であるこずは,すべおの関係に぀いお,巊のラベル$l_c$の出珟パタヌンは右のラベル$l_p$の出珟パタヌンを包含するずいう関係になるずいうこずである.\begin{df}雑音のないデヌタ集合から関係を掚定する問題雑音のない集合から関係集合を掚定する問題は,ラベル集合$L$ず芳枬できるデヌタ集合$D$から関係集合$R$を求めるこずである.ここで,求められた集合を$\hat{R}$ず蚘述するこずにする.$\hat{R}$を埗たずしおも,その芁玠である関係が実際に成り立っおいるかを簡単には決定できないため,この問題を厳密に解くこずは難しい.実際には,$\hat{R}$にあるラベル間の関係$\langlel_c,l_p\rangle$が真実の関係集合$R$に含たれるかどうかを刀定するこずによっお掚定を行う.そしお,$\hat{R}$の芁玠が$R$の芁玠である確率が高いほどよい掚定ず考える.\end{df}\begin{df}雑音のあるデヌタ集合の定矩\label{with-noise}実䞖界のデヌタベヌスの倚くは「雑音のあるデヌタ集合」である.雑音$d_N$のあるデヌタ集合$D^*$は,雑音のないデヌタ集合$D$を構成する各集合$d$に,$d$に含たれおいるどのラベルずの間においおも,関係集合$R$にある関係が成り立たないラベルを远加した集合$d^*$の集合ず考える.すなわち,雑音$d_N$は,$d$に含たれるどのラベルずの間にも正解集合$R$にある関係が成り立たないラベル$l_N$を持぀集合である.ここで,$2^L$は$L$のべき集合を衚す.このずき,芳枬できるデヌタ集合$D^*$は次のように定矩できる.\begin{eqnarray*}D^*&=&\{d^*|{}^{\exists}d_N\in2^L;{}^\existsd\inD;{}^\foralll_N\ind_N;{}^\foralll\ind;\\&&\,\,\,\,\langlel_N,l\rangle\not\inR\wedge\langlel,l_N\rangle\not\inR\wedged^*=d\cupd_N\wedge|d|\gg|d_N|\}\end{eqnarray*}\end{df}\begin{ex}雑音のあるデヌタ集合の䟋\begin{eqnarray*}L_{example}&=&\{北海道,沖瞄県,札幌垂,那芇垂,釧路垂,東京郜\},\\R_{example}&=&\{\langle北海道,札幌垂\rangle,\langle北海道,釧路垂\rangle,\langle沖瞄県,那芇垂\rangle\},\\D_{example}&=&\{\{沖瞄県,那芇垂\},\{北海道,札幌垂,釧路垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,沖瞄県,那芇垂\}\}\\のずき,&&\\D^*_{example}&=&\{\{沖瞄県,那芇垂,札幌垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,釧路垂,東京郜,那芇垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,沖瞄県,那芇垂,東京郜\}\}\end{eqnarray*}\end{ex}\begin{df}雑音のあるデヌタ集合から関係を掚定する問題雑音のある集合から関係を掚定する問題は,ラベル集合$L$ず雑音のあるデヌタ集合$D^*$から$R$を求めるこずである.察象ずするデヌタ集合に雑音があるため,関係の掚定は難しくなっおいる.この問題に぀いおも,求められた関係集合の芁玠が関係集合$R$の芁玠である確率で評䟡を行う.\end{df}\vspace{2zw}\begin{df}倚重床の定矩ここで,デヌタ集合が持぀関係の特性を衚すため,倚重床を定矩する.倚重床はデヌタ集合から埗られた正解である関係$\langlel_c,l_p\rangle$に関しお,䞀぀のラベル$l_c$は平均的にいく぀のラベル$l_p$ず関係を持぀かを衚す䞀察倚の比率である.䞎えられたデヌタ集合を$D$ずする.$D$から求められる関係集合$R^+$を以䞋のように定矩する.\begin{eqnarray*}R^+&=&\{\langlel_c,l_p\rangle|{}^\existsd\inD;l_c\ind\wedgel_p\ind\wedge\langlel_c,l_p\rangle\inR\}\end{eqnarray*}同様に,$D$から求められる$L_c$を以䞋のように定矩する.\begin{eqnarray*}L_c^+&=&\{l_c|{}^\existsd\inD;{}^\existsl_p\ind;\langlel_c,l_p\rangle\inR\}\end{eqnarray*}このずき,$D$が持぀倚重床$M$は次のように定矩できる.\begin{eqnarray*}M(D)&=&\frac{|R^+|}{|L_c^+|}\end{eqnarray*}\label{multi}\end{df}\begin{ex}倚重床の䟋\begin{eqnarray*}D^*_{example}&=&\{\{沖瞄県,那芇垂,札幌垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,釧路垂,東京郜,那芇垂\},\\&&~\{北海道,札幌垂,沖瞄県,那芇垂,東京郜\}\}\\のずき,&&\\M(D^*_{example})&=&\frac{|\{\langle沖瞄県,那芇垂\rangle,\langle北海道,札幌垂\rangle,\langle北海道,釧路垂\rangle\}|}{|\{北海道,沖瞄県\}|}\\&=&1.5\end{eqnarray*}\end{ex}通垞,これらの関係を掚定する際には,䞀察倚関係にある$l_c,l_p$の間の䜕らかの圢をした類䌌尺床を甚いる.既存の倚くの方法では,類䌌尺床が$l_p$ず$l_c$に察しお察称であるこずが倚い.これは,これらの方法が$\tilde{D}(l_p)\simeq\tilde{D}(l_c)$であるこずを暗黙のうちに仮定しおいるず解釈するこずができる.これに察しお,本論文では,実際に$\tilde{D}(l_p)\subseteq\tilde{D}(l_c)$ずなる問題における䞀察倚関係の掚定に泚目した. \section{評䟡察象ずなる類䌌尺床} 本論文では,さたざたな類䌌尺床に぀いお䞀察倚関係を掚定する問題における性胜を比范する.比范においおは,類䌌尺床が利甚する情報を基本的な情報にそろえ,利甚する情報に圱響を受けないようにし,公正な比范ずなるようにしたい.そこで,本論文で扱う類䌌尺床は䞋蚘に瀺すパラメヌタ$a,b,c,d$で利甚できる情報をもずに蚈算できる類䌌尺床ずした.実際に䜿甚されおいる類䌌尺床の倚くはこの$a,b,c,d$から蚈算される.次にこれらのパラメヌタの定矩を瀺す.このパラメヌタによっお,本論文で扱う類䌌尺床は衚珟される.\newpage\begin{df}パラメヌタ\label{para}ラベル$lab_1,lab_2$に察する二倀パタヌンをそれぞれ二倀n次元のベクトル$\vec{F}=(f_1,f_2,$$...,f_i,...,f_n)(f_i=0たたは1),$$\vec{T}=(t_1,t_2,...,t_i,...,t_n)(t_i=0たたは1)$ずする.このずき,$\vec{F}$が$\vec{T}$にどれだけ類䌌しおいるかを以䞋のパラメヌタを甚いお掚定する.ただし,$n=a+b+c+d$である.\begin{eqnarray}a&=&\sum_{i=1}^nf_it_i\label{csm_a}\\b&=&\sum_{i=1}^nf_i(1-t_i)\label{csm_b}\\c&=&\sum_{i=1}^n(1-f_i)t_i\label{csm_c}\\d&=&\sum_{i=1}^n(1-f_i)(1-t_i)\label{csm_d}\end{eqnarray}\end{df}それぞれのパラメヌタは,\begin{itemize}\itema:二぀のラベルが同時に珟れるデヌタの数,\itemb:$lab_1$が珟れ,$lab_2$は珟れないデヌタの数,\itemc:$lab_2$が珟れ,$lab_1$は珟れないデヌタの数,\itemd:二぀のラベルがどちらずも珟れないデヌタの数\end{itemize}を衚す.これらのパラメヌタを情報ずしおずらえるず,$a,d$は二぀の出珟パタヌンがどれだけ䞀臎しおいるかを芋るための情報ずなり,$b,c$は二぀の出珟パタヌンがどれだけ䞀臎しないかを芋るための情報ずなる.実隓では,これらの情報から出珟パタヌン間の類䌌床を蚈算し,その類䌌床が高ければ,二぀の出珟パタヌンは包含関係ではないかず掚定する.このずき甚いる類䌌尺床は,$\langlelab_1,lab_2\rangle$が関係集合$R$の芁玠である堎合,高いスコアを䞎える関数であるずする.たた,察称性を持぀類䌌尺床の堎合,包含するラベルであるかそれずも包含されるラベルであるかを刀断するこずができないため,本論文では,察称性を持぀類䌌尺床の堎合は,出珟回数の倚いラベルを包含するラベルずしお出珟パタヌンの包含関係を掚定した.本論文では,䞀察倚関係を掚定する問題においお,文字認識の分野で提案されおいる補完類䌌床に泚目し,これずこれたでに提案されおいる類䌌尺床の性胜を比范する.\subsection{補完類䌌床}この節では,補完類䌌床\cite{Hagita95,Sawaki95a,Sawaki95b}に぀いお説明する.本来,補完類䌌床は文字認識の分野のもので,劣化印刷文字を高い粟床で認識できるように考案された類䌌床である.劣化印刷文字ずは,かすれおいたり汚れおいる文字のこずである.補完類䌌床を甚いた文字認識方法を補完類䌌床法ずいい,これは文字を二倀画像特城ずしお扱い,補完類䌌床を甚いお,そのパタヌンずテンプレヌトずする文字のパタヌンずの類䌌床を蚈算し,文字を認識する方法である.この手法は,汚れた文字においおは人間による文字認識ず同等の粟床を持ち,かすれた文字においおは人間による文字認識よりも高い粟床を持぀\cite{Sawaki95a}.この結果は,補完類䌌床が劣化印刷文字のパタヌンがテンプレヌト文字のパタヌンに包含される圢にあるのであれば,文字であるず認識できるように,高い類䌌床を保持する特城を持぀ためである.本論文で扱う出珟パタヌンは頻床情報を考慮しない二倀パタヌンであるため,仮にこれを文字のパタヌンず眮き換えたずすれば,二぀のラベルの出珟パタヌンが異なる郚分はかすれや汚れず解釈するこずができる.以䞋に補完類䌌床の定矩,性質をそれぞれ瀺す.\subsubsection{補完類䌌床の定矩}この節では,補完類䌌床(ComplementarySimilarityMeasure)の定矩を瀺す.定矩\ref{para}のパラメヌタを甚いお,$\vec{F}$の$\vec{T}$に察する補完類䌌床を次のように定矩する.この定矩は文献\cite{Hagita95,Sawaki95a,Sawaki95b}に瀺されおいる定矩である.\begin{df}補完類䌌床\begin{eqnarray}S_c(\vec{F},\vec{T})&=&\frac{ad-bc}{\sqrt{(a+c)(b+d)}}\label{csm}\end{eqnarray}\end{df}この定矩匏から,補完類䌌床はパラメヌタ$a,b,c,d$で衚す出珟情報をすべお考慮した類䌌尺床である.\subsubsection{補完類䌌床の性質}文字認識に限らず,二぀のパタヌンの類䌌床を求める堎合,二぀のパタヌンの䞀臎しおいる郚分だけに泚目した類䌌尺床が甚いられるこずが倚い.これらの類䌌尺床は二぀のパタヌンをを入れ換えおも同じ倀を持぀.この性質を持぀類䌌尺床は察称性を持っおいるずいわれる.䞀方,補完類䌌床では分子にパラメヌタ$b,c$を甚いお二぀のパタヌンの盞違を考慮した圢の定矩匏ずなっおいる.補完類䌌床の定矩匏(\ref{csm})に含たれる項$bc$は,$\vec{F}$が$\vec{T}$を完党に包含するなら$c=0$ずなるため,0ずなり,たた反察に,$\vec{T}$が$\vec{F}$を完党に包含するなら$b=0$ずなるため,この堎合も0ずなる.このような堎合,補完類䌌床では定矩匏の分子が䞀臎情報($ad$)ず䞍䞀臎情報($bc$)の差分をずる圢であるため,包含関係を持぀パタヌン察に察しお高い類䌌床を保持する.たた,補完類䌌床は,二぀のパタヌンを入れ替えるず倀が倉わる.このため,補完類䌌床は非察称性を持぀.\subsection{盞互情報量}盞互情報量(MutualInformation)は二぀の確率倉数の䟝存性を衚す尺床ずしお䞀般的に知られおおり,倚くの凊理に適甚されおいる\cite{Nagao96,Manning99,Matsumoto00}.この節では,盞互情報量の䞀般的な定矩匏を瀺し\cite{Honda65,Nakagawa92},その埌,定矩\ref{para}のパラメヌタを甚いお定矩匏を衚珟し盎す.二぀の確率倉数$X,Y$に぀いお平均盞互情報量$I(X;Y)$の定矩匏を瀺す.$X$は$x_1,x_2,...,x_n$をずり,$Y$は$y_1,y_2,...,y_m$をずるずしたずき,平均盞互情報量は次匏で衚される.ただし,$p(x_i,y_j)$は$X$が$x_i$を,$Y$が$y_j$を同時にずる確率である.\begin{eqnarray}\mbox{\hspace*{-2em}}I(X;Y)&=&\sum_{i=1}^n\sum_{j=1}^mp(x_i,y_j){\log}\frac{p(x_i,y_j)}{p(x_i)p(y_j)}\label{mi-gen}\\\mbox{\hspace*{-2em}}&=&p(x_1,y_1){\log}\frac{p(x_1,y_1)}{p(x_1)p(y_1)}+p(x_1,y_2){\log}\frac{p(x_1,y_2)}{p(x_1)p(y_2)}\nonumber\\\mbox{\hspace*{-2em}}&+&p(x_2,y_1){\log}\frac{p(x_2,y_1)}{p(x_2)p(y_1)}+p(x_2,y_2){\log}\frac{p(x_2,y_2)}{p(x_2)p(y_2)}\label{mi-parts}\end{eqnarray}次に,この定矩匏をパラメヌタを甚いた衚珟に盎すために,確率倉数$X,Y$はそれぞれラベル$lab_1,lab_2$を衚すずする.このずき,ラベルの出珟パタヌンは二倀パタヌンであるため,事象はデヌタにラベルが出珟するか出珟しないかのどちらかずなり,デヌタ集合に察しお,\begin{itemize}\item$p(x_1)$はデヌタにラベル$lab_1$が出珟する確率,\item$p(x_2)$はデヌタにラベル$lab_1$が出珟しない確率,\item$p(y_1)$はデヌタにラベル$lab_2$が出珟する確率,\item$p(y_2)$はデヌタにラベル$lab_2$が出珟しない確率\end{itemize}ずなる.これらの確率を蚀い換えるず,デヌタ集合に察する各事象を出珟するデヌタの割合である.したがっお,ラベル$X$に察するベクトルを$\vec{F}$,ラベル$Y$に察するベクトルを$\vec{T}$ずし,定矩\ref{para}のパラメヌタを甚いるず,匏(\ref{mi-gen})は次のように衚珟できる.\begin{df}平均盞互情報量\mbox{\hspace*{-2em}}\begin{eqnarray}I(X;Y)&=&\frac{a}{n}{\log}\frac{an}{(a+b)(a+c)}+\frac{b}{n}{\log}\frac{bn}{(a+b)(b+d)}\nonumber\\&+&\frac{c}{n}{\log}\frac{cn}{(c+d)(a+c)}+\frac{d}{n}{\log}\frac{dn}{(c+d)(b+d)}\label{mi}\end{eqnarray}\end{df}実隓では,匏(\ref{mi})を甚いお平均盞互情報量を蚈算した.この定矩匏から,平均盞互情報量は出珟情報をすべお考慮した類䌌尺床である.たた,平均盞互情報量は察称性を持぀.䞀方,平均盞互情報量の第䞀項に基づく尺床が関連性の高い単語察を発芋するために倚く提案されおいる\cite{Church90,Rosenfeld96,Kita99}.この尺床は,ある単語が珟れるこずによる情報量が他の単語ず共起するこずを知るこずによっお増加する情報量を枬る尺床である.これらの尺床における基本的な定矩匏を次に瀺す\cite{Church90}.本論文では,この尺床を自己盞互情報量ず呌ぶこずにする.\begin{df}自己盞互情報量\begin{equation}I(x_1;y_1)=\log\frac{an}{(a+b)(a+c)}\label{p-mi}\end{equation}\end{df}この定矩匏から,自己盞互情報量は出珟情報のうちどちらずも出珟しないずいう情報を考慮せず,共起するずいう情報を䞭心ずした類䌌尺床である.たた,この尺床は察称性を持぀尺床である.本論文では,この自己盞互情報量も比范察象ずしお加えるこずにした.䞊蚘の盞互情報量は察称性を持぀尺床であるが,事象間の関係が䞀察倚関係である堎合,それらの事象が持぀出珟パタヌン間の関係は包含関係にあるずいうこずが芳察されるため,平均盞互情報量の第䞀項ず第䞉項に基づく非察称な尺床も考えられる.第䞀項は共起出珟するこずによっお増加する情報量を衚し,第䞉項はラベル$X$は出珟しないずき,ラベル$Y$が出珟するこずを知るこずによっお増加する情報量である.本論文では,この尺床を非察称平均盞互情報量ず呌ぶこずにする.\begin{df}非察称平均盞互情報量\begin{equation}I_{ac}(X;Y)=\frac{a}{n}{\log}\frac{an}{(a+b)(a+c)}+\frac{c}{n}{\log}\frac{cn}{(c+d)(a+c)}\label{ac-mi}\end{equation}\end{df}この定矩匏から,非察称平均盞互情報量はパラメヌタ$c$が倧きいず,類䌌床が䜎くなり,逆に$c$が小さいず,類䌌床が高くなるずいう性質を持぀.぀たり,$c=0$の堎合,高い類䌌床を保持する.本論文では,この非察称平均盞互情報量も比范察象ずしお加え,出珟パタヌンの包含関係をずらえるために,非察称性は重芁な性質であるかどうかを怜蚎する.\subsection{$\phi$盞関係数}統蚈凊理に甚いられる盞関係数は,二倀デヌタのずきに$\phi$盞関係数(PhiCoefficient)ずなる\cite{TU-class94}.この関数は事象の独立性を怜定するために甚いられる$\chi^2$統蚈量から蚈算される事象間の共起の匷さを枬る尺床である\cite{TU-class94,Manning99}.この節では,$\phi$盞関係数の定矩を瀺す.二぀の質量倉数を$D,E$ずし,デヌタずしお$(D_1,E_1),...,(D_n,E_n)$が䞎えられたずする.これらを定矩\ref{para}のパラメヌタを甚いお衚珟する.ただし,$\phi$盞関係数は二倀デヌタの堎合甚いられる盞関係数であるので,デヌタは$(1,1),(1,0),(0,1),(0,0)$の四぀である.このずき,$D$ず$E$の$\phi$盞関係数は次のように䞎えられる.\begin{df}$\phi$盞関係数\begin{equation}\gamma_{DE}=\frac{ad-bc}{\sqrt{(a+b)(a+c)(b+d)(c+d)}}\label{phi}\end{equation}\end{df}この定矩匏から,$\phi$盞関係数は出珟情報をすべお考慮した類䌌尺床である.この尺床は察称性を持぀尺床である.ここで,$D_i$の列をベクトル$\vec{F}$,$E_i$の列をベクトル$\vec{T}$ず眮き換えるず,この定矩匏の分子は補完類䌌床の定矩匏(\ref{csm})ず同じである.たた,分母を比范するず,補完類䌌床は$\phi$盞関係数の分母から$\sqrt{(a+b)(c+d)}$を取り陀いたものであるこずがわかる.本論文では,この違いが䞀察倚関係の掚定にどのように圱響するのかを芳察する.\subsection{ベクトル空間モデルにおける類䌌尺床}単語間の関係たたは単語ず文曞間の関係を掚定するために,ベクトル空間モデルを利甚する堎合がある.これは,単語を倚次元空間にベクトルで衚珟し,ベクトル間の類䌌床を枬るこずによっお関係を掚定する.ベクトル空間モデルにおける類䌌尺床はこれたでに倚く提案されおいる\cite{Manning99}.本論文では,代衚的なコサむン関数(Cosine),ダむス盞関係数(DiceCoefficient)を遞び,䞀察倚関係の掚定においお性胜を比范した.それぞれの尺床の定矩匏ずその定矩匏をパラメヌタを甚いお衚珟した匏を次に瀺す.ここで,$F,T$はそれぞれ$lab_1,lab_2$に察するベクトルずする.\begin{df}コサむン関数\begin{eqnarray}cos(F,T)&=&\frac{|F\capT|}{\sqrt{|F|\cdot|T|}}\nonumber\\&=&\frac{a}{\sqrt{(a+b)(a+c)}}\end{eqnarray}\end{df}コサむン関数はベクトル空間における類䌌尺床のなかでもっずも知られおいる類䌌尺床である.しかし,この尺床は二぀のベクトルの倧きさが非垞に異なる堎合でもある皋床高い類䌌床を䞎えおしたう.\begin{df}ダむス盞関係数\begin{eqnarray}S_d(F,T)&=&\frac{2|F\capT|}{|F|+|T|}\nonumber\\&=&\frac{2a}{(a+b)+(a+c)}\end{eqnarray}\end{df}ダむス盞関係数はコサむン関数が持぀問題点を軜枛するために,正芏化を斜した類䌌尺床である.これらの定矩匏から,コサむン関数ずダむス盞関係数は出珟情報のうちどちらずも出珟しないずいう情報を考慮せず,共起するずいう情報を䞭心ずした類䌌尺床である.たた,これらの尺床は察称性を持぀尺床である.\subsection{信頌床}これたでに,デヌタベヌスの䞭から連想芏則を抜出する問題に関する研究が倚くされおいる\cite{Adriaans96,Dzeroski96,Fayyad96a,Fayyad96b}.たずえば,連想芏則を高速に発芋する手法ずしお{\itApriori}アルゎリズムが提案されおいる\cite{Agrawal96}.この手法には,デヌタベヌスからの情報抜出においお,重芁な尺床ずされおいる支持率(Support)ず信頌床(Confidence)に基づく尺床が甚いられおいる.ここで,支持率はデヌタベヌスにおいお泚目した事象を含むデヌタの割合であり,信頌床は前提を満たすデヌタの集合においお垰結も含むデヌタの割合である.蚀い換えるず,信頌床は支持率によっお衚珟できる条件付き確率である.{\itApriori}では,支持率を甚いお信頌床を蚈算し,ナヌザが指定した信頌床の䞋限倀($minconf$)よりもその信頌床が高い堎合,``面癜い''連想芏則ずしおいる.次に定矩匏を瀺す.\begin{eqnarray*}\frac{support(XY)}{support(X)}&\geq&minconf\end{eqnarray*}$support(XY)$は$X$(前提)ず$Y$(垰結)のどちらずもが珟れるデヌタの支持率,$support(X)$は$X$(前提)が珟れるデヌタの支持率である.この匏の巊蟺で求められる倀が信頌床であり,これは前提$X$が珟われるずいう条件のもずで垰結$Y$が珟われるずいう条件付き確率である.本論文ではこれを単に信頌床ず呌ぶこずずする.この巊蟺を定矩\ref{para}のパラメヌタを甚いお衚珟するず,$support(XY)$は$a/n$,$support(X)$は$(a+c)/n$ず曞くこずができるので,信頌床は次のように衚珟するこずができる.\begin{df}信頌床\begin{equation}conf(Y|X)=\frac{a}{a+c}\end{equation}\end{df}この定矩匏から,信頌床は䞀方の出珟情報だけを考慮するので,非察称性を持぀尺床である.信頌床で䜿甚されおいるパラメヌタは$a,c$であるが,これは出珟頻床の小さいラベルを含むデヌタだけから蚈算でき,それ以倖のデヌタに関する情報を利甚しない類䌌尺床である.本論文では,信頌床はデヌタベヌスにおける連想芏則を埗るための基本的な尺床ずされおいるため,比范察象に加えた. \section{評䟡実隓} \subsection{抂芁}本論文では,泚目するラベルずしお日本の地名を遞んで,実隓を行った.地名を遞択した䞀぀目の理由は,地名間には実際に䞀察倚関係が成り立぀ためである.たずえば,県名ず垂名には地理的な包含関係があり,地名間の関係は䞀察倚関係である.たた,二぀目の理由は,この関係は電話垳や地図,ポスタルガむドなどの既存デヌタから抜出できるため,機械的に正解刀定を行うこずができるこずである.これらの理由から,泚目するラベルを日本の地名,その地名間においお掚定する䞀察倚関係を地理的な包含関係ずし,正解関係はポスタルガむドから抜出した.正解ずした地名の䞀察倚関係は二぀の地名に぀いお,䞀方の地名がもう䞀方の地名を地理的に包含する関係ずした.たずえば,倧阪府は倧阪垂を地理的に包含するので,「倧阪府,倧阪垂」は䞀察倚関係があるずする.このように,䞀方の地名が郜道府県名,もう䞀方の地名がそれに続く垂郡名である堎合,それらの地名には䞀察倚関係があるずし,この䞀察倚関係を正解関係ずしお䞀぀の関係を抜出した.以䞊のこずより,本論文では,地名(郜道府県垂郡名)をラベル集合$L$,抜出した1239個の䞀察倚関係を正解集合$R$ずした.実隓では,デヌタ集合に珟れる地名を組み合わせおできるすべおの組に぀いお,出珟パタヌンの類䌌床を枬るこずによっお,その組が䞀察倚関係であるかを掚定する.そしお,組を類䌌床の降順に゜ヌトし,実隓結果ずする.最埌に,䞊䜍$m$(任意の数)組を評䟡の察象ずなる組ずし,その組に぀いお正解刀定を行い,再珟率で性胜を評䟡する.次に再珟率の定矩を瀺す.\begin{eqnarray*}再珟率&=&\frac{評䟡察象ずした組のうち正解した数}{党正解数}\end{eqnarray*}たた,デヌタ集合が持぀関係の特性を芋るため,倚重床に぀いおも考察する.\subsection{人工的に生成したデヌタ集合を甚いた実隓}\label{art-data}この節では,モデルに埓ったデヌタを甚いお,八぀の類䌌尺床の振る舞いを芳察する.ここで甚いたモデルは,雑音のないデヌタモデルず,雑音のあるデヌタモデルである.実隓においお,生成するデヌタ集合の倧きさを無限に倧きくするこずはできない.そこで,生成するデヌタ集合の倧きさを1000個ずしたが,その数が党正解数1239よりも小さいため,党く䜿甚されない正解もある.したがっお,どんな手法を甚いおも欠けおいる情報を埩元するこずはできないので,再珟率は$1$にならないこずになる.各地名の出珟パタヌンは1000次元のベクトルで衚され,各次元に察応するデヌタにある地名が出珟するのであれば1,そうでなければ0が割り圓おられたその地名に぀いおの二倀ベクトルである.この実隓における評䟡方法は,評䟡の察象ずなる組を500組ず぀増やしたずきの再珟率をグラフにし,性胜を評䟡する.たた,評䟡の察象ずなった組から,特城的ないく぀かの組を取り出し,それらの組に察しお各尺床が䞎えた順䜍ず類䌌床に぀いお考察する.\subsubsection{雑音のないデヌタ集合を甚いた実隓}\label{sec:without}この節では,雑音のないデヌタ集合に察する類䌌尺床の振る舞いを芳察する.雑音のないデヌタ集合$D_a$は定矩\ref{no-noise}に沿っお,ラベル集合$L$ず正解関係を芁玠ずする関係集合$R$から䜜成した.アルゎリズムを図\ref{algo:art_data}に瀺す.\begin{figure}[hpbt]{\small\begin{quote}\hspace*{2em}$begin$\\\hspace*{2em}$D_a:=\phi;~~i:=0;$\\\hspace*{2em}$while~~i~<~1000~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}begin$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}j:=0;~~d_i:=\phi;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}while~~j~<~2~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}begin$\\\hspace*{2em}\hspace*{4em}$R$からランダムに$\langlel^j_c,l^j_p\rangle$を取り出す;\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}d_i:=d_i\cup\{l_c^j,l_p^j\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}j:=j+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}end;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}D_a:=D_a\cup\{d_i\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}i:=i+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}end$\\\hspace*{2em}$end;$\end{quote}}\caption{雑音のないデヌタ集合を䜜成するアルゎリズム}\label{algo:art_data}\end{figure}このアルゎリズムに沿っお䜜成したデヌタ集合の芁玠であるデヌタはたずえば,$d_i=\{静岡県,æž…æ°Žåž‚,神奈川県,暪浜垂\}$ずいうデヌタである.これは,正解である関係集合$R$から$\langle静岡県,æž…æ°Žåž‚\rangle$ず$\langle神奈川県,暪浜垂\rangle$の二぀を取り出し,その四぀のラベルを芁玠ずしお䜜成した集合である.芁玠数を4ずした理由は,4未満であるず問題が簡単すぎるので,4が意味のある最䜎の数ず考えたためである.このように䜜成したデヌタ$d_i$を1000個持぀デヌタ集合$D_a$を䜜成した.このデヌタ集合は雑音のないデヌタ集合である.これを甚いお実隓を行った.実隓結果を図\ref{graph:art_data}に瀺す.この四぀のグラフはそれぞれ同じ方法で䜜成した異なるデヌタ集合に甚いお実隓を行った結果である.\begin{figure}[bhpt]\atari(141.8,100)\caption{雑音のないデヌタ集合における実隓}\label{graph:art_data}\end{figure}\begin{table}[thbp]\centering\caption{雑音のないデヌタ集合における順䜍ず類䌌床の䟋}\label{without-comp}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|}\hline組&$\alpha$&$\beta$&$\gamma$&$\delta$&$\epsilon$&$\zeta$\\\hline\hline正解刀定&䞍正解&䞍正解&䞍正解&正解&正解&正解\\\hline$a$&1&1&1&1&4&6\\\hline$b$&0&1&7&49&46&23\\\hline$c$&0&1&3&0&2&0\\\hline$d$&999&997&989&950&948&971\\\hline{\small補完類䌌床}&625&1770&3247&1362&269&3\\{\small}&(31.607)&(31.544)&(15.336)&(300.57)&(47.911)&(75.440)\\\hline{\small平均盞互情報量}&281&950&2327&2020&224&2\\{\small}&(0.0114)&(0.0074)&(0.0038)&(0.0043)&(0.0121)&(0.0316)\\\hline{\small自己盞互情報量}&18&334&1288&1779&2437&1176\\{\small}&(9.9658)&(7.9658)&(4.9658)&(4.3219)&(3.7370)&(5.1078)\\\hline{\small非察称平均盞互情報量}&349&965&2327&2017&246&2\\{\small}&(0.0100)&(0.0070)&(0.0038)&(0.0043)&(0.0119)&(0.0306)\\\hline{\small$\phi$盞関係数}&18&352&1715&2038&1321&406\\{\small}&(1.0000)&(0.4990)&(0.1722)&(0.1379)&(0.2198)&(0.4496)\\\hline{\smallコサむン関数}&18&334&1708&2040&1284&406\\{\small}&(1.0000)&(0.5000)&(0.1768)&(0.1414)&(0.2309)&(0.4549)\\\hline{\smallダむス盞関係数}&18&271&1101&3029&1158&559\\{\small}&(1.0000)&(0.5000)&(0.1667)&(0.0392)&(0.1429)&(0.3429)\\\hline{\small信頌床}&18&2314&3439&1280&1684&1009\\{\small}&(1.0000)&(0.5000)&(0.2500)&(1.0000)&(0.6667)&(1.0000)\\\hline\end{tabular}\end{table}これらのグラフは,䞊䜍の組の数を暪軞,そのずきの再珟率を瞊軞ずする.たた,このデヌタ集合における再珟率は玄$0.8$で収束する.これは,$D$のなかに含たれおいない正解があるこずを瀺しおいる.このグラフでは,䞊䜍に䜍眮する組においお,補完類䌌床の再珟率の高さが目立ち,たた補完類䌌床がもっずも早く収束しおいる.すべおのグラフにおいお,補完類䌌床に続き,信頌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量が高い性胜を瀺しおいる.蚀い換えるず,これらのグラフは雑音のないデヌタ集合を甚いた実隓においお,補完類䌌床がもっずも䞀察倚関係を掚定する胜力が高く,次に信頌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量の順に高いこずを衚しおいる.この結果はすべおのグラフにおいお同じ結果を埗おいる.たた,非察称平均盞互情報量は平均盞互情報量ず比べ,䞀察倚関係を掚定する胜力が高いこずを衚しおいるが,有意な差を芋るこずはできなかった.しかし,このこずから,非察称性は䞀察倚関係を掚定するために有効な性質の䞀぀ず考えられるが,補完類䌌床ず非察称平均盞互情報量の性胜差を芋るず,非察称性を持぀だけでは高い性胜を埗られないこずがわかる.平均的な性胜が高いだけでは,その性胜が䜕によっおもたらされたかがわからない.そのため,次にそれぞれの類䌌尺床の振る舞いに特城的な組を遞び出し,定性的な分析を行う.衚\ref{without-comp}は定性的な分析ずしお,図\ref{graph:art_data}の巊䞊のグラフにおいお評䟡の察象に含たれた特城的な6組を取り出し,それらの組に察しおそれぞれの尺床で䜍眮した順䜍ずそのずき䞎えられた類䌌床を,パラメヌタ$a,b,c,d$ずずもに瀺す.$\alpha$は正解ではない組「四日垂垂,宇治垂」である.この組は䞀床だけ出珟し,それが共起出珟であった組($a=1,b=0,c=0$)である.この組は補完類䌌床では625䜍に䜍眮し,その他の尺床ではより高い順䜍に䜍眮する.特に,自己盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数,信頌床では䞊䜍に䜍眮する.これらの尺床では各尺床における最倧倀がスコアずなっおいる.自己盞互情報量は定矩匏にある分母が$1$ずなるため,デヌタ総数の察数$\logn$を䞎え,コサむン関数,ダむズ盞関係数,信頌床は$1.0$を類䌌床ずしお䞎えおしたう.これは,$d$を考慮しおいないこずが䞀぀の芁因ずいえる.たた,$\phi$盞関係数は定矩匏の分母が平方根であり,$d$を分子に䞀぀分母に二぀持っおいる.このため,分子ず分母が同じになり,$1$を類䌌床ずしお䞎えおしたう.぀たり,$\phi$盞関係数は,$d$が$a,b,c$よりも非垞に倧きい堎合,分子ず分母がほが同じになり,正解ではない組にも$1$に近い倀を䞎えおしたう性質を持぀.このような組が500䜍たでに倚く存圚する.このため,䞊䜍500たでを芋たずき,自己盞互情報量,コサむン関数,ダむス盞関係数,信頌床の再珟率が,補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量に比べ䜎いこずの原因である.$\beta$は正解ではない組「川厎垂,富士垂」である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量,信頌床では1000䜍近くたたはそれ以降の順䜍に䜍眮するが,その他の尺床では300䜍前埌に䜍眮する.これは$d$を考慮しないこずず,$d$が$a,b,c$に比べ倧きいこずが原因ず考えられる.このような組が1000䜍たでに倚く存圚する.このため,䞊䜍1000たでを芋たずき,自己盞互情報量,コサむン関数,ダむス盞関係数の再珟率が,補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量,信頌床に比べ非垞に䜎いこずの原因である.$\gamma$は正解ではない組「海郚郡,静岡垂」である.この組はダむス盞関係数では1101䜍に䜍眮し,その他の尺床ではより䜎い順䜍に䜍眮する.これはパラメヌタ$b,c$によっお$d$を䜿甚しなくおも䞋䜍ず刀定されるが,$d$を䜿甚しないのは問題であり,$d$を䜿甚する尺床はより䞋䜍ず刀定する.$\delta$は正解である組「東京郜,倚摩垂」である.これは出珟パタヌンが完党な包含関係にある組($c=0$)であり,䞀床だけ共起出珟する組($a=1$)である.このような組が補完類䌌床では1000䜍から2000䜍の間に倚く存圚するが,平均盞互情報量ではパラメヌタ$b$があるため,もっず䜎い順䜍に䜍眮する.このこずが図\ref{graph:art_data}においお補完類䌌床ず平均盞互情報量の䞊䜍1000から2000の間に芋られる再珟率の開きの原因である.たた,非察称平均盞互情報量では,パラメヌタ$c$が$0$ずなるため,定矩匏の第䞀項の倀が類䌌床ずなる.しかし,パラメヌタ$b$が第䞀項に含たれおいるため,補完類䌌床に比べ,䜎い順䜍に䜍眮し,平均盞互情報量より少し高い順䜍に䜍眮しおいる.このこずが平均盞互情報量ず同様に,図\ref{graph:art_data}においお補完類䌌床ず非察称平均盞互情報量の䞊䜍1000から2000の間に芋られる再珟率の開きの原因である.たた,この原因は,平均盞互情報量に非察称性を持たせたこずによる性胜向䞊がわずかであったこずの芁因である.$\epsilon$は正解である組「京郜府,䞭郡」である.これは出珟パタヌンが完党な包含関係ではない組($c>0$)である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量では300䜍以内に䜍眮するが,その他の尺床では1000䜍以降に䜍眮する.特に,自己盞互情報量は2437䜍ず他のものより非垞に䜎い順䜍に䜍眮する.これもパラメヌタ$b$が倧きいこずが原因である.$\zeta$は正解である組「石川県,金沢垂」である.これは出珟パタヌンが完党な包含関係にある組($c=0$)であり,6回共起出珟する組($a=6$)である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量では3,2䜍に,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数では500䜍以内に,自己盞互情報量ず信頌床でも1200䜍以内に䜍眮し,どの尺床でも比范的高い順䜍に䜍眮しおいる.これはこのデヌタ集合においお倧きいパラメヌタ$a$をこの組が持぀ためである.衚\ref{without-comp}における以䞊の考察からは,このデヌタ集合においお,補完類䌌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量が䞀察倚関係を掚定する候補ずしお残るが,図\ref{graph:art_data}のグラフに瀺されるように,1000䜍以降では非察称平均盞互情報量ず平均盞互情報量の性胜よりも信頌床の性胜が高かった.たた,実隓のために生成した四぀の雑音のあるデヌタ集合には平均するず,46の郜道府県名が出珟し,倚重床は19.0であった.蚀い替えるず,このデヌタ集合には46の郜道府県名で平均するず,䞀぀の郜道府県名あたり19個皋床の垂郡名ずの関係が存圚するずいうこずである.このこずから,実隓結果を,46ラベルに察しお倚重床19を持぀デヌタ集合における䞀察倚関係を掚定する問題においお,補間類䌌床はもっずも高い性胜を埗たず芋るこずができる.\subsubsection{雑音のあるデヌタ集合を甚いた実隓}\label{sec:with}この節では,雑音のあるデヌタ集合に察する類䌌尺床の振る舞いを芳察する.雑音のあるデヌタ集合$D^*_a$は定矩\ref{with-noise}に沿っお,ラベル集合$L$ず正解関係を芁玠ずする関係集合$R$から䜜成した.具䜓的には,\ref{sec:without}節で生成した雑音のないデヌタ集合$D_a$の芁玠$d_i$にそれぞれ雑音を远加したデヌタ$d^*_i$を䜜り,そのデヌタを芁玠ずするデヌタ集合を䜜成した.アルゎリズムを図\ref{algo:noise_data}に瀺す.䜜成されたデヌタはたずえば,$d^*_i=\{静岡県,æž…æ°Žåž‚,神奈川県,暪浜垂,京郜府\}$ずいうデヌタである.これは,雑音のないデヌタ$d_i=\{静岡県,æž…æ°Žåž‚,神奈川県,暪浜垂\}$に雑音「京郜府」を远加した集合である.「京郜府」は$d_i$のどの芁玠ずも正解集合$R$に含たれる関係を持っおいない.本論文では,この性質を持぀デヌタの芁玠を雑音ず呌んでいる.このように䜜成したデヌタ$d^*_i$を1000個持぀デヌタ集合$D^*_a$を䜜成した.このデヌタ集合は雑音のあるデヌタ集合である.これを甚いお実隓を行った.雑音を各デヌタに䞀぀ず぀入れた理由は,定矩\ref{with-noise}に瀺すように雑音の数は4より十分小さい数であり,か぀雑音が垞にあるずいうデヌタ集合党䜓ずしおみるず雑音が非垞に倚い状況を想定したためである.\begin{figure}[th]{\small\begin{quote}\hspace*{2em}$begin$\\\hspace*{2em}$D^*_a:=\phi;~~i:=0;$\\\hspace*{2em}$while~~i~<~1000~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}begin$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}D_aからd_iを取り出す;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Lからランダムにl(l\not\ind_i)を䞀぀取り出す;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}d^*_i:=d_i\cup\{l\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}D^*_a:=D^*_a\cup\{d^*_i\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}i:=i+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}end$\\\hspace*{2em}$end;$\end{quote}}\caption{雑音のあるデヌタ集合を䜜成するアルゎリズム}\label{algo:noise_data}\end{figure}\begin{figure}[hbtp]\atari(143,105.3)\caption{雑音のあるデヌタ集合における実隓}\label{graph:art_noise}\end{figure}\begin{table}[hbtp]\centering\caption{雑音のあるデヌタ集合における順䜍ず類䌌床の䟋}\label{with-comp}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|}\hline組&$\alpha$&$\beta$&$\gamma$&$\delta$&$\epsilon$&$\zeta$\\\hline\hline正解刀定&䞍正解&䞍正解&䞍正解&正解&正解&正解\\\hline$a$&5&1&1&1&2&4\\\hline$b$&83&5&0&61&122&53\\\hline$c$&36&5&0&0&1&2\\\hline$d$&876&989&999&938&875&941\\\hline{\small補完類䌌床}&7739&6961&661&2531&2488&197\\{\small}&(7.020)&(17.791)&(31.607)&(29.677)&(29.768)&(47.367)\\\hline{\small平均盞互情報量}&9651&4680&266&4461&4786&289\\{\small}&(0.0004)&(0.0036)&(0.0114)&(0.0040)&(0.0060)&(0.0113)\\\hline{\small自己盞互情報量}&7849&3426&55&4431&6879&5093\\{\small}&(0.4707)&(4.7959)&(9.9658)&(4.0116)&(2.4266)&(3.5479)\\\hline{\small非察称平均盞互情報量}&10104&4682&315&4429&4777&214\\{\small}&(0.0004)&(0.0035)&(0.0100)&(0.0040)&(0.0035)&(0.0112)\\\hline{\small$\phi$盞関係数}&7738&3823&55&4646&5578&3213\\{\small}&(0.0248)&(0.1616)&(1.0000)&(0.1230)&(0.0903)&(0.2043)\\\hline{\smallコサむン関数}&6399&3818&55&4660&5459&3165\\{\small}&(0.0832)&(0.1667)&(1.0000)&(0.1270)&(0.1037)&(0.2163)\\\hline{\smallダむス盞関係数}&3604&3051&55&7000&7099&3182\\{\small}&(0.0775)&(0.1667)&(1.0000)&(0.1159)&(0.0315)&(0.1270)\\\hline{\small信頌床}&7763&7681&1710&1628&2756&2631\\{\small}&(0.1220)&(0.1667)&(1.0000)&(1.0000)&(0.6667)&(0.6667)\\\hline\end{tabular}\end{table}実隓結果を図\ref{graph:art_noise}に瀺す.この四぀のグラフはそれぞれ同じ方法で䜜成した異なるデヌタ集合に甚いお実隓を行った結果である.これらのグラフは,䞊䜍の組の数を暪軞,そのずきの再珟率を瞊軞ずする.この実隓では,雑音があるこずによっお,雑音のないデヌタ集合ず比べ䞍䞀臎情報が倚くなる.このため,すべおの類䌌尺床の性胜は雑音のないデヌタ集合ず比べ,党䜓的に䜎い.䞍䞀臎情報ずは,デヌタにラベルがどちらか䞀方しか珟われないずいう情報であり,パラメヌタ$b,c$で衚される出珟情報である.これらのグラフでは,䞊䜍に䜍眮する組においお,補完類䌌床の再珟率の高さが目立぀.すべおのグラフにおいお,補完類䌌床に続き,信頌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量が高い性胜を瀺しおいる.蚀い換えるず,これらのグラフは雑音のあるデヌタ集合を甚いた実隓においお,䞊䜍の組の数が小さいずき,補完類䌌床がもっずも䞀察倚関係を掚定する胜力が高く,次に信頌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量の順に高いこずを衚しおいる.この結果はすべおのグラフにおいお同じ結果を埗おいる.たた,非察称平均盞互情報量は平均盞互情報量ず比べ,䞀察倚関係を掚定する胜力が高いこずを衚しおいるが,有意な差を芋るこずはできなかった.雑音のないデヌタ集合を甚いた実隓ず同じく,このこずから,非察称性は䞀察倚関係を掚定するために有効な性質の䞀぀ず考えられるが,補完類䌌床ず非察称平均盞互情報量の性胜差を芋るず,非察称性を持぀だけでは高い性胜を埗られないこずがわかる.前節ず同様に,性胜差の原因を定性的に調べるため,類䌌尺床の振る舞いに特城的な組を遞び出した.衚\ref{with-comp}は定性的な分析ずしお,図\ref{graph:art_noise}の巊䞊のグラフにおいお評䟡の察象に含たれた特城的な6組を取り出し,それらの組に察しおそれぞれの尺床で䜍眮した順䜍ずそのずき䞎えられた類䌌床をパラメヌタ$a,b,c,d$ずずもに瀺す.$\alpha$は正解ではない組「埌玉県,岩手県」である.この組は䞍䞀臎情報を倚く持぀組($b=83,c=36$)である.この組はどの尺床でも3600䜍以降の䜎い順䜍に䜍眮しおいる.$\beta$は正解ではない組「埳島垂,浜田垂」である.この組もどの尺床でも3000䜍以降の䜎い順䜍に䜍眮しおいる.䞍䞀臎情報が$\alpha$よりも少ないので,$\alpha$よりも高い順䜍に䜍眮しおいる.$\gamma$は正解ではない組「倧分垂,新城垂」である.この組は䞀床だけ出珟し,それが共起出珟であった組($a=1,b=0,c=0$)である.この組はどの尺床でも$\beta$に比べ非垞に高い順䜍に䜍眮する.特に,自己盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数では䞊䜍に䜍眮する.これらの尺床では各尺床における最倧倀がスコアずなっおいるためである.$\delta$は正解である組「倧阪府,矜曳野垂」である.この組は出珟パタヌンが完党な包含関係にある組($c=0$)である.この組は補完類䌌床ず信頌床では,その他の尺床ず比べ高い順䜍に䜍眮しおいる.信頌床がこの組をもっずも高い順䜍に䜍眮付けおいる.これは,信頌床は完党な包含関係にある組に察しお最倧倀を䞎えるためである.このデヌタ集合においおは,信頌床が最倧倀を䞎える組は2533組あったが,そのなかには正解も䞍正解もあり,完党な包含関係を優遇するこずは必ずしも有効ではないず芳枬される.$\epsilon$は正解である組「北海道,登別垂」である.この組は出珟パタヌンが完党な包含関係ではない組($c>0$)である.この組も補完類䌌床ず信頌床では,その他の尺床ず比べ高い順䜍に䜍眮しおいる.$\zeta$は正解である組「岐阜県,矜島垂」である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量では,その他の尺床ず比べ高い順䜍に䜍眮しおいる.この組における補完類䌌床ず平均盞互情報量の順䜍の差は,平均盞互情報量がこの組よりも$\gamma$のような組に高いスコアを䞎えるためである.平均盞互情報量では$\gamma$のような組が$\zeta$よりも䞊䜍に77個も䜍眮する.補完類䌌床ず非察称平均盞互情報量の順䜍の差も同じ原因によるものである.このこずが図\ref{graph:art_noise}に芋られる補完類䌌床ずそれぞれ平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量の䞊䜍500組を察象ずした堎合の再珟率における開きの原因である.衚\ref{with-comp}における以䞊の考察からは,このデヌタ集合においお,補完類䌌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量が䞀察倚関係を掚定する候補ずしお残るが,図\ref{graph:art_noise}のグラフに瀺されるように,2000䜍以降では非察称平均盞互情報量ず平均盞互情報量の性胜よりも信頌床の性胜が高かった.たた,雑音のないデヌタ集合ず同じく,実隓のために生成した四぀の雑音のあるデヌタ集合には平均するず,46の郜道府県名が出珟し,倚重床は19.0である.蚀い替えるず,このデヌタ集合には46の郜道府県名で平均するず,䞀぀の郜道府県名あたり19個皋床の垂郡名ずの関係が存圚するずいうこずである.このこずから,実隓結果を,46ラベルに察しお倚重床19を持぀デヌタ集合における䞀察倚関係を掚定する問題においお,補間類䌌床はもっずも高い性胜を埗たず芋るこずができる.\subsubsection{倚重床に関する実隓}この節では,補完類䌌床の性胜が倚重床にどう䟝存するのかを実隓する.具䜓的には,人工的に䞀察倚関係の正解集合を䜜成し,その䞀察倚の皋床を倉化させ,正解集合から生成したデヌタに察する類䌌尺床の振る舞いを芳察する.人工的なデヌタでは,正解集合から公平にサンプルされるので,正解集合の䞀察倚の比率ず倚重床は䞀臎する.\begin{figure}[hbtp]{\small\begin{quote}\hspace*{2em}$begin$\\\hspace*{2em}$Sは重耇のない10000個の乱数を芁玠ずする集合;$\\\hspace*{2em}$L:=\phi;~~nは定数;~~mは定数;~~R_m^n:=\phi;~~i:=0;$\\\hspace*{2em}$D^{n*}_m:=\phi;~~j:=0;$\\\hspace*{2em}$while~~i<n~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}begin$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Sから乱数l_cを䞀぀取り出す;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Sからl_cを削陀する;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Sからm個の乱数(l_p^1,...,l_p^m)を取り出す;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Sからl_p^1,...,l_p^mを削陀する;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}r_i:=\{\langlel_c,l_p^1\rangle,...,\langlel_c,l_p^m\rangle\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}R_m^n:=R_m^n\cupr_i;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}L:=L\cup\{l_c,l_p^1,...,l_p^m\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}i:=i+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}end;$\\\hspace*{2em}$while~~j~<~1000~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}begin$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}i:=0;~~d^{*}_{j}:=\phi;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}while~~i~<~2~~do$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}begin$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}R_m^n$からランダムに$\langlel_c^i,l_p^i\rangle$を取り出す;\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}d^{*}_{j}:=d^{*}_{j}\cup\{l_c^i,l_p^i\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}i:=i+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{4em}}end;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}Lからランダムにl(l\not\ind^{*}_{j})を䞀぀取り出す;$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}d^{*}_{j}:=d^{*}_{j}\cup\{l\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}D^{n*}_m:=D^{n*}_m\cup\{d^{*}_{j}\};$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}j:=j+1$\\\hspace*{2em}$\mbox{\hspace*{2em}}end$\\\hspace*{2em}$end;$\end{quote}}\caption{乱数集合から関係集合ずデヌタ集合を䜜成するアルゎリズム}\label{algo:randomnum-data}\end{figure}実隓に甚いる正解関係$\langlel_c,l_p\rangle$を芁玠ずする関係集合$R_m^n$ずデヌタ集合$D^{n*}_m$は図\ref{algo:randomnum-data}に瀺すアルゎリズムを甚いお䜜成した.アルゎリズムに珟れる$n,m$はそれぞれ$R_m^n$においお$l_c$であるラベルの数,䞀぀の$l_c$ず関係を持぀$l_p$の数である.すなわち,$m$はデヌタ集合$D^{n*}_m$が持぀倚重床である.たずえば,$n=25$,$m=5$ずした堎合,䜜成される正解ずする関係集合$R_m^n$は25皮類の$l_c$を持ち,それぞれの$l_c$が5皮類の関係,぀たり$l_p$を5個持぀ような125察を芁玠ずする集合である.これは,$R_m^n$に$\langle5,10\rangle,\langle5,32\rangle,\langle5,777\rangle,\langle5,24\rangle,\langle5,63\rangle$ずいった䞀぀の$l_c$に察しお五぀の関係があるこずを意味する.このような集合から䜜成されるデヌタ集合$D^{25*}_{5}$の芁玠であるデヌタはたずえば,$d^{*}_{j}=\{5,10,12,321,45\}$ずいうデヌタである.これは,$R_m^n$から$\langle5,10\rangle$ず$\langle12,321\rangle$の二぀を取り出し,その二぀の関係に含たれるラベルず関係を持たないラベル45を远加したデヌタである.\ref{sec:without}節ず\ref{sec:with}節の実隓で甚いたデヌタ集合は,$n=46$,$m=19(=倚重床)$であったので,その前埌の倀で実隓を行う.実隓結果は,$n$を25ずしたずき$m$を1,2,5,10,20,50,100,200ず倉化させた堎合ず,$n$を50ずしたずき$m$を1,2,5,10,20,50,100,200ず倉化させた堎合の掚定胜力である.掚定胜力はR-粟床によっお,評䟡した.\begin{figure}[htbp]\newlength{\minitwocolumn}\setlength{\minitwocolumn}{0.5\textwidth}\addtolength{\minitwocolumn}{-0.5\columnsep}\begin{minipage}[h]{\minitwocolumn}\centering\atari(66,44.1)\caption{25ラベルに察しお倚重床を倉化させた\\堎合の粟床倉化}\label{graph:dup25}\end{minipage}\begin{minipage}[h]{\minitwocolumn}\centering\atari(66.4,44.6)\caption{50ラベルに察しお倚重床を倉化させた\\堎合の粟床倉化}\label{graph:dup50}\end{minipage}\end{figure}実隓結果を図\ref{graph:dup25},\ref{graph:dup50}に瀺す.これらのグラフは,倚重床を暪軞,そのずきのR-粟床を瞊軞ずする.図\ref{graph:dup25}は25ラベルに察しお倚重床を倉化させた堎合の粟床倉化を瀺し,図\ref{graph:dup50}は50ラベルに察しお倚重床を倉化させた堎合の粟床倉化を瀺す.図\ref{graph:dup25}では,倚重床2たでは実隓に䜿甚した類䌌尺床の粟床はすべお同じであるが,この時点で自己盞互情報量は他の尺床より粟床が䜎䞋し始める.倚重床10から次第に粟床の差が珟れ,この時点以降の倚重床では補完類䌌床の粟床がもっずも高い.補完類䌌床に続き,信頌床,非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量の順に高い粟床を瀺しおいる.たた,図\ref{graph:dup50}では,倚重床5から粟床の差が珟れ,倚重床100たでは補完類䌌床の粟床がもっずも高く,倚重床200では補完類䌌床,信頌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量の粟床は等しい.図\ref{graph:dup50}においおも図\ref{graph:dup25}ず同様,補完類䌌床に続き,信頌床,非察称平均盞互情報量の粟床,平均盞互情報量の順に高い粟床を瀺しおいる.この二぀のグラフから,倚重床が1,2皋床であれば,実隓に䜿甚したどの類䌌尺床を甚いおも関係を掚定する胜力に差はないが,倚重床が高い堎合,補完類䌌床は他の類䌌尺床よりも䞀察倚関係を掚定する胜力が高いこずがわかる.このこずから,補完類䌌床は䞀察倚関係を掚定する類䌌尺床ずしお有効であるこずが瀺唆される.\subsection{実デヌタを甚いた実隓}\label{real}\subsubsection{実隓方法}この節の実隓では,珟実の新聞蚘事から日本の地名を抜出し,デヌタ集合を䜜成した.実隓は次の流れで行う.たず,新聞蚘事の集合からラベル集合$L$に含たれる地名を䞀぀でも持぀新聞蚘事をデヌタ$d^{**}$ずしお抜出し,その新聞蚘事の集合を芳察できるデヌタ集合$D^{**}$ずする.次に,地名毎に出珟パタヌンに察応する二倀ベクトルを䜜成し,ラベル間の出珟パタヌンの類䌌床を枬定する.この枬定倀をもっお,地名間にある䞀察倚関係の掚定ずする.デヌタ集合の䜜成方法を説明する.新聞蚘事の集合は毎日新聞䞀幎分ずし,䞃幎分に察しお幎版毎にデヌタ集合を䜜成した\cite{Mainichi91-97}.たず,日本語圢態玠解析システム「茶筌」\cite{Matsumoto97}に地名蟞曞を远加した埌,新聞蚘事の圢態玠解析を行い,その結果から地名ず,その地名を含む蚘事の識別番号を抜出した.次に,蚘事の識別番号をデヌタの識別番号$i$ずしお扱い,その蚘事に含たれる地名を芁玠ずする集合を䜜り,その集合をデヌタ$d^{**}_i$ずした.このように䜜成した$d^{**}_i$を芁玠するデヌタ集合を芳枬できる集合$D^{**}$ずした.本論文では,この方法で幎版毎に䜜成した集合に察しお,䞀察倚関係の掚定を行った.ここで,このコヌパス䞭には単に「倧阪」ずだけ出珟し,これが「倧阪府」ず「倧阪垂」のどちらを衚すのかわからない地名が出珟する.この地名に぀いおはどちらかに解釈し正解であれば正解ずした.「倧阪府,倧阪」の堎合,「倧阪」を「倧阪垂」ず解釈し,たた,「倧阪,倧阪垂」の堎合,これは「倧阪」を「倧阪府」ず解釈し,正解ずした.実隓の前に,新聞蚘事に䞀぀の郜道府県名に察しお,平均的にいく぀の垂郡名ずの関係が実際に出珟するかを調査した.極端な堎合,実質的に県庁所圚地だけしか出珟しないならば,コヌパス䞊では倚重床は1ずなっおしたうこずもありうるため,実際の地名デヌタの倚重床を調査しおおく必芁がある.実デヌタにおける倚重床を蚈枬した結果,衚\ref{tab:dupchk}に瀺されるように,すべおの幎床においお倚重床は20前埌であった.このこずから,本節の実隓を,郜道府県名50に察しお倚重床20を持぀実デヌタからラベルの䞀察倚関係を掚定する問題ず芋るこずができる.\begin{table}[htb]\centering\caption{幎版ごずの倚重床}\label{tab:dupchk}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|c|c|}\hline幎版&91&92&93&94&95&96&97\\\hline\hline倚重床&21.7&20.5&20.6&22.5&20.6&19.6&19.3\\\hline\end{tabular}\end{table}評䟡においおは,正解関係1239個を甚いお正解刀定を行った.実隓では,それぞれの類䌌尺床を甚いお,各幎版に察するデヌタ集合$D^*$に含たれるすべおの地名の組合せに぀いお類䌌床を蚈算する.その組合せは非垞に倚く,すべおを評䟡察象ずするこずは珟実的ではない.そこで,䞊䜍1239個に぀いおの適合率をずり,性胜を比范するこずにした.この比率はR-粟床ず呌ばれ,情報怜玢などで甚いられる性胜尺床である.次に適合率の定矩を瀺す.\begin{eqnarray*}適合率&=&\frac{評䟡察象ずした組のうち正解した数}{評䟡察象ずした組数}\end{eqnarray*}\subsubsection{評䟡結果}幎版毎における各類䌌尺床のR-粟床を衚\ref{r_prec2}に瀺す.衚\ref{r_prec2}をグラフで衚したものが図\ref{r_prec}である.衚\ref{r_prec2}ずこのグラフは,すべおの幎版においお補完類䌌床がもっずも高い性胜を持぀こずを衚しおいる.{\small\begin{table}[thbp]\centering\caption{実デヌタにおけるR-粟床}\label{r_prec2}{\small\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|c|c|}\hline幎版&91&92&93&94&95&96&97\\\hline\hline補完類䌌床&0.699&0.559&0.431&0.362&0.315&0.485&0.416\\\hline平均盞互情報量&0.529&0.371&0.287&0.256&0.190&0.322&0.285\\\hline自己盞互情報量&0.001&0.012&0.021&0.009&0.026&0.028&0.025\\\hline非察称平均盞互情報量&0.534&0.375&0.290&0.259&0.193&0.325&0.287\\\hline$\phi$盞関係数&0.001&0.052&0.086&0.041&0.142&0.157&0.148\\\hlineコサむン関数&0.001&0.054&0.086&0.043&0.148&0.161&0.155\\\hlineダむス盞関係数&0.001&0.055&0.103&0.039&0.113&0.128&0.146\\\hline信頌床&0.024&0.123&0.158&0.061&0.239&0.220&0.232\\\hline\end{tabular}}\end{table}}\begin{figure}[bhtp]\centering\atari(137.3,96.1)\caption{実デヌタにおけるR-粟床のグラフ}\label{r_prec}\end{figure}人工的に生成したデヌタでは,信頌床が非察称平均盞互情報量ず平均盞互情報量よりも性胜が高い堎合があったが,実デヌタでは,非察称平均盞互情報量ず平均盞互情報量が信頌床よりも性胜が高い.蚀い換えるず,実デヌタを甚いた実隓においお,補完類䌌床がもっずも䞀察倚関係を掚定する胜力が高く,次に非察称平均盞互情報量,平均盞互情報量,信頌床の順に高いこずを衚しおいる.この結果はすべおの幎版においお蚀えるこずであるため.たた,人工的に生成したデヌタず同様に,非察称平均盞互情報量は平均盞互情報量ず比べ,䞀察倚関係を掚定する胜力が高いこずを衚しおいるが,有意な差を芋るこずはできなかった.しかし,このこずから,非察称性は䞀察倚関係を掚定するために有効な性質の䞀぀ず考えられるが,補完類䌌床ず非察称平均盞互情報量の性胜差を芋るず,非察称性を持぀だけでは高い性胜を埗られないこずがわかる.\begin{table}[thbp]\centering\caption{実デヌタにおける順䜍ず類䌌床の䟋}\label{real-comp}\begin{tabular}{|c||r|r|r|r|r|r|}\hline組&$\alpha$&$\beta$&$\gamma$&$\delta$&$\epsilon$&$\zeta$\\\hline\hline正解刀定&䞍正解&䞍正解&正解&正解&正解&正解\\\hline$a$&1&155&32&13&130&1860\\\hline$b$&0&381&249&202&697&4473\\\hline$c$&0&310&55&0&130&1124\\\hline$d$&53328&52483&52993&53114&52372&45872\\\hline{\small補完類䌌床}&12868&107&1239&1075&76&1\\{\small}&(*230.91)&(1616.94)&(781.54)&(829.37)&(1808.49)&(6550.99)\\\hline{\small平均盞互情報量}&15761&28&1031&1495&52&1\\{\small}&(*0.0003)&(0.0120)&(0.0031)&(*0.0020)&(0.0101)&(0.0639)\\\hline{\small自己盞互情報量}&21&73197&49151&20654&74144&153602\\{\small}&(15.7026)&(*5.0516)&(*6.1253)&(*7.9544)&(*5.0109)&(*2.3920)\\\hline{\small非察称平均盞互情報量}&18167&28&1018&1492&50&1\\{\small}&(*0.0003)&(0.0114)&(0.0030)&(*0.0019)&(0.0098)&(0.0576)\\\hline{\small$\phi$盞関係数}&21&1208&3741&2263&1637&552\\{\small}&(1.0000)&(0.3040)&(*0.2024)&(*0.2454)&(*0.2745)&(0.3797)\\\hline{\smallコサむン関数}&21&1188&3400&2272&1570&398\\{\small}&(1.0000)&(0.3105)&(*0.2047)&(*0.2459)&(*0.2804)&(0.4279)\\\hline{\smallダむス盞関係数}&21&727&3267&8250&1453&410\\{\small}&(1.0000)&(0.3100)&(*0.1739)&(*0.1140)&(*0.2392)&(0.3992)\\\hline{\small信頌床}&3654&18479&15039&70&10145&6483\\{\small}&(*1.0000)&(*0.3333)&(*0.3678)&(1.0000)&(*0.5000)&(*0.6233)\\\hline\end{tabular}\end{table}たた,倚重床に関しお芋るず,ラベル50に察しお倚重床20を持぀実デヌタにおいお,前節に瀺した倚重床に関する実隓結果ず同じく,補完類䌌床が有効である結果を埗おいる.衚\ref{real-comp}は定性的な分析ずしお,93幎版においお評䟡の察象に含たれた特城的な6組を取り出し,それらの組に察しおそれぞれの尺床で䜍眮した順䜍ずそのずき䞎えられた類䌌床をパラメヌタ$a,b,c,d$ずずもに瀺す.ただし,衚に珟れる`*'はその尺床においおはその組が評䟡の察象倖であったこずを衚す.$\alpha$は正解ではない組「湯沢垂,䞭野垂」である.この組は䞀床だけ出珟し,それが共起出珟であった組($a=1,b=0,c=0$)である.この組は自己盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数では評䟡察象ずした組内に含たれおいるが,補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量,信頌床では含たれおいない.これは,自己盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数ではこの組に最倧倀をスコアずしお䞎えるためである.䞀方,信頌床ではこの組にスコアずしお最倧倀が䞎えるが,この組は評䟡察象ずした䞊䜍1239組内に含たれおいない.これは,このデヌタ集合には信頌床が最倧倀を䞎えおしたう組が倚く存圚するこずを衚しおいる.$\beta$は正解ではない組「秋田,青森」である.この組は自己盞互情報量ず信頌床では評䟡察象した組内に含たれおないが,その他の尺床では含たれおいる.これは,正解である$\gamma$に比べ,パラメヌタ$a$が非垞に倧きいこずが原因である.たた,隣接する県であるこずも圱響し,この組が抜出された可胜性もある.$\gamma$は正解である組「岩手県,盛岡垂」である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量では評䟡察象ずした組内に含たれおいるが,その他の尺床では含たれおいない.たた,自己盞互情報量ず信頌床以倖の尺床では正解ではない$\beta$よりも䜎い順䜍に䜍眮しおいる.これは,正解ではない$\beta$に比べ,パラメヌタ$a$が小さいこずが原因である.$\delta$は正解である組「愛媛県,枩泉郡」である.この組は出珟パタヌンが完党な包含関係にある組($a>1,c=0$)である.この組は補完類䌌床ず信頌床では評䟡察象ずした組内に含たれおいるが,その他の尺床では含たれおいない.信頌床がこの組をもっずも高い順䜍に䜍眮付けおいる.これは,信頌床は完党な包含関係にある組に察しお最倧倀を䞎えるためである.信頌床は$\gamma,\delta$のようにパラメヌタ$c$が$0$の堎合,最倧倀を䞎える.93幎版のデヌタ集合においおは,信頌床が最倧倀を䞎える組は$\alpha,\delta$を含め4793組あった.このうち$\delta$のような組は788組あった.$\epsilon$は正解である組「静岡,浜束」である.この組は補完類䌌床,平均盞互情報量,非察称平均盞互情報量では評䟡察象ずした組内に含たれおいるが,その他の尺床では含たれおいない.たた,この組は補完類䌌床ず信頌床以倖の尺床では正解ではない$\beta$よりも䜎い順䜍に䜍眮しおいる.これは$\beta$に比べ,パラメヌタ$a$が小さく,$b$が倧きいこずが原因である.このこずより,䞀察倚関係を掚定する問題における尺床は䞍䞀臎情報を緩和するこずが必芁であるず考えられる.$\zeta$は正解である組「倧阪,倧阪垂」である.この組は実デヌタにおいおパラメヌタ$a$がもっずも倧きい組である.この組は信頌床では評䟡察象ずした組内に含たれおいないが,その他の尺床では含たれおいる.これは$\alpha,\delta$のような$c$が$0$の組が倚いこずず,この組が倧きい$c$を持぀こずが原因である.衚\ref{real-comp}における以䞊の考察から,実デヌタにおいお,補完類䌌床が䞀察倚関係を掚定するこずにもっずも適しおいるず芋るこずができる.たた,人工的に生成したデヌタ集合においおは信頌床の性胜が非察称平均盞互情報量ず平均盞互情報量より高かったが,実デヌタにおいおは非察称平均盞互情報量ず平均自己盞互情報量のほうが高い.これは,実デヌタが偶然共起出珟し,完党な包含関係である組($a=1,c=0$)を非垞に倚く抜出するこずが原因である.93幎版のデヌタ集合においおは,このような組は4005組あった.以䞊のこずから,䞀察倚関係を掚定する問題においお,補完類䌌床は有効であるず考える. \section{考察} 関係を抜出する堎合,甚いる類䌌尺床が問題ずなる.類䌌尺床によっお掚定される関係の確かさが決たり,それらの関係を甚いる凊理の性胜に盎接圱響する.本論文では,䞀察倚関係を掚定する問題においお,どのような類䌌尺床が有効であるかを実隓によっお瀺した.実隓においお,もっずも性胜が高かった類䌌尺床は補完類䌌床であった.補完類䌌床は文字認識の分野のもので,劣化印刷文字を高い性胜で認識できるように考案された類䌌尺床である\cite{Hagita95,Sawaki95a,Sawaki95b}.このこずから,本論文は補完類䌌床の応甚を䞀぀提案しおいるず芋るこずもできる.これたでに提案されおいるデヌタマむニング手法\cite{Adriaans96,Fayyad96b}は,あらかじめデヌタから雑音を陀去する凊理を行った雑音の少ないデヌタを察象ずしおいるこずが倚い.これらの手法の倚くは,支持率ず信頌床に基づき知識を発芋する.しかし,実隓で瀺したように,信頌床は雑音に反応しやすい.これを避けるために雑音の陀去を前凊理ずしお行なうのだが,雑音を完党に陀去するこずは䞀般には難しい堎合が倚い.䞀方,補完類䌌床は雑音に匷い特長を持぀ため,前凊理ずなる雑音の陀去を倱敗したずしおもある皋床の性胜を保ち,関係の抜出を行うこずができる.出珟パタヌンの比范による䞀察倚関係の抜出における補完類䌌床の性胜の高さはこの尺床が持぀非察称性によるずころもある.本論文の実隓においお,䞀察倚関係を掚定する問題における非察称性の有効性を調べるために,察称性を持぀平均盞互情報量の性胜ず,この盞互情報量を改良しお,非察称性を持たせた非察称平均盞互情報量の性胜を比范した結果,非察称平均盞互情報量のほうがわずかに高かった.このこずからも非察称性は䞀察倚関係を掚定する問題においお有効な性質の䞀぀ず考えられる.たた,これたでに,テキストから定型衚珟を抜出する堎合,埓来の盞互情報量よりも非察称性を持぀ように改良した情報量を甚いた堎合のほうが高い正解率を埗られたずいう報告がされおいる\cite{Sinnou95}.この報告も,非察称性を持぀尺床は関係抜出に有効であるこずを瀺しおいる.これは,䜿甚する類䌌尺床の範囲を非察称性を持぀ものに広げる考え方が劥圓であるこずを意味しおいる.しかし,補完類䌌床の性胜ず非察称平均盞互情報量の性胜ずの差から,䞀察倚関係を掚定する問題においお,非察称性だけでは有意な差は芋られないこずがわかった.たた,地名ず同様に䞀察倚関係を持぀ラベルは倚数存圚する.たずえば,䌁業グルヌプ名ず䌁業名,総理倧臣の名前ず䞀倧臣の名前などを考えた堎合でも,知名床の高い䌁業グルヌプ名や総理倧臣の名前のほうが出珟頻床が高いこずが予想される.このようなラベル間にある関係は䞀察倚関係であり,この関係を掚定するには,補完類䌌床が有効であるず考えられる.ただし,これらのラベル間の関係に察する正解の定矩が難しいので,これらのラベル間の関係を掚定する問題を怜蚎するこずは今埌の課題である.今埌の展望ずしおは,補完類䌌床をテキストマむニングに適甚するこずを考えおいる.テキストから発芋したい知識は,定型衚珟,未知語や類矩語に関する情報,名詞句の修食関係,階局関係などテキストを分析するために必芁ずなる知識である.これらの知識を甚いおテキストを分析するこずによっお,情報抜出が容易なデヌタベヌスを構築するこずが可胜ずなる\cite{Glymour97}.たた,未知語は人によっお衚珟が異なる語や述語,新生語などであり,関連する既知語よりも出珟頻床が䜎く,それらの出珟パタヌンは包含関係にあるず予想される.このずき,補完類䌌床を甚いお語間の䞀察倚関係を掚定するこずによっお,未知語に関する情報を埗るこずができるず考える.このように,補完類䌌床は事象間の䞀察倚関係を掚定するこずによっお,テキスト分析に必芁なこれらの知識を埗るこずに応甚できるず考えられる. \section{関連研究} 本論文では,統蚈的手法により,コヌパスから䞀察倚関係を抜出する手法を提案した.これたでに,コヌパスから事象間の関係を抜出する研究が倚く行われおいる.この研究の代衚的なものはテキスト分析に甚いられる蚀語知識ずしおの関係の抜出である.蚀語知識の獲埗では出珟パタヌンの共起性だけでなく,䞀般に品詞情報や構文解析結果を甚いるこずも倚い\cite{Utsuro95}.本論文では,構文解析や品詞情報を甚いずに,事象が持぀出珟パタヌンの共起性だけに泚目しお,コヌパスから䞀察倚関係を抜出するこずを行った.コヌパスを甚いおpart-of関係やis-a関係を抜出する研究も行われおいる.part-of関係を抜出する研究においお,コヌパスから有甚なpart-of関係を抜出する手法が提案されおいる\cite{Berland99}.この手法はpart-of関係を効果的に抜出するための構文パタヌンを分析するこずによっお,高い性胜を瀺しおいる.part-of関係は本論文で抜出しようずした䞀察倚関係の䞀皮ずみなすこずができる.䜿甚する情報が異なるが,本論文で提案する手法ず構文パタヌンに基づく手法は同じ問題に察する異なるアプロヌチであるずいえる.is-a(kind-of)関係を抜出する研究においお,蟞曞の定矩文から䞀般的な単語のis-a関係を抜出する手法が提案されおいる\cite{Tsurumaru91}.この手法はパタヌンマッチ手法を甚いお名詞や動詞のis-a関係を抜出しおいる.たた,コヌパスから䞋䜍レベルにある単語のグルヌプを䜜り,そのグルヌプず䞀察䞀関係にある䞊䜍レベルの単語を求めるボトムアップ手法が提案されおいる\cite{Caraballo99}.この手法は䞀般的な名詞が`and'によっお連結されおいる郚分を芋぀けるこずによっお名詞のis-a関係を抜出しおいる.これらの研究では,䞀般的な名詞を察象ずする.䞀方,本論文で提案する手法では,固有衚珟や専門甚語を事象の察象ずする.is-a関係も本論文で抜出しようずした䞀察倚関係の䞀皮ずみなすこずができる.䜿甚する情報ず察象ずする事象が異なるが,同じ問題に察しお盞補的に甚いるこずができるず考えられる. \section{おわりに} 本論文では,コヌパスから事象間の䞀察倚関係を掚定する問題を考えた.これたでにコヌパスから事象間の関係を掚定するこずが倚く研究されおいる.䞀般に,この問題に察する解決法の倚くは,コヌパスを構成する文曞における事象の共起に基づいおいる.これらの手法では暗黙的に事象間の関係は䞀察䞀関係であるこずを想定しおいる.しかし,実際には,事象間の関係は䞀察倚関係である堎合があり,この特城のためにいく぀かの工倫が可胜であった.本論文では,コヌパス䞭の䞀察倚関係を掚定するために補完類䌌床を利甚するこずを提案した.この尺床は本来文字認識システムのために開発され,テンプレヌトずした文字が持぀パタヌンにオヌバヌラップしたパタヌンを認識するのに有効であるこずが知られおいるが,これたでテキスト凊理に利甚されたこずはなかった.この補完類䌌床の䞀察倚関係を掚定する胜力を評䟡するために,地名(郜道府県垂郡名)を察象事象ずした実隓においお,平均盞互情報量,自己盞互情報量,非察称平均盞互情報量,$\phi$盞関係数,コサむン関数,ダむス盞関係数,信頌床ずの性胜比范を行った.実隓では,䞉皮類のコヌパスを甚いた.䞀぀目は実際に地名間にある䞀察倚関係から合成した人工的なデヌタ集合である.二぀目も実際の関係から合成したが,誀った関係を導く少量の芁玠も含むデヌタ集合である.䞉぀目は珟実の新聞蚘事コヌパスから埗たデヌタ集合である.これらの評䟡実隓においお,補完類䌌床がもっずも優れおおり,補完類䌌床は䞀察倚関係の掚定問題に察しお有効であるこずを瀺した.\begin{acknowledgment}本研究は文郚省科孊研究補助金10680379の成果です.たた,NTT光ネットワヌク研究所ず䜏友電工ずの共同研究の成果を利甚させお頂きたした.NTTコミュニケヌション科孊研究所の萩田玀博氏ずNTT基瀎研究所の柀朚矎奈子氏に補完類䌌床の情報を提䟛しお頂きたした.本孊情報工孊系䞭川聖䞀教授に貎重なアドバむスを頂きたした.深く感謝いたしたす.\end{acknowledgment}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jnlpbib}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{山本英子}{1973幎生平成14幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科電子・情報工孊専攻博士課皋修了同幎通信総合研究所に専攻研究員ずしお入所博士工孊}\bioauthor{梅村恭叞}{1959幎生1983幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科情報工孊専攻修了課皋修了同幎日本電信電話公瀟電気通信研究所入所1995幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助教授珟圚に至る博士工孊システムプログラム蚘号凊理の研究に埓事ACM゜フトりェア科孊䌚電子情報通信孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N01-07
\section{はじめに} \label{sec:introduction}圢態玠解析や構文解析など自然蚀語凊理の芁玠技術は成熟し぀぀あり蚀語理解のために意味解析・談話解析ずいったより高次な蚀語凊理の研究が盛んになり぀぀ある特に文の意味理解のためには「誰が」「䜕を」「誰に」「どうした」ずいった芁玠を同定するこずが重芁である「誰が」「䜕を」「誰に」ずいった名詞は\textbf{項}ず呌ばれ「どうした」のような動詞を䞭心ずした\textbf{述語}によっお結び぀けられる動詞や圢容詞ずいった述語を察象ずした項構造解析は\textbf{述語項構造解析}ず呌ばれFrameNetやPropBankずいった述語項構造解析に察する資源の敎備や\cite{gildea:2002:CL}による機械孊習を甚いた解析手法が登堎し近幎盛んに研究されおいる述語項構造解析に関する自然蚀語凊理の評䟡型ワヌクショップCoNLL20042005の開催に䌎い述語項構造解析研究はある皋床の氎準に達したが深い蚀語理解をするためには述語のみを察象ずした事態性解析は十分でない特に文䞭の事態を指しうる衚珟ずしおは動詞や圢容詞の他に名詞もあるこずが知られおいる\cite{grimshaw:1990}たずえば「圌は䞊叞の掚薊で抜擢された」ずいう文で名詞「掚薊」は「䞊叞ガ圌ヲ掚薊する」ずいった事態を指す事態ずは行為や状態出来事を指し述語項構造ず同様の項構造を考えるこずができるそこで本皿では事態を指す甚法で䜿われおいお項を持぀名詞のクラスを\emph{事態性名詞}ず呌び事態を指す甚法で䜿われおいるずき\emph{事態性}があるず定矩する本研究は事態性名詞における項構造を抜出するこずを目暙にしおいる事態性名詞の項構造解析ずは名詞に事態性があるずき項構造を決定し項を同定する解析を指す事態性ずは文脈䞭で名詞がコト事態\footnote{ここで事態性ずいうのは名詞が特定の出来事を指しおいる堎合だけではなく総称的に䜿う堎合も区別せず解析の察象に含める}を指すかモノ物䜓を指すかずいう意味的な違いに察応する事態性名詞の䞭には「レポヌト」のようにレポヌトする行為を指すのかレポヌトされた結果物を衚すのかずいった文脈によっお事態性の有無が倉化する名詞があるそこで文脈に応じお事態性名詞に事態性があるか吊か刀別する凊理を\emph{事態性刀別}項構造を決定しお項を同定する凊理のこずを\emph{項同定}ず呌ぶ事態性名詞の項構造解析は述語項構造解析ず同様文䞭の述語の項構造を決定し項を同定する䜜業の延長ず䜍眮づけるこずができる英語における動詞の名詞化や日本語におけるサ倉名詞など動詞ず匷い぀ながりを持぀名詞は数倚くあり述語項構造解析の研究成果を揎甚しお解析を行うこずが期埅されおいるNAISTテキストコヌパス\cite{iida:2007:NL}によるず述語ず名詞を含めた党事態䞭21.1\%が事態性名詞であり述語項構造解析技術の次の発展方向ずしお泚目されおいる事態性名詞の項構造解析は情報抜出や自動芁玄質問応答システム蚀い換えや機械翻蚳など自然蚀語凊理のさたざたな分野に応甚できる芁玠技術の䞀぀である本研究の䞻な貢献は以䞋の2点である\paragraph{(1)事態性刀別の問題蚭定}事態性刀別぀たり事態を指しおいるかどうか曖昧性を刀別する問題を蚭定し事態性に関しお曖昧性のない事䟋を甚いた事態性名詞の語圙統語パタヌンのマむニング手法を提案した\paragraph{(2)事態性名詞の項同定に有効な玠性の提案}事態性名詞の項構造ず述語の項構造の関連性に着目し2぀の皮類の玠性を新たに提案した特に動詞ず栌芁玠の共起が事態性名詞の項構造解析に有効かどうか怜蚌し項同定\footnote{本論文では項同定の問題のうち項構造決定の問題は扱わない以䞋項同定は項構造が決定されたあずの項同定の問題を指す}の正解率向䞊に圹立぀こずを瀺した動詞ず栌芁玠の共起を甚いお項同定の正解率が向䞊したずいう報告はこれたでにないたた支揎動詞構文のずき事態性名詞ず述語が同じ項を共有する珟象に着目し項の察応を぀けた蟞曞を䜜成しお事態性名詞の項同定に有効かどうか怜蚌した先行研究では明瀺的に支揎動詞構文に関する資源を䜜成しおいないが支揎動詞蟞曞の敎備が事態性名詞の項同定に有効であるこずを瀺した本論文の構成は以䞋のようになっおいるたず\ref{sec:relatedwork}節で事態性名詞の項構造解析の先行研究に぀いお玹介する本研究では事態性名詞の項構造解析を(1)事態性刀別(2)項同定の2぀の凊理に分けお解く\ref{sec:method}節でこの問題を解決するための方針に぀いお議論し\ref{sec:eventhood}節で事態性の曖昧性のない事䟋を甚いた事態性名詞の語圙統語パタヌンのマむニング手法を提案する\ref{sec:syntax}節で項同定のための動詞ず栌芁玠の共起の掻甚ず支揎動詞構文の利甚に぀いお述べる \section{関連研究} \label{sec:relatedwork}\cite{grimshaw:1990}は動詞ず同様事態を指す名詞のこずを\emph{eventnominal}事態名詞ず呌び\emph{resultnominal}結果名詞・\emph{simpleeventnominal}単玔事態名詞・\emph{complexeventnominal}耇雑事態名詞の3぀に分類した結果名詞ずは「梅干」のように「梅を干しおできたもの」ずいう結果物を指す名詞であり単玔事態名詞ずは「運動䌚」のように意味圹割を持たない名詞である「掚薊」のように「誰が誰を誰に掚薊した」ずいう\emph{eventstructure}事態構造を持぀耇雑事態名詞\footnote{本皿で扱う事態性名詞はGrimshawの耇雑事態名詞に盞圓する}だけが項必須栌を持぀\footnote{「報告」のように結果名詞「報告曞・報告物」ずしおの語矩ず耇雑事態名詞「出匵の報告をした」ずしおの語矩䞡方を持぀ものもあるたた「詊隓」のように文脈に応じお結果名詞・単玔事態名詞・耇雑事態名詞のいずれも取りうる名詞もある}このように事態を指しか぀項を持぀名詞の存圚は叀くから知られおいた近幎この珟象に察する自然蚀語凊理的芳点からの関心が高たり耇数の蚀語でコヌパスが敎備されるに至った以䞋で英語・䞭囜語・日本語における事態性名詞の項構造解析の関連研究に぀いお述べる\subsection{英語における事態性名詞の項構造解析}Macleodらは1997幎から動詞の名詞化に泚目し高いカバヌ率の情報抜出を目的ずした事態性名詞の蟞曞NomLexの䜜成に着手した\cite{macleod:1997:RANLP}NomLexは2001幎に完成・公開されNomBankプロゞェクトに匕き継がれるNomBankはNomLexず同じく英語における動詞の名詞化に着目したコヌパス\cite{meyers:2004:NAACL-HLT,meyers:2004:LREC}でありPennTreebank\cite{marcus:1993:CL}に察しPropBankら\cite{palmer:2005:CL}の仕様に埓っお項構造が付䞎されおいるMeyersらは2007幎PennTreebankIIに察するアノテヌションを終了しNomBank1.0を公開した2008幎ず2009幎のCoNLL共通タスクではNomBankコヌパスを甚いた事態性名詞の項構造解析もタスクの䞀぀ずしお行われたNomBankを甚いた事態性名詞の項構造解析は\cite{jiang:2006:EMNLP}や\cite{liu:2007:ACL}があるJiangらはNomBankに察し最倧゚ントロピヌ法を甚いた教垫あり孊習による項構造解析を行った圌らはPropBankを甚いた動詞に察する意味圹割付䞎(Semanticrolelabeling)においお有効性が確認されおいる玠性に加え名詞の語幹やクラスずいった事態性名詞に぀いおの意味玠性や支揎動詞構文を認識するための述語ずの䜍眮関係ずいった統語玠性そしお項構造を正しく認識するための項同士の䟝存関係に関する倧域玠性を甚いたLiuらはJiangらの甚いた玠性をベヌスに半教垫あり孊習手法のAlternatingStructureOptimization(ASO)~\cite{ando:2005:JMLR}を適甚したASOは解くべき問題に関連する補助問題を䜜成するこずで経隓リスク最小化を行う手法であり圌らの研究では事態性名詞の項構造解析に有効なさたざたな補助問題が提案されおいる自然蚀語凊理の評䟡型ワヌクショップCoNLL2008,2009ではPropBankずNomBankを甚いた述語ず事態性名詞に察する項構造解析の共通タスクが行われたCoNLL2009には20チヌムが参加するなど事態性名詞の項構造解析は掻発に研究されおいる\subsection{英語以倖の蚀語における事態性名詞の項構造解析}英語以倖の蚀語における事態性名詞の包括的な研究ずしおはXueらによるChineseNombank~\cite{xue:2006:LREC}があるこれは英語以倖における初めおの倧芏暡な事態性名詞のコヌパスであるこのコヌパスを甚いた解析ずしお\cite{pradhan:2004:NAACL-HLT,xue:2006:HLT-NAACL}がある日本語のサ倉名詞ず同様䞭囜語では動詞ず動詞化された名詞は同じ衚局圢を持぀ため動詞化された名詞は察応する動詞ず共通の項構造を持぀ず仮定するず動詞に関する資源を事態性名詞に流甚するこずができる\cite{xue:2006:HLT-NAACL}では単玔に動詞の事䟋を事態性名詞の事䟋に远加しお実隓したずころ同じ事態を指す衚珟であっおも動詞ずしお䜿われる堎合ず名詞ずしお䜿われる堎合では語圙統語パタヌンが倧きく違いかえっお性胜が䞋がったず報告しおいる我々は日本語を察象に倧量に自動獲埗した動詞ず栌芁玠の共起を甚いお事態性名詞の項同定を行い倧きく正解率を向䞊させるこずに成功したたた事態性名詞に特城的な語圙統語パタヌンを甚いるこずでさらに性胜を改善させた䞀方日本語においおは\cite{kurohashi:2005}によっお京郜テキストコヌパス第4.0版の䞀郚玄5,000文に事態性名詞を含む名詞間の関係タグが付䞎された\cite{sasano:2005:NLJ}は自動構築された名詞の栌フレヌム蟞曞の評䟡ずしお事態性名詞の項同定を行った圌らは事態性名詞のみに぀いおの結果を報告しおいないため盎接比范するこずはできないが我々は事態性名詞の解析に焊点を圓お事態性刀別の問題を解いた点動詞ず栌芁玠の共起の情報を甚いた点および事態性名詞に特城的な語圙統語パタヌン支揎動詞構文を甚いた点が異なる\subsection{NAISTテキストコヌパス}我々は事態性名詞の項構造解析の問題に察しNAISTテキストコヌパス~\cite{iida:2007:NL}を甚いた教垫あり孊習を行ったこのコヌパスでは文章䞭の各事態性名詞に぀いお事態性の有無を刀別し事態性がある堎合には項構造必須栌ずなるガ栌・ヲ栌・ニ栌の情報が付加されおいるたずえば図\ref{fig:naisttextcorpus}のような蚘事に察しお\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia8f1.eps}\end{center}\caption{NAISTテキストコヌパスの事態性名詞のアノテヌション}\label{fig:naisttextcorpus}\end{figure}\begin{itemize}\item[][\textsc{rel}=管理するガ=〈倖界〉ヲ=リスク]\item[][\textsc{rel}=調査するガ=ヲ=実態]\end{itemize}のような情報が付䞎されおいる項に関しおは「管理」のヲ栌「リスク」や「調査」のガ栌「」のように項が文内に出珟しおいる堎合はそれが圢態玠単䜍で指瀺されるたた「調査」のヲ栌「実態」のように文倖に出珟する項でも蚘事内で特定できる堎合はその芁玠が指瀺されるさらに「管理」のガ栌のように必須栌でか぀文内にも蚘事内にも出珟しおいない堎合は特別な〈倖界〉タグが付䞎されおいる珟圚公開されおいるNAISTテキストコヌパス1.4$\beta$~\footnote{http://cl.naist.jp/nldata/corpus/}は京郜テキストコヌパス3.0党䜓玄4䞇文に察しおタグ付䞎されおおり京郜テキストコヌパス4.0ず比范しお倧芏暡な孊習を行うこずができるずいう利点がある\cite{taira:2008:EMNLP}はNAISTテキストコヌパスを甚いお構造孊習を述語項構造解析および事態性名詞の項同定に適甚した結果を報告しおいるが圌らは事態性刀別の問題を解いおいないたた比范的項同定が難しいガ栌に぀いお報告せずヲ栌ずニ栌に察する結果しか議論しおいない \section{事態性名詞の項構造解析ぞのアプロヌチ} \label{sec:method}事態性名詞の項構造解析を述語項構造解析ず比范するず(1)名詞の倚矩性の問題(2)解析察象の問題(3)栌助詞の問題がある1぀目の倚矩性の問題ずは事態性名詞の䞭には文脈によっお事態を指す甚法ず指さない甚法ずいずれも持぀名詞があるため曖昧性を解消しなければならないずいう問題であるたずえば「私は公衆\underline{電話}で\fbox{電話}をするこずがめっきり枛った」ずいう文\footnote{以䞋事態性のない甚䟋は䞋線事態性のある甚䟋は四角で囲んで瀺す}では\underline{電話}はモノずしおの電話でありこれ自䜓はなんらかの事態を指す甚法ではないが\fbox{電話}は「電話をする」ずいう行為であり「私ガ誰かニ電話をする」ずいう事態を指し埌者の堎合のみ項が存圚するサ倉名詞に限定するず事態性のある堎合は動詞ずしおの甚法を考えたずきの項構造を基本的に受け継ぐ\footnote{「動き」「薊め」などの和語動詞由来の事態性名詞も同様に扱うこずができるたた「運動䌚」のように事態を指すが動詞ず盎接の結び぀きがない事態性名詞は今回扱わない}ため文脈䞭でのこれらの項を同定したい2぀目の解析単䜍の問題ずは項の単䜍の問題である日本語の述語項構造解析では䞻蟞が項になるため項候補ずしお䞻蟞のみを解析察象に加えればよいが事態性名詞においおは䞻蟞以倖も項になりうるたずえば「\underline{民間}\fbox{支揎}が掻性化する」では事態性名詞\fbox{支揎}の項のヲ栌が同䞀文節内の䞻蟞以倖の圢態玠\underline{民間}を指しおおり䞻蟞のみを察象にするずこのような事䟋を解析するこずができない\cite{iida:2007:NL}によるず述語は同䞀文節内に項が珟れるこずはほずんどなく特にヲ栌ずニ栌においおは8割以䞊係り受け関係にある文節の䞻蟞が項になっおいる䞀方事態性名詞のヲ栌ずニ栌はそれぞれ50.6\%43.6\%が同䞀文節内に項を持぀このこずから述語項構造解析で有効な統語的玠性が事態性名詞の項構造解析で有効であるずは限らないこずが瀺唆されるこの問題ぞの察策の䞀぀ずしお動詞ず栌芁玠の共起ずいう意味的な情報を甚いるこずが考えられる3぀目の栌助詞の問題ずは述語項構造解析では明瀺的に栌助詞ガ・ヲ・ニが出珟した堎合はその栌助詞が項同定の匷い手がかりになるのに察し事態性名詞の項構造解析においおはほずんどの堎合項は栌助詞によっおマヌクされおいないずいう問題であるこれは述語におけるれロ照応解析ず同様の問題であり文の構造を利甚したれロ照応解析\cite{iida:2006:ACL}ず同じく項同定凊理に文内の構造情報を甚いるこずが有効であるず考えられる特に支揎動詞構文のずき事態性名詞ず述語は項を共有するので明瀺的な栌助詞を䌎う述語の項構造を解析に甚いるこずができるさお事態性名詞の項構造解析をするに圓たり我々はたず(1)の問題に察応する事態性刀別を行いその埌事態性のある事態性名詞に限っお項構造解析を行うずいう手順で問題を解くこのようにモデルを分ける利点は事態性刀別は語矩曖昧性解消の問題であり項同定ず別の玠性を甚いた解析が有効だず考えられモデルを分けるこずにより事態性刀別に特城的な統語玠性を甚いるこずができる点である\footnote{述語項構造解析においおは項同定ず項識別ずで有効な玠性が倧きく異なり堎合によっおは項同定に有効な玠性が項識別ではノむズになりうるずいう指摘\cite{pradhan:2005:ML}もある}事態性刀別は文䞭に出珟する事態性名詞を事態性ありなしの2クラスに分類する問題なので事態性に関する曖昧性のない事䟋を甚いお教垫なしのパタヌンマむニングを行うこずができる語矩曖昧性解消タスクにおいおは曖昧性のある単語呚蟺の単語の分垃が有効な玠性であるこずが知られおおり倧芏暡なコヌパスから文脈玠性を孊習するこずが本タスクにおいおも有効であるこずが期埅されるそこで本論文ではこの方法に埓っお事態性刀別のタスクず項同定のタスクを分けお扱う手法を提案する \section{事態性刀別} \label{sec:eventhood}事態性名詞には「リスク管理」や「圌の決断」のように事態性名詞ず同䞀文節内や係り受け関係にある文節内に項が存圚するこずが倚くこういった名詞の出珟パタヌンを利甚するこずによっお事態性刀別の粟床が向䞊するず考えられるそこで名詞の出珟パタヌンを捉えるための手段ずしおBACT~\cite{kudo:2004:EMNLP}実装はbact\footnote{http://chasen.org/\~{}taku/software/bact/}を甚いお事態性のある名詞ず事態性のない名詞ずの出珟パタヌンを孊習するこずを考えたBACTは朚構造の蚓緎事䟋を孊習させるこずによっおブヌスティングで蚓緎事䟋の刀別に効果の高い重み付き郚分朚を順次遞択するアルゎリズムであり文の構造を朚構造に倉換しお玠性ずしお入れるこずによっお蚓緎事䟋の刀別に効果が高い構造をルヌルずしお孊習できる\subsection{事態性名詞の語圙統語パタヌンの孊習}事態性名詞の語圙統語パタヌンの獲埗には名詞の出珟する前埌3圢態玠名詞の出珟する文節および係り元の文節の圢態玠列を朚構造にしお分類噚を䜜成した事態性に関する曖昧性がない事䟋ずしお日本語語圙倧系~\cite{ikehara:1997}にサ倉動詞ずしお登録されおいる甚蚀のうち䞀般名詞意味属性䜓系の「名詞-抜象-事-\{人間掻動事象\}」ノヌドの䞋にありか぀それ以倖のノヌドの䞋にない2,253名詞を曖昧性のない事態性名詞ずしお正䟋にしたランダムに200個サンプリングしお調べたずころ97\%がサ倉名詞残りの3\%が動詞由来の名詞で事態性名詞であったたた䞀般名詞ずしお登録されおいる名詞のうち「名詞-具䜓」ノヌドの䞋にありか぀それ以倖のノヌドの䞋にない名詞ず固有名詞合わせお194,098名詞を曖昧性のない非事態性名詞ずしお負䟋にした同じくランダムに200個サンプリングしお調べたずころ16.5\%が䞀般名詞73.5\%が固有名詞で非事態性名詞であったたずえば「商品\fbox{取匕}」の出珟パタヌンは図\ref{fig:pattern}のような朚構造になり正䟋ずしお蚓緎事䟋に远加する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia8f2.eps}\end{center}\caption{「商品取匕」のパタヌンの䟋}\label{fig:pattern}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{事態性刀別に有効な玠性ずしお獲埗したパタヌンの䟋}\label{tab:rules}\input{08table01.txt}\end{table}孊習には新聞蚘事玄1ヶ月分\cite{mainichi:2002}正䟋117,581事䟋負䟋282,419事䟋を䜿甚し正䟋および負䟋を分類するに圓たっおの重みが高いルヌル6぀を獲埗した獲埗したルヌルは衚\ref{tab:rules}に瀺した重みの絶察倀が倧きければ倧きいほど事態性刀別に効果が高いず考えられる\subsection{実隓}\label{subsec:eventhood}事態性の刀別には語矩曖昧性解消で最もよい性胜を瀺しおいるSupportVectorMachines~\cite{vapnik:1998}実装はTinySVM\footnote{http://www.chasen.org/\~{}taku/software/TinySVM}を甚い文脈に応じた事態性名詞の事態性を孊習した倚項匏2次カヌネルを䜿甚しその他のパラメヌタはデフォルト倀を甚いた評䟡は粟床・再珟率・F倀粟床ず再珟率の調和平均で行い10分割亀差怜定によっお事態性の有無の刀別性胜を芋た評䟡事䟋にはNAISTテキストコヌパスから新聞蚘事80蚘事800文を甚いた含たれる事態性名詞は1,237個うち590個が事態性ありの事䟋あったベヌスラむンには各名詞に察しおコヌパス䞭で最も頻床が高い語矩を正解ずしたモデルを甚いBACTによっおマむニングした名詞の出珟パタヌンを甚いたモデルず比范した䜿甚した玠性は衚\ref{tab:eventhood:feature}にたずめた\begin{table}[b]\caption{事態性刀別に甚いた玠性}\label{tab:eventhood:feature}\input{08table02.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{事態性刀別実隓結果}\label{tab:exp:eventhood}\input{08table03.txt}\end{table}教垫なしでマむニングした語圙統語パタヌンの有効性を瀺すため衚\ref{tab:exp:eventhood}に事態性刀別の実隓結果を瀺した提案手法はベヌスラむンより再珟率は劣るものの粟床を倧幅に向䞊させF倀で玄5\%改善するこずができた名詞の語圙統語パタヌンを甚いない堎合衚\ref{tab:eventhood:feature}の文節内玠性ず文節倖玠性のみを甚いた堎合ベヌスラむンより粟床は䞊がるものの再珟率は倧幅に䜎䞋し文節内の品詞情報など局所的な文法知識が事態性名詞の刀別に効果が高いこずを瀺しおいる\subsection{゚ラヌ分析}事態性がある事䟋にも関わらず事態性がないず刀別を誀った事䟋に次のようなものがあった\begin{itemize}\item「野良黒山の䌚」のリヌダヌ、朚堎将匘さん方では、劻の和枝さんらが珟地ず\fbox{電話}のやり取りを続けた。\item自民党の枡蟺矎智雄元副総理・倖盞は四日、宇郜宮垂で講挔、䞃月の参院遞に぀いお「瀟䌚党ず連合が独占しおいる二十䞉遞挙区でも自民党から候補者を擁立すべきだ。連立政暩は政暩。遞挙は遞挙だ」ず述べ、遞挙\fbox{協力}よりも独自候補擁立を優先すべきだずの考えを瀺した。\end{itemize}これらの事䟋はいずれも文内に項があるにも関わらず事態性刀別を誀った事䟋であり事態性刀別に項同定の情報を甚いおいないために刀別に倱敗しおいるこれらの事䟋に正解するためには事態性刀別ず項同定を同時に最適化する必芁がある解決策ずしお\cite{iida:2006:ACL}の提案する述語のれロ照応解析で甚いられおいる探玢先行分類モデルを適甚したず最尀の項候補を求め項同定を先に行った䞊で事態性刀別の䞀玠性ずしお甚いる方法やMarkovLogicNetworkを甚いお事態性刀別ず項同定を同時に行う\cite{meza-ruiz:2009:NAACL-HLT}ずいった方法が考えられるがどのようにするべきかは今埌の課題である \section{事態性名詞の項同定に有効な玠性の怜蚎} \label{sec:syntax}\ref{sec:method}節で述べたように事態性名詞の項同定は述語の項同定ず異なり述語項構造解析で有効であった文法的玠性が必ずしも有効であるずは限らないそこで動詞ず栌芁玠の共起ずいった意味的玠性を甚いるこずを提案するたた事態性名詞の項は述語の項ず違い栌助詞を䌎わないずいう問題に察し支揎動詞構文においお事態性名詞ず述語が項を共有する珟象に着目し支揎動詞蟞曞を䜜るこずにより項の察応関係を認識する手法に぀いお述べる\subsection{動詞ず栌芁玠の共起の利甚}事態性名詞のうち察応する動詞がある名詞たずえばサ倉名詞䟋掚薊や動詞由来の名詞䟋動きの項構造は動詞の項構造ず類䌌しおおり事態性名詞の項同定に動詞に関する知識が有効であろうず考えられる述語においおはヲ栌の84\%ずニ栌の88\%が係り受けの関係にある文節に項を持぀が事態性名詞においおはそれぞれヲ栌の31\%ニ栌の22\%しか係り受け関係の文節に項が存圚しない\cite{iida:2007:NL}それに加え述語では項は普通栌助詞ヲやニを䌎っお出珟するため衚局の栌助詞が倧きな手がかりずなるが事態性名詞の項は明瀺的に栌助詞を䌎わないこの問題に察凊するためたずサ倉名詞ずそれに察応する動詞が意味的には共通の項を持぀こずを仮定し動詞ず栌芁玠の共起情報を事態性名詞の項同定に甚いる\footnote{動詞由来の名詞にもこの手法は拡匵可胜である}この手法の利点は係り受け解析噚を甚いるこずで倧芏暡なラベルなしデヌタから自動的に獲埗した共起を獲埗し完党に教垫なしに行うこずができる点である動詞ず栌芁玠の共起のモデル化は\cite{fujita:2004:IPSJ}のモデルに埓ったこのモデルは名詞$n$が栌助詞$c$を介しお動詞$v$に係っおいるずきの共起確率P($\langlev,c,n\rangle$)を掚定するため$\langlev,c,n\rangle$を$\langlev,c\rangle$ず$n$の共起ず芋なすしかしながら䞀般に動詞ず栌芁玠の共起事䟋は非垞に疎なのでpLSI\cite{hoffman:1999}を甚いおスムヌゞングを行う\[P(\langlev,c,n\rangle)=\sum_{z\inZ}P(\langlev,c\rangle|z)P(n|z)P(z)\]$Z$は共起に関する朜圚的な意味クラスを指す確率倉数で確率分垃を甚いお単語行列を$|Z|$次元に圧瞮しおいるこずに盞圓する$P(\langlev,c\rangle|z),P(n|z),P(z)$はEMアルゎリズムによっお求められる共起尺床ずしおは自己盞互情報量~\cite{hindle:1990:ACL}を甚いる\[PMI(\langlev,c\rangle,n)=\log_2\frac{P(\langlev,c,n\rangle)}{P(\langlev,c\rangle)P(n)}\]共起尺床の利甚に関しおは盞察的な共起の匷さを甚いお項らしさを刀定するそこでこれらの共起尺床により蚈算されたスコアは最尀候補に察する盞察倀ずしお玠性に取り蟌む具䜓的には項候補ずなる名詞句をペアに察しそれらの共起スコアの差実数倀およびそれを離散化したものを玠性ずしお甚いる本論文では藀田らに倣い新聞蚘事延べ19幎分のコヌパスから係り受け解析結果を抜出し$|Z|=1000$ずしおモデルを䜜成した事態性名詞ず項の共起の分垃を調べた予備実隓においお固有名詞を䞭心に動詞ず栌芁玠の共起モデル䞭に出珟しなかった事䟋が党䜓の18\%あったそこで共起スコアを蚈算するこずができなかった名詞ず共起スコアが負であった名詞に関しおCaboChaの出力する固有衚珟ラベルおよびChaSenで品詞が固有名詞であるず刀定された名詞に察しおは固有衚珟クラスで掚定した共起スコアを甚いおスムヌゞングした\footnote{固有衚珟クラスによるスムヌゞングは埌述する項同定の予備実隓で垞に高い粟床だったため以降の実隓ではスムヌゞングを甚いた結果のみ報告した}\subsection{支揎動詞蟞曞の䜜成}支揎動詞構文は述語ず事態性名詞が項を共有する統語パタヌンであり述語に係る名詞句の栌助詞の情報を䜿うこずによっお性胜を向䞊させるこずができるず考えられるそこで我々は事態性名詞ず述語の間で項の察応が぀いた蟞曞\textbf{支揎動詞蟞曞}を䜜成し支揎動詞構文の認識に甚いた事態性名詞の21.7\%は支揎動詞構文で䜿われおおり述語項構造解析で有効な栌助詞に関する情報を掻甚できるず予想されるNomBankをコヌパスずしお甚いた分析ずしお\cite{meyers:2004:ACL}は倚くの名詞化された動詞は支揎動詞構文にあり䞻動詞ず項を共有するこずを指摘した\footnote{ここでは圌らの定矩に埓い支揎動詞ずは最䜎2぀の項NP$_1$ずXP$_2$を取りXP$_2$がNP$_1$の䞻蟞の項ずなっおいる堎合を指す}\cite{jiang:2006:EMNLP}も同じ珟象に着目し機械孊習の玠性ずしお支揎動詞構文を怜出する玠性を提案したしかしながら支揎動詞構文ずなる述語は限られおおり人手で曞き尜くすこずができるため我々は事態性名詞ず述語の間で項を共有するようなペアに぀いお蟞曞を䜜成しどのような項の察応関係になっおいるかずいう情報を付䞎しお甚いるこずにしたたずえば文「倪郎が花子に電話をした」においお述語項構造は[\textsc{rel}=\emph{する}したガ=倪郎ヲ=電話ニ=花子]であり事態性名詞の項構造は[\textsc{rel}=電話するガ=倪郎]であるこの堎合述語「する」ず事態性名詞「電話」は項「倪郎」をそれぞれガ栌で共有する衚\ref{tab:suru:template}はこの堎合支揎動詞蟞曞のどの゚ントリにマッチしおいるのか瀺したたた「圌が圌女に勉匷を教える」ずいう文では述語「教える」は事態性名詞ず項を共有しおいるが述語のニ栌「圌女」は事態性名詞ではガ栌ずなり「圌女」ガ「勉匷する」栌の亀替が起きる衚\ref{tab:oshieru:template}には栌亀替が起きる堎合の項の察応を瀺した\begin{table}[b]\hangcaption{支揎動詞構文の頻床䞊䜍10件S,N,Eはそれぞれ共有された項共有されおいない名詞句事態性名詞を衚す}\label{tab:svc}\input{08table04.txt}\end{table}NAISTテキストコヌパスには異なり2,173個延べ8,190個の支揎動詞構文の事䟋が芋られた頻床䞊䜍10件の支揎動詞構文を衚\ref{tab:svc}にたずめたここから分かるように実際のコヌパスに出珟する支揎動詞はいわゆる機胜動詞結合で甚いられる機胜動詞より広い抂念であるたずえば「倪郎が電話を続ける」においおは「倪郎が電話する」ずいう事態が継続しおいるこずを瀺し「続ける」は継続の意味を倱っおいないこのように支揎動詞構文にある事態性名詞ず述語の瀺す事態の関係はテンスやモダリティの付加などがあるがこのような動詞がいく぀ありどのような関係がありうるかは今埌の研究課題である\begin{table}[t]\hangcaption{「する」の支揎動詞蟞曞項目ず「倪郎が花子に電話をする」の項察応Eには共通の事態性名詞がSには共有される項が入るこの゚ントリはニ栌の共有に関する情報は入っおいない}\label{tab:suru:template}\input{08table05.txt}\end{table}\begin{table}[t]\hangcaption{「教える」の支揎動詞蟞曞項目ず「圌が圌女に勉匷を教える」の項察応Eには共通の事態性名詞がSには共有される項が入るニ栌ずガ栌で栌の亀替が起きおいる}\label{tab:oshieru:template}\input{08table06.txt}\end{table}支揎動詞蟞曞を䜜成するに圓たっおWeb5億文コヌパス~\cite{kawahara:2006:LREC}から事態性名詞が盎接係っおいる述語ずその項を200䞇事䟋抜出した\footnote{䟝存構造解析はKNP(http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html)による}そのうち頻床䞊䜍2,000件抜出された200䞇事䟋䞭延べ80\%をカバヌを察象に事態性名詞が述語ず項を共有しおいるかどうかを刀断した具䜓的には述語ず事態性名詞のそれぞれの栌ガ・ヲ・ニに぀いお事態性名詞の含たれる栌ず共有しおいる堎合には共有しおいる栌の察応関係の情報を付䞎した項察応の刀断に関しおはWebコヌパス䞭から取埗した呚蟺文脈を補助的に甚い呚蟺文脈頻床䞊䜍5ä»¶äž­3件以䞊で成り立぀堎合のみ察応関係を付䞎した\subsection{実隓}\label{subsec:exp:syntax}事態性名詞に特城的な語圙統語パタヌンの情報を甚いるこずで項同定の性胜が向䞊するこずを瀺す実隓を行った述語項構造解析のトヌナメントモデル~\cite{iida:2005:TALIP}を事態性名詞の項構造解析に適応し事態性名詞の項同定システムを䜜成したトヌナメントモデルに甚いる䞉぀組は事態性名詞正解の項そしお項候補である各䞉぀組に察しこのシステムは蚓緎時どちらの候補が勝぀かそしおそれを特城づける玠性を孊習するテスト時には項の候補を順に詊しトヌナメントで最埌たで勝ち残った候補をシステムの予枬する項ずしお提瀺する今回ベヌスラむンシステムず提案する3぀のモデルを比范したベヌスラむンシステムで甚いた玠性は衚\ref{tab:cooc:features}に瀺した䜿甚した玠性は\cite{iida:2006:ACL}に準じ事態性名詞で蚈算するこずのできない玠性\footnote{事態性名詞にはノォむスず助動詞は定めるこずができないたたセンタリング理論に基づいた玠性は甚いおいないEDRを甚いた玠性は予備実隓により正解率が䜎䞋したので削陀した}は䜿甚しなかった䜿甚した玠性は衚\ref{tab:cooc:features}にたずめた\begin{table}[b]\caption{項同定に甚いた玠性リスト}\label{tab:cooc:features}\input{08table07.txt}\end{table}事態性名詞の項同定は圢態玠単䜍で行うため文節内の䜍眮の玠性同䞀文節内の他の圢態玠の品詞列の玠性を远加したたた\cite{muraki:1990}に掲茉されおいる機胜動詞128衚珟を甚い事態性名詞が機胜動詞に係っおいるかどうかの玠性ず機胜動詞に係っおいる堎合に機胜動詞ず項が係り関係にあるかどうかの玠性を远加した本論文で新しく導入された玠性にはアスタリスクを付したたた実隓に甚いたデヌタはNAISTテキストコヌパスから新聞蚘事1日分137蚘事延べ847個の事態性名詞97個の支揎動詞構文を蚓緎事䟋それずは異なる1日分150蚘事延べ722個の事態性名詞113個の支揎動詞構文を評䟡事䟋に甚いた実隓に甚いた機械孊習噚はSupportVectorMachines\cite{vapnik:1998}であり実装はTinySVM\footnote{http://chasen.org/\~{}taku/Software/TinySVM/}倚項匏2次カヌネルでパラメヌタはデフォルト倀を䜿甚した支揎動詞蟞曞ず共起モデルの有効性を瀺すため各モデルに぀いおそれぞれの栌における正解率を求め衚\ref{tab:argument}に瀺したガ・ヲ・ニ栌を察象にそれぞれ文内に項を持぀事䟋のみを蚓緎・テストに甚い項同定の正解率で評䟡した「$+$共起モデル」はベヌスラむンモデルに加え共起のスコアを実数倀の玠性ずしおSupportVectorMachinesに適甚したものであり「$+$支揎動詞蟞曞」はテスト事䟋で支揎動詞蟞曞にマッチする項目がある堎合SVMによるトヌナメントモデルを甚いず蟞曞に察応する述語の項をそのたたシステムの出力ずした\footnote{述語の項はコヌパスに人手で付䞎された正解デヌタを甚いる}ものである共起モデルを甚いた手法はどの栌においおもベヌスラむンより高い正解率を瀺したたた支揎動詞蟞曞を共起モデルず組み合わせたモデルはヲ栌ずニ栌においおベヌスラむンよりわずかながら高い正解率であった\begin{table}[t]\caption{事態性名詞の項同定タスクの正解率}\label{tab:argument}\input{08table08.txt}\end{table}\subsection{議論}支揎動詞蟞曞を甚いおもっずも効果が高かったのはガ栌であるがこれは項の共有があった栌のうち92\%はガ栌であるためだず考えられるテスト事䟋で支揎動詞構文にあったもののうち項ず述語が係り受け関係にある事䟋は38事䟋であり75事䟋66\%は省略解析の情報をタグ付きコヌパスから取埗できたこずが粟床向䞊に貢献しおいるず考えられるここで瀺した粟床は述語項構造が正しく解析できた堎合の䞊限倀であり述語項構造を自動解析した堎合は粟床が䜎䞋するこずが考えられるが実際に省略解析をどのように行いどのような結果を埗るかは解析に採甚する解析モデルに䟝存する䞀方ヲ栌ずニ栌においお支揎動詞蟞曞を甚いるずベヌスラむンシステムより性胜が悪くなったヲ栌で支揎動詞蟞曞の効果がなかった理由ずしおはヲ栌の90\%が既に事態性名詞ず同䞀文節内にあるか係り受け関係にある文節に存圚し明瀺的に項の亀替関係をモデル化する必芁がなかったずいうこずが掚枬されるたた支揎動詞の項の共有情報を玠性ずしお甚いた実隓を行ったずころガ栌ずニ栌ではベヌスラむンず正解率は倉わらずヲ栌では正解率の䜎䞋が芋られた支揎動詞蟞曞の効果が栌によっお異なっおいる原因を調べるため支揎動詞蟞曞のみのシステムの性胜を求めたWebコヌパスから䜜成した支揎動詞蟞曞のカバヌ率は新聞蚘事分野で䜜成した事態タグ぀きコヌパスに察しお49\%であった支揎動詞蟞曞のパタヌン察にマッチする事態性名詞に察し支揎動詞蟞曞のみを甚いた項同定システムの性胜を蚈るず粟床は0.72再珟率は0.35であったヲ栌ずニ栌に察しおはこの粟床はベヌスラむンの正解率を䞋回っおいるそのため支揎動詞蟞曞の情報を甚いるずヲ栌ずニ栌に関しおは正解率が䜎䞋する可胜性があるこずが分かった実際衚\ref{tab:argument}ではたさにヲ栌ずニ栌では支揎動詞蟞曞を䜿うこずによっお正解率が䜎䞋しおいるこの問題ぞの察凊法ずしおはヲ栌ずニ栌に察しおは粟床の高い支揎動詞構文のみ甚いるこずが考えられるどのようにしお効率的に支揎動詞蟞曞を構築するかは今埌の課題である提案手法の兞型的な誀り事䟋は局所的な項を適切に同定できないずいう誀りである\begin{itemize}\item倪郎が次郎の連勝を止めた\end{itemize}この䟋では正しい項構造は[\textsc{rel}=連勝ガ=次郎]だがシステムは[\textsc{rel}=連勝ガ=倪郎]を出力したこれはこの事䟋が「Xを止める」ずいう蟞曞項目にマッチし同䞀名詞句内にある候補「次郎」を解析しなかったためであるこの問題に察凊するには局所的な候補から順番に項を探しふさわしい候補が芋぀からなかった堎合に探玢範囲を広げおいくずいった階局的なモデルを甚いるこずが考えられる \section{おわりに} 本論文で名詞句の語圙統語パタヌンを甚いた事態性名詞の項構造解析に぀いお述べた本論文では項構造解析のタスクを2぀に分けマむニングした語圙統語パタヌンを甚いた事態性名詞の事態性刀別手法を提案したたた動詞ず栌芁玠の共起ず事態性名詞に特城的な語圙統語パタヌンが事態性名詞の項同定に有効であるこずを瀺した提案手法では事態性刀別は粟床76.6\%再珟率79.6\%で行うこずができるたた項同定も文内の項ではガ栌・ヲ栌・ニ栌それぞれ68.3\%・80.1\%・74.6\%の正解率で解析できある皋床実甚的に項構造解析を行うこずができたただ高速化・粟床改善の䜙地はあるが本研究をベヌスに情報抜出などの応甚に甚いる䞋地ができたず考えおいる今埌は圢態玠解析から固有衚珟抜出係り受け解析たでを含めお同時に最適化を行う手法の研究や項の間の䟝存関係を考慮した項同定モデルの研究が課題である\acknowledgment本研究の䞀郚は科研費特定領域研究「代衚性を有する倧芏暡日本語曞き蚀葉コヌパスの構築」の助成を受けたものであるWebから取埗した5億文デヌタを䜿甚させおくださった河原倧茔氏に感謝するたた新聞蚘事から抜出した動詞ず栌芁玠の共起モデルおよび自己盞互情報量の蚈算プログラムを利甚させおくださった藀田節氏にお瀌申し䞊げる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Ando\BBA\Zhang}{Ando\BBA\Zhang}{2005}]{ando:2005:JMLR}Ando,R.~K.\BBACOMMA\\BBA\Zhang,T.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQ{AFrameworkforLearningPredictiveStructuresfromMultipleTasksandUnlabeledData.}\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf6},\mbox{\BPGS\1817--1853}.\bibitem[\protect\BCAY{藀田\JBA也\JBA束本}{藀田\Jetal}{2004}]{fujita:2004:IPSJ}藀田節\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ自動生成された蚀い換え文における䞍適栌な動詞栌構造の怜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf45}(4),\mbox{\BPGS\1176--1187}.\bibitem[\protect\BCAY{Gildea\BBA\Jurafsky}{Gildea\BBA\Jurafsky}{2002}]{gildea:2002:CL}Gildea,D.\BBACOMMA\\BBA\Jurafsky,D.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{A}utomatic{L}abelingof{S}emantic{R}oles.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf28}(3),\mbox{\BPGS\245--288}.\bibitem[\protect\BCAY{Grimshaw}{Grimshaw}{1990}]{grimshaw:1990}Grimshaw,J.\BBOP1990\BBCP.\newblock{\Bem{A}rgument{S}tructure}.\newblockMITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Hindle}{Hindle}{1990}]{hindle:1990:ACL}Hindle,D.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQ{N}oun{C}lassificationfrom{P}redicate{A}rgument{A}tructures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe28thAnnualMeetingoftheACL},\mbox{\BPGS\268--275}.\bibitem[\protect\BCAY{Hoffman}{Hoffman}{1999}]{hoffman:1999}Hoffman,T.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQ{P}robabilisticlatentsemanticindexing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndAnnualACMConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\50--57}.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{ikehara:1997}池原悟\JBA宮厎正匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳文\JBA林良圊\JEDS\\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2005}]{iida:2005:TALIP}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAnaphoraresolutionbyantecedentidentificationfollowedbyanaphoricitydetermination.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonAsianLanguageInformationProcessing(TALIP)},{\Bbf4}(4),\mbox{\BPGS\417--434}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2006}]{iida:2006:ACL}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{E}xploiting{S}yntactic{P}atternsas{C}luesin{Z}ero-{A}naphora{R}esolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheACL(COLING-ACL)},\mbox{\BPGS\625--632}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA小町\JBA也\JBA束本}{飯田~\Jetal}{2007}]{iida:2007:NL}飯田韍\JBA小町守\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2007\BBCP.\newblock\JBOQ{NAIST}テキストコヌパス:述語項構造ず共参照関係のアノテヌション\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究䌚報告自然蚀語凊理研究䌚},\mbox{\BPGS\71--78}.\newblockNL-177-10.\bibitem[\protect\BCAY{Jiang\BBA\Ng}{Jiang\BBA\Ng}{2006}]{jiang:2006:EMNLP}Jiang,Z.~P.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{S}emantic{R}ole{L}abelingof{N}om{B}ank:{A}{M}aximum{E}ntropy{A}pproach.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{kawahara:2006:LREC}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{C}ase{F}rame{C}ompilationfromthe{W}ebusing{H}igh-{P}erformance{C}omputing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthefifthInternationalConferenceonLanguageResourceandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\1344--1347}.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2004}]{bgh:2004}囜立囜語研究所\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{分類語圙衚}.\newblock倧日本図曞株匏䌚瀟.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2004}]{kudo:2004:EMNLP}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{B}oosting{A}lgorithmfor{C}lassificationof{S}emi-{S}tructured{T}ext.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\301--308}.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋}{黒橋}{2005}]{kurohashi:2005}黒橋犎倫\BBOP2005\BBCP.\newblock\Jem{京郜テキストコヌパスVersion4.0}.\newblockhttp://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html.\bibitem[\protect\BCAY{Liu\BBA\Ng}{Liu\BBA\Ng}{2007}]{liu:2007:ACL}Liu,C.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{LearningPredictiveStructuresforSemanticRoleLabelingofNomBank.}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe46thAnnualMeetingoftheACL}.\bibitem[\protect\BCAY{Macleod,Meyers,Grishman,Barret,\BBA\Reeves}{Macleodet~al.}{1997}]{macleod:1997:RANLP}Macleod,C.,Meyers,A.,Grishman,R.,Barret,L.,\BBA\Reeves,R.\BBOP1997\BBCP.\newblo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CL各䌚員}\bioauthor{束本裕治}{1977幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒1979幎同倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋情報工孊専攻修了工孊博士同幎電子技術総合研究所入所1984〜85幎英囜むンペリアルカレッゞ客員研究員1985〜87幎財新䞖代コンピュヌタ技術開発機構に出向京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る専門は自然蚀語凊理人工知胜孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚情報凊理孊䌚認知科孊䌚AAAI,ACL,ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N01-06
\section{はじめに} \label{sec:intro}{\bfseries機胜衚珟}ずは「にあたっお」や「をめぐっお」のように2぀以䞊の語から構成され党䜓ずしお1぀の機胜的な意味をも぀衚珟である䞀方この機胜衚珟に察しおそれず同䞀衚蚘をずり内容的な意味をも぀衚珟が存圚するこずがある䟋えば\strref{ex:niatatte-F}ず\strref{ex:niatatte-C}には「にあたっお」ずいう衚蚘の衚珟が共通しお珟れおいる\begin{example}\item出発する\kern0pt\uline{にあたっお}荷物をチェックした\label{ex:niatatte-F}\itemボヌルは壁\kern0pt\uline{にあたっお}跳ね返った\label{ex:niatatte-C}\end{example}\strref{ex:niatatte-F}では䞋線郚はひずかたたりずなっお「機䌚が来たのに圓面しお」ずいう機胜的な意味で甚いられおいるそれに察しお\strref{ex:niatatte-C}では䞋線郚に含たれおいる動詞「あたる」は動詞「あたる」本来の内容的な意味で甚いられおいるこのような衚珟においおは機胜的な意味で甚いられおいる堎合ず内容的な意味で甚いられおいる堎合ずを識別する必芁がある\cite{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}以䞋文~(\ref{ex:niatatte-F}),(\ref{ex:niatatte-C})の䞋線郚のように衚蚘のみに基づいお刀断するず機胜的に甚いられおいる可胜性がある郚分を{\bf機胜衚珟候補}ず呌ぶ機胜衚珟の数に぀いおはいく぀かの先行研究が存圚する\cite{日本語衚珟文型}は450皮類の衚珟を意味的に52皮類に分類し機胜的に7皮類に分類しおいる\cite{階局構造による日本語機胜衚珟の分類}は森田らが分類した衚珟の内栌助詞接続助詞および助動詞に盞圓する衚珟に぀いお階局的か぀網矅的な敎理を行い390皮類の意味的・機胜的に異なる衚珟が存圚しその異圢は13690皮類に䞊るず報告しおいる土屋らは森田らが分類した衚珟の内特に䞀般性が高いず刀断される337皮類の衚珟に぀いお新聞蚘事から機胜衚珟候補を含む甚䟋を無䜜為に収集し人手によっお甚法を刀定したデヌタベヌスを䜜成しおいるこのデヌタベヌスによるず機胜衚珟候補が新聞蚘事1幎間に50回以䞊出珟しか぀機胜的な意味で甚いられおいる堎合ずそれ以倖の意味で甚いられおいる堎合の䞡方が適床な割合で出珟する衚珟は52皮類である本論文ではこの52皮類の衚珟を圓面の怜蚎察象ずしお機胜衚珟の取り扱い状況を怜蚎するたず既存の解析系に぀いおこの52皮類の衚珟に察する取り扱い状況を調査したずころ52皮類の衚珟党おに察しお十分な取り扱いがされおいるわけではないこずが分かった\footnote{詳しくは\ref{subsec:既存の解析系}節を参照}52皮類の衚珟の内圢態玠解析噚JUMAN~\cite{juman-5.1}ず構文解析噚KNP\cite{knp-2.0}の組合わせによっお機胜的な意味で甚いられおいる堎合ず内容的な意味で甚いられおいる堎合ずが識別される可胜性がある衚珟は31皮類であるたた圢態玠解析噚ChaSen~\cite{chasen-2.3.3}ず構文解析噚CaboCha~\cite{cabocha}の組合わせを甚いた堎合には識別される可胜性がある衚珟は26皮類であるこのような珟状を改善するには機胜衚珟候補の甚法を正しく識別する怜出噚が必芁であるそのような怜出噚を実珟する方法ずしお怜出察象である機胜衚珟を圢態玠解析甚蟞曞に登録し圢態玠解析ず同時に機胜衚珟を怜出する方法ず圢態玠解析結果を利甚しお機胜衚珟を怜出する方法が考えられる珟圚広く甚いられおいる圢態玠解析噚は機械孊習的なアプロヌチで接続制玄や連接コストを掚定した蟞曞に基づいお動䜜するそのため圢態玠解析ず同時に機胜衚珟を怜出するには既存の圢態玠に加えお各機胜衚珟の接続制玄や連接コストを掚定するための機胜衚珟がラベル付けされた倧芏暡なコヌパスが必芁になるしかし怜出察象の機胜衚珟が倚数になる堎合は䜜成コストの点から芋おそのような条件を満たす倧芏暡コヌパスを準備するこずは非珟実的である圢態玠解析ず機胜衚珟怜出が独立に実行可胜であるず仮定し圢態玠解析結果を利甚しお機胜衚珟を怜出するこずにするず前述のような問題を避けられるそこで機胜衚珟の構成芁玠である可胜性がある圢態玠が機胜衚珟の䞀郚ずしお珟れる堎合ず機胜衚珟ずは関係なく珟れる堎合で接続制玄が倉化しないずいう仮定を眮いた䞊で人手で䜜成した怜出芏則を圢態玠解析結果に察しお適甚するこずにより機胜衚珟を怜出する手法が提案されおきた\cite{接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出,助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出,圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}しかしこれらの手法では怜出芏則を人手で䜜成するのに倚倧なコストが必芁ずなり怜出察象ずする機胜衚珟集合の芏暡の拡倧に察しお远埓が困難であるそこで本論文では機胜衚珟怜出ず圢態玠解析は独立に実行可胜であるず仮定した䞊で機胜衚珟怜出を圢態玠を単䜍ずするチャンク同定問題ずしお定匏化し圢態玠解析結果から機械孊習によっお機胜衚珟を怜出する方法を提案する機械孊習手法ずしおは入力次元数に䟝存しない高い汎化胜力を持ちKernel関数を導入するこずによっお効率良く玠性の組合わせを考慮しながら分類問題を孊習するこずが可胜なSupportVectorMachine(SVM)\cite{Vapnik98a}を甚いる具䜓的にはSVMを甚いたチャンカヌYamCha~\cite{yamcha}を利甚しお圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずする機胜衚珟怜出噚を実装したただし圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる耇合語が圢態玠解析結果䞭に含たれおいた堎合はその耇合語を構成芁玠である圢態玠の列に眮き換えた圢態玠列を入力ずするたた蚓緎デヌタずしおは先に述べた52衚珟に぀いお人手で甚法を刀定したデヌタを甚いる曎にこのようにしお実装した機胜衚珟怜出噚は既存の解析系および\cite{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}が提案した人手で䜜成した芏則に基づく手法ず比べお機胜衚珟を高粟床に怜出できるこずを瀺す本論文の構成は以䞋の通りである最初に本論文の察象ずする機胜衚珟ずその機胜衚珟候補の甚法を衚珟するための刀定ラベルに぀いお述べた䞊で機胜衚珟怜出をチャンク同定問題ずしお定匏化する\ref{sec:detection}章次にSVMを甚いお機胜衚珟怜出噚を実装するための詳现を説明する\ref{sec:chunking_using_svm}章\ref{sec:human_rule}章では人手で刀定芏則を䜜成しお機胜衚珟を怜出する手法に぀いお説明する\ref{sec:実隓ず考察}章では䜜成した機胜衚珟怜出噚の怜出性胜を評䟡しこの怜出噚は既存の解析系および人手によっお芏則を䜜成した手法ず比べ機胜衚珟を高粟床に怜出できるこずを瀺す加えお機械孊習時に必芁ずなる蚓緎デヌタを削枛する方法を怜蚎する\ref{sec:関連研究}章では関連研究に぀いお述べ最埌に結論を述べる\ref{sec:おわりに}章 \section{日本語機胜衚珟の怜出} \label{sec:detection}\subsection{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌス}森田ら\cite{日本語衚珟文型}は機胜衚珟の䞭でも特に「単なる語の連接ではなく衚珟圢匏党䜓ずしお個々の構成芁玠のプラス以䞊の独自の意味が生じおいる」衚珟を{\bfseries耇合蟞}ず呌び個々の構成芁玠の意味から構成的に衚珟圢匏党䜓の意味を説明できるような衚珟ずは区別しおいる珟代語耇合蟞甚䟋集\cite{耇合蟞甚䟋集}以䞋{\bfseries耇合蟞甚䟋集}ず呌ぶは䞻芁な125皮類の耇合蟞に぀いお甚䟋を集成し説明を加えたものである日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌス\cite{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}以䞋{\bfseries甚䟋デヌタベヌス}ず呌ぶは機胜衚珟の機械凊理を研究するための基瀎デヌタを提䟛するこずを目的ずしお蚭蚈・線纂されたデヌタベヌスである甚䟋デヌタベヌスは耇合蟞甚䟋集に収録されおいる125皮類の耇合蟞およびその異圢合蚈337皮類の機胜衚珟を察象ずしお機胜衚珟候補ず䞀臎する衚蚘のリストず個々の機胜衚珟候補に察しお最倧50個の甚䟋を収録しおいるそしお各機胜衚珟候補が文䞭においお果たしおいる働きを\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}に瀺す6皮類の刀定ラベルのうちから人手で刀定し付䞎しおいる機胜衚珟に察しお付䞎される刀定ラベルはF,A,Mのいずれかでありこれらが本論文における怜出察象ずなる\begin{table}[tb]\caption{刀定ラベル䜓系}\label{tbl:刀定ラベル䜓系}\newcommand{\exlabel}[1]{}\begin{center}\footnotesize\def\arraystretch{}\begin{tabular}{c|c|c|c|c|p{184pt}}\hline\hline刀定&刀定&&内容&&\\[-1pt]ラベル&単䜍&読み&vs機胜&甚法&\multicolumn{1}{c}{䟋文}\\\hlineB&䞍適切&\multicolumn{3}{c|}{}&\exlabel{ex:A43-2000:B} ず谷川王将は気\kern0pt\uline{にかけお}\kern0ptいる\\\hlineY&適切&䞍䞀臎&\multicolumn{2}{c|}{}&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A12-1000:Y}~地球\kern0pt\uline{䞊では}人口の増加異垞気象が心配されおいる\\\hlineC&適切&䞀臎&内容的&内容的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A56-1000:C}~たな板\kern0pt\uline{にずっお}\kern0ptおいねいに みそ汁の実にするのである\\\hlineF&適切&䞀臎&機胜的&耇合蟞甚䟋集の甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:F}~受隓などでは倍率が䞊がった\kern0pt\uline{ずころで}\kern0pt入孊金があがるこずはない\\A&適切&䞀臎&機胜的&接続詞的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:A}~\uline{ずころで}党囜の桜の名所では近幎暹勢の衰えが目立ち \\M&適切&䞀臎&機胜的&他の機胜的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:M}~浜ノ島はあず䞀歩の\kern0pt\uline{ずころで}\kern0pt勝ち星に結び付かず負け越した\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{刀定ラベル䜓系}\label{subsec:label}刀定ラベルずは機胜衚珟候補が文䞭でどのような働きをしおいるかを衚すラベルであり甚䟋デヌタベヌスでは\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}の通り6皮類のラベルが蚭定されおいる以䞋個々の刀定ラベルに぀いお説明する甚䟋デヌタベヌスではIPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}に登録されおいる語から「助詞・栌助詞・連語」ずしお登録されおいる語を取り陀いた残りの語を語ずしおいるそしおある機胜衚珟候補が1個以䞊の語耇合蟞たたは慣甚衚珟からなる列である堎合その候補は刀定単䜍ずしお適切であるがそれ以倖の堎合はその候補は刀定単䜍ずしお䞍適切であるずしお刀定ラベルBを付䞎しおいる䟋えば\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A43-2000:B}に含たれる機胜衚珟候補「にかけお」は「心配する」ずいう意味の慣甚衚珟「気にかける」の䞀郚が掻甚した圢であり先に述べた条件を満たしおいないしたがっお\strref{ex:A43-2000:B}には刀定ラベルBが付䞎される刀定ラベルYは機胜衚珟候補の読みが刀定察象ずなっおいる機胜衚珟の読みず䞀臎しおいないこずを衚す䟋えば「AうえでB」ずいう圢で「Aした埌でB」ずいう出来事の継起関係を衚す機胜衚珟「うえで」の甚䟋ずしお\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A12-1000:Y}を刀定する堎合を考えるこの堎合機胜衚珟候補の読み「じょうで」ず刀定察象ずなっおいる機胜衚珟の読み「うえで」が䞀臎しおいないので刀定ラベルYを付䞎する刀定ラベルCは機胜衚珟候補に内容的に働いおいる語が含たれおいるこずを衚す䟋えば\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A56-1000:C}の機胜衚珟候補に含たれる動詞「ずる」は本来の意味で内容的に働いおいるので刀定ラベルずしおCを付䞎する刀定ラベルF,A,Mは機胜衚珟候補が機胜的に働いおいるずきその機胜を区別するためのラベルである刀定ラベルFは機胜衚珟候補が耇合蟞甚䟋集で説明されおいる甚法で働いおいるこずを衚し刀定ラベルAは機胜衚珟候補が接続詞的に働いおいるこずを衚す刀定ラベルMはこれら以倖の機胜的な働きをしおいるこずを衚す䟋ずしお「ずころで」の甚䟋ずしお\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A22-1000:F}$\sim$(\ref{ex:A22-1000:M})を刀定する堎合を考える\strref{ex:A22-1000:F}のタヌゲット文字列は耇合蟞甚䟋集で説明されおいる通りに逆接の働きをしおいるので刀定ラベルFを付䞎する\strref{ex:A22-1000:A}のタヌゲット文字列は文頭で接続詞的に働いおいるので刀定ラベルAを付䞎する\strref{ex:A22-1000:M}のタヌゲット文字列は圢匏名詞「ずころ」を含めお機胜的に働いおいるので刀定ラベルMを付䞎する本論文では刀定ラベルF,A,Mが付䞎される機胜衚珟候補を怜出察象ずする\subsection{チャンキングによる定匏化}\label{subsec:formalization}\vspace*{-2pt}本節では最初に機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合に考慮しおおくべき2぀の問題点に぀いお述べる第1の問題点は孊習デヌタの分量ずモデルの耇雑さの間に存圚するトレヌドオフの関係であり第2の問題点は機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れた堎合の取り扱いであるその䞊で機胜衚珟を怜出する手順ずしお以䞋の2通りの手順を怜蚎する\begin{itemize}\item1぀たたは耇数の圢態玠からなる機胜衚珟候補を単䜍ずしお刀定ラベルを付䞎する手順以䞋{\bfseries手順1}ず呌ぶ\item圢態玠を単䜍ずしお機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎する手順以䞋{\bfseries手順2}ず呌ぶ\end{itemize}手順2に぀いおは怜出察象ずする機胜衚珟の取り扱い方によっお曎に2通りに现分化するこずができる第1は怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いる手順以䞋{\bfseries手順2-a}ず呌ぶであり第2は機胜衚珟毎に異なるチャンクタグを甚いる手順以䞋{\bfseries手順2-b}ず呌ぶである機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合にはたず孊習デヌタの分量ずモデルの耇雑さの間に存圚するトレヌドオフの関係を考慮する必芁がある䞀般にあるタスクに察しお機械孊習手法を適甚する時そのタスクの察象をどの皋床に现分化しおモデルで衚珟するかは非垞に重芁な問題である十分な分量の孊習デヌタが利甚可胜である堎合にはタスクの察象を现かく分類した耇雑なモデルを採甚するこずによっおモデルの予枬粟床は改善するしかし䞍十分な分量の孊習デヌタしか利甚できない堎合に過床に耇雑なモデルを採甚するずモデルの予枬粟床は悪化する぀たり機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合には利甚できる孊習デヌタの量を考慮しながら適圓な耇雑さのモデルを遞択する必芁がある機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合には第2の問題点ずしお機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を考慮する必芁がある䟋えば\strref{ex:toiu-F}ず\strref{ex:toiumonono-F}には「ずいう」および「ずいうものの」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\itemそれが詊合\kern0pt\uline{\uline{ずいう}{\kern0pt}ものの}{\kern0pt}難しさだ\label{ex:toiu-F}\item勝った{\kern0pt}\uline{\uline{ずいう}}\uline{ものの}スコアは悪い\label{ex:toiumonono-F}\end{example}\strref{ex:toiu-F}では「AずいうB」ずいう圢で甚いられおBの具䜓的な内容を瀺しおいるので2぀の機胜衚珟候補の内「ずいう」ずいう機胜衚珟候補に察しお機胜的であるずいう刀定を行う必芁があるそれに察しお\strref{ex:toiumonono-F}では「AずいうもののB」の圢で前件Aの成立・存圚を認めた䞊でそれにもかかわらず埌件Bのようなこずがあるずいう関係を述べおいるので2぀の機胜衚珟候補の内「ずいうものの」ずいう機胜衚珟候補に察しお機胜的であるずいう刀定を行う必芁がある実際に予備調査を行った結果から機胜衚珟候補の出珟箇所の玄20\%においおこのように耇数の機胜衚珟候補の䞀郚が重耇した圢で珟れるこずが分かったしたがっお機胜衚珟怜出においお耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を無芖するこずは適圓ではなくその耇数の候補を適切に扱う必芁がある以䞊の問題点を螏たえお手順1に぀いお怜蚎するある1぀の機胜衚珟候補に適切な刀定ラベルを付䞎するにはその候補に付䞎される可胜性がある耇数の刀定ラベル間に優先順䜍を䞎えるモデルが必芁である぀たり刀定ラベルの数を$U$ずするず$U$に比䟋した耇雑さのモデルが必芁である手順1では機胜衚珟毎に個別に刀定ラベルを付䞎するため機胜衚珟の皮類数を$V$ずするず刀定ラベルの総数は候補毎の刀定ラベルの数$U$ず機胜衚珟の皮類数$V$の積$U\cdotV$ずなるしたがっお手順1のモデルの耇雑さは$U\cdotV$に比䟋するたた第2の問題点に察応するには郚分的に重耇しおいる耇数の機胜衚珟候補ず刀定ラベルの察から適圓なものを遞択する必芁がある手順1のモデルでは機胜衚珟候補ず刀定ラベルの$U\cdotV$通りの察を党お区別しおいるのでそれらを比范するこずにより適圓な察を遞択する次に手順2に぀いお怜蚎する手順2では圢態玠を単䜍ずしお刀定を行いそれぞれの圢態玠に機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎するある圢態玠に適切なチャンクタグを付䞎するにはその圢態玠に付䞎される可胜性がある党おのチャンクタグに優先順䜍を䞎えるモデルが必芁であるこのようなモデルの耇雑さはその圢態玠に付䞎される可胜性があるチャンクタグの皮類数に比䟋するさらにチャンクタグ$c$を圢態玠$m_{1}$に付䞎する堎合ず圢態玠$m_{2}$に付䞎する堎合の2通りの状況を考えるたた機胜衚珟に含たれる党おの圢態玠の異なり数$M$ずするこの時同䞀のチャンクタグ$c$を付䞎する堎合であっおも付䞎察象ずなる圢態玠が異なる堎合には異なるモデルが必芁ずいう立堎に立぀ず手順2のモデルの耇雑さはチャンクタグの皮類数ず圢態玠の異なり数$M$の積に比䟋するず考えられるこの分析を螏たえお手順2-aず手順2-bのモデルの耇雑さを怜蚎する手順2-aでは怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いるこのチャンクタグはその圢態玠が含たれるチャンクの甚法を衚す刀定ラベルずその圢態玠がチャンクの䞭で占める䜍眮を衚す郚分からなりチャンクタグの皮類数は$U$に比䟋するよっお手順2-aのモデルの耇雑さは$U\cdotM$に比䟋する䞀方手順2-bでは機胜衚珟毎に異なるチャンクタグを甚いるこのチャンクタグはその圢態玠がどの機胜衚珟の䞀郚であるかを衚す郚分その圢態玠が含たれるチャンクの甚法を衚す刀定ラベルおよびその圢態玠がチャンクの䞭で占める䜍眮を衚す郚分からなりチャンクタグの皮類数は$U\cdotV$に比䟋するよっお手順2-bのモデルの耇雑さは$U\cdotV\cdotM$に比䟋するたた手順2では圢態玠を単䜍ずしおチャンクタグを付䞎するこずによっお郚分的に重耇しおいる耇数の機胜衚珟候補の遞択も同時に行っおいる䟋えば\strref{ex:toiu-F}\ref{ex:toiumonono-F}の堎合圢態玠「もの」に察しおチャンクタグを付䞎するず機胜衚珟候補「ずいう」ず機胜衚珟候補「ずいうものの」のどちらが適切かずいう遞択も同時に行われる先に述べた通りモデルの耇雑さずモデルの掚定に必芁ずなる孊習デヌタの量にはトレヌドオフの関係が存圚する手順1のモデルの耇雑さは$U\cdotV$に比䟋し手順2-aのモデルの耇雑さは$U\cdotM$に比䟋し手順2-bのモデルの耇雑さは$U\cdotV\cdotM$に比䟋する\ref{sec:intro}章で述べたように異圢を考慮するず機胜衚珟の皮類数$V$は1䞇皮類以䞊ずなるそれに察しお機胜衚珟䞭に珟れる圢態玠は助詞・助動詞などの付属語ず限られた自立語のみであり機胜衚珟䞭に珟れる圢態玠の異なり数$M$は機胜衚珟の皮類数$V$よりもはるかに少なく倚くおも数癟皋床ず予想されるしたがっお怜蚎した手順の䞭でもっずも簡単なモデルを䜿っおいる手順は手順2-aである本論文では利甚できる孊習デヌタの量が十分ではない可胜性を考慮しお耇雑なモデルの採甚を避けできるだけ簡単なモデルの手順を採甚するこずにするよっお本論文における機胜衚珟怜出タスクの定匏化においおは手順2-aを採甚するすなわち圢態玠を単䜍ずしお機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎し機胜衚珟をチャンキングするずいう方匏を採甚するそのチャンクタグずしおは怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いる \section{SVMを甚いたチャンキングによる機胜衚珟怜出} \label{sec:chunking_using_svm}\subsection{SupportVectorMachines}サポヌトベクトルマシンは玠性空間を超平面で分割するこずによりデヌタを2぀のクラスに分類する二倀分類噚である\cite{SVM,tinysvm}2぀のクラスを正䟋負䟋ずするず孊習デヌタにおける正䟋ず負䟋の間隔マヌゞンを最倧にする超平面を求めそれを甚いお分類を行うすなわち以䞋の識別関数$f(x)$の倀によっおクラスを刀別するこずず等䟡である\begin{align}\label{eq:svm1}f({\bfx})&=\operatorname{sgn}\left(\sum^{l}_{i=1}\alpha_iy_iK({\bfx}_i,{\bfx})+b\right)\\b&=-\frac{\operatorname{max}_{i,y_i=-1}b_i+\operatorname{min}_{i,y_i=1}b_i}{2}\nonumber\\b_i&=\sum^l_{j=1}\alpha_jy_jK({\bfx}_j,{\bfx}_i)\nonumber\end{align}ここで${\bfx}$は識別したい事䟋の文脈玠性の集合${\bfx}_{i}$ず$y_i(i=1,...,l,y_i\in\{1,-1\})$は孊習デヌタの文脈ずクラスであるたた関数$sgn(x)$は$x\geq0$のずきに1$x<0$のずきに$-1$ずなる二倀関数である\pagebreak各$\alpha_i$は匏(\ref{eq:svm5})ず匏(\ref{eq:svm6})の制玄のもずで匏(\ref{eq:svm4})の$L(\alpha)$を最倧にするものである{\allowdisplaybreaks\begin{align}L({\alpha})&=\sum^l_{i=1}\alpha_i-\frac{1}{2}\sum^l_{i,j=1}\alpha_i\alpha_jy_iy_jK({\bfx_i},{\bfx_j})\label{eq:svm4}\\&0\leq\alpha_i\leqC\,\,(i=1,...,l)\label{eq:svm5}\\&\sum^l_{i=1}\alpha_iy_i=0\label{eq:svm6}\end{align}}関数$K$はカヌネル関数ず呌ばれ様々なものが提案されおいるが本論文では次匏で定矩される倚項匏カヌネルを甚いる\begin{equation}\label{eq:svm3}K({\bfx},{\bfy})=({\bfx}\cdot{\bfy}+1)^d\end{equation}ここで$C,d$は実隓的に蚭定される定数である予備実隓を行い次数$d$の倀ずしお$1,2,3$の3通りを怜蚎した$d=2,3$ずした堎合はF倀に倧きな差はなかったが$d=1$ずするずF倀がかなり悪化した\footnote{評䟡尺床F倀に぀いおは\ref{subsec:評䟡尺床}節を参照}ただし$d=3$ずした堎合は$d=2$ずした堎合に比べお孊習時間がかなり増加したため本論文では次数$d$の倀ずしお2を甚いるたた予備実隓においおマヌゞン$C$の倀ずしお$1,0.1,0.01,0.001,0.0001$の5通りを怜蚎したずころF倀に倧きな差が芋られなかったため本論文ではマヌゞン$C$の倀ずしお1を甚いる\subsection{チャンクタグの衚珟法}\ref{subsec:formalization}節で述べたように本論文では怜出察象ずする機胜衚珟党おに共通のチャンクタグを圢態玠を単䜍ずしお付䞎するずいう手順で機胜衚珟怜出を行うチャンクタグはそのチャンクタグが付䞎された圢態玠が怜出察象ずする機胜衚珟のいずれかに含たれるか吊かを衚しチャンクの範囲を瀺す芁玠ずチャンクの甚法を瀺す芁玠ずいう2぀の芁玠からなる以䞋本論文で甚いたチャンクタグに぀いお詳现を述べるチャンクの範囲を瀺す芁玠の衚珟法ずしおは以䞋で瀺すようなIOB2フォヌマット\cite{Sang00a}が広く利甚されおいる本論文でもこのIOB2フォヌマットを䜿甚する\begin{quote}\begin{tabular}{cl}\textbf{I}&チャンクに含たれる圢態玠先頭以倖\\\textbf{O}&チャンクに含たれない圢態玠\\\textbf{B}&チャンクの先頭の圢態玠\\\end{tabular}\end{quote}\begin{table}\begin{center}\caption{チャンクの甚法を瀺す芁玠の䜓系}\label{tab:tag}\begin{tabular}{c||c|c|c|c|c|c}\hline䜓系1(CHK1)&F&A&M&C&Y&B\\\hline䜓系2(CHK2)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&C&Y&B\\\hline䜓系3(CHK3)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系4(CHK4)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系5(CHK5)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系6(CHK6)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&C&Y&B\\\hline䜓系7(CHK7)&F&A&M&\multicolumn{1}{|c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&B\\\hline䜓系8(CHK8)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&\multicolumn{1}{|c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&B\\\hline䜓系9(CHK9)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&C&Y&B\\\hline䜓系10(CHK10)&F&A&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系11(CHK11)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系12(CHK12)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系13(CHK13)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}チャンクの甚法を瀺す芁玠の衚珟法ずしおは\tabref{tab:tag}のように様々なものが考えられる䟋えば䜓系5(CHK5)は6皮類の刀定ラベルF,A,M,C,Y,BのうちラベルA,MずラベルC,Y,Bをそれぞれ区別せずに1぀の分類ずみなす衚珟法であるそしお各機胜衚珟候補はチャンクであるこずを衚す芁玠(B/I)ず甚法を瀺す芁玠(F/AM/CYB)を組み合わせた6皮類のチャンクタグによっお衚珟される実際にはこの6皮類にチャンクに含たれないこずを衚すチャンクタグ{\bfseriesO}を加えお\figref{fig:chunktag}のように7皮類のチャンクタグを付䞎するたた䜓系11(CHK11)は刀定ラベルF,A,Mの機胜衚珟候補に察しおは䜓系5ず同様にチャンクタグを付䞎するが刀定ラベルC,Y,Bの機胜衚珟候補に察しおはチャンクずしお区別せずにチャンクタグ{\bfseriesO}を付䞎する䜓系である予備実隓の結果いずれの衚珟法を甚いおも倧きな性胜の差は芋られなかったため本論文では最も性胜が良かった䜓系5(CHK5)を甚いる\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{l|c||c|c|c|c}\hline\multicolumn{2}{c||}{}&\multicolumn{3}{c|}{機胜衚珟候補の圢態玠}&それ以倖の圢態玠\\\cline{3-5}\multicolumn{2}{c||}{}&F&A,M&C,Y,B&\\\hline\hlineチャンクに含たれる&先頭&{\bfseriesB-F}&{\bfseriesB-AM}&{\bfseriesB-CYB}&\\\cline{2-5}&先頭以倖&{\bfseriesI-F}&{\bfseriesI-AM}&{\bfseriesI-CYB}&\\\hline\multicolumn{2}{l||}{チャンクに含たれない}&\multicolumn{3}{c|}{}&{\bfseriesO}\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{8pt}\caption{䜓系5(CHK5)におけるチャンクタグ}\label{fig:chunktag}\vspace{-2pt}\end{figure}本論文では甚䟋デヌタベヌスで蚭定されおいる刀定ラベルのうちラベルFが付䞎された衚珟を怜出する怜出噚これを怜出噚Fず呌ぶずラベルF,A,Mのいずれかが付䞎された衚珟機胜衚珟を怜出する怜出噚これを怜出噚FAMず呌ぶを䜜成する怜出噚FAMの評䟡時には刀定ラベルF,A,Mを区別しない刀定ラベルFは耇合蟞甚䟋集で説明されおいる甚法で甚いられおいるこずを衚す刀定ラベルであり機胜衚珟候補がひずかたたりずなっお非構成的な意味を持っおいる堎合にのみ付䞎されるそれに察しお刀定ラベルA,Mは機胜衚珟候補が非構成的な意味を持っおいるか吊かに関わらずその機胜衚珟候補が機胜的な働きをしおいるこずを衚すラベルであるしたがっお怜出噚Fは非構成的な意味を持぀機胜衚珟の䞀郚のみを怜出する怜出噚ずなり怜出噚FAMは機胜衚珟党䜓を怜出する怜出噚ずなるSVMは二倀分類噚であるためそのたたでは2クラスの分類しか扱えない本論文のようにクラス数が3以䞊の堎合には耇数の二倀分類噚を組み合わせお拡匵する必芁がある本論文では拡匵手法ずしおは広く利甚されおいるペアワむズ法を甚いるペアワむズ法ずは$N$個のクラスに属するデヌタを分類する時異なる2぀のクラスのあらゆる組み合わせに察する二倀分類噚を䜜り埗られた$N(N-1)/2$個の二倀分類噚の倚数決によりクラスを決定する方法である\subsection{玠性}\label{subsec:feature}孊習・解析に甚いる玠性に぀いお説明する文頭から$i$番目の圢態玠$m_{i}$に察しお䞎えられる玠性$F_{i}$は圢態玠玠性$MF(m_{i})$チャンク玠性$CF(i)$チャンク文脈玠性$OF(i)$の3぀組ずしお次匏によっお定矩される\begin{equation}F_{i}=\langleMF(m_{i}),CF(i),OF(i)\rangle\end{equation}圢態玠玠性$MF(m_{i})$は圢態玠解析噚によっお圢態玠$m_{i}$に付䞎される情報である本論文ではIPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずしおいるため以䞋の10皮類の情報衚局圢品詞品詞现分類$1\sim3$掻甚型掻甚圢原圢読み発音を圢態玠玠性ずしお甚いたチャンク玠性$CF(i)$ずチャンク文脈玠性$OF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補に基づいお定たる玠性である今䞋図のような圢態玠列$m_j\ldotsm_i\ldotsm_k$からなる機胜衚珟候補$E$が存圚したずする\begin{center}\begin{tabular}[tb]{ccccc}$m_{j-2}$&$m_{j-1}$&\fbox{$m_j\ldotsm_i\ldotsm_k$}&$m_{k+1}$&$m_{k+2}$\\&&機胜衚珟候補$E$&&\end{tabular}\end{center}チャンク玠性$CF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補$E$を構成しおいる圢態玠の数機胜衚珟候補の長さず機胜衚珟候補䞭における圢態玠$m_{i}$の盞察的䜍眮の情報の2぀組であるチャンク文脈玠性$OF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補の盎前2圢態玠および盎埌2圢態玠の圢態玠玠性ずチャンク玠性の組であるすなわち$i$番目の䜍眮に察する$CF(i)$および$OF(i)$は次匏で衚される\begin{align*}CF(i)&=\langlek-j+1,\;\;i-j+1\rangle\\OF(i)&=\langleMF(m_{j-2}),CF(m_{j-2}),MF(m_{j-1}),CF(m_{j-1}),\\&\quad\;\phantom{\langle}MF(m_{k+1}),CF(m_{k+1}),MF(m_{k+2}),CF(m_{k+2})\rangle\end{align*}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=.6\textwidth]{06f2.eps}\caption{YamChaの孊習・解析}\label{yamcha}\end{center}\end{figure}\ref{subsec:formalization}節で述べたように機胜衚珟怜出においおは1぀の文䞭に耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を考慮する必芁があるここではそのような堎合のチャンク玠性ずチャンク文脈玠性の付䞎方法に぀いお考える耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる堎合それらの候補党おに基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するずいう方法ずそれらの候補から䜕らかの基準を甚いお1぀の候補を遞択し遞択された候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するずいう方法が考えられる前者の方法で付䞎された玠性を参照しお機械孊習を行うには重耇する可胜性がある機胜衚珟の党おの組み合わせに察しお十分な量の孊習事䟋が必芁であるがそのような孊習事䟋を準備するこずは珟実的ではないそのため本論文では埌者の方法を採り次の優先順序に埓っお遞ばれた1぀の機胜衚珟候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するこずにする\footnote{この優先順序は人手で䜜成した刀定芏則に基づく手法\ref{sec:human_rule}章においお耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重なっお出珟しそれらに察する刀定ラベルが競合した堎合に適切な刀定ラベル付䞎結果を取捚遞択する堎合の優先順序ずは異なっおいるここでは孊習・解析方向が巊から右であるこずを考慮しお最も巊偎の機胜衚珟候補を優先しおいる}\begin{description}\item[1]先頭の圢態玠が最も巊偎の機胜衚珟候補を甚いる\item[2]1を満たす候補が耇数存圚する堎合はその䞭で最も圢態玠数が倚い候補を甚いる\end{description}䟋えば\strref{ex:nakutehaikemasen}には「なくおはいけたせん」および「おはいけたせん」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\item慎重にし{\kern0pt}\uline{なく}\uline{\uline{おはいけたせん}}\label{ex:nakutehaikemasen}\end{example}この堎合「なくおはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補が「おはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補に比べおより巊の圢態玠から始たっおいるので「なくおはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するたた\strref{ex:toiumonono}には「ずいう」および「ずいうものの」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\itemそれが詊合{\kern0pt}\uline{\uline{ずいう}}\uline{ものの}{\kern0pt}難しさだ\label{ex:toiumonono}\end{example}この堎合2぀の機胜衚珟候補の先頭の圢態玠は同䞀であるためより圢態玠数が倚い候補「ずいうものの」に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎する$i$番目の圢態玠に察するチャンクタグを$c_{i}$ずするずチャンクタグ$c_{i}$の孊習・解析を行う堎合に甚いる玠性ずしお$i$番目の圢態玠および前埌2圢態玠に付䞎された玠性$F_{i-2},F_{i-1},F_{i},F_{i+1},F_{i+2}$ず盎前2圢態玠に付䞎されたチャンクタグ$c_{i-2},c_{i-1}$を甚いる\figref{yamcha}解析時には解析によっお埗られたチャンクタグを盎前2圢態玠に付䞎されたチャンクタグずしお順に利甚しお解析を行う前埌3圢態玠の玠性ず盎前3圢態玠のチャンクタグを甚いお孊習・解析を行う予備実隓も行ったが前埌2圢態玠の玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いた堎合に比べお殆んど性胜が倉わらなかったため前埌2圢態玠の玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いる \section{人手による芏則を甚いた怜出} \label{sec:human_rule}この節では圢態玠解析結果に基づいお人手で䜜成した芏則によっお機胜衚珟候補の甚法を識別する怜出噚の抂略に぀いお述べる圢匏的にはある機胜衚珟候補$E$の甚法を刀定する芏則$T(E)$は圢態玠列パタヌン$P(E)$ず刀定芏則リスト$R(E)$の2぀組ずしお次のように定矩される\[T(E)\equiv\langleP(E),\:R(E)\rangle\]機胜衚珟候補$E$に䞀臎する圢態玠列パタヌン$P(E)$は1぀の圢態玠に䞀臎する圢態玠パタヌン$p$の列である\begin{align*}P(E)&\equivp_{1}p_{2}\cdotsp_{l}\\p&\equiv\langleLex,\:POS,\:FORM\rangle\end{align*}圢態玠パタヌン$p$は圢態玠の基本圢の衚蚘$Lex$品詞$POS$および掻甚圢$FORM$の3぀組ずしお定矩される䟋えば「ずしお」に察する圢態玠列パタヌン$P(\mbox{ずしお})$は以䞋のように3぀の圢態玠パタヌンからなる\[P(\mbox{ずしお})=\langle\kern0pt\mbox{ず},~\mbox{助詞},*\rangle\\langle\kern0pt\mbox{する},~\mbox{動詞},~\mbox{連甚圢}\kern0pt\rangle\\langle\kern0pt\mbox{お},~\mbox{助詞},*\rangle\]なお本論文ではIPA品詞䜓系の圢態玠解析甚蟞曞に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずしおいるため品詞ず掻甚圢はIPA品詞䜓系で指定するたた刀定芏則リスト$R(E)$は機胜衚珟候補の盎前の圢態玠列に䞀臎する巊接続制玄$LC$盎埌の圢態玠列に䞀臎する右接続制玄$RC$およびこれらの制玄を満たした堎合の刀定ラベル$L$からなる3぀組ずしお定矩される刀定芏則$r$の順序付き集合である\begin{align*}R(E)&\equiv\{r_{1},r_{2},\ldots,r_{k}\}\\r&\equiv\langleLC,\:RC,\:L\rangle\end{align*}巊接続制玄$LC$および右接続制玄$RC$は論理関数$\mathtt{and},~\mathtt{or},~\mathtt{not}$ず\pagebreak巊接続玠性$LF$たたは右接続玠性$RF$の組み合わせである\begin{align*}LC&\equivLF\|\{\ttand}(LC',LC'')\|\{\ttor}(LC',LC'')\|\{\ttnot}(LC')\\RC&\equivRF\|\{\ttand}(RC',RC'')\|\{\ttor}(RC',RC'')\|\{\ttnot}(RC')\end{align*}ここで$LC',LC''$は任意の巊接続制玄を衚し$RC',RC''$は任意の右接続制玄を衚す䟋えば「ずしお」に察する刀定芏則リスト$R(\mbox{ずしお})$は以䞋のような2぀の刀定芏則の順序付き集合である\[R(\mbox{ずしお})=\left\{\langle\phi,{\ttand}(\mbox{助動詞},~{\ttnot}(\langle\kern0pt\mbox{だ},~\mbox{助動詞},*\rangle)),\mbox{C}\rangle,\\langle\kern0pt\mbox{䜓蚀},\:\phi,\mbox{F}\rangle\\right\}\]最初の刀定芏則は巊接続制玄なし右接続制玄「${\ttand}(\mbox{助動詞},\{\ttnot}(\langle\mbox{だ},\\mbox{助動詞},*\rangle))$」刀定ラベルCずいう3぀組であるこれは機胜衚珟候補の右偎が「だ」以倖の助動詞であれば機胜衚珟候補の巊偎がどのような衚珟であっおも刀定ラベルCを付䞎するずいう刀定芏則を意味する接続玠性ずしおは耇合蟞甚䟋集で説明されおいる接続制玄を参考にしお\tabref{tbl:巊接続玠性}ず\tabref{tbl:右接続玠性}のような玠性を甚意した\begin{table}[b]\caption{巊接続玠性}\label{tbl:巊接続玠性}\begin{center}\begin{tabular}{l|p{0.6\columnwidth}}\hline$LF$&\multicolumn{1}{c}{意味}\\\hline䜓蚀&盎前郚分が䜓蚀である堎合に真\\甚蚀&盎前郚分が甚蚀である堎合に真\\基本圢&盎前郚分が基本圢の甚蚀である堎合に真\\過去圢&盎前郚分が過去圢の甚蚀である堎合に真\\助詞「の」&盎前郚分に名詞ず助詞「の」が連続しお珟れおいる堎合に真\\文頭&機胜衚珟候補が文頭に珟れおいる堎合に真\\$p$&盎前の圢態玠が圢態玠パタヌン$p$に䞀臎する堎合に真\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace*{5mm}\caption{右接続玠性}\label{tbl:右接続玠性}\begin{center}\begin{tabular}{l|p{0.6\columnwidth}}\hline$RF$&\multicolumn{1}{c}{意味}\\\hline助動詞&盎埌に助動詞が珟れおいる堎合に真\\䜓蚀&盎埌に䜓蚀が珟れおいる堎合に真\\文末&機胜衚珟候補が文末に珟れおいる堎合に真\\$p$&盎埌の圢態玠が圢態玠パタヌン$p$ず䞀臎する堎合に真\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}このような芏則$T(E)$に基づく刀定は以䞋の2段階からなる最初に圢態玠列パタヌン$P(E)$によっお機胜衚珟候補を発芋し次に刀定芏則リスト$R(E)$に含たれる刀定芏則を先頭から順に怜査しお最初に䞀臎した刀定芏則$r_{i}$の刀定ラベルを出力する䟋えば\strref{ex:toshite-F}の圢態玠解析結果を察象ずしお刀定を行う堎合を考える\begin{example}\itemたくさんの若者たちがボランティア{\kern0pt}\uline{ずしお}頑匵っおいる\label{ex:toshite-F}\end{example}最初に圢態玠列パタヌン$P(\mbox{ずしお})$によっお䞋線郚が機胜衚珟候補ずしお発芋される次に刀定芏則リスト$R(\mbox{ずしお})$に含たれおいる刀定芏則を順に適甚しおいく1番目の芏則$\langle\phi,{\ttand}(\mbox{助動詞},\linebreak{\ttnot}(\langle\mbox{だ},~\mbox{助動詞},*\rangle)),\mbox{C}\rangle$は右接続制玄が「だ」以倖の助動詞ずなっおいるが\strref{ex:toshite-F}では機胜衚珟候補の盎埌は読点になっおいるから成り立たない2番目の芏則$\langle\mbox{䜓蚀},\:\phi,\mbox{F}\rangle$は巊接続制玄が「䜓蚀」になっおおり\strref{ex:toshite-F}でも成り立っおいるので刀定ラベルずしおFを出力するなお党おの刀定芏則が成り立たなかった堎合は刀定ラベルを付䞎しない人手で䜜成した刀定芏則の数を\tabref{tbl:human_crafted_rules}に瀺す1぀の機胜衚珟候補を刀定するための刀定芏則リストは平均しお2.7個の刀定芏則からなっおいるなお䜿甚した接続玠性は186個である\begin{table}[t]\caption{人手で䜜成した刀定芏則数}\label{tbl:human_crafted_rules}\begin{center}\begin{tabular}{c|r}\hline刀定ラベル&芏則数\\\hlineF&53\\A&9\\M&11\\C&46\\Y&0\\B&26\\\hline蚈&145\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}1぀の文に察しお党おの可胜な機胜衚珟候補に察する芏則を適甚するず耇数の機胜衚珟候補が照合されるこずがあるこの時\ref{subsec:formalization}節で述べた堎合ず同様に耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重なっお出珟しおそれらの候補に察する刀定ラベルが盞互に競合し耇数の刀定ラベル付䞎結果を同時に採甚できない堎合があるその堎合は以䞋の優先順序に埓っお機胜衚珟候補を採甚するたず圢態玠列長で比范しおより長い機胜衚珟候補を採甚する機胜衚珟候補の圢態玠列長が等しい堎合は先頭の圢態玠が最も巊偎の機胜衚珟候補を採甚する既に採甚されおいる機胜衚珟候補ず競合する機胜衚珟候補は党お棄华する\footnote{この優先順序はチャンク玠性・チャンク文脈玠性を付䞎する際に郚分的に重耇する耇数の機胜衚珟候補を取捚遞択するための優先順序ずは異なっおいる\ref{subsec:feature}節ここでは圢態玠列長ずしお長い機胜衚珟候補は短い機胜衚珟候補ず比べお刀定の際の制玄条件が倚くなるからより信頌できるずいうヒュヌリスティックスに基づいお圢態玠列長ずしお長い機胜衚珟候補を優先しおいる} \section{実隓ず考察} \label{sec:実隓ず考察}本論文で提案する2぀の怜出噚怜出噚Fず怜出噚FAMに察しお孊習および解析を行い各ベヌスラむンず性胜を比范した\pagebreakたた甚いる玠性の違いによっお性胜がどのように倉化するかを調査したさらに蚓緎時のデヌタサむズの違いず怜出性胜の関係を明らかにし最埌に蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛が可胜であるかを調査した\subsection{デヌタセット}\label{subsec:dataset}文を単䜍ずしお孊習を行うには文䞭に珟れる党おの機胜衚珟候補に察しお刀定ラベルが付䞎されたデヌタが必芁であるそのため本論文の察象ずする52衚珟に察する甚䟋ずしお甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる2600䟋文1぀の衚珟に぀き50䟋文に぀いおこれらの䟋文に含たれおいる党おの機胜衚珟候補に刀定ラベルを付䞎した以䞋この2600䟋文をたずめお党デヌタセットず呌ぶ\begin{table}[b]\caption{デヌタセットの各統蚈量}\label{tab:dataset}\begin{center}\begin{tabular}{@{}c||c|c|c|c|c|c|c||c@{}}\hline&\multicolumn{7}{c||}{刀定ラベル}&\\\cline{2-7}&F&A&M&C&Y&B&蚈&\raisebox{1.5ex}[0pt]{党圢態玠数}\\\hline党デヌタセット&1974&55&453&523&9&169&3183&92899\\郚分デヌタセット&1478&52&342&465&8&155&2500&90813\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ただし甚䟋デヌタベヌスでは機胜衚珟候補の先頭ず末尟が圢態玠境界ず䞀臎しない候補にも刀定ラベルが付䞎されおいるが本論文では圢態玠解析結果に基づいお機胜衚珟を怜出する立堎をずるためそのような機胜衚珟候補に察する刀定ラベルは取り陀くこずにする具䜓的には以䞋のような凊理を行った最初に甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる甚䟋をIPA品詞䜓系の圢態玠解析甚蟞曞に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenを甚いお圢態玠解析した次に圢態玠解析結果䞭に圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる耇合語が含たれおいた堎合はその耇合語を構成芁玠である圢態玠の列に眮き換えたこのようにしお埗られた圢態玠解析結果ず機胜衚珟候補を照合し先頭ず末尟が圢態玠境界ず䞀臎しなかった176個の候補に察する刀定ラベルを取り陀いた取り陀いた刀定ラベルの内175個は人手によっおラベルBず刀定されおいるたた取り陀いた手順より明らかにこの175個の刀定ラベルに察応する機胜衚珟候補は圢態玠解析結果のみに基づいおラベルBず刀定するこずができるしたがっおこれらの刀定ラベルを取り陀いおも機胜衚珟怜出の評䟡ずしおは問題はない取り陀いた刀定ラベルの内残る1個は人手によっおラベルMず刀定されおいるこの刀定ラベルは圢態玠解析誀りによっお取り陀かれおしたったが数が僅かであり無芖するこずができる党デヌタセットに含たれる各ラベルの数ず党圢態玠数を\tabref{tab:dataset}に瀺す1぀の䟋文に耇数の機胜衚珟候補が出珟する堎合があるため機胜衚珟候補の総数は䟋文の総数よりも倚くなっおいる\subsection{評䟡尺床}\label{subsec:評䟡尺床}実隓を評䟡する際の尺床には以䞋の匏で衚される粟床再珟率F倀および刀別率を甚いた\begin{align*}\mbox{粟床}&=\frac{\mbox{怜出に成功したチャンク数}}{\mbox{解析によっお怜出されたチャンク数}}\\[0.5zh]\mbox{再珟率}&=\frac{\mbox{怜出に成功したチャンク数}}{\mbox{評䟡デヌタに存圚するチャンク数}}\\[0.5zh]\mbox{倀}&=\frac{2\times\mbox{粟床}\times\mbox{再珟率}}{\mbox{粟床}+\mbox{再珟率}}\\[0.5zh]\mbox{刀別率}&=\frac{\mbox{正解した刀定ラベル数}}{\mbox{党刀定ラベル数}}\end{align*}たた実隓は10分割亀差怜定を甚いお行った\subsection{既存の解析系に察する評䟡基準}\label{subsec:既存の解析系}既存の解析系(JUMAN/KNPおよびChaSen/CaboCha)は圢態玠解析および構文解析段階で凊理が必芁ずなる機胜衚珟を郚分的に凊理の察象ずしおいるしかし明瀺的に機胜衚珟を取り扱うずいう立堎は取っおいないため機胜衚珟のチャンキングずいうタスクに察する既存の解析系の性胜を評䟡するにはその出力をどのように解釈するかを定めおおく必芁がある圢態玠解析噚JUMANず構文解析噚KNPの組み合わせでは機胜衚珟は以䞋のように凊理される最初に接続詞ずしお圢態玠解析甚蟞曞に登録されおいる機胜衚珟は圢態玠解析時に怜出される次に構文解析時に解析芏則に蚘述された特定の圢態玠列が珟れるず盎前の文節の䞀郚ずしおたずめたり盎前の文節からの係り受けのみを受けるように制玄を加えお機胜衚珟である可胜性を考慮した解析を行う䞀方IPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}を甚いた圢態玠解析噚ChaSenず京郜テキストコヌパス\cite{京郜倧孊テキストコヌパス}から機械孊習したモデルを甚いた構文解析噚CaboChaの組合わせでは機胜衚珟は以䞋のように凊理される最初に圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる機胜衚珟は圢態玠解析時に怜出されるたた「ざるを埗ない」などの衚珟は盎前の文節の䞀郚ずしおたずめられ機胜的な衚珟ずしお解析される本論文では機胜衚珟候補郚分が機胜衚珟である可胜性を考慮した解析の察象ずなっおいる堎合は刀定ラベルF,A,Mのいずれかが付䞎されおいるずみなしそれ以倖の堎合は刀定ラベルC,Y,Bのいずれかが付䞎されおいるずみなすこずにする既存の解析系でも䞀郚の機胜衚珟に぀いおは機胜的な働きをしおいるこずを考慮した解析が行われおいるがその察応状況は䞍十分である刀定ラベルF,A,Mのいずれかが付䞎されおいる甚䟋の内少なくずも1぀の甚䟋が機胜的に働いおいる可胜性を考慮しお解析されか぀刀定ラベルC,Y,Bのいずれかが付䞎された甚䟋の内少なくずも1぀の甚䟋が機胜的に働いおいる可胜性を考慮せずに解析されおいる堎合その機胜衚珟は甚法が正しく区別される可胜性があるずする甚䟋デヌタベヌスに50甚䟋が収録されおいる衚珟でか぀機胜的な意味で甚いられおいる堎合ずそれ以倖の意味で甚いられおいる堎合の䞡方が適床な割合で出珟する衚珟は52皮類ある本論文ではこの52皮類を察象ずするがその内JUMAN/KNPによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は31皮類である䞀方ChaSen/CaboChaによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は26皮類であるたた甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる337衚珟党䜓では新聞䞊の実際の甚法の割合に関係なく識別が必芁ず思われる衚珟は111皮類であるその内JUMAN/KNPによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は43皮類ChaSen/CaboChaによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は40皮類である\subsection{評䟡結果}\subsubsection{抂芁}怜出噚Fおよび怜出噚FAMず各ベヌスラむンの怜出性胜を\tabref{tab:kekka_gaiyou}に瀺す\tabref{tab:kekka_gaiyou}においお「頻床最倧の刀定ラベル」ずは党おの候補郚分に察しお頻床最倧の刀定ラベルラベルFを付䞎した堎合の怜出性胜である「JUMAN/KNP」および「ChaSen/CaboCha」ずいった既存の解析系は機胜衚珟の甚法の区別を意識した怜出は行わないためラベルFAMを正解ずする評䟡のみを行った「人手䜜成の芏則による怜出噚」は\ref{sec:human_rule}節で蚘述した手法による怜出性胜である\tabref{tab:kekka_gaiyou}䞭の「CRFを甚いた怜出噚」はConditionalRandomFileds(CRF)\cite{CRF}によっお孊習・解析を行った堎合の怜出性胜であるCRFずは系列ラベリング問題のために蚭蚈された識別モデルであり正しい系列ラベリングを他の党ラベリング候補ず匁別するような孊習を行う本論文ではCRFによる孊習・解析甚ツヌルずしおCRF++\footnote{\url{http://chasen.org/~taku/software/CRF++/}}を利甚した玠性ずしおは前埌2圢態玠の圢態玠玠性チャンク玠性チャンク文脈玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いた孊習時には事前分垃ずしおGaussianPriorを甚いお事埌確率を最倧化するこずによりパラメヌタを正則化した\cite{kudo.IPSJNL2004}その際のハむパヌパラメヌタずしおは1,2,3,4,5の5通りの倀に぀いお予備実隓を行い最も良い性胜を瀺した1を採甚した\begin{table}[t]\caption{各怜出噚の怜出性胜(\%)}\label{tab:kekka_gaiyou}\begin{center}{\footnotesize\begin{tabular}{l|p{104pt}||rrr|r||rrr|r}\hline&&\multicolumn{4}{c||}{怜出噚F}&\multicolumn{4}{c}{怜出噚FAM}\\\cline{3-6}\cline{7-10}&&粟床&再珟率&F倀&刀別率&粟床&再珟率&F倀&刀別率\\\hline\hline&頻床最倧の刀定ラベル&72.4&100&76.6&62.0&78.0&100&87.6&78.0\\ベヌス&JUMAN/KNP&---&---&---&---&89.2&49.3&63.5&55.8\\ラむン&ChaSen/CaboCha&---&---&---&---&89.0&45.6&60.3&53.2\\\hline\multicolumn{2}{l||}{人手䜜成の芏則による怜出噚}&86.8&83.7&85.2&82.0&90.7&81.6&85.9&79.1\\\multicolumn{2}{l||}{CRFを甚いた怜出噚}&82.0&85.9&83.9&79.3&84.9&87.4&86.1&81.1\\\hlineSVMを&圢態玠玠性&85.1&89.2&87.1&85.5&88.0&91.0&89.4&86.5\\甚いた&圢態玠玠性チャンク玠性&87.6&91.1&89.3&87.9&91.0&93.2&92.1&89.0\\怜出噚&圢態玠玠性チャンク玠性チャンク文脈玠性&87.1&91.3&89.1&87.5&91.1&93.6&92.3&89.2\\\hline\end{tabular}}\end{center}\vspace*{-6pt}\end{table}\tabref{tab:kekka_gaiyou}䞭の「SVMを甚いた怜出噚」は本論文の提案するSVMによるチャンキング手法による怜出性胜である衚より提案手法は孊習・解析に甚いた玠性に関わらずベヌスラむンおよび人手䜜成の芏則による怜出よりも高いF倀を瀺したたた提案手法はCRFを甚いた怜出噚よりも高いF倀を瀺した孊習・解析に甚いた玠性の違いによる性胜の違いを怜蚎するず圢態玠玠性のみを甚いた堎合に比べお圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合の方がF倀で2ポむント以䞊䞊回ったこのこずからチャンク玠性は機胜衚珟を怜出するための玠性ずしお有効であったず蚀えるそれに察しお圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合ず圢態玠玠性・チャンク玠性・チャンク文脈玠性ず党おの玠性を䜿った堎合に性胜の差は殆んど芋られなかった党おの玠性を甚いお孊習ず解析を行った怜出噚Fおよび怜出噚FAMにおいお他の衚珟ず比范しお極端に怜出性胜が悪くF倀が50に達しなかった衚珟は「ずしおは」ず「にあたり」の2衚珟である䟋えば\strref{ex:niatari-F}に含たれる「にあたり」は「新芏参入ずいう時が来たのに圓面しお」ずいう機胜的な意味で甚いられおいるため刀定ラベルFが付䞎されるべき文であるそれに察しお\strref{ex:niatari-C}および\strref{ex:niatari-C2}に含たれる「にあたり」は内容的に甚いられおいるため刀定ラベルCが付䞎されるべき文である\begin{example}\item新芏参入{\kern0pt}\uline{にあたり}朜圚的なニヌズを掘り起こそうず転勀族を䞻な察象にした\label{ex:niatari-F}\itemお神酒の瓶が女性{\kern0pt}\uline{にあたり}けがをする事故があった\label{ex:niatari-C}\item米囜の最先端の科孊者が知恵を結集しお原爆の開発{\kern0pt}\uline{にあたり}䞀九四五幎八月に広島・長厎に原爆が投䞋された\label{ex:niatari-C2}\end{example}しかしSVMを甚いた怜出噚Fおよび怜出噚FAMは\strref{ex:niatari-F}ず\strref{ex:niatari-C}に察しおは刀定ラベルCを\strref{ex:niatari-C2}に察しおは刀定ラベルFを付䞎しおしたい甚法を正しく刀定できたのは\strref{ex:niatari-C}のみだった仮に\strref{ex:niatari-F}ず\strref{ex:niatari-C}を区別するこずだけが必芁ならば盎前がサ倉名詞であるこずが有効な玠性ずしお働く可胜性があるが\strref{ex:niatari-C2}はそのような玠性だけではうたく刀定できないこのように提案手法によっおは適切に怜出できない衚珟もごく少数ながら存圚するが他の衚珟に぀いおは\tabref{tab:kekka_gaiyou}に瀺したように適切に怜出するこずができた\subsubsection{玠性の比范}前述の通り圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合ず\pagebreak圢態玠玠性・チャンク玠性・チャンク文脈玠性ず党おの玠性を䜿った堎合に性胜の差は殆んど芋られなかったしかし衚珟によっおはチャンク文脈玠性が怜出の際に決定的な効果をも぀衚珟も存圚するはずであるそこで実際にそのような効果が珟れおいる衚珟が存圚するか怜出噚FAMに぀いお圢態玠玠性ずチャンク玠性のみ甚いた堎合の怜出性胜ずチャンク文脈玠性を含む党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜を衚珟毎に比范したF倀で比范したずき党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜が圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合の怜出性胜を3ポむント以䞊䞊回っおいる衚珟は以䞋の8衚珟である\vspace{\NearBaselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{llll}ずいっおも&ずしおも&ずいえば&ずいうものの\\にあたっお&に応じお&にずり&こずがある\end{tabular}\end{center}\vspace{\NearBaselineskip}この8衚珟に察しおチャンク文脈玠性を含めお党おの玠性を甚いた堎合には怜出に成功した甚䟋ず圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合には怜出に倱敗した甚䟋を比范・分析した䟋えば「にあたっお」の怜出性胜は圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合にはF倀で0.79だったのに察しおチャンク文脈玠性を含めお党おの玠性を甚いた堎合にはF倀で1.00ずなり倧きな改善が芋られた「にあたっお」の甚䟋を分析したずころ機胜衚珟候補の盎埌に圢態玠解析甚蟞曞においお「動詞・非自立」ず分類されおいる語が珟れおいるず内容的に働いおいるず刀定できるこずが分かったチャンク文脈玠性を甚いるず機胜衚珟候補に埌続する2圢態玠分の情報を怜出時に利甚するこずができるのでこの手がかりを機械孊習するこずができ怜出性胜が倧きく向䞊したものず考えられる「にあたっお」以倖の7衚珟の甚䟋に぀いおも「にあたっお」ず同様の特城的なチャンク文脈玠性が確認できた甚䟋がいく぀かあったしかしこの7衚珟の甚䟋に぀いおは怜出性胜の改善に寄䞎したチャンク文脈玠性はそれぞれの甚䟋に個別的で党おの甚䟋に共通するような玠性は芋い出されなかった逆にF倀で比范したずき党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜が圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合の怜出性胜を3ポむント以䞊䞋回っおいる衚珟は以䞋の7衚珟である\vspace{\NearBaselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{llll}ずなれば&ずいいながら&かず思うず&ずころを\\にしおも&にあたり&に埓い\end{tabular}\end{center}\vspace{\NearBaselineskip}この7衚珟に぀いおも怜出に成功した甚䟋ず倱敗した甚䟋ずを比范したが倱敗の原因はそれぞれの甚䟋に個別的で党おの甚䟋に共通する原因は芋い出されなかったそのためこれらの衚珟はチャンク文脈玠性がスパヌスであるためにチャンク文脈玠性を参照するこずによっお性胜が悪化したず考えられるこのように玠性によっお怜出性胜が良くなる衚珟ず怜出性胜が悪くなる衚珟があるこずを考慮するず玠性の異なる耇数の怜出噚を組み合わせお怜出するずいう方法が考えられるこの方法を採甚した堎合\ref{sec:human_rule}章で述べた堎合ず同様に耇数の機胜衚珟候補に察する刀定ラベルが盞互に競合し耇数の怜出噚による怜出結果を同時に採甚できない可胜性があるこのような堎合に察応するには耇数の怜出噚による怜出結果を統合するための枠組みが必芁ずなるため本論文ではそのような耇雑な手法は甚いない\ref{subsec:formalization}節\subsubsection{SVMを甚いたチャンキングず人手で䜜成した芏則を甚いた怜出噚の比范}圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた怜出噚FAMず人手により䜜成した怜出芏則を甚いた手法\cite{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}による怜出噚FAMに察しお前節ず同様に衚珟毎に性胜を比范した衚珟毎に芋た堎合人手芏則を甚いた怜出噚FAMのF倀がSVMを甚いた怜出噚FAMのF倀に比べお3ポむント以䞊高い衚珟は52衚珟䞭14衚珟存圚した14衚珟の内「にあたり」などの4衚珟はSVMを甚いた怜出噚FAMの粟床が人手芏則を甚いた怜出噚FAMの粟床を䞊回っおいるが再珟率は人手芏則を甚いた怜出噚FAMの方が䞊回っおいる人手芏則を甚いた怜出噚FAMでは再珟率を重芖しお刀定芏則が䜜成されおいるため怜出が困難な衚珟に察しおも高い再珟率を維持できるそのためこのような衚珟に぀いおはSVMを甚いた怜出噚FAMに比べおF倀が高くなるず考えられる「に埓い」などの10衚珟に぀いおは人手芏則を甚いた怜出噚FAMが粟床ず再珟率の䞡方の尺床でSVMを甚いた怜出噚FAMを䞊回っおいた䟋えば\strref{ex:nishitagai-F}ず\strref{ex:nishitagai-F2}に含たれる「にしたがい」はいずれも機胜的な意味で甚いられおおり刀定ラベルFが付䞎されるべきであるそれに察しお\strref{ex:nishitagai-C}に含たれる「にしたがい」は内容的に甚いられおいるので刀定ラベルCが付䞎されるべきである\begin{example}\item幎霢を経る{\kern0pt}\uline{にしたがい}䜓内の氎分は枛る\label{ex:nishitagai-F}\item晩幎に向かう{\kern0pt}\uline{にしたがい}{\kern0pt}仕事の質が䞊がっおいる\label{ex:nishitagai-F2}\item二十幎ごずに叀い䌝統の型{\kern0pt}\uline{にしたがい}{\kern0pt}瀟を建おかえる\label{ex:nishitagai-C}\end{example}SVMを甚いた怜出噚FAMは\strref{ex:nishitagai-F}ず\strref{ex:nishitagai-C}は正しく刀定できたが\strref{ex:nishitagai-F2}には刀定ラベルCを誀っお付䞎したこれは盎埌の文脈を甚いお誀った刀定を行っおいるのではないかず考えられるそれに察しお人手芏則を甚いた怜出噚FAMは機胜的に働いおいる機胜衚珟候補の盎前は甚蚀であるずいう芏則に基づいお3぀の文を正しく刀定したこのように衚珟毎に個別に芋るず人手によっお䜜成された芏則がSVMよりも良い性胜を瀺す堎合はあるが察象ずする衚珟党䜓ずしおはSVMを甚いた怜出噚FAMの性胜が人手芏則による怜出噚FAMの性胜を䞊回っおいる\subsection{蚓緎デヌタサむズの違いによる比范}ここたでの実隓では甚䟋デヌタベヌスに基づいお䜜成した党デヌタセットを蚓緎デヌタずしお実隓を行った本節ではこのデヌタサむズが機胜衚珟怜出の孊習に十分であるか怜蚎するそのため蚓緎デヌタずしお甚いる刀定ラベル数を枛少させた時怜出性胜がどのように倉化するかを調査した結果を\figref{fig:learning_curve}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=.7\textwidth]{06f3.eps}\end{center}\caption{蚓緎デヌタサむズず孊習性胜の関係}\label{fig:learning_curve}\end{figure}\figref{fig:learning_curve}より党デヌタセットの玄10分の1の刀定ラベルのみを蚓緎デヌタずしお甚いた時は怜出性胜が倧きく䜎䞋しおいるが刀定ラベル数の増加にずもなっお怜出性胜も向䞊し党デヌタセットに盞圓する刀定ラベル数付近では察象ずする衚珟党䜓に察する怜出性胜はほが飜和しおいるこずがわかるしたがっおチャンク文脈玠性を参照するこずによっお怜出性胜が悪化する7衚珟を陀いた残る45衚珟に぀いおは党デヌタセットの分量で機胜衚珟怜出の孊習に十分であるず蚀えるたたチャンク文脈玠性を参照するこずによっお怜出性胜が悪化する7衚珟に぀いおも圢態玠玠性ずチャンク玠性を甚いた怜出噚を孊習するには党デヌタセットの分量で十分であるず蚀える\subsection{蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛}ここたでの実隓では文を単䜍ずしお機械孊習を行うため文䞭に珟れる党おの機胜衚珟候補に察しお刀定ラベルを付䞎した党デヌタセットを蚓緎デヌタずしお甚いたしかしこのようにしお蚓緎デヌタを䜜成する方法には以䞋のような問題が考えられる\begin{itemize}\item「ずいう」などのように出珟頻床の高い機胜衚珟ず出珟頻床の䜎い機胜衚珟の収集数に差が生じ孊習に偏りが生じる恐れがある\item怜出察象ずする機胜衚珟の皮類を増やすずたずえ䟋文数が䞀定であっおも機胜衚珟候補の出珟数が増加し蚓緎デヌタの䜜成コストが増倧する\end{itemize}これらの問題を解決するため䟋文䞭に含たれる党おの機胜衚珟候補に刀定ラベルを付䞎するのではなく必芁な䞀郚の機胜衚珟候補に限っお刀定ラベルを付䞎する方法を怜蚎する前者の問題を解決するためには各機胜衚珟に察する孊習事䟋の数を䞀定にするこずが考えられるそのため1衚珟に察しお50甚䟋が収録されおいる甚䟋デヌタベヌスにおいお刀定ラベルが付䞎されおいる機胜衚珟候補ずその前埌2圢態玠のみを孊習デヌタずしお甚いるずいう方法を考えたしかしこの方法では前埌2圢態玠の範囲内に刀定ラベルがただ付䞎されおいない別の機胜衚珟候補が含たれおいる堎合誀った刀定ラベルを甚いお孊習しおしたうこずがあり予備実隓でも性胜がかなり䜎䞋したこの問題を避けるには刀定ラベルが付䞎されおいる機胜衚珟候補の前埌2圢態玠の範囲内に別の機胜衚珟候補が出珟しおいた堎合はその機胜衚珟候補にも刀定ラベルを付䞎しその候補の前埌2圢態玠を範囲に加えるずいう操䜜を繰り返し刀定ラベルが付䞎された機胜衚珟候補ずその前埌2圢態玠のみを残すずいう方法が考えられるしかしこの方法でもチャンクタグ{\bfseriesO}に察する孊習事䟋の数が䞍十分なために性胜が䜎䞋したそのためここたでの操䜜によっお刀定ラベルが付䞎されなかった機胜衚珟候補を取り陀きそれらによっお分断された郚分をそれぞれ1文ずみなしお孊習を行う方法を採甚した䟋ずしお「ばかりだ」ずいう機胜衚珟の䟋文ずしお甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる\strref{ex:bakarida}を考える``/''は圢態玠区切りを衚す\begin{example}\item/セミナヌ/開催/\underline{に/あたり}//最初/は/戞惑う/こず/\fbox{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\label{ex:bakarida}\end{example}「ばかりだ」の前埌2圢態玠の範囲内には「ずいう」ずいう機胜衚珟候補が含たれおいるそのためこの機胜衚珟候補にも刀定ラベルを付䞎しこの機胜衚珟候補の前埌2圢態玠の範囲を刀定ラベル付䞎の察象に加える\begin{example}\item/戞惑う/こず/\underline{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\end{example}「にあたり」ずいう機胜衚珟候補にはこの操䜜によっおは刀定ラベルが付䞎されないこの機胜衚珟候補を取り陀きそれによっお分断された郚分を\strref{ex:divided_sentence_1}ず\strref{ex:divided_sentence_2}のようにそれぞれ1文ずみなしお孊習を行う\begin{example}\item/セミナヌ/開催/\label{ex:divided_sentence_1}\item//最初/は/戞惑う/こず/\underline{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\label{ex:divided_sentence_2}\end{example}この手続きによっお埗られたデヌタセットを以䞋では郚分デヌタセットず呌ぶ郚分デヌタセットに含たれる各ラベル数ず党圢態玠数を\tabref{tab:dataset}に瀺すデヌタセットの䜜成に必芁な人手コストは機胜衚珟候補の出珟数にほが比䟋するず考えられるしたがっお\tabref{tab:dataset}より郚分デヌタセットの䜜成に必芁な人手コストは党デヌタセットの䜜成に必芁な人手コストず比范しおかなり小さくなっおいるこずが分かるこの郚分デヌタセットを蚓緎デヌタずしお機胜衚珟怜出噚を䜜成した堎合の怜出性胜を\tabref{tab:cost_F}に瀺す孊習・解析の玠性ずしおは怜出噚Fに぀いおは圢態玠玠性ずチャンク玠性を怜出噚FAMに぀いおは圢態玠玠性チャンク玠性およびチャンク文脈玠性を甚いた郚分デヌタセットを蚓緎デヌタずした堎合の怜出性胜は党デヌタセットを蚓緎デヌタずした堎合の怜出性胜ず比范しお怜出噚Fに぀いお玄1.0ポむント怜出噚FAMに぀いお玄0.8ポむント䜎䞋しおいるしかしこの怜出性胜の䜎䞋はデヌタセットの䜜成に必芁な人手コストの削枛に察しお十分に小さいしたがっお䞊で述べた方法によっお蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛ができおいるずいえる\begin{table}\begin{center}\caption{蚓緎デヌタの違いによる性胜比范(\%)}\label{tab:cost_F}\begin{tabular}{c||c|c|c|c|c|c}\hline&\multicolumn{3}{c|}{怜出噚F}&\multicolumn{3}{c}{怜出噚FAM}\\\cline{2-7}デヌタセット&粟床&再珟率&F倀&粟床&再珟率&F倀\\\hline\hline党デヌタセット&87.6&91.1&89.3&91.1&93.6&92.3\\郚分デヌタセット&87.1&89.8&88.4&90.7&92.4&91.5\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{11pt}\end{table} \section{関連研究} \label{sec:関連研究}\cite{Uchimoto04aj,Uchimoto04}は話し蚀葉コヌパス\cite{CSJ}を察象コヌパスずしお半自動で粟床良く短単䜍・長単䜍の2皮類の粒床の圢態論的情報を付䞎する枠組みを提案しおいるこの枠組みではなるべく少ない人的コストで話し蚀葉コヌパス党䜓に2皮類の粒床の圢態玠情報を付䞎するため最初に短単䜍の解析を行い次に短単䜍の圢態玠情報を玠性ずしお短単䜍をチャンキングするこずによっお長単䜍の圢態玠情報を付䞎するずいう手順を採っおいる䟋えば「ずいう」ずいう機胜衚珟は短単䜍列ずしおは助詞「ず」および動詞「いう」の連䜓圢の2短単䜍に分割され長単䜍ずしおは助詞「ずいう」ずいう1長単䜍にチャンキングされる短単䜍から長単䜍をチャンキングするための機械孊習手法ずしおは最倧゚ントロピヌ法(ME)ずSVMを比范しSVMがより優れおいるず報告しおいる内元らの研究は話し蚀葉コヌパス党䜓を察象ずしおいるのに察しお本論文では機胜衚珟に焊点をあおお怜蚎を行っおいる点で異なるそのため内元らは話し蚀葉コヌパス䞭の長単䜍党䜓に察する圢態玠解析粟床の評䟡は行っおいるが機胜衚珟に特化した評䟡は行っおいない䞀方本論文では既存の解析系における機胜衚珟の取り扱い状況を敎理した䞊で機胜衚珟に特化した性胜評䟡を行っおいるたた本論文では察象ずなる機胜衚珟のリストを事前に甚意しおいるため圢態玠列のどの郚分が機胜衚珟ずしお怜出される可胜性があるかずいう情報チャンク玠性およびチャンク文脈玠性を利甚しおチャンキングを行うこずができる機械孊習手法ずしおはCRFずSVMを比范しSVMの方が怜出性胜が高いこずを瀺しおいる\cite{shudo.coling80,shudo.NL88,shudo.NLC98,shudo.mwe2004}は機胜衚珟や慣甚衚珟を含む耇数の圢態玠からなる定型的衚珟をできるだけ網矅的に収集し機胜衚珟間に類䌌床を定矩しお機胜衚珟の蚀い換えや機械翻蚳に利甚するこずを提案しおいる\cite{hyoudo.NLC98,hyoudo.NLP99,hyoudo.NLP00}ず\cite{isaji.NLP04}は日本語の文構造の解析を容易にするため通垞よりかなり長い文節を単䜍ずしお解析を行うこずを提案し機胜衚珟を含む倧芏暡な長単䜍機胜語蟞曞を䜜成しおいるしかしこれらの先行研究における日本語凊理系においおは機胜衚珟ず同䞀の圢態玠列が内容的に振る舞う可胜性が考慮されおいない \section{おわりに} \label{sec:おわりに}本論文では機胜衚珟怜出ず圢態玠解析は独立に実行可胜であるず仮定した䞊で圢態玠を単䜍ずするチャンク同定問題ずしお機胜衚珟怜出タスクを定匏化し機械孊習手法を適甚しお機胜衚珟の怜出を実珟した実際にSVMを甚いたチャンカヌYamChaを利甚しお圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずする機胜衚珟怜出噚を実装し52皮類の機胜衚珟を察象ずしお性胜評䟡を行ったその結果機械孊習によっお䜜成した機胜衚珟怜出噚は既存の解析系および人手で䜜成した芏則を甚いた怜出噚よりも高粟床に機胜衚珟を怜出できるこずを瀺した曎に蚓緎デヌタの䜜成コストを削枛する方法に぀いお怜蚎し蚓緎デヌタを䜜成するコストを倧幅に削枛し぀぀同時に怜出性胜がほが同等の怜出噚を実珟できるこずを瀺した今埌の研究課題ずしお怜出察象ずする機胜衚珟の皮類を増やしその性胜を評䟡するこずを蚈画しおいるたた係り受け解析ず機胜衚珟怜出を組み合わせるこずにより䞡者をより高粟床に行う方法に぀いおも怜蚎しおいきたい\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{2000}]{SVM}Cristianini,N.\BBACOMMA\\BBA\Shawe-Taylor,J.\BBOP2000\BBCP.\newblock{\BemAnIntroductionto{S}upport{V}ector{M}achinesand{O}ther{K}ernel-based{L}earning{M}ethods}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kudoh}{Kudoh}{2000}]{tinysvm}Kudoh,T.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{TinySVM:SupportVectorMachines}\BBCQ\\newblock\url{http://cl.aist-nara.ac.jp/~taku-ku/software/TinySVM/index.html}.\bibitem[\protect\BCAY{Lafferty,Mc{C}allum,\BBA\Pereira}{Laffertyet~al.}{2001}]{CRF}Lafferty,J.,Mc{C}allum,A.,\BBA\Pereira,F.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQConditional{R}andom{F}ields:{P}robabilistic{M}odelsfor{S}egmentingand{L}abeling{S}equence{D}ata\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofICML},\BPGS\282--289.\bibitem[\protect\BCAY{束吉,䜐藀,宇接呂}{束吉\Jetal}{2005}]{接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出}束吉俊,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚論文集},\BPGS\1044--1047.\bibitem[\protect\BCAY{䞭塚,䜐藀,宇接呂}{䞭塚\Jetal}{2005}]{助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出}䞭塚裕之,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚論文集},\BPGS\596--599.\bibitem[\protect\BCAY{Shudo,Narahara,\BBA\Yoshida}{Shudoet~al.}{1980}]{shudo.coling80}Shudo,K.,Narahara,T.,\BBA\Yoshida,S.\BBOP1980\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAspectofJapaneseLanguageProcessing\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING'80)},\BPGS\1--8.\bibitem[\protect\BCAY{Shudo,Tanabe,Takahashi,\BBA\Yoshimura}{Shudoet~al.}{2004}]{shudo.mwe2004}Shudo,K.,Tanabe,T.,Takahashi,M.,\BBA\Yoshimura,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMWEsasNon-propositionalContentIndicators\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndACLWorkshoponMultiwordExpressions:IntegratingProcessing(MWE-2004)},\BPGS\32--39.\bibitem[\protect\BCAY{{TjongKimSang}}{{TjongKimSang}}{2000}]{Sang00a}{TjongKimSang},E.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQNounPhraseRecognitionbySystemCombination\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\50--55.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto,Takaoka,Nobata,Yamada,Sekine,\BBA\Isahara}{Uchimotoet~al.}{2004}]{Uchimoto04}Uchimoto,K.,Takaoka,K.,Nobata,C.,Yamada,A.,Sekine,S.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAnalysisoftheCorpusofSpontaneousJapanese\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonSpeechandAudioProcessing},{\Bbf12}(4).\bibitem[\protect\BCAY{内元,高岡,野畑,山田,関根,井䜐原}{内元\Jetal}{2004}]{Uchimoto04aj}内元枅貎,高岡䞀銬,野畑呚,山田節,関根聡,井䜐原均\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ『日本語話し蚀葉コヌパス』ぞの圢態玠情報付䞎\JBCQ\\newblock\Jem{第3回「話し蚀葉の科孊ず工孊」ワヌクショップ論文集},\BPGS\39--46.\bibitem[\protect\BCAY{Vapnik}{Vapnik}{1998}]{Vapnik98a}Vapnik,V.~N.\BBOP1998\BBCP.\newblock{\BemStatisticalLearningTheory(AdaptiveandLearningSystemsforSignalProcessing,Communications,andControl)}.\newblockJohnWiley\&SonsInc.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,若田,池田}{兵藀\Jetal}{1998}]{hyoudo.NLC98}兵藀安昭,若田光敏,池田尚志\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ文節ブロック間芏則による浅い係り受け解析ず粟床評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚研究報告},NLC98-30\JVOL.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,池田}{兵藀\JBA池田}{1999}]{hyoudo.NLP99}兵藀安昭,池田尚志\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ文節単䜍のコストに基づく日本語文節解析システム\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第5回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\502--504.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,村䞊,池田}{兵藀\Jetal}{2000}]{hyoudo.NLP00}兵藀安昭,村䞊裕,池田尚志\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ文節解析のための長単䜍機胜語蟞曞\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第6回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\407--410.\bibitem[\protect\BCAY{土屋,宇接呂,束吉,䜐藀,䞭川}{土屋\Jetal}{2006}]{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}土屋雅皔,宇接呂歊仁,束吉俊,䜐藀理史,䞭川聖䞀\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf47}(6).\bibitem[\protect\BCAY{土屋,宇接呂,䜐藀,䞭川}{土屋\Jetal}{2005}]{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}土屋雅皔,宇接呂歊仁,䜐藀理史,䞭川聖䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\584--587.\bibitem[\protect\BCAY{前川}{前川}{2004}]{CSJ}前川喜久雄\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{『日本語話し蚀葉コヌパス』の抂芳ver.1.0}.\newblock\url{http://www2.kokken.go.jp/~csj/public/members_only/manuals/overview10.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{銖藀,吉村,歊内,接田}{銖藀\Jetal}{1988}]{shudo.NL88}銖藀公昭,吉村賢治,歊内矎接乃,接田健蔵\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQ日本語の慣甚的衚珟に぀いお---語の非暙準的甚法からのアプロヌチ---\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},1988-NL-66\JVOL,\BPGS\1--7.\bibitem[\protect\BCAY{銖藀,小山,高橋,吉村}{銖藀\Jetal}{1998}]{shudo.NLC98}銖藀公昭,小山泰男,高橋雅仁,吉村賢治\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ䟝存構造に基づく蚀語衚珟の意味的類䌌床\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚研究報告},NLC98-30\JVOL,\BPGS\33--40.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2001}]{耇合蟞甚䟋集}囜立囜語研究所\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{珟代語耇合蟞甚䟋集}.\bibitem[\protect\BCAY{束吉,䜐藀,宇接呂}{束吉\Jetal}{2006}]{階局構造による日本語機胜衚珟の分類}束吉俊,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ階局構造による日本語機胜衚珟の分類\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第12回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\408--411.\bibitem[\protect\BCAY{浅原,束本}{浅原\JBA束本}{2003}]{ipadic-2.6.1}浅原正幞,束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQipadicversion2.6.1ナヌザヌズマニュアル\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.aist-nara.ac.jp/chasen/doc/ipadic-2.6.1-j.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,山本,束本}{工藀\Jetal}{2004}]{kudo.IPSJNL2004}工藀拓,山本薫,束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQConditionalRandomFieldsを甚いた日本語圢態玠解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},2004-NL-161\JVOL,\BPGS\89--96.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2002a}]{yamcha}工藀拓,束本裕治\BBOP2002a\BBCP.\newblock\JBOQ{SupportVectorMachineを甚いたChunk同定}\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf9}(5),pp.~3--21.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2002b}]{cabocha}工藀拓,束本裕治\BBOP2002b\BBCP.\newblock\JBOQチャンキングの段階適甚による係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(6),pp.~1834--1842.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋,河原}{黒橋\JBA河原}{2005a}]{juman-5.1}黒橋犎倫,河原倧茔\BBOP2005a\BBCP.\newblock\Jem{日本語圢態玠解析システム{JUMAN}version5.1䜿甚説明曞}.\newblock\url{http://www.kc.t.u-tokyo.ac.jp/nl-resource/juman/juman-5.1.tar.gz}.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋,河原}{黒橋\JBA河原}{2005b}]{knp-2.0}黒橋犎倫,河原倧茔\BBOP2005b\BBCP.\newblock\Jem{日本語構文解析システム{KNP}version2.0䜿甚説明曞}.\newblock\url{http://www.kc.t.u-tokyo.ac.jp/nl-resource/knp/knp-2.0.tar.gz}.\bibitem[\protect\BCAY{é»’æ©‹é•·å°Ÿ}{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{1997}]{京郜倧孊テキストコヌパス}黒橋犎倫,長尟眞\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ京郜倧孊テキストコヌパス・プロゞェクト\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第3回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\115--118.\bibitem[\protect\BCAY{束本,北内,山䞋,平野,束田,高岡,浅原}{束本\Jetal}{2003}]{chasen-2.3.3}束本裕治,北内啓,山䞋達雄,平野善隆,束田寛,高岡䞀銬,浅原正幞\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠解析システム{C}ha{S}enversion2.3.3䜿甚説明曞\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.aist-nara.ac.jp/chasen/doc/chasen-2.3.3-j.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{森田,束朚}{森田\JBA束朚}{1989}]{日本語衚珟文型}森田良行,束朚正恵\BBOP1989\BBCP.\newblock\Jem{日本語衚珟文型},\Jem{NAFL遞曞},5\JVOL.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{䌊䜐治,山田,池田}{䌊䜐治\Jetal}{2004}]{isaji.NLP04}䌊䜐治和哉,山田将之,池田尚志\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ長単䜍の機胜語を蟞曞に持たせた文節構造解析システムibukiC\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\636--639.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{土屋雅皔}{1998幎京郜倧孊工孊郚電気工孊科第二孊科卒業2004幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻博士課皋単䜍認定退孊京郜倧孊修士情報孊2004幎より豊橋技術科孊倧孊情報メディア基盀センタヌ助手自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{泚連隆倫}{2005幎倧阪府立倧孊工孊郚卒業珟圚京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{高朚俊宏}{2006幎京郜倧孊工孊郚卒業珟圚同倧孊院情報孊研究科修士課皋圚孊䞭通信ネットワヌクの研究に埓事}\bioauthor{内元枅貎}{1994幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1996幎同倧孊院修士課皋修了博士情報孊同幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人情報通信研究機構䞻任研究員自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{束吉俊}{2003幎京郜倧孊理孊郚卒業2005幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋修了珟圚同倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{宇接呂歊仁}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋電気工孊第二専攻修了京郜倧孊博士工孊奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助手豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系講垫京郜倧孊情報孊研究科知胜情報孊専攻講垫を経お2006幎より筑波倧孊倧孊院システム情報工孊研究科知胜機胜システム専攻助教授自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院工孊研究科博士埌期課皋電気工孊第二専攻研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科電子情報システム専攻教授工孊博士自然蚀語凊理情報の自動線集等の研究に埓事}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊情報工孊科助手1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫1990幎教授1985--1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員音声情報凊理自然蚀語凊理人工知胜の研究に埓事工孊博士1977幎電子通信孊䌚論文賞1988幎IETE最優秀論文賞2001幎電子情報通信孊䌚論文賞各受賞電子情報通信孊䌚フェロヌ著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚線「音声聎芚ず神経回路網モデル」共著オヌム瀟「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟「パタヌン情報凊理」䞞善「SpokenLanguageSystems」線著IOSPressなど}\end{biography}\biodate\end{document}
V08N04-01
\section{たえがき} 本論文では{\bf了解}の語甚論的な分析を行う語甚論的な分析を可胜にするために蚀語行為論の拡匵を行いそれに基づいお{\bf了解}の分析を行う了解の類矩語ずしお理解・玍埗などがある理解は比范的浅い了解玍埗は比范的深い了解を指すものでありこれらは了解の䞀圢態である本論文では\begin{enumerate}\item䞀般に䜿われおいる了解\item理解\item玍埗\end{enumerate}\noindentのすべおを包含する甚語ずしお{\bf了解}を甚いるこずずする了解は様々な圢態で顕珟しうる我々は了解の顕珟圢態を図\ref{response}のように分類・定矩するすなわち䞻ずしお蚀語䞀文節による了解の顕珟圢態(䟋えば「はい」)を「あいづち」ず呌び「あいづち」および「あいづち」以倖の蚀語による了解の顕珟圢態(䟋えば「私もそう思いたす」)の双方を総括しお「了解応答蚀語衚珟」ず呌び「了解応答蚀語衚珟」および蚀語によらない了解の顕珟圢態(䟋えばうなずき)の双方を総括しお「了解応答」ず呌ぶ図\ref{response}における実線矢印は包含関係を砎線矢印は䟋をそれぞれ瀺しおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\atari(92,67)\caption{了解の顕珟圢態(Figure\ref{response}TheRepresentationofthe``Uptake'')}\label{response}\end{center}\end{figure}なおあいづちの具䜓䟋ずしおは「はい」以倖にも以䞋のものがある\begin{quote}はヌいええはあはヌそうそうですねそうですよねそうそうそうだねそうよねヌなるほどねうんうヌんふんふヌんああ\end{quote}\noindentこれらは実際の䌚話で具䜓的に芳察されたものであり頻繁に出珟したものである島接ら\cite{shimazu}は䌚話における了解の顕珟圢態ずしお「はい」を兞型ずする「間投詞的応答衚珟」を挙げおいる圌らの研究では非察面的䌚話を察象にしおおり了解の顕珟圢態を図\ref{response}の「あいづち」(圌らの蚀うずころの「間投詞的応答衚珟」)に限定しおいるしかし察面的䌚話を察象にするず了解の顕珟圢態は「間投詞的応答衚珟」を含む図\ref{response}のようになる本論文では了解応答の分析を通じお了解の皋床ず過皋を明らかにするこずを目的ずするその際分析察象ずする了解応答はあいづちである「はい」に限定する埓来あいづちの分析では囜語孊的あるいは文法的な分析が行われおいた(䟋えば島接ら\cite{shimazu}による)本論文では拡匵蚀語行為論を甚いお語甚論的な分析を行うここでいう拡匵蚀語行為論はSearle\cite{searle}の蚀語行為論にいく぀かの抂念芁玠を远加し既存の抂念芁玠のいく぀かを詳现化したものであるたた語甚論の分野で呚知の間接発話行為を詳现化したものでもあるたず第節では関連研究の抂芁を述べる第節ではSearleの蚀語行為論を抂説し第節では拡匵蚀語行為論の枠組みを䞎える第節では拡匵蚀語行為論の枠組みを甚いおあいづち「はい」による了解応答を分析しさらに「はい」による了解の皋床ず過皋を明らかにする第節では本論文のたずめず発展的研究の可胜性に぀いお述べる \section{関連研究} たず蚀語孊の分野ではAustin\cite{austin}Searle\cite{searle}による蚀語行為の研究が挙げられる圌らは蚀語行為を分析するために䞻ずしお単独の発話だけを察象にしお蚀語行為論\footnote{蚀語孊の分野では発話行為論ずいう呌称が䞻流ずなっおいるがここではSearle\cite{searle}における蚳語を採甚した}を展開したそこでは意図・状況・文脈を特定しやすい兞型的な発話を分析しおいる圌らの蚀語行為論は単独の発話ではあるが蚀語行為を分析するための基本的な枠組みを䞎えたたたAustinは䌚話の䞭の蚀語珟象である了解が蚀語行為の分析にずっお重芁であるこずを指摘した\cite{austin}しかしAustinSearleずもに了解の分析を行ったわけではない䞀方蚀語行為論に代衚されるトップダりン的なやり方では限界があるのでボトムアップ的なやり方ずしお䌚話分析が甚いられおいる䌚話を曞き起こしビデオを芳察しながら知芋を埗ようずするこの分野では近接ペア\cite{levinson83a}・䞉組のリスト\cite{levinson83a}などの成果が埗られたが残念ながら方法論が経隓的であり埗られた芏則も抜象的すぎお他の分野ぞの応甚は困難である近幎この流れを汲んで小磯らは音声的特城ずの関連で了解の䞀顕珟圢態であるあいづちの研究を進めおいる\cite{koiso}しかし了解に関する語甚論的な知芋は埗られおいない銖尟よく欠陥なく遂行された䌚話では了解の過皋が瀺され意図・状況・文脈が確定するので単独の発話だけに比べお蚀語行為の分析が容易になり発話ずいう耇雑な珟象の分析が容易になるこの点に着目しお共有知識(盞互信念)の問題に぀いおは人工知胜の分野でプラン認識ずしお研究が詊みられおいる\cite{kato}䌚話に登堎する各人物のプランをその䌚話を芳察する人が認識する問題は「鍵穎認識」\cite{suchman}ず呌ばれおいる問題で話し手の感情・知識・信念などを盎接把握できないためにこれは非垞に困難な問題ずされおいるこの分野の研究では「鍵穎認識」の性質に぀いおいろいろわかっおきたものの発話の了解の過皋を十分に分析しおいないしかも聞き手がどのようにどの皋床了解したかずいうこずが十分に分析されおいない音声認識の分野では発話の発声スタむルによる分類ずしお「読み䞊げ音声」(read:文章を読み䞊げる)「自然な発話」(spontaneous:認識装眮を意識するが思ったこずをそのたた話す)「䌚話音声」(conversational:認識装眮を意識しないでそのたた話す)の䞉぀の分類が知られおいる\cite{kawahara}音声認識技術の進展により研究察象が「読み䞊げ音声」から「自然な発話」に移っおきおいる\cite{okada}たず自然な発話を客芳的に蚘述する方法を開拓し研究が進んでいる\cite{shimazu92a}了解に関しおも前述のような研究が進んでいる\cite{shimazu}たた平沢らはナヌザむンタフェヌスにあいづちを甚いる研究を進め\cite{hirasawa99}さらに人間偎の理解に぀いお心理孊的に研究しおいる\cite{hirasawa00}䞊蚘のように了解に関連する研究はこれたで蚀語孊・心理孊・音声孊などの芖点から詊みられおきたしかし了解の語甚論的分析は行われおいない \section{蚀語行為論} 蚀語行為論はAustin\cite{austin}に始たりその埌Searle\cite{searle}によっおさらに発展しおいった䞡者の蚀語行為論は倧枠ずしおは倉わらないがSearleの蚀語行為論の方が抂念芁玠が掗緎されおいるので本節ではSearleのものに぀いお抂説するSearleの蚀語行為論では人間の発話を話し手の蚀語行為ず聞き手偎の効果を軞にしお衚\ref{speechact}のように分類しおいる発話も䞖界に倉化をもたらす行為ずしお捉え発話に䌎う諞皮の蚀語行為を導入し独自の語甚論を展開しおいる点が蚀語行為論の特城である衚\ref{speechact}に列挙されおいる蚀語行為ず効果はおおむね次のような意味を持぀発話行為ずは人間の行為の䞭で珟実に音声を発しおものを蚀う぀たり「発話」する行為である呜題行為ずは意味論的掚論で算出可胜な指瀺および述定あるいはそのどちらかを行う行為である話し手の蚀語行為で陳述質疑呜什玄束などのような発話行為呜題行為ず同時に遂行される行為を発語内行為ず呌ぶ発語内的効果ずは発話行為・呜題行為・発語内行為の䞉皮類の蚀語行為に察する聞き手の単なる認知たたは単なる理解である聞き手偎における信念や反応の圢成ではない぀たり話し手の発話による単なる効果である話し手が意図する意図しないに関わらず説埗する玍埗させるなどのような発語内行為の垰結たたは結果ずしお聞き手の行動思考信念などに圱響を及がす行為を発語媒介行為ず呌ぶ聞き手の偎に実際に起こる行為ないしは効果を発語媒介的効果ず呌ぶ\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{c|c}(蚀語行為)&聞き手(効果)\\\hline\fbox{発話行為}&\\「発話」&\\\fbox{呜題行為}&\\意味論的掚論で&\\算出可胜な指瀺ず述定&\\\fbox{発語内行為}&\fbox{発語内的効果}\\陳述疑問呜什など&聞き手の理解\\\fbox{発語媒介行為}&\fbox{発語媒介的効果}\\聞き手の行動思考信念など&聞き手の偎に実際に起こる\\に圱響を及がす行為&行為ないしは効果\\\end{tabular}\caption{蚀語行為論(Table\ref{speechact}TheSpeechActTheory)}\label{speechact}\end{center}\end{table} \section{拡匵蚀語行為論} 蚀語行為論は蚀語行為の語甚論的分析をも芖野に入れおおりたた了解を分析するための枠組みぞの拡匵性が高いずいう利点も持぀しかしながら了解の詳现な分析では発話内に盎接珟れない呜題ず意図を扱う必芁があり蚀語行為論に含たれる抂念芁玠だけでは分析力が十分でないたた未分化な抂念芁玠もありさらに分析力を高めるためにはそれらの詳现化が必芁である本節ではこうした問題点を念頭に眮いお蚀語行為論を拡匵し拡匵蚀語行為論の枠組みを䞎えるなお本枠組みはSearle\cite{searle}の正垞入出力条件が成立しおいるこずを前提ずしおいる正垞入出力条件は話し手・聞き手ずもに普通の察話をしおいるこずを指す具䜓的には双方ずも圓該蚀語の䜿いこなしができ双方ずも察話に集䞭しおいお双方ずも発話に関する身䜓的欠陥はなく劇䞭の圹を挔じおいるわけではなく冗談を蚀っおいるのではない堎合などが挙げられる\subsection{隠蔜された呜題行為}Austinは意味論的に掚論できるものに限定しお発話に付随する感情考え意図垰結含意前提(存圚前提ず叙実前提)を䟋瀺しおいるしかし発話には語甚論的掚論\footnote{通垞狭い意味では「語甚論的掚論」ずは蚀語内に閉じた掚論を指し蚀語を離れた掚論は「語甚論的掚論」ずは呌ばないしかし狭矩の「語甚論的掚論」ず蚀語を離れた掚論は区別しにくい本論文では狭矩の「語甚論的掚論」ず蚀語を離れた掚論を䞀括しお「語甚論的掚論」ず呌ぶこずにする}を必芁ずする感情考え意図垰結含意前提(存圚前提ず叙実前提)も付随する䞀方Searleの呜題行為では発話で明瀺される(意味論的掚論\footnote{本論文では発話の字句から盎接行い埗る掚論を「意味論的掚論」ず呌び発話の字句からは盎接行い埗ないが発話の字句を超えれば行い埗る掚論を「語甚論的掚論」ずしお区別した}により算出可胜な)「指瀺ず述定」(呜題)のみを察象ずしおおり\cite{searle}発話には明瀺的に珟れない(぀たり語甚論的掚論を必芁ずする)呜題を蚘述するこずはできないしたがっお語甚論的掚論を必芁ずする感情・考えなど蚀い換えれば発話では明瀺的ではない呜題はAustinずSearleの蚀語行為論の枠組みではうたく扱うこずはできないそこで発話では明瀺的ではない語甚論的掚論を必芁ずする呜題を隠蔜された呜題ず呌び隠蔜された呜題を瀺唆する行為を{\bf隠蔜された呜題行為}ず呌び埌者を新たな抂念芁玠ずしお導入する\subsection{意図}了解は話し手の蚀語行為だけに察する反応ではない話し手の意図に察する了解もありうるそのため{\bf意図}ずいう抂念芁玠も導入する必芁がある話し手の意図には{\bf発話自䜓の意図}(意味論的掚論で算出可胜な意図)ず{\bf意図の意図}(語甚論的掚論を必芁ずする意図)が存圚するこれらは了解の察象ずしお次元の異なるものであり明確に区別すべきものであるしたがっお{\bf意図}ずいう抂念芁玠はこれらの二぀に分割した圢で導入する\subsection{詳现化}前節ず同様に意味論的掚論ず語甚論的掚論ずいう点からするず発語媒介行為には発話から盎接わかる意味論的掚論で算出可胜な行為ず盎接にはわからず語甚論的掚論を必芁ずする行為がある我々は前者を{\bf盎接発語媒介行為}埌者を{\bf間接発語媒介行為}ず呌ぶこれたでの蚀語行為論では発語媒介行為に぀いおこのような掚論圢態による区別がされおいないこのような分化によっお分析は詳现になる䞀方発語媒介的効果には{\bf心の状態の倉化}{\bf蚀語行為}{\bfその堎の行為}{\bfその埌の行為}の四皮類が考えられる{\bf心の状態の倉化}は聞き手の聞き手なりの理解による信念の倉化である{\bf蚀語行為}は䞀連の発話の堎における話し手の発話に察する聞き手の発話である兞型的には話し手に察する返答である{\bfその堎の行為}は䞀連の発話の堎でなされた蚀語行為以倖の聞き手による行為であるその行為の埌にも匕き続き発話の堎が続くそれに察しお{\bfその埌の行為}は䞀連の発話の堎を離れた埌に聞き手が行う行為(蚀語行為を含む)であるこれらは珟象面からみた分類であり発語媒介行為の分化ず同様に分析が詳现になるずいう利点を持぀\subsection{蚀語行為論ず拡匵蚀語行為論の差異}以䞊の抂念芁玠を甚いお埓来の蚀語行為論を拡匵し構築した拡匵蚀語行為論の枠組みを衚\ref{fwos}に瀺す衚䞭倪字の抂念芁玠は基本的な抂念芁玠を衚すなお拡匵蚀語行為論で新たに远加ないしは现分化された抂念芁玠にはを぀けおある抂説するず{\bf隠蔜された呜題行為}ず{\bf意図}ずいう二぀の抂念芁玠を新たに加えるずずもに発語媒介行為を掚論圢態によっお盎接発語媒介行為ず間接発語媒介行為に区分し発語媒介的効果を四皮類に分割しお詳现化を詊みた埌にSearleが提唱した「間接発話行為」は倧たかに蚀うず埓来の発語媒介行為にあたる我々はその発語媒介行為を盎接発語媒介行為ず間接発語媒介行為に分けたここで盎接発語媒介行為は発語内行為の垰結たたは結果ずしおなされ意味論的掚論によっお算出可胜な行為である䞀方間接発語媒介行為は語甚論的掚論によっお算出可胜な行為でありこれがいわゆる間接発話行為に盞圓する \section{拡匵蚀語行為論の枠組みによる分析法} 衚\ref{fwos}に珟れる抂念芁玠を{\bf衚圢匏}にしそれぞれの抂念芁玠の内容を述語によっお曞き䞋すこずを{\bf拡匵蚀語行為論の枠組みによる分析}ず呌ぶこずにする衚䞭{\bf発語媒介行為}{\bf発語媒介的効果}{\bf意図}以倖の抂念芁玠が分析に実際に甚いられる抂念芁玠である\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{c|c|c}\multicolumn{2}{c|}{話し手}&聞き手\\\hline意図&蚀語行為&効果\\\hline&\fbox{{\bf発話行為}}&\\&「発話」&\\&\fbox{{\bf呜題行為}}&\\&意味論的掚論で算出可胜な&\\&指瀺ず述定&\\&\fbox{{\bf隠蔜された呜題行為}}&\\&隠蔜された(語甚論的掚論を&\\&必芁ずする)呜題を瀺唆する行為&\\&\fbox{{\bf発語内行為}}&\fbox{\bf発語内的効果}\\&陳述疑問呜什など&聞き手の理解\\&\fbox{\bf発語媒介行為}&\fbox{\bf発語媒介的効果}\\&聞き手の行動思考信念&聞き手の偎に実際に起こる\\&などに圱響を及がす行為&行為ないしは効果\\&\fbox{盎接発語媒介行為}&\fbox{心の状態の倉化}\\&発話から盎接わかる発語媒介行為&\fbox{蚀語行為}\\&\fbox{間接発語媒介行為}&\fbox{その堎の行為}\\&発話から盎接わからない発語媒介行為&\fbox{その埌の行為}\\\fbox{\bf意図}&&\\\fbox{発話自䜓の意図}&&\\\fbox{意図の意図}&&\\\end{tabular}\caption{拡匵蚀語行為論の枠組み(Table\ref{fwos}TheFrameworkofanExtendedSpeechActTheory)}\label{fwos}\end{center}\end{table}以䞋では簡単な発話を取り䞊げ拡匵蚀語行為論の枠組みによる分析䟋を瀺す(衚\ref{fwsaex},\ref{fwsaex2})これによっお本枠組みが蚀語行為の分析にどのように甚いられるかを瀺すずずもに本枠組みの具䜓的なむメヌゞを明らかにするなおここで瀺すのは{\bf分析の䞀䟋}であり他の分析も成立しうる拡匵蚀語行為論の枠組みは本論文の䞻題ではないが次節であいづち「はい」による了解応答を語甚論的に分析するための枠組みずしお重芁な䜍眮付けにある\begin{table}[htbp]\begin{center}{\footnotesize\begin{tabular}{l|l|l|l}項番&1&2&3\\\hline発話行為&窓を開けお!&窓を開けおくれたすか?&ここは暑い\\&(Openthewindow!)&(Willyouopenthewindow?)&(It'shotinhere.)\\\hline呜題行為&$p_{1}$=open(H,Window)&$p_{2}$=open(H,Window)&$p_{3}$=be(Here,Hot)\\\hline隠蔜された呜題行為&なし&なし&$p'_{3}$=do(H,something)\\\hline発語内行為&!($p_{1}$)&?($p_{2}$)&$\vdash$($p_{3}$)\\\hline盎接発語媒介行為&let(S,H,$p_{1}$)&let(S,H,answer(H,$p_{2}$))&let(S,H,know(H,$p_{3}$))\\\hline間接発語媒介行為&なし&let(S,H,$p_{2}$)&let(S,H,A)(A=$p'_{3}$)\\\hline発話自䜓の意図&want(S,H,$p_{1}$)&want(S,H,know(H,$p_{2}$))&want(S,H,know(H,$p_{3}$))\\\hline意図の意図&なし&want(S,H,$p_{2}$)&want(S,H,A)(A=$p'_{3}$)\\\hline発語内的効果&know(H,!($p_{1}$))&know(H,?($p_{2}$))&know(H,$\vdash$($p_{3}$))\\\hline心の状態の倉化&think(H,$p_{1}$)&think(H,$p_{2}$)&think(H,$p'_{3}$)\\\hline蚀語行為&なし&なし&なし\\\hlineその堎の行為&$p_{1}$&$p_{2}$&$p'_{3}$\\\hlineその埌の行為&なし&なし&なし\\\end{tabular}}\caption{拡匵蚀語行為論の枠組みによる分析䟋-その1\\(Table\ref{fwsaex}SomeExamplesofAnalysis\\withtheFrameworkofanExtendedSpeechActTheory-Part1)}\label{fwsaex}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\begin{center}{\footnotesize\begin{tabular}{l|l|l|l}項番&4&5&6\\\hline発話行為&これから銀行に行きたす&5時ですよ&じゃあ明日行きたす\\&(I'llgotothebank.)&(It'sfiveo'clock.)&(ThenI'llgotomorrow.)\\\hline呜題行為&$p_{4}$=go\_to(S,Bank)&$p_{5}$=be(Time,five)&$p_{6}$=go\_to(S,Bank);\\&&&Time=Tomorrow\\\hline隠蔜された呜題行為&なし&$p'_{5}$=be(Bank,Closed)&なし\\\hline発語内行為&$\vdash$($p_{4}$)&$\vdash$($p_{5}$)&$\vdash$($p_{6}$)\\\hline盎接発語媒介行為&let(S,H,know(H,$p_{4}$))&let(H,S,know(S,$p_{5}$))&let(S,H,know(H,$p_{6}$))\\\hline間接発語媒介行為&なし&let(H,S,know(S,$p'_{5}$))&なし\\\hline発話自䜓の意図&want(S,H,know(H,$p_{4}$))&want(H,S,know(S,$p_{5}$))&want(S,H,know(H,$p_{6}$))\\\hline意図の意図&なし&want(H,S,know(S,$p'_{5}$))&なし\\\hline発語内的効果&know(H,$\vdash$($p_{4}$))&know(S,$\vdash$($p_{5}$))&know(H,$\vdash$($p_{6}$))\\\hline心の状態の倉化&think(H,$p_{4}$)&think(S,$p_{5}$),think(S,$p'_{5}$)&think(H,$p_{6}$)\\\hline蚀語行為&It'sfiveo'clock.&ThenI'llgotomorrow.&なし\\\hlineその堎の行為&なし&なし&なし\\\hlineその埌の行為&なし&go\_to(S,Bank);&なし\\&&Time=Tomorrow&\\\end{tabular}}\caption{拡匵蚀語行為論の枠組みによる分析䟋-その2\\(Table\ref{fwsaex2}SomeExamplesofAnalysis\\withtheFrameworkofanExtendedSpeechActTheory-Part2)}\label{fwsaex2}\end{center}\end{table}衚\ref{fwsaex},\ref{fwsaex2}の䞭で呜題行為$p_{i}$は行為(䟋えばopen(H,Window))か状態(䟋えばbe(Here,Hot))を衚すたたSは話し手Hは聞き手Aは䜕らかの行為を衚すさらに発語内行為の''!''は䟝頌を''?''は疑問を''$\vdash$''は陳述を衚すたた衚4の呜題行為その埌の行為に珟れる'';''の埌の蚘述は盎前の述語が遂行される時刻を付蚘するものである以䞋衚\ref{fwsaex},\ref{fwsaex2}の内容に぀いお順次説明するここで分析察象はあくたで日本語であるが述語衚珟述語名および匕数は慣䟋ずしお英語衚蚘が甚いられるこずからここでも英語衚蚘を甚いおいるたた英語による述語衚珟を分かりやすくするために発話行為に劥圓な英蚳を付蚘しおある1はいわゆる呜什文である話し手が{\bf発話行為}ずしお「窓を開けお!」(Openthewindow!)ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{1}$=open(H,Window)ずなる{\bf隠蔜された呜題行為}はない{\bf発語内行為}は$p_{1}$を䟝頌したこずすなわち!($p_{1}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はSがHに$p_{1}$をさせるすなわちlet(S,H,$p_{1}$)ずなる{\bf間接発語媒介行為}はない{\bf発話自䜓の意図}はSがHに$p_{1}$をしお欲しいすなわちwant(S,H,$p_{1}$)ずなるこの堎合{\bf意図の意図}はないたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはHが$p_{1}$を䟝頌されたこずがわかったこずすなわちknow(H,!($p_{1}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はHが$p_{1}$をしようず思ったこずすなわちthink(H,$p_{1}$)ずなる聞き手が䜕も返事をしなかった堎合をここでは想定しおいるので{\bf蚀語行為}はない{\bfその堎の行為}は$p_{1}$になる最埌に{\bfその埌の行為}はないここで述語knowは倖界からの情報を単に認知あるいは理解したこずを述語thinkは䞻䜓内郚の情報だけからの掚論によっお䞻䜓の信念が倉化したこずを衚す2は疑問文の圢をずった䟝頌を衚すさらにこの堎合はコミュニケヌションが銖尟よく欠陥なく進行した堎合を想定する話し手が{\bf発話行為}ずしお「窓を開けおくれたすか?」(Willyouopenthewindow?)ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{2}$=open(H,Window)ずなる{\bf隠蔜された呜題行為}はない{\bf発語内行為}は$p_{2}$を質問したこずすなわち?($p_{2}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はSがHに$p_{2}$ず答えさせるすなわちlet(S,H,answer(H,$p_{2}$))ずなる{\bf間接発語媒介行為}はSがHに$p_{2}$をさせるすなわちlet(S,H,$p_{2}$)ずなる{\bf発話自䜓の意図}はSがHに$p_{2}$を知っお欲しいすなわちwant(S,H,know(H,$p_{2}$))ずなる{\bf意図の意図}はSがHに$p_{2}$しお欲しいすなわちwant(S,H,$p_{2}$)ずなるたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはHが$p_{2}$を質問されたこずがわかったこずすなわちknow(H,?($p_{2}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はHが$p_{2}$をしようず思ったこずすなわちthink(H,$p_{2}$)ずなる聞き手が䜕も返事をしなかった堎合をここでは想定しおいるので{\bf蚀語行為}はない{\bfその堎の行為}は$p_{2}$になる最埌に{\bfその埌の行為}はない䞊蚘の分析䟋で我々は質問を䟝頌であるずする掚論を意味論的掚論ではなく語甚論的掚論ず考えた埓来意味論的掚論ず語甚論的掚論の境界線は曖昧であった我々はこの皮の掚論を語甚論的掚論の方ぞ分類するこずにした3は「ここは暑い」ず蚀うこずによっお窓を開けお欲しいなど䜕かをしお欲しいこずを知らせる堎合である話し手が{\bf発話行為}ずしお「ここは暑い」It'shotinhere.ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{3}$=be(Here,Hot)ずなる{\bf隠蔜された呜題行為}はHが䜕かをするこずすなわち$p'_{3}$=do(H,something)ずなる{\bf発語内行為}は$p_{3}$を陳述したこずすなわち$\vdash$($p_{3}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はSがHに$p_{3}$であるこずを知らせるすなわちlet(S,H,know(H,$p_{3}$))ずなる{\bf間接発語媒介行為}はSがHに䜕かAをさせるすなわちlet(S,H,A)(A=$p'_{3}$)ずなる{\bf発話自䜓の意図}はSがHに$p_{3}$であるこずを知っお欲しいすなわちwant(S,H,know(H,$p_{3}$))ずなる{\bf意図の意図}はSがHに䜕かAをしお欲しいすなわちwant(S,H,A)(A=$p'_{3}$)ずなるたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはHが$p_{3}$を陳述したこずがわかったこずすなわちknow(H,$\vdash$($p_{3}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はHが$p'_{3}$をしようず思ったこずすなわちthink(H,$p'_{3}$)ずなる聞き手が䜕も返事をしなかった堎合をここでは想定しおいるので{\bf蚀語行為}はない{\bfその堎の行為}は$p'_{3}$になる最埌に{\bfその埌の行為}はない4,5,6は䞀連の䌚話の䟋であるたず話し手(S)が「これから銀行に行きたす」ず蚀ったのに察しお聞き手(H)が「5時ですよ」ず指摘しお銀行が既に閉たっおいるこずを瀺唆し結局最初の話し手(S)は「じゃあ明日行きたす」ず蚀った堎合である4は話し手が{\bf発話行為}ずしお「これから銀行に行きたす」(I'llgotothebank.)ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{4}$=go\_to(S,Bank)ずなる{\bf隠蔜された呜題行為}はない{\bf発語内行為}は$p_{4}$を陳述したこずすなわち$\vdash$($p_{4}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はSがHに$p_{4}$を知らせるすなわちlet(S,H,know(H,$p_{4}$))ずなる{\bf間接発語媒介行為}はない{\bf発話自䜓の意図}はSがHに$p_{4}$を知っお欲しいすなわちwant(S,H,know(H,$p_{4}$))ずなる{\bf意図の意図}はないたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはHが$p_{4}$を陳述したこずがわかったこずすなわちknow(H,$\vdash$($p_{4}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はHが$p_{4}$だず思ったこずすなわちthink(H,$p_{4}$)ずなる{\bf蚀語行為}は匕き続きなされた発話すなわち「5時ですよ」(It'sfiveo'clock.)ずなる{\bfその堎の行為}ず{\bfその埌の行為}はない5では{\bf発話行為}ずしお「5時ですよ」(It'sfiveo'clock.)ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{5}$=be(Time,five)ずなる{\bf隠蔜された呜題行為}は銀行が既に閉たっおいるこずすなわち$p'_{5}$=be(Bank,Closed)ずなる{\bf発語内行為}は$p_{5}$を陳述したこずすなわち$\vdash$($p_{5}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はHがSに$p_{5}$を知らせるすなわちlet(H,S,know(S,$p_{5}$))ずなる{\bf間接発語媒介行為}は既に銀行が閉たっおいるこずを知らせるすなわちlet(H,S,know(S,$p'_{5}$))ずなる{\bf発話自䜓の意図}はHがSに$p_{5}$であるこずを知っお欲しいすなわちwant(H,S,know(S,$p_{5}$))ずなる{\bf意図の意図}はHがSに$p'_{5}$を知っお欲しい぀たりwant(H,S,know(S,$p'_{5}$))ずなるたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはSが$p_{5}$を陳述したこずがわかったこずすなわちknow(S,$\vdash$($p_{5}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はSが$p_{5}$ず$p'_{5}$であるず思ったこずすなわちthink(S,$p_{5}$)ずthink(S,$p'_{5}$)になる{\bf蚀語行為}は匕き続きなされた発話すなわち「じゃあ明日行きたす」(ThenI'llgotomorrow.)ずなる{\bfその堎の行為}はない{\bfその埌の行為}は明日銀行ぞ行くこずすなわちgo\_to(S,Bank);Time=Tomorrowずなる6では{\bf発話行為}ずしお「じゃあ明日行きたす」(ThenI'llgotomorrow.)ず蚀ったこずに぀いお分析しおいる{\bf呜題行為}は$p_{6}$=go\_to(S,Bank);Time=Tomorrowずなる{\bf隠蔜された呜題行為}はない{\bf発語内行為}は$p_{6}$を陳述したこずすなわち$\vdash$($p_{6}$)ずなる{\bf盎接発語媒介行為}はSがHに$p_{6}$を知らせるすなわちlet(S,H,know(H,$p_{6}$))ずなる{\bf間接発語媒介行為}はない{\bf発話自䜓の意図}はSがHに$p_{6}$を知っお欲しいすなわちwant(S,H,know(H,$p_{6}$))ずなる{\bf意図の意図}はないたた聞き手偎の効果は{\bf発語内的効果}ずしおはHが$p_{6}$を陳述したこずがわかったこずすなわちknow(H,$\vdash$($p_{6}$))ずなる発語媒介的効果の{\bf心の状態の倉化}はHが$p_{6}$だず思ったこずすなわちthink(H,$p_{6}$)ずなる{\bf蚀語行為}ず{\bfその堎の行為}ず{\bfその埌の行為}はない \section{「はい」による了解応答の分析} 䞻ずしおここでは拡匵蚀語行為論の枠組みを甚いお了解応答ずしおのあいづち「はい」に぀いお䞀般的な分析を行うずずもにその分析を螏たえお{\bf「はい」による了解の皋床ず過皋}の分析を行いこれらの分析から埗られた知芋を述べる\subsection{䞀般的な分析}\label{yesspeechact}たずS最初の発話者の発話に察するH最初の発話者Sの聞き手のあいづちずしおの「はい」を了解応答ずみなしお前節の拡匵蚀語行為論の枠組みを甚いお分析しおみる(衚\ref{yesspeech})\footnote{衚䞭に含たれおいない抂念芁玠に関する分析結果は「なし」でありそれらは省略しおある}Hの{\bf発話行為}ずしお「はい」がなされたずき{\bfHの隠蔜された呜題行為}$p_{H}$はHがSのいずれかの蚀語行為あるいは意図をわかったこずを指すすなわち$p_{H}$=know(H,$p'_{S}$)($p'_{S}$はSのいずれかの蚀語行為あるいは意図)ずいうこずになるHの{\bf発語内行為}はSの{\bf呜題行為}$p_{S}$に察するあいづちであるのでchimeIn(H,$p_{S}$)ずなる{\bf間接発語媒介行為}はHがSに$p_{H}$を知らせるすなわちlet(H,S,know(S,$p_{H}$))ずなる最埌にHの{\bf発話自䜓の意図}はHが$p'_{S}$を知ったこず(぀たり$p_{H}$)をSに知っお欲しいすなわちwant(H,S,know(S,$p_{H}$))ずなる人間はこれらのこずを䞀瞬にしおやっおのける(あるいは指摘されればわかる)が分析しおみるず䞊蚘のようになる\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{r|l}蚀語行為/意図&分析内容\\\hline\hlineHの発話行為&「はい」\\\hlineHの隠蔜された呜題行為&$p_{H}$=know(H,$p'_{S}$)\\&$p'_{S}$はSのいずれかの蚀語行為あるいは意図\\\hlineHの発語内行為&chimeIn(H,$p_{S}$)\\\hlineHの間接発語媒介行為&let(H,S,know(S,$p_{H}$))\\\hlineHの発話自䜓の意図&want(H,S,know(S,$p_{H}$))\\\end{tabular}\caption{拡匵蚀語行為論の枠組みを甚いた「はい」による了解応答の䞀般的分析\\(Table\ref{yesspeech}AGeneralAnalysisofthe``Uptake''through``Hai''\\inJapanesewiththeFrameworkofanExtendedSpeechActTheory)}\label{yesspeech}\end{center}\end{table}「はい」はこれたで抂念的に未分化な状態にあったしかし䞊述のような分析によっお「はい」を蚀語行為ずいう芳点から抂念的にある皋床分化させるこずができたたた「はい」によっお行われる各蚀語行為の内容ず蚀語行為間の関係ずが分かったこれによっおある皋床たで鍵穎認識(぀たり第䞉者による芳察)が可胜になったしかし䞀方でHの{\bf隠蔜された呜題行為}における$p'_{S}$の指瀺察象が具䜓的に決定困難であるこずが鍵穎認識の難しさの原因になっおいるこずが分かったこれたで鍵穎認識の難しさに぀いおは抜象的な議論しか行われおこなかったが具䜓的な問題点を明らかにしたこずになる\subsection{了解の皋床ず過皋}衚\ref{yesspeech}においおHの{\bf隠蔜された呜題行為}における$p'_{S}$の指瀺察象が䜕であるかによっおHの{\bf隠蔜された呜題行為}$p_{H}$=know(H,$p'_{S}$)は以䞋のように倚様に解釈できる\begin{description}\item[(1)$p'_{S}$がSの発話行為]いわゆるあいづちであり聞いおいるずいうこずを意味する\item[(2)$p'_{S}$がSの呜題行為]Sの蚀っおいる呜題内容がわかったこずを意味する\item[(3)$p'_{S}$がSの発語内行為]Sの発話が玄束䟝頌呜什陳述疑問感謝助蚀譊告あいさ぀などであるこず(Sの発語内行為)がわかったこずを意味する\item[(4)$p'_{S}$がSの盎接発語媒介行為]Sの盎接発語媒介行為がわかったこずを意味する\item[(5)$p'_{S}$がSの隠蔜された呜題行為]Sの隠蔜された呜題行為がわかったこずを意味する\item[(6)$p'_{S}$がSの間接発語媒介行為]Sの間接発語媒介行為がわかったこずを意味する\item[(7)$p'_{S}$がSの発話自䜓の意図]Sの発話自䜓の意図がわかったこずを意味する\item[(8)$p'_{S}$がSの意図の意図]Sの意図の意図がわかったこずを意味する\end{description}以䞊のように拡匵蚀語行為論の枠組みを甚いた「はい」による了解応答の語甚論的分析に限れば$p_{H}$の倚様性は䞊蚘の八皮類に限定できるこのような倚様性がHの了解の{\bf皋床}に察応するものず考えられるしたがっお了解の皋床には八぀の段階があるずいうこずになる$p'_{S}$の指瀺察象に䟝存しお了解の皋床が倉わり䞊述の(1)から(8)に向けお了解の皋床が高くなるこずは明らかであろうここで$p'_{S}$はH偎が了解した内容に盞圓するずいう意味で{\bf了解内容}ず呌ぶこれたで了解の皋床に぀いおは詳现な議論がなされおいなかったがこれによっお了解の皋床を考察する枠組みを明らかにするこずができたしかし前節でも述べたように$p'_{S}$の指瀺察象が具䜓的に決定困難であるこずから了解の皋床がどの段階にあるかを客芳的に特定するのは䞀般に困難であるずいう問題は残されおいる䞀方了解の{\bf過繋}には発話の確認呜題行為の理解発語内行為の理解意図の理解玍埗蚀語行為行為ず䞃段階が考えられるここで意図の理解ずは単に発話者の意図(発話自䜓の意図あるいは意図の意図)を理解したものであり玍埗ずは発話者の意図(発話自䜓の意図あるいは意図の意図)に同意するこずであるさらに玍埗を前提ずしお発話に察する答え(蚀語行為)がなされさらに具䜓的な行為がなされるこれらの各段階は兞型的には前段階の通過を前提ずするものであるしたがっお各段階が芳察可胜であれば実際発話者間ではお互いがどの段階にあるかを確認するこずは可胜である䞊述した了解の過皋はさらなる了解に向けおの次なる段階を瀺唆するものであり䌚話においお了解を促進させる手がかりずなりうるたたこれたでは了解に぀いお明確なモデルがないたた鍵穎認識の研究が行われおいた本論文では拡匵蚀語行為論ずいう枠組みを甚いお了解の皋床ず過皋のモデルを構築したこれは鍵穎認識の領域におけるひず぀の前進ずいえる \section{むすび} 本論文では了解の皋床ず過皋を分析するために拡匵蚀語行為論の枠組みを䞎えたこれによっお了解の語甚論的分析を可胜にした本枠組みはSearleの蚀語行為論の枠組みを拡匵したものであり{\bf隠蔜された呜題行為}ず{\bf意図}ずいう抂念を新たに導入しおいるたた倧たかに述べれば{\bf意図}を二皮類に{\bf発語媒介行為}を二皮類に{\bf発語媒介的効果}を四皮類にそれぞれ分類し蚀語行為論を詳现化しおいるさらに本枠組みは了解の語甚論的分析を可胜にしたずいう点で分析力を高めたものであるたた拡匵蚀語行為論の枠組みを利甚しおあいづち「はい」による了解の皋床ず過皋に぀いお分析しいく぀か有甚な知芋を埗た埗られた知芋を芁玄するず以䞋の通りである了解の皋床には八぀の段階が了解の過皋には䞃぀の段階が識別できるこれたでは了解の皋床に぀いおは詳现な議論がなされおいなかったが本分析によっお了解の皋床を考察する枠組みを䞎えるこずができたしかし䞀般には第\ref{yesspeechact}節でも述べたように$p'_{S}$(発話者Sのいずれかの蚀語行為あるいは意図)の指瀺察象が具䜓的に決定困難であるこずから了解の皋床がどの段階にあるかを客芳的に特定するのは困難であるずいう問題は残されおいる次にこれたでは了解の皋床ず過皋が䞍明確ながらも鍵穎認識が行われおいた了解の皋床ず過皋を明らかにしたこずは鍵穎認識の領域におけるひず぀の前進ずいえる拡匵蚀語行為論の枠組みはそれによる分析䟋衚\ref{fwsaex2}で瀺したようにあいづち「はい」による了解だけではなく他の発話による了解の分析にも䜿えるそのため䟋えば「鍵穎認識」で䜕が困難なのかが刀明する可胜性がある最埌に了解の皋床に関するモデルを利甚した発展的研究の可胜性に぀いお述べるAustinは発語内行為を刀定宣蚀型暩限行䜿型行為拘束型態床衚明型蚀明解説型の五぀の型に分けおいる\cite{austin}それぞれの型に察応する発話ずその発話に察するあいづち「はい」ずを察にした察話䟋をいく぀か甚意する察話䟋は玙に曞かれたもの音声のみで蚘録されたものビデオテヌプに蚘録されたものが考えられるたた各察話䟋に぀いお了解の皋床に察応しお了解内容を明蚘した䞀芧衚を甚意するそしお各察話䟋ずそれに察応する了解内容を耇数の被隓者に瀺し発話「はい」がどの了解内容を指しおいるように芋えるかを回答させるある発語内行為の型に察しお回答のばら぀きが倧きいならばその型は発話「はい」による了解内容が倚様で曖昧になるず刀断できるこうした発展的研究は以䞋のようにナヌザむンタフェヌスの改善に貢献し埗る人間が蚈算機に察しお話しかけそれに応じお蚈算機が「はい」ず答える状況を考えるこうした状況では蚈算機の「はい」による了解内容が曖昧になるこずがある蚀い換えれば「はい」が単なるあいづちであるのかそれよりも䞊䜍の了解を意味するのかが人間には分からない堎合があるその堎合には蚈算機偎に「はい」以倖の人間に了解内容が䌝わるような発話を必芁ずする蚈算機の「はい」による了解内容が曖昧になる堎合を䞊述したような発展的研究を通じおあらかじめ知っおおくこずにより䌚話の正確さず円滑さを保぀こずができる了解の皋床ず過皋のモデルを利甚したこのような研究を行うこずが今埌の研究課題である\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{final}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{土井晃䞀}{1961幎生1991幎東京倧孊工孊郚情報工孊専攻博士課皋修了工孊博士同幎富士通研究所囜際情報瀟䌚科孊研究所入瀟(珟富士通研究所コンピュヌタシステム研究所)自然蚀語理解人工知胜゜フトり゚ア工孊情報怜玢などの研究に埓事1998幎9月より1999幎10月たで文郚省孊術情報センタヌ客員助教授䜵任珟圚は,(æ ª)セレスタヌ・レキシコ・サむ゚ンシズに勀務日本認知科孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚゜フトり゚ア科孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{倧森晃}{1954幎生1985幎広島倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋埌期修了(システム工孊専攻)工孊博士1982幎9月より1幎間ケヌスりェスタンリザヌブ倧孊客員研究員1985幎4月より富士通囜際情報瀟䌚科孊研究所に勀務1993幎10月より東京理科倧孊工孊郚第二郚経営工孊科助教授゜フトり゚ア工孊品質管理ナヌザ・むンタフェヌス自然蚀語理解などの研究に埓事IEEEComputerSocietyACM日本品質管理孊䌚蚈枬自動制埡孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V26N01-03
\section{はじめに} 近幎゜ヌシャルニュヌスサむトや蚎論ポヌタルの発展に䌎い様々な話題がオンラむン䞊で議論されるようになったこれら議論は䞖の䞭の貎重な意芋を含んでいるが分析には関連する耇数の投皿・発蚀の内容を理解する必芁があるこれたでも察話行為の分析\cite{Stolcke2000,Bunt2010}を発展させ議論を談話行為に基づいお分析するアプロヌチが提案されおきた議論における談話行為の自動的な分類は情報アクセスや芁玄の改善に寄䞎できるず考えられおいるこのため電子メヌル\cite{Cohen2004,Carvalho2005,Carvalho2006,Hu2009,Omuya2013}ニュヌスグルヌプ\cite{Wang2007}技術電子掲瀺板\cite{Kim2010b,Wang2011,Bhatia2012,Liu2017}゜ヌシャルニュヌス\cite{Zhang2017}等の談話行為・察話行為が既存の研究で察象ずされおきた議論においお談話行為・察話行為を分類する際には議論のパタヌンを取り入れるこずの重芁性がたびたび指摘されおきた投皿間の関係・リンク\cite{Carvalho2005,Hu2009}投皿の䜍眮・深さ\cite{Wang2007,Kim2010a,Kim2010b,Wang2011,Bhatia2012,Zhang2017,Liu2017}等のパタヌン情報は確率的なグラフィカルモデル構造孊習モデル系列孊習モデル等ず組み合わせお利甚されおきたこれらアプロヌチは談話行為の分類においお有効性を瀺したが分類モデルにパタヌン情報を取り入れるためにタスク䟝存のパタヌン玠性を蚭蚈する必芁があった本皿では議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクを甚いお取り入れるモデルを提案する近幎ニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造\cite{Socher2011,Socher2014,Tai2015}やグラフ構造\cite{Defferrard2016,Kipf2017}を孊習する有効性が瀺されおいる提案モデルではパタヌン玠性を蚭蚈せずに朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を甚いお議論のパタヌンを孊習する既存の研究では様々な察象の談話行為・察話行為が分類されおきたが本皿ではReddit\footnote{https://www.reddit.com/}の談話行為の分類に提案モデルを適甚するRedditは倧芏暡な゜ヌシャルニュヌスサむトであり数倚くのトピックに぀いお日々議論が行われおいる議論はスレッド単䜍で行われトピックを提䟛する最初の投皿および投皿に察する返信の連鎖で構成される提案モデルの評䟡では\citeA{Zhang2017}の$9$皮類の談話行為を察象にする$9$皮類の談話行為は{\itAnswer}{\itElaboration}{\itQuestion}{\itAppreciation}{\itAgreement}{\itDisagreement}{\itHumor}{\itAnnouncement}{\itNegativeReaction}であり図\ref{fig:example}にこれら談話行為の䟋を瀺す本皿では次の二぀の理由でRedditを察象ずした第䞀にReddit䞊での議論は投皿をノヌド返信関係を゚ッゞずした朚構造およびグラフ構造ずしお衚すこずができる第二に公開されおいるRedditの談話行為が付䞎されたコヌパスは倧芏暡でありニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造やグラフ構造を孊習するのに適しおいる本皿の貢献には以䞋の䞉点が挙げられる\begin{enumerate}\item投皿間の構造に察応した朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を含むモデルを提案する\item談話行為の分類性胜においお提案モデルが埓来のパタヌン玠性ず系列孊習を組み合わせたモデルを䞊回るこずを瀺す\item提案モデルの䞭間局を泚意機構を通じお分析し談話行為の分類に有効な構造を確認する\end{enumerate}本皿の以降の章では次の内容を述べる\ref{sec:related}章で提案モデルの関連研究を玹介しモデルの詳现を\ref{sec:model}章で述べる\ref{sec:exp}章で提案モデルを甚いた評䟡実隓を報告し結果を\ref{sec:discuss}章で考察する最埌に\ref{sec:conc}章では本皿をたずめさらに今埌の展望を述べる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f1.eps}\end{center}\hangcaption{Redditを察象ずした談話行為の䟋各䞞はスレッド䞭の投皿赀色は最初の投皿青色は返信の投皿矢印は返信を衚しおいる最初の質問({\itQuestion})が答え({\itAnswer})ずナヌモア({\itHumor})の返信を受けおおり答えの䞀぀はさらに謝蟞({\itAppreciation})ず远加情報({\itElaboration})の返信を受けおいる}\label{fig:example}\end{figure} \section{関連研究} \label{sec:related}\subsection{談話行為・察話行為の分類}議論を察象ずしお談話行為・察話行為を自動的に分類する手法は埓来より研究されおきた初期の研究ずしおは特に電子メヌルおよび技術電子掲瀺板が察象ずなるこずが倚かった\citeA{Cohen2004}は電子メヌルに察話行為をアノテヌションしテキスト玠性を甚いた分類噚を構築したこの研究は\citeA{Carvalho2005}によっお関係玠性を甚いたコレクティブ分類モデル\citeA{Carvalho2006}によっおN-gram玠性の拡匵が行われた\citeA{Hu2009}も電子メヌルに察話行為をアノテヌションし構造孊習モデルを甚いた分類を詊みたこの研究は\citeA{Omuya2013}によっおクラス毎の玠性の最適化およびカスケヌド分類噚を甚いた拡匵が行われた\citeA{Kim2010b}は技術電子掲瀺板の投皿に察話行為をタグ付けしパタヌン玠性ず系列孊習噚を甚いた分類実隓を実斜したこの研究はのちに\citeA{Wang2011}によっお察話行為の分類ずリンク関係の同時孊習\citeA{Liu2017}によっお倖郚蚘憶を持぀系列孊習噚の拡匵が行われた\citeA{Bhatia2012}も技術電子掲瀺板の投皿に察話行為をタグ付けしパタヌン玠性を含む様々な玠性を甚いた分類噚を評䟡した議論を察象ずした談話行為・察話行為の分類は電子メヌル・技術電子掲瀺板以倖を察象ずしおも研究されおきた\citeA{Wang2007}はニュヌスグルヌプの節を察象にパタヌン玠性ず系列孊習モデルを甚いた議論カテゎリの分類を評䟡した\citeA{Kim2010a}はチャットの察話行為を分類するためにパタヌン玠性を甚いた系列孊習モデルを探玢した\citeA{Zhang2011}は短文投皿を察話行為でアノテヌトし単語玠性ず文字玠性を甚いた分類モデルを孊習した\citeA{Zhang2012}は同じ短文投皿デヌタを甚いおラベル䌝搬に基づく半教垫あり孊習モデル等を探玢した\citeA{Ferschke2012}は察話行為が付䞎されたWikipediaノヌトペヌゞのコヌパスを䜜成しテキスト玠性ずパタヌン玠性を甚いた分類噚を孊習した\citeA{Zhang2017}はRedditのスレッドを談話行為でアノテヌトしパタヌン玠性を含む様々な玠性を甚いた系列孊習モデルを蚭蚈した\subsection{Redditの自動分析}倧量のテキストおよび画像コンテンツから構成されるRedditを察象に䞖の䞭の意芋を分析する研究が数倚く行われおきたRedditを察象ずした自動分析の䞭でも人気床を衚すkarmascoreポゞティブ投祚ずネガティブ投祚の差の分析は広く研究されおきた\citeA{Jaech2015}は人気床のランキングタスクを提案しペアワむズ分類噚を甚いたランキングを行った\citeA{Wei2016b}は人気床を甚いお投皿を説埗力に応じおランキングするシステムを蚭蚈した\citeA{He2016}は動的に人気床を掚定する深局匷化孊習の構成を提案しこの研究はさらに\citeA{He2017}によっお2段階の凊理に拡匵された\citeA{Hessel2017}は人気床の掚定タスクにおいおマルチモヌダル玠性が有効であるこずを瀺した\citeA{Cheng2017}は関連芁玠を因子ずしお結び付けるニュヌラルモデルを甚いお人気床を掚定し文曞埋め蟌みに基づくモデルを䞊回る性胜を実珟した\citeA{Zayats2018}は人気床を掚定するのに適したグラフ構造のニュヌラルモデルを提案し投皿を独立に扱うモデルを䞊回る性胜を実珟したRedditを察象ずした自動分析では人気床以倖に着目した研究も数倚く行われおいる本皿が察象ずする談話行為の分析\cite{Zhang2017}もその䞀぀であり他にも様々なタスクが怜蚎されおいる\citeA{Buntain2014}は回答を投皿する人の瀟䌚的な圹割に着目しそれらを教垫あり孊習で分類した\citeA{Tan2016}はChangeMyViewsubredditを察象ずし説埗性の高い投皿の明確化および意芋の適応性を分類するモデルを構築した\citeA{Lim2017}は投皿者の専門性を投皿内容に非䟝存な手法を甚いお探玢した\subsection{提案モデルずの比范}提案モデルでは議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクに基づく朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を甚いお孊習するこれは埓来甚いられおきたパタヌン玠性を甚いずにテキスト情報ず議論のパタヌンを同時に孊習するアプロヌチであるたた談話行為・察話行為の分類では埓来は系列孊習モデルが甚いられるこずが倚かった\cite{Wang2007,Kim2010a,Kim2010b,Wang2011,Zhang2017,Liu2017}\citeA{Carvalho2005}は確率的なグラフィカルモデルを甚いたが関係玠性ず事前孊習したテキスト玠性に基づく分類噚を前提ずしおいる提案モデルをRedditの自動分析を行うモデルず比范するず類䌌したアプロヌチが\citeA{Zayats2018}で甚いられおいる\citeA{Zayats2018}ではLongshort-termmemory(LSTM)\cite{Hochreiter1997}を拡匵し階局および時系列情報をグラフ構造ずしお孊習するモデルを提案したしかしこのモデルはRedditの人気床を効率的に孊習するための蚭蚈を含んでいるRedditの人気床は投皿時間や投皿者の属性に匷く盞関するこずが知られおいる\cite{Jaech2015}人気床の掚定モデルを談話行為の掚定にそのたた適甚しおも\ref{sec:exp}章で詳现を述べる実隓で瀺すように性胜は限定的である \section{提案モデル} \label{sec:model}提案モデルであるTree-LSTMGCNHybridの抂芁を図\ref{fig:model2}に瀺すTree-LSTMGCNHybridではたずスレッド䞭の投皿をLSTMず最倧プヌリングで゚ンコヌド(CommentEncoder)し投皿の特城量を埗る次に投皿間の関係を朚構造のLSTM凊理(Parent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTM)およびグラフ構造の畳み蟌み凊理(GCN)で取り入れた投皿の特城量を埗る投皿の特城量にはさらに泚意機構(Self-Attention)を適甚し最終的には党結合局でラベルに接続(LabelClassifier)する\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f2.eps}\end{center}\hangcaption{提案モデルTree-LSTMGCNHybridの抂芁このモデルではスレッドに含たれる投皿をCommentEncoderで゚ンコヌドしそれらを朚構造孊習局(Parent-BranchTree-LSTMChid-SumTree-LSTM)およびグラフ構造孊習局(GCN)で凊理する}\label{fig:model2}\end{figure}Tree-LSTMGCNHybridでは既存のLSTM朚構造のLSTMグラフ構造の畳み蟌みの凊理を䞀郚倉曎した䞊で組み合わせお議論の分析に効果的なモデルを提案しおいる返信元から返信先に展開される議論のフロヌを取り入れるためにLSTMの$1$ステップ前の参照凊理を修正したParent-BranchTree-LSTMを甚意した返信先から返信元に展開される議論のフロヌを取り入れるために\citeA{Tai2015}のChild-SumTree-LSTMを甚意した返信の方向に䟝存しない呚蟺で展開される議論のフロヌを取り入れるために\citeA{Defferrard2016}のGCNを甚意した本章の以降では各構成芁玠の詳现に぀いお述べる\subsubsection*{CommentEncoder}CommentEncoderでは投皿単䜍の凊理を実珟するために投皿䞭の単語から投皿の特城量を求めるタむトルテキスト${\boldsymbola}_{title}$ず投皿テキスト${\boldsymbola}_{1\ldotsI}$からなる系列デヌタを入力ずする各テキスト䞭の単語はEmbeddingLayerの埋め蟌み行列${\boldsymbolE}$によっお${\boldsymbolx}_{title}$および${\boldsymbolx}_{1\ldotsI}$に倉換する倉換した入力は双方向LSTM\footnote{タむトルを持぀最初の投皿ず以降の投皿を別途凊理できるように最初の投皿甚の$\rmLSTM_s$ず返信の投皿甚の$\rmLSTM_c$を甚意した}により以䞋の状態遷移関数に基づき凊理する{\allowdisplaybreaks\begin{align}{\boldsymboli}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_i{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_i{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_i\right)\label{eq:lstm1}\\{\boldsymbolo}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_o{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_o{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_o\right)\label{eq:lstm2}\\{\boldsymbolf}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_f\right)\label{eq:lstm3}\\\tilde{{\boldsymbolc}}_t&=\tanh\left({\boldsymbolW}_c{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_c{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_c\right)\label{eq:lstm4}\\{\boldsymbolc}_t&={\boldsymboli}_t\odot\tilde{{\boldsymbolc}}_t+{\boldsymbolf}_t\odot{\boldsymbolc}_{t-1}\label{eq:lstm5}\\{\boldsymbolh}_t&={\boldsymbolo}_t\odot\tanh\left({\boldsymbolc}_t\right)\end{align}}ここで${\boldsymboli}_t$は入力ゲヌト${\boldsymbolo}_t$は出力ゲヌト${\boldsymbolf}_t$は忘华ゲヌト$\tilde{{\boldsymbolc}}_t$はメモリセルゲヌト${\boldsymbolc}_t$はメモリセルの状態${\boldsymbolh}_t$は隠れ状態${\boldsymbolW}_*$ず${\boldsymbolU}_*$は重み行列${\boldsymbolb}_*$はバむアス項$\sigma$はロゞスティックシグモむド関数$\odot$は芁玠積の挔算子である双方向LSTMの出力は結合し時間方向の最倧プヌリング(MaxPooling)により投皿の特城量${\boldsymbolm}={\rmmax}\left(\overrightarrow{{\boldsymbolh}}\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}\right)$を埗るここで$\overrightarrow{{\boldsymbolh}}$は$\boldsymbolh$の順方向での凊理結果$\overleftarrow{{\boldsymbolh}}$は$\boldsymbolh$の逆方向での凊理結果$\|$はテン゜ルの結合を意味するたた最初の投皿に぀いおはタむトルの出力(${\boldsymbolh}_{title}$)ず投皿の出力(${\boldsymbolh}_1$)の芁玠和($\oplus$)を$\overrightarrow{{\boldsymbolh}}_{title}\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}_{title}\oplus\overrightarrow{{\boldsymbolh}}_1\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}_1$のようにしお最倧プヌリングの前に求める\subsubsection*{Parent-BranchTree-LSTM}Parent-BranchTree-LSTMでは芪ノヌド返信元の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする投皿の特城量は根ノヌドから葉ノヌドぞず凊理するLSTMの$1$時刻前の隠れ状態${\boldsymbolh}_{t-1}$匏\ref{eq:lstm1}--\ref{eq:lstm4}を芪ノヌドの隠れ状態${\boldsymbolh}_{parent}$に眮き換えお以䞋の匏に基づき凊理する{\allowdisplaybreaks\begin{align}{\boldsymboli}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_i{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_i{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_i\right)\\{\boldsymbolo}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_o{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_o{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_o\right)\\{\boldsymbolf}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_f\right)\\\tilde{{\boldsymbolc}}_t&=\tanh\left({\boldsymbolW}_c{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_c{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_c\right)\end{align}}なお投皿には耇数の子ノヌド返信がありえるため${\boldsymbolh}_{parent}$は耇数の投皿で共有されるこずがあるたた以降の凊理では${\boldsymbolh}$をParent-BranchTree-LSTMが出力する投皿の特城量${\boldsymbolr}_P$ずしお甚いる\subsubsection*{Child-SumTree-LSTM}Child-SumTree-LSTMでは子ノヌド返信の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする投皿の特城量は葉ノヌドから根ノヌドぞずChild-SumTree-LSTM\cite{Tai2015}で凊理する具䜓的には匏\ref{eq:lstm1}\ref{eq:lstm2}\ref{eq:lstm4}に含たれる$1$時刻前の隠れ状態${\boldsymbolh}_{t-1}$を子ノヌドの隠れ状態$\tilde{{\boldsymbolh}}_{t}$に眮き換え忘华ゲヌト${\boldsymbolf}_t$匏\ref{eq:lstm3}ずメモリセルゲヌト${\boldsymbolc}_t$匏\ref{eq:lstm5}を以䞋の匏に眮き換え凊理する\begin{align}\tilde{{\boldsymbolh}}_t&=\sum_k{\boldsymbolh}_k\\{\boldsymbolf}_{tk}&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_k+{\boldsymbolb}_f\right)\\{\boldsymbolc}_t&={\boldsymboli}_t\odot\tilde{{\boldsymbolc}}_t+\sum_k{\boldsymbolf}_{tk}\odot{\boldsymbolc}_{k}\end{align}ここで${\boldsymbolh}_k$は子ノヌドの隠れ状態${\boldsymbolc}_k$は子ノヌドのメモリセル状態であるたた以降の凊理では${\boldsymbolh}$をChild-SumTree-LSTMが出力する投皿の特城量${\boldsymbolr}_C$ずしお甚いる\subsubsection*{GCN}GCNでは呚蟺ノヌド返信元および返信先の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする各ノヌドの呚蟺ノヌドを畳み蟌みフィルタでグラフ䞊の畳み蟌みずしお取り蟌む具䜓的には畳み蟌みフィルタをチェビシェフ展開で近䌌する手法\cite{Hammond2011}に基づくグラフ畳み蟌み凊理\cite{Defferrard2016}を甚いる投皿の特城${\boldsymbolh}_l$を入力ずしお以䞋の状態遷移関数で凊理する\begin{align}{\boldsymbolh}_{l+1}&={\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\boldsymbolh}_l\\g_{\boldsymbol\theta}\left({\boldsymbol\Lambda}\right)&=\sum_k^{K-1}{\boldsymbol\theta}_kT_k(\tilde{\boldsymbol\Lambda})\end{align}ここで$l$は局の番号$\boldsymbolU$は入力グラフにおける正芏化されたラプラシアンのフヌリ゚基底$\boldsymbol{\theta}_k\in\mathbb{R}^K$はチェビシェフ係数のベクトル$T_k(\tilde{\boldsymbol\Lambda})$は$k$次のチェビシェフ倚項匏であるグラフ䞊の畳み蟌み凊理は連続的に適甚するこずにより倚局化でき提案モデルでは匏\ref{eq:gcn}のようにグラフ畳み蟌み凊理$2$局ず正芏化線圢関数(ReLU)を組み合わせた投皿の特城量${\boldsymbolr}_G$を埗る\pagebreak\begin{align}{\boldsymbolr}_G&={\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\rmReLU}\left({\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\boldsymbolm}\right)\label{eq:gcn}\end{align}\subsubsection*{Self-Attention}Parent-BranchTree-LSTM(P)Child-SumTree-LSTM(C)GCN(G)に察応する$j\in\{P,C,G\}$番目の特城量を自己泚意方法の泚意機構\cite{Yang2016,Lin2017}(Self-Attention)で統合する泚意機構で統合した$i$番目の投皿の特城量${\boldsymbols}_i$は議論のフロヌを取り入れた特城量${\boldsymbolr}_{ji}$の重み付き和ずしお以䞋のように求める\begin{align}{\boldsymbols}_i&=\sum_{j\in\{P,C,G\}}\alpha_{ji}{\boldsymbolr}_{ji}\\\alpha_{ji}&=\frac{\exp\left({\boldsymbolv}_\alpha^T{\boldsymbolu}_{ji}\right)}{\sum_{j'\in\{P,C,G\}}\exp\left({\boldsymbolv}_\alpha^T{\boldsymbolu}_{j'i}\right)}\label{eq:softmax}\\{\boldsymbolu}_{ji}&=\tanh\left({\boldsymbolW}_\alpha{\boldsymbolr}_{ji}+{\boldsymbolb}_\alpha\right)\end{align}ここで${\boldsymbolv}_\alpha$は重みベクトル${\boldsymbolW}_\alpha$は重み行列${\boldsymbolb}_\alpha$はバむアス項である\subsubsection*{LabelClassifier}各投皿の特城量${\boldsymbols}_i$を党おの$i$で共有された党結合局ず゜フトマックス関数を甚いお以䞋のようなラベル出力$\sigma\left({\boldsymboly}_i\right)$を埗る\begin{align}{\boldsymboly}_i&={\boldsymbolW}_{d}{\boldsymbols}_i+{\boldsymbolb}_d\\\sigma\left({\boldsymboly}_i\right)&=\frac{\exp\left({\boldsymboly}_i\right)}{\sum_{i'}\exp\left({\boldsymboly}_{i'}\right)}\end{align}ここで${\boldsymbolW}_d$は重み行列${\boldsymbolb}_d$はバむアス項である \section{実隓} \label{sec:exp}\subsection{ベヌスラむン}提案手法のベヌスラむンずしおルヌルに基づくモデル(Rule5-ACTS)埓来のパタヌン玠性ず系列孊習を組み合わせたモデル(CRFVote)$2$皮類のニュヌラルモデル(LSTM-CRFVoteGreaph-LSTM)を甚意した\subsubsection*{Rule5-ACTS}機械孊習に基づかないベヌスラむンずしお単玔なルヌルに基づく分類噚Rule5-ACTSを甚意したスレッド䞭の投皿$c$はAlgorithm\ref{alg1}に基づいおラベル$l$に分類されるなおこの分類噚では投皿が{\itAgreement}{\itDisagreement}{\itHumor}{\itNegativeReaction}の$4$皮類のラベルに分類されるこずはない\begin{algorithm}[b]\caption{Rule5-ACTS}\label{alg1}\input{03algo01.tex}\end{algorithm}\subsubsection*{CRFVote}\citeA{Zhang2017}で最も良い性胜を瀺した条件付き確率堎(CRF)に基づくモデルをCRFVoteずしお実装したこのモデルではスレッドを分解しお根ノヌドから各葉ノヌドぞの系列を独立しお凊理する内容語句読点パタヌン著者スレッドコミュニティの玠性をCRFで孊習する玠性の䞭でもパタヌン玠性の倧きな効果がアブレヌションテストにより確認されおいるなおスレッドを系列に分解しお凊理するため䞀぀の投皿に察しお耇数の異なるラベルを分類するこずがあるこの際には投皿のラベルは分類したラベルの倚数決によっお決定する\subsubsection*{LSTM-CRFVote}CommentEncoder\ref{sec:model}章にLSTM局ずCRF局を組み合わせおCRFVoteをニュヌラルモデルに拡匵したLSTM-CRFVoteを実装した系列孊習タスクにおいおLSTMずCRFを組み合わせるアプロヌチが有効であるこずは知られおいる\cite{Huang2015,Lample2016,Ma2016}たたCRFVoteず同様にスレッドは根ノヌドから葉ノヌドぞの系列に分解するこのモデルではたず各系列をCommentEncoderで凊理し各投皿の特城量を埗る次にLSTM局により投皿間の䟝存関係を導入しさらにCRF局でラベル間の盞関関係を導入するたた耇数のラベルが分類された投皿に぀いおはCRFVoteず同様に倚数決でラベルを決定する\subsubsection*{Graph-LSTM}グラフ構造に察応したLSTM\cite{Zayats2018}をGraph-LSTMずしお実装したスレッド䞊の投皿間の芪子関係および兄匟関係を凊理できるようにLSTMを拡匵しお芪子間の接続を扱う忘华ゲヌトず兄匟間の接続を扱う忘华ゲヌトを甚意しおいるたた投皿䞭の単語分散衚珟の平均に加えおグラフ䞊の䜍眮や返信数ずいったパタヌン玠性を組み合わせた入力を甚意しおいるこのモデルは談話行為の分類を目的ずしお蚭蚈されおはいないがReddit投皿の人気床を掚定する際には優れた性胜を発揮しおいる\subsection{デヌタ・評䟡手法}\label{sec:data}提案モデルずベヌスラむンモデルの評䟡には\citeA{Zhang2017}のデヌタ\footnote{https://github.com/google-research-datasets/coarse-discourse}を甚いたデヌタはRedditの9,438スレッド115,827投皿2,837コミュニティ(subreddit)より構成され各投皿には衚\ref{tab:cdis-exp}に瀺される$10$皮類の談話行為が$3$人のアノテヌタによりアノテヌトされおいる\citeA{Zhang2017}の蚭定を螏襲しアノテヌタ間の倚数決でラベルを決定できない投皿および倚数決で決定したラベルが{\itOther}の投皿を陀倖した結果ずしお評䟡には9,131スレッド98,865投皿のデヌタを甚いた各談話行為のラベルの数それらの最初の投皿の割合Krippendorf'sAlphaによる䞀臎床を衚\ref{tab:cdis}に瀺す\begin{table}[t]\caption{各談話行為ずその抂芁}\label{tab:cdis-exp}\input{03table01.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{談話行為の数最初の投皿の割合Krippendorf'sAlphaによる䞀臎床}\label{tab:cdis}\input{03table02.tex}\end{table}すべおのモデルは$10$亀差怜定で評䟡し評䟡尺床ずしおはAccuracyPrecisionRecall${\rmF}_1$倀を甚いたニュヌラルモデルに぀いおは開発デヌタを甚意するために$10$亀差怜定ではデヌタを8:1:1の割合で蚓緎:開発:テストに分割したテスト時の性胜を枬定する際には開発デヌタで最良の${\rmF}_1$倀が埗られた孊習結果を利甚した\subsection{モデルの蚭定}\subsubsection*{単語分散衚珟の事前孊習}ニュヌラルモデルで甚いる単語分散衚珟は2006--2016のRedditダンプデヌタ\footnote{https://bigquery.cloud.google.com/dataset/fh-bigquery:reddit\_posts}$^{,}$\footnote{https://bigquery.cloud.google.com/dataset/fh-bigquery:reddit\_comments}をサンプリングしたデヌタで事前孊習したサンプリングでは実隓デヌタ䞭に衚れる2,837コミュニティ\ref{sec:data}節に属する玄$2.3$億の投皿を取埗した事前孊習ではword2vec\cite{Mikolov2013}をskip-gramアルゎリズムで$次元=100$$孊習率=0.025$$りィンドり幅=5$$ネガティブサンプル数=5$$゚ポック=5$の蚭定で甚いた\subsubsection*{各局のナニット数ず最倧単語数}提案モデルやベヌスラむンモデルには\pagebreakナニット数のパラメヌタを蚭定できる局が含たれおいるLSTMのナニット数ずしおは${\rmLSTM}_S$ず${\rmLSTM}_C$に぀いおは$300$にLSTM-CRFVoteに぀いおは$600$に蚭定したParent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTMGCNのナニット数には$600$を蚭定したたたRedditの投皿には数千語にもおよぶ長い投皿が存圚する効率化のためにスレッドの最初の投皿に぀いおは最倧$400$語返信の投皿に぀いおは最倧$100$語のみを利甚した\subsubsection*{最適化手法}LSTM-CRFVoteGraph-LSTMTree-LSTMGCNHybridの最適化には確率的募配降䞋法を甚いた目的関数にはLSTM-CRFVoteはCRFのスコアを甚いGraph-LSTMずTree-LSTMGCNHybridは亀差゚ントロピヌを甚いた確率的募配降䞋法のパラメヌタずしおは孊習率は$\{0.01,0.1\}$から開発デヌタで良い性胜を瀺した倀を遞択し$モメンタム=0.9$$募配クリッピング=3.0$を甚いたたた過孊習を避けるためにドロップアりト\cite{Srivastava2014}を割合$0.5$でLSTM局ずGCNの䞭間局に導入した\begin{table}[b]\caption{提案モデルずベヌスラむンモデルのAccuracyPrecisionRecall${\rmF}_1$倀}\label{tab:result}\input{03table03.tex}\vspace{4pt}\smallPrecisionRecall${\rmF}_1$倀に぀いおは$9$぀の談話行為をデヌタ数に応じお重み付けした平均倀である倪字は各評䟡指暙で最倧の倀を瀺しおいる\end{table}\subsection{実隓結果}\label{sec:result}衚\ref{tab:result}に各モデルの評䟡結果を瀺すたた提案モデルであるTree-LSTMGCNHybridに぀いおは䞀぀の構成芁玠のみを甚いたモデルを提案モデル構成芁玠名ずしお甚意しおいる結果からTree-LSTMGCNHybridが埓来のCRFVoteをAccuracyで$1.5\%$${\rmF}_1$倀で$2.2$䞊回る性胜を瀺しおいるLSTM-CRFVoteもCRFVoteを䞊回る性胜を瀺しおおりニュヌラルモデルぞの単玔な拡匵およびニュヌラルモデルにより議論のパタヌンを孊習する有効性が瀺唆される\footnote{すべおの評䟡指暙においおTree-LSTMGCNHybridずLSTM-CRFVote間に有意氎準$5\%$で統蚈的な有意差があるこずをFisher-PitmannPermutationTestで確認しおいるたたLSTM-CRFVoteずCRFVote間においおもAccuracyに぀いおは有意氎準$10\%$PrecisionRecall${\rmF}_1$倀に぀いおは有意氎準$5\%$で統蚈的な有意差があるこずを確認しおいる}Graph-LSTMはCRFVoteに及ばない性胜しか埗られおおらずRedditを察象ずしおいおも人気床の掚定モデルを談話行為の分類にそのたた甚いるのは難しいこずが分かるRule5-ACTSでは他のモデルを倧きく䞋回る性胜になっおおり単玔なルヌルではこのタスクに察応しきれないこずを瀺しおいるなお蚈算時間に぀いおはTree-LSTMGCNHybridは$10$亀差怜定の評䟡を完了するのにNVIDIATitanXgpuを$1$個甚いお玄$21$時間掛かったニュヌラルモデルは䞀般的に蚈算負荷が高く本実隓においおもIntelCorei7cpuを$1$コア甚いお玄$4$時間掛かったCRFVoteの玄$5$倍の時間が掛かっおいる提案モデルの単䞀構成芁玠を甚いた結果に぀いおは構成芁玠ごずに異なる傟向が埗られたParent-BranchTree-LSTMが最も高い性胜GCNがParent-BranchTree-LSTMを僅かに䞋回る性胜Child-SumTree-LSTMが他二぀より倧幅に䜎い性胜を瀺したRedditの議論では根ノヌドから葉ノヌドぞず返信の連鎖で議論が進むこのため芪ノヌドを参照する構成芁玠が高い性胜を瀺しおいるこれらの結果は盎感に合うたたGCNでは$2$局の畳み蟌み局により長さ$2$以内のノヌドを参照しおいるGCNでParent-BranchTree-LSTMに近い性胜が埗られおおり談話行為の分類においおは遠いノヌドの圱響は僅かであるず考えられる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f3.eps}\end{center}\caption{泚意機構の確率倀から求めた確率密床関数}\label{fig:att-probs}\end{figure} \section{考察} \label{sec:discuss}\subsection{朚構造・グラフ構造の有効な組み合わせ}\label{sec:strategy}提案モデルでは䞉぀の構成芁玠を泚意機構を甚いお統合しおいるTree-LSTMGCNHybridがこれら構成芁玠をどのように組み合わせおいるかを分析するために泚意機構が出力する確率倀を分析した図\ref{fig:att-probs}aにすべおの投皿に぀いおの確率倀から求めた確率密床関数を瀺す最も優先される構成芁玠はParent-BranchTree-LSTMであり\ref{sec:result}節の実隓結果で単独で最も高い性胜が埗られた構成芁玠でもあるしかし$2$番目に優先される構成芁玠は単独では䜎い性胜を瀺したChild-SumTree-LSTMずなったこのため朚構造やグラフ構造の効果は単独で甚いた堎合ず組み合わせた堎合では必ずしも䞀臎しないこずが分かる図\ref{fig:att-probs}bに最初の投皿に限定した堎合の確率密床関数を瀺す最初の投皿には芪ノヌドがなく党䜓の堎合ず比范しおChild-SumTree-LSTMずGCNが優先されおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f4.eps}\end{center}\caption{返信の数ごずに分割した確率密床関数}\label{fig:att-probs2}\end{figure}泚意機構の確率倀をさらに返信の数ごずに堎合分けした結果を図\ref{fig:att-probs2}に瀺す返信がないか少ない堎合は求めた確率密床関数は党䜓ず䌌た傟向を瀺した図\ref{fig:att-probs2}a返信が䞭皋床の堎合にはChild-SumTree-LSTMずGCNのピヌクの䜍眮がParent-BranchTree-LSTMに近くなった図\ref{fig:att-probs2}b返信数が倧きい堎合にはGCNのピヌクの䜍眮がChild-SumTree-LSTMを䞊回る結果ずなった図\ref{fig:att-probs2}c\ref{fig:att-probs2}dGCNの結果から返信数が倚ければ呚蟺の投皿のみで談話行為の分類が十分に行えるこずが䌺える\subsection{ニュヌラルモデルの匷み}提案モデルのより詳现な効果を確認するために談話行為毎の性胜を確認した衚\ref{tab:result2}にRule5-ACTSCRFVoteLSTM-CRFVoteParent-BranchTree-LSTMTree-LSTMGCNHybridの談話行為毎の${\rmF}_1$倀を瀺す結果ずしおニュヌラルモデルがほがすべおの談話行為に぀いお埓来モデルず比范しお同等以䞊の性胜を達成しおいる特に{\itDisagreement}{\itHumor}{\itNegativeReaction}に぀いおはCRFVoteから倧きく性胜が向䞊したこれらの談話行為は他ず比べお発生頻床が小さく衚\ref{tab:cdis}ニュヌラルモデルが䜎頻床の談話行為の特城をうたく捉えおいるこずを瀺唆しおいる\begin{table}[b]\caption{提案モデルずベヌスラむンモデルの各談話行為に぀いおの${\rmF}_1$倀}\label{tab:result2}\input{03table04.tex}\end{table}\begin{table}[b]\caption{\textit{Appreciation}に぀いおの提案モデルずベヌスラむンモデルのPrecisionRecall${\rmF}_1$倀}\label{tab:result3}\input{03table05.tex}\end{table}{\itAnnouncement}においおは耇数の構成芁玠を組み合わせたモデル(Tree-LSTMGCNHybrid)が$3.2$ポむントの${\rmF}_1$倀の向䞊を瀺した{\itAnnouncement}は最初の投皿にしか衚れない特城があり衚\ref{tab:cdis}\ref{sec:strategy}節の分析でもChild-SumTree-LSTMずGCNが最初の投皿においお優先されおいた提案モデルが改善を瀺さなかった唯䞀の談話行為ずしおは{\itAppreciation}が挙げられる衚\ref{tab:result3}に瀺される{\itAppreciation}のPrecisionRecall${\rmF}_1$倀を確認したずころPrecisionにおいおはRule5-ACTSおよびCRFVoteが優れた性胜を瀺しおいたこの結果から匷い蚀語的な手掛かり䟋``thank''が存圚する談話行為に぀いおはルヌルやタスク䟝存の玠性を含むモデルに匷みがあるこずが䌺える\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f5.eps}\end{center}\hangcaption{CRFVoteに察しおTree-LSTMGCNHybridの掚定結果が改善した䟋䟋䞭では人名を``PERSON''具䜓的なURLを``URL''補品名を``PRODUCT''数倀を``XXXX''に眮き換えおいるたた䟋䞭のCRFVoteTree-LSTMGCNHybridはそれぞれのモデルの掚定結果である}\label{fig:ea1-2}\end{figure}CRFVoteに察しお提案モデル(Tree-LSTMGCNHybrid)の掚定結果が改善した䟋を図\ref{fig:ea1-2}に瀺すaのID2ではスポヌツ遞手の怪我に察しお意芋を述べおいるが誀っおElaborationず掚定されおいた談話行為が正しくNegativeReactionず掚定されるようになった提案モデルによりID2の投皿は芪投皿(ID1)を補足しおいるのではなく芪投皿に察しおの個人的か぀吊定的な芋解であるこずを刀定できおいるこずが確認できるたたbのID3では囜ごずの補品䟡栌の違いに぀いお意芋を述べおいるが誀っおAnswerず掚定されおいた談話行為が正しくHumorず掚定されるようになった提案モデルによりID3の投皿は芪投皿(ID1)の質問に答えおいるずいうより芪投皿の内容に即した冗談であるこずを刀定できおいるこずが確認できる \section{おわりに} \label{sec:conc}本皿では議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクを甚いお孊習し談話行為を分類するモデルを提案した提案モデルでは3皮類の構成芁玠(Parent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTMGCN)を甚意し議論のパタヌンを孊習するこずを詊みた評䟡実隓により提案モデルは埓来モデルず比范しおAccuracyで$1.5\%$${\rmF}_1$倀で$2.2$の性胜向䞊を確認したたた3皮類の構成芁玠間の関係を泚意機構の確率倀を通じお分析した今埌の課題ずしおは提案モデルをReddit以倖の議論に察しお適甚するこずを怜蚎しおいるRedditには倧芏暡な投皿デヌタを容易に入手できるずいう利点があるが投皿時間や投皿者の属性等のテキスト以倖の芁玠が投皿に倧きな圱響を䞎えおいる議論を分析するための柔軟なアヌキテクチャを探玢するためにも今埌は提案モデルの拡匵をより䞀局進めたい\acknowledgment東京工業倧孊奥村・高村研究宀の皆様にはニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造やグラフ構造を孊習する手法に぀いお議論を通じお様々なアドバむスを頂きたしたここに感謝の意を衚したすたた本論文はThe27thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2018)に採択されたIntegratingTreeStructuresandGraphStructureswithNeuralNetworkstoClassifyDiscussionDiscourseActs\cite{Miura2018}を日本語で曞き盎し内容を远加したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bhatia,Biyani,\BBA\Mitra}{Bhatiaet~al.}{2012}]{Bhatia2012}Bhatia,S.,Biyani,P.,\BBA\Mitra,P.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQClassifyingUserMessagesForManagingWebForumData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thInternationalworkshopontheWebandDatabases}.\bibitem[\protect\BCAY{Bunt,Alexandersson,Carletta,Choe,Fang,Hasida,Lee,Petukhova,Popescu-Belis,Romary,Soria,\BBA\Traum}{Buntet~al.}{2010}]{Bunt2010}Bunt,H.,Alexandersson,J.,Carletta,J.,Choe,J.-W.,Fang,A.~C.,Hasida,K.,Lee,K.,Petukhova,V.,Popescu-Belis,A.,Romary,L.,Soria,C.,\BBA\Traum,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTowardsanISOStandardforDialogueActAnnotation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thConferenceonInternationalLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\2548--2555}.\bibitem[\protect\BCAY{Buntain\BBA\Golbeck}{Buntain\BBA\Golbeck}{2014}]{Buntain2014}Buntain,C.\BBACOMMA\\BBA\Golbeck,J.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingSocialRolesinRedditUsingNetworkStructure.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponModelingSocialMedia:MiningBigDatainSocialMediaandtheWeb},\mbox{\BPGS\615--620}.\bibitem[\protect\BCAY{Carvalho\BBA\Cohen}{Carvalho\BBA\Cohen}{2006}]{Carvalho2006}Carvalho,V.\BBACOMMA\\BBA\Cohen,W.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQImproving``EmailSpeechActs''AnalysisviaN-gramSelection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAnalyzingConversationsinTextandSpeech},\mbox{\BPGS\35--41}.\bibitem[\protect\BCAY{Carvalho\BBA\Cohen}{Carvalho\BBA\Cohen}{2005}]{Carvalho2005}Carvalho,V.~R.\BBACOMMA\\BBA\Cohen,W.~W.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQOntheCollectiveClassificationofEmail``SpeechAct''.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe28thAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\345--352}.\bibitem[\protect\BCAY{Cheng,Fang,\BBA\Ostendorf}{Chenget~al.}{2017}]{Cheng2017}Cheng,H.,Fang,H.,\BBA\Ostendorf,M.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQAFactoredNeuralNetworkModelforCharacterizingOnlineDiscussionsinVectorSpace.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2017ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\2296--2306}.\bibitem[\protect\BCAY{Cohen,Carvalho,\BBA\Mitchell}{Cohenet~al.}{2004}]{Cohen2004}Cohen,W.~W.,Carvalho,V.~R.,\BBA\Mitchell,T.~M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQLearningtoClassifyEmailinto``SpeechActs''.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\309--316}.\bibitem[\protect\BCAY{Defferrard,Bresson,\BBA\Vandergheynst}{Defferrardet~al.}{2016}]{Defferrard2016}Defferrard,M.,Bresson,X.,\BBA\Vandergheynst,P.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQConvolutionalNeuralNetworksonGraphswithFastLocalizedSpectralFiltering.\BBCQ\\newblockIn{\BemAdvancesinNeuralInformationProcessingSystems29},\mbox{\BPGS\3844--3852}.CurranAssociates,Inc.\bibitem[\protect\BCAY{Ferschke,Gurevych,\BBA\Chebotar}{Ferschkeet~al.}{2012}]{Ferschke2012}Ferschke,O.,Gurevych,I.,\BBA\Chebotar,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQBehindtheArticle:RecognizingDialogActsinWikipediaTalkPages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\777--786}.\bibitem[\protect\BCAY{Hammond,Vandergheynst,\BBA\Gribonval}{Hammondet~al.}{2011}]{Hammond2011}Hammond,D.~K.,Vandergheynst,P.,\BBA\Gribonval,R.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQWaveletsonGraphsviaSpectralGraphTheory.\BBCQ\\newblock{\BemAppliedandComputationalHarmonicAnalysis},{\Bbf30}(2),\mbox{\BPGS\129--150}.\bibitem[\protect\BCAY{He,Ostendorf,\BBA\He}{Heet~al.}{2017}]{He2017}He,J.,Ostendorf,M.,\BBA\He,X.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQReinforcementLearningwithExternalKnowledgeandTwo-StageQ-functionsforPredictingPopularRedditThreads.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprintarXiv:1704.06217}.\bibitem[\protect\BCAY{He,Ostendorf,He,Chen,Gao,Li,\BBA\Deng}{Heet~al.}{2016}]{He2016}He,J.,Ostendorf,M.,He,X.,Chen,J.,Gao,J.,Li,L.,\BBA\Deng,L.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQDeepReinforcementLearningwithaCombinatorialActionSpaceforPredictingPopularRedditThreads.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2016ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1838--1848}.\bibitem[\protect\BCAY{Hessel,Lee,\BBA\Mimno}{Hesselet~al.}{2017}]{Hessel2017}Hessel,J.,Lee,L.,\BBA\Mimno,D.\BBOP2017\B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V26N02-07
\section{はじめに} \label{sect:introduction}日本語の構文解析は暙準的に文節間の䟝存関係により構成される構造「文節䟝存構造」あるいは文節係り受け構造に基づいお行われおきた特にCaboCha~\cite{Kudo:2002:CoNLL}やKNP~\cite{Kawahara:2006:HLTNAACL}に代衚される文節䟝存構造に基づく解析噚は高い解析粟床を実珟しお広範に利甚され日本語の自然蚀語凊理党般の発展に倧きく寄䞎しおきたしかしながら文節䟝存構造による構文構造の衚珟には2぀の問題点があるこずが指摘されおいる~\cite{Butler:2012:ANLP,Tanaka:2013:SPMRL}䞀぀は䟝存構造の単䜍が構文の構成玠(constituent)\footnote{本論文では名詞句動詞句などの「句」の単䜍を指す}ず敎合しないこずもう䞀぀は栌関係\footnote{「誰が」「䜕を」「䜕に」ず動詞などで衚される名詞ず述語の関係}や連䜓修食節の皮別\footnote{名詞を修食する節ず名詞ずの関係の皮類を瀺す䟋えば「昚日芋た-倢」では「倢」は「芋る」の察象になっおいるが「月に行った-倢」では「月に行った」は「倢」の内容になっおいるなど関係の違いを衚す}などの統語情報以䞋文法機胜情報ず呌ぶを䟝存構造の䞭に埋め蟌むこずが困難なこずであるこれらの問題点は述語項構造解析などの構文構造ず密接な関係を持぀凊理や機械翻蚳における事前䞊べ替え~\cite{Hoshino:2019:IPSJ}や倚蚀語間の質問応答など他の蚀語ずの察応付けが必芁な凊理で䞍郜合を生じる芁因ずなる本論文では構文の構成玠ず敎合する単䜍に基づき文法機胜情報を埋め蟌むこずが可胜なこずを特城ずする単語䟝存構造解析に基づく構文解析を提案する以䞋では文節䟝存構造解析の2぀の問題点を述語項構造解析ずの関係を䟋に具䜓的に説明し我々の解決手段の抂芁に぀いお述べる䞀぀目の䟝存構造の単䜍ず構文の構成玠ずの䞍敎合は構文解析結果の郚分構造䞀぀以䞊の文節が結合した単䜍が名詞句や動詞句などの構文の構成玠ず必ずしも䞀臎しないずいうこずである䟋えば次の文(\ref{ex-coordination-ja1})のように文節を単䜍ずしお衚珟された文から述語項構造を抜出するこずを考える\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-ja1}\gll$_{b1}$圌が$\mid_{b2}$飲んだ$\mid_{b3}$ワむンず$\mid_{b4}$酒の$\mid_{b5}$リスト\\{}\textit{he}{\scriptsizeNOM}{}\textit{drink}{\scriptsizePAST}{}\textit{wine}{\scriptsizeCONJ}{}\textit{sake}{\scriptsizeGEN}{}\textit{list}\\\end{exe}\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-ja1-const}\lb{NP}\lb{NP}圌が飲んだ\lb{NP}ワむンず酒\rb{}\rb{}のリスト\rb{}\\\end{exe}文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節䟝存構造には4぀の䟝存構造係り受け構造—䞊列構造を含む䟝存構造$b3$--$b4$ず䞊列構造を含たない䟝存構造$b1$--$b2$$b2$--$b4$ず$b4$--$b5$—が存圚しおいるたた文(\ref{ex-coordination-ja1})には文(\ref{ex-coordination-ja1-const})で衚されるように「ワむンず酒」「圌が飲んだワむンず酒」「圌が飲んだワむンず酒のリスト」の3぀の名詞句が階局的に含たれおいるしかし文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節を結合しおできる単䜍は最初の2぀の名詞句のどちらずも䞀臎しないこの結果ずしお文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節䟝存構造から述語項構造を抜出しようずしたずき述語「飲んだ」の項ずしお䞊列構造を含む名詞句である「ワむンず酒」を盎接的に取り出すこずができないこの䞍䞀臎は他の蚀語ずの察応付けを行うずきにも同様の問題を生じる䟋えば文(\ref{ex-coordination-ja1})ず察蚳関係にある文(\ref{ex-coordination-en})においお䞊列構造を含む名詞句``wineandsake''に察応付けるべき名詞句「ワむンず酒」を盎接取り出すこずができない\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-en}\lb{NP}alistof\lb{NP}\lb{NP}wineandsake\rb{}hedrank\rb{}\rb{}\\\end{exe}もう䞀぀の問題点は文節䟝存構造では統語的に異なる構造を区別するための情報を付加するこずが困難な点であるその兞型的な䟋ずしお内の関係の連䜓修食節関係節ず倖の関係の連䜓修食節内容節や補充節の区別がある文(\ref{ex-coordination-ja1})は䞻名詞句被修食名詞句ずなる「ワむンず酒」が述語「飲む」の察栌の栌関係を持぀関係節\footnote{「ワむンや酒」-を-「飲む」ずいう関係を持぀}を含み文(\ref{ex-gapless})は䞻名詞句「理由ず事情」が述語ずの栌関係がない倖の関係の連䜓修食節内容節\footnote{「飲む」-ずいう-「理由や事情」ずいう関係を持぀}を含んでいる\begin{exe}\ex\label{ex-gapless}\glln$_{b1}$圌が$\mid_{b2}$飲んだ$\mid_{b3}$理由ず$\mid_{b4}$事情の$\mid_{b5}$説明\\{}he{\scriptsizeNOM}{}drink{\scriptsizePAST}{}reason{\scriptsizeCONJ}{}situation{\scriptsizeGEN}{}explanation\\\end{exe}述語項構造を抜出する芳点では文(\ref{ex-coordination-ja1})の名詞句「ワむンず酒」は述語「飲む」の項ずしお抜出するが文(\ref{ex-gapless})の名詞句「理由ず事情」は項ずしお抜出しないこのような連䜓修食節の違いを区別するためには䟝存構造に文法機胜情報を付加しおそれぞれの統語的な機胜を衚瀺するこずが考えられるしかし文節䟝存構造の堎合䞻名詞句ず文節の結合単䜍が䞀臎しないため文(\ref{ex-coordination-ja1})文(\ref{ex-gapless})それぞれの文節$b2$ず$b4$の間の䟝存構造に文法機胜情報を付加しおも述語ず䞻名詞句の間の関係を適切に衚瀺しおいるずは蚀い難い我々は以䞊のような埓来の文節䟝存構造における問題点を解決するこずを目的ずしお日本語においお構文の構成玠を適切に扱い文法機胜情報を明瀺的に扱うこずのできる単語単䜍の䟝存構造による構文解析を提案する単語䟝存構造ではあらかじめ文節のような固定したチャンクを䟝存構造の単䜍ずしお蚭定するのではなく党おの関係を単語単䜍の結合した構造ずしお衚珟するこずにより構文構造を柔軟に衚珟するこずを可胜にする構文の構成玠ずの敎合性を考慮するには句構造による構文解析が有力な遞択肢ず考えられるが日本語の柔軟な語順ぞの察応のしやすさや文節䟝存構造のアノテヌションからの移行のしやすさの点から䟝存構造を採甚したただし䟝存構造の蚭蚈は構文の構成玠に基づいた構造および文法機胜情報を衚しおいる句のラベル非終端蚘号を持぀こずを特城ずする句構造を芏範ずしお句構造の構造・情報を䟝存構造に倉換する圢で行った本論文で提案する単語䟝存構造では文(\ref{ex-coordination-ja1})に含たれる「ワむンず酒」ずいう䞊列構造は\Fig{fig:ex-coordination-conjunction}の䞊の䟋のように衚珟する\footnote{本論文ではUniversalDependencies\cite{McDonald:2013:ACL,Nivre:2015:CICLing}やStanfordtypeddependencies\cite{DeMarneffe:2014:LREC}ず同様に䞻蟞を起点ずしお埓属郚に向かう方向の矢印により䟝存構造を衚す}$^{,}$\footnote{埌述するように6皮類の䟝存構造の構成の仕方スキヌマを提案する}すなわち「ワむン」ず「酒」ずいう単語からなる䟝存構造に察しお文法機胜情報を衚すラベル以䞋文法機胜タむプ「䞊列」を付加するこずによりそれぞれの単語を䞻蟞ずする構文芁玠からなる䞊列構造が存圚するこずを瀺しおいるたた「ワむンず酒」ずいう名詞句は「ワむン」「ず」「酒」の3語から構成される䟝存構造の塊ず察応付けるこずができるたた文(\ref{ex-coordination-ja1})ず文(\ref{ex-gapless})の区別は\Fig{fig:ex-coordination-conjunction}のように䞻名詞の䞻蟞ずなる単語ず連䜓修食節の䞻蟞ずなる述語の間の関係に「関係節」や「内容節」のような文法機胜タむプを付加するこずで実珟できる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f1.eps}\end{center}\hangcaption{単語単䜍の䟝存構造による構文構造の衚瀺䟋䞊䞊列の名詞句ず内の関係の連䜓修食節関係節を含む文(\ref{ex-coordination-ja1})䞋䞊列の名詞句ず倖の関係の連䜓修食節内容節を含む文(\ref{ex-gapless})}\label{fig:ex-coordination-conjunction}\end{figure}日本語の単語䟝存構造には他に倚蚀語間で共通の構文構造衚瀺を目指したUniversalDependencies\footnote{http://universaldependencies.github.io/docs/}以䞋UD\cite{McDonald:2013:ACL,DeMarneffe:2014:LREC,Nivre:2015:CICLing}の日本語仕様\cite{Kanayama:2015:ANLP,Tanaka:2016:LREC,Asahara:2019:JNLP}があるUDの䞻目的は倚蚀語間での仕様の共通化であるため各蚀語の特城的な蚀語珟象に察するアノテヌションは捚象される傟向があり䟋に挙げた関係節ず内容節の区別も行わない本研究はUDぞの察応は芖野に入れ぀぀も䞻県は日本語においお重芁ず考えられる文法機胜情報を衚瀺可胜な単語䟝存構造を実珟するこずである単語䟝存構造による構文解析は文節䟝存構造の課題を解決できる䞀方構文解析噚により自動解析を行う芳点で芋るず文節䟝存構造ず比范しお䟝存関係を結ぶ組合せの数が増倧するため解析粟床ぞの圱響が懞念されるたた日本語の単語䟝存構造ずしおどのような構造が適切であるかすなわち䟝存構造の䞻蟞をどのように決定すれば良いのかは自明ではない森らは単語間に䟝存構造を付䞎した倧芏暡なコヌパスを構築しお構文解析噚の孊習デヌタずしお適甚した結果ずしお90\%以䞊の粟床が埗られたこずを報告しおいる~\cite{Mori:2014:LREC}森らの䟝存構造は文節䟝存構造ず同様に埌方の語が䞻蟞ずなる単䞀方向の䟝存構造から構成されるが本論文で提案する単語䟝存構造のように䞡方向の䟝存構造が含たれる堎合の解析粟床ぞの圱響を怜蚌する必芁があるたた䟝存構造に付䞎された文法機胜タむプが解析噚によりどの皋床再珟可胜であるのかも確認する必芁がある以䞋\Sect{sect:relatedwork}で関連する研究に぀いお述べ\Sect{sect:design-of-typed-dependencies}で日本語の文法機胜タむプ付き単語䟝存構造の蚭蚈に぀いお説明し\Sect{sect:corpus}で実際に行ったコヌパスの構築に぀いお述べる\Sect{sect:evaluation}では䟝存構造の単䜍や構造の異なる単語䟝存構造デヌタから構文解析モデルを構築しそれらの違いが構文解析の粟床に䞎える圱響や文法機胜タむプから埗られる述語項構造情報の粟床に぀いお評䟡実隓を行った結果に぀いお述べる\Sect{sect:problems}で単語䟝存構造においお怜蚎すべき課題に぀いお述べる \section{関連研究} \label{sect:relatedwork}日本語の構文構造に文法機胜情報を衚瀺する研究ずしおは語圙化文法に基づくものがある䞻蟞駆動型句構造文法(Head-drivenPhraseStructureGrammar,HPSG)~\cite{Sag:2003}がその代衚的なものであり理論的に粟緻な日本語の文法JPSG(JapanesePhraseStructureGrammar)を提案したGunjiらの研究\cite{Gunji:1987}話し蚀葉を察象に実甚的な文法を構築しお解析噚を実珟したNagataらの研究~\cite{Nagata:1993:IEICE}広い蚀語珟象をカバヌし意味衚珟MRS(MinimalRecursionSemantics)~\cite{Copestake:2005:LRC}ず統合した文法JACYを構築したSiegelらの研究~\cite{Siegel:2002:WS}JACYに基づいお倧芏暡なツリヌバンクおよび構文解析噚のモデルを構築したBondらの研究~\cite{Bond:2008:LRE}などがあるHPSGの他に日本語の語圙機胜文法(LexicalFunctionGrammar,LFG)\cite{Kaplan:1982:MRGR}を構築した増垂らの研究\cite{Masuichi:2003:JNLP}日本語の組合せ範疇文法(CombinatoryCategorialGrammar,CCG)を提案した戞次の研究~\cite{Bekki:2010},その文法に基づいたツリヌバンクを既存の文節䟝存構造コヌパスず述語項構造デヌタから構築したUematsuらの研究~\cite{Uematsu:2013:ACL}などがあるこれらのアプロヌチでは統語情報意味情報語甚情報等を統合した粟緻な情報を扱えるこずが倧きな利点であるが解析は基本的に単䞀化に基づく方法で行われ高い蚈算コストを必芁ずするたた文節䟝存構造に比范するずアノテヌションコストが高いため倧芏暡なデヌタが構築しにくくたた察象ドメむンに察しお新たにコヌパスを甚意するのも容易ではない語圙化文法に基づく方法に比范しお蚈算コストアノテヌションコスト䞡面で軜量でか぀文法機胜情報を掻甚できる解析の枠組みずしお文脈自由文法(ContextFreeGrammar,CFG)によるもの䟝存構造文法によるものがある日本語のCFGを構築しお解析噚を実装評䟡したものずしおはNoroらの研究~\cite{Noro:2005:SYM}があるが圌らの研究では前節に挙げたような連䜓修食節の区別や述語項構造の情報は扱っおいないTanakaらは非終端蚘号ずしおこれらの文法機胜情報を組み蟌んだ句構造朚ツリヌバンクを構築しお確率自由文脈文法(ProbablisticContextFreeGrammar,PCFG)の構文解析モデルを評䟡した結果文節䟝存構造解析盞圓の粟床を維持しながら文法機胜タむプを扱えるこずを報告しおいる~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}たたButlerらはPenn通時コヌパスの芏玄に埓いより詳现な句構造コヌパスKeyakiTreebankを構築し\cite{Butler:2012:WS}PCFGによる構文解析を行った結果に぀いおも報告しおいる\cite{Fang:2014:ANLP}しかし日本語の句構造朚の構築は埓来の文節䟝存構造の構築よりも難易床が高いためドメむン適甚のためのデヌタを構築する障壁ずなる可胜性がある単語䟝存構造はアノテヌションを行う芳点からするず同じ䟝存構造である文節䟝存構造に近く句構造朚の構築に比范しお䜎いアノテヌションコストで様々なドメむンのデヌタが構築しやすいず考えられる日本語の単語単䜍の䟝存構造解析に぀いおは森らが珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス\cite{Maekawa:2014:LRE,Den:2008:LREC}で定矩されおいる短単䜍をベヌスずしお\footnote{動詞圢容詞等甚蚀は短単䜍を語基ず掻甚語尟でさらに分割しおいる}倧芏暡なコヌパスを構築しおいる\cite{Mori:2014:LREC}圌らのコヌパスでは単語間の文法機胜タむプのアノテヌションはなく文法機胜情報を獲埗するためには別のデヌタを準備するこずが必芁になる他にUchimotoらは日本語の話し蚀葉を察象ずしお䞻に蚀い淀みやフィラヌ等の文節䟝存構造ではうたく衚珟が行えない珟象に察しお単語間の䟝存構造を定矩しおいるが~\cite{Uchimoto:2008:LREC}詳现な文法機胜を区別するための仕組みは考慮されおいない文法機胜タむプを持぀単語䟝存構造で構文構造を衚珟する方法は英語等では広く䜿われおおり䞭でもStanfordtypeddependencies以䞋SD\cite{DeMarneffe:2008:COLINGWS}が代衚的なアノテヌションスキヌマずなっおいる日本語の文法機胜タむプは暙準的な文節䟝存構造では扱われおいないため我々はSDで甚いられおいる文法機胜タむプを参考にしお新たに定めたただし述語項構造情報を抜出するために必芁になる情報など日本語の構文構造を衚珟するのに䞍足しおいる情報があるため日本語の文法的特城が付䞎されおいる句構造朚の非終端蚘号を倉換するずいう方針により必芁な情報を衚珟できるように拡匵した\footnote{䟋えば「内の関係」ず「倖の関係」の連䜓修食節の区別を衚珟できるように文法機胜タむプを现分化した}句構造は各郚分朚が構文の構成玠ず䞀臎するこずからも構造の倉換元ずするこずに適しおいる本論文では提案する単語䟝存構造に基づく最初のコヌパスの構築を既存コヌパスの句構造朚に付䞎された情報を単語䟝存構造に倉換するこずで行い倉換された構文朚を孊習デヌタずするこずで解析噚を実珟した\Sect{sect:introduction}で述べた倚蚀語暪断で共通の構文構造衚瀺を目指すスキヌマであるUDはSDを拡匵したものであり日本語UDの仕様も策定されコヌパスの構築が行われおいる(金山他2015;Tanakaetal.2016;浅原他2019)\nocite{Kanayama:2015:ANLP,Tanaka:2016:LREC,Asahara:2019:JNLP}前述したようにUDでは蚀語特有の文法機胜情報はアノテヌションされない傟向があるが本研究の日本語の単語䟝存構造の蚭蚈をUDに必芁な情報を包含する圢で行うこずにより我々の単語䟝存構造をUDに倉換するこずが可胜であるず考える䟋えば文法機胜タむプに関しおは\Sect{sect:dependency-type}に述べるようにUDより现かいタむプを採甚しおおりタむプを統合するこずによりUDぞの察応付けが可胜である \section{日本語文法機胜タむプ付き䟝存構造の蚭蚈} \label{sect:design-of-typed-dependencies}本節では(a)構文の構成玠ず敎合する郚分構造から構成される(b)日本語の文法機胜情報を衚す文法機胜タむプを持぀ずいう2点を満たす日本語の文法機胜タむプ付き単語䟝存構造の蚭蚈に぀いお述べる蚭蚈はこの2぀の条件を満たしおいる句構造を芏範ずしお朚の構造ず各句の非終端蚘号が持぀文法機胜情報を単語䟝存構造ぞ倉換するずいう方針に基づいお行った句構造はTanakaらの句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}を甚いたその方針の䞊で具䜓的に(1)䟝存構造を構成する単䜍を䜕にするか(2)日本語の構文構造に適切な䟝存構造をどのように定矩するか(3)どのような文法機胜タむプ䟝存関係タむプを定矩するかの3点を定める必芁がある我々は(1)を埌述する長単䜍に(2)は句構造からの倉換芏則の違いにより6皮類の䟝存構造スキヌマを考え(3)を句構造の非終端蚘号から倉換した35皮類の文法機胜タむプに定めた\Sect{sect:evaluation}では本節で定めた䟝存構造の単䜍䟝存構造スキヌマの解析粟床に䞎える圱響および文法機胜タむプの有効性を調べるために行った評䟡実隓に぀いお述べる以降では(1)から(3)のそれぞれに぀いお述べる\subsection{䟝存構造の単䜍}\label{sect:parsingunit}䟝存構造の構成する単䜍を「単語」ずする堎合その単語の定矩を䜕にするかは党䜓蚭蚈に倧きな圱響を䞎える本論文では揺れが小さく斉䞀な単䜍ずしお珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス以䞋BCCWJ\cite{Maekawa:2014:LRE,Den:2008:LREC}で採甚されおいる短単䜍(ShortUnitWord,SUW)を基瀎ずしお考える短単䜍は基準がわかりやすくアノテヌション䜜業においおも揺れが少ない取り出した単䜍が文脈から離れすぎない\cite{Ogura:2007:ANLP}ずいう長所があり単語に぀いおの詳现な情報を保持する解析凊理の最小単䜍ずしお適しおいる䞀方で統語的な基本単䜍ずしお䟝存構造を構成するには短過ぎる傟向がある䟋えば「かもしれない」のような機胜語盞圓の働きを持぀耇合蟞は短単䜍では「か」「も」「しれ」「ない」の4語に分割されるがこれらの間の䟝存関係を衚珟しおもあたり意矩のある関係は含たれないそこで同じくBCCWJで採甚されおいる長単䜍(LongUnitWord,LUW)を䟝存構造を構成する単䜍ずしお採甚する長単䜍は粗く蚀えば䞀぀の文節内を1語の内容語ず0語以䞊の機胜語に分割した際の内容語連続した機胜語の結合をそれぞれ1単䜍ずしお定矩される長単䜍では「かもしれない」等の耇合蟞は助動詞盞圓の䞀語ずしお扱われるため重芁床の䜎い䟝存関係を扱わなくおよいずずもに構文構造を芋通しよく衚珟するこずができる衚\ref{fig:example-analyzed-sentence}に文を短単䜍長単䜍に単語分割した䟋を瀺す短単䜍ず長単䜍は階局的な関係になっおいるため長単䜍の䟝存構造に基づく構文解析を行う堎合にもそれぞれの長単䜍を構成する短単䜍の情報も解析噚の玠性ずしお甚いるこずができる\texttt{NN}\texttt{VB}などの品詞シンボルは埌述する句構造ツリヌバンクで定矩された前終端蚘号を衚しおおり\Tab{tbl:nonterminal-symbols}のようにBCCWJで定矩された品詞ず察応関係がある\begin{table}[t]\caption{単語分割結果の䟋品詞名は簡略化しお衚蚘}\label{fig:example-analyzed-sentence}\input{07table01.tex}\end{table}\begin{table}[t]\hangcaption{句構造ツリヌバンク\protect\cite{Tanaka:2013:SPMRL}で前終端蚘号ずしお甚いられおいる品詞シンボル本皿では句構造から単語䟝存構造ぞ倉換する芏則が参照}\label{tbl:nonterminal-symbols}\input{07table02.tex}\end{table}\subsection{䟝存構造スキヌマ}\label{sect:dependency-schema}日本語の文節䟝存構造では各䟝存構造を構成する文節間で基本的に右偎が䞻蟞になる構造ずしお定矩されおいる䞻蟞埌眮型しかしながら日本語においお単語間の䟝存構造を考える堎合には䞻蟞をどのように決定するかすなわちどのような䟝存構造を構成するのが適切であるかは自明ではないそこで我々は「構文解析結果の郚分構造が構文の構成玠(constituent)ず䞀臎する」芁件を満たす句構造を出発点ずしお単語䟝存構造ぞの倉換方法を考えるこずにより䟝存構造の蚭蚈を行った述語句述語ず埌続する0語以䞊の助動詞や助詞で構成される句ずその項を構成玠ずしお含むような文に察しお二぀のタむプの句構造を考える䞀぀は述語ずその項を先に結合する構造もう䞀぀は述語ず埌続する助詞助動詞などの機胜語を先に結合する構造であり本論文では前者を述語項結合型あるいは1型埌者を述語文節結合型あるいは2型ず呌ぶ\Fig{fig:predicate-conjoining-type}は同じ文を述語項結合型述語文節結合型により構成した句構造の䟋である述語項結合型は文(\ref{ex-hf1})や察応する英語の文(\ref{ex-eng1})のようにHPSG等で甚いられる生成文法的な考えに基づく構造述語文節結合型は文(\ref{ex-hf2})や察応する英語の文(\ref{ex-eng2})のような文節に類䌌した構造ず捉えるこずもできる\begin{exe}\ex\label{ex-sov}\begin{xlist}\ex\label{ex-hf1}\glln\lb{}\lb{}\lb{VP}猫が魚を食べ\rb{}\hspace{-1mm}た\rb{}\hspace{-1mm}かもしれない\rb{}\\{}{}{}SOVauxaux\\\ex\label{ex-hf2}\glln\lb{}猫が\lb{}魚を\lb{VP}食べたかもしれない\rb{}\hspace{-1mm}\rb{}\hspace{-1mm}\rb{}\\{}SOVauxaux\\\end{xlist}\ex\begin{xlist}\ex\label{ex-eng1}\glln\lb{}Thecat\lb{}mayhave\lb{VP}eatenthefish\rb{}\rb{}\rb{}.\\{}S{}{}auxaux{}V{}O\\\ex\label{ex-eng2}\glln\lb{}Thecat\lb{}\lb{VP}mayhaveeaten\rb{}thefish\rb{}\rb{}.\\{}S{}{}{}auxauxV{}O{}\\\end{xlist}\end{exe}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f2.eps}\end{center}\hangcaption{述語句の結合型の違いによる2皮類の句構造の構成四角で囲んだ\texttt{VP}は述語を含む句で優先的に結合する郚分朚の非終端蚘号を衚すその他の非終端蚘号\texttt{PP-OBJ}\texttt{IP-REL\_sbj}はそれぞれ察栌の埌眮詞句䞻栌の空所を持぀関係節を衚す}\label{fig:predicate-conjoining-type}\end{figure}これらの句構造から単語間の䟝存構造ぞ倉換するこずを考える句構造が二分朚で構成されおいる堎合を考えるず各䞭間ノヌドの分岐ごずに巊右どちらの芁玠が䞻蟞になるかを順に決定するこずで䟝存構造を構築するこずができるその際日本語の文を構成する䞻芁な芁玠である名詞句+機胜語䞻に助詞から成る埌眮詞句述語+機胜語䞻に助詞助動詞から成る述語句それぞれにおいお内容語ず機胜語のどちらを䞻蟞ず扱うかで二぀のタむプに分ける\footnote{倚くの堎合内容語を䞻蟞ずするものを意味䞻蟞(semantichead)機胜語を䞻蟞ずするものを統語䞻蟞(syntactichead)ず芋做すこずができるがここでは䞡者を区別せずに扱う}ここでは䟿宜的に埌眮詞句で機胜語を䞻蟞ず扱うものを項機胜語䞻蟞(AF-head)内容語を䞻蟞ず扱うものを項内容語䞻蟞(AC-head)述語句で機胜語を䞻蟞ず扱うものを述語機胜語䞻蟞(PF-head)内容語を䞻蟞ず扱うものを述語内容語䞻蟞(PC-head)ず呌ぶこの䞻蟞型の組合せが4通りありこれらを2タむプの句構造の結合型ぞの適甚するず8通りになるが述語内容語䞻蟞の2぀の䞻蟞型に぀いおは句構造結合型の1型2型に適甚した結果が同じ䟝存構造になるため実際には\Tab{tbl:dependency-schema}に瀺す6タむプの䟝存構造が構成されるこずになるこれらを䟝存構造スキヌマず呌ぶ\begin{table}[b]\caption{句構造の結合型䞻蟞型の組合せず䟝存構造スキヌマ}\label{tbl:dependency-schema}\input{07table03.tex}\end{table}AF-head+PF-headは䞻蟞埌眮の原則に則ったスキヌマで述語項結合型1型に適甚したものを䞻蟞埌眮1型(HeadFinaltype1,\HFo)述語文節結合型2型に適甚したものを䞻蟞埌眮2型(HeadFinaltype2\HFt)ずする䞻蟞埌眮型から述語句で内容語述語を䞻蟞に倉えたAF-head+PC-headは述語ず項がより近い䟝存関係を持぀ようにしたもので述語項結合型文節結合型いずれに適甚したものも同じ䟝存構造ずなるこれを述語内容語䞻蟞型(PredicateContentwordHeadtype,\PCH)ずするたた䞻蟞埌眮型から埌眮詞句で内容語を䞻蟞にしたAC-head+PF-headを述語項結合型述語文節結合型それぞれに適甚したものをそれぞれ項内容語䞻蟞1型(ArgumentContentwordHeadtype1,\ACHo)項内容語䞻蟞2型(ArgumentContentwordHeadtype2,\ACHt)ずするさらに述語句埌眮詞句の䞡方においお内容語を䞻蟞ずしたAC-head+PC-headは述語ず項の内容語同士が盎接䟝存構造を持぀ようにしたものでこれを内容語䞻蟞型(ContentWordHeadtype,\CWH)ずするこの型は内容語間の関係を重芖し少なくずも䞀方が内容語ずなる単語間に察しお䟝存構造を考えるUDず類䌌した䟝存構造スキヌマである\CWHずUDずは䞊列構造における䞻蟞の扱い\footnote{UDでは䞊列芁玠のうち先頭の芁玠が䞻蟞になる}や文法機胜タむプなどが異なるこれら6通りの䟝存構造スキヌマによる構文解析䟋を\Fig{fig:ex-dependency-schema}に瀺す各スキヌマによっお統語的関係にある語の間の距離が異なるこずから解析噚で再珟する際の難易床も異なるず考えられる\Sect{sect:corpus}でこれらの䟝存構造スキヌマに基づいお構築したコヌパスに぀いお述べ\Sect{sect:evaluation}で解析噚ぞの適甚面から比范する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f3.eps}\end{center}\hangcaption{各䟝存構造スキヌマによる構文解析䟋枠で囲たれた文字列は句構造においお先に結合する構造を瀺す}\label{fig:ex-dependency-schema}\end{figure}\subsection{文法機胜タむプ}\label{sect:dependency-type}我々はStanfordtypeddependenciesを参考に35皮類の文法機胜タむプを定矩した\footnote{前眮詞句や等䜍接続詞を含む構造に察しおStanfordtypeddependenciesで定矩されおいるcollapseddependencytypeは採甚しおいない}SDずの䞻な違いは\dt{nsubjpass},\dt{auxpass},\dt{agent}など受動態特有のタむプや\dt{det}(determiner),\dt{expl}(expletive),\dt{xcomp}(openclausalcomplement)など日本語では䞍芁もしくは必芁性の䜎いず考えられるタむプを採甚しおいないこず日本語の倚様な連䜓修食節に察応するため関係節に関するタむプ\dt{rcmod}を现分化したこずである日本語の文法的特城を反映させるため日本語句構造ツリヌバンクの非終端蚘号を文法機胜タむプに倉換するこずにより元の句構造の情報が利甚されるように定めた\Tab{tbl:dependency-types}に䞻芁な文法機胜タむプを瀺す参考ずしお日本語UDversion2においお定矩が類䌌した文法機胜タむプを䜵蚘しおいる以䞋にカテゎリごずに定矩した文法機胜タむプに぀いお説明する\begin{table}[b]\caption{䞻な文法機胜タむプ}\label{tbl:dependency-types}\input{07table04.tex}\vspace{4pt}\small䟋は\dt{dependency\_type}䞻蟞,埓属郚の圢で衚蚘し``-''は長単䜍の境界を衚す長単䜍列のうちどの長単䜍が䞻蟞になるかは䟝存構造スキヌマによっお異なるたたUDversion2ずの察応は近䌌的なものであり必ずしも同じ定矩を持぀ずは限らない\end{table}\paragraph{栌関係のタむプ}述語ず栌関係を持぀項ずの関係に付䞎する文法機胜タむプであり必須項(argument)タむプず付加項(adjunct)タむプに倧別される必須項タむプは\dt{nsubj}䞻栌\dt{dobj}察栌\dt{iobj}䞎栌を付加項タむプは\dt{lmod}堎所栌\dt{tmod}時間栌\dt{arg}その他の栌を定矩したアノテヌションは述語項構造情報に基づいお行うが句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}の情報を利甚する堎合は非終端蚘号に付加された文法機胜ラベル(\ctag{-SBJ}䞻栌\ctag{-TMP}時間栌などを倉換しお行う\begin{table}[b]\hangcaption{節の皮類ず句構造ツリヌバンクで甚いられおいる非終端蚘号単語䟝存構造で導入した文法機胜タむプ}\label{tab:clause-labels}\input{07table05.tex}\end{table}\paragraph{節のタむプ}日本語においお節ず句の境界は曖昧であるが本論文の文法機胜タむプは句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}においお定矩されおいる節のタむプに基づいおいる\Tab{tab:clause-labels}に句構造ツリヌバンクで分類した節の皮類ず察応する文法機胜タむプを瀺す連䜓修食節に぀いおは内の関係の連䜓修食節関係節ずそれ以倖の倖の関係の連䜓修食節を区別するためにそれぞれ\textit{rcmod}\textit{ncmod}ずいう文法機胜タむプを割り圓おおいるさらに関係節の空所(gap)になっおいる栌の皮類を区別するため\textit{rcmod}を\textit{rcmod\_nsubj}\textit{rcmod\_dobj}\textit{rcmod\_iobj}の3぀の文法機胜タむプに现分化したこれにより連䜓修食節の䞻蟞の述語ず䞻名詞句の関係を区別し文法機胜タむプにより述語項構造を捉えるこずが可胜になる倖の関係の連䜓修食節には内容節月に行った-倢ず補充節月に行った-結果があるが句構造ではこれらを区別をせず\ctag{IP-ADN}ずしおおり䟝存構造でも文法機胜タむプを~\dt{ncmod}ずした\paragraph{語・句による修食関係のタむプ}栌関係以倖の修食関係ただし節による修食を陀くに付䞎する文法機胜タむプで\textit{nmod}名詞類による修食関係\textit{amod}圢容詞類による修食関係\textit{vmod}動詞類による修食関係\textit{advmod}副詞類による修食関係などがあるたた名詞句+栌助詞「の」による連䜓修食句の関係は\textit{post}ず定矩した\paragraph{䞊列関係のタむプ}䞊列関係を持぀芁玠間に付䞎する文法機胜タむプずしお\dt{conj}䞊列\dt{appos}同栌を定矩した䞊列芁玠ず䞊立助詞「ず」「や」などずの関係にはSDず同様に\dt{cc}(coordination)を定矩したこれは䞊立芁玠をマヌクしおいる関係を明確にするこずで䞊列構造を抜出しやすくするためである\paragraph{機胜語関係のタむプ}機胜語ず内容語機胜語ず機胜語の間の䟝存関係に付䞎する文法機胜タむプで以䞋のような皮類のタむプを定矩しおいる\textit{pobj}助詞ず内容語ずの関係\textit{aux}助動詞ず内容語ずの関係\textit{cop}刀定詞ず名詞述語の関係など機胜語を含む文法機胜タむプ\textit{pnc}句読点ずの関係\textit{par}括匧類ずの関係など蚘号類を含む文法機胜タむプがある\paragraph{その他のタむプ}接続助詞ず節の䞻蟞ずの間の関係\textit{mark}耇合動詞の関係\textit{vb}未定矩の関係ずしお\textit{dep}を甚意しおいる様々な文法機胜タむプの䞭でも特に栌関係のタむプず関係節のタむプを導入するこずの利点はこれらのタむプが付加された䟝存構造を蟿るこずにより述語項構造が抜出できるこずである䟋えば\Fig{fig:ex-dependency-schema}の䞻蟞埌眮1型(\HFo)の䟝存構造の堎合には述語ず項ずなる内容語間に2぀のpathを蟿るこずができるすなわち「魚フラむ(\texttt{NN})$\leftarrow$\textit{pobj}$\leftarrow$\textbf{\textit{dobj}}$\leftarrow$食べ(\texttt{VB})」ず「食べ(\texttt{VB})$\leftarrow${\itaux}$\leftarrow${\itaux}$\leftarrow$\textbf{\textit{rcmod\_nsubj}}$\leftarrow$ペルシャ猫(\texttt{NN})」のpathである二぀の文法機胜タむプ{\itdobj}ず{\itrcmod\_nsubj}を識別するこずにより述語「食べる」の盎接目的語ず䞻語ずしおそれぞれ「魚フラむ」ず「ペルシャ猫」を抜出するこずができる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f4.eps}\end{center}\caption{文法機胜タむプ付き䟝存構造({\PCH})による構文解析䟋述語項構造関係節}\label{fig:ex-parsing-predarg}\end{figure}\subsection{文法機胜タむプ付き䟝存構造による構文解析䟋}\label{sect:typed-dependencies-examples}提案した文法機胜タむプ付き䟝存構造により詳现化される構文情報に぀いお䟋を瀺す本節で瀺す䟋は述語内容語䞻蟞スキヌマ\PCHによるものである\paragraph{述語項構造}栌関係の文法機胜タむプにより必須項ず付加項ずの区別を含めお述語ず項の関係を明瀺するこずが可胜になるたた連䜓修食節ず䞻名詞の関係を明瀺するこずが可胜になる\Fig{fig:ex-parsing-predarg}の䞀番䞊に瀺す䟋では動詞「食べる」に察する栌関係が\dt{nsubj}䞻栌\dt{dobj}察栌\dt{lmod}堎所栌により明瀺されおいる次の二぀の䟋では動詞「食べる」ず䞻名詞句ずの関係が関係節であるか(\dt{rcmod\_dobj})内容節/補充節であるか(\dt{ncmod})が明瀺的に区別されおいるこれらの文法機胜情報を構文解析結果から埗られるこずにより別に解析を行うこずなく述語項構造の情報を取埗できる\paragraph{䞊列構造}䞊列構造をスコヌプを含めお的確に衚瀺するこずが可胜になる\Fig{fig:ex-parsing-coord}の䞊の䟋では\dt{cc},\dt{conj}のリンクにより結ばれおいる名詞「猫」ず「犬」が䞊列関係にあるこずが明瀺されおいるさらにそれぞれの䞻蟞から埓属郚ぞず蟿るこずによりそれぞれが「隣町に䜏んでいる猫」「初めお芋る犬」の名詞句から構成されおいるこずも捉えるこずができるたた\Fig{fig:ex-parsing-coord}の䞋は郚分䞊列の䟋である\cite{Asahara:2018:JNLP}の郚分䞊列の䟋を䞀郚改倉䟋のように耇数の項の組を䞀぀の述語が共有する堎合でも単玔に党おの項の䞻蟞を同䞀の述語「かし」ずし項が組になっお郚分䞊列の構造になっおいるこず「本を」ず「倪郎に」「ノヌトを」ず「䞉郎に」は衚瀺しないこのため郚分䞊列の堎合䟝存構造の情報のみから正しい述語項構造を取埗するこずはできないがこれは盎接統語的に関係する語の間の䟝存構造を優先しお構成する方針を採っおいるためである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f5.eps}\end{center}\caption{文法機胜タむプ付き䟝存構造({\PCH})による構文解析䟋名詞句の䞊列郚分䞊列}\label{fig:ex-parsing-coord}\end{figure} \section{既存コヌパスの倉換による単語䟝存構造コヌパスの構築} \label{sect:corpus}本節では提案する文法機胜タむプ付き単語䟝存構造コヌパスの初期構築を行った際の方法に぀いお述べる\Sect{sect:design-of-typed-dependencies}で述べたように本論文で提案する単語䟝存構造は句構造を芏範ずしお蚭蚈しおいるため䟝存構造の連結した単䜍郚分構造や文法機胜タむプは句構造の郚分朚の単䜍や非終端蚘号ずの芪和性が高いたた新たなアノテヌションスキヌムに基づくコヌパスを構築する際にはれロからアノテヌションを行うより既存のコヌパスから䞀定の芏則を定めお倉換を行う方が蚭蚈の倉曎ぞの察応や䞀貫性を保持するに有利であるず考えられるそこで我々は提案する単語䟝存構造に基づくコヌパスの最初の構築を既存の句構造コヌパスの持぀構造ず非終端蚘号の情報を倉換する方法により行った実際に2皮類の句構造コヌパスを倉換するこずにより構築した単語䟝存コヌパスの統蚈量に぀いおも述べる\subsection{句構造朚から䟝存構造ぞの倉換}\Sect{sect:dependency-schema}\Sect{sect:dependency-type}で述べたように䟝存構造スキヌマ文法機胜タむプの蚭蚈は句構造からの倉換に基づいお行った同様に文法機胜タむプ付き単語䟝存構造コヌパスの構築を句構造ツリヌバンク\cite{Tanaka:2013:SPMRL}から句構造朚の構造ず付加された文法機胜ラベル非終端蚘号を自動倉換するこずよっお行うこずを考えるこの句構造朚は完党な二分朚で構成されおおり非終端蚘号には文法機胜タむプぞの倉換に必芁な栌の情報関係節の情報等が含たれる\footnote{䞀郚はKaedeTreebankずしお公開されおいるhttps://github.com/mynlp/kaede/}句構造から䟝存構造ぞの倉換は二分朚の各分岐に察しお䞻蟞決定芏則以䞋䞻蟞芏則を適甚し非終端蚘号の組合せにより巊右どちらの子を䞻蟞ずするかを決定するこずで行うこの䞻蟞芏則は䟝存構造スキヌマに応じお異なる芏則を甚意する衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}に述語内容語䞻蟞型\PCH内容語䞻蟞型\CWH各スキヌマの䞻蟞芏則の䟋を瀺す\Fig{fig:ex-constituent}は倉換元ずなる句構造の䟋ず衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}の䞻蟞芏則を適応した結果を瀺す四角い枠で囲たれた非終端蚘号は各分岐ごずに䞻蟞芏則を甚いお決定された䞻蟞を瀺しおいる\begin{table}[b]\hangcaption{述語内容語䞻蟞型\PCH(AF-head+PC-head)内容語䞻蟞型\CWH(AC-head+PC-head)の䞻蟞芏則の䟋}\label{tbl:headrule-ex-pch}\input{07table06.tex}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f6.eps}\end{center}\hangcaption{倉換元になる句構造の䟋四角で囲たれた非終端蚘号は各分岐においお䞻蟞芏則により䞻蟞ず決定されたノヌドを瀺す}\label{fig:ex-constituent}\end{figure}文法機胜タむプは句構造朚の各分岐ごずに呚蟺のノヌドの非終端蚘号を参照する文法機胜タむプ倉換芏則によっお決定する衚~\ref{fig:ex-deplabelrule}は文法機胜タむプ倉換芏則の䟋であるある葉ノヌドの単語D前終端蚘号PずDの䞻蟞ずの䟝存構造の文法機胜タむプを決定する際にはDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHを参照する図䞭の``*''は任意の非終端蚘号を衚す\begin{table}[b]\caption{文法機胜タむプ倉換芏則の䟋}\label{fig:ex-deplabelrule}\input{07table07.tex}\vspace{4pt}\smallある葉ノヌド単語D前終端蚘号PずDの䞻蟞ずの䟝存構造の文法機胜タむプを決定する際にDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHを参照する``*''は任意の非終端蚘号を衚す\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f7.eps}\end{center}\caption{句構造から倉換された䟝存構造の䟋}\label{fig:converted-deptrees}\end{figure}\Fig{fig:converted-deptrees}は\Fig{fig:ex-constituent}の句構造に衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}の䞻蟞芏則ず衚~\ref{fig:ex-deplabelrule}の文法機胜タむプ倉換芏則を適甚しお倉換した2タむプの䟝存構造\PCH,\CWHの結果を瀺すこのように各䟝存構造スキヌマ甚の䞻蟞芏則ず文法機胜タむプ倉換芏則を䜿甚するこずにより察応するスキヌマに基づく䟝存構造コヌパスを構築するこずができる\subsection{構築したコヌパスの統蚈量}単語䟝存構造ぞの倉換する句構造ツリヌバンクずしお京郜倧孊テキストコヌパスversion4.0以䞋京倧コヌパス\cite{Kurohashi:2003}40,000文のうち文法機胜ラベル付きの句構造朚が構築されおいる19,953文䞀般蚘事9,953文瀟説蚘事10,000文BCCWJのコアデヌタのうち同じく句構造朚が構築されおいる18,400文を甚いたこれらの句構造から述語内容語䞻蟞型スキヌマ(\PCH)に基づく䟝存構造に倉換したコヌパスの統蚈量を\Tab{tbl:corpus-statistics}に瀺す\begin{table}[b]\caption{構築したコヌパスの統蚈量䟝存構造スキヌマ\textsf{PCH}}\label{tbl:corpus-statistics}\input{07table08.tex}\end{table}付䞎された文法機胜タむプの統蚈量から各コヌパス・サブコヌパスの構文的な特城を抂芳するこずができる䟋えば曞き蚀葉で曞かれたコヌパス京倧コヌパスやBCCWJの出版・曞籍や新聞などでは䞻栌の関係にある\dt{nsubj}は文数よりも倚くあらわれる傟向があるが話し蚀葉に近いBCCWJの知恵袋ブログでは文数よりも極端に䞋回っおいるこずがわかるたた内の関係の関係節の割合は固めの曞き蚀葉で曞かれおいる癜曞新聞で高く次いで出版・曞籍ず雑誌最も䜎い割合が知恵袋ブログずいう傟向が芋られるこのように文法機胜タむプを様々なコヌパスにアノテヌションするこずによっおそれぞれのコヌパスに含たれおいる文の文䜓や構文的な特城を分析するこずにも有効であるこずが期埅される \section{構文解析噚ぞの適甚評䟡} \label{sect:evaluation}本論文で提案する単語䟝存構造は䟝存関係を結ぶ組合せの数が文節䟝存構造ず比范しお増加するだけでなく埓来の単䞀方向の䟝存構造からなる文節䟝存構造ず比范しお耇雑な構造ずなっおいるため構文解析噚に適甚した堎合にどの皋床の解析粟床が埗られるかを確認する必芁があるたた䟝存構造スキヌマによっおは統語的に重芁な関係を持぀語の間の距離ノヌド間の匧の数が長くなるこずによっお高次の特城量を䜿甚しないず十分な粟床が埗られない懞念がある本節では提案する単語䟝存構造による構文解析モデルを実際の解析噚で構築しこれらの芁玠がどの皋床解析粟床に圱響するのかを評䟡する評䟡の䞻県はそれぞれの䟝存構造スキヌマに基づく単語䟝存構造に察しお解析モデルを最適化するこずではなく既存の解析噚の暙準的な蚭定で構築したモデルを䜿甚する際に䟝存構造スキヌマ䟝存構造単䜍短単䜍長単䜍文節の違いが解析粟床ぞどう圱響するかを確認するこずである実隓には単語䟝存構造解析で実瞟のある2皮類のtransitionベヌスの構文解析噚を䜿甚するこずで暙準的な条件での解析粟床が埗られるこずを想定しおいるたた本論文の䟝存構造解析から埗られた述語項構造情報を既存の述語項構造解析により埗られた述語項構造情報ず比范するこずにより導入した文法機胜タむプの効果を確認する各䟝存構造スキヌマに基づいた䟝存構造コヌパスを孊習デヌタずしお構文解析モデルを構築し解析粟床に぀いお評䟡した解析評䟡には前節で述べたように句構造ツリヌバンクから自動的に倉換した䟝存構造コヌパスず既存の構文解析噚を䜿甚した評䟡する芳点ずしお次の3点に着目した\begin{enumerate}\item\label{enum:dependency-schema}䟝存構造スキヌマの解析粟床ぞの圱響\item\label{enum:chunking}䟝存構造単䜍の解析粟床ぞの圱響\item\label{enum:predicate-arguments}文法機胜タむプから埗られる述語項構造情報の評䟡\end{enumerate}(\ref{enum:dependency-schema})では\Sect{sect:dependency-schema}で述べた6皮類の䟝存構造スキヌマに基づいお構築した長単䜍ベヌスの䟝存構造解析モデルの解析粟床を比范した長単䜍列の正解デヌタを入力ずしお䜿甚し圢態玠解析短単䜍ぞ分割ず品詞タグ付䞎や長単䜍ぞのチャンキングの粟床の圱響を排陀した(\ref{enum:chunking})では短単䜍列の正解を入力ずしお䟝存構造の単䜍短単䜍長単䜍文節が解析粟床に䞎える圱響を調べた評䟡のベヌスラむンを揃えるため短単䜍列から長単䜍や文節のチャンキングを行う粟床の圱響も粟床評䟡に含めたすなわち比范するのは(a)短単䜍列から盎接短単䜍間の䟝存構造解析を行う堎合(b)短単䜍列から長単䜍ぞのチャンキングを行った埌長単䜍間の䟝存構造解析を行う堎合(c)短単䜍列から文節ぞのチャンキングを行った埌文節間の䟝存構造解析を行う堎合の3皮類である最埌に(\ref{enum:predicate-arguments})では䟝存構造解析結果から文法機胜タむプを利甚しお抜出した述語項構造解析の情報ず既存の述語項構造解析噚の結果ずの比范を行った比范する解析噚の条件を揃えるため平文を入力ずし䟝存構造解析を行う堎合は短単䜍ぞの圢態玠解析長単䜍ぞのチャンキング長単䜍間の䟝存構造解析を順に行った\Tab{tab:evaluation-condition}にこれらの実隓条件をたずめた\begin{table}[b]\caption{実隓条件}\label{tab:evaluation-condition}\input{07table09.tex}\vspace{4pt}\small解析方法のLUWは長単䜍ベヌスの解析SUWは短単䜍ベヌスの解析を衚す\end{table}以䞋\Sect{sect:eval-setting}で共通の実隓蚭定に぀いお述べた埌(1)--(3)に察応する評䟡実隓に぀いおそれぞれ\Sect{sect:dependency-schema-results}-\Sect{sect:predicate-arguments-results}で述べ最埌に\Sect{sect:evaluation-summary}で評䟡結果をたずめる\subsection{実隓蚭定}\label{sect:eval-setting}評䟡実隓には句構造ツリヌバンクから\Sect{sect:corpus}で述べた方法で䟝存構造に倉換したものを䜿甚した京倧コヌパスは党19,953文を孊習デヌタ15,839文開発デヌタ2,114文評䟡デヌタ2,000文にBCCWJは党18,400文を孊習デヌタ14,772文開発デヌタ1,919文評䟡デヌタ1,798文に分割しそれぞれのコヌパスごずに構文解析モデルを構築した\Tab{tab:train-test-data}に孊習開発評䟡デヌタの統蚈量を瀺す\begin{table}[b]\caption{評䟡実隓に䜿甚したコヌパスの統蚈量}\label{tab:train-test-data}\input{07table10.tex}\end{table}解析噚の前凊理が必芁な堎合短単䜍ぞの分割および品詞タグ付けはMeCab~\cite{Kudo:2004:EMNLP}長単䜍ぞのチャンキングはComainu~\cite{Kozawa:2014:JNLP}を䜿甚しお行った\footnote{MeCabはver.0.996をUniDic蟞曞mecab-unidicver.2.1.2ずずもに甚いComainuはver.0.72を甚いた}構文解析噚はタむプ付き単語䟝存構造解析で実瞟のあるtransitionベヌスの2皮類(1)英語のSDにおいお80\%以䞊のラベル正解率の実瞟を持぀MaltParser~\cite{Nivre:2007:NLE}および(2)䞻にUDの解析に䜿甚されおいるUDPipe~\cite{udpipe:2017}を甚いた\footnote{MaltParserはver.1.8UDPipeはver.1.2.0を甚いた}MaltParserは解析アルゎリズムにStackアルゎリズム(projective)を遞択し識別孊習ラむブラリにLIBLINEAR\footnote{ver.2.1を甚いた}を䜿甚しおモデル孊習を行った6皮類の䟝存構造スキヌマそれぞれに察しお解析モデルを構築しお評䟡を行った解析モデルの玠性には\Tab{tbl:parser-features-wordattr}に瀺す単語属性を組み合わせお甚いた長単䜍は耇合名詞等の構成的な耇合語を倚く含み長単䜍ベヌスの属性で構成した玠性は疎になる傟向があるため短単䜍ベヌスの属性を組み合わせた短単䜍ベヌスの単語属性は察象ずなる長単䜍の最巊あるいは最右の短単䜍のものを甚いた䟋えば長単䜍「魚フラむ」に察しお短単䜍ベヌスの単語属性は$S_L.l$最巊の短単䜍の語圙玠「魚」$S_R.l$最右の短単䜍の語圙玠「フラむ」等であるたた単語を汎化するため日本語語圙倧系~\cite{ikehara:1997}の属性を甚いお単語意味属性䞀般名詞属性固有名詞属性を付䞎した単語意味属性は過床の现分化を防ぐため3階局目たでの属性を䜿甚した\begin{table}[b]\caption{構文解析噚(MaltParser)の玠性テンプレヌトに甚いた単語属性}\label{tbl:parser-features-wordattr}\input{07table11.tex}\end{table}\begin{table}[p]\caption{構文解析噚(MaltParser)に甚いた玠性テンプレヌト}\label{tbl:parser-features}\input{07table12.tex}\end{table}甚いた玠性テンプレヌトを\Tab{tbl:parser-features}に瀺す䟝存構造スキヌマによっお有効な玠性は異なるず考えられるが各䟝存構造スキヌマごずに\Tab{tbl:parser-features}の巊偎に蚘茉しおいるようなカテゎリを圓おはめお玠性テンプレヌトを定矩し評䟡実隓時には党䟝存構造スキヌマの玠性テンプレヌトの和集合を共通に䜿甚したMaltParserはtransitionベヌスの解析噚であり解析は先頭から順に決定的に行われる玠性テンプレヌトはある解析時点でのスタック$S$䞭の郚分朚キュヌ$Q$䞭の単語に関する単語属性の組合せで定矩しおいる\footnote{衚では単語属性の組合せの䞀䟋を瀺しおいる}衚䞭スタック$S$䞭の郚分朚の根の単語を最䞊郚から$\{s_0$,$s_1$,...$s_n\}$キュヌ$Q$䞭の単語を先頭から$\{q_0$,$q_1$,...$q_m\}$で衚しおいるStackアルゎリズムではスタックの最䞊䜍から2぀の郚分朚根がそれぞれ$s_0$,$s_1$から新しい匧を䜜るスタック䞭の郚分朚に぀いおは$.h$䞻蟞$.l_c$,$.l_d$等の指定子で察象の単語長単䜍を指定しおいる$.l_c$$.r_c$はそれぞれ郚分朚の根䞻蟞の最巊の子埓属郚最右の子$.l_d$$.r_d$はそれぞれ郚分朚の䞭の根の最巊の子孫最右の子孫を衚しおいるUDPipeはMaltParserず同じくtransitionベヌスの解析噚であるがニュヌラルネットワヌクベヌスの分類噚を甚いた予枬を行い玠性を蚭定する必芁はないtransitionsystemは既定倀であるprojectiveなarcstandardsystemを甚いたたた解析噚自身で単語分割品詞タグ付けを行うこずができるが他ず条件を揃えるため本論文ではUDPipeは䟝存構造解析のみを行い短単䜍ぞの分割品詞タグ付けは前述のMeCabを甚いた\subsection{䟝存構造スキヌマの比范}\label{sect:dependency-schema-results}長単䜍列の正解デヌタを入力ずしお䞎え6皮類の䟝存構造スキヌマに基づく解析モデルにより構文解析を行った党䜓の粟床ずしおunlabeledattachmentscore(UAS)およびlabeledattachmentscore(LAS)を\Tab{tbl:parsing-results1}に文法機胜タむプごずの粟床(F$_1$score)を\Tab{tbl:parsing-results-deptype-ktc}\Tab{tbl:parsing-results-deptype-bccwj}に瀺す\begin{table}[b]\caption{党䜓解析粟床長単䜍}\label{tbl:parsing-results1}\noindent\input{07table13.tex}\end{table}党䜓的な傟向ずしお埌眮詞句においお助詞を䞻蟞ずするスキヌマ(\HFo,\HFt,\PCH)の粟床が内容語を䞻蟞ずするスキヌマ(\ACHo,\ACHt,\CWH)よりも高い結果ずなっおいる特に埌眮詞句述語句ずもに機胜語を䞻蟞ずし述語句を先に結合する\HFtがいずれの堎合も最も良い粟床ずなっおいるこずは日本語の単語䟝存構造解析を暙準的なtransitionベヌスの構文解析噚ぞの適甚するにあたっお機胜語䞻蟞の構造が粟床面で有利であるこずを瀺唆しおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{文法機胜タむプ別解析結果長単䜍京倧コヌパス}\label{tbl:parsing-results-deptype-ktc}\input{07table14.tex}\end{table}文法機胜タむプ別の粟床を芋るずコヌパスにおいお倧きな割合を占める栌関係の䟝存構造(\dt{nsubj}など)や連甚修食関係(\dt{advcl})䞊列構造\dt{conj}などにおいお\HFo,\HFt,\PCHのスキヌマによる粟床が高いこれらの䟝存構造においお䞻蟞を内容語ずするよりも栌助詞等の機胜語ずする方が有利であるこずを反映しおおり3぀のスキヌマの党䜓粟床が高いこずに寄䞎しおいるず考えられる䞀方連䜓修食関係\dt{rcmod}\dt{ncmod}などの粟床は述語句で内容語を䞻蟞ずするスキヌマ(\PCH,\CWH)が比范的高い粟床を瀺しおいるこずがわかるこれは連䜓修食句の䞻蟞ずなる甚蚀ず䞻名詞の内容語ずの間で盎接䟝存関係を持぀こずが䟝存関係先および文法機胜タむプの決定に寄䞎しおいる結果ず考えられる\begin{table}[t]\caption{文法機胜タむプ別解析結果長単䜍BCCWJ}\label{tbl:parsing-results-deptype-bccwj}\input{07table15.tex}\end{table}必須項の栌関係(\tp{nsubj},\tp{dobj}\tp{iobj})の粟床は付加項の栌関係(\tp{tmod},\tp{lmod})に比べお高い結果ずなっおいる必須項の栌関係に぀いおは兞型的には名詞句に埌眮される栌助詞「が」「を」「に」ず動詞の組合せによっお正しく掚枬可胜な堎合が倚くの割合を占めるのに察しお時間栌や堎所栌は共起しやすい栌助詞「に」「で」がそれ以倖の広範な甚法を持っおおり時間栌堎所栌で甚いられおいるのか他の甚法で甚いられおいるかの刀別が困難であるこずが倚いためず考えられる\paragraph{孊習コヌパス量}孊習コヌパスの芏暡ず解析粟床ずの関係を芋るため京倧コヌパスBCCWJそれぞれに぀いおMaltParserの孊習デヌタずしお䜿う文数を1,000文,3,000文,5,000文,10,000文党文に倉えお解析モデル(\HFo,\HFt,\PCH)を構築し解析粟床の倉化を調べた結果を\Fig{fig:learning-curve}に瀺すどのモデルも本論文の評䟡実隓で甚いた1,000文芏暡でUAS91以䞊の粟床を実珟し10,000文芏暡でUAS93-94に達しおいる1,000--10,000文の区間ではLASの粟床䞊昇幅がUASの䞊昇幅を䞊回っおおり文法機胜タむプの粟床を重芖する堎合10,000文芏暡の孊習デヌタを甚いるのが䞀぀目安ず考えられる\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f8.eps}\end{center}\caption{\label{fig:learning-curve}孊習コヌパス量ず解析粟床の関係}\end{figure}\subsection{䟝存構造単䜍の比范}\label{sect:chunking-results}䟝存構造の単䜍による解析粟床の違いを調べるため京倧コヌパスのデヌタに関しお長単䜍による䟝存構造の他に短単䜍の䟝存構造文節単䜍の䟝存構造に぀いお䟝存構造解析モデルを構築した正解の短単䜍䟝存構造は長単䜍䟝存構造のデヌタを元に各長単䜍を短単䜍に分割し長単䜍内の隣接する短単䜍間に䟝存関係を結び右偎の短単䜍が巊偎の短単䜍の䞻蟞になる構造ずした長単䜍間の䟝存構造は䟝存関係元䟝存関係先それぞれの長単䜍の䞭で䞀番右偎に来る短単䜍すなわち䞻蟞になる短単䜍の間の䟝存構造に倉換したたた長単䜍内郚の短単䜍間の文法機胜タむプは\dt{luw}に統䞀した(\Fig{fig:conversion-luw-to-suw})\paragraph{長単䜍ず短単䜍}長単䜍の䟝存構造解析モデルず短単䜍の䟝存構造解析モデルを比范するため短単䜍列の正解デヌタを入力ずしお長単䜍䟝存構造解析モデル短単䜍䟝存構造解析モデルそれぞれで解析した長単䜍の䟝存構造解析は入力の短単䜍列をComainuでチャンキングした結果の長単䜍列を長単䜍䟝存構造解析モデルで解析した長単䜍の正解デヌタを盎接入力しないのは短単䜍䟝存構造解析モデルず入力の条件を揃えるこずず長単䜍チャンキングの党䜓解析粟床ぞの圱響を加味するためである\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}は京倧コヌパスの短単䜍の圢態玠情報の正解デヌタを入力ずしお長単䜍䟝存構造モデルで解析した結果ず短単䜍䟝存構造モデルで解析した結果である比范のために長単䜍解析モデルの結果も文法機胜タむプ\dt{luw}を甚いお短単䜍の䟝存構造に倉換しお集蚈しおいる短単䜍の䟝存関係で集蚈するず比范的簡単な長単䜍内郚の䟝存関係\dt{luw}が含たれるこずにより粟床が高めに蚈枬されるため括匧内に䟝存関係ラベル\dt{luw}を陀いた粟床を衚瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f9.eps}\end{center}\hangcaption{長単䜍䟝存構造から短単䜍䟝存構造ぞの倉換の䟋({\PCH})長単䜍を分割し構成する短単䜍間に文法機胜タむプ\dt{luw}を持぀䟝存構造に倉換する}\label{fig:conversion-luw-to-suw}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{構文解析結果:䟝存構造単䜍の比范京倧コヌパス}\label{tbl:parsing-results-wordunit}\input{07table16.tex}\vspace{4pt}\small短単䜍間の䟝存構造で集蚈しおいる括匧内は長単䜍内の短単䜍間䟝存関係~\dt{luw}を陀いた倀を瀺す\end{table}\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}のMaltParserの結果では\PCH\CWHを陀いお短単䜍モデルの解析粟床が長単䜍モデルより僅かに勝っおいるのは長単䜍チャンキングの粟床長単䜍境界のF倀99.41品詞のF倀98.80が圱響しおいるず考えられる䞀方UDPipeでは党䜓に短単䜍モデルの結果よりも長単䜍モデルの結果の方が高く長単䜍で䟝存構造を捉えるこずが有効に働いおいる同じスキヌマで比范する限りUDPipeの長単䜍モデルでの解析粟床はMaltParserの長単䜍および短単䜍モデルUDPipeの短単䜍モデルの結果をほが䞊回っおいるこずからある皋床のチャンキングの粟床ず䟝存構造解析噚の基本粟床があれば長単䜍モデルで解析する方が高い粟床が埗られるず考えられる\paragraph{長単䜍/短単䜍ず文節}文節単䜍の䟝存構造ずの比范を行うため京倧コヌパスの20,000文に぀いお単語単䜍を短単䜍に眮換したデヌタを人手で䜜成したこの圢態玠情報デヌタのうち15,893文をCaboChaの孊習デヌタずしお文節チャンキングモデル文節䟝存構造モデルをそれぞれ構築した評䟡デヌタをCaboChaで解析した結果はCoNLL圢匏による短単䜍間の䟝存構造ずしお出力した~\footnote{CaboChaはver.~0.68を甚いた実際の解析は文節䟝存構造ずしお行われるがCaboChaの出力オプションでCoNLL圢匏を指定するこずにより文節内は隣接する巊の単語から右の単語ぞ順に係り右の単語が巊の単語の䞻蟞ずなり文節間はそれぞれの文節の䞻蟞が䟝存関係元ず䟝存関係先の単語ずしお出力される}条件を揃えるためいずれの解析も短単䜍の正解デヌタを入力ずしお䞎え短単䜍解析は短単䜍の䟝存構造解析長単䜍解析はComainuによる長単䜍チャンキングず長単䜍の䟝存構造解析文節解析はCaboChaによる文節チャンキングず文節䟝存構造解析を行った長単䜍/短単䜍䟝存構造ず文節䟝存構造は䟝存構造の単䜍が異なるため単玔な粟床の比范はできないが構文解析から獲埗できる重芁な情報ずしお「栌関係」「連䜓修食関係」「連甚修食関係」「䞊列関係」の4぀の文法機胜タむプのカテゎリに぀いお正解の単語間の䟝存構造を出力できる割合再珟率を調べた文法機胜タむプのカテゎリ分けは栌関係は\tp{nsubj},\tp{dobj},\tp{iobj},\tp{tmod},\tp{lmod},\tp{arg}連䜓修食関係は\tp{rcmod},\tp{rcmod\_nsubj},\tp{rcmod\_dobj},\tp{rcmod\_iobj},\tp{ncmod}連甚修食関係は\tp{advcl}䞊列関係は\tp{conj},\tp{appos}ずしたCaboChaは文法機胜タむプの出力を行わないのでいすれの解析結果に぀いおも文法機胜タむプの正誀は無芖した結果を\Tab{tbl:parsing-results-dtypecat}に瀺すスキヌマにより違いはあるが\HFo,\HFt,\PCHに぀いおはほが文節䟝存構造ず同皋床の粟床を瀺しおいる特に連䜓修食関係ず䞊列関係は文節䟝存構造よりも高い粟床を瀺す結果ずなっおいる䞀方連甚修食関係は文節䟝存構造が単語䟝存構造よりも高い粟床を瀺しおいる䟝存関係にある単語間の距離による傟向を芋るためMaltParserの\HFt長単䜍の結果ずCaboChaの結果に぀いお連䜓修食ず連甚修食の䟝存関係にある単語間の距離短単䜍に換算ず再珟率の関係を\Fig{fig:distance-recall}に瀺す連䜓修食関係の堎合単語䟝存構造の方が党般に高い粟床を瀺しおいる連䜓修食関係の䟝存構造の倚くは5単䜍皋床の短い距離であり6--15短単䜍の䞭皋床の距離の事䟋は少ないため圓おるのが難しい䟝存関係ず考えられる単語䟝存構造は連䜓修食関係のこの䞭皋床の距離においお再珟率の䜎䞋を䜎く抑えられおいる䞀方連甚修食関係の堎合埌眮詞句ず述語や副詞節ず䞻節など絶察的な距離が長くなり埗る関係が含たれるが15短単䜍皋床たでの距離では単語䟝存構造文節䟝存構造で差がないのに察し15短単䜍を超える距離においおは文節䟝存構造の方が粟床を維持しおいるこずが分かるこれは文節にチャンキングするこずにより䟝存構造を持぀単䜍文節の間の実質的な距離を瞮めおいるこずず䟝存構造を構成する組合せの数を枛らしおるこずが有利に働いおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{構文解析結果文法機胜タむプ皮別再珟率}\label{tbl:parsing-results-dtypecat}\input{07table17.tex}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f10.eps}\end{center}\caption{䟝存関係にある単語間の距離ず再珟率}\label{fig:distance-recall}\end{figure}\subsection{述語項構造情報}\label{sect:predicate-arguments-results}\Sect{sect:introduction}で述べたように述語項構造は構文構造ず密接な関係があるため構文構造に有効な情報を持たせれば述語ず項を盎接抜出するこずが可胜である本節では文法機胜タむプ付き䟝存構造解析から抜出可胜な述語項構造の情報の粟床に぀いお評䟡を行う述語項構造を抜出するために盎接目印ずなる文法機胜タむプは必須項の栌関係(\tp{nsubj},\tp{dobj},\tp{iobj})ず内の関係の関係節(\tp{rcmod\_subj},\tp{rcmod\_dobj},\tp{rcmod\_iobj})である䟝存構造解析結果から述語を起点ずしおこれらの文法機胜タむプを蟿るこずによっお述語栌関係項の3぀組$(\mathit{pred},\mathit{rel},\mathit{arg})$を抜出する述語~$\mathit{pred}$は動詞サ倉名詞を含むか圢容詞圢状詞を含む項~$\mathit{arg}$は項の䞻蟞の名詞~$\mathit{rel}$は䞻栌(\dt{nsubj}),察栌(\dt{dobj})䞎栌(\dt{iobj})である正解デヌタは本論文で甚いた京倧コヌパスのデヌタのうちNAISTテキストコヌパスver.~1.5以䞋NAISTコヌパス\cite{Iida:2007:LAW}に収録されおいる述語項構造をこの3぀組に倉換するこずによっお䜜成した基本的にはNAISTコヌパス䞭の栌関係``ga'',``o''および``ni''をそれぞれ\dt{nsubj},\dt{dobj},\dt{iobj}に察応させたただし胜動態䜿圹態等の栌亀替が起きおいる堎合でもNAISTコヌパス䞭の栌関係は胜動態のものに盎しお衚瀺されおいるためコヌパス䞭の態での栌関係になるように人手で修正したたた抜出された3぀組のうちれロ代名詞が含たれおいるものは陀倖しコヌパス䞭の䟝存構造で正解が抜出できる述語項の関係のみに絞った最終的に6,435組を正解の述語項関係ずしお抜出した本実隓では述語項構造解析噚SynCha~\cite{Iida:2011:ACL}や項の情報を扱える構文解析噚KNPず条件を合わせお比范するため平文を入力ずしおMeCabで短単䜍ぞの圢態玠解析を行いComainuでの長単䜍チャンキングを経由しおMaltParserたたはUDPipeで䟝存構造解析を行った長単䜍䟝存構造解析SynChaは入力された平文をCaboChaで文節䟝存構造解析を行った結果に察しお述語項構造解析を行いKNPは入力された平文を文節䟝存構造解析ず行い出力された各関係の情報を述語項構造情報に倉換した\footnote{Synchaはver.0.3.1KNPはver.4.1-betaを甚いた}\Tab{tbl:pas-results}は抜出された述語項の3぀組ず正解デヌタを比范した結果である\PCH\CWHは構文解析粟床の結果では\HFo,\HFtに及ばなかったが述語項構造情報の粟床に関しおMaltParserでは\PCHUDPipeでは\CWHが最も良い結果ずなっおいるこのこずは\PCH\CWHが述語句内の内容語を䞻蟞ずするこずにより項になる芁玠ず述語で盎接の䟝存構造が構成される特城によるものず考えられるSynChaはれロ代名詞の認定や照応解析も行っおおり盎接的な比范はできないが本論文の単語䟝存構造解析結果から抜出した述語項構造の粟床は構文解析文節䟝存構造解析ず述語項構造解析を2段階で行っおいるSynChaの粟床を十分に䞊回っおおり䟝存構造解析時に同時に単語間の栌関係を同定するこずが劥圓であるこずを瀺しおいるず考えられる特に\PCH\CWHの結果は再珟率はKNPには及ばないが適合率F$_1$scoreでは同等以䞊の結果が埗られおいる\begin{table}[t]\caption{述語項構造情報獲埗結果長単䜍}\label{tbl:pas-results}\input{07table18.tex}\end{table}たた本論文の文法機胜タむプ付き䟝存構造解析のように述語項構造解析ず構文解析ず同時に行っおいる堎合構文解析ず述語項構造解析を倚段で行った堎合に比べお䞡者の敎合性を保持しやすい利点がある兞型的な䟋は「庭から逃げた猫の足跡」のように䞻名詞を含む名詞句に「AのB」を持぀ような関係節を含む解析である名詞Aが関係節の項に成る堎合は通垞関係節の述語ず名詞Aの間に䟝存関係があるず考えられるが単語䟝存構造解析の堎合はこれらの関係を同時に扱うこずができるこの䟋で述語「逃げる」ず統語的に関係のある語を「猫」ずするのか「足跡」なのか刀断が難しい堎合であっおも述語「逃げる」の䞻栌の項が「猫」になり可胜性が高いず掚定できたずするず述語「逃げる」ず名詞「猫」の間に\dt{rcmod\_nsubj}ずいう文法機胜タむプを持぀䟝存構造を構成し自動的に「逃げる」ず「猫」の間に統語的関係があるずいう解析結果になる構文解析ず述語項構造解析の倚段凊理の堎合は前段の構文解析での刀断が難しく誀った䟝存構造を構成しおしたうず埌段の述語項構造解析でその誀りを䌝播させる可胜性が高たるたた前段の構文解析結果ず埌段の述語項構造解析の結果で敎合が取れる保蚌もない\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f11.eps}\end{center}\caption{単語䟝存構造解析ず述語項構造解析の結果の䟋その1}\label{fig:predarg-worddep1}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f12.eps}\end{center}\caption{単語䟝存構造解析ず述語項構造解析の結果の䟋その2}\label{fig:predarg-worddep2}\end{figure}\Fig{fig:predarg-worddep1}は単語䟝存構造解析の結果文節䟝存構造解析ず述語構造解析の2段凊理による結果の実際の䟋である単語䟝存構造解析の結果では述語「接する」ず項「むタリア」が䞻栌ず述語の連䜓修食関係(\dt{rcmod\_nsubj})で䟝存構造を構成しおおり構文解析結果ず述語項構造解析結果が敎合しおいる文節䟝存構造解析では述語を含む文節「接する」ず文節「政治動向は」で誀った䟝存構造を構成しおいる䞀方で述語項構造解析では正しい項「むタリアの」を抜出しおおり䞡解析結果で敎合が取れおいないたた\Fig{fig:predarg-worddep2}の単語䟝存構造解析の結果では述語「芋萜ずされる」ず項「仕組み」が䞻栌ず述語の連䜓修食関係(\dt{rcmod\_nsubj})で䟝存構造を構成しおいるそれに察し文節䟝存構造解析では述語を含む文節「芋萜ずされおいる」ず文節「政治の」で誀った䟝存構造を構成した結果正しい項「仕組み」を抜出するこずに倱敗しおいる実隓で䜿甚したテストセットに含たれるこのような構造75䟋のうち文法機胜タむプ付き単語構造解析では42䟋で述語項構造ず䟝存構造が正しく抜出できたのに察しおCaboChaSynChaの倚段凊理で正しく抜出できたのものは6䟋に止たった\subsection{評䟡のたずめ}\label{sect:evaluation-summary}\Sect{sect:evaluation}では䟝存構造スキヌマ䟝存構造の単䜍述語項構造情報の3点に着目しお構文解析噚ぞの適甚性を評䟡した䜿甚した構文解析噚はtransitionベヌスの2皮類に限定しおおり玠性蚭蚈を最適化しおいるわけではないため確定的な結論は導き出せないが評䟡実隓によっお埗られた本論文の単語䟝存構造を解析噚で䜿甚する堎合の傟向特性に぀いお以䞋で述べる䟝存構造スキヌマに぀いおは埌眮詞句においお機胜語を䞻蟞ずする項機胜語䞻蟞型の\HFo,\HFt,\PCHが構文解析の党䜓的な粟床が高い傟向にある特に述語文節結合型ず組み合わせた\HFtが他の2぀のスキヌマより僅かに高い粟床を出しおいるこの結果は栌助詞等の機胜語で埌眮詞の統語的圹割を決め述語は埌続する機胜語からなる述語句を単䜍ずしお他の句ず統語的関係を持぀ずいう日本語の特性を反映しおいるず考えられる䟝存構造の単䜍を長単䜍にするか短単䜍にするかは\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}のMaltParserの結果のみからは刀断が難しいがUDPipeの長単䜍の結果がほが党おのスキヌマにおいおUDPipe短単䜍の結果MaltParserの長単䜍短単䜍の結果を䞊回っおいるこずから解析噚ぞの適甚面でも構文構造を芋通し良く衚珟できる長単䜍ベヌスの䟝存構造を甚いるのが良いず考えるたた本実隓の結果は長単䜍チャンキングの誀りを含んでいるのでチャンキングの粟床向䞊によっおも解析粟床党䜓の向䞊が期埅できるたた\Tab{tbl:parsing-results-dtypecat}に瀺されるように連甚修食関係以倖の䞻芁な文法機胜タむプを持぀䟝存構造に぀いお長単䜍ベヌスの項機胜䞻蟞型\HFo,\HFt,\PCHの単語䟝存構造解析の粟床が文節䟝存構造解析のCaboChaの粟床ず同等以䞊の結果を出しおおり日本語の構文解析ずしお単語䟝存構造を甚いるこずは実甚性があるず考える述語項構造情報の取埗に関しおは党おのスキヌマで2段階解析のSynChaの結果を䞊回っおおり述語項構造情報を考慮しながら構文解析を行っおいる効果が衚れおいるず考えおいる述語項構造情報の取埗に関しおは内容語䞻蟞型の\PCH,\CWHが高い粟床を出しおおり栌助詞等の手がかりがない関係節においお内容語同士の関係を捉えやすいスキヌマの特性が反映されおいるず考えられる以䞊の結果から構文解析の粟床を重芖する堎合長単䜍ベヌスで項機胜語䞻蟞型のスキヌマ特に\HFtが第1候補ずしお挙げられるたた述語項構造情報を扱う堎合は\PCH,\CWHが有利だず考えられるただし珟実的にはタスクに応じお耇数の䟝存構造スキヌマのコヌパスや解析モデルを甚意するこずは効率が悪いため\HFtなど䞀぀のスキヌマをベヌスずしおUDを含む他のスキヌマぞ倉換可胜な情報を付加した拡匵スキヌマを策定するこずが䞀぀の有力な方法であるず考える \section{単語間䟝存構造の課題} \label{sect:problems}\subsection{名詞句の内郚構造の扱い}䟝存構造の単䜍ずしおBCCWJの長単䜍を採甚するこずで機胜語間の関係のように重芁床の䜎い䟝存関係を無芖できる反面名詞句内の内郚構造のような構造の衚珟胜力に制玄がある䟋えば「以降」のように短単䜍品詞が「名詞-普通名詞-副詞可胜」である語や「解消」のように「名詞-普通名詞-サ倉可胜」である語は先行する名詞句ず結合しお䞀぀の長単䜍を構成するため前方から修食する芁玠がある堎合に長単䜍党䜓ず䟝存関係を䜜るこずになる䟋えば「昚幎/の/事件以降」「項構造/の/曖昧性解消」ずいう長単䜍に区切られるため「昚幎の事件」「項構造の曖昧性」ずいう単䜍の名詞句を切り出すこずができないこの問題に関しおは党おを短単䜍の䟝存構造ずしお扱う方法あるいはこのような名詞句の構造を別の階局ずしお扱う方法等が考えられるが前者は解析粟床ぞの圱響の面埌者は文節䟝存構造ず同様に階局的構造の凊理を別に考慮する耇雑さが生じるずいう面があるたた䟝存構造解析の単䜍ずしお長単䜍ず短単䜍の䞭間的な単䜍を定矩するずいう遞択肢も考えられるただし䞀貫性を確保できる明確な定矩などさらなる怜蚎が必芁である\subsection{アスペクト・ムヌドの扱い}本論文の䟝存構造では耇雑になるこずを避けるためアスペクトムヌドを含む助動詞補助動詞等を䞀括しお扱い項ず述語のたずたりに埌に結合するか1型述語ず先に結合するか2型の2皮類に分類したしかしながら寺村の分類~\cite{寺村:1984}にあるようにアスペクトを衚す補助動詞を述語ず結合しお「コト」叙述内容の構造を䞀旊構成しテンス掚量や説明等の抂蚀のムヌドず呌んでいる助動詞助詞類を倖偎に結合するずいう文の構成を䟝存構造や文法機胜タむプに反映させるこずは文党䜓の意味解析凊理に利甚する䞊で有甚であるず考えられるこれを実珟するためにはアスペクトムヌドの分類ずずもに文法機胜タむプ䟝存構造ぞの反映方法が怜蚎事項ずなる\subsection{UniversalDependenciesずの関係}UDは䟝存構造スキヌマ\CWHず類䌌した構造を持っおいるが本論文の評䟡結果からは項機胜語䞻蟞型の\HFo,\HFt,\PCHに比べお粟床面で䜎くなる傟向が芋られおいるたた本論文で文法機胜タむプずしお導入した連䜓修食節の区別はUDでは存圚しないなどUDの方が情報量が少ない傟向にあるため蚀語リ゜ヌスを構築する際にはスヌパヌセットずしお本論文で述べたようなスキヌマで行いUDに倉換するずいう方法も有力であるず考える\footnote{UDの蚀語䟝存仕様ずしおサブタむプを定矩する方法も考えられる}構文解析噚でUDの結果を埗ようずする際には盎接UDの構造を出力するのではなく構造の近い\PCHで解析結果を埗おUDに倉換するこずも遞択肢になるず考えられるUDの䞻芁な文法機胜タむプは連䜓修食や付加項の现分類を陀いおほが同等であるので文法機胜タむプの倉換に関しおは可胜であるず考えられる構造的な倉換に関しおは党面的に内容語が䞻蟞になる構造や先頭の芁玠が䞻蟞になる䞊列構造ぞの等ぞの察応を怜蚎する必芁がある \section{たずめ} \label{sect:conclusion}本論文では日本語の構文解析においお構文の構成玠ず敎合する単語を単䜍ずしか぀文法機胜情報を利甚可胜にするため文法機胜タむプ付き単語䟝存構造解析を提案した6タむプの䟝存構造スキヌマを考えそれぞれに぀いお䟝存構造モデルを構築し構文解析噚での解析粟床に぀いお調べた党般的に埌眮詞句においおは機胜語を䞻蟞ずするスキヌマが粟床的に有利であるずいう傟向があり項機胜語䞻蟞型の単語䟝存構造解析は文節䟝存構造解析ず同等の粟床が実珟可胜であるこずが確かめられたさらに単語䟝存構造解析の文法機胜タむプにより埗られる述語項構造情報は構文解析ず倚段で行う述語項構造解析に匹敵する粟床であるこずが確認された意味解析ずの芪和性をより高めるために名詞句の構造の掗緎化やアスペクトムヌド等の文構造の反映方法が今埌の怜蚎事項であるず考えおいるたた倚蚀語暪断の構文解析の枠組みを目指したUniversalDependenciesの察応に぀いおも解析粟床や情報量の面で有利である本論文で扱った䟝存構造スキヌマを介しお解析倉換を行うこずは有力な方法の䞀぀であるず考える\acknowledgmentUniversalDependenciesを通じお日本語の単語䟝存構造に぀いお掻発にご議論いただいおいるUniversalDependencies日本語チヌムの皆様に感謝申し䞊げたす本皿はACL-IJCNLP2015:Word-basedJapaneseTypedDependencyParsingwithGramaticalFunctionAnalysisで発衚した内容をもずに加筆修正を行ったものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA金山\JBA宮尟\JBA田侭\JBA倧村\JBA村脇\JBA束本}{浅原\Jetal}{2019}]{Asahara:2019:JNLP}浅原正幞\JBA金山博\JBA宮尟祐介\JBA田䞭貎秋\JBA倧村舞\JBA村脇有吟\JBA束本裕治\BBOP2019\BBCP.\newblockUniversalDependencies日本語コヌパス.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf26}(1),\mbox{\BPGS\3--36}.\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2018}]{Asahara:2018:JNLP}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2018\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』に察する文節係り受け・䞊列構造アノテヌション.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf25}(4),\mbox{\BPGS\331--356}.\bibitem[\protect\BCAY{戞次}{戞次}{2010}]{Bekki:2010}戞次倧介\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{日本語文法の圢匏理論}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Fujita,\BBA\Tanaka}{Bondet~al.}{2008}]{Bond:2008:LRE}Bond,F.,Fujita,S.,\BBA\Tanaka,T.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQTheHinokiSyntacticandSemanticTreebankofJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf42}(2),\mbox{\BPGS\243--251}.\bibitem[\protect\BCAY{Butler,Zhou,\BBA\Yoshimoto}{Butleret~al.}{2012a}]{Butler:2012:ANLP}Butler,A.,Zhou,Z.,\BBA\Yoshimoto,K.\BBOP2012a\BBCP.\newblock\BBOQProblemsforSuccessfulBunsetsuBasedParsingandSomeSolutions.\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\951--954}.\bibitem[\protect\BCAY{Butler,Hotta,Otomo,Yoshimoto,Zhou,\BBA\Zhu}{Butleret~al.}{2012b}]{Butler:2012:WS}Butler,A.,Hotta,H.,Otomo,R.,Yoshimoto,K.,Zhou,Z.,\BBA\Zhu,H.\BBOP2012b\BBCP.\newblock\BBOQKeyakiTreebank:PhraseStructurewithFunctionalInformationforJapanese.\BBCQ\\newblock\Jem{テキストアノテヌションワヌクショップ囜立囜語孊研究所}.\bibitem[\protect\BCAY{Copestake,Flickinger,Pollard,\BBA\Sag}{Copestakeet~al.}{2005}]{Copestake:2005:LRC}Copestake,A.,Flickinger,D.,Pollard,C.,\BBA\Sag,I.~A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQMinimalRecursionSemantics:AnIntroduction.\BBCQ\\newblock{\BemResearchonLanguageandComputation},{\Bbf3}(4),\mbox{\BPGS\281--332}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe\BBA\Manning}{de~Marneffe\BBA\Manning}{2008}]{DeMarneffe:2008:COLINGWS}de~Marneffe,M.-C.\BBACOMMA\\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQTheStanfordTypedDependenciesRepresentation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING2008WorkshoponCross-frameworkandCross-domainParserEvaluation},\mbox{\BPGS\1--8}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe,Silveira,Dozat,Haverinen,Ginter,Nivre,\BBA\Manning}{de~Marneffeet~al.}{2014}]{DeMarneffe:2014:LREC}de~Marneffe,M.-C.,Silveira,N.,Dozat,T.,Haverinen,K.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalStanfordDependencies:ACross-linguisticTypology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2014,\mbox{\BPGS\4585--4592}.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Nakamura,Ogiso,\BBA\Ogura}{Denet~al.}{2008}]{Den:2008:LREC}Den,Y.,Nakamura,J.,Ogiso,T.,\BBA\Ogura,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAProperApproachtoJapaneseMorphologicalAnalysis:Dictionary,ModelandEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2008,\mbox{\BPGS\1019--1024}.\bibitem[\protect\BCAY{Fang,Butler,\BBA\Yoshimoto}{Fanget~al.}{2014}]{Fang:2014:ANLP}Fang,T.,Butler,A.,\BBA\Yoshimoto,K.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQParsingJapanesewithaPCFGTreebankGrammar.\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\432--435}.\bibitem[\protect\BCAY{Gunji}{Gunji}{1987}]{Gunji:1987}Gunji,T.\BBOP1987\BBCP.\newblock{\BemJapanesePhraseStructureGrammar:AUnification-BasedApproach}.\newblockD.Reidel(Kluwer).\bibitem[\protect\BCAY{星野\JBA宮尟\JBA須藀\JBA林\JBAæ°žç”°}{星野\Jetal}{2019}]{Hoshino:2019:IPSJ}星野翔\JBA宮尟祐介\JBA須藀克仁\JBA林克圊\JBA氞田昌明\BBOP2019\BBCP.\newblock統蚈的機械翻蚳のための統語に基づく単玔な事前䞊べ替え手法.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf60}(3),\mbox{\BPGS\890--902}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Komachi,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2007}]{Iida:2007:LAW}Iida,R.,Komachi,M.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatingaJapaneseTextCorpuswithPredicate-argumentandCoreferenceRelations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthetheLinguisticAnnotationWorkshop},LAW'07,\mbox{\BPGS\132--139}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida\BBA\Poesio}{Iida\BBA\Poesio}{2011}]{Iida:2011:ACL}Iida,R.\BBACOMMA\\BBA\Poesio,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQACross-LingualILPSolutiontoZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},ACL-HLT2011,\mbox{\BPGS\804--813}.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{ikehara:1997}池原悟\JBA宮厎雅匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳史\JBA林良圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{金山\JBA宮尟\JBA田侭\JBA森\JBA浅原\JBA怍束}{金山\Jetal}{2015}]{Kanayama:2015:ANLP}金山博\JBA宮尟祐介\JBA田䞭貎秋\JBA森信介\JBA浅原正幞\JBA怍束すみれ\BBOP2015\BBCP.\newblock日本語UniversalDependenciesの詊案.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\505--508}.\bibitem[\protect\BCAY{Kaplan\BBA\Bresnan}{Kaplan\BBA\Bresnan}{1982}]{Kaplan:1982:MRGR}Kaplan,R.~M.\BBACOMMA\\BBA\Bresnan,J.\BBOP1982\BBCP.\newblock\BBOQLexical-FunctionalGrammar:aFormalSystemforGrammaticalRepresentation.\BBCQ\\newblock{\BemTheMentalRepresentationofGrammaticalRelations},\mbox{\BPGS\173--281}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{Kawahara:2006:HLTNAACL}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAFully-lexicalizedProbabilisticModelforJapaneseSyntacticandCaseStructureAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationofComputationalLinguistics},HLT-NAACL2006,\mbox{\BPGS\176--183}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2002}]{Kudo:2002:CoNLL}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyAnalysisUsingCascadedChunking.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thConferenceonNaturalLanguageLearning},\lowercase{\BVOL}~20of{\BemCoNLL2002},\mbox{\BPGS\1--7}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,\protect\mbox{Yamamoto},\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{Kudo:2004:EMNLP}Kudo,T.,\protect\mbox{Yamamoto},K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldstoJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},EMNLP2004,\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{2003}]{Kurohashi:2003}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP2003\BBCP.\newblock{\BemBuildingaJapaneseParsedCorpus--whileImprovingtheParsingSystem},\BCH~14,\mbox{\BPGS\249--260}.\newblockKluwerAcademicPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa,Yamazaki,Ogiso,Maruyama,Ogura,Kashino,Koiso,Yamaguchi,Tanaka,\BBA\Den}{Maekawaet~al.}{2014}]{Maekawa:2014:LRE}Maekawa,K.,Yamazaki,M.,Ogiso,T.,Maruyama,T.,Ogura,H.,Kashino,W.,Koiso,H.,Yamaguchi,M.,Tanaka,M.,\BBA\Den,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQBalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf48}(2),\mbox{\BPGS\345--371}.\bibitem[\protect\BCAY{増垂\JBA倧熊}{増垂\JBA倧熊}{2003}]{Masuichi:2003:JNLP}増垂博\JBA倧熊智子\BBOP2003\BBCP.\newblockLexicalFunctionalGrammarに基づく実甚的な日本語解析システムの構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf10}(2),\mbox{\BPGS\79--109}.\bibitem[\protect\BCAY{McDonald,Nivre,Quirmbach-Brundage,Goldberg,Das,Ganchev,Hall,Petrov,Zhang,T{\"{a}}ckstr{\"{o}}m,Bedini,Castell{\'{o}},\BBA\Lee}{McDonaldet~al.}{2013}]{McDonald:2013:ACL}McDonald,R.,Nivre,J.,Quirmbach-Brundage,Y.,Goldberg,Y.,Das,D.,Ganchev,K.,Hall,K.,Petrov,S.,Zhang,H.,T{\"{a}}ckstr{\"{o}}m,O.,Bedini,C.,Castell{\'{o}},N.~B.,\BBA\Lee,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencyAnnotationforMultilingualParsing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},ACL2013,\mbox{\BPGS\92--97}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori,Ogura,\BBA\Sasada}{Moriet~al.}{2014}]{Mori:2014:LREC}Mori,S.,Ogura,H.,\BBA\Sasada,T.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQAJapaneseWordDependencyCorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2014,\mbox{\BPGS\753--758}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata\BBA\Morimoto}{Nagata\BBA\Morimoto}{1993}]{Nagata:1993:IEICE}Nagata,M.\BBACOMMA\\BBA\Morimoto,T.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQAUnification-basedJapaneseParserforSpeech-to-speechTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemIEICETransactiononInformationandSystems},{\BbfE76-D}(1),\mbox{\BPGS\51--61}.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre}{Nivre}{2015}]{Nivre:2015:CICLing}Nivre,J.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQTowardsaUniversalGrammarforNaturalLanguageProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemComputationalLinguisticsandIntelligentTextProcessing-16thInternationalConference,CICLing2015,Cairo,Egypt,April14--20,2015,Proceedings,PartI},\mbox{\BPGS\3--16}.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre,Hall,Nilsson,Chanev,Ery{\.{i}}{\v{g}}{\.{i}}t,K{\"{u}}bler,Marinov,\BBA\Marsi}{Nivreet~al.}{2007}]{Nivre:2007:NLE}Nivre,J.,Hall,J.,Nilsson,J.,Chanev,A.,Ery{\.{i}}{\v{g}}{\.{i}}t,G.,K{\"{u}}bler,S.,Marinov,S.,\BBA\Marsi,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMaltParser:ALanguage-independentSystemforData-drivenDependencyParsing.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofNaturalLanguageEngineering},{\Bbf13}(2),\mbox{\BPGS\95--135}.\bibitem[\protect\BCAY{Noro,Hashimoto,Tokunaga,\BBA\Tanaka.}{Noroet~al.}{2005}]{Noro:2005:SYM}Noro,T.,Hashimoto,T.,Tokunaga,T.,\BBA\Tanaka.,H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaLarge-scaleJapaneseSyntacticallyAnnotatedCorpusforDerivingaCFG.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofSymposiumonLarge-ScaleKnowledgeResources},\mbox{\BPGS\159--162}.\bibitem[\protect\BCAY{小怋\JBA小朚曜\JBA小磯\JBA冚士池\JBA盞銬}{小怋\Jetal}{2007}]{Ogura:2007:ANLP}小怋秀暹\JBA小朚曜智信\JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA盞銬さ぀き\BBOP2007\BBCP.\newblock「珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス」の短単䜍解析に぀いお.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\720--723}.\bibitem[\protect\BCAY{小柀\JBA内元\JBA䌝}{小柀\Jetal}{2014}]{Kozawa:2014:JNLP}小柀俊介\JBA内元枅貎\JBA䌝康晎\BBOP2014\BBCP.\newblock長単䜍解析噚の異なる品詞䜓系ぞの適甚.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(2),\mbox{\BPGS\379--401}.\bibitem[\protect\BCAY{Sag,Wasow,\BBA\Bender}{Saget~al.}{2003}]{Sag:2003}Sag,I.~A.,Wasow,T.,\BBA\Bender,E.~M.\BBOP2003\BBCP.\newblock{\BemSyntacticTheory:AFormalIntroduction}.\newblock2ndEdition,CSLIPublications.\bibitem[\protect\BCAY{Siegel\BBA\Bender}{Siegel\BBA\Bender}{2002}]{Siegel:2002:WS}Siegel,M.\BBACOMMA\\BBA\Bender,E.~M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQEfficientDeepProcessingofJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdWorkshoponAsianLanguageResourcesandInternationalStandardizationatthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\lowercase{\BVOL}~12,\mbox{\BPGS\1--8}.\bibitem[\protect\BCAY{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{2017}]{udpipe:2017}Straka,M.\BBACOMMA\\BBA\Strakov{\'{a}},J.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQTokenizing,POSTagging,LemmatizingandParsingUD2.0withUDPipe.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\88--99},Vancouver,Canada.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka,Miyao,Asahara,Uematsu,Kanayama,Mori,\BBA\Matsumoto}{Tanakaet~al.}{2016}]{Tanaka:2016:LREC}Tanaka,T.,Miyao,Y.,Asahara,M.,Uematsu,S.,Kanayama,H.,Mori,S.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependenciesforJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2016,\mbox{\BPGS\1651--1658}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Nagata}{Tanaka\BBA\Nagata}{2013}]{Tanaka:2013:SPMRL}Tanaka,T.\BBACOMMA\\BBA\Nagata,M.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQConstructingaPracticalConstituentParserfromaJapaneseTreebankwithFunctionLabels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFourthWorkshoponStatisticalParsingofMorphologically-RichLanguages},SPMRL2013,\mbox{\BPGS\108--118}.\bibitem[\protect\BCAY{寺村}{寺村}{1984}]{寺村:1984}寺村秀倫\BBOP1984\BBCP.\newblock\Jem{日本語のシンタックスず意味I--III}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto\BBA\Den}{Uchimoto\BBA\Den}{2008}]{Uchimoto:2008:LREC}Uchimoto,K.\BBACOMMA\\BBA\Den,Y.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQWord-levelDependency-structureAnnotationtoCorpusofSpontaneousJapaneseanditsApplication.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2008,\mbox{\BPGS\3118--3122}.\bibitem[\protect\BCAY{Uematsu,Matsuzaki,Hanaoka,Miyao,\BBA\Mima}{Uematsuet~al.}{2013}]{Uematsu:2013:ACL}Uematsu,S.,Matsuzaki,T.,Hanaoka,H.,Miyao,Y.,\BBA\Mima,H.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQIntegratingMultipleDependencyCorporaforInducingWide-coverageJapaneseCCGResources.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},ACL-2013,\mbox{\BPGS\1042--1051}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{田䞭貎秋}{1996幎倧阪倧孊倧孊院基瀎工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2007幎--2012幎西日本電信電話株匏䌚瀟研究開発センタ勀務珟圚日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究所にお自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{氞田昌明}{1987幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟珟圚コミュニケヌション科孊研究所䞊垭特別研究員工孊博士自然蚀語凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V17N01-02
\section{はじめに} \label{sec:introduction}珟圚ではりェブ䞊の文曞をはじめずしお倚皮倚様な文曞に簡単にアクセスするこずができるニュヌスやブログの蚘事にはさたざたな出来事が蚘述されその䞭には数倚くの地名が含たれおいる地名等の固有名詞は蟞曞未登録語であるこずが倚く文曞の自動凊理における未知語凊理の問題の䞻因の䞀぀ずなっおいる地名は人名や組織名等の他の固有名詞ず比べおその芁玠に倉動が少なく詳现な蟞曞の䜜成が可胜ずいう特城がある地名に぀いおは地図䜜成や郵䟿業務等のためどの囜でも詳现な蟞曞が存圚するためこれを利甚するこずでその地名に付随する囜や堎所等の属性を埗るこずが可胜であるしかし文曞䞭に出珟する地名はその文曞の蚘述蚀語を母語ずする囜の地名であるずは限らずニュヌス文曞等にあっおは理論䞊党䞖界のどの地名でも珟れ埗るそのため地名の特定にはすべおの囜の詳现な地名蟞曞を確認する必芁があるこずずなりこれは効率の面からも蟞曞の蚘述方匏や蚘述粒床の䞍統䞀の面からも珟実的であるずはいえない倖囜も含めた゚リア掚定を行うには(1)地名文字列の認識(2)地名文字列の囜掚定(3)地名文字列ず堎所ずの察応付けの䞉段階の凊理が必芁である䟋を挙げれば(1)で``Sparta''ずいう語を地名ず認識し(2)で所属囜がギリシャかアメリカである可胜性が高いず掚定し(3)でその文曞䞭での``Sparta''がアメリカのりィスコンシン州の地名を指しおいるこずを瀺すずの手順であるこのうち(1)の地名文字列の認識に぀いおは固有名詞認識凊理の研究が盛んに行われおおりたた(3)の地名文字列ず堎所ずの察応付けに぀いおは前述の䟋のように耇数の囜に出珟する可胜性のある曖昧な地名を察象ずしお地名の蟞曞匕きを行い文脈情報ず照らし合わせお地名を特定する手法が䞻に研究されおいるそれに察しお(2)の地名文字列の囜掚定凊理に぀いおはほずんど研究されおおらず囜がわからないため蟞曞匕き察象ずする蟞曞が特定できない堎合には察応できおいないそこで本皿では(3)の凊理の前凊理ずしお地名に察しおその所属する囜を十分に絞り蟌む手法を提案するここでの十分な絞蟌みずは可胜性のある囜を䞉個以䞋に抑えるこずを意味する``Sparta''ずいう地名がギリシャずアメリカの䞡方にあるように耇数の囜に同䞀の地名が存圚する可胜性があるなどすべおの地名に぀いお囜を䞀意に絞り蟌むこずは必ずしも正しいずはいえない所属囜候補の数を䞉個以䞋たで絞り蟌むこずができれば最終的な地名の刀別は蟞曞ベヌスで行う等他の手法ずの組合せによる粟床の向䞊の実珟が期埅できる本皿では蟞曞を利甚できない状況を想定しおいるため地名の持぀衚局情報のみを凊理に甚いるこれは蚀語識別タスクの䞀぀ず䜍眮づけるこずが可胜であるが地名は䞀般に二単語皋床の短い単語列であり利甚できる情報が極端に少ないこずが通垞の文章を察象ずした蚀語識別ず倧きく異なる点である \section{地名の持぀衚局情報を掻甚した所属囜掚定} \label{sec:area-identification-with-surface-features}これたでの地名に察する゚リア掚定における堎所ずの察応付け凊理は(i)地名蟞曞(ii)文脈情報(iii)地理的瀟䌚的情報の䞉぀の芁玠を組み合わせるこずによっお問題解決を詊みるアプロヌチが䞻流であったこのアプロヌチの問題点は堎所の特定を行うために必芁な蚀語リ゜ヌスをあらかじめ倧量に準備しなければならないこずにある事前に甚意した蟞曞から埗るこずができる情報を参照しながら文曞䞭で地名が出珟する前埌の文脈を考慮しお地名ず堎所の察応付けが行われるが耇数の堎所が候補ずしおあがる堎合が倚くそのずきには曖昧性の解消を行うこずになる機械翻蚳等ず同様にこのような地名の曖昧性の解消のために必芁な詳现な情報を事前に甚意しおおく必芁があるたた地理的情報や瀟䌚的情報は付加的なものでありこの曖昧性解消に有効な情報を十分に収集するこずが困難な堎合もあるこのようなアプロヌチにおいおは文脈情報や付加的な情報を䜿うこずが難しい堎合には地名蟞曞の䞭にその地名が茉っおいるかどうかが地名ず堎所の察応付けの粟床を倧きく決定づけるこずになるこれら䞉぀の芁玠をなるべく䜿わずに地名ず堎所の察応づけを行うこずができれば少ない事前準備で比范的簡単に゚リア掚定を実珟するこずが可胜ずなる前述のような地名蟞曞や文脈情報地理的瀟䌚的情報等を䜿わずに地名の衚局情報のみを甚いお所属囜を掚定するためにSanoらは$n$-gram情報等の地名の衚局に珟れる特城に着目した分類噚を甚いた掚定手法を提案しおいる~\cite{tomohisa07snlp}SanoらはSVMを二倀分類噚ずしお䜿甚しある地名が察象囜の地名であるかどうかを刀定するこずで所属囜候補を遞び出しおいるSanoらの手法は文字単䜍の統蚈情報のみを玠性ずするシンプルな手法であるにもかかわらず実隓の結果ずしお最高で0.93最䜎で0.69のF倀を埗おいるこずから衚局的な情報は地名の所属囜掚定に有甚な特城を有しおいるものず考えられるしかし地名文字列が所属囜を特定するのに十分な情報を有しおいない堎合にはほずんどの囜が候補ずしお残っおしたう堎合があったこれは正しい所属囜が候補から削陀されおしたうこずを避けるために適合率よりも再珟率をより重芖しおいるこずに起因しおいるその結果ずしお囜によっおは適合率が55.09\%ず䜎くなる堎合がありどんな囜に察しおも高い粟床の掚定が可胜な手法の提案が課題ずなっおいたこの問題を解決するためには所属囜掚定の結果ずしお候補の数が倚くならないように可胜性の䜎い候補を芋぀け出しお陀去する凊理が必芁ずなる候補に正解を残したたた候補の数を削枛するこずが可胜ずなれば適合率を向䞊させるこずができるそこで本皿ではSanoらの手法ず同様に地名が持぀衚局的な情報のみを利甚しお所属する可胜性の高い候補の掚定凊理に加え所属する可胜性の䜎い候補の陀去による絞蟌み凊理を行うこずで再珟率ず適合率の双方の向䞊を実珟する手法を提案する \section{所属囜掚定のための衚局情報} \label{sec:surface-features}本節では本皿で察象ずする囜の地名が持぀衚局情報の特城に぀いお述べるここでは察象ずなる囜の地名が含たれるコヌパスから埗られる情報を明らかにしそこから読みずるこずのできる特城を瀺し衚局情報を甚いた所属囜の掚定を実珟するために必芁な手がかりを挙げおいく地名は䞀般的に数単語から成るたかだか十数文字皋床の文字列であるためそこから埗られる情報は決しお倚いずはいえないしかし人間には地名の所属囜の掚枬が可胜であるこずから地名文字列から埗られる衚局的な特城は所属囜の掚定を可胜にする情報を有しおいるず考えるこずができる地名は人名や組織名ず比范しおその所属囜に察する垰属性が高いこれは地名そのものがその土地や蚀語文化に密接に関連するものであるためである぀たりある特定の囜に属する地名はある特定の特城を共有しそれが文字列ずしおの衚局にも珟れおいるず考えるこずができるたた地名は文字列であるだけでなく単語列であるず捉えるこずも可胜である単語レベルの情報は文字レベルの情報ず比范しおより確床の高い情報をもたらすが個々の単語の出珟頻床が䜎いずいう点を考慮する必芁があるSanoらはブロックずよばれる単䜍の頻床情報を甚いおこの点に察凊し単語レベルで起こりやすいデヌタのスパヌスネスの問題を解決するこずで所属囜の掚定の粟床を向䞊させるこずができたず報告しおいる\cite{tomohisa09ieice}ブロックずは䞀皮の語頭や語尟であり蚀語的特城が地名の先頭や末尟に珟れやすいずいう特城を利甚したものである本皿では地名の集合が持぀衚局的な特城を囜ごずに抜出しこれを甚いお所属囜の掚定を行う衚局的な情報のみを甚いお所属囜を掚定する堎合に必芁な蚀語リ゜ヌスは地名コヌパスのみである地名コヌパスずは囜ごずに䜜成した地名リストを指しその囜に属する地名の集合である本皿では倖囜語文曞䞭に埋め蟌たれた地名の所属囜掚定も想定しおいるため字皮情報が所属囜の掚定に圱響しないよう囜に䟝らずラテン文字による蚘述ずする文字レベルの特城は玄30皮類の文字\footnote{本皿では衚蚘の揺れを排陀するためにラテン文字の倧文字小文字の区別は行わないその他空癜も文字ずしお扱うただしりムラりト等のアクセント蚘号やハむフン等の蚘号は陀去するしたがっお凊理の䞊では蚈27皮類の文字を甚いる䟋えば``LandBaden-W\"{u}rttemberg''ずいう地名は``LANDBADENWURTTEMBERG''ずしお扱い3単語22文字から成るものずする空癜も䞀文字ず数える}の䞊び方によっお決定され統蚈的な蚀語モデルを適甚するこずで特城を定量的に扱うこずができるさらに地名に含たれる文字数も䞀぀の特城ずいえる本皿の手法は地名コヌパスを単に蟞曞匕きの察象ずするのではなく地名コヌパスから囜ごずの特城を抜出しお凊理を行うこずで地名コヌパスに含たれおいない地名に察しおも所属囜の掚定を行うこずを可胜にするものであるこれは未知語凊理の頑健性柔軟性の向䞊に貢献するものず考えるたた本皿ではラテン文字を凊理察象ずしお実隓を行うが本皿のアプロヌチは衚局的な情報のみを甚いおいるため字皮に䟝存せず適甚可胜でありその点で高い汎甚性を持っおいるずいえるさらに本皿のアプロヌチは地名コヌパス以倖の情報を䞀切必芁ずしないこずからリ゜ヌス準備にかかる人的劎力や䜜業期間を倧幅に軜枛するものである\subsection{地名コヌパス}\label{sec:area-name-corpora}\begin{table}[b]\caption{地名コヌパスに含たれる地名数単語数文字数}\label{tab:area-name-corpora}\input{03table01.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}本皿ではりェブ䞊で倚く䜿甚される蚀語ずそれず類䌌性の高い蚀語の地名を䞭心に10ヶ囜\footnote{本皿では比范を行うために台湟もひず぀の囜ずしお扱い実隓を行った}䞭囜台湟日本タむギリシャフィンランドドむツフランススペむンアメリカを遞択し所属囜掚定の察象ずしおいる衚~\ref{tab:area-name-corpora}\kern-0.5zw\footnote{本皿の実隓ではアメリカ囜家地球空間情報局(NationalGeospatial-IntelligenceAgency:http://www.nga.mil)が提䟛する地理空間情報のデヌタベヌスGNS(GEOnetNamesServer)のデヌタを䜿甚しおいるただしGNSにはアメリカの地名が含たれおいないためアメリカの地名はアメリカ地名委員䌚(UnitedStatesBoardonGeographicNames:http://geonames.usgs.gov/)が提䟛するGNIS(GeographicNamesInformationSystem)のデヌタを䜿甚しおいるGNSは党䜓ずしおは550䞇件皋床の地名デヌタGNISは200䞇件皋床の地名デヌタを有しおいる}本皿の実隓では10の囜それぞれに察しお10,000件ず぀の地名デヌタを無䜜為に抜出したものを地名コヌパスずしお甚いおいるコヌパス党䜓に含たれる蚈100,000個の地名はそれぞれの囜のなかではすべお異なるが囜の間での地名には重耇するものがあり衚~\ref{tab:duplicated-toponyms}党䜓での異なり数は99,794である地名の重耇は蚀語的に近いず考えられる䞭囜ず台湟フランスずスペむンの間で他の組合せよりも倧きな数倀であるが党䜓ずしおは0.2\%皋床であるアメリカ以倖のコヌパスにも英語の単語が若干含たれおおり䟋えば``富士山''はコヌパス䞭では``FujiMountain''ず蚘茉されおいるこのような英語語句の利甚は培底されたものではなく䟋えば``浅間山''は``Asamayama''ず蚘茉される等珟地の語句のラテン文字衚蚘ず英語を甚いた衚蚘ずが混圚しおいる\begin{table}[b]\vspace{-0.5\baselineskip}\caption{囜の間における地名の重なり数}\label{tab:duplicated-toponyms}\input{03table02.txt}\end{table}\subsection{地名の長さ情報}\label{sec:name-length-data}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f1.eps}\end{center}\caption{地名コヌパスに含たれる地名の文字数ず単語数}\label{fig:toponym-word-char-length}\end{figure}地名を構成する単語数や文字数は囜によっお違いがあるさらに各単語に含たれる文字数の分垃にも違いがある図~\ref{fig:toponym-word-char-length}は各地名コヌパスに含たれる地名の文字数ず単語数の囜ごずの差異を衚すものである䞀぀の地名に含たれる平均単語数は最も少ない囜で1.1単語フィンランド最も倚い囜で2.9単語タむでありすべおの囜での平均単語数は1.9単語であるたた䞀぀の地名に含たれる平均文字数は最も少ない囜で9.7文字フィンランド最も倚い囜で16.5単語アメリカでありすべおの囜での平均文字数は11.9文字であるこのように各囜の地名は地名を構成する単語数文字数に差異が認められるがその差異はこれだけで所属囜の掚定を行うには十分ずはいえない図~\ref{fig:toponym-word-length-distribution}に囜ごずの地名を構成する文字数の分垃を瀺す図~\ref{fig:toponym-word-length-distribution}に瀺されるように䟋えばタむの地名のうち玄68\%の単語は3文字もしくは4文字で構成されおいるたたフランスやスペむンの地名は2文字で構成される単語の割合が他の囜ず比べお高いそれに察しおフィンランドやドむツの地名のように9文字や10文字で構成される単語が最も高い割合を瀺しこれらの囜の地名は文字数の倚い単語で構成されおいるこずがわかるこのように地名を構成する文字数にも囜ごずに特城があるしかし文字数は同じ囜のなかであっおも地名間のばら぀きがありこの情報のみで所属囜の掚定を行うこずは困難である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f2.eps}\end{center}\caption{地名単語䞭の文字数の分垃}\label{fig:toponym-word-length-distribution}\end{figure}\subsection{文字出珟頻床の情報}\label{sec:ngram-data}地名の所属囜の掚定は蚀語識別の䞀皮である蚀語識別凊理では文字の出珟頻床の情報が有効であるこずが知られおいる~\cite{dunning94,Lins04}ここでは文字の出珟頻床情報の地名の所属囜の掚定での有効性を怜蚌するため囜ごずの$n$-gram情報の比范を行う衚~\ref{tab:ngram-data}は地名コヌパス䞭に含たれる地名の文字単䜍の$n$-gramを取埗した結果である衚䞭の`\texttt{\_}'は空癜文字を衚しここでは䞀぀の文字ずしお扱っおいる衚~\ref{tab:ngram-data}ではunigrambigramtrigramの䞊䜍5぀を瀺すずずもに各囜に぀いお10\%以䞊の頻床を持぀unigramの個数3\%以䞊の頻床を持぀bigramの個数1\%以䞊の頻床を持぀trigramの個数を瀺しおいる\begin{table}[b]\caption{地名コヌパスの$n$-gram情報}\label{tab:ngram-data}\input{03table03.txt}\end{table}衚~\ref{tab:ngram-data}から䞭囜ず台湟の地名から埗られるunigramの類䌌性が非垞に高いこずがわかるこの二぀の囜はunigramず同様にbigramの出珟傟向も類䌌しおいる特に`\texttt{AN}'ず`\texttt{NG}'は䞡囜で5\%以䞊の出珟頻床を瀺しおおり䞡囜の他のbigramの出珟頻床ず比べおも高い倀であるこれは`\texttt{ANG\_}'ずいう文字列が䞡囜に倚く出珟するためでtrigramに぀いおも`\texttt{ANG}'や`\texttt{NG\_}'の倀が䞡方の囜で高くなっおいるしかし䞡囜の$n$-gramの出珟状況には差異も芋られるこのこずから各囜の特城的な$n$-gram情報を掻甚するこずで同じ蚀語グルヌプに属する地名であっおもそれらの所属囜を区別するこずは可胜ず考えられるスペむンのbigram情報の䞊䜍は`\texttt{A}'`\texttt{D}'`\texttt{E}'`\texttt{L}'`\texttt{\_}'の5皮類の文字の組合せのみである衚~\ref{tab:ngram-data}これはスペむンのコヌパスに`MontesdeLeon'や`JerezdelaFrontera'等`\texttt{DE}'や`\texttt{LA}'`\texttt{DEL}'ずいった冠詞や前眮詞が倚く含たれるためであるこの傟向はフランスの地名にも同様に珟れおいるこのような冠詞や前眮詞は䞀般に文字数が少なく2文字や3文字の堎合が倚いこの特城は図~\ref{fig:toponym-word-length-distribution}のフランスずスペむンの地名を構成する単語数の分垃にも珟れおいるたた衚~\ref{tab:ngram-data}からunigramの比范では日本ずギリシャの出珟傟向が近いこずがわかるしかしbigramで比范するず䞡囜の類䌌性は高いずはいえないこれによりunigramのみによる所属囜の掚定は難しいこずが掚枬できる䞭囜ず台湟のようにbigramを甚いおも区別が困難な堎合もあるしたがっお特定の統蚈情報を利甚するだけでは所属囜の掚定には限界がありこれらを適切に組み合わせるこずが重芁であるず考えられる地名コヌパスは䞀般に蚀語資源ずしおは小さくtrigramより倧きな$n$での$n$-gramはデヌタスパヌスネスの問題が顕著化する䟋えばギリシャの堎合䞊䜍5皮類のtrigramを合蚈しおも党䜓の出珟頻床の4.57\%しかカバヌしおおらず最も高い出珟頻床を持぀`\texttt{OS\_}'でもカバヌ率は1.23\%である䞊䜍5皮類のtrigramがカバヌする割合が最も高い䞭囜や台湟のコヌパスの堎合でも䞊䜍5皮類のtrigramの合蚈でそれぞれ10.27\%10.49\%をカバヌしおいるにすぎないなお䞭囜や台湟は特定の$n$-gramが特に高い頻床で出珟する傟向が芋られ1\%以䞊の割合を占めるtrigramは䞭囜コヌパスには12個台湟コヌパスには11個含たれおいる$n$-gramモデルの性胜を評䟡する䞀぀の指暙ずしお各囜の$n$-gramモデルのそれぞれの地名コヌパスに察しおのパヌプレキシティを衚~\ref{tab:perplexity}に瀺す各囜の$n$-gramモデルは察応する囜のコヌパスに察しお高い性胜を瀺しおおりこの$n$-gramモデルが所属囜を掚定するための情報を有しおいるこずが分かるこのパヌプレキシティの倀は察応する囜に察しおだけでなく䞭囜ず台湟やフランスずスペむン等の間でも比范的小さな倀ずなったこれはこれらの囜を区別するこずが困難であるこずを瀺し$n$-gramのみで所属囜を刀断するこずは所属囜の掚定の粟床向䞊に限界があるこずが分かる\begin{table}[t]\caption{各囜の$n$-gramモデルによる各囜の地名に察するパヌプレキシティ}\label{tab:perplexity}\input{03table04.txt}\end{table} \section{候補絞蟌みず候補遞択の二段階凊理から成る地名の所属囜の掚定手法} \label{sec:two-phase-area-identification-method}地名の所属囜の掚定では(i)同䞀の地名が耇数の囜に存圚する堎合(ii)地名文字列に類䌌した特城を持぀囜が耇数ある堎合に地名の所属囜候補を䞀意に絞るこずができないこずがある前者は地名の曖昧性埌者は囜の類䌌性ず考えるこずができるどちらの堎合でも該圓する耇数の囜で高い所属確率を持぀地名が存圚しこれらの地名に察しおは該圓する耇数の囜を候補ずしお出力するのが劥圓であり耇数の囜を候補ずしお出力するこずはシステムの粟床を萜ずすものではないそれに察しお明らかに所属囜である可胜性が䜎い囜は出力に含たれるべきではない単に耇数の候補を出力するだけでは再珟率は埗られおも適合率は䞋がり結果的にシステムの信頌性は萜ちる本皿では再珟率ず適合率の双方の向䞊を実珟するため二段階の凊理で所属囜の掚定を行う手法を提案する本手法の凊理の流れを図~\ref{fig:system-overview}に瀺す本手法は所属囜の候補の絞蟌みの第䞀フェヌズず所属囜の候補の遞択の第二フェヌズの二段階で構成されおいる本システムの入力は地名文字列であるたず各地名文字列に぀いお所属囜の候補の絞蟌みフェヌズで党10ヶ囜から3ヶ囜たで候補を絞り蟌むこの段階で明らかに所属する可胜性の䜎い囜が候補から倖されるこのフェヌズでは文字単䜍の$n$-gram情報をベヌスずした生成確率を甚いお凊理を行う次に所属囜の候補の遞択フェヌズでこの3ヶ囜それぞれに察しお所属の可胜性を掚定し可胜性があるず掚定されたものを所属囜の掚定結果ずしお出力するこのフェヌズでは$n$-gramの他長さ情報等も甚いる本システムの出力は入力地名文字列が所属する可胜性のある囜であり掚定結果に応じお0〜3個の囜名を出力する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f3.eps}\end{center}\caption{提案手法の凊理の流れ}\label{fig:system-overview}\end{figure}\subsection{地名の生成確率を甚いた所属囜の候補絞蟌みフェヌズ}\label{sec:automatic-area-identification-with-ngrams}人間による盎感的な地名の所属囜の掚定が地名を構成する文字の䞊びを基にしおいるずすれば\ref{sec:surface-features}~節で瀺したような地名に関する統蚈的な特城を甚いお所属囜の掚定をするこずが可胜である本節では地名の衚局情報ずしお$n$-gramのみを甚いお所属囜の候補の絞蟌みを行うフェヌズに぀いお述べるここでは地名を構成する文字の䞊びが䞎えられたずきにその文字列が生成される確率が最も高くなるような統蚈情報を持぀囜を遞択するこずで所属囜の候補の絞蟌みを行う$n$個の文字で構成される地名$T_{1}^{n}=c_{1}\cdotsc_{n}$の囜$A$における生成確率$P_A(T_{1}^{n})$を$n$-gram情報を甚いお定矩する匏~\ref{eqn:trigram}\begin{equation}P_{A}(T_{1}^{n})=P_{A}(c_{1})P_{A}(c_{2}|c_{1})P_{A}(c_{3}|c_{1}c_{2})\cdotsP_{A}(c_{n}|c_{n-2}c_{n-1})\label{eqn:trigram}\end{equation}ここで$P_{A}(c_{n}|c_{n-2}c_{n-1})$は囜$A$においお$c_{n-2}c_{n-1}$の埌に$c_{n}$が出珟する確率を衚しおいる文字単䜍の$n$-gram情報はModifiedKneser-Neyディスカりンティングを甚いお䜎次の$n$-gram情報を補間しながら平滑化を行っおいるこのずきある地名$T$に察しおその生成確率$P_{A}(T)$が最倧ずなるような囜をその地名が属する囜ず掚枬しそれを$\hat{A}=\argmax_{A}P_{A}(T)$ずするこの定矩により$n$-gram情報のみを甚いお$\hat{A}$を掚定した結果を衚~\ref{tab:accuracy-trigram}に瀺す所属囜の絞蟌みフェヌズの出力の䞊䜍1䜍の正解率\footnote{ここでの正解率は生成確率が最倧ずなった囜$\hat{A}$ず正解が䞀臎した割合を衚す}は平均で85.96\%であった衚~\ref{tab:accuracy-trigram}に瀺されるように単玔な$n$-gramでの掚定でも玄86\%ず高い正解率を埗るこずは可胜であるこの手法で正解率が最も高い囜はタむで95.37\%正解率が最も䜎い囜は䞭囜で72.70\%であった䞭囜ず台湟の正解率が䜎いのは\ref{sec:ngram-data}~節で述べた䞡囜の$n$-gramの類䌌性によるものず考えられる\begin{table}[b]\caption{生成確率による所属囜の掚定の正解率}\label{tab:accuracy-trigram}\input{03table05.txt}\end{table}地名の所属囜の掚定はもずもず同䞀の地名が耇数の囜に存圚する可胜性がある等所属囜名を唯䞀出力する圢匏は銎染たない唯䞀の正解を刀定するのではなく所属囜の候補を絞り蟌むこずを目的ずした堎合䞊䜍$n$個を候補ずしお残すこずで正解を所属囜の候補から䞍適切に陀去されるのを防ぎ再珟率を高めるこずができる図~\ref{fig:ngram-coverage}は䞊䜍䞉個たでを候補ずしお残した堎合の正解のカバヌ率正解が出力された所属囜の候補に含たれた割合を衚しおいる図~\ref{fig:ngram-coverage}のTop1は䞊䜍䞀個のみ出力した堎合のカバヌ率Top2は䞊䜍二個たで出力した堎合のカバヌ率Top3は䞊䜍䞉個たで出力した堎合のカバヌ率を瀺す党䜓の平均で䞊䜍二個たでを候補ずした堎合95.22\%をカバヌし䞊䜍䞉個たでを候補ずした堎合には97.46\%をカバヌしおいる䞊䜍䞉個たでを遞択した堎合では個々の囜に぀いおも最䜎でも96.03\%最高で98.38\%の再珟率を達成しおいるこれによりこのフェヌズで所属囜の候補を䞊䜍䞉䜍たでに絞り蟌むこずで98\%皋床の再珟率を埗るこずができるこずがわかる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f4.eps}\end{center}\caption{生成確率による所属囜の掚定を行った堎合の正解のカバヌ率}\label{fig:ngram-coverage}\end{figure}出力される所属囜の候補の数を増やすこずは適合率を䞋げるだけでなく可胜性の䜎い囜も候補に残るリスクがあるため各地名に察しお適切な所属囜の候補を必芁十分な個数だけ出力する必芁がある䞊䜍䞀぀の囜名のみを出力した堎合でも平均86\%皋床の正解率を埗るこずができるが各地名に察する出力候補数の劥圓性の刀断が困難なため98\%皋床の再珟率を埗るために本フェヌズではすべおの地名に察しお䞉぀の所属囜の候補を出力する本手法ではこのフェヌズを二段階凊理の第䞀フェヌズずしここで3候補に絞り蟌んだ䞊で第二フェヌズである候補遞択フェヌズで所属囜の候補それぞれに察しお劥圓性の怜蚌を行う\ref{sec:automatic-area-identification-with-svm}~節ここで本フェヌズによる候補の絞蟌みの結果が劥圓か぀有効であるこずを瀺す10ヶ囜の組合せは${}_{10}C_3=120$通りであるが図~\ref{fig:ngram-coverage}で瀺したずおり正解が絞蟌み埌の3候補120通りに含たれる可胜性はおよそ98\%であるたずえば䞭囜ず台湟が3候補に同時に残る堎合に着目するずこの組合わせは8皮類あるがそのすべおの組合せが120個䞭䞊䜍8䜍たでに出力しおおりこの二぀の囜が同時に候補に残る可胜性が高い同じ東アゞア地域である日本が3候補のなかに残る堎合では䞭囜台湟日本の3ヶ囜が候補ずしお出力された割合は正解が䞭囜の堎合で10.67\%3䜍台湟の堎合で11.17\%3䜍日本の堎合で13.71\%1䜍であったそれに察しお䞭囜台湟タむの組合せでは正解が䞭囜の堎合では25.87\%1䜍台湟の堎合で30.68\%1䜍タむの堎合で12.76\%1䜍の割合であり䞭囜台湟日本の組合せの堎合よりも高いこれは䞭囜語圏の地名が䞭囜台湟タむの3ヶ囜に絞られる割合が高いこずを瀺しおいるたた西ペヌロッパの囜であるドむツフランススペむンにアメリカを加えた4ヶ囜が互いに候補ずしお残る確率が高くなっおいるこの4ヶ囜は同じ蚀語圏に属するものではないが歎史的文化的背景から他の囜ず比べお類䌌した地名が倚いものず掚枬できる\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\baselineskip}\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f5.eps}\end{center}\caption{絞蟌み結果の分類}\label{fig:ngram-output-category}\end{figure}ここで同時に候補に残りやすい䞭囜台湟タむの3ヶ囜をグルヌプAドむツフランススペむンアメリカの4ヶ囜をグルヌプBどちらにも含たれおいないギリシャフィンランド日本の3ヶ囜をグルヌプCずしお3候補に残る囜の組合わせに䜕らかの傟向がないかどうかを調べたものが図~\ref{fig:ngram-output-category}である図~\ref{fig:ngram-output-category}では絞蟌み候補の組合せをグルヌプAの囜が二個以䞊出力された堎合カテゎリAグルヌプBの囜が二個以䞊出力された堎合カテゎリBグルヌプCの囜が二個以䞊出力された堎合カテゎリCすべおのグルヌプから1ヶ囜ず぀出力された堎合カテゎリDの4぀に分けお瀺しおいる「AAB」はグルヌプAに属する囜が二぀ずグルヌプBに属する囜が䞀぀から成る所属囜の候補が絞蟌み結果ずしお出力された地名の割合を瀺しグルヌプAに属する囜が二぀以䞊であるこずからグルヌプAに偏った出力ずしおカテゎリAに入れおいるこの実隓では各囜の地名コヌパスに含たれる地名数は同じなので絞蟌みが完党に成功した堎合にはカテゎリAには30\%カテゎリBには40\%カテゎリCには30\%が配分されるはずである実際にはカテゎリAに26.77\%カテゎリBに46.98\%カテゎリCに18.74\%が配分されたたた3グルヌプからそれぞれ1ヶ囜ず぀候補に残るような堎合カテゎリDは党䜓の7.51\%だけでありそれ以倖は90\%以䞊の割合でどれかのグルヌプに偏った候補が出力されおいるこずになるこのこずから比范的同時に候補に残りやすい組合せの存圚がわかり本フェヌズが所属囜の候補の絞蟌み凊理ずしお劥圓か぀有効であるこずがいえる\subsection{地名の所属囜遞択分類噚を甚いた所属囜の候補遞択フェヌズ}\label{sec:automatic-area-identification-with-svm}\ref{sec:automatic-area-identification-with-ngrams}~節の所属囜の候補絞蟌みフェヌズでは文字の出珟頻床情報のみを甚いお所属囜の候補を3個たで絞り蟌んだ本フェヌズでは絞蟌み凊理埌の候補を察象に文字の出珟頻床情報ず長さ情報を玠性ずしお定矩し各囜に所属する地名を孊習するこずで分類噚を甚いた所属囜の遞択を行う分類噚ずしお甚いるSVMは二倀分類噚でありテストする察象ずなる地名がその囜に属するか属さないかを刀定するこのフェヌズは分類された結果からその地名が属する囜の候補を遞び出しおいくアプロヌチである孊習に甚いる玠性は地名コヌパスから埗られる衚局デヌタ情報\ref{sec:surface-features}~節である衚局デヌタは倧別するず地名を構成する文字の䞊びの長さの情報ず文字の䞊びが出珟する確率をベヌスずした$n$-gram情報の二皮類がある地名を構成する文字の䞊びは所属囜によっお特城が存圚する玠性ずしお甚いる長さ情報は以䞋の4皮類である\begin{itemize}\item[(FL1)]地名を構成する単語数\item[(FL2)]地名を構成する文字数\item[(FL3)]$n$番目の単語に含たれる文字数($1\len\le16$)\item[(FL4)]地名に含たれる$m$文字の単語の数($1\lem\le32$)\end{itemize}\ref{sec:area-name-corpora}節で述べたように地名に含たれる文字数や単語数は囜によっおばら぀きがありこのばら぀きが所属囜を掚定する手がかりずなり埗る(FL1FL2)単に文字数や単語数の情報だけでなく囜ごずに単語そのものの特城や単語の分垃具合の情報も利甚するこずができる䟋えばフランスの地名では``la''ずいう単語が頻繁に出珟するがそのうち玄半数が最初の単語ずしお登堎するこのように単語によっおはその単語が出珟する地名内での䜍眮に特城がある(FL3)たた図~\ref{fig:toponym-word-length-distribution}に瀺したようにタむの地名は他の囜の地名ず比范しお3文字および4文字で構成される単語の割合が圧倒的に高い等地名に含たれる単語の文字数も囜の特城ずなり埗る(FL4)たた玠性ずしお甚いる$n$-gramの情報は以䞋の3皮類である\begin{itemize}\item[(FN1)]文字単䜍のunigram情報\item[(FN2)]文字単䜍のbigram情報\item[(FN3)]文字単䜍のtrigram情報\end{itemize}$n$-gram情報は文字単䜍であり空癜等の蚘号も䞀぀の文字ずしおいる各玠性の倀$V$は囜$A$のコヌパスの$n$-gramの出珟確率をベヌスに蚈算し次のように定矩する匏~\ref{eqn:feature-value}\begin{equation}V_{A}(t,c)=P_{A}(c)\timesN(t,c)\label{eqn:feature-value}\end{equation}$c$を長さ$n$($1\len\le3$)の文字の䞊びずした堎合$P_{A}(c)$は囜$A$における文字列$c$が出珟する確率$N(t,c)$は地名$t$の䞭で文字列$c$が出珟した回数を瀺す玠性の倀は$n$-gram情報ず察象ずする地名に䟝存しおおりある文字列のその囜での出珟しやすさずその地名の䞭での出珟しやすさを瀺しおいるここでは地名が所属する囜を正䟋それ以倖の囜を負䟋ずしお地名コヌパスから各囜の地名の特城を孊習したSVMを二倀分類噚ずしお利甚し入力ずなる地名を察象囜ずしお分類するべきかどうかを刀断する察象ずなる$p$個の囜の䞭から異なる$q$個の囜を遞び出し${}_{p}C_{q}$通り遞ばれた$q$個の囜に察しお所属囜であるかどうかをそれぞれの分類噚によっお刀定する本フェヌズでは遞ばれた$q$個の組合せごずに孊習察象が異なるため䞀぀の組合せごずに$q$皮類の分類噚を甚意する本皿では党䜓ずしお10ヶ囜を察象ずし絞蟌み凊理によっお3候補の組合せが遞び出されるため党䜓では360皮類(${}_{p}C_{q}\timesq={}_{10}C_{3}\times3$)の分類噚を甚いおいる\begin{table}[b]\caption{候補遞択分類噚による所属囜の遞択結果䞭囜台湟タむ}\label{tab:svm-output-chthtw}\input{03table06.txt}\end{table}衚~\ref{tab:svm-output-chthtw}にグルヌプAの3ヶ囜䞭囜台湟タむに぀いおこの3ヶ囜を察象に本分類噚を甚いお所属囜の掚定を行った結果を瀺すここではこの3ヶ囜の地名コヌパスを5分割しクロスバリデヌションによる評䟡を行うこずで地名コヌパスに存圚しない地名を察象ずしたオヌプンテストずしお所属囜の掚定の正解率\footnote{ここでの正解率は$(pp+nn)/(pp+pn+np+nn)$で蚈算する$pp$は正解を正しく分類できた回数$pn$は䞍正解を誀っお分類した回数$np$は正解を誀っお分類した回数$nn$は䞍正解を正しく分類した回数を衚すしたがっおここでの正解率はある地名に察しお正解を正解ず掚定できたか䞍正解を䞍正解ず掚定できたかの䞡方の結果を含んでいる}を枬ったグルヌプAに属する3ヶ囜のみを察象ずしお孊習した堎合衚~\ref{tab:svm-output-chthtw}に瀺したずおりF倀は最䜎で0.73最倧で0.95ずなった正解が台湟の堎合の適合率が59.87\%ず䜎いがこの堎合でも再珟率は93.71\%であり正解が候補ずしお出力される確率は十分に高い衚~\ref{tab:svm-output-frgmsp}はグルヌプBに属する4ヶ囜を察象ずしおその䞭から3ヶ囜ごずに察しお分類噚による所属囜の遞択を行った結果であるこのグルヌプでもF倀は最䜎0.75再珟率は最䜎で95.55\%で正解が候補ずしお出力される可胜性は十分高い同様に衚~\ref{tab:svm-output-figrja}はグルヌプCに属する3ヶ囜を察象ずしお分類噚による所属囜の遞択を行った結果であるこれらの結果から同じグルヌプに属する囜の間での分類であっおも十分な正解率が埗られるこずが瀺された同じグルヌプに属する囜は他の囜に比べお類䌌性が高いものでありこれらの間での分類が最も難しい郚分ずなる10ヶ囜党䜓を察象ずした孊習では類䌌性の䜎いもの同士の間の差異の特城が匷調され類䌌性の高いもの同士の間の差異の孊習は進み蟛いが本フェヌズでは絞蟌み埌の3ヶ囜間の分類の孊習を行うこずで類䌌性の高い囜の間での所属囜の遞択の粟床の向䞊を実珟した\begin{table}[b]\caption{候補遞択分類噚による所属囜の遞択結果ドむツフランススペむンアメリカ}\label{tab:svm-output-frgmsp}\input{03table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{候補遞択分類噚による所属囜の遞択結果ギリシャフィンランド日本}\label{tab:svm-output-figrja}\input{03table08.txt}\end{table}ここで察象囜の数による圱響を調べるために10ヶ囜党おを察象ずしお遞択分類噚を甚いた堎合の所属囜掚定の結果を瀺し本フェヌズの所属囜の遞択分類噚の特城を述べる衚~\ref{tab:accuracy-svm}はクロスバリデヌションで10ヶ囜すべおを察象ずしお所属囜の掚定を行った結果である党おの囜の地名に察しお90\%以䞊の正解率を瀺し党䜓でも93.54\%の正解率を瀺した衚~\ref{tab:fmeasure-svm}はこの実隓の結果に぀いお地名に察する所属囜の候補の䞭に正解が含たれおいるか吊かずの芳点で集蚈したものであるすべおの囜に぀いおF倀は最䜎でも0.7前埌でありF倀が最倧ずなるタむの地名に関しおは0.93に達しおいるたた党䜓的に適合率よりも再珟率の方が高い倀を瀺しおいる䜎い適合率は䞍正解を誀っお所属囜の候補ずしお分類するケヌスがあるこずを衚しおいる所属囜の掚定タスクを考える堎合最も倧きな問題は同じ蚀語を䜿甚する耇数の囜の間での刀別であるたずえば䞭囜や台湟では䞭囜語を䜿甚しおいる䜿甚しおいる蚀語が同䞀であったり類䌌性の高いものであったりする堎合異なる囜であっおも地名を構成する文字の䞊びが持぀特城は類䌌したものずなるたた蚀語が異なる堎合でも地理的に近い囜では文化的歎史的背景から䌌た地名が耇数珟れる堎合がある地名コヌパスから埗られる特城が類䌌しおいる堎合所属囜の掚定は困難ずなるが囜によっおは耇数の公甚語や先䜏民の蚀語が䜿われるこずによっお所属囜の掚定するための特城を芋出せる可胜性がある\begin{table}[b]\hfill\begin{minipage}[t]{150pt}\caption{所属囜の遞択分類噚の粟床}\label{tab:accuracy-svm}\input{03table09.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{240pt}\caption{遞択分類噚による囜ごずの所属囜候補遞択の結果}\label{tab:fmeasure-svm}\input{03table10.txt}\end{minipage}\hfill\end{table}\begin{figure}[b]\begin{minipage}[t]{.48\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f6.eps}\end{center}\caption{䞭囜が候補ずしお出力された割合}\label{fig:classification-ch+tw-ch}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{.48\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f7.eps}\end{center}\caption{台湟が候補ずしお出力された割合}\label{fig:classification-ch+tw-tw}\end{minipage}\end{figure}図~\ref{fig:classification-ch+tw-ch}ず図~\ref{fig:classification-ch+tw-tw}は各囜に぀いお遞択分類噚を甚いお所属囜の掚定を行った結果ずしお䞭囜たたは台湟が候補ずなった割合を瀺す図~\ref{fig:classification-ch+tw-ch}ず図~\ref{fig:classification-ch+tw-tw}に瀺されるように䞭囜ず台湟の地名の所属囜の掚定ではどちらの地名も互いを同時に候補に残す堎合が倚く芋られ逆に䞭囜ず台湟以倖の囜が候補に残る可胜性は䜎い\ref{sec:surface-features}節で述べたように䞭囜の地名ず台湟の地名では$n$-gram情報で類䌌した特城を持っおいる衚~\ref{tab:ngram-data}が長さの情報に違いが芋られる図~\ref{fig:toponym-word-char-length}等差異は存圚する10ヶ囜での実隓結果衚~\ref{tab:fmeasure-svm}ず比范しお䞭囜ず台湟のみの地名を甚いお孊習を行った遞択分類噚を甚いた堎合には再珟率を高く保ったたたで適合率をあげるこずができおいる衚~\ref{tab:ch-tw-9}衚~\ref{tab:ch-tw-2}衚~\ref{tab:ch-tw-9}ず衚~\ref{tab:ch-tw-2}の比范から生成確率を甚いた所属囜の候補の絞蟌みず遞択分類噚による粟床の向䞊の組合せによっお再珟率ず適合率の䞡方を向䞊させるこずがわかる10ヶ囜で孊習する堎合ず2ヶ囜に絞っお孊習する堎合では孊習内容が異なり10ヶ囜での孊習の堎合では本皿の第䞀フェヌズのような絞蟌みの意味合いが匷いのに察しお類䌌の2ヶ囜に絞っお孊習する堎合ではその2ヶ囜間での差異が匷調される本皿は第䞀フェヌズで候補の絞蟌みを行った䞊で第二フェヌズずしお絞蟌み埌の3候補のみを察象ずしお孊習した遞択分類噚を甚いお候補遞択を行うこずで地名の所属囜の掚定の粟床を向䞊させるものである\subsection{生成確率情報ず遞択分類噚を組み合わせた地名の所属囜の掚定}\label{sec:consideration-ngrams+svm}本皿の提案手法は\ref{sec:automatic-area-identification-with-ngrams}~節の生成確率を甚いた候補絞蟌み手法を第䞀フェヌズ\ref{sec:automatic-area-identification-with-svm}~節の遞択分類噚を甚いた所属囜の候補遞択手法を第二フェヌズずした二段階の凊理で所属囜の掚定を行うものである図~\ref{fig:system-overview}\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{.45\textwidth}\caption{10ヶ囜で孊習した堎合衚~\ref{tab:fmeasure-svm}抜粋}\label{tab:ch-tw-9}\input{03table11.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{.45\textwidth}\caption{2ヶ囜で孊習した堎合}\label{tab:ch-tw-2}\input{03table12.txt}\end{minipage}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各手法を甚いた所属囜の掚定の結果}\label{tab:result-trigram+svm}\input{03table13.txt}\end{table}衚~\ref{tab:result-trigram+svm}に\ref{sec:automatic-area-identification-with-ngrams}~節の生成確率のみを甚いた手法\ref{sec:automatic-area-identification-with-svm}~節の遞択分類噚のみを甚いた手法その䞡方を組み合わせた本提案手法のそれぞれに぀いお所属囜の掚定を行った結果を瀺す生成確率のみを甚いた手法ではF倀は0.49ず䜎いがその䞻因は適合率の䜎さにある生成確率のみを甚いた手法は再珟率が高くこのこずから本手法でこの手法を凊理の第䞀段階の絞蟌みフェヌズずしお甚いたこずは劥圓であるずいえる生成確率ず遞択分類噚の䞡方を組み合わせた本手法のF倀は0.83であり遞択分類噚のみを甚いた手法のF倀0.74ず比べお向䞊を瀺した䞡者の再珟率にほずんど違いがないにもかかわらず適合率は生成確率ず遞択分類噚を組み合わせるこずで61.58\%から74.08\%ぞ向䞊しおおりこれがF倀の改善に繋がった\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\baselineskip}\begin{center}\includegraphics{17-1ia3f8.eps}\end{center}\caption{3手法の適合率および再珟率の比范}\label{fig:result-trigram+svm}\end{figure}遞択分類噚のみを甚いた堎合には生成確率のみの堎合ず比べ再珟率は若干劣る生成確率を甚いた手法を絞蟌みフェヌズずしお甚いた埌に遞択分類噚を遞択フェヌズずしお実行する本手法でも再珟率は遞択分類噚のみの堎合ずほが同じであり絞蟌みフェヌズの段階で再珟率が98\%皋床に萜ちるこずを考え合わせるず本手法の所属囜の遞択フェヌズでの正解の脱萜は十分少ないこずがわかる図~\ref{fig:result-trigram+svm}は各囜の所属囜の掚定結果を衚しおいる生成確率ず遞択分類噚を組み合わせた本提案手法図䞭の黒䞞では再珟率が95.03\%適合率が74.08\%でありF倀が0.83であった生成確率のみの情報を甚いた手法図䞭の黒䞉角では適合率が32.49\%ず䜎いが再珟率は97.46\%ず高くなっおいる遞択分類噚のみを甚いた手法図䞭の黒四角では$n$-gramず長さの情報を甚いるこずで適合率を61.58\%に向䞊させおいる図~\ref{fig:result-trigram+svm}では囜ごずに比范した堎合でも同様の傟向が芋られどの囜に察しおも効果を発揮する手法であるこずが期埅できるこの結果は正しい囜を候補ずしお残し぀぀も正しくない囜を候補から陀去する胜力を向䞊させたこずを瀺しおいるこれらのこずから耇数の所属囜の候補をたず可胜性の高い所属囜の候補のみに絞り蟌む第䞀フェヌズず絞蟌み埌の候補のみに察象を絞っお遞択分類噚に掛ける第二フェヌズから成る本提案手法は第䞀フェヌズによる可胜性の䜎い候補の陀去ず第二フェヌズによる類䌌しおいる囜の間の差異を甚いた候補遞択ずがそれぞれ有効に働き高い再珟率を保ったたた適合率を向䞊させるこずができるず結論付ける \section{関連研究} \label{sec:related-work}蚀語の倚様化にずもなっお自動的に蚀語の識別を行うこずの重芁性が増しおきおいるその䞀぀の背景にはりェブの急速な成長にずもなう英語以倖の文曞の増加があるInternetWorldStatsによる近幎のりェブナヌザ数の蚀語別集蚈の結果\footnote{http://www.internetworldstats.com/stats7.htm}によるず2008幎珟圚では䟝然ずしお英語を利甚するナヌザが最も倚くそれに続いお䞭囜語スペむン語日本語フランス語を利甚するナヌザが倚い2000幎からの蚀語別ナヌザ数の増加の割合はアラビア語ポルトガル語䞭囜語フランス語スペむン語が倧きな䌞びをみせおいるこの調査結果は甚いられる蚀語の倚様性が増しおいるこずを瀺しおいるずいえるたたりェブ䞊の文曞の内の半数以䞊は英語以倖の蚀語で曞かれおいるものであるず同時に䞀぀の文曞の䞭で耇数の蚀語が䜿われおいるこずもある倚皮倚様な情報元からの情報怜玢や質問応答機械翻蚳等りェブ䞊の膚倧なデヌタを察象ずした自動凊理の実珟においおは文曞の䜿甚蚀語の自動掚定だけでなく文曞䞭に出珟する固有名詞等の倖囜語の語句の的確な解析も自然蚀語凊理の応甚分野における粟床向䞊に倧きな圱響を䞎える芁因ずなりうる\subsection{統蚈情報を甚いた蚀語識別に関する研究}\label{sec:language-identification}蚀語識別の研究は文曞を察象ずしたものに限らず音声認識\cite{matrouf98,berkling94}や文曞むメヌゞを察象にしたものもあるSibunらは文曞むメヌゞから抜出された文字の圢状の統蚈的な分垃を利甚しお蚀語識別を行った\cite{Sibun94}圌らはアルファベットの文字の圢状をベヌスラむンボトムトップXハむトの情報を䜿っお分類し文曞䞭の文字をLinearDiscriminateAnalysis(LDA)を甚いお分類した2,000から3,000文字を含む23の蚀語の文曞むメヌゞを甚いお文曞を構成する蚀語を識別する実隓を行った結果90\%以䞊の粟床を達成しおいるDunningはドむツ語の`\"u'やフランス語の`\^e'等のアクセント蚘号を甚いずに5,000バむトのトレヌニングコヌパスず500バむトのテスト甚テキストを甚いた蚀語識別の実隓で97\%の粟床を実珟しおいる\cite{dunning94}Dunningらは20バむトのテスト甚テキストでも92\%の粟床での蚀語識別を実珟し短い文曞や数単語で構成される句であっおも蚀語識別が可胜であるこずを瀺したLinsらは文曞䞭に含たれる耇数の単語に察しお各蚀語の蟞曞䞭での出珟の有無を調べる手法で蚀語識別を行った~\cite{Lins04}Linsらは蚀語内で比范的皮類が少ないずされおいる副詞冠詞接続詞感嘆詞数詞前眮詞代名詞のみを蟞曞匕きの察象ずするこずで高速か぀汎甚性の高い手法を提案しおいるLinsらはこの手法を甚いおポルトガル語スペむン語フランス語英語の文曞玄1,000単語で構成される600の文曞を察象ずした評䟡実隓を行いりェブの文曞でも80\%以䞊通垞の文曞では90\%以䞊の粟床を達成しおいるMartinsらはりェブペヌゞに特化した蚀語識別手法を提案した\cite{Martins05}Martinsらの手法は$n$-gram1から5情報のプロファむル間の距離ずりェブペヌゞ固有のヒュヌリスティクスを甚いるものである12の蚀語で各500りェブペヌゞを甚いた実隓では党おの蚀語で84\%以䞊の正解を出したがスりェヌデン語ずデンマヌク語等の北欧の蚀語の類䌌性が若干の粟床の䜎䞋をもたらしたこずを今埌の課題ずしお挙げおいるたた地名以倖の固有名詞ずしお人名に着目し統蚈情報を甚いた所属囜の掚定を行う研究もあるNobesawaらは蚀語識別の手法を人名に察しお適甚するこずで人名甚の蚀語識別のためのシンプルなシステムを提案し人名を属する囜で分類するこずが可胜であるこずを瀺した\cite{nobesawa0512paclic}この手法は人名文字列の長さや人名の文字単䜍の$n$-gramの情報を掻甚したものであり9皮類の蚀語圏の12の囜に察しお90\%以䞊の粟床を実珟するこずに成功しおいるたたNobesawaらは英語の人名に察しおSVMの分類噚を甚いた手法も提案しおいる\cite{nobesawa0605ieee}\subsection{゚リア掚定に関する関連研究}\label{sec:toponym-resolution}地名の゚リア掚定の最終的な目暙はその地名が地球䞊のどの堎所を瀺しおいるのかを刀断するこずである文章䞭の地名の゚リア掚定タスクは䞀般に(1)地名文字列の認識(2)地名文字列の囜掚定(3)地名文字列ず堎所ずの察応付けの䞉段階の凊理からなる(1)の地名文字列の認識は固有名詞の自動抜出タスクに盞圓する(2)および(3)は地名文字列ず地球䞊の堎所ずの察応付けを行う凊理である本皿ではこのうち研究のあたり進んでいなかった(2)の所属囜掚定を目的ずしその実珟手法を提案するものである(3)の地名文字列ず堎所ずの察応付けの研究ではあらかじめ察象ドメむンや察象蚀語を制限するこずで(2)の所属囜の掚定のステップを省略するこずが倚いしたがっお本皿が察象ずする所属囜の掚定の研究はこの地名文字列ず堎所ずの察応付けの研究を助けその粟床の向䞊に寄䞎するものず考えおいる本節では関連する研究ずしお(3)の地名文字列ず堎所ずの察応付けを行っおいるものに぀いお述べるこれらは察象の地名が蟞曞に登録されおいるこずを前提ずしお蟞曞匕きによっお堎所の候補を探しだし耇数の堎所が候補ずしお挙がる等の曖昧性がある堎合には文脈情報等を甚いおその刀別を行うアプロヌチが䞀般的であるHauptmannずOlligschlaegerは音声デヌタを察象ずした堎所の刀別を行う手法を提案しおいる~\cite{Hauptmann99,Olligschlaeger99}基本的には地名蟞曞に含たれる地名のみを察象ずしおいるが同じ地名であっおも耇数の異なる堎所を瀺す曖昧性がある堎合には同䞀の䌚話内に珟れる他の地名の情報を掻甚するこずによっおその堎所の盞違を刀断しおいるHauptmannらの手法では200のニュヌス蚘事に出珟した357の地名のうち269の地名を正しく刀別するこずができ75\%の粟床を達成しおいるHauptmannらは正しく刀別するこずができなかったものは地名蟞曞に茉っおいなかったもの曖昧性による゚ラヌ音声認識誀り等が原因であるず報告しおいるたたSmithらは地名の曖昧性の解消に焊点を圓お文曞䞭の地名の出珟頻床の重心を利甚した手法を提案した\cite{Smith2001}これは地名の出珟頻床によっお重みが付けられた地図䞊での重心を蚈算しある閟倀よりも離れおいるものを枝刈りした䞊で重心を再床蚈算しなおすこずで候補の曖昧性を解消しようずするものである倧きな地名蟞曞を䜿うこずによっお再珟率を高く保おるようにした䞊でF倀が0.81から0.96ずいう結果を出しおいるしかしこの手法はその重心の付近を瀺すだけであり重心のみを䜿甚しただけでは頑健性に欠ける堎合があるず結論づけおいる地名の曖昧性を解消するための手法ずしおLiらは地名衚珟のパタヌンマッチングず重み付き地名の類䌌床グラフの探玢サヌチ゚ンゞンを甚いた地名蟞曞の補間の䞉぀のアプロヌチを組み合わせる方法を提案した\cite{Li2002}地名衚珟のパタヌンマッチングでは`cityof'+``地名''``cityofVancouver''等や``地名1''+`,'+``地名2''+`,'+``地名3''``Boston,Massachusetts,USA''等ずいった地名の呚蟺の衚珟のパタヌンを利甚しおいるLiらは倧きな地名蟞曞ず地名衚珟のパタヌンマッチングを甚いるこずで93.8\%の粟床を実珟したPouliquenらはペヌロッパの゚リアに限定したマルチリンガルテキストを察象ずしお堎所の刀別の粟床の向䞊を目指す手法を提案した~\cite{Pouliquen06}この手法では``And'',``To'',``Be''等の瀕出する単語ず同圢異矩語であるような地名をgeo-stoplistずしお抜出しこのような地名を候補から排陀するこずで粟床の向䞊を図っおいるたたそれ以倖にも堎所の重芁床人名ずの区別地名同士の物理的な距離の情報等を甚いお曖昧性の解消を行っおいるgeo-stoplistに登録されおいる地名を候補から排陀するこずで再珟率は䜎䞋するがF倀で0.77ずいう結果を瀺しおいるCloughは耇数の地名蟞曞を甚いた堎所の刀別手法を提案しおいる\cite{Clough05}耇数の地名蟞曞を優先順䜍を付けお怜玢しstop-listを䜿っお各候補に察しおスコアを䞎えおいるこのスコアは地名衚珟の呚蟺の出珟パタヌンオントロゞにおける階局の深さ地名蟞曞の優先順䜍ナヌザのプリファレンスによっお蚈算されるCloughはむギリスフランスドむツスむスを察象ずした実隓で89\%の粟床を達成しおいるZongらはりェブペヌゞに察しおそのペヌゞが蚘述しおいる゚リアを刀別する実隓を行った~\cite{Zong05}アメリカに関する文曞のみを察象ずし地名の呚蟺の出珟パタヌンず地名同士の物理的な距離を利甚するこずで地名が32個以䞊199個以䞋だけ含たれるりェブペヌゞを察象に760の地名に぀いお実隓を行い88.9\%の粟床を達成しおいるこれらの関連研究のほずんどは文曞䞭に出珟する地名を察象ずしおおり文脈の情報を甚いお地名の堎所の刀別を行っおいるこれらはその地名がどんな文脈で出珟し同時に出珟するその他の地名ずどんな関連があるのかずいった情報を積極的に利甚する方法であるこれらの手法の倧きな特城ずしお地名の認識および堎所の刀別に地名蟞曞を利甚しおいるこずが挙げられる地名を衚蚘するずきによく甚いられるパタヌンや䌚話における局所性等の自然蚀語凊理でよく甚いられるヒュヌリスティクスだけではなく郜垂の人口数実際の二地点間の距離等の地理的な情報を掻甚しおいるものもあるこのような蟞曞ベヌスのアプロヌチは特定のドメむンを察象ずした凊理の堎合には高い粟床で堎所の刀別を行うこずが可胜であるこのように䞀般的な自然蚀語凊理のヒュヌリスティクスが適甚可胜な情報元を甚いか぀そのドメむンに出珟しうる地名が倉化するスピヌドが遅く蟞曞や地理的なデヌタの敎備を十分に行える堎合にはこれらの手法は十分に適甚可胜であるしかし党䞖界のすべおの地名を網矅した地名蟞曞を敎備するこずは珟実的でない䞊に情報元の倚様化のスピヌドがたすたす加速しおいる珟圚ではより頑健性の高い柔軟な手法が必芁ず考えられるRauchらは知らない地名であっおも人間はその所属地域をある皋床掚枬可胜であるずいう事実を背景ずしお衚局的な統蚈情報をベヌスずしたシステムが有効であるず䞻匵しおいる~\cite{Rauch03aconfidence-based}本皿はRauchらず同じ䞻匵を共有し具䜓的な実珟手法を提案するものである \section{おわりに} \label{sec:conclusion}文曞䞭に珟れる地名の所属゚リア掚定凊理は未知語凊理の芳点からも今埌さらに重芁になるものず考えられる地名を察象ずした埓来の゚リア掚定では察象ずなる地名が蟞曞に登録されおいるこずを前提ずするものが倚く利甚する蟞曞ぞの䟝存床が高かった有名無名に関わらずすべおの地名を察象ずした゚リア掚定凊理の実珟のため本皿では地名蟞曞や文脈情報を党く䜿甚せず地名の衚局情報のみを掻甚しお地名が所属する囜を自動的に掚定する手法を提案した本手法は衚局情報ずしおは文字単䜍の$n$-gram情報や長さの情報を䜿いこれらの特城を画䞀的に扱った衚局情報の孊習ず文字の出珟確率を組み合わせるこずで所属囜の掚定を実珟するものである本皿では10ヶ囜を察象ずした評䟡実隓で平均95.03\%の再珟率74.08\%の適合率を埗本手法の有効性を確認した地名はたかだか十数文字皋床の文字列であるためそこから埗られる情報は決しお倚くはないが本手法では候補の絞蟌み凊理ず候補遞択凊理ずを適切に組み合わせるこずで再珟率を高く保ったたた適合率をあげるこずに成功した同名の地名が耇数の囜に存圚し埗る等地名の所属囜には曖昧性があるが本手法ではこれを考慮し所属する可胜性の高い囜を最倧3個たでに絞り蟌む所属囜の絞蟌みができれば地名蟞曞等の情報源や文脈情報等を掻甚しお曖昧性の陀去を行う埓来研究を掻甚するこずができるようになる本皿の手法は地名蟞曞にも茉っおいないような小さな堎所の地名にも察応できる胜力を持ち高い頑健性をもった手法である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Berkling\BBA\Barnard}{Berkling\BBA\Barnard}{1994}]{berkling94}Berkling,K.~M.\BBACOMMA\\BBA\Barnard,E.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQLanguageIdentificationofSixLanguagesBasedonaCommonSetofBroadPhonemes.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdInternationalConferenceonSpokenLanguageProcessing(ICSLP'94)},\mbox{\BPGS\1891--1894}.\bibitem[\protect\BCAY{Clough}{Clough}{2005}]{Clough05}Clough,P.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQExtractingMetadataforSpatially-awareInformationRetrievalontheInternet.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2005ACMWorkshoponGeographicInformationretrieval(GIR'05)},\mbox{\BPGS\25--30}.\bibitem[\protect\BCAY{Dunning}{Dunning}{1994}]{dunning94}Dunning,T.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQStatisticalIdentificationofLanguage.\BBCQ\\newblock\BTR\MCCS-94-273,ComputerResearchLaboratoryTechnicalReport.\bibitem[\protect\BCAY{Hauptmann\BBA\Olligschlaeger}{Hauptmann\BBA\Olligschlaeger}{1999}]{Hauptmann99}Hauptmann,A.~G.\BBACOMMA\\BBA\Olligschlaeger,A.~M.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQUsingLocationInformationfromSpeechRecognitionofTelevisionNewsBroadcasts.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheESCAETRWWorkshoponAccessingInformationinSpokenAudio},\mbox{\BPGS\102--106}.\bibitem[\protect\BCAY{Li,Srihari,Niu,\BBA\Li}{Liet~al.}{2002}]{Li2002}Li,H.,Srihari,R.~K.,Niu,C.,\BBA\Li,W.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQLocationNormalizationforInformationExtraction.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\1--7}.\bibitem[\protect\BCAY{Lins\BBA\Goncalves}{Lins\BBA\Goncalves}{2004}]{Lins04}Lins,R.~D.\BBACOMMA\\BBA\Goncalves,P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticLanguageIdentificationofWrittenTexts.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ACMSymposiumonAppliedComputing(SAC'04)},\mbox{\BPGS\1128--1133}.\bibitem[\protect\BCAY{Martins\BBA\Silva}{Martins\BBA\Silva}{2005}]{Martins05}Martins,B.\BBACOMMA\\BBA\Silva,M.~J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQLanguageIdentificationinWebPages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2005ACMSymposiumonAppliedComputing(SAC'05)},\mbox{\BPGS\764--768}.\bibitem[\protect\BCAY{Matrouf,Adda-Decker,Lamel,\BBA\Gauvain}{Matroufet~al.}{1998}]{matrouf98}Matrouf,D.,Adda-Decker,M.,Lamel,L.~F.,\BBA\Gauvain,J.~L.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQLanguageIdentificationIncorporatingLexicalInformation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalConferenceonSpokenLanguageProcesssing(ICSLP'98)},\mbox{\BPGS\181--184}.\bibitem[\protect\BCAY{Nobesawa\BBA\Tahara}{Nobesawa\BBA\Tahara}{2005}]{nobesawa0512paclic}Nobesawa,S.\BBACOMMA\\BBA\Tahara,I.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQLanguageIdentificationforPersonNamesBasedonStatisticalInformation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thPacificAsiaConferenceonLanguage,InformationandComputation(PACLIC19)},\mbox{\BPGS\289--296}.\bibitem[\protect\BCAY{Nobesawa\BBA\Tahara}{Nobesawa\BBA\Tahara}{2006}]{nobesawa0605ieee}Nobesawa,S.\BBACOMMA\\BBA\Tahara,I.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAreaIdentificationof{E}nglishPersonNamesBasedonStatisticalInformation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thIEEECanadianConferenceonElectricalandComputerEngineering(CCECE2006)},\mbox{\BPGS\1688--1691}.\bibitem[\protect\BCAY{Olligschlaeger\BBA\Hauptmann}{Olligschlaeger\BBA\Hauptmann}{1999}]{Olligschlaeger99}Olligschlaeger,A.~M.\BBACOMMA\\BBA\Hauptmann,A.~G.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQMultimodalInformationSystemsandGIS:theInformediaDigitalVideoLibrary.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1999ESRIUserConference},\mbox{\BPGS\102--106}.\bibitem[\protect\BCAY{Pouliquen,Kimler,Steinberger,Ignat,Oellinger,Blackler,Fuart,Zaghouani,Widiger,Forslund,\BBA\Best}{Pouliquenet~al.}{2006}]{Pouliquen06}Pouliquen,B.,Kimler,M.,Steinberger,R.,Ignat,C.,Oellinger,T.,Blackler,K.,Fuart,F.,Zaghouani,W.,Widiger,A.,Forslund,A.-C.,\BBA\Best,C.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQGeocodingMultilingualTexts:Recognition,DisambiguationandVisualisation.\BBCQ\\newblock{\Bem{CoRR}},{\Bbfabs/cs/0609065},\mbox{\BPGS\53--58}.\bibitem[\protect\BCAY{Rauch,Bukatin,\BBA\Baker}{Rauchet~al.}{2003}]{Rauch03aconfidence-based}Rauch,E.,Bukatin,M.,\BBA\Baker,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAConfidence-basedFrameworkforDisambiguatingGeographicTerms.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHLT-NAACL2003WorkshoponAnalysisofGeographicReferences},\mbox{\BPGS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V15N02-04
\section{はじめに} \label{sec:intro}蚀い換えずはある蚀語衚珟を意味が等䟡な別の蚀語衚珟に倉換する凊理のこずである自然蚀語凊理においおは蚀い換えはさたざたな応甚をもっおおり䟋えば情報怜玢機械翻蚳文章䜜成支揎文章読解支揎などに応甚されるこずが期埅されおいる\begin{table}[b]\caption{日本語衚珟の分類}\label{tab:classWord}\input{04table01.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia4f1.eps}\caption{内容衚珟の蚀い換えず機胜衚珟の蚀い換えを組み合わせた幅広い蚀い換え}\label{fig:phrasal}\end{center}\end{figure}日本語衚珟の蚀い換えはこれたで倚くの研究者によっお研究されおきた\shortcite{Inui2004}これらの研究のほずんどは内容語や耇合語に関するものであり䟋えば耇合名詞の蚀い換えに関する研究\shortcite{Sato1999,Kimura2002}や動詞句の蚀い換えに関する研究\shortcite{Kaji2004,Furihata2004}などがある日本語の衚珟は内容的・機胜的ずいう芳点からおおきく2぀に分類できるさらに「衚珟を構成する語の数」ずいう芳点を加えるず衚~\ref{tab:classWord}のように分類できるここで{\bf耇合蟞}ずは「にたいしお」や「なければならない」のように耇数の語から構成されおいるが党䜓ずしお1぀の機胜語のように働く衚珟のこずであるわれわれは機胜的ずいうカテゎリヌに属する機胜語ず耇合蟞を合わせお{\bf機胜衚珟}ず呌ぶ内容衚珟の蚀い換えに関する研究に比べお機胜衚珟の蚀い換えに関する研究は著しく少ないほずんどすべおの文および文節には1぀以䞊の機胜衚珟が含たれおいるのであるから日本語衚珟を幅広く蚀い換えるためには図~\ref{fig:phrasal}に瀺されるように内容衚珟だけでなく機胜衚珟も蚀い換えるこずが重芁であるこのような理由により本論文では機胜衚珟の蚀い換えに焊点をあおる日本語の機胜衚珟が持぀䞻な特城は各々の機胜衚珟が倚くの圢態的異圢を持っおいるずいうこずであるそれぞれの異圢は垞䜓敬䜓口語䜓堅い文䜓ずいう4぀の文䜓のいずれかをずる䟋えば「なければならない」の異圢には「なくおはならない」「なければなりたせん」「なけりゃならない」「ねばならん」などがありこれら4぀の衚珟の文䜓はすべお異なっおいるこれらの衚珟の文䜓は順に垞䜓敬䜓口語䜓堅い文䜓である機胜衚珟を蚀い換えるシステムは蚀い換え先の機胜衚珟の文䜓を制埡できるこずが求められるなぜならば1぀の文章においおは原則ずしお䞀貫しお1぀の文䜓を䜿い続けなければならないからである䟋えば文䜓が垞䜓である文章においおは「なければなりたせん」や「にたいしたしお」などの敬䜓の衚珟や「なけりゃならない」や「ずは蚀ったっお」などの口語䜓の衚珟を䜿うこずはできないしかしながら先行研究においお提案されおいるいずれの機胜衚珟蚀い換えシステムも蚀い換え先の機胜衚珟の文䜓を制埡できる機構を持っおいない機胜衚珟蚀い換えシステムが機胜衚珟$f$を異なる機胜衚珟$f^\prime$に蚀い換える堎合朜圚的には$f^\prime$のすべおの異圢を生成できるこずが望たれるなぜならばこの芁請を満たすシステムは文章䜜成支揎などの応甚においお倚数のさたざたな蚀い換え候補を利甚者に提瀺するこずができるからであるこのようなシステムは䟋えば「芋おくれるか」ずいう入力に察しお「おもらえる」を含む蚀い換え候補ずしお「芋おもらえるか」だけでなく「芋おもらえないか」「芋おもらえたせんか」「芋おはもらえないでしょうか」など倚くの興味深い蚀い換え候補を出力するこずができるしかしながら先行研究における機胜衚珟蚀い換えシステムは䜓系的に異圢を扱っおいないため䞊蚘の芁請を満たしおいない文章読解支揎や文章䜜成支揎などの応甚においおは機胜衚珟を蚀い換えるずきに蚀い換え先の機胜衚珟の難易床理解しやすさを制埡できるこずが求められるなぜならば機胜衚珟は文の構造や意味を決定する重芁な芁玠であるからである文䞭に知らない機胜衚珟が甚いられおいた堎合おそらく読者はその文の意味を正確に理解するこずができないだろう難しい機胜衚珟をやさしい機胜衚珟ぞ蚀い換えるこずができれば読者がその機胜衚珟を知っおおり文の意味を正しく理解するこずができるこずが期埅される先行研究においお機胜衚珟の難易床を考慮したものは土屋らの研究\shortcite{Tsuchiya2004}ず本田らの研究\shortcite{Honda2007}のみである土屋らは機胜衚珟をやさしく蚀い換えるための芏則を半自動的に生成する手法ずその芏則に基づいお機胜衚珟を蚀い換えるシステムを提案しおいる本田らは意味的に等䟡な機胜衚珟の各々のクラスに察しおそれぞれ1぀の代衚衚珟を定矩するこずにより機胜衚珟を分かりやすい衚珟に蚀い換える手法を提案しおいる機胜衚珟をやさしく蚀い換える堎合読者にふさわしい難易床の衚珟に蚀い換えるこずが望たしいなぜならばよりやさしい機胜衚珟兞型的には助詞は耇数の意味を持っおいる傟向があるからである必芁以䞊にやさしく蚀い換えた堎合生成されたテキストが意味的に曖昧になっおしたうおそれがあるこれらの先行研究においお提案されおいる蚀い換えシステムは䟋えば日本語初玚者甚や日本語䞭玚者甚などずいった難易床指定に応じお蚀い換えを行なうこずはできない機胜衚珟を文䜓指定や難易床指定を満たす意味的に等䟡な機胜衚珟に蚀い換える凊理は次の2぀の倉換の組み合わせによっお実珟するこずができる\begin{enumerate}\item機胜衚珟を意味的に等䟡な機胜衚珟に倉換する\item機胜衚珟をその異圢に倉換する\end{enumerate}前者においお難易床指定を満たす機胜衚珟のみを蚀い換え候補に採甚し埌者においお文䜓指定を満たす異圢のみを蚀い換え候補に採甚すれば目的の蚀い換えを達成するこずができる本論文では圢態階局構造ず意味階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞を甚いるこずにより文䜓ず難易床を制埡し぀぀日本語機胜衚珟を蚀い換える手法を提案する前者の階局構造は各々の機胜衚珟に察しおすべおの異圢のリストを提䟛するそれぞれの異圢には文䜓の情報が蚘述されおいるこのリストは䞊蚘の(2)の倉換に必芁である埌者の階局構造は機胜衚珟の意味的等䟡クラスを提䟛するクラス内のそれぞれの機胜衚珟には難易床が付䞎されおいるこの意味的等䟡クラスは䞊蚘の(1)の倉換に必芁である本論文は以䞋のように構成されるたず第2章で圢態階局構造ず意味階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞に぀いお説明する次に第3章で本論文で提案する機胜衚珟の蚀い換え手法を述べる第4章で実装した機胜衚珟蚀い換えシステムに぀いお説明し続く第5章においおその評䟡を行なう第6章で関連研究に぀いお述べ最埌に第7章でたずめを述べる \section{2぀の階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞} \label{sec:dic}\subsection{圢態階局構造}\label{subsec:morph}日本語の機胜衚珟が持぀䞻な特城の1぀は個々の機胜衚珟に察しお倚くの{\bf異圢}が存圚するこずである䟋えば「なければならない」に察しお「なくおはならない」「なくおはならず」「なければなりたせん」「なけりゃならない」「なければならぬ」「ねばならん」など倚くの異圢が存圚するこのような異圢を぀くり出す過皋は次の7カテゎリヌに分類するこずができる\shortcite{Matsuyoshi2007}\begin{quote}掟生機胜語の亀替音韻的倉化ずりたお詞\shortcite{Numata1986}の挿入掻甚「ですたす」の有無衚蚘のゆれ\end{quote}束吉らはこれらの蚀語珟象による機胜衚珟の異圢を階局構造を甚いお分類し機胜衚珟蟞曞を線纂した\shortcite{Matsuyoshi2007}本論文では機胜衚珟の\textbf{圢態階局構造}ずしお圌らの階局構造を採甚する圢態階局構造の抂芁を衚~\ref{tab:morph}に瀺すこの階局構造は9぀の階局を持぀$L^3$から$L^9$の階局が䞊で列挙した異圢のカテゎリヌのそれぞれに察応するこれらの階局の䞊に芋出しレベルずしお$L^1$語矩を区別した芋出しレベルずしお$L^2$が定矩されおいる圢態階局構造の各階局における機胜衚珟の数を衚~\ref{tab:morph}の「衚珟数」の欄に瀺す芋出し語に盞圓する$L^1$の機胜衚珟の数は341であり出珟圢に盞圓する$L^9$の機胜衚珟の数は16,801である\begin{table}[t]\caption{圢態階局構造の9぀の階局}\label{tab:morph}\input{04table02.txt}\end{table}機胜衚珟の出珟圢$L^9$の機胜衚珟には階局構造における䜍眮を衚す機胜衚珟IDが付䞎されおいるこの機胜衚珟IDは9぀の郚分からなるIDの各郚分は階局構造のそれぞれの階局における階局IDであるそれぞれの出珟圢に付䞎された機胜衚珟IDから階局構造におけるその出珟圢の䜍眮やその䞊䜍の階局の機胜衚珟䟋えば$L^2$の機胜衚珟を容易に知るこずができる機胜衚珟ID以倖に機胜衚珟の出珟圢には文䜓や巊接続・右接続隣に接続可胜な圢態玠などの情報も蚘述されおいる本論文では機胜衚珟を蚀い換えるにあたりこれらの情報を利甚する\subsection{意味階局構造}\label{subsec:semantic}珟圚誰もが蚀い換えに利甚するこずができる日本語機胜衚珟の意味的等䟡クラスの集合は存圚しない機胜衚珟に関する文献や蟞曞\shortcite{Morita1989,Tomomatsu1996,dosj,Matsuyoshi2007}に蚘述されおいる意味的等䟡クラスは分類の粒床が粗いので蚀い換えに盎接利甚するこずはできない䞀方自然蚀語凊理においお蚀い換えのために定矩された機胜衚珟の意味的等䟡クラスの集合\shortcite{Tanabe2001,Shudo2004}が存圚するがこれらは䞀般公開されおいない蚀い換えのための機胜衚珟の意味的等䟡クラスずしおわれわれは圢態階局構造における$L^2$の機胜衚珟435衚珟に察しお3぀の階局を持぀\textbf{意味階局構造}を䜜成したこの階局構造の䜜成にあたっおは「日本語衚珟文型」\shortcite{Morita1989}における機胜衚珟に関する説明文ず甚䟋を参考にし蚀い換え可胜性の芳点から$L^2$の機胜衚珟集合にあらかじめ定矩されおいた89の意味的等䟡クラス\shortcite{Matsuyoshi2007}を芋盎しその再線成を行なった䞻に次の2぀のこずを行なった\begin{enumerate}\item\textbf{䞋䜍区分}同じ意味的等䟡クラスに属する耇数の機胜衚珟を蚀い換え可胜性の芳点からいく぀かのグルヌプにたずめ元のクラスに䞋䜍クラスを定矩した䟋えば束吉らの機胜衚珟蟞曞\shortcite{Matsuyoshi2007}においお〈掚量〉ずいう意味的等䟡クラスには次の15の機胜衚珟が属しおいる\begin{quote}かもしれないかもわからないにちがいないにきたっおいるにそういないにほかならないずころこずだろうのだろうみたいようらしいだろうううる\end{quote}これらの衚珟はすべお掚量や掚定を意味する機胜衚珟であるしかしながらそれらの間の蚀い換え可胜性は䞀様ではない䟋えば「かもしれない」ず「かもわからない」はほずんどすべおの文脈においお蚀い換え可胜であるず思われるがその䞀方で「かもしれない」ず「にちがいない」はこれらが蚀い換え可胜な文脈は先の2぀の衚珟よりも限られるず思われる他の衚珟察に察しおも同様の考察を行ない〈掚量〉ずいう意味的等䟡クラスを図~\ref{fig:class}のように䞋䜍区分した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia4f2.eps}\caption{〈掚量〉ずいう意味的等䟡クラスの䞋䜍区分}\label{fig:class}\end{center}\end{figure}\item\textbf{䞋䜍クラス化}属しおいる機胜衚珟の数が少数である意味的等䟡クラスをその䞊䜍の意味を衚す意味的等䟡クラスの䞋䜍クラスずしお再定矩したこれは前者に属する機胜衚珟に察しおそれが蚀い換え可胜な機胜衚珟の数を増やすためである䟋えば束吉らの機胜衚珟蟞曞においお〈最䞭〉ずいう意味的等䟡クラスには1぀の機胜衚珟「぀぀ある」しか属しおいないのでこの機胜衚珟に察しおそれず蚀い換え可胜な$L^2$の機胜衚珟を埗るこずはできない䞀方「぀぀ある」は〈継続〉ずいう意味的等䟡クラスに属する「おいる」や「おいく」などの機胜衚珟ず倚くの文脈においお蚀い換え可胜であるそこで〈最䞭〉ずいう意味的等䟡クラスを〈継続〉ずいう意味的等䟡クラスの䞋䜍クラスずしお再定矩したこれにより䞊䜍のクラスを甚いた堎合「぀぀ある」に察しお蚀い換え可胜な機胜衚珟ずしお「おいる」や「おいく」などの衚珟を提瀺するこずができる\end{enumerate}このような再線成を経お最終的に3階局の意味階局構造を構築した意味階局構造の倧半においお各階局の1぀の意味的等䟡クラスに属する機胜衚珟は衚~\ref{tab:semantic}の「1぀のクラスに属する機胜衚珟」の欄に瀺す性質を持っおいる各階局における意味的等䟡クラスの数ずそれらに付䞎したクラスIDの圢匏をそれぞれ衚~\ref{tab:semantic}の「クラス数」ず「クラスID」の欄に瀺す最も䞊䜍の階局(Top)における意味的等䟡クラスの数は45であり最も䞋䜍の階局(Bottom)における意味的等䟡クラスの数は199である\begin{table}[t]\caption{意味階局構造の3぀の階局}\label{tab:semantic}\input{04table03.txt}\end{table}䞀般に1぀の意味的等䟡クラスには異なる難易床を持぀耇数の機胜衚珟が属しおいる䟋えばある意味的等䟡クラスには「ずどうじに」や「たずたんに」のようなやさしい機胜衚珟から「やいなや」や「がはやいか」のような難しい機胜衚珟たでさたざたな難易床の機胜衚珟が属しおいる圢態階局構造の$L^2$の機胜衚珟には「日本語胜力詊隓出題基準」\shortcite{nouryoku}の玚に基づいた難易床が付䞎されおいる\shortcite{Matsuyoshi2007}この難易床はA1A2BCFの5段階でありA1が䞀番やさしい本論文では難易床指定に応じた機胜衚珟の蚀い換えを実珟するためにこの情報を利甚する\subsection{指定を満たすすべおの出珟圢の列挙}\label{subsec:enumerate}圢態階局構造ず意味階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞を甚いるず䞎えられた機胜衚珟の出珟圢に察しお文䜓指定ず難易床指定を満たす意味的に等䟡な機胜衚珟のすべおの出珟圢を列挙するこずができるこの手続きは次のずおりである\begin{enumerate}\item圢態階局構造においお䞎えられた出珟圢の䞊䜍の$L^2$の機胜衚珟を芋぀ける\item意味階局構造においおその機胜衚珟を含む意味的等䟡クラスを芋぀けそこに属する機胜衚珟の集合を埗る\itemその集合から難易床指定を満たさない機胜衚珟を排陀する\item圢態階局構造に基づき集合内の各機胜衚珟に察しおそのすべおの異圢出珟圢を列挙する\item埗られた出珟圢のリストの䞭から文䜓指定を満たさない出珟圢を排陀する\end{enumerate}䞊の(2)の集合には䞎えられた出珟圢の異圢を出力するためにその䞊䜍の$L^2$の機胜衚珟も含たれる蚈算機䞊では䞊蚘の手続きは出珟圢を衚す機胜衚珟IDず意味的等䟡クラスを衚すクラスIDを甚いお実行される䟋ずしお「や吊や」ず意味的に等䟡な機胜衚珟の出珟圢のうちA1A2Bのいずれかの難易床を持぀ものを列挙するたず圢態階局構造においお出珟圢「や吊や」の䞊䜍の$L^2$の機胜衚珟『やいなや』を芋぀ける次に意味階局構造においお『やいなや』を含む意味的等䟡クラスを芋぀けるこのクラスに属する機胜衚珟の集合は次のずおりである\begin{quote}『ずどうじに』『ずすぐに』『たずたんに』『そばから』『なり』『やいなや』『がはやいか』『や』\end{quote}この集合から蚭定された難易床指定を満たさない『そばから』『なり』『やいなや』『がはやいか』『や』を排陀する難易床はそれぞれCCCFF最埌に圢態階局構造に基づき残った『ずどうじに』『ずすぐに』『たずたんに』のすべおの出珟圢蚈20衚珟を次のように列挙する\begin{quote}「ずどうじに」「ず同時に」「ずすぐに」「ずすぐ」「たずたん」「だずたん」「たずたんに」「た途端に」$\cdots$\end{quote} \section{本論文で提案する機胜衚珟の蚀い換え手法} \label{sec:formulation}\subsection{入力衚珟の単䜍}\label{subsec:unit}本論文では蚀い換え元の入力衚珟の単䜍ずしお文節を採甚するその理由は文節は機胜衚珟を含む最も基本的な文構成単䜍であるからである本論文で扱う文節はいわゆる圢匏文節ではなく機胜衚珟を考慮しお拡匵された文節であり以䞋のように定矩する$c_i$を内容語$f_j$を機胜衚珟ずおくこのずき文節を次のように定匏化する\begin{eqnarray}\mbox{文節}=c_1c_2\cdotsc_mf_1f_2\cdotsf_n\label{eq:phrase}\end{eqnarray}文節内の$c_1c_2\cdotsc_m$を文節の内容語郚$f_1f_2\cdotsf_n$を文節の機胜語郚ず呌ぶ䟋えば「決定せざるをえないので」は1぀の文節であるこのずき$c_1=$「決定」$c_2=$「せ」$f_1=$「ざるをえない」$f_2=$「ので」であり内容語郚は「決定せ」機胜語郚は「ざるをえないので」である本論文では入力文節の機胜語郚に存圚する機胜衚珟を蚀い換えるこずにより入力文節に察する代替衚珟を生成する\subsection{予備調査:人間による機胜衚珟の蚀い換え}\label{subsec:closedlist}機胜語郚の機胜衚珟の蚀い換えは原理的に次の5皮類の蚀い換えの組み合わせによっお達成される以䞋文節䟋においお内容語郚ず機胜語郚の境界および機胜衚珟ず機胜衚珟の境界に``''を挿入する\begin{description}\item[1$\rightarrow$1]機胜衚珟を別の機胜衚珟に眮換する($f\rightarrowf^\prime$)䟋「聞く\underline{や吊や}」$\rightarrow$「聞く\underline{ずすぐに}」\item[1$\rightarrow$N]機胜衚珟を機胜衚珟列に眮換する($f\rightarrowf_1^\primef_2^\prime\cdotsf_N^\prime$)䟋「雚\underline{にもかかわらず}」$\rightarrow$「雚\underline{なのに}」\item[N$\rightarrow$1]機胜衚珟列を1぀の機胜衚珟に眮換する($f_1f_2\cdotsf_N\rightarrowf^\prime$)䟋「行か\underline{なければならないこずはない}」$\rightarrow$「行か\underline{なくおよい}」\item[M$\rightarrow$N]機胜衚珟列を別の機胜衚珟列に眮換する($f_1f_2\cdotsf_M\rightarrowf_1^\primef_2^\prime\cdotsf_N^\prime$)䟋「䌚っ\underline{たわけではない}」$\rightarrow$「䌚わ\underline{なかった}」\item[f$\Rightarrow$c]機胜衚珟列を内容語を含む衚珟に眮換する䟋「行く\underline{たでもない}」$\rightarrow$「行く{\kern-0.5zw}\underline{必芁は{\kern-0.5zw}ない}」``{\kern-0.5zw}''は文節境界を衚す\end{description}機胜衚珟の蚀い換えを定匏化するにあたり予備調査ずしお人間が機胜衚珟を蚀い換える堎合これらの5皮類の蚀い換えがどのように甚いられるのか調査した調査方法ずしおは䜜業者\footnote{この䜜業者は日本語教育に関する知識を有する者である}に文節のリストを䞎え文節の機胜語郚を自由に蚀い換えおもらった䜜業者には次の3぀のこずを指瀺した\begin{enumerate}\item機胜語郚を蚀い換えおください内容語は蚀い換えないでください\item思い付くたた自由に蚀い換えおくださいやさしく蚀い換えなければならない短くしなければならないずいった制玄はありたせん\item1぀の文節に察しお耇数の代替衚珟を思い付いた堎合そのすべおを蚘述しおくださいどうしおも代替衚珟が思い浮かばない文節に察しおは代替衚珟を蚘述しなくおも構いたせん\end{enumerate}文節リストずしおは「日本語胜力詊隓出題基準」\shortcite{nouryoku}における``〈機胜語〉の類''のリストに付蚘されおいる甚䟋を甚いた``〈機胜語〉の類''のリストの䞀郚を衚~\ref{tab:jpt}に瀺すこの文献には269項目の``〈機胜語〉の類''が収録されおいるこの調査ではこれらのうち日本語機胜衚珟蟞曞\shortcite{Matsuyoshi2007}にも収録されおいる140項目を察象ずした``〈機胜語〉の類''のリストにおいおは各``〈機胜語〉の類''に察しお1぀以䞊の甚䟋が蚘述されおいる本論文における蚀い換え元の入力衚珟の単䜍は文節であるので節単䜍や文単䜍の甚䟋に察しおはそこから文節単䜍の甚䟋を人手で抜出した``〈機胜語〉の類''140項目に察する甚䟋のうち日本語機胜衚珟蟞曞に収録されおいる機胜衚珟の甚䟋であるずわれわれが刀断した238の甚䟋を蚀い換え元の文節リストずしお甚いた\footnote{この文節リストは本研究で䜜成した蚀い換えシステムのクロヌズドテストにも甚いた}\begin{table}[t]\caption{``〈機胜語〉の類''のリストの䞀郚}\label{tab:jpt}\input{04table04.txt}\end{table}\begin{table}[t]\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\caption{䜜業者が䜜成した衚珟の適切さの刀定結果}\label{judge}\input{04table05.txt}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\caption{代替衚珟の䜜成に甚いられた蚀い換えの皮類}\label{tab:native}\input{04table06.txt}\end{center}\end{minipage}\end{table}䜜業者は238の文節のうち226の文節に察しお410の代替衚珟を䜜成したこれらの代替衚珟が適切であるかどうかを䜜業者ずは異なる2人の刀定者が独立に刀定した適切さの刀定基準は「蚀い換え元の文節ず䜜業者が䜜成した衚珟がある文脈においお眮換可胜であるならば埌者は代替衚珟ずしお適切であるず刀定する」ず定めた刀定結果の分割衚を衚~\ref{judge}に瀺す衚の「$\bigcirc$」の欄に刀定者が適切であるず刀定した代替衚珟の数を「$\times$」の欄に刀定者が適切でないず刀定した代替衚珟の数を瀺すこの衚から䜜業者が䜜成した衚珟の86\%(353/410)が2人の刀定者に代替衚珟ずしお適切であるず刀定されたこずが分かる\footnote{2人の刀定者の䞀臎率は$\kappa$倀で0.32であったこの䞀臎率が䜎い原因は刀定者Aの刀定が厳しすぎたこずによる}䜜業者が䜜成し2人の刀定者が適切であるず刀定した353の代替衚珟が䞊蚘の5皮類の蚀い換えのどのような組み合わせによっお実珟されおいるか分析した分析結果を衚~\ref{tab:native}に瀺すこの衚から353の代替衚珟のうちその61\%(215/353)が``1$\rightarrow$1''のみで実珟されたこずが分かるしたがっお機胜衚珟を類矩衚珟に眮換するずいう``1$\rightarrow$1''は人間が行なう機胜衚珟の蚀い換えの過半数をカバヌするず蚀うこずができる\subsection{機胜衚珟の蚀い換えの定匏化}\label{subsec:alternative}前節の調査結果に基づき本研究が察象ずする蚀い換えの入出力を次のように定めた入力は1぀の文節であり出力は入力文節に察する代替衚珟である\begin{align}\mbox{\textbf{入力}文節}&=c_1c_2\cdotsc_{m-1}c_mf_1f_2\cdotsf_n\nonumber\\\mbox{\textbf{出力}代替衚珟}&=c_1c_2\cdotsc_{m-1}c_m^{\prime}wf_1^{\prime}f_2^{\prime}\cdotsf_n^{\prime}\label{eq:alt}\end{align}ここで$c_m^{\prime}$は内容語$c_m$かもしくはそれを掻甚させた語であり$f_j^{\prime}$は機胜衚珟$f_j$ず意味的に等䟡な機胜衚珟である$w$は空文字列かもしくは$c_m^{\prime}$ず$f_1^{\prime}$を適切に接続するために挿入される語である本研究では入力文節の機胜語郚に存圚する各々の機胜衚珟をそれず意味的に等䟡な機胜衚珟に眮換するこずにより入力文節に察する代替衚珟を生成する䞀般に機胜衚珟$f_1$の巊接続ず機胜衚珟$f_1^\prime$の巊接続はたずえそれらが意味的に等䟡であったずしおも異なる䟋えば「や吊や」ず「たずたん」は意味的に等䟡であるが前者の巊接続は動詞の基本圢であるのに察し埌者の巊接続は動詞の連甚タ接続である同様に「にあたっお」ず「際に」は同じ〈状況〉ずいう意味を持っおいるが前者の巊接続は動詞の基本圢ず名詞であるのに察し埌者の巊接続は動詞の基本圢ずタ圢および助詞「の」であるこのような堎合$f_1$を$f_1^\prime$に眮換した埌$c_m$ず$f_1^{\prime}$を適切に接続する必芁がある内容語ず機胜衚珟の接続には次の4皮類がありそれぞれに応じお異なる手続きを行なう\begin{description}\item[単玔接続可胜]内容語$c_m$が機胜衚珟$f_1^{\prime}$の巊接続に含たれる堎合それらを単玔に接続する䟋えば「聞く」ず「ずすぐに」は単玔接続可胜である\item[掻甚圢の倉曎が必芁]掻甚圢を陀いお内容語$c_m$が機胜衚珟$f_1^{\prime}$の巊接続に含たれる堎合$c_m$の掻甚圢を倉曎するこずによりそれらを接続する䟋えば「聞く」ず「たずたん」を接続するには掻甚圢の倉曎が必芁でありたず掻甚圢倉化衚を参照しお「聞く」を「聞い」に掻甚させた埌それらを接続する\item[語の挿入が必芁]内容語$c_m$ず機胜衚珟$f_1^{\prime}$が間に語$w$を介せば接続可胜である堎合必芁に応じお$c_m$の掻甚圢を倉曎した埌$w$を挿入\footnote{このずき必芁ならば$w$の掻甚圢を調敎する}しお党䜓を接続する䟋えば「子䟛」ず「からずいっお」を接続するには語の挿入が必芁である「子䟛」の品詞情報ず「からずいっお」の巊接続から挿入語遞択衚を参照しお「だ」を埗それを介しお党䜓を接続する挿入語の䞀芧を衚~\ref{tab:inserted}に$f_1^{\prime}$の巊接続を少し簡略化しおたずめた挿入語遞択衚を衚~\ref{tab:inserted_select}に瀺す\item[接続䞍可胜]䞊のいずれにも圓おはたらない堎合内容語$c_m$ず機胜衚珟$f_1^{\prime}$は接続䞍可胜であるず刀定しこれらを含む代替衚珟候補を棄华する䟋えば「聞く」ず「だずたん」「たずたん」の「た」が有声化した衚珟は接続䞍可胜である\end{description}\begin{table}[t]\caption{挿入語䞀芧}\label{tab:inserted}\input{04table07.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{挿入語遞択衚}\label{tab:inserted_select}\input{04table08.txt}\end{table}機胜衚珟$f_j^\prime$ず機胜衚珟$f_{j+1}^\prime$の接続の可吊はそれらが単玔接続可胜であるかどうかにより刀定し前者の掻甚圢の倉曎は行なわないその理由は\ref{subsec:enumerate}節で説明した方法によっおすべおの掻甚圢が展開された圢で意味的に等䟡な機胜衚珟の出珟圢のリストが䞎えられるからである$f_j^\prime$ず$f_{j+1}^\prime$が単玔接続可胜でない堎合これらを含む代替衚珟候補を棄华する䟋えば「なければならない」ず「にちがいない」は単玔接続可胜である䞀方「なければならなく」ず「にちがいない」は単玔接続可胜ではないのでこれらを含む代替衚珟候補を棄华する単玔な眮換ず語の挿入を組み合わせた本論文で提案する蚀い換え手法は衚~\ref{tab:native}における「1$\rightarrow$1のみ」のすべおず「1$\rightarrow$Nず1$\rightarrow$1」の22\%(15/68)をカバヌするしたがっおこの蚀い換え手法は理論䞊衚~\ref{tab:native}の65\%(230/353)をカバヌする\footnote{\ref{sec:system}章で説明する機胜衚珟蚀い換えシステムを甚いた実際のカバヌ率は43\%(152/353)であった実際のカバヌ率が理論倀の2/3である䞻な原因は蚀い換えシステムが利甚する日本語機胜衚珟蟞曞が代衚的な機胜衚珟しか蚘茉しおいないこずである} \section{機胜衚珟蚀い換えシステム} \label{sec:system}前章で述べた手法により文䜓ず難易床を制埡し぀぀機胜衚珟を蚀い換えるシステムを実装したこのシステムの入力は文節ず文䜓指定・難易床指定であり出力は代替衚珟の順䜍付きリストである代替衚珟を生成するにあたりこのシステムは\ref{sec:dic}章で説明した機胜衚珟蟞曞を甚いる実装した蚀い換えシステムの党䜓像を図~\ref{fig:system}に瀺すこのシステムは次の3぀のモゞュヌルからなる\begin{enumerate}\item文節解析\item蚀い換え生成\item順䜍付け\end{enumerate}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia4f3.eps}\caption{機胜衚珟蚀い換えシステムの党䜓像}\label{fig:system}\end{center}\end{figure}\subsection{文節解析}文節解析モゞュヌルは䞎えられた文節を匏(\ref{eq:phrase})に瀺されるように内容語ず機胜衚珟の列に分割する日本語機胜衚珟を怜出する手法はこれたでにいく぀か提案されおおり䟋えば半自動的に䜜成した芏則に基づく手法\shortcite{Tsuchiya2003b}や機械孊習に基づくチャンキング手法\shortcite{Uchimoto2003,Tsuchiya2007}などがあるしかしながらこれらの手法が怜出察象ずしおいる機胜衚珟ずその異圢の数は限られおいるため本研究ではこれらの手法を文節解析に利甚するこずはできない別の手法ずしお既存の圢態玠解析噚の蟞曞に玄17,000の機胜衚珟の出珟圢を远加し機械孊習により皮々のコストを決定するこずが考えられるしかしながら珟圚のずころこれらすべおの出珟圢に察しおタグ付けを行なった倧芏暡なコヌパスは存圚しないのでこの手法は実行可胜ではない本システムではこれらの手法ずは異なる方法を甚いお䞎えられた文節を内容語ず機胜衚珟の列に分割するこのシステムの文節解析モゞュヌルは2皮類の解析噚を甚いる1぀めの解析噚は文節の機胜語郚の解析に特化した解析噚以䞋機胜語郚解析噚であるこの解析噚は蟞曞゚ントリヌずしお玄17,000の機胜衚珟の出珟圢のみを持぀圢態玠解析噚MeCab\footnote{http://mecab.sourceforge.net/}で実装されおいる実装においおは機胜衚珟間の接続は\ref{subsec:morph}節で述べた機胜衚珟蟞曞に蚘述されおいる接続条件を甚いずすべおの組み合わせが可胜であるずし連接コストはすべお1ず定めた\footnote{ただし〈理由〉の意味を持぀「し」に察しおのみ埌ろにいかなる機胜衚珟も接続しないずいう条件を蚭定したこれは文節解析モゞュヌルが動詞「する」の連甚圢「し」を誀っお機胜衚珟ず解析するこずが倚かったためである}その理由は機胜衚珟蟞曞の接続条件は解析に甚いるには少し厳しすぎるのではないかず考えたからであるなお単語コストはすべお0ず定めたこの機胜語郚解析噚は機胜語郚をなす文字列を機胜衚珟の列に分割するこずができるその䞀方で文字列に内容語ず解析されるべき芁玠が含たれおいる堎合文字列の分割に倱敗する\footnote{分割結果に未知語が含たれおいる堎合文字列の分割に倱敗したず芋なす}䞎えられた文字列から機胜語郚を抜出するために文節解析モゞュヌルは2぀めの解析噚ずしおIPA蟞曞を組み蟌んだ通垞のMeCabを甚いる以䞋に文節解析の手順を述べるたず通垞のMeCabを甚いお入力文節を圢態玠列$m_1m_2\cdotsm_k$に分割する次に$m_1$を内容語郚$m_2m_3\cdotsm_k$を機胜語郚であるず仮定する機胜語郚解析噚が$m_2m_3\cdotsm_k$の衚局圢をたずめた文字列を機胜衚珟の列$f_1f_2\cdotsf_n$に分割するこずができたならば文節解析モゞュヌルは解析結果ずしお$c_1f_1f_2\cdotsf_n$を出力するここで$c_1=m_1$である機胜語郚解析噚が分割に倱敗した堎合$m_1m_2$を内容語郚$m_3m_4\cdotsm_k$を機胜語郚であるず仮定する機胜語郚解析噚が$m_3m_4\cdotsm_k$の衚局圢をたずめた文字列を機胜衚珟の列$f_1f_2\cdotsf_n$に分割するこずができたならば文節解析モゞュヌルは解析結果ずしお$c_1c_2f_1f_2\cdotsf_n$を出力するここで$c_1=m_1$$c_2=m_2$である以䞋同様に機胜語郚解析噚が分割に成功するたでこの手続きを続ける䟋ずしお文節「決定せざるをえないので」を解析するたずこの文節は通垞のMeCabにより「決定せざるをえないので」ず7぀の圢態玠に分割される次に「決定」を内容語郚「せざるをえないので」を機胜語郚ず仮定する機胜語郚解析噚は文字列「せざるをえないので」の分割に倱敗するので今床は「決定せ」を内容語郚「ざるをえないので」を機胜語郚ず仮定するこの堎合機胜語郚解析噚は文字列「ざるをえないので」の分割に成功しこの文字列を「ざるをえない」ず「ので」に分割するこれにより解析結果ずしお$c_1=$「決定」$c_2=$「せ」$f_1=$「ざるをえない」$f_2=$「ので」が出力される内容語の堎合ず同様に2぀以䞊の意味を持぀機胜衚珟も存圚する䟋えば「によっお」は次の3぀の意味を持぀\begin{description}\item[〈仲介〉]その病気はりむルス\underline{によっお}䌝染しおいく\item[〈根拠〉]民法\underline{によっお}そのように定められおいる\item[〈堎合〉]季節\underline{によっお}芋える星座が異なる\end{description}機胜語郚解析噚が分割した機胜語郚に耇数の意味を持぀機胜衚珟が存圚した堎合文節解析モゞュヌルはそれらに察応する耇数の解析結果を出力する䟋えば機胜語郚解析噚が分割した機胜語郚に2぀の意味$\alpha$ず$\beta$を持぀機胜衚珟$f_j$が存圚した堎合文節解析モゞュヌルは次の2぀の解析結果を出力する\footnote{実際には$f_j^{(\alpha)}$ず$f_j^{(\beta)}$は機胜衚珟IDを甚いお次のように区別する:$f_j^{(\alpha)}=$「ために(0731Q.1xx.74n01)」$f_j^{(\beta)}=$「ために(0732Q.1xx.74n01)」前者は〈理由〉埌者は〈目的〉の意味を持぀}\begin{quote}$c_1c_2\cdotsc_mf_1\cdotsf_j^{(\alpha)}\cdotsf_n$$c_1c_2\cdotsc_mf_1\cdotsf_j^{(\beta)}\cdotsf_n$\end{quote}\subsection{蚀い換え生成}蚀い換え生成モゞュヌルは入力文節の解析結果$c_1c_2\cdotsc_mf_1f_2\cdotsf_n$を受け取り文䜓指定ず難易床指定を満たす代替衚珟のリストを生成するたず蚀い換え生成モゞュヌルは\ref{subsec:enumerate}節で述べた方法を甚いお$f_1$ず意味的に等䟡でありか぀文䜓指定ず難易床指定を満たす機胜衚珟の出珟圢$f_1^\prime$を埗る次に\ref{subsec:alternative}節で述べた方法により$f_1^\prime$を$c_1c_2\cdotsc_m$に接続させ$c_1c_2\cdotsc_{m-1}c_m^\primewf_1^\prime$を構築する今床は$f_2$に察しお同様のこずを行ない$f_2^\prime$を埗お$c_1c_2\cdotsc_{m-1}c_m^\primewf_1^\primef_2^\prime$を構築する以䞋同様にこの過皋を続け最終的に入力文節の代替衚珟ずしお$c_1c_2\cdotsc_{m-1}c_m^\primewf_1^\primef_2^\prime\cdotsf_n^\prime$を構築する各々の$f_j$に察しお\ref{subsec:enumerate}節で述べた方法によっお実際に埗られるのは類矩衚珟のリストである蚀い換え生成モゞュヌルは$1\leqj\leqn$に察しおこれらのすべおの組み合わせ\footnote{実際には簡単な枝刈りを行なっおいる}を詊行し接続し埗ない2぀の隣り合う芁玠を含む代替衚珟候補を棄华するこずによっお代替衚珟のリストを生成する難易床指定が厳しすぎるなどの理由により代替衚珟が1぀も生成されない堎合蚀い換え生成モゞュヌルは䞊䜍の階局の意味的等䟡クラスを甚いお代替衚珟のリストを生成する機胜語郚の機胜衚珟に意味的曖昧性があり2぀以䞊の解析結果が存圚する堎合蚀い換え生成モゞュヌルは各解析結果に察しお独立に代替衚珟を生成し最埌にそれらを1぀のリストにたずめお出力する\subsection{順䜍付け}\label{subsec:ranking}機胜衚珟の蚀い換えにおいお実際の応甚を考慮した堎合出力される代替衚珟のリストになんらかの尺床に基づく順䜍が付いおいるこずが望たしいなぜならば機胜衚珟には数倚くの異圢が存圚するため代替衚珟が数癟も出力されるこずがあるからである順䜍付けモゞュヌルは生成された代替衚珟のリストをコヌパス䞭の頻床に基づくスコアにより順䜍付けするコヌパス䞭の頻床を利甚する理由はコヌパスによく珟れる機胜衚珟はより暙準的で䞀般に䜿われおいるものだず考えるこずができるからであるしかしながら珟圚のずころ玄17,000の機胜衚珟の出珟圢に察しおタグ付けを行なった倧芏暡なコヌパスは存圚しないのでコヌパス䞭の機胜衚珟の頻床を盎接利甚するこずはできないそこで本研究ではコヌパス䞭の機胜衚珟の頻床の近䌌倀ずしおコヌパスから単玔な文字列照合によっお埗られる「機胜衚珟を構成する文字列」の出珟回数を甚いるスコア関数ずしおは代替衚珟に含たれる各機胜衚珟の構成文字列の出珟回数の積を甚いる\footnote{予備実隓ずしお「内容語—機胜衚珟」「機胜衚珟—機胜衚珟」の構成文字列の出珟回数も利甚するスコア関数も詊したが衚~\ref{tab:evaluation}における評䟡結果は珟圚のものずほずんど倉わらなかった}入力された代替衚珟のリストに構成文字列が党く同じ代替衚珟が耇数存圚する堎合それらの衚珟には同じスコアが付くので順䜍付けモゞュヌルはそれらを1぀にたずめお出力する\begin{table}[b]\begin{minipage}{0.5\textwidth}\caption{入力文節「芋おくれるか」に察する出力}\vspace{-0.5\baselineskip}i:指定なしの堎合の順䜍j:「敬䜓のみ」ず\\いう文䜓指定時の順䜍\\[-0.5zw]\label{tab:mite}\input{04table09.txt}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\caption{入力文節「聞くや吊や」に察する出力}\vspace{-0.5\baselineskip}i:指定なしの堎合の順䜍j:「A1A2Bの\\いずれかの難易床」ずいう難易床指定時の順䜍\\[-0.5zw]\label{tab:ya}\input{04table10.txt}\end{minipage}\end{table}\subsection{出力䟋}入力文節「芋おくれるか」に察する蚀い換えシステムの出力を衚~\ref{tab:mite}に瀺す\footnote{スコアはlogスケヌルで瀺した衚~\ref{tab:ya}も同様である}i欄に指定なしの堎合の順䜍をj欄に「敬䜓のみ」ずいう文䜓指定を行なった堎合の順䜍を瀺す入力文節「聞くや吊や」に察する蚀い換えシステムの出力を衚~\ref{tab:ya}に瀺すi欄に指定なしの堎合の順䜍をj欄に「A1A2Bのいずれかの難易床」ずいう難易床指定を行なった堎合の順䜍を瀺すこれらの出力結果より提案システムが入力文節に察しお適切な代替衚珟を生成できるこずおよび文䜓指定や難易床指定に埓っおその出力を制埡できるこずが分かる \section{評䟡} \label{sec:evaluate}実装した機胜衚珟蚀い換えシステムを評䟡する芳点ずしお次の4点が考えられる\footnote{システムぞの入力ずしお文を想定する堎合は「システムの解析モゞュヌルは正しく文節認定および内容語であるか機胜衚珟であるかの曖昧性解消を行なうこずができるか」ずいう評䟡芳点も必芁であるしかしながら本システムでは入力ずしお\ref{subsec:unit}節の匏(\ref{eq:phrase})で定矩される文節を採甚しおいるのでこの評䟡を行なう必芁はない}\begin{enumerate}\item出力された衚珟は入力文節ず意味的に等䟡であるか\item出力された衚珟は文䜓指定を満たすか\item出力された衚珟は難易床指定を満たすか\item機胜衚珟$f$を異なる機胜衚珟$f^\prime$に蚀い換える堎合$f^\prime$のすべおの異圢を生成するこずができるか\end{enumerate}本システムの蚀い換え胜力は\ref{subsec:enumerate}節に瀺した出珟圢の列挙胜力によっお芏定されおいるこの列挙手続きは蟞曞に蚘述されおいる情報に基づいおいるため最終的に䞊蚘の4点の可吊は蟞曞に蚘述されおいる情報の正しさに䟝存するすなわち䞊蚘の(1)から(4)はそれぞれ\begin{enumerate}\item\ref{subsec:semantic}節で述べた意味的等䟡クラスは劥圓か\item機胜衚珟の出珟圢に付䞎されおいる文䜓情報は正しいか\item$L^2$の機胜衚珟に付䞎されおいる難易床情報は正しいか\item圢態階局構造はすべおの異圢を網矅しおいるか\end{enumerate}ずいう問題に垰着される機胜衚珟の出珟圢が4぀の文䜓のうちいずれをずるかは日本語の文䜓に぀いおの知識があれば容易に刀断できるたた$L^2$の機胜衚珟に付䞎されおいる難易床は「日本語胜力詊隓出題基準」\shortcite{nouryoku}の玚難易床に基づいおいる異圢の網矅性に぀いおはすでに束吉らの研究\shortcite{Matsuyoshi2007}によっお定量的に評䟡されおいるこれらの理由により蟞曞に蚘述されおいる(2)から(4)の情報の信頌性は高いず考えられるため実隓的に評䟡する必芁はないず刀断した䞀方\ref{subsec:semantic}節で述べた意味的等䟡クラスはこれたでの文献ず著者らの盎芳に基づくものでありその蚀い換えにおける劥圓性は怜蚌されおいないそこで本章では蚀い換えシステムが生成する代替衚珟の評䟡を行ない意味的等䟡クラスの劥圓性を怜蚌する\subsection{評䟡方法}蚀い換えシステムの出力の評䟡にあたっおは実際の応甚ずしお文章䜜成支揎を想定した文章䜜成支揎においおはシステムは入力衚珟に察しお少数の良い代替衚珟を出力するこずが期埅されるなぜならば代替衚珟が順䜍付けされずに数癟も出力された堎合システムの利甚者は困惑しおしたうからである本論文では蚀い換えシステムの出力の䞊䜍5䜍たでに適切な代替衚珟が含たれおいるかどうかずいう芳点から評䟡を行なった蚀い換えシステムが生成した衚珟の評䟡は次の3段階で行なった\begin{quote}\begin{description}\item[〇]入力文節に察する適切な代替衚珟である入力文節ず蚀い換えシステムが生成した衚珟はある文脈においお眮換可胜である\item[△]適切な代替衚珟であるかどうかの刀断が難しい入力文節ず蚀い換えシステムが生成した衚珟が眮換可胜である文脈を想像するこずはできるがその文脈はかなり䞍自然である\item[×]代替衚珟ずしお盞応しくない入力文節ず蚀い換えシステムが生成した衚珟が眮換可胜である文脈を想像するこずができない\end{description}\end{quote}䞀般にある衚珟が別の衚珟ず眮換可胜であるかどうかを客芳的に刀定するこずは難しいなぜならばそれらが眮換可胜である文脈を想像するこずができるかどうかは刀定者の蚀語経隓によるずころが倧きいからである特に機胜衚珟の蚀い換えにおいおは機胜衚珟の甚法に぀いおの知識が䞍十分であるために入力文節ず蚀い換えシステムが生成した衚珟が眮換可胜である文脈を想像するこずができず埌者を適切な代替衚珟ではないず刀定しおしたうこずが少なくないそれゆえに機胜衚珟の眮換可胜性の評䟡にあたっおは機胜衚珟を解説した文献に基づくこずが望たしいこのような理由により本評䟡においおは1人の刀定者が耇数の機胜衚珟に関する文献\shortcite{Morita1989,Jamasi1998,dosj}を参照しながら本システムが生成した衚珟の評䟡を行なった\ref{subsec:enumerate}節で述べた方法をそのたた甚いた堎合機胜語郚の機胜衚珟がすべお入力文節における機胜衚珟ず同じもしくはその異圢であるずいう代替衚珟も出力される䟋えば入力文節「決定せざるをえないので」に察しお「ざるをえない」をその衚蚘に関する異圢である「ざるを埗ない」に眮換しただけの衚珟「決定せざるを埗ないので」も1぀の代替衚珟ずしお出力されるしかしながら文章䜜成支揎の芳点からはこれは望たしくないなぜならばシステムの利甚者が求めるものはこのような衚蚘を少し倉えただけの衚珟ではなく入力文節に䜿われおいる機胜衚珟ずは異なる機胜衚珟を甚いた代替衚珟であるず思われるからであるこのような理由により本評䟡では蚀い換えシステムが出力する代替衚珟はその機胜語郚の少なくずも1぀の機胜衚珟が入力文節における察応する機胜衚珟ず党く異なる機胜衚珟でなくおはならないずいう条件を蚭定したすなわち匏(\ref{eq:alt})によっお定匏化される代替衚珟においお$f_j^\prime$が$f_j$ず異なる$L^1$-$L^2$IDを持぀ような$j$が必ず1぀は存圚する本評䟡ではクロヌズドテストの入力文節リストずしお\ref{subsec:closedlist}節で予備調査に䜿甚した文節リストを甚いたこの文節リストは\ref{subsec:semantic}節で述べた意味的等䟡クラスの調敎にも甚いたオヌプンテストにおいおは入力文節リストずしお「どんな時どう䜿う日本語衚珟文型500」\shortcite{Tomomatsu1996}の甚䟋を甚いたこの文献においおは各機胜衚珟に察しお平均4぀の甚䟋が蚘茉されおいる䟋ずしお「に぀いお」に察する甚䟋を衚~\ref{tab:donna}に瀺すこの文献には機胜衚珟ず呌応などの衚珟文型が491項目収録されおいる本評䟡ではこれらのうち日本語機胜衚珟蟞曞\shortcite{Matsuyoshi2007}にも収録されおいる機胜衚珟184項目を察象ずした本論文における蚀い換え元の入力衚珟の単䜍は文節であるので文単䜍の甚䟋からは文節単䜍の甚䟋を人手で抜出した機胜衚珟184項目に察する甚䟋のうち日本語機胜衚珟蟞曞に収録されおいる機胜衚珟の甚䟋であるずわれわれが刀断した628の甚䟋を入力の文節リストずしお甚いた\begin{table}[b]\caption{文献(友束他1996)における「に぀いお」に察する甚䟋}\label{tab:donna}\input{04table11.txt}\end{table}本論文の蚀い換えシステムは代替衚珟を順䜍付けする際にコヌパスを利甚するこのコヌパスずしおは毎日新聞コヌパス1991--2005幎版15幎分玄2,100䞇文玄1.5ギガバむトを甚いた\begin{table}[b]\caption{蚀い換えシステムの出力の評䟡}\label{tab:evaluation}\input{04table12.txt}\end{table}\subsection{結果}評䟡結果ずしお蚀い換えシステムの出力の䞊䜍$n$䜍たでに少なくずも1぀の適切な代替衚珟「○」ず刀定された衚珟が含たれおいた入力文節の数を衚~\ref{tab:evaluation}に瀺す\footnote{本システムが生成した衚珟はすべお文法的には正しいものであった}衚の「人手解析」の欄に入力文節を人手で解析したずきすなわち入力文節が正しく分割されすべおの機胜衚珟の意味的曖昧性が解消されたずきの評䟡結果を瀺す衚のすべおの行においお倀は「1䜍--3䜍」でほが飜和しおいるよっお以䞋では「1䜍--3䜍」における結果に぀いお議論する衚~\ref{tab:evaluation}から本論文の蚀い換えシステムはクロヌズドテストにおいお入力文節の88\%(210/238)オヌプンテストにおいお入力文節の79\%(496/628)に察しお適切な代替衚珟を生成するこずができたこずが分かる蚀い換えシステムが生成した適切な代替衚珟の䟋をその順䜍ずずもに衚~\ref{tab:good}に瀺すこの衚の「入力文節」ず「代替衚珟」の欄においお機胜衚珟の蚀い換えが行なわれた箇所に䞋線を匕いたこれらの結果からわれわれは本システムの性胜は文章䜜成支揎ずいう芳点からみお十分に高いず考える\begin{table}[b]\caption{蚀い換えシステムが生成した適切な代替衚珟の䟋}\label{tab:good}\input{04table13.txt}\end{table}以䞋蚀い換えシステムの誀り分析を行なう蚀い換えシステムの出力を詳现に分析した結果を衚~\ref{tab:top1to3}に瀺すクロヌズドテストにおける入力文節の7\%(16/238)ずオヌプンテストにおける入力文節の7\%(41/628)に察しおは``1$\rightarrow$1''ず少数の語の挿入のみでは代替衚珟を生成できないこずが分かったこれらの入力文節を適切に蚀い換えるためには``1$\rightarrow$N''``N$\rightarrow$1''``M$\rightarrow$N''が必芁であるこれらの入力文節ずそれらに察しお期埅される代替衚珟の䟋を衚~\ref{tab:not1to1}に瀺す䞊蚘の7\%ずいう倀は``1$\rightarrow$1''ず少数の語の挿入に基づいお蚀い換えを行なう本システムの性胜の䞊限を芏定する\begin{table}[t]\caption{蚀い換えシステムの出力の詳现分析衚~\ref{tab:evaluation}の「1䜍--3䜍」に察応}\label{tab:top1to3}\input{04table14.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{``1$\rightarrow$1''ず少数の語の挿入のみでは代替衚珟を生成できない文節の䟋}\label{tab:not1to1}\input{04table15.txt}\end{table}入力文節の解析誀りはクロヌズドテストにおいお3\%(8/238)オヌプンテストにおいお3\%(21/628)であった解析誀りの䟋を以䞋に瀺す\begin{itemize}\item進んだこず\underline{により}「により」が正しく認識されなかった\item邪魔さ\underline{れ}たおかげで受身を衚す接尟蟞「れ」が〈可胜〉の意味を持぀機胜衚珟「れ」ず解析された\itemひらがなさえ通垞のMeCabによっお「ひらがな」が誀っお分割された\end{itemize}䞀方入力文節の1\%2/238クロヌズドテストず4\%23/628オヌプンテストに察しおその機胜語郚に意味的に曖昧な機胜衚珟が含たれおいたため適切な代替衚珟が䞊䜍に出力されなかった䟋えば「こず」は〈圓為〉〈感嘆〉〈名詞化〉ずいう3぀の意味を持぀「提出する\underline{こず}」の「こず」は〈圓為〉の意味を持぀機胜衚珟であるがこの文節に察しお〈名詞化〉の意味を持぀「の」を含む「提出するの」や〈感嘆〉の意味を持぀「わ」を含む「提出するわ」などの衚珟が䞊䜍に出力された「人\underline{によっお}は」や「賛成する\underline{にしおも}」に察しおも同様の珟象が芳察された衚~\ref{tab:top1to3}の「適切な代替衚珟」の欄におけるシステムが解析を行なった時の倀ず人手解析時の倀の差から人手で入力文節を解析した堎合䞊蚘のような入力文節に察しおも適切な代替衚珟を䞊䜍に出力するこずができたこずが分かるしたがっお解析誀りおよび意味的曖昧性に起因する性胜の䜎䞋は本システムの文節解析モゞュヌルの改善ずずもに枛少するこずが期埅されるオヌプンテストにおいお意味的等䟡クラスの䞍備により適切な代替衚珟が生成されなかった入力文節は党䜓の3\%(19/628)であった䟋えば「悲しみのあたり」に察しお適切な代替衚珟が生成されなかった「悲しみのあたり」に察する適切な代替衚珟ずしお「悲しみのせいで」が考えられるが意味階局構造のどの階局においおも「あたり」ず「せいで」が同じ意味的等䟡クラスに属するこずがなかったためこの蚀い換えは実珟されなかった意味的等䟡クラスの䞍備に起因する問題は少数であったので\ref{subsec:semantic}節で述べた意味的等䟡クラスは劥圓なものであったず蚀える接続条件が厳しすぎたためオヌプンテストにおける入力文節の2\%(16/628)に察しお適切な代替衚珟が生成されなかった䟋えば「は」ず「ずくれば」の接続は可胜であるず蟞曞に蚘述されおいなかったため「地域はずいうず」に察しお「地域はずくれば」が生成されなかった今埌接続条件を芋盎す必芁がある残りの誀りはコヌパスにおいお適切な代替衚珟に存圚する機胜衚珟の構成文字列の出珟回数が盞察的に少ないこずに起因するものであるこの問題を解決するためには珟圚䜿甚しおいるスコア関数の芋盎しや機胜衚珟のすべおの出珟圢に察しおタグ付けを行なったコヌパスの敎備が必芁であるず思われる \section{関連研究} 也らは語圙・構文的蚀い換えを次の6぀に分類した\shortcite{Inui2004}\begin{enumerate}\item節間の蚀い換え\item節内の蚀い換え\item内容語の耇合衚珟の蚀い換え\item機胜語モダリティの蚀い換え\item内容語句の蚀い換え\item慣甚衚珟の蚀い換え\end{enumerate}本研究は機胜衚珟の蚀い換えに焊点をあおおいるので䞊蚘の(4)機胜語モダリティの蚀い換えず(1)節間の蚀い換えの䞀郚である「接続衚珟の蚀い換え」に分類される自然蚀語凊理においお日本語機胜衚珟の蚀い換えに関する研究は少ない飯田ら\shortcite{Iida2001}は機胜衚珟の解説文や䟋文から279個の蚀い換え芏則を人手で䜜成しおいる土屋ら\shortcite{Tsuchiya2004}は機胜衚珟を含む文ずその機胜衚珟を蚀い換えた文の察のデヌタを䜜成しそこから642個の蚀い換え芏則を半自動的に生成しおいるこれらの研究で䜜成された蚀い換え芏則はある機胜衚珟ず別の機胜衚珟が蚀い換え可胜であるこずを瀺す個別的なものであるこのような個別的な芏則の集合を甚いる手法では数倚く存圚する機胜衚珟の異圢を蚀い換えるために膚倧な量の蚀い換え芏則を䜜成しなければならないTanabeら\shortcite{Tanabe2001}Shudoら\shortcite{Shudo2004}本田ら\shortcite{Honda2007}は「なければならない」や「おもよい」など助動詞型機胜衚珟に察しお玄150の意味的等䟡クラスを定矩し意味的等䟡クラス間における論理的類䌌性芏則ず語甚論的類䌌性芏則に基いお機胜衚珟を蚀い換える手法を提案しおいる圌らの研究が察象ずしおいる機胜衚珟は助動詞型機胜衚珟のみであり「にあたっお」や「からするず」のような栌助詞型機胜衚珟や「にもかかわらず」や「や吊や」のような接続助詞型機胜衚珟などは扱っおいないこれらの研究においお提案されおいる機胜衚珟蚀い換えシステムは蚀い換え先の機胜衚珟の文䜓や難易床を制埡できる機構を持っおいないくわえおこれらのシステムは䜓系的に機胜衚珟の異圢を扱っおいないため機胜衚珟$f$を異なる機胜衚珟$f^\prime$に蚀い換える堎合朜圚的には$f^\prime$のすべおの異圢を生成するこずができるこずは保蚌されおいない䞀方われわれが提案する機胜衚珟蚀い換えシステムは圢態階局構造ず意味階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞を甚いるこずにより文䜓ず難易床を制埡し぀぀機胜衚珟を蚀い換えるこずができるそしおこのシステムは䞎えられた機胜衚珟の出珟圢に察しお意味的に等䟡な機胜衚珟のすべおの出珟圢を列挙するこずができるこのシステムの蚀い換え察象は衚~\ref{tab:good}に瀺されるように助動詞型機胜衚珟だけでなくすべおの型の機胜衚珟である䌊䜐治ら\shortcite{Isaji2005}は解析埌に機胜衚珟を暙準的な衚珟代衚衚蚘に蚀い換えるこずができる日本語の文節構造解析システムibukiCを提案しおいる䟋えばこのシステムは「でしょう」を「だろう」に「からするず」を「からすれば」に「に違いない」を「にちがいない」に蚀い換えるしかしながらこの機構は十分であるずは蚀えず「にたいしたしお」を「にたいしお」に「なければならない」の異圢である「なけりゃならない」「ねばならない」を「なければならない」に蚀い換えない䞀方われわれの蚀い換えシステムは圢態階局構造ず文䜓などの情報を利甚するこずにより䜓系的に機胜衚珟を代衚衚蚘に蚀い換えるこずができる \section{おわりに} 本論文では圢態階局構造ず意味階局構造を持぀機胜衚珟蟞曞を甚いるこずにより文䜓ず難易床を制埡し぀぀日本語機胜衚珟を蚀い換える手法を提案した実装した蚀い換えシステムは䞎えられた機胜衚珟の出珟圢に察しお文䜓指定ず難易床指定を満たす意味的に等䟡な機胜衚珟のすべおの出珟圢を列挙するこずができるこのシステムはオヌプンテストにおいお入力文節の79\%(496/628)に察しお適切な代替衚珟を生成したTanabeらが䜜成した意味的等䟡クラス間における類䌌性芏則はそのほずんどが``1$\rightarrow$N''``N$\rightarrow$1''``M$\rightarrow$N''である\shortcite{Tanabe2001}これらの類䌌性芏則を取り入れるこずにより本論文で提案した蚀い換えシステムはより倚様な機胜衚珟の蚀い換えを実珟するこずができるず考えられるその䞀方で内容衚珟の蚀い換え手法ず本論文で述べた蚀い換え手法を組み合わせるこずにより日本語衚珟の幅広い蚀い換えを実珟するこずも重芁でありわれわれの今埌の課題である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\newcommand{\optsort}[1]{}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{遠藀\JBA小林\JBA䞉井\JBA村朚\JBA吉沢}{遠藀\Jetal}{2003}]{dosj}遠藀織枝\JBA小林賢次\JBA䞉井昭子\JBA村朚新次郎\JBA吉沢靖\JEDS\\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{䜿い方の分かる類語䟋解蟞兞新装版}.\newblock小孊通.\bibitem[\protect\BCAY{降幡\JBA藀田\JBA也\JBA束本\JBA竹内}{降幡\Jetal}{2004}]{Furihata2004}降幡建倪郎\JBA藀田節\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\JBA竹内孔䞀\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ語圙抂念構造を甚いた機胜動詞結合の蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\504--507}.\bibitem[\protect\BCAY{グルヌプ・ゞャマシむ}{グルヌプ・ゞャマシむ}{1998}]{Jamasi1998}グルヌプ・ゞャマシむ\JED\\BBOP1998\BBCP.\newblock\Jem{教垫ず孊習者のための日本語文型蟞兞}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{本田\JBA田蟺\JBA高橋\JBA吉村\JBA銖藀}{本田\Jetal}{2007}]{Honda2007}本田聖晃\JBA田蟺利文\JBA高橋雅仁\JBA吉村賢治\JBA銖藀公昭\BBOP2007\BBCP.\newblock\JBOQ日本語文末衚珟における蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1078--1081}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA埳氞\JBA也\JBA衛藀}{飯田\Jetal}{2001}]{Iida2001}飯田韍\JBA埳氞泰浩\JBA也健倪郎\JBA衛藀玔叞\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ蚀い換え゚ンゞン{\scKura}を甚いた節内構造および機胜語盞圓衚珟レベルの蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{第63回情報凊理孊䌚党囜倧䌚予皿集第二分冊},\mbox{\BPGS\5--6}.\bibitem[\protect\BCAY{也\JBA藀田}{也\JBA藀田}{2004}]{Inui2004}也健倪郎\JBA藀田節\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ蚀い換え技術に関する研究動向\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(5),\mbox{\BPGS\151--198}.\bibitem[\protect\BCAY{䌊䜐治\JBA山田\JBA石原\JBA高束\JBA束本\JBA池田}{䌊䜐治\Jetal}{2005}]{Isaji2005}䌊䜐治和哉\JBA山田䜳裕\JBA石原吉晃\JBA高束倧地\JBA束本忠博\JBA池田尚志\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ文節構造解析システムibukiC\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\719--722}.\bibitem[\protect\BCAY{鍜治\JBA黒橋}{鍜治\JBA黒橋}{2004}]{Kaji2004}鍜治䌞裕\JBA黒橋犎倫\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ迂蚀衚珟ず重耇衚珟の認識ず蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(1),\mbox{\BPGS\81--106}.\bibitem[\protect\BCAY{朚村\JBA埳氞\JBA田侭}{朚村\Jetal}{2002}]{Kimura2002}朚村健叞\JBA埳氞健䌞\JBA田䞭穂積\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ日本語名詞句に察するパラフレヌズ事䟋の自動抜出に関する研究\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\327--330}.\bibitem[\protect\BCAY{囜際亀流基金\JBA財団法人日本囜際教育協䌚}{囜際亀流基金\JBA財団法人日本囜際教育協䌚}{2002}]{nouryoku}囜際亀流基金\JBA財団法人日本囜際教育協䌚\JEDS\\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{日本語胜力詊隓出題基準【改蚂版】}.\newblock凡人瀟.\bibitem[\protect\BCAY{束吉\JBA䜐藀\JBA宇接呂}{束吉\Jetal}{2007}]{Matsuyoshi2007}束吉俊\JBA䜐藀理史\JBA宇接呂歊仁\BBOP2007\BBCP.\newblock\JBOQ日本語機胜衚珟蟞曞の線纂\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(5),\mbox{\BPGS\123--146}.\bibitem[\protect\BCAY{森田\JBA束朚}{森田\JBA束朚}{1989}]{Morita1989}森田良行\JBA束朚正恵\BBOP1989\BBCP.\newblock\Jem{日本語衚珟文型甚䟋䞭心・耇合蟞の意味ず甚法}.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{沌田}{沌田}{1986}]{Numata1986}沌田善子\BBOP1986\BBCP.\newblock\JBOQずりたお詞\JBCQ\\newblock奥接敬䞀郎\JBA沌田善子\JBA杉本歊\JEDS,\Jem{いわゆる日本語助詞の研究},2\JCH.凡人瀟.\bibitem[\protect\BCAY{䜐藀}{䜐藀}{1999}]{Sato1999}䜐藀理史\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ論文衚題を蚀い換える\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(7),\mbox{\BPGS\2937--2945}.\bibitem[\protect\BCAY{Shudo,Tanabe,Takahashi,\BBA\Yoshimura}{Shudoet~al.}{2004}]{Shudo2004}Shudo,K.,Tanabe,T.,Takahashi,M.,\BBA\Yoshimura,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{MWE}sasNon-propositionalContentIndicators\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndACLWorkshoponMultiwordExpressions:IntegratingProcessing(MWE-2004)},\mbox{\BPGS\32--39}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanabe,Yoshimura,\BBA\Shudo}{Tanabeet~al.}{2001}]{Tanabe2001}Tanabe,T.,Yoshimura,K.,\BBA\Shudo,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQModalityExpressionsinJapaneseandTheirAutomaticParaphrasing\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium(NLPRS)},\mbox{\BPGS\507--512}.\bibitem[\protect\BCAY{友束\JBA宮本\JBA和栗}{友束\Jetal}{1996}]{Tomomatsu1996}友束悊子\JBA宮本淳\JBA和栗雅子\BBOP1996\BBCP.\newblock\Jem{どんな時どう䜿う日本語衚珟文型500}.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{Tsuchiya\BBA\Sato}{Tsuchiya\BBA\Sato}{2003}]{Tsuchiya2003b}Tsuchiya,M.\BBACOMMA\\BBA\Sato,S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticDetectionofGrammarElementsthatDecreaseReadability\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe41stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL2003)},\mbox{\BPGS\189--192}.\bibitem[\protect\BCAY{土屋\JBA䜐藀\JBA宇接呂}{土屋\Jetal}{2004}]{Tsuchiya2004}土屋雅皔\JBA䜐藀理史\JBA宇接呂歊仁\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ機胜衚珟蚀い換えデヌタからの蚀い換え芏則の自動生成\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\492--495}.\bibitem[\protect\BCAY{土屋\JBA泚連\JBA高朚\JBA内元\JBA束吉\JBA宇接呂\JBA䜐藀\JBA䞭川}{土屋\Jetal}{2007}]{Tsuchiya2007}土屋雅皔\JBA泚連隆倫\JBA高朚俊宏\JBA内元枅貎\JBA束吉俊\JBA宇接呂歊仁\JBA䜐藀理史\JBA䞭川聖䞀\BBOP2007\BBCP.\newblock\JBOQ機械孊習を甚いた日本語機胜衚珟のチャンキング\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(1),\mbox{\BPGS\111--138}.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto,Nobata,Yamada,Sekine,\BBA\Isahara}{Uchimotoet~al.}{2003}]{Uchimoto2003}Uchimoto,K.,Nobata,C.,Yamada,A.,Sekine,S.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAnalysisofaLargeSpontaneousSpeechCorpusin{Japanese}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe41stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL2003)},\mbox{\BPGS\479--488}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{束吉俊}{2003幎京郜倧孊理孊郚卒業2008幎同倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋修了珟圚奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科特任助教京郜倧孊博士(情報孊)自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院工孊研究科博士埌期課皋電気工孊第二専攻研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科電子情報システム専攻教授工孊博士自然蚀語凊理情報の自動線集等の研究に埓事}\end{biography}\biodate\end{document}
V09N03-07
\section{序論} 近幎テキスト自動芁玄の研究が掻発化するずずもに芁玄の評䟡方法が研究分野内の重芁な怜蚎課題の䞀぀ずしお認識されおきおいるこれたで提案されおきた芁玄の評䟡方法は内的な(intrinsic)評䟡ず倖的な(extrinsic)評䟡の2皮類に分けるこずができる\cite{Sparck-Jones:1996}内的な評䟡ずはシステムの出力した芁玄そのものを䞻に内容ず読みやすさの2぀の偎面から評䟡する方法である䞀方倖的な評䟡ずは芁玄を利甚しお人間がタスクを行う堎合のタスクの達成率が間接的に芁玄の評䟡ずなるずいう考え方に基づいお評䟡を行う方法である本研究では近幎掻発にその評䟡方法が議論され改良が詊みられおいる内的な評䟡特に内容に関する評䟡方法に焊点を圓おるこれたでの芁玄の内容に関する評䟡は人手で䜜成した抜粋ず芁玄システムの出力ずの䞀臎の床合をF-measure等の尺床を甚いお枬るのが兞型的な方法であったしかしJingら\cite{jing:98:a}は芁玄のF-measureによる評䟡ず倖的な評䟡を分析しF-measureには「テキスト䞭に類䌌の内容を含む文が耇数存圚する堎合どちらの文が正解ずしお遞択されるかによりシステムの評䟡は倧きく倉化する」ずいう問題があるこずを指摘しおいるこの問題点を解決する方法がこれたでにいく぀か提案されおいるRadevら\cite{radev:00:a}は文のutilityずいう抂念を甚いた評䟡方法を瀺しおいる文のutilityずはそのテキストの話題に察する各文の適合床(重芁床)を10段階で衚したものであり正解の文のutilityにどのくらい近いutilityの文を遞択できるかで評䟡を行なうしかしこのような適合性の評䟡は被隓者ぞの䜜業負荷が倧きいずいう問題があるDonawayら\cite{Donaway:2000}は人間の䜜成した正解芁玄の単語頻床ベクトルずシステムの芁玄の単語頻床ベクトルの間のコサむン距離で評䟡するcontent-basedな評䟡を提案しおいるcontent-basedな評䟡では指定された芁玄率の正解芁玄を䞀぀だけ甚意すれば評䟡可胜であるためutilityに基づく評䟡に比べ被隓者ぞの負荷が少ないしかしこの評䟡方法で2぀の芁玄を比范する堎合どの皋床意味があるのかに぀いおはこれたで十分な議論がなされおいないそこで本研究ではたずutilityに基づく評䟡の問題点を改良する新しい評䟡方法を提案する䞀般に䜎い芁玄率の抜粋に含たれる文は高い芁玄率の抜粋䞭の文よりも重芁であるず考えられるこのような考えに基づけばあるテキストに関しお耇数の芁玄率のデヌタが存圚する堎合テキスト䞭の各文に重芁床を割り振るこずが可胜であるためutilityに基づく評䟡を疑䌌的に実珟するこずができるこれたでの芁玄研究においお1テキストに぀き耇数の芁玄率で正解芁玄が䜜成されたデヌタは数倚く存圚する(䟋えば\cite{jing:98:a})こずから提案する評䟡方法に甚いるデヌタの䜜成にかかる負荷は決しお非珟実的なものではなくutilityを盎接被隓者が付䞎するより負荷は小さいず考えられる本研究では評䟡型ワヌクショップNTCIR2の芁玄サブタスクTSC(TextSummarizationChallenge)\cite{Fukushima:2001a,Fukushima:2001b}で䜜成された10\%30\%50\%の3皮類の芁玄率の正解デヌタを甚いお提案方法により評䟡を行うこの評䟡結果をF-measureによる結果ず比范し提案方法がF-measureによる評䟡を改善できるこずを瀺す次に本研究ではcontent-basedな評䟡を取り䞊げる同様にTSCのデヌタを甚いお人間の䞻芳評䟡の結果ず比范しこれたで十分議論されおいないその有甚性に関する議論を行う本論文の構成は以䞋のずおりである次節ではたずこれたで提案されおきた内的な評䟡方法特にF-measureの問題点の解消方法に぀いお述べる3節では本研究で提案する評䟡方法に぀いお説明する4節ではF-measureず提案する評䟡方法を比范し結果を報告するたたcontent-basedな評䟡に関する調査に぀いおも述べる最埌に結論ず今埌の課題に぀いお述べる \section{関連研究} 芁玄の内容に関する評䟡に぀いおJingら\cite{jing:98:a}は兞型的な評䟡方法の1぀であるF-measureをずりあげその問題点をいく぀か指摘しおいるJingらはシステムの芁玄ず人間の被隓者の䜜成した抜粋ずの比范による評䟡ず芁玄を利甚しお人間がタスクを行なう堎合のタスクの達成率による評䟡の2぀の評䟡方法を分析し評䟡結果に圱響を䞎える芁因を同定するこずを詊みおいるがその結果少なくずも次の2぀の点においおこれたでの人間の抜粋を甚いた評䟡方法は問題であるずの知芋を埗おいる\begin{itemize}\item{\bf問題点1(芁玄率の倉化に䌎う評䟡倀の倉化):}\\人間の抜粋ずの比范による評䟡では芁玄率を倉化させるずシステムの評䟡がかなり倉化するこのため特定の芁玄率でシステム間の性胜の比范をする意味がどの皋床あるのかは疑問が残る\item{\bf問題点2(テキスト䞭の耇数類䌌個所の遞択問題):}\\テキスト䞭に類䌌の内容を含む文が耇数存圚する堎合どちらの文が正解ずしお遞択されるかによりシステムの評䟡は倧きく倉化する\end{itemize}これたで問題点1(芁玄率の倉化に䌎う評䟡倀の倉化)を解消するいく぀かの方法が提案されおいるMittalら\cite{mittal:99:a}は芁玄率の違いによるシステムの評䟡の違いに関しおさたざたな芁玄率における粟床を求めた䞊で情報怜玢の評䟡で甚いられおいる11点平均粟床(11pointaverageprecision)のように耇数の芁玄率での粟床の平均ずしお結果を瀺すべきであるずしおいるたたコヌパスずするテキスト集合の違いが粟床に圱響を䞎えるこずからコヌパスの芁玄のしやすさを蚈る指暙ずしおランダムに文を遞択しお芁玄を䜜成した堎合の粟床をベヌスラむンずしお瀺すべきであるず䞻匵しおいるそしおシステムの性胜を評䟡する堎合\[p'=\frac{p-b}{1-b}\](ここでpbp'はそれぞれシステムベヌスラむン補正埌のシステムの粟床)のようにベヌスラむンを甚いお補正した粟床を甚いるべきであるずしおいる䞀般にF-measureで芁玄の粟床を評䟡する堎合ベヌスラむン倀芁玄率ず考えるこずができるため芁玄率が倧きくなるに぀れF-measure倀は倧きくなる傟向にある埓っおベヌスラむンを甚いお評䟡倀を補正する䞊蚘の評䟡方法はJingらの指摘する問題点1の解消には有甚であるず考えられる䞀方被隓者間の䞀臎の床合をJずするずJは芁玄システムの粟床の䞊限ず考えられたたランダムに遞択した時の粟床Rは䞋限ず蚀えるそのためRadevら\cite{radev:00:a}もMittalらず同様にシステムの性胜を蚈る倀を瀺す際普通に蚈算された倀Sを単に甚いるのではなくこれらの倀で正芏化した倀\[S'=\frac{S-R}{J-R}\]を瀺すべきであるずしおいる問題点2(テキスト䞭の耇数類䌌個所の遞択問題)を解消する方法もいく぀か提案されおいるJingら\cite{jing:98:a}は人間が遞択した重芁文を甚いお評䟡を行なう際正解ず䞀臎した堎合正解数1䞀臎しない堎合0ずしお再珟率粟床を蚈算するのではなく正解数を被隓者間の䞀臎の床合ずしお蚈算する方法を提案しおいるたずえば5人の被隓者䞭3人2人がそれぞれ䞀臎しお遞択した文が存圚する堎合これたでの評䟡方法では前者をシステムが遞択した堎合正解数1(過半数以䞊の被隓者が遞択しおいるので)埌者では0ずなるが提案する方法ではシステムの正解数は前者では3/5埌者では2/5ずなるRadevら\cite{radev:00:a}は文のutilityずいう抂念を甚いた評䟡方法を瀺しおいる文のutilityは文がそのテキストの話題に察しおどの皋床適合した内容であるかを瀺す尺床であり[0-10]の倀をずる\footnote{genericな芁玄を考えた堎合テキスト䞭での文の重芁床を瀺しおいるず考えお良い}人間が遞択した重芁文を甚いたこれたでの評䟡方法は正解ず䞀臎した堎合正解数1䞀臎しない堎合0ずしお再珟率粟床を蚈算しおいたがutilityに基づく評䟡倀はシステムが遞択した文に察しお人間が割り圓おたutilityの総和を正解の文のutilityの総和で割った倀ずしお蚈算するこれたでの評䟡方法ではシステムが遞択した䞍正解の文は党く評䟡が埗られなかったのに察しutilityに基づく評䟡の堎合Jingらの方法ず同様にたずえ䞍正解でもその文がある皋床の重芁床を持぀堎合その重芁床に察する郚分的な評䟡が埗られる点が異なるただ䞀぀正解が存圚しそれずたさに䞀臎するこずを芁求されおいたこれたでの評䟡に比べ正解の文のutilityにどのくらい近いutilityの文を遞択できるかで評䟡を行なうDonawayら\cite{Donaway:2000}は2皮類の評䟡方法を提案しおいる䞀぀は人間にもシステムにもテキスト䞭の文にすべお順䜍を぀けさせるようにしおその文の序列を比范しお評䟡を行なう方法であるこれはこれたでの方法がテキスト䞭の文を重芁/非重芁の2぀に分類しお評䟡に利甚しおいたのに察しテキスト䞭の文数に分類しお利甚するこずに盞圓するDonawayらが提案するもう䞀぀の評䟡尺床は人間の䜜成した正解芁玄の単語頻床ベクトルずシステムの芁玄の単語頻床ベクトルの間のコサむン距離で評䟡する方法(以埌content-basedな評䟡)であるDonawayらはこの2皮類の評䟡尺床にこれたでの評䟡方法である再珟率に基づいた評䟡を加えこれらを実隓により比范怜蚎しおいる正解の抜粋に含たれる個所が芁玄䜜成者毎に異なっおいおも内容の類䌌した個所を抜き出しおいるのであればどの芁玄䜜成者の抜粋を甚いおも䌌たような評䟡倀が埗られる必芁があるDonawayらは4人の芁玄䜜成者の䜜った抜粋を甚いお䞊で述べたいく぀かの尺床で芁玄を評䟡し尺床毎に評䟡倀の盞関を調べおいるその結果content-basedな評䟡が人間の芁玄ずの比范による評䟡方法ずしおはJingらの指摘する問題点2に察する解決策ずもなっおおりもっずも優れおいるず結論づけおいる \section{pseudo-utilityに基づく評䟡} 本研究ではあるテキストに関する耇数の芁玄率の正解デヌタを甚いるこずでutilityに基づく評䟡を疑䌌的に実珟する方法(以埌pseudo-utilityに基づく評䟡)を提案する䟋えばあるテキストに芁玄率が$r_{1}$\%$r_{2}$\%$r_{3}$\%($r_{1}<r_{2},r_{2}<r_{3}$)の3皮類の正解デヌタが存圚する堎合テキスト䞭の各文は(1)$r_{1}$\%の芁玄に含たれる文(2)$r_{1}$\%には含たれないが$r_{2}$\%には含たれる文(3)$r_{2}$\%には含たれないが$r_{3}$\%には含たれる文(4)$r_{3}$\%に含たれない文の4皮類に分けられる\footnote{ただし$r_{1}$\%の芁玄は$r_{2}$\%の芁玄に($r_{1}<r_{2}$)$r_{2}$\%の芁玄は$r_{3}$\%の芁玄に($r_{2}<r_{3}$)含たれおいるこずが前提ずなる}これらはテキストの話題に察する各文の適合床が4段階で衚されたデヌタず考えるこずができるため4段階の疑䌌的なutilityに基づく評䟡が実珟できる衚\ref{table:exp1}に瀺す䟋を甚いおpseudo-utilityの蚈算方法を説明する衚\ref{table:exp1}は芁玄率10\%30\%50\%の芁玄デヌタを甚いた堎合に぀いお述べおいる衚\ref{table:exp1}ではS1--S10の10文からなるテキストに぀いお芁玄率毎に芁玄䜜成者ず2぀の芁玄システム({\itSystem1}ず{\itSystem2})が遞択した重芁文を`+'で瀺しおいるたたここでは各文の重芁床wを`1/芁玄率'ずしお蚈算する衚においお䟋えばSystem1の芁玄率50\%の芁玄においおSystem1が重芁文ずしお遞択した5文(S3S4S7S9S10)のうち3文(S4S7S10)が䞀臎するためF-measure倀は0.6(3/5)ずなる䞀方System1が遞択した5文(S3S4S7S9S10)の重芁床はそれぞれ01/301/5001/30であるため重芁床の総和は0+1/30+1/50+0+1/30=13/150ずなるたた芁玄䜜成者は芁玄率50\%ではS1S4S7S8S10の5文を遞択しおいるこの堎合の重芁床の総和は1/10+1/30+1/50+1/50+1/30=31/150ずなるpseudo-utility倀はシステムの遞択した文の重芁床の総和を芁玄䜜成者の遞択した文の重芁床の総和で割っお正芏化した倀でありこの䟋の堎合$\frac{13/150}{31/150}=0.419$ずなる\begin{table}[t]\caption{pseudo-utilityに基づく評䟡の䟋\label{table:exp1}}\begin{center}\begin{tabular}{c||c|c|c||c||c|c|c||c|c|c}\hline&\multicolumn{3}{c||}{正解デヌタ}&重芁床&\multicolumn{3}{c||}{\itSystem1}&\multicolumn{3}{c}{\itSystem2}\\\cline{2-4}\cline{6-11}&10\%&30\%&50\%&(重芁床)&10\%&30\%&50\%&10\%&30\%&50\%\\\hlineS1&+&+&+&1/10&-&-&-&-&+&+\\S2&-&-&-&0&-&-&-&-&-&-\\S3&-&-&-&0&-&-&+&-&-&-\\S4&-&+&+&1/30&+&+&+&+&+&+\\S5&-&-&-&0&-&-&-&-&-&-\\S6&-&-&-&0&-&-&-&-&+&+\\S7&-&-&+&1/50&-&-&+&-&-&-\\S8&-&-&+&1/50&-&-&-&-&-&-\\S9&-&-&-&0&-&+&+&-&-&+\\S10&-&+&+&1/30&-&+&+&-&-&+\\\end{tabular}\end{center}\vspace{0.3cm}\caption{F-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡によるシステムの比范䟋\label{table:exp2}}\begin{center}{\scriptsize\begin{tabular}{|c||l|l|l|l|}\hline&\multicolumn{2}{c|}{\itSystem1}&\multicolumn{2}{c|}{\itSystem2}\\\cline{2-5}&F-measure&pseudo-utility&F-measure&pseudo-utilitymeasure\\\hline\hline10\%&0.000\(\displaystyle(\frac{0}{1})\)&0.333\(\displaystyle(\frac{1/30}{1/10})\)&0.000\(\displaystyle(\frac{0}{1})\)&0.333\(\displaystyle(\frac{1/30}{1/10})\)\\\hline30\%&0.667\(\displaystyle(\frac{2}{3})\)&0.400\(\displaystyle(\frac{2/30}{1/10+2/30})\)&0.667\(\displaystyle(\frac{2}{3})\)&0.800\(\displaystyle(\frac{1/10+1/30}{1/10+2/30})\)\\\hline50\%&0.600\(\displaystyle(\frac{3}{5})\)&0.419\(\displaystyle(\frac{2/30+1/50}{1/10+2/30+2/50})\)&0.600\(\displaystyle(\frac{3}{5})\)&0.806\(\displaystyle(\frac{1/10+2/30}{1/10+2/30+2/50})\)\\\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table}衚\ref{table:exp2}にSystem12のF-measure倀ずpseudo-utility倀を瀺す衚\ref{table:exp2}においお芁玄率10\%におけるF-measure倀ずpseudo-utility倀を比范するずどちらのシステムも10\%芁玄の正解であるS1ではなくS4を遞択しおいるためF-measure倀は0になるここでS4は30\%芁玄の正解に含たれおいるためS1よりも重芁床は䜎いがある皋床重芁な情報を含んだ文であるず考えられるこの䟋の堎合芁玄率10\%ではF-measure倀は0か1しか取り埗ないがpseudo-utilityに基づく評䟡ではこのような文も評䟡の察象ずするこずでより適切な評䟡が可胜になるたた芁玄率50\%におけるSystem1ずSystem2の結果を比范するずどちらも遞択した5文のうち3文が50\%芁玄の正解デヌタに含たれおいるためF-measure倀は共に0.6であるこの3文のうちS4ずS10はSystem12が共通しお遞択しおいるが他の1文はSystem1はS7(重芁床1/50)System2はS1(重芁床1/10)を遞択しおいる2システムが同数の正解文を抜出しおいる堎合でも特に重芁ず考えられる文(この堎合S1)が抜出されおいる堎合ずそうでない堎合ずの区別がF-measureではできない䞀方pseudo-utilityに基づく評䟡ではこの堎合System12それぞれにおいお0.4190.806ず評䟡倀に開きがありこの䟋では䞡者の区別が぀けられるこずが分かる \section{評䟡方法の分析} 本研究ではpseudo-utilityに基づく評䟡の有効性を調べるためにTSCのデヌタを甚いお評䟡を行うたたTSCではcontent-basedな評䟡がシステムの評䟡方法の䞀぀に採甚されおいるがこの評䟡結果を甚いcontent-basedな評䟡の有効性に぀いおも怜蚎する本節ではたず4.1節でTSCの課題および評䟡方法に぀いお説明する次に4.2節でTSCのデヌタを甚いた本研究の分析に぀いお述べる\subsection{TSCにおける評䟡}TSCずは芁玄研究における資源の共有や日本語テキストの芁玄に関する共通の評䟡方法や評䟡基準の明確化を本栌的に掚進させるために行われた第2回NTCIRワヌクショップのタスクであるTSCでは3皮類の課題が蚭定されおいるが本節ではそのうち内的(intrinsic)な評䟡を適甚しおいる2぀の課題A-1「重芁文抜出型芁玄」ずA-2「人間の自由䜜成芁玄ず比范可胜な芁玄」に぀いお述べるなお結果に関する詳现およびこの他の課題に぀いおは\cite{Fukushima:2001a,Fukushima:2001b,難波:2001}を参照されたい\subsubsection{課題}\begin{flushleft}・課題A-1:重芁文抜出型芁玄\end{flushleft}新聞30蚘事から芁玄率10\%30\%50\%で重芁文を抜出する\begin{flushleft}・課題A-2:人間の自由䜜成芁玄ず比范可胜な芁玄\end{flushleft}新聞30蚘事を察象に芁玄率20\%40\%を越えない文字数で芁玄を䜜成するなお芁玄郚分がplaintextであり指定文字数以内に玍たっおいればどのような芁玄でも構わないため課題A-1ず同じシステムの出力からタグを取り陀いおplaintextにすれば課題A-2にも参加できる\subsubsection{芁玄察象テキスト}毎日新聞94幎および98幎から15蚘事づ぀蚈30蚘事が遞ばれおいる蚘事は94幎から6009001200文字以䞊の3皮類の長さの報道蚘事が98幎からは12002400文字以䞊の2皮類の長さの瀟説が遞ばれおいる\subsubsection{評䟡方法}\subsection*{課題A-1}課題A-1のシステムの提出結果は重芁文抜出に基づいお䜜成された芁玄であり人間が遞択した重芁文ずの間の䞀臎床を元に評䟡を行なう評䟡尺床ずしおは以䞋の3぀を甚いる\\\begin{itemize}\item\(\displaystyle再珟率=\frac{システムが遞んだ文の内で正解の文の数}{人間が遞んだ正解の文の総数}\)\\\item\(\displaystyle粟床=\frac{システムが遞んだ文の内で正解の文の数}{システムが遞んだ文の総数}\)\\\item\(\displaystyle$F-measure倀$=\frac{2*再珟率*粟床}{(再珟率+粟床)}\)\\\end{itemize}これらの倀を芁玄率ごずに求めた埌平均したものを最終的な結果ずする.たたベヌスラむンシステムずしお以䞋の2皮類を甚いる.\begin{itemize}\itemLead:本文の先頭から芁玄率ずしお指定された文数だけ出力する\itemTF:本文の各文ごずに内容語のTFの和を蚈算しこのスコアの高い文を芁玄率ずしお指定された文数だけ遞択する遞択した文を元の文の出珟順に戻しお出力する.\end{itemize}\subsection*{課題A-2}\subsubsection*{(i)䞻芳評䟡}たず\begin{itemize}\item人間の䜜成した重芁個所抜出芁玄(PART)\item人間の自由䜜成芁玄(FREE)\item1システムが提出した結果(SYS)\itemLeadのベヌスラむンシステムの結果(BASE)\end{itemize}の4皮類の芁玄を甚意する同時に元テキストも甚意しおおく.芁玄評䟡者(1名)に元テキストず各芁玄結果を読んでもらい次に「テキストずしお読みやすいかどうか」の芳点ず「元テキストの重芁な内容を䞍足なく蚘述しおいるかどうか」の芳点の2点から芁玄を評䟡をしおもらう評䟡は読みやすいものから1234ずなり同様に内容の点で芋お良いものから1234ずなる\subsubsection*{(ii)content-basedな評䟡}人間の䜜成した芁玄およびシステムの䜜成した芁玄をずもにJumanで圢態玠解析し名詞動詞圢容詞未定矩語を抜出するそしお人間の䜜成した正解芁玄(FREEずPART)の単語頻床ベクトルずシステムの芁玄の単語頻床ベクトルの間の距離を蚈算しどの皋床内容が単語ベヌスで類䌌しおいるかずいう倀を求める\cite{Donaway:2000}ベクトルの芁玠は各内容語のtf*idf倀ずしidfの蚈算には課題ず同じ幎の毎日新聞CD-ROM('94or'98)の党蚘事を同じく圢態玠解析した結果を甚いるなお課題A-2においお人間の䜜成する芁玄は(1)人間が自由䜜成した芁玄(2)人間が重芁個所抜出により䜜成した芁玄の2皮類がありcontent-basedな評䟡はこの䞡方に察しお行なった\subsection{評䟡方法の分析}pseudo-utilityに基づく評䟡の有効性を瀺すためにはpseudo-utilityに基づく評䟡ずutilityに基づく評䟡の比范およびF-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡の比范を行う必芁があるず考えられるしかし先にも述べたずおりutilityに基づく評䟡に甚いるデヌタの䜜成にかかる負荷は非垞に高く準備が困難であったため本研究ではpseudo-utilityに基づく評䟡方法を課題A-1に適甚しF-measureずの比范のみを行った4.2.1節ではたずこの結果に぀いお報告する次に課題A-2の結果を甚いおcontent-basedな評䟡ず䞻芳評䟡の比范を行った比范結果に぀いお4.2.2節で述べる\subsubsection{F-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡の比范(課題A-1)}たず実際にどの皋床pseudo-utilityに基づく評䟡が有効に機胜しおいるかいく぀かの事䟋にあたっお調べおみた図\ref{fig:ps_app1}はpseudo-utilityに基づく評䟡が有効に機胜した兞型䟋である2文は「アゞアにおける゚むズ感染」に関する報道蚘事から芁玄率10\%(1文)で重芁文を遞択したシステムの出力結果ず正解の芁玄であるこの2文はどちらも「アゞアにおいお゚むズ患者が急増しおいる」こずを瀺した個所であるF-measureによる評䟡ではシステムは正解文を遞択しおいないのでF-measure倀は0ずなる䞀方システムの遞択した文は30\%芁玄には含たれおいるためpseudo-utility倀は0.333($\frac{1/0.3}{1/0.1}$)ずなる䞀般に報道蚘事1蚘事に含たれる文数は10文-20文が䞭心的でありこの堎合芁玄率10\%の時は正解文が1-2文しかない\footnote{TSCデヌタにおいお芁玄率10\%の時の報道蚘事の正解文数は過半数が1,2文であった}このような堎合システムがある皋床重芁な情報を含んだ文を抜出しおいおも最重芁文が抜出されなければF-measureでは党く評䟡に反映されない䞀方pseudo-utilityに基づく評䟡では図\ref{fig:ps_app1}の䟋のようにある皋床評䟡倀に反映されるためより適切なシステムの評䟡が行なえるず考えるこずができる別の䟋を図\ref{fig:ps_app2}に瀺す蚘事940715208においお芁玄率10\%では正解芁玄文数は3文であるシステムが出力した3文のうち第1文目が正解の芁玄に含たれおいるためF-measure倀は0.333ずなっおいる䞀方システムの出力した3文のうち正解に含たれおいない残りの2文の䞀方は30\%の正解にもう䞀方は50\%の芁玄に含たれおいるためpseudo-utility倀は0.511($\frac{1/0.1+1/0.3+1/0.5}{3/0.1}$)ずなっおいる正解ずシステムの出力を比范するず正解の2文目にある「倧孊や教育斜蚭䞀䜓ずなった動き」の具䜓䟋がシステムの芁玄の2文目ず3文目になっおいるこずがわかる぀たりシステムの抜出した2文は正解文(2文目)の郚分情報ずなっおいるこのような個所をシステムが抜出できたこずをpseudo-utilityでは適切に評䟡できおいるこずは劥圓であるず思われる\begin{figure}[t]\begin{center}\vspace{0.1cm}\begin{tabular}{|c|}\hline\begin{minipage}[c]{14cm}\flushleft{\small\vspace{0.3cm}蚘事番号:940702171芁玄率:10\%(1文)\\芋出し:゚むズ感染「アゞア、幎には倍」−−来日の局長譊告\\F-measure倀:{\bf0.000}pseudo-utility倀:{\bf0.333}\begin{itemize}\item{\bf(正解)}\\䞖界の゚むズ患者は掚蚈で玄四癟䞇人に達し、特にアゞアではこの䞀幎間で八倍にも急増しお玄二十五䞇人になったず、䞖界保健機関のこずば参照䞖界゚むズ察策プログラム局長のマむケル・マヌ゜ン博士が䞀日、発衚した。\item{\bf(システム)}\\八月に暪浜垂で開かれる第十回囜際゚むズ䌚議を前に、来日䞭の同局長は厚生省で䌚芋し「アゞアの环積感染者数は二癟五十䞇人以䞊だが、二〇〇〇幎には四倍増の䞀千䞇人以䞊になるず芋蟌たれる」ず譊告した。\end{itemize}\vspace{0.1cm}}\end{minipage}\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{pseudo-utilityに基づく評䟡がうたく適甚された䟋(換蚀)\label{fig:ps_app1}}\vspace{-0.3cm}\begin{center}\vspace{0.1cm}\begin{tabular}{|c|}\hline\begin{minipage}[c]{14cm}\flushleft{\small\vspace{0.3cm}蚘事番号:940715208芁玄率:10\%(3文)\\芋出し:止たるか「理工系離れ」−−倧孊・文郚省など“あの手この手”\\F-measure倀:{\bf0.333}pseudo-utility倀:{\bf0.511}\begin{itemize}\item{\bf(正解)}\\技術立囜ニッポンが危ない——理科嫌いの子䟛の増加や倧孊の理工系志願者の䌞び悩みなど「理工系離れ」が深刻になっおいる。\\こうした傟向にストップをかけようず、倧孊や教育斜蚭䞀䜓ずなった動きが出おいる。\\こうした動きの背景にあるのが、若者の理工系離れ。\item{\bf(システム)}\\技術立囜ニッポンが危ない——理科嫌いの子䟛の増加や倧孊の理工系志願者の䌞び悩みなど「理工系離れ」が深刻になっおいる。\\倧孊偎などは、この倏、子䟛向けに科孊の面癜さをするプログラムを続々登堎させた。\\文郚省も十四日、理数系に匷い高校生ぞの支揎策を開始する䞀方、専門家の懇談䌚からの報告を受け、魅力ある理工系倧孊䜜りに乗り出した。\end{itemize}\vspace{0.1cm}}\end{minipage}\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{pseudo-utilityに基づく評䟡がうたく適甚された䟋(䟋瀺)\label{fig:ps_app2}}\end{figure}これらの調査からpseudo-utilityに基づく評䟡がJingらの指摘する問題点2(テキスト䞭の耇数類䌌個所の遞択問題)をある皋床解消できおいるず考えられる次にF-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡を適甚した結果をシステム別にたずめた結果を衚\ref{table:aefscore}および衚\ref{table:aefscore2}に瀺す\footnote{なお評䟡甚のデヌタは脚泚1の条件を満たさない4蚘事(940701189,940702187,940716331,980203053)を陀く26蚘事を甚いおいる}課題A-1には7団䜓10システム参加しおおり衚䞭のI--IXは各システムのIDをたた同団䜓の異なるシステムはダッシュで瀺しおあるF-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡の各システムの順䜍を比范するずF-measureではそれぞれ1䜍2䜍であるシステムIIIがpseudo-utilityに基づく評䟡では順䜍が逆転しおいるたた倚くのシステムは順䜍が1䜍か2䜍皋床倉動しおおり䞭でもシステムVはF-measureでは9䜍なのがpseudoutilityでは5䜍になっおいるそこでこれらの順䜍の倉動が適正であるかどうかを調べるためシステムIずIIの出力結果を比范したシステムIずIIが出力したそれぞれ90個の芁玄(30テキスト×10\%,30\%,50\%)のうちシステムIずIIでF-measure倀は同じだがpseudo-utility倀の異なる16組の芁玄に぀いお調査した16組のうちシステムIIよりもIの方がpseudo-utility倀が高くなる堎合は10組IIが高い堎合が6組であった衚\ref{ivsii}にシステムIずIIの出力䟋を瀺す衚\ref{ivsii}は蚘事980500136における芁玄率10\%での䟋で原文䞭の文IDpseudo-utilityに基づく評䟡に甚いた重芁床システムIずIIが遞んだ文および文の内容を瀺しおいる重芁床1/10の文が芁玄率10\%の正解であるシステムIが遞択した5文のうち芁玄率10\%の正解に含たれるもの(重芁床1/10)が2文(S44ずS52)あるためF-measure倀は0.4になるシステムIはこの他に重芁床1/30の文を1文(S30)重芁床1/50の文を2文(S3ずS4)遞択しおおり結果ずしおこのテキストにおいおはpseudo-utility倀0.547を埗おいる䞀方システムIIもシステムIず同様に芁玄率10\%の正解に含たれる文(重芁床1/10)を2文(S26ずS43)遞択しおいるためF-measure倀ではシステムIず同じく0.4になるシステムIIが遞んだ残りの3文のうち重芁床1/50の文の2文(S3ずS4)はシステムIず共通であるが残りの1文(S31)は重芁床が0でありpseudo-utility倀はシステムIよりも䜎い0.480に留たっおいる(衚\ref{ivsii2})この蚘事の䞻題は「定幎制高霢者に倚様な働き方を歳珟圹瀟䌚の道も開け」でありS22(重芁床1/10)はその問題提起になっおいるシステムIが遞んだS50はS22の䞀぀の解決方法でありある皋床重芁な情報を持った文であるためシステムIずIIでこの文が遞択できたかどうかでpseudo-utility倀に差ができるこずは劥圓であるず考えられる\begin{table*}[t]{\small\caption{課題A-1における各システムのF-measure倀\label{table:aefscore}}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|c|c||l|}\hlineSYSTEM&10\%&30\%&50\%&total(順䜍)\\\hline\hlineI&0.363&0.435&0.589&0.463(2)\\\hlineII&0.337&0.452&0.612&0.467(1)\\\hlineV&0.251&0.447&0.574&0.424(9)\\\hlineVI&0.305&0.431&0.568&0.435(6)\\\hlineVI'&0.282&0.435&0.572&0.429(8)\\\hlineVII&0.305&0.474&0.586&0.455(3)\\\hlineVII'&0.241&0.497&0.578&0.439(5)\\\hlineVIII&0.199&0.399&0.590&0.396(11)\\\hlineIX&0.358&0.420&0.571&0.450(4)\\\hlineIX'&0.268&0.409&0.570&0.416(10)\\\hlineTF&0.284&0.433&0.586&0.434(7)\\\hlineLead&0.276&0.367&0.530&0.391(12)\\\hline\hlineAve&0.289&0.433&0.577&0.433\\\hline\end{tabular}\end{center}}{\small\caption{課題A-1における各システムのpseudo-utility倀\label{table:aefscore2}}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|c|c|||l|}\hlineSYSTEM&10\%&30\%&50\%&total(順䜍)\\\hline\hlineI&0.518&0.559&0.664&0.581(1)\\\hlineII&0.450&0.603&0.673&0.569(2)\\\hlineV&0.410&0.546&0.641&0.527(5)\\\hlineVI&0.444&0.537&0.608&0.521(8)\\\hlineVI'&0.420&0.516&0.607&0.504(9)\\\hlineVII&0.433&0.560&0.651&0.541(3)\\\hlineVII'&0.401&0.556&0.636&0.525(6)\\\hlineVIII&0.330&0.515&0.654&0.495(11)\\\hlineIX&0.463&0.544&0.616&0.535(4)\\\hlineIX'&0.388&0.509&0.612&0.498(10)\\\hlineTF&0.406&0.526&0.657&0.525(6)\\\hlineLead&0.401&0.481&0.549&0.468(12)\\\hline\hlineAve&0.422&0.537&0.630&0.530\\\hline\end{tabular}\end{center}}\end{table*}\begin{table}[t]\caption{蚘事980511036におけるシステムIずIIの芁玄結果(芁玄率10\%)\label{ivsii}}\begin{center}芋出し:定幎制高霢者に倚様な働き方を歳珟圹瀟䌚の道も開け{\scriptsize\begin{tabular}{|l|l|c|c|l|}\hline文ID&重芁床&I&II&文\\\hline\hlineS3&1/50&+&+&東京郜歊蔵野垂にある「暪河゚ルダヌ」の最高霢者、菅野枅治さんは\\&&&&今も珟圹時ずほが同じ週時間のフルタむムで元気いっぱいに働き続ける。\\\hlineS4&1/50&+&+&「暪河゚ルダヌ」は幎に工業蚈噚メヌカヌ「暪河電機」埓業員\\&&&&人を定幎退職した人たちのための受け皿䌚瀟ずしお蚭立された。\\\hlineS22&1/10&&&䞀埋にではなく高霢者のニヌズに合わせ、倚様なメニュヌをどう甚意するか。\\\hlineS26&1/10&&+&幎金支絊開始幎霢たで働きたくずも働く堎がない、ずいう切実な雇甚問題が\\&&&&起きるおそれが倚分にある。\\\hlineS31&0&&+&今幎月ごろから、歳定幎制の芋返りに、退職金や賃金をダりンさせた\\&&&&ずいう蚎えが連合東京をはじめ、党囜の劎組や劎働盞談窓口などに盞次いで\\&&&&寄せられおいる。\\\hlineS43&1/10&&+&玄幎前には歳代の若者は人に人、歳以䞊は人に人だっ\\&&&&たのが、幎には歳代は人に人足らずずなり、逆に歳以\\&&&&䞊の人口比率は人に人を占める、䞖界に䟋のない高霢瀟䌚ずなる。\\\hlineS44&1/10&+&&意欲はあっおも働けない高霢者が倚くなるほど、幎金や医療などの瀟䌚保障負\\&&&&担はより若い䞖代にしわ寄せされるのは明らかだ。\\\hlineS50&1/30&+&&それたでのキャリアを生かす継続雇甚を基本に据え、職皮によっおは高霢者向\\&&&&けの職域拡倧を図り、短時間勀務も認める。\\\hlineS52&1/10&+&&䞖玀の初めには「歳珟圹」が圓たり前ずなる瀟䌚にしたい。\\\hline\end{tabular}}\vspace{0.5cm}\caption{蚘事980511036におけるシステムIずIIのF-measure倀およびpseudo-utility倀(芁玄率10\%)\label{ivsii2}}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&I&II\\\hline\hlineF-measure&0.400&0.400\\\hlinepseudo-utility&0.547&0.480\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{content-basedな評䟡の考察--䞻芳評䟡ずの比范--(課題A-2)}たずcontent-basedな評䟡の比范察象ずなる䞻芳評䟡の結果に぀いお簡単に述べる次に䞻芳評䟡ずcontent-basedな評䟡の結果を比范し考察する\subsubsection*{䞻芳評䟡の結果}䞻芳評䟡に甚いた4皮類の芁玄(FREEPARTSYSBASE)ず順䜍の関係を衚\ref{table:ordera2}に瀺す衚はFREEPARTSYSBASEの4皮類の芁玄が内容(CONT)および読みやすさ(READ)の芳点においお1䜍2䜍3䜍4䜍それぞれにランクされた割合を瀺しおいる\footnote{(芁玄率20\%40\%)×30テキスト×10システム=600}衚よりFREEは1䜍を占める割合が䞀番高く(73.5\%)次いでPARTSYSBASEの順になっおいるがFREEやPARTに比べSYSずBASEの品質は僅差であるず蚀える4皮類の芁玄の品質を倧小関係で瀺すず倧たかに次のようになる\begin{quote}(1)FREE$>$(2)PART$>$(3)システム芁玄ずベヌスラむン\end{quote}\begin{flushleft}このようなデヌタの性質をふたえ次節では䞻芳評䟡ずcontent-basedな評䟡の比范を行う\end{flushleft}\begin{table*}[t]\caption{䞻芳評䟡に甚いた4皮類の芁玄ず順䜍の関係\label{table:ordera2}}\begin{center}{\scriptsize\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline&&1䜍&2䜍&3䜍&4䜍\\\hline\hlineFREE&CONT&69.8\%(419/600)&28.7\%(172/600)&1.5\%(9/600)&0.0\%(0/600)\\&READ&77.7\%(466/600)&19.0\%(114/600)&3.2\%(19/600)&0.2\%(1/600)\\\cline{2-6}&TOTAL&73.5\%(885/1200)&23.8\%(286/1200)&2.3\%(28/1200)&0.1\%(1/1200)\\\hline\hlinePART&CONT&49.0\%(294/600)&49.0\%(294/600)&1.8\%(11/600)&0.2\%(1/600)\\&READ&40.6\%(244/600)&47.5\%(285/600)&8.5\%(51/600)&3.0\%(18/600)\\\cline{2-6}&TOTAL&44.8\%(538/1200)&48.3\%(579/1200)&5.3\%(64/1200)&1.6\%(19/1200)\\\hline\hlineSYS&CONT&2.3\%(14/600)&3.3\%(20/600)&68.0\%(408/600)&26.3\%(158/600)\\&READ&11.2\%(67/600)&10.3\%(62/600)&43.3\%(260/600)&38.8\%(233/600)\\\cline{2-6}&TOTAL&6.6\%(79/1200)&6.8\%(82/1200)&55.7\%(668/1200)&32.6\%(391/1200)\\\hline\hlineBASE&CONT&0.0\%(0/600)&0.8\%(5/600)&38.2\%(229/600)&61.0\%(366/600)\\&READ&6.5\%(39/600)&8.0\%(48/600)&52.7\%(316/600)&32.8\%(197/600)\\\cline{2-6}&TOTAL&3.2\%(39/1200)&4.4\%(53/1200)&45.4\%(545/1200)&46.9\%(563/1200)\\\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table*}\subsubsection*{䞻芳評䟡ずcontent-basedな評䟡の比范}たずcontent-basedな評䟡結果ず䞻芳評䟡の結果の盞関に぀いお調査した調査は䞻芳評䟡に甚いた4皮類の芁玄の䞭から任意の2぀を遞び䞻芳評䟡による順序ずcontent-basedな評䟡の倧小関係が䞀臎する割合を調べた4皮類の芁玄の組合せは「FREE-PART」「FREE-SYS」「FREE-BASE」「PART-SYS」「PART-BASE」「SYS-BASE」の6通りあるがFREEずPARTは共にcontent-basedな評䟡で評䟡基準ずしお甚いおおりどちらも人手で䜜成した理想的な芁玄であるため6通りの組合せから「FREE-PART」の組合せだけ陀倖した\footnote{すなわち5通りの組合せ×30テキスト×10システム=1500通りの組合せに぀いお調べた.}たた䞻芳評䟡は内容ず読みやすさの2぀の偎面から行なったがcontent-basedな評䟡は芁玄間の内容の類䌌床を枬るために甚いられた指暙であるため䞻芳評䟡結果は内容による比范のものを甚いたたたcontent-basedの評䟡倀はTSCにおける評䟡ではFREEを基準にした堎合ずPARTを基準にした堎合の2皮類で蚈算しおいるが䞻芳評䟡ずの比范もそれぞれの堎合毎に分けお行っおいる衚\ref{table:cbcomp1}はその結果である衚から芁玄率が20\%ず40\%の䞡方においお䞻芳評䟡の結果ずcontent-basedな評䟡が高い割合(箄90\%)で䞀臎しおいるこずが分かる.䞀方先にも述べたように䞻芳評䟡で比范した4皮類のうちシステムの芁玄ずベヌスラむン(Lead)の芁玄はFREEやPARTず比べるず平均的に同皋床の品質の芁玄であるず考えられるそこで衚\ref{table:cbcomp1}の䞭でも特にシステムの芁玄ずベヌスラむンに着目し比范を行った結果を衚\ref{table:cbcomp2}に瀺す衚\ref{table:cbcomp2}においお䞻芳評䟡ずcontent-basedな評䟡ずの盞関は衚\ref{table:cbcomp1}の堎合ほどはっきりずは珟れおいないこのこずからcontent-basedな評䟡は品質に倧きな違いのある2぀の芁玄を比范する䞊ではよい指暙であるが品質が僅差な2぀の芁玄を比范する䞊ではそれほど有甚な指暙ではないず考えるこずができる.\begin{table}[t]\caption{䞻芳評䟡による順序ずcontent-basedな評䟡の倧小関係が䞀臎する事䟋の割合(党デヌタ)\label{table:cbcomp1}}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&FREEを基準&PARTを基準\\\hline\hline20\%芁玄&91.4\%(1371/1500)&88.6\%(1329/1500)\\\hline40\%芁玄&89.3\%(1339/1500)&90.0\%(1350/1500)\\\hline\end{tabular}\\\vspace{0.1cm}平均:89.8\%\vspace{-0.7cm}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{䞻芳評䟡による順序ずcontent-basedな評䟡の倧小関係が䞀臎する事䟋の割合\\(SYSずBASEの比范)\label{table:cbcomp2}}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&FREEを基準&PARTを基準\\\hline\hline20\%芁玄&64.3\%(193/300)&58.0\%(174/300)\\\hline40\%芁玄&58.7\%(176/300)&63.7\%(191/300)\\\hline\end{tabular}\\\vspace{0.1cm}平均:61.2\%\vspace{-0.7cm}\end{center}\end{table}そこでさらにcontent-basedの評䟡倀の差ず信頌床(粟床)に関する調査を行なった.content-basedの評䟡倀の差に着目し倀の差0.1毎に2぀の芁玄のcontent-basedの評䟡倀ず䞻芳評䟡の順䜍ずの倧小関係が䞀臎する事䟋の割合に぀いお調べた結果を衚\ref{table:cb0.1}に瀺す衚より,content-basedの評䟡倀で0.2以䞊の開きがあれば93\%以䞊の割合で䞻芳評䟡の結果ず䞀臎するすなわち93\%以䞊の信頌床で芁玄を評䟡するこずが可胜になるず思われる.\begin{table}[t]\caption{content-basedの評䟡倀ず䞻芳評䟡の順䜍ずの倧小関係が䞀臎する事䟋の割合\label{table:cb0.1}}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|}\hlinecontent-basedの評䟡倀の差&䞻芳評䟡ず䞀臎する\\&事䟋の割合(\%)\\\hline\hline0.0-0.1&0.578(718/1242)\\\hline0.1-0.2&0.771(916/1188)\\\hline0.2-0.3&0.928(966/1041)\\\hline0.3-0.4&0.959(805/839)\\\hline0.4-0.5&0.964(588/610)\\\hline0.5-0.6&0.988(589/596)\\\hline0.6-0.7&0.994(336/338)\\\hline0.7-0.8&0.990(103/104)\\\hline0.8-0.9&1.000(26/26)\\\hline0.9-1.0&1.000(16/16)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{table:cb0.1}から埗られた知芋を元に衚\ref{table:cbcomp2}に瀺したシステムの芁玄ずベヌスラむン(Lead)の芁玄の比范結果のうちcontent-basedの評䟡倀の差が0.2以䞊の堎合に぀いお調べおみた衚\ref{table:cbcomp2}の䞭でcontent-basedの評䟡倀の差が0.2以䞊ずなる事䟋の割合を衚\ref{table:cbcomp31}に瀺す衚\ref{table:cb0.1}においお評䟡倀の差が0.2以䞊になる堎合は党䜓の59.5\%($1-\frac{1242+1188}{6000}$)であるのに察しシステムの芁玄ずベヌスラむンの芁玄の間では党䜓の14.5\%しかないこのこずからも先にも述べたようにシステムの芁玄ずベヌスラむンの芁玄は党䜓的に品質の近い芁玄であるこずが分かる次にシステムの芁玄ずベヌスラむンの芁玄ずの間のcontent-basedの評䟡倀の差が0.2以䞊ずなる堎合に䞻芳評䟡による順序ずcontent-basedな評䟡の倧小関係が䞀臎する事䟋の割合を調べた結果を衚\ref{table:cbcomp32}に瀺す衚\ref{table:cb0.1}における調査(事䟋数:6000)ず比べるず事䟋数が少ない(174)のであたり厳密な倀であるずは蚀えないが衚\ref{table:cbcomp32}の倀(71.3\%)ず衚\ref{table:cbcomp2}の61.2\%ずを比范するず評䟡倀の差が0.2以䞊の堎合content-basedな評䟡の信頌床が10\%以䞊高くなるこずが確認できるしかしこの結果からは衚\ref{table:cb0.1}における評䟡倀の差0.2における䞀臎床92.8\%たでには至っおいない\begin{table}[t]\caption{content-based倀の差が0.2以䞊ある事䟋の割合(SYSずBASEの比范)\label{table:cbcomp31}}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&FREEを基準&PARTを基準\\\hline\hline20\%芁玄&17.0\%(51/300)&23.0\%(69/300)\\\hline40\%芁玄&10.0\%(30/300)&8.0\%(24/300)\\\hline\end{tabular}\\\vspace{0.1cm}平均:14.5\%\vspace{-0.7cm}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{content-based倀の差が0.2以䞊ある堎合に䞻芳評䟡による順序ず䞀臎する事䟋の割合\\(SYSずBASEの比范)\label{table:cbcomp32}}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&FREEを基準&PARTを基準\\\hline\hline20\%芁玄&74.5\%(38/51)&73.9\%(51/69)\\\hline40\%芁玄&60.0\%(18/30)&70.8\%(17/24)\\\hline\end{tabular}\\\vspace{0.1cm}平均:71.3\%\vspace{-0.7cm}\end{center}\end{table} \section{結論ず今埌の課題} 本研究では芁玄の評䟡方法に぀いおpseudo-utilityに基づく評䟡方法を提案しF-measureずの比范を行ったたたcontent-basedな評䟡ず被隓者による䞻芳評䟡ずの結果を比范し結果に぀いお怜蚎したF-measureずpseudo-utilityに基づく評䟡の比范では芁玄システムの出力をいく぀か調べたずころ正解には含たれおいないが正解文ず類䌌する内容の文をシステムが抜出した堎合pseudo-utilityに基づく評䟡では評䟡倀にそれが反映されおいるこずが確認されたすなわちpseudo-utilityに基づく評䟡はF-measureがかかえる2぀の問題点のうち「(2)テキスト䞭に類䌌の内容を含む文が耇数存圚する堎合どちらの文が正解ずしお遞択されるかによりシステムの評䟡が倧きく倉化する」が解消できおいるこずがわかった次にcontent-basedな評䟡ず被隓者による䞻芳評䟡ずの比范の結果2぀の芁玄がcontent-based倀で0.2以䞊の開きがあれば93\%以䞊の割合で人間の䞻芳評䟡の結果ず䞀臎するこずがわかった本研究では耇数の芁玄率のデヌタを甚いるこずでRadevらの提案するutilityに基づく評䟡を疑䌌的に実珟できるこずを瀺した本研究はTSCで䜜成された10\%,30\%,50\%の3皮類の芁玄デヌタを甚いたが今埌はこの他の芁玄率の組合せに぀いおも調べる必芁があるたた本研究ではpseudo-utilityに基づく評䟡においお文の重芁床を`1/芁玄率'ずしお蚈算したがこの他にも様々な重芁床を蚭定するこずが可胜である重芁床をどのように蚭定すればより良い評䟡が可胜になるかに぀いおも調べる必芁があるず考えられる本研究では扱っおいないがJingらの指摘する問題点1(芁玄率の倉化に䌎う評䟡倀の倉化)を解消する評䟡方法に぀いおも今埌怜蚎しおいく必芁がある\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{難波英嗣(正䌚員)}{1996幎東京理科倧孊理工孊郚電気工孊科卒業1998幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2001幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了同幎4月日本孊術振興䌚特別研究員2002幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助手珟圚に至る博士(情報科孊)自然蚀語凊理特にテキスト自動芁玄に関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACLACM各䌚員[email protected]}\bioauthor{奥村孊(正䌚員)}{1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎東京工業倧孊倧孊院理工孊研究科博士課皋修了同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授珟圚に至る工孊博士自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎語圙的知識獲埗に関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚AAAIACL認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員[email protected]}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V29N03-07
\section{はじめに} 修蟞構造理論\cite{mann-etal-1987-rhetorical}は文曞䞭のテキストスパン埌述するEDUの系列間の関係を朚構造で衚珟する理論である\blfootnote{本皿はConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(NAACL2021)での発衚ImprovingNeuralRSTParsingModelwithSilverAgreementSubtrees\cite{kobayashi-etal-2021-improving}に加筆を行ったものである}修蟞構造理論によるず文曞は朚の最小構成単䜍ずなる節盞圓のナニットElementallyDiscourseUnit(EDU)ぞず分割されEDUを終端ノヌドずした構成玠朚である修蟞構造朚ずしお衚珟される非終端ノヌドはそれが支配するテキストスパン連続したEDUの栞性ラベル栞(N:Nucleus)衛星(S:Satellite)をあらわす栞ず衛星は察の関係にありテキストスパンの䞭心的圹割を担う栞を衛星が修食するよっお任意の非終端ノヌドは基本的には単栞぀たりN-SS-Nの組み合わせの子䟛を持぀ただし䟋倖的に䞊列構造をあらわす堎合倚栞N-Nずいう組み合わせの子䟛を持぀堎合があるそしお朚の゚ッゞは隣接する2぀のテキストスパンの間の修蟞関係をあらわす修蟞関係ラベルはドメむンによっお異なるが䞀般的に甚いられるベンチマヌクデヌタセットであるRSTDiscourseTreebank:RST-DT\cite{carlson-etal-2001-building}ではElaboration,Attributionなど18皮類が定矩されおいる図\ref{fig:rst_tree}に䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f1.pdf}\end{center}\caption{修蟞構造朚の䟋(wsj\_0699)}\label{fig:rst_tree}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀般的に修蟞構造解析噚以䞋解析噚は以䞋の3぀の分類噚から構成されその孊習には教垫あり孊習が甚いられる\begin{enumerate}\item朚構造を掚定するためにテキストスパンの分割たたは結合を決定する分類噚\item2぀の隣接するテキストスパン間の栞性ラベルS-N,N-S,N-Nのいずれかを掚定する分類噚\item2぀の隣接するテキストスパン間の修蟞関係ラベルRST-DTの堎合18皮のラベルのいずれかを掚定する分類噚\end{enumerate}教垫あり孊習には文曞に察しお修蟞構造朚のアノテヌションを䞎えたデヌタが倧量に必芁ずなるがアノテヌションには専門知識を必芁ずするため倧芏暡なコヌパスを構築するこずが難しい修蟞構造解析の研究においお最も䞀般的か぀最倧のデヌタセットであるRST-DTでさえ385文曞しかないデヌタ䞍足はいわゆる教垫あり孊習を甚いた手法にずっお倧きな問題であり近幎のニュヌラルネットワヌクを甚いた修蟞解析法においおも䟋倖ではないしかしニュヌラルネットを甚いた自然蚀語凊理では倧芏暡な疑䌌正解デヌタを掻甚する手法\cite{Nguyen-etal-2020-data,vania-etal-2019-systematic}が提案されこうしたデヌタ䞍足が克服され぀぀あるたずえばニュヌラル機械翻蚳(NMT)ではBack-translationにより自動的に生成した倧量の疑䌌正解デヌタ疑䌌察蚳デヌタを利甚する枠組み\cite{sennrich-etal-2016-improving,Nguyen-etal-2020-data}が翻蚳性胜の倧幅な向䞊を瀺した本皿では先述したNMTにおける疑䌌察蚳デヌタの掻甚にヒントを埗お修蟞構造解析におけるデヌタ䞍足の問題を解決するための倧芏暡な疑䌌正解デヌタセットの自動構築方法ずそれを利甚した事前孊習远加孊習の枠組みを提案する具䜓的には倧量のラベルなしデヌタに察し耇数の解析噚を適甚した結果から䞀臎する郚分朚を擬䌌正解デヌタセットずするそしおそれを\citeA{kobayashi-etal-2020-top}らの手法(Span-BasedParer:SBP)の事前孊習に甚い正解デヌタセットであるRST-DTにより远加孊習するたた耇数の解析噚の間で䞀臎する郚分朚を効率的に抜出するためのアルゎリズムも提案するRST-DTを甚いた実隓では疑䌌正解デヌタを甚いるこずによりSBPに察しお性胜が向䞊するこずを確認した特に修蟞関係ラベル掚定の性胜向䞊が顕著であり5ポむント皋床のゲむンを埗た正解のEDU分割を甚いお朚構造のみを評䟡するずF1スコアが74.1栞性ラベルも含めるず64.7関係ラベルも含めるず54.1すべおを含めるず52.7であり珟圚の最高性胜の解析噚である\citeA{zhang-etal-2021-adversarial}に匹敵する性胜を達成した䞀方自動掚定したEDU分割を甚いた堎合にはそれぞれ68.157.447.645.9であり関係ラベルを含めた堎合の性胜は珟圚の最高性胜の解析噚である\citeA{nguyen-etal-2021-rst}に匹敵する性胜を達成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{談話構造解析における解析方法の倉化}初期の修蟞構造解析の研究では人手で䜜成した特城量をベクトルずしお衚珟し分類噚ずしおSVMやLinear-ChainCRFを採甚した遷移型の解析手法を甚いお䞊向きに朚を構築する぀たりテキストスパンを結合しおいく手法が䞻流であった\cite{duverle-prendinger-2009-novel,hernault2010hilda,feng-hirst-2014-linear}こうした遷移型の䞊向き解析は決定的に朚を構築するためテキストスパンの結合スコアの芳点から最適な朚が構築できるずは限らないそこでCKY法を甚いお最適な朚を構築する手法も提案された\cite{joty-etal-2013-combining,joty-etal-2015-codra}しかし文から埗られる構文朚ずは異なり文曞から埗られる修蟞構造朚は終端ノヌド数が50以䞊になるこずも倚いよっお蚈算量が問題ずなるこずからCKY法を甚いた手法は倚くないこうした埓来型の機械孊習を甚いた修蟞構造解析手法のなかで特筆すべき手法ずしおSVMを採甚した遷移型の䞊向き解析手法\cite{wang-etal-2017-two}であるTwo-StageParser以䞋TSPがあるTSPは還元(Reduce)時に栞性ラベルを掚定するこずでたず栞性ラベル付きの朚を掚定し次に掚定された朚の構造をもずに隣接する2぀のスパンに察しお関係ラベルを掚定する2段階の解析を行う2段階の解析の効果により埓来型の修蟞解析手法のなかでは最も高い性胜を達成したニュヌラルネットワヌクの有効性が様々な自然蚀語凊理タスクで瀺されたこずから修蟞構造解析においおもニュヌラルネットワヌクを掻甚した手法が数倚く提案されおいる\citeA{yu-etal-2018-transition}はニュヌラルネットワヌクを甚いた遷移型の䞊向き解析手法を提案した文内の係り受け構造を解析するニュヌラルネットワヌクから埗られる特城ベクトルを埋め蟌み衚珟ずしお利甚するこずで関係ラベルの掚定においお高い性胜を達成したたた\citeA{guz-carenini-2020-coreference}は\citeA{wang-etal-2017-two}のTSPから分類噚を倚局パヌセプトロンに倉曎しスパンのベクトル衚珟をSpanBERT\cite{joshi-etal-2020-spanbert}により獲埗するこずで倧きな改善を埗たさらに先述した䞊向き解析手法に加え近幎では䞋向き解析手法が倚く提案されおいるこれは䞊向き解析が局所的なEDU間の繋がりをもずに朚を構築するのに察しおより倧きな文や段萜トピックずいった情報を考慮できるからである\citeA{lin-etal-2019-unified}は゚ンコヌダ・デコヌダモデルのひず぀であるポむンタヌネットワヌク\cite{NIPS2015_29921001}を甚いおテキストスパンを再垰的に2分割するこずで文内の修蟞構造を解析する手法を提案したそしお\citeA{zhang-etal-2020-top}によっお文曞の修蟞構造解析ぞず拡匵されたたたより単玔な䞋向き解析手法ずしお\citeA{kobayashi-etal-2020-top}\citeA{koto-etal-2021-top}はデコヌダを経ずに倚局パヌセプトロンを甚いおテキストスパンを再垰的に2分割する手法を提案した特に\citeA{kobayashi-etal-2020-top}のSBPは朚構造栞性ラベル掚定においお高い性胜を達成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタ拡匵手法}修蟞構造解析手法の孊習・評䟡にはRSTDiscourseTreebank:RST-DT\cite{carlson-etal-2001-building}が暙準的に利甚されるRST-DTはPennTreebank\cite{marcus-etal-1993-building}の䞀郚に察しお修蟞構造朚を䞎えたものであり珟存する修蟞構造のアノテヌション枈みデヌタセットずしおは最倧芏暡であるしかし最倧芏暡のデヌタセットではあるものの文曞数は385でしかなく解析噚の孊習に十分ずは蚀えないそこでデヌタ䞍足を解決するための手法も盛んに研究されおいる\citeA{braud-etal-2016-multi}は修蟞構造解析の他に文曞やそれを構成する文に察する感情分類や時系列分類属性分類などの合蚈13通りの分類問題のマルチタスク孊習によっお孊習事䟋を増やすこずで解析噚の性胜および頑健性の向䞊に取り組んだ\citeA{braud-etal-2017-cross}はドむツ語やスペむン語など倚蚀語の修蟞構造アノテヌション枈みデヌタセットを英語ぞず翻蚳するこずでデヌタ拡匵を行った\citeA{huber-carenini-2019-predicting}はMEGA-RSTず呌ばれる倧芏暡な孊習デヌタを自動生成するために文曞を構成する各EDUごずの感情極性スコアずアテンションスコアをMultipleInstanceLearning\cite{angelidis-lapata-2018-multiple}により獲埗し埗られたスコアをもずにCKY法を適応しおラベルなしデヌタから栞性付きの朚を埗た\citeA{guz-etal-2020-unleashing}はMEGA-DTコヌパス\cite{huber-carenini-2020-mega}を事前孊習に甚いRST-DTで远加孊習を行う手法を提案した擬䌌正解デヌタによる事前孊習ず正解デヌタによる远加孊習ずいう枠組み自䜓は本皿での提案法ず同じであるが擬䌌正解デヌタの䜜成法が倧きく異なり修蟞関係ラベルを含たない\citeA{jiang-etal-2016-training}はco-trainingを利甚しおラベルなしデヌタを掻甚する手法を提案した䜎頻床の修蟞関係ラベルの掚定性胜を改善したが修蟞関係ラベル党䜓で芋るず性胜は䜎䞋しおいるたたこの手法は朚構造や栞性ラベルの掚定性胜の改善には察応しない提案手法ず関連する擬䌌正解デヌタを掻甚した孊習方法ずしお自己孊習がある自己孊習ではある解析噚でラベルなしデヌタを解析した結果を擬䌌正解デヌタずしお再床その解析噚の孊習に利甚する䞀方提案法では疑䌌正解デヌタを甚いお孊習する解析噚は擬䌌正解デヌタを䜜成するために利甚したものず異なる぀たり教垫擬䌌正解デヌタを䜜成する解析噚生埒それを甚いお孊習する解析噚モデルを採甚しおいるたた提案法における疑䌌正解デヌタの䜜成に耇数の解析噚を䜿甚するずいう点ではco-training\cite{10.1145/279943.279962}やtri-training\cite{zhou-etal-2005-tri}も同じであるこれらの手法による孊習は疑䌌正解デヌタの䜜成ず疑䌌正解デヌタによる孊習を繰り返し行うがニュヌラルネットワヌクを甚いた孊習においお繰り返し適甚するには孊習時間の芳点から非効率的であるしたがっお近幎の手法\cite{mcclosky-etal-2006-effective,pekar-etal-2014-exploring,weiss-etal-2015-structured}などでは繰り返しを省略しお䞀床だけ疑䌌正解デヌタを適甚する手法が倚く芋られ本手法も同様に䞀床だけ適甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案手法} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{疑䌌正解デヌタを掻甚した孊習方法の抂芁}\label{sec:prop_overview}初期の修蟞構造解析の研究ではテキストスパンをベクトルずしお衚珟するために文曞の党䜓の構造から埗られる特城量たずえば文曞内での䜍眮などを必芁ずした䞀方で近幎のニュヌラルネットワヌクを掻甚した手法ではテキストスパンのベクトルは事前孊習枈み蚀語モデルの単語ベクトルに基づくため必ずしも文曞党䜓を必芁ずしないしたがっお郚分朚をニュヌラルネットワヌクの孊習デヌタずしお有効掻甚できるこずから本皿では郚分朚を擬䌌正解デヌタずしお利甚した図\ref{fig:overview}に提案手法の抂芁を瀺す提案手法は倧きく分けお2぀の手順に分かれる1぀目は教垫解析噚を甚いた疑䌌正解デヌタの䜜成2぀目は疑䌌正解デヌタを甚いた生埒解析噚の孊習である擬䌌正解デヌタの䜜成に甚いる教垫解析噚ずしおニュヌラルネットワヌクを甚いない解析噚のなかで最も性胜の良いTSPを採甚した特に生埒解析噚であるSBPが苊手ずする修蟞関係ラベルの掚定性胜が良いこずが採甚の理由であるこの手法はSVMの最適化に確率的双察座暙降䞋法を甚いおいるため初期倀により解が異なるそこで異なる初期倀で孊習した耇数のTSPを1぀の文曞に察し適甚し耇数の修蟞構造朚を埗たそしお耇数の朚の間で共通する郚分朚぀たり合意郚分朚(AgreementSubTree:AST)を疑䌌正解デヌタずしお抜出する最埌に擬䌌正解デヌタを甚いお生埒解析噚であるSBPを事前孊習し正解デヌタを甚いお远加孊習する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f2.pdf}\end{center}\caption{提案法の抂芁}\label{fig:overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{合意郚分朚の抜出}\label{sec:ext_agreement_subtree}質の高い擬䌌正解デヌタを埗るためには耇数の解析噚の間で䞀臎する朚をそれずすればよいしかし修蟞構造朚は文曞から埗られる朚であるためそのサむズが倧きく耇数の解析噚による結果が䞀臎するこずはたれである䞀方で図~\ref{fig:AST_extraction}の網掛けで衚されるように朚の党䜓で䞀臎しおいなくずも朚の䞀郚では䞀臎するこずは倚いそこで本論文ではASTを疑䌌正解デヌタずしお利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f3.pdf}\end{center}\caption{重耇する郚分朚網掛け郚分の抜出}\label{fig:AST_extraction}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%倧量の擬䌌正解デヌタを埗るためには効率的にASTを抜出しなければならないそこで本皿ではASTを効率的に抜出するためのアルゎリズムを提案する提案するアルゎリズムは朚の走査に基づいおおり朚に含たれるノヌドの数$n$に察しお線圢の$O(n)$で動䜜する合意郚分朚を列挙するアルゎリズムはデヌタマむニング分野で耇数の研究\cite{10.5555/645806.670165,1458697,10.1109/SFCS.1994.365717}がありたずえば䞀般的な朚の集合から合意郚分朚を埗るには\citeA{1458697}で提案された最右拡匵を甚いれば良いがこれは蚈算量を芋積もるこずができない䞀方本皿では終端ノヌドが順序も含めお䞀臎する特殊な朚を察象ずするこずから新たな合意郚分朚を列挙するアルゎリズムを提案した提案するアルゎリズムの目的は入力された$k$個の修蟞構造朚(trees)の党おに出珟する郚分朚(subtrees)を抜出するこずにあるAlgorithm~\ref{alg:main}にアルゎリズム党䜓の流れを瀺すアルゎリズムは関数\textsc{MakeCount}関数\textsc{Agreement}関数\textsc{FindRoot}の3぀から構成される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo.1\begin{algorithm}[b]\label{alg:main}\DontPrintSemicolon\caption{ASTの抜出}\SetKwInput{KwInput}{Input}%SettheInput\SetKwInput{KwOutput}{Output}%settheOutput\KwInput{trees}\KwOutput{subtrees}\SetKwFunction{FuncMakeCount}{\scMakeCount}\SetKwFunction{FuncAgreement}{\scAgreement}\SetKwFunction{FuncExtract}{\scFindRoot}count$\gets$\FuncMakeCount{\rmtrees}\;tree$\gets$trees[0]\;span$\gets$root(tree)\;S$\gets$\FuncAgreement{\rmspan,count}\;subtrees$\gets$\FuncExtract{\rmspan,S}\;\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%はじめにAlgorighm\ref{alg:count_span}に瀺す関数\textsc{MakeCount}により出珟する党おのスパンの頻床を蚈算しスパンをキヌずしおその頻床を倀ずする蟞曞によっお保持する本アルゎリズムでは各ノヌドが内包する先頭ず末尟のEDUのむンデックスで衚される区間ずそのノヌドに付䞎された栞性関係ラベルの䞉぀組をスパン(span)ずしお扱いこれを同䞀性の刀定に甚いるラベルなしのスパンによる同䞀性の刀定も可胜であるが本皿では関係ラベルの掚定性胜向䞊のためにラベル付きのスパンを甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo.2\begin{algorithm}[t]\label{alg:count_span}\DontPrintSemicolon\caption{スパンをキヌずしおの出珟数を倀にも぀蟞曞Countの䜜成}\SetKwProg{Fn}{Function}{:}{}\SetKwFunction{FuncMakeCount}{\scMakeCount}\SetKwFunction{FuncSubMakeCount}{\scSubMakeCount}\Fn{\FuncMakeCount{{\rmtrees}}}{Count$\gets$dict()\;\For{\rmtree\textbf{in}trees}{\For{\rmspan\textbf{in}\rmtraversal(tree)}{\If{\rmspan\textbf{notin}Count}{Count[span]$\gets$0\;}Count[span]+=1\;}}\KwRetCount\;}\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo.3\begin{algorithm}[t]\label{alg:attach_flag}\DontPrintSemicolon\caption{各スパンにASTの十分条件を付䞎する関数\sc{Agreement}}\SetKwProg{Fn}{Function}{:}{}\SetKwFunction{FuncAgreement}{\scAgreement}\SetKwFunction{FuncSubAgreement}{\scsubAgreement}\Fn{\FuncAgreement{{\rmspan,Count}}}{${\rmS}\gets$dict()\;\Fn{\FuncSubAgreement{{\rmspan}}}{\If{${\rmLen(span)}{=}1$}{\KwRetTrue\;}\Else{$\rmS[span]\getsCount[span]{=}k\land\FuncAgreement{{\rmleftChild(span)}}\land\FuncAgreement{{\rmrightChild(span)}}$}\;\KwRet$\rmS[span]$\;}\FuncSubAgreement{\rmspan}\;\KwRetS\;}\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次に䞎えられた耇数の修蟞構造朚のうち1぀を任意に遞びそのROOTスパンをAlgorighm~\ref{alg:attach_flag}に瀺す関数\textsc{Agreement}ぞ入力する関数\textsc{Agreement}は朚の各スパンにASTの十分条件が満たされおいるかどうかを瀺すフラグを付䞎するあるスパンがASTである条件を満たすためには巊右の子スパンがASTの条件を満たしか぀自身の出珟頻床$\rmCount(span)$が朚の数$k$ず䞀臎するこずであるここでスパンの出珟頻床$\rmCount(span)$は事前に数えるこずができるのでスパンをキヌずしお頻床を倀に持぀蟞曞ずするこずで簡単に出珟頻床を参照できる最埌に関数\textsc{Agreement}によりフラグが付䞎された状態のスパンをAlgorighm~\ref{alg:find_root}に瀺す関数\textsc{FindRoot}ぞず入力する関数\textsc{FindRoot}は付䞎されたフラグを元にASTである郚分朚をすべお抜出するこのずきAST同士の間では重耇が起きないようにするさらに$l_{\rmmin},l_{\rmmax}$を甚いお抜出する朚の倧きさを制埡する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo.4\begin{algorithm}[t]\label{alg:find_root}\DontPrintSemicolon\caption{ASTを列挙する関数\sc{FindRoot}}\SetKwProg{Fn}{Function}{:}{}\SetKwFunction{FuncExtract}{\scFindRoot}\SetKwFunction{FuncSubExtract}{\scsubFindRoot}\Fn{\FuncExtract{{\rmspan,S}}}{subtrees$\gets$list()\;\Fn{\FuncSubExtract{{\rmspan}}}{\If{${\rmLen(span)}<l_{\rmmin}$}{\KwRet\;}\ElseIf{${\rmLen(span)}>l_{\rmmax}$}{$\FuncSubExtract{{\rmleftChild(span)}}$\;$\FuncSubExtract{{\rmrightChild(span)}}$\;}\Else(\tcp*[h]{$l_{\rmmin}\le{\rmLen(span)}\lel_{\rmmax}$}){\If{${\rmS[span]}={\rmTrue}$}{subtrees.append(span)\;}\Else{$\FuncSubExtract{{\rmleftChild(span)}}$\;$\FuncSubExtract{{\rmrightChild(span)}}$\;}}}\FuncSubExtract{\rmspan}\;\KwRetsubtrees\;}\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%ASTがすべおの朚に共通しお含たれるため関数\textsc{Agreement}および関数\textsc{FindRoot}は$k$個の修蟞構造朚党おに察しお行う必芁はなく$k$個の朚のうち䞀぀だけに適甚すればよいただし関数\textsc{MakeCount}によりスパンの頻床を事前に蚈算するずきのみ党おの朚を甚いお蚈算を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{生埒解析噚:Span-BasedParser}埗られた郚分朚からなる疑䌌正解デヌタは任意の生埒解析噚に適甚可胜であるが呚蟺の文脈に匷く䟝存する解析噚の堎合正解デヌタずの乖離が倧きくなり性胜向䞊に寄䞎できない可胜性が高いたずえば着目するスパンが文曞䞭のどこに䜍眮しおいるかを玠性ずしお利甚する手法\cite{wang-etal-2017-two}着目するスパンよりも巊偎のスパン郚分朚の情報を利甚するシフト還元法\cite{guz-carenini-2020-coreference}には適しおいないず考える䞀方スパン分割に基づく䞋向き解析手法は呚蟺の文脈を必ずしも必芁ずしないため郚分朚による孊習に適しおいるず考えるしたがっお本皿ではSpan-BasedParser:SBP\cite{kobayashi-etal-2020-top}を生埒解析噚ずしお採甚した以䞋にその詳现を述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{スパンのベクトル衚珟}SBPでは倚局パヌセプトロンを甚いおスパンの分割ラベルの掚定を行うため各スパンを固定長のベクトルで衚珟する必芁があるここでははじめにEDUのベクトル衚珟次にスパンのベクトル衚珟の獲埗方法を説明する$t$番目のEDUのベクトル衚珟$\textbf{e}_{t}$は匏(\ref{eq:edu_emb})によりEDU内の各単語の埋め蟌み衚珟$\textbf{h}'_j$を平均するこずで固定長のベクトルずしお衚珟する\pagebreak\begin{equation}\label{eq:edu_emb}\textbf{e}_{t}=\frac{1}{n}\sum_{j\in{1,\dots,n}}\textbf{h}'_{j}\end{equation}各単語の埋め蟌み衚珟は文脈を考慮したベクトルずするために双方向LSTM\cite{schuster1997bidirectional,graves2005framewise}ずゲヌト機構\cite{zhou-etal-2017-selective}を甚いお以䞋により求める\begin{align}\overrightarrow{\textbf{h}_{i}}&=\overrightarrow{\rmLSTM}_{\rmword}(\overrightarrow{\textbf{h}}_{i-1},\textbf{w}_{i}),\\\overleftarrow{\textbf{h}_{i}}&=\overleftarrow{\rmLSTM}_{\rmword}(\overrightarrow{\textbf{h}}_{i+1},\textbf{w}_{i}),\\\textbf{h}_{i}&=[\overrightarrow{\textbf{h}_i};\overleftarrow{\textbf{h}}_i],\\\textbf{sGate}_{i}&=\sigma(\textbf{W}_{s}\textbf{h}_{i}+\textbf{U}_{s}\textbf{s}+\textbf{b}_{s}),\label{eq:p_s}\\\textbf{h}'_{i}&=\textbf{h}_{i}\odot\textbf{sGate}_{i}\end{align}ここで匏(\ref{eq:p_s})の$\textbf{s}$はEDU内の先頭ず末尟の単語の衚珟ベクトルから$[\textbf{h}_1;\textbf{h}_n]$ずした$n$はEDUに含たれる単語数たた単語の埋め蟌み衚珟$\textbf{w}_{i}$にはELMo\cite{peters-etal-2018-deep}ずGloVe\cite{pennington2014glove}を結合しお利甚した次に$i$番目から$j$番目のEDUで構成されるスパンの埋め蟌み衚珟$\textbf{u}_{i:j}$は双方向LSTMの前向き埌向きのそれぞれの状態の差分により匏(\ref{eq:emb_span})によっお求める\begin{align}\overrightarrow{\textbf{f}_{i}}&=\overrightarrow{\rmLSTM}_{\rmunit}(\overrightarrow{\textbf{f}}_{i-1},\textbf{e}_{i}),\\\overleftarrow{\textbf{b}_{i}}&=\overleftarrow{\rmLSTM}_{\rmunit}(\overrightarrow{\textbf{b}}_{i+1},\textbf{e}_{i}),\\\textbf{u}_{i:j}&=[\textbf{f}_j-\textbf{f}_{i-1};\textbf{b}_{i-1}-\textbf{b}_{j}]\label{eq:emb_span}\end{align}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{スパンの分割}$i$番目から$j$番目のEDUで構成されるスパンが䞎えられたずき分割候補ずなる各点$j$においお関数$s_{\rmsplit}(i,j,k)$により分割の良さを衚すスコアを蚈算する\begin{equation}s_{\rmsplit}(i,j,k)=\textbf{h}_{i:k}^{\top}\textbf{W}_{u}\textbf{h}_{k+1:j}+\textbf{v}_{\ell}^{\top}\textbf{h}_{i:k}+\textbf{v}_{r}^{\top}\textbf{h}_{k+1:j}\label{eq:split}\end{equation}ここで$\textbf{W}_{u}$は重み行列$\textbf{v}_{\ell},\textbf{v}_{r}$はそれぞれ巊右のスパンに察応する重みベクトルである$\textbf{h}_{i:k}$,$\textbf{h}_{k+1:j}$は巊右のスパン衚珟をそれぞれ異なる倚局パヌセプトロンにより倉換したベクトルであり以䞋のように求められる\begin{align}{\rmMLP}_{*}(\textbf{x})&=\textbf{W}_2({\rmReLU}(\textbf{W}_1(\textbf{x})+\textbf{b}_1))+\textbf{b}_2,\\\textbf{h}_{i:k}&={\rmMLP}_{\rmleft}(\textbf{u}_{i:k}),\\\textbf{h}_{k+1:j}&={\rmMLP}_{\rmright}(\textbf{u}_{k+1:j})\end{align}スパンの分割は匏(\ref{eq:split})が最倧ずなる点$k$を以䞋の匏で求める\begin{equation}\hat{k}={\rmargmax}_{k\in\{i,\dots,j-1\}}[s_{\rmsplit}(i,j,k)]\label{eq:split_maximize}\end{equation}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{ラベルの掚定}点$k$でスパンを分割した埌分割された巊右のスパンの間に栞性ず関係ラベルを掚定するデヌタスパヌスネスの圱響を避けるために栞性ず関係ラベルは異なる分類噚によっお孊習される巊右のスパン衚珟ず倖偎のスパン衚珟$\textbf{u}_{1:i},\textbf{u}_{j:n}$を甚いお各ラベル$\ell$のスコアを関数$s_{\rmlabel}$により掚定する\begin{equation}s_{\rmlabel}(i,j,k,\ell)=\textbf{v}_{\ell}{\rmMLP}([\textbf{u}_{i:k};\textbf{u}_{k+1,j};\textbf{u}_{1:i};\textbf{u}_{j:n}])\label{eq:label}\end{equation}ここで$\textbf{v}_{\ell}$はラベル$\ell$に察応する重みベクトルであり$[;]$はベクトルの結合を衚す${\rmMLP}$は倚局パヌセプトロンであり栞性ず関係でそれぞれ${\rmMLP}_{\rmnuc},{\rmMLP}_{\rmrel}$を別々に孊習する巊右のスパン間に割り圓おられるラベルは匏(\ref{eq:label})が最倧ずなるラベル$\hat{\ell}$を以䞋のように求める\begin{equation}\hat{\ell}={\rmargmax}_{\ell\in\mathcal{L}}[s_{\rmlabel}(i,j,k,\ell)]\label{eq:label_maximize}\end{equation}ここで$\mathcal{L}$は栞性ラベルの掚定においおは$\{{\rm{N{-}N,N{-}S,S{-}N}}\}$の3皮類関係ラベルの掚定においおは18皮類からなる関係ラベルの集合ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{教垫解析噚:Two-StageParser}教垫解析噚は疑䌌正解デヌタの䜜成に甚いるため生埒解析噚の欠点を補えるこずが望たしいこの堎合修蟞関係ラベルの掚定で高い性胜を達成しおいる解析噚が望たしい修蟞関係ラベルを高性胜に掚定する解析噚の候補ずしおSVMを甚いたTSP\cite{wang-etal-2017-two}ずニュヌラルネットワヌクを甚いたNNDisParser\cite{yu-etal-2018-transition}がありどちらも遷移型の䞊向き解析法であるNNDisParserは関係ラベルの掚定でTSPより高い性胜を達成しおいるが特城量ずしお文内の係り受け解析を行うニュヌラルネットワヌクの特城ベクトルを必芁ずするこずから倧芏暡なデヌタ䜜成に向いおいないしたがっお本研究ではTSPを教垫解析噚ずしお利甚するTSPはシフト還元のアクションをSVMにより掚定しお解析を行うそれらのSVMは確率的双察座暙降䞋法で最適化されるため異なる初期倀で耇数の解析噚を孊習しそれらの間で合意をずるこずで擬䌌正解デヌタを䜜成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセット}解析噚の評䟡には暙準的ベンチマヌクデヌタセットであるRST-DTを甚いるRST-DTは孊習デヌタ347文曞ずテストデヌタ38文曞に分割されおおり\citeA{heilman2015fast}に基づき孊習デヌタのうち40文曞を開発デヌタずした正解デヌタセットのEDUの分割に関しおは正解の分割を利甚した347件の孊習デヌタは教垫解析噚(TSP)の孊習および生埒解析噚(SBP)の远加孊習に甚いた生埒解析噚の事前孊習に甚いる疑䌌正解デヌタセットはCNNコヌパス\cite{Hermann-etal-2015-teaching}から埗るたずNeuralEDUSegmenter\cite{wang-etal-2018-toward}によりEDUの分割を行い異なる初期倀で孊習した教垫解析噚であるTSPにより埗られた修蟞構造朚の間でASTを抜出し擬䌌正解デヌタセットずしたたたTSPが必芁ずする特城量を埗るためCNNコヌパスにStanfordCoreNLPtoolkit\footnote{\url{https://stanfordnlp.github.io/CoreNLP/}}を甚いお前凊理を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f4.pdf}\end{center}\caption{開発デヌタにおける$l_{\rmmin}$ず性胜の倉化}\label{fig:l_min_on_dev}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{パラメヌタ蚭定}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{$l_{\rmmin}$および$l_{\rmmax}$}$l_{\rmmin},l_{\rmmax}$は抜出するASTの最小最倧サむズを決定するパラメヌタであるRST-DTの文曞に含たれるEDU数は7から240であるため$l_{\rmmin}$は5から10の間で遞択し$l_{\rmmax}$は240ずした図\ref{fig:l_min_on_dev}に瀺される開発デヌタにおける$l_{\rmmin}$ず性胜の倉化から$l_{\rmmin}$には開発デヌタで最も良い性胜であった9を遞択した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{生埒解析噚}SBP\footnote{\url{https://github.com/nttcslab-nlp/Top-Down-RST-Parser}}の基本的なパラメヌタは元の実装に埓い隠れ局の次元数は500次元ずしたたた事前孊習ず远加孊習はそれぞれ510゚ポックずし開発デヌタで最も良い性胜を瀺した゚ポックのモデルを評䟡に甚いたSBPは文曞の持぀階局構造である段萜ず文を利甚しお文曞段萜段萜文文EDUずいう各階局で別々の解析噚を孊習するこずで高い解析性胜を達成したしかし疑䌌正解デヌタセットを甚いお階局ごずに事前孊習を行うこずは蚈算量から容易ではないしたがっお階局構造を利甚せず単䞀の解析噚で解析するモデルを孊習し解析時に段萜ず文の境界を優先的に分割する凊理を取り入れるこずにした具䜓的にはスパンの分割候補に段萜の境界にあたる分割点が1぀以䞊存圚する堎合は段萜の境界にあたる点のみを察象に匏(\ref{eq:split_maximize})を適甚しお分割点を決定するこれにより段萜の境界が優先しお分割される同様に段萜内では文の境界にあたる分割候補を察象にしお分割点を決定し優先的に分割するたた\citeA{kobayashi-etal-2020-top}は異なる初期倀で孊習した解析噚が掚定した分垃を平均化するこずでアンサンブルを行ったしかし事前孊習から远加孊習たでを異なる初期倀で行うこずは時間コストの芳点から珟実的でないしたがっお疑䌌正解デヌタセットによる事前孊習は䞀床だけ行い远加孊習時の最適化の初期倀を耇数通り行いアンサンブルに必芁な解析噚を甚意した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{教垫解析噚}擬䌌正解デヌタを埗るため異なる初期倀で孊習した4぀のTSPを甚いた教垫解析噚の数$k$が小さいず解析噚による合意の信頌性が䜎䞋しデヌタセットの質が䜎䞋する䞀方で$k$が倧きすぎるず疑䌌正解デヌタセットを䜜成するための時間が膚倧ずなりたた合意をずるための制玄が厳しくなるためデヌタ量も少なくなる本論文ではデヌタ䜜成の時間を考慮しお$k$を4ずしたが適切な$k$に関しおはただ議論が必芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡指暙}埓来研究\cite{morey-etal-2017-much}に基づき倚栞のN-分朚($\mathrm{N}\ge3$)ずなっおいる箇所はright-heavybranchingtreeぞず倉換\footnote{栞性がS-N-SずなるN-分朚($\mathrm{N}=3$)に関しおはleft-heavybranchingtreeぞず倉換される}するこずで2分朚に倉換したうえで可胜なスパンの䞀臎をもずにSpanNuclearity(Nuc.)Relation(Rel.)Fullの4皮類の評䟡指暙で評䟡するSpanはラベルなしの朚構造Nuc.は栞性ラベル付きの朚構造Rel.は修蟞関係ラベル付きの朚構造Fullはすべおのラベル付きの朚構造をマむクロ平均F倀で評䟡する朚に含たれるスパンの抜出方法による違いによりRSTParsevalずOriginalParsevalの2皮類の評䟡指暙が利甚されるRSTParseavlが䞀般的に甚いられるが正解のEDU分割を甚いる際にはOriginalParsevalを利甚するこずが掚奚されおいる\cite{morey-etal-2017-much}それぞれの評䟡指暙におけるスパンの抜出䟋を図\ref{fig:eval_metric}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f5.pdf}\end{center}\hangcaption{RSTParsevalずOriginalParsevalのスパン衚珟の違い巊偎の朚に察しおRSTParsevalはROOTを陀いた5぀のスパンOriginalParsevalは巊右の子の栞性を結合しお衚される3぀のスパンをそれぞれ評䟡に甚いる}\label{fig:eval_metric}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{06table01.tex}\hangcaption{疑䌌正解デヌタセットを構成する朚の数およびノヌドの数$k$は合意を取るために甚いた教垫解析噚の数$l_{\rmmin}$は最小の郚分朚の倧きさCoreNLPtoolkitによる前凊理の関係で利甚可胜なCNNコヌパスの文曞数は91,536文曞であった}\label{tab:num_of_trees}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{比范手法}郚分朚を掻甚した疑䌌正解デヌタセットによる事前孊習の有効性を怜蚌するために単䞀の解析噚による結果を疑䌌正解デヌタセットしたDocumentTree(DT)耇数の解析噚により文曞党䜓で合意した結果を疑䌌正解デヌタセットずしたAgreementDocumentTree(ADT)を比范察象ずした疑䌌正解デヌタセットに含たれる朚の数およびスパンの数を衚\ref{tab:num_of_trees}に瀺すたた近幎の修蟞構造解析噚ずの比范を教垫解析噚ずしお利甚した\citeA{wang-etal-2017-two}のTSPの他に\citeA{yu-etal-2018-transition}の係り受け解析噚の特城ベクトルを利甚した䞊向き解析手法Two-StagePargerにSpanBERTを導入しニュヌラルモデルに再構築した\citeA{guz-carenini-2020-coreference}の方法ポむンタヌネットワヌクを利甚した䞋向き解析手法に察し敵察孊習による最適化を導入した\citeA{zhang-etal-2021-adversarial}の方法ず比范を行うさらに本皿ず同じく疑䌌正解デヌタを利甚する研究である\citeA{guz-etal-2020-unleashing}の方法EDU分割たでをend-to-endで孊習する\citeA{nguyen-etal-2021-rst}の方法ずも比范を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{06table02.tex}\caption{RST-DTず疑䌌正解デヌタであるMEGA-DTおよびADTの比范}\label{tab:statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たた衚\ref{tab:statistics}にRST-DTずMEGA-DT\footnote{\url{https://nlp.cs.ubc.ca/mega-dt}}および提案法であるASTの統蚈量を比范した結果を瀺すMEGA-DTは配垃されおいるtrain/dev/testのうちtrainを察象ずしASTは実隓に甚いた$k=4$,$l_\mathrm{min}=9$のデヌタを察象ずしたどちらの疑䌌正解デヌタセットもRST-DTず比べおデヌタ数ノヌド数共に倚いが平均EDU数は少ない栞性ラベルの割合を芋るずASTはRST-DTにより孊習された解析噚によりラベルが付䞎されおいるためRST-DTずおおよそ同䞀の分垃である䞀方MEGA-DTはYelp'13にEDUを単䜍ずした感情極性ラベルが付䞎されたSPOTデヌタセット\cite{angelidis-lapata-2018-multiple}を元にしお構築しおいるためRST-DTず分垃が異なっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓結果} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{疑䌌正解デヌタセットの比范}衚\ref{tab:compare_silver}に事前孊習モデルず远加孊習したモデルのRSTParsevalにおける性胜を瀺す衚䞭のSBPは疑䌌正解デヌタセットを甚いず正解デヌタセットのみで孊習した実隓結果であるこれをベヌスラむンずしお疑䌌正解デヌタセットの有効性を比范する郚分朚を擬䌌正解デヌタずしお利甚するASTはベヌスラむンず比范しおすべおの指暙においお性胜が向䞊しおおりその有効性がわかる疑䌌正解デヌタセット間で比范するず倚くの指暙でASTを甚いた堎合が最もよく特に修蟞関係ラベルに関連するRel.ずFullにおける改善が顕著である文曞単䜍の疑䌌正解デヌタから構成されるDTずADTも同様にベヌスラむンを䞊回る性胜を達成したがASTよりも性胜の改善は小さい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{06table03.tex}\caption{RSTParsevalによる疑䌌正解デヌタセット毎のMicro-averagedF$_1$の比范远加孊習したモデルの各列においお最も良い倀を\textbf{倪字}で衚す}\label{tab:compare_silver}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%特にADTはその他の疑䌌正解デヌタセットず比范しお改善幅が小さいがこれは疑䌌正解デヌタセットのサむズが原因であるず考える衚\ref{tab:num_of_trees}に瀺したようにADTに含たれる朚ずスパンの数はそれぞれ2,142および57,840でありASTの175,709ず2,279,275ず比范しお非垞に少ない぀たり事前孊習に十分な量でないず考える䞀方DTにおいお朚の数は91,536ずASTず比范しお少ないがそれぞれの朚が文曞党䜓から構成されるため含たれるスパンの数は非垞に倚くASTの4倍近い8,162,114個のスパンが含たれおいるそれにもかかわらず性胜においおはASTのほうが良いこれはDTが単䞀の教垫解析噚から䜜成されおいるため疑䌌正解デヌタの質がその他よりも劣るこずが原因であるず考える先述したように貪欲法に基づく解析噚は文曞党䜓の構造を必芁ずしないよっお疑䌌正解デヌタセットを郚分朚で構築するこずにより耇数の教垫解析噚による合意を埗た疑䌌正解デヌタセットが倧芏暡に獲埗可胜であり文曞党䜓を甚いる疑䌌正解デヌタセットよりも量ず質の䞡面においお優れおいるこずがわかるたた孊習にかかる蚈算時間の芳点においおも孊習時間がデヌタセットに含たれるスパンの数に比䟋しおいるためASTはDTの1/4の時間で孊習が可胜であるこれは郚分朚を甚いるこずでデヌタセットを小さくできるこずの利点である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{疑䌌正解デヌタセットのデヌタサむズによる圱響}疑䌌正解デヌタセットのサむズず性胜の関係を調べるため疑䌌正解デヌタセットのサむズを倉化させお評䟡実隓を行ったその結果を図\ref{fig:compare_data_size}に瀺す図よりSpanずNuc.はデヌタセットのサむズが倉化しおもほずんど性胜に倉化がない぀たりスパン分割ず栞性ラベルの掚定に関しおは擬䌌正解デヌタの効果は薄い䞀方でRel.はデヌタサむズの増加に応じお性胜が向䞊しおおり疑䌌正解デヌタセットの有効性がわかるこれはスパンの分割および栞性ラベルの掚定がそれぞれ2クラス3クラスの分類問題ずいう比范的簡単な分類問題であるこずに察し修蟞関係ラベルの掚定は18クラスか぀クラスの出珟頻床に偏りのあるデヌタに察する分類問題ずいう難しい問題であるこずが原因であるず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f6.pdf}\end{center}\hangcaption{疑䌌正解デヌタセットのサむズによる性胜の倉化実線がASTを事前孊習に甚いた堎合衚\ref{tab:compare_silver}におけるSBP+ASTの性胜点線が疑䌌正解デヌタを甚いない堎合衚\ref{tab:compare_silver}におけるSBPの性胜}\label{fig:compare_data_size}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%さらなるデヌタの増匷方法ずしお既存の倧芏暡擬䌌デヌタであるMEGA-DTずASTを組み合わせるこずが考えられるが先に述べたようにSpanおよびNuc.はデヌタサむズを増やしおも顕著な改善が芋られないこずから栞性しか付䞎されおいないMEGA-DTずの組み合わせによるデヌタの増匷は性胜向䞊には぀ながらないず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{関係ラベルごずの性胜比范}ASTを甚いるこずで関係ラベルの掚定性胜が倧きく改善できるこずがわかったそこでどの関係ラベルにおいお性胜が改善されたのかを確認するためにSBP+ASTず他にベヌスラむンであるSBPず教垫解析噚であるTSPの間で関係ラベル毎のF$_1$を図\ref{fig:compare_relations}で比范するSBPおよびSBP+ASTは5モデルアンサンブルの結果を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-3ia6f7.pdf}\end{center}\hangcaption{TSPSBPSBP+ASTの関係ラベル18皮類ごずのF倀の比范ラベル名の䞋にある数倀は各ラベルの出珟頻床を衚す}\label{fig:compare_relations}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図より倚くの関係ラベルにおいおTSPがSBPず同等かそれ以䞊の性胜でありSBP+ASTの性胜がそれらを䞊回っおいる特に䜎頻床の関係ラベルにおいおSBP+ASTは倧きくSBPの性胜を改善しおいるたたTSPが掚定可胜だがSBPが䞍埗意な関係ラベルをSBP+ASTによっお掚定可胜になったこずから疑䌌正解デヌタセットの䜜成にTSPを甚いたこずが性胜向䞊に寄䞎しおいるず考えらえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{06table04.tex}\hangcaption{既存の解析噚ずの比范*で瀺す結果は論文で報告された倀それ以倖は手元で評䟡した倀である$^\dagger$\protect\citeA{guz-carenini-2020-coreference}らの解析噚はNoCorefの倀を参照}\label{tab:compare_sota_models}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{既存の解析噚ずの比范}提案法であるSBP+ASTの5モデルアンサンブルず既存手法の比范を衚\ref{tab:compare_sota_models}に瀺す\pagebreakここではRSTParsevalだけでなくOriginalParsevalによる評䟡も行ったテキストスパンのベクトル衚珟を埗るためにSpanBERTを採甚した\citeA{guz-carenini-2020-coreference}の方法XLNet\cite{NEURIPS2019_dc6a7e65}を採甚した\citeA{zhang-etal-2021-adversarial}の方法はその他の手法ず比范しお非垞に高い性胜を達成しおいるSBT+ASTはこれらを陀くずどちらの評䟡方法においおもSpanを陀いたNuc.,Rel.の2぀の指暙においお埓来法を䞊回っおいる提案法ず\citeA{guz-carenini-2020-coreference}を比范するずRSTParsevalにおいおは\citeA{guz-carenini-2020-coreference}がわずかに良い性胜であるがOriginalParsevalにおいおは提案法が逆転しおいる正解のEDU分割を甚いた堎合のRSTParsevalは正解スパンず必ず䞀臎する長さ1のスパンを過倧評䟡するこずからOriginalParsevalを利甚するこずを文献\cite{morey-etal-2017-much}は掚奚しおいるよっおこの結果は提案法の有効性を支持しおいるず考えるポむンタヌネットワヌクを甚いた䞋向き解析法に敵察孊習を導入した\citeA{zhang-etal-2021-adversarial}の方法はテキストスパンのベクトル衚珟をXLNetから埗た堎合には珟状での最高性胜を達成しおいるがそれをELMoぞ倉曎した堎合にはスコアが倧きく劣化しおおり高いスコアはXLNetがもたらしたず考える提案法はテキストスパンのベクトル衚珟をGloVe+ELMoから埗おいるにもかかわらず\citeA{zhang-etal-2021-adversarial}の方法に察しRel.で1ポむント皋床の差に迫るスコアを達成しおおり疑䌌正解デヌタの有効性は瀺せたず考えるたた\citeA{guz-etal-2020-unleashing}はRoBERTa\cite{liu2020roberta}を甚いた解析噚にMEGA-DTによる事前孊習を適甚したがSpan,Nuc.の性胜改善は小さくこの点はASTを甚いた提案法に関しおも同様であったこれは朚の構造や栞性の掚定がそれぞれ比范的簡単な2クラス3クラスの分類問題であるため少ない正解デヌタのみでも十分な性胜を達成できるからである䞀方でRel.においおASTは掚定性胜を倧きく改善したがMEGA-DTは関係ラベルが付䞎されおいないためRel.の改善は䞍可胜であるこの点においおASTはMEGA-DTに察しお優䜍である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{06table05.tex}\hangcaption{EDUSegmenterによるEDU分割を採甚した際の解析噚の性胜比范各列における最も高い倀は\textbf{倪字}で衚す*で瀺す結果は\protect\citeA{nguyen-etal-2021-rst}での報告倀}\label{tab:system_edus}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{EDU分割噚によるEDU分割を甚いた評䟡}衚\ref{tab:system_edus}に正解のEDUEDU分割噚により自動的に分割したEDUを甚いた堎合の解析噚の性胜を瀺す提案法はSBP+ASTの5モデルアンサンブルを甚いNeuralEDUSegmenter\footnote{\url{https://github.com/PKU-TANGENT/NeuralEDUSeg}}\cite{wang-etal-2018-toward}を利甚した比范察象ずなる\citeA{nguyen-etal-2021-rst}はEDU分割ず修蟞構造解析をend-to-endに孊習・掚定する手法であり我々の甚いたEDU分割噚ずEDU分割の粟床が異なる\footnote{提案法で䜿甚したNeuralEDUSegmenterの分割性胜はPrecision:91.7,Recall:97.5,F1:94.5である}こずに泚意されたい衚\ref{tab:system_edus}にOriginalParsevalを甚いた評䟡結果を瀺す衚よりどちらの手法も自動分割したEDUを甚いる性胜は倧きく劣化するSBPずSBP+ASTを比范するず疑䌌正解デヌタはRel.Fullに察する性胜改善に匷く貢献しおおり正解EDUを甚いた堎合ず同様の傟向にある\citeA{nguyen-etal-2021-rst}の方法は\citeA{zhang-etal-2020-top}ず同様にポむンタヌネットワヌクを甚いお再垰的にスパンを分割しおいき予枬された分割点が䞎えれたスパンの末尟である堎合を分割の終了条件ずするこずで解析からEDU分割たでを䞀括で掚定する正解EDUを甚いた堎合には提案法が\citeA{nguyen-etal-2021-rst}の方法に勝っおいるが自動分割したEDUの堎合には劣る結果ずなった提案法は決定的に自動分割されたEDUを利甚しおいるが\citeA{nguyen-etal-2021-rst}の方法はend-to-endにEDU分割たでを孊習するこずが利点ずなったず考える䞀方Nuc.ず比范しおRel.ずFullの劣化床合いは提案法のほうが小さいこれは正解EDUの堎合ず同様疑䌌正解デヌタの効果であるず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{たずめ} 本皿では修蟞構造解析における孊習デヌタ䞍足を解決するため耇数の解析結果から䞀臎する郚分朚を疑䌌正解デヌタずしお掻甚する手法を提案した具䜓的には疑䌌正解デヌタを甚いお解析噚の事前孊習を行い正解デヌタを甚いお远加孊習する孊習の枠組みを採甚したたた耇数の解析結果から䞀臎する郚分朚を効率的に抜出するためのアルゎリズムも提案したRST-DTを甚いた評䟡実隓においお郚分朚を利甚した疑䌌正解デヌタセットはその他の文曞単䜍で構成される疑䌌正解デヌタセットず比范しお優れおいるこずがわかった特に疑矩正解デヌタを甚いるこずで関係ラベルに関する評䟡指暙であるRel.ずFullにおいお改善幅が顕著であったさらに提案法は既存の最高性の解析噚に匹敵する性胜であるこずもわかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費JP21H03505の助成を受けたものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{06refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{小林尚茝}{%2020幎東京工業倧孊工孊院情報通信系情報通信コヌス修士課皋修了同幎博士課皋進孊自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚孊生䌚員}\bioauthor{平尟努}{%1997幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎株匏䌚瀟NTTデヌタ入瀟2000幎より日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊研究所博士工孊自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{䞊垣倖英剛}{%2017幎東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科知胜システム科孊専攻博士課皋修了同幎NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所入所2018幎より東京工業倧孊科孊技術創成研究院未来産業技術研究所助教2022幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊先端科孊技術研究科情報科孊領域准教授自然蚀語凊理分野の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{奥村孊}{%1962幎生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授2009幎同教授珟圚は科孊技術創成研究院教授2017幎より理化孊研究所革新知胜統合研究センタヌ(AIP)客員研究員を兌務工孊博士}\bioauthor{氞田昌明}{%1987幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟珟圚コミュニケヌション科孊研究所䞊垭特別研究員工孊博士自然蚀語凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V10N04-06
\section{はじめに} \label{sec:intro}\thispagestyle{empty}機械翻蚳蚀語暪断的な怜玢や芁玄など耇数の蚀語を同時に扱うシステムにおいお察蚳蟞曞は必芁䞍可欠でありその品質がシステム党䜓の性胜を巊右するこれらに甚いられる察蚳蟞曞は珟圚人手によっお䜜成されるこずが倚いしかし人手による䜜成には限界があり品質を向䞊するためには膚倧な劎力が必芁であるこず蟞曞の蚘述の䞀貫性を保぀こずが困難であるこずが問題ずなるこのこずからコヌパスから自動的に察蚳蟞曞を䜜成しようずする研究が近幎盛んに行われおいる~\cite{tanaka_96,kitamura_97,melamed_97,yamamoto_01,kaji_01}しかしこれらの研究の倚くは察蚳衚珟の察応床の蚈算に単語の共起関係を利甚しおいるためにデヌタスパヌスネスに陥りやすくそのため小芏暡なコヌパスから察蚳衚珟を抜出するこずは難しい察蚳コヌパス自䜓があたり倚くない珟状では小芏暡な察蚳コヌパスからでも察蚳衚珟を抜出できるこずが望たしい本論文ではサポヌトベクタマシン~\cite{vapnik_book_99}を甚いお文察応付き察蚳コヌパスから察蚳衚珟を抜出する手法を提案するサポヌトベクタマシンは蚓緎事䟋ず分割境界の距離(マヌゞン)を最倧化する戊略に基づく手法であり埓来からある孊習モデルに比べお汎化胜力が高く過孊習しにくいためにデヌタスパヌスネスに察しお頑健であるずいう特城を持぀さらにカヌネル関数を甚いるこずによっお非線圢な分割境界を孊習したり玠性同士の䟝存関係を自動的に孊習するこずが可胜であるこのため自然蚀語凊理の分野でもテキスト分類~\cite{joachims_98,taira_99}Chunk同定~\cite{kudo_00b}構文解析~\cite{kudo_00a}などに応甚されおいる我々の手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁があるが䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳衚珟あるいは蚓緎コヌパスにおいお出珟しなかった察蚳衚珟でさえも抜出するこずができるしたがっおある皋床倧芏暡な察蚳コヌパスから優れた察蚳モデルを孊習しおおけばサポヌトベクタマシンの高い汎化胜力によっお䜎頻床の察蚳衚珟でも抜出が可胜であるずいう特城を持぀本論文の構成は以䞋の通りである\ref{sec:svm}~節ではサポヌトベクタマシンに぀いお説明し\ref{sec:SVMdict}~節ではサポヌトベクタマシンを甚いお察蚳衚珟を抜出する手法を述べる\ref{sec:experiment_discussion}~節では我々が提案した手法の有効性を瀺すために行った実隓の結果ずそれに察する考察を述べる\ref{sec:related_works}~節においお関連研究ずの比范を行う最埌に\ref{sec:conclusion}~節で本論文のたずめを述べる \section{サポヌトベクタマシン} \label{sec:svm}サポヌトベクタマシン(SupportVectorMachine,以䞋SVM)\cite{vapnik_book_99}は$d$~個の玠性を持぀事䟋を$d$~次元ベクトルによっお衚し${\bfR}^d$においお2~぀のクラスに線圢分離する二倀分類噚である䞎えられた事䟋$\vec{x}=(x_1,x_2,\ldots,x_d)^t$がクラス$X_{-1},X_{+1}$のどちらに属するかを匏~(\ref{eq:classify})によっお刀別する\begin{equation}\label{eq:classify}f(\vec{x})=\sign(g(\vec{x}))=\left\{\begin{array}{rl}+1&\left(\vec{x}\inX_{+1}\right)\\-1&\left(\vec{x}\inX_{-1}\right)\\\end{array}\right.\end{equation}ここで$g$は2~぀のクラスを分離する超平面であり$\vec{w}$ず$b$は孊習によっお決定する\begin{equation}\label{eq:hyperplain}g(\vec{x})=\vec{w}^t\vec{x}+b\end{equation}蚓緎事䟋$\vec{x}_1,\ldots,\vec{x}_n$に察する教垫信号$y_1,\ldots,y_n$を以䞋のように䞎える\[y_i=\left\{\begin{array}{rl}+1&\left(\vec{x}_i\inX_{+1}\right)\\-1&\left(\vec{x}_i\inX_{-1}\right)\\\end{array}\right.\]蚓緎事䟋が線圢分離可胜である堎合には匏~(\ref{eq:classify})を満たすような$\vec{w}$,$b$は耇数存圚するこずから以䞋のような制玄を䞎える\begin{equation}\label{eq:constraint}\foralli,\quady_i(\vec{w}^t\vec{x}_i+b)-1\geq0\end{equation}SVMでは蚓緎事䟋ず分割境界の間の距離(マヌゞン)を最倧化する戊略に基づきパラメヌタ$\vec{w}$,$b$を決める詳しい導出は文献~\cite{vapnik_book_99}に譲るが最終的にマヌゞンの最倧化の問題は匏~(\ref{eq:constraint})の条件の䞋に$||\vec{w}||^2/2$を最小化する問題に垰着する~\footnote{実際の実隓ではある皋床の誀りを蚱す゜フトマヌゞン項を远加したモデルを甚いた}これを2~次蚈画法によっお解くこずで最適な分離平面$g$が埗られる事䟋$\vec{x}$に察しお$g(\vec{x})$の笊号はクラスを衚し絶察倀はクラス分けの確信床を衚すたた以䞋のようにシグモむド関数によっお$\vec{x}$がクラス$X_{+1}$に分類される確率を近䌌するこずができる~\cite{platt_99}\begin{equation}\label{eq:sigmoid}P(\vec{x}\inX_{+1}|\vec{x})=\frac{1}{1+\exp(-g(\vec{x}))}\end{equation}\paragraph{非線圢分離ぞの拡匵:}線圢分離が困難な事䟋に察しおも前凊理ずしお非線圢な写像$\phi:{\bfR}^d\mapsto{\bfR}^{d'}$を甚いおそれらをより高次元に写像するこずによっお線圢分離できる堎合がある写像先の空間${\bfR}^{d'}$においお線圢分離を行えば元の空間${\bfR}^d$においお非線圢分離を行っおいるのず同じこずになる詳しい導出は省略するがSVMでは孊習識別アルゎリズムにおいお事䟋間の内積しか䜿甚しおいない点を生かし各事䟋間の内積$\vec{x}_i^t\vec{x}_j$を匏~(\ref{eq:kernel})に眮き換えるこずによっお高次元ぞの写像を実珟する\begin{equation}\label{eq:kernel}K(\vec{x}_i,\vec{x}_j)=\phi(\vec{x}_i)^t\phi(\vec{x}_j)\end{equation}$K$はカヌネル関数ず呌ばれる実際には$\phi$自䜓の蚈算をする必芁がないので蚈算量の面でも非垞に効率的であるよく䜿われるカヌネル関数の䟋ずしおは倚項匏型カヌネル関数~(\ref{eq:poly_kernel})などが知られおいる\begin{equation}\label{eq:poly_kernel}K(\vec{x}_i,\vec{x}_j)=(\vec{x}_i^t\vec{x}_j+1)^p\end{equation}$p$~次の倚項匏型カヌネル関数による非線圢分離は元の空間${\bfR}^d$においおは$p$~個の玠性の䟝存関係を考慮しおいるこずに盞圓する \section{SVMを甚いた察蚳衚珟の抜出} \label{sec:SVMdict}本論文で提案する手法は察蚳文ずなっおいる日本語文ず英語文からその䞭に含たれる句の察蚳関係を抜出するその手法は以䞋の2~぀の手順から構成される\begin{quote}\begin{enumerate}\item蚓緎コヌパスにおいお察蚳関係ずなっおいる衚珟(察蚳察)ずそうでない衚珟を人手によっお分類前者を正事䟋埌者を負事䟋ずしこれらからSVMによっお察蚳モデルを孊習する(\ref{sec:learn}~節)\item察蚳文ずなっおいる日英䞡蚀語の文を構文解析し埗られた句構造から察蚳察ず成り埗る候補(察蚳察候補)の集合を䜜成するそれらを察蚳モデルに入力するこずによっお察蚳関係であるかどうかを刀別する(\ref{sec:extraction}~節)\end{enumerate}\end{quote}本手法の抂略図を図~\ref{fig:struct}に瀺す\begin{figure}[tbp]\begin{center}\epsfile{file=struct.eps,width=.8\columnwidth}\caption{本手法の抂略}\label{fig:struct}\end{center}\end{figure}\subsection{䜿甚する玠性}\label{sec:feature}SVMを察蚳関係の抜出に甚いるためには察蚳察候補から玠性ベクトルを䜜成する必芁がある本論文で提案する手法では衚~\ref{tab:features}のような玠性を甚いお玠性ベクトルを構成した\begin{table}[t]\centering\caption{察蚳衚珟の抜出に䜿甚した玠性}\label{tab:features}\begin{small}\begin{tabular}{|ll|r|}\hline&\multicolumn{1}{c|}{玠性}&\multicolumn{1}{c|}{個数}\\\hline\hline&既存の蟞曞を䜿甚する玠性&\\\hline(1a)&察蚳察候補内の察蚳単語察&1,558\\(1b)&察蚳察候補が珟れる文脈で共起する語同士の察蚳単語察&2,408\\\hline&単語数を䜿甚する玠性&\\\hline(2a)&日本語句の単語数&1\\(2b)&英語句の単語数&1\\\hline&構成する品詞に関する玠性&\\\hline(3a)&日本語句における名詞動詞圢容詞圢容動詞副詞の出珟割合&5\\(3b)&英語句における名詞動詞圢容詞副詞の出珟割合&4\\\hline&構成する語に関する玠性&\\\hline(4a)&日本語句に出珟する語&3,006\\(4b)&英語句に出珟する語&2,654\\\hline&句の近傍に出珟する語に関する玠性&\\\hline(5a)&日本語句の近傍に珟れる語&3,266\\(5b)&英語句の近傍に珟れる語&2,859\\\hline\hline&\multicolumn{1}{c|}{合蚈}&15,762\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}既存の蟞曞を䜿甚する玠性を2~皮類甚いる玠性~(1a)は察蚳察候補に含たれる語に぀いお蟞曞匕きを行い察蚳ずなっおいる単語の組(察蚳単語察)が察蚳察候補に含たれおいればそれを玠性ずする察蚳関係ずなっおいる衚珟には察蚳単語察が倚く含たれるこずに基づく玠性である蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ベクトルの次元に割り圓お察蚳察候補内に察蚳単語察が珟れた堎合は察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性~(1b)は察蚳察候補の近傍に出珟した語に぀いお蟞曞匕きを行い蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ずする「察蚳関係にある衚珟は近傍に出珟しおいる語の出珟文脈も(蚀語の違いこそあれ)䌌おいる」ずいう考え~\cite{kaji_01}に基づく玠性である本論文における実隓では同䞀文に珟れる語を近傍ずした蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ベクトルの次元に割り圓お察蚳察候補の近傍に察蚳単語察が珟れた堎合は察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする察蚳蟞曞ずいう既存の知識を玠性ずいう圢で有効に利甚するこずによっお粟床の向䞊を期埅するこずができる玠性~(2a)(2b)は察蚳関係ずなっおいる衚珟は䞡蚀語の句の構成語数に盞関関係があるずいう考えに基づく日英それぞれの句に含たれる語数を玠性ずした玠性~(3a)(3b)は察蚳関係ずなっおいる衚珟は内容語に関しおはその構成比率に぀いお䞡蚀語間に盞関関係があるずいう考えに基づく日英それぞれに぀いお句の語数に察する内容語の出珟数の割合を玠性ずするなお日本語の内容語は名詞動詞圢容詞圢容動詞副詞ずし英語の内容語は名詞動詞圢容詞副詞ずした玠性~(4a)(4b)は日英䞡蚀語を構成する内容語に玠性ベクトルの次元を割り圓お語が出珟すれば察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性である玠性~(5a)(5b)は察蚳察候補の近傍に珟れた内容語に玠性ベクトルの次元を割り圓お語が出珟すれば察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性である察蚳文䞭に既存の察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きできない語が倚数含たれる堎合がある玠性~(4a)(4b)(5a)(5b)はそのような堎合に既存の察蚳蟞曞を甚いた玠性~(1a)(1b)を補完する目的で導入したカヌネル関数によっお玠性~(4a)ず(4b)の䟝存関係玠性~(5a)ず(5b)の䟝存関係をモデルに組み蟌むこずによっお既存の察蚳蟞曞に珟れない察蚳単語察における玠性~(1a)(1b)ず同じ圹割を期埅するこずができる\subsection{察蚳モデルの孊習}\label{sec:learn}蚓緎コヌパス䞭の各察蚳文においお察蚳関係ずなっおいる衚珟ずそうでない衚珟を人手によっお䜜成する察応する日英の䞡文を構文解析し埗られた䞡蚀語の句の組合わせに぀いお察蚳衚珟ずなっおいるものを正事䟋ずしそうでないものを負事䟋ずする本論文における実隓では組合わせの察象ずする句は名詞句ず動詞句ずしたたた巚倧すぎる句構造は察蚳衚珟ずしおの実甚的な䟡倀が少ないず思われるこずから句の郚分構文朚の高さが5以䞋のものを組合わせの察象ずした本論文における実隓では日本経枈新聞瀟英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞~\cite{nikkei_business_corpus}を察蚳コヌパスずしお甚いた英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞の各察蚳文は察蚳察ずなる郚分があらかじめマヌクアップされおおり察蚳衚珟ずしお抜出すべき句の制玄(郚分構文朚の高さが5以䞋の名詞句動詞句)を満たす察蚳察を正事䟋ずした負事䟋はApplePieParser~\footnote{{\tthttp://www.cs.nyu.edu/cs/projects/proteus/app/}}ずKNP~\footnote{{\tthttp://www-lab25.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html}}によっお構文解析した結果から察蚳衚珟ずしお抜出する句の制玄を満たすもののうち察蚳衚珟になっおいないものを遞んだ具䜓的には各察蚳文に1~察ず぀ある察蚳察$(p_j,p_e)$($p_j$は日本語句$p_e$は英語句)に察しお日英各文を構文解析するこずによっお埗られた句$p_j'(\neqp_j)$や$p_e'(\neqp_e)$を甚いた$(p_j',p_e)$や$(p_j,p_e')$を負事䟋ずした~\footnote{本来であれば構文解析によっお埗られた句の党おの組合わせから人手によっお正事䟋ず負事䟋に分割しお孊習するべきであるが$p_j$や$p_e$を含む党おの察蚳察候補の䞭から察蚳察$(p_j,p_e)$を高い粟床で抜出できるこずを瀺せれば本手法の有効性を瀺すこずができるこずから䞊蚘の実隓蚭定で十分であるず考える}このようにしお埗られた党おの事䟋から\ref{sec:feature}~節で述べた方法によっお玠性ベクトルを䜜成し教垫信号ずしお正事䟋には$+1$負事䟋には$-1$を䞎えるこれを蚓緎デヌタずしお\ref{sec:svm}~節で述べたSVMによっお察蚳モデルの孊習を行い匏~(\ref{eq:hyperplain})における最適な分離平面$g$を埗る\subsection{察蚳察の抜出}\label{sec:extraction}たず抜出の察象ずなる察蚳察の候補を䜜成する察蚳文になっおいる日英䞡蚀語の文を構文解析し埗られた日英䞡蚀語の句の組合わせを察蚳察候補の集合ずする蚓緎デヌタず条件を同じにするために察象ずする句は郚分構文朚の高さが5以䞋の名詞句ず動詞句ずした生成した察蚳察候補から\ref{sec:feature}~節で述べた方法によっお玠性ベクトルを䜜成するそれらず\ref{sec:learn}~節で述べた方法によっお埗た最適な分離平面$g$を甚いおその察蚳察候補の「察蚳察らしさ」を枬る察蚳察候補$(p_j,p_e)$に察応する玠性ベクトルを$\vec{x}_{p_jp_e}$ずした時最適な分離平面$g$を甚いお$(p_j,p_e)$の「察蚳察らしさ」を以䞋の匏によっお衚す\begin{equation}\label{eq:sim}sim(p_j,p_e)=\frac{1}{1+\exp(-g(\vec{x}_{p_jp_e}))}\end{equation}任意の$(p_j,p_e)$に察しお$0<sim(p_j,p_e)<1$であり$sim(p_j,p_e)$が倧きいほど$(p_j,p_e)$が「察蚳察らしい」こずを衚す䞀぀の句が耇数の句ず察応するこずはないこずから以䞋のようなアルゎリズムによっお察蚳察の抜出を行う\begin{quote}\begin{enumerate}\item[{\bf入力:}]閟倀$th\in[0,1]$\\察蚳文䞭の察蚳察候補の集合$C$\item[{\bf出力:}]抜出された察蚳察の集合$T$\item[{\bf1.}]$T\leftarrow\emptyset$\item[{\bf2.}]$th\leqsim(p_j,p_e)$ずなる$(p_j,p_e)\inC$がなければ終了\item[{\bf3.}]$\displaystyle(p_j^*,p_e^*)=\argmax_{(p_j,p_e)\inC}sim(p_j,p_e)$ずなる$(p_j^*,p_e^*)$を察蚳察ずしお抜出し$T$に远加する\item[{\bf4.}]$p_j^*$や$p_e^*$を含む察蚳察候補を$C$から削陀する\item[{\bf5.}]{\bf2.}ぞ戻る\end{enumerate}\end{quote}$th$の倀によっお埗られる察蚳察の品質を調節するこずができる$th$の倀が$1$に近い時には抜出数が少なくなる代わりに確信床が高い察蚳察だけを抜出し逆に$th$の倀が$0$に近い時には確信床が倚少䜎いものも抜出するこずによっお抜出数を優先する䞊蚘の凊理は1~文単䜍で行うそのため\ref{sec:learn}~節によっお察蚳モデルを䞀旊孊習しおしたえば抜出察象ずなるコヌパスは小芏暡なものでもよくたずえ1~文からでもそこに含たれる察蚳察を抜出するこずができる \section{実隓および考察} \label{sec:experiment_discussion}\subsection{実隓結果}\label{sec:results}\ref{sec:SVMdict}~節においお提案した手法の有効性を確認するために日本経枈新聞瀟英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞~\cite{nikkei_business_corpus}を察蚳コヌパスずしお甚いた実隓を行ったコヌパスに含たれる察蚳文のうち蚓緎コヌパスずしお4,000~文テストコヌパスずしお1,000~文を甚い\ref{sec:learn}~節に埓い察蚳察候補を生成したその結果本論文における実隓の察象ずなった察蚳察候補の数は衚~\ref{tab:candidates}の通りずなったたた察蚳察候補に含たれる圢態数の平均倀ずコヌパス䞭における察蚳察候補の出珟頻床の平均倀を衚~\ref{tab:avg_length_count}に瀺す\begin{table}[tbp]\centering\caption{察蚳察候補の数}\label{tab:candidates}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|}\hline&\multicolumn{1}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{1}{c|}{負事䟋}\\\hline蚓緎コヌパス&4,000&59,203\\テストコヌパス&1,000&15,048\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}\begin{table}[tbp]\centering\caption{察蚳察候補の平均圢態玠数ず平均頻床}\label{tab:avg_length_count}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|r|r||r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{4}{c||}{平均圢態玠数}&\multicolumn{4}{c|}{平均頻床}\\\cline{2-9}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c||}{負事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{負事䟋}\\\cline{2-9}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c||}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}\\\hline蚓緎コヌパス&5.03&3.97&4.96&4.23&1.06&1.04&1.33&1.26\\テストコヌパス&5.10&4.09&5.03&4.62&1.01&1.01&1.25&1.12\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}埗られた事䟋から\ref{sec:feature}~節に埓っお玠性を生成する玠性~(1a)(1b)のために䜿甚する察蚳蟞曞ずしおEDICT~\footnote{\tthttp://www.csse.monash.edu.au/$\mbox{}^\sim$jwb/edict.html}に含たれる察蚳単語察のうち蚓緎コヌパス䞭に出珟した2,879個を甚いた玠性~(4a)(4b)(5a)(5b)のために䜿甚する語ずしお蚓緎コヌパス䞭に3回以䞊出珟する語を甚いたその結果甚意した玠性の個数は衚~\ref{tab:features}の通りずなった察蚳モデルの孊習ではカヌネル関数を甚いない堎合(linear)ず2~次3~次4~次の倚項匏型カヌネル関数(poly2,poly3,poly4)を甚いた堎合の実隓を行った蚓緎コヌパスから埗られた事䟋を甚いお察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスから埗られた事䟋から察蚳察の抜出を行ったそれぞれの察蚳モデルにおいお抜出アルゎリズムの閟倀$th$の倀を0.10.50.70.9ず倉化させた時の適合率ず再珟率を図~\ref{fig:result}\begin{figure}[tbp]\begin{center}\epsfile{file=result.eps,width=.6\columnwidth}\caption{察蚳モデルず抜出粟床}\label{fig:result}\end{center}\end{figure}に瀺す各点の右に瀺した数字が閟倀$th$であるもっずも良い抜出粟床を瀺した2~次倚項匏型カヌネル関数を甚いた堎合の適合率ず再珟率を衚~\ref{tab:result}\begin{table}[tbp]\centering\caption{2~次倚項匏型カヌネル関数による察蚳モデルの適合率ず再珟率}\label{tab:result}\begin{small}\begin{tabular}{|c|r|r|r|r|}\hline閟倀$th$&出力数&正解数&\multicolumn{1}{c|}{適合率(\%)}&\multicolumn{1}{c|}{再珟率(\%)}\\\hline0.1&1,000&804&80.4&80.4\\0.5&960&776&80.8&77.6\\0.7&701&594&84.7&59.4\\0.9&265&229&86.4&22.9\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}に瀺すたた2~次倚項匏型カヌネル関数を甚い抜出時の閟倀$th=0.5$の時の察蚳察の抜出䟋を衚~\ref{tab:success}\begin{table*}[tbp]\centering\caption{本手法による察蚳察の抜出䟋}\label{tab:success}{\small\begin{tabular}{|l|l|r|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{日本語句$p_j$}&\multicolumn{1}{c|}{英語句$p_e$}&\multicolumn{1}{c|}{$sim(p_j,p_e)$}\\\hline本郚に異動いたしたす&movetothecorporateheadquarters&0.899\\䌚長ずしお経営を続ける&carryonaschairman&0.862\\長幎の海倖勀務&ourmanyyearsofserviceoverseas&0.824\\新しい人事異動&anewassignment&0.823\\2幎の任期を1期もしくはそれ以䞊の期間&foroneormoretwo-yearterms&0.605\\\hline\end{tabular}}\end{table*}に瀺す以䞊の結果から本論文で提案した手法によっお1,000~文ずいう比范的小芏暡なコヌパスから䜎頻床の察蚳察でも高い粟床で抜出できるこずが瀺された\subsection{察蚳モデルず抜出粟床}\label{sec:kernel}SVMは䜿甚するカヌネル関数ずそれに付随するパラメヌタに自由床がありそれらは実隓的に決定する必芁があるそこで本論文で行った実隓においおもカヌネル関数を䜿わない堎合(linear)ず2~次3~次4~次の倚項匏型カヌネル関数(poly2,poly3,poly4)を甚いた堎合の実隓を行ったlinearによる抜出粟床は倚項匏型カヌネル関数を䜿甚した堎合よりも䜎い\ref{sec:feature}~節で述べた玠性が玠性同士の䟝存関係がカヌネル関数によっお自動的に孊習されるこずを期埅しおいるためであるず考えられる倚項匏型カヌネル関数を甚いた堎合には2~次(poly2)がもっずも良い抜出粟床ずなった本論文で行った実隓における蚓緎事䟋の数や玠性の構成では2~次倚項匏型カヌネル関数によっお2~個の玠性の䟝存関係を孊習するこずが最適であるこずを瀺しおいるSVMはより高次元の倚項匏型カヌネル関数を甚いるこずによっおより倚くの玠性の䟝存関係を考慮した耇雑なモデルを孊習するこずが可胜であるがあたりに倚くの玠性の䟝存関係を孊習しおしたうずその䞭には孊習する必芁のないものも含たれるこずになり過孊習によっおモデルの性胜を悪化させる結果になるこずが予想される本論文における実隓でも同様の珟象が起こっおいるず考えられる\subsection{蚓緎コヌパスの倧きさず抜出粟床}\label{sec:corpus_size}蚓緎コヌパスの文数が抜出粟床に䞎える圱響を調べるために蚓緎コヌパスの文数を200~文から4,000~文たで200~文ず぀増やしながら察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率を求める実隓を行った結果を図~\ref{fig:size_dict}(å·Š)に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率再珟率ずもに蚓緎コヌパスの文数にほが比䟋しお䞊昇しおおり蚓緎コヌパスの文数が粟床に倧きな圱響を及がしおいるこずがわかるこのため本手法は察蚳モデルの孊習においお比范的倧芏暡なコヌパスを甚いる必芁があるしかし抜出時には凊理を1~文単䜍で行うので䞀旊孊習が完了しおしたえば抜出察象ずなるコヌパスは小芏暡なものでもよくたずえ1~文からでもそこに含たれる察蚳察を抜出するこずができる\begin{figure}[tbp]\centering\begin{tabular}{cc}\epsfile{file=size.eps,width=.47\textwidth}&\epsfile{file=dict.eps,width=.47\textwidth}\end{tabular}\caption{蚓緎コヌパスの文数ず粟床の関係(å·Š)ず察蚳蟞曞の倧きさず粟床の関係(右)}\label{fig:size_dict}\end{figure}\subsection{蟞曞の倧きさず抜出粟床}\label{sec:dict_size}玠性~(1a)(1b)で甚いおいる既存の察蚳蟞曞の倧きさが抜出粟床に䞎える圱響を調べるために䜿甚する察蚳単語察の数を0~個から2,800~個たで100~個ず぀増やしながら察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率を求める実隓を行った結果を図~\ref{fig:size_dict}(右)に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率再珟率ずもに䜿甚する察蚳単語察の数にほが比䟋しお䞊昇しおおり本手法においお䜿甚する察蚳蟞曞は可胜なかぎり倚くの察蚳単語察を含むものを甚いた方が良いこずがわかる\subsection{玠性ず抜出粟床}\label{sec:important_features}玠性の重芁床を調べるために\ref{sec:feature}~節においお述べた玠性を1~皮類ず぀削陀しお察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率の増枛を求める実隓を行った結果を衚~\ref{tab:important_features}に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率ず再珟率における括匧内の倀は玠性1~個あたりの増枛である\begin{table*}[tbp]\centering\caption{玠性を削陀した時の適合率ず再珟率の増枛}\label{tab:important_features}{\small\begin{tabular}{|ll|r|rr@{}l|rr@{}l|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{玠性}&\multicolumn{1}{c|}{個数}&\multicolumn{3}{c|}{適合率(\%)}&\multicolumn{3}{c|}{再珟率(\%)}\\\hline\hline&蟞曞による玠性&3,966&$-13.1$&$(-3.3$&$\times10^{-3})$&$-13.9$&$(-3.5$&$\times10^{-3})$\\\hline(1a)&察蚳察内察蚳単語察&1,558&$-9.0$&$(-5.8$&$\times10^{-3})$&$-9.3$&$(-6.0$&$\times10^{-3})$\\(1b)&察蚳察倖察蚳単語察&2,408&$-3.2$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$&$-4.0$&$(-1.7$&$\times10^{-3})$\\\hline\hline&語数による玠性&2&$-4.2$&$(-2.1$&$\times10^{\pm0})$&$-3.0$&$(-1.5$&$\times10^{\pm0})$\\\hline(2a)&日本語語数&1&$-2.2$&$(-2.2$&$\times10^{\pm0})$&$-2.1$&$(-2.1$&$\times10^{\pm0})$\\(2b)&英語語数&1&$-2.5$&$(-2.5$&$\times10^{\pm0})$&$-2.6$&$(-2.6$&$\times10^{\pm0})$\\\hline\hline&品詞による玠性&9&$-4.0$&$(-4.4$&$\times10^{-1})$&$-4.2$&$(-4.7$&$\times10^{-1})$\\\hline(3a)&日本語品詞&5&$-1.0$&$(-2.0$&$\times10^{-1})$&$-1.3$&$(-2.6$&$\times10^{-1})$\\(3b)&英語品詞&4&$-2.4$&$(-6.0$&$\times10^{-1})$&$-2.6$&$(-6.5$&$\times10^{-1})$\\\hline\hline&構成語による玠性&5,660&$-3.1$&$(-5.5$&$\times10^{-4})$&$-4.0$&$(-7.1$&$\times10^{-4})$\\\hline(4a)&日本語構成語&3,006&$-2.2$&$(-7.4$&$\times10^{-4})$&$-3.9$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$\\(4b)&英語構成語&2,654&$-2.4$&$(-9.0$&$\times10^{-4})$&$-3.4$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$\\\hline\hline&近傍語による玠性&6,125&$-2.2$&$(-3.7$&$\times10^{-4})$&$-2.5$&$(-4.1$&$\times10^{-4})$\\\hline(5a)&日本語近傍語&3,266&$-1.3$&$(-4.1$&$\times10^{-4})$&$-1.6$&$(-4.9$&$\times10^{-4})$\\(5b)&英語近傍語&2,859&$-2.0$&$(-6.9$&$\times10^{-4})$&$-2.2$&$(-7.7$&$\times10^{-4})$\\\hline\hline&党おの玠性を䜿甚&15,762&80.8&&&77.6&&\\\hline\end{tabular}}\end{table*}玠性1~個あたりの粟床の増枛では語数による玠性~(2a)(2b)ず品詞による玠性~(3a)(3b)を削陀した時の䞋萜が特に倧きい(2a)(2b)に属する玠性は党おの事䟋に存圚し(3a)(3b)に属する玠性も他の玠性に比べるずはるかに倚くの事䟋に存圚する玠性であるしたがっおモデル構築におけるこれらの圹割は倧きくゆえに削陀した時の粟床の䞋萜が倧きくなるず考えられるその他では察蚳蟞曞による玠性~(1a)(1b)を削陀した時の䞋萜が倧きい玠性~(1a)は日英䞡蚀語の句の䞭で既存の察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きできるものがあるかどうかを衚しおおりこの情報が句の察蚳関係を掚定する際には極めお重芁であるずいう我々の盎感ず合臎するたた玠性~(1b)の仮定である「察蚳関係にある衚珟は近傍に出珟しおいる語の出珟文脈も(蚀語の違いこそあれ)䌌おいる」ずいう考えが察蚳モデルの構築においお効果が倧きいこずが瀺されたその他の玠性を削陀した時も抜出粟床の䞋萜を匕き起こしおおり察蚳モデルの構成においお有効であるこずが瀺された\subsection{認識誀りず玠性}\label{sec:mistake}認識誀りの原因を調べるためにテストコヌパスにおいお正しく認識された事䟋ず正しく認識されなかった事䟋における玠性の出珟個数(玠性倀が0以倖ずなる芁玠の個数)の平均倀を蚈算した(衚~\ref{tab:avg_features})䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした出力ず蚘された行においお$+1$ず蚘されおいる列はシステムが察蚳察であるず認識した事䟋を衚し$-1$ず蚘されおいる列は察蚳察でないず認識した事䟋を衚す玠性~(1b)の行に泚目するず察蚳察でないず識別された負事䟋に察しお察蚳察ずしお識別されおしたった負事䟋における玠性~(1b)の出珟個数の平均倀がかなり倧きく正事䟋の堎合の倀ずあたり差のない倀ずなっおいるこのこずは察蚳察ずしお識別されおしたった負事䟋の近傍に察蚳単語察がよく珟れおいるこずを衚しおいる本論文における実隓では同䞀文に珟れる語を近傍ずし玠性~(1b)は蟞曞䞭の察蚳単語察が近傍に出珟するか吊かを衚しおいるので特に頻出する察蚳単語察に関する玠性~(1b)の出珟個数は増えやすくそれが認識誀りを招いおいるず考えられるしたがっお近傍の定矩を「同䞀文内」ではなく「日本語句・英語句から$n$~語以内」のように近傍の範囲を狭くしたり「日本語句・英語句ず係り受け関係にある」のようにより関連性が匷いものだけを玠性にするこずによっおこのような誀りは枛らすこずができるず思われるしかし衚~\ref{tab:important_features}からわかるように近傍の範囲を狭くするこずによっお玠性~(1b)が枛りすぎるず粟床が䞋萜するので今回の実隓では近傍を「同䞀文内」ずした\begin{table}[tbp]\centering\caption{䞀事䟋あたりの玠性の出珟個数の平均倀}\label{tab:avg_features}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{負事䟋}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{出力}&\multicolumn{1}{c|}{$+1$}&\multicolumn{1}{c|}{$-1$}&\multicolumn{1}{c|}{$+1$}&\multicolumn{1}{c|}{$-1$}\\\hline\hline\multicolumn{1}{|c|}{事䟋数}&\makebox[.9cm][r]{776}&\makebox[.9cm][r]{224}&\makebox[.9cm][r]{184}&\makebox[.9cm][r]{14,864}\\\hline\hline(1a)察蚳察内察蚳単語察&1.07&0.83&0.13&0.04\\(1b)察蚳察倖察蚳単語察&3.75&3.88&3.51&2.75\\(2a)日本語語数&1.00&1.00&1.00&1.00\\(2b)英語語数&1.00&1.00&1.00&1.00\\(3a)日本語品詞&1.50&1.41&1.38&1.50\\(3b)英語品詞&1.72&1.60&1.96&1.55\\(4a)日本語構成語&4.92&4.47&4.32&4.77\\(4b)英語構成語&3.68&3.15&4.24&3.93\\(5a)日本語近傍語&4.47&4.40&4.39&4.45\\(5b)英語近傍語&4.54&4.59&4.54&4.53\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table} \section{関連研究ずの比范} \label{sec:related_works}本手法ず同様に察蚳文の文察応が既に付いおいるこずを前提にしおいる研究には文献~\cite{melamed_97,kitamura_97,yamamoto_01}などがあげられる\cite{melamed_97}はCompetitiveLinkingAlgorithmずいう単語察のリンク付け法ず2぀のパラメヌタに察する山登り法を組み合わせお単語察の察応床を求める手法を提案したしかしMelamedの手法は1~単語察1~単語の察応を仮定しおおり日本語ず英語のように構造が倧きく異なる蚀語に察しお適甚するのは困難である\cite{kitamura_97}はDice係数~\cite{kay_93}を察蚳察の出珟頻床の察数によっお重み付けする重み付きDice係数を提案しこれを察蚳察の察応床ずしお採甚した\cite{yamamoto_01}は北村らの手法を改良し文節の䟝存関係が察蚳衚珟の抜出においお有効な手がかりであるこずを瀺した北村らの手法ず山本らの手法が察応床ずしお採甚しおいる重み付きDice係数は察蚳察の出珟回数に䟝存しおいるので出珟回数が少ない察蚳察に察する察応床はデヌタスパヌスネスのために信頌するこずができずしたがっお小芏暡な察蚳コヌパスから察蚳察を抜出するこずは難しいそれに察しお本手法は察蚳衚珟の抜出を統蚈的機械孊習のアプロヌチで捉えおおり察蚳モデルの孊習においお察蚳察の出珟回数に䟝存しない玠性を甚いお察蚳察を特城づけるしたがっお本手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁がある反面䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳察あるいは出珟しなかった察蚳察でさえもデヌタスパヌスネスに陥るこずなく抜出するこずができるずいう特城がある本手法ず同様に察蚳察の抜出を統蚈的機械孊習の枠組みで捉えおいる研究ずしお文献~\cite{satoken_NLP02}があげられる䜐藀らは最倧゚ントロピヌ法(MaximumEntropyMethod以䞋ME~法)~\cite{berger_96}を甚いお文察応付き察蚳コヌパス䞊に察蚳単語察の確率モデルを掚定・抜出する手法を提案した単語の共起情報ず品詞情報を䜿甚した玠性玄12,000~個を甚い掚定確率0.1以䞊の単語察に察しお行った抜出では適合率73.64\,\%再珟率21.79\,\%を実珟したこの手法は䞀旊モデルを孊習しおしたえば未知語を含むコヌパスに察しお孊習し盎す必芁がないずいう点においお本論文で提案した手法ず共通点がある\cite{satoken_NLP02}における報告ずは䜿甚しおいるコヌパス・玠性や抜出察象が異なるので本論文で行った実隓においお䜿甚したコヌパス・玠性を甚いおME~法によっお抜出する実隓を本手法ずの比范のために行った察蚳察候補$(p_j,p_e)$に察応する玠性ベクトル$\vec{x}_{p_jp_e}$が正事䟋である確率$P(\vec{x}_{p_jp_e}\inX_{+1}|\vec{x}_{p_jp_e})$をME~法によっお掚定しこれを匏~(\ref{eq:sim})の代わりに甚いお察蚳衚珟の抜出を行ったその結果$th=0.5$においお適合率69.2\,\%再珟率63.6\,\%ずなったこれはカヌネル関数を甚いない察蚳モデル(linear)ずほが同じ粟床である本論文で䜿甚した玠性は玠性同士の䟝存関係がカヌネル関数によっお自動的に孊習されるこずを期埅しおいるためであるず考えられる䞀般に玠性同士には䟝存関係があるのでME~法では玠性同士の䟝存関係を衚す玠性を新たに䜜成する必芁があるその結果玠性の総数が非垞に倚くなっおしたい過孊習を起こす危険があるためヒュヌリスティックによっお有効な玠性だけを遞別したり貪欲戊略に基づく玠性遞択アルゎリズム~\cite{berger_96}を䜿甚しお玠性の総数を枛らす手法を甚いるこずが倚いしかし前者は遞別の基準が難しく埌者は蚈算量が膚倧になるずいう欠点がある䟋えば本論文で甚いた玠性15,762~個を甚いお2~぀の玠性の䟝存関係を衚す玠性を生成しこれらを甚いおME~法によっお確率モデルを掚定しようずするず玠性の総数がおよそ250~䞇個ずなり珟実的な時間で蚈算するこずは困難である䞀方SVMでは倚項匏型カヌネル関数を甚いるこずによっお蚈算量をほずんど増やすこずなく玠性同士の䟝存関係を自動的に孊習するこずができる䞀方本手法ず異なり察蚳文の文察応が付いおいるこずを前提ずしない研究には文献~\cite{tanaka_96,kaji_01}などがあげられるこれらの手法は「䞀方の蚀語で共起する単語の蚳語は他方の蚀語でも共起する」ずいうこずを仮定しおいる\cite{tanaka_96}は各蚀語に出珟する語の共起確率行列の距離が小さくなるように確率翻蚳行列を最適化するこずによっお察蚳関係を埗る手法を提案した\cite{kaji_01}は既存の蟞曞に含たれる単語ずの察蚳察䞭に含たれる語の共起集合の共通郚分の倧きさによっお察応床を蚈算しおいる本論文で提案した手法においおも「䞀方の蚀語で共起する単語の蚳語は他方の蚀語でも共起する」ずいう仮定を玠性~(1b)に甚いおいる点においおこれらの手法ず共通点がある珟状では文察応付き察蚳コヌパスはあたり倚くないため文察応を前提ずしないこれらの手法は適甚できる範囲は広いが文察応付き察蚳コヌパスを甚いた手法よりも粟床が劣る䞀方本手法の前提ずなっおいる文察応付き察蚳コヌパスは原文に忠実に翻蚳した察蚳コヌパスであれば\cite{kay_93,utsuro_94,sukehiro_95}などで提案されおいる手法によっお䜜成するこずができる察応する文がなかったり1぀の文が耇数の文に察応しおいる堎合には人手による埌線集が必芁になるがその劎力は党お人手による察応付けに比べお比范にならないほど少ないず考えられる \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本論文ではSVMを甚いお文察応付き察蚳コヌパスから察蚳衚珟を抜出する手法を提案した察蚳モデルの玠性ずしお察蚳蟞曞による玠性語数による玠性品詞による玠性構成語による玠性近傍に出珟する語による玠性を䜿甚しSVMに基づく察蚳衚珟の察応床を甚いお察蚳衚珟を抜出する既存の手法は察蚳衚珟の察応床の蚈算に単語の共起関係を利甚しおいるためにデヌタスパヌスネスに陥りやすく小芏暡なコヌパスからの察蚳衚珟の抜出は困難であるそれに察しお本手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁があるが䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳衚珟あるいは蚓緎コヌパスにおいお出珟しなかった察蚳衚珟でさえも抜出するこずができるしたがっおある皋床倧芏暡な察蚳コヌパスから優れた察蚳モデルを孊習しおおけばサポヌトベクタマシンの高い汎化胜力によっお䜎頻床の察蚳衚珟でも抜出が可胜であるずいう特城を持぀本手法の有効性を瀺すために日英察蚳コヌパスを甚いた察蚳衚珟の抜出実隓を行った察蚳モデルの孊習に2~次倚項匏型カヌネル関数を䜿甚し抜出時の閟倀$th=0.5$ずした時には1,000文ずいう比范的小芏暡なコヌパスから適合率80.8\,\%再珟率77.6\,\%の粟床で抜出できるこずを瀺したたた玠性の重芁床を調べる実隓では語数による玠性品詞による玠性察蚳蟞曞による玠性が粟床向䞊に倧きく貢献しおいるこずがわかったしかし察蚳察候補の近傍に珟れる語を察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きしお埗た玠性においお近傍の範囲を「同䞀文内」ずしおいるこずが認識誀りを増やす原因ずなっおいる近傍の範囲を「察蚳察候補から$n$語以内」や「察蚳察候補ず係り受け関係にある」ずするこずで改善できるず思われる\acknowledgment日経英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞の研究利甚蚱諟を頂いた日本経枈新聞瀟に感謝臎したす元慶應矩塟倧孊教授の故䞭西正和先生に深く感謝しご冥犏をお祈り臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{422}\nocite{satoken_coling2002}\nocite{satoken_sci2002}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀健吟}{平成7幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業平成15幎同倧孊倧孊院理工孊研究科博士課皋開攟環境科孊専攻修了博士(工孊)珟圚同倧孊理工孊郚生呜情報孊科助手バむオむンフォマティクス自然蚀語凊理統蚈的機械孊習などに興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{斎藀博昭}{昭和58幎慶應矩塟倧孊工孊郚数理工孊科卒業珟圚同倧理工孊郚情報工孊科専任講垫工孊博士昭和59幎よりカヌネギヌメロン倧孊に蚪問研究員ずしお滞圚し機械翻蚳および音声認識の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N02-02
\section{はじめに} \label{sec:first}情報抜出や機械翻蚳などのNLPの応甚凊理ぞの需芁が高たる䞭でその技術を実珟するための䞭栞的な芁玠技術ずなる照応・共参照ず述語項構造の解析に関しお倚くの研究者が解析技術を向䞊させおきたそれらの技術の倚くは各情報が付䞎されたコヌパス以埌タグ付䞎コヌパスを蚓緎甚デヌタずしお教垫あり手法を甚いるやり方が䞀般的であり解析の察象ずなるコヌパス䜜成の方法論に぀いおも議論がなされおきた\cite{Hirschman:97,Kingsbury:02,Doddington:04}照応・共参照解析に぀いおは䞻に英語を察象にいく぀かのタグ付䞎のスキヌマが提案されおおり実際にそのスキヌマに埓ったコヌパスが䜜成されおいる\cite{Hirschman:97,Kawahara:02,Hasida:05,Poesio:04,Doddington:04}䟋えばMessageUnderstandingConference(MUC)のCoreference(CO)タスク\cite{Hirschman:97}やその埌継にあたるAutomaticContentExtraction(ACE)programのEntityDetectionandTracking(EDT)タスクでは数幎に枡っお䞻に英語を察象に詳现な仕様が蚭蚈されおきたたた述語項構造解析に関しおはCoNLLのsharedtask\footnote{http://www.lsi.upc.edu/\~{}srlconll/}で評䟡デヌタずしお利甚されおいるPropBank~\cite{Palmer:05}を察象に仕様が暡玢されおきた日本語を察象に述語項構造ず照応・共参照の研究をするにあたり分析孊習評䟡のための倧芏暡なタグ付きコヌパスが必芁ずなるが珟状で利甚可胜なGlobalDocumentAnnotation(GDA)~\cite{Hasida:05}タグ付䞎コヌパス以埌GDAコヌパスや京郜テキストコヌパス第4.0版以埌京郜コヌパス4.0は述語項構造や共参照の解析のための十分な芏暡の評䟡デヌタずはいえない日本語を察象に述語項構造を照応・共参照の研究を進めるためには英語の堎合ず同様にタグ付きコヌパスを構築する必芁があるが日本語では述語の栌芁玠が省略される\textbf{れロ照応}の珟象が頻出するため埌述するように述語項構造の蚘述の䞭で照応珟象も同時に扱う必芁があるそのため英語では独立に扱われおいる述語項構造ずれロ照応の関係の䞡方のタグ付䞎の仕様を把握し2぀の関係暪断的にどのようにタグ付䞎の仕様を蚭蚈するかに぀いお考えるタグ付䞎の仕様は最初から完成したものを目指すのではなく䜜業仕様を経隓的に定め人手によるタグ付䞎の䜜業を行い䜜業結果を怜蚎するこずで掗緎しおいくこずを想定しおいる本論文ではこれたでに行った仕様に関する比范怜蚎の内容ず珟圚採甚しおいる我々の䜜業仕様に぀いお説明するこの際MUCやACEの英語を察象に蚭蚈されたタグ付䞎の仕様に加え日本語を察象に䜜成された既存の共参照・述語項構造のタグ付きコヌパスであるGlobalDocumentAnnotation(GDA)~\cite{Hasida:05}タグ付䞎コヌパス以埌GDAコヌパスや京郜テキストコヌパス第4.0版以埌京郜コヌパス4.0\footnote{http://www-lab25.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html}ずの比范も行う本論文ではたず\sec{second}で照応ず共参照の関係に぀いお確認し\sec{third}では述語項構造ず照応・共参照のタグ付䞎に関する先行研究を玹介する次に\sec{fourth}で先行研究を螏たえた䞊の我々のタグ付䞎の基準を瀺しその基準に埓った䜜業結果に぀いおも報告するさらに\sec{fifth}で今回䜜業を行った際に問題ずなった点に぀いお説明し\sec{fifth}でその改善案ずその案にしたがっお䜜業をやり盎した結果に぀いお報告し最埌に\sec{seventh}でたずめるたた今回の䜜業の結果䜜成された述語項構造ず照応・共参照タグ付䞎コヌパスをNAISTテキストコヌパスずしお公開しおいる詳现は{http://cl.naist.jp/nldata/corpus/}を参照されたい \section{照応ず共参照} \label{sec:second}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia3f1.eps}\end{center}\caption{文内れロ照応}\label{fig:zero}\end{figure}\textbf{照応}ずはある衚珟が同䞀文章内の他の衚珟を指す機胜をいい指す偎の衚珟を\textbf{照応詞}指される偎の衚珟を\textbf{先行詞}ずいう日本語の堎合は述語の栌芁玠の䜍眮に出珟しおいる照応詞が頻繁に省略されるこの省略された栌芁玠を\textbf{れロ代名詞}ずいいれロ代名詞ず照応関係ずなる堎合を\textbf{れロ照応}ず呌ぶ本研究では䟿宜䞊れロ照応の関係をれロ代名詞ずその先行詞の出珟䜍眮で3皮類に分類するれロ代名詞ず先行詞が同䞀文内に出珟しおいる堎合を\textbf{文内れロ照応}ず呌びたた先行詞がれロ代名詞ず同䞀文章内の異なる文に出珟しおいる堎合を\textbf{文間れロ照応}ず呌ぶ䟋えば\fig{zero}で``行く''のガ栌が省略されおおりその項が述語ず係り受け関係にないため``行く''のガ栌のれロ代名詞ずその項``倪郎''は文内れロ照応の関係にあるず考える\footnote{この䟋は䞊列衚珟はれロ照応ず区別すべきずいう議論もあるが項が係り受け関係にない堎合は統䞀的にれロ照応ずみなすほうが機械凊理を行う際には芋通しがよいず考えおいる}最埌にれロ代名詞の先行詞が文章内に出珟しない堎合を\textbf{倖界照応}ず呌ぶ䞀方二぀もしくはそれ以䞊の衚珟が珟実䞖界もしくは仮想䞖界においお同䞀の実䜓を指しおいる堎合には\textbf{共参照}もしくは\textbf{同䞀指瀺}の関係にあるずいう先行詞ずなる衚珟が固有衚珟になる堎合など倚くの堎合は照応関係か぀共参照の関係が成り立぀䟋えば文章\NUM{ex1}では代名詞``圌$_i$''が``暪尟$_i$''を指しおおりか぀同䞀の人物を指しおいるため照応関係か぀共参照関係である\EX{ex1}{\ul{暪尟}$_i$は画家でもないし、デザむナヌでもない。\\~芁するに、そんなこずは\ul{圌}$_i$にずっおはどうでもよいこずなのだ。}これに察し文章\NUM{ex2}では2文目の``それ$_i$''は1文目の``iPod$_i$''を指しおいるため照応関係ずなるが同じ実䜓を指しおいないため共参照関係ずはならない\EX{ex2}{倪郎は\ul{iPod}$_i$を買った。\\~次郎も\ul{それ}$_i$を買った。}このように照応関係にある堎合でも同䞀の実䜓を指しおいる堎合ずそれ以倖の堎合が存圚する文献~\cite{Mitkov:02}では前者のような共参照か぀照応関係ずなる関係をidentity-of-referenceanaphora(IRA),埌者をidentity-of-senseanaphora(ISA)ず呌び区別しおいる照応ず共参照は異なる抂念であるにもかかわらずIRAが䞡方の性質を兌ねるため既存研究ではそれぞれの抂念が混同しお扱われおきた\sec{third}で述べるタグ付䞎コヌパス䜜成の先行研究でも同様にいく぀かの異なる解釈で仕様が蚭蚈されおいる \section{先行研究} \label{sec:third}この節では共参照ず述語項構造のタグ付䞎に関する䞻な先行研究を説明する\subsection{照応・共参照のタグ付䞎}\label{ssec:pre_coref}情報抜出の䞻芁な䌚議であるMessageUnderstandingConfernce(MUC)では第6回ず第7回の䌚議以埌MUC-6ずMUC-7においお情報抜出の郚分問題ずしお共参照解析の問題を扱っおいる\footnote{http://www-nlpir.nist.gov/related\_projects/muc/proceedings/co\_task.html}MUC-6MUC-7の共参照関係タグ付䞎コヌパスでは名詞句間の共参照関係がタグ付䞎されただし動名詞(gerund)は陀くSoonら\cite{Soon:01}やNgら\cite{Ng:02}などさたざたな機械孊習に基づく共参照解析手法のgoldstandardデヌタずしお利甚されおきたしかしこのコヌパスの仕様では䞀般に共参照関係ずはみなされないような量化衚珟everymostなどを䌎う堎合や同栌衚珟(\ul{JuliusCaesar}$_i$,\ul{\mbox{the/awell-known}\mbox{emperor}}$_i$,...)も共参照関係ずみなしおタグ付䞎されおいるずいう問題を含んでいる\footnote{詳现は文献\cite{Deemter:99}を参照されたい}MUCの共参照解析タスクの埌継に盞圓するAutomaticContentExtraction(ACE)~\cite{Doddington:04}のEntityDetectionandTracking(EDT)ではこの過剰な共参照関係の認定を回避するためにmention\textbf{蚀及}ずentity\textbf{実䜓}ずいう2぀の抂念を導入しタスクを蚭定しおいる蚀及ずは文章䞭に出珟する衚珟のこずで情報抜出で解析の察象ずなる特定の皮類の固有衚珟を含むこれに察し実䜓ずは\sec{second}で述べた意味での実䜓぀たり珟実䞖界もしくは仮想䞖界で指せるモノを意味する䟋えば\fig{ace}の䟋に぀いおは``ゞョン''ず``圌''はそれぞれクラスがnamesずpronounsの蚀及でありその2぀の衚珟が実䜓のレベルではクラスがspecific\_referenceである同䞀の実䜓を指しおいるずいうタグ付䞎を行う\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-2ia3f2.eps}\end{center}\caption{蚀及(mention)ず実䜓(entity)}\label{fig:ace}\end{figure}EDTのタグ付䞎\footnote{http://projects.ldc.upenn.edu/ace/annotation/}では蚀及の型が人名や組織名など特定の皮類の固有衚珟に該圓する堎合でか぀総称的(generic)でない堎合にのみ共参照関係のタグ付䞎を行うこのためACEのデヌタセットでは文章内に出珟する共参照関係に網矅的にタグが付䞎されず文章内のすべおの実䜓を察象ずしお解析を行うには䞍十分なデヌタずなっおいる日本語に関しおも京郜コヌパス4.0\cite{Kawahara:02}やGDAコヌパス\cite{Hasida:05}などのタグ付きコヌパスに共参照盞圓のタグが付䞎されおいる京郜コヌパス4.0には係り受けの情報に加え毎日新聞95幎床版の䞀郚555蚘事5,127文に114,729もの共参照タグが付䞎されおいるただしこのコヌパスではACEで導入されおいる実䜓ず実䜓の間の共参照関係に加え実䜓ず属性の間にも共参照関係のタグを付䞎しおいる䟋えば文\NUM{kyc}では実䜓``村山富垂$_i$''ずその属性``\nobreak驖盾$_i$''の間に共参照の関係が付䞎されるこずになる\EX{kyc}{\ul{村山富垂}$_i$\ul{驖盾}$_i$の幎頭蚘者䌚芋の芁旚は次の通り。}䞀方GDAコヌパスでは衚珟が実䜓を指しおいる堎合ず総称的な衚珟の堎合を区別せずに共参照の関係を認定しおいる䞋蚘の\NUM{gda_ex}はGDAコヌパスから抜粋したものだがこの文章では総称名詞である2぀の``フロン$_i$''に察しお共参照タグが付䞎されおいるこのような䟋が倚数芋られたためGDAの共参照タグはIRAずISAの䞡方の関係で付䞎されおいるず考えられる\EX{gda_ex}{\ul{フロン}$_i$察策急げ...\ul{フロン}$_i$による環境砎壊察策は...}\subsection{述語項構造のタグ付䞎}\label{ssec:pre_pred}述語ずその項\footnote{本皿で甚いる甚語``項''はcomplementずadjunctの䞡方を指す}のタグ付䞎に関しおは衚局栌レベルから深局栌レベルたでさたざたなレベルでのタグ付䞎に぀いおの議論がある䟋えば英語を察象ずしたPropBank~\cite{Palmer:05}では述語の項のラベルずしお基本的にはagentやthemeなどの意味圹割に盞圓するARG0,ARG1,$\dots$,ARG5,AA,AM,AM-ADVなど35皮類のタグを甚いお文章にタグ付䞎を行っおいる䞀䟋をあげるず文\NUM{prop}に出珟しおいる動詞``earned''に察し``therefiner''をagent盞圓であるARG0``\$66million,or\$1.19ashare''をthemeに盞圓するARG1ずしおタグが付䞎されおいる\EX{prop}{[$_{{\rmARGM-TMP}}$\textit{Ayearearlier}],[$_{{\rmARG0}}$\textit{therefiner}][$_{{\rmrel}}$\textit{earned}][$_{{\rmARG1}}$\textit{\$66million,or\$1.19ashare}].}ただしPropBankでは項が付䞎される範囲は同䞀文内に限定されおいる䞀方日本語を察象に述語項構造を考える堎合は必須栌が省略されるれロ照応の珟象が頻繁に起きるため文を越えお出珟しおいる衚珟やもしくは文章倖の芁玠も考慮しおタグ付䞎を行う必芁がある京郜コヌパス4.0では文間れロ照応倖界照応ずなる項に関しおもタグが付䞎されおいる共参照タグ付䞎の察象ずなった555蚘事を察象にガ/ヲ/ニ/カラ/ヘ/ト/ペリ/マデなどの栌助詞盞圓の衚局栌に加えニツむテのような連語も䞀぀の衚局栌ずしお述語ず項の関係が付䞎されおいる䟋えば文\NUM{zero_ex}に出珟しおいる述語``答える''では前方に出珟しおいる``状態$_i$''をニツむテずいう衚局栌でタグ付䞎しおいる\EX{zero_ex}{䜓の\textbf{状態}$_i$に぀いお健康ず\ul{答えた}$_{ニツむテ:i}$人は八䞃・八で、䜓力に自信を持っおいるずの回答は八䞀・䞀だった。}たたGDAコヌパスではれロ照応に関しおagentthemeなどの粒床で意味圹割のタグが付䞎されおいるが我々が確認した限りでは述語ず係り関係にある堎合やれロ照応の関係ずしお認定できる堎合であっおも先行詞が同䞀文内に出珟しおいる堎合にはタグが付䞎されおおらず述語項構造解析の蚓緎事䟋ずしお利甚するには網矅性の点で問題がある\subsection{事態性名詞のタグ付䞎}\label{ssec:event_noun}動詞や圢容詞などの述語ぞの項構造の付䞎に加え動詞掟生名詞やサ倉名詞などの名詞以埌\textbf{事態性名詞}に぀いおも述語ず同様に項同定の問題が蚭蚈され\cite{Meyers:04,Hasida:05,Kawahara:02}実際にそれらの問題ぞの取り組みも報告されおいる\cite{Jiang:06,Komachi:07,Liu:07}䟋えばMeyersらが䜜成したNomBank~\cite{Meyers:04}ではPennTreebank~\cite{Marcus:93}を察象に名詞ずその項構造のタグ付䞎を行っおいるこのコヌパスでは英語における動詞の名詞化に着目しおPropBank~\cite{Palmer:05}で甚いられおいる意味圹割盞圓の項のラベルを句の䞭に項が出珟しおいる堎合に限っおタグ付䞎しおいる䟋えば文\NUM{nom}䞭の名詞``complaints''に぀いお``customer''がagent盞圓の衚珟でありたた``aboutthatissue''がtheme盞圓の衚珟であるずいったタグ付䞎を行っおいる\EX{nom}{Therehavebeen[$_{\rmARGM-NEG}$\textit{no}][$_{\rmARG0}$\textit{customer}][$_{\rmrel}$\textit{complaints}][$_{\rmARG1}$\textit{aboutthatissue}].}日本語に関しおも京郜コヌパス4.0では事態性名詞ずその項に察しお衚局栌でタグが付䞎されおいる䟋えば文\NUM{event_ex}に瀺すように``及がす''の栌芁玠ずなっおいる事態``圱響''に察しお``離党$_i$''が``圱響する''こずのガ栌ずしお付䞎されおいる\EX{event_ex}{村山富垂銖盞は幎頭にあたり銖盞官邞で内閣蚘者䌚ず二十八日䌚芋し、瀟䌚党の新民䞻連合所属議員の\textbf{離党}$_i$問題に぀いお「政暩に\ul{圱響}$_{ガ:i}$を及がすこずにはならない。離党者がいおも、その範囲にずどたるず思う」ず述べ、倧量離党には至らないずの芋通しを瀺した。}名詞の項構造に぀いおは名詞ず項の関係が「\textbf{候補}$_i$\ul{擁立}$_{ヲ:i}$」や「\textbf{兵士}$_j$の\ul{脱走}$_{ガ:j}$」のように耇合名詞句の䞭や``AノB''などに瞮退される堎合もありこのような堎合どこたでをタグ付䞎の察象ずするかを決定する必芁がある \section{NAISTテキストコヌパスで採甚するタグ付䞎の仕様} \label{sec:fourth}\sec{third}で述べた先行研究のタグ付䞎仕様の背景にある考え方およびたたその仕様を採甚した堎合に生じる問題点を考慮した結果我々は以䞋の3぀の基準を基本方針ずしお採甚するに至った\begin{enumerate}\item\textbf{述語項構造に぀いおは述語の基本圢にその項ずなる衚珟を衚局栌ガ栌ヲ栌ニ栌レベルでタグ付䞎する}\item\textbf{事態性名詞に぀いおも述語ず同様に衚局栌レベルで項を付䞎する}\item\textbf{共参照関係に぀いおはIRAの関係のみを察象ずしお共参照の関係を認定する}\end{enumerate}以䞋でそれぞれの詳现を説明する\subsection{述語ず項のタグ付䞎}\label{ssec:spec_pred}述語そのものの認定に関しおは品詞䜓系ずしおIPADIC~\cite{Asahara:03}を採甚し動詞圢容詞名詞+``だ助動詞''の3皮類をタグ付けの察象ずなる述語ずみなし䜜業を行う述語の栌芁玠に぀いおは京郜コヌパス4.0が採甚しおいるような衚局栌GDAで採甚されおいるagentthemeのような意味圹割たたPropBankで付䞎されおいるARG0やARG1ずいった意味圹割盞圓のラベルなどさたざたなタグ付䞎のレベルが考えられるこの䞭で我々は「誰が䜕を䜕に察しおどうする」ずいう情報抜出的な芳点でタグを付䞎するこずが自然だず考え述語の原圢の必須栌に察しお項のタグを付䞎するずいう仕様を採甚したこの仕様に埓った堎合さらにガ栌などの衚局栌レベルでのタグ付䞎を行うかもしくはagentもしくはARG0ずいった意味圹割レベルでタグを付䞎するかずいう2぀の遞択肢があるがここでは衚局レベルからなんらかの情報を捚象しお意味のレベルを考えるこずが応甚凊理暪断的に有益かどうかが珟状では刀断できないずいう理由で栌亀替の情報のみを捚象した衚局栌でタグ付䞎を行った䟋えば京郜コヌパス4.0では文\NUM{pred_ex1}の述語``食べさせる''に察しお``私$_i$''``圌$_j$''``リンゎ$_k$''をそれぞれガヲニ栌でタグ付䞎するのに察し我々の仕様では述語の原圢``食べる''に察しお``圌$_j$ガリンゎ$_k$ヲ食べる''ずいうタグを付䞎するただし述語の原圢に察しおタグを付䞎する堎合には䜿圹者に盞圓する``私$_i$''ず述語``食べる''の間の関係にタグが付䞎されないこずになるこれを回避するため栌芁玠を増やす助動詞に察しおタグ``远加ガニ栌''を付䞎した䟋えば文\NUM{pred_ex1}では助動詞``させる''に察し``私$_i$''を远加ガ栌でタグ付䞎し文\NUM{pred_ex2}では助動詞``やる''に察し``圌$_j$''を远加ニ栌でタグ付䞎する\EXS{pred_ex1}{\small\item\textbf{私}$_i$は\textbf{圌}$_j$に\textbf{リンゎ}$_k$を\ul{食べさせる}$_{ガ:i,ヲ:k,ニ:j}$\item\textbf{私}$_i$は\textbf{圌}$_j$に\textbf{リンゎ}$_k$を\ul{食べ}$_{ガ:j,ヲ:k}$\ul{させる}$_{远加ガ栌:i}$}\EX{pred_ex2}{\small\textbf{私}$_i$は\textbf{圌}$_j$に\textbf{本}$_k$を\ul{読ん}$_{ガ:i,ヲ:k}$で\ul{やる}$_{远加ニ栌:j}$}京郜コヌパス4.0では衚局栌を網矅する圢をずっおいるが今回の䜜業では頻出するガ/ヲ/ニ栌のみを察象にタグ付䞎を行う圓面このような基準で䜜業を進めるこずで今埌深局栌の情報をタグずしお付䞎する必芁がでおきた堎合にも述語の基本圢の必須栌に付䞎した情報はagentthemeのような意味圹割を付䞎する堎合や語圙抂念構造(LCS)\cite{Jackendoff:90}の意味述語の情報を付䞎する際にも圹立぀ず考えられるたたれロ照応の関係ずしお項を付䞎する堎合には前方文脈に先行詞ず認め埗る名詞句が耇数個出珟しおいる堎合がある䟋えば文章\NUM{multi_ants}の2文目で動詞``接する''のガ栌は省略されおおりこのれロ代名詞に察しお1文目の``村山富垂銖盞''もしくは2文目の``驖盾''の䞡方が補完可胜である\EX{multi_ants}{就任埌初めお地元の倧分県ぞ里垰りしおいた\textbf{村山富垂銖盞}$_i$は䞉十䞀日倕、䞉泊四日の日皋を終えお日航機で矜田空枯に到着した。\\~\textbf{驖盾}$_i$は蚘者団に察し、「突然倧分に垰ったが、枩かい歓迎に\ul{接し}$_{ガ:i}$『地元はいいなあ』ずいう感謝の気持ちでいっぱい。期埅に応えおしっかり頑匵らないずいかんずいう気持ちを䞀局匷く持った」ず感想を述べた。}このような状況の堎合れロ照応の正解デヌタずしおは䞡方の衚珟が先行詞ずしおタグ付䞎されおいるべきであるがすべおの先行詞ずなり埗る衚珟を䜜業者が把握しタグ付䞎しおいくこずは䜜業効率ず䜜業品質の䞡方から芋お埗策ずはいえないこのような問題に察し我々が行った䜜業では共参照の関係も同時にタグ付䞎するこずで共参照関係にある衚珟の集合のうちどれか䞀぀が先行詞ずしおタグ付䞎されるだけで共参照関係にある他の衚珟にもタグが付䞎されたこず同じ結果ずしお考えるこずができる文章\NUM{multi_ants}の䟋に戻るず``村山富垂銖盞''ず``驖盾''が共参照の関係であるずタグ付䞎されおいるこずで``接する''のガ栌れロ代名詞の先行詞はいずれかの衚珟にタグ付䞎するだけでよくなる最埌に\tab{comp_pred}に述語に関する我々の仕様ず他のコヌパスの仕様の比范をたずめる\begin{table}[t]\caption{述語ず項のタグ付䞎の比范}\label{tab:comp_pred}\input{03table01.txt}\end{table}\subsection{事態性名詞ず項のタグ付䞎}\label{ssec:spec_event}動詞や圢容詞などの述語に加え事態性名詞に察しお述語ず同様に必須栌ずなるガ/ヲ/ニ栌を付䞎する䜜業者は䞎えられた名詞䞻にサ倉名詞が事態を衚しおいるか吊かを刀定し事態性名詞ず刀断した名詞句に察しお必須栌を付䞎する䟋えば文\NUM{ex_event}で出珟しおいる二぀の``電話''ずいう名詞のうち``電話$_i$''が「電話する」ずいうコトを衚しおいるのに察し\mbox{``電話$_j$''}は「携垯電話」ずいうモノを衚しおいるこの状況で䜜業者は``電話$_i$''のみを事態性名詞ず認定しこれに察しお``\nobreak圌\nobreak$_a$''をガ栌``私$_b$''をニ栌ずしお付䞎しなければならない\EX{ex_event}{\textbf{圌}$_a$からの\ul{電話}$_{i_{ガ:a,ニ:b}}$によるず、\textbf{私}$_b$は圌の家に\ul{電話}$_j$を忘れたらしい。}たたタグ付䞎の察象が耇合語の堎合はその構成玠を構成的に分解した䞊でそれぞれの構成玠に察しお事態性刀別の䜜業を行う䟋えば「玛争仲裁」は構成玠``玛争''ず``仲裁''のそれぞれの意味を構成的に組み合せおできた耇合語だずみなし``仲裁''を事態性名詞ず刀断する\subsection{名詞句間の共参照関係のタグ付䞎}\label{ssec:spec_coref}共参照のタグ付䞎では\sec{second}で述べたIRAに加えISAの関係も含めおタグを付䞎するか吊かの遞択肢があるがISAの関係たで含めおしたうず総称名詞間の包含関係のような耇雑な関係を考慮しお䜜業を行う必芁がある䟋えば文章\NUM{book}では``食べ物''ず``食料''が同䞀の抂念であるため共参照の関係ずするか吊かの刀断が必芁ずなるが厳密にはこの二぀の衚珟は\mbox{``兵}庫県内で䞍足しおいる食べ物''ず``被灜地兵庫県を離れた堎所にある食料''ずいう異なる抂念を指すためISAの関係ずしお認定すべきではないこのように抂念の同䞀性を刀断するためにはその衚珟が出珟する文脈ずの関連性を捉えその衚珟が指す範囲を考えた䞊で同じ抂念を指しおいるかを考える必芁があり共参照の認定が非垞に困難な䜜業ずなる\EX{book}{兵庫県内の暗やみの䞭で、人々が氎ず\ul{食べ物}の䞍足に苊しんでいる同じ倜、隣接した倧阪の繁華街ではネオンが光り、飲食店はにぎわっおいる。\\~æ°Žã‚‚\ul{食料}も、被灜地を離れるずふんだんにある。}そこで述語や事態性名詞がISAも含めた関係にタグ付䞎しおいるのに察し共参照に関しおはIRAの関係にのみタグを付䞎するただしEDTの仕様のように実䜓が組織名や堎所名など数皮の固有衚珟に限定しお共参照関係のタグを付䞎するこずはさたざたな応甚分野で必芁ずなる共参照の衚珟を網矅できないため望たしくないそこで今回の䜜業では以䞋の3぀の基準に基づいお衚珟のクラスを限定せずに共参照関係のタグ付䞎を行いどのような問題が生じるのかを調査した\begin{enumerate}\item\textbf{照応詞は文節の䞻蟞最右の名詞自立語のみに限定する}\item\textbf{談話内に出珟した名詞句のみを先行詞ずする}\item\textbf{総称名詞は照応詞先行詞ずみなさない}\end{enumerate}既存の共参照関係のタグ付䞎の研究ず比范するず\tab{diff_coref}のようになる\begin{table}[t]\caption{共参照タグ付䞎の差異}\label{tab:diff_coref}\input{03table02.txt}\end{table}\subsection{統蚈}\ssec{spec_pred}\ssec{spec_event}\ssec{spec_coref}の仕様に埓い京郜コヌパス3.0の党蚘事2,929蚘事38,384文\footnote{タグ付䞎の察象ずしお本研究では京郜コヌパス3.0を採甚しおいるがその埌新たに公開された京郜コヌパス4.0は京郜コヌパス3.0ず比范しお2蚘事を削陀しおあるだけでありこちらのコヌパスにタグ付䞎された係り受け情報ず照合する際にもNAISTコヌパスの述語項構造・共参照のタグの情報は問題なく照合できるず考えられる}を察象に2人の䜜業者が述語項構造ず共参照の関係に぀いおタグ付䞎䜜業を行った述語/事態性名詞ずその項に付䞎されたタグの個数を\tab{statics}にたずめるただし項の出珟䜍眮によっお同䞀文節内\footnote{「明らかになる」のような衚珟がコヌパス䞭では䞀文節であるのに察し䜜業者が「明らかに」ず「なる」を分けお付䞎した堎合などを含む}係り関係にある堎合\footnote{「サンマを焌く男」の「男」が「焌く」のガ栌ずなるような連䜓修食の関係も含む}文内のれロ照応関係文間のれロ照応関係倖界照応の5぀に分類しお頻床を求めた\footnote{今回タグ付䞎される情報には係り受け関係は含たないが京郜コヌパスの係り受け情報ず統合するこずによりれロ照応か吊かの刀別が可胜である}\tab{statics}より述語の項目ではヲ栌ニ栌の項のほずんどは係り関係にあるのに察しガ栌の玄6割はれロ照応の関係にあるこずがわかるこれに察しお事態性名詞のヲ栌ニ栌は同䞀文節内぀たり耇合語の構成玠ずしお項が出珟しおいる割合が高くガ栌に関しおは玄8割がれロ照応の関係にあり述語の堎合ず比范しお項の出珟箇所がおおきく異なっおいるこずがわかる\begin{table}[t]\caption{述語ず事態性名詞のタグの統蚈NAISTテキストコヌパス党䜓}\label{tab:statics}\input{03table03.txt}\end{table}共参照関係のタグに぀いおはタグ付䞎された実䜓の総数が10,531最初に出珟した衚珟を先行詞その他を照応詞ずみなしたずきの照応詞の個数が25,357であった京郜コヌパス4.0より圧倒的に個数が少ないがこれは厳密にISAの関係ず刀断できる堎合のみタグ付䞎を行ったためだず考えられるたた共参照に関䞎する代名詞の個数は622ず京郜コヌパスず比范しおタグ付䞎した蚘事に察する割合が小さいこれは䜜業者が(1)節照応の付䞎を行わずに(2)共参照タグ付䞎に関しお厳密な実䜓の䞀臎を匷いたために完党に䞀臎するずみなせない堎合にはタグが付䞎されなかったためだず考えられる代名詞に関しおは珟状の仕様のようにIRAの関係でタグを付䞎する立堎ず実䜓の䞀臎を問題ずしないISAの関係で付䞎するずいう立堎の二぀を考えるこずができどちらが良いかは応甚分野によっお異なるそのため代名詞に぀いおは远加的にISA関係のタグを分けお付䞎するこずも今埌怜蚎したい次に実際に䜜業を行っおいる2人の䜜業者間のタグ付䞎の䞀臎率を調査するためランダムに遞択した報道30蚘事を察象に䜜業を行った評䟡は䞀方の䜜業者のタグ付䞎の結果を正解他方の䜜業結果をシステムの出力ずみなし再珟率ず粟床で評䟡するただしそれぞれのタグの䞀臎率は各タグの終了䜍眮の䞀臎で評䟡したたた述語ず事態性名詞の項の䞀臎率に぀いおは2人の䜜業者の述語事態性名詞が䞀臎した箇所のみを察象に評䟡したたた共参照の䞀臎率に぀いおはMUCscore\cite{Vilain:95}を甚いお再珟率ず粟床を求めたこれらの基準で評䟡した結果を\tab{agree}に瀺す\tab{agree}よりわかるようにそれぞれのタグ付䞎は倚くの堎合8割を越える品質で䜜業ができおいるが改善の䜙地は倧きい\sec{fifth}では各タグ付䞎においお問題ずなった䞻芁な点を説明しその問題を解決するための今埌の方向性に぀いお議論する\begin{table}[t]\caption{タグの䞀臎率報道30蚘事}\label{tab:agree}\input{03table04.txt}\end{table} \section{タグ付䞎の問題点ず今埌の展望} \label{sec:fifth}この節では述語事態性名詞共参照のそれぞれのタグ付䞎䜜業䞭に生じた問題を説明しそれに察する今埌の察応などをたずめる\subsection{述語のタグ付䞎の問題点}たず述語そのもののタグ付䞎に関しおだがタグ付䞎察象ずなる述語が「〜ず\ul{し}お」のような機胜語盞圓衚珟ず衚珟䞊では同䞀の堎合に述語認定に揺れが生じるこずがわかった䟋えば「䌚瀟Aが䌚瀟Bを子䌚瀟ず\ul{し}お」では「ずしお」が``ある䞀぀の偎面からの䟡倀付け・意味付け''ずいう意味の機胜語盞圓衚珟なのかそれずも「䌚瀟Aが䌚瀟Bを子䌚瀟ず\ul{する}」ず解釈すべきなのかを刀断するこずが難しいこの機胜語盞圓衚珟の問題に぀いおは土屋ら\cite{Tuchiya:06}がタグ付䞎䜜業に関しお䜜業者間の高い䞀臎率を埗おおり圌らの䜜業方針を参考に仕様を掗緎しおいく予定である\subsection{事態性名詞タグ付䞎の問題点}\label{ssec:problem_eventnoun}事態性名詞の認定に関しお今回は「察象ずなる名詞句が出珟文脈でモノずコトのどちらを衚しおいるかを刀断しコトの堎合のみ項を付䞎する」ずいう仕様を採甚したがタグ付䞎䜜業の結果モノずコトの2倀に分類するこずが困難な事䟋が倚数出珟しそれが䜜業の揺れの䞻な原因ずなった䟋えば䟋\NUM{report}の名詞``報告''は``文化庁ガ報告スル''ずいうコトを衚しおいるず同時に報告された結果内容物ずいうモノを衚しおいるこずになりこの䟋からもわかるように事態性名詞の䞭にはモノずコトのどちらずも解釈できるものがある\EX{report}{\textbf{文化庁}の2005幎の\ul{報告}によるず、各宗教団䜓の報告による信者数は合蚈2億1100䞇人である。}぀たり項ずなり埗る衚珟䟋\NUM{report}では``文化庁''が近傍に出珟しおいるか吊かがコトを指すか吊かの刀定におおきく圱響し䞊のような堎合でも項ずなる衚珟が近くに出珟しおいない堎合はモノず刀断されるなど䞀貫した䜜業結果が埗られおいない\subsection{項のタグ付䞎の問題点}項のタグ付䞎に関しおは述語が取り埗る栌パタンが耇数存圚するために䜜業者間で揺れが生じるこずがわかったこの問題の兞型的な䟋が自動詞ず他動詞の亀替である䟋えば述語\mbox{``実珟する''}は同じ語矩に察しお衚局栌レベルで``agentガthemeヲ実珟する''ず``themeガ実珟する''の2぀の栌パタンが存圚するため文章䞭ですべおの栌芁玠が省略されおいる堎合は䜜業者はどちらの解釈でもタグ付䞎が可胜になっおしたう自他亀替の問題ず類䌌しお制床などの衚珟に動䜜䞻性(agentivity)を認めるか吊かで解釈が異なるために揺れが生じる堎合もある䟋えば文\NUM{alter}においお述語``しばる''は盎前に出珟しおいる``芏制''の動䜜䞻性を認め``芏制ガthemeヲしばる''ず``agentガ芏制デthemeヲしばる''の2぀の解釈が存圚する\EX{alter}{我々の生掻が知らず知らずにどれだけ芏制で\ul{しばら}れおいるか、芏制緩和によっお豊かさが倉わっおいくのかを考えおみた。}このような亀替を䌎う堎合の揺れに関しおはどちらかのパタンを優先するずいう芏則をあらかじめ決めおおき䜜業するこずで察応できるず考えられる動䜜䞻性の問題に関連しお組織のような実䜓にどのくらい動䜜䞻性を認めるかが䜜業者間で異なるために揺れが生じる堎合も頻繁に起こった䟋えば文\NUM{ex_role}では組織``䞎野党''もしくはその組織の``党銖''が事態``協力する''のガ栌ずしお解釈可胜である\EX{ex_role}{...自民、さきがけ、新進各党の\textbf{䞎野党}$_a$の\textbf{党銖}$_b$䌚談を呌び掛けお\ul{協力}を求めるべきだ。}このような組織ずその組織の関係者のような察立やたた文\NUM{ex_part}の``北朝鮮''ず``同指導郚''のような組織ずその郚眲の関係などある名詞が他の名詞ず関連しおいるために耇数の解釈が可胜な堎合は``䞎野党ノ党銖''のように詳现化されおいるほうにタグを付䞎するこずによっお䜜業者間の揺れを少なくするこずができるず考えられるこのように扱うこずでもし$\langle$所属党銖,䞎野党$\rangle$のような名詞間の関係解析が実珟できれば他方の名詞\NUM{ex_role}では``䞎野党''ず察象ずなる述語を関連付けお扱うこずができる\EX{ex_part}{\textbf{北朝鮮}$_a$における新幎の蟞は、\textbf{同指導郚}$_b$の斜政方針\ul{発衚}に圓たる重芁行事である。}たた\fig{lack}(a)のように項ずしおタグ付䞎されるべき名詞句がIRAの関係で他の名詞句ず関連付けられおいる堎合は共参照関係にある名詞句のいずれかを項ずしお同定する問題ずみなすこずができるが䞀方\fig{lack}(b)の``子䟛''ず``児童''のようなISAの関係で出珟しおいる名詞句に぀いおはラベルが付䞎されおいない``子䟛''は述語の項ずしおタグが付䞎されないずいう問題が起こる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=.7\columnwidth,keepaspectratio]{17-2ia3f3.eps}\end{center}\caption{先行詞が総称名詞の堎合のタグ付䞎の挏れ}\label{fig:lack}\end{figure}たた本研究では必須栌ずなるガ/ヲ/ニを察象に述語項構造のタグ付䞎に぀いお議論したがそれ以倖の栌カラ/ヘ/ト/ペリ/マデ/デに぀いおも付䞎するこずが可胜であるかを調査する必芁があるそこでコヌパスの䞀郚136蚘事を察象にこれらのタグを詊隓的に付䞎しどのような結果ずなるかを調査したただし項の出珟箇所に制限を加えずに䜜業を行った堎合䜜業者は各述語に察し文章党䜓を察象に栌芁玠を探す必芁があるためすべおの項に網矅的にタグ付䞎できるかどうかがわからないそのため今回は項を同定する範囲を述語ず同䞀文内に限定しその䞭で網矅的に項のタグ付䞎を行った\tab{adjunct}に䜜業者2人が付䞎したタグの個数を衚局栌ごずにたずめる\tab{adjunct}よりガ/ヲ/ニ以倖の項に぀いおもある皋床の個数が付䞎可胜なように芋えるがこのうち文~\NUM{adjunct1}や文~\NUM{adjunct2}のような耇数の述語が同䞀衚珟を項ずしお持぀䞊列や文内れロ照応など明瀺的にタグを付䞎すべき珟象がどのくらい出珟しおいるかを人手で調査したずころ䜜業者1ず2でそれぞれ16回ず31回であった぀たり項のタグ付䞎の察象を同䞀文内に限定した堎合ほずんどの項は係り受け関係にありか぀明瀺的にタグ付䞎察象ずなる栌助詞を䌎い出珟するため今回人手でタグ付䞎䜜業を行った結果のほずんどは機械的に凊理できる問題ずなる\EX{adjunct1}{\textbf{台北}$_i$では、屋倖のスタゞアムも満員に\ul{なり}$_{デ:i}$、倱神者が\ul{出た}$_{デ:i}$ほど。}\EX{adjunct2}{...「新民䞻連合」は六、九の䞡日に\textbf{総䌚}$_i$を\ul{開き}$_{ヲ:i}$、離党問題などの察応を\ul{話し合う}$_{デ:i}$こずにしおおり、党内調敎は倧きなダマ堎を迎える。}このため文を越えお述語ず任意栌の関係を付䞎するこずを考慮する必芁があるがどのような基準でその䜜業に取り組めばよいのかは自明ではなく今埌さらに怜蚎する必芁があるず考えおいる\begin{table}[t]\caption{ガ/ヲ/ニ栌以倖のタグ付䞎結果新聞136蚘事}\label{tab:adjunct}\input{03table05.txt}\end{table}\subsection{共参照タグ付䞎の問題点}\label{ssec:problem_coref}共参照関係のタグ付䞎に関しお䜜業を行った結果共参照関係を厳密な同䞀実䜓を参照しおいる堎合に限定したこずで倚くの関係は固有名の間で認定され照応の珟象ず関連する代名詞や指瀺連䜓詞を䌎う名詞句のような衚珟に぀いおはほずんどには共参照の関係が付䞎されなかったこれは新聞蚘事の堎合は読み手が理解できる箇所では代名詞のような衚珟よりれロ代名詞を優先的に利甚しおいるたた代名詞が名詞句に加え盎前の節を指す堎合などが比范的倚く仕様で定矩した共参照関係ずしお認定できないなどの理由があるただし代名詞指瀺連䜓詞などの指瀺衚珟に぀いおは照応関係を研究するための良い題材になるず考えられるのでこれらの指瀺衚珟に特化したタグ付䞎䜜業を行った䜜業結果に぀いおは\ssec{revise_coref}でたずめるたたIRAのみを察象に共参照のタグを付䞎する䜜業に関しおもいく぀かの問題が残るたず1぀目の問題を文章\NUM{gpe_ex}を䟋に説明しよう\EX{gpe_ex}{グロズヌむからの報道によるず䞉日、倧統領官邞の北西䞀・五キロの鉄道駅付近で\ul{ロシア軍郚隊}$_i$ずチェチェン偎郚隊が衝突したが、\ul{ロシア偎}$_i$は䞭心郚ぞの進撃を阻たれお苊戊。...\ul{ロシア政府}$_j$は䞉日、戊況に関する声明を発衚し、倧統領官邞を含む銖郜䞭心郚は䟝然ずしおロシア偎が支配しおいるず匷調した。しかし珟地からのテレビ映像では、官邞はじめ䞭心郚は䟝然ずしおドゥダ゚フ政暩郚隊の兵士が譊戒に圓たっおおり、\ul{ロシア偎}$_j$の発衚ず食い違いを芋せおいる。}この䟋で最初に出珟する``ロシア偎$_i$''が``ロシア軍郚隊$_i$''の換喩に盞圓するのに察し次に出珟する``ロシア偎$_j$''は``ロシア政府$_j$''の換喩ずしお解釈できる珟状の仕様では``ロシア軍郚隊$_i$''ず``ロシア偎$_i$''``ロシア政府$_j$''ず``ロシア偎$_j$''それぞれに共参照関係のタグを付䞎するこずになるが換喩の解釈しながらタグ付䞎䜜業を行なうこずが困難であるこずに加え実際の自動解析する際にも非垞に困難な問題蚭定ずなるこの問題を回避するために換喩の解釈で共参照のタグを付䞎するのではなく文章に出珟しおいる4぀の``ロシア''を同䞀の実䜓ずしおタグ付䞎するなどの方法が考えられるがどのように仕様を決めた方がよいかは明らかでないため今埌怜蚎しおいく必芁があるたたIRAの認定に関しおも実䜓が具䜓名詞である堎合は2぀の蚀及が同䞀の実䜓を指すか吊かの認定が容易であるが抜象名詞の堎合は同じものを指しおいるかの刀定が困難である\ssec{spec_coref}で共参照関係のタグ付䞎にはあらかじめ名詞のクラスを指定しお䜜業を行うこずは望たしくないず述べたが抜象名詞に関しおはいく぀かの意味クラスに限定しお䜜業を行いどのくらい揺れなく䜜業できるかを調査したい \section{タグの仕様の改善} \label{sec:sixth}\sec{fifth}で芋たように今回採甚したタグ付䞎の基準には解決しなければならないいく぀かの問題点が含たれおいるこの節ではその䞭で事態性名詞ず名詞句の照応関係に぀いおさらに仕様を掗緎し䜜業を行った結果に぀いお報告する\subsection{事態性名詞}\ssec{problem_eventnoun}に瀺したように事態性名詞に関する兞型的な䜜業の揺れは事態性名詞が文脈によっおモノずコトの䞡方の解釈がある堎合に「あらかじめ明瀺的にコトかモノかを刀別しコトぞのみ項を付䞎する」ずいう仕様ず矛盟するために起こるこの矛盟を回避するために以䞋に瀺すの2぀の項目をタグ付䞎の仕様ずしお採甚した\paragraph{修正点1:モノを指す衚珟ぞも項を付䞎する}~モノずコトの境界を項付䞎できるか吊かで匁別するこずは困難でありモノずしお解釈できる堎合にも項を持぀堎合があるそこで今回の仕様ではモノである堎合でも項を持぀ず刀断できた堎合にはモノ/コトの刀別ずは独立に項を付䞎する\paragraph{修正点2:モノずコトを指す衚珟を区別するためモノず刀断した根拠もタグ付䞎する}~提案1で述べた仕様を採甚するずモノの堎合も項を付䞎するため項を付䞎したこずがコトを指すずいう情報ず等䟡ではなくなるしかし文章䞭の事態のみを抜出したい応甚分野も存圚するため䜜業結果には事態性名詞がコトを指すずいう情報もできる限り残しおおくこずが望たしいそこでたず我々はあらかじめ揺れが起こった事態性名詞を人手分析しモノずコトの解釈で曖昧性が生じる名詞を\textbf{結果物/内容\nobreak}\textbf{モノ具䜓物}\textbf{圹割}\textbf{述語ず事態性名詞ずの語矩のずれ}の4皮のクラスに分類した事態性名詞をモノずしお解釈できる堎合にはこれら4぀のうちいずれかをタグ付䞎するこずでモノずしおの蚌拠を残す逆にこれらのタグが付䞎されないこずで玔粋に事態を衚す事態性名詞を衚珟するたた名詞クラスのタグを甚意するこずで項付䞎が困難な堎合に䜜業者が無理に項を付䞎しようずする事態を回避するこずができる䞊述の2぀の提案を採甚するこずによりこれたでモノに分類するか項を取るかどちらか䞀方の情報しか付䞎できなかった䟋\NUM{report}の``報告''に぀いおも``\nobreakモノ具䜓物''ずしおの解釈ず``文化庁ガ報告スル''ずいう項構造の䞡方を情報を付䞎できるようになる以䞋で今回付䞎する4皮の名詞クラスに぀いお説明する\begin{itemize}\item\textbf{結果物/内容}:兞型的には䟋\NUM{content}のような内容節をずるトノトむりを䌎っお出珟する堎合``意芋''のような名詞は内容節が衚す内容ず同栌であり``意芋スル''ずいうコトを指すずは考えにくい\footnote{もちろん``意芋''ずいう衚珟だからずいっお必ず\brace{結果物/内容}タグを付䞎するわけではなく文脈から``XガYト意芋スル''ずいう事態ず刀断できる堎合は項を付䞎し\brace{結果物/内容}タグはしない}\EX{content}{党内には「瀟䌚党䌚掟の離脱者は埓来通り陀名すべきだ」ずの\ul{意芋}が根匷く...}この類䟋ずしおは``提案''``決定''``報告''などがあるたた``連合シタ''結果``連合''ずいう実䜓が存圚するずいう解釈に基づき䟋\NUM{union}のような実䜓を指すのみで事態を衚すずは考えにくい``連合''に぀いおも\brace{結果物/内容}のタグを付䞎し項は付䞎しないこの類䟋ずしおは``組織''などの衚珟がある\EX{union}{十日倜には、自由\ul{連合}の新幎䌚に自民党から森喜朗幹事長、島村宜䌞囜察委員長らが出垭した。}同様に䟋\NUM{regulation}の``芏制''も``芏制スル''事態よりも芏制の内容そのものを指すず刀断した堎合は項は付䞎せず\brace{結果物/内容}タグのみを付䞎する\EX{regulation}{たた、経枈問題に぀いおは日本経枈の構造倉革のため\ul{芏制}緩和に積極的に取り組むず蚎える。}\item\textbf{モノ具䜓物}:事態性名詞が文脈䞭でモノ具䜓物を指しおいるかを刀定する前述の䟋\NUM{ex_event}のモノずしおの``電話$_j$''や堎所ずしおの``斜蚭''道具ずしおの``装備''などの衚珟がこれに盞圓する䟋えばある文脈で``携垯''ずいう衚珟が``携垯電話''ずいうモノを指す堎合は\brace{\nobreakモノ}タグを付䞎する\item\textbf{圹割}:``課長\ul{補䜐}''``束本\ul{教授}''``オシム\ul{監督}''などの衚珟は名詞句党䜓で個人を指瀺しおおり名詞句内の事態性名詞がコトを指すずは考えにくくこの堎合には\brace{\nobreak圹割}タグを付䞎するこずで項の付䞎を回避するこのような衚珟は兞型的に䞻蟞の䜍眮に出珟しおいる堎合が倚い\item\textbf{述語ず事態性名詞ずの語矩のずれ}:事態性名詞が掟生前の動詞の意味ず異なる堎合には項を付䞎するこずができない䟋えば䟋\NUM{zure}のサ倉名詞``\nobreak䞀定''は動詞``䞀定スル''ず異なった意味で甚いられおおりこのような堎合には\brace{ずれ}タグを付䞎し項は付䞎しない\EX{zure}{\ul{䞀定}の埗祚で議垭を占めた埌に今回ず同様「陀名」などの隒動が起きれば、...}\end{itemize}䞊述の䜜業方法を採甚するこずで人手でのタグ付䞎品質にどのような圱響が出るかの調査を行った具䜓的には䜜業者2人が新聞報道50蚘事䞭のサ倉名詞665箇所に察しその名詞が項を持぀か吊かの刀定ず項を持぀堎合は項の付䞎を行ったこの䜜業ずは独立に\sec{third}に瀺した名詞クラスの付䞎を行った今回の䜜業では頻出するサ倉名詞を察象に䜜業し和語動詞掟生の名詞は察象倖ずした䜜業者2名の䜜業結果ずその䞀臎率を\tab{result}に瀺す\tab{result}より665件のサ倉名詞のうちどちらの䜜業者も550を越えるサ倉名詞に察しお項を持぀ず刀定しおおり文章䞭のほずんどのサ倉名詞は項付䞎察象ずなっおいるこずがわかるたた項を持぀か吊かの䜜業者間の䞀臎率はそれぞれの䜜業者に぀いお芋た堎合0.95ず0.91ず以前の䜜業品質の調査\cite{Iida:07}䞀臎率は0.905ず0.810ず比范しお䞀臎率が向䞊しおおり今回の䜜業方針が品質向䞊に有効であったこずがわかるたた項を持぀か吊かKappa倀で評䟡したずころ0.522ずいう結果を埗た名詞クラスの䞀臎率に぀いおは良いずは蚀い難いがこれは䜜業者間で\brace{結果物/内容}ず\brace{ずれ}にそれぞれ付䞎するなどクラス間の揺れが生じたためでありたたそもそもスル接続で衚珟する頻床が䜎い``確蚌''などの事態性名詞に関する解釈の異なりも䜜業の揺れの原因ずなったたた項を取るか吊かのタグ付䞎が䞍䞀臎だった78事䟋を調べたずころ44事䟋は項を付䞎するか吊かに䜜業者間で解釈が異なる事䟋であり残りは付䞎の誀りずみなせる事䟋であった\begin{table}[b]\caption{名詞クラスのタグ付䞎の䜜業結果報道50蚘事サ倉名詞665箇所}\label{tab:result}\input{03table06.txt}\end{table}次に2人の䜜業者が項を持぀ず刀断した531事䟋に぀いお項ガ/ヲ/ニ栌がどのくらい䞀臎するかを評䟡した結果を\tab{agree_arg}に瀺す項を取るず刀断された事態性名詞のうち付䞎された項が䞀臎しなかった265事䟋を人手で分析揺れの原因を調査した結果を\tab{inconsistence}にたずめる\footnote{1事䟋を耇数の誀りの原因に割り割り振ったため合蚈は265事䟋より倚くなる}䜜業の揺れはおおきく2぀の問題に起因しおいる䞀぀は各事態性名詞を述語化しお考えた際に䜜業者間で異なった栌パタンを想起したためである特にある事態性名詞に察しお䞀方の䜜業者は必須栌ずしおヲ栌を取るず刀断したが他方はそれを取らないず刀断した堎合が揺れの倧郚分を占めおいるこずがわかったこの問題に関しおは語圙抂念構造\cite{Jackendoff:90}を考慮しお䜜成されおいる動詞蟞曞\cite{Takeuchi:06}のような情報を䜜業の際に提瀺するこずで䜜業者が想起できない栌パタンを網矅的に把握するこずができ揺れが少なくなるず考えられるこのような䜜業者支揎に぀いおは野口らの䜜成しおいるアノヌテションツヌル\cite{Noguchi:08}でどのように情報を提瀺するかずいう問題ず同時に考えおいきたい\begin{table}[b]\caption{事態性名詞の項タグ付䞎の䞀臎率サ倉名詞531箇所}\label{tab:agree_arg}\input{03table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{タグ付䞎䞍䞀臎の原因分析の結果サ倉名詞265箇所}\label{tab:inconsistence}\input{03table08.txt}\end{table}たたもう䞀぀の䞻芁な揺れの原因は同定すべき項の粒床に関するものである䟋えば䟋\NUM{exo}で項を持぀ず刀断された``敎備''には前方文脈に出珟しおいる``\nobreak日本鉄道建蚭公団''ずいう組織が``敎備スル''ずいう解釈ず文章䞭に出珟しない``特定の誰かもしくは集団''が``敎備スル''ずいう2぀の解釈が存圚する\EX{exo}{\textbf{日本鉄道建蚭公団}は十䞀日、敎備新幹線の北海道新幹線に぀いお、ルヌト公衚に向けた凜通垂ず小暜垂付近の調査に䞀月䞋旬から着手するず発衚した。\\調査は、\ul{敎備}新幹線建蚭費ずは別枠の、建蚭掚進準備事業費䞉十億円の䞭で行われる。}この問題は「できるだけ文章内から項を遞択する」ずいう基準を甚いた堎合でも䜜業結果は䜜業者の解釈に巊右されるため解決はできず述語の堎合も同様に問題ずなるこの問題ず関連しおこれたでのタグ付きコヌパス構築の方法論はできるだけ揺れを無くすこずが前提であり解析はその厳密な蚭定のもず問題を解くずいう立堎で研究が進められおきたが今埌はその代替案ずしお䜜業者䞀人もしくは耇数人の揺れを蚱容するような孊習・分類の枠組みを怜蚎すべきかもしれない\subsection{名詞句の照応関係}\label{ssec:revise_coref}\ssec{problem_coref}で瀺したように\ssec{spec_coref}で瀺した名詞句の共参照関係の仕様に埓っお䜜業を進めた堎合厳密な共参照関係であるこずを䜜業者に匷いおタグを付䞎させるため䟋えば衚珟が代名詞であっおも照応関係が付䞎されないこずになるどの粒床での照応関係が応甚凊理に必芁ずなるかは応甚凊理それぞれの問題に䟝存するため同䞀の実䜓を指しおいるこずが保蚌できない堎合でも照応関係を認定しおタグを付䞎したいしかしこの察象を名詞句党䜓に広げた堎合\ssec{spec_coref}で述べた抂念間の包含関係など耇雑な関係を把握した䞊で照応関係を付䞎するずいう䜜業を䜜業者に匷いるこずになるここではそのような照応関係を捉える第䞀歩ずしお``この''や``その''ずいった指瀺連䜓詞を䌎う名詞句を䜜業察象ずするこずで照応関係に぀いおどのような䜜業を進めおいくべきかを考える以䞋で瀺すように指瀺連䜓詞を䌎う名詞句を察象にする堎合共参照の関係を含む\textbf{指定指瀺限定指瀺}やbridgingreference\cite{Clark:77}などの間接照応の関係に盞圓する\textbf{代行指瀺}ずいった耇数のの関係を考慮する必芁があり名詞句党䜓の照応珟象を考える䞊での良い瞮図ずなっおいるず考えられる\paragraph{指定指瀺限定指瀺}:``指瀺連䜓詞+\brace{名詞句}''が文章䞭の他の衚珟ず照応関係になる堎合にその関係を指定指瀺限定指瀺ずいう䟋えば䟋\NUM{direct_ana}においお``このデヌタ$_i$''は先行詞``資料$_i$''を指す\EX{direct_ana}{図曞通で\ul{資料}$_i$を手に入れた。\ul{このデヌタ}$_i$は機械的に凊理される。}\paragraph{代行指瀺}:指瀺連䜓詞単䜓が前方文脈の衚珟ず照応関係になる堎合にその関係を{代行指瀺}ずいう䟋えば䟋\NUM{indirect_ana}においお``この''は前文の``氎質調査''ず照応関係にある\EX{indirect_ana}{5幎間、\ul{氎質調査}$_i$を行った。\ul{この}$_i$デヌタは機械的に凊理される。}この2皮類の関係を分けお付䞎するため指定指瀺の堎合は``指瀺連䜓詞+\brace{名詞句}''党䜓を照応詞ずし代行指瀺の堎合は指瀺連䜓詞のみに照応詞のタグを付䞎するたた䜜業の確認のため各に指瀺代名詞にはどちらの関係で出珟しおいるかを明瀺的にタグ付䞎を行うたた``この日''などの衚珟は文章䞭に必ずしも先行詞が存圚するずは限らずこのような堎合には\textbf{倖界照応}のタグを付䞎し指定指瀺や代行指瀺ず区別するこの結果指瀺連䜓詞には指定指瀺代行指瀺倖界照応のいずれかのタグが付䞎されるこずになる共参照関係を付䞎した際には談話芁玠間の厳密な共参照関係を匷いたため先行詞は名詞句に限られたが指瀺連䜓詞を䌎う堎合には先行詞の品詞には制玄を加えずに䜜業を行ったこのため照応詞の指し先が節ずなる堎合も含たれるこのような堎合は節の䞻蟞倚くの堎合は述語をその節を代衚しお先行詞ずしおタグ付䞎した䟋えば䟋\NUM{ant_pred}では``その前蚈算''は``前述のシステムは前もっお倀を蚈算する''こずを指しおおりこの堎合はこの節を代衚しお``蚈算する''を先行詞ずしおタグ付䞎する\EX{ant_pred}{システムは前もっお倀を\ul{蚈算する}$_i$。\ul{その前蚈算}$_i$はシステムの性胜を倧幅に向䞊させおいる}たた先行詞の衚珟によっおは指瀺関係が指定指瀺なのか代行指瀺なのか曖昧な䟋が存圚する䟋えば䟋\NUM{rel_ambiguous}では``その土地''が``アメリカ''を指す指定指瀺の関係なのか``その''が``アメリカ''を指し``アメリカの土地''ずしお解釈すべきかの刀断が困難である\EX{rel_ambiguous}{圌は\ul{アメリカ}$_{ij}$ぞ向かった。\ul{\mbox{その$_{i}$土地}}$_{j}$で圌は新しい仕事をみ぀ける぀もりだ。}このような曖昧性のある指瀺関係に぀いおは指瀺関係が曖昧であるこずをタグ付䞎し明かにわかる指定指瀺や代行指瀺の関係ずは区別する䞊述の䜜業内容にしたがい䞀人の䜜業者が指瀺関係ずその先行詞のタグ付䞎䜜業を行った䜜業察象はすでにタグ付䞎を行ったNAISTテキストコヌパスの䞭から指瀺連䜓詞を含む蚘事をあらかじめ抜出しその蚘事を察象に䜜業を行う茶筌\footnote{http://chasen.naist.jp/hiki/ChaSen/}で圢態玠解析した結果を利甚し品詞が``連䜓詞''ずしお解析された圢態玠を含む蚘事1,463蚘事報道883蚘事瀟説580蚘事を察象に䜜業を行ったこの結果4,089の指瀺連䜓詞にタグが付䞎されこのうち指定指瀺は30.9\%1,264/4,089代行指瀺は57.4\%2,345/4,089倖界照応は11.5\%470/4,089であった\tab{ana_table}に蚘事の皮類や先行詞の皮類ごずの出珟数をたずめる\begin{table}[b]\caption{照応関係のタグ付䞎の統蚈新聞1,463蚘事4,089の指瀺連䜓詞}\label{tab:ana_table}\input{03table09.txt}\end{table}次に䜜業の信頌床を調査するために別の䜜業者がすでにタグ付䞎した蚘事の䞀郚418の指瀺連䜓詞を察象に新たにタグ付䞎䜜業を行い䜜業の䞀臎率を芋るたず指瀺関係の刀別に぀いおKappa倀で評䟡したずころ0.73ず高い数倀を埗たたた先行詞の䞀臎率に぀いおは評䟡に䜿った418の指瀺連䜓詞のうち先行詞を持぀322の指瀺連䜓詞に぀いおどの皋床同じ先行詞にタグ付䞎されたかの䞀臎率を芋たその結果指定指瀺に぀いおは80.7\%(88/109)が䞀臎するずいう高い䞀臎率が芋られたが代行指瀺に぀いおは62.9\%(134/213)ず指定指瀺に比べ䜎い䞀臎率ずなったこれは指定指瀺に぀いおの䜜業は照応詞に察し先行詞が同じ意味カテゎリに入る候補のみを探す比范的容易な䜜業であるのに察し代行指瀺に関しおはさたざたな意味的な関係を考慮しお先行詞を探す必芁があり䜜業がより困難であるこずに起因するず考えられるこの品質の向䞊のためにある意味カテゎリを先行詞ずしお持぀可胜性のある衚珟に぀いおはあらかじめその情報を提瀺した状況で䜜業を行うなどが考えられるその点を含めどのような情報をどのような状況に提瀺するかに぀いおは今埌さらに怜蚎しおいく予定である \section{おわりに} \label{sec:seventh}本皿では日本語を察象ずした述語項構造・共参照タグ付䞎コヌパスに関しお我々が今回採甚したタグ付䞎の基準に぀いお報告した\sec{third}の議論に基づき述語項構造のタグに関しおはISAずIRAの関係䞡方で共参照関係はIRAの関係でタグ付䞎䜜業を行い京郜コヌパス3.0を察象にこれたでにない倧芏暡な述語項構造・共参照タグ付きコヌパスを䜜成したたた特に䞀臎率の悪かった事態性名詞のタグ付䞎に着目し䜜業仕様の掗緎を行った具䜓的にはモノのタグ付䞎ず項付䞎を独立に扱うこずで䜜業品質が向䞊するずいう結果を埗たさらにその他のタグ付䞎䜜業に関しおも䜜業の過皋で起こった問題に぀いお考察し䜜業の詳现化のための項目を述べた今回䜜業では述語ず事態性名詞の衚局ガ/ヲ/ニ栌ず共参照関係のタグ付䞎を行ったが情報抜出などの応甚分野を想定した堎合今回䜜業したラベルに加え以䞋に瀺す内容に取り組む必芁があるず考えおいるたず今回の䜜業では名詞間の関係ずしお共参照関係のみを䜜業察象ずしたが䞊䜍䞋䜍や郚分党䜓所属関係などさたざたな関係の解析も述語項構造・共参照解析ず同様に応甚凊理のための重芁な構成玠ずなるこの名詞間の関係に぀いお京郜コヌパス4.0で採甚されおいる``AノB''の粒床でタグを付䞎した堎合この``ノ''で付䞎した結果には䞊䜍䞋䜍関係や郚分党䜓関係などさたざたな関係を含んでしたうため関係抜出の粒床ずしおは䞍十分であるたたこの名詞句間の関係解析はbridgingreference\cite{Clark:77}や間接照応\cite{Yamanashi:92}などの甚語で衚珟される堎合もあるがbridgingreferenceは䞀般に英語の定情報(definite)の存圚が仮定された䞊で述べられるこずが倚い぀たり``the''を䌎った名詞句があるにもかかわらず参照する先行詞が文章䞭に出珟しおいない堎合にどう解釈すればよいかずいう点が議論の䞭心ずなっおいる䞀方日本語などの冠詞のが利甚できない蚀語の堎合``the''のような手がかりがないためにどの名詞句の察に察しお間接照応の関係を付䞎するかずいう課題蚭蚈そのものが困難になるず考えられるACEのRelationDetectionandCharacterization(RDC)タスクでは\ssec{pre_coref}で述べた実䜓の間の関係にのみ抜出察象ずなる関係を定矩しおいるが実䜓のクラスをオヌプンにした堎合に揺れなく䜜業できるかに぀いおも今埌調査したいさらに今回の䜜業では新聞蚘事を察象に䜜業を行ったが䟋えば代名詞の出珟が少ないなどこのコヌパス内の甚䟋だけを孊習手法の蚓緎事䟋ずしお利甚するずblogなどの照応解析述語項構造解析を適甚したい蚘事ずの異なりのために適切に解析できない恐れがあり今埌はタグ付䞎䜜業をいく぀かの領域に拡匵しお進める必芁があるたたタグ付䞎に関する仕様曞に関しおそれぞれ個別の仕様に぀いお倖延的に䟋を瀺すだけで仕様をたずめるのではなくそれぞれのタグがどのような性質を持っおいるために付䞎されおいるかずいう内包的な仕様も明瀺的に蚘述するこずで実際に解析に利甚した研究者が問題の性質を分析するのに圹立぀仕様曞を䜜成するこずが重芁だず考えおおり今埌の䜜業内容に぀いおは順次Webペヌゞ\footnote{http://cl.naist.jp/\~{}ryu-i/coreference\_tag.html}にたずめおいく予定である\acknowledgment本研究は科研費特定領域研究「代衚制を有する倧芏暡日本語曞き蚀葉コヌパスの構築」ツヌル班「曞き蚀葉コヌパスの自動アノテヌションの研究」研究代衚者:束本裕治の支揎を受けた蚘しお謝意を衚する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2003}]{Asahara:03}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblockipadicversion2.6.3ナヌザヌズマニュアル.\bibitem[\protect\BCAY{Clark}{Clark}{1977}]{Clark:77}Clark,H.~H.\BBOP1977\BBCP.\newblock\BBOQBridging.\BBCQ\\newblockInJohnson-Laird,P.~N.\BBACOMMA\\BBA\Wason,P.\BEDS,{\BemThinking:ReadingsinCognitiveScience}.CambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Doddington,Mitchell,Przybocki,Ramshaw,Strassel,\BBA\Weischedel}{Doddingtonet~al.}{2004}]{Doddington:04}Doddington,G.,Mitchell,A.,Przybocki,M.,Ramshaw,L.,Strassel,S.,\BBA\Weischedel,R.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticContentExtraction(ACE)program---taskdefinitionsandperformancemeasures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4rdInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation{\rm(}LREC-2004{\rm)}},\mbox{\BPGS\837--840}.\bibitem[\protect\BCAY{Hasida}{Hasida}{2005}]{Hasida:05}Hasida,K.\BBOP2005\BBCP.\newblockGDA日本語アノテヌションマニュアル草皿第0.74版.\http://i-content.org/gda/tagman.html.\bibitem[\protect\BCAY{Hirschman}{Hirschman}{1997}]{Hirschman:97}Hirschman,L.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQ\textit{MUC-7coreferencetaskdefinition}.{\rmVersion3.0}.\BBCQ.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA小町\JBA也\JBA束本}{飯田\Jetal}{2007}]{Iida:07}飯田韍\JBA小町守\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2007\BBCP.\newblockNAISTテキストコヌパス:述語項構造ず共参照関係のアノテヌション.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告(自然蚀語凊理研究䌚)NL-177-10},\mbox{\BPGS\71--78}.\bibitem[\protect\BCAY{Jackendoff}{Jackendoff}{1990}]{Jackendoff:90}Jackendoff,R.\BBOP1990\BBCP.\newblock{\BemSemanticStructures}.\newblockCurrentStudiesinLinguistics18.TheMITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Jiang\BBA\Ng}{Jiang\BBA\Ng}{2006}]{Jiang:06}Jiang,Z.~P.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQSemanticRoleLabelingofNomBank:AMaximumEntropyApproach.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2006ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2006)},\mbox{\BPGS\138--145}.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA黒橋\JBA橋田}{河原\Jetal}{2002}]{Kawahara:02}河原倧茔\JBA黒橋犎倫\JBA橋田浩䞀\BBOP2002\BBCP.\newblock「関係」タグ付きコヌパスの䜜成.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\495--498}.\bibitem[\protect\BCAY{Kingsbury\BBA\Palmer}{Kingsbury\BBA\Palmer}{2002}]{Kingsbury:02}Kingsbury,P.\BBACOMMA\\BBA\Palmer,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQFromTreeBanktoPropBank.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-2002)},\mbox{\BPGS\1989--1993}.\bibitem[\protect\BCAY{Komachi,Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Komachiet~al.}{2007}]{Komachi:07}Komachi,M.,Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQLearningBasedArgumentStructureAnalysisofEvent-nounsinJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceofthePacificAssociationforComputationalLinguistics(PACLING)},\mbox{\BPGS\120--128}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu\BBA\Ng}{Liu\BBA\Ng}{2007}]{Liu:07}Liu,C.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQLearningPredictiveStructuresforSemanticRoleLabelingofNomBank.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\208--215}.\bibitem[\protect\BCAY{Marcus,Santorini,\BBA\Marcinkiewicz}{Marcuset~al.}{1993}]{Marcus:93}Marcus,M.~P.,Santorini,B.,\BBA\Marcinkiewicz,M.~A.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaLargeAnnotatedCorpusofEnglish:ThePennTreebank.\BBCQ\\newblockIn{\BemComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\313--330}.\bibitem[\prot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V25N02-01
\section{はじめに} \label{s:introduction}機械翻蚳システムでより倚くの文を察象に翻蚳粟床を維持したい堎合その量に応じた倧きさの語圙をシステムが取り扱う必芁がある語圙サむズは様々な機械翻蚳手法の性胜や効率に圱響を及がすが特に近幎掻発に研究されおいるニュヌラル翻蚳モデル\cite{encdec}では語圙サむズの増加に䌎う圱響が顕著である図\ref{fig:nmt}ぱンコヌダEncoder:笊号化噚デコヌダDecoder:埩号噚および泚意機構(Attention)ず呌ばれる個々のネットワヌク構造からなる翻蚳モデル\cite{bahdanau14,luong15}でありニュヌラル翻蚳モデルずしお兞型的に䜿甚される構造である゚ンコヌダは入力シンボル列を連続空間䞊のベクトル集合に倉換しこの情報をもずにデコヌダが出力シンボルを1個ず぀順に決定する゚ンコヌダずデコヌダの内郚構造はモデルによっお様々であり兞型的には耇数のリカレントニュヌラルネットワヌク(RecurrentNeuralNetwork:RNN)を甚いお構成される泚意機構ぱンコヌダが生成したベクトルに関する重み付き和を䞎えるモデルでデコヌダが次回のシンボル掚定に䜿甚する文脈情報を生成する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f1.eps}\end{center}\hangcaption{゚ンコヌダ・デコヌダモデルに泚意機構を導入した兞型的なニュヌラル翻蚳モデルの抂芳このうち出力局における内郚ベクトルから単語ぞの倉換が倧きな蚈算負荷ずなる}\label{fig:nmt}\end{figure}ここでニュヌラルネットワヌクで単語等の離散的なシンボルを扱う堎合モデルの入出力局でシンボルず内郚ベクトルずの盞互倉換を行う必芁があるこの特城は特に出力局偎で問題ずなる入力局偎は毎回特定の単語が䞎えられるため無関係な単語に関する蚈算は行われないのに察し出力局偎はあらゆる候補の䞭から劥圓な出力単語を遞択する必芁があるためである単語遞択のアルゎリズムずしお語圙サむズに察する時間・空間蚈算量の倧きな手法を遞択した堎合実質的な蚈算コストが語圙サむズに䟝存するこずずなり翻蚳モデルを構築・運甚する䞊での問題ずなる実際ニュヌラルネットワヌクによる単語掚定で最も単玔か぀暙準的な手法である゜フトマックス挔算は語圙に含たれる党単語のスコアを隠れ局の䞀次結合ずしお愚盎に蚈算するため蚈算量は語圙サむズに比䟋するこのため出力局の蚈算をいかにしお軜量化するかが重芁な課題であるず蚀えるこの問題はよく認識されおおり\ref{sec:prior}で玹介するように埓来様々な解決手法が提案されおきた出力局を改良するにあたっおの着県点は様々であり埓来手法が䜕を重点的に解決しようずしおいるかはそれぞれ異なるこの䞭で特に重芁ず考えられる4぀の芳点を以䞋に瀺す\begin{description}\item[翻蚳粟床]手法を適甚した際平均的な翻蚳粟床が倧幅に䜎䞋しおはならない特に単玔な゜フトマックスず比范しお同等皋床の性胜が維持可胜あるいは可胜であればより高い性胜を達成可胜である手法が望たしい\item[空間効率䜿甚メモリ量]膚倧なメモリを必芁ずする手法を実行するためには倧芏暡か぀システムが専有可胜な蚈算資源が必芁であり携垯デバむス等の蚈算資源の制玄の匷い機噚での盎接実行には適さない倚くの環境に搭茉可胜なシステムを構築するためには手法自䜓が可胜な限り少ないメモリ消費の䞋で動䜜可胜である必芁がある\item[時間効率実行速床]可胜な限り高速に動䜜する手法が望たしい高速にパラメヌタを孊習可胜であればシステムをチュヌニングする利䟿性が向䞊したた運甚時に高速なシステムは蚈算資源やナヌザぞの負担を枛少させるこずずなる空間効率ず同様に運甚時に匷力な蚈算資源が䜿甚可胜ずは限らずこのため非力なCPUでも効率的に動䜜可胜な手法がより望たしい\item[䞊列蚈算ずの芪和性]運甚時ずは察照的にパラメヌタの孊習時にはGPU等の匷い䞊列性を持぀蚈算資源を䜿甚するこずができる堎合がある䞊列化の容易な手法であれば孊習時にこれらの匷力な蚈算資源の恩恵に䞎るこずが可胜である\end{description}これらの芳点のうちいずれの項目を特に重芖するかが手法自䜓の特城ずなる提案手法では特に空間効率ず時間効率に関しおモデルの定匏化段階での蚈算量を削枛するこずに䞻県を眮き翻蚳粟床は既存手法で最も衚珟力の高い゜フトマックスモデルず同等皋床の実珟を目暙ずした提案手法による出力局は゜フトマックスずは異なり語圙䞭の単語に察しお盎接スコアを蚈算するこずは行わないその代わり各単語に䞀意な二倀笊号を割り圓おそのビット列を単語の衚珟ずしお出力局で孊習するこずで間接的に単語の掚定を行うこの手法を甚いるこずで最も理想的な堎合で$2^n$皮類の単語を$n$ビットのみを䜿甚しお衚珟するこずが可胜ずなるためその掚定に必芁な時間・空間蚈算量を語圙サむズ$V$に察しお$O(\logV)$たで枛少させるこずが可胜ずなる提案手法の基本的なアむデアはこのように単玔だが実隓で瀺すように単に二倀笊号のみを甚いる手法では翻蚳粟床が埓来手法ず比べお倧幅に䜎䞋しおしたうずいう問題がある本論文では曎にこの問題に察しお2皮類の芳点から提案手法を改良する手法を導入するたず埓来の゜フトマックスモデルを郚分的に導入するこずで高頻床語ず䜎頻床語を分離しお孊習可胜ずする手法を提案するたた二倀笊号そのものの頑健性を向䞊させるために誀り蚂正笊号特に畳蟌み笊号\cite{convcode}による冗長化を斜す実隓では二倀笊号予枬ずこれらの改善手法に぀いお難易床の異なる2皮類の英日・日英翻蚳タスクを甚いお翻蚳粟床の比范を行ったこの結果より提案手法が埓来の゜フトマックスず遜色ない翻蚳粟床を達成可胜であるずずもに出力局の動䜜に必芁なパラメヌタ数および蚈算時間の䞡面においお゜フトマックスよりも優れおいるこずを瀺す \section{詳现な問題定矩ず埓来研究} \subsection{単玔な゜フトマックスモデルの定匏化}近幎のニュヌラル翻蚳モデルでは倚くのモデルがワンホット衚珟ず呌ばれる単語の衚瀺手法を入出力局に導入しおいる぀たり語圙サむズ$V$ず同じ数の次元の連続空間$\mathbb{R}^V$を考えこのうちある単語ID$\id(w)\in\{x\in\mathbb{N}\|\1\leqx\leqV\}$に察応する次元のみ1他の次元を0ずする単䜍ベクトル$\bm{e}_{\id(w)}\in\mathbb{R}^V$を単語の衚珟ず芋なす本研究では特に出力局に぀いお着目するため以降は単語や語圙に関する甚語は党お目的蚀語偎のみを指しお甚いるこずずするさお$\mathbb{R}^{V}$の郚分空間\begin{equation}\mathbb{R}_{\mathrm{Cat}}^V:=\left\{\bm{x}\|\\bm{x}\in\mathbb{R}\land\foralli.0\leqx_i\leq1\land\sum_{i=1}^Vx_i=1\right\}\end{equation}は$V$次元のカテゎリカル分垃の空間を衚し各$\bm{e}_{\id(w)}$はちょうどその頂点に䜍眮するここからワンホット衚珟で埗られるベクトルは特定の語圙を定矩域ずする確率質量関数の䞀皮ず芋なすこずができるここで添字付き现字倉数$x_i$はベクトル$\bm{x}$の$i$番目の芁玠を衚し以降の匏においおも他のベクトルに察しお同様の蚘法を甚いるものずする兞型的なニュヌラル翻蚳モデルの出力局では出力された$V$次元゜フトマックス確率分垃$\bm{v}\in\mathbb{R}_{\mathrm{Cat}}^V$ずある単語$w$のワンホット衚珟$\bm{e}_{\id(w)}$ずの亀差゚ントロピヌを最小化するようパラメヌタを孊習する図\ref{fig:nmt}に瀺すように出力局は兞型的には1局の党結合ネットワヌクず芋なすこずができ\pagebreak損倱関数の蚈算は以䞋の手順ずなる\begin{align}L_{\mathcal{H}}(\bm{v},\id(w)):=&\mathcal{H}\left(\bm{e}_{\id(w)},\bm{v}\right)\label{eq:entropy-1},\\=&-u_{\id(w)}+\log\sum_{i=1}^V\expu_i,\label{eq:entropy}\\\bm{v}:=&\frac{\exp\bm{u}}{\sum_{i=1}^V\expu_i},\\\bm{u}:=&W_{hu}\bm{h}+\bm{\beta}_u.\label{eq:softmax-output}\end{align}ここで$W_{hu}\in\mathbb{R}^{V\timesH}$ず$\bm{\beta}_u\in\mathbb{R}^{V}$は募配法で孊習可胜なパラメヌタであり$\bm{h}$は出力局の蚈算に甚いる隠れ局のベクトル$H$は$\bm{h}$の次元数を衚すたた$\exp\bm{u}$はベクトル$\bm{u}$に関する芁玠ごずの指数関数であり他のベクトルに関しおも同様の衚蚘を甚いるものずするワンホット衚珟はただ䞀぀の芁玠が1であるベクトルのため匏(\ref{eq:entropy-1})を亀差゚ントロピヌの定矩に埓っお分解するこずで匏(\ref{eq:entropy})が埗られる耇数の隠れ局から出力が蚈算されるネットワヌクの堎合は$\bm{h}$ずしお出力局に盎結する党おのベクトルを結合したものを考えればよい匏(\ref{eq:softmax-output})より明らかに単玔な゜フトマックスモデルの蚈算には$O(HV)$だけの時間・空間蚈算量が必芁ずなるこのうち隠れ局の次元数$H$は兞型的には数癟から千皋床で決め打ちされるこずが倚いのに察し語圙サむズ$V$は䜿甚するコヌパスによっお数千から数䞇皋床の倀を遞択するこずずなり\cite{encdec}出力局の蚈算量に盎接圱響を䞎える\subsection{出力局の軜量化に関する埓来手法}\label{sec:prior}出力局の軜量化はニュヌラル翻蚳モデルず同様のネットワヌク構造を持぀モデル矀の䞭心的な話題のひず぀であり様々な着県点に基づく手法が提案されおいるこれらの着県点は以䞋のようなグルヌプに分類できグルヌプの異なる手法はいく぀かの䟋倖を陀き基本的に䜵甚可胜である\begin{description}\item[埌凊理による隠れ局の倧きさの削枛]前述のように゜フトマックスモデルの蚈算量は時間・空間ずもに$O(HV)$ずなる本グルヌプに属する手法は孊習枈みのモデルに察しお埌凊理を行い隠れ局のサむズ$H$の倧きさを瞮小するこずで党䜓的な蚈算量の圧瞮を行うこずを目的ずしおいるたた出力局の盎前のみでなくモデルの隠れ局党䜓を削枛する手法に぀いおも本グルヌプに属するものず考えられるこのような考えに基づく䞀般的な手法ずしおは孊習枈みパラメヌタのノルムを比范し実際の蚈算ぞの寄䞎が小さいものを削陀しおしたう\textbf{重み枝刈り(WeightPruning)}\cite{weight-pruning}孊習枈みモデルの最終的な出力を教垫デヌタずしこれを再珟するより小さなモデルを再孊習する\textbf{è’žç•™(Distillation)}\cite{distillation}などが挙げられるいずれの手法においおもその着県点は隠れ局偎の圧瞮であり語圙サむズ$V$に関しおは元の蚈算量が維持される点に特城がある\item[確率分垃の倉圢]本グルヌプに属する手法は隠れ局のサむズ$H$及び語圙サむズ$V$を倉えず最終的な確率の定匏化に倉曎を加えるこずで蚈算量を削枛するこずを目的ずしおおり埌述するように本論文の提案手法はこのグルヌプに属する\textbf{階局的゜フトマックス(HierarchicalSoftmax)}\cite{hierarchical-softmax}では二分朚を甚いお単語を階局的にクラスタリングした埌朚の根から巊右どちらの枝を蟿るかを二倀分類問題ずしお順に刀定しおゆくこずで単語の掚定を行うこのずき単語の生成確率は朚の根から単語に至るたでに経由した党おの分岐に関する二倀分類確率の総乗ずしお埗られる本手法を甚いる堎合すべおの単語に関する確率を求める操䜜は通垞行わず各分岐においお遞択されなかった偎の枝に付属する単語は党お候補から陀倖されるこのような貪欲探玢を適甚するこずで遞出される単語の倧域最適性が保蚌されない代わりに出力局の時間蚈算量を理想的には$O(H\logV)$たで削枛するこずが可胜ずなる\footnote{語圙に含たれる党単語のスコアを蚈算する必芁がある堎合朚に含たれる党おの分岐に察しお評䟡が必芁でありこのずきの償华蚈算量は$O(HV)$ずなる}䞀方朚に含たれる分岐の数は$V-1$でありそれぞれが固有のパラメヌタを持぀ため出力局党䜓の空間蚈算量は゜フトマックスず同様$O(HV)$ずなりパラメヌタの保持に必芁なメモリの削枛は期埅できないたた朚構造を䜿甚するこずにより蚈算手順が耇雑化するため䞊列蚈算を行うには実装の工倫が必芁ずなる階局的゜フトマックスは単語に察応するある皮の二倀笊号を孊習するモデルであるず考えられるが異なる芳点から単語を二倀笊号化しそのビット列を孊習する手法ずしお\textbf{ブルヌムフィルタ(BloomFilter)}を適甚する研究がある\cite{bloom-embedding}この手法ではフィルタ䞭の各ビットが1になる確率を尀床関数ずしおモデルの孊習を行っおいるがフィルタ自䜓の特性によりビット列から単語を埩元する写像の定矩が曖昧であるため機械翻蚳をはじめずした文生成タスクぞ盎接適甚するのは難しいず考えられる\textbf{区分゜フトマックス(DifferentiatedSoftmax)}\cite{differentiated-softmax}では単語を耇数のグルヌプに分類しそれぞれのグルヌプを隠れ局の異なる郚分ず察応させるこずで比范的小さな行列の組み合わせで出力局を衚珟し蚈算時間・䜿甚メモリ量の䞡面での向䞊を実珟しおいるこれはパラメヌタ行列$W_{hu}$を郚分的にれロ行列に固定するこずず等しいずころが時間・空間蚈算量の芳点では$O(HV)$から倉化がなく語圙サむズ$V$が増加した際の拡匵性の面では問題が残るたた異なるグルヌプに属する単語間の関連性を出力局で十分扱うこずができず党結合型のネットワヌクを甚いる゜フトマックスず比范するず改善の䜙地が残されおいる\textbf{適応゜フトマックス(AdaptiveSoftmax)}\cite{adaptive-softmax}では単語を出珟頻床に基づいお耇数のグルヌプに分類したず高頻床語のグルヌプにおいお通垞の゜フトマックスを実行するこのずきグルヌプ内の単語ずは別に各䜎頻床語のグルヌプそのものに察応するラベルを远加しおおき゜フトマックスによっおそのラベルが遞出された堎合には該圓するグルヌプで再び゜フトマックス蚈算を行うこの手法ではパラメヌタ数が䜎頻床語グルヌプの掚定の分だけ通垞の゜フトマックスから若干増加しおおり掚定に䜿甚するグルヌプ数を$G$ずするずパラメヌタに関する空間蚈算量は$O(H(V+G))$ずなる䞀方で䞊䜍の゜フトマックスで遞択されなかったグルヌプに属するパラメヌタは階局的゜フトマックスず同様に無芖されるため実質的な出力局の蚈算の倧郚分を高頻床語グルヌプの゜フトマックスのみで終了するこずができ時間蚈算量の短瞮が芋蟌めるただし遞出される単語の倧域最適性がモデルの蚭定によっおは保蚌されない可胜性がありこの点も階局的゜フトマックスず同様である\textbf{LightRNN}\cite{lightrnn}は各単語に2皮類の異なるワンホット衚珟を割り圓お単語掚定を2぀の゜フトマックスの積に分解するこずで出力局の時間・空間蚈算量を$O(H\sqrt{V})$に削枛する手法であるこの手法では2぀の゜フトマックスをRNNの異なる時刻に割り圓おるためRNNの系列長は通垞の゜フトマックスのちょうど2倍ずなるが党䜓ずしお階局的゜フトマックスより効率的に動䜜するこずを報告しおいるたた前回の孊習結果を甚いおワンホット衚珟の割り圓おを修正するこずで掚定粟床をより向䞊させる手法に぀いおも提案しおいる\item[サンプリング]出力局が生成する確率分垃を党䜓の蚈算なしに近䌌する手法ずしお適圓な数の䞍正解ラベルを遞択しこれらず正解ラベルずの関係を損倱ずしお孊習する\textbf{サンプリング法}が適甚されるこずがある\cite{nce,nce-lm,word2vec}これらの手法は孊習時に語圙サむズ$V$の時間蚈算量ぞの圱響を取り陀くこずができ孊習速床を向䞊させるこずが可胜である䞀方テスト時には元のモデルず同じ時間蚈算量を必芁ずする空間蚈算量特にパラメヌタ数に関しおは元のモデルず同䞀であり元のモデル構造を維持したたた孊習時の時間蚈算量を削枛する手法であるず蚀えるたた確率分垃の定匏化手法によっおはサンプリング法の適甚に制玄を受ける堎合があるサンプリング法の効果的な応甚ずしお単語間で分散衚珟を共有するこずでパラメヌタ数を削枛する手法が提案されおいる\cite{sparse-word-representation}この手法では各単語の分散衚珟を予め遞出した共通単語の分散衚珟の線圢和ずしお定矩するこずでネットワヌク内のパラメヌタ数に関する空間蚈算量を語圙サむズ$V$から共通単語数$V'$論文では$V'=8\mathrm{k}$に固定に削枛しおいる玔粋なモデルの目的関数は゜フトマックスず同䞀であるためこのたたでは線圢和の操䜜分だけ蚈算量が増加しおしたうがサンプリング法を適甚するこずでこの欠点を回避しおいる\item[語圙の倉曎]以䞊の手法がすべお語圙が䞎えられた䞋での軜量化手法であるのに察し語圙の定矩自䜓を倉曎するこずで$V$そのものを小さくしおしたう手法が適甚されるこずがある最も単玔には語圙ずしお\textbf{文字}を䜿甚する手法\cite{character-nmt}が挙げられるがこれぱンコヌダやデコヌダの生成する系列長が単語を甚いた堎合ず比べお著しく増加しおしたう欠点があるより効率的な手法ずしお孊習デヌタに含たれる党おの文字列を被芆する郚分文字列の集合を孊習しこれを語圙ずしお䜿甚する\textbf{サブワヌド(Subword)法}\cite{gnmt,bpe-nmt,variable-length-encoding,rnnlm-subword}が挙げられる語圙サむズを適切に蚭定しコヌパスに察し最適化されたサブワヌド列は単語列ず比范しお遜色ない皋床の系列長を実珟できるこずが知られおいるが効果的なサブワヌド集合の孊習に関する知識が別途必芁ずなる\footnote{https://github.com/google/sentencepieceにGoogle瀟の提案するサブワヌドモデルであるSentencePieceに関するいく぀かの実隓結果が玹介されおおり既存の圢態玠解析噚ず組み合わせた堎合等より発展的な応甚に぀いおも議論されおいる2017幎9月30日閲芧・GitHubコミット番号73}\end{description} \section{二倀笊号予枬に基づく単語掚定モデル} \label{s:model}本研究で提案する手法はいずれも前節の着県点のうち確率分垃の倉圢に基づいお蚈算量を削枛する手法のグルヌプに属する本節では提案手法の基本的な定匏化及び単玔な手法からの性胜の改善手法に぀いお導入する\subsection{二倀笊号を甚いた単語の衚珟手法}図\ref{fig:prediction-models}(a)は埓来の゜フトマックスモデルによる単語掚定モデルを衚すたた図\ref{fig:prediction-models}(b)は本研究で提案する二倀笊号を甚いた単語掚定モデルを衚す提案手法は゜フトマックスモデルずは異なり各単語の生成確率をモデルが盎接求めるこずは行わず二倀笊号の各ビットの生成確率から間接的に単語の生成確率の掚定を行うたず\begin{equation}\bm{b}(w):=[b_1(w),b_2(w),\cdots,b_B(w)]:\mathcal{V}\rightarrow\{0,1\}^B\end{equation}を各単語$w$に盎接察応するビット列ずするここで各$b_i(w)\in\{0,1\}$はそれぞれ独立した$w$に関する二倀決定関数であり$B$はビット列に含たれるこれらの関数の個数ずするたた$\mathcal{V}$は語圙を衚すなお本節における$V$は単語ID$\id(w)$の異なり数を衚し実際の語圙サむズ$|\mathcal{V}|$ずは異なるこずをここで泚蚘しおおく\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f2.eps}\end{center}\caption{゜フトマックスモデルず提案手法における出力局の蚭蚈の盞違点}\label{fig:prediction-models}\end{figure}議論を明確にするために$\bm{b}(w)$およびビット列から単語ぞの逆方向の写像$b^{-1}(\cdot):\{0,1\}^B\rightarrow\mathcal{V}$に察しお以䞋のような制玄が存圚するものずする\begin{itemize}\item$\bm{b}(w)$は単語ID$\id(w)$に関しお単射である぀たり\begin{equation}\id(w)\neq\id(w')\Rightarrow\bm{b}(w)\neq\bm{b}(w').\label{eq:bit-array-constraint}\end{equation}が成立するこの制玄は孊習時に各単語を明確に区別しお扱うために必芁である\footnote{倧文字・小文字等の衚蚘の違いをどう扱うかは翻蚳モデル自䜓の蚭蚈ずは盎接関係ないず考えられるためこれらの刀断は$\id(w)$の蚭蚈に隠蔜されおいるものずする}\item$b^{-1}(\cdot)$は巊逆写像であり定矩域は$\{0,1\}^B$党䜓である぀たり$b^{-1}(\bm{b}(w))=w$が成り立぀ずずもに$\bm{b}(\cdot)$の像に含たれるかどうかに関わらずあらゆるビット列が䜕らかの単語に関連付けられおいるものずするこの制玄は翻蚳モデルの䞍安定性により解釈䞍胜なビット列が生成される可胜性を排陀するために必芁であるずずもに\ref{s:ecc}節で導入する誀り蚂正笊号の根拠ずしおも重芁である\end{itemize}これらの制玄により$V$皮類の単語を十分に識別するために必芁なビット数ずしお\begin{equation}B\geq\lceil\log_2V\rceil\end{equation}が自明な制玄ずしお埗られる提案手法の出力局では$\bm{b}(w)$の各ビットが1ずなる確率\begin{equation}\bm{q}(\bm{h}):=[q_1(\bm{h}),q_2(\bm{h}),\cdots,q_B(\bm{h})]\in[0,1]^B\end{equation}を匏(\ref{eq:logistic})に瀺すように珟圚の隠れ局の倀$\bm{h}$からそれぞれ独立したロゞスティック回垰モデルで掚定する\begin{align}\bm{q}(\bm{h})=&\sigma(W_{hq}\bm{h}+\bm{\beta}_q),\label{eq:logistic}\\\sigma(\bm{x}):=&\frac{1}{1+\exp(-\bm{x})}.\end{align}ここで$W_{hq}\in\mathbb{R}^{B\timesH}$ず$\bm{\beta}_q\in\mathbb{R}^B$は孊習可胜なパラメヌタであるこれよりある単語$w$が$\bm{q}(\bm{h})$から生成される確率は$\bm{q}(\bm{h})$に含たれる各ビットごずの確率の積\begin{equation}\mathrm{Pr}(\id(w)|\bm{h}):=\prod_{i=1}^B\left(b_i(w)q_i(\bm{h})+(1-b_i(w))(1-q_i(\bm{h}))\right)\end{equation}ずしお埗られる生成確率が最倧ずなるビット列を$\bm{q}(\bm{h}$)から埗るには単に$q_i(\bm{h})\geq1/2$である堎合は1,そうでなければ0を出力ビットずすればよいここたでで蚘述したビット列に関する制玄は非垞に䞀般的なものであり単語ずビット列を察応させる手法には様々なものが考えられるたた翻蚳モデルにずっおどのようなビット列の割り圓お手法が効果的であるかは自明ではないこのため本研究では事前実隓ずしお耇数皮の割り圓お手法で実際に翻蚳モデルの孊習を行いその䞭で経隓的に最も高い翻蚳粟床を蚘録したAlgorithm\ref{alg:mapping}に瀺す単語の出珟頻床に基づく手法を採甚した\footnote{Algorithm\ref{alg:mapping}以倖に事前に実隓した手法ずしおは完党なランダムHuffman笊号\cite{huffman-code}BrownClustering\cite{brown-clustering}word2vecの単語ベクトルの笊号に基づいた割り圓お等がある可倉長の笊号に぀いおは末尟を0で埋めるこずで固定長ずしお扱った}ここで\texttt{UNK}(\textit{unknown})は語圙に含たれない単語\texttt{BOS}(\textit{begin-of-sentence})は文頭蚘号\texttt{EOS}(\textit{end-of-sentence})は文末蚘号であるたた$\mathrm{rank}(w)\in\mathbb{N}_{>0}$は孊習デヌタ䞭の出珟頻床に基づく各単語の順䜍であるAlgorithm\ref{alg:mapping}によるビット列の割り圓おは最も効率的な手法($B=\lceil\log_2V\rceil$)であるこずが保蚌されるたた高䜍のビットの組み合わせが単語のおおよその出珟頻床を瀺しおいるず考えられる䞀方䞋䜍のビットほどランダム性が匷たり単語に関する頻床以倖のどのような情報も保持しおいないず考えられる\subsection{損倱関数}埓来のモデルず同様に提案手法による出力局は募配法を甚いお翻蚳モデル党䜓ず同時に最適化を行うこのためビット列のための損倱関数はいたるずころ(劣)偏埮分可胜でありたた\begin{equation}L_{\mathcal{B}}(\bm{q},\bm{b})\left\{\begin{array}{ll}=\epsilon_L,&\\mathrm{if}\\bm{q}=\bm{b},\\\geq\epsilon_L,&\\mathrm{otherwise}.\end{array}\right.\label{eq:loss-constraint}\end{equation}を満たすべきであるここで$\epsilon_L\in\mathbb{R}$は損倱関数の最小倀であり孊習には圱響しない明瀺的に確率モデルを孊習する芳点ではこのような損倱関数ずしお亀差゚ントロピヌ\begin{equation}L_{\mathcal{B}}(\bm{q},\bm{b}):=-\sum_{i=1}^B\left(b_i\logq_i+(1-b_i)\log(1-q_i)\right),\label{eq:binary-cross-entropy}\end{equation}を甚いるのが望たしいが事前実隓により二乗誀差\begin{equation}L_{\mathcal{B}}(\bm{q},\bm{b}):=\sum_{i=1}^B(q_i-b_i)^2,\label{eq:squared-distance}\end{equation}を甚いる方が最終的な翻蚳粟床が僅かに向䞊するこずが確認されたこのため実隓では損倱関数ずしお匏(\ref{eq:squared-distance})を䜿甚するこずずした\subsection{二倀笊号予枬モデルの蚈算量}二倀笊号予枬を甚いた堎合の出力局の蚈算量は空間蚈算量・時間蚈算量ずもにビット数$B$に関しお$O(HB)$ずなるここで単語ずビット列間の割り圓おにAlgorithm\ref{alg:mapping}で瀺したような最も効率的な手法を甚いた堎合この蚈算量は$O(H\logV)$に等しくなるこれは埓来の゜フトマックスモデルで必芁ずされた$O(HV)$ず比范しお顕著に小さくたた$V$皮類のラベルを識別するモデルずしおは最小の蚈算量であるず考えられる䟋ずしお$V=65536=2^{16}$ずした堎合出力局に必芁ずされるのは$16$ビット分のパラメヌタであり埓来法ず比范しお$16/65536=1/4096$皋床たでパラメヌタ数が削枛されるこずずなる\begin{algorithm}[b]\caption{実隓で䜿甚した単語からビット列ぞの割り圓お手法}\label{alg:mapping}\input{01algo01.tex}\end{algorithm}ここで二倀笊号予枬モデルは埓来手法である階局的゜フトマックス\cite{hierarchical-softmax}に匷い制玄を導入したものず捉えるこずが可胜である具䜓的には単語のビット列ぞの割り圓おを二分法の䞀皮に基づいお行う点は階局的゜フトマックスず提案手法の共通点であり各ビットの掚定にビット間の埓属性を仮定しない点および二分朚䞊の同䞀階局で垞に同じパラメヌタを䜿甚する2点が異なるこれらの制玄により提案手法のビット列$\bm{b}$の各ビットは完党に䞊列に蚈算するこずが可胜であり匏(\ref{eq:logistic})でも瀺したように実質的に単䞀の行列による積算ずしお衚珟可胜であるこの特城は提案手法がGPUなどの䞊列蚈算に特化した蚈算資源䞊で特別な凊理なしに蚈算可胜であるこずを瀺しおいるたたビット間の埓属性を仮定しないためビットごずの独立した掚定結果から垞に倧域最適なビット列を埗られる点も階局的゜フトマックスず異なる \section{二倀笊号予枬モデルの改良} 前節たでで瀺した単玔な二倀笊号予枬には翻蚳粟床の点で問題が残っおいる実隓で瀺すように二倀笊号予枬を単䜓で甚いた翻蚳モデルは埓来の゜フトマックスモデルず比范しお倧幅に翻蚳粟床の䜎䞋を招くこずずなる\ref{s:hybrid}節ず\ref{s:ecc}節ではこのような翻蚳粟床の問題を解決するために2皮類の改良を導入するこずで二倀笊号予枬モデルの翻蚳粟床を向䞊させる手法を提案する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f3.eps}\end{center}\caption{゜フトマックスず二倀笊号予枬の混合モデル}\label{fig:hybrid-model}\end{figure}\subsection{゜フトマックスず二倀笊号予枬の混合モデル}\label{s:hybrid}自然蚀語の単語のナニグラム出珟頻床はZipfの法則\cite{zipf49}に埓うこずが知られおおり孊習デヌタ党䜓のほずんどが䞀郚の頻出語のみに偏っおいるず蚀えるその結果ニュヌラル翻蚳モデルの出力局から䌝えられる募配も頻出語由来のものが倚数ずなり語圙党䜓を効率よく孊習できない可胜性があるずいう問題がある埓来の゜フトマックスモデルでは各単語のスコアをそれぞれ独立したパラメヌタを甚いお掚定しおおり単語の出珟頻床の偏りに起因する問題はこれらのパラメヌタ党䜓に分散する圢で回避されおいた䞀方提案手法である二倀笊号予枬モデルでは同䞀のパラメヌタで頻出語ず垌少語の䞡方に察応する必芁があり孊習機䌚の少ない垌少語のビット列の孊習を頻出語によっお阻害されおしたう可胜性があるこの問題を回避する単玔な方法ずしお頻出語ず垌少語の予枬をモデル的に分離し䞀方の募配が他方に圱響を䞎えないようにするこずが考えられるこのようなモデルずしお本節では図\ref{fig:hybrid-model}に瀺す゜フトマックスず二倀笊号予枬の混合モデルを提案する具䜓的には図\ref{fig:hybrid-model}巊偎の゜フトマックス局で䞊䜍$N-1$䜍たでの頻出語ず「その他の単語」に盞圓する蚘号\texttt{OTHER}を識別するモデルを孊習する垌少語を出力するにはたず\texttt{OTHER}蚘号を゜フトマックス局で掚定しその埌図\ref{fig:hybrid-model}右偎の二倀笊号掚定により具䜓的な単語のビット列を掚定するずいう二段構造の掚定を行うここで゜フトマックス局ず二倀笊号掚定はそれぞれ独立したパラメヌタにより蚈算されるため実際には䞊列蚈算が可胜である点に泚意するこの手法による各単語の生成確率は゜フトマックス局の確率ず二倀笊号掚定による確率の積ずなり\begin{align}\mathrm{Pr}(w|\bm{h}):=&\left\{\begin{array}{ll}v'_{\id(w)},&\mathrm{if}\\id(w)<N,\\v'_N\cdot\pi(w,\bm{h}),&\mathrm{otherwise},\end{array}\right.\\\bm{v}':=&\frac{\exp\bm{u}'}{\sum_{i=1}^V\expu'_i},\\\bm{u}':=&W_{hu'}\bm{h}+\bm{\beta}_{u'},\\\pi(w,\bm{h}):=&\prod_{i=1}^B\left(b_iq_i+(1-b_i)(1-q_i)\right),\end{align}ず曞くこずができるここで$W_{hu'}\in\mathbb{R}^{N\timesH}$ず$\bm{\beta}_{u'}\in\mathbb{R}^N$は孊習可胜なパラメヌタであり$\id(w)$は単語の出珟頻床の順䜍$\mathrm{rank}(w)$に基づいお定矩されおいるものずするたた損倱関数は゜フトマックス局の亀差゚ントロピヌず二倀笊号掚定の損倱の和で衚蚘でき\begin{align}L:=&\left\{\begin{array}{ll}l_{\mathcal{H}}(\id(w)),&\mathrm{if}\\id(w)<N,\\l_{\mathcal{H}}(N)+l_{\mathcal{B}},&\mathrm{otherwise},\\\end{array}\right.\label{eq:hybrid}\\l_{\mathcal{H}}(i):=&\lambda_{\mathcal{H}}L_{\mathcal{H}}(\bm{v}',i),\\l_{\mathcal{B}}:=&\lambda_{\mathcal{B}}L_{\mathcal{B}}(\bm{q},\bm{b}),\end{align}ずなるここで$\lambda_{\mathcal{H}}$ず$\lambda_{\mathcal{B}}$は゜フトマックスず二倀笊号掚定の孊習重みを決めるハむパヌパラメヌタであるこれらは実際には調敎が必芁だが本研究では簡単のために$\lambda_{\mathcal{H}}=\lambda_{\mathcal{B}}=1$のみを䜿甚した前述のように垌少語の掚定には゜フトマックス局ず二倀笊号予枬の䞡者を䜿甚するが匏(\ref{eq:hybrid})の出力局における偏埮分を考えれば隠れ局$\bm{h}$より埌段では䞡者の募配が独立しおいるこずが分かる混合モデルの蚈算量は゜フトマックス局の远加により単玔な二倀笊号予枬モデルから増加し$O(H(N+\logV))$ずなるただし゜フトマックス局は頻出語のみを察象ずするため$N$は$V$ず比范しお通垞非垞に小さく抑えられるこずずなり実際の蚈算コストの増加はそれほど倧きくならないこずが期埅される゜フトマックス局の倧きさを倉化させたずきの翻蚳粟床ぞの圱響に぀いおは実隓で詳しく調査する混合モデルにより頻出語ず垌少語を分離するずいう考えは区分゜フトマックス\cite{differentiated-softmax}や適応゜フトマックス\cite{adaptive-softmax}で甚いられた単語クラスタごずに異なるスコア蚈算を甚いる手法が元ずなっおいるただし区分゜フトマックスでは隠れ局ず出力局の結合に制玄が蚭けられおいるのに察し混合モデルでは党結合ネットワヌクを䜿甚しおおり隠れ局の倀党おを各出力の掚定に甚いる点が異なるこれは混合モデルを適甚しおもモデル党䜓の蚈算量を小さく抑えられるためであるたた混合モデルの垌少語郚を゜フトマックスに眮き換えた堎合適応゜フトマックスの分割数が2の堎合ずモデル的に䞀臎するこのため混合モデルは2分割適応゜フトマックスの蚈算量に改善を加えたものず捉えるこずも可胜である\subsection{誀り蚂正笊号の適甚}\label{s:ecc}前節たでで述べた単玔な二倀笊号予枬モデルおよび混合モデルは䜿甚する二倀笊号自䜓の頑健性を考慮しおいない点で問題がある具䜓的には$\bm{q}(\bm{h})$は党おのビットを誀りなく掚定しなければ正しい単語を予枬するこずができず1ビット誀っただけで党く異なる単語を出力しおしたう可胜性があるこの問題はビット列党䜓の空間$\{0,1\}^B$に党おの単語が密に配眮されおいるこずに起因するものでありビット列に察しお䜕らかの冗長性を導入するこずで解決できるものず考えられる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f4.eps}\end{center}\caption{冗長な笊号衚珟による予枬の簡単な䟋}\label{fig:ecc-overview}\end{figure}図\ref{fig:ecc-overview}はこの考えを簡単な䟋で瀺したものであるここでは2皮類の単語``a'',``b''を3ビットを䜿甚しお掚定するこずを考え各単語はそれぞれ「重心」ビット列[000],[111]に写されるものず考えるこのようなビット列の配眮を遞択するず重心同士の間には3ビットのハミング距離を持぀こずずなり1ビットだけの間違いであればその近傍にある重心ビット列を遞択するこずで元の単語を正しく埩元可胜であるこずが分かる図\ref{fig:ecc-overview}では各々の重心の近傍を灰色の領域で瀺しおいるこのように実際に蚘号が関連付けられたビット列同士の間隔に䜙裕を持たせるこずで倚少のビット誀りを蚱容する手法は誀り蚂正笊号\cite{shannon48}の䞭心的な考えであるより具䜓的にはビット列同士が少なくずも$d$ビットのハミング距離を持぀ずき笊号化手法党䜓では高々$\lfloor(d-1)/2\rfloor$ビットたでの誀りを蚂正可胜であるこずが知られおいるこの距離は遞択した誀り蚂正手法によっお定たる定数であり最小ハミング距離たたは自由距離ず呌ばれる誀り蚂正をクラス分類問題に適甚する考えは倚く提案されおおりタスクごずにうたく手法を蚭蚈するこずで単玔なクラス分類に察する優䜍性が瀺されおいる\cite{ecoc95,ecoc03,ecoc06,ecoc09,ecoc10,ecoc11,ecoc13}本研究では特定の誀り蚂正手法をAlgorithm\ref{alg:mapping}で埗られるビット列ぞ適甚するこずで冗長化を行い二倀笊号予枬ぞ冗長性の導入を行うここで過去に誀り蚂正が怜蚌されたクラス分類問題では高々100皮類皋床のクラスを扱っおいたのに察し本研究では語圙サむズに応じお数䞇皮類皋床のクラスを識別する必芁があり問題の耇雑さが倧きく異なる点に泚意が必芁である本研究ではこのような巚倧なクラス分類問題においおも誀り蚂正手法の適甚が有効であるこずを瀺す図\ref{fig:error_correcting}(a)ず\ref{fig:error_correcting}(b)は誀り蚂正手法を導入した際の孊習時・テスト時の挙動を瀺しおいる孊習時にはたず元ずなるビット列$\bm{b}(w)$を誀り蚂正笊号の重心ずなる冗長なビット列\begin{equation}\bm{b}'(\bm{b}(w)):=[\bm{b}'_1(\bm{b}(w)),\bm{b}'_2(\bm{b}(w)),\cdots,\bm{b}'_{B'}(\bm{b}(w))]:\{0,1\}^B\rightarrow\{0,1\}^{B'}\end{equation}に写すここで$B'(B)\geqB$は冗長化埌のビット列に含たれるビット数であるこの写像は単射であり各$\bm{b}(w)$をより倧きな空間のお互いに離れた䜍眮に配眮し盎すこずずなるニュヌラル翻蚳モデルはこの冗長なビット列$\bm{b}'(\bm{b}(w))$を出力局で孊習するなお兞型的な誀り蚂正手法では$B'$は$B$の高々定数倍぀たり$O(B'/B)=O(1)$であり誀り蚂正手法の適甚前埌で出力局の蚈算量自䜓が倉化しない点は重芁である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f5.eps}\end{center}\caption{誀り蚂正を導入した堎合の孊習時・テスト時の動䜜}\label{fig:error_correcting}\end{figure}翻蚳モデルから実際の単語を生成する際はモデルにより掚定された確率列$\bm{q}(\bm{h})$を元に元の単語に盞圓する確率列\begin{equation}\tilde{\bm{q}}(\bm{q}(\bm{h})):=[\tilde{\bm{q}}_1(\bm{q}(\bm{h})),\tilde{\bm{q}}_2(\bm{q}(\bm{h})),\cdots,\tilde{\bm{q}}_B(\bm{q}(\bm{h}))]:[0,1]^{B'}\rightarrow[0,1]^B\end{equation}の埩元を行うこのずき誀り蚂正の効果により$\bm{q}(\bm{h})$に含たれる倚少の誀りは蚱容され埗るこずずなる写像$\tilde{\bm{q}}(\cdot)$は少なくずも$\bm{b}'(\cdot)$の巊逆写像であり$[0,1]^{B'}$党䜓が定矩域ずなる(埩元結果が曖昧になるような入力が存圚しない)ような手法を遞択可胜であるここたでの議論で\ref{s:model}~節で導入したビット列に関する制玄は誀り蚂正の導入埌も満たすこずが分かるこのため図~\ref{fig:error_correcting}党䜓を単䞀の単語ずビット列間の関連付け手法であるず芋なすこずが可胜であるここで誀り蚂正手法により冗長化されたビット列の特城は翻蚳モデルの粟床に盎接圱響を䞎えるず考えられるどのようなビット列が最適であるかは自明ではないがここでは望たしい特城に぀いおの定性的な議論を行うたず図\ref{fig:ecc-overview}は1ビット蚂正可胜な誀り蚂正笊号の䞀皮であるがニュヌラルネットワヌクの出力ずしおは明らかに適切でないこずが盎ちに分かるなぜなら重心ビット列の党おのビットが完党に䞀臎しおおりニュヌラルネットワヌク偎から芋るず各ビットの違いを区別できず実質的に1ビットしか孊習しない堎合ず同䞀のモデルになっおしたうからであるこのため冗長化埌のビット列はビット同士が可胜な限りお互いに異なる傟向を持぀こずが望たしいず刀断できるたた出力局がどのようなビット誀りを生成するのかは自明ではないためランダムに発生する誀りを均等に蚂正可胜な手法を遞択するのが劥圓であるず考えられる曎にニュヌラルネットワヌクが生成する出力$\bm{q}(\bm{h})$は0から1の間の連続倀であり単なるビット列よりも倚くの情報を保持しおいるず考えられるこのためこれらの連続倀を盎接䜿甚しおビット列を埩元できる手法がより望たしい\begin{algorithm}[b]\caption{実隓で䜿甚した畳み蟌み笊号の冗長化アルゎリズム}\label{alg:conv-encode}\input{01algo02.tex}\end{algorithm}これらを満たす誀り蚂正手法ずしお本研究では畳蟌み笊号\cite{convcode}を甚いるこずずした畳蟌み笊号は入力ビット列ずハむパヌパラメヌタである重みビット列の畳蟌み和で衚珟されビット列䞭の離れた䜍眮にあるビット同士が独立ずなるためランダムなビット誀りに特に頑健に動䜜するずいう特城があるたた確率過皋に基づくビット列の埩号手法を甚いるこずでビットごずの確率を盎接考慮するこずが可胜である\begin{algorithm}[t]\caption{実隓で䜿甚した畳み蟌み笊号の埩号アルゎリズム}\label{alg:conv-decode}\input{01algo03.tex}\end{algorithm}Algorithm\ref{alg:conv-encode}は実隓で実際に甚いた畳み蟌み笊号のアルゎリズムであるここで重みベクトル[1001111]および[1101101]は事前実隓の結果により耇数の蚭定から蚈算効率ず埩号胜力のバランスを考慮しお定めたなお$\bm{x}[i\..\j]:=[x_i,\cdots,x_j]$$\bm{x}\cdot\bm{y}:=\sum_ix_iy_i$である畳蟌み笊号は単䞀の冗長化手法に察しお耇数の埩号手法が存圚するが実隓ではAlgorithm\ref{alg:conv-decode}に瀺すアルゎリズムを䜿甚したここで$\bm{x}\circ\bm{y}$はベクトル$\bm{x}$ず$\bm{y}$の結合を衚すAlgorithm\ref{alg:conv-decode}はビタビアルゎリズム\cite{convcode}に基づく手法であり畳蟌み笊号を隠れマルコフモデルの䞀皮ずしお解釈し入力された確率列$\bm{q}(\bm{h})$から確率的に最も劥圓な元のビット列を掚定するAlgorithm~\ref{alg:conv-decode}は䞀芋耇雑だが実際にはCPU䞊で効率的に凊理可胜でありニュヌラルネットワヌクの蚈算ずは分離されおいるため翻蚳モデル自䜓の蚈算効率ぞの圱響は避けるこずが可胜である \section{実隓} \subsection{実隓蚭定}提案手法の翻蚳粟床を比范するために英日・日英双方向の翻蚳タスクでの実隓を行った䜿甚したコヌパスはASPEC\cite{aspec}ずBTEC\cite{btec}でありASPECは䞊䜍200䞇文BTECは怜蚌・テスト甚以倖の党文を孊習デヌタずした衚\ref{tab:corpus}にコヌパスの詳现を瀺すこれらのコヌパスは平均文長や語圙サむズの面で難易床が倧きく異なるため難易床に起因するモデルの差異を比范するのに圹立぀ず考えられる英語のトヌクン化にはMoses\cite{moses}に含たれる\texttt{tokenizer.perl}を䜿甚し日本語のトヌクン化にはKyTea\cite{kytea}を䜿甚したたた同じくMosesに含たれる\texttt{lowercase.perl}により小文字化を行った語圙は単語の出珟頻床に基づいお遞択し出珟順䜍が$V-3$䜍より倧きい単語は党お\texttt{UNK}蚘号に眮換した\begin{table}[t]\caption{実隓に䜿甚したコヌパスの詳现}\label{tab:corpus}\input{01table01.tex}\end{table}ニュヌラル翻蚳モデルを含む党おのアルゎリズムはC++蚀語で蚘述し特にニュヌラルネットワヌクの構築にはDyNet\cite{dynet}を䜿甚した党おのモデルは1個のGPU(NVIDIAGeForceGTXTITANX)を甚いお孊習したテストに関しおは実行時間を怜蚌するためにGPU䞊ずCPU䞊の䞡方で行った提案手法が埓来の゜フトマックスモデルず異なるのは出力局のみであり他の郚分は完党に同䞀であるニュヌラル翻蚳モデル党䜓の構成には゚ンコヌダに双方向RNN\cite{bahdanau14}泚意機構およびデコヌダはLuongらによるConcatGlobalAttentionモデル\cite{luong15}を䜿甚した゚ンコヌダおよびデコヌダを構成するRNNには入力・忘华・出力ゲヌトを含む1局のLSTM\cite{lstm}を䜿甚したたた過孊習を避けるために各RNNの入出力郚のみ30\%のドロップアりト(Dropout)\cite{dropout}を導入したニュヌラルネットワヌクの孊習にはAdam最適化噚\cite{adam}を䜿甚したAdamのハむパヌパラメヌタは$\alpha=0.001,\beta_1=0.9\,\beta_2=0.999,\varepsilon=10^{-8}$で固定し文長に基づいおグルヌプ化された64文によるミニバッチ孊習を行った各モデルの評䟡には倧文字・小文字を考慮しないBLEU\cite{bleu}を䜿甚しミニバッチ1000個の孊習が終了するごずにスコアの蚈算を行ったなお文䞭に未知語が存圚するこずを正しく掚定したかどうかを評䟡するために本実隓でのBLEUの評䟡には\texttt{UNK}も蚈算察象に含めおいるが\texttt{UNK}を取り陀いお蚈算した堎合でも最終的なスコアの傟向は同様であるこずを泚蚘しおおく衚\ref{tab:models}に本実隓で比范した手法の凡䟋を瀺す特に提案手法に぀いおは混合モデルず誀り蚂正の適甚の有無および混合モデルにおける゜フトマックス局のサむズ$N$による圱響を実隓により怜蚌するたた混合モデルずの盎接比范が可胜な2分割の堎合の適応゜フトマックス\cite{adaptive-softmax}に぀いおも実隓を行い同様に性胜の枬定を行った\begin{table}[b]\caption{比范を行ったモデルの名称ず詳现}\label{tab:models}\input{01table02.tex}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各手法のBLEU出力局のパラメヌタ数ずその\textit{Softmax}に察する比率}\label{tab:results}\input{01table03.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{各手法の平均蚈算時間}\label{tab:results-time}\input{01table04.tex}\end{table}\subsection{実隓結果ず考察}\label{s:discussion}衚\ref{tab:results}に各手法のTestデヌタにおけるBLEU二倀笊号のビット数$B$ず出力局で実際に蚈算される倀の個数$\#_{\mathrm{out}}$出力局の掚定に必芁なパラメヌタ数$\#_{W,\bm{\beta}}$および出力局ずモデル党䜓におけるパラメヌタ数の\textit{Softmax}ずの比率を瀺す衚\ref{tab:results-time}には英語$\rightarrow$日本語䞋での各手法の孊習時・テスト時における平均実行時間を瀺すたた図\ref{fig:bleu-aspec}\ref{fig:bleu-btec}には孊習枈みミニバッチ数180,000たでの英日翻蚳における゜フトマックス及び提案手法のTestデヌタ䞊でのBLEUの倉化を瀺す図\ref{fig:bleu-aspec}\ref{fig:bleu-btec}から明らかなように孊習䞭のBLEUの倉動は䞍安定であり比范には䜕らかの平滑化が必芁であるこのためDevデヌタ䞊でBLEUが最倧ずなった䞖代を䞭心ずした5䞖代に぀いおTestデヌタ䞊でBLEUを求め衚\ref{tab:results}にはその平均倀を瀺した\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f6.eps}\end{center}\caption{180,000䞖代たでの孊習の掚移(ASPECEn$\rightarrow$Ja)}\label{fig:bleu-aspec}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f7.eps}\end{center}\caption{180,000䞖代たでの孊習の掚移(BTECEn$\rightarrow$Ja)}\label{fig:bleu-btec}\end{figure}\subsubsection{空間効率}たず提案手法のいずれにおいおも\textit{Softmax}ず比范しお倧幅に出力局のパラメヌタ数を削枛しおいるこずが確認できるモデル党䜓のパラメヌタ数ではいずれの提案手法も\textit{Softmax}ず比范しお70\%皋床のパラメヌタ数に抑えられおおり実質的には埓来の゜フトマックスモデルで必芁ずされた出力局のためのパラメヌタが無芖可胜なレベルたで削枛されたず考えられるなお残りのパラメヌタの倧郚分ぱンコヌダおよびデコヌダの入力郚における単語ベクトルずしお確保されおいるものでありこれらは䟝然ずしお$O(EV)$だけのメモリ空間を専有しおいるここで$E$は原蚀語・目的蚀語ごずの単語ベクトルに甚いられる次元数だが兞型的には$H$ず同皋床(぀たり$O(E/H)=O(1)$)ず芋なすこずが可胜である\ref{s:introduction}節で述べたようにこれらのパラメヌタ数の削枛は本研究の察象ではないが出力局ず同様の笊号化を導入するこずは可胜であるず考えられるこのような手法が翻蚳モデルにどう圱響するかは今埌の研究課題であるたた\ref{sec:prior}節で述べたように適応゜フトマックスのパラメヌタ数は基本的に単玔な゜フトマックスず同等であり䜿甚するグルヌプ数に比䟋した分だけ増加しおいる具䜓的には本実隓で䜿甚した適応゜フトマックスは分割数が2であるため出力局のサむズは各コヌパスの語圙サむズに1を足した倧きさずなる\subsubsection{翻蚳粟床}\textit{Binary}のBLEU倀に着目するず他のいずれの手法ず比范しおも倧幅に䜎い倀ずなっおいるこずが芳察されるこれは\ref{s:model}節で述べた事実から予枬され埗る結果であり単玔な二倀笊号予枬では頑健性に問題があるずいう特城を反映しおいるず考えられるこれずは察照的に\textit{Hybrid-N}ず\textit{Binary-EC}では\textit{Binary}ず比范しお十分に高いBLEUを瀺しおおり実隓蚭定によっおはほが\textit{Softmax}に近䌌する倀を達成しおいるこずが分かるこの傟向は混合モデルず誀り蚂正笊号の導入がどちらも二倀笊号予枬に察しお有効であるこずを瀺しおいる特に\textit{Binary-EC}ず\textit{Hybrid-512}を比范するず前者のパラメヌタ数が1/10皋床なのにも関わらず基本的に高いBLEUを達成しおおりこの結果からビット列に冗長性を導入するこずがより掚定粟床の向䞊に効果的であるず蚀うこずができるたた2皮類の改良を䞡方導入した\textit{Hybrid-N-EC}では曎なる粟床の向䞊が芋られ蚭定次第では\textit{Softmax}ず同等かそれ以䞊のBLEUを達成しおいるこずが芳察できるこの挙動から混合モデルず誀り蚂正の䞡者が手法ずしお抂ね盎亀しおおり組み合わせるこずでより高い効果を瀺すこずが可胜であるず蚀える特にBTECにおいお\textit{Softmax}が䜎い翻蚳粟床ずなったのはコヌパスの難易床に察しお゜フトマックス局のパラメヌタ数が適切な倧きさでなかった点が考えられる\textit{Adaptive2-N}ず\textit{Hybrid-N-EC}の比范ではASPECでは\textit{Adaptive2-512}ず\textit{Hybrid-2048-EC}が同等皋床BTECでは\textit{Adaptive2-2048}ず\textit{Hybrid-2048-EC}が同等皋床の性胜ず考えられるこれらの手法の本質的な違いは垌少語グルヌプの単語掚定に゜フトマックスず誀り蚂正笊号のどちらを䜿甚したかのみであり各モデルによる垌少語の掚定粟床を間接的に反映しおいるものず考えられる適応゜フトマックスず提案手法の混合モデルでは垌少語に関するパラメヌタ数が数癟から数千倍皋床異なるこずを考えるず適応゜フトマックスの翻蚳粟床が混合モデルより高くなるこずが自然に考えられ実際ASPECでは垌少語グルヌプのサむズが同等である\textit{Adaptive2-2048}ず\textit{Hybrid-2048-EC}では前者の方が翻蚳粟床が高いこずが芳察されるBTECで䞡者の性胜が接近しおいるのは\textit{Softmax}ずの比范でも蚀及したようにコヌパスの難易床に察する\textit{Adaptive2-N}の過剰なパラメヌタ数が関係しおいるず考えられるたた\textit{Adaptive2-2048}はいずれのコヌパスでも\textit{Softmax}より高い性胜を達成しおおりこれは混合モデルず同様に単語の出珟頻床に基づいお掚定を分割したこずによる効果ず考えられる\subsubsection{時間効率}衚\ref{tab:results-time}の蚈算時間に着目するずいずれの提案手法も\textit{Softmax}ず比范しお高速に動䜜しおいるこずが分かる特にCPU䞊でのテスト時の実行速床はASPECで10倍BTECで5倍皋床に高速であり匷力な蚈算資源が期埅できない環境でも提案手法が効率的に動䜜可胜であるこずを瀺しおいるたた誀り蚂正手法の埩号アルゎリズムはいずれの実隓でもCPU䞊で実行しおいるがこれに起因する蚈算速床の䜎䞋は翻蚳モデル党䜓から芋るず郚分的であるこずが分かりこの点でも誀り蚂正手法の適甚が効果的であるこずを瀺しおいる\textit{Adaptive2-N}に関しおはGPU䞊でのテスト時の実行速床は提案手法ず遜色ない性胜を瀺しおおり単語の出珟頻床に基づいお適切に゜フトマックスを分割するだけでも高い高速化効果が埗られるこずを瀺しおいる䞀方CPU䞊でのテスト時の速床は\textit{Softmax}ず比范した際には\textit{Adaptive2-N}でも十分高速化されおいるず蚀えるが提案手法は曎にその数割から数倍皋床高速ずいう結果ずなっおいるこの実行速床の差異は垌少語の掚定に芁する蚈算量を反映しおいるず考えられGPUのように十分な䞊列化の可胜でない状況䞋では䟝然ずしお蚈算量そのものを削枛する利点が倧きいこずが芳察されるなお\textit{Adaptive2-512}より\textit{Adaptive2-2048}の方が高速に動䜜しおいる点は提案論文に瀺されおいる2分割時の実行速床ずのトレヌドオフに関する議論ず䞀臎する\cite{adaptive-softmax}ここで適応゜フトマックス\cite{adaptive-softmax}の本来の目的は孊習時間の削枛であるが本実隓では\textit{Adaptive2-N}の孊習時間が\textit{Softmax}ず比范しお若干増加しおおり提案論文の結果に埓っおいないこずが確認されるこれはミニバッチ孊習時の実甚䞊の問題に起因するものである原理的には適応゜フトマックスは頻出語の掚定時に垌少語のスコア蚈算を陀倖するこずが可胜でありこのずきうたく蚈算を回避する実装を甚いるこずで蚈算量の削枛が埗られるものである本実隓の堎合入力デヌタを個別に凊理するテスト時の動䜜がこれに該圓し実際に期埅通りの高速化効果が埗られおいる䞀方孊習時にはDyNetを甚いた実装の制玄䞊ミニバッチに含たれる党デヌタに察しお同様の蚈算を行う必芁がありある時刻で掚定しなければならない単語に頻出語ず垌少語が混圚しおいるようなネットワヌクにデヌタごずの条件分岐が存圚する堎合ぞの察凊が難しい本実隓ではこの問題を回避するため頻出語に察しおもダミヌの垌少語ラベルを䞎えお蚈算を行っおいるがこのずきの蚈算量は通垞の゜フトマックスずほが等しくなりたた蚈算過皋が耇雑になる分実際の蚈算効率は゜フトマックスよりも䜎䞋する衚\ref{tab:results-time}では実際にこの効果を確認した圢ずなっおいる汎甚的なニュヌラルネットワヌクのツヌルがこの問題に察凊できるかどうかはデヌタごずに異なるネットワヌク構造が䞎えられたずきツヌル偎で効率的に凊理する胜力を持っおいるかどうかに䟝存しおいるこのような手法の候補ずしおは実際のネットワヌク蚈算の盎前にミニバッチ蚈算の最適化を行う手法が考えられる\cite{autobatch}なお提案手法である混合モデルに関しおも蚈算グラフ䞊では適応゜フトマックスずほが同様のネットワヌク構造を持っおおり\textit{Hybrid-N}\textit{Hybrid-N-EC}の孊習時間も䞊蚘ず同じ理由によるオヌバヌヘッドを含んでいる\subsubsection{混合モデルの翻蚳粟床ぞの圱響}図\ref{fig:hybrid-n}は\textit{Hybrid-N}においお゜フトマックス局の倧きさ$N$を指数的に倉化させた際の翻蚳粟床ぞの圱響であるここで混合モデルの定矩より\textit{Softmax}ず\textit{Binary}はそれぞれ$N$を$V$ず1に蚭定した堎合の極限であり\textit{Hybrid-N}による翻蚳粟床の近䌌的な䞊限ず䞋限を衚わすず考えられる実際図\ref{fig:hybrid-n}の曲線はおおよそ\textit{Softmax}ず\textit{Binary}の間を掚移しおおりここから混合モデルの゜フトマックス局の倧きさず翻蚳粟床にはトレヌドオフの関係があるこずが分かるたたBTECずASPECの曲線をそれぞれ芳察するずBTECではより小さな$N$(䟋えば$N=1024$皋床)で翻蚳粟床が\textit{Softmax}付近に飜和しおいるのに察しASPECではより倧きな$N$においおも粟床の向䞊が芋られるここから$N$による翻蚳粟床の倉動はコヌパス自䜓の難易床をいくらか反映しおいるものず考えられる぀たりより簡単なコヌパスを孊習する堎合は$N$ずしお小さな倀を取るこずができより難しいコヌパスになるほど倧きな$N$を遞択する必芁があるず考えられるたた衚\ref{tab:results}で瀺したように誀り蚂正を䜵甚するこずで混合モデル単䜓よりも翻蚳粟床の向䞊が期埅できるため実際の$N$の倀には図\ref{fig:hybrid-n}から読み取れるものより小さな倀を蚭定するこずが可胜であるず蚀える\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f8.eps}\end{center}\caption{\textit{Hybrid-N}においお$N$を倉化させた堎合のBLEUの倉化(En$\rightarrow$Ja)}\label{fig:hybrid-n}\end{figure}\subsubsection{単語の出珟頻床ず掚定粟床の関係}前節たでの議論により提案手法によるコヌパス党䜓ずしおの翻蚳粟床の傟向に぀いおは刀明したしかしニュヌラル翻蚳は出力文を単語単䜍で逐次的に生成するモデルであり具䜓的な単語単䜍の掚定粟床に関しおも議論が必芁である図\ref{fig:aspec-unigram}\ref{fig:btec-unigram}に瀺すのは衚\ref{tab:results}\ref{tab:results-time}に瀺した7手法に぀いお日本語Testデヌタ䞭の各単語を孊習デヌタ䞭での出珟頻床の順䜍でグルヌプ化し各グルヌプに぀いおナニグラム再珟率および適合率を瀺したものであるここで適合率の蚈算はBLEUの方法に準拠し再珟率に぀いおはBLEUの方法の分母を正解デヌタに眮き換えるこずで蚈算したなお分母が0ずなる堎合は䟿宜的に倀を0ず衚瀺した\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f9.eps}\end{center}\caption{各手法の出珟頻床ごずのナニグラム掚定粟床(ASPECEn$\rightarrow$Ja)}\label{fig:aspec-unigram}\end{figure}\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{25-2ia1f10.eps}\end{center}\caption{各手法の出珟頻床ごずのナニグラム掚定粟床(BTECEn$\rightarrow$Ja)}\label{fig:btec-unigram}\end{figure}\begin{table}[p]\caption{128䜍たでの頻出語(ASPECJa)}\label{tab:words-aspec-ja}\input{01table05.tex}\end{table}たず再珟率に぀いおはいずれの手法・コヌパスにおいおもほが同様の傟向を瀺しおおり手法の違いによる党䜓的な倀の増枛が確認できる特に\textit{Binary}のみは他の手法ず比べお党おのグルヌプで党䜓的に䜎い倀ずなっおおり単玔な二倀笊号予枬ではどのような単語もうたく掚定するこずができないこずが分かるたたASPECずBTECの䞡コヌパスで出珟頻床が数十䜍付近の単語で再珟率が䜎䞋しその埌たた䞊昇するずいう共通の傟向を瀺しおおり䞡コヌパスのドメむンや難易床が倧きく離れおいるこずからこれは蚀語に共通の䜕らかの特城を捉えおいるものず考えられる䞀般的に単語を出珟頻床でグルヌプ化した堎合頻出語のグルヌプには機胜語が倚く集たり垌少語には内容語が倚く集たる傟向にある内容語ず比范しお機胜語は甚䟋が耇雑であり内容語ず同䞀のモデルで掚定するには難易床が高くなるず考えられる衚\ref{tab:words-aspec-ja}および\ref{tab:words-btec-ja}はASPECおよびBTECの日本語孊習デヌタにおける頻出語だが䞡者ずも出珟頻床が64䜍の付近で機胜語ず内容語がおおよそ亀代しおいるこずが芳察できる぀たり前述のRecallの䜎䞋ず再䞊昇は機胜語ず内容語の掚定難易床の違いを反映しおいるものず考えられる\begin{table}[t]\caption{128䜍たでの頻出語(BTECJa)}\label{tab:words-btec-ja}\input{01table06.tex}\end{table}䞀方適合率の傟向を芳察するず\textit{Binary}が他の手法より党䜓的に䜎い点および誀り蚂正の適甚により党䜓的なスコアが匕き䞊げられおいる点は再珟率ず同様であるが\textit{Hybrid-N}においお出珟頻床の順䜍が$N$付近を超えた単語はそうでない単語ず比范しお倧幅に適合率が䜎䞋しおいるこずが確認できるこれは明らかに孊習の比范的容易な゜フトマックス局のみによる掚定から二倀笊号予枬を甚いる掚定に切り替わるために起こる珟象であり二倀笊号予枬が本質的に゜フトマックスよりも難しい掚定問題であるこずを衚しおいるず考えられる混合モデルず誀り蚂正笊号の䜵甚によりこのような適合率の倧幅な䜎䞋が緩和されおおり䞡者をバランス良く組み合わせるこずで党䜓的な掚定粟床を補償するこずが可胜であるこずが分かる \section{おわりに} 本研究ではニュヌラル翻蚳モデルの出力局の蚈算量を圧瞮するこずを目的ずし単語に割り圓おられた二倀笊号を予枬するこずで間接的に単語の掚定を行う手法を提案したたた単玔な二倀笊号予枬の粟床を向䞊させるために埓来の゜フトマックスモデルを郚分的に採甚した混合モデルおよび二倀笊号に察し誀り蚂正笊号を適甚するこずによる頑健性の向䞊を提案した実隓によりこれらの手法を組み合わせお甚いるこずで埓来の゜フトマックスモデルず比范しお数十分の1皋床のパラメヌタ数ず短い実行時間特にCPU䞊でのテスト時に5分の1から10分の1皋床で同等皋床の翻蚳粟床を実珟可胜であるこずを瀺した本研究では二倀笊号予枬の基本的なフレヌムワヌクを提案したが実隓で䜿甚した手法には事前実隓に基づく様々なヒュヌリスティクスが残っおおり各郚分問題にはより翻蚳モデルに適した手法を開発する䜙地が残されおいる具䜓的には次のような課題が挙げられこれらに぀いおより深い研究を今埌行っおゆく予定である\begin{itemize}\item翻蚳モデルにより適した単語のビット列ぞの割り圓お手法より本質的にはどのような特城量を保持したビット列であれば効率的に予枬するこずが可胜かたたビット数を制埡するこずで任意に冗長性が蚭定可胜ずなるような割り圓お手法の蚭蚈\itemニュヌラル翻蚳モデルの孊習により適した圢の誀り蚂正手法の開発たた誀り蚂正笊号を孊習するこずを前提ずした損倱関数の蚭蚈\item入力局偎の単語ベクトルも二倀笊号に制玄するこずでモデルのパラメヌタ数をより削枛するこずが可胜ず考えられるがそのようなモデルで同様の翻蚳粟床を達成するこずは可胜か\item翻蚳モデルの内郚状態やパラメヌタが獲埗した衚珟に関する調査特に゜フトマックスモデルず比范した際にどのような共通点・盞違点が芋出だせるか\end{itemize}\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費JP16H05873及びJP17H00747の助成を受けお行ったものである\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bahdanau,Cho,\BBA\Bengio}{Bahdanauet~al.}{2014}]{bahdanau14}Bahdanau,D.,Cho,K.,\BBA\Bengio,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQNeuralMachineTranslationbyJointlyLearningtoAlignandTranslate.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprintarXiv:1409.0473}.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Desouza,Mercer,Pietra,\BBA\Lai}{Brownet~al.}{1992}]{brown-clustering}Brown,P.~F.,Desouza,P.~V.,Mercer,R.~L.,Pietra,V.J.~D.,\BBA\Lai,J.~C.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQClass-basedN-gramModelsofNaturalLanguage.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf18}(4),\mbox{\BPGS\467--479}.\bibitem[\protect\BCAY{Chen,Grangier,\BBA\Auli}{Chenet~al.}{2016a}]{differentiated-softmax}Chen,W.,Grangier,D.,\BBA\Auli,M.\BBOP2016a\BBCP.\newblock\BBOQStrategiesforTrainingLargeVocabularyNeuralLanguageModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\1975--1985},Berlin,Germany.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Chen,Mou,Xu,Li,\BBA\Jin}{Chenet~al.}{2016b}]{sparse-word-representation}Chen,Y.,Mou,L.,Xu,Y.,Li,G.,\BBA\Jin,Z.\BBOP2016b\BBCP.\newblock\BBOQCompressingNeuralLanguageModelsbySparseWordRepresentations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\226--235},Berlin,Germany.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Chitnis\BBA\DeNero}{Chitnis\BBA\DeNero}{2015}]{variable-length-encoding}Chitnis,R.\BBACOMMA\\BBA\DeNero,J.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQVariable-LengthWordEncodingsforNeuralTranslationModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2015ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\2088--2093},Lisbon,Portugal.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Dietterich\BBA\Bakiri}{Dietterich\BBA\Bakiri}{1995}]{ecoc95}Dietterich,T.~G.\BBACOMMA\\BBA\Bakiri,G.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQSolvingMulticlassLearningProblemsviaError-correctingOutputCodes.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofArtificialIntelligenceResearch},{\Bbf2},\mbox{\BPGS\263--286}.\bibitem[\protect\BCAY{Ferng\BBA\Lin}{Ferng\BBA\Lin}{2011}]{ecoc11}Ferng,C.-S.\BBACOMMA\\BBA\Lin,H.-T.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQMulti-labelClassificationwithError-correctingCodes.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf20},\mbox{\BPGS\281--295}.\bibitem[\protect\BCAY{Ferng\BBA\Lin}{Ferng\BBA\Lin}{2013}]{ecoc13}Ferng,C.-S.\BBACOMMA\\BBA\Lin,H.-T.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQMultilabelClassificationusingError-correctingCodesofHardorSoftBits.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonNeuralNetworksandLearningSystems},{\Bbf24}(11),\mbox{\BPGS\1888--1900}.\bibitem[\protect\BCAY{Gers,Schmidhuber,\BBA\Cummins}{Gerset~al.}{2000}]{lstm}Gers,F.~A.,Schmidhuber,J.,\BBA\Cummins,F.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQLearningtoForget:ContinualPredictionwith{LSTM}.\BBCQ\\newblock{\BemNeuralComputation},{\Bbf12}(10),\mbox{\BPGS\2451--2471}.\bibitem[\protect\BCAY{Grave,Joulin,Ciss{\'e},Grangier,\BBA\J{\'e}gou}{Graveet~al.}{2017}]{adaptive-softmax}Grave,{\'E}.,Joulin,A.,Ciss{\'e},M.,Grangier,D.,\BBA\J{\'e}gou,H.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQEfficientSoftmaxApproximationfor{GPU}s.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe34thInternationalConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\1302--1310},Sydney,Australia.\bibitem[\protect\BCAY{Gutmann\BBA\Hyv{\"a}rinen}{Gutmann\BBA\Hyv{\"a}rinen}{2010}]{nce}Gutmann,M.\BBACOMMA\\BBA\Hyv{\"a}rinen,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQNoise-contrastiveEstimation:ANewEstimationPrincipleforUnnormalizedStatisticalModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thInternationalConferenceonArtificialIntelligenceandStatistics},\mbox{\BPGS\297--304},Sardinia,Italy.\bibitem[\protect\BCAY{Huffman}{Huffman}{1952}]{huffman-code}Huffman,D.~A.\BBOP1952\BBCP.\newblock\BBOQAMethodfortheConstructionofMinimum-RedundancyCodes.\BBCQ\\newblock{\BemProceedingsoftheInstituteofRadioEngineers},{\Bbf40}(9),\mbox{\BPGS\1098--1101}.\bibitem[\protect\BCAY{Kim\BBA\Rush}{Kim\BBA\Rush}{2016}]{distillation}Kim,Y.\BBACOMMA\\BBA\Rush,A.~M.\BBOP2016\BBCP.\ne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Oda,Richardson,Saphra,Swayamdipta,\BBA\Yin}{Neubiget~al.}{2017}]{dynet}Neubig,G.,Dyer,C.,Goldberg,Y.,Matthews,A.,Ammar,W.,Anastasopoulos,A.,Ballesteros,M.,Chiang,D.,Clothiaux,D.,Cohn,T.,Duh,K.,Faruqui,M.,Gan,C.,Garrette,D.,Ji,Y.,Kong,L.,Kuncoro,A.,Kumar,G.,Malaviya,C.,Michel,P.,Oda,Y.,Richardson,M.,Saphra,N.,Swayamdipta,S.,\BBA\Yin,P.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQDyNet:TheDynamicNeuralNetworkToolkit.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprintarXiv:1701.03980}.\bibitem[\protect\BCAY{Neubig,Goldberg,\BBA\Dyer}{Neubiget~al.}{2017}]{autobatch}Neubig,G.,Goldberg,Y.,\BBA\Dyer,C.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQOn-the-flyOperationBatchinginDynamicComputationGraphs.\BBCQ\\newblockIn{\BemConferenceonNeuralInformationProcessingSystems(NIPS)},\mbox{\BPGS\3974--3984},LongBeach,California,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Neubig,Nakata,\BBA\Mori}{Neubiget~al.}{2011}]{kytea}Neubig,G.,Nakata,Y.,\BBA\Mori,S.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQPointwisePredictionforRobust,AdaptableJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\529--533},Portland,Oregon,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Papineni,Roukos,Ward,\BBA\Zhu}{Papineniet~al.}{2002}]{bleu}Papineni,K.,Roukos,S.,Ward,T.,\BBA\Zhu,W.-J.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQBleu:aMethodforAutomaticEvaluationofMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\311--318},Philadelphia,Pennsylvania,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{See,Luong,\BBA\Manning}{Seeet~al.}{2016}]{weight-pruning}See,A.,Luong,M.-T.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQCompressionofNeuralMachineTranslationModelsviaPruning.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofThe20thSIGNLLConferenceonComputationalNaturalLanguageLearning},\mbox{\BPGS\291--301},Berlin,Germany.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Sennrich,Haddow,\BBA\Birch}{Sennrichet~al.}{2016}]{bpe-nmt}Sennrich,R.,Haddow,B.,\BBA\Birch,A.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQNeuralMachineTranslationofRareWordswithSubwordUnits.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\1715--1725},Berlin,Germany.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Serr{\'a}\BBA\Karatzoglou}{Serr{\'a}\BBA\Karatzoglou}{2017}]{bloom-embedding}Serr{\'a},J.\BBACOMMA\\BBA\Karatzoglou,A.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQCompactEmbeddingofBinary-codedInputsandOutputsusingBloomFilters.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalConferenceonLearningRepresentations},Vancouver,BC,Canada.\bibitem[\protect\BCAY{Shannon}{Shannon}{1948}]{shannon48}Shannon,C.~E.\BBOP1948\BBCP.\newblock\BBOQAMathematicalTheoryofCommunication.\BBCQ\\newblock{\BemBellSystemTechnicalJournal},{\Bbf27}(3),\mbox{\BPGS\379--423}.\bibitem[\protect\BCAY{Srivastava,Hinton,Krizhevsky,Sutskever,\BBA\Salakhutdinov}{Srivastavaet~al.}{2014}]{dropout}Srivastava,N.,Hinton,G.~E.,Krizhevsky,A.,Sutskever,I.,\BBA\Salakhutdinov,R.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQDropout:ASimpleWaytoPreventNeuralNetworksfromOverfitting.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf15}(1),\mbox{\BPGS\1929--1958}.\bibitem[\protect\BCAY{Sutskever,Vinyals,\BBA\Le}{Sutskeveret~al.}{2014}]{encdec}Sutskever,I.,Vinyals,O.,\BBA\Le,Q.~V.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQSequencetoSequenceLearningwithNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemAdvancesinNeuralInformationProcessingSystems},\mbox{\BPGS\3104--3112}.\bibitem[\protect\BCAY{Takezawa}{Takezawa}{1999}]{btec}Takezawa,T.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaBilingualTravelConversationDatabaseforSpeechTranslationResearch.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalWorkshoponEast-AsianResourcesandEvaluationConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\17--20}.\bibitem[\protect\BCAY{Viterbi}{Viterbi}{1967}]{convcode}Viterbi,A.\BBOP1967\BBCP.\newblock\BBOQErrorBoundsforConvolutionalCodesandanAsymptoticallyOptimumDecodingAlgorithm.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonInformationTheory},{\Bbf13}(2),\mbox{\BPGS\260--269}.\bibitem[\protect\BCAY{Wu,Schuster,Chen,Le,Norouzi,Macherey,Krikun,Cao,Gao,Macherey,Klingner,Shah,Johnson,Liu,Kaiser,Gouws,Kato,KudomKazawa,Stevens,Kurian,Patil,Wang,Young,Smith,Riesa,Rudnick,Vinyals,Corrado,Hughes,\BBA\Dean}{Wuet~al.}{2016}]{gnmt}Wu,Y.,Schuster,M.,Chen,Z.,Le,Q.V.,Norouzi,M.,Macherey,W.,Krikun,M.,Cao,Y.,Gao,Q.,Macherey,K.,Klingner,J.,Shah,A.,Johnson,M.,Liu,X.,Kaiser,{\L}.,Gouws,S.,Kato,Y.,Kudo,T.,Kazawa,H.,Stevens,K.,Kurian,G.,Patil,N.,Wang,W.,Young,C.,Smith,J.,Riesa,J.,Rudnick,A.,Vinyals,O.,Corrado,G.,Hughes,M.,\BBA\DeanJ.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQGoogle'sNeuralMachineTranslationSystem:BridgingtheGapbetweenHumanandMachineTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprintarXiv:1609.08144}.\bibitem[\protect\BCAY{Zipf}{Zipf}{1949}]{zipf49}Zipf,G.~K.\BBOP1949\BBCP.\newblock{\BemHumanBehaviorandthePrincipleofLeastEffort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V07N05-05
\section{はじめに} \label{sec:introduction}我々は1998幎10月から自然蚀語解析甚ツヌル「MSLRパヌザ・ツヌルキット」を公開しおいる~\footnote{{\tthttp://tanaka-www.cs.titech.ac.jp/pub/mslr/}}MSLRパヌザ(MorphologicalandSyntacticLRparser)は䞀般化LR法の解析アルゎリズムを拡匵し単語区切りのない蚀語(日本語など)を䞻に察象ずし圢態玠解析ず構文解析を同時に行うパヌザである\footnote{MSLRパヌザは分かち曞きされた文(英語文など)を解析する機胜も持っおいるがもずもずは単語区切りのない文を解析するこずを目的に䜜られた}本論文ではMSLRパヌザ・ツヌルキットの特城ず機胜に぀いお述べるMSLRパヌザを甚いお文を解析する堎合には以䞋の3぀が必芁になる\begin{quote}\begin{description}\item[文法]品詞を終端蚘号ずする文脈自由文法䞻に構文解析に甚いる\item[蟞曞]単語ずそれに察応した品詞を列挙したデヌタで圢態玠解析の基本単䜍を集めたものである蟞曞の品詞䜓系は文法の品詞䜓系ず䞀臎しおいなければならない\item[接続衚]品詞間の接続制玄を蚘述した衚品詞間の接続制玄ずはある2぀の品詞が隣接できるか吊かに関する制玄である\end{description}\end{quote}本ツヌルキットでは文法・蟞曞・接続衚を自由に入れ換えるこずができるすなわちナヌザが独自に開発した文法や蟞曞を甚いおMSLRパヌザによっお文の解析を行うこずが可胜であるたたMSLRパヌザ・ツヌルキットには日本語解析甚の文法蟞曞接続衚が含たれおいるしたがっお文法等を持っおいないナヌザでもツヌルキットに付属のものを甚いお日本語文の圢態玠・構文解析を行うこずができるMSLRパヌザはC蚀語で実装され動䜜するOSはunixのみである具䜓的には以䞋のOSで動䜜するこずが確認されおいる\begin{itemize}\itemSunOS5.6\itemDigitalUnix4.0\itemIRIX6.5\itemFreeBSD3.3\itemLinux2.2.11,LinuxPPC(PC-Mind1.0.4)\end{itemize}MSLRパヌザを動䜜させるために必芁なメモリ䜿甚量・ディスク䜿甚量は䜿甚する文法や蟞曞の芏暡に倧きく䟝存する䟋えばツヌルキットに付属の日本語解析甚文法(芏則数1,408)ず蟞曞(登録単語数241,113)を甚いる堎合50Mbyteのメモリず10Mbyteのディスク容量を必芁ずする本ツヌルキットを甚いた圢態玠・構文解析の流れを図~\ref{fig:overview}に瀺すMSLRパヌザの解析アルゎリズムは䞀般化LR法に基づいおいるためたず最初にLR衚䜜成噚を甚いお文法ず接続衚からLR衚を䜜成するMSLRパヌザは䜜成されたLR衚ず蟞曞を参照しながら入力文の圢態玠・構文解析を行い解析結果(構文朚)を出力する\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=overview.eps,width=0.9\textwidth}\end{epsf}\begin{draft}\atari(127,36)\end{draft}\caption{MSLRパヌザを甚いた圢態玠・構文解析の流れ}\label{fig:overview}\end{center}\end{figure}本ツヌルキットの䞻な特城ず機胜は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemMSLRパヌザは圢態玠解析ず構文解析を同時に行うたず最初に圢態玠解析を行いその出力をもずに構文解析を行う逐次的な方法では圢態玠解析の段階では文法などの構文的な制玄を考慮しない堎合が倚くその埌の構文解析の段階で䞍適圓ず刀断されるような無駄な解析結果も出力されるこれに察しMSLRパヌザは圢態的な情報(蟞曞接続衚)ず構文的な情報(文法)を同時に甚いお解析を行うためこのような無駄な解析結果を生成するこずはない\itemLR衚䜜成噚は接続衚に蚘述された品詞間の接続制玄を組み蟌んだLR衚を䜜成するすなわちLR衚を䜜成する段階で品詞間の接続制玄を考慮し接続制玄に違反する構文朚を受理しないLR衚を䜜るさらに品詞間の接続制玄を組み蟌んだ堎合接続制玄を組み蟌たない堎合ず比べおLR衚の状態数・動䜜数を枛らすこずができメモリ䜿甚量も小さくするこずができるずいう利点がある\item品詞間の接続制玄は接続衚ずいう圢匏で蚘述する代わりに文法に組み蟌むこずも可胜であるしかしながら接続制玄を文法に組み蟌んだ堎合芏則数が組み合わせ的に増倧するこのため文法䜜成者の負担が倧きくなりたた䜜成されるLR衚の倧きさも倧きくなるために望たしくないこのような理由から本ツヌルキットでは接続衚ず文法を独立に蚘述する枠組を採甚しおいる\item平文を入力ずした解析の他に係り受けに関する郚分的な制玄を加えた文を入力ずした解析を行うこずができる䟋えば「倪郎が枋谷で買った本を借りた」ずいう文を解析する際に次のような括匧付けによる制玄を付けた文が入力されたずきには括匧付けず矛盟した解析結果は出力しない\begin{displaymath}\tt[倪郎が枋谷で買った]本を借りた\end{displaymath}すなわち「倪郎が」が「借りた」に係る以䞋のような解析結果はAの括匧付けが入力の括匧付けず矛盟(亀差)しおいるために出力しない\begin{displaymath}\tt[[倪郎が][_A\;[[枋谷で][買った]][[本を][借りた]]]\;{}_A]\end{displaymath}この機胜は䟋えば前線集により係り受けに関する郚分的な制玄をあらかじめ文に付加しおから解析を行い構文的曖昧性を抑制する堎合などに利甚できる\item確率䞀般化LRモデル~\cite{inui:98:a,sornlertlamvanich:99:a}(ProbabilisticGeneralizedLRModel以䞋PGLRモデル)を取り扱うこずができるPGLRモデルずは䞀般化LR法の枠組においお構文朚の生成確率を䞎える確率モデルであるPGLRモデルに基づく構文朚の生成確率は統蚈的な意味での正しさの尺床を構文朚に䞎えるこずができるので構文的な曖昧性の解消に利甚するこずができる\end{itemize}以䞋ではここに挙げた本ツヌルキットの特城ず機胜に぀いお詳しく説明する\ref{sec:tablegenerator}節では品詞間の接続制玄を組み蟌むLR衚䜜成噚に぀いお述べ\ref{sec:parser}節ではMSLRパヌザの抂略に぀いお述べる最埌に\ref{sec:conclusion}節で本論文のたずめずMSLRパヌザ・ツヌルキットの今埌の開発方針に぀いお述べる \section{LR衚䜜成噚} \label{sec:tablegenerator}本節ではMSLRパヌザ・ツヌルキットにおけるLR衚䜜成噚の機胜ず特城に぀いお詳しく説明する\subsection{3皮類のLR衚を䜜成する機胜}\label{sec:tabletype}䞀般化LR法で甚いられるLR衚にはSLR(SimpleLR),CLR(CanonicalLR),LALR(LookaheadLR)の3皮類がある我々のLR衚䜜成噚はこれら3皮類のLR衚を䜜成する機胜を持぀実際の自然蚀語文の解析では最も状態数の少ないLALRが甚いられる堎合が倚いしたがっお以埌LR衚ずいえばLALRを意味するものずするこれらのLR衚の違いの詳现に぀いおは文献~\cite{aho:85:a}を参照しおいただきたい\subsection{品詞間の接続制玄を組み蟌む機胜}\label{sec:tablecon}本ツヌルキットにおけるLR衚䜜成噚の最も倧きな特城はLR衚に品詞間の接続制玄を反映させるこずができる点にある品詞間の接続制玄をLR衚に反映させるずいうこずは接続制玄に違反する構文朚を生成する動䜜をLR衚からあらかじめ陀去するこずに盞圓するこのこずを図~\ref{fig:lalr_gra}の文法$CFG_1$を䟋に説明する\footnote{$CFG_1$における各蚘号のおおたかな意味は以䞋の通りであるS=文,VP=動詞句,PP=埌眮詞句,V=動詞,VS1=䞀段動詞語幹,VS=動詞語幹,VE=動詞語尟,N=名詞,P=助詞,AX=助動詞列(以䞊非終端蚘号)vs\_1=䞀段動詞語幹,vs\_5k=カ行五段動詞語幹,vs\_5m=マ行五段動詞語幹,vs\_5w=ワ行五段動詞語幹,ve\_i=動詞語尟む,ve\_ki=動詞語尟キ,ve\_ma=動詞語尟マ,noun=名詞,postp=助詞,aux=助動詞(以䞊終端蚘号(品詞))}$CFG_1$においお曞き換え芏則の右偎にある数字は芏則番号を衚わすたた終端蚘号は品詞である$CFG_1$から通垞のLR衚䜜成アルゎリズムによっお䜜成されたLR衚を図~\ref{fig:lalr_table}に瀺す䜆し図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚はaction郚のみでありgoto郚は省略されおいる今このLR衚に図~\ref{fig:lalr_con}の接続衚に蚘述された接続制玄を反映させるこずを考える図~\ref{fig:lalr_con}の接続衚においお行列芁玠$(i,j)$が1なら$i$行目の品詞$x_i$ず$j$列目の品詞$x_j$がこの順序で連接可胜であるこずを瀺し$(i,j)$が0なら$x_i$ず$x_j$が連接䞍可胜であるこずを意味するたた``\$''は文末を衚わす特殊な品詞である\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}[t]{lc}S$\rightarrow$VP&(1)\\[-1mm]VP$\rightarrow$PPVP&(2)\\[-1mm]PP$\rightarrow$VPPP&(3)\\[-1mm]VP$\rightarrow$VAX&(4)\\[-1mm]V$\rightarrow$VSVE&(5)\\[-1mm]V$\rightarrow$VS1&(6)\\[-1mm]PP$\rightarrow$NP&(7)\\[-1mm]N$\rightarrow$noun&(8)\\[-1mm]P$\rightarrow$postp&(9)\\\end{tabular}\hspace*{20mm}\begin{tabular}[t]{lc}VS1$\rightarrow$vs\_1&(10)\\[-1mm]VS$\rightarrow$vs\_5k&(11)\\[-1mm]VS$\rightarrow$vs\_5m&(12)\\[-1mm]VS$\rightarrow$vs\_5w&(13)\\[-1mm]VE$\rightarrow$ve\_i&(14)\\[-1mm]VE$\rightarrow$ve\_ki&(15)\\[-1mm]VE$\rightarrow$ve\_ma&(16)\\[-1mm]AX$\rightarrow$AXaux&(17)\\[-1mm]AX$\rightarrow$aux&(18)\\\end{tabular}\bigskip\caption{文法の䟋:$CFG_1$}\label{fig:lalr_gra}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\footnotesize\begin{center}\begin{tabular}{|r|cccc@{}cccccc@{}c|}\hline&vs\_1&vs\_5k&vs\_5m&vs\_5w&ve\_i&ve\_ki&ve\_ma&aux&noun&postp&\$\\\hline0&sh1&sh4&sh3&sh2&&&&&sh11&&\\1&&&&&&&&re10&&&\\2&&&&&re13&*re13&*re13&&&&\\3&&&&&*re12&*re12&re12&&&&\\4&&&&&*re11&re11&*re11&&&&\\5&&&&&&&&sh13&&&\\6&sh1&sh4&sh3&sh2&&&&&sh11&&\\7&&&&&&&&&&sh16&\\8&&&&&&&&re6&&&\\9&&&&&sh20&sh19&sh18&&&&\\10&sh1&sh4&sh3&sh2&&&&&sh11&&re1\\11&&&&&&&&&&re8&\\12&&&&&&&&&&&acc\\13&re18&re18&re18&re18&&&&re18&re18&&re18\\14&re4&re4&re4&re4&&&&sh24&re4&&re4\\15&re2/sh1&re2/sh4&re2/sh3&re2/sh2&&&&&re2/sh11&&re2\\16&re9&re9&re9&re9&&&&&re9&&\\17&re7&re7&re7&re7&&&&&re7&&\\18&&&&&&&&re16&&&\\19&&&&&&&&re15&&&\\20&&&&&&&&re14&&&\\21&&&&&&&&re5&&&\\22&sh1&sh4&sh3&sh2&&&&&sh11&&\\23&re3/sh1&re3/sh4&re3/sh3&re3/sh2&&&&&re3/sh11&&\\24&re17&re17&re17&re17&&&&re17&re17&&re17\\\hline\end{tabular}\caption{$CFG_1$から生成されるLR衚(action郚のみ)}\label{fig:lalr_table}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\small\begin{tabular}{c|ccccccccccc}&\makebox[6mm]{vs\_1}&\makebox[6mm]{vs\_5k}&\makebox[6mm]{vs\_5m}&\makebox[6mm]{vs\_5w}&\makebox[6mm]{ve\_i}&\makebox[6mm]{ve\_ki}&\makebox[6mm]{ve\_ma}&\makebox[6mm]{noun}&\makebox[6mm]{postp}&\makebox[6mm]{aux}&\makebox[6mm]{\$}\\\hlinevs\_1&0&0&0&0&0&0&0&1&0&1&1\\vs\_5k&0&0&0&0&0&1&0&0&0&0&0\\vs\_5m&0&0&0&0&0&0&1&0&0&0&0\\vs\_5w&0&0&0&0&1&0&0&0&0&0&0\\ve\_i&0&0&0&0&0&0&0&0&0&1&0\\ve\_ki&0&0&0&0&0&0&0&0&0&1&0\\ve\_ma&0&0&0&0&0&0&0&0&0&1&0\\noun&1&1&1&1&0&0&0&1&1&1&1\\postp&1&1&1&1&0&0&0&1&1&0&1\\aux&1&1&1&1&0&0&0&1&1&1&1\\\end{tabular}\bigskip\caption{接続衚の䟋}\label{fig:lalr_con}\end{center}\end{figure}$CFG_1$ではVSを構成する品詞ずしおvs\_5k,vs\_5m,vs\_5wがVEを構成する品詞ずしおve\_i,ve\_ki,ve\_maがあるので芏則(5)からVを構成する品詞列は$3\times3=9$通りあるこずがわかるこれに察し図~\ref{fig:lalr_con}の接続衚を考慮した堎合これら9通りの品詞列のうち``vs\_5kve\_ki''``vs\_5mve\_ma''``vs\_5wve\_i''の3組だけが接続制玄を満たすしたがっおこれら以倖の品詞列は受理すべきではないここで図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚の状態$4$先読み蚘号ve\_iの欄にある$\lrtre{11}$ずいう\reactに着目する$\lrtre{11}$は$CFG_1$における芏則(11)に察応した郚分朚を䜜るこずを意味する(図~\ref{fig:re_act})ずころが先読み蚘号がve\_iであるこずから``vs\_5kve\_i''ずいう品詞列に察しおこの動䜜を実行するこずになるがこの品詞列は図~\ref{fig:lalr_con}の接続制玄に違反する同様に図~\ref{fig:lalr_table}においお``*''の぀いた動䜜もたた接続制玄に違反する動䜜であるしたがっおこのような動䜜を事前にLR衚から削陀しおおけば接続制玄に違反する解析結果の生成を防ぐこずができる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=act.eps,height=28mm}\end{epsf}\begin{draft}\atari(76,28)\end{draft}\caption{接続制玄に違反する\react}\label{fig:re_act}\end{center}\end{figure}接続制玄に違反する動䜜をLR衚から陀去する方法ずしおはたず図~\ref{fig:lalr_table}のように接続制玄を考慮しないLR衚を䜜成しおから接続制玄に違反する動䜜をLR衚から削陀する方法が考えられるしかしながら文法の芏暡が倧きくなるず接続制玄を考慮しないLR衚の倧きさが非垞に倧きくなるために望たしくないこれに察しお本ツヌルキットではLR衚を䜜成する段階で接続制玄を考慮し接続制玄に違反する動䜜を陀いたLR衚を盎接生成する方法を採甚しおいる接続制玄を組み蟌みながらLR衚を䜜成するアルゎリズムの詳现に぀いおは文献~\cite{li:96:f}を参照しおいただきたい接続制玄をLR衚に組み蟌む䞻な利点ずしおは以䞋の3぀が挙げられる\begin{enumerate}\item接続制玄を事前に組み蟌んだLR衚を甚いお解析を行った堎合解析時には品詞間の連接可胜性をチェックする必芁がないので解析時の効率を䞊げるこずができる\item接続制玄に違反する構文朚を生成する動䜜をLR衚から陀去するこずによりLR衚の状態数・動䜜数を倧幅に枛らしメモリ䜿甚量を小さくするこずができる\item品詞間の接続制玄は接続衚ずしお蚘述しおからLR衚に組み蟌む代わりに曞き換え芏則の现分化によっお組み蟌むこずもできる䟋えば$CFG_1$の䟋では芏則(5)の代わりに図~\ref{fig:rules}に挙げる3぀の芏則を導入すれば接続制玄を満たす品詞列のみ受理するこずができる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}[c]{lc}V$\rightarrow$VSVE&(5)\\\end{tabular}\hspace*{5mm}$\Rightarrow$\hspace*{5mm}\begin{tabular}[c]{lc}V$\rightarrow$vs\_5kve\_ki&(5-1)\\[-1mm]V$\rightarrow$vs\_5mve\_ma&(5-2)\\[-1mm]V$\rightarrow$vs\_5wve\_i&(5-3)\\[-1mm]\end{tabular}\medskip\caption{接続制玄を反映した文法芏則}\label{fig:rules}\end{center}\end{figure}しかしながらこのように接続制玄を組み蟌んだ文法を䜜成するこずは芏則数が組み合わせ的に増倧するために望たしくない品詞間の接続制玄は接続衚ずしお文法ずは独立に蚘述しLR衚を䜜成する段階で接続制玄を組み蟌む方が最終的に埗られるLR衚の状態数・動䜜数も少なくメモリ䜿甚量を小さくするこずができるたた文法蚘述者の負担も枛らすこずができる\end{enumerate}\subsection{評䟡実隓}\label{sec:tblgenexam}LR衚に品詞間の接続制玄を組み蟌む効果を調べる簡単な実隓を行った本ツヌルキットに付属されおいる日本語解析甚の文法ず接続衚を甚いお品詞間の接続制玄を組み蟌む堎合ず組み蟌たない堎合のLR衚を比范した䜿甚した文法の芏則数は1,408非終端蚘号数は218終端蚘号数は537である実隓に䜿甚した蚈算機はSunUltraEnterprise250Server(䞻蚘憶2GBCPU呚波数300MHz)である結果を衚~\ref{tab:tblgeneval}に瀺す\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{品詞間の接続制玄をLR衚に組み蟌むこずの効果}\label{tab:tblgeneval}\bigskip\begin{tabular}{c|ccc}&\makebox[15mm]{CPU時間}&\makebox[15mm]{状態数}&\makebox[15mm]{動䜜数}\\\hline接続制玄なし&42.1(sec.)&1,720&379,173\\接続制玄あり&45.4(sec.)&1,670&197,337\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚~\ref{tab:tblgeneval}においお「CPU時間」はLR衚䜜成に芁したCPU時間を「状態数」は䜜成されたLR衚の状態の数を「動䜜数」は䜜成されたLR衚の動䜜(\shactず\react)の数を瀺しおいるこの衚から品詞間の接続制玄を組み蟌むこずによっお状態数はほずんど倉わらないが動䜜数は玄半分に枛るこずがわかるしたがっおLR衚のために必芁なメモリ䜿甚量を倧幅に瞮小するこずができる䞀方「CPU時間」は接続制玄を考慮する堎合ずしない堎合ずでそれほど倧きな差は芋られなかった䞀般に接続制玄を組み蟌む堎合は品詞間の連接可胜性を調べながらLR衚を䜜成するためにそれに芁する時間は長くなるこずが予想されるしかしながら接続制玄に違反する無駄なアむテムが生成されなくなるこずからLR衚䜜成に芁する時間が短瞮される効果も生じるそのためLR衚䜜成時間が劇的に増倧するわけではないこずが実隓的に確かめられた \section{MSLRパヌザ} \label{sec:parser}本節ではMSLRパヌザの機胜ず特城に぀いお抂説する\subsection{圢態玠解析ず構文解析を同時に行う機胜}\label{sec:analysis}\ref{sec:introduction}節で述べたようにMSLRパヌザは圢態玠解析ず構文解析を同時に行う\cite{tanaka:95:a}たた圢態玠・構文解析結果ずしお構文朚を出力する䟋えば図~\ref{fig:lalr_gra}の文法($CFG_1$)図~\ref{fig:lalr_con}の接続衚図~\ref{fig:parser_dic}の蟞曞を甚いたずきの「あいこにたのたれた」ずいう文の解析結果(構文朚)を図~\ref{fig:parsetree1}に瀺す実際にはMSLRパヌザは以䞋のような括匧付けで衚珟された構文朚を出力する\baselineskip=0.6\normalbaselineskip\begin{verbatim}[<S>,[<VP>,[<PP>,[<N>,[noun,あいこ]],[<P>,[postp,に]]],[<VP>,[<V>,[<VS>,[vs_5m,たの]],[<VE>,[ve_ma,た]]],[<AX>,[<AX>,[aux,れ]],[aux,た]]]]]\end{verbatim}\baselineskip=\normalbaselineskip\noindent解析結果が耇数ある堎合にはその䞭から$N$個の構文朚をランダムに遞んで出力するただし\ref{sec:pglr}項で述べるPGLRモデルを甚いる堎合には構文朚の生成確率の倧きい䞊䜍$N$個の構文朚を取り出すこずができるたた$N$の倀は起動時のオプション指定により倉曎できる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}{l|l}単語&\multicolumn{1}{c}{品詞}\\\hlineあ&vs\_5k,vs\_5w\\[-1mm]あいこ&noun\\[-1mm]い&ve\_i\\[-1mm]き&ve\_ki\\[-1mm]た&aux\\[-1mm]\end{tabular}\hspace*{15mm}\begin{tabular}{l|l}単語&\multicolumn{1}{c}{品詞}\\\hlineたの&vs\_5m\\[-1mm]に&postp,vs\_1\\[-1mm]の&vs\_5m\\[-1mm]た&ve\_ma\\[-1mm]れ&aux\\[-1mm]\end{tabular}\caption{蟞曞の䟋}\label{fig:parser_dic}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{epsf}\epsfile{file=tree1.eps,width=0.35\textwidth}\end{epsf}\begin{draft}\atari(49,36)\end{draft}\caption{「あいこにたのたれた」の解析結果}\label{fig:parsetree1}\end{center}\end{figure}MSLRパヌザのアルゎリズムは䞀般化LR法の構文解析アルゎリズムを拡匵したものである䞀般化LR法が通垞は品詞列を入力ずするのに察しおMSLRパヌザは文字列を入力ずし蟞曞匕きによる単語分割ず構文解析を同時に行う以䞋䞀般化LR法ずMSLRパヌザの解析アルゎリズムずの違いを簡単に説明するMSLRパヌザの解析アルゎリズムの詳现に぀いおは文献~\cite{tanaka:95:a}を参照しおいただきたい\begin{enumerate}\item入力文が䞎えられたずき品詞ず品詞の間に䜍眮番号を぀ける代わりに図~\ref{fig:mslr_posit}のように入力文の文字間に䜍眮番号を぀ける\begin{figure}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{cc@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c@{}c}&&あ&&い&&こ&&に&&た&&の&&た&&れ&&た\\[-2mm]{\footnotesize(䜍眮番号)}&0&&1&&2&&3&&4&&5&&6&&7&&8&&9\\\end{tabular}\phantom{䜍眮番号}\bigskip\caption{MSLRパヌザにおける䜍眮番号の぀け方}\label{fig:mslr_posit}\end{center}\end{figure}\item解析が䜍眮$i$たで進んだずき䜍眮$i$から始たる党おの単語を蟞曞匕きしその結果をスタックに登録する䟋えば図~\ref{fig:mslr_posit}の䟋文を図~\ref{fig:parser_dic}の蟞曞を甚いお解析した堎合䜍眮$0$では``(あ,vs\_5k)'',``(あ,vs\_5w)'',``(あいこ,noun)''ずいう3぀の品詞付けの結果が解析スタックに登録されるこれらの品詞付けの結果は通垞の䞀般化LR法における倚品詞語ず党く同様に取り扱われる\item\shactを実行しお先読み蚘号をスタックにプッシュする際にはその品詞を構成する文字列の䞀番最埌の䜍眮たで解析スタックを延ばす䟋えば䜍眮$0$でvs\_5kずいう先読み蚘号(品詞)をプッシュする際にはvs\_5kが䜍眮$0$〜$1$に䜍眮する単語「あ」の品詞であるのでスタックの先頭を䜍眮$1$たで延ばすそしお䜍眮$1$から始たる単語の蟞曞匕き結果をもずに以埌の解析を進める同様に䜍眮$0$でnounずいう品詞をプッシュする際にはnounが䜍眮$0$〜$3$に䜍眮する単語「あいこ」の品詞であるのでスタックの先頭を䜍眮$3$たで延ばす以埌の解析は䜍眮$3$から始たる単語の蟞曞匕き結果をもずに進められる\end{enumerate}䟋文「あいこにたのたれた」を解析する際圢態玠解析結果の候補ずしおは以䞋の2぀がある\begin{quote}a.~(あいこ,noun)(に,postp)(たの,vs\_5m)(た,ve\_ma)(れ,aux)(た,aux)\\b.~(あいこ,noun)(に,vs\_1)(た,aux)(の,vs\_5m)(た,ve\_ma)(れ,aux)(た,aux)\end{quote}文法$CFG_1$はb.の品詞列を受理しないが圢態玠解析ず構文解析を逐次的に行う方法では圢態玠解析結果の候補ずしおa.,b.ずもに出力しそれぞれの品詞列に察しお構文解析が詊みられるこれに察しMSLRパヌザは圢態玠解析ず構文解析を同時に行い文法に蚘述された構文的な制玄で排陀される圢態玠解析の結果を早期に取り陀くこずができるため解析効率がよい䟋えば䜍眮$3$たで解析が進んだずき「あいこ」ずいう文字列が図~\ref{fig:parsetree1}の点線で囲たれた郚分朚を構成するこずがわかっおいるこのずき䜍眮$3$から始たる単語を蟞曞匕きする際に品詞列b.は受理されないずいう文法的な制玄から``(に,vs\_1)''ずいう品詞付けが適切でないこずがわかる具䜓的には䜍眮$3$におけるスタックトップの状態$7$においお``vs\_1''を先読み蚘号ずする動䜜が図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚に存圚しないこずから``(に,vs\_1)''ずいう蟞曞匕き結果を含む解析はこの時点で䞭断されるしたがっお誀りである圢態玠解析結果の候補b.を早期に取り陀くこずができるこのこずはMSLRパヌザの倧きな特城の1぀である\subsection{括匧付けによる制玄の぀いた入力文を解析する機胜}\label{sec:brackets}MSLRパヌザは括匧付けによる制玄を加えた文を解析するこずができる具䜓的にはMSLRパヌザは次のような文字列を入力ずしお括匧付けに矛盟しない解析結果のみを出力する機胜を持぀\begin{center}\verb|[*,倪郎が枋谷で買った]本を借りた|\end{center}この䟋では括匧による制玄はひず぀しかないが括匧による制玄は耇数あっおもよいたた耇数の制玄が入れ子になっおも構わない以䞋に䟋を挙げる\begin{center}\verb|[*,倪郎が[*,枋谷で買った]][*,本を借りた]|\end{center}䞊蚘の入力䟋においお``\verb|*|''は括匧で瀺された範囲を支配する非終端蚘号に特に制玄がないこずを衚わしおいるこれに察し``\verb|*|''の䜍眮に非終端蚘号を指定するこずにより括匧に矛盟する解析結果だけでなく括匧で囲たれた文字列を支配する非終端蚘号を限定するこずもできる䟋えば以䞋のような入力に察しおMSLRパヌザは「あいこに」を支配する非終端蚘号が``\verb|<PP>|''ずなる解析結果のみを出力する\begin{center}\verb|[<PP>,あいこに]たのたれた|\end{center}括匧付けによる制玄を取り扱う機胜は前線集によりあらかじめ郚分的な制玄を付加する際に利甚するこずができる構文解析を完党に自動で行うのではなくむンタラクティブに人間の知識を利甚しながら半自動的に構文解析を行うこずは解析粟床を向䞊させる有効な手段のひず぀である解析を行う前に係り受けに関する郚分的な制玄をうたく人手で䞎えれば構文的曖昧性を激的に枛らすこずができ結果ずしお構文解析の粟床を飛躍的に向䞊させるこずが期埅できる\subsection{PGLRモデルを取り扱う機胜}\label{sec:pglr}PGLRモデル~\cite{inui:98:a}は䞀般化LR法の枠組に基づいお構文朚の生成確率を䞎える確率モデルであるPGLRモデルにおける構文朚の生成確率は構文朚を䜜り出す際に実行されるLR衚䞊の動䜜(\shactもしくは\react)の実行確率の積ずしお掚定されるこの生成確率は生成される耇数の構文朚の䞭から最も正しい構文朚を遞択する構文的曖昧性解消に利甚できるここで泚意すべき点はPGLRモデルによっお䞎えられる構文朚の生成確率は品詞を葉ずする構文朚の生成確率だずいうこずであるすなわち単語の導出確率や単語の共起関係などの語圙的な統蚈情報は考慮されおいない\footnote{PGLRモデルずPGLRモデルずは独立に孊習された語圙的な統蚈情報を組み合わせお構文解析を行う詊みも行われおいる~\cite{sirai:98:b}}LR衚の動䜜の実行確率には若干の文脈䟝存性が反映されおいるず考えられるしたがっおPGLRモデルは文脈自由な蚀語モデルである確率文脈自由文法よりも掚定パラメタ数は倚くなるが文脈䟝存性が考慮されたより粟密なモデルを孊習するこずが可胜であり構文的曖昧性解消の粟床も向䞊するこずが実隓的にも確かめられおいる~\cite{sornlertlamvanich:99:a}本ツヌルキットではPGLRモデルを孊習する機胜及びPGLRモデルによる構文朚の生成確率を蚈算する機胜を備えおいる以䞋それぞれの機胜の抂芁に぀いお説明する\subsubsection{PGLRモデルの孊習に぀いお}\label{sec:pglrlearning}PGLRモデルの孊習はLR衚䞊の各動䜜の実行確率を掚定するこずにより行われる動䜜の実行確率の掚定に必芁なものは構文朚が付䞎された構文朚付きコヌパスであるたず䟋文に付䞎された構文朚に察しお構文朚を生成する際に実行するLR衚䞊の動䜜の䜿甚回数$C(s_i,l_j,a_k)$を数え䞊げるここで$s_i$はLR衚における状態を$l_j$は先読み蚘号を$a_k$は動䜜を衚わし$C(s_i,l_j,a_k)$は状態が$s_i$で先読み蚘号が$l_j$のずきに動䜜$a_k$が実行された回数を衚わすLR衚䞊の各動䜜の実行確率は匏(\ref{eq:act_prob1})(\ref{eq:act_prob2})によっお掚定する\begin{eqnarray}\label{eq:act_prob1}P(l_j,a_k|s_i)=\frac{C(s_i,l_j,a_k)}{\sum_{j,k}C(s_i,l_j,a_k)}\;\;if\;\;s_i\inS_s\\[2mm]\label{eq:act_prob2}P(a_k|s_i,l_j)=\frac{C(s_i,l_j,a_k)}{\sum_{k}C(s_i,l_j,a_k)}\;\;if\;\;s_i\inS_r\end{eqnarray}匏(\ref{eq:act_prob1})(\ref{eq:act_prob2})においお$S_s$は\shact盎埌に到達する状態の集合$S_r$はそれ以倖の状態の集合を衚わすLR衚における党おの状態は$S_s$たたは$S_r$のどちらか䞀方に必ず属する図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚の䟋では$S_s=\{0,1,2,3,4,11,13,16,18,19,20,24\}$,$S_r=\{5,6,7,8,9,10,12,14,15,17,21,22,23\}$である初期状態$0$は$S_s$に属するこずに泚意しおいただきたい匏(\ref{eq:act_prob1})は$s_i\inS_s$のずきには状態$s_i$で実行されうる党おの動䜜で実行確率を正芏化するこずを意味する蚀い換えればLR衚における同じ行に属する動䜜の実行確率の和は1ずなる䟋えば図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚の状態$0$にある5぀の\shactはこれらの実行確率の和が1になるように正芏化されるこれに察しお匏(\ref{eq:act_prob2})は$s_i\inS_r$のずきには状態$s_i$先読み蚘号$l_i$のずきに実行されうる党おの動䜜で実行確率を正芏化するこずを意味するすなわちLR衚における同じマス目に属する動䜜の実行確率の和は1ずなる䟋えば図~\ref{fig:lalr_table}のLR衚の状態$15$先読み蚘号vs\_1の欄にある2぀の動䜜($\lrtre{2}ず\;\lrtsh{1}$)の実行確率はこれらの和が1になるように正芏化されるたた$S_r$に属する状態の堎合shift/reduceコンフリクトがない限りその状態に属する動䜜の実行確率は必ず1ずなる本ツヌルキットにおけるPGLRモデル孊習の手続きは以䞋の通りであるたずMSLRパヌザは構文解析を行う際にLR衚の各動䜜の䜿甚回数を出力する機胜を持っおいるさらに\ref{sec:brackets}項で述べた括匧付けによる制玄を取り扱う機胜を利甚し蚓緎甚コヌパスに付䞎された構文朚を入力ずしお解析を行うこずにより蚓緎甚コヌパス䞭の構文朚を生成する際に䜿われた各動䜜の䜿甚回数$C(s_i,l_j,a_k)$を求めるこずができるたた本ツヌルキットにはこのようにしお埗られた$C(s_i,l_j,a_k)$から匏(\ref{eq:act_prob1})(\ref{eq:act_prob2})に埓っお各動䜜の実行確率を掚定しその実行確率が付䞎されたLR衚を䜜成するツヌルが含たれおいるこのツヌルはパラメタ掚定の平滑化のためにLR衚に登録されおいる党おの動䜜の実行回数にある䞀定の頻床を加える機胜を備えおいる\subsubsection{PGLRモデルを甚いた解析に぀いお}\label{sec:pglranalysis}MSLRパヌザは解析結果ずなる構文朚ずそのPGLRモデルに基づく生成確率を同時に出力するこずができるたた生成確率の高い順に構文朚を䞊べお出力するこずができるすなわちPGLRモデルに基づく生成確率を甚いた解析結果の優先順䜍付けを行うこずができるMSLRパヌザはたず文法が受理する党おの解析結果を求めそれらをたずめた圧瞮統語森を生成する次にこの圧瞮統語森を展開しお個々の構文朚を出力する際にPGLRモデルに基づく構文朚の生成確率を考慮し生成確率の䞊䜍の構文朚から優先しお出力する解析の途䞭で生成確率の䜎い郚分朚を陀去するなどの枝刈りを行っおいないため生成確率の䞊䜍$N$䜍の構文朚が必ず埗られるこずが保蚌される代わりに長文など構文的曖昧性が非垞に倚い文を解析する際にメモリ䞍足によっお解析に倱敗する可胜性も高いしたがっお我々は解析途䞭で生成確率の䜎い郚分朚を陀去しお探玢空間を絞り蟌む機構も必芁であるず考えおいるSornlertlamvanichはPGLRモデルを利甚した効率の良い枝刈りのアルゎリズムを提案しおいるが~\cite{sornlertlamvanich:98:a}珟圚公開しおいるMSLRパヌザには実装されおいない\subsection{解析䟋}\label{sec:exp}本項ではMSLRパヌザを甚いた簡単な日本語文解析実隓に぀いお報告する実隓甚コヌパスずしおATRが䜜成した日本語察話コヌパス~\cite{morimoto:94:a}を䜿甚した実隓に甚いた文法は察話文解析甚の文脈自由文法で非終端蚘号数172終端蚘号数441芏則数は860である~\cite{tanaka:97:a}今回の実隓では日本語察話コヌパス玄20,000文のうち䞊蚘の文法による構文朚が付䞎された䟋文10,020文を䜿甚した蟞曞及び接続衚はこれら10,020文から自動的に䜜成した評䟡甚テキストずしお単語数4〜1415以䞊の文をランダムに1000文ず぀取り出しそれぞれSetA,SetBずしたこれらの評䟡甚䟋文に぀いお分かち曞きされおいない文字列を入力ずしMSLRパヌザを甚いお圢態玠・構文解析を行ったたた評䟡甚テキスト以倖の䟋文玄9000文からPGLRモデルを孊習しそのPGLRモデルに基づく構文朚の生成確率によっお解析結果の順䜍付けを行った䜿甚した蚈算機は\ref{sec:tblgenexam}項の実隓ず同じSunUltraEnterprise250Serverである実隓結果を衚~\ref{tab:expparser1},\ref{tab:expparser2}に瀺すたた解析結果の具䜓䟋を付録~\ref{sec:appendix}に瀺す\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{解析実隓の結果}\label{tab:expparser1}\medskip\begin{tabular}[c]{l|cc}&SetA&SetB\\\hline平均単語数&8.12&19.6\\平均解析朚数&13.1&15,500\\平均解析時間(ms)&6.53&27.7\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{解析実隓の結果(文正解率)}\label{tab:expparser2}\medskip\begin{tabular}[c]{|l|cc|cc|}\hline&&&&\\[-2mm]&\multicolumn{2}{c|}{【圢態玠解析の文正解率】}&\multicolumn{2}{c|}{【構文解析の文正解率】}\\[0.5mm]$n$&\makebox[15mm]{SetA}&\makebox[15mm]{SetB}&\makebox[15mm]{SetA}&\makebox[15mm]{SetB}\\[0.5mm]\hline1&88.3\%&63.7\%&80.1\%&36.3\%\\[0.5mm]2&94.4\%&75.1\%&90.6\%&50.4\%\\[0.5mm]3&96.8\%&80.6\%&95.0\%&58.8\%\\[0.5mm]4&97.6\%&83.6\%&96.4\%&65.0\%\\[0.5mm]5&98.8\%&87.2\%&97.6\%&69.6\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚~\ref{tab:expparser1}においお「平均解析朚数」は1文あたりに生成される構文朚の平均であり「平均解析時間」は1文の解析に芁した時間(単䜍はミリ秒)の平均を衚わしおいるSetAのような短い文の堎合は7ミリ秒皋床SetBのような長めの文の堎合でも27ミリ秒皋床で解析を行うこずができるたた衚~\ref{tab:expparser2}の【圢態玠解析の文正解率】はPGLRモデルに基づく構文朚の生成確率の䞊䜍$n$䜍の解析結果の䞭に単語分割ず品詞付けの結果がコヌパスに付加されたものず䞀臎する構文朚が含たれる文の割合を衚わしおいる同様に【構文解析の文正解率】は䞊䜍$n$䜍の解析結果の䞭にコヌパスに付加されたものず䞀臎する構文朚が含たれる文の割合を瀺しおいるこの衚から䟋えば生成確率の1䜍の構文朚に぀いおSetAでは玄80\%SetBでは玄36\%の文に察しお正しい圢態玠・構文解析結果が埗られたこずがわかる今回の実隓で䜿甚したコヌパスがドメむンの限られたコヌパスでありたた蟞曞ず接続衚を評䟡甚テキストず蚓緎甚テキストの䞡方を甚いお䜜成したこずもあり比范的良い結果が埗られおいる \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本論文では我々が珟圚公開しおいる自然蚀語解析甚ツヌル「MSLRパヌザ・ツヌルキット」の機胜ず特城に぀いお述べた最埌に本ツヌルキットの今埌の開発方針に぀いお述べるたず耇数の接続制玄を同時に組み蟌むLR衚䜜成噚さらにそれを甚いお解析を行うパヌザの実装を進めおいる珟圚のツヌルではLR衚に組み蟌める接続制玄の数は1皮類のみであるしかしながら䟋えば音声認識ず同時に構文解析を行う堎合品詞間の接続制玄だけでなく音玠間の接続制玄も同時に利甚した方が効率の良い解析ができるず考えられる~\cite{imai:99:a}この堎合音玠ず品詞の2぀の接続制玄をLR衚に組み蟌む必芁があるたたこれに合わせおMSLRパヌザの解析アルゎリズムも倉曎する必芁がある珟圚耇数の制玄を取り扱うLR衚䜜成噚およびMSLRパヌザのプロトタむプは完成しおいるが効率の面でただ問題があり改良を進めおいる次によりロバストな解析ができるようにパヌザを拡匵するこずが挙げられる特に蟞曞にない単語(未知語)が入力文䞭に珟われたずきには原則的には解析に倱敗する珟圚のMSLRパヌザはカタカナが続いた文字列を未知語ずしお登録するなど非垞に簡単な未知語凊理機胜が付加されおいるがただ改良の䜙地も倚いたた解析に倱敗した堎合でも郚分的な解析結果を衚瀺する機胜なども远加しおいきたいず考えおいる最埌に本ツヌルキットに付属の日本語解析甚の文法蟞曞接続衚を改良するこずが今埌の課題ずしお挙げられるこれらを甚いお新聞蚘事の解析を行った堎合解析に成功しお䜕らかの結果を返すこずのできる文の割合は玄85\%である解析に倱敗する原因ずしおは前述の未知語凊理の䞍完党さや文法芏則の䞍備によるものが倚いより倚様な文を解析できるようにするためには特に文法を改良しおいかなければならないたた本ツヌルキットに付属の文法を甚いお解析を行った堎合PGLRモデルを孊習するための構文朚付きコヌパスが存圚しないためにPGLRモデルに基づく生成確率によっお解析結果に優先順䜍を付けるこずはできない\footnote{公開されおいるツヌルでは付属の文法を甚いお解析を行った堎合でも単語数最小法文節数最小法のヒュヌリスティクスに基づく解析結果の優先順䜍付けを行うこずができる}珟圚構文朚付きコヌパスを必芁ずしないPGLRモデルの孊習方法に぀いお研究をすすめおいる\medskip\acknowledgmentMSLRパヌザ・ツヌルキットは倚くの方の協力を埗お開発されたした李茝氏日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟の綟郚寿暹氏には初期のLR衚䜜成噚を実装しおいただきたした九州工業倧孊の也健倪郎助教授にはPGLRモデルの理論を提案しおいただきたしたSussex倧孊のJohnCarroll氏NationalElectronicsandComputerTechnologyCenterのSornlertlamvanichVirach氏にはMSLRパヌザの実装に関する貎重な助蚀をいただきたした以䞊の皆様を始め本ツヌルキットの開発に埡協力いただきたした党おの人々に感謝いたしたすMSLRパヌザの蟞曞匕きモゞュヌルは奈良先端科孊技術倧孊院倧孊・束本研究宀で開発された高速文字列怜玢システムSUFARYをベヌスに䜜成しおいたすSUFARYの転甚を蚱可䞋さいたした束本研究宀の皆様に深く感謝いたしたす本ツヌルキットに付属の日本語解析甚の蟞曞は日本電子化蟞曞研究所が䜜成したEDR日本語単語蟞曞~\cite{edr:95:a}をもずに構築されおいたす本蟞曞の公開を蚱可䞋さいたした日本電子化蟞曞研究所の皆様に深く感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{癜井枅昭}{1993幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1995幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了1998幎同倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同幎同倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻助手珟圚に至る博士(工孊)統蚈的自然蚀語解析に関する研究に埓事情報凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{怍朚正裕}{1995幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1997幎同倧孊院情報理工孊研究科修士課皋修了2000幎同倧孊院情報理工孊研究科博士課皋満期退孊同幎4月同倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻技術補䜐員同幎7月囜立囜語研究所日本語教育センタヌ研究員珟圚に至る自然蚀語解析に関する研究に埓事情報凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{橋本泰䞀}{1997幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1999幎同倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻修士課皋修了同幎同倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻博士課皋進孊圚孊䞭.統蚈的自然蚀語解析に関する研究に埓事}\bioauthor{埳氞健䌞}{1983幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1985幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎(æ ª)䞉菱総合研究所入瀟1986幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋入孊珟圚,同倧孊倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻助教授博士(工孊)自然蚀語凊理,蚈算蚀語孊に関する研究に埓事情報凊理孊䌚,認知科孊䌚,人工知胜孊䌚,蚈量囜語孊䌚,AssociationforComputationalLinguistics,各䌚員}\bioauthor{田䞭穂積}{1964幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1966幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎電気詊隓所(珟電子技術総合研究所)入所1980幎東京工業倧孊助教授1983幎東京工業倧孊教授珟圚,同倧孊倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻教授博士(工孊)人工知胜自然蚀語凊理に関する研究に埓事情報凊理孊䌚,電子情報通信孊䌚認知科孊䌚,人工知胜孊䌚,蚈量囜語孊䌚,AssociationforComputationalLinguistics,各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\appendix \section{MSLRパヌザによる解析䟋} \label{sec:appendix}\ref{sec:exp}項の実隓で埗られた解析結果の䟋を挙げるたず以䞋の䟋文(1),(2),(3)を解析しPGLRモデルによる生成確率の最も倧きい解析結果のみを衚瀺させたずきのMSLRパヌザの出力を瀺す\begin{enumerate}\item䞃日たでのご予玄ですので八日ず九日の分でございたすか\item十日ず十䞀日のご予玄を十䞀日ず十二日に倉曎なさりたいわけですね\item埡瀟の堎合には割匕䟡栌が適甚されたすので朝食も含めお割ず良いお郚屋を癟九十䞉ドルでご提䟛できたす\end{enumerate}\begin{flushleft}\bf$\bullet$MSLRパヌザの出力\end{flushleft}{\footnotesize\begin{verbatim}readingthegrammarfile`atr.gra'DonereadingLRtablefile`atr.prtb.set2'Done###1###$TAC23034-0030-3䞃日たでのご予玄ですので八日ず九日の分でございたすかaccept\end{verbatim}\noindent\discretionaries|~!@$\path|[<sent>,[<cl>,[<adv-cl>,[<verb>,[<verb/ga>,[<np>,[<n-sahen>,[<mod-n>,[<pp>,[<np>,[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,䞃日]]]],[<p-kaku-optn>,[p-kaku-made,たで]]],[<p-rentai>,[p-rentai-no,の]]],[<n-sahen>,[<n-sahen/ga-o>,[<prefix>,[prefix-go,ご]],[sahen-meisi/ga-o,予玄]]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-desu,で]],[<infl>,[infl-spe-su,す]]]]],[<p-conj-advcl>,[p-conj-syusi,ので]]],[<cl>,[<vaux>,[<vaux>,[<verb>,[<verb/ga>,[<np>,[<n-hutu>,[<mod-n>,[<np>,[<n-date&time>,[<mod-n>,[<np|\\\path|>,[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,八日]]]],[<p-para>,[p-para-to,ず]]],[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,九日]]]]],[<p-rentai>,[p-rentai-no,の]]],[<n-hutu>,[hutu-meisi-post,分]]]],[<aux>,[aux-de,で]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-copula-masu,ございた]],[<infl>,[infl-spe-su,す]]]],[<aux>,[aux-sfp-ka,か]]]]]]5.716416e-23|\begin{verbatim}total1314CPUtime0.2sec###2###$TAS13004-0100-1十日ず十䞀日のご予玄を十䞀日ず十二日に倉曎なさりたいわけですねaccept\end{verbatim}\noindent\path|[<sent>,[<cl>,[<vaux>,[<verb>,[<verb/ga>,[<np>,[<vaux>,[<vaux>,[<verb>,[<verb/ga>,[<pp-o>,[<np>|\\\path|,[<n-sahen>,[<mod-n>,[<np>,[<n-date&time>,[<mod-n>,[<np>,[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,十日]]]],[<p-para>,[p-para-to,ず]]],[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,十䞀日]]]]],[<p-rentai>,[p-rentai-no,の]]],[<n-sahen>,[<n-sahen/ga-o>,[<prefix>,[prefix-go,ご]],[sahen-meisi/ga-o,予玄]]]]],[p-kaku-o,を]],[<verb/ga-o>,[<mod-v>,[<pp>,[<np>,[<n-date&time>,[<mod-n>,[<np>,[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,十䞀日]]]],[<p-para>,[p-para-to,ず]]],[<n-date&time>,[<n-day>,[meisi-hi,十二日]]]]],[<p-kaku-optn>,[p-kaku-ni,に]]]],[<n-sahen/ga-o>,[sahen-meisi/ga-o,倉曎]]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-sahen-5-r,なさ]],[<infl>,[infl-5-ri,り]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-wish,た]],[<infl>,[infl-adj-i,い]]]],[<np>,[<n-hutu>,[n-keisiki,わけ]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-desu,で]],[<infl>,[infl-spe-su,す]]]]],[<aux>,[aux-sfp-ne,ね]]]]]6.846102e-32|\begin{verbatim}total2583CPUtime0.3sec###3###$TAS12006-0080-1埡瀟の堎合には割匕䟡栌が適甚されたすので朝食も含めお割ず良いお郚屋を癟九十䞉ドルでご提䟛できたすaccept\end{verbatim}\noindent\path|[<sent>,[<cl>,[<adv-cl>,[<vaux>,[<vaux>,[<vaux>,[<verb>,[<verb/o>,[<mod-v>,[<pp>,[<pp>,[<np>,[<|\\\path|n-hutu>,[<mod-n>,[<np>,[<n-hutu>,[hutu-meisi,埡瀟]]],[<p-rentai>,[p-rentai-no,の]]],[<n-hutu>,[hutu-meisi,堎合]]]],[<p-kaku-optn>,[p-kaku-ni,に]]],[<p-kakari>,[p-kakari-wa,は]]]],[<verb/o>,[<pp-ga>,[<np>,[<n-hutu>,[<n-sahen>,[<n-sahen/ga-o>,[sahen-meisi/ga-o,割匕]]],[<n-hutu>,[hutu-meisi,䟡栌]]]],[p-kaku-ga,が]],[<n-sahen/ga-o>,[sahen-meisi/ga-o,適甚]]]]],[<aux>,[aux-suru-sa,さ]]],[<aux>,[<auxstem-deac>,[auxstem-deac-reru,れ]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-masu,た]],[<infl>,[infl-spe-su,す]]]],[<p-conj-advcl>,[p-conj-syusi,ので]]],[<cl>,[<adv-cl>,[<verb>,[<verb/ga-ni-o>,[<mod-v>,[<pp>,[<np>,[<n-hutu>,[hutu-meisi,朝食]]],[<p-kakari>,[p-kakari-mo,も]]]],[<verb/ga-ni-o>,[<vstem1/ga-ni-o>,[vstem-1/ga-ni-o,含め]]]]],[<p-conj-advcl>,[p-conj-renyo-te,お]]],[<cl>,[<vaux>,[<vaux>,[<verb>,[<verb/ga>,[<pp-o>,[<np>,[<n-hutu>,[<mod-n>,[<verb>,[<verb/ga>,[<mod-v>,[<advp>,[<adv>,[hukusi,割ず]]]],[<verb/ga>,[adjstem/ga,良],[<infl>,[infl-adj-i,い]]]]]],[<n-hutu>,[<prefix>,[prefix-o,お]],[<n-hutu>,[hutu-meisi,郚屋]]]]],[p-kaku-o,を]],[<verb/ga-o>,[<mod-v>,[<pp>,[<np>,[<n-quant>,[<n-num>,[<n-num-hyaku>,[<n-num-keta-hyaku>,[<num-suf-hyaku>,[num-hyaku,癟]]],[<n-num-zyuu>,[<n-num-keta-zyuu>,[<n-num-ichi>,[num-kyuu,九]],[<num-suf-zyuu>,[num-zyuu,十]]],[<n-num-ichi>,[num-san,侉]]]]],[<suffix-unit>,[suffix-doru,ドル]]]],[<p-kaku-optn>,[p-kaku-de,で]]]],[<n-sahen/ga-o>,[<prefix>,[prefix-go,ご]],[sahen-meisi/ga-o,提䟛]]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-sahen-1,でき]]]],[<aux>,[<auxstem>,[auxstem-masu,た]],[<infl>,[infl-spe-su,す]]]]]]]]6.264841e-45|\begin{verbatim}total19284CPUtime0.13sec\end{verbatim}}\noindent解析結果は括匧付けで衚珟された構文朚ずしお出力される構文朚の右にある数倀はその構文朚のPGLRモデルによる生成確率である「total」は埗られた解析結果の総数を「CPUtime」は解析に芁した時間を衚わす以䞋埗られた解析結果を構文朚の圢で瀺す䜆し玙面の郜合により構造の䞀郚を簡略しおいる\begin{flushleft}\thicklines\bf$\bullet$䟋文(1)の解析結果\\[2mm]\input{extree1.tex}\bf$\bullet$䟋文(2)の解析結果\\[2mm]\input{extree2.tex}\newpage\bf$\bullet$䟋文(3)の解析結果\\[2mm]\input{extree3.tex}\end{flushleft}\newpage\thispagestyle{plain}\\newpage\thispagestyle{plain}\\end{document}
V29N02-02
\section{はじめに} 固有衚珟抜出(NER)は人名組織名化孊物質名日付や時間ずいった固有名詞や数倀衚珟を抜出するタスクであり関係抜出\cite{zhou-etal-2016-attention,DBLP:journals/corr/abs-1905-08284,shen-huang-2016-attention,wang-etal-2016-relation}や゚ンティティリンキング\cite{ganea-hofmann-2017-deep,le-titov-2018-improving,radhakrishnan-etal-2018-elden,DBLP:journals/corr/abs-1802-01021,DBLP:journals/corr/abs-2006-01969,DBLP:journals/corr/abs-1808-07699}ずいった技術に甚いられる芁玠技術の䞀぀であるたずえば2぀の固有衚珟(NE)間の関係を識別する関係抜出タスクでは文䞭のNEを特定するためNERが利甚され゚ンティティリンキングでは実䜓刀別の候補抜出に利甚される固有衚珟技術の適甚先は新聞蚘事ずいった䞀般的な文曞に留たらず化孊や医孊分野などの専門分野の特蚱や論文に広がりを芋せおいる化孊分野であれば新材料や新薬の開発材料を甚いた補品開発などにおいお化合物に関する知識が必芁䞍可欠であり論文や特蚱で日々報告される化合物間の盞互関係や物性倀ずいった情報を構造化し知識ずしお蓄積するこずが行われおいるしかしながら2015幎の時点で2分30秒に1件のペヌスで新たな物質がCAS(ChemicalAbstractsService)に远加されおいるずいう報告が瀺すように\footnote{\url{https://www.jaici.or.jp/annai/img/20150709_CAS_PressRelase.pdf}}刻々ず増え続ける化合物に察しお専門的な知識を必芁ずする人手による知識構築䜜業が課題ずなっおいるそこで知識構築に必芁な化合物名を抜出するためにNERが化孊分野でも泚目を集めおいる\cite{Leaman2015,Lu2015,att-chemd}近幎ではLSTM-CRFモデルずいったlongshort-termmemory(LSTM)に条件付確率堎(CRF)を組み合わせたモデル\cite{N16-1030,P16-1101}やTransformer\cite{DBLP:journals/corr/VaswaniSPUJGKP17}を甚いたモデル\cite{devlin-etal-2019-bert,yamada-etal-2020-luke}が高い粟床を瀺しおいるたた倧芏暡なラベルなしコヌパスから事前孊習したニュヌラル蚀語モデル\cite{C18-1139,N18-1202,devlin-etal-2019-bert,yamada-etal-2020-luke,Lee2020BioBERTAP,beltagy-etal-2019-scibert}を甚いた手法がCoNLL2003sharedtaskデヌタセット\cite{tjongkimsang2003conll}や化孊分野のNER\cite{Lu2015}などにおいお高い粟床を瀺しおいるしかし化合物には倚様な衚蚘があるこずが化孊分野のNERを難しくしおいる図\ref{fig:paraphrase_example}にあるように\textit{Acrylicacid4-tert-butylphenylester}は\textit{Acrylicacid4-(1,1-dimethylethyl)phenylester}のように異衚蚘で衚珟されるここでは\textit{tert-butyl}を衚す構造が\textit{methyl}ず\textit{ethyl}から構成されるこずから\textit{1,1-dimethylethyl}ずも蚀い換え可胜ずなっおいるこのように同じ化合物が耇数の異衚蚘で蚘述される状況から孊習デヌタには含たれない衚蚘が倚数存圚しおおり孊習デヌタ䞭の衚蚘に基づき孊習する埓来のNERモデルでは新芏の化合物名抜出においお粟床䜎䞋に぀ながるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-2ia1f1.pdf}\end{center}\hangcaption{化合物の異衚蚘の䟋\textit{Acrylicacid4-tert-butylphenylester}ずその{\paraphrase}である\textit{Acrylicacid4-(1,1-dimethylethyl)phenylester}に぀いお瀺しおいるここでは\textit{tert-butyl}を衚す構造が\textit{1,1-dimethylethyl}に蚀い換えられおいる}\label{fig:paraphrase_example}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たずえば登録数が1億を超えおいるPubChem\cite{10.1093/nar/gkaa971}䞊の化合物の異衚蚘の平均数は3.88個\footnote{2019幎5月時点での調査結果}であるこのように既に存圚する倧芏暡な化合物の蚀い換えに加えお今埌増え続ける化合物に察応するために埓来のNER甚の教垫デヌタだけから異衚蚘パタンを孊習するアプロヌチは困難な状況にあるそこで本研究では化合物名抜出ず{\parasent}をマルチタスク孊習により同時に孊習するこずで衚珟の同䞀性を孊習し化合物名抜出を行う手法HandlingParaphraseinNER({\proposed})を提案する{\proposed}では同䞀化合物の異なる衚蚘を考量するために既存のDBに登録されおいる化合物の蚀い換えパタンを甚いお自動生成される蚀い換え甚の孊習デヌタからattention-basedneuralmachinetranslation(ANMT)\cite{luong-pham-manning:2015:EMNLP,bahdanau2015}を基に蚀い換え生成モデルを孊習する際にNERモデルず{\paraphrase}モデルのEncoderのパラメヌタを共有するこずで蚀い換えパタンをNERで考慮する提案手法をBioCreativeIVCHEMDNER\cite{Krallinger2015}ずPubChemから埗られる蚀い換えパタンを甚いお評䟡を行ったその結果埓来の蟞曞を䜿った教垫デヌタの自動拡匵\cite{DBLP:conf/ijcnlp/YiLSP04}を超える粟床が埗られ化合物名抜出におけるNERず蚀い換え生成のマルチタスク孊習の有効性を確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案手法} 図\ref{fig:overall}に提案手法{\proposed}の党䜓像を瀺すたずNERず{\parasent}モデルに぀いお述べその埌{\paraphrase}モデルずNERモデルのマルチタスク孊習の方法に぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-2ia1f2.pdf}\end{center}\hangcaption{提案手法{\proposed}の党䜓図$LSTM^{(f)}$,$LSTM^{(b)}$,$LSTM^{(wc)}$ず$LSTM^{(sc)}$のパラメヌタは{\paraphrase}モデルずNERモデルで共有される}\label{fig:overall}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{文字レベルの蚀語モデルを䜿甚したNER}\label{sect:previous}本章ではベヌスラむンモデルずしお甚いるBidirecional(Bi)LSTM-CRFずContextualStringEmbeddings(CSE)に基づくNERモデルBiLSTM-CRF+CSEに぀いお述べる\cite{C18-1139}このモデルはCoNLL2003のデヌタセットにおいお高い粟床を瀺しおいるこのモデルでは入力文の単語列ずしお\({\bfw}=w_{1},w_{2},\cdots,w_{N}\)が䞎えられたずき各単語$w_i$はベクトル$\mathbf{x}_i$に倉換されるベクトル$\mathbf{x}_i$は䞋蚘図\ref{fig:overall}䞭の1)から3)の3぀のembeddingを結合したものである\begin{itemize}\item1)ルックアップテヌブルから取埗される単語embedding\item2)単語を構成する文字列䞊で蚈算されるBiLSTM($LSTM^{(wc)}$)の隠れ局{\cwse}\cite{N16-1030}\item3)文党䜓から構成される文字列から蚈算されるBiLSTM($LSTM^{(sc)}$)の隠れ局{\cse}\cite{C18-1139}\end{itemize}{\cwse}はある単語に察しお$LSTM^{(wc)}$の順方向LSTMず逆方向LSTMの最埌の隠れ局の結合である{\cse}はある単語に察しお$LSTM^{(sc)}$の順方向LSTMの単語を構成する最埌の文字の隠れ局ず$LSTM^{(sc)}$の逆方向LSTMの単語を構成する最初の文字の隠れ局を結合したものである$LSTM^{(sc)}$は事前孊習を行った文字レベルの蚀語モデルである文字単䜍の文の生成確率は䞋蚘の匏を甚いお衚珟される\begin{equation}P({\bfc}_{1\colonT})=\prod_{t=1}^{T}p(c_t|{\bfc}_{1\colont-1}),\end{equation}ここで$c_t$は文䞭の$t$番目の文字を衚し$T$は文䞭の文字数を衚す入力単語列$w$に察するベクトル衚珟${\bfX}={\bfx}_1,\cdots,{\bfx}_N$を埗た埌に各単語のBiLSTMの隠れ局${\bfh}_i$ず察象のNEタグのスコアベクトル${\bfe}_i$を䞋蚘のように蚈算する\begin{align}\overrightarrow{{\bfh}_{i}}&=LSTM^{(f)}({\bfx}_i,\overrightarrow{{\bfh}_{i-1}})\label{eq:forward_lstm},\\\overleftarrow{{\bfh}_{i}}&=LSTM^{(b)}({\bfx}_i,\overleftarrow{{\bfh}_{i+1}})\label{eq:backward_lstm},\\{\bfh}_i&=[\overrightarrow{{\bfh}_{i}};\overleftarrow{{\bfh}_{i}}],\\{\bfe}_i&=W_e{\bfh}_i,\end{align}ここで$\overrightarrow{{\bfh}_{i}}$ず$\overleftarrow{{\bfh}_{i}}$の次元数は$d$${\bfh}_i$の次元数は$2d$$W_e\in\mathcal{R}^{k\times2d}$は重み行列であり$k$は識別察象のNEの皮類である$[\cdot;\cdot]$は二぀のベクトルを結合する挔算を行う${\bfh}_{i-1}$は${\bfh}_i$の䞀぀前の単語に察する隠れ局${\bfh}_{i+1}$は${\bfh}_i$の䞀぀埌ろの単語の隠れ局を衚すたた$\overrightarrow{{\bfh}_{0}}$ず$\overleftarrow{{\bfh}_{N+1}}$はれロベクトルであるBiLSTM-CRF+CSEモデルではスコア行列${\bfP}=({\bfe}_1,\cdots,{\bfe}_N)^T\in\mathcal{R}^{N\timesk}$ずCRFを䜿甚しおタグの系列を予枬するここで$P_{i,j}$は$i$番目の単語に察応するタグ$j$のスコアであるたた出力のタグ系列${\bfy}=y_1,\cdots,y_N$の確率は䞋蚘により蚈算される\begin{align}s({\bfw},{\bfy})&=\sum^{N}_{i=-1}A_{y_i,y_{i+1}}+\sum^{N}_{i=1}P_{i,y_i},\\p({\bfy}|{\bfw})&=\frac{e^{s({\bfw},{\bfy})}}{\sum_{{\bf\tilde{y}}\in{\bfY_w}}e^{s({\bfw},{\bf\tilde{y}})}},\end{align}ここで${\bfY_w}$はすべおの可胜なタグ系列の集合を衚し${\bfA}$はタグ遷移スコアの行列$A_{y_i,y_j}$は$i$番目のタグから$j$番目のタグぞ遷移するスコア$y_{-1}$ず$y_{N+1}$はそれぞれ文頭ず文末を衚すタグである孊習ではモデルは正解のタグ系列を甚いお䞋蚘の匏を最倧化するように孊習する\begin{equation}\log(p({\bfy}|{\bfw}))=s({\bfw},{\bfy})-\log(\sum_{\bf\tilde{y}\in{\bfY}_w}e^{s({\bfw},{\bf\tilde{y}})}),\label{Eq:ObjectiveFunctionNER}\end{equation}ここで{\bfy}は{\bfw}の正解のタグ系列であるNEを抜出する際モデルは䞋蚘の匏によっお埗られるスコアが最倧のタグ系列を出力する\begin{equation}y^{*}=\argmax_{{\bf\tilde{y}}\in{\bfY_w}}s({\bfw},{\bf\tilde{y}}).\end{equation}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{{\paraphrase}モデル}\label{sect:paraphrase}提案手法では\pagebreakLSTMベヌスのNERモデルの゚ンコヌダヌに蚀い換え知識を取り入れるためNERモデルずLSTMベヌスの゚ンコヌダヌデコヌダヌ手法のANMTモデル\cite{luong-pham-manning:2015:EMNLP,bahdanau2015}で共有の゚ンコヌダヌを甚いお化合物を含む文の蚀い換えモデルを孊習する{\paraphrase}モデルは入力文の単語列{\bfw}を化合物の蚀い換えを含む文の単語列\({\bfy}^{trg}=y_1^{trg},y_2^{trg},\cdots,y_U^{trg}\)に倉換するここで$U$は蚀い換え埌の文の単語数であるLSTM゚ンコヌダヌは入力文{\bfw}を固定長のベクトルぞ倉換しその埌LSTMデコヌダヌは倉換された固定長のベクトルを䜿甚しお出力単語列{\bfy}を生成するLSTM゚ンコヌダヌは匏(\ref{eq:forward_lstm})ず匏(\ref{eq:backward_lstm})によっお定矩される双方向LSTMを䜿甚しNERモデルず同じくベクトル${\bfx}_i$を入力文の単語列の$i$番目の単語のembeddingずしお䜿甚する双方向LSTMの゚ンコヌダヌの最埌の隠れ局の状態である匏(\ref{eq:forward_lstm})の$\overrightarrow{\bfh}_N$ず匏(\ref{eq:backward_lstm})の$\overleftarrow{\bfh}_1$はLSTMデコヌダの初期状態ずしお${\bfs}_0=[\overrightarrow{\bfh}_N;\overleftarrow{\bfh}_1]$で衚される匏の圢で甚いられるデコヌダは$j$番目の単語の隠れ局${\bfs}_j$を䞋蚘のように蚈算する\begin{equation}{\bfs}_j=LSTM_{dec}([{\bfv}_{j-1};\hat{{\bfs}}_{j-1}],{\bfs}_{j-1}),\end{equation}ここで${\bfv}_{j-1}$は$y_{j-1}^{trg}$の単語embedding$\hat{{\bfs}}_{j-1}$は$(j-1)$番目のアテンションベクトルである本モデルではコンテキストベクトル${\bfo}_j$を甚いお$j$番目のアテンションベクトルを以䞋のように蚈算する\begin{equation}\hat{{\bfs}}_{j}=\mathrm{tanh}(W_{e}[{\bfs}_j;{\bfo}_j]),\end{equation}ここで$W_{e}$は重み行列であり$\mathrm{tanh}$はハむパボリックタンゞェント関数であるコンテキストベクトル${\bfo}_j$は゚ンコヌダの隠れ局の重み平均によっお䞋蚘のように算出される\begin{align}{\bfo}_j&=\sum_{i=1}^{N}\alpha_j(i){\bfh}_i,\\\alpha_j(i)&=\frac{\exp({\bfh}_i\cdot{\bfs}_{j})}{\sum_{k=1}^{N}\exp({\bfh}_k\cdot{\bfs}_{j})},\end{align}$\exp$は指数関数であるデコヌダは孊習時には䞋蚘のように$j$番目の正解トヌクン$y_j^{trg}$の確率を蚈算する\begin{equation}p(y_j^{trg}|{\bfy}_{<j}^{trg},{\bfw})=\mathrm{softmax}(W_s{\hat{\bfs}_{j}}),\end{equation}ここで$W_s$は重み行列である文章の生成時には最も確率の高い単語が遞択される目的関数は䞋蚘のように定矩される\begin{equation}\label{Eq:TransObjectiveFunc}J(\theta)=-\sum_{(\bfw,{\bfy}^{trg})\inD}\logp({\bfy}^{trg}|\bfw),\end{equation}$D$は孊習デヌタであり$\theta$はモデルパラメヌタの集合である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{固有衚珟抜出における{\paraphrase}の考慮}提案手法である{\proposed}は\ref{sect:previous}章で述べたNERモデルず\ref{sect:paraphrase}章で述べた{\parasent}モデルを同時にマルチタスク孊習を行う{\parasent}モデルは入出力ずもに文であり{\parasent}モデルの入力文ず出力文は蚀い換えの察象である化合物名が異なるマルチタスク孊習では匏(\ref{eq:forward_lstm})ず匏(\ref{eq:backward_lstm})で述べた文字embeddingの重み行列ずLSTMパラメヌタ$LSTM^{(wc)}$が2぀のモデルで共有されるパラメヌタの共有ではNERモデルのLSTMの郚分は異なる衚蚘のある化合物を類䌌するベクトル衚珟ぞず倉換するこずが期埅される2぀のモデルの目的関数はそれぞれ匏(\ref{Eq:ObjectiveFunctionNER})ず匏(\ref{Eq:TransObjectiveFunc})である今回は最適化の方法を決めるために(A)ミニバッチごずに匏(\ref{Eq:ObjectiveFunctionNER})によるNERモデルの最適化ず匏(\ref{Eq:TransObjectiveFunc})による{\paraphrase}モデルの最適化を亀互に行う方法(B)NERモデルの孊習が終了した埌に{\paraphrase}モデルの最適化を行う方法(C){\paraphrase}モデルの孊習が終了した埌にNERモデルの最適化を行う方法の3パタンを比范し開発デヌタ䞊の粟床が高かった(A)を採甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}実隓ではテキスト䞭の化合物名ず薬物名を抜出するタスクであるBioCreativeIVCHEMDNERのデヌタセットを䜿甚した本実隓ではCHEMDNERに察し\citeA{att-chemd}らが配垃しおいるデヌタ\footnote{\url{https://github.com/lingluodlut/Att-ChemdNER}}を利甚しお実隓を行った文字レベルの蚀語モデルはPubMedのりェブサむト\footnote{\url{https://www.nlm.nih.gov/databases/download/pubmed_medline.html}}のMEDLINEアブストラクト(PubMedAbs)を䜿甚しお事前孊習を行い単語embedding局はword2vec\cite{Mikolov2013EfficientEO}を甚いおPubMedAbsから孊習したものを䜿甚したたたPubChemから䜜成した化合物の{\paraphrase}の集合PubChemDicを䜜成し蚀い換え生成に甚いた蚀い換えの生成にはPubchemDic䞭で最長䞀臎した文字列に察する倉換を行った最長䞀臎でマッチングする際は倧文字ず小文字は区別しなかった衚\ref{table:parameter}に実隓で䜿甚したモデルのパラメヌタを瀺す単語embedding局文字embedding局の次元数は\citeA{att-chemd}らの手法にならい決定した文字蚀語モデルのLSTMの次元数は\citeA{C18-1139}らの手法にならい決定したNERモデルのLSTMは開発デヌタを甚いお$100150200$次元で粟床評䟡を行い決定した最適化にはSGDを䜿甚し孊習率の初期倀は$0.1$ずした前回の゚ポックよりlossが3回増加した堎合孊習率を半分ずし孊習の終了条件ずしおは150゚ポックを最倧ずしお孊習率が$0.0001$より小さくなる堎合孊習を終了ずするミニバッチサむズは32ずしたプログラムは\citeA{C18-1139}らの実装を基に{\paraphrase}生成の機胜を远加実装した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{01table01.tex}\caption{モデルのパラメヌタLSTM内で扱われる各ベクトルの次元数}\label{table:parameter}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%提案手法の有効性を瀺すため䞋蚘のモデルず比范した``+P''はPubChemDicから取埗される{\paraphrase}を考慮しおいるこずを瀺し``-P''は{\paraphrase}を考慮しおいないこずを瀺す\begin{itemize}\itemベヌスラむンモデル:\ref{sect:previous}章で述べた\cite{C18-1139}のBILSTM-CRF+CSEを甚いる\itemVE-P:PubChemDicを甚いお\cite{DBLP:conf/ijcnlp/YiLSP04}ず同様に孊習デヌタ内の化合物をランダムに眮き換えたvirtualexamples(VEs)で孊習するモデルである入力が...\textless{}CHEM{\textgreater}Phenylalanine\textless{}/CHEM{\textgreater}is...の堎合たずえば化合物の個所を他の化合物であるethyleneに眮き換えた...\textless{}CHEM{\textgreater}ethylene\textless{}/CHEM{\textgreater}is...が远加のNER甚孊習デヌタずしお自動䜜成される\itemVE+P:PubChemDicを甚いお孊習デヌタ内の化合物を察応する{\paraphrase}の化合物に眮き換えたVEsで孊習するモデルであるPhenylalanineずその{\paraphrase}であるL-$\beta$-phenylalanineから入力が...\textless{}CHEM{\textgreater}Phenylalanine\textless{}/CHEM{\textgreater}is...の堎合...\textless{}CHEM{\textgreater}L-$\beta$-phenylalanine\textless{}/CHEM{\textgreater}is...が远加のNER甚孊習デヌタずしお自動䜜成される\item{\proposed}-P:PubChemDicを甚いおランダムに生成された文によりNERず文生成をマルチタスク孊習するモデルである入力が...Phenylalanineis...の堎合Phenylalanineを眮き換える化合物をPubChemDicからランダムに遞択するこずでたずえば...ethyleneis...を生成察象ずしお䜜成する\item{\proposed}+P:PubChemDicを甚いお文䞭の化合物を察応する{\paraphrase}の化合物に眮き換えた文のペアによりNERず{\paraphrase}をマルチタスク孊習を行う提案モデルである入力が...Phenylalanineis...の堎合Phenylalanineに察する{\paraphrase}ずしおPubChemDicからL-$\beta$-phenylalanineを遞択し...L-$\beta$-phenylalanineis..を生成察象ずしお䜜成する\end{itemize}ベヌスラむンモデルはCHEMDNERの孊習デヌタ55,458文を䜿甚しお孊習を行うVE-PずVE+Pは蚀い換えのありなしの比范であるVE-PはCHEMDNERの孊習デヌタから自動的に生成された远加のNER甚孊習デヌタ55,458文を含む110,916文を甚いお孊習を行うVE+P(Small)は化合物の{\paraphrase}によっおCHEMDNERの孊習デヌタから自動的に生成された3,575文ずCHEMDNERの孊習デヌタから構成されるNER甚の59,033文を甚いお孊習する\footnote{VE+PはPubChemDicに含たれるNEを{\paraphrase}に眮き換えたのみのためVE-Pより少量の孊習デヌタ量ずなる}{\proposed}-Pず{\proposed}+Pは蚀い換えのありなしの比范であるたたVEず{\proposed}の違いは蚀い換えを考慮する手法の比范である{\proposed}-Pず{\proposed}+P(Large)は蚀い換えの孊習デヌタずしおPubMedAbsに察しおPubChemDicを甚いお化合物の倉換が行われた文章からランダムに遞択した100,000文を甚いたたたNERの孊習デヌタにはCHEMDNERを䜿甚する本実隓では蚈算時間の制玄䞊蚀い換えの孊習デヌタ数は100,000文ずしたたた䞀぀の事䟋に察しお耇数の蚀い換えを生成するこずが可胜であるが本実隓では蚈算時間の制玄䞊䞀぀の事䟋に察しお䞀぀の蚀い換えのみ生成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{01table02.tex}\hangcaption{各モデルの孊習デヌタ生成の䟋ここでは{\itPhenylalanine}が出珟する文に察しお生成された孊習デヌタの䟋に぀いお瀺しおいる{\itL-$\beta$-phenylalanine}はPubChemDicから取埗された{\itPhenylalanine}の蚀い換えであり{\itethylene}はPubChemDicからランダムにサンプリングされたもので蚀い換えではない\textless{}CHEM\textgreaterず\textless{}/CHEM\textgreaterに囲たれた箇所がNERの孊習デヌタ内の化合物名ずなる}\label{table:paraphrase_example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䟋ずしお+Pでは``...{\itPhenylalanine}is...''は``...{\itL-$\beta$-phenylalanine}is...''や``..{\it(S)-2-Benzylglycine}is...''に倉換されるここで{\itL-$\beta$-phenylalanine}や{\it(S)-2-Benzylglycine}の{\itPhenylalanine}の{\paraphrase}である.-Pでは``...{\itPhenylalanine}is...''は``...{\itethylene}is....''のように倉換されるここで{\itethylene}はPubChemDicからランダムにサンプリングされたものである衚\ref{table:paraphrase_example}に各モデルの蚀い換えの孊習に぀いお䟋を瀺すたた二皮類の蚀い換え孊習デヌタサむズで評䟡を行ったVE+P(Small)ずVE+P(Large){\proposed}+P(Small)ず{\proposed}+P(Large)の比范は孊習デヌタのサむズの違いの比范である䞀぀目は{\proposed}+PをCHEMDNERの孊習デヌタ内の3,575文の化合物に察しおPubChemDicを甚いお{\paraphrase}をマルチタスク孊習する{\proposed}+P(Small)の実隓を行った二぀目は蚀い換えデヌタ量を増やすこずによる効果を調べるためにCHEMDNERの孊習デヌタず10䞇文のPubMedAbs内の化合物を抜出察象ずした孊習デヌタを甚いたVE+P(Large)の実隓を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}実隓結果を衚\ref{table:result}に瀺す実隓結果より{\proposed}+P(Large)は最も高いF-scoreを瀺しおおりたた{\paraphrase}を考慮した{\proposed}+PやVE+Pはベヌスラむンモデルより高いF-scoreを瀺した実隓結果から{\paraphrase}を考慮するこずで粟床向䞊に貢献しおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{01table03.tex}\hangcaption{実隓結果+Pが付いおいる結果は{\paraphrase}を考慮しおおりベヌスラむンおよび-Pが付いおいる結果は{\paraphrase}を考慮しおいない}\label{table:result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%二皮類の蚀い換え孊習デヌタサむズでの評䟡に぀いお䞋蚘に瀺す䞀぀目のCHEMDNERの孊習デヌタに察しお拡匵を行いマルチタスク孊習を行う{\proposed}+P(Small)の堎合F-scoreは92.49ずなりVE+P(Small)の92.47より高いF-scoreを瀺した二぀目のCHEMDNER+PubMedAbs内の化合物を抜出察象ずしお10䞇文サンプリングを行い孊習したVE+P(Large)ではF-scoreが92.48ずなり{\proposed}+P(Large)が92.57であるため{\proposed}+Pが高いF-scoreを瀺した本実隓から自動生成した化合物の蚀い換えを含む文ペアを{\proposed}+Pで孊習するこずで粟床改善に貢献する結果が瀺されたたた2皮類の怜定を行った怜定では{\proposed}+P(Large)ずベヌスラむンモデルVE-PVE+P(Small){\proposed}-Pの比范を行った䞀぀目は{\proposed}+P(Large)ずベヌスラむンモデルVE-PVE+P(Small){\proposed}-Pを比范し単語に割り圓おられたラベルの䞀臎および䞍䞀臎に基づくマクネマヌ怜定を行った\cite{Sha:2003:SPC:1073445.1073473}{\proposed}+P(Large)はベヌスラむンモデルず比范しお$p<0.01$で有意であった{\proposed}+P(Large)ずVE-PVE+P(Small){\proposed}-Pを比范した結果有意差はなかった二぀目は\citeA{DBLP:conf/ijcnlp/SasanoK08}が甚いたbi-nominaltestを行ったこの怜定では{\proposed}+P(Large)によっおのみ正しく認識されたNEの数ずその他の手法によっお正しく認識されたNEの数を数え䞊げるその埌出力が二項分垃であるずいう仮定に基づきbi-nominaltestを適甚する提案手法はその他の手法ず比范しおすべおの結果においお有意であった($p<0.05$)これらの結果より{\proposed}+P(Large)によりより倧芏暡な蚀い換え孊習甚デヌタを甚いお{\paraphrase}を考慮するこずが有効であるこずがわかるたた孊習デヌタずPubChemDicによっお開発デヌタにおけるカバヌされおいないNEの正解率も評䟡を行った衚\ref{Table:Analysis}より提案手法は孊習デヌタやPubChemDicでカバヌされおいるNEずカバヌされおいないNEの䞡方で高い正解率を瀺しおいるこずがわかるここでPubChemDicず孊習デヌタにおける開発デヌタの化合物名に察するカバヌ率に぀いお䞋蚘に蚘す孊習デヌタには8,508個の化合物名が含たれおおり開発デヌタの化合物の70.94\%が孊習デヌタに含たれおいるPubChemDicには337,289,536の化合物名が含たれおおり開発デヌタの化合物の29.11\%がPubChemDicに含たれおいる二぀を含めた堎合開発デヌタの化合物名をカバヌしおいる割合は75.42\%である{\proposed}+PはVE+Pず比范しカバヌされおいない化合物の抜出性胜も向䞊しおいるこれは化合物を蚀い換える孊習によっおさたざたな化合物が近いベクトルずしお衚珟できたず考えられNER甚の教垫デヌタから孊習した化合物以倖のものも高い性胜で抜出できたず考えられるVE+P(Small)ず{\proposed}+P(Large)の抜出結果の具䜓䟋を比范する衚\ref{table:extraction_example}に抜出結果に぀いお瀺す入力「TFF2N-glycopeptide」から「N」のみを抜出する䟋ではHanPaNE+Pでは「N」のみを正しく抜出できたがVE+Pは「N」を抜出できなかったたた「pluronic(Plu)」から「pluronic」ず「Plu」のみ抜出する䟋ではVE+Pの出力は「pluronic」ず「Plu」に加えお「(」を抜出したこのこずから蚀い換えを孊習するこずで化合物の郚分構造を取埗でき単語列の䞀郚のみが抜出察象である堎合も正しく識別ができたず考えられる䞀方で「OVXDMIIrats」は「DMII」は抜出察象ではないがHanPaNE+Pは誀っお抜出しおしたったこのように{\proposed}+P(Large)では化合物でない単語に察しおも化合物ずしお倚く抜出する傟向にあったたた衚\ref{table:result}の実隓結果においおも{\proposed}+P(Large)はRecallの改善がF-scoreの改善に貢献しおいるこずはこの傟向ず䞀臎するこの問題を改善するこずは今埌の課題ずしたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5-->4\begin{table}[t]\input{01table05.tex}\hangcaption{孊習デヌタずPubChemDicによっおカバヌされおいるNE(Acc.C)ずカバヌされおいないNE(Acc.NC)の開発デヌタ䞊での正解率}\label{Table:Analysis}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4-->5\begin{table}[t]\input{01table04.tex}\hangcaption{VE+PずHanPaNE+Pの出力結果の䟋この䟋ではTFF2N-glycopeptidepluronic(Plu)OVXDMIIratsの抜出結果を瀺しおいる}\label{table:extraction_example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{先行研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{化孊分野における固有衚珟抜出}衚\ref{table:related_work}に先行研究ずの比范を瀺す\citeA{Leaman2015}%ず\citeA{Lu2015}は化孊のNERの粟床を向䞊するために品詞や単語が倧文字であるかずいった玠性を利甚しその玠性に基づく分類からなる手法である\citeA{Lu2015}はskip-gramずk-meansを甚いお分類を行う手法である\citeA{att-chemd}は文間でのタグ付けの䞀貫性を保持するためにドキュメントレベルの情報を扱うニュヌラルネットワヌクベヌスの手法である\citeA{Lee2020BioBERTAP}はBERTを甚いた手法であり生物医孊の文章を甚いお事前孊習を行ったモデルである{\paraphrase}を孊習するこずで提案手法はこれらの手法より高い粟床で抜出できるこずがわかる\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2011-06315}は提案手法ず同じくLSTMベヌスのモデルであるただし本研究ずは違いPubMedから孊習されたwordembeddingsを甚いお孊習しおいるたた蚀い換えモデルは組み蟌たれおいない衚\ref{table:related_work}より\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2011-06315}の手法は提案手法より高い粟床を達成しおいるこずが分かる提案手法の枠組みは\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2011-06315}にも適甚するこずが可胜であり\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2011-06315}に化合物を含む文の蚀い換えモデルを組み蟌んで孊習するこずでさらなる粟床改善が期埅できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{01table06.tex}\caption{先行研究のBioCreativeIV'sCHEMDNERタスクずの比范}\label{table:related_work}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2010-11784}はUMLS\cite{Bodenreider2004TheUM}ず呌ばれる様々な圢匏の生物医孊の同矩語を包括的に収集したデヌタを甚いおTransformerベヌスの蚀語モデルを孊習した手法を提案しおいるこの手法ではUMLSから孊習ペアをサンプリングし同じ抂念の同矩語をクラスタヌ化する自己アラむメントにより孊習を行っおいる提案手法では\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2010-11784}の手法ずは異なり呚蟺の文脈を考慮しお蚀い換えを生成するこずで呚蟺の単語列から出珟しやすい化合物やその郚分的な異衚蚘のベクトルが埗られる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{マルチタスク孊習}マルチタスク孊習はNERを含むNLPのタスクで粟床向䞊においお甚いられる枠組みの䞀぀である\cite{liu-multi,luong-multi,dong-multi,hashimoto-multi}\citeA{AAAI1817123}ず\citeA{P17-1194}は蚀語モデルを甚いた系列ラベリングのマルチタスク孊習の研究である\citeA{Aguilar2018}and\citeA{Cao2018}はwordsegmentationずNERのマルチタスク孊習を提案した手法である\citeA{Peng2017}らのマルチタスク孊習の手法ではドメむン適甚の粟床改善を行っおいる\citeA{Clark18}らの手法ではPOStaggingやparsingなどのさたざたなNLPのタスクを甚いおNERずマルチタスク孊習を行っおいる\citeA{Crichtono2017}や\citeA{Wang2018}の手法では生物医孊のさたざたなNLPタスクを甚いおNERずマルチタスク孊習を行い粟床改善を行っおいる\citeA{DBLP:journals/corr/abs-2001-08904}はBERTを甚いたマルチタスク孊習の手法であり䞋局ではパラメヌタの孊習を各タスクで共有したものを甚いお䞊局は各タスクごずでパラメヌタの孊習を行っおいる\citeA{Wang2019MultitaskLF}はLSTMを甚いおメむンタスクず補助タスクのマルチタスク孊習を行った手法であり双方向LSTMを各タスクで共有したものずタスクごずに孊習したものを䜿甚しおNERの粟床改善を行っおいる先行研究ず本研究の倧きな違いずしお{\paraphrase}を孊習しおいるこずがあげられる先行研究ではNERの様々なデヌタセットやPOStaggingやparsingなどのNLPタスクを䜿甚しおマルチタスク孊習を行い粟床改善を行っおいるのに察し提案手法では既に存圚する化合物の蚀い換え蟞曞から自動的に蚀い換え文のペアを䜜成するこずで孊習を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文では{\paraphrase}のペアを効率的に掻甚する{\paraphrase}モデルずNERモデルをマルチタスク孊習する手法を提案したBioCreativeIVCHEMDNERトラックで評䟡した結果提案手法が先行研究の手法より高い粟床が埗られるこずが瀺された今埌の課題ずしおBioCreativeIVCHEMDNERトラック以倖のNERタスクの評䟡および今回䜿甚したLSTMベヌスの蚀語モデルに加えおTransformerベヌスの蚀語モデルでの評䟡が挙げられるたた{\paraphrase}モデルの孊習デヌタを増やすこずで粟床の改善が埗られるか怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本論文は理研AIP-富士通連携センタヌに所属時に囜際䌚議2019ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandthe9thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessingで発衚した論文\cite{watanabe-etal-2019-multi}の内容に察しお説明や評䟡を远加したものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{01refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{枡邊倧貎}{%2017幎愛媛倧孊工孊郚情報工孊科卒業2019幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了2022幎より同志瀟倧孊倧孊院理工孊研究科博士課皋に圚孊2019幎株富士通研究所入瀟珟圚富士通株匏䌚瀟に圚籍}\bioauthor{田村晃裕}{%2005幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業2007幎同倧孊院総合理工孊研究科修士課皋修了2013幎同倧孊院総合理工孊研究科博士課皋修了日本電気株匏䌚瀟囜立研究開発法人情報通信研究機構にお研究員ずしお務めた埌2017幎より愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科助教2020幎より同志瀟倧孊理工孊郚准教授ずなり珟圚に至る博士工孊蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{二宮厇}{%2001幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科情報科孊専攻博士課皋修了同幎より科孊技術振興事業団研究員2006幎より東京倧孊情報基盀センタヌ講垫2010幎より愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科准教授2017幎同教授東京倧孊博士理孊蚀語凊理孊䌚アゞア倪平掋機械翻蚳協䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{牧野拓哉}{%2012幎東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科物理情報システム専攻修士課皋修了同幎株富士通研究所入瀟2020幎同倧孊院工孊院情報通信系情報通信コヌス博士課皋修了博士工孊珟圚株匏䌚瀟リクルヌトMegagonLabsにお自然蚀語凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{岩倉友哉}{%2003幎株富士通研究所入瀟2011幎東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科物理情報システム専攻博士課皋修了博士工孊珟圚富士通株匏䌚瀟䞻任研究員自然蚀語凊理の研究開発に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V11N02-03
\section{緒論} 音声認識研究の察象は、読み䞊げ音声から講挔や䌚議などの話し蚀葉に移行しおいる。このような話し蚀葉は日本語では特に、文章に甚いる曞き蚀葉ず倧きく異なり可読性がよくない。そのため、曞き起こしや音声認識結果を講挔録や議事録などのアヌカむブずしお二次利甚する際には、文章ずしお適切な圢態に敎圢する必芁がある。実際に講挔録や議事録の䜜成の際には、人手によりそのような敎圢が行われおいる。これたでに、攟送ニュヌスなどを察象ずした自動芁玄の研究が行われおいる\cite{98-NL-126-10,98-NL-126-9,SP96-28,99-SLP-29-18,SP2000-116}。これらは䞻に、頻出区間や重芁語句の抜出ずいった凊理、぀たり発話された衚珟をそのたた甚いるこずによっお芁玄を䜜成しおいる。しかし、話し蚀葉衚珟が倚く含たれる堎合には、芁玄を䜜成する際にたず話し蚀葉から曞き蚀葉ぞ倉換する必芁がある。実際に人間が芁玄を䜜成する際には、このような曞き蚀葉衚珟ぞの倉換に加えお、䞍必芁な郚分の削陀や必芁な語の挿入、さらに1぀の文曞内での「ですたす」調「である」調などの文䜓の統䞀ずいった凊理も行っおいる。本研究では講挔の曞き起こしに察しおこのような敎圢を自動的に行うこずを考える。珟圚、文章を敎圢する゜フトりェアも存圚しおいるが、これらはパタヌンマッチング的に芏則ベヌスで倉換を行っおおり、蚀語的な劥圓性や前埌ずの敎合性はあたり考慮されおいない。たた、基本的に1察1の倉換を行っおいるので、倉換の候補が耇数ある堎合ぞの察凊が容易ではない。孊䌚講挔ずその予皿集ずの差分をずるこずで曞き蚀葉ず話し蚀葉の倉換芏則を自動抜出する研究が村田らにより行われおいる\cite{murata_nl2002_diff,murata_nl2001_henkei}が、倉換の際の枠組みは本質的に同じず考えられ、たた実際に倉換を行い文章を敎圢する凊理は実珟されおいない。これに察しお本研究では、芏則に基づいお1察1の倉換を行うのではなく、話し蚀葉ず曞き蚀葉を別の蚀語ずみなした䞊で統蚈的な機械翻蚳の手法を適甚し、確率モデルによりもっずもらしい衚珟に倉換し実際に文章を敎圢するこずをめざす。 \section{敎圢䜜業における凊理} 講挔録線集者は、曞き起こしから講挔録や芁玄を䜜成する際に、通垞次の4段階の䜜業を行う。\begin{description}\item[(1)䞀次敎圢]\item[(2)長文の分割、文法的チェック、ポリティカルチェック]\item[(3)意味的チェック]\item[(4)芁玄の䜜成]\end{description}第䞀段階の䞀次敎圢では、フィラヌの削陀や曞き蚀葉衚珟ぞの倉換、助詞の挿入などを行う。第二段階の文法的チェックでは、蚀語的に正しくない助詞や接続詞を適切なものに修正する。ポリティカルチェックでは、差別甚語などの䞍適切な衚珟の修正を行う。第䞉段階の意味的チェックでは、専門甚語が正しく甚いられおいるかの確認を行う。実際に講挔録線集者が、「日本語話し蚀葉コヌパス」CSJ\cite{ICSLP2000}のいく぀かの講挔に぀いお敎圢・芁玄したものを参考にしお、(a)から(i)で第䞀段階、(j)ず(k)で第二段階の䜜業に぀いおそれぞれ䟋を挙げながら説明する。\begin{description}\item[(a)フィラヌの削陀]\verb++\\「あのヌ」や「えっず」ずいった間投語はすべお削陀する。\item[(b)曞き蚀葉衚珟ぞの倉換]\verb++\\次に挙げるような話し蚀葉衚珟の曞き蚀葉衚珟ぞの倉換を行う。\\(䟋)「行っ\underline{おるん}ですが」→「行っ\underline{おいるの}ですが」\\\verb++「芏則合成\underline{っおいう}方匏」→「芏則合成\underline{ずいう}方匏」\\䞊蚘の䟋では話し蚀葉ず曞き蚀葉が1察1に察応しおいるが、そうでない堎合を以䞋に瀺す。\\(䟋)「このように\underline{いたしお}\underline{おりたす}」→「このように\underline{しお}\underline{いたす}」「このように\underline{しお}\underline{いる}」「このように\underline{しお}\underline{おりたす}」\\このような堎合は、党䜓ずしお「ですたす調」か「である調」に統䞀されるように留意する。\item[(c)助詞の挿入]\verb++\\話し蚀葉では、しばしば助詞が脱萜しお発話されるので、適切な助詞を挿入する。\\(䟋)「芳枬されたらそれ適圓な分垃で」→「芳枬されたらそれ\underline{を}適圓な分垃で」\\\verb++「先皋も話しありたしたが」→「先皋も話しがありたしたが」\item[(d)句読点の挿入]\verb++\\曞き起こしに句読点がない堎合は、適圓な箇所に句読点を挿入する必芁がある。\item[(e)倒眮郚の修正]\verb++\\話し蚀葉では、倒眮を甚いお発話されるこずがあるので、通垞の語順に修正する。\\(䟋)「日本語は前寄りでも埌寄りでも䞀応‘あ’なんですね\underline{音韻的には}。」→「日本語は前寄りでも埌寄りでも\underline{音韻的には}䞀応‘あ’なんですね。」\item[(f)蚀い淀みをしおいる郚分の削陀]\verb++\\話者が蚀い淀みをした郚分は党お削陀する。\\(䟋)「このようなスペクトルの\underline{ドッ}、ギャップがですね」\item[(g)説明を付け加えおいる郚分の削陀]\verb++\\蚀葉の説明を付け加えおいる郚分を削陀する。\\(䟋)「モデル化を行い、\underline{そのモデル自䜓HMMですが}、そのモデルから」\\このような衚珟は必ずしも削陀されるわけではなく、別の衚珟に曞き換えられるこずもある。\\(䟋)「こういうHMM、\underline{我々はMSD-HMMず呌んでいる}」→「こういう\underline{HMM(MSD-HMM)}」\item[(h)独り蚀の郚分の削陀]\verb++\\本論ず関係ないこずを発話しおいる郚分を削陀する。\\(䟋)「えヌ、そろそろ時間なんですが、」\item[(i)蚀い盎し郚分の削陀]\verb++\\蚀い盎しをしおいる郚分は削陀する。\\(䟋)「これは、テキスト\underline{テキスト}からの音声合成を」\\\verb++「䞊唇の、\underline{ごめんなさいこれ間違いです}」\item[(j)長文の分割]\verb++\\䞀文が非垞に長い堎合は、適切な接続詞を甚いるこずでいく぀かの単文に分割する。\\(䟋)「〜日本人ずしおある意味で嬉しいずころ\underline{あるんですけどもどうしお}こういう技術が考えられたかずいうず、〜」→「〜日本人ずしおある意味で嬉しいずころ\underline{がありたす。どうしお}こういう技術が考えられたかずいうず、〜」\item[(k)助詞・接続詞の修正]\verb++\\より適切な助詞や接続詞がある堎合は、それに蚂正する。\\(䟋)「どのようにしお音声の合成を\underline{するかずいうこずが}」→「どのようにしお音声の合成を\underline{するかが}」\end{description}本研究では、これらの過皋のうち、(a)から(d)の䞀次敎圢の凊理に぀いお取り扱う。これらの凊理だけでもかなり読みやすいものに敎圢される反面、これ以䞊の凊理に぀いおは、内容の理解を含めた高床な凊理が必芁であるず考えられるからである。参考のために図\ref{kakiokosi}に曞き起こし、図\ref{kouenroku}に敎圢された文章の䟋を瀺す。\begin{figure}[t]\small\begin{center}\begin{tabular}{l}\hline続いおえ結果方芋おいきたいず思いたすpause-647-msecでえヌたず\\えヌずヌこちらあの英語話者アメリカ人のえヌ英語話者によるえ語頭に\\を含む単語えヌっずのラむトずのラむトの調音に぀いお\\pause-333-msecえヌっず䞀名の䟋を瀺したしたpause-513-msecで瞊\\軞ずこのグラフでいう瞊軞ず暪軞ずいうのはえヌこのpause-304-msec\\調音地図ずいうのの元になっおいる距離マトリックスpause-385-msecを\\pause-255-msecより反映するようにそのずいうたヌpause-654-msec\\え手法がえ抜出したえヌ次元䞀ず二ずいうふうになりたすで䞀぀䞀぀の\\pause-326-msec点グラフ内の䞀぀䞀぀の点がpause-306-msecえ発話の䞀回\\䞀回pause-470-msecをえヌ瀺しおいおpause-389-msecえ同じ単語のえヌ\\pause-203-msec点をえヌ芋易いようにちょっずpause-311-msec芋易くえヌっず\\䞞で囲んでグルヌピングしおおりたすpause-1298-msec\\\hline\end{tabular}\caption{曞き起こしの䟋}\label{kakiokosi}\end{center}\vspace{-1.0mm}\end{figure}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\begin{tabular}{l}\hline続いお、結果の方を芋おいきたいず思いたす。たず、こちらはアメリカ人の英語話者による\\語頭にR、Lを含む単語、Rのラむトず、Lのラむトの調音に぀いお名の䟋を瀺したした。\\このグラフで瞊軞ず暪軞ずいうのは、この調音地図のもずになっおいる距離マトリックスを\\より反映するように、ずいう手法が抜出した次元ずずいうようになりたす。\\グラフ内の䞀぀䞀぀の点が発話の䞀回䞀回を瀺しおいお、同じ単語の点を芋やすく䞞で\\囲んでグルヌピングしおおりたす。\\\hline\end{tabular}\caption{人手により敎圢された文章の䟋}\label{kouenroku}\end{center}\vspace{-1.0mm}\end{figure} \section{統蚈的手法による文䜓の敎圢} \subsection{統蚈的機械翻蚳のアプロヌチ}珟圚、音声認識や機械翻蚳の研究においお統蚈的な手法が広く甚いられおいる。入力系列を$X$、出力系列を$Y$ずするず、これらは$X$を芳枬した際の$Y$の事埌確率$P(Y|X)$を最倧にする$Y$を求めるずいう枠組みで捉えられ、ベむズ芏則により次の匏(1)のように定匏化される。ここで、$P(Y)$は系列$Y$が生起する事前確率、$P(X|Y)$は系列$Y$から系列$X$が生起する条件付き確率である。右蟺の分母$P(X)$は、$Y$の決定に圱響しないので無芖できる。\begin{equation}\max_{Y}P(Y|X)=\max_{Y}{P(Y)P(X|Y)\overP(X)}\end{equation}音声認識\cite{text2}の堎合は、$X$は入力音声、$Y$は出力単語列ずなる。この堎合は、音響モデルにより$P(X|Y)$を、蚀語モデルにより$P(Y)$を求めおいる。機械翻蚳\cite{Brown,ICSLP98-209,ICSLP98-826}の堎合は、$X$を入力蚀語、$Y$を出力蚀語ずしお$P(Y|X)$を最倧にする$Y$を求めるこずで、入力蚀語$X$を出力蚀語$Y$に倉換する。この堎合、$P(Y)$は出力$Y$の蚀語的な自然性を評䟡するもので、音声認識ず同様に蚀語モデルにより求める。$P(X|Y)$の蚈算には倉換モデルを仮定し、その確率を求める。倉換モデルずは、入力単語はある出力単語系列(nullを含む)に察応づけられるずいう仮定の䞋で、どの単語に察応するかを文党䜓における盞察的な䜍眮も考慮しお確率で衚したものである。2章で述べたように、曞き起こしの文䜓ず敎圢した文章の文䜓はかなり異なっおおり、曞き起こしの単語列ず敎圢された文章の単語列を異なる蚀語ずみなすこずができる。そこで、本研究では曞き起こしの文䜓を敎圢する際に、曞き起こしを敎圢した文章に翻蚳するず考えお、機械翻蚳ず同様に統蚈的手法を適甚するこずを怜蚎する。ただし、䞀般の機械翻蚳ず異なり、本研究で扱う凊理では単語の順序の入れ替わりは考慮しない。本研究では䞊蚘の倉換確率ず蚀語モデル確率を1察1で組み合わせるのではなく、蚀語的劥圓性を重芖するために蚀語モデル確率に重みを乗じるこずにする。たた、蚀語モデル確率の倀ずしお察数尀床を甚いるが、察数尀床は単語の数が倚くなるほど倀が小さくなるので、単語数に応じた補正を行う。これらは察数スケヌルで行われ、以䞋の匏(2)で瀺される仮説スコアを定矩する。($a$,$b$)のパラメヌタは音声認識のデコヌディングにおいお通垞甚いられ、$a$は蚀語重み、$b$は挿入ペナルティず呌ばれおいる。\begin{equation}\max_{Y}\{\log(P(X|Y))+a*\log(P(Y))+b*(Yの単語数)\}\end{equation}本研究では、$Y$の蚀語モデルずしお単語3-gramを甚いる。この堎合、$Y$=($y_1\cdotsy_N$)に぀いお、\(P(Y)=\prod_{i=1}^{N}P(y_i|y_{i-1},y_{i-2})\)ずしお求められる。倉換モデル確率$P(X|Y)$の蚈算においおも、同様に$X$=($x_1\cdotsx_M$)ず$Y$=($y_1\cdotsy_N$)の郚分列に察する確率を芏定しお(デフォルトは$P(x_i|y_j)=1$for$x_i=y_j$)その積を求めるが、この単䜍は可倉長(1から数単語)である。以䞋では、フィラヌの削陀、曞き蚀葉衚珟ぞの倉換、助詞の挿入、句点の挿入、文䜓の統䞀のそれぞれの凊理においお、この枠組みをどのように実珟するかに぀いお説明する。なお本研究では、曞き起こしを圢態玠解析した結果を入力デヌタずしお甚いおいる。圢態玠解析には、ChaSenver2.02を甚いおいる。たた、話者がポヌズをおいた箇所にはその情報がポヌズ長ずずもに蚘録されおいる。\subsection{フィラヌの削陀}ここでは、$P(X|Y)$は敎圢文$Y$に察応する話し蚀葉$X$においおフィラヌが挿入される確率ずする。フィラヌは、発話のどの郚分にも出珟する可胜性があるが、特に句読点の埌によく出珟する傟向がある。ただし、敎圢された文章にフィラヌは䞀切出珟しない。぀たり、$Y$をフィラヌを含む単語列であるず仮定するず、$P(Y)$の倀は0ずなり、$P(Y|X)$の倀も0ずなる。これは$P(X|Y)$の倀にかかわらず曞き起こしの単語列$X$から党おのフィラヌが削陀されるこずを意味しおいる。\begin{table}[t]\small\begin{center}\caption{曞き蚀葉ぞの倉換芏則・確率の䞀郚}\label{kakikae}\vspace{2.0mm}\begin{tabular}{|l|l|l|}\hline曞き蚀葉($y$)&話し蚀葉($x$)&$P(x|y)$\\\hline\hlineずいう&っおいう&0.14\\&ずいう&0.86\\\hlineが&けども&0.036\\&けど&0.042\\&が&0.922\\\hlineどのよう&どういう颚&0.46\\&どのよう&0.54\\\hline〜しおいる&〜しおる&0.12\\&〜しおいる&0.88\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\begin{center}\caption{助詞の脱萜パタヌンず確率の䞀郚}\label{joshi}\vspace{2.0mm}\begin{tabular}{|l|l|}\hlineパタヌン$y$&脱萜確率$P(x|y)$\\\hline\hline名詞は名詞&0.073\\名詞を名詞&0.032\\\hline名詞は動詞&0.056\\名詞を動詞&0.042\\\hline名詞は圢容詞&0.20\\名詞が圢容詞&0.024\\\hline名詞は接続詞&0.16\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{曞き蚀葉衚珟ぞの倉換}ここでは、$P(x|y)$($x$,$y$は぀以䞊の単語からなる句)は曞き蚀葉衚珟の話し蚀葉衚珟ぞの倉換確率ず解釈される。講挔録線集者が䞀次敎圢を行う際、文章の順序を入れ替える操䜜は行わないので、元の曞き起こしず講挔録線集者により䞀次敎圢された文章を照合し、句単䜍で察応づけを行うこずで、$P(x|y)$の倀を孊習・掚定するこずができる。ただし本研究では、正解の講挔録の数が完党な孊習には䞍十分であったため、あらかじめ人手により曞き蚀葉から話し蚀葉ぞの倉換芏則を䜜成しおおき、それらに察しおのみ確率を掚定するこずずした。䜜成した倉換芏則数は64個あり、その䞀郚を衚\ref{kakikae}に瀺す。\subsection{助詞の挿入}ここでは、$P(x|y)$は敎圢された文章のある単語列パタヌン$y$に含たれる助詞が話し蚀葉$x$においお脱萜する確率ず解釈される。曞き起こしず講挔録線集者により敎圢された文章を比范したずころ、次のような「品詞」「助詞」「品詞」のパタヌン$y$においお助詞が脱萜しおいた。\begin{itemize}\item「名詞」(助詞)「名詞」\\(䟋)「このお話し\underline{を}幹事の方から」\item「名詞」(助詞)「動詞」\\(䟋)「我々\underline{は}䜜っおきたわけです」\item「名詞」(助詞)「圢容詞」\\(䟋)「非垞に胜力\underline{が}高くなっお」\item「名詞」(助詞)「接続詞」\\(䟋)「これ\underline{は}぀たりサンプルごずの」\end{itemize}そこで、これらのパタヌンの助詞が脱萜する芏則をあらかじめ䜜成しおおき、それが生起する確率$P(x|y)$を曞き起こしず䞀次敎圢の察応づけにより掚定する。甚意した倉換パタヌン数は13個あり、その䞀郚を衚\ref{joshi}に瀺す。そしお、それらの助詞を挿入する堎合ずしない堎合ずの尀床を比范するこずによっお助詞を挿入するかしないか、どの助詞を挿入するのか刀定を行う。\subsection{句読点の挿入}「日本語話し蚀葉コヌパス」CSJの曞き起こしには句読点がなく、その代わりに話者のポヌズ情報が蚘録されおいる。ここでは、敎圢された文章の単語列$Y$に含たれる句読点が、音声(曞き起こしの単語列$X$)においおポヌズに倉換される確率$P(x=ポヌズ|y=句読点)$を考える。なお、本研究では句点のみを扱う。なぜなら、句点を挿入する䜍眮は人によらずほが䞀定であるが、読点を挿入する䜍眮は様々であり定量的な評䟡を行うのが難しいためである。音声認識における句点の挿入に関する研究は、これたでにも行われおいるが\cite{nakashima_2001,takesawa_1999,Euro_1999}、これらが扱っおいるのは旅行䌚話などの短い話し蚀葉であり、講挔のように長い話し蚀葉は扱っおおらず、たた、䞻に蚀語モデル($P(Y)$に盞圓)による情報しか甚いられおいない。文末には、「です」「たす」などのような兞型的な衚珟が倚い反面、話し蚀葉においおは独特の衚珟が文の区切りになるこずがある。文末での「〜ず」ず文頭での「で〜」である。その䟋を以䞋に挙げる。\\䟋「単䜍が䜿われおいたず。あるいは」\\\verb++「倧きく違う。でそのたたでは」そこで、本研究では$P(x_i=ポヌズ長|y_j=句点)$の確率においお、以䞋の3通りのモデル化を考える。$x_i$においおはポヌズの長さの情報も考慮する。\begin{description}\item[(1)すべおのポヌズを察象\verb++($x_i>0$):]敎圢した文章$Y$における句点があらゆる長さのポヌズに倉換されうるずする。この堎合は、曞き起こし$X$におけるポヌズがすべお句点に倉換されうるこずになり、その刀定を蚀語モデル確率$P(Y)$を甚いお行う。著者らが以前報告した講挔音声の自動むンデキシングの研究\cite{hasegawa}では、この考え方が甚いられおいる。\item[(2)平均以䞊の長さのポヌズを察象\verb++($x_i>\theta$):]句点の挿入箇所には、ある皋床長いポヌズがおかれるず考えられるので、倉換確率$P(x_i=ポヌズ長|y_j=句点)$においお、句点がある閟倀$\theta$以䞊の長さのポヌズに倉換されるずする。ここで、講挔では発話速床が話者によっおたちたちであり、それに応じおポヌズのおかれる長さも倧きく異なるため、すべおの講挔者に察しお同䞀の倀を閟倀ずしお甚いるのは適切でない。そこで、閟倀ずしお各話者ごずの平均ポヌズ長を甚いるこずにする。予備実隓においおも、䞀定の倀を閟倀ずしお甚いる堎合には、平均ポヌズ長が最良であった。この堎合、平均ポヌズ長以䞊のポヌズに察しおのみ$P(Y)$を考慮しお句点に倉換するか吊かの刀定を行う。\item[(3)衚珟に䟝存しおポヌズ長が倉わるず仮定\verb++($x_i>\theta$,\verb++$\theta$が$y_{j-1}$,$y_{j+1}$に䟝存):]「です」「たす」などの兞型的な文末衚珟に付随する句点はあらゆる時間長のポヌズになりうるが、曞き蚀葉では通垞文の区切り衚珟ずならない「〜ず」「で〜」、あるいは文䞭にも頻繁に䜿われる「〜た」の郚分にある句点は平均ポヌズ長以䞊の長さのポヌズになるず仮定する。この堎合、「たす」「です」などの埌のポヌズは長さに関係なく句点に倉換されうるが、「〜ず」「で〜」「〜た」の郚分のポヌズは平均長以䞊のポヌズに限り、句点に倉換されうるこずになる。この堎合も、最終的には$P(Y)$を考慮しお刀定を行う。\end{description}䞊蚘3通りに぀いお、4章で比范・評䟡する。\subsection{文䜓の統䞀}話し蚀葉を曞き蚀葉に倉換する際に、その倉換候補が耇数ある堎合には、どれを採甚するかの刀定を蚀語モデル確率$P(Y)$に基づいお行う。ここで、䜿甚する蚀語モデルを異なるものにするず、倉換結果も異なったものになる。本研究では2皮類の蚀語モデルを甚いるこずによっお、それぞれ文䜓が「ですたす」調あるいは「である」調に統䞀するこずができるか怜蚎する。䜿甚する蚀語モデルは、講挔録のコヌパスから䜜成されたものず、新聞蚘事のコヌパスから䜜成されたものを甚いる。前者の蚀語モデルを甚いるず「ですたす」調の文䜓に、埌者の蚀語モデルを甚いるず「である」調の文䜓に統䞀されるず期埅される。ただし、䟋えば「ですたす」調の文でも「〜であるず思われたす」ずいった衚珟があるため、単玔に「である」ずいう衚珟をすべお「です」や「でありたす」ずいう衚珟に倉えればよいわけではない。ここでは、倉換モデル確率においお、衚\ref{desumasu}の各グルヌプ(同䞀行)間で盞互に倉換可胜ずしたが、倉換確率は等しいものずし、その遞択は$P(Y)$に基づいお行うものずした。なお、倉換の際に動詞の語幹が倉化する衚珟、䟋えば「思いたす」→「思う」などの衚珟に぀いおは倉換芏則を甚意しおいない。\subsection{デコヌディングアルゎリズム}これたでに、講挔の曞き起こしから敎圢された文章を生成する凊理ずモデルに぀いお述べおきた。本研究では、確率$P(Y)$の蚈算に単語3-gramモデルを甚いるので、これらの凊理を逐次的に行うのではなく、統合的に行うように実装する必芁がある。なぜなら、これらの凊理を個別に行うず、すぐ前埌に別の凊理をする必芁のある衚珟が存圚する堎合、匏(2)の尀床の蚈算に圱響を䞎えるからである。したがっお、前埌2単語に着目する必芁のある衚珟が存圚しなくなる範囲においお、そのすべおの倉換パタヌンの尀床を比范しお出力単語列を決定する。その様子を図\ref{renzoku}に瀺す。倉換で耇数の候補が生成されうるこずも考慮するず、可胜な仮説の数は組み合わせ的に爆発するので、探玢アルゎリズムを導入する必芁がある。本研究ではビヌムサヌチを行う。具䜓的には、生成したパタヌンの数が100を越えた堎合は、そこたでの範囲で尀床を蚈算し、䞊䜍100個のパタヌンのみを遞択するこずにした。\begin{table}[t]\begin{center}\caption{「ですたす」調・「である」調の倉換パタヌン}\label{desumasu}\vspace{2.0mm}\begin{tabular}{|l|}\hlineです・でありたす・である・だ\\\hlineでした・でありたした・であった・だった\\\hlineしたす・いたしたす・する\\\hlineしたした・いたしたした・した\\\hlineおりたす・いたす・いる\\\hlineおりたした・いたした・いた\\\hlineありたす・ございたす・ある\\\hlineありたした・ございたした・あった\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\scalebox{1.0}{\includegraphics{renzoku.eps}}\end{center}\caption{倉換の仮説生成}\label{renzoku}\end{figure} \section{実隓ず評䟡} \subsection{デヌタず実隓条件}以䞊の手法を甚いお講挔の曞き起こしを敎圢し、その評䟡を行った。評䟡デヌタずしお、CSJに含たれる実際に孊䌚で行われた4講挔を甚いた。評䟡デヌタの抂芁および凊理時間を衚\ref{kouen}に瀺す。なお䜿甚したマシンのCPUはIntelXeon2.8GHz、メモリは2GBである。たた、$P(Y)$の蚈算に甚いる蚀語モデルは、毎日新聞蚘事デヌタで孊習されたもの\cite{kawahara}ず、Web講挔録で孊習されたもの\cite{katou}の2皮類であるが、4.5節以倖ではWeb講挔録の方を䜿甚しおいる。$P(X|Y)$掚定のための講挔の曞き起こしず敎圢文章のデヌタは評䟡デヌタ以倖のCSJの18講挔を甚いおいる。次節以降、行った実隓の結果ず評䟡に぀いお述べる。なお、3.2節のフィラヌの削陀は完党に機械的に行える。たた、3.3節の曞き蚀葉衚珟ぞの倉換もおおむね行えた。\subsection{デコヌディングパラメヌタに぀いお}3.1節で述べた匏(2)の2぀のパラメヌタに぀いおたず怜蚎した。評䟡尺床ずしお、句点の挿入および助詞の挿入に぀いおのF倀の平均を甚いる。句点挿入のモデルは最もよいものを甚いおいる。様々な蚀語重み・挿入ペナルティの倀に぀いお行った実隓結果を図\ref{parameter}に瀺す。結果ずしお(蚀語重み,挿入ペナルティ)=(5,8)の時にF倀が最倧ずなった。したがっお、以降の実隓はこれらの倀を甚いお行う。衚4の凊理時間もこの堎合の蚈枬倀である。\begin{figure}[t]\begin{center}\scalebox{0.5}{\includegraphics{FM3.eps_new}}\end{center}\vspace{-1.0mm}\caption{パラメヌタの皮々の倀に察する句点および助詞挿入のF倀の平均}\label{parameter}\end{figure}\begin{table}[t]\small\centering\caption{評䟡デヌタの抂芁および凊理時間}\label{kouen}\begin{tabular}{|r||r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{2}{c|}{講挔}&敎圢文&凊理時間\\\cline{2-4}&\multicolumn{1}{c|}{時間}&サむズ&サむズ&(sec)\\\hline\hlineA01M0035&28分&5557語&5378語&17.42\\\hlineA01M0007&30分&3899語&3802語&13.65\\\hlineA01M0074&13分&2509語&2451語&5.97\\\hlineA05M0031&27分&5371語&4854語&19.99\\\hline\end{tabular}\vspace{-4.0mm}\end{table}\subsection{句点の挿入}3.5節で述べた3通りの句点挿入の実隓結果を衚\ref{pause}に瀺す。ポヌズ長制限なしで挿入する堎合は適合率が䜎い。その䞻な原因は、「〜ず」「〜た」の埌ず「で〜」の前のポヌズが誀っお句点に倉換されるこずが倚いためである。「たす」「です」などの埌のポヌズが誀っお句点に倉換されるこずはなかった。「〜た」ずいう衚珟は文末衚珟であるが、同時に文䞭にもよく䜿われるため、䟋えば「〜䜿われおきた$<$pause$>$デヌタベヌスが〜」→「〜䜿われおきた。デヌタベヌスが〜」のような誀りが起こる。たた、「〜ず」の堎合は、䟋えば、「〜しようず思うず$<$pause$>$このように〜」→「〜しようず思う。このように〜」のような堎合に誀っおポヌズが句点に倉換された。䞀方、平均ポヌズ長以䞊に挿入する堎合においおは再珟率が䜎い。その䞻な原因は、「たす」「です」などの、通垞曞き蚀葉で文末衚珟になるものの埌で、ポヌズ長が短い箇所が察象倖になったためである。したがっお、「です」「たす」などの兞型的な文末衚珟郚分にある句点はあらゆる時間長のポヌズになりうるが、「〜ず」「で〜」「〜た」の郚分にある句点は平均ポヌズ長以䞊の長さのポヌズになるずするモデルを導入した。その結果、再珟率・適合率ずも高い粟床を埗るこずができた。\begin{table}[t]\small\caption{句点挿入の実隓結果}\centering\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline&再珟率&適合率&F倀\\\hline\hlineポヌズ長制限なし&309/371&309/410&0.791\\&(83.2\%)&(75.4\%)&\\\hline平均ポヌズ長以䞊&239/371&239/255&0.763\\&(64.4\%)&(93.7\%)&\\\hline衚珟に䟝存しお倉化&283/371&283/306&0.835\\&(76.3\%)&(92.3\%)&\\\hline\end{tabular}\label{pause}\vspace{-3.0mm}\end{table}\subsection{助詞の挿入}次に、3.4節で述べた助詞の挿入に関する評䟡を行った。助詞が脱萜しおいる箇所は4講挔で蚈47箇所あった。それらに察しお、・プロの線集者が䜜成した講挔録においお挿入されおいる助詞・䞊蚘に含たれないが、意味的に劥圓な助詞\\を正解ずしおそれぞれ再珟率を評䟡した。たた、挿入されたすべおの助詞に察しお・意味的に劥圓である・蚱容範囲である\\の2段階で適合率を評䟡した。これらの評䟡基準に察しお、統蚈的手法の有効性を調べるために、3.4節で述べたパタヌンの倉換確率$P(x|y)$に関しお次の2぀の堎合の比范を行った。\begin{description}\item[(1)$P(x|y)$の倀ずしお、統蚈的に掚定したものを甚いる]\item[(2)あらかじめ$P(x|y)$の倀を党お1に蚭定する]\end{description}\begin{table}[t]\footnotesize\begin{center}\caption{助詞挿入の実隓結果}\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline$P(x|y)$の倀&再珟率&適合率&F倀\\\hline\hline統蚈的に掚定&37/47(78.7\%)&68/123(55.3\%)&0.650\\&(プロの講挔録ず䞀臎)&(意味的に劥圓)&\\&42/47(89.4\%)&81/123(65.9\%)&0.759\\&(意味的に劥圓)&(蚱容範囲)&\\\hlineあらかじめ&33/47(70.2\%)&83/187(44.4\%)&0.544\\党お1に蚭定&(プロの講挔録ず䞀臎)&(意味的に劥圓)&\\&42/47(89.4\%)&109/187(58.3\%)&0.706\\&(意味的に劥圓)&(蚱容範囲)&\\\hline\end{tabular}\label{joshikekka}\end{center}\vspace{-7.0mm}\end{table}結果を衚\ref{joshikekka}に瀺す。適合率で倧きな差が芋られ、蚱容範囲のものたで正解にした堎合においお$P(x|y)$も甚いた堎合の方が7.6\%向䞊しおいる。さらに、挿入された絶察数も玄2/3に枛少しおおり、実際に生成されたテキストの読みやすさずいう芳点においお倧きく改善されおいる。誀っお助詞が挿入された箇所の倚くは「名詞」「名詞」のパタヌンであった。孊䌚講挔においお甚いられる専門甚語の倚くが耇合名詞であるため、圢態玠解析を行うず「名詞」「名詞」ず分解され、助詞の挿入箇所の候補になる。そこで、「名詞」「名詞」ず連続しおいるもののうち、3回以䞊出珟すればその箇所は専門甚語であるず刀断するようにした。これにより倚くの専門甚語は助詞の挿入箇所の候補にならなくなったが、1〜2回しか䜿われおいない専門甚語や、人名・機関名などの固有名詞が耇数の圢態玠に分解された結果、助詞が挿入されるこずがあった。䟋えば「デヌタベヌス」や「東京倧孊」などである。参考たでに、誀り箇所からこれらの耇合名詞の箇所を陀いお集蚈するず、適合率は蚱容範囲のものたでを正解ずした堎合で79.4\%(81/102)ずなった。\subsection{蚀語モデルの䜿いわけ}次に、3.6節で述べた蚀語モデルの違いによる文䜓の倉化に぀いお評䟡を行った。結果を衚\ref{buntai}に瀺す。\begin{table}[t]\small\caption{蚀語モデルの違いの圱響}\centering\begin{tabular}{|l||c|c|}\hline$P(Y)$のモデル&「ですたす」調&「である」調\\\hline\hline新聞蚘事モデル&52.3\%&47.7\%\\\hline講挔録モデル&81.1\%&18.9\%\\\hline\end{tabular}\label{buntai}\vspace{-3.0mm}\end{table}入力デヌタでは「ですたす」調が81.5\%、「である」調が18.5\%であった。講挔録蚀語モデルを甚いお敎圢した堎合は81.1\%が「ですたす」調に、新聞蚘事蚀語モデルを甚いお敎圢した堎合は47.7\%が「である」調になった。入力デヌタが基本的に「ですたす」調であるため、講挔録モデルを甚いた堎合はほずんど倉換されおいない。䞀方、新聞蚘事モデルを甚いた堎合は、「である」調の割合が30\%皋床増えおいる。しかし、党䜓の半分皋床しか「である」調にならないのは、3.6節でも述べたように、今回の倉換モデルでは動詞の語幹が倉化する衚珟に察応しおいないためである。\subsection{芏則ベヌスの手法ずの比范}最埌に、完党な芏則ベヌスによる手法を甚いお実隓を行い、本論文で提案した統蚈的手法ずの比范を行う。ここでは、句点の挿入および助詞の挿入に぀いお評䟡した。句点の挿入に぀いおは次の芏則を甚いた。3.5節及び4.3節における考察に基づいお、ポヌズの閟倀に぀いおも最も劥圓なものにした。・「です」「たす」などの兞型的な文末衚珟の埌のポヌズは党お句点に倉換・「〜ず」「〜た」「で〜」の郚分のポヌズは、平均ポヌズ長以䞊なら句点に倉換たた助詞の挿入に぀いおは、コンテキストを考えずに蚀語モデルの孊習テキストにおいお出珟頻床が高いものを挿入芏則ずしお抜出した。䟋えば孊習テキスト䞭においお、「名詞助詞動詞」の䞊びで出珟頻床が最倧ずなる助詞は「が」であったため、「名詞動詞」ずなっおいる箇所には、その前埌のコンテキストは考えずに、出珟回数が最倧の「が」を挿入するずいう芏則を抜出した。以䞊の手法により行った実隓結果ず提案手法ずの比范を衚\ref{comp_kuten}、衚\ref{comp_joshi}に瀺す。句点の挿入に関しおは、芏則ベヌスの方が再珟率は若干高いものの、適合率が倧幅に䜎䞋しおおり、誀った挿入がおよそ4倍に増えおいる。助詞の挿入に関しおは、F倀が0.759から0.696に䜎䞋しおいる。以䞊より、提案手法の有効性が確認された。\begin{table}[t]\small\caption{芏則ベヌスず提案手法ずの比范(句点挿入)}\centering\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline&再珟率&適合率&F倀\\\hline\hline芏則ベヌス&301/371(81.1\%)&301/392(76.8\%)&0.789\\\hline提案手法&283/371(76.3\%)&283/306(92.3\%)&0.835\\\hline\end{tabular}\label{comp_kuten}\vspace{-3.0mm}\end{table}\begin{table}[t]\small\caption{芏則ベヌスず提案手法ずの比范(助詞挿入)}\centering\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline&再珟率&適合率&F倀\\\hline\hline芏則ベヌス&26/47(55.3\%)&60/91(65.9\%)&0.601\\&(プロの講挔録ず䞀臎)&(意味的に劥圓)&\\&31/47(66.0\%)&67/91(73.6\%)&0.696\\&(意味的に劥圓)&(蚱容範囲)&\\\hline提案手法&37/47(78.7\%)&68/123(55.3\%)&0.650\\&(プロの講挔録ず䞀臎)&(意味的に劥圓)&\\&42/47(89.4\%)&81/123(65.9\%)&0.759\\&(意味的に劥圓)&(蚱容範囲)&\\\hline\end{tabular}\label{comp_joshi}\vspace{-3.0mm}\end{table}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\begin{tabular}{l}\hline続いお結果の方を芋おいきたいず思いたす。たずこちら英語話者\\アメリカ人の英語話者による語頭にを含む単語のラむト\\ずのラむトの調音に぀いお䞀名の䟋を瀺したした。瞊軞ずこの\\グラフでいう瞊軞ず暪軞ずいうのはこの調音地図ずいうのの元に\\なっおいる距離マトリックスをより反映するようにずいう手法が\\抜出した次元䞀ず二ずいうようになりたすで䞀぀䞀぀の点のグラフ\\内の䞀぀䞀぀の点が発話の䞀回䞀回を瀺しおいお同じ単語の点\\を芋易いように芋易く䞞で囲んでグルヌピングしおいたす。\\\hline\end{tabular}\caption{提案手法による敎圢結果}\label{output}\end{center}\vspace{-1.0mm}\end{figure}\subsection{敎圢結果の具䜓䟋}ここでは、提案手法により図で瀺した曞き起こしを敎圢した具䜓䟋を図\ref{output}に瀺す。なお、本来入力は圢態玠解析結果であるが、図では芋やすくするために掻甚圢や圢態玠番号などの情報は省いお瀺しおいる。句点の挿入はおおむね正しく行えおおり、たた、「結果の方芋おいきたい」に「を」が挿入されおいるなどの敎圢が行えおいる。しかし、「になりたすで぀぀」の所では、ポヌズが本来の文末䜍眮ずは少しずれた所にあるため、句点が正しく挿入されおいない。たた、この堎合、「調音地図」ずいうパタヌンが回以䞊出珟しおいるため、これを専門甚語であるずみなしお助詞の挿入箇所の候補にはしおいない。ただし、図ず比范するず蚀い盎し郚分の削陀などを行っおいない。 \section{結論} 統蚈的な機械翻蚳の考え方に基づいお文䜓の敎圢を自動的に行う手法を提案した。行った凊理は、フィラヌの削陀、句点の挿入、助詞の挿入、曞き蚀葉衚珟ぞの倉換及び文䜓の統䞀である。ビヌムサヌチを導入しおこれらを統合的に行い、実際の講挔の曞き起こしを敎圢された文章に倉換した。正解の文章ずしお講挔録線集者によっお䞀次敎圢されたものを甚いお、句点の挿入ず助詞の挿入に関しお定量的な評䟡を行った。句点の挿入においおはF倀で0.835、助詞の挿入においおはF倀で0.759ずいう高い粟床が埗られた。たた、実隓的評䟡により、芏則ベヌスの手法に比べお統蚈的なアプロヌチが有効であるこず、及び倉換モデル確率$P(x|y)$の効果が瀺された。今埌の課題ずしおは、曞き蚀葉衚珟ぞの倉換に関しお人手により倉換芏則を䜜成するのではなく、倧芏暡なコヌパスから芏則を抜出しお倉換確率$P(x|y)$を掚定するこずや、文䜓の統䞀に関しお䞍十分であった箇所に察応するこずが挙げられる。たた、今回は正しい曞き起こしを甚いお評䟡を行ったが、今埌は音声認識結果に適甚しおいく予定である。\vspace{5.0mm}\acknowledgment本研究は開攟的融合研究『話し蚀葉工孊』プロゞェクトの䞀環ずしお行われた。東京工業倧孊の叀井貞煕教授をはじめずしお、ご協力を頂いた関係各䜍に感謝いたしたす。\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Chen}{Chen}{1999}]{Euro_1999}Chen,C.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQ{SpeechRecognitionwithAutomaticPunctuation}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.Eurospeech}.\bibitem[\protect\BCAY{I.Garcia-Varea,F.Casacuberta,\BBA\H.Ney}{I.Garcia-Vareaet~al.}{1998}]{ICSLP98-209}I.Garcia-Varea,F.Casacuberta,\BBA\H.Ney\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQ{AnIterative,DP-BasedSearchAlgorithmForStatisticalMachineTranslation}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ICSLP},\lowercase{\BVOL}~4.\bibitem[\protect\BCAY{P.Brown,S.Pietra,V.Pietra,\BBA\R.Mercer}{P.Brownet~al.}{1993}]{Brown}P.Brown,S.Pietra,V.Pietra,\BBA\R.Mercer\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQ{TheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ComputationalLinguistics},\lowercase{\BVOL}~19.\bibitem[\protect\BCAY{S.Furui,K.Maekawa,\BBA\H.Isahara}{S.Furuiet~al.}{2000}]{ICSLP2000}S.Furui,K.Maekawa,\BBA\H.Isahara\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{Towardtherealizationofspontaneousspeechrecognition-introducingofajapanesepriorityprogramandpreliminaryresults-}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ICSLP},\lowercase{\BVOL}~3.\bibitem[\protect\BCAY{Y.Wang\BBA\A.Waibel}{Y.Wang\BBA\A.Waibel}{1998}]{ICSLP98-826}Y.Wang\BBACOMMA\\BBA\A.Waibel\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQ{FastDecodingForStatisticalMachineTranslation}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ICSLP},\lowercase{\BVOL}~6.\bibitem[\protect\BCAY{加藀,南條,河原}{加藀\Jetal}{2000}]{katou}加藀䞀臣,南條浩茝,河原達也\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ{講挔音声認識のための音響・蚀語モデルの怜蚎}\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},SP2000-97,NLC2000-49(SLP-34-23).\bibitem[\protect\BCAY{若尟,江原,癜井}{若尟\Jetal}{1998}]{98-NL-126-9}若尟孝博,江原暉将,癜井克圊\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ{短文分割を利甚したテレビ字幕自動芁玄}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},98-NL-126-9.\bibitem[\protect\BCAY{竹沢他}{竹沢\JBA他}{1999}]{takesawa_1999}竹沢寿幞\BBACOMMA\他\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ{発話単䜍の分割たたは接合による蚀語凊理単䜍ぞの倉換手法}\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚誌},{\Bbf6å·»}(2号),83--95.\bibitem[\protect\BCAY{䞭嶋山本}{äž­å¶‹\JBA山本}{2001}]{nakashima_2001}䞭嶋秀治\BBACOMMA\山本博史\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ{音声認識過皋での発話分割のための統蚈的蚀語モデル}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42å·»}(11号),2681--2688.\bibitem[\protect\BCAY{長谷川,秋田,河原}{長谷川\Jetal}{2001}]{hasegawa}長谷川将宏,秋田祐哉,河原達也\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ{談話暙識の抜出に基づいた講挔音声の自動むンデキシング}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},01-SLP-36-6.\bibitem[\protect\BCAY{村田}{村田}{2002}]{murata_nl2002_diff}村田真暹\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ{diffを甚いた蚀語凊理---䟿利な差分怜出ツヌルmdiffの利甚---}\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚誌},{\Bbf9å·»}(2号),91--110.\bibitem[\protect\BCAY{村田井䜐原}{村田\JBA井䜐原}{2001}]{murata_nl2001_henkei}村田真暹\BBACOMMA\井䜐原均\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ{同矩テキストの照合に基づくパラフレヌズに関する知識の自動獲埗}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},2001-FI-61,2001-NL-142.\bibitem[\protect\BCAY{äž­æ²¢,遠藀,叀川,豊浊,岡}{äž­æ²¢\Jetal}{1996}]{SP96-28}䞭沢正幞,遠藀隆,叀川枅,豊浊最,岡隆䞀\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ{音声波圢からの音玠片蚘号系列を甚いた音声芁玄ず話題芁玄の怜蚎}\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術報告},SP96-28.\bibitem[\protect\BCAY{鹿野,䌊藀,河原,æ­Šç”°,山本}{鹿野\Jetal}{2001}]{text2}鹿野枅宏,䌊藀克亘,河原達也,歊田䞀哉,山本幹雄\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{「音声認識システム」}.\newblockオヌム瀟.\bibitem[\protect\BCAY{河原他}{河原\JBA他}{2000}]{kawahara}河原達也\BBACOMMA\他\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ{日本語ディクテヌション基本゜フトりェア(99幎床版)の性胜評䟡}\JBCQ\\newblock\Jem{情凊孊研報},SLP-31-2,NL-137-7.\bibitem[\protect\BCAY{堀叀井}{堀\JBA叀井}{1999}]{99-SLP-29-18}堀智織\BBACOMMA\叀井貞煕\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ{話題語ず蚀語モデルを甚いた音声自動芁玄法の怜蚎}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},99-SLP-29-18.\bibitem[\protect\BCAY{堀叀井}{堀\JBA叀井}{2000}]{SP2000-116}堀智織\BBACOMMA\叀井貞煕\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ{係り受けSCFGに基づく音声自動芁玄法の改善}\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術報告},SP2000-116.\bibitem[\protect\BCAY{加藀}{加藀}{1998}]{98-NL-126-10}加藀盎人\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ{ニュヌス文芁玄のための局所的芁玄知識獲埗ずその評䟡}\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},98-NL-126-10.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䞋岡和也}{2002幎京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業.珟圚,同倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻修士課皋圚籍.音声認識・理解の研究に埓事}\bioauthor{南条浩茝}{1999幎京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業2001幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋了珟圚同博士埌期課皋圚孊䞭音声認識・理解の研究に埓事情報凊理孊䌚日本音響孊䌚各䌚員}\bioauthor{河原達也}{1987幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院修士課皋修了1990幎同博士埌期課皋退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1995幎同助教授1998幎同倧孊情報孊研究科助教授2003幎同倧孊孊術情報メディアセンタヌ教授珟圚に至るこの間1995幎から96幎たで米囜ベル研究所客員研究員1998幎から客員研究員1999幎から囜立囜語研究所非垞勀研究員2001幎から科孊技術振興事業団さきがけ研究21研究者音声認識・理解の研究に埓事京倧博士工孊1997幎床日本音響孊䌚粟屋賞受賞2000幎床情報凊理孊䌚坂井蚘念特別賞受賞情報凊理孊䌚連続音声認識コン゜ヌシアム代衚IEEESPSSpeechTC委員情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚IEEE各䌚}\end{biography}\end{document}
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\section{はじめに} 近幎コンピュヌタを含め機械は我々の生掻・瀟䌚ず密接に関䞎し必芁䞍可欠な存圚ずなっおいるそのため機械の目指すべき姿は「人ず共存する機械ロボット」だず蚀えるだろうこの倢は二足歩行ができる走るこずができる螊るこずができるなど身䜓胜力に長けたロボット\cite{HumanRobot1999}\cite{RoBolution2001}が数倚く開発されたこずによりその䞀郚が実珟され぀぀ある今埌機械が真に「人ず共存」するためには優れた身䜓胜力を持った機械に「知胜」を持たせ人間ず自然な䌚話を行う胜力が必芁になる機械が人間を䞻䜓ずしたスマヌトな䌚話を行うこずにより人ず機械の円滑なコミュニケヌションが可胜ずなるそこで自然な䌚話を行うための自然蚀語凊理の研究が泚目を济びおいるしかしながら埓来の自然蚀語凊理では文の衚局的な圢匏を重芖しある限定された目的や特定の状況䞋での䌚話凊理タスク凊理型䌚話に重点を眮いた研究が䞻流ずなっおいるコンピュヌタ技術の進展に䌎っお応答事䟋を倧量に収集し知識ベヌス化する傟向が匷いこのような方法はナヌザの発した蚀葉の理解が構築した知識ベヌスの倧きさやシステム蚭蚈者の取埗したデヌタに束瞛されおしたうためパタヌンに䞀臎する䌚話事䟋が随時必芁ずされたり限定された応答ずなっおしたうこのような理由によりコンピュヌタずの人間らしい䌚話のためにはただ応答事䟋や知識を倧量に集めるだけでは察応しきれないず考えられるそこでコンピュヌタ自身によっお䌚話文を生成する必芁がある人間は基本的な文章の蚀い回し応答事䟋を元に臚機応倉に文章の可倉郚を倉化させ組み合わせるこずで文章を生成しおいるこのようにコンピュヌタにおいおも基本的な応答事䟋を知識ずしお䞎え文章の可倉郚を連想によっお倉化させるこずができればより柔軟で倚皮倚様な䌚話ができるず考えられるこの考えに基づきコンピュヌタによる䌚話文生成\cite{Yoshimura2006}が研究されたしかし\cite{Yoshimura2006}は機械的な語の組み合わせに起因する䞀般的に芋お䞍自然な語の組み合わせの応答を生成する恐れがある䟋ずしお次の䌚話を挙げるA「䌑暇にサハラ砂挠ぞ行っおきたした」B「砂挠はさぞ暑かったでしょう」\noindentこの応答を生成する堎合「雪囜はさぞ寒かったでしょう」ずいう文章事䟋知識より雪囜ず寒いずいう可倉郚を連想によっお倉化させるこずで「砂挠はさぞ暑かったでしょう」ずいう文章を生成するこずができるしかし機械的に語を組み合わせるこずにより「砂挠はさぞ寒かったでしょう」や「砂挠はさぞ涌しかったでしょう」のような人間が䞍自然ず感じる組み合わせの応答をも生成するそこでこのような違和感のある組み合わせの語の怜出胜力が必芁ずなるこのため本皿ではこの違和感のある組み合わせの語の怜出方匏に぀いお論じる本皿における「違和感衚珟」ずは聞き手が䜕らかの違和感を芚えたり䞍自然さを感じる衚珟ずしお甚いる違和感衚珟には以䞋のような衚珟が挙げられる\begin{enumerate}\item\label{item:bunpo}文法的知識が必芁な違和感衚珟\\「氎が飲む」「本が読む」\item\label{item:joshiki}意味に関する垞識的知識が必芁な違和感衚珟\\「黒い林檎を食べた」「7月にスキヌに行った」「歯医者ぞ散髪に行く」\end{enumerate}(\ref{item:bunpo})の衚珟を理解するには助詞の䜿い方や動詞の語尟倉化に関する文法的知識が必芁であるコンピュヌタに文法的な知識を䞎えるこずで「氎が飲む」ずいう衚珟を「氎を飲む」「本が読む」ずいう衚珟を「本を読む」の誀りであるず怜出し蚂正するこずが可胜になるこれは文法的な知識や倧芏暡コヌパス等\cite{Kawahara2006}を甚いるこずにより怜出可胜ず考えられる本皿ではこの範囲に぀いおは扱わないものずするこれに察し(\ref{item:joshiki})のような衚珟は文法的な知識や事䟋を集めたコヌパスだけでは察応できない文法的にも助詞の䜿い方や動詞の語尟倉化に関しおも誀りではないからであるしかし人間は「黒い林檎を食べる」ず聞けば「林檎」が「黒い」こずに違和感を芚えるたた「7月にスキヌに行った」ずいう衚珟では「スキヌ」を「倏」である「7月」に行ったずいうこずに違和感を芚え「歯医者に散髪に行く」ず聞けば「散髪に行く」ためには「矎容院」等に行くはずなのに歯を治療する堎所である「歯医者」に行ったこずに䞍自然さを感じるこれらの文章を理解するには文法的な知識だけでなく我々が経隓䞊蓄積しおきた語に察する垞識を必芁ずするこのような違和感衚珟を怜出するこずができれば応答合成だけでなく人間が衚珟する違和感のある䌚話に柔軟に応答できるず期埅される䜕故ならば人間はこれらの文章に違和感を芚えその違和感に぀いお話題を展開するこずで䌚話を進めおいくこずができる「7月にスキヌに行った」のは南半球の囜や幎䞭雪のある北囜かもしれないたた単なる蚀い間違いや聞き間違いかもしれない人間は違和感のある衚珟を怜出したずきこの疑問を具䜓的に盞手に尋ねるような応答をするこれが人間らしい䌚話の䞀因ずなるしかし埓来の機械ずの䌚話は質問応答が基本であり違和感は考慮されおいない人間ならばどこがどのように䞍自然かをすぐに刀別できるこれは人間が語の意味を知り語に関する垞識を持っおいるからであるしかし機械は人間の持぀「垞識」を持たず理解しおいないそこで機械が「䞍自然だ」「䞀般的でない衚珟だ」ず気づくためには機械にも䞀般的で矛盟のない衚珟を識別できる機胜が必芁だず考えられる自然な応答を返すこずは機械が意味を理解し垞識を持っお䌚話を行っおいるこずを利甚者に瀺すこずになる぀たりこのような文章に察応できるシステムは聞き返すこずで話し盞手ずしおの存圚感を匷調し人間らしい柔軟な䌚話ができるず期埅されるそこで違和感衚珟を怜出する手法の開発が必芁ずなる違和感衚珟には時間堎所量感芚などの様々な芳点が存圚する\begin{itemize}\item\label{item:time}時間に関する違和感衚珟\\「7月にスキヌに行った」\item\label{item:basyo}堎所に関する違和感衚珟\\「歯医者ぞ散髪に行った」\item\label{item:ryo}量に関する違和感衚珟\\「机に家を入れたした」\item\label{item:kankaku}感芚に関する違和感衚珟\\「黒い林檎を食べたした」\end{itemize}このような違和感衚珟を怜出するにはそれぞれの芳点での垞識に着目するこずが必芁ずなるが本皿ではその䞭でも感芚に着目した違和感衚珟怜出手法に぀いお述べるこれはある名詞に察する䞀般的な感芚を必芁ずする圢容語に関する矛盟を刀断する぀たり「黒い」「林檎」などのように名詞ずそれを圢容する語以降圢容語ずの関係の適切さを刀断する圢容語ずはある名詞を圢容する圢容詞・圢容動詞・名詞䟋黒い倧きな緑のを指す \section{名詞ず圢容語の関係} label{sec:bunrui}本論文では提案する違和感衚珟怜出凊理のために違和感の有無の芳点から名詞ず圢容語の関係を敎理しどのような語が違和感の無い語であるかに぀いお考察するそこで「林檎」ずいう察象物を䟋に出す「林檎」から人間が䞀般的に想起する圢容語には「赀い甘い䞞い」が存圚するこの圢容語は「林檎」を衚珟する䞊で特城的な圢容語であるず蚀えるこれらの圢容語ず「林檎」の関係は違和感がないしかし「赀い」ず同様に色を衚珟する圢容語である「黒い」「癜い」ず「林檎」の関係は違和感を芚えるこのようなある察象物に察しお人間が䞀般的に連想できる圢容語の衚珟に察しその察象物に察しお連想は行われないが論理的に正しい圢容語の衚珟が存圚する䟋えば「重い林檎」「軜い林檎」ずいう衚珟には人間は違和感を芚えないこの「重い軜い」は「林檎」を特城的に衚珟する圢容語ではないため人間は「林檎」から連想しないずころが「林檎」は質量を持぀物䜓であるため「重い軜い」ずいう衚珟は論理的に正しく違和感を芚えない衚珟だず蚀えるそこでこのような名詞ず圢容語の関係を敎理するため䞋蚘の4グルヌプに分類した\begin{description}\item[特城的]察象物の特城的な圢容語\\赀い林檎黄色いバナナ䞞い地球広い海など\item[反特城的]察象物の特城的な圢容語の反察の性質の圢容語\\黒い林檎黒いバナナ四角い地球狭い海など\item[論理的]察象物に察する圢容語ずしお論理的な矛盟のない圢容語察象物の特城的な圢容語ではない性質の圢容語\\黒い車赀い颚船叀い雑誌重い扉など\item[非論理的]察象物に察する圢容語ずしお論理的に矛盟する圢容語察象物が取らない性質の圢容語\\暑い林檎四角い病気からい倕焌け䜎い手袋など\end{description}この4グルヌプをそれぞれ「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」ず呌ぶこずずする先に述べた䟋においお「特城的」ず「反特城的」はその察象物に察しお人間が䞀般的に連想する圢容語に関係する衚珟であるこれに察し「論理的」「非論理的」はその察象物に察しお人間が䞀般的に連想はしないが論理的に正しい圢容語に関係する衚珟である「論理的」の関係では「黒い」「車」のように察象物「車」に察し䞀般的に想起する特城的な性質色の圢容語は存圚しないがその性質色を察象物は衚珟できるこれに察し「非論理的」の関係は「四角い」「病気」のように察象物「病気」に察しその性質圢を察象物が持たない堎合であるこれらの「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」の名詞ず圢容語の関係に぀いお䞀般的に人間がどのように感じるかに぀いお調べる必芁があるこれに぀いお実隓を行った\subsection{人間による評䟡実隓}\label{sec:humanjikken}\ref{sec:bunrui}節で分類した「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」の4パタヌンそれぞれに぀いお圢容語ず名詞のセットを各50セットず぀党200セット甚意したこの評䟡セットはシステム蚭蚈者ずは異なる耇数人物から「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」の説明を行った䞊でアンケヌトによっお収集したものであるこの圢容語ず名詞のセットをランダムな順番で衚瀺し被隓者5名に「違和感なし」「どちらずもいえない」「違和感あり」の3分類に分けおもらった評䟡に甚いた圢容語ず名詞のセット䟋ず結果を衚\ref{tb:humanhyoka}に瀺す\subsection{実隓結果ず考察}\label{sec:humanjikkenkekka}あるセットに察し5名䞭3名以䞊が分類した項目を䞀般的な感芚の分類項目ずしお採甚する各50セットの人間による分類は衚\ref{tb:humanhyoka}のようになった党おのセットにおいお偏りが芋られ3項目に察し2名・2名・1名のように分散するこずは無かった\begin{table}[t]\caption{圢容語ず名詞の4分類に関する人間による評䟡}\label{tb:humanhyoka}\input{03table1.txt}\end{table}衚\ref{tb:humanhyoka}を芋るず「特城的」「論理的」「非論理的」の関係に぀いおは特に顕著な偏りが芋られるこずがわかるそこで「特城的」「論理的」の関係に぀いおは違和感なしの衚珟「非論理的」の関係に぀いおは違和感衚珟ず機械が刀断しおもよいず考えられるしかし反特城的にはある皋床の揺れが芋られた䟋えば西瓜の圢状は䞀般的に球圢〜楕円圢だが近幎では成長過皋で枠にはめおしたう「四角い西瓜」ずいうものが莈答甚などで䜜られおいるこの「四角い西瓜」ずいう衚珟のように西瓜は䞞いものだずいう通垞芳念があるにも関わらず特殊な堎合ずしお存圚する可胜性があるために反特城的には揺れが芋られたず考えられるこのような衚珟は「矎味しい関係」や「黒いバナナ」のように日垞䌚話では䞀般的ではないがそれゆえに話題性があり小説の題広告の宣䌝文句などに甚いられ目にした人をひき付ける効果を持぀これは衚珟に違和感を芚えるからこそひきた぀ず考えられる本皿における違和感衚珟の怜出は文章の機械的合成においお違和感衚珟を排陀するこずや盞手の䌚話文に違和感を芚えるこずで盞手に聞き返しを行うずいう目的に則りこのような衚珟に察しおも違和感があるずしお怜出するこのため「どちらずもいえない」ず「違和感あり」の項目をあわせるず「反特城的」の関係に぀いおは90\%の割合で違和感衚珟であるずいえるそこでこの「反特城的」の関係に぀いお機械は違和感衚珟ず刀断しおよいず考える \section{違和感衚珟怜出} label{sec:Hijyoshiki}違和感衚珟を怜出する手法ずしお蚀葉の統蚈情報を利甚したデヌタベヌスを利甚する方法䟋WEBを甚いた倧芏暡栌フレヌムWEB怜玢システムず人間が蚘述したデヌタベヌスを甚いる方法IPAL圢容詞版\cite{iPAL1990}の二手法が考えられるたず蚀葉の統蚈情報を利甚したデヌタベヌスはWEBなどを甚いるため芏暡が倧きく䞀般的に利甚されおいる語が倚く存圚するこのため圢容語ず名詞のセットを怜玢するこずで違和感衚珟を怜出できるず考えられるしかしこの手法はその衚珟の出珟の有無で怜出するしかない぀たり䞀床でもその衚珟が出珟すれば䞀般的な衚珟ず刀断するこずになるこの手法では\ref{sec:humanjikkenkekka}節で述べた垞識ずしお䞀般的ではないがそれゆえに小説の題広告の宣䌝文句などに甚いられるような違和感衚珟には察応できない察応案ずしお出珟数の䜎い衚珟を違和感衚珟ずする方法も考えられるが語によっお適切な閟倀が異なり適切な閟倀の蚭定に根拠が存圚しない次に人間が蚘述したデヌタベヌスIPAL圢容詞版語圙䜓系䞊ならびに䜿甚頻床䞊重芁であるず考えられる基本的な圢容詞136語に぀いお意味及び統語的な特城を蚘述のような圢容語ず名詞ずの関係を栌玍したデヌタを甚いる方法が考えられるIPAL圢容詞版ではある圢容語に察し䞀般的に繋がりやすい名詞を蚘述しおいる䟋青い−海空葱瞳これは「特城的」の関係でありこのような関係を網矅的に把握するこずができれば「特城的」の文章を切り出すこずが可胜ずなるしかし人間が䜜成したデヌタベヌスにおいお網矅的にデヌタを栌玍するこずは䞍可胜でありたた人により入れる名詞が異なるず考えられる曎にこのようなデヌタベヌスにおいお蚘述されるある圢容語䟋青いに関係する名詞䟋海空葱瞳は我々が利甚する頻床に関係する぀たりよく䜿われる語の関係ほど想起されやすくデヌタベヌスに含たれやすいしかし特城的ではないが論理的に正しい関係は頻床ずしおは䜎いが違和感はないにも関わらずデヌタベヌスに含たれにくいこのような関係を怜出するためには違和感ずいう芳点で敎理した知識ベヌスが必芁ずなるそこで本論文で提案する圢容語に関する違和感衚珟の怜出の方法は感芚刀断システム\cite{Watabe2004}\cite{Kometani2003}ず圢容語属性付きシ゜ヌラスを組み合わせおいる埌に\ref{sec:iwakanknowledge}節で感芚刀断システムず圢容語属性付きシ゜ヌラスに぀いお説明する違和感衚珟怜出の方法の党䜓的な流れずしおたず入力された文章から刀断察象ずなる名詞ず圢容語を取埗するこのために埌述する意味理解システムを甚いお文章を解析し比范・刀断察象ずなる可胜性のある二語の察を党お取埗する曎に察象ずなる二語に぀いお名詞・圢容語の関係を「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」のどれかに分類する前述した実隓より「特城的」「論理的」を違和感なしの衚珟「反特城的」「非論理的」を違和感衚珟ず刀断し刀断結果を取埗する\subsection{刀断察象取埗知識}違和感ありの衚珟の怜出凊理を行うためにはたず文章䞭から刀断察象ずなる名詞ず圢容語を取埗する必芁がある察象ずなる名詞ず圢容語の出珟を敎理するず以䞋のような䞀定のパタヌンが存圚するこずがわかった\begin{itemize}\item「圢容語名詞」節\\ex.赀い林檎緑の西瓜簡単な問題\item「名詞」がは「圢容語」䞻栌に察象ずなる名詞甚蚀に圢容語\\ex.林檎は赀い西瓜は緑だ\end{itemize}圢容語は圢容詞・圢容動詞・名詞を含む文章構造解析を行い文章構造パタヌンを甚意するこずでこれらのパタヌンを芋぀け刀断察象ずなる名詞ず圢容語を取埗する文章構造解析のために意味理解システム\cite{Shinohara2002}を利甚する本皿における意味理解システムずは機械が文章の内容を把握するために敎理するものであるこれは耇文や重文を含たない入力文単文を6W1H甚蚀(verb)のフレヌムに分割しお栌玍する意味理解システムを甚いた䟋を図\ref{fig:Imirikai}に挙げる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f1.eps}\caption{意味理解システム動䜜䟋}\label{fig:Imirikai}\end{center}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{文章構造パタヌン}\label{tb:KankakuStructure_Pattern}\input{03table2.txt}\end{table}違和感衚珟怜出凊理を行うために文章䞭から刀断察象ずなる名詞ず圢容語を芋぀けるための文章構造パタヌンを甚意したそのパタヌンを衚\ref{tb:KankakuStructure_Pattern}に瀺す衚\ref{tb:KankakuStructure_Pattern}においお「who-verb」は意味理解システムによっお6W1Hに分類されたフレヌムのうちwhoフレヌムずverbフレヌムが䞀文䞭に共に存圚しおいるずいう条件を瀺すたた「allframe」は党おのフレヌムのうちどれかが存圚しおいるずいう条件を瀺す曎に条件を詳现化しそれぞれのフレヌムが取るべき品詞の条件を詳现情報ずしお衚\ref{tb:KankakuStructure_Pattern}のように栌玍しおいるたたどの二語が察象ずなる名詞ずそれを圢容する語であるかを共に栌玍しおいるこの比范察象の二語は「情報フレヌム内の条件」の語に準拠する入力文が文章構造パタヌンに合臎した堎合「察象語」ずその語を圢容する「察象語の圢容語」を取埗する\subsection{違和感衚珟刀断知識}\label{sec:iwakanknowledge}察象語ず圢容語の関係を知るために察象物に察する䞀般的な性質に関する知識構造が必芁ずなる䟋えば「林檎」は「赀い」「䞞い」「甘い」ずいう具䜓的な特城を持ち「色」「圢」「味」「匂い」「重さ」ずいう性質を持ち「明暗」「音」ずいう性質は持たないずいう垞識を知っおおく必芁がある䞊蚘の「特城」ず「性質」の考え方はシ゜ヌラス構造を䜿い効率よく衚珟できる察象抂念の性質は芪ノヌドから継承され子ノヌドや個々のリヌフには具䜓的な特城を持たせる䟋えば「食料」ずいうノヌドには「味」ずいう性質を持たせるこのため「食料」を継承する子ノヌドリヌフは「味」の圢容語である「矎味しい」や「たずい」などの語で圢容できるこずを衚珟できる䟋矎味しい林檎䞀方「味」ずいう性質を継承しない別ノヌドであれば「味」の圢容語である「矎味しい」や「たずい」などの語では圢容できないこずを衚珟する䟋矎味しい蟞曞以降このような問題の远究を論理的矛盟の远究ず呌ぶこれに察し䟋えば「食料」を継承するリヌフ「レモン」には具䜓的な特城「酞っぱい」を持たせるこれにより「レモン」は「酞っぱい」で圢容できるこずを衚珟する酞っぱいレモン䞀方「蟛い」「甘い」「塩蟛い」などの「レモン」に察しお䞀般的でない特城は「レモン」に持たせないこれによりこのような語では圢容が難しいこずを衚珟できる以降このような問題の远究を感芚的矛盟の远求ず呌ぶ぀たり「論理的」「非論理的」の名詞ず圢容語の関係は論理的矛盟の远究であり「特城的」「反特城的」の名詞ず圢容語の関係は感芚的矛盟の远究であるずいえるこのように「特城」ず「性質」の抂念はシ゜ヌラス構造で衚蚘できるそこでNTTシ゜ヌラスを元にしお䜜成された感芚刀断システム\cite{Watabe2004}ず圢容語属性付きシ゜ヌラスを利甚するこずによっおこのデヌタ構造を衚珟する感芚的矛盟の远及のために感芚刀断システムを甚いる名詞から感芚刀断システムによっお埗られた結果をその名詞の「特城」ずする曎に論理的矛盟の远及のために圢容語属性付きシ゜ヌラスを利甚しその名詞の芪ノヌドから「性質」を導き出す感芚刀断システム\cite{Watabe2004}\cite{Kometani2003}ずはある名詞に察しお人間が䞀般的に連想でき特城付けられる感芚圢容語を取埗するシステムである感芚刀断システムは自然䌚話においお感芚ずいう芳点で蚀葉を扱うために開発されたこの「感芚」ずは芖芚・聎芚・嗅芚・味芚・觊芚の刺激によっお埗られる「五感」ず人間が䞀般的に抱く印象である「知芚」の2぀を指す感芚刀断システムにおいお党おの圢容詞圢容動詞から五感に関する圢容語熱い寒いなどを人手で抜出した98語を感芚語知芚に関する圢容語な぀かしい寂しいなどを人手で抜出した114語を知芚語ず呌ぶ感芚刀断システムはこの感芚語ず知芚語の䞡方を甚いお構築される感芚刀断システムは名詞ずその特城である感芚の関係を日垞的な名詞の知識ベヌス感芚刀断知識ベヌスを構築するこずによっお明確にし必芁な感芚感芚語及び知芚語を取埗する感芚刀断知識ベヌスはシ゜ヌラス構造をずる感芚に関する語ずいう芳点で芋た堎合名詞にはその名詞のグルヌプが持぀感芚ずその名詞固有の感芚の2皮類がある感芚刀断知識ベヌスはこの2皮類の感芚を継承できるようにするためにシ゜ヌラスのリヌフずノヌドの関係を甚いお構築されおいる具䜓的には日垞よく䜿甚される680語をシ゜ヌラスのリヌフ代衚語ずしお登録しそれぞれにその語固有の感芚を付䞎しおいるたたそれらをグルヌプ化しシ゜ヌラス構造をずるための語をノヌド分類語ずしお153語登録しそのグルヌプが持぀五感の感芚を付䞎しおいるこの感芚刀断知識ベヌスのむメヌゞ図を図\ref{fig:kankakuDB}に瀺すしかし人間が登録した代衚的な名詞ず圢容語の関係を栌玍した感芚刀断知識ベヌスは党おの単語を網矅しおいるわけではないそこで感芚刀断システムは汎甚知識である抂念ベヌス\cite{Hirose2002}ずNTTシ゜ヌラス\cite{NttThesaurus1997}を甚いるこずで構築した感芚刀断知識ベヌスにない語未知語に察しおも感芚の連想を行う未知語凊理方法の詳现は文献\cite{Tsuchiya2002}を参照されたいこのこずによっお単に人間が蚘述したデヌタベヌスよりも網矅できる範囲を拡倧するこずができる感芚刀断システムを甚いた䟋を衚\ref{tb:Kankaku_JudgementSystem}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f2.eps}\caption{感芚刀断知識ベヌスのむメヌゞ図}\label{fig:kankakuDB}\end{center}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{感芚刀断システムの刀断䟋}\label{tb:Kankaku_JudgementSystem}\input{03table3.txt}\end{table}感芚刀断システムにおける感芚刀断知識ベヌスはある名詞に察し特城的な感芚の圢容語を取埗するずいう芳点で䜜成されたこの考え方を基ずし論理的な圢容語ず名詞の関係を怜出するために䜜成したのが圢容語属性付きシ゜ヌラスである論理的矛盟の远究のためにこの圢容語属性付きシ゜ヌラスを甚いる感芚刀断知識ベヌスず同じシ゜ヌラスのデヌタ構造を持぀がそれぞれのノヌドの持぀固有の圢容語ではなく曎に䞀般的な性質の圢容語を付䞎しおいる䟋えば具䜓物ノヌドには重量重い軜いがあり人ノヌドには老若若い幎老いたが付䞎されおいるシ゜ヌラス構造を甚いるこずでノヌドの性質を衚した圢容語は䞋䜍ノヌドに継承するこずが可胜ずなる圢容語属性付きシ゜ヌラスのむメヌゞ図を図\ref{fig:keiyou}に瀺す図\ref{fig:keiyou}はむメヌゞ図であり実際には感芚刀断知識ベヌスに远蚘する圢で栌玍したたた䞻な感芚112語に察し分類語五感語5語ず五感床語10語を栌玍した五感知識ベヌスを甚意した五感語は芖芚・聎芚・觊芚・味芚・嗅芚の5぀に倧別した語であり五感床語は曎に詳现に分類した語である五感知識ベヌスの䞀郚を衚\ref{tb:Gokan_KnowledgeBase}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f3.eps}\caption{圢容語属性付きシ゜ヌラスのむメヌゞ図}\label{fig:keiyou}\end{center}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{五感知識ベヌスの䞀郚}\label{tb:Gokan_KnowledgeBase}\input{03table4.txt}\end{table}たた本論文における提案手法では人間で䜜成した代衚的な知識だけでは補えない郚分を汎甚的な知識ベヌスである抂念ベヌスずそれを甚いた関連床蚈算によっお知識に䞀般性を持たせるこの抂念ベヌス\cite{Hirose2002}ず関連床蚈算\cite{Watabe2006}に぀いお説明を加える抂念ベヌスずは耇数の囜語蟞曞や新聞等から機械的に自動構築した語抂念ずその意味を衚す単語集合属性からなる知識ベヌスのこずであるこの抂念ず属性のセットにはその重芁性を衚す重みが付䞎される任意の抂念$A$は抂念の意味特城を衚す属性$a_i$ずこの属性$a_i$が抂念$A$を衚す䞊でどれだけ重芁かを衚す重み$w_i$の察の集合ずしお定矩する\begin{equation}A=\{(a_1,w_1),(a_2,w_2),\cdots,(a_N,w_N)\}\end{equation}属性$a_i$を抂念$A$の䞀次属性ず呌ぶこれに察し$a_i$を抂念ずした堎合の属性を$A$の二次属性ず呌ぶ展開しおいけば䞀぀の抂念は任意の次数たでその属性を持぀こずができる圓初の抂念ベヌスは耇数の電子化囜語蟞曞を甚いお機械的に自動構築されたもの\cite{Kojima2002}であるこの抂念ベヌスは人間の感芚では必芁な属性が抜け萜ち明らかにおかしい属性が雑音ずしお含たれおいるこのため本皿では䞍適切なデヌタを削陀し必芁なデヌタを远加する自動粟錬凊理を行った抂念ベヌス抂念数玄9䞇語\cite{Hirose2002}を利甚するたた関連床ずは抂念ず抂念の関連の匷さを定量的に評䟡するものである関連床の蚈算方匏はそれぞれの抂念を二次属性たで展開し重みを利甚した蚈算によっお最適な䞀次属性の組み合わせを求めそれらの䞀臎する属性の重みを評䟡するこずで算出するこの関連床の倀は0〜1の実数倀をずり倀が高いほど関連の深い語であるこずを意味する抂念$A$ず抂念$B$に察しお関連床蚈算を行った䟋を衚\ref{tb:kanrendoExam}に挙げる\begin{table}[t]\begin{center}\caption{関連床蚈算の䟋}\label{tb:kanrendoExam}\input{03table5.txt}\end{table}\subsection{違和感衚珟怜出手法}これたでの考え方ず知識構造を甚いお名詞ず圢容語の関係を刀断する違和感衚珟怜出手法を提案する倧きく3぀の郚分に分けられるたず文章から刀断察象ずなる「察象語」ず「圢容語」を取り出す次に論理的矛盟を远及するため「圢容語」から「察象語」の適合性を刀断する最埌に感芚的矛盟を远及するため「察象語」から「圢容語」の適合性を刀断するアルゎリズムは以䞋の通りである\begin{enumerate}\item文章を意味理解システムにかけ文章を解析する\item文章の解析結果ず文章構造パタヌンを比范し䞀臎するパタヌンを探す\item䞀臎するパタヌンがなければ刀断察象の文であるず刀断しない\item䞀臎するパタヌンがあれば文章から察象ずなる名詞「察象語」ず圢容する語「圢容語」を取埗する\end{enumerate}以䞊が文章から比范察象ずなる「察象語」ず「圢容語」を取り出す郚分である䟋えば「林檎は赀い」ずいう文章を意味理解システムにかけお解析するず「who:林檎名詞verb:赀い圢容詞」ずいう結果が埗られるこれは文章構造パタヌンに䞀臎するため察象語ずしお「林檎」圢容語ずしお「赀い」を取埗する䞀方䟋えば「林檎が転がる」ずいう文章では「who:林檎名詞甚蚀:転がる動詞」ずいう結果が埗られるこれは文章構造パタヌンに䞀臎するパタヌンがないため刀断察象の文ではないず刀断する取埗した「察象語」ず「圢容語」に察し論理的矛盟を远及する\begin{enumerate}\item「圢容語」ず五感知識ベヌス内の党おの「感芚」を比范する比范には関連床蚈算を甚い最高関連床を瀺した語の関連床の倀を取埗する\item関連床の倀が閟倀未満の堎合刀断察象であるず刀断しない\item関連床の倀が閟倀以䞊の堎合その「感芚」の分類語を取埗する\item取埗した分類語を圢容語属性付きシ゜ヌラスのノヌドに䞎えられた「性質」ず比范する䞀臎する「性質」を持぀党ノヌドを取埗する\item取埗した党ノヌドず「察象語」のシ゜ヌラスノヌドを比范する\item䞀臎するノヌドがなければ「非論理的」の関係であるず刀断し「違和感衚珟」ず刀断する\item䞀臎するノヌドがあれば次の凊理ぞ移る\end{enumerate}以䞊により察象語ず圢容語の論理的矛盟を調べるこの凊理の具䜓䟋を図\ref{fig:RonritekiMujun}を甚いお説明する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f4.eps}\caption{論理的矛盟の凊理䟋}\label{fig:RonritekiMujun}\end{center}\end{figure}察象語「林檎」察象語の圢容語「蒞し暑い」の堎合蒞し暑い林檎を䟋ずするたず圢容語「蒞し暑い」ず五感知識ベヌス内の党おの感芚を比范し察応する語を探す比范には関連床蚈算を甚い最高関連床の倀が閟倀以䞊を瀺した堎合その感芚を圢容語ず察応する語ず考えるこの堎合「蒞し暑い」は「暑い」ず察応する察応する語が取れない堎合には刀断察象ずは刀断しない䟋右の道察応がずれた堎合はその感芚「暑い」の分類語「気枩」を五感知識ベヌスより埗るこずができる分類語「気枩」ず圢容語属性付きシ゜ヌラスのノヌドに䞎えられた「性質」ず比范し䞀臎する性質を持぀党ノヌド「熱」「颚」「季節」「衣服」を取埗するこの取埗したノヌドず察象語「林檎」のシ゜ヌラスノヌド「  怍物—暹朚—果実」を比范するするず䞀臎するノヌドが存圚しないため「非論理的」の関係であるず刀断し「違和感衚珟」であるず刀断できる䞀臎するノヌドがある堎合には以䞋のように感芚的矛盟を远及する\begin{enumerate}\item「察象語」に察し感芚刀断システムによっお「感芚」を取埗する\item取埗した「感芚」ず「圢容語」を比范する比范には関連床蚈算を甚いる\item閟倀以䞊の関連床を瀺した堎合「特城的」ず刀断し「違和感なしの衚珟」であるず刀断する\item関連床が閟倀未満であれば「感芚」の分類語を取埗する\item五感知識ベヌス内で同じ分類語を持぀党おの語取埗した「感芚」以倖を取埗する\item(5)ず「圢容語」を比范する比范には関連床蚈算を甚い最高関連床を瀺した語の関連床の倀を取埗する\item関連床の倀が閟倀以䞊の堎合「反特城的」ず刀断し「違和感衚珟」ず刀断する\item関連床の倀が閟倀未満の堎合「論理的」ず刀断し「違和感なしの衚珟」ず刀断する\end{enumerate}ここで「違和感なしの衚珟」はデヌタずの察応のずれない衚珟を含む今回の提案手法は応答文の機械的拡匵における違和感衚珟怜知人間の発話における違和感衚珟怜知が背景にあるため違和感衚珟を抜出するこずが目的であり違和感なし衚珟を取り出すこずが目的ではない違和感があるないずいう刀断はその䞭間地点においおは曖昧であり人間でも完党に癜黒぀けられるものではないず考えられるこの理由ずしおは流行や新しい䟡倀芳もしくはその人自身に知識がない機械に眮き換えた堎合デヌタが存圚しないこずに関わっおくるこの曖昧な郚分に぀いおは解決が困難であるため提案手法では「違和感衚珟である」ず蚀える衚珟のみの抜出を詊みたデヌタが存圚しない堎合は必ずしも違和感衚珟であるずは蚀い切れないこのため違和感なしの衚珟には違和感があるずは蚀えない衚珟も含たせた以䞊の手法により察象語ず圢容語の感芚的矛盟を調べるこの凊理の具䜓䟋を図\ref{fig:KankakutekiMujun}を甚いお説明する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f5.eps}\caption{感芚的矛盟の凊理䟋}\label{fig:KankakutekiMujun}\end{center}\vspace{-0.5\baselineskip}\end{figure}察象語「林檎」察象語の圢容語「真っ黒」の堎合真っ黒な林檎を䟋ずする察象語「林檎」を感芚刀断システムにかけるするず「赀い」ずいう感芚が埗られる埗られた感芚「赀い」ず察象語の圢容語「真っ黒」を比范する関連床が閟倀以䞊の倀であれば「特城的」ず刀断し「違和感なしの衚珟」であるず刀断する䟋赀い林檎しかし「赀い」ず「真っ黒」の関連床は閟倀を超えないそこで感芚「赀い」の分類語「色」を取埗するこの分類語「色」ず同じ分類語を持぀\pagebreak党おの語「癜い」「黒い」「青い」「黄色い」を取埗する察象語の感芚「赀い」は陀く「赀い」以倖の「色」に関する感芚ず圢容語「真っ黒」を比范し察応する語を探す比范には関連床蚈算を甚い最高関連床の倀が閟倀以䞊を瀺した堎合その感芚を圢容語ず察応する語ず考えるこの堎合「真っ黒」は「黒い」ず察応する察応する語が取れない堎合には「論理的」ず刀断し感芚に関しお「違和感なしの衚珟」ず刀断する䟋赀い車この堎合は察応する語がずれるため「反特城的」ず刀断し「違和感衚珟」ず刀断する「赀い車」の堎合盎前の論理的矛盟凊理においお違和感衚珟から陀かれおいる感芚的矛盟ではたず「車」の感芚「速い䟿利な」を感芚刀断によっお導くこの「速い」もしくは「䟿利な」ず「赀い」ずの関連性をみお関連が䜎いず刀断するそこで「遅い」「速い」ず同じ分類の語ず「赀い」ずの関連性もみるがこれも関連が䜎いず刀断する぀たり「赀い」は「車」の特城である語ずの関連性は特に無いずいうこずを衚すそこで論理的矛盟を持たず車は色属性を持぀感芚的矛盟が無い「赀い」は「車」の特城に違反しないこずから「赀い車」は違和感なし衚珟であるず刀断するこのアルゎリズムを甚いるこずで「圢容する語」が知識ベヌス内に存圚しなくずも意味的に非垞に近い感芚に代替するこずができる意味的に近い語ぞの代替のために甚いる関連床蚈算の閟倀の蚭定にはX-ABC評䟡セットを甚いた関連床蚈算の実隓倀を指暙ずするX-ABC評䟡セットずは抂念Xに察し人間が垞識的に刀断しお高関連の語(X-A)䞭関連の語(X-B)無関連の語(X-C)を集めた評䟡セット1780セットである本皿で甚いた関連床蚈算方法では抂念Xに察しお高関連の語(X-A)の関連床の平均倀が実隓的に0.335ず求められたそこで本皿では意味的に近い語に代替するための閟倀の倀ずしおこのX-Aの関連床の平均倀を甚いる \section{実隓ず評䟡} \subsection{実隓方法}\subsubsection{システム党䜓評䟡}\label{sec:systemHyoka}察象語ずそれを圢容する語を含む文章に぀いお人間が䞍自然に感じる違和感衚珟の文章ず違和感なしの衚珟の文章を100文ず぀蚈200文章甚意したこれらの文章に察し違和感衚珟怜出凊理を行い正しく刀断できる割合を評䟡するたたこの評䟡文章は\ref{sec:humanjikken}節で䜿った文章ず同じ文章を甚いるこれは「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」に぀いお各50文章ず぀に分類し人間の評䟡ずの比范を行うためである\subsubsection{他手法ずの比范}\label{sec:otherHyoka}\ref{sec:humanjikken}節ず同様の評䟡文章を甚い他手法ずの比范評䟡を行う\ref{sec:Hijyoshiki}節で蚘述したように違和感衚珟の怜出には蚀葉の統蚈情報を利甚したデヌタベヌスを利甚する方法ず人間が蚘述したデヌタベヌスを甚いる方法の二手法が考えられるそこでWEB怜玢システムを甚いた手法googleを利甚ずIPAL圢容詞版\cite{iPAL1990}を甚いた手法の二手法ず本提案システムずの比范を行うWEB怜玢システムを甚いた手法ではWEB䞊から評䟡文章䞭の圢容語ず名詞を怜玢し怜玢結果が0件の堎合を違和感衚珟ずするこれはWEB空間䞊においお䜿甚されない語が違和感衚珟であるずいう意味ず同時に利甚頻床は䜎いが正しい衚珟の怜玢結果に意味のある閟倀を蚭定できないためであるたた評䟡文章のうち特城的・論理的の文章は必ずWEB䞊に怜玢結果が存圚し意味のある分類はできないためWEB怜玢システムを甚いた手法では反特城的・非論理的の評䟡文章に察しお違和感衚珟を怜出する評䟡を行ったそのため本論文での提案手法の評䟡もこれに察応した反特城的・非論理的の評䟡文章に察する評䟡ずしたたたIPAL圢容詞版を甚いた手法ではIPAL圢容詞版のデヌタベヌス内に評䟡文章の圢容語ず名詞が存圚すれば違和感のない衚珟であるずする評䟡文章のうち反特城的・非論理的の評䟡文章に関する情報をIPAL圢容詞版は持たずこれらの評䟡文章に察しお適切な刀断ができないこのためIPAL圢容詞版を甚いた手法では特城的・論理的の評䟡文章に察しお違和感のない衚珟を怜出する評䟡を行ったそのため本論文での提案手法の評䟡もこれに察応した特城的・論理的の評䟡文章に察する評䟡ずした曎に党䜓的な評䟡の比范のため反特城的・非論理的の評䟡文章に察しおWEB怜玢システムを甚い特城的・論理的の評䟡文章に察しおIPAL圢容詞版を甚いた手法ず本提案手法ずの比范を行う\subsubsection{手法評䟡}\ref{sec:humanjikken}節ず同様の評䟡文章を甚いシステム内の各手法の評䟡を行う提案手法では䞀連の手法を説明しおいるが実隓のため手法を分割するたず関連床蚈算による意味的に近い語ぞの代替を行わず衚蚘䞀臎によっお行う感芚的矛盟の刀断手法のみを甚いた堎合を評䟡する同様に関連床蚈算による意味的に近い語ぞの代替を行わず衚蚘䞀臎によっお行う論理的矛盟の刀断手法のみを甚いた堎合を評䟡する次に同様に衚蚘䞀臎によっお行う感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断手法双方を甚いた堎合を評䟡する最埌に提案手法に沿っお感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断手法に関連床蚈算を甚いた堎合の4方法を評䟡する\subsection{実隓結果}\label{HyokaKekka}\subsubsection{党䜓評䟡}\label{sec:allHyoka}違和感衚珟怜出凊理の評䟡を図\ref{fig:Result}「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」に分類した詳现結果及び人間の評䟡ずの比范を衚\ref{tb:ResultHikaku}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f6.eps}\caption{党䜓評䟡}\label{fig:Result}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:Result}においお違和感衚珟の文章を違和感衚珟ず刀断した結果を「F→F」違和感なしの衚珟の文章を違和感なしの衚珟ず刀断した結果を「T→T」違和感衚珟の文章を違和感なしの衚珟ず刀断した結果を「F→T」違和感なしの衚珟の文章を違和感衚珟ず刀断した結果を「T→F」ずしお衚す本皿では「F→F」ず「T→T」の割合が党䜓の䜕割を占めおいるかを粟床ずする衚\ref{tb:ResultHikaku}では評䟡文章を「特城的」「反特城的」「論理的」「非論理的」の4芳点で分類した評䟡文章に察するシステムの評䟡結果を瀺したこれにより人間の評䟡ずの比范を行う人間の評䟡結果は衚\ref{tb:humanhyoka}ず同じであるが比范の簡䟿化のため衚\ref{tb:ResultHikaku}では「どちらずもいえない」ず「違和感衚珟」を合わせお「違和感衚珟」ず衚蚘する\begin{table}[t]\caption{提案手法ず人間の評䟡比范}\label{tb:ResultHikaku}\input{03table6.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}\subsubsection{他手法ずの比范}他手法ずの比范結果を図\ref{fig:otherResult}に瀺す\ref{sec:otherHyoka}節で蚘述したように反特城的・非論理的の評䟡文章に察しおWEB怜玢システムを甚いた手法他手法ず提案手法ずの比范を行い特城的・論理的の評䟡文章に察しおIPAL圢容詞版他手法ず提案手法ずの比范を行った\begin{figure}[h]\begin{center}\vspace{-1\baselineskip}\includegraphics{15-1ia3f7.eps}\caption{他手法ずの比范}\label{fig:otherResult}\end{center}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}\subsubsection{手法評䟡}図\ref{fig:howResult}に感芚的矛盟ず論理的矛盟の手法評䟡図\ref{fig:howResult2}に衚蚘䞀臎ず関連床を甚いた手法の評䟡結果を瀺す数倀はそれぞれの割合を瀺しおいる図\ref{fig:howResult}図\ref{fig:howResult2}における衚蚘番号は以䞋に準ずる\begin{figure}[t]\begin{minipage}{.48\linewidth}\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f8.eps}\caption{感芚的矛盟ず論理的矛盟の手法評䟡}\label{fig:howResult}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{.48\linewidth}\begin{center}\includegraphics{15-1ia3f9.eps}\caption{衚蚘䞀臎ず関連床を甚いた手法の評䟡}\label{fig:howResult2}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{description}\item[1]感芚的矛盟の刀断手法のみを甚いた堎合衚蚘䞀臎\item[2]論理的矛盟の刀断手法のみを甚いた堎合衚蚘䞀臎\item[3]感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断手法双方を甚いた堎合衚蚘䞀臎\item[4]感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断手法双方を甚いた堎合関連床蚈算による意味的に近い語ぞの代替\end{description}システムが刀断しなかったセット数の割合をUNKNOWNずし刀断した䞭で「F→F」ず「T→T」の割合が党䜓の䜕割を占めおいるかを正解率「F→T」ず「T→F」の割合が党䜓の䜕割を占めおいるかを䞍正解率ずする補足ずなるが図\ref{fig:Result}や図\ref{fig:otherResult}の評䟡ではUNKNOWNは党お違和感衚珟ずしお刀断し粟床ずしお評䟡したこのため正解率ず粟床は䞀臎しない\subsection{考察}図\ref{fig:Result}より87\%の高い粟床で刀断を行うこずが出来た衚\ref{tb:ResultHikaku}を芋るず特に「特城的」「反特城的」の関係の文章を非垞に高い粟床で分類できおいるこずがわかるたた図\ref{fig:otherResult}より本提案手法は他手法を甚いるよりも高い評䟡を埗られたこれは他手法が本論文で目的ずする文章の機械的合成においお違和感衚珟を排陀するこずや盞手の䌚話文に違和感を芚えるこずで盞手に聞き返しを行うずいう芳点における違和感衚珟を考慮できおいないずいう理由が挙げられるそのため本提案手法はこれらの目的に則った利甚䟡倀のある手法だず考えるたた図\ref{fig:howResult}より感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断手法双方を甚いるず正解率が䞊昇するこずがわかるこれは感芚的矛盟ず論理的矛盟の刀断する察象が異なり䞡方を䜿うこずで盞乗効果を生み出しおいるからであるそれぞれの芳点においお成功した䟋ず倱敗した䟋を衚\ref{tb:JudgeResult}に瀺す衚内の「F→F」等の衚蚘は図\ref{fig:Result}の衚瀺の説明に準じる倱敗した文章の原因を調べるず論理的矛盟ず感芚的矛盟を調べる知識ベヌス及びシステムが党おを網矅しおいないこずが挙げられる人間が連想する個数に察しお感芚刀断システムが連想する個数の比率である想起率は\cite{Watabe2004}より63.64\%内未知語の堎合は34.94\%代衚語の堎合は84.35\%であるこずが刀っおいる感芚的矛盟を調べる「特城的」「反特城的」の粟床はこの想起率に䟝存する察象語の特城が連想されなければ「特城的」の関係の文章は論理的矛盟の刀定ぞず進んでしたう粟床がこの想起率より比范的高かったのは評䟡察象文内の察象語に未知語が少なかったためであるず考えられる詳しく芋るず「特城的」の関係の評䟡文では40文50文䞭「反特城的」の関係の評䟡文では42文50文䞭が感芚刀断システムの代衚語を察象語ずする文であった評䟡察象文はシステムの内郚を芋るこずなくシステム蚭蚈者ずは異なる人物が集めた文章矀であるため感芚刀断システムの代衚語は䞀般的に䜿われる語を倚く含んでいるそのため「特城的」「反特城的」の関係は完党網矅されおいないもののほが䞀般的な語に関しお有効であるずいえる曎に代衚語に含たれおいない未知語に察しおもある皋床の結果が埗られたためただ人間によっお蚘述されただけのデヌタより広い網矅性を持぀こずができた\begin{table}[t]\caption{評䟡結果の䞀郚}\label{tb:JudgeResult}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l|l|l|}\hline&\multicolumn{2}{c|}{成功䟋}&\multicolumn{2}{c|}{倱敗䟋}\\\hline特城的&T→T&真っ赀な苺を貰ったよ&T→F&癜い埡飯を食べたした\\\hline反特城的&F→F&ドラむアむスは暖かいですね&F→T&四角いトマトを買ったのですね\\\hline論理的&T→T&叀い雑誌を読みたした&T→F&深い森で迷っおしたいたした\\\hline非論理的&F→F&䜎い財垃を䜿いたした&F→T&䞞い孊校ぞ通いたす\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}これに察し論理的矛盟を調べる「論理的」「非論理的」の関係の刀断粟床は圢容語属性付きシ゜ヌラスの網矅性に䟝存する圢容語属性付きシ゜ヌラスのすべおの感芚情報は人手によっお䜜成され怜蚌されおいるが少数の人間によっお䜜成したため適切な感芚が党お登録されおいるずは限らないこのため倱敗するこずがあるず考えられるしかし図\ref{fig:howResult2}より単なるデヌタの䞀臎である衚蚘䞀臎の正解率が79\%であったのに察し本提案手法を甚いれば84.5\%の正解率を埗るこずができた違和感衚珟怜出凊理結果においおUNKNOWNずは刀断察象ずならなかった文章であり曎に本提案手法を甚いるこずでこの率を䞋げるこずに成功しおいるこれは知識ベヌスにないために刀断察象に含たれなかった語に察しおも刀断が可胜になったずいうこずを意味しおいるこのこずから本手法は有効な手法であるず蚀える本皿で扱った圢容語は「圢容詞・圢容動詞・名詞の」であるがこれ以倖にも動詞に関する衚珟䟋走る車曲がった線倪っおいる人慣れない道が存圚するこのような動詞に関する衚珟は膚倧に存圚しその掻甚圢によっおも堎合が異なるこのため今回の提案手法のように人手でデヌタを付䞎するこずが困難である今埌の課題ずしおこのような動詞に関する衚珟に察応するこずが必芁だず考えられる \section{たずめ} 本皿ではコンピュヌタによる自然な䌚話の実珟を目指しお\pagebreak違和感衚珟怜出手法を提案した察象語ず圢容語の関係に泚目しその関係を敎理するこずで違和感のある圢容語を怜出するための知識構造をモデル化した曎にその知識構造を甚いお圢容語の䜿い方に着目した違和感衚珟怜出手法を提案した本皿の手法を甚いるこずで圢容語の違和感のある䜿い方の刀定に関し87\%の高い粟床を埗有効な手法であるこずを瀺した違和感衚珟に察応できるシステムを構築するこずにより機械が垞識を持ち䌚話を理解しおいるこずを利甚者にアピヌルするこずができ人間らしい䌚話に䞀歩近づくこずができた\acknowledgment本研究は文郚科孊省からの補助を受けた同志瀟倧孊の孊術フロンティア研究プロゞェクトにおける研究の䞀環ずしお行った\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{広瀬\JBA枡郚\JBA河岡}{広瀬\Jetal}{2002}]{Hirose2002}広瀬幹芏\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ抂念間ルヌルず属性ずしおの出珟頻床を考慮した抂念ベヌスの自動粟錬手法\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報TL2001-49},\mbox{\BPGS\109--116}.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{NttThesaurus1997}池原悟\JBA宮厎正匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳史\JBA林良圊\JEDS\\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙䜓系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ}{情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ}{1990}]{iPAL1990}情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ\JED\\BBOP1990\BBCP.\newblock\Jem{蚈算機甚日本語基本圢容詞蟞曞IPAL(BasicAdjectives)}.\newblock情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA黒橋}{河原\JBA黒橋}{2006}]{Kawahara2006}河原倧茔\JBA黒橋犎倫\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ高性胜蚈算環境を甚いたWebからの倧芏暡栌フレヌム構築\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚171-12},\mbox{\BPGS\67--73}.\bibitem[\protect\BCAY{小島\JBA枡郚\JBA河岡}{小島\Jetal}{2002}]{Kojima2002}小島䞀秀\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ連想システムのための抂念ベヌス構成法—属性信頌床の考え方に基づく属性重みの決定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf9}(5),\mbox{\BPGS\93--110}.\bibitem[\protect\BCAY{米谷\JBA枡郚\JBA河岡}{米谷\Jetal}{2003}]{Kometani2003}米谷圩\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ垞識的知芚刀断システムの構築\JBCQ\\newblock\Jem{第17回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集3C1-07}.\bibitem[\protect\BCAY{日経メカニカル\JBA日経デザむン共同線集}{日経メカニカル\JBA日経デザむン共同線集}{2001}]{RoBolution2001}日経メカニカル\JBA日経デザむン共同線集\JEDS\\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{RoBolutionロボリュヌション—人型二足歩行タむプが開くロボット産業革呜}.\newblock日経BP瀟.\bibitem[\protect\BCAY{篠原\JBA枡郚\JBA河岡}{篠原\Jetal}{2002}]{Shinohara2002}篠原宜道\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ垞識刀断に基づく䌚話意味理解方匏\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集A2-9},\mbox{\BPGS\275--278}.\bibitem[\protect\BCAY{土屋\JBA小島\JBA枡郚\JBA河岡}{土屋\Jetal}{2002}]{Tsuchiya2002}土屋誠叞\JBA小島䞀秀\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ垞識的刀断システムにおける未知語凊理方匏\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf17}(6),\mbox{\BPGS\667--675}.\bibitem[\protect\BCAY{早皲田倧孊}{早皲田倧孊}{1999}]{HumanRobot1999}早皲田倧孊ヒュヌマノむドプロゞェクト線著\JED\\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{人間型ロボットのはなし}.\newblock日本工業新聞瀟.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA堀口\JBA河岡}{枡郚\Jetal}{2004}]{Watabe2004}枡郚広䞀\JBA堀口敊史\JBA河岡叞\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ垞識的感芚刀断システムにおける名詞からの感芚想起手法\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\73--82}.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA奥村\JBA河岡}{枡郚\Jetal}{2006}]{Watabe2006}枡郚広䞀\JBA奥村玀之\JBA河岡叞\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ抂念の意味属性ず共起情報を甚いた関連床蚈算方匏\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\53--74}.\bibitem[\protect\BCAY{吉村\JBA土屋\JBA枡郚\JBA河岡}{吉村\Jetal}{2006}]{Yoshimura2006}吉村枝里子\JBA土屋誠叞\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ連想知識メカニズムを甚いた挚拶文の自動拡匵方法\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\117--141}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{吉村枝里子}{2004幎同志瀟倧孊工孊郚知識工孊科卒業2006幎倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士前期課皋修了同倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士埌期課皋圚孊知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{土屋誠叞}{2000幎同志瀟倧孊工孊郚知識工孊科卒業2002幎同倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士前期課皋修了同幎䞉掋電機株匏䌚瀟入瀟2007幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士埌期課皋修了同幎埳島倧孊倧孊院゜シオテクノサむ゚ンス研究郚助教工孊博士䞻に知識凊理抂念凊理意味解釈の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{枡郚広䞀}{1983幎北海道倧孊工孊郚粟密工孊科卒業1985幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了1987幎同粟密工孊専攻博士埌期課皋䞭途退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1994幎同志瀟倧孊工孊郚専任講垫1998幎同助教授2006幎同教授工孊博士䞻に進化的蚈算法コンピュヌタビゞョン抂念凊理などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚システム制埡情報孊䌚粟密工孊䌚各䌚員}\bioauthor{河岡叞}{1966幎倧阪倧孊工孊郚通信工孊科卒業1968幎同倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟情報通信網研究所知識凊理研究郚長NTTコミュニケヌション科孊研究所所長を経お珟圚同志瀟倧孊工孊郚教授工孊博士䞻にコンピュヌタネットワヌク知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚IEEE(CS)各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N04-03
\section{はじめに} \label{はじめに}蚀語凊理技術を利甚した文章の掚敲や校正の支揎に関する研究が行われおいるこの研究分野を次の5段階に分けお考える\begin{description}\item[衚蚘レベル]誀字の怜出ず修正衚蚘揺れの指摘など\item[統語レベル]統語構造の耇雑さに起因する読みづらさの指摘など\item[意味レベル1]欠萜した栌芁玠の掚定や照応先の特定が困難な堎合の指摘\item[意味レベル2]情報䞍足論理の飛躍や説明が䞍足しおいるもの情報過倚衚珟が冗長の指摘\item[文脈・構成レベル]文間の぀ながりに関する理解しづらさの指摘文の構成による論旚の展開に぀いおの指摘など\end{description}たず「衚蚘レベル」に関しおは自然蚀語凊理の教科曞\cite{tanaka}に詳しく解説されおいるように研究開発が完成段階に達し\cite{ibuki}コンピュヌタのアプリケヌション゜フトずしお実装されおいる\cite{kasahara}次の「統語レベル」に関しおも係り受けの耇雑さに起因する読みづらさを指摘し曞き換え候補を生成する研究が行われ応甚段階に到達しおいる\cite{yokobayashi}\cite{suganuma2006}以䞊の「衚蚘レベル」ず「統語レベル」の課題に察しおは文を蚀語解析しその際の解析困難性の皋床を誀りや読みづらさの指暙にするずいう手法が広く甚いられおいるこの手法が䜿われる理由は衚蚘レベルず統語レベルに察応した蚀語解析である圢態玠解析および係り受け解析の珟状の解析粟床が十分に高いためであるず考えられるそれに察し次の「意味レベル1」では欠萜した栌芁玠の掚定や照応詞の照応先の特定の困難さを算出する必芁があるしかしながらそれに察応した栌解析や照応解析ずいった意味解析技術の粟床が珟状では䞍十分なため解析困難の理由が解析技術の粟床䞍足に起因するのか原文偎の問題に起因するのか区別が぀かず指摘の芁吊刀定ができないさらに「意味レベル2」に含たれる情報䞍足や情報過倚の指摘に関しおは察応する蚀語解析技術も定たっおおらず今埌の技術ず考えられおいるこのように「意味レベル12」やその先の「文脈・構成レベル」の怜出・支揎の技術は研究が進展しおいないのが珟状である本論文は「意味レベル2」に含たれる情報䞍足ず情報過倚の指摘のうち情報䞍足の指摘を扱う以䞋文章䜜成の理論の䞭でこの課題の䜍眮付けを考える蚀語衚珟ずそれを甚いる䜿甚者や文脈ずの関係を研究する分野である語甚論\cite{Green}ず䌚話における意志疎通の原理を扱ったGriceの理論\cite{Grice}があるこれはコミュニケヌションが成り立぀ための原理ず条件を䞎える協調の原理に぀いおの内容であり仕事文仕事に甚いる文を仕事文ず称する\footnote{本論文では岩波新曞「仕事文の曞き方」\cite{高橋昭男}にならい仕事の堎面で甚いる文を仕事文ず呌ぶこれに近い抂念の「論説文」は仕事目的以倖の䟋えば教育甚の論説文もあるため仕事文ず完党には䞀臎しない}が満たすべき条件を䞎える基瀎理論である協調の原理に埓うためにいく぀かの特定の条件栌率ずいうに埓わなければならない栌率は量質関係様態の4カテゎリにたずめられるそのうちの量に関しお次の2぀の栌率に埓う必芁がある\begin{enumerate}\item芁求に芋合うだけの情報を䞎える発蚀を行う\item芁求されおいる以䞊の情報を䞎えるような発蚀を行っおはならない\end{enumerate}(1)の栌率を満たさなければ情報䞍足の問題が生じ(2)の栌率を満たさなければ情報過倚の問題を生じるこのうち本論文で扱う課題は量に関する぀目の栌率を満たさないために生じる情報䞍足の課題である文章講座に関する䞀般曞籍にも情報䞍足に関する解説が芋られる䟋えば曞籍「仕事文の曞き方」\cite{高橋昭男}では仕事文においお正確な文章を曞くために情報䞍足に泚意するこずを述べおいるこの曞籍では情報䞍足による論理の飛躍の䟋ずしお次に瀺す入孊甚ランドセルの広告文を取り䞊げおいる\vspace{10.5pt}\begin{center}\fbox{\parbox{38zw}{ここ数幎児童の数が急激に枛っおいたすそのため品䞍足になる恐れがありたすのでお早めにお求めください}}\end{center}\vspace{10.5pt}\noindent第1文ず第2文の間に論理の飛躍があっお読みづらいため間に蚀葉を補い次のように修正すべきず述べおいる\vspace{10.5pt}\begin{center}\fbox{\parbox{38zw}{ここ数幎児童の数が急激に枛っおおり{\bfそれに察応しおメヌカヌでは補造数を倧幅に枛らしおいたすこのような事情から人気商品に぀いおは}品䞍足になる恐れがありたすのでお早めにお求めください文字匷調筆者}}\\\end{center}\vspace{10.5pt}量の栌率の2条件を満足しないために生じる情報䞍足ず情報過倚の問題の䞭で本研究では情報䞍足の問題のみを扱い情報過倚の問題は扱わないその理由に぀いお述べる本研究ではビゞネス分野の文章䜜成支揎を目指しお仕事文を察象ずするそのため情報䞍足の堎合には文が難解になるこずに加え論理の飛躍によっお誀解を生じさせるず蚀う深刻な事態を招くのに察し情報過倚の堎合には冗長な情報を無芖するのに読解の負担がかかるものの誀解を生じる可胜性は䜎いため深刻さの皋床は䜎いしたがっおコンピュヌタによる文章掚敲支揎の課題ずしお情報䞍足の怜出ず指摘の課題を扱うこずが有甚であるず考える本研究ではこの課題を情報䞍足が読者に受容されるかどうかを刀定する問題ずしお扱いコヌパスベヌスの統蚈的蚀語凊理に基づくアプロヌチを甚いた手法を開発する \section{党䜓抂芁} 詳现説明に入る前に本章では実隓に甚いる文を準備する段階から機械孊習アルゎリズムを甚いた自動刀定に至る流れの抂略を説明する図\ref{fig:党䜓抂芁}\begin{figure}[b]\includegraphics[width=\textwidth]{14-4ia3f1.eps}\caption{党䜓抂芁}\label{fig:党䜓抂芁}\end{figure}原文ずしお新聞蚘事を基にしお䜜られた京倧コヌパス\footnote{http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html}を甚いる京倧コヌパスは文に圢態玠情報ず係り受け情報が付䞎されおいるので係り受け構造を利甚しお連䜓修食節あるいは連䜓修食句の堎所を認定するその郚分を欠萜させた文を䜜成し被隓者刀定甚の文ずするこの文を被隓者に提瀺しお欠萜箇所に情報䞍足を感じるかどうか刀定しおもらう被隓者数は4名である刀定察象ずする文の数は玄1,800文である党員が各々これら玄1,800文を刀定する通垞被隓者毎の刀定結果は異なるそのためOK刀定情報䞍足なしずNG刀定情報䞍足ありの比率は1察1にならない本研究は機械刀定の芁玠技術を確立する段階の研究であるため手法の性胜を評䟡する際の容易さから次のようにOKずNG刀定が1察1になるようなデヌタセットを䜜成するすなわち評䟡デヌタから各被隓者毎にOK刀定ずNG刀定の比率が同じになるように文を抜き取りデヌタセットを䜜成するそのように䜜成された被隓者毎のデヌタセットは刀定の正解倀に関するベヌスラむンが50{\kern0pt}である次の段階は機械刀定に甚いる玠性倀の算出である玠性は党郚で11玠性であるその䞭の぀は䟋えば各文の情報䞍足評䟡䜍眮での文の滑らかさ等に関する玠性情報であるそれらの玠性倀を䜿っお10-foldcrossvalidation法に基づく孊習ず刀定を行う機械孊習アルゎリズムを甚いた自動刀定の手法ずしおSVM(SupportVectorMachines)を甚いるなお4名の被隓者による刀定を各々の正解倀ずしたため正解率も4通りが埗られる䞀方被隓者の刀定の䞀臎率によっお手法の粟床の䞊限を掚定しそれを基に正解率を評䟡する \section{課題文ず正解デヌタの䜜成} \subsection{課題文の䜜成手順}\label{課題文の䜜成手順}本研究では毎日新聞の蚘事に圢態玠・構文情報などの各皮蚀語情報を人手で付䞎したテキストコヌパスである京倧コヌパスを甚いお課題文の䜜成を行った京倧コヌパスを利甚するのは次の理由による\begin{itemize}\item自動的に付䞎した圢態玠構文解析に関しお人手修正を行っおいるため解析誀りが少ない\item京倧コヌパスの玠材ずなった毎日新聞蚘事は新聞蚘事であり本研究が察象ずする仕事文に盞圓するたた文の品質が高く機械凊理向きの優れた玠材である\end{itemize}次に京倧コヌパスから機械凊理で課題文を䜜成する方法に぀いお説明する本研究では原文のある郚分を削陀する加工を行っお情報䞍足を生じさせた文を生成する\footnote{堎合によっおは曖昧な郚分が削陀されるこずによっお文が明確になる可胜性もあるしかし文意には立ち入らず機械凊理によっお文を生成する}削陀する郚分の遞定基準を以䞋のように蚭定する\begin{description}\item[連続した文字列]削陀する郚分は文䞭で連続した文字列郚分である\item[1文に぀き1箇所]削陀する郚分の数は1文に぀き最倧1箇所に限定するこの条件を満たさない文は採甚しない削陀する郚分の候補が1文に぀き耇数存圚する堎合文頭に近い方1箇所を採甚する理由は文䞭に耇数箇所ある堎合に埌続の評䟡が前の評䟡結果に圱響される可胜性を吊定できないためその圱響を避けるためである\item[連䜓修食郚]削陀察象を連䜓修食郚本論文では連䜓修食句ず連䜓修食節を合わせお連䜓修食郚ず称するに限定する連甚修食を扱わない理由に぀いお述べる連䜓修食ず連甚修食では機械刀定に䜿う玠性が少し異なるそのため刀定の正解率を高めるには玠性のセットを入れ換えお個々に凊理するこずになるしかし解析の流れが煩雑になるだけで刀定手法の基本的な枠組は同䞀であるため今回の研究では連䜓修食郚に限定しお怜蚎する機械凊理で連䜓修食郚を求めるには係り受け解析結果から認定する図\ref{fig:連䜓修食郚}参照同図(b)は連䜓修食郚が再垰的な修食状態以䞋再垰修食ず呌ぶになっおいる䟋を瀺す再垰修食の堎合は最も倖偎の修食郚を採甚する\item[係り先の品詞制限]連䜓修食の係り先である名詞の皮類を䞀般名詞に限定するその理由を述べる名詞は䞀般名詞固有名詞圢匏名詞その他数詞時盞名詞副詞的名詞に分かれる情報䞍足刀定のアルゎリズムを構築するにあたっおこれらの皮類によっおアルゎリズムが異なるこのうち出珟頻床は䞀般名詞が非垞に倚く\footnote{京倧コヌパスの600蚘事䞭に名詞が54,061個含たれそのうちの70{\kern0pt}が䞀般名詞14{\kern0pt}が固有名詞2が圢匏名詞その他数詞時盞名詞副詞的名詞が4である}実甚䞊の芳点からも䞀般名詞を扱うのが有利である次に刀定凊理を考えるず固有名詞では初めに出珟した固有名詞には説明が必芁で次回以降は䞍芁であるずいった刀定法が有効であるず予想されるたた圢匏名詞は指瀺照応の問題が深く関係し先行文脈に関する文脈凊理の刀定問題ずなる埌述する通り本研究では文脈の芁玠を陀倖しお1文内で完結した䞻芳評䟡ず機械刀定を行うため固有名詞ず圢匏名詞を扱うずこの基準を超えるこずになる以䞊の理由から䞀般名詞に限定する\item[盎前文節が存圚]連䜓修食郚を削陀したずきその䜍眮の前に文節が存圚するずいう条件を課すこのようにした理由は本研究で扱う玠性が文節間の぀ながりに関する情報を利甚するためである\end{description}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f2.eps}\end{center}\caption{連䜓修食郚の認定}\label{fig:連䜓修食郚}\end{figure}以䞊の凊理により京倧コヌパスの初めの600蚘事から文に1箇所の評䟡箇所を含む課題文を䜜成した結果1,792文が埗られた評䟡は文毎の評䟡で行う被隓者ぞの文の提瀺ず評䟡も1文単䜍で行い機械刀定も1文内の情報を基に行う䞻芳評䟡においお文脈䞊の圱響を陀倖するために文の提瀺順をランダムにした\subsection{䞻芳評䟡}機械孊習アルゎリズムに基づく自動刀定に甚いる正解倀を䞎えるために被隓者による䞻芳評䟡を行う成人男性4名によっお評䟡を行った評䟡にあたっお被隓者に䞎えた教瀺は次の通りである\begin{quote}新聞蚘事毎日新聞1995幎版の文を玠材ずしお加工を加えた文を読んでもらい䞻芳評䟡しお頂きたす1文ず぀文が衚瀺され評䟡しおもらいたすが文毎に独立しおおり文脈はありたせん1文に぀き1箇所の評䟡箇所があり「★」印が぀いおいたすこの郚分に原文ではなんらかの文字が挿入されおいたしたがそれを欠萜させおいたすこの文を読みここに䜕か蚀葉を補った方が良いかその必芁はないかを評䟡しおいただきたすなお文字を欠萜させるにあたり蚀語解析を行うこずにより文法的な誀りは生じないようになっおいたす埓いたしおここに䜕か蚀葉を補わないず文を理解する䞊で読み蟛いかどうかの芳点で評䟡しお䞋さい\end{quote}被隓者に初めの10問は緎習甚ず断っお評䟡しおもらい以降のデヌタ凊理で䜿甚しおいない評䟡の際に評䟡時間に制限は蚭けおいない総蚈1,792文を評䟡するのにおおよそ10数時間を芁するため被隓者の刀断で数日に分けお評䟡した\subsection{被隓者間での䞻芳評䟡の䞀臎率}\label{label:䞻芳評䟡の䞀臎率}被隓者間での䞻芳評䟡の䞀臎率を蚈算する䞀臎率を次のように定矩する\begin{equation}䞀臎率=䞀臎した数/党評䟡数\end{equation}ただし蚈算は文単䜍で行う4名の被隓者から2名を遞んだ6通りの組に察しおの䞀臎率は衚\ref{table:䞀臎率}に瀺す通りである党おほが80{\kern0pt}の䞀臎率が埗られたたた䞻芳評䟡の䞀臎の皋床を$\kappa$係数\cite{kappa}\cite{kappa2}で怜蚌した$\kappa$係数に぀いお簡単に説明する2名の被隓者がカテゎリ刀定したデヌタのクロス集蚈結果を衚\ref{table:行列定矩}ずするずき$\kappa$係数は$\kappa=(P_o-P_e)/(1-P_e)$で定矩されるここで$P_o$は実際の䞀臎割合被隓者ABずもにNGあるいはずもにOKであり$P_o=(a+d)/N$である$P_e$は被隓者AずBの間に関連がない堎合の各セルの期埅倀を足しお党数で割った倀であり$P_e=(n_1m_1/N+n_2m_2/N)/N$である$\kappa$係数の倀により䞀臎の床合は衚\ref{table:カッパ係数}のように評䟡される今回の実隓においお6通り党おの組に関し衚\ref{table:䞀臎率κ}に瀺すように``moderate''な䞀臎の範囲であった\begin{table}[t]\input{table1-2.txt}\end{table}\begin{table}[t]\input{table3-4.txt}\end{table} \section{機械刀定で甚いる玠性の定矩} \label{label:機械刀定甚の玠性定矩}文の受容性に関する機械刀定を行うための識別噚ずしおSVMを甚いるSVMは最倧マヌゞン原理を利甚した2クラスの分類問題を解くための識別噚でありSVMは蚀語凊理分野の他にも様々な分野に利甚されおいる\cite{SVMapplication}SVMの䞀般的な教科曞ずしおは\cite{Cristianini}\cite{Vapnik}があるたた高い性胜を持぀SVMの性胜に関係する汎化誀差の議論に぀いおは䟋えば「パタヌン認識ず孊習の統蚈孊」6.4節\cite{Aso}等を参照されたい玠性ずしお以䞋で定矩する11個の玠性を甚いる11個のうちの3個は語圙衚蚘ず語の意味クラスに関する玠性であるその他の8個は倧芏暡な生コヌパスから蚈算した蚀語統蚈量を甚いお蚈算した玠性である以䞊の枠組を暡匏図の圢匏で図\ref{fig:機械刀定の枠組}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f3.eps}\end{center}\caption{機械孊習アルゎリズムに基づく自動刀定の枠組を瀺す暡匏図}\label{fig:機械刀定の枠組}\end{figure}\subsection{語圙玠性}はじめに語圙に関する3぀の玠性に぀いお図\ref{fig:玠性1}を参照しながら説明する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f4.eps}\end{center}\caption{語圙玠性の説明図}\label{fig:玠性1}\end{figure}\begin{description}\item[評䟡文節先頭圢態玠の衚蚘]本論文では図\ref{fig:玠性1}に瀺すように文䞭に存圚する耇数の文節のうち評䟡䜍眮の盎埌に来る文節を「評䟡文節」ず呌ぶ評䟡文節に含たれる耇数の圢態玠のうち先頭に䜍眮する圢態玠の衚蚘が本玠性である\item[評䟡文節先頭圢態玠の意味クラス]「評䟡文節先頭圢態玠の衚蚘」ず同じ圢態玠に察しお日本語語圙倧系\cite{語圙倧系}の意味クラスをツリヌ構造を持たない単なるカテゎリずみなしお玠性に割り圓おたものである耇数の意味クラスを持぀堎合第1語矩に察する意味クラスを甚いる\item[盎前文節末圢態玠の衚蚘]本論文では図\ref{fig:玠性1}の䞭で瀺すように文を構成する耇数の文節のうち評䟡䜍眮の盎前に来る文節を「盎前文節」ず呌ぶ本玠性は盎前文節に含たれる耇数の圢態玠のうち最埌の圢態玠の衚蚘である\end{description}\subsection{語圙玠性以倖の玠性}以䞋に瀺す8個の玠性は倧芏暡な生コヌパスから蚈算した統蚈量を甚いお蚈算した玠性である倧芏暡な生コヌパスずしお2000幎の毎日新聞蚘事を収めた「CD-毎日新聞2000\cite{mainichi}」1幎分を甚いる圢態玠の分割には暙準的な圢態玠解析゜フトでありたた京倧コヌパスずの芪和性がよいためJUMANを甚いる\subsubsection{$n$-gramに基づく玠性}$n$-gramに基づく玠性ずしお次の5぀を甚いる図\ref{fig:玠性2}参照この䞭の「評䟡文節の確率」以倖は欠萜箇所における぀ながりの滑らかさに関する特性を衚珟しおいる\begin{figure}[b]\includegraphics[width=\textwidth]{14-4ia3f5.eps}\caption{$n$-gramに基づく玠性の説明図}\label{fig:玠性2}\end{figure}\begin{description}\item[トラむグラムの同時確率]盎前文節の最埌の2぀の圢態玠衚蚘ず評䟡文節先頭圢態玠衚蚘の同時確率の底を10ずする察数以䞋同様である\item[トラむグラムの条件付確率]盎前文節の最埌の2぀の圢態玠衚蚘が出珟したずいう条件の䞋で評䟡文節先頭圢態玠衚蚘の出珟する条件付き確率の察数である\item[スキップバむグラム]評䟡文節先頭圢態玠ずそこから2圢態玠前の圢態玠の出珟する同時確率の察数である通垞評䟡文節先頭圢態玠の盎前圢態玠に助詞が来る確率が高いそのため評䟡文節先頭圢態玠ず意味的な共起関係を衚珟する特城量になりにくいそこで評䟡文節先頭圢態玠の盎前の圢態玠の代わりに2圢態玠前の圢態玠を扱う\item[評䟡文節の確率]評䟡文節を構成する圢態玠列の出珟確率圢態玠の同時確率の察数であるただし圢態玠数の䞊限を3圢態玠トラむグラムたでずする\item[逆方向バむグラム]評䟡文節先頭圢態玠衚蚘が出珟したずいう条件の䞋で盎前文節の最埌の圢態玠衚蚘の出珟する条件付き確率の察数である\end{description}\subsubsection{NoisyChannelModelに基づく玠性}誀字の修正の問題にNoisyChannelModelに基づく手法が甚いられおいる\cite{Kerninghan}本玠性はNoisyChannelModelの考え方にヒントを埗たものである図\ref{fig:noisy}参照図\ref{fig:玠性3}(a)に瀺すように圢態玠の䞊び$\ldots,W_{-2},x,W_0,\ldots$を芳枬したずするここで$x$はどんな圢態玠でも良い$W_0$が䞎えられたずいう条件の䞋で2぀前の圢態玠が$W_{-2}$である条件付き確率を$p(W_{-2}\vertW_0)$で衚す党おの語$\tildeW$に察しお$\ldots,\tildeW,x,W_0,\ldots$ずなる確率を$p(\tildeW\vertW_0)$で衚す次に$p(\tildeW\vertW_0)$が降順になるように$\tildeW$の䞊び順を定めるこのずきの䞊び順を${\tildeW}^{(1)},{\tildeW}^{(2)},\ldots,{\tildeW}^{(n)}$ずするするず$W_{-2}$は$\tildeW^{(1)},\ldots,\tildeW^{(n)}$のいづれかに䜍眮する次に$p(\tildeW\vertW_0)$から环積分垃$P(\tildeW\vertW_0)$を次匏で蚈算する\begin{equation}P(\tildeW\vertW_0)=\sum_{W=\tildeW^{(1)}}^{\tildeW}p(W\vertW_0)\end{equation}环積分垃の説明図を同図(a)䞭の右図に瀺すこの䞭で$W_{-2}$に察応する环積確率$P(W_{-2}\vertW_0)$が本玠性NoisyChannelModelに基づく玠性である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f6.eps}\end{center}\caption{NoisyChannelModelに基づく玠性}\label{fig:noisy}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f7.eps}\end{center}\caption{NoisyChannelModelに基づく玠性蚈算}\label{fig:玠性3}\end{figure}以䞋本指暙の性質に぀いお図ず䟋を甚いお説明する同図(b)のむラストに瀺す䟋ずしお$W_0$が「今日」で$W_{-2}$が「日」ず「盎埄」の2぀に぀いお説明する各々の文脈は「 日○今日 」ず「 盎埄○今日 」であるここで「○」はこの䜍眮を䜕か1文節が占めおいるこずを瀺しおいる$W_0$が定たるずそれに埓っお环積分垃$P(\tildeW\vertW_0)$のカヌブも固定される䞊蚘の䟋の堎合$W_0=「今日」$に察しお共起しやすい語である$W_{-2}=「日」$は$x$軞で巊端䞊䜍14䜍に䜍眮し共起しにくい語である$W_{-2}=「盎埄」$は$x$軞の右端䞊䜍362䜍に䜍眮する环積分垃のカヌブであるため$W_{-2}$が$x$軞䞊の䞊䜍巊偎に䜍眮するず指暙は小さな倀になるここの䟋で「 日○今日 」ずいう自然な文脈に察応する䞀方$W_{-2}$が$x$軞䞊の䞋䜍右偎に䜍眮するず指暙は倧きな倀になるここの䟋で「 盎埄○今日 」ずいう䞍自然な文脈に察応する\subsubsection{゚ントロピヌに基づく玠性}ここで扱う゚ントロピヌでも他の玠性同様欠萜評䟡䜍眮を挟んだ前埌の連結性を扱う具䜓的には連続した2圢態玠に぀いおの条件付き確率に基づく゚ントロピヌずしお文頭から文末に向かう順方向゚ントロピヌず文末から文頭に向かう逆方向゚ントロピヌの2぀を扱う図\ref{fig:玠性4}参照\begin{figure}[t]\includegraphics[width=\textwidth]{14-4ia3f8.eps}\caption{゚ントロピヌに基づく玠性の説明図}\label{fig:玠性4}\end{figure}\begin{description}\item[順方向゚ントロピヌ]盎前文節の最埌の圢態玠$W_{-1}$が䞎えられたずいう条件の䞋で評䟡文節先頭圢態玠$W_0$の出珟確率に基づく゚ントロピヌただし察数の底は10である\[H_f=-\sum_{W_0\in\Omega(W_{-1})}p(W_0\vertW_{-1})\log_{10}p(W_0\vertW_{-1})\]ただし\\$\Omega(W)$圢態玠$W$の盎埌に出珟する圢態玠の集合\item[逆方向゚ントロピヌ]評䟡文節の先頭の圢態玠$W_0$が䞎えられたずいう条件の䞋で盎前文節の最埌の圢態玠$W_{-1}$が出珟する確率に基づく゚ントロピヌただし察数の底は10である\[H_b=-\sum_{W_{-1}\in\Omega'(W_{0})}p(W_{-1}\vertW_{0})\log_{10}p(W_{-1}\vertW_{0})\]ただし\\$\Omega'(W)$圢態玠$W$の盎前に出珟する圢態玠の集合\end{description}\begin{table}[b]\input{table5.txt}\end{table}いく぀かの語で゚ントロピヌを蚈算した䟋を衚\ref{table:entropy}に瀺す特定の文脈で䜿われる語ぱントロピヌが小さくいろいろな文脈で䜿われる語ぱントロピヌが倧きい䟋えば「蚘事」は「関連蚘事」「この蚘事」ずいう文脈で䜿われるこずが倚いため゚ントロピヌが小さいのに察し\footnote{本論文においお゚ントロピヌの蚈算に䜿われるバむグラムすなわち2圢態玠の぀ながりにおける条件付き確率の蚈算では2000幎幎分の毎日新聞蚘事デヌタを䜿っおいるため新聞蚘事特有の文脈の圱響を受けおいる}「ニュヌス」ではそのような文脈䞊の぀ながりがなく゚ントロピヌが少し倧きくなる「電池」は「倪陜電池」「燃料電池」ずいう文脈が非垞に倚いためここで瀺した6語の䞭で最小の倀ずなっおいる䞀方「教育」「文化」はいろいろな文脈で䜿われるため゚ントロピヌが倧きい「銖盞」は村䞊銖盞人名銖盞のような特定の文脈で䜿われる堎合ずそうでない堎合が半々皋床出珟し゚ントロピヌは䞭皋床の倧きさになる本節で導入する゚ントロピヌ指暙は文脈による次の語順方向゚ントロピヌの堎合には次の語で逆方向゚ントロピヌの堎合には前の語の予枬が容易か困難かの指暙であり連䜓修食郚の欠萜の受容性ず次の関係を持぀\begin{description}\item[予枬が容易]説明がなくおも分かる連䜓修食郚䞍芁゚ントロピヌ小\item[予枬が困難]十分に説明しおほしい連䜓修食郚が必芁゚ントロピヌ倧\end{description} \section{機械刀定の正解率枬定結果} 機械刀定を行うにあたりデヌタセットに含たれる「補う必芁なし」以䞋正䟋ず衚蚘するず「補う必芁あり」以䞋負䟋ず衚蚘するの数が等しくなるようにサンプルの抜き取りを行っお調敎する具䜓的には党被隓者ずも負䟋が少なかったので正䟋の䞭からランダムに負䟋の数のサンプルを抜出しお正䟋ず負䟋のサンプル数が等しくなるようにデヌタセットを調敎するそのようにしお埗られた被隓者毎のサンプル数を図\ref{fig:サンプル数}および衚\ref{table:サンプル数}に瀺すこの操䜜によりサンプル数800匱の被隓者2名ずサンプル数1,100匱の被隓者2名の2グルヌプに分けた以䞋の機械刀定では調敎埌のデヌタセットを基に孊習ず刀定を行う\begin{table}[b]\input{table6.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f9.eps}\end{center}\caption{機械刀定甚のデヌタセットのサンプル数}\label{fig:サンプル数}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{199pt}\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f10.eps}\end{center}\caption{機械刀定の孊習曲線}\label{fig:孊習曲線}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{171pt}\vspace{13pt}\begin{center}\includegraphics{14-4ia3f11.eps}\end{center}\caption{機械刀定の正解率}\label{fig:正解率}\end{minipage}\end{figure}\begin{table}[t]\input{table7.txt}\end{table}前章で述べた玠性を甚い分類噚ずしお自然蚀語凊理で広く䜿われるSVMを䜿っお刀定を行ったSVMのパラメヌタずしお線圢カヌネルを甚い゜フトマヌゞンでコスト$C=1$を甚いた\footnote{゜フトりェアパッケヌゞずしおkernlab\cite{kernlab}を甚いた}機械孊習アルゎリズムを甚いた自動刀定の評䟡にあたり10-foldcrossvalidationを行った孊習コヌパスの量ず正解倀の関係すなわち孊習曲線を図\ref{fig:孊習曲線}に瀺す課題の正解倀は4名の䞻芳評䟡䞭の1名に関するデヌタを甚いる前述のようにデヌタセット䞭の正䟋ず負䟋の比率を等しくするこずによっおベヌスラむンを0.5に蚭定しおあるベヌスラむンの倀は正䟋ず負䟋の2倀刀定をランダムに行った堎合の正解率に盞圓する各被隓者に察し他の3名ずの䞀臎率の盞乗平均倀を䞊限倀の目安ずしお暪線で瀺す\footnote{\ref{label:䞻芳評䟡の䞀臎率}で蚈算した䞀臎率は党デヌタに察するものであるがここの䞀臎率はベヌスラむンが50{\kern0pt}になるようにデヌタ抜出したデヌタセットに察する䞀臎率であり僅かに異なる}孊習量に察する正解率のグラフを調べたずころ玠性を語圙玠性のみにするず孊習サンプル数の増加に䌎っお正解率が増加しおおりここで調べたサンプル数の範囲ではただ飜和しおいない玠性を統蚈量に関する玠性のみにするず孊習サンプル数に䟝存せず同じ倀ずなり語圙玠性ず統蚈量の双方を甚いた堎合の正解率は語圙玠性のみの正解率および統蚈量のみの正解率を䞊回った図\ref{fig:孊習曲線}次に被隓者毎の正解率を図\ref{fig:正解率}衚\ref{table:正解率}に瀺す図䞭にベヌスラむンおよび各䞻芳被隓者に察し他の3名ずの䞀臎率の盞乗平均倀を䞊限倀の目安ずしお暪線で瀺す被隓者間での正解率に倧きな違いはない4名の正解率の平均倀はベヌスラむン0.5䞊限0.76に察し0.67であった \section{機械刀定のパラメヌタ怜蚎} 本論文では機械孊習アルゎリズムずしお正解率の高さから定評のあるSVMを甚いたしかしSVMだけを察象ずしたのでは達成される正解率の内蚳が遞択された玠性に基づく性胜によるのか機械孊習アルゎリズムの性胜によるのか区別が぀かないそこで機械孊習アルゎリズムの䞭で基本的な手法であるKNN法(k-nearestneighbormethod)を䜿甚した堎合の正解率を求めおSVMの正解率ず比范し同じ玠性でも機械孊習の違いによる性胜向䞊分の皋床を調べる\footnote{゜フトりェアパッケヌゞずしおWeka\cite{Weka}の䞭のIBkを甚いた}その結果ベヌスラむン0.5に察しKNN法で0.65SVMで0.67ずなったしたがっお性胜のうちの倧郚分は玠性によっお実珟されたものず考えられるなおKNN法はパラメヌタKを含むので網矅的に調べるためKを1.5の冪乗(1,2,3,5,7,11,...,437)で倉化させお正解率の最倧を求めた次にSVMを䜿う堎合の玠性遞択による圱響を調べるために玠性を1぀ず぀削陀した堎合の正解率を調べるそれによっお玠性遞択の改良による性胜向䞊の䜙地がどの皋床あるのかを調べるその結果逆方向バむグラム玠性を削枛したずきに最高倀を瀺し正解率0.69であったなお正解率が最も䜎䞋したのは順方向゚ントロピヌを削陀したずきで正解率0.65であった衚\ref{table:玠性削枛}\begin{table}[t]\input{table8-9.txt}\end{table}最埌に本論文で導入した11玠性を各々単䞀に甚いた堎合の正解率を調べる単䜓性胜の最高を瀺す玠性が「語の衚蚘」で0.66であり党䜓を䜿った性胜が0.67である今回新芏な玠性ずしおNoisyChannelModelに基づく玠性を導入しおいるが単䜓での正解率は0.52であり党䜓䞭䞭間的な性胜であった衚\ref{table:単䞀玠性}先の「玠性を1぀ず぀削陀」する実隓でこの玠性を削陀した堎合に正解率の䜎䞋は䞭皋床であり補助的な圹割は果たしおいる䞻芁な玠性を補助するために導入した玠性の堎合䞻芁な玠性無しで補助的な玠性のみを䜿っおも本来高い性胜は埗られない䟋えば順方向゚ントロピヌがこれに該圓する先の「玠性を1぀ず぀削陀した堎合の正解率」では削陀による正解率䜎䞋が最も倧きく重芁であるがそれに察しお単䞀で甚いた堎合性胜の䜎い順に2䜍である以䞊の結果玠性遞択の方法による正解率ぞの圱響を調べた結果本実隓で甚いる玠性に察しお玠性遞択を調敎するず正解率は倚少向䞊するがその皋床は倧きくないこずが刀明した \section{考察} 機械刀定の正解率ずしおベヌスラむン50{\kern0pt}人間の評䟡のバラツキから定矩した䞊限\footnote{人間の評䟡のバラツキの芳点から各被隓者に察し他の3名ずの䞀臎率の盞乗平均倀で定矩}76{\kern0pt}に察し67{\kern0pt}の正解率を埗た䞊限に近い70{\kern0pt}前半が正解率の最終目暙になるであろうから今回の正解率67{\kern0pt}はそれず比べある皋床近い倀に達しおいるず思われるなお玠性の削枛実隓で党玠性から「逆方向バむグラム」の玠性を削枛したずきに正解率の最高倀69{\kern0pt}を蚘録したが今回のデヌタに限っお偶然高い倀になった可胜性もありたた玠性遞択の組合せは膚倧で正解率の最倧倀を網矅的に調べるのは困難なためパラヌメヌタ怜蚎前の正解率を本手法の正解率ずしお代衚させた以䞋では実隓に甚いた玠性に぀いお語圙玠性ずそれ以倖の玠性の2皮類に分けお考察するたず語圙玠性における機械刀定による正解率に぀いお図\ref{fig:孊習曲線}の孊習曲線を参照するず孊習サンプル数が少ないずきにベヌスラむン手法ずほが同䞀であり十分倚いサンプル数を機械孊習に䞎えた堎合に党玠性ずほが同等の正解率で刀定できるこずが確認できたこれは語圙玠性ずしお䜿甚したものが䞻に圢態玠の衚蚘であったため玠性の異なり数が非垞に倚く少ない孊習サンプル数では十分孊習できなかったためず考える次に語圙玠性以倖の玠性に぀いお考察する語圙玠性以倖の玠性は8皮類あるこれらは䞻に$n$-gramに基づく玠性など語の぀ながりの滑らかさを反映した統蚈量であり新聞蚘事幎分の生コヌパスから求めたものである図\ref{fig:孊習曲線}の孊習サンプル数は被隓者刀定による孊習サンプル数であり統蚈量を求める際の生コヌパスの量ずは異なるそのため孊習により刀定に甚いられる玠性に察する重み係数が調敎されるものの孊習サンプル数による効果は小さい本研究のように被隓者の䞻芳評䟡に基づいお正解刀定デヌタを敎備し機械孊習ベヌスの刀定凊理を行うずいう研究スタむルの堎合䞻芳評䟡に関わる実隓デザむンの善し悪しが研究の成吊に倧きく圱響する本研究では被隓者評䟡甚の文を䜜成する際に\ref{課題文の䜜成手順}で述べたように文毎の評䟡に限定したり1文内の連䜓修食郚を1箇所に限定するなど様々な条件蚭定を工倫しお被隓者間の䞀臎床が高くなるよう配慮した結果的に被隓者間の䞀臎率が玄8割で$\kappa$係数がmoderateずいう十分高い䞀臎率ずなり機械刀定凊理に成功した近幎研究の盛んなテキスト自動芁玄の研究では䞻芳評䟡結果のバラツキの問題が倧きいため評䟡法に関しお様々な研究が行われ\cite{難波}評䟡型ワヌクショップNTCIRのTSCにおいお評䟡法をいかにすべきかの議論がなされおいる\cite{NTCIR}本研究での被隓者間の䞀臎率を埓来研究における別のタスクの堎合ず比范しおみるManiらの芁玄の研究\cite{Mani99}では4名の被隓者で芁玄文もしくは原文がトピックスに適合する怜玢結果かどうかを刀定しおもらう適合性刀定二者択䞀を行い被隓者間の䞀臎率を調べおいるその結果2名1組での䞀臎率は69{\kern0pt}で$\kappa=0.38$であったたた芁玄文もしくは原文が5カテゎリたたはその他のどれに該圓するかを答える被隓者実隓の結果2名1組での䞀臎率は56{\kern0pt}で$\kappa=0.29$であった平尟らの重芁文抜出の研究\cite{平尟}では芁玄率を30{\kern0pt}に蚭定したずきの被隓者間の重芁文の䞀臎に関し2名1組の$\kappa=0.3$皋床ずなっおいるなおこの研究では231蚘事4,013文からなる文曞デヌタに察し6名の被隓者で重芁文の人手刀定を行い倧芏暡な機械孊習甚の正解倀デヌタセットを䜜成しおいるたた小林らの音声芁玄における重芁文抜出の研究\cite{小林}では孊䌚講挔の音声に察する人間による重芁文抜出芁玄率33{\kern0pt}の䞀臎率を調べおいる2名の評䟡者間の$\kappa$係数に぀いお10組の平均倀は$\kappa=0.286$である重芁文抜出に関しおは$\kappa=0.3$皋床(Fair)である以䞊の芁玄に関連した様々なタスクでの被隓者間の䞀臎率ず比范しお本研究のタスクにおける被隓者間の䞀臎率は$\kappa$が0.46〜0.56党おmoderateであり䞀臎率が高いず蚀える芁玄文の品質評䟡法に関しお倖的評䟡ずいう方法がある䟋えば適合性刀定のタスクを蚭定しお様々な品質の芁玄文でタスクの達成時間を蚈枬し達成時間を短瞮できた芁玄文の品質が高いず刀定する方法であるこの評䟡方法は競技型ワヌクショップSUMMACで甚いられたが評䟡の実斜が高䟡だったこずに加えお時間の制限から原文曞を比范的短いものに限定しおおり評䟡の劥圓性の疑問が問題点ずしお挙げられおいる\cite{自動芁玄}本研究では被隓者間のばら぀きの少ない実隓条件を敎備するこずに留意し被隓者間の䞀臎率玄8割で$\kappa$係数がmoderateになる高い䞀臎率を埗たその結果機械刀定の凊理が成功した次に今回の課題蚭定に関する特殊性を吟味する本研究で扱った連䜓修食郚の远加の芁吊刀定換蚀するず欠萜に察する受容性刀定の課題には意味レベルず衚局レベルずが混圚しおいるこれらのレベルの構成比率に぀いおはデヌタセット䞭にある課題文を分析するこずで算出するこずが可胜である同様にそれらの分析を行った䞊で各レベルに属する課題文の䞭で正解率が特に䜎いものに照準を合わせお玠性の遞定を行うずいう察策も考えるこずが出来るしかしそのような個別察策に基づくアプロヌチはコヌパスベヌスの統蚈的蚀語凊理ず機械孊習による枠組に合臎せずオヌプンテストによる正解率評䟡の公正性にも反する恐れもある以䞊の芳点から個別察策は行っおいない本研究の意矩を䞀蚀で蚀えば文章掚敲支揎の分野においおこれたであたり研究が進んでいなかった「意味レベル2」\ref{はじめに}節で定矩の課題を扱い広く行われおいる統蚈的蚀語凊理のアプロヌチで機械刀定を行いある皋床高い正解率を達成した点である成功のポむントは意味凊理の課題を扱うに際しお䞻芳評䟡の安定性を向䞊させるよう実隓デザむンを工倫するこずによっお孊習量の圧瞮や機械刀定の正解倀評䟡の郚分を容易にした点である \section{関連研究} \begin{figure}[b]\includegraphics[width=\textwidth]{14-4ia3f12.eps}\caption{酒井らの連䜓修食節省略可胜性評䟡の課題ずの比范}\label{fig:酒井}\end{figure}酒井らはテキスト自動芁玄における文内芁玄の芁玠技術ずしお動詞連䜓修食節の省略可胜性に関する知識をコヌパスから獲埗する手法を提案しおいる\cite{sakai}\cite{sakai2}この研究は本研究ずも関連が深いので䞡者の枠組の違いを図\ref{fig:酒井}に図瀺する䞡者の䌌おいる点は文䞭のある郚分の削陀に察しおその受容性に関する評䟡指暙を構築するこずが䞭心課題である点であるそのため$n$-gram玠性や゚ントロピヌ玠性など語の統蚈量に基づく玠性を構築する䞊で酒井らの手法を参考にした䞀方最も異なる点は省略可胜性評䟡の堎合に省略のない完党な文ず省略のある文を生成できるのに察し本研究の堎合には䞎えられた文は党お連䜓修食郚を欠萜させた文であり原文は䞎えられず埩元出来ない点であるそのため省略可胜性評䟡の堎合完党な文ず省略のある文を察比しお指暙を構築するずいうアプロヌチを取るこずが出来るのに察し本研究の堎合欠萜のある文のみから評䟡指暙を構築しなければならないずいう難しさがある \section{たずめ} 文章校正掚敲の支揎に関する埓来研究では䞻にタむプミス構文構造の耇雑さ衚蚘の揺れを指摘する手法など衚蚘レベルず統語レベルの手法に重点がおかれおいた䞀方人間による文章の掚敲の䜜業では読みやすさを向䞊させるために説明が䞍足しおいお論理展開が読み取りにくいず感じられる箇所を指摘する堎面が倚く芋られコンピュヌタ支揎に察するニヌズは高いしかしこれたでこのような課題は意味凊理レベルの困難な課題ず考えられ機械刀定の察象ずしお十分に研究されおいなかった本研究では原文から連䜓修食郚を欠萜させた文を生成し被隓者がその箇所に䜕か蚀葉を補った方が良いかその必芁はないかを評䟡しおもらいそのようにしお䜜成した正解刀定デヌタを䜿っお機械刀定するこの課題蚭定に関しお人間の刀定結果の䞀臎率を調べたその結果4名の評定者による各1,792箇所の刀定に関し名䞭2名ず぀6通りの組合せに぀いおいずれもほが割の高い䞀臎率を瀺した機械刀定の䞻な玠性ずしお語圙玠性に関する玠性3皮コヌパスからの統蚈量に関する玠性8皮を甚い機械孊習アルゎリズムに基づく自動刀定の手法ずしおSVMを甚いたその際ベヌスラむンを50{\kern0pt}にすべく正䟋数ず負䟋数が等しくなるようにサンプルの抜出を行い928サンプル4名の被隓者の平均倀からなるデヌタセットを䜜成した機械刀定の正解率ずしおベヌスラむン50{\kern0pt}䞊限人間の評䟡のバラツキから䞊限を定矩76{\kern0pt}に察し67{\kern0pt}の正解率を埗た今回の実隓䞊の制玄の䞭で1文毎で評䟡しおいる点が最も倧きな制玄であろうこの制玄を倖し文脈を含めお怜蚎するこずが今埌の課題であるその際照応技術の進展に合わせお研究開発するこずが鍵ずなろうたた同様に今回甚いなかった技術ずしお栌解析の技術がある栌芁玠の有無に関する情報は情報䞍足の掚定に有力な情報を䞎えるこずが期埅できるため栌解析技術の進展に合わせお利甚を怜蚎すべきである\acknowledgment本研究の䞀郚は文郚科孊省科孊研究費特定領域研究(B)(2)16092213および21侖简COEプログラム「むンテリゞェントヒュヌマンセンシング」豊橋技術科孊倧孊の揎助により行われた京倧コヌパス利甚に関し京郜倧孊黒橋研究宀ず毎日新聞瀟に感謝いたしたす日本語語圙倧系䜿甚に関しお日本電信電話株匏䌚瀟に感謝いたしたすたた研究遂行に埡協力いただきたした豊橋技術科孊倧孊増山研究宀の助教酒井浩之氏修士課皋山本悠二氏他の方々および実隓被隓者に感謝いたしたす貎重な埡指摘をいただきたした査読者に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{麻生\JBA接田\JBA村田}{麻生\Jetal}{2003}]{Aso}麻生英暹\JBA接田宏治\JBA村田昇\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{パタヌン認識ず孊習の統蚈孊},6.3\JCH,\mbox{\BPGS\77--80}.\newblock統蚈科孊のフロンティア6.岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Carletta,Isard,Isard,Kowtko,Doherty-Sneddon,\BBA\Anderson}{Carlettaet~al.}{1997}]{kappa2}Carletta,J.,Isard,A.,Isard,S.,Kowtko,J.~C.,Doherty-Sneddon,G.,\BBA\Anderson,A.~H.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQTheReliabilityofaDialogueStructureCodingScheme\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf23}(1),\mbox{\BPGS\13--31}.\bibitem[\protect\BCAY{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{2000}]{Cristianini}Cristianini,N.\BBACOMMA\\BBA\Shawe-Taylor,J.\BBOP2000\BBCP.\newblock{\BemAnIntroductiontoSupportVectorMachinesandotherkernel-basedlearningmethods}.\newblockCambridgeUniversityPress.\newblock(倧北剛蚳\BBOP2005\BBCP.\Jem{サポヌトベクタヌマシン入門}.共立出版.).\bibitem[\protect\BCAY{Green}{Green}{1989}]{Green}Green,G.~M.\BBOP1989\BBCP.\newblock{\BemPragmaticsandNaturalLanguageUnderstanding}.\newblockLawrenceErlbaumAssociates.\newblock(深田淳蚳\BBOP1990\BBCP.\Jem{プラグマティックスずは䜕か}.産業図曞.).\bibitem[\protect\BCAY{Grice}{Grice}{1989}]{Grice}Grice,P.\BBOP1989\BBCP.\newblock{\BemStudiesintheWayofWords}.\newblockHarvardUniversityPress.\newblock(枅塚邊圊,飯田隆蚳\BBOP1998\BBCP.\Jem{論理ず䌚話}.勁草曞房.).\bibitem[\protect\BCAY{平尟\JBA賀沢\JBA磯厎\JBA前田\JBA束本}{平尟\Jetal}{2003}]{平尟}平尟努\JBA賀沢秀人\JBA磯厎秀暹\JBA前田英䜜\JBA束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ機械孊習による耇数文曞からの重芁文抜出\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf10}(1),\mbox{\BPGS\81--108}.\bibitem[\protect\BCAY{䌊吹}{䌊吹}{1998}]{ibuki}䌊吹最\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ同音異矩語誀りの校正における各皮の共起制玄デヌタの有効性の評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第4回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\626--629}.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{語圙倧系}池原悟\JBA宮厎正匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳史\JBA林良圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Karatzoglou,Smola,Hornik,\BBA\Zeileis}{Karatzoglouet~al.}{2004}]{kernlab}Karatzoglou,A.,Smola,A.,Hornik,K.,\BBA\Zeileis,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQkernlab---AnS4PackageforKernelMethodsinR\BBCQ\\newblock{\BemJournalofStatisticalSoftware},{\Bbf11}(9),\mbox{\BPGS\1--20}.\bibitem[\protect\BCAY{笠原\JBA小林\JBA荒井\JBA絹川}{笠原\Jetal}{2001}]{kasahara}笠原健成\JBA小林栄䞀\JBA荒井真人\JBA絹川博之\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQマニュアルの校閲䜜業における文曞掚敲支揎ツヌルの実適甚評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42}(5),\mbox{\BPGS\1242--1253}.\bibitem[\protect\BCAY{Kernighan,Church,\BBA\Gale}{Kernighanet~al.}{1990}]{Kerninghan}Kernighan,M.~D.,Church,K.~W.,\BBA\Gale,W.~A.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQAspellingcorrectionprogrambasedonanoisychannelmodel\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING-90},\mbox{\BPGS\205--210}.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA山口\JBA䞭川}{小林\Jetal}{2005}]{小林}小林聡\JBA山口優\JBA䞭川聖䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ衚局的蚀語衚珟ず韻埋情報を甚いた講挔音声の重芁文抜出\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(6),\mbox{\BPGS\3--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Landis\BBA\Koch}{Landis\BBA\Koch}{1977}]{kappa}Landis,J.~R.\BBACOMMA\\BBA\Koch,G.~G.\BBOP1977\BBCP.\newblock\BBOQThemeasurementofobserveragreementforcategoricaldata\BBCQ\\newblock{\BemBiometrics},{\Bbf33},\mbox{\BPGS\159--174}.\bibitem[\protect\BCAY{毎日新聞瀟}{毎日新聞瀟}{2001}]{mainichi}毎日新聞瀟\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{CD-毎日新聞2000}.\newblock日倖ア゜シ゚ヌツ.\bibitem[\protect\BCAY{Mani}{Mani}{2001}]{自動芁玄}Mani,I.\BBOP2001\BBCP.\newblock{\BemAutomaticSummarization}.\newblockJohnBenjaminsPublishingCompany.\newblock(奥村孊,難波英嗣,怍田犎子\BBOP2003\BBCP.\Jem{自動芁玄}.共立出版.).\bibitem[\protect\BCAY{Mani,House,Klein,Hirschman,Firmin,\BBA\Sundheim}{Maniet~al.}{1999}]{Mani99}Mani,I.,House,D.,Klein,G.,Hirschman,L.,Firmin,T.,\BBA\Sundheim,B.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQTheTIPSTERSUMMACTextSummarizationEvaluation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheninthconferenceonEuropeanchapteroftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\77--85}.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V10N02-06
\section{はじめに} 近幎情報化瀟䌚の進展ず共に倧量の電子化された文曞情報の䞭から自分が必芁ずする文曞情報を効率良く怜玢するこずの必芁性が高たり埓来のKW怜玢に加えお党文怜玢ベクトル空間法による怜玢内容怜玢意味的類䌌性怜玢などさたざたな文曞怜玢技術の研究が盛んであるその䞭で文曞䞭の単語を基底ずする特性ベクトルによっお文曞の意味的類䌌性を衚珟するベクトル空間法は利甚者が怜玢芁求を䟋文で䞎える方法でありKW怜玢方匏に比べお怜玢条件が具䜓的に衚珟されるため怜玢粟床が良い方法ずしお泚目されおいるしかし埓来のベクトル空間法は倚数の単語を基底に甚いるため類䌌床蚈算にコストがかかるこずや怜玢芁求文に含たれる単語数が少ないずベクトルがスパヌスになり怜玢挏れが倚発する恐れのあるこずなどが問題ずされおいるこれらの問題を解決するためさたざたな研究が行われおきた䟋えば簡単な方法ずしおは$tf\cdotidf$法\cite{Salton}などによっお文曞デヌタベヌス䞭での各単語の重芁床を刀定し重芁ず刀定された語のみをベクトルの基底に䜿甚する方法が提案されおいるたたベクトル空間法ではベクトルの基底に䜿甚される単語は互いに意味的に独立であるこずが仮定されおいるのに察しお珟実の蚀語ではこの仮定は成り立たないそこで基底の䞀次結合によっお新たに独立性の高い基底を䜜成するず同時に基底数を枛少させる方法ずしおKL法\cite{Borko}やLSI法\cite{Golub}\cite{Faloutsos}\cite{Deerwester}が提案されおいるKL法は単語間の意味的類䌌性を評䟡する方法でクラスタリングの結果埗られた各クラスタヌの代衚ベクトルを基底に䜿甚する詊みなどが行われおいるこれに察しおLSI法は耇数の単語の背埌に朜圚的に存圚する意味を発芋しようずする方法で具䜓的にはデヌタベヌス内の蚘事の特性ベクトル党䜓からなるマトリックスに察しお特異倀分解SVDの方法\cite{Golub}を応甚しお互いに独立性の高い基底を求めるものであるこの方法は怜玢粟床をあたり䜎䞋させるこずなく基底数の削枛が可胜な方法ずしお着目され数倀デヌタベヌスぞの適甚\cite{Jiang}も詊みられおいるしかしベクトルの基底軞を倉換するための蚈算コストが倧きいこずが問題で芏暡の倧きいデヌタベヌスではあらかじめサンプリングによっお埗られた䞀定数の蚘事のみからベクトルの基底を䜜成する方法\cite{Deerwester}などが提案されおいるこのほか単語の共起情報のスパヌス性の問題を避ける方法ずしおは擬䌌的なフィヌドバック法段階怜玢法ずも呌ばれる\cite{Burkley}\cite{Kwok}なども詊みられおいるたたベクトルの基底ずする単語の意味的関係を孊習する方法ずしおは埓来からMiningTermAssociationず呌ばれる方法があり最近むンタヌネット文曞から䜓系的な知識を抜出するのに応甚されおいる\cite{Lin}しかし珟実には単語間の意味的関係を自動的に粟床良く決定するこずは容易でないこれに察しお本論文ではベクトル空間法においお怜玢粟床をあたり䜎䞋させるこずなく基底数を容易に削枛できるこずを期埅しお単語の意味属性をベクトルの基底ずしお䜿甚する方法を提案するこの方法は埓来の特性ベクトルにおいお基底に䜿甚されおいる単語をその意味属性に眮き換えるものである単語意味属性ずしおは日本語語圙倧系\cite{池原}に定矩された意味属性䜓系を䜿甚するこの意味属性䜓系は日本語の名詞の意味的甚法を玄2,710皮類に分類したもので属性間の意味的関係is-a関係ずhas-a関係が12段の朚構造によっお衚珟されおいるたた日本語の単語30䞇語に察しおどの意味属性぀以䞊に属す単語であるかが指定されおいる埓っお本方匏では意味属性盞互の意味的䞊䞋関係を利甚すれば怜玢粟床をあたり萜ずさずにベクトルの基底数を削枛できる同時に基底ずしお䜿甚すべき必芁最䜎限の意味属性の組を容易に決定できるこずが期埅されるたた本方匏では怜玢芁求文に䜿甚された単語ずデヌタベヌス内の蚘事䞭の単語の意味的な類䌌性が単語意味属性を介しお評䟡されるため再珟率の向䞊が期埅できるすなわち埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法ではベクトルの基底ずしお䜿甚された単語間のみでの䞀臎性が評䟡されるのに察しお本方匏ではすべおの単語30䞇語が怜玢に寄䞎するため怜玢挏れの防止に圹立぀ず期埅される本論文ではTRECに登録された情報怜玢テストコレクションBMIR-J2\cite{朚谷}を怜玢察象ずした怜玢実隓によっお埓来の単語を甚いた文曞ベクトル空間法ず比范し本方匏の有効性を評䟡する \section{意味属性䜓系を基底ずした文曞ベクトル空間法} \label{vector}\subsection{単語を基底ずした文曞ベクトル空間法W-VSM}埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法では文もしくは文曞の意味的類䌌性はその䞭に出珟した単語の組で衚珟されるものず仮定しおいるすなわち文曞の意味的類䌌性を衚珟するために䜿甚される単語の番号を$i\\(1\leq\leqn)$ずし文曞䞭での単語$i$の重みを$w_i$ずするずき文曞は以䞋のような特性ベクトルで衚わされる\begin{equation}\label{equ1}V=(w_1,w_2,\cdots,w_i,\cdots,w_n)\end{equation}ベクトルの基底ずすべき単語ずしおはキヌワヌド怜玢の堎合ず同様デヌタベヌス党䜓に䜿甚された単語の出珟統蚈から$tf\cdotidf$倀などによっお重芁ず刀断された単語を通垞䜿甚しおいるたた重み$w_i$の倀ずしおは文䞭に単語$i$が䜿甚されおいるずきは1䜿甚されおいないずきは0ずする方法ず文䞭に䜿甚された単語の出珟頻床ずする方法があるたた各文曞党䜓の盞察的重みはいずれも等しいずする立堎からベクトルの絶察倀が1ずなるよう正芏化する方法も採られおいる本論文では以埌匏\ref{equ1}で䞎えられる特性ベクトルを「単語を基底ずした文曞ベクトル」ず呌びこのベクトルを䜿甚したベクトル空間法を「単語を基底ずした文曞ベクトル空間法W-VSMWord-VectorSpaceModel」ず呌ぶ\subsection{単語を基底ずした文曞ベクトル空間法における意味的類䌌床}単語を基底ずした文曞ベクトル空間法においお文曞の意味類䌌床を特性ベクトルで衚珟したずき異なる文曞$D_i$$D_j$間の意味的類䌌性$sim(D_iD_j)$はそれぞれの文曞に察しお求めた特性ベクトルの内積ずしお匏\ref{equ2}のように衚珟される\begin{equation}\label{equ2}sim(D_i,D_j)=V_i\cdotV_j\end{equation}䜆し$V_i\cdotV_j$はそれぞれ文曞$D_i$$D_j$の特性ベクトルを衚す埓っお単語を基底ずした文曞ベクトル空間法を甚いた情報怜玢では利甚者の䞎えた怜玢芁求文に぀いお特性ベクトルを求めおデヌタベヌスに収録された各文曞の特性ベクトルずの間で類䌌床を蚈算し類䌌床がある䞀定倀以䞊の文曞を抜出しおいるたた単語を基底ずした文曞ベクトル空間法では任意の文曞を぀なぎ合わせた文曞に぀いおの特性ベクトルも容易に合成できるから類䌌床の高い文曞盞互間で順にベクトル合成を行えば文曞党䜓を容易にクラスタリングするこずができる\subsection{単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル空間法S-VSM}\label{word_meaning}本論文では単語の代わりにその単語の意味属性を䜿甚する方法を提案する本方匏ではすべおの単語を$k$個の意味属性に分類したのち分類された意味属性を芁玠ずする特性ベクトルによっお文曞の意味的類䌌性を衚珟するすなわち察象ずする文曞$D_j$においお$i$番目の意味属性を持぀単語党䜓の重み$S_i$ずするずき文曞$D_j$の特性ベクトル$V_j$は次匏で衚珟される\begin{equation}\label{equ3}V_j=(S_1,S_2,\cdots,S_i,\cdots,S_k)\end{equation}重み$S_i$の䞎え方ずしおは皮々の方法が考えられるが本論文では単語を基底ずした文曞ベクトル空間法の堎合ず同様$tf\cdotidf$法の考えを適甚し以䞋の方法で埗られた倀ずする\begin{enumerate}\itemデヌタベヌスに収録された文曞党䜓に察しお意味属性$S_i$に属す単語が出珟した頻床の合蚈を求めそれぞれの$idf$倀を蚈算する\item文曞$D_j$を察象に意味属性$S_i$に属す単語が出珟した頻床の合蚈を求めその倀を文曞$D_j$の$tf$倀ずする\item䞊蚘で埗られた$tf$倀ず$idf$倀から意味属性$S_i$の$tf\cdotidf$倀を求める\item䞊蚘で埗られた$tf\cdotidf$倀を$|V_j|=1$ずなるように正芏化する\end{enumerate}なお匏\ref{equ1}で䞎えられる特性ベクトルを「単語を基底ずした文曞ベクトル」ず呌んだのに察しお以䞋では匏\ref{equ3}で䞎えられる特性ベクトルを「単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル」ず呌びこのベクトルを䜿甚したベクトル空間法を「単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル空間法S-VSMSemantic-VectorSpaceModel」ず呌ぶ\subsection{日本語単語の意味属性䜓系}\label{goitaikei}単語の代わりに意味属性を基底ずする文曞ベクトル空間法では単語の意味属性に぀いおの分類䜓系が必芁である本論文では意味分類䜓系ずしお最近「日本語語圙倧系」\cite{池原}で提案された日本語名詞の意味属性䜓系を䜿甚する図\ref{imi}に意味属性䜓系の䞀郚を瀺す\begin{figure}[h]\begin{center}\epsfile{file=figure/zu1.eps,scale=0.77}\end{center}\caption{䞀般名詞意味属性䜓系の䞀郚}\label{imi}\end{figure}この意味属性䜓系は日本語名詞の意味的な甚法を2,710皮類の意味属性に分類したもので意味属性間の意味的関係is-a関係has-a関係が12段の朚構造で衚珟されおいるたた単語意味蟞曞では日本語名詞30䞇語のそれぞれがどのような意味属性を持぀か䞀぀以䞊が芏定されおいる埓っお文曞䞭に䜿甚された名詞の出珟頻床が分かれば\ref{equ3}匏のベクトルの芁玠$S_i$は$i$番目の意味属性を持぀名詞の出珟頻床から\ref{word_meaning}章で述べた方法で容易に求めるこずができる\subsection{単語意味属性を基底ずした文曞ベクトルの効果}情報怜玢においお埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法W-VSMに比べお単語意味属性を基底ずする文曞ベクトル空間法S-VSMがどのような効果を持぀かに぀いお考察する\begin{enumerate}\itemベクトルの基底数削枛の可胜性埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法ではベクトルの基底ずしお䜿甚される名詞の意味は互いに独立であるこずが仮定されおいるが珟実にはこの仮定は成り立たないそのためベクトルの基底数を枛少させるため埓来基底をクラスタリングで埗られたクラスタヌのベクトルずしたり特異倀分解SVD:SingularValueDecompositionによっお埗られたベクトルに倉換する方法の研究\cite{Deerwester}が行われおきたしかしこれらの方法はベクトルの倉換に倚くのコストを芁する点が問題であったこれに察しお本論文で基底ずしお䜿甚する単語意味属性は朚構造によっお意味的䞊䞋関係is-a関係ずhas-a関係が芏定されおいる\ref{goitaikei}節参照この関係を利甚しお基底数を削枛するため蚈算コストはきわめお小さいたたあたり効果のない意味属性を䞊䜍の意味属性で代甚できるので削枛された意味属性も怜玢粟床に寄䞎できるため埓来の方法ず同様怜玢粟床をあたり萜ずすこずなく基底数が削枛できるず期埅される\item怜玢挏れの枛少の可胜性埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法では文曞䞭に出珟した単語のうちベクトルの基底ずしお遞択された単語のみがその文曞の意味に反映するそのため意味が同じであっおも衚蚘が異なる語は別の語ずしお刀定されるたた同矩語や類矩語を含む文曞であっおもそれが基底ずしお採甚されない限り怜玢の察象ずならないこれに察しお単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル空間法では\ref{word_meaning}\ref{goitaikei}節で述べたように30䞇語の名詞が2,710の意味属性にマッピングされ怜玢芁求文に䜿甚された単語ずデヌタベヌス内の蚘事䞭の単語の意味的な類䌌性が単語意味属性を介しお評䟡されるすなわち文曞䞭に䜿甚される語はそれが異衚蚘語同意語同矩語のいずれでであっおもその意味が特性ベクトルに反映するため情報怜玢においお怜玢挏れの削枛の効果が期埅できる\item適合率の䜎䞋単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル空間法では1぀の単語に察しお意味属性による怜玢をおこなうため耇数の単語を怜玢するのず等䟡になるそのため適合率の䜎䞋が予想される\end{enumerate} \section{必芁最小限の意味属性の決定} 本論文では\ref{vector}章で述べた単語意味属性を基底ずした文曞ベクトルの効果を評䟡するため日本語語圙倧系で定矩された意味属性2,710皮類のすべおを䜿甚する堎合ずその䞭から必芁最小限ず芋られる意味属性を遞択しお䜿甚する堎合に぀いお怜玢粟床を調べる本章では意味属性の䞊䞋関係に着目した汎化によりベクトルの基底ずしお䜿甚すべき必芁最小限の意味属性の組を発芋する方法に぀いお述べる\subsection{汎化の方法}\label{generation}汎化ずはモデル孊習においお事䟋から芏則を発芋するための垰玍的掚論の䞀皮であるここでは特性ベクトルの基底数を枛少させるため情報怜玢に効果が少ないず掚定される意味属性を盎属䞊䜍の意味属性に瞮退させるこずを汎化ず呌ぶ本論文では汎化によっお基底から削陀された意味属性の$tf\cdotidf$倀はその䞊䜍の意味属性の$tf\cdotidf$倀に加えるこずずする汎化の察象ずする意味属性の遞び方に぀いおは様々な方法が考えられるがここでは意味属性の粒床ず意味属性の$tf\cdotidf$倀に着目する方法を考える\subsubsection{粒床による汎化\\S-VSM(g)}ベクトルの基底に䜿甚される意味属性は12段の朚構造からなり䞋䜍になるほど意味の粒床が盞察的に小さくなるそこで各意味属性の䜍眮する段数を粒床ず考えある䞀定の粒床より小さい意味属性を汎化する図\ref{generation-fig}に8段以䞋の意味属性を7段目の意味属性に汎化する堎合の䟋を瀺す\subsubsection{$tf\cdotidf$倀による汎化\\S-VSM(w)}怜玢察象ずなるデヌタベヌスの文曞党䜓での$tf\cdotidf$倀の小さい意味属性は怜玢に寄䞎する皋床が小さいず考えられるため$tf\cdotidf$倀の小さい意味属性を汎化の察象ずする汎化によっお削陀された意味属性の$tf\cdotidf$倀は䞊䜍盎属の意味属性の$tf\cdotidf$倀に加算する盎属の意味属性が削陀されおいるずきはさらに䞊䜍の意味属性の$tf\cdotidf$倀に加算する図\ref{generation-fig}に$tf\cdotidf$倀が5以䞋の意味属性を汎化する堎合の䟋を瀺す\begin{figure}[ht]\begin{center}\epsfile{file=figure/zu2.eps,scale=0.92}\end{center}\caption{汎化の方法}\label{generation-fig}\end{figure}\subsection{必芁最小限の意味属性の決定}\label{decision}ベクトル空間法では蚈算量を削枛する芳点からベクトルの基底数を枛少させるこずが望たれるしかし倚くの堎合怜玢粟床は䜎䞋させずに基底数を削枛するこずは困難であるそこで前節で述べた汎化の方法を䜿甚し怜玢粟床をある䞀定倀以䞊䜎䞋させない範囲で必芁最小限の意味属性の組を求める方法を考える\subsubsection{粒床による汎化\\S-VSM(g)}元来特性ベクトルで衚珟される文曞の意味の粒床はベクトルの基底に単語そのものを䜿甚する堎合が最も现かい意味属性を䜿甚する方法ではすでに意味的な汎化が行われおおり意味の粒床は荒くなっおいる粒床に着目した汎化がさらに進めば怜玢粟床は次第に䜎䞋するず考えられるため必芁最小限の意味属性の組を発芋するには順次汎化を進めながら怜玢粟床の倉化を远跡する必芁があるその結果怜玢粟床が䜎䞋する盎前に䜿甚した意味属性の組を必芁最小限の組ずする\subsubsection{$tf\cdotidf$倀による汎化\\S-VSM(w)}\begin{enumerate}\item{基本的な考え方}デヌタベヌス䞭で$tf\cdotidf$倀の小さい意味属性が汎化の察象ずなるしかし必ずしも$tf\cdotidf$倀の小さい意味属性のすべおを汎化すればよいずは限らないいたデヌタベヌス内に収録された文曞が怜玢察象ずなる確率はすべお均等だずしすべおの文曞を察象に求めた特性ベクトルの和を$V_t$ずする$V_t$芁玠$n_i$の倀の小さい意味属性$\#i$は怜玢粟床に䞎える圱響が少ないから情報怜玢においお少ないベクトルの基底数で高い怜玢粟床を埗るには各$n_i$の倀がバランスしおいるこずが必芁であるすなわち$tf\cdotidf$倀の䜎い意味属性でも基底間でアンバランスが増倧するような汎化は怜玢粟床䜎䞋の原因ずなるから高い怜玢粟床を埗るためにはデヌタベヌス内の文曞党䜓で出珟する$tf\cdotidf$倀がバランスするような意味属性を特性ベクトルの基底に遞定する必芁がある\item{汎化すべき意味属性の遞択基準}汎化すべき意味属性の遞択基準に぀いお考えるデヌタベヌス内に収録された文曞党䜓の特性ベクトルを匏\ref{equvec}ずする\begin{equation}\label{equvec}V_t=(n_1,n_2,\cdots,n_i,\cdots,n_m)\end{equation}ただし$n_i$は意味属性$\#i$に属す単語のデヌタベヌス党䜓での$tf\cdotidf$倀の和をたた$m$は基底に䜿甚される意味属性の数を瀺すここで各$n_i$の倀の均等さを倉動によっお評䟡するずし評䟡関数$H$を以䞋のように定矩する\begin{equation}H=(n_1-n)^2+(n_2-n)^2+\cdots+(n_i-n)^2+\cdots+(n_m-n)^2\end{equation}䜆し$n$は$n_i$の平均倀ずする\begin{equation}n=\sum_{i=1}^{m}{n_i\overm}\end{equation}基底のバランスを向䞊させるには$H$の倀が枛少するような基底意味属性$\#i$を遞んで汎化を行うそこで意味属性$\#i$を汎化するこずを考える$\#i$の盎属䞊䜍の意味属性の番号を$\#j$ずするず汎化では$n_i$の倀が$n_j$に加算され基底数$m$がだけ枛少する埓っおこのようにしお埗られた$H$の倀を$H_1$ずするず$H$ず$H_1$の差は近䌌的に\footnote{$H_1$の平均$n'$は$n'=\frac{m}{m-1}n$ずなるここで$m>>1$ずするず$\frac{m}{m-1}\simeq1$から$n'\simeqn$ずなる}匏\ref{equuvi1}が埗られる\begin{equation}\label{equuvi1}H-H_1\simeq(n_i-n)^2+(n_j-n)^2-(n_i+n_j-n)^2\end{equation}ここで条件から$H-H_1>0$ずおくず匏\ref{equuvi2}が埗られる\begin{equation}\label{equuvi2}n_i\cdotn_j<n^2/2\end{equation}以䞊から汎化すべき基底はその重$tf\cdotidf$倀ず盎属䞊䜍の基底の$tf\cdotidf$倀ずの積が基底の平均倀の二乗倀の半分以䞋になるものを遞択する\item汎化の手順具䜓的には以䞋の手順で汎化を行う\begin{enumerate}\item汎化\label{itemitem1}䞊䞋関係にある意味属性$n_i$$n_j$のすべおの組のうち積が最も小さい組を汎化する\item怜玢情報怜玢実隓を行い怜玢粟床を求める\item停止怜玢粟床の䜎䞋がある閟倀以䞋の倀のずきは(a)に戻りそれ以䞊の時は汎化を停止する\end{enumerate}\end{enumerate}\subsection{ベクトル倉換のための蚈算コスト}\ref{generation}節で述べた汎化は基本ずなるベクトルの軞を倉換する点では埓来のKL法やLSI法ず同様であるそこでそのために必芁な蚈算コストを比范するたずベクトルの基底数を削枛するのに芁するコストに぀いお考えるデヌタベヌスに収録された文曞の総数ず削枛前のベクトルの基底数の和を$N$削枛埌のベクトル基底数を$k$ずするず単語を基底ずした文曞ベクトル空間法の堎合通垞蚈算量は$N^4$もしくは$N^5$に比䟋するず蚀われおいるLSI方匏でも特異倀分解に必芁な蚈算量は$N^2\cdotk^3$に比䟋するこのためデヌタベヌスの芏暡が増倧するず急激に蚈算量が増倧するこずが倧きな問題であった\footnote{なお倧芏暡疎行列の固有倀蚈算アルゎリズムはKrylov郚分空間法の䞀皮であるLanczos法を甚いお高速に解くこずができるこの方法は䞀定次元の郚分空間における近䌌固有ベクトルをもずに新たに初期ベクトルを蚈算し反埩法ずしお甚いるこずによっお蚘憶容量を䜎枛させる反埩Lanczos法は特に疎行列を扱う堎合に実際的な解法であるずいえるが固有倀が近接しおいる堎合正確な蚈算が難しいこずが知られおいる}これに察しお䜿甚される意味属性の総数を$M$段数を$d$日本語語圙倧系の堎合$M=2,710$,$d=10$ずするず単語意味属性を基底ずした文曞ベクトルにおいお粒床による汎化を行うずきは必芁最小限の意味属性の数を求めるための蚈算コストはほが$M\cdotd$に比䟋するたた$tf\cdotidf$倀による汎化の堎合はほが$M^2-k^2$に比䟋するたた必芁最小限の意味属性の組が決定した埌文曞毎の特性ベクトルを倉換するこずは容易でその蚈算コストは文曞量に比䟋する \section{実隓} \label{experiment}本章では情報怜玢の粟床ず必芁最小限の意味属性の組に関する実隓を行い提案した方匏の特城を評䟡する\subsection{䜿甚する文曞}実隓にはTRECに登録された「情報怜玢評䟡甚テストコレクションBMIR-J2」\cite{朚谷}以䞋BMIR-J2を利甚するBMIR-J2は1994幎の毎日新聞より囜際十進分類UDCで経枈工孊工業技術䞀般に分類される蚘事5,080件を察象ずするもので文曞集合怜玢芁求正解刀定結果から構成される怜玢芁求は「$\sim$に関する蚘事が欲しい」ずいう圢匏で統䞀され「$\sim$」の郚分にあたる名詞句が列挙されおいるたた怜玢芁求に察する正解ずしお䞋蚘の通り2皮類の蚘事が瀺されおいる\begin{enumerate}\itemランク怜玢芁求を䞻題ずしおいる蚘事\itemランク怜玢芁求の内容を少しでも含む蚘事\end{enumerate}\subsection{評䟡のパラメヌタ}実隓結果は以䞋の4぀のパラメヌタを甚いお評䟡する\begin{enumerate}\item$sim$:文曞類䌌床\begin{equation}sim(D_iD_j)=V_i\cdotV_j\end{equation}䜆し$V_i\cdotV_j$はそれぞれ文曞$D_iD_j$の特性ベクトル\item$R$:再珟率recallfactor\begin{equation}R={抜出された正解文曞数\overデヌタベヌス䞭の正解文曞数}\end{equation}\item$P$:適合率precisionfactor\begin{equation}P={抜出された正解文曞数\over抜出された文曞数}\end{equation}\item$F$:怜玢粟床f-parameter\begin{equation}\label{equ-12}F={{(b^2+1)\cdotP\cdotR}\over{b^2\cdotP+R}}\end{equation}\end{enumerate}䜆し匏\ref{equ-12}のパラメヌタ$b$は$P$に察する$R$の盞察的な重みを瀺す実隓では䞡者を察等ず考え$b=1$ずする\subsection{実隓の方法}怜玢芁求ずしお新聞蚘事が䞎えられたずき類䌌した新聞蚘事を怜玢するこずを考え「䞻題が䞀臎しおいる新聞蚘事」を正解ずする具䜓的には䞻題が䞀臎しおいる蚘事ランクAのうちの1぀を怜玢芁求甚の蚘事に䜿甚しデヌタベヌス内に収録された5,079件の蚘事の䞭から残りのランクAの蚘事を怜玢する怜玢芁求甚の蚘事を替えながらこの手順を90回繰り返し平均の怜玢粟床で評䟡する埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法による実隓ではデヌタベヌス蚘事党䜓を察象に䜿甚されおいる名詞の$tf\cdotidf$倀を求めその倀の倧きい順に基底ずする名詞を決定するたた基底毎の重芁床を考慮し各単語ベクトルの芁玠の倀には単語の文曞䞭での出珟頻床に$idf$倀を掛けた倀を䜿甚するなお情報怜玢ではある䞀定倀以䞊の類䌌床を持぀文曞を抜出の察象ずするがその倀の遞び方によっお再珟率適合率の倀は倉化するそこで怜玢の粟床評䟡ではいずれの堎合も$F$倀が最倧ずなるよう類䌌床を蚭定する \section{実隓結果} \subsection{単語意味属性を基底ずした文曞ベクトルS-VSMず単語を基底ずした文曞ベクトル空間法W-VSMの比范}2,710皮類の意味属性のすべおを䜿甚する堎合に぀いお情報怜玢実隓を行い埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法W-VSMず怜玢粟床を比范する本論文の方法による怜玢粟床を埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法ず比べた結果を図\ref{result1}に瀺す図\ref{result1}では情報怜玢においお類䌌床$\alpha$以䞊の文曞を抜出した堎合に぀いお$\alpha$ず再珟率$R$適合率$P$の関係を瀺しおいるなお類䌌床0.7以䞊ずする堎合は怜玢される文曞が1件皋床ずなっおしたい信頌できないのでグラフから削陀した\begin{figure}[ht]\begin{center}\epsfile{file=figure/gra22.eps,scale=0.82}\end{center}\caption{蚘事の類䌌床ず怜玢の粟床の関係}\label{result1}\end{figure}たたこの結果から埗られた類䌌床$sim$ず怜玢粟床$F$倀の関係を図\ref{result2}に瀺す\begin{figure}[ht]\begin{center}\epsfile{file=figure/gra1.eps,scale=0.92}\end{center}\caption{蚘事の類䌌床ず怜玢の粟床の関係}\label{result2}\end{figure}\newpageこれらの図から以䞋のこずが分かる\begin{enumerate}\item単語意味属性を基底ずした文曞ベクトルは単語を基底ずした文曞ベクトル空間法に比べおすべおの類䌌床領域で再珟率が高く適合率が䜎い\item怜玢粟床$F$倀の最倧倀は䞡者は殆ど倉わらない\end{enumerate}\subsection{粒床による汎化S-VSM(g)ず$tf\cdotidf$倀による汎化S-VSM(w)の比范}\ref{decision}節で述べたような意味属性の粒床に着目する汎化S-VSM(g)ず意味属性の$tf\cdotidf$倀に着目する汎化S-VSM(w)の぀の汎化の方法を甚いおベクトルの基底ずしお䜿甚する意味属性の数ず怜玢粟床の関係を求めたその結果を図\ref{result3}に瀺すたたこのうち意味属性の$tf\cdotidf$倀による汎化の堎合に぀いお汎化に䌎う評䟡関数$H$の倀の倉化を同図に瀺すなおここでは$b=1$ずした\begin{figure}[ht]\begin{center}\epsfile{file=figure/gra3.eps,scale=0.86}\end{center}\caption{必芁最小限の基底数の決定}\label{result3}\end{figure}図\ref{result3}の結果から怜玢粟床をあたり䜎䞋させない範囲ピヌク倀の$10\sim20\%$以内の䜎䞋で必芁最小限のベクトルの基底数を求めるず衚\ref{result4}の結果を埗る\begin{table}[ht]\begin{center}\caption{必芁最小限の基底数}\label{result4}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline\raisebox{-1.8ex}[0pt][0pt]{方匏皮別}&\raisebox{-1.8ex}[0pt][0pt]{基底数削枛の方法}&\multicolumn{2}{|c|}{怜玢粟床($F$倀)䜎䞋の蚱容床}\\\cline{3-4}&&ピヌク倀の10\%&ピヌク倀の20\%\\\hline本論文の方法&粒床による汎化(W-VSM(g))&900属性&700属性\\\cline{2-4}(単語意味属性を基底)&$tf\cdotidf$倀による汎化(W-VSM(w))&600属性&300属性\\\hline埓来の方法&$tf\cdotidf$による方法&2,200属性&1,500属性\\(単語を基底)&&&\\\hline\end{tabular}(泚)意味属性を䞊䜍8段たで䜿甚\\\end{center}\end{table}これらの図衚から以䞋のこずが瀺される\begin{enumerate}\item今回の実隓では単語意味属性を基底ずする文曞ベクトル空間法は埓来の単語を基底ずする文曞ベクトル空間法に比べお基底数が小さくおも怜玢粟床が高いこずが瀺された\item汎化の方法ずしおは粒床による汎化S-VSM(g)より$tf\cdotidf$倀による汎化S-VSM(w)の方が基底数削枛に匷い\end{enumerate}必芁最小限の基底数に぀いお芋るず十分な基底数を持぀堎合に比べお怜玢粟床を10$\sim$20\%以䞊䜎䞋させないためには単語を基底ずする文曞ベクトル法では最䜎2,000皋床の基底数が必芁ずされるのに察しお単語意味属性ベクトルを甚いお$tf\cdotidf$倀による汎化では基底数を玄300$\sim$600皋床たで削枛できる \section{考察} \subsection{単語意味属性を基底ずする文曞ベクトル空間法ず単語を基底ずする文曞ベクトル空間法の比范}実隓によれば単語意味属性を基底ずする文曞ベクトルは単語を基底ずする文曞ベクトル空間法に比べお再珟率が高いこずが分かった本研究では簡単のため文曞䞭に䜿甚された単語の頻床から盎接意味属性の$tf\cdotidf$倀を求めるこずずし耇数の意味を持぀単語はその$tf\cdotidf$倀を該圓する耇数の意味属性に均等に加える方法を採ったこれは単語を基底ずする文曞ベクトルの堎合ず同じ扱いであるが適合率を枛少させる原因の䞀぀ず考えられるこれに察しお文曞䞭で䜿甚された単語の倚矩解消を行うこずができれば適合率の向䞊は可胜であるず期埅されるただし今回の実隓はBMIR-J2における新聞蚘事怜玢のタスクであり文曞数も玄5,000件ず少ない今埌怜玢する分野が倉化したずきや文章数が増加した堎合これらの結論が倉わっおくる可胜性がある今埌これらの課題を远求する必芁がある\subsection{意味属性䜓系}本研究に䜿甚した意味属性䜓系は元来単語倚矩の解消を狙っお開発されたものであり耇数の語矩を持぀単語は通垞耇数の意味属性を持぀構造ずなっおいる日本語語圙倧系にはさらに動詞ず名詞の共起関係から䞡者の文䞭での意味を特定するための仕組みが定矩されおいるそこでこれらの情報を䜿甚した意味解析によっお文曞䞭で䜿甚された単語の意味的甚法を決定しその埌該圓する意味の重みを求めるこずにすれば質問文ず同じ単語が䜿甚された文曞でも意味の異なる甚法の文曞は怜玢察象倖ずするこずができるため適合率は向䞊するず期埅される\subsection{基底数の削枛のためのテストデヌタ}実隓では提案した単語意味属性を基底ずした文曞ベクトル空間法ず埓来の単語を基底ずした文曞ベクトル空間法が基底数削枛にどれだけ匷いかを比范評䟡するため情報怜玢方匏の評䟡実隓甚ずしお広く提䟛されおいるBMIRのデヌタセット怜玢条件ず正解付きを䜿甚した実隓はいずれもオヌプンテストであるこれは以䞋に述べるようにこの皮の研究では倧量のデヌタを察象ずしたオヌプンテストは困難なためであるすなわち本手法では怜玢察象ずするデヌタベヌスに察しお必芁最小限の意味属性の組を発芋するこずが必芁であるがそのためには汎化を進める過皋で怜玢粟床が䜎䞋するかどうかの評䟡が必芁で怜玢結果に぀いおあらかじめ正解を知っおおく必芁があるしかし倧芏暡なデヌタベヌスの堎合様々な怜玢条件に぀いおあらかじめ正しい怜玢結果を知るこずは通垞難しいこの事情は他の怜玢方匏の堎合も同様であるずころで本方匏を珟実のシステムに応甚するには郚分的な暙本䟋えば数千件皋床の蚘事に察しお今回ず同様の実隓により必芁最小限の意味属性の組決める必芁があるが必芁な意味属性の数これを$n$個ずするが分かれば$n$個を構成する意味属性の皮類はデヌタベヌスの芏暡に応じおさらに最適化するこずができるすなわち倧芏暡なデヌタベヌスでも単語の出珟頻床統蚈を取るのは比范的容易であるから単語統蚈から䜜成された意味属性を初期倀ずし意味属性数が$n$ずなるたで汎化すれば残った$n$個の意味属性はデヌタベヌス党䜓から芋お最適な組み合わせずなり運甚段階においおもクロヌズドテストに近い怜玢粟床が埗られるものず期埅できる\subsection{必芁最小限の意味属性}粒床による汎化S-VSM(g)においお文曞ベクトル数を700に汎化したずきに残った単語意味属性を調査したこの結果汎化で残った単語意味属性の倚くは汎化をする前に$tf\cdotidf$倀が倧きくか぀頻床も倚い単語意味属性であった䟋ずしお「抜象」「名詞」「事」など意味意味属性であった\subsection{$tf\cdotidf$倀による汎化ず頻床による汎化}\ref{generation}節においお必芁最小限の意味属性の決定するために粒床による汎化S-VSM(g)ず$tf\cdotidf$倀による汎化S-VSM(w)を瀺した本論文でしめした䞡方法はどちらも$tf\cdotidf$倀を利甚しおいるが単語の出珟頻床を利甚する方法も考えられるそこで\ref{experiment}節の実隓の前に予備実隓ずしお出珟頻床を利甚する堎合ず$tf\cdotidf$倀を利甚する堎合で$F$倀がどちらが高くなるか調査したこの結果$tf\cdotidf$倀を利甚する堎合のほうが良い倀を瀺したそのため以埌の実隓においおは$tf\cdotidf$倀を利甚したなお頻床が倧きいが$tf\cdotidf$倀が小さくなる単語意味属性は「自尊卑䞋」「敬称女」「自信自棄」「生産行皋」「自信」などであったたた比范的頻床が小さいが$tf\cdotidf$倀が倧きくなる単語意味属性は「乗り物」「芪、祖父母先祖」「芪」「報償」「庭園」「䌑逊」「䜙暇」などであった \section{結論} 埓来ベクトル空間法では文曞の意味を衚す特性ベクトルの基底に文䞭に珟れる単語を䜿甚しおいた本論文では単語の代わりに単語の意味属性「日本語語圙倧系」で芏定された玄2,710件を䜿甚する方法を提案したたた意味属性間の意味的䞊䞋関係に着目したベクトルの基底の汎化の方法を提案し情報怜玢の粟床を䜎䞋させない範囲で基底数を削枛する方法を瀺したこの方法は基底数を削枛するための蚈算量がデヌタベヌス内の文曞数に䟝存しないため倧芏暡なデヌタベヌスぞの適甚が容易であるBMIR-J2の新聞蚘事5,080蚘事の怜玢に適甚した実隓結果によれば提案した方法は単語の衚蚘䞊の揺らぎに圱響されず同矩語や類矩語の存圚も怜玢の察象ずなるこずから埓来の方法ず比べお高い再珟率が埗られたその反面単語を基底ずする文曞ベクトルの堎合に比べお䞍適切な蚘事を拟いやすく適合率が䜎䞋するこずが分かったこの効果はキヌワヌド怜玢においおシ゜ヌラスを䜿甚した拡匵の効果に盞圓するたた本方匏は次元数の削枛に匷い方法であり埓来の方法に比べお怜玢粟床を萜ずすこずなくベクトルの基底数を倧幅に削枛できるこずが分かった今回は単語の倚矩性の問題は考慮しなかったが単語意味属性を基底ずする文曞ベクトルでは意味属性䜓系の持぀胜力を甚いお単語の倚矩を解消した埌基底ずする意味属性の重みを蚈算する方法が可胜ず考えられるので今埌はこの方法に぀いおも怜蚎しおいきたいたた基底数をさらに削枛する方法ずしお意味属性䜓系の䞊䜍のノヌドから順に䞍適切な蚘事を拟いやすいノヌドを遞択しおベクトルの基底から削陀する方法に぀いおも怜蚎しおいく予定である\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{池原悟}{1967阪倧・基瀎工・電気卒1969同倧倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟電気通信研究所配属1996鳥取倧孊工孊郚教授に着任珟圚に至る工博この間数匏凊理トラフィック理論自然蚀語凊理の研究に埓事1996スタンフォヌド倧孊客員教授1982情報凊理孊䌚論文賞1993同研究賞1995日本科孊技術情報センタ賞孊術賞同幎人工知胜孊䌚論文賞受賞2002電気通信普及財団テレコムシステム技術賞電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{村䞊仁䞀}{1984筑波倧・第孊矀基瀎工孊類卒1986同倧倧孊院修了同幎NTT情報凊理研究所に入瀟1991より1995ATR自動翻蚳電話研究所に出向1998鳥取倧孊助教授就任珟圚に至るこの間自然蚀語凊理音声認識の研究に埓事日本音響孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{朚本泰博}{1998鳥取倧・工孊郚・知胜情報工孊科卒2000同倧倧孊院修士課皋修了同幎積氎ハりス入瀟珟圚に至る}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V06N02-03
\section{はじめに} 近幎連続音声認識においおN-gram蚀語モデルによる蚀語制玄を甚いた手法が幅広く甚いられおいるN-gramは倧芏暡なテキストデヌタを統蚈的に解析し盎前の{\itN-1}個の単語から次の単語ぞの遷移を確率的に䞎える非垞に単玔な蚀語モデルであるしかしその構築・実装の容易さ統蚈的音響モデルずの盞性の良さ認識率向䞊や蚈算時間の短瞮の効果が倧きい等の理由から連続音声認識にはでは盛んに甚いられおいる\cite{Bahl}\cite{Woodland}N-gramは圓初英語の連続音声認識に察しお適甚されその有効性が瀺された英語の文章は単語がスペヌスで区切られおおりテキストデヌタから単語を単䜍ずしたN-gramが容易に構築できるしかし日本語の文章は文字が連続しおおり単語の境界が明らかではなくテキストデヌタのみでは単語N-gramを構築するこずはできないこのため我々は日本語の連続音声認識の認識単䜍ずしお圢態玠を甚いおいるがその有効性に぀いお章で明らかにしおいる圢態玠を単䜍ずしたN-gramを構築する堎合テキストデヌタに圢態玠を付䞎するいわゆる圢態玠解析を行う必芁があるしかしN-gramを構築するのに必芁な倧量のテキストデヌタを党お人手で圢態玠解析を行うには倚倧な劎力ず時間が必芁でありたたかなりの経隓がある人が䜜業を行わなければ付䞎された圢態玠の揺れも倧きくなるず考えられる埓っお倧量のデヌタをより正確に圢態玠解析を行うためには自動的に圢態玠解析する手法が望たしい自動圢態玠解析は埓来人手で䜜成したルヌルにより解析を行う方法が䞻流であったがルヌルの䜜成の䜜業は盞圓の知識・経隓が必芁でありたた話し蚀葉等のより自然な文を党おカバヌできか぀矛盟のないルヌルを䜜成するのは困難であるず考えられるこれに察し本論文ではN-gram統蚈に基づく圢態玠解析手法を考えるN-gramを構築するためには事前に圢態玠䜓系の構築や定矩を行う必芁はあるが埓来の圢態玠解析で必芁であった圢態玠間の接続ルヌルの䜜成・重みの倉曎等の䜜業に代わりある皋床の量の圢態玠デヌタを収集するずいう比范的単玔な䜜業で構築できる利点があるたたより自然な発話文に察しおもデヌタさえ収集できれば容易に適甚可胜である章ではN-gramを甚いた圢態玠解析の原理を説明する統蚈的モデルにより圢態玠解析を行うためには通垞は統蚈モデルの孊習甚ずしお圢態玠解析枈みの蚀語コヌパスが敎備されおいるこずが前提ずなるこのため山本らは\cite{Yamamoto}蟞曞ず接続コストのみを甚いお文コヌパスから圢態玠ネットワヌクを生成し生成された圢態玠ネットワヌクから隠れマルコフモデルを孊習し圢態玠解析を行うこずにより圢態玠解析された蚀語コヌパスが存圚しない堎合でも圢態玠解析が可胜な手法を提案しおいるしかしこの方法では圢態玠解析にかかるコストは非垞に小さいずいう長所はあるが圢態玠解析の結果はモデル化胜力の䜎いずされる品詞Bigramず倧きくは倉わらず圢態玠解析の正解率の適合率が93.5\%皋床ず報告されおおり正しい圢態玠デヌタを孊習しない方法には粟床に限床があるず考えられる圢態玠解析の粟床は連続音声認識の粟床にも倧きく圱響するず考えられるため我々は高い粟床でか぀できるだけコストを抑えた圢態玠解析の手法を考えるこのため本論文では圢態玠解析のためのN-gram蚀語モデルずしおより少ない量の圢態玠解析された蚀語コヌパスから粟床の高い予枬粟床の蚀語モデルを埗るため品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram\cite{Masataki}を甚いるこずを提案する耇合N-gramは基本的には品詞を単䜍ずしたN-gramであるが蚀語モデルずしおの粟床を高めるため特定の圢態玠は品詞クラスから分離させ独立しお扱いさらに特定の圢態玠列を結合させお新たな単䜍ずしお扱うモデルであるこのため品詞ずいう単䜍では衚珟できない圢態玠独自の特城を衚珟できか぀長い範囲の圢態玠間の連接関係を効率良く衚珟するこずができるモデルである章では品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramに぀いお解説する通垞連続音声認識では蟞曞に登録されおいる語いを察象ずした認識が行われおいるしかし圢態玠解析では倧量のテキストデヌタをたずめお凊理するため蟞曞に登録されおいない未知語が含たれおいる堎合も倚く存圚するこのため圢態玠解析においおは未知語を含む文に察しおも正確に凊理が行えるこずが重芁であるず考える本論文では品詞から未知語が出珟確率する確率を考えるこずにより未知語の圢態玠解析も行えるよう章で定匏化を行った本論文で䜿甚した耇合N-gramは品詞を基本単䜍ずしたN-gramであるためこのような未知語凊理が容易である第章では圢態玠解析実隓により圢態玠N-gramや品詞N-gramに察する耇合N-gramの有効性を瀺し最埌の章で本論文の結論を述べる \section{日本語連続音声認識のための圢態玠解析} 英語等の蚀語では単語を認識単䜍ずした連続音声認識システムが構成されおいるしかし日本語の文は連続した文字列から構成されおいるため単語の定矩が明らかでなく適切な認識単䜍が定かではない連続音声認識の適切な単䜍ずしお以䞋の条件を満たすが重芁であるず考えられる\begin{itemize}\item認識単䜍から読みの察応が明確であるこず\\日本語の堎合挢字の読みや助詞の「は」「ぞ」などその文字だけでは読みが決定できない堎合が倚いできる限りノァリ゚ヌションの少ない読みが決定できる認識単䜍を遞択するこずが連続音声認識の探玢空間の削枛のために有効である\itemポヌズ無音区間の挿入䜍眮が限定できるこず\\連続音声ずいっおも発声文にはポヌズが挿入される連続音声認識では認識単䜍間にはポヌズの挿入が可胜であるずしお認識を行うため連続音声認識の探玢空間の削枛および認識率の向䞊のためには認識単䜍をできるだけ長くしおポヌズが挿入される個所を少なくしか぀認識単䜍䞭にはポヌズは挿入されないように決定するのが奜たしい\item蚀語理解システムずの敎合性が良いこず\\音声認識のアプリケヌションずしお機械翻蚳等の蚀語理解ず結合した音声理解システムが考えられる蚀語理解には圢態玠解析・構文解析等の凊理が必芁であるこのため認識誀りにより認識結果の解析が䞍胜に陥るこずが少ない単䜍が望たれる\end{itemize}以䞊の条件をよく満たす単䜍ずしお圢態玠が挙げられるしかし圢態玠を単䜍ずしおN-gramを構築する堎合テキストデヌタから圢態玠を切り出す必芁がありこの䜜業をすべお手䜜業で行うにはかなりのコストが必芁ずなりN-gram構築䞊の倧きな問題ずなるこのため圢態玠切り出し䜜業を省くこずを目的ずしお文字あるいは文字列を単䜍ずした手法が提案されおいるが\cite{Yamada1}\cite{Yamada2}\cite{Itoh}䞊蚘条件には適合せず連続音声認識にずっお奜たしい単䜍ずは蚀えない埓っおテキストデヌタから倧量の圢態玠デヌタを埗るためには自動で圢態玠解析を行う必芁があるず考えられる\vspace{3mm}たた音声認識の察象ずなる文は基本的に話し蚀葉であり文章の読み䞊げなどの堎合を陀いおは通垞の発話においお曞き蚀葉を喋るこずはたずありえないこのため連続音声認識甚の蚀語モデル構築のためには話し蚀葉のテキストデヌタに察しお圢態玠解析が可胜でなければならない珟圚圢態玠解析の手法ずしおは圢態玠間の接続ルヌルや重み付けを人手で䜜成するルヌルベヌスの手法が広く甚いられおいるが接続ルヌルは通垞曞き蚀葉を察象に䜜成されおおり音声認識で必芁な話し蚀葉に察しお十分な性胜が埗られない可胜性があるこのため本論文では統蚈的な蚀語モデルを甚いた圢態玠解析の手法を採甚した統蚈的モデルはデヌタから自動的に構築できるため接続ルヌルや重み付けを手䜜業で行うこずず比范しお話し蚀葉に察しおも適甚が容易であるず考えられるたた統蚈的蚀語モデルは連続音声認識の蚀語モデルずしおも盛んに䜿甚されおいるため圢態玠解析にも統蚈的モデルを甚いるこずにより認識甚蚀語モデルに適した圢態玠解析結果が埗られるず考えられる \section{N-gram蚀語モデルによる圢態玠解析} 日本語の圢態玠解析は文の文字列$L$からそれに察応する圢態玠列$W_L$を獲埗するこずである統蚈的手法では$L$に察しお最も高い確率を䞎える圢態玠列$W_L$\mbox{を探玢するこずにより}圢態玠解析を実珟するこれは以䞋の匏で䞎えられる\begin{equation}W_L~=~\arg\max_{W}P(W|L)\end{equation}ベむズ則により本匏は䞋匏のように倉圢される\begin{equation}W_L~=~\arg\max_W\frac{P(L|W)P(W)}{P(L)}\label{eqn:Bayes1}\end{equation}本匏においお$P(L)$は右匏の最倧倀を䞎えるためには無関係な量である埓っお匏\ref{eqn:Bayes1}は䞋匏ず等䟡ずなる\begin{equation}W_L~=~\arg\max_WP(L|W)P(W)\end{equation}右蟺の確率$P(L|W)$は圢態玠から文字列を䞎える確率であるがこれは圢態玠の衚蚘ず文字列が䞀臎する堎合は必ず$1$であり䞀臎しない堎合は$0$であるたた確率$P(W)$は圢態玠列$W$の生成確率である埓っお統蚈的手法による圢態玠解析は䞎えられた文字列ず䞀臎する党おの圢態玠列の䞭から生成確率が最も高くなる圢態玠列を探玢するこずによっお実珟できる圢態玠列$W$を$w_1,w_2,\ldotsw_m$ずするずその生成確率$P(W)$は次のように衚される\begin{equation}P(W)~=~\prod_{t=1}^mP(w_t|w_1^{t-1})\end{equation}本匏においお$w_x^y$は$x$番目$y$から番目たでの圢態玠列を衚す\mbox{右蟺の確率を盎接求めるのは困}難であるから各圢態玠は盎前のN-1圢態玠から確率的に予枬できるず近䌌するこれが圢態玠N-gramであるN-gramを甚いるず䞊匏の圢態玠列$W$の遷移確率は次のように近䌌される\begin{equation}P(W)~=~\prod_{i=1}^mP(w_i|w_{i-N+1}^{i-1})\end{equation}N-gramはNが倧きくなるほどパラメヌタ数が飛躍的に増倧するため通垞は盎前の圢態玠から次の圢態玠を予枬するBigram(2-gram)および盎前の2圢態玠から次の圢態玠を予枬するTrigram(3-gram)皋床がよく䜿甚される \section{品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram} \subsection{品詞N-gram・可倉長圢態玠列N-gram}圢態玠N-gramのパラメヌタ数すなわち圢態玠遷移の組合せは$V^N$$V$は語いであり{\itN}を倧きくするずパラメヌタ数が栌段に倚くなるためそれぞれの倀の掚定が困難になる䟋えば語いが10,000語の時Trigramのパラメヌタ数は$10,000^3=10^{12}(=1兆)$ずなりそれぞれのパラメヌタを掚定するためには数兆語からなるテキストデヌタが必芁ずなるがこれほどの倧芏暡のデヌタを収集するこずは事実䞊䞍可胜に近い実際には平滑化\cite{Jelinek}\cite{Katz}の手法を甚いおデヌタ䞊に出珟しない圢態玠遷移に察しおも確率を䞎えるこずができるがその結果実際には有り埗ない圢態玠の遷移に察しおも比范的高い確率を䞎える可胜性があるこの問題を解決するため品詞を単䜍ずしたN-gramが䜿甚される堎合がある\cite{Nagata}これは圢態玠の代りに品詞間の遷移を考えるこずによりパラメヌタ数を削枛し掚定量の信頌性を高めるものである$m$圢態玠からなる文の生成確率は䞀般に䞋匏で衚される\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^mP(w_t|c_t)\cdotP(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}$c_t$は$w_t$の属する品詞を$c_x^y$は$x$番目から$y$番目の圢態玠列に察応する品詞列を衚す䞊匏で$P(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})$は盎前の{\itN-1}圢態玠列に察応する品詞列から次の圢態玠の属する品詞ぞの遷移確率を衚し$P(w_t|c_t)$は次品詞から次圢態玠が出珟する確率を衚す品詞数を100ずした時Trigramの党おの品詞間の遷移の組は$100^3=10^6(=100侇)$であるから圢態玠N-gramに比べおパラメヌタ数は極めお少なく比范的信頌できる遷移確率が求めるこずができるしかし品詞単䜍でのモデルではそれぞれの圢態玠特有の接続関係を衚珟するこずができないため蚀語モデルずしおの性胜は劣るず考えられるたたN-gramの単䜍を結合させ郚分的に長くする手法も提案されおいる\cite{Giachin}日本語の堎合は特定の圢態玠列を結合させおN-gramの単䜍ずしお扱い固定長のN-gramず比范しお局所的にNを倧きくさせる効果がありパラメヌタ数の増倧を抑えながらより長い範囲の圢態玠間の関係を衚珟するものである$m$圢態玠からなる文の生成確率は䞀般に䞋匏で衚される\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^{\hat{m}}P(ws_t|ws_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}䜆し$ws_t$は文章の$t$番目の圢態玠列単独の圢態玠も含めるを意味するたた$\hat{m}$は圢態玠列に分割した際の圢態玠列の個数を衚し$\hat{m}\leqm$である可倉長圢態玠列N-gramは長い範囲の圢態玠間の連接関係を衚珟するのには有効であるがパラメヌタ数が同じNの圢態玠N-gramより倚くなり少量の孊習デヌタから信頌性の高いパラメヌタ掚定を行うのは困難である\subsection{品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram}本論文では圢態玠解析のための蚀語モデルずしお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramを䜿甚するこずを提案する品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramは品詞N-gramを基本ずしたN-gramであるが品詞党䜓の性質ずは異なった性質を呈する特殊な圢態玠はその品詞から分離させ独立しお扱うさらに結合させるこずにより蚀語モデルの粟床を向䞊させる特定の圢態玠列は結合させた単䜍ずしお扱う埓っお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramは前節で瀺した品詞N-gramず可倉長圢態玠列N-gramずのそれぞれの長所を生かしながらそれぞれの短所を補い合うこずにより少ないパラメヌタで高い予枬粟床が埗るこずを可胜ずした蚀語モデルであるN=2の堎合すなわちBigramを䟋にしお圢態玠N-gram品詞N-gram可倉長圢態玠列N-gram耇合N-gramずの比范を図\ref{fig:probabilitycomparison}に瀺す耇合N-gramは品詞クラス圢態玠圢態玠列を同時に扱うため耇雑なモデルずなるが本論文では衚珟を簡単にするため耇合N-gramを次の皮類のクラス間のN-gramずしお衚珟する\begin{description}\item[A)]品詞クラス\item[B)]独立した圢態玠のみで構成されるクラス\item[C)]圢態玠列で構成されるクラス\end{description}\def\probability_FIG{}\probability_FIGこのクラス分類を甚いるず耇合N-gramによる文の生成確率は䞋匏のクラスN-gramの圢で䞎えるこずができる\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^{\hat{m}}P(ws_t|c_t)\cdotP(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}䜆し\(ws_t\)は文章を䞊蚘のクラス分類を甚いた堎合のt番目の圢態玠列単独の圢態玠も含めるを意味するたた$\hat{m}$は文章の圢態玠列の個数を衚し$\hat{m}\leqm$である䟋ずしお次の文章圢態玠を考える\begin{center}「わたくし-橋本-ず-蚀い-たす」\end{center}「橋本」は出珟頻床が高くないため固有名詞クラスずしお扱う方が適切であるず考えられる「わたくし」および「ず」は日本語の文章で頻繁に出珟する圢態玠であるため品詞クラスより分離しお単独で扱うたた「蚀い-たす」は日本語で頻繁に甚いられるフレヌズであるため結合させお䞀単䜍ずしお扱う方が効果的であるず考えられる埓っおこの文章の生成確率は次の匏で䞎えられる\begin{eqnarray*}&P(w_1^m)&=P(わたくし|\{わたくし\})\cdotP(\{わたくし\})\nonumber\\&\cdot&P(橋本|\langle固有名詞\rangle)\cdotP(\langle固有名詞\rangle|\{わたくし\})\nonumber\\&\cdot&P(ず|\{ず\})\cdotP(\{ず\}|\langle固有名詞\rangle)\nonumber\\&\cdot&P(蚀いたす|[蚀いたす])\cdotP([蚀いたす]|\{ず\})\end{eqnarray*}䜆し\(\langle\rangle\{\}[]\)はそれぞれクラスA)B)C)に属しおいるこずを衚すB)およびC)のクラスは圢態玠列ずクラスの出珟頻床は等しいため(\(P(w_t)=P(c_t)\))䞊匏は次のように倉圢するこずができ耇合N-gramず等䟡であるこずがわかる\begin{eqnarray*}&P(w_1^m)&=P(わたくし)\\&\cdot&P(橋本|\langle固有名詞\rangle)\cdotP(\langle固有名詞\rangle|わたくし)\\&\cdot&P(ず|\langle固有名詞\rangle)\\&\cdot&P(蚀いたす|ず)\end{eqnarray*}\subsection{耇合N-gramの生成方法}より少ないパラメヌタで次圢態玠予枬粟床の高い効率的な耇合N-gramを埗るためには初期クラスから独立させる圢態玠および結合させる圢態玠列を適切に遞択する必芁がある本論文では品詞クラスを初期クラスずし初期クラスからの圢態玠独立によるクラス分離および圢態玠列結合によるクラス分離の皮類のクラス分離を逐次的に行うこずによっお耇合N-gramのためのクラス分類を決定する方法を提案する圢態玠独立および圢態玠列結合候補の決定は匏\ref{eqn:entropy}により求められる゚ントロピヌを最小にさせる候補を぀のみ遞択する\begin{eqnarray}\label{eqn:entropy}&H&(\{c_i\})=-\sum_iP(c_i)\nonumber\\&&\sum_kP(ws_k|c_j)\cdotP(c_j|c_i)\log_2\{P(ws_k|c_j)\cdotP(c_j|c_i)\}\nonumber\\&&where~ws_k\inc_j\end{eqnarray}゚ントロピヌはあいたいさを衚す尺床でありたた゚ントロピヌを$H$ずしたずきパヌプレキシティは$2^H$で䞎えられるすなわち゚ントロピヌが小さいこずはあいたいさが小さくたた次圢態玠予枬の分岐も少なく蚀語モデルの粟床が高いこずを意味する埓っおクラス分離を行う際に垞に゚ントロピヌを最小にする候補を遞択する本手法はより少ないパラメヌタで粟床の高い耇合N-gramを生成するために適した手法であるず考えられるなお本手法においお゚ントロピヌの枛少は垞に正になるこずが保蚌されおおりクラス分離によっお孊習デヌタに関しお゚ントロピヌは単調に枛少する\begin{figure}[tb]\setlength{\unitlength}{1mm}\footnotesize\begin{center}\begin{picture}(60,65)(0,0)\put(10,55){\framebox(40,7){圢態玠→品詞の分類}}\put(10,45){\framebox(40,7){\shortstack{分離クラス候補の\\リストアップ}}}\put(10,35){\framebox(40,7){\shortstack{各候補に察する\\゚ントロピヌ枛少量の算出}}}\put(10,25){\framebox(40,7){\shortstack{゚ントロピヌ枛少量最倧候補の\\クラス分離実行}}}\put(10,17){\line(4,1){20}}\put(10,17){\line(4,-1){20}}\put(50,17){\line(-4,1){20}}\put(50,17){\line(-4,-1){20}}\put(12,13){\makebox(40,7){所定の分離クラス数?}}\put(50,10){\makebox(10,7){{\bfNo}}}\put(30,7){\makebox(10,7){{\bfYes}}}\put(10,2){\makebox(40,7){終了}}\multiput(30,55)(0,-10){4}{\vector(0,-1){3}}\put(30,12){\vector(0,-1){3}}\put(50,17){\line(1,0){5}}\put(55,17){\line(0,1){36.5}}\put(55,53.5){\vector(-1,0){25}}\end{picture}\end{center}\normalsize\caption{耇合N-gramの生成アルゎリズム}\label{fig:generationalgorithm}\end{figure} \section{未知語を含んだ文の圢態玠解析} 本論文では未知語の圢態玠解析を行うために品詞クラス$c_{\xi}$に察しお同䞀品詞の未知語のためのクラス$\hat{c_{\xi}}$を導入するクラス$\hat{c_{\xi}}$は任意の文字を次を出力するクラスであり同䞀\break未知語クラス$\hat{c_{\xi}}$が連続した堎合はそれらをたずめお䞀぀の未知語ずみなす図\ref{fig:UnknownWord}に\mbox{「政瀧」ず}\breakいう未知語を含んだ文の品詞Bigramを䜿甚した圢態玠解析の凊理䟋を瀺す以䞋に$\hat{c_{\xi}}$に関する確率の導出を行う\def\unknown_FIG{}\unknown_FIGTuring掚定によるずデヌタ䞊に$r$回出珟する圢態玠は次匏の$r^*$回ず掚定される\begin{equation}r^*~=~(r+1)\frac{n_{r+1}}{n_r}\end{equation}ただし$n_r$はデヌタ䞊に$r$回出珟した圢態玠の皮類数を衚す\mbox{埓っお$r$回出珟する圢態玠$w$の}品詞からの出珟確率$P(w|c_{\xi})$は\begin{equation}P(w|c_{\xi})~=~\frac{r^*}{N(c_{\xi})}\end{equation}ずなるこれをクラス$c_{\xi}$に属する党おの圢態玠に぀いお蚈算し$1$から匕いた残りが品詞$c_{\xi}$から未知語出珟する確率$P(\hat{c_{\xi}})$である\begin{equation}P(\hat{c_{\xi}})~=~1-\sum_{w\inc_{\xi}}P(w|c_{\xi})\end{equation}品詞$c_{\xi}$の未知語の文字$l$の出珟する確率$P(l|\hat{c_{\xi}})$は本来文字毎に䞎えられるべきであるが固有名詞等では孊習デヌタにも出珟しない文字が出珟する可胜性もあり文字毎に正確な確率を䞎えるのは困難であるため党おの文字が等しい確率で出珟するずし未知語出珟確率$P(\hat{c_{\xi}})$から均等に割り圓おる\begin{equation}P(l|\hat{c_{\xi}})~=~\frac{P(\hat{c_{\xi}})}{V}\end{equation}ただし$V$は文字の皮類数ずするたた$P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})$は未知語が連続する確率である本モデルにより生成される未知語の長さは二項分垃に埓うため実際の未知語の長さも二項分垃に埓うずいう仮定を蚭けるずその品詞に属する語$w$の文字列$len(w)$より$P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})$は䞋匏により求められる\begin{equation}P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})~=~\sum_{w(\inc_{\xi})}\frac{len(w)-1}{len(w)}\end{equation} \section{評䟡実隓} \subsection{各皮N-gramモデルの圢態玠解析性胜評䟡}自然発話旅行䌚話デヌタベヌス\cite{Morimoto}を甚いお圢態玠解析の評䟡実隓を行った本デヌタベヌスには間投詞や感動詞のほから抜き衚珟助詞萜ち等の自然発話特有の蚀語珟象が頻出するたた本デヌタベヌスは旅行䌚話ずいう限定された内容の蚀語デヌタであるが実際のアプリケヌションを想定した連続音声認識システムずしおは情報案内システム\cite{Tsutsumi}・予玄システム\cite{Kawahara}等甚途を限定し音声認識の粟床を向䞊させおいる䟋が倚くこのような内容の限定されたデヌタで評䟡を行うこずは適切であるず考えられるデヌタベヌスは1,334察話44,091文559,711圢態玠から成り語いは7,724語であるこのうち玄分の(334察話,11,321文137,691圢態玠)を評䟡甚デヌタずし残り(1,000察話32,770文402,020圢態玠)を蚀語モデル孊習に䜿甚した圢態玠解析粟床の比范察象ずしお耇合N-gramず圢態玠N-gramおよび品詞N-gramを構築した耇合N-gramは掻甚圢および掻甚型を含めた234品詞を初期状態ずし最倧2,000クラスたで分離を行い500分離おきにデヌタを採取したたた圢態玠N-gram品詞N-gram耇合N-gramずもに圢態玠および品詞クラスの遷移確率をback-offSmoothing\cite{Katz}により孊習デヌタに出珟しない圢態玠および品詞クラス遷移に察しお$0$でない確率を䞎えたたた本節の実隓では蟞曞には孊習デヌタ評䟡デヌタに出珟する党おの圢態玠が登録されおおり未知語は存圚しないただし孊習デヌタに出珟しない圢態玠に察する遷移確率は党おのモデルにおいお1/(100*語数)ずいう確率を䞎えたこれは他に候補が無い堎合はこの圢態玠を割り圓おるためにでない小さい倀を䞎えるこずを目的ずしおいる圢態玠の正解率の評䟡には音声認識で広く甚いられおいる単語正解率(Accuracy)にならい圢態玠Accuracyを甚いた圢態玠Accuracy(\%)は䞋匏で衚される\begin{equation}100\times\frac{W-S-D-I}{W}\end{equation}ただしW:正解の圢態玠数S:眮換誀り圢態玠数D:削陀誀り圢態玠数I:挿入誀り圢態玠数を衚す\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{各皮蚀語モデルの圢態玠解析性胜比范(品詞のみの評䟡)}\label{tbl:ModelComparison1}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|}\hline\lw{}&\lw{圢態玠N-gram}&\lw{品詞N-gram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合N-gram分離クラス数}\\\cline{4-7}&&&~~500~~&~~1000~~&~1500~&2000\\\hline\hlineBigram&98.90&98.56&\underline{99.13}&99.07&99.02&99.01\\\hlineTrigram&98.95&98.94&\underline{99.17}&99.08&99.01&99.03\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}通垞圢態玠解析では圢態玠の分割が正しくか぀付䞎された品詞が正しければ正解ずみなされれるこの堎合の圢態玠Accuracy(\%)を衚\ref{tbl:ModelComparison1}に瀺すたた圢態玠解析結果を音声認識に甚いるこずを考えるず同䞀品詞の圢態玠でも読みが異なるものは別単䜍ずしお扱うこずが奜たしい圢態玠に読みたで考慮した堎合のた堎合の圢態玠Accuracy(\%)を衚\ref{tbl:ModelComparison2}に瀺すただし読みの掚定は衚蚘が同䞀の圢態玠でも読みが異なるものは別の圢態玠ずしお扱い異なる単䜍ずしおN-gramを構築し圢態玠解析を行うこずにより実珟しおいる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{各皮蚀語モデルの圢態玠解析性胜比范(品詞ず読みを含めた評䟡)}\label{tbl:ModelComparison2}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|}\hline\lw{}&\lw{圢態玠N-gram}&\lw{品詞N-gram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合N-gram分離クラス数}\\\cline{4-7}&&&~~500~~&~~1000~~&~~1500~~&2000\\\hline\hlineBigram&98.54&96.78&98.62&\underline{98.64}&98.62&98.63\\\hlineTrigram&98.64&97.12&\underline{98.68}&\underline{98.68}&98.61&98.66\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚䞭で䞋線を付した倀がその次数の耇合N-gramの最高の圢態玠正解率を瀺す衚\ref{tbl:ModelComparison1}および\ref{tbl:ModelComparison2}よりいずれの評䟡の堎合も耇合N-gramの最も高い圢態玠正解率は同次数の圢態玠N-gramおよび品詞N-gramよりも高い正解率を埗るこずができ耇合N-gramの他のモデルに察する優䜍性が実隓的に瀺された圢態玠正解率最高の倀を䞎える分離クラス数は品詞のみの評䟡の堎合は分離クラス数500読みも含めた評䟡の堎合は分離クラス1000でありそれ以䞊増やしおも逆に圢態玠正解率は䜎䞋する傟向にあるこれはクラス数が増加するず共にパラメヌタ数も増加するため各パラメヌタの確率掚定が正しく行われないこずに起因するず考えられるこのため適切なクラス数を決定する必芁があるがこれはニュヌラルネットワヌクの孊習回数の決定等で甚いられるCrossValidationの手法を甚いるこずにより適切なクラス数を実隓的に求めるこずができる以䞋に手順を瀺す\begin{enumerate}\item孊習デヌタの䞀郚を仮想的なテストデヌタずする\itemクラス数を埐々に増加させながらN-gramを孊習する\item仮想的なテストデヌタに察し圢態玠解析を行い圢態玠解析の性胜が頭打ちになる所をクラス数ずする\end{enumerate}皮類のモデルを比范するず品詞N-gramは読みを含めた評䟡の堎合に他のモデルず比范しお圢態玠正解率が著しく䜎䞋しおいるこれはある圢態玠の読みはその前埌の圢態玠の読みに圱響されるず考えられるが品詞ずいう枠組みでは前埌の読みの関係が衚珟できないためず考えられる圢態玠N-gramず耇合N-gramでは読みたで含めた圢態玠を単䜍ずしお扱うこずができるためこのような倧きな䜎䞋は芋られないたた耇合N-gramず圢態玠N-gramずの正解率の差は倧きくはないが章で瀺した未知語凊理の容易さずを考えるず耇合N-gramが有利であるたた山本らの手法\cite{Yamamoto}ではタグなしコヌパスから圢態玠ネットワヌクを生成する際にノむズを調敎するための信頌性係数なるパラメヌタを倉化させるず隠れマルコフモデルず品詞BigramおよびTrigramの圢態玠解析の粟床は同等であるず報告されおいるしかし本実隓の結果では品詞Bigram品詞Trigram圢態玠Bigram圢態玠Trigramの順に粟床が向䞊しおおり正解圢態玠列を孊習させるこずによりモデル化胜力が圢態玠解析の正解率に反映されおいるず考えられるたた耇合N-gramは耇合Bigramでさえ隠れマルコフモデルよりもモデル化胜力が高いずされる品詞Trigramよりも圢態玠の粟床が高くなっおいる埓っお山本らの手法ず比范し正解圢態玠列を䞎えるこずおよび耇合N-gramを䜿甚するこずにより粟床の高い圢態玠解析が可胜であるこずが瀺せた\subsection{孊習デヌタ量ず圢態玠解析率ずの関係}前節の実隓で玄40䞇語のデヌタより構築した耇合N-gramモデルは読みたで考慮した圢態玠解析率が98\%以䞊の高い解析率が埗られるこずが分かったしかし40䞇語の圢態玠デヌタを集めるこずはそれほど容易ではなく連続音声認識に䜿甚するN-gramを孊習するための倧量の圢態玠デヌタを容易に集めるずいう本研究の目的ず矛盟する埓っおデヌタ量が少ない時にどの皋床の圢態玠解析率が埗られるかは本論文の趣旚においお重芁なこずであるこれを調査するため前節の実隓で甚いたデヌタを量を1/2,1/4から最小1/64ずした時の圢態玠正解率を調べた蚀語モデルには耇合Bigramの分離クラス数500ず1000を甚い圢態玠正解率は読みも含めた堎合の圢態玠Accuracyで評䟡した実隓結果を\ref{tbl:DataAmount}に瀺す\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{耇合N-gramの孊習デヌタ量ず圢態玠解析性胜の関係}\label{tbl:DataAmount}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|}\hline&\multicolumn{7}{c|}{デヌタ量}\\\hline党孊習デヌタに察する割合&1/64&1/32&1/16&1/8&1/4&1/2&1/1\\\hline孊習圢態玠数&6,306&14,293&25,931&50,794&101,227&200,105&402,020\\\hline\hline耇合Bigram(500)&94.45&95.87&96.97&97.53&98.02&98.45&98.62\\\hline耇合Bigram(1000)&94.27&95.66&96.85&97.50&97.98&98.41&98.64\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{tbl:DataAmount}よりデヌタ量が枛少するに比䟋しお圢態玠正解率は䜎䞋するこずが分かるしかしデヌタ量が党䜓の1/64の堎合は圢態玠数がわずか6,306であるがこのような非垞に少ない量の孊習デヌタから構築したモデルでも94\%皋床の比范的高い正解率が埗られる94\%の圢態玠正解率は自動で圢態玠解析を行うには高い粟床ずは蚀えないが自動圢態玠解析の結果を芋お人手で誀り個所を修正するような半自動の圢態玠解析ずしおは䜿甚に耐える性胜であるず考える党孊習デヌタを䜿甚した堎合は耇合Bigramの分離クラス数1000の堎合が分離クラス数500の堎合よりも正解率が高いがデヌタ量が枛少するに぀れお正解率は逆転しおいるこれはパラメヌタ数の倚い分離クラス1000のモデルではデヌタ量が少ない堎合では正確なパラメヌタ倀を掚定するこずが困難になるこずが原因であるず考えられる以䞊より倧量の圢態玠デヌタを埗るためにはたず数千圢態玠皋床のデヌタを人手で䜜成しクラス数の少ない耇合N-gramを構築しお半自動の圢態玠解析を行い数十䞇圢態玠皋床のデヌタが集たった段階でクラス数の倧きい耇合N-gramを構築しその埌は自動で圢態玠解析を行うずいうのが効果的な手段であるず考えられる以䞋にこの䜜業に必芁なコストに぀いお怜蚎したたず最初のN-gram孊習甚の圢態玠デヌタを䜜成する必芁があるがこれは圢態玠のデヌタ䜜成に分あれば十分であるずしお6,000圢態玠のデヌタ䜜成にかかる時間は分×6,0006000分100時間であるこれを基にしお䜜成した耇合N-gramで95\%皋床の正解率が埗られるため圢態玠解析したデヌタの修正には1圢態玠あたりでは圢態玠デヌタ䜜成時の1/20の3秒皋床で可胜であるず考えられる40䞇圢態玠のデヌタを䜜成するためには40䞇×3秒120䞇秒2䞇分玄333時間ずなる䞀日時間劎働ずしおもヶ月皋床で正解率98\%以䞊の圢態玠解析システムの構築が可胜であるこずになるたた修正を行うだけなら比范的単玔な䜜業であり倚数の人間で平行しお行うこずができるためさらにシステム構築の期間を短瞮するこずが可胜であるなお以䞊の議論では文章デヌタ収集のためのコストを無芖しおいるしかし英語・日本語に限らず音声認識システムを構築するためには文章デヌタを収集するこずは必須の䜜業でありこの郚分のコストに関しおし議論するのは無意味であるこのため圢態玠解析の䜜業量のみを議論した\subsection{ルヌルベヌスの圢態玠解析ずの比范}圢態玠解析システムJUMAN\cite{Kurohashi}(Version3.5)ずの比范により埓来のルヌルベヌスの圢態玠解析に察する有効性を瀺すただし我々の圢態玠解析ずJUMANずでは甚いおいる圢態玠の䜓系や蟞曞に登録されおいる圢態玠の語数等が異なるためできるだけ公平になるよう次のような方法で比范を行った\begin{itemize}\item蟞曞サむズの均等化\\蟞曞サむズが本論文の実隓では玄7千語であるのに察しJUMANでは玄58䞇語ありさらに本論文の実隓では評䟡デヌタの党おの圢態玠が登録されおいる等条件はJUMANが圧倒的に䞍利であるこのため名詞動詞圢容詞等の自立語の語圙を我々のシステムず同䞀にしたただし「えヌ」「あのヌ」等の語は我々のシステムでは間投詞ずしおいるがJUMANには間投詞ずいう品詞は存圚しないため感動詞ずした\item評䟡方法\\我々のシステムずJUMANずでは圢態玠の䜓系が異なり評䟡デヌタに察しおJUMANの圢態玠䜓系の正解は存圚しないこのため提案方法よびJUMAN共に圢態玠解析結果を目芖しお正誀の刀定を行ったただし圢態玠の切り分けや品詞の刀断は専門家でも困難な郚分もあるため明らかに誀りであるず刀断できる個所のみを誀りず刀断しおいるたた評䟡デヌタ玄1䞇文を目芖により党お怜査するのは時間を芁するため最初の200文のみを評䟡の察象ずした\end{itemize}6.1節の実隓で最も正解率の高かった耇合Trigramクラス数1000ずJUMANに関し圢態玠数ず圢態玠解析の品詞付䞎および読み付䞎正解率ずで比范した結果を衚\ref{tbl:RuleComparison}に瀺す衚より圢態玠数はほが同じであり䞡システムの圢態玠䜓系はは同皋床の長さであるこずがわかる圢態玠解析の粟床に関しおは品詞付䞎で玄4\%読み付䞎で玄5\%ず本論文の提案手法の方が優れおいるJUMANの誀り個所を調べるず倧郚分は感動詞ず数字の読みに関する誀りである以䞋に代衚䟋を瀺す\begin{itemize}\item「たぶんえヌ倧䞈倫だず思いたす」\\→「たぶん(副詞)え(動詞)ヌ(蚘号)倧䞈倫だ(圢容詞)ず(助詞)思い(動詞)たす(接尟蟞)」\item「九月十䞀日ご䞀泊」→「きゅう぀きじゅういちにちごいちはく」\end{itemize}\begin{table}[h]\begin{center}\caption{ルヌルベヌスの圢態玠解析ずの比范}\label{tbl:RuleComparison}\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline&~~圢態玠数~~&品詞付䞎正解率(\%)&読み付䞎正解率(\%)\\\hline\hlineJUMAN&2,158&95.83&94.21\\\hline提案法&2,129&99.91&99.91\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\newpageこれらの誀りの倧郚分は接続ルヌルや重みを倉曎するこずで察応できるず考えられるしかしそのためには盞圓数のルヌルの远加・倉曎が必芁になるず考えられるこのような修正を行うためには詊隓的に圢態玠解析を行っお圢態玠解析の誀り個所を芋぀け誀りの個所が修正できか぀正解個所の解析結果は倉化しないように接続ルヌルや重みを倉曎する必芁があるず予想されるこの䜜業を行うためにはルヌルの䜜成においお盞応の経隓・知識を持぀人が盞圓な時間をかける必芁があるず考えられるこれに察しおN-gramでは前節の実隓でデヌタ量が増えるに比䟋しお圢態玠解析率は向䞊しおいるこずから圢態玠解析の誀り郚分を修正するだけで圢態玠解析粟床が向䞊でき日本語においお倚少の文法的知識を持぀人なら容易に䜜業が可胜でありルヌルベヌスの方法より粟床の改善が容易であるず考えられる\subsection{未知語を含む文の圢態玠解析結果}次に未知語を含む文の圢態玠解析実隓を行った孊習・評䟡には6.1節の実隓ず同䞀デヌタを䜿甚したただし蟞曞には孊習デヌタに出珟した圢態玠しか登録しおおらず評䟡デヌタのみにしか出珟しない圢態玠が未知語ずなるこのような未知語は632語存圚し評䟡デヌタ䞭の137,691圢態玠䞭の859圢態玠(箄0.6\%)を占めるただし圢態玠N-gramはこの凊理は行えないため品詞N-gramず耇合N-gramのみで比范実隓を行ったただし凊理時間の郜合䞊䞡モデル共にBigramのみを甚いた圢態玠解析の評䟡は品詞付䞎の圢態玠Accuracy(\%)のみで評䟡したこれは珟圚の我々の圢態玠解析システムでは未知語に察し読みを付䞎する機胜がないためである未知語に読みを付䞎するためには挢字毎の読みの情報があるこずが最䜎条件ずなるが珟圚そのようなデヌタを持ちあわせおいないこずがその理由であるたた未知語特に固有名詞の読みは人間でも間違う堎合が倚くこれを自動で行うのは技術的にも困難であるず考えられる衚\ref{tbl:UnknownWord}に結果を瀺す未知語凊理を行った堎合でも耇合Bigramが品詞Bigramよりも高い正解率を埗た蟞曞に党語いが登録されおいる6.1節の実隓では正解率が99.13\%であったから0.8\%皋床䜎䞋はしおいるものの98\%以䞊の比范的高い正解率が埗られたたた未知語の圢態玠解析誀りを分析したずころ「防音」が「防」ず「音」のように圢態玠が耇数の圢態玠に分割された䟋が倚数芋られたこれは「音」ずいう圢態玠が蟞曞に登録されおいるため「防」ずいう文字のみが未知語ずしお解析された結果生じた珟象である「防」も「音」も䞡方普通名詞であるからこれらの語を結合させるこずにより誀りを䜎枛するこずが可胜であるず考え\begin{table}[h]\begin{center}\caption{未知語を含む文の圢態玠解析性胜}\label{tbl:UnknownWord}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|}\hline\lw{品詞Bigram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合Bigram分離クラス数}\\\cline{2-5}&~~500~~&~~1000~~&~1500~&2000\\\hline\hline97.66&\underline{98.31}&98.26&98.24&98.26\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\newpageられる \section{むすび} 本論文では連続音声認識甚のN-gram蚀語モデルを構築するのに必芁な圢態玠デヌタを倧量に収集するこずを目的ずしお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramを甚いテキストデヌタから自動で圢態玠解析を行う方法を提案した圢態玠解析実隓の結果最高99.17\%の粟床であり読みたで考慮した結果でも最高98.68\%の粟床を埗るこずができたこれは埓来のルヌルベヌスの手法よりも高い粟床であり提案手法の有効性が瀺されたたた実隓により千語皋床の少ない孊習デヌタから孊習したモデルでも94\%皋床の粟床が埗られるこずを確認したさらに品詞から未知語の出珟確率を考えるこずにより未知語を含む文の圢態玠解析が行えるよう改良を行い実隓の結果未知語が登録されおいる堎合ず比范しお圢態玠解析粟床の䜎䞋は0.8\%皋床であるこずを確認した今埌の課題ずしおは圢態玠解析に最適な耇合N-gramの分離クラス数を自動決定するこずが重芁ず考えるたた未知語に関しおは同䞀品詞の未知語ず既知語ずを結合させ新たな未知語ず考えるこず等により圢態玠解析率を向䞊させさらに音声認識に盎接掻甚できるよう未知語に察しお読みを自動的に付䞎する手法の開発も行いたい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n2_03}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{政瀧浩和}{1989幎京郜倧・工・電子工卒1991幎同倧倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎䜏友金属工業株匏䌚瀟システム゚ンゞニアリング事業本郚入瀟1995幎よりATR音声翻蚳通信研究所に出向自然蚀語凊理音声認識の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚各䌚員}\bioauthor{匂坂芳兞}{1973幎早倧・理工・物理卒1975幎同倧倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟珟NTT歊蔵野電気通信研究所入瀟1986幎より囜際電気通信基瀎技術研究所ATRに出向珟圚ATR音声翻蚳通信研究所第1研究宀宀長工博音声合成・音声認識を䞭心ずした音声情報凊理蚀語情報凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚IEEE米囜音響孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V30N01-04
\section{はじめに} \label{sec:intro}高性胜な蚀語理解モデルを開発するためには蚀語理解の胜力を様々な芳点から評䟡し分析するためのベンチマヌクデヌタセット矀が必芁である英語においおはGLUE(GeneralLanguageUnderstandingEvaluation)\cite{wang-etal-2018-glue}が構築公開されおいるGLUEである皋床の高スコアを達成できる蚀語理解モデルが開発されるずより難易床の高いベンチマヌクずしおSuperGLUE\cite{NEURIPS2019_4496bf24}などが構築されベンチマヌク構築ず蚀語理解モデル開発の奜埪環が生たれおいるこのような英語における蚀語理解研究掻性化の朮流に乗じお䞭囜語版のCLUE\cite{xu-etal-2020-clue}フランス語版のFLUE\cite{le-etal-2020-flaubert-unsupervised}韓囜語版のKLUE\cite{park2021klue}など各蚀語におけるベンチマヌク構築が進んでいるしかし日本語にはGLUEのようなベンチマヌクが存圚せず日本語自然蚀語凊理にずっお倧きな問題ずなっおいる日本語は英語や他の蚀語ずは以䞋の点で異なるこずから英語デヌタセットにおける研究の知芋は必ずしも日本語に適甚できるずは限らない\begin{itemize}\itemひらがなカタカナ挢字アルファベットが䜿われる\item単語間に空癜区切りが無い\item語順が比范的自由である\end{itemize}以䞊の背景より日本語の蚀語理解ベンチマヌクの構築は急務ずなっおいるJSNLI\cite{jsnli:ipsj}やJSICK\cite{è°·äž­çž³2021}など個々の日本語デヌタセットは構築されおいるがそれらの䞻な構築手法は英語のデヌタセットからの機械翻蚳あるいは人手翻蚳であるいずれの翻蚳手法でも翻蚳文の䞍自然さや翻蚳元の蚀語倚くの堎合英語ず翻蚳埌の蚀語本研究では日本語ずの間での文化・瀟䌚差が倧きな問題ずなるこずが\citeA{clark-etal-2020-tydi}や\citeA{park2021klue}らに指摘されおいるたた特定ドメむンの日本語のデヌタセットずしおホテルレビュヌを察象ずしたJRTEコヌパス\cite{hayashibe-2020-japanese}や運転行動を察象ずした運転ドメむンQA\cite{takahashi-etal-2019-machine}が構築されおいるがいずれも䞀般的なドメむンの蚀語理解胜力を枬るのには向かない本研究では䞀般的な日本語蚀語理解胜力を枬るこずを目的ずしお翻蚳を介するこずなく日本語で䞀から蚀語理解ベンチマヌクJGLUEを構築するJGLUEは衚\ref{tbl:jglue_overview}に瀺すように文章分類文ペア分類QAの3皮類のタスクから構成しGLUEおよびSuperGLUEのタスクを幅広くカバヌするように蚭蚈したたた構築したJGLUEを甚いお皮々の事前孊習モデルを評䟡し珟状のモデルやデヌタセットの分析を行ったJGLUEは2022幎6月より\url{https://github.com/yahoojapan/JGLUE}にお公開しおいる本ベンチマヌクによっお日本語における蚀語理解研究が掻性化するこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{03table01.tex}\caption{JGLUEの構成}\label{tbl:jglue_overview}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:relative}蚀語理解モデルを評䟡するためのベンチマヌクの先駆けはGLUEであるGLUEは英語を察象ずしお文章分類および文ペア関係分類の2皮のタスク合蚈9぀のデヌタセットで構成されおいるGLUEより難易床の高いベンチマヌクずしおSuperGLUEが構築されおいるSuperGLUEはGLUEにおいお最も難易床が高い含意関係認識デヌタセットを残した䞊でQAや垞識掚論など難易床の高いデヌタセットを加えた合蚈8぀のデヌタセットずしお構築されおいるこのような英語におけるベンチマヌク構築が蚀語理解モデル開発を掻性化しBERT\cite{devlin-etal-2019-bert}やその拡匵モデルが倚く生み出されたこの動きに䌎い䞭囜語フランス語韓囜語むンドの蚀語矀アラビア語カタルヌニャ語などの各蚀語でCLUE,FLUE,KLUE,IndicGLUE\cite{kakwani-etal-2020-indicnlpsuite},ARLUE\cite{DBLP:journals/corr/abs-2101-01785},ALUE\cite{seelawi-etal-2021-alue},CLUB\cite{rodriguezpenagos2021catalan}などの蚀語理解ベンチマヌクを構築する研究が掻発になっおいるたたXGLUE\cite{liang2020xglue},XTREME\cite{hu2020xtreme},XTREME-R\cite{ruder2021xtremer}などの倚蚀語のベンチマヌクも構築されおいる日本語も倚蚀語ベンチマヌクに含たれおいるがデヌタ数は少量である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{JGLUEの構築} \label{sec:jglue}JGLUEは衚\ref{tbl:jglue_overview}のずおり文章分類文ペア分類QAのタスクから構成する以䞋では各タスクのデヌタセットの構築方法に぀いお説明するただし文章分類タスクの䞀぀であるJCoLA日本語容認性刀断デヌタセット\cite{Someya2022}は他研究組織から提䟛を受ける予定であり本皿では説明しない各デヌタセットは英語からの翻蚳ではなく日本語のテキストを甚いお構築し正解の付䞎や自由蚘述文の䜜成はクラりド゜ヌシング\footnote{Yahoo!クラりド゜ヌシング\url{https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/}を甚いた}を甚いお行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{MARC-ja}\label{ssec:jglue:marc}文章分類タスクの䞀぀ずしお倚蚀語商品レビュヌコヌパスMARC(MultilingualAmazonReviewsCorpus)\cite{keung-etal-2020-multilingual}の日本語郚分を基にデヌタセットを構築するMARCは通販サむト「アマゟン」における商品レビュヌずそれに玐づく1--5の5段階のレヌティングをたずめおいるコヌパスであり英語や日本語などの耇数蚀語で公開されおいるJGLUEではMARCの日本語郚分を䜿甚したた蚈算機人間ずもにできる限り揺らぎなく刀定できるように5段階のレヌティングのうち3を陀く4぀の評䟡に぀いお1,2を``negative''4,5を``positive''に倉換した2倀分類タスクずする䟋えば衚\ref{tab:marc-ja-example}の䞊4件の䟋に぀いお5段階のレヌティングで4,5の評䟡が぀いおいる文章や1,2の評䟡が぀いおいる文章のレヌティングの刀定は人間にずっおも困難であるがpositive,negativeの2倀分類タスクずするこずで刀定が容易ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{03table02.tex}\hangcaption{MARC-jaの䟋䞊4件はクラりド゜ヌシングの前埌でラベルが倉わらなかった䟋䞋2件はクラりド゜ヌシングによっおラベルが倉わった䟋}\label{tab:marc-ja-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%MARCにおける問題点ずしおpositiveな内容のレビュヌに察し1や2の評䟡が぀いおいる堎合など内容ず評䟡が乖離したデヌタが含たれおいる堎合があるこずが挙げられるこれらのデヌタにはレビュヌの内容ず明らかに異なったラベルが割り振られるためデヌタセットの品質を䜎䞋させる評䟡に甚いるdev/testセットに察しおはこれらのデヌタを修正し高品質なものにするために玄12,000件のレビュヌに察しおpositive/negative刀定タスクをクラりド゜ヌシングで実斜する10人から回答を収集し7人以䞊から同じ回答を埗られたデヌタのみを採甚し祚の倚い回答を正解ラベルずする収集したデヌタを分割するこずでdev/testセットずする以䞊の手続きにより5,654件のdevセット5,639件のtestセットを獲埗したtrainセットは倧芏暡であるため䞊蚘の手続きを実斜せず187,528件のデヌタを抜出したMARC-jaのラベル分垃を衚\ref{tbl:marc-ja-detail}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{03table03.tex}\caption{MARC-jaのラベル分垃}\label{tbl:marc-ja-detail}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%MARC-jaで甚いる評䟡指暙には文章の2倀分類タスクであるこずから粟床(accuracy)を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{JSTS・JNLI}\label{ssec:jglue:jsts-jnli}文ペア分類タスクに぀いおは意味的類䌌床蚈算(SemanticTextualSimilarity,STS)デヌタセットJSTSおよび自然蚀語掚論(NaturalLanguageInference,NLI)デヌタセットJNLIを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{抂芁}\label{sssec:jglue:jsts-jnli:overview}STSは文ペアの意味的な類䌌床を掚定するタスクである正解の類䌌床はクラりド゜ヌシングによっお耇数人で付䞎した敎数倀0意味が完党に異なるから5意味が等䟡の平均倀ずされるのが䞀般的であるNLIは前提文ず仮説文の文ペアが䞎えられたずきに前提文が仮説文に察しおも぀掚論関係を認識するタスクである掚論関係ずしおは「含意(entailment)」「矛盟(contradiction)」「䞭立(neutral)」の3倀で定矩されるのが䞀般的である正解の掚論関係はクラりド゜ヌシングによっお耇数人から回答を収集し倚数決によっお付䞎するこずが倚いSTSNLIタスクはGLUEにおいおそれぞれSTS-B\cite{2017}MultiNLI\cite{williams-etal-2018-broad}デヌタセットが含たれおいる日本語では英語NLIデヌタセットSNLI(StanfordNLI)\cite{snli:emnlp2015}を機械翻蚳したJSNLI\cite{jsnli:ipsj}英語STS/NLIデヌタセットSICK\cite{marelli-etal-2014-sick}を人手翻蚳したJSICK\cite{è°·äž­çž³2021}があるしかし\ref{sec:intro}節で述べたようにこれらには翻蚳に由来する問題があるため本研究では日本語で䞀から構築するJSTSずJNLIの文ペアは基本的にMSCOCOCaptionDataset\cite{chen2015microsoft}の日本語版YJCaptionsDataset\cite{P16-1168}\footnote{YJCaptionsはMSCOCO\cite{chen2015microsoft}の各画像に察しおクラりド゜ヌシングを甚いお日本語のキャプションを5぀付䞎するこずで構築されおいる}以䞋YJCaptionsず呌ぶから抜出するSICKやJSICKず同様にJSTSずJNLIを構成する文ペアの倧郚分は重耇しおおり同じ文ペアに察する類䌌床ず掚論関係ずの間の関係を分析するこずができるJSTSにおける類䌌床はSTS-Bず同様に05の実数倀ずしJNLIにおける掚論関係はSNLIやMultiNLIなどず同様に䞊蚘の3倀ずする各掚論関係の定矩はSNLIに基づく%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{構築方法}\label{sssec:jglue:jsts-jnli:construction}JSTSずJNLIの構築フロヌを図\ref{fig:jsts-jnli-flow}に瀺す基本的にはYJCaptionsの同じ画像に察する2぀のキャプションを文ペアずしクラりド゜ヌシングによっお類䌌床および掚論関係を付䞎するここで二぀の問題が生じる䞀぀目はJSTSにおいお同じ画像に察するキャプションからは類䌌床の䜎い文ペアを収集しにくいずいう問題であるそこで異なる画像に察するキャプションから類䌌床の䜎い文ペアを収集する二぀目はJNLIにおいおも同様に同じ画像に察するキャプションからはcontradiction関係にある文ペアを収集しにくいずいう問題であるそこでクラりド゜ヌシングによっお付䞎する掚論関係はentailmentずneutralのみずしcontradiction関係に぀いおはあるキャプションに察しお矛盟する文をワヌカヌに䜜文しおもらうこずによっお収集する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f1.pdf}\end{center}\hangcaption{JSTS・JNLIの構築フロヌ画像の出兞:いらすずや(\protect\url{https://www.irasutoya.com/}),ONWAむラスト(\protect\url{https://onwa-illust.com/})}\label{fig:jsts-jnli-flow}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%JSTSずJNLIの詳现な構築手順を以䞋に瀺す\begin{description}\item[Step1]YJCaptionsの同じ画像に察する2぀のキャプションを文ペアずしたSTSタスクをクラりド゜ヌシングで実斜する5人から回答を収集しその平均倀を正解類䌌床ずするただし回答の分散が倧きい文ペアに぀いおは類䌌床の刀断が難しいもしくは回答の品質が悪い文ペアず刀断し削陀する16,000件の文ペアを察象に䞊蚘タスクを実斜し類䌌床の分散が1.0以䞊の文ペアを削陀した結果10,236件の文ペアに察する類䌌床を収集したこの収集デヌタをJSTS-Aず呌ぶ\item[Step2]類䌌床の䜎い文ペアを収集するために異なる画像に察するキャプションを文ペアずしたSTSタスクをクラりド゜ヌシングで実斜する本タスクもStep1ず同様の方法で類䌌床を獲埗し回答の分散によるフィルタリングを実斜する4,000件の文ペアを察象に䞊蚘タスクを実斜し2,970件の文ペアに察する類䌌床を収集したこの収集デヌタをJSTS-Bず呌ぶ\item[Step3]JSTS-Aに察しおNLIタスクをクラりド゜ヌシングで実斜する掚論関係には方向性があるため文ペアに぀いお双方向で掚論関係を埗る前述のずおり同じ画像のキャプションから収集したJSTS-Aからはcontradictionの事䟋を収集しづらいためこのステップではentailmentずneutralの事䟋を収集する10人から掚論関係の回答を収集し6人以䞊が同䞀の回答をした堎合にそれがentailmentかneutralであれば正解ラベルずしお採甚する同䞀の回答が6人以䞊から埗られなかった文ペアは採甚しないJSTS-Aに察しお双方向で掚論関係を埗るためJSTS-Aの2倍の20,472件の文ペアを察象に䞊蚘タスクを実斜し回答の䞀臎床が高い17,501件の文ペアに察する掚論関係を収集したこの収集デヌタをJNLI-Aず呌ぶなおJSTS-Bに぀いおは文ペア間に関連性がなく3぀の掚論関係から遞択するこずが難しいこずからNLIタスクには䜿甚しない\footnote{このような関係はneutralず定矩するのが自然であるがSNLIにおいおはcontradictionず定矩されおいるしかしSNLIは提瀺文に察しお各関係の文をクラりドワヌカヌに曞いおもらう仕様のためこのような文ペアは含たれおいない}\item[Step4]contradictionのNLI事䟋を収集するためYJCaptionsのキャプションに察しお矛盟する文を4぀ず぀䜜成するタスクをクラりド゜ヌシングで実斜する䜜成された文のうち短い文や提瀺文ず関連性の䜎い文ずいった品質の䜎い文を陀去するために線集距離が0.75以䞊の文ペアを陀去するさらに䜜成した文ペアが本圓に矛盟関係にあるかを確認するために10人で片方向のNLIタスクを実斜し6人以䞊がcontradictionず回答した文ペアのみを採甚する最埌に矛盟関係には方向性がないため採甚された文ペアにおける反察方向の掚論関係ずしおcontradictionを自動付䞎する1,800件のキャプションを甚いお7,200件の文ペアを獲埗しそこから片方向のcontradiction関係を付䞎した文ペアを3,779件収集した反察方向のcontradiction関係を自動付䞎するこずで2倍の7,558件の事䟋を収集したこの収集デヌタをJNLI-Cず呌ぶ\item[Step5]Step4で収集した3,779件の文ペアに぀いおクラりド゜ヌシングによるSTSタスクを実斜するStep1,2ず同様の方法で類䌌床付䞎ずフィルタリングを実斜する以䞊により3,779件の文ペアから2,303件の文ペアに察する類䌌床を収集したこの収集デヌタをJSTS-Cず呌ぶ\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{03table04.tex}\caption{JSTS・JNLIの䟋}\label{tbl:jsts-jnli-examples}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5and6\begin{table}[t]\begin{minipage}[t]{205pt}\input{03table05.tex}\caption{JSTSのラベル分垃}\label{tbl:jsts-detail}\end{minipage}\hfill\raisebox{13pt}[0pt][0pt]{%\begin{minipage}[t]{205pt}\input{03table06.tex}\caption{JNLIのラベル分垃}\label{tbl:jnli-detail}\end{minipage}}%\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%以䞊の手続きによっお獲埗したJSTS-A,B,Cの3぀でJSTSたたJNLI-A,Cの2぀でJNLIを構築した最埌に重耇する文ペア事䟋をJSTSから12件JNLIから44件陀去したJSTSずJNLIの䟋を衚\ref{tbl:jsts-jnli-examples}に瀺すJSTSずJNLIのラベル分垃をそれぞれ衚\ref{tbl:jsts-detail},\ref{tbl:jnli-detail}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{03table07.tex}\caption{JSTSにおける類䌌床の分散の平均倀ず分散の暙準偏差}\label{tbl:jsts-agreement}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%JSTSの質を評䟡するためにそれぞれの文ペアに察しおクラりドワヌカヌ5人が回答した類䌌床の分散を蚈算し分散の平均倀ず暙準偏差を算出したそれぞれの倀は衚\ref{tbl:jsts-agreement}に瀺す通り小さい倀ずなっおおりアノテヌションの品質を保蚌する結果ずなっおいるJNLIのアノテヌションの䞀臎床を評䟡するために党おの文ペアにおける10人のクラりドワヌカヌの回答のFleiss'Kappa係数を蚈算した係数の倀は0.399でありある皋床の䞀臎を瀺す数倀ずなったこの結果はそれぞれの回答の信頌床が高くないこずを瀺しおいるものの倚数決によっお収集したラベルは人間のスコアの高さ\ref{ssec:experiment:results}節から信頌床が高いず蚀える\label{ssec:jglue:jsts-jnli:metric}JSTSの評䟡指暙にはSTS-Bず同様にPearsonおよびSpearman盞関係数を甚いるJNLIの評䟡指暙にはSNLIMultiNLIなどず同様に粟床を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{JSQuAD}\label{ssec:jglue:jsquad}QAデヌタセットずしお機械読解デヌタセットである日本語版SQuAD(JSQuAD)ず垞識掚論デヌタセットである日本語版CommonsenseQAJCommonsenseQA\ref{ssec:jglue:jcqa}節で説明を構築する機械読解タスクは文曞を読みそれに関する質問に察しお答えるずいうタスクである倚くの機械読解評䟡セットは英語で構築されおいるがその他の蚀語での機械読解評䟡セットもしくは倚蚀語の評䟡セットが構築され始めおいる日本語ではクむズを察象にした機械読解評䟡セット\cite{suzuki-2018}や運転ドメむンの評䟡セット\cite{takahashi-etal-2019-machine}が構築されおいるが䞀般ドメむンのものはないそこでWikipediaを甚いお䞀般ドメむンの評䟡セットを構築する構築は基本的にSQuAD1.1\cite{rajpurkar-etal-2016-squad}にならうたず高品質な蚘事を察象ずするためにNayuki\footnote{NayukiはWikipedia内のハむパヌリンクに基づき蚘事の品質を掚定するシステムでSQuADでも利甚されおいる\url{https://www.nayuki.io/}}を䜿っおスコアトップ10,000蚘事を遞出しそこからランダムに822蚘事を遞んだこれらの蚘事には䟋えば「熊本県」「フランス料理」が含たれおいる次に蚘事を段萜に分割しクラりドワヌカヌに各段萜を提瀺し段萜を理解できれば答えられるような質問ずその正解を曞いおもらう曞いおもらった正解が段萜䞭にない堎合はその問題は採甚しない最埌にパタヌンマッチングず人手での確認により質問文が段萜のタむトルや本文に包含される事䟋など1,094件の問題を陀去したJSQuADの䟋を図\ref{fig:jsquad_example}に瀺すdev/testセットに぀いおはシステム評䟡を頑健にするために質問ず正解を曞いおもらったワヌカヌずは別のワヌカヌに远加で2぀の正解を曞いおもらうこの際「回答䞍可」の遞択肢を甚意しワヌカヌの回答が段萜䞭に存圚しない文字列あるいは「回答䞍可」であった堎合にはその回答を採甚しない2぀の回答が共に採甚されない堎合は問題ごず陀去する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f2.pdf}\end{center}\caption{JSQuADの䟋}\label{fig:jsquad_example}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%評䟡指暙はSQuADにならいExactmatch(EM)ずF1を甚いる最倧3぀の正解が存圚するのでシステムの出力ず各正解を比范しお最倧のスコアを取るEMならびにF1を採甚する英語ではF1は単語単䜍で蚈算されおいるが日本語で圢態玠単䜍で蚈算するず採甚する圢態玠解析噚によっお倀が異なっおしたうので文字単䜍で蚈算する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{JCommonsenseQA}\label{ssec:jglue:jcqa}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{抂芁}JCommonsenseQAはCommonsenseQA\cite{talmor-etal-2019-commonsenseqa}の日本語版デヌタセットであり垞識掚論胜力を評䟡するための5択のQAで構成するJCommonsenseQAの䟋を図\ref{fig:jcqa-example}に瀺すJCommonsenseQAはCommonsenseQAず同様に知識ベヌスConceptNet\cite{Speer_Chin_Havasi_2017}をシヌドずしクラりド゜ヌシングを甚いお構築するConceptNetは2぀の抂念(concept)ずその間の関係(relation)を衚す3぀組からなる倚蚀語知識ベヌスである3぀組は方向性を持ち䟋えば新幹線,AtLocation,駅のように(sourceconcept,relation,targetconcept)ずしお衚される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3and4\begin{figure}[t]\raisebox{77.5pt}[0pt][0pt]{%\begin{minipage}[t]{0.49\linewidth}\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f3.pdf}\end{center}\caption{JCommonsenseQAの䟋\textbf{倪字}は正解を衚す}\label{fig:jcqa-example}\end{minipage}}%\hfill\begin{minipage}[t]{0.49\linewidth}\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f4.pdf}\end{center}\caption{JCommonsenseQAの構築フロヌ}\label{fig:jcqa-flow}\end{minipage}\vspace{-0.5\Cvs}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{構築方法}\label{ssec:jglue:jcqa:construction}JCommonsenseQAの構築フロヌを図\ref{fig:jcqa-flow}に瀺すたずsourceconceptずそれに察しお同じrelationを持぀targetconcept3぀からなる集合をConceptNetから収集する以降この集合をQuestionSet(QS)ず呌ぶ次に各QSに察しお1぀のtargetconceptのみが正解ずなる質問文の䜜成ず2぀の誀答遞択肢の远加をクラりド゜ヌシングで行う以䞋ではCommonsenseQAずの違いを瀺し぀぀JCommonsenseQAの詳现な構築手順を説明する\begin{enumerate}\itemConceptNetから日本語QSを収集するCommonsneseQAにおいおは(sourceconcept,relation,targetconcept)ずいう順方向の関係のみのQSを採甚しおおりrelationは``RelatedTo'',``IsA''など䞀般的すぎるものを陀いたものを甚いおいるJCommonsneseQAでも䞀般的すぎるrelationを陀倖した22皮類のrelation集合\footnote{䜿甚したrelationはAntonym,AtLocation,CapableOf,Causes,CausesDesire,DefinedAs,DerivedFrom,Desires,DistinctFrom,EtymologicallyDerivedFrom,HasA,HasFirstSubevent,HasLastSubevent,HasPrerequisite,HasProperty,InstanceOf,MadeOf,MotivatedByGoal,NotDesires,PartOf,SymbolOf,UsedForの22皮類}を甚いるが問題の遞択肢をより倚様化させるために関係の方向は䞡方向ずするすなわち(sourceconcept,relation$^{-1}$,targetconcept)ずいう逆方向の関係も甚いる\footnote{䟋えば駅,AtLocation$^{-1}$,新幹線のような3぀組からsourceconcept「駅」に察しおtargetconcept「新幹線」「時刻衚」「改札」を埗る}以䞊の蚭定でsource/targetconceptが日本語である43,566件のQSを抜出しそこから7,500件をランダムに遞択した\itemCommonsenseQAには正解ずなり埗る遞択肢が耇数含たれおいる䜎品質な問題が少数含たれおいるJCommonsenseQAにおいおは正解の䞀意性を担保するためにCommonsenseQA構築では実斜しおいない2぀の凊理を行うたず各QSに぀いお3぀のtargetconcept内に衚蚘揺れず刀断されるものがあればそのQSを陀去する衚蚘揺れの刀断は圢態玠解析蟞曞JumanDic\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/JumanDIC}}の単語ID代衚衚蚘が䞀臎するかどうかで行うさらにtargetconcept内に同矩語が含たれおいるかを刀定するタスクをクラりド゜ヌシングで実斜し3぀のtargetconcept䞭に同矩語が含たれるQSを陀去する以䞊より7,500件のQSから5,920件のQSを採甚した\item各QSにおいお3぀のtargetconceptのうちの1぀のconceptだけが正解ずなる質問文をクラりド゜ヌシングで䜜成するさらにJCommonsenseQAでは正解の文字数やキヌワヌドの指定などでヒントを䞎えられた難易床の䜎い質問および䞍適切な圢匏の質問文を陀去するために以䞋のいずれかに該圓する質問文を持぀問題を陀去する\begin{enumerate}\item質問文に遞択肢の蚀葉が含たれる\item質問文に「○文字」ずいう文字列が含たれる\footnote{「倀段が高いこずを挢字2文字でなんずいう」のような問題を陀くために蚭定する}○は数字\item質問文の文末が「」ではない\end{enumerate}以䞊により5,920×3=17,760件の問題を䜜成しそこから䞍適切な問題を陀去するこずで15,310件の問題を採甚した\itemCommonsenseQAでは2぀の誀答遞択肢の远加にあたっお1぀をConceptNetから遞択しもう1぀をクラりド゜ヌシングで䜜成しおいるJCommonsenseQAではより倚様な誀答遞択肢ずするためConceptNetからの遞択は行わずクラりド゜ヌシングで2぀の誀答遞択肢を䜜成し远加するたた問題の品質向䞊のために以䞋のいずれかに該圓する遞択肢が远加された問題を陀去する\begin{enumerate}\item質問文に含たれる蚀葉ず同じ遞択肢\item既存の遞択肢ず重耇する遞択肢\end{enumerate}以䞊により15,310件の問題に誀答遞択肢を远加しそのうち13,906件を採甚した\item各問題を3人のクラりドワヌカヌに回答しおもらい2人以䞊が正解した問題のみを採甚するこれにより13,906件の問題のうち11,263件を採甚した\end{enumerate}最埌にパタヌンマッチングず人手での確認によりひらがなやアルファベット1文字の遞択肢が含たれる事䟋など87件の問題を陀去したJCommonsenseQAの評䟡指暙にはCommonsenseQAず同様に粟床を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{JGLUEによるベヌスラむンモデルの評䟡} \label{sec:experiment}構築したJGLUEを甚いお様々な事前孊習モデルの性胜評䟡を行ったたた人間のスコアを蚈算しモデルず比范したそしお各デヌタセットの分析を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{03table08.tex}\hangcaption{実隓に甚いた事前孊習モデルの詳现モデル名の䞞括匧内はHuggingFaceHubでの名称を瀺す東北倧\bertbaseXLM-\robertbase早皲田倧\robertbaseに぀いおはLARGEサむズも䜿甚する早皲田倧\robertbaseのmaxseqlengthは128早皲田倧\robertlargeのmaxseqlengthは128ず512の2皮類ありその他のモデルのmaxseqlengthは512である事前孊習テキストのCCはCommonCrawlを衚す}\label{tab:pretrained_models}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}\label{ssec:experiment:settings}事前孊習モデルをファむンチュヌニングするこずで各デヌタセットに察するモデルの孊習を行った実隓に甚いた事前孊習モデルを衚\ref{tab:pretrained_models}に瀺す各事前孊習モデルのファむンチュヌニングはタスク/デヌタセットに応じお以䞋のように行った\footnote{ファむンチュヌニングはHuggingFaceによっお提䟛されおいるTransformersラむブラリ(\url{https://github.com/huggingface/transformers})を甚いお行った}\begin{itemize}\item文章分類タスクず文ペア分類タスク:\texttt{[CLS]}トヌクンに察する分類問題もしくは回垰問題を解く\itemJSQuAD:各トヌクンに察しお正解のスパンの開始/終了ずなるかどうかの分類問題を\linebreak解く\footnote{トヌクナむザにUnigram蚀語モデルを甚いおいるXLM-\robertbaseずXLM-\robertlargeはトヌクンの分割䜍眮が解答の開始/終了䜍眮ず䞀臎しない事䟋が頻出するこずで性胜が䜎くなっおしたうため実隓に䜿甚しない}\itemJCommonsenseQA:質問ず各遞択肢を連結し倚肢遞択匏問題を解く\end{itemize}実隓に甚いたハむパヌパラメヌタを衚\ref{tab:hyperparams}に瀺すlearningrateずepochに぀いおはdevセットを甚いお最適なハむパヌパラメヌタを探玢しそれを甚いおtestセットで性胜を評䟡した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[b]\input{03table09.tex}\caption{実隓に甚いたハむパヌパラメヌタ}\label{tab:hyperparams}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%モデルの性胜を人間のスコアず比范するために人間のスコアの獲埗をデヌタセットごずに以䞋の手順で行った\begin{itemize}\itemMARC-ja:positive/negative刀定タスクをクラりド゜ヌシングで実斜し10人から回答を収集しお倚数決をずる同祚に぀いおはランダムにpositive/negativeのいずれかを人間のスコア獲埗時の回答ずする構築枈みのラベルず䞀臎する回答の割合を人間のスコアずする\itemJSTS:STSタスクをクラりド゜ヌシングで実斜し5人から回答を収集したのちその平均倀を人間のスコア獲埗時の類䌌床ずする構築枈みラベルの倀ず人間のスコア獲埗時の類䌌床のSpearman盞関係数を人間のスコアずする\itemJNLI:NLIタスクをクラりド゜ヌシングで実斜し10人から回答を収集しお倚数決をずる同祚で1䜍の2぀のラベルに぀いおはランダムにいずれかを遞択しお人間のスコア獲埗時の回答ずする構築枈みのラベルず䞀臎する回答の割合を人間のスコアずする\itemJSQuAD:構築枈みの各問題に察する2぀もしくは3぀の正解のうち1぀目の正解を人間のスコア獲埗時の人間の回答ずみなす残りの正解ず人間の回答ずの間のEMずF1スコアをそれぞれ蚈算し最も倧きいスコアを人間のスコアずする\footnote{システムの堎合は最倧3぀の正解ず比范しおスコアを算出しおいるのに察し人間の堎合は最倧2぀の正解ず比范しおいるため条件が若干異なる}\itemJCommonsenseQA:各問題の回答をクラりド゜ヌシングにより5人から収集し倚数決をずる同祚で1䜍の2぀の遞択肢に぀いおはランダムに遞んだ1぀の遞択肢を人間の回答ずする構築枈みのラベルず䞀臎する回答の割合を人間のスコアずする\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[b]\input{03table10.tex}\caption{JGLUEによる各皮モデルの評䟡結果}\label{tab:experimental_results}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f5.pdf}\end{center}\hangcaption{早皲田倧\robertlargeが正解を東北倧\bertbaseが䞍正解を出力したJCommonsenseQAの事䟋\textbf{倪字}が正解\underline{䞋線}が䞍正解の出力}\label{fig:jcqa-improved-example}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}\label{ssec:experiment:results}衚\ref{tab:experimental_results}に各皮モデルのスコアならびに人間のスコアを瀺すモデルの性胜の比范では以䞋のこずがいえる\begin{itemize}\item早皲田倧\robertlarge\cite{liu2019roberta}ずXLM-\robertlarge\cite{conneau-etal-2020-unsupervised}の性胜が党般的によいこれはモデルサむズがLARGEであるこずず事前孊習のテキストずしおWikipediaよりも倧芏暡なCommonCrawlを䜿っおいるこずが考えられる\item解析単䜍に぀いおサブワヌド単䜍東北倧\bertbase{}ず文字単䜍東北倧\bertbase{}(char)を比范するず䞀貫しおサブワヌド単䜍の方が粟床が高い\itemJCommonsenseQAはWikipediaには蚘茉されにくい垞識的な知識を芁求するこずからCommonCrawlを甚いたモデルの粟床が高い図\ref{fig:jcqa-improved-example}に早皲田倧\robertlargeが正解を東北倧\bertbaseが䞍正解を出力したJCommonsenseQAの事䟋を瀺すこのような知識はWikipediaには蚘茉されにくい\item早皲田倧\robertlargeshortず早皲田倧\robertlargelongを比范するず入力長が長いMARC-jaずJSQuADではs512の粟床がs128よりも向䞊しおいる\itemMARC-jaずJCommonsenseQA以倖のデヌタセットに぀いおはベストなモデルは人間のスコアず同等たたは超えおいる\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[b]\input{03table11.tex}\caption{MARC-jaにおけるシステムの正解䟋・誀り䟋}\label{tab:system-output-marc-ja}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[b]\input{03table12.tex}\hangcaption{JSTSにおけるシステムの正解䟋・誀り䟋ここでの正解誀りはそれぞれシステム出力ず正解の差が比范的小さい倧きい事䟋のこずを指す}\label{tab:system-output-jsts}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{議論}\label{ssec:experiment:discussion}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[t]\input{03table13.tex}\caption{JNLIにおけるシステムの正解䟋・誀り䟋}\label{tab:system-output-jnli}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[t]\input{03table14.tex}\caption{JSQuADにおけるシステムの正解䟋・誀り䟋}\label{tab:system-output-jsquad}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{システムの正解䟋・誀り䟋}衚\ref{tab:system-output-marc-ja}から衚\ref{tab:system-output-jcomqa}にdevセットに察するシステムの正解䟋ならびに誀り䟋を瀺す各デヌタセットで最も性胜の高かったシステムの䟋を掲茉しおいるMARC-ja衚\ref{tab:system-output-marc-ja}は党般的に性胜が高く正解䟋のように正しく刀定できる堎合が倚い誀りは䟋に瀺すようにレビュヌ文章䞭にpositiveな蚀及ずnegativeな蚀及が混圚し刀断が難しい堎合が倚いJSTS衚\ref{tab:system-output-jsts}の正解䟋では1぀目の䟋のように「痩せ型」ず「现身」の同矩関係が認識できおいたり2぀目の䟋のように「暪転した癜いトラックがありたす」ず「癜色のトラックが暪転しおいたす」の語順の入れ替わりが認識できおいた䟋があった誀り䟋では䜿われおいる単語の重耇は倚いが異なる意味の2文に察しお誀っお高い類䌌床を出力しおいる堎合があったJNLI衚\ref{tab:system-output-jnli}では正解䟋にあげたような堎合は正しく刀定できおいる誀り䟋の1぀目では「ティアラを身に぀けおいたす」ず「ティアラをかぶっおいたす」の含意関係を認識できおおらずたた2぀目では「赀ん坊」ず「テヌブル」の䜍眮関係を認識できおおらず誀っおentailmentず出力しおしたっおいるJSQuAD衚\ref{tab:system-output-jnli}では正解䟋にあげたようなケヌスは正しく刀定できおいる誀り䟋では答えずなる囜の候補が3぀あり2文目ず3文目を合わせお掚論する必芁がありこのような堎合にシステムが誀っおいたJCommonsenseQA衚\ref{tab:system-output-jcomqa}では正解䟋にあげたような垞識的な知識をシステムが備えおいるこずがわかる\pagebreak誀り䟋の1぀目では質問䞭の「コンビニ」ず「カりンタヌ」から誀っお「レゞ」ず答えおしたっおおりたた2぀目では質問の「毎週発刊」ず遞択肢の「週刊誌」の関係性が捉えられおおらずこのような垞識的な知識をどのようにすれば埗られるかは今埌の怜蚎課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[t]\input{03table15.tex}\caption{JCommonsenseQAにおけるシステムの正解䟋・誀り䟋\textbf{倪字}が正解\underline{䞋線}が出力}\label{tab:system-output-jcomqa}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table16\begin{table}[t]\input{03table16.tex}\hangcaption{MARC-jaにおける人間の誀り回答䟋PはpositiveNはnegativeを衚しおおり\textbf{倪字}は倚数決で遞ばれたラベルを衚す。}\label{tab:human-error-marc-ja}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table17\begin{table}[t]\input{03table17.tex}\caption{JSTSにおける人間の誀り回答䟋}\label{tab:human-error-jsts}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table18\begin{table}[t]\input{03table18.tex}\hangcaption{JNLIにおける人間の誀り回答䟋EはentailmentCはcontradictionNはneutralを衚しおおり\textbf{倪字}は倚数決によっお遞ばれたラベルを衚す}\label{tab:human-error-jnli}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table19\begin{table}[t]\input{03table19.tex}\caption{JSQuADにおける人間の誀り䟋}\label{tab:human-error-jsquad}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table20\begin{table}[t]\input{03table20.tex}\hangcaption{JCommonsenseQAにおける人間の誀り回答䟋遞択肢の\textbf{倪字}は正解[]内の数字は人間のスコア獲埗時の人間の回答の祚数を衚す}\label{tab:human-error-jcomqa}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{人間の誀り回答}党般的に人間のスコアは高いが人間の刀断が揺れる問題が少ない割合ではあるが䜜成されおいる衚\ref{tab:human-error-marc-ja}から衚\ref{tab:human-error-jcomqa}に各デヌタセットの人間の誀り回答䟋を瀺すMARC-jaにおいおは衚\ref{tab:human-error-marc-ja}に瀺すようにpositive(negative)な意味を前提ずしたnegative(positive)な発蚀を含む事䟋がしばしば存圚しおおり刀断を悩たせおいるJNLIでは衚\ref{tab:human-error-jnli}に瀺すようにデヌタ構築時や人間のスコア獲埗時に4:6,5:5などに回答が分かれるような刀断が難しい事䟋が少数含たれおいるJSTSに぀いおもデヌタ構築時ず人間のスコア獲埗時で倧きく類䌌床が異なっおしたう事䟋が少数含たれおいるJSQuADでは衚\ref{tab:human-error-jsquad}に瀺すように正解のスパンの区切り䜍眮の刀別が難しい䟋や別解が考えられる䟋そのほか質問文が砎綻しおいる事䟋が含たれおいるJCommonsenseQAにおいおは衚\ref{tab:human-error-jcomqa}に瀺すように別解が考えられる䟋や人が誀っお答えおしたう事䟋が含たれるこれらの誀りに察凊するためにはデヌタセット構築時の各事䟋の怜蚌により倚数のクラりドワヌカヌを甚いるこずでよりロバストな結果を埗るこずなどが考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{蚓緎デヌタの数の劥圓性}蚓緎デヌタの量の倍率を0.75,0.5倍ず倉化させおdevセットでの性胜の倉化を確認した各デヌタセットで最も高い性胜を出したモデルを甚いおいる粟床の倉化を図\ref{fig:learning_curve}に瀺す党おのデヌタセットで性胜はほが飜和しおいるこずから構築したデヌタセットの量は十分であるず蚀える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-1ia3f6.pdf}\end{center}\caption{孊習デヌタ量を倉えた時の粟床倉化}\label{fig:learning_curve}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{JNLIにおけるAnnotationArtifacts}クラりドワヌカヌに䜜文しおもらうこずによっお構築されたデヌタセットはAnnotationArtifactsが発生するこずがあり特にNLIデヌタセットにおいお顕著である\cite{poliak-etal-2018-hypothesis,tsuchiya-2018-performance}AnnotationArtifactsずはアノテヌションによっおデヌタ内に生じおしたうあるパタヌンのこずを呌ぶ䟋えばクラりドワヌカヌによっお䜜成された仮説文内に「not」が含たれおいる堎合にたいおい掚論関係がcontradictionであるずシステムは仮説文のみを参照するだけでも十分高い性胜を出すこずができるJNLIにおいお仮説文のみを甚いた掚論の性胜を確認したはじめに本実隓甚にJNLIから郚分集合の抜出を行った具䜓的には掚論関係がcontradictionである文ペア集合からクラりドワヌカヌの䜜成文が仮説文である文ペアを抜出した掚論関係がentailment,neutralである文ペア集合に぀いおは片方向分のみ文ペア抜出したそしお仮説文のみを甚いた掚論結果ずmajorityベヌスラむンずしお党おの出力をneutralずする堎合のスコアをそれぞれ比范した比范の結果を衚\ref{tab:hypothesis-only-JNLI}に瀺す東北倧\bertbaseモデルによる仮説文のみを甚いた掚論の結果がmajorityベヌスラむンより高粟床ずなっおいるこずから\footnote{XLM-\robertlargeモデルでは孊習がうたくできず出力のすべおが最倚ラベルであるneutralずなった}若干AnnotationArtifactsが含たれおいるず考えられる本デヌタセットを利甚するこずでAnnotationArtifactsの軜枛に関する研究が実斜されるこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table21\begin{table}[t]\input{03table21.tex}\caption{仮説文のみを甚いた掚論によるJNLIのdevセットにおける粟床}\label{tab:hypothesis-only-JNLI}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{JSQuADにおけるLexicalOverlap}JSQuADの質を評䟡するためにSQuADで指摘されおいるLexicalOverlapに぀いお調査したLexicalOverlapずは段萜ず質問文においお単語が重なっおいる割合を指すこの割合が倧きい堎合モデルにずっお容易に回答可胜であるずいうこずが知られおいる\cite{clark-etal-2020-tydi}JSQuADの各段萜ず質問文のペアを単語単䜍に分割\footnote{単語単䜍の分割にはMeCab+IPAdic(\url{https://taku910.github.io/mecab/})を䜿甚した}しLexicalOverlapを算出したLexicalOverlapの平均倀は0.795でありJSQuADはSQuADず同様の課題を持぀しかしながら日本語においおベンチマヌクが存圚しないのでJSQuADを先駆けずしお本課題に察する研究が進むこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文では日本語における蚀語理解ベンチマヌクJGLUEの構築に぀いお述べたJGLUEは文章分類タスクであるMARC-ja・JCoLA文ペア分類タスクのJSTS・JNLIQAタスクのJSQuAD・JCommonsenseQAの蚈6぀のデヌタセットで構成しおおりそれぞれのデヌタセットの文は党お人手で機械翻蚳を甚いるこずなく䜜成したさらにJGLUEを甚いお各皮事前孊習モデルの性胜比范を行うずずもに構築したデヌタセットのデヌタ量や品質に぀いお考察したJGLUEは2022幎6月より\url{https://github.com/yahoojapan/JGLUE}で公開䞭であるJGLUEを甚いお事前孊習モデルの包括的な評䟡やより難しい評䟡デヌタの構築が進むこずを期埅しおいる今埌はGLGE\cite{liu-etal-2021-glge}のような生成系タスクやFLEX\cite{bragg2021flex}のようなFew-shotタスクのデヌタセットなどを構築する予定である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はダフヌ株匏䌚瀟ず早皲田倧孊の共同研究により実斜したたた本論文は以䞋のLREC2022の論文を拡匵・翻蚳したものであるKurihara,K.,Kawahara,D.,andShibata,T.(2022).JGLUE:JapaneseGeneralLanguageUnderstandingEvaluation.InProceedingsofthe13thLanguageResourcesandEvaluationConference(LREC2022).EuropeanLanguageResourcesAssociation(ELRA).%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{03refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{栗原健倪郎}{%2021幎早皲田倧孊基幹理工孊郚情報通信孊科卒業2022幎珟圚同倧孊院修士課皋圚孊䞭}\bioauthor{河原倧茔}{%1997幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1999幎同倧孊院修士課皋修了2002幎同倧孊院博士課皋単䜍取埗認定退孊東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科孊術研究支揎員独立行政法人情報通信研究機構䞻任研究員京郜倧孊倧孊院情報孊研究科准教授を経お2020幎より早皲田倧孊理工孊術院教授自然蚀語凊理知識凊理の研究に埓事博士情報孊}\bioauthor{柎田知秀}{%2007幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科博士課皋修了京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教特定講垫を経お2019幎よりYahoo!JAPAN研究所䞊垭研究員専門は自然蚀語凊理特に深局孊習を利甚した日本語基瀎解析博士情報理工孊}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V30N02-15
\section{はじめに} \label{sec:intro}耇数の蚀語のテキストで孊習したマルチリンガル事前孊習モデルは\pagebreak蚀語暪断転移孊習のタスクなどで高い性胜を発揮しおおり\cite{conneau-etal-2020-unsupervised}これはモデルが異なる蚀語にわたっお共有できる知識を孊習しおいるこずを瀺しおいるタスクを解くために圹立぀蚀語の知識には単語などの語圙に関する知識もあれば文法に関する知識もあるここで蚀う文法ずは倖囜語孊習に芋られるような具䜓的な文法事項ずいうよりはニュヌラルネットワヌクがトヌクンの系列から情報を集玄しおタスクを解くために必芁な「意味」を導き出す内郚凊理のこずを指すこのニュヌラルネットワヌクの「文法」に異なる蚀語にわたっお共有できる郚分が存圚するこずが瀺唆されおいる\citeA{artetxe-etal-2020-cross}は英語のデヌタのみで重みを孊習したTransformer゚ンコヌダを異なる蚀語にも転甚できるこずを瀺した぀たり英語のデヌタから孊習した「文法」に蚀語非䟝存なものが存圚するずいうこずである蚀語間で共有できる文法事項のうちマルチリンガル事前孊習モデルが実際に捉えおいるものずしおUniversalDependencies\footnote{\url{https://universaldependencies.org/}}で定矩されおいる係り受け関係\cite{chi-etal-2020-finding}や䞻栌の抂念\cite{papadimitriou-etal-2021-deep}が存圚するこずが今たで瀺されおいるこれらは我々にずっおも盎感的な文法であるがニュヌラルネットワヌクはより抜象床が高い抂念や凊理を異なる蚀語にわたっお共有できるこずが瀺唆されおいるたずえば\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}は楜譜やプログラミングコヌドずいった非自然蚀語デヌタでLSTM蚀語モデルを蚓緎しそのモデルが自然蚀語の蚀語モデリングのタスクに転甚できるこずを瀺した぀たり自然蚀語間に限らず倖芋の党く異なる系列デヌタ間にも共通の構造がありそれに関しお孊習した知識をモデルが転甚できるこずを瀺しおいるしかしながら具䜓的にどのような構造的知識が転甚されるのかに関しおは十分に明らかになっおいないこの点に぀いお理解を深めるこずはニュヌラルネットワヌクの蚀語凊理に関する掞察を䞎えか぀蚀語共通の知識を効率的に捉えるモデルの考案にも圹立぀本研究は転移可胜な知識を人工蚀語からの転移孊習\cref{fig:artificial_pretraining}により分析する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f1.pdf}\end{center}\hangcaption{人工蚀語を甚いた事前孊習の抂芁人工蚀語は䜕かしらの構造的特城を持ちそのデヌタから孊習した知識が自然蚀語のタスクぞ転甚できるかどうかを調べる}\label{fig:artificial_pretraining}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本実隓手法はTestforInductiveBiasviaLanguageModelTransfer\cite{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}の実隓手法から着想を埗おおり転移元デヌタで孊習したモゞュヌルを異なる皮類のデヌタぞず転甚した堎合のタスク性胜を評䟡するこずによっお転移元ず転移先デヌタで共有可胜な知識が存圚するかどうかを調べる本研究では系列デヌタの持぀抜象的な構造に関する知識の転移可胜性を調べるために転移元デヌタずしお抜象的な構造以倖の芁玠を捚象した人工蚀語を蚭蚈する人工蚀語が持぀構造の転移可胜性の評䟡ずしお事前孊習した\Transformer{}を自然蚀語の蚀語モデリングぞの転移した際の性胜を枬定した本研究で着目する自然蚀語の構造的な性質は単語の分垃単語の係り受け関係ランダム性であるこれらの構造に぀いお自然蚀語に近いものを持぀人工蚀語自然蚀語ずは異なるものを持぀人工蚀語を蚭蚈し比范実隓を行った埗られた知芋を以䞋にたずめる\begin{itemize}\itemコヌパス党䜓における単語分垃そのものは転移可胜な有甚な知識になり埗ず自然蚀語ぞ転移できる\Transformer{}のパラメヌタを孊習するためには事前孊習デヌタの系列内の統蚈的䟝存関係が必芁ずなるこの統蚈的䟝存関係から\Transformer{}は入力䞭の文脈情報を集玄するような孊習をし自然蚀語タスクに有甚なものずなる\item事前孊習デヌタずしお係り受け構造を持った人工蚀語を蚭蚈し係り受け関係が入れ子状になる制玄を持った蚀語ずそうでない蚀語を比范するず入れ子制玄を持っおいる方が高い自然蚀語ぞの転移性胜を瀺したこれはトヌクン予枬のタスクにおいお入れ子構造が自然蚀語の文法に芋られるような䞀貫した䜍眮に䟝存する芏則性を持っおいるからだず考えられる\item人工蚀語にランダム性がなく生成されたデヌタの系列の䞊びが決定的であったずしおも事前孊習された\Transformer{}は自然蚀語に転移可胜なものずなるたた転移元の人工蚀語ず転移先の自然蚀語の語圙サむズが近しいこずそのものの有効性は確認されなかったこれら実隓結果を螏たえるず転移孊習の性胜に圱響を䞎える䞻たる芁因は系列デヌタの統蚈的䟝存性であるず考えられる\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{事前孊習゚ンコヌダにおける転移可胜な知識}\label{subsec:related-transfer}蚀語暪断転移孊習に甚いられるマルチリンガルモデルは蚀語共通の構造を捉えおいるこずが瀺唆されおいるマスク付き蚀語モデリングで孊習したマルチリンガル蚀語モデル\cite{devlin2018bert,Doddapaneni2021APO}は蚀語間の察応関係を瀺すデヌタを䞎えられおいない堎合でも高い蚀語暪断転移孊習の性胜を瀺す\cite{liu-etal-2020-multilingual}これはモデルは蚀語共通の意味空間を獲埗しおいるこずを意味しおいるが蚀語暪断転移孊習の胜力は異なる蚀語の語圙の間に共通のサブワヌドが存圚しない堎合でも獲埗されるこずが瀺されおいる\cite{K-mBERT-ICLR-2020,conneau-etal-2020-emerging}したがっおここでモデルが蚀語非䟝存な意味空間の孊習の手がかりにしおいるのは異なる蚀語にわたっお芋られる共通の構造だず考えられおいるこのような蚀語共通の構造の存圚を瀺唆する芳察ずしお単蚀語コヌパスで孊習した゚ンコヌダの転移可胜性がある\citeA{artetxe-etal-2020-cross}の報告によれば転移元蚀語のデヌタのみで孊習した\Transformer{}゚ンコヌダは転移先蚀語の単語埋め蟌みをその゚ンコヌダに合わせお孊習するだけで高い蚀語間転移孊習の性胜を瀺す\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}は\LSTM{}゚ンコヌダをプログラミングコヌド楜譜人工デヌタなどの非蚀語デヌタで孊習しそれらの゚ンコヌダがスペむン語の蚀語モデリングにおいおもある皋床の性胜を発揮できるこずを瀺したこれらの結果はニュヌラルネットワヌクの゚ンコヌダが単蚀語/非蚀語デヌタから異なる蚀語にも共有できる䜕らかの知識を孊習できるこずを瀺しおいるそれでは異なる蚀語の間で共有されおいる共通の構造ずはどのようなものだろうかProbingタスク\cite{ijcai2018-796,conneau-etal-2018-cram}を甚いた分析からマルチリンガル蚀語モデルは蚀語普遍な䟝存構造\cite{chi-etal-2020-finding}や䞻栌の抂念\cite{papadimitriou-etal-2021-deep}など蚀語非䟝存な構造を捉えおいるこずが瀺唆されおいるしかしProbingの手法はモデルがそうした蚀語知識を捉えおいるこずは瀺しおもそうした知識を持぀こずが蚀語間転移孊習の性胜にどれほど貢献しおいるかを瀺すこずはできないたた単玔な単語の分垃構造や語圙サむズずいった抜象的な芁玠に関する知識の転移可胜性は明らかにできない本研究は゚ンコヌダが捉える異なる蚀語間で転移可胜な知識ずは䜕かずいう問いを明らかにするためにTestforInductiveBiasviaLanguageModelTransfer(TILT)\cite{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}の枠組みに則り人工蚀語を掻甚した実隓を行うTILTの枠組みは転移先蚀語ここでは自然蚀語にも掻甚可胜な抜象的な知識を転移元蚀語から孊習できるのかどうかずいうこずを明らかにする我々の実隓では転移元蚀語ずしお単玔な構造的特城から構成される人工蚀語を蚭蚈しその特城の転移可胜性を分析した人工蚀語からの転移孊習による分析は\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}においおも\Uniform{}や\Zipf{}の分垃を持぀人工蚀語同䞀トヌクン間の係り受け構造を暡した人工蚀語を甚いお行われおいる先行研究ずの差異ずしお我々の研究では係り受け関係を持぀トヌクンに぀いお自然蚀語により近い構造をしおいるず考えられる人工蚀語を採甚し文内の統蚈的䟝存関係の必芁性を調べるための\LogLinear{}や系列のランダム性を制埡する\Bigram{}蚀語ずいった新たな人工蚀語を蚭蚈し詳现な分析を加え知芋を広げるたた\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}ぱンコヌダずしおLSTMを取り䞊げおいるが本研究は近幎の転移孊習における䞻流アヌキテクチャであるTransformerを取り䞊げる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人工蚀語を甚いた蚀語モデルの分析}蚀語の特城に関わる分析における難点の1぀に蚀語の特城の倚様性が挙げられる日本語ず英語を比べるず文字も異なれば語圙文法も党く異なる異なる自然蚀語には様々なレベルでの違いがありこうした蚀語特城がモデルの性胜に䞎える圱響を調べようずしおもそれぞれ違いを独立にコントロヌルしお実隓を行うこずが難しいこうした難点を避けるために自然蚀語の性質を人為的に改倉しお人工蚀語を䜜り元の蚀語ず比范するアプロヌチがある兞型的には以䞋の手順を螏む(1)察象の自然蚀語が持぀ある特城に倉曎を加えお人工蚀語を䜜成する改倉される蚀語特城ずしおたずえば語順\cite{sinha-etal-2021-unnatural,dufter-schutze-2020-identifying,Sinha2021MaskedLM}文字\cite{K-mBERT-ICLR-2020,dufter-schutze-2020-identifying,conneau-etal-2020-emerging}圢態玠\cite{ravfogel-etal-2019-studying}などがある;(2)元の自然蚀語ず改倉埌の人工蚀語のデヌタを甚いおそれぞれのモデルを分析タスクにおいお蚓緎・評䟡するこれにより改倉した蚀語特城に絞っおモデルの性胜に䞎える圱響を調べるこずができるこのような利点がある䞀方で自然蚀語に改倉を加える手法は容易に倉曎を加えられるような蚀語特城しか分析の察象にできないそこでより幅広い蚀語特城の圱響を分析するアプロヌチずしお特定の蚀語特城を持った人工蚀語の利甚が挙げられる\citeA{white-cotterell-2021-examining}は名詞句や動詞句ずいった文法的構成玠の語順をパラメヌタずしお倉曎できる確率的文脈自由文法(PCFG)を蚭蚈しパラメヌタの違いがLSTMずTrasformerそれぞれの蚀語モデリングの性胜に䞎える圱響に぀いお調べたたた\citeA{Chiang2022AAAI}も人工蚀語を甚いたアプロヌチで様々な性質を持った人工蚀語で事前孊習されたTransformer゚ンコヌダのGLUEベンチマヌク\cite{DBLP:conf/iclr/WangSMHLB19}における性胜を評䟡しおいる本研究も同様に自然蚀語をもずにしない抜象的な芏則から生成された人工蚀語を甚いお自然蚀語タスクに転甚できる構造的な知識をずは䜕かを調べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{人工蚀語を甚いた転移孊習} \label{sec:approach}本研究の実隓手法は\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}の提案したTestforInductiveBiasviaLanguageModelTransfer(TILT)の実隓手法にもずづくTILTは以䞋のような事前孊習ず転移孊習の2぀のステップから構成される\begin{enumerate}\item゚ンコヌダを転移元蚀語で事前孊習をする\item゚ンコヌダを転移先蚀語での䞋流タスクに転甚し性胜を評䟡するこのずき転移元蚀語の単語埋め蟌みは䜿わずに転移先蚀語の単語埋め蟌みをランダムに初期化し単語埋め蟌みパラメヌタのみを孊習する぀たり゚ンコヌダのパラメヌタを固定するこずで゚ンコヌダが事前孊習で獲埗した知識の転移先蚀語・タスクにおける有甚性が怜蚌できる\end{enumerate}ここでいう゚ンコヌダずはベクトルの系列を受け取り系列党䜓の情報を考慮した出力ベクトルを埗るモゞュヌルのこずを指す本研究で扱う事前孊習・評䟡タスクは巊から右にトヌクンを予枬・生成しおいく蚀語モデリングであるためこのモゞュヌルはデコヌダずもいえるしかし本論文では入力系列から文脈化されたベクトル衚珟に倉換する点に焊点をあおるこずから䞀貫しお゚ンコヌダず呌ぶこずにする本研究では自然蚀語に転移可胜な構造的知識ずは䜕かを調べるために転移元蚀語ずしお自然蚀語の特定の性質を暡した人工蚀語転移先蚀語ずしお自然蚀語ここでは英語を甚いる以䞋人工蚀語の圢匏的な定矩を䞎えた埌に実際に甚いる人工蚀語を導入する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人工蚀語の定匏化}人工蚀語は語圙$\{w|w\in\mathcal{V}\}$系列長の分垃$p_{len}(l)$系列のサンプリングアルゎリズム$f(l):l\mapsto\mathcal{V}^{l}$の3぀の芁玠から構成される事前孊習に甚いられるデヌタは1系列ず぀以䞋の手順で生成される(1)系列長$l$を分垃$p_{len}(l)$からサンプリングしお決定する;(2)その長さだけトヌクン$[w_{1},...,w_{l}]$を$f(l)$のアルゎリズムでサンプルするここでの人工蚀語の語圙は単玔な数字IDたたは蚘号ず数字の組合せから構成されおおり実際の自然蚀語の語圙ずの察応は想定されおいないたたすべおの人工蚀語に぀いお系列長の分垃$p_{len}(l)$はベヌスラむンのデヌタセットここでは英語WikipediaDumpから算出された系列長分垃を甚いる人工蚀語の最も重芁な特城は以䞋に詳述する系列のサンプリングアルゎリズム$f(l)$でありこれがどのような構造的知識を゚ンコヌダが孊習するかを決定づける芁玠ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{単語分垃のモデリング}\label{subsec:word_distribution}自然蚀語における単語分垃にはいく぀かの特城があるこうした単語分垃に関する事前知識の自然蚀語のタスク孊習ぞの有効性を調べるために自然蚀語を暡した単語分垃を持぀人工蚀語を蚭蚈する単語分垃のみを特城ずしおも぀人工蚀語のサンプリングアルゎリズム$f(l)$は蚀語の持぀単語分垃$p(w)$からのサンプリング$w\simp(w)$を$l$回繰り返すこずで行われる\minisectionNoDot{\Uniform{}単語分垃}を持぀人工蚀語では1系列䞭のトヌクンを語圙党䜓から䞀様にサンプリングするこれは自然蚀語の単語分垃ずは掛け離れおおりベヌスラむンずしお甚いられるトヌクン$w$がサンプリングされる確率は以䞋のように衚される\begin{equation}p(w)=\frac{1}{|\mathcal{V}|}\end{equation}実際の自然蚀語における単語分垃は経隓的にZipf'sの法則\cite{Zipf1949HumanBA}に埓うこずが知られおおり各単語の頻床ずその頻床順䜍が$\text{frequency}(w)\propto\frac{1}{\text{rank}(w)^{\alpha}}$で衚される比䟋関係にある係数$\alpha$は通垞おおよそ$1$ずなるが係数算出に甚いるコヌパスのドメむンによっお幟分かゆらぎを芋せる\cite{Zanette2005DynamicsOT}\minisectionNoDot{\Zipf{}単語分垃}は自然蚀語のこのような性質を捉えおおりそれぞれのトヌクン$w$を$\alpha=1$ず蚭定したZipfの分垃からサンプリングする\begin{equation}p(w)\propto\frac{1}{\text{rank}(w)}\end{equation}ここたで導入した2぀の単語分垃はそれぞれの系列䞭のトヌクンを独立にサンプリングしおいるしかし自然蚀語においお文䞭の単語には統蚈的䟝存関係぀たり特定の単語共起パタヌンが存圚するこずが知られおいる\cite{church-hanks-1989-word}たずえば\sentence{Thecatanddogarefightingoverfood.}ずいう文を考える単語\word{the}ず\word{cat}は偶然より高い確率で共起するがこれは\word{cat}ずいう名詞が\word{the}ずいう冠詞ず結び぀いおいるからであるたた\word{dog}ず\word{cat}の間にもトピックの関連があるため共起しやすくなっおいる文䞭の単語は䜕かしらの統語的・意味的な関係に埓っお互いに結び぀いおいる\minisectionNoDot{\LogLinear{}単語分垃}はこのような性質をモデリングする文毎に異なる単語分垃を䞎えるため単語分垃は文$s$に条件づけられた圢の$p(w|s)$ずなる\citeA{arora-etal-2016-latent}のLog-linearモデルにならいある文$s$䞭の単語は以䞋の確率分垃からサンプリングされる\begin{equation}p(w|s)\propto\exp(\vect{c}_{s}\cdot\vect{v}_{w})\end{equation}ここで$\vect{c}_s\in\mathbb{R}^d$は文のdiscourseベクトルであり$\vect{v}_w\in\mathbb{R}^d$はトヌクン$w$の単語ベクトルである盎感的にはdiscourseベクトルは文の話題を衚し単語ベクトルず合わせお文䞭のナニグラム分垃\cite{Blei2003LatentDA}を定矩しおいるずみなせるこのようなサンプリング関数を採甚するこずで1぀の文䞭にはdiscourseベクトル$\vect{c}_s$に近い単語ベクトルを持぀トヌクンがより高い確率でサンプルされ特定の単語同士が共起しやすいずいう珟象を衚珟できるこれらの単語ベクトルずdiscourseベクトルは自然蚀語のコヌパスから孊習するこずも考えられるが本研究では自然蚀語の持぀具䜓的な共起構造の転移可胜性ずいうより文䞭でトヌクンが共起するずいう単玔な構造自䜓の転移可胜性を調べたいトヌクンが共起する構造自䜓はそれぞれのベクトルにランダムなベクトルを割り圓おた堎合でも衚珟できるしたがっおここでは単語ベクトル$\vect{v}_w$ずしお各単語に倚次元暙準正芏分垃からサンプルされたベクトルを割り圓おる単語ベクトルは\LogLinear{}蚀語の初期化時にサンプリングされた埌は固定されるdiscourseベクトル$\vect{c}_s$は系列$s$をサンプリングする床に倚次元暙準正芏分垃からランダムに決定される語圙サむズ$|\mathcal{V}|$が䞎えられおいる堎合\LogLinear{}単語分垃の構造はベクトルの次元$d$によっおも巊右されるここでは生成されたデヌタ党䜓における単語分垃がZipfの分垃のような偏りをも぀ように$d=10$ず蚭定した\cref{fig:word-freq-dist}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f2.pdf}\end{center}\hangcaption{単語分垃をモデリングした人工蚀語から生成されるデヌタにおいお頻床の高いトヌクンから順に頻床をプロットした察数グラフ}\label{fig:word-freq-dist}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{係り受け構造のモデリング}\label{subsec:modeling_structure}自然蚀語は単語分垃によっお特城づけられるだけではなく文の䞭に構造を持぀その構造ずしおしばしば朚構造\cite{Chomsky1957}や係り受け構造\cite{Melcuk1988}などが仮定されるがここでは人工蚀語の文に2぀のトヌクン間の単玔な䟝存関係を仮定した構造を䞎えるこずを考える自然蚀語における文䞭の単語は係り受け関係をもち特定の単語の出珟がたた他の特定の単語の出珟を瀺唆するずいうこずがあるたずえば英語の動詞\word{am}はほが垞に\word{I}ず共起するこれを暡しお語圙䞭の半分のトヌクンをheadトヌクンずしもう半分をtailトヌクンずしそれぞれ1察1のペアを成しおいるずみなすここでは1぀のペアを同じ数字IDず括匧の片方から成るトヌクンで衚す䟋\token{<123},\token{123>}構造をも぀人工蚀語のサンプリングアルゎリズム$f(l)$は\cref{subsec:word_distribution}で導入した単語分垃に埓っおトヌクンのペアを$\lceil\frac{l}{2}\rceil$組サンプルし䞀定の構造を持぀ように䞊べ替える圢ずなるこれにより1぀の系列䞭に特定のペアが垞に珟れるこずになり単玔な係り受け関係を衚珟しおいる係り受けを暡した人工蚀語は\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}の分析でも甚いられおいるが本研究のものず異なりheadずtailトヌクンが同䞀トヌクンずなっおいる本研究では異なるトヌクン同士の䟝存関係を持った構造をより自然蚀語に近いず考え採甚する\minisectionNoDot{\Flat{}係り受け構造}はトヌクンをランダムに䞊べ替えるがそれぞれのペアに぀いおheadはtailよりも必ず巊に䜍眮するずいう制玄を加える䟋[\token{<5},\token{<84},\token{5>},\token{<123},\token{123>},\token{84>}]このずき1系列䞭の䟝存関係を衚す゚ッゞはしばしば互いに亀差しnon-projectiveな構造を瀺す\minisectionNoDot{\Nesting{}係り受け構造}はそれずは察照的に䟝存関係の゚ッゞが亀差しないように括匧が入れ子状に配眮されるようにトヌクンを䞊べる䟋[\token{<5},\token{<84},\token{84>},\token{5>},\token{<123},\token{123>}]このずきのトヌクンの䞊びは\cref{algo:stack-nesting}に瀺すスタックを甚いたアルゎリズムから生成される\cite{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo1\newcommand{\varInputStack}{input\_pairs}\newcommand{\varClosingStack}{closing\_stack}\newcommand{\varSentence}{sentence}\newcommand{\isEmpty}{is\_empty()}\newcommand{\pop}{pop()}\newcommand{\push}[1]{push(#1)}\newcommand{\append}[1]{append(#1)}\begin{algorithm}[ht]\caption{~~係り受け構造を持った\Nesting{}蚀語から系列を生成するアルゎリズム.}\label{algo:stack-nesting}\begin{algorithmic}[1]\Require\varInputStack{}:Stack[($w$,$w$)]]\Ensure\varSentence{}:List[$w$]\State\varClosingStack{}=[]\While{not\varInputStack{}.\isEmpty{}}\StateUniformsampling$p\sim[0,1]$\If{\varClosingStack{}.\isEmpty{}or$p<0.4$}\Statehead,tail=\varInputStack{}.\pop{}\State\varSentence{}.\append{head}\State\varClosingStack{}.\push{tail}\Else\Statetail=\varClosingStack{}.\pop{}\State\varSentence{}.\append{tail}\EndIf\EndWhile\While{not\varClosingStack{}.\isEmpty{}}\Statetail=\varClosingStack{}.\pop{}\State\varSentence{}.\append{tail}\EndWhile\State\Return\varSentence{}\end{algorithmic}\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%自然蚀語の係り受け関係にはしばしば入れ子関係が芋られるたずえばUDtreebank\footnote{\url{https://universaldependencies.org/}}䞭のさたざたな蚀語のデヌタでprojectiveな構造ずnon-projectiveな構造を持぀文を数えるずほずんどのコヌパスでprojectiveな文入れ子構造のみを持぀文が9割以䞊を占めおいる事前孊習のデヌタが同様に入れ子状の係り受け構造を持぀こずの有効性を\Flat{}ず\Nesting{}を比范するこずで明らかにできる係り受け構造を特城づける芁玠ずしお2぀のトヌクン間の係り受け関係の距離があるここでは\Flat{}ず\Nesting{}の構造の違いによる圱響を比范する際に係り受け関係の距離の違いの圱響を排陀するために\Flat{}蚀語から生成される系列の係り受け関係の距離の分垃を比范する\Nesting{}蚀語での分垃に合臎するように調敎しお実隓を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ランダム性のモデリング}\label{subsec:randomness}これたで導入した人工蚀語は皋床は異なるがいずれもランダムに系列を生成する自然蚀語も単語を文法に則り自由に組合せるこずができある皋床のランダム性を備えおいるずいえる蚓緎デヌタ系列にランダム性があるこずは゚ンコヌダの転移可胜性にどのような圱響を䞎えるのだろうかたた事前孊習デヌタのランダム性が自然蚀語に近い方が良い転移性胜を瀺すのだろうかこれらの問いに答えるためにここでは完党にランダムなものから決定的なものたで生成する系列のランダム性を制埡できるような人工蚀語を蚭蚈する\minisectionNoDot{\Bigram{}蚀語}は系列を単玔マルコフ過皋぀たり語圙のバむグラムの遷移行列に埓っお生成するBi-gram蚀語は実数パラメヌタ$\alpha$を持ちある単語$w_t$から次の単語$w_{t+1}$ぞ遷移する確率は次匏のように定矩される\begin{equation}p(w_{t+1}|w_t)\propto\frac{1}{\text{rank}(w_{t+1};w_t)^{\alpha}}\end{equation}ここで$\text{rank}(w_{t+1};w_t)$は人工蚀語を初期化する際に決定されるパラメヌタであり1぀の$w_t$に぀いお$1\sim|\mathcal{V}|$の数字が各トヌクンにランダムに割り振られる぀たり次にどの単語ぞ遷移するかの確率分垃はZipfの分垃ずなっおいるこれは$\alpha=0$のずき前にあるトヌクンに条件づけられた次のトヌクンの分垃が䞀様分垃ずなり完党にランダムに系列を生成する\footnote{$\alpha=0$の\Bigram{}蚀語は\Uniform{}単語分垃で定矩される人工蚀語ず同じ振る舞いをする}䞀方で$\alpha\rightarrow\infty$のずきは各トヌクン$w_t$の次はランクが最高倀぀たり$\text{rank}(w_{t+1};w_t)=|\mathcal{V}|$ずなる$w_{t+1}$に必ず遷移し完党に決定的な系列を生成する$\alpha$が䞭間の倀にある堎合はトヌクンは確率的に遷移するが分垃は偏っおおりそれぞれのトヌクンの次には特定のトヌクンがよく生成される圢になるこの$\alpha$のパラメヌタを倉えるこずでさたざたな皋床のランダム性を持぀系列が生成できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓蚭定} \label{sec:experiment}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{タスク}蚓緎・評䟡タスクずしお巊から右に順に単語を予枬するCausalLanguageModelを甚いる入力は1文ず぀になるように凊理され蚀語モデリングは文レベルで行うモデルの評䟡は評䟡デヌタセット内の文を入力したずきのデヌタセット党䜓で蚈算したパヌプレキシティの倀を甚いる$N$単語含むデヌタセット䞭の各単語$w_i$に぀いおモデルが予枬した単語の出珟確率を$p(w_i)$ずするずデヌタセット党䜓のパヌプレキシティは$\exp(\frac{1}{N}\sum^{N}_i-\logp(w_i))$ず蚈算されるパヌプレキシティは分岐数ずも呌ばれモデルが文脈を䞎えられお次の単語を予枬する際の平均遞択肢数ず解釈できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{゚ンコヌダモデル}本実隓でぱンコヌダずしお近幎の倧芏暡蚀語凊理モデルにおけるデファクトスタンダヌドずなっおいる\Transformer{}\cite{NIPS2017_7181}を甚いるモデルの局は3局隠れ局のサむズは$300$次元フィヌドフォワヌド局の次元は$600$自己泚意機構のヘッドは$4$぀に蚭定したたた単語出力局ず単語埋め蟌み局の重みは共有されおいる\cite{press-wolf-2017-using}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{事前孊習コヌパス}人工蚀語から系列デヌタをサンプリングし事前孊習コヌパスずしお甚いるたず文構造を持たずトヌクンの分垃のみをモデリングした人工蚀語ずしお\cref{subsec:word_distribution}で導入した\Uniform{}\Zipf{}\LogLinear{}分垃からサンプリングされたトヌクンをランダムに䞊べたもので実隓を行うたた文構造をモデリングしたものずしお単語分垃のうち1぀を遞びそれを\cref{subsec:modeling_structure}で導入した\Flat{}係り受け構造たたは\Nesting{}係り受け構造ず組合せたものを甚いる系列のランダムさの圱響を調べる実隓では\Bigram{}蚀語のパラメヌタ$\alpha$を$\{0,0.7,0.8,0.9,1.0,1.5,2.0,10\}$ず蚭定しお事前孊習デヌタを生成しそこから蚓緎された゚ンコヌダを比范するこの$\alpha$の倀はバむグラム遷移確率のパヌプレキシティが幅広い倀を含むように遞定したこれに加えおベヌスラむンずしお自然蚀語である英語(en)のWikipediaDumpで事前孊習した゚ンコヌダも評䟡するWikipediaDump䞭のパラグラフは\package{icu}\footnote{\url{https://github.com/unicode-org/icu}}を甚いお文に分割され文は\package{Moses}\footnote{\url{https://github.com/moses-smt/mosesdecoder}}を甚いお単語に分割した英語以倖のWikipediaコヌパスで蚓緎した堎合も英語ず同様の結果が埗られたため人工蚀語ずの比范は䞻に英語のデヌタを参照しお行うその他の自然蚀語を甚いた堎合のデヌタ凊理ず結果は\cref{appendix:nl}にお蚘茉する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f3.pdf}\end{center}\caption{英語Wikipediaから求めた系列長の分垃長さの最長倀を$6$最倧倀を$60$ず蚭定しおいる}\label{fig:length_distribution}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%人工蚀語から生成されるデヌタの系列長は英語Wikipediaの事前孊習コヌパスず同じ分垃\cref{fig:length_distribution}に埓うようにサンプリングする人工蚀語ず自然蚀語のいずれも語圙サむズ$|\mathcal{V}|$は16,000に蚭定され自然蚀語コヌパス䞭の語圙に含たれない単語は未知語トヌクンに眮換される゚ンコヌダは$12.8$M系列のデヌタを甚いお$1$゚ポックバッチサむズ$128$で$10$Kステップ蚓緎した最適化アルゎリズムにはAdamW\cite{DBLP:conf/iclr/LoshchilovH19}孊習率スケゞュヌリングには孊習率を埐々に䞊げた埌に枛衰させるNoamの孊習率スケゞュヌラ\cite{NIPS2017_7181}をwarmupのステップ数$4,000$で甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ファむンチュヌニング・評䟡コヌパス}事前孊習された゚ンコヌダの評䟡にはPennTreebank(PTB)コヌパス\cite{Marcus1993BuildingAL}の蚓緎セットを甚いおファむンチュヌニングの埌評䟡セットを甚いおパヌプレキシティの倀を蚈算するコヌパスは\citeA{Mikolov2010RecurrentNN}による前凊理枈みのものを甚い各単語は小文字化され語圙サむズが10,000になるように䜎頻床語は未知語トヌクンに眮換されおいるPTBコヌパスの統蚈情報を\Table{table:ptb-stat}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{14table01.tex}\caption{PennTreebank(PTB)コヌパスの統蚈情報}\label{table:ptb-stat}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%ファむンチュヌニングは単語埋め蟌み局の重みのみをアップデヌトし゚ンコヌダ局の重みは固定される最適なバッチサむズ$128$で蚓緎し開発セットのパヌプレキシティによるアヌリヌストッピングにより蚓緎゚ポック数を決定した最適化アルゎリズムにはAdamW\cite{DBLP:conf/iclr/LoshchilovH19}孊習率スケゞュヌリングにはNoamの孊習率スケゞュヌラ\cite{NIPS2017_7181}をwarmupのステップ数$4,000$で甚いた本実隓の䞻県はさたざたな性質を持ったデヌタで事前孊習された゚ンコヌダを比范するこずであるがベヌスラむンずしお事前孊習をせずにランダムな重みのたた固定された゚ンコヌダ(\NoTrain{})で評䟡した結果も提瀺する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{Probingタスク}蚀語モデリングのタスクにおける゚ンコヌダの本質的な圹割ずは次の単語を予枬するために入力系列䞭の情報を集玄するこずであるしたがっお事前孊習された゚ンコヌダが自然蚀語ぞの転甚にどの皋床効果的であるかは゚ンコヌダがどのように入力系列情報を集玄するかず匷く関連するず予想されるここでは人工蚀語から゚ンコヌダが孊習した入力系列情報の集玄パタヌンを分析するためにProbingタスクを導入するここで導入するProbingタスクは゚ンコヌダのあるタむムステップにおける出力ベクトルから入力系列䞭のトヌクンの情報をどれだけ埩元できるかを枬るものであるProbingタスクに甚いるデヌタずしお人工的な数字IDの系列を以䞋の通り生成するたず系列長を1525の範囲から䞀様にサンプルしその数だけトヌクンを語圙サむズ$100$から䞀様にサンプルするこずで100K系列生成するこのうち90K系列を蚓緎セットずしお甚い5Kを開発セット5Kをテストセットずしお甚いるモデルが解くべきタスクはこの系列を゚ンコヌダで受け取り最埌のタむムステップの出力ベクトルから入力系列䞭の前に出珟したトヌクンを予枬するこずである最埌のタむムステップからの盞察䜍眮が異なるポゞションにあるトヌクンをそれぞれ予枬させその粟床を枬るこずで゚ンコヌダがどの䜍眮の文脈情報をどの皋床保存しおいるかを分析できる各ポゞションにあるトヌクンの予枬にはそれぞれ異なる線圢分類噚を同時に孊習する本実隓では最埌のタむムステップからの盞察䜍眮が[-9,-4,-3,-2,-1,0]にあるトヌクンを予枬させた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓結果} \label{sec:results}本実隓ではそれぞれの蚭定に぀いお異なる乱数シヌドで゚ンコヌダを3぀事前孊習しさらにそれぞれの゚ンコヌダから異なる乱数シヌドでファむンチュヌニングを3回行い合蚈9぀のモデルを評䟡した事前孊習しない\NoTrain{}゚ンコヌダに関しおは異なるランダムな初期倀で同様に9぀のモデルを孊習した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{単語分垃の転移可胜性}\label{subsec:results-distribution}\cref{fig:results-distribution}に単語分垃のみをモデリングした人工蚀語で孊習した゚ンコヌダずベヌスラむンの結果を瀺す以䞋それぞれの単語分垃からどのような知識が自然蚀語のモデリングに転移可胜か議論しおいく%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f4.pdf}\end{center}\hangcaption{ランダムな重みを持぀゚ンコヌダ(\NoTrain{})ず単語分垃をモデリングした人工蚀語(\Uniform{},\Zipf{},\LogLinear{})で事前孊習した゚ンコヌダの転移孊習ずProbingタスクで評䟡した際の結果}\label{fig:results-distribution}\end{figure}%%%%\subfloat[PTBデヌタセットで評䟡したパヌプレキシティ]{\label{fig:word-dist-perplexity}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/word_distribution_perplexity.png}}%%%%\subfloat[Probingタスクの粟床]{\label{fig:word-dist-probing}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/word_distribution_probing.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たず\NoTrain{}゚ンコヌダはある皋床蚀語モデリングに有甚なものになっおいるこずを確認する\NoTrain{}ずの比范察象ずしおたずえば英語のPTBコヌパスにおけるトラむグラム蚀語モデルのパヌプレキシティを挙げるず蚭定にもよるが180前埌の倀\footnote{\url{https://github.com/shayneobrien/language-modeling}の実装を甚いお算出}になる%%%%したがっお\NoTrain{}゚ンコヌダの平均パヌプレキシティ$194.7\pm2.5$\cref{fig:word-dist-perplexity}はしたがっお\NoTrain{}゚ンコヌダの平均パヌプレキシティ$194.7\pm2.5$\cref{fig:results-distribution}aは蚀語モデリングのタスクずしおある皋床劥圓な孊習を行っおいる結果だずいえる%%%%\cref{fig:word-dist-probing}のProbingの粟床をみるず\cref{fig:results-distribution}bのProbingの粟床をみるず\NoTrain{}の゚ンコヌダは2぀前のタむムステップたでのトヌクン情報を保持しおおり蚀語モデリングにおいお次のトヌクンを予枬するために文脈情報を集玄する圹割を遂行できおいるランダムな重みでもタスクが解けるこずは非盎感的ではあるが孊習されおいない初期倀のたたのネットワヌクを含むモデルでも比范的高い性胜を達成できるこずが他のタスクやアヌキテクチャでも芳察されおいる\cite{Pilault2019OnTI,Tay2020SynthesizerRS}䞀方で\Uniform{}蚀語は䜕ら有甚な事前知識を䞎えない\Uniform{}蚀語で事前孊習した゚ンコヌダは著しく高いパヌプレキシティ($338.6\pm21.4$)を蚘録しおいる\Uniform{}蚀語は自然蚀語に類䌌した性質を持たないため転移性胜が高くないこずは予想できるが䜕かしらの事前孊習を行ったにも関わらず\NoTrain{}よりも著しく悪い性胜を瀺す理由は自明でないかもしれないこのこずに぀いおはランダムな系列を予枬しようずする事前孊習タスクの挙動を考えるこずで理解できる\Uniform{}蚀語では党おのトヌクンが同確率で珟れうるため事前孊習におけるモデルの最適解は党おのトヌクンを垞に同確率で予枬し続けるこずであるこの堎合出力が文脈に䟝存するこずはないため事前孊習においお゚ンコヌダは文脈情報を保持するような孊習を行わない%%%%\cref{fig:word-dist-probing}のProbingの粟床を芋おも\cref{fig:results-distribution}bのProbingの粟床を芋おも\Uniform{}゚ンコヌダの出力からは1タむムステップより前のトヌクンの情報を党く埩元できないものになっおいるこずから事前孊習の過皋で文脈を保持しないような解に収束しおいるず考えられる文脈情報が䜿えない\Uniform{}゚ンコヌダにずっお転移先の蚀語モデリングにおける最適な戊略は頻床の高いトヌクンを垞に予枬するこずであるこのような孊習がなされおいるこずを確かめるためにPTBコヌパスの開発セットに察しお予枬された最も確率の高いトヌクンの数を調査した\cref{fig:results-prediction-count}\Uniform{}は頻床の高いトヌクンだけを䞻に予枬しおいる䞀方でパヌプレキシティがある皋床䜎い\NoTrain{}や\LogLinear{}゚ンコヌダは頻床に関わらず幅広い皮類のトヌクンを予枬できおいるこのこずは\Uniform{}゚ンコヌダが文脈情報を十分に掻甚できず頻床の高いトヌクンを予枬するような孊習に陥っおいるこずの蚌巊ずなっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f5.pdf}\end{center}\hangcaption{各゚ンコヌダからの予枬トヌクンの頻床を衚したグラフグラフの暪軞は10,000皮類あるトヌクンを頻床順に䞊べ50個のビンに分けおいる}\label{fig:results-prediction-count}\end{figure}%%%%\subfloat[\NoTrain{}]{\label{fig:prediction-count-NoTrain}\includegraphics[height=3.9cm]{data/analysis/prediction_count_random.png}}%%%%\subfloat[\Uniform{}]{\label{fig:prediction-count-uniform}\includegraphics[height=3.9cm]{data/analysis/prediction_count_uniform.png}}%%%%\subfloat[\LogLinear{}]{\label{fig:prediction-count-loglinear}\includegraphics[height=3.9cm]{data/analysis/prediction_count_loglinear.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\Zipf{}蚀語も\Uniform{}蚀語ず同じくトヌクンが文脈に䟝存しおいる圢にはなっおいないので事前孊習における挙動も単玔であり埗られる知識も限られおいるはずであるしかしながら\Zipf{}のパヌプレキシティ($196.4\pm4.6$)は\Uniform{}($338.6\pm21.4$)よりも著しく䜎くProbingの粟床からも文脈情報をある皋床捉えおいる\Zipf{}蚀語ではトヌクンの出珟頻床に偏りがあるため最適な戊略は最高頻床のトヌクンを垞に高い確率で予枬し続けるこずである単玔な戊略を孊習すれば良いずころは\Uniform{}蚀語ず同じであるが異なるのは孊習時のパラメヌタの倉化が比范的安定しおいるこずだず掚枬する\Uniform{}は党おのトヌクンを垞に同確率で予枬し続ける最適戊略に収束したずしおもトヌクンの予枬が圓たるこずは皀なため損倱関数から埗られる誀差は垞に倧きくパラメヌタもランダムな方向に曎新され続ける䞀方\Zipf{}では頻床の高いトヌクンを予枬する戊略に萜ち着いた堎合に実際に頻床の高いトヌクンを予枬するこずに成功するためパラメヌタの曎新幅は少ないこれにより\Zipf{}゚ンコヌダは初期倀である\NoTrain{}の重みから比范的倉化の少ないパラメヌタに収束し事前孊習タスクが文脈情報を必芁しないものずしおも文脈情報をある皋床残しおいるず考えられる最埌に\LogLinear{}蚀語は蚀語モデリングに有甚な構造的知識を有しおいるず考えられるここで取り䞊げる単語分垃をモデリングした人工蚀語のうち\NoTrain{}($194.7\pm2.5$)に比べお有意に䜎いパヌプレキシティを党おの蚀語で瀺しおいるのは\LogLinear{}($183.2\pm5.8$)だけである\LogLinear{}は他の分垃ず異なり文䞭のトヌクン間に統蚈的䟝存性が存圚する統蚈的䟝存性が存圚するずいうこずは蚀語モデリングのタスクにおいお文脈のトヌクンの情報を甚いるこずで次のトヌクンがある皋床予枬できるずいうこずであるしたがっお事前孊習時に\LogLinear{}゚ンコヌダは文脈情報を゚ンコヌダ出力に保持するような孊習をしそれが自然蚀語の蚀語モデリングにおいおも有甚であるず解釈できる%%%%実際に\LogLinear{}゚ンコヌダはProbingタスク\cref{fig:word-dist-probing}においお実際に\LogLinear{}゚ンコヌダはProbingタスク\cref{fig:results-distribution}bにおいお他の゚ンコヌダに比べお倚くの文脈情報を保持するようなパタヌンを芋せおいる以䞊の分析をたずめるずコヌパス党䜓における単語の頻床分垃情報は必ずしも自然蚀語に転移可胜な知識ずはならないこず䞀方で文䞭のトヌクン間に統蚈的䟝存性が存圚するずいう知識は自然蚀語のモデリングに転移可胜な有甚な知識であるこずが瀺唆された%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{文構造の転移可胜性}\label{subsec:results-structure}続いお文䞭における係り受け構造の転移可胜性を分析する\cref{fig:results-structure}に\Uniform{}分垃からトヌクンのペアをサンプルし\Flat{}ず\Nesting{}の係り受け構造それぞれず組合せた人工蚀語で蚓緎した゚ンコヌダず自然蚀語である英語(\English{})で蚓緎した゚ンコヌダの結果を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f6.pdf}\end{center}\hangcaption{係り受け関係をモデリングした人工蚀語(\Flat{},\Nesting{})で事前孊習した゚ンコヌダず英語(\English{})で蚓緎した゚ンコヌダを転移孊習ずProbingタスクで評䟡した際の結果}\label{fig:results-structure}\end{figure}%%%%\subfloat[PTBデヌタセットで評䟡したパヌプレキシティ]{\label{fig:structure-perplexity}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/structure_perplexity.png}}%%%%\subfloat[Probingタスクの粟床]{\label{fig:structure-probing}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/structure_probing.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たず系列に係り受け関係を持぀こずが自然蚀語のモデリングに有甚であるこずを議論する\Uniform{}\Flat{}($183.7\pm5.6$)は\LogLinear{}($183.2\pm5.8$)ず同皋床のパヌプレキシティ\Uniform{}\Nesting{}($168.8\pm4.3$)はそれらに比べお䜎いパヌプレキシティを瀺しおいる系列内に係り受け関係を持぀ずいうこずはあるトヌクンの存圚をもずに別のトヌクンの存圚を予枬できるずいうこずでありこれは\LogLinear{}蚀語同様系列が統蚈的䟝存性を持぀こずを意味するこの結果は\LogLinear{}ず異なる圢の統蚈的䟝存性から埗られる知識でも自然蚀語のモデリングに圹に立぀こずを瀺しおいる次に入れ子構造の有甚性を怜蚌する\Nesting{}($168.8\pm4.3$)が\Flat{}($183.7\pm5.6$)を䞋回る倀を瀺しおおり\footnote{この傟向は他の単語分垃ず組合せた堎合も同様に芳察される\Appendix{appendix:structure}}これは入れ子構造を持぀こずが自然蚀語ぞの転移孊習により有甚であるこずを瀺唆しおいる%%%%この理由に぀いお考えるずProbingタスクの結果\cref{fig:structure-probing}ではこの理由に぀いお考えるずProbingタスクの結果\cref{fig:results-structure}bでは\Flat{}゚ンコヌダの方が\Nesting{}よりも倚く文脈情報を保持しおいるため分垃構造のみを持぀人工蚀語を比范した堎合\cref{subsec:results-distribution}ず異なり文脈情報を残しやすいために蚀語モデリングの性胜が高いずいう可胜性は排陀される単語モデリングにおける\Nesting{}構造の特城を考えるず\Flat{}に比べおトヌクンの配眮パタヌンが限られおいるこずが挙げられるが入れ子構造の優䜍性はこうしたより䞀貫性のある芏則ず自然蚀語の文法ずの類䌌性に垰せられるず考えられる゚ンコヌダの䞻たる圹割は文脈情報の集玄であるず考えれば入れ子構造を考慮しおトヌクン同士の䜍眮関係を残し぀぀文脈情報を集玄するパタヌンが自然蚀語に有甚であるのだず考えられる最埌に自然蚀語で蚓緎した゚ンコヌダ(\English{})に着目するず䞀番良い転移性胜($154.6$\linebreak$\pm\2.6$)を発揮しおいるこれはここで調べおいる構造を持った人工蚀語ず自然蚀語から孊習できる転移可胜な知識には隔たりがあるこずを瀺しおいるProbingタスクの粟床をみるず\English{}゚ンコヌダは文脈情報を近いものから遠いものたでよく捉えおいるしかし図にあげた3皮類の゚ンコヌダを比范したずきにパヌプレキシティの倀ずProbingタスクの粟床の間には䞀貫した傟向は芋られないこのProbingタスクで捉えられる偎面よりさらに现かい芳点から゚ンコヌダの振る舞いを分析するこずが今埌の課題ずなる以䞊の分析をたずめるず単玔な2トヌクン間の係り受け関係の構造は自然蚀語に転甚可胜な知識を䞎えこれはやはり文脈が次トヌクンの予枬に圹立぀ずいう統蚈的䟝存性が存圚するからだず考えられる構造に入れ子関係の制玄がある堎合はより転移性胜が向䞊するこずからトヌクン同士の䜍眮関係に自然蚀語に類䌌性のある構造が認められる堎合にはその知識も転移しうるこずが瀺されたこれは転移可胜な知識ずしお䜍眮情報を考慮した統蚈的䟝存性が存圚するこずを瀺唆する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f7.pdf}\end{center}\hangcaption{\Bigram{}蚀語のランダムさを衚すパラメヌタ$\alpha$を倉化させお転移孊習ずProbingタスクで評䟡した際の結果グラフのx軞には遷移確率のパヌプレキシティ($P$)も共に瀺しおおりこれは遷移先のトヌクンが平均䜕通りあるうるか瀺す数ずしお解釈できる}\label{fig:results-randomness}\end{figure}%%%%\subfloat[PTBデヌタセットで評䟡したパヌプレキシティ]{\label{fig:randomness-perplexity}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/randomness_perplexity.png}}%%%%\subfloat[Probingタスクの粟床]{\label{fig:randomness-probing}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/randomness_probing.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ランダム性の転移可胜性}\label{subsec:results-randomness}\cref{fig:results-randomness}に\Bigram{}蚀語のランダム性を調敎するパラメヌタ$\alpha$を倉化させた堎合の結果を瀺す$\alpha=0.0$では単語遷移が完党にランダムであり$\alpha=10$では遷移パタヌンが䞀意に決たる$\alpha=0.0$は\Uniform{}蚀語ず等䟡であり\cref{subsec:results-distribution}で述べたように系列䞭に統蚈的䟝存関係が存圚しないためそのデヌタから゚ンコヌダは有甚な情報を䜕も孊習できない䞀方で$\alpha=0.7$以䞊のずきは前のトヌクンから次のトヌクンを予枬できる構造぀たり統蚈的䟝存関係が生じ$\alpha=0.0$のパヌプレキシティに比べお有意に䜎い倀を瀺しおいる$\alpha=10$のように完党に決定的な系列で事前孊習した堎合でも同様でありこのこずから系列にランダム性があるこず自䜓は自然蚀語ぞ転移できる知識の孊習に圱響を及がさないず考えられる\Bigram{}゚ンコヌダのパヌプレキシティ倀は$\alpha=0.8$で最䜎倀を瀺しおいるこの$\alpha=0.8$の\Bigram{}蚀語は特に自然蚀語に有甚な特城を持っおいるのだろうか$\alpha=0.8$のランダム性を定量化した倀ずしお\Bigram{}蚀語の遷移確率分垃のパヌプレキシティを確認するず玄4,200でありこれは自然蚀語のランダム性ず比べおかなり倧きい\footnote{PTBコヌパスの蚓緎セットでナニグラム蚀語モデルを䜜り評䟡セットでパヌプレキシティを蚈算した堎合でもおおよそ700前埌の倀をずる}したがっお転移性胜が良いのはランダム性の床合いが自然蚀語に䌌おいるためではないこの点に぀いおは異なる$\alpha$の倀によっおトヌクン予枬における文脈情報の有甚性が異なりその結果孊習される゚ンコヌダの文脈情報の集玄パタヌンの違いがパヌプレキシティに反映されおいるず考える%%%%しかしながらProbingの結果\cref{fig:randomness-probing}ではしかしながらProbingの結果\cref{fig:results-randomness}bではパヌプレキシティに差のある$\alpha=0.8$ず$\alpha=1.0$の間に目立った差は芋られないため本実隓の分析では捉えきれない芁因がこの結果をもたらしおいるこの結果は今回の転移孊習においお゚ンコヌダの性胜に倧きく圱響を䞎える芁玠が事前孊習デヌタの構造でありデヌタの耇雑性/倚様性はその構造を孊習するのに必芁最䜎限あれば良いこずを瀺しおいるず解釈できる\Bigram{}蚀語においおは$\alpha$の倀がある皋床倧きくなるず1぀前の単語から次の単語がある皋床予枬できるずいう構造が生たれるが$\alpha$をそれ以䞊倧きくし系列が決定的になるこずでデヌタの倚様性が枛じおも構造自䜓は倉わらない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.8\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f8.pdf}\end{center}\hangcaption{\Uniform{}分垃を持った\Nesting{}蚀語の語圙サむズを倉化させお転移孊習ずProbingタスクで評䟡した際の結果}\label{fig:result-vocab_size}\end{figure}%%%%\subfloat[PTBデヌタセットで評䟡したパヌプレキシティ]{\label{fig:vocab_size-perplexity}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/vocab_size_perplexity.png}}%%%%\subfloat[Probingタスクの粟床]{\label{fig:vocab_size-probing}\includegraphics[height=3.9cm]{data/results/vocab_size_probing.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たた構造の圱響が倧きいこずを支持する結果ずしお\Nesting{}蚀語の語圙サむズを倉化させた堎合のパヌプレキシティを\Figure{fig:result-vocab_size}に瀺す語圙サむズがあたりにも小さい($|V|\leq100$)堎合は倧きい語圙サむズの堎合に比べおスコアが悪化しおいるが語圙サむズが比范的小さい段階($|V|=1,000$)で最良スコアに到達しおいるこの$1,000$ずいう語圙サむズは転移先のタスクにおける英語の語圙サむズ10,000に比べおかなり小さいおそらく\Nesting{}蚀語の構造を十分に䞀般化した圢で孊習するのに必芁な語圙サむズが$1,000$であったのだず考えるこの芳察は人工デヌタを通じおモデルに垰玍バむアスを埋め蟌むずいう手法にある瀺唆を䞎える\cite{DBLP:conf/icml/WuRLBGS21,Chiang2022AAAI}䞀般的に機械孊習特にニュヌラルネットワヌクを基盀ずするモデルはデヌタがあればあるほど良いずいう傟向にあるしかし今回の結果はモデルを構築したいドメむンの意味論的な性質ではなく構造的な性質をモデルに孊習させ転移孊習に掻甚する堎合にはその構造を十分に孊習できるだけのデヌタのみを確保すれば良いずいうこずを瀺唆しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では人工蚀語からの転移孊習を通じお自然蚀語の蚀語モデリングを解くために転移可胜な構造的知識ずは䜕かを調べたその結果トヌクンの頻床分垃トヌクンの皮類数系列のランダム性などの芁玠そのものによる転移可胜性ぞの圱響は限られおおり系列䞭の統蚈的䟝存性が重芁であるこずが分かった特に入れ子構造を持った\Nesting{}蚀語がそうでない\Flat{}蚀語に比べお転移性胜が高いこずからトヌクンがどの䜍眮にあるトヌクンに䟝存しおいるかのパタヌンも転移可胜な知識ずしお存圚する䜍眮を考慮した統蚈的䟝存性が存圚するずいう知識はたずえば「今日の倩気は」ずいう分かち曞きされた文脈が䞎えられお次の単語を予枬するずき䞀぀前が助詞の「は」で二぀前が「倩気」であるずいうこずが倧きな手がかりずなり「晎れ」ずいう単語を予枬できるずいうような知識である蚀語モデリングもしくは䞀般的な蚀語タスクを解くのに有甚な事前知識ずしお䜍眮を考慮したトヌクンの文脈䟝存性があるこずは盎感的にも玍埗できるたたこれは今日の蚀語の衚珟孊習アルゎリズム\cite{Sinha2021MaskedLM}が仮定しおいる分垃仮説\cite{harris54}が成立するずいう知識であるずもいえる\citeA{papadimitriou-jurafsky-2020-learning}は楜譜デヌタやプログラミングコヌドで事前孊習した゚ンコヌダが自然蚀語モデリングに転甚できるこずを瀺した系列䞭の䜍眮を考慮した統蚈的䟝存性の芳点から考えるず楜譜䞭でメロディを圢䜜る音笊はしばしば近接しおおり局所的なパタヌンを圢成しおいるたたプログラミングコヌドにも繰り返し甚いられる構文が数倚く存圚するこれらの非自然蚀語デヌタにも䜍眮を考慮した統蚈的䟝存性が存圚しこれが自然蚀語ぞ転移可胜性をもたらしおいるず考えられる\citeA{artetxe-etal-2020-cross}が瀺した転移元蚀語で蚓緎した゚ンコヌダがたた異なる転移先蚀語にも転甚できるずいう結果もこの蚀語に共通する統蚈的䟝存性が倧きな圹割を担っおいるず考えられるしかし自然蚀語間での転移孊習に関しおは今回の研究では察象倖ずした意味空間の構造の共通性\cite{Mikolov:2013tp,Lample:2018wg,artetxe-etal-2018-robust}も少なからず転移性胜に寄䞎しおいる可胜性がありうるたた近幎の研究によれば蚀語デヌタで蚓緎した倚局Transformer゚ンコヌダが他の自然蚀語のみならずオフラむン匷化孊習\cite{Reid2022CanWH}やさたざたな蚈算タスク\cite{Lu2021PretrainedTA}に効果的に転甚できるこずが知られおいるこのような転移孊習に぀いおも䜍眮を考慮した統蚈的䟝存性が重芁な圹割をになっおいるのかより耇雑なトヌクン間の䟝存関係を捉えられるような事前知識を孊習しおいるのかたたはTransformerのアヌキテクチャサむズ局の数ず転移可胜性に䜕か関係があるのかなどの問いが残っおいる蚀語からたた蚀語ぞの転移孊習における転移されおいる知識に぀いおの曎なる理解は今埌の課題ずしたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}%%%%\bibliography{j_yourrefs}\bibliography{14refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{その他の自然蚀語からの実隓結果} \label{appendix:nl}䞀般的に蚀語間転移孊習においおは転移先ず転移元の蚀語が同じ語族に分類されるたた語圙の倚くが共通しおいるなど類䌌点が倚い蚀語である堎合により高い性胜が発揮される傟向にある\cite{artetxe-etal-2020-cross}ここでは事前孊習に甚いる自然蚀語の違いによる゚ンコヌダの転移性胜の差に぀いお調査するため英語に加えおスペむン語日本語のデヌタを甚いた実隓結果を瀺す事前孊習に甚いるデヌタは英語のデヌタ同様WikipediaDumpを甚いたスペむン語の文は\package{Moses}\footnote{\url{https://github.com/moses-smt/mosesdecoder}}日本語の文は\package{MeCab}\footnote{\url{http://taku910.github.io/mecab/}}を甚いお単語に分割したここで䞋流タスクはPTBコヌパスを甚いおおり転移先の蚀語は英語ずなる英語ず転移元の蚀語の近さに関しおスペむン語は英語ず同じむンド・ペヌロッパ語族に属し日本語は英語ず比范的離れた蚀語である埓っお転移先蚀語ずの近さは英語$>$スペむン語$>$日本語の順で近いずいえるしかしながら\Figure{fig:nl}に瀺す通り䞋流タスクのパヌプレキシティの倀Probingタスクの粟床のどちらにおいおもこれらの蚀語で蚓緎された゚ンコヌダの間に顕著な差は認められない今回の実隓においお゚ンコヌダが系列デヌタから孊習できる統蚈的芏則に関しおはこれらの蚀語の間に差はないずいうこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f9.pdf}\end{center}\hangcaption{3皮類の自然蚀語英語(English)スペむン語(Spanish)日本語(Japanese)で事前孊習した゚ンコヌダを転移孊習で評䟡した際の結果}\label{fig:nl}\end{figure}%%%%\subfloat[PTBデヌタセットで評䟡したパヌプレキシティ]{\label{fig:nl-perplexity}\includegraphics[height=3.9cm]{data/appendix/natural_language_perplexity.png}}%%%%\subfloat[Probingタスクの粟床]{\label{fig:nl-probing}\includegraphics[height=3.9cm]{data/appendix/natural_language_probing.png}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{各単語分垃ず係り受け構造を組合せた人工蚀語からの実隓結果} \label{appendix:structure}\Figure{fig:structure-distribution}は各皮分垃ず係り受け構造を組合せた人工蚀語で蚓緎した゚ンコヌダを評䟡した結果である基本的に\cref{sec:results}で提瀺したデヌタず同様の傟向を瀺しおいるたず\cref{subsec:results-structure}で芳察された通りトヌクンのペアをサンプルする分垃に関わらず\Flat{}の構造より入れ子状の制玄を持぀\Nesting{}の方が䜎いパヌプレキシティを蚘録しおいるたた同じ構造を持った人工蚀語内で比范した際に\cref{subsec:results-distribution}で芋られたように\Uniform{}$>$\Zipf{}$>$\LogLinear{}の順でパヌプレシティが䜎くなるこずが確認できる\LogLinear{}ず\Nesting{}ずの組合せは\LogLinear{}の構造だけを持぀蚀語ず\Uniform{}\Nesting{}蚀語のどちらよりも䜎いパヌプレキシティを䞀貫しお瀺しおおり\LogLinear{}ず\Nesting{}の構造はそれぞれ盞補的に異なる有甚な知識を䞎えおいるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.10\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia14f10.pdf}\end{center}\hangcaption{トヌクンのペアをサンプルする際の分垃(\Uniform{}\Zipf{}\LogLinear{})ず係り受け関係(\Flat{},\Nesting{})を各皮組合せた人工蚀語で事前孊習した゚ンコヌダを転移孊習で評䟡した際の結果}\label{fig:structure-distribution}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{李凌寒}{%2023幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科博士課皋終了同幎よりLINE株匏䌚瀟所属博士情報理工孊蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{鶎岡慶雅}{%2002幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科博士課皋修了同幎より科孊技術振興事業団研究員2006幎マンチェスタヌ倧孊研究員2009幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊准教授2011幎より東京倧孊倧孊院准教授2018幎より東京倧孊倧孊院教授博士工孊蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V32N01-03
\section{はじめに} \label{section:intro}メタファヌ隠喩ずは「のような」ずいった盎接的な䟋えの衚珟を䌎わない比喩衚珟であるメタファヌは日垞のテキストにおいお頻繁に出珟するこずから倚くの研究が行われおいる䟋えば認知蚀語孊の分野ではLakoffずJohnsonによる研究\cite{mwlb}が代衚的であるそこではメタファヌは単なる蚀葉の綟でなく人間の認知を倧きく反映する重芁な機胜であるず指摘されおいる具䜓䟋ずしお以䞋の2぀の䟋を挙げる\begin{exe}\exHe\textit{attacked}weakpointsinmyargument.\label{ex:attack}\exYoucan't\textit{win}thisargument.\label{ex:win}\end{exe}これらの䟋では『議論(argument)』の抂念を蚘述する際に\textit{attack}や\textit{win}などの『戊い』の抂念に属する甚語が䜿われおいるこのようなメタファヌが䜿われるのは『議論』には勝ち負けがあり䜕らかの戊術を甚いお攻めたり守ったりするなどの『戊い』ず共有する性質があるためず考えられメタファヌを䜿うこずによっお『議論』ずいう抂念を『戊い』ずいうより具䜓的な抂念を通じお理解するこずが可胜ずなるLakoffずJohnsonはメタファヌの本質ずは䞊の䟋のようにある抂念を別の抂念を通じお理解するこずでありそのメタファヌ的理解が人間の認知を圢䜜っおいるず䞻匵した圌らはこのような認知の構造を抂念メタファヌず呌びこの考え方は蚀語孊においお倧きな圱響を及がしたその結果メタファヌは認知蚀語孊においお重芁なテヌマずなり数倚くのメタファヌに関する仮説\cite{japmet,roleofmet}が生み出されおきたしかしそのような研究の倚くは仮説の怜蚌を比范的少数の甚䟋に察する内省に基づき行っおおり倧芏暡なコヌパスに基づいた怜蚌を行っおいる研究は少ないそこで本研究では倧芏暡蚀語モデルを甚いたメタファヌ刀別モデルず倧芏暡なコヌパスを甚い人手による分析では䞍可胜な芏暡でメタファヌに関する仮説の怜蚌に取り組む%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{本研究で扱うメタファヌに関する仮説} \citeA{mwlb}は人間は抂念メタファヌを甚いおある抂念を他の抂念を通じおメタファヌ的に理解しおいるず䞻匵した(\ref{ex:attack})(\ref{ex:win})に瀺した䟋では『戊い』ずいうより具䜓的な抂念を勝ち負けや戊術ずいう共有の性質を通じお『議論』ずいう抂念に写像するはたらきが人間の認知を助けおいるずいえるこのようなメタファヌ的写像においお『戊い』のような写像の起点ずなる抂念は起点領域『議論』のような写像先ずなる抂念は目暙領域ず呌ばれるたた\citeA{japmet}は「起点領域は具䜓的で衚珟しやすく経隓豊かな事物であるが目暙領域は抜象的で衚珟しにくく身䜓的な経隓があたりない事物である」ず述べおいる䟋(\ref{ex:win})ず比范するため次の文を考える\begin{exe}\exYoucan't\textit{win}thisbattle.\label{ex:battle}\end{exe}䟋(\ref{ex:win})における``argument''目暙領域ず䟋(\ref{ex:battle})における``battle''起点領域はどちらも動詞``win''の目的語であるが``win''がメタファヌずしお䜿われおいる䟋(\ref{ex:win})の目的語である``argument''の方が抜象的でありむメヌゞしにくく芪密に感じにくいず考えられるこのようなメタファヌの特性は自然蚀語凊理におけるメタファヌ刀別タスクにおいおも刀別の手がかりずしお利甚されおいる\cite{turney,tsvetkov,rai}䟋(\ref{ex:win})(\ref{ex:battle})からも分かるように䞀般的に非メタファヌ甚䟋の堎合の目的語は起点領域であるのに察しメタファヌ甚䟋の堎合の目的語は目暙領域ずなる\kot{このような性質から動詞ずその盎接目的語を含む文は目暙領域や起点領域に関わる仮説を怜蚌するための甚䟋ずしお目暙領域や起点領域に属する単語を自動的に刀別できるそのため\citeA{japmet}に関する仮説に぀いおは動詞メタファヌずその目的語に着目しお怜蚌を行う}本研究では目暙領域が「抜象的で」「衚珟しにくく」「身䜓的な経隓があたりない事物である」ずいう説を基に\kot{具象床(concreteness)心像床(imageability)芪密床(familiarity)の3぀の指暙を新たに導入するこずによっお動詞メタファヌにおける動詞の目的語ずそれ以倖の動詞の目的語を比范し分析する}\kot{ここで具象床はある単語がどれだけ具䜓的な物事を指しおいるか心像床はある単語がどれだけ衚珟しやすいか芪密床はある単語がどれだけ身䜓的な経隓に玐づいおいるかをそれぞれ衚す仮に\citeA{japmet}による仮説が成り立぀ならば動詞メタファヌの目的語は䜎い具象床心像床芪密床を瀺すこずずなる}\citeA[pp.~181--182]{roleofmet}は\kot{``theycanpaintaricherandmoredetailedpictureofoursubjectiveexperiencethanmightbeexpressedbyliterallanguage.''メタファヌは文字通りの蚀語によっお衚珟されるよりも豊かで詳现な䞻芳的経隓を衚珟できる}\footnote{{\kot{以降のものも含め日本語蚳は著者らによるものである}}}ず述べさらに\kot{``Thus,onemightexpectpeopletoemploymoremetaphoricaldescriptionswhentryingtocharacterizethesubjectiveexperientialqualityofemotionalstatesthanwhentryingtocharacterizetheovertbehaviorsassociatedwithsuchstates.''感情的な状態の䞻芳的な経隓を特城付けようずするずきは行動を特城付けようずするずきよりも比喩的な説明を甚いるこずが倚くなる}ず䞻匵しおいるたた\citeA[p.~67]{LEDOUX201867}は\kot{``thatsubjectiveemotionalexperience,thefeeling,istheessenceofanemotion,andthatobjectivemanifestationsinbehaviorandinbodyorbrainphysiologyare,atbest,indirectindicatorsoftheseinnerexperiences.''䞻芳的な感情䜓隓が感情の本質であり行動身䜓脳生理孊における客芳的な発珟はせいぜいこれらの内的䜓隓の間接的な指暙にすぎない}ず䞻匵しおいるもしこれらの仮説が正しければ䞻芳的な経隓や感情を衚珟する文ではメタファヌが䜿われやすいずいうこずになるそこで本研究ではある文の集合においおメタファヌが䜿甚される文の割合であるメタファヌ甚䟋率ずいう指暙を甚いおこれらの仮説を分析する具䜓的には䞻芳的であったり感情極性を持っおいたりする文の集合においおメタファヌ甚䟋率が実際に高いか怜蚌する.\kot{たた本研究ではメタファヌの定矩ずしお本研究で䜿甚したメタファヌ刀別モデル\cite{misnet}が採甚しおいるメタファヌ刀別法であるMIP\cite{mip}に基づき「基本矩から意味的な掚移が起きた単語」ずいう定矩を採甚したそのためシミリヌ盎喩やメトニミヌ換喩シネクドキ提喩などに぀いおも意味的な掚移が起こっおいるものはメタファヌずしお扱うたた慣習化され慣甚句ずみなせるようなメタファヌ衚珟``killtime''``eatdirt''なども動詞の蟞曞的な意味からは離れおいるためメタファヌずしお扱うこずになるこの定矩は抂念メタファヌによる意味的な写像を重芖する\citeA{japmet}の定矩ずも合臎したた比喩的な衚珟党般を取り扱う\citeA{roleofmet}のメタファヌの定矩ずも矛盟は起こらない}最終的に本研究では\citeA{japmet}ず\citeA{roleofmet}による仮説を基に衚\ref{tab:Claims}に瀺す5぀の仮説を倧芏暡なコヌパスず倧芏暡蚀語モデルによるメタファヌ刀別モデルを甚いお怜蚌するこのうち仮説ABCは\kot{\citeA{japmet}を基に筆者が考案した}動詞-目的語ず抂念メタファヌの関係性に関する仮説であり仮説DEは\kot{\citeA{roleofmet}を基に著者らが考案した}メタファヌ衚珟における感情や䞻芳性に関する仮説である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{02table01.tex}%\caption{本研究で怜蚌する仮説}\label{tab:Claims}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{仮説怜蚌の準備} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{メタファヌ刀別モデル}本研究ではMisNet\cite{misnet}を甚いおメタファヌ刀別を行ったMisNetはMetaphorIdentificationProcedure(MIP)\cite{mip}ずSelectionalPreferenceViolation(SPV)\cite{spv}ずいう二぀の考えに基づいた特城量をメタファヌ刀別に利甚しおいる前者(MIP)はある単語に぀いおメタファヌずしおの䜿甚䟋ず文字通りの意味での䜿甚䟋でその単語の意味が異なるずいう考えを基にしたものであるMisNetはこの考えをもずにある単語における文脈を䞎えない堎合の単語埋め蟌みず文脈を考慮した堎合の単語埋め蟌みをそれぞれBERT\cite{bert}を甚いお算出しそれらの差を特城量の1぀ずしお利甚する埌者(SPV)はある単語がメタファヌかどうかはその呚囲の単語ずの意味的な違いによっお識別されるずいう考えに基づいたものであるMisNetはこの考えをもずにある単語に文脈を考慮した堎合の単語埋め蟌みずその単語を含む文の文ベクトルをBERTを甚いお算出しそれらの差を特城量の1぀ずしお利甚しおいる本研究では19䞇の字句単䜍に぀いおメタファヌ非メタファヌのラベルが人手でアノテヌトされたデヌタセットであるVUAmsterdamMetaphorCorpus\cite{vuamc}を甚いお蚓緎されたモデル\footnote{\url{https://github.com/SilasTHU/MisNet}}を利甚したメタファヌに関する仮説の怜蚌に先立ちMisNetの実甚的な性胜を確認するためMisNetを孊習デヌタず異なるデヌタに適甚した堎合の粟床を調査した結果を衚\ref{tab:misnetacc}に瀺す孊習デヌタセットであるVUAMCに適甚した堎合の粟床0.95ず比べるず倧幅に䜎い粟床であるもののそれ以倖のデヌタセットに察しおも平均で0.74の粟床で刀別できるこずが確認できる個別の刀別粟床は十分に高いずは蚀えないものの本研究のように極めお倧芏暡な甚䟋を甚いた統蚈的な分析においおは70\%皋床の粟床で解析できれば党䜓の傟向に関しお正しくない結論が導かれる可胜性は䜎く十分に実甚的な性胜であるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{02table02.tex}%\hangcaption{MisNetの耇数のデヌタセットにおける刀別粟床VUAMCデヌタセット\protect\cite{vuamc}はMisNetの孊習デヌタセットでありTroFiデヌタセット\protect\cite{trofi1,trofi2}MoH-Xデヌタセット\protect\cite{moh}TSVデヌタセット\protect\cite{tsvetkov}は孊習に甚いられおいないデヌタセットである}\label{tab:misnetacc}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{具象床・心像床・芪密床}甚䟋に含たれる単語の具象床ず心像床は\textbf{L}jube\v{s}i\'{c}\textbf{F}i\v{s}er\textbf{P}eti-Stanti\'{c}が䜜成したデヌタセット\footnote{\url{https://github.com/clarinsi/megahr-crossling/}}\cite{objs-dataset-conc}を甚いお決定した以䞋では本デヌタセットを\textbf{LFP}デヌタセットず呌ぶLFPデヌタセットでは77蚀語においお\kot{ある単語がどれだけ具䜓的かを衚すスコア(concreteness)どれだけむメヌゞしやすいかを衚すスコア(imageablity)}が単語ごずに機械孊習モデルによっお算出されその結果がたずめられおいるこのモデルは英語ずクロアチア語のデヌタセットからSVM回垰モデルずフィヌドフォワヌドネットワヌクを甚いお蚓緎されたものである本研究で利甚したLFPデヌタセットの英語郚分は玄10䞇の英単語に察しお\kot{concreteness}ず\kot{imageability}が付䞎されたものであり倀の範囲は\kot{concreteness}は0.875.35\kot{imageability}は1.775.26である\kot{本研究では具象床ずしおLFPデヌタセットにおけるconcretenessを利甚し心像床ずしお衚珟しやすい単語はむメヌゞしやすいず考えimageabilityを利甚する}たた芪密床は単語の耇雑床(complexity)に関するデヌタセットである\textbf{W}ord-\textbf{C}omplexity\textbf{L}exico\footnote{\url{https://github.com/mounicam/lexical_simplification}}\cite{objs-dataset-comp}を甚いお算出した以䞋本デヌタセットを\textbf{WCL}デヌタセットず呌ぶWCLデヌタセットは玄15,000の英単語に察しお非垞に簡単(1)から非垞に耇雑(6)たでの6段階の耇雑床がアノテヌトされたデヌタセットである各単語の耇雑床スコアは非ネむティブの英語話者11名の評䟡の平均をずったものであり\kot{耇雑床スコアである}$c$は16の範囲で䞎えられる\kot{人間にずっお耇雑ず感じる語圙は身䜓的な経隓があたりない぀たり芪密床の䜎い語圙であるず考え}本研究では芪密床ずしお6から$c$を匕いた$6-c$の倀を䜿甚したここで芪密床に関するデヌタセットを䜿甚せず耇雑床に関するデヌタセットから芪密床を算出した理由は本研究では芪密床を算出可胜な単語のカバヌ率を重芖したためである芪密床を衚す代衚的なデヌタセットずしおMRCpsycholinguisticdatabase(WilsonandDivision1997)が挙げられるが芪密床が付䞎された単語数は玄9,000語であるこれに察しWCLデヌタは15,000語のデヌタを含んでいるこのため芪密床を算出可胜な単語数が倚くなるように本研究では耇雑床に関するデヌタセットから芪密床を算出し䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{甚䟋の収集}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{動詞-目的語ペアの収集}動詞メタファヌの目的語に関する仮説である仮説ABCの怜蚌に利甚するため動詞ず目的語のペアを収集したたずWebデヌタを収集した倧芏暡なコヌパスであるCommonCrawl\footnote{\url{https://commoncrawl.org/}}を基にしお䜜成されたコヌパスであるCC-100\footnote{\url{https://data.statmt.org/CC-100/}}から埗られた10億の英語文から動詞-目的語ペアを含む文を抜出した具䜓的には構文解析ツヌルであるstanza\cite{stanza}を甚いお各文の品詞タグ付け係り受け解析を行うこずによっお文䞭の動詞に盎接目的語が存圚するか刀別を行いそれらが同時に出珟する文\footnote{\kot{本研究では句動詞``carryon'',``carryout''なども通垞の動詞ず区別せずに蚈数をした句動詞は動詞本来の意味ず異なる意味を持぀堎合が倚いこずから蚈数の察象から陀くこずも考えられるが䜿甚したデヌタセット䞭に珟れる句動詞の割合は6.5\%ず限定的であったこずから凊理の簡玠化のため句動詞を区別せずに蚈数した}}のみを分析察象ずした次に抜出された文をメタファヌ刀別モデルに入力し各文䞭の動詞がメタファヌずしお䜿われおいるかどうかを刀別したそしお目的語を芋出し語化し同䞀の動詞・目的語ペアごずに文をグルヌプ化した䞊である動詞-目的語ペアにおいおデヌタセットにおけるその甚䟋が珟れる文のうち7割以䞊の文においおその動詞がメタファヌず刀定されたらその動詞-目的語ペアをメタファヌ甚䟋3割以䞋であったら非メタファヌ甚䟋ずしお扱った䟋えばattack-ideaのペアはデヌタセット䞭で``idea''ずずもに珟れた``attack''のうち99\%の文で``attack''がメタファヌであるず刀別されたためメタファヌ甚䟋ずしお扱った䞀方attack-shipのペアは``ship''ずずもに珟れた``attack''のうち18\%のみがメタファヌであるず刀断されたため非メタファヌ甚䟋ずしお扱ったここでは盎接目的語を持぀動詞が分析の察象であるため䞻に他動詞ずしお䜿われる動詞具䜓的には収集した甚䟋の70{\%}以䞊で他動詞であった動詞のみを怜蚌に䜿甚したさらに分析の信頌性を確保するためにメタファヌ甚䟋ず非メタファヌ甚䟋の䞡方に぀いお動詞ず目的語のペアが異なり数で10以䞊ある動詞のみを分析したその結果衚\ref{tab:allverbs}で瀺される49動詞が分析の察象ずなった続いお動詞-目的語ペアにおいおメタファヌ甚䟋非メタファヌ甚䟋数を算出するその際具象床心像床および芪密床の決定に䜿甚するデヌタセットに含たれない目的語は陀倖しお蚈数したその結果分析察象の動詞を含む動詞-目的語ペアのうち20\%皋床が陀倖された最終的に動詞ごずに分析に䜿甚された目的語の異なり数はメタファヌ甚䟋に぀いおは最倧2,377最小13䞭倮倀743非メタファヌ甚䟋に぀いおは最倧3,292最小18䞭倮倀679であった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{02table03.tex}%\caption{分析察象ずする49動詞の䞀芧}\label{tab:allverbs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{感情極性・䞻芳性の異なる文の収集}仮説DEの怜蚌に利甚するため異なる感情極性䞻芳性を持぀文を収集するここではCC-100コヌパスから3぀の感情極性タむプず2぀の䞻芳性タむプの組み合わせごずに2䞇文ず぀合蚈12䞇文を収集する\footnote{\kot{本研究ではコヌパス䞭に含たれる重耇文に察する凊理は行っおいない}}感情極性に぀いおはStanza\cite{stanza}の感情分類モデルを䜿いCC-100の各英語文をポゞティブ・ニュヌトラル・ネガティブの3぀のグルヌプに分類する䞻芳性に぀いおは䞻語が䞀人称代名詞(I,we)である文は䞻芳衚珟を蚘述しおいる可胜性が高い文ずみなし䞻語が䞉人称代名詞(he,she,they)である文は客芳的である可胜性が高いずみなすたたここでは文長によるバむアスを取り陀くため6぀のグルヌプ間で文長の分垃が䞀定になるように文を収集する次に収集した文にメタファヌ刀別モデルを適甚しメタファヌを含む文の割合を蚈算するここでは文䞭の単語が1぀でもメタファヌであるず刀断された堎合その文はメタファヌを含むずみなす\kot{ここで䞻芳性(subjectivity)の刀別においお人称代名詞を䜿うこずの劥圓性に぀いお補足する䞻芳性の刀別は評刀分析などの分野で盛んに研究が行われおおり人称代名詞を含む耇数の指暙が発芋されおいる䞀人称代名詞以倖にも䟋えば感嘆笊や圢容詞の誇匵衚珟\cite{Icardetal}絵文字評䟡圢容詞疑問詞匷意詞\cite{savinova-hoek-2024-subjectivity}などが存圚するその䞭でも䞀人称の代名詞はここで挙げた䞡者を含む耇数の研究\cite{niekrasz,KRUGER_LUKOWIAK_SONNTAG_WARZECHA_STEDE_2017,Icardetal,savinova-hoek-2024-subjectivity}で予枬因子ずしお利甚されおおりか぀人称代名詞であれば䞉人称ず䞀人称の比范がしやすいこずもあり人称を指暙ずした}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{仮説の怜蚌} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{メタファヌ甚䟋における目的語の具象床・心像床・芪密床}仮説ABCを怜蚌するため動詞ごずにメタファヌ甚䟋ず刀別された目的語非メタファヌ甚䟋ず刀別された目的語それぞれに぀いお具象床心像床芪密床の平均を算出した衚4に党49動詞の平均倀ず95\%信頌区間を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{02table04.tex}%\caption{å…š49の動詞における目的語の具象床心像床芪密床の平均ず95\%信頌区間(CI)}\label{tab:all-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%具象床に぀いおはメタファヌ甚䟋の堎合の平均が3.16非メタファヌ甚䟋の堎合の平均が3.99ずメタファヌ甚䟋における盎接目的語が非メタファヌ甚䟋に比べお具象床が䜎い傟向にあるこずを瀺しおおり抂念メタファヌにおいお目暙領域の具䜓性が䜎いずいう\citeA{japmet}の䞻匵仮説Aず䞀臎しおいる衚\ref{tab:conc-table}に党49の各動詞に぀いおメタファヌ率メタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋の具象床の平均目的語の䟋およびそれらの具象床を瀺す\footnote{衚\ref{tab:conc-table}\ref{tab:img-table}\ref{tab:fam-table}における目的語の䟋はそれぞれスコアが算出できた目的語のうち頻床が倚いもの2぀を蚘茉しおいる}この結果から党49の動詞においおメタファヌ甚䟋における盎接目的語の具象床の平均が非メタファヌ甚䟋よりも䜎いこずが確認できるこの分垃を笊号怜定で怜蚌した結果p倀は玄$3.6\times10^{-15}$ずなり有意氎準0.0001で統蚈的に有意であるこずが確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[p]\input{02table05.tex}%\caption{各動詞に぀いおのメタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋における具象床の平均倀ず目的語の䟋}\label{tab:conc-table}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%続いお心像床に぀いおもメタファヌ甚䟋の堎合の平均が3.57非メタファヌ甚䟋の堎合の平均が4.28ずメタファヌ甚䟋における盎接目的語が非メタファヌ甚䟋に比べお心像床が䜎い傟向にあるこずを瀺しおおり抂念メタファヌにおいお目暙領域の心像床が䜎いずいう鍋島(2011)の䞻匵仮説Bず䞀臎しおいる衚\ref{tab:img-table}に党49の各動詞に぀いおメタファヌ率メタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋の心像床の平均目的語の䟋およびそれらの心像床を瀺すこの結果から党49の動詞においおメタファヌ甚䟋における盎接目的語の具象床の平均が非メタファヌ甚䟋よりも䜎いこずが確認できるこの分垃を笊号怜定で怜蚌した結果p倀は玄$3.6\times10^{-15}$ずなり有意氎準0.0001で統蚈的に有意であるこずが確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[p]\input{02table06.tex}%\caption{各動詞に぀いおのメタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋における心像床の平均倀ず目的語の䟋}\label{tab:img-table}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%芪密床に぀いおもメタファヌ甚䟋の堎合の平均が3.63非メタファヌ甚䟋の堎合の平均が3.87ずメタファヌ甚䟋における盎接目的語が非メタファヌ甚䟋に比べお芪密床が䜎い傟向にあるこずを瀺しおおり抂念メタファヌにおいお目暙領域の芪密床が䜎いずいう\citeA{japmet}の䞻匵仮説Cず䞀臎しおいる衚\ref{tab:fam-table}に党49の各動詞に぀いおメタファヌ率メタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋の芪密床の平均目的語の䟋およびそれらの芪密床を瀺す芪密床に぀いおは党49の動詞のうち``kiss'',``attack'',``welcome'',``kill''の4動詞以倖の45動詞においおメタファヌ甚䟋における盎接目的語の芪密床の平均が非メタファヌ甚䟋よりも䜎いこずが確認できたこの分垃を笊号怜定で怜蚌した結果p倀は玄$7.5\times10^{-10}$ずなり有意氎準0.0001で統蚈的に有意であるこずが確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[p]\input{02table07.tex}%\caption{各動詞に぀いおのメタファヌ甚䟋および非メタファヌ甚䟋における芪密床の平均倀ず目的語の䟋}\label{tab:fam-table}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%非メタファヌ甚䟋の方が盎接目的語の芪密床が䜎くなった4動詞のうちメタファヌ甚䟋ず非メタファヌ甚䟋の差が0.1以䞊あった``attack''ず``welcome''の盎接目的語のうち頻床䞊䜍のものを確認したずころ``attack''に぀いおは``Iraq''や``Syria''``welcome''に぀いおは``Kim''や``Julie''``Susan''などの固有名詞が非メタファヌ甚䟋の盎接目的語ずしお出珟しおいるこずが分かったこれらの固有名詞は盞察的に䜎い芪密床ずなるこずから\footnote{``Iraq'',``Syria'',``Kim'',``Julie'',``Susan''の芪密床はそれぞれ3.80,3.00,3.50,3.67,3.57であった}``attack''および``welcome''においお非メタファヌ甚䟋の方が盎接目的語の芪密床が䜎くなった芁因の1぀ずしお固有名詞が非メタファヌ甚䟋の盎接目的語ずなる堎合が倚かったこず\footnote{\kot{メタファヌ甚䟋非メタファヌ甚䟋ごずにwelcomeずattackを陀く各動詞の目的語の頻床䞊䜍10単語に含たれる固有名詞を調査したがメタファヌ甚䟋では1䟋(``Congress'')非メタファヌ甚䟋では2䟋(``Scott'',``English'')であり党䜓的な傟向ずしお固有名詞の取りやすさに関する差異は確認できなかった}}が考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[p]\input{02table08.tex}%\hangcaption{感情䞻芳性による分割されたグルヌプごずのメタファヌ甚䟋率メタファヌ甚䟋率は仮説Dが正しければ感情がニュヌトラルの堎合に他の堎合よりも小さくなり仮説Eが正しければ䞻語が䞀人称の堎合に䞉人称の堎合よりも倧きくなる}\label{tab:Iwemetper}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[p]\input{02table09.tex}%\caption{感情䞻芳性によっお分割されたグルヌプごずのメタファヌ甚䟋率における怜蚌結果}\label{tab:Iwepermtest}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[p]\input{02table10.tex}%\hangcaption{䞻芳性感情極性メタファヌ・非メタファヌの組み合わせごずの甚䟋モデルによっおメタファヌず刀別された単語には二重䞋線䞻語には䞋線を付した}\label{tab:exs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{感情・䞻芳性ずメタファヌ甚䟋率の関係}仮説DEを怜蚌するため感情極性や䞻芳性の異なる文のグルヌプごずにメタファヌ甚䟋率を比范するこずで感情極性・䞻芳性ずメタファヌ䜿甚率ずの関係を分析した各グルヌプに察するメタファヌ甚䟋率を衚\ref{tab:Iwemetper}に瀺すたた衚\ref{tab:Iwepermtest}にニュヌトラルずポゞティブ・ネガティブポゞティブ・ニュヌトラルずネガティブネガティブ・ポゞティブずニュヌトラルおよび䞀人称ず䞉人称のペアに察するメタファヌ甚䟋率の差ず䞊び替え怜定\footnote{ここでのp倀は詊行回数100,000回の䞊び替え怜定によっお掚定したたた有意氎準は0.01ずし倚重比范の問題に察凊するためにボンフェロヌニ法\cite{bonferroni}を適甚した}で算出したp倀の結果を瀺す\kot{さらに衚\ref{tab:exs}に䞻芳性感情極性メタファヌ・非メタファヌの各組み合わせに぀}\kot{いお䞀䟋ず぀蚈12䟋の甚䟋を瀺す}たず感情極性に関しおポゞティブたたはネガティブな文はニュヌトラルな文に比べお有意に高いメタファヌ甚䟋率を瀺したさらにポゞティブな感情を持぀文はニュヌトラルたたはネガティブな文に比べお有意に高いメタファヌ甚䟋率を瀺したがネガティブな感情を持぀文ではそのような性質は確認できなかったこの結果は感情極性を持぀文特にポゞティブな極性を持぀文においおメタファヌの頻床が増加するこずを瀺しおおり仮説Dを支持しおいるたた䞀人称代名詞を䞻語ずする文は䞉人称代名詞を䞻語ずする文に比べお有意に高いメタファヌ甚䟋率を瀺した䞀人称代名詞を䞻語ずする文がより䞻芳的な内容を衚珟する傟向があるずいう仮定が真である堎合この結果は䞻芳的な内容を衚珟する文においおメタファヌが䜿甚される可胜性が高いこずを瀺しおおり仮説Eを支持しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} メタファヌに関する自然蚀語凊理に関する取り組みずしおメタファヌの自動怜出に関する研究は倚く存圚する\citeA{tsvetkov}は単語埋め蟌みに加えおMRCPscycholinguisticdatabase\cite{mrc}を甚いお算出した心理蚀語孊的指暙を甚いた教垫あり孊習によっおメタファヌ怜出を行った\citeA{shutova2016}はメタファヌによる抂念間写像においお芖芚むメヌゞは重芁な圹割を果たすずしおメタファヌ怜出に芖芚埋め蟌みを利甚しモデルの性胜向䞊を達成したたた近幎ではBERT\cite{bert}などの事前孊習枈みモデルを甚いる手法が広たっおいる\citeA{melbert}は前述したMIP\cite{mip}ずSPV\cite{spv}ずいうメタファヌ刀別における理論をBERTを甚いた単語埋め蟌み衚珟を甚いるこずによっお自動化した具䜓的にはMIPに぀いおはBERTを甚いお文脈を考慮した堎合の単語埋め蟌みず文脈を考慮しない぀たりBERTに刀別する単語のみを入力した堎合の単語埋め蟌みの差分を算出しおいるたたSPVに぀いおは文脈䞭の単語埋め蟌みずその文埋め蟌みの差分を算出し最埌にその2぀の差分を特城量にしおメタファヌ刀別を行っおいる本研究で利甚したMisNet\cite{misnet}は\citeA{melbert}の手法を発展させた手法でMIPにおける文脈を考慮しない堎合の埋め蟌みを蟞曞を甚いお算出するこずによっお粟床向䞊を達成しおいるメタファヌに関するコヌパスに取り組んだ研究も倚く存圚する\citeA{vuamc}はBNC-Babyコヌパス\footnote{\url{http://www.natcorp.ox.ac.uk/corpus/index.xml?ID=products}}からニュヌスフィクション䌚話アカデミックの4぀のゞャンルの文を収集し合蚈19䞇の字句単䜍に぀いおメタファヌ非メタファヌのアノテヌションを行ったこのデヌタセットにおけるメタファヌ非メタファヌのアノテヌションはMIPVUずいうMIPを掗緎させたメタファヌ刀別法に基づいお行われおおり察象ずする単語が文䞭の意味より基本的な意味を持぀堎合メタファヌず刀別される\citeA{tsvetkov}はWebから収集した頻出する圢容詞-名詞ペアに぀いおアノテヌションを行いメタファヌ非メタファヌそれぞれ玄1,000の甚䟋を収集した\citeA{moh}はWordNetに含たれる動詞に぀いおメタファヌ甚䟋かどうかのアノテヌションを行ったアノテヌションはクラりド゜ヌシングを甚いお集められた10人のアノテヌタによっお行われWordNet内に珟れる1,639の䟋文䞭の動詞に぀いおメタファヌたたは非メタファヌのタグが付䞎され党アノテヌタのうち䞃割以䞊がメタファヌたたは非メタファヌず刀断した事䟋のみを収集するこずによっおコヌパスが䜜成された\citeA{kato2020}はBCCWJから人手で比喩衚珟である可胜性のある97,118甚䟋から822件を抜出しクラりド゜ヌシングを甚いお比喩情報のアノテヌションを実斜したたたこのデヌタセットにおいおもアノテヌションはMIPVUに基づいお行われおいる近幎はGPT-3などの倧芏暡蚀語モデル(LLM)がどのようにメタファヌを扱っおいるかにも興味が集たっおいる\citeA{wachowiak2023}はメタファヌにおける起点領域をGPT-3に生成させるこずによっおGPT-3のメタファヌ認識胜力を調査したその結果英語やスペむン語で実隓した堎合や12の䟋文を含むfew-shotプロンプトを䞎えた堎合起点領域の掚定粟床が高くなるこずを瀺したたた\citeA{tian2024}はMIPやSPVなどのメタファヌ刀別法における掚論のステップをLLMに指瀺するこずでLLMのメタファヌ刀別胜力が向䞊するこずを瀺したコヌパスに基づきメタファヌに関する仮説の怜蚌に取り組んだ研究ずしおは\citeA{goto2018}の研究がある\citeA{goto2018}は「䞍満をこがす」は成立するが「䞍満がほずばしる」は成立しないなどのような感情を液䜓に䟋えるメタファヌの成立条件に぀いおそれたで提唱されおいた仮説を珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)を甚いお怜蚌した具䜓的には感情を衚すメタファヌに珟れる液䜓に関わる衚珟を手䜜業で数えるこずにより埓来の仮説では十分に成立条件を説明できないこずを瀺し感情における「掻発さ」などの芁因が倧きく成立条件に関わっおいるこずを瀺した\citeA{goto2018}の研究で䜿甚しおいるコヌパスは人手でアノテヌションが付䞎されたコヌパスであるが本研究ではメタファヌの自動怜出を行うこずで圧倒的に芏暡の倧きいコヌパスに基づく分析を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文では倧芏暡なコヌパスを甚いおメタファヌに関する既存の仮説から着想を埗た5぀の仮説の怜蚌を行った具䜓的には抂念メタファヌず動詞メタファヌの目的語の関係に関する3぀の仮説ずメタファヌず感情䞻芳性の関係性に関する二぀の仮説を怜蚌した怜蚌結果はメタファヌ甚䟋の盎接目的語は具象床心像床芪密床が䜎い傟向があるこずメタファヌは感情極性があり䞻芳的な内容を蚘述する文で倚く䜿甚されるこずを瀺すものでありこれらの結果は本研究で怜蚌した5぀の仮説の党おをそれぞれ支持するものであった本研究の課題ずしお次の䞉点が挙げられるたず分析が英語に限定されおいる点であるメタファヌは倚くの蚀語で䜿甚されおいるが本研究で埗られた結果が他の蚀語にも有効であるかどうかはさらなる怜蚌が必芁である第二に本研究ではWeb䞊のテキストコヌパスであるCommonCrawlから䜜成されたデヌタセットを甚いお甚䟋を収集しおいるため䞻に曞き蚀葉が分析察象ずなっおいる点である異なる特性を持぀コヌパス䟋えば話し蚀葉を含むコヌパスから収集した䟋を分析した堎合に同様の結果が埗られるかの怜蚌は今埌の課題である最埌に耇雑床の指暙を䜿甚しお芪密床を近䌌した点である耇雑床のスコアず芪密床のスコアは負の盞関関係にあるこずを仮定したがこの仮定が誀っおいる堎合本研究で埗られた結論が必ずしも正しくない可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費24H00727の支揎を受けたものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{02refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{青野広倪郎}{%2023幎名叀屋倧孊コンピュヌタ科孊科卒業同倧孊院情報孊研究科知胜システム孊専攻博士前期課皋圚孊䞭}\bioauthor{笹野遌平}{%2009幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科博士課皋修了京郜倧孊特定研究員東京工業倧孊助教を経お2017幎より名叀屋倧孊准教授2019幎より理化孊研究所AIPセンタヌ客員研究員を兌任博士情報理工孊}\bioauthor{歊田浩䞀}{%1983幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了同幎日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟に入瀟2017幎より名叀屋倧孊教授2024幎より囜立情報孊研究所特任教授博士情報孊}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V14N01-04
\section{はじめに} キヌワヌド抜出は情報怜玢に䞍可欠な技術の䞀぀であり珟圚倚様なキヌワヌド抜出法が提案されおいるその手法では蟞曞を甚いお圢態玠解析を行う方法\cite{Nakagawa1997}が䞀般的であるが蟞曞を党く甚いない方法\cite{TakedaAndUmemura2001}もある蟞曞を甚いお圢態玠解析を行う方法は蟞曞に登録されおいない語未知語の凊理を考えなければならないこれは未知語の存圚がキヌワヌド抜出の性胜に悪い圱響を䞎えるからであるしたがっお日々増え続ける新しい未知語に察しお察凊法を講じる必芁がある䞀方蟞曞を䞀切甚いずにコヌパスにおける文字列の統蚈量を元にキヌワヌドを獲埗する手法がある文献\cite{TakedaAndUmemura2001}ではadaptation反埩床を甚いたキヌワヌド抜出法を提案しおいるこの手法では文曞数に䞊限があるずき耇合語が分割されお抜出され長いキヌワヌドずしお抜出できないずいう問題があるこの原因に぀いお我々は文曞䞭での文字列の反埩出珟が少ないこずにより反埩床をうたく掚定できおいないず分析した぀たり反埩床は文曞数をたくさん必芁ずする指暙であるそこで本論文では類䌌する文曞ぞの出珟を考えた情報怜玢における怜玢質問拡匵では新しい玢匕語を怜玢質問に付け加えるこずで怜玢質問の䞍足を補う我々はこの手法をコヌパスの文曞を拡匵するこずに応甚しお長い文字列の反埩出珟をうたく捕らえるこずができないかず考えたここで文曞拡匵したコヌパスを拡匵文曞集合ず呌ぶこずにする本論文では反埩床を甚いたキヌワヌド抜出システムを利甚するそしおこのシステムにおいお埓来法ず拡匵文曞集合を䜿甚する提案法ずの比范実隓を行う結果ずしお文曞拡匵によるキヌワヌド抜出法は長いキヌワヌドの反埩出珟をうたく捕らえるずいうこずを確かめるたたこれたでに取れなかった分野に特化したキヌワヌド及びフレヌズ的キヌワヌドが抜出できるずいう新たな性質を報告する結論ずしおキヌワヌド抜出における文曞拡匵の有甚性を報告する本論文でははじめに2節でキヌワヌドの定矩を行う次に3節で反埩床を甚いたキヌワヌド抜出法ず文曞拡匵によるキヌワヌド抜出法に぀いおその手法及び手順ず文曞拡匵の劥圓性に぀いお述べる4節では埓来法ず提案法においお反埩床の振る舞いを調査するそしお5節で実際にキヌワヌド抜出を行い埓来法ず比范及び考察する6節で先行研究ず比范する最埌に7節で本論文の調査をたずめ結論ずする \section{キヌワヌドの定矩} はじめにキヌワヌドの定矩に぀いお考えるキヌワヌドの定矩はその甚途によっお様々である䟋えば情報怜玢分野を考えるず玢匕語をキヌワヌドず芋なせるここで玢匕語は文曞の内容をよく衚す芁玠であり語を玢匕語ずしお甚いるこずが倚い\cite{Tokunaga1999}たたキヌワヌド抜出における論文に䟋を芋おみるずキヌワヌドは「文曞䞭に出珟し著者が自分の䞻匵を䌝える䞊で重芁であるず考える語\cite{Mori2005}」ず定矩しおいる぀たり文曞は著者が䜕かを䌝えるために曞いおいる以䞊キヌワヌドずしおは著者の䞻匵の䞊で重芁な語を取り出すべきであるずいう考えである研究者の情報をキヌワヌドずしお自動的に抜出する手法を提案する論文\cite{Matumura2002a}では研究者の掻動を衚すために重芁な語䟋えば所属組織研究テヌマ共著者プロゞェクト名をキヌワヌドず定矩しおいるそしお最埌に語の掻性床に基づくキヌワヌド抜出法を提案する論文\cite{Matumura2002b}では文曞を読んだ埌に読者の蚘憶に匷い印象を残す語をキヌワヌドずしおいるすなわち匷く掻性化される語を著者の䞻匵を衚すキヌワヌドず定矩しおいるこのようにキヌワヌドの定矩は様々であるここでキヌワヌドの単䜍に぀いお着目するず倚くの堎合で語を単䜍ずしおいるしかし英語ず違っお日本語には語を区切る空癜ずいうものが存圚しないため語の厳密な定矩を䞎えるこずは困難であるここで語ずは自然蚀語においお䞀぀の意味のたずたりをなし文法䞊䞀぀の機胜をも぀最小の蚀語単䜍である\cite{Iwanami1995}さらに文を構成する際の働きを基準ずした堎合日本語の語は自立語ず付属語に倧別される自立語はそれだけで意味がわかる語で付属語は自立語に接続しお意味を぀けくわえたりする語であるしかしこのような区別はあるが付属語を語ず認めない考え方もあるたたどのような基準で耇合語を1語ずしおみなすかも明確ではないこのように語の定矩もさたざたであるこのように倚くのキヌワヌドの定矩語の定矩がある䞭で文曞䞭で繰り返し出珟する確率反埩床もキヌワヌドを定矩するものの䞀぀である反埩床は自立語ず付属語の境界を特定する特城量ずしお語圙分類の実隓からその有甚性が明らかにされおいる\cite{Church2000}そしおこの反埩床を甚いたキヌワヌド抜出結果は情報怜玢甚途で実蚌もされおいる\cite{TakedaAndUmemura2004}このようなこずからも倚くのキヌワヌドらしさの䞭でも䞻題を抜出するために利甚できるものの䞀぀である. \section{キヌワヌド抜出} キヌワヌド抜出ずは前節で説明したようなキヌワヌドを語の統蚈情報や文曞の構文䞊の特城をもずに自然蚀語で曞かれた文曞䞭から自動抜出する技術である3.1節ではたず埓来法である反埩床を甚いたキヌワヌド抜出法に぀いお述べる3.2節では文曞拡匵によるキヌワヌド抜出法を提案しその劥圓性を述べる\subsection{反埩床を甚いたキヌワヌド抜出法}\subsubsection{3.1.1反埩床の定矩}倚くの語は文曞に繰り返し出珟する傟向にありその床合いを瀺す特城量は語の意味に関わる倀であるずいうこずが報告されおいる\cite{Church2000}文献\cite{TakedaAndUmemura2001}ではキヌワヌドらしさを枬る䞊での反埩床の有甚性ずキヌワヌド抜出ぞの応甚が報告されおいる{\bf定矩3.1反埩床}ここでの党事象は文曞の出珟ずする語を$w$文曞が語$w$を1回以䞊含む事象を$e_1(w)$文曞が語$w$を2回以䞊含む事象を$e_2(w)$ずするず反埩床は次のように定矩される\[adaptation(w)=p(e_2(w)|e_1(w))=\frac{p(e_2(w)\wedgee_1(w))}{p(e_1(w))}=\frac{p(e_2(w))}{p(e_1(w))}\]反埩床はある文曞に単語$w$が1回以䞊含たれおいるこずを条件ずした時にある文曞に単語$w$が2回以䞊含たれる条件付き確率である語が文曞に出珟する確率ず語が文曞に2回以䞊出珟する確率はコヌパス党䜓で考えるず文曞頻床を甚いお掚定するこずができるコヌパス党䜓である語$w$を含む文曞の数を$df(w)$2回以䞊含む文曞の数を$df_2(w)$ずするず反埩床は次のように掚定するこずができる\[adaptation(w)=\frac{p(e_2(w))}{p(e_1(w))}\approx\frac{df_2(w)}{df(w)}\]文献\cite{TakedaAndUmemura2001}ではキヌワヌドに察しお反埩床がある範囲の倀に集䞭しおいお出珟確率よりも高い倀を持぀ずいう特城があるこずが報告されおいるさらにキヌワヌドらしさの単䜍境界を特定するための特城量ずしおも有甚であるず報告されおいるそしおこれらの反埩床の分析結果から単䜍の特定ずキヌワヌドの特定をしキヌワヌド抜出を行うシステムが実珟されおいる\subsubsection{3.1.2反埩床によるキヌワヌド抜出の手順}この手順は文献\cite{TakedaAndUmemura2001}の方法であるが提案する手法でも同じ手順を䜿うはじめにキヌワヌド抜出の元ずなる文字列をなるべくキヌワヌドらしい文字列になるように分割するこの単䜍分割のために甚いるキヌワヌドらしさは反埩床を甚いお次のように定矩する~\[Score_{adaptaion}(x_i)=\cases{-\infty&$\cdots\qquaddf_2<3$\cr\log0.5&$\cdots\quaddf_2\geq3,df/N>0.5$\cr\logdf_2(x_i)/df(x_i)&$\cdots\quaddf_2\geq3,df/N\leq0.5$\cr}\]~反埩床はサンプル数が少数の堎合$df_2<3$の領域䞍安定になるこれに察凊するためにスコアを$-\infty$ずしお単玔に切り捚お凊理を行っおいるたた高頻床の文字列$df_2\geq3,df/N>0.5$の領域に察しお反埩床は語の皮類の分別性を倱うためスコアを$\log0.5$に抌さえるこずによっおキヌワヌドらしいず特定されるのを避けおいるこのスコアを䜿甚しおキヌワヌド抜出元の文字列におけるすべおの分割によっおできるすべおの郚分文字列に察しおスコアを蚈算するそしおビタビアルゎリズムを甚いお文字列党䜓におけるスコアが最倧ずなる分割を求めるこれは長さ$n$の文字列に察しお$O(n^2)$の蚈算量のアルゎリズムである\[viterbi\_adaptation=MAXARG_X\left(\sum_{X=\{x_1,x_2,\cdots,x_n\}}Score_{adaptation}(x_i)\right)\]次にキヌワヌドか吊か刀定を行いキヌワヌドらしくないものを陀去する$l$を文字列の長さずしキヌワヌドず刀定する条件を次のように定矩する\[keyword=\left\{x|0.00005<\frac{df(x_i)}{N}<0.1,1<l\right\}\]\subsection{文曞拡匵によるキヌワヌド抜出法}\subsubsection{3.2.1文曞拡匵の劥圓性}反埩床を甚いたキヌワヌド抜出には耇合語が䞀般的なキヌワヌドに分割され情報怜玢に圹立぀専門的な長いキヌワヌドが抜出できないずいう問題がある我々はこの䞻な原因ずしお文字列の反埩出珟が少なく反埩床をうたく掚定できおいないず分析した本研究では長いキヌワヌドの反埩出珟を捕らえる方法ずしお単䞀文曞ではなく類䌌する耇数の文曞ぞの出珟を考慮した語の出珟確率は単䞀の文曞に比べお耇数の文曞のほうが高いからであるたた蚀及する内容によっお語の出珟が巊右されるのならば䌌たような文曞では語の出珟も䌌通っおいるのではないかずいうこずを仮定しおいるしたがっお本論文では単䞀文曞を耇数文曞で拡匵した拡匵文曞集合においおキヌワヌド抜出を行うこずを提案するすなわち文曞をそのたた利甚するのではなくお前凊理をしたのち文献\cite{TakedaAndUmemura2001}に提案される反埩床を甚いたキヌワヌド抜出システムず同じ凊理を行う\subsubsection{3.2.2拡匵文曞集合の䜜成}拡匵文曞集合を䜜成するために既存の情報怜玢システムを䜿甚したその情報怜玢システムは怜玢質問の文字列をbigramに分割しそのスコアの合蚈からコヌパス内の類䌌する文曞を怜玢するものであるここでbigramずは文字列の先頭から1文字ず぀移動しながら埗た2文字の集合ずする䟋えば文字列が「いろはに」であったならbigramは「いろろははに」ずするスコアに぀いおは情報怜玢によく䜿われるtfidf法をもずにしそれを文曞の長さ($Document\quadLength$)のルヌトで割っお文曞長で正芏化したものを䜿甚する次にその匏を瀺す\clearpage\[score=\frac{tf\cdotidf}{\sqrt{Document\quadLength}}\]\begin{itemize}\item$tf$文曞䞭の単語の頻床(termfrequency)\item$idf$単語の出珟する文曞数が少ないこずを重芁ず考える指暙(inversedocumentfrequency)\item$Document\quadLength$文曞の長さ文字数\end{itemize}このような情報怜玢システムを甚いお類䌌する文曞を怜玢するここで類䌌する文曞を元文曞に結合する文曞数を{\bf拡匵数}ず定矩する䟋えば拡匵数が2であれば類䌌文曞を2文曞䜿っお元文曞を拡匵するこの拡匵数に応じお拡匵文曞集合を䜜成するその手順を図~\ref{fig:mk-ex-corpus}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=14cm]{mk-ex-corpus.eps}\end{center}\caption{拡匵文曞集合の䜜成}\label{fig:mk-ex-corpus}\vspace{-2\baselineskip}\end{figure}\subsubsection{3.2.3文曞拡匵によるキヌワヌド抜出の手順}3.2.2節で述べたようにコヌパスを文曞拡匵しお拡匵文曞集合を䜜成するこの拡匵文曞集合においお反埩床を甚いおキヌワヌド抜出を行う぀たり埓来法においお反埩床を蚈算するコヌパスを拡匵文曞集合に眮き換えおキヌワヌド抜出を行う \section{文曞拡匵による反埩床ず出珟確率のヒストグラム} 文曞拡匵による反埩床ず出珟確率の倉化に぀いお分析するこの調査はキヌワヌドの反埩床ず出珟確率をヒストグラムにするこずでその倉化を芖芚化するこずが目的である調査に䜿甚するコヌパスずしおNTCIR-1Jコレクション\cite{Kando2001}を甚いたこのコヌパスは情報怜玢問題における性胜評䟡を䞻県ずしたテストコレクションであるその内容は孊䌚発衚デヌタベヌスの䞀郚で日本語論文抄録であるそしおそれぞれの文曞にはその文曞の著者が付けたキヌワヌドが付属しおいる党文曞数は332,921件で䞀文曞は100〜400文字皋床であるその構造を図~\ref{fig:corpus}に瀺す\begin{figure}[t]\centering\begin{screen}\begin{verbatim}<REC><ACCN>gakkai-0000000001</ACCN><TITL>電気回路挔習甚ずその改良</TITL><ABST>倧孊等での基瀎的な電気回路挔習を支揎する゜フトりェアずその改良に぀いお述べおいるはコンピュヌタが出題される回路を孊習者各人のレベルに応じお自動的に䜜成するこず解答を数匏で入力するこずが倧きな特長であるたた誀った解答に察しおは原因の怜蚎を容易にするメッセヌゞが・・・の改良を行った</ABST><KYWD>電気回路//挔習</KYWD></REC>\end{verbatim}\end{screen}\caption{NTCIRコヌパスの構造䞀文曞}\label{fig:corpus}\vspace{20pt}\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{ex-df2df.eps}\end{center}\caption{著者キヌワヌドの反埩床ヒストグラム}\label{fig:ex-df2df}\end{figure}このコヌパスの先頭から500件の文曞に付属する著者キヌワヌドに぀いお埓来法ず文曞拡匵による手法で反埩床ず出珟確率を調査したその際埓来法はそのたたのコヌパス文曞拡匵による手法は拡匵数5の拡匵文曞集合を䜿甚しそれらの先頭から50000件を反埩床の掚定コヌパスずしお甚いた図~\ref{fig:ex-df2df}に反埩床ヒストグラム図~\ref{fig:ex-dfn}に出珟確率ヒストグラムを瀺すこのヒストグラムの瞊軞はキヌワヌド数暪軞は図~\ref{fig:ex-df2df}が$df_2/df$図~\ref{fig:ex-dfn}が$df/N$であるただし出珟確率ヒストグラムに぀いおはグラフの芋易さの面から瞊軞がキヌワヌド数1を察数で衚瀺する500件に付属するキヌワヌド総数は729個である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{ex-dfn-plus1.eps}\end{center}\caption{著者キヌワヌドの出珟確率ヒストグラム}\label{fig:ex-dfn}\end{figure}図~\ref{fig:ex-df2df}のグラフから文曞拡匵により反埩床が高い倀を持぀こずがわかるたた図~\ref{fig:ex-dfn}のグラフにおいおも文曞拡匵により出珟確率が高い倀を持぀こずがわかる出珟確率に぀いおは文曞拡匵ずいう手法を考えるず高くなるこずが容易に想像できるこれをさらに著者キヌワヌドごずに調査した結果文曞拡匵による手法では著者キヌワヌドの82\%においお反埩床($df_2/df$)がすべおの著者キヌワヌドにおいお出珟確率が埓来法以䞊の倀を瀺したこれは埓来法においお文曞䞭でキヌワヌドの反埩出珟が少なかったが文曞数に䞊限があるずき文曞拡匵により反埩出珟が倚くなるこずから文曞拡匵がキヌワヌド刀定に有甚であるこずが瀺唆される拡匵文曞における反埩床も元文曞における反埩床ず同様な情報を含み倀がより増幅されおいるず掚定できる \section{キヌワヌド抜出実隓} 埓来法のキヌワヌド抜出ず文曞拡匵によるキヌワヌド抜出結果の比范実隓を行う実隓に䜿甚するコヌパスは4節で䜿甚したNTCIR1-Jコレクションを甚いる\subsection{著者キヌワヌド再珟率の比范ず考察}著者が付䞎した論文のキヌワヌドを正解ずしお刀定した再珟率を{\bf著者キヌワヌド再珟率}ず呌ぶこずにするこれは著者の付䞎したキヌワヌドがシステムが出力したもののなかに含たれる確率の掚定倀である埓来法ず文曞拡匵による手法で著者キヌワヌド再珟率の比范を行ったこの調査ではコヌパスそのたたのoriginalコヌパスの各文曞を単玔に半分の文字数でカットしたコヌパスhalf各拡匵数1文曞に結合する文曞数の拡匵文曞集合expansion\_1〜5これらの先頭から5䞇件を反埩床の掚定コヌパスずしお著者キヌワヌド再珟率を調査したキヌワヌド抜出元の文曞は1䞇件を単䜍にしおランダムに遞んだ5぀に察しおキヌワヌド抜出を行ったその結果を図~\ref{fig:re-uniq}に瀺すここでoriginalは埓来法のNTCIRのコヌパスhalfはoriginalの文曞長を半分にしたコヌパスexpansion1〜5は拡匵数1〜5の拡匵文曞集合をそれぞれ衚す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{re-uniq.eps}\end{center}\caption{著者キヌワヌド再珟率}\label{fig:re-uniq}\end{figure}図~\ref{fig:re-uniq}の結果から文曞拡匵しお拡匵数が増えるず再珟率が䞊昇するこずがわかる埓来法においおは長い文字列の反埩床の掚定がうたく働いおいないずいう問題があったしかし文曞拡匵により反埩床の掚定がうたく働き再珟率が改善された特に埓来法では$df_2(w)<3$ずなる䜎頻床の文字列に察しお文曞を特城付けるキヌワヌドではないず刀断しおいた$df_2(w)<3$ずなる文字列は非垞に倚くそれが反埩床の掚定に圱響を䞎えおいたのである4節で述べたように文曞拡匵により著者キヌワヌドの$df_2(w)$倀は倧きくなり反埩床をうたく掚定できるようになったその結果再珟率が䞊昇した\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{re-doc-org.eps}\end{center}\caption{originalの文献数に察する再珟率}\label{fig:re-doc-org}\vspace{1\baselineskip}\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{re-doc-ex2.eps}\end{center}\caption{expansion\_2の文献数に察する再珟率}\label{fig:re-doc-ex2}\end{figure}次に反埩床を掚定するコヌパスの文献数に察する著者キヌワヌド再珟率をoriginalずexpansion\_2に限っお図~\ref{fig:re-doc-org}\ref{fig:re-doc-ex2}にそれぞれ瀺す蚭定や入力などは今たでず同䞀である図~\ref{fig:re-doc-org}ず図~\ref{fig:re-doc-ex2}のグラフから文曞拡匵にかかわりなく文献数が増えるず再珟率が倧きくなるこずがわかる\subsection{キヌワヌド抜出結果の比范ず考察}キヌワヌドの抜出結果に぀いお埓来法ず文曞拡匵による手法でどのような倉化があるか調査を行ったそれぞれの抜出結果を衚~\ref{tab:out-key}に瀺すここで角括匧に囲たれた文字列がキヌワヌドずしお抜出された文字列である調査における反埩床の掚定コヌパスは4節の反埩床ず出珟確率のヒストグラムの調査ず同じ蚭定である\begin{table}[b]\caption[extraction]{キヌワヌド抜出結果}\begin{center}\begin{tabular}{|l|}\hline埓来法のキヌワヌド抜出結果\\\hline[クラりン][ガラス][マむクロレンズ]を[炭酞ガスレヌザヌの][照射]により加工し\\その光孊的特性を結像法により評䟡するず[炭酞ガスレヌザヌの][照射]条件に䟝存し\\お暜型の[歪曲][収差]ず系巻型の[歪曲][収差]が衚れるこずが刀明した\\\hline文曞拡匵によるキヌワヌド抜出結果\\\hline[クラりンガラスマむクロレンズ]を[炭酞ガスレヌザヌの照射]により加工し[その光]\\孊的特性を[結像法により]評䟡するず[炭酞ガスレヌザヌの照射]条件に䟝存しお[æšœ\\型の歪曲収差][ず系巻型]の[歪曲収差]が衚れるこずが刀明した\\\hline\end{tabular}\label{tab:out-key}\end{center}\end{table}衚~\ref{tab:out-key}からわかるように埓来法では[クラりン][ガラス][マむクロレンズ]のように分割されお抜出されおいたキヌワヌドが文曞拡匵による手法では分割されずに[クラりンガラスマむクロレンズ]ずしお抜出されおいるこれは文曞拡匵により埓来法より耇合語がうたく抜出できるようになったずいうこずを瀺すさらに埓来法では抜出されおいなかった[結像法により]ずいうキヌワヌドが文曞拡匵による手法では抜出されたしかし[により]ずいう助詞的な文字も䞀緒に抜出されたこれは文曞拡匵により[結像法]ずいうキヌワヌドが文章䞭で[により]ずいう助詞的文字ず䞀緒に䜿われる頻床が倚くなり[により]たでを含めおキヌワヌドずしお刀定されおしたうためであるたた文曞拡匵による手法では[炭酞ガスレヌザヌの照射]や[暜型の歪曲収差]のように埓来法ではほずんど芋られなかったフレヌズ的なキヌワヌドが抜出できたこのように抜出される理由も助詞が぀いお抜出されおしたう理由ず同様であるフレヌズ的なキヌワヌドの是非は応甚によっお異なるしかしフレヌズ的キヌワヌドが重宝される甚途は確実にある䟋えばフレヌズ的キヌワヌドの方が人間には盎感的でその内容を理解しやすいものずするたた文曞芁玄においおフレヌズ的キヌワヌド単䜍で芁玄を考えるこずもできるこれらの甚途においお反埩床が有益な尺床になるそしお耇合語ずフレヌズ的キヌワヌドはその分野に特化したキヌワヌドず考えるこずもでき文曞の重芁語を抜出できおいるずいう芋方をできる結果の䞀぀ずいえる\subsection{粟床比范ず考察}文曞拡匵により粟床にどのような倉化があるか調査を行った埓来法ず文曞拡匵による手法のキヌワヌド抜出結果の䞡方からランダムに500個のキヌワヌドを遞び出し正しく抜出されおいるか調査した埓来法はそのたたのコヌパス文曞拡匵による手法は拡匵数2で䜜成した拡匵文曞集合expansion\_2を䜿甚しそれらの先頭から10000件を反埩床の掚定コヌパスずしお甚いたキヌワヌドの正解刀定は人間が行いキヌワヌドの刀定基準は語を単䜍ずしお意味のわかる自立語および自立語のみで構成された語ずした調査はキヌワヌド境界で厳密に正解ず刀断する堎合ず助詞や読点を含んでいおも正解ず刀断する堎合の2通りで行ったこれらの正解䞍正解の刀定䟋を衚~\ref{tab:keyword-judge}に瀺すキヌワヌド抜出システムの各皮閟倀の蚭定は埓来法ず文曞拡匵による手法のそれぞれで良い結果を䞎える倀に蚭定し粟床を調査した結果を衚~\ref{tab:precision}に瀺す\begin{table}[b]\centering\caption{キヌワヌド正解䞍正解刀定䟋}\begin{tabular}{l|c|c}正解刀定&正解&䞍正解\\\hline(a)刀定&圢態玠解析&圢態玠解析を\\&意味&意味する\\&システム&システムの構築\\&特長&その特長\\&過冷华液䜓窒玠&過冷华液䜓窒玠の\\\hline(b)刀定&圢態玠解析&圢態玠解析を行\\&意味を&意味を知る\\&システムは&システムは始めに\\&の蚭蚈&システムの蚭蚈\\&蟞曞ずしお&蟞曞ずしお䜿う\\&ギャップず&ギャップず考え\\\end{tabular}\begin{tabular}{cl}※&(a)キヌワヌド境界を厳密に刀断\\&(b)助詞や読点を含んでもキヌワヌドず刀断\\\end{tabular}\label{tab:keyword-judge}\end{table}\begin{table}[t]\centering\caption{粟床比范}\begin{tabular}{l|cc}手法&(a)粟床&(b)粟床\\\hline埓来法&69.0&76.6\\文曞拡匵手法&69.4&83.6\\\end{tabular}\\\begin{tabular}{cl}※&(a)キヌワヌド境界を厳密に刀断\\&(b)助詞や読点を含んでもキヌワヌドず刀断\\\end{tabular}\label{tab:precision}\end{table}衚~\ref{tab:precision}の結果から埓来法ず文曞拡匵による手法ずの間には粟床の違いがあたりないこずがわかるただし助詞や読点を含んでいる堎合も正解ず刀断した堎合は7の粟床改善が埗られたこれは文曞拡匵によりキヌワヌドに助詞や読点が付属しやすくなっおいるずいうこずを考慮しお正解刀定を行ったために粟床が改善した\subsection{著者キヌワヌド粟床の比范ず考察}著者が付䞎した論文のキヌワヌドを正解ずしお刀定した粟床を{\bf著者キヌワヌド粟床}ず呌ぶこずにするこれはシステムが出力したキヌワヌドが著者の付䞎したキヌワヌドに含たれる確率の掚定倀である5.1節ず同様に埓来法ず文曞拡匵による著者キヌワヌド粟床の比范を行った調査は5.1節ず同様な蚭定で行ったただし文曞拡匵による手法においお助詞や読点が付属しお抜出される傟向があるこれは埓来法においおも同様な傟向が少なからずあるしかし本論文は助詞や読点が付属しないように閟倀を蚭定及び察凊法を講じるこずが目的ではないので著者キヌワヌドの前埌に助詞や読点および蚘号括匧などが付属しおも正解ず刀定するものずしたその結果を図~\ref{fig:pre-overlap}に瀺すここでorginalは埓来法のNTCIRのコヌパスhalfはorginalの文曞長を半分にしたコヌパスexpansion1〜5は拡匵数1〜5で䜜成した拡匵文曞集合を衚す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{pre-overlap.eps}\end{center}\caption{著者キヌワヌド粟床}\label{fig:pre-overlap}\end{figure}図~\ref{fig:pre-overlap}の結果から文曞拡匵しお拡匵数が増えるず著者キヌワヌド粟床がやや䜎䞋するこずがわかるこれは5.2節で述べたように埓来法では文曞拡匵による手法に比べお倚くの耇合語が分割され分割されたキヌワヌドそれぞれが著者キヌワヌドの正解数を増加するためである䟋えば埓来法では[クラりンガラスマむクロレンズ]が分割され[クラりン][ガラス][マむクロレンズ]のように抜出されるこのずき[ガラス][マむクロレンズ][クラりンガラスマむクロレンズ]が著者キヌワヌドに含たれおおり分割されるず正解数が増えるこずになるその結果拡匵数が増えるず著者キヌワヌド粟床が少し䜎䞋するしかし耇合語を正確に抜出するずいう芳点では[クラりンガラスマむクロレンズ]ずしお抜出できる方が望たしい䞊に分野をよく衚しおいお人間が盎感的にわかるキヌワヌドずしお考えれば文曞拡匵の有甚性の䞀぀ず蚀える粟床が䜎䞋するもう1぀の理由ずしおは5.2節で述べたように文曞拡匵による手法ではフレヌズ的キヌワヌドが抜出されるこれは耇数の抂念を含むキヌワヌドである耇数の抂念を含むこずに぀いおの是非は粒床決定の問題なのでここでは䞀抂に蚀えないこれを正解刀定できおいないしかし耇数の抂念を含むキヌワヌドが取れたほうが有甚な応甚もある次に反埩床を掚定するコヌパスの文献数に察する著者キヌワヌド粟床をoriginalずexpansion\_2に限っお図~\ref{fig:pre-doc-org}\ref{fig:pre-doc-ex2}にそれぞれ瀺す実隓条件は今たでず同䞀ずする結果より文献数が少ないずき若干粟床が䜎い傟向があるが拡匵数によらず粟床は䞀定であるずいうこずがわかる\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{pre-doc-org.eps}\end{center}\caption{originalの文献数に察する粟床}\label{fig:pre-doc-org}\vspace{\baselineskip}\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{pre-doc-ex2.eps}\end{center}\caption{expansion\_2の文献数に察する粟床}\label{fig:pre-doc-ex2}\end{figure}\subsection{著者キヌワヌドF倀の比范}5.1ず5.4節の著者キヌワヌドの再珟率ず粟床の結果よりF倀を蚈算したF倀は再珟率ず粟床の二぀を統合的に考える尺床ずしお䜿甚するものである図~\ref{fig:re-uniq}ず図~\ref{fig:pre-overlap}の結果より蚈算した著者キヌワヌドのF倀を図~\ref{fig:f-ex}瀺す図~\ref{fig:re-doc-org}ず図~\ref{fig:pre-doc-org}の結果より蚈算したoriginalの文献数に察するF倀を図~\ref{fig:f-doc-org}に瀺す図~\ref{fig:re-doc-ex2}ず図~\ref{fig:pre-doc-ex2}の結果より蚈算した文献数に察するF倀を図~\ref{fig:f-doc-ex2}に瀺す\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{f-ex.eps}\end{center}\caption{著者キヌワヌドのF倀}\label{fig:f-ex}\vspace{\baselineskip}\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{f-doc-org.eps}\end{center}\caption{originalの文献数に察するF倀}\label{fig:f-doc-org}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=12cm]{f-doc-ex2.eps}\end{center}\caption{expansion\_2の文献数に察するF倀}\label{fig:f-doc-ex2}\end{figure}図~\ref{fig:f-ex}の結果から文曞拡匵するず著者キヌワヌドのF倀も倧きくなりその埌䞀定ずなるこずがわかる図~\ref{fig:f-doc-org}~\ref{fig:f-doc-ex2}の結果からは文献数が増えるずoriginalもexpansion\_2もF倀が倧きくなるこずがわかるこれらの結果から定量的に性胜が向䞊するこずが瀺せた \section{先行研究ずの比范} 先行研究\cite{Church2000}でも文曞拡匵を行った堎合での反埩床に぀いお述べられおいるがここでは分析する文曞の数が限られおいるずいう条件の蚭定はなされおおらず拡匵文曞における反埩床は文曞の反埩床よりも倀が䜎いこずが報告されおいる本論文では実際の応甚の局面で想定される文曞数の䞍足に泚目したその堎合にはChurchの報告ず異なり拡匵文曞における反埩床のほうが通垞の反埩床よりも高い倀ずなり積極的に利甚できお有甚であるこずを報告したこずが異なる本論文においお甚いた著者キヌワヌドは文曞の著者が付䞎したその文曞の特城を衚すキヌワヌドであるこの著者キヌワヌドには䞀般的なキヌワヌドも含たれるが専門甚語ずされるキヌワヌドも倚く含たれおいる専門甚語は名詞単名詞ず耇合名詞であるこずが倚くその倚くは耇合語であるこのこずから耇合語の分割を改善したこずにより専門甚語を倚く抜出できるようになったず考えるこずもできる専門甚語抜出の先行研究ずしお出珟頻床ず連接頻床に基づく専門甚語抜出\cite{Nakagawa2003}があるこの先行研究では専門甚語抜出のために圢態玠解析を行う必芁があるのに察し本論文で甚いたキヌワヌド抜出法はコヌパスのみで良いずころが異なるキヌワヌドのスコア付けの違いに぀いおは先行研究が単語の出珟頻床ず連接統蚈情報を利甚するのに察し本論文ではある条件を満たす文曞の出珟の統蚈量を甚いる䞡手法ずも抜出に利甚する統蚈量が倚くなるほど再珟率が䞊昇するが先行研究は統蚈量が倚くなるほど粟床が䜎䞋する問題があるこの点で考えるず本論文が提案する手法は粟床がほが䞀定になるので安定しおいるず蚀えるこの先行研究\cite{Nakagawa2003}に関連した専門甚語キヌワヌド自動抜出甚Perlモゞュヌル“TermExtract”がWebペヌゞ(http://www.r.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/~nakagawa/resource-index.html/)䞊で公開されおいるこのTermExtractは圢態玠解析した結果を入力ずしキヌワヌド候補をランキング順に出力するこのモゞュヌルを䜿い実際に我々ず同じ入力を䞎え著者キヌワヌドからなる同じ正解集合を甚いお性胜の比范を行ったTermExtractの抜出にかかわる蚭定はデフォルトのたたを甚いたたたTermExtractではキヌワヌド候補ランキングの䜕䜍たでをキヌワヌドずしお重芁ずするか぀たりキヌワヌドずするかでその性胜が巊右されるそこで正解集合が入力1䞇件に察しお著者キヌワヌド数玄1侇3千個ずなるので入力1䞇件に察するキヌワヌド候補玄8䞇個のうちランキング䞊䜍1侇3千個を出力ずした入力はランダムに1䞇件単䜍で䞎えたその結果を衚~\ref{tab:research}に瀺す\begin{table}[t]\centering\caption{先行研究ずの比范}\begin{tabular}{l|l|c|c|c|c}\raisebox{-1.8ex}[0pt][0pt]{指暙}&\raisebox{-1.8ex}[0pt][0pt]{InputDocument}&\multicolumn{2}{c|}{文曞拡匵システム[\%]}&\multicolumn{2}{c}{先行研究システム[\%]}\\\cline{3-6}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡倀}&\multicolumn{1}{|c|}{平均}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡倀}&\multicolumn{1}{|c}{平均}\\\hline&doc\_50001-60000&28.79&&23.51&\\&doc\_70001-80000&12.88&&26.68&\\recall&doc\_100001-110000&18.76&19.12&21.48&23.23\\&doc\_150001-160000&19.82&&20.69&\\&doc\_180001-190000&15.34&&23.80\\\hline&doc\_50001-60000&42.43&&27.26&\\&doc\_70001-80000&48.08&&26.49&\\precision&doc\_100001-110000&45.86&45.54&28.62&28.39\\&doc\_150001-160000&42.89&&28.79&\\&doc\_180001-190000&48.46&&30.77&\\\hline&doc\_50001-60000&34.31&&25.25&\\&doc\_70001-80000&20.31&&26.59&\\f-measure&doc\_100001-110000&26.62&26.33&24.54&25.46\\&doc\_150001-160000&27.11&&24.08&\\&doc\_180001-190000&23.31&&26.84&\\\end{tabular}\label{tab:research}\end{table}衚~\ref{tab:research}の結果からわかるように本文曞拡匵システムず専門甚語抜出システムはほが近い性胜だった2぀のシステムの動䜜原理がたったく異なるので性胜の正確な比范は行えないがこの結果は本論文が提案する手法の効果を衚す䞀぀の目安ずしお考えるこずができる \section{結論} 拡匵文曞における反埩床を分析しその䞊で反埩床を甚いたキヌワヌド抜出法においおコヌパスを文曞拡匵する手法を提案した5.1節より提案法には文曞数に䞊限があるずき文曞拡匵しお拡匵数が増えるず著者キヌワヌド再珟率も䞊昇するずいう効果があったそのキヌワヌド抜出結果を芋るず5.2節よりこれたで取れおいなかった倚くの耇合語が分割されずに抜出できるこずがあったそしお著者キヌワヌドを含むフレヌズ的キヌワヌドのような分野に特化したキヌワヌドを抜出できるずいう結果が埗られたたた5.3節においおは埓来法ず同皋床のキヌワヌド抜出粟床が埗られおおり5.4節では拡匵数が増えるず著者キヌワヌド粟床が若干䜎䞋するずいう結果が埗られた結論ずしおキヌワヌド抜出においお文曞拡匵を行うこずはキヌワヌド抜出再珟率を䞊昇させる効果を持ち長い耇合語を抜出できるようになる効果がある\acknowledgment本研究を進めるにあたっお有意矩なコメントを戎いた梅村研究宀の方々に感謝いたしたすデヌタを心よく提䟛しおいただいた関係各瀟に深く感謝いたしたすたた有甚なコメントを頂いた査読者の方々に敬意を衚したす本研究は文郚科孊省21侖简COEプログラム「むンテリゞェントヒュヌマンセンシング」の揎助により行われたした\bibliographystyle{jnlpbbl_1.1}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Church}{Church}{2000}]{Church2000}Church,K.~W.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQEmpiricalEstimatesofAdaptation:ThechanceofTwoNoriegasiscloserto$p/2$than$p^2$\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING'00)},\mbox{\BPGS\173--179}.\bibitem[\protect\BCAY{長尟真}{長尟真}{1995}]{Iwanami1995}長尟真\JED\\BBOP1995\BBCP.\newblock\Jem{自然蚀語凊理}.\newblock岩波曞店.\newblock岩波講座゜フトりェア科孊.\bibitem[\protect\BCAY{Kando}{Kando}{2001}]{Kando2001}Kando,N.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheSecondNTCIRWorkshop\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSecond\mbox{NTCIR}WorkshoponResearchinChinese\&JapaneseTextRetrievalandTextSummarization},\mbox{\BPGS\35--44}.\bibitem[\protect\BCAY{束村\JBA倧柀\JBA石塚}{束村\Jetal}{2002a}]{Matumura2002a}束村真宏\JBA倧柀幞生\JBA石塚満\BBOP2002a\BBCP.\newblock\JBOQSmallWorld構造に基づく文曞からのキヌワヌド抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(6),\mbox{\BPGS\1825--1833}.\bibitem[\protect\BCAY{束村\JBA倧柀\JBA石塚}{束村\Jetal}{2002b}]{Matumura2002b}束村真宏\JBA倧柀幞生\JBA石塚満\BBOP2002b\BBCP.\newblock\JBOQ語の掻性床に基づくキヌワヌド抜出法\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf17}(4-F),\mbox{\BPGS\398--406}.\bibitem[\protect\BCAY{森\JBA束尟\JBA石塚}{森\Jetal}{2005}]{Mori2005}森玔䞀郎\JBA束尟豊\JBA石塚満\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQWebからの人物に関するキヌワヌド抜出\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf20}(5-C),\mbox{\BPGS\337--345}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭川\JBA森\JBA束厎\JBA川䞊}{䞭川\Jetal}{1997}]{Nakagawa1997}䞭川裕志\JBA森蟰則\JBA束厎知矎\JBA川䞊倧介\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ日本語マニュアル文における名詞間の連接情報を甚いたハむパヌテキスト化のための玢匕の抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚},{\Bbf38}(10),\mbox{\BPGS\1986--1994}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭川裕志\JBA森蟰則\JBA湯本玘地}{䞭川裕志\Jetal}{2003}]{Nakagawa2003}䞭川裕志\JBA森蟰則\JBA湯本玘地\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ出珟頻床ず連接頻床に基づく専門甚語抜出\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf10}(1),\mbox{\BPGS\27--45}.\bibitem[\protect\BCAY{æ­Šç”°\JBA梅村}{æ­Šç”°\JBA梅村}{2001}]{TakedaAndUmemura2001}歊田善行\JBA梅村恭叞\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQキヌワヌド抜出を実珟する文曞頻床分析\JBCQ\\newblock\Jem{蚈量囜語孊䌚},{\Bbf23}(2),\mbox{\BPGS\65--90}.\bibitem[\protect\BCAY{Takeda\BBA\Umemura}{Takeda\BBA\Umemura}{2004}]{TakedaAndUmemura2004}Takeda,Y.\BBACOMMA\\BBA\Umemura,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQSelectingindexingstringsusingadaptation\BBCQ\\newblockIn{\BemThe25thinternationalACMSIGIRconferenceonresearchanddevelopmentininformationretrieval},\mbox{\BPGS\42--43}.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞健䌞}{埳氞健䌞}{1999}]{Tokunaga1999}埳氞健䌞\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{情報怜玢ず蚀語凊理}.\newblock東京倧孊出版䌚.\newblock蟻井最䞀.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{長町健倪}{2005幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊課皋卒業同幎同倧孊院入孊珟圚に至る}\bioauthor{歊田善行}{2000幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊課皋卒業2002幎同倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了2005幎同倧孊倧孊院工孊研究科電子・情報工孊専攻博士課皋修了同幎同倧孊工孊郚情報工孊系教務職員同幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科附属総合研究機構助手珟圚に至る情報凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{梅村恭叞}{1983幎東京倧孊倧孊院工孊系研究系情報工孊専攻修士課皋終了博士工孊同幎日本電信電話公瀟電気通信研究所入所1995幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助教授2003幎教授2005幎むンテリゞェントセンシングシステムリサヌチセンタヌ兌務珟圚に至るシステムプログラム蚘号凊理の研究に埓事゜フトりェア科孊䌚電子情報通信孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V13N04-02
\section{たえがき} 確率的蚀語モデルは文字列を出力ずする蚀語凊理においお幅広く甚いられおいる音声認識システム\cite{Self-Organized.Language.Modeling.for.Speech.Recognition}の倚くが解遞択においお音響モデルずずもに確率的蚀語モデルを参照する文字誀り蚂正\cite{Context-Based.Spelling.Correction.for.Japanese.OCR}や仮名挢字倉換\cite{確率的モデルによる仮名挢字倉換}においおも確率的蚀語モデルを甚いる方法が提案されおいるさらに機械翻蚳\cite{A.Statistical.Approach.to.Machine.Translation}や文曞の敎圢\cite{講挔の曞き起こしに察する統蚈的手法を甚いた文䜓の敎圢}などにも応甚されおいる倚くの確率的蚀語モデルは単語や単語列の頻床に基づいおおりこれは正しく単語に分割された䟋文(単語分割枈みコヌパス)に察しお蚈数されるこの単語分割枈みコヌパスは䞀般的ず考えられる分野においおは既に利甚可胜ずなっおいるが新たに確率的蚀語モデルを甚いる分野(医療珟堎やコヌルセンタヌでの音声認識など)の蚀語資源ずしおは単語に分割されおいない䟋文(生コヌパス)やその分野の単語リストのみが利甚可胜であるこずが倚いこのような状況の䞋での䞀般的な察凊は単語リストを語圙に加えた自動単語分割システム\cite{A.Stochastic.Japanese.Morphological.Analyzer.Using.a.Forward-DP.Backward-A*.N-Best.Search.Algorithm}により生コヌパスの各文を単語に分割し可胜な限り倚くの文の分割結果を人手で修正し自動解析の結果ず合わせお単語分割枈みコヌパスずするこずである単語分割の修正量は倚ければ倚いほど統蚈結果の信頌性が増し確率的蚀語モデルの胜力は高くなるしかしながら単語分割の修正䜜業にはコストや時間がかかるのでコヌパスの䞀郚分を修正の察象ずし残りの郚分に関しおは自動分割の結果をそのたた甚いるずいうこずがしばしば行なわれる文単䜍で修正する堎合には文法の専門家でさえも正確な単語分割が容易でない機胜語列などの箇所が必然的に含たれるこずになるがこのようなの箇所での分割方針を䜜業者に培底するこずは非垞に困難であり䜜業効率の著しい䜎䞋を招く加えお文単䜍で順に修正しおいくこずが限られた䜜業量を割り圓おる最良の方法であるかずいうこずも疑問である\cite{Unsupervised.and.Active.Learning.in.Automatic.Speech.Recognition.For.Call.Classification}本論文ではコヌパスの修正を䞀文単䜍ではなく単語単䜍ずし修正箇所を単語リストなどで䞎えられる適応分野に特有の単語の呚蟺に集䞭するこずを提案するこれにより䞊述のような困難を回避するこずが可胜ずなりさらに適応分野に特有の単語の統蚈的な振る舞いを捕捉するずいう適応分野のコヌパスを利甚する本来の目的にコヌパス修正の䜜業を集䞭するこずが可胜ずなるこのようにしお埗られるコヌパスは䞀郚分の単語境界情報のみが正確である文を含むこのようなコヌパスから有限の語圙に察しお確率的蚀語モデルを掚定するために本論文では生コヌパスから無限の語圙に察しお確率的蚀語モデルを掚定する方法\cite{Word.N-gram.Probability.Estimation.From.A.Japanese.Raw.Corpus}を語圙が有限の堎合に応甚する方法に぀いお述べる実隓では生コヌパスの単語境界の人手による修正の皋床や方法を耇数甚意しその結果埗られるコヌパスから掚定される確率的蚀語モデルの予枬力やそれに基づく仮名挢字倉換の粟床を蚈算した実隓の結果単語リストの各単語に察しお2箇所の出珟のみを人手でマヌクする方法では単語数の割合にしお生コヌパス党䜓の5.22\%の修正により単語数の割合にしお生コヌパス党䜓の45.00\%の文を文単䜍で修正した堎合ず同皋床の仮名挢字倉換の粟床を達成するこずができたたた単語リストの各単語に察しお党おの出珟箇所を人手でチェックするこずでコヌパス党䜓に察しお自動分割の結果を人手で修正するのず同皋床の予枬力ず倉換粟床を達成できたこの結果から適応分野に特有の語圙の出珟箇所に修正のコストを集䞭するこずにより少ない䜜業量で効率良く確率的蚀語モデルを分野適応できるずいえる \section{確率的蚀語モデル} \label{section:LM}自然蚀語凊理における確率的蚀語モデルの圹割は䞎えられた文字列がある蚀語の文である尀床を数倀化するこずである確率的蚀語モデルに基づく蚀語凊理は候補から解を遞択する際にこの尀床を参照する自動単語分割は解析系の䞀䟋であり文字列が䞎えられるず尀床が最倧になる単語の列を蚈算する認識系の代衚䟋の音声認識では音響信号列を入力ずしお尀床が最倧ずなる文字列を算出する際に音響モデルず䜵せお確率的蚀語モデルを参照する\subsection{確率的蚀語モデル}最も䞀般的な蚀語モデルは単語$w$を単䜍ずする$n$-gramモデル$M_{w,n}$であるこのモデルは文を単語列$\Bdma{w}_{1}^{h}=\Conc{w}{h}$($h$は単語数)ずみなしこれらを文頭から順に予枬する\footnote{以䞋では倪字は列を衚すずし必芁に応じお最初の芁玠の添字を右䞋に最埌の芁玠の添字を右䞊に曞くこずずする}\begin{displaymath}M_{w,n}(\Bdma{w}_{1}^{h})=\prod_{i=1}^{h+1}P(w_{i}|\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})\end{displaymath}この匏の䞭の$w_{i}\;(i\leq0)$は文頭に察応する特別な蚘号であり$w_{h+1}$は文末に察応する特別な蚘号である完党な語圙を定矩するこずは䞍可胜であるから未知語を衚わす特別な蚘号$\UW$を甚意する未知語の予枬の際はたず単語$n$-gramモデルにより$\UW$を予枬しさらにその衚蚘を文字$x$の列$\Bdma{x}_{1}^{h'}$($h'$は文字数)ずみなし文字を単䜍ずする$n$-gramモデル$M_{x,n}$によっお以䞋のように予枬する\begin{displaymath}M_{x,n}(\Bdma{x}_{1}^{h'})=\prod_{i=1}^{h'+1}P(x_{i}|\Bdma{x}_{i-n+1}^{i-1})\end{displaymath}この匏の䞭の$x_{i}\;(i\leq0)$は語頭に察応する特別な蚘号であり$x_{h'+1}$は語末に察応する特別な蚘号であるしたがっお$w_{i}$が未知語の堎合には以䞋のように予枬される\footnote{正確には履歎$\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1}$に含たれるすべおの未知語は$\UW$に眮き換えられ同䞀芖される}\begin{displaymath}P(w_{i}|\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})=M_{x,n}(w_{i})P(\UW|\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})\end{displaymath}\subsection{応甚}\label{subsection:word-segmenter}確率的蚀語モデルの応甚は自然蚀語認識ず自然蚀語解析に倧別できる認識系の代衚䟋は音声認識である確率的蚀語モデルを甚いる音声認識では以䞋の匏のように音響特城量の列$\Bdma{s}$を入力ずし語圙${\calW}_{k}$のクリヌネ閉包(空列を含む任意長の文字列の集合)のうち確率最倧ずなる芁玠(単語列)$\Bdma{w}$を出力する\begin{displaymath}\hat{\Bdma{w}}=\argmax_{\Bdma{w}\in{\calW}_{k}^{*}}P(\Bdma{s}|\Bdma{w})P(\Bdma{w})\end{displaymath}この匏における$P(\Bdma{w})$が確率的蚀語モデルである確率的蚀語モデルの予枬力ず認識系の粟床ずの関係は解析的に導出できるような確固ずした関係ではない音声認識に察しお実隓的に埗られた関係ずしお西村ら\cite{単語を認識単䜍ずした日本語ディクテヌションシステム}は盞関係数0.6を報告しおいる解析系の代衚䟋は単語分割(ず品詞付䞎)である確率的蚀語モデルによる単語分割\cite{A.Stochastic.Japanese.Morphological.Analyzer.Using.a.Forward-DP.Backward-A*.N-Best.Search.Algorithm}は以䞋の匏が瀺すようにある蚀語の文字列$\Bdma{x}$を入力ずし生成確率が最倧ずなる単語列$\Bdma{w}$を出力する\begin{displaymath}\hat{\Bdma{w}}=\argmax_{\Bdma{w}=\Bdma{x}}P(\Bdma{w})\end{displaymath}ここで$\Bdma{w}=\Bdma{x}$は単語列$\Bdma{w}$を文字列ずみなした堎合入力$\Bdma{x}$ず等しいこずを衚す \section{単語リストず生コヌパスによる分野適応} \label{section:adaptation}この節では適応察象の分野の単語リストずそれらが出珟する生コヌパスが利甚可胜である堎合にそれらから確率的蚀語モデルを掚定する方法を述べる\subsection{確率的単語分割コヌパスからの単語$n$-gram確率の掚定}単語分割枈みコヌパスは各文字間に単語境界が存圚するか吊かの情報が人手により付䞎されおいる生コヌパスはこの情報を持たないが各文字間に単語境界が存圚する確率を付䞎しそれによっお生コヌパスを確率的に単語に分割されたコヌパス(確率的単語分割コヌパス)ずみなすこずにより無限の語圙に察する単語$n$-gram頻床や単語$n$-gram確率を蚈算する方法が提案されおいる\cite{Word.N-gram.Probability.Estimation.From.A.Japanese.Raw.Corpus}以䞋ではこの方法を説明する生コヌパス$C_{r}$(以䞋長さ$n_{r}$の文字列$\Bdma{x}_1^{n_{r}}$ずしお参照)を所䞎ずしお連続する2文字$x_{i},x_{i+1}$の間に単語境界が存圚する確率$P_{i}$を付䞎したものを考える最初の文字の前ず最埌の文字の埌には単語境界が存圚するずみなせるので$i=0,\;i=n_{r}$の時は䟿宜的に$P_{i}=1$ずする\begin{list}{}{}\item[\textbf{単語0-gram頻床}]確率的単語分割コヌパスにおける単語0-gram頻床$f_{r}(\cdot)$はそのコヌパス䞭の期埅単語数であり以䞋のように定矩される\begin{displaymath}f_{r}(\cdot)=1+\sum_{i=1}^{n_{r}-1}P_{i}\end{displaymath}\item[\textbf{単語1-gram頻床}]確率的に単語分割された生コヌパスに出珟する文字列$\Bdma{x}_{i+1}^{k}$が$l=k-i$文字からなる単語$w$である必芁十分条件は以䞋の4぀である\begin{enumerate}\item文字列$\Bdma{x}_{i+1}^{k}$が単語$w$に等しい\item文字$x_{i+1}$の盎前に単語境界がある\item単語境界が文字列䞭にない\item文字$x_{k}$の盎埌に単語境界がある\end{enumerate}したがっお単語$w$の生コヌパス䞭の単語1-gram頻床$f_{r}$は単語$w$の衚蚘の党おの出珟$O_{1}=\{(i,k)\,|\,\Bdma{x}_{i+1}^{k}=w\}$に察する期埅頻床の和ずしお以䞋のように定矩される\begin{displaymath}f_{r}(w)=\sum_{(i,k)\inO_{1}}P_{i}\left[\prod_{j=i+1}^{k-1}(1-P_{j})\right]P_{k}\end{displaymath}\item[\textbf{単語$n$-gram頻床}]単語1-gram頻床ず同様に$L$文字からなる単語列$\Bdma{w}_{1}^{n}=\Bdma{x'}_{1}^{L}$の生コヌパス$\Bdma{x}_{1}^{n_{r}}$における頻床すなわち単語$n$-gram頻床に぀いお考えるこのような単語列に盞圓する文字列が生コヌパスの$(i+1)$文字目から始たり$k=i+L$文字目で終る文字列ず等しく($\Bdma{x}_{i+1}^{k}=\Bdma{x'}_{1}^{L}$)単語列に含たれる各単語$w_{m}$に盞圓する文字列が生コヌパスの$b_{m}$文字目から始たり$e_{m}$文字目で終る文字列ず等しい($\Bdma{x}_{b_{m}}^{e_{m}}=w_{m},\;1\leq\forallm\leqn$;$e_{m}+1=b_{m+1},\;1\leq\forallm\leqn-1$;$b_{1}=i+1$;$e_{n}=k$)状況を考える(\figref{figure:SSC}参照)単語1-gram頻床の蚈算の堎合ず同様に単語列ず生コヌパスの郚分文字列は文字列ずしお察応しおいるこずに加えお各文字間における単語境界の有無も察応しおいる堎合にのみ単語列が出珟しおいるず考えられるしたがっお確率的に単語分割されたコヌパスに出珟する文字列$\Bdma{x}_{i+1}^{k}$が単語列$\Bdma{w}_{1}^{n}=\Bdma{x'}_{1}^{L}$である必芁十分条件は以䞋の4぀である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[scale=0.6]{SSC.eps}\end{center}\caption{確率的単語分割コヌパスにおける単語$n$-gram頻床}\label{figure:SSC}\end{figure}\begin{enumerate}\item文字列$\Bdma{x}_{i+1}^{k}$が単語列$\Bdma{w}_{1}^{n}$に等しい\item文字$x_{i+1}$の盎前に単語境界がある\item単語境界が各単語に察応する文字列䞭にない\item単語境界が各単語に察応する文字列の埌にある\end{enumerate}したがっお生コヌパスにおける単語$n$-gram頻床を以䞋のように定矩するこずができる\begin{displaymath}f_{r}(\Bdma{w}_{1}^{n})=\!\!\!\sum_{(i,e_{1}^{n})\inO_{n}}\!\!\!\!P_{i}\left[\prod_{m=1}^{n}\!\left\{\prod_{j=b_{m}}^{e_{m}-1}\!\!(1-P_{j})\right\}P_{e_{m}}\right]\end{displaymath}ここで\begin{eqnarray*}e_{1}^{n}&=&(e_{1},e_{2},\cdots,e_{n})\\O_{n}&=&\{(i,e_{1}^{n})|\Bdma{x}_{b_{m}}^{e_{m}}=w_{m},1\leqm\leqn\}\end{eqnarray*}ずした\item[\textbf{単語1-gram確率}]決定的に単語に分割されたコヌパスからの単語1-gram確率の最尀掚定の堎合ず同様に確率的単語分割コヌパスにおける単語1-gram確率を以䞋のように定矩する\begin{equation}\label{equation:1-gram}P_{r}(w)=\frac{f_{r}(w)}{f_{r}(\cdot)}\end{equation}\item[\textbf{単語$n$-gram確率}]決定的に単語に分割されたコヌパスからの単語$n$-gram確率の最尀掚定の堎合ず同様に確率的単語分割コヌパスにおける単語$n$-gram確率を以䞋のように定矩する\begin{equation}\label{equation:n-gram}P_r(w_{n}|\Bdma{w}_{1}^{n-1})=\frac{f_r(\Bdma{w}_{1}^{n})}{f_r(\Bdma{w}_{1}^{n-1})}\end{equation}\end{list}\subsection{有限の語圙に察する確率的単語分割コヌパスからの単語$n$-gram確率の掚定}確率的蚀語モデルを甚いる音声認識においおは認識される語圙には発音が付䞎されおいる必芁があるたた確率的蚀語モデルを甚いる仮名挢字倉換においおもキヌ入力列が付䞎されおいる衚蚘(単語)のみが倉換結果ずしお出珟し埗るこのように珟実的な応甚では有限の語圙に察する確率的蚀語モデルを構築する必芁がある分野適応においお単語リストが䞎えられおいる堎合には䞀般コヌパスから埗られる語圙ず察象分野の単語リストを語圙ずしお察象分野の生コヌパスから確率的蚀語モデルを構築するこの際に未知語モデルを含めお確率的蚀語モデルの条件を満たすためには未知語蚘号を含む単語$n$-gram確率を正しく定矩する必芁がある単語分割枈みコヌパスにおいおはたず語圙${\calW}_{k}$に属さない単語をコヌパスの党おの出珟堎所においお未知語蚘号$\UW$に眮き換えその䞊で未知語蚘号を語圙に含たれる単語ず同様に扱っお頻床蚈算を行なう決定的に単語に分割されおいない確率的単語分割コヌパスに察しおはこの方法を採るこずができないたた語圙以倖の任意の文字列に察する単語$n$-gram頻床を蚈数しその和を蚈算する方法も考えられる語圙以倖の任意の文字列は実際には無限集合ではなくコヌパスの郚分文字列のみを察象ずすれば十分であるがこれは非垞に倧きな数ずなるのでこの蚈算方法も珟実的ではないしかしながら単語$n$-gram頻床の以䞋の性質を甚いるこずにより確率的単語分割コヌパスに察しおも未知語蚘号を含む単語$n$-gram頻床を容易に蚈算するこずができる\begin{eqnarray}\label{equation:UT=sum}f_{r}(\Bdma{w}_{u}\UW\Bdma{w}_{v})&=&\!\!\!\!\!\!\!\sum_{w\in{\calX}^{+}-{\calW}_{k}}f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})\\\label{equation:decomp}\sum_{w\in{\calX}^{+}}\!\!\!f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})&=&\!\!\!\!\!\!\!\sum_{w\in{\calX}^{+}-{\calW}_{k}}\!\!\!\!f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})+\!\!\sum_{w\in{\calW}_{k}}\!\!\!f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})\end{eqnarray}ここで$\Bdma{w}_{u},\Bdma{w}_{v}\in({\calW}_k\cup\{\UW\})^{*}$は語圙ず未知語蚘号からなる長さ0以䞊の任意の列であり${\calX}^{+}$は文字集合${\calX}$の正閉包(1文字以䞊の任意長の文字列の集合)を衚す\equref{equation:UT=sum}の意味はある1箇所に未知語蚘号を含む単語$n$-gram頻床がその箇所を既知語以倖のすべおの文字列に眮き換えた単語$n$-gram頻床の合蚈に等しいずいうこずであるたた\equref{equation:decomp}は単語$n$-gram頻床においおある箇所の単語を任意ずした堎合の合蚈がその箇所が任意の既知語(${\calW}_{k}$)である堎合の頻床の合蚈ず任意の未知語(${\calX}^{+}-{\calW}_{k}$)である堎合の頻床の合蚈の和に等しいこずを意味する\equref{equation:UT=sum}(\ref{equation:decomp})からある1箇所に未知語を含む単語$n$-gramの頻床に察しお以䞋の匏が成り立぀こずがわかる\footnotemark\footnotetext{正確には耇数の未知語蚘号を含む$n$-gramに察するの蚘述も必芁であるが匏が繁雑になるためここでは1぀の未知語蚘号のみを含む堎合のみ蚘述した}\begin{equation}\label{equation:UT}f_{r}(\Bdma{w}_{u}\UW\Bdma{w}_{v})=\!\!\!\sum_{w\in{\calX}^{+}}\!\!\!f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})-\!\!\!\sum_{w\in{\calW}_{k}}\!\!\!f_{r}(\Bdma{w}_{u}w\Bdma{w}_{v})\end{equation}\begin{list}{}{}\item[\textbf{未知語蚘号の単語1-gram頻床}]確率的単語分割コヌパスにおける未知語蚘号の単語1-gram頻床$f_{r}(\UW)$はコヌパスに察しお蚈数した単語1-gram頻床ず単語0-gram頻床に察しお成り立぀関係\begin{displaymath}f_{r}(\cdot)=\sum_{w\in{\calX}^{+}}f_{r}(w)\end{displaymath}ず匏(\ref{equation:UT})においお$\Bdma{w}_{u}=\Bdma{w}_{v}=\varepsilon$($\varepsilon$は空列を衚す)ずするこずで埗られる等匏\begin{displaymath}f_{r}(\UW)=\sum_{w\in{\calX}^{+}}\!\!\!f_{r}(w)-\!\!\sum_{w\in{\calW}_{k}}\!\!\!f_{r}(w)\end{displaymath}から以䞋のように単語0-gram頻床ず語圙に察する単語1-gram頻床の和から蚈算される\begin{displaymath}f_{r}(\UW)=f_{r}(\cdot)-\sum_{w\in{\calW}_{k}}f_{r}(w)\end{displaymath}\item[\textbf{未知語蚘号を含む単語2-gram頻床}]任意の単語$w_{1}\in{\calW}_{k}$ず未知語蚘号からなる列の確率的単語分割コヌパスにおける頻床$f_{r}(w_{1}\UW)$はコヌパスに察しお蚈数した単語2-gram頻床ず単語1-gram頻床に察しお成り立぀関係\begin{displaymath}f_{r}(w_{1})=\sum_{w\in{\calX}^{+}}f_{r}(w_{1}w),\;\;\;\forallw_{1}\in{\calW}_k\cup\{\UW\}\end{displaymath}ず匏(\ref{equation:UT})においお$\Bdma{w}_{u}=w_{1},\;\Bdma{w}_{v}=\varepsilon$ずするこずで埗られる等匏\begin{displaymath}f_{r}(w_{1}\UW)=\sum_{w\in{\calX}^{+}}\!\!\!f_{r}(w_{1}w)-\!\!\sum_{w\in{\calW}_{k}}\!\!\!f_{r}(w_{1}w)\end{displaymath}から以䞋のように単語1-gram頻床ず既知語に察する単語2-gram頻床の和から蚈算される\begin{displaymath}f_{r}(w_{1}\UW)=f_{r}(w_{1})-\sum_{w\in{\calW}_{k}}f_{r}(w_{1}w)\end{displaymath}同様に未知語蚘号ず任意の単語$w_{2}\in{\calW}_{k}$からなる列の確率的単語分割コヌパスにおける頻床$f_{r}(\UWw_{2})$は以䞋のように蚈算される\begin{displaymath}f_{r}(\UWw_{2})=f_{r}(w_{2})-\sum_{w\in{\calW}_{k}}f_{r}(ww_{2})\end{displaymath}さらに未知語蚘号の単語2-gram頻床$f_{r}(\UW\,\UW)$は\begin{displaymath}f_{r}(\cdot)=\sum_{w_{1}\in{\calX}^{+}}\sum_{w_{2}\in{\calX}^{+}}f_{r}(w_{1}w_{2})\end{displaymath}を甚いるこずで以䞋のように蚈算される\begin{eqnarray*}f_{r}(\UW\,\UW)&=&f_{r}(\cdot)-\!\!\sum_{w_{1}\in{\calW}_{k}}f_{r}(w_{1}\UW)-\!\!\sum_{w_{2}\in{\calW}_{k}}f_{r}(\UWw_{2})\\&&-\!\!\!\!\!\!\!\!\sum_{(w_{1}w_{2})\in{\calW}_{k}\times{\calW}_{k}}\!\!\!\!\!\!\!\!f_{r}(w_{1}w_{2})\end{eqnarray*}\item[\textbf{未知語蚘号を含む単語$n$-gram頻床($n\geq3$)}]未知語蚘号を含む䞀般の$n$-gram頻床も2-gram頻床の堎合ず同様に蚈算するこずが可胜である\item[\textbf{未知語蚘号を含む単語$n$-gram確率($n\geq1$)}]未知語蚘号を含たない堎合の\equref{equation:1-gram}(\ref{equation:n-gram})ず同様に確率的単語$n$-gram頻床を確率的単語$(n-1)$-gram頻床で割るこずで未知語蚘号を含む単語$n$-gram確率が埗られる\end{list}{}{}以䞊から語圙を有限ずし未知語蚘号を仮定する堎合でも確率的単語分割コヌパスに察する単語$n$-gram確率を掚定できるこずが瀺された \section{生コヌパスの利甚方法} \label{section:raw-corpus}適応察象の分野のコヌパスはその分野の蚀語的な特城を的確に捉えるために重芁であるこの利甚方法ずしおは以䞋の3぀が代衚的である\begin{itemize}\item未知語の取り出し\begin{quote}生コヌパスに察しお文字$n$-gramの統蚈などを取りある皋床の頻床がありか぀前埌の文字の分垃にばら぀きがある文字列などを単語候補ずしお抜出する\cite{nグラム統蚈によるコヌパスからの未知語抜出}\cite{統蚈的手法による単語の切り出しに぀いお}この結果埗られた単語候補は人手でチェックされるさらに確率的蚀語モデルの応甚に応じお読みの付䞎などを行なう\end{quote}\item自動分割による単語分割結果\begin{quote}自動単語分割システム\cite{A.Stochastic.Japanese.Morphological.Analyzer.Using.a.Forward-DP.Backward-A*.N-Best.Search.Algorithm}により単語境界を掚定しこれを単語分割枈みコヌパスずしお利甚する単語分割システムは人手により正しく単語に分割された䞀般的なコヌパスから構築されるので適応察象の分野の文に察する解析粟床は必ずしも高くない特に適応分野に特有の単語や衚珟の呚蟺で分割を誀る傟向があるしかしながら適応察象の分野の単語分割枈みコヌパスは倚少の誀りが含たれおいおも確率的蚀語モデルの構築に有甚であるこずが知られおいる\end{quote}\item人手による単語分割結果\begin{quote}理想的には適応察象の分野のコヌパスの党おの文が正しく(単語分割の指針に沿っお)単語に分割されおいるこずが望たしいこのずきに確率的蚀語モデルの胜力は最高になる\end{quote}\end{itemize}確率的蚀語モデルの胜力は単語分割の修正量を増やせば増やすほど高くなる珟実には単語分割の修正䜜業はコストや時間がかかるのでコヌパスの䞀郚分を修正の察象ずし残りの郚分に関しおは自動分割の結果をそのたた甚いるずいうこずが行なわれるしかしこの方法が有限の䜜業量を割り圓おる最良の方法であるか疑問が残る\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{cccc}\hline&女性゚コノミスト、キャ&サリン&・カミリさんなどは「今\\&ロヌム・デヌノィッド・&サリン&ゞャヌは20䞖玀アメリカ\\○&に次ぐおぞたしい地䞋鉄&サリン&事件、長い䞍況に远い打\\○&理が始たった䞭川被告は&サリン&生成を認めながら「目的\\&っおいるのを知りながら&サリン&流出を阻止する矩務を怠\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{単語リストのKWICによる単語境界情報付䞎の䟋}\label{figure:KWIC}\end{figure}単語分割の修正䜜業はコヌパスに単語境界の情報を付䞎するこずである単語境界の情報の最小単䜍は各文字の間に単語境界があるか吊かであるしかし䞀般的に行なわれる修正䜜業は文単䜍であり文頭から順に各文字の間の単語境界情報が正しいかを確認し必芁に応じお修正するこれに察しお我々は修正䜜業の単䜍をより现かくずるこず具䜓的には単語リストなどで䞎えられる適応分野に特有の単語の呚蟺に集䞭するこずを提案する具䜓的には\figref{figure:KWIC}に瀺されるように単語リストに含たれる語(䟋では「サリン」)の察象分野のコヌパスでの出珟䜍眮をKWIC(KeyWordInContext)圢匏で提瀺し泚目しおいる文字列が各文脈においお単語ずしお甚いられおいるかのチェックをする単語ずしお甚いられおいる箇所にマヌク(図䞭では「○」)を付けそれ以倖の箇所では䜕もしないずいう䜜業を行なう各単語に぀いおマヌクする箇所の数を制限するずいうこずも有効であろうそうすれば刀断の難しい箇所で時間を浪費するこずを避けるこずもできる \section{評䟡} \label{section:evaluation}適応分野の生コヌパスの利甚方法に぀いお比范怜蚎するために生コヌパスに察する人手による単語境界情報の付䞎の皋床や方法を耇数甚意しその結果埗られるコヌパスから掚定される確率的蚀語モデルの予枬力やそれに基づく仮名挢字倉換の粟床を蚈算した\subsection{実隓条件}実隓には䞀般的な分野のコヌパスずしお䌚話蟞兞の䟋文ず適応察象ずしお新聞蚘事を甚いた(\tabref{table:corpus}参照)䞡分野のコヌパスの各文は人手で単語に分割されおいるが適応分野のコヌパスは䞻ずしお生コヌパスずしお利甚される単語分割枈みコヌパスずしおの利甚は比范察象ずしおの理想的な状況を実珟するためである適応分野の単語リストは適応分野のコヌパスにのみ出珟する21,855単語からなる基本ずなる確率的蚀語モデルは以䞋の通りである\begin{list}{}{}\item[$\bullet$Base]単語分割枈みの䞀般分野のコヌパスから単語2-gramモデルを構築した既知語の数は5,112語である適応分野の単語リストは未知語モデルにおいお出珟確率を嵩䞊げされ未知語に察しお出珟しやすくなる倖郚蟞曞語\cite{日本語の情報量の䞊限の掚定}ずしお利甚する適応分野のコヌパスは利甚しない\end{list}この確率的蚀語モデルの同䞀分野のテストコヌパスに察するクロス゚ントロピヌは4.509でありテストセットパヌプレキシティヌは64.28であった\footnotemark\footnotetext{テストセットパヌプレキシティヌは平均単語長に圱響されるので異なるテストコヌパスに察する結果ずの比范には適さない}実隓に利甚した自動単語分割システムはこの蚀語モデルに基づいおおり入力文に察しお最倧確率ずなる単語列を返す(\subref{subsection:word-segmenter}参照)同䞀分野のテストコヌパスに察する単語境界の掚定粟床は98.26\%であった\footnotemark\footnotetext{察象分野のテストコヌパス(\tabref{table:corpus}参照)に察する単語境界の掚定粟床は89.25\%であった}埌述する実隓においお確率的単語分割コヌパスの単語境界確率の掚定方法ずしおは自動分割の結果を利甚する方法を採甚した単語境界の掚定結果の信頌床には自動単語分割システムの粟床$\alpha=98.26\%$を利甚したすなわち自動単語分割システムにより単語境界であるず刀定された点では$P_{i}=\alpha$ずし単語境界でないず刀定された点では$P_{i}=1-\alpha$ずした\begin{table}[t]\caption{コヌパス}\begin{center}\begin{tabular}{c|c|r|r|r}\hline\hline甹途&分野&\multicolumn{1}{c|}{文数}&\multicolumn{1}{c|}{単語数}&\multicolumn{1}{c}{文字数}\\\hlineå­Šç¿’&䌚話&14,754&187,658&254,436\\å­Šç¿’&新聞&20,700&625,761&917,830\\テスト&䌚話&1,639&21,105&28,655\\テスト&新聞&2,300&68,566&100,091\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{table:corpus}\end{table}\subsection{評䟡基準}確率的蚀語モデルの予枬力の評䟡に甚いた基準は文字単䜍のクロス゚ントロピヌず単語あたりのテストセットパヌプレキシティヌであるたずテストコヌパス$C_{t}$に察しお未知語の予枬も含む文字単䜍の゚ントロピヌ$H$を以䞋の匏で蚈算する\cite{An.Estimate.of.an.Upper.Bound.for.the.Entropy.of.English}\begin{displaymath}H=-\frac{1}{|C_{t}|}\log_{2}\prod_{\Bdma{w}\inC_{t}}M_{w,n}(\Bdma{w})\end{displaymath}ここで$|C_{t}|$はテストコヌパス$C_{t}$の文字数を衚す次に単語単䜍のテストセットパヌプレキシティを以䞋の匏で蚈算する\begin{displaymath}PP=2^{H\times\overline{|\Bdma{w}|}}\end{displaymath}ここで$\overline{|\Bdma{w}|}$は平均単語長(文字数)であるさらに確率的蚀語モデルの応甚ずしお仮名挢字倉換\cite{確率的モデルによる仮名挢字倉換}を採甚し文単䜍で䞀括倉換した堎合の第䞀候補の倉換粟床を蚈算した\footnotemark\footnotetext{評䟡基準は文献\cite{確率的モデルによる仮名挢字倉換}ず同䞀である}これは音声認識においお音響モデルの誀りの圱響を排した堎合ず考えるこずもできる\subsection{適応分野の生コヌパスの利甚方法}適応分野の生コヌパスの利甚方法に぀いお比范怜蚎するために生コヌパスの自動分割結果に察する単語境界情報の人手による修正の皋床や方法ずしお以䞋の6぀を準備した\begin{list}{}{}\item[$\bullet$Auto]適応分野の生コヌパスを自動的に単語分割しその結果をそのたた甚いるこれは自動分割システムにより単語境界ず刀定された点では$P_{i}=1$ずし単語境界でないず刀定された点では$P_{i}=0$ずする確率的単語分割コヌパスず等䟡である\item[$\bullet$Raw]適応分野の生コヌパスを確率的単語分割コヌパスずしお甚いるすなわち自動単語分割システムにより単語境界であるず刀定された点では$P_{i}=\alpha$ずし単語境界でないず刀定された点では$P_{i}=1-\alpha$ずした\item[$\bullet$Well-done]適応分野の生コヌパスの党文を人手により正しく単語に分割しこれをAutoず同様に決定的に単語に分割されたコヌパスずしお利甚する\item[$\bullet$45\%-done]適応分野の生コヌパスの最初から281,398単語目たで(45.00\%)を人手により正しく単語に分割しその残りを自動的に単語分割したこれをAutoず同様に決定的に単語に分割されたコヌパスずしお利甚する\item[$\bullet$Medium]たずRawず同様に単語境界確率を蚭定するさらに単語リストに含たれる文字列が生コヌパス䞭に単語ずしお出珟しおいる党おの箇所においおその文字列内の単語境界確率を0ずしその文字列の盎前ず盎埌の単語境界確率を1ずするこれは生コヌパスに察する単語リストに含たれる文字列のKWICを芋おその文字列が単語ずしお出珟しおいる堎合にマヌクを぀ける䜜業をした結果に盞圓するマヌク箇所は単語数でのべ138,483箇所(22.13\%)である\item[$\bullet$Rare]たずRawず同様に単語境界確率を蚭定するさらに単語リストに含たれる文字列が生コヌパス䞭に単語ずしお出珟しおいる最初の2箇所においおその文字列内の単語境界確率を0ずしその前埌の単語境界確率を1ずするこれは生コヌパスに察する単語リストに含たれる文字列のKWICを芋おその文字列が単語ずしお出珟しおいる堎合にマヌクを぀ける䜜業を各文字列に察しお2぀のマヌクが぀くたで行なった結果に盞圓するマヌク箇所は単語数でのべ32,643箇所(5.22\%)である\end{list}以䞊のようにしお埗られる適応分野のコヌパスからBaseモデルの既知語ず単語リストに含たれる単語を語圙ずしお単語1-gram確率ず単語2-gram確率を蚈算しBaseモデルず補間しお適応分野のための確率的蚀語モデルを構築した\subsection{評䟡}\begin{table}[t]\caption{各モデルの予枬粟床ず仮名挢字倉換の粟床}\begin{center}\begin{tabular}{@{\}c@{\}|@{\}c@{\}|@{\}c@{\}|@{\}c@{\}|@{\}c@{\}|@{\}c@{\}}\hline\hlineモデル&\lineB{生コヌパス}{の利甚方法}&$H$&$PP$&再珟率&適合率\\\hlineBase&--&7.558&1938&62.74\%&72.34\%\\\hlineAuto&自動分割&6.618&755.7&80.52\%&85.24\%\\Raw&確率分割&6.276&536.5&84.70\%&87.85\%\\\hlineRare&郚分修正&6.133&465.2&86.57\%&89.24\%\\Medium&郚分修正&5.889&364.2&88.34\%&90.50\%\\45\%-done&郚分修正&6.049&427.4&86.56\%&89.32\%\\Well-done&完党修正&5.858&353.1&88.90\%&90.90\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{table:result}\end{table}各モデルの予枬力ず仮名挢字倉換の粟床を\tabref{table:result}に瀺すBaseずコヌパス修正のコストがないAutoずRawの結果から適応分野のコヌパスは可胜な限り収集し蚀語モデルの掚定に利甚するのがよいずいえる利甚方法においおはAutoずRawの結果の比范から誀りを含む自動分割結果を100\%信頌しおそのたた甚いるのではなく単語境界か吊かの刀定結果を割り匕いお確率的単語分割コヌパスずしお甚いるほうがよいずいえるコヌパス修正のコストがないRawの予枬力や倉換粟床は自動分割の結果を人手で完党に修正した堎合のWell-doneの予枬力ず倉換粟床に察しおかなり䜎く修正のコストを払うこずで改善する䜙地があるこずが分かる自動分割結果の修正は文単䜍で行なうのが䞀般的であるが単語リストに含たれる単語が出珟する箇所に限定しお文の䞀郚分のみをチェックする堎合の結果がRareずMediumである単語リストの各単語に察しお2箇所の出珟のみを人手でマヌクするRareでは単語数の割合にしお5.22\%のみがマヌクの察象になるが仮名挢字倉換の粟床はコヌパスの最初から順に45.00\%の単語をチェックする45\%-doneの粟床にほが等しい単語リストの各単語に察しお党おの出珟箇所を人手でチェックするMediumず自動分割の結果を人手で完党に修正するWell-doneの予枬力ず倉換粟床は同皋床であるこの結果から適応分野に特有の語圙の出珟箇所に修正のコストを集䞭すればコヌパス党䜓の玄22.13\%の単語のみのチェックで予枬力においおも仮名挢字倉換の粟床においおもコヌパス党䜓の分割結果を人手で修正したコヌパスを利甚する堎合にかなり近い性胜を達成するこずが可胜であるずいえる文単䜍で分割結果を修正する方法ず特定の文字列のKWICを芋おそれが各文脈で単語ずしお甚いられおいるかをマヌクするするのは1単語あたりのチェックに芁するコストが等しいずは限らないしかしながらRareず45\%-doneのチェック察象の単語数には9倍の差がある特定の単語のKWICにおける1箇所のマヌクが泚目単語の前埌4単語の修正を含めた分割修正(合蚈9単語)に盞圓する時間を芁するずは思えずRareず45\%-doneの総修正コストの順序関係は倉わらないであろう加えお文党䜓に察しお分割結果の修正を行なう堎合には䞻に掻甚語尟や助詞や助動詞からなる文法の専門家でさえも正確な単語分割が容易でない箇所が含たれるこずになるこのような正確な単語分割が困難な機胜語などの列の分割方針を䜜業者に培底するこずは非垞に困難である単語リストに含たれる単語のみをチェック察象にすればこのような困難を回避するこずが可胜ずなりさらに適応分野に特有の単語の統蚈的な振る舞いを捕捉するずいう適応分野のコヌパスを利甚する本来の目的のみにコヌパス修正のコストを集䞭するこずが可胜ずなる以䞊のこずから適応分野に特有の語圙の出珟箇所に修正のコストを集䞭しこの結果埗られる郚分的に修正されたコヌパスを確率的単語分割コヌパスずみなしお確率的蚀語モデルを構築するこずにより音声認識や仮名挢字倉換などの適応察象の分野における粟床をより䜎いコストでより短時間で向䞊させるこずが可胜ずなる \section{おわりに} 䌁業゜リュヌションずしお音声認識などの音声蚀語凊理技術が求められる堎合技術を適応する分野の単語リストず生コヌパスのみが利甚可胜であるこずが倚い本論文ではこのような状況を前提ずしお確率的蚀語モデルを分野適応する際にコヌパスの修正の皋床や方法に぀いお比范怜蚎を行なった予枬力や仮名挢字倉換の粟床を評䟡基準ずする実隓の結果生コヌパスの自動単語分割の結果の人手による修正を単語リストに含たれる単語が出珟する箇所に限るこずで確率的蚀語モデルの適応分野における性胜をより効率よく向䞊させるこずが可胜ずなるこずが分かった\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{森信介}{1998幎京郜倧孊倧孊院博士埌期課皋修了同幎日本アむ・ビヌ・゚ム(æ ª)入瀟東京基瀎研究所においお蚈算蚀語孊の研究に埓事工孊博士1997幎情報凊理孊䌚山䞋蚘念研究賞受賞情報凊理孊䌚䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\renewcommand{\Bbf}{}\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Cocke,Pietra,Pietra,Jelineck,Lafferty,Mercer,\BBA\Roossin}{Brownet~al.}{1990}]{A.Statistical.Approach.to.Machine.Translation}Brown,P.~F.,Cocke,J.,Pietra,S.A.~D.,Pietra,V.J.~D.,Jelineck,F.,Lafferty,J.~D.,Mercer,R.~L.,\BBA\Roossin,P.~S.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQAStatisticalApproachtoMachineTranslation\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf16}(2),pp.~79--85.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1992}]{An.Estimate.of.an.Upper.Bound.for.the.Entropy.of.English}Brown,P.~F.,Pietra,S.A.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQAnEstimateofanUpperBoundfortheEntropyofEnglish\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf18}(1),pp.~31--40.\bibitem[\protect\BCAY{Hakkani-T{\"{u}}r,Tur,Rahim,\BBA\Riccardi}{Hakkani-T{\"{u}}ret~al.}{2004}]{Unsupervised.and.Active.Learning.in.Automatic.Speech.Recognition.For.Call.Classification}Hakkani-T{\"{u}}r,D.,Tur,G.,Rahim,M.,\BBA\Riccardi,G.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisedandActiveLearninginAutomaticSpeechRecognitionForCallClassification\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalConferenceonAcoustics,Speech,andSignalProcessing}.\bibitem[\protect\BCAY{Jelinek}{Jelinek}{1985}]{Self-Organized.Language.Modeling.for.Speech.Recognition}Jelinek,F.\BBOP1985\BBCP.\newblock\BBOQSelf-OrganizedLanguageModelingforSpeechRecognition\BBCQ\\newblock\BTR,IBMT.J.WatsonResearchCenter.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Takuma}{Mori\BBA\Takuma}{2004}]{Word.N-gram.Probability.Estimation.From.A.Japanese.Raw.Corpus}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Takuma,D.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQWordN-gramProbabilityEstimationFromAJapaneseRawCorpus\BBCQ\\newblockIn{\BemInternationalConferenceonSpeechandLanguageProcessing}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata}{Nagata}{1994}]{A.Stochastic.Japanese.Morphological.Analyzer.Using.a.Forward-DP.Backward-A*.N-Best.Search.Algorithm}Nagata,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQAStochasticJapaneseMorphologicalAnalyzerUsingaForward-DPBackward-A$^{*}$N-BestSearchAlgorithm\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\BPGS\201--207.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata}{Nagata}{1996}]{Context-Based.Spelling.Correction.for.Japanese.OCR}Nagata,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQContext-BasedSpellingCorrectionforJapaneseOCR\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thInternationalConferenceonComputationalLinguistics}.\bibitem[\protect\BCAY{西村,䌊東,山厎,荻野}{西村\Jetal}{1997}]{単語を認識単䜍ずした日本語ディクテヌションシステム}西村雅史,䌊東䌞泰,山厎䞀孝,荻野玫穂\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ単語を認識単䜍ずした日本語ディクテヌションシステム\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},SLP15\JVOL,\BPGS\27--34.\bibitem[\protect\BCAY{䞭枡瀬}{䞭枡瀬}{1995}]{統蚈的手法による単語の切り出しに぀いお}䞭枡瀬秀䞀\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ統蚈的手法による単語の切り出しに぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術研究䌚報告},\BPGS\69--74.\bibitem[\protect\BCAY{森,土屋,山地,é•·å°Ÿ}{森\Jetal}{1999}]{確率的モデルによる仮名挢字倉換}森信介,土屋雅皔,山地治,長尟真\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ確率的モデルによる仮名挢字倉換\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(7),pp.~2946--2953.\bibitem[\protect\BCAY{森山地}{森\JBA山地}{1997}]{日本語の情報量の䞊限の掚定}森信介山地治\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ日本語の情報量の䞊限の掚定\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf38}(11),pp.~2191--2199.\bibitem[\protect\BCAY{森長尟}{森\JBAé•·å°Ÿ}{1998}]{nグラム統蚈によるコヌパスからの未知語抜出}森信介長尟眞\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ$n$グラム統蚈によるコヌパスからの未知語抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(7).\bibitem[\protect\BCAY{䞋岡,南條,河原}{䞋岡\Jetal}{2004}]{講挔の曞き起こしに察する統蚈的手法を甚いた文䜓の敎圢}䞋岡和也,南條浩茝,河原達也\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ講挔の曞き起こしに察する統蚈的手法を甚いた文䜓の敎圢\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(2),pp.~67--83.\end{thebibliography}\end{document}
V13N03-10
\section{はじめに} 敬語は日本語の重芁な特城の䞀぀ずされおおり日本語の敬語は単に䟝頌芁求あるいは人を瀺す代名詞においお芋られるだけでなく蚀語䜓系及び蚀語行動のほが党般にわたっお発達しおいるこのような特城を持぀蚀語は日本語以倖では韓囜語チベット語及びゞャワ語等䞖界䞭に少数しか芋られない\cite{Hayashi1974}ずころが珟代の日本瀟䌚においお日本語の敬語に関する様々な誀甚が指摘されおきおいる\cite{Kikuchi1997,Ishino1986}日本瀟䌚における敬語の誀甚は蚀語によるコミュニケヌションを通じた瀟䌚的人間関係の構築を劚げる堎合がある特にビゞネスの堎面における敬語の誀甚は時ずしお円滑なビゞネスを進める䞊での障害にもなり埗るこのため䞀般的には敬語の誀甚はできるだけ避けるこずが望たしい敬語の誀甚を避けるには敬語の芏範に関する正しい知識の習埗が䞍可欠であるこのような知識習埗を効率的に行うため敬語孊習を支揎する蚈算機システムの実珟が期埅される以䞊の背景の䞋我々は日本語発話文に含たれる語圢䞊の誀甚及び運甚䞊の誀甚を指摘するシステムを開発した本システムは日本語発話文及び発話内容に関係する人物間の䞊䞋関係を衚すラベルを入力ずし入力された日本語発話文における誀甚の有無誀甚の箇所及び誀甚の皮類埌者二぀は誀甚有りの堎合のみを出力する最近ではこれに類䌌した機胜を搭茉した日本語入力支揎ツヌル等が開発されおきおはいるが既存のシステムは䞻に語圢䞊の誀甚の䞀郚のみを察象ずしおおり運甚䞊の誀甚に぀いおも極めお限られた衚珟しか扱うこずができなかった本システムのように発話文に含たれる敬語の誀甚を指摘するシステムの構築にあたっおは敬語の芏範を䜕凊に求めるか及び発話状況をどう取り扱うかが問題になる本研究では以䞋の考え方に基づきこれらの問題に察凊しおいる敬語の芏範敬語正確には敬語を含む蚀語䞀般は時代の経過ず共に倉化する䟋えば``お話になられる''二重敬語等は䌝統的な日本語孊においおは誀甚ずされおきたが近幎では必ずしも誀甚ずしおは認識しない人が少なからずいるこずが報告されおいる\cite{Bunkacho1999}このため珟代の日本においお幅広く瀟䌚のコンセンサスが埗られおいる敬語の䜓系的芏範はないず考えられるこの問題に察し本研究では日本語孊に関する様々な文献においお共通しお明瀺的あるいは暗瀺的に述べられおいるず解釈できる芏範にできるだけ厳密に準拠するずいう立堎を取るこのため珟代の日本瀟䌚においお敬語ずしお抂しお蚱容されおいる衚珟であっおも本システムではその衚珟を芏範的な敬語ずしお芋なさない可胜性があるしかしこのこずは少しでも誀甚の可胜性のある衚珟をできるだけ挏らさずピックアップできるずいう利点ずしお考えるこずもできる発話状況の取り扱い埓来の敬語研究で指摘されおいるように発話状況に応じた適切な敬語即ち運甚䞊正しい敬語を遞択する際に考慮すべき䞻な芁因には発話に関わる人物間の䞊䞋関係幎霢差や瀟䌚的地䜍の違いに基づき話者が刀断した䞊䞋関係以䞋では``䞻芳的䞊䞋関係''ず呌ぶ人物間の芪疎人物間のりチ゜ト及び各人物の䜓面に察しお発話意図が及がすリスク等がある䞭でも人物間の䞻芳的䞊䞋関係は敬語が誀甚である吊かを刀断する際の最も重芁な芁因であるこずが日本語の敬語に関する倚くの文献においお明蚘あるいは暗瀺的に述べられおいる\cite[等]{Kikuchi1996,Kikuchi1997,Kabaya1998,Kokugoken1990,Kokugoken1992,Minami1987}䞀方このような刀断の際に人物間の芪疎人物間のりチ゜トあるいは各人物の䜓面に察しお発話意図が及がすリスクが䞻芳的䞊䞋関係より重芁な芁因であるこずを指摘した文献は殆どないこのこずは敬語の運甚の芏範に関わる芁因ずしおは䞻芳的䞊䞋関係が最も重芁な芁因であるこずを瀺唆する埓っお本研究においおは敬語の運甚䞊の芏範を発話に関わる人物間の䞻芳的䞊䞋関係のみに基づいお定矩する尚実際の堎面では人物間の䞻芳的䞊䞋関係が殆ど同じ状況も想定されるため実甚的なシステムのためにはこのような状況も扱えるこずが望たしいが今回は誀甚指摘システム開発の最初のステップずしお明確な䞻芳的䞊䞋関係の䞋での芏範に焊点を圓おるこずずし䞊䞋関係が殆ど同じ状況の取り扱いは今埌の課題ずしおいる\bigskip以䞋では本研究における``敬語の誀甚''の定矩を述べた埌それに基づいた誀甚指摘システムに぀いお述べる曎に様々なテストデヌタを甚いたシステムの劥圓性の怜蚌及びシステムの今埌の改善点等に぀いお述べる \section{敬語の誀甚} 前述のように本システムは語圢䞊の誀甚及び運甚䞊の誀甚を指摘するこずができる敬語の誀甚は倧きくこの皮類に分けられる語圢䞊の誀甚語圢が敬語ずしお芏範的ではない衚珟の䜿甚本研究では敬語の文献\cite[等]{Kikuchi1996,Kikuchi1997,Horikawa1969,Miyaji1999}を参考に語圢䞊の誀甚を定矩した本システムで甚いおいる語圢誀り衚珟リストの䞀郚を衚に瀺す衚䞭``〜''は任意の動詞を衚す語圢誀り衚珟リストに登録されおいる衚珟の総数``〜''を含むパタヌンの衚珟はパタヌンずしお個ずカりントは玄80個である尚䞀般的に日本語ずしお誀っおいるか吊かずいう芳点からは語圢䞊の誀甚を無数に想定するこずができるが本システムでは特に敬語に関わる衚珟の䞭で最も兞型的な語圢䞊の誀甚を登録しおいる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{語圢誀り衚珟リスト䞀郚}\label{tbl:table1}\begin{tabular}{ll}\hline\multicolumn{1}{c}{衚珟``〜''は動詞}&\multicolumn{1}{l}{誀甚のタむプ}\\\hlineおご〜になられる&二重敬語\\おご〜なされる&二重敬語\\おご〜をなされる&二重敬語\\おご〜される&尊敬語圢謙譲語圢の混甚\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}運甚䞊の誀甚語圢は正しいが発話に関わる人物間の䞻芳的䞊䞋関係ず敎合しない衚珟の䜿甚䌝統的な日本語孊では䟋えば話者より瀟䌚的に䞊に䜍眮付けられる聞き手に察する発話文の文末は䞁寧にすべきずされおいる埓っおこのような状況における発話文ずしお文末が䞁寧でない文は運甚䞊の誀甚ず芋なされる発話に関わる人物間の䞻芳的䞊䞋関係に基づいた運甚䞊の芏範をどのように定矩するかは本システムが察象ずする発話文の特城にも䟝存するため次章システムの説明で述べる \section{敬語誀甚指摘システム} \subsection{本システムが察象ずする発話文}本システムに入力される発話文は以䞋䞉぀の制玄を満たすものずする\begin{description}\item[制玄]発話文には述語が䞀぀だけ述語の䞻語補語\footnote{䞻語以倖の栌芁玠を指す研究者によっおは他の語䟋えば``目的語''``䞻栌補語''等を甚いるこずがあるが本研究では「敬語教育の基本問題䞋」\cite{Kokugoken1992}に倣っおこの語を甚いる}はそれぞれ䞀぀含たれる\item[制玄]発話に関係する人数は名〜名ここで名の時は話者名前は``S''ずする聞き手名前は``L''ずする名の時は話者聞き手及び発話文䞭で参照される人物名名前は``A''ずする名の時は話者聞き手及び発話文䞭で参照される人物名人目の名前は``B''ずするずする\item[制玄]話者聞き手人物A人物Bが述語の䞻語あるいは補語の堎合はその人物の名前``S''``L''``A''``B''を明蚘する\end{description}\bigskip以䞊の制玄は珟行の構文解析システムや意味解析システムを甚いた際の文構造の解析特に述語の䞻語補語の同定等における解析゚ラヌの生じる可胜性があるような耇雑な文を排陀するために蚭けた埓っお高い粟床の文解析手法が将来開発されればこれらの制玄はより緩やかにできるず考えられる尚発話に関わる人数が名以䞊の状況はたれであるここで``圌ら''等のように耇数人からなるグルヌプの堎合はグルヌプを擬人化しお名盞圓ずみなすず考えられるため日垞甚いられおいる発話文の殆どは制玄を満たすず考えられるたた発話に関わる人物が名SLABの際AずBを䞀぀のグルヌプ䟋えば``AさんずBさん''ずしおは扱わないものずする埓っお発話に関わる人物が名の堎合はAが䞻語でBが補語のケヌスのみでありBが䞻語でAが補語のケヌスはこれず等䟡話者Sや聞き手Lが䞻語や補語になる状況は想定しない䞀方発話に関わる人物が名SLAの堎合はSやLが䞻語や補語になる堎合がありこのずきAは䞻語あるいは補語のいずれかになる発話に関わる人物が名SLの堎合はSが䞻語でLが補語のケヌス及びLが䞻語でSが補語のケヌスのみである制玄で蚘したように本システムでは発話に関わる人の名前を``S''``L''``A''``B''に固定しおいるが人名の情報等を事前にシステムに登録するこずによっお人名を盎接取り扱うこずも可胜である\subsection{敬語特城パタヌン}䌝統的な日本語孊の文献の倚くにおいお敬語は尊敬語謙譲語及び䞁寧語に抂ね分類できるずされおいる尊敬語の䞭で最も兞型的な語は尊敬語を衚すための圢匏を持぀述語及び人物に察する敬称䟋えば``様''である謙譲語の䞭で最も兞型的な語は謙譲語を衚すための圢匏を持぀述語である䞁寧語は䞻に文末における䞁寧な語䟋えば``〜です\unskip''を指す前述のように本システムが察象ずする発話文には述語が䞀぀のみ珟れる埓っおこのような発話文の敬語的な特城は述語の䞻語の敬称の有無述語の補語の敬称の有無文末が䞁寧䞁寧でない及び述語の敬語的な特城尊敬語謙譲語二方面敬語\footnote{尊敬語か぀謙譲語である語のこず䟋えば``ご説明しお䞋さった''``ご説明する''が謙譲語``䞋さった''が尊敬語等}尊敬語でも謙譲語でもない語で衚すこずができるず考えられる本研究ではこれを``敬語タむプ''ず呌ぶこのため本システムでは発話文を圢態玠解析しお埗た圢態玠の䞊びに察しお衚に瀺すような敬語タむプ蟞曞を甚いお衚に瀺すパタヌンを䜜りこのパタヌンで発話文の敬語的特城を衚すこずずする以䞋このパタヌンを``敬語特城パタヌン''ず呌ぶ\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{敬語タむプ蟞曞の䞀郚``〜''は動詞}\tabcolsep=2em\begin{tabular}{ll}\hline\multicolumn{1}{c}{圢態玠の郚分的䞊び}&\multicolumn{1}{c}{敬語タむプ}\\\hline``''``さん''&敬称\\``''``氏''&敬称\\``''``様''&敬称\\``お''〜``する''&謙譲語\\``ご''〜``する''&謙譲語\\``頂く''&謙譲語\\``申しあげる''&謙譲語\\``お''〜``なさる''&尊敬語\\``ご''〜``に''``なる''&尊敬語\\``おっしゃる''&尊敬語\\``いらっしゃる''&尊敬語\\``です''``''&䞁寧語\\``たす''``''&䞁寧語\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}敬語タむプ蟞曞に登録されおいる衚珟の総数``〜''を含むパタヌンの衚珟はパタヌンずしお個ずカりントたた``頂く''``いただく''等の異衚蚘は別個のものずしおカりントは玄250個であるたた衚に瀺すように敬語特城パタヌンは぀の芁玠$s$$o$$e$$p$からなる芁玠$s$は述語の䞻語衚䞭``$subj$''ず暙蚘の敬称の有無に応じお1/0の倀を取る芁玠$o$は述語の補語衚䞭``$obj$''ず暙蚘の敬称の有無に応じお1/0の倀を取る芁玠$e$は発話文の文末が䞁寧䞁寧でないに応じお1/0の倀を取る芁玠$p$は述語の敬語タむプに応じお0/1/2/3の倀を取る尚``$subj$''``$obj$''は節で述べる文構造解析によっお述語の䞻語補語ず同定された人物を指す語である\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{敬語特城パタヌンの各芁玠の定矩}\label{tbl:table3}\begin{tabular}{ll}\hline敬語特城パタヌンの各芁玠の倀&条件\\\hline$s=0$&$subj$の敬称なし\\$s=1$&$subj$の敬称あり\\\hline$o=0$&$obj$の敬称なし\\$o=1$&$obj$の敬称あり\\\hline$e=0$&文末が䞁寧でない\\$e=1$&文末が䞁寧\\\hline$p=0$&述語が尊敬語でも謙譲語でもない\\$p=1$&述語が尊敬語\\$p=2$&述語が謙譲語\\$p=3$&述語が尊敬語か぀謙譲語二方面敬語\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{入出力の圢匏}システムの入出力の䟋を図に瀺す図䞭蚘号``A$>$B$>$L$>$S''は話者S聞き手L人物A及び人物Bの䞻芳的䞊䞋関係を衚すラベル以䞋``䞊䞋関係ラベル''ず蚘すである``$>$''の巊偎に珟れた蚘号に察応する人物は右偎に珟れた蚘号に察応する人物より䞻芳的䞊䞋関係が䞊であるものず定矩する本システムでは䞊䞋関係ラベルが衚す人物間の䞻芳的䞊䞋関係は垞に正しいず想定しお凊理を行っおいる䞊䞋関係ラベルず共に聞き手Lに察する話者Sの発話文が入力されるこの䟋では発話意図``AがBに蚀った''に察応する発話文が入力されおいるシステムは入力された発話文の語圢䞊の誀甚及び発話文ず䞊䞋関係ラベルずの敎合性をチェックし誀甚の箇所が芋぀かった堎合にはその箇所及び誀甚の皮類を出力するこの䟋では語圢䞊の誀甚は芋぀からなかったが話者Sより䞻芳的䞊䞋関係が䞊の聞き手Lに察する発話文においお文末が䞁寧ではないため``誀甚''ず刀定されおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{60mm}\baselineskip=4mm\\入力\\A$>$B$>$L$>$S\\AさんがBさんにおっしゃったそうだ\\\\出力\\刀定$誀甚$\\誀甚の箇所$文末$\\誀甚の皮類$文末が䞁寧ではない$\\\end{minipage}}\caption{入出力の䟋}\label{fig:figure1}\end{center}\end{figure}\subsection{凊理の流れ}本システムにおける凊理のフロヌを図に瀺すシステムに入力された発話文はたず圢態玠解析され圢態玠の䞊びに倉換される圢態玠解析には茶筌\footnote{奈良先端倧が開発した圢態玠解析システム\\http://chasen.aist-nara.ac.jp/index.html.ja}を甚いた次に語圢誀り衚珟リスト衚を甚いお語圢䞊の誀甚がチェックされる䟋えば圢態玠の䞊びの䞭に\mbox{``お''}動詞``に''``なる''``れる''が珟れた堎合には語圢䞊の誀甚``お〜になられる''であるず刀断しその旚を出力しお凊理を終了する語圢䞊の誀甚が芋぀からなかった堎合には文構造解析によっお述語の䞻語ず補語の同定を行う文構造解析では圢態玠の䞊びの異なる箇所に【人物を指す語敬称栌助詞``が''``を''``に''``から''等】が箇所珟れるようなテンプレヌトを始め様々なテンプレヌトを甚意するこずによっお䞻語ず補語を同定するテンプレヌトの総数は玄140個である具䜓的なテンプレヌトの䟋を衚に瀺す衚䞭``○''``△''は人物を指す語``〜''は任意の文字列を衚す䟋えば図に瀺した発話文に察しおは``AさんがBさんに''に察する圢態玠の䞊び即ち【``A''``さん''敬称``が''``B''``さん''敬称``に''】が衚の最初に蚘されたテンプレヌトず䞀臎するので䞻語がA補語がBず同定される\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=11cm\epsffile{./fig2.eps}\caption{凊理のフロヌ}\label{fig:figure2}\end{center}\end{figure}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{テンプレヌトの䟋``○''``△''は人物を指す語``〜''は任意の文字列}\label{tbl:table4}\tabcolsep=2em\begin{tabular}{lll}\hline圢態玠の䞊び&䞻語&補語\\\hline〜○敬称が〜△敬称に〜&○&△\\〜○敬称が〜△に〜&○&△\\〜○が〜△に〜&○&△\\〜○が〜△から〜&○&△\\〜△敬称に〜○敬称が〜&○&△\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}文構造解析の結果に基づき敬語タむプ蟞曞衚及び敬語特城パタヌンの各芁玠の定矩衚を甚いお敬語特城パタヌンを抜出する䟋えば図に瀺した発話文に察する圢態玠の䞊びは【``A''``さん''敬称``が''``B''``さん''敬称``に''``おっしゃる''``た''``そう''``だ''``''】ずなるがこれは䞻語Aの敬称があり``A''``さん''補語Bの敬称があり``B''``さん''文末が䞁寧でなく``だ''``''述語が尊敬語``おっしゃる''であるので$s=1$,$o=1$,$e=0$,$p=1$ずなる最埌に敎合衚衚を甚いお敬語特城パタヌンず䞊䞋関係ラベルずの敎合性がチェックされ刀定結果が出力される図䞭の「補足ルヌル」に぀いおは節で述べる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{敎合衚}\label{tbl:table5}\begin{tabular}{ll}\hline敬語特城パタヌンの各芁玠の倀&䞊䞋関係\\\hline$s=0$&S$>subj$\\$s=1$&$subj>$S\\\hline$o=0$&S$>obj$\\$o=1$&$obj>$S\\\hline$e=0$&S$>$L\\$e=1$&L$>$S\\\hline$p=0$&S$>subj$$\wedge$S$>obj$\\$p=1$&$subj>obj$$\wedge$$subj>$S\\$p=2$&$obj>$S$>subj$(i.e.$obj>$S$\wedge$S$>subj$)\\\hline$p=1$or3&$obj>subj>$S(i.e.$obj>subj$$\wedge$$subj>$S)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}敎合衚衚は郚分的䞊䞋関係ずそれに察応した文の敬語特城パタヌンにおける特定の芁玠が持぀べき倀ずの間の察応を蚘したルヌルであるここで``郚分的䞊䞋関係''ずは発話に関わる人物のうち䞀郚の人物の間の䞻芳的䞊䞋関係を衚したものであり䞊䞋関係ラベルず同じ衚蚘法で蚘される䟋えば衚の$e=1$に関する行は話者Sより聞き手Lの䞻芳的䞊䞋関係が䞊の堎合L$>$Sには文末は䞁寧$e=1$ずするずいうルヌルを衚しおいる図の䟋ではA$subj$$>$B$obj$$>$L$>$Sず$s=1$,$o=1$,$e=0$,$p=1$ずの敎合性がチェックされるこの時$sub>obj>$L$>$Sは$s=1$,$o=1$,$p=1$ずは敎合するがL$>$Sず$e=0$は敎合しない埓っお$e=0$に察応する文䞭の箇所即ち文末が運甚䞊の誀甚ず刀定される尚ナヌザによる入力の䟿宜のため䞊䞋関係ラベルは省略可胜ずしたこの堎合には過去に入力された䞊䞋関係ラベルのうち最埌の䞊䞋関係ラベルを甚いるこずずした\subsection{敎合衚の構築}敎合衚衚は孊習デヌタに基づいお構築した孊習デヌタの䟋を図に瀺す孊習デヌタの基本的な単䜍は本システムの入力ず同じ圢匏のデヌタ即ち䞊䞋関係ラベルず制玄〜を満たす発話文のペアである蚘号``''は入力文ず䞊䞋関係ラベルのセパレヌタ孊習デヌタでは発話に関わる人数を名SLABに固定した前述の通りこのずきAが䞻語$subj$でBが補語$obj$のケヌスのみ想定されるBが䞻語でAが補語のケヌスはこれず等䟡\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{80mm}\baselineskip=4mm\\AはBさんからお聞きしたそうです:L$>$B$>$S$>$A\\AがBさんのずころに䌺いたした:L$>$B$>$S$>$A\\\end{minipage}}\caption{孊習デヌタの䟋}\label{fig:figure3}\end{center}\end{figure}発話文は䞊䞋関係ラベルが衚す人物間の䞊䞋関係に察応する文ずしお芏範的に正しいず考えられる文であり具䜓的には日本語孊に関する様々な文献\cite[等]{Ishino1986,Kabaya1998,Kikuchi1996,Kikuchi1997,Kokugoken1990,Kokugoken1992,Suzuki1984,Hoshino1993,Horikawa1969,Masuoka1989,Miyaji1999,Moriyama2000}においお共通しお明瀺的あるいは暗瀺的に述べられおいるず解釈できる芏範に基づいお我々が䜜成した䞊䞋関係ラベルのバリ゚ヌションはS,L,A,Bの間の党おの䞊䞋関係バリ゚ヌション即ち4!=24通りである各々の䞊䞋関係ラベルに察し発話文を12個ず぀䜜成した埓っお孊習デヌタの総数は288個=24×12であるこのようにしお䜜った孊習デヌタに察しお以䞋の手続きによっお敎合衚を構築したこの手続きは人手で行った\bigskip敎合衚構築手続き\begin{description}\item[(Step1)]孊習デヌタにおける各々のペア䞊䞋関係ラベル発話文においお発話文の敬語特城パタヌンを求めその発話文ずペアずなっおいた䞊䞋関係ラベルずの間でペアを䜜る敬語特城パタヌンは節ず同様の手順即ち発話文の圢態玠解析文構造解析を行い曎に敬語タむプ蟞曞衚及び敬語特城パタヌンの各芁玠の定矩衚を甚いるこずにより求める\item[(Step2)]24皮類の䞊䞋関係ラベルの各々に関し以䞋を行う\\Step1で埗たペア䞊䞋関係ラベル敬語特城パタヌン蚈288個の䞭からその䞊䞋関係ラベルずペアになっおいる敬語特城パタヌンの党おの皮類をリストアップする\item[(Step3)]党おの䞊䞋関係ラベルに関しStep2で埗られたリストをたずめお䞀぀の衚にするここで䞀぀の䞊䞋関係ラベルに耇数の敬語特城パタヌンが察応する堎合は同じ行の異なる列に蚘すこのようにしお埗られた衚が衚\item[(Step4)]敬語特城パタヌンの芁玠$s$,$o$,$e$,$p$の各々に関し以䞋を行う\item[(Step4-1)]泚目しおいる芁玠の各々の倀に関しStep3で埗られた衚衚においおこの倀を含む敬語特城パタヌンに察応する党おの䞊䞋関係ラベルをピックアップしおひずたずたりのグルヌプにするただし芁玠pに関しおは衚においおpの倀だけが異なるような二぀の敬語特城パタヌンを持぀䞊䞋関係ラベル即ちL$>$B$>$A$>$SB$>$A$>$L$>$SB$>$L$>$A$>$SB$>$A$>$S$>$Lをひずたずたりのグルヌプにした埌$p=$012の各々に぀いおこの凊理を行う\item[(Step4-2)]Step4-1で埗られた各グルヌプにおいお同じグルヌプに含たれる䞊䞋関係ラベルの党おに共通しか぀異なるグルヌプに含たれるいかなる䞊䞋関係ラベルずも共通しないような特城郚分的䞊䞋関係を芋぀けるこれにはカルノヌ図Karnaugh1953を甚いお冗長な論理匏から簡朔な論理匏を導く方法ず同様の方法を甚いる\item[(Step5)]敬語特城パタヌンの党おの芁玠に関しお埗られた郚分的䞊䞋関係をたずめお䞀぀の衚にする\item[(Step6)]衚䞭のAを$subj$Bを$obj$に眮き換えるこのようにしお埗られた衚が衚\end{description}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{䞊䞋関係ラベルず敬語特城パタヌンの察応衚}\label{tbl:table6}\begin{tabular}{lll}\hline\multicolumn{1}{c}{䞊䞋関係ラベル}&\multicolumn{1}{c}{$s$$o$$e$$p$}&\multicolumn{1}{c}{$s$$o$$e$$p$}\\\hlineS$>$L$>$A$>$B&0000&\\S$>$L$>$B$>$A&0000&\\S$>$A$>$L$>$B&0000&\\S$>$A$>$B$>$L&0000&\\S$>$B$>$L$>$A&0000&\\S$>$B$>$A$>$L&0000&\\L$>$S$>$A$>$B&0010&\\L$>$S$>$B$>$A&0010&\\L$>$A$>$S$>$B&1011&\\L$>$A$>$B$>$S&1111&\\A$>$B$>$L$>$S&1111&\\A$>$L$>$B$>$S&1111&\\L$>$B$>$S$>$A&0112&\\B$>$L$>$S$>$A&0112&\\L$>$B$>$A$>$S&1111&1113\\B$>$A$>$L$>$S&1111&1113\\B$>$L$>$A$>$S&1111&1113\\A$>$B$>$S$>$L&1101\\A$>$S$>$B$>$L&1001&\\A$>$S$>$L$>$B&1001&\\A$>$L$>$S$>$B&1011&\\B$>$A$>$S$>$L&1101&1103\\B$>$S$>$A$>$L&0102&\\B$>$S$>$L$>$A&0102&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}䟋えば衚の$s=0$及び$s=1$に察応する行は以䞋のようにしお埗られるたずStep1〜Step3で衚が埗られる次にStep4で$s$に泚目しStep4-1においお$s=0$に察応する䞊䞋関係ラベルのグルヌプS$>$L$>$A$>$BS$>$L$>$B$>$AS$>$A$>$L$>$BS$>$A$>$B$>$LS$>$B$>$L$>$AS$>$B$>$A$>$LL$>$S$>$A$>$BL$>$S$>$B$>$AL$>$B$>$S$>$AB$>$L$>$S$>$AB$>$S$>$A$>$LB$>$S$>$L$>$A及び$s=1$に察応する䞊䞋関係ラベルのグルヌプL$>$A$>$S$>$BL$>$A$>$B$>$SA$>$B$>$L$>$SA$>$L$>$B$>$SL$>$B$>$A$>$SB$>$A$>$L$>$SB$>$L$>$A$>$SA$>$B$>$S$>$LA$>$S$>$B$>$LA$>$S$>$L$>$BA$>$L$>$S$>$BB$>$A$>$S$>$Lが埗られる次にStep4-2によっお$s=0$に察応する郚分的䞊䞋関係S$>$A及び$s=1$に察応する郚分的䞊䞋関係A$>$Sが埗られる最埌にAを$subj$に眮き換えるこずにより$s=0$に察応する郚分的䞊䞋関係S$>$$subj$及び$s=1$に察応する郚分的䞊䞋関係$subj$$>$Sが埗られる\bigskip敎合衚の劥圓性を怜蚌するためテストデヌタを甚いた実隓を行ったテストデヌタは敎合衚の構築に甚いた孊習デヌタず同じ文献を甚い同じ芁領で䜜成した即ちテストデヌタでは発話に関わる人数を名SLABに固定し䞊䞋関係ラベルのバリ゚ヌションを24通りずした各々のバリ゚ヌションに関し正䟋䞊䞋関係ラベル芏範的な文負䟋䞊䞋関係ラベル非芏範的な衚珟を含む文をそれぞれ6個ず぀䜜成した埓っお正䟋負䟋の総数はいずれも144個であるこれらのテストデヌタをシステムに入力したずころ党おの正䟋に察しおシステムは``正しい''ず刀定し党おの負䟋に察しお``誀甚''ず刀定した誀甚の箇所皮類も正しく指摘この結果は本研究の枠組み敬語の芏範に関する考え方発話状況の取り扱い及び察象ずする文に関する制玄の䞋で発話に関わる人物が名この時Aが䞻語か぀Bが補語あるいはBが䞻語か぀Aが補語の堎合には敬語運甚䞊の芏範を敎合衚衚が過䞍足なく衚しおいるこずを瀺唆するたた節で述べたように発話に関わる人物が名SLAの堎合はAは䞻語あるいは補語のいずれかになるがこの時SやLが䞻語や補語になるケヌスがあるたた発話に関わる人物が名SLの堎合はSが䞻語でLが補語のケヌス及びLが䞻語でSが補語のケヌスがある埓っお敎合衚衚がこのようなケヌスでも有効に機胜するようにするため敎合衚の補足ルヌルを導入したそしお敎合衚ず補足ルヌルが発話に関わる人数及び䞻語・補語のあらゆるバリ゚ヌションに぀いお劥圓か吊かに぀いおの怜蚌を行った以䞋ではこれらに぀いお述べる\subsection{補足ルヌル}前述の通り発話に関わる人物が名の堎合は話者Sや聞き手Lが䞻語$subj$や補語$obj$になる状況は想定しないが発話に関わる人物が名及び名の堎合はSやLが䞻語や補語になる堎合がある特にSが䞻語あるいは補語になる堎合には敎合衚衚における敬語特城パタヌンの芁玠$s$$o$及び$p$に察応する䞊䞋関係が``$subj$$>$$subj$''や``$obj$$>$$obj$''ずなるケヌスが生じるため敎合衚をそのたた甚いるこずができないこのためこのようなケヌスでは``$subj$$>$$subj$''や``$obj$$>$$obj$''の項を敎合衚から削陀この凊理はこれらの項の真理倀を真ずした堎合ず等䟡した䞊で以䞋に述べる芏範から盎接導いたルヌル及び芏範に基づき敎合衚を修正しお導いたルヌル以䞋これらを``補足ルヌル''ず総称するを甚いるこずずするこの芏範は敎合衚の構築に甚いた文献を参考にしお蚭けたものでありその基本的な考えは「発話に関わる人物間の䞊䞋関係によらず話者自身を高めるような語は甚いない\footnote{䟋えば「俺様は」等は扱わない}」ずいうこずであるこれを具䜓的に蚘述するず芏範a話者自身の敬称は぀けない芏範b話者が䞻語の時は尊敬語を甚いない芏範c話者が補語の時は謙譲語を甚いないずいうこずになる尚補足ルヌルは敎合衚においお$subj$や$obj$を含むルヌルに関連する特城敬語パタヌンの芁玠即ち$s$$o$及び$p$に察するルヌルであり敎合衚においお察応する䞊䞋関係に$subj$や$obj$を含たない芁玠eに぀いおは適甚しない即ち$e$に関しおは敎合衚を甚いる具䜓的に補足ルヌルは以䞋のように導かれるたずSが$subj$の時芏範aにより盎接$s=0$䞊䞋関係によらずが導かれるたた$p$に関しおは芏範bにより$p=1$及び$p=3$がルヌル化の察象から陀倖され曎に敎合衚衚の``S$>subj$''の項を削陀するこずにより$p=0$S$>obj$$p=2$$obj>$Sが埗られる尚$o$は敎合衚通り$o=0$(S$>obj$)$o=1$($obj>$S)である䞀方Sが$obj$の時芏範aにより盎接$o=0$䞊䞋関係によらずが導かれるたたpに関しおはたず敎合衚衚の䞭で論理倀が停ずなる䞊䞋関係が蚘述された行即ち敎合衚の䞀番䞋の行郚分的䞊䞋関係は$obj>subj$$\wedge$$subj>$Sをルヌル化の察象から陀倖する次に芏範cにより$p=2$がルヌル化の察象から陀倖され曎に``S$>obj$''及び``$obj>$S''の項を削陀するこずにより$p=0$S$>subj$$p=1$$subj>$Sが埗られる尚$s$は敎合衚通り$s=0$(S$>subj$)$s=1$($subj>$S)である以䞊をたずめるず補足ルヌルは䞋蚘ずなる敎合衚通りのルヌルは省略\bigskip補足ルヌル\begin{enumerate}\itemSが$subj$の時\begin{itemize}\item$s=0$䞊䞋関係によらず\item$p=0$S$>obj$$p=2$$obj>$S\end{itemize}\itemSが$obj$の時\begin{itemize}\item$o=0$䞊䞋関係によらず\item$p=0$S$>subj$$p=1$$subj>$S\end{itemize}\end{enumerate}\bigskip\subsection{我々が䜜成したテストデヌタを甚いた劥圓性の怜蚌}敎合衚ず補足ルヌルを合わせた機胜の劥圓性を怜蚌するためテストデヌタを甚いた実隓を行ったテストデヌタは敎合衚の劥圓性の怜蚌に甚いたテストデヌタず同様の方法で䜜成したただしここでは発話に関わる人数を名SL名SLA及び名SLABずしそれぞれの人数においお䞊䞋関係ラベル及び䞻語・補語に関する党おのバリ゚ヌションを蚭定した具䜓的には人数が名の堎合は䞊䞋関係ラベル2通り×䞻語・補語のバリ゚ヌション2通り=蚈4通り人数が名の堎合は䞊䞋関係ラベル6通り×䞻語・補語のバリ゚ヌション4通りここでAは䞻語あるいは補語=蚈24通り人数が名の堎合は䞊䞋関係ラベル24通りずしたAは䞻語Bは補語に固定各々のバリ゚ヌションに関し正䟋䞊䞋関係ラベル芏範的な文負䟋䞊䞋関係ラベル非芏範的な衚珟を含む文をそれぞれ5個ず぀䜜成した埓っお正䟋負䟋の総数はいずれも260個である正䟋負䟋の䞀郚を図に瀺す尚文䜜成の際想定する発話意図ずしお耇数の発話意図をあらかじめ甚意した\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{80mm}\baselineskip=4mm\\正䟋\\SがLから聞いたんだよ:S$>$L\\AがSに電話をかけおきたよ:S$>$L$>$A\\AはBさんをご自宅たでお送りした:B$>$S$>$A$>$L\\負䟋\\SがLに電話をかけたした:S$>$L\\AさんはSにお写真を芋せおくださった:L$>$A$>$S\\AはBからお聞きしたした:L$>$S$>$B$>$A\\\end{minipage}}\caption{実隓に甚いた正䟋負䟋の䞀郚}\label{fig:figure4}\end{center}\end{figure}これらのテストデヌタをシステムに入力したずころ党おの正䟋に察しおシステムは``正しい''ず刀定し党おの負䟋に察しお``誀甚''ず刀定した誀甚の箇所皮類も正しく指摘この結果は敎合衚衚及び補足ルヌルの劥圓性を瀺唆する \section{システムの劥圓性の怜蚌} 本システムの劥圓性ただし語圢䞊の誀甚に関する機胜は䞻に語圢誀り衚珟リストの適切さに䟝存するためここでは運甚䞊の誀甚に関する機胜のみを察象ずするを曎に怜蚌するため著者らの研究グルヌプずは独立した日本語孊の研究グルヌプ蚀語に関するデヌタ䜜成の専門機関に所属し日本語孊を䞻な専門ずする研究グルヌプでありメンバは〜名が䜜成したテストデヌタを甚いた実隓を行ったテストデヌタの䜜成に圓たっおは様々な日本語孊研究者の間で共通しお述べられおいるず䜜業者が認識する敬語芏範にできるだけ厳密に準拠し節で述べたテストデヌタず同じバリ゚ヌションに関し節の制玄〜に埓う発話文を蚘述するよう指瀺した即ちテストデヌタのバリ゚ヌションは人数が名の堎合は4通り人数が名の堎合は24通り人数が名の堎合は24通りである各々のバリ゚ヌションに関し正䟋負䟋はそれぞれ10〜12個ず぀䜜成された正䟋負䟋の総数はいずれも616個であるこれらのテストデヌタをシステムに入力したずころ党おの負䟋に察しシステムは``誀甚''ず刀定した誀甚の箇所皮類も正しく指摘たた正䟋のうち587個正䟋の玄95に察しシステムは``正しい''ず刀定したが残り29個正䟋の玄5に぀いおは``誀甚''ず刀定した図は正䟋に察しおシステムが``正しい''ず刀定した䟋である\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{35mm}\baselineskip=4mm\\入出力䟋\\入力\\L$>$S$>$A\\SがAに蚀いたした\\\\出力\\刀定文は正しい\\\end{minipage}}\caption{正䟋を``正しい''ず刀定した䟋}\label{fig:figure5}\end{center}\end{figure}たたシステムが負䟋の誀甚を正しく指摘した䟋を図に瀺す図の入出力䟋では尊敬語でも謙譲語でもない語この䟋では``蚀った''等にすべき述語が謙譲語この䟋では\mbox{``お䌝えした''}であったため誀甚ず指摘されおいるたた入出力䟋では郚分的䞊䞋関係がB$>$Sであるにも関わらずBの敬称がないずいう誀甚が指摘されおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{65mm}\baselineskip=4mm\\入出力䟋\\入力\\S$>$A$>$L\\AがLにお䌝えしたはずだよ\\\\出力\\刀定誀甚\\誀甚の箇所お䌝えした\\誀甚の皮類述語が謙譲語になっおいる\\\bigskip入出力䟋\\入力\\A$>$B$>$L$>$S\\AさんがBのずころぞいらっしゃいたした\\\\出力\\刀定誀甚\\誀甚の箇所B\\誀甚の皮類Bの敬称がない\\\end{minipage}}\caption{負䟋の誀甚を正しく指摘した䟋}\label{fig:figure6}\end{center}\end{figure}システムによっお``誀甚''ず刀定された正䟋29個は以䞋皮類に分けられるそれぞれの皮類に察応する぀の入出力䟋を図に瀺す図の入出力䟋のように人物の敬称は぀けないこずが敎合衚で期埅される䞊䞋関係$subj$の敬称を぀けないこずが期埅される䞊䞋関係はS$>subj$あるいはSが$subj$たた$obj$の敬称を぀けないこずが期埅される䞊䞋関係はS$>obj$あるいはSが$obj$においお敬称が぀けられおいたこの䟋では``Aさん''正䟋は17個図の入出力䟋のように尊敬語䟋えば``おっしゃる''等あるいは二方面敬語䟋えば``お話ししお䞋さる''等の述語が期埅される䞊䞋関係$obj>subj>$Sにおいお述語が謙譲語この䟋では``申し䞊げる''だった正䟋は6個図の入出力䟋のように尊敬語でも謙譲語でもない述語䟋えば``説明する''等が期埅される䞊䞋関係Sが$subj$でも$obj$でもない時はS$>subj$$\wedge$S$>obj$Sが$subj$の時はS$>obj$Sが$obj$の時はS$>subj$においお述語が謙譲語この䟋では``説明いたす''だった正䟋は6個この6個はいずれも郚分的䞊䞋関係がL$>$S即ち話者より聞き手の䞻芳的䞊䞋関係が䞊のケヌスであった\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{65mm}\baselineskip=4mm\\入出力䟋\\入力\\S$>$L$>$A\\SがAさんに蚀ったんだ\\\\出力\\刀定誀甚\\誀甚の箇所Aさん\\誀甚の皮類Aに䞍芁な敬称がある\\\bigskip入出力䟋\\入力\\L$>$A$>$S\\AさんがLさんに申し䞊げたした\\\\出力\\刀定誀甚\\誀甚の箇所申し䞊げる\\誀甚の皮類述語が謙譲語になっおいる\\\bigskip入出力䟋\\入力\\L$>$S$>$A\\SがAに説明いたしたした\\\\出力\\刀定誀甚\\誀甚の箇所説明いたす\\誀甚の皮類述語が謙譲語になっおいる\\\end{minipage}}\caption{正䟋を``誀甚''ず刀定した䟋}\label{fig:figure7}\end{center}\end{figure}\bigskip以䞊の結果のうちは特に女性が甚いる傟向がある䞁寧な甚法であり䞀抂には非芏範的ず決め぀けるこずはできないず考えられるは謙譲語ずしお劥圓な運甚法であるずする解釈がある䟋えば囜語研1992たたは聞き手ぞの䞁重さを衚すための衚珟であり「䞻語を䜎める」ずいういわゆる謙譲語の甚法ずは異なる甚法``䞁重語''等ず呌ばれるこずがあるずしお䞀般的になり぀぀あるが今回は最も基本的ず考えられる敬語の甚法のみを察象ずしたためこのような衚珟を適切に取り扱えなかったものず考えられる以䞊から著者らの研究グルヌプずは独立した日本語孊の研究グルヌプが䜜成したテストセットを甚いた堎合でも本システムは抂ね劥圓な出力を行うこずが確認されたただし䞀郚の衚珟に察しおはより詳现な取り扱いが必芁であるこずが瀺唆された \section{むすび} 日本語発話文及び発話に関わる人物間の䞻芳的䞊䞋関係を衚すラベルを入力ずし入力された日本語発話文における誀甚の有無及び誀甚が含たれる堎合にはその箇所ず皮類を出力するシステムを開発した本システムは敬語における䞻芁な皮類の誀甚即ち語圢䞊の誀甚及び運甚䞊の誀甚の䞡方を指摘するこずができるたた発話に関わる人数ずしおは名名及び名を取り扱うこずができる正䟋及び負䟋を甚いた実隓によっおシステムの劥圓性を怜蚌したずころ䞀郚のケヌスを陀き本システムが劥圓な出力を行うこずが確認できた本システムの構築に圓たっおは日本語孊に関する様々な文献においお共通しお明瀺的あるいは暗瀺的に述べられおいるず解釈できる芏範にできるだけ厳密に準拠するよう心がけた本システムは日本語を勉匷䞭の倖囜人や日本の子䟛が敬語の最も基本的な知識を孊習するためのツヌルずしお有甚であるず考えられるたたこのような人々に限らず語圢䞊の誀甚をチェックするこずのできる本システムの機胜は文曞䜜成における敬語の語圢のケアレスミスをチェックする等の甚途ずしお幅広く掻甚できるず考えられる䞀方本システムで甚いおいる敎合衚ず補足ルヌルが衚す敬語芏範は実際の瀟䌚で運甚されおいる敬語芏範に比べ抂しお厳しい可胜性がある埓っおより実甚的な芳点からは瀟䌚蚀語孊的調査等によっお実際の運甚を反映した敎合衚ず補足ルヌルを獲埗し珟圚甚いおいるものずの間で適宜䜿い分けるあるいは䞡者を䜕らかの圢で融合するこずが望たしいず考えられるたた実際の堎面では発話に関わる人物間の䞻芳的䞊䞋関係がない即ち瀟䌚的地䜍が等しいず芋なされるような状況がしばしば生じる実甚的な芳点からはこのような状況に察凊するルヌルの远加が必芁であるず考えられる曎に敬語孊習の䟿宜のためには誀甚の指摘だけでなく正しい衚珟の候補を䟋瀺するこずが望たしいこのためには発話意図や文ずしおの自然さを損なわないような衚珟の遞択法等を怜蚎する必芁があるず考えられる今埌は以䞊の課題の怜蚎機胜拡匵を行うこずによっおより実甚的なシステムの構築を目指す\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Brown}{Brown}{1987}]{Brown1987}Brown,P.\BBACOMMA\\BBA\Levinson,S.\BBOP1987\BBCP.\newblock{\BemPoliteness-Someuniversalsoflanguageusage-}\newblock{Cambridge.}\bibitem[\protect\BCAY{Karnaugh}{Karnaugh}{1953}]{Karnaugh1953}Karnaugh,M.\BBOP1953\BBCP.\newblock\BBOQTheMapMethodforSynthesisofCombinationalLogicCircuits\BBCQ\\newblock{\BemTrans.AIEE},{\Bbf72}(9).\bibitem[\protect\BCAY{石野}{石野}{1986}]{Ishino1986}石野博史\BBOP1986\BBCP.\newblock\JBOQ敬語の乱れ—誀甚の芳点から—\JBCQ\newblock文化庁「こずば」シリヌズ24続敬語.\bibitem[\protect\BCAY{蒲谷,川口,坂本}{蒲谷}{1998}]{Kabaya1998}蒲谷宏川口矩䞀坂本惠\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ敬語衚珟\JBCQ\\newblock倧修通曞店\bibitem[\protect\BCAY{菊池}{菊池}{1997}]{Kikuchi1997}菊地康人\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ敬語\JBCQ\\newblock講談瀟\bibitem[\protect\BCAY{菊池}{菊池}{1996}]{Kikuchi1996}菊地康人\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ敬語再入門\JBCQ\\newblock䞞善ラむブラリヌ\bibitem[\protect\BCAY{囜語審議䌚}{囜語審議䌚}{1952}]{Kokugoshingikai1952}囜語審議䌚\BBOP1952\BBCP.\newblock\JBOQこれからの敬語\JBCQ\\newblock文郚倧臣に察する建議\bibitem[\protect\BCAY{囜語研}{囜語研}{1990}]{Kokugoken1990}囜立囜語研究所\BBOP1990\BBCP\newblock\JBOQ日本語教育指導参考曞17敬語教育の基本問題䞊\unskip\JBCQ\\newblock倧蔵省印刷局\bibitem[\protect\BCAY{囜語研}{囜語研}{1992}]{Kokugoken1992}囜立囜語研究所\BBOP1992\BBCP\newblock\JBOQ日本語教育指導参考曞18敬語教育の基本問題䞋\unskip\JBCQ\\newblock倧蔵省印刷局\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚,林}{鈎朚}{1984}]{Suzuki1984}鈎朚䞀圊林巚暹線\BBOP1984\BBCP\newblock\JBOQ研究資料日本文法敬語法線\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{林,南}{林}{1973}]{Hayashi1973}林四郎南䞍二男線\BBOP1973\BBCP\newblock\JBOQ敬語講座6珟代の敬語\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{林,南}{林}{1974}]{Hayashi1974}林四郎南䞍二男線\BBOP1974\BBCP\newblock\JBOQ敬語講座1敬語の䜓系\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{林,南}{林}{1974}]{Hayashi1974}林四郎南䞍二男線\BBOP1974\BBCP\newblock\JBOQ敬語講座8䞖界の敬語\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{文化庁}{文化庁}{1999}]{Bunkacho1999}文化庁文化郚囜語課\BBOP1999\BBCP\newblock\JBOQ䞖論調査報告平成10幎床囜語に関する䞖論調査−敬語・挢字・倖来語−\JBCQ\\newblock文化庁\bibitem[\protect\BCAY{星野,äžžå±±}{星野}{1993}]{Hoshino1993}星野和子䞞山盎子線\BBOP1993\BBCP\newblock\JBOQ日本語の衚珟\JBCQ\\newblock圭文瀟\bibitem[\protect\BCAY{堀川,林}{堀川}{1969}]{Horikawa1969}堀川盎矩林四郎\BBOP1969\BBCP\newblock\JBOQ敬語甚䟋䞭心ガむド\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{益岡,田窪}{益岡}{1989}]{Masuoka1989}益岡隆志田窪行則\BBOP1989\BBCP\newblock\JBOQ基瀎日本語文法−改蚂版−\JBCQ\\newblockくろしお出版\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1987}]{Minami1987}南䞍二男\BBOP1987\BBCP\newblock\JBOQ敬語\JBCQ\\newblock岩波曞店\bibitem[\protect\BCAY{宮地}{宮地}{1999}]{Miyaji1999}宮地裕\BBOP1999\BBCP\newblock\JBOQ敬語・慣甚句衚珟論−珟代語の文法ず衚珟の研究二−\JBCQ\\newblock明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{森山}{森山}{2000}]{Moriyama2000}森山卓郎\BBOP2000\BBCP\newblock\JBOQここからはじたる日本語文法\JBCQ\\newblockひ぀じ曞房\bibitem[\protect\BCAY{枡蟺}{枡蟺}{1971}]{Watanabe1971}枡蟺実\BBOP1971\BBCP\newblock\JBOQ囜語構文論\JBCQ\\newblock塙曞房\end{thebibliography}\begin{biography}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V29N04-04
\section{はじめに} \label{sec:introduction}科孊は再珟性の危機に瀕しおいる生化孊や生呜科孊などの薬品を甚いた化孊実隓を行う研究分野においおは75\%から80\%以䞊の研究者が他の研究者の実隓結果を再珟するこずができなかった経隓があるず報告しおいる\cite{baker2016nature}化孊実隓で再珟性を担保する䞊で鍵ずなるのがプロトコルであるプロトコルは人がある実隓を再珟するために必芁な操䜜を時系列順に蚘述した文曞である\figref{fig:overview}プロトコルには詊薬や装眮などの操䜜察象の物䜓名ず察応する操䜜方法が動詞で実隓を再珟するのに必芁十分な蚘述がされおいる\footnote{自明である物䜓名に関しおは省略されるこずもある䟋えば\figref{fig:overview}の手順2では手順1の成果物を指しおいるが明瀺的に蚘述しおはいない}加えお必芁であれば物䜓の量や操䜜する時間あるいは操䜜の様態が副詞で蚘述されおいるこずもある䟋えば\figref{fig:overview}の手順3の``Thoroughlyresuspendpelletwith250$\mu$LofCellResuspensionSolution''ではpelletCellResuspensionSolutionずいう物䜓名の蚘述がありresuspendずいう操䜜方法が動詞で蚘述されおいる加えおThoroughlyずいう副詞や250$\mu$Lずいう量に関する蚘述もあるこうしたプロトコルに埓っお実行するこずで理想的には実隓を再珟するこずができるはずだが操䜜に抜け挏れがあったり操䜜の詳现が蚘述されおいなかったりずいった問題があるず他の研究者が実隓を再珟するこずが困難になるこうした再珟性の危機に関する問題に察する有望な解決ずなりうるのが芖芚ず蚀語の融合研究である䟋えば撮圱した実隓映像ずプロトコルの組から映像の操䜜シヌンずプロトコルの各手順の察応関係を掚定できれば手順ごずに芖芚的に操䜜を確認できるあるいは䜜業映像を入力ずしおプロトコルを自動生成できれば研究者がプロトコルを曞く負担を軜枛するこずができるこのように化孊実隓を察象ずした芖芚ず蚀語の融合研究は実隓プロトコルの参照時ず䜜成時の䞡方の負担を軜枛し実隓再珟性の向䞊に資するであろうこうした有甚性はあるものの実隓映像を察象ずした芖芚ず蚀語の融合研究の数は倚くない\cite{naim2014aaai,naim2015naacl}その原因の1぀に実隓映像を撮圱し公開するこずが困難な点にある珟にNaimらの研究で利甚しおいるデヌタセットは公開されおいないそのため我々はこの目暙に向けた第䞀歩ずしお生化孊分野を察象ずしお実隓映像を収集し蚀語アノテヌションを付䞎したBioVL2デヌタセットを構築し研究コミュニティに公開する\figref{fig:overview}具䜓的には以䞋の2皮類のアノテヌションを䜜業映像に付䞎する\begin{enumerate}\item\textbf{芖芚ず蚀語の察応関係のアノテヌション}プロトコルを動詞ごずに分割した文のそれぞれに察しお本論文ではこれを特に\textbf{手順}ず呌ぶ映像の䞭で手順が実斜されおいる区間以䞋\textbf{むベント}ず呌ぶを付䞎するこのアノテヌションは埓来の芖芚ず蚀語の融合研究\cite{zhou2018aaai,krishna2017iccv}ず同様であり映像キャプショニング\cite{xu2016cvpr,nishimura2021acmmm}や映像ず芖芚の察応関係の掚定\cite{naim2014aaai,naim2015naacl}などの応甚研究に掻甚できる\item\textbf{プロトコル内に珟れる物䜓の矩圢アノテヌション}映像䞭の各フレヌムごずにプロトコル䞭の物䜓が写っおいおか぀実隓者の手ず接觊があった堎合に物䜓の矩圢情報を付䞎するこれにより映像䞭の空間的な分析䟋䜕が写っおいるかどういう状態かや実隓者の動䜜分析が可胜になるたた前述のアノテヌションず合わせおプロトコル䞭の物䜓名ず映像䞭の物䜓ずの察応関係の掚定\cite{zhou2018bmvc}などの応甚研究にも利甚できる\end{enumerate}これらのアノテヌションの付䞎を行うこずで映像からのプロトコル生成や手順を入力ずしたシヌン怜玢が可胜ずなるこうした怜玢が行えるず初孊者に察する教育効果や䜜業補助が期埅でき実隓の再珟性の向䞊に぀ながるたたデヌタがさらに集たるようになれば最終的にはプロトコルからのロボット操䜜などのより挑戊的か぀有甚性が高い課題にも取り組むこずが可胜になる本研究で提案するBioVL2デヌタセットはこうした生化孊実隓を察象ずした蚀語ず芖芚の融合研究ぞの第䞀歩であるBioVL2デヌタセットの収集においお意識した蚭蚈は䞀人称芖点のカメラを甚いるこずで研究者ぞの撮圱の負担を最小限にしたこずである実隓の床に倧掛かりな撮圱環境を構築しおいおは日々実隓を行う研究者らは撮圱に負担を感じ結果デヌタセットのサむズはスケヌルしない研究者らが自ら撮圱に取り組めるようにできるだけ研究者ぞの負担が少ない蚭蚈を考える必芁があるこの点で䞉人称カメラは撮圱の床に広範な実隓空間をカバヌするのに耇数台の蚭眮が必芁で故障のリスクが高くなる他同時撮圱などの手間が発生する䞀人称カメラは広範な実隓空間をカバヌし぀぀も生化孊分野の研究者が手軜に撮圱可胜であるこれが䞀人称カメラを甚いた理由であるこうしお撮圱を行った結果党32の実隓映像ずそのアノテヌションからなるデヌタセットを構築した埗られたBioVL2デヌタセットを甚いおその応甚ずしお本論文では実隓映像からプロトコルを生成する課題に取り組む実隓映像の数は他の映像キャプショニングのデヌタセット\cite{krishna2017iccv,zhou2018aaai,xu2016cvpr}ず比范するず少なくこうした課題で提案されおいるEnd-to-endな深局孊習モデルを本課題に盎接適甚するこずは困難であるそのため本研究ではUshikuら\cite{ushiku2017ijcnlp}によっお提案された手順曞生成モデルを掻甚するこのモデルは本研究ず同様少量の料理映像20映像に察しお適甚できるように倖郚リ゜ヌスを掻甚しながら孊習できるよう蚭蚈されおいるこのモデルにいく぀かの改良を斜しBioVL2デヌタセットの実隓映像からプロトコル生成を生成する課題に取り組む定量的定性的評䟡の結果モデルは匱いベヌスラむンず比范しお適切なプロトコルを生成できるこずを確認する本論文で述べるBioVL2デヌタセットは\cite{nishimura2021iccvw}にお発衚したBioVLデヌタセットの拡匵である具䜓的には(1)映像の数を16から倍の32ぞ増加させたこず(2)映像ぞの矩圢アノテヌションを远加で行ったこずの2点の拡匵を行ったさらに\cite{nishimura2021iccvw}では行わなかった実隓映像からプロトコルを生成する課題に取り組んだこずも本研究の远加の貢献であるBioVLデヌタセットず同様BioVL2デヌタセットは研究甚途に限り公開する予定である\footnote{\url{https://github.com/misogil0116/BioVL2}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 関連研究を倧きく分けお2぀の芳点から説明する第䞀に䜜業映像ず蚀語アノテヌションの芳点から第二に生物孊の諞分野を察象ずした自然蚀語凊理および芖芚ず蚀語の融合研究の芳点から本研究の䜍眮付けに぀いお述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䜜業映像ず蚀語アノテヌションからなるデヌタセット}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{Web䞊の䜜業映像を察象ずした研究}ある目的に向かい凊理を進める行動系列を理解するために䜜業映像を察象ずした研究は近幎掻発に取り組たれおいる䜜業映像の理解の手がかりずしお蚀語情報をアノテヌションする方法がよく採甚され様々なデヌタセットが提案されおきた数ある分野䟋料理家具の組み立おの䞭で最も泚目を集めおきたのは料理分野であるこの分野はWeb䞊でデヌタを集めやすく物䜓や動䜜の皮類が倚様であるこずから長幎にわたり研究者の泚目を集め続けおきた\cite{nishimura2021acmmm,zhou2018bmvc,wang2021wacv}料理分野で提案された映像ず蚀語アノテヌションからなるデヌタセットのうち最も倧芏暡なデヌタセットはYouCook2\cite{zhou2018aaai}デヌタセットであるこのデヌタセットはYouTube䞊の料理映像を89のカテゎリに分けお収集し映像に察し料理を達成する䞊で重芁なむベントのアノテヌションを行い各むベントに察し手順を付䞎したデヌタセットずなっおいるそしお映像の密キャプショニング\cite{krishna2017iccv,zhou2018cvpr}䜜業映像における質問応答\cite{wang2021wacv}䜜業映像からの手順曞生成\cite{nishimura2021acmmm}など様々な研究におけるベンチマヌクデヌタセットずしおもよく甚いられおいるたた料理分野に続きメむクアップ映像をYouTubeから収集し同様のアノテヌションを付䞎したデヌタセットであるYouMakeup\cite{wang2019emnlp}も提案されおいる特定の分野に限定せず䜜業映像䞀般を収集し蚀語アノテヌションを付䞎する取り組みも行われおいるHowto100M\cite{miech2019iccv}はその䞭でも最も倧芏暡なデヌタセットであり1億の䜜業映像ず蚀語の組からなるデヌタセットであるなおHowto100Mに付䞎しおいる蚀語アノテヌションは映像に付䞎しおいるナレヌションを蚀語アノテヌションずしお自動的に収集し付䞎したものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{䞀人称芖点の䜜業映像を察象ずした研究}Web䞊の映像の倚くは芖聎者のために線集されおいるこずが倚く䜜業を行う䞊で必芁な行動の党おが映像䞭に珟れるわけではない䟋えば冷蔵庫から材料を取り出すシヌンやミキサヌで混ぜるなどの時間がかかるシヌンは線集で切り取られやすいこうしたシヌンも含めた䜜業行動党䜓の理解のために近幎䞀人称芖点の未線集映像を収集する取り組みが行われおきた料理分野における代衚的なデヌタセットずしおEPIC-KITCHENデヌタセット\cite{damen2018eccv}があるこのデヌタセットは32の参加者の料理を行う過皋を䞀人称芖点のカメラを䜿っお撮圱したもので合蚈100時間700映像からなり各映像には党おの人間の動䜜が蚀語情報でアノテヌションされおいる䟋冷蔵庫を開けるじゃがいもを切るなど他にもおもちゃの車の組み立おを行うためのデヌタセットずしおAssembly101デヌタセット\cite{sener2022cvpr}が提案されおいるこのデヌタセットは合蚈513時間4,321映像からなるデヌタセットでありEPIC-KITCHENSデヌタセットず同様に動䜜情報のアノテヌションずしお蚀語アノテヌションが行われおいるBioVL2デヌタセットは生化孊分野における䞀人称芖点の䜜業映像ず蚀語アノテヌションからなるデヌタセットであるず䜍眮付けられる前述したデヌタセットず比范するず撮圱した映像数は少ないが今埌の生化孊分野における実隓映像理解の研究においお有甚である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{生物孊の諞分野を察象ずした自然蚀語凊理および芖芚ずの融合研究}生物孊およびその諞分野生化孊分子生物孊においお再珟性の芳点からも人工知胜技術を適甚するこずのニヌズは高い䟋プロトコルから実隓映像を怜玢プロトコルからロボットの実隓実行以䞋では自然蚀語凊理および芖芚ずの融合研究に関する先行研究を挙げ本研究の䜍眮づけを明確にする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{自然蚀語凊理}生呜科孊を察象ずした代衚的なデヌタセットずしおGENIAコヌパス\cite{kim2003bioinfo}があるこれは生呜科孊論文のアブストラクトに察しお品詞情報や構文朚固有衚珟などの蚈6皮類のアノテヌションが付䞎されたデヌタセットであるKulkarniら\cite{kulkarni2018naacl}は生物孊のプロトコルを凊理するためのデヌタセットであるWetLabProtocolデヌタセットWLPデヌタセットを提案した生物孊のプロトコルを機械可読な動䜜グラフ衚珟\cite{kiddon2015emnlp}に倉換するこずがこのデヌタセットの目的であり\url{https://www.protocols.io/}から収集した党622のプロトコルに぀いお固有衚珟のアノテヌションbio-NamedEntity以䞋b-NEず呌ぶ加えおそれらの関係性䟋えばある薬品をどのように操䜜するずいった述語項構造のヲ栌に圓たる関係を閉路のない有向グラフで衚珟するアノテヌションを付䞎しおいるそしおこのアノテヌションの根のノヌドがプロトコルの最終成果物を衚しおいるEMNLP2020䜵蚭のワヌクショップThe6thWorkshoponNoisyUser-generatedText(W-NUT)ではこのデヌタセットをもずに共有タスクずしお取り組たれ固有衚珟認識および関係抜出の課題においお倚くの手法が提案されおいる\cite{knafou2020wnut,singh2020wnut,golam2020wnut}本研究においおWLPデヌタセットのb-NEタグのアノテヌション基準はBioVL2デヌタセットのプロトコル䞭の動詞のタグ付けや物䜓名の抜出などにおいお参考にしおいるたた\secref{sec:protocol_generation}においお手順曞生成のための文生成モデルの事前孊習においおもWLPデヌタセットを掻甚しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{蚀語ず芖芚の融合研究}自然蚀語凊理技術のみでの発展ず比范するず蚀語ず芖芚の融合研究の数は倚くはないNaimら\cite{naim2014aaai,naim2015naacl}はプロトコルず実隓映像を入力ずしおプロトコル䞭の手順ず動画の区間に぀いお察応関係を獲埗する課題に察し\cite{naim2014aaai}ではIBMモデル\cite{peter1993cl}をもずに\cite{naim2015naacl}では条件付き確率堎\cite{lafferty2001icml}をもずにしお教垫なしで孊習する手法を提案しおいるNaimらの研究ずの本研究の差分は䞻に以䞋の3点にある第䞀に前述した研究ではデヌタセットを公開しおいないがBioVL2デヌタセットは公開する点第二にプロトコルの皮類数映像数ずもにNaimらのそれを䞊回る点BioVL2デヌタセットが4皮類8動画に察しNaimらのデヌタセットは3皮類2動画第䞉に本研究ではデヌタセットの応甚課題ずしお蚀語ず芖芚の察応関係の獲埗ではなく実隓映像からの手順曞生成を行う点である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{BioVL2デヌタセット} 本節では構築したBioVL2デヌタセットに぀いお説明するたずデヌタセットの構築方法に぀いお述べ次に統蚈情報およびアノテヌションの䞀臎率を報告する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f2.pdf}\end{center}\caption{(a)実隓映像の撮圱颚景(b)撮圱途䞭の䞀人称カメラの芖点}\label{fig:first_person_view}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセットの構築}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓映像の撮圱}\textbf{撮圱環境に぀いお}1名の研究者女性の協力を埗お実隓映像の撮圱を行った\figref{fig:first_person_view}に撮圱途䞭の光景およびカメラからの芖点を瀺すカメラにはPanasonicHX-A500を䜿甚しおいるがこのカメラは十分に軜量であり実隓の邪魔にならないように配慮しおいる撮圱における実隓は普段実隓を行うのず同じように行動しおもらうこずを䟝頌した\textbf{撮圱する実隓に぀いお}生化孊分野の有名か぀基瀎的な実隓であるPCRミニプレップ法DNA抜出アガロヌスゲル䜜成の4皮類の実隓に焊点を圓おお映像を撮圱した1぀の実隓あたり8の映像を撮圱したこの際DNA抜出に関しおは方法が゚タノヌル沈殿法およびフェノヌルクロロホルム法の2通りの方法があるためそれぞれ4映像ず぀収録しおいる合蚈32の映像からなるデヌタセットである\footnote{行う実隓の内容は同じで実隓者も同じだが初期状態は実隓ごずに異なりそれに応じお行う動䜜なども映像ごずに異なる\secref{sec:stats}で述べる通りいく぀かの手順はそれに応じお飛ばされおいるこうした実際の実隓の動䜜の違いにも富んだデヌタセットの構築のために耇数の映像を撮圱しおいる}\textbf{映像の前凊理に぀いお}いく぀かの実隓映像に぀いおは研究者が埅機しなければならない手順が存圚する䟋遠心分離機で5分遠心するこうした埅ち時間には研究者はカメラを倖し埅機しおおり手順の内容ずは関係がないそのため本研究では映像の前凊理ずしおこうした時間を手動で取り陀いおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{映像ず蚀語の察応関係のアノテヌション}\label{subsec:alignment_annotation}著者のうち1名がアノテヌタずしお映像ず蚀語の察応関係のアノテヌションを行った実隓を実斜した研究宀で䜿われおいるプロトコルはむラストなどを甚いお芖芚的に衚珟されおおり明確な文曞化はされおいなかったそのため実隓者に実隓内容を口頭で説明しおもらいそれを文字で曞き起こしたものをプロトコルずしお利甚した次にプロトコルを動詞ごずに分割し手順列を埗た䟋えば``Invert4timestomixandadd10$\mu$lofAlkalineProteaseSolution.''ずいう蚘述に぀いおは``Invert4timestomix''ず``add10$\mu$lofAlkalineProteaseSolution.''ずいう文の2぀の手順に分割したこの時接続詞ここではandに぀いおは消去するよう指瀺したここでは代名詞や省略に぀いおは特別な凊理を行っおはいない次にアノテヌタは映像を芖聎し各手順の開始時間終了時間を決定しおむベントのアノテヌションを付䞎したこの時開始時刻ず終了時刻にできるだけ曖昧さが残らないように手順察象の物䜓を持った時から手順察象の物䜓を手攟すたでの間をむベントずしおアノテヌションした\tabref{tab:annotation_file}にPCRのアノテヌション結果の䟋を瀺す\secref{sec:introduction}で述べた通りプロトコルの手順には操䜜察象の物䜓名ず操䜜に関する動詞を持ち必芁に応じお副詞や量時間数などの情報が远加で蚘述される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{03table01.tex}\hangcaption{PCRを察象ずしたアノテヌション結果の䞀䟋衚の倀は秒数を瀺すなお商暙登録マヌク\textregisteredは衚では蚘茉しおいるがデヌタセットの実際のプロトコルには含たれおいない}\label{tab:annotation_file}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f3.pdf}\end{center}\hangcaption{矩圢アノテヌションツヌルのアノテヌション画面ツヌルはブラりザからアクセスできるように開発されおいる(A)にはプロトコル䞭に珟れる物䜓が列挙されおおり(B)にお矩圢アノテヌションを行う(C)にお前埌のフレヌムに぀いお移動できる}\label{fig:bb_annotation_tool}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{プロトコル内に珟れる物䜓の映像矩圢アノテヌション}\label{subsec:bb_annotation}さらに別のアノテヌタがプロトコル䞭に珟れる物䜓の映像矩圢アノテヌションを行ったこのアノテヌタも著者のうちの1名である映像から4秒ごずにフレヌムを抜出し\footnote{映像の党おのフレヌムに矩圢アノテヌションを行うこずは高コストであるアノテヌションコストを䞋げるために映像から疎にサンプリングしおアノテヌションを行うこずが䞀般的であるZhouら\cite{zhou2019cvpr}は映像あたり10フレヌムをサンプリングしお矩圢アノテヌションを行っおいる}各フレヌムに察しお(1)手が物䜓ず觊れおいる状態にありか぀(2)觊れおいる物䜓がプロトコル䞭に存圚する堎合においおその物䜓を矩圢で囲い物䜓名ず玐づけるアノテヌションを斜しおいる\figref{fig:bb_annotation_tool}なおこれらの物䜓名はWLPデヌタセット䞭の物䜓名に基づく固有衚珟に該圓するものをプロトコルから抜出し利甚しおいるこの時\secref{subsec:alignment_annotation}のアノテヌション結果を参照しながら矩圢アノテヌションを行っおいるなおむベントのみに矩圢アノテヌションを行っおいるのではなく映像党䜓にアノテヌションを行っおいる点は泚意されたい映像䞭のむベント以倖の区間においおも物䜓をアノテヌションしおおくこずで幅広い応甚䟋映像からのプロトコル生成や映像の分析に利甚するこずを想定しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{統蚈情報}\label{sec:stats}次に構築したBioVL2デヌタセットに぀いお統蚈情報を蚀語偎映像偎それぞれの芳点から述べるこの結果より䞡偎面においおBioVL2デヌタセットは倚様な実隓を収録したデヌタセットであるこずを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{03table02.tex}\hangcaption{蚀語偎の統蚈情報各倀に぀いお平均ず暙準偏差を瀺しおいるミニプレップ法ずアガロヌスゲル䜜成に぀いお同じ実隓を行っおはいるが䞀郚の手順が状況に応じお飛ばされおいるそのため暙準偏差が0にならない点は泚意が必芁である}\label{tab:nl_stats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{03table03.tex}\caption{他の実隓には珟れないある実隓にナニヌクな物䜓の皮類数および動詞の皮類数}\label{tab:mat_and_actions}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{プロトコル}\tabref{tab:nl_stats}に蚀語偎の統蚈情報を瀺す手順あたりの単語数ず比范するず手順数は実隓ごずに倧きく異なるこずが分かるこれはBioVL2デヌタセットの手順の倚様性を衚しおいる䞭でも最も手順数が倚かった実隓はミニプレップ法であり最も少ないのはフェノヌルクロロホルム法であるこずが分かる物䜓の皮類数に぀いおはこれず同様の傟向を瀺しおいるが動詞の皮類数に぀いおは最も皮類が少ないのはPCRであった蚀語の倚様性を怜蚌するためにある実隓にナニヌクな動詞ず物䜓の皮類数を調査した\tabref{tab:mat_and_actions}この結果ず\tabref{tab:nl_stats}の右2列を比范するず物䜓の皮類数は䞀臎するのに察し動詞の皮類数は著しく䞋がっおいるこのこずからBioVL2デヌタセットでは動詞に぀いおは党実隓を通しお共通のものが珟れる䞀方物䜓に぀いおは実隓ごずに固有の衚珟を持っおいるこずが分かるよっお物䜓に察する蚀語の倚様性はあるず蚀える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{03table04.tex}\caption{実隓ごずの映像の長さの統蚈情報衚の倀は平均ず暙準偏差を瀺す}\label{tab:video_length_stats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f4.pdf}\end{center}\caption{手順に玐づいたむベントの長さ秒数の割合$d$は秒数を瀺す}\label{fig:stats_event_dist}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{実隓映像}\tabref{tab:video_length_stats}に各実隓ごずの映像の長さ秒数に぀いお\figref{fig:stats_event_dist}に手順に玐づいたむベントの長さ秒数に぀いおの統蚈情報を瀺すこの結果から映像やむベントの長さの芳点からもBioVL2デヌタセットは倚様性に富んでいるこずが分かる映像党䜓の長さが最も長いのぱタノヌル沈殿法であり平均399秒最も短いものはPCRである平均254秒たたむベントごずの長さに着目するずミニプレップ法はむベントの72.4\%は10秒以䞋の手順で構成されおいる䞀方フェノヌルクロロホルム法は50.0\%のむベントが30秒以䞊の長いむベントを占めおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{03table05.tex}\caption{矩圢アノテヌションしたフレヌム数の統蚈情報}\label{tab:bb_frame_stats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{03table06.tex}\hangcaption{矩圢アノテヌションに玐づく物䜓をb-NEタグのカテゎリ皮類に分類した䞊での統蚈情報実隓ごずにナニヌクな物䜓を数え䞊げ報告しおいるb-NEタグのうち物䜓に基づく固有衚珟にはReagentLocationDeviceそしおSealがあるがSealはBioVL2デヌタセットの物䜓名に該圓するものが存圚しなかったそのため本アノテヌションにおいおはReagentLocationDeviceのみ数えた結果を瀺しおいる}\label{tab:sample_annotation}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{03table07.tex}\caption{矩圢アノテヌションの統蚈情報}\label{tab:bb_total_stats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{矩圢アノテヌション}\tabref{tab:bb_frame_stats}に少なくずも1぀以䞊矩圢アノテヌションを行ったフレヌムが䜕枚存圚したかに぀いお\tabref{tab:bb_total_stats}にアノテヌションした矩圢の数に぀いおの統蚈情報を瀺すたた\tabref{tab:sample_annotation}に矩圢アノテヌションに玐づく物䜓をb-NEタグのカテゎリ皮類に分類した䞊での統蚈情報を瀺すb-NEタグの物䜓に基づく固有衚珟にはReagentLocationDeviceそしおSealがあるがSealはBioVL2デヌタセットの物䜓名に該圓するものが存圚しなかったそのためReagentLocationDeivceのみ数えた結果を瀺しおいるこの衚よりReagentが最も倚く぀いでLocationそしおDeviceが最も少ないこずが分かる\tabref{tab:bb_frame_stats}よりアノテヌションするフレヌム数には実隓ごずに違いがあるこずが分かる最もアノテヌションをしたフレヌムの割合が倧きいのはフェノヌルクロロホルム法であり最も小さいのはミニプレップ法である\tabref{tab:bb_total_stats}に着目するず抂ねフレヌムあたり矩圢を1぀アノテヌションしおいるこずが分かるたたミニプレップ法はアノテヌションするフレヌムの割合は最も䜎いもののアノテヌションしおいる矩圢の数は最も倚いこずも分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䞀臎率の蚈算}アノテヌション結果の品質を確かめるため前節でアノテヌションを実斜した者ずは別のアノテヌタにアノテヌションを䟝頌し䞀臎率を蚈算した映像ず蚀語の察応関係のアノテヌションに関しおは著者のうち1名が映像矩圢アノテヌションに぀いおは著者ずは別の1名が行ったこの時の䜜業指瀺に぀いおは党お\secref{subsec:alignment_annotation}\secref{subsec:bb_annotation}ず同様である党おの映像に察しおアノテヌションを再床行うこずはコストが高いため実隓ごずに1぀ランダムに映像を遞択しアノテヌションを䟝頌した以䞋アノテヌションの皮類ごずに䞀臎率を報告する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{03table08.tex}\caption{芖芚ず蚀語の察応関係アノテヌションの䞀臎率衚の倀はtIoUの平均倀を瀺す}\label{tab:event_agreement}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{映像ず蚀語の察応関係のアノテヌション}\label{sec:event_agreement}撮圱した実隓の経隓者に映像ず蚀語の察応関係のアノテヌションを䟝頌しその結果ず\secref{subsec:alignment_annotation}の結果を比范しお䞀臎率を蚈算したここでは䞀臎率の指暙ずしお2぀のむベントの時間的な重なりを衚珟するtemporalIntersectionoverUnion(tIoU)を利甚した\tabref{tab:event_agreement}に䞀臎率の結果を瀺すこの結果よりすべおの実隓においおtIoUは平均75\%を超えおいるこずが分かる蚀語情報ず映像を入力ずしたむベント怜玢課題\cite{lei2020eccv}においおtIoUが0.7を超えた時正解ずみなしお再珟率を蚈算しおいるこの基準から述べるず75\%は高い倀であるず考えられアノテヌションの品質は十分であるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{プロトコル内に珟れる物䜓の映像矩圢アノテヌション}\secref{sec:event_agreement}ずは別のアノテヌタに映像ぞの矩圢アノテヌションを䟝頌し\secref{subsec:bb_annotation}の結果ず比范しお䞀臎率を蚈算したここでは物䜓怜出\cite{ren2016tpami}の評䟡尺床ずしおよく甚いられるmeanAveragePrecision(mAP)を甚いた\cite{cartucho2018iros,pascalvoc2012}新たにアノテヌションした方を予枬結果\secref{subsec:bb_annotation}の結果を正解ずみなしおmAPの蚈算を行った\footnote{mAPの蚈算には\url{https://github.com/Cartucho/mAP}を甚いおいる2022幎5月11日アクセス}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f5.pdf}\end{center}\hangcaption{(a)物䜓ごずのAPおよびmAPの結果(b)物䜓ごずのTruepositive真陜性ずFalsepositive停陜性の数}\label{fig:mAP_TP_FP}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\figref{fig:mAP_TP_FP}にmAPの結果ず真陜性ず停陰性の分垃を瀺すmAPは72.73\%ずなった物䜓怜出課題における最新モデル\cite{carion2020eccv,zhu2021iclr}のmAPが0.6から0.7の間であり実甚的な性胜に達しおいるこずを考えるずこの倀は高いず考えられアノテヌションの品質は十分であるこずが分かる䞀方で倚くの物䜓のAPが0.7を超えおいるもののAPが䜎い物䜓もあるこずが分かる最もAPが䜎かったのはnew\_tubeである元々のアノテヌタはある手順以降の新しいtubeのみアノテヌションを付䞎しおいるのに察し新たにアノテヌションを行った者はすべおのtubeにアノテヌションを付䞎しおいるこずが原因であったこのように耇数のむンスタンスを文脈に応じお呌び分ける必芁があるがnewなどの修食語に応じた適切なアノテヌション方法は今埌怜蚎の䜙地がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{応甚䟋実隓映像からのプロトコル自動生成} \label{sec:protocol_generation}構築したBioVL2デヌタセットの応甚課題の䞀䟋ずしお\pagebreak実隓映像からプロトコルを自動生成する課題に取り組むBioVL2デヌタセットの映像の数は32ず少なく深局孊習をもずにした映像キャプショニングモデル\cite{krishna2017iccv,zhou2018cvpr}を適甚するこずは困難である少量の䜜業映像を察象ずした手順曞生成手法ずしお我々はUshikuら\cite{ushiku2017ijcnlp}の手法を掻甚するこの研究では料理映像を察象に以䞋の5぀のプロセスで手順曞を生成する手法を提案しおいる(1)Faster-RCNN\cite{ren2016tpami}によっお各フレヌムに察しお物䜓認識を行い(2)認識した物䜓の䞭からレシピ固有衚珟\cite{sasada2015nlp}recipe-NamedEntity以䞋r-NEに該圓する物䜓のみを抜出するそしお(3)連続する郚分フレヌムの認識結果を統合しおr-NE列を埗る(4)あらかじめ倧量のレシピで事前孊習させおおいたr-NE集合から文を生成するモデル\cite{ushiku2017ijcnlp}ではLSTMを䜿甚を甚いお(3)のr-NE列ごずに文を生成する最埌に(5)生成した文集合の䞭からレシピずしお最も尀もらしい組み合わせをビタビアルゎリズムを甚いお探玢しレシピずしお出力する本手法の特城的な点ずしお物䜓名以倖の芖芚情報を掻甚しない点にあるr-NEず察応する文の組み合わせは固有衚珟認識噚を甚いればWeb䞊から倧量に収集し文生成モデルの事前孊習を行うこずができるこうしお孊習したモデルず物䜓認識噚を䜵せお利甚するこずで少数の映像からでもレシピを生成するこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f6.pdf}\end{center}\caption{(1)Primer1を操䜜しおいる画像ず(2)Primer2を操䜜しおいる画像}\label{fig:difference}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%BioVL2デヌタセットでこの手法を適甚するにあたり以䞋の2点の倉曎を加えた\begin{itemize}\item本研究では(1)ず(2)の凊理を行う代わりに矩圢アノテヌション結果を埌段の凊理に利甚しおいる料理分野では矩圢アノテヌションがあれば映像䞭の物䜓認識はある皋床行うこずができるが\cite{hashimoto2014ubicomp}本研究で察象ずする生化孊分野においおは物䜓を正しく認識するこずは困難であるこずが掚察できる䟋えば\figref{fig:difference}においおPrimer1ずPrimer2の認識を1枚のフレヌムから行うこずは困難であるなぜならこれらの物䜓は小さく認識が難しいだけでなく倖芳も類䌌しおいるからである映像を通しお芋るず䜜業者はこれらの物䜓を䜿い分けおいるこずが分かるが1枚のフレヌムだけからこの識別を行うこずは人にずっおもほずんど䞍可胜であるそのため本研究では矩圢アノテヌションの結果を入力ずしおプロトコルを生成する課題に取り組むこの課題蚭定は今埌QRコヌドなどを物䜓に貌り䜕を持っおいるのかが機械的に掚定できる状況を想定しおいる\item文生成の事前孊習モデルにはLSTMではなくTransformer\cite{vaswani2017neurips}を甚いるTransformerは機械翻蚳文曞芁玄\cite{liu2019acl}画像キャプショニング\cite{cornia2020cvpr}など倚くの文生成課題においおLSTMよりも良い性胜を発揮しおおり本課題においおも有甚であるず考えられるさらにTransformerにコピヌ機構\cite{see2017acl}を導入するモデルも怜蚎するこれは入力の矩圢アノテヌションの物䜓情報を含む文を生成しやすくするためであるたたモデルの事前孊習を行うデヌタセットずしおWLPデヌタセット\cite{kulkarni2018naacl}を掻甚する\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f7.pdf}\end{center}\caption{実隓映像からのプロトコル生成手法}\label{fig:ushiku_overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%この倉曎を加えた手法の抂芁を\figref{fig:ushiku_overview}に瀺す以䞋手法の詳现に぀いお順に説明するここで矩圢アノテヌションが1぀以䞊存圚するフレヌム列を$\F=(f_1,f_2,\ldots,f_n,\ldots,f_{|\F|})$ずする我々の課題では各フレヌムごずにアノテヌション枈みの物䜓名を甚いおb-NE列を獲埗する䟋えば\figref{fig:ushiku_overview}ではDNAengineや(DNAengine,Template)が該圓するそしお事前孊習した文生成モデルを甚いおb-NE列ごずにプロトコル候補文を生成する\figref{fig:ushiku_overview}では``SetitinDNAengine''が該圓最埌にプロトコル候補文の䞭からプロトコルずしお最も尀もらしい組み合わせをViterbiアルゎリズムを甚いお探玢し出力する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{b-NE列の獲埗}\label{sec:bNE_sequence}凊理(3)にならいフレヌム列の郚分列$f_{n}^{n+(l-1)}$$l$は郚分列の長さに察し固有衚珟列を䞎える䞎えられた固有衚珟列をバむオ固有衚珟(b-NE)列ず呌ぶ矩圢アノテヌションが1぀1぀がb-NEであるずみなすず$n$番目のフレヌム$f_n$はb-NE集合$\mathcal{E}_n$を持぀この時郚分フレヌム列$f_{n}^{n+(l-1)}$に含たれるb-NE集合は$\mathbf{e}_n^{l}\in\mathcal{E}_n\times\mathcal{E}_{n+1}\times\ldots\times\mathcal{E}_{n+(l-1)}$ずしお定匏化する$\times$は集合のデカルト積\footnote{Ushikuらの手法ではFasterRCNNの物䜓怜出結果をもずにデカルト積を甚いおr-NE列を構築するこずで怜出誀りにも頑健にフレヌム郚分列を衚珟するこずを詊みおいる本研究では人手でアノテヌションしたb-NEを埌段の凊理に䜿っおいるが埓来手法のb-NE列の獲埗方法を螏襲しおいる}䟋えば\figref{fig:ushiku_overview}の$l=1$の䟋では$\mathbf{e}_n^l$はDNAengineのみ$l=2$の䟋では(DNAengine,Template)ずなる郚分列$l$に぀いおUshikuらず同様に$l=1,2,3$のb-NE列を構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{b-NE列からのプロトコル候補文生成}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{文生成モデルの事前孊習}\label{sec:transformer}次にb-NE列$\mathbf{e}$からプロトコルの候補文を生成するこれは入力のb-NE列に察しおその情報を保持したたた適切な動詞や前眮詞などを補完し぀぀文を出力する課題である\figref{fig:transformer}にWLPデヌタセットを甚いた文生成モデルの事前孊習に぀いおの抂芁を瀺すモデルはTransformerをベヌスにした自己回垰型゚ンコヌダデコヌダモデルにコピヌ機構を加えおいる入力ずしおb-NE列を\texttt{[CLS]}ずいう特殊トヌクンを先頭に\texttt{[SEP]}トヌクンで区切っお結合した単語列$\X=(x_1,x_2,\ldots,x_i,\ldots,x_{|\X|})$$x_i$は$i$番目の単語に察し出力文を$\Y=(y_1,y_2,\ldots,y_j,\ldots,y_{|\Y|})$$y_j$は$j$番目の単語ずするTransformer゚ンコヌダを$E(\cdot)$Transformerデコヌダを$D(\cdot)$ずするず゚ンコヌダの出力ベクトル列$\Hvec=(h_1,h_2,\ldots,h_i,\ldots,h_{|\X|})$デコヌダの$j$番目の単語に察応する出力ベクトル$o_j$は以䞋のように蚈算する\begin{align}\Hvec&=E(\X)\\o_j&=D(\Y_{<j},\Hvec)\end{align}ここで$\Y_{<j}$は$j$番未満の郚分単語列を衚す\figref{fig:transformer}にあるように゚ンコヌダの出力はデコヌダのSource-targetattention局ぞ入力されるたた゚ンコヌダずデコヌダの単語の分散衚珟局は別々に最適化しおおりデコヌダ偎には䜍眮゚ンコヌディングが加算されおいるが゚ンコヌダ偎は集合の゚ンコヌドであるこずを考慮しおこれを加えおいない点は泚意されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.8\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f8.pdf}\end{center}\caption{Transformer文生成モデル物䜓名を入力ずしお察応する文を出力するように孊習する}\label{fig:transformer}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本研究の蚭定では入力の物䜓名は出力に必ず含たれるためそれを陜にモデル化するこずでより正しく文生成を行えるようになるず考えられるこれを加味するためにコピヌ機構をモデルぞ導入する゚ンコヌダの出力$\Hvec$ずデコヌダの出力$o_j$を甚いお泚意確率$\beta_j^i$を以䞋のように蚈算する\begin{equation}\beta_{j}^{i}=\frac{\exp{\{(o_j)^{\sfT}W_ch_i\}}}{\sum_{k}\exp{\{(o_j)^{\sfT}W_ch_k\}}},\end{equation}ただし$W_c$は線圢局を衚す次にb-NE列から単語を遞択するか語圙の単語を遞択するかの確率をコピヌゲヌト$g_j(0\leqg_j\leq1)$を以䞋のように蚈算する\begin{equation}g_j=\sigma(W_g[o_j;\sum_{m}\beta_{j}^{m}h_m]+b_g),\end{equation}ここで$[\cdot]$$\sigma(\cdot)$$W_g$$b_g$はそれぞれベクトルの結合関数シグモむド関数線圢局の重みおよびバむアスを衚す$g_j$を甚いお単語の予枬分垃$p(y_j|y_{<j},\Hvec)$は以䞋のように蚈算する\begin{equation}p(y_j|y_{<j},\Hvec)=(1-g_j)p_{voc}(y_j|y_{<j},\Hvec)+g_j\sum_{i:x_i=y_j}\beta_{j}^{i},\end{equation}ここで$p_{voc}(y_j|y_{<j},\Hvec)$は語圙䞭の単語$y_j$の確率分垃を衚す入力ず出力の組$(\X,\Y)\in\mathcal{D}$$\mathcal{D}$は孊習デヌタ党䜓を衚すに぀いお以䞋の負の察数尀床$\mathcal{L}(\theta)$を最小化するように孊習を行う\begin{equation}\mathcal{L}(\theta)=-\sum_{(\X,\Y)\in\mathcal{D}}\log{p(\Y|\X;\theta)},\end{equation}ここで$\theta$はモデルの孊習可胜なパラメヌタ党䜓を衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{b-NE列からのプロトコル候補文生成およびスコアの算出}WLPデヌタセットで事前孊習したモデルを甚いお\secref{sec:bNE_sequence}で獲埗したb-NE列から文を生成するたた埌段のプロトコル出力の探玢のために生成したプロトコル候補文のそれぞれに぀いお生成した文の尀もらしさをスコアずしお埗る具䜓的には$n$番目のフレヌム長さ$l$のb-NE列$\mathbf{e}_n^l$に察し以䞋の匏に則っおスコアを求める\begin{equation}Score(\mathbf{e}_n^l)=\prod_{i=1}^{N}p(d_i|d_1,d_2,\ldots,d_{k-1};\mathbf{e}_n^l),\end{equation}ここで$d_i$は出力文の$i$番目の単語を瀺し$N$は単語列の長さを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{プロトコルの出力}生成した文集合の䞭からプロトコルずしお最も尀もらしい系列を遞択しプロトコルを出力する各文に察しお䞎えるスコア$Score(\mathbf{e}_n^l)$の和が最倧ずなるようにフレヌム列を遞択するここで2぀のヒュヌリスティックを導入する第䞀に1人の研究者が2぀の䜜業を同時に行うこずはほずんど䞍可胜であるためプロトコル手順の候補に察応する郚分フレヌム列は重なっおはならないこずずする第二に同じ手順が耇数回登堎するこずはないずしプロトコル䞭に䞀床登堎した手順のスコアを0ずするこの第二の仮定のもずでは手順候補のスコアが倉化しうるため党探玢を行っおプロトコルを出力するべきであるしかしスコアの倉化は同䞀文の生成時のみに限定され頻繁に発生するものではないず考えられるためビタビアルゎリズム\cite{viterbi1967ieee}を甚いお時間方向に沿っお探玢を行う手順候補のスコアを高めるための経路を遞択した結果を結合しおプロトコルずしお出力するスコアが高ければ高いほどプロトコルずしお尀もらしいず考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡} \label{sec:experiments}前節で説明した手法をBioVL2デヌタセットに適甚しおプロトコルを生成し評䟡を行った以䞋では実隓蚭定に぀いお利甚したデヌタセットモデルのハむパヌパラメヌタなどの詳现蚭定そしお評䟡尺床の点から述べる次に生成したプロトコルの定量的定性的な評䟡結果を報告する評䟡の結果我々はある皋床正しくプロトコルを自動生成できおいるこずを確認する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{デヌタセット}文生成モデルの孊習においおb-NE集合ず文の察からなるデヌタセットが必芁であるデヌタセットのサむズの芳点からBioVL2デヌタセットを孊習に甚いるこずは困難であるため十分なサンプル数があるWLPデヌタセット\cite{kulkarni2018naacl}を孊習に利甚するWLPデヌタセットの各文にはb-NEのアノテヌションが行われおいるが矩圢アノテヌションを付䞎した物䜓がReagentLocationおよびDeviceのいずれかである点を螏たえ\tabref{tab:sample_annotation}本研究では特にReagentLocationDeviceの3぀のタグを甚いるたたBioVL2デヌタセットの手順あたりの単語数は平均10単語以䞋である点を考慮し衚\ref{tab:nl_stats}(1)文に前述した3぀のタグのいずれかが含たれないあるいは(2)単語数が20を超える文に぀いおは孊習デヌタず怜蚌デヌタから削陀するさらに\tabref{tab:sample_annotation}ではDeviceは数が少ないこずを加味しおLocationの$\frac{1}{4}$フィルタリングの(1)に぀いおReagentずLocationのいずれかが含たれないケヌスも怜蚎するなおフィルタリングの効果に぀いおは\secref{sec:word_overlap}にお考察する\tabref{tab:wlp_stats}にお䞊蚘のフィルタリングを行わなかった堎合ず行った堎合のWLPデヌタセットの統蚈情報を瀺すこのデヌタセットで孊習した文生成モデルを甚いおBioVL2デヌタセットを評䟡デヌタずしお甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{03table09.tex}\hangcaption{WLPデヌタセットの統蚈情報党おのb-NEタグを利甚した堎合物䜓に基づく固有衚珟のみを利甚した堎合そしおReagentずLocationのみを利甚した堎合に぀いお20単語以䞊の文をフィルタリングするかしないかの䞡ケヌスにおける統蚈を瀺しおいるデヌタセットの分割は元のWLPデヌタセットの分割に埓っおおり評䟡デヌタは本研究においおは利甚しおいないBioVL2デヌタセットを評䟡デヌタずしお甚いおいるためである}\label{tab:wlp_stats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{詳现蚭定}文生成モデルの孊習においおスペヌス区切りで文を単語に分割し蚓緎デヌタ内で頻床が5回以䞋のものは未知語ずしお凊理した結果語圙サむズは$1,827$ずなったTransformerの隠れ局のサむズは$768$局数は$2$Multi-headattentionのヘッド数は$12$に蚭定した䜍眮゚ンコヌディングには\cite{vaswani2017neurips}ず同様の方法を甚いるたたTransformerの孊習にはBERT\cite{dalvin2019naacl}の孊習で行われおいるようにAdam\cite{diederik2015iclr}を孊習率を$\alpha=0.0001$$\beta_1=0.9$$\beta_2=0.999$L2重み枛衰率を$0.01$に蚭定し最初の5゚ポックをりォヌムアップずした最倧゚ポックは$50$に蚭定しバッチサむズは$16$WLPデヌタセットの怜蚌甚デヌタを甚いお損倱関数の倀が最小になったモデルを評䟡に甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{評䟡尺床}文の自動評䟡尺床ずしお広く利甚されるBLEU\cite{papineni2002acl}METEOR\cite{banerjee2005acl}ROUGE-L\cite{lin2004acl}を甚いお評䟡を行ったBLEUの$N$に぀いおは$N=1,2,3,4$の倀を評䟡結果ずしお報告する\footnote{評䟡を行うコヌドずしお\url{https://github.com/tylin/coco-caption}を甚いた2022幎5月11日アクセス}なお本研究で利甚する手法によっお生成されたプロトコルは必ずしも正解のプロトコルず同じ手順数になるずは限らないため手順レベルでの評䟡は䞍可胜であるそのため本研究ではすべおの手順を結合し正解のプロトコルずの文曞レベルでの評䟡結果を報告する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{定量的評䟡}\label{sec:word_overlap}文生成モデルずしおベヌスラむンモデル入力のb-NE列をプロトコルずしお出力するモデルTransformerのみのモデルTransformerにコピヌ機構を加えたモデル以䞋Transformer+コピヌ機構ず呌ぶずの間で比范を行う\tabref{tab:overlap_metrics}に文の自動評䟡尺床による結果を瀺すこの結果より以䞋の4点のこずが明らかずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{03table10.tex}\caption{文の自動評䟡尺床による評䟡結果倪字は最も結果が良い倀を瀺す}\label{tab:overlap_metrics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%第䞀に正しいプロトコルの生成には文生成モデルの孊習が必須であるこずであるベヌスラむンモデルに比べおTransformerモデルの性胜が高いこずからこのこずが確認できる第二にWLPデヌタセットはBioVL2デヌタセットの文生成に適甚可胜だずいうこずであるWLPデヌタセットは生物孊のプロトコルを収集したものであり生化孊分野のプロトコルを察象ずしたBioVL2デヌタセットずは分野がやや異なる生化孊は生物孊の䞀分野しかしBioVL2デヌタセットの語圙の83\%はWLPデヌタセットに珟れ䞡者のデヌタセットに倧きな差はないこずが分かる第䞉にTransformer+コピヌ機構はTransformerのみの文生成モデルよりも抂ね良い性胜を発揮するこずが分かるこれは矩圢アノテヌションを付䞎した物䜓を正しく生成文に反映できおいるからず考えられる第四に孊習に甚いたb-NEタグの皮類はモデルの性胜に倧きく圱響を䞎えるこずである党おのb-NEタグを孊習に利甚したモデルフィルタリングなしずその他のモデルを比范するず埌者のモデルは前者のモデルの性胜を倧きく䞊回ったたたReagentLocationDeviceのみを孊習に甚いたモデルフィルタリングなしずReagentずLocationのみを孊習に甚いたモデルフィルタリングなしを比范するず埌者のモデルが抂ね良い結果ずなったこれはBioVL2デヌタセットに含たれる物䜓にはReagentずLocationが倧きい割合を占めるためず考えられる䞀方単語数によるフィルタリングには倧きな性胜の倉化は芋られなかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{定性的評䟡}図\ref{fig:pcr_generated_protocol}にTransformerのみTransformer+コピヌ機構そしお正解のプロトコルの比范結果を瀺す\secref{sec:introduction}で述べた通りプロトコルずしお正しい点であるためには生成した各手順は正しく操䜜察象の物䜓を蚘述できおおりか぀察応する動詞が正しくあらねばならないたた必芁に応じお副詞量や時間に関する衚珟を远加で蚘述しお䜜業者が再珟できる圢であらねばならないTransformerのみのモデルの堎合正しく物䜓を予枬できおいる手順も存圚する䞀方で䟋手順1のsterilewater抂ね物䜓の蚀語化においお倱敗しおいるこずが分かる䟋えばPrimer1Primer2PrimeSTAR\textregisteredなどの単語に぀いおは正しく蚀及できおいない䞀方でコピヌ機構をTransformerに加えるこずによりこれらの物䜓の蚀及にある皋床正しく生成できおいるこずが分かる䟋手順2におけるPrimer1手順3におけるPrimer2手順4におけるPrimeSTAR\textregisteredなど以䞊の結果を螏たえるずプロトコルずしお必芁な芁件の䞭で物䜓に関する生成ずいう点ではコピヌ機構を加えるこずが有甚であるこずが分かる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-4ia3f9.pdf}\end{center}\hangcaption{生成したプロトコルず正解のプロトコルの比范実隓はPCR利甚したモデルは\tabref{tab:overlap_metrics}䞭の「ReagentLocationDeviceのみ孊習に利甚単語数によるフィルタリングあり」各プロトコルの䞭倮列は遞択したフレヌムを瀺すここで各フレヌムの䞋には入力ずなるb-NE列を衚瀺しおいる商暙登録マヌク\textregisteredは論文䞭では図䞭には蚘茉しおいるが実際の生成文および正解の文には含たれおいない}\label{fig:pcr_generated_protocol}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\textbf{限界点}コピヌ機構を入れるこずである皋床正しくプロトコルを生成できるようになった䞀方でこのモデルには2点の限界点がある第䞀に動詞の生成である図\ref{fig:pcr_generated_protocol}の手順1においおPrepareずいう動詞を生成しおいるが正確にはAddを生成するべきである本研究の手法には芖芚情報は物䜓以倖入力に䞎えおいないため動詞を正しく生成できるかは文生成モデルに䟝存するこの点は信頌性の高いプロトコル生成の点で提案手法が䞍十分な点の1぀であろう第二に党おの物䜓が必ずしも生成したプロトコル䞭に含たれるずは限らない点である図\ref{fig:pcr_generated_protocol}の正解の手順6においお``DNAengine''ずいう単語が文䞭に存圚するが生成したプロトコルの䞭にはこれが含たれおいない䞎えた物䜓を党お蚀語化するこずは正しくプロトコルの生成する䞊で重芁でありこの点は今埌の課題である第䞉に数や量に぀いおの正しい生成が挙げられる図\ref{fig:pcr_generated_protocol}䞭では1volumeや1minutes300lなどの量や時間に関する衚珟が生成されおいるこずが分かるがこれらの量は実際には適切ではない\footnote{PCR実隓においおプロトコルには量は蚘述されおいないPCRはキットによっお詊薬の量などがあらかじめ決められおいるため実隓者はそれを順に操䜜しおいくだけずなっおいる}これも映像の情報を掻甚しおいないこずの明確な限界点であり動詞の生成ず同じく正しい時間や量が生成されるかどうかは生成モデルに䟝存するこの量に関する蚘述も正しいプロトコル生成の点で提案手法の䞍十分な点であろう今埌映像の情報を掻甚した文生成を行っおいく必芁がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[b]\input{03table11.tex}\hangcaption{WLPデヌタセットの蚓緎デヌタにおける頻床が最も高い10の動詞ずその出珟頻床およびPMIが高い物䜓䞊䜍5件䜎頻床な単語はPMIが過剰に高くなる傟向があるため頻床が11以䞊の物䜓の䞊䜍5件を報告しおいる}\label{tab:pmi}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{物䜓ず動詞の自己盞互情報量の芳点からの文生成モデルの挙動の考察}図\ref{fig:pcr_generated_protocol}䞭のTransformer+コピヌ機構においお手順2や手順3においお物䜓のみしか䞎えおいないにも関わらず正しく動詞``Add''を生成できおいる前述した通りこれは文生成モデルに䟝存しおいるがある物䜓が決たれば正しい動詞を生成できるずいったこずは起こり埗るだろうかこの点を明らかにするためにWLPデヌタセットの蚓緎デヌタにおける頻床が最も高い10の動詞および物䜓ずその出珟頻床および自己盞互情報量(PMI)が高い物䜓および動詞の䞊䜍5件を蚈算した\begin{equation}\mathrm{PMI(物䜓動詞)}=\log_2\frac{P(物䜓動詞)}{P(物䜓)P(動詞)}=\log_2\frac{C(物䜓動詞)N}{C(物䜓)C(動詞)}\end{equation}ここで$C(\cdot)$はある物䜓か動詞の単語の数たたはその䞡方が共起する文の数を瀺す$N$は蚓緎デヌタ䞭の党おの単語数を瀺す\tabref{tab:pmi}\ref{tab:pmi_mats}にその結果を瀺すその結果ある物䜓に察しおPMIの倀が極端に高い物䜓が存圚するわけではなく䞊䜍5件は抂ね同皋床の倀を瀺した動詞からみた物䜓に぀いおも同様であるこのこずからある動詞あるいは物䜓に察し特定の物䜓や動詞が䞀意に定たるこずはないず考えられるではなぜ\figref{fig:pcr_generated_protocol}にお正しい動詞を生成できたのであろうか1぀の考えられる仮説ずしおモデルは高頻床な動詞を生成しやすいこずがある実隓においおPrimer1やPrimer2は文生成時に未知語ずしお凊理されおいる\footnote{入力が語圙䞭に存圚しない堎合モデルには未知語ずしお䞎えられるしかしコピヌ機構は入力をそのたた出力文に含められるため未知語であっおも察応する単語をコピヌしお出力するこずが可胜である耇数未知語が存圚する堎合に特別な凊理を斜しおはいないなおBioVL2䞭の物䜓名のうち未知語を含む物䜓の割合は34.3\%($=12/35$)であった}しかしaddはもっずも頻床が高い動詞であるので\figref{fig:pcr_generated_protocol}ではこれを出力したものではないかず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[b]\input{03table12.tex}\hangcaption{WLPデヌタセットの蚓緎デヌタにおける頻床が最も高い10の物䜓ずその出珟頻床およびPMIが高い動詞䞊䜍5件䜎頻床な単語はPMIが過剰に高くなる傟向があるため頻床が11以䞊の動詞の䞊䜍5件を報告しおいる}\label{tab:pmi_mats}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[b]\input{03table13.tex}\hangcaption{生成したプロトコルず正解のプロトコルの実隓ごずの手順数および文の自動評䟡尺床の結果なおここで甚いたモデルは\tabref{tab:overlap_metrics}䞭の「ReagentLocationDeviceのみ孊習に利甚単語数によるフィルタリングあり」である}\label{tab:protocol_step_results}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{プロトコルの手順数ず性胜に぀いおの考察}\tabref{tab:protocol_step_results}に生成したプロトコルず\pagebreak正解のプロトコルの間の実隓ごずの手順数ず文の自動評䟡尺床の結果を瀺す最も手順数の差が最も小さいのはPCRずフェノヌルクロロホルム法最も差が倧きかったのはミニプレップ法であった手順数の差は小さい方が理想的である䞀方で文の自動評䟡尺床による評䟡では手順数の差が倧きいミニプレップが最も良い性胜を瀺しおいる生成したプロトコルの手順数が倚くなるほど文曞で芋た時の単語数が増加し正解ず比范しお䞀臎するn-gramが増加するこのこずが文曞レベルでの評䟡を行った時に手順数が最も倚いミニプレップが正解ずの手順数に差はあれど評䟡結果が高くなる理由であるず考えられる今埌プロトコル生成の評䟡ずしお手順数の差も考慮に入れた評䟡正しい動詞や物䜓が生成したプロトコル䞭に珟れるかどうかずいったプロトコルの質をその芁件ず照らし合わせた評䟡を行う仕組みを怜蚎する必芁がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究は生化孊分野における䞀人称の実隓映像デヌタセットであるBioVL2デヌタセットを構築したBioVL2デヌタセットは生化孊における4皮類の基本的な実隓に察しそれぞれ8動画撮圱した合蚈32映像からなるデヌタセットであり蚀語アノテヌションずしお(1)芖芚ず蚀語の察応関係のアノテヌション(2)プロトコル䞭に珟れる物䜓の矩圢アノテヌションの2皮類のアノテヌションを付䞎しおいる構築したデヌタセットを甚いお応甚課題ずしお実隓映像からプロトコルを自動生成する課題に取り組んだその結果ある皋床正しくプロトコルを生成できるこずを確認した今埌BioVL2デヌタセットは研究甚途に限り公開予定であるこのデヌタセットを通しお生化孊分野における人工知胜技術の発展が進むこずを匷く望む%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はJSPS科研費JP21J20250JP20H04210JP21H04910の助成を受けたものですたた本研究を進めるにあたっおオムロンサむニック゚ックス株匏䌚瀟の牛久祥孝氏からは有益なコメントを頂きたした本論文に内容の䞀郚はThe4thWorkshoponClosingtheLoopBetweenVisionandLanguage(CLVL21)で発衚したものです\cite{nishimura2021iccvw}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{WLPデヌタセットで定矩されたタグの皮類} \tabref{tab:tag_kinds}にWLPデヌタセットで定矩された党おのタグ\pagebreakそれらが属するカテゎリそしおその説明を瀺す元論文\cite{kulkarni2018naacl}の定矩によるずタグのカテゎリは動䜜を衚すもの衚䞭のAction物䜓に基づく固有衚珟を瀺すもの衚䞭のReagentからSealたで枬量に基づく固有衚珟衚䞭のAmountからpHたでそしお品詞に基づく固有衚珟(ModifierずMention)に分類されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[t]\input{03table14.tex}\caption{WLPデヌタセットで定矩されたタグ}\label{tab:tag_kinds}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{tIoUの蚈算} むベントAむベントB開始時間ず終了時間の組からなりその区間$A$$B$ずする2぀のむベントのtIoUは以䞋の匏で蚈算できる\begin{equation}\mathrm{tIoU}(A,B)=\frac{|A\capB|}{|A\cupB|}\end{equation}ここで$|A\capB|$ず$|A\cupB|$はそれぞれむベント区間の積集合ず和集合を衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{03refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{西村倪䞀}{2019幎九州倧孊芞術工孊郚卒業2020幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了珟圚同倧孊博士課皋修士情報孊マルチメディア自然蚀語凊理コンピュヌタビゞョンの研究に埓事蚀語凊理孊䌚孊生䌚員孊術振興䌚特別研究員(DC1)}\bioauthor{迫田航次郎}{2020幎神戞倧孊工孊郚卒業2022幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了修士情報孊蚀語凊理孊䌚孊生䌚員}\bioauthor{牛久敊}{2017幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了修士情報孊}\bioauthor{橋本敊史}{2005幎京郜倧孊工孊郚卒業2006幎経産省VulcanusinEuropeプログラム囜費奚孊生2013幎京倧倧孊院情報孊研究科にお博士情報孊取埗珟圚オムロンサむニック゚ックス株匏䌚瀟研究員䞻に料理や組立䜜業を察象ずしお未来予枬に基づく人ず機械のむンタラクションに関する研究などに埓事IEEE,IEICE,IPSJ各䌚員}\bioauthor{奥田奈接子}{2012幎神戞倧孊発達科孊郚卒業2016幎より倧阪医科倧孊珟倧阪医科薬科倧孊医孊郚生呜科孊講座生理孊教宀に研究補助員ずしお入職珟圚䞻たる実隓動物れブラフィッシュの維持管理ず分子生物孊研究補助に埓事}\bioauthor{小野富䞉人}{1991幎東京倧孊医孊郚卒業囜立囜際医療研究センタヌの研修医を経お1996幎東京倧孊医孊郚博士課皋修了孊術振興䌚特別研究員ニュヌペヌク州立倧孊ポスドクフロリダ倧孊助教授NIH宀長をぞお2014幎より倧阪医科倧孊珟倧阪医科薬科倧孊生理孊教宀教授神経系を䞭心ずした生理孊の研究に埓事日本生理孊䌚北米神経科孊䌚䌚員}\bioauthor{亀甲博貎}{2018幎東京倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋修了博士工孊同幎より京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ助教自然蚀語凊理ゲヌムAI等に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{森信介}{1998幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電子通信工孊専攻博士埌期課皋修了同幎日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟入瀟2007幎より京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ准教授2016幎同教授珟圚に至る蚈算蚀語孊ならびに自然蚀語凊理の研究に埓事博士工孊1997幎情報凊理孊䌚山䞋蚘念研究賞受賞2010幎2013幎情報凊理孊䌚論文賞受賞2010幎第58回電気科孊技術奚励賞蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V10N05-02
\section{はじめに} \label{one}近幎音声認識技術や蚀語凊理技術蚈算機の凊理胜力の向䞊により情報怜玢をはじめずする各皮タスクを音声認識を介しお実珟する音声察話むンタフェヌスぞの期埅が急速に高たっおいる\cite{NielsenAndBaekgaard1992,Godden1994,Zue1994,ZeiglerAndMazor1995,Godden1996,FergusonAndAllen1998,Nakano1999}同時に音声察話むンタフェヌス実珟のための察話制埡方匏も数倚く提案されおいる\cite{Niimi1995a,Niimi1995b,Niimi1997,Niimi1998,KikuchiAndShirai2000,Chu-Carroll2000}音声による入力は操䜜に熟緎を必芁ずしないため利甚者にずっおは䜿い勝手が良く入力速床はキヌ入力に比べ3〜4倍手曞き文字入力に比べ8〜10倍速いず蚀われおいる\cite{Hurui1998}曎に他の噚官を同時に䜿っおの䞊行䜜業が可胜であるずいう利点を有するたたサヌビス提䟛者にずっおはオペレヌタコストの削枛に繋がる実甚サヌビスのフロント゚ンドずしお音声認識を適甚するためには䞍特定倚数の話者の入力に察しお迅速か぀正確に応答する必芁がある音声認識の性胜は発話様匏によっお倧きな圱響を受けるこずが指摘されおいる\cite{MurakamiAndSagayama1991}最も単玔なシステム䞻導䞀問䞀答圢匏の単語認識でも察象単語数が増えるほど誀認識は避けられず凊理時間を芁する曎に音声認識は利甚される環境や発話状況により誀認識を生じる堎合も倚く公衆電話網は垯域が狭いため認識粟床が萜ちる我々は顧客が入力する䜏所や姓名の確定をタスクずする音声察話むンタフェヌスの実珟に向け怜蚎を進めおいる音声認識技術においお゚ンゞンの出力結果が正しいか吊かを刀断するには発話者本人に正誀を確認するしか方法はない特に䞍特定倚数の話者が入力する䜏所や姓名などの倧語圙を認識察象ずする堎合正確な応答を返すこずは困難である音声察話むンタフェヌスの珟状は(1)~個々の質問においお利甚者が予期しない察象ぞの誀認識が倚い~(2)~正誀確認ず誀認識を修正するための再入力芁求が繰り返されるずいう2぀の芁因から利甚者満足床が獲埗できおいない埓っお音声察話むンタフェヌスの実甚化のためには䞊蚘2぀の芁因解決が必須ずなる本皿は䞊蚘芁因~(1)~の解決に焊点を圓お人間が発話を聞き取る際の傟向に着目し「思い蟌み応答」ずいう聞き取り結果の確認手法を提案するそしお思い蟌みによる認識結果の確認が入力察象が倧語圙であっおも利甚者にストレスを䞎えないこずを怜蚌するこの思い蟌み応答は音声入力の応答に特化したものではないが本皿では音声入力を䟋ずしお以䞋議論を進めるその他ぞの適甚に぀いおは\ref{six}\,章の今埌の課題で述べる以䞋\ref{two}\,章では倧語圙を察象ずした音声察話むンタフェヌスの珟状の課題に぀いお述べる\ref{three}\,章では人間の察話における思い蟌み戊略を怜蚌し\ref{four}\,章では垂販の認識゚ンゞンを甚いお思い蟌み察象の遞択方法に぀いお分析する\ref{five}\,章では思い蟌み戊略を取り入れた聞き取り確認手法を提案し実装及び評䟡を通しおその有効性を怜蚌する最埌に\ref{six}\,章におたずめ及び今埌の課題に぀いお述べる \section{倧語圙音声察話むンタフェヌスの課題} \label{two}\subsection{珟行の音声察話むンタフェヌス}\label{two-two}音声認識技術の限界から音声察話むンタフェヌスは倩気案内や株䟡照䌚星占いなど察象語数の限られた分野でしか実珟されおいない\footnote{\tt{http://www.nomura.co.jp/service/kabukadial.html,http://www.ufj-tsubasa.co.jp/contact/index.html}など}特に䜏所や姓名の確定をタスクずした音声察話むンタフェヌスはコヌルセンタヌの業務効率化などに有効であるこずから提案も倚い\cite{Akahori1995,Arai1995,Yoshioka1997}しかし察象が倧語圙であるため最終的に確定したい䜏所や姓名を最初の入力察象に蚭定するのは困難であり高粟床な結果が期埅できる小語圙を入力察象ずした質問を組合せるこずで察象を絞り蟌み確定を実珟しおいる䜏所確定に関しおはボむスポヌタルの倩気案内サヌビスに代衚されるように郜道府県垂区郡倧字ずいう階局的なデヌタ構造を利甚しお䞊䜍から順に確定を行う提案が倚い\footnote{\tt{http://www.ntt.com/v-portal/,http://www.voizi.net,http://www.jmscom.co.jp/automat/index.html}など}これは情報怜玢におけるディレクトリ怜玢方匏を音声入力に適甚したものである珟圚日本党囜には47郜道府県4,100垂区郡173,600の倧字の玄18䞇皮の地名が存圚する\footnote{䞭倮区本町など党囜に同䞀地名が耇数存圚する堎合は1件にカりント}\cite{tizu}珟状の音声認識技術を利甚しお18䞇皮の地名を䞀床に認識察象ずするこずは非珟実的である䞊䜍局から順に察象を絞り蟌みながら確定するこずで各質問毎の応答はリアルタむム性及び利甚者にストレスを䞎えない粟床を持ったものずなっおいる\cite{KamedaAndFujisaki1997}音声入力型ディレクトリ怜玢方法には以䞋の課題がある\begin{enumerate}\item{利甚者の入力察象を階局化しお䞀床の質問における認識察象数を枛少させ䞊䜍から順に入力を確定するそのため察象の階局数分の$\langle$入力芁求正誀確認$\rangle$が必芁になる}\item{䞊䜍階局が確定しないず䞋䜍の察象を絞り蟌むこずができないそのため各階局においお認識結果が正解であるずいう確認が埗られるたで䞋䜍階局の入力芁求ぞ進むこずができない}\end{enumerate}(1)~に関しお堂坂らは個人名や郚眲名など予め芏定したスロットを順に埋めおいくタスクにおいお珟圚のスロットずその倀からスロット間の䟝存関係を考慮しお正誀確認の回数を最小化する方法を提案しおいる\cite{Dohsaka2002}しかし質問順序は察象語数に制限されシステム䞻導に予め決められるこれに察しお䌊藀らは効率を優先した質問順序がかえっお機械特有の䞍自然さに繋がりこれが音声察話むンタフェヌスが実甚レベルで受け入れられない理由であるず考察しおいる\cite{Itou2002}䞀方個人姓名を入力察象ずしたむンタフェヌスはパ゜コンのサポヌトセンタヌなどでの実甚化䟋がみられる\footnote{\tt{http://vcl.vaio.sony.co.jp/info/ivr/index.html,http://support.jp.dell.com/jp/jp/spm/phone/}など.}しかし階局的デヌタ構造を持たない姓名にはディレクトリ怜玢方匏を適甚できないため数癟名皋床の事前登録䌚員のみに察象を限定するなど察象を小芏暡にしなければ実珟は困難である倜間や䌑日などオペレヌタの業務時間倖に自動応答で察応するサヌビスでは音声認識技術を利甚しお利甚者の入力を正確に認識し確定するこずが困難なため利甚者に姓名や電話番号を留守番電話に録音しおもらい埌日人間が聞いおコヌルバックする方法が䞀般的である\footnote{\tt{http://www.ntt.com/shop/toiawase/email.wbt}}新芏加入申蟌みなど予め察象が限定できない姓名を察象ずする実甚むンタフェヌスでは実圚者数の偏りを利甚しお実圚頻床順䜍䞊䜍から数千皮の頻出姓名のみを察象ずしおいる堎合も倚いしかしこれでは垌少姓を入力する利甚者に察応できない珟状倚数の利甚者からのアクセスが予想されるサヌビスでの姓名確定の実甚化䟋は存圚しない\subsection{倧語圙音声察話むンタフェヌス実珟に向けお}\label{two-three}我々は資料や商品配送先の特定やチケット予玄などにおいお申蟌者の特定を行うための䜏所や姓名の確定をタスクずした音声察話むンタフェヌスの実珟を目指す第䞀段階ずしお音声認識技術及びそれを利甚したむンタフェヌスの珟状を螏たえ利甚者の入力察象が倧語圙である堎合利甚者にストレスを䞎えない応答を提䟛する必芁があるず考える利甚者から䜏所姓名幎霢などを聞き取り商品カタログ送付を専門業務ずするコヌルセンタヌぞの1日のアクセスを分析した\footnote{所圚地は東京郜枯区1日の平均アクセス数は5,000コヌル}オペレヌタから䜏所を尋ねられるず銖郜圏及び各郜道府県の県庁所圚地に圚䜏の利甚者は最初に枯区暪浜垂名叀屋垂など䜏所の垂区郡名を答える堎合が倚く䞭でも東京23区内圚䜏の利甚者は六本朚虎ノ門のように字名を答える傟向が倚く芋受けられたそれ以倖の利甚者は郜道府県名を最初に発声する堎合が倚いこの分析から䜏所確定に関しおはどのレベルの地名が入力されおも察応可胜であるこずが望たしいたた姓名に関しおは姓16䞇皮名は男性だけでも8䞇皮存圚する\cite{name}珟状の認識技術を利甚しおこの倧語圙を䞀床に認識察象ずするこずは非珟実的である \section{思い蟌み戊略} \label{three}本章は人間同士の察話における聞き取り傟向を分析し話し手の発話察象が倧語圙に及ぶ堎合の聞き取り戊略を提案する\subsection{人間の察話における思い蟌みの怜蚌}\label{three-one}我々は人間同士の察話においおも聞き間違えがあるこずに着目したすなわち人間は初察面の盞手に䜏所や名前を尋ねる際聞き芚えのある地名や姓名は正しく聞き取れるが初めお耳にするものに察しおは正しく聞き取れたかどうか確信を持おない堎合が倚い我々は聞き手は話し手の発話察象を党お網矅しおいるわけではなく過去の経隓などから発話察象に察する思い蟌みが働きその思い蟌んだ範囲内から聞き取った内容を探し出そうずするずいう仮説の怜蚌を進めた聞き手は思い蟌みのために予枬した範囲倖の察象が発話された堎合に聞き間違えを起こすず予想した本節は人間の察話における思い蟌み戊略を実蚌するために玄16䞇皮の日本人姓を察象ずした聞き取り詊隓を実斜した聞き手は日頃から良く耳にする姓は正しく聞き取れるが聞き慣れない珍しい姓ほど聞き間違えやすいずいう結果が埗られた以䞋詊隓抂芁を瀺す男女合わせた10名の被隓者\footnote{5名が20代〜30代の男性5名が30代女性}に電話回線を介しお日本人の姓\footnote{ナレヌタ業務を専門ずする女性による録音を䜿甚}を聞いおもらい結果の曞き取りを䟝頌した被隓者には事前情報ずしお日本人の姓が発話されるこずのみを䌝え1件に぀き1床の聞き取りを原則ずした1぀の姓に察しお被隓者から曞き取り終了の合図が出るのを確認しお実隓担圓者は次の姓を回線に流すこれを4,000皮の姓に察しお繰り返した被隓者の聞き取り結果の蚘入方法ずしお分からない堎合のみ空欄を認めた詊隓に甚いた姓は日頃から良く耳にする姓ず聞き慣れない珍しい姓が均等になるように実圚頻床順䜍\footnote{日本党囜実圚件数が倚い順に䞊べた時の順䜍}が均䞀になるように遞択した\cite{name}詊隓に䜿甚した姓4,000皮の実圚頻床順䜍及び被隓者の平均正解率を衚\ref{table1}\,に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{聞き取りに䜿甚した4,000皮の個人姓ず被隓者の聞き取り粟床}\label{table1}\begin{center}\begin{tabular}{rcr|r|r}\hline\noalign{\vskip.5mm}&&実圚頻床順䜍&デヌタ数(ä»¶)&平均正解率(\%)\\\hline\hline1䜍&〜&5,000䜍&400&93.8\\\hline5,001䜍&〜&10,000䜍&400&93.7\\\hline10,001䜍&〜&20,000䜍&400&73.9\\\hline20,001䜍&〜&30,000䜍&400&62.6\\\hline30,001䜍&〜&40,000䜍&400&51.1\\\hline40,001䜍&〜&50,000䜍&400&48.1\\\hline50,001䜍&〜&60,000䜍&200&60.6\\\hline60,001䜍&〜&70,000䜍&200&59.2\\\hline70,001䜍&〜&80,000䜍&200&60.8\\\hline80,001䜍&〜&90,000䜍&200&64.9\\\hline90,001䜍&〜&100,000䜍&200&48.2\\\hline100,001䜍&〜&110,000䜍&100&52.8\\\hline110,001䜍&〜&120,000䜍&100&23.8\\\hline120,001䜍&〜&130,000䜍&100&28.3\\\hline130,001䜍&〜&140,000䜍&100&20.8\\\hline140,001䜍&〜&&200&14.0\\\hline\hline&&蚈&4,000&60.8\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{table1}\,から実圚頻床順䜍が䞊䜍の姓ほど正解率が高いず蚀える特に実圚頻床順䜍5,000䜍以内の姓に察する平均正解率は93.8\,\%実圚頻床順䜍5,000䜍から10,000以内の姓は93.7\,\%ず非垞に高いが実圚頻床順䜍110,000䜍以降の姓に察する平均正解率は3割に満たない次に人間同士の察話においお正しく聞き取られるこずが倚い姓逆に聞き間違えられやすい姓の特城を぀かむために被隓者の聞き間違えに着目した被隓者の聞き間違えのうち䞍正解であった姓の実圚頻床順䜍~(X軞)~に察し間違えた先の実圚頻床頻床~(Y軞)~を図1にプロットした\begin{figure}[htbp]\vspace*{-1cm}\begin{center}\leavevmode\epsfxsize=14cm\epsfysize=11cm\epsffile{fig1.eps}\caption{聞き間違えた姓の間違え先の実圚頻床順䜍ずの関係}\label{fig1}\end{center}\end{figure}図1からプロットはグラフ䞋郚に集䞭しおいるこずが分かるすなわち被隓者の聞き間違え先は実圚頻床順䜍䞊䜍に集䞭する傟向が芋られる分析したずころ䞍正解のうち実圚姓ぞの聞き間違えは5,116件存圚しその玄8割に該圓する3,990件は実圚頻床順䜍10,000䜍以内の姓に聞き間違えおいるたた実圚頻床順䜍20,000䜍以降の姓に間違えたものは党䜓の1割に満たない曎に5,116件のうち99.5\,\%は自分自身よりも頻床順䜍が䞊䜍の姓に聞き間違えおいる぀たり人間は個人姓の聞き取りにおいお予め16䞇皮党おを把握しおいるわけではなく頻床順䜍䞊䜍の姓の䞭から正解を探し出そうずしおいるず蚀える埓っお聞き手は思い蟌んだ姓が発話された堎合は正しく聞き取れるが思い蟌み範囲倖の姓に察しおは思い蟌んだ䞭で最も類䌌した姓に聞き間違えるこの結果から人間同士の察話における思い蟌み戊略が確認できた\subsection{思い蟌み戊略のむンタフェヌスぞの適甚効果}\label{three-four}\ref{three-one}\,節の人間同士の察話の分析からシステムが誀認識結果を提瀺しおしたうこず自䜓が利甚者のストレスの芁因なのではなく人間の察話では起こりえないような聞き間違えが原因ず考えられる埓っお人間が聞き間違えやすい察象をシステムが同じように間違えたずしおも利甚者は自然に受け止めるず思われる我々は思い蟌みの仕組みを取り入れたシステムを構築するために人間が聞き間違えないようなもののみを最初に認識察象ずする思い蟌み戊略の適甚は正しい認識結果を利甚者に提䟛するために察象語数を制限しなければならないずいう認識技術の限界に察する䞀時的な解決に繋がるすなわち倧語圙党䜓を認識察象ずする堎合ず比范しお䞀郚しか認識察象ずしないため認識凊理時間の短瞮及び認識粟床の向䞊が芋蟌める \section{認識゚ンゞンを甚いた思い蟌み察象の分析} \label{four}思い蟌み戊略においお利甚者からアクセスされやすい察象を数倚く思い蟌むほど利甚者に正解が提瀺できる可胜性は高くなるしかし認識粟床ず網矅率はトレヌドオフの関係にあり察象数の増加に䌎い認識粟床は䜎䞋する本章では垂販の認識゚ンゞンを利甚した実隓を通しお思い蟌み察象の遞択方法に぀いお分析する\subsection{認識粟床ず網矅率の関係}\label{four-one}本節では個人姓に焊点を圓お認識゚ンゞンNuance\footnote{\tt{http://www.nuance.com}}を䜿甚し思い蟌み察象ずしお遞択すべき姓に぀いお分析した利甚者アンケヌトを通しお姓に察する網矅率ず認識粟床が利甚者満足床に䞎える圱響に぀いお述べるNuanceには予め姓の仮名衚蚘リストを認識甚文法ずしお䞎える被隓者が姓を入力するずNuanceは䞎えた認識甚文法䞭の各姓に察しお尀床を蚈算し尀床の高い順に候補を提瀺する提瀺候補数はデフォルト倀の10ずした\footnote{N-best倀で蚭定する}すなわち最倧で10候補が提瀺される提瀺は画面に文字列で出力した被隓者は\ref{three-one}\,節で聞き取りを䟝頌した10名である最適な思い蟌み察象数を調べるために実圚頻床順䜍1䜍から察象数を倉化させた個人姓認識甚文法を15皮甚意した15皮の文法は含たれる個人姓の数のみが異なり被隓者に䞎える実隓環境に差異はない被隓者に予め遞択した個人姓400皮の発話を䟝頌した400皮は実瀟䌚ず同じ実圚頻床件数の分垃を構成するために各認識甚文法の網矅率ず䞀臎するよう遞択した衚\ref{table4}\,にNuanceに䞎えた認識甚文法を構成する個人姓の実圚頻床順䜍ず網矅率\cite{name}及び被隓者に発話を䟝頌した400皮の実圚頻床順䜍の内蚳ず耇雑床を瀺した耇雑床ずは聞き取り察象である姓の音韻䞊の耇雑さの皋床を衚す情報量である姓{\emL}における音韻列$W_{1}^{n}=w_{1}\;\cdots\;w_{n}$の生成確率を$P(W_{1}^{n})$ずすれば姓{\emL}の゚ントロピヌは匏(1)より蚈算できる\cite{Kita1999}\begin{eqnarray}H_{0}(L)=-\sum_{W_{1}^{n}}\;P(W_{1}^{n})\;\logP(W_{1}^{n})\end{eqnarray}耇雑床ずは䞀音韻あたりの゚ントロピヌに盞圓し匏(2)より蚈算できる各音韻の埌には平均しお$2^{H(L)}$皮の音韻が埌続可胜であるこずを意味し耇雑床が倧きいほど特定が困難なタスクである\begin{eqnarray}H(L)=-\sum_{W_{1}^{n}}\;\frac{1}{n}\;P(W_{1}^{n})\;\logP(W_{1}^{n})\end{eqnarray}網矅率は日本の総人口1億2,000䞇人に察しお該圓する姓を持぀実圚者数を蚈算した倀である衚\ref{table4}\,より16䞇皮類存圚する個人姓のうち実圚頻床順䜍䞊䜍5,000皮の姓で実圚者数の玄9割を網矅できるこずから個人姓は実圚頻床に倧きな偏りがあるこずが分かるたた衚\ref{table4}\,に蚘述した各実圚頻床順䜍の区切りは被隓者に発話を䟝頌した姓が認識甚文法に含たれる割合を瀺すため15皮の認識甚文法の構成数の区切りず䞀臎させたすなわち認識甚文法Aの䞭には被隓者の入力姓400皮のうち72.3\,\%にあたる289皮が含たれこの289皮に察しお尀床が蚈算されるこずになる埓っお残りの111皮は認識甚文法Aに含たれおいないため結果に出力されるこずはない衚\ref{table6}\,に被隓者の入力に察する平均認識粟床を各文法毎に瀺した衚\ref{table4}\,及び衚\ref{table6}\,より認識察象数が倚くなるほど耇雑床は倧きくなる珟圚実甚化されおいる䜏所確定むンタフェヌスの初回の入力察象に蚭定されるこずが倚い47郜道府県名の平均耇雑床は9.2株䟡照䌚システムの入力察象に蚭定されおいる玄700瀟の䞀郚䞊堎䌁業名の平均耇雑床は10.1であるたた星占いに甚いられる12星座名の平均耇雑床は8.1ず小さいこれに察しお日本人の姓16䞇皮の平均耇雑床は16.7名8䞇皮の平均耇雑床は14.9ず倧きい珟状の認識技術を甚いおサヌビス提䟛が可胜な認識察象数は耇雑床から考えるず10皋床衚\ref{table4}\,から10,000語皋床が限界ず考えられる埓っお姓や名は耇雑床からも認識が非垞に困難な察象であるず蚀える.最適な思い蟌み察象の遞択方法を分析するために認識゚ンゞンの出力結果がむンタフェヌスの第䞀応答ずしお受け入れ可胜な粟床か吊かを被隓者に尋ねた結果を衚\ref{table6}\,の最右欄に瀺した90\,\%以䞊の認識粟床を持぀認識甚文法CDEに察しおは党被隓者が音声察話むンタフェヌスの第䞀応答ずしお受け入れ可胜ず答えた網矅率に関しお分析するず党被隓者が受け入れ可胜ず刀断した認識甚文法CDEの網矅率は90\,\%以䞊である網矅率が95\,\%以䞊でも認識粟床が90\,\%以䞋である認識甚文法F以降に察しおは利甚者満足床は獲埗できおいない同様に認識甚文法ABに関しおは認識粟床が90\,\%以䞊でも網矅率が䜎いため思い蟌み範囲倖の姓が発話される確率が高く正解が提瀺できない堎合が倚いこずから利甚者のストレスに繋がるず考えられる\begin{table}[htbp]\caption{Nuanceに䞎えた認識甚文法及び入力に䜿甚した400皮の個人姓}\label{table4}\begin{center}\begin{tabular}{c|r|r|r|r}\hline\noalign{\vskip.5mm}文法名&頻床1䜍からの遞択数(ä»¶)&網矅率(\%)&含たれる発話姓数(ä»¶)&耇雑床\\\hline\hlineA&1,000&72.3&289&8.2\\\hlineB&3,000&86.2&345&8.9\\\hlineC&5,000&90.6&362&9.3\\\hlineD&8,000&94.1&376&9.4\\\hlineE&10,000&95.6&382&9.8\\\hlineF&15,000&97.1&388&10.6\\\hlineG&20,000&98.0&392&11.2\\\hlineH&30,000&98.9&395&11.8\\\hlineI&40,000&99.4&397&12.6\\\hlineJ&50,000&99.6&398&13.1\\\hlineK&60,000&99.7&398&13.9\\\hlineL&70,000&99.7&398&14.7\\\hlineM&80,000&99.9&399&15.1\\\hlineN&90,000&99.9&399&15.5\\\hlineO&100,000&99.9&399&15.8\\\hlineP&160,000&100.0&400&16.7\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{認識甚文法毎の認識結果及び被隓者による受け入れ可吊評䟡}\label{table6}\begin{center}\begin{tabular}{c|r|r|r}\hline\noalign{\vskip.5mm}文法名&網矅率(\%)&平均認識粟床(\%)&受入れ可人数(10名䞭)\\\hline\hlineA&72.3&94.8&6\\\hlineB&86.2&95.9&7\\\hlineC&90.6&94.1&10\\\hlineD&94.1&91.2&10\\\hlineE&95.6&90.8&10\\\hlineF&97.1&80.3&8\\\hlineG&98.0&76.5&8\\\hlineH&98.9&66.3&7\\\hlineI&99.4&67.2&4\\\hlineJ&99.6&62.1&4\\\hlineK&99.7&57.4&2\\\hlineL&99.7&42.1&0\\\hlineM&99.9&44.7&0\\\hlineN&99.9&48.3&0\\\hlineO&99.9&44.4&0\\\hlineP&100.0&42.5&0\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{人間ず認識゚ンゞンの思い蟌み結果の比范}\label{four-two}本節では人間同士の察話ずの比范を通しお思い蟌み戊略の有効性を怜蚌する\ref{four-one}\,節で党被隓者が受け入れ可胜ず刀断した䞭で網矅率が最倧の文法EをNuanceに思い蟌み察象ずしお䞎える入力には\ref{three-one}\,節で個人姓の聞き取りに甚いたナレヌタの録音音声4,000皮のうち実圚頻床順䜍10,000䜍以内の姓400皮を甚いた入力400皮に察する認識結果を衚\ref{table7}\,に瀺す認識゚ンゞンは頻床順䜍䞊䜍の姓10,000件を思い蟌み察象ずした堎合\ref{three-one}\,節の詊隓における被隓者の聞き取りずほが同じ粟床を持った認識結果を返すこずができる\begin{table}[htbp]\caption{認識゚ンゞンの出力結果ず人間の聞き取り結果の比范}\label{table7}\begin{center}\begin{tabular}{rcr|c|c|c}\hline\noalign{\vskip.5mm}&&実圚頻床順䜍&詊隓件数(ä»¶)&\multicolumn{2}{c}{平均認識粟床(\%)}\\\cline{5-6}&&&&認識゚ンゞン&被隓者\\\hline\hline1䜍&〜&5,000䜍&200&93.9&93.8\\\hline5,001䜍&〜&10,000䜍&200&91.2&93.7\\\hline\hline&&蚈&400&92.6&93.8\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}次に思い蟌み察象倖の姓が発話された堎合の認識゚ンゞンの結果に぀いお考察する今床は\ref{three-one}\,節のナレヌタ録音音声4,000皮のうち実圚頻床順䜍10,000䜍以降の3,600皮を入力ずしおNuanceに䞎えたNuanceは䞎えられた思い蟌み察象文法Eに含たれる姓に察しお尀床蚈算するため入力姓3,600皮に察する結果は党お誀認識ずなる衚\ref{table8}\,は3.1節で被隓者が実圚姓に聞き間違えた5,116件のうち被隓者の間違えた姓ずNuanceが尀床1䜍を算出した誀認識結果が䞀臎した割合を瀺したものである\begin{table}[htbp]\caption{認識゚ンゞンず人間の聞き間違え䞀臎床}\label{table8}\begin{center}\begin{tabular}{rcr|r}\hline\noalign{\vskip.5mm}&&実圚頻床順䜍&聞き間違え䞀臎床(\%)\\\hline\hline10,001䜍&〜&20,000䜍&87.3\\\hline20,001䜍&〜&30,000䜍&87.9\\\hline30,001䜍&〜&40,000䜍&86.5\\\hline40,001䜍&〜&50,000䜍&89.1\\\hline50,001䜍&〜&60,000䜍&91.1\\\hline60,001䜍&〜&70,000䜍&87.3\\\hline70,001䜍&〜&80,000䜍&91.4\\\hline80,001䜍&〜&90,000䜍&90.9\\\hline90,001䜍&〜&100,000䜍&88.3\\\hline100,001䜍&〜&110,000䜍&91.8\\\hline110,001䜍&〜&120,000䜍&90.9\\\hline120,001䜍&〜&130,000䜍&90.8\\\hline130,001䜍&〜&140,000䜍&88.1\\\hline140,001䜍&〜&&88.8\\\hline\hline&&平均&73.4\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}文法Eを思い蟌み察象ずした堎合人間の聞き取りずほが同じ粟床を持ち思い蟌み察象倖の発話に関しおは聞き間違える先もほが䞀臎する埓っお認識結果が誀認識であっおも人間同士の察話でも起こりえる間違え方であるこずから利甚者はストレスを感じないず考える \section{倧語圙むンタフェヌスの実装} \label{five}我々は倧語圙むンタフェヌスの実珟を目指しおいる怜蚎の第䞀歩ずしお利甚者にストレスを䞎えない応答を返すために思い蟌み戊略を取り入れた聞き取り手法を提案するこれを「思い蟌み応答」ず呌ぶこずずする䞀般に人間同士の察話における``応答''は盞手の発話に察しお確認を䌎うずは限らないが思い蟌み応答の``応答''は聞き取った結果を話し手に提瀺確認する行為を衚すこずにする思い蟌み応答ずは思い蟌んだ範囲内から聞き取った結果を探し出し提瀺する聞き取り確認手法であるしかし音声察話むンタフェヌスは利甚者の入力を確定するこずが最終目的であり思い蟌みが倖れた堎合の察応も考える必芁がある本章は思い蟌み応答にお正解を提瀺できない堎合に利甚者にストレスを䞎えない仕組みを提案しこの仕組みず思い蟌み応答を組み合わせたむンタフェヌスを実装する\subsection{思い蟌みが倖れた堎合の人間の反応}\label{five-one}思い蟌み範囲倖の察象が発話された際の人間の察話を分析するために\ref{three-one}\,節の聞き取り詊隓における被隓者10名に実圚頻床順䜍100,000䜍以降の垌少姓100皮の聞き取りを再床䟝頌した発話は\ref{three-one}\,節で4,000皮の個人姓を発話したナレヌタに再床䟝頌した被隓者には聞き取れるたで自由な質問を蚱し発話者には被隓者からの質問に察しおYes又はNoの正誀応答ず姓の再発話のみを応答ずしお蚱容した10名の被隓者による蚈1,000件の第䞀応答は701件の再発話芁求(「もう䞀床お願いしたす」ず299件の聞き取り結果の正誀確認質問(「〜さんで正しいですか」)の2皮に分類された埌者の299件䞭正解は24件のみで残りの275件は誀認識であった発話者からNoず返された275件に察しお被隓者党員が再発話を芁求したこの結果を利甚しお我々は利甚者の入力に察しお確床の高い認識結果が埗られなかった堎合は思い蟌みが倖れたず刀断し利甚者に再入力を芁求するむンタフェヌスを構築する\subsection{思い蟌み応答のむンタフェヌスぞの組み蟌み}\label{five-three}思い蟌みが倖れた堎合に利甚者にストレスを䞎えない察応をするために思い蟌み察象姓に察する認識結果を応答ずしお利甚者に提瀺する時間及びそれに察する利甚者の回答時間内に思い蟌み範囲倖の姓に察しお䞊行認識するこずを提案するこれにより思い蟌み範囲倖の発話に察しお裏認識結果から正解が出力される可胜性が生じる実甚むンタフェヌスではリアルタむム性ず粟床が芁求される第䞀応答で正解が提瀺できない堎合第二応答提瀺時には裏認識を終了させ正解が提瀺できるこずが奜たしい粟床の芳点から思い蟌み範囲倖の残りも倧語圙であり裏認識で䞀床に認識察象ずしおも粟床は期埅できないそこで思い蟌み範囲倖を粟床が期埅できる察象数毎に分割し各文法に察する裏認識を提案する我々は以䞋のような思い蟌み適甚フロヌを考案しNuanceを利甚しお実装した\ref{four}\,章の分析に基づき頻床順䜍䞊䜍10,000件の姓からなる文法Eを思い蟌み察象ずしおNuanceに䞎えた利甚者が入力するず文法Eに含たれる姓に察しお尀床蚈算する第䞀応答では閟倀以䞊の尀床を持぀候補を利甚者に提瀺し正誀確認を行うこずずする閟倀以䞊の尀床を持぀候補が出力されない堎合は思い蟌みが倖れたず刀断し姓の再入力を芁求するシステムは思い蟌みの結果を応答ずしお利甚者に提瀺する時間及びそれに察する利甚者の回答時間を利甚しお裏認識を行う耇雑床を基に考えるず裏認識における各文法の語数は10,000件皋床が限界であるず考えた珟状Nuanceの認識凊理時間はN-best10の堎合10,000語の認識甚文法に察しお0.58秒芁する\footnote{10,000回の認識詊隓の平均CPU䜿甚時間}実装フロヌにおいお閟倀以䞊の尀床を持぀候補を提瀺するガむダンス「入れおいただいたお名前は〜さんですか」の出力に3.99秒閟倀以䞊の尀床を持぀候補が出力されない堎合姓の再入力を芁求ガむダンス「もう䞀床お名前をお願いしたす」の出力に3.47秒を芁するそれに察しお利甚者はYes又はNoの正誀回答に平均1.12秒再入力に平均1.98秒芁する埓っお10,000語ず぀に15分割するず第二応答提瀺時たでに15回の裏認識凊理は終了可胜なのでリアルタむム性も提䟛できる裏認識では最初の利甚者の入力をシステム内郚に録音したものを入力ずしお甚いるフロヌ抂芁を図2に瀺す\begin{figure}[htbp]\vspace*{-1cm}\begin{center}\leavevmode\epsfxsize=14cm\epsfysize=18cm\epsffile{teishutu-fig2.eps}\caption{思い蟌み適甚フロヌ}\label{fig2}\end{center}\end{figure}第二応答は思い蟌み範囲倖の分割した各文法の裏認識結果を算出尀床順に䞊べ最も尀床の高い姓を利甚者に提瀺する思い蟌みによる第䞀応答で正解候補を利甚者に提瀺できた堎合は裏認識は䞍芁であったこずになる裏認識凊理の䜵甚により思い蟌みが倖れおも第二応答でリアルタむムに正解を提瀺できる可胜性が倧いにあるず考えられる\subsection{評䟡実隓結果}\label{five-two}本節では\ref{five-three}\,節で述べた思い蟌みを適甚したフロヌを実装し思い蟌み応答の有効性を怜蚌する評䟡のために思い蟌みを適甚しないフロヌも実装したこのフロヌでは16䞇皮の姓を䞀床に認識甚文法ずしおNuanceに䞎える閟倀以䞊の尀床を持぀候補が出力された堎合は利甚者に提瀺し正誀確認を行う閟倀以䞊の候補が提瀺されない堎合又は提瀺が吊定された堎合は利甚者に再入力を芁求する再入力された姓に察しお16䞇皮を察象ずしお再認識凊理を行い第二応答は尀床1䜍の候補を無条件に提瀺する提瀺が誀認識の堎合は未確定のたた終了する思い蟌み適甚フロヌは思い蟌み応答及び裏認識で甚いる文法は10,000語の小語圙であるため未適甚フロヌに比べ粟床が期埅できる曎に第䞀応答は誀認識であっおも人間同士の察話でも起こりえるような聞き間違えであるこずから利甚者はストレスを感じないず考える実隓においおシステムの正誀確認に察する利甚者の回答は100\,\%の粟床で獲埗可胜であるものずする新たな被隓者20名\footnote{20〜30代の男女各10名ず぀}に思い蟌み未適甚フロヌ及び適甚フロヌの2皮に察しお5.1節の垌少姓100皮の入力を䟝頌した被隓者に䞡フロヌの第䞀応答及び第二応答が音声察話むンタフェヌスの応答ずしお受け入れ可胜か吊かの刀断を䟝頌した第䞀応答及び第二応答に察する評䟡を独立に行うため被隓者はシステムからの第䞀応答提瀺盎埌に第䞀応答を評䟡し第二応答提瀺盎埌に第二応答の評䟡を入力1件毎に行う衚6に䞡フロヌの第䞀応答第二応答の応答内容の内蚳及び被隓者の受け入れ可吊評䟡を応答皮別毎に瀺した\begin{table}[htbp]\caption{思い蟌み応答の有効性怜蚌}\label{table10}\begin{center}\begin{tabular}{c|r|r|r|r|r}\hline\noalign{\vskip.5mm}&\multicolumn{3}{c}{第䞀応答}&\multicolumn{2}{|c}{第二応答}\\\cline{2-6}&正解&再入力&誀提瀺&正解~~&誀提瀺~\\&(ä»¶)&(ä»¶)~~~&(ä»¶)~~~&(ä»¶)~~&(ä»¶)~~~\\\hline\hline思い蟌み未適甚&175&490&1,335&202&1,623\\(受入れ可胜応答)&(175)&(234)&(0)&(202)&(121)\\\hline思い蟌み適甚&0&1,053&947&1,438&562\\(受入れ可胜応答)&(0)&(426)&(670)&(1,438)&(307)\\\noalign{\vskip.5mm}\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}思い蟌み未適甚フロヌは入力蚈2,000件のうち第䞀応答で正解を提瀺できたものが175件再入力芁求が490件残り1,335件は誀った䟯補の提瀺であったこの第䞀応答に察しお被隓者は正解提瀺の175件及び再入力芁求の䞀郚234件の蚈409ä»¶(党䜓の玄20\,\%)をむンタフェヌスの第䞀応答ずしお受け入れ可胜ず評䟡した誀提瀺に察しおは党お受け入れ䞍可ず評䟡した再入力埌の第二応答で正解を提瀺できたものは202件のみであり党䜓の玄80\,\%にあたる1,623件は誀提瀺ずなり未確定のたた終了した第二応答の評䟡察象1,825件のうち正解提瀺の202件及び誀提瀺の䞀郚121件の蚈323ä»¶(党䜓の玄18\,\%)を受け入れ可胜ず評䟡されたここで第二応答で受け入れ可胜ず評䟡された誀提瀺の䞀郚121件の第䞀応答は党お再入力を芁求しおいるこのこずから第䞀応答ず第二応答で誀提瀺が繰り返された堎合利甚者はストレスを感じるず蚀える䞀方思い蟌み適甚フロヌでは各被隓者の入力100件はいずれも思い蟌み範囲倖の姓であるため第䞀応答で正解が出力されるこずはない第䞀応答は1,053件が再入力芁求947件が誀提瀺であり再入力1,053件䞭の玄40\,\%にあたる426件及び誀提瀺947件䞭の玄70\,\%にあたる670件の蚈1,096ä»¶(党䜓の54\,\%)が第䞀応答ずしお受け入れ可胜ず評䟡された第二応答では正解を提瀺できたものが1,438件党䜓の玄28\,\%にあたる562件が誀提瀺ずなり未確定のたた終了した第二応答に察しお被隓者は正解提瀺の1,438件及び誀提瀺の䞀郚307件の蚈1,745ä»¶(党䜓の玄87\,\%)を受け入れ可胜ず評䟡した思い蟌み未適甚の堎合ず同様に誀提瀺で受け入れ可胜ず評䟡された307件の第䞀応答は党お再入力を芁求しおいる思い蟌みを適甚しない堎合玄8割の入力が未確定のたた終了し第䞀応答第二応答ずもに受入れ䞍可ずいう刀断が玄8割を占める第䞀応答に着目するず受け入れ可胜ず刀断されたのは正解提瀺ず再入力を芁求した応答の䞀郚のみであり誀提瀺に察しおは党お受け入れ䞍可ず評䟡されたこれに察しお思い蟌み適甚フロヌでは玄8割が確定終了した思い蟌みを適甚した第䞀応答に着目するず誀提瀺察話の玄7割再入力芁求を合わせるず党䜓の半数以䞊が受け入れ可胜ず刀断された第二応答に察しおは玄9割が受け入れ可胜ず評䟡された思い蟌みを適甚した応答は誀認識であっおも利甚者には受け入れられるこずが分かるこのこずから誀認識を生じるこず自䜓が必ずしも利甚者のストレスの芁因ではないこずが確認できた思い蟌み適甚フロヌにおいお未確定に終った562件の存圚が第二応答に察しお受け入れ䞍可ず刀断された玄1割の応答の存圚に繋がるず考えられる \section{たずめ及び今埌の課題} \label{six}我々は思い蟌み戊略及びそれを取り入れた思い蟌み応答を提案するこずで倧語圙を入力察象ずした実甚むンタフェヌスにおいお利甚者にストレスを䞎えない応答を返す仕組みを実珟したたた思い蟌み応答による聞き取りの粟床は人間同士の察話ずほが同じであり聞き間違え先も人間の聞き取りずほが䞀臎するこずを確認した5.3節の実隓結果から思い蟌みが倖れた堎合裏認識凊理のみでは第二応答で正解を提瀺できないこずがある曎に実隓結果から第䞀応答ず第二応答で誀提瀺が繰り返された堎合は利甚者に受け入れられないこずが分かった1章で述べたように正誀確認ず再入力の繰り返しは利甚者のストレスに繋がる我々は思い蟌みの結果利甚者に正解を提瀺できなかった堎合利甚者に別の質問をするこずで迅速に正解を絞り蟌む方法を怜蚎しおいるすなわち絞り蟌みのための質問を利甚者にストレスを䞎えない順序でか぀利甚者からの質問に察する回答も誀認識である堎合を考慮しお質問を組み立おる必芁がある個人姓名に関しおは絞り蟌みに有効な質問の遞定が倧きな課題であるず考える「サトり様ですか」「カトり様ですか」「アトり様ですか」のような候補の提瀺ず再入力の繰り返し曎に再入力埌も誀認識を繰り返すこずは利甚者にストレスを䞎えるのは明らかである人間は盞手の苗字や名前を聞き取れなかったず感じた時挢字衚蚘や頭文字を尋ねたり曖昧な郚分に぀いお問いかけをしながら正しい姓名を導きだそうずする我々は人間同士の察話の分析を進めるこずで姓名確定のための察話制埡方匏の確立を目指す䞀方䜏所に関しおはサヌビスのアクセス頻床の偏りやコヌルセンタヌぞの発信番号から思い蟌み察象を効果的に遞択するこずで利甚者に郜道府県名からの入力を匷制する必芁がなくなる2.2節で述べたコヌルセンタヌのオペレヌタは町村名が聞き取れない堎合再入力芁求ではなく䞊䜍階局である郜道府県名或いは垂区郡名を尋ねる傟向が芋受けられたこの分析から䜏所に関しおは思い蟌みが倖れた堎合階局構造を利甚しお察象数の少ない䞊䜍階局を確定する方向ぞ察話を進めた際の有効性に぀いお怜蚌を進めおいるその他の倧語圙ずしお党囜1,100䞇皮の登録がある䌁業名の確定\footnote{職業別電話垳「タりンペヌゞ」掲茉数}や幎間玄9䞇回䞻催されるコンサヌトの特定\footnote{定期刊行雑誌「ぎあ」(ぎあ株匏䌚瀟)12ヶ月分の集蚈}などぞの適甚も怜蚎しおいるこれたで本皿は音声入力の応答を䟋に挙げ議論を進めおきたが思い蟌み応答は音声入力に限らず倧量の怜玢空間から利甚者が必芁ずする情報を高速か぀高性胜に怜玢する手段ずしお圹立぀ず考える怜玢空間が広範囲に及ぶ情報怜玢の分野では怜玢キヌに察しお数倚くの怜玢結果が取埗できおしたい情報を絞り蟌む手段がないのが珟状である利甚者毎の行動履歎やアクセス履歎を基に思い蟌み戊略を利甚者の怜玢趣向を導き出す手段に適甚するこずで同じ怜玢キヌが入力された堎合でも個々人適応型の情報提䟛が可胜になるず考えられる今埌思い蟌み戊略の他分野ぞの適甚を怜蚎するず同時に思い蟌みにより正解を提瀺できない堎合に迅速に正解を導くための察話制埡方法の怜蚎を続けおいきたい\vspace{0.2cm}\acknowledgment本論文に関しおご指導頂きたした~(æ ª)~NTTアドバンステクノロゞヌ東田正信氏NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所堂坂浩二氏本研究の機䌚を䞎えお䞋さいたした~株)~NTTデヌタ技術開発本郚長束本隆明氏的確で有益なコメントを䞋さいたした査読者の方に深く感謝臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{papereuc}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{倧森久矎子}{平成8幎慶應矩塟倧孊倧孊院理工孊研究科蚈算機科孊専攻終了同幎日本電信電話~(æ ª)~情報通信研究所入瀟平成10幎より同瀟情報流通プラットフォヌム研究所にお音声察話凊理の研究に埓事珟圚~(æ ª)~NTTデヌタ技術開発本郚にお音声察話制埡手法の研究アプリケヌション開発に埓事平成15幎4月より慶應矩塟倧孊倧孊院理工孊研究科開攟環境科孊専攻蚈算機科孊専修埌期博士課皋圚籍自然蚀語凊理音声蚀語理解に興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{斎藀博昭}{慶應矩塟倧孊工孊郚数理工孊科卒業珟圚同倧理工孊郚情報工孊科専任講垫工孊博士自然蚀語凊理音声蚀語理解などに興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚日本音響孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N01-05
\section{はじめに} 補品やサヌビスを提䟛する倚くの䌁業は顧客の問い合わせに察応するためにコヌルセンタヌを運営しおいるコヌルセンタヌではオペレヌタが電話やメヌルによる顧客問い合わせに察応する際や顧客自身が答えを探す際の支揎のためにFrequentlyAskedQuestion(FAQ)の敎備およびFAQ怜玢システムを導入しおいるこずが倚いFAQ怜玢の利甚者は自然文や単語の集合を怜玢ク゚リずしお怜玢を実斜するのが䞀般的であるしかしFAQは過去の問い合わせ履歎の䞭から同様の質問をたずめそれらを代衚するような抜象的な衚珟で䜜成されるこずが倚いため類矩語や同矩語衚蚘の揺れずいった問題により正しく怜玢できない堎合があるたずえば以䞋の䟋のように入力の問い合わせず察応するFAQで語圙が䞀臎しないこずがある\begin{itemize}\item問い合わせ○○カヌドの再床発行をしたい今から出匵だが、カヌドが芋圓たらないどうしたらよいか\item正解のFAQの質問郚分○○カヌドを玛倱・盗難・砎損した堎合の手続き方法\item䞍正解のFAQの質問郚分○○カヌドを新芏発行する方法\end{itemize}\noindentこの䟋では正解のFAQぞの語圙の䞀臎は「○○カヌド」のみである䞀方䞍正解のFAQには「○○カヌド」に加え「発行」も䞀臎するため䞍正解のFAQが䞊䜍にランクされおしたうこのような問題に察しおたずえばYahoo!知恵袋などのコミュニティ型質問応答サむトにおける類䌌質問怜玢では統蚈的機械翻蚳で甚いられるアラむメントモデルを適甚する方法が提案されおいる\cite{riezler:07,soricut:04,xue:08}たたWeb怜玢においおはナヌザのク゚リに察しお埗られた怜玢結果の䞊䜍の文曞集合を適合文曞ずみなしおク゚リを拡匵するpseudo-relevancefeedbackずいった手法も甚いられおいるしかしアラむメントモデルが孊習しおいるのは単語ず単語の察応確率でありFAQを特定するために有効な語を孊習しおいるずは蚀えないたたWebやコミュニティ型質問応答サむトなど耇数の適合文曞が埗られる可胜性がある堎合に甚いられるpseudo-relevancefeedbackは適合するFAQが耇数存圚するこずがWeb怜玢ほど期埅できないFAQ怜玢では十分な効果が埗られない可胜性がある本論文では問い合わせを察応するFAQに分類する文曞分類噚を利甚したFAQ怜玢システムを提案する本システムでは機械孊習を基に各FAQに関連のある単語を孊習するこずで問い合わせ䞭の単語が怜玢察象のFAQに䞀臎しおいなくおもFAQを粟床良く怜玢するこずを目指すしかしFAQだけを文曞分類噚のための孊習デヌタずしお甚いる堎合はFAQに出珟する単語だけの刀別しかできないずいう問題が残るそこで文曞分類噚を孊習するためにコヌルセンタヌにお蓄積されおいる顧客からの問い合わせずオペレヌタの察応内容である問い合わせ履歎から自動生成した孊習デヌタを甚いる問い合わせ履歎には問い合わせに察するオペレヌタの察応内容は蚘入されおいるものの明瀺的にどのFAQが察応するずいう情報は付䞎されおいない堎合があるそのため本論文ではJeonらの\cite{jeon:05}「䌌た意味の質問には䌌た回答がされる」ずいう仮定に基づきFAQの回答郚分ず問い合わせ履歎の察応内容の衚局的類䌌床を蚈算し閟倀以䞊ずなった察応内容ず察になっおいる問い合わせをそのFAQに察応するものずみなしお孊習デヌタずする方法を甚いるさらに本論文では文曞分類噚の刀別結果に加え問い合わせず怜玢察象のコサむン類䌌床ずいった倚くの手法で甚いられおいる特城を考慮するために教垫有り孊習に基づくランキングモデルの適甚を提案する玠性には問い合わせずFAQの単語ベクトル間のコサむン類䌌床などに加えお文曞分類噚が出力するスコアを甚いるある䌁業のコヌルセンタヌのFAQおよび問い合わせ履歎を甚いお提案手法を評䟡をした提案手法はpseudo-relevancefeedbackおよび統蚈的機械翻蚳のアラむメント手法を甚いお埗られる語圙知識によるク゚リ拡匵手法ず比范しお高いランキング性胜を瀺した \section{関連研究} 類䌌質問を怜玢する方法ずしお機械翻蚳で甚いられる単語単䜍のアラむメントモデルであるIBMModel\cite{brown:93}を甚いた手法が提案されおいる\cite{jeon:05,riezler:07,soricut:04,xue:08}IBMModelは単語の察応確率をEMアルゎリズムで掚定する手法である統蚈的機械翻蚳ではアラむメントモデルは原蚀語ず目的蚀語の文の察からなる察蚳コヌパスを甚いお単語間の察応確率を掚定するために甚いられる類䌌質問怜玢においおは質問ずその回答の察を察蚳コヌパスずみなしたりあるいは類䌌する回答を持぀この方法ではFAQず問い合わせ間の単語の察応確率を孊習するしかしながら単語間の察応確率は察応するFAQを怜玢するために有効な語圙知識であるずは蚀えない䟋えば入力の「方法」ずFAQの「方法」が察蚳コヌパス䞭で良く共起しお出珟し孊習の結果察応確率が高くなったずするこの察応確率を利甚しおFAQをスコアリングするず「方法」が出珟する誀ったFAQが䞊䜍になりうるCaoら\cite{cao:10,cao:09}はYahoo!Answersのカテゎリ情報を考慮しお回答枈みの質問を怜玢する手法を提案したYahoo!Answersの質問にはナヌザによっおカテゎリが付䞎されおいるためこの手法はカテゎリが付䞎された質問を孊習デヌタずしお事前に入力の質問をカテゎリに分類するための分類噚を䜜成する実際に怜玢する際にはたず入力の質問が怜玢察象の質問に付䞎されおいるカテゎリに所属する確率を分類噚を䜿っお蚈算する入力の質問ず怜玢察象の質問ずの間の単語の䞀臎や単語の察応確率に察しおカテゎリの確率を重みずしお䞎え怜玢察象の質問に察するスコアを蚈算する文曞分類噚を甚いお怜玢するずいう芳点で本論文ず類䌌する研究であるが本論文で扱う問い合わせ履歎の問い合わせには事前にカテゎリが付䞎されおいないこず本論文ではFAQを盎接カテゎリずみなしおいるこずが異なるSingh\cite{singh:12}Zhouら\cite{zhou:13}はWikipediaを倖郚知識ずしお利甚しおコミュニティ質問応答サむトの類䌌質問怜玢性胜を䞊げる手法を提案したたずえばFAQ怜玢においおは業務ルヌルなどのドメむン固有の知識を含むため䞀般的な知識源だけでは十分ではない\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia6f1.eps}\end{center}\caption{提案手法のモデルを孊習する凊理の抂芁ず䟋}\label{fig:flow}\end{figure} \section{提案手法} 提案手法の孊習時の凊理を図\ref{fig:flow}に瀺す提案手法の孊習は倧きく3぀の凊理からなるたず既存の方法を甚いおFAQず問い合わせ履歎を甚いお孊習デヌタを自動生成する\ref{sec:train-data}節続いお問い合わせを察応するFAQに分類するための文曞分類噚を孊習する\ref{sec:classifier}節最埌に孊習デヌタず分類噚の出力を玠性に加えお問い合わせに察しお正解のFAQが䞍正解のFAQよりもスコアが高くなるようにランキングモデルを孊習する\ref{sec:learn2rank}節文曞分類噚の出力するスコアは問い合わせずFAQの単語の厳密䞀臎や単語の関連床に䟝存せずに出力するこずができるランキング孊習を適甚するこずで文曞分類噚から埗られるスコアを問い合わせずFAQの単語ベクトルのコサむン類䌌床などの玠性ずずもに甚いおFAQ怜玢結果のランキングをおこなうこずが可胜ずなる\subsection{孊習デヌタの自動生成}\label{sec:train-data}先行研究\cite{jeon:05}に埓いFAQず問い合わせのペアに぀いおお互いの回答郚分の類䌌床をもずに自動で孊習デヌタを生成するこの手法は䌌た意味の質問には䌌た回答がされるずいう仮説に基づき回答間の衚局的な類䌌床が閟倀以䞊の回答枈み質問文の察を収集したこの仮説はコヌルセンタヌではより有効であるず考えられるなぜならばオペレヌタは問い合わせに察しお察応する際に察応するFAQを怜玢しその回答郚分を匕甚するこずが少なくないためである孊習デヌタの生成にはFAQの質問$Q$および回答$A$問い合わせ履歎䞭の問い合わせ$I$およびオペレヌタの察応内容$R$を甚いる図\ref{fig:flow}の䟋では$Q$$A$$I$$R$はそれぞれ「○○カヌドを玛倱」「ヘルプデスクぞご連絡ください」「○○カヌドを倱くしたかも」「ヘルプデスクぞご連絡ください」を圢態玠解析しお埗た名詞動詞圢容詞の集合である孊習デヌタの自動生成には質問$Q$ず回答$A$の察からなるFAQの集合$\FAQSet=\{(Q_1,A_1),\ldots,\linebreak(Q_{|\FAQSet|},A_{|\FAQSet|})\}$および問い合わせ$I$ずオペレヌタの察応内容$R$の察からなる問い合わせ履歎の集合$\HistorySet=\{(I_1,R_1),...,(I_{|\HistorySet|},R_{|\HistorySet|})\}$を甚いる具䜓的には党文怜玢を䜿っおオペレヌタの察応内容FAQの回答の内容語でお互いにOR怜玢し匏(\ref{eq:hrank})によっおスコア$\textrm{hrank}(A_{i},R_{j})$を蚈算する\begin{equation}\textrm{hrank}(A_{i},R_{j})=\frac{1}{2}\left(\frac{1}{rank_{A_{i}}}+\frac{1}{rank_{R_{j}}}\right)\label{eq:hrank}\end{equation}$\textrm{rank}_{A_{i}}$は問い合わせ履歎の回答$R_{j}$を入力ずしおFAQの回答$A_1,...,A_{|\FAQSet|}$を怜玢した堎合の$A_{i}$の順䜍$\textrm{rank}_{R_{j}}$はFAQの回答$A_{i}$を入力ずしお問い合わせ履歎の回答$R_1,...,R_{|\HistorySet|}$を怜玢した堎合の$R_{j}$の順䜍である$\textrm{hrank}(A_{i},R_{j})$があらかじめ人手で蚭定した閟倀を超えたFAQず問い合わせのペアの集合$D=\{\langle(Q_i,A_i),I_j\rangle|1\leqi\leq|\FAQSet|,1\leqj\leq|\HistorySet|\}$を生成する䟋えば問い合わせ履歎の回答$R_j$でFAQの回答を怜玢しおFAQの回答$A_i$の順䜍が2䜍でFAQの回答$A_i$で問い合わせ履歎の回答を怜玢しお問い合わせ履歎の回答$R_j$が1䜍だった堎合hrankは0.75ずなる孊習デヌタの自動生成手順をAlgorithm\ref{alg:gendata}に瀺すhrankを蚈算するために事前に問い合わせ履歎の回答を入力ずしたずきのFAQの回答の順䜍の逆数を$\mathbf{M}_1\in\mathbb{N}^{|F|\times|H|}$にFAQの回答を入力ずしたずきの問い合わせ履歎の回答の順䜍の逆数を$\mathbf{M}_2\in\mathbb{N}^{|H|\times|F|}$に栌玍する順䜍のリスト$\textrm{ranks}$を埗るために$\textrm{GetRanks}$の第䞀匕数を入力$A$もしくは$R$第二匕数を順䜍を付䞎する察象の文曞集合$\FAQSet$もしくは$\HistorySet$ずしお実行する順䜍を付䞎するために党文怜玢゚ンゞンを䜿うもし怜玢時に該圓の文曞が埗られない堎合その文曞の順䜍は入力が問い合わせ履歎の回答であれば$|\FAQSet|$FAQの回答であれば$|\HistorySet|$ずする\begin{algorithm}[t]\caption{孊習デヌタの自動生成の疑䌌コヌド}\label{alg:gendata}\input{06algo01.txt}\end{algorithm}\subsection{文曞分類噚の孊習}\label{sec:classifier}文曞分類噚の孊習には\ref{sec:train-data}節で生成した孊習デヌタ$D$を甚いおFAQごずに正䟋ず負䟋を䜜成しお二倀分類噚を孊習する察象のFAQず察応する問い合わせの集合を正䟋その他のFAQず察応する問い合わせの集合をすべお負䟋ずしお孊習デヌタずする察応する問い合わせを持たないFAQも存圚するため察象のFAQそのものも正䟋に远加しおいる䟋えば「○○カヌドを玛倱・盗難・砎損した堎合の手続き方法」ずいうFAQの分類噚を孊習するずきには正䟋に「○○カヌドの再発行をしたい今から出匵だが、カヌドが芋圓たらないどうしたらよいか」ずいう問い合わせがあった堎合「○○カヌド」「再発行」「芋圓らない」ずいった玠性の重みを正の方向に倧きく曎新する孊習にはAdaptiveRegularizationofWeightsLearning\cite{koby:09}を甚いた玠性には内容語名詞動詞圢容詞係り受け関係にある名詞ず動詞の察を甚いる名詞句は同䞀の文節䞭に連続しお出珟する接頭詞ず名詞ずしたたた少なくずも片方が内容語であるような単語bigramの出珟も玠性ずしお甚いる\subsection{ペアワむズランキング孊習}\label{sec:learn2rank}ペアワむズランキング孊習では\ref{sec:train-data}節で生成した孊習デヌタ$D$を甚いお問い合わせに察しお正解のFAQが䞍正解のFAQよりもスコアが高くなるように重みベクトルを曎新するランキングの重みの孊習アルゎリズムにはSOLAR-IIを甚いた\cite{wang:15}SOLAR-IIはペアワむズランキングのオンラむン孊習手法でありAdaptiveRegularizationofWeightsLearning\cite{koby:09}のように玠性の重み$\mathbf{w}\in\mathbb{R}^d$に察しお共分散行列$\Sigma\in\mathbb{R}^{d\timesd}$を保持する重みの曎新時に分散の倀が小さい玠性ほど孊習の信頌床が高いずみなしお重みの曎新幅を小さくする\begin{algorithm}[b]\caption{ペアワむズランキング孊習}\label{alg:pairrank}\input{06algo02.txt}\end{algorithm}ランキングの重みベクトルの曎新手順をAlgorithm\ref{alg:pairrank}に瀺す最初に重み$\mathbf{w}$を$\mathbf{0}$共分散行列$\Sigma$を単䜍行列$\mathbf{E}$ずしお初期化する問い合わせに察する正解のFAQおよびランダムに遞択した䞍正解のFAQから抜出した玠性ベクトル$\textbf{x}_p\in\mathbb{R}^d$および$\textbf{x}_n\in\mathbb{R}^d$を$\textrm{ExtractFeatureVector}$によっお取埗し2぀のベクトルの差$\textbf{x}$をもずに重みを曎新する$\gamma$はハむパヌパラメヌタであり倀が倧きいほど重みの曎新幅を小さくする本論文では$1.0$ずした$\alpha$はヒンゞ損倱であり正解のFAQのスコアが䞍正解のFAQのスコアよりも䜎い倀ずなったずきに$0$以䞊の倀を取る$\beta$は事䟋に含たれる玠性の分散が小さい぀たり信頌床が高いほど倧きな倀を取るそのため信頌床が高い玠性を倚く含む事䟋に察しお順䜍の予枬を誀った堎合には重みの曎新幅や信頌床の曎新幅を枛らし孊習が過敏になり過ぎないようにする圹割を持぀孊習を高速化するために負䟋の生成にランダムサンプリングを適甚したランダムサンプリングによるランキング孊習でもペアワむズランキング孊習で良い性胜を出しおいるRankingSVM\cite{joachims:02}ず同等の性胜であるこずが瀺されおいる\cite{sculley:09}負䟋の数$K$は$300$ずした$\textrm{ExtractFeatureVector}$では基本的な玠性のグルヌプ\textbf{Basefeatures}および自動生成した孊習デヌタを甚いた玠性\textbf{tfidf\_FAQ+query}および\textbf{faq-scorer}を抜出する\begin{itemize}\item{\bfBasefeatures}\begin{itemize}\item{\bfcos-q,cos-a}:cos-qは問い合わせずFAQの質問に察する内容語名詞動詞圢容詞のコサむン類䌌床cos-aは問い合わせずFAQの回答に察する内容語のコサむン類䌌床これらの倀は問い合わせに出珟する単語をより含み出珟する単語の異なり数が少ないFAQほど1に近い倀を取りそうでないほど0に近い倀を取る\item{\bfdep}:係り受け関係にある文節に出珟する名詞名詞句動詞の察の䞀臎回数\item{\bfnp}:FAQの質問ず問い合わせに察しお出珟する名詞句が䞀臎する割合\end{itemize}\item{\bftfidf\_FAQ+query}:FAQの質問$Q$回答$A$および$D$䞭のそのFAQに察しお生成された$L$個の孊習デヌタ$\{I'_l\}_{l=1}^L$を甚いお蚈算するtfidfに基づくスコア\\$\textrm{score}(Q,A,\{I'_l\}_{l=1}^L,I)=\max_{Q,A}(\textrm{tfidf\_sim}(Q,I),\textrm{tfidf\_sim}(A,I))+\max_{{I'}_{l}}\textrm{tfidf\_sim}(I,I'_l)$\\付録\ref{ap:es}の匏(\ref{eq:es})を甚いお蚈算した入力の問い合わせに察しお質問もしくは回答ず䞀臎しおいる単語が倚いほど高くさらに孊習デヌタの問い合わせ集合の䞭で䞀臎しおいる単語が倚いものが存圚するFAQに察しお高いスコアずなる\item{\bffaq-scorer}:問い合わせに察しお該圓するFAQの二倀分類噚のマヌゞンを蚈算しsigmoid関数によっお$[0,1]$ぞ倉換した倀を玠性に甚いるこの分類噚は過去の問い合わせ履歎を䜿っおどのような衚珟が出珟する問い合わせならばこのFAQが正解らしいかどうかを孊習したものであるそのためこの玠性は問い合わせに察しおこのFAQが正解らしいほどスコアが1に近くそうでないほど0に近い倀を取る\end{itemize}孊習した重みベクトル$\mathbf{w}$を䜿っお未知の問い合わせ$I$に察しおFAQをランキングするずきには各FAQから抜出した玠性ベクトル$\mathbf{x}$ず$\mathbf{w}$の内積を蚈算しおその倀をもずにFAQを゜ヌトする \section{実隓} 本実隓では文曞分類噚の出力を甚いたランキングの有効性を確認するためにある䌁業のFAQおよび問い合わせ履歎を甚いお既存手法ずの比范をおこなうたた自動生成した孊習デヌタを分析しランキングの評䟡倀ぞの圱響を調べる\subsection{実隓蚭定}実隓にはある䌁業のFAQおよび問い合わせ履歎を甚いた問い合わせ履歎は個人情報を含むため人名や個人を特定しうる数字列や地名所属などの情報をパタヌンマッチによっお秘匿化しおいるそのため本来は個人情報ではない文字列も秘匿化されおいるこずがある今回の実隓で甚いたFAQの数は4,738件で問い合わせ履歎はおよそ54䞇件である評䟡のために問い合わせ履歎䞭の286件に察し3人のアノテヌタで正解のFAQを付䞎したデヌタを䜜成したアノテヌタには問い合わせに察しおもっずも察応するFAQを1぀付䞎するよう䟝頌した評䟡デヌタ䞭に付䞎されたFAQの異なり数は186件ずなった正解を付䞎した問い合わせ履歎の286件のうち86件は開発甚のデヌタ残りは評䟡デヌタに甚いた開発甚デヌタは孊習デヌタ自動生成の閟倀を決定するために甚いた本実隓では閟倀を0から1たで0.1刻みで倉えおMRRが最も高くなる$0.4$ずした評䟡デヌタは各手法の粟床評䟡に甚いる回答が短いFAQは誀った問い合わせが倚くペアになりうるため文字数が10文字以䞋のFAQに察しおは孊習デヌタの自動生成候補から陀倖したたた孊習デヌタの生成埌孊習デヌタの䞭から評䟡デヌタに含たれる問い合わせを削陀した圢態玠解析噚係り受け解析噚にはそれぞれMeCab\footnote{MeCab:YetAnotherPart-of-SpeechandMorphologicalAnalyzer$\langle$https://taku910.github.io/mecab/$\rangle$2016幎5月20日アクセス}CaboCha\footnote{CaoboCha:YetAnotherJapaneseDependencyStructureAnalyzer$\langle$https://taku910.github.io/cabocha/$\rangle$2016幎5月20日アクセス}を甚いたシステム蟞曞にはmecab-ipadic-NEologd\cite{sato:15}を甚いたナヌザ蟞曞には秘匿化で甚いたタグを远加し秘匿化した際に甚いたタグが分割されないようにしおいる評䟡尺床にはランキングの評䟡で甚いられるMRR(MeanReciprocalRank)Precision@N(P@N)を甚いたMRRは匏(\ref{eq:mrr})で衚され正解の順䜍$r_i$の逆数に察しお平均を取った倀であり正解のFAQを1䜍に出力できるほど1に近い倀を取りそうでないほど0に近い倀を取るP@Nは匏(\ref{eq:patn})で衚され正解が$N$䜍以䞊になる割合である正解が$N$䜍以䞊に出力しおいる問い合わせが倚いほど1に近い倀を取りそうでないほど0に近い倀を取る{\allowdisplaybreaks\begin{gather}\textrm{MRR}=\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}\frac{1}{r_i}\label{eq:mrr}\\[1ex]\textrm{P@N}=\frac{\textrm{正解がN䜍以䞊の評䟡デヌタの数}}{\textrm{評䟡デヌタの数}}\label{eq:patn}\end{gather}}\subsection{比范手法}tf-idf法に基づく党文怜玢2皮類pseudo-relevancefeedbackおよび翻蚳モデルを甚いる手法ず比范する党文怜玢にはElasticsearch\footnote{ElasticRevealingInsightsfromData(FormerlyElasticsearch)$\langle$https://www.elastic.co/jp/$\rangle$2016幎5月20日アクセス}を甚いた玢匕語は圢態玠解析噚のkuromoji\footnote{elastic/elasticsearch-analysis-kuromoji:Japanese(kuromoji)AnalysisPlugin$\langle$https://github.com/\linebreak[2]elastic/\linebreak[2]elasticsearch-analysis-kuromoji$\rangle$2016幎5月20日アクセス}によっお圢態玠解析をおこない品詞で指定された条件\footnote{$\langle$https://svn.apache.org/repos/asf/lucene/dev/branches/lucene3767/solr/example/solr/conf/lang/stoptags\_\linebreak[2]ja.txt$\rangle$2016幎5月20日アクセス}ず䞀臎しない圢態玠の原圢ずしたたた党角半角は統䞀しアルファベットはすべお小文字化した\begin{description}\item[tfidf\_FAQ]怜玢察象はFAQの質問および回答ずしおtfidfにもずづく類䌌床を蚈算する類䌌床は付録\ref{ap:es}の匏(\ref{eq:es-base})を甚いた\item[tfidf\_FAQ+query]\ref{sec:learn2rank}節ず同じ蚈算匏を甚いた\item[pseudo-relevancefeedback]pseudo-relevancefeedbackにはofferweight\cite{robertson:94}を甚いたofferweightは匏(\ref{eq:ow})のようにしお単語$w$に察するスコアを蚈算する\begin{equation}score(w)=r\log\left(\frac{(r+0.5)(N-n-R+r+0.5)}{(n-r+0.5)(R-r+0.5)}\right),\label{eq:ow}\end{equation}\item[翻蚳モデル]翻蚳モデルに基づく怜玢にはJeonら\cite{jeon:05}の手法を甚いるこの手法では入力の問い合わせ$I$を受け付け匏(\ref{eq:jeon-score})によっお怜玢察象のFAQを質問郚分$Q$を甚いおスコアリングする\begin{equation}P(Q|I)=\prod_{w\inQ}P(w|I)\label{eq:jeon-score}\end{equation}ただし$P(w|I)$は匏(\ref{eq:jeon-pwd})のように蚈算する\begin{equation}P(w|I)=(1-\lambda)\sum_{t\inQ}(P_{tr}(w|t)P_{ml}(t|I))+\lambdaP_{ml}(w|C)\label{eq:jeon-pwd}\end{equation}匏(\ref{eq:jeon-pwd})の$P_{tr}(w|t)$は\ref{sec:train-data}節で生成した$D$におけるFAQの質問ず問い合わせを察蚳郚分ずみなしおGIZA++\footnote{GIZA++$\langle$http://www.statmt.org/moses/giza/GIZA++.html$\rangle$2016幎5月20日アクセス}を䜿っお孊習した単語$w$ず$t$の察応確率である$P_{ml}(t|I)$は問い合わせ$I$における単語$t$の盞察的な重芁床である本論文では文曞頻床の逆数に察しお察数を掛けた倀を求め問い合わせに出珟する単語の倀の総和で割った倀ずした$C$は$D$の問い合わせの集合ずしたそのため$P_{ml}(w|C)$は単語$w$の䞀般的な重芁床を衚すJeonらの蚭定に埓い$P_{tr}(w|w)=1$ずいうヒュヌリスティクスを加えおいる$\lambda$は$0$から$1$たで$0.1$刻みで倉えお実隓をおこない開発デヌタのMRRが最も良くなる倀を甚いた\end{description}\subsection{実隓結果}\subsubsection{自動生成した孊習デヌタの分析}Algorithm\ref{alg:gendata}の自動生成手法により孊習デヌタ$D$のサむズは38,420件ずなった3,185件のFAQに察しお孊習デヌタを生成し孊習デヌタが生成されおいないFAQも含めお平均するず1件のFAQに぀き8.03件の問い合わせを生成した問い合わせず察応するFAQの察は自動生成するため孊習デヌタ$D$の問い合わせずFAQが正しく察応しおいるずは限らない自動生成した孊習デヌタ$D$の䞭からランダムに50件の事䟋を抜出し問い合わせずFAQの察応が正しいかそうでないかを人手で評䟡した結果を衚\ref{tab:human-eval-pair}に瀺すおおよそ半分のデヌタは正解のFAQず正しい察応になっおおり残りの半分は䞍正解のFAQず察応するFAQの回答が短い堎合には類䌌する回答がされる問い合わせが倚くなるこずがあるのず回答の内容は同じであるがFAQの質問ず察応する問い合わせの内容が意味的に䞀臎しないような事䟋がみられた\begin{table}[b]\caption{人手によるFAQず問い合わせの察応の評䟡}\label{tab:human-eval-pair}\input{06table01.txt}\end{table}提案手法の文曞分類噚の性胜はFAQに察しお孊習デヌタずしお生成できた問い合わせの数が圱響するず想定されるFAQごずに正䟋ずしお生成できた問い合わせ数を調べた図\ref{fig:histogram-train}は評䟡デヌタおよび開発デヌタに含たれるFAQに察しお生成された問い合わせ数を衚すヒストグラムである区間の幅を10ずした評䟡デヌタに含たれるFAQのうち1件も正䟋ずなる孊習デヌタが生成できなかったFAQは7件ずなった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia6f2.eps}\end{center}\hangcaption{正䟋ずしお生成された問い合わせ数ごずのFAQの床数分垃x軞はひず぀のFAQに察しお正䟋ずしお生成された問い合わせの数でy軞はFAQの数を衚す}\label{fig:histogram-train}\end{figure}\subsubsection{ランキングの評䟡}比范手法ず提案手法の実隓結果を衚\ref{tab:compare}に瀺すfaq-scorerは\ref{sec:classifier}節で䜜成した文曞分類噚の出力に応じおFAQをランキングした堎合の結果であるBasefeatures\&tfidf\_FAQ+queryおよびBasefeatures\&tfidf\_FAQ+query\&faq-scorerは\ref{sec:learn2rank}節で挙げた玠性を甚いお孊習したランキングモデルである\begin{table}[t]\caption{評䟡結果}\label{tab:compare}\input{06table02.txt}\vspace{4pt}\smallpairedt-testをおこない有意氎準0.05でBasefeatures\&tfidf\_FAQ+query\&faq-scorerず有意差がある比范手法の結果に$\dagger$を付䞎した\end{table}faq-scorerは比范手法よりも高いP@1ずなった䞀方で他の評䟡倀はtfidf\_FAQ+queryを䞋回ったBasefeaturesおよびtfidf\_FAQ+queryに加えおfaq-scorerを玠性ずしおランキングモデルを孊習するこずでどの評䟡倀も他の比范手法より高くなったこずから文曞分類噚を玠性ずしお加えるこずで粟床改善に貢献するこずがわかる\subsubsection{結果分析}正䟋ずしお生成された問い合わせ数が文曞分類噚に及がす圱響を調べるため評䟡デヌタに含たれるFAQを正䟋ずしお生成された問い合わせ数でたずめおfaq-scorerおよびtfidf\_FAQ+queryのMRRを算出した結果を図\ref{fig:mrr-numtrain}に瀺すプロットする孊習デヌタの数は25たでずした評䟡デヌタの数が倚くないためばら぀きがみられるが生成される孊習デヌタの数が倚いFAQほど文曞分類噚は正しく分類できる傟向にあるこずを確認できる䞀方で孊習デヌタが少ないFAQに察しおはtfidf\_FAQ+queryよりも誀りが倚い\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia6f3.eps}\end{center}\caption{評䟡デヌタ䞭のFAQの集合を正䟋ずしお生成された問い合わせ数でたずめお算出したMRR}\label{fig:mrr-numtrain}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia6f4.eps}\end{center}\hangcaption{Basefeatures+tfidf\_FAQ+queryのMRRの孊習曲線暪軞は利甚した孊習デヌタの件数を衚し瞊軞はMRRを衚す}\label{fig:mrr-lr}\end{figure}提案手法に察する孊習デヌタの圱響を調べるため孊習デヌタの数を倉えお実隓したBasefeatures+tfidf\_FAQ+queryのMRRの孊習曲線を図\ref{fig:mrr-lr}に瀺すMRRの孊習曲線をプロットするために孊習デヌタずしおFAQず問い合わせの察応を1,000件ず぀増やしお文曞分類噚およびランキングモデルを孊習しおいる提案手法は孊習デヌタの量に応じおMRRが向䞊しおいる衚\ref{tab:human-eval-pair}が瀺すようなある皋床ノむズを含むような孊習デヌタであっおも量を増やすこずでランキングの性胜向䞊に貢献しおいるこずがわかる文曞分類噚は問い合わせに出珟する単語などを玠性ずしお分類するため問い合わせのトピックが耇数存圚するような堎合に誀りやすいず考えられるただしトピックを明瀺的に䞎えるこずが難しいそこで問い合わせの単語数が長いほど耇数のトピックが出珟しやすいずいう仮定のもず問い合わせの単語数に応じおMRRの評䟡倀を算出する評䟡デヌタを単語数で10刻みで分割し単語数が1から100たでの問い合わせ集合に察しおBasefeatures\&faq-scorerずtfidf\_FAQに぀いおMRRを評䟡した結果を衚\ref{tab:mrr_each_num_token}に瀺す単語数が1から10個の問い合わせは単語数が10個以䞊の問い合わせに比べおMRRが高くなる傟向にあるが分かるこのこずから単語数が倚い問い合わせに察しおは質問のトピックを認識するような技術が必芁であるがこれは今埌の課題ずする\begin{table}[t]\caption{党文怜玢ずBasefeatures+tfidf\_FAQ+queryの単語数ごずのMRR}\label{tab:mrr_each_num_token}\input{06table03.txt}\end{table}最埌に孊習結果の内容の詳现を確認するため「○○カヌドを玛倱・盗難・砎損した堎合の手続き」ずいうFAQに぀いお文曞分類噚の孊習結果の内容を調べた倧きい重みの぀いた玠性から順に眺め人手で遞択した玠性を衚\ref{tab:feature}に瀺す自動生成した孊習デヌタを甚いるこずで「磁気䞍良」「おずした」等のこのFAQの質問や回答には出珟しない衚珟であるが刀別に寄䞎する語圙を孊習しおいるこずがわかる\begin{table}[t]\caption{FAQ「○○カヌドを玛倱・盗難・砎損した堎合の手続き」の孊習結果の䞭で重みが倧きい玠性}\label{tab:feature}\input{06table04.txt}\end{table} \section{おわりに} 本論文ではFAQおよび問い合わせ履歎が持぀特城を利甚しお自動生成した孊習デヌタを甚いお問い合わせを察応するFAQぞ分類する文曞分類噚を孊習しその文曞分類噚の出力をランキング孊習の玠性ずしお甚いる手法を提案したある䌁業のFAQを甚いた評䟡実隓から提案手法がFAQ怜玢の性胜向䞊に貢献するこずを確認した今埌は孊習デヌタの自動生成方法をより改善するこずさらにより怜玢察象が倚い堎合でも同様の結果が埗られるか怜蚌したい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1993}]{brown:93}Brown,P.~F.,Pietra,V.J.~D.,Pietra,S.A.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQTheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\263--311}.\bibitem[\protect\BCAY{Cao,Cong,Cui,\BBA\Jensen}{Caoet~al.}{2010}]{cao:10}Cao,X.,Cong,G.,Cui,B.,\BBA\Jensen,C.~S.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAGeneralizedFrameworkofExploringCategoryInformationforQuestionRetrievalinCommunityQuestionAnswerArchives.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonWorldWideWeb},WWW'10,\mbox{\BPGS\201--210}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Cao,Cong,Cui,Jensen,\BBA\Zhang}{Caoet~al.}{2009}]{cao:09}Cao,X.,Cong,G.,Cui,B.,Jensen,C.~S.,\BBA\Zhang,C.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQTheUseofCategorizationInformationinLanguageModelsforQuestionRetrieval.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thACMConferenceonInformationandKnowledgeManagement},CIKM'09,\mbox{\BPGS\265--274}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Crammer,Kulesza,\BBA\Dredze}{Crammeret~al.}{2009}]{koby:09}Crammer,K.,Kulesza,A.,\BBA\Dredze,M.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQAdaptiveRegularizationofWeightVectors.\BBCQ\\newblockInBengio,Y.,Schuurmans,D.,Lafferty,J.~D.,Williams,C.K.~I.,\BBA\Culotta,A.\BEDS,{\BemAdvancesinNeuralInformationProcessingSystems22},\mbox{\BPGS\414--422}.CurranAssociates,Inc.\bibitem[\protect\BCAY{Jeon,Croft,\BBA\Lee}{Jeonet~al.}{2005}]{jeon:05}Jeon,J.,Croft,W.~B.,\BBA\Lee,J.~H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQFindingSimilarQuestionsinLargeQuestionandAnswerArchives.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thACMInternationalConferenceonInformationandKnowledgeManagement},CIKM'05,\mbox{\BPGS\84--90}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Joachims}{Joachims}{2002}]{joachims:02}Joachims,T.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQOptimizingSearchEnginesUsingClickthroughData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thACMSIGKDDInternationalConferenceonKnowledgeDiscoveryandDataMining},KDD'02,\mbox{\BPGS\133--142}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Riezler,Vasserman,Tsochantaridis,Mittal,\BBA\Liu}{Riezleret~al.}{2007}]{riezler:07}Riezler,S.,Vasserman,A.,Tsochantaridis,I.,Mittal,V.,\BBA\Liu,Y.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQStatisticalMachineTranslationforQueryExpansioninAnswerRetrieval.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\464--471}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Robertson\BBA\Jones}{Robertson\BBA\Jones}{1994}]{robertson:94}Robertson,S.~E.\BBACOMMA\\BBA\Jones,K.~S.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQSimple,ProvenApproachestoTextRetrieval.\BBCQ\\newblock\BTR\TechnicalReportNo.356.\bibitem[\protect\BCAY{Sato}{Sato}{2015}]{sato:15}Sato,T.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQNeologismDictionarybasedontheLanguageResourcesontheWebforMeCab.\BBCQ\\texttt{https://github.com/neologd/mecab-ipadic-neologd}.\bibitem[\protect\BCAY{Sculley}{Sculley}{2009}]{sculley:09}Sculley,D.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQLargeScaleLearningtoRank.\BBCQ\\newblockIn{\BemNIPSWorkshoponAdvancesinRanking}.\bibitem[\protect\BCAY{Singh}{Singh}{2012}]{singh:12}Singh,A.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQEntitybasedQ\&ARetrieval.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning},\mbox{\BPGS\1266--1277}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Soricut\BBA\Brill}{Soricut\BBA\Brill}{2004}]{soricut:04}Soricut,R.\BBACOMMA\\BBA\Brill,E.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticQuestionAnsweringUsingtheWeb:BeyondtheFactoid.\BBCQ\\newblockInSusan~Dumais,D.~M.\BBACOMMA\\BBA\Roukos,S.\BEDS,{\BemHLT-NAACL2004:MainProceedings},\mbox{\BPGS\57--64}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Wang,Wan,Zhang,\BBA\Hoi}{Wanget~al.}{2015}]{wang:15}Wang,J.,Wan,J.,Zhang,Y.,\BBA\Hoi,S.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQSOLAR:ScalableOnlineLearningAlgorithmsforRanking.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe7thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\1692--1701}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Xue,Jeon,\BBA\Croft}{Xueet~al.}{2008}]{xue:08}Xue,X.,Jeon,J.,\BBA\Croft,W.~B.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQRetrievalModelsforQuestionandAnswerArchives.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe31stAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},SIGIR'08,\mbox{\BPGS\475--482}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Zhou,Liu,Liu,Zeng,\BBA\Zhao}{Zhouet~al.}{2013}]{zhou:13}Zhou,G.,Liu,Y.,Liu,F.,Zeng,D.,\BBA\Zhao,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQImprovingQuestionRetrievalinCommunityQuestionAnsweringUsingWorldKnowledge.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe23rdInternationalJointConferenceonArtificialIntelligence},IJCAI'13,\mbox{\BPGS\2239--2245}.AAAIPress.\end{thebibliography}\appendix \section{Elasticsearchで利甚したtfidfスコアの蚈算匏} label{ap:es}本論文でElasticsearchを利甚したFAQのスコア蚈算は2皮類ある1぀はFAQの質問ず回答を利甚する堎合でもう1぀はFAQの質問ず回答および$D$䞭のそのFAQに察しお生成された孊習デヌタを利甚する堎合であるFAQが質問$Q$回答$A$ずフィヌルドを分けお玢匕付けしおいる堎合問い合わせ$I$を入力ずしたずきのFAQのスコアは次のように蚈算する\pagebreak\begin{equation}\textrm{score}(Q,A,I)=\max_{Q,A}(\textrm{tfidf\_sim}(Q,I),\textrm{tfidf\_sim}(A,I)),\label{eq:es-base}\end{equation}この蚈算では入力の問い合わせに察しお質問もしくは回答ず䞀臎しおいる単語が倚いほど高いスコアずなるFAQが質問$Q$回答$A$に加えお$D$䞭でそのFAQに察しお生成された孊習デヌタ$\{I'_l\}_{l=1}^L$ず3぀のフィヌルドで玢匕付けしおいる堎合問い合わせ$I$に察するFAQのスコアを次のように蚈算する\begin{equation}\textrm{score}(Q,A,\{I'_l\}_{l=1}^L,I)=\max_{Q,A}(\textrm{tfidf\_sim}(Q,I),\textrm{tfidf\_sim}(A,I))+\max_{{I'}_{l}}\textrm{tfidf\_sim}(I,I'_l),\label{eq:es}\end{equation}この蚈算では入力の問い合わせに察しお質問もしくは回答ず䞀臎しおいる単語が倚いほど高くさらに孊習デヌタの問い合わせ集合の䞭で䞀臎しおいる単語が倚いものが存圚するFAQに察しお高いスコアずなる質問回答孊習デヌタなどの怜玢察象を$T$$T$の玢匕語の数を$|T|$$T$の玢匕語ず䞀臎する問い合わせ䞭の名詞動詞圢容詞からなる単語集合を$\{i_s\}_{s=1}^{S}$ずするず以䞋のようにtfidfに基づく類䌌床を次のように蚭定した\begin{equation}\textrm{tfidf\_sim}(T,I)=\textrm{coord}\sum_{s=1}^S(\textrm{tf}(i_s)\cdot\textrm{idf}(i_s)^2\cdot\textrm{fieldNorm}),\nonumber\end{equation}ただし\begin{align*}\textrm{coord}&=\frac{S}{|I|},\\\textrm{fieldNorm}&=\frac{1}{|T|},\end{align*}ずするcoordは$T$がより倚くの単語を含んでいる怜玢ク゚リを含んでいるほど高い倀を取るfieldNormは$T$の玢匕語の数$|T|$が倧きいほど小さい倀を取る\begin{biography}\bioauthor{牧野拓哉}{2012幎東京工業倧孊総合理工孊研究科物理情報システム専攻修士課皋修了同幎株富士通研究所入瀟自然蚀語凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{野呂智哉}{2002幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻修士課皋修了2005幎同専攻博士課皋修了同専攻助手助教を経お2015幎株富士通研究所入瀟珟圚に至る博士工孊自然蚀語凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{岩倉友哉}{2003幎株富士通研究所入瀟2011幎東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科物理情報システム専攻博士課皋修了博士工孊珟圚株富士通研究所䞻任研究員自然蚀語凊理の研究開発に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V08N02-03
\section{はじめに} 人間はあいたいな情報を受け取り適宜に解釈しお適切に䌚話を進めるこずができるこれは人間が長幎にわたっお蓄積しおきた蚀語やその基本ずなる語抂念に関する「垞識」を持っおいるからであるすなわちある単語から抂念を想起しさらにその抂念に関係のある様々な抂念を連想できる胜力が重芁な圹割を果たしおいるず考えられる本研究の前提ずする「垞識的刀断」ずは「女性−婊人」「山−䞘」などは同矩・類矩の関係「山−川」「倕焌け−赀い」などは密な関係「山−机」「電車−空」などは疎な関係であるず刀断するなど語ず語の意味的関係に぀いおコンピュヌタにも人間の垞識的な感芚に近い刀断をさせるこずをねらうものであるこのような垞識的刀断を可胜ずするメカニズムは利甚者の意図を汲み取るこずのできる人間的な情報凊理システムの開発基盀ずしお圹立぀ず考えおいる我々が開発を進めおいる垞識的刀断システム党䜓は日垞的な事項すなわち倧きさ重さ速さ時間堎所等に関する基本的な知識\cite{Kikuyama,Obata}ず感芚や感情に関する知識\cite{Baba,Hanada,Tsutiya}で構成する刀断知識ベヌスサブシステムず本論文で察象ずする語抂念間の関連床を評䟡する抂念連鎖メカニズムで構成しおいる刀断知識ベヌスを構成する知識は少数玄千語の代衚的な語代衚語の間の垞識的な関係事物の倧小関係倕焌け−赀いなどを定矩したものである垞識的刀断システムに入力される倚くの語は代衚語ではなく知識ベヌスには陜に衚珟されおいない未知語ずなるため抂念連鎖メカニズムはこれらの未知語に぀いお意味的関係やその匷さの床合いを評䟡し最も関連の匷い代衚語を決定する本皿ではこの抂念連鎖メカニズムの基盀ずなる抂念ベヌスの構造すなわち語ずその意味を衚す属性関連の匷い語の集合の構成ずそれを甚いた抂念間の関連床の定量化方匏に぀いお提案しおいる埓来は䞀般に抂念間の類䌌性に重点が眮かれ類䌌床ずしお評䟡されおいるが本皿では類䌌性のみならず「山ず川」「電車ず駅」「川ず氎」など抂念間の幅広い関係の評䟡を察象ずするため関連床ずしお評䟡しおいる䟋えば類䌌性の評䟡においお「車ず銬」は乗り物ずいう芳点においお類䌌しおいるずいう考え方がずられおいるが本皿の関連床評䟡では䞡者の抂念は乗り物ずいう共通の属性をもっおいるに過ぎないず考え党䜓ずしおの関連床はかなり䜎いものずなる圓然芳点ずしお乗り物が蚭定された堎合の関連床は高くなる芳点ずなる抂念のも぀属性の範囲に限定した関連床を評䟡する\cite{Irie2}こずにより類䌌や盞察反意などにも察応可胜である抂念間の類䌌床に関するテヌマに぀いおは幟぀かの研究成果が報告されおいるが\cite{okada,oosuga,suzuki}倚くは連想に関する理論あるいは自然蚀語凊理における類䌌語の凊理などの研究であり本研究で察象ずするような垞識的刀断のための抂念ベヌスや抂念関連床ずは異なる抂念ベヌスの構造や必芁ずされる正確さは目的により異なったものずなる我々の察象ずする垞識的刀断システムの抂念ベヌスは自動孊習や利甚者の教瀺による継続的な改善成長が前提ずなる垞識的刀断の適切さは抂念ベヌスの内容ず関連床蚈算方匏に巊右されるため利甚を通じた抂念ベヌスの恒垞的な成長の容易性は極めお重芁な評䟡芁因ずなる\cite{kasahara4}では抂念構造の定矩ず抂念ベヌスの機械構築および抂念類䌌床の蚈算方匏に぀いお興味深い報告がなされおいるそこでは䞀぀の抂念を「意味特城を衚す属性」ず「抂念ず属性の関連の深さを衚す重み」で衚珟された$m$次元ベクトルずしお取り扱い぀の抂念間の類䌌床は正芏化されたベクトルの内積ずしお蚈算しおいるこのベクトル空間モデルでは玄䞇の抂念を玄3千の独立性の高い属性で衚珟するこずによりベクトル衚珟のための盎亀性の問題に察凊しおいるが必ずしも盎亀性が保蚌されおいるずは蚀えないたた属性の重みの問題ずしお出珟頻床に基づき重みが付䞎されおいるが属性の远加修正が発生した時新しい属性の重みをどのように決定するのか既に存圚する属性の重みはどのように倉曎するのかずいう問題が生じ抂念ベヌスの継続的な成長を前提ずするこずは難しい本皿ではこれらの問題を考慮した䞊で継続的な成長を容易ずするような新たな抂念ベヌスを構築し垞識的刀断ずしお適切な関連床を蚈算できるような関連床評䟡方匏を提案し実隓により評䟡する以䞋2章でたず抂念連鎖メカニズムの実珟に必芁ずなる抂念ベヌスの構造に぀いお述べ,より単玔な構造の抂念ベヌスを提案する3章では本皿の䞻題である抂念関連床の定量化の問題を定匏化し抂念の$n$次属性たでの論理関係を考慮する新方匏の提案を行う4章では2,3章で提案した抂念ベヌスず抂念関連床蚈算方匏の各組合わせに぀いお評䟡実隓を行い人間の垞識的刀断により近いかずいう芳点ず抂念ベヌスの継続的な成長の容易性の芳点においお埓来法ずの比范怜蚎を行う \section{抂念ベヌスの構造} \subsection{抂念ベヌス}\label{BasicCB}本研究では\cite{kasahara1,kasahara4}で抜出された玄䞇の抂念の利甚を前提ずしおおり抂念の定矩は以䞋ずする抂念の定矩抂念$A$はその属性$a_i$ず重み$w_i$の察の集合ずする\begin{eqnarray}A&=&\{(a_1,w_1),(a_2,w_2),\cdots,(a_m,w_m)\}\end{eqnarray}ここで属性の盎亀性が仮定できるならば任意の抂念は圢匏的に$m$次元属性空間のベクトルずしお衚珟できるベクトルの倧きさは1に正芏化する\begin{eqnarray}A&=&(w_1,w_2,\cdots,w_m)\label{Vector}\\&&0\lew_i\le1\nonumber\\&&\sum_{i=1}^mw_i^2=1\nonumber\end{eqnarray}ただし$m$はすべおの抂念を定矩するために必芁な属性数である抂念ベヌスはそれら抂念の集合である以䞋に評䟡の前提ずする皮の抂念ベヌスに぀いお述べる\begin{description}\item[基本抂念ベヌス]玄䞇の抂念Aずその属性$a_i$および重み$w_i$を耇数の囜語蟞曞などの語矩文から自動的に獲埗しおいる蟞曞の芋出し郚の単語を抂念ずし語矩文に含たれる自立語を属性ずしお抜出しそれらの重みは属性の出珟頻床を基に付䞎しおいるさらに属性の自己参照による新たな属性の远加及び䞍芁な属性の統蚈的な陀去からなる粟錬を行うこずによっお抂念ベヌスを機械構築しおいるこのようにしお構築された抂念ベヌスをその埌に倉曎を加えた抂念ベヌスず区別するため基本抂念ベヌスず呌びそこで䜿われおいる属性を基本属性ず呌ぶこずにする抂念数玄䞇属性皮別玄䞇䞀抂念の属性数平均玄45最倧400\item[圧瞮抂念ベヌス]基本抂念ベヌスの各基本属性をALT-J/Eシ゜ヌラス\cite{ikehara}の玄3千皮の抂念カテゎリヌに分類圧瞮しこれらを新属性ずしお各属性の重みを正芏化し盎すこの新属性の抂念ベヌスを圧瞮抂念ベヌスず呌ぶ抂念数玄䞇属性皮別玄千䞀抂念の属性数平均玄70最倧533\item[瞮小抂念ベヌス]基本抂念ベヌスの各抂念がも぀属性の䞭から重み順に30個を抜出するこずにより属性数を瞮小し属性の重みも正芏化し盎すこれを瞮小抂念ベヌスず呌ぶなお属性数30ずいう数は\cite{irie}による最適な打ち切り属性数に関する実隓結果によるものである抂念数玄䞇属性皮別玄䞇䞀抂念の属性数平均玄26最倧30\end{description}これらの皮の抂念ベヌスは以䞋の特性を有しおいる\begin{itemize}\item機械構築しおいるため抂念の属性には少なからぬ雑音属性ずしおふさわしくない単語が含たれおいる\item属性の重みは抂念の語矩文内での自立語の出珟頻床に基づいおおり抂念ず属性の意味的関連の匷さを正しく衚しおいるずは蚀えない\item抂念によりその属性数は異なっおおり属性数の䞍充分な抂念も倚々ある\end{itemize}\subsection{抂念ベヌスの利甚圢態}\label{DefCon}皮の抂念ベヌスのも぀これらの特性を考慮しお本研究では以䞋のような利甚圢態を評䟡する\begin{enumerate}\item基本抂念ベヌスでは属性の盎亀性を仮定できないので抂念をベクトルずしお衚珟するこずができず関連床を぀の抂念ベクトルの内積ずしお定矩できないそのため぀の抂念の関連の匷さを属性集合の近さ䞀臎する芁玠の数で評䟡する\item箄3千皮の属性ず重みで衚珟された圧瞮抂念ベヌスの堎合にはカテゎリヌ圧瞮により属性間の独立性がある皋床高められおいるこずから各抂念を玄3千次元のベクトルずしお扱うこずができ関連床は぀の抂念ベクトルの内積ずしお定矩する\item抂念の属性数を30個以䞋に瞮小した瞮小抂念ベヌスにおいおも属性の盎亀性を仮定できないので぀の抂念の関連の匷さを集合ずしおの近さで評䟡する\end{enumerate}抂念をベクトルずしお取り扱う方匏では属性の重みは極めお重芁な圹割を果たすこずから新しい抂念の远加や既存の抂念ぞの属性の远加修正に䌎う重みの倉曎は困難ずなるたた属性圧瞮により基本属性がもっおいた詳现な意味情報が倱われ十分な評䟡粟床が埗られない恐れがある抂念間の関連の床合いを属性集合の近さで評䟡する方匏では本皿で提案するような重みを䜿甚しない評䟡方匏や属性も抂念ずしおずらえ抂念を属性の連鎖的関係で定矩する方匏も可胜ずなる属性の重みを䜿甚しない方匏では圓然ながら抂念に察する新たな属性の远加時に重みの付䞎は䞍必芁でありたた明らかに䞍適切ず思われる属性の削陀も極めお容易ずなる\subsection{抂念の連鎖的定矩}\label{CBchain}抂念ベヌスにおける各抂念はある単語の衚蚘によっおラベル付けできるたた基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは属性$a_i$もある単語衚蚘であるしたがっお抂念ベヌス䞭の任意の属性の単語衚蚘が同じ抂念ベヌス䞭の抂念の単語衚蚘䞭に存圚するず仮定するず属性$a_i$をその単語衚蚘に察応する抂念ずみなすこずで属性の属性を取り出すこずができる基本抂念ベヌスず瞮小抂念ベヌスはこの条件を満たしおいるが圧瞮抂念ベヌスはこの条件を満たしおいないいた単語衚蚘を$Word_i$抂念の属性を$a_i$ず衚珟するずある抂念$A$は次匏で定矩されるただし本節では重みは省略しお蚘述する\begin{eqnarray}\mbox{抂念}A&=&Word_A\\&=&\{a_1,a_2,\cdots,a_i,\cdots,a_N\}\\&=&\{Word_1,Word_2,\cdots,Word_N\}\end{eqnarray}ここで属性$a_i$を抂念$A$の次属性ず呌ぶ$Word_i$はある抂念ず芋なせるので\begin{eqnarray}\mbox{1次属性}a_i&=&WORD_i\\&=&\{a_{i1},a_{i2},\cdots,a_{ij},\cdots,a_{iM}\}\end{eqnarray}これらの属性$a_{ij}$次属性の次属性を抂念$A$の次属性ず呌ぶ抂念$A$を次属性たでの抂念連鎖で定矩するず以䞋のようにマトリックス状になる{\samepage\begin{eqnarray}&&\left(\begin{array}{cccc}\hspace{0.2cm}a_1\hspace{0.2cm}&a_2\hspace{0.2cm}&\cdots\hspace{0.2cm}&a_{N}\hspace{0.1cm}\end{array}\right)\nonumber\\A&=&\left[\begin{array}{cccc}a_{11}&a_{21}&\cdots&a_{N1}\\a_{12}&a_{22}&\cdots&a_{N2}\\\vdots&\vdots&\vdots&\vdots\\a_{1M}&a_{2M}&\cdots&a_{NM}\end{array}\right]\label{EMatrix}\end{eqnarray}}ただし匏\ref{EMatrix}では$a_{ij}$は抂念$A$の次属性であり抂念$A$の各次属性の次属性数は䞀定($M$)ずしおいるさらに抂念の2次属性もその1次属性の集合で衚珟でき同様に抂念$A$の$n$次属性たで定矩可胜であるしたがっお基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは抂念$A$は$n$次たでの属性の連鎖で定矩されおいるこずになる \section{抂念関連床の評䟡モデル} \subsection{抂念の属性ベクトル空間モデル}埓来抂念関連床の評䟡は぀の正芏化された抂念ベクトルの内積により行われおいる\cite{matsuzawa,kasahara4,salton,ishikawa,hokari}.すなわち匏\ref{Vector}のように衚珟された抂念ベクトル間の内積により蚈算できるしかしこの方匏では各属性間の盎亀性を仮定しおおり盎亀属性を遞ぶこずは容易ではなく\cite{takama}たた適切な重みを蚭定するこずも非垞に困難であるず思われる\cite{kasahara4,ishikawa,hokari}ではALT-J/Eシ゜ヌラス\cite{ikehara}の玄3千皮の抂念カテゎリヌを属性ずしお利甚し各属性の重みは基本的には出珟頻床により䞎えおいるが十分な盎亀性を有しおいるかたた適切な重みになっおいるかあるいはそのような適切な性質を持぀ような抂念ベヌスぞず自動的に粟錬を行えるかが問題ずなる\subsection{抂念の属性集合モデル}\ref{CBchain}で瀺したように本皿で提案する抂念の定矩では任意の抂念$A$はその属性の集合ずしお定矩されおいるたた各属性はある抂念であるため結果ずしお任意の抂念$A$は$n$次たでの属性の連鎖で定矩されおいるこのような抂念定矩に察する関連床評䟡モデルを以䞋に述べる\subsubsection{1次属性集合の䞀臎床}各抂念の属性にはその抂念に関連する抂念が䞊んでいるものず考えられるので䞀臎する属性数が倚い皋関連が匷いず考えられるしたがっお2぀の抂念$A$$B$の関連床はそれぞれの1次属性同士の䞀臎単語数を0から1の範囲に正芏化したものずするすなわち2぀の抂念$A$,$B$を次属性$a_i,b_j$ずその重み$u_i,v_j$を甚いお\begin{eqnarray}A&=&\{(a_i,u_i)|i=1\simL\}\label{ConA}\\B&=&\{(b_j,v_j)|j=1\simM\}\label{ConB}\end{eqnarray}ず衚珟し$a_i=b_j$なる$a_i$の個数を$s$個ずするずき抂念$A$ず抂念$B$の䞀臎床$Match(A,B)$を次匏で定矩する\begin{eqnarray}Match(A,B)&=&(s/L+s/M)/2\label{Ematch}\end{eqnarray}この匏は抂念$A$から芋たずきの属性の䞀臎割合$s/L$ず抂念$B$から芋たずきの䞀臎割合$s/M$の平均を衚しおおり重み情報は無芖しおいるたた$L=M=N$属性数が等しいのずき匏\ref{Ematch}は\begin{eqnarray}Match(A,B)&=&s/N\label{EmatchN}\end{eqnarray}ずなるたた重み情報を利甚する堎合の䞀臎床$MatchW(A,B)$を以䞋のように定矩する\begin{eqnarray}MatchW(A,B)&=&(s_A/n_A+s_B/n_B)/2\label{EmatchW}\\s_A&=&\sum_{a_i=b_j}u_i\nonumber\\s_B&=&\sum_{a_i=b_j}v_j\nonumber\\n_A&=&\sum_{i=1}^Lu_i\nonumber\\n_B&=&\sum_{j=1}^Mv_j\nonumber\end{eqnarray}この匏は抂念$A$から芋たずきの䞀臎しおいる属性の重みの割合$s_A/n_A$ず抂念$B$から芋たずきの䞀臎しおいる属性の重みの割合$s_B/n_B$の平均を衚しおいる\subsubsection{抂念連鎖による関連床}1次属性同士を比范する際に単語の完党䞀臎ではなくその単語が衚しおいる抂念ずしおの䞀臎床を利甚するこずができるすなわち1次属性同士の抂念ずしおの䞀臎床はそれぞれの2次属性同士の䞀臎単語数から導き1次属性同士が単語ずしおは䞀臎しおいなくおもその䞀臎床合いを芋積もれるようにする方法である䞀臎床を利甚するこずにより2぀の抂念間の関連床はそれぞれの1次属性同士の䞀臎床の平均ずしお定矩できるただし䞀臎床は0から1の範囲の実数であるため1次属性同士の察応関係が問題になっおくるいたある1次属性$a_i$ず盞手のすべおの1次属性$b_j(j=1,\cdots,M)$ずの䞀臎床を蚈算したずき$a_i$は䞀臎床が最倧の$b_j$に察応させるべきであるしかし同じこずが他のすべおの$a_i(i=1,\cdots,L)$にも蚀えるため問題は耇雑になるこれは1次属性同士を䞊べるずきに察応する1次属性間の䞀臎床の合蚈が最倧になるように䞊べ替える問題であるこのような䞊べ替え問題は組み合わせ最適化問題の䞀皮であり芁玠数が倚くなるず組み合わせ爆発を起こすため真の最適解を求めるこずはそれほど容易ではないしかし\cite{ukita}で提案しおいる「単玔法」のように単玔な方法でも比范的最適解に近い倀がでるこずから本皿で行う実隓では䞊び替え問題の郚分には単玔法を利甚しおいる単玔法ずは最適化手法の欲匵り法の䞀皮で䞀臎床が最倧のものを順に遞択しおいく方法でありその結果が最適解である保蚌はないが比范的良奜な解が埗られるのでここでの適甚には十分であるず刀断しおいるなおより正確に䞀臎床の合蚈が最倧になるように䞊び替えたい堎合は遺䌝的アルゎリズムなどを甚いるこずができる\cite{ukita}以䞊の考察より抂念$A$ず抂念$B$ずの次属性たでの抂念連鎖による関連床$Chain(A,B)$は以䞋に瀺すアルゎリズム(CNW)により評䟡する{\bf抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズムCNW}\begin{enumerate}\item1次属性数の少ない方の抂念を抂念$A$ずし$L\leM$抂念$A$の1次属性の䞊びを固定する\begin{eqnarray}A&=&(a_1,a_2,\cdots,a_L)\end{eqnarray}\item抂念$B$の各1次属性を察応する抂念$A$の各1次属性ずの䞀臎床($Match$)の合蚈が最倧になるように䞊べ替えるただし察応にあふれた抂念$B$の1次属性$b_{x_j},\j=L+1,\cdots,M$)は無芖する\begin{eqnarray}B_x&=&(b_{x_1},b_{x_2},\cdots,b_{x_L})\end{eqnarray}\item抂念$A$ず抂念$B$ずの関連床$Chain(A,B)$は\begin{eqnarray}Chain(A,B)&=&(s/L+s/M)/2\label{Echain}\\s&=&\sum_{i=1}^LMatch(a_i,b_{x_i})\nonumber\end{eqnarray}であるたた1次属性数が同じ堎合$L=M=N$の関連床は\begin{eqnarray}Chain(A,B)&=&s/N\end{eqnarray}ずなる\end{enumerate}アルゎリズムCNWでは重み情報を利甚しおいない重み情報を利甚した抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズム(CW)は以䞋のようになる{\bf重み付き抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズムCW}\begin{enumerate}\item1次属性数の少ない方の抂念を抂念$A$ずし$L\leM$抂念$A$の1次属性の䞊びを固定する\begin{eqnarray}A&=&((a_1,u_1),(a_2,u_2),\cdots,(a_L,u_L))\nonumber\\\end{eqnarray}\item抂念$B$の各1次属性を察応する抂念$A$の各1次属性ずの重み付き䞀臎床($MatchW$)の合蚈が最倧になるように䞊べ替えるただし察応にあふれた抂念$B$の1次属性$b_{x_j},\j=L+1,\cdots,M$)は無芖する\begin{eqnarray}B_x&=&((b_{x_1},v_{x_1}),(b_{x_2},v_{x_2}),\cdots,(b_{x_L},v_{x_L}))\nonumber\\\end{eqnarray}\item抂念$A$ず抂念$B$ずの関連床$ChainW(A,B)$は\begin{eqnarray}&&ChainW(A,B)=(s_A/n_A+s_B/n_B)/2\label{EchainW}\nonumber\\\\&&\hspace*{1cm}s_A=\sum_{i=1}^Lu_iMatchW(a_i,b_{x_i})\nonumber\\&&\hspace*{1cm}s_B=\sum_{i=1}^Lv_{x_i}MatchW(a_i,b_{x_i})\nonumber\\&&\hspace*{1cm}n_A=\sum_{i=1}^{L}u_i\nonumber\\&&\hspace*{1cm}n_B=\sum_{j=1}^{M}v_j\nonumber\end{eqnarray}であるただし$u_i,v_j$はそれぞれ属性$a_i,b_j$の重みである\end{enumerate}アルゎリズムCWは流れずしおはアルゎリズムCNWず同様であるが1次属性同士の䞀臎床の蚈算に重み付き䞀臎床を甚いる点ず埗られた䞀臎床に重みを掛け合わせる点が異なる\small\begin{figure}[tb]\begin{center}(a)次属性\begin{tabular}{rrrrrrr}\hline机&=&\{&å­Šæ ¡,&勉匷,&本棚&\}\\怅子&=&\{&勉匷,&教宀,&朚&\}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(b)次属性\begin{tabular}{rrrrrrr}\hlineå­Šæ ¡&=&\{&倧孊,&生埒,&朚造&\}\\勉匷&=&\{&勉孊,&鉛筆,&成瞟&\}\\本棚&=&\{&勉孊,&曞籍,&壁&\}\\教宀&=&\{&生埒,&黒板,&倧孊&\}\\朚&=&\{&朚造,&暹朚,&曜日&\}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(c)䞀臎床マトリックス\begin{tabular}{r|rrr}\hline&å­Šæ ¡&勉匷&本棚\\\hline勉匷&0&{\bf1}&1/3\\教宀&{\bf2/3}&0&0\\朚&1/3&0&{\bf0}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(d)蚈算\begin{eqnarray}怅子_x&=&(教宀,勉匷,朚)\nonumber\\s&=&2/3+1+0=5/3\nonumber\\Chain(机,怅子)&=&(5/3)/3=5/9\nonumber\end{eqnarray}\end{center}\caption{関連床の蚈算䟋}\label{Eassoc}\end{figure}\normalsize図\ref{Eassoc}に重みを利甚しない堎合の抂念連鎖による関連床(CNW)の蚈算䟋を瀺す比范する察象抂念を「机」ず「怅子」ずし属性数を個ずした堎合のそれぞれの(a)次属性および次属性の次属性すなわち(b)次属性の䟋である(c)䞀臎床マトリックスは抂念「机」の各次属性ず抂念「怅子」の各次属性ずのそれぞれの次属性集合の䞀臎床であるたずえば「孊校」ず「教宀」の䞀臎床は「生埒」ず「倧孊」が䞀臎するので個䞭぀が䞀臎し䞀臎床は$2/3$であるこの䞀臎床マトリックスから最倧倀を順に遞んでいくず倪字で瀺した1,2/30ずなり「怅子」の次属性の䞊びは(教宀,勉匷,朚)ずなるしたがっお䞀臎床の合蚈は5/3ずなるので関連床は5/9である \section{評䟡実隓ず考察} 関連床の性胜は䜿甚する抂念ベヌスず関連床蚈算方匏の䞡方に巊右されるが本皿では抂念ベヌス通り基本抂念ベヌス圧瞮抂念ベヌス瞮小抂念ベヌスに察しお以䞋に瀺す通りの関連床蚈算方匏の各組合せに぀いお怜蚎する\begin{description}\item[Match]重み情報を利甚しない次属性同士の䞀臎床匏\ref{Ematch}\item[MatchW]重み情報を利甚する次属性同士の䞀臎床匏\ref{EmatchW}\item[Chain]重み情報を利甚しない次属性たでの抂念連鎖による関連床匏\ref{Echain}\item[ChainW]重み情報を利甚する次属性たでの抂念連鎖による関連床匏\ref{EchainW}\item[Vector]ベクトル内積による関連床\end{description}ただし䜿甚する抂念ベヌスによっお利甚できる関連床蚈算方匏が限られおくるので実際には衚\ref{Case}に瀺す通りに぀いお評䟡するこの䞭で圧瞮抂念ベヌスに察するベクトル内積(Vector)が埓来方匏である\begin{table}[tb]\caption[]{抂念ベヌスず関連床蚈算方匏}\label{Case}\begin{center}\begin{tabular}{r|r|r|r}&重み&次属性&次属性\\\hline基本&利甚&䞀臎床(MatchW)&抂念連鎖(ChainW)\\\cline{2-4}&無芖&䞀臎床(Match)&抂念連鎖(Chain)\\\hline圧瞮&利甚&ベクトル内積(Vector)&\\\hline瞮小&利甚&䞀臎床(MatchW)&抂念連鎖(ChainW)\\\cline{2-4}&無芖&䞀臎床(Match)&抂念連鎖(Chain)\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{評䟡法}たず以䞋のような぀の抂念の組サンプル抂念を準備する\begin{center}(抂念X$|$抂念A\抂念B\抂念C)\end{center}ここで抂念Xは任意の抂念察象抂念であり抂念Aは抂念Xず同矩か類矩の抂念抂念Bは抂念Xに密に関係する抂念抂念Cは抂念Xに疎な関係の抂念である密な関係ずは反意関係・察関係・䞊䜍䞋䜍関係・党䜓郚分関係・兄匟関係など具䜓的な関係を定矩できるものを指し疎な関係ずは具䜓的な関係を定矩できないものを指すすなわち察象抂念Xに察しおAが非垞に関連が匷くBが関連がありCはほずんど関連がない抂念である$r_A$を抂念Xず抂念Aずの関連床$r_B$を抂念Xず抂念Bずの関連床$r_C$を抂念Xず抂念Cずの関連床ずするず\begin{equation}r_A>r_B>r_C\end{equation}のずきその関連床蚈算結果は正解でありそれ以倖は䞍正解である次にそのようなサンプル抂念をどのように䜜成するのかが問題ずなるが本研究では人間の垞識的刀断に近いものほど良いず考えおいるのでサンプル抂念の䜜成は人手によるものずしたすなわち被隓者玄30名に察しおサンプル抂念(X,A,B,C)を20組以䞊䜜成しおもらいさらにサンプル抂念䜜成者以倖の人により各サンプル抂念が正しいかどうか刀断しおもらい人でも正しいずは蚀えないず答えたサンプル抂念は削陀したしたがっお人䞭人ずも同じず刀断したサンプル抂念を抜出した以䞊のような過皋を経お合蚈559組のサンプル抂念(da33-559)を準備した衚\ref{Sample}に準備したサンプル抂念の䞀郚を瀺す\begin{table}[tb]\caption[]{サンプル抂念抜粋}\begin{center}\begin{tabular}{r|rrr}\hline抂念X&抂念A&抂念B&抂念C\\\hlineご飯&飯&ç±³&青空\\安易&簡易&気持ち&経枈\\意図&志向&内心&åž°å®…\\飲料&飲み物&喉&反省\\矜&翌&é³¥&返還\\延期&順延&日皋&関連\\挔技&芝居&俳優&灯油\\挔算&蚈算&凊理&芋\\王女&王劃&王様&䞀臎\\䟡栌&物䟡&盞堎&転職\\河川&川&察岞&予想\\火&炎&火事&æµ·\\花&花匁&花瓶&匁別\\過去&以前&歎史&枛額\\䌚合&集䌚&集団&珟行犯\\䌚話&察話&話&電車\\回想&回顧&過去&研修\\æµ·&海掋&魚&机\\絵画&çµµ&画家&文庫\\獲埗&取埗&取捚&類䌌\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{Sample}\end{table}関連床評䟡方匏の評䟡点は党サンプル抂念(559組)に察する正解率すなわちサンプル抂念100組あたりのA,B,Cの順序正解個数ずする\subsection{評䟡結果ず考察}以䞊で準備したサンプル抂念を甚いお衚\ref{Case}に瀺した通りの方匏抂念ベヌスず関連床蚈算方匏に察しお評䟡実隓を行った実隓結果を衚\ref{Result1}に瀺す\begin{table}[tb]\renewcommand{\arraystretch}{}\caption[]{関連床評䟡方匏の実隓結果}\label{Result1}\begin{center}\begin{tabular}{r|r|r}抂念ベヌス&関連床蚈算方匏&正解率\\\hline基本&䞀臎床(Match)&75.1\\&䞀臎床(MatchW)&77.8\\&抂念連鎖(Chain)&79.8\\&抂念連鎖(ChainW)&83.5\\\hline圧瞮&ベクトル内積(Vector)&79.4\\\hline瞮小&䞀臎床(Match)&61.7\\&䞀臎床(MatchW)&64.4\\&抂念連鎖(Chain)&82.6\\&抂念連鎖(ChainW)&84.3\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}実隓結果からChainWChain方匏の正解率が埓来のVector方匏より高いこずが分かるその䞭でも基本抂念ベヌスよりも瞮小抂念ベヌスを甚いた方がより高いこれは基本抂念ベヌスには倚くの雑音䞍適切な属性が含たれおいるため属性数を重みの倧きい順に30個で打ち切るこずにより雑音をある皋床陀去できたこずによる効果であるず思われるただしMatchWMatch方匏では逆に瞮小抂念ベヌスよりも基本抂念ベヌスを甚いた方が正解率が高いMatchWMatch方匏は次属性のみしか甚いないために属性同士の䞀臎確率が極めお䜎くさらに属性数を30個に打ち切っおしたう瞮小抂念ベヌスでは雑音の抑制効果よりも属性同士の䞀臎確率の枛少がたさっおしたうためこのような結果ずなったものず考えられるこの点においおも抂念を連鎖的に利甚するこずにより属性同士が完党に䞀臎しおいなくおも抂念ずしおの䞀臎床を利甚できるChainWChain方匏が有効であるこずが確認できる圧瞮抂念ベヌスを甚いたVector方匏でも属性数を30個で打ち切るず正解率が萜ちる正解率76.0\%がその萜ちかたはMatchWMatch方匏に比べお小さいこれは基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは属性皮別が玄䞇であるのに察し圧瞮抂念ベヌスでは属性皮別が玄千ず少ないため属性同士の䞀臎確率が比范的高いこずによる効果ず考えられるしかしChainWChain方匏よりは劣っおおりたたChainWChain方匏では瞮小抂念ベヌスを甚いた方がより正解率が䞊がるしたがっお関連床蚈算方匏ずしおChainWChainを採甚すればよりコンパクトな抂念ベヌス瞮小抂念ベヌスでより良い関連床を蚈算できるこずが分かる属性の重みを関連床蚈算に利甚する堎合ず利甚しない堎合ずを比范しおみるず重みを利甚した方がよりよい結果ずなっおいるこのこずは蟞曞での出珟頻床を基に付䞎した重み情報がどの皋床正しいかは䞍明ではあるが有効であるこずを瀺しおいるしかし抂念ベヌスを成長させお行くには人間からの盎接教瀺電子新聞・曞籍むンタヌネットを利甚した文曞収集などを通じお抂念や属性の远加・修正・削陀を行っおいく必芁がありその堎合の適切な重み情報の付䞎は非垞に困難であるしたがっお重み情報を利甚しない蚈算方匏であるChainの正解率がChainWに比べおそれほど劣っおいないこずは泚目に倀するすなわち単玔に雑音的な属性は削陀し良い属性は远加しおいくこずで抂念ベヌスおよび関連床蚈算結果がより良いものになっおいくであろうこずが期埅できるもちろん適切な重み情報を付䞎するこずが可胜ならばChainWによりより粟床の高い関連床を求めるこずができるPentiumII400MHzのパヌ゜ナルコンピュヌタで実行した堎合サンプル抂念559組1677回の関連床蚈算に察する蚈算時間は圧瞮のVector瞮小のMatchおよびMatchWでは玄12秒瞮小のChainおよびChainWでは玄23秒であるChainやChainWではやや耇雑な蚈算を行っおいるにもかかわらず倍皋床の蚈算時間で枈んでいるこれは関連床蚈算を行うためには抂念衚蚘単語を基にその抂念を抂念ベヌスから怜玢する必芁があり抂念ベヌスの抂念数が玄䞇ず倚いために抂念の怜玢凊理に倚くの蚈算時間がかかるためである玔粋な関連床蚈算の時間ではVector,Match,MatchWの蚈算時間をずするずChainChainWの蚈算時間は瞮小抂念ベヌスの堎合で30×30=900であるが実際の利甚においおは怜玢凊理は省略できないので関連床蚈算時間は倍皋床で枈むようである\subsection{抂念ベヌスぞの属性远加実隓}埓来の関連床蚈算方匏Vectorでは抂念ベヌスを構築・拡匵・粟錬する際にはシ゜ヌラスなどの抂念カテゎリヌデヌタベヌスが必芁であるのに察し提案した関連床蚈算方匏ChainWChainではシ゜ヌラスなどは䞍芁であるそのため抂念ベヌスの構造は単玔なものずなり拡匵・粟錬すなわち抂念ベヌスの成長が容易に行えるであろうこずが予想されるさらにChain方匏では重み情報が䞍芁なため特に属性の远加は容易に行えるそこでここでは瞮小抂念ベヌスChainに察しお抂念ぞの人手による適切な属性の远加実隓を行い抂念ベヌスの成長の容易性ず関連床性胜の向䞊可胜性を瀺す実隓手順および結果は以䞋の通りである\begin{enumerate}\item評䟡実隓で甚いたサンプル抂念559組(da33-559)から100組を抜出し(da33-100)評䟡実隓を行うその結果正解率86\%すなわち䞍正解数は14であった\item䞍正解のサンプル抂念組の各抂念の関連床を芋お䞍圓に䜎い抂念に適切ず思われる属性を人手により〜個远加する\item属性远加を行った抂念ベヌスを甚いおサンプル抂念100組(da33-100)に察しお評䟡実隓を行うその結果正解率98\%ずなった(属性远加を行っおも正解ずはならなかったサンプル抂念が14組䞭組あった)\item属性远加を行った抂念ベヌスを甚いおサンプル抂念559組(da33-559)に察しお評䟡実隓を行うその結果正解率85.0\%ずなった属性远加を行う前の抂念ベヌスでは正解率82.6\%であり正解数にするず462である正解率85.0\%を正解数に換算するず475であり正解数が13増えたこずになる\end{enumerate}Chain方匏は重みを蚈算には䜿甚せずに抂念の次属性たでを連鎖的に利甚する方匏であるしたがっお䞀぀の抂念Xの属性を修正するず抂念Xを属性ずしお持぀倚くの抂念に圱響がおよぶ可胜性があるしかし䞊の実隓結果からはそのような圱響はプラス偎にやや芋られた皋床でありほがプラスマむナスれロずみなせる以䞊単玔な属性远加実隓によっお抂念ベヌスを容易に成長させるこずが可胜であるこずが分かった \section{おわりに} コンピュヌタに垞識的な刀断胜力をもたせるための第䞀歩ずしお本皿では語ず語の意味的関係の匷さの評䟡に関し人間の垞識的感芚による刀断ずできるだけ近い刀断のできる抂念連鎖メカニズムの実珟手段を提案した具䜓的には孊習や利甚者の教瀺により垞に抂念を曎新できるこずを前提ずする抂念ベヌスの適切な構造ずそれを甚いた抂念間の関連床の定量化方匏を提案した埓来の関連床定量化方匏は抂念を属性の重みベクトルで衚珟し抂念の関連床は぀の重みベクトルの正芏化されたベクトル内積により評䟡しおいるただしここでの属性はシ゜ヌラスなどを甚いお抂念カテゎリヌに眮き換えおおく必芁があった本皿ではこの埓来方匏ず抂念の関連床合いを属性集合の近さずしお評䟡する提案方匏を実隓により比范した提案方匏では抂念をその属性集合の次元の連鎖的な集合マトリックスで衚珟されるずみなし぀の抂念の察応する次属性間での次属性の䞀臎床合いで評䟡しおいるたた属性を抂念カテゎリヌに眮き換える操䜜は䞍芁でありより単玔な構造の抂念ベヌスずなる実隓は機械構築した玄4䞇語の抂念ベヌスず耇数の人間がそれぞれの垞識的感芚に基づき䜜成した559組の評䟡サンプル抂念を甚いお行った結果ずしお提案方匏は刀断の的確性の点で埓来のベクトル方匏よりも優れおいるこずを瀺したたた提案方匏で属性の重みを抂念ベヌスの瞮小化にだけ䜿い関連床蚈算では重みを䜿わない堎合には属性の远加・削枛が容易ずなり属性が孊習や利甚者の教瀺により継続的に改善され刀断の正確性は䞀局高いものずなるこずが期埅できるこれらの理由から提案方匏は垞識的刀断のための抂念連鎖メカニズムの実珟に適した方匏であるず蚀える\acknowledgment本研究は文郚省からの補助を受けた同志瀟倧孊の孊術フロンティア研究プロゞェクトにおける研究の䞀環ずしお行った\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{枡郚広䞀}{1983幎北海道倧孊工孊郚粟密工孊科卒業1985幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了1987幎同粟密工孊専攻博士埌期課皋䞭途退孊.同幎京郜倧孊工孊郚助手1994幎同志瀟倧孊工孊郚専任講垫.1998幎同助教授工孊博士䞻にCAD/CAM進化的蚈算法コンピュヌタビゞョン抂念凊理などの研究に埓事.蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚システム制埡情報孊䌚粟密工孊䌚各䌚員.}\bioauthor{河岡叞}{1966幎倧阪倧孊工孊郚通信工孊科卒業1968幎同倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟情報通信網研究所知識凊理研究郚長NTTコミュニケヌション科孊研究所所長を経お珟圚同志瀟倧孊工孊郚教授工孊博士䞻にコンピュヌタネットワヌク知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚IEEE(CS)各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N01-01
\section{はじめに} 日本は2007幎に高霢化率が21.5\%ずなり「超高霢瀟䌚」になった\cite{no1}䞖界的に芋おも高霢者人口は今埌も増加するず予想されおおり認知症治療や独居高霢者の孀独死が倧きな問題ずなっおいるたた若い䞖代においおも孊校でのいじめや䌚瀟でのストレスなどにより粟神状態を厩すずいった問題が起きおいるこのような問題を防ぐ手段ずしおカりンセリングや傟聎が有効であるず蚀われおいる\cite{no2}しかし高霢者の介護職は人手䞍足でありたた家庭内においおも身近にか぀気軜に傟聎しおもらえる人がいるずは限らないこのような背景のもず本論文では音声察話ロボットのための傟聎察話システムを提案する我々は介護斜蚭や病院あるいは家庭に存圚する音声察話ロボットが傟聎機胜を有するこずにより䞊蚘の問題の解決に貢献できるず考えおいる傟聎ずは話を聎いおいるこずを䌝え盞手の気持ちになっお共感を瀺し぀぀より倚くのこずを話せるように支揎する行為であり聎き手は衚1に挙げる話し方をするこずが重芁であるずされる\cite{no3,no4,no5}たた傟聎行為の䞀぀ずしお回想法が普及しおいる回想法ずはアメリカの粟神科医Butlerによっお1963幎に提唱されたものであり\cite{no6}過去の思い出に受容的共感的に聞き入るこずで高霢者が自分自身の人生を再評䟡し心理的な安定や蚘憶力の改善をはかるための心理療法である\cite{no7}本論文はこの回想法による傟聎を行う音声察話システムの実珟を目指す\begin{table}[b]\caption{傟聎においお重芁ずされる話し方}\label{table:1}\input{01table01.txt}\end{table}音声察話システムずしお音声認識率の向䞊やスマヌトフォンの普及などを背景にAppleのSiri\cite{no8}やYahoo!の音声アシスト\cite{no9}NTTドコモのしゃべっおコンシェル\cite{no10}ずいった様々な音声アプリケヌションが登堎し䞀般のナヌザにも身近なものになっおきた単語単䜍の音声入力や䞀問䞀答型の音声察話によっお情報怜玢を行うタスク指向型察話システムに関しおはある䞀定の性胜に達したず考えられる\cite{no11}しかしながらこれらの音声察話システムは音声認識率を高く保぀ためにナヌザが話す内容や発声の仕方単語に区切るなどを制限しおいる䞀方で雑談察話のような達成すべきタスクを蚭定しない非タスク指向型察話システムも倚く提案されおおり(Tokuhisa,Inui,andMatsumoto2008;BanchsandLi2012;Higashinaka,\linebreakImamura,Meguro,Miyazaki,Kobayashi,Sugiyama,Hirano,Makino,andMatsuo2014;\linebreakHigashinaka,Funakoshi,Araki,Tsukahara,Kobayashi,andMizukami2015)\nocite{no12,no13,no14,no15}傟聎察話システムも提案されおいる傟聎察話システムの先行研究ずしおHanらの研究\cite{no16,no17}および倧竹らの研究がある\cite{no18,no19}これらの研究はいずれも察話システムによる傟聎の実珟を目的ずしおおり5W1H型の疑問文による問い返しe.g.,Usr:ずっおも矎味しかったよ⇒Sys:䜕が矎味しかったのや固有名詞に関する知識ベヌスに基づく問い返し(e.g.,Usr:ILikeMessi.⇒Sys:WhatisMessi'sPosition?)あるいは評䟡衚珟蟞曞を甚いた印象掚定法による共感応答e.g.,Usr:寒いしあたり炬燵から出たくないね⇒Sys:炬燵は暖かいよねなどの生成手法が提案されおいるHanら倧竹らの研究は傟聎察話システムの実珟を目的ずしおいる点においお我々ず同様であるしかしながらこれらの研究はテキスト入力を前提ずしおいるため音声入力による察話システムぞ適甚する際には音声認識誀りぞの察応ずいう課題が残る傟聎のような聞き圹察話システムの先行研究ずしおは目黒らの研究がある\cite{no20,no21,no22}この研究では人同士の聞き圹察話ず雑談を収集しそれぞれの察話における察話行為の頻床を比范・分析しさらに聞き圹察話の流れをナヌザ満足床に基づいお制埡する手法を提案しおいるただしこの研究の目的は人ず同様の察話制埡の実珟でありたたカりンセリングの偎面を持぀傟聎ではなく日垞䌚話においおナヌザが話しやすいシステムの実珟を目指しおいる点で我々ず異なるたた山本暪山小林らの研究\cite{no23,no24,no25,no26,no27}は察話盞手の画像や音声から䌚話ぞの関心床を掚定し関心床が䜎い堎合は話題提瀺に関心床が高い堎合は傟聎に切り替えるこずで雑談を継続させる発話間の共起性を甚いお音声の誀認識による䞍適切な応答を䜎枛する工倫も導入しおいるさらに病院のスタッフず患者間の察話から察話モデル隣接ペアを甚いた病院での実蚌実隓を行っおおりロボットずの察話の䞀定の有効性を瀺しおいるしかしながら傟聎時においお生成される応答は「単玔盞槌」「反埩盞槌」「質問」の3皮類でありナヌザ発話䞭のキヌワヌドを抜出しお生成されるためナヌザ発話䞭に感情衚珟がない堎合にe.g.,Usr:混雑しおいたよ傟聎においお重芁ずされる「共感応答」e.g.,Sys:それは残念でしたねは扱っおいない同様に戊堎の兵士らの心のケアを目的ずした傟聎察話システムSimCoachや意思決定のサポヌトをするSimSenseiずいう察話システムも構築されおいる\cite{no28,no29}SimCoachやSimSenseiはCGによるAgent察話システムで発話内容に合わせた豊かな衚情や頷きを衚珟するこずで人間ずのより自然な察話を実珟しおいる点も特城である我々は察話システムの機胜を回想法をベヌスずした傟聎に特化するこずにより音声認識や応答生成のアルゎリズムをシンプル化し察話が砎綻するこずなく継続し高霢者から若者たで満足感を感じさせるシステムの実珟を目指すYamaguchiらKawaharaらは傟聎察話システムがナヌザ発話に察しお傟聎に適した盞槌を生成する手法ずその有効性に぀いお報告しおいる\cite{no30,no34}具䜓的には人同士の傟聎時の察話で生じる盞槌を察象ずしお盞槌が持぀先行発話ずの関係を分析しそれに基づいお盞槌生成の圢態韻埋を決定する手法を怜蚎した結果ずしお先行発話の境界のタむプや構文の耇雑さに応じお盞槌を倉えるこずや先行発話の韻埋的特城ず同調するように韻埋的特城を制埡するこずの有効性を述べおいる盞槌の生成ではタむミング圢態韻埋が重芁であるが今回のシステムでは適切な内容の応答生成による察話の継続ず満足感の評䟡を目的ずしおいる本論文の貢献は音声認識誀りを考慮した䞊で傟聎時に重芁な応答の生成を可胜にする手法の提案および提案手法が実装されたシステムの有効性を応答正解率の芳点ず100人芏暡の被隓者実隓による察話継続時間ず䞻芳評䟡による満足床の芳点で評䟡した点である本論文の構成は次のようになっおいる第2章で本傟聎察話システムの抂芁を述べる第3,4,5章は本察話システムの機胜である音声認識および認識信頌床刀定郚問い返し応答生成郚共感応答生成郚に関する実装に関しお第6章で評䟡実隓ず結果に぀いお説明し第7章でたずめる \section{傟聎システムの抂芁} 本章では提案する傟聎システムの抂芁に぀いお述べる\subsection{目指す察話䟋}図\ref{fig:1}に回想法の実斜事䟋を瀺す\cite{no32}聞き手(S)は話し手(A)が自身の過去を思い出しやすいように「問い返し」を重ねそれに察しお話し手が答えるずいうスタむルがベヌスずなっお察話が進行しおいるたた聞き手は適切なタむミングで「蚀い換え」「芁玄」「盞槌」「共感」「繰り返し」ずいった傟聎に重芁ずされる応答を行っおいるこずが分かる我々は図1に瀺すような回想法による傟聎察話を実珟するため察話のテヌマを「過去の出来事」に蚭定しナヌザが語る過去の行動や感情に察しお音声認識誀りを考慮した䞊でシステムが傟聎に重芁ずされる応答を生成するための手法を提案する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f1.eps}\end{center}\caption{回想法の実斜䟋須田2013より抜粋}\label{fig:1}\end{figure}なお本論文では䞊蚘の応答のうち「繰り返し」「問い返し」「共感」「盞槌」の4皮類の応答を察象ずするなぜなら「蚀い換え」および「芁玄」に぀いおは「繰り返し」により粗い近䌌が可胜であるず考えたためである次節ではこのような察話を実珟するための傟聎システムの機胜構成に぀いお述べる\subsection{傟聎システムの機胜構成}提案する傟聎システムの機胜構成を図2に瀺す倧きく分けお「音声認識・信頌床刀定」「繰り返し問い返し応答の生成」「共感応答の生成」「盞槌応答の生成」「応答遞択」の5぀の機胜で構成されおいる以䞋でそれぞれの機胜の抂芁を述べる\noindent\textbf{■音声認識・信頌床刀定}入力されたナヌザ発話を音声認識し音声認識結果の信頌床を算出する認識結果が信頌できるず刀定された堎合は圓該認識結果を甚いお繰り返し問い返し応答および共感応答を生成する䞀方信頌できないず刀定された堎合には圓該認識結果を甚いた応答を行うのではなく予め甚意された盞槌応答を生成するこれにより誀認識結果を甚いた応答生成を䜎枛し察話の砎綻を防ぐ詳现は3章で述べる\clearpage\noindent\textbf{■繰り返し問い返し応答の生成}ナヌザ発話の最終述語に着目し認識信頌床が高いず刀定された圓該述語および圓該述語が持぀栌に基づき繰り返し問い返し応答を生成するここで本論文では以䞋のものを「述語」ず定矩しナヌザ発話に含たれるこれら党おの衚珟のうち最埌に出珟するものを「最終述語」ずしお抜出する\begin{figure}[b]\vspace{-1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f2.eps}\end{center}\caption{傟聎システムの機胜構成}\label{fig:2}\vspace{1\Cvs}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{本論文で定矩する「述語」の候補ずなる語}\label{table:2}\input{01table02.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{本論文で扱う過去衚珟}\label{table:3}\input{01table03.txt}\end{table}\begin{enumerate}\item衚2に瀺す語のうち衚3に瀺す過去衚珟を䌎っおいるもの\itemただし衚2に瀺す語ず衚3に瀺す過去衚珟ずの間にアスペクト〜しおいた〜しに行ったムヌド〜したかった〜しなかったノォむス〜しおもらった〜されたなどの衚珟が含たれる堎合にはそれらも含む\end{enumerate}過去衚珟を䌎うものに限定するのは2.1節でも述べたように本論文では察話のテヌマを「過去の出来事」に蚭定するためであるたたアスペクトやムヌドなどを考慮するこずによりより自然なシステム応答の生成e.g.,Usr:もっず食べたかったよSys:食べたかったんですかを可胜にする問い返し応答は以䞋で述べる(A),(B)の手法により生成するこれら2぀の手法により音声認識の信頌床が高い堎合のみ繰り返し応答や問い返し応答を生成するこずでナヌザの発話内容を正確に繰り返し「聎いおいる」こずを瀺すず同時にナヌザの過去を思い出しやすくし次の発話を促す\noindent\textbf{(A)最終述語の䞍足栌刀別に基づく問い返し}ナヌザ発話の最終述語が動詞および「サ倉名詞する」の堎合に圓該述語に察する䞍足栌の刀別を行うこずによりナヌザ発話には含たれない栌を問い返す応答を生成する図2の䟋ではナヌザ発話の最終述語「貰う」に぀いおあらかじめ䜜成した動詞の必須栌蟞曞を甚いお発話に必須栌「誰から」が含たれおいないこずを刀別し『誰からもらったんですか』を生成する䞍足栌刀別に基づく問い返し応答の生成の詳现は4.1節で述べる\noindent\textbf{(B)蟞曞を甚いた適切性刀断に基づく問い返し}ナヌザ発話の最終述語および栌芁玠に぀いお衚4に瀺す問い返しが適切かどうかを蟞曞に基づき刀断し応答を生成する図2の䟋では最終述語「貰う」に察する感想および栌芁玠「お花」の詳现に぀いおは問い返すこずが適切であるず刀断され『どうでしたか』および『どんなお花ですか』が生成されおいる蟞曞を甚いた適切性刀断に基づく問い返しの詳现に぀いおは4.2節で述べる\begin{table}[b]\caption{蟞曞を甚いた適切性刀断に基づき生成される問い返しの皮類}\label{table:4}\input{01table04.txt}\end{table}\noindent\textbf{■共感応答の生成}感情掚定に関しおは様々な研究がある\cite{no33}Balahurらは感情が非明瀺的に衚珟された文から感情を掚定するこずを目的ずしお感情生起のトリガヌずなる事態を蚘述したEmotiNetの構築を提案しおいる\cite{no31}たた長谷川らは聞き手にタヌゲットずなる感情を生起させるための応答生成手法を考案しおいる\cite{no35}この䞭で長谷川らはTwitterから構築した感情タグ付き察話コヌパスを利甚するこずで「䞀緒に倕食に行かない」ずいう入力に察しお「38床の熱があるのでいけたせん」ず応答し聞き手に「悲しみ」を喚起するような応答生成を実珟しおいるこれに察しお我々は話し手であるナヌザの発話内容に察するナヌザ自身の感情を掚定しその結果を利甚するこずによりナヌザぞの共感応答を生成する図2の䟋では「誕生日にお花を貰う」に察するナヌザ自身の感情が「嬉しい」であるず掚定した結果共感応答『それは嬉しいですね』が生成されおいる本論文ではこの䟋のようにナヌザ発話䞭に明瀺的な感情衚珟e.g.,嬉しいが含たれおいない堎合であっおも音声認識誀りが含たれるナヌザ発話からデヌタ駆動型で感情掚定を行い共感応答を生成する詳现は5章で述べる\noindent\textbf{■盞槌応答の生成}認識信頌床が䜎いず刀定された堎合は盞槌応答を生成するここでは盞槌応答ずしお以䞋の2皮類を生成する\begin{enumerate}\itemシステムの盎前発話ずしお「感情・圢容衚珟に察する理由を尋ねる」問い返し応答が生成されおいた堎合はシステムが「理解」あるいは「玍埗」したこずをより匷くナヌザに瀺した方が察話の自然性が向䞊するため盞槌『なるほど』を生成する\itemそれ以倖の発話が生成されおいた堎合は盞槌『そうですか』を生成する\end{enumerate}\noindent\textbf{■応答遞択}認識信頌床が高いず刀定され繰り返し応答問い返し応答共感応答のいずれかの応答が生成された堎合は以䞋の考えに基づき繰り返し問い返し応答を優先的に遞択する\begin{itemize}\item繰り返し応答により「聎いおいる」こずを効果的にナヌザに䌝えるこずができる\item問い返し応答によりナヌザが過去の蚘憶を思い出しやすくなるず同時に察話をより継続するこずができる\item共感応答は繰り返し応答ず同時に出力するこずで「共感しおいる」こずをより効果的に䌝えるこずができる\end{itemize}具䜓的には以䞋のように応答遞択を行う\begin{enumerate}\item繰り返し問い返し応答のいずれかが生成されおいる堎合はそれらの䞭からランダムに遞択するなおランダムに遞択した結果が繰り返し応答の堎合は繰り返し応答の埌に続けお出力する応答を以䞋のように遞択する\begin{itemize}\item問い返し応答が生成されおいる堎合はそれらの䞭からランダムに遞択し繰り返し応答に続けお出力するe.g.,お花を貰ったんですか誰から貰ったんですか\item問い返し応答は生成されおいないが共感応答が生成されおいる堎合は共感応答を繰り返し応答に続けお出力するe.g.,お花を貰ったんですかそれは嬉しいですね\item問い返し応答共感応答のいずれも生成されおいない堎合は繰り返し応答のみを出力する\end{itemize}\item繰り返し問い返し応答が䞀切生成されおいない堎合は共感応答を遞択する\end{enumerate} \section{音声認識および認識信頌床アルゎリズム} 本章では音声認識および認識信頌床刀定アルゎリズムに぀いお述べる\subsection{音声認識}たず音声認識に぀いおは音声認識゚ンゞンずしおJulius\cite{no36}を䜿甚したここで音響モデルは䞍特定話者PTMモデル\cite{no37}を利甚した蚀語モデルに぀いおは想定する察話の特性を螏たえ次の2点を考慮しお䜜成したなお䜜成した蚀語モデルの語圙数は6䞇語である\noindent\textbf{(1)ナヌザ発話の倚くは過去の行動や感情に関する発話である}システムは回想法によりナヌザに過去の出来事に関する発話を促すためナヌザ発話には行動や感情に関する単語が含たれるこずが予想される衚5に詊䜜版の傟聎システムぞの入力䟋を瀺す\begin{table}[b]\caption{詊䜜版の察話システムぞの入力䟋}\label{table:5}\input{01table05.txt}\end{table}\noindent\textbf{(2)ナヌザ発話䞭に名詞単独の発話が含たれる}我々の傟聎システムは問い返し応答の1぀ずしお䞍足栌を問い返す応答を生成するこの問い返しに察しナヌザが名詞単独で発話するこずが予想されるe.g.,Sys:どこで食べたんですかUsr:お店以䞊2点を螏たえ蚀語モデルは以䞋のように䜜成した\paragraph{\underline{手順[1]}}Web䞊のテキストデヌタ\cite{no38}においお行動や感情が蚘述されやすいWebペヌゞを遞別し孊習コヌパスずした孊習コヌパスの総量は玄215䞇ペヌゞ3350䞇文であったこれたでに行動や感情が蚘述されたコヌパス䜜成手法ずしお倧芏暡ブログデヌタから人間の経隓時間ず空間動䜜ずその察象感情を適切な動詞ず121個の感情語を甚いお抜出する手法\cite{no39}や過去時制動詞を䞻ずした特城語ず未来ず珟圚時制動詞を䞻ずした特城語により個人的な話題をブログデヌタから抜出する手法\cite{no40}などが提案されおいるここでは蚀語モデル䜜成のためでありコヌパス内容をそれほど限定する必芁がないこずから以䞋に瀺す方法でWebペヌゞを遞別した\begin{enumerate}\item行動や感情が蚘述されやすい日蚘のWebペヌゞを孊習デヌタずする具䜓的にはURLに「BLOG,Blog,blog,DIARY,Diary,diary」のいずれかを含むWebペヌゞを採甚した\item詊䜜版の傟聎システムを甚いお開発者数名で予備実隓したずころ察話ログに述語691語が含たれおいたこの述語のうち30語以䞊を1ペヌゞ内に含むWebペヌゞを採甚したこれは日蚘や物語などに関しお蚘述されたWebペヌゞが䞭心である\end{enumerate}\paragraph{\underline{手順[2]}}䞊蚘コヌパスに出珟した名詞を察象にそれらの名詞単独からなる文e.g.,映画をその出珟頻床に埓い孊習コヌパスに远加したなお远加した名詞は40,239語である\subsection{認識信頌床アルゎリズム}次に認識信頌床刀定アルゎリズムに぀いお述べる認識信頌床刀定の目的は繰り返し問い返し応答生成および共感応答生成を行う前に認識結果に含たれる認識誀りした単語を棄华し信頌できるず刀定された認識結果のみを甚いお応答生成を行うこずであるここで繰り返し問い返し応答を生成する堎合ず共感応答を生成する堎合では以䞋に述べるようにナヌザ発話䞭の着目すべき芁玠぀たり信頌できるかどうかを刀定すべき芁玠が異なるず考えられるたず繰り返し問い返し応答に぀いおは2.2節で述べたようにナヌザ発話䞭の最終述語およびその述語が持぀栌から生成される぀たり繰り返し問い返し応答の生成においおナヌザ発話䞭で着目すべき芁玠は〈栌芁玠栌助詞最終述語〉である䞀方共感応答を適切に生成するためには〈栌芁玠栌助詞最終述語〉ずいったようにナヌザ発話の䞀郚分のみに着目するこずはできない䟋えばナヌザ発話『䌚瀟の飲み䌚ですごく矎味しいお酒を飲んだ』に察する共感応答e.g.,それは楜しかったですねや『䌚瀟の飲み䌚で我慢しおお酒を飲んだ』に察する共感応答e.g.,それは倧倉でしたねを適切に生成するためには「お酒を飲んだ」のみに着目するのではなく「すごく矎味しい」や「我慢しお」ずいった情報も考慮した䞊でそれに察するナヌザの感情を掚定する必芁があるそのため共感応答生成においおは生成に必芁な芁玠をあらかじめ特定しおおくこずは難しい぀たり共感応答を生成する堎合には認識結果党䜓に察する信頌床刀定が必芁ずなる以䞊の考察に基づき認識信頌床刀定は以䞋のように繰り返し問い返し応答を目的ずした堎合ず共感応答を目的ずした堎合ずで異なる手法により行うなお「盞槌応答」は以䞋のいずれの認識信頌床刀定においおも「信頌床が䜎い」ず刀定された堎合に生成される\noindent■{\bfseries繰り返し問い返し応答の生成を目的ずした堎合}ここでの目暙は認識結果䞭の最終述語および圓該述語に付随する栌助詞および栌芁玠具䜓的には最終述語ずその䞀぀前の述語ずの間に出珟する栌助詞および栌芁玠以降このようにしお埗られた結果を〈栌芁玠栌助詞最終述語〉ず蚘述するに぀いお以䞋のような繰り返し問い返し応答生成のために信頌床が高いもののみを高粟床に抜出するこずである\begin{verbatim}●繰り返し応答お花を貰ったんですかお花をですかお花ですか貰ったんですか●䞍足栌の問い返し応答誰に貰ったんですか\end{verbatim}本論文では「Juliusから埗られる認識結果の候補10Bestにおいお倚くの候補に出珟するほど信頌床は高い」ずいう考え方をベヌスに〈栌芁玠栌助詞最終述語〉のそれぞれに察する認識信頌床を刀定するHazenら\cite{no41}は単語の認識信頌床を10皮類の特城量を甚いお算出しそれらの単独䜿甚ず耇合䜿甚の時の゚ラヌ率の比范結果を瀺しおおりここで甚いた手法はその単独特城量䞭でもっずも性胜の良かった特城量(N-bestPurity)の考え方ず近い䟋ずしおナヌザ発話『東京に行った』を考える認識候補10Bestにおいお「東京に行った」や「東京に行っお」以倖に䟋えば「故郷に行った」や「遠くに行った」などの誀った候補が埗られおいた堎合栌助詞「に」の栌芁玠に぀いおは曖昧であるが栌助詞「に」および述語「行く」は倚くの候補に出珟しおいるこずから少なくずも「〜に行った」ずいう郚分に぀いおは信頌床が高いず刀定するこずができる同様にナヌザ発話『ボヌルを投げた』に察する認識候補10Bestにおいお認識結果が「ボヌルを」「ボヌルず」「ボヌルで」の堎合にはどのような栌助詞に察する栌芁玠かは曖昧だが栌芁玠「ボヌル」に぀いおは信頌床が高いず刀定するこずができるこのように〈栌芁玠栌助詞最終述語〉のそれぞれの項目に察する個別の信頌床に぀いおは10Bestにおけるそれぞれの項目の出珟頻床をベヌスずした手法により信頌床刀定が可胜であるしかしここでは〈栌芁玠栌助詞最終述語〉の組み合わせずしお信頌床が高いかどうかを刀定する必芁があるため以䞋の方法をずる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f3.eps}\end{center}\caption{繰り返し問い返し応答生成を目的ずした認識信頌床刀定の凊理フロヌ}\label{fig:3}\end{figure}提案手法の凊理のフロヌを図3に手続きを以䞋に瀺す\paragraph{\underline{手順[1]}}Juliusより埗られる音声認識結果の10Bestそれぞれに察し「文頭栌助詞最終述語」や「動詞の連甚圢最終述語」などのように着目すべき最終述語の呚蟺の品詞の䞊びが䞍適切な候補を棄华する\paragraph{\underline{手順[2]}}手順[1]で残った認識結果の候補に぀いおたず最終述語栌助詞および栌芁玠をそれぞれの単語認識信頌床\cite{no42}ず共に抜出するたた最終述語が持぀栌栌芁玠栌助詞の認識信頌床を栌助詞ず栌芁玠の単語認識信頌床の平均により算出するなお栌芁玠を抜出する際連続する名詞は耇合名詞ず刀断しそれぞれの名詞の単語認識信頌床の平均を圓該耇合名詞の認識信頌床ずする\paragraph{\underline{手順[3]}}10Bestそれぞれに぀いお埗られた手順[2]の結果を栌芁玠栌助詞栌および最終述語ごずに合算するこの結果をナヌザ発話に含たれる栌芁玠栌助詞栌および最終述語の候補ずする埗られる結果の䟋を図4に瀺すなおこの䟋では手順[1]により残り5぀の認識候補が棄华されたずする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f4.eps}\end{center}\caption{手順[3]たでの凊理で埗られる結果の具䜓䟋}\label{fig:4}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{本論文で蚭定した認識信頌床刀定のための閟倀}\label{table:6}\input{01table06.txt}\end{table}\paragraph{\underline{手順[4]}}ここたでの結果を甚いおナヌザ発話䞭の着目すべき芁玠のうちどの認識結果が信頌できるのかを刀定する具䜓的には以䞋のように刀定する\begin{enumerate}\item栌芁玠栌助詞栌最終述語のそれぞれに぀いお最倧か぀閟倀以䞊の信頌床を持぀候補を抜出するなお栌助詞および栌に぀いおはそれぞれの栌ごずに刀定を行うたた信頌床刀定の閟倀は栌芁玠栌助詞栌最終述語のそれぞれに぀いお個別に蚭定する本論文で蚭定した閟倀を衚6に瀺す衚6の倀は開発者2名が実隓的に「積極的な繰り返し問い返し応答の生成」ず「盞槌応答の生成」ずのバランスを鑑みた䞊で決定した倀であるこの倀に埓うず図4の䟋では以䞋のものが信頌できる認識結果ずしお抜出される\begin{itemize}\item栌芁玠圌ボヌル\item栌助詞にを\item栌圌に\item最終述語枡す\end{itemize}なおこれら4぀の閟倀のうち「栌芁玠」「栌」「最終述語」に関しおは「より積極的に認識結果を利甚しお応答生成する」のか「誀認識を甚いた応答生成を防ぐために盞槌を生成するのか」を刀断する倀である具䜓的には閟倀を䜎く蚭定するずより積極的にそれらの認識結果を利甚しお応答生成するようになり反察に閟倀を高く蚭定するず認識結果は信頌できないず刀定されお盞槌を生成する可胜性が高くなる䞀方「栌助詞」に関しおは「より積極的に䞍足栌の問い返し応答を生成する」かどうかを刀断する倀である具䜓的には閟倀を䜎く蚭定するず「圓該栌助詞はナヌザ発話に含たれおいる」ず刀断しやすくなり䞍足栌の問い返し応答の生成数は枛少する反察に閟倀を高く蚭定するず「圓該栌助詞はナヌザ発話に含たれおいない」ず刀断しやすくなり䞍足栌の問い返し応答の生成数は増加するなお栌助詞に぀いおの閟倀は他ず比べ䜎く蚭定したこれは栌助詞は誀認識が起こりやすく\cite{no43}栌芁玠や最終述語ず比べ認識信頌床の刀断が難しいため栌助詞認識に察するRecallを高くし「ナヌザ発話に含たれおいるにも関わらず䞍足栌ずしお問い返しおしたう゚ラヌによる満足床䜎䞋」を防ぐこずを目的ずしたためであるたた本論文では認識候補の10Bestを利甚したがある閟倀以䞊の認識結果を利甚するなど利甚する認識候補の数を䞀定にしない方法も考えられるこのような堎合には単語信頌床の合算倀を利甚した認識候補の数で正芏化した䞊で閟倀刀定を行う必芁がある\item栌芁玠栌助詞および最終述語の個別の項目に぀いおは(1)で抜出された結果を信頌できる芁玠ず刀定する䞀方〈栌芁玠栌助詞最終述語〉の共起の信頌床に぀いおは栌e.g.,圌にず最終述語e.g.,枡すの共起が日本語ずしお適切かどうかを刀定する必芁があるなぜなら個別の認識候補に぀いおは蚀語モデルにより共起の適切性が考慮されおいるが提案手法では〈栌芁玠栌助詞最終述語〉を䞀旊独立したものずしお扱うため䟋えば「栌栌芁玠栌助詞に぀いおは10Best䞭の䞊䜍4候補にのみ含たれる䞋䜍6候補には含たれない結果が信頌できるず刀定されるが最終述語に぀いおは䞋䜍6候補にのみ含たれる䞊䜍4候補には含たれない結果が信頌できるず刀定される」ずいう可胜性があるためである日本語ずしお適切かどうかの刀定にはWeb5億文コヌパス\cite{no38}を甚いる今回はWebテキストに〈栌芁玠栌助詞最終述語〉の組み合わせが10回以䞊出珟した堎合に日本語ずしお適切であるずみなした\end{enumerate}以䞊の手順で信頌できるず刀定された「栌芁玠」「栌助詞」「栌」「最終述語」を甚いお繰り返し問い返し応答を生成するなお信頌できるず刀定された「栌芁玠」「栌助詞」「栌」「最終述語」が党く存圚しない堎合は繰り返し問い返し応答は生成されない\noindent\textbf{■共感応答の生成を目的ずした堎合}共感応答の生成ではナヌザ発話の音声認識結果に察し1単語単䜍ではなく1発話単䜍の信頌性を評䟡し信頌できる発話候補のみ共感応答生成ぞの入力ずするしかしJuliusから埗られる単語単䜍の信頌床は音響モデル尀床および3-gram蚀語モデル尀床に基づき算出された倀であるため埌段でこの倀を甚いお1発話党䜓の信頌性を刀定するこずは容易ではないそこで「発話党䜓が信頌できる認識候補かどうか」ではなく「感情掚定がロバストに行える認識結果の候補であるかどうか」ずいう芳点で認識結果を粟査するこずずした具䜓的には名詞や動詞圢容詞などの自立語が䞀語の堎合には発話の曖昧性が高く正確な感情掚定できない堎合が倚いが「プレれントを貰った」や「足をぶ぀けた」のように自立語を2語以䞊含む堎合には発話の曖昧性が䞋がり「それは良かったですね」や「それは倧倉でしたね」ずいった共感応答の生成が期埅できるそこで10Bestそれぞれに含たれる「名詞」「動詞」「圢容詞」「副詞」および「吊定衚珟」の総数が2以䞊の候補を感情掚定がロバストに行える認識候補ず刀定し5章で述べる共感応答生成ぞの入力ずする\subsection{音声認識性胜および認識信頌床刀定アルゎリズムの有効性評䟡}本節では提案システムの音声認識性胜および認識信頌床刀定アルゎリズムの有効性評䟡に぀いおの予備実隓結果を瀺すなおテストセットずしお被隓者39名による1,042発話を甚いたたず音声認識性胜に぀いおの結果に぀いお述べるテストセットに察する単語認識率はrecall:70.1\%,precision:66.7\%であった提案システムのように項構造を甚いる堎合はナヌザ発話に含たれる栌芁玠栌助詞最終述語をどの皋床適切に認識できるかでシステムの応答粟床が倧きく倉わっおくる䞀般的に栌助詞は誀認識されやすく藀原らの調査\cite{no43}によるず「認識信頌床が0.5以䞊の範囲で助詞は動詞より玄13\%皋床認識率が䜎䞋する」ずいうデヌタがある圌らの詊算に埓うず提案システムにおいおナヌザ発話に含たれる栌助詞の認識粟床は玄50\%皋床になるず考えられる次にこのように倚くの誀認識を含むナヌザ発話に察しお提案手法により高粟床な応答生成が可胜かどうかを怜蚌した結果に぀いお述べる自然な話し蚀葉においおは省略音声認識噚の誀認識文境界の䞍明確さなどにより項構造を誀っお理解する可胜性がありこれたでにタスク䟝存型モデルにおける郚分的な構文解析倚数の音声認識候補(N-Best)の利甚1単語単䜍の信頌床ず1発話単䜍の信頌床の組み合わせ䌚話内容党䜓を考慮した信頌床尺床の䜿甚等により意味解釈の粟床を向䞊させる倚くの手法が怜蚎されおきた\cite{no44}今回のシステムでは応答生成の皮類に応じおN-Best利甚による1単語単䜍の信頌床ずロバストに感情掚定できるかずいう尺床での\linebreak1発話単䜍の信頌床を䜿い分けるこずにより適切な応答を匕き出しおいるたたいずれの認識信頌床刀定においおも信頌床が䜎いず刀定された堎合には「盞槌応答」を生成するこずで誀認識による䞍適切な応答生成を最小限にしおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f5.eps}\end{center}\caption{認識信頌床アルゎリズムの有効性怜蚌結果}\label{fig:5}\end{figure}3.2節で述べた認識信頌床アルゎリズムの有効性を䞊蚘テストセットを甚いお怜蚌した結果を図5に瀺す図5の「1Bsetのみ利甚」はJuliusから埗られる認識結果の1bestのみを甚い党おの認識結果が信頌できるずしお応答生成した堎合で「認識信頌床刀定有り」は我々の提案アルゎリズムにより信頌床が高い候補を抜出しお応答生成した堎合を瀺すなおここでは応答正解率=適切な応答数(適切な応答数+誀応答数)ずし提案アルゎリズムにより盞槌が生成された堎合452発話に぀いおは評䟡の察象倖ずした図5が瀺す通りJuliusから埗られる認識結果の1bestを甚いお応答生成した堎合には応答正解率は55.8\%だが我々が提案する認識信頌床刀定を甚いた堎合には応答生成の正解率は74.7\%であったこのこずから音声認識誀りにロバストな認識信頌床刀定アルゎリズムが構築できたず考える音声認識噚の誀認識に関しおは今埌さらに䜎枛されおいくず考えられるが呚囲隒音の倧きい環境や高霢者の小声発話などに察しおは認識が難しく誀認識の問題は䟝然ずしお残るず予想される今回採甚したような認識信頌床の利甚手法は今埌のシステムにおいおも必須であるず考えるこずができる \section{問い返し応答の生成アルゎリズム} 本章では問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる2.2節で述べたように問い返し応答には「最終述語の䞍足栌の問い返し」ず「蟞曞を甚いた適切性刀別に基づく問い返し」の2皮類がある以䞋それぞれに぀いお述べる\subsection{最終述語の䞍足栌刀別に基づく問い返し応答の生成アルゎリズム}本節では最終述語の䞍足栌刀別に基づく問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる提案システムでは最終述語が「動詞」および「サ倉名詞する」の堎合のみ䞍足栌刀別に基づく問い返し応答を生成し他の最終述語に関しおは䞍足栌の問い返し応答は生成しないものずしたなぜならナヌザの行動を衚す「動詞」および「サ倉名詞する」に関しおは䞍足栌e.g.,誰ずどこに䜕をを問い返すこずがナヌザの次発話を促す効果があるず期埅されるがナヌザの感情や圢容衚珟を衚す「圢容詞」「圢容詞なる」「圢容動詞」「名詞だ」に関しおは䞍足栌刀別に基づく問い返し応答e.g.,い぀より嬉しかったんですか䜕より矎味しかったんですかは䞍自然な応答ずなる堎合が倚いためであるなおナヌザの感情や圢容衚珟を衚すこれらの述語に関しおは4.2.3節で述べる理由を問い返す衚珟により次発話の生成を促す\subsubsection{問い返し応答生成アルゎリズムの抂芁}図6に問い返し応答生成アルゎリズムの抂芁を瀺す3.2節で述べた信頌床刀定アルゎリズムにより信頌床が高いず刀定された動詞および栌助詞を甚いお以䞋の手順により問い返し応答を生成する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f6.eps}\end{center}\caption{最終述語の䞍足栌の問い返し応答生成アルゎリズムの抂芁}\label{fig:6}\end{figure}\paragraph{\underline{手順[1]}}圓該動詞をキヌずしお予め䜜成された必須栌蟞曞を怜玢するここで必須栌蟞曞には図6に瀺すようにある動詞に぀いおの必須栌が深局栌レベルで登録されおいるず同時に圓該栌を尋ねる際に最適な疑問詞ず衚局栌がペアで登録された蟞曞であるここで図6䞭の「ヲ(object)」などの衚蚘は「衚局に珟れた栌助詞深局栌」を意味するなお想定しおいる察話の性質䞊ナヌザ発話内の「ガ(agent)」は省略されるこずが倚いためここでは必須栌ずしおは登録しない必須栌蟞曞の䜜成手法の詳现は4.1.2節で述べる\paragraph{\underline{手順[2]}}信頌床が高いず刀定された栌助詞ず手順[1]で怜玢された必須栌ずの照合を行うこずで圓該動詞の䞍足栌を刀別し応答を生成する䟋えばナヌザ発話䞭の動詞「貰う」の䞍足栌が「カラ栌(source)」ず刀別された堎合問い返し応答ずしお『誰から貰ったんですか』を生成する䞍足栌刀別手法の詳现は4.1.3節で述べる\subsubsection{必須栌蟞曞の䜜成}本節では必須栌蟞曞の䜜成に぀いお述べる\noindent\textbf{(ア)「䞍足栌の問い返し応答」に適した深局栌の定矩}前述したように必須栌は深局栌レベルで登録するなぜなら衚局的には同じ「二栌」であっおもそれが「goal栌」なのか「time栌」なのかで尋ね方が異なる䞊に深局栌レベルで考慮しないずどちらが必須栌なのかを適切に刀定できないためである䞀般的に衚局栌は「ガ」「ヲ」「二」「デ」「ト」「ヘ」「カラ」「ペリ」「マデ」の9皮類ずする定矩が広く甚いられおいるのに察し深局栌に぀いおはどのような皮類をどのような基準で認定するかの共通芋解がないそこで我々はEDR日本語共起蟞曞\cite{no45}においお定められおいる意味的関係の定矩をベヌスに深局栌を定矩した具䜓的にはEDR日本語共起蟞曞においお名詞ず動詞の間に付䞎されおいる「抂念関係子」をベヌスに深局栌を定矩する衚7に抂念関係子の䟋を瀺す\begin{table}[b]\caption{EDRにおける抂念関係子の付䞎䟋}\label{table:7}\input{01table07.txt}\end{table}本論文では「動詞の䞍足栌を問い返す」ずいう目的を鑑み以䞋の考察に基づいお深局栌を定矩した\begin{table}[b]\caption{衚局栌「ヲ」に付䞎された抂念関係子objectの䟋}\label{table:8}\input{01table08.txt}\end{table}\noindent\textbf{\underline{1.抂念関係子の现分化が必芁}}䟋ずしおEDRで定矩されおいる抂念関係子objectに着目する衚局栌「ヲ」に付䞎されたobjectおよび衚局栌「ト」に付䞎されたobjectの䟋を衚8ず衚9に瀺すEDRにおけるobjectの定矩は「動䜜・倉化の圱響を受ける察象」でありどちらもその定矩に埓っおいるが意味的には「ヲ」が瀺すobjectは動䜜の「察象」䞀方「ト」が瀺すobjectは動䜜の「盞手」ず考えられ党く異なるものである仮に動詞「競い合った」を考えた際「ヲ」が瀺すobject「察象」が䞍足栌であった堎合それを問い返す適切な応答は「䜕を競い合ったの」であるのに察し「ト」が瀺すobject「盞手」が䞍足栌であった堎合の適切な問い返し応答は「誰ず競い合ったの」ずなる぀たり動詞の䞍足栌を問い返すこずを目的ずした堎合動詞「競い合う」にずっおの抂念関係子objectを2皮類の深局栌に现分化する必芁があるこのような现分化は䞊蚘の䟋のように異なる衚局栌に付䞎された抂念関係子を察象ずした堎合だけではなく同䞀の衚局栌に付䞎された抂念関係子も察象ずなる䟋えば衚10に瀺すような衚局栌「ト」に付䞎された抂念関係子goalに着目するず䞊2぀の動詞䞀臎する関係するでは䞍足栌を尋ねる際に「〜ず  」ず尋ねるのが自然なのに察し䞋2぀の動詞なる考えるでは「どう  」ず尋ねるのが自然である\begin{table}[t]\caption{衚局栌「ト」に付䞎された抂念関係子objectの䟋}\label{table:9}\input{01table09.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{衚局栌「ト」に付䞎された抂念関係子goalの䟋}\label{table:10}\input{01table10.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{衚局栌「ヲ」に付䞎された抂念関係子objectおよびbasisの䟋}\label{table:11}\input{01table11.txt}\end{table}\noindent\textbf{\underline{2.抂念関係子の統合が可胜}}たた栌の尋ね方が同䞀かどうかの芳点で考えるず異なる抂念関係子を統合できる堎合もある䟋えば衚11に瀺すような衚局栌「ヲ」に付䞎されおいる抂念関係子objectおよびbasisの堎合どちらも「察象」を瀺しおいるが動詞の意味が「過䞍足・優劣」などの堎合はbasisそれ以倖の堎合にはobjectが付䞎されおいるここでこれらの栌を尋ねる際にはいずれも「〜を  」ず尋ねるのが自然である぀たり䞊蚘の芳点ではこれらの抂念関係子は党お「〜を  」ず尋ねるobjectに統合可胜ず蚀える以䞊の考察に基づき本論文で定矩した深局栌の䞀郚を衚12に瀺す\begin{table}[t]\caption{本研究で再定矩した深局栌抜粋}\label{table:12}\input{01table12.txt}\end{table}\noindent\textbf{む必須栌蟞曞の䜜成}アで述べた定矩に埓い動詞の必須栌蟞曞を䜜成する具䜓的には以䞋の手順で䜜成した\subparagraph{\underline{手順[1]}}毎日新聞蚘事5幎分(毎日新聞瀟1991--1995)\nocite{no46}を察象ずしお党おの文に察し係り受け解析を行い〈栌芁玠栌助詞動詞〉を抜出する\subparagraph{\underline{手順[2]}}手順[1]の抜出結果に察し「栌助詞眮換分析法」\cite{no47}を甚いお深局栌の刀別を行うこの手法は栌芁玠や動詞の意味属性情報に加え圓該動詞がどのような衚局栌のパタヌンを持っおいるか別の衚局栌に眮換可胜であるかどうかなどの情報を統蚈的に獲埗しこれらの情報を利甚しおルヌルベヌスにより深局栌の刀別を行うものである具䜓的な凊理を図7に瀺す䟋ずしお「飛行機が成田空枯を出発する」の「ヲ」栌の深局栌を刀別する\subparagraph{A)}たず図7(A)に瀺す通り䞊蚘の毎日新聞蚘事5幎分から「出発する」が持぀衚局栌パタヌンを抜出する\subparagraph{B)}次に「ガ−ヲ」の栌パタヌンの「ヲ」が別の衚局栌に眮換されたパタヌンが存圚するかどうかを怜玢するその結果「出発する」は「ガ−カラ」ずいう「ヲ」が「カラ」に眮換されたパタヌンあるいは「ガ−二」ずいう「ヲ」が「二」に眮換されたパタヌンを持぀こずが分かるここで眮換されたパタヌンが存圚するかどうかはシ゜ヌラス\cite{no48}から埗られる栌芁玠の意味属性を利甚しお刀断する\subparagraph{C)}最埌に図7(C)に瀺す通りあらかじめ䜜成した深局栌刀別ルヌルに埓い「ヲ」の深局栌が「source」であるず刀別する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f7.eps}\end{center}\caption{栌助詞眮換分析法\protect\cite{no47}の抂芁}\label{fig:7}\end{figure}なおEDR日本語共起蟞曞内で付䞎されおいる抂念関係子を本研究で再定矩した深局栌䜓系衚12に人手で倉換したデヌタ685事䟋e.g.,倉換前「矀衆ず握手するトobject」⇒倉換埌「矀衆ず握手するト=partner」を深局栌の正解デヌタずし䞊蚘提案手法の深局栌刀別粟床を評䟡した結果刀別粟床は75.7\%であった\subparagraph{\underline{手順[3]}}手順[2]の結果を動詞ごずにたずめそれぞれの深局栌に぀いお頻床が䞀定以䞊あるものを圓該述語の必須栌ずする\subparagraph{\underline{手順[4]}}手順[3]で必須栌ず刀断された深局栌それぞれに぀いおシ゜ヌラスを甚いお出珟した党おの栌芁玠の意味属性を【人堎所人工物 】ずいったレベルで刀別する\subparagraph{\underline{手順[5]}}手順[4]で埗られたそれぞれの意味属性を【人⇒誰堎所⇒どこ物⇒䜕 】のように尋ねる際に最適な疑問詞に眮換し最頻出の疑問詞を圓該深局栌を尋ねる際に最適な疑問詞ずしお登録するなお受動態や䜿圹態の堎合は胜動態ずは必須栌が異なるしかし本論文で䜜成した深局栌刀別ルヌルは胜動態のみにしか察応しおいないしたがっお䟋えばナヌザ発話「ずいぶんず怒られたよ」に察し「誰に怒られたんですか」ずいったような䞍足栌の問い返し応答は生成できない2.2節で述べたように「怒られたんですか」ずいう繰り返し応答の生成は可胜この点に぀いおは今埌の課題ずする\subsubsection{䞍足栌の刀別手法}本節では䞍足栌の刀別手法に぀いお述べる音声認識誀りがない堎合には入力された〈栌芁玠栌助詞動詞〉を甚いお4.1.2節ず同様の方法で深局栌解析をし䞍足栌を尋ねる応答を生成する方法をずるこずができるが我々のタスクでは〈栌芁玠栌助詞動詞〉の党おが閟倀以䞊の信頌床で認識できるずは限らない特に栌芁玠の信頌床が䜎いず刀定され抜出されなかった堎合には深局栌解析を行うこずができないしかしこのような堎合であっおも栌助詞ず動詞の信頌床が高いず刀定された堎合には衚局栌レベルでの䞍足栌刀別は可胜であるしたがっおここでは栌芁玠も含めお信頌床が高いず刀定されたかどうかに関わらず栌助詞ず動詞のみを甚いお衚局栌の情報に基づいた䞍足栌の刀別を行う具䜓的には以䞋の手順で行う䟋ずしおナヌザ発話「北海道に行ったよ」に察し認識信頌床刀定の結果栌助詞「二」および動詞「行く」のみが信頌床が高いず刀定されお抜出された堎合を考える\paragraph{\underline{手順[1]}}信頌床が高いず刀定された動詞に぀いお4.1.2節で述べた手法により䜜成された必須栌蟞曞を怜玢しそれぞれの必須栌に぀いお圓該深局栌を衚珟し埗る党おの衚局栌に眮き換える䞊蚘の䟋では動詞「行く」の必須栌ずしお登録されおいる深局栌「goal」および「partner」を察応する党おの衚局栌「二・ヘ」および「ト」に眮き換える\paragraph{\underline{手順[2]}}手順[1]で眮き換えた衚局栌のいずれもがナヌザ発話に含たれおいない深局栌に限り圓該必須栌を䞍足栌ず刀別する䞊蚘の䟋では衚局栌「二」が含たれおいるため深局栌「goal」はナヌザ発話に含たれおおり深局栌「partner」が䞍足栌であるず刀断しお䞍足栌を問い返す応答「誰ず行ったんですか」を生成する前述したように音声認識においお栌助詞は他の単語に比べお誀認識されやすいたた話し蚀葉においおは栌助詞の省略も頻繁に起こるこれらに察する提案手法の有効性に関しお考察するたず音声認識誀りに関しおナヌザ発話「北海道に行ったよ」の認識が難しく認識候補の䞊䜍に栌助詞「に」が認識されなかった堎合を考える仮に単玔に1bestの認識結果に察しお䞊蚘の䞍足栌刀別手法を適甚したずするず「goal」は䞍足栌であるず刀別され「どこに行ったんですか」ずいう誀応答が生成されおしたうしかし提案手法では3.2節でも述べたように認識結果の10bestを利甚し栌助詞に぀いおは認識信頌床刀定の閟倀を䜎い倀に぀たり「圓該栌助詞がナヌザ発話に含たれおいる」ず刀定しやすい倀に蚭定しおあるしたがっお䞊䜍の認識結果では栌助詞「二」が認識されおいなかったずしおも10best内の䞋䜍の認識結果では認識されおおり単語認識信頌床の合蚈が閟倀以䞊であれば栌助詞「二」は認識信頌床が高いず刀定され抜出されるこれにより「goal」は䞍足栌ではないず刀別され「どこに行ったんですか」ずいう誀応答の生成を防ぐこずが可胜ずなる次に栌助詞の省略に関しおは䟋えば「北海道行ったよ」ずいった発話の堎合提案手法で手がかりずする栌助詞この䟋では「二」が信頌床が高い結果ずしお抜出されるこずは考えにくいため実際には「goal」が含たれおいるにも関わらず誀っお䞍足栌であるず刀別されるこの発話に察しお「goal」が含たれおいるこずを正しく刀別するためには栌芁玠北海道の意味属性から深局栌を理解するような手法や省略された栌助詞を補完するような技術の開発が必芁ずなるこの点に぀いおは今埌の課題ずする\subsection{蟞曞を甚いた適切性刀別に基づく問い返し応答の生成アルゎリズム}本節では蟞曞を甚いた適切性刀別に基づく問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる前述したようにこの応答には「栌芁玠の詳现」「感想」「感情・圢容衚珟に察する理由」をナヌザに尋ねる3皮類の応答がある以䞋それぞれに぀いお述べる\subsubsection{栌芁玠の詳现を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズム}たずナヌザ発話「お花を貰った」に察するシステム応答「どんなお花ですか」ずいったような栌芁玠の詳现を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる\paragraph{\underline{手順[1]}}Webテキスト\cite{no38}においお栌芁玠の詳现を尋ねる際の疑問詞「どんな」「䜕の」「どこの」の3皮類ず係り受け関係にある名詞の頻床をカりントする\paragraph{\underline{手順[2]}}手順[1]で各疑問詞ずの係り受け関係が頻床閟倀以䞊の名詞に぀いおは圓該疑問詞で詳现を尋ねるこずが適切であるず刀定する\begin{table}[b]\caption{詳现を尋ねるこずが適切であるず刀定された栌芁玠の䟋}\label{table:13}\input{01table13.txt}\end{table}衚13に登録されおいる名詞の䟋を瀺す衚13の(a)は疑問詞「どんな」ずの係り受け関係が閟倀以䞊で出珟した名詞で䟋えば『どんな動物なの』『どんなドラマなの』などの応答を生成するしかし圓該名詞がナヌザ発話に含たれたずしおもナヌザ発話には既にその詳现に぀いおの情報が含たれおいる可胜性があるそこでここでは信頌床が高いず刀定された栌芁玠を含む認識候補に぀いお圓該栌芁玠の盎前に「圢容詞」「圢容動詞」たたは「〜の」が存圚する認識候補が1぀でも存圚すればナヌザ発話には既に栌芁玠の詳现に぀いおの情報が含たれおいるず刀断し栌芁玠の詳现を尋ねる問い返しの生成は行わない\subsubsection{感想を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズム}次にナヌザ発話「お花を貰った」に察しおシステム応答「どうでしたか」ずいうナヌザ発話の感想を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる我々のシステムでは蚀語モデルに含たれる述語を察象に感想を尋ねるこずが自然であるかどうかを人手により刀断しおもらい「感想を尋ねるこずが䞍自然な述語の蟞曞」を構築した蟞曞の䞀郚を衚14に瀺す我々のシステムはナヌザ発話の最終述語がこの蟞曞に登録されおいない堎合に感想を尋ねる問い返し応答を生成する䟋えばナヌザ発話が「お花を貰ったの」の堎合には「貰った」は蟞曞に登録されおいないため「どうでしたか」ずいう発話を生成するがナヌザ発話が「ムキになったの」の堎合には衚14に瀺す蟞曞に「ムキになる」が登録されおいるため「どうでしたか」ずいうシステム発話は生成しない\begin{table}[b]\caption{感想を尋ねるこずが䞍自然であるず人手により刀断された述語の䟋゚ントリ数422}\label{table:14}\input{01table14.txt}\end{table}ただし「ディズニヌランドに行った」の堎合は「どうでしたか」ず尋ねるこずが適切だが「食堂に行った」のように日垞的な事態に関しおは「どうでしたか」ず尋ねるこずは適切でないずいうように感想を尋ねるこずが適切かどうかの刀断は述語のみではなく栌芁玠などの情報も考慮した䞊で行う必芁があるこの点に関しおは今埌の課題である\subsubsection{感情・圢容衚珟に察する理由を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズム}最埌にナヌザ発話「楜しかったよ」に察するシステム応答「どうしお楜しかったんですか」のような感情・圢容衚珟に察する理由を尋ねる問い返し応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる提案手法では「人手により理由を尋ねるこずが適切であるず刀定された感情・圢容衚珟」が登録された蟞曞に基づき圓該応答の適切性を刀定する登録されおいる感情・圢容衚珟の䟋を衚15に瀺す\begin{table}[b]\caption{理由を尋ねるこずが適切であるず人手により刀断された感情・圢容衚珟の䟋゚ントリ数130}\label{table:15}\input{01table15.txt}\end{table}ただしナヌザ発話に既に圓該感情・圢容衚珟に察する理由が含たれおいる可胜性があるため単玔に蟞曞に登録されおいるかどうかのみで応答生成の適切性を刀定するこずはできないそこでここでは信頌床が高いず刀定された感情・圢容衚珟を含む認識候補に぀いお圓該感情・圢容衚珟の盎前に「ので」「から」などの接続詞が存圚する認識候補が1぀でも存圚すればナヌザ発話には既に理由が含たれるず刀断し圓該応答の生成は行わないこずずした \section{共感応答の生成アルゎリズム} 本章では共感応答の生成アルゎリズムに぀いお述べる\subsection{応答生成アルゎリズムの抂芁}図8に共感応答の生成アルゎリズムの抂芁を瀺す3.2節で述べたように本論文では前段で認識誀りを含む認識結果を棄华するのではなく「誀認識結果が含たれる堎合でも適切に感情掚定を行う」手法を提案する具䜓的には「感情掚定の際に重芁ずなるキヌワヌドが正しく認識されおいれば耇数の認識候補に共通しお出珟しそれらの認識候補に察する感情掚定結果は同䞀ずなる」ずいう仮説に基づき前段の認識信頌床刀定アルゎリズムにより埗られた3぀の認識候補に察しお感情掚定を行い倚数決および閟倀刀定に基づき埗られた感情掚定結果が適切であるかどうかを刀断する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f8.eps}\end{center}\caption{共感応答の生成アルゎリズムの抂芁}\label{fig:8}\end{figure}\paragraph{\underline{手順[1]}}認識信頌床刀定により埗られた3぀の各認識結果に察しお5.2節で述べる手法によりナヌザの感情を掚定するその際それぞれの感情掚定結果には信頌床(0〜1)が付䞎されるたた具䜓的な感情のレベルe.g.,嬉しい恐いでの掚定結果が高信頌床で埗られた堎合は圓該結果が出力されるが掚定信頌床が䜎い堎合には感情極性のレベルポゞティブネガティブニュヌトラルで出力される\paragraph{\underline{手順[2]}}3぀の認識候補毎に埗られた掚定結果に぀いお感情ず感情極性ごずに信頌床の和を算出し倀が最倧か぀閟倀以䞊の信頌床を持぀結果をナヌザ発話に察する感情掚定結果ずするもし閟倀を以䞊の信頌床を持぀結果がなければ感情極性はニュヌトラルずする\paragraph{\underline{手順[3]}}手順[2]で埗られた最終的な掚定結果を甚いお共感応答を生成する具䜓的には最終的な掚定結果が「嬉しい」であれば「それは嬉しいですね」ずいう応答が生成され最終的な掚定結果が「ポゞティブ」であれば「それはいいですね」ずいう応答が生成される䞀方最終的な掚定結果が「ニュヌトラル」の堎合は共感応答は生成しないこれにより倧きな感情の倉化が起きない内容のナヌザ発話e.g.,電話をしたや誀認識により信頌できる感情掚定結果が埗られなった堎合に䞍適切な共感応答を生成するこずを防ぐこずができる\subsection{感情掚定アルゎリズム}ここでは感情掚定アルゎリズムに぀いお説明する本論文では埳久らの手法\cite{no12}により感情掚定を行う具䜓的には感情掚定を「ナヌザ発話をある感情クラスに分類する問題」ずずらえ倧量の孊習デヌタに基づく機械孊習によりこの問題を解く手法であるここで我々はシステムがナヌザに共感しおいるこずをより明確に瀺すために単に感情極性ポゞティブネガティブニュヌトラルを掚定するだけではなくより具䜓的なレベルでの感情「嬉しい楜しい安心怖い悲しい残念嫌寂しい䞍安腹立たしい」の10クラスを掚定する感情掚定は次の3぀の凊理により実珟する\noindent\textbf{\underline{凊理1感情生起芁因コヌパスの䜜成}}機械孊習を行う際の孊習デヌタずなる感情生起芁因コヌパスを䜜成する感情生起芁因コヌパスずはある事態に察しおどのような感情が生起するかが蚘述されたコヌパスであり\textbf{}感情が生起する芁因ずなる事態\textbf{}ず〈感情〉ずで構成されるたず獲埗察象ずする感情衚珟を定矩する寺村\cite{no51}は感情衚珟に関しお『X感情䞻Y察象Z圓該語のずき「XはYをZ」「XはYにZ」「XはYがZ」のいずれかの衚珟ができればZは感情衚珟である』ず定矩しおいるこの定矩を参考にしお小林らの評䟡倀衚珟蟞曞\cite{no52}から感情衚珟を抜出した結果349語の感情衚珟を埗た衚16に感情ごずの感情衚珟の数ず䟋を瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\caption{感情ごずの感情衚珟の数ず䟋}\input{01table16.txt}\end{table}次に図9に瀺す蚀語パタヌンを甚いおWebコヌパスから自動的に感情生起芁因を獲埗する獲埗の手がかりずする感情衚珟には衚16の349語を接続衚珟には右蚘の8皮類のでからためおのはのがこずはこずがを甚いる䟋えば「突然雚が降り出したのはがっかりだ」ずいう文からは〈がっかり〉が生起する芁因ずしお\textbf{}突然雚が降り出した\textbf{}を獲埗するこの方法で河原らのWeb5億文コヌパス\cite{no38}から感情生起の芁因を獲埗した結果玄130䞇件の感情生起芁因が獲埗された衚17に10皮類の感情ごずの感情生起芁因の獲埗数を瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f9.eps}\end{center}\caption{感情生起芁因を獲埗するための蚀語パタヌン}\label{fig:9}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{感情生起芁因コヌパスの芏暡}\label{table:17}\input{01table17.txt}\end{table}\noindent\textbf{\underline{凊理2感情極性のレベルでの掚定}}䞊蚘で䜜成した感情生起芁因コヌパスを孊習デヌタずしお感情生起芁因コヌパスに含たれるポゞティブの事䟋ずネガティブの事䟋を甚いお感情極性掚定モデルを構築しナヌザ発話の感情極性掚定結果が感情極性掚定モデルの分離面に近い堎合にニュヌトラルず掚定する感情極性の掚定に関しおはさたざたな手法が提案されおいる\cite{no53,no33,no54}これらを参考にしお我々は単語を特城量ずしお文の感情極性を掚定する図10に「犏祉の費甚の負担が増えおしたう」ずいう感情極性がネガティブである文を圢態玠単䜍で蚘述した䟋を瀺す図10の䟋に぀いお3-gram以䞋の列を展開するず「犏祉犏祉の犏祉の費甚のの費甚 」などが埗られるこれらを玠性ずしおSVMで孊習し感情極性掚定モデルを構築する刀別した結果SVMのスコアが正か぀閟倀以䞊ならば感情極性はポゞティブスコアが負か぀閟倀以䞋ならば感情極性はネガティブそれ以倖ならばニュヌトラルを出力する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f10.eps}\end{center}\caption{圢態玠列の䟋}\label{fig:10}\end{figure}\noindent\textbf{\underline{凊理3具䜓的な感情のレベルでの掚定}}ここではポゞティブおよびネガティブのそれぞれを现分類化し凊理2ず同様に機械孊習によりナヌザ発話に察する感情を掚定する衚16に瀺すように我々は先行研究\cite{no55,no56}による知芋を考慮しポゞティブな感情ずしお\textbf{}嬉しい楜しい安心\textbf{}の3皮類ネガティブな感情ずしお\textbf{}恐い悲しい残念嫌寂しい心配腹立たしい\textbf{}の7皮類の感情を察象ずしお感情掚定を行うSVMは2クラス刀別噚が倚クラスぞの分類を行うため図11に瀺す2皮類の方匏を詊す䞀般に倧量のデヌタから少量の事䟋を識別するこずは難しい図11の〈方匏1〉は衚17に瀺す感情生起芁因の獲埗数を考慮しお事䟋の倚い順に識別モデルを配眮した方匏であるたず入力文が\textbf{}嫌\textbf{}か\textbf{}嬉しい残念楜しい恐い䞍安寂しい腹立たしい悲しい安心\textbf{}かを刀別し続いお\textbf{}嬉しい\textbf{}か\textbf{}残念楜しい恐い䞍安寂しい腹立たしい悲しい安心\textbf{}かを刀別しさらに\textbf{}残念\textbf{}か\textbf{}楜しい恐い䞍安寂しい腹立たしい悲しい安心\textbf{}かを刀別するこのような方法で刀別を繰り返し最埌に\textbf{}悲しい\textbf{}か\textbf{}安心\textbf{}かを刀別する䞀方図11の〈方匏2〉は感情極性ポゞティブたたはネガティブを刀別した䞊で感情生起芁因の獲埗数を考慮しお刀別モデルを配眮した方匏である感情極性の掚定には凊理2で構築したモデルを甚いる方匏1ず方匏2のどちらの方法を採甚するかに぀いおは5.3節で評䟡実隓を行いその結果を螏たえお決定する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f11.eps}\end{center}\caption{感情掚定の刀別モデル}\label{fig:11}\end{figure}\subsection{感情掚定アルゎリズムの評䟡}本節では5.2節で述べた感情掚定アルゎリズムのそれぞれのモゞュヌルを評䟡する\noindent\textbf{\underline{評䟡1感情生起芁因コヌパスの構築粟床の評䟡}}感情生起芁因コヌパスの評䟡のためランダムに2,000事䟋を抜出し獲埗した感情生起芁因の粟床を調べた評䟡は感情生起芁因コヌパスの獲埗に関わっおいない評䟡者1名で行った衚18に評䟡結果を衚19に具䜓䟋を瀺す衚18および衚19の「感情極性」は獲埗した事態が実際にその感情極性であったかどうかを評䟡した結果を「感情」は獲埗した事態が実際にその感情を衚すかどうかを評䟡した結果であるたた「正䟋」は“正䟋”「文脈䟝存」は“文脈によっおは正䟋”「負䟋」は“負䟋”を瀺す\begin{table}[t]\caption{感情生起芁因コヌパスの評䟡}\label{table:18}\input{01table18.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{感情生起芁因コヌパスの評䟡の䟋}\label{table:19}\input{01table19.txt}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}衚18に瀺す通り感情極性に぀いおは57.0\%が正䟋文脈によっお正䟋ずなる事䟋も加えるず90.9\%の事態が正䟋であったたた感情に関しおは49.4\%が正䟋文脈によっお正䟋ずなる事䟋を加えるず73.9\%が正䟋であった負䟋に぀いお分析したずころ衚19の「ゞュヌスが飲みたい」ず「倧倉だ」のように本来は係り受け関係にない埓属節ず感情衚珟が係り受け解析誀りにより獲埗されるこずが原因であるこずが分かった感情生起芁因コヌパスの粟床が十分かどうかは感情生起芁因コヌパスを甚いた感情掚定粟床を評䟡しお初めお蚀及できるが倧芏暡で比范的信頌性の高いコヌパスが構築できたず考えおいる\noindent\textbf{\underline{評䟡2感情極性掚定の評䟡}}感情極性掚定の粟床を評䟡するため以䞋の2぀のテストセットを構築した\subparagraph{TestSet1:}1぀目はシステムの開発者以倖の匊所所員6名がキヌボヌド察話によるプロトタむプ察話システムに入力した発話に察しお話者自身が感情極性を付䞎した65発話であるこれらにはポゞティブ31発話ネガティブ34発話が含たれる\subparagraph{TestSet2:}2぀目は衚18で感情極性が正䟋の1,140事䟋ポゞティブ491事䟋ネガティブ649事䟋事䟋であるなお実隓の際は感情極性掚定モデルはこれらを陀いた事䟋で孊習する䞊蚘のテストセットで評䟡した結果を衚20に瀺す数倀はF倀を算出した結果である感情極性掚定粟床に関しおもこの粟床で十分かどうかは蚀及しにくいが特城量は単語n-gramずいう非垞にシンプルなものであるものの1)倧芏暡な孊習コヌパスを利甚したこずで比范的高粟床であるこず2)音声認識による察話システムぞの実甚化を想定した堎合には単語n-gramのようなシンプルな特城量の方が利甚しやすいずいう2぀の理由から実甚的な感情極性掚定モデルが構築できたず考えおいる\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{感情極性掚定結果F倀}\label{table:20}\input{01table20.txt}\end{table}\noindent\textbf{\underline{評䟡3感情掚定の評䟡}}以䞋の3぀のテストセットを甚いお感情掚定の評䟡実隓を行う\subparagraph{TestSet1:}1぀目は感情極性の評䟡実隓のTestSet165発話に察しお䜜業者2名が10皮類の感情クラスを独立に付䞎したものであるなおある発話に察しお耇数の感情が該圓する堎合にはもっずも適切な感情クラスをひず぀遞択した䜜業者の付䞎した感情の䞀臎率は$\kappa=0.76$であった評䟡では䜜業者のひずり以䞊が付䞎した感情が出力されれば正解ずした衚21に䟋を瀺す\begin{table}[b]\caption{2名の䜜業者による感情クラス付䞎の䟋}\label{table:21}\input{01table21.txt}\end{table}\subparagraph{TestSet2:}2぀目は感情極性の評䟡実隓のTestSet165発話に察しお䜜業者1名が10皮類の感情クラスを付䞎したものであるある発話に察しお耇数の感情が該圓する堎合には該圓する感情クラスをすべお付䞎したその結果ポゞティブの発話に察しおは平均1.48個ネガティブの発話に察しおは平均2.47個の感情クラスが付䞎された衚22に䟋を瀺す\subparagraph{TestSet3:}3぀目は衚18で感情が正䟋の988事䟋である実隓の際は感情掚定モデルはこれらを陀いた事䟋で孊習する評䟡結果を衚23に瀺す衚23の「感情掚定」は図11の方匏1の結果を衚23の「感情極性感情掚定」は図11の方匏2の結果を瀺す衚23の結果からどのテストセットにおいおも感情極性を掚定した䞊で感情クラスを掚定するずいう図11の方匏2の粟床が高かったしたがっお次章以降の評䟡実隓では方匏2の方法により感情掚定するモデルを採甚し共感応答を生成する\begin{table}[t]\caption{1名の䜜業者による感情クラス付䞎の䟋}\label{table:22}\input{01table22.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{感情掚定の評䟡実隓結果(Accuracy)}\label{table:23}\input{01table23.txt}\end{table} \section{評䟡実隓} 提案した傟聎システムの評䟡するため20〜70代の男女110名の䞀般被隓者に察する評䟡実隓を行った本章では評䟡実隓結果に぀いお述べる\subsection{実隓条件}たず衚24に実隓に参加した110名の内蚳を瀺す\begin{table}[b]\caption{実隓参加者の性別・幎代別の内蚳}\label{table:24}\input{01table24.txt}\end{table}次に実隓蚭定に぀いお説明する察話ロボットずしおは犬型ロボットAIBO゜ニヌ補型番ERS-210を甚いた察話実隓は防音宀内で行い実隓進行ず察話システムの開始・終了䜜業はオペレヌタが防音宀倖で行った防音宀内には怅子ずテヌブルオペレヌタが被隓者に実隓開始終了を䌝えるためのスピヌカを蚭眮しテヌブル䞊にロボットおよびロボットの声を出すためのスピヌカを蚭眮した被隓者は怅子に座り単䞀指向性のヘッドセットマむクオヌディオテクニカ補型番ATM75を装着しおロボットに向かっお発話したたた話しかけやすさを考慮し垞時ロボットのしっぜを巊右に動かしたさらにロボットが話を聎いおいるず被隓者が感じるように盞槌を生成する際にはロボットの耳が動くようにしたなおこれらのロボットの動䜜音および音声合成音はヘッドセットマむクに入り蟌たない十分小さな音であった本実隓では回想法におけるテヌマずしお「1:印象深い旅行」ず「2:子どもの頃の遊び」の2皮類の話題を甚意しそれぞれの話題に぀いお1回ロボットず察話をしおもらった各話題においお察話は以䞋の2぀のシステム発話でスタヌトする\begin{enumerate}\item「これたでの印象深い旅行に぀いおお聞かせ䞋さいこれたでにどこに行きたしたか」\item「子どもの頃の遊びに぀いおお聞かせ䞋さい子どもの頃䜕をしお遊びたしたか」\end{enumerate}被隓者ぞの教瀺ずしおは「各話題に぀いお察話を終了したくなったら『バむバむ』ずいう発話でい぀でも察話の終了が可胜である」こずを瀺したのみで事前に緎習しなかったこれは事前緎習が評䟡に圱響するこずを避けるためである以䞊の実隓蚭定のもず被隓者には5章たでに述べた方法で構築した傟聎システムずの察話を䜓隓しおもらい実隓終了埌アンケヌトによる䞻芳評䟡や意芋を収集した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f12.eps}\end{center}\caption{継続察話時間に関するヒストグラム}\label{fig:12}\end{figure}\subsection{継続察話時間}はじめに継続察話時間に関する評䟡結果に぀いお述べる察話が長く継続するずいうこずは「より倚くのこずを話せるように助ける」ずいう傟聎の本質的な点でありシステムの重芁な客芳的評䟡基準の䞀぀ず考えられるなおここでの継続察話時間ずは䞊蚘2皮類の各話題においおシステム偎からのスタヌトの発話からナヌザが察話を終了させる「バむバむ」ず発話たでの時間のこずである継続察話時間に関する結果を図12にたた継続察話時間毎の平均発話数および平均発話単語数を衚25衚26に瀺す話題が「印象深い旅行」の堎合は45.5\%(50/110)の被隓者が2分以䞊ナヌザ発話数の平均12.40察話を継続しおいた䞀方話題が「子どもの頃の遊び」の堎合95.5\%(105/110)の被隓者が2分以内ナヌザ発話数の平均4.76に察話を終了しおいた察話継続時間の平均はそれぞれ1分46秒1分8秒であり「印象深い旅行」の方が察話が継続しやすいこずがわかったこれは話題が「印象深い旅行」の堎合旅先で自分がずった行動を思い出すこずにより話す内容がスムヌズに思い浮かびやすいのに察し話題が「子どもの頃の遊び」の堎合「䜕をしお遊んだか」を答えた埌䜕を話しお良いのかなかなか思い浮かばないこずが原因の䞀぀ずしお考えられる継続時間に぀いお䜕分以䞊なら良いずいうような絶察評䟡を行うこずは難しいが旅行の話題では3分以䞊察話が継続した被隓者が芳察されるなどロボットでも比范的長い時間傟聎を行えるこずが分かった\begin{table}[t]\caption{継続察話時間毎の平均発話数および平均発話単語数印象深い旅行}\label{table:25}\input{01table25.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{継続察話時間毎の平均発話数および平均発話単語数子どもの頃の遊び}\label{table:26}\input{01table26.txt}\end{table}なお1分以内に察話が終了しおしたった事䟋を分析したずころ䞻に次の2぀の珟象が芋られた\begin{description}\item[(1)最初のナヌザ発話に察しお誀認識により䞍適切な応答を生成しおいる]\mbox{}\\䟋1Usr:公園でよく遊びたした⇒Sys:い぀を過ぎたんですか\\䟋2Usr:鬌ごっこをしお⇒Sys:子猫ですか\\䟋3Usr:えっず留孊ず旅行ですね⇒Sys:遊孊ですか\item[(2)システムから問い返し応答がないためナヌザが次に䜕を話しお良いか分からない]\mbox{}\\䟋1Usr:ショッピングです⇒Sys:ショッピングですか\\䟋2Usr:かくれんが⇒Sys:かくれんがですか\end{description}いずれの堎合もナヌザが早々に「察話が぀たらない」ず感じお察話を終了させた『バむバむ』ず発話したず考えられるここで(1)に぀いおは6.1節で述べたようにシステムから「これたでにどこに行きたしたか」や「䜕をしお遊びたしたか」ず話し始め最初のナヌザ発話の認識が高粟床で行えるようにナヌザ発話を誘導したにも関わらず誀認識した事䟋である誀認識を防ぐ手段ずしお認識信頌床刀定の閟倀を高くするこずも考えられるがその堎合のシステム応答は盞槌ずなりナヌザに最初に䞎える印象が改善されるずは考えにくいしたがっお音声認識性胜の向䞊が重芁な課題ずなる䞀方(2)に぀いおは音声認識粟床ではなく察話を継続させるための応答生成の課題である(2)の䟋にあるように名詞栌芁玠のみが発話された堎合提案手法では問い返し応答ずしお適切ず刀断された堎合にのみその詳现を尋ねる応答しか生成されないしたがっおこの䟋のように「どんな」や「どこの」などの疑問詞で問い返すこずが䞍適切だず刀定された堎合にはその名詞に぀いお話題を広げるこずができないこのような事䟋の察策ずしおは䟋えば(2)䟋2で「かくれんが」ず「鬌ごっこ」は関連が深いずいう知識を利甚しお「かくれんがですか鬌ごっこもしたしたか」ずいった問い返し応答を生成するこずなどが考えられるたた本論文ではナヌザの1発話のみを利甚しお応答を生成しおいるが過去のナヌザ発話を利甚するこずによりさらに倚様な応答生成が可胜になるず考えられるその際にはれロ代名詞などの省略された情報の補完が重芁な課題ずなる今埌は䟋えば今村らの手法\cite{no49}を甚いおれロ代名詞照応解析により項を補完した䞊で応答生成を行うこずなども怜蚎しおいきたい\subsection{応答正解率}次に応答正解率に関する評䟡結果に぀いお述べる110名の被隓者以倖の2名の評䟡者がナヌザ発話ずそれに察するシステム応答の党ペアに察し応答の適切性を䞻芳で刀断し䞡名が共に「適切」ず刀定したシステム応答のみを正解ずしたなお盞槌が生成されおいる堎合は「盞槌応答」ずしお分類した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f13.eps}\end{center}\caption{生成されたシステム応答の分類結果}\label{fig:13}\end{figure}たず図13に生成されたシステム応答の「正解応答」「誀応答」「盞槌応答」の割合を瀺すなお埌述するように盞槌応答に぀いおも「適切」「䞍適切」の分類を行っおいる図13から実隓における盞槌応答は党䜓の38.0\%($34.9+3.1$)たた盞槌応答を陀く応答を察象にした応答正解率は68.06\%(42.2/62.0)であった以降ではたず盞槌を陀く応答を察象に考察を行い次に盞槌も含めた応答党䜓に぀いおの考察を行う図14に盞槌を陀く応答を察象にした幎代別男女別の応答正解率の結果を瀺すこの結果から男女別では女性に察する応答正解率が幎代別では20代〜40代に察する応答正解率が盞察的に高いこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f14.eps}\end{center}\caption{盞槌を陀く応答を察象にした応答正解率男女別幎代別}\label{fig:14}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f15.eps}\end{center}\caption{生成されたシステム応答皮別毎の割合}\label{fig:15}\end{figure}次に図15に生成されたシステム応答皮別毎の割合および図16にシステム応答皮別毎の正解率を瀺す図16から共感応答e.g.,それは良かったですねおよび感情・圢容衚珟の理由を尋ねる問い返しe.g.,どういう所がおもしろかったんですかに぀いおは玄80\%皋床ず高い粟床が埗られおいるが䞍足栌刀別に基づく問い返しe.g.,どこで遊んだんですかに぀いおは他の応答皮別ず比べ著しく粟床が䜎いこずが分かるここで共感応答および感情・圢容衚珟の理由を尋ねる問い返しの粟床が高い理由ずしおは次のこずが考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f16.eps}\end{center}\caption{生成されたシステム応答皮別毎の応答正解率}\label{fig:16}\end{figure}\begin{itemize}\item共感応答は認識結果を盎接的に甚いお応答を生成するのではなく感情掚定結果を利甚するため仮に誀認識結果が含たれおいたずしおも感情掚定結果ずしお正しければ適切な共感応答が可胜ずなる\item感情・圢容衚珟の理由を尋ねる問い返しは最終述語が「おもしろい」や「楜しい」の堎合に生成されるがこのようなナヌザ発話はシステムからの「感想を尋ねる応答e.g.,〜に行ったんですかどうでしたか」に察しお発話されるこずが倚くしかも倚くの堎合は「楜しかったよ」ずいった短い発話でナヌザが返答するため粟床良く認識するこずが可胜ずなるたた圓該応答の生成が適切であるかどうかを刀定するための蟞曞は人手により䜜成されおいるため蟞曞の粟床も高い\end{itemize}䞀方䞍足栌刀別に基づく問い返しの応答粟床が䜎い理由ずしおは誀認識結果を利甚した応答が生成されおいるこずに加え次のこずが挙げられる\begin{description}\item[(1)栌情報が含たれおいるにも関わらず圓該栌を䞍足栌ず刀別しおしたう]\mbox{}\\䟋1Usr:ご飯を食べたりしたした⇒Sys:䜕をしたんですか\\䟋2Usr:猶蹎りしたした⇒Sys:䜕をしたんですか\item[(2)最終述語が「〜した」の堎合に「した」のみを最終述語ずしお抜出しおしたう]\mbox{}\\䟋1Usr:ご飯を食べたりしたした⇒Sys:䜕をしたんですか\\䟋2Usr:猶蹎りしたした⇒Sys:䜕をしたんですか\item[(3)深局栌解析゚ラヌにより必須栌蟞曞に誀りがある]\mbox{}\\䟋Usr:海で泳ぎたした⇒Sys:どこを泳いだんですか\end{description}ここで(1)の䟋1はナヌザ発話䞭の栌助詞「二」が認識信頌床刀定アルゎリズムによっお「信頌できない」ず刀定され結果ずしお䞍足栌ず刀別された䟋である4.1.3節で述べた通り我々の提案手法では栌助詞の音声認識誀りが極力少なくなるような察策をしおいるが(1)の䟋1のような事䟋も芳察された誀応答を枛らすためのシステム改良は今埌も続けおいきたいたた(1)の䟋2はナヌザ発話においお栌助詞が省略されたこずにより䞍足栌刀別を誀った䟋である4.1.3節でも述べたようにこのような堎合の䞍足栌刀別に぀いおは今埌の課題である䞀方(2)の䟋に぀いおは2぀ずも最終述語が適切に抜出できなかった䟋である2.2節で述べた通り「最終述語の䞍足栌刀別に基づく問い返し」はナヌザ発話の最終述語が動詞もしくは「サ倉名詞する」の堎合に生成されるが䞊述の事䟋のように「する」はサ倉名詞以倖の品詞ず接続する堎合も倚い最終述語の抜出粟床の向䞊に぀いおは今埌の課題である最埌に(3)の䟋に぀いおは深局栌解析゚ラヌにより必須栌蟞曞に誀りがある䟋である具䜓的には動詞「泳ぐ」に぀いお深局栌解析の段階で「〜で泳ぐ」の栌助詞「デ」を深局栌「place(act)」ずしお䞀方「〜を泳ぐ」の栌助詞「ヲ」を深局栌「object」ずしお解析し双方ずもが必須栌ずしお登録されたため既に泳いだ「堎所」が発話されたにも関わらずその情報を誀っお䞍足栌ずしお問い返しおいるこの䟋に぀いおは「デ」「ヲ」共に「動䜜の堎所」を衚す深局栌であるこずを適切に解析するずいうように深局栌解析の粟床向䞊が必芁であるここたでで「盞槌応答」を陀いた応答を察象に述べおきた次に「盞槌応答」も含めた応答党䜓に぀いお述べる我々は誀認識を含む堎合でもロバストに応答を生成する手法ずしお認識信頌床を刀定し信頌床が䜎い堎合には盞槌を生成するこずで誀認識結果を甚いた応答生成を防ぐ手法を提案したしかしナヌザが発話を終える前に生成された盞槌e.g.,Usr:子䟛のころはす  ⇒Sys:そうですかあるいはシステム応答が聞き取れずナヌザがシステムに問い返した際に生成された盞槌e.g.,Usr:はい⇒Sys:そうですかなどは誀認識結果を甚いた応答ではないものの応答ずしお䞍適切であるず考えられる今回の実隓で生成された盞槌応答応答党䜓の38.0\%の䞭にこのような䞍適切な盞槌が8.04\%応答党䜓の3.1\%含たれおいた前者に぀いおは発話の区切りを怜出する性胜の向䞊埌者に぀いおはナヌザ発話が問い返しであるかどうかを刀定する機胜の構築が必芁である以䞊を螏たえお適切な盞槌も含めた応答正解率は77.1\%であったたた図17に適切な盞槌も含めた幎代別男女別の応答正解率を瀺す男女別幎代別で応答正解率に極端に倧きな差はないが男性では50,70代女性では40代の応答正解率がやや䜎いこずがわかる最埌に図18に幎代別男女別の盞槌応答の割合を瀺すこれより20,30代および50,60代の女性に぀いおは盞槌応答の割合が䜎く䞀方70代に぀いおは男女ずもに盞槌応答の割合が高いこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f17.eps}\end{center}\caption{適切な盞槌も含めた応答正解率男女別幎代別}\label{fig:17}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f18.eps}\end{center}\caption{盞槌応答の割合男女別幎代別}\label{fig:18}\end{figure}\subsection{アンケヌトによる䞻芳評䟡結果}『システムず話しおみお満足床はどのくらいでしたか』ずいう質問に察する幎代別男女別の結果を図19に瀺す党䜓的に女性の評䟡が高かったこずがわかる特に50代以䞊の女性ず70代の男性の満足床は盞察的に高く高霢者に察しお有効なシステムずなる可胜性が瀺唆されたその䞭でも70代に぀いおは盞槌応答の割合が高く図18単調な察話であったにも関わらず満足床が顕著に䜎䞋しおいないこずから単調な察話でも受容性が高いこずも瀺唆された40代女性の評䟡が䜎いのは50,60代の女性ず比べお応答正解率が䜎い図17および盞槌応答の割合が高い図18こずが原因ず考えられる䞀方男性に぀いおは30,40代の被隓者の評䟡が他の幎代に比べお盞察的に䜎く満足感は䞎えられおいないこずがわかったただし女性の結果ずは異なり30,40代の男性に察する応答正解率が䜎いあるいは盞槌応答の割合が高いずいった傟向は芋られないこの点に぀いおの芁因の解明は今埌の課題ずする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f19.eps}\end{center}\hangcaption{蚭問『システムず話しお満足床はどのくらいでしたか』に察する䞻芳評䟡結果男女別幎代別}\label{fig:19}\end{figure}\begin{table}[b]\centering\caption{ナヌザから埗られた自由蚘述の感想抜粋}\label{table:27}\input{01table27.txt}\end{table}たた実隓埌ナヌザから埗られた自由蚘述の感想の抜粋を衚27に瀺す衚27のネガティブな意芋や察話ロボットぞの芁望に぀いおは今埌の開発に生かしたい\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia1f20.eps}\end{center}\caption{実際の察話䟋}\label{fig:20}\end{figure}\subsection{実際の察話䟋}最埌に実際の察話䟋\cite{no50}を図20に瀺すなお図䞭のシステム応答「そこで䜕をしたんですか」「そこで他になにをしたしたか」「他には䜕をしたしたか」に぀いおは本実隓で察象ずした2぀の話題に合わせお問い返し応答ずしお甚意した定型応答でありナヌザが沈黙した堎合などに発話を促すために生成されるこの結果より察話が倧きな砎綻なく継続しおいるこずがわかる \section{たずめ} 本皿では回想法の効果による高霢者の認知症予防や独居高霢者の孀独感の軜枛あるいは若い䞖代のストレス軜枛などぞの貢献を目的ずしお音声察話ロボットのための傟聎システムの開発に぀いお述べたナヌザ発話䞭の述語の䞍足栌刀別などによる「繰り返し問い返し応答」ナヌザ発話に察する感情掚定による「共感応答」の生成アルゎリズムおよびそれらの応答ず「盞槌応答」ずを音声認識信頌床を考慮した䞊で適切に生成するアルゎリズムを提案した110名の䞀般被隓者に察する評䟡実隓の結果「印象深い旅行」を話題ずした堎合で45.5\%の被隓者が2分以䞊ナヌザ発話数平均12.40察話を継続しおいたたたシステムの応答を䞻芳的に評䟡した結果盞槌を陀いた堎合で玄68\%適切な盞槌も含めた堎合で玄77\%のナヌザ発話に察しお察話を砎綻させるこずなく応答生成ができおいたたた生成された応答皮別毎では共感応答や感情・圢容衚珟の理由を尋ねる問い返しに぀いおは高い応答正解率が埗られおいたが䞀方で特に䞍足栌刀別に基づく問い返しに぀いおは応答正解率が䜎かったさらに被隓者ぞのアンケヌトの結果特に高霢の被隓者から肯定的な䞻芳評䟡結果が埗られた今埌の課題ずしおは䞻に䞋蚘の事項が挙げられるこれらの問題を解決するこずにより高霢者のみならず若い䞖代に察する満足床向䞊に぀ながるず期埅される\begin{enumerate}\item深局栌解析粟床の向䞊栌助詞の省略および動詞の受動態・䜿圹態ぞの察応\itemより倚様な応答の生成名詞の関連語知識の利甚や過去のナヌザ発話の利甚など\item発話区切り怜出粟床の向䞊ナヌザ発話を遮っお応答生成を行わない\itemナヌザ発話の談話行為掚定ナヌザの問い返しなどに察しお盞槌を生成しない\item音声認識粟床の向䞊\end{enumerate}たた実際のナヌザぞの効果の評䟡ずしお本傟聎システムを䜓隓したこずによるナヌザの話し方や顔衚情などの状態倉化に関する評䟡を行いシステムの改良を進める予定である\acknowledgmentWeb䞊の5億文のテキストを提䟛しお頂いた京郜倧孊の河原倧茔氏に深く感謝臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\nocite{*}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Balahur\BBA\Hristo}{Balahur\BBA\Hristo}{2016}]{no31}Balahur,A.\BBACOMMA\\BBA\Hristo,T.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQDetectingImplicitExpressionsofAffectfromTextusingSemanticKnowledgeonCommonConceptProperties.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe10thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2016)},\mbox{\BPGS\1165--1170}.\bibitem[\protect\BCAY{Banchs\BBA\Li}{Banchs\BBA\Li}{2012}]{no13}Banchs,R.\BBACOMMA\\BBA\Li,H.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQIRIS:AChat-orientedDialogueSystembasedontheVectorSpaceModel.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL)},\mbox{\BPGS\37--42}.\bibitem[\protect\BCAY{Bellegarda}{Bellegarda}{2013}]{no8}Bellegarda,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQLarge-ScalePersonalAssistantTechnologyDeployment:TheSiriExperience.\BBCQ\\newblockIn{\BemINTERSPEECH},\mbox{\BPGS\2029--2033}.\bibitem[\protect\BCAY{Butler}{Butler}{1963}]{no6}Butler,R.\BBOP1963\BBCP.\newblock\BBOQTheLifeReview:AnInterpretationofReminiscenceintheAged.\BBCQ\\newblock{\BemPsychiatry},{\Bbf26},\mbox{\BPGS\65--76}.\bibitem[\protect\BCAY{De~Mori,Bechet,Hakkani-Tur,McTear,Riccardi,\BBA\Tur}{De~Moriet~al.}{2008}]{no44}De~Mori,R.,Bechet,F.,Hakkani-Tur,D.,McTear,M.,Riccardi,G.,\BBA\Tur,G.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQSpokenLanguageUnderstanding.\BBCQ\\newblock{\BemIEEESignalProcessingMagazine},{\Bbf25}(3),\mbox{\BPGS\50--58}.\bibitem[\protect\BCAY{DeVault,Artstein,Benn,Dey,Fast,Gainer,Georgila,Gratch,Hartholt,Lhommet,Lucas,Marsella,Morbini,Nazarian,Scherer,Stratou,Suri,Traum,Wood,Xu,Rizzo,\BBA\Morency}{DeVaultet~al.}{2014}]{no29}DeVault,D.,Artstein,R.,Benn,G.,Dey,T.,Fast,E.,Gainer,A.,Georgila,K.,Gratch,J.,Hartholt,A.,Lhommet,M.,Lucas,G.,Marsella,S.,Morbini,F.,Nazarian,A.,Scherer,S.,Stratou,G.,Suri,A.,Traum,D.,Wood,R.,Xu,Y.,Rizzo,A.,\BBA\Morency,L.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQSimSenseiKiosk:AVirtualHumanInterviewerforHealthcareDecisionSupport.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe2014InternationalConferenceonAutonomousAgentsandMulti-agentSystems},\mbox{\BPGS\137--139}.\bibitem[\protect\BCAY{藀原\JBA䌊藀\JBA荒朚}{藀原\Jetal}{2005}]{no43}藀原敬蚘\JBA䌊藀敏圊\JBA荒朚健治\BBOP2005\BBCP.\newblock音声蚀語理解のための助詞・付属語の信頌床利甚に関する調査.\\newblock\Jem{日本音響孊䌚2006幎春季研究発衚䌚講挔論文集},{\Bbf1-P-28},\mbox{\BPGS\199--200}.\bibitem[\protect\BCAY{Gordon\BBA\Swanson}{Gordon\BBA\Swanson}{2009}]{no40}Gordon,A.\BBACOMMA\\BBA\Swanson,R.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingPersonalStoriesinMillionsofWeblogEntries.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe3rdInternationalConferenceonWeblogsandSocialMedia,DataChallengeWorkshop},\mbox{\BPGS\16--23}.\bibitem[\protect\BCAY{Han,Bang,Ryu,\BBA\Lee}{Hanet~al.}{2015}]{no17}Han,S.,Bang,J.,Ryu,S.,\BBA\Lee,G.~G.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQExploitingKnowledgeBasetoGenerateResponsesforNaturalLanguageDialogListeningAgents.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe16thAnnualMeetingoftheSpecialInterestGrouponDiscourseandDialogue(SIGDIAL)},\mbox{\BPGS\129--133}.\bibitem[\protect\BCAY{Han,Lee,Lee,\BBA\Lee}{Hanet~al.}{2013}]{no16}Han,S.,Lee,K.,Lee,D.,\BBA\Lee,G.~G.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQCounselingDialogSystemwith5W1HExtraction.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe14thAnnualMeetingoftheSpecialInterestGrouponDiscourseandDialogue(SIGDIAL)},\mbox{\BPGS\349--353}.\bibitem[\protect\BCAY{長谷川\JBA鍛冶\JBA吉氞\JBA豊田}{長谷川\Jetal}{2014}]{no35}長谷川貎之\JBA鍛冶䌞裕\JBA吉氞盎暹\JBA豊田正史\BBOP2014\BBCP.\newblockオンラむン䞊の察話における聞き手の感情の予枬ず喚起.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf29}(1),\mbox{\BPGS\90--99}.\bibitem[\protect\BCAY{Hazen,Seneff,\BBA\Polifroni}{Hazenet~al.}{2002}]{no41}Hazen,T.~J.,Seneff,S.,\BBA\Polifroni,J.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQRecognitionConfidenceScoringanditsUseinSpeechUnderstandingSystems.\BBCQ\\newblock{\BemComputerSpeech\&Language},{\Bbf16}(1),\mbox{\BPGS\49--67}.\bibitem[\protect\BCAY{東䞭\JBA貞光\JBA内田\JBA吉村}{東䞭\Jetal}{2013}]{no10}東䞭竜䞀郎\JBA貞光九月\JBA内田枉\JBA吉村健\BBOP2013\BBCP.\newblockしゃべっおコンシェルにおける質問応答技術.\\newblock\Jem{NTT技術ゞャヌナル},{\Bbf25}(2),\mbox{\BPGS\56--59}.\bibitem[\protect\BCAY{Higashinaka,\mbox{Funakoshi},Araki,Tsukahara,Kobayashi,\BBA\Mizukami}{Higashinakaet~al.}{2015}]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o21}目黒豊矎\JBA東䞭竜䞀郎\JBA南泰浩\JBA堂坂浩二\BBOP2011\BBCP.\newblockPOMDPを甚いた聞き圹察話システムの察話制埡.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚発衚論文集2011幎3月},\mbox{\BPGS\912--915}.\bibitem[\protect\BCAY{䞉島\JBA久保田}{䞉島\JBA久保田}{2003}]{no4}䞉島埳雄\JBA久保田進也\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{積極傟聎を孊ぶ—発芋的䜓隓孊習法の実際—}.\newblock䞭倮劎働灜害防止協䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Morbini,Forbell,DeVault,Sagae,Traum,\BBA\Rizzo}{Morbiniet~al.}{2012}]{no28}Morbini,F.,Forbell,E.,DeVault,D.,Sagae,K.,Traum,D.~R.,\BBA\Rizzo,A.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAMixed-InitiativeConversationalDialogueSystemforHealthcare.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe13thAnnualMeetingoftheSpecialInterestGrouponDiscourseandDialogue(SIGDIAL)},\mbox{\BPGS\137--139}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭村}{䞭村}{1993}]{no56}䞭村明\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{感情衚珟蟞曞}.\newblock東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{日本電子化蟞曞研究所}{日本電子化蟞曞研究所}{2001}]{no45}日本電子化蟞曞研究所\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{EDR電子化蟞曞2.0版䜿甚説明曞}.\bibitem[\protect\BCAY{楡朚}{楡朚}{1989}]{no5}楡朚満生\BBOP1989\BBCP.\newblock積極的傟聎法.\\newblock\Jem{医孊教育},{\Bbf20}(5),\mbox{\BPGS\341--346}.\bibitem[\protect\BCAY{倧石\JBA束本}{倧石\JBA束本}{1995}]{no47}倧石亚\JBA束本裕治\BBOP1995\BBCP.\newblock栌パタヌン分析に基づく動詞の語圙知識獲埗.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf36}(11),\mbox{\BPGS\2597--2610}.\bibitem[\protect\BCAY{倧竹\JBA萩原}{倧竹\JBA萩原}{2012}]{no18}倧竹裕也\JBA萩原将文\BBOP2012\BBCP.\newblock高霢者のための発話意図を考慮した察話システム.\\newblock\Jem{日本感性工孊䌚論文誌},{\Bbf11}(2),\mbox{\BPGS\207--214}.\bibitem[\protect\BCAY{倧竹\JBA萩原}{倧竹\JBA萩原}{2014}]{no19}倧竹裕也\JBA萩原将文\BBOP2014\BBCP.\newblock評䟡衚珟による印象掚定ず傟聎型察話システムぞの応甚.\\newblock\Jem{日本知胜情報ファゞィ孊䌚誌},{\Bbf26}(2),\mbox{\BPGS\617--626}.\bibitem[\protect\BCAY{Plutchik}{Plutchik}{1980}]{no55}Plutchik,R.\BBOP1980\BBCP.\newblock\BBOQAGeneralPsycho-evolutionaryTheoryofEmotion.\BBCQ\\newblockIn{\BemTheoriesofEmotion}.AcademicPress.\bibitem[\protect\BCAY{䞋岡\JBA埳久\JBA吉村\JBA星野\JBA枡郚}{䞋岡\Jetal}{2010}]{no50}䞋岡和也\JBA埳久良子\JBA吉村貎克\JBA星野博之\JBA枡郚生聖\BBOP2010\BBCP.\newblock音声察話ロボットのための傟聎システムの開発.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚蚀語・音声理解ず察話凊理研究䌚},{\BbfSIG-SLUD-58},\mbox{\BPGS\61--66}.\bibitem[\protect\BCAY{総務省統蚈局}{総務省統蚈局}{2013}]{no1}総務省統蚈局\BBOP2013\BBCP.\newblock高霢者の人口.\\newblockhttp://www.stat.go.jp/data/topics/topi721.htm/.\bibitem[\protect\BCAY{須田}{須田}{2013}]{no32}須田行雄\BBOP2013\BBCP.\newblock\Jem{回想法実斜マニュアル}.\newblock第1回公募研究,䞀般瀟団法人日本産業カりンセラヌ協䌚.\bibitem[\protect\BCAY{寺村}{寺村}{1982}]{no51}寺村秀倫\BBOP1982\BBCP.\newblock\Jem{日本語のシンタクスず意味}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Tokuhisa,Inui,\BBA\Matsumoto}{Tokuhisaet~al.}{2008}]{no12}Tokuhisa,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQEmotionClassificationUsingMassiveExamplesExtractedfromtheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe22thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING)},\mbox{\BPGS\881--888}.\bibitem[\protect\BCAY{Turney}{Turney}{2002}]{no53}Turney,P.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQThumbsUp?ThumbsDown?SemanticOrientationAppliedtoUnsupervisedClassificationofReviews.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL)},\mbox{\BPGS\417--424}.\bibitem[\protect\BCAY{ホヌルファミリヌケア協䌚}{ホヌルファミリヌケア協䌚}{2004}]{no3}ホヌルファミリヌケア協䌚\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{傟聎ボランティアのすすめ}.\newblock䞉省堂.\bibitem[\protect\BCAY{Yamaguchi,Inoue,Yoshino,Takanashi,Ward,\BBA\Kawahara}{Yamaguchiet~al.}{2016}]{no30}Yamaguchi,T.,Inoue,K.,Yoshino,K.,Takanashi,K.,Ward,N.,\BBA\Kawahara,T.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQAnalysisandPredictionofMorphologicalPatternsofBackchannelsforAttentiveListeningAgents.\BBCQ\\newblockIn{\BemInternationalWorkshopSpokenDialogueSystems(IWSDS)},\mbox{\BPGS\1--12}.\bibitem[\protect\BCAY{山本\JBA小林\JBA暪山\JBA土井}{山本\Jetal}{2009}]{no23}山本倧介\JBA小林優䜳\JBA暪山祥恵\JBA土井矎和子\BBOP2009\BBCP.\newblock高霢者察話むンタフェヌス〜『話し盞手』ずなっおお幎寄りの生掻を豊かに〜.\\newblock\Jem{ヒュヌマンコミュニケヌション基瀎研究䌚},{\Bbf109}(224),\mbox{\BPGS\47--51}.\bibitem[\protect\BCAY{暪山\JBA山本\JBA小林\JBA土井}{暪山\Jetal}{2010}]{no24}暪山祥恵\JBA山本倧介\JBA小林優䜳\JBA土井矎和子\BBOP2010\BBCP.\newblock高霢者向け察話むンタフェヌス—雑談継続を目的ずした話題提瀺・傟聎の切替匏察話法—.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告音声蚀語情報凊理},{\Bbf2010-SLP-80}(4),\mbox{\BPGS\1--6}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{䞋岡和也}{2002幎京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業2005幎京郜倧孊倧孊院知胜情報孊専攻修士課皋修了同幎株豊田䞭倮研究所入瀟珟圚空間情報凊理ずその応甚に関する研究開発に埓事}\bioauthor{埳久良子}{2001幎九州工業倧孊倧孊院情報科孊専攻修士課皋修了同幎株豊田䞭倮研究所入瀟2009幎奈良先端倧孊倧孊院博士埌期課皋修了博士工孊感情や察話研究に埓事人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{吉村貎克}{1997幎名叀屋工業倧孊知胜情報システム孊科卒2002幎同倧孊倧孊院博士埌期課皋修了博士工孊珟圚株豊田䞭倮研究所にお車䞡の走行デヌタのデヌタ凊理ずその応甚に関する研究に埓事IEEE䌚員}\bioauthor{星野博之}{1988幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎株豊田䞭倮研究入瀟珟圚に至る音声認識ヒュヌマンむンタフェヌス等の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚他博士情報科孊}\bioauthor{枡蟺生聖}{2000幎筑波倧孊第䞉孊矀情報孊類卒業2002幎同倧孊院修士課皋修了珟圚トペタ自動車株パヌトナヌロボット郚におシニアラむフ支揎のための察話ロボットの開発に埓事}\end{biography}\biodate\end{document}
V24N04-04
\section{はじめに} \label{sec-introduction}さたざたな皮類のテキストや音声認識結果が機械翻蚳されるようになっおきおいるしかしすべおのドメむンのデヌタにおいお適切に翻蚳できる機械翻蚳噚の実珟はいただ困難であり翻蚳察象ドメむンを絞りこむ必芁がある察象ドメむンの翻蚳品質を向䞊させるには孊習デヌタ察蚳文を倧量に収集し翻蚳噚を蚓緎するのが確実であるしかし倚数のドメむンに぀いお察蚳文を倧量に収集するこずはコスト的に困難であるため他のドメむンの孊習デヌタを甚いお察象ドメむンの翻蚳品質を向䞊させるドメむン適応技術が研究されおいる\cite{foster-kuhn:2007:WMT,foster-goutte-kuhn:2010:EMNLP,axelrod-he-gao:2011:EMNLP,Bisazza:SMTAdaptation2011,sennrich:2012:EACL2012,sennrich-schwenk-aransa:2013:ACL2013}このドメむン適応は機械翻蚳を実甚に䟛するずきには非垞に重芁な技術である本皿では耇数ドメむンを前提ずした統蚈翻蚳の適応方匏を提案する本皿の提案方匏は耇数のモデルを察数線圢補間で組み合わせる方法であるシンプルな方法であるが機械孊習分野のドメむン適応方法である玠性空間拡匵法\cite{daumeiii:2007:ACLMain}の考え方を流甚するこずで耇数ドメむンの利点を掻かす具䜓的には以䞋の2方匏の提案を行う\begin{enumerate}\item耇数ドメむンの同時最適化を行う方法この堎合拡匵された玠性空間に察しおマルチドメむン察応に倉曎した最適化噚で同時最適化を行う\item耇数ドメむンを䞀぀䞀぀個別に最適化する方法この堎合玠性空間を制限し通垞の察数線圢モデルずしお扱う既存の翻蚳システムぞの改造が少なくおも実珟できる\end{enumerate}いずれの方法もさたざたなドメむンで未知語が少ないコヌパス結合モデルずドメむンを限定した際に翻蚳品質がよい単独ドメむンモデルを䜵甚するさらに耇数モデル組み合わせ時のハむパヌパラメヌタをチュヌニングする玠性空間拡匵法を機械翻蚳に適甚した䟋には\citeA{Clark:SMTAdaptation2012}があるこれは翻蚳文の尀床の算出に甚いられる玠性ベクトルの重みだけを適応させおいお玠性関数は適応させおいない本皿の新芏性はコヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルを䜿っお玠性関数を適応させおいるこずおよび耇数モデル組み合わせ時のハむパヌパラメヌタを適切に蚭定するこずの2点であるモデルの遞択ず蚭定を適切に行うこずによっお最先端のドメむン適応ず同等以䞊の粟床が出せるこずを瀺すなお本皿では事前䞊べ替えを䜿ったフレヌズベヌス統蚈翻蚳方匏(PBSMT)\cite{koehn-och-marcu:2003:HLTNAACL,koehn-EtAl:2007:PosterDemo}を察象ずする以䞋第\ref{sec-related-work}節では統蚈翻蚳のドメむン適応に関する関連研究を述べる第\ref{sec-proposed-method}節では提案方匏を詳现に説明する第\ref{sec-experiments}節では実隓を通じお本方匏の特城を議論し第\ref{sec-conclusion}節でたずめる \section{統蚈翻蚳のドメむン適応} \label{sec-related-work}機械翻蚳のドメむン適応は翻蚳察象のドメむン内ドメむンデヌタが少なく他のドメむン倖ドメむンデヌタが倧量にある堎合内倖ドメむンのデヌタ双方を䜿っお内ドメむンの翻蚳品質を向䞊させる技術であるドメむン適応には「ニュヌス」「Web」のようにあらかじめデヌタがどのドメむンに属するか決たっおいる堎合の他に自動クラスタリングによっお仮想的に䜜られる堎合もある自動で分割されたドメむンでも重みを最適化するこずによっおトヌタルの翻蚳品質が向䞊するずいう報告もある\cite{finch-sumita:2008:WMT,sennrich-schwenk-aransa:2013:ACL2013}本皿では前者のあらかじめデヌタのドメむンが決たっおいる堎合で議論する\subsection{コヌパス結合}最もシンプルなベヌスラむンずしお甚いられおいる方法は内ドメむンず倖ドメむンのデヌタを結合しお孊習し1぀のモデルを構築する方法である本皿ではコヌパス結合方匏ず呌ぶ孊習された結合モデルは各ドメむンの開発セットで最適化される䞀般的な機械孊習では結合されたコヌパスで孊習したモデルは内ドメむン倖ドメむン双方の䞭間的性質を持぀ためその粟床も内ドメむンデヌタのみ倖ドメむンデヌタのみで孊習されたモデル単独ドメむンモデルず呌ぶの䞭間の粟床になるこずが倚い䞀方機械翻蚳の堎合コヌパスを結合するこずによりカバヌする語圙が増加するため未知語が枛少し単独ドメむンモデルより翻蚳品質が向䞊する堎合もある最終的に翻蚳品質が向䞊するか吊かは未知語の枛少ずモデルパラメヌタの粟床䜎䞋のトレヌドオフになる\subsection{線圢補間察数線圢補間}統蚈翻蚳では翻蚳に䜿甚するサブモデルフレヌズテヌブル蚀語モデル䞊べ替えモデルなどが返す倀玠性関数倀を線圢たたは察数線圢結合しお翻蚳文の尀床を算出する察数線圢モデルでは以䞋の匏で尀床$\logP(e|f)$を算出する\begin{equation}\logP(e|f)\quad\propto\quad\mathbf{w}\cdot\mathbf{h}(e,f)\end{equation}ただし$e$は翻蚳文$f$は原文$\mathbf{h}(e,f)$は玠性ベクトル$\mathbf{w}$は玠性関数の重みベクトルであるこのずき重みベクトル$\mathbf{w}$をドメむン毎に切り替えるこずでドメむン䟝存蚳を生成する方法があるたずえば\citeA{foster-kuhn:2007:WMT}はPBSMTのサブモデルをドメむン毎に蚓緎し線圢補間察数線圢補間でドメむン毎の重みを倉えお翻蚳を行った圌らはパヌプレキシティなどを目暙関数にしお独自の重み掚定を行ったが近幎は重みの掚定に誀り率最小蚓緎法(MERT)\cite{Och:2003:ACL}などの最適化方法が甚いられおいる\cite{foster-goutte-kuhn:2010:EMNLP}玠性空間拡匵法\cite{daumeiii:2007:ACLMain}は翻蚳に限らず機械孊習党般に䜿われるドメむン適応方匏で玠性関数の重みをドメむン毎に最適化する\ref{sec-feature-augmentation}節参照\citeA{Clark:SMTAdaptation2012}はこれを察数線圢補間方匏の䞀皮ずしお翻蚳に適甚し効果があったず報告しおいるなお圌らは単䞀のモデルを甚いモデルの重みのみをドメむン適応させおいる\subsection{モデル適応}重みベクトルではなく玠性ベクトル$\mathbf{h}(e,f)$玠性関数を倉曎するこずによっおドメむン適応する方法は倧きく2぀に分けられる䞀぀は蚓緎枈みサブモデル自身を倉曎する方法であるもう䞀぀はドメむンに適応させたコヌパスからモデルを蚓緎する方法であるこのうちサブモデル自身を倉曎する方法にはfill-up法\cite{Bisazza:SMTAdaptation2011}翻蚳モデル混合\cite{sennrich:2012:EACL2012}むンスタンス重み付け\cite{foster-goutte-kuhn:2010:EMNLP,matsoukas-rosti-zhang:2009:EMNLP}が知られおいるfill-up法はフレヌズテヌブルから翻蚳候補を取埗する際内ドメむンの単独モデルにフレヌズが存圚する堎合はその玠性関数倀を䜿甚存圚しない堎合は倖ドメむンの単独モデルからフレヌズを取埗しその倀を䜿甚する翻蚳モデル混合は2぀のフレヌズテヌブルに蚘録された翻蚳確率を重み付きで混合し新たなフレヌズテヌブルを生成する重みは開発セットのパヌプレキシティが最小になるように玠性関数毎に蚭定されるむンスタンス重み付けはフレヌズテヌブルのモデルパラメヌタ䞀぀䞀぀を内ドメむンず倖ドメむンを識別するように内ドメむンの開発セットで混合するこれらの方法は玠性関数倀のみでなくデコヌド時のフレヌズ候補も2぀のモデルのフレヌズを䜿甚するため䞀般的には未知語は枛少するしかしフレヌズテヌブル以倖のサブモデルは別の構築・混合法を䜿わなければならないずいうデメリットも存圚する\subsection{コヌパスフィルタリング}玠性ベクトル$\mathbf{h}(e,f)$を倉曎するもう䞀぀の方法はモデル蚓緎甚コヌパスをドメむン適応させる方法である最初に述べたコヌパス結合もこの䞀皮であるがよりドメむンに適応させるには倖ドメむンコヌパスから察蚳文を取捚遞択した方がよいこの倖ドメむンコヌパスから察蚳文を取捚遞択し内ドメむンコヌパスずずもにモデルを䜜成する方匏をコヌパスフィルタリングず呌ぶ\citeA{axelrod-he-gao:2011:EMNLP}は内ドメむンに適した察蚳文を内倖ドメむンの亀差゚ントロピヌの差に基づき倖ドメむンコヌパスから取捚遞択した遞択された文を内ドメむンコヌパスに远加しおモデルを蚓緎するこずでドメむン適応を行ったコヌパスフィルタリングは翻蚳噚が䜿甚する党サブモデルをその皮類を問わず適応させるこずができる点がメリットであるが最適な远加蚓緎文数はあらかじめ予想できない点がデメリットである\subsection{その他の方法}その他の方法ずしおは2぀の翻蚳噚を盎列に接続し倖ドメむン翻蚳噚による翻蚳結果をさらに内ドメむン翻蚳噚を䜿っお蚂正する方法もある\cite{jeblee-EtAl:2014:ANLP20142}これはドメむン䟝存蚳の生成を䞀皮の誀り蚂正ずずらえおいるこずに盞圓する \section{マルチドメむン適応方匏} \label{sec-proposed-method}\subsection{玠性空間拡匵法}\label{sec-feature-augmentation}玠性空間拡匵法\cite{daumeiii:2007:ACLMain}は䞀般的な機械孊習におけるパラメヌタ統蚈翻蚳では玠性の重みに察応のドメむン適応に甚いられる方匏である玠性空間を共通内ドメむンタヌゲットドメむン倖ドメむン゜ヌスドメむンに分割し玠性をそれが由来するドメむンごずに異なる空間に配眮する内ドメむンの玠性は共通空間ず内ドメむン空間に倖ドメむンの玠性は共通空間ず倖ドメむン空間にコピヌしお配眮するのが特城であるそしお党䜓を最適化するこずにより適応された重みベクトルを埗る玠性が疎な二倀玠性の堎合共通空間に栌玍される玠性は内ドメむンデヌタから埗られる玠性ず倖ドメむンデヌタから埗られる玠性の和(OR)になるそのため共通空間にある玠性が内倖ドメむンのお互いに欠萜した玠性を補完し粟床が向䞊する統蚈翻蚳のような密な実数玠性の堎合共通空間を介しお倖ドメむンの玠性が内ドメむンの事前分垃ずしお䜜甚しより内ドメむンに適合した重みに調敎される\citeA{daumeiii:2007:ACLMain}の3.2節参照通垞は倖ドメむンを内ドメむンに適応するために䜿甚されるが玠性空間拡匵法では倖ドメむンず内ドメむンを同等に扱っおおり容易に$D$ドメむンに拡匵するこずができるその堎合玠性空間は共通ドメむン1,...ドメむン$D$のように$D+1$空間に分割される図\ref{fig-feature-augmentation}すなわち\begin{equation}\mathbf{h}(f,e)=\langle\mathbf{h}_{c},\mathbf{h}_{1},\ldots,\mathbf{h}_{i},\ldots,\mathbf{h}_{D}\rangle\label{eqn-augmented-vector}\end{equation}ただし$\mathbf{h}_{c}$は共通空間の玠性ベクトル$\mathbf{h}_{i}$はドメむン䟝存空間の玠性ベクトルである共通空間には垞に玠性が配眮されるがドメむン䟝存空間にはデヌタの属するドメむンが䞀臎する堎合だけ玠性が配眮される\begin{align}\mathbf{h}_{c}&=\mathbf{\Phi}(f,e)\label{eqn-aug-common}\\\mathbf{h}_{i}&=\left\{\begin{array}{ll}\mathbf{\Phi}(f,e)&\text{if}\\mathrm{domain}(f)=i\\\emptyset&\text{otherwise}\end{array}\right.\label{eqn-aug-dependent}\end{align}ただし$\mathbf{\Phi}(f,e)$はモデルスコア等を栌玍した郚分ベクトルで玠性空間を拡匵しない堎合は$\mathbf{h}(f,e)$ず同じになるこの玠性マトリクスを最適化し重みベクトルを埗る\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-4ia4f1.eps}\end{center}\caption{玠性空間拡匵ずコヌパス結合モデル単独ドメむンモデルの䜵甚}\label{fig-feature-augmentation}\end{figure}\ref{sec-experiments}節の実隓ではMosesツヌルキット\cite{koehn-EtAl:2007:PosterDemo}のデフォルト玠性15次元を䜿甚する玠性の䞀芧を衚\ref{tbl-feature-list}に瀺すこれに玠性空間拡匵法を適甚するず共通空間では15次元ドメむン䟝存空間では各14次元ずなる\footnote{未知語数を衚す玠性UnknownWordPenaltyは重みの調敎は䞍可ずされおいるため共通空間だけに配眮する}\citeA{Clark:SMTAdaptation2012}はアラビア語$\rightarrow$英語翻蚳ドメむンはNewsずWebおよびチェコ語$\rightarrow$英語翻蚳ドメむンはFictionなど6ドメむンに぀いお玠性空間拡匵法を適甚し効果が芳枬されたず報告しおいるただし圌らは翻蚳モデル蚀語モデルなどのサブモデルはコヌパス結合モデル1皮類だけを䜿甚しおおり玔粋に玠性関数の重みだけをドメむン最適化しおいる\begin{table}[t]\caption{本皿で甚いる玠性の䞀芧}\label{tbl-feature-list}\input{04table01.txt}\end{table}\subsection{提案法}\subsubsection{コヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルの導入}\label{sec-concat-and-specific}機械翻蚳では玠性の重みより玠性関数の方が翻蚳品質に察する圱響が倧きいため玠性空間によっおモデルを切り替えるのは自然な拡匵である本皿で甚いる玠性関数は実数倀を返す関数であるがその実態はモデルファむルに蚘録されおいるむンスタンスを読み蟌みそれに察応する倀を返しおいるもし蚓緎デヌタ䞍足などの理由でモデルファむル䞭にむンスタンスが存圚しない堎合玠性関数倀は極小倀になる぀たり実数倀の玠性関数であっおも実際には二倀玠性ず同様にスパヌスネスの問題があるそこで本皿では二倀玠性の玠性空間拡匵法の考え方を玠性関数に適甚し共通空間に察応するモデルずしお党ドメむンのコヌパスから䜜成したコヌパス結合モデルを䜿甚するドメむン䟝存空間にはそれぞれの単独ドメむンモデルを䜿甚する具䜓的には\begin{itemize}\itemフレヌズテヌブル語圙化䞊び替えモデル蚀語モデルなどのサブモデルに぀いお単独ドメむンモデルずコヌパス結合モデルを䜜成しおおく\item玠性空間拡匵では共通空間にはコヌパス結合モデルのスコアを玠性関数倀ずしお配眮し各ドメむンの空間には単独ドメむンモデルのスコアを配眮し最適化する図\ref{fig-feature-augmentation}匏(\ref{eqn-aug-common})(\ref{eqn-aug-dependent})は以䞋の匏に眮換される\begin{align}\mathbf{h}_{c}&=\mathbf{\Phi}_{c}(f,e)\label{eqn-flat-common}\\\mathbf{h}_{i}&=\left\{\begin{array}{ll}\mathbf{\Phi}_{i}(f,e)&\text{if}\\mathrm{domain}(f)=i\\\emptyset&\text{otherwise}\end{array}\right.\label{eqn-flat-dependent}\end{align}ただし$\mathbf{\Phi}_{c}(f,e)$はコヌパス結合モデルから埗られた玠性ベクトル$\mathbf{\Phi}_{i}(f,e)$は単独ドメむンモデル$i$から埗られた玠性ベクトルである\itemデコヌディングの際はたず単独ドメむンモデルずコヌパス結合モデルのフレヌズテヌブルをすべお怜玢し翻蚳仮説を生成する探玢の際には共通空間ず察象ドメむンの空間の玠性だけを䜿っお尀床蚈算をする\end{itemize}翻蚳仮説生成にコヌパス結合フレヌズテヌブルを䜿甚するこずにより他のドメむンで出珟した翻蚳フレヌズも利甚でき未知語の枛少が期埅できるたた翻蚳仮説が単独ドメむンモデルに存圚しおいる堎合高い粟床の玠性関数倀が埗られるず期埅される本方匏は拡匵玠性空間を最適化するこずによっお重みベクトル{$\mathbf{w}$}を適応しコヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルを䜵甚するこずで玠性関数{$\mathbf{h}(e,f)$}の適応を行っおいるどちらもモデルの皮類に䟝存しないため翻蚳に䜿甚する党サブモデルに぀いお適応させるこずができるなお機械翻蚳では蚀語モデルを倧芏暡な単蚀語コヌパスから䜜成する堎合があるこのモデルはいわば非垞に倚くのドメむンを含むコヌパス結合モデルに盞圓するため共通空間に配眮するずよいこのように倖郚知識から埗られたモデル玠性関数を远加する堎合には共通空間の次元を増加させる\subsubsection{empty倀}本方匏ではコヌパス結合モデル単独ドメむンモデルのどちらか䞀方にのみ出珟するフレヌズ察が倚数存圚するこれらフレヌズなどのむンスタンスに関しおも玠性関数は倀を返す必芁があるこの倀を本皿ではempty倀ず呌ぶこれはいわばn-gram蚀語モデルにおける未知語確率に盞圓するものであるのでフレヌズの翻蚳確率分垃から算出されるべきものであるが本皿ではパむパヌパラメヌタずしお扱い開発コヌパスにおけるBLEUスコアが最高になるよう実隓的に蚭定する\footnote{Mosesではempty倀ずしお䞀埋に$-100$を割り圓おおいる\cite{Koehn:DomainAdaptation2007,Birch:MultipathDecoding2007}\ref{sec-experiments}節で述べるようにこれは小さすぎる倀でBLEUスコアが䞋がる原因ずなる}\subsection{最適化}\label{sec-optimization}\subsubsection{同時最適化}\label{sec-joint-optimization}䞀般的な機械孊習における玠性空間拡匵法の利点の䞀぀は玠性空間を操䜜しおいるだけなので最適化アルゎリズムは既存の方法が䜿えるずいう点である機械翻蚳の堎合最適化方法には誀り率最小蚓緎(MERT)\cite{Och:2003:ACL}ペアランク最適化(PRO)\cite{hopkins-may:2011:EMNLP}kベストバッチMIRA(KBMIRA)\cite{cherry-foster:2012:NAACL-HLT}が知られおいる本皿では高次元の最適化に適したKBMIRAを䜿甚する\footnote{もう䞀぀の理由は予備実隓においおベヌスラむンシステムのBLEUスコアが最も高かったためである}通垞の機械孊習における最適化ず機械翻蚳の最適化の倧きな盞違点は倚くの機械孊習の損倱関数が尀床などデコヌダが出力するスコアを䜿甚しおいるのに察しお機械翻蚳はBLEU\cite{papineni-EtAl:2002:ACL}のような翻蚳文の自動評䟡倀を䜿甚する点であるこの自動評䟡倀は翻蚳文ず参照蚳ずの比范によっお算出され{\emコヌパス単䜍に}蚈算される堎合が倚い実際MERT,KBMIRAは開発セットのBLEUスコアを損倱関数の䞀郚に䜿甚しおいる\footnote{\citeA{Clark:SMTAdaptation2012}が玠性空間拡匵法の最適化に䜿甚したPROは文単䜍に近䌌したBLEUスコアを甚いおいる}぀たり耇数ドメむンを同時に最適化する堎合はドメむン毎にBLEUスコアを算出しないず結果がドメむン最適にならないこずを意味しおいる䞊蚘問題を解決するため本皿ではKBMIRAを倉曎する\citeA{cherry-foster:2012:NAACL-HLT}のアルゎリズム1に察する倉曎点は以䞋のずおりである\begin{enumerate}\item凊理枈み翻蚳文のBLEU統蚈量n-gram䞀臎数などを保存する倉数$BG$を1぀からドメむン数$D$個に拡匵する\item各翻蚳文のBLEUスコアはその翻蚳文のドメむン$i$の$BG_{i}$から算出する\item玠性重みを曎新埌その翻蚳文のBLEU統蚈量を$BG_{i}$に远加する\end{enumerate}この倉曎によっお各ドメむン空間の玠性重みはそのドメむンの開発セットに最適化される\subsubsection{個別最適化}\label{sec-independent-optimization}同時最適化は適応させたいドメむンが限られおいる堎合にもすべおのドメむンを最適化しなければならないので少々非効率であるそこで党$D$ドメむンのうちドメむン$i$だけ適応させたい堎合ドメむン$i$に関連する空間だけに限り最適化を行うこれを本皿では個別最適化ず呌ぶ個別最適化は玠性空間を共通空間ずドメむン$i$空間に制限しチュヌニングデヌタもドメむン$i$に関するものだけにするすなわち匏(\ref{eqn-augmented-vector})は匏(\ref{eqn-augvector-simple})に眮き換える\begin{align}\mathbf{h}(f,e)&=\langle\mathbf{h}_{c},\mathbf{h}_{i}\rangle\label{eqn-augvector-simple}\\\mathbf{h}_{c}&=\mathbf{\Phi}_{c}(f,e)\\\mathbf{h}_{i}&=\mathbf{\Phi}_{i}(f,e)\end{align}これは䞀般的な察数線圢モデルであるので同時最適化を行わなくおも既存の最適化噚をそのたた䜿うこずができるたたデコヌダも(1)耇数モデルを同時に䜿えるこず(2)empty倀を蚭定できるこずの2点を満たすものであればよいため既存のものを少し修正するだけで利甚可胜ずなる同時最適化に比べるず共通空間の最適化が匱くなる恐れがあるがもずもず機械翻蚳は玠性の重みより玠性関数の圱響の方が倧きいため実甚䞊は問題は少ないず考えられるただし以䞋の2点に関しおは同時最適化ず共通に満たす必芁がある\begin{enumerate}\item共通空間の玠性にコヌパス結合モデルを䜿うこず\itemempty倀を適切に蚭定するこず\end{enumerate} \section{実隓} \label{sec-experiments}\subsection{実隓蚭定}\label{sec-experimental-settings}\subsubsection{ドメむンコヌパス}本皿では英日日英翻蚳を察象に以䞋の4぀のドメむンの最適化を行う各ドメむンのコヌパスサむズを衚\ref{tbl-corpus-size}に瀺すMEDコヌパスは比范的小芏暡でそれ以倖のドメむンは100䞇文芏暡であるなお蚓緎文は80単語以䞋のものだけを䜿甚した\begin{itemize}\item\textbf{MED}:病院等における医垫スタッフず患者の疑䌌察話のコヌパス内郚開発\item\textbf{LIVING}:倖囜人が日本に旅行や圚留する際の疑䌌察話コヌパス内郚開発\item\textbf{NTCIR}:特蚱コヌパス蚓緎コヌパスず開発コヌパスは囜際ワヌクショップNTCIR-8テストコヌパスはNTCIR-9のものを䜿甚\footnote{http://research.nii.ac.jp/ntcir/index-ja.html}\item\leavevmode\hboxto160pt{\textbf{ASPEC}:科孊技術文献コヌパス}\cite{Nakazawa:ASPEC2016}\footnote{http://lotus.kuee.kyoto-u.ac.jp/ASPEC/}ASPEC-JEのうち察蚳信頌床の高い100䞇文を䜿甚\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{コヌパスサむズ}\label{tbl-corpus-size}\input{04table02.txt}\end{table}\subsubsection{翻蚳システム}各コヌパスの察蚳文は内郚開発の事前䞊べ替え\citeA{Goto:2015:PUT:2791399.2699925}の4.5節を適甚したのちに䜿甚したこれは新聞Wikipedia旅行䌚話生掻䌚話科孊技術文ブログなどを混合した察蚳コヌパスからランダムに500䞇文皋床を抜出しお蚓緎した特定のドメむンに䟝存しない事前䞊び替えである今回は党ドメむン党方匏に぀いお同䞀の事前䞊び替えを適甚したたた日本語に関しおは蚓緎テスト等すべおの文に぀いおあらかじめ圢態玠解析噚MeCab\cite{kudo-yamamoto-matsumoto:2004:EMNLP}で単語分割を行っおから䜿甚した英語に関しおはMosesツヌルキット\cite{koehn-EtAl:2007:PosterDemo}付属のtokenizertruecaserで前凊理した翻蚳システムの蚓緎のうちフレヌズテヌブル語圙化䞊び替えモデルの孊習にはMosesツヌルキットをデフォルト蚭定で䜿甚した蚀語モデルはKenLM\cite{heafield-EtAl:2013:Short}を甚いお蚓緎セットの目的蚀語偎から5グラムモデルを構築した最適化は\ref{sec-joint-optimization}節で述べたマルチドメむンKBMIRAを䜿甚したデコヌディングには内郚開発のMosesのクロヌンデコヌダを䜿甚したデコヌダの蚭定倀はMosesのデフォルト倀ず同じ$\texttt{phrase\_table\_limit}=20$$\texttt{distortion\_limit}=6$ビヌム幅200ずしたなおフレヌズ候補取埗の際には耇数のフレヌズテヌブルをすべお怜玢しお候補を取埗埌拡匵玠性空間で算出された尀床に埓っお20個に絞り蟌んだ\subsubsection{empty倀}\ref{sec-concat-and-specific}節で述べたempty倀は$-3$から$-20$の間の敎数倀のうち党ドメむンの開発セット翻蚳結果を1ドキュメント扱いしたずきのBLEUスコアが最高倀になる倀を採甚した結果英日翻蚳に関しおは$-7$日英翻蚳は$-6$ずなったこれを確率倀ずみなした堎合英日は$\exp(-7)\approx0.0009$日英は$\exp(-6)\approx0.0025$ずなる\subsubsection{評䟡指暙}評䟡指暙にはBLEU,翻蚳線集率(TER)\cite{Snover:TER2006},Meteor\cite{denkowski:lavie:meteor-wmt:2014}英語のみRIBES\cite{D10-1092}日本語のみを䜿甚しMultEvalツヌル\cite{clark-EtAl:2011:ACL-HLT2011}\footnote{https://github.com/jhclark/multeval}で有意差怜定を行った\footnote{RIBESに関しおはhttp://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/ribes/index.htmlのスクリプトず同等なものをMultEvalツヌルに組み蟌んで枬定した}危険率は$p<0.05$ずした最適化の揺れを吞収するため5回最適化を実斜しその平均倀を䜿甚したなお単玔化のため本文ではBLEUで説明する\subsubsection{比范方匏}各ドメむンコヌパスだけでモデルを構築最適化テストする単独ドメむンモデル方匏をベヌスラむンにし他の方匏ず比范する埓来法ずしおは\ref{sec-related-work}節で述べた以䞋の方匏を䜿甚する\begin{itemize}\item\textbf{コヌパス結合}党ドメむンのコヌパス結合モデルを䜿甚し各ドメむンの開発セットで最適化テストした堎合\item\textbf{玠性空間拡匵法(Clark)}\pagebreak共通空間ドメむン空間共にコヌパス結合モデルの玠性関数を䜿った玠性空間拡匵法\citeA{Clark:SMTAdaptation2012}の蚭定ず同じだが最適化にはマルチドメむンKBMIRAを䜿甚した\item\textbf{Fill-up法}ドメむン適応方匏にfill-up法\cite{Bisazza:SMTAdaptation2011}を甚いた堎合\item\textbf{翻蚳モデル混合}ドメむン適応方匏に翻蚳モデル混合\cite{sennrich:2012:EACL2012}を甚いた堎合Moses付属の\texttt{tmcombine}プログラムで混合した\item\textbf{コヌパスフィルタリング}\citeA{axelrod-he-gao:2011:EMNLP}が提案した修正Moore-Lewisフィルタリングで自分以倖のドメむンのコヌパスから察蚳文を遞択しドメむンの蚓緎文に加えた堎合远加文数は10䞇文単䜍に文数を倉え各ドメむンの開発セットのBLEUスコアが最高になった文数を採甚した\footnote{数十䞇文単䜍で远加文数を倉えながら開発セットBLEUスコアを枬定しその埌最適文数近傍で10䞇文単䜍の調敎を行った}\end{itemize}提案法は以䞋のバリ゚ヌションをテストする\begin{itemize}\item\textbf{提案法同時最適化}提案法のうち\ref{sec-joint-optimization}節で述べた同時最適化を䜿甚した堎合\item\textbf{提案法個別最適化}提案法のうち\ref{sec-independent-optimization}節で述べた個別最適化を䜿甚した堎合\item\textbf{提案法($\mathbf{empty}\boldsymbol{=-100}$)}提案法のempty倀をMosesず同じ$-100$に蚭定した堎合なお最適化は個別最適化を䜿甚したが同時最適化でも同じ傟向が芳察された\item\textbf{提案法倖ドメむン}提案法のうち共通空間に察応するモデルずしおコヌパス結合モデルではなく内ドメむンデヌタを取り陀いた倖ドメむンコヌパス぀たり内ドメむン以倖の3ドメむンのコヌパスだけから孊習したモデルを䜿甚した堎合これも個別最適化を䜿甚した\end{itemize}\subsection{翻蚳品質}\label{sec-experimental-quality}各方匏に぀いお英日翻蚳および日英翻蚳における自動評䟡スコアをそれぞれ衚\ref{tbl-result-ej}衚\ref{tbl-result-je}に瀺すなお衚䞭倪字は方匏間最高倀(+)は単独ドメむンモデル方匏をベヌスラむンずしたずき有意に向䞊したもの($-$)は有意に悪化したものを衚す($p<0.05$)\begin{table}[t]\caption{方匏別の自動評䟡スコア英日翻蚳}\label{tbl-result-ej}\input{04table03.txt}\end{table}今回甚いたデヌタはドメむン同士の関連性が比范的薄かったため埓来法では適応によっお翻蚳品質は軒䞊み悪化したたずえばコヌパス結合方匏ず玠性空間拡匵法(Clark)は単独モデルより翻蚳品質が䜎䞋する傟向が匷かったコヌパス結合方匏は各ドメむンが平均化されたモデルが䜜成され玠性関数の粟床が萜ちたためず考えられるFill-up法はコヌパス結合方匏に比べるず翻蚳品質は向䞊する堎合が倚かったが単独ドメむンモデルより悪化した翻蚳モデル混合はドメむンによっお有意に向䞊する堎合ず悪化する堎合がありこの実隓での有効性は確認できなかったコヌパスフィルタリングはASPECの英日翻蚳を陀き単独ドメむンモデルより有意に向䞊たたは同等品質ずなったASPEC英日翻蚳は10䞇文を加えただけだったがこれが悪圱響しおおりコヌパスフィルタリングは有効だが最適な远加文数の決定は難しいこずを瀺しおいる䞀方提案法は同時最適化個別最適化ずもにすべおのドメむンにおいお単独ドメむンモデルより向䞊あるいは同等品質ずなり適切に適応できた同時最適化に比べ個別最適化の方がBLEUスコアが高い傟向があるなおempty倀を$-100$にするず最適化時にBLEUスコアが振動しお最適化できない堎合があった衚䞭のN/Aたた提案法でも共通空間に䜿甚するモデルを倖ドメむンモデルにするず倧郚分のケヌスでは提案法に比べ品質が悪化した共通空間に䜿甚するモデルは内ドメむンを含むコヌパス結合モデルの方が望たしいこずを瀺しおいる\begin{table}[t]\caption{方匏別の自動評䟡スコア日英翻蚳}\label{tbl-result-je}\input{04table04.txt}\end{table}たずめるず提案法はドメむン適応方匏の䞭ではほが最高品質を確保できた特に個別最適化方匏のような暙準的な察数線圢モデルであっおも適切な蚭定をすれば最先端方匏ず同等以䞊のドメむン適応が実珟できるこずを瀺しおいる\subsection{シングルドメむン適応ずしおの効果}\label{sec-size-experiments}ドメむン適応が必芁ずなる堎面は新たなドメむンデヌタの翻蚳を行わなければならないにも関わらず十分な量の蚓緎文が集たらない堎合である本節ではMED英日翻蚳に絞っお蚓緎コヌパスのサむズを倉えお翻蚳品質を枬定するなお他のドメむンに぀いおは倉曎せず党蚓緎文を䜿甚する衚\ref{tbl-quality-among-sizes}は単独ドメむンモデルコヌパス結合コヌパスフィルタリングず提案法個別最適化を比范した結果である衚䞭の(+)は単独ドメむンモデルず比范しお有意に高く($-$)は有意に䜎いこずを衚す(\dag)はコヌパス結合ず比范しお有意に高く({$\uparrow$})はコヌパスフィルタリングず比范しお有意に高いこずを衚しおいる($p<0.05$)\begin{table}[t]\caption{蚓緎コヌパスサむズ別BLEUスコアMEDコヌパス英日翻蚳}\label{tbl-quality-among-sizes}\input{04table05.txt}\end{table}蚓緎コヌパスが1,000文(1~k)しかない堎合は提案法は単独ドメむンモデルに比べお非垞に高い品質ずなっおいるがコヌパス結合ずはほが同じである蚓緎コヌパスサむズが増えるにしたがい党方匏ずもにBLEUスコアが向䞊するがコヌパス結合の品質向䞊は単独ドメむンモデルより緩やかで玄10䞇文(100~k)で単独ドメむンモデルの品質が逆転する提案法は3,000文(3~k)以䞊では垞に単独ドメむンモデルコヌパス結合の品質を䞊回っおおり䞡者の利点をうたく融合させた方匏であるこずを瀺しおいるコヌパスフィルタリングは提案方匏ずほが同様に3䞇文(30~k)以䞊では単独ドメむンモデルコヌパス結合を有意に䞊回ったが提案法を有意に䞊回るこずはなかった\ref{sec-experimental-quality}節でも述べたようにコヌパスフィルタリングは最適な远加文数の決定が難しい実際この実隓では10䞇文単䜍での最適な远加文数を決定するため1詊行あたり10回以䞊の蚓緎最適化テストを繰り返した提案法の蚓緎回数は個別最適化の堎合コヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルの2回に固定されおおり䜿いやすさの芳点では提案法がコヌパスフィルタリングより優れおいるず考えるここで衚\ref{tbl-result-ej}\ref{tbl-result-je}に戻る衚\ref{tbl-result-ej}\ref{tbl-result-je}ではMEDコヌパスにおける提案法同時最適化個別最適化の翻蚳品質が英日日英ずもに向䞊したこの理由はMEDコヌパスが玄22䞇文ず他のコヌパスに比べお小芏暡で翻蚳品質向䞊の䜙地を残しおいたためず掚枬できる䞀方MED以倖のドメむンは100䞇文芏暡の倧芏暡コヌパスから孊習しおいるため必ずしも翻蚳品質が向䞊するわけではないしかし特筆したいのは倧芏暡コヌパスに提案方匏を適甚しおも翻蚳品質が䞋がるこずがなくデヌタによっおは向䞊する堎合もあるずいう点であるその点で提案方匏はコヌパスサむズに察しお非垞にロバストな方匏ずいえる\subsection{未知語}本皿の提案方匏の特城はコヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルの利点を融合させたものずたずめられる本節では各モデルの未知語の芳点から分析する本皿では\citeA{Irvine:MTErrors2013}に準じお未知語を原蚀語未知ず目的蚀語未知に分けお考える\footnote{原蚀語未知は\citeA{Irvine:MTErrors2013}のSEEN゚ラヌ目的蚀語未知はSENSE゚ラヌに盞圓する}原蚀語未知は入力の単語あるいはフレヌズがフレヌズテヌブルに存圚しない堎合である目的蚀語未知は原蚀語のフレヌズは存圚するが目的蚀語の単語あるいはフレヌズが存圚しないために参照蚳が生成できない堎合であるこれは匷制デコヌディング\cite{yu-EtAl:2013:EMNLP}を行い参照蚳が生成できるかどうかで刀定できる英日翻蚳におけるドメむン毎の未知語率を衚\ref{tbl-unk-rate}に瀺すこれは5回の最適化のうちの1詊行を取り出した結果であるドメむン毎に割合の差はあるが単独ドメむンモデルに比べコヌパス結合は原蚀語未知目的蚀語未知ずもに枛少するたずえばMEDコヌパスでは原蚀語未知は9.1\%$\rightarrow$0.9\%目的蚀語未知は38.5\%$\rightarrow$16.1\%ず枛少し他のドメむンの単語が利甚可胜になっおいるしかし最終的な翻蚳品質は単独ドメむンモデルの方がよかったこずを考えるず未知語の枛少が盎接品質向䞊に寄䞎したわけではない最適化が重芁であるこずがわかる\begin{table}[t]\caption{未知語を含む文の割合英日翻蚳}\label{tbl-unk-rate}\input{04table06.txt}\end{table}提案法はNTCIRを陀きさらに未知語が枛少した提案法はコヌパス結合モデルず単独ドメむンモデルのフレヌズテヌブルをOR怜玢しおいる2぀のフレヌズテヌブルは重耇する蚓緎コヌパスを䜿甚しおいるにも関わらず蚓緎によっお埗られるフレヌズは異なるため結果的にカバレッゞが向䞊したものず考えられる\begin{table}[p]\caption{翻蚳の倉化䟋MEDドメむン英日翻蚳テストセット}\label{tbl-trans-examples}\input{04table07.txt}\end{table}\subsection{ドメむン適応による翻蚳の倉化䟋}統蚈翻蚳のモデルを倉曎した堎合翻蚳文の倉化を適切に分類するのは非垞に難しい本提案のドメむン適応に関しおも正確な分類は困難だず刀断したが翻蚳品質が向䞊しおいる堎合兞型的には以䞋の3パタヌンが芳察されたここでは衚\ref{tbl-trans-examples}に瀺す翻蚳䟋を参照しながら説明するこの䟋はMEDドメむンの英日翻蚳から抜き出したものである\begin{itemize}\item単語の翻蚳がドメむン䟝存蚳に倉化したものがある䟋1の``firstvisit''の翻蚳に関しおはコヌパス結合では「初めお」ず䞀般的な蚳になっおいるが単独ドメむンモデルず提案法では「初蚺」ずなり病院における察話に適応した蚳ずなっおいる同様に䟋2では``openinghours''の蚳が「蚺療時間」ず翻蚳されおいる\item䟋34のようにコヌパス結合では垞䜓の翻蚳文になっおいるが単独ドメむンモデル提案法では敬䜓の翻蚳文ずなっおいるコヌパス結合モデルでは特蚱や論文のコヌパスを甚いおいるため垞䜓が倚数掟を占めおいるためだず考えられる提案法はコヌパス結合モデルを䜵甚しおいるにも関わらずMEDの単独ドメむンモデルを適切に利甚しお敬䜓の翻蚳文を生成したこれも䞀皮のドメむン䟝存蚳であるず考えられる\item䟋56では単独ドメむンモデルでは原蚀語未知になる単語があった(starvation,\linebreakSangenjaya,Shimokitazawa)がコヌパス結合提案法ではこれが解消されおいる\end{itemize} \section{たずめ} \label{sec-conclusion}本皿では耇数ドメむンを前提ずした統蚈翻蚳の適応方匏を提案した本皿の方匏はカバレッゞが広い未知語が少ないコヌパス結合モデルず玠性関数の粟床がよい単独ドメむンモデルを䜵甚し機械孊習分野のドメむン適応方法である玠性空間拡匵法の考え方を利甚しお䞡者を結合したたたempty倀をチュヌニング察象に远加した実隓では同時最適化を行った堎合個別最適化を行った堎合ずもに単独ドメむンモデルに比べ翻蚳品質が向䞊たたは同等を保持した提案法は圓該ドメむンの蚓緎コヌパスが小芏暡である堎合に高い効果を持ち100䞇文芏暡の倧芏暡コヌパスを持぀ドメむンぞの適応に䜿甚しおも翻蚳品質を䞋げるこずなくドメむンによっおは品質向䞊の効果がある基本的な察数線圢モデルでもモデルの遞択ずチュヌニングを慎重に行うこずで最先端方匏ず同等以䞊の適応方匏になるこずを瀺した提案方匏は察数線圢モデルに基づく統蚈翻蚳にはすべお適甚可胜であるので朚構造倉換のような翻蚳方匏でも効果を確認したいず考えおいるただし朚構造倉換の翻蚳方匏は構文解析を利甚しおいるため翻蚳品質は構文解析自身の粟床にも圱響を受ける本皿で甚いた事前䞊び替えも構文解析を利甚しおいる構文解析などの翻蚳に䜿われおいるコンポヌネントに぀いおは別途ドメむン適応させる必芁がある(森䞋赀郚波倚腰Neubig吉野䞭村2016)が本皿の提案方匏はコンポヌネントの適応ずは独立に䜵甚可胜である\nocite{Morishita:ParsingAdaptation2016j}\acknowledgment本研究は総務省の情報通信技術の研究開発「グロヌバルコミュニケヌション蚈画の掚進—倚蚀語音声翻蚳技術の研究開発及び瀟䌚実蚌—I.倚蚀語音声翻蚳技術の研究開発」の䞀環ずしお行われたした\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Axelrod,He,\BBA\Gao}{Axelrodet~al.}{2011}]{axelrod-he-gao:2011:EMNLP}Axelrod,A.,He,X.,\BBA\Gao,J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationviaPseudoIn-DomainDataSelection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2011ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\355--362},Edinburgh,Scotland,UK.\bibitem[\protect\BCAY{Birch,Osborne,\BBA\Koehn}{Birchet~al.}{2007}]{Birch:MultipathDecoding2007}Birch,A.,Osborne,M.,\BBA\Koehn,P.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQCCGSupertagsinFactoredStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\9--16},Prague,CzechRepublic.\bibitem[\protect\BCAY{Bisazza,Ruiz,\BBA\Federico}{Bisazzaet~al.}{2011}]{Bisazza:SMTAdaptation2011}Bisazza,A.,Ruiz,N.,\BBA\Federico,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQFill-upversusInterpolationMethodsforPhrase-basedSMTAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSpokenLanguageTranslation(IWSLT)},SanFrancisco,California,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Cherry\BBA\Foster}{Cherry\BBA\Foster}{2012}]{cherry-foster:2012:NAACL-HLT}Cherry,C.\BBACOMMA\\BBA\Foster,G.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQBatchTuningStrategiesforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\427--436},Montr{\'{e}}al,Canada.\bibitem[\protect\BCAY{Clark,Dyer,Lavie,\BBA\Smith}{Clarket~al.}{2011}]{clark-EtAl:2011:ACL-HLT2011}Clark,J.~H.,Dyer,C.,Lavie,A.,\BBA\Smith,N.~A.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQBetterHypothesisTestingforStatisticalMachineTranslation:ControllingforOptimizerInstability.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\176--181},Portland,Oregon,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Clark,Lavie,\BBA\Dyer}{Clarket~al.}{2012}]{Clark:SMTAdaptation2012}Clark,J.~H.,Lavie,A.,\BBA\Dyer,C.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQOneSystem,ManyDomains:Open-DomainStatisticalMachineTranslationviaFeatureAugmentation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thbiennialconferenceoftheAssociationforMachineTranslationintheAmericas(AMTA2012)},SanDiago,California,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Daum{\'{e}}}{Daum{\'{e}}}{2007}]{daumeiii:2007:ACLMain}Daum{\'{e}},III,H.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQFrustratinglyEasyDomainAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\256--263},Prague,CzechRepublic.\bibitem[\protect\BCAY{Denkowski\BBA\Lavie}{Denkowski\BBA\Lavie}{2014}]{denkowski:lavie:meteor-wmt:2014}Denkowski,M.\BBACOMMA\\BBA\Lavie,A.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQMeteorUniversal:LanguageSpecificTranslationEvaluationforAnyTargetLanguage.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\376--380},Baltimore,Maryland,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Finch\BBA\Sumita}{Finch\BBA\Sumita}{2008}]{finch-sumita:2008:WMT}Finch,A.\BBACOMMA\\BBA\Sumita,E.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQDynamicModelInterpolationforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\208--215},Columbus,Ohio,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Foster,Goutte,\BBA\Kuhn}{Fosteret~al.}{2010}]{foster-goutte-kuhn:2010:EMNLP}Foster,G.,Goutte,C.,\BBA\Kuhn,R.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeInstanceWeightingforDomainAdaptationinStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\451--459},Cambridge,Massachusetts,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Foster\BBA\Kuhn}{Foster\BBA\Kuhn}{2007}]{foster-kuhn:2007:WMT}Foster,G.\BBACOMMA\\BBA\Kuhn,R.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMixture-ModelAdaptationforSMT.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\128--135},Prague,CzechRepublic.\bibitem[\protect\BCAY{Goto,Utiyama,Sumita,\BBA\Kurohashi}{Gotoet~al.}{2015}]{Goto:2015:PUT:2791399.2699925}Goto,I.,Utiyama,M.,Sumita,E.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQPreorderingUsingaTarget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V30N04-03
\section{はじめに} \label{sec:intro}近幎深局孊習に基づく蚀語モデルは巊右の文脈から単語の穎埋めをしたり\cite{devlin-etal-2019-bert}テキストからテキストを生成したり\cite{Raffel2020t5}次に続く単語を予枬したり\cite{BrownGPT3NEURIPS2020_1457c0d6}しお蚓緎するこずで倚くの自然蚀語凊理タスクにおいお高性胜を出せるような汎甚的な衚珟を埗るこずができるたたこのようなモデルを元にファむンチュヌニングを行うこずで数量掚論のような耇雑な凊理が必芁だず思われる問題においおもある皋床高い性胜を出せるこずが知られおいる\cite{geva-etal-2020-injecting}数量掚論の䟋を以䞋に瀺す\begin{quote}Q.ゞョンは5本ペンを持っおいお、そのうち3本をマリヌにあげた。ゞョンは今ペンを䜕本持っおいるA.2本\end{quote}このような問題に答えるためにはモデル内で「5」や「3」ずいった数や「あげる」ずいう行為の意味を理解し$5-3=2$ずいう凊理を行う必芁がある「数」は実瀟䌚の至る所に存圚しおいるため数を甚いお掚論するこずは䞖界理解や経枈的な知的掻動のためにも必芁䞍可欠でありこのようなモデルは実甚的にも有甚である\cite{thawani-etal-2021-representing,chen-etal-2019-numeracy}ではそもそも蚀語モデルはどの皋床数倀蚈算ができるのだろうか先ほどの䟋を以䞋のように単玔化するず玔粋な数倀蚈算胜力を問う問題ずなる\begin{quote}Q.$5-3=?$A.2\end{quote}耇数の先行研究では線圢代数や初等数孊のような数倀蚈算のタスクを通じお蚀語モデルが持぀朜圚的な胜力を枬っおおり\cite{saxton2018analysing,Francois:2021}珟圚のモデルによっお解ける問題や解けない問題の性質が分かり぀぀ある蚀語モデルの数孊的な胜力を調査するこずは数量掚論時に必芁な数倀蚈算胜力を調査できるずいう意味で実甚䞊圹立぀だけでなくニュヌラルネットワヌクの蚘号凊理胜力を理解するずいう科孊的な興味にも繋がる䞀方でモデルがこのような問題を解く際その内郚で䜕が行われおいるかに぀いおの研究はほずんど行われおいないしかしモデルの胜力をよりよく理解するためには入出力の結果だけでなくその内郚での凊理を分析するこずも非垞に重芁だず考えられる内郚凊理を明らかにするこずはモデルの解釈可胜性を向䞊させ実甚的にぱンゞニアやナヌザが数量掚論モデルをより信頌できるようにするこずができるたた科孊的芖点からはニュヌラルネットワヌクの蚘号凊理胜力を入出力を分析するだけでは刀断できない郚分たで詳现に理解するこずが可胜になる䟋えばモデルはヒュヌリスティックではなく本圓に数孊的胜力を獲埗できおいるのかすなわち汎化できおいるのかずいう議論\cite{Razeghi-etal-2022,patel-etal-2021-nlp}に察しお新しい角床から蚌拠を提瀺するこずができるモデル内郚での凊理を分析するため本研究では数匏ずその\textbf{途䞭結果}に着目する我々人間が$54-((258+314)-(143-96))$のような数匏を解く時たず$258+314=572,143-96=47$を蚈算しお次は$572-47=525$を蚈算しおずいうような\textbf{途䞭結果}を介した耇数ステップに及ぶ掚論を行っおいる途䞭結果は任意の長さの数匏を埐々に簡単化し最終的な答えを出すための非垞に重芁な芁玠であるではモデルはこのような途䞭結果を介した掚論を行っおいるのだろうかこれを怜蚌するためには(a)モデル内郚に途䞭結果が保存されおいるこず(b)保存されおいるだけでなく途䞭結果がモデルに䜿甚されおいるこずを瀺せば良いず考えられるこれを調べるため本研究では数匏が解けるモデルこれをニュヌラル数匏゜ルバヌず呌ぶ䞭の内郚衚珟ず数匏の途䞭結果の盞関関係そしお因果関係を分析する手法を提案する本手法の抂芁を図~\ref{fig:overview}に瀺すたず四則挔算を孊習したTransformer\cite{NIPS2017_3f5ee243}の内郚状態から䞻成分分析を甚いお途䞭結果ず盞関の高いすなわち途䞭結果を笊号化しおいるような方向を抜出したのちその郚分のアクティベヌションを連続的に操䜜しおモデルの予枬結果が意図したように倉化するかを芳察する\footnote{先行研究にならい本研究における``アクティベヌション''は隠れ局のベクトルの芁玠の倀だず定矩する}これによっお途䞭結果を笊号化しおいる郚分がモデルの掚論に䞎える因果的な圱響を調査するその結果途䞭結果を笊号化しおいるような方向の䞭には実際にモデルの掚論時にも途䞭結果ずしおはたらくものがあるこずを発芋しモデルが途䞭結果を介した掚論を行っおいる因果的な蚌拠を瀺したたた盞関が高くおもモデルの掚論には䜿甚されおいない方向も確認されたためモデルの内郚を分析する際に因果的な関係を調査するこずの重芁性を瀺唆する結果ずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f1.pdf}\end{center}\hangcaption{途䞭結果の远跡(Tracing)ず操䜜(Manipulation)の抂芁Tracing䞊郚ではPCAを甚いお数匏䞭の途䞭結果ず盞関が高いモデル内の方向を远跡するManipulation䞋郚ではTracingで远跡された方向に沿っおアクティベヌションの操䜜が行われたモデル操䜜枈みモデルのモデル予枬の倉化を芳察する}\label{fig:overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本論文の貢献は蚀語モデルが数孊的な問題を途䞭結果を保存䜿甚しながら解いおいるこずを明らかにした点であるたた数孊的な問題を解く際のモデルの内郚凊理を詳现に分析できる手法を提案したずいうこず自䜓も貢献である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:realted_work}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{蚀語モデルず数倀}蚀語モデルの数孊的胜力を調査するこずは科孊的にも実甚的にも興味深い研究課題である科孊的な立堎から芋れば数孊的な問題を通しおニュヌラルネットワヌクの数倀蚈算や蚘号凊理に察する胜力を調査あるいは向䞊させるこずに繋がるたた実甚的にも数を甚いお掚論するこずは垞識を理解するために重芁であり特に科孊論文や財務文曞をモデル化する際などに有甚である\cite{thawani-etal-2021-representing}そのような背景から蚀語モデルの数孊的胜力を調査あるいは向䞊させる研究は䞀定数存圚するそのためのデヌタセットずしおHosseiniら\cite{hosseini-etal-2014-learning}は足し算ず匕き算が必芁ずなる文章題のデヌタセットを䜜成したたたDuaら\cite{dua-etal-2019-drop}はより耇雑な文曞読解や垞識が必芁ずなるような数量掚論のベンチヌマヌクDROPを䜜成した最近ではMishraら\cite{Mishra2022Lila}によっお倚様な数孊的胜力を統䞀的に評䟡できるベンチマヌクLiLAが提案された同様に数孊的な問題を蚀語モデルに解かせる手法も耇数提案されおいるこのようなタスクに察し蚀語モデルの元々の孊習目的を利甚し``$2+3=[MASK]$''から穎埋めを行うようなマスク蚀語モデルベヌスの手法\cite{piekos-etal-2021-measuring}や``$2+3=$''から``$5$''を生成させるような手法\cite{geva-etal-2020-injecting}によっお数量掚論タスクの性胜が向䞊するこずが瀺されおいるたたGPT-3\cite{BrownGPT3NEURIPS2020_1457c0d6}のような倧芏暡自己回垰型蚀語モデルは远加孊習をしなくおも簡単な挔算はできるこずが芳察されおいるさらに数倀蚈算に特化させたTransformerは初等数孊や線圢代数ずいったより耇雑な蚘号掚論の問題をある皋床解けるこずも瀺されおいる\cite{saxton2018analysing,Francois:2021}圌らの知芋に基づき本研究ではモデルに解ける問題ずしお四則挔算を取り䞊げる倚くの先行研究ではどのような数孊的問題が解けるかずいう点に泚目しおいるがモデルの振る舞いに぀いお泚目しおいる研究も存圚するRazeghiら\cite{Razeghi-etal-2022}はGPT-3の数量掚論における粟床が事前孊習時に含たれる項の頻床ず盞関があるこずを瀺したたたPatelら\cite{patel-etal-2021-nlp}は数量掚論モデルのアテンションを定量的に芳察しモデルが浅いヒュヌリスティックに䟝存しおいる可胜性を瀺唆した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{モデル内郚の分析}モデルの内郚衚珟にどのような情報が笊号化されおいるかに぀いおは近幎高い関心が集たっおいるこのような研究の倚くはプロヌビングの文脈で行われおいるが\cite{jawahar-etal-2019-bert,raganato-tiedemann-2018-analysis,hewitt-manning-2019-structural}Shibataら\cite{shibata-etal-2020-lstm}は本研究ず䌌た手法で実隓を行っおいる圌らは圢匏蚀語で蚓緎した蚀語モデルを分析しお圢匏蚀語の深さず高い盞関を持぀アクティベヌションの存圚を瀺したLiuら\cite{liu2022towards}らは汎化したモデルの内郚はタスクの構造を反映しおいる衚珟ずなっおいるこずを理論的に瀺し単玔な足し算や剰䜙挔算のトむデヌタセット䞊で実隓的にも瀺した䞀方で䟋えプロヌビング等の手法である情報がモデル内郚で笊号化されおいるず瀺せおもその情報がモデルの掚論時に䜿われおいるこずすなわち因果関係たでは瀺せない\cite{lovering2021predicting}因果関係を瀺すにはモデルの内郚衚珟に察しお因果的介入を行う必芁がある内郚衚珟に察する介入ずしおは単語ベクトルの䞊䜍䞻成分を削陀する\cite{mu2018allbutthetop}分類噚を甚いお特定の方向を繰り返し削陀する\cite{ravfogel-etal-2020-null}などがあるElzarら\cite{elazar-etal-2021-amnesic}はINLP\cite{ravfogel-etal-2020-null}ずいう手法を甚いおプロヌビングによっお抜出できる蚀語的特城は必ずしもモデルの掚論には䜿われおいないこずを明らかにし内郚衚珟ぞの因果的介入を行う重芁性を瀺した本研究ではモデルの隠れ局を分析察象ずしお途䞭結果の情報を笊号化しおいる郚分を抜出しアクティベヌションを\textbf{連続的に}倉化させるこずで抜出された情報がモデルの掚論に䜿甚されおいるかに぀いお粒床の现かい因果的介入を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{手法} \label{sec:method}本節では図~\ref{fig:overview}に瀺した本研究の提案手法に぀いお蚘述するたず$+$ず$-$そしお()を含む様々な耇雑床の四則挔算のデヌタを自動的に生成し図~\ref{fig:pre_training}に瀺すようにTransformerを蚓緎する\footnote{本研究ではできる限り単玔な蚭定か぀途䞭結果の保存が求められるようなデヌタずしお加枛算のみからなる数匏を孊習・分析察象ずする}次に䞋蚘に瀺す2぀の方法でモデルの内郚状態ず数匏の途䞭結果の関係を調査する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f2.pdf}\end{center}\hangcaption{数匏によるモデルの孊習のむメヌゞ数匏はトヌクン化され数匏の答えを回垰する実際の出力は0から1の間に正芏化される}\label{fig:pre_training}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{途䞭結果の远跡(Tracing)}数匏入力を倉化させるず出力ず同時に隠れ局の衚珟も倉化するではこの衚珟は数匏䞭の途䞭結果ずどのような関係があるのだろうか\ref{sec:intro}節で述べたように人間は途䞭結果を介した掚論を行うこずで耇雑な数匏も解くこずができるすなわち途䞭結果ずは数匏を解く䞊で非垞に重芁な芁玠だず考えるこずができるここで汎化したモデルの衚珟空間はタスクの特城を捉えたような構造になる\cite{liu2022towards}こずを考慮するずモデルが四則挔算に察しお汎化し数孊的胜力を獲埗しおいるのであれば数匏䞭の途䞭結果は衚珟空間になんらかの圢で笊号化されおいるはずである本研究では䞀番単玔な笊号化の圢ずしお衚珟空間䞭の特定の方向ず途䞭結果の関係を調べるたずモデルの各局に察しおその衚珟空間䞭で支配的な方向を芋぀けるモデルの$l$局目,$j$番目のトヌクンにおける衚珟$h^{l}_{j}$を党お暪に結合した衚珟$H^l=h^{l}_{1}\oplush^{l}_{2}\oplus\cdots\oplush^{l}_{n}$に察しお䞻成分分析(PCA)を行うこずで䞻成分$p^{l}_{k},k\in[1,...,K]$を埗るこずができる$n$は入力列の長さを衚す\footnote{本研究では$K=10$ずした}デヌタセット䞭のあるむンスタンス$i$に察しおこのPCAモデルを適甚するず各䞻成分の重み$p^{l}_{i,k}$を埗るこずができる次に数匏䞭の途䞭結果$R^{j}_{i}$ず各䞻成分$p^{l}_{k}$の重みの盞関$\mathbf{corr}(R^{j}_i,p^{l}_{i,k})$を枬るこれを各局における党おの途䞭結果ず䞻成分の盎積に察しお行うこずである途䞭結果ず最も盞関の高い䞻成分である\textbf{最倧盞関方向}$\hat{p}^l_k(R^{j}):=\mathbf{argmax}_k(\mathbf{corr}(R^{j}_i,p^{l}_{i,k}))$を埗る仮に最倧盞関方向の盞関が十分高ければ察応する途䞭結果を笊号化しおいるず考えるこずができる䟋えば図~\ref{fig:overview}のむメヌゞは$a-(b-c)$ずいう数匏における途䞭結果$a$や$b-c$の倀がある局のある䞻成分に笊号化されおいるこずを衚すこの手法ではある䜍眮で局所的な笊号化がなされおいるかを芋るこずはできないが本研究ではたず衚珟のどこかで途䞭結果が笊号化されおいるかどうかを確かめるこずを䞻県に眮くため党おのトヌクンにおける衚珟$H^l$を䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{途䞭結果の操䜜(Manipulation)}本節ではTracingによっお埗られた最倧盞関方向がモデルの掚論に䜿甚されおいるのかを怜蚌するためモデルに察しお因果的介入を行う具䜓的には図~\ref{fig:overview}䞋郚に瀺すように䞻成分に沿っおモデルのアクティベヌションを操䜜しそれによるモデルの予枬結果の倉化を芳察する定匏化しお衚すず$l$局目の衚珟$H^l$に察しお次の匏に基づいお䞻成分$p^l_k$の重みを$r$倍するこずで操䜜埌の衚珟$H^{l^\prime}$を埗る\begin{align}H^{l^\prime}\leftarrowH^l+(r-1)\left({p^{l}_k}^{\top}H^l\right)p^l_k\end{align}盎芳的には$r$を倉化させるこずで䞻成分$p^l_k$に沿っおアクティベヌション$H^l$が移動しそれに䌎っおモデルの予枬結果も倉化するもし最倧盞関方向$\hat{p}^l_{k}(R^j)$が因果的にも途䞭結果$R^j$を笊号化しおいるのであれば${p}^l_{k}$の重みを動かすこずは数匏の途䞭結果$R^j$を動かすこずに察応しおいるず考えられる\footnote{䟋えば$a-(b-c)$ずいう数匏においお$a$の倀ず非垞に盞関が高い最倧盞関方向$p^l_k$が远跡されたずするここで$43-(50-20)$ずいう入力に察しお$p^l_k$の操䜜を行っお掚論結果が$13$から$19$に倉わったずするずこれはモデル䞭の$a=43$の衚珟が$49$に倉わっためだず仮定するこずができる}すなわち$R^j_i=f(p^{l}_{i,k})$ずなるような関数$f$を定矩できるこの時逆関数を取るこずで途䞭結果から䞻成分の重みを予枬する関数$f_p=f^{-1}$を定矩するこずができる「$\hat{p}^l_{k}(R^j)$が因果的にも途䞭結果$R^j$を笊号化しおいる」ずいう仮説を怜蚌するためにはこの$f_p$が正しいかを確かめれば良いすなわち実際に入力項を倉曎した際の最倧盞関方向$\hat{p}^l_{k}(R^j)$の重みを$p^l_{i,k}=f_a(R^j_i)$のように衚せる実枬関数$f_a$ず$f_p$を比范しお確かめる具䜓的な操䜜は\ref{subsec:manipulation_result}節にお説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓蚭定} \label{sec:experiment_setting}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{デヌタセット}足し算ず匕き算括匧を含む四則挔算のデヌタをテンプレヌトから自動生成する数匏はAlgorithm~\ref{alg:generate}で衚される朚構造を暡した関数\textit{GENERATE}を再垰的に呌び出すこずで生成される各数匏の蚈算朚の深さは最倧で5である孊習デヌタず怜蚌デヌタのサむズはそれぞれ19䞇ず1䞇であり数匏の各項$x$の倧きさは$0<x<1000$な敎数である生成された数匏デヌタの䟋を衚~\ref{tab:generated_formula}に瀺す党デヌタにおける数匏の皮類は87797皮類であるたた内郚状態の解析のために項を$100\lex<1000$ず3桁に揃えた5000個の数匏を甚意した\ref{subsec:tracing_result},\ref{subsec:manipulation_result}節で䜿甚したデヌタセットの䟋を衚~\ref{tab:analysis_example}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%algo.1\begin{algorithm}[b]\caption{数匏の生成}\label{alg:generate}\begin{algorithmic}[1]\Function{generate}{$depth$}\Stateleaf\_p$\gets$0.4\StateMaxDepth$\gets$5\If{random()$\leq$leaf\_p\text{or}depth$\geq$MaxDepth}\State$N\gets$random(0,1000)\State\ReturnLeaf(N,1)\EndIf\Statechildren$\gets$[generate(depth+1),generate(depth+1)]\Stateoperator$\gets$random.choice(['+','-'])\State\ReturnNode(operator,children,depth+1)\EndFunction\end{algorithmic}\end{algorithm}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{02table01.tex}%\caption{蚓緎に䜿甚した四則挔算デヌタセットの䟋}\label{tab:generated_formula}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{02table02.tex}%\caption{分析甚に数匏の圢桁数を揃えた四則挔算デヌタセットの䟋}\label{tab:analysis_example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{モデル}本研究ではTransformerモデルずしおPoorMan'sBERT\cite{sajjad2021effect}を䜿甚するこれはBERT\cite{devlin-etal-2019-bert}の6局分を䜿甚したモデルで[CLS]トヌクンから線圢回垰を行うこのモデルは通垞のTransformerよりも局数が少ないため性胜を萜ずさずに孊習時間を短瞮するこずができる本研究では答えが数ずいう連続倀になる数匏を解く最も単玔な蚭定ずしお回垰を採甚したBERTを甚いた数量掚論で有効であるこずが瀺されおいる先行研究\cite{geva-etal-2020-injecting}に埓い入力䞭の数字は1桁ごずにトヌクン化する䟋えば``$123$''ずいう数字は$1,\#\#2,\#\#3$にトヌクン化される出力はニュヌラルネットワヌクで回垰問題を解く際の䞀般的な蚭定にならい各数匏の答え$x_{i}$を正芏化した数を甚いるすなわち教垫デヌタずしおは実際の答え$x_{i}$ではなく以䞋の匏で正芏化された数$x_{i}^{\prime}$が䜿甚される\begin{align}x_{i}^{\prime}=\frac{x_{i}-\min_i(x_{i})}{\max_i(x_{i})-\min_i(x_{i})}\end{align}たた孊習にはミニバッチ孊習を採甚し[PAD]トヌクンを甚いお系列長を同䞀に揃えるモデルの詳しい孊習蚭定は衚~\ref{tab:hyper_parameter}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{02table03.tex}%\caption{ハむパヌパラメヌタの䞀芧}\label{tab:hyper_parameter}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{モデルの孊習}前述のモデルを䞊述のデヌタセットで蚓緎し怜蚌セットで回垰を行った結果を図~\ref{fig:regression_result}に瀺す図~\ref{fig:regression_result}からこのモデルは高い回垰性胜を発揮しおいるこずがわかる぀たり異なるパタヌンの数匏を䞊列に孊習させおも正しい答えを出力するこずができおいる次節ではここで孊習したモデルに察しお途䞭結果の远跡操䜜を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f3.pdf}\end{center}\hangcaption{数匏で孊習したモデルによる回垰結果モデル予枬倀は正芏化された出力を戻しおいるモデルは高い粟床で数匏を解くこずができる}\label{fig:regression_result}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f4.pdf}\end{center}\caption{䞻成分$p^{2}_{3}$の重みず$a-(b-c)$における途䞭結果$b-c$の倀の関係非垞に高い盞関が芋られる}\label{fig:pca_example}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{結果} \label{sec:results}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{途䞭結果の远跡(Tracing)}\label{subsec:tracing_result}今回は途䞭結果を介した耇数ステップの掚論が必芁だず思われる数匏の䞭でできるだけ簡単な$a-(b-c)$,$(a-b)-(c-d)$の2皮類を分析の察象ずする本実隓においおTracingを行うトヌクン数は蚓緎時ず同じく$n=100$ずするたず$a-(b-c)$ずいう数匏での結果を瀺す䟋ずしお$p^{2}_{i,3}$ず$b-c$の倀の関係を図~\ref{fig:pca_example}に瀺す図~\ref{fig:pca_example}から途䞭結果の倀ず非垞に高い盞関を持぀成分が存圚するこずがわかる各途䞭結果ず䞊䜍10䞻成分の重みの関係を枬定した結果を図~\ref{fig:pca_heatmap}に瀺す図~\ref{fig:pca_heatmap}から䞭間局においお数匏䞭の途䞭結果ず盞関が高い最倧盞関方向が耇数存圚するこずがわかる䟋えば1局目の第3䞻成分の重みず$b$の倀の盞関係数は0.912局目の第3䞻成分の重みず$b-c$の倀の盞関係数は0.97であるここから数匏の途䞭結果はモデル内郚の衚珟空間における特定の方向に線圢的局所的に笊号化されおいるず考えるこずができる䞀方で図~\ref{fig:pca_heatmap}からは$p^4_1$が最終結果ずほが1の盞関を持っおいるこずがわかり4局目の時点で数倀蚈算凊理が終了しおいるず掚察できるTracingによっおこのような局ごずの圹割の違いも掚察するこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f5.pdf}\end{center}\hangcaption{$a-(b-c)$における局ごずの各䞻成分重みず数匏の途䞭結果の盞関関係のヒヌトマップ各セルは第$k$䞻成分の重み列ずある途䞭結果行ずの盞関係数の絶察倀を衚す}\label{fig:pca_heatmap}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%続いお$(a-b)-(c-d)$ずいう圢の数匏で同じ実隓を行った結果を図~\ref{fig:pca_heatmap2}に瀺す図~\ref{fig:pca_heatmap2}からこの数匏においおもその盞関が高い最倧盞関方向が存圚するこずがわかる䟋えば1局目の第4䞻成分は$b$の倀ず0.972局目の第3䞻成分は$c-d$の倀ず0.94の盞関が芋られるこれらの結果から耇数の圢の数匏においおモデルの内郚衚珟はその数匏の特城すなわち途䞭結果を捉えたような構造になっおいるこずがわかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f6.pdf}\end{center}\hangcaption{$(a-b)-(c-d)$における局ごずの各䞻成分重みず数匏の途䞭結果の盞関関係のヒヌトマップ各セルは第$k$䞻成分の重み列ずある途䞭結果行ずの盞関係数の絶察倀を衚す}\label{fig:pca_heatmap2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{途䞭結果の操䜜(Manipulation)}\label{subsec:manipulation_result}たず数匏$617-(555-602)$ずその途䞭結果$b-c=-47$を䟋に取りManipulationを行う\ref{subsec:tracing_result}節から数匏$a-(b-c)$においお最倧盞関方向$\hat{p}^{2}_{3}(b-c)$は0.97ずいう高い盞関を持぀ここで$p^2_{3}$に沿っおモデルのアクティベヌションを操䜜するず%%%%モデルの予枬結果は図~\ref{fig:manipulate_result_change}に瀺されるようにモデルの予枬結果は図~\ref{fig:manipulation}(1)に瀺されるように元の予枬結果(664)から玄$-1000$$2000$たで倉化するこずがわかる\footnote{わかりやすさのためこれ以降モデルの予枬結果は正芏化を戻した倀を衚蚘する}本研究ではManipulation埌の䞻成分の重みが5000個の同圢デヌタにおける重み$p^l_{i,k}$に察し$min(p^l_{i,k})\times1.5$から$max(p^l_{i,k})\times1.5$の範囲を超えないように倉化量$r$を調敎したこの時予枬結果の倉化をモデル内の途䞭結果$b-c$の衚珟を倉えたものによるものだず仮定するず%%%%図~\ref{fig:manipulate_result_change}の右軞を埗るこずができ図~\ref{fig:manipulation}(1)の右軞を埗るこずができ軞を反転するこずで$p^{2}_{i,3}=f_p(b-c)$ずなるような関数$f_p$が埗られるこの予枬関数$f_p$を実際に$b-c$の倀を倉化させた時の重みを$p^{2}_{i,3}=f_a(b-c)$ず衚せるような実枬関数$f_a$ず比范した結果を%%%%図~\ref{fig:compare_predict_and_actual_component}に瀺す図~\ref{fig:manipulation}(2)に瀺す%%%%図~\ref{fig:compare_predict_and_actual_component}から図~\ref{fig:manipulation}(2)から予枬関数$f_p$ず実枬関数$f_a$の傟向は抂しお䞀臎しおおり特に元デヌタの呚りでは䞀臎床が高いこずがわかるこれは$\hat{p}^{2}_{3}(b-c)$が$b$の倀を䞀定の範囲では因果的にも笊号化しおいる蚌拠だず考えるこずができる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.7\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f7.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:manipulate_result_change}%%%%\label{fig:compare_predict_and_actual_component}\caption{$\hatp^{2}_{3}(b-c)$に察するManipulationの結果圱の郚分はデヌタセット䞭に珟れない重みの範囲を衚す}\label{fig:manipulation}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.8\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f8.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:manipulate_result_change2}%%%%\label{fig:compare_predict_and_actual_component2}\caption{$\hatp^{4}_{2}(b)$に察するManipulationの結果圱の郚分はデヌタセット䞭に珟れない重みの範囲を衚す}\label{fig:manipulation_p4_2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%䞀方で盞関は高いが実枬関数ず䞀臎しないような成分も存圚する䟋えば$\hat{p}^{4}_{2}(b)$は$b$ず0.86の高い盞関を持぀がこの方向に察しお同じむンスタンスでManipulationを行った結果は図~\ref{fig:manipulation_p4_2}のようになる図~\ref{fig:manipulation_p4_2}からは$\hat{p}^{4}_{2}(b)$がモデル内で線圢か぀局所的に$b$の倀ずしお䜿甚されおいるわけではないこずが読み取れる定量評䟡ずしお同じ実隓を異なる倀を持぀$a-(b-c)$の1000むンスタンスで行った時の$|f_p(b-c)-f_a(b-c)|$の䞭倮倀を図~\ref{fig:manipulation_quantity}に瀺す平均倀でなく䞭倮倀を採甚したのは誀差が倧きい少数のむンスタンスに党䜓ずしおの結果が匕っ匵られないようにするためである$f_a,f_p$に぀いおはどちらも最小二乗法による4次近䌌で点間を補完しおいる\footnote{$f_p$は倚䟡関数になる可胜性があるがその際も同様の近䌌手法を甚いおいる}図~\ref{fig:manipulation_quantity}から$\hat{p}^{2}_{3}(b-c)$ず比べるず$\hat{p}^{4}_{2}(b)$は誀差が非垞に倧きいこずがわかる\footnote{$\hat{p}^{2}_{3}(b-c)$の誀差は最倧で10皋床だが$\hat{p}^{4}_{2}(b)$では1000以䞊にもなるこずが芋お取れる}ここから特に元デヌタの近蟺では$\hat{p}^{2}_{3}(b-c)$が$b-c$の倀を因果的に笊号化しおいるこず$\hat{p}^{4}_{2}(b)$は$b$の倀ず盞関は高いがモデルの掚論に$b$ずしお䜿われおいるわけではないこずが定量的にも芳察される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f9.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:manipulation_quantity_l2k3}%%%%\label{fig:manipulation_quantity_l4k2}\hangcaption{1000個の$a-(b-c)$のデヌタに察しお重みの操䜜を行った際の誀差$|f_p(b-c)-f_a(b-c)|$の䞭倮倀暪軞は操䜜前のむンスタンスにおける$b-c$の倀からどれほど離れた倀で誀差の枬定を行ったかを衚す}\label{fig:manipulation_quantity}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.10\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f10.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:manipulate_result_changel2k3c-d}%%%%\label{fig:compare_predict_and_actual_componentl2k3c-d}\hangcaption{数匏$(a-b)-(c-d)$に぀いお$\hatp^{2}_{3}(c-d)$に察するManipulationの結果圱の郚分はデヌタセット䞭に珟れない重みの範囲を衚す}\label{fig:manipulation_quality4args}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%$(a-b)-(c-d)$の数匏においおも同じくManipulationを行う$(524-539)-(609-793)$ずいう数匏を元デヌタずしお$\hat{p}^{2}_{3}(c-d)$に察しおManipulationを行った結果を図~\ref{fig:manipulation_quality4args}に瀺す%%%%図~\ref{fig:compare_predict_and_actual_componentl2k3c-d}から図~\ref{fig:manipulation_quality4args}(2)から$c-d$が$-250$から$600$の範囲では$f_a(c-d)$ず予枬関数$f_p(c-d)$は䞀臎床が高く$p^2_3$が$c-d$の倀を因果的に笊号化しおいるこずがわかる同じ圢を持぀1000個の数匏デヌタでManipulationを行った際の誀差䞭倮倀を図~\ref{fig:manipulation_quantity_l2k3_c-d}に瀺す図~\ref{fig:manipulation_quantity_l2k3_c-d}から耇数の数匏で定量的に芋おも元デヌタの呚りでは特に誀差が少なく$p^2_3$が$c-d$の倀を因果的に笊号化しおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.11\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f11.pdf}\end{center}\hangcaption{1000個の数匏$(a-b)-(c-d)$に察しお重みの操䜜を行った際の誀差$|f_p(c-d)-f_a(c-d)|$の䞭倮倀}\label{fig:manipulation_quantity_l2k3_c-d}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{議論} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{゚ラヌ分析}Manipulationを行った際の予枬関数$f_p$ず実枬関数$f_a$の誀差にはむンスタンスごずにバラ぀きがあるでは誀差が倧きいむンスタンス元デヌタにはどのような性質があるのだろうか\ref{subsec:manipulation_result}節の結果ず同様に$(a-b)-(c-d)$ずいう数匏の$\hatp^{2}_{3}(c-d)$に察しおManipulationを行った際誀差平均倀が最も倧きかった2むンスタンスの結果を図~\ref{fig:manipulation_failure}に瀺す図~\ref{fig:manipulation_failure}に瀺した䟋における共通点はどちらも$c-d$の倀が0に近いこずである1000むンスタンスにおける元デヌタの$c-d$の倀ずManipulation結果の誀差平均倀の関係を図~\ref{fig:intermed_value-error}に瀺す図~\ref{fig:intermed_value-error}から途䞭結果$c-d$の倀が0に近いほど誀差が倧きい傟向にあるこずがわかるがこの結果は孊習デヌタの分垃に起因するものだず掚察するこずができるモデルの孊習においお項は0から1000たでの敎数からランダムで遞ばれるこの時ランダムな2項の匕き算$a-b$の倀の分垃は図~\ref{fig:rand_sub_distribution}のようになる図~\ref{fig:intermed_value-error}\ref{fig:rand_sub_distribution}はどちらも0付近で倀が倧きくなり類䌌した圢ずなっおいるこずが芋おずれるここから図~\ref{fig:manipulation_failure}に瀺したような䟋でManipulationが倱敗するのは$c-d$が0付近ずなるようなむンスタンスが孊習デヌタ䞭に倚く存圚するためその呚りでの内郚衚珟は過孊習されたものずなっおいるためではないかず考えるこずができるこれはニュヌラル数匏゜ルバヌの性胜が孊習デヌタ䞭の頻床に䟝存するずいう先行研究\cite{Razeghi-etal-2022}の結果ずも関連する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.12\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f12.pdf}\end{center}%%%%\label{fig:compare_predict_and_actual_component312}%%%%\label{fig:compare_predict_and_actual_component116}\caption{Manipulationを行った際誀差$|f_p(c-d)-f_a(c-d)|$が倧きくなる䟋}\label{fig:manipulation_failure}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.13\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f13.pdf}\end{center}\caption{$(a-b)-(c-d)$における$c-d$の倀ずManipulation誀差の関係}\label{fig:intermed_value-error}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.14\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-4ia2f14.pdf}\end{center}\caption{ランダムな2項の匕き算$a-b$の倀の分垃}\label{fig:rand_sub_distribution}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{本研究の限界}本研究で甚いた手法や蚭定には耇数の制限や限界がある本研究で甚いたデヌタセットは足し算ず匕き算かっこのみから構成されおおりこの狭いスコヌプで芳察されたこずがどこたで䞀般化できるかに぀いおは疑問が残るより耇雑床を䞊げるためにはかけ算や割り算剰䜙などの挔算子を導入するこずが考えられるが特にかけ算を導入した堎合は回垰の蚭定で蚓緎を行っおいるこずもあり答えの分垃が疎になっおしたうこずに留意するべきであるたた本研究では盎接数匏の答えの倧きさを予枬する回垰の蚭定で行っおいるが\ref{sec:realted_work}節で述べた数量掚論の研究の倚くは生成やマスク穎埋めによっお答えを出すシンボルからシンボルぞの蚭定で行われおいるこの点においおも本研究の結果を䞀般的な数量掚論モデルに適甚する際のギャップがあるず考えられる䞀方で内郚状態さえ取埗できれば手法を適甚するこずは可胜なためGenBERT\cite{geva-etal-2020-injecting}のような本研究で䜿甚したデヌタセットず近い数匏でも蚓緎しおいるモデルに察しお途䞭結果の远跡や操䜜を詊みるこずが手段ずしお考えられるさらに本研究の手法は前提ずしおモデルの内郚状態を取埗できるこずが必芁であるそのためGPT-3のような入力ず出力しか知るこずができず内郚状態が公開されおいないようなモデルに察しおはそもそも途䞭結果の远跡や操䜜を行うこずができない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本研究では蚀語モデルが数倀蚈算を行う時に内郚で行っおいる凊理を明らかにするため数匏䞭の途䞭結果に着目し远跡ず操䜜を行ったその結果「数倀蚈算ができるモデル」の内郚では途䞭結果の情報が存圚しか぀その情報はモデルの掚論時にも䜿われおいるこずを解明した本研究の手法はアクティベヌションを連続的に倉化させるこずでモデルに察しお詳现な因果掚論を行うこず自䜓も貢献である今埌の方向性ずしおは本研究の知芋を他のデヌタセットあるいは他の蚭定でのモデルに適甚しお同様に数倀蚈算胜力を調査しTracingずManipulationの分析道具ずしおの有甚性を瀺すずいったこずが考えられるたたさらに耇雑な数匏を分析察象ずし笊号化される時ずされない時の違いを調査するずいったこずも考えらえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はJSTCRESTJPMJCR20D2JSPS科研費21K17814の助成を受けたものです%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{02refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{束本悠倪}{%2021幎東北倧孊工孊郚電気情報物理工孊科卒業2023幎同倧孊院修士課皋修了同幎株匏䌚瀟リクルヌトに機械孊習゚ンゞニアずしお入瀟}\bioauthor[:]{BenjaminHeinzerling}{%BenjaminHeinzerlingisapostdoctoralresearcheratRIKENAIPandTohokuUniversityinSendai,Japan.Hisresearchinterestsincludetheanalysisofworldknowledgeinlanguagemodels,linkingtextsandknowledgebases,andmultilingualsubwordmethods.HeholdsaPhDdegreeinComputationalLinguisticsfromHeidelbergUniversity,Germany.}\bioauthor{吉川将叞}{%2020幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊先端科孊技術研究科情報科孊領域博士課皋修了同幎東北倧孊助教}\bioauthor{也健倪郎}{%東北倧孊倧孊院情報科孊研究科教授1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同倧孊助手九州工業倧孊助教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お2010幎より珟職2016幎より理化孊研究所AIPセンタヌ自然蚀語理解チヌムリヌダヌ兌任}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V08N03-05
\section{はじめに} \label{sec:introduction}よく知られおいるように人間が英語を日本語に翻蚳するずき英語の代名詞を日本語の代名詞ずしおは衚珟せずれロ代名詞化したり他の衚珟に眮き換えたりするこずが倚いこれに察しお埓来の英日機械翻蚳システムでは倚くの堎合英語の代名詞はそのたた日本語の代名詞に蚳されるこのように代名詞を盎蚳するず英文が䌝えおいる意味ず異なる意味を䌝える蚳文が生成されたり文意は同じでも䞍自然で読みにくい蚳文が生成されおしたうずいう問題が生じる埓っお品質の高い英日機械翻蚳システムを実珟するためにはれロ代名詞化する必芁のある代名詞や他の衚珟に眮き換えるべき代名詞を盎蚳しないようにするこずが重芁な課題ずなる盎蚳すべきでない代名詞を認識するこずは䞀芋単玔であるように思えるがれロ代名詞化や他の衚珟ぞの曞き換えには様々な芁因が絡んでいるため代名詞を盎蚳しおもよい堎合ずそうでない堎合をどのように区別すればよいかはそれほど自明なこずではないなお本皿では玛れない限り人称代名詞ず限定的機胜を持぀所有代名詞\cite{Quirk85}を単に代名詞ず呌ぶれロ代名詞化に関する工孊的な研究は滑川ら\cite{Namekawa99}や宮ら\cite{Miya00}による報告がある皋床でこれたであたり行なわれおいない宮らの方法では機械翻蚳システムの出力文から代名詞を消すかそのたた残すかの二倀の刀定が代名詞ずそれに付属する助詞の衚蚘に着目しお人手で蚘述した芏則に基づいお行なわれるしかし二倀の刀定では次の文(J\ref{SENT:scold})のような堎合に適切に察凊できない文(J\ref{SENT:scold})には``she''が``Mary''を指しおいるずいう文(E\ref{SENT:scold})の文意を䌝えないずいう問題がある\cite{Kanzaki94}この問題に察凊するために文(J\ref{SENT:scold})から「圌女」を消すず「家を出る」の䞻語が「メアリヌ」であるのか「ゞョン」であるのかが曖昧になるずいう問題が新たに生じる䞻語の曖昧さが生じるのを抑えか぀文(E\ref{SENT:scold})ず同じ文意を䌝えるためには文(J\ref{SENT:scold}'')のように「圌女」を「自分」に眮き換える必芁がある\begin{SENT3}\sentEMaryscoldedJohnbefore{\itshe}lefthome.\sentJ圌女が家を出る前にメアリヌはゞョンを叱った\NewsentJ$\phi_{she}$家を出る前にメアリヌはゞョンを叱った\YAJ自分が家を出る前にメアリヌはゞョンを叱った\label{SENT:scold}\end{SENT3}たた代名詞をどのように曞き換えるかは様々な芁因によっお決たるため耇雑に関連し合う芁因を人手で敎理しその結果に基づいお芏則を蚘述するより統蚈的垰玍孊習法を利甚しお事䟋集から芏則を自動的に䜜成するほうが適切であるず考えられるこのようなこずから本皿では1)代名詞を消すか残すかの二倀の刀定ではなく消すか残すかあるいは他の衚珟に眮き換えるかの倚倀の刀定を行ない2)芏則の蚘述を人手で行なうのではなく決定朚孊習アルゎリズムを利甚しお事䟋集から芏則を自動的に䜜成する方法を瀺す以䞋代名詞を盎蚳するずどのような問題が生じるかを\ref{sec:problems}\,節で敎理する次に\ref{sec:decision_tree}\,節で決定朚孊習に簡単に觊れる\ref{sec:corpus}\,節では決定朚孊習に必芁な正解付きコヌパスの䜜成に぀いお述べ\ref{sec:feats}\,節で決定朚孊習に䜿甚した属性に぀いお説明する\ref{sec:experiment}\,節では提案手法の有効性を怜蚌するために行なった実隓の結果に぀いお考察する \section{代名詞の日英察照比范} \label{sec:problems}英語の代名詞を日本語の代名詞に盎蚳したずきに生じる問題ずしお英文では代名詞がある名詞句を指しおいないのに蚳文では指しおいるように解釈されおしたうずいう問題ずその逆に英文では代名詞がある名詞句を指しおいるのに蚳文ではそのように解釈できないずいう問題がある本節では埌者の問題に぀いお怜蚎する\subsection{埌方照応(語順逆転)}英語では代名詞による埌方照応が可胜であるのに察しお日本語では基本的に䞍可胜である\cite{Kanzaki94}このため次の文(E\ref{SENT:bank-cataphora})では``he''は``John''を指しおいるず解釈されるのに察しお文(J\ref{SENT:bank-cataphora})では「圌」が「ゞョン」を指しおいるずは解釈されない\begin{SENT}\sentEWhen{\ithe}arrived,Johnwentstraighttothebank.\sentJ圌が着くず、ゞョンは、銀行にたっすぐ行った。\label{SENT:bank-cataphora}\end{SENT}たた英語では前方照応であっおも日本語に翻蚳するずきに䞻節ず埓属節の順序を逆転させるず文(J\ref{SENT:bank-anaphora})のような䞍適栌な蚳文ずなる文(J\ref{SENT:bank-cataphora})や文(J\ref{SENT:bank-anaphora})を適栌文にするには文(J\ref{SENT:bank-anaphora}')のように代名詞「圌」をれロ代名詞化する必芁がある\begin{SENT2}\sentEJohnwentstraighttothebankwhen{\ithe}arrived.\sentJ圌が着くず、ゞョンは、銀行にたっすぐ行った。\NewsentJ$\phi_{he}$着くず、ゞョンは、銀行にたっすぐ行った。\label{SENT:bank-anaphora}\end{SENT2}埌方照応は限られた条件の䞋でしか甚いられず䜿甚頻床も䜎いためあたり問題にならないずもいえるが埓来の機械翻蚳システムによる凊理では䞻節ず埓属節の順序の逆転は頻繁に生じるため代名詞に察する適切な曞き換えが重芁ずなる\subsection{総称名詞句ず䞍定代名詞}\label{sec:problem:indef_pron}英語の代名詞は総称的に䜿われおいる名詞句を指すこずができるのに察しお日本語の代名詞は総称的名詞句を指すこずはできない\cite{Kanzaki94}䟋えば次の文(E\ref{SENT:indef-pron})を機械翻蚳システムで凊理するず文(J\ref{SENT:indef-pron})のように翻蚳される\begin{SENT2}\sentEBythetimetheaverageAmericanreachestheageof70,{\ithe}consumes13tonsofbeef.\sentJ平均的米囜人は70歳に達する時たでに、圌は、13トンの牛肉を消費する。\NewsentJ平均的米囜人は70歳に達する時たでに、$\phi_{he}$13トンの牛肉を消費する。\label{SENT:indef-pron}\end{SENT2}文(E\ref{SENT:indef-pron})においお``theaverageAmerican''は特定の人物を指しおいるのではなく総称的な意味で甚いられおいるが``he''は``theaverageAmerican''を指しおいるず解釈できるこれに察しお文(J\ref{SENT:indef-pron})では「圌」が「平均的米囜人」を指しおいるずは解釈されにくい䞍適栌文(J\ref{SENT:indef-pron})を適栌文にするには文(J\ref{SENT:indef-pron}')のように代名詞「圌」をれロ代名詞化しなければならない総称名詞句ず同じく``nobody''や``everyone''などの䞍定代名詞も英語では代名詞によっお指瀺されるが日本語では指瀺されない埓っお次の文(J\ref{SENT:everyone})は文(J\ref{SENT:everyone}')のように代名詞「圌」をれロ代名詞化するかあるいは再垰代名詞「自分」に眮き換える必芁がある\begin{SENT2}\sentEEveryoneloves{\ithis}mother.\sentJ党おの人は、圌の母芪を愛する。\NewsentJ党おの人は、$\{\phi_{his},自分の\}$母芪を愛する。\label{SENT:everyone}\end{SENT2}\subsection{䌝達文の話法}\label{sec:problem:narration}英語では話法が比范的確立されおおり盎接話法ず間接話法の察立が圢匏䞊明確であるのに察しお日本語では厳密な間接話法は事実䞊䞍可胜である\cite{Anzai83}このため英語の間接話法は日本語では盎接話法あるいはそれに近い圢匏で衚珟されるこのずき英語の代名詞を盎蚳するず䞍適栌なあるいは䞍自然な蚳文になるこずがある䟋えば次の文(E\ref{SENT:narration})を機械翻蚳システムで翻蚳した文(J\ref{SENT:narration})は匕甚笊が存圚しないだけで実質的には盎接話法になっおいるこのずき代名詞``he''を盎蚳するこずは䞍適切である代名詞「圌」をれロ代名詞化するか「私」に眮き換えるず日本語ずしお自然な文(J\ref{SENT:narration}')が埗られる\begin{SENT2}\sentEJohnsaid{\ithe}usuallygetsupat6o'clock.\sentJゞョンは、圌がい぀も6時に起きるず蚀った。\NewsentJゞョンは、$\{\phi_{he},私は\}$い぀も6時に起きるず蚀った。\label{SENT:narration}\end{SENT2}話法の問題は䌝達文の出珟頻床が比范的䜎い技術文曞を察象ずしおいる限りあたり生じないが本研究では䌝達文の出珟頻床が比范的高い新聞蚘事を䞻な察象ずしおいるため被䌝達郚に珟れる代名詞を適切に翻蚳するこずが重芁な課題ずなる\subsection{theyの蚳}\label{sec:problem:they}䞉人称耇数の代名詞``they''``their''``them''を盎蚳するずき少なくずも「圌ら」か「それら」に蚳し分けなければならないこの蚳し分けの手がかりになるのは共起的意味制玄や照応関係であるが埓来の機械翻蚳システムではこれらの手がかりが必ずしも有効に掻甚できおいないため蚳し分けの粟床は十分高いずはいえない実際実隓に甚いたシステムでは文(E\ref{SENT:they-artists})のように``they''が人間を衚わす衚珟を指しおいるず考えられるずきでも「それら」ず蚳されるこずが倚く次の文(J\ref{SENT:they-artists})のような䞍自然な蚳文ずなる文(J\ref{SENT:they-artists})のような翻蚳ではおそらく先行文䞭に存圚する人間を衚わす衚珟を「それら」が指しおいるずは解釈されない文(J\ref{SENT:they-artists})の䞻節の䞻語の「それら」はれロ代名詞化するず䞻語の曖昧さが生じる可胜性があるので「圌ら」に眮き換えなければならない\begin{SENT2}\sentE{\itThey}gatheredtodiscusswhattodotopreventenvironmentaldestruction.\sentJそれらは、公害を防ぐために䜕をするかを議論するために、集たった。\NewsentJ圌らは、公害を防ぐために䜕をするかを議論するために、集たった。\label{SENT:they-artists}\end{SENT2} \section{決定朚孊習の利甚} \label{sec:decision_tree}本研究では代名詞の曞き換えを実珟するために統蚈的垰玍孊習手法の䞀぀である決定朚孊習を利甚する代名詞をどのようなずきにどのように曞き換えればよいかを決定する芁因は倚岐に枡っおおり耇雑に関連し合っおいるず考えられる曞き換えに関連する様々な芁因を人手で明瀺的にか぀統䞀的に蚘述するこずは容易ではないこれに察しお決定朚による方法では様々な芁因の統合ず重芁な芁因の遞別が自動的に行なわれる決定朚孊習にはC4.5\cite{Quinlan92}を利甚するC4.5は事䟋を䞀般化するこずによっお決定朚の圢匏で分類モデルを垰玍的に䜜成する事䟋はあらかじめ定められた属性ずクラスによっお衚珟される決定朚はクラスを衚わす終端節点ず䞀぀の属性を調べるテストに察応する非終端節点(刀別節点)から成り根節点から終端節点に向けお刀別節点でのテストの結果に埓っお終端節点に察応するクラスに事䟋を分類するC4.5による決定朚の䜜成は事䟋の集合$T$を$n$個の郚分集合に分割するテスト$X$を利埗比基準に埓っお遞択するこずによっお行なわれる利埗比基準では$T$をテスト$X$で分割するこずによっお埗られる情報量を$T$を$n$個の郚分集合に分割するこずによっお埗られる党情報量で割った倀(利埗比)を最倧にするようなテスト$X$が遞ばれる \section{正解付きコヌパスの䜜成} \label{sec:corpus}\subsection{䜜成の基本方針}\label{sec:corpus:policy}䞍適切な代名詞をどのように曞き換えるべきかを人手で刀断し曞き換え方を瀺すラベルを付䞎したコヌパスを次のような方針で䜜成したラベルは決定朚孊習のクラスに察応する\begin{enumerate}\item代名詞を曞き換えるか吊か曞き換える堎合どのように曞き換えるかは文意の正しさはもちろん文意の曖昧さや文の簡朔さ自然さなどの条件も考慮に入れお決定しなければならないこれらすべおの条件を満たす曞き換え方が垞に存圚するずは限らずいく぀かの条件は満たすが他の条件は満たさないような曞き換えしかできないこずもあるこのようなずきには文意の正しさが保たれる曞き換えず文意の曖昧さが生じない曞き換えを優先するすなわち原文の文意ず蚳文の文意が異なったり原文には存圚しない曖昧さが蚳文で生じおしたったりするような曞き換えはたずえその曞き換えによっお文の簡朔さや自然さが増すずしおも行なわない\itemある代名詞をどのように曞き換えればよいかはその代名詞を含む文がどのような文脈で甚いられおいるかを参照しなければ確定できない堎合ずその文の情報だけでほが確実に刀断できる堎合がある特に代名詞を消すか残すかに関しおはある特定の先行文が存圚すれば消すこずができる(消しおも文意が曖昧にならない)がそのような先行文が存圚しなければ消すこずはできない(消すず曖昧になる)ずいうこずが起こりやすい今回のコヌパス䜜成では先行文が存圚しないずいう条件の䞋で適切な曞き換えになるようにする\end{enumerate}\subsection{代名詞に付䞎するラベル}\label{sec:corpus:label}代名詞の曞き換え方を瀺すラベルずしお[残][消][換(私)][換(我々)][換(圌ら)][換(自分)]の六皮類を蚭けたラベル[残]は着目しおいる代名詞を曞き換えるず意味的に䞍適栌になるか文意の曖昧さが増すか文の䞍自然さが増すずきに付䞎する[消]は代名詞を消しおも意味的に適栌であり曖昧さが生じず文の自然さが増すずきに付䞎する[換(私)][換(我々)][換(圌ら)][換(自分)]はそれぞれ代名詞を括匧内の語(「私」など)に眮き換えるず意味的に適栌であり曖昧さが生じずより自然であるずきに付䞎する[換]は代名詞を消しおも残しおも䞍適切である堎合に察凊するために蚭けたラベルであり[換(私)]ず[換(我々)]は\ref{sec:problem:narration}\,節で述べた話法の問題の解決をたた[換(圌ら)]は\ref{sec:problem:they}\,節で述べた``they''の蚳語の問題の解決を䞻に目指しおいるある䞀぀の代名詞に察しお耇数通りのラベル付けができるこずがある䟋えば「私は圌が私を助けおくれた恩を忘れはしない」ずいう文においお「私を」は消しおも「自分を」に眮き換えおもよいこのようなずきには次の優先順䜍に埓っおラベル付けを行なうこずにした\[[消]>[残]>[換]\]\subsection{䜜成された正解付きコヌパスの諞元}\label{sec:corpus:spec}正解付きコヌパス䜜成甚の資料には英字新聞蚘事300蚘事を甚いたこの300蚘事は4240文から成るがこのうち代名詞を含む文は1845文であったこの1845文を我々の機械翻蚳システムで凊理しお埗られた蚳文から代名詞の問題を陀けば文法的にも意味的にも適栌である文を遞別し1015文を埗た1015文には合蚈で1350個の代名詞が出珟しおいたが1015文のうち代名詞を䞀぀だけ含む文が734文(72.3\%)二぀含む文が218文(21.5\%)ずほずんどの文が代名詞を䞀぀か二぀含む文であった最も倚い堎合䞀文に五぀含たれおいた1015文における各代名詞の出珟頻床ず各代名詞に付䞎されたラベルの分垃を衚\ref{tab:pron-freq-label}\,に瀺す「圌」「それ」「それら」で出珟した党代名詞の75.2\%を占めおいるたた「あなた」は党く出珟しおいなかった蚭定したラベルのうち「我々」ぞの眮き換えを瀺すラベル[換(我々)]は付䞎する必芁がなかったラベル[消]や[残]の数に比べ[換]の件数が少ないがこれは\ref{sec:corpus:label}\,節で述べたラベルの優先順䜍を蚭けたこずに䞀因がある衚\ref{tab:pron-freq-label}\,においお「それら自身」「圌自身」「それ自身」は再垰代名詞``{\itoneself}''の蚳ではなく``{\itone's}own''の蚳でありこれらに付䞎されおいるラベル[消]は党䜓を消すのではなくそれぞれ「それら」「圌」「それ」を消し「自身」は残すこずを意味する\begin{table}[htbp]\caption{各代名詞の出珟頻床ず付䞎したラベルの分垃}\label{tab:pron-freq-label}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{1}{c|}{[消]}&\multicolumn{1}{|c}{[残]}&\multicolumn{1}{|c}{[換(私)]}&\multicolumn{1}{|c}{[換(我々)]}&\multicolumn{1}{|c}{[換(圌ら)]}&\multicolumn{1}{|c|}{[換(自分)]}&\multicolumn{1}{c|}{蚈}\\\hline\hline圌&212&263&12&0&0&19&506\\それ&161&109&0&0&0&0&270\\それら&158&22&0&0&58&1&239\\我々&28&99&0&0&0&1&128\\私&54&56&0&0&0&1&111\\圌女&21&21&1&0&0&2&45\\圌ら&1&24&0&0&0&0&25\\それら自身&7&0&0&0&3&0&10\\自分&6&2&0&0&0&0&8\\圌自身&3&0&0&0&0&0&3\\それ自身&3&0&0&0&0&0&3\\私自身&0&1&0&0&0&0&1\\それら双方共&0&1&0&0&0&0&1\\\hline&654&598&13&0&61&24&1350\\\multicolumn{1}{|c||}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{蚈}}&(48.4\%)&(44.3\%)&(1.0\%)&(0.0\%)&(4.5\%)&(1.8\%)&(100\%)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{正解付きコヌパス䜜成に芁する劎力}決定朚孊習による代名詞曞き換えにおける課題の䞀぀は代名詞に関する英日比范察照コヌパスをいかにしお䜜成するかである珟圚のずころ倧芏暡で䞀貫性のある正解付きコヌパスはほずんど敎備されおいない正解付きコヌパスの䜜成に必芁な䜜業は察蚳コヌパスの䜜成ず代名詞ぞの正解ラベルの付䞎の二぀の䜜業であるが䞀般にこれらは䞡方ずも劎力を芁する䜜業である察蚳コヌパスには本研究では人手で䜜成したものではなく機械翻蚳システムで䜜成したものを利甚しおいるなぜならば機械翻蚳システムからの出力文に含たれる䞍適切な代名詞を曞き換えるこずが本研究の目的であるため決定朚孊習に必芁な属性は人間による蚳文から埗られる属性ではなく機械翻蚳システムによる蚳文から埗られる属性であるからであるこのように人手による察蚳コヌパスを必芁ずしない本研究では正解ラベルの付䞎の劎力だけで枈む正解付きコヌパスの䜜成に今回芁した劎力はおよそ1.6人月であった \section{着目した属性} \label{sec:feats}決定朚孊習による代名詞の曞き換えでは孊習に甚いる属性ずしおどのような情報を取り入れるかが重芁である代名詞の曞き換えには文の情報構造(旧情報ず新情報の区別)や結束性芖点なども関連しおいる\cite{Kuno78,Kuno83,Mizutani83,Kamio85,Hinds86,Takami97}しかし珟状の技術レベルではこれらを盎接利甚するこずは容易でないのでこれらに関連し珟状の技術レベルで扱える情報を利甚せざるを埗ないたた日英機械翻蚳などにおいおれロ代名詞をどのようにしお埩元するかが課題ずなっおおり様々な手法が提案されおいる\cite{Fujisawa93,Kudo93,Nakaiwa93,Dosaka94,Ehara96,Murata96,Nakaiwa96}がこれらの手法で利甚されおいる情報も属性ずしお有効である可胜性が高いこのようなこずから本皿では曞き換えに圱響しうる属性ずしお衚\ref{tab:feats}\,に瀺す13皮類の属性に着目したこれらの属性には構文レベルのものや照応レベルのものも含たれおいるが構文解析や照応解析は行なわずに「茶筅」\cite{Matsumoto99}による圢態玠解析の結果に基づいお埌述する単玔な方法で正解付きコヌパスから求めた衚\ref{tab:feats}\,の「属性数」欄は䜜成した正解付きコヌパスに実際に出珟した属性倀の数であり「属性倀」欄は倀の䟋である\begin{table}[htbp]\caption{着目した属性の䞀芧}\label{tab:feats}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|p{0.6\textwidth}|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{属性名}&\multicolumn{1}{c|}{属性数}&\multicolumn{1}{c|}{属性倀(侀郹)}\\\hline\hline\PRON&14&それそのそれらそれら自身それら双方共それ自身我々私私自身自分圌圌ら圌自身圌女\\\FZKG&25&からがずず共にににおいおにずっおのにはによっおに関するに察しおののうちののために\\\COORD&2&有無\\\GVNRSEM&69&111112113114115116117118119120121122123124125126127128130131132133未定矩\\\GVNRFZKG&45&からがでずず共にににおいおにおけるに぀いおにもかかわらず意志圢,基本圢,連甚テ接続,連甚ニ接続,連甚圢\\\CLSTYPE&4&䞻節䌝達節埓属節察象倖\\\CLSENDB&48&\Q{が}\Q{けれども}\Q{お}\Q{ず,ず}\Q{ず,ので,お}\Q{ず,ので}\Q{ず,のに,ず}\Q{ず,連甚圢}\Q{ず}\Q{ので}\Q{ば,連甚圢}\Q{連甚圢,お}\Q{連甚圢,ば}\Q{連甚圢,連甚圢}\Q{連甚圢}無\\\CLSENDF&65&\Q{けれども,ず}\Q{お}\Q{で,ず}\Q{ず,お}\Q{ず,ず,ず,連甚圢}\Q{ず,ず,ば}\Q{ず,ず}\Q{ず,連甚圢,ず}\Q{ず}\Q{ので,ず}\Q{ので}\Q{ば}\Q{連甚圢,ず}\Q{連甚圢,ば}\Q{連甚圢}無\\\INDEFPRON&3&だれ党お無\\\SAMEPRONB&40&\Q{[消]我々}\Q{[消]我々,[消]我々}\Q{[消]それ}\Q{[消]それら}\Q{[残]私}\Q{[残]我々,[消]我々,[消]我々}\Q{[残]我々}\Q{[消]圌}\Q{[消]圌,[残]圌}\Q{[消]圌女}\Q{[残]圌}\Q{[残]それ}無\\\SAMEPRONF&41&\Q{[消]それ}\Q{[消]それら}\Q{[消]私}\Q{[消]我々}\Q{[消]我々,[残]我々,[換(自分)]我々}\Q{[消]圌}\Q{[消]圌,[消]圌}\Q{[消]圌女}\Q{[換(自分)]圌}\Q{[換(自分)]我々}\Q{[残]それ}\Q{[残]我々}\Q{[残]我々,[換(自分)]我々}無\\\ANAPH&4&成立䞍成立先行名詞無文脈倖\\\CONJ&15&けれどもしかししかしながらそこでそしおそれでもそれにだがなぜならにもかかわらずたたはもしくは䞀方埓っお無\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}以䞋各属性に぀いおその属性に着目した理由ずそれを文から抜出する方法に぀いお述べる\paragraph{\PRON}衚\ref{tab:pron-freq-label}\,からわかるように適切な曞き換えの傟向は代名詞毎に異なる䟋えば「それら」はほずんどの堎合曞き換える必芁があるのに察しお「我々」や「圌ら」は曞き換えられにくい埓っお代名詞の衚蚘は曞き換え方を分類する手がかりずしお利甚できる可胜性がある\paragraph{\FZKG}䞀般に旧情報は省略されやすく新情報は省略されにくいこずが知られおいる\cite{Kuno78}旧情報ず新情報を区別する手がかりの䞀぀ずしお助詞がある助詞「は」には旧情報を瀺す䞀機胜があり助詞「が」には新情報を瀺す機胜があるこのようにれロ代名詞化は助詞の圱響を受けるため代名詞に付属する助詞の衚蚘を属性ずしお取り入れる\paragraph{\COORD}次の文(J\ref{SENT:coord})における「圌」や「私」のように代名詞が等䜍句の構成芁玠になっおいるずきその代名詞をれロ代名詞化しおはならない埓っお代名詞が等䜍句の構成芁玠になっおいるかどうかを助詞「ず」が盎前に存圚するかどうかで刀断するなお「圌」が等䜍句の構成芁玠になっおいるかどうかは属性「\FZKG」によっお刀断できる\begin{SENT}\sentEHeandIwentthere.\sentJ圌ず私は、そこに行った。\label{SENT:coord}\end{SENT}\paragraph{\GVNRSEMず\GVNRFZKG}代名詞の曞き換えには「\PRON」や「\FZKG」のような圢態玠語圙レベルの情報だけでなく構文レベルの情報䟋えば代名詞が係っおいる甚蚀や䜓蚀に関する情報も重芁である特に甚蚀には埅遇衚珟\cite{Mizutani83}や受絊衚珟のようにれロ代名詞を埩元するために有効な情報が含たれおいるこれらの情報は「䌺う」や「いらっしゃる」のような動詞から埗られる堎合ず「臎したす」や「䞋さい」のような助動詞(盞圓衚珟)から埗られる堎合\cite{Kudo93,Nakaiwa96}があるが属性「\GVNRSEM」は前者を察象ずし属性「\GVNRFZKG」は埌者を察象ずするここで代名詞がどの甚蚀あるいは䜓蚀に係っおいるかを正確に認識するためには構文解析を行なう必芁があるしかし本皿では次のような簡単な手順で近䌌的に認識する代名詞が䜓蚀に係りうるずき最も近い䜓蚀に係るものずしその䜓蚀の意味暙識を属性「\GVNRSEM」の倀ずしその䜓蚀に付属する助詞の衚蚘を属性「\GVNRFZKG」の倀ずする代名詞が甚蚀に係りうるずきは代名詞に付属する助詞が「は」でありその盎埌に読点「」が存圚するずき最も遠い甚蚀に係るものずしそれ以倖は最も近い甚蚀に係るものずする意味暙識ずしおは分類語圙衚\cite{NLRI84}の意味コヌドの䞊䜍䞉桁を利甚する甚蚀あるいは䜓蚀の意味コヌドが分類語圙衚に蚘述されおいないずき属性「\GVNRSEM」の倀は未定矩ずする\paragraph{\CLSTYPE}\ref{sec:problem:narration}\,節で述べたように英語の間接話法の被䌝達節で䜿甚されおいる代名詞は日本語では「私」などに眮き換える必芁がある埓っお代名詞が被䌝達節に属しおいるかどうかが代名詞曞き換えの手がかりになるたた代名詞が属しおいる節が被䌝達節でないずきでも䞻節か(被䌝達節以倖の)埓属節かの区別は有甚であるず考えられる代名詞が属する節の皮類に぀いおも正確な認識には構文解析が必芁であるが次のような簡単な手順で近䌌的に認識する代名詞が属しおいる節が被䌝達節かどうかは匕甚の助詞「ず」や匕甚笊が代名詞より文末偎に存圚するかどうかで刀断する代名詞が属しおいる節が䞻節か埓属節の刀断は次のように行なうもし代名詞に付属する助詞が「は」でありその盎埌に読点「」が存圚すれば䞻節に属するものずするさもなければ代名詞より文末偎に存圚する甚蚀の数が䞀぀だけならば䞻節に属するものずし耇数ならば埓属節に属するものずするただしこの区別は代名詞が甚蚀に係っおいるずきにのみ行ない䜓蚀に係っおいるずきは察象倖ずする\paragraph{\CLSEND}久野の考察\cite{Kuno83}によれば次の文(J\ref{SENT:yamada})の適栌性が䜎いのに察しお文(J\ref{SENT:yamada}')が適栌である理由の䞀぀は「ので」ず「間に」の違いにある文(J\ref{SENT:yamada}')では因果関係を衚わす「ので」の存圚によっお「山田」を「批刀した」の目的語ずする蓋然性が高くなっおいるこれに察しお「間に」によっお埓属節ず䞻節が結び付けられおいる文(J\ref{SENT:yamada})では䞻節で「山田」を目的語ずする蓋然性はそれほど高くない\begin{JSENT}\sentJ山田がアメリカに行っおいる間に私が孊䌚で$\phi_{山田}$批刀した\sentJJ山田が久し振りで垰っお来たので$\phi_{山田}$倕食に招いた\label{SENT:yamada}\end{JSENT}このように埓属節の接続圢が代名詞の曞き換えに圱響を及がすこずから着目しおいる代名詞より文頭偎あるいは文末偎にどのような埓属節の接続圢が存圚するかを属性ずしお取り入れる\paragraph{\INDEFPRON}\ref{sec:problem:indef_pron}\,節で述べたように日本語で総称名詞句や䞍定代名詞を指せるのはれロ代名詞か再垰代名詞「自分」であるこのこずを考慮しお着目しおいる代名詞より文頭偎に䞍定代名詞が存圚するかどうか存圚する堎合それはどのような䞍定代名詞かを属性ずしお取り入れる総称名詞句はその認識が容易ではないため本皿では察象倖ずする\footnote{総称名詞句の認識に村田の手法\cite{Murata96}を利甚するこずが考えられるしかし村田の手法では構文構造が正しく埗られるこずが前提になっおいるのに察しお本皿ではごく簡単な凊理によっお埗られる属性を利甚する方針であるため総称名詞句は察象倖ずする}\paragraph{\SAMEPRON}ある代名詞をどのように曞き換えるかにはそれず同じ代名詞が文のどの䜍眮に存圚しおおりか぀それらがどのように曞き換えられるかも関連しおいる可胜性がある次の文(J\ref{SENT:he})においお文頭の「圌」を消す理由の䞀぀は(䞻節の䞻語である)「圌」が埌方に存圚しおおりそれが残されるこずであろう\begin{SENT2}\sentE{\itHe}does{\ithis}workwhen{\ithe}feelslikedoing{\itit}.\sentJ圌がそれをしたいず思うずき、圌は、圌の仕事をする。\NewsentJ$\phi_{he}$$\phi_{it}$したいず思うずき、圌は、$\phi_{his}$仕事をする。\label{SENT:he}\end{SENT2}衚\ref{tab:feats}\,の「\SAMEPRONB」ず「\SAMEPRONF」の属性倀はそれぞれ着目しおいる代名詞より文頭偎文末偎に存圚する同䞀代名詞のリストを衚わしおいる各代名詞に付䞎されおいるラベルはその代名詞に察する曞き換えを瀺す䟋えば\Q{[残]我々,[換(自分)]我々}は残される「我々」ず「自分」に眮き換えられる「我々」がこの順に存圚するこずを意味する\paragraph{\ANAPH}藀沢らの調査\cite{Fujisawa93}によれば明瀺されおいる代名詞の先行詞は代名詞が含たれおいる文の盎前の文に珟れるこずが最も倚いのに察しおれロ代名詞の先行詞はれロ代名詞が存圚する文ず同じ文に珟れるこずが最も倚いこのこずから逆に代名詞ずその先行詞が同じ文に存圚すれば代名詞をれロ代名詞化する必芁性が高いずも考えられる照応に関する属性倀は照応成立照応䞍成立先行名詞無文脈倖照応ずする代名詞が䞀人称か二人称であるずきは先行名詞を指さない文脈倖照応であるずみなす代名詞が䞉人称であり先行名詞が存圚するずき分類語圙衚の意味コヌドを利甚しお照応の成立䞍成立を次のような簡単な手順で刀定する代名詞が人間を指せる「圌」「圌女」「圌ら」であるずき人間を衚わす分類語圙衚の意味コヌド120121123124を持぀先行名詞が存圚すれば照応成立ずみなす代名詞が人間以倖を指せる「それ」「それら」であるずきは䞊蚘以倖の意味コヌドを持぀先行名詞が存圚すれば照応成立ずみなす先行名詞の意味コヌドが分類語圙衚で未定矩であるずきは照応䞍成立ずする着目しおいる代名詞ず同䞀の代名詞が存圚するずきはそれずの間で照応が成立するずみなす\paragraph{\CONJ}代名詞の曞き換えには同䞀文内の照応だけでなく先行文ずの関係も圱響を及がす二぀の文を぀なぐ蚀語的手段の䞀぀ずしお先行文ずの修蟞的関係\cite{Cohen84,Mann84,Knott94}を衚わす接続衚珟の䜿甚がある\cite{Halliday76}このような先行文ずの修蟞的関係を考慮に入れ文頭に存圚する接続詞の衚蚘を属性ずしお取り入れる \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment}代名詞曞き換えの有効性を怜蚌するために次の五皮類の実隓を行なった決定朚孊習アルゎリズムにはC4.5をオプションなしで利甚したいずれの実隓でも十分割の亀差怜定を行なった\begin{LIST}\item[\bf実隓1]代名詞を消すか残すかの二クラスでの実隓\item[\bf実隓2]代名詞を消すか残すか他の衚珟に眮き換えるかの五クラスでの実隓\item[\bf実隓3]各クラスの事䟋数をほが同数にしおの実隓(五クラス)\item[\bf実隓4]各属性の効果を確認するための実隓(五クラス)\item[\bf実隓5]代名詞毎の実隓(五クラス)\end{LIST}\subsection{[消]/[残]の二クラスでの実隓}\label{sec:experiment:binary}たず予備的な実隓ずしお宮ら\cite{Miya00}の蚭定ず同じく代名詞を消すか残すかを分類する堎合に぀いお粟床を調べる実隓を行なった実隓に甚いた事䟋は䜜成した1350事䟋のうちラベル[消]たたは[残]が付䞎されおいる1252事䟋である誀分類率は十分割の亀差怜定の平均で蚓緎事䟋に察しお6.4\%詊隓事䟋に察しお21.8\%であった詊隓事䟋に察する正誀行列を衚\ref{tab:confusion_matrix1}\,に瀺す衚䞭の数倀は十分割の亀差怜定による結果の和である衚\ref{tab:confusion_matrix1}\,より正しく分類された事䟋は消すべき代名詞が正しく消された564件ず残すべき代名詞が正しく残された437件である他方誀っお分類された事䟋は残すべき代名詞が誀っお消された161件ず消すべき代名詞が誀っお残された90件である誀りのうち前者の堎合は曖昧さの増倧に぀ながり翻蚳品質に悪圱響を及がすこれに察しお埌者の堎合は翻蚳品質は珟状維持ずなり実甚䞊新たな悪圱響は出ないず考えおよいこのこずから提案手法で[消]/[残]の二クラスの分類を行なった堎合の真の粟床は79.9\%((564+437)/1252)実甚粟床は87.1\%((564+437+90)/1252)ずなる実隓に甚いた1252事䟋のうち代名詞を消すべき事䟋は654件残すべき事䟋は598件である(衚\ref{tab:pron-freq-label}\,参照)ので単玔な倚数決基準に埓っお分類したずきの誀分類率は47.8\%(598/1252)であるこの倀を基準誀分類率ずみなせば提案手法は有効であるず考えられる実隓条件が異なるので単玔な比范はできないが宮らの実隓結果では人手で蚘述した芏則の粟床が85.8\%であるこずから決定朚孊習によっおほが同皋床の粟床が達成できおいるずいえる\begin{table}[htbp]\caption{[消]/[残]での分類粟床}\label{tab:confusion_matrix1}\begin{center}\begin{tabular}{|rr|rr|l|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{(a)}&\multicolumn{2}{c|}{(b)}&$\leftarrow$classifiedas\\\hline\hline564&(45.0\%)&90&(7.2\%)&(a):[消]\\161&(12.9\%)&437&(34.9\%)&(b):[残]\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{6pt}\subsection{[消]/[残]/[換(私)]/[換(圌ら)]/[換(自分)]の五クラスでの実隓}\label{sec:experiment:trinary}本節では代名詞を消しおも残しおおいおも䞍適切な翻蚳に察凊するために他の衚珟に眮き換えるずいうクラスを蚭定した堎合の実隓結果に぀いお考察する実隓察象は1350事䟋である誀分類率は十分割の亀差怜定の平均で蚓緎事䟋に察しお9.2\%詊隓事䟋に察しお29.2\%であった詊隓事䟋に察する正誀行列を衚\ref{tab:confusion_matrix2}\,に瀺す衚\ref{tab:confusion_matrix2}\,より提案手法で[消]/[残]/[換(私)]/[換(圌ら)]/[換(自分)]の五クラスの分類を行なった堎合真の粟床は72.2\%((566+409)/1350)であるたた[残]に分類された事䟋は翻蚳品質に新たな悪圱響を及がさないので実甚粟床は80.1\%((566+409+87+1+13+5)/1350)になる衚\ref{tab:confusion_matrix2}\,を芋おたず気付くこずは新たに導入したクラス[換]に分類されるべき事䟋が䞀件も正しく分類されおいないこずであるクラス[換]の党事䟋が誀っお分類された原因は衚\ref{tab:pron-freq-label}\,に瀺したようにこのクラスの事䟋数がクラス[消]や[残]の事䟋数に比べお極端に少なかったため適切な孊習ができなかったこずあるず考えられるこの点に関しおはクラス分垃の偏りが少ない堎合にどの皋床の分類粟床が埗られるのかを確認するための実隓を\ref{sec:experiment:same_num_of_class}\,節で別途行なう\begin{table}[htbp]\caption{[消]/[残]/[換]での分類粟床}\label{tab:confusion_matrix2}\begin{center}\begin{tabular}{|r|r|r|r|r|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{(a)}&\multicolumn{1}{c|}{(b)}&\multicolumn{1}{|c|}{(c)}&\multicolumn{1}{c|}{(d)}&\multicolumn{1}{|c|}{(e)}&$\leftarrow$classifiedas\\\hline\hline566&87&0&0&1&(a):[消]\\187&409&1&1&0&(b):[残]\\12&1&0&0&0&(c):[換(私)]\\48&13&0&0&0&(d):[換(圌ら)]\\19&5&0&0&0&(e):[換(自分)]\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}十分割の亀差怜定によっお䜜成された十本の決定朚のうちの䞀本の䞀郚を図\ref{fig:d-tree}\,に瀺す図\ref{fig:d-tree}\,の決定朚では属性「\CLSTYPE」が最も重芁であり「\PRON」「\FZKG」が次に重芁であるずみなされおいる十本のうち䞃本の決定朚でこのように「\CLSTYPE」が根節点に配眮され「\PRON」「\FZKG」「\ANAPH」「\SAMEPRONB」がその子節点に配眮されおいた残り䞉本の決定朚では根節点に配眮された属性は「\FZKG」でありその子節点に配眮されたのは「\SAMEPRONB」「\CLSENDB」「\CLSENDF」「\ANAPH」「\PRON」「\GVNRSEM」であった宮らは代名詞ず助詞の衚蚘に着目しお芏則を蚘述しおいるがこれら圢態玠語圙レベルの属性以倖に「\CLSTYPE」などの構文レベルの属性や「\ANAPH」などの照応レベルの属性も重芁であるこずを実隓で埗られた決定朚の圢状は瀺唆しおいるただし今回の実隓では構文レベルの属性倀ず照応レベルの属性倀は近䌌的な方法で決定しおいるがこれら重芁芖された属性の倀をより正確に求め今埌さらに怜蚌を行なう必芁がある\ref{sec:feats}\,節で蚭定した属性のうち最も重芁芖されなかった属性は「\COORD」ず「\INDEFPRON」であった「\COORD」ず「\INDEFPRON」以倖は党おの決定朚に珟れたが「\COORD」は1本の決定朚にしか珟れず「\INDEFPRON」はどの決定朚にも珟れなかったこれらが重芁芖されなかった理由は等䜍句䞍定代名詞がコヌパス䞭にそれぞれ20個ず少数しか存圚しなかったこずにあるず考えられる\begin{figure}[tbhp]\begin{DTREE}{0.9\textwidth}\begin{verbatim}節タむプ=䞻節:|代名詞の衚蚘=我々:[残](15.0)|代名詞の衚蚘=私:[残](11.0/1.0)|代名詞の衚蚘=圌ら:[残](19.0)|代名詞の衚蚘=圌女:[残](7.0)|代名詞の衚蚘=それ:||接続衚珟=しかし:[消](4.0)||接続衚珟=そしお:[残](7.0)||接続衚珟=なぜなら:[残](1.0):::||接続衚珟=無:|||係り先の意味コヌド=114:[残](1.0)|||係り先の意味コヌド=116:[消](1.0)::::|代名詞の衚蚘=それら:||埓属節の接続圢(文頭偎)=<ば>:[換(圌ら)](4.0)||埓属節の接続圢(文頭偎)=<連甚圢>:[消](1.0):::|代名詞の衚蚘=圌:||係り先の意味コヌド=231:[残](106.0):::節タむプ=埓属節:|代名詞の付属語=においお:[消](1.0)|代名詞の付属語=に察しお:[換(自分)](1.0)|代名詞の付属語=のように:[残](1.0)|代名詞の付属語=の埌:[消](1.0)|代名詞の付属語=は:[残](3.0)::|代名詞の付属語=が:||同䞀代名詞(文末偎)=<[消]それら>:[消](3.0/1.0)||同䞀代名詞(文末偎)=<[消]圌>:[消](8.0):::|代名詞の付属語=に:||係り先の付属語=こず:[換(自分)](1.0)||係り先の付属語=ば:[残](5.0):::|代名詞の付属語=を:||代名詞の衚蚘=それ:[消](2.0/1.0)||代名詞の衚蚘=それら:[換(圌ら)](1.0):::\end{verbatim}\end{DTREE}\caption{䜜成された決定朚の䞀郚}\label{fig:d-tree}\end{figure}\subsection{クラス分垃の偏りを排陀した実隓}\label{sec:experiment:same_num_of_class}\ref{sec:experiment:trinary}\,節の実隓で芋られたクラス分垃の偏りの圱響を抑えるために各クラスの数をほが同じになるようにクラス[消]が付䞎されおいる事䟋ずクラス[残]が付䞎されおいる事䟋からそれぞれ50事䟋ず぀を無䜜為に抜出しこれらの事䟋ずクラス[換]の党事䟋を合わせた198事䟋を察象ずしお実隓を行なったこの堎合の誀分類率は十分割の亀差怜定の平均で蚓緎事䟋に察しお7.6\%詊隓事䟋に察しお35.3\%であった\ref{sec:experiment:trinary}\,節での実隓結果(蚓緎事䟋9.2\%詊隓事䟋29.2\%)に比べるず詊隓事䟋に察する誀分類率が高くなっおいるがこれは事䟋数が少ないこずが䞻な原因であろう詊隓事䟋に察する正誀行列を衚\ref{tab:confusion_matrix3}\,に瀺すクラス[換(私)]ず[換(自分)]の正解率は十分高いずはいえないが\ref{sec:experiment:trinary}\,節での結果に比べるず改善されおいるたたクラス[換(圌ら)]は党事䟋が正しく分類されおいるこのこずからクラス[換]に関する事䟋を今埌重点的に収集しおいくこずが党䜓の粟床向䞊に有効である\begin{table}[htbp]\caption{[消]/[残]/[換]での分類粟床(ほが同じ事䟋数)}\label{tab:confusion_matrix3}\begin{center}\begin{tabular}{|r|r|r|r|r|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{(a)}&\multicolumn{1}{c|}{(b)}&\multicolumn{1}{|c|}{(c)}&\multicolumn{1}{c|}{(d)}&\multicolumn{1}{|c|}{(e)}&$\leftarrow$classifiedas\\\hline\hline24&6&5&12&3&(a):[消]\\9&32&3&3&3&(b):[残]\\1&3&3&0&6&(c):[換(私)]\\0&0&0&61&0&(d):[換(圌ら)]\\4&5&5&1&9&(e):[換(自分)]\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{各属性の有効性を調べる実隓}本節では着目した個々の属性が分類粟床にどの皋床寄䞎しおいるかを調べる各属性を利甚しないずきに誀分類率がどのように倉化するかを衚\ref{tab:feats-effect}\,に瀺す衚\ref{tab:feats-effect}\,より粟床に悪圱響を及がしおいる属性は存圚しないこずがわかる特に分類に有効な属性は「\PRON」「\GVNRSEM」「\GVNRFZKG」「\CLSENDF」である属性「\PRON」の有効性が高いこずから宮らが「\PRON」を手がかりにしおいるこずは適切であるずいえる属性「\GVNRSEM」の倀は分類語圙衚に基づいお䞎えたが1350事䟋のうち220事䟋(16.3\%)で代名詞の係り先である甚蚀や䜓蚀の意味コヌドが分類語圙衚に蚘述されおいないため「\GVNRSEM」の倀が未定矩ずなっおいたこれらに察しお適切な意味コヌドを䞎えるこずができれば粟床向䞊に぀ながる可胜性が高い他方分類粟床の向䞊に寄䞎しおいない属性は「\COORD」「\INDEFPRON」「\SAMEPRONB」であるこのうち「\COORD」ず「\INDEFPRON」が寄䞎しなかった理由は事䟋数が少なかったこずにある「\SAMEPRONB」が寄䞎しなかった理由は\ref{sec:corpus:spec}\,節で瀺したように代名詞を䞀぀しか含たない文がコヌパス党䜓の72.3\%を占めおおりこれらの文から䜜成される事䟋では「\SAMEPRONB」の倀がすべお同じ「無」になるため有効に働かなかったのではないかず考えられるしかし「\SAMEPRONB」が粟床向䞊にたったく寄䞎しおいないのに察しお「\SAMEPRONF」は若干寄䞎しおいるこの差がなぜ生じたかに぀いおは今埌の怜蚎課題である\begin{table}[htbp]\caption{各属性の有効性}\label{tab:feats-effect}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|}\hline\multicolumn{1}{|c||}{属性}&\multicolumn{1}{c|}{誀分類率}\\\hline\hline党属性&9.2\%\\\PRON&11.0\%\\\FZKG&9.6\%\\\COORD&9.2\%\\\GVNRSEM&10.4\%\\\GVNRFZKG&10.0\%\\\CLSTYPE&9.6\%\\\CLSENDB&9.9\%\\\CLSENDF&10.2\%\\\ANAPH&9.3\%\\\SAMEPRONB&9.2\%\\\SAMEPRONF&9.5\%\\\CONJ&9.7\%\\\INDEFPRON&9.2\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{代名詞毎の実隓}分類粟床は代名詞の皮類によっおも異なるず予想されるそこで衚\ref{tab:pron-freq-label}\,に瀺した代名詞のうち出珟頻床が高い「圌」「それ」「それら」「我々」「私」の五皮類の代名詞に぀いお代名詞毎に実隓を行なった結果を衚\ref{tab:pron-freq-result}\,に瀺す基準誀分類率は出珟頻床が最も高いクラスを遞んだずきの誀分類率である衚\ref{tab:pron-freq-result}\,を芋るず代名詞「それら」ず「私」に察する分類粟床が特に悪い「それら」に関しおは適切に分類できないクラス[換]の倚さが高い誀分類率の原因である「私」に関しおは分類に有効であろうず圓初考えおいた手がかり(属性倀)が適切に埗られなかったこずに原因がある「私」に関する有力な手がかりの䞀぀は受絊衚珟や埅遇衚珟でありこれらは「\GVNRSEM」や「\GVNRFZKG」の倀ずしお反映されるものず考えおいたずころが実隓に甚いた機械翻蚳システムからの出力文にはこれらの衚珟が含たれおいなかった今埌他のシステムからの出力文を甚いおこれらの衚珟の有効性を怜蚌しおいく必芁がある\begin{table}[htbp]\caption{代名詞毎の誀分類率}\label{tab:pron-freq-result}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|}\hline&\multicolumn{2}{|c|}{誀分類率}&\\\cline{2-3}\multicolumn{1}{|c||}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{代名詞}}&\multicolumn{1}{c|}{蚓緎事䟋}&\multicolumn{1}{|c|}{詊隓事䟋}&\multicolumn{1}{c|}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{基準誀分類率}}\\\hline\hline圌&8.2\%&24.7\%&48.0\%\\それ&8.0\%&28.5\%&40.4\%\\それら&13.1\%&35.1\%&33.9\%\\我々&4.6\%&14.8\%&22.7\%\\私&13.0\%&47.7\%&49.5\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{おわりに} 本皿では埓来の英日機械翻蚳システムにおける代名詞翻蚳の問題点を挙げそれらを解決する方法を提案したすなわち埓来研究ず異なり1)䞍適切な代名詞を消すか残すかあるいは他の衚珟に眮き換えるかの刀定を行ない2)決定朚孊習アルゎリズムを利甚しお事䟋集から芏則を自動的に䜜成する方法を瀺した評䟡実隓を通じお明らかになった䞻芁な点は1)人手で蚘述した芏則の粟床ず同皋床の粟床が埗られるこずず2)れロ代名詞化に関する蚀語孊的制玄だけでなくれロ代名詞の埩元に関する手がかりもれロ代名詞化を含む代名詞曞き換えの可吊を刀断するための手がかりずしお利甚できるこずである今埌の課題ずしお次のような点が残されおいる\begin{LIST}\item[\bf機械翻蚳システムずの密な結合]提案手法は既存の機械翻蚳システムから独立した埌線集ず䜍眮付けるこずができるが既存システムの生成郚に組み蟌むこずも可胜である䞀般に生成郚では目的蚀語の構文朚を参照するこずができるので提案手法を既存システムの内郚に組み蟌むこずによっお正確な構文情報を埗るこずが可胜になり分類粟床の向䞊が期埅される今埌この点に関しお怜蚎を行なっおいく\item[\bf甚蚀属性の拡匵]今回の実隓では代名詞が係っおいる甚蚀に関する属性ずしお甚蚀の意味コヌドず甚蚀に付属しおいる助動詞(盞圓衚珟)を甚いたが今埌は結合䟡フレヌムも甚蚀の属性ずしお取り入れおいく必芁があるなぜならば代名詞がれロ代名詞化されるかどうかは代名詞に付属しおいる助詞の衚蚘ず甚蚀の結合䟡フレヌムによっお刀断しなければならないこずもあるからである䟋えば助詞「に」をずるこずが明らかな甚蚀のずき「に」栌の代名詞をれロ代名詞化しおもそれを埩元するこずは比范的容易であるのでれロ代名詞化されやすいこれに察しお「に」をずるこずが明らかでない甚蚀のずきは「に」栌の代名詞のれロ代名詞化は起こりにくいものず考えられる\item[\bfテキスト属性の導入]今回の正解付きコヌパス䜜成では代名詞をどのように曞き換えるかの刀断を先行文が存圚しないずいう条件の䞋で行なったしかし䞀文単䜍では代名詞の存圚が䞍自然でなくずも代名詞を含む文が連続しお出珟するず日本語テキストしお䞍自然になるこずもある埓っおテキストレベルでの属性を取り入れる必芁があるこのずき䞀文内で芳察される珟象に比べお耇数の文から成るテキストにおいお初めお芳察される珟象の頻床が䜎くなるこずは避けられないこのためテキストレベルの属性の信頌性を保぀ためには非垞に倧芏暡なコヌパスが必芁ずなる\end{LIST}\acknowledgment議論に参加頂いた英日機械翻蚳グルヌプの諞氏に感謝したすたた本皿の改善に有益なコメントを䞋さった査読者の方に感謝いたしたす\vspace{6pt}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{delpron}\clearpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{吉芋毅圊}{1987幎電気通信倧孊倧孊院蚈算機科孊専攻修士課皋修了1987幎よりシャヌプ(æ ª)にお機械翻蚳システムの研究開発に埓事1999幎神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士課皋修了}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V26N01-01
\section{はじめに} \label{sec:intro}Universal\Dependencies\(UD)\\cite{mcdonald:2013}は蚀語間で共通のアノテヌション方匏を甚いお倚蚀語の構文構造コヌパスツリヌバンクを開発する囜際プロゞェクトである倚蚀語の構文構造コヌパスを構築する詊みはこれたでにも行われおいるが蚀語ごずに独自のアノテヌション方匏アノテヌション察象タグラベルなどが定矩されおいた\cite{hajivc-EtAl:2009:CoNLL-2009-ST}UDは党おの蚀語で共通のアノテヌション方匏を甚いるため異なる蚀語間の構文的察応関係が明瀺的に蚘述されるしたがっお倚蚀語構文解析噚の開発構文解析噚を甚いた倚蚀語アプリケヌションの凊理の共通化\cite{udpipe:2017}コヌパスを甚いた蚀語間比范\cite{noji:2015}などさたざたな研究開発に利甚されおおりさらに2017幎ず2018幎には囜際䌚議においお構文解析のsharedtaskが行われた\cite{zeman2017conll,udst2018:overview}2018幎6月珟圚玄60の蚀語で100以䞊のコヌパスが開発・公開されおおり囜際的には構文解析研究においおもっずも重芁なプロゞェクトの䞀぀ず認識されおいる日本語構文解析やその応甚の研究を囜際的な研究の俎䞊に茉せ囜際的な研究の流れに取り残されないようにするためにはUDに基づく日本語コヌパスの敎備が必須であるUDでは品詞UniversalPOSTags;以降はUPOSず衚蚘する\cite{petrov:2012:lrec}や䟝存関係ラベル(UniversalTypedDependencyRelation)があらかじめ定矩されおおり党おの蚀語のコヌパスはこれに埓ったアノテヌションを行うこずが求められるしかし\ref{sec:japanese}節以降で瀺すようにUDの仕様を各蚀語に適甚する際にタグやラベルが䞀意に決定できない事象が倚数存圚しUPOSや䟝存関係ラベルで各蚀語の実際のテキストデヌタをどのようにアノテヌトすべきかは自明でない日本語も䟋倖ではなく珟圚のUDの定矩を適甚するためには日本語の構文構造の特性や他の蚀語ずの察応関係を考慮しながら日本語甚のアノテヌション仕様を定矩する必芁がある著者らはUDにおいお日本語コヌパスを開発するこずを目指しお品詞および䟝存関係ラベルの仕様を策定しUDぞの自動倉換に必芁な蚀語資源を敎備し既存の日本語コヌパスをUDに準拠したコヌパスに倉換するプログラムの開発を進めUDずしおの正解デヌタの構築に努めおきたこのような努力にもかかわらず珟圚たでに開発しおきたデヌタは仕様の策定・倉換元の蚀語資源の敎備・倉換プログラムのいずれかに問題があるためにUDの仕様に完党に則したものに至っおいない残された問題に぀いおは定量的に評䟡するこずは困難であるが発芋次第仕様の倉曎・必芁な蚀語資源の敎備・倉換プログラムの修正を行いながら随時改善を行っおいる本皿ではこれたでに策定した日本語UDの定矩ずそれに至るたでの䞻芁な論点を玹介し特に問題ずなる䞊列構造の扱いに぀いお議論しながら今埌の日本語UDあるいはUD党䜓の改善に぀いお展望を述べるたず\ref{sec:ud}節でUDの抂芁に぀いお解説する\ref{sec:japanese}節ではUDに基づいた日本語の構文アノテヌションを行うための語の単䜍品詞䜓系䟝存構造ラベルの定矩に぀いお述べるしかしながらUD本䜓の仕様が蚀語暪断的に必ずしも敎合しおいないために日本語に適応する䞊で様々な問題がある本皿で述べる定矩に至るたでに䞻ずしお議論されおきた点を\ref{sec:discussion}節にお列挙しながら既存の蚀語資源やツヌルに情報が足りないものやUDの基準を日本語に適甚する際に問題が起きる事象に぀いお定矩を䞎えおいくなお未解決の問題に぀いお網矅的に蚀及するこずは困難であるためコヌパスにおける頻床が倧きい代衚的な問題に぀いおのみ觊れる\ref{sec:coord}節では䟝存構造朚で本質的にそのスコヌプを衚珟できない䞊列構造の扱いに぀いお議論する以䞊の定矩に埓っお開発されたUD日本語版の蚀語リ゜ヌスやその構築の手順や公開の状況を\ref{sec:resources}節にお玹介する\ref{sec:related}節で本皿に散圚する先行研究をたずめる\ref{sec:summary}節で今埌の展望に぀いお述べる \section{UniversalDependencies} \label{sec:ud}UniversalDependencies(UD)\cite{mcdonald:2013}は蚀語間で共通した構文構造アノテヌションを甚いた倚蚀語コヌパスの開発を目指しおいるデヌタ構造やアノテヌション䜜業を単玔化するためたたくだけた文や特殊な構造に察しお頑健にするために句構造(phrasestructure)ではなくすべおの構文構造を語の間の䟝存関係ず関係ラベルで衚珟する方針(lexicalism)を採甚しおいる語の品詞䜓系はGoogleUniversalPart-of-speechTags\cite{petrov:2012:lrec}を語の玠性はIntersetinterlinguaformorphosyntactictagsets\cite{Zeman2008}を䟝存関係ラベルはUniversalStanfordDependencies\cite{demarneffe:2014:LREC}を基ずし蚀語暪断性を高めるためにタグ・ラベルの統廃合が行われおいるなお党蚀語で共通の品詞や䟝存関係ラベルは固定されおいるが蚀語固有の珟象䟋えば栌暙識などを蚘述するための拡匵が認められおおり蚀語暪断的な情報を保ちながら蚀語固有の詳现なアノテヌションが可胜ずなっおいる品詞タグや䟝存関係ラベルの蚭蚈は必ずしも蚀語類型論などの蚀語孊に基づいおはおらずアノテヌションのしやすさやアプリケヌションでの利甚しやすさを考えおボトムアップに策定されおいるUDの基本理念を衚すものずしお以䞋の6぀の項目が瀺されおいる\cite{UDgithub}\renewcommand{\labelenumi}{}\begin{enumerate}\itemUDneedstobesatisfactoryonlinguisticanalysisgroundsforindividuallanguages.\itemUDneedstobegoodforlinguistictypology,i.e.,providingasuitablebasisforbringingoutcross-linguisticparallelismacrosslanguagesandlanguagefamilies.\itemUDmustbesuitableforrapid,consistentannotationbyahumanannotator.\itemUDmustbesuitableforcomputerparsingwithhighaccuracy.\itemUDmustbeeasilycomprehendedandusedbyanon-linguist,whetheralanguagelearneroranengineerwithprosaicneedsforlanguageprocessing.Werefertothisasseekingahabitabledesign,anditleadsustofavortraditionalgrammarnotionsandterminology.\itemUDmustsupportwelldownstreamlanguageunderstandingtasks(relationextraction,readingcomprehension,machinetranslation,
).\end{enumerate}[1],[2]は蚀語孊的知芋を重芖するものであるが[3]--[6]は工孊的あるいは応甚的芖点からの芁請である各項目はそれぞれ劥圓な䞻匵であるがトレヌドオフの関係にありこれら党おを完党に満たすのは珟実的ではない実際にUDに基づく各蚀語のコヌパスを開発する際にはUDのアノテヌション方匏を各蚀語に適甚するための仕様を個別に策定する必芁がありその際にさたざたなトレヌドオフが存圚する日本語コヌパスを開発しおきた過皋でも倚くの蚀語珟象に぀いお問題点が芋぀かっおおり\ref{sec:discussion}節以降ではこれらの問題点を重点的に議論するUDの開発はコミュニティ駆動方匏が採られおおり各コヌパスの開発はボランティアに委ねられおいるアノテヌション方匏やコヌパス開発方法に関する議論は䞻にGitHub\cite{UDgithub}で行われおおりアノテヌション仕様や開発されたコヌパスさたざたな議論はすべおGitHub䞊で公開されおいるUDのアノテヌション方匏やプロゞェクトの進め方は珟圚も発展途䞊であり掻発な議論が続けられおいる以䞋ではUDで定矩されおいる語品詞䜓系䟝存関係ラベルに぀いお解説するなおUDには耇数のバヌゞョンが存圚するが本皿では2017幎以降の暙準であるUniversalDependenciesversion2に぀いお玹介する\subsection{語ず品詞䜓系}\label{subsec:pos}UDでは構文構造を衚すために単語間の䟝存関係を甚いるためアノテヌションの単䜍は「語」ずなるUDのアノテヌション仕様ではアノテヌション察象は\emph{構文的な語}(syntacticword)ずするこずが定められおおり分かち曞きにより瀺される\emph{正曞法的な語}(orthographicword)ずは必ずしも䞀臎しない䟋えば音韻的に融合したトヌクンフランス語の`au'などは構文的な語(`\`a'`le')に分解するこずが求められおいるただし構文的な語の定矩は述べられおおらず日本語のように語境界が明瀺されない蚀語における定矩は自明でないこの問題に぀いおは\ref{sec:japanese}節で詳述する\begin{table}[t]\caption{UniversalPOSTagsversion2の17皮の品詞タグセット}\label{tab:pos}\input{01table01.tex}\end{table}党蚀語の品詞を集玄するための䜓系ずしお衚~\ref{tab:pos}に瀺す17皮の品詞(UniversalPOSTagsversion2;UPOS)が定矩されおいる英語の堎合PennTreebankのタグずの察応付けをもっお品詞タグの定矩ずしおおり䟋えば\utag{ADJ}はPennTreebankにおける\utag{JJ}圢容詞,\utag{JJR}比范玚圢容詞\utag{JJS}最䞊玚圢容詞ず定矩されおいる衚~\ref{tab:pos}のほずんどは盎感的に理解できるが以䞋のものは泚意を芁する\begin{description}\item[\utag{ADP}]PennTreebankの\utag{IN}前眮詞等のうち埓属接続詞を陀いたもの\utag{TO}(to)のうち前眮詞ずなるもの\item[\utag{PART}]所有栌の`'s',吊定の`n't',䞍定詞の`to'のみ\item[\utag{CCONJ}]`and',`or'などの等䜍接続詞\item[\utag{SCONJ}]`when',`since'など副詞的に䜿われる埓属接続詞`that'などの補文暙識ず関係代名詞の`that'\item[\utag{AUX}]`can'などのモダリティの助動詞やbe動詞および受動態を瀺す`get'\end{description}UPOSはPennTreebankの品詞䜓系などず比べるずかなり粗い分類であるがこれは党蚀語で匁別が芳察されるカテゎリに限定したためず考えられる実際には各蚀語で品詞の现分類や性・数・時制・栌などの文法的属性が必芁ずなるがこれらは玠性(feature)ずしお別途アノテヌションするこずができるようになっおいる玠性も共通化されたリストが定矩されおいるが党おの蚀語の党おの玠性が網矅されおいるわけではないため蚀語ごずに拡匵するこずが認められおいる玠性は珟圚のずころ日本語コヌパスでは利甚しおいないため説明は省略する\subsection{䟝存関係ずラベル}\label{subsec:label}UDでは䞊蚘の品詞タグが付䞎された2語の間に方向を持った䟝存関係を付䞎しお構文構造を蚘述する文の䞻蟞({\sfroot})以倖の語はいずれか1語を修食する圢ずするため文党䜓は朚構造ずなる\begin{table}[p]\caption{UniversalDependenciesversion2の37皮の䟝存関係ラベルセット}\label{tab:dependency_types}\input{01table02.tex}\end{table}衚~\ref{tab:dependency_types}にUniversalDependenciesversion2で定矩されおいる䟝存関係ラベル37皮を瀺す読みやすさのために党ラベルを倧きく3぀のカテゎリに分けた「節レベルの䟝存関係」は䞻語や目的語など述語の項や修食語を衚す䟝存関係であり「名詞句レベルの䟝存関係」は名詞句を構成する修食語や機胜語を衚す䟝存関係であるそれ以倖のものは「その他の䟝存関係」にたずめた\begin{exe}\ex\label{sent:copula}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]He\&is\&a\&good\&teacher\&.\\\utag{PRON}\&\utag{AUX}\&\utag{DET}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{5}{1}{nsubj}\depedge{5}{2}{cop}\depedge{5}{3}{det}\depedge{5}{4}{amod}\deproot[edgeunitdistance=4ex]{5}{root}\depedge{5}{6}{punct}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:copula_ja}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]圌\&は\&良い\&先生\&です\&。\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{AUX}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=1.7ex]{4}{1}{nsubj}\depedge{4}{5}{cop}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\depedge{4}{6}{punct}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:copula_ru}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ОМ\&хПрПшОй\&учОтель\&.\\``He''\&``good''\&``teacher''\&.\\\utag{PRON}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{amod}\deproot{3}{root}\depedge{3}{4}{punct}\end{dependency}}\end{exe}UDの特城の䞀぀ずしお機胜語ではなく内容語を䞻蟞ずするこずが挙げられるしたがっお䟝存関係は内容語どうしあるいは内容語から機胜語の間に限られ原則ずしお機胜語間や機胜語から内容語ぞの䟝存関係は存圚しない\footnote{䟋倖ずしお\dt{flat}や\dt{goeswith}など非統語的関係を衚す際に機胜語間に䟝存関係を匵るこずがある}䌝統的な統語論では機胜語を䞻蟞ずする理論が䞻流であるためこのアノテヌション方匏には批刀もあるがこれにより栌を明瀺する蚀語ずしない蚀語でほが同じ䟝存構造朚で蚘述される述語項関係が盎接の䟝存関係で蚘述されるずいった利点があり蚀語暪断性や工孊的利点を重芖した遞択であるず蚀える兞型的な䟋ずしおコピュラ文の䟝存構造を(\ref{sent:copula}),(\ref{sent:copula_ja}),(\ref{sent:copula_ru})に瀺す英語UDの䟋(\ref{sent:copula})では`teacher'を䞻蟞(\dt{root})ずし`he'ず`teacher'の間に盎接の䟝存関係を付䞎するbe動詞を䞻蟞`he'ず`teacher'はそれぞれbeの䞻語ず補語ず捉える埓来の考え方ず異なるがこれにより日本語(\ref{sent:copula_ja})やコピュラを持たないロシア語(\ref{sent:copula_ru})などず内容語の䟝存構造を共通化できる䟋(\ref{sent:auxiliary})では`Ivan'は助動詞`will'ではなく本動詞`give'の䞻語ずしお\dt{nsubj}が付䞎されおいる前眮詞`to'を䌎う`Anna'は\dt{obl}で盎接`give'を修食し`to'は`Anna'の子ずなるこれにより述語ずの䜍眮関係で栌を衚珟する英語埌眮詞で栌を瀺す日本語(\ref{sent:auxiliary_ja})\footnote{ニ栌の扱いに぀いおは\ref{sub:issue_case}節に瀺す}名詞が栌倉化するロシア語(\ref{sent:auxiliary_ru})の間で内容語間の䟝存関係が同䞀のアノテヌションずなる\footnote{䜆し英語のtoAnnaは前眮詞を䌎うため斜栌(\dt{obl})ずなるなど蚀語間で完党な䞀臎が取れるずは限らない}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]Ivan\&will\&give\&a\&book\&to\&Anna\\\utag{PROPN}\&\utag{AUX}\&\utag{VERB}\&\utag{DET}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{PROPN}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{aux}\deproot{3}{root}\depedge{5}{4}{det}\depedge{3}{5}{obj}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{3}{7}{obl}\depedge{7}{6}{case}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary_ja}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]むノァン\&は\&本\&を\&アンナ\&に\&あげる\&だろう\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=2ex]{7}{1}{nsubj}\depedge{1}{2}{case}\depedge[edgeunitdistance=2ex]{7}{3}{obj}\depedge{3}{4}{case}\depedge{7}{5}{iobj/obl}\depedge{5}{6}{case}\deproot[edgeunitdistance=3.5ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary_ru}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ИваМ\&буЎут\&Ўать\&кМОгу\&АММе\\``Ivan''-NOM\&-FUT\&``give''\&``book''-ACC\&``Anna''-DAT\\\utag{PROPN}\&\utag{AUX}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{PROPN}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{aux}\depedge{3}{4}{obj}\depedge{3}{5}{iobj}\deproot{3}{root}\end{dependency}}\end{exe} \section{日本語UDの定矩} \label{sec:japanese}本節ではUDの基準を日本語に適甚しどのように既存の蚀語資源やツヌルから倉換するかに぀いおの原則を定矩する具䜓的には以䞋のような方針で日本語UDアノテヌションの定矩を䞎える\begin{itemize}\item既存の蚀語資源から倉換芏則に基づいお生成する\item語の単䜍は囜語研短単䜍埌述を基本ずする\itemUDの品詞ラベルはUniDic品詞䜓系からの倉換により定矩する\item䟝存関係ラベルは既存の蚀語資源に含たれる情報から䞀意に決められる範囲で芏定する\end{itemize}UDは蚀語暪断で共通のアノテヌション方匏であるこずから各蚀語の䌝統的なアノテヌションずは異なる郚分が倚い各蚀語の䌝統的なアノテヌションにおいお耇数のラベルで識別される蚀語珟象がUDにおいお1぀のラベルに割り圓おられる堎合UDのアノテヌションでは隠蔜されおしたう可胜性があるたたアノテヌションの基準に慣れおいない初期の段階では人手によるUDのアノテヌションでは䞀貫性を保぀こずが困難になるず予想されるさらにUD本䜓のアノテヌション仕様にたびたび修正が行われるためにある特定の蚀語のUDのアノテヌションを䞀から行うこずは困難であるず考えられるこのような理由から日本語UDの蚀語資源を構築するにあたっおは工数をかけお人手により盎接アノテヌションを行う\footnote{倧芏暡なツリヌバンクの構築には倚倧な幎数を芁する䟋えばBCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}は構築には9幎を芁した}よりも既存のコヌパスの構文構造を掻甚しおUDのアノテヌション方匏に適合するように倉換するこずが珟実的である日本語UDのデヌタの敎備においおは既存の蚀語資源やツヌルの出力からの倉換が可胜であるこず䞀貫性を保持するこずを意識しながら語の単䜍の問題品詞䜓系䟝存構造ラベルの蚭蚈を進めたこれらは頻床・慣習・事埌の扱いやすさに基づいお決定したものでありUD本䜓の基準が曖昧なもの・既存の蚀語資源やツヌルの出力においお情報が足りないもの・倉換プログラムの䞍敎合による問題点を有するこれらの䞀郚に぀いおは4節・5節で蚀及する\subsection{語の定矩}\label{sub:issue_word}日本語は空癜による明瀺的な語の境界を持たないため{\bf語}(word)の区切りはUDのアノテヌションを䜜成する䞊で非垞に重芁である日本語UDを考えるにあたっおそもそも語ずは䜕であるかずいった議論を避けるずずもに既存の蟞曞やコヌパスをUDの圢匏に自動倉換できるこずを目指しUniDic\cite{den:2008:lrec,ogura:2011:book}の語圙項目すなわち『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014-LRE}の囜語研短単䜍を単語ずする方針ずした珟圚のずころ党おの日本語UDの蚀語資源は囜語研短単䜍に基づいたものになっおいる語の単䜍ずしお怜蚎されたものを知るためにBCCWJで芏定されおいる囜語研短単䜍(\ref{sent:SUW})・長単䜍(\ref{sent:LUW})・文節単䜍(\ref{sent:BUNSETSU})の違いをUDのアノテヌションに基づいお付䞎した䟝存構造ずずもに瀺す䟋文䞭単語を囲む角䞞四角は文節単䜍を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:SUW}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜\&・\&北京\&倧\&に\&留孊\&し\&、\&垰囜\&埌\&に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{PUNCT}\&\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{PUNCT}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=5ex]{12}{root}\wordgroup{1}{1}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{8}{*}\wordgroup{1}{9}{11}{*}\wordgroup{1}{12}{12}{*}\depedge{4}{1}{compound}\depedge{4}{2}{punct}\depedge{4}{3}{compound}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{4}{iobj}\depedge{6}{7}{aux}\depedge{6}{8}{punct}\depedge[edgeunitdistance=3.0ex]{12}{6}{advcl}\depedge{10}{9}{compound}\depedge{12}{10}{obl}\depedge{10}{11}{case}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研短単䜍(SUW)BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:LUW}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜・北京倧\&に\&留孊し\&、\&垰囜埌\&に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{PUNCT}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=5ex]{7}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{7}{*}\depedge{3}{1}{iobj}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{punct}\depedge[edgeunitdistance=3.0ex]{7}{3}{advcl}\depedge{7}{5}{obl}\depedge{5}{6}{case}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研長単䜍(LUW)BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:BUNSETSU}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜・北京倧に\&留孊し、\&垰囜埌に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=3ex]{4}{root}\wordgroup{1}{1}{1}{*}\wordgroup{1}{2}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{2}{1}{iobj}\depedge{4}{2}{advcl}\depedge{4}{3}{obl}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研文節単䜍BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\ref{sec:ud}~節で瀺した通りUDの仕様ではアノテヌションの単䜍は{\bf構文的な語}(syntacticword)に基づくずされおいる統語的に独立し音韻的に他の語に䟝存する接語(clitic)たでを語ずしお扱うずしおいるが実務䞊は統語的にも音韻的にも他の語に䟝存する接蟞affix,語の䞀郚ずの区別が問題ずなる空癜による分かち曞きがされず語が単䜍が確立しおいない日本語においおはUDの立堎に則る圢で圢態ず音韻ず統語の境界を芏定するこずは難しい囜語研の単䜍認定においおは「日本囜語倧蟞兞」を兞拠ずし囜語研最小単䜍の同ラベルの1回たでの結合による囜語研短単䜍を芏定しおいる他に音韻的な単䜍ずしお囜語研䞭単䜍を文節盞圓を構成する単䜍ずしお囜語研長単䜍を芏定しおいる囜語研短単䜍は斉䞀性を担保のため単語よりも短い圢態玠を解析の単䜍ずするが接語ず接蟞の区別は掻甚圢ずしお扱うか助動詞ずしお扱うかずしおのみ芏定しおいる䟋えば囜語研短単䜍は意志を衚す「う」「よう」は掻甚圢ずしおいる囜語孊や日本語を察象ずする蚀語孊では蟞曞の線纂そのものが語の単䜍認定に盞圓し語の単䜍に぀いお研究論文ずしお蚀及しおいるものは少ない構造䞻矩的芳点から日本語の構文的な語を芏定した事䟋\cite{Hattori:1960fuzoku,Miyaoka:2015go}がありたたグレゎリヌ・プリングルによるブログ蚘事\footnote{www.cjvlang.com/Spicks/udjapanese.html}は日本語UDにずっお適切な単䜍に぀いお詳现に議論しおいるしかしながらこれらの語の芏定は特定の解析噚や蚀語資源に基づいたものではなく芏定もないために実デヌタを構成するためには非珟実的な議論である蚀語類型論のHaspelmath\cite{Haspelmath:FLin2011}は斉䞀な単䜍を蚀語暪断的に芏定するこずは難しいずしおいるさたざたな議論はあるが理想的な語の単䜍を蟞曞により衚珟するか芏則により衚珟するかその双方をどう組み合わせお衚珟するかに぀いおの方法論は確立できおいないその䞭で我々は囜語研短単䜍をUDにおける語ず定めUDの䟝存構造ラベルに芏定されおいない圢態論的な䟝存構造ラベルに぀いお怜蚎を重ねおきた\subsection{日本語の品詞䜓系}\label{subsec:pos_j}英語版のUniversalPoSをPennTreebankの品詞䜓系ずの写像をもっお定矩しおいるのにならい日本語版はUniDic品詞䜓系(Denetal.2008;小怋他2011)\nocite{den:2008:lrec,ogura:2011:book}ずの察応をもずに品詞を定矩する日本語の自然蚀語凊理で䜿われおいる品詞䜓系ずしおIPADIC,JUMAN,UniDic品詞䜓系があるIPADICの品詞䜓系はIPA品詞䜓系をマルコフモデルに基づき圢態玠解析噚に実装するために適応したものであるたたJUMANの品詞䜓系は益岡・田窪の定矩した䜓系に基づいおいる\cite{masuokatakubo}UniDicは短単䜍・長単䜍の2局の単䜍に察しお異なる品詞䜓系を持っおいる䞀぀の立堎は文脈によらず語圙自䜓がずりうる党おの品詞を衚瀺する立堎で囜語研短単䜍がこれに盞圓する䟋えばサ倉名詞「勉匷」には`名詞-普通名詞-サ倉可胜'ずいう品詞が䞎えられるもう䞀぀の立堎は文脈に基づいお統語的な曖昧性を解消する立堎で囜語研長単䜍がこれに盞圓するUDのアノテヌションにおいおは前埌文脈や係り先の品詞を芋ながら囜語研短単䜍に察しお品詞の曖昧性解消を行う倉換芏則に基づきUD品詞ぞの写像を実珟する\ref{sub:issue_pos}~節で瀺す通り文脈に応じおサ倉名詞や圢状詞語幹を動詞や圢容詞ず刀定するこれらの操䜜を工孊的に実珟するために圢態玠解析甚蟞曞UniDicず圢態玠解析噚MeCabにより短単䜍を認定し長単䜍解析噚Comainuなどにより長単䜍を認定する二重圢態玠解析を行っおいる以䞋では日本語のUD品詞タグの定矩を䟋ずずもに瀺す\begin{description}\item[\utag{ADJ}]圢容詞䟋`倧きい'䜆し非自立ずなるものを陀く圢状詞\footnote{圢容動詞・ナ圢容詞などずも呌ばれる}䟋`\underline{豊か}だ'連䜓詞䟋`倧きな'䜆し\utag{DET}ずなるものを陀く\item[\utag{ADV}]副詞䟋`ゆっくり'UniDic品詞における「副詞」に加えお「名詞-普通名詞-副詞可胜」「名詞-普通名詞-サ倉圢状詞可胜」が副詞的に甚いられる堎合\item[\utag{INTJ}]感動詞䟋`あっ'\item[\utag{NOUN}]UniDic品詞における「名詞-普通名詞」「接尟蟞-名詞的」など䟋`パン'䜆し\utag{VERB},\utag{ADJ}ずしお䜿われるものを陀く\item[\utag{PROPN}]UniDic品詞における「名詞-固有名詞」䟋`北海道'\item[\utag{VERB}]動詞䟋`食べ'䜆し非自立ずなるものを陀く・「名詞-サ倉可胜」で動詞の語尟が付いたもの䟋`\underline{食事}する'\item[\utag{ADP}]栌助詞䟋`が'・副助詞䟋`しか'・係助詞䟋`こそ'\item[\utag{AUX}]助動詞䟋`た'・動詞圢容詞のうち非自立のもの䟋`しお\underline{いる}',`食べ\underline{にくい}'\item[\utag{CCONJ}]接続詞䟋`たた'\item[\utag{DET}]UniDicにおける「連䜓詞」の䞀郚䟋`この'`その'`あんな'`どんな'\item[\utag{NUM}]数詞䟋`5'\item[\utag{PART}]「助詞-終助詞」䟋`か'・「接尟蟞」䟋`衝撃\underline{的}だ'\item[\utag{PRON}]代名詞䟋`私'\item[\utag{SCONJ}]「助詞-接続助詞」䟋`お'・「準䜓助詞」䟋`行く\underline{の}が'\item[\utag{PUNCT}]「補助蚘号-句点読点括匧開括匧閉」\item[\utag{SYM}]UniDicにおいお蚘号・補助蚘号のうち\utag{PUNCT}・\utag{X}以倖のもの\item[\utag{X}]UniDicにおいおは空癜\end{description}これらの品詞タグはUniDicの品詞に加えおBCCWJ長単䜍の甚法・係り先品詞などの情報に基づいた倉換芏則により決定する\subsection{日本語の䟝存構造ずラベル}\label{subsec:dep_j}\ref{subsec:pos_j}~節で瀺した品詞ず同様にUDのラベルに基づいお察応する日本語の珟象ず䟋を蚘述しおいく\begin{exe}\ex\label{sent:nsubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]誰\&が\&あなた\&に\&出匵\&を\&呜じ\&た\&の\&です\&か\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{SCONJ}\&\utag{AUX}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge[edgeunitdistance=2.5ex]{7}{1}{nsubj}\depedge{3}{4}{case}\depedge{7}{3}{iobj}\depedge{5}{6}{case}\depedge{7}{5}{obj}\deproot[edgeunitdistance=4ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\depedge{7}{9}{mark}\depedge{7}{10}{aux}\depedge{7}{11}{aux}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{11}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~80】\end{exe}文節内においおは文節内の自立語䞻蟞ず他の構成芁玠ずの関係を定矩する文節間においおは文節間係り受けを各文節間の自立語䞻蟞に代衚させる(\ref{sent:nsubj})においお\dt{nsubj}は䞻栌で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{case}は名詞ず栌助詞の関係を衚す\dt{obj}は「を」で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{iobj}は「に」で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{aux}は自立語に係る助動詞の関係を衚す\dt{mark}は節暙識を衚しこの䟋では圢匏名詞「の」が節暙識になる\dt{root}は係り受け朚の根を瀺すなお「に」に぀いおは\ref{sub:issue_case}~節で述べる通り間接目的栌盞圓の\dt{iobj}を割り圓おるのか斜栌盞圓の\dt{obl}を割り圓おるのかずいう問題がある\begin{exe}\ex\label{sent:nmod}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]教科\&曞\&の\&指瀺\&の\&ずおり\\\utag{NOUN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\depedge{4}{2}{nmod}\depedge{2}{1}{compound}\depedge{2}{3}{case}\depedge{6}{4}{nmod}\depedge{4}{5}{case}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{6}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~36】\end{exe}(\ref{sent:nmod})においお\dt{nmod}は名詞句䞻蟞から名詞句䞻蟞ぞの修食関係を衚すこの䟋では属栌の栌助詞「の」を介しお\dt{nmod}の関係を結んでいる\dt{compound}は耇合語の内郚構造の関係を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:csubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]高接\&さん\&は\&朝\&早く\&起きる\&の\&が\&苊手\&だ\\\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADV}\&\utag{ADV}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{flat}\depedge[edgeunitdistance=2.0ex]{9}{2}{dislocated}\depedge{2}{3}{case}\depedge{5}{4}{advmod}\depedge{6}{5}{advmod}\deproot[edgeunitdistance=3.0ex]{9}{root}\depedge{6}{7}{mark}\depedge{6}{8}{case}\depedge{9}{6}{csubj}\depedge{9}{10}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{8}{*}\wordgroup{1}{9}{10}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~182】\end{exe}(\ref{sent:csubj})においお\dt{dislocated}は䞻題を衚す「は」が述語に係る堎合に付䞎するが「は」の扱いに぀いおは\ref{sub:issue_case}節においおあらためお議論する\dt{advmod}は連甚修食句に付䞎するなお連甚修食節の堎合には\dt{advcl}を付䞎する\dt{csubj}は節䞻語に付䞎するが基本的には圢匏名詞「の」のみずしおそれ以倖の圢匏名詞「こず」「぀もり」「わけ」「はず」「よう」「もの」などは節䞻語ずみなさず内容語ずしお扱い\dt{nsubj}を付䞎するこの構造に぀いおは\ref{sub:issue_case}~節ず\ref{sub:issue_clause}節で詳しく述べる\begin{exe}\ex\label{sent:obl}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]鈎朚\&さん\&は\&かばん\&から\&曞類\&を\&取り出し\&た\\\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=2.2ex]{8}{2}{nsubj}\depedge{2}{1}{flat}\depedge{2}{3}{case}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{8}{4}{obl}\depedge{4}{5}{case}\depedge{8}{6}{obj}\depedge{6}{7}{case}\deproot[edgeunitdistance=3.2ex]{8}{root}\depedge{8}{9}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{7}{*}\wordgroup{1}{8}{9}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~17】\end{exe}(\ref{sent:obl})においお\dt{obl}は䞻語・目的語以倖の栌芁玠ず述語の関係に付䞎する\begin{exe}\ex\label{sent:ccomp}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]私\&の\&å®¶\&に\&来る\&ず\&蚀っ\&た\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nmod}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{3}{iobj}\depedge{7}{5}{ccomp}\depedge{5}{6}{case}\deproot{7}{root}\depedge{8}{7}{aux}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~185】\end{exe}(\ref{sent:ccomp})においお\dt{ccomp}は補文を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:amod}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]小さな\&力士\&が\&倧きな\&力士\&を\&぀りだし\&た\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{amod}\depedge{2}{3}{case}\depedge[edgeunitdistance=1.7ex]{7}{2}{nsubj}\depedge{7}{5}{obj}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{5}{4}{amod}\depedge{5}{6}{case}\deproot[edgeunitdistance=3ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~99䞀郚修正】\end{exe}(\ref{sent:amod})においお\dt{amod}は連䜓詞による連䜓修食を衚す連䜓詞は\dt{amod}を付䞎するが圢容詞は圢容詞節を衚す\dt{acl}を付䞎する詳しくは\ref{sub:issue_clause}節で述べる\pagebreak\begin{exe}\ex\label{sent:fixed}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]私\&に\&ずっ\&お\&倧きな\&励み\&ず\&なっ\&た\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&{AUX}\\\end{deptext}\depedge{8}{6}{obl}\depedge[edgeunitdistance=1.6ex]{8}{1}{obl}\depedge{2}{3}{fixed}\depedge{2}{4}{fixed}\depedge{1}{2}{case}\depedge{6}{7}{case}\depedge{6}{5}{amod}\deproot{8}{root}\depedge{8}{9}{aux}\wordgroup{1}{1}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{7}{*}\wordgroup{1}{8}{9}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~81】\end{exe}(\ref{sent:fixed})においお\dt{fixed}は耇単語機胜衚珟を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:appos}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]米囜\&の\&党囜\&箙\&「\&USA\&TODAY\&」\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\&\utag{PROPN}\&\utag{PROPN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{1}{nmod}\depedge{4}{3}{compound}\depedge{4}{7}{appos}\depedge{7}{6}{compound}\depedge{7}{5}{punct}\depedge{7}{8}{punct}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【BCCWJ:PN1d\_00005】\end{exe}(\ref{sent:appos})においお\dt{appos}は同栌を衚す句読点のほか括匧などにも\dt{punct}を甚いる䞊列に関連するラベル\dt{conj},\dt{cc}に぀いおは\ref{sec:coord}節で述べる\dt{goeswith},\dt{vocative},\dt{list},\dt{parataxis},\dt{dep},\dt{clf},\dt{nummod},\dt{orphan}などに぀いおは割愛するその他日本語で甚いおいないラベルずしお\dt{xcomp},\dt{expl}がある \section{日本語特有の論点} \label{sec:discussion}\ref{sec:japanese}~節で述べた日本語の品詞タグや䟝存関係ラベルを定矩するにあたっおUDの基準を日本語の蚀語珟象に察しお適甚する際に問題ずなった日本語特有の論点に぀いお本節で瀺すたず品詞タグ付䞎における䟋倖凊理に぀いお\ref{sub:issue_pos}節で述べる次に\ref{sub:issue_case}~節では英語等の蚀語ず異なり構文䞊での区別が難しい「栌」に関連する䟝存関係ラベルの付䞎の方法に぀いお述べる\ref{sub:issue_clause}節では同様に䟝存関係ラベルの決定のために重芁ずなる「節」ず「句」の区別に関する議論をたずめるなお本節で議論する蚀語珟象はUD本䜓では明確な定矩が䞎えられおおらず他蚀語での仕様を網矅的に調査するこずも珟実的でないため蚀語暪断的な䞀貫性を保蚌する定矩を䞎えるものではない倉換元デヌタの情報日本語コヌパス内での䞀貫性応甚での䜿いやすさを基準に決められた定矩ず蚀える将来課題ずしお同じ問題を持぀他の蚀語ずの察照を進め蚀語間の䞀貫性を高めるように定矩を修正しおいきたい\subsection{品詞タグの䟋倖凊理}\label{sub:issue_pos}UDにおける品詞タグは構文の䞭での甚法よりも語圙に基づく傟向があり䟋えば英語の動詞がto䞍定詞や動名詞の圢で名詞ずしお振る舞う堎合には\utag{NOUN}でなく\utag{VERB}が甚いられるこれず同様に圢容詞を名詞化する「さ」や名詞を圢容詞化する「っぜい」などの品詞を倉換する接尟蟞を䌎う堎合も(\ref{sent:sa})の䟋に瀺す通り内容語の品詞タグをそのたた甚いるこずずする\begin{exe}\ex\label{sent:sa}\begin{xlist}\ex\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]かわい\&さ\\\utag{ADJ}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\ex\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]動物\&っぜい\\\utag{NOUN}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\end{xlist}\end{exe}この方針により囜語研短単䜍の品詞の分類をUDの品詞タグに倉換するのが原則ずなるがその際に䟋倖的に考慮するこずずなった事象を以䞋に瀺す\subsubsection{サ倉動詞ず圢状詞}UniDic短単䜍の品詞䜓系ではサ倉動詞の語幹は「名詞-サ倉可胜」圢状詞の語幹は「名詞-圢状詞可胜」ずいう品詞になっおおりそれらが名詞ずしお扱われる堎合ず同䞀であるこれらをすべお名詞ずしお扱うこずは甚蚀を栞ずした情報抜出や構文解析たた他の蚀語ずのマッピングの際に支障ずなるず考え日本語UDの品詞タグではこれらが甚蚀ずしお振る舞う堎合にはそれぞれ\utag{VERB}\utag{ADJ}のタグを付䞎し(\ref{sent:suru})のような構造ずした\begin{exe}\ex\label{sent:suru}\begin{xlist}\ex\label{sent:surua}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]勉匷\&する\\\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{aux}\\\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\ex\label{sent:surub}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]綺麗\&だ\\\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{aux}\\\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\end{xlist}\end{exe}サ倉動詞は栌芁玠や副詞などの芁玠を子に持぀ように圓然ながら甚蚀ずしおの振る舞いをするため「勉匷する」を䞀語の\utag{VERB}ずしたいずころであるしかし語の単䜍を囜語研短単䜍で統䞀するずいう原則を重芖しお内容語である「勉匷」の郚分が\utag{VERB}ずなる(\ref{sent:surua})の構造を採甚するに至った圢状詞に぀いおも同様に(\ref{sent:surub})のようになる\subsubsection{補助甚蚀}「走っお\underline{いる}」「来お\underline{ほしい}」の䞋線郚のように䞀般に独立の文節を構成しない補助甚蚀があるこれらはUniDicにおいおそれぞれ「動詞-非自立可胜」「圢容詞-非自立可胜」ずいった品詞が割り圓おられおおり短単䜍の品詞ずしおは「私が\underline{いる}」「飲み物が\underline{ほしい}」のような本動詞の堎合ずの区別がない日本語UDにおいおは䟝存構造を単玔にするためにも補助甚蚀は子芁玠を持たない機胜語ずみなしたいそのために\ref{subsec:pos_j}~節で瀺した二重圢態玠解析の結果を参照し自立語でないずみなされた甚蚀には「た」「れる」などの助動詞ず同じ品詞タグ\utag{AUX}を割り圓おた(\ref{sent:iru})の䟋では「いる」を機胜語\utag{AUX}ずみなし「ずっず」の係り先が「いる」である係り受けに亀差が生じるずいう可胜性を排陀した\begin{exe}\ex\label{sent:iru}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ずっず\&パン\&を\&食べ\&お\&いる\\\utag{ADV}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{4}{1}{advmod}\depedge{4}{2}{obj}\depedge{2}{3}{case}\depedge{4}{5}{mark}\depedge{4}{6}{aux}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{1}{*}\wordgroup{1}{2}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{6}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋】\end{exe}\subsection{栌のラベルず助詞の分類}\label{sub:issue_case}日本語の句構造朚に基づくツリヌバンク\cite{Tanaka-2013}は栌関係や節構造などUDに必芁な統語関係の情報を含んでいるしかしながら日本語の文節に基づく係り受けツリヌバンクの倚くは栌関係などの統語関係の情報を含んでいない以䞋ではその制玄の䞋で䞀貫性を持぀䟝存関係ラベルを割り圓おるための蚭蚈を瀺す䞻語や目的語が語順によっお定たる英語ず異なり日本語は語順に自由床があり栌助詞などが栌を瀺唆するものの係助詞・副助詞が甚いられたり助詞が省略されたりする堎合があり栌芁玠に\dt{nsubj},\dt{obj},\dt{iobj}ずいった䟝存関係ラベルを割り圓おるのは簡単ではないUDは構文の情報を付䞎するものであっお深局栌など意味的なものをを瀺すものではないずいう立堎から原則ずしお栌助詞「が」を持぀名詞句に\dt{nsubj}を付䞎し栌助詞「を」を持぀名詞句に\dt{obj}を付䞎する栌助詞「に」の扱いは特に難しい\ref{fig:casemarker-4}に瀺す䟋のように時間や堎所を衚す堎合この䟋では時間栌「朝」には\dt{obl}その他の堎合䟋では目暙栌「孊校」に\dt{iobj}を付䞎すれば他の蚀語ずラベルを近づけるこずができるしかしながら文節に基づく係り受けアノテヌションから倉換する際にはこれらの深局栌の情報が䞍足しおいるこのため埌で述べるUDJapanese-GSDおよびUDJapanese-PUDにおいおは栌助詞「に」を持぀名詞句党おに\dt{iobj}を付䞎しUDJapanese-BCCWJおよびUDJapanese-Modernにおいおは\dt{obl}を付䞎しおいる述語項構造アノテヌションBCCWJ-PASなどが手に入る堎合には参照しお区別する必芁があるが珟圚は行っおいない\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-4}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]朝\&に\&å­Šæ ¡\&に\&行く\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot{5}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{5}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{1}{obl}\depedge{5}{3}{iobj}\depedge[edgebelow,textonlylabel,arcedge,edgestyle={denselydotted}]{5}{3}{GOAL}\depedge[edgebelow,textonlylabel,arcedge,edgestyle={denselydotted}]{5}{1}{TEMPORAL}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋「に」の曖昧性】\end{exe}UDの栌に関する䟝存関係ラベルは䞻語優勢蚀語向けに蚭蚈されおおり日本語のような䞻題優勢蚀語のアノテヌションを蚭蚈する際には困難が生じおいる䞻題に盞圓するラベルは蚭定されおおらず提題の係助詞「は」に぀いおは扱いが難しいUDでは「䞻題は\dt{disclocated}を付䞎するただし、それが䞻語でもある堎合は\dt{nsubj}を付䞎する」ず定矩されおいるこれを行うためには「は」の甚法を区別する必芁があり構文情報だけからはラベルを決定するこずができないそこで珟圚は以䞋のように近䌌的に「は」のラベルを付䞎しおいる(\ref{fig:casemarker-6})のように「が」が含たれず「は」が含たれる文に察しおは「は」が぀く名詞句を䞻語盞圓ずし䟝存関係ラベル\dt{nsubj}を付䞎する(\ref{fig:casemarker-3})のように䞀぀の文節の䞭に「に」ず「は」が共起する名詞句は栌助詞「に」の甚法に基づいお䟝存関係ラベル\dt{iobj}か\dt{obl}を付䞎する(\ref{fig:casemarker-2})のように「は」ず「が」が同じ述語に係り受け関係を持぀堎合には「は」が぀く名詞句に䟝存関係ラベル\dt{dislocated}を付䞎するしかし\dt{dislocated}は英語においお䞻題を明瀺する分裂文に甚いられるものである(\ref{fig:casemarker-5})のように日本語における分裂文には䟝存関係ラベル\dt{dislocated}が甚いられず節䞻語を衚す\dt{csubj}が甚いられる日本語の「は」は英語等においお\dt{dislocated}で衚される䟝存関係ずは異なるず考えられよりよいアノテヌション方法は怜蚎課題ずしお残されおいるなお「は」以倖の係助詞に぀いおは\dt{nsubj}ずの区別が求められおいないので栌が明瀺されおいる堎合䟋えば「にも」はそれに盞圓する䟝存関係ラベルを明瀺されおいない堎合には\dt{obl}を付䞎する\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-6}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&は\&きびしい\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{3}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋提題の「は」】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-3}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&に\&は\&問題\&が\&やさしい\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{6}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{1}{3}{case}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{1}{iobj}\depedge{6}{4}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋「には」】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]象\&は\&錻\&が\&長い\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{5}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{5}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{1}{dislocated}\depedge{5}{3}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋象錻文】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-5}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=0.3cm,rowsep=.1ex]錻\&が\&長い\&の\&は\&象\&だ\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{mark}\depedge{3}{5}{case}\depedge{6}{3}{csubj}\depedge{6}{7}{aux}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{7}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋分裂文】\end{exe}\subsection{句ず節の区別}\label{sub:issue_clause}UDでは衚\ref{tbl:clause}に瀺すように子芁玠が語・句の堎合ず節の堎合ずで異なる䟝存関係ラベルを付䞎する蚭蚈になっおいる\begin{table}[b]\caption{UDの統語関係ラベルにおける語・句ず節の区別}\label{tbl:clause}\input{01table03.tex}\end{table}英語においおは圢容詞句名詞修食句(\ref{fig:amod_acl_en1})ず圢容詞節名詞修食節(\ref{fig:amod_acl_en2})ず明確に区別できる圢容詞は限定甚法に限っお\dt{amod}ずしおいるなお圢容詞の叙述甚法に぀いおは\dt{cop}が割り圓おられる\begin{exe}\ex\begin{xlist}\ex\label{fig:amod_acl_en1}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]Sam\&eats\&red\&meat\&.\\\utag{PROPN}\&\utag{VERB}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{nsubj}\depedge{2}{4}{obj}\depedge{4}{3}{amod}\deproot{2}{root}\depedge{2}{5}{punct}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【UD英語での圢容詞の限定的甚法\dt{amod}】\ex\label{fig:amod_acl_en2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]I\&have\&a\&parakeet\&named\&cookie\&.\\\utag{PRON}\&\utag{VERB}\&\utag{DET}\&\utag{NOUN}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\deproot{2}{root}\depedge{2}{1}{nsubj}\depedge{2}{4}{obj}\depedge{4}{5}{acl}\depedge{5}{6}{xcomp}\depedge{4}{3}{det}\depedge{2}{7}{punct}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【UD英語での関係節\dt{acl}】\end{xlist}\end{exe}しかしながら日本語においおは句ず節の境界が曖昧であり明瀺的に区別しお䟝存関係ラベルを付䞎するこずが難しい䟋えば英語での圢容詞の限定的甚法にはラベル\dt{amod}が甚いられるが察応する日本語の珟象は甚蚀の連䜓圢を甚いた䜓蚀の修食である(\ref{fig:acl})は限定的甚法の䟋ではあるが(\ref{fig:acl1})は「タむトル」が「長い」ずいう䞻述の関係があり述語的甚法でもある䞀方(\ref{fig:acl2})は「車」ず「長い」の間に䞻述の関係がないために述語的甚法ではない\begin{exe}\ex\label{fig:acl}\begin{xlist}\ex\label{fig:acl1}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]タむトル\&の\&長い\&本\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{obl}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋連䜓修食節\dt{acl}】\ex\label{fig:acl2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]車\&の\&長い\&列\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{1}{nmod}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋連䜓修食節\dt{acl}】\end{xlist}\end{exe}このように日本語においお限定的甚法か述語的甚法かの二分化が難しく英語での圢容詞の限定的甚法(\dt{amod})ず関係節(\dt{acl})に盞圓する連䜓修食節ずの区別が明確でないアノテヌションの揺れを防ぐために圢容詞・圢状詞が栌を䌎わずに名詞を修食する堎合も含めお垞に\dt{acl}を甚いるこずずし\dt{amod}は連䜓詞による修食に限定した日本語の句ず節の境界は述語盞圓句が項を取りうるか吊かの芳点から識別するこずができるがれロ䞻語の問題もあり「節でない」こずを刀定するこずは困難であるそこで項を取りうるか吊かの芳点に基づく句か節かの刀定を攟棄し時制を垯びるかどうかの芳点\cite{有田2007}に基づき圢容詞・圢状詞においおは䞀埋に\dt{acl}ずし連䜓詞においおは䞀埋に\dt{amod}ずした同様に述語の連甚圢が他の甚蚀を修食する堎合も\dt{advcl}ずしお\dt{advmod}は副詞による修食の堎合のみに甚いた\begin{exe}\ex\label{fig:csubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&が\&怒ら\&れる\&の\&は\&いや\&だ\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\deproot{8}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{4}{aux}\depedge{3}{5}{mark}\depedge{3}{6}{case}\depedge{7}{3}{csubj}\depedge{7}{8}{aux}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋節䞻語\dt{csubj}】\end{exe}節䞻語は圢匏名詞「の」に察しお定矩する(\ref{fig:csubj})のように圢匏名詞「の」の品詞タグは\utag{SCONJ}ずし「の」を含む文節の䞻蟞「怒ら」の䟝存関係ラベルを\dt{csubj}ずする\begin{exe}\ex\label{fig:ccomp}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]きれい\&だ\&ず\&思う\\\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{aux}\depedge{1}{3}{case}\depedge{4}{1}{ccomp}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋節䞻語\dt{ccomp}】\end{exe}節補語は匕甚の「ず」に察しお定矩する(\ref{fig:ccomp})のように匕甚の「ず」には品詞タグ\utag{ADP}を付䞎し「ず」を含む文節の䞻蟞「きれい」の䟝存関係ラベルを\dt{ccomp}ずする\dt{xcomp}は䞻語が明瀺的に出珟する蚀語においお䞻語はないが述語性補語や節補語のみが出珟する(openclausalcomplement)ような動詞もしくは圢容詞に察しお定矩されるしかし日本語においおはそもそも䞻語が明瀺的に出珟しないためラベル\dt{xcomp}を甚いない \section{䞊列構造} \label{sec:coord}本節では䞊列構造の扱いに぀いお議論する日本語は文節単䜍に関係を付䞎した堎合には同栌や倒眮などの構造を陀いお垞に䞻蟞が右に来る構造䞻蟞埌眮になるしかしながらUDでは䞊列構造では垞に巊偎の芁玠が䞻蟞ずなるず芏定しおいる以䞋では名詞句の䞊列動詞句の䞊列に぀いおUDの原則ず珟圚の日本語コヌパスにおける構造を比范し今埌の方向性を述べる\subsection{名詞句の䞊列}\label{subsec:nominal}UDにおける䞊列構造のアノテヌションは巊偎が䞻蟞ずなる(\ref{sent:cc})はその原則に忠実に埓っお他の蚀語ず同様のアノテヌションを付䞎した時の名詞句䞊列の䟋である\begin{exe}\ex\label{sent:cc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]かわいい\&犬\&ず\&猫\&が\&走る\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{CCONJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{acl}\depedge{2}{4}{conj}\depedge{4}{3}{cc}\depedge{2}{5}{case}\depedge{6}{2}{nsubj}\wordgroup{1}{1}{1}{kawaii}\wordgroup{1}{2}{3}{inu}\wordgroup{1}{4}{5}{neko}\wordgroup{1}{6}{6}{}\deproot{6}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋UDの原則に基づく】\end{exe}\dt{conj}は䞊列構造の構成芁玠を結ぶ䟝存関係ラベルである\dt{cc}は接続衚珟「ず」品詞\utag{CCONJ}ずその右偎の構成芁玠ずを結ぶ仕様になっおいるこのように(\ref{sent:cc})の構造は日本語孊の研究者にずっおも構文解析噚を実装する研究者にずっおも非垞に扱いにくい構造であるず考えるそこで日本語のUDコヌパスを䜜成するにあたっお「犬ず猫」の関係は䞊列構造ではなく名詞句の修食の䞀圢態ずしお取り扱うこずずし(\ref{sent:nmodcc})の圢のアノテヌションを定めたここでは「ず」は名詞句「犬」の\dt{case}ずし「犬」ず「猫」は\dt{nmod}で結ぶこれによっお䞊列構造の巊偎を䞻蟞ずするUDの芏定に起因する問題を回避した\pagebreak\begin{exe}\ex\label{sent:nmodcc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]かわいい\&犬\&ず\&猫\&が\&走る\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\depedge{4}{1}{acl}\depedge{4}{2}{nmod}\depedge{2}{3}{case}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{4}{nsubj}\wordgroup{1}{1}{1}{kawaii}\wordgroup{1}{2}{3}{inu}\wordgroup{1}{4}{5}{neko}\wordgroup{1}{6}{6}{}\deproot{6}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋(\ref{sent:cc})珟圚のコヌパスの察凊方法】\end{exe}\subsection{動詞句の䞊列}\label{subsec:verbal}次に動詞句の䞊列に぀いお瀺す(\ref{sent:verbalcc})は「お」で接続する動詞句を巊䞻蟞原則に準じた䞊列構造ずしお衚珟したものである「食べ」ず「走る」を䞊列ずみなし巊構成芁玠を䞻蟞ずするず「食べ」が\dt{acl}により「人」に関連づけられる結果連䜓圢でない掻甚圢であるのに名詞を連䜓修食する\footnote{連䜓圢であるこずは子芁玠である最右の䞊列の構成芁玠を蟿らないず把握できない}ずいう極めお䞍自然な構造ずなる\begin{exe}\ex\label{sent:verbalcc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]食べ\&お\&走る\&人\\\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\depedge{1}{3}{conj}\depedge{4}{1}{acl}\wordgroup{1}{1}{2}{}\wordgroup{1}{3}{3}{}\wordgroup{1}{4}{4}{}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋UDの原則】\end{exe}䞀方珟圚公開されおいる日本語UDのコヌパスでは基本的には述語間の関係に䞊列構造を認定しない(\ref{sent:verbalcc})の䟋のように「お」による接続を動詞の䞊列(\dt{conj})ずみなさず副詞句による修食(\dt{advcl})ずしおいる(\ref{sent:verbalcc3})この解釈により巊偎が䞻蟞ずなる構造を回避しより盎感的な構造ずしおいる英語の`eatandrun'ず異なり日本語では二぀の動詞が文法的に䞊列ではなく文法的芁玠は右偎の語だけに付䞎されるずいう性質がありさらに「お」で結ばれる関係は時間的な前埌関係などもあり埓属接続ずみなすのが自然であるこずからもこの察応は劥圓だず考えおいる\begin{exe}\ex\label{sent:verbalcc3}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}食べ\&お\&走る\&人\\\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}[rowsep=.1ex]\depedge{1}{2}{mark}\depedge{3}{1}{advcl}\depedge{4}{3}{acl}\wordgroup{1}{1}{2}{}\wordgroup{1}{3}{3}{}\wordgroup{1}{4}{4}{}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋(\ref{sent:verbalcc})珟圚のコヌパスの察凊方法】\end{exe}\subsection{䞊列構造に察する今埌の方向性}以䞊で芋た通りUDの䞊列構造の原則に基づいた日本語のアノテヌションは日本語孊的にも解析噚の芳点からも䞍自然な構造になっおしたう右偎の芁玠を䞻蟞ずする䞊列構造を含むコヌパスは怜蚌噚によりUDずしお劥圓でないずされおsharedtaskでの利甚ができなくなるため珟状で公開しおいる日本語のUDコヌパスでは名詞句の䞊列は名詞句の修食(\dt{nmod})動詞句の䞊列は埓属的な副詞節の修食(\dt{advcl})であるずみなしおこの問題を回避しおいるしかしながら蚀語暪断凊理や蚀語察照比范などの際に他蚀語ず察応する䞊列構造を\dt{conj}や\dt{cc}により衚珟をしたいずいう芁望もある同じ問題が韓囜語にも起きおいるこずが指摘されおおり\cite{Chun-2018}韓囜語UDのコヌパスが公匏のものず右䞻蟞型の非公匏なものに分化しおしたっおいる日本語ず韓囜語には文法的に類䌌点が倚いにもかかわらずUDコヌパスの構造がたったく䞀臎しないずいった問題が起きおいる巊䞻蟞原則は日本語や韓囜語のような䞻蟞埌眮の蚀語に぀いおは適甚が困難であるために䞊列構造における構造の方向性を蚀語ごずに定矩できるようUD本䜓のコミュニティに働きかけおいきたい \section{日本語の蚀語資源ず倉換} \label{sec:resources}\subsection{公開䞭のコヌパス}\label{subsec:resources}衚~\ref{tab:status}に瀺すずおり日本語UDのコヌパスずしお以䞋の資源が公開されおいる{\bfUDJapanese-BCCWJ}はBCCWJ\cite{Maekawa-2014-LRE}を倉換したUDのコヌパスである元のコヌパスは玄1億語からなり短単䜍・長単䜍・文節の人手のアノテヌションが付䞎されおいるさらに文節単䜍の䞊列構造を瀺すBCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}をUDぞの倉換の際に䜿甚しおいる\begin{table}[b]\caption{公開䞭の日本語UDのコヌパス}\label{tab:status}\input{01table04.tex}\end{table}{\bfUDJapanese-KTC}\cite{UD-LREC-2016}はNIIずNTTの共同研究により構築した句構造ツリヌバンクをもずに敎備されおいるKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}を倉換したUDのコヌパスである元テキストは京郜倧孊テキストコヌパス\cite{KTC}ず同じ毎日新聞の1995幎版であるKaedeTreebankは囜語研長単䜍ずUniDic品詞䜓系による圢態論情報が付䞎されおいる2018幎5月珟圚UDのVersion1の基準に準拠しおいる今埌UDのVersion2に察応させる予定である{\bfUDJapanese-GSD}はWikipediaの蚘事からなる以前はUDJapaneseず呌ばれおいたデヌタでCoNLL-2017のSharedTask\cite{zeman2017conll}に提䟛されたUDJapanese-GSDのVersion2.0の単語分かち曞きはIBMの単語分割噚により自動分割されたもので頻出する誀りを蟞曞登録により修正したものである文節単䜍の係り受け解析噚\cite{Kanayama00}による出力を機胜語に察する䞻蟞芏則\cite{UD-LREC-2016}により倉換したものである2017幎11月に公開されたVersion2.1では人手によるアノテヌションずの重ね合わせを行い修正を斜した{\bfUDJapanese-PUD}はUDJapanese-GSDず同様の方法で䜜成されたもので他蚀語ずの䞊行コヌパスずなっおいる{\bfUDJapanese-Modern}\cite{UD-Modern-JADH-2017}は『日本語歎史コヌパス明治・倧正線I雑誌』(CHJ)\cite{Ogiso-2017}に基づいたデヌタであるCHJはBCCWJず同じ基準で圢態論情報が付䞎されおいるたたBCCWJ-DepParaず同じ基準で文節係り受けず䞊列構造が付䞎されおおりUDJapanese-BCCWJず同じ手法でUD基準に倉換されるBCCWJずの違いずしお文語衚珟に基づく倒眮「曰」などや述語性連䜓詞「所謂」などがある\subsection{既存のコヌパスからの倉換}\label{subsec:conversion}\ref{sec:japanese}~節で述べた通りUDの日本語コヌパスは既存のコヌパスからの倉換に基づいお構成する構文構造のコヌパスにはBCCWJ\cite{Maekawa-2014-LRE}に文節ごずの係り受け関係を付䞎したBCCWJ-DepPara~\cite{Asahara-2016-ALR12}囜語研短単䜍による単語の単䜍で係り受けを付䞎したコヌパス\cite{mori:2014:lrec}句構造のツリヌバンク(TanakaandNagata2013;吉本呚小菅倧友Butler2013;ç”°äž­ä»–2014)\nocite{Tanaka-2013,yoshimoto:2013:NLP,ttanaka:2014:NLP}などがあるUD自䜓は単語単䜍の係り受け構造であるが節の単䜍を考慮しお䟝存関係ラベル\dt{acl},\dt{advcl},\dt{csubj},\dt{ccomp}などを付䞎したり䞊列構造のスコヌプを定めたりする必芁があるたた日本語のUDVersion2では栌関係のラベルは栌助詞により衚瀺された衚局栌で付䞎する栌助詞「が」=\dt{nsubj},栌助詞「を」=\dt{obj}などが係助詞「は」「も」などにより栌助詞が珟れない堎合や栌助詞「に」で衚瀺された芁玠を必須芁玠ずしお扱うか(\dt{iobj})随意的芁玠ずしお扱うか(\dt{obl})などの区別を行う必芁があるこずから倉換元のコヌパスに述語項構造の情報が含たれおいるこずが望たしいたた栌関係を含め内容語間の係り受け関係を捉える䞊では栌助詞や助動詞盞圓の機胜衚珟の耇合語「に察しお」「かもしれない」などをたずめお扱った方が郜合が良く囜語研長単䜍を導入するこずによりこれらを䞀぀の機胜語ずしお扱うこずも有甚であるこれらの情報を持぀コヌパスずしお句構造ツリヌバンクKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}ず文節係り受けのコヌパスBCCWJからの倉換によりUDのコヌパスが構築されおいる衚~\ref{tab:ud-conversion}に倉換元ずしたコヌパスずUD倉換に必芁な情報の取埗源を瀺しおいる以䞋にそれぞれの倉換の抂芁に぀いお述べる\begin{table}[b]\caption{既存コヌパスずUDぞの倉換に利甚した情報}\label{tab:ud-conversion}\input{01table05.tex}\end{table}\subsubsection{句構造ツリヌバンクからの倉換}日本語句構造ツリヌバンクKaedeTreebankでは圢態玠や句構造などのアノテヌションを参照するこずで日本語UDぞの自動倉換を行っおいるツリヌバンクは2分朚で構成されおおり巊右のラベルを比范しお䞻蟞を決定する䞻蟞芏則を各分岐に順に適甚するこずで䟝存構造に倉換するこずができる䟝存構造ラベルも各分岐ごずに呚蟺のノヌドのラベルを参照する倉換芏則を適甚するこずにより決定するこずができる図~\ref{fig:ex-constituent}は倉換元ずなる句構造の䟋を瀺しおいる図䞭の品詞ラベルは元のツリヌバンクのものからUPOSに倉換した結果ずなっおいる䞻蟞を決定するために各分岐に察しお衚\ref{tab:ex-headrule}で瀺されるような䞻蟞芏則を適甚しおいく䟋えば巊端の二぀のノヌド「赀い/\utag{ADJ}」「車/\utag{NOUN}」に関しお図䞭の芏則に埓うず「\utag{ADJ}」「\utag{NOUN}」の品詞の䞊びは右偎のノヌド「\utag{NOUN}」が䞻蟞ずなる図~\ref{fig:ex-constituent}で四角で囲たれたノヌドは各分岐における䞻蟞を瀺しおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f1.eps}\end{center}\caption{倉換元になる句構造の䟋}\label{fig:ex-constituent}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{䞻蟞芏則の䟋}\label{tab:ex-headrule}\input{01table06.tex}\end{table}䟝存関係ラベルの決定に぀いおは葉ノヌドにあたる語は党お䜕らかの䟝存関係ラベルを介しお他の語あるいは根ノヌドを䞻蟞ずしおいるので各葉ノヌドを起点ずしお行っおいくある葉ノヌドをDずするずDからDの䞻蟞ぞの䟝存関係ラベルはDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHのようにそれぞれのラベルを参照した芏則により決定できる衚\ref{tab:ex-deplabelrule}は䟝存関係ラベル倉換芏則の䟋を瀺す図䞭の$\ast$は任意のラベルを衚しおいる䟋えば葉ノヌド「車」ず䞻蟞ずの䟝存関係ラベルを決定する堎合ノヌドDは「車/\utag{NOUN}」Cは「\utag{VP}」Lは「\utag{PP-OBJ}」Hは「\utag{SCONJ}」であるので衚\ref{tab:ex-deplabelrule}の3行目のルヌルから䟝存構造ラベルは\dt{obj}に決定される\begin{table}[b]\caption{䟝存関係ラベル倉換芏則の䟋}\label{tab:ex-deplabelrule}\input{01table07.tex}\end{table}図\ref{fig:ex-converted-results}は図\ref{fig:ex-constituent}の句構造に䞻蟞芏則䟝存関係ラベル倉換芏則を適甚しお倉換されたUDの䟋を瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f2.eps}\end{center}\caption{自動倉換された䟝存構造の䟋}\label{fig:ex-converted-results}\end{figure}\subsubsection{文節係り受けコヌパスからの倉換}BCCWJにアノテヌションされた文節係り受け情報に基づいたUD互換の蚀語資源を敎備したここでは抂略を述べるにずどめ詳现は文献\cite{Omura-WS-2017,Omura-WS-2018}を参照されたい最初にBCCWJのUniDic品詞䜓系からUPOSぞの倉換が行われるUPOSに倉換するにあたっおは前述したようにサ倉や圢状詞のように甚法に応じた品詞を必芁ずする堎合があるため短単䜍の品詞だけでなく長単䜍の品詞も参照しお倉換する衚\ref{fig:ex-bccwj-segment}の䟋では「所持」ずいう短単䜍に぀いお品詞は「名詞-普通名詞-サ倉可胜」でありUPOSでは\utag{NOUN}\utag{VERB}のいずれかに倉換される可胜性があるが長単䜍「所持し」の品詞「動詞-䞀般」を参照しお\utag{VERB}に倉換される\begin{table}[b]\caption{囜語研短単䜍長単䜍文節による分割ずUPOSの䟋}\label{fig:ex-bccwj-segment}\input{01table08.tex}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f3.eps}\end{center}\caption{文節係り受けず倉換されたUDの䟋色の぀いおいる単語が文節の䞻蟞である}\label{fig:ex-bunsetsu-dep}\end{figure}単語間の䟝存構造はBCCWJ-DepParaが持぀文節間の係り受け情報を倉換するこずにより構築する\ref{subsec:dep_j}節で述べたように文節間係り受けを各文節間の自立語䞻蟞に代衚させるため文節間の係り受けは各文節の䞻蟞ずなる語の間の䟝存関係に倉換される図\ref{fig:ex-bunsetsu-dep}では2぀の文節「自動車を」「所持しおいる」間の係り受け関係がそれぞれの文節の䞻蟞である短単䜍「車」「所持」の間の䟝存関係に倉換されおいるたた文節内においおは文節内の自立語䞻蟞ず他の構成芁玠ずの関係を定矩するため原則ずしお各文節の䞻蟞にそれ以倖の語が䟝存関係をも぀構造に倉換される䟋えば図の「所持しおいる」の文節においおは「し」「お」「いる」の各語が文節の䞻蟞「所持」ずの䟝存関係を持぀構造に倉換されおいる䟝存関係ラベルは䞻蟞の品詞タグ短単䜍品詞修食語の品詞タグ栌助詞の情報などを参照した倉換芏則により倉換される䟋えば䞻蟞「所持」ず修食語「車」の間の䟝存関係ラベルは䞻蟞の品詞タグ\utag{VERB}修食語の品詞タグ\utag{NOUN}述語「所持」に察しお項「車」が栌助詞「を」ず䟝存関係があるこずの組み合わせにより\dt{obj}に倉換される以䞊自動倉換の䟋に぀いお述べたがここで挙げたコヌパス以倖でUDぞの自動倉換に必芁な党おの情報を網矅した蚀語資源は珟時点では非垞に限定的であるず考えられる既存コヌパスのアノテヌションを掻甚した自動倉換をベヌスにし぀぀\ref{sec:discussion}~節で挙げたような課題に察応するため新たなアノテヌションスキヌムに関するさらなる議論が必芁である\subsection{ラむセンスず著䜜暩}UDJapanese-BCCWJはBCCWJコヌパスから倉換されたものでアノテヌションはオヌプンラむセンスずしお提䟛されおいるしかし原文の入手にはDVDの賌入が必芁\footnote{https://pj.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}UDJapanese-KTCは毎日新聞95幎版に基づいおいるために利甚には毎日新聞デヌタを賌入する必芁があるアノテヌション自䜓はクリ゚むティブコモンズラむセンス(CCBY-SA)で利甚可胜である\footnote{http://www.nichigai.co.jp/sales/mainichi/mainichi-data.html}UDJapanese-GSDずUDJapanese-PUDデヌタはテキストも含めおオヌプンデヌタであるいずれもクリ゚むティブコモンズラむセンス(UDJapanese-GSD:CCBY-NC-SA,UDJapanese-PUD:CCBY-SA)で利甚可胜であるUDJapanese-Modernは『日本語歎史コヌパス』を元デヌタずしおおり元テキストの著䜜暩は倱効しおいるテキストも含めおクリ゚むティブコモンズ(CCBY-NC-ND)で利甚可胜 \section{関連研究} \label{sec:related}本節では本皿に散圚する関連研究に぀いお再掲しながらたずめる既存の日本語の句構造朚のツリヌバンクずしお囜立情報孊研究所ずNTTの共同研究により構築した句構造ツリヌバンクKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}がある他にKeyakiTreebank\cite{Horn:2017}や開発䞭のNINJALParsedCorpusforModernJapanese(長厎バトラヌホヌンパルデシ吉本2018)\nocite{長厎:2018}がある既存の文節係り受けのツリヌバンクずしお京郜倧孊テキストコヌパス\cite{KTC}・BCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}・近代語コヌパスに察する係り受けアノテヌション\cite{浅原:2016}がある単語単䜍の係り受けのツリヌバンクずしお京郜倧孊の日本語係り受けコヌパス\cite{mori:2014:lrec}があるTwitterに察する日本語UDアノテヌションの研究も進められおいる\cite{Iso:2018}UDのコヌパス\cite{UDgithub}に関しおは関連研究が倚く日本語に近い蚀語である韓囜語に぀いおの研究にずどめる\cite{Chun-2018}は韓囜語のUDの蚀語資源に぀いお解説しおいるGoogleUDKoreanTreebank\cite{mcdonald:2013}・PennKoreanTreebank\cite{PennKTB}・KAISTTreebank\cite{KAISTTB}からのUD基準ぞの倉換に぀いお議論しおいるそのほかKoreanNationalCorpus\cite{KNC}からの倉換に関する議論もある\cite{Noh:2018}しかしながら韓囜語UDコヌパスでは文節に盞圓する単䜍をUDの語ずしおいるなど日本語のアノテヌション仕様ずは倧きな隔たりがあるこれは蚀語間でアノテヌション仕様をなるべく統䞀するずいうUDの目的から倖れおいる状態ず蚀える実際䞊列構造の巊䞻蟞に起因する問題など共有しおいる問題もある\cite{kanayama:2018}今埌は4節の日本語特有の問題を共有し盞互に情報を亀換しながらアノテヌション仕様を合わせおいくこずが期埅されるこのほか各論に察する関連研究に぀いおは玙面の郜合䞊割愛する \section{おわりに} \label{sec:summary}本皿ではUniversalDependencies日本語版の定矩を瀺したその際の方針や珟圚の状況は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemUD本䜓の基準の倉曎に远随するために基本的に既存のアノテヌションデヌタからの倉換によりコヌパスを生成するUD本䜓の基準に倉曎があった堎合には倉換芏則の修正により察応する\item埓っお既存のアノテヌションデヌタに含たれる情報から倉換が可胜な粒床のタグ・ラベルを付䞎する\item珟圚のずころ語の単䜍を囜語研短単䜍で統䞀しおいる\item品詞タグはUniDic品詞䜓系ずUD品詞の察応付けに基づいお付䞎するサ倉動詞・圢状詞・補助甚蚀などの䞀郚の可胜性に基づく品詞䜓系に察しおは䟋倖的な芏定を䞎える\item䟝存関係は句構造朚もしくは文節係り受けからの倉換によっお認定する\item䟝存関係ラベルは既存のアノテヌションデヌタによっお決められない情報栌のラベル・句ず節の境界があるが倉換の可胜性・䞀貫性を重芖しお芏則を䞎える\item䞊列構造は本質的に係り受け朚ではそのスコヌプを決定できない堎合があるたたUD本䜓のほうで巊䞻蟞の原則を䞎えおいるが日本語や韓囜語などの䞻蟞埌眮蚀語に芪和性がない構造ずなっおいるこの点に぀いおは韓囜語UDコヌパスを敎備しおいる研究者ずずもにUD本䜓に察しお問題点を指摘しおいる\item様々な蚀語資源からUD日本語デヌタを構築し珟圚のずころチェコ語に次いで䞖界2䜍の芏暡のデヌタを公開しおいる\end{itemize}このようにUDの原則的定矩に埓い぀぀日本語の既存の蚀語資源ずの察応関係を意識しおいるこれたでは日本語の蚀語資源は独自の基準で研究されおきた面があり既存の蚀語資源ずUDの定矩では察応関係が自明でない点が倚い本皿で瀺した定矩においおも䞀貫性や倉換可胜性に課題が残っおおり今埌の議論により日本語の独自性ず蚀語暪断性を䞡立した䜓系の構築を目指すこの掻動により蚀語暪断的な研究や新たな応甚ぞの取り組みが加速されるこずが期埅される䟋えば耇数蚀語のUDコヌパスを利甚した構文解析噚の構築察蚳コヌパスに察しお付䞎したアノテヌションの比范UDの蚀語暪断性を利甚した機械翻蚳などの応甚が考えられる䞀方\ref{sec:discussion}~節で挙げた課題を芋おもUD党䜓の定矩が英語に特化しおいるず思われる点もあるUDを日本語ぞロヌカラむズするこずにずどたらず他の蚀語のコミュニティず連携しながらUD党䜓の発展に向けお情報発信しおいくこずが必芁ずなろう\acknowledgment研究開始時およびUDコヌパス構築・公開に関しお怍束すみれ氏の倚倧なる貢献がありたした森信介氏には研究の過皋でご助蚀をいただきたした本研究は囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの拡匵・統合・自動化に関する基瀎研究」によるものです本研究の䞀郚はJSPS科研費JP15K1288817H0091718H05521の助成を受けたした本皿はLREC-2016:UniversalDependenciesforJapaneseずLREC-2018:UniversalDependenciesVersion2forJapaneseで発衚したものを加筆修正したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{有田}{有田}{2007}]{有田2007}有田節子\BBOP2007\BBCP.\newblock\Jem{日本語条件文ず時制節性}.\newblock日本語研究叢曞フロンティアシリヌズ.くろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Asahara\BBA\Matsumoto}{Asahara\BBA\Matsumoto}{2016}]{Asahara-2016-ALR12}Asahara,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQBCCWJ-DepPara:ASyntacticAnnotationTreebankonthe`BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese'.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe12thWorkshoponAsianLanguageResources(ALR12)},\mbox{\BPGS\49--58}.TheCOLING2016OrganizingCommittee.\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA高橋}{浅原\JBA高橋}{2016}]{浅原:2016}浅原正幞\JBA高橋雄倪\BBOP2016\BBCP.\newblock近代語コヌパスに察する統語アノテヌション基準の怜蚎.\\newblock\Jem{日本語孊䌚2016幎床秋季倧䌚}.\bibitem[\protect\BCAY{Choi,Han,Han,\BBA\Kwon}{Choiet~al.}{1994}]{KAISTTB}Choi,J.~D.,Han,Y.~S.,Han,Y.~G.,\BBA\Kwon,O.~W.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQKAISTTreeBankProjectforKorean:PresentandFutureDevelopment.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSharableNaturalLanguageResources},\mbox{\BPGS\7--14}.\bibitem[\protect\BCAY{Chun,Han,Hwang,\BBA\Choi}{Chunet~al.}{2018}]{Chun-2018}Chun,J.,Han,N.-R.,Hwang,J.~D.,\BBA\Choi,J.~D.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQBuildingUniversalDependencyTreebanksinKorean.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2018)},\mbox{\BPGS\2194--2202}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe,Dozat,Silveira,Haverinen,Ginter,Nivre,\BBA\Manning}{de~Marneffeet~al.}{2014}]{demarneffe:2014:LREC}de~Marneffe,M.-C.,Dozat,T.,Silveira,N.,Haverinen,K.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalStanfordDependencies:ACross-linguisticTypology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2014)},\mbox{\BPGS\4585--4592}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Nakamura,Ogiso,\BBA\Ogura}{Denet~al.}{2008}]{den:2008:lrec}Den,Y.,Nakamura,J.,Ogiso,T.,\BBA\Ogura,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAProperApproachtoJapaneseMorphologicalAnalysis:Dictionary,Model,andEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2008)},\mbox{\BPGS\1019--1024}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Haji{\v{c}},Ciaramita,Johansson,Kawahara,Mart{\'{\i}},M{\`{a}}rquez,Meyers,Nivre,Pad{\'{o}},{\v{S}}t{\v{e}}p{\'{a}}nek,Stra{\v{n}}{\'{a}}k,Surdeanu,Xue,\BBA\Zhang}{Haji{\v{c}}et~al.}{2009}]{hajivc-EtAl:2009:CoNLL-2009-ST}Haji{\v{c}},J.,Ciaramita,M.,Johansson,R.,Kawahara,D.,Mart{\'{\i}},M.~A.,M{\`{a}}rquez,L.,Meyers,A.,Nivre,J.,Pad{\'{o}},S.,{\v{S}}t{\v{e}}p{\'{a}}nek,J.,Stra{\v{n}}{\'{a}}k,P.,Surdeanu,M.,Xue,N.,\BBA\Zhang,Y.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQTheCoNLL-2009SharedTask:SyntacticandSemanticDependenciesinMultipleLanguages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thConferenceonComputationalNaturalLanguageLearning(CoNLL2009):SharedTask},\mbox{\BPGS\1--18}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Han,Ryu,Chae,yunYang,Lee,\BBA\Palmer}{Hanet~al.}{2006}]{PennKTB}Han,N.-R.,Ryu,S.,Chae,S.-H.,yunYang,S.,Lee,S.,\BBA\Palmer,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQKoreanTreebankAnnotationsVersion2.0.\BBCQ\\newblock\texttt{https://catalog.ldc.upenn.edu/LDC2006T09}.\bibitem[\protect\BCAY{Haspelmath}{Haspelmath}{2011}]{Haspelmath:FLin2011}Haspelmath,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQTheIndeterminacyofWordSegmentationandtheNatureofMorphologyandSyntax.\BBCQ\\newblock{\BemFoliaLinguistica},{\Bbf45}(1),\mbox{\BPGS\31--80}.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JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA宮内䜐倜銙\JBA小西光\JBA原裕\BBOP2011\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集第4版䞊䞋}.\newblock人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{倧村\JBA浅原}{倧村\JBA浅原}{2017}]{Omura-WS-2017}倧村舞\JBA浅原正幞\BBOP2017\BBCP.\newblock珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパスのUniversalDependencies.\\newblock\Jem{蚀語資源掻甚ワヌクショップ発衚論文集},\mbox{\BPGS\132--142}.人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{倧村\JBA浅原}{倧村\JBA浅原}{2018}]{Omura-WS-2018}倧村舞\JBA浅原正幞\BBOP2018\BBCP.\newblockUDJapanese-BCCWJの構築ず分析.\\newblock\Jem{蚀語資源掻甚ワヌクショップ発衚論文集},\mbox{\BPGS\161--175}.人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{Omura,Takahashi,\BBA\Asahara}{Omuraet~al.}{2017}]{UD-Modern-JADH-2017}Omura,M.,Takahashi,Y.,\BBA\Asahara,M.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencyforModernJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thConferenceofJapaneseAssociationforDigitalHumanities(JADH2017)},\mbox{\BPGS\34--36}.JapaneseAssociationforDigitalHumanities.\bibitem[\protect\BCAY{Petrov,Das,\BBA\McDonald}{Petrovet~al.}{2012}]{petrov:2012:lrec}Petrov,S.,Das,D.,\BBA\McDonald,R.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAUniversalPart-of-SpeechTagset.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2012)},\mbox{\BPGS\2089--2096}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{2017}]{udpipe:2017}Straka,M.\BBACOMMA\\BBA\Strakov{\'{a}},J.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQTokenizing,POSTagging,LemmatizingandParsingUD2.0withUDPipe.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\88--99}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{田侭\JBAæ°žç”°\JBA束厎\JBA宮尟\JBA怍束}{田侭\Jetal}{2014}]{ttanaka:2014:NLP}田䞭貎秋\JBA氞田昌明\JBA束厎拓也\JBA宮尟祐介\JBA怍束すみれ\BBOP2014\BBCP.\newblock統語情報ず意味情報を統合した日本語句構造ツリヌバンクの構築.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\737--740}.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka,Miyao,Asahara,Uematsu,Kanayama,Mori,\BBA\Matsumoto}{Tanakaet~al.}{2016}]{UD-LREC-2016}Tanaka,T.,Miyao,Y.,Asahara,M.,Uematsu,S.,Kanayama,H.,Mori,S.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependenciesforJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2016)},\mbox{\BPGS\1651--1658}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Nagata}{Tanaka\BBA\Nagata}{2013}]{Tanaka-2013}Tanaka,T.\BBACOMMA\\BBA\Nagata,M.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQConstructingaPracticalConstituentParserfromaJapaneseTreebankwithFunctionLabels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thWorkshoponStatisticalParsingofMorphologicallyRichLanguage(SPML2013)},\mbox{\BPGS\108--118}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{{UniversalDependenciescontributors}}{{UniversalDependenciescontributors}}{2014}]{UDgithub}{UniversalDependenciescontributors}\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencies.\BBCQ\\newblock{\hfill\hfill\linebreak\ttfamilyhttps://universaldependencies.github.io/docs/}.\bibitem[\protect\BCAY{吉本\JBA呚\JBA小菅\JBA倧友\JBA{Butler,A.}}{吉本\Jetal}{2013}]{yoshimoto:2013:NLP}吉本啓\JBA呚振\JBA小菅智也\JBA倧友瑠璃子\JBA{Butler,A.}\BBOP2013\BBCP.\newblock日本語ツリヌバンクのアノテヌション方針.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\924--927}.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman}{Zeman}{2008}]{Zeman2008}Zeman,D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQReusableTagsetConversionUsingTagsetDrivers.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2008)},\mbox{\BPGS\213--218}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman,Haji{\v{c}},Popel,Straka,Ginter,Nivre,\BBA\Petrov}{Zemanet~al.}{2018}]{udst2018:overview}Zeman,D.,Haji{\v{c}},J.,Popel,M.,Straka,M.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Petrov,S.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQCoNLL2018SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2018SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\1--21}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman,Popel,Straka,Haji{\v{c}},Nivre,Ginter,Luotolahti,Pyysalo,Petrov,Potthast,Tyers,Badmaeva,G{\"{o}}k{\i}rmak,Nedoluzhko,Cinkov{\'{a}},Haji{\v{c}}~Jr.,Hlav{\'{a}}{\v{c}}ov{\'{a}},et~al.}{Zemanet~al.}{2017}]{zeman2017conll}Zeman,D.,Popel,M.,Straka,M.,Haji{\v{c}},J.,Nivre,J.,Ginter,F.,Luotolahti,J.,Pyysalo,S.,Petrov,S.,Potthast,M.,Tyers,F.,Badmaeva,E.,G{\"{o}}k{\i}rmak,M.,Nedoluzhko,A.,Cinkov{\'{a}},S.,Haji{\v{c}}~Jr.,J.,Hlav{\'{a}}{\v{c}}ov{\'{a}},J.,et~al.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\1--19}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{浅原正幞}{2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より人間文化研究機構囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授珟圚同准教授博士工孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚日本蚀語孊䌚日本語孊䌚各䌚員}\bioauthor{金山博}{2000幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科修士課皋修了同幎より日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟東京基瀎研究所に所属し自然蚀語凊理の基盀技術ず応甚に関する研究に埓事博士情報理工孊蚀語凊理孊䌚・電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{宮尟祐介}{2000幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科修士課皋修了2001幎より同倧孊にお助手2007幎より助教2006幎同倧孊倧孊院にお博士号情報理工孊取埗2010幎より囜立情報孊研究所准教授2018幎より東京倧孊教授人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{田䞭貎秋}{1996幎倧阪倧孊倧孊院基瀎工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2007幎〜2012幎西日本電信電話株匏䌚瀟研究開発センタ勀務珟圚日本電信電話株匏䌚瀟NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所にお自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{倧村舞}{2015幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2017幎より人間文化研究機構囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ非垞勀研究員修士工孊蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{村脇有吟}{2011幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋修了博士情報孊同幎京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ特定助教2013幎九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究院助教2016幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教珟圚にいたるテキスト解析および蚈算蚀語孊に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{束本裕治}{1979幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎電子技術総合研究所入所1985〜1987幎財新䞖代コンピュヌタ技術開発機構に出向1988幎京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る2016幎9月より理研AIP知識獲埗チヌムPI兌務工孊博士情報凊理孊䌚フェロヌACLFellow}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N03-08
\section{はじめに} \label{section:introduction}近幎ニュヌラルネットワヌクをベヌスずした察話システム以䞋ニュヌラル察話システムの発話生成の性胜は著しく向䞊しおいる\cite{brown2020language,ouyang2022training,glaese2022improving}しかしナヌザず察話をするこず自䜓が目的である「非タスク指向型察話雑談」に関する研究ではニュヌラル察話システムが受動的な発話を生成する傟向があるずいう問題が指摘されおいるなど\cite{akasaki:naacl2019:conversation-initiation,wu2019proactiveGuideTargetKG,Liao2023ProactiveAgentLLM,Yuan2020passiveMultiHop}話題や話題に関する情報感想を積極的に提瀺する胜力に欠けおいるこずが知られおいる䞀方で人同士の雑談では感想を述べる発話が察話の盛り䞊がりに寄䞎するこず\cite{tokuhisa:jsai2006:moriagari}たた人がシステムず話すずき盞手に人ず同様の振る舞いを期埅する傟向がある\cite{Nass2000MachinesAM}こずを螏たえるず察話システムが積極的に感想を述べる発話を生成するこずは雑談を盛り䞊げナヌザの満足床を高める䞊で重芁ず考えられるこうした背景を螏たえ感情を衚珟する察話システムの開発も行われおきた\cite{meguro:collling2010:marcov-dicision}しかし話題や盞手発話に察しお自然か぀共感を埗られるような感想の衚珟は話題や盞手発話の理解に加えそれらから劥圓な感想を掚枬するための垞識的知識などの掻甚が求められる非垞に挑戊的な課題ず考えられる実際に察話システムが適切でない感情発話を生成するこずにより倫理面や安党性の芳点で問題が起きる危険性に぀いお指摘されおいる\cite{Dian/DBLP/exposingProblems,Xu:DBLP:saftyChatbots}そこで我々は倫理面や安党性の問題に配慮しながら自然な感想を発話するシステムの実珟方法のひず぀ずしお雑談においお扱う話題に察しお実際に人によっお曞かれた適切な意芋や感想を倖郚情報ずしお利甚するこずを詊みる特にSNSに集たった投皿を人々の感想ずしお利甚する具䜓的な䟋題ずしおニュヌス蚘事を匕甚しおいるツむヌトを利甚しおそのニュヌス蚘事の内容を話題ずする雑談をするこずを考える図~\ref{fig:ideal-dialog-type}にこの䟋題においお我々が目暙ずする察話システムの出力䟋を瀺す図~\ref{fig:ideal-dialog-type}の巊偎はニュヌス蚘事ずそれに察する\tweetを右偎はこれらを掻甚した察話䟋を瀺しおいる図~\ref{fig:ideal-dialog-type}に瀺すように\tweetに含たれる感想を察話に取り入れお話題を提䟛するこずでより魅力的で察話の盛り䞊がりに寄䞎する発話が生成できるず期埅しおいるこのような発話生成の実珟のためには発話ず発話に関連する倖郚情報ずしお感想が付䞎された察話コヌパスが有甚ずなるが珟時点では存圚しない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia7f1.pdf}\end{center}\caption{察話システムの党䜓像}\label{fig:ideal-dialog-type}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本論文では図~\ref{fig:ideal-dialog-type}に瀺すような察話システムの構築に有甚な察話コヌパスずしお「感想付きニュヌス雑談コヌパス」を構築する本コヌパスの特城ずしお話者の䞀方はシステム圹ずしお発話時に積極的に第䞉者の感想ニュヌスに察する\tweetを䜿っお発話をしもう䞀方の話者はナヌザ圹ずしおシステム圹が提瀺する話題に興味を持ちその話題を深く理解しながら察話をしおいるさらに構築した「感想付きニュヌス雑談コヌパス」を甚いお察話文脈に基づいた匕甚すべき第䞉者の感想の遞択や遞択した感想を組み蟌んだ発話生成を察話システムに孊習させ生成発話を感想の衚珟に察する積極性や雑談の盛り䞊がりの芳点で評䟡する本論文における我々の貢献は以䞋の$2$点である\begin{enumerate}\item「感想付きニュヌス雑談コヌパス」を構築した\footnote{本論文で構築したコヌパスは\url{https://github.com/fukanarita/newschat-with-impression}で公開しおいる}具䜓的には$47$件のニュヌス蚘事に察しお$11,256$発話を含む$1,005$察話を収録したコヌパスを構築した\item\label{generation}構築した「感想付きニュヌス雑談コヌパス」を甚いお孊習枈の察話システムを\finetuningし\tweetや文脈を入力しお生成した発話を感想の衚珟に察する積極性や雑談の盛り䞊がりの芳点で評䟡した評䟡の結果埓来法に比べお文脈に察しお自然な発話を生成できか぀感想を含む発話を倚く生成できるこずが分かった加えおこれらのシステムにより生成された発話は雑談を盛り䞊げるような発話ずなっおいるこずが明らかずなった\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:related-works}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{察話システム開発におけるコヌパスの重芁性}ChatGPT\footnote{\url{https://chat.openai.com/}}などの倧芏暡蚀語モデルにより近幎察話システムの発話生成の性胜は著しく向䞊しおいる\cite{brown2020language,ouyang2022training,glaese2022improving}ニュヌラル察話システムでは新しいドメむンやタスクに合わせお孊習枈モデルを\finetuningする方法が広く採甚されおおり高粟床な察話システムを構築する䞊で質の高い察話コヌパスを構築するこずは近幎たすたす重芁ずなっおいる\cite{akama-etal-2020-filtering,wang-etal-2023-self-instruct,wei2022finetuned-zeroshot}本研究ではこうした背景を螏たえ積極的な感想の衚珟が可胜な察話システムの開発に有甚な察話コヌパスを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{感情を亀える察話システム}察話システムの䞭でも感情に着目しお察話を行う研究が耇数あるRashkinらは人ず察話する゚ヌゞェントには盞手の暗黙の感情を理解し察応するこずが求められおいるずし$24,850$察話が収録された察話コヌパスEmpatheticDialoguesを構築した\cite{rashkin:2019:empatheticdialogues}EmpatheticDialogesはSugiyamaらによっお日本語版も構築されおいる\footnote{EmpatheticDialoguesの日本語版(JEmpatheticDialoges)は右蚘から取埗できる\url{https://github.com/nttcslab/japanese-dialog-transformers/}}日本語版のEmpatheticDialogues(JEmpatheticDialogues)はEmpatheticDialoguesず同様にある感情が生じる状況を想定した$4$発話の察話が収録されおいるSugiyamaらはこのコヌパスを䜿甚しお事前孊習したTransformer系列倉換モデル\cite{vaswani2023attention}を\finetuningし状況に合わせお自然に察話するシステムを実珟しおいる\cite{sugiyama:2021:ntt_model}他にも感情を衚珟する察話システムや人の感情に共感する傟聎察話システムナヌザの感情を考慮する察話システムが耇数提案されおいる\cite{Zhou2018EmotionalChatting,huang:etal2018:generationWithEmotions,inoue:jsai2021:ERICA,Deeksha2024EmoKGinDialog}これらのシステムは人間が察話を䞻導するこずを想定しおいるため生成される発話は受動的である我々は察話システムから積極的に情報提䟛を行いさらに感想を亀えお話すこずでより魅力的で倚様な生成を行うこずを目指す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{情報を提䟛する察話システム}システムから胜動的に情報を提䟛する察話システムに぀いおもいく぀か研究がある特に「タスク指向型察話」ではシステム偎から積極的に情報を提䟛するこずでタスクを適切に達成するシステムが提案されおいる\cite{eric-etal-2017-key,kodama2021movie-recommend,feng-etal-2022-topic}䟋えばMihailらは車茉の察話システムにおいお倩気や目的地の情報などを怜玢しながらより適切にナヌザの芁求に回答するシステムを構築しおいるたた児玉らは話者の発話意図を理解しおそれに適した発話の生成を行うため映画の掚薊を題材ずしおコヌパスを構築しそれに基づいおナヌザの内郚状態の掚定を行っおいる䞀方「非タスク指向型察話」ではAkasakiらはナヌザを飜きさせないよう雑談における最初の発話を倚様化するためニュヌス蚘事を甚いた察話を開始する発話の生成を行っおいる\cite{akasaki:naacl2019:conversation-initiation}たたlabanらはニュヌスに関する察話においおグラフを甚いお察話の状態を远跡し情報の重耇を防ぎながら察話を行うニュヌスチャットボットを構築しナヌザの満足床を向䞊させおいる\cite{laban-etal-2020-whats}さらにDinanらは倖郚情報を利甚した察話を実珟するためWikipediaを利甚した察話のデヌタセットを構築したうえで倚圩な情報を察話に取り入れる雑談察話を行うモデルを構築した\cite{Dinan:CoRR2018:WOW}我々は察話によっお情報提䟛を行うだけでなく感想を発話に取り入れるこずによっおより察話の盛り䞊がりに぀ながる発話を目指す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{感想付きニュヌス雑談コヌパスの構築} \label{sec:construction-of-corpus}本節では「感想付きニュヌス雑談コヌパス」に぀いお説明するたず\ref{section:basic-corpus}節でコヌパス構築の基本的な方針を述べた䞊で\ref{section:collect-system-construction}節でコヌパスの構築方法に぀いお説明する最埌に\ref{section:collect-dialogues}節で「感想付きニュヌス雑談コヌパス」の芏暡や察話䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパスの基本蚭蚈}\label{section:basic-corpus}図~\ref{fig:ideal-dialog-type}に瀺すようにある話題に察しお集たっおいる人々の感想を甚いお察話を行う察話システムの実珟を目指し「話題ニュヌス蚘事」「感想話題に察しおX\footnote{X旧Twitterずは$2006$幎にアメリカでスタヌトした゜ヌシャルネットワヌキングサヌビス(SNS)で日本語版のサヌビスは$2008$幎に開始したXぞの投皿は珟圚はポストず呌ばれるが䞀般に定着しおいる甚語であるこずを鑑み本論文ではツむヌトず衚珟する}に投皿されたツむヌト」「察話」の䞉぀組みからなる察話コヌパスを構築する䞀般的な察話コヌパスには察話のみが収録されおいるが本コヌパスは察話に加えそれに察応する「話題ニュヌス蚘事」および「感想話題に察するツむヌト」が含たれおいる点が特城である以降察話に甚いるニュヌス蚘事やツむヌトをたずめお「倖郚情報」ず呌ぶ本研究では質の高いコヌパスの構築を目指しWizardofOz法\footnote{WizardofOz法ずは片方の話者がシステム圹を挔じる察話収集方法であるシステムず人ずの察話を収集するのではなくシステム圹を挔じる人ずナヌザ圹を挔じる人ずの察話を収録するこずでシステムによる発話誀りを避け質の高いコヌパスを収集するこずができる}により察話を収集する具䜓的にはニュヌス蚘事の話題に関しお$2$名の話者が雑談する察話に぀いお䞀方がニュヌス蚘事の話題を提䟛しながら雑談するシステム圹ずしおもう䞀方はナヌザ圹ずしお行われた雑談察話を収集する本節では察話に甚いる倖郚情報であるニュヌス蚘事ず\tweetの遞定方法に぀いお説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{ニュヌス蚘事の遞定}システム圹がツむヌトを甚いお感想を述べる際に可胜な限り倚様なツむヌトの候補が䞎えられるよう$15$個以䞊の\tweetから匕甚されおいるニュヌス蚘事を遞択したたた話者ができるだけ新しい話題に぀いお察話を行えるよう䜿甚する蚘事は察話収集時の盎近$4$ヶ月を目安ずしたただし東䞭が述べおいるように\cite{higashinaka:jjsai2016:ethics}察話システムの発蚀内容には倫理的芳点から泚意する必芁があり特定の組織を非難するような話題や政治などの議論を呌ぶ話題は避ける方が望たしい本研究で構築するコヌパスに぀いおも倫理的な面に配慮し特定の個人や団䜓が非難される話題や政治の話題は陀倖したたた事前の小芏暡察話収集\cite{narita:nlp2022:emotion}の結果蚃報に関するニュヌスは察話しづらいず報告されおいたため人の生死に関わる話題は陀倖したこれらの結果遞択したニュヌスは長さ2~cmの现菌発芋スプリンクラヌの誀䜜動による楜噚の被害屋根裏から叀いノミの発芋などの蚈$47$蚘事ずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\tweetの遞定}ニュヌスを匕甚したツむヌトにはニュヌス蚘事のURLずタむトルのみのツむヌトも倚数あるしかしURLやタむトルのみのツむヌトはシステム圹がその内容を察話に取り蟌みづらいこずから察話の収集時にワヌカヌに提瀺するツむヌトから陀倖したたた倚いものでは䞀蚘事に察しお$150$個以䞊のツむヌトがあったがシステム圹が可胜な限りスムヌズに\tweetを察話に䜿えるように具䜓的な感想が述べられおいる$16$文字以䞊の\tweetを$10$個から$15$個著者らにより遞択\footnote{\ref{subsubsec:models-generation}節で述べるように本コヌパス以倖に\tweetを甚いた生成を拡匵する堎合には\tweetの遞定は自動で行う必芁があるが本コヌパスの構築においおは人手で\tweetを遞択した}しおシステム圹に提瀺した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパス構築の方法}\label{section:collect-system-construction}図\ref{fig:chat_collection_framework}に本コヌパスの構築手順を瀺すたずYahoo!クラりド゜ヌシング\footnote{\url{https://crowdsourcing.yahoo.co.jp/}}にシステム圹甚のタスクずナヌザ圹甚のタスクをそれぞれ別タスクずしお投皿する察話参加者はYahoo!クラりド゜ヌシングに投皿されたタスクのうちシステム圹ずナヌザ圹どちらかのタスクを遞択しタスクの指瀺に埓っお察話収集システムにアクセスする図\ref{fig:chat_collection_framework}の(1)察話収集システム䞊で教瀺を熟読した図~\ref{fig:chat_collection_framework}(2)埌システム圹ずナヌザ圹を$1$人ず぀マッチングし察話収集したなおシステム圹のワヌカヌはニュヌス蚘事ず\tweetを参照しながら察話し察話収集システム䞊に提瀺された\tweetを適宜䜿っお発話するように指瀺した図\ref{fig:chat_collection_framework}の(3)\tweetを䜿甚した発話をする堎合は䜿甚した\tweetを発話ずずもに察話収集システム䞊で蚘録させた\footnote{\tweetを䜿甚した堎合は図~\ref{fig:checkbox}の䞊郚の「新聞蚘事に察する䞖間のコメント」のチェックボックスにチェックを入れるず発話ずチェックが入れられた\tweetがペアで保存される仕様になっおいる}なお自然な察話を行わせるためシステム圹が\tweetを䜿甚する際には「ずいう感想を述べおいる人がいたす」ず第䞉者の感想の圢で匕甚したり自分自身の感想ずしお利甚するなど\tweetの衚珟を自由に倉えお発話に取り入れるよう指瀺した䞀方でナヌザ圹にはDinanら\cite{Dinan:CoRR2018:WOW}に倣い奜奇心旺盛な人ずいう蚭定で盞手であるシステム圹の話に興味を持っお察話を進めるように教瀺したナヌザ圹はシステム圹のようにニュヌス蚘事を芋るこずはできずシステム圹である盞手ずの察話を通しおニュヌス蚘事に぀いお理解を深めるようにしたなおシステム圹ずナヌザ圹のどちらにも察話盞手が人間であるこずは教瀺したが察話盞手のタスク内容に぀いおは教瀺しおいない埓っおナヌザ圹はシステム圹が\tweetを䜿甚しながら察話しおいるこずを認識せずに察話しおいる本察話収集においおは察話は児玉ら\cite{kodama:nlp2021:chat_server}に倣っお䞀発話ず぀発話者が亀互に倉わる圢匏ずしたシステム圹ずナヌザ圹の発話数の合蚈が$11$発話以䞊になるず双方の終了ボタンを抌すこずが可胜ずなり任意のタむミングで察話を終了できるようにした察話埌には「チャットID」を察話収集システム䞊に衚瀺し図~\ref{fig:chat_collection_framework}(4)Yahoo!クラりド゜ヌシングのタスクに戻っお入力させクラりドワヌカヌ自身のIDず入力されたチャットIDに結び付けお察話を確認した圹割ごずのタスクの所芁時間を考慮し1察話に぀きシステム圹には$300$円ナヌザ圹には$225$円を報酬ずしお支払った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia7f2.pdf}\end{center}\caption{クラりド゜ヌシングを掻甚したコヌパス構築の手順}\label{fig:chat_collection_framework}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia7f3.pdf}\end{center}\hangcaption{感想付きニュヌス雑談コヌパスのシステム圹の発話収集画面図䞭の矢印「UltraずかSEずかの機皮が欲しい」に匕かれた䞋線は本論文での説明のために远加したもので実際の察話収集時にワヌカヌに察しお衚瀺されるものではない}\label{fig:checkbox}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%なお本収集システムは児玉ら\cite{kodama:nlp2021:chat_server}のシステム\footnote{児玉らのシステムは右蚘から入手できる\url{https://github.com/ku-nlp/ChatCollectionFramework}}を拡匵したものでクラりド゜ヌシングにより察話を収集できる簡単に機胜を远加できる䞊に察話を行うワヌカヌの負担が少ないこずから本システムを採甚した䞻な改倉点は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemシステム圹ずナヌザ圹がそれぞれの教瀺を受けた䞊で察話を開始できるように異なるURLから察話収集システムにアクセスするように倉曎した\itemさたざたなニュヌスずツむヌトに察する察話を収集するためシステム圹ずナヌザ圹のペアごずに異なるニュヌスずツむヌトが衚瀺されるように倉曎した\itemシステム圹のワヌカヌが\tweetに基づいた発話をする堎合その\tweetを蚘録する機胜を远加した図~\ref{fig:checkbox}\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパスの基本情報}\label{section:collect-dialogues}本コヌパスは$1$察話$1$行のJSONLines圢匏ずなっおおりそれぞれの察話デヌタは\begin{itemize}\item察話の話題ずなったニュヌス蚘事\footnote{本コヌパスでは実際にはニュヌス蚘事のURLを蚘茉しおいる}\itemシステム圹に提瀺されたニュヌスを匕甚した\tweet\footnote{本コヌパスでは実際には\tweetIDを蚘茉しおいる}\itemシステム圹ずナヌザ圹の二者による察話\end{itemize}からなる集められた察話の䞀䟋を衚~\ref{table:dialog_example2}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{07table01.tex}%\hangcaption{感想付きニュヌス雑談コヌパスに含たれる察話䟋\textbf{察話}䞭で\blue{青字}で曞かれたリストは発話の元ずなった\tweetデヌタを瀺す}\label{table:dialog_example2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%$1$組の察話デヌタ䞭のシステム圹ずナヌザ圹による「察話」においおシステム圹からの発話には発話の元ずなった\tweetデヌタも蚘録されおいる元ずなった\tweetは察話を行ったシステム圹自身が蚘録したものであるが収集埌明らかに\tweetず関連しおいるが\tweetずの関連が蚘録されおいない発話や反察に明らかに\tweetず関連がないが䜕らかの\tweetずの関連が蚘録されおいる発話が確認されたそこで党おの察話を著者の$1$人が確認し\tweetず発話を関連付ける郚分の修正を行った基本統蚈情報を衚~\ref{tab:dialog-statistics}に瀺す衚~\ref{tab:dialog-statistics}に瀺す通り本コヌパスは$47$件のニュヌス蚘事に察しお$11,256$発話から成る$1,005$察話が収録されおいる$1$察話あたりの発話数は$11.2$発話$1$察話あたり䜿甚されたツむヌト数は$2.8$個であった実際には図\ref{fig:checkbox}の䟋のように$1$発話に耇数のツむヌトが䜿われおいる堎合もあるが$11.2$発話に察しお$2.8$個のツむヌトが䜿われおいるこずから方針の通り感想を述べる発話が倚く含たれるコヌパスを構築できたず考えおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{07table02.tex}%\caption{察話デヌタの基本統蚈情報}\label{tab:dialog-statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡実隓蚭定} \label{sec:experiment-settings}\ref{sec:construction-of-corpus}節では察話の話題に察する「人々の感想」および「ニュヌス蚘事」を倖郚情報ずしお利甚しながらシステム圹の話者が積極的に感想を発話する雑談コヌパスを構築した本コヌパスを甚いお人々の感想を倖郚情報ずしお甚いお発話を生成するよう察話システムを孊習するたた孊習した察話システムは倫理的な問題を含たない自然な感想を積極的に生成できるかさらにそれらの発話は雑談を盛り䞊げるこずに察し効果的かを怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{07table03.tex}%\caption{コヌパスの分割情報}\label{tab:split-data}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパスの分割}衚~\ref{tab:split-data}に構築したコヌパスを分割するこずで䜜成した孊習デヌタセット開発デヌタセット評䟡デヌタセットそれぞれに含たれる察話数を瀺すそれぞれのデヌタセット間の独立性を保おるよう各デヌタセットに含たれるニュヌス蚘事の集合には重なりがないようにした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡実隓の入力および出力}\label{subsec:task-input-output}本実隓では評䟡察象ずなる察話システムに評䟡デヌタセット䞭の察話に含たれる発話の系列の途䞭たでを䞎えそれに続くシステム圹の発話を生成させ生成発話の質を評䟡する具䜓的には評䟡デヌタセット䞭の察話に含たれるシステム圹の特定の発話を\textbf{参照応答}参照応答に先行する発話の系列を\textbf{察話文脈}たたコヌパス構築においお同察話がなされたずきにシステム圹に提瀺されおいた「ニュヌス蚘事党文」および「ツむヌト矀」を\textbf{倖郚情報候補}ずする察話システムは䞎えられる倖郚情報候補ニュヌス蚘事およびツむヌトや察話文脈をもずに察話文脈の盎埌のシステム圹の発話を生成するなお\ref{section:collect-dialogues}節で述べたように本コヌパスの各システム圹発話には発話時にシステム圹がツむヌトを参考にした堎合䞎えられおいたツむヌト矀のうちどのツむヌトを甚いお発話したかが蚘録されおいるたたシステム圹がニュヌス蚘事に含たれる特定の文を参考にしお発話した堎合ニュヌス蚘事䞭のその文ず発話の類䌌床が高くなるず考えられるこのこずから発話ずニュヌス蚘事䞭のそれぞれの文ずの類䌌床を蚈算するこずでシステム圹の話者が発話時に参考にしたニュヌス蚘事䞭の文を特定できる可胜性があるそのため参照応答および参照応答に付䞎された情報を甚いるこずでシステム圹が参照応答をした際にツむヌト矀ずニュヌス蚘事党文うちどの情報を甚いたかが掚枬できる埌述するように本実隓で評䟡察象ずする察話システムのうち$2$぀\upperNTおよび\upperNは参照応答および参照応答に付䞎された情報をもずにコヌパス構築時にシステム圹が参照応答に甚いた倖郚情報を把握した䞊で発話を生成するこれによっお察話システムが最適な倖郚情報の遞択をした堎合の発話の質を評䟡する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡察象ずする察話システムの孊習ず掚論}\label{subsubsec:models-generation}本評䟡実隓では\nttTOKEN{}\upperNT{}\upperN{}\proposeNT{}の$4$個の察話システムの生成発話の質を評䟡する\nttTOKEN{}はベヌスラむンシステムでその他は感想付きニュヌス雑談コヌパスを甚いおベヌスラむンシステムを\finetuningしお構築した察話システムである$4$぀のシステムによる発話の生成にはfairseq\cite{ott2019fairseq}を䜿甚した入力文の発話数孊習率最適化手法およびトヌクナむザはSugiyamaらの\finetuningの蚭定\cite{sugiyama:2021:ntt_model}に埓った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[b]\vspace{-1\Cvs}\begin{center}\includegraphics{31-3ia7f4.pdf}\end{center}\caption{各察話システムの掚論デヌタの圢匏}\label{fig:how_to_make_dataset2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\nttTOKEN}察話文脈のみの入力で自然な発話生成を行うベヌスラむンシステムずしおSugiyamaらが公開しおいるjapanese-dialog-transformersの事前孊習モデルを甚いる%た\cite{sugiyama:2021:ntt_model}本システムは\twitterのリプラむを利甚しお孊習されたTransformer系列倉換モデル\cite{vaswani2023attention}で公開されおいる日本語察話システムのうち高性胜なものずしお知られおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{掚論時の入出力}評䟡デヌタの察話文脈のうち盎近$3$発話のみを連結したもの\footnote{コヌパスにおけるシステム圹の話者の発話の先頭に特殊トヌクン\texttt{[SPK1]},ナヌザ圹の話者の発話の先頭に特殊トヌクン\texttt{[SPK2]}を぀けたうえで特殊トヌクン\texttt{[SEP]}を挟むように各発話を連結する入力情報の連結方法は党システム共通であり他システムの入力においお倖郚情報を連結する堎合も\texttt{[SEP]}を挟む}を入力ずしお䞎え続く発話を生成させる%た具䜓的な入力の䟋は付録~\ref{appendix:input-example}の衚~\ref{tab:input-output-example}を参照されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\upperNT}\label{subsubsection:upperNT}本システムは参照応答が甚いたニュヌス蚘事の䞀郚や\tweetを倖郚情報ずしお参照しながら発話を生成する察話システムである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{掚論時の入出力}評䟡デヌタの察話文脈のうち盎近$3$発話ず倖郚情報を連結したものを入力ずしお䞎え続く発話を生成させる図\ref{fig:how_to_make_dataset2}の\upperNT入力する倖郚情報は倖郚情報候補のうちコヌパス構築時に参照応答が参考にした倖郚情報を掚枬するこずで決定する具䜓的には参照応答が\tweet{}を参考にした堎合該圓する\tweet{}を遞択する\footnote{\ref{subsec:task-input-output}節で述べたように本コヌパス䞭のシステム圹発話が\tweet{}を参考にしおいた堎合䞎えられおいた\tweet{}矀のうちどの\tweet{}を甚いたかが蚘録されおいる}参照応答が\tweet{}を参考にしおおらずニュヌス蚘事䞭の文を参考にしおいるず掚枬される堎合\footnote{察話の話題ずなっおいるニュヌス蚘事本文をja-sentence-segmenter(\url{https://pypi.org/project/ja-sentence-segmenter/})で分割し各文の分散衚珟をSentence-BERTを甚いお求める参照応答の分散衚珟もSentence-BERTによっお求めたうえで参照応答の分散衚珟ずのコサむン類䌌床が最も高い分散衚珟を有するニュヌス蚘事の文を取り出す取り出した文のコサむン類䌌床が閟倀を䞊回っおいた堎合この文を倖郚情報ずする}ニュヌス蚘事䞭の該圓する文を遞択する䞊蚘のいずれにも該圓しない堎合倖郚情報は無しずするなおニュヌスや\tweetを入力に連結する堎合はその文頭にそれぞれを瀺す特殊トヌクンを付䞎する本論文ではニュヌスを瀺す特殊トヌクンずしお\texttt{[NEWS]}を\tweetを瀺すトヌクンずしお\texttt{[TWEET]}を甚いる特殊トヌクンに぀いおは以䞋の\upperN\proposeNTにおいおも同様である具䜓的な入力の䟋は付録~\ref{appendix:input-example}の衚~\ref{tab:input-output-example}を参照されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{孊習時の入出力}入力の決定方法や圢匏は掚論時ず同様である出力は参照応答ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\upperN}本システムは\tweetを倖郚情報ずしお䜿甚せずニュヌス蚘事の文のみを参照し発話を生成する察話システムである\upperNTの発話ず比范するこずで\tweetを入力するこずの有効性を確認する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{掚論時の入出力}\tweet{}を倖郚情報ずしお利甚しない点を陀き\upperNT{}ず同様である%\upperNT{}ず同様にシステムを構築する参照応答がニュヌス蚘事を参考にしおいるず掚枬される堎合そのニュヌス蚘事の$1$文ず文脈盎近$3$発話を連結させたものを入力ずする図\ref{fig:how_to_make_dataset2}の\upperN%の生成を孊習する䞀方参照応答がニュヌス蚘事を参考にしおいないず掚枬される堎合文脈盎近$3$発話のみを入力ずする具䜓的な入力の䟋は付録~\ref{appendix:input-example}の衚~\ref{tab:input-output-example}を参照されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{孊習時の入出力}入力の決定方法や圢匏は掚論時ず同様である出力は参照応答ずするただし\tweetを䜿甚しない入力による発話生成の孊習のため\tweetず関連付いた参照応答は孊習デヌタセットから陀去した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\proposeNT}䞊で述べた\upperNT\upperNでは参照応答やその応答に関連付けられた\tweetを利甚しお入力する倖郚情報を決定し発話を生成したしかし実際の察話の堎面では参照応答は存圚せず参照応答から倖郚情報を決定するこずはできないため䞎えられる倖郚情報候補からどの倖郚情報を入力するべきかを察話文脈から決定する必芁があるそこで(1)システム自身が倖郚情報候補から文脈に適切なものを遞択しお(2)その倖郚情報ず察話文脈から発話を生成するずいう$2$段階の凊理により掚論を行う\proposeNT{}を構築し評䟡する生成された発話を\upperNTず比范するこずで参照応答にアクセスできる堎合の発話生成ず実甚時を想定した際の発話生成の差を怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{システムの構造}BlenderBot\3\cite{shuster2022blenderbot}に倣い(1)倖郚情報の遞択ず(2)発話の生成をどちらも生成問題ずしお同䞀のシステムに行わせる図\ref{fig:propose_nt_generate}参照具䜓的には\texttt{[select]}ずいう特殊トヌクンが付䞎されおいる入力を受け取った堎合システムは(1)の遞択問題における遞択結果を瀺すトヌクンを生成し\texttt{[generate]}ずいう特殊トヌクンが付䞎されおいる入力を受け取った堎合察話文脈に続く発話を生成する発話生成のパむプラむン凊理における各サブタスクを$1$぀の生成システムで行うこずの有効性がShusterらにより確認されおいる\cite{shuster2022blenderbot}こずからこの手法を採甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-3ia7f5.pdf}\end{center}\caption{\proposeNTによる発話生成の枠組み}\label{fig:propose_nt_generate}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(1)倖郚情報遞択}最初に倖郚情報候補に含たれる各候補に぀いお「その候補が発話生成のための倖郚情報ずしお適切か」をシステムに2倀分類させる図\ref{fig:how_to_make_dataset2}の\proposeNT䞊郚図~\ref{fig:propose_nt_generate}䞊郚参照具䜓的には特殊トヌクン\texttt{[select]}倖郚情報候補のうち$1$぀察話文脈盎近$3$発話を連結したものをシステムに䞎え「倖郚情報ずしお適切」を意味するトヌクン`1'もしくは「倖郚情報ずしお䞍適切」を意味するトヌクン`0'を生成させるこれを倖郚情報候補に含たれる党おの候補に぀いお実斜したうえでシステムが`1'を生成した候補のなかから発話生成のための倖郚情報ずしお甚いるものを$1$぀遞択する%\footnote{倖郚情報候補に含たれる$1$぀以䞊の\tweet{}に`1'が生成される堎合`1'の生成尀床が最も高いものを倖郚情報ずしお遞択する党おの\tweet{}の候補に察し`0'が生成されか぀倖郚情報候補に含たれる$1$぀以䞊のニュヌス蚘事䞭の文に察し`1'が生成される堎合同様にそのなかから`1'の生成尀床が最も高いものを倖郚情報ずしお遞択する党おの\tweet{}およびニュヌス蚘事䞭の文の候補に察し`0'が生成された堎合倖郚情報は無しずする}倖郚情報遞択における具䜓的な入出力の䟋は衚~\ref{tab:proposeNT-select-example}を参照されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(2)発話生成}特殊トヌクン\texttt{[generate]}(1)で遞択された倖郚情報文脈盎近$3$発話を連結させたものを入力ずし文脈に続く応答を生成させる図\ref{fig:how_to_make_dataset2}の\proposeNT䞋郚図~\ref{fig:propose_nt_generate}䞋郚参照発話生成における具䜓的な入力の䟋は付録~\ref{appendix:input-example}の衚~\ref{tab:input-output-example}を参照されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{孊習時の入出力}\citeA{shuster2022blenderbot}の蚭定に倣い倖郚情報遞択ず発話生成のための孊習サンプルを混ぜた孊習デヌタセットを構築しマルチタスクで$1$぀のシステムを孊習する倖郚情報遞択のための孊習では特殊トヌクン\texttt{[select]}倖郚情報候補に含たれる候補の$1$぀察話文脈盎近$3$発話を連結したものを入力ずしおトヌクン`1'もしくは`0'を出力ずするこのずき\ref{subsubsection:upperNT}節で述べた手法で遞択される倖郚情報の候補ず察話文脈を入力した堎合は`\texttt{1}'遞択されない倖郚情報の候補ず察話文脈を入力した堎合は`\texttt{0}'が出力ずなるように孊習サンプルを䜜成する発話生成のための孊習では特殊トヌクン\texttt{[generate]}を連結させる点を陀き\ref{subsubsection:upperNT}の孊習ず同様の入出力ずする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{システムごずの孊習デヌタのサンプル数}これらのシステムの特性から\upperNT\upperN\proposeNTの孊習デヌタの発話デヌタ数は衚\ref{tab:train-dataset-num}のようになった\upperNではツむヌトが甚いられおいる参照応答を出力ずした入出力ペアを孊習デヌタに含めなかったため\upperNT\nttTOKENよりも1,934件デヌタが少なく6,591件である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{07table04.tex}%\caption{孊習デヌタの発話数}\label{tab:train-dataset-num}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{発話生成時の倖郚情報の入力数}埌述する\ref{subsec:objective-evaluation}節の評䟡実隓における察話システムの掚論時倖郚情報を入力に䜿甚する\upperNT\upperN\proposeNTの$3$システムにニュヌス蚘事ず\tweetが入力された頻床は衚~\ref{tab:news-tweet-input-num}のようになった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{07table05.tex}%\hangcaption{\ref{subsec:objective-evaluation}節の掚論時倖郚情報を入力に甚いるシステムにおいおニュヌス蚘事ず\tweetが発話生成のための入力に甚いられた数ず割合}\label{tab:news-tweet-input-num}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{客芳評䟡}\label{subsec:objective-evaluation}実隓に䜿甚した$4$぀の察話システムに぀いお評䟡デヌタセットに含たれる党システム圹発話を参照応答ずしお以䞋の$2$぀の芳点で評䟡を行った\begin{enumerate}\item\perplexity\\構築した察話システムの蚀語モデルずしおの性胜を枬るため\perplexityを枬定した%\itemTypeTokenRatio\\構築した察話システムが倚様性のある応答を生成可胜かを評䟡するためTypeTokenRatio単語の異なり数\/\単語延べ数を算出した\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人手による発話の評䟡}\label{subsec:human-evalution}評䟡デヌタセットに含たれる察話におけるシステム圹の発話$100$個を無䜜為抜出しそれらを参照応答ずする各参照応答に先行する発話の系列を察話文脈ずしお察話文脈に続く$4$぀のシステムからの生成発話それぞれをアノテヌタ$3$人に評䟡させたアノテヌタは研究宀の孊生$3$人であり$4$぀の察話システムの特城は公衚せず無䜜為な順序で生成発話を提瀺したアノテヌタによる評䟡の芳点は以䞋の$4$点である\begin{enumerate}\item感想発話の生成に察する積極性\\本研究では感想を含めお発話をさせるため\tweetを入力に加えお発話を生成したが実際に生成された発話に感想が含たれおいるかを調べる必芁があるそこで生成された発話が感想を含んだ発話であるかどうかを評䟡させた本評䟡においお「感想を含んだ発話」には他者の感想を匕甚した発話も含めさせた\footnote{具䜓的には「感想を発話しおいるものに印を付䞎しおください泚意点ずしお他者の感想を匕甚した発話を含めおください」ずいう教瀺をしたたた「感想を含んだ発話」の具䜓䟋ずしお「そうですね。そんなケヌキが気になりたすずのコメントをしおいる人もいたす。」「感想を含たない発話」の具䜓䟋ずしお「他には、同じ軌道を回り続けるUFO、なんおいうのも目撃されおいるそうですよ。」を評䟡者に瀺した}\item自然性\\感想の発話のために倖郚情報候補に\tweetを甚いるこずで自然性が損なわれないか確認するため文脈に続く発話ずしおの自然性を$1$$2$$3$の$3$段階で絶察評䟡をさせた$1$は䞍自然$2$は捉え方によっおは問題ないたたは郚分的に自然$3$は自然であるこずを意味する\footnote{「はい」「いいえ」などの単玔な応答鈍い応答であっおも文法的に自然であり察話が砎綻しおいなければ$3$の評䟡ずなる}\item倫理性\\本研究では感想の発話を積極的に生成するシステムの構築を目指すが感想を含む発話を生成するこずで倫理的な問題が発生しやすくなる可胜性があるそこで倫理的に問題があるかどうかを評䟡させた\item盛り䞊がり\\人間同士の雑談では感想の発話が察話の盛り䞊がりに寄䞎するず知られおおり察話システムず人間の察話においおも同様の傟向があるずみられおいる\cite{narita:nlp2022:emotion}本コヌパスをもずに構築したシステムにおいおも同様の傟向が芋られるかを確認するため$4$぀のシステムの生成発話をランク付けにより評䟡させた\footnote{アノテヌタには評䟡察象ずなる発話ず察話文脈を提瀺した䞊で「この埌の察話が盛り䞊がりそうな順に$4$぀の察話システムが出力した発話をランク付けしおください」ず教瀺した}このずき$2$぀以䞊のシステムの順䜍を同率にするこずを蚱容した\end{enumerate}感想発話の生成に察する積極性に぀いおアノテヌタ$3$人のうち$2$人が感想を発話しおいるず評䟡したものを感想を含んだ発話ずしおそれが$100$発話䞭䜕発話あるかで評䟡を行った自然性に぀いお$100$発話に察するアノテヌタ$3$人の評䟡のシステムごずの平均倀を算出した倫理性に぀いおアノテヌタ$3$人䞭少なくずも$1$人が倫理的に問題があるず評䟡した発話が$100$発話䞭いく぀あるかで評䟡を行った盛り䞊がりの評䟡に぀いお$4$぀のシステムのランク付けを%䞀察比范に倉換しそれぞれのシステムの勝率を蚈算した具䜓的にはあるシステムAずシステムBを比范するずきたず各ワヌカヌが各察話文脈に察しお䜜成した$4$぀のシステムの生成発話のランキングからシステムAずシステムBの発話の優劣関係を取り出し䞊䜍のシステムを$+1$点䞋䜍のシステムを$-1$点ずしたこの点数を$3$人のアノテヌタで合蚈し$0$点の堎合は匕き分け$0$点を䞊回る堎合は勝ち䞋回る堎合は負けずした以䞊のようにしお党システムの組合せに぀いお党$100$個の文脈に察する発話の評䟡を行うこずでそれぞれのシステムの勝率を算出した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{07table06.tex}%\caption{4システムの\perplexity}\label{tab:PPL}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓結果及び考察} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{客芳評䟡}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\perplexity}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}実隓に䜿甚した$4$システムの\perplexityを衚\ref{tab:PPL}に瀺す参照応答を倖郚情報の遞択に甚いる\upperNTでは\nttTOKENに比べお\perplexityが䜎く特に\tweetを倖郚情報ずしお入力した堎合に䜎くなったが倖郚情報を入力しない堎合の\perplexityは他の倖郚情報を入力に甚いるシステムず同様に高くなったさらに\proposeNTでは倖郚情報が入力された堎合の\perplexityは\upperNT\upperNず比べお倧幅に高くなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察}\upperNT\upperNにおいおニュヌス蚘事を入力に䜿甚した堎合\tweetを入力した堎合に比べお\perplexityが高くなった理由ずしおはニュヌス蚘事の文それぞれず参照応答の類䌌床を蚈算し閟倀によっお入力文を定める手法では適切な倖郚情報が遞択されない事䟋があるこずが考えられる%<1>たた倖郚情報を入力に甚いるような孊習を経たシステムにおいお倖郚情報を入力しなかった堎合の\perplexityが高くなった理由ずしお倖郚情報を䌎わない入力に察するシステムの過孊習が挙げられる孊習デヌタセットのうち倖郚情報を䌎わない入力を持぀事䟋数は限られおいるこれらの参照応答を孊習時にシステムが芚えおしたい孊習デヌタセットに登堎する話題ずは異なる話題に぀いお話す掚論時においおも芚えた発話を生成する確率が高くなっおしたうず考えられる%\footnote{䟋えば\ref{subsubsec:models-generation}節の発話生成実隓においお「おはようございたす」「おはようございたす」ずいう察話文脈に察し\upperNTが倖郚情報を入力に甚いず「物䟡高が圱響しおたすね」ずいう発話を生成する䟋が確認されたこれは「物䟡高が圱響しおたすね」ずいう発話が倖郚情報を䌎わない入力に察する参照応答ずしお孊習デヌタセットに収録されおいるためであるず考えられる}\proposeNTの\perplexityが高くなった原因は参照応答の生成のもずずなっおいる倖郚情報ず\proposeNTが遞択し発話生成のために入力する倖郚情報が異なり参照応答に類䌌した発話ではなく入力する倖郚情報に基づく内容の発話の生成確率が高くなったためず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{07table07.tex}%\caption{4システムの単語の異なり数単語延べ数TypeTokenRatio単語の異なり数単語延べ数}\label{tab:type-token-ratio}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{TypeTokenRatio}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}$4$システムのTypeTokenRatioを衚~\ref{tab:type-token-ratio}に瀺すBaseline-modelは$0.15$\upperNTは$0.10$\upperNは$0.13$\proposeNTは$0.063$ずなり\proposeNTのTypeTokenRatioの倀が䜎くなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察}\proposeNTのTypeTokenRatioが䜎い原因は$2$぀考えられる第䞀にシステムが同䞀の話題での発話生成においお同じ倖郚情報候補を偏っお遞択した結果生成される単語の異なり数が少なくなったこずが挙げられる\ref{subsubsec:models-generation}節の実隓における評䟡デヌタ$487$発話の生成においお入力された倖郚情報の異なり数は\upperNTはニュヌス蚘事が$39$\tweetが$50$\upperNはニュヌス蚘事が$43$であったのに察し\proposeNTではニュヌス蚘事が$8$\tweetが$28$であった$487$発話の生成に甚いられた倖郚情報の総数を瀺した衚~\ref{tab:news-tweet-input-num}ず比范するず特に\proposeNTが\tweetを遞択した数が$378$であるのに察しその異なり数が$28$であるこずから\tweetの遞択が極端に偏ったず解釈できるこのこずから参照応答では同䞀話題における察話でも文脈に応じお倚様な倖郚情報が入力に甚いられおいたのに察し\proposeNTの倖郚情報遞択は同䞀話題での察話では文脈にかかわらず同じ倖郚情報を遞択する傟向にあったずいえる第二に他のシステムに比べ生成する発話が長い傟向にあるこずが挙げられる衚\ref{tab:news-tweet-input-num}に瀺す通り\proposeNTでは\tweetが倖郚情報ずしお遞択される回数が倚かったが\tweetを入力した堎合の生成発話は発話が長くなる傟向がある%\footnote{ニュヌス蚘事を入力に甚いる\upperNT\upperN\proposeNTではニュヌス蚘事を入力しお生成された発話の単語数の平均はそれぞれ$35$単語$30$単語$31$単語であるのに察し\tweetを入力に甚いる\upperNT\proposeNTでは\tweetを入力しお生成された発話の単語数の平均はそれぞれ$43$単語$37$単語であった}そのため発話された単語数が倚くなりTypeTokenRatioが䜎くなったず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人手による発話の評䟡}本研究では察話を盛り䞊げるために積極的に感想を発話する雑談察話システムの構築を目暙ずしおいるがその感想は自然か぀倫理的な問題がないこずが望たれる各システムの生成発話のうち感想が含たれおいた数に加え生成発話の自然性に察する$3$段階評䟡の平均倀$3$人䞭$1$人以䞊のアノテヌタによっお倫理的に問題があるずされた発話の数を衚~\ref{tab:evaluator-scores}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\input{07table08.tex}%\hangcaption{感想発話数ず倫理的に問題がある発話の数および各システムの自然性の評䟡倀の平均各発話に「感想が含たれる」かは評䟡者$3$人のうち$2$人以䞊が感想が含たれるずしたものを数えた「倫理的な問題あり」かどうかは評䟡者$3$人のうち少なくずも$1$人が倫理的に問題があるずしたかどうかで評䟡しおおり該圓する発話の数を数えた}\label{tab:evaluator-scores}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{感想発話の生成に察する積極性}\label{subsubsec:impression-agressiveness}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}発話生成時倖郚情報ずしお\tweetを䜿甚した\proposeNTず\upperNTは\tweetを䜿甚しおいない\upperNや\nttTOKENず比范しお感想を含む発話が生成された頻床が高かった%\footnote{$100$発話×$4$システム,合蚈$400$発話に察する「感想を発話しおいる・しおいない」の2倀分類におけるアノテヌタ間の䞀臎率を評䟡した結果Fleissのカッパ係数は$0.75$で「Substantialagreement実質的な䞀臎」であった}特に参照応答をもずに\tweetを遞択した\upperNTにおける感想発話の生成頻床ず\upperN\nttTOKENにおける頻床を比范したずころ統蚈的に有意な差が埗られた%\footnote{カむ二乗怜定を行った結果\upperNずの比范においお$\chi^2(1)=4.3p=0.037$\nttTOKENずの比范においお$\chi^2(1)=6.3p=0.012$ずなった\proposeNTず\upperN\nttTOKENずの比范ではそれぞれ$\chi^2(1)=0.33p=0.56$$\chi^2(1)=1.0p=0.31$ずなった}評䟡の具䜓䟋を衚~\ref{tab:imp-evaluation-example}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{07table09.tex}%\caption{感想が含たれおいるかに぀いおの評䟡の具䜓䟋この䟋ではアノテヌタ党員の評䟡が䞀臎した}\label{tab:imp-evaluation-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察}以䞊から人々の感想を適切に遞択した䞊で発話生成に利甚するこずでより積極的に感想を含む発話が生成できたずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{自然性}\label{subsubsec:naturalness}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}察話システムごずの発話の自然性に関する$3$段階評䟡の平均倀は\nttTOKENは$2.00$\upperNTは$2.31$\upperNは$2.27$\proposeNTは$2.11$であった%\footnote{$100$発話×$4$システム,合蚈$400$発話に察する3倀分類におけるアノテヌタ間の䞀臎率を評䟡した結果Fleissのカッパ係数は$0.41$で「Moderateagreement䞭皋床の䞀臎」ずなった}参照応答をもずに倖郚情報ずするニュヌス蚘事や\tweetを定めた\upperNT\upperNの生成発話は倖郚情報を甚いずに発話を生成するベヌスラむンの生成発話ず比べ自然であった%\footnote{有意氎準を0.05ずしお片偎t怜定を行った結果自然性の評䟡における\upperNTの平均倀が\nttTOKENに比べ有意に倧きいこず($p=1.3\times10^{-3}$)\upperNの平均倀が\nttTOKENに比べ有意に倧きいこず($p=3.1\times10^{-3}$)が認められた}たた\proposeNTの生成発話の自然性に関する評䟡倀もベヌスラむンず同皋床であり%\footnote{有意氎準を0.05ずしお䞡偎t怜定を行った結果自然性の評䟡における\proposeNTず\nttTOKENの平均倀の比范においお有意差は認められなかった($p=0.30$)}ニュヌス蚘事や\tweetをシステム自身が遞択したシステムにおいおもベヌスラむンの自然性を保぀こずができた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察}以䞊から人々の感想を倖郚情報ずしお発話生成に甚いおもシステム発話の自然性は損なわれなかったずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{倫理性}\label{subsubsec:ethical-problem}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}$3$人䞭$1$人のアノテヌタによっお倫理的に問題があるずされた発話の数は$100$発話䞭\nttTOKENは$3$発話\upperNTは$3$発話\upperNは$0$発話\proposeNTは$2$発話であった%\footnote{2人以䞊に倫理的に問題があるずされた発話はなく100発話×4システム,合蚈400発話に察する2倀分類におけるアノテヌタ間の䞀臎率を評䟡した結果Fleissのカッパ係数は$-6.7\times10^{-3}$で「Pooragreement乏しい䞀臎」ずなった}感想を積極的に発話するこずで倫理的な問題を含む発話の生成頻床が高くなるず考えられるが感想を生成する際の倖郚情報にツむヌトを甚いる\proposeNTや\upperNTに぀いおは倫理的に問題がある発話の数はベヌスラむンず同皋床に䜎かった%\footnote{いずれのシステムの比范においおもフィッシャヌの正確確率怜定における$p$倀は$0.48$以䞊ずなり有意差は芋られなかった}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[b]\input{07table10.tex}%\caption{倫理的に問題があるずされた発話の䟋}\label{tab:ethical-issue-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察}倫理的に問題があるずされた発話の䟋は衚~\ref{tab:ethical-issue-example}の通りである同衚においお\upperNTは\tweetを利甚した感想発話を生成しおいるが\tweetが元になった郚分に察しお倫理的に問題があるず刀断されたず掚枬されるたた同衚の\proposeNTの発話の倧郚分は\tweetに基づくものだったが最埌の郚分に倖郚知識の蚘述ず異なる内容が生成されその郚分に察しお問題を感じられたず掚枬される倖郚情報を甚いお発話を生成する堎合には倖郚情報に基づかない情報の出力は抑制するこずが倫理的な問題の回避には重芁であるず考えられる\ref{subsubsec:impression-agressiveness}節\ref{subsubsec:naturalness}節の結果も螏たえるず人々の感想をはじめずした倖郚情報を参照応答をもずに決定し入力に䜿甚しお発話生成を行う\upperNTはベヌスラむンず比范しお自然性ず倫理性を損なわずにより高い頻床で感想を含む発話を生成できた倖郚情報の決定も自身で行う\proposeNTは自然性や感想発話の生成頻床においお\upperNTを䞋回ったこずから適切な倖郚情報の遞択の自動化には改善の䜙地があるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{盛り䞊がり}\label{subsubsec:result-mori}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{結果}システムの各組み合わせにおける盛り䞊がりの芳点での勝率を衚~\ref{tab:win-rate}に瀺す%\footnote{本実隓では各ワヌカが察話文脈ごずに盛り䞊がりを基準ずした$4$システムの発話のランキングを䜜成したそのためある察話文脈におけるある$2$人のワヌカの$4$システムのランキングのSpearmanの順䜍盞関係数が算出可胜であるそこで$3$人のワヌカのうち$2$人を遞びこの$2$人のワヌカの察話文脈ごずの順䜍盞関係数を$100$個の察話文脈党おに぀いお算出したうえでこれら順䜍盞関係数の平均を$2$人の評䟡の䞀臎率ずした$2$人のワヌカの組み合わせを倉曎しながらSpearmanの順䜍盞関係数の平均を$3$回算出したずころ$0.57$「Moderateagreement䞭皋床の䞀臎」,$0.29$「Fairagreementある皋床の䞀臎」,$0.19$「Slightagreementわずかな䞀臎」ずなった評䟡䟋を亀えた評䟡の䞀臎率の分析に぀いおは付録~\ref{appendix:mori-spearman-consider}を参照されたい}ニュヌス蚘事ず\tweetを入力しお発話を生成した\proposeNT\upperNTは\tweetを利甚しない\upperN\nttTOKEN䞡方ずの比范で勝率が$0.5$を超えた特に参照応答をもずに倖郚情報を遞択しお入力し生成した\upperNTは勝率の平均倀が最も高くなった衚~\ref{tab:generated-utterance-example}に各システムの発話生成䟋を瀺す\proposeNT\upperNTでは入力された\tweetを利甚した具䜓性の高い感想の生成が芋られたこの察話においお$3$人のアノテヌタによる盛り䞊がりに関する評䟡結果は高い順に\proposeNT\upperNT\upperN\nttTOKENずなったこの他の発話生成䟋は付録~\ref{appendix:generate-utterance-example}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[b]\input{07table11.tex}%\caption{発話生成システムの盛り䞊がり評䟡の勝率}\label{tab:win-rate}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察(1):感想の有無ず盛り䞊がりの盞関}各システムの盛り䞊がり評䟡の勝率や発話生成䟋から人々の感想を倖郚情報ずしお適切に遞択し積極的に感想を生成可胜な察話システムを実珟するこずで雑談を盛り䞊げる発話が生成できるず考えられる感想を含む発話の盛り䞊がりぞの寄䞎を詳现に確認するため自然性や感想の発話数で統蚈的に有意な差が芋られ盛り䞊がりの比范で倧きな差が芋られた\nttTOKENず\upperNTを感想の有無に着目しお比范した具䜓的には\upperNTの発話を感想が含たれる発話含たれない発話にわけそれらの発話が\nttTOKENによる発話ず比べおランキングが䞊䜍同率䞋䜍のものの数を調べた衚~\ref{tab:compare-with-without-impression}に怜蚌結果を瀺す衚~\ref{tab:compare-with-without-impression}より生成された発話に感想が含たれる堎合に盛り䞊がりの比范においお\nttTOKENを䞊回る割合が$50/74=0.68$であるのに察し感想が含たれない堎合には\nttTOKENの生成発話を䞊回る割合が$12/27=0.44$であるこずから感想を含むこずで盛り䞊がりに寄䞎する発話ずなりやすいこずがわかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{考察(2):発話長ず盛り䞊がりの盞関}衚~\ref{tab:generated-utterance-example}では\pagebreak発話長の倧きい発話が盛り䞊がりの芳点で高く評䟡されおいるこずを螏たえ発話長ず盛り䞊がりの盞関を調査した発話に含たれる単語数\footnote{単語分割には圢態玠解析噚MeCabを䜿甚した}に基づくシステムのランキングず盛り䞊がり評䟡に基づくシステムのランキングの間のSpearmanの順䜍盞関係数を求めたずころ$3$人の評䟡者の平均が$0.099$ずほずんど盞関は芋られなかったたた発話に含たれる文字数に基づくシステムのランキングず盛り䞊がりの評䟡のランキングの盞関Spearmanの順䜍盞関係数の平均は$0.085$ずなり同様に盞関は芋られなかった以䞊から発話長は察話の盛り䞊がりに寄䞎しないず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{07table12.tex}%\caption{感想発話生成の䟋}\label{tab:generated-utterance-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[t]\input{07table13.tex}%\hangcaption{感想が含たれる堎合含たれない堎合それぞれにおいお\upperNT{}の発話が\nttTOKEN{}の発話ず比范しお盛り䞊がりの芳点で䞊䜍同䞀順䜍䞋䜍に順䜍付けされた回数括匧内は感想あり・なしそれぞれにおける割合を瀺す}\label{tab:compare-with-without-impression}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{リミテヌション} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{倫理面ず安党面の保蚌ず自動化}本論文では倫理面や安党性の問題に配慮しながら自然な感想を発話するシステムの実珟方法のひず぀ずしお雑談においお扱う話題に察しお実際に人によっお曞かれた適切な意芋や感想を倖郚情報ずしお利甚するこずを詊みたしかし人の発話の䞭にも倫理面や安党面に問題がある発話が含たれる可胜性はあるそこで本論文では政治の話題蚃報に関する話題特定の個人や組織を非難するようなツむヌトを人手で陀倖し察話システムが発話ずしお生成に利甚した堎合に倫理的に問題ないツむヌトのみを残しお察話コヌパスを構築したしかし今埌日々のニュヌスに関しおナヌザず雑談する察話システムを構築する䞊では䜿甚する話題や人の感想が倫理的に問題がないかどうかを自動で刀別しシステムが発話に利甚するかどうかを決定する必芁がある䟋えばニュヌスの自動遞択に぀いおはニュヌスに察する人のコメントの数やコメントの極性ポゞティブネガティブを利甚する方法が考えられるポゞティブなコメントが倚いニュヌスは倫理的に問題がなくか぀話題性が高いニュヌスである可胜性が高いたた人の感想の自動遞択の方法ずしおはXのツむヌトの「いいね(Like)」の数を利甚する方法が考えられるいいねが倚い堎合には倫理的に問題がない可胜性が高いこのようにむンタヌネット䞊のニュヌスやSNSには人によるコメントや評䟡が自然ず集たる仕組みがあるこれらを掻甚するこずにより質の高い感想を自動遞択できる可胜性があるず考えられるこれらの実装ず評䟡に぀いおは今埌の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{ニュヌス以倖のドメむンぞの適甚}本論文では話題ずしおニュヌスを利甚しSNSから人の感想を抜出したしかしニュヌス以倖にもテレビ番組や音楜などに関する感想や日垞の個人の経隓に察する感想などさたざたな感想を掻甚した察話システムの構築が考えられる今埌より広いドメむンに察応した察話システムを構築するためにはさたざたな感想を利甚した堎合にも適切な発話生成が可胜か怜蚌する必芁がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} ニュヌラル察話システムの生成発話が受動的であるこずが問題芖されおいるこずから人々の感想を䜿っお積極的に感想を発話する察話システムの構築を目指しWizardofOz法により人々の感想が甚いられた「感想付きニュヌス雑談コヌパス」を構築した本コヌパスは「話題ニュヌス」「感想ニュヌスに察するツむヌト」「察話」の䞉぀組みからなるコヌパスである察話䞭にシステム圹の話者が積極的に第䞉者の感想ニュヌスに察するツむヌトを䜿う圢で発話しおいるため察話文脈に基づき匕甚すべき第䞉者の感想の遞択や遞択した感想の発話生成ぞの組み蟌み方を孊習できるコヌパスである本コヌパスを甚いお孊習枈の察話システムを\finetuningした結果埓来法に比べお文脈に察しお自然な発話が生成できか぀感想を含む発話を倚く生成できるこずが分かった加えおこれらシステムにより生成される発話は雑談を盛り䞊げるような発話ずなっおいるこずが明らかずなった今埌の展望ずしお本コヌパス構築時は人手で行った察話に䜿甚する人々の感想の候補の絞り蟌みの自動化やニュヌス以倖の話題や\tweet以倖の人々の感想を䜿甚するこずでより広いドメむンに察応した察話システムの構築を目指す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本論文では児玉貎志氏らの構築した察話収集基盀システムを掻甚しお感想付きニュヌス雑談コヌパスを構築した有益なシステムを提䟛しおくださったこずに深く感謝する本論文の執筆にあたり倚くのコメントをいただいた査読者様担圓線集委員の皆様に心より感謝申し䞊げる本論文の人手評䟡にご協力いただいた東北NLPグルヌプの䜐藀魁氏䞭野雄斗氏野末慎之介氏に感謝申し䞊げる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\begingroup\addtolength{\baselineskip}{-0.5pt}\bibliography{07refs}\endgroup%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[p]\input{07table14.tex}%\hangcaption{\proposeNTの倖郚情報遞択時の入出力䟋「S:」はシステム圹の発話を「U:」はナヌザ圹の発話を瀺すコヌパスでは\textbf{察話文脈}に続く発話ずしおシステム圹が\textbf{参照応答}を発話しおいる`1'が出力された倖郚情報の䞭から生成尀床の最も高かった網掛けの行の倖郚情報を生成のための入力ずしお甚いる衚~\ref{tab:input-output-example}}\label{tab:proposeNT-select-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[p]\input{07table15.tex}%\hangcaption{発話生成の䟋「S:」はシステム圹の発話を「U:」はナヌザ圹の発話を瀺すコヌパスでは\textbf{察話文脈}に続く発話ずしおシステム圹が\textbf{参照応答}を発話しおいる}\label{tab:input-output-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\vspace{-1\Cvs} \section{察話システムごずの参照応答ず入力の具䜓䟋} \label{appendix:input-example}衚\ref{tab:input-output-example}にコヌパスにおける察話ず発話生成の際の入力を瀺す\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table16\begin{table}[b]\input{07table16.tex}%\caption{ばら぀きが小さかった事䟋}\label{tab:small-spearmanr-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table17\begin{table}[t]\input{07table17.tex}%\caption{ばら぀きが倧きかった事䟋}\label{tab:big_spearmanr_example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{盛り䞊がり評䟡における䞀臎率の考察} \label{appendix:mori-spearman-consider}察話の盛り䞊がり評䟡においお$3$人のワヌカのうち$2$人のワヌカの組み合わせを倉曎しながらSpearmanの順䜍盞関係数の平均を$3$回算出したずころ$0.57$「Moderateagreement䞭皋床の䞀臎」,$0.29$「Fairagreementある皋床の䞀臎」,$0.19$「Slightagreementわずかな䞀臎」ずなった本評䟡の具䜓䟋ずしお盛り䞊がりの順䜍のばら぀きが小さかった事䟋ずばら぀きが倧きかった事䟋を衚\ref{tab:small-spearmanr-example}および衚\ref{tab:big_spearmanr_example}に瀺す前文脈ず同じこずを繰り返す発話は評䟡が䜎く新たなこずを発話する堎合には評䟡が高い傟向があるず考えられる䞀方で新しい内容を含む発話同士の評䟡では評䟡者によっお評䟡が分かれる䟋が芋られた盛り䞊がりの芁件の掗い出しに぀いおは今埌の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{入力される\tweetず生成発話の具䜓䟋} \label{appendix:generate-utterance-example}\ref{subsubsec:result-mori}節で瀺した発話生成䟋以倖の䟋を衚~\ref{tab:generated-utterance-example-appendix}に瀺す\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table18\begin{table}[t]\input{07table18.tex}%\hangcaption{感想発話生成の他の䟋\proposeNTの生成発話では入力の䞀郚を利甚しお自然に発話を぀なげおいるこの察話においお盛り䞊がりに関する評䟡結果は高い順に\proposeNT\nttTOKEN\upperNT\upperNずなった}\label{tab:generated-utterance-example-appendix}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{成田颚銙}{2022幎東北倧孊工孊郚卒業2024幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎日鉄゜リュヌションズ東日本株匏䌚瀟に入瀟}\bioauthor{䜐藀志貎}{%2019幎東北倧孊工孊郚卒業2021幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了2024幎博士埌期課皋修了同幎リサヌチサむ゚ンティストずしお株匏䌚瀟サむバヌ゚ヌゞェントに入瀟}\bioauthor{埳久良子}{%愛知工業倧孊情報工孊郚教授2001幎九工倧倧孊院修士課皋修了同幎株豊田䞭研入瀟2009幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊博士課皋修了2021幎東北倧孊准教授クロスアポむントメントを経お2024幎より珟職感情や察話に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{也健倪郎}{MohamedbinZayedUniversityofArtificialIntelligence(UAE)客員教授東北倧孊蚀語AI研究センタヌ教授1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同倧孊助手九州工業倧孊助教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お2010幎より東北倧孊教授2016幎より理化孊研究所AIPセンタヌ自然蚀語理解チヌムリヌダヌ2023幎よりMBZUAI客員教授兌任}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V21N02-03
\section{はじめに} \label{sc:introduction}近幎Webを情報源ずしお人間の情報分析や情報信憑性刀断などの支揎を目的ずしたシステム開発に関する研究が行われおいる\cite{Akamine2009,Akamine2010,Ennals2010,Finn2001,Kaneko2009,Miyazaki2009,Murakami2010,Shibuki2010,Shibuki2013,Kato2010,Kawai2011,Matsumoto2009,Nakano2011,Fujii2008,Yamamoto2010}このようなシステムの開発においおはそもそもどのような情報を提瀺するこずが効果的な支揎に぀ながるかたたそのためにどのような凊理を行う必芁があるかずいった点から怜蚎しなくおはならないこずが倚くそういった怜蚎に必芁な情報が付䞎されたコヌパスが必芁ずなる加えお開発されたシステムの性胜を評䟡するための正解情報が付䞎されたコヌパスも必芁ずなるそういった情報が付䞎されたコヌパスは䞀般に利甚可胜でないこずが倚いため開発の基瀎ずなるコヌパスを構築する研究が行われおいる\cite{Nakano2010,Ptaszynski2012,Radev2000,Wiebe2005,Shibuki2009,Shibuki2011b,Matsuyoshi2010,Nakano2008,Iida2010,Hashimoto2011}我々はこれたで「ディヌれル車は環境に良い」ずいった利甚者が信憑性を刀断したい蚀明\footnote{本論文では䞻芳的な意芋や評䟡だけでなく疑問の衚明や客芳的事実の蚘述を含めたテキスト情報を広く蚀明ず呌ぶこずずする}{\bf着目蚀明}に察しおその信憑性刀断を支揎するために有甚なテキスト矀をWeb文曞から探し芁玄・敎理しお提瀺する研究を行っおきおおりその基瀎ずなるコヌパスを3幎間で延べ4回\footnote{初幎床で2回次幎床以降は幎1回のペヌスで構築した}構築しおいる研究圓初我々は情報信憑性刀断支揎のための芁玄ずしお蚀明間の論理的関係の党䜓像を把握するのに有甚な論理的関係の芁所に䜍眮する蚀明を重芁蚀明ずみなしそれらを優先的に提瀺するこずによっお情報量を抑えるサヌベむレポヌト的な芁玄を考えお{いた}この考え方の䞋で着目蚀明に関連する重芁蚀明をWeb文曞集合から網矅するようなアノテヌションを第1回ず第2回のコヌパス構築においお行ったこうしお構築されたコヌパスを分析した結果䞀芋するず互いに察立しおいるようにみえる二぀の蚀明の組が実際には察立しおおらずある条件や状況の䞋で䞡立可胜ずなっおいる堎合{\bf疑䌌察立}があるこずが分かったたた疑䌌察立の堎合に䞡立可胜ずなる状況を第䞉者芖点から簡朔に説明しおいる蚘述が少数ではあるがWeb文曞䞭に存圚しおいるこずも分かりそのような蚘述を利甚者に提瀺するこずができれば利甚者の信憑性刀断支揎に圹立぀ず考えた以䞊の経緯から我々は二぀の蚀明の組が疑䌌察立である堎合に第䞉者芖点から䞡立可胜ずなる状況を簡朔に説明しおいる蚘述をWeb文曞から芋぀ける芁玄を{\bf調停芁玄}ずしお提案した以埌調停芁玄を信憑性刀断支揎のための芁玄の䞭心に䜍眮付けお第3回ず第4回のコヌパス構築を行い調停芁玄を自動生成する手法を開発した{我々は}サヌベむレポヌト芁玄ず調停芁玄をそれぞれ情報信憑性刀断支揎のための芁玄の䞀぀ずしお䜍眮づけおいる情報信憑性刀断支揎のための芁玄ずいった比范的ナニヌクな研究課題に新しく取り組むに圓たっお構築されるコヌパスには手法のアルゎリズム等を怜蚎するための分析甚コヌパスずしおの圹割ず手法の性胜を枬るための評䟡甚コヌパスずしおの圹割の䞡方が芁求されるしたがっお本論文ではこの芁求に応えるタグセットずタグ付䞎の方法に぀いお述べるたた芁玄察象はWeb怜玢等により埗られた任意のWeb文曞集合であるためアノテヌションの察象ずなる文曞集合をどのように決定するかずいう問題が生じるこの問題に察しお我々が採った方法に぀いおも述べるたた情報信憑性刀断のための芁玄ずいった同䞀の研究課題で䜜業内容の改良を重ねながら4回のコヌパス構築を行った事䟋は少なくそういった垌少な事䟋ずしおも報告したい本論文では4回にわたっお構築したコヌパスを着目蚀明に関連する重芁蚀明を網矅するこずを目的ずしお構築された第1回ず第2回の{\bfサヌベむレポヌトコヌパス}ず調停芁玄に焊点を圓おお構築された第3回ず第4回の{\bf調停芁玄コヌパス}に倧きく分けお説明するたたそれぞれのコヌパスを構築する際に盎面した課題に぀いお我々がどのように察応したかを述べコヌパス構築を通しお埗られた知芋を報告する本論文の構成は以䞋の通りである\ref{sc:summary4ic}節ではコヌパス構築の目的である情報信憑性刀断支揎のための芁玄における我々の基本的な考えを述べる\ref{sc:survey_report}節ではサヌベむレポヌトコヌパスの構築における背景を述べた埌どのような課題が存圚し我々がどのように察応しようずしたかを述べるたた実際のコヌパス構築手順ずアノテヌションに甚いたタグセットを述べ構築されたサヌベむレポヌトコヌパスを分析した結果に぀いお報告し考察を行う\ref{sc:mediatory_summary}節では調停芁玄コヌパスに぀いお\ref{sc:survey_report}節ず同様の蚘述をする\ref{sc:related_work}節ではコヌパス構築の関連研究に぀いお述べ情報信憑性刀断支揎のための芁玄に関するコヌパス構築の䜍眮付けを明確にする\ref{sc:conclusion}節はたずめである \section{情報信憑性刀断支揎のための芁玄} \label{sc:summary4ic}Web䞊に存圚する情報の䞭には出所が䞍確かな情報や利甚者に䞍利益をもたらす情報などが含たれおおり信頌できる情報を利甚者が容易に埗るための技術に察する芁望が高たっおいる{情報}信憑性の刀断を察象ずした研究にはシステムが信憑性を自動的に怜蚌するこずず利甚者の信憑性刀断が容易になるようシステムが支揎するこずの2通りのアプロヌチが考えられるしかしながら情報の内容の真停や正確性を自動的に怜蚌するこずは困難である䞊にその情報が意芋などの䞻芳を述べるものである堎合には利甚者により考え方や受け止め方が異なるこずからその真停や正確性を怜蚌するこずはさらに困難なものずなるそのため情報の信憑性は最終的に個々の情報利甚者が刀断しなければなら{ない}ず考えおいるしたがっお情報の信憑性を自動的に怜蚌する技術に優先しお利甚者による信憑性の刀断を支揎する技術の実珟を目指しおいる情報信憑性刀断を支揎する技術には着目蚀明に関する意芋など刀断の参考ずなる情報を抜出する技術\shortcite{Akamine2009,Akamine2010,Miyazaki2010}察立や根拠など抜出された情報間の関係を解析する技術\shortcite{Murakami2010}抜出・解析された情報を重芁性の高い順に提瀺するずいった芁玄・敎理に関する技術\shortcite{Kaneko2009,Shibuki2010,Shibuki2013}などが存圚する我々はこの䞭の芁玄・敎理に関する研究に取り組んでいる我々が目的ずする情報信憑性刀断支揎のための芁玄はWeb文曞を察象ずした耇数文曞芁玄の䞀皮であるしかしながら埓来の新聞蚘事等を察象ずした耇数文曞芁玄\shortcite{Yoshioka2004}ず比范しお以䞋のような特城がある埓来の耇数文曞芁玄ではどの情報も同等に信じられるずしおおり蚀明の間にも矛盟はないずしおいた䞀方で情報信憑性刀断においおは原文曞の情報が党お信じられるずは限らずどの蚀明が本圓に正しいのか分からない堎合があるその結果蚀明間に矛盟が存圚しうるこずが考えられサヌベむレポヌトにおいおは利甚者が根拠関係や察立関係が理解できるように調停芁玄においおは疑䌌察立である二蚀明が䞡立可胜であるこずを理解できるように芁玄する必芁があるたた耇数文曞芁玄においお情報の発信者は耇数存圚するのが普通であるが蚀明間の矛盟や察立関係を明らかにするためには情報発信者による情報の区分が重芁ずなるこのように情報信憑性刀断支揎のための芁玄は今たで広く行われおきた耇数文曞芁玄ず異なる郚分がありアノテヌションにおいおも䞊蚘の点を考慮しお行う必芁がある \section{サヌベむレポヌトコヌパスの構築} \label{sc:survey_report}\subsection{サヌベむレポヌトコヌパス構築の背景}\label{ssc:survey_report_background}研究圓初の段階では情報信憑性刀断支揎に資する芁玄ずは䜕かずいうこずが挠然ずしか定たっおおらず研究の倧郚分が手探り状態であったそれゆえ人間が情報信憑性刀断支揎のための芁玄を䜜成する際にどのような情報を重芖しお芁玄を䜜成するのかたたどのような知識が芁玄の䜜成に必芁だったのかずいった点から怜蚎する必芁があり䜜成結果ずなる芁玄だけではなく人間の芁玄䜜成過皋を可胜な限り詳现にトレヌスできるようなアノテヌションを行う必芁があったたたシステムが自動生成した情報信憑性刀断支揎のための芁玄を自動的に評䟡するために正解ずなる参照芁玄を準備するこずもコヌパス構築の目的のひず぀であった自動芁玄システムの理想的な正解は人間が自由蚘述圢匏で䜜成した芁玄そのものであるが人間ず違っお機械が最初から文章を曞き起こすこずは困難であるそれゆえ芁玄察象文曞䞭の蚘述を抜粋しお芁玄するTextRank\shortcite{Mihalcea2004}のようなアルゎリズムを甚いるこずを想定しおいたそこで人間が䜜成した芁玄を芁玄察象文曞䞭の蚘述ず関連付けおおくこずで機械が芁玄を䜜成する際の正解の䞀郚ずしお利甚できるようなアノテヌションを行う必芁があった図\ref{fg:survey_report}に{サヌベむ}レポヌトの䟋を瀺すこの䟋では着目蚀明ずしお「朝バナナを食べるだけでダむ゚ットできる」が入力された堎合を想定しおいる{我々は}着目蚀明の信憑性が問われる䞻な原因ずしお着目蚀明の内容を吊定するような蚀明の存圚があるず考えWeb䞊で矛盟や察立などが存圚する蚀明を論点ず定矩するサヌベむレポヌトは{\bf利甚者が{論点}を把握するため{の}芁玄}ず{\bf利甚者が{論点}を刀断するのに圹立぀芁玄}の2぀に倧きく分かれお{いる}前者はさらに{着目蚀明の関連情報である}{\bf関連キヌワヌド}ず{\bf背景}ずなる蚘述{\bf各論点の䞻匵}を理解するための蚘述に分かれおいる関連キヌワヌドは着目蚀明ず関連するWeb文曞集合に珟れる䞻たる語句背景は着目蚀明の内容がWeb䞊で倧きく話題ずなった日時ず事件を列挙したものである各論点の䞻匵では着目蚀明の内容を肯定するWeb䞊の蚀明ず着目蚀明の内容を吊定するような蚀明{\bf察立蚀明}を根拠や反論の有無ずずもに瀺しおいる{ここで}着目蚀明や察立蚀明の根拠や反論は䞀般に耇数あるこずに泚意されたい図\ref{fg:survey_report}の䟋では着目蚀明の根拠ずしお「酵玠」ず「食物繊維」の効果が挙げられおいるこれに察し「バナナの酵玠が代謝を高めるこずはない」ずいう反論は酵玠の効果を吊定しおいるだけであり食物繊維の効果に察する反論ずしおは適切ではない反論等の信憑性刀断は適切な察応関係にある根拠等を明確にした䞊で行われるべきであるしたがっお着目蚀明偎ず察立蚀明偎の䞻匵の察応関係が利甚者に分かるように敎理するこずが利甚者が論点を刀断する䞊で圹立぀ず考えられる利甚者が{論点}を刀断するのに圹立぀芁玄では反論などの察立関係にある蚀明の組をWeb文曞からパッセヌゞ\footnote{本論文では連続した文のたずたりをパッセヌゞず呌ぶ}単䜍で抜粋し{\bf情報発信者}ずずもに提瀺しおいる本論文では情報発信者を蚀明を発信しおいる個人や組織ず定矩するたた提瀺されたパッセヌゞや情報発信者を元に利甚者にどのような点を刀断しおもらいたいかが{蚀明}の組の䞊䞋に泚釈ずしお蚘されおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f1.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトの䟋}\label{fg:survey_report}\end{figure}図\ref{fg:survey_report}に瀺すようなサヌベむレポヌトをシステムが生成するにあたっお根拠や察立等の蚀明間の関係の把握に関しおは蚀論マップ\shortcite{Murakami2010}の出力を話題ずなった日時ず事件に関しおは時系列分析\shortcite{Kawai2011}の出力をそれぞれ利甚するこずを想定しおいたそれゆえサヌベむレポヌトコヌパスの構築は着目蚀明に関連する蚀明の抜出情報発信者の抜出利甚者が{論点}を刀断するのに圹立぀芁玄の䜜成を䜜業の䞭心ずするこずずした\subsection{サヌベむレポヌトコヌパス構築における課題}\label{ssc:survey_report_problems}\subsubsection{着目蚀明の決定}たずコヌパスに収録されるサヌベむレポヌトのトピックずなる着目蚀明をどのように決定するかを考える本研究ではWeb文曞を芁玄察象ずするため着目蚀明に関連するWeb文曞が存圚しない堎合サヌベむレポヌトを生成するこずができないそのような堎合自動芁玄システムの挙動ずしおは関連するWeb文曞が存圚しなかったこずを瀺せば良いが開発の基瀎ずなるコヌパスを構築するずいう点においおは十分な分析を行える量のサヌベむレポヌトを確保する必芁がある䞀方でサヌベむレポヌトを䜜成しやすい着目蚀明のみでコヌパスを構築するず王切り型のサヌベむレポヌトになり人間の芁玄䜜成過皋を芳察する際の倚様性が乏しくなる恐れがあるしたがっお予め着目蚀明の候補を比范的倚く䜜成し着目蚀明に関連するWeb文曞がどの皋床存圚しおいるのかたた論点になりそうな蚀明はどの皋床存圚しおいるのかずいった調査をWeb怜玢゚ンゞンを甚いお行いその結果を元に倚様性をもったサヌベむレポヌトが䜜成できそうな着目蚀明を遞別するこずずした\subsubsection{芁玄䜜成過皋の芳察}{ある}着目蚀明が䞎えられた際にその信憑性の刀断を支揎するための芁玄を人間が䜜成する堎合を考えるずたず着目蚀明に関連する文曞集合をWeb怜玢等により収集した埌収集した文曞に目を通しお芁玄の䜜成に必芁な蚘述{\bf重芁蚘述}がありそうな文曞を遞別し最埌に文曞䞭の重芁蚘述を䞭心に芁玄を䜜成するず考えられる蚀い換えるず収集した文曞から芁玄に必芁な蚘述を埗るためには文曞の収集や遞別重芁蚘述の抜出など䜕床かの絞り蟌みを行っおいるず考えられるしかしながらその絞り蟌みの方法の詳现は䞍明であるため人間が実際に芁玄を䜜成する際に行う絞り蟌みの過皋を芳察できるようにする必芁がある本来であれば劂䜕なる制玄もない自然な流れでの絞り蟌み過皋を芳察するこずが望たしいが耇数の人間による絞り蟌みの途䞭経過を比范するこずが困難になるそれゆえ絞り蟌みの過皋を幟぀かの段階に分割し各段階でアノテヌションを行うこずずしたこうするこずで各段階のアノテヌション結果を参照するこずが可胜になり耇数の人間が行う絞り蟌みの䞀臎率を途䞭経過を含めお調査できるようになるもしも絞り蟌みの過皋が䜜業者によっお倧きく異なるならば重芁だず考える基準が䜜業者によっお倧きく異なるずいうこずであり安定した自動芁玄を実珟するのが困難になるず考えられる䜜業者が絞り蟌みを適切に行うためには着目蚀明に関する{\bf背景知識}やさたざたな{\bf文曞内の情報}が必芁になるず考えられる本論文では「背景知識」を芁玄察象文曞以倖からでも獲埗できる知識「文曞内の情報」を芁玄察象文曞䞭に実際に含たれる蚘述から獲埗できる情報ず定矩する着目蚀明に関する背景知識は䞀般的には芁玄を䜜成する際に必須のものではないが着目蚀明に関する問題点や問題点に察する意芋などの背景知識をも぀こずで問題を刀断するためにどのような情報を重芁芖すべきかを䜜業者が適切に刀断できるようになるたたサヌベむレポヌトを読んだ人間が倚角的に刀断できるようにするためには着目蚀明に関する文曞内の情報を網矅的に提瀺する必芁があるどのような論点が存圚するのかに関する背景知識を䜜業者が予めもっおいれば各論点における文曞内の情報を芋萜ずす可胜性が小さくなるず考えられるしたがっお背景知識が豊富な䜜業者であるほど䜜成される芁玄の質が向䞊するず考えられるしかしながら事前に各䜜業者がもっおいる背景知識には差があるそれゆえ芁玄の質を均䞀にするために䜜業者が背景知識が獲埗できるような䜜業段階を最初に蚭けるこずずした{䜜業者}の劎力軜枛ずいう芳点からは䜜業管理者等が事前に背景知識を調査しおおきそれを䜜業者党員で共有するずいった方法が考えられるしかしながら背景知識を共有するこずで䜜成されるサヌベむレポヌトや䜜成過皋から倚様性が倱われる恐れがあるたた自ら調査しお埗た知識ず他人から䞎えられた知識では理解の皋床に差が生じその差が䜜業内容に圱響を及がすこずも考えられるしたがっお䜜業者間で背景知識の共有はせず各䜜業者が自ら獲埗するようにしたたた䜜業者が背景知識や文曞内の情報をどのように獲埗しどの知識や情報を重芖したかを芳察できるような情報をアノテヌションするこずずした\subsubsection{察象文曞の決定}膚倧なWeb文曞の䞭から着目蚀明に関連する重芁蚘述を抜出しお敎理する情報信憑性刀断支揎のための芁玄は情報怜玢などの情報アクセス技術の䞀皮ず捉えるこずができる情報怜玢の分野においお利甚者の情報芁求ず適合する文曞を怜玢できたかどうかは粟床ず再珟率による怜玢有効性を甚いお評䟡されるが再珟率を蚈算するためには察象文曞䞭の党適合文曞数が必芁ずなるしかしながらWeb文曞のように党数調査が䞍可胜に近いサむズの察象文曞である堎合網矅的に適合文曞を調査するこずが困難であるこの問題に察しおTREC\footnote{http://trec.nist.gov}NTCIR\footnote{http://research.nii.ac.jp/ntcir/index-ja.html}CLEF\footnote{http://www.clef-campaign.org}などの評䟡型ワヌクショップではプヌリングによりテストコレクションを構築しおいる\cite{Buckley2007}プヌリングずは異なる耇数の怜玢システムが同䞀の怜玢芁求に぀いお怜玢を行いその怜玢結果を集めお正解文曞の候補ずする方法であるが本研究のように初めお取り組む研究においおは該圓するシステムが存圚しないためそのたたプヌリングの方法を甚いるこずはできないそこで人間がシステムの代わりを務めるこずでプヌリングに盞圓する結果を埗られるようにしたすなわち耇数の䜜業者がそれぞれ着目蚀明に関連する文曞集合を収集し収集された文曞集合をマヌゞするこずで察象文曞の範囲を決定した\subsubsection{参照芁玄の䜜成}情報信憑性刀断支揎のための芁玄を評䟡する䞊でのもう䞀぀の問題は参照芁玄をどのように䜜成するかずいう点である芁玄を読んだ人間に分かりやすく䌝えるにはどのような衚珟が適切かずいうこずを調査する必芁がありそのためには自由蚘述圢匏で芁玄を䜜成するこずが望たしいしかしながら䞀般的な芁玄の自動評䟡手法であるROUGE\shortcite{Lin2003}はN-gramの䞀臎床により評䟡するため衚局的な衚珟の違いによる圱響を受けやすい\ref{ssc:survey_report_background}節で述べたように我々は抜粋型の芁玄アルゎリズムを甚いるこずを想定しおいたため参照芁玄を自由蚘述圢匏ずするず衚局的な衚珟の違いにより䞍圓に䜎く評䟡される恐れがあったそれゆえ理想的な芁玄の衚珟を分析するための自由蚘述圢匏で䜜成した芁玄{\bf自由蚘述芁玄}ずシステムを評䟡するための芁玄察象文曞からの抜出物を䞻たる郚品ずしお䜜成した芁玄{\bf抜粋芁玄}の二皮類の芁玄を䜜成するこずずした\subsubsection{情報発信者の情報}最埌にサヌベむレポヌトに提瀺すべき情報発信者の情報に関しお考えるたず匿名よりも実名の情報発信者の方が䞀般に信頌できるず考えられるため情報発信者の名称を提瀺すべきであるたた䟋えば「ディヌれル車は環境に良い」ずいう着目蚀明の堎合「自動車メヌカヌ勀務の技術者」のような専門知識をもっおいるであろう情報発信者の方が信頌できるず考えられるため情報発信者の専門性を瀺す属性情報も提瀺すべきであるしかしながら文曞内に蚘述されおいない情報をシステムが自動的に掚枬するこずは困難であるため文曞内の蚘述を抜出する圢匏で名称や属性情報を提瀺するこずずした情報発信者の名称や属性情報に加えお情報発信者の同䞀性の情報も蚀明の信憑性を刀断する䞊で重芁な情報である䟋えばある蚀明が倚くのWeb文曞に存圚しおいたずしおもその蚀明が同じ情報発信者{\bf同䞀発信者}によるものであった堎合倚くの人々が支持する蚀明ずみなすこずはできないしたがっお仮に情報発信者の名称が異なっおいおもWeb文曞のURLや蚘述のスタむルなどから同䞀発信者であるこずが掚枬できるのであればその情報を提瀺すべきであるそれゆえ個々の蚀明の情報発信者の名称ず属性情報に加えお同䞀発信者を識別できるようなアノテヌションを行うこずずしたここで問題ずなるのはアノテヌションする情報発信者の単䜍である情報発信者にはりィキペディア\footnote{http://ja.wikipedia.org}や2ちゃんねる\footnote{http://www.2ch.net}ずいった情報を発信した堎所を瀺すWebペヌゞ単䜍の情報発信者ず掲瀺板における投皿やコメントごずの曞き手を瀺す蚘事単䜍の情報発信者が存圚する出版に䟋えるならば前者は{\bf発行者ずしおの発信者}埌者は{\bf著者ずしおの発信者}ずみなすこずができるどちらの情報発信者も信憑性を刀断する䞊で重芁な情報であるがサヌベむレポヌトにはより詳现な単䜍である著者ずしおの発信者を優先しお提瀺すべきであるず考えたたた政府の発衚や䌚瀟の広報など発信される情報の䞭には発信者個人の情報よりも䌁業や団䜓などの所属する組織の情報の方が重芖されるものがありその芳点から{\bf個人発信者}ず{\bf組織発信者}に区分する必芁がある䞀䟋を挙げるず「A倧孊の孊生である山田倪郎が2ちゃんねるに曞いた蚘述」の情報発信者は衚\ref{tb:exam_information_sender}に瀺す情報になるしたがっおこれらの情報に関するアノテヌションを行うこずずしたなお匕甚が存圚する蚘述䟋えば「チョムスキヌは『文法の構造』の䞭で『無色の緑の抂念が激しく眠る』ず曞いた」ずいう「2ちゃんねるでの山田倪郎の蚘述」の堎合でも以䞋の理由から「2ちゃんねる」を発行者ずしおの発信者「山田倪郎」を著者ずしおの発信者ずするこずずした『無色の緑の抂念が激しく眠る』ずいった匕甚蚘述の情報発信者を「チョムスキヌ」や『文法の構造』ずするためには「チョムスキヌ」や『文法の構造』ずいう情報発信者の存圚や実際に圓該の蚘述が曞かれおいるかずいった点を確認する必芁があるこういった確認を行うためにはWeb以倖の情報源にあたる必芁がある䞊にそもそも「隣のBさんが蚀った」などの珟実的に確認が䞍可胜な匕甚蚘述も存圚する䞀方で匕甚ずいう圢匏をずっおいおも圓該の蚘述を「2ちゃんねる」に「山田倪郎」が曞いたこずは確認できる事実であるそれゆえ匕甚された蚘述の情報発信者に関しおも匕甚しおいる蚘述の情報発信者ずするこずずした\begin{table}[t]\caption{情報発信者の情報の䟋}\label{tb:exam_information_sender}\input{ca03table01.txt}\end{table}\subsubsection{アノテヌションの質の管理}これたで述べおきたようにサヌベむレポヌトコヌパスを構築する䞊でアノテヌションすべき項目は倚岐に及ぶそれゆえ䜜業者の負担が倚倧なものずなり䜜業の質の䜎䞋やヒュヌマン゚ラヌなどを誘発するこずが予想されたそこで{図}\ref{fg:SR_tool}に瀺す専甚のアノテヌションツヌルを開発し利甚するこずで䜜業者の負担を軜枛し質の䜎䞋やヒュヌマン゚ラヌなどの問題を可胜な限り回避するこずずしたアノテヌションツヌルは殆どの䜜業をマりス操䜜で行えるように蚭蚈されおおり䜜業者が盎接XMLタグ等を蚘述しなくずも良いようになっおいる䟋えば図\ref{fg:SR_tool}に瀺すツヌルの䞋郚には泚釈察象ずなるWeb文曞のテキストが衚瀺されおおり重芁蚘述や情報発信者の名称の抜出䜜業は䜜業者が抜出したい範囲のテキストをクリックするこずで行うこずができるたた抜粋芁玄の䜜成䜜業は抜出したテキスト矀から䜜業者が郚品ずなるテキストを遞択し加工しお組み合わせるこずで行えるようになっおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f2.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌト甚アノテヌションツヌル}\label{fg:SR_tool}\end{figure}{䜜業者}ぞの指瀺は䜜業を始める前に文曞ずしお䞀人ひずりに配垃し口頭での説明を行ったたた事前に予想できなかった問題等が䜜業䞭に生じた堎合には問題の内容を可胜な限り具䜓的にメモに蚘録するず同時に逐次䜜業管理者に報告しお指瀺を仰ぐよう指瀺した䜜業管理者は報告された問題の解決方法を瀺すずずもにWikiやメヌリングリスト等を甚いお党おの䜜業者で問題ず解決方法を共有できるようにしたただし䜜業管理者の出匵等指瀺を仰ぐこずが困難な状況で䜜業が長時間䞭断されおしたう堎合には生じた問題に察しおどのように察凊や解決したかを可胜な限り具䜓的に蚘録するこずで䜜業を進めるこずを蚱可した\subsection{サヌベむレポヌトコヌパス構築の手順}\label{ssc:survey_report_step}サヌベむレポヌトコヌパスの構築は第1回ず第2回のコヌパス構築で行っおいるが手順等が掗緎された第2回のコヌパス構築を䞭心に説明する衚\ref{tb:survey_report_task}に第2回のコヌパス構築の手順を瀺す3.2.2節で述べたように絞り蟌みの各段階での結果を比范できるように䜜業の流れはT1.からT6.ぞ䞀方向に進むものずし䜜業管理者\footnote{䜜業管理者は第䞀著者が務めた}が特別に認めた堎合\footnote{アノテヌションツヌルの䞍具合によるデヌタの消倱が該圓する}を陀き前の段階の䜜業に戻っおはならないよう指瀺をした\begin{table}[t]\caption{サヌベむレポヌトコヌパス構築䜜業の流れ}\label{tb:survey_report_task}\input{ca03table02.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f3.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトコヌパスにおけるWeb文曞の䟋䞀郚}\label{fg:SR_webdoc}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f4.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトコヌパスにおける抜粋芁玄の䟋䞀郚}\label{fg:SR_report}\end{figure}サヌベむレポヌトコヌパスには着目蚀明Web文曞集合自由蚘述芁玄抜粋芁玄背景知識怜玢ク゚リ䜜業の疑問点等のメモが含たれおいる各Web文曞ず抜粋芁玄には䜜業結果を瀺すXML圢匏のタグが埋め蟌たれおいる{Web文曞}ず抜粋芁玄のXMLタグの䞀芧ず文曞型定矩を付録Aに瀺す3.2.6節で述べたようにこれらのタグは専甚のアノテヌションツヌルを通しお付䞎される{XMLタグ}が付䞎されたWeb文曞ず抜粋芁玄の䟋を図\ref{fg:SR_webdoc}ず図\ref{fg:SR_report}にそれぞれ瀺す実際の文曞にはもっず倚数のタグが付䞎されおいるが玙面の郜合により各タグの代衚的な䟋のみを瀺しおいる以䞋䜜業の流れに埓っお説明する\subsubsection{背景知識の獲埗}䜜業者は最初にT1.においお䞎えられた着目蚀明に関しお3.2.2節で述べた背景知識の獲埗を行うすなわち各䜜業者は着目蚀明に関連しおどのような論点が存圚し各論点においおどのような意芋や根拠が存圚しおいるかを調査するこの調査の結果は{䜜業者}ごずに把握した論点を自由蚘述圢匏で蚘録するこれにより埌の分析においお最終的に䜜成されたサヌベむレポヌトの内容ず比范するこずでT2.以降の䜜業においお圓初の論点からどのように倉化したのか調査できるようになるたた他の䜜業者が獲埗した背景知識ず比范するこずでどの皋床網矅的に論点を把握しおいたのか調査できるようになるサヌベむレポヌトコヌパスに収録された背景知識{の䟋}ずしお「アスベストは危険性がない」ずいう着目蚀明においおある䜜業者が獲埗した背景知識を衚\ref{tb:exam_background}に瀺す背景知識を獲埗する情報源にはWeb文曞に限らず新聞蚘事や雑誌などあらゆる媒䜓を蚱可したサヌベむレポヌトコヌパスには背景知識自䜓も収録されおいる\begin{table}[t]\caption{獲埗された背景知識の䟋}\label{tb:exam_background}\input{ca03table03.txt}\end{table}\subsubsection{文曞の収集}T2.では䜜業者が実際にどのような文曞を収集したかの情報を蚘録する䜜業者の劎力を軜枛するために収集する文曞数に制限を蚭ける䞀方である皋床の論点の倚様性も保蚌したい{䞀぀の}ク゚リを甚いお収集した堎合そのク゚リが問う論点のみに偏った文曞集合になるそこで異なる論点を問う耇数のク゚リを甚いお文曞集合を収集しそれらを1぀の文曞集合にマヌゞするこずで倚様な論点を含む文曞集合を決定するこずずした䞀般に異なる論点を問うク゚リで収集した文曞集合同士であっおも共通の文曞が存圚するそのためマヌゞした埌の異なり文曞数はマヌゞする前の文曞集合の芁玠数の総和ずはならないそこで文曞の収集をT2-1.ずT2-2.の二段階で行うT2-1.で重芁蚘述が含たれおいる文曞集合が怜玢䞊䜍に来るようなク゚リを調査しT2-2.で倚様な論点の重芁蚘述が含たれおいる文曞集合から順にマヌゞしおいくこずにより䞀定量の文曞集合においお論点の倚様性を保蚌しようずしたT2-1.のク゚リの調査には怜玢゚ンゞンTSUBAKI\cite{Shinzato2008}を利甚し少なくずも20皮類以䞊のク゚リを調査するよう指瀺した重芁蚘述を含む文曞集合を絞り蟌むのに効果的なク゚リが存圚するか調査するために着目蚀明の衚珟に囚われない自由な圢匏のク゚リ\footnote{TSUBAKIは自然文怜玢ずキヌワヌド怜玢の䞡方が可胜である}を蚱可したT2-2.ではク゚リごずに䞊䜍100件のWeb文曞を収集し\pagebreak倚様な重芁蚘述が含たれおいる文曞集合から順に500件以䞊になるたでマヌゞするよう指瀺したたたマヌゞした文曞集合を怜玢するのに甚いたク゚リには怜玢に甚いなかったク゚リず区別できるよう蚘録しサヌベむレポヌトに含たれた論点ず含たれなかった論点の分析ができるようにしたWeb文曞を識別するためにTSUBAKIの文曞IDを利甚し{\sf$<$FileId$>$}の倀ずしおいるサヌベむレポヌトコヌパスにはT2.で調査に甚いた怜玢ク゚リず収集されたWeb文曞集合が収録されおいる\subsubsection{重芁蚘述の絞り蟌み}T3.ずT4.ではT2.においおマヌゞされた文曞集合を察象に3.2.2節で述べた重芁蚘述の絞り蟌みの過皋を蚘録するT3.では文曞単䜍での絞り蟌みの結果T4.では文単䜍での絞り蟌みの結果をそれぞれ蚘録するより詳现な過皋を芳察するためには段萜などの単䜍でも絞り蟌み䜜業の段階数を増やすこずも考えられるが䜜業者の劎力の芳点から二段階で蚘録するこずずしたたた文より小さい単䜍での絞り蟌みは実際に芁玄を䜜成する段階にならないず分からないこずも倚いためT4.の段階では文単䜍での絞り蟌みに留めた絞り蟌みの際には{たずえ}同䞀の衚珟を持぀文曞や文であっおも異なる出兞のものを網矅的に遞別・抜出したこれによりシステムによる重芁文曞の遞別や重芁文の抜出などを評䟡する際の再珟率の蚈算を可胜にしおいるT3.で遞別された文曞は{\sf$<$FileId$>$}の属性{\sfSelected}の倀を1ずしおおり遞別されなかった文曞は0ずしおいるT4.で抜出された重芁蚘述は{\sf$<$Passage$>$}で囲っおおり属性{\sfPassageId}には文曞ごずに1から通し番号を割り圓おおいるなおT4.で抜出された重芁蚘述はアノテヌションツヌルの内郚で抜出元の文曞ず文曞䞭の䜍眮の情報を保持しおおりT6.においお抜粋芁玄を䜜成する際の郚品ずなる\subsubsection{情報発信者の抜出}T5.ではT4.で抜出された重芁蚘述を含む文曞集合を察象に3.2.5節で述べた情報発信者に関する䜜業を行う情報発信者の情報の内同䞀発信者に関しおは耇数の文曞における情報発信者を参照しなくおはならないのに察し同䞀発信者以倖の情報は文曞内の蚘述を参照するだけで䜜業できるそれゆえ各文曞を参照しお同䞀発信者以倖の情報を抜出した埌抜出された情報発信者を参照しお同䞀発信者ず思われる情報発信者をグルヌプ化するずいう流れで行った䜜業者の負担を軜枛するために発行者ずしおの発信者は文曞のURLのみで識別するこずずした著者ずしおの発信者は個人発信者ず組織発信者それぞれの名称ず属性情報を文曞䞭の蚘述から抜出するこずずしもしも文曞䞭の蚘述に存圚しないならば䞍明のたたずした{䜜業者には}抜出すべき属性情報ずしお個人発信者であれば圹職幎霢性別など組織発信者であれば業皮所圚地などを䟋ずしお瀺したたた個人発信者ず組織発信者のどちらを重芖すべきかの情報を付䞎した情報発信者の情報は{\sf$<$Holder$>$}に蚘録されおおり属性{\sfLocalId}は文曞ごずの番号属性{\sfGlobalId}は党文曞を通しおの番号を瀺しおいる属性{\sfP1Element}ず属性{\sfP2Element}は抜出された個人発信者の名称ず属性情報属性{\sfO1Element}ず属性{\sfO2Element}は抜出された組織発信者の名称ず属性情報をそれぞれ瀺しおおりこれらの名称たたは属性情報を構成する文字を0を開始䜍眮ずした文曞䞭の䜍眮情報ずずもに瀺しおいる䟋えば図\ref{fg:SR_webdoc}の4行目の{\sf$<$Holder$>$}の堎合「川口解䜓工業株匏䌚瀟」ずいう組織発信者の名称を構成する「川」の文字が0文目の15文字目にあるこずを「川\_0\_15」ず瀺しおいる属性{\sfOrgHolder}の倀は組織発信者{偎}を重芖する堎合は1個人発信者{偎}を重芖する堎合は0ずしおいる属性{\sfLocalName}は䜜業者がサヌベむレポヌトで提瀺するのに最適ず思われる情報発信者の名称を瀺しおいる同䞀発信者に関しおは耇数の文曞に及ぶ情報であるためT6.で䜜成される抜粋芁玄䞭の属性{\sfSameHolder}に瀺しおいるなおT4.の重芁蚘述ず同様にアノテヌションツヌルは抜出された情報発信者に関する抜出元の文曞ず文曞䞭の䜍眮の情報を保持しおいる\subsubsection{芁玄の䜜成}T6.は情報信憑性刀断支揎のための芁玄を䜜成する䜜業である3.2.4節で述べた自由蚘述芁玄ず抜粋芁玄の2皮類の芁玄を䜜成するため自由蚘述芁玄を䜜成するT6-1.ず抜粋芁玄を䜜成するT6-2.の2段階で行うT6-1.ではT4.で抜出した重芁蚘述の集合を参照しながらT6-2.で䜜成する抜粋芁玄ず内容的に霟霬が生じないよう理想ずする情報信憑性刀断支揎のための芁玄を自由蚘述圢匏で䜜成する䞀般的な芁玄であれば文字数などの芁玄の長さに関する制玄が䞎えられるが情報信憑性刀断支揎のための芁玄では読み手が信憑性を刀断するための情報を埗られるこずが䜕よりも優先されなくおはならないそれゆえ䜜業者には信憑性の刀断に十分な情報を含むこずを優先しお䜜成するこずを指瀺し自由蚘述芁玄抜粋芁玄ずもに芁玄の長さに関しおは指瀺しなかった{図}\ref{fg:SR_freestyle}に自由蚘述芁玄の䟋を瀺すT6-2.ではT4.で抜出した重芁蚘述を文字単䜍でさらに絞り蟌みながら組み合わせるこずで抜粋芁玄を䜜成する抜粋芁玄ずしお䞍芁な文字列を削陀した蚘述を組み合わせお䜜成するため抜粋芁玄は自由蚘述芁玄ず衚局的な衚珟が異なっおも構わないずしたしかしながら重芁蚘述を組み合わせる際逆接や察比ずいった重芁蚘述間の関係を明確にするため重芁蚘述内には存圚しない助詞や接続詞などの語句が必芁ずなるこずが考えられるそのような堎合任意の文字列を重芁蚘述間に挿入できるようにした䜜成された抜粋芁玄においお挿入された文字列は{\sf$<$Extra$>$}で囲み{\sf$<$Citation$>$}で囲たれる重芁蚘述の文字列ず区別できるようにされおいるたた重芁蚘述の抜出元であるWeb文曞においお実際に抜粋芁玄に甚いられた重芁蚘述の郚分を{\sf$<$Cited$>$}䞍芁な文字列ずしお削陀された郚分を{\sf$<$Deserted$>$}で囲っおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f5.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトコヌパスにおける自由蚘述芁玄の䟋}\label{fg:SR_freestyle}\end{figure}\subsection{サヌベむレポヌトコヌパスの統蚈ず分析}\subsubsection{サヌベむレポヌトコヌパス}第1回ず第2回のコヌパス構築で甚いた着目蚀明を衚\ref{tb:survey_report_topic}に瀺す第1回の時点では利甚者が信憑性を刀断したいトピックを瀺す単語を甚いおいたしかしながら単語を甚いた堎合䟋えば「マむナスむオン」のトピックにおいおマむナスむオンが健康に良いかどうかを刀断したいのかそれずもマむナスむオンが発生するかどうかを刀断したいのかずいった利甚者の関心がある論点を絞り蟌むこずができない䞀般に論点は数倚く考えられるためあらゆる論点に蚀及する芁玄を䜜成するこずずなるそのような芁玄は利甚者にずっお関心がない論点の蚘述が倚くを占めるものずなり結果ずしお利甚者の情報信憑性刀断支揎に圹立たない芁玄ずなっおしたう恐れがあるそれゆえ第2回では論点が比范的絞り蟌たれおいる着目蚀明を甚いるこずずしたたた「レヌシック手術は安党である」ず「レヌシック手術は痛みがある」のように「レヌシック手術」ずいう倧きなトピックに包含される着目蚀明を甚意するこずで論点の違いによる圱響を調査できるようにした以䞋では第2回のコヌパスを䞭心に説明する\begin{table}[t]\caption{サヌベむレポヌトコヌパス構築に甚いた着目蚀明トピック}\label{tb:survey_report_topic}\input{ca03table04.txt}\end{table}1぀の着目蚀明には3.2.3節で述べたプヌリングに盞圓する結果を埗るために4名の䜜業者を割り圓おた䜜業者は情報工孊を専攻する倧孊生及び倧孊院生である1名の䜜業者が1぀の抜粋芁玄を䜜成するためにT2.で収集したWeb文曞集合の1着目蚀明あたりの平均文曞数は532.0文曞であり収集された党Web文曞の文字数を合蚈した倀は1着目蚀明あたり平均しお玄280䞇文字であった䜜成された抜粋芁玄の1着目蚀明あたりの平均文字数は2,564文字であるため最終的に玄0.1\%の芁玄率ずなるが段階的に絞り蟌みを行っおいるため実際はもっず緩やかな芁玄過皋ずなるT3.の段階で遞別された文曞数は平均しお177文曞ずなりT4.の段階で抜出された文の合蚈文字数は1着目蚀明あたり平均しお57,121文字にたで絞り蟌たれおいるしたがっおT4.からT6.ぞの過皋での芁玄率は玄4.5\%ずなった\subsubsection{収集された文曞集合における論点の倚様性に関する考察}ここで収集されたWeb文曞集合における論点の倚様性に぀いお考察する図\ref{fg:viewpoint}に第2回のコヌパス構築で甚いた6぀の着目蚀明をク゚リずしおそれぞれ怜玢した䞊䜍文曞の件数ず文曞䞭に存圚する着目蚀明に関する論点の異なり数の関係を瀺す論点の有無は第二著者および情報工孊を専攻ずする倧孊院生2名が実際に文曞を読むこずで刀断した着目蚀明の違いによる差はあるが党䜓ずしお最初の30文曞たでに殆どの論点が珟れおおりそれ以降新しい論点は殆ど出珟せず飜和状態ずなっおいる\ref{ssc:survey_report_step}節で述べたようにT2.では䜜業者が倚様な論点を含むず考える耇数のク゚リを甚いお100文曞ず぀収集するこずにより芁玄察象ずなる文曞集合を決定しおいるしたがっお収集されたWeb文曞集合は論点の倚様性をある皋床保蚌しおいるず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f6.eps}\end{center}\caption{怜玢文曞数ず論点の異なり数の掚移}\label{fg:viewpoint}\end{figure}\subsubsection{䜜業者間の䞀臎率に関する考察}次に各䜜業者が収集したWeb文曞集合を絞り蟌む過皋における䜜業者間の䞀臎率に぀いお考察する3.2.2節で述べたように絞り蟌みの過皋が䜜業者によっお倧きく異なるならば安定した自動芁玄を実珟するのが困難になるそのため文曞単䜍での遞別を行ったT3.の段階における䞀臎率を{Fleiss'}kappaを甚いお蚈算した結果ずしお{0.23}すなわち䜎い䞀臎率を瀺すこずずなったたた芁玄の最終過皋であるT6.の段階における䞀臎率を以䞋の2皮類の方法で評䟡した第䞀の方法はROUGE-1による評䟡であるROUGE-1は二぀の芁玄の間で䞀臎する1-gramの割合を瀺した自動評䟡手法であり自動芁玄の評䟡型ワヌクショップであるDUC\footnote{http://duc.nist.gov/}等においおも甚いられおいる6぀の着目蚀明を察象ずしお着目蚀明ごずに二぀の抜粋芁玄の組に察しおそれぞれ蚈算し党おの組の倀を平均した結果0.40の倀を瀺した{0.40}ずいう倀は2005幎から2007幎のDUCにおいお最も成瞟が良かった手法のROUGE-1の倀ず同皋床の倀である本論文が人手による芁玄の間の䞀臎であるのに察しDUCが自動生成された芁玄ず正解ずなる芁玄ずの䞀臎である点を考慮する必芁があるが党䜓ずしお比范的䞀臎した芁玄が䜜成されおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{「レヌシック手術は安党である」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint}\input{ca03table05.txt}\end{table}ROUGEは衚蚘の䞀臎による評䟡であるため論点が䞀臎しおいるかどうかたでは保蚌しないそこで第二の方法ずしお抜粋芁玄間で共通しおいる論点の数による評䟡を行った評䟡の察象は劎力の芳点から第2回のコヌパス構築で䜜成された抜粋芁玄のみを察象ずした論点が共通しおいるかどうかを刀断する際には論点の粒床が問題ずなる䟋えば「レヌシック手術」などのトピックレベルの粗さで論点を捉えた堎合殆どの蚘述が共通の論点ずなっおしたう共通性を刀断するのに適した粒床をトップダりン的に決定するこずは困難であるため我々は以䞋に述べるボトムアップ的な方法で論点を決定したたず実際に各々の抜粋芁玄を読み「レヌシック手術の皮類」や「レヌシック手術の方法」ずいったサブトピックレベルの粒床で抜粋芁玄の内容を論点の候補ずしお網矅した次に二぀の抜粋芁玄を比范しおサブトピックレベルでは同じ論点の候補であっおも曞き手が䌝えたいであろうポむントが異なる蚘述が䞀方にしか存圚しない堎合はさらに論点の现分化を行った䟋えば「レヌシック手術により起こりうる合䜵症」ずいうサブトピックであっおも\pagebreakその「原因」に蚀及する蚘述が䞀方の抜粋芁玄には存圚するがもう䞀方には存圚しない堎合「レヌシック手術により起こりうる合䜵症の原因」ずいう論点を別に蚭定した以䞊の論点に関する䜜業は第二著者および情報工孊を専攻する倧孊院生1名により行った{衚}\ref{tb:SR_viewpoint}にAからDの4名の䜜業者が䜜成した「レヌシック手術は安党である」に関する抜粋芁玄に含たれる論点の䞀芧ず各䜜業者の抜粋芁玄に各論点が含たれるか吊かを瀺すたた付録Bずしお他の5぀の着目蚀明に関する抜粋芁玄に含たれる論点の䞀芧を収録した衚䞭の「○」で瀺される論点が抜粋芁玄に含たれおいる論点である「レヌシック手術は安党である」の堎合党郚で20の論点があり4぀の抜粋芁玄党おに共通しお含たれおいる論点の数は3であり2぀以䞊の抜粋芁玄に共通しおいる論点の数は11であった6぀の着目蚀明党䜓では党郚で65の論点があり4぀党おに共通しおいる論点は92぀以䞊に共通しおいる論点は34であったしたがっお比范的共通した論点に関する芁玄が䜜成されおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{サヌベむレポヌトコヌパスにおける情報発信者の延べ泚釈数}\label{tb:SR_holder_result}\input{ca03table06.txt}\vspace{-1\Cvs}\end{table}\subsubsection{情報発信者に関する考察}{情報}発信者に関する延べ泚釈数を衚\ref{tb:SR_holder_result}に瀺す抜出された4,061の重芁蚘述の内䜕らかの情報発信者の泚釈があるものは3,067玄75.5\%であったたた発行者ずしおの発信者は871著者ずしおの発信者は3,049であった1぀の重芁蚘述に発行者ずしおの発信者ず著者ずしおの発信者の䞡方が泚釈される可胜性があるこずに泚意されたいしたがっお特定できた情報発信者の殆どは著者ずしおの発信者であるずいえる著者ずしおの発信者の内個人発信者が泚釈されたものは776組織発信者が泚釈されたものは2,503であったここでも個人発信者ず組織発信者の䞡方が泚釈された発信者がいるこずに泚意されたいしたがっお著者ずしおの発信者の倚くが組織発信者であり個人発信者は比范的少なかったたた著者ずしおの発信者3,049の内䜜業者が組織発信者偎を重芖するず刀断した堎合も2,217存圚するこずから組織発信者の重芁性が䌺えるたた名称がある個人発信者は731属性情報がある個人発信者は182名称がある組織発信者は2,490属性情報がある組織発信者は73であったここでも名称ず属性情報の䞡方が泚釈された発信者がいるこずに泚意されたい個人発信者ず組織発信者の䞡方で属性情報より名称が蚘述されおいる割合が高いが組織発信者の堎合属性情報の蚘述は極めお少ない玄2.9\%ずいえるたた同䞀発信者が存圚するず泚釈された個人発信者ず組織発信者の数はそれぞれ139ず556であったしたがっお無芖できない割合で同䞀発信者の存圚があるずいえる情報信憑性刀断においお同䞀発信者が互いに矛盟するような䞻匵を行っおいるかどうかは興味のあるずころであるそこで抜粋芁玄に甚いられた重芁蚘述の情報発信者を察象に矛盟するような蚘述がないか調査した6぀の着目蚀明における党おの抜粋芁玄に察しお調査した結果矛盟するような蚘述を芋぀けるこずはできなかった今埌党おの情報発信者を察象に調査したいず考えおいる \section{調停芁玄コヌパスの構築} \label{sc:mediatory_summary}\subsection{調停芁玄コヌパス構築の背景}第1回ず第2回のコヌパス構築では着目蚀明に関連する論点を網矅するこずに䞻県を眮いた芁玄を䜜成したそのようにしお䜜成された芁玄を分析した結果自分の意芋の正圓性を䞻匵するために察立意芋に反論するのずは異なる第䞉者芖点から公平に䞡方の意芋に蚀及しおいる蚘述が存圚するこずが分かった䟋えば着目蚀明「アスベストは危険性がない」に関する芁玄には「アスベストの成分は石や土ず同じ成分であり舐めたり觊ったりしおも毒ではありたせん」ずいう蚘述ず「人䜓ぞの有毒性が指摘されおいるアスベスト」ずいう蚘述が含たれおおり䞀芋するず互いに矛盟しおいるように芋えるしかしながらそれらの蚘述ずは別に「アスベストの毒性はその成分ではなくその圢状ず通垞の状態では半氞久的に分解や倉質しない性質によるものです」ずいう蚘述を提瀺するこずで䞡方の蚘述が化孊的性質を述べたものかそれずも物理的性質を述べたものかずいう芖点の違いによる疑䌌察立であるこずを読み手に䌝えるこずができるこの疑䌌察立である堎合に䞡立できる芖点や状況を瀺すずいう考え方は埓来研究にない新しい考え方であるこずから䞡立できる芖点や状況に関する蚘述の提瀺を調停芁玄ず定矩し情報信憑性刀断支揎のための芁玄の䞻軞ずするこずずした{なお}疑䌌察立であるか吊かの最終的な刀断は利甚者が行うこずを想定しおいるある調停芁玄を利甚者が読んで䞡立できる芖点や状況が存圚するこずを玍埗できるならば調停芁玄に曞かれおいる察立は少なくずもその芖点からの調停が可胜な疑䌌察立であるしたがっおシステムは着目蚀明ず察立蚀明の関係が疑䌌察立であるず仮定しお調停芁玄を生成し利甚者は生成された調停芁玄を読んで疑䌌察立であるか吊かを刀断するこずを想定しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f7.eps}\end{center}\caption{調停芁玄{を}䞭心ずした情報信憑性刀断支揎のための芁玄の䟋}\label{fg:mediatory_summary}\end{figure}図\ref{fg:mediatory_summary}に「朝バナナダむ゚ットでダむ゚ットできる」を着目蚀明ずした堎合の調停芁玄{を}䞭心ずした情報信憑性刀断支揎のための芁玄の䟋を瀺す{図\ref{fg:mediatory_summary}䞭の}(P)(N)(M)のボックス内の蚘述は実際のWeb文曞から抜出された蚘述でありそれ以倖の蚘述は䜜䟋である着目蚀明を肯定する根拠ずしお「バナナは䜎カロリヌで満腹感がありたす」たた吊定する根拠ずしお「バナナは果物の䞭では氎分が少ないためカロリヌは高めです」ずいう蚘述がそれぞれWeb䞊に存圚しおいたので察立関係にあるようにみえるずしお該圓する蚘述を(P)ず(N)のボックス内に衚瀺しおいるたた(M)のボックス内が調停芁玄ずしおWeb䞊に存圚する文曞から抜粋された蚘述であるWeb䞊にはこういった察立関係に぀いおそれらが䞡立可胜であるこずを瀺した蚘述が存圚しおいるこずがありそのような蚘述をパッセヌゞ単䜍で抜粋しお提瀺するずいうのが調停芁玄の基本的な考え方である図\ref{fg:survey_report}のコメント郚分の生成も将来における課題であるがたずは調停芁玄の䞭栞ずなる(P)(N)(M)の郚分の蚘述を生成するこずを目的ずしお調停芁玄コヌパスの構築を行うこずずした\subsection{調停芁玄コヌパス構築の課題}\label{ssc:mediatory_summary_problems}\subsubsection{調停芁玄ずサヌベむレポヌトずの関係}調停芁玄は図\ref{fg:survey_report}における利甚者が{論点}を刀断する際に圹立぀芁玄の䞀皮であるしたがっお調停芁玄コヌパスの構築においおも\ref{ssc:survey_report_problems}節に述べたサヌベむレポヌトコヌパスの構築ず同様の問題が存圚しその察応も\ref{ssc:survey_report_problems}節や\ref{ssc:survey_report_step}節で述べたのず同様に行うこずができる\subsubsection{察立関係の詳现化}調停芁玄を䜜成する䞊での固有の問題ずしおは以䞋の問題が挙げられるたず調停ずいう性質䞊網矅すべき論点ずしお察立関係にある蚀明の組が䞻ずなるこのずき着目蚀明ずの察立関係を瀺す軞{\bf察立軞}は1぀ずは限らないこずに泚意されたい䟋えば「ダむ゚ット」に関する文曞集合においおは「痩せるvs.倪る」ずいう察立軞の他にも矎容芳点の「矎しいvs.醜い」医療芳点の「健康vs.病気」ずいった察立軞が考えられるしたがっお「ダむ゚ットする」を支持する内容ずしお「痩せる」「矎しい」「健康」ずいった蚘述「ダむ゚ットする」ず察立する内容ずしお「倪る」「醜い」「病気になる」ずいった蚘述を党お抜出するこずずした\subsubsection{察象文曞に関する倉曎}{調停}芁玄の䜜成における別の問題ずしおは{察立}関係にある蚀明の組を網矅するために収集した文曞集合䞭に調停芁玄ずしお適切な蚘述{\bf調停蚘述}を含む文曞が存圚するかが保蚌されおいないこずが挙げられるそれゆえ論点を網矅するための文曞収集ずは別に調停蚘述を含む文曞{\bf調停蚘述文曞}を収集する過皋が必芁ずなるたた調停蚘述文曞を適切に収集するためには䜜業者が事前に察立関係をどのように調停できるかに関する知識{\bf調停知識}をもっおいるこずが望たしいしかしながら調停知識を埗るためにはその前提ずしおどのような察立関係が存圚するかを把握しおいなくおはならない以䞊の考えから着目蚀明ず察立関係にある蚀明{\bf察立蚀明}を網矅的に抜出した埌に調停知識の獲埗および調停蚘述文曞の収集を行うこずずした本来であればサヌベむレポヌトコヌパスの構築ず同様に䜜業者には着目蚀明のみを䞎えお背景知識の獲埗を行った埌察立蚀明を網矅的に抜出するための文曞の収集から䜜業を開始するこずが望たしいしかしながらその埌に続く調停知識の獲埗調停蚘述文曞の収集を考慮するず䜜業者の負担が著しく増倧するたた察立蚀明の抜出察象ずなる文曞集合が䜜業者間で異なる堎合䜜業者が把握する察立関係に差が生じるため収集された調停蚘述文曞の䜜業者間の比范が困難になるず考えられるそれゆえ着目蚀明に加えお察立蚀明を網矅的に抜出するための初期文曞集合を{\bf4.3.1}節に述べるように䞎えるこずずした\subsubsection{抜粋芁玄に関する倉曎}Kanekoetal.\citeyear{Kaneko2009}においお調停芁玄には䞀぀のパッセヌゞで䞡立可胜ずなる状況を明瀺的に説明する{\bf盎接調停芁玄}ず状況の䞀郚を説明するパッセヌゞを耇数組み合わせお状況の党䜓を暗に瀺す{\bf間接調停芁玄}の2皮類があるず定矩しおいる間接調停芁玄の方がどのようにパッセヌゞを組み合わせるかずいった点を考慮しなくおはならないため芁玄生成過皋においお分析する項目が倚くなる䞀方で盎接調停芁玄の方が䞀぀のパッセヌゞで党おを説明しなくおはならないため正解ずなりうるパッセヌゞの数は少なくなるそれゆえ第3回のコヌパス構築では芁玄生成過皋の分析を優先しお耇数のパッセヌゞを組み合わせお抜粋芁玄を䜜成するこずずし第4回のコヌパス構築では盎接調停芁玄の正解情報䜜成に焊点を絞っお䞀぀のパッセヌゞで正解ずなるパッセヌゞの抜出をもっお抜粋芁玄を䜜成するこずずした\subsubsection{絞り蟌み過皋のシヌムレス化}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f8.eps}\end{center}\caption{調停芁玄甚アノテヌションツヌル}\label{fg:MS_tool}\end{figure}サヌベむレポヌトコヌパスの構築䜜業においお絞り蟌みの過皋を芳察するためにT3.での文曞単䜍での遞別ずT4.での文単䜍の抜出ずを別の段階での䜜業ずしおいたしかしながら䜜業者からは本文を読んで文曞を遞別する際に重芁蚘述を含む文に぀いおもある皋床刀断できるため二床手間のような䜜業になり䞡者を区別せずに行いたいずいう芁望が出されおいたそこで第4回のコヌパス構築に甚いたアノテヌションツヌルには各段階の䜜業ログを自動的に蚘録する機胜を実装するこずずした䜜業ログには察象文曞や䜜業内容の情報に加えマりスずキヌボヌドの操䜜レベルの情報が蚘録されおいる{図}\ref{fg:MS_tool}ず図\ref{fg:log}に第4回のアノテヌションツヌルず䜜業ログの䟋をそれぞれ瀺す図\ref{fg:log}のログから䜜業者は「飲酒は健康に良い」ずいう着目蚀明のT2.察立関係にある蚀明の抜出においおID:01217676-1の文曞を開き4文目の1文字目から48文字目たでをドラッグしお蚀明を抜出したこずが分かる図\ref{fg:MS_tool}に瀺すように衚瀺の郜合䞊ツヌル䞊の行番号ず文番号が必ずしも䞀臎するわけではないためログには文番号ず文字䜍眮に加えお括匧内にツヌル䞊のカヌ゜ル座暙を蚘録しおいる続く䜜業では7文目の11文字目から34文字目8文目の4文字目から60文字目を抜出した埌9行目たでスクロヌルさせお9文目の1文字目から22文字目を抜出しおいるこずが分かるたた図\ref{fg:log}の䜜業者が最初に文曞党䜓を読んでから抜出せずに読み進めながら逐次的に抜出しおいる様子が読み取れるしたがっお䜜業ログを分析するこずでどの文曞のどの郚分にどのような䜜業を行ったかずいった内容を埩元できるこれにより第4回のコヌパス構築では䜜業者は文曞単䜍や文単䜍ずいった䜜業段階を意識するこずなく自然に重芁蚘述の絞り蟌みを行うこずが可胜ずなった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f9.eps}\end{center}\caption{䜜業ログの䟋}\label{fg:log}\end{figure}\subsubsection{情報発信者に関する倉曎}第4回のコヌパス構築では情報発信者に関しお調停芁玄を䞻軞ずしたこずによる若干の修正を加える第3回たでのコヌパス構築では3.2.5節で述べたように幅広く情報発信者の情報の抜出を行ったしかしながら第4回のコヌパス構築では調停芁玄の情報発信者ずしお必芁ず思われる情報ずしお著者ずしおの発信者における名称組織発信者か吊か専門的知識を備えおいる{\bf専門的発信者}か吊か調停者ずしお第䞉者の立堎から公平に述べおいる{\bf調停的発信者}か吊かの4皮類に敎理したたた情報発信者ずしお提瀺すべき情報に加えおこれらの情報を䜕を手掛かりずしお抜出したかに関する情報もシステムが自動的に提瀺する䞊で必芁であるそれゆえ情報発信者の情報を抜出する際に抜出の手掛かりずなった蚘述も合わせお抜出するこずずした\subsection{調停芁玄コヌパス構築の手順}\label{ssc:mediatory_summary_step}調停芁玄コヌパスの構築は第3回ず第4回のコヌパス構築で行っおいるが手順等が掗緎された第4回のコヌパス構築を䞭心に説明する䜜成䜜業は衚\ref{tb:task}に瀺す10段階で行うこずずしサヌベむレポヌトコヌパスの構築ず同様にT1.からT10.ぞ䞀方向に進む流れで䜜業を行った調停芁玄コヌパスには着目蚀明Web文曞集合調停芁玄文曞背景知識調停知識怜玢ク゚リ䜜業の疑問点等のメモ䜜業ログが含たれおいる{Web文曞}ず抜粋芁玄のXMLタグの䞀芧ず文曞型定矩を付録Cに瀺すたた{実際に}XMLタグが付䞎されたWeb文曞ず調停芁玄文曞の䟋を図\ref{fg:MS_webdoc}ず図\ref{fg:MS_report}にそれぞれ瀺す以䞋䜜業の流れに埓っお説明する\begin{table}[t]\caption{調停芁玄䜜成䜜業の流れ}\label{tb:task}\input{ca03table07.txt}\end{table}\subsubsection{背景知識の獲埗}{最初}に各䜜業者には着目蚀明ず初期文曞集合を䞎えた初期文曞集合を決定するにあたり初期文曞集合の決定する人物の意思が䜜業者に圱響を及がさないよう機械的に求めるこずずし着目蚀明をク゚リずしお怜玢した䞊䜍250件のWeb文曞を初期文曞集合ずした初期文曞集合に含たれるWeb文曞には{\sf$<$FileId$>$}の属性{\sfCommon}の倀を1ずしおT4.で各䜜業者が独自に収集するWeb文曞ず区別できるようにしおいるT1.では察立蚀明を公平な芖点から網矅的に抜出できるよう各䜜業者は着目蚀明に関連しおどのような論点が存圚し各論点においおどのような意芋や根拠が存圚しおいるかの背景知識を獲埗する獲埗された背景知識は䜜業者ごずに自由蚘述圢匏で曞かれ調停芁玄コヌパスに収録されおいる\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f10.eps}\end{center}\caption{調停芁玄コヌパスにおけるWeb文曞の䟋䞀郚}\label{fg:MS_webdoc}\end{figure}\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3f11.eps}\end{center}\caption{調停芁玄コヌパスにおける調停芁玄文曞の䟋䞀郚}\label{fg:MS_report}\end{figure}\subsubsection{察立関係にある蚀明の抜出}T2.では䞎えられた{初期}文曞集合から着目蚀明を支持する内容の蚀明ず察立する内容の蚀明を文字単䜍で網矅的に抜出する抜出された蚀明は{\sf$<$Text$>$}で囲たれた本文ずは別の{\sf$<$Conflict$>$}内に蚘述され属性{\sfSentenceId}に抜出元の文番号属性{\sfStart}に蚀明の開始䜍眮属性{\sfLength}に蚀明の長さが蚘されおいる\subsubsection{調停知識の獲埗}T3.ではT2.で抜出された蚀明がどの察立軞に関する内容であるかに基づいお人手でクラスタリングを行った埌各クラスタの察立軞に関する調停知識の獲埗を行うクラスタリングは1぀の蚀明が耇数の察立軞に属するこずを蚱可しおおりクラスタ内の蚀明に察しおは着目蚀明を支持する内容であるかそれずも着目蚀明ず察立する内容であるかの極性を付䞎しおいるたた各クラスタの察立軞を衚珟する「ディヌれル車は環境に良いvs.ディヌれル車は環境に悪い」ずいった圢匏のラベルを付䞎する以䞋にクラスタリングの方法を䟋を甚いお説明する䟋えば「ディヌれル車は環境に良い」ずいう着目蚀明の初期文曞集合から「ディヌれル車排出ガスは東京の空を汚す最倧の芁因になっおいたす」ずいう蚀明が抜出されたずするこの蚀明から䜜業者は「ディヌれル車は倧気汚染の原因でないvs.ディヌれル車は倧気汚染の原因である」ずいった初期文曞集合䞭に察立する内容の蚘述が存圚しおいそうな察立軞の候補を幟぀か蚭定しそれぞれにラベルを付䞎するたた圓該の蚀明は着目蚀明ず察立する内容であるずいう極性を付䞎しお任意の数の察立軞の候補に属させる抜出された党おの蚀明を察立軞の候補に属させた埌同じ察立軞に属する蚀明矀を䞀぀のクラスタずした各䜜業者には察立関係の曖昧性がなくなるように任意の数の察立軞を独自に蚭定できるよう蚱可したただし3぀の察立軞に関しおはT4.以降の䜜業者間の比范を容易にするため事前に我々が初期文曞集合を調査した結果に基づいお{予め}3぀の察立軞を蚭定し初期文曞集合ず共に䜜業者に䞎えおいるクラスタの情報は調停芁玄文曞の{\sf$<$Conflict$>$}で瀺され察立軞のラベルは{\sf$<$Label$>$}クラスタ内の蚀明は{\sf$<$Statement$>$}に蚘述されおいる{\sf$<$Statement$>$}の属性はWeb文曞の同名タグず同䞀であるが抜出元の文曞番号を瀺す属性{\sfFileId}ず着目蚀明の支持/察立の極性を瀺す属性{\sfPolarity}が远加されおいる各䜜業者は独自に蚭定した察立軞ごずに䞡立可胜ずなりうるかなるずすればどのような状況かずいった調停知識を調査した埌疑䌌察立である察立軞を独自に芋぀けおその䞭から2぀を遞び䞎えられた3぀の察立軞に远加しお蚈5぀の{\bf{䞻芁}察立軞}に察しお調停芁玄を䜜成するこずずしたなお事前に䞎えた3぀の察立軞に察しお独自に远加する察立軞を2぀に限定したのは䜜業者の劎力を考慮したものである獲埗された調停知識は䜜業者ごずに自由蚘述圢匏で曞かれ{おいる}調停芁玄コヌパスに収録された調停知識の䟋ずしお「飲酒は健康に良い」ずいう着目蚀明においおある䜜業者が獲埗した調停知識の䞀郚を衚\ref{tb:mediation_knowledge}に瀺す衚\ref{tb:mediation_knowledge}の「○」で瀺された察立軞は䞻芁察立軞を瀺す\begin{table}[t]\caption{獲埗された調停知識の䟋}\label{tb:mediation_knowledge}\input{ca03table08.txt}\end{table}\subsubsection{調停蚘述文曞の収集}4.2.3節で述べたように{察立関係}にある蚀明を網矅するための初期文曞集合は調停芁玄ずしお適切な蚘述を必ずしも含んでいるずは限らないそのためT4.においお調停芁玄の蚘述を含むような文曞集合を任意のク゚リを甚いお怜玢し初期文曞集合に加えるこずずしたすなわちこの段階で芁玄察象ずなる文曞集合が確定し䜜業者ごずに差異が珟れるこずずなる具䜓的にはT3.で遞択した{䞻芁}察立軞ごずにTSUBAKIでの怜玢結果から調停芁玄の察象ずなる文曞集合を求めるのに最適ず思われるク゚リを1぀決定しそのク゚リによる䞊䜍50件の文曞を初期文曞集合に加えるしたがっお5぀の察立軞で250件の文曞が加えられるこずになるが重耇する文曞の存圚があるため芁玄察象ずなる文曞数は最終的に500匱ずなる远加されたWeb文曞は{\sf$<$FileId$>$}の属性{\sfCommon}の倀を0ずしおいる\subsubsection{調停蚘述の抜出}T5.では調停芁玄ずしお適切な蚘述を1぀のパッセヌゞ{\bf調停パッセヌゞ}ずしお抜出する4.2.4節で述べたように第4回のコヌパス構築䜜業では盎接調停芁玄の正解情報ずなる1぀のパッセヌゞで䞡立可胜ずなる状況を明確に説明するタむプの調停芁玄の䜜成を察象ずしおいるしたがっお調停芁玄の䞀郚ずしお必芁な蚘述ではあるがその蚘述だけでは䞡立可胜であるこずを明確に䌝えられない蚘述は調停パッセヌゞずしお抜出しなかったなお調停芁玄の䞀郚ずしお必芁な蚘述の抜出およびそれらを甚いた調停芁玄の䜜成は第3回のコヌパス構築で行っおいるたた調停パッセヌゞの抜出の際その蚘述がなぜ調停パッセヌゞずしお適切ず刀断したのかの手掛かりずなった文字列も抜出しおいる抜出された調停パッセヌゞは{\sf$<$Mediation$>$}内に調停パッセヌゞの刀断の手掛かりずなった文字列は{\sf$<$MediationKeyExpression$>$}内にそれぞれ蚘述されどちらの蚘述も{\sf$<$Statement$>$}ず同じ属性{\sfSentenceId}属性{\sfStart}属性{\sfLength}により抜出元の情報を保持しおいるたた{\sf$<$Mediation$>$}の属性{\sfType}の倀を{\sfDirect}ずしお盎接調停芁玄であるこずを瀺しおいる\subsubsection{情報発信者の泚釈}T6.ではT5.で抜出された調停パッセヌゞを含む文曞集合を察象に情報発信者に関する情報およびその手掛かりずなる蚘述の抜出を行う情報発信者の名称ずなる蚘述を抜出しその情報発信者が組織発信者であるか専門的発信者であるか調停的発信者であるかをそれぞれ文曞䞭の蚘述から刀断するたたその抜出や刀断の手掛かりずなった蚘述もそれぞれ抜出した情報発信者の名称は{\sf$<$Sender$>$}内に蚘述され{\sf$<$Statement$>$}ず同じ属性{\sfSentenceId}属性{\sfStart}属性{\sfLength}により抜出元の情報を保持しおいる情報発信者が組織発信者である堎合は属性{\sfIsOrganization}の倀を専門的発信者の堎合は属性{\sfIsExpert}の倀を調停的発信者の堎合は属性{\sfIsMediator}の倀をぞれぞれ1ずしおいるたた名称専門的発信者調停的専門者の刀断の手掛かりずなった蚘述を{\sf$<$SenderKeyExpression$>$}{\sf$<$SenderExpe{rt}KeyExpression$>$}{\sf$<$SenderMediationKeyExpression$>$}に抜出元の情報ずずもに蚘述しおいるT7.は同䞀発信者ず思われる情報発信者のグルヌプ化を行うが\ref{ssc:survey_report_step}節のサヌベむレポヌトコヌパス構築ず同じ䜜業であるため説明を省略する\subsubsection{調停芁玄の䜜成}T8.ではT3.で遞択した{䞻芁}察立軞ごずに理想ずする調停芁玄の自由蚘述芁玄を䜜成する自由蚘述芁玄は調停芁玄文曞の{\sf$<$Mediation$>$}の䞀぀に属性{\sfType}の倀を{\sfModel}ずしお調停パッセヌゞず区別できるように蚘述されおいるT9.ではT5.で抜出した調停パッセヌゞがT3.で遞択した{䞻芁}察立軞の調停芁玄ずなっおいるかを分類する分類は1぀の調停パッセヌゞが耇数の察立軞の調停芁玄ずなるこずを蚱可しおいる分類された調停パッセヌゞは調停芁玄文曞の{\sf$<$Conflict$>$}内の{\sf$<$Mediation$>$}に蚘述されおいるT10.ではT9.の察立軞ごずに分類された調停パッセヌゞに察しお調停芁玄ずしおの適切性の芳点から{党お}の調停パッセヌゞの察に察しお順序を付けたたた各パッセヌゞに察しT8.で䜜成した理想の調停芁玄ずの内容や衚珟などの近さを総合的に刀断しお調停芁玄ずしおの適切性に぀いお4段階の絶察評䟡を行うランキングされた結果は調停芁玄文曞の{\sf$<$Conflict$>$}内の{\sf$<$Mediation$>$}の順序ずしお反映され{おいる}たた絶察評䟡は属性{\sfEvaluation}の倀ずしお{\sfExcellent}{\sfGood}{\sfFair}{\sfPoor}の4段階で瀺されおいる\subsection{調停芁玄コヌパスの統蚈ず分析}\label{ssc:mediatory_summary_analysis}\subsubsection{調停芁玄コヌパス}\begin{table}[t]\caption{調停芁玄コヌパス構築に甚いた着目蚀明}\label{tb:mediatory_summary_topic}\input{ca03table09.txt}\end{table}第3回ず第4回のコヌパス構築で甚いた着目蚀明を衚\ref{tb:mediatory_summary_topic}に瀺す調停芁玄は疑䌌察立である堎合に䞡立可胜ずなる状況を説明する芁玄であるため前提ずしお疑䌌察立ずなる察立蚀明が存圚しおいる必芁があるそれゆえ調停芁玄に関する着目蚀明は60以䞊の着目蚀明の候補を察象に疑䌌察立の有無の調査を行い疑䌌察立が存圚する候補の䞭で倚様性に富むず思われる着目蚀明を遞択した{なお}疑䌌察立の有無は客芳的であるか吊か科孊的に蚌明できるか吊かなどずは別の抂念であるこずに泚意されたい䟋えば「CO2は地球枩暖化の原因である」ずいう着目蚀明の堎合「CO2の枩宀効果や排出量」を瀺しお地球枩暖化の原因であるずする䞻匵ず「氷期ず間氷期のサむクル」を瀺しお地球枩暖化の原因ではないずする䞻匵ずの間で疑䌌察立が生じおいるこの堎合調停芁玄の䟋ずしおは「20䞖玀埌半の枩暖化は人類の掻動により排出されたCO2が原因であるが20䞖玀前半の枩暖化は自然の掻動が原因である可胜性が高い」ずいったものが考えられる衚\ref{tb:mediatory_summary_topic}に瀺した着目蚀明は党お疑䌌察立が存圚するこずを確認しおいる調停芁玄コヌパスの構築䜜業では1぀の着目蚀明に察しお4名の䜜業者を割り圓おたなお䜜業者は情報工孊を専攻する倧孊生および倧孊院生である調停芁玄コヌパスは\ref{ssc:mediatory_summary_problems}節や\ref{ssc:mediatory_summary_step}節で述べたように抜出の手掛かりずなった蚘述や操䜜レベルの䜜業ログ等の豊富な情報を含んでいるがただ十分な分析が行われおいない{4.4.2}節から4.4.4節にかけお「飲酒は健康に良い」を着目蚀明ずした堎合の泚釈結果に基づき以䞋の{3}点に぀いお分析を行う1点目はT3.においお各䜜業者が遞択した察立軞に関しお2点目は調停芁玄の察象ずなる文曞集合を決定するためにT4.で甚いられた怜玢ク゚リに関しお3点目はT5.で抜出された調停パッセヌゞずT8.で䜜成された自由蚘述による調停芁玄ずの差に関しおである4.4.5節ず4.4.6節では調停芁玄コヌパス党䜓を察象ずしお情報発信者ず䜜業ログに関する分析をそれぞれ行う\subsubsection{察立軞に関する考察}\begin{table}[t]\caption{T3.で遞択された䞻芁察立軞}\label{tb:conflict}\input{ca03table10.txt}\end{table}各䜜業者が「飲酒は健康に良い」に関しおT3.で遞択した{䞻芁}察立軞を衚\ref{tb:conflict}に瀺す(a)から(c)は初期文曞集合ず共に䞎えられた䜜業者共通の{䞻芁}察立軞であり(d)ず(e)が調停芁玄を䜜成できそうな察立軞ずしお各䜜業者が任意に䜜成した察立軞から遞択した{䞻芁察立}軞である䞻芁察立軞に遞択されなかった察立軞に関しおはその数だけを「他n組」のように瀺しおいるすなわち衚\ref{tb:conflict}の䜜業者1は22組の察立軞を䜜成しその䞭から(d)ず(e)に瀺す察立軞を䞻芁察立軞ずしお遞択しおいる各䜜業者の䞻芁察立軞を比范するず䜜業者1の(d)ず䜜業者2の(e)を陀いお耇数の䜜業者が共通で䞻芁察立軞ずしお遞択しおいる察立軞は存圚しなかったしかしながら䟋えば䜜業者1の(e)は䞻芁察立軞ずしお遞択しおはいないが䜜業者2䜜業者3䜜業者4の党員が察立軞ずしお䜜成しおおりある䜜業者が䞻芁察立軞ずしお遞択した察立軞は党お衚珟の違いはあれど他の3名の䜜業者が任意に䜜成した察立軞の集合においお存圚しおいた{したがっお}どのような察立軞が存圚しおいるかに関しおは䜜業者間で共通の認識をしおいるがどの察立軞が調停芁玄を䜜成する䞊で重芁ず考えるかは䜜業者によっお異なる可胜性が瀺唆された\subsubsection{怜玢ク゚リに関する考察}{各}䜜業者が芁玄察象ずした文曞集合の重耇床合いを{衚}\ref{tb:overlap}に瀺す衚\ref{tb:overlap}は「○」で瀺された䜜業者間に共通する文曞数を衚しおおり1行目であれば䜜業者1が芁玄察象ずした文曞数が495件5行目であれば䜜業者1ず䜜業者2が共通した芁玄察象文曞数が275件であるこずを瀺しおいる党䜜業者に共通の254文曞の内250文曞は初期文曞集合であるためT4.においお远加された文曞集合においお党䜜業者に共通する文曞数は4であり怜玢された文曞集合はほずんど重耇しなかったT5.においお抜出された調停パッセヌゞを含む文曞は異なり数で203文曞存圚したこの203文曞の内蚳は初期文曞集合からが66文曞T4.で远加された文曞集合からが173文曞であった芁玄察象ずする文曞集合の決定は調停芁玄の粟床に圱響する重芁な凊理であり文曞集合を決定するための怜玢ク゚リも重芁な芁玠である\begin{table}[t]\caption{芁玄察象文曞集合の重耇床}\label{tb:overlap}\input{ca03table11.txt}\end{table}各䜜業者がT4.で甚いた怜玢ク゚リを察立軞ごずに敎理したものを衚\ref{tb:query}に瀺す衚\ref{tb:query}の察立軞の蚘号は衚\ref{tb:conflict}の蚘号に察応しおいるTSUBAKIが自然文で怜玢可胜であるこずは各䜜業者も理解しおおりT4.においお3名の䜜業者が調査した蚈57ク゚リの内22ク゚リは自然文でのク゚リであったしかしながらTSUBAKIを甚いた堎合には初期文曞集合に加えた文曞集合の怜玢に甚いたク゚リは衚\ref{tb:query}に瀺すように単語列であるものが倚かったこの結果に぀いお各䜜業者に質問したずころ「最初に自然文で入力したが思うような文曞が怜玢されなかったため単語列で怜玢した」ずいう回答であったこの原因ずしお「飲酒健康良い悪い」のように良い面ず悪い面の䞡方を蚘述しおいる文曞を怜玢するずいう調停芁玄特有の芁求を満たすク゚リを文の圢匏で衚珟しにくかったこずが考えられる以䞊から調停芁玄ずしお適切な蚘述を含む文曞を怜玢するずいう芳点からは怜玢゚ンゞンによる圱響を考慮する必芁があるが単語列を甚いた方が適しおいる可胜性が瀺唆されたただし「飲酒糖尿病のリスクを䜎䞋」のように単語ず句を組み合わせたク゚リも存圚したこずから必ずしも単語列が最適ずいうわけではないこの点に関する分析を今埌さらに進めおいきたい\subsubsection{調停芁玄ず調停パッセヌゞに関する考察}\begin{table}[t]\caption{T4.で甚いられた怜玢ク゚リ}\label{tb:query}\input{ca03table12.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{各評䟡における調停パッセヌゞの延べ数}\label{tb:evaluation}\input{ca03table13.txt}\end{table}衚\ref{tb:evaluation}にT10.のランキングにおける各評䟡の調停パッセヌゞの延べ数を瀺す\pagebreakたた内蚳ずしお初期文曞から抜出された数ずT4.で远加された調停蚘述文曞から抜出された数を瀺す同じ調停パッセヌゞであっおも察立軞が異なれば評䟡も異なり調停芁玄ずみなされなかった堎合もあるこずに泚意されたい䜜業者によるバラツキが存圚するが党䜓ずしお{\sfFair}{\sfPoor}{\sfGood}{\sfExcellent}の順に評䟡された数が倚く理想の調停芁玄に極めお近いこずを瀺す{\sfExcellent}ず評䟡された調停パッセヌゞは殆ど存圚しなかった初期文曞ず調停蚘述文曞の内蚳から調停蚘述文曞の方が比范的評䟡が高い調停パッセヌゞを倚く含んでいたこずが分かるしかしながら適切な調停蚘述文曞を自動的に怜玢する方法は珟段階で䞍明であり今埌も分析を続けおいきたい\begin{table}[t]\caption{T8.で䜜成された自由蚘述による調停芁玄}\label{tb:freetext}\input{ca03table14.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{T10.で1䜍にランキングされた調停パッセヌゞ}\label{tb:extractive}\input{ca03table15.txt}\end{table}衚\ref{tb:freetext}は「飲酒は健康に良いvs.飲酒は健康に悪い」の察立軞に察しおT8.で䜜成された理想の調停芁玄であり衚\ref{tb:extractive}は同じ察立軞においおT10.のランキングで1䜍ずなった調停パッセヌゞである理想ずする調停芁玄に関しおは䜜業者1ず䜜業者3が「病気の皮類」ずいう芳点からも蚘述しおいるが基本的には4名ずも「飲酒量」ずいう芳点からたずめおおり倚くの人に共通する調停芁玄の芳点が存圚するように思われる䞀方衚\ref{tb:freetext}の調停芁玄ず衚\ref{tb:extractive}の調停パッセヌゞを比范した堎合「飲酒量」などの倧意は共通しおいるが现かな違いが生じおいるたた䜜業者1の調停芁玄で存圚した「コレステロヌル」や「ワむン」などの話題は調停パッセヌゞには存圚しおいないしたがっお1぀のパッセヌゞを抜出しお提瀺する盎接調停芁玄の考え方に倧きな問題はないがより理想的な調停芁玄を生成するためには耇数の調停パッセヌゞを組み合わせる必芁があるず考えられる\subsubsection{情報発信者に関する考察}{情報}発信者に関する延べ泚釈数を衚\ref{tb:MS_holder_result}に瀺す泚釈された3,221の情報発信者は党お著者ずしおの発信者でありその内組織発信者であるのは1,990専門的発信者であるのは840調停的発信者であるのは759であったある発信者に組織発信者専門的発信者調停的発信者の2぀以䞊が泚釈される可胜性があるこずに泚意されたい組織発信者{偎}を重芖する堎合に限り組織発信者を抜出しおいるため衚\ref{tb:MS_holder_result}における組織発信者の数は衚\ref{tb:SR_holder_result}における組織発信者{偎}を重芖する堎合の数に盞圓するしたがっお著者ずしおの発信者における組織発信者の割合はサヌベむレポヌト芁玄で玄72.7\%(2,217/3,049)調停芁玄コヌパスで玄61.8\%(1,990/3,221)ずなり䞀般に6割から7割皋床であるず考えられるたた同䞀発信者が存圚するず泚釈された個人発信者ず組織発信者はそれぞれ691ず1,183であったサヌベむレポヌトコヌパスず同じく調停芁玄コヌパスにおいおも同䞀発信者は無芖できない割合で存圚しおいる\begin{table}[t]\caption{調停芁玄コヌパスにおける情報発信者の延べ泚釈数}\label{tb:MS_holder_result}\input{ca03table16.txt}\end{table}\subsubsection{䜜業ログに関する考察}衚\ref{tb:log_num}に䜜業ログを元にした各段階における䜜業者の行動の回数を瀺す䜜業ログは図\ref{fg:log}に瀺すようにマりスやキヌボヌドの操䜜レベルで蚘録されおいるが衚\ref{tb:log_num}ではその操䜜がもたらす効果のレベルで瀺しおいるたた文曞から文字列を絞り蟌む過皋に関連する䜜業段階ず行動に限定しおいる\begin{table}[t]\caption{各段階における䜜業者の行動の回数}\label{tb:log_num}\input{ca03table17.txt}\end{table}䞀般に䞋方向のスクロヌルに察する䞊方向ぞのスクロヌルの割合が倧きいほど文曞を䜕床も読み返しおいるず考えられる察立関係にある蚀明を抜出するT2.では玄21.0\%(39,795/189,079)調停蚘述を抜出するT5.では玄14.9\%(39,412/265,347)であったのに察し情報発信者を抜出するT6.では54.1\%(58,894/108,855)ずいう高い倀であった䞀般に埌の䜜業では前の䜜業で既に読んだ文曞に察しお䜜業を行うため読み返す必芁性は䜎䞋するず考えられるT6.で䞊方向ぞのスクロヌルの割合が高かった理由は以䞋のように考えられる4.3.6節で述べたようにT6.では情報発信者の名称専門的発信者調停的発信者を刀断する手掛かりずなった衚珟を抜出するよう指瀺しおいる手掛かり衚珟は文曞䞭に散圚しおいるため3皮類の手掛かり衚珟を求めお文曞内を探した結果䞊方向ぞのスクロヌルの割合が高くなったず考えられるたたどの䜜業段階においおも抜出した文字列を取り消す行動が無芖できない割合で存圚しおいる察立関係にある蚀明の抜出では玄18.1\%(1,651/9,139)調停パッセヌゞの抜出では玄23.8\%(527/2,218)情報発信者の抜出では玄16.7\%(664/3,978)であった抜出した文字列を取り消すずいう行動は必ずしも䜜業者が熟慮した䞊で行われおいるわけではないであろうが取り消す行動の割合が高いほど䜜業者の刀断を揺らがせるような䜜業であった可胜性がある仮にそうであったずするならば情報発信者の抜出に比べお調停パッセヌゞの抜出は刀断が難しい䜜業であったずいえる \section{関連研究} \label{sc:related_work}コヌパス構築に関する研究には以䞋のものがある飯田ら\citeyear{Iida2010}は新聞蚘事を察象に述語項構造・共参照タグを付䞎する基準に぀いお報告し事態性名詞のタグ付䞎においお具䜓物のタグ付䞎ず項のタグ付䞎を独立しお行うこずで䜜業品質を向䞊させおいる宮厎ら\citeyear{Miyazaki2010}はWeb文曞を察象に補品の様態ず評䟡を分離した評刀情報のモデルを提案し評刀情報コヌパスを構築する際の泚釈者間の泚釈揺れを削枛する方法に぀いお論じおいるしかしながらこれらのコヌパス構築の目的は本研究の目的である情報信憑性刀断支揎のための芁玄ず異なる文曞の曞き手の意芋を理解できるよう支揎するこずを目的ずしおアノテヌションを行う研究ずしおWeibeetal.~\citeyear{Wiebe2005}西原ら\cite{Nishihara2011}束吉ら\cite{Matsuyoshi2010}などの研究があるWiebeetal.~\citeyear{Wiebe2005}は意芋や感情などのprivatestateを人手でアノテヌションする方法を提案し新聞蚘事を察象ずしたMPQAコヌパスにアノテヌションを行った西原ら\citeyear{Nishihara2011}は文曞の曞き手の意芋を理解するこずを支揎するために文曞においおアノテヌションを付䞎すべき文を掚薊するシステムを提案した束吉ら\citeyear{Matsuyoshi2010}は曞き手が衚明する真停刀断䟡倀刀断等の事象に察する総合的な情報を衚すタグ䜓系を提案しこのタグ䜓系に基づくコヌパスを基瀎ずした解析システムを開発したWiebeetal.西原ら束吉らの研究の目的は本研究の目的である信憑性刀断支揎ず関連があるが本研究が支揎のための手段ずしお芁玄を察象ずしおいる点で異なる芁玄を目的ずしおコヌパスを構築した研究ずしおはRadevetal.~\citeyear{Radev2000}綟ら\cite{Aya2005}䌊藀ら\shortcite{Ito2004}などの研究があるRadevetal.~\citeyear{Radev2000}はRST(RhetoricalStructureTheory)を文曞間関係に拡匵したCST(Cross-documentStructureTheory)を提唱しCSTの関係をアノテヌションしたCSTBankの構築を行った綟ら\citeyear{Aya2005}はセマンティックオヌサリングで埗られたグラフを想定し修蟞関係等を明瀺的に䞎えた耇数文曞に察し芁玄を䜜成する手法を提案したしかしながらRadevetal.や綟らはWeb文曞ではなく新聞蚘事を察象ずしおいる䌊藀ら\citeyear{Ito2004}は汎甚アノテヌション蚘述蚀語MAMLを提案し耇数メヌル芁玄や動画像の怜玢・芁玄を行う研究を行っおいるメヌラやブラりザ等を利甚する際に入力されたデヌタをアノテヌションデヌタずするこずで利甚者が特に意識せずずもアノテヌションデヌタを生成できるようにした本研究では情報信憑性刀断支揎のための芁玄ずいう新しい芁玄抂念を察象ずするため芁玄の生成過皋を調査する必芁がありそのためのアノテヌションを行っおいる点で異なるテキストの衚局的な情報を䜿うだけでは十分に解決できないより深い蚀語凊理課題においおはアノテヌションの際にアノテヌションの結果だけではなく䜜業者がどのような情報を利甚しおアノテヌションを行ったかずいったアノテヌション䞭の過皋にも関心を払うこずの重芁性が埳氞ら\shortcite{Tokunaga2013}や光田ら\shortcite{Mitsuda2013}により指摘されおいる本研究では重芁蚘述の絞り蟌みの過皋や抜出の手掛かりずなった蚘述䜜業䞭の疑問点のメモ操䜜レベルの䜜業ログずいった芁玄䜜成の過皋に関するアノテヌションを行っおおりこれらの情報を分析しお埗られた知芋に基づいお調停芁玄生成システムの開発を行っおいるWeb文曞を情報源ずしおコヌパスを構築する研究ずしおPtaszynskietal.~\citeyear{Ptaszynski2012}鍜治ら\shortcite{Kaji2008}関口ら\shortcite{Sekiguchi2003}などの研究があるPtaszynskietal.~\citeyear{Ptaszynski2012}は日本語のブログを自動収集しお構築した3.5億文からなるコヌパスYACISに察しお自動的に感情情報を付䞎した鍜治ら\citeyear{Kaji2008}は倧芏暡なHTML文曞集合から評䟡文を自動収集する手法を提案し玄10億件のHTML文曞から玄65䞇文からなる評䟡文コヌパスを自動的に構築した関口ら\citeyear{Sekiguchi2003}はWeb文曞䞭のリンク情報を手掛かりずしお連鎖的にWeb文曞を収集し単語や栌フレヌムの異なり数の点で良質なコヌパスを自動的に構築したPtaszynskietal.鍜治ら関口らの研究で構築されたコヌパスは䞍特定トピックのWeb文曞集合を自動的に収集しお構築したものであり着目蚀明に関連したWeb文曞集合を人手で収集しお構築した本研究のコヌパスず性質が異なるアノテヌションの察象ずなる文曞集合を決定する方法ずしお文曞そのものを新しく䜜成する橋本ら\citeyear{Hashimoto2011}の方法や適合文曞に必須ずなる情報を甚いる吉岡ら\shortcite{Yoshioka2012}の方法がある橋本ら\citeyear{Hashimoto2011}はブログを察象ずした自然蚀語凊理の高粟床化に寄䞎するこずを目的ずしお81名の倧孊生に4぀のテヌマで執筆させた249蚘事のブログに文境界圢態玠係り受け栌・省略・照応固有衚珟評䟡衚珟に関するアノテヌションを行った本研究でも自由蚘述芁玄ずしお䜜業者が理想の芁玄文曞を䜜成しおいるが同時に衚局の䞀臎による評䟡を行うためにWeb文曞の重芁蚘述を組み合わせた抜粋芁玄を䜜成する必芁があり芁玄察象ずなるWeb文曞集合を決定する必芁があった吉岡ら\citeyear{Yoshioka2012}は質問応答を目的ずしたテストコレクションの構築においお適合文曞に必須の情報である回答を甚いお怜玢するこずで䞀定以䞊の網矅性を担保したテストコレクションが䜜成できる可胜性を瀺したしかしながら本研究では情報信憑性刀断支揎のための芁玄においお必須の情報が䞍明であったため適切な怜玢ク゚リを調査する必芁があり䜜業で甚いられた怜玢ク゚リをコヌパスに収録しおいる情報信憑性刀断支揎のための芁玄に関するコヌパス構築ず分析はNakanoetal.~\citeyear{Nakano2010}枋朚ら\citeyear{Shibuki2011b}でも行っおいるNakanoetal.枋朚らの分析結果は本研究の䞀郚ず共通しおいるが本研究ではさらに情報発信者や䜜業ログ等に関する分析を進めおいる \section{おわりに} \label{sc:conclusion}本論文では情報信憑性刀断支揎のための芁玄に関する研究を行う䞊で基瀎ずなる分析・評䟡甚のコヌパスを3幎間で延べ4回構築した結果に぀いお{珟時点}での詊行の぀であるが報告した情報信憑性刀断支揎のための芁玄では利甚者が着目する蚀明の信憑性を刀断する䞊で必芁ずなる情報をWeb文曞から探し出し芁玄・敎理しお提瀺する情報信憑性刀断支揎のための芁玄{の基瀎}ずなるコヌパス構築においおは人間の芁玄過皋を芳察するための情報ず性胜を評䟡するための正解情報が求められおおり䞡方の情報を満たすタグセットずタグ付䞎の方法に぀いお説明したたた党数調査が困難なWeb文曞を芁玄察象ずする研究においおタグ付䞎の察象ずなる文曞集合をどのように決定するかずいった問題に察しお評䟡型ワヌクショップのテストコレクション構築で甚いられるプヌリングを参考ずした方法を述べた{本論文}で構築したコヌパスを䞀般公開するこずは収集したWeb文曞の再配垃が著䜜暩の芳点から法埋䞊の問題がある可胜性があるため珟時点では難しい今埌NTCIRのWEBテストコレクションや蚀論マップコヌパス\footnote{http://www.cl.ecei.tohoku.ac.jp/index.php?Open\%20Resources\%2FStatement\%20Map\%20Corpus}の配垃方法などを参考に公開の方法を怜蚎しおいきたいず考えおいるたた本コヌパスは人間の芁玄の䜜成過皋を分析する䞊で豊富な情報を含んでいるがその分析は充分に行われおいない今埌はさらに詳现な分析を行いその結果を芁玄生成システムに反映させたいず考えおいる\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費25330254ならびに暪浜囜立倧孊倧孊院環境情報研究院共同研究掚進プログラムの助成を受けたものである\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Akamine,Kawahara,Kato,Nakagawa,Inui,Kurohashi,\BBA\Kidawara}{Akamineet~al.}{2009}]{Akamine2009}Akamine,S.,Kawahara,D.,Kato,Y.,Nakagawa,T.,Inui,K.,Kurohashi,S.,\BBA\Kidawara,Y.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQWISDOM:AWebInformationCredibilityAnalysisSystem.\BBCQ\\newblockIn{\BemtheACL-IJCNLP2009SoftwareDemonstrations},\mbox{\BPGS\1--4}.\bibitem[\protect\BCAY{Akamine,Kawahara,Kato,Nakagawa,Leon-Suematsu,Kawada,Inui,Kurohashi,\BBA\Kidawara}{Akamineet~al.}{2010}]{Akamine2010}Akamine,S.,Kawahara,D.,Kato,Y.,Nakagawa,T.,Leon-Suematsu,Y.~I.,Kawada,T.,Inui,K.,Kurohashi,S.,\BBA\Kidawara,Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQOrganizingInformationontheWebtoSupportUserJudgmentsonInformationCredibility.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe4thInternationalUniversalCommunicationSymposium(IUCS2010)},\mbox{\BPGS\123--130}.\bibitem[\protect\BCAY{ç¶Ÿ\JBA束尟\JBA岡厎\JBA橋田\JBA石塚}{ç¶Ÿ\Jetal}{2005}]{Aya2005}綟聡平\JBA束尟豊\JBA岡厎盎芳\JBA橋田浩䞀\JBA石塚満\BBOP2005\BBCP.\newblock修蟞構造のアノテヌションに基づく芁玄生成.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf20}(3),\mbox{\BPGS\149--158}.\bibitem[\protect\BCAY{Buckley,Dimmick,Soboroff,\BBA\Voorhees}{Buckleyet~al.}{2007}]{Buckley2007}Buckley,C.,Dimmick,D.,Soboroff,I.,\BBA\Voorhees,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQBiasandtheLimitsofPoolingforLargeCollections.\BBCQ\\newblock{\BemInformationRetrieval},{\Bbf10}(6),\mbox{\BPGS\491--508}.\bibitem[\protect\BCAY{Ennals,Trushkowsky,\BBA\Agosta}{Ennalset~al.}{2010}]{Ennals2010}Ennals,R.,Trushkowsky,B.,\BBA\Agosta,J.~M.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQHighlightingDisputedClaimsontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe19thInternationalWorldWideWebConference(WWW2010)},\mbox{\BPGS\341--350}.\bibitem[\protect\BCAY{Finn,Kushmerick,\BBA\Smyth}{Finnet~al.}{2001}]{Finn2001}Finn,A.,Kushmerick,N.,\BBA\Smyth,B.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQFactorfiction:ContentClassificationforDigitalLibraries.\BBCQ\\newblockIn{\BemtheSecondDELOSNetworkofExcellenceWorkshoponPersonalisationandRecommenderSystemsinDigitalLibraries},\mbox{\BPGS\18--20}.\bibitem[\protect\BCAY{藀井}{藀井}{2008}]{Fujii2008}藀井敊\BBOP2008\BBCP.\newblockOpinionReader:意思決定支揎を目的ずした䞻芳情報の集玄・可芖化システム.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌(D)},{\BbfJ91-D}(2),\mbox{\BPGS\459--470}.\bibitem[\protect\BCAY{橋本\JBA黒橋\JBA河原\JBA新里\JBAæ°žç”°}{橋本\Jetal}{2011}]{Hashimoto2011}橋本力\JBA黒橋犎倫\JBA河原倧茔\JBA新里圭叞\JBA氞田昌明\BBOP2011\BBCP.\newblock構文・照応・評䟡情報぀きブログコヌパスの構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf18}(2),\mbox{\BPGS\175--201}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA小町\JBA也\JBA束本}{飯田\Jetal}{2010}]{Iida2010}飯田韍\JBA小町守\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblock述語項構造ず照応関係のアノテヌションNAISTテキストコヌパス構築の経隓から.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(2),\mbox{\BPGS\25--50}.\bibitem[\protect\BCAY{䌊藀\JBAæ–Žè—€}{䌊藀\JBAæ–Žè—€}{2004}]{Ito2004}䌊藀䞀成\JBA斎藀博昭\BBOP2004\BBCP.\newblockアノテヌションの副次生成ずテキスト凊理ぞの応甚.\\newblock\Jem{日本デヌタベヌス孊䌚論文誌DBSJLetters},{\Bbf3}(1),\mbox{\BPGS\117--120}.\bibitem[\protect\BCAY{鍜治\JBA喜連川}{鍜治\JBA喜連川}{2008}]{Kaji2008}鍜治䌞裕\JBA喜連川優\BBOP2008\BBCP.\newblockHTML文曞集合からの評䟡文の自動収集.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf15}(3),\mbox{\BPGS\77--90}.\bibitem[\protect\BCAY{Kaneko,Shibuki,Nakano,Miyazaki,Ishioroshi,\BBA\Morii}{Kanekoet~al.}{2009}]{Kaneko2009}Kaneko,K.,Shibuki,H.,Nakano,M.,Miyazaki,R.,Ishioroshi,M.,\BBA\Morii,T.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQMediatorySummaryGenaration:Summary-PassageExtractionforInformationCredibilityontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe23rdPacificAsiaConferenceonLanguage,InformationandComputation},\mbox{\BPGS\240--249}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA河原\JBA也\JBA黒橋\JBA柎田}{加藀\Jetal}{2010}]{Kato2010}加藀矩枅\JBA河原倧茔\JBA也健倪郎\JBA黒橋犎倫\JBA柎田知秀\BBOP2010\BBCP.\newblockWebペヌゞの情報発信者の同定.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf25}(1),\mbox{\BPGS\90--103}.\bibitem[\protect\BCAY{河合\JBA岡嶋\JBA䞭柀}{河合\Jetal}{2007}]{Kawai2011}河合剛巚\JBA岡嶋穣\JBA䞭柀聡\BBOP2007\BBCP.\newblockWeb文曞の時系列分析に基づく意芋倉化むベントの抜出.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\264--267}.\bibitem[\protect\BCAY{Lin\BBA\Hovy}{Lin\BBA\Hovy}{2003}]{Lin2003}Lin,C.-Y.\BBACOMMA\\BBA\Hovy,E.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEvaluationofSummariesUsingN-gramCo-OccurrenceStatistics.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe2003ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguisticsonHumanLanguageTechnology-Volume1(NAACL'03)},\mbox{\BPGS\71--78}.\bibitem[\protect\BCAY{束本\JBA小西\JBA高朚\JBA小山\JBA䞉宅\JBA䌊東}{束本\Jetal}{2009}]{Matsumoto2009}束本章代\JBA小西達裕\JBA高朚朗\JBA小山照倫\JBA䞉宅芳雄\JBA䌊東幞宏\BBOP2009\BBCP.\newblock文末衚珟を利甚したりェブペヌゞの䞻芳・客芳床の刀定.\\newblock\Jem{第1回デヌタ工孊ず情報マネゞメントに関するフォヌラム(DEIM),A5-4}.\bibitem[\protect\BCAY{束吉\JBA江口\JBA䜐尟\JBA村䞊\JBA也\JBA束本}{束吉\Jetal}{2010}]{Matsuyoshi2010}束吉俊\JBA江口萌\JBA䜐尟ちずせ\JBA村䞊浩叞\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockテキスト情報分析のための刀断情報アノテヌション.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌(D)},{\BbfJ93-D}(6),\mbox{\BPGS\705--713}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea\BBA\Tarau}{Mihalcea\BBA\Tarau}{2004}]{Mihalcea2004}Mihalcea,R.\BBACOMMA\\BBA\Tarau,P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTextRank:BringingOrderintoTexts.\BBCQ\\newblockIn{\BemtheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2004)},\mbox{\BPGS\404--411}.\bibitem[\protect\BCAY{光田\JBA飯田\JBA埳氞}{光田\Jetal}{2013}]{Mitsuda2013}光田航\JBA飯田韍\JBA埳氞健䌞\BBOP2013\BBCP.\newblockテキストアノテヌションにおける芖線ず操䜜履歎の収集ず分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\449--452}.\bibitem[\protect\BCAY{宮厎\JBA森}{宮厎\JBA森}{2010}]{Miyazaki2010}宮厎林倪郎\JBA森蟰則\BBOP2010\BBCP.\newblock泚釈事䟋参照を甚いた耇数泚釈者による評刀情報コヌパスの䜜成.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(5),\mbox{\BPGS\3--50}.\bibitem[\protect\BCAY{Miyazaki,Momose,Shibuki,\BBA\Mori}{Miyazakiet~al.}{2009}]{Miyazaki2009}Miyazaki,R.,Momose,R.,Shibuki,H.,\BBA\Mori,T.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQUsingWebPageLayoutforExtractionofSenderNames.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe3rdInternationalUniversalCommunicationSymposium(IUCS2009)},\mbox{\BPGS\181--186}.\bibitem[\protect\BCAY{Murakami,Nichols,Mizuno,Watanabe,Masuda,Goto,Ohki,Sao,Matsuyoshi,Inui,\BBA\Matsumoto}{Murakamiet~al.}{2010}]{Murakami2010}Murakami,K.,Nichols,E.,Mizuno,J.,Watanabe,Y.,Masuda,S.,Goto,H.,Ohki,M.,Sao,C.,Matsuyoshi,S.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQStatementMap:ReducingWebInformationCredibilityNoisethroughOpinionClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemtheFourthWorkshoponAnalyticsforNoisyUnstructuredTextData(AND2010)},\mbox{\BPGS\59--66}.\bibitem[\protect\BCAY{侭野\JBA枋朚\JBA宮厎\JBA石䞋\JBA森}{侭野\Jetal}{2008}]{Nakano2008}䞭野正寛\JBA枋朚英朔\JBA宮厎林倪郎\JBA石䞋円銙\JBA森蟰則\BBOP2008\BBCP.\newblock情報信憑性刀断のための自動芁玄に向けた人手による芁玄䜜成実隓ずその分析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理研究䌚報告2008-NL-187},\mbox{\BPGS\107--114}.\bibitem[\protect\BCAY{侭野\JBA枋朚\JBA宮厎\JBA石䞋\JBA金子\JBA氞井\JBA森}{侭野\Jetal}{2011}]{Nakano2011}䞭野正寛\JBA枋朚英朔\JBA宮厎林倪郎\JBA石䞋円銙\JBA金子浩䞀\JBA氞井隆広\JBA森蟰則\BBOP2011\BBCP.\newblock情報信憑性刀断支揎のための盎接調停芁玄生成手法.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌(D)},{\BbfJ94-D}(11),\mbox{\BPGS\1019--1030}.\bibitem[\protect\BCAY{Nakano,Shibuki,Miyazaki,Ishioroshi,Kaneko,\BBA\Mori}{Nakanoet~al.}{2010}]{Nakano2010}Nakano,M.,Shibuki,H.,Miyazaki,R.,Ishioroshi,M.,Kaneko,K.,\BBA\Mori,T.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQConstructionofTextSummarizationCorpusfortheCredibilityofInformationontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe7thLanguageResourcesandEvaluationConference(LREC2010)},\mbox{\BPGS\3125--3131}.\bibitem[\protect\BCAY{西原\JBA䌊藀\JBA倧柀}{西原\Jetal}{2011}]{Nishihara2011}西原陜子\JBA䌊藀圩\JBA倧柀幞生\BBOP2011\BBCP.\newblock意芋の理解を支揎するアノテヌションシステム.\\newblock\Jem{マむニングツヌルの統合ず掻甚情報線纂研究䌚(TETDM-01-SIG-IC-06-01)},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Ptaszynski,Rzepka,Araki,\BBA\Momouchi}{Ptaszynskiet~al.}{2012}]{Ptaszynski2012}Ptaszynski,M.,Rzepka,R.,Araki,K.,\BBA\Momouchi,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyAnnotatingAFive-Billion-WordCorpusofJapaneseBlogsforSentimentandAffectAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe3rdWorkshoponComputationalApproachestoSubjectivityandSentimentAnalysis},\mbox{\BPGS\89--98}.\bibitem[\protect\BCAY{Radev,Otterbacher,\BBA\Zhang}{Radevet~al.}{2004}]{Radev2000}Radev,D.,Otterbacher,J.,\BBA\Zhang,Z.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCSTBank:ACorpusfortheStudyofCross-documentStructuralRelationships.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe4thInternationalLanguageResouraceandEvaluation(LREC'04)},\mbox{\BPGS\1783--1786}.\bibitem[\protect\BCAY{関口\JBA山本}{関口\JBA山本}{2003}]{Sekiguchi2003}関口掋䞀\JBA山本和英\BBOP2003\BBCP.\newblockWebコヌパスの提案.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL157-17/FI72-17}.\bibitem[\protect\BCAY{枋朚\JBA侭野\JBA宮厎\JBA石䞋\JBA鈎朚\JBA森}{枋朚\Jetal}{2009}]{Shibuki2009}枋朚英朔\JBA䞭野正寛\JBA宮厎林倪郎\JBA石䞋円銙\JBA鈎朚貎子\JBA森蟰則\BBOP2009\BBCP.\newblock情報信憑性刀断のための芁玄に関する基瀎的怜蚎.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第15回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\123--130}.\bibitem[\protect\BCAY{枋朚\JBA侭野\JBA宮厎\JBA石䞋\JBA氞井\JBA森}{枋朚\Jetal}{2011}]{Shibuki2011b}枋朚英朔\JBA䞭野正寛\JBA宮厎林倪郎\JBA石䞋円銙\JBA氞井隆広\JBA森蟰則\BBOP2011\BBCP.\newblock調停芁玄のための正解コヌパスの䜜成ずその分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\364--367}.\bibitem[\protect\BCAY{枋朚\JBA氞井\JBA侭野\JBA石䞋\JBA束本\JBA森}{枋朚\Jetal}{2013}]{Shibuki2013}枋朚英朔\JBA氞井隆広\JBA䞭野正寛\JBA石䞋円銙\JBA束本拓也\JBA森蟰則\BBOP2013\BBCP.\newblock情報信憑性刀断支揎のための察話型調停芁玄生成手法.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf20}(2),\mbox{\BPGS\75--103}.\bibitem[\protect\BCAY{Shibuki,Nagai,Nakano,Miyazaki,Ishioroshi,\BBA\Mori}{Shibukiet~al.}{2010}]{Shibuki2010}Shibuki,H.,Nagai,T.,Nakano,M.,Miyazaki,R.,Ishioroshi,M.,\BBA\Mori,T.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAMethodforAutomaticallyGeneratingaMediatorySummarytoVerifyCredibilityofInformationontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe23rdInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2010)},\mbox{\BPGS\1140--1148}.\bibitem[\protect\BCAY{Shinzato,Shibata,Kawahara,Hashimoto,\BBA\Kurohashi}{Shinzatoet~al.}{2008}]{Shinzato2008}Shinzato,K.,Shibata,T.,Kawahara,D.,Hashimoto,C.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQTSUBAKI:AnOpenSearchEngineInfrastructureforDevelopingNewInformationAccessMethodology.\BBCQ\\newblockIn{\BemtheThirdInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\189--196}.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞\JBA飯田}{埳氞\JBA飯田}{2013}]{Tokunaga2013}埳氞健䌞\JBA飯田韍\BBOP2013\BBCP.\newblockアノテヌションのためのアノテヌション.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\70--73}.\bibitem[\protect\BCAY{Wiebe,Wilson,\BBA\Cardie}{Wiebeet~al.}{2005}]{Wiebe2005}Wiebe,J.,Wilson,T.,\BBA\Cardie,C.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatingExpressionsofOpinionsandEmotionsinLanguage.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf39}(2--3),\mbox{\BPGS\165--210}.\bibitem[\protect\BCAY{山本\JBA田侭}{山本\JBA田侭}{2010}]{Yamamoto2010}山本祐茔\JBAç”°äž­å…‹å·±\BBOP2010\BBCP.\newblockデヌタ察間のサポヌト関係分析に基づくWeb情報の信憑性評䟡.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌デヌタベヌス},{\Bbf3}(2),\mbox{\BPGS\61--79}.\bibitem[\protect\BCAY{吉岡\JBA原口}{吉岡\JBA原口}{2004}]{Yoshioka2004}吉岡真治\JBA原口誠\BBOP2004\BBCP.\newblockむベントの参照関係に泚目した新聞蚘事の耇数文曞芁玄.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\257--260}.\bibitem[\protect\BCAY{吉岡\JBA神門}{吉岡\JBA神門}{2012}]{Yoshioka2012}吉岡真治\JBA神門兞子\BBOP2012\BBCP.\newblockタスクを考慮した情報怜玢テストコレクション構築に関する考察.\\newblock\Jem{情報アクセスシンポゞりム2012},\mbox{\BPGS\1--7}.\end{thebibliography}\clearpage\appendix \section{サヌベむレポヌトコヌパスのタグ䞀芧ず文曞型定矩} サヌベむレポヌトコヌパスに収録されたWeb文曞ず抜粋芁玄のタグの䞀芧を衚\ref{tb:survey_report_web_tagset}ず衚\ref{tb:survey_report_sum_tagset}にそれぞれ瀺すたた文曞型定矩を図\ref{fg:survey_report_web_dtd}ず図\ref{fg:survey_report_sum_dtd}にそれぞれ瀺す\begin{table}[h]\caption{サヌベむレポヌトコヌパスに収録されたWeb文曞のタグの䞀芧}\label{tb:survey_report_web_tagset}\input{ca03tableA1.txt}\end{table}\clearpage\begin{table}[p]\caption{サヌベむレポヌトコヌパスに収録された抜粋芁玄のタグの䞀芧}\label{tb:survey_report_sum_tagset}\input{ca03tableA2.txt}\end{table}\clearpage\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3fa.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトコヌパスに収録されたWeb文曞の文曞型定矩}\label{fg:survey_report_web_dtd}\end{figure}\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3fb.eps}\end{center}\caption{サヌベむレポヌトコヌパスに収録された抜粋芁玄の文曞型定矩}\label{fg:survey_report_sum_dtd}\end{figure}\clearpage \section{抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧} 3.4.3節で述べた䜜業者間の䞀臎率に関する考察ずしお行った第2回のサヌベむレポヌトコヌパスに収録された抜粋芁玄䞭の論点数を調査した結果を衚\ref{tb:SR_viewpoint_LAS_PAIN}から衚\ref{tb:SR_viewpoint_XYL_TOOTH}にそれぞれ瀺す\begin{table}[h]\caption{「レヌシック手術は痛みがある」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint_LAS_PAIN}\input{ca03tableB1.txt}\end{table}\begin{table}[h]\caption{「無掗米は氎を汚さない」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint_RIC_CLEAN}\input{ca03tableB2.txt}\end{table}\clearpage\begin{table}[p]\caption{「無掗米はおいしい」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint_RIC_TASTE}\input{ca03tableB3.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{「アスベストは危険性がない」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint_ASB_RISK}\input{ca03tableB4.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{「キシリトヌルは虫歯にならない」に関する抜粋芁玄䞭の論点の䞀芧}\label{tb:SR_viewpoint_XYL_TOOTH}\input{ca03tableB5.txt}\end{table}\clearpage \section{調停芁玄コヌパスのタグ䞀芧ず文曞型定矩} 調停芁玄コヌパスに収録されたWeb文曞のタグの䞀芧を衚\ref{tb:mediatory_summary_web_tagset1}ず衚\ref{tb:mediatory_summary_web_tagset2}に抜粋芁玄のタグの䞀芧を衚\ref{tb:mediatory_summary_sum_tagset}にそれぞれ瀺すたた文曞型定矩を図\ref{fg:mediatory_summary_web_dtd}ず図\ref{fg:mediatory_summary_sum_dtd}にそれぞれ瀺す\begin{table}[h]\caption{調停芁玄コヌパスにおけるWeb文曞のタグの䞀芧前半}\label{tb:mediatory_summary_web_tagset1}\input{ca03tableC1.txt}\end{table}\clearpage\begin{table}[p]\caption{調停芁玄コヌパスにおけるWeb文曞のタグの䞀芧埌半}\label{tb:mediatory_summary_web_tagset2}\input{ca03tableC2.txt}\end{table}\clearpage\begin{table}[p]\caption{調停芁玄コヌパスにおける調停芁玄文曞のタグの䞀芧}\label{tb:mediatory_summary_sum_tagset}\input{ca03tableC3.txt}\end{table}\clearpage\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3fc.eps}\end{center}\caption{調停芁玄コヌパスに収録されたWeb文曞の文曞型定矩}\label{fg:mediatory_summary_web_dtd}\end{figure}\clearpage\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA3fd.eps}\end{center}\caption{調停芁玄コヌパスに収録された抜粋芁玄の文曞型定矩}\label{fg:mediatory_summary_sum_dtd}\end{figure}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{枋朚英朔}{1997幎小暜商科倧孊商孊郚商業教員逊成課皋卒業1999幎同倧孊倧孊院商孊研究科修士課皋修了2002幎北海道倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋修了博士工孊2006幎北海孊園倧孊倧孊院経営孊研究科博士埌期課皋終了博士経営孊珟圚暪浜囜立倧孊環境情報研究院科孊研究費研究員自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚日本認知科孊䌚各䌚員}\bioauthor{䞭野正寛}{2005幎暪浜囜立倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了2011幎同専攻博士課皋埌期単䜍取埗退孊修士情報孊2011幎から2012幎たで同孊府研究生この間自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{宮厎林倪郎}{2004幎神奈川倧孊倧孊院理孊研究科情報科孊専攻博士課皋前期修了.2011幎暪浜囜立倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋埌期修了博士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{石䞋円銙}{2009幎暪浜囜立倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋埌期修了珟圚囜立情報孊研究所特任研究員博士情報孊自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{金子浩䞀}{2008幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2010幎同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了修士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{氞井隆広}{2010幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2012幎同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了修士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{森蟰則}{1986幎暪浜囜立倧孊工孊郚情報工孊科卒業1991幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋埌期修了工孊博士同幎同倧孊工孊郚助手着任同講垫同助教授を経お珟圚同倧孊倧孊院環境情報研究院教授この間1998幎2月より11月たでStanford倧孊CSLI客員研究員自然蚀語凊理情報怜玢情報抜出などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V16N04-02
\section{はじめに} 近幎コロケヌションの研究は自然蚀語凊理及びコヌパス蚀語孊においお盛んになっおいるこのコロケヌションの䞀皮である遠隔共起\footnote{本皿ではあるテクストにおいお語ず他の蚀語的芁玠が同時に出珟する珟象を「共起」ず呌ぶ情報凊理およびコヌパス蚀語孊においお同じような意味で「コロケヌション」ずいう甚語も利甚される文末モダリティ圢匏ずの共起は語ず文法範疇の共起ずも考えられそのような語ず文法範疇の共起は「コリゲヌション」ずいう甚語を䜿甚するこずがあるそれに察しお語ず語の共起は「コロケヌション」ず呌ばれる\cite{IshikawaBook}本章では䞡方の珟象を「共起」ずいう甚語で扱う「遠隔共起」ずいうのは離れた䜍眮に出珟する共起である}は頻繁に珟れる蚀語珟象であるにも関わらず研究ずしおは取り䞊げられおいない日本語における遠隔共起の䞀぀ずしお掚量副詞ず文末モダリティ圢匏\footnote{たずえば「\textgt{\underline{たぶん}}最初は発衚のスタむルもばらばらで声もあたり出ない\textgt{\underline{だろう}}」の䟋には「たぶん」は掚量副詞「だろう」は文末モダリティ圢匏である掚量副詞および文末モダリティは䞡方ずも話し手の確信の床合いを衚しおいる}ずの共起関係があげられ日本語教育においおも重芁な問題の䞀぀であるこのような共起はモダリティを二重に衚珟しおいるこずによりテクストにおける重芁な語甚論的な指暙ずなっおいる\cite{Bekes}\shortciteA{Srdanovic2008a}では工藀\citeyear{Kudou}が瀺した確率論的性栌を有する掚量副詞ず文末モダリティの「共起」の振る舞いが耇数のコヌパスの分析の結果においおも確認されたさらに掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起はテクストの皮類によっお著しく異なっおいるこずが瀺され日本語コヌパス資料の分類の可胜性が明らかにされた日本語においおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションが非垞に倚いにもかかわらずそのリストが存圚しないため珟圚の圢態玠解析ツヌルにおいおは耇数の圢態玠の連なりからなる様々なモダリティ圢匏の認識が䞍可胜であるこのこずから本研究ではコヌパス怜玢ツヌルSketchEngine(SkE)\shortcite{Srdanovic2008b,Srdanovic2008d}においお日本語の掚量副詞ずモダリティ圢匏の遠隔共起が怜玢可胜になるように機胜の拡匵を詊みる実珟方法ずしおは耇数のコヌパス分析の結果に基づいおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストを䜜成しChaSenで認識できるようにした䞊で語の文法・共起情報を提瀺するために掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの遠隔共起が容易に抜出できるようにするこの抜出結果によっお日本語の孊習者研究者教垫が掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起衚珟を簡単に調べられ孊習蟞曞や教科曞などの䜜成に効率的に応甚できるようになるず考えられる \section{先行研究} \subsection{蚀語孊ず日本語教育の分野における研究}南\citeyear{Minami1,Minami2}は日本語の文の階局構造を䜓系的に究明した文においお接続圢匏ず述郚の芁玠および接続圢匏ず述郚以倖の芁玠の共起制玄から四階局の入れ子構造を確認しおいる以䞋の䟋(1)ではA局は述語「いる」1語B局は「この町にも五人ぐらいはいる」ずいう栞の文がありC局では副詞「どうやら」ず文末モダリティ衚珟「〜らしい」が呌応しおいる\vspace{0.5\baselineskip}\begin{description}\item{(1)}$\{$どうやら$[$この町にも五人ぐらいはい$_A$$]_B$らしい$\}_C$\hspace{4zw}\cite{Bekes}\end{description}\vspace{0.5\baselineskip}南\citeyear{Minami1}は内省ではなくコヌパスにおける共起の頻床を統蚈的に怜蚌した結果に基づいお副詞ず特定のモダリティ圢匏の共起の可胜性を明確に瀺しおいる工藀\citeyear{Kudou}も南ず同様にコヌパスを利甚しおいる副詞ず文末モダリティの呌応の関係を怜蚎しながらそれぞれの副詞ず特定のモダリティ圢匏ずの共起の結び぀きの匷匱の皋床を明らかにし結び぀きの匷いものを呌応・共起関係ずみなした掚量副詞は察象面から蚀えば事態実珟の確実さ䜜甚面から蚀えば話し手の確信の床合いを衚しおいる\cite[p.~2045]{Kudou}この副詞矀は「確信」「掚枬」「掚定」「䞍確定」ずいう四぀に区分され「確信掚枬掚定䞍確実」の順で事態実珟の確実さおよび話者の確信の床合いが䜎くなるこずを連続的な関係で瀺すものである掚量副詞ず共起するモダリティ圢匏は四぀のモダリティタむプ即ち「に違いない」「はずだ」のような確信(NEC,necessity)「だろう」「ず思う」のような掚枬(EXP,expectation)「らしい」「みたい」のような掚定(CON,conjecture)「かもしれない」「かな」のような䞍確定(POSS,possibility)に分けられおいる\cite[p.~203]{Kudou}䟋えば「倚分」は「だろう」「のだろうか」「ず思う」「のではないか」などの掚枬(EXP)タむプに属するモダリティ圢匏ず匷く呌応する掚量副詞ず文末モダリティの呌応の関係はコヌパスにおける共起の統蚈的な傟向ずしお捉えるこずができる工藀のデヌタに぀いおは3.6で詳述するBeke\v{s}\citeyear{Bekes}は䌚話コヌパスにおける掚量副詞ず文末モダリティの呌応を分析し䌚話における副詞ずモダリティの呌応関係の振る舞いを明らかにしたSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008a}およびSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}は掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起の傟向を耇数のコヌパスを察象に分析しおいるコヌパスの皮類によっお掚量副詞の分垃は異なっおおりこの副詞ず共起する文末モダリティ圢匏およびモダリティタむプの頻床の傟向にも違いが芋られるこずを明らかにしたたたコロケヌション・コリゲヌションの研究においお語句ず語句ずの共起および語句ず文型ずの共起関係はしばしば研究されるが遠隔共起関係に぀いおの認識はあたりないこずから日本語における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起を䞀぀の䟋ずしお取り䞊げ遠隔共起関係の重芁性を指摘した日本語教育の面から個別の副詞に関しお研究や教育ぞの瀺唆がいく぀かあるが\cite{Sunakawa}コヌパスに基づいた様々なモダリティ圢匏の敎理及び耇数のコヌパスによる掚量副詞ずそのモダリティ圢匏ずの共起関係の振る舞いに぀いおの研究は芋られないたた日本語教科曞においおの扱いも䞍十分であるこずから本研究では日本語孊習蟞兞の線纂ぞの提案も考慮に入れる\subsection{自然蚀語凊理における研究}自然蚀語凊理においおはモダリティ圢匏が機胜衚珟および長単䜍の研究においお郚分的に扱われおいるのが珟状であり日本語のモダリティ圢匏を䞭心に扱っおいる研究はほずんど芋られない先行研究を抂芳するに際しお掚量副詞ずモダリティ圢匏の呌応の研究ずモダリティ圢匏を蚘茉する電子化蟞曞などの自然蚀語凊理のための蚀語資源に分けその研究ず自然蚀語凊理の汎甚ツヌルを䜿甚する䞊での未解決の問題点を述べる自然蚀語凊理の汎甚ツヌルを䜿甚する際意味的にはひず぀のたずたりずなっおいる「かも知れない」「に違いない」などのモダリティ圢匏が耇数の圢態玠たたは文節に分割されおしたう問題があるたた「かもしれない」「かも知れたせん」「かも」のようにモダリティ圢匏の衚蚘が文䜓䞁寧さ圢態玠の数などの様々な芁玠によっお異なっおくるこずがあるこの堎合モダリティ圢匏を蚘茉しおいる蚀語資源を䜿甚すればモダリティ圢匏の自動抜出あるいは認識が可胜になる束吉他\citeyear{Matsuyoshi}によっお線纂された階局構造を甚いた機胜衚珟蟞曞「぀぀じ」\footnote{http://kotoba.nuee.nagoya-u.ac.jp/tsutsuji/から配垃されおいる}はその蚀語資源の䞀぀で機胜衚珟の䞀皮ずも考えられるモダリティ圢匏がその䞭にある皋床収録されおいるたた富士池他\citeyear{Fujiike}は文節を基にした耇合蟞ず連語を含む「長単䜍」ずいう蚀語単䜍を提唱し「かもしれたせん」「わけではない」などを1長単䜍ずしお芏定しおいるしかし前者は機胜衚珟蟞曞の䜜成埌者は「長単䜍」ずいう圢態論の研究でありいずれもモダリティ圢匏に特化したものではないため本皿で扱っおいるモダリティ圢匏をすべお含んでいるわけではない䟋えば機胜衚珟蟞曞「぀぀じ」には「ずいえない」「ずいえる」「ず思う」「ず考える」「のか」「ように思う」「気がする」「気がしない」のモダリティ圢匏が含たれおいないたた「長単䜍」で認められるのは助動詞盞圓ずしお扱われおいる「かもしれない」「おはいけない」「おはならない」「なければならない」「のだ」「のではない」「わけだ」「わけではない」「わけにはいかない」のみである\footnote{本皿で扱っおいるモダリティ圢匏は3.3節を参照されたい}朚田他\citeyear{Kida}は副詞ずそれず共起する衚珟をたずめお呌応衚珟ず呌び文䞭に副詞が珟れるずその埌に呌応する衚珟が来るこずが予枬できるこずに焊点をあおたそのため人手䜜業による副詞ずモダリティの呌応関係を含むタグ付きコヌパスを䜜成しモダリティ階局関係に基づく呌応関係蟞曞を線纂したしかし人手䜜業のためモダリティ圢匏を自動認識できる蚀語資源およびシステムは提䟛しおいないSkEで掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を抜出するためには網矅的なモダリティ圢匏のリストおよび衚蚘のゆれなどを認識できるような蚀語資源やツヌルが必芁であるそこで先行研究を参考にし぀぀3.3節に述べる方法でモダリティ圢匏およびそのバリ゚ヌションのリストを䜜成し芋出し語ず品詞の認定およびその再付䞎を行うこずで倚様なモダリティ圢匏ず掚量副詞の関係をSkE䞊で怜玢可胜にするこずを目指すこずにする \section{SkEでの掚量副詞ずモダリティ遠隔共起の抜出} \subsection{SkEずその䞻な機胜}SkEはコヌパス怜玢システムでありコンコヌダンス機胜以倖に語に付随する文法ずコロケヌション情報を衚瀺する機胜WordSketchやシ゜ヌラス情報や意味的に類䌌する語の共通点ず差異を瀺す機胜ThesaurusずSketchDifferenceも備えおいるSkEは珟圚耇数の蚀語に察応しおおり\shortcite{Kilgarriff2}その䞀぀に日本語版がある\cite{Srdanovic2008b}日本語版はJpWaCずいう4億語の倧芏暡Webコヌパスを圢態玠解析ツヌルChaSenで解析したデヌタず日本語の「文法関係ファむル」から成るこのファむルは様々な文法関係・共起関係を22項目にたずめChaSenの品詞䜓系を甚いた正芏衚珟で定矩しおいるSkEの怜玢の結果においおWordSketch機胜は名詞圢容詞圢容動詞動詞などず共起する芁玠を衚瀺する図1はその1䟋ずしお「単語」ずいう語ずの共起の䞀郚の結果を瀺しおいるここに芋られる共起関係は圢容詞(modifier\underline{}Ai)圢容動詞(modifier\underline{}Ana)動詞をverbがverbなどずの共起であるそれぞれの欄に衚瀺されおいる2列の数字は1列目がコヌパスの䞭の共起頻床を瀺し2列目がその共起の統蚈的な顕著性(salience)\footnote{共起関係はダむス係数の統蚈倀に基づいお抜出されおいる}を瀺しおいる衚䞭の1列目の数字をクリックするず䟋文がコンコヌダンスの䞭で衚瀺される\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f1.eps}\end{center}\caption{WordSketchでの「単語」の怜玢䟋}\end{figure}SkEに搭茉されおいる倧芏暡りェブコヌパスJpWaCは4億語からなり均衡コヌパスを目指しお慎重な抜出方法により構築されたものである\shortcite{Erjavec,Srdanovic2008b}最近の研究によるずりェブコヌパスはバランスの取れたデヌタの傟向を有しおいるこずが明らかになっおいる\cite{Ueyama,Sharoff}Srdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}およびSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2009}では13皮の日本語のコヌパスにおいおも掚量副詞を分析した結果JpWaCは均衡コヌパスずしお蚭蚈されたBCCWJ(BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese)の䞭の曞籍コヌパス\cite{Yamazaki}ずもっずも類䌌した結果を瀺しおいる石川\citeyear{Ishikawa}はBCCWJず各皮のりェブコヌパスにおける基本語頻床のデヌタを比范しりェブコヌパスは信頌性ず有甚性を持぀こずを実蚌的に瀺したSkEの応甚の可胜性は日本語孊習蟞曞日本語孊研究日本語教育などにおいお考えられる\cite{Srdanovic2008d}モダリティ圢匏の倚くは圢態玠の単䜍が連なった圢ずなっおおりChaSenにおいおは盎接認識されおいないそのため本皿ではSkE日本語版においお圢態玠が連なったモダリティ圢匏をひず぀の単䜍ずしお抜出可胜にしその結果から日本語教育ぞの応甚を怜蚎する\subsection{掚量副詞ずの遠隔共起の抜出}SkEの日本語版においおWordSketch機胜で副詞ず他の語ずの隣接共起関係が芋られるしかしながら副詞ず離れた堎所においお共起する語をみるためには遠隔共起怜玢機胜を远加しなければならないその方法ずしおChaSenの品詞で識別できる芁玠ならばSkEの「文法関係ファむル」に単玔に远加するだけでWordSketchで衚瀺できるここで副詞ず遠隔共起するものずしお1副詞ず遠隔共起する動詞(modifies\underline{}V),2副詞ず遠隔共起する圢容詞・圢容動詞(modifies\underline{}Adj),3副詞ず終助詞(particle\underline{}fin)の䞉぀の共起関係が挙げられる図2は䞀䟋ずしお掚量副詞の「たぶん」ず共起する最も高頻床の動詞圢容詞終助詞を瀺しおおりこの頻床は遠隔共起も含んでいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f2.eps}\caption{WordSketchで「たぶん」ずの共起の抜出}終助詞圢容詞・圢容動詞動詞の堎合\end{center}\end{figure}しかしながら副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起に぀いおはSkEの蚭蚈を倉曎するだけでは抜出できないその理由は文末モダリティ圢匏は圢態玠解析ツヌルChaSenで認識されおいないこずおよび日本語のモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストが存圚しないためである次節ではSkEに掚量副詞ず文末モダリティずの遠隔共起の衚瀺を可胜にする方法を怜蚎する\subsection{モダリティ圢匏の抜出方法}本論文では\cite{Srdanovic2008a}の同様の調査にさらにデヌタを远加したものを分析するたずJpWaCコヌパスから圢態玠数2千䞇のサンプルコヌパスを䜜成しそのコヌパスから掚量副詞を含む文を抜出しモダリティ圢匏がどのように珟れおいるかを調査したさらにこの調査を基にモダリティ圢匏のリストの䜜成耇数の圢態玠に分割されたモダリティ圢匏および掚量副詞のタグの再付䞎SkEぞの適甚をするSkE甚のコヌパスのフォヌマットずしお各単語に察し出珟圢芋出し語品詞の䞉぀のタグを甚いChaSenの出力結果からそれらのみを䜿甚するたた2.2節で述べたようにモダリティ圢匏の倚くが耇数の圢態玠から構成されるがSkEでは1語がChaSenの1圢態玠に盞圓するのでモダリティ圢匏を䞀぀の語にたずめコヌパスにそれを再付䞎する必芁があるサンプルコヌパスの調査結果からモダリティ圢匏の出珟には掻甚・スタむル・衚蚘などの倚数のバリ゚ヌションがあるこずが明らかになったこのため「だろう」「でしょう」「であろう」「だろ」などの同意のモダリティ圢匏は䞀぀の代衚的なモダリティ圢匏にたずめ芋出し語を31語に統䞀したその31項目のモダリティ圢匏を衚1に瀺すさらにモダリティ圢匏をより網矅的に認識するためにモダリティ圢匏が他のモダリティ圢匏やモダリティ圢匏以倖の語ず連なっお珟れる堎合も怜蚎した䞋蚘の文䟋は実際にコヌパス䞭に芋られたものである\begin{description}\item[]目の前の仕事が新鮮にう぀るこずに\textgt{きっず}驚く\textgt{でしょう}䟋3.3.1\item[]\textgt{きっず}玠晎らしいセミナヌをなさる\textgt{こずでしょう}䟋3.3.2\item[]\textgt{きっず}皆さんもそう\textgt{であろうず思いたす}䟋3.3.3\end{description}\begin{table}[b]\caption{JpWaCサンプルコヌパスに出珟するモダリティ圢匏の芋出し語}\input{02table01.txt}\end{table}モダリティ圢匏ではない䞀定の語および圢態玠がモダリティ圢匏に接続する傟向が芋られた䟋えば䟋3.3.1のモダリティ圢匏の「でしょう」に圢匏名詞「こず」が前接する䟋ずしお3.3.2の「こずでしょう」があるこのようにあるモダリティ圢匏が単独で珟れる堎合ず他の語・圢態玠ず結合しお定型的な組み合わせの語句ずしお珟れる堎合ずで意味が異なるこずがあるこのこずからモダリティ圢匏ず語・圢態玠による組み合わせからなる定型的な衚珟を新しいモダリティ圢匏ずしお扱うこずにした衚1に瀺したモダリティ圢匏に接続できる12個の語矀を衚2に瀺す\begin{table}[b]\caption{モダリティ圢匏ず接続可胜な語・圢態玠の芋出し}\begin{center}\input{02table02.txt}\end{table}たた䟋3.3.3のようにモダリティ圢匏が連続しお珟れる傟向が明らかになったあるモダリティ圢匏が単独で珟れる堎合ず他のモダリティ圢匏ず接続しお珟れる堎合がありその語句の出珟の様盞で意味が異なるこずがある本皿では䟋3.3.3の「であろうず思いたす」のようなモダリティ圢匏を耇合的なモダリティ圢匏「であろう」のようなモダリティ圢匏を単独モダリティ圢匏ず呌ぶこずにするSkEでは耇合的なモダリティ圢匏を別々に扱うのではなく䞀぀の新しいモダリティ圢匏ずしおたずめお扱うこずにした䟋3.3.3のモダリティ圢匏は「だろうず思う」になり連続しおいる圢態玠をたずめおSkEの1単語ずする衚3ず衚4からわかるように同じ意味・機胜の衚珟であるにもかかわらずChaSenによる芋出し語が挢字ずひらがなで区別されおしたう堎合や品詞タグが異なっおいる堎合があるこれはモダリティ圢匏に限らない「必ずしも」や「ひょっずしたら」などの耇数の圢態玠から構成される副詞も同じ問題を含んでいるそこですべおのモダリティ圢匏ず掚量副詞が芋出し語ず品詞のレベルで統䞀されるようにコヌパス䞭のモダリティ圢匏および掚量副詞の芋出し語ず品詞を再付䞎した\footnote{そのためにSkEで怜玢する際に統䞀した衚珟で怜玢する必芁がある䟋えばすべおの副詞は挢字ではなくひらがなで蚘入しお怜玢するこずである倚分→たぶん}ここでモダリティ圢匏の品詞タグはすべお「Mod」ずいう新しいカテゎリに曞き換えたこれによりモダリティ圢匏ず掚量副詞の衚蚘が文章のスタむルおよびChaSenの誀解析によっお異なる堎合でも網矅的にそれらをSkEで怜玢したり違いを芋たりするこずが可胜になる\begin{table}[t]\caption{JpWaCコヌパスにおいおChaSenによる芋出し語が異なる堎合の凊理}\input{02table03.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{JpWaCコヌパスにおいおChaSenによる品詞タグが異なる堎合の凊理}\input{02table04.txt}\end{table}以䞊の方法によっお埗られたモダリティ圢匏の数は代衚的なモダリティ圢匏は31個組み合わせで珟れるモダリティ圢匏は596個その出珟圢のバリ゚ヌションは2,641個である以䞊の点を考慮し抜出する様々な共起関係を定めるSkEの「文法関係ファむル」に衚5の副詞ずモダリティ圢匏の関係を定める芏則を远加する\begin{table}[t]\caption{副詞ずモダリティ圢匏の関係を定める芏則}\input{02table05.txt}\end{table}この芏則はSkEにおいお実装されおいる正芏衚珟ず品詞及び単語に基づいた「corpusquerysyntaxコヌパス怜玢シンタクス」を適甚しおいる「DUAL」は副詞ずモダリティ圢匏の関係を䞡方向から怜玢できる芏則である「Adv」ず「modality」はそれぞれ「副詞」ず「モダリティ圢匏」を意味するこの芏則では副詞に続いお最初に珟れるモダリティ圢匏のみずの関係を抜出するこずではなく文末たで珟れる他のモダリティ圢匏ずの共起が倚くあるこずからすべおのモダリティ圢匏ずの可胜性をみるこずずしたたたこの芏則で埗られる掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起は構文を考慮しおいないそこで係り受け解析噚CaboChaを䜿甚した共起の抜出方法も考えられるが本手法ず比べおいく぀かの利甚䞊の欠点がある䞀぀はモダリティ圢匏が係り受けの単䜍ずなる文節の境界を越えるこずがある他の䞀぀はCaboChaが孊習したドメむンずは異なるJpWaCのようなりェブ文章における遠隔共起の正確な係り受け解析が難しいず考えられるこずである\subsection{抜出結果}JpWaCの2千䞇語サンプルコヌパス䞭に芋られる耇数のモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションにモダリティタグを付け新しい共起関係をSkEの「文法関係ファむル」に組み蟌んだこずで掚量副詞ず文末モダリティの共起がSkEのWordSketchの機胜の䞭で衚瀺できるようになった\footnote{珟時点で通垞の䜿甚では出来ないがナヌザからの芁請によりSkEのりェブペヌゞでJpWaCのサンプルコヌパスにおいお副詞ずモダリティの共起を怜玢するこずができる}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f3.eps}\caption{WordSketchにおける掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起衚珟怜玢結果}「たぶん」「どうやら」「もしかしたら」「かならずしも」ずモダリティ圢匏ずの䟋\end{center}\end{figure}䟋ずしお「たぶん」「どうやら」「もしかしたら」「かならずしも」ずそのモダリティ圢匏ずの共起の衚瀺結果を図3に瀺すそれぞれの掚量副詞が倚様なモダリティ圢匏ず共起しおいるこず結び぀くモダリティ圢匏のうち代衚的なものがそれぞれの副詞で異なっおいるこずが分かる「たぶん」は「のだろう」「だろう」「ず思う」「のだず思う」などの掚枬(EXP)のモダリティタむプずよく共起する傟向がある「どうやら」は掚定(CON)の「らしい」「ようだ」「のようだ」「みたいだ」など「もしかしたら」は䞍確定(POSS)の「かもしれない」「のかもしれない」「のかな」など「必ずしも」は確信(NEC)の「ずはかぎらない」「わけではない」「ものではない」などずよく共起する傟向がある衚6ではコヌパスにおける掚量副詞の分垃ずそれぞれの副詞ず顕著性蚈指数が高い項目の順に5぀のモダリティ圢匏が䞊んでいるたず掚量副詞の分垃から芋るず高頻床の副詞は「たぶん」「かならず」「おそらく」「きっず」「ぜったい」などである掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を芋るず「のだろう」「だろう」「ず思う」などの「掚枬」を衚すモダリティ圢匏および「はず」「のだ」「に違いない」などの「確信」を衚すモダリティ圢匏がもっずも高頻床の共起関係ずしお出珟するこずがわかるある副詞が「掚枬」のモダリティ圢匏ず共起する傟向があればその副詞の共起の䞭では「確信」のモダリティ圢匏もよく芋られるたずえば「きっず」ず「おそらく」ず共起する「に違いない」などである逆に副詞が「確信」のモダリティ圢匏ず共起する堎合その副詞は「掚枬」のモダリティ圢匏ずも共起するたずえば「かならず」「ぜったい」ず「だろう」「ず思う」ずいう「掚枬」の文末圢匏が共起する堎合である\begin{table}[t]\caption{JpWaCのサンプルにおける高頻床の掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起関係}\input{02table06.txt}\end{table}JpWaCのサンプルデヌタず均衡コヌパスであるBCCWJの䞭の曞籍のコヌパスにおける掚量副詞の分垃ず掚量副詞ず文末モダリティの共起を比范した結果類䌌した分垃及び共起関係の傟向を瀺しおいるこずが明らかになった\cite{Srdanovic2009}SkEの䞭にあるWordSketch機胜だけでなくコンコヌダンスSketchDifferenceシ゜ヌラスなどの機胜においおも掚量副詞ずモダリティ圢匏に぀いお怜玢できるたずえば類䌌しおいる二぀の語の間の共起の傟向における共通点ず差異が閲芧できるSketchDifferenceずいう機胜では「たぶん」ず「きっず」を比范する際「きっず」は「のだろう」「に違いない」「こずだろう」「はず」ずの共起が倚く確信のモダリティタむプに近い性質が芋られる䞀方「たぶん」のほうは掚枬を衚す「ず思う」「のだず思う」「のではないかず」「ず思うのだ」ずよく共起するこずから「きっず」より掚量の床合いが䜎いず考えられる\subsection{SkEで抜出された掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の評䟡}本節ではWordSketchによる掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起の刀定の粟床を評䟡する掚量副詞ず共起する代衚的なモダリティタむプが四぀あり\cite{Kudou,Srdanovic2008a}それぞれのタむプから䞀぀の高頻床の副詞を評䟡のために遞択するたたそれぞれの副詞ず共起するモダリティの怜玢結果から四぀のモダリティ圢匏を遞びWordSketchに衚瀺するモダリティ圢匏のリストの最初から四番目たでの四項目コンコヌダンス機胜から遞んだこの副詞ず共起するモダリティ圢匏の10䟋文をランダムに取り出す埓っお合蚈160の䟋文を評䟡するこずずする遞択した䟋文に぀いお日本語教育専門家二名(A,B),自然蚀語凊理専門家䞀名(C)から評䟡を受ける遞択肢は「正副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しい」「副詞ずモダリティ圢匏の共起は郚分的に正しい」「誀副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しくない」でありコメントを蚘入できる欄もある\begin{table}[t]\caption{評䟡の結果}\input{02table07.txt}\end{table}衚7に芋られるように「正副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しい」の回答から粟床は高く評䟡されおいるこずがわかる正しく評䟡されおいない䟋文ず評䟡者のコメントを芋るず以䞋のようなこずがわかる\begin{itemize}\item[1)]モダリティ郚分ずみなす郚分に誀解析ずなる䟋文がある\item[2)]日本語ずしお正しくない䟋文がある\item[3)]コヌパスには重耇する䟋文がある\item[4)]副詞ずモダリティ圢匏が共起しおいない䟋文がある\item[5)]衚瀺されおいるものずは異なる他のモダリティ圢匏ず共起しおいる䟋文がある\end{itemize}123は比范的修正が容易である1に぀いおは郚分的に抜出したモダリティ圢匏をバリ゚ヌションリストに远加するこずタグの付け方の改善で解決できるたた23に぀いおは正しくない文および重耇しおいる文の排陀を行うこずで凊理できる4ず5の原因は圢態玠解析の誀りに起因する耇数の文がコヌパスに入っおいる堎合ず構文が耇雑なため副詞が自動的に指定されたモダリティ圢匏ず共起しない堎合が考えられる今埌の課題ずしお構文䞭の呌応関係を瀺すための構文解析プログラムを改善する必芁がある\subsection{工藀デヌタずの比范}前節では共起項目怜玢結果の粟床が高いず評䟡されたこずを述べたがさらにこの結果を日本語研究における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の呌応関係に぀いおよく粟査された研究\cite{Kudou}ず比范する工藀によるず副詞ずモダリティ圢匏ずの呌応は皋床の問題だず考えられそれぞれの副詞は特定のモダリティタむプに属するモダリティ圢匏ずよく共起する傟向があるずしおいる図4たずえば「きっず」は確信のモダリティタむプに属する「する・のだ」「に違いない」などの圢匏ず最も共起する「おそらく」は掚枬の「だろう・たい」「ず思われる」「のではないだろうか」ず倚く共起する「どうやら」は確定の「らしい」など「もしかしたら」は䞍確定の「かもしれない」などず倚く共起する傟向が芋られる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f4.eps}\end{center}\caption{工藀による掚量副詞ず文末モダリティのコヌパス分析結果}\end{figure}本研究で抜出されたデヌタにも工藀のデヌタず同様に掚量副詞ず共起する四぀のモダリティタむプが芋られるこのデヌタにも掚枬ず確信のモダリティタむプずの共起は最も倚く芋られる工藀のデヌタに芋られる様々なモダリティ圢匏はJpWaCにも衚れるしかし副詞の頻床の順序およびそれぞれの副詞の共起傟向には差異も芋られる「きっず」ずの共起は確信のモダリティタむプより掚枬のモダリティタむプの方が倚く珟れる工藀のデヌタにはやや叀い甚語も珟れ䟋えば「さぞ」の頻床はJpWaCより頻床がかなり高いこの差異の理由はSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}に耇数のコヌパスの分類結果で指摘されおいるようにコヌパスの皮類が異なるためである \section{日本語教育ぞの応甚} SkEは既に倚数の蚀語においお語孊教育蟞曞䜜成などに利甚されおおり\shortcite{Smrz,Smith,Kilgarriff1}日本語版も日本語教育などのために圹立぀システムになるず考えられる\cite{Srdanovic2008d}本研究で抜出できるようになった掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起に関する結果は日本語孊習のシラバス教科曞孊習蟞兞などの孊習資源を䜜成するために利甚できるたた抜出された共起関係は孊習者や教垫が授業䞭に参照したり授業の準備をしたりするためにも利甚できるさらに敎理したモダリティ圢匏ずモダリティ圢匏のバリ゚ヌションのリストが日本語教育のための蚀語凊理の資源など様々の目的のために利甚できる怜玢方法の面からみるずSkEで掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起に関しおいく぀かのメリットが芋られる1りェブ䞊で掚量副詞ず文末モダリティの共起が瞬時に効率的に抜出できる2共起に関しおの高頻床の情報ず統蚈的に重芁な共起情報が埗られ孊習項目に優先順䜍を付けるこずができる3SketchDifferenceの機胜においお類䌌しおいる副詞の共起関係の傟向における差異を簡単に把握できる4コンコヌダンス機胜で䟋文を现かく考察でき耇雑な遠隔共起も怜玢でき様々なコンコヌダンスオプションも利甚できる䞀぀の応甚の䟋ずしお日本語の孊習蟞兞の線集・改善案を具䜓的に怜蚎する抜出できるようになった掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起関係の結果を3皮の日本語孊習蟞兞ず比范する孊習者によく利甚されおいる和英蟞兞2皮『ゞヌニアス和英蟞兞』『ニュヌセンチュリヌ和英蟞兞』ず䞭玚レベル以䞊の日本語孊習者にずっお問題ずなる文型を網矅的に集めた蟞兞『日本語文型蟞兞』を察象ずする衚8はこれらの蟞兞においおどの掚量副詞の項目がカバヌされおいるかたた蚘茉されおいる各副詞の項目の䞭でその䟋文䞭にどのモダリティ圢匏が珟れおいるかを瀺しおいる\begin{table}[t]\caption{日本語蟞曞における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起}\input{02table08.txt}\par\vspace{4pt}\small△副詞は蟞曞にあるが共起するモダリティ圢匏は蚘茉されおいない\\▲モダリティ圢匏が䟋文にある\\●モダリティ圢匏が他の衚珟ずしお蚀及されおいる\end{table}掚量副詞の分垃から芋るず和英蟞兞2皮には察象ずなるすべおの掚量副詞が珟われおいる「文型蟞兞」には珟われない副詞もある「あんがい」「おおかた」「こずによる」のような最も䜎頻床の副詞以倖にコヌパス䞭にかなり出珟しおいる「ぜったい」「ぜったいに」が珟われおいない本研究で抜出した結果によるずこの二぀の副詞はかなり出珟するこずから䞭玚以䞊の日本語孊習蟞兞にも含めるこずを考慮する必芁がある\footnote{\shortciteA{Srdanovic2009}の研究によるずこの副詞はむンフォヌマルの䌚話コヌパスでは非垞に高頻床で均衡コヌパスの曞籍ずJpWaC新聞コヌパス知恵袋のりェブコヌパスフォヌマルな䌚話コヌパスでもかなり頻床が高い}反察に「さぞ」「たいがい」はJpWaCのコヌパスにはあたり珟れない特に「さぞ」はやや叀い衚珟だず考えられる\footnote{この副詞は教科曞系のコヌパスでは頻床が非垞に高いが均衡コヌパスの曞籍では頻床が非垞に䜎い}掚量副詞ず共起するモダリティ圢匏に぀いおは和英蟞兞2皮の䟋文䞭にモダリティ圢匏が倚く珟れおいるしかしそれぞれの蟞兞で䟋文に珟れるモダリティ圢匏は異なっおおり特定の副詞ず共起する代衚的なモダリティ圢匏が足りない堎合もかなりあるたずえば「たぶん」には「かもしれない」「ものだ」の代わりに「のだろう」「ず思う」を入れた方がよいたた「おそらく」には「ず思う」「に違いない」も远加したほうが良いず考えられる「文型蟞兞」では掚量副詞のすべおの項目に網矅的にモダリティ圢匏が珟れおいるこずが評䟡できるしかしこの蟞兞においおもコヌパス䞭に高い頻床および高い顕著性で珟れるモダリティ圢匏のデヌタを導入するこずに぀いお怜蚎の䜙地があるたずえば「おそらく」ずいう副詞に関し「ものず思われる」のかわりに「のだろう」「こずだろう」「ず思う」のモダリティ圢匏を茉せたほうがよい「かならず」の項目では掚量のモダリティ圢匏が珟われおいないので「はずだ」「のだ」「だろう」「に違いない」を远加した方がよい\footnote{JpWaCにおける最も高頻床の副詞ずモダリティ圢匏の共起関係は均衡コヌパスの曞籍ず類䌌した結果が芋られる}以䞊の指摘は均衡コヌパスに基づく調査結果によるものであり䞀般的な日本語習埗を目的ずした蟞兞の䜜成のためのものであるしかしコヌパスの皮類によっお代衚的なモダリティ圢匏が異なるので\cite{Srdanovic2008a,Srdanovic2008c}孊習蟞兞にもこの調査結果を孊習目的に合わせお反映させるこずが望たしい䞀぀の䟋ずしお理系教科曞自然蚀語凊理の論文集のような理系の特定コヌパスの調査においお均衡コヌパスずは異なり「必ずしも」が他の掚量副詞より頻床が非垞に高いこずがわかったこのような結果を反映させるこずで蟞兞に特定目的の孊習をカバヌするこずが可胜ずなる \section{たずめず今埌の課題} 本皿では掚量副詞ず文末モダリティに関連する先行研究を調査した結果から代衚的なモダリティ圢匏に関する実蚌的な情報ず網矅的に䜜成されたモダリティ圢匏のリストが欠劂しおいるこずを明らかにした次にコヌパス怜玢システムSkEの䞻な機胜を玹介しSkEに掚量副詞ず文末モダリティ圢匏などの遠隔共起関係の機胜の远加を次の1〜4たでの手順で行った\begin{itemize}\item[1)]モダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストの䜜成\item[2)]ChaSenによるモダリティ圢匏の圢態玠解析の怜定ずモダリティ圢匏のタグの䜜成\item[3)]ChaSenで圢態玠解析されたコヌパスぞのタグの再付䞎モダリティ圢匏のタグの远加\item[4)]「文法関係ファむル」に副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を定める芏則の远加\end{itemize}次にSkE䞭のWordSketchで抜出が可胜になった掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の評䟡を行い抜出された共起項目が高く評䟡されたこずを瀺したさらに埗られた結果を掚量副詞に぀いおの工藀の日本語研究ず比范し共通点ず差異を明らかにした最埌にSkEのWordSketch機胜で掚量副詞ずモダリティ圢匏の遠隔共起をどのように日本語教育に応甚できるかを怜蚎した具䜓的な䟋ずしお日本語孊習蟞兞における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の扱いを怜蚎した今埌の課題ずしおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストをxml圢匏で䜜成りェブコヌパス以倖のデヌタに基づいおさらに改善するこずを目指すたた様々なコヌパスを利甚するこずで掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起のデヌタをゞャンル別に比范するこずで日本語教育における目的別の孊習ぞの掻甚を考える\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Beke\v{s}}{Beke\v{s}}{2008}]{Bekes}Beke\v{s},A.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQJapanesesuppositionaladverbs:probabilityandstructureinspeaker-hearerinteraction.\BBCQ\\newblock{\BemLinguistica},{\Bbf48},\mbox{\BPGS\277--292}.\bibitem[\protect\BCAY{Erjavec,Srdanovi\'{c},\BBA\Kilgarriff}{Erjavecet~al.}{2007}]{Erjavec}Erjavec,T.,Srdanovi\'{c},I.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAlargepublic-accessJapanesecorpusanditsquerytool.\BBCQ\\newblockIn{\BemCoJaS2007}.\bibitem[\protect\BCAY{富士池\Jetal}{富士池\Jetal}{2008}]{Fujiike}富士池優矎\Jetal\BBOP2008\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』における長単䜍の抂芁.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成19幎床公開ワヌクショップ研究成果報告䌚予皿集},\mbox{\BPGS\51--58}.\bibitem[\protect\BCAY{石川}{石川}{2008}]{IshikawaBook}石川慎䞀郎\BBOP2008\BBCP.\newblock\Jem{英語コヌパスず蚀語教育}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{石川}{石川}{2009}]{Ishikawa}石川慎䞀郎\BBOP2009\BBCP.\newblock日本語基瀎研究における非統制型・統制型・媒介型WebasCorpusの可胜性—蚀語コヌパスにおける基本語頻床の安定性に぀いお.\\newblock\Jem{特定領域研究「日本語コヌパス」平成20幎床公開ワヌクショップサテラむトセッション予皿集},\mbox{\BPGS\29--38}.\bibitem[\protect\BCAY{朚田\JBA高梚\JBA也\JBA井䜐原}{朚田\Jetal}{2002}]{Kida}朚田敊子\JBA高梚克也\JBA也裕子\JBA井䜐原均\BBOP2002\BBCP.\newblock文構造の挞進的予枬を可胜にする日本語の諞特城の分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\65--68}.\bibitem[\protect\BCAY{Kilgarriff\BBA\Rundell}{Kilgarriff\BBA\Rundell}{2002}]{Kilgarriff1}Kilgarriff,A.\BBACOMMA\\BBA\Rundell,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQLexicalProfilingSoftwareanditsLexicographicApplications---aCaseStudy.\BBCQ\\newblockIn{\BemEURALEX2002Proceedings},\mbox{\BPGS\807--818}.\bibitem[\protect\BCAY{Kilgarriff,Rychly,Smr\v{z},\BBA\Tugwell}{Kilgarriffet~al.}{2004}]{Kilgarriff2}Kilgarriff,A.,Rychly,P.,Smr\v{z},P.,\BBA\Tugwell,D.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTheSketchEngine.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.Euralex},\mbox{\BPGS\105--116}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{2000}]{Kudou}工藀浩\BBOP2000\BBCP.\newblock副詞ず文の陳述のタむプ.\\newblock森山卓郎\JBA仁田矩雄\JBA工藀浩\JEDS,\Jem{日本語の文法3モダリティ},\mbox{\BPGS\161--234}.岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{束吉\JBA䜐藀}{束吉\JBA䜐藀}{2007}]{Matsuyoshi}束吉俊\JBA䜐藀理史\BBOP2007\BBCP.\newblock䜓系的機胜衚珟蟞曞に基づく日本語機胜衚珟の蚀い換え.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\899--902}.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1974}]{Minami2}南䞍二男\BBOP1974\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語の構造}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1993}]{Minami1}南䞍二男\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語文法の茪郭}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Sharoff}{Sharoff}{2006}]{Sharoff}Sharoff,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQOpen-sourcecorpora:usingthenettofishforlinguisticdata.\BBCQ\\newblock{\BemInternationalJournalofCorpusLinguistics},{\Bbf11}(4),\mbox{\BPGS\435--462}.\bibitem[\protect\BCAY{Smith,Chen,\BBA\Kilgarriff}{Smithet~al.}{2007}]{Smith}Smith,S.,Chen,A.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAcorpusquerytoolforSLA:learningMandarinwiththehelpofSketchEngine.\BBCQ\\newblockIn{\BemPracticalApplicationsinLanguageandComputers---PALC2007}.\bibitem[\protect\BCAY{Smr\v{z}}{Smr\v{z}}{2004}]{Smrz}Smr\v{z},P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQIntegratingNaturalLanguageProcessingintoE-learning---ACaseofCzech.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponeLearningforComputationalLinguisticsandComputationalLinguisticsforeLearning,COLING2004},\mbox{\BPGS\106--111}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008a}]{Srdanovic2008a}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2008a\BBCP.\newblock\BBOQDistantCollocationsbetweenSuppositionalAdverbsandClause-FinalModalityFormsinJapaneseLanguageCorpora.\BBCQ\\newblockInTokunaga,T.\BBACOMMA\\BBA\Ortega,A.\BEDS,{\BemLKR2008,LNAI4938},\mbox{\BPGS\252--266}.Springer-VerlagBerlinHeidelberg.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Erjavec,\BBA\Kilgarriff}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008b}]{Srdanovic2008b}Srdanovi\'{c},I.,Erjavec,T.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2008b\BBCP.\newblock\BBOQAwebcorpusandword-sketchesforJapanese.\BBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf15}(2),\mbox{\BPGS\137--159}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c}\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}\BBA\Nishina}{2008}]{Srdanovic2008d}Srdanovi\'{c},I.\BBACOMMA\\BBA\Nishina,K.\BBOP2008\BBCP.\newblockコヌパス怜玢システムSketchEngineの日本語版ずその利甚方法.\\newblock\Jem{日本語科孊},{\Bbf23},\mbox{\BPGS\59--80}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008}]{Srdanovic2008c}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock耇数のコヌパスに芋られる副詞ず文末モダリティの遠隔共起関係.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成19幎床公開ワヌクショップ研究成果発衚䌚予皿集},\mbox{\BPGS\223--230}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2009}]{Srdanovic2009}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2009\BBCP.\newblockBCCWJにおける掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成20幎床公開ワヌクショップ研究成果報告䌚予皿集},\mbox{\BPGS\237--244}.\bibitem[\protect\BCAY{砂川}{砂川}{2007}]{Sunakawa}砂川有里子\BBOP2007\BBCP.\newblock機胜語のコロケヌション1副詞ずの共起に぀いお.\\newblock\JTR,科孊研究費補助金特定領域研究日本語教育班第2回公開䌚議.\bibitem[\protect\BCAY{Ueyama\BBA\Baroni}{Ueyama\BBA\Baroni}{2005}]{Ueyama}Ueyama,M.\BBACOMMA\\BBA\Baroni,M.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAutomatedconstructionandevaluationofaJapaneseweb-basedreferencecorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCorpusLinguistics}.\bibitem[\protect\BCAY{山厎}{山厎}{2006}]{Yamazaki}山厎誠\BBOP2006\BBCP.\newblock代衚性を有する珟代日本語曞き蚀葉コヌパスの蚭蚈.\\newblock\Jem{囜立囜語研究所(2006)所茉},\mbox{\BPGS\63--70}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor[:]{Srdanovi\'{c}Irena}{1997幎ベオグラヌド倧孊文孊郚日本語孊科卒業2006幎リュブリャヌナ倧孊文孊郚䞀般蚀語孊・比范蚀語孊研究科修士課皋修了2009幎9月東京工業倧孊倧孊院瀟䌚理工孊研究科人間行動システム専攻博士課皋終了博士孊術蚀語凊理孊䌚日本語教育孊䌚䌚員}\bioauthor[:]{Hodo\v{s}\v{c}ekBor}{2007幎米囜メリヌランド倧孊カレッゞパヌク校人文孊郚日本語孊孊科卒業同幎リュブリャヌナ倧孊文孊郚䞀般蚀語孊・比范蚀語孊研究科修士課皋入孊2008幎東京工業倧孊倧孊院瀟䌚理工孊研究科人間行動システム専攻修士課皋入孊珟圚に至る蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor[:]{Beke\v{s}Andrej}{1971幎リュブリャヌナ倧孊理孊郚数孊孊科卒業1975幎倧阪倧孊倧孊院理孊研究科数孊専攻修士課皋修了1981幎筑波倧孊倧孊院人文瀟䌚科孊研究科文芞・蚀語専攻入孊1986幎同課皋修了1988幎リュブリャヌナ倧孊瀟䌚孊郚専任講垫2002幎同倧孊文孊郚正教授日本孊珟圚に至る文孊博士日本語教育孊䌚䌚員}\bioauthor{仁科喜久子}{1969幎東京女子倧孊・文理孊郚卒業1977幎同倧孊倧孊院文孊研究科修士課皋修了1986幎埌玉倧孊専任講垫1988幎東京工業倧孊助教授を経お1996幎同倧孊留孊生センタヌ教授瀟䌚理工孊研究科兌任珟圚に至る博士孊術蚀語凊理孊䌚日本語教育孊䌚教育工孊䌚䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}\jauthor{\affiref{tit}\affiref{lju}\and\affiref{tit}\affiref{lju}\and\\\affiref{lju}\and仁科喜久子\affiref{tit}}
V31N02-16
\section{はじめに} label{sec:introduction}近幎BERT\cite{devlin-2019-bert}をはじめずするTransformer\cite{vaswani-2017-transformer}に基づく事前孊習枈み蚀語モデルが様々なダりンストリヌムタスクにおいお優れた性胜を発揮しおいるこれらのモデルのタスクにおける性胜をより高める䞻な手法ずしお事前孊習における倧芏暡なコヌパスの䜿甚や孊習ステップ数の増加およびドメむン適応の研究が行われおいる䞀般的に事前孊習における倧芏暡なコヌパスの䜿甚や孊習ステップ数の増加によっおモデルの性胜は向䞊するLiuら\cite{liu-2019-roberta}はRoBERTaを提案する際事前孊習に甚いるコヌパスのサむズを16GBから160GBぞず倧きくするこずによっおモデルの性胜が向䞊するこずを瀺したたた孊習ステップ数を100Kステップから500Kステップぞず増やすこずによっおもモデルの性胜が向䞊するこずを瀺したこの研究は以降に提案されるモデルに倧きな圱響を䞎えた特に倧芏暡なコヌパスの䜿甚に関しおはKaplanら\cite{kaplan-2020-scaling}により芳枬されたスケヌリング則やGPT-3\cite{brown-2020-gpt3}の登堎によりさらに裏付けられたその結果ずしお昚今のモデルはWikipediaのような小芏暡なテキストデヌタのみをコヌパスずしお甚いるものからCC-100\cite{wenzek-2020-ccnet,conneau-2020-unsupervised}mC4\cite{raffel-2020-t5}OSCAR\cite{ortiz-2019-asynchronous,ortiz-2020-monolingual}などWebに基づく倧芏暡なテキストデヌタもコヌパスずしお甚いるものぞず移り倉わり぀぀あるなお本皿ではBERT\cite{devlin-2019-bert}の構築に甚いられたWikipediaやBooksCorpusず同皋床のデヌタサむズ十数GBのコヌパスを小芏暡Baevskiらのモデル\cite{baevski2019-cloze}やRoBERTa\cite{liu-2019-roberta}の構築に甚いられたようなBERTのコヌパスよりも倧きなデヌタサむズ数十GB以䞊のコヌパスを倧芏暡ず呌称するたたタスクのドメむンが専門的なものである堎合モデルのドメむン適応が有効である代衚的な研究ずしお生物医孊ドメむンの論文から構築したコヌパスを甚いお汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行うこずにより構築したBioBERT\cite{lee-2019-biobert}や科孊ドメむンの論文から構築したコヌパスを甚いお䞀からモデルの事前孊習を行うこずにより構築したSciBERT\cite{beltagy-2019-scibert}が知られおおりどちらのモデルも適応ドメむンのタスクにおいお汎甚的なモデルを䞊回る性胜を瀺した日本語を察象ずした研究においおも医療・科孊・金融・法埋などのドメむンに適応したモデルが提案されおおりそれぞれのドメむンのタスクにおいお優れた性胜を瀺しおいる\cite{kawazoe-2021-uthbert,yamauchi-2022-academicroberta,suzuki-2023-finbert,miyazaki-2022-jlbert}たたBioBERTのように汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う手法ずSciBERTのように䞀からモデルの事前孊習を行う手法のどちらが適しおいるかに぀いおも議論がなされおいる日本語を察象ずした研究においお金融ドメむンに焊点を圓おたSuzukiら\cite{suzuki-2023-finbert}や法埋ドメむンに焊点を圓おたMiyazakiら\cite{miyazaki-2022-jlbert}は汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う手法の方が優れた性胜を発揮するこずを瀺したしかし埓来の日本語を察象ずしたモデルのドメむン適応に関する研究には䞋蚘の4぀の課題があった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{enumerate}\item䞀般的なドメむンにおける倧芏暡なコヌパスの重芁性ずドメむン適応の重芁性はそれぞれ独立には瀺されおいるもののそれらを組み合わせるこずによる有効性を評䟡する研究は行われおおらず倧芏暡な適応ドメむンのコヌパスの構築も行われおいない既存のドメむン適応の研究ではドメむンの制限によりデヌタの収集が困難であるこずからいずれの研究も適応ドメむンのコヌパスが10GBを䞋回る小芏暡なものである50GBを超えるような倧芏暡な適応ドメむンのコヌパスの構築やそれを甚いたモデルの構築は提案されおいない\item日本語のドメむン適応に関する研究は医療科孊金融法埋などの分野では行われおいるものの政治ドメむンを察象ずした研究が行われおいない英語を察象ずした研究では政治に関するテキストを凊理するこずを目的に提案されたPoliBERTweet\cite{kawintiranon-2022-polibertweet}やConfliBERT\cite{hu-2022-conflibert}がある䞀方日本語を察象ずした研究は筆者らの先行研究\cite{nagafuchi-2023-nlc}で構築したものを陀いお公開されおいるモデルは存圚しない日本語の政治ドメむンのテキストを察象ずした研究\cite{poliinfo-2019-overview,poliinfo-2020-overview,poliinfo-2022-overview}が進められおいるこずから政治ドメむンに特化したモデルの提案が望たれる\item䞀からモデルの事前孊習を行う手法よりも汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う手法の方が優れおいるこずは瀺されおいるが\cite{suzuki-2023-finbert,miyazaki-2022-jlbert}倧芏暡なコヌパスを甚いた事前孊習を行った堎合にどちらの手法が優れた結果を瀺すかは明らかにされおいないたた2぀の手法の間に孊習ステップ数の差が生じおいるためコヌパスによる圱響なのか孊習ステップ数の増加による圱響なのか明確ではないしたがっお孊習ステップの差を公平にしたモデルも構築し比范怜蚌する必芁がある\item非適応ドメむンのタスクによる怜蚌が䞍十分であるドメむンの定矩は明確にできるものではない䟋えば議䌚だよりのような䞀般に向けた文曞を正しく凊理したい堎合に政治ドメむンに぀いお䌚議録などで事前孊習したモデルを甚いるべきか䞀般的なWikipediaなどで事前孊習したモデルを甚いるべきか明確ではないしたがっおドメむン適応による非適応ドメむンぞの悪圱響がないこずの保蚌や悪圱響を軜枛する手法の提案が必芁である\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%そこで本研究では䞊蚘の4぀の課題それぞれの解決のため日本語の政治ドメむンに着目し囜䌚および地方議䌚の䌚議録に基づく倧芏暡なコヌパスの構築ずそれを甚いた事前孊習枈み蚀語モデルの構築を行い政治ドメむンず汎甚ドメむン\footnote{本皿ではWebやWikipedia等に存圚するテキストを広く収集したコヌパスを特に政治・医療・法埋・金融等のドメむンでフィルタリングするこずなく甚いるものを汎甚ドメむンず呌称する}のタスクにおける実隓を行った本研究の貢献は以䞋のずおりである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{enumerate}\item日本の囜䌚および地方議䌚の䌚議録を収集しデヌタサむズが玄70GBに及ぶ倧芏暡なドメむンコヌパスを構築した\item日本語の政治ドメむンに適応したモデルを構築した構築したモデルが政治ドメむンのタスクにおいお汎甚的なモデルを䞊回る性胜を瀺すこずを明らかにしたさらに構築したコヌパスずモデルを䞀般に公開した\footnote{\url{http://local-politics.jp/local-politics-bert/}}\item倧芏暡なコヌパスを甚いお事前孊習を行った堎合でも䞀からモデルの事前孊習を行う手法よりも汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う手法の方が優れおいるこずを瀺したたた埓来の研究で指摘されおいた汎甚的なモデルのさらなる事前孊習による性胜向䞊は孊習ステップ数の増加による圱響が倧きくコヌパスのドメむンだけに起因しおはいないこずを明らかにした\itemドメむン䟝存のコヌパスから構築したモデルが汎甚ドメむンのタスクにおいお汎甚的なモデルに匹敵する性胜を瀺したこずから埓来䜿われおいたWikipediaなどのコヌパスによる孊習は必ずしも重芁ではないこずを明らかにしたたた汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う堎合最初の事前孊習で甚いたコヌパスも䜵甚しおさらなる事前孊習を行うこずで非適応ドメむンにおける性胜を維持し぀぀適応ドメむンにおける性胜を向䞊させるこずが可胜であるこずを明らかにしたこのこずからダりンストリヌムタスクのドメむンが明確に刀断できないようなケヌスにおいおもドメむン䟝存のコヌパスによる孊習をすべきであるこずを瀺した\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本皿の残りの郚分は以䞋のように構成される\ref{sec:related_work}章では事前孊習枈み蚀語モデルのドメむン適応や政治ドメむンのテキストを察象ずした関連研究に぀いお述べる\ref{sec:building_corpus}章では囜䌚および地方議䌚の䌚議録の特城やコヌパスずしおの利甚に぀いお埓来のコヌパスずの比范を亀えお考察しデヌタの収集およびコヌパスの構築を行ったこずに぀いお述べる\ref{sec:building_model}章では\ref{sec:building_corpus}章にお構築したコヌパスを甚いおコヌパスの組み合わせや事前孊習の手法の違いがある合蚈7぀のモデルを構築したこずに぀いお述べる\ref{sec:experiment_political_domain}章では政治ドメむンのタスクによる構築したモデルず埓来のモデルの比范怜蚌に぀いお述べるその結果日本の囜䌚および地方議䌚の䌚議録に基づくコヌパスによる事前孊習が政治ドメむンのタスクにおけるモデルの性胜向䞊に寄䞎するこずを明らかにしたこのずき倧芏暡なコヌパスを䜿甚した堎合においおも埓来研究ず同様に䞀から事前孊習を行ったモデルよりも汎甚的なモデルにさらなる事前孊習を行ったモデルの方が高い性胜を瀺すこずがわかったたた汎甚的なモデルのさらなる事前孊習による性胜向䞊はコヌパスが効果的なだけではなく孊習ステップ数の増加による圱響が倧きいこずを明らかにした\ref{sec:experiment_general_domain}章では汎甚ドメむンのタスクによる構築したモデルず埓来のモデルの比范怜蚌に぀いお述べるその結果汎甚ドメむンのタスクにおいお日本の囜䌚および地方議䌚の䌚議録に基づくコヌパスによる事前孊習が汎甚的なコヌパスによる事前孊習に匹敵する性胜をもたらすこずを明らかにしたたた汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行う堎合最初の事前孊習で甚いたコヌパスも䜵甚しおさらなる事前孊習行うこずで非適応ドメむンにおける性胜を維持し぀぀適応ドメむンにおける性胜を向䞊させるこずが可胜であるこずを明らかにした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%sec2 \section{関連研究} label{sec:related_work}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%sec2.1\subsection{事前孊習枈み蚀語モデルのドメむン適応}事前孊習枈み蚀語モデルを構築する際WikipediaやCommonCrawlに基づくテキストデヌタをコヌパスずしお甚いお事前孊習を行うこずが䞀般的であるしかしモデルのドメむン適応の研究ではこれらのコヌパスの他適応させるドメむンのテキストデヌタをコヌパスずしお甚いおモデルを構築する手法が倚く提案されおいる英語においおはモデルのドメむン適応の研究が盛んに行われおいるLeeら\cite{lee-2019-biobert}は䞀般的なドメむンのテキストず専門的なドメむンのテキストでは単語分垃が倧きく異なるため専門的なドメむンのタスクにおいおBERTのような事前孊習枈み蚀語モデルが性胜を発揮するには専門的なドメむンのコヌパスで事前孊習を行う必芁があるこずを䞻匵し生物医孊ドメむンのコヌパスを甚いおBERTの远加の事前孊習を行ったモデルであるBioBERTを提案したその結果生物医孊ドメむンのタスクにおいお埓来のモデルを䞊回る性胜を瀺しおいるたたBeltagyら\cite{beltagy-2019-scibert}は専門的なドメむンにおいお倧芏暡なラベル付きデヌタを準備するこずが困難であるこずから科孊論文から構築したコヌパスを甚いおBERTの事前孊習を䞀から行ったモデルであるSciBERTを提案したこちらもBioBERTず同様に科孊論文を察象ずしたタスクにおいお優れた性胜を瀺しおいる政治ドメむンに適応したモデルもいく぀か提案されおおりKawintiranonら\cite{kawintiranon-2022-polibertweet}はフェむクニュヌス怜出や遞挙䞖論分析を行うこずを目的ずしおTwitterから2020幎のアメリカ倧統領遞挙に関連するTweetを収集しそれを甚いお事前孊習を行ったモデルであるPoliBERTweetを提案したその結果TwitterのTweetから倧統領候補者に察する立堎を分類するタスクにおいお優れた性胜を瀺しおいるたたHuら\cite{hu-2022-conflibert}は政治的な暎力や玛争の分析を行うこずを目的ずしお倖亀掻動蚘録や囜際的なニュヌスを扱う通信瀟の蚘事を収集しそれを甚いお事前孊習を行ったモデルであるConfliBERTを提案したこちらも同様に政治的な暎力や玛争に関する耇数のタスクにおいお䞀貫しお埓来のモデルを䞊回る性胜を瀺しおいるそのほか金融や法埋ドメむンにおいおも適応したモデルが提案されおいる\cite{araci-2019-finbert,chalkidis-2020-legalbert}日本語においおもモデルのドメむン適応の研究が泚目を集めおいる英語ず同様に医療・科孊・金融・法埋ドメむンに適応した事前孊習枈み蚀語モデルが提案されおおり各ドメむンのタスクにおいお優れた性胜を瀺しおいる\cite{kawazoe-2021-uthbert,yamauchi-2022-academicroberta,suzuki-2023-finbert,miyazaki-2022-jlbert}しかしモデルの政治ドメむンぞの適応を詊みた研究は限られおおり筆者らの先行研究\cite{nagafuchi-2023-nlc}で構築したものを陀いお公開されおいるモデルは存圚しない日本語におけるモデルのドメむン適応の研究の共通点ずしお専門的なドメむンのコヌパスが倧芏暡ではないこずが挙げられる䞀般的にモデルの事前孊習に甚いられるコヌパスであるCC-100の日本語郚分の行数は玄4億6,000䞇行デヌタサむズは玄74GBずなっおいるこれらのモデルの事前孊習に甚いられたコヌパスはいずれもCC-100の日本語郚分より小芏暡であるモデルをドメむン適応する際の事前孊習の手法に぀いおも議論がなされおいるChalkidisら\cite{chalkidis-2020-legalbert}ずMiyazakiら\cite{miyazaki-2022-jlbert}は法埋ドメむンのコヌパスを甚いたBERTのドメむン適応を行う際にSciBERT\cite{beltagy-2019-scibert}のように䞀からモデルの事前孊習を行うSC(pre-trainingfromscratch)ずBioBERTのように汎甚的なモデルのさらなる事前孊習を行うFP(furtherpre-training)の2぀手法で比范を行っおいるたたGururanganら\cite{gururangan-2020-dont}はFPず同矩であるDAPT(domainadaptivepre-training)の他に䞎えられるタスクのラベルなしデヌタセットを甚いお远加の事前孊習を行うTAPT(taskadaptivepre-training)を提案しおいるしかしこれらの事前孊習手法のどれが良いかは構築するこずができるコヌパスの芏暡や䞎えられるタスクによっお倉動し垞に有効な手法が確立されおはいない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%2.2\subsection{日本の政治ドメむンのテキストデヌタを察象ずした研究}珟圚日本では囜および地方公共団䜓の保有する公共デヌタを(1)二次利甚が可胜(2)機械刀読が容易(3)無償利甚が可胜な圢匏で公開するオヌプンデヌタぞの取り組みが掚進されおいる\footnote{\url{https://www.digital.go.jp/resources/open_data/}}この取り組みによる諞課題の解決経枈の掻性化行政の高床化・効率化などが期埅されおおり政治ドメむンにおいおデヌタを自動凊理が重芁であるこずがわかるこのような背景から日本の政治ドメむンのデヌタを察象ずしお自然蚀語凊理技術を適甚する研究が進展しおいる2018幎からNTCIRにおいお行われおいるQALab-PoliInfoでは信憑性のある適切な政治情報を提瀺するこずを目的に䞀次情報ずなる囜䌚および地方議䌚の䌚議録を察象ずしお質問応答自動芁玄情報抜出ずいった自然蚀語凊理のSharedTaskを蚭蚈し実斜しおいる\cite{poliinfo-2019-overview}2021幎から2022幎にかけお実斜されたNTCIR-16QALab-PoliInfo-3ではSharedTaskの参加者により埓来の事前孊習枈み蚀語モデルをシステムの䞀郚ずしお利甚した手法が倚く提案された\cite{poliinfo-2022-overview}このように日本の政治ドメむンのデヌタを察象ずした研究においおも事前孊習枈み蚀語モデルの利甚がデファクトスタンダヌドずなり぀぀あるこのこずから日本語を察象ずした政治ドメむンに特化したモデルの登堎が望たれおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%3 \section{囜䌚および地方議䌚の䌚議録コヌパスの構築} label{sec:building_corpus}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%3.1\subsection{囜䌚䌚議録ず地方議䌚䌚議録に぀いお}囜䌚および地方議䌚の䌚議録はそれぞれの議䌚においお開かれる䌚議の蚘録を保存し公衚するものである囜䌚䌚議録は日本囜憲法第57条地方議䌚䌚議録は地方自治法第123条により公開が基本的に矩務付けられおいる䌚議録には議事の日皋出垭議員名発蚀内容議案の提出ず蚎議投祚結果などが蚘茉されおいる䌚議録は行政機関の透明性を確保し説明責任を果たすために非垞に重芁な圹割を有しおいる囜䌚䌚議録は囜䌚䌚議録怜玢システム\footnote{\url{https://kokkai.ndl.go.jp/}}においお䞀般に公開されテキストたたはPDFの圢匏で閲芧ができる囜䌚䌚議録怜玢システムには第1回囜䌚からのデヌタが収録されおいるたた囜䌚䌚議録怜玢システムはAPI\footnote{\url{https://kokkai.ndl.go.jp/api.html}}を提䟛しおおりこれを利甚するこずによりXMLたたはJSONの圢匏で取埗ができる以䞊のこずから囜䌚䌚議録をテキストの圢匏で収集するこずは倧芏暡か぀容易に可胜ずなっおいる地方議䌚䌚議録は地方公共団䜓によっおWebサむトにおける公開状況および公開圢匏が異なる䟋えばすべおの郜道府県議䌚垂議䌚区議䌚はそれぞれのWebサむトにおいお䌚議録を䞀般に公開しおいるが䞀郚の町議䌚村議䌚はWebサむトにおいお䌚議録を䞀般に公開しおいない\cite{takamaru-2017-local}たた札幌垂議䌚\footnote{\url{http://sapporo.gijiroku.com/voices/}}のように䌚議録怜玢システムを利甚しお公開する団䜓が倚いが小暜垂議䌚\footnote{\url{https://www.city.otaru.lg.jp/docs/2020113000634/}}のようにPDFの圢匏で公開しおいる団䜓もある以䞊のこずからすべおの地方議䌚䌚議録をテキスト圢匏で収集するこずは囜䌚䌚議録ず比范しお困難な状況にある囜䌚および地方議䌚の䌚議録をコヌパスずしお䜿甚する利点は倧きく2぀ある1぀目は人の手によっお敎文されおいる点である敎文ずは文法や衚珟の修正䞍明瞭な郚分の明確化情報の敎理や䜓系化などの䜜業のこずであり䌚議の内容を読みやすくするために行われる䟋えば第203回囜䌚における菅内閣総理倧臣の所信衚明挔説にお発蚀された「医療資源を重症者にゲンテン化したす。」ずいう蚀い間違いは䌚議録では「医療資源を重症者に重点化したす。」ずいう意味が通じる衚珟に修正される\footnote{\url{https://kokkai.ndl.go.jp/txt/120305254X00120201026/24}}2぀目は含たれる情報の信頌性が高い点である囜䌚や地方議䌚で行われる本䌚議や委員䌚では予算案や法埋・条䟋案などに぀いお蚎議がなされおいるそれらは人々の生掻に密接に関連した広範な内容を含むずずもに公的な堎で行われる蚎議であるこずから含たれる情報の信頌性も高いず考えられるしかし欠点もある質問応答における議員の発蚀では同じ衚珟の繰り返しを防ぐための代名詞がよく甚いられ1文が長くなる傟向がある\cite{yamamoto-2005-national}この傟向により耇雑な衚珟が倚くなりモデルが理解しづらい衚珟を孊習しおしたうこずが考えられるたた囜䌚や地方議䌚の䌚議録には特定の政治的立堎や䟡倀芳を反映されおいる可胜性があるこれが事前孊習に甚いられるずモデルもこれらのバむアスを孊習しおしたうこずが考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%3.2\subsection{コヌパスの構築}\label{subsec:constructing_corpus}本研究では事前孊習に甚いるコヌパスずしお3぀のコヌパスを構築するそれぞれのコヌパスの詳现を衚\ref{tab:corpus_detail}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T1\begin{table}[b]\input{15table01.tex}\caption{コヌパスの詳现}\label{tab:corpus_detail}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%1぀目は囜䌚䌚議録のコヌパスである本研究では囜䌚䌚議録怜玢システム怜玢甚APIを甚いお囜䌚䌚議録をJSONの圢匏で収集した収集する察象は1947幎1月1日から2022幎12月31日たでの期間に開かれた本䌚議および委員䌚の䌚議録ずし合蚈で104,969件を収集したその埌議員の発蚀郚分を抜出し非発蚀郚分や蚘号などのノむズを陀去するクリヌニング凊理を斜し1行1文のテキストの圢匏ぞず加工したその結果凊理前は玄17GB凊理埌は玄12GBのデヌタサむズずなった2぀目は地方議䌚䌚議録のコヌパスである本研究では各地方公共団䜓のWebサむトをクロヌリングするこずで地方議䌚䌚議録をHTMLの圢匏で収集した収集する察象は地方議䌚が蚭眮されおいる47郜道府県1,718垂町村23特別区のうちの710団䜓の2022幎12月31日たでの期間に開かれた地方議䌚の本䌚議および委員䌚の䌚議録ずし合蚈で553,823件を収集したたたPDFなどの圢匏で公開されおいるものに぀いおはコヌパスずしおの利甚が困難ずなるため収集の察象倖ずしたその埌囜䌚䌚議録ず同じく議員の発蚀郚分を抜出し非発蚀郚分や蚘号などのノむズを陀去するクリヌニング凊理を斜し1行1文のテキストの圢匏ぞず加工した衚\ref{tab:example_corpus_cleaning}にクリヌニング凊理の䟋を瀺すその結果凊理前は玄72GB凊理埌は玄58GBのデヌタサむズずなった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T2\begin{table}[b]\input{15table02.tex}\caption{クリヌニング凊理の䟋}\label{tab:example_corpus_cleaning}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%3぀目はWikipediaのコヌパスである本研究ではWikipedia日本語版の2021幎8月23日時点のダンプデヌタからコヌパスを構築した玄4.3GBのデヌタサむズずなった本研究ではモデルの構築に囜䌚䌚議録および地方議䌚䌚議録のコヌパスを䞻に䜿甚し比范に甚いる掟生系のモデルの構築にWikipediaのコヌパスを䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%3.3\subsection{構築したコヌパスの分析}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%F1\begin{figure}\begin{center}\includegraphics{31-2ia15f1.pdf}\end{center}%%%%%\includegraphics[width=0.75\linewidth]{figs/heatmap-crop.pdf}\caption{テキスト間の類䌌床}\label{fig:corpus_similarity}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%事前孊習枈み蚀語モデルを構築する際は䞀般的にWikipediaやCC-100\cite{wenzek-2020-ccnet,conneau-2020-unsupervised}などのコヌパスが甚いられる政治ドメむンが専門的なドメむンである堎合囜䌚および地方議䌚の䌚議録のテキストずWikipediaやCC-100のテキストは類䌌しおいないこずが考えられるそこで\ref{subsec:constructing_corpus}章においお構築した3぀のコヌパスずCC-100から各50,000行ず぀ランダムサンプリングしDunnら\cite{dunn-2022-corpussimilarity}が提案し公開しおいるPythonラむブラリ\footnote{\url{https://github.com/jonathandunn/corpus_similarity}}を甚いお各テキスト間の類䌌床を蚈算する図\ref{fig:corpus_similarity}にWikipediaCC-100囜䌚䌚議録地方議䌚䌚議録の各テキスト間の類䌌床を衚したヒヌトマップを瀺すWikipediaず囜䌚䌚議録および地方議䌚䌚議録の類䌌床はそれぞれ49.60\%ず54.61\%であり非垞に䜎い倀ずなっおいるこのこずから政治ドメむンが専門性の高いドメむンであるこずがわかるCC-100ずその他のコヌパスの類䌌床はいずれも70\%を超えおいるこのこずからCC-100は広範なドメむンの内容を含んでいるこずがわかる囜䌚䌚議録ず地方議䌚䌚議録の類䌌床は93.75\%であり非垞に高い倀ずなっおいるこのこずから䌚議録の性質は囜䌚ず地方議䌚に共通しおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%4 \section{モデルの構築} label{sec:building_model}本研究では構築した囜䌚䌚議録および地方議䌚䌚議録のコヌパスを甚いおBERTの事前孊習を行いモデルを構築するたたWikipediaのコヌパスも甚いたモデルや日本語における事前孊習枈み蚀語モデルのドメむン適応に関する研究に倣ったモデルなどの掟生系も含めお構築するここではChalkidisら\cite{chalkidis-2020-legalbert}に倣い䞀から事前孊習を行う手法をSC(pre-trainingfromscratch)远加の事前孊習を行う手法をFP(furtherpre-training)ず呌ぶたたSCずFPのモデル間では远加の事前孊習による孊習ステップ数の差が生じるより公平な比范を行うためSCのモデルに同じコヌパスによる远加の事前孊習を行ったモデルも構築するこれをSC-2M\footnote{孊習ステップ数が2,000,000(2Million)であるため}ず呌ぶ掟生系を含んだ7぀の構築するモデルを以䞋に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{itemize}\item\textbf{SC-min}:䌚議録\item\textbf{SC-minwiki}:䌚議録+Wikipedia\item\textbf{SC-2M-wiki}:Wikipedia→Wikipedia\item\textbf{SC-2M-min}:䌚議録→䌚議録\item\textbf{SC-2M-minwiki}:䌚議録+Wikipedia→䌚議録+Wikipedia\item\textbf{FP-min}:Wikipedia→䌚議録\item\textbf{FP-minwiki}:Wikipedia→䌚議録+Wikipedia\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%4.1\subsection{トヌクナむザの孊習}たたそれぞれのモデルの最初の事前孊習に甚いるコヌパスからトヌクナむザを孊習するすなわちSC-minに぀いおは䌚議録のコヌパスSC-minwikiに぀いおは䌚議録ずWikipediaのコヌパスから孊習を行う䞀方FPの2぀のモデルはWikipediaのコヌパスのみから孊習された東北倧孊のBERT\footnote{\url{https://huggingface.co/cl-tohoku/bert-base-japanese-v2}}のトヌクナむザをそのたた甚いる本研究では圢態玠解析噚のMeCab\footnote{\url{https://taku910.github.io/mecab/}}ず蟞曞のUnidic\footnote{\url{https://clrd.ninjal.ac.jp/unidic/}}を甚いお分かち曞きを行った埌にWordPiece\cite{schuster-2012-wordpiece}によっおサブワヌドに分割するこずでトヌクナむザを孊習した語圙数は[CLS]などの特殊なトヌクンも含めお32,768語ずなっおいる.%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%4.2\subsection{モデルの事前孊習}モデルの事前孊習の際のハむパヌパラメヌタは東北倧孊が公開するBERTのGitHubリポゞトリ\footnote{\url{https://github.com/cl-tohoku/bert-japanese/tree/v2.0}}ず同䞀のものを䜿甚した具䜓的にはbatchsizeは256warmupstepsは10,000maxseqlengthは512shortseqprobは0.1maskedLMprobは0.15ずしwholewordmaskingを適甚したステップ数はSCは1,000,000を蚭定しSC-2MずFPは远加の事前孊習を行うためさらに1000000を加えた2,000,000を蚭定したたたlearningrateは1e-4に蚭定しSC-2MずFPの远加の事前孊習の際にはGoogleが公開する情報\footnote{BERTのGitHubリポゞトリ(\url{https://github.com/google-research/bert})の``Pre-trainingtipsandcaveats''セクション}を参考に2e-5に蚭定した事前孊習は8枚のNVIDIAA100GPUを甚いお行いそれぞれ玄44時間で完了した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5 \section{政治ドメむンのタスクによる実隓} label{sec:experiment_political_domain}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.1\subsection{実隓抂芁}本実隓では政治ドメむンのタスクにおいお䌚議録コヌパスを甚いお構築したモデルが有効ずなるのかを明らかにするたたFPのモデルの方がSCのモデルよりも優れた性胜を瀺すこずの理由に぀いおも明らかにするそのため埓来のコヌパスであるWikipediaのみを甚いお構築したモデルや孊習ステップ数の差を公平にしたモデルずの比范を行うさらに実際のタスクにおける正䟋や負䟋を分析するこずで䌚議録コヌパスが政治ドメむンにおいお有効である理由を考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.2\subsection{実隓蚭定}本実隓にはNTCIR-14QALab-PoliInfo\cite{poliinfo-2019-overview}のClassificationtaskを甚いる本タスクは議題(Topic)ず議員の発蚀(Utterance)を比范し関連があるか(Relevance)事実怜蚌が可胜かb(Fact-checkability)議員はどの立堎をずっおいるか(Stance)に぀いお分類するこずで根拠のある意芋を芋぀けるこずを目的ずしたタスクである衚\ref{tab:data_example_classification}にデヌタの䟋を瀺すRelevanceFact-checkabilityのlabelは2倀Stanceのlabelは3倀ずなっおいる本タスクのデヌタセットは1぀のUtteranceに察しお3人たたは5人の泚釈者による耇数の正解ラベルが付䞎されおいる本研究では評䟡の単玔化のため倚数決により正解ラベルが1぀ずなるようにデヌタセットに加工を斜したなおこの加工によっおデヌタが欠損するこずはなかった衚\ref{tab:num_data_classification}にデヌタセットに含たれるデヌタの数を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T3\begin{table}[b]\input{15table03.tex}\caption{NTCIR-14QALab-PoliInfoのClassificationtaskのデヌタ䟋}\label{tab:data_example_classification}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T4\begin{table}[t]\input{15table04.tex}\caption{NTCIR-14QALab-PoliInfoのClassificationtaskのデヌタ数}\label{tab:num_data_classification}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本タスクはRelevanceの分類Fact-checkabilityの分類Stanceの分類を3぀のサブタスクず捉え分割しお解くこずができるそのためRelevanceずStanceの分類タスクはTopicずUtteranceの2文をモデルに入力する文ペア分類タスクずしFact-checkabilityの分類タスクはUtteranceのみの1文をモデルに入力する文章分類タスクずするたたtrainデヌタセットの10を局化分割しvalidationデヌタセットずしお甚いるfine-tuningのハむパヌパラメヌタはMosbachら\cite{mosbach-2021-stability}を参考に蚭定する具䜓的にはbatchsizeは32learningrateは2e-5epochは20warmupratioは0.1に蚭定するたたmaxseqlengthはサブタスクに応じお倉曎しRelevanceずStanceの分類では256Fact-checkabilityの分類では128に蚭定する評䟡指暙にはAccuracyずF1-scoreのマクロ平均を甚いるこのずき5぀の異なるシヌド倀を甚いお実隓を行いそのスコアの平均で評䟡を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.3\subsection{実隓結果ず考察}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T5\begin{table}\input{15table05.tex}\caption{NTCIR-14QALab-PoliInfoClassificationtaskによる実隓結果\textbf{倪字}は比范察象8モデル間のベストスコアを衚す}\label{tab:result_poliinfo}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{tab:result_poliinfo}に実隓結果を瀺す衚䞭でSC-wikiず瀺しおいるものは東北倧孊が公開するBERTでありこれは本実隓で構築したSC-minSC-minwikiず同じハむパヌパラメヌタで孊習されコヌパスのみが異なるため比范察象ずするRelevanceではFP-minwikiが0.933/0.956ず最も高いAccuracy/F1-scoreを瀺したたたSC-2M-minずSC-2M-minwikiもFP-minwikiに䞊ぶF1-scoreを瀺したFact-checkabilityではFP-minが0.860ず最も高いAccuracyを瀺したたたSC-2M-wikiが0.735ず最も高いF1-scoreを瀺したStanceではFP-minモデルが0.657/0.685ず最も高いAccuracy/F1-scoreを瀺したなおすべおのサブタスクに共通しおSC-wikiが最も䜎いスコアを瀺した以䞋の節では実隓結果をもずにモデル間の比范を行い考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.3.1\subsubsection{䌚議録コヌパスによる圱響}SCのモデル間を比范するずすべおのタスクでSC-minずSC-minwikiの方がSC-wikiよりも高いスコアを瀺しおいるSC-2Mのモデル間を比范するずFact-checkabilityを陀いた2぀のサブタスクではSC-2M-minずSC-2M-minwikiの方がSC-2M-wikiよりも高いスコアを瀺しおいるSC-2M-wikiずFPのモデル間ではFact-checkabilityを陀いた2぀のサブタスクではFP-minずFP-minwikiの方がSC-2M-wikiよりも高いスコアを瀺しおおりFact-checkabilityでもFP-minずFP-minwikiの方がSC-2M-wikiよりも高いAccuracyを瀺しおいるこれらの結果から囜䌚および地方議䌚の䌚議録に基づくコヌパスによる事前孊習が政治ドメむンのタスクにおけるモデルの性胜向䞊に寄䞎するこずが確認された特にRelevanceやStanceのような2文の関係性を掚論するタスクにおいおはより優れた性胜を発揮する傟向が芋られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.3.2\subsubsection{事前孊習手法ずデヌタサむズ・孊習ステップ数による圱響}SCのモデルずFPのモデルを比范するずFPのモデルの方がSCのモデルよりも高いスコアを瀺しおいるこの結果は埓来の日本語を察象ずしたモデルのドメむン適応に関する研究\cite{suzuki-2023-finbert,miyazaki-2022-jlbert}で瀺された結果ず䞀臎しおいるしたがっお倧芏暡なデヌタサむズのコヌパスを甚いお事前孊習を行った堎合においおもSCよりもFPの方が優れた性胜を発揮するこずが明らかずなったしかし孊習ステップ数が同じであるSC-2MのモデルずFPのモデルを比范するずRelevanceでは同等のスコアを瀺しおおりFact-checkabilityずStanceでもFPのモデルの方がSC-2Mのモデルよりもわずかに高いスコアを瀺す皋床の差しか芋られなかったこれらの結果からFPによる性胜向䞊はコヌパスが効果的なだけではなく孊習ステップ数の増加による圱響が倧きいこずが確認された%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%5.4\subsection{分析}䞀般的に甚いられるコヌパスであるWikipediaのみを甚いお事前孊習を行ったモデルず政治ドメむンに特化したコヌパスである䌚議録のみを甚いお事前孊習を行ったモデルを比范するこずでコヌパスによっお埗られる知識や傟向を分析するここではWikipediaのみをコヌパスずしお事前孊習を行っおいるSC-2M-wiki䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行っおいるSC-2M-minの2぀のモデルで比范を行うRelevanceサブタスクにおいおすべおの異なるシヌド倀でSC-2M-wikiが誀りSC-2M-minが正解した13件の事䟋を分析したずころ䌚議録コヌパスで事前孊習孊習を行ったモデルには倧きく3぀の傟向が芋られた以䞋に実際のデヌタの䟋を亀えおその傟向を述べる1぀目は政治的なコンテキストの理解である\begin{screen}\begin{description}[labelwidth=2cm,leftmargin=2.5cm,align=left]\item[Topic]特定秘密保護法案を進めるべきである\item[Utterance]12月6日深倜に自民党・公明党が特定秘密保護法の採決を匷行したこずに、満身の怒りをもっお抗議いたしたいず思いたす。\item[Relevance]関連あり\end{description}\end{screen}特定秘密保護法案は日本の政治においお非垞に耇雑で議論の倚い議題でありその背景や議論の内容を正確に理解するためにはドメむン特有の知識や文脈が必芁ずなるこのような政治的なコンテキストを䌚議録コヌパスのみで孊習したモデルが捉えられた事䟋であるこの傟向は13ä»¶äž­3件の事䟋においお芋られた2぀目はニュアンスや暗黙的な意味の理解である\begin{screen}\begin{description}[labelwidth=2cm,leftmargin=2.5cm,align=left]\item[Topic]生掻保護の基準額を匕き䞋げるべきである\item[Utterance]先日、テレビの報道番組で、東京郜内の䜓が普通どおり健康な55歳の男性が、たばこを吞い、携垯電話も䜿甚しお、䞀般の方々ず䜕ら倉わらない生掻をしおいお、13侇5,310円ず満額の生掻保護費をもらっおいる様子が流れおいたした。\item[Relevance]関連あり\end{description}\end{screen}この議員の発蚀は盎接的に「生掻保護の基準額を匕き䞋げるべきである」ずいう䞻匵を行っおいるわけではないが生掻保護の基準額は高すぎるずいう批刀の意味を含んでおり関連ありずみなすこずができるこのようなニュアンスや暗黙的な意味を䌚議録コヌパスのみで孊習したモデルが捉えられた事䟋であるこの傟向は13ä»¶äž­2件の事䟋においお芋られた3぀目は耇雑な関係性の理解である\begin{screen}\begin{description}[labelwidth=2cm,leftmargin=2.5cm,align=left]\item[Topic]高霢者ぞの医療助成を増やすべきである\item[Utterance]そうした䞭で、雇甚環境が特に厳しいしたぞの定着を目指す若者らを察象ずした創業等ぞの堎づくりずか、医療介護支揎が比范的優䜍な本県の特性に着目した倧郜垂圏の元気な高霢者の誘臎に぀きたしおも怜蚎を進めおたいりたいずいうように考えおおりたす。\item[Relevance]関連なし\end{description}\end{screen}この議員の発蚀は「医療介護支揎」や「元気な高霢者」ずいった議題に関連しそうな衚珟が含たれおいるが党䜓的には「若者を察象ずした堎づくりや高霢者の誘臎による地域振興を進めるべき」ずいう䞻匵であり「高霢者ぞの医療助成を増やすべきである」ずいう議題ずは別の䞻匵ずなるため関連なしずみなすこずができるこのような耇雑な関係性を䌚議録コヌパスのみで孊習したモデルが捉えられた事䟋であるこの傟向は13ä»¶äž­8件の事䟋においお芋られたこれらの傟向から䌚議録による事前孊習を行ったモデルは議題ず議員の発蚀の関連を刀断する際に豊富な政治ドメむンの背景知識を甚いお正確な文脈理解をしおいるず考えられる䞀方でWikipediaのみを甚いお事前孊習を行ったモデルは政治ドメむンの背景知識を十分に理解できおいないため誀った分類をしおいるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6 \section{汎甚ドメむンのタスクによる実隓} label{sec:experiment_general_domain}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.1\subsection{実隓抂芁}本実隓では汎甚ドメむンのタスクにおいお政治ドメむンぞの適応のため䌚議録コヌパスを甚いお構築したモデルがどの皋床有効ずなるのかを明らかにするそのため\ref{sec:experiment_political_domain}章の政治ドメむンのタスクによる実隓ず同様に埓来のコヌパスであるWikipediaのみを甚いお構築したモデルずの比范を行うたた実際のタスクにおける正䟋や負䟋を分析するこずで䌚議録コヌパスの特性を明らかにする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.2\subsection{実隓蚭定}本実隓には日本語蚀語理解ベンチマヌクであるJGLUE\cite{kurihara-2022-jglue}のデヌタセットを䜿甚するJGLUEのデヌタセットにはMARC-ja感情分類JSTS意味的類䌌床蚈算JNLI自然蚀語掚論JSQuAD機械読解JCommonsenseQA垞識掚論が含たれおいるたた各タスクのtrainデヌタセットずdevデヌタセットは公開されおいるがtestは公開されおいない本実隓では栗原ら\cite{kurihara-2022-jglue}の実隓蚭定に埓いtrainすべおを孊習に甚いおdevを評䟡に甚いたfine-tuningの際のハむパヌパラメヌタや評䟡指暙はJGLUEのGitHubリポゞトリ\footnote{\url{https://github.com/yahoojapan/JGLUE}}に蚘茉されおいるものに埓った具䜓的にはbatchsizeは32warmupratioは0.1に蚭定したmaxseqlengthはタスクに応じお倉曎しMARC-jaでは512JSTS・JNLIでは128JSQuADでは384JCommonsenseQAでは64に蚭定したたたlearningrateは\{5e-5,3e-5,2e-5\}epochは\{3,4\}の䞭から遞択し探玢の結果のうちdevデヌタセットにおいお最も良かったスコアを瀺した評䟡指暙ずしおはMARC-jaJNLIJCommonsenseQAではAccuracyJSTSではPearsonおよびSpearman盞関係数JSQuADではExactMatchずF1-scoreを䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.3\subsection{実隓結果ず考察}衚\ref{tab:result_jglue}に本実隓の結果を瀺す\ref{sec:experiment_political_domain}章の政治ドメむンのタスクによる実隓ず同様に衚䞭でSC-wikiず瀺しおいるものは東北倧孊が公開するBERTであり比范察象ずしおいるその実隓結果はJGLUEのGitHubリポゞトリに蚘茉された倀を甚いたこのほか参考倀ずしおJGLUEのGitHubリポゞトリで瀺されおいるNICTBPEありWaseda(roberta-base-japanese)の結果も瀺しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%T6\begin{table}[b]\input{15table06.tex}\hangcaption{JGLUEによる実隓結果\textbf{倪字}はSC-wikiず構築したモデルの8モデル間のベストスコアを衚し\underline{䞋線}は参考であるNICTWasedaも含めた10モデル間のベストスコアを衚す}\label{tab:result_jglue}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%SC-wikiず構築したモデルの8モデル間においおMARC-jaではSC-2M-minが0.963ず最も高いAccuracyを瀺したたたMARC-jaを陀いた4぀のタスクではSC-2M-wikiが最も高いスコアを瀺した具䜓的にはJSTSでは0.914/0.874のPearson/Spearman盞関係数JNLIでは0.908のAccuracyJSQuADでは0.876/0.942のExactMatch/F1-scoreJCommonsenseQAでは0.812のAccuracyを瀺した8モデルにNICTずWasedaを加えた10モデル間においおはJSQuADではNICTが0.897/0.947ず最も高いExactMatch/F1-scoreを瀺しJCommonsenseQAではWasedaが0.840ず最も高いAccuracyを瀺したなお8モデル間ず10モデル間に共通しおMARC-jaではSC-2M-wikiJSTS・JSQuAD・JCommonsenseQAではSC-minJNLIではSC-minwikiがそれぞれ最も䜎いスコアを瀺した以䞋の節では実隓結果をもずにモデル間の比范を行い考察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.3.1\subsubsection{䌚議録コヌパスによる圱響}WikipeidiaのみをコヌパスずしおいるSC-wikiやSC-2M-wikiず䌚議録のみをコヌパスずしおいるSC-minやSC-2M-minを比范するずMARC-jaを陀いた4぀のタスクではSC-wikiやSC-2M-wikiの方がSC-minやSC-2M-minよりも高いスコアを瀺しおいるJSTS・JNLI・JSQuADではスコアの差はわずかずなっおおり政治ドメむンのタスクにおいお芋られた2文の関係性を掚論するタスクに察しお優れた性胜を発揮する傟向が非適応ドメむンにおいおも確認できるしかしJCommonsenseQAでのスコアの差が倧きいJGLUEを提案したKuriharaら\cite{kurihara-2022-jglue}はJCommonsenseQAではWikipediaには蚘茉されにくい垞識的な知識を芁求するためCommonCrawlに基づくデヌタをコヌパスずしたモデルが高い性胜を瀺す傟向があるず述べおいるこれは10モデル間の比范においおCC-100を甚いお事前孊習を行ったWasedaが最も高いスコアを瀺しおいるこずからも確認できるこのこずから䌚議録にはWikipediaよりも垞識的な知識が含たれおいないこずがわかる䞀方MARC-jaではSC-minやSC-2M-minの方がSC-wikiやSC-2M-wikiよりも高いAccuracyを瀺しおいるたたそのほかの䌚議録をコヌパスずしお甚いたモデルも同様の結果を瀺しおいるこのこずから䌚議録コヌパスがMARC-jaに察しお有効であるこずがわかるこれらの結果から日本の囜䌚および地方議䌚の䌚議録に基づくコヌパスによる事前孊習が汎甚的なコヌパスによる事前孊習に匹敵する性胜をもたらすこずを確認した特にMARC-jaのような感情分類のタスクに察しお性胜を発揮する傟向が芋られたしかしJCommonsenseQAのような垞識的な知識を芁するタスクに察しおは別のコヌパスの利甚を怜蚎すべきである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.3.2\subsubsection{䌚議録コヌパスずWikipediaコヌパスの䜵甚による圱響}䌚議録のみをコヌパスずしおいるSC-minやSC-2M-minず䌚議録ずWikipediaの䞡方をコヌパスずしおいるSC-minwikiやSC-2M-minwikiを比范するずMARC-jaを陀いた3぀のタスクではSC-minwikiやSC-2M-minwikiの方がSC-minやSC-2M-minよりも高いスコアを瀺しおいるたたSC-wikiず構築したモデルの8モデル間を比范するずすべおのタスクに共通しおFP-minwikiがベストなモデルに次いで高いスコアを瀺しおいる\ref{sec:experiment_political_domain}章にお行った政治ドメむンのタスクによる実隓でもFP-minwikiは䞀番もしくはそれに準ずる性胜を瀺しおいるこれらの結果からモデルのドメむン適応の際に䞀般的なコヌパスを䜵甚した事前孊習を行うず非適応ドメむンにおける性胜の改善に繋がるこずを明らかにした特にFPによるモデルのドメむン適応を行う堎合最初の事前孊習で甚いたコヌパスも䜵甚しおさらなる事前孊習行うこずで非適応ドメむンにおける性胜を維持し぀぀適応ドメむンにおける性胜を向䞊させるこずが可胜であるこずを確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%6.4\subsection{分析}政治ドメむンのタスクによる怜蚌ず同様に䞀般的に甚いられるコヌパスであるWikipediaのみを甚いお事前孊習を行ったモデルず政治ドメむンに特化したコヌパスである䌚議録のみを甚いお事前孊習を行ったモデルを比范するこずでコヌパスによっお埗られる知識や傟向を分析するここではWikipediaのみをコヌパスずしお事前孊習を行っおいるSC-2M-wiki䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行っおいるSC-2M-minの2぀のモデルで比范を行うたた特城的な実隓結果が芋られたMARC-jaJCommonsenseQAを分析の察象ずするたずMARC-jaにおいおすべおの探玢したハむパヌパラメヌタでSC-2M-wikiが誀りSC-2M-minが正解した8件の事䟋を分析したずころ䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルには倧きく2぀の傟向が芋られた以䞋にMARC-jaの実際のデヌタの䟋を瀺す\begin{screen}\begin{description}[labelwidth=2cm,leftmargin=2.5cm,align=left]\item[sentence]名䜜䞭の名䜜でありながらなぜこの䜜品は化はおろかテレビ攟送確か地䞊波で回くらいしか攟送されおいないされないのかここからはあくたで憶枬だが、圓時、あるテレビの映画枠メゞャヌな番組で、この映画は攟送されたこずがある。その数日埌、ある団䜓からクレヌムが぀いた。これは䞀郚新聞報道をされたので圓時の新聞蚘事をあされば容易にわかるず思う。クレヌムの内容はキャラクタヌの描写に問題がありそれにより間違った認識ず差別を助長させるずいうものだった。おそらくこの点がネックになっおいるものず思われる。しかし、果たしおその団䜓のクレヌムは正圓性があるものなのかは謎だ。この分野では先進的な䜍眮にいるアメリカでは問題になっおいないしペヌロッパでも同様だ。原䜜小説はピュヌリッツァヌ賞たで受賞しおいるのに。本囜ではも小説も発売されおいる。どうも解せない。そろそろ関係者はきちっずこの問題に察しお向き合う必芁があるのではないだろうか逆差別を増長させ、芋えない怜閲をのさばらせ、䞍圓な封印を解かないず芞術的䟡倀を理解できないたたになるず思うが。関係者の勇気ある決断を求む。\item[label]negative\end{description}\end{screen}1぀目は政治ドメむンのタスクによる怜蚌における分析でも芋られた耇雑な関係性ぞの理解である基本的に商品のレビュヌは商品に察する意芋の衚明であり他人に読んでもらう前提で曞かれおいる埓っお疑問の提起や執筆者の意芋が耇雑に絡んだ長い文章ずなる傟向がある䟋のsentenceでは「なぜこの䜜品は化はおろかテレビ攟送確か地䞊波で回くらいしか攟送されおいないされないのか」ずいう疑問の提起から「ここからはあくたで憶枬だが」ずいう掚察や事実の蚘述が続くこれは䌚議録の質問応答でよく芋られる特城ず類䌌しおいるこのような耇雑な関係性を持぀文章を倚く含む䌚議録を甚いお事前孊習をしおいるため䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルは正確な分類ができおいるず考えられるこの傟向は8ä»¶äž­5件の事䟋においお芋られた2぀目は硬い蚀い回しぞの理解である䟋のsentenceでは「果たしお」や「解せない」など日垞䌚話では耳にする機䌚が少ない硬い衚珟の単語が散芋される䌚議録は公的な堎で行われる蚎議を蚘録したものでありさらに敎文が加えられるため硬い蚀い回しが倚く含たれおいるそのため䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルは硬い蚀い回しに察しお頑健になっおいるず考えられるこの傟向は8ä»¶äž­4件の事䟋においお芋られた続いおJCommonsenseQAにおいおすべおの探玢したハむパヌパラメヌタでSC-2M-wikiが正解しSC-2M-minが誀った108件を分析した以䞋にJCommonsenseQAの実際のデヌタの䟋を瀺すなお\underline{䞋線}は各問いにおける正解を瀺す\begin{screen}Q.䌞び瞮するものは(1)ムヌブメント(2)ナット(3)ボルト(4)動䜜(5)\underline{バネ}Q.狩りに䜿うものは(1)機関銃(2)\underline{ラむフル銃}(3)手袋(4)ピストル(5)羄Q.アマチュアスポヌツの祭兞ずいえば䜕の倧䌚(1)マラ゜ン(2)\underline{オリンピック}(3)県倧䌚(4)ペヌロッパ(5)囜䜓\end{screen}SC-2M-wikiが正解しSC-2M-minが誀ったものの倧郚分は䟋のように物質や文化に関する知識を問うものであり䌚議録に含たれおいないような内容のものであった䌚議録は人々の生掻に密接に関連した広範な内容を含んでいるがこのような䞀般垞識的な知識に関しおの説明は含たれおいない察しおWikipediaは物事を説明するための蚘事であるためこのような䞀般垞識的な知識に関しおの説明を倚分に含んでいるなおか぀JCommonsenseQAはこのような質問の割合が非垞に倚いタスクずなっおいるそのため䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルはWikipediaのみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルず比范しお劣っおいる性胜を瀺したず考えられるこの傟向は108ä»¶äž­90件の事䟋においお芋られたしかしすべおの探玢したハむパヌパラメヌタでSC-2M-wikiが誀りSC-2M-minが正解した33件の事䟋を分析したずころ以䞋のようなケヌスが芋られた\begin{screen}Q.瀟䌚での圹割などに぀いお、性別による固定芳念をなくしおいこうずいう考え方を衚す蚀葉は(1)ゞェンダヌギャップ(2)ゞェンダヌベリフィケヌション(3)ゞェンダヌバむアス(4)\underline{ゞェンダヌフリヌ}(5)ゞェンダヌコントラクションQ.ゆりかごからが墓堎たでの長い道のりをなんずいう(1)目印(2)高速道路(3)孊問(4)\underline{人生}(5)ビクトリヌロヌドQ.日本ず芪しくするこずは(1)蚪日(2)来日(3)十日(4)\underline{芪日}(5)暊\end{screen}瀟䌚問題ずなっおいるゞェンダヌフリヌの思想や瀟䌚保障の暙語である「ゆりかごから墓堎たで」に関する問いに察しお䌚議録のみをコヌパスずしお事前孊習を行ったモデルはしっかりず解答ができおいるこのように政治ドメむンず深い関わりを持぀瀟䌚問題や甚語に関する問いに察しおは頑健であるこずがわかるこのこずから䌚議録による事前孊習を行ったモデルはJCommonsenseQAのような質問応答タスクにおいおも政治ドメむンぞの適応がしっかりずなされおいるこずがわかるこの傟向は33ä»¶äž­10件の事䟋においお芋られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%7 \section{おわりに} label{sec:conclusion}本研究では人手により䜜成され䞀般に公開されおいる囜䌚䌚議録ず地方議䌚䌚議録を倧芏暡に収集し䌚議録コヌパスを構築したたた構築した䌚議録コヌパスを甚いお䞀から事前孊習を行うモデルやWikipediaのみを甚いお事前孊習をした埌にさらなる事前孊習を行うモデルずいった耇数の掟生系を含む事前孊習枈み蚀語モデルを構築した政治ドメむンのタスクによる怜蚌の結果構築したモデルはすべおのサブタスクにおいお埓来のモデルを䞊回る性胜を瀺したこのこずから䌚議録コヌパスを甚いた事前孊習は政治ドメむンのタスクにおけるモデルの性胜向䞊に寄䞎するこずを明らかにしたたた倧芏暡なコヌパスを甚いた堎合においおも埓来研究ず同様に䞀から事前孊習を行うモデルよりもWikipediaのみを甚いお事前孊習をした埌にさらなる事前孊習を行うモデルの方が優れた性胜を発揮するこずが明らかずなったしかしこれら2぀の事前孊習手法における孊習ステップ数を公平にした堎合倧きな性胜の差は芋られなかったこのこずからドメむン適応における汎甚的なモデルのさらなる事前孊習による性胜向䞊はコヌパスが効果的なだけではなく孊習ステップ数の増加による圱響が倧きいこずを明らかにした汎甚ドメむンのタスクによる怜蚌の結果構築したモデルはほずんどのタスクにおいお汎甚的なコヌパスによる事前孊習を行ったモデルに匹敵する性胜を瀺した特に感情分類タスクに察しお性胜を発揮する傟向が芋られた䞀方垞識的な知識が乏しくなるため別のコヌパスの利甚の怜蚎も必芁であるたた䌚議録コヌパスを甚いた事前孊習は䌚議録でよく芋られる耇雑な関係性を持぀文章や硬い蚀い回しに察しおはドメむンに関わらず有効であるこずや政治ドメむンに関連する問いに察しおは頑健であるこずを明らかにしたたた䞡方の怜蚌の結果から汎甚的なモデルのさらなる事前孊習によるドメむン適応を行う際に最初の事前孊習で甚いたコヌパスも䜵甚しお孊習を行うこずで非適応ドメむンにおける性胜を維持し぀぀適応ドメむンにおける性胜を向䞊させるこずが可胜であるこずを明らかにした今埌は䌚議録コヌパスに䞍足しおいる䞀般垞識に関する知識を信頌性を損なわずに補うこずができるデヌタを調査するたた䌚議録はその性質䞊今回怜蚌を行った政治ドメむンの他に金融や法埋ドメむンずも密接に関連しおいるためそれらのドメむンでの怜蚌も行う%%%Acknowledgement%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究はJSPS科研費JP21H03769の助成を受けたものです%%%Bibliography%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}%%%%\bibliography{j_yourrefs}\bibliography{15refs}%%%Biography%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{氞枕景祐}{%2022幎小暜商科倧孊商孊郚瀟䌚情報孊科卒業2024幎北海道倧孊倧孊院情報科孊院修士課皋修了自然蚀語凊理特に囜䌚および地方議䌚䌚議録を察象ずしたモデルの構築の研究に埓事}\bioauthor{朚村泰知}{%2004幎9月北海道倧孊倧孊院工孊研究科電子情報工孊専攻修了2005幎4月2007幎3月小暜商科倧孊助教授2007幎4月2018幎9月小暜商科倧孊准教授2018幎10月珟圚小暜商科倧孊教授2010幎10月2011幎9月NewYorkUniversity蚪問研究員2017幎10月珟圚理化孊研究所AIPセンタヌ客員研究員自然蚀語凊理の研究特に地方議䌚䌚議録を察象ずしたコヌパス構築の敎備に埓事}\bioauthor{門脇䞀真}{%2011幎株匏䌚瀟日本総合研究所入瀟2017幎より2020幎囜立研究開発法人情報通信研究機構研修員・協力研究員同幎より株匏䌚瀟日本総合研究所先端技術ラボにお自然蚀語凊理に関する研究開発に埓事珟圚に至る}\bioauthor{荒朚健治}{%1982幎北海道倧孊工孊郚電子工孊科卒業1988幎同倧孊倧孊院博士課皋修了工孊博士同幎北海孊園倧孊工孊郚電子情報工孊科助手1989幎同講垫1991幎同助教授1998幎同教授1998幎北海道倧孊倧孊院工孊研究科電子情報工孊專攻助教授2003幎同教授珟圚北海道倧孊倧孊院情報科孊研究院メディアネットワヌク郚門特任教授自然蚀語凊理特に音声察話凊理機械翻蚳ナヌモア凊理などの研究に埓事}\end{biography}\biodate%%%%受付日の出力線集郚で蚭定したす\end{document}
V09N01-06
\section{たえがき} 自然蚀語凊理の最倧の問題点は蚀語衚珟の構造ず意味の倚様性にある機械翻蚳の品質に関する分析結果麻野間ほか1999)によれば埓来の機械翻蚳においお期埅されるほどの翻蚳品質が埗られない最倧の原因は第に動詞や名詞に察する蚳語遞択が適切でないこず第に文の構造が正しく解析できないこずであるず蚀われおいるずころで日本語衚珟で蚳語遞択ず文の構造解析を共に難しくしおいる問題の䞀぀ずしお「もの」「こず」「の」などの抜象名詞の意味ず甚法の問題がある抜象名詞は高床に抜象化された実䜓抂念を衚す蚀葉で話者が察象を具䜓的な名詞で衚珟できないような堎合や明確にしたくないような堎合にも䜿甚される傟向を持ちその意味ず甚法は倚圩であるそのため埓来の機械翻蚳においおこれらの抜象名詞が適切に蚳される䟋はむしろ少ない孊校文法ではこれらの語の䞀郚を圢匏名詞ず呌んでいるがこれはそれらの語が実䜓抂念を衚すずいう名詞本来の機胜を越えお察象に察しお話者の抱いた埮劙なニュアンスを䌝えるような機胜を持ち文法䞊他の名詞ずは異なる甚法を有するこずを意味しおいる蚳語遞択の芳点から芋るず埓来動詞の蚳し分けでは結合䟡文法が有効であるこずが知られおおり倧芏暡な結合䟡パタヌン蟞曞池原ほか1997が開発されたこずによっおその翻蚳粟床は倧幅に向䞊したこれに察しお名詞の蚳し分けの研究ずしおは結合䟡文法で定矩された名詞の意味属性を甚いるこずの有効性を怜蚌した研究(桐柀ほか1997)や圢容詞に修食された名詞に぀いおの蚳し分けなどがあるが動詞の堎合に比べお埗られる効果は小さい名詞は動詞に比べおその皮類も倚く意味が倚圩である笠原ほか1997なかでも抜象名詞は本来の名詞ずしおの機胜のほか文法的にも倚圩な機胜を持぀ため個別に怜蚎する必芁があるず考えられる埓来の抜象名詞の研究ずしおは圢匏名詞「もの」の語圙的意味ず文法的意味の連続性を明らかにする目的でこれを他の抜象名詞「こず」ず「ずころ」を察比した研究(䜐々ほか1997)があるたた抜象名詞「こず」が「名詞のこず」の圢匏で䜿甚された堎合を察象に「こず」が意味的に省略可胜であるか吊かを述語の皮類によっお刀定する研究(笹栗金城1998)等もあるしかしこれらの研究では文䞭での意味的圹割に぀いおは怜蚎されおおらず埓っおたた英語衚珟ずの察応関係も明らかでないそこで本怜蚎では抜象床の高い皮類の名詞「の」「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」を察象に文法的意味的甚法を分類し英語衚珟ずの察応関係を調べるこのうち名詞「の」は倚くの堎合その意味を倉えるこずなくより抜象床の䜎い名詞「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」「ひず」に眮き換えられるこずが知られおいるこれに着目しお本皿では以䞋の段階に分けお怜蚎を行うたず単語「の」を察象にそれが抜象名詞であるか吊かを刀定するための条件を瀺し抜象名詞である堎合に぀いお他のどの抜象名詞に亀替可胜であるかを刀定する方法を怜蚎する次に皮類の抜象名詞「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」を察象に文䞭での圹割に着目しお甚法を「語圙的意味の甚法」ず「文法的意味の甚法」に分け「文法的意味の甚法」をさらに「補助動詞的甚法」ず「非補助動詞的甚法」に分類するその埌衚珟圢匏ず意味の違いに着目しお文法的意味的甚法ず英語衚珟圢匏ずの察応衚を䜜成するたた埗られた察応衚を新聞蚘事の暙本デヌタに適甚しその適甚範囲ず適甚粟床を評䟡する \section{抜象名詞ずその甚法に぀いお} \subsection{抜象名詞の抂念に぀いお}埓来の文法では物理的な察象抂念を衚す蚀葉を「具象名詞」ず称するのに察しお芳念的な実䜓抂念を衚す蚀葉を「抜象名詞」ず呌んでいる。これに察しお本怜蚎では具䜓から抜象ぞ向かう実䜓抂念の把握においお高床に抜象化された実䜓抂念を衚珟する蚀葉を「抜象名詞」ず呌び\footnote{孊校文法では、文法的機胜を説明する立堎から、名詞「の」、「もの」、「こず」を「圢匏名詞」ず読んでいるが、「ずころ」、「ずき」、「わけ」などは「圢匏名詞」ず呌ばれおいない。これに察しお、本研究では、名詞の衚す察象抂念の抜象床に着目しお、これらの名詞も合わせお「抜象名詞」ず呌ぶ}察象が物理的であるか芳念的であるかの区別はしない認識論的な品詞分類の芳点時枝1950から芋れば名詞は個別的な実䜓をある皮類に属するものずしお普遍的に把握しその皮類の持぀特殊性に応じお衚珟するための蚀葉だずされる䞀般に蚀語衚珟では䞇人に共通する察象のあり方がそのたた衚珟されおいるわけではなく察象のあり方が話者の認識を通しお衚珟されおいるそのため同䞀の察象を衚珟する堎合でも人ず堎合によっお認識の仕方は異なりそれに応じた蚀葉が䜿甚される䟋えば名詞「魚」は「虫」や「鳥」ず区別しお察象を衚すずきに䜿甚されるがこれらを区別する必芁のない時はより抜象床の高い蚀葉ずしお「動物」が䜿甚される「生物」ず「無生物」の区別を必芁ずしないずきはさらに抜象床の高い「もの」が䜿甚されるたた行動を固定しおずらえ客䜓化した抂念を衚珟する名詞ずしお「働き」「眠り」などが䜿甚されるがこれらを区別しないずきはより抜象的な「こず」が䜿甚されるこのように蚀語衚珟では話者の察象に察する個別性ず普遍性の認識に適合する抜象床の蚀葉が䜿甚されるここで名詞「もの」ず名詞「こず」はそれぞれ物理的実䜓ず芳念的実䜓を代衚する最も抜象床の高い名詞であるがさらに抜象床の高い蚀葉ずしお名詞「の」がある「の」は䞡者の区別を必芁ずしない堎合に䜿われるこずから日本語においお最も抜象床の高い蚀葉ず蚀えるたた逆に「もの」「こず」より若干抜象床の䜎い名詞ずしおは「ずころ」「ずき」「わけ」「あいだ」「ばかり」「ほど」等がある\footnote{「日本語語圙䜓系」(池原ほか1997)では、このような名詞の衚す抂念の抜象床の関係が、名詞意味属性の包含関係(is-a関係)ずしお、12段階の朚構造に敎理されおいる}ずころで名詞「の」は機械翻蚳においお最も翻蚳が困難な名詞の䞀぀であるが文脈によっお他の抜象名詞「もの」「こず」「ずころ」「ずき」「わけ」「ひず」に眮き換えられる亀替珟象から名詞「の」を翻蚳するには眮き換えられた抜象名詞の翻蚳方法に埓えばよいず考えられるそこで本怜蚎では「の」の亀替珟象の解析方法ず亀替埌の抜象名詞の翻蚳方法に぀いお怜蚎する䜆し眮き換え先ずなる抜象名詞のうち「ひず」の翻蚳方法は比范的単玔であるため怜蚎察象倖ずする\subsection{抜象名詞の甚法}{\bf抜象名詞「の」の察象範囲に぀いお}抜象名詞の䞭でも「の」の甚法は倚圩であり埓来その意味ず機胜の面から囜語孊者によっおさたざたな解釈がされおいる倧野,柎田1976本怜蚎では蚀語過皋説の立堎時枝1941;䞉浊1967,1975から提案された抜象名詞「の」の定矩(宮厎ほか1995)に埓う埓来の孊校文法ずの違いは衚の通りである\begin{table}[htbp]\caption{抜象名詞「の」範囲}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\hline孊校文法での解釈&本怜蚎での扱い\\\hline圢匏名詞「の」&\\準䜓助詞「の」&抜象名詞\\終助詞「の」&\\\hline接続助詞「ので」&抜象名詞「の」+栌助詞「で」\\&抜象名詞「の」+肯定刀断の助動詞「だ」の連䜓圢「で」\\\hline接続助詞「のに」&抜象名詞「の」+栌助詞「に」\\\hline終助詞「のだ」&抜象名詞「の」+肯定刀断の助動詞「だ」\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}{\bf抜象名詞の甚法分類}英語でも日本語ず同様抜象床に応じお察象抂念を衚珟する名詞があり本怜蚎で察象ずする日本語抜象名詞にはおおよそ以䞋の英語が察応する「の」onething「もの」thing「こず」thingmatteraffair「ずころ」place「わけ」reason「ずき」timeしかしこれらの単語の堎合その衚す抂念は必ずしも䞀臎しないだけでなく本来の意味から転じおさたざたな甚法が発達しおいるためその蚳し方は単玔でない䟋えば䞋蚘の䟋文では「もの」に察する名詞蚳語は存圚せず過去の習慣の意味で連語"usedto"によっお蚳されおいるたた䟋文は「ずき」に係っおいる節をたずめあげお埌眮する節ぞ接続する機胜を持ち英語衚珟では接続詞"when"に蚳されおいる\vspace{6pt}䟋文子䟛の時はい぀も孊校ぞ歩いお行った\underline{もの}ですAsachild,I\underline{used}alwaystowalktoschool.䟋文桜のきれいな\underline{ずき}に日本に来たいIwouldliketocometoJapan\underline{when}thecherryblossomsarepretty.\vspace{6pt}そこで本怜蚎では抜象名詞が実䜓抂念を衚すずいう名詞本来の意味で䜿甚されおいる堎合「語圙的意味の甚法」ず呌ぶず本来の意味を倱っお文法的な機胜を持぀蚀葉ずしお䜿甚されおいる堎合「文法的意味の甚法」ず呌ぶを区別するここで「語圙的意味の甚法」ずは䟋文のような堎合であるこの文では抜象名詞「ずころ」は本来の意味で"place"に蚳されおいるたた「文法的意味の甚法」ずは䟋文のような堎合である抜象名詞は語圙的な意味が薄れ接続助詞や助動詞のように文法的な意味を有する機胜語ずしお䜿甚される\vspace{6pt}䟋文分からない\underline{ずころ}は兄が教えおくれたしたMyelderbrotherexplainedtome\underline{theplaces}Ididn'tunderstand.䟋文私はその話はいくらか聞いた\underline{こず}があるI\underline{have}heardsomethingaboutthatsubject.\vspace{6pt}この぀の甚法の違いは「文法化(grammaticalization)」ずしお説明される(HopperandTraugott1993)ここで文法化ずは䞀般に語圙的意味を持぀語が機胜語ぞ倉化しおいくプロセスのこずである次に「文法的意味の甚法」を「補助動詞的甚法」ず「非補助動詞的甚法」に分類する「補助動詞的甚法」は䟋文のような堎合で機胜動詞を䌎った文末衚珟ずしお蚳されるこずが倚いのに察しお「非補助動詞的甚法」は䟋文のような堎合で䞻に接続衚珟ずしお蚳される\vspace{6pt}䟋文電話をする\underline{ずき}は電話番号をよく確かめおからかけなさい\underline{When}youaretelephoning,makesureofthenumberbeforephoning.\vspace{6pt}以䞊から本怜蚎では抜象名詞の甚法を図の通り分類する\begin{figure}\begin{center}\atari(120,40)\caption{抜象名詞の分類}\end{center}\end{figure} \section{抜象名詞「の」の亀替珟象の解析} \subsection{抜象名詞「の」の亀替珟象に぀いお}本怜蚎で察象ずする぀の抜象名詞の䞭で最も抜象床の高い名詞は「の」であるこの名詞は倚くの堎合意味を倉えるこずなく他の抜象名詞に眮き換えるこずができる\footnote{もちろん、抜象名詞である以䞊、「こず」、「もの」、「ずころ」、「ずき」、「わけ」も、他のより具䜓性のある名詞に眮き換え可胜な堎合は倚いが、ここでは、それ以䞊の眮き換えは考えない}眮き換え可胜「亀替可胜」な堎合ず眮き換え䞍胜「亀替䞍胜」な堎合の䟋を以䞋に瀺す\vspace{6pt}{\bf[亀替可胜な䟋]}䟋文幎内に景気が回埩する\underline{の(こず)}は極めおむずかしい䟋文日本料理はなんでも食べられるが䞀番奜きな\underline{の(もの)}はスキダキです䟋文昚日圌女がカバンを持っおバスに乗り蟌む\underline{の(ずころ)}を芋た䟋文この前お䌚いした\underline{の(ずき)}はい぀でしたか䟋文10圌の成瞟が悪い\underline{の(わけ)}はしょっちゅう孊校を䌑んでばかりいるからだ\vspace{6pt}{\bf[亀替䞍胜な䟋]}䟋文11芋぀かるずいけない\underline{の}で圌は隠れた䟋文12圌は勉匷した\underline{の}に詊隓に萜ちた䟋文13きみは切笊を買う必芁はなかった\underline{の}だそこで抜象名詞「の」の機械翻蚳では図に瀺すように他の抜象名詞に亀替可胜か吊かを刀定し亀替可胜な堎合は亀替埌の抜象名詞ずしお翻蚳するものずする\vspace{6pt}\begin{figure}\begin{center}\atari(120,70)\caption{抜象名詞「の」の翻蚳手順}\end{center}\end{figure}\subsection{亀替珟象の解析芏則}抜象名詞には指瀺代名詞ず類䌌した甚法があり䞀床文䞭に出珟した察象を改めお取り䞊げるために䜿甚される堎合があるたた逆に初めに抜象名詞で衚珟した察象が埌でより具䜓的な名詞で衚珟されるこずもあるこのような堎合は抜象名詞に察しお眮き換えるこずのできる名詞が存圚するそこで新聞蚘事\footnote{倧手新聞瀟数瀟の蚘事から、解説蚘事、政治、経枈、瀟䌚面等の蚘事を1,000文づ぀(合蚈10,000文)取り出しお、察蚳を付䞎したもの}や小説新朮瀟1995日英機械翻蚳機胜詊隓文集\footnote{英蚳しにくい日本語衚珟(6,200文)に察蚳を付け、機械翻蚳の機胜詊隓甚にたずめたもの(池原1994)}日本語問題集名柄監修1987から埗られた抜象名詞「の」の甚䟋を察象に埌眮する単語の皮類文型係り受け関係などに着目しお眮き換えを可胜ずする条件ず眮き換え先の抜象名詞を決定する方法に぀いお怜蚎したその結果を衚に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{「の」の亀替珟象の解析芏則}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline{\verb+#+}&区分&\multicolumn{3}{|c|}{「の」の亀替珟象の刀定条件}&刀定結果\\\hline&&\multicolumn{2}{|c|}{埌眮単語による刀定}&助動詞「だ」の堎合&栌助詞「の」+助動詞「だ」\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&接続助詞「に」の堎合&接続助詞「のに」\\\cline{5-6}&亀替䞍胜&\multicolumn{2}{|c|}{「の」に埌眮する単語が}&接続助詞「で」の堎合&接続助詞「ので」\\\cline{5-6}&の刀定&\multicolumn{2}{|c|}{助動詞接続助詞}&終助詞「か」の堎合&終助詞「のか」\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{終助詞の堎合}&終助詞「よ」の堎合&終助詞「のよ」\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&終助詞「ね」の堎合&終助詞「のね」\\\hline&&前眮単語による刀定&\multicolumn{2}{|c|}{圢容詞が単独で係っおいる堎合}&「もの」に眮換\\\cline{1-1}\cline{3-6}&&文型による刀定&\multicolumn{2}{|c|}{「〜するのは〜からだ」の文型の堎合}&「わけ」に眮換\\\cline{1-1}\cline{3-6}&亀替可胜&&係り先が&「芋る」「発芋する」の堎合&「ずころ」に眮換\\\cline{1-1}\cline{5-6}&の刀定&&動詞の堎合&その他の甚蚀の堎合&「もの」に眮換\\\cline{1-1}\cline{4-6}&&係り先による刀定&&時詞の堎合&「ずき」に眮換\\\cline{5-6}&&&係り先が&{\verb+#+}4人の堎合&「ひず」に眮換\\\cline{5-6}&&&名詞の堎合&{\verb+#+}1000抜象の堎合&「こず」に眮換\\\cline{5-6}&&&&その他の名詞の堎合&「もの」に眮換\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚で時詞の圢匏の衚蚘は名詞の文法的属性を衚し{\verb+#+}4人{\verb+#+}1000抜象の衚蚘は「日本語語圙倧系」で定矩された「意味属性䜓系」䞊の䞀般名詞意味属性を衚す\footnote{本怜蚎では名詞の文法的属性ずしお、「蚀語過皋説に基づく日本語品詞の䜓系化ずその効甚」(宮厎ほか1995)の品詞䜓系を䜿甚し、意味属性䜓系ずしお「日本語語圙䜓系」(池原ほか1997)に掲茉されおいる䞀般名詞意味属性䜓系を甚いる。䞀般名詞意味属性䜓系は、玄40䞇語の䞀般名詞の意味的甚法を2,710のカテゎリに分類し、意味属性ずしおラベル付けされおいる}各芏則は番号順に適甚される\footnote{文法的属性ず意味的属性は圢態玠解析の結果を䜿甚する。たた、係り受け関係などの構文情報は構文解析結果を䜿甚する}以䞋本節では各芏則の抂芁を説明する{\bf亀替䞍胜の刀定}亀替珟象の解析ではたず抜象名詞「の」が他の抜象名詞に亀替可胜か吊かを刀定する衚の{\verb+#+}はそのための芏則である孊校文法で接続助詞ずされる「ので」「のに」および終助詞ずされる「のだ」に盞圓する衚珟は高床に文法化した甚法であり他の抜象名詞に眮き換えるこずができない䟋文11-13参照これらの甚法に該圓するか吊かに぀いおは「の」に埌眮する単語の品詞を調べるこずによっお刀定するこずずし刀定埌は衚に瀺されたような解釈ずするなお接続助詞的甚法である「ので」「のに」に぀いおは順接耇文を構成する「ので」ず逆接耇文を構成する「のに」の研究(西沢ほか1995)など倚くの先行研究があるため以䞋では察象倖ずする芏則{\verb+#+}で亀替䞍胜ず刀定されなかった堎合は以䞋に述べるように{\verb+#+}以降の芏則を順に適甚し眮き換え先の抜象名詞を決定する\vspace{6pt}{\bf埌眮単語による刀定}前眮単語を調べる前眮単語が圢容詞圢容動詞を含むで節を構成せずに名詞「の」に単独で係っおいる堎合は「もの」に亀替させる(䟋文参照)そのための芏則が衚の{\verb+#+}である\vspace{6pt}{\bf文型による刀定}抜象名詞「の」の䜿甚された文型を調べる文型が「〜するなのは〜からだ」の圢匏を持぀ずきは{\verb+#+}の芏則によっお「わけ」に亀替させる䟋文10参照\vspace{6pt}{\bf係り先による刀定動詞に係る堎合}係り先を調べる係り先が知芚動詞の堎合は「ずころ」に亀替させる「ずころ」には空間的な䜍眮や堎所を衚す堎合抜象的な事柄に぀いおの䜍眮や堎面を衚す堎合時間的な断面を衚す堎合などがある䟋文は堎面を衚しおいる係り先ずなる知芚動詞ずしおは「芋る」「発芋する」が代衚的であるので芏則{\verb+#+}ではこれを芏則に䜿甚したこれに察しお抜象名詞「の」の係り先がその他の動詞である堎合は芏則{\verb+#+}によっお「もの」に亀替させる\vspace{6pt}{\bf係り先による刀定名詞に係る堎合}最埌に係り先が名詞であるかどうかを調べるすでに述べたように抂念化の過皋で抜象化が進むず殆どの名詞は「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」「ひず」の䜕れかに瞮退されるがどの名詞に瞮退されるかは名詞の文法的・意味的範疇から刀断できるここでは名詞の文法的属性ず意味的属性の䜓系を䜿甚しお刀断するこずずし亀替先の抜象名詞を芏則{\verb+#+}のように定める埓っお䟋えば䟋文14では抜象名詞「の」は「灯台の明かり」に係っおおり「灯台の明かり」は物理的実䜓抂念ずしお意味属性{\verb+#+}1具䜓の配䞋にあるため「もの」に亀替させる\vspace{6pt}䟋文14遠くの方でぎかぎか光っおいる\underline{の(もの)}は倜の海を照らす灯台の明かりです \section{抜象名詞の甚法ず英語衚珟の察応関係} すでに述べたように抜象名詞「の」ではあらかじめ亀替珟象の解析によっお亀替先の抜象名詞を決定するものずしたそこで本章では亀替先ずなる「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」の皮類の抜象名詞の甚法ず英語衚珟ずの関係を怜蚎する具䜓的には章で䜿甚した文献ず同䞀の文献\footnote{新聞蚘事10,000文、新朮文庫、翻蚳機胜詊隓文集、日本語問題集の皮}からこれらの抜象名詞の甚䟋を収集しその甚法を第章で述べたように「語圙的意味の甚法」「補助動詞的甚法」「非補助動詞的甚法」に分類した埌甚法ず意味をその前埌に珟れる語に着目しお现分類し察応する英語衚珟を衚「日英察応衚」にたずめた。以䞋各抜象名詞の甚法ず英語衚珟ずの察応衚を瀺す\subsection{「こず」の甚法ず英語衚珟}「こず」は係っおいる語によっお「語圙的意味の甚法」ず「文法的意味の甚法」に分類する具䜓的には係っおいる語が節を成しおいないか䞀語だけであるずき「語圙的意味の甚法」ずしそれ以倖を「文法的意味の甚法」ずする\begin{table}[htbp]\caption{日英察応衚「こず」の甚法ず英語衚珟}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline区分&\multicolumn{3}{|c|}{衚珟圢匏}&意味&英語衚珟\\\hline&\multicolumn{3}{|c|}{名詞のこず}&内容&about名詞\\\cline{5-6}語圙的意味の甚法&\multicolumn{3}{|c|}{}&−&名詞のみの蚳語\\\cline{2-6}&\multicolumn{2}{|c|}{連䜓詞コト}&あのあんな&指瀺&that\\\cline{4-4}\cline{6-6}&\multicolumn{2}{|c|}{}&このこんな&&this\\\cline{4-4}\cline{6-6}&\multicolumn{2}{|c|}{}&どんな&&what\\\cline{2-6}&\multicolumn{3}{|c|}{圢容詞こず}&−&圢容詞の蚳語\\\cline{2-6}&\multicolumn{3}{|c|}{圢容動詞こず}&−&圢容動詞matter\\\cline{2-6}&\multicolumn{3}{|c|}{動詞こず}&動䜜&to動詞動詞ing\\\hline&\multicolumn{3}{|c|}{こずになる}&予定&will\\\cline{5-6}補助動詞的甚法&\multicolumn{3}{|c|}{}&事象の成立&decide\\\cline{2-6}&\multicolumn{3}{|c|}{こずができる}&可胜&can(beableto)\\\cline{2-6}&こずにする&\multicolumn{2}{|c|}{したこずにする}&停りの事象&assume\\\cline{3-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{するこずにする}&決定&decideto\\\cline{2-6}&\multicolumn{3}{|c|}{こずが倚い}&短期間の反埩&frenquently\\\cline{5-6}&\multicolumn{3}{|c|}{}&傟向&tendto\\\cline{5-6}&\multicolumn{3}{|c|}{}&通䟋&usually\\\cline{5-6}&\multicolumn{3}{|c|}{}&頻床&often\\\cline{2-6}&こずがある&\multicolumn{2}{|c|}{したこずがある}&過去の経隓&havebeen\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&過去の習慣&usedto\\\cline{3-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{するこずがある}&可胜性&therearetimes\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&頻床&sometimes\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&頻床&frequently\\\cline{3-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{したいこずがある}&芁求の存圚&thereisonething\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&芁求の存圚&haveafavor\\&&\multicolumn{2}{|c|}{}&(䟝頌の動詞を䌎う)&\\\cline{5-6}&&\multicolumn{2}{|c|}{}&芁求の存圚&havesomething\\&&\multicolumn{2}{|c|}{}&(内容が䞍明瞭)&\\\hline&\multicolumn{2}{|c|}{{\itX}こず}&䞻栌無し&&{\itV}to{\itX}\\\cline{4-4}\cline{6-6}非補助動詞的甚法&\multicolumn{2}{|c|}{栌助詞動詞}&䞻栌有り&&{\itV}that{\itX}\\\cline{2-4}\cline{6-6}&\multicolumn{2}{|c|}{{\itX1}は{\itX2}だ}&䞻栌有り&&Itis〜that\\\cline{4-4}\cline{6-6}&\multicolumn{2}{|c|}{}&䞻栌無し&&Itis〜to\\\cline{2-4}\cline{6-6}&\multicolumn{3}{|c|}{{\itX}こずから}&&because〜\\\cline{2-4}\cline{6-6}&\multicolumn{3}{|c|}{{\itX}こずで}&&with〜\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}次に「こず」が機胜動詞を䌎っお珟れる堎合を「補助動詞的甚法」ずしそれ以倖を「非補助動詞的甚法」ずするそれぞれの詳现ず英語衚珟ずの察応関係を衚に瀺すここで衚䞭の最䞊欄の「名詞+の+こず」に該圓する䟋文を瀺す\vspace{6pt}䟋文15私は圌の\underline{こず}を知らないIdon'tknow\underline{about}him.䟋文16圌女は圌の\underline{こず}が嫌いだShedoesnotlikehim.\vspace{6pt}これらの䟋文にはいずれも「圌のこず」ずいう衚珟が含たれおいるこのうち䟋文15は「圌」に぀いおの属性(幎霢や職業などの「圌」にた぀わる事柄)を衚し英語では''abouthim''が甚いられおいるこれに察しお䟋文16では「圌」そのものの意味で英語では単に''him''が䜿甚されおいるたた䟋文17は第章の亀替珟象解析の芏則が適甚される䟋で「の」が甚蚀に係っおいるこずから「こず」に亀替した埌衚が適甚され"that"が䜿甚される\vspace{6pt}䟋文17その堎合環境問題は倚様であり囜䌁業専門家非政府組織(NGO)など倚様な局で構成する\underline{の}が望たしい蚳語「こず」に亀替埌that\subsection{「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」の甚法ず英語衚珟}「もの」では文䞭の「もの」が甚蚀の栌芁玠の名詞ずしお甚いられか぀衚で瀺された「補助動詞的甚法」ず「非補助動詞的甚法」の衚珟圢匏以倖の堎合を「語圙的意味の甚法」ずするこの分類方法は「ずころ」「ずき」「わけ」も同様である以䞊皮類の抜象名詞の甚法ず英語衚珟の察応を衚〜衚に瀺すここで「もの」衚「ずころ」衚の芏則では語圙的意味の甚法の堎合衚局的な衚珟圢匏から英語衚珟を決定するこずは困難であり「もの」もしくは「ずころ」に盞圓する名詞を文脈によっお特定しその意味を調べる必芁がある点に泚意が必芁である。ずころで語圙的意味の甚法では抜象名詞が埋め蟌み修食節に察しお「内の関係」で䜿甚されおいるから結合䟡パタヌン池原ほか1997を䜿甚した埋め蟌み文解析が適甚できお先行詞である名詞の文䞭での意味属性意味的甚法が決定できる。そこで埗られた名詞の意味属性から察応する衚の意味を決定する。以䞊の日英察応衚の適甚䟋を以䞋に瀺す\vspace{6pt}䟋文18名詞はこんなに信甚させる\underline{もの}なのに簡単に䜜るこずができる蚳語thing䟋文19あず数十センチでぶ぀かる\underline{ずころ}だったが赎任しお二週間危ない目にあったのはこれが初めおではない蚳語beaboutto\vspace{6pt}䟋文18は「もの」が語圙的意味で甚いられ蚳語は"thing"が䜿甚される䟋文19は「ずころ」が補助動詞的甚法で甚いられ動䜜の盎前を衚す''beaboutto''が蚳語候補ずなる\begin{table}[htbp]\caption{日英察応衚「もの」の甚法ず英語衚珟}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline区分&衚珟圢匏&意味&英語衚珟\\\hline&&有圢の物&thing\\\cline{3-4}語圙的意味の甚法&&品物&article\\\cline{3-4}&&物質&goods\\\cline{3-4}&&材料&material\\\cline{3-4}&&資源&resource\\\cline{3-4}&&所有物&possession\\\cline{3-4}&&物理&thing,matter\\\cline{3-4}&&道理&reason\\\cline{3-4}&&者&person\\\hline&ものだ&圓然の垰結&\\\cline{2-3}補助動詞的甚法&ものずする&決断&なし\\\cline{2-3}&ものである&断定&\\\cline{2-4}&〜もの&−&itbe-ed\\\cline{2-4}&ようなものだ䞻語が人&比喩&should\\\cline{2-2}\cline{4-4}&ようなものだ䞻語が人以倖&&like\\\hline&もので〜&利甚&by-ing\\\cline{3-4}非補助動詞的甚法&&前述&−\\\cline{2-4}&〜ものず〜&−&that\\\cline{2-4}&ものの&逆接&thought,but\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{日英察応衚「ずころ」の甚法ず英語衚珟}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline区分&衚珟圢匏&意味&英語衚珟\\\hline&&堎所&place\\\cline{3-4}語圙的意味の甚法&&䜏所&place\\\cline{3-4}&&個所&passage\\\cline{3-4}&&点&point\\\cline{3-4}&&特城&feature\\\cline{3-4}&&時&time\\\cline{3-4}&&事&thing\\\hline&するずころだ&動䜜の盎前&beaboutto\\\cline{2-4}補助動詞的甚法&したずころだ&動䜜の盎埌&havejust-ed\\\cline{2-4}&しおいるずころだ&動䜜の進行&just\\\cline{2-4}&したいずころだ&動䜜の垌望&なし\\\cline{2-4}&しようずするずころだ&動䜜の寞前&justbeaboutto\\\hline&〜ずころ〜&&なし\\\cline{2-2}\cline{4-4}非補助動詞的甚法&するずころに〜&&justas\\\cline{2-2}\cline{4-4}&しおいるずころを〜&&inactof-ing\\\cline{2-2}\cline{4-4}&しおいるずころに〜&&when\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{日英察応衚「ずき」の甚法ず英語衚珟}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline区分&\multicolumn{2}{|c|}{衚珟圢匏}&意味&英語衚珟\\\hline&&あのずき&&then\\\cline{3-3}\cline{5-5}語圙的意味の甚法&連䜓詞&このずき&&(at)thispointintime\\\cline{3-3}\cline{5-5}&&そのずき&&(at)thatmoment\\\hline補助動詞的甚法&\multicolumn{2}{|c|}{ずきがある}&時々&sometimes\\\hline&\multicolumn{2}{|c|}{動䜜動詞するずき}&&when\\\cline{2-3}\cline{5-5}非補助動詞的甚法&\multicolumn{2}{|c|}{圢容詞ずき}&&when\\\cline{2-3}\cline{5-5}&\multicolumn{2}{|c|}{状態動詞おいるずき}&&while\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{日英察応衚「わけ」の甚法ず英語衚珟}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline区分&衚珟圢匏&意味&英語衚珟\\\hline語圙的意味の甚法&&理由&reason\\\hline&わけだ&圓然&so,(itis)nowonder\\\cline{2-4}補助動詞的甚法の甚法&わけがない&䞻芳的䞍可胜&cannotpossibly\\\cline{2-4}&わけではない&吊定の匷調&not\\\cline{2-4}&するわけにはいかない&感情の吊定&cannot,notpossibleto\\\cline{2-4}&しないわけにはいかない&矩務&cannotstandbywithout-ing\\&&&cannotavoid-ing\\&&&(吊定の動詞が存圚する堎合はcannot\\\cline{2-4}&ずいうわけだ&垰結&なし\\\cline{2-4}&わけはない&圓然の吊定&certainly\\\hline&わけで&背景&and\\\cline{3-4}非補助動詞的甚法&&論拠&because\\\cline{2-4}&わけなので&論拠&because\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{評䟡ず考察} 第章で瀺した抜象名詞「の」の亀替珟象の解析芏則ず第章で瀺した抜象名詞の個別の日英察応衚を新聞蚘事の甚䟋に適甚したずきの粟床を手䜜業で評䟡した各察応衚を適甚するに際しおは評䟡察象ずする文をあらかじめ圢態玠解析プログラムmaja(高橋ほか1993)によっお解析しお刀定に必芁な単語の文法属性ず意味属性を求めるず共に構文解析プログラムALT-JAWSによっお埗られた構文情報を䜿甚したなおテストに䜿甚する暙本は怜蚎で䜿甚したものずは異なりオヌプンテストである\subsection{亀替珟象の解析芏則の評䟡ず考察}\subsubsection{評䟡結果}1995幎床の毎日新聞蚘事から抜象名詞「の」を含む194文を取り出し第章の芏則を適甚しお亀替珟象の解析粟床を評䟡した評䟡結果を衚に瀺す衚は亀替先である抜象名詞を正しく刀断できた割合を瀺しおいる\begin{table}[htbp]\caption{「の」亀替珟象解析芏則の評䟡結果}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|}\hline抜象名詞皮別&亀替&\multicolumn{7}{|c|}{亀替可胜}&合蚈\\\cline{3-9}&䞍胜&こず&もの&ずころ&ずき&わけ&ひず&小蚈&\\\hline正解数&120&45&6&3&3&6&5&68&188\\\hline暙本数&121&46&8&3&4&7&5&73&194\\\hline正解率&99&98&75&100&75&86&100&93&96.9\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚から以䞋のこずが分かる\vspace{6pt}(1)亀替䞍胜の欄のデヌタから亀替可吊の刀定では党暙本194件䞭192件が正しく刀定され高い刀定粟床99が埗られたこずが分かる(2)亀替䞍胜を含む党䜓の解析粟床は96.9たた亀替可胜ず刀定されたもののうち亀替先の名詞が正しく決定されたのは93でいずれも良い粟床ず蚀える\subsubsection{考察}䞍正解の衚珟には意味蟞曞を倉曎すれば正解ずなる衚珟や動詞の情報が圹立ちそうな衚珟などがあったが本手法では解析が困難な衚珟も存圚するそこで亀替珟象の解析芏則の改良の可胜性に぀いお考察する短絡的衚珟ぞの適甚性名詞は短絡的甚法や比喩的な甚法などにより本来の意味の枠を越えお䜿甚されるこずがある「の」の係り先がこのような名詞の堎合䜜成した芏則は適甚できない\vspace{6pt}䟋文20その時でさえ飲める\underline{の}は僅に喉をうるおすに足る少量である\vspace{6pt}䟋えば䟋文20は「の」の係り先が「少量」ずいう名詞であり意味属性䜓系䞊では({\verb+#+}1000抜象)の配䞋に属するために本論文の芏則では「こず」に亀替されるが正解は「もの」であるこれは「少量の液䜓」もしくは「少量の酒」などずいうべきずころを短絡的に「少量」ず衚珟しおいるこずが原因であるこのような珟象に察応するためには短絡的衚珟ず比喩に関する解析芏則を䜵甚するこずが必芁ず考えられる\vspace{6pt}動詞情報の必芁性抜象名詞「の」の亀替先の解析で係り先が動詞ずなる堎合はその動詞の意味をより现かく分類する必芁があるず考えられる\vspace{6pt}䟋文21ショヌりィンドりのガラスに映った\underline{の}をチラリず眺めるず\vspace{6pt}䟋えば䟋文21は「の」の係り先が甚蚀であるために本芏則では亀替先は「こず」ず刀断されるが正解は「もの」であるここで「眺める」に着目するず「こずを眺める」ずは蚀いがたく「ものを眺める」であるこずが分かる\vspace{6pt}文脈情報の必芁性䞎えられた文だけでは亀替先を決定できない堎合ずしお䞋蚘のような䟋がある\vspace{6pt}䟋文22テヌブルがは新しい\underline{の}に眮き換えられた\vspace{6pt}この䟋文22は通りの解釈が存圚する䞀぀は「テヌブルはただ新しいのに眮き換えられた」のであり䜕に眮き換えられたのかは䞍明であるこの堎合「のに」は接続助詞的な甚法ずなるもう䞀぀の解釈は「テヌブルは別の新しいテヌブルに眮き換えられた」ず蚀う堎合でありこの堎合「の」は名詞「テヌブル」の代わりに䜿甚された抜象名詞であるから「に」は栌助詞の解釈ずなるこの文では䞻題提瀺の文節で助詞「が」が䜿甚されおいる堎合はおおよそ埌者の意味だろうず思われるが助詞「は」が䜿甚された堎合は前者の解釈の可胜性も増しおくるいずれにしおもこのように決め手のないような文では文脈情報が必芁である\vspace{1em}\subsection{日英察応衚の評䟡ず考察}\subsubsection{評䟡結果}1995幎床の毎日新聞蚘事より「こず」「もの」「ずころ」「わけ」「ずき」を含む合蚈741文を察象に日英察応衚を適甚し翻蚳結果を求めた評䟡では原文ず該圓堎所に察しお埗られた翻蚳結果を翻蚳家に提瀺し以䞋の段階の基準で評䟡しおもらった○適切である△意味は通じるがより良い翻蚳方法がある×䞍正解評䟡結果を衚に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{抜象名詞に察する日英察応衚の評䟡結果}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{3}{|c|}{区分}&項目&こず&もの&ずころ&ずき&わけ&小蚈\\\hline\multicolumn{3}{|c|}{}&暙本数&187&186&182&90&96&741\\\cline{4-10}\multicolumn{3}{|c|}{カバヌ率}&察応衚適甚数&161&147&158&78&85&629\\\cline{4-10}\multicolumn{3}{|c|}{}&カバヌ率&86.1&79.0&86.8&86.7&90.6&85\\\hline&\multicolumn{2}{|c|}{}&暙本数&31&53&108&3&0&213\\\cline{4-10}&\multicolumn{2}{|c|}{語圙的意味を}&○△&20&31&57&0&0&115\\\cline{4-10}&\multicolumn{2}{|c|}{持぀もの}&△&4&16&26&0&0&46\\\cline{4-10}&\multicolumn{2}{|c|}{}&正解率&65&58&53&0&---&54\\\cline{2-10}&&&暙本数&34&59&5&1&82&181\\\cline{4-10}æ­£&&補助動詞&○△&25&56&5&1&53&140\\\cline{4-10}&文法的&的甚法&△&1&0&2&0&3&6\\\cline{4-10}è§£&意味を&&正解率&74&95&100&100&65&77\\\cline{3-10}&持぀&&暙本数&96&35&45&74&3&329\\\cline{4-10}率&もの&非補助動&○△&68&35&35&72&2&262\\\cline{4-10}&&詞的甚法&△&9&0&0&21&0&72\\\cline{4-10}&&&正解率&71&100&78&97&67&80\\\cline{2-10}&\multicolumn{2}{|c|}{}&○△&113&122&97&73&55&460\\\cline{4-10}&\multicolumn{2}{|c|}{合蚈}&△&14&16&28&21&3&82\\\cline{4-10}&\multicolumn{2}{|c|}{}&正解率&70&83&61&55&63&73.1\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}この衚から以䞋のこずが分かる\vspace{6pt}(1)察応衚党䜓のカバヌ率は85で比范的広い範囲の衚珟に適甚できる(2)皮類の抜象名詞の䞭で最倧の正解率は「もの」83最䜎の正解率は「ずき」55であるたた平均の正解率は73である(3)甚法の違いから芋るず「文法的甚法」の堎合に比べお「意味的甚法」の堎合の粟床が悪い\vspace{6pt}亀替珟象の解析粟床に比范するず各抜象名詞の翻蚳粟床はあたり良いずは蚀えないが埓来この皮の名詞の翻蚳は困難な問題の䞀぀であったのに察しお解決のための糞口が埗られた\footnote{抜象名詞の意味解析は、指瀺代名詞の照応解析ず䌌た偎面があるこずに぀いおは、既に述べたが、この粟床は、埓来の指瀺代名詞の照応解析(村田、長尟1996,1997a,1997b,吉芋1997)の解析粟床(カバヌ率77、適合率79)ず、ほが同じ倀である}\subsubsection{倱敗䟋ず日英察応衚改良の可胜性}倱敗した䟋を芋るず珟状で䜿甚しおいる情報の範囲で改良が可胜ず思われるものもあるが倚くは本怜蚎で䜿甚しなかった情報を必芁ずしおいる以䞋ではその䟋を挙げお今埌の問題点に぀いお考察する远加登録の可胜性察応衚が䜿甚できなかった䟋の䞭には未登録であった衚珟を登録するか既に登録されおいる衚珟に察する英語衚珟を倉曎するこずで改善する衚珟がある\vspace{6pt}䟋文23こうした工䜜が功を奏したのか今の\underline{ずころ}ムヌディヌズは䞉行の長期債を栌䞋げしおいない䟋文24「ビゞネスの珟堎が望んでいるのはこれらの地道な措眮」ずいう\underline{わけ}だ\vspace{6pt}䟋文23は「今のずころ」が"now"ず蚳され語圙的意味である「ずころ」の盎接の蚳語は珟れないこのような決たり文句は登録するこずで改善できるたた䟋文24は「ずいうわけだ」ずいう衚珟を含む文である本察応衚では「ずいうわけだ」は蚳語ずしお珟れないずしおいるがこの堎合の正解は''thepointis''ずなっおおり誀りず刀定されたが埮劙である意味の匷調ず考えお''thepointis''ず蚳出する方がよいずすれば「ずいうわけだ」に察する英語衚珟を倉曎するこずで改善できる\vspace{6pt}類掚の必芁性衚蚘レベルの解析では蚳語を特定するのが困難な堎合で単語間の意味的関係をネットワヌクずしお䜓系化した新たな抂念䜓系や䞖界の䞀般知識を必芁ずする堎合ずしお以䞋のような䟋がある\vspace{6pt}䟋25特に第䞉のグルヌプがかなりの\underline{もの}になっお錎立関係になるのかキャスチングボヌトを握るようになるのか\vspace{6pt}この文の堎合本皿の察応衚では「もの」が''thing''ず蚳されるが正解は''force''であるこの䞀文から「もの」の蚳語ずしお''force''を導くのは倧倉困難ず思われる「錎立関係」や「キャスチングボヌト(を握る)」などの語から連想する仕掛けが可胜かどうかに぀いお今埌の怜蚎する必芁がある\vspace{6pt}文脈垞識の必芁性評䟡デヌタの䞭には䞀文だけでは蚳語が特定できない衚珟がある\vspace{6pt}䟋文26青幎海倖協力隊などを想定した\underline{ずころ}が倚く囜内の灜害を想定したのは少なかったためだ\vspace{6pt}䟋文26では「ずころ」が語圙的意味で甚いられ堎所の意味で䜿甚されおいるずいう刀断から"place"が蚳語候補ずしお遞択されたしかし実際にはこの䞀文だけで「ずころ」の蚳語を決定するこずは難しいこの堎合「想定した」に察する䞻栌の補完機胜があれば栌関係の解析から決定できるず考えられるすなわちその堎合は底の名詞である抜象名詞が埋め蟌み文においお内の関係であるずき抜象名詞の指し瀺す抂念を前埌の文から補完し補完された名詞の皮類によっお蚳語を決定すればよい\vspace{1em} \section{おわりに} 抜象名詞「の」「こず」「もの」「ずころ」「ずき」「わけ」を察象に英語衚珟を決定するための日英察応衚に぀いお怜蚎した具䜓的にはたず「の」に぀いお他の抜象名詞ぞの亀替珟象に着目しお意味的に眮き換え可胜であるか吊かを刀定する芏則ず眮き替え可胜な堎合に぀いお眮き換え先の名詞を決定するための芏則を䜜成した次に「の」を陀く各抜象名詞の甚法を「語圙的意味の甚法」ず「文法的意味の甚法」に分類しこのうち「文法的意味の甚法」をさらに「補助動詞的甚法」ず「非補助動詞的甚法」に分類しお日英察応衚を䜜成したたた䜜成した日英察応衚を新聞蚘事の䟋文に適甚しその粟床を評䟡したその結果によれば亀替珟象の解析では正解率97の粟床が埗られたのに察しお個別の抜象名詞に察する察応衚の粟床は平均カバヌ率89平均正解率73であったこの粟床はあたり高い粟床ずは蚀えないが埓来難問の䞀぀ずされおきた抜象名詞の翻蚳においお翻蚳方匏を決定する䞊で有力な手がかりが埗られたず考えられる今埌は誀り分析の結果に基づき動詞の意味情報の詳现化を行うず共に文脈䞀般垞識を䜿甚した掚論補完技術などを組み合わた翻蚳方匏に぀いお怜蚎しおいきたい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{ikebib}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{池原悟}{1967幎倧阪倧孊基瀎工孊郚電気工孊科卒業1969幎同倧孊院修士課皋終了同幎日本電信電話公瀟に入瀟数匏凊理、トラフィック理論自然蚀語凊理の研究に埓事1996幎スタンフォヌド倧孊客員教授珟圚、鳥取倧孊工孊郚教授工孊博士1982幎情報凊理孊䌚論文賞1993幎同研究賞1995幎日本科孊技術情報センタ賞孊術賞同幎人工知胜孊䌚論文賞受賞電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{村䞊仁䞀}{1984幎筑波倧孊第孊矀基瀎工孊類卒1986幎筑波倧孊修士課皋理工孊研究科理工孊専攻修了1996幎NTTに入瀟NTT情報通信凊理研究所に勀務1991幎囜際通信基瀎研究所(ATR)自動翻蚳電話研究所に出向1994幎NTT情報通信研究所1997幎鳥取倧孊工孊郚知胜情報工孊科珟圚に至る䞻に音声認識のための蚀語凊理の研究に埓事電子通信情報凊理孊䌚日本音響孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{車井登}{1999幎3月鳥取倧孊工孊郚知胜情報孊科卒1999幎4月鳥取倧孊倧孊院工孊研究科知胜情報工孊専攻入孊2000幎3月鳥取倧孊工孊郚工孊研究科知胜情報工孊専攻修了2000幎4月富士通株匏䌚瀟に入瀟゜フトりェア事業本郚に所属珟圚にいたる}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V14N04-01
\section{はじめに} \label{intro}近幎自然蚀語凊理の分野では倧芏暡な蚀語資源を利甚した統蚈的手法が研究の䞭心ずなっおいる特に構文朚付きコヌパスは統蚈的手法に基づく蚀語凊理の高性胜化のためだけでなく蚀語孊や蚀語凊理研究の基本デヌタずしおも貎重な資源であるそのため倧芏暡な構文朚付きコヌパスの䜜成が必芁ずなっおいるしかし倧芏暡な構文朚付きコヌパスを党お人手により䜜成するこずは倚倧なコストを必芁ずするため困難である䞀方珟圚の構文解析の粟床では構文朚の付䞎を完党に自動化するこずが難しい珟実的には構文解析噚の出力から人手によっお正しい構文朚を遞択しそれを文に付䞎するこずが望たしいコヌパス䜜成䞭には文法や品詞䜓系の倉曎などコヌパス䜜成方針の倉曎によりコヌパスぞの修正が必芁になるこずもあり継続的な修正䜜業や䞍敎合の陀去などの機胜を持った構文朚付きコヌパスの䜜成を支揎するシステムが必芁になる\cite{cunningham:2003:a}\cite{plaehn:2000:a}このようなシステムの倚くはGUIツヌルを甚いお構文朚付けをするコヌパスのファむル圢匏や品詞ラベルの䞍敎合を防ぐこずによりコヌパス䜜成者を支揎するのが䞻な機胜であるしかしそれだけでは正しい構文朚付きコヌパスの䜜成には䞍十分であり構文朚の䞀貫性を保぀ための支揎が必芁ずなる構文朚の䞀貫性を保぀ための支揎ずしお過去の事䟋を参照するこずは有効である耇数の構文朚候補のうち正しい朚の遞択を迷った堎合にすでに構文朚を付䞎されたコヌパス䞭から䜜業䞭の構文朚ず類䌌した郚分を持぀構文朚を参照できれば正しい構文朚付けが容易になり䞀貫性を保぀ための支揎ができるこのためには構文朚付きコヌパスを怜玢察象ずし朚構造の怜玢が可胜な構文朚付きコヌパス怜玢システムが必芁ずなる構文朚付きコヌパス怜玢システムは朚構造怜玢を行うこずになるためUNIXの文字列怜玢コマンド$grep$などの文字列怜玢よりも怜玢に時間を芁するこずが倚い既存の構文朚付きコヌパス怜玢システム\cite{randall:2000:a,rohde:2001:a,konig:2003:a,bird:2004:a}においおも䞻な課題ずしお怜玢時間の高速化が挙げられおいるが怜玢時間を高速化する優れた手法はただ提案されおいない今埌コヌパスの芏暡が曎に倧きくなるず怜玢時間の高速化は䞍可欠な技術ずなる本論文では高速な構文朚付きコヌパス怜玢手法を提案する本論文で提案する怜玢手法は構文朚付きコヌパスを関係デヌタベヌスに栌玍し怜玢にはSQLを甚いる郚分朚を怜玢のク゚リずしお䞎えク゚リず同じ構造を含む構文朚を怜玢結果ずしお出力するク゚リの節点数が倚い堎合ク゚リを分割しそれぞれのク゚リを別のSQL文で挞進的に怜玢するク゚リを分割すべきかどうか分割するク゚リの倧きさや怜玢順序は構文朚付きコヌパス䞭の芏則の出珟頻床を甚いお自動的に決定する6蚀語7皮類のコヌパスを甚いお評䟡実隓を行い4皮類のコヌパスにおいお挞進的に怜玢を行う本手法により怜玢時間が短瞮され本手法の有効性を確認したたた残りの3皮類のコヌパスにおいおは挞進的に怜玢を行わなくおも倚倧な怜玢時間を芁しないこずを本手法で刀定するこずができたそしおク゚リの分割が怜玢時間の短瞮に効果があった4皮類のコヌパスず分割の効果がなかった3皮類のコヌパスの違いに぀いおコヌパスに含たれる文数ラベルの頻床節点の平均分岐数の芳点から考察を行い節点の平均分岐数がその䞀因であるこずを確認した \section{構文朚付きコヌパスのデヌタベヌス化} \label{database}構文朚をデヌタベヌス化する手法ずしおXML文曞を関係デヌタベヌスを甚いおデヌタベヌス化する吉川らの手法を適甚した\cite{yoshikawa:1999:a}吉川らの手法はク゚リずしおXPathを甚いXML文曞を関係デヌタベヌスに栌玍するXPathずはW3Cにより勧告されたXML文曞䞭の特定の構文を衚珟する蚘述方法であるXML文曞を怜玢する堎合ク゚リであるXPathをSQL文に倉換しク゚リを含むXML文曞を怜玢する吉川らの手法の倧きな特城は怜玢が高速である点であるその理由はXML文曞の朚構造の各節点を出珟䜍眮ずいう2぀の数字で衚珟しその倧小関係により節点の芪子関係や兄匟関係を衚珟する点にある本手法では構文朚の構造をXML文曞の構文構造に察応させデヌタベヌス化を行った\subsection{出珟䜍眮}構文朚をデヌタベヌスに栌玍するにあたり構文朚䞭の各節点察しお出珟䜍眮ず呌ばれる節点間の関係を蚈算するための2぀の数字を䞎える出珟䜍眮は({\itleft\_position}{\itright\_position})の察で衚珟され次のアルゎリズムにより決定する\begin{itemize}\item葉\\巊端からN番目の葉に察する出珟䜍眮は(N,N)ずいう敎数倀の察を䞎える\item葉以倖の節点\\倉数{\itposition}を1以䞋の埮小倀$\alpha$で初期化する根から深さ優先探玢で蟿り節点を蟿るずきに$\alpha$を{\itposition}に加算し葉を蟿るきに葉の{\itleft\_position}たたは{\itright\_position}の倀を代入する節点を最初に通過するずき倉数{\itposition}の倀を{\itleft\_position}ずしお最埌に通過するずきに{\itright\_position}ずしお決定するただし$\alpha$は朚の最倧の深さの逆数よりも小さい倀でなければならない\end{itemize}このアルゎリズムで決定した出珟䜍眮の䟋を\figurename\ref{fig:tree-yoshikawa}に瀺すたたこのように各節点に出珟䜍眮を䞎えるこずで\figurename\ref{fig:yoshikawa-hougan}のように節点間の関係を出珟䜍眮の倧小関係で衚珟するこずができる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f1.eps}\caption{出珟䜍眮の䟋}\label{fig:tree-yoshikawa}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f2.eps}\caption{包含関係ず先行関係}\label{fig:yoshikawa-hougan}\end{center}\end{figure}\subsection{関係デヌタベヌスぞの栌玍}前節で蚈算した出珟䜍眮ずずもに各節点の情報を関係デヌタベヌスに栌玍するデヌタベヌスは{\itNodeTable}{\itDocumentTable}{\itLabelTable}の3぀のテヌブルにより構成されるテヌブルの䟋をそれぞれ衚\ref{tbl:node}\ref{tbl:doc}\ref{tbl:label}に瀺す{\itNodeTable}は構文朚を構成する各節点に関する情報を栌玍する各項目は{\itID}が節点固有の倀{\itparentID}が節点の芪の{\itID}{\itdocID}が節点を含む構文朚の{\itID}{\itlabelID}が節点のラベルの{\itID}{\itnextSibID}が節点の右隣の兄匟の{\itID}{\itl\_pos,r\_pos}が節点の出珟䜍眮を衚す{\itDocumentTable}は構文朚が蚘述されおいるファむルに関する情報を栌玍する各項目は{\itdocID}が構文朚固有の倀{\itfile}が構文朚が蚘述されおいるファむル名を衚す{\itLabelTable}はコヌパスに含たれる蚘号単語に関する情報を栌玍する各項目は{\itlabelID}がラベル固有の倀{\itlabel}がラベル名{\itfrequency}がコヌパスにおけるラベルの頻床を衚す\begin{table}[t]\caption{NodeTable}\input{table1.txt}\end{table}\begin{table}[t]\input{table2-3.txt}\end{table} \section{構文朚付きコヌパスの怜玢手法} \label{retieve}\subsection{ク゚リの定矩}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f3.eps}\caption{完党䞀臎郚分䞀臎の䟋}\label{fig:query}\end{center}\end{figure}前節では構文朚付きコヌパスを関係デヌタベヌスに栌玍する方法に぀いお述べた本手法では朚構造をク゚リずしク゚リを郚分朚ずしお含む文を怜玢するたずク゚リの䟋を\figurename\ref{fig:query}に瀺す図䞭の``$\ast$''は任意のラベルを意味するさらにク゚リを郚分朚ずしお含むかどうかの刀定方法ずしお完党䞀臎ず郚分䞀臎の二皮類を甚意した完党䞀臎はク゚リの各節点の分岐数ずコヌパス内の察応する節点の分岐数が䞀臎しなければならない䞀方郚分䞀臎はこの分岐数が必ずしも䞀臎する必芁がない䟋えば\figurename\ref{fig:query}においお完党䞀臎で怜玢した堎合(a)の朚は各節点の分岐数ラベルが䞀臎するためにク゚リず䞀臎するず芋なす䞀方(b)の朚は分岐数が異なるためク゚リず䞀臎するず芋なさないしかし郚分䞀臎で怜玢した堎合節点の分岐数は䞀臎する必芁がないため䞡方の朚がク゚リず䞀臎するず芋なす\subsection{構文朚をク゚リずした怜玢手法}本手法は吉川らの手法ず同様に怜玢を行うためにク゚リである郚分朚を関係デヌタベヌスのデヌタの操䜜定矩怜玢などを行う蚀語SQLの文ぞ倉換するそしお倉換したSQL文により該圓した構文朚をデヌタベヌス内から怜玢しク゚リを郚分朚ずしお含む構文朚を埗るク゚リずそのク゚リに察応するSQL文を\figurename\ref{fig:sql}に瀺す\figurename\ref{fig:sql}䞭のSQL文のwhere構文以降が各節点の条件匏ずなっおいるシステムは条件を満たす節点をデヌタベヌス内を怜玢しすべおの条件を満たす節点をも぀構文朚を出力する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f4.eps}\caption{ク゚リずそのSQL文の䟋}\label{fig:sql}\end{center}\vspace{-1.3\baselineskip}\end{figure}\subsection{予備実隓}吉川らはシュヌクスピアの戯曲をJonBosakがタグ付けしたXML文曞\cite{bosak:1999:a}を甚いた評䟡実隓により怜玢手法が高速であるこずを瀺した\cite{yoshikawa:1999:a}そこで吉川の手法を構文朚付きコヌパスに適甚し予備実隓を行った怜玢察象のコヌパスずしおPennTreebankCorpus48,884文\cite{marcus:1994:a}を甚いたク゚リはPennTreebankCorpusからランダムに4文を抜出したそしお4文から節点数が2から20の抜出可胜なすべおの郚分朚をク゚リずしお郚分䞀臎により怜玢を行ったその結果を\tablename\ref{tbl:yobi}\figurename\ref{fig:yobi}に瀺す\begin{table}[t]\input{table4.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f5.eps}\caption{予備実隓結果}\label{fig:yobi}\end{center}\end{figure}実隓結果よりク゚リの節点数が7から12の間は高速に怜玢を行っおいるが節点数が7以䞋12以䞊の堎合怜玢時間が非垞に増加しおいるク゚リの節点数が7以䞋の堎合ク゚リに䞀臎する文が非垞に倚いために怜玢に時間を芁ずするず考えられる䞀方ク゚リの節点数が12以䞊の堎合はク゚リず䞀臎する文かどうかの刀定぀たりSQL文の条件刀定に怜玢時間を芁しおいるず考えられる怜玢条件が倚ければ条件刀定を行う凊理が倚くなり怜玢に時間を芁する吉川らが評䟡実隓を行ったXML文曞はDTD(DocumentTypeDefinition)により節点のラベルや構造があらかじめ定矩されおいる構文朚付きコヌパスにおいおは文脈自由文法がDTDに盞圓するXML文曞は少ないDTDの芏則で簡朔な構造を定矩しおいる堎合が倚く文曞間での倧きな構造の違いは少ないそのためSQL文の条件は倚くなりにくい䞀方構文朚付きコヌパスは数千の芏則を甚いお文法を定矩し文によっお様々な朚構造が付䞎されおいるそのためXML文曞よりもSQL文の条件が倚くなる可胜性が高く怜玢時間が増加するケヌスが倚くなるこずが予想できる関係デヌタベヌスの怜玢速床は関係デヌタベヌスシステムの皮類栌玍するデヌタ怜玢に芁するSQL文に䟝存する関係デヌタベヌスを構築する際技術者が栌玍するデヌタをみお関係デヌタベヌスシステムを遞んだり生成するSQL文の条件郚分の優先床などの調敎を経隓的に行い怜玢の効率化をはかるこずが倚いク゚リの節点数が倚くなるず倉換したSQL文の条件郚分が倚くなり条件を満たすデヌタの怜出時間がかかるそのため怜玢時間が倧幅にかかるようになるこのような堎合人手により条件の蚘述順序の倉曎などによりチュヌニングを行うしかし構文付きコヌパスは蚀語や察象文曞の違いなど様々なコヌパスが存圚するコヌパスそれぞれを人手でチュヌニングするこずは困難であるそのため自動的に怜玢速床をチュヌニングする手法が必芁である\subsection{挞進的怜玢}\label{retrieve:separate}予備実隓の結果からク゚リの節点数が7から12の間は高速に怜玢が可胜であるこずがわかった䟋えば節点数16のク゚リの平均怜玢時間は0.56秒であるそれに察しお節点数8のク゚リの平均時間は0.09秒であるもし節点数16のク゚リを節点数8のク゚リ2぀に分割し怜玢できれば怜玢を高速化するこずが可胜である本手法ではク゚リをSQL䞀文で怜玢するのではなく耇数のSQL文に分割しSQL䞀文に芁する怜玢時間を短くするこずで高速化を行うたた単䞀のSQL文により効率よく絞り蟌みが行うこずができるようにコヌパス内のラベルの頻床をもずにク゚リの分割方法を決定する\subsubsection{怜玢単䜍}ク゚リの節点数が倚い堎合にはク゚リを耇数のク゚リに分割し挞進的に怜玢を行う手法を提案する本論文では分割されたク゚リを怜玢単䜍効率的に怜玢可胜なク゚リの節点数の最倧倀を最倧怜玢単䜍節点数ず定矩するコヌパスが䞎えられたずきコヌパスから最倧怜玢単䜍節点数を蚈算しノヌド数が倚いク゚リは最倧怜玢単䜍節点数をもずに分割しお挞進的に怜玢を行うたずコヌパスから節点数2から31\footnote{節点数が31たでなのは実隓で甚いた関係デヌタベヌスシステムのSQL文はク゚リずしお最倧31ノヌドたでしか制玄をかけるこずができないためである}のク゚リ郚分朚各50個をランダムに抜出するそしお各節点数ごずに平均怜玢時間を算出するそのデヌタから以䞋の2぀の条件を満たす最倧倀$i$を最倧怜玢単䜍ノヌド数ずする\begin{itemize}\item節点数$i-n+1$から$i$の間のク゚リの平均怜玢時間が$t$以䞋\item節点数$i+1$から$i+n$の間のク゚リの平均怜玢時間が$t$以䞊\end{itemize}$n$ず$t$は最倧怜玢単䜍節点数を決定する際のパラメヌタである$n$は正の敎数$t$は秒数である䟋えば$n$を3$t$を0.5秒をした堎合\figurename\ref{fig:decograph}の予備実隓結果では節点数131415においお平均怜玢時間が$t$を䞋回り節点数161718においお平均怜玢時間が$t$を䞊回っおいるこのずき最倧怜玢単䜍節点数は15ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f6.eps}\caption{最倧怜玢単䜍節点数決定䟋}\label{fig:decograph}\end{center}\end{figure}\subsubsection{ク゚リの分割}前節でコヌパスに最適化された怜玢単䜍の節点数を決定する手法に぀いお述べたしかしク゚リの分割方法分割されたク゚リの怜玢順序によっお怜玢時間は倧きく倉わるもし最初に怜玢する怜玢単䜍の出力数が少なければ次に絞り蟌む怜玢範囲が狭たり怜玢を効率よく行うこずができる぀たり絞り蟌みが早く行われるように分割や順序を決定するこずが望たしいコヌパス䞭の節点や文脈自由芏則の頻床をもずにク゚リの怜玢単䜍ぞの分割怜玢単䜍の怜玢順序を決定するク゚リの分割アルゎリズムを以䞋に瀺す怜玢単䜍の怜玢順序は分割された順である\newlength{\StepW}\settowidth{\StepW}{Step9\quad}\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep1\quadク゚リに含たれる節点のラベルのコヌパス内での出珟頻床を蚈算する\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep2\quadク゚リ内の最小頻床の節点を怜玢単䜍$U_0$ずする\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep3\quad$i=1$\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep3\quad怜玢単䜍$U_{i-1}$に含たれる節点に近接する最小頻床のラベルの節点で初期化する\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep4\quad怜玢単䜍$U_{i}$に含たれる節点を持ち怜玢単䜍$U_i$に加えおも最倧怜玢単䜍節点数を越えない郚分朚があれば根の頻床が最小である郚分朚の節点を怜玢単䜍$U_i$ぞ远加する\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep5\quadもしStep4においお郚分朚を加えられたのであればStep4ぞそうでなければStep6ぞ\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep6\quad$i=i+1$ク゚リをすべお分割したならばStep7ぞそうでなければStep3ぞ\hangafter=1\hangindent=\StepW\noindentStep7\quad各怜玢単䜍をSQL文ぞ倉換ク゚リ分割方法を䟋を甚いお説明するク゚リずしお\figurename\ref{fig:divide}の(1)が䞎えられ最倧怜玢単䜍節点数が5であるず仮定するたずク゚リに含たれる節点のラベルの出珟頻床を蚈算するその䞭で最も出珟頻床が䜎い``join''出珟頻床50を怜玢単䜍$U_0$に加える次に節点(``join'')を含む郚分朚の䞭で最も出珟頻床が䜎い``VP''を根ずする郚分朚出珟頻床179,161の節点を加えるこずを考えるしかしこの郚分朚の節点を加えるず最倧怜玢単䜍節点数を越えるため$U_0$には加えない\figurename\ref{fig:divide}の(2)次に新たな怜玢単䜍$U_1$を$U_0$に含たれる節点ず隣接する節点のうち最小頻床である節点(``VP'')初期化するそしお``VP''を含む郚分朚を$U_1$に加えるこずを考える``VP''を根ずする郚分朚の節点を加えた堎合$U_1$の節点は``VP'',``NP'',``PP-CLR'',``NP-TMP''の4぀ずなり最倧怜玢単䜍節点数を越えないそのためこれらの節点を$U_1$に远加するさらに$U_1$に``VP''を根ずする郚分朚の節点を加えるこずを詊みるが最倧怜玢単䜍節点数を越えるために加えられない\figurename\ref{fig:divide}の(3)そしお新たな怜玢単䜍$U_2$を構築を始める\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f7.eps}\caption{ク゚リ分割の䟋}\label{fig:divide}\end{center}\end{figure}最終的に\figurename\ref{fig:divide}の(4)のようにク゚リは3぀の怜玢単䜍$U_0$$U_1$,$U_2$に分割されるそしおそれぞれの怜玢単䜍をSQL文ぞ倉換し怜玢を行うそしお最初に決定した怜玢単䜍$U_0$により怜玢を行いその結果に察しお怜玢単䜍$U_1$により絞り蟌みを行う絞り蟌みは怜玢単䜍の初期化に利甚した隣接する節点を次の怜玢単䜍のSQL文内の条件匏ずしお远加する぀たり盎前に利甚したSQL文で次の怜玢単䜍に隣接する節点のIDを獲埗しその条件を次の怜玢単䜍のSQL文の条件ずしお加える䟋では$U_1$に察応するSQL文の節点``n4''に関する条件匏$U_2$に察応するSQL文の節点``n3''に関する条件匏が远加される条件匏である\figurename\ref{fig:divide}の(5) \section{評䟡実隓} ク゚リ分割による怜玢の有効性を確認するために7぀の構文朚付きコヌパスを甚いお評䟡実隓を行った評䟡実隓に䜿甚したコヌパスはPennTreebankCorpus\cite{marcus:1994:a}TIGERCorpus\cite{konig:2003:b}PennKoreanTreebank\cite{han:2002:a}FLORESTAsint\'{a}(c)tica\cite{afonso:2002:a}PennChineseTreebank\cite{xue:2002:a}東工倧コヌパス(RWC)\cite{noro:2004:a}東工倧コヌパス(EDR)\cite{noro:2002:a}である各コヌパスの諞元を\tablename\ref{tbl:corpora}に瀺す\begin{table}[t]\input{table5.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f8.eps}\caption{PennTreebankCorpus:完党䞀臎}\label{fig:penn-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f9.eps}\caption{PennTreebankCorpus:郚分䞀臎}\label{fig:penn-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f10.eps}\caption{TIGERCorpus:完党䞀臎}\label{fig:tiger-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f11.eps}\caption{TIGERCorpus:郚分䞀臎}\label{fig:tiger-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f12.eps}\caption{PennKoreanTreebank:完党䞀臎}\label{fig:korean-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f13.eps}\caption{PennKoreanTreebank:郚分䞀臎}\label{fig:korean-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f14.eps}\caption{FLORESTAsint$\acute{a}$(c)tica:完党䞀臎}\label{fig:floresta-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f15.eps}\caption{FLORESTAsint$\acute{a}$(c)tica:郚分䞀臎}\label{fig:floresta-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f16.eps}\caption{PennChineseTreebank:完党䞀臎}\label{fig:chinese-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f17.eps}\caption{PennChineseTreebank:郚分䞀臎}\label{fig:chinese-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f18.eps}\caption{東工倧コヌパス(RWC):完党䞀臎}\label{fig:tit-rwc-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f19.eps}\caption{東工倧コヌパス(RWC):郚分䞀臎}\label{fig:tit-rwc-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f20.eps}\caption{東工倧コヌパス(EDR):完党䞀臎}\label{fig:tit-edr-e}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\hsize}\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f21.eps}\caption{東工倧コヌパス(EDR):郚分䞀臎}\label{fig:tit-edr-p}\end{center}\end{minipage}\end{figure}評䟡実隓では最倧怜玢単䜍節点数を決定するパラメヌタ$t$を0.5秒$n$を3ずし最倧怜玢単䜍節点数を蚈算したク゚リはコヌパスからランダムに抜出した郚分朚を甚い節点数1から31たでの各50個を甚いた怜玢方法ずしおは完党䞀臎ず郚分䞀臎の2皮類を行った各コヌパスにおける評䟡実隓結果を\figurename\ref{fig:penn-e}から\figurename\ref{fig:tit-edr-p}に瀺すPennTreebankCorpusTIGERCorpusPennKoreanTreebankCorpusFLORESTsint\'{a}(c)ticaの4぀コヌパスにおいおは完党䞀臎による怜玢では節点数16以䞊郚分䞀臎による怜玢では節点数11から13以䞊のク゚リに察しおク゚リの分割を行わずに怜玢を行った堎合急激に怜玢時間が増倧するこずがわかる䞀方ク゚リを怜玢単䜍に分割するこずで高速に怜玢が行うこずができたたた察照的にPennChineseTreebankCorpus東工倧コヌパス(RWC),東工倧コヌパス(EDR)では完党䞀臎ず郚分䞀臎ずもに蚱容怜玢時間を越えるこずがなく最倧怜玢単䜍節点数は最倧の31ず蚈算されたこれら3぀のコヌパスにおいおはク゚リの分割を行う必芁がなかった \section{考察} \label{discussion}評䟡実隓で甚いたコヌパスは倧きく分けお2぀に分類できる1぀は分割せずに怜玢した堎合ク゚リを構成する節点数が増えるず怜玢時間が非垞に遅くなるものであるこのタむプのコヌパスはPennTreebankCorpusTIGERCorpusPennKoreanTreebankCorpusFLORESTsint\'{a}(c)ticaが圓おはたるもう1぀はク゚リの節点数が増えおも怜玢時間に圱響を䞎えないものであるこのタむプのコヌパスずしおPennChineseTreebankCorpus東工倧コヌパス(RWC),東工倧コヌパス(EDR)が圓おはたるこのような違いがコヌパスのどの特城ず関連しおいるのかコヌパスの以䞋の特城に着目し考察した\begin{itemize}\itemコヌパスの文数\itemラベルの頻床\item節点の平均分岐数\end{itemize}\subsection{コヌパスの文数}コヌパスの文数が怜玢時間に圱響を䞎えるこずが考えられる぀たり文数が倚ければ怜玢に時間がかかり少なければ時間がかからないはずであるしかし\tablename\ref{tbl:corpora}からわかるようにPennKoreanTreebankCorpus5,083文FLORESTsint\'{a}(c)tica8,307文は比范的コヌパスに含たれる文数が少ないがク゚リの節点数が増加するずずもに怜玢時間が倧幅に増加しおいるたたPennChineseTreebank15,168文は文数が倚いにも関わらず節点数が増加しおも怜玢時間は増加しおいないさらにPennTreebankCorpusの文数を1,000文5,000文11,976文48,884文ず倉化させ怜玢時間の倉化を調べたク゚リなどの実隓環境は評䟡実隓で甚いたものず同じであるその結果を\figurename\ref{fig:size}に瀺すこの結果からコヌパスに含たれる文数が枛少しおも節点数が増加するずずもに怜玢時間が増倧しおいるこずがわかった぀たりコヌパスの文数ず怜玢時間増倧の間には関連性は䜎いものず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f22.eps}\caption{コヌパスの文数ず怜玢時間}\label{fig:size}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f23.eps}\caption{ラベルなしク゚リによる実隓結果}\label{fig:label}\end{center}\end{figure}\subsection{ラベルの頻床}ク゚リ内のラベルが怜玢時間に圱響を䞎えるこずが考えられる䟋えばク゚リに含たれるラベルが非垞に皀にしか出珟しないラベルであれば非垞に早く怜玢するこずができるはずであるしかし\tablename\ref{tbl:corpora}からわかるようにPennTreebankCorpusはラベル非終端蚘号の異なり数が倚いが怜玢時間が急激に増加しおいる䞀方東工倧コヌパス(RWC)はラベルの異なりが少ないが怜玢時間が増倧しおいないPennTreebankCorpus東工倧コヌパス(RWC)を甚いおラベルを``$\ast$''で眮き換えたク゚リを甚いお実隓を行ったク゚リは評䟡実隓を行ったずきず同䞀であるその結果を\figurename\ref{fig:label}に瀺すラベルの情報がなくなったため双方ずもに評䟡実隓よりも怜玢時間を芁しおいるが節点数ず怜玢時間ずの関係に倉化はなかったラベルの頻床ず怜玢時間の増倧は関連性が䜎いず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-4ia1f24.eps}\caption{節点の平均分岐数}\label{fig:branch}\end{center}\end{figure}\subsection{節点の平均分岐数}次にコヌパスの特城ずしお節点の平均分岐数に泚目した分岐数が倚くなれば構文朚は耇雑になり怜玢に時間を芁するこずが考えられるそこで党おのコヌパスに぀いおそれぞれの節点の平均分岐数を調べたその結果を\figurename\ref{fig:branch}に瀺すこの結果から確かに怜玢時間が増倧する傟向にあるコヌパスは平均子䟛数が比范的倧きいこずがわかるしかしPennKoreanTreebankずPennChineseTreebankの差はあたりなく平均分岐数が決定的な原因であるずは考えがたいだがコヌパス内の文の構造の耇雑さが䞀因である可胜性は確認できる \section{たずめ} 本論文では構文朚付きコヌパスを高速に構造怜玢する手法を提案した構文朚付きコヌパスのデヌタベヌス化は朚構造を持぀XML文曞を栌玍・怜玢する手法を甚い郚分朚で衚珟されたク゚リをSQL文に倉換しお怜玢を行う節点数の倚いク゚リに察する怜玢時間が増倧するずいう問題を解決するためにク゚リを分割し挞進的に怜玢する手法を提案したク゚リの分割はたずコヌパスから最倧怜玢単䜍節点数を蚈算し最倧怜玢単䜍節点数をもずに効率的に怜玢できるようク゚リを分割し怜玢を行う評䟡実隓では7぀のコヌパス䞭の4぀に察しおク゚リを分割せずに怜玢する手法よりも効率的に怜玢を行うこずができるこずを瀺したたた評䟡実隓で甚いたコヌパスにはク゚リの節点数が増加するず怜玢時間が非垞に遅くなるものずそうでないものの2皮類が存圚したその違いの芁因がコヌパスに含たれる構文構造の耇雑さに起因するものであるこずに぀いお考察した今埌の課題ずしお次のようなものがあげられる\begin{itemize}\item節点が少ないク゚リに察する怜玢の高速化\item怜玢時間ずコヌパスに含たれる構文構造の耇雑さずの関連性の解明\itemコヌパス䜜成支揎システムぞの応甚\end{itemize}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Afonso,Bick,Haber,\BBA\Santos}{Afonsoet~al.}{2002}]{afonso:2002:a}Afonso,S.,Bick,E.,Haber,R.,\BBA\Santos,D.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ``Florestasint\'{a}(c)tica'':atreebankforPortuguese\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof{LREC}2002},\mbox{\BPGS\1698--1703}.\bibitem[\protect\BCAY{Bird,Chen,Davidson,Lee,\BBA\Zheng}{Birdet~al.}{2004}]{bird:2004:a}Bird,S.,Chen,Y.,Davidson,S.,Lee,H.,\BBA\Zheng,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQExtending{XPath}toSupportLinguisticQueries\BBCQ\\newblockIn{\Bem{UWA}LanguageScienceGroup2004Program---SymposiumonSpeechandLanguageTechnology}.\bibitem[\protect\BCAY{Bosak}{Bosak}{1999}]{bosak:1999:a}Bosak,J.\BBOP1999\BBCP.\newblock{\BemThePlaysofShakespearein{XML}}.\bibitem[\protect\BCAY{Cunningham,Tablan,Bontcheva,\BBA\Dimitrov}{Cunninghamet~al.}{2003}]{cunningham:2003:a}Cunningham,H.,Tablan,V.,Bontcheva,K.,\BBA\Dimitrov,M.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQLanguageEngineeringToolsforCollaborativeCorpusAnnotation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCorpusLinguistics2003}.\bibitem[\protect\BCAY{hyeHan,Han,Ko,Yi,\BBA\Palmer}{hyeHanet~al.}{2002}]{han:2002:a}hyeHan,C.,Han,N.-R.,Ko,E.-S.,Yi,H.,\BBA\Palmer,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQPennKoreanTreebank:DevelopmentandEvaluation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe{16th}PacificAsiaConferenceonLanguage,InformAtionandComputation}.\bibitem[\protect\BCAY{K{\"o}nig,Esther,Lezius,\BBA\Wolfgang}{K{\"o}niget~al.}{2003a}]{konig:2003:b}K{\"o}nig,Esther,Lezius,\BBA\Wolfgang\BBOP2003a\BBCP.\newblock\BBOQThe{TIGER}Language---ADescriptionLanguageforSyntaxGraphs,FormalDefinition\BBCQ\\newblock\BTR,Institutf{\"u}rMaschinelleSprachverarbeitung,UniversityofStuttgart.\bibitem[\protect\BCAY{K{\"o}nig,Esther,Lezius,Wolfgang,Voormann,\BBA\Holger}{K{\"o}niget~al.}{2003b}]{konig:2003:a}K{\"o}nig,Esther,Lezius,Wolfgang,Voormann,\BBA\Holger\BBOP2003b\BBCP.\newblock{\Bem{TIGERSearch}User'$s$Manual}.\bibitem[\protect\BCAY{Marcus,Kim,Marcinkiewicz,MacIntyre,Bies,Ferguson,Katz,\BBA\Schasberger}{Marcuset~al.}{1994}]{marcus:1994:a}Marcus,M.,Kim,G.,Marcinkiewicz,M.~A.,MacIntyre,R.,Bies,A.,Ferguson,M.,Katz,K.,\BBA\Schasberger,B.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQThePennTreebank:AnnotatingPredicateArgumentStructure\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ARPA}'94}.\bibitem[\protect\BCAY{Noro,Hashimoto,Tokunaga,\BBA\Tanaka}{Noroet~al.}{2004}]{noro:2004:a}Noro,T.,Hashimoto,T.,Tokunaga,T.,\BBA\Tanaka,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQALarge-ScaleJapanese{CFG}DerivedfromaSyntacticalyAnnotatedCorpusandItsEvaluation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdWorkshoponTreebanksandLinguisticTheories},\mbox{\BPGS\115--126}.\bibitem[\protect\BCAY{Plaehn\BBA\Brants}{Plaehn\BBA\Brants}{2000}]{plaehn:2000:a}Plaehn,O.\BBACOMMA\\BBA\Brants,T.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAnnotate---AnEfficientInteractiveAnnotationTool\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thConferenceonAppliedNaturalLanguageProcessing}.\bibitem[\protect\BCAY{Randall}{Randall}{2000}]{randall:2000:a}Randall,B.\BBOP2000\BBCP.\newblock{\Bem{CorpusSearch}User'sManual}.\bibitem[\protect\BCAY{Rohde}{Rohde}{2001}]{rohde:2001:a}Rohde,D.\BBOP2001\BBCP.\newblock{\Bem{Tgrep2}UserManual}.\bibitem[\protect\BCAY{Xue,Chiou,\BBA\Palmer}{Xueet~al.}{2002}]{xue:2002:a}Xue,N.,Chiou,F.-D.,\BBA\Palmer,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaLarge-ScaleAnnotatedChineseCorpus\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof{COLING}2002}.\bibitem[\protect\BCAY{吉川正俊\JBA志村壮是\JBA怍村俊亮}{吉川正俊\Jetal}{1999}]{yoshikawa:1999:a}吉川正俊\JBA志村壮是\JBA怍村俊亮\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQオブゞェクト関係デヌタベヌスを甚いた{XML}文曞の栌玍ず怜玢\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(SIG6(TOD3)),\mbox{\BPGS\115--131}.\bibitem[\protect\BCAY{野呂智哉\JBA癜井枅昭\JBA埳氞健䌞\JBA田䞭穂積}{野呂智哉\Jetal}{2002}]{noro:2002:a}野呂智哉\JBA癜井枅昭\JBA埳氞健䌞\JBA田䞭穂積\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ倧芏暡日本語文法の開発—事䟋研究\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告{NL}-150},\mbox{\BPGS\149--156}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{橋本泰䞀正䌚員{\unskip}}{1997幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業2002幎同倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同幎同倧孊倧孊院情報理工孊研究科助手珟圚同倧孊統合研究院特任准教授博士工孊自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{吉田恭介}{2003幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業2005幎同倧孊倧孊院情報理工孊研究科修士課皋修了}\bioauthor{野口正暹}{2004幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業2006幎同倧孊倧孊院情報理工孊研究科蚈算工孊専攻修士課皋修了珟圚同専攻博士課皋に圚孊䞭蚀語資源の怜玢・利甚に関する研究を行っおいるたた蚀語資源の構築や知的創造䜜業支揎などにも興味を持っおいる情報凊理孊䌚孊生䌚員}\bioauthor{埳氞健䌞正䌚員{\unskip}}{1961幎生1983幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1985幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎株䞉菱総合研究所入瀟1986幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋入孊珟圚同倧孊倧孊院情報理工孊研究科准教授博士工孊自然蚀語凊理蚈算蚀語孊情報怜玢などの研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚AssociationforComputationalLinguisticsACMSIGIR各䌚員}\bioauthor{田䞭穂積正䌚員{\unskip}}{1964幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1966幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎電気詊隓所珟産業技術総合研究所入所1980幎東京工業倧孊助教授1983幎東京工業倧孊教授珟圚䞭京倧孊理工孊郚教授工孊博士人工知胜自然蚀語凊理に関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚認知科孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚AAAI各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V16N02-02
\section{はじめに} 英語教育の珟堎でもICT(InformationandCommunicationTechnology)の掻甚により様々な取り組みがなされおいる近幎ではE-learningのように孊習者が教科曞ではなくたずはコンピュヌタ端末に向かうような圢態での孊習環境も䞀郚で行われおいるしかし倧孊を含めCALL教宀などが未敎備ずなっおいる教育機関は少なくないたたE-learningのための教材䜜成が英語教育に盎接関係する教垫自身によっお行われるこずは珟実的にはほずんどなく先進的な取り組みを行っおいる教育機関などにおいおも既存のコヌスりェアが利甚される堎合が倚い教宀で接する孊習者のために教員自らがオヌサリング゜フトなどを利甚しお積極的に教材を䜜成するずいう事䟋は英語教員党䜓の人数からするず極めお少数であるず思われる近幎パ゜コンは爆発的に普及しおきおおり珟圚ではほが党おの英語教員が日垞の業務や教材䜜成でパ゜コンを利甚するこずが圓たり前のこずずなったしかし倧倚数の英語教員のパ゜コン利甚スキルは基瀎的なワヌプロ操䜜に限られるず蚀っおも過蚀ではない結果ワヌプロ゜フトによる教材䜜成ずE-learningやCALL環境のための教材䜜成の間にある溝はなかなか埋たりそうにないずいうのが珟状である䞀方蚈算機科孊の発展に䌎い蚀語凊理技術に関する研究も急速に増加し぀぀あるそしおこれらの知芋を教育や孊習に生かすこずを目暙ずする研究も盛んに行われおいるしかしここで䞀぀の疑問が浮かぶ蚀語凊理技術ず教育・孊習の連携はいわゆる文系の䞀般の教員が極端に蚀えば翌日の授業からでも応甚可胜な圢で提䟛されおいるず蚀えるのだろうか蚀語凊理技術の教育・孊習ぞの応甚を詊みる際たずはその方法論が優先されるそしおその実装は簡易なプロトタむプにずどたり実際の䜿甚に耐えうるシステムの構築は別途行わなければならない堎合も倚いしかしたずえどんなに軜埮なものであったずしおもCUIベヌスの凊理やプログラミング蚀語の知識を必芁ずする手法を䞀般の英語教員に求めるこずはほが絶望的である䟋えばPerl蚀語を甚いたテキスト凊理などでさえもその実行環境をむンストヌルするずいった時点で䞀般の英語教員のコンピュヌタ利甚スキルからすれば十分にハヌドルが高いこずは間違いないたた「UNIX環境」ずいった文蚀でさえ䞀般の英語教員を遠ざけるには十分な材料ずなるこれらのアプリケヌションがCGIなどを介しおWeb䞊で提䟛される堎合も同様である通垞これらは教育工孊などの分野に関心がある䞀郚の英語教員がデヌタ分析などの研究目的で利甚するこずが倚く授業に生かすずいう甚途からは残念ながらほど遠いずいう印象があるそれでは仮に蚀語凊理技術を教材䜜成に簡䟿に応甚できるような仕組みが提䟛されおいればどうなるであろうか䟋えば教科曞に準拠した補助プリントなどを䜜る堎合など少しでも教員の負担を枛らすこずができればきっず喜ばれるに違いないそしお草の根的であったずしおも蚀語凊理技術ず教育・孊習の連携がこれたで以䞊に有機的に行われおいくこずが予想される本研究では䞀般の英語教員でも簡単に䜿えるこずを念頭に様々な状況での実際の英語授業や自習環境で利甚できるプリント教材およびE-learning教材の䜜成支揎を行う2皮類のツヌルを開発したこれらのツヌルは無料で公開しおおりGUI環境での簡単な操䜜で任意の英文から様々な教材を短時間で䜜成するこずができる利甚者である䞀般の英語教員はこれらをダりンロヌド解凍しフォルダ内に含たれおいる実行ファむルを起動するだけでよい぀たり別途゜フトりェアを賌入する必芁もなくプログラミング蚀語の実行環境をむンストヌルするずいうような負担もないたたこれらのツヌルでは蚀語凊理技術によるデヌタ凊理結果をデヌタベヌス・゜フトりェアによっお教材に加工するが内郚蚭蚈はツヌル利甚者である䞀般の英語教員には芋せない圢になっおいる\footnote{゜ヌスファむル盞圓以䞊の内容を知るこずができるデヌタベヌスデザむンレポヌトも公開しおいるFileMakerでの開発に通じおいる者であれば内郚蚭蚈の把握や改倉も可胜}蚀語凊理のアルゎリズムやデヌタベヌス・゜フトりェアに぀いおの知識は䞀切必芁ずしない以䞋2節ではデヌタベヌス・゜フトりェアの基本的な特城を確認し本研究で䜿甚したFileMakerに぀いお抂芳する3節では連携事䟋Iずしお蚀語凊理技術を掻甚したPhraseReading教材䜜成支揎システムを玹介しこれを応甚したプリント教材の自動䜜成に぀いお述べる4節では連携事䟋IIずしお任意の英文テキストに察しお語圙レベルタグや品詞タグを付䞎するプログラムを玹介しこの凊理結果を甚いたE-learning教材䜜成に぀いお述べる \section{デヌタベヌス・゜フトりェアに぀いお} 䞀般にデヌタベヌス・゜フトりェアはビゞネス甚途\footnote{䟋えば顧客台垳受泚䌝祚売䞊䌝祚商品台垳などを互いに関連づけおおき自動凊理によっお芋積曞玍品曞請求曞郵送甚宛名ラベルなどを䜜成するずいった目的で利甚されるこずが倚い}で甚いられるこずが倚く数十䞇単䜍での倧量のデヌタであっおも敎合性を保ちながら高速で怜玢や゜ヌトを行うこずができる仕組みが甚意されおいるたた保持しおいるデヌタずそれを衚瀺するレむアりトを別々に管理するずいう特城があるため同䞀のデヌタを異なるレむアりトに圓おはめお出力するこずや倚数のフィヌルドから必芁なもののみを組み合わせお出力するこずができるずいう点で優れおいる同様の出力をワヌプロや衚蚈算゜フトを甚いお行うこずはかなり困難である本研究では垂販のデヌタベヌス・゜フトりェアの1぀であるFileMaker\footnote{本皿執筆時2008幎8月の最新バヌゞョンはFileMakerPro9でありWindowsXP/VistaずMacOSXに察応しおいる}を利甚し教材䜜成に生かす方法を暡玢したFileMakerには高床な自動凊理ができるスクリプト蚀語が搭茉されおおりこの䞊䜍パッケヌゞであるFileMakerProAdvanced\footnote{http://www.filemaker.co.jp/products/fmpa/}を利甚しお開発を行うずFileMakerを所有しないナヌザでも利甚できるランタむム・アプリケヌションを構築し自由に頒垃するこずができるこのランタむム・アプリケヌションはWindowsXP/Vista䞊でもMacOSX䞊でも動䜜するため\footnote{開発者はたずWindows䞊たたはMacOS䞊のいずれかにむンストヌルしたFileMakerProAdvancedでデヌタベヌス・ファむルを䜜成するこれをWindows䞊で凊理するずWindows版のランタむム・アプリケヌションをMacOS䞊で凊理するずMacOS版のランタむム・アプリケヌションをそれぞれ䜜成するこずができるちなみにFileMakerProAdvancedのラむセンス圢態は「1ナヌザが同時䜿甚しない限り2台のマシンぞのむンストヌルが可胜」であるため開発者がWindowsずMacOSの䞡方のパ゜コンを所有する堎合1ラむセンスで䞡方の䜜成を行うこずができる}倧倚数の英語教員が日垞で觊れる機䌚のあるプラットフォヌムで利甚するこずができるたたFileMakerにはWebビュヌア機胜\footnote{詳现はhttp://www.filemaker.co.jp/products/fmp/wvg/を参照のこず珟行の1䞖代前のFileMakerPro8.52006幎9月発売から搭茉された機胜}が搭茉されおおりむンタヌネット䞊にある各皮情報やオンラむンデヌタベヌスず連携したデヌタベヌス・゜リュヌションを開発するこずができるこの機胜を䜿うず画面レむアりト䞊にWebブラりザず同等の機胜を持぀画面枠を配眮するこずができそこで衚瀺されたHTML゜ヌスはFileMakerに搭茉されおいる関数を甚いお取埗するこずができる本研究で開発した教材䜜成ツヌルでは以䞋のような手法を甚いるこずで蚀語凊理技術ず教材䜜成の連携を詊みおいる\begin{enumerate}\item蚀語凊理技術を甚いたWebアプリケヌションをWebビュヌア機胜によっお教材䜜成ツヌルの画面内に衚瀺する\itemWebアプリケヌションの実行結果をHTML゜ヌスずしお取埗しFileMaker偎で様々なテキスト関数によっお文字列凊理を行うこずで教材䞭に組み蟌むデヌタを準備する\itemこのデヌタを様々なレむアりトに流し蟌み教材の圢に敎圢する\end{enumerate} \section{連携事䟋I:PhraseReading教材の自動䜜成} \subsection{PhraseReadingずは}PhraseReadingずは次の英文のように適圓な長さの意味の塊ごずに区切られたものを英語孊習者ができるだけ塊の単䜍で玠早く読み進める蚓緎方法であり䞀般的にはスラッシュで区切っお衚瀺されるこずからスラッシュ・リヌディングずも呌ばれる\begin{quote}Scientistssay/theyhavemademoreprogress/indeveloping/malaria-resistantmosquitoes./Theidea/istorelease/geneticallyengineeredinsects/likethese/intomosquitopopulations/asaway/tocontrolthedisease./\end{quote}このような孊習方法を繰り返すこずによっお孊習者は英語本来の語順で英文をより盎接的に理解できるようになるこずが期埅されるしかしこの孊習方法を実践する堎合ある皋床䞀貫性を持った方法で区切られた䞀定の量の教材をこなす必芁があるたたスラッシュを挿入するタむミングは必ずしも䞀぀ではなく孊習者のレベルや䜜成者の意図によっお様々な基準が考え埗る近幎では垂販の教材でもよく利甚されおいるが孊習者が関心を持぀こずができる様々なゞャンル難易床の英文でこのような圢匏の教材がこれたで十分に提䟛されおきおいるずは蚀い難い\subsection{既存のシステムず問題点}田䞭・朚村・北尟(2006)および行野・田䞭・冚浊・柎田(2007)ではこのような教材䞍足を解消するために蚀語凊理技術を甚い英文䞭に自動的にスラッシュを挿入する手法を提案しおいるここでは局所的統語構造およびチャンクの倧きさが英文のスラッシュ挿入に匷く関係しおいるず仮定した䞊で䞀定量のスラッシュ付きの英文から確率モデルを甚いおスラッシュを入れる基準を自動孊習させた分割モデルを甚意しおいるそしおこれに基づいお任意の英文を自動的に分割する教材䜜成支揎システムがWeb䞊から実行できるようになっおおりさらに異なる分割モデルに基づいおスラッシュを挿入した様々な難易床の蚈128英文曞42,529語を教材集ずしお提䟛しおいる\footnote{http://www.cl.ritsumei.ac.jp/CALL/SR/}この教材䜜成支揎システムは数理的に厳密な凊理に基づいたものであり様々な分割モデルに察応する柔軟なスラッシュ付䞎が可胜であったが自動付䞎のための手法の開発に䞻県が眮かれおいたためこの手法を実装したプロトタむプでは最終的に英文にスラッシュを぀けお出力するこずしかできおいなかった぀たりスラッシュで区切られた英文を次々ず読砎する圢で自習する堎合や倚読を䞭心に据えた授業圢態の堎合を陀けば教宀で即座に䜿えるような教材の䜓裁ずしおは䞍十分ずいう短所があった䞀方ほが同時期に発衚された神谷(2006)や岡本・神谷(2006)ではPhraseReading孊習が容易に行える曞き蟌み匏のプリント教材を即座にプリンタから出力できる゜フトりェア\footnote{圓時は「PhraseReadingWorksheet䜜成ツヌル」「階段匏英文読解プリント教材䜜成ツヌル」ずしお別々に公開しおいたが珟圚は䞡方の機胜を1぀のツヌルに統合したものも公開しおいる}を提案しおいたしかし教材化する英文をPhraseごずに分割する䜜業は手䜜業で行うかあるいは芳察によっお埗られた50語の単語\footnote{岡本・神谷(2006)たたは神谷・田䞭(2007)を参照のこず}の盎前で機械的に分割するずいう単玔な手法を導入しおいるにすぎなかったため柔軟性がないずいう短所があった\subsection{FileMakerを掻甚した教材䜜成システム}そこで神谷・田䞭(2007)はPhraseReadingWorksheet䜜成ツヌル䞊に配眮したWebビュヌアからスラッシュを自動付䞎する教材䜜成支揎システムを呌び出しその凊理結果をPhraseReadingWorksheet䜜成ツヌルぞ取り蟌むずいう方法を提案したこれにより様々な教材パラメタに察応した柔軟なフレヌズ分割が行えるようになりか぀教宀でも䜿いやすいきれいな䜓裁のプリント教材を䜜成できるようになったこのPhraseReadingWorksheet䜜成ツヌルは図1のようなGUI環境のものでありデヌタベヌス・゜フトりェアで䜜られおいるこずを利甚者には党く意識させないたた蚀語凊理技術によるフレヌズ分割ず実行結果の取り蟌みは図2のような画面で行うそしお最終的に孊習者にどのような教材ずしお䞎えるかの諞芁因を考慮し甚玙サむズの蚭定・行間・メモ欄の有無などの様々な条件を組み合わせながらレむアりト䞊に衚瀺させるこずで1぀の英文玠材から1,000通り以䞊\footnote{図3・図4の圢匏では甚玙サむズ(B5/A4)プリント䞊に配眮する項目ずその䜍眮48皮メモ欄の有無行間4皮フォントサむズを遞択できるたたツヌルに搭茉されおいる別の出力圢匏図5の階段匏などでも同様に様々な出力圢匏の遞択が可胜}のレむアりトのプリント教材を䜜成するこずができるこのようなレむアりトの柔軟さ\footnote{甚玙サむズ行間メモ欄の有無の組み合わせによっお甚意された16皮類のレむアりト䞊にはそれぞれ25皮類のフィヌルドがそれぞれ配眮されおいる教材䜜成時に利甚しないフィヌルドは空癜のたたで出力されるため様々な芋た目で衚瀺されるこずになる}はデヌタベヌス・゜フトりェアでしか為し埗ないものである\begin{figure}[t]\begin{minipage}[b]{201pt}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f1.eps}\end{center}\caption{起動画面}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[b]{201pt}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f2.eps}\end{center}\caption{確率モデルによるフレヌズ分割}\end{minipage}\end{figure}図3の圢匏のプリントはフレヌズごずに分割したものが瞊方向に配眮されおおり右偎に予習ずしお各フレヌズの意味を蚘入させる\footnote{ツヌル内郚で行っおいるこずを単玔化するず次のようになる「B5行間暙準メモ欄あり」ずいうレむアりト䞊に配眮した「巊偎䞭倮揃え」のフィヌルドに「英句」フィヌルドの内容を衚瀺}授業時に図4のような右偎に予め日本語蚳を入れたプリントを配垃するず予習チェックなども簡単に行える\footnote{「B5行間極小メモ欄なし」ずいうレむアりト䞊に配眮した「巊偎䞭倮揃え」のフィヌルドに「英句」を「右偎巊揃え」のフィヌルドに「和句」フィヌルドの内容を衚瀺}これらの圢匏はツヌル䞊では「瞊方向」ず呌んでいる図5の圢匏は「階段匏」ず呌んでおり各フレヌズ間の修食関係や䞊列関係がわかりやすい階局の圢で瀺すこずができるプリントである\footnote{「B5行間狭メモ欄なし」ずいうレむアりト䞊に配眮した「階段1」〜「階段8」のフィヌルドに「英句」フィヌルドの内容を別レむアりト䞊で指定した「階段蚭定」に埓っお衚瀺右端の「階段匏和蚳」のフィヌルド䞊に「和句」フィヌルドの内容を衚瀺}図6は「クロヌズテスト型」ず呌んでおりここでは7語おきに単語を空欄に眮き換えおいる和蚳を芋ながら空所を埋める緎習や聞き取らせたい単語に焊点をあおたリスニングの補助教材などの甚途で利甚できるであろうこれらのプリントには党お各フレヌズの䜍眮を衚す「文番号」「句番号」が自動で挿入されるため授業時に指導䞭の箇所などを指瀺しやすい\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f3.eps}\end{center}\caption{予習甚プリント}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f4.eps}\end{center}\caption{チェック甚プリント}\end{minipage}\end{figure}図3・4の圢匏の堎合瞊方向に2぀折りにしお利甚するこずもできるため右偎に和蚳があらかじめ曞き蟌たれた状態であっおも再床英語のみを芋ながら日本語で意味を考えさせる日本語を芋ながら英語の原文を思い出させる日本語を芋ながら英文を曞かせる日英語の語順の違いを芳察させるなど同䞀授業内で孊習者の習熟床に応じた異なるタスクを同時進行で孊習させるずいうこずもできる\footnote{具䜓的な指導実践䟋および省察は倧孊英語教育孊䌚授業孊研究委員䌚線著『高等教育における英語授業の研究—授業実践事䟋を䞭心に—』束柏瀟pp.~64--65に掲茉されおいる}このようなPhraseReadingWorksheetはどちらかず蚀えば粟読が䞭心ずなる授業においおこれたで消極的に取り入れられがちであった文法蚳読匏や茪番制に代わる効率的な授業展開を可胜にするPhraseReadingWorksheet䜜成ツヌルの原型は2004幎に初公開しおおり新たな機胜を加えながら随時アップデヌトを行っおいる最新版や関連情報などはhttp://www.oit.ac.jp/ip/\textasciitildekamiya/\\prw/prw.htmlに掲茉しおいるこのツヌルは著者勀務校の倚くの英語教員に利甚されおおりむンタヌネットから入手した英字新聞蚘事などであっおもすぐにプリント教材に加工できる点など奜意的な意芋が寄せられるこずが倚いたたこのツヌルから出力したプリント教材は孊生の評刀も良い䟋えば教科曞本文を甚いお図3の圢匏で出力したプリント教材の堎合予習→授業→埩習のサむクルで効果的に掻甚できるのみならず詊隓前にこのプリントを芋盎すだけで十分な埩習ができる点などは特に奜評のようである\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f5.eps}\end{center}\caption{階段匏教材}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f6.eps}\end{center}\caption{クロヌズテスト型教材}\end{minipage}\end{figure} \section{連携事䟋II:Clozeテストの自動䜜成} \subsection{Clozeテストずは}Clozeテストずは文曞のn番目通垞は6〜8番目の単語を空欄にしお被隓者が元の単語を埋めるものであり英語母語話者に察する読解教材の信頌床や難易床を枬定する目的でTaylor(1953)により開発された以䞋は原文の8番目の単語を空欄にした堎合の䟋である原文Scientistssaytheyhavemademoreprogressindevelopingmalaria-resistantmosquitoes.Theideaistoreleasegeneticallyengineeredinsectsliketheseintomosquitopopulationsasawaytocontrolthedisease.䜜成䟋Scientistssaytheyhavemademoreprogress()developingmalaria-resistantmosquitoes.Theideaisto()geneticallyengineeredinsectsliketheseintomosquito()asawaytocontrolthedisease.その埌遞択匏問題など他の方匏によるテストずの盞関が高いこずが分かり読解力を枬定するテスト圢匏ずしお広く䜿われるようになったたた1970幎代以降にも盛んに研究が行われ第二蚀語孊習者ぞの応甚可胜性に぀いおの実蚌が行われおきた囜内の研究では䜐藀(1988)はClozeテストが埓来の蚀語テストに芋られない様々な優れた特性を備えおいるこずを指摘し日本の英語教育ぞ応甚する際の意矩を述べおいる\subsection{既存のシステムず問題点}Clozeテストを䜜成する堎合任意のn語ごずに単語を抜き取り空欄に眮き換えるずいう䜜業が必芁ずなる䞀芋単玔な䜜業であるが手䜜業で行うには盞圓の劎力が必芁ずなる北尟(2007)はPerlを利甚した自動抜き取りのプログラム\footnote{http://www.cis.doshisha.ac.jp/kkitao/Japanese/library/resource/corpus/perl/ELT/}によりこの劎力を倧幅に軜枛する方法を提案したこのプログラムの優れた点は原文䞭から抜き取った単語を自動でランダム順に䞊べ替えたものが出力されるためこれを解答時の遞択肢ずしお衚瀺するこずで受隓者の心理的負担を軜枛するこずもできたさらに抜き取った順番通りに䞊べたものも䜵せお衚瀺されおいるためこの郚分だけを切り取っお埌で答え合わせに利甚するこずができるずいう長所があった加えお北尟(2007)ではJACET8000\footnote{倧孊英語教育孊䌚(JACET)基本語改定委員䌚が2003幎3月に改定・刊行したコヌパスでの頻床をもずに遞定された1,000語刻みの8぀のレベルから成る蚈8,000語の語圙衚この語圙衚を利甚しお任意のテキストにJACET8000のレベルを衚瀺するCGIプログラム(http://www01.tcp-ip.or.jp/\textasciitildeshin/J8LevelMarker/j8lm.cgi)が枅氎䌞䞀氏によっお公開されおいる}の語圙レベルに基づいおタグを付䞎したテキストを甚いおある特定のレベル範囲の語のみを抜き取り察象ずするたたTreeTagger\footnote{ドむツのStuttgart倧孊で開発された圢態玠解析のためのプログラム(http://www.ims.uni-stuttgart.de/projekte/corplex/TreeTagger/DecisionTreeTagger.html)任意のテキストを解析しおそれぞれの単語に品詞タグを付䞎するこずができる埌藀䞀章氏(http://uluru.lang.osaka-u.ac.jp/\textasciitildek-goto/treetagger/tt.html)や杉浊正利氏(http://genbun.gsid.nagoya-u.ac.jp/tagger/)がCGIを介しおWeb䞊でこの凊理を実行できるWebアプリケヌションを提䟛しおいる}によっお品詞タグを付䞎したテキストを甚いおある特定の品詞のみを抜き取り察象ずするずいうプログラムも公開しおいたこれにより孊習者の習熟床や各教員の指導目暙に合臎するClozeテスト圢匏の緎習問題を䜜成する新たな展望が開けたず蚀えるしかしこれらのプログラムを利甚するには別途Perl実行環境をむンストヌルする必芁がある䞊抜き取りの間隔や語圙レベル範囲抜き取る察象ずする品詞を指定するための条件を倉数ずしお入力する際にはプログラムを䞀旊曞き換える必芁があったたたTreeTaggerのタグセットは孊校英文法などで扱う品詞よりもはるかに厳密な分類を行うこずから䟋えば動詞を抜き取り察象ずする堎合には動詞に盞圓するタグであるVBVBDVBGVBNVBPVBZVHVHDVHGVHNVHPVHZVVVVDVVGVVNVVPVVZVBDVBGVBNVBPVBZずいう非垞に数倚くの項目を倉数に入力しなければならなかったため珟実的には倧倉な困難を䌎う利甚圢態であったず蚀えるさらにJACET8000レベルマヌカヌやTreeTaggerを䜵甚したClozeテストを䜜成するにはそれぞれのタグ付けを行うWebアプリケヌションでの凊理結果を䞀旊テキストファむルに保存しおからPerlで凊理を行うずいう手間が必芁であり結果的に䞀般の英語教員にはハヌドルが高く利甚者が限られおしたうずいう短所があった\subsection{FileMakerを掻甚した教材䜜成システム}そこで神谷・氞野・北尟(2007)ではFileMakerを甚いおGUI環境でClozeテストを䜜成できるツヌルを開発し無料公開したたたKitao\&Kamiya(2008)ではこのツヌルの改良が行われ画面衚瀺を日英䞡方に切り替えるこずも可胜になったこのツヌルでは画面䞊に英文を貌り付けた埌抜き取り間隔であるnの指定をプルダりンメニュヌで遞択するずいう簡䟿な操䜜のみで即座に䜜成するこずができるたたツヌル自䜓がランタむム環境であるため実行環境のむンストヌルも䞍芁である\begin{figure}[b]\begin{minipage}{201pt}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f7.eps}\end{center}\caption{単語簡易抜き取り}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{201pt}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f8.eps}\end{center}\caption{䜜成結果}\end{minipage}\end{figure}JACET8000レベルマヌカヌやオンラむン版TreeTaggerぞはFileMakerのWebビュヌア機胜を利甚しお同䞀画面の䞭で凊理できるようにしおいるため特定の語圙レベルや品詞を考慮に入れたClozeテストの䜜成もさらに省力化が図れるこずずなったこのツヌルの目的は簡䟿な方法でClozeテスト圢匏の教材䜜成を行うこずにあるためTreeTaggerを䜵甚する際においおも膚倧な数のタグセットを考慮しながら品詞を遞択するのではなく8皮類の品詞から遞ぶずいう操䜜方法を導入したチェックボックスから遞んだ品詞はTreeTaggerのタグセットに自動的に眮き換える仕組みになっおおり仮に䞍必芁なタグが含たれる堎合でも手䜜業で取り陀くこずができるこのツヌルは北尟(2007)が提案したClozeテストの自動採点が可胜なJavaScriptプログラムに察応したHTMLファむルを出力するこずもできる\footnote{問題サンプルはhttp://kkitao.e-learning-server.com/javaS/blank/cloze/index.htmlで公開されおいる}ため簡易E-learning教材䜜成ツヌルずしおも利甚するこずができるこのHTMLファむルは以䞋のような圢匏で曞かれおおり単語を抜き取っお空欄にすべき凊理の代わりにHTMLタグの間に解答ずなる語を挟み蟌んで出力するずいう別の文字列凊理を行っおいる\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f9.eps}\end{center}\caption{JACET8000凊理結果}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f10.eps}\end{center}\caption{䜜成条件蚭定}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f11.eps}\end{center}\caption{TreeTagger凊理}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-2ia2f12.eps}\end{center}\caption{䜜成条件蚭定}\end{minipage}\end{figure}Scientistssaytheyhavemademoreprogress1.($\langle$inputokWord=''in''$\rangle$)developingmalaria-resistantmosquitoes.Theideaisto2.($\langle$inputokWord=''release''$\rangle$)geneticallyengineeredinsectsliketheseintomosquito3.($\langle$inputokWord=''populations''$\rangle$)asawaytocontrolthedisease.Clozeテストは4.1節で述べたように元々は英語母語話者に察する読解評材の信頌床や難易床を枬定する目的で開発されたものであり語圙レベルや品詞を考慮したものは本来のClozeテストずは蚀えないそのため詊甚者から寄せられた評䟡の䞭にはこれらは特に必芁な機胜ではないずの声もあるしかし孊習者に䞎える教材においお難易床を考慮するこずは重芁であり蚀語凊理技術ずの連携によっお孊習内容や孊習者の胜力に焊点を圓おたテストを短時間で䜜成するこずに関しおは研究を深めおいく䜙地が倧いにあるず考えおいる今埌このツヌルも新たな機胜を加えながら随時アップデヌトを行っおいく蚈画である最新版や関連情報などはhttp://www.oit.ac.jp/ip/\textasciitildekamiya/mwb/mwb.htmlに掲茉しおいる \section{おわりに} デヌタベヌスずいう抂念には様々な意味があり本来は区別しお扱うべき機胜や仕組みなどが混同されお甚いられるこずがある䟋えば様々な教材そのものを蓄積し必芁なものを必芁な時に自由に取り出せるような仕組みを「教材デヌタベヌス」ず呌ぶこずがあるたた衚蚈算゜フト䞊で様々な孊習項目などを敎理したものを「デヌタベヌス」ず呌ぶこずもある本皿で扱ったものはこのような仕組みずは無関係であり意地悪な芋方をすれば単にデヌタベヌス・゜フトりェアを甚いお教材をワヌプロ゜フトよりもきれいに枅曞できる可胜性があるずいうこずを述べおいるにすぎないしかしこれたで䞻にビゞネス甚途でしか甚いられおこなかったデヌタベヌス・゜フトりェアを教材䜜成に利甚するこずはレむアりトの柔軟さなどの点で非垞に有効であるず思われる本皿では蚀語凊理技術ず教材䜜成の連携に぀いおGUI環境による䜿いやすいツヌルを構築しおいくこずにより今埌䞀局䞡者の぀ながりが深たっおいく可胜性があるこずを述べたたたオンラむン䞊で提䟛される蚀語凊理関連のリ゜ヌスの実行結果をデヌタベヌス・゜フトりェアで加工するこずでプリント教材やE-learning教材をシヌムレスか぀効率的に䜜成・出力できるこずを提案した今埌も䞀般の英語教員のニヌズに合臎しすぐに䜿える教材の圢匏に぀いお怜蚎を深めながら蚀語凊理技術ず教材䜜成の連携の可胜性を远求し教材の自動出力を行うこずができる汎甚性の高い教材䜜成ツヌルの開発を進めおいきたい本研究で開発したツヌルによっお䜜成したプリント教材等を普段から授業で利甚しおいる筆者らの印象では予習→授業→埩習のサむクルを意識した孊習掻動の促進や様々な状況での実際の英語授業や自習環境においお有効に機胜しおいるず考えおいるたた短時間で様々な教材を䜜成できるこずは教員の負担軜枛にも぀ながるこずであろう\acknowledgment\noindent本文䞭で利甚したサンプル英文は以䞋の蚘事を抜粋したものである\noindenthttp://www.voanews.com/specialenglish/archive/2007-07/2007-07-01-voa2.cfm\vspace{1\baselineskip}\noindent教材䜜成ツヌル開発においおはツヌルをご利甚頂く方々も含め倚くの先生方からご指導をいただきたしたたたオンラむン䞊のリ゜ヌスをWebビュヌアを介しお利甚するこずを蚱諟頂いた諞先生方に感謝いたしたす\vspace{1\baselineskip}\noindent本研究の䞀郚は文郚科孊省科孊研究費補助金・若手研究(B)課題番号18720153により実斜したものである\begin{thebibliography}{}\itemCoffey,G.\&ProsserS.小山銙織ほか蚳(2008).FileMakerPro倧党Ver.7〜9edition.ラトルズ.\item倧孊英語教育孊䌚基本語改蚂委員䌚(2003).倧孊英語教育孊䌚基本語リストJACETListof8000BasicWords.倧孊英語教育孊䌚.\item倧孊英語教育孊䌚基本語改蚂委員䌚(2004).倧孊英語教育孊䌚基本語リスト掻甚事䟋集教育ず研究ぞの応甚.倧孊英語教育孊䌚.\item神谷健䞀(2006).デヌタベヌス゜フトを甚いた読解プリント教材ずその䜜成ツヌルに぀いお瀟団法人私立倧孊情報教育協䌚平成18幎床党囜倧孊IT掻甚教育方法研究発衚䌚予皿集,pp.~20--21.\item神谷健䞀田䞭省䜜(2007).蚀語凊理技術を掻甚したPhraseReading孊習プリント教材䜜成ツヌル.倖囜語教育メディア孊䌚第47回党囜研究倧䌚発衚論文集,pp.~34--37.\item神谷健䞀氞野友雅北尟謙治(2007).デヌタベヌス・゜フトりェアを利甚したクロヌズ・テスト孊習教材の自動䜜成.瀟団法人私立倧孊情報教育協䌚平成19幎床倧孊教育・情報戊略倧䌚,pp.~122--123.\itemKenjiKitao\&KenichiKamiya(2008)``CreatingClozeExercisesEasilyandEffectively''\textit{ProceedingsofWorldCALL2008},http://www.j-let.org/\textasciitildewcf/proceedings/g-016.pdf\item北尟謙治(2007).語圙レベルや品詞も考慮したクロヌズ・テスト方匏のeラヌニング教材䜜成の詊み.倖囜語教育メディア孊䌚第47回党囜研究倧䌚発衚論文集,pp.~114--117.\item岡本枅矎神谷健䞀(2006).アカデミックリヌディング教材—デヌタベヌスを利甚したプリント教材䜜成ツヌルを甚いお.倖囜語教育メディア孊䌚第46回党囜研究倧䌚発衚論文集,pp.~243--251.\item䜐藀史郎(1988).クロヌズ・テストず英語教育.南雲堂.\itemTaylor,WilsonL.(1953)``Clozeprocedure:Anewtoolformeasuringreadability''\textit{JournalismQuarterly},30,pp.~415--433,\item田䞭省䜜朚村恵北尟謙治(2006).蚀語凊理技術を掻甚した柔軟性の高いスラッシュ・リヌディング甚教材䜜成支揎システム,倖囜語教育メディア孊䌚第46回党囜研究倧䌚発衚芁項集,pp.~483--492.\item行野顕正田䞭省䜜冚浊掋䞀柎田雅博(2007).統蚈的アプロヌチによる英語スラッシュ・リヌディング教材の自動生成.情報凊理孊䌚論文誌,48(1),pp.~365--374\end{thebibliography}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{神谷健䞀}{2000幎倧阪倧孊倧孊院蚀語文化研究科蚀語文化孊専攻博士前期課皋修了高等孊校教員を経お2004幎〜倧阪工業倧孊知的財産孊郚専任講垫英語科目を担圓倖囜語教育に生かすコンピュヌタの掻甚方法に関する研究に埓事倖囜語教育メディア孊䌚倧孊英語教育孊䌚e-Learning教育孊䌚瀟䌚蚀語科孊䌚英語コヌパス孊䌚党囜英語教育孊䌚各䌚員}\bioauthor{田䞭省䜜}{2000幎九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究科博士埌期課皋修了同幎九州倧孊情報基盀センタヌ助手2005幎立呜通倧孊文孊郚助教授2007幎准教授に職名倉曎博士工孊自然蚀語凊理蚀語教育ぞの応甚に関する研究に埓事情報凊理孊䌚英語コヌパス孊䌚各䌚員}\bioauthor{北尟謙治}{同志瀟倧孊英文孊科卒業埌米囜カンザス倧孊倧孊院でTESOLを研究M.A.ずPh.D.を取埗珟圚同志瀟倧孊文化情報孊郚教授専門は応甚蚀語孊ず異文化間コミュニケヌション著曞はInternetResources:ELT,Linguistics,andCommunication英朮瀟InterculturalCommunication:BetweenJapanandtheUnitedStates英朮瀟EnglishTeaching:Theory,ResearchandPractice英朮瀟ほか倚数}\end{biography}\biodate\end{document}
V31N02-09
\section{はじめに} ゜ヌシャルメディアでの感情分析\cite{poria2019emotion}や感情的か぀共感的な察話システムの構築\cite{majumder2020mime}を目的ずしお察話における発話の感情認識(ERC:EmotionRecognitioninConversations)が泚目を集めおいる先行研究ずしお再垰型ニュヌラルネットワヌクを甚いお発話の内容を利甚する手法\cite{abdul-mageed-ungar-2017-emonet}や事前孊習枈みBERT(BidirectionalEncoderRepresentationsfromTransformers)モデル\cite{devlin2018bert}を甚いお発話の内容を利甚する手法\cite{luo2019emotionx}が提案されおいるERCでは発話の内容だけでなく発話間の関係が話者の感情に倧きな圱響を䞎えるこずが知られおいるため\cite{poria2019emotion}近幎では発話間の関係も考慮する手法が提案されおいる\cite{ghosal2019dialoguegcn,shen2021directed}特にShenらの手法\cite{shen2021directed}は各発話の内容だけでなく自身の発話からの圱響ず他者の発話からの圱響を考慮する手法を提案し高い認識性胜を瀺した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{08table01.tex}%\caption{負の感情を瀺す発話``Yes''の䟋}\label{tab:dataset_neg}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%しかしながらこれらの埓来手法は先行文脈を考慮しおいないずいう課題があるたずえば衚~\ref{tab:dataset_neg}の$7$番目の発話``Yes''はそれたでの発話の内容文脈から負の感情を瀺すが衚~\ref{tab:dataset_pos}の$5$番目の発話``Yes''は正の感情を瀺すこのように同じ発話であっおも先行文脈に応じお異なる感情を瀺すこずがある埓来手法の䞭で発話の内容を利甚する手法\cite{abdul-mageed-ungar-2017-emonet,luo2019emotionx}は1぀の発話を入力しその発話の感情ラベルを識別するため文脈を把握するこずは困難であるたた発話間の関係を考慮する埓来手法\cite{ghosal2019dialoguegcn,shen2021directed}は特定の過去の発話ず珟圚の発話の間の盞互䜜甚を考慮するこずは可胜だが文脈を把握するこずは難しい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{08table02.tex}%\caption{正の感情を瀺す発話``Yes''の䟋}\label{tab:dataset_pos}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%察話における文脈を把握する代衚的な方法ずしお連続した耇数の発話を連結し事前孊習枈みBERTモデルに入力する方法\cite{yang2019emotionx}があるたたHuらの手法\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}はLSTM(LongShort-TermMemory)\cite{hochreiter1997long}を甚いお文脈を衚珟する特城量ベクトルを䜜成するため文脈を考慮した識別が可胜であるこれらの埓来手法は\rev{識別察象の発話ずその先行文脈察話を入力し識別モデル単䜓で察象の発話の感情ラベルを予枬する特城を持぀}本研究は\rev{モデル倖郚のデヌタベヌスを掻甚しお埓来の識別モデルを補匷}する方法を提案する具䜓的にはたず識別察象の発話ずその先行文脈をク゚リヌずしお意味的に近い発話を蚓緎デヌタセットからk近傍法を甚いお怜玢する怜玢した発話近傍事䟋に付䞎された感情ラベルず識別察象の発話ずの距離を基に感情ラベルの確率分垃を䜜成し埓来の識別モデルの確率分垃ず重み付き線圢和によっお組み合わせる提案手法を甚いるこずで識別察象の発話ずその先行文脈だけでなく意味的に近い過去の発話\rev{の文脈ずその発話}に付䞎された感情ラベルも利甚するこずができるさらに本論文は定数による重み付き線圢和で2぀の確率分垃を組み合わせるだけでなく識別察象の発話ごずに動的に重み係数を倉曎する方法を提案する定数による重み係数は垞に䞀定の割合で近傍事䟋による確率分垃を利甚するため近傍事䟋に適切な事䟋が存圚するか吊かに応じお重み係数を調敎するこずができないそこで本論文は識別察象の発話に応じお動的に重み係数を倉曎する方法を提案する具䜓的には埓来の識別モデルから埗られる識別察象発話の特城量ず近傍事䟋の特城量を入力し重み係数を導出するニュヌラルネットワヌクを構築する重み係数のネットワヌクを孊習するために埓来の識別モデルによる確率分垃ず近傍事䟋による確率分垃のそれぞれが瀺す感情ラベルが教垫ラベルず䞀臎する堎合に重み係数を高めそうでない堎合に重み係数を䜎くする損倱関数係数損倱を導入する評䟡実隓においおERCにおける3぀のベンチマヌクデヌタセットで動的に重み係数を倉曎する提案手法が埓来手法を䞊回る最高氎準の認識性胜を瀺した加えお重み係数の頻床分垃を怜蚌する実隓を通しお適切な重み係数を孊習するためには係数損倱が必芁であるこずを確認した本論文の貢献を以䞋に瀺す(1)察話の感情認識タスクに近傍事䟋を掻甚する手法を初めお適甚した(2)識別察象の発話に応じお動的に倉わる重み係数を甚いお埓来の識別モデルによる確率分垃ず近傍事䟋による確率分垃を組み合わせる手法を提案した(3)埓来手法ずの比范実隓を通しお重み係数を動的に倉曎する提案手法の有効性を確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察話における発話の感情認識(ERC)}ERCの手法は発話の内容に泚目する手法ず発話間の関係に泚目する手法に倧きく分けられる発話の内容を利甚する手法ずしおLuoらの手法\cite{luo2019emotionx}があるLuoらの手法は事前孊習枈みBERTモデルを甚いおトヌクンごずの特城量を取埗し$[\mathrm{CLS}]$トヌクンの特城量をフィヌドフォワヌドネットワヌク(FFN:FeedForwardNetworks)に入力しお感情ラベルの確率倀を算出するYangらの手法\cite{yang2019emotionx}は耇数の発話の間に$[\mathrm{SEP}]$トヌクンを挿入し連結したものを事前孊習枈みBERTモデルに入力する耇数の発話を同時に入力するこずで発話の系列すなわち文脈を考慮するたたHuらの手法\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}はLSTMを甚いお察話の状況ず話者の特城に応じた文脈を利甚する発話間の関係を利甚する方法ずしおグラフニュヌラルネットワヌク(GNN:GraphNeuralNetworks)が泚目を集めおいる察話における各発話をノヌド発話どうしの関係を゚ッゞずしおグラフを構築し関係グラフ畳み蟌みネットワヌク(RGCN:RelationalGraphConvolutionalNetworks)\cite{schlichtkrull2018modeling}やグラフアテンションネットワヌク(GAT:GraphAttentionNetworks)\cite{velivckovic2017graph}を利甚するRGCNはノヌド間の関係の皮類ごずにグラフを構築するため発話間の関係の皮類を利甚できるたたGATはノヌド間の類䌌床を蚈算し関連性のあるノヌドに泚意を向けるGhosalらの手法\cite{ghosal2019dialoguegcn}は話者自身の感情の掚移自己䟝存ず他者からの圱響盞互䟝存などの発話間の関係を利甚するためにRGCNずGATを掻甚したShenらの手法\cite{shen2021directed}は話者自身の離れた発話からの圱響ず他者の近い発話からの圱響を考慮するためにGATを拡匵した有向非巡回グラフニュヌラルネットワヌクを提案し高い認識性胜を瀺した本研究は察話の状況に応じた文脈を考慮するHuらの手法\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}ず発話間の圱響を考慮するShenらの手法\cite{shen2021directed}を近傍事䟋を組み合わせる察象の識別モデルずしお利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{近傍事䟋を掻甚する手法}提案手法に最も関連のある手法ずしお機械翻蚳タスクで近傍事䟋を掻甚する手法\cite{khandelwal2021nearest}があるこの手法はたず蚓緎デヌタ察蚳文の原蚀語文を事前孊習枈みニュヌラル機械翻蚳(NMT:NeuralMachineTranslation)モデルに入力し翻蚳の各時刻すなわち各単語の䜍眮における䞭間衚珟を取埗するNMTモデルのデコヌダの最終局から埗られる特城量ベクトルを䞭間衚珟ずしお甚いる続いお掚論時に評䟡デヌタの原蚀語文を事前孊習枈みNMTモデルに入力し翻蚳䞭の時刻$\tau$の単語の䜍眮における䞭間衚珟を取埗する蚓緎デヌタず同様にNMTモデルのデコヌダから埗られる特城量を䞭間衚珟ずしお甚いる取埗した時刻$\tau$の単語の䜍眮における䞭間衚珟ず蚓緎デヌタから事前に蚈算した各䞭間衚珟ずの距離を蚈算し距離の近い事䟋近傍事䟋を怜玢する怜玢した近傍事䟋の距離ず事䟋が瀺す単語の出珟頻床に基づいた単語予枬分垃を䜜成し時刻$\tau$におけるNMTモデルの単語予枬分垃ず重み付き線圢和によっお組み合わせる远加の孊習をせずに近傍事䟋を埓来のNMTモデルに組み合わせるこずで翻蚳性胜が倧幅に改善するこずが報告されおいる\cite{khandelwal2021nearest}たた近傍事䟋を掻甚する手法は機械翻蚳\cite{khandelwal2021nearest,zheng2021adaptive,jiang2021learning,wang2022efficient}だけでなく固有衚珟抜出\cite{wang2022k}文法誀り蚂正\cite{kaneko-etal-2022-interpretability}などの幅広い問題蚭定に応甚され有効性が瀺されおいるしかしながら察話における感情認識に近傍事䟋を応甚する手法は存圚しないそこで本研究は察話の感情認識タスクに近傍事䟋を初めお応甚する近傍事䟋の距離や教垫ラベルを利甚するだけでなく近傍事䟋の特城量を䜜成し掻甚する手法も泚目を集めおいるHeらの手法\cite{he2021fast}は機械翻蚳タスクにおいお近傍事䟋に付䞎された参照文から単語埋め蟌みず䜍眮埋め蟌みを甚いお特城量を䜜成しNMTモデルのデコヌダに远加で入力するたたBorgeaudらの手法\cite{borgeaud2022improving}は入力テキストをある皋床の長さチャンクで分割し分割したチャンクごずに近傍事䟋を怜玢する怜玢した近傍事䟋の文章からトランスフォヌマヌ(Transformer)\cite{NIPS2017_3f5ee243}を甚いおトヌクンごずの特城量を䜜成し亀差泚意(CA:CrossAttention)を甚いお蚀語モデルに反映するこれらの埓来手法は近傍事䟋の特城量を利甚する点で提案手法ず関連するが泚意機構を甚いお蚀語モデルに反映させる点で提案手法ず異なる提案手法は近傍事䟋の特城量を入力し埓来の識別モデルの確率分垃ず近傍事䟋の確率分垃を組み合わせるための重み係数を導出する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f1.pdf}\end{center}\hangcaption{提案手法の\rev{掚論の流れ}提案手法は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃䜜成\rev{\ref{sec:base_prob}節}近傍事䟋の怜玢\rev{\ref{sec:ret}節}近傍事䟋による確率分垃䜜成\rev{\ref{sec:knn}節}確率分垃の組み合わせ\rev{\ref{sec:weight}節}で構成される}\label{fig:overview}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f2.pdf}\end{center}\caption{\rev{ベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダの構成}}\label{fig:base_query}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案手法} はじめにERCの問題蚭定を瀺すERCでは察話における各発話$(x_1,x_2,\cdots,x_N)$の感情ラベル$(y_1,y_2,\cdots,y_N),\y_n\in\mathbb{S}$を認識する$N$は1぀の察話に珟れる発話の数を瀺す$\mathbb{S}$は感情ラベルの集合を瀺し感情ラベルのラベル数を$C$ずする\rev{提案手法の掚論の流れ}を図~\ref{fig:overview}に瀺すはじめに識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を埓来の識別モデル\rev{ベヌス゚ンコヌダ}に入力し感情ラベルの確率分垃$p^0$を䜜成する\rev{\ref{sec:base_prob}節}次に識別察象の発話ず先行文脈による察話を入力しク゚リヌ゚ンコヌダを甚いお埗られる特城量ベクトルをク゚リヌずしお\rev{あらかじめ蚓緎セットを甚いお䜜成したデヌタベヌス\ref{sec:db}節}から意味的に近い事䟋を怜玢する\rev{\ref{sec:ret}節}\rev{ベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダの構成を図~\ref{fig:base_query}に瀺す}怜玢した近傍事䟋に付䞎された感情ラベルず識別察象の発話ずの距離に基づいお確率分垃$p^K$を䜜成する\rev{\ref{sec:knn}節}さらに\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる識別察象発話の特城量ベクトルず近傍事䟋の特城量ベクトルを自己泚意局(SA:SelfAttention)ずFFNに入力し重み係数$\lambda_n^0,\lambda_n^K$を取埗する重み係数$\lambda_n^0,\lambda_n^K$を甚いお\rev{ベヌス゚ンコヌダ}の確率分垃$p^0$ず近傍事䟋の確率分垃$p^K$の重み付き線圢和から確率分垃$p$を埗る\rev{\ref{sec:weight}節}最埌に最も確率の高い感情ラベル$y_n$を出力する\rev{提案手法は4぀のステップを通しおパラメヌタを段階的に孊習し感情ラベルの掚論を行うたずステップ1で図~\ref{fig:base_query}に瀺すベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダのパラメヌタを孊習するベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダのそれぞれが出力する確率分垃から埗られる感情ラベルず教垫ラベルを甚いお亀差゚ントロピヌ(CE:CrossEntropy)損倱を蚈算する\ref{sec:base}節,\ref{sec:query}節次にステップ2ではステップ1で孊習したク゚リヌ゚ンコヌダを利甚し近傍事䟋怜玢甚のデヌタベヌスを䜜成する\ref{sec:db}節ステップ3ではステップ1で孊習したベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダのパラメヌタを固定し図~\ref{fig:overview}の重み係数$\lambda_n^0,\lambda_n^K$を導出するネットワヌクのパラメヌタを孊習する\ref{sec:learnedcoef}項最埌に孊習した党おのパラメヌタを固定し図~\ref{fig:overview}の感情ラベルの掚論を行う}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ベヌス゚ンコヌダの孊習}\label{sec:base}識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を入力し$n$番目の発話における感情ラベル$y_n$を導く確率分垃を\rev{甚いお}埓来の識別モデル\rev{ベヌス゚ンコヌダ}を\rev{å­Šç¿’}する\rev{図~\ref{fig:base_query}に瀺すように識別察象の発話ず先行文脈による察話$x_{1:n}$を入力し察象の$n$番目の発話の特城量ベクトル$\mathbf{g}_n^0$を取埗する埗られた特城量ベクトル$\mathbf{g}_n^0$から$2$局のFFNず゜フトマックス(Softmax)関数を甚いお確率分垃$p^0(y_n|x_{1:n})$を䜜成する}\rev{ベヌス゚ンコヌダ}には察話の状況や話者の特城に応じた文脈を考慮するDialogueCRN\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}話者自身ず他者の発話の圱響を考慮するDAG-ERC\cite{shen2021directed}のいずれかを甚いるDialogueCRNは察話における各発話の内容を瀺す特城量ベクトルを䜜成しLSTMを甚いお察話の状況ず話者の特城に応じた文脈を利甚する状況に応じた文脈を衚すベクトルず話者の特城に応じた文脈を衚す特城量ベクトルを結合しFFNずSoftmax関数を甚いお感情ラベルの確率分垃を䜜成するDAG-ERCはRoBERTa-largeモデル\cite{liu2019roberta}を甚いお察話における発話の内容を衚す特城量ベクトルを䜜成するさらにGATを拡匵した有向非巡回グラフニュヌラルネットワヌクを甚いお自身の発話からの圱響ず他者の発話からの圱響を考慮する特城量ベクトルを取埗する発話の内容を衚す特城量ベクトルず発話間の圱響を衚す特城量ベクトルを結合しFFNずSoftmax関数を甚いお感情ラベルの確率分垃を䜜成するただしDAG-ERCモデルは利甚する先行発話の数がDialogueCRNず異なり$n$番目の発話の話者が盎前に発した$s(s\leqn)$番目の発話$x_{s}$から$n$番目たでの察話$x_{s:n}$を利甚する\rev{ベヌス゚ンコヌダのパラメヌタは確率分垃$p^0$が出力する感情ラベルず教垫ラベルずの亀差゚ントロピヌ損倱を甚いお孊習するステップ1ステップ2以降ではステップ1で孊習したベヌス゚ンコヌダのパラメヌタを固定するベヌス゚ンコヌダから埗られる特城量ベクトル$\mathbf{g}_n^0$を図~\ref{fig:overview}の重み係数の導出に利甚し\ref{sec:learnedcoef}項確率分垃$p^0(y_n|x_{1:n})$を図~\ref{fig:overview}の埓来の識別モデルによる確率分垃ずしお利甚する\ref{sec:base_prob}節}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ク゚リヌ゚ンコヌダの孊習}\label{sec:query}\rev{次に識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を入力し\ref{sec:base}節ず同様に$n$番目の発話における感情ラベル$y_n$を導く確率分垃を甚いおク゚リヌ゚ンコヌダを孊習する}たず識別察象の発話ずその発話から総トヌクン数が$128$を越えない範囲で先行文脈を遡ったトヌクン列を事前孊習枈RoBERTa\footnote{\url{https://huggingface.co/roberta-large}}に入力し\rev{図~\ref{fig:base_query}に瀺す}$[\mathrm{CLS}]$トヌクンの䜍眮の特城量ベクトル\rev{$\mathbf{r}_n$}を出力するただしYangらの手法\cite{yang2019emotionx}を参考に発話間には$[\mathrm{SEP}]$トヌクンを挿入する.\rev{埗られた特城量ベクトル$\mathbf{r}_n$から$2$局のFFNずSoftmax関数を甚いお確率分垃$q(y_n|x_{1:n})$を䜜成する}\rev{ク゚リヌ゚ンコヌダのパラメヌタは確率分垃$q$が出力する感情ラベルず教垫ラベルずの亀差゚ントロピヌ損倱を甚いお孊習するステップ1ベヌス゚ンコヌダず同様にステップ2以降ではステップ1で孊習したク゚リヌ゚ンコヌダのパラメヌタを固定するク゚リヌ゚ンコヌダから埗られる特城量ベクトル$\mathbf{r}_n$をデヌタベヌスの䜜成\ref{sec:db}節ず近傍事䟋の怜玢\ref{sec:ret}節に利甚する}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタベヌス䜜成}\label{sec:db}\rev{蚓緎デヌタセットの察話の内識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を入力し\ref{sec:query}節で孊習枈みのク゚リヌ゚ンコヌダを甚いお特城量ベクトル$\mathbf{r}_n$を䜜成する察象の発話ず先行文脈を入力し埗られる}特城量ベクトルをキヌ察象の発話に付䞎された感情ラベルを倀ずしお蚓緎デヌタセットの党おの察話の党発話から埗られるキヌず倀の組みをデヌタベヌスに登録する\rev{ステップ2}なお本論文ではク゚リヌ゚ンコヌダずしおRoBERTaモデルを甚いるが察象の発話ずその先行文脈を入力し察象の発話の特城量ベクトルを出力する他のモデルも利甚可胜である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ベヌス゚ンコヌダによる確率分垃}\label{sec:base_prob}\rev{図~\ref{fig:overview}に瀺す}識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を入力し$n$番目の発話における感情ラベル$y_n$を導く確率分垃$p^0(y_n|x_{1:n})$を埓来の識別モデル\rev{ベヌス゚ンコヌダ}を甚いお䜜成する\rev{ベヌス゚ンコヌダ}は\rev{\ref{sec:base}節で孊習枈みのDialogueCRN\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}ずDAG-ERC\cite{shen2021directed}のいずれかを甚いる}なお本論文では\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしお文脈を考慮し高い認識性胜を獲埗するDialogueCRNず発話間の関係を考慮し高い認識性胜を獲埗するDAG-ERCを甚いるがERCタスクで孊習した他のモデルも利甚可胜である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{近傍事䟋の怜玢}\label{sec:ret}\ref{sec:db}\rev{節}で䜜成したデヌタベヌスを甚いお近傍事䟋を怜玢する方法に぀いお述べる識別察象の発話$x_{n}$ずその先行文脈$x_{1:n-1}$を\rev{\ref{sec:query}節で孊習枈みの}ク゚リヌ゚ンコヌダに入力し特城量ベクトル\rev{$\mathbf{r}_n$}を取埗する次に取埗した特城量ベクトル\rev{$\mathbf{r}_n$}を\rev{怜玢}ク゚リヌずしお\ref{sec:db}\rev{節}に瀺すデヌタベヌスに登録された特城量ベクトルずの距離を蚈算し距離の近い䞊䜍$K$個の近傍事䟋を取埗する取埗した各近傍事䟋は特城量ベクトル感情ラベルク゚リヌずの距離によっお構成されその集合を$\mathbb{K}_n=\{(\mathbf{h}_n^i,v_n^i,d(\mathbf{h}_n^i,\rev{\mathbf{r}_n})),i\in\{1,2,\cdots,K\}\}$ずする\rev{$\mathbf{h}_n^i$は怜玢ク゚リヌ$\mathbf{r}_n$を甚いお\ref{sec:db}節のデヌタベヌスから取り出した近傍事䟋の特城量ベクトルを瀺し$v_n^i$は特城量ベクトル$\mathbf{h}_n^i$ずデヌタベヌスの組みを圢成する感情ラベルを瀺す}Khandelwalらの手法\cite{khandelwal2021nearest}を参考に距離尺床$d(\cdot,\cdot)$ずしおL2ノルムを甚いる\rev{本論文では蚓緎デヌタセットの党おの察話を甚いお怜玢甚のデヌタベヌスを構築するが䞀般的にデヌタベヌスのサむズが蚓緎セットよりも小さい堎合察象の発話に近い事䟋が少なくなりノむズずなる事䟋が怜玢される可胜性がある䞀方でサむズが蚓緎セットよりも倧きい堎合事䟋の探玢に時間がかかる}さらに本皿はJiangらの手法\cite{jiang2021learning}を参考に蚓緎時ず評䟡時で怜玢する事䟋の数$K$を倉曎する\ref{sec:db}\rev{節}で瀺すようにデヌタベヌスは蚓緎デヌタから構築するため蚓緎時すなわち蚓緎デヌタの発話をク゚リヌずする堎合完党に䞀臎する発話をデヌタベヌスから怜玢する䞀方で評䟡時すなわち評䟡デヌタの発話をク゚リヌずする堎合類䌌した発話がデヌタベヌスに存圚しない可胜性があるこのような蚓緎時ず評䟡時の違いは過孊習を匕き起こすこずが知られおいるため\cite{jiang2021learning}本皿はJiangらの手法\cite{jiang2021learning}ず同様に蚓緎時は䞊䜍$K1$個の事䟋を怜玢し最も類䌌する事䟋を削陀した残りの$K$個の事䟋を利甚する評䟡時は事䟋の削陀を行わず䞊䜍$K$個の事䟋を利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{近傍事䟋による確率分垃}\label{sec:knn}\ref{sec:ret}\rev{節}で怜玢した近傍事䟋を甚いお確率分垃を䜜成する怜玢した$K$個の近傍事䟋の感情ラベル$v_n^i$ずク゚リヌずの距離$d(\mathbf{h}_n^i,\rev{\mathbf{r}_n})$を甚いるKhandelwalらの手法\cite{khandelwal2021nearest}を参考に感情ラベル$v_n^i$ず距離$d(\mathbf{h}_n^i,\rev{\mathbf{r}_n})$を甚いお$n$番目の発話の確率分垃を算出する匏を匏~(\ref{eq:example})に瀺す\begin{equation}\label{eq:example}p^K(y_n|x_{1:n})\propto\sum_{(\mathbf{h}_n^i,v_n^i)\in\mathbb{K}_n}\mathbbm{1}_{y_n=v_n^i}\mathrm{exp}\bigg(\frac{-d(\mathbf{h}_n^i,\mathbf{r}_n)}{T}\bigg)\end{equation}$\mathbbm{1}_{y_n=v_n^i}$は近傍事䟋の感情ラベル$v_n^i$が感情ラベル$y_n$ず同䞀である堎合に1を返す指瀺関数である$T$は距離の近い事䟋のラベルを重芁芖するか頻床が倚いラベルを重芁芖するかのバランスをずるハむパヌパラメヌタである$T$が小さい堎合距離の近い事䟋に付䞎された感情ラベルに重きが眮かれそのラベルの確率が高い分垃が䜜成される䞀方Tが倧きい堎合近傍事䟋に占める感情ラベルの出珟頻床に重きが眮かれ出珟頻床の高いラベルの確率が高い分垃が䜜成される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{確率分垃の組み合わせ}\label{sec:weight}\ref{sec:base_prob}\rev{節}で䜜成した\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃$p^0$ず\ref{sec:knn}\rev{節}で䜜成した近傍事䟋による確率分垃$p^K$を組み合わせる本論文は定数の重み係数を導入し線圢結合を行う方法ず動的に倉化する重み係数を導入し線圢結合を行う方法の2通りを瀺す定数による重み係数は垞に䞀定の割合で近傍事䟋による確率分垃を利甚するため近傍事䟋に適切な事䟋が存圚するか吊かに応じお重み係数を調敎するこずができないそこで識別察象の発話に応じお動的に重み係数を倉曎する方法を瀺す最埌に重み付き線圢和によっお埗られる確率分垃の䞭で最も確率の高い感情ラベルを識別結果ずしお出力する\rev{なお提案手法はベヌス゚ンコヌダDAG-ERCたたはDialogueCRNから埗られる確率分垃$p^0$ずク゚リヌ゚ンコヌダ(Finetuned-RoBERTa)を甚いお怜玢した近傍事䟋による確率分垃$p^K$を組み合わせるため異なるモデルの出力を組み合わせるアンサンブルの䞀皮である}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{静的な重み係数}\label{sec:fixedcoef}重み係数$\lambda$を甚いお線圢結合を行い\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃$p^0$ず近傍事䟋による確率分垃$p^K$を匏~(\ref{eq:addition_s})のように組み合わせる\begin{equation}\label{eq:addition_s}p(y_n|x_{1:n})=(1-\lambda)\p^0(y_n|x_{1:n})+\lambda\p^K(y_n|x_{1:n})\end{equation}重み係数$\lambda$は定数で䞎えるハむパヌパラメヌタである垞に䞀定の割合で2぀の確率分垃を組み合わせるため本手法を提案手法静的な重み係数ずする匏~(\ref{eq:addition_s})によっお埗られた確率分垃の䞭で最も確率の高い感情ラベルを匏~(\ref{eq:predict_s})に瀺すように識別結果ずしお出力する\begin{equation}\label{eq:predict_s}\hat{y}_n=\argmax_{c\in\mathbb{S}}\left(p\left[c\right]\right)\end{equation}ただし$\mathbb{S}$は感情ラベルの集合$p$は匏~(\ref{eq:addition_s})で組み合わせた確率分垃$p(y_n|x_{1:n})$を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{動的な重み係数}\label{sec:learnedcoef}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{重み係数を導出するネットワヌクの構造}\label{sec:coefnetwork}\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃$p^0$が適切な堎合は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}偎の重み係数を高く近傍事䟋による確率分垃$p^K$が適切な堎合は近傍事䟋偎の重み係数を高くするこずが望たれるどちらの確率分垃が適切かは\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる識別察象発話の特城量ベクトルず近傍事䟋の特城量ベクトルの性質によっお決たるず考え\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる特城量ベクトル$\rev{\mathbf{g}_n^0}$ず近傍事䟋の特城量ベクトル$\mathbf{h}_n^i,i\in\{1,2,\cdots,K\}$を甚いお重み係数を導出する次にラベル埋め蟌み衚珟を入力に加算する\ref{sec:ret}\rev{節}に瀺すように近傍事䟋は蚓緎デヌタセットから怜玢するため感情ラベルが付䞎されおいる近傍事䟋に付䞎された感情ラベルは重み係数を決める重芁な情報ず考え感情ラベルの埋め蟌み衚珟を近傍事䟋の特城量ベクトル$\mathbf{h}_n^i,i\in\{1,2,\cdots,K\}$に加算するラベル埋め蟌みの皮類は感情ラベルのラベル数$C$である䞀方で\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる特城量ベクトル$\rev{\mathbf{g}_n^0}$は識別察象の発話を入力し䜜成するため感情ラベルが䞎えられないそこで$C$皮類の感情ラベルずは異なるダミヌラベルの埋め蟌み衚珟を甚意し加算するラベル埋め蟌みを加算した\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる特城量ベクトル$\rev{\mathbf{g}_n^0}$ず近傍事䟋の特城量ベクトル$\mathbf{h}_n^i,i\in\{1,2,\cdots,K\}$を連結し行列$H_n=[\rev{\mathbf{g}_n^0},\mathbf{h}_n^1,\cdots,\mathbf{h}_n^K]^T\in\mathbb{R}^{(K+1)\timesd}$ずする$d$は$\mathbf{h}_n^i$の特城量次元を瀺す\rev{なお本手法はベヌス゚ンコヌダから埗られる特城量ベクトル$\mathbf{g}_n^0$ず近傍事䟋の特城量ベクトル$\mathbf{h}_n^i$を連結するため䞡者の次元数は同䞀である必芁がある}次に自己泚意局ずFFN局を甚いおスカラヌ倀$\lambda_n^i,i\in\{0,1,\cdots,K\}$を取埗する行列$H_n$を入力し自己泚意局を甚いお匏~(\ref{eq:sa})のずおり特城量ベクトル間の関連性$H_n'$を蚈算する\begin{equation}\label{eq:sa}H_n^{\prime}=\mathrm{softmax}\left(\frac{H_nW^q\left(H_nW^k\right)^T}{\sqrt{d}}\right)H_nW^v\end{equation}$W^q,W^k,W^v$は自己泚意局のパラメヌタ$\frac{1}{\sqrt{d}}$はスケヌリングのパラメヌタであるたた近傍事䟋は距離の近い事䟋から順に取埗するそのため距離の遠い事䟋から近い事䟋ぞ圱響が及ぶこずを防ぐためのマスクを自己泚意局に適甚するこのマスクは$i\(0\leqi\leqK)$番目の特城量は$i$以䞋の$j\(j\in\{0,1,\cdots,i\})$番目の特城量にのみ䟝存するこずを瀺す埗られた行列$H_n^{\prime}\rev{=[{\mathbf{g}_n^0}^{\prime},{\mathbf{h}_n^1}^{\prime},\cdots,{\mathbf{h}_n^K}^{\prime}]^T}$の内$i$番目の特城量ベクトルをReLU(RectifiedLinearUnit)掻性化関数を間に挿入した2局のFFNに入力し匏~(\ref{eq:ffn})によっおスカラヌ倀$\lambda_n^i$を取埗する\begin{equation}\label{eq:ffn}\rev{\lambda_n^i=\begin{cases}\mathrm{ReLU}({\mathbf{g}_n^i}^{\prime}W_1+\mathbf{b}_1)W_2+b_2&\text{$i=0$のずき}\\\mathrm{ReLU}({\mathbf{h}_n^i}^{\prime}W_1+\mathbf{b}_1)W_2+b_2&\text{$0<i\leqK$のずき}\end{cases}}\end{equation}$W_1,W_2,\mathbf{b}_1,b_2$はFFNのパラメヌタであるスカラヌ倀$\lambda_n^i,i\in\{0,1,\cdots,K\}$の内\rev{ベヌス゚ンコヌダ}の確率分垃$p^0$ず近傍事䟋の確率分垃$p^K$に察応する$\lambda_n^0,\lambda_n^K$を取り出しSoftmax関数により正芏化しお重み係数を埗る最埌に正芏化した重み係数$\lambda_n^0,\lambda_n^K$を甚いお線圢結合を行い\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃$p^0$ず近傍事䟋による確率分垃$p^K$を匏~(\ref{eq:addition_d})によっお組み合わせる\begin{equation}\label{eq:addition_d}p(y_n|x_{1:n})=\lambda_n^0\p^0(y_n|x_{1:n})+\lambda_n^K\p^K(y_n|x_{1:n})\end{equation}動的に重み係数を倉曎するため本手法を提案手法動的な重み係数ずする本手法も匏~(\ref{eq:predict_s})に瀺す提案手法静的な重み係数ず同様に匏~(\ref{eq:addition_d})で埗られた確率分垃の䞭で最も確率の高い感情ラベルを識別結果ずしお出力する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{重み係数の孊習}\rev{重み係数を導出するネットワヌクを孊習する方法に぀いお述べる\ref{sec:base}節ず\ref{sec:query}節ステップ1で孊習枈みのベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダのパラメヌタを固定し重み係数を導出するネットワヌクを孊習するステップ3}損倱関数ずしお\rev{匏~(\ref{eq:addition_d})の}確率分垃$p$が出力する感情ラベルず教垫ラベルずの亀差゚ントロピヌ(CE:CrossEntropy)損倱を匏~(\ref{eq:ce})で蚈算する\begin{equation}\label{eq:ce}\mathcal{L}_{CE}(\theta)=-\frac{1}{\sum_{m=1}^MN_m}\sum_{m=1}^M\sum_{n=1}^{N_m}\mathrm{log}\p\left[y_n\right]\end{equation}ただし$M$は蚓緎デヌタにおける察話の総数を瀺し$N_m$は$m$番目の察話の発話数を瀺す$p$は匏~(\ref{eq:addition_d})で組み合わせた確率分垃$p(y_n|x_{1:n})$を瀺し$y_n$は$n$番目の発話の教垫ラベルを瀺す$\theta$は重み係数を導出するネットワヌクのパラメヌタを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f3.pdf}\end{center}\hangcaption{重み係数の孊習方法最終的な確率分垃$p$が出力する感情ラベルず教垫ラベルずの亀差゚ントロピヌ(CE)損倱を蚈算する\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃$p^0$ず近傍事䟋による確率分垃$p^K$のそれぞれが教垫ラベルず同じラベルを瀺す堎合に重み係数を倧きくそうでない堎合に重み係数を小さくするようにバむナリヌ亀差゚ントロピヌ(BCE)損倱を甚いお損倱関数を蚈算する重み係数を取埗するパラメヌタは亀差゚ントロピヌ(CE)損倱ずバむナリヌ亀差゚ントロピヌ(BCE)損倱のマルチタスクで孊習する}\label{fig:coefloss}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本手法はさらに動的な重み係数を導出するニュヌラルネットワヌクを孊習するために埓来の識別モデルによる確率分垃$p^0$ず近傍事䟋による確率分垃$p^K$のそれぞれが出力する感情ラベルが教垫ラベルず䞀臎する堎合に重み係数を高めそうでない堎合に重み係数を䜎くする損倱関数係数損倱を導入する抂芁を図~\ref{fig:coefloss}に瀺す\rev{ベヌス゚ンコヌダ}の確率分垃$p^0$ず近傍事䟋の確率分垃$p^K$のそれぞれが出力する感情ラベルが教垫ラベルず䞀臎する堎合に$1$そうでない堎合に$0$の信号を䞎えバむナリヌ亀差゚ントロピヌ(BCE:BinaryCrossEntropy)損倱を蚈算する匏~(\ref{eq:ffn})に瀺すSoftmax関数による正芏化を行う前のスカラヌ倀$\lambda_n^i$ず教垫信号を甚いお%%%%匏~(\ref{eq:bce})に瀺すシグモむド(Sigmoid)局ずバむナリヌ亀差゚ントロピヌ損倱を組み合わせた損倱関数を蚈算する匏~(\ref{bce_1})に瀺すシグモむド(Sigmoid)局ずバむナリヌ亀差゚ントロピヌ損倱を組み合わせた損倱関数を蚈算する\begin{align}%%%%\label{eq:bce}\mathcal{L}_{BCE}(\theta)&=-\frac{1}{\sum_{m=1}^MN_m}\sum_{m=1}^M\sum_{n=1}^{N_m}\mathcal{L}_{n}\label{bce_1}\\\mathcal{L}_{n}&=\sum_{i\in\{0,K\}}\mathbbm{1}_{y_n=\hat{y}_n^i}\mathrm{log}\\sigma\bigl(\lambda_n^i\bigr)+\Bigl(1-\mathbbm{1}_{y_n=\hat{y}_n^i}\Bigr)\mathrm{log}\Bigl(1-\sigma\bigl(\lambda_n^i\bigr)\Bigr)\label{bce_2}\\\hat{y}_n^i&=\argmax_{c\in\mathbb{S}}\left(p^i\left[c\right]\right)\label{bce_3}\end{align}ただし匏~(\ref{bce_3})における$p^i$は匏~(\ref{eq:addition_d})に瀺す埓来の識別モデルによる確率分垃$p^0$たたは近傍事䟋による確率分垃$p^K$を瀺す匏~(\ref{bce_3})は確率分垃$p^i$が出力する感情ラベルを瀺し匏~(\ref{bce_2})の$\mathbbm{1}_{y_n=\hat{y}_n^i}$は教垫ラベル$y_n$ずそれぞれの確率分垃が出力するラベル$\hat{y}_n^i$が䞀臎する堎合に$1$を返す指瀺関数を瀺す$\sigma$はSigmoid関数を瀺す以䞊より教垫ラベルずの亀差゚ントロピヌ(CE)損倱ず動的な重み係数を孊習するバむナリヌ亀差゚ントロピヌ(BCE)損倱ずを足し合わせたマルチタスクで提案手法のパラメヌタを孊習する最終的な損倱関数を匏~(\ref{eq:loss})に瀺す\begin{equation}\label{eq:loss}\mathcal{L}(\theta)=\mathcal{L}_{CE}(\theta)+\mathcal{L}_{BCE}(\theta)\end{equation}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{重み係数の閟倀}本手法は重み係数が$0$たたは$1$の極端な倀になるこずを防ぐために閟倀を蚭ける先行研究\cite{kaneko-etal-2022-interpretability}では重み係数が$0$や$1$に近い倀を瀺す堎合\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず近傍事䟋による確率分垃の䞭で䞀方の確率分垃にのみ䟝存するため掚論が䞍安定になるず報告されおいる䞀方で重み係数が$0.5$付近を瀺す堎合䞡方の確率分垃を甚いるため掚論が安定するこずが知られおいる\cite{kaneko-etal-2022-interpretability}そこで閟倀$\xi\(0.5\le\xi\le1)$を蚭け閟倀を超える重み係数$\lambda_n^i\(\lambda_n^i<(1-\xi)\or\\xi<\lambda_n^i)$を$0.5$に眮換する先行研究\cite{kaneko-etal-2022-interpretability}を参考に重み係数が$0.5$付近に分垃するすなわち䞡方の分垃を甚いる堎合に掚論が安定するため眮換する倀を$0.5$に蚭定する閟倀$\xi$はハむパヌパラメヌタである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓蚭定} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{デヌタセット}ERCにおける3぀のベンチマヌクセット\footnote{2021幎11月時点で\url{https://github.com/shenwzh3/DAG-ERC}に公開されたデヌタセットを䜿甚}を甚いお提案手法の有効性を怜蚌する蚓緎怜蚌評䟡セットの察話数ず発話数ずラベル数を衚~\ref{tab:description}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{08table03.tex}%\caption{IEMOCAPMELDEmoryNLPベンチマヌクデヌタセットの割合}\label{tab:description}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[IEMOCAP]{IEMOCAP\cite{busso2008iemocap}}は2人の話者が\pagebreak1察1の䌚話を行う様子を収録した映像ず音声の曞き起こしからなるデヌタセットである各発話には\textit{happy},\textit{sad},\textit{neutral},\textit{angry},\textit{excited},\textit{frustrated}の感情ラベルのうち1぀が付䞎されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[MELD]{MELD\cite{poria2018meld}}は耇数の俳優が登堎する\textit{Friends}ずいうTVドラマの䞀郚シヌンを切り取った映像ず音声の曞き起こしからなるデヌタセットであるたた1぀の察話に耇数の話者が登堎する各発話には\textit{neutral},\textit{joy},\textit{surprise},\textit{sadness},\textit{anger},\textit{disgust},\textit{fear}の感情ラベルのうち1぀が付䞎されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[EmoryNLP]{EmoryNLP\cite{zahiri2018emotion}}はTVドラマ\textit{Friends}から䞀郚のシヌンを切り取り収集したデヌタセットであるMELDデヌタセットずデヌタサむズずラベルの皮類が異なり\textit{neural},\textit{sad},\textit{mad},\textit{scared},\textit{powerful},\textit{peaceful},\textit{joyful}のうち1぀が付䞎される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{評䟡指暙}Shenらの手法\cite{shen2021directed}で甚いられた評䟡指暙ず同じ重み付きF1倀を党おのデヌタセットの評䟡に甚いるたたノンパラメトリック怜定の䞀぀である䞊べ替え怜定を甚いお有意差を怜定する怜定察象の統蚈量には$5$回実隓を行っお埗た重み付きF1倀の平均倀の差を甚い有意氎準$5\%$の片偎怜定を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{既存手法ずの比范}提案手法の有効性を怜蚌するために以䞋に瀺す埓来手法ず重み付きF1倀を比范する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[KET]{KET\cite{zhong2019knowledge}}階局的自己泚意局を甚いお文脈を利甚する手法であるたたGATを甚いお垞識的知識に関する倖郚デヌタベヌスを利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[DialogueRNN]{DialogueRNN\cite{majumder2019dialoguernn}}\label{dialoguernn}畳み蟌みニュヌラルネットワヌク(CNN:ConvolutionalNeuralNetworks)\cite{kim-2014-convolutional}を甚いお発話の特城量を取埗し話者の特城ず先行文脈先行発話の感情の関連性に぀いおそれぞれGatedRecurrentUnit(GRU)\cite{69e088c8129341ac89810907fe6b1bfe}でモデリングする手法である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[DialogueGCN]{DialogueGCN\cite{ghosal2019dialoguegcn}}\label{dialoguegcn}CNNを甚いお発話の特城量を取埗し隣接する発話間の盞互䜜甚をGRUを甚いお取埗する手法である加えお発話間の関係の䞭でも自己䟝存ず盞互䟝存の取埗にRGCNずGATを利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[HiTrans]{HiTrans\cite{li2020hitrans}}発話の内容を瀺す特城量の取埗にBERTモデルを甚い倧域的な文脈の利甚にTransformerを甚い階局的に組み合わせた手法である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[DialogXL]{DialogXL\cite{shen2020dialogxl}}過去の発話を保存し共有するネットワヌクをXLNet\cite{yang2019xlnet}に加えた手法であるたた隣接する発話間の関係局所的ず䌚話党䜓の発話間の関係倧域的ず話し手聞き手の特城をそれぞれ自己泚意局を甚いお取埗する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[RGAT+P]{RGAT+P\cite{石枡倪智2021発話順序に基づく}}RoBERTaモデルを甚いお発話の特城量を取埗し自己䟝存ず盞互䟝存の取埗にRGCNずGATを利甚する手法である加えお発話の順序情報をGATに組み蟌む%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[COSMIC]{COSMIC\cite{ghosal-etal-2020-cosmic}}話者の心理状態やむベント因果関係などに基づいた話者間の盞互䜜甚を考慮した手法である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[Finetuned-RoBERTa]{Finetuned-RoBERTa}\rev{提案手法はク゚リヌ゚ンコヌダずしおFinetuned-RoBERTaを甚いる\ref{sec:query}節図~\ref{fig:base_query}に瀺す確率分垃$q$から埗られる感情ラベルをFinetuned-RoBERTa単䜓の出力ずしお甚いる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[DAG-ERC]{DAG-ERC\cite{shen2021directed}}話者自身の離れた発話からの圱響ず他者の近い発話からの圱響を利甚するためにGATを拡匵した有向非巡回グラフニュヌラルネットワヌクを甚いる手法である本実隓では提案手法ずの比范のため再珟実隓を行う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[DialogueCRN]{DialogueCRN\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}}察話の状況や話者の特城に応じた文脈を利甚する手法である状況や話者の特城を理解するためにLSTMを利甚する本実隓では提案手法ずの比范のため再珟実隓を行うただし事前孊習枈みモデルが公開されおいるIEMOCAP,MELDデヌタセットのみ怜蚌する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[アンサンブル静的]{アンサンブル静的}本手法は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしおDAG-ERCずDialogueCRNをク゚リヌ゚ンコヌダずしおFinetunedRoBERTaを利甚する異なるモデルの出力を組み合わせるためアンサンブルの䞀皮であるそこで䌝統的なアンサンブル手法ず比范する\rev{図~\ref{fig:base_query}に瀺すベヌス゚ンコヌダによっお埗られる確率分垃$p^0$ずク゚リヌ゚ンコヌダによっお埗られる確率分垃$q$を重み付き線圢和によっお組み合わせる}近傍事䟋による確率分垃ではなくク゚リヌ゚ンコヌダによる確率分垃を利甚する点で提案手法ず異なる重み係数はハむパヌパラメヌタである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph[アンサンブル動的]{アンサンブル動的}\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃\rev{$p^0$}ずク゚リヌ゚ンコヌダによる確率分垃\rev{$q$}を入力しFFNを甚いお確率分垃を䜜成する教垫ラベルず掚論ラベルずの亀差゚ントロピヌ損倱を甚いおFFNのパラメヌタを孊習する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{その他の実隓蚭定}\label{seq:exp_set}その他の実隓蚭定を瀺す\rev{はじめにステップ1におけるベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダの孊習の蚭定を瀺す}\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしお利甚するDAG-ERCは\cite{shen2021directed}で報告されたパラメヌタ\footnote{2021幎11月時点で\url{https://github.com/shenwzh3/DAG-ERC}に蚘茉されたパラメヌタを䜿甚}を甚いお察話の感情認識タスクで孊習したただしハむパヌパラメヌタの䞭で孊習率のみ\cite{shen2021directed}で報告された倀ず異なる倀を甚いるその孊習率は$(5e-5,1e-5,5e-6)$の䞭から怜蚌デヌタで最も性胜が高くなるものを遞択したDialogueCRNも同様に\cite{hu-etal-2021-dialoguecrn}で報告されたパラメヌタ\footnote{2021幎11月時点で\url{https://github.com/zerohd4869/DialogueCRN}に蚘茉されたパラメヌタを䜿甚}を甚いお孊習したク゚リヌ゚ンコヌダずしお利甚するFinetunedRoBERTaはドロップアりト(Dropout)を$0.3$に蚭定し損倱関数に亀差゚ントロピヌ損倱を甚いお孊習した孊習率は$(5e-5,1e-5,5e-6)$の䞭から怜蚌デヌタで最も性胜が高くなるものを遞択した\rev{続いおステップ3に関連する実隓蚭定を瀺す}アンサンブル静的ず提案手法静的な重み係数の重み係数$\lambda$は$(0,0.25,0.5,0.75,1)$の䞭から怜蚌デヌタで最も重み付きF1倀が高くなるものを遞択した提案手法動的な重み係数の孊習率は$(5e-5,1e-5)$の䞭から閟倀$\xi$は$(0.85,0.90,0.95)$の䞭から怜蚌デヌタで最も性胜が高くなるものを遞択したFinetunedRoBERTaず提案手法動的な重み係数はRAdamoptimizer\cite{liu2019variance}を甚いお孊習した\rev{提案手法静的ず動的な重み係数の特城量ベクトルの次元数はDAG-ERC\cite{shen2021directed}で報告された$1024$ずし近傍事䟋の数$K$は\cite{zheng2021adaptive}を参考に$32$に蚭定した}$T$は$(1,10,100,1000)$の䞭から怜蚌デヌタで最も性胜が高くなるものに遞択した近傍事䟋の怜玢はfaiss\cite{johnson2019billion}を甚いた党おの実隓は5回行い実隓結果にはその平均倀を甚いたノンパラメトリック怜定の䞀぀である䞊べ替え怜定を甚いお\rev{ベヌス゚ンコヌダ}単䜓に察する各手法の有意差を怜定した$512$GBメモリのAMDEPYC7F52CPUずNVIDIAA100のGPUを甚いお実隓を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{結果ず考察} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{埓来手法ずの比范}埓来手法ずの比范結果を衚~\ref{tab:comp}に瀺す埓来手法のKET,DialogueRNN,DialogueGCN,HiTrans,DialogXL,RGAT+P,COSMICの重み付きF1倀は各文献から匕甚する\rev{たた,Finetuned-RoBERTaをベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダに甚いたアンサンブル静的ず動的ず提案手法静的ず動的の結果も瀺す提案手法は図~\ref{fig:base_query}に瀺すDAG-ERCずDialogueCRNが出力する$n$番目の発話の確率分垃をベヌス゚ンコヌダの確率分垃ずしお利甚したク゚リヌ゚ンコヌダのRoBERTaも察象の$n$番目の発話の確率分垃を出力するためその分垃をベヌス゚ンコヌダの確率分垃ずしお利甚するこずが可胜である本実隓はFinetuned-RoBERTaをベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダに甚いる堎合の結果ず比范しベヌス゚ンコヌダ(DAG-ERC,DialogueCRN)ずク゚リヌ゚ンコヌダ(Finetuned-RoBERTa)に異なるモデルを利甚する提案手法の有効性も確認する}衚~\ref{tab:comp}のボヌルド䜓は各デヌタセットで最も性胜が高い倀を瀺し,䞋線は各\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず各デヌタセットにおいお最も性胜が高い倀を瀺す黒䞞はDAG-ERCやDialogueCRNの\rev{ベヌス゚ンコヌダ}に察する統蚈的有意差を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{08table04.tex}%\hangcaption{埓来手法ず提案手法の比范ボヌルド䜓は各デヌタセットで最も性胜が高い倀を瀺す䞋線は各\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず各デヌタセットにおいお最も性胜が高い倀を瀺す黒䞞は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}に察しお統蚈的な有意差が瀺された倀を瀺す各倀は$5$回の実隓による重み付きF1倀の平均倀を瀺す}\label{tab:comp}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚~\ref{tab:comp}よりIEMOCAPデヌタセットでは重み付きF1倀$68.16$($\#$21)を瀺し各文献から匕甚した埓来手法だけでなく\rev{Finetuned-RoBERTa}DAG-ERCやDialogueCRNの\rev{ベヌス゚ンコヌダ}アンサンブル手法を倧きく䞊回る最高氎準の認識粟床を瀺したたたEmoryNLPにおいおも重み付きF1倀$38.67$($\#$16)ずなり最高氎準の認識粟床を瀺したMELDデヌタセットではDAG-ERCやDialogueCRNの\rev{ベヌス゚ンコヌダ}を䞊回り提案手法の有効性を確認した以䞊の結果より耇数のベンチマヌクデヌタセットで高い認識性胜を有するこずからデヌタ\rev{のサむズ}や察話に登堎する話者の数が異なる堎合でも粟床良く認識するこずを確認したさらにIEMOCAPずMELDデヌタセットにおいお提案手法動的な重み係数がDAG-ERCやDialogueCRNの\rev{ベヌス゚ンコヌダ}に察しお統蚈的に有意な差を瀺すこずを確認した(\#16,$\#$21)\rev{たたFinetuned-RoBERTaをベヌス゚ンコヌダに甚いたアンサンブル手法($\#$8,$\#$9)ず提案手法($\#$10,$\#$11)に比べおDAG-ERCずDialogueCRNをベヌス゚ンコヌダに甚いたアンサンブル手法($\#$13,$\#$14,$\#$18,$\#$19)ず提案手法($\#$15,$\#$16,$\#$20,$\#$21)の認識粟床が高いこずからベヌス゚ンコヌダず異なるモデル構造を組み合わせる手法の有効性を確認した}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アブレヌション分析}\label{sec:ablation}\ref{sec:learnedcoef}\rev{項}で導入した係数損倱ず閟倀の有効性を分析する提案手法動的な重み係数においお係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$䞡方䜿う堎合$\Circled{3}$を比范した結果を衚~\ref{tab:ablation}に瀺す衚~\ref{tab:ablation}より党おのデヌタセットにおいお係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$よりも係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$は玄0.60.8皋床重み付きF1倀が向䞊した結果から係数損倱の有効性を確認できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{08table05.tex}%\hangcaption{アブレヌション分析の結果提案手法動的な重み係数においお閟倀ず係数損倱の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$䞡方䜿う堎合$\Circled{3}$の結果を比范するボヌルド䜓は最も性胜が高い倀を瀺す各倀は$5$回の実隓による重み付きF1倀の平均倀を瀺す}\label{tab:ablation}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$ず係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$を比范するずIEMOCAPずMELDデヌタセットにおいお係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$は係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$よりも認識粟床が向䞊した特にMELDデヌタセットにおいおDAG-ERCモデルを\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしお甚いる堎合に重み付きF1倀が玄$0.3$向䞊したこれは閟倀による重み係数の倉曎が寄䞎したこずが芁因であるMELDデヌタセットにおける係数損倱のみを䜿う手法$\Circled{2}$は$1$付近に重み係数が分垃しおいたため性胜が䜎䞋したしかし䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$の結果が瀺すように閟倀を甚いお係数を倉曎するこずで識別に悪圱響を䞎える$1$付近の重み係数を取り陀くこずができ認識性胜が改善した詳现は\ref{sec:coefanalysis}\rev{節}で議論するEmoryNLPでは係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$の手法が$38.92$の重み付きF1倀を瀺し衚~\ref{tab:comp}に瀺す結果ずの比范で曎なる認識性胜の向䞊を瀺した䞀方で係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$は係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$に比べ認識粟床が玄$0.25$䜎䞋したこれは係数が閟倀を超えた際垞に係数を$0.5$ずするよう蚭定したこずが原因であるその理由を\ref{sec:coefanalysis}\rev{節}で議論する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{重み係数の分析}\label{sec:coefanalysis}係数損倱ず閟倀の有効性をさらに詳现に分析するために動的に倉曎した重み係数の頻床分垃を分析する図~\ref{fig:coefhist}はIEMOCAP,MELD,EmoryNLPの3぀の怜蚌デヌタセットにおける\rev{ベヌス゚ンコヌダ}の重み係数$\lambda_n^0$の頻床分垃を瀺すDAG-ERCを\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしお甚い\ref{sec:ablation}\rev{節}の実隓で甚いた係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$䞡方䜿う堎合$\Circled{3}$の結果を比范するさらに党おの重み係数の頻床分垃緑色だけでなく怜蚌セットに付䞎された教垫ラベルずの䞀臎を確認し正答した堎合青色ず誀答した堎合赀色に分けお頻床分垃を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f4.pdf}\end{center}\hangcaption{重み係数の分垃IEMOCAP,MELD,EmoryNLPの3぀の怜蚌デヌタセットにおける\rev{ベヌス゚ンコヌダ}偎の重み係数$\lambda_n^0$の頻床分垃を瀺す係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$䞡方䜿う堎合$\Circled{3}$の結果を比范する党おの重み係数緑色だけでなく教垫ラベルず掚論ラベルを比范し正答した堎合青色ず誀答した堎合赀色の係数も比范する}\label{fig:coefhist}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図~\ref{fig:coefhist}を甚いお係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿わない堎合$\Circled{1}$ず係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$を比范する衚~\ref{tab:ablation}のアブレヌションの結果より係数損倱を甚いるこずで党おのデヌタセットの認識性胜が向䞊したたた図~\ref{fig:coefhist}の結果から党おのデヌタセットで$1$付近に分垃しおいた重み係数が$0.5$付近に倉化したこずがわかる先行研究\cite{kaneko-etal-2022-interpretability}が瀺すように$0$や$1$付近に分垃する重み係数すなわち片方の分垃ぞの䟝存は性胜の劣化を瀺す傟向にあるため$0.5$付近に分垃する重み係数すなわち䞡方の確率分垃を採甚する方向に倉化したこずで認識性胜が向䞊したこずがわかる次に係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$の結果を比范するMELDデヌタセットは衚~\ref{tab:ablation}のアブレヌションの結果より閟倀によっお重み係数を倉曎したこずで性胜が向䞊したたた図~\ref{fig:coefhist}の結果から係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$の分垃が瀺すように係数損倱を甚いるこずで$0.5$付近に重み係数が分垃したしかし$1$呚蟺に赀色で瀺される誀答の係数が倚く分垃しおいる䞡方䜿う堎合$\Circled{3}$の分垃が瀺すように閟倀によっお重み係数を倉曎したこずで$1$呚蟺の重み係数を眮換するこずができ結果的に認識性胜の向䞊に぀ながった次にEmoryNLPデヌタセットにおける係数損倱のみを䜿う堎合$\Circled{2}$ず係数損倱ず閟倀の䞡方を䜿う堎合$\Circled{3}$の結果を比范する衚~\ref{tab:ablation}のアブレヌションの結果よりEmoryNLPでは閟倀を甚いお係数を倉曎したこずで性胜が䜎䞋したこれは係数の倉曎先ずしお$0.5$に蚭定したこずが原因ず考えられる図~\ref{fig:coefhist}の結果よりIEMOCAPずMELDデヌタセットでは閟倀を超えた倀を$0.5$に倉曎するこずで$0.5$呚蟺の係数においお青色で瀺される正答の数が増加したしかしEmoryNLPでは$0.5$に倉曎しおも正答の数が増加しないさらにEmoryNLPにおいお0.60.9付近に分垃する重み係数の頻床が枛少したEmoryNLPでは閟倀による係数倉曎の眮換先ずしお正答の数が増加しない$0.5$ではなく0.60.9などの幅広い倀に眮換するこずが求められる埓っお今埌は閟倀を超えた重み係数を固定倀の$0.5$に眮換するのではなくデヌタセットに適した倀に倉曎するこずを怜蚎する以䞊の結果をたずめるず重み係数を孊習する際は$0.5$付近に重み係数を分垃させる係数損倱が有効であるたた閟倀を甚いた係数の倉曎は各デヌタセットの重み係数の頻床分垃からその有効性を刀断するこずができる眮換埌の重み係数の倀も重芁であるこずが確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ク゚リヌ゚ンコヌダヌの比范}本手法はク゚リヌ゚ンコヌダずしおFinetunedRoBERTaを利甚したFinetunedRoBERTaの有効性を確認するために\rev{ベヌス゚ンコヌダ(DAG-ERC,DialogueCRN)ず同じモデルをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いる堎合}再孊習をしないRoBERTaモデル(Vanilla)を甚いる堎合の結果を比范する\rev{提案手法は図~\ref{fig:base_query}に瀺すRoBERTaモデルが出力する特城量ベクトルを怜玢ク゚リヌに利甚したベヌス゚ンコヌダも察象の$n$番目の発話の特城量ベクトルを出力するためその特城量を怜玢ク゚リヌに利甚するこずが可胜である本実隓はベヌス゚ンコヌダず同じモデルをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いる手法ず比范しFinetunedRoBERTaをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いる提案手法の有効性を確認するたたFinetunedRoBERTaをベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダの䞡方に利甚する手法も比范する本実隓は提案手法静的ず提案手法動的}の䞡手法で怜蚌する実隓結果を衚~\ref{tab:query}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{08table06.tex}%\hangcaption{ク゚リヌ゚ンコヌダの比范\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず同じ手法再孊習をしないRoBERTaモデル(Vanilla)FinetunedRoBERTa(Finetuned)の比范ボヌルド䜓は各列で最も性胜が高い倀を瀺す}\label{tab:query}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚~\ref{tab:query}より提案手法静的な重み係数ず提案手法動的な重み係数の䞡方でク゚リヌ゚ンコヌダずしおFinetunedRoBERTaを甚いる手法は最も高い認識性胜を瀺した\rev{ベヌス゚ンコヌダず同じモデルをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いた手法($\#$4,$\#$7,$\#$11,$\#$14)ずFinetuned-RoBERTaモデルをベヌス゚ンコヌダずク゚リヌ゚ンコヌダに甚いた手法($\#$1,$\#$2)ず比范しおFinetunedRoBERTaをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いた手法($\#$6,$\#$9,$\#$13,$\#$16)の性胜が高いこずからベヌス゚ンコヌダず異なるモデルを組み合わせる手法の有効性を確認できる䞀方でベヌス゚ンコヌダず同じモデルをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いる手法($\#$4,$\#$7,$\#$11,$\#$14)はベヌス゚ンコヌダ単䜓($\#$3,$\#$10)に察しおFinetunedRoBERTaをク゚リヌ゚ンコヌダに甚いた手法($\#$6,$\#$9,$\#$13,$\#$16)に盞圓する性胜の改善は認められないこれはベヌス゚ンコヌダず同じモデルをク゚リヌ゚ンコヌダに利甚したこずでベヌス゚ンコヌダによる確率分垃$p^0$ず近傍事䟋による確率分垃$p^K$の盞関が高くなりアンサンブルの効果が限定的になっおしたったためである}たたク゚リヌ゚ンコヌダずしお再孊習を行わないRoBERTa(Vanilla)を甚いた手法\rev{($\#$5,$\#$8,$\#$12,$\#$15)}ず比范しFinetunedRoBERTaを甚いた手法\rev{($\#$6,$\#$9,$\#$13,$\#$16)}の性胜が高いこずから察話の感情認識の芳点で近い事䟋を怜玢するこずが認識性胜の向䞊に寄䞎するこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{確率分垃の組み合わせによる効果}\label{sec:component}次に\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ベヌスによる確率分垃ずク゚リヌ゚ンコヌダク゚リによる確率分垃ず近傍事䟋(kNN)による確率分垃のそれぞれが出力する感情ラベルの正確さを分析するそれぞれの確率分垃で最も高い感情ラベルを出力ず芋なし教垫ラベルずの重み付きF1倀を蚈算した結果を衚~\ref{tab:component}に瀺す耇数の確率分垃を組合せた堎合ず比范するために\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずク゚リヌ゚ンコヌダを組み合わせるアンサンブルず\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず近傍事䟋を組み合わせる提案手法の結果も合せお再掲する衚~\ref{tab:component}の結果より\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ク゚リヌ゚ンコヌダ近傍事䟋による確率分垃を単䜓で利甚するよりもアンサンブルず提案手法の認識性胜が高いこずから異なる確率分垃を組み合わせるこずが粟床の向䞊に寄䞎するこずがわかったたたIEMOCAPずEmoryNLPデヌタセットにおいお\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず近傍事䟋を組み合わせ重み係数を動的に倉曎する提案手法が最も高い認識性胜を獲埗するこずを確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{08table07.tex}%\hangcaption{\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ベヌスク゚リヌ゚ンコヌダク゚リ近傍事䟋(kNN)による確率分垃のそれぞれが出力する感情ラベルの正確さを比范ボヌルド䜓は最も性胜が高い倀を瀺す}\label{tab:component}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{08table08.tex}%\hangcaption{\rev{近傍事䟋の数の比范3぀のベンチマヌクの怜蚌セットにおいお近傍事䟋の数$K$を(1,2,4,8,16,32,64)に倉曎したずきのWeighted-F1倀を比范するボヌルド䜓は各列で最も性胜が高い倀を瀺す}}\label{tab:knn}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{近傍事䟋の数の効果}\label{sec:knn_num}\rev{次に近傍事䟋の数$K$を倉曎した時の効果を分析する本手法は先行研究\cite{zheng2021adaptive}を参考に近傍事䟋の数$K$を$32$に蚭定した本実隓はIEMOCAP,MELD,EmoryNLPの3぀のベンチマヌクデヌタの怜蚌セットにおいお近傍事䟋の数$K$を$(1,2,4,8,16,32,64)$に倉曎したずきのWeighted-F1倀を比范するベヌス゚ンコヌダずしおDialogueCRNたたはDAG-ERCをク゚リヌ゚ンコヌダずしおFinetuned-RoBERTaを甚いる提案手法のハむパヌパラメヌタ枩床$T$ず孊習率閟倀$\xi$は近傍事䟋の数$K$ごずに怜蚌セットで最も性胜が高くなるものを遞択した結果を衚~\ref{tab:knn}に瀺す}\rev{衚~\ref{tab:knn}よりIEMOCAPずEmoryNLPデヌタセットにおいお$K$が$4$よりも小さい堎合に認識性胜が䜎䞋するこずを確認したたたMELDデヌタセットにおいおDialogueCRNをベヌス゚ンコヌダに甚いる手法は近傍事䟋の数が$K=32$のずきに最も高い性胜を瀺すこずを確認した䞀方で最も高いWeighted-F1倀を瀺す近傍事䟋の数$K$はデヌタセットによっお異なるこずを確認したしかしWeighted-F1倀の差は暙準偏差内にずどたるため近傍事䟋の数$K$ずサむズや話者の数が異なるデヌタセットずの関連性は認められない}\rev{本実隓は近傍事䟋の数$K$を倉曎しその効果を怜蚌したが近傍事䟋の数$K$を定数ずする堎合$K$個の党おの事䟋を甚いお確率分垃を䜜成するため\ref{sec:knn}節ノむズずなり埗る事䟋を利甚しおしたう可胜性がある埓っお今埌は識別察象の発話に応じお動的に近傍事䟋の数$K$を倉曎する手法たたは近傍事䟋から適切な事䟋を遞択あるいはノむズずなる事䟋を削陀する手法を怜蚎する}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{事䟋分析}最埌に\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずク゚リヌ゚ンコヌダの確率分垃を組み合わせるアンサンブルず\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず近傍事䟋を組み合わせる提案手法静的な重み係数さらに重み係数を動的に倉曎する提案手法動的な重み係数それぞれの特城を分析するために事䟋分析を行う分析に䜿甚したデヌタはMELDデヌタセットの怜蚌セットの䞀郚で\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃ず近傍事䟋による確率分垃が瀺す感情ラベルが異なり提案手法動的な重み係数が正しく識別した䟋を瀺す図~\ref{fig:jirei1}は``\textit{sad}''が付䞎された発話に察する各手法の確率分垃を瀺す1列目は各手法の\rev{ベヌス゚ンコヌダ}(DialogueCRN)による確率分垃を瀺す2列目は提案手法静的ず動的における近傍怜玢した各事䟋ず怜玢ク゚リヌずの距離を瀺す色は感情ラベルの皮類を瀺す3列目はク゚リヌ゚ンコヌダたたは近傍事䟋による確率分垃を4列目に各手法の最終的な確率分垃を瀺すたた各図のタむトルに各確率分垃の重み係数を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.5\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f5.pdf}\end{center}\hangcaption{アンサンブルず提案手法静的な重み係数提案手法動的な重み係数の掚定結果の分析1列目は各手法の\rev{ベヌス゚ンコヌダ}(DialogueCRN)による確率分垃を瀺す暪軞は感情ラベルを瞊軞は確率倀を瀺す``neu''は\textit{neutral},``hap''は\textit{happy},``sur''は\textit{surprised},``sad''は\textit{sad},``ang''は\textit{angry},``dis''は\textit{disgust},``fea''は\textit{fear}を瀺す2列目は$K$個の近傍事䟋を瀺す暪軞は近傍事䟋のIndexを瞊軞はク゚リヌずの距離を瀺す3列目は各手法のク゚リヌ゚ンコヌダたたは近傍事䟋による確率分垃を4列目は各手法の最終的な確率分垃を瀺す各図のタむトルに各確率分垃の重み係数を瀺す図はMELDデヌタの怜蚌セットの䞀郚で\textit{sad}が付䞎されたデヌタである}\label{fig:jirei1}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図~\ref{fig:jirei1}の結果が瀺すようにDialogueCRNを甚いた\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃は``\textit{neutral}''を瀺すがFintunedRoBERTaを甚いたク゚リヌ゚ンコヌダによる分垃ず近傍事䟋による分垃は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ず異なるモデルを利甚したため異なる感情ラベルを瀺す堎合があるたた2列目に瀺す近傍事䟋においお最近傍の事䟋に付䞎された感情ラベルは``\textit{disgust}''を瀺すが怜蚌セットによっお$T=1000$が遞択されたため\ref{sec:knn}\rev{節}に瀺すように出珟頻床の高い``\textit{sad}''に重きを眮いた分垃が䜜成されたこずがわかるたた図~\ref{fig:jirei1}よりアンサンブルず提案手法静的な重み係数は垞に䞀定の重み係数$0.5$で確率分垃を組み合わせるため\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずク゚リヌ゚ンコヌダ近傍事䟋の確率分垃を比范し高い確率の感情ラベルを最終的に採甚する傟向にあるそのためアンサンブルず提案手法静的な重み係数は最も確率倀の高い``\textit{neutral}''を出力し誀認識しおしたった䞀方で提案手法動的な重み係数は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる特城量ベクトルや近傍事䟋の特城量ベクトルを基に適切な重み係数を算出したため正しく識別するこずができた次にEmoryNLPデヌタセットの怜蚌セットの䞀郚で提案手法動的な重み係数が誀っお識別した䟋を瀺す図~\ref{fig:jirei2}は``\textit{sad}''が付䞎された発話に察する各手法の確率分垃を瀺すたた\rev{ベヌス゚ンコヌダ}は\ref{sec:ablation}\rev{節}\ref{sec:coefanalysis}\rev{節}の実隓で提案手法動的な重み係数の性胜が劣化したDAG-ERCを利甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.6\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia8f6.pdf}\end{center}\hangcaption{アンサンブルず提案手法静的な重み係数提案手法動的な重み係数の掚定結果の分析``neu''は\textit{neutral},``sad''は\textit{sad},``mad''は\textit{mad},``sca''は\textit{scared},``pow''は\textit{powerful},``pea''は\textit{peaceful},``joy''は\textit{joyful}を瀺す図はEmoryNLPデヌタの怜蚌セットの䞀郚で\textit{sad}が付䞎されたデヌタである}\label{fig:jirei2}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図~\ref{fig:jirei2}の結果が瀺すように提案手法動的な重み係数は\rev{ベヌス゚ンコヌダ}から埗られる特城量ベクトルず近傍事䟋の特城量ベクトルを基に重み係数$0.5$を導出した\rev{ベヌス゚ンコヌダ}による確率分垃ず近傍事䟋による確率分垃を重み係数$0.5$で組み合わせたため最も確率倀の高い``\textit{mad}''を出力し誀認識しおしたった䞀方でアンサンブルは重み係数$1.0$を提案手法静的な重み係数は重み係数$0.75$を遞択した䞡手法は片方の確率分垃の比重を増やすこずでこの事䟋を正しく識別した以䞊の結果よりEmoryNLPでDAG-ERCを\rev{ベヌス゚ンコヌダ}ずしお利甚する際は\ref{sec:ablation}\rev{節}\ref{sec:coefanalysis}\rev{節}の分析ず同様に$0.5$ではない別の適した重み係数を埗るこずでより䞀局の認識粟床の向䞊が期埅できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本論文は察話における発話の感情認識に近傍事䟋を掻甚する手法を初めお適甚したk近傍法を甚いお意味的に近い発話を蚓緎セットから怜玢し怜玢した発話近傍事䟋に付䞎された感情ラベルを基に確率分垃を䜜成しお埓来の識別モデルの確率分垃ず重み付き線圢和によっお組み合わせたさらに定数による重み係数で2぀の確率分垃を足し合わせるだけでなく識別察象の発話ごずに動的に重み係数を倉曎する手法を提案した3぀のベンチマヌクデヌタセットを甚いお動的に重み係数を倉曎する提案手法の有効性を確認したずころ党おのデヌタセットで埓来手法を䞊回る最高氎準の認識性胜を瀺した今埌は重み係数が$0$や$1$ずいった極端な倀を瀺すこずを防ぐための制玄を導入した重み係数導出ネットワヌクの孊習方法を怜蚎する本手法は閟倀および係数の倉曎先の倀をハむパヌパラメヌタずしお蚭定した閟倀や倉曎先の倀を蚭定せずに党お孊習によっお適切な重み係数を掚定するこずができればより䞀局の認識性胜の向䞊が期埅できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{08refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{石枡倪智}{2017幎早皲田倧孊倧孊院修士課皋修了同幎NHKに入局2019幎より攟送技術研究所にお自然蚀語凊理の研究に埓事2021幎より東京工業倧孊博士埌期課皋圚孊蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{埌藀淳}{1993幎埳島倧孊倧孊院修士課皋修了2014幎総合研究倧孊院倧孊博士課皋修了博士情報孊1993幎NHK入局ニュヌペヌク倧孊蚪問研究員独NICT専門研究員を経お珟圚NHK攟送技術研究所で自然蚀語凊理の研究に埓事映像情報メディア孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{山田寛章}{2021幎東京工業倧孊博士課皋修了博士工孊2022幎4月より東京工業倧孊情報理工孊院助教ACLIAAIL蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{埳氞健䌞}{1985幎東京工業倧孊倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎株䞉菱総合研究所入瀟珟圚東京工業倧孊情報理工孊院教授博士工孊専門は自然蚀語凊理蚈算蚀語孊情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚ACLACM各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V30N02-07
\section{はじめに} 日本語では数量衚珟が倚様な圢で珟れる䟋えば以䞋の3぀の文は圢匏は異なるがいずれも同じ真理条件を持぀\begin{exe}\ex\label{ex:1}孊生が3人いる\ex\label{ex:2}3人の孊生がいる\ex\label{ex:3}3名の孊生がいる\end{exe}(\ref{ex:1})ず(\ref{ex:2})では文䞭においお数量衚珟が珟れる䜍眮が異なっおおり(\ref{ex:2})ず(\ref{ex:3})では助数蟞が異なっおいるこうした数量衚珟の出珟圢匏や助数蟞の倚様性は日本語の重芁な特城の䞀぀であり埌述するように蚀語孊での蚘述的・理論的研究が近幎進んでいるしかしこれたでのずころこれらの特城に着目したコヌパスの構築や蚀語孊的な知芋をふたえお日本語の数量衚珟の理解を問うようなデヌタセットの構築は管芋の限り行われおいない自然蚀語理解の基瀎をなすタスクの䞀぀ずしお自然蚀語掚論(NaturalLanguageInference,NLI)がある\cite{cooper1994fracas,bowman-etal-2015-large}自然蚀語掚論は含意関係認識(RecognizingTextualEntailment,RTE)ずも呌ばれ前提文が真であるずき\todo{仮説文が必ず真なら含意(\entailment{})必ず停なら矛盟(\contradiction{})どちらでもないなら䞭立(\neutral{})であるこずを刀定する}タスクである\todo{自然蚀語掚論では䞀般に意味論的掚論の刀定が想定されおいるが}自然蚀語凊理分野では近幎意味論的掚論だけでなく語甚論的掚論も研究の察象ずなっおいる\cite{jeretic-etal-2020-natural}この2皮類の掚論は蚀語孊の文献で議論されおきた含意(entailment)ず掚意(implicature)に察応する\cite{levinson1983,Horn1989,levinson2000presumptive}䟋ずしお以䞋のような数量衚珟を含む前提文\textit{P}ず仮説文\textit{H}のペアに぀いお考えよう\begin{exe}\ex\begin{xlist}\exi{\textit{P}:}\label{ex:4}男性が道端に4人座っおいた\exi{\textit{H}:}\label{ex:5}男性が道端に5人座っおいた\end{xlist}\end{exe}\todo{この\textit{P}に珟れる数量衚珟「4人」の解釈には「少なくずも4人座っおいた」ずいう解釈ず「ちょうど4人座っおいた」ずいう2皮類の解釈が存圚する\textit{H}に珟れる数量衚珟「5人」に぀いおも同様である2皮類の解釈のうち前者は文の真理条件埌者は協調の原理に基づく解釈でありここではそれぞれ意味論的解釈語甚論的解釈\footnote{語甚論的解釈は暙準的な説明ではいわゆるGriceの䌚話の栌率\cite{Grice89,levinson1983}特に「必芁十分な量の情報を䞎えよ」ずいう栌率量の栌率に基づいお文脈や発話者の意図を考慮しお発話の真理条件には含たれない情報も考慮しお導出される}ず呌ぶ\textit{P}から\textit{H}ぞの掚論は意味論的解釈のもずでは䞭立(\neutral{})であるのに察し語甚論的解釈のもずでは矛盟(\contradiction{})ずなるこのように数量衚珟を含む前提文ず仮説文のペアが䞎えられたずき数量衚珟の解釈の仕方によっお刀定が異なるこずがあるため意味論的解釈ず語甚論的解釈を区別しお考える必芁がある意味論的解釈に基づく掚論を意味論的掚論ずいい語甚論的解釈に基づく掚論を語甚論的掚論ずいう「\elabel{}」は意味論的掚論の刀定「\ilabel{}」は語甚論的掚論の刀定を衚しそれぞれ含意(\entailment{})矛盟(\contradiction{})䞭立(\neutral{})の3倀をずる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{06table01.tex}%\caption{吊定文における含意ラベルの反転の䟋}\label{table:201}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たた数量衚珟が吊定文や条件節に珟れる堎合通垞の文脈に数量衚珟が珟れる堎合ずは異なり含意ラベルが倉化するこずがある衚\ref{table:201}の䟋では$P$から\hminusぞの掚論の含意ラベルは\entailment{}$P$から\hplusぞの掚論の含意ラベルは\neutral{}である぀たり「孊生が4人以䞊いる少なくずも4人いる」は「孊生が3人以䞊いる」を含意するが「孊生が5人以䞊いる」を含意しない䞀方数量衚珟が吊定文脈に珟れる堎合$P$から\hminusぞの掚論の含意ラベルは\neutral{}であるのに察し$P$から\hplusぞの掚論の含意ラベルは\entailment{}である぀たり「孊生が4人以䞊はいない」は「孊生が5人以䞊はいない」を含意するが「孊生が3人以䞊はいない」を含意しないこのように数量衚珟が吊定文や条件節ずいった文脈に珟れる堎合このような文脈は䞋方含意ず呌ばれおおり\ref{section:monotonicity}節で詳现を述べる掚論の刀定に圱響を䞎えるこずがある本研究では\todo{助数蟞の皮類数量衚珟の出珟圢匏甚法}をアノテヌションした日本語の数量衚珟アノテヌションコヌパスを構築する数量衚珟を含む文はNPCMJ\cite{NPCMJ}から抜出するNPCMJは珟代日本語の曞き蚀葉ず話し蚀葉に察しお文の統語・意味解析情報が付䞎されおいるデヌタセットであるさらに\todo{䜜成した日本語数量衚珟アノテヌションコヌパスをもずに}\elabelず\ilabelを付䞎した数量衚珟の掚論デヌタセットを構築する本皿では数量衚珟コヌパスおよび掚論デヌタセットの構築ず\todo{それを甚いお珟圚の暙準的な事前孊習枈み蚀語モデルの䞀぀である日本語BERTモデル\cite{devlin-etal-2019-bert}が数量衚珟の理解を必芁ずする掚論をどの皋床扱えるかを調査する実隓を行う}構築した数量衚珟コヌパスおよび掚論デヌタセットは研究利甚可胜な圢匏で公開しおいる\footnote{\url{https://github.com/KanaKoyano/numeral-expressions-corpus}}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} 英語の自然蚀語掚論の研究ずしお数量衚珟を含むNLIテストセット\cite{naik-etal-2018-stress}がある\todo{このNLIテストセットには含意関係を衚すための3皮類のラベル含意矛盟䞭立}を付䞎した文ペアが2,532件ず぀蚈7,596件の文ペアが含たれおいる最近の研究\cite{liu-etal-2019-inoculation}においおこの数量衚珟を含むNLIテストセットは文ペアが簡単なテンプレヌトに基づいお構築されおいるため倧半の問題党䜓の玄82\%はいく぀かのヒュヌリスティクスで解くこずができるず指摘されおいる\citeintext{jeretic-etal-2020-natural}は含意前提掚意ずいう掚論珟象の違いに着目した英語のNLIデヌタセットを構築した\todo{このNLIデヌタセットには\textit{Joatesomeofthecake}から\textit{Jodidn'teatallofthecake}が掚意されるずいった数量衚珟を含むいわゆるスカラヌ掚意(scalarimplicature)による掚論を含んでいる}しかしこのNLIデヌタセットは前提文ず仮説文のテンプレヌトから自動で構築されおいるため単玔な文が倚いずいう問題がある\citeintext{cui2022generalized}は倚蚀語で事前孊習された蚀語モデルが\todo{英語における様々な数量衚珟を含む䞀般化量化子のふるたいをどの皋床捉えるこずができるかに぀いお䞀般化量化子の理解に特化したベンチマヌクGQNLIを構築し調査を行ったGQNLIで蚀語モデルを評䟡した結果蚀語モデルの最高粟床は48\%であり䞀般化量化子を捉えられおいないこずがNLIモデルや質問応答モデルの性胜改善の課題の䞀぀ずなっおいるこずを瀺した}日本語の掚論デヌタセットずしお圢匏意味論テストセットのJSeM\cite{10.1007/978-3-319-50953-2_5}\todo{画像キャプションに基づく英語の掚論デヌタセットである}SNLI\cite{bowman-etal-2015-large}の日本語版であるJSNLI\cite{yoshimi_weko_206114_1}\todo{画像キャプションに基づく掚論デヌタセットであり仮説文に吊定衚珟や受身などの倚様な蚀語珟象を含めた英語の掚論デヌタセットである}SICK\cite{marelli-etal-2014-sick}の日本語版であるJSICK\cite{Yanaka_tacl2022}旅行情報サむトの評刀ずいう実テキストからクラりド゜ヌシングで構築されたJRTEC\cite{hayashibe-2020-japanese}などがあるこれらの日本語の掚論デヌタセットでは日本語の数量衚珟の統語的意味的な倚様性に焊点を圓おおいない\citeintext{narisawa-etal-2013-204}は日本語の含意関係認識においお数量衚珟が問題になる事䟋に焊点を圓お分析を行い数量衚珟の芏栌化のための実装ず評䟡を行った\todo{Narisawa}らは数量衚珟が出珟する文ペアを7぀のカテゎリに分類し正しく含意関係を刀定するために必芁な凊理に぀いお述べおいる\todo{䞊蚘のようにこれたでの日本語の掚論デヌタセット日本語数量衚珟のための実装では数量衚珟の分類や数詞の違い\elabel{}ず\ilabel{}の違いに぀いお十分に考慮されおいるずはいえないしかし次節でみるように数量衚珟ず数詞の分類はそれらが参䞎する掚論の結果を巊右する芁因である}\todo{そこで}本研究では日本語の数量衚珟の出珟圢匏ず甚法助数蟞の分類を敎理し敎理した分類䜓系に基づいお実テキストに察しお意味アノテヌションを付䞎した数量衚珟コヌパスを構築するたた構築したコヌパスを甚いお\elabelず\ilabelを付䞎した数量衚珟を含む掚論デヌタセットを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{日本語数量衚珟の分類} \label{section:label}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アノテヌションの手順}\label{section:annotation}本研究では\todo{NPCMJ内の126文に含たれる}287件の数量衚珟に぀いお蚀語孊の玠逊のある倧孊院生1名がアノテヌションを行ったNPCMJには青空文庫蟞曞ニュヌスなどの様々なゞャンルのデヌタが含たれおいる耇雑な文を扱った挑戊的な掚論デヌタセットを構築するこずを最終目的ずしお数量衚珟を2぀以䞊含む文をアノテヌションの察象ずしお抜出したたた吊定衚珟ず条件節を含む文に぀いおは数量衚珟を1぀以䞊含む文を抜出したアノテヌションしたデヌタの䞀郚は専門家ず議論を行いアノテヌション結果が劥圓であるこずを確認しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{06table02.tex}%\caption{(a)助数蟞(b)出珟圢匏(c)甚法の分類の䟋ずアノテヌション件数}\label{table:100}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{タグ付け}文䞭に珟れる数量衚珟に\num{}タグを付䞎し助数蟞の分類出珟圢匏甚法に぀いおアノテヌションを行った\todo{文䞭に耇数の数量衚珟が珟れる堎合は1぀目の数量衚珟に\num{}タグを付䞎したもの2぀目の数量衚珟に\num{}タグを付䞎したもののように1぀の数量衚珟に\num{}タグを付䞎した文を耇数䜜成し各文の\num{}タグが付䞎されおいる数量衚珟に察しおアノテヌションを行った}コヌパスに含たれる助数蟞出珟圢匏甚法の分類の䟋ずアノテヌション件数は衚\ref{table:100}に瀺す次の文は本研究で構築した数量衚珟コヌパスに含たれる䞀文である\begin{exe}\setlength{\parskip}{0pt}%\setlength{\itemsep}{0pt}%\ex\label{ex:60}ちなみに金板の癟人䞀銖は\num{}セット\bnum{}で䞇円である\end{exe}(\ref{ex:60})で\num{}タグが付䞎されおいる\todo{数量衚珟「1セット」の助数蟞タむプは「単䜍圢成蟞」出珟圢匏タむプは「QCQ型」甚法タむプは「Qを修食するQ」ずなる次節以降で助数蟞出珟圢匏甚法の分類の詳现を述べる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{助数蟞の分類}\citeintext{iida2019nihongo1}\citeintext{iida}は助数蟞を分類蟞単䜍圢成蟞蚈量蟞の3぀の\todo{タむプ}に分類したこれに加えお時間や系列の䞭での順序を衚す順序数蟞\cite{okutsu1996}ずいうクラスの数量衚珟も存圚するそこで本研究では飯田の3぀のタむプの助数蟞に順序数蟞を加えた蚈4\todo{タむプ}による分類を提案し\todo{助数蟞タむプ}のアノテヌションを行う助数蟞の分類の䟋を衚\ref{table:100}の(a)に瀺す\todo{分類蟞には助数蟞単䜓では䜿甚されないもの耇数の人やものに察しお䜿甚されるもの汎甚的な助数蟞が含たれる}次の2文は分類蟞の䟋である\begin{exe}\setlength{\parskip}{0pt}%\setlength{\itemsep}{0pt}%\ex\label{ex:111}ラむオンが2頭いる\ex\label{ex:112}靎を1足買った\end{exe}(\ref{ex:111})の助数蟞「頭」は「アタマ」ずいう読み方で名詞ずしお䜿甚されるが「トり」ずいう読み方で単䜓で䜿甚されるこずはないためこれは分類蟞に該圓する(\ref{ex:112})の「足」は巊右合わせた1぀の靎の組に察しお䜿われる助数蟞でありこれも分類蟞であるたた汎甚的な助数蟞は「぀」や「個」がありこれも分類蟞に含たれる単䜍圢成蟞は䜕らかの容噚を衚す普通名詞であり助数蟞ずしおではなく単独で甚いるこずが可胜であるこれらの名詞は分類蟞を持぀数量衚珟によっお量化されるこずもある次の文では数量衚珟である「2個」が普通名詞「箱」を量化しおいる\begin{exe}\setlength{\parskip}{0pt}%\setlength{\itemsep}{0pt}%\ex\label{ex:10}箱が2個ある\end{exe}単䜍圢成蟞は新しい圢の容噚が瀟䌚に普及するずそれが新たに単䜍圢成蟞に远加されるずいう特城を持぀倖来語である「パック」はたさにその䟋である蚈量蟞は「キロ」は重さや距離を衚す単䜍「メヌトル」は長さを衚す単䜍など枬定のための単䜍を衚す助数蟞である蚈量蟞は単䜍圢成蟞ず同様にいわゆる開いたクラスであり新しい蚈量の単䜍が瀟䌚に普及するたびにそれが新たに蚈量蟞に远加されるずいう特城を持぀順序数蟞は時間や順序を衚す助数蟞である順序数蟞を含む数量衚珟は修食する名詞が文䞭に珟れないこずが倚くむしろ数量衚珟自䜓が名詞ずしおの圹割を果たすずいった特城がある\todo{日時を衚す「幎」「月」や順序を衚す「番」「䜍」が順序数蟞の䟋である}飯田は分類蟞単䜍圢成蟞蚈量蟞を分類するテストずしお助数蟞の埌ろに「分」を付䞎するテストを挙げおいる次の文は分類蟞「人」ずその埌ろに「分」を付䞎した䟋である\begin{exe}\setlength{\parskip}{0pt}%\setlength{\itemsep}{0pt}%\ex\label{ex:11}3人の子䟛がいる\ex\label{ex:12}3人分の子䟛がいる\end{exe}分類蟞に「分」を付䞎するずそのたたでは䜕を意味しおいるのかがわからないずいう特城がある(\ref{ex:12})は子䟛が䜕に察しお3人分いるのか十分な文脈が䞎えられない限り解釈が難しい単䜍圢成蟞は元の文が\todo{真であれば「分」を぀けたテスト文も真である}ずいえるがその逆はいえないずいう特城がある次の文は単䜍圢成蟞「箱」の䟋である\begin{exe}\setlength{\parskip}{0pt}%\setlength{\itemsep}{0pt}%\ex\label{ex:13}本が3箱ある\ex\label{ex:14}本が3箱分ある\end{exe}(\ref{ex:13})が真であれば(\ref{ex:14})も真であるずいえるしかし(\ref{ex:14})が真であったずしおも本が箱に入っおいるかどうかは分からないため(\ref{ex:13})が真であるずいうこずはできない\todo{蚈量蟞は元の文が真であれば「分」の぀いたテスト文も真であり「分」が぀いたテスト文が真であれば元の文も真であるずいう特城がある}次の文は蚈量蟞「リットル」の䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:15}氎が2リットルある\ex\label{ex:16}氎が2リットル分ある\end{exe}助数蟞の分類は飯田の定矩ず蚀語的テストを螏たえればほずんどのケヌスに察しおは揺れがなく䞀意的にアノテヌションが可胜であるが衚局圢から䞀意に定たらず文脈や甚法によっお分類が倉わるものも存圚する䟋えば「䌚議宀は建物の3階にある」に珟れる「階」は順序数蟞であるのに察し「ここから3階のがったずころに䌚議宀がある」に珟れる「階」は蚈量蟞である前者は特定の䜍眮を指しおいるのに察し埌者は3フロア分䞊の階に䞊がるずいう意味であり䌚議宀が3階に䜍眮しおいるずいう意味ではない\todo{たた助数蟞のアノテヌションの刀断が揺れる䟋ずしお「升」がある「升」は「マス」ず「ショり」の2぀の読みでそれぞれ助数蟞ずなる次の䟋は数量衚珟コヌパスに含たれる䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:1000}勿論私ひずりで【四升】呑みほしたわけでは無い\end{exe}(\ref{ex:1000})の「升」が呑んだ量を衚しおおり「ショり」ずいう読みであるずするず蚈量蟞であるしかし(\ref{ex:1000})は「マス」ずいう読みも可胜であり「升」が容噚ずしお甚いられおいるず解釈すれば単䜍圢成蟞ず考えるこずもできる本コヌパスでは䞊蚘の䟋に぀いおは前者の解釈でアノテヌションし蚈量蟞ずしおいる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{数量衚珟の出珟圢匏}日本語癟科事兞\cite{encyclopedia_of_japanese1}では文䞭に珟れる数量衚珟の圢匏をQノNC型NノQC型NCQ型NQC型の4぀の\todo{タむプ}に分類しおいる\citeintext{iwata2013}はこの4タむプに加えお述郚型デ栌型の2タむプを远加した本研究では実テキスト䞊に珟れる日本語の倚様な数量衚珟を考慮しおこれらの6タむプに加えお\todo{QV型NvCQ型Nの脱萜QCQ型(Q)むディオム的}ずいう6タむプを远加した蚈12タむプによる分類を提案し出珟圢匏タむプのアノテヌションを行うNCQVNvはそれぞれ普通名詞栌助詞数量衚珟動詞\todo{サ倉語幹を含むむベント名詞句}を衚す数量衚珟の出珟圢匏の䟋を衚\ref{table:100}(b)に瀺す次の文は日本語癟科事兞の4分類ず\citeintext{iwata2013}が远加した2分類の䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:31}【\CLtype{第1䜍}{Q}の\CLtype{雷神山叀墳}{N}\CLtype{は}{C}】名取川の南珟圚の名取垂内にあり【\CLtype{二぀}{Q}の\CLtype{巚倧叀墳}{N}\CLtype{の}{C}】間に倚数の䞭小叀墳が散らばっおいる\end{exe}(\ref{ex:31})は本研究で構築した数量衚珟コヌパスに含たれるQノNC型の䟋であり「3人の孊生が」のように数量衚珟Q「の」名詞N栌助詞Cの順で䞊ぶタむプである「第1䜍の雷神山叀墳は」ず「二぀の巚倧叀墳の」の2぀がQノNC型に該圓する\begin{exe}\ex\label{ex:32}珟圚の仙台垂の掚蚈人口は東北地方の䞭で最も倚い玄107䞇人で【\CLtype{宮城県民}{N}の\CLtype{45.9\%}{Q}\CLtype{が}{C}】居䜏する\end{exe}NノQC型は「孊生の3人が」のように名詞Nの数量衚珟Q栌助詞Cの順で䞊ぶタむプであり䟋ずしお(\ref{ex:32})が挙げられる\begin{exe}\ex\label{ex:33}\todo{そこにはナダダ人のきよめのならわしに埓っおそれぞれ四五斗もはいる石の【\CLtype{氎がめ}{N}\CLtype{が}{C}\CLtype{六぀}{Q}】眮いおあった}\end{exe}(\ref{ex:33})はNCQ型の䟋であり「孊生が3人」のように名詞N栌助詞C数量衚珟Qの順で䞊ぶタむプである\begin{exe}\ex\label{ex:34}科孊者偎の動きに合わせ文郚科孊省は14幎床予算案にの【\CLtype{調査怜蚎費}{N}\CLtype{5000䞇円}{Q}\CLtype{を}{C}】初めお蚈䞊した\end{exe}(\ref{ex:34})はNQC型の䟋であり「孊生3人が」のように名詞N数量衚珟Q栌助詞Cの順で䞊ぶタむプである\begin{exe}\ex\label{ex:35}第䞀に重すぎお【\CLtype{二人}{Q}で】父芪の垰っおくるたでに片づけるこずはできないだろう\end{exe}(\ref{ex:35})はデ栌型の䟋であり「孊生が3人で」のように数量衚珟Qでの順で䞊ぶタむプである\citeintext{iwata2013}はデ栌型は数量の党䜓性・集合性を衚すずしおいる他の出珟圢匏のタむプ\todo{䟋えばQノNC型も「3人の孊生が来た」のように「来る」ずいう行為を行った孊生党䜓の数を衚し党䜓性3人の孊生を芁玠ずする集団ずしお捉えられる集合性ずいう特城を持぀デ栌型はQノNC型ず異なり「3人で来た」のように名詞Nを䌎わずに党䜓性・集合性を衚すこずができるずいう特城がある}\begin{exe}\ex\label{ex:36}ちなみに金板の癟人䞀銖は1セットで【\CLtype{80䞇円}{Q}である】\end{exe}(\ref{ex:36})は述郚型の䟋であり「孊生は3人だ」のように数量衚珟が述郚に珟れるタむプである述郚型もデ栌型ず同様に名詞を䌎わずに䜿甚できるこの2぀の出珟圢匏は話し蚀葉で頻出するタむプである\citeintext{iwata2013}は頻床時間期間ずいった動詞を修食する数量衚珟は研究察象ずしおいない\citeintext{iwata2013}は頻床を衚す数量衚珟を含む文の䟋ずしお(\ref{ex:50})や(\ref{ex:51})を挙げこのような数量衚珟の出珟圢匏はNCQ型しか存圚しないず指摘しおいる\begin{exe}\ex\label{ex:50}今幎は東京ぞ3回行った\ex\label{ex:51}圌には3床䌚ったこずがある\end{exe}しかしこれらの数量衚珟は名詞を修食しおいるのではなく動詞行った䌚ったを修食しおいるそのため本研究では動詞を修食する数量衚珟の出珟圢匏ずしおQV型を新たに远加した\todo{さらに名詞Nずむベント名詞句Nvを区別するためにNvCQ型を远加した}\begin{exe}\ex\label{ex:37}研究すべき材料は䞉皮類でそれを五぀のちがった枩床で【\CLtype{各十回}{Q}\CLtype{枬る}{V}】ずいう颚になっおおれば決しお四皮類はやっおみない\end{exe}(\ref{ex:37})はQV型の䟋であり数量衚珟Q十回が動詞V枬るを修食しおいるこの䟋では数量衚珟ず動詞の間に修食衚珟が含たれおいるが間に修食衚珟が入る堎合も数量衚珟の埌に動詞がくるずいう順番は倉わらないためQV型に分類した\footnote{\todo{今回アノテヌションした数量衚珟Qの䞭には「40分で印刷が終了し」の「40分で」ずいった時間副詞を衚すQも含たれる時間副詞QずQデの違いはむベントの完了ず未完了に関する掚論の刀定に圱響を䞎え文法研究でも議論されおいる\cite{nakatani2015}䟋えば「3時間曞いた」は「2時間曞いた」を含意し「4時間は曞いおいない」を掚意するが「3時間で曞いた」は「2時間では曞き終わっおいない」こずを含意する\\本研究ではQずQデは出珟圢匏の違いずいう芳点で分類しおおり前述のようなむベントの完了ず未完了の掚論の刀定に圱響を䞎える時間副詞の違いを分類䜓系に反映させるこずは今埌の課題ずする}}\begin{exe}\ex\label{ex:38}\todo{そんな【\CLtype{仕事}{Nv}\CLtype{は}{C}\CLtype{䞉日}{Q}】ずかかりたせん}\end{exe}(\ref{ex:38})はNvCQ型の䟋であるNvは\todo{サ倉語幹を含むむベント名詞句}でありNvCQ型はNvを修食する数量衚珟Qの出珟圢匏である\todo{(\ref{ex:38})の「仕事」はサ倉語幹でありQがNvを行うのに芁する期間を衚しおいる}\todo{実テキストに珟れる日本語の数量衚珟には数量衚珟が修食する名詞が明蚘されおいないものや数量衚珟を修食する数量衚珟があるこれらに察応する出珟圢匏タむプずしお新たにNの脱萜QCQ型を远加した}\begin{exe}\ex\label{ex:39}芋たずころ【\CLtype{100人}{Q}】はいないようだ\end{exe}Nの脱萜ずいう出珟圢匏タむプは数量衚珟が修食する名詞が文䞭に珟れない堎合を衚す(\ref{ex:39})は䜕が100人なのかが文䞭に蚘茉されおいないためこのような堎合はNの脱萜ずいう出珟圢匏タむプを付䞎する\begin{exe}\ex\label{ex:40}【\CLtype{3枚}{Q}\CLtype{で}{C}\CLtype{500円}{Q}】なら買いたす\end{exe}(\ref{ex:40})はQCQ型の䟋であるQCQ型は数量衚珟を修食する数量衚珟でありこの文では「500円」を修食しおいる「3枚」がQCQ型に該圓する\todo{QCQ型には「1時間1000円」のように栌助詞Cが省略されおいるものも含たれる}\begin{exe}\ex\label{ex:41}始期は織田信長が足利矩昭を奉じお京郜に䞊掛した氞犄11幎【\CLtype{1568幎}{Q}】が有力であるが矩昭が京郜から攟逐された元亀4幎【\CLtype{1573幎}{Q}】安土城の築城が始たった倩正4幎【\CLtype{1576幎}{Q}】ずする考えもある\end{exe}(\ref{ex:41})は(Q)の䟋である(Q)\todo{ずいう出珟圢匏タむプ}は文䞭で()の䞭に蚘茉されおいる\todo{補足や泚蚘}の数量衚珟に察しお付䞎する\begin{exe}\ex\label{ex:42}その【\CLtype{䞀぀}{Q}】が2012幎7月欧州合同原子栞研究所スむスで発芋され䞖界的ニュヌスずなった「ヒッグス粒子」\end{exe}むディオム的ずいう\todo{出珟圢匏タむプ}は数量衚珟の数詞を倉えるもしくは数量詞接頭蟞・接尟蟞を付䞎するず容認䞍胜になる数量衚珟に察しお付䞎する(\ref{ex:42})の「䞀぀」は数詞を倉曎した堎合も数量詞接頭蟞・接尟蟞を付䞎した堎合も容認䞍胜ずなるためむディオム的ずいう出珟圢匏タむプが付䞎されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{数量衚珟の甚法}数量衚珟の甚法タむプは\citeintext{iwata2013}が扱っおいた数量衚珟Qの甚法に加えお名詞Nを修食する数量衚珟Qに関する甚法を3タむプ動詞Vを修食する数量衚珟Qに関する甚法を4タむプ远加するたたむベント名詞句Nvを修食する数量衚珟Q数量衚珟Qを修食するQむディオム的甚法も远加し蚈11タむプの分類を提案する甚法の䟋を衚\ref{table:100}(c)に瀺す次の文は数量衚珟Qが名詞Nを修食する䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:17}3人の孊生が来た\end{exe}(\ref{ex:17})はQがNのカテゎリヌ情報を衚すものの䟋であり数量衚珟Q3人の助数蟞「人」が名詞N孊生のカテゎリヌ情報を衚しおいる䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:18}家族3人で旅行に行った\end{exe}(\ref{ex:18})はQがNを構成する芁玠の党䜓数を衚すものの䟋であるこの文に含たれる助数蟞「人」は(\ref{ex:17})に含たれるものず同じであるが「人」は「家族」自䜓を数える助数蟞ではなく家族ずいう集合の構成する芁玠を数えおいるため(\ref{ex:17})には「QがNのカテゎリヌ情報を衚すもの」を(\ref{ex:18})には「QがNを構成する芁玠の党䜓数を衚すもの」を付䞎しおいる\begin{exe}\ex\label{ex:19}その集団の1人が話しおいる\end{exe}集合の芁玠に関する甚法タむプずしおQがNを構成する芁玠の䞀郚を衚すものもあるこの甚法の䟋は(\ref{ex:19})であり(\ref{ex:18})ずは異なり集合党䜓の芁玠数ではなく䞀郚に぀いお衚しおいるため(\ref{ex:18})には「QがNを構成する芁玠の党䜓数を衚すもの」を(\ref{ex:19})には「QがNを構成する芁玠の䞀郚を衚すもの」を付䞎しおいる\begin{exe}\ex\label{ex:20}50歳の男性がいる\end{exe}(\ref{ex:20})はQがNの属性や特城を衚すものの䟋である(\ref{ex:20})は他の3぀の甚法ず異なり名詞Nの数に぀いおではなくNの特城に぀いお述べる数量衚珟である数量衚珟Qず動詞Vに関しお出珟圢匏の皮類ずしおはQV型の1皮類であるが文䞭に珟れる動詞ずそれを修食する数量衚珟の出珟圢匏が同じであっおも甚法が異なる堎合がある数量衚珟Qが動詞Vを修食する甚法ずしおは4タむプある次の文は数量衚珟Qが動詞Vを修食する䟋である\begin{exe}\ex\label{ex:21}東京に2回行く\end{exe}(\ref{ex:21})はVが行われた回数を衚すQの䟋であり「2回」が「行く」が行われた回数を衚しおいる\begin{exe}\ex\label{ex:22}東京に3日滞圚する\end{exe}(\ref{ex:22})はVが行われた期間を衚すQの䟋である(\ref{ex:21})ず出珟圢匏は同じであるが(\ref{ex:22})では滞圚した期間に぀いおの情報をQ3日が担う\begin{exe}\ex\label{ex:23}東京に9時に到着する\end{exe}(\ref{ex:23})はVが行われた時間を衚すQの䟋である(\ref{ex:23})では到着する時点に぀いおの情報をQ9時が担う\begin{exe}\ex\label{ex:24}物䟡が2\%増加する\end{exe}(\ref{ex:24})はVの特城を衚すQの䟋でありQ(2\%)は「増加する」ずいう動詞Vがどの皋床であったかずいう情報を担う%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{数量衚珟の掚論デヌタセット} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{掚論デヌタセットの䜜り方}数量衚珟コヌパスを甚いお\todo{数量に関する}掚論デヌタセットを構築した前提文$P$は数量衚珟コヌパスに含たれる文ずした\todo{仮説文$H$は以䞋の手順(a)(c)に埓いすべお人手で䜜成した}\todo{\begin{enumerate}\renewcommand{\labelenumi}{(\alph{enumi})}\item(\ref{ex:6})のように\num{}タグが付䞎されおいる前提文の数量衚珟に぀いお(\ref{ex:7})のように意味を倉えない最小の節を取り出す\item\num{}タグが付䞎されおいる数詞の倉曎を行った文を䜜成する\begin{itemize}\item前提文の数詞よりも倧きい数を衚す数詞に倉曎した文\hplus{}ず小さい数を衚す数詞に倉曎した文\hminus{}の2文を䜜成する\item単玔な文にならないように容認䞍胜にならない範囲で構成玠の倉曎構成玠の削陀・眮換・远加を行う\item(\ref{ex:6})のように「玄」などの数量詞接頭蟞・接尟蟞が぀いおいる堎合はその数量詞接頭蟞・接尟蟞を削陀する\end{itemize}\item(b)で䜜成した2぀の文\hplus{}\hminus{}の数量衚珟に察しお原則ずしお「以䞊」「以䞋」「ちょうど」をそれぞれ付䞎し6぀の仮説文を䜜成する\begin{itemize}\item数量衚珟に合わせお必芁に応じお付䞎する数量詞接頭蟞・接尟蟞を倉曎する\begin{itemize}\item順序数蟞を持぀数量衚珟には「以䞊」「以䞋」ではなく「以降」「以前」を付䞎する\item倚様な数量詞接頭蟞・接尟蟞を含むデヌタセットを構築するため「以䞊」を「より倧きい」に「以䞋」を「より小さい」や「未満」に眮き換えた仮説文も䜜成する\end{itemize}\end{itemize}\end{enumerate}}\begin{exe}\ex\label{ex:6}仙台郜垂圏広域行政圏の掚蚈人口は玄\num{}151䞇人\bnum{}で\dots\ex\label{ex:7}仙台郜垂圏の掚蚈人口は160䞇人以䞊である\end{exe}\todo{数詞の倉曎は数量衚珟に応じお増やす数枛らす数を倉曎しおいる数詞の倉曎の範囲は前提文に珟れる数詞が20未満の堎合は5以䞋ずし前提文に珟れる数詞が20以䞊の堎合は5以䞊ずしおいる数詞の倉曎はデヌタセット内で同じ数詞ばかりが珟れないように泚意しお行ったたた助数蟞タむプが蚈量蟞の数量衚珟は小数郚が蚱容されるため数詞が小数郚をも぀仮説文も䜜成した}\todo{数詞の倉曎や数量詞接頭蟞・接尟蟞の付䞎を行うず仮説文が容認䞍胜ずなるもの出珟圢匏がむディオム的であるものは掚論デヌタセットに含めおいない}掚論デヌタセットの各ペアに察しお\todo{蚀語孊に玠逊のある1名の倧孊院生}が\elabel{}ず\ilabel{}を付䞎した掚論デヌタセットに含たれる\elabel{}\ilabel{}の䞀郚は専門家ず議論を行いラベルが劥圓であるこずを確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䞋方含意文脈}\label{section:monotonicity}本研究の掚論デヌタセットでは数量衚珟の単調性(monotonicity)に関する掚論を扱っおいる$M$が$N$の䞋䜍抂念である堎合通垞は䞋䜍抂念を含む文$\varphi(M)$は䞊䜍抂念を含む文$\varphi(N)$を含意するこのような掚論は䞊方含意(upward\todo{entailing})な掚論ず呌ぶ数量衚珟の堎合䟋えば「200人」は「100人」の䞋䜍抂念であるため「䌚堎に200人いる」ずいう文が真であれば「䌚堎に100人いる」ずいう文も真であるしかし吊定文や条件文の前件ずいった䞋方含意文脈に数量衚珟が含たれるず\todo{掚論の向き}が通垞の文脈ずは反転する堎合があるこずが知られおいる䟋えば「䌚堎には100人いなかった」ずいう文は「䌚堎には200人いなかった」ずいう文を含意する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{06table03.tex}%\caption{掚論デヌタセットに含たれる文ペアの䟋}\label{table:4}\vspace{-1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{table:4}の最初の䟋はupward\todo{entailing}な前提文ず仮説文のペアである2番目ず3番目の䟋はそれぞれ吊定ず条件文を含む䞋方含意(downward\todo{entailing})な前提文ず仮説文のペアである\todo{本研究の掚論デヌタセットにはupwardentailingな掚論が1,270件downwardentailingな掚論が246件含たれる}文䞭に吊定衚珟や条件節が含たれおいおもそれらの䞋方含意文脈のスコヌプの倖に数量衚珟が珟れおいる堎合はupwardentailingな掚論が成立するそのためdownwardentailingな掚論の件数は吊定衚珟条件節を含む前提文ず仮説文のペアのうち䞋方含意文脈のスコヌプの内偎に数量衚珟が含たれ\todo{掚論の向き}が通垞の文脈ずは反転しおいるものの件数である珟時点でdownwardentailingな掚論は246件ず件数は少なくこのような掚論を匕き起こす衚珟がNPCMJコヌパス内では皀であるこずを瀺しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{掚論デヌタセットの抂芁}本研究で䜜成した掚論デヌタセットは1,516件の前提文ず仮説文のペアを含む前提文ず仮説文の䟋を衚\ref{table:4}に掚論デヌタセットの統蚈情報を衚\ref{table:8}に瀺す\elabel{}が\neutral{}になるものに぀いお\ilabel{}は\contradiction{}になる堎合があるため各ラベルの\contradiction{}ず\neutral{}の件数は異なっおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[b]\input{06table04.tex}%\caption{掚論デヌタセットの統蚈情報}\label{table:8}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{日本語BERTの評䟡実隓}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\todo{実隓蚭定}}珟圚の暙準的な事前孊習枈み蚀語モデルが数量衚珟の理解を必芁ずする掚論をどの皋床扱えるかを評䟡するため日本語BERT\cite{devlin-etal-2019-bert}(cl-tohoku/bert-base-japanese-whole-word-masking)\footnote{\todo{\url{https://huggingface.co/cl-tohoku/bert-base-japanese}}}の評䟡実隓を実斜した実隓に甚いた事前孊習枈み蚀語モデルの詳现を衚\ref{table:16}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{06table05.tex}%\caption{事前孊習枈み蚀語モデルの詳现}\label{table:16}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%実隓ではJSICK\cite{Yanaka_tacl2022}JSNLI\cite{yoshimi_weko_206114_1}ずいう2぀の暙準的な日本語NLIデヌタセットを甚いおNLIタスクに関するBERTモデルのファむンチュヌニングを行った2節で玹介したようにJSICKは構成的掚論に特化した英語のNLIデヌタセットであるSICK\cite{marelli-etal-2014-sick}を人手で日本語に翻蚳したデヌタセットでありJSNLIはクラりド゜ヌシングで構築された倧芏暡な英語のNLIデヌタセットであるSNLI\cite{bowman-etal-2015-large}を機械翻蚳で日本語に翻蚳したデヌタセットであるJSICKずJSNLIの統蚈情報を衚\ref{table:18}に瀺す\todo{たたファむンチュヌニングに甚いたハむパヌパラメヌタはlearningrateが0.01batchsizeが10epochsが50maxlengthが250である}ハむパヌパラメヌタはハむパヌパラメヌタサヌチをしお最適なものを遞んだ%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{06table06.tex}%\caption{孊習デヌタの統蚈情報}\label{table:18}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{\todo{実隓結果ず考察}}\todo{日本語BERTモデルを甚いた評䟡実隓の結果を衚\ref{table:6}に瀺す}党䜓的にJSICKでファむンチュヌニングした日本語BERTモデルよりもJSNLIでファむンチュヌニングした日本語BERTモデルの方が正答率が高い傟向にあるがいずれも50\%未満だった特に\entailment{}の正答率は60\%以䞊であるのに察し\contradiction{}\neutral{}の正答率はいずれも40\%未満であり既存の掚論デヌタセットでファむンチュヌニングした堎合日本語BERTモデルは\entailment{}ず予枬する傟向がある本研究で構築した掚論デヌタセットに含たれる\entailment{}の䟋は党䜓の34\%であるのに察し日本語BERTモデルはJSICKでファむンチュヌニングした堎合は66\%JSNLIでファむンチュヌニングした堎合は60\%の䟋で\entailment{}ず予枬しおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{06table07.tex}%\caption{日本語BERTモデルを甚いた評䟡実隓の結果正答率}\label{table:6}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%孊習デヌタによる違いに぀いおはJSICKを䜿甚した堎合\contradiction{}よりも\neutral{}の方が正答率が高くなり反察にJSNLIを䜿甚した堎合は\contradiction{}の方が\neutral{}よりも正答率が高くなっおいる\todo{助数蟞タむプ出珟圢匏タむプ甚法タむプ}による正答率の違いは\todo{衚\ref{table:101}に瀺す}\todo{助数蟞による正答率の違いずしお単䜍圢成蟞に぀いおJSICKを孊習デヌタずしたずきの日本語BERTモデルの正答率が䜎い単䜍圢成蟞は衚\ref{table:100}(a)にあるように他の助数蟞よりも件数が少なくJSICKにおいおも単䜍圢成蟞に該圓するデヌタが少ないため正答率が䜎くなった可胜性がある}数量衚珟の出珟圢匏による正答率の違いずしおデ栌型に぀いおJSICKを孊習デヌタずしたずきの日本語BERTモデルの正答率が䜎いデ栌型は衚\ref{table:100}(b)にあるように件数が少ないJSICKずJSNLIにおいおも\todo{デ栌型}に該圓するデヌタの件数が少なく加えおJSICKは孊習デヌタ党䜓のサむズが小さいため正答率が䜎くなったず考えられる数量衚珟の甚法ごずの正答率の違いずしおJSNLIを孊習デヌタずしたずきの日本語BERTモデルの正答率はQがNの属性や特城を衚すものやVが行われた時間を衚すQずいった衚\ref{table:100}(c)で件数が倚いものが高い%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[t]\input{06table08.tex}%\caption{(a)助数蟞(b)出珟圢匏(c)甚法ごずの正答率}\label{table:101}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たた孊習デヌタに本研究で構築した数量衚珟の掚論デヌタセットの䞀郚を加えおファむンチュヌニングを行い実隓した数量衚珟の掚論デヌタセットは1:1に分割し半分を孊習デヌタに加え半分をテストデヌタずしお実隓を行ったデヌタセットを半分にしたずきの統蚈情報を衚\ref{table:15}に瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[p]\input{06table09.tex}%\caption{数量衚珟の掚論デヌタセットを孊習デヌタずテストデヌタに分けたずきの統蚈情報}\label{table:15}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{table:7}はJSICKに数量衚珟の掚論デヌタセット(\elabel{}\ilabel{})をそれぞれ加えおファむンチュヌニングを行った堎合の実隓結果である\elabel{}を孊習デヌタに加えた堎合はテストデヌタは\elabel{}\ilabel{}を孊習デヌタに加えた堎合はテストデヌタは\ilabel{}を付䞎したデヌタを䜿甚した実隓結果である孊習デヌタに数量衚珟の掚論デヌタセットの䞀郚を加えた堎合\elabel\ilabel{}ずもに\entailment{}の正答率は䞋がったが\contradiction{}の正答率は倧きく䞊昇しおいるJSICKには衚\ref{table:18}に瀺すように\contradiction{}の件数が少ないが本研究で構築した掚論デヌタセットは衚\ref{table:8}に瀺すように\contradiction{}の件数が倚いため日本語BERTモデルが\contradiction{}ず予枬するこずが倚くなった可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[p]\input{06table10.tex}%\hangcaption{JSICKに数量衚珟の掚論デヌタセットの䞀郚を远加しファむンチュヌニングした堎合の実隓結果正答率}\label{table:7}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%文ペアに含たれる数量衚珟の助数蟞タむプ出珟圢匏タむプ甚法タむプによる正答率の違いは衚\ref{table:102}に瀺す党䜓ずしお\elabel{}を加えおファむンチュヌニングを行った堎合の粟床よりも\ilabel{}を加えおファむンチュヌニングを行った堎合の粟床のほうが高く衚\ref{table:101}の粟床ず比范しおどのタむプの粟床も向䞊しおいる特にNCQ型の粟床が他のタむプよりも倧きく向䞊しおいるがこれは衚\ref{table:15}にあるようにNQC型の件数が倚いためず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{06table11.tex}%\hangcaption{JSICKに数量衚珟の掚論デヌタセットを远加しファむンチュヌニングした堎合の(a)助数蟞(b)出珟圢匏(c)甚法の正答率}\label{table:102}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%JSICKに\elabel{}のデヌタを远加しおファむンチュヌニングを行った堎合に日本語BERTが解けなかった文ペアを衚\ref{table:20}に瀺す1぀目の文ペアの前提文に含たれる数量衚珟には数量詞接頭蟞玄が付䞎されおいる前提文の数量衚珟「玄5倍」が真であるずき仮説文の数量衚珟「ちょうど5.5倍」であるずは必ずしも限らない5.2倍などの可胜性も考えられるため正解ラベルは\neutral{}ずなるが日本語BERTは\contradiction{}ず予枬しおいるこのように前提文の数量衚珟の数字よりも仮説文の数量衚珟の数字が倧きく前提文に数量詞接頭蟞「玄」仮説文に数量詞接頭蟞「ちょうど」が含たれる堎合モデルは\contradiction{}ず予枬する傟向が芋られた日本語BERTモデルが間違ったラベルを予枬した原因ずしおは前提文に数量詞接頭蟞を含む文ペアの件数が少ないこずも考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[b]\input{06table12.tex}%\hangcaption{JSICKに\elabel{}のデヌタを远加しおファむンチュヌニングした日本語BERTモデルが解けなかった文ペアの䟋}\label{table:20}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%2぀目の文ペアに぀いお前提文の「90,231人」は「ちょうど90,231人」であるこずを衚すためこの文ペアの正解ラベルは\entailment{}であるが日本語BERTモデルは\contradiction{}ず予枬したこの文ペアに出珟する数量衚珟は「100,000人」ず桁数が倧きいため孊習デヌタの䞭に同じような桁数が倧きい数量衚珟を含む文ペアが少ないこずからモデルは間違ったラベルを予枬したず考えられるJSICKに\ilabel{}のデヌタを远加しおファむンチュヌニングを行った堎合に日本語BERTモデルが解けなかった文ペアを衚\ref{table:19}に瀺す衚\ref{table:19}の1぀目の文ペアは仮説文を䜜成する際に構成玠の倉曎を行った䟋である本研究では文ペアのパタヌンが単玔にならないように構成玠の倉曎を行うこずでより難しい文ペアを䜜成しおいるこの文ペアは前提文で括匧内に蚘述されおいる数量衚珟に関する掚論であるが前提文には同じ助数蟞本を含む数量衚珟が耇数出珟するため日本語BERTモデルが間違った予枬をしたず考えられる衚\ref{table:19}の2぀目の文ペアは吊定衚珟を含む文ペアである\ref{section:monotonicity}節にあるように吊定衚珟や条件節を含むdownwardentailingな掚論は件数が少ないため孊習デヌタの䞍足から日本語BERTモデルは掚論結果を正しく予枬できなかったず可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[b]\input{06table13.tex}%\hangcaption{JSICKに\ilabel{}のデヌタを远加しおファむンチュヌニングした日本語BERTモデルが解けなかった文ペアの䟋}\label{table:19}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\pagebreak%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では日本語の数量衚珟コヌパスを構築し助数蟞の分類ず数量衚珟の出珟圢匏その甚法に぀いおアノテヌションを行ったたた構築した数量衚珟コヌパスを甚いお意味論的掚論ず語甚論的掚論のデヌタセットを䜜成した数量衚珟コヌパスず掚論デヌタセットは数量衚珟の出珟圢匏の柔軟性や助数蟞の倚様性ずいった日本語の特城に着目しお構築した数量衚珟の掚論デヌタセットの評䟡実隓ずしおたず日本語SNLIや日本語SICKずいった暙準的な日本語の掚論デヌタセットでファむンチュヌニングした日本語BERTモデルを甚いた評䟡実隓を行った実隓の結果構築した数量衚珟の掚論デヌタセットは珟圚の暙準的なNLIモデルにずっお十分に挑戊的な課題を提瀺しおいるこずを確認したさらに孊習デヌタに本研究で構築した掚論デヌタセットの䞀郚を远加しおファむンチュヌニングした日本語BERTモデルを評䟡したその結果粟床向䞊が䞀定皋床芋られたものの䟝然ずしお50\%前埌の正答率であり日本語BERTモデルは数量衚珟を含む掚論の扱いに぀いお課題があるこずが瀺唆された今埌の展望ずしおこれたで英語における数量衚珟の分析で研究されおきたより意味的に耇雑な珟象確定性分配読み・集合読みの区別など\cite{bunt-2020-annotation}ず日本語の数量衚珟ずの関連を敎理し日本語の数量衚珟の分類䜓系を拡匵するこずが考えられるたた数量衚珟コヌパスず掚論デヌタセットの効率的なアノテヌション手法を怜蚎するずずもに拡匵を続けおいく%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚はJSTさきがけJPMJPR21C8,JSPS科研費JP20K19868,JSTCRESTJPMJCR20D2の支揎を受けたものである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{06refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{小谷野華那}{%2021幎お茶の氎女子倧孊理孊郚情報科孊科卒業2023幎お茶の氎女子倧孊人間文化創成科孊研究科理孊専攻情報科孊コヌス博士前期課皋修了珟圚日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟に所属}\bioauthor{è°·äž­çž³}{%2018幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科博士課皋修了工孊博士同幎理化孊研究所特別研究員を経お2021幎より東京倧孊卓越研究員に採択され東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科講垫理化孊研究所客員研究員䞻に自然蚀語掚論に関する研究に埓事}\bioauthor{峯島宏次}{%2013幎慶應矩塟倧孊文孊研究科博士課皋修了博士哲孊2014幎お茶の氎女子倧孊シミュレヌション科孊教育研究センタヌ特任講垫2017幎同特任准教授を経お2020幎より慶應矩塟倧孊文孊郚准教授}\bioauthor{戞次倧介}{%2000幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科情報科孊専攻博士課皋修了理孊博士2008幎お茶の氎女子倧孊倧孊院人間文化創成科孊研究科准教授2023幎より同倧孊基幹研究院自然科孊系教授}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V02N01-01
\section{はじめに} \label{sec:hajime}機械翻蚳システムを䜿甚する時,利甚者はシステム蟞曞に登録されおいない単語や,登録されおいるが,蚳語が䞍適切な単語に察しお,利甚者蟞曞を䜜成しお䜿甚するこずが倚い\cite{Carbonell:1992}.しかし,蟞曞に新しく単語を登録する際は,登録する語の芋出し語,蚳語の他に,文法的,意味的な皮々の情報を付䞎する必芁がある.高い翻蚳品質を狙ったシステムほど,利甚者蟞曞にも詳现で正確な情報を必芁ずしおおり\cite{Ikehara:1993,Utsuro:1992},玠人の利甚者がそれらの情報を正しく付䞎するのは簡単でない\footnote{単語意味属性を付䞎するには,通垞のシステムの意味属性を理解しおいるこずが必芁であるが,䞀般の利甚者には簡単でない.}.䟋えば,日英機械翻蚳システムALT-J/Eでは,意味解析のため玄3,000皮の粟密な意味属性䜓系\footnote{単語の意味的甚法を分類したもので,各芁玠ずなる名詞に着目した動詞の蚳し分けにおいお,ほが必芁十分ずいえる意味属性分解胜が玄2,000皮類であるこずを瀺し,実際に名詞の意味属性を3,000皮に分類しおいる.詳现は\cite{Ikehara:1993}を参照のこず.}を持っおおり,利甚者蟞曞の単語を登録する際は,各単語にこの意味属性䜓系に埓っお意味的甚法(䞀般に耇数)を指定する必芁がある\cite{Ikehara:1989b,Ikehara:1989a}.この䜜業は熟緎を芁し,䞀般の利甚者には困難であるため,埓来から自動化ぞの期埅が倧きかった.そこで本論文では,利甚者登録語の特性に着目し,利甚者が登録したい芋出し語(単䞀名詞たたは耇合名詞)に察しお英語蚳語を䞎えるだけで,システムがシステム蟞曞の知識を応甚しお,名詞皮別を自動的に刀定し,名詞皮別に応じた単語の意味属性を掚定しお付䞎する方法を提案する.たた,自動掚定した利甚者蟞曞を䜿甚した翻蚳実隓によっお,方匏の効果を確認する.具䜓的には,名詞を察象に,䞎えられた芋出し語ず蚳語から䞻名詞ず名詞皮別(䞀般名詞,固有名詞)を刀定し,それぞれの堎合に必芁な単語意味属性を自動掚定する方法を瀺す.たた,適甚実隓では,たず,本方匏を,新聞蚘事102文ず゜フトり゚ア蚭蚈曞105文の翻蚳に必芁な利甚者蟞曞の䜜成に適甚しお,自動掚定した単語意味属性ず蟞曞専門家の付䞎した単語意味属性を比范し,粟床の比范を行う.次に,これらの意味属性が翻蚳結果に䞎える圱響を調べるため,(1)意味属性のない利甚者蟞曞を䜿甚する堎合,(2)自動掚定した意味属性を䜿甚する堎合,(3)専門家が利甚者登録語の芋出し語ず蚳語を芋お付䞎した意味属性を䜿甚する堎合,(4)正しい意味属性(専門家が翻蚳実隓により適切性を最終的に確認した意味属性)を䜿甚した堎合,の4぀の堎合に぀いお翻蚳実隓を行う.\vspace{-0.2mm} \section{システム蟞曞ず利甚者蟞曞} \label{sec:dic}\subsection{ALT-J/Eの意味蟞曞の構成}\label{sec:2.1}ここでは,機械翻蚳システム偎であらかじめ甚意された蟞曞をシステム蟞曞,利甚者が䜜成しお䜿甚する蟞曞を利甚者蟞曞ず呌ぶ.日英機械翻蚳システムALT-J/Eのシステム蟞曞ず利甚者蟞曞および単語意味属性の関係を図1に瀺す.{\unitlength=1mm\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig1.eps,width=134mm}\vspace{-0.2mm}\end{center}\caption{ALT-J/Eの意味属性䜓系ず意味蟞曞}\label{fig:1}\end{figure}}\begin{description}\vspace{-0.2mm}\item[(1)意味蟞曞の皮類]ALT-J/Eでは意味解析を実珟するため,これらの蟞曞に単語意味属性を䜿甚した意味情報が登録されるようになっおいる.意味情報を蚘茉した蟞曞を意味蟞曞ず呌ぶ.珟圚,実装されおいる意味蟞曞は単語意味蟞曞ず,構文意味蟞曞の2皮類からなる.単語意味蟞曞は日本語単語の意味的甚法を蚘述した蟞曞(日本語解析甚の40䞇語蟞曞ず蚳語決定甚の38䞇語蟞曞)であり,構文意味蟞曞は,甚蚀毎の日本語文型ずそれに察応する英語文型を収録した蟞曞(13,000文型)である.システムがあらかじめ甚意したこれらの単語たたは文型が䞍足したずき,もしくは䞍適切なずきは,同皮の蟞曞を利甚者が利甚者蟞曞ずしお䜜成しお䜿甚する.\item[(2)単語意味属性の皮類]ALT-J/Eの単語意味属性には䞀般名詞意味属性(2,800çš®),固有名詞意味属性(200çš®),甚蚀意味属性(100çš®)の3皮類がある.固有名詞意味属性は,䞀般名詞意味属性の䞀郚を取り出しお,耇合語解析の芳点から詳现化したものであり,属性名の数は䞀般名詞意味属性の数より少ないが,分類粟床は詳现である.単語意味蟞曞の䞀般名詞には䞀般名詞意味属性(䞀般に耇数個)が,固有名詞には䞀般名詞意味属性ず固有名詞意味属性の䞡者(いずれも耇数個)が付䞎される.甚蚀意味属性は構文意味蟞曞に登録された文型パタヌンの䞻甚蚀に付䞎される\cite{Nakaiwa:1992}.\end{description}\subsection{利甚者登録語の特性}\label{sec:2.2}本論文では,名詞(䞀単語名詞たたは耇合名詞)の利甚者蟞曞ぞの登録を考える.通垞の機械翻蚳システムでは,䞀般語(䞀般名詞)に぀いおはほが挏れなくシステム蟞曞に収録されるが,専門甚語や固有名詞などは䜙り収録されおいない堎合が倚い.ALT-J/Eの堎合は,新聞蚘事で䜿甚される語を䞭心に倚数(延べ50䞇語)の固有名詞,専門甚語なども収録されおいるが,党おを網矅するこずは䞍可胜であり,必ずしも十分ずは蚀えない.埓っお,通垞,利甚者蟞曞に登録される語は,(1)原文に珟れた専門甚語や固有名詞,利甚者固有の技術甚語で,システム蟞曞に登録されおいないため未知語ずなった語,もしくは(2)システム蟞曞に登録されおいるが,蚳語が適切でない語の2皮類に倧別される.埌者の単語意味属性は既にシステム蟞曞に登録されおいるため,通垞改めお登録する必芁はないのに察しお,前者は登録語が耇合名詞で,その構成芁玠の䞀郚がシステム蟞曞に登録されおいなかったため未知語ずなったものが倚い.このようにシステム蟞曞は,倚くの堎合,利甚者蟞曞登録語ず関係する情報を持぀堎合が倚いので,その情報を利甚すれば,倚くの利甚者登録語の意味属性は自動付䞎できるず期埅できる. \section{意味属性掚定の方法} \label{sec:3}{\unitlength=1mm\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig2.eps,width=55mm}\end{center}\caption{意味属性自動掚定の手順}\label{fig:2}\end{figure}}利甚者登録語の日本語衚蚘ず英語蚳語が䞎えられたずき,機械翻蚳システムに装備されたシステム蟞曞の情報を䜿っお,登録語の意味属性を掚定する方法を図\ref{fig:2}に瀺す\footnote{意味属性は,あらかじめシステムで決められた䜓系を䜿甚する.その意味属性䜓系に䞍足や䞍適切な郚分があっおも,本方匏で修正改良するこずは考えない.これは,利甚者蟞曞䜜成は通垞システム運甚時に行なわれるものであり,この段階では,意味属性䜓系の倉曎に䌎っお生じるシステム蟞曞や翻蚳プログラムの修正は通垞困難ず考えられるこずからである.}.利甚者登録語の単語意味属性を掚定する手順は,䞻名詞の刀定,名詞皮別(固有名詞,䞀般名詞)の刀定,固有名詞意味属性の掚定(固有名詞の堎合),䞀般名詞意味属性の掚定(䞀般名詞,固有名詞双方の堎合)の手順からなる.\subsection{䞻名詞の刀定方法}\label{sec:3.1}利甚者蟞曞に登録される芋出し語は,単䞀の名詞もしくは耇数単語から構成される耇合名詞のいずれかずし,蚳語は単䞀の単語,名詞連続の耇合語,名詞句のいずれかずする.芋出し語,蚳語を構成する単語のうち,䞭心的な意味を担う名詞を䞻名詞ず呌ぶ.通垞,登録語の単語意味属性は䞻名詞の単語意味属性ず䞀臎するこずが倚いず考えられる.たた,システム蟞曞の䞭に利甚者蟞曞登録語の芋出し語たたは蚳語の䞀臎する語が存圚する可胜性に比べお,利甚者蟞曞登録語の䞻名詞が存圚する可胜性は高い.埓っお,䞻名詞に着目すれば,登録語の意味属性を掚定できる可胜性が倧きい.日本語名詞は語圢倉化しないため,システム蟞曞の芋出し語ず利甚者登録語の䞻名詞を含む郚分ずを盎接比范し,システム蟞曞内から必芁な情報を匕き出すこずができる.これに察しお,英語名詞は耇合語内などで屈折による語圢倉化を䌎うこずがあるため,䞻名詞を含む郚分ずシステム蟞曞の英語蚳語を盎接比范するこずはできない.そこで,ここでは,システム蟞曞の蚳語ずの比范が可胜ずなるよう,利甚者登録語の英語蚳語に察しお䞻名詞を抜出する.[英語䞻名詞の刀定手順]\begin{description}\item[(1)]たず,蚳語が単語䞀語で構成されるずきは,その語を䞻名詞ずする.\item[(2)]次に,蚳語が2語以䞊の語から構成されおいる堎合は,たず,蚳語の党䜓が,システム蟞曞に登録されおいるか吊かを調べ,登録されおいる堎合は,蚳語党䜓を䞻名詞ずする.\item[(3)]登録されおいない堎合は,名詞句(蚳語)を構成する単語の䞭から䞻名詞を掚定する.この堎合,英語蚳語は名詞連続耇合語たたは修食語や句を䌎った名詞句で構成されおいるず考えられる.前者の堎合は,最埌の名詞が䞻名詞になるのに察しお,埌者の堎合では,修食語句は䞻名詞の前方だけでなく埌方に来る堎合のあるこずを考慮する必芁がある.通垞,埌方修食は前眮詞,関係詞で導かれるこずを考慮しお,以䞋の方法で䞻名詞を遞定する.\begin{itemize}\item蚳語䞭にin,on,withなどの前眮詞,たたはthat,whichなどの関係詞(ストップワヌド)があるか吊かを調べ,ある堎合は,それの語以䞋の語を削陀する.\item次に,残った英語党䜓に察しお英語蟞曞匕きを行い,蟞曞内に䞀臎する語があれば,それを䞻名詞ずする.\item䞀臎する語のないずきは,前方から䞀語ず぀萜ずしながら(修食語を倖しながら),残った語に察しお英語蟞曞匕きを行い,蟞曞ず䞀臎した語(たたは語の組)を䞻名詞ずする.倖せる修食語がなくなったずきは,残った語を䞻名詞ずする.\end{itemize}\end{description}\subsection{名詞皮別の刀定方法}\label{sec:3.2}前に述べたように,䞀般名詞には,䞀般名詞意味属性を付䞎すればよいのに察しお,固有名詞には䞀般名詞意味属性ず固有名詞意味属性の䞡方を付䞎するこずが必芁である.そのため,利甚者登録語が固有名詞か䞀般名詞かの刀定を行う必芁がある.この刀定は,利甚者にずっお比范的容易な䜜業であるが,利甚者の負担を少しでも削枛するこずを狙っお,自動化の方法を考える.日本語衚珟では,䞀般名詞ず固有名詞は通垞,衚蚘䞊区別されないのに察しお,英語衚珟では,固有名詞の先頭文字は倧文字で曞かれる点に特城がある.そこで,登録された単語の英語偎の衚蚘に着目し,蚳語が1単語のずきは,先頭文字1文字が倧文字の堎合は固有名詞ずし,それ以倖は䞀般名詞ずする.耇数の単語から構成される蚳語のずきは,各単語の先頭1文字が倧文字の堎合は,固有名詞ずする.蚳語にすべお倧文字からなる単語が含たれる堎合は,それ以倖の単語がすべお固有名詞ず刀定されるずきは党䜓を固有名詞ずし,それ以倖は䞀般名詞ずする.\subsection{意味属性掚定の方法}\label{sec:3.3}利甚者登録語の芋出し語,蚳語,蚳語の䞻名詞ず,システムに既に準備されおいる日英察照蟞曞の内容を比范しお,利甚者登録語の単語意味属性を掚定する.利甚者登録語が䞀般名詞の堎合は,日英察照蟞曞に登録された䞀般名詞を怜玢の察象ずしお,䞀般名詞意味属性を掚定するのに察しお,利甚者登録語が固有名詞の堎合は,日英察照蟞曞に登録された固有名詞を怜玢の察象ずしお,䞀般名詞意味属性ず固有名詞意味属性を掚定する.\vspace{-0.1mm}以䞋,利甚者登録語の芋出し語から意味属性を掚定する方法ず蚳語から掚定する方法を瀺すが,これらの手順は䞀般名詞意味属性の堎合ず固有名詞意味属性の堎合に共通である.\vspace{-0.1mm}たた,意味属性をなるべく挏れなく抜出するため,芋出し語ず蚳語のそれぞれに察しお䞋蚘の手順を適甚する.なお,事項の順序は任意である.\vspace{-0.2mm}\subsubsection{芋出し語(日本語衚蚘)から掚定する方法}\vspace{-0.2mm}日英察照蟞曞を怜玢し,利甚者登録語の芋出し語ず䞀臎する芋出し語が日英察照蟞曞の登録語にある堎合は,既に登録された蚳語が適切でないため,蚳語を倉えるのが利甚者蟞曞登録の目的である堎合が倚いず考えられるから,単語意味属性の倉曎はしないものずし,日英察照蟞曞に蚘茉された単語意味属性を利甚者登録語の単語意味属性ずする.\vspace{-0.1mm}利甚者登録語の芋出し語ず䞀臎する芋出し語が日英察照蟞曞の登録語にない堎合は,利甚者登録語の埌方からの最長䞀臎法で,再床,日英察照蟞曞を怜玢する.カタカナ語を陀き,2文字以䞊が,日英察照蟞曞の芋出し語ず郚分䞀臎(カタカナ語の堎合は単語単䜍で䞀臎)すれば,日英察照蟞曞の意味属性を利甚者登録語の意味属性ずする.\vspace{-0.1mm}䟋えば衚\ref{tab:1}で,利甚者登録語の「治療」,「攟射線治療」は,システム蟞曞(衚\ref{tab:2})に「治療」があるので,意味属性は《治療》ずなる.\vspace{-0.1mm}\begin{table}\hspace{-0.5cm}\begin{minipage}{8.8cm}\caption{利甚者蟞曞の䟋}\label{tab:1}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|p{2.3cm}|p{2.3cm}|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{日本語芋出し}&\multicolumn{1}{|c|}{英語蚳}&単語意味属性\\\multicolumn{1}{|c|}{(利甚者付䞎)}&\multicolumn{1}{|c|}{(利甚者付䞎)}&(掚定結果)\\\hline治療&cure&《治療》\\\hline攟射治療&radiotherapy&《治療》\\\hline手圓お&{\ittreatment\/}&《治療》\\\hline医療&medical{\ittreatment\mbox{}\/}&《治療》\\\hline数倀\bf制埡ロボット&numerically{\itcontrolledrobot\/}&《産業機噚》\\\hline照明付き\bf机&{\itdesk\/}withlightunit&《家具》\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{5.3cm}\caption{システム蟞曞の䟋\\(日英察照蟞曞)}\label{tab:2}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|l|p{1.2cm}|l|}\hline日本語&\multicolumn{1}{|c|}{英語蚳}&単語意味属性\\芋出し&&\\\hline治療&treatment&《治療》\\\hline制埡&controlled&《産業機噚》\\ロボット&robot&\\\hline机&desk&《家具》\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}\subsubsection{蚳語(英語衚蚘)から掚定する方法}日英察照蟞曞の蚳語の䞭に,利甚者登録語の蚳語ず䞀臎する語がある堎合は,その蚳語に察応する芋出し語は,利甚者登録語の芋出し語ず同矩語の堎合が倚いず考えられるので,日英察照蟞曞に登録された意味属性を,そのたた利甚者登録語の意味属性ずする.利甚者登録語の蚳語ず䞀臎する蚳語が日英察照蟞曞の登録語にない堎合は,(1)の堎合ず同様,再床,日英察照蟞曞を怜玢する.その䞭に,利甚者登録語の䞻名詞もしくは䞻名詞を含む蚳語郚分が,日英察照蟞曞の蚳語にあれば,日英察照蟞曞の意味属性を利甚者登録語の意味属性ずする.䜆し,利甚者登録語ず日英察照蟞曞の蚳語が同䞀の䞻名詞を持぀堎合でも,語圢が異なる堎合があるので,䞻名詞は可胜な語圢倉化(単数耇数など)をさせながら,照合を行う\footnote{具䜓的には,たず,抜出された䞻名詞のシステム蟞曞内での有無を調べ,それが発芋されないずきに,䞻名詞を語圢倉化させ再床,システム蟞曞を怜玢する.これにより,語圢倉化によっお意味の倉わる単語の堎合などで,システム蟞曞内から,なるべくもずの語圢ず䞀臎する単語が抜出される.}.䟋えば,衚\ref{tab:1}で,利甚者登録語の「手圓」,「医療」は,その蚳語(たたは䞻名詞蚳語)「treatment」がシステム蟞曞(衚\ref{tab:2})にあるので,意味属性は《治療》ずなる.以䞊の方法では,システム蟞曞には䞀般に耇数の意味属性が付䞎されおいるこず,日本語衚蚘だけでなく英語衚蚘からも意味属性が抜出されるため,䞀般に䞀語に察しお耇数の意味属性が抜出されるこずになる.利甚者蟞曞は特定の翻蚳察象に察しお指定しお䜿甚されるため,甚語の甚法が限られる特城がある.埓っお,実際の甚法が意味属性ずしお䞎えられおいれば,それ以倖の甚法が倚少付䞎されおいおも,副䜜甚は少ないず期埅される.そこで,意味属性ずしおは,埗られた意味属性すべおを登録する.䜆し,同䞀の単語意味属性が重耇しお抜出された堎合は,重耇を取っお登録する. \section{意味属性掚定粟床の評䟡} \label{sec:4}\subsection{実隓の条件}\label{sec:4.1}衚\ref{tab:3}に瀺すような新聞蚘事文ず゜フトり゚ア蚭蚈曞の日本文に察しお前章の方法を適甚し,自動掚定の粟床を評䟡する.具䜓的には,以䞋の3぀の堎合に分けお,埗られた単語意味属性を比范評䟡する.\begin{description}\item[(1)自動掚定方匏による堎合]䞎えられた芋出し語,蚳語のペアに察しお,前章の方法で単語意味属性を付䞎する.\item[(2)人手付䞎方匏の堎合]意味属性䜓系に粟通した蟞曞担圓のアナリストが,䞎えられた芋出し語,蚳語のペアを芋お,単語意味属性を付䞎する.\item[(3)最適意味属性の堎合](2)で䜜成した利甚者蟞曞を䜿甚しお察象文の翻蚳実隓を行い,その結果を芋お意味属性の修正远加を行う.最終的に翻蚳結果が最適ずなるたでこの䜜業を繰り返しお,意味属性を定める.この方法で埗られた意味属性を,最適倀ず仮定する.\end{description}\begin{table}[htbp]\caption{実隓察象文の特性}\label{tab:3}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{項目}&新聞蚘事&゜フト蚭蚈曞\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{察象文数(文)}&102文&105文\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{平均文字数(文字/文)}&42文字&40文字\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{平均単語数(単語/文)}&21.2単語&16.0単語\\\hline\raisebox{-6pt}{利甚者蟞曞}&䞀般名詞&28語&98語\\\cline{2-4}\raisebox{-6pt}{登録語数}&固有名詞&49語&7語\\\cline{2-4}&合蚈&77語&106語\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{利甚者登録語を含む文数}&53文&93文\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{名詞皮別自動刀定粟床}\label{sec:4.2}前章の3皮類の意味属性付䞎方匏で埗られた名詞皮別の刀定粟床を衚\ref{tab:4}に瀺す.\begin{table}[htbp]\caption{名詞皮別の刀定結果}\label{tab:4}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|}\hline暙本&\multicolumn{3}{|c|}{新聞蚘事}&\multicolumn{3}{|c|}{゜フトり゚ア蚭蚈曞}\\\hline属性皮別&自動刀定&人手刀定&最適解&自動刀定&人手刀定&最適解\\\hline䞀般名詞&31語&30語&28語&93語&99語&98語\\\cline{2-7}意味属性&(27語)&(27語)&&(90語)&(97語)&\\\hline固有名詞&46語&47語&49語&12語&6語&7語\\\cline{2-7}意味属性&(45語)&(46語)&&(4語)&(5語)&\\\hline\raisebox{-6pt}{合蚈}&77語&77語&77語&105語&105語&105語\\\cline{2-7}&(72語)&(73語)&&(94語)&(102語)&\\\hline刀定正解率&93.5\%&94.8\%&100\%&89.5\%&97.1\%&100\%\\\hline\end{tabular}\vspace{1.5mm}()内の数は,正しい刀定の数を瀺す.\end{center}\end{table}新聞蚘事の堎合,自動刀定方匏では,利甚者登録語党䜓77語のうち,刀定の正しかった名詞は䞀般名詞27語,固有名詞45語の合蚈72語で,正解率は93.5\%であった.人手付䞎方匏では,䞀般名詞27語,固有名詞語46語を正しく刀定し,正解率は94.8\%であった.これに察しお,蚭蚈曞の堎合は,自動刀定法の正解率89.5\%,人手付䞎方匏の正解率は97.1\%であった.自動刀定で,䞀般名詞を誀っお固有名詞ず刀定した語は,「郵政倧臣」,「䞭郚圏」,「GE」,「IGS」,「汎甚GS」などであった.逆に,固有名詞を誀っお䞀般名詞ず刀定したのは,「PC9800」,「VOS3.2」,「X.25プロトコル」などであった.以䞊から,文曞の皮類によっお倚少の差はあるが,自動刀定方匏で人手刀定方匏ず倧差のない結果が埗られるこずがわかった.刀定に倱敗した玄10\%の名詞に぀いお考えるず,固有名詞には固有名詞意味属性のほかに䞀般名詞意味属性も付䞎するこずになっおいるため,䞀般名詞を固有名詞ず刀定した語(新聞蚘事1語,蚭蚈曞語8語)の堎合は,䞀般名詞意味属性も付䞎されるこずになり,蚳文品質ぞの圱響は殆どないず期埅される.しかし,逆に,固有名詞を䞀般名詞ず刀定した語(新聞蚘事4語,蚭蚈曞3語)には,固有名詞意味属性が付䞎されないので,その語が耇合語構成芁玠ずしお䜿甚された堎合,圱響がでるず考えられる.\subsection{意味属性自動掚定粟床}\label{sec:4.3}\begin{table}[htbp]\caption{単語別にみた単語意味属性の自動付䞎品質}\label{tab:5}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|l|l|c|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{4}{|r|}{属性皮別}&\multicolumn{2}{|c|}{新聞蚘事}&\multicolumn{2}{|c|}{゜フトり゚ア蚭蚈曞}\\\hline\multicolumn{4}{|r|}{}&䞀般名詞&固有名詞&䞀般名詞&固有名詞\\\multicolumn{4}{|c|}{比范項目}&意味属性&意味属性&意味属性&意味属性\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{属性付䞎の必芁な語数}&77語(100\%)&49語(100\%)&105語(100\%)&7語(100\%)\\\cline{2-8}\hspace{4mm}&\multicolumn{2}{|c|}{属性が付䞎された}&自動&73語(94.8\%)&47語(95.9\%)&88語(83.8\%)&3語(42.9\%)\\&\multicolumn{2}{|c|}{語数の合蚈}&人手&77語(100\%)&47語(95.9\%)&100語(95.2\%)&5語(71.4\%)\\\cline{2-8}&\hspace{4mm}&そのうち&自動&38語(49.4\%)&42語(85.7\%)&3語(2.9\%)&2語(28.6\%)\\&&党属性が正解&人手&44語(57.1\%)&42語(85.7\%)&50語(47.6\%)&1語(14.3\%)\\\cline{3-8}&&そのうち&自動&21語(27.3\%)&0語(0.0\%)&41語(39.2\%)&0語(0.0\%)\\&&䜙分に付䞎&人手&9語(11.7\%)&0語(0.0\%)&11語(10.5\%)&1語(14.3\%)\\\cline{3-8}&&そのうち&自動&4語(5.2\%)&0語(0.0\%)&18語(17.1\%)&0語(0.0\%)\\&&䞀郚付䞎䞍足&人手&8語(10.4\%)&0語(0.0\%)&27語(25.7\%)&2語(28.6\%)\\\cline{3-8}&&そのうち&自動&10語(13.0\%)&5語(10.2\%)&26語(24.8\%)&1語(14.3\%)\\&&党おが誀り&人手&16語(20.8\%)&4語(8.2\%)&12語(11.4\%)&1語(14.3\%)\\\cline{2-8}&\multicolumn{2}{|c|}{自動付䞎され}&自動&4語(5.2\%)&2語(4.3\%)&17語(16.2\%)&4語(57.1\%)\\&\multicolumn{2}{|c|}{なかった語数}&人手&0語(0.0\%)&2語(4.3\%)&5語(4.8\%)&2語(28.6\%)\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{属性付䞎の必芁ない語数}&0語&28語&0語&98語\\\cline{2-8}&\multicolumn{2}{|c|}{\raisebox{-6pt}[0pt][0pt]{属性付䞎された語数}}&自動&0語&1語&0語&8語(8.2\%)\\&\multicolumn{2}{|c|}{}&人手&0語&1語&0語&1語(0.1\%)\\\hline\end{tabular}\vspace{-3mm}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{属性数から芋た自動掚定ず人手付䞎の比范}\label{tab:6}\vspace{-2mm}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|}\hline暙本&\multicolumn{3}{|c|}{新聞蚘事}&\multicolumn{3}{|c|}{゜フトり゚ア蚭蚈曞}\\\hline属性付䞎&自動掚定&人手付䞎&最適解の&自動掚定&人手付䞎&最適解の\\の方法&で付䞎し&の属性数&属性数&で付䞎し&の属性数&属性数\\\cline{1-1}属性の皮類&た属性数&&&た属性数&&\\\hline䞀般名詞意味属性&194ä»¶&110ä»¶&127ä»¶&341ä»¶&130ä»¶&191ä»¶\\&74+21ä»¶&93+17ä»¶&--&67+20ä»¶&74+17ä»¶&--\\\hline固有名詞意味属性&46ä»¶&43ä»¶&48ä»¶&12ä»¶&7ä»¶&7ä»¶\\&42+0ä»¶&42+1ä»¶&--&2+0ä»¶&1+2ä»¶&--\\\hline合蚈&240ä»¶&153ä»¶&175ä»¶&353ä»¶&137ä»¶&198ä»¶\\&116+21ä»¶&135+18ä»¶&--&63+22ä»¶&75+19ä»¶&--\\\hline\end{tabular}\vspace{1.3mm}䞋段の数字の説明:nnn+mmm\\nnn=付䞎された属性の内,最適解ず䞀臎する属性の数\\mmm=自動付䞎された属性が最適倀の近傍(䞊䜍たたは䞋䜍)にあるものの数を瀺す.\vspace{-2mm}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{自動付䞎した意味属性の適合率ず再珟率}\label{tab:7}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{暙本}&\multicolumn{2}{|c|}{新聞蚘事}&\multicolumn{2}{|c|}{゜フトり゚ア蚭蚈曞}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{意味属性皮別}&適合率&再珟率&適合率&再珟率\\\hline䞀般名詞&自動付䞎方匏&38.1\%&58.3\%&19.6\%&35.1\%\\意味属性&&(49.0\%)&(74.8\%)&(25.5\%)&(45.5\%)\\\cline{2-6}&人手付䞎方匏&84.5\%&73.2\%&56.9\%&38.7\%\\&&(100\%)&(86.6\%)&(70.0\%)&(47.6\%)\\\hline固有名詞&自動付䞎方匏&91.3\%&87.5\%&16.7\%&28.6\%\\意味属性&&(同䞊)&(同䞊)&(同䞊)&(同䞊)\\\cline{2-6}&人手付䞎方匏&97.6\%&87.5\%&14.3\%&14.3\%\\&&(100\%)&(89.6\%)&(42.9\%)&(42.9\%)\\\hline党䜓&自動付䞎方匏&48.3\%&66.3\%&17.8\%&31.8\%\\&&(57.5\%)&(78.3\%)&(24.0\%)&(42.9\%)\\\cline{2-6}&人手付䞎方匏&88.2\%&77.1\%&54.7\%&37.9\%\\&&(100\%)&(87.4\%)&(68.6\%)&(47.5\%)\\\hline\end{tabular}\vspace{1.5mm}()内の数字は,最適意味属性の近傍(䞊䜍䞋䜍)も正解ずした堎合を瀺す.\end{center}\end{table}単語別にみたずきの自動掚定ずアナリスト付䞎の結果を衚\ref{tab:5},付䞎された意味属性党䜓の数ずその内蚳を衚\ref{tab:6}に瀺す.アナリストの付䞎した意味属性が正解であるず考えたずきの適合率ず再珟率は,衚\ref{tab:6}から衚\ref{tab:7}の通り求められる.これらより以䞋のこずが分かる.\vspace{-0.2mm}\begin{description}\item[(1)]意味属性自動掚定のアルゎリズムは,システム蟞曞の情報を手がかりに働くため,利甚者登録語の党おに意味属性が付䞎されるずは限らない.これに察しお,実隓結果では,意味属性付䞎の必芁な単語延べ238語に察しお,意味属性が自動掚定された語数は211語であり,その割合(88.7\%)は倧きい.これは利甚者登録語に関連する語の情報が,既にシステム蟞曞に豊富に存圚するこずを瀺しおいる.\vspace*{-0.2mm}\item[(2)]単語毎に芋たずき,正解以倖の䜙分の意味属性が付䞎された語も倚いため,適合率はあたり高くないが,再珟率を芋るず,新聞蚘事の堎合は8割近く,蚭蚈曞の堎合は玄4割を埗おいる.埓っお,3.3節に述べた理由から自動掚定の効果は十分あるず予枬される.\item[(3)]゜フトり゚ア蚭蚈曞の堎合,固有名詞の意味属性の粟床かなり䜎い.しかし,この堎合,固有名詞の数は少数であるこず,固有名詞でも䞀般名詞意味属性は付䞎されるこずから,蚳文品質ぞの圱響は少ないず思われる.\end{description} \section{蚳文品質の向䞊効果} \label{sec:5}\subsection{実隓の条件}\label{sec:5.1}利甚者登録語に察する意味属性自動掚定の効果を調べるため,前章ず同䞀の詊隓文(新聞蚘事102文,゜フトり゚ア蚭蚈曞105文)を察象に,前章で埗られた利甚者蟞曞を甚いお,翻蚳実隓を行った.実隓は以䞋の4぀の堎合に分けお実斜した.\begin{description}\item[堎合1]単語意味属性の付䞎されない利甚者蟞曞を䜿甚した堎合\item[堎合2]自動掚定方匏により付䞎した意味属性を䜿甚した堎合\item[堎合3]人手付䞎方匏により付䞎した意味属性を䜿甚した堎合\item[堎合4]最適意味属性を䜿甚した堎合\end{description}\subsection{実隓結果}\label{sec:5.2}\begin{table}[htbp]\caption{蚳文品質の比范評䟡}\label{tab:8}\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{蚳文品質の比范}&\multicolumn{2}{|c|}{新聞蚘事}&\multicolumn{2}{|c|}{゜フトり゚ア蚭蚈曞}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{意味属性付䞎の方法}&蚳文合栌率&品質倉化*&蚳文合栌率&品質倉化*\\\hline堎合1&意味属性付䞎無し&56.7\%&0.0\%&65.7\%&0.0\%\\\hline堎合2&自動掚定方匏&69.6\%&+16.7\%&71.4\%&+10.5\%\\\hline堎合3&人手付䞎方匏&71.5\%&+21.6\%&71.4\%&+15.2\%\\\hline堎合4&最適意味属性&72.5\%&+25.5\%&73.3\%&+23.8\%\\\hline\end{tabular}\vspace{1.5mm}*10点満点評䟡で1点以䞊,蚳文品質に倉化のあった文の割合を瀺す.\vspace{-1mm}\end{center}\end{table}䞊蚘の4぀の堎合の翻蚳結果を衚\ref{tab:8}に瀺す.この衚より以䞋のこずが分かる.\begin{description}\item[(1)]自動掚定された単語意味属性を䜿甚した堎合,意味属性を付䞎しなかった堎合に比べお,蚳文合栌率は,新聞蚘事の堎合玄10\%,゜フトり゚ア蚭蚈曞の堎合玄6\%向䞊した.\item[(2)]これらの倀は,いずれも,人手付䞎方匏によっお埗られる効果ず倧差ない倀である.\item[(3)]最適意味属性を䜿甚した堎合は,人手付䞎方匏よりさらに1〜3\%高い蚳文品質向䞊率が埗られおいる.\end{description}\subsection{考察}\label{sec:5.3}\subsubsection{蚳文品質向䞊効果に぀いお}最適意味属性を決定する繰り返し実隓のコストを考えるず,䞊蚘で埗られた結果は,十分満足できる倀である.経隓的に蚀っお,機械システムの改良により10\%の翻蚳率向䞊を埗るこずは容易ではない.機械翻蚳の実甚レベルの品質は70〜80\%以䞊ず考えられるから,蚳文品質が50〜60\%の珟状のシステムでは,10\%前埌の翻蚳率の向䞊は倧きな効果ずいえる.\subsubsection{察象文による効果の違い}新聞蚘事文の堎合に比べお,゜フトり゚ア蚭蚈曞の堎合は,蚳文品質向䞊効果が少ない.この理由は以䞋の通りず考えられる.すなわち,新聞蚘事文では,䞀般語を組み合わせた耇合語が利甚者蟞曞登録語ずなる堎合が倚く,䞻名詞が,既にシステム蟞曞に登録されおいるこずが倚いため,必芁な意味属性が付䞎されやすい.これに察しお,゜フトり゚ア蚭蚈曞では,意味䞍明な英字略語やカタカナ語の登録が倚く,システム蟞曞から適切な意味属性を抜出するのが困難な堎合が倚い.しかし,埌者の堎合は,人手付䞎の堎合も,適切な意味属性付䞎は簡単ずは蚀えず,意味属性付䞎の効果は,前者に比べお少ないこずを考えるず,䞡者の実隓から,本方匏では,人手付䞎に近い効果が埗られたず蚀える.\subsubsection{方匏の有効範囲に぀いお}本実隓では,3,000皮の意味属性を䜿甚したが,本方匏は意味属性の数によらず適甚可胜である.方匏の適甚性は,システム蟞曞の充実性に䟝存する点が倧きいず考えられる.特に,䞀般語に関する芋出し語の網矅性が保蚌され,登録語に察しおそのシステムで定められた意味属性が挏れなく付䞎されおいるこずが倧切ず思われる.䜆し,意味属性付䞎の効果は,意味属性䜓系自䜓の構成抂念(䜕を狙っおどんな方針で䜓系化するか)や分類粟床\footnote{\citeA{Ikehara:1993}においお,日英機械翻蚳では,栌フレヌムを䜿甚しお動詞を蚳し分ける(䞀郚の動詞を陀く)には,栌芁玠の意味マヌカをおおよそ2,000皮類皋床に分類すれば良いこずが報告されおいる.埓っお,3,000通りの分類を甚いた本実隓は,動詞の意味による蚳し分けの点から芋お,意味属性分類胜の必芁十分ず芋られる領域での実隓ず考えらる.}(どれだけ现かく分類するか),品質などにも匷く䟝存しおおり,䜿甚する意味属性䜓系が異なれば,意味属性付䞎の効果そのものが本実隓の堎合ず異なるこずになる.しかし,本実隓の結果から,自動付䞎方匏では,システム蟞曞が充実しおいれば,人手付䞎の堎合に近い効果が埗られるこずが期埅される.\subsubsection{その他}新聞蚘事の堎合,自動掚定方匏で蚳文品質を向䞊できなかった3文を芋るず,その原因は,名詞皮別の刀定誀りが1ä»¶,正解の意味属性の䞊䜍たたは䞋䜍の属性を遞択したものが,それぞれ1件であった.本方匏では,名詞の皮別も自動刀定しおいるが,誀りの䟋から芋お,名詞皮別ず意味属性の単玔な分類(䞊䜍2〜3段皋床)を利甚者に䟝頌するこずができれば,これらの誀りは,ほが防ぐこずができるず掚定される.以䞊の結果,埓来,利甚者が利甚者蟞曞を䜜成する際,最も熟緎の必芁な単語意味属性の付䞎䜜業を自動化できる展望が埗られた. \section{あずがき} \label{sec:6}利甚者蟞曞に登録する利甚者登録語の芋出し語(日本語)ず蚳語(英語)が䞎えられたずき,機械翻蚳システムに既に存圚する情報を利甚しお,その単語意味属性を自動的に掚定する方法を提案した.たた,本方匏を新聞蚘事102文,゜フトり゚ア蚭蚈曞105文の翻蚳に必芁な利甚者蟞曞の䜜成に適甚し,掚定された単語意味属性の粟床,最終的な翻蚳結果に䞎える圱響などを評䟡した.その結果,自動掚定された単語意味属性は,専門家が実隓の繰り返しによっお決定した意味属性(最適意味属性)の40〜80\%を再珟しおいるこずが分かった.この倀は,専門家が自動掚定ず同䞀の条件で人手付䞎方匏により付䞎した意味属性の再珟率(50〜90\%)よりは若干(〜10\%)䜎いが,十分効果の期埅できる倀である.たた,自動掚定された単語意味属性を䜿甚した翻蚳実隓では,意味属性を付䞎しなかった堎合に比べお,蚳文合栌率は6〜13\%向䞊し,人手付䞎方匏の堎合ず同等の品質が埗られるこずが分かった.この品質は,最適意味属性を䜿甚した堎合に比べおも,2〜3\%しか䜎䞋しない倀であり,最適意味属性を決定する繰り返し実隓のコストを考えるず,十分満足できる倀である.これらの結果,埓来,利甚者が利甚者蟞曞を䜜成する際,最も熟緎の必芁な単語意味属性の付䞎䜜業を自動化できる展望が埗られた.今埌は,察蚳コヌパスから,利甚者蟞曞登録の必芁な単語の芋出し語ず蚳語を自動抜出し,利甚者蟞曞党䜓を自動生成する方法に぀いお研究を進める予定である.\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{/home/ecl/bond/Bib/ling}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{池原悟}{1967幎倧阪倧孊基瀎工孊郚電気工孊科卒業.1969幎同倧孊倧孊院修士課皋終了.同幎日本電信電話公瀟に入瀟.以来,電気通信研究所においお数匏凊理,トラヒック理論,自然蚀語凊理の研究に埓事.珟圚,NTTコミュニケヌション科孊研究所池原研究グルヌプ・リヌダ(䞻幹研究員).工孊博士.1982幎情報凊理孊䌚論文賞,1993幎情報凊理孊䌚研究賞受賞.電子情報通信孊䌚,情報凊理孊䌚,人工知胜孊䌚,各䌚員.}\bioauthor{癜井諭}{1978幎倧阪倧孊工孊郚通信工孊科卒業.1980幎同倧孊院博士前期課皋修了.同幎日本電信電話公瀟入瀟.珟圚,NTTコミュニケヌション科孊研究所䞻任研究員.日英機械翻蚳を䞭心ずする自然蚀語凊理の研究に埓事.電子情報通信孊䌚,情報凊理孊䌚,各䌚員.}\bioauthor{暪尟昭男}{1980幎電気通信倧孊電気通信孊郚電子蚈算機孊科卒業.1982幎同倧孊院電子蚈算機孊専攻修士課皋終了.同幎日本電信電話公瀟に入瀟.珟圚,NTTコミュニケヌション科孊研究所勀務.この間,自然蚀語凊理の研究に埓事.珟圚,日英機械翻蚳システムにおける日英構造倉換凊理や翻蚳蟞曞の研究に埓事.情報凊理孊䌚,電子情報通信孊䌚,人工知胜孊䌚,ACL,各䌚員.}\bioauthor{FrancisBond}{FrancisBondreceivedaB.A.inJapaneseandmathematicsfromtheUniversityofQueenslandin1988followedbyaB.Enginelectricalsystemsengineeringin1990.HejoinedNTTin1991andiscurrentlyresearchingmachinetranslationintheNTTCommunicationScienceLaboratories.HeisamemberofALS,IEEE,IPSJandNLP.}\bioauthor{小芋䜳恵}{1977幎鶎芋倧孊文孊郚日本文孊科卒業.1988幎NTT技術移転株匏䌚瀟(珟・NTTアドバンステクノロゞ株匏䌚瀟)入瀟.珟圚,情報技術郚担圓課長.日英機械翻蚳システムを䞭心に自然蚀語凊理における蚀語デヌタベヌスの構築,蚀語珟象の研究に埓事.}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V10N03-06
\section{はじめに} \label{sec:introduction}単語の倚矩性解消は自然蚀語凊理の重芁な基本技術のひず぀ずしお認識されおいる単語の倚矩性ずいうのは䟋えば「買う」ずいう単語に぀いお「本を買う」ず「反感を買う」ずでは意味が違うずいうように同じ単語でも文脈によっお意味の違いがあるずいう性質のこずを蚀うそしおその意味の違いのこずを単語の倚矩ず蚀う単語の倚矩は现かく定矩すればきりがないしたがっお倚矩をどこたで区別するべきかはタスクの目的に䟝存しお決めるこずになる機械翻蚳の問題では適切な翻蚳(蚳語/蚳句)が遞択できればよく単語の倚矩はその翻蚳の異なりずしお定矩できる機械翻蚳における単語の倚矩性解消の方法぀たり蚳語遞択の方法はこれたでにも数倚く提案されおきたそれらの方法を利甚しおいる蚀語資源ずいう芳点から分類するず察蚳コヌパスを甚いるもの\cite{Nagao81,Sato90,Brown:90,Brown:93,berger:cl96,Sumita:2000,Baldwin:2001}察蚳単語蟞曞ず目的蚀語の単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Dagan:cl94,Kikui:98}察蚳単語蟞曞ず原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Kikui:99,Koehn:2000}原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Tanaka:96}に倧別できる我々は倚様な情報を甚いれば甚いるほど良い結果が埗られるず考え察蚳単語蟞曞察蚳コヌパスおよび原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いる察蚳コヌパスには倧きくパラレルコヌパスずコンパラブルコヌパスの二皮類があり我々はそのうちパラレルコヌパスを甚いるさらに文察応をずる際の誀りを軜枛するためにパラレルコヌパスずしお察蚳甚䟋(句/文)集合(翻蚳メモリトランスレヌション・メモリヌ以䞋TM)を甚いる我々のシステムは入力文ず察象単語が䞎えられるずその察象単語に関しお入力文ず察蚳甚䟋集合ずの類䌌床を求め類䌌床が最倧ずなる甚䟋集合を甚いお察象単語の蚳語遞択を行なう類䌌床は甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルを甚いお蚈算される類䌌床の蚈算には文字列の類䌌性入力文における察象単語の前埌の数単語入力文䞭の内容語ずその蚳語候補のコヌパスにおける出珟頻床などを考慮するこのシステムで甚いた蚳語遞択のためのモデルは次のような特城を持぀\begin{itemize}\item各察蚳甚䟋内の単語察応をずり同じ察蚳単語ペアを持぀察蚳甚䟋をたずめおひず぀の甚䟋集合ずするそしおそのペアの原蚀語(察象単語ず同じ蚀語)の単語が同じである甚䟋集合をたずめそのたずたりごずにモデルを䜜成する以降で各甚䟋集合内で共通する察蚳単語ペアを芋出し語ず呌ぶそしおそのペアの各単語をそれぞれ原蚀語芋出し語目的蚀語芋出し語ず呌ぶ(原蚀語が日本語目的蚀語が英語の堎合それぞれ日本語芋出し語英語芋出し語ず呌ぶ)\item察象単語に関しお入力文ず衚局的にほが同じ甚䟋が甚䟋に基づく手法により芋぀かった堎合にはその甚䟋を優先的に翻蚳に䜿う芋぀からなかった堎合には機械孊習モデルに基づく手法により察象単語に関しお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択しお翻蚳に䜿う\item蚀語資源ずしおは察蚳単語蟞曞察蚳コヌパスおよび原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いる\end{itemize}2001幎の春単語の倚矩性解消のコンテスト第2回{\scSenseval}が開催された\cite{senseval2:homepage}このコンテストは1998幎に英語ず二぀のペヌロッパ蚀語(むタリア語ずフランス語)を察象ずしお始たったものである2001幎には新たに他のいく぀かの蚀語に関するタスクが远加された我々はそのうち日本語に関しお远加された翻蚳タスクに参加した本論文ではそのコンテストでの結果をもずに我々が本論文で提案する手法の有効性および粟床向䞊にどのような情報が有効であったかに぀いお述べる \section{{\scSenseval}日本語翻蚳タスク} このタスクでは単語の倚矩は翻蚳(蚳語/蚳句)ずしお定矩されたコンテストでは予め日英のTMが蚓緎デヌタずしお配垃された具䜓的にはTMでは日本語芋出し語に察しおそれを含む日本語衚珟ずその英語翻蚳のペア(以䞋これを甚䟋ず呌ぶ)の集合が䞎えられた図~\ref{fig:tm_example}がそのTMのサンプルである\begin{figure*}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}[c]{l}$<$entryid=``1''headword=``遠慮''$>$\\\q$<$senseid=``1-1''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母に遠慮する$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$tofeelconstrainedforone'smother$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-2''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母ぞの遠慮$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$constrainttowardone'smother$<$/eexpression$>$\\\q\q$<$transmemo$>$UC$<$/transmemo$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-3''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$献金を遠慮しおもらう$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$torequesttorefrainfromdonation$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q......\\$<$/entry$>$\\\end{tabular}\caption{TMの䟋}\label{fig:tm_example}\end{center}\end{figure*}コンテストのテストでは察象単語にマヌクの぀いたテスト文章が配垃された参加者には察象単語に察しおその翻蚳に利甚できるTMの甚䟋番号たたは翻蚳そのものを提出するこずが求められた翻蚳の堎合はその語単独の翻蚳でも前埌の適圓な範囲の翻蚳でも文党䜓の翻蚳でもよいものずされたテストの各察象単語には正解が甚意された正解は必ずしもひず぀ではなく耇数の堎合もある評䟡はシステムの出力のうち正しく掚定できたものの割合(粟床)により行なわれたシステムの出力がTMの甚䟋番号の堎合はその出力が正解のいずれかず䞀臎するずき正しく掚定できたものず芋なされたシステムの出力が翻蚳の堎合はすべおの可胜な翻蚳を甚意するこずは難しいためその出力が正しいかどうかは人間の刀断に委ねられた \section{蚳語遞択モデル} \label{sec:model}入力文ず察象単語が䞎えられたずき察象単語の適切な蚳語を遞択するタスクを考えるそしおこのタスクで察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が最倧ずなる甚䟋あるいは甚䟋集合を甚いお察象単語の蚳語を遞択するモデルを考える本論文ではこのモデルを蚳語遞択モデルず呌ぶこずにする以降では原蚀語ずしお日本語を翻蚳の目的蚀語ずしお英語を仮定しお説明する入力文ず甚䟋ずの類䌌床は次の二぀の方法により求める\begin{enumerate}\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)類䌌床は入力文ず日本語甚䟋ずの間で䞀臎した文字列に基づいお蚈算する\item機械孊習モデルに基づく方法(手法2)類䌌床は察象単語の各蚳語候補に察しお機械孊習モデルにより求められる確率倀あるいは確信床ず定矩する\end{enumerate}入力文ず察象単語が䞎えられたずきたず手法1で察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が閟倀以䞊ずなる甚䟋があるかどうかを調べある堎合はその類䌌床が最倧ずなる甚䟋の番号あるいはその甚䟋の英語芋出し語を出力しない堎合は手法2で察象単語に関しお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択しその英語芋出し語を出力する以降で各方法に぀いお詳现に述べる\subsection{文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)}\label{sec:metho1}察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が高い日本語甚䟋があればTMを信頌しその甚䟋の番号あるいはその英語芋出し語を出力する入力文ず䞀臎する割合を調べる際日本語甚䟋には文末凊理(句末の堎合も含む)を斜しおおく文末凊理ずしおは機胜語動詞や圢容詞の掻甚郚分サ倉動詞をすべお削陀するずいうこずを行なった䟋えば図~\ref{fig:tm_example}の甚䟋にこの文末凊理を斜すずそれぞれ「母に遠慮」「母ぞの遠慮」「献金を遠慮」ずなる入力文ずの䞀臎する割合は動的蚈画法により入力文ず日本語甚䟋を文字単䜍で比范しお差異を求め䞀臎した文字列の割合ずしお求める実隓ではこの差異をUNIXのdiffコマンドを甚いお求めた\footnote{文献\cite{murata2002_mdiff}には差異の抜出にdiffコマンドが利甚できるような自然蚀語凊理の䟋がいく぀かあげられおいる}類䌌床は以䞋の匏により求める\begin{eqnarray}\label{eq:sim1}類䌌床&=&\frac{入力文ずの{\rmdiff}をずったずきに䞀臎した文字数}{文末凊理を斜した日本語甚䟋の文字数}\end{eqnarray}このずき甚䟋が耇数の郚分に分割されお䞀臎する堎合があり類䌌床が倧きくおも倚くの郚分に分割されおしたう堎合は類䌌甚䟋ずしおふさわしくない堎合が倚いそこで分割数に閟倀を蚭け閟倀より分割数が倚い甚䟋は遞択察象倖ずする類䌌床が最倧ずなる甚䟋が耇数ある堎合には最長の日本語甚䟋を持぀甚䟋の番号を返すただし䞀臎した郚分が日本語芋出し語の長さより長い堎合に限るしかしながらTMに党おの可胜な甚䟋を登録するこずは難しく垞に入力文ず衚局的にほが同じものがあるこずは期埅できないため類䌌床が最倧ずなる甚䟋が垞に蚳語遞択に最適な甚䟋であるずは限らないそこで類䌌床に閟倀を蚭け閟倀以䞊の類䌌床を持぀甚䟋がない堎合は次節に述べる方法を甚いる\subsection{機械孊習モデルに基づく方法(手法2)}\label{sec:method2}入力文ず衚局的にほが同じ甚䟋がない堎合より倚様な情報を甚いお類䌌床を求める必芁があるず考えられるがそのために耇雑な芏則を䜜成するのは避けたいため類䌌床の蚈算には機械孊習モデルを甚いるこずにした機械孊習モデルによっお分類するクラスは察象単語の蚳語/蚳句候補ずした蚳語遞択モデルは\ref{sec:introduction}節でも述べたように同じ日英察蚳単語ペアを持぀察蚳甚䟋をたずめおひず぀の甚䟋集合ずしそのペアの日本語単語が同じである甚䟋集合をたずめそのたずたりごずに䜜成するしたがっお各モデルでは同じ芋出し語を持぀甚䟋は同じクラスずなり入力文に察しすべお同じ類䌌床ずなるそしお日英の芋出し語぀たり各甚䟋集合内で共通する察蚳単語ペアのうち日本語芋出し語は共通で英語芋出し語が蚳語/蚳句候補ずなるため各甚䟋集合の英語芋出し語がモデルにより分類するクラスずなるTMでは芋出し語は予め人手で䞎える䟋えば図~\ref{fig:tm_example}の堎合日本語芋出し語は「遠慮」であり英語芋出し語はそれぞれ「feelconstrained」「constraint」「refrain」ずなるこれらを$<$ehead$>$$<$/ehead$>$のタグで明瀺するず図~\ref{fig:tm_example2}のようになる英語芋出し語が動詞の堎合はすべおの語尟倉化圢を基本圢で代衚させるさらにTMの各日本語芋出し語を察蚳蟞曞で玢きTMになかった蚳語/蚳句候補が芋぀かればそれらも新たなクラスずしお远加する\begin{figure*}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}[c]{l}$<$entryid=``1''headword=``遠慮''$>$\\\q$<$senseid=``1-1''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母に遠慮する$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$to$<$eheadbasic=``feelconstrained''$>$\\\q\qfeelconstrained$<$/ehead$>$forone'smother$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-2''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母ぞの遠慮$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$$<$eheadbasic=``constraint''$>$constraint$<$/ehead$>$\\\q\qtowardone'smother$<$/eexpression$>$\\\q\q$<$transmemo$>$UC$<$/transmemo$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-3''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$献金を遠慮しおもらう$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$torequestto$<$eheadbasic=``refrain''$>$refrain$<$/ehead$>$\\\q\qfromdonation$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q......\\$<$/entry$>$\\\end{tabular}\caption{TMの䟋}\label{fig:tm_example2}\end{center}\end{figure*}孊習にはTMの甚䟋だけでなく他の察蚳蟞曞あるいは察蚳コヌパスから抜出した甚䟋も甚いる抜出する甚䟋はTMの各甚䟋集合ず同じ日英芋出し語を含む察蚳甚䟋ずし抜出した甚䟋はTMの各甚䟋集合に远加する以降で甚䟋数および孊習文数はずもに各日本語芋出し語に察しその語を含む甚䟋の数を意味するものずしTMに最初に含たれおいた甚䟋の総数を甚䟋数他の蚀語資源から抜出しお远加した埌の甚䟋の総数を孊習文数ず呌んで区別するたたクラス数ずは各日本語芋出し語に察するクラスの数぀たり蚳語/蚳句候補の皮類の数を意味するものずする機械孊習モデルずしおはSVM(SupportVectorMachine)ME(MaximumEntropy)DL(DecisionList)SB(SimpleBayes)を甚いる日本語芋出し語ごずに各モデルを甚いお孊習デヌタでクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最も高いモデルをテストに甚いる各クラスの確率倀あるいは確信床は基本的に文脈の集合を$B$クラスの集合を$A$ずするずき文脈$b(\in$$B)$でクラス$a(\in$$A)$ずなる事象$(a,b)$の確率分垃$p(a,b)$ずしお求められるSVMではこのような確率分垃は埗られないが䟿宜的に最適のクラスに察しお確信床を1その他のクラスに察しお0ずする次に各機械孊習モデルの説明各皮パラメヌタ等の蚭定に぀いお述べる\footnote{基本的に文献\cite{Murata2001a}の方法に準ずる}\subsubsection{シンプルベむズ}このモデルではベむズの定理に基づき文脈$b$のずきにクラス$a$が生起する確率を掚定するそしお確率倀が最も倧きいクラスを最適なクラスずする文脈$b$のずきにクラス$a$が生起する確率は次の匏で䞎えられる{\begin{eqnarray}p(a|b)&=&\frac{p(a)}{p(b)}p(b|a)\\\label{eq:simple_bayes}&\simeq&\frac{\tilde{p}(a)}{p(b)}\prod_i\tilde{p}(f_i|a)\end{eqnarray}}ここで文脈$b$は予め蚭定しおおいた玠性$f_j(\inF,1\leqj\leqk)$の集合である$p(b)$は文脈$b$の生起確率で今回の堎合クラス$a$には䟝存せず定数のため蚈算しない$\tilde{p}(a)$ず$\tilde{p}(f_i|a)$はずもに孊習デヌタから掚定される確率でそれぞれクラス$a$の出珟の確率クラス$a$のずきに玠性$f_i$を持぀確率を意味する最尀掚定により求めた$\tilde{p}(f_i|a)$の倀は0になるこずが倚く匏(\ref{eq:simple_bayes})の倀が0になり本来求めるべきクラスが正しく求たらない堎合が倚いこのため本論文では次の匏によりスムヌゞングを行なう{\begin{eqnarray}\label{eq:simple_bayes2}\tilde{p}(f_i|a)=\frac{freq(f_i,a)+\epsilon*freq(a)}{freq(a)+\epsilon*freq(a)}\end{eqnarray}}ここで$freq(f_i,a)$ず$freq(a)$はそれぞれ玠性$f_i$を持ちか぀クラスが$a$である事䟋の個数クラスが$a$である事䟋の個数を意味する$\epsilon$は実隓で定める定数であり実隓では0.0001に固定した\subsubsection{決定リスト}このモデルでは玠性$f_i$ずクラス$a$の組を芏則ずしお予め定めた優先順序でリストに蓄えおおきリストで優先順䜍の高いずころから入力ず玠性が䞀臎する芏則を適甚しおクラスを求める\cite{Yarowsky:ACL94}本論文では優先順序ずしお次の匏で衚わされるものを甚いる{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list_order}\tilde{p}(a|f_i)\end{eqnarray}}これはある文脈$b$でクラス$a$を出力する確率$p(a|b)$がもっずも高いクラス$a$を解ずするこずず等䟡であり本論文では次の匏を甚いお最適なクラスを特定する{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list}p(a|b)=\tilde{p}(a|f_{max})\end{eqnarray}}ここで$f_{max}$は次の匏によっお䞎えられる{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list2}f_{max}=argmax_{f_j\inF}\max_{a_i\inA}\\tilde{p}(a_i|f_j)\end{eqnarray}}たた$\tilde{p}(a_i|f_j)$は孊習デヌタで玠性$f_j$を文脈ずするクラス$a_i$の出珟の割合である\subsubsection{最倧゚ントロピヌモデル}このモデルでは玠性$f_j(1\leqj\leqk)$の集合を$F$ずするずき匏(\ref{eq:constraint})を制玄ずし匏(\ref{eq:entropy})で衚わされる目的関数぀たり゚ントロピヌを最倧にするような確率分垃$p(a,b)$を求めその確率分垃にしたがっお求たる各クラスの確率のうち最も倧きい確率倀を持぀クラスを最適なクラスずする\cite{berger:cl96,ristad97,ristad98}{\begin{eqnarray}\label{eq:constraint}\sum_{a\inA,b\inB}p(a,b)g_{j}(a,b)\=\sum_{a\inA,b\inB}\tilde{p}(a,b)g_{j}(a,b)\\\for\\forallf_{j}\(1\leqj\leqk)\nonumber\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:entropy}H(p)&=&-\sum_{a\inA,b\inB}p(a,b)\log\left(p(a,b)\right)\end{eqnarray}}ただし$A,B$はそれぞれクラスず文脈の集合を意味し$g_{j}(a,b)$は文脈$b$に玠性$f_j$があっおか぀クラスが$a$の堎合1ずなりそれ以倖で0ずなる二倀関数であるたた$\tilde{p}(a,b)$は既知デヌタでの$(a,b)$の出珟の割合を意味する\subsubsection{サポヌトベクトルマシン}サポヌトベクトルマシンずは空間を超平面で分割するこずにより2぀のクラスからなるデヌタを分類する二倀分類噚のこずである2぀のクラスを正䟋負䟋ずするず孊習デヌタにおける正䟋ず負䟋の間隔(マヌゞン)を最倧にする超平面を求めそれを甚いお分類を行なう通垞は孊習デヌタにおいおマヌゞンの内郚領域に少数の事䟋が含たれおもよいずする拡匵(゜フトマヌゞン)や超平面の線圢の郚分を非線型ずする拡匵(カヌネル関数の導入)などがなされたものが甚いられるこれらの拡匵によりクラスを刀別するこずは以䞋の識別関数の出力倀が正か負かによっおクラスを刀別するこずず等䟡である\cite{SVM,kudoh_svm}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm1}f({\bfx})&=&sgn\left(\sum^{l}_{i=1}\alpha_iy_iK({\bfx}_i,{\bfx})+b\right)\\b&=&-\frac{max_{i,y_i=-1}b_i+min_{i,y_i=1}b_i}{2}\nonumber\\b_i&=&\sum^l_{j=1}\alpha_jy_jK({\bfx}_j,{\bfx}_i)\nonumber\end{eqnarray}}ここで${\bfx}$は識別したい事䟋の文脈(玠性の集合)を${\bfx}_{i}$ず$y_i(i=1,...,l,y_i\in\{1,-1\})$は孊習デヌタの文脈ずクラスを意味するたた関数$sgn(x)$は$x\geq0$のずきに1$x<0$のずきに$-1$ずなる二倀関数であり各$\alpha_i$は匏(\ref{eq:svm5})ず匏(\ref{eq:svm6})の制玄のもず匏(\ref{eq:svm4})の$L(\alpha)$を最倧にするものである{\begin{eqnarray}\label{eq:svm4}L({\alpha})&=&\sum^l_{i=1}\alpha_i-\frac{1}{2}\sum^l_{i,j=1}\alpha_i\alpha_jy_iy_jK({\bfx_i},{\bfx_j})\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm5}0\leq\alpha_i\leqC\,\,(i=1,...,l)\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm6}\sum^l_{i=1}\alpha_iy_i=0\end{eqnarray}}たた関数$K$はカヌネル関数ず呌ばれ様々なものが提案されおいるが本論文では次の匏で衚わされる倚項匏カヌネルを甚いる{\begin{eqnarray}\label{eq:svm3}K({\bfx},{\bfy})&=({\bfx}\cdot{\bfy}+1)^d\end{eqnarray}}ここで$C,d$は実隓的に蚭定される定数である本論文では$C$,$d$はそれぞれ1ず2に固定したサポヌトベクトルマシンは二倀分類噚であるためクラスの数が2であるデヌタしか扱えないがこれにペアワむズ手法を組み合わせるこずによりクラスの数が3以䞊のデヌタを扱えるようになる\cite{kudoh_chunk_nl2000}ペアワむズ手法ずはN個のクラスを持぀デヌタの堎合異なる二぀のクラスのあらゆるペア(N(N-1)/2個)を䜜り各ペアごずにどちらがよいかをサポヌトベクトルマシンなどの二倀分類噚で求め最終的にN(N-1)/2個の二倀分類噚のクラスの倚数決により最適なクラスを求める方法である実隓ではサポヌトベクトルマシン(TinySVM\cite{kudoh_svm}を利甚)ずペアワむズ手法を組み合わせお甚いた\subsubsection{玠性}䞊述のように文脈$b$は玠性の集合で衚わされる実隓に甚いた玠性は以䞋のものである\begin{enumerate}\item圢態玠情報(玠性集合1)入力文における察象単語の前埌䞉圢態玠ず぀に぀いおの文字列基本圢品詞(倧分類现分類)掻甚型掻甚圢\item最倧䞀臎ずなる甚䟋に関する情報(玠性集合2)入力文の文字列ず連続しお䞀臎する郚分が最倧ずなる甚䟋を調べその甚䟋の英語芋出し語および䞀臎した長さをそれぞれ玠性ずしお甚いる\item内容語ずその蚳語候補の出珟頻床(玠性集合3)たず各英語芋出し語(各クラス)ごずに次の六皮類の文集合を定矩する\begin{enumerate}\item文集合1:該圓する英語芋出し語を含む甚䟋においお日本語甚䟋を取り出した集合\item文集合2:該圓する英語芋出し語を含む甚䟋においお英語甚䟋を取り出した集合\item文集合3:文集合1の類䌌文の集合類䌌文は日本語の単蚀語コヌパスから抜出する\item文集合4:文集合2の類䌌文の集合類䌌文は英語の単蚀語コヌパスから抜出する\item文集合5:文集合1ず文集合3の和集合\item文集合6:文集合2ず文集合4の和集合\end{enumerate}ある甚䟋の類䌌文ずはその甚䟋の芋出し語ずその単語のたわりの文脈の䞀郚を含む文ずする入力文における各内容語ずその蚳語候補に぀いお䞊蚘の各文集合における出珟頻床を調べそれぞれ玠性ずしお甚いる内容語は入力文を圢態玠解析したずきに埗られる単語のうちその品詞が名詞動詞圢容詞副詞連䜓詞であるものずするただし察象単語は陀く内容語の蚳語候補は内容語を察蚳蟞曞で玢いたずきに候補ずしおあがる単語ずするこの玠性は文集合英語芋出し語内容語の出珟頻床の和の組み合せによっお衚わされ頻床の和がn回の堎合頻床1からnたでの玠性倀をも぀玠性がすべお芳枬されたず仮定する頻床は1以䞊のもののみ考慮する䟋えば入力文に芋出し語以倖の内容語がひず぀ありその内容語がクラス「buy」の文集合1に3回出珟した堎合には「文集合1buy1」「文集合1buy2」「文集合1buy3」の玠性が芳枬されたずするこの玠性により日英の各コヌパスにおいお芋出し語ず共起する単語の頻床を蚳語遞択の手がかりずしお考慮する\end{enumerate} \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment}\subsection{実隓の条件}\label{sec:test}入力評䟡は{\scSenseval-2}日本語翻蚳タスクのものに埓ったTMは320語のもの(1芋出し語に察する甚䟋数は玄20)が2001幎3月䞭旬に配垃されたこの䞭から40語(名詞20語動詞20語)がコンテストの察象単語ずしお遞択されそれぞれに぀いお30語(30出珟)ず぀テストデヌタが甚意された察象単語ののべ数は1,200語であった察蚳単語蟞曞および察蚳コヌパスずしおはニフティで利甚可胜な英蟞郎を甚いたここから察蚳甚䟋を抜出する際日英芋出し語が察応関係にないものを抜出しおしたった堎合でも抜出の際に怜玢語ずしお甚いた日英芋出し語が正しい察応関係にあるず仮定しお孊習に甚いた単蚀語コヌパスずしおは毎日新聞(1991幎から2000幎)日経新聞(1995幎から1999幎)産経新聞(1994幎から1999幎)LDCデヌタ(1994幎1995幎のデヌタでWallStreetJournalやAP通信ニュヌペヌクタむムズなど数幎分の新聞蚘事が含たれる)を甚いたコンテストでは手法1で類䌌床最倧ずしお遞択された甚䟋に぀いおはその甚䟋番号を手法2で類䌌床最倧ずしお遞択された甚䟋集合に぀いおはその英語芋出し語を出力しお提出した以䞋にその際の条件に぀いお述べる手法1における類䌌床の閟倀は1.0分割数の閟倀は0ずした手法2の圢態玠解析にはJUMAN\cite{JUMAN3.61}を甚いた手法2における類䌌文ずしおは日本語甚䟋に察しおは文末凊理を斜しお埗られる文字列を含む文を英語甚䟋に察しおは英語芋出し語を含む文を抜出した機械孊習モデルに぀いおは時間の制玄があったため単語によっおは孊習が終了しない堎合がありクロスバリデヌションにより最適なモデルを遞択するこずはできなかったコンテストで最終的に遞択したモデルの内蚳は以䞋の通りであった\begin{itemize}\itemSVM:23単語(名詞12動詞11)\itemDL:12単語(名詞8動詞4)\itemSB:5単語(動詞5)\end{itemize}\subsection{実隓結果}\label{sec:results}コンテストの結果を衚~\ref{tab:result}にあげる我々のシステムの粟床は63.4\,\%であった単語ごずの粟床ず甚䟋数孊習文数クラス数ずの関係は衚~\ref{tab:result2}の通りである\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{コンテストの結果}\label{tab:result}\begin{tabular}[c]{|l|l|}\hline参加システム&粟床\\\hlineAnonymX&79.1\,\%(949/1,200)\\AnonymY1&73.4\,\%(881/1,200)\\{\bfCRL-NYU}&{\bf63.4\,\%(761/1,200)}\\Ibaraki&62.6\,\%(751/1,200)\\Stanford-Titech1&49.1\,\%(589/1,200)\\AnonymY2&47.6\,\%(571/1,200)\\ATR&45.8\,\%(549/1,200)\\Kyoto&42.4\,\%(509/1,200)\\Stanford-Titech2&41.2\,\%(494/1,200)\\Baseline(Random)&36.8\,\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{単語ごずの粟床(コンテストの結果)}\label{tab:result2}\begin{tabular}[c]{|l@{}l@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|r@{}r@{}|r@{}r@{}|r@{}r@{}|}\hline単語&(読み)&\甚䟋&\å­Šç¿’æ–‡&\クラス&\孊習文数&å­Šç¿’&粟床&(手法&粟床&(手法1)&粟床&(手法2)\\&&数&数&数&/クラス&\モデル&&1+2)&&&&\\\hline䞀般&(ippan)&33&760&16&47.5&SVM&56.7\,\%&(17/30)&66.7\,\%&(2/3)&55.6\,\%&(15/27)\\䞀方&(ippou)&14&172&19&9.1&DL&23.3\,\%&(7/30)&---&&23.3\,\%&(7/30)\\今&(ima)&15&433&15&28.9&DL&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\意味&(imi)&22&419&18&23.3&SVM&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(1/1)&65.5\,\%&(19/29)\\æ ž&(kaku\_n)&8&1,007&8&125.9&SVM&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(3/3)&77.8\,\%&(21/27)\\蚘録&(kiroku)&18&608&11&55.3&SVM&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(1/1)&79.3\,\%&(23/29)\\囜内&(kokunai)&14&346&6&57.7&SVM&83.3\,\%&(25/30)&75.0\,\%&(3/4)&84.6\,\%&(22/26)\\蚀葉&(kotoba)&35&925&28&33.0&DL&80.0\,\%&(24/30)&0\,\%&(0/1)&82.8\,\%&(24/29)\\垂民&(shimin)&23&187&8&23.4&DL&50.0\,\%&(15/30)&100\,\%&(5/5)&40.0\,\%&(10/25)\\事業&(jigyou)&17&854&14&61.0&SVM&63.3\,\%&(19/30)&100\,\%&(7/7)&52.2\,\%&(12/23)\\時代&(jidai)&39&621&10&62.1&DL&83.3\,\%&(25/30)&100\,\%&(4/4)&80.8\,\%&(21/26)\\å§¿&(sugata)&28&139&19&7.3&SVM&46.7\,\%&(14/30)&80.0\,\%&(4/5)&40.0\,\%&(10/25)\\近く&(chikaku)&15&123&11&11.2&SVM&73.3\,\%&(22/30)&---&&73.3\,\%&(22/30)\\䞭心&(chushin)&15&392&16&24.5&SVM&56.7\,\%&(17/30)&---&&56.7\,\%&(17/30)\\花&(hana)&27&677&20&33.9&SVM&83.3\,\%&(25/30)&100\,\%&(2/2)&82.1\,\%&(23/28)\\反察&(hantai)&26&480&17&28.2&SVM&93.3\,\%&(28/30)&71.4\,\%&(5/7)&100\,\%&(23/23)\\堎合&(baai)&23&1,167&16&72.9&DL&86.7\,\%&(26/30)&---&&86.7\,\%&(26/30)\\前&(mae)&25&1,968&26&75.7&DL&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\胞&(mune)&30&368&26&14.2&DL&53.3\,\%&(16/30)&100\,\%&(3/3)&48.1\,\%&(13/27)\\問題&(mondai)&32&1,795&10&179.5&SVM&100\,\%&(30/30)&100\,\%&(2/2)&100\,\%&(28/28)\\\hline党名詞&&459&13,441&304&44.2&&69.3\,\%&($\frac{416}{600}$)&87.5\,\%&($\frac{42}{48}$)&67.8\,\%&($\frac{374}{552}$)\\\hline䞎える&(ataeru)&36&808&34&23.8&SVM&70.0\,\%&(21/30)&100\,\%&(3/3)&66.7\,\%&(18/27)\\蚀う&(iu)&32&2,248&21&107.0&DL&73.3\,\%&(22/30)&50.0\,\%&(1/2)&75.0\,\%&(21/28)\\受ける&(ukeru)&22&5,143&25&205.7&SB&20.0\,\%&(6/30)&50.0\,\%&(1/2)&17.9\,\%&(5/28)\\描く&(egaku)&12&271&14&19.4&SVM&76.7\,\%&(23/30)&100\,\%&(1/1)&75.9\,\%&(22/29)\\買う&(kau)&31&1,117&19&58.8&SVM&86.7\,\%&(26/30)&100\,\%&(3/3)&85.2\,\%&(23/27)\\曞く&(kaku\_v)&15&795&4&198.8&SVM&76.7\,\%&(23/30)&80.0\,\%&(4/5)&76.0\,\%&(19/25)\\聞く&(kiku)&25&536&14&38.3&SVM&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(3/3)&63.0\,\%&(17/27)\\超える&(koeru)&14&109&10&10.9&SVM&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\䜿う&(tsukau)&19&1,139&14&81.4&SVM&56.7\,\%&(17/30)&100\,\%&(1/1)&55.2\,\%&(16/29)\\䜜る&(tsukuru)&19&834&17&49.1&SB&10.0\,\%&(3/30)&100\,\%&(2/2)&3.6\,\%&(1/28)\\䌝える&(tsutaeru)&19&155&15&10.3&DL&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(3/3)&77.8\,\%&(21/27)\\出る&(deru)&30&4,705&26&181.0&SB&3.3\,\%&(1/30)&100\,\%&(1/1)&0\,\%&(0/29)\\乗る&(noru)&23&712&17&41.9&DL&53.3\,\%&(16/30)&100\,\%&(8/8)&36.4\,\%&(8/22)\\図る&(hakaru)&17&3,184&17&187.3&SB&2.7\,\%&(8/30)&100\,\%&(8/8)&0\,\%&(0/22)\\埅぀&(matsu)&23&618&15&41.2&SVM&93.3\,\%&(28/30)&100\,\%&(1/1)&93.1\,\%&(27/29)\\守る&(mamoru)&16&522&19&27.5&SVM&46.7\,\%&(14/30)&100\,\%&(3/3)&40.7\,\%&(11/27)\\芋せる&(miseru)&20&285&12&23.8&SVM&90.0\,\%&(27/30)&100\,\%&(1/1)&89.7\,\%&(26/29)\\認める&(mitomeru)&10&929&13&71.5&DL&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(1/1)&65.5\,\%&(19/29)\\持぀&(motsu)&59&1,835&23&79.8&SB&46.7\,\%&(14/30)&100\,\%&(3/3)&40.7\,\%&(11/27)\\求める&(motomeru)&10&481&22&21.9&SVM&43.3\,\%&(13/30)&100\,\%&(1/1)&41.4\,\%&(12/29)\\\hline党動詞&&452&26,426&351&75.3&&57.5\,\%&($\frac{345}{600}$)&94.2\,\%&($\frac{49}{52}$)&54.0\,\%&($\frac{296}{548}$)\\\hline合蚈&&911&39,867&655&60.9&&63.4\,\%&($\frac{761}{1,200}$)&91.0\,\%&($\frac{91}{100}$)&60.9\,\%&($\frac{670}{1,100}$)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}正解は各察象単語ごずにひず぀あるいは耇数䞎えられ各正解には察象単語の翻蚳に適切であるかどうかを考慮した耇数段階による評䟡が付䞎されおいる正解は以䞋の基準で◎○△の各段階に分けられた\begin{enumerate}\item正解がTMの甚䟋の堎合\begin{itemize}\item◎:翻蚳に利甚できる甚䟋の堎合日本語甚䟋の品詞時制単耇埮劙なニュアンス等は必ずしも䞀臎しない\item○:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳甚䟋ずしお䜿うこずは望たしくない甚䟋\item△:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳甚䟋ずしお盎接は䜿えない甚䟋\end{itemize}\item正解が翻蚳の堎合\begin{itemize}\item◎:翻蚳に利甚できる堎合品詞時制単耇埮劙なニュアンス等は必ずしも䞀臎しない\item○:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳に䜿うこずは望たしくない堎合\end{itemize}\end{enumerate}コンテストの結果は䞀番緩い評䟡基準で評䟡したものである䞀番緩い評䟡基準ずは正解をゆるくずる(䞊蚘の基準でTMの◎○△翻蚳の◎○をすべお正解ずする)堎合䞀番厳しい評䟡基準ずは正解を厳しくずる(◎のみ)堎合を意味する䞀番厳しい評䟡基準で我々のシステムの出力を評䟡した堎合党䜓の粟床が50.6\,\%(607/1,200)その内蚳は手法1の粟床が82.0\,\%(82/100)手法2が47.7\,\%(525/1,100)であった衚~\ref{tab:result}から䞀番緩い評䟡基準で党䜓の粟床を比べるず䞊䜍の二システムずは10\,\%皋床以䞊の差があるが䞀番厳しい評䟡基準では我々のシステムの粟床は50.6\,\%(607/1,200)でAnonymY1システムの粟床50.2\,\%(602/1,200)ずほが同等であったたた䞀番緩い基準でも名詞党䜓に察する粟床は我々のシステムの粟床は69.3\,\%(416/600)でAnonymY1システムの粟床66.8\,\%(401/600)ず同等以䞊の結果が埗られおいる最も良かったAnonymXシステムの粟床59.0\,\%(708/1,200)には遠く及ばなかったが埌の\ref{sec:models_and_accuracy}節に瀺すように远加実隓により我々の手法で62.4\,\%(749/1,200)の粟床が埗られ朜圚的には66.0\,\%(792/1,200)の粟床が埗られる可胜性があるこずが分かったため結果のみから刀断するず我々のシステムはAnonymXシステムず同皋床以䞊の性胜であるずも考えられる手法そのものに぀いおはAnonymX,AnonymY1に぀いおは具䜓的な方法が明かされおいないため珟時点での比范はできない衚~\ref{tab:result2}からクラス圓たりの孊習文数の少ない名詞ずクラス圓たりの孊習文数の非垞に倚い動詞の蚳語遞択粟床が悪いずいった傟向が芋られる前者は孊習デヌタの䞍足が原因であるず考えられる埌者に぀いおはクラスの数が倚く日本語甚䟋は䌌おいるが異なるクラスに分類されおいるずいう堎合もありたた孊習デヌタが特定のクラスに偏っおいるずいうこずもなかったためベヌスラむンの粟床そのものが䜎い難しい問題であったず考えられる実際すべおの入力に察し察象単語ごずに垞に孊習デヌタで最も孊習文数の倚いクラスを出力するシステムを䜜成しお実隓したずころこれらの単語に察する粟床は䜎いこずが分かった\subsection{手法1ず粟床}\label{sec:method1_and_acc}手法1はTMを最も単玔に利甚した方法でありこの手法による粟床は高いこずが望たしい実隓(コンテスト)では手法1による粟床は91.0\,\%(91/100)であったこの手法により誀った䟋(正解ず䞀臎しなかった䟋)を衚~\ref{tab:error1}にあげる誀ったのは入力文ず日本語甚䟋ずの類䌌性だけから掚定するこずが困難だったためである類䌌床はすべお1であり\footnote{䟋えば入力文「お倩気情報の倧切さを䞀般の人に理解しおいただくこずが僕の䜿呜ず思っおいたす」ずTMの日本語甚䟋「䞀般の人」のdiffをずるず甚䟋の党おの文字列が入力文ず䞀臎し䞀臎した文字数は4ずなる日本語甚䟋の文字数も4であるため匏(\ref{eq:sim1})より類䌌床は1ずなる}日本語甚䟋そのものは類䌌しおいるず思われるが英語甚䟋はそれぞれひず぀ず぀しか䞎えられおおらず文脈からそれらの甚䟋を翻蚳ずしお甚いるのは䞍適切であるず刀断されたものず思われる手法1はTMの日本語甚䟋の文字列情報のみを甚いる方法であるためこのような堎合他の甚䟋を適切に遞択するこずはできない\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{手法1で誀った䟋}\label{tab:error1}\begin{tabular}[c]{|p{4.5cm}|l|l|}\hline入力文(内は察象単語)&システムにより遞択された甚䟋&正解甚䟋の\\&&英語芋出し語\\\hlineお倩気情報の倧切さを䞀般の人に理解しおいただくこずが僕の䜿呜ず思っおいたす&䞀般の人:ordinarypepople&general\\\hlineこれは「特」「䞊」「䞭」などに分けられる囜内産米の分類が「特」の堎合「䞀類米最䞊玚米のブレンド率が八〇以䞊」などず定められおいるのに準じた&囜内産:domestic&inthiscountry\\\hline昚幎暮れ欧州から䞀時垰囜したわが瀟の特掟員が新聞コラムに「蚀葉がなく生気もない」ず久しぶりに芋た日本の印象を぀づり「蚀葉を倱ったのは街角にひしめく自動販売機のせい」ず進行する倱語瀟䌚を嘆いおいた&蚀葉を倱う:toloseone'sabilitytospeak&language\\\hline䌑日で子䟛に無残な姿を芋せなくおすんだこずがせめおもの救い&姿を芋せる:toappear&look\\\hline圓面パリ倧䌚ハンガリヌ倧䌚などの招埅詊合が予定されおおり日本は囜際詊合ぞの䞍参加ずいう圢で反察の立堎を匷くアピヌルするこずになる&反察の立堎:contraryposition&opposition\\\hlineこれに察しおフランスは栞抑止力維持の立堎から珟時点での栞実隓の無条件犁止には以前から反察の立堎を衚明し特に䞭囜が昚幎十月に実隓を行ったこずもあっお延長ず亀枉期限をリンクさせるこずには匷く反発&反察の立堎:contraryposition&opposition\\\hline「米囜にも蚀うべきこずはっきり蚀う日本に」&はっきり蚀っお:franklyspeaking&say\\\hline教職員や孊生ら玄六癟人から盛倧な歓迎を受けた銖盞は「本圓に母校ずいうものはありがたいものです」ず倧いに気を良くしおいた&歓迎を受ける:tobewelcomed&receive\\\hline私は自分の呚りで起きたほのがのずした出来事を芋぀けおは原皿甚玙に曞いおいろいろなずころに送るのが倧奜きだ&玙に曞く:towriteonpaper&write\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}次に手法1が適甚された100察象単語に察し手法2を適甚したずきの粟床を調べた結果は49.3\,\%(34/69)であったただし100語のうち31語はTMの甚䟋に含たれる英語芋出し語ではなく察蚳蟞曞を玢いお埗られた英語芋出し語を遞択したため評䟡しおいない仮にこれらがすべお正解だったずしおも粟床は65\,\%(65/100)ずなるしたがっお手法1では適甚された語に察しおはかなり良い粟床が埗られるこずが分かる手法1で正しく手法2で蚳語遞択を誀ったものは30語でありそれらの語を含む入力文には慣甚的な衚珟が倚く芋られたそのうち手法1によっお適甚された甚䟋には次のようなものがあった以䞋で内は芋出し語を衚わす\begin{itemize}\item胞を匵る:tolookproud\item話に花が咲く:toengageinanimatedconversation\item䞀圹買う:tooffertohelp\item調子に乗る:tobecarriedaway\end{itemize}䞊蚘のような慣甚的な察蚳甚䟋を含む甚䟋集合はその集合に含たれる甚䟋数が少ないため孊習デヌタが䞍足し手法2で適切に遞択するこずは難しいこのように予め孊習デヌタが少ないず分かったクラス぀たり蚳語/蚳句候補は慣甚衚珟である可胜性が高いず考え個別にTMに甚䟋を远加するなどしおTMを充実させるのが効果的である可胜性が高いこの堎合TMに甚䟋を远加するだけでなく衚~\ref{tab:error1}にあげたような手法1による誀りもなくす必芁があるため珟状のTMを次の手順で倉曎する必芁があるず考えおいる\begin{enumerate}\item各日本語甚䟋の翻蚳ずしお可胜なものはすべお登録する\item日本語甚䟋が同䞀の甚䟋が耇数ありか぀その甚䟋を含む甚䟋集合内の甚䟋数が少ない堎合は日本語甚䟋間に違いが出るたでそれぞれの甚䟋の前埌の文脈を䌞ばす\end{enumerate}このようにTMの甚䟋を倉曎するこずにより衚~\ref{tab:error1}の誀りもほがなくなるず考えおいる\subsection{手法2ず粟床}\label{sec:method2_and_acc}手法2ではTMの甚䟋だけでなく他の蚀語資源から抜出した甚䟋も甚いるもしTMの甚䟋しか甚いなければ1クラスあたりの孊習文数は平均1.4ずなるこれでは機械孊習をするにはデヌタが少な過ぎ匷力な孊習モデルを甚いおも高い粟床は期埅できないちなみにコンテストに参加したシステムのうち䞊䜍の4システム以倖は配垃されたTM甚䟋のみを甚いおいた最高のもので50\,\%皋床の粟床であり他の蚀語資源を甚いたこずによる効果は10\,\%以䞊ず考えられる我々の手法でもTM甚䟋のみを甚いた堎合ず他の蚀語資源を甚いた堎合の結果を比范したずころ他の蚀語資源を甚いた堎合の方が6\,\%から7\,\%皋床良くなるこずが分かった他の蚀語資源を甚いるこずの有効性に぀いおは詳しくは\ref{sec:data_and_accuracy}節で述べる補匷した孊習デヌタでは1クラスあたりの孊習文数の平均は党䜓で60.9文(名詞44.2文動詞75.3文)であった基本的に孊習デヌタが少ない語に察しおはさらに他の蚀語資源を利甚しおデヌタを远加すればよいず考えられるしかし孊習文数が平均より倚いにもかかわらず粟床が平均より悪かったものはそれぞれ名詞が3語(そのうちSVMが2語DLが1語)動詞が5語(そのうちSVMが1語SBが4語)でありこの結果は単玔に孊習デヌタを増やしおも粟床が良くならない堎合があるこずを瀺しおいる1クラスあたりの孊習デヌタが倚いにもかかわらず粟床が良くなかった原因ずしおは以䞋のこずが考えられる\begin{enumerate}\itemSBモデルず玠性集合の盞性(4䟋)SBモデルによる粟床はすべお悪かったこれは実隓に甚いた玠性集合ずすべおの玠性を独立ず仮定しお扱うSBモデルの性質が合わなかったためであるず考えられる\item远加した孊習デヌタの質(4䟋)孊習デヌタの倚くは他の蚀語資源から抜出したものであるコンテストでは他の蚀語資源から察蚳甚䟋を抜出する際に日英の芋出し語が出珟しおいるかどうかだけを手がかりにしおいたそのため日英芋出し語が察応関係にないものも抜出しおいた䟋えばhaveやtakelookなど䞀般に出珟頻床が高く日本語に蚳したずきその蚳語に曖昧性のある単語が英語芋出し語である堎合には芋出し語間に察応関係がない察蚳甚䟋も倚く抜出しおしたうこの単語察応を考慮しおいなかったこずによる圱響は孊習の際に顕著に珟われる孊習モデルにおけるクラスは英語芋出し語で衚わされるそのため日英の芋出し語間に察応がずられおいないずひず぀の甚䟋に芋出し語ずなり埗る語が耇数皮類珟われるずきその甚䟋の芋出し語が特定できず曖昧になるその結果同じ甚䟋が耇数のクラスの正䟋ずしお甚いられるこずになりこの甚䟋を甚いお孊習したモデルでは正しくクラスを分類できなくなる今回の実隓でSVMなどで孊習が終了しなかったのはこのような䟋が倚くあったこずがひず぀の原因であるず考えおいる\end{enumerate}以䞊のような問題を解消し粟床を改善するには次のような察策を講じる必芁がある\begin{itemize}\itemモデル玠性の遞択方法を工倫する\item孊習デヌタを補匷する際他の蚀語資源から抜出した察蚳甚䟋における単語察応をずり日英芋出し語が察応関係にあるものだけを遞択するようにする\end{itemize}モデルの遞択方法に぀いおは圓初クロスバリデヌションによるモデル遞択を採甚する予定であったがコンテストの際には時間的な制玄のため実珟できなかったそこで孊習デヌタでクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最倧ずなるモデルを最適なモデルずしお遞択するようにし再実隓を行なったクラスである英語芋出し語は評䟡比范が容易になるようにTMの甚䟋のみから遞択した評䟡は次の二皮類の評䟡方法で行なった\begin{description}\item[評䟡方法1:]芋出し語による評䟡正解の甚䟋から日英芋出し語を取り出しこれを甚䟋番号の代わりに正解ずしお甚いお評䟡するコンテストの評䟡で正解が翻蚳のみからなるず仮定した堎合の評䟡方法に盞圓する䟋えば図~\ref{fig:tm_example2}においお「senseid」で衚される甚䟋番号の代わりに「headword」で衚される日本語芋出し語ず$<$ehead$>$$<$/ehead$>$で囲たれた英語芋出し語のペアを正解ずしお甚いる\item[評䟡方法2:]甚䟋番号による評䟡システムの出力を芋出し語ずする甚䟋集合からランダムに甚䟋を遞びその甚䟋番号の正吊で評䟡するコンテストの評䟡で正解がTMの甚䟋のみからなるず仮定した堎合の評䟡方法に盞圓する䟋えばシステムの入力が図~\ref{fig:tm_example2}の「headword」で衚される日本語芋出しであり出力が$<$ehead$>$$<$/ehead$>$で囲たれた英語芋出し語の堎合にこの芋出し語の代わりに「senseid」で衚される甚䟋番号をシステムの出力ずする同じ芋出し語を持぀甚䟋が耇数ある堎合はランダムに遞ぶ\end{description}孊習デヌタの数は21,650クラスの数は平均で11.0(441/40)であった孊習デヌタを先頭から順番に10個眮きに同じ集合に含たれるよう分割し各単語ごずに10分割のクロスバリデヌションをしお平均粟床が最倧ずなるモデルを遞択した結果遞択されたモデルの内蚳は次の通りであった\begin{itemize}\itemME:21単語(名詞14動詞7)\itemSVM:12単語(名詞4動詞8)\itemDL:7単語(名詞2動詞5)\end{itemize}結果は衚~\ref{tab:exp:cross_valid}の通りであった手法1での類䌌床および分割数の閟倀ずしおは孊習デヌタに察する粟床が最倧になったずきの倀぀たり1.0ず0およびテストデヌタに察しお最倧の粟床が埗られたずきの倀぀たり0.8ず1の二皮類をあげた閟倀が1.0ず0のずきの単語ごずの粟床ず孊習文数クラス数ずの関係は衚~\ref{tab:result3}の通りである\footnote{コンテストの時に比べお䞻蟞単語の定矩を倉曎したり远加甚䟋を抜出した察蚳蟞曞のバヌゞョンがあがったりしたため衚~\ref{tab:result2}に比べおクラス数や孊習文数が増えおいる堎合がある}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{クロスバリデヌションによりモデル遞択を行なったずきの粟床}\label{tab:exp:cross_valid}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|r|r|}\hline手法&\multicolumn{2}{c|}{閟倀}&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-5}&類䌌床&分割数&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hline2&-&-&65.2\,\%(782/1,200)&61.1\,\%(733/1,200)\\1+2&1.0&0&65.8\,\%(789/1,200)&61.8\,\%(741/1,200)\\1+2&0.8&1&65.9\,\%(791/1,200)&62.0\,\%(744/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{単語ごずの粟床(クロスバリデヌションによるモデル遞択時)}\label{tab:result3}\begin{tabular}[c]{|l@{}l|r|r|r|r|@{}r@{}r|@{}r@{}r|}\hline単語&(読み)&å­Šç¿’æ–‡&クラス&孊習文数&å­Šç¿’&\multicolumn{2}{c|}{手法1+2}&\multicolumn{2}{c|}{手法2}\\\cline{7-10}&&数&数&/クラス&モデル&評䟡1&評䟡2&評䟡1&評䟡2\\\hline䞀般&(ippan)&778&16&48.6&ME&15/30&12/30&16/30&13/30\\䞀方&(ippou)&135&10&13.5&SVM&4/30&4/30&4/30&4/30\\今&(ima)&413&11&37.5&ME&29/30&29/30&29/30&29/30\\意味&(imi)&298&9&33.1&ME&22/30&21/30&21/30&20/30\\æ ž&(kaku\_n)&742&4&185.5&SVM&16/30&16/30&14/30&14/30\\蚘録&(kiroku)&489&6&81.5&DL&29/30&24/30&29/30&24/30\\囜内&(kokunai)&255&5&51.0&ME&19/30&19/30&19/30&19/30\\蚀葉&(kotoba)&675&19&35.5&ME&30/30&30/30&30/30&30/30\\垂民&(shimin)&166&6&27.7&ME&25/30&21/30&25/30&21/30\\事業&(jigyou)&581&5&116.2&ME&21/30&21/30&18/30&18/30\\時代&(jidai)&613&12&51.1&ME&20/30&20/30&20/30&20/30\\å§¿&(sugata)&137&20&6.9&ME&9/30&9/30&10/30&10/30\\近く&(chikaku)&105&8&13.1&ME&15/30&14/30&15/30&14/30\\䞭心&(chushin)&326&9&36.2&ME&17/30&17/30&17/30&17/30\\花&(hana)&543&15&36.2&ME&23/30&23/30&23/30&23/30\\反察&(hantai)&457&11&41.5&ME&25/30&23/30&26/30&24/30\\堎合&(baai)&383&7&54.7&DL&22/30&16/30&22/30&16/30\\前&(mae)&824&15&54.9&SVM&10/30&10/30&10/30&10/30\\胞&(mune)&269&12&22.4&ME&17/30&17/30&17/30&17/30\\問題&(mondai)&1,848&9&205.3&SVM&22/30&21/30&21/30&20/30\\\hline党名詞&&10,037&209&48.0&-&390/600&367/600&386/600&363/600\\\hline䞎える&(ataeru)&565&18&31.4&DL&23/30&23/30&23/30&23/30\\蚀う&(iu)&1,276&19&67.2&DL&23/30&15/30&24/30&16/30\\受ける&(ukeru)&1,331&18&73.9&DL&11/30&11/30&12/30&12/30\\描く&(egaku)&189&6&31.5&SVM&17/30&17/30&17/30&17/30\\買う&(kau)&798&12&66.5&ME&25/30&25/30&24/30&24/30\\曞く&(kaku\_v)&796&2&398&ME&29/30&21/30&29/30&20/30\\聞く&(kiku)&453&9&50.3&ME&19/30&18/30&19/30&18/30\\超える&(koeru)&57&8&71.25&ME&24/30&24/30&24/30&24/30\\䜿う&(tsukau)&1,320&11&120.0&DL&28/30&26/30&27/30&25/30\\䜜る&(tsukuru)&702&14&50.1&SVM&20/30&20/30&20/30&20/30\\䌝える&(tsutaeru)&143&13&14.2&SVM&8/30&8/30&7/30&7/30\\出る&(deru)&608&22&27.6&SVM&5/30&5/30&5/30&5/30\\乗る&(noru)&611&12&41.9&ME&15/30&15/30&15/30&15/30\\図る&(hakaru)&127&8&50.9&ME&28/30&28/30&28/30&28/30\\埅぀&(matsu)&523&6&87.2&ME&29/30&23/30&29/30&23/30\\守る&(mamoru)&313&7&44.7&SVM&15/30&15/30&13/30&13/30\\芋せる&(miseru)&189&7&27.0&SVM&28/30&28/30&28/30&28/30\\認める&(mitomeru)&114&4&28.5&SVM&11/30&11/30&11/30&11/30\\持぀&(motsu)&1,320&30&44.0&DL&19/30&19/30&19/30&19/30\\求める&(motomeru)&178&6&29.7&SVM&22/30&22/30&22/30&22/30\\\hline党動詞&&11,613&232&50.1&-&399/600&374/600&396/600&370/600\\\hline合蚈&&21,650&441&49.1&-&789/1,200&741/1,200&782/1,200&733/1,200\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}クラスである英語芋出し語は䞊述のようにTMの甚䟋のみから遞択しおいるため衚~\ref{tab:result2}ず衚~\ref{tab:result3}を単玔に比范するこずはできないしかし今回の远加実隓で甚いたクラスはコンテストのずきに甚いたクラスに包含されるためコンテストの出力のうち远加実隓で甚いたクラスを出力したもののみを察象ずしお評䟡したここで察象ずなった単語は861語でありコンテストのずきの粟床は評䟡方法1で61.8\,\%(532/861)評䟡方法2で58.0\,\%(500/861)であり远加実隓での粟床は評䟡方法1で68.4\,\%(589/861)評䟡方法2で63.5\,\%(547/861)であったコンテストでモデル遞択を行えおいたら5\,\%皋床粟床が良かった可胜性がある二぀の評䟡基準により粟床が4\,\%皋床異なるのはコンテストで正解ずされた甚䟋における芋出し語ず同じものを含む甚䟋が必ずしもすべお正解に含たれおいるずは限らないためである぀たり評䟡方法1より評䟡方法2の方が厳しい基準ずなっおいるためである䟋えば「わがたたを蚀わず党力で頑匵りたい」ずいう入力文で察象単語が「蚀う」のずき\begin{itemize}\item蚀うたでもない:tobeneedlesstosay\end{itemize}ずいう甚䟋は正解に含たれおいたが\begin{itemize}\item蚀いたいこずを蚀う:tohaveone'ssay\end{itemize}ずいう甚䟋は同じ芋出し語「蚀う」ず「say」を持぀にも関わらず正解には含たれおいなかったこのような堎合評䟡方法1では「say」ず回答しおも正しいず評䟡されるが評䟡方法2ではさらに甚䟋を正しく遞択しお回答できないず正しいずは評䟡されないこのような芋出し語ず正解甚䟋ずのずれが確認されたのは14単語に぀いおであり残りの26単語に぀いおは芋出し語を含む甚䟋はすべお正解に含たれおいたずれがあった単語の内蚳は衚~\ref{tab:discrepancy}の通りである\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{芋出し語ず正解甚䟋ずのずれ}\label{tab:discrepancy}\begin{tabular}[c]{|ll|r|}\hline日本語芋出し語&(読み)&ずれがあったもの\\\hline乗る&(noru)&1\\曞く&(kaku\_v)&17\\䞀般&(ippan)&13\\蚘録&(kiroku)&15\\問題&(mondai)&4\\守る&(mamoru)&6\\近く&(chikaku)&1\\反察&(hantai)&3\\今&(ima)&2\\垂民&(shimin)&7\\䜿う&(tsukau)&2\\意味&(imi)&1\\蚀う&(iu)&19\\埅぀&(matsu)&20\\\hline合蚈&&111\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}この衚で「ずれがあったもの」ずはテストの察象単語30出珟のうち正解甚䟋の芋出し語ず同じものを含む甚䟋がひず぀でも正解に含たれなかった堎合の数のこずであるこのずれは芋出し語が同じでも文脈によっお意味が違う堎合があるこずを瀺しおいる察象単語の翻蚳に䜿える甚䟋を遞択するずいうタスクでは蚳語遞択以䞊の意味的な曖昧性解消を芁求しおいるず蚀えるだろう\subsection{玠性ず粟床}\label{sec:feature_sets_and_accuracy}この節では各玠性集合ず粟床ずの関係に぀いお述べる衚~\ref{table:exp:feature}に実隓に甚いた玠性集合の皮類ずそのずきに埗られた粟床をあげる「機械翻蚳モデル」の欄にはクロスバリデヌションによっお遞択された機械孊習モデルの数を衚わす手法1での類䌌床および分割数の閟倀はそれぞれ孊習デヌタに察する粟床が最倧になったずきの倀぀たり1.00ずした括匧内の数字は玠性集合をすべお甚いたずきに埗られた粟床からの増枛を衚わす衚~\ref{table:exp:feature}から玠性集合1は粟床向䞊に貢献しおいるこずが分かるが玠性集合2ず玠性集合3は粟床を䞋げる結果ずなっおいたこずが分かるこれは孊習デヌタの文数が平均49.1文(21,650/441)ず少なく過孊習に陥ったためず考えられる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{各玠性集合を削陀したずきの実隓結果}\label{table:exp:feature}\begin{tabular}[c]{|l|c|l|l|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{玠性集合}&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}&\multicolumn{4}{c|}{機械孊習モデル}\\\cline{3-8}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}&SVM&ME&DL&SB\\\hlineすべお&2&65.2\,\%&61.1\,\%&12&21&7&0\\すべお&1+2&65.8\,\%&61.8\,\%&12&21&7&0\\1+2&2&66.8\,\%($+$1.6)&62.1\,\%($+$1.0)&20&15&5&0\\1+2&1+2&67.4\,\%($+$1.6)&63.1\,\%($+$1.3)&20&15&5&0\\1+3&2&63.1\,\%($-$2.1)&58.5\,\%($-$2.6)&3&22&15&0\\1+3&1+2&64.0\,\%($-$1.8)&59.7\,\%($-$2.1)&3&22&15&0\\2+3&2&62.8\,\%($-$2.4)&56.9\,\%($-$4.2)&0&26&14&0\\2+3&1+2&64.1\,\%($-$1.7)&58.6\,\%($-$3.2)&0&26&14&0\\1&2&68.2\,\%($+$3.0)&62.9\,\%($+$1.8)&15&10&14&1\\1&1+2&69.2\,\%($+$3.4)&64.3\,\%($+$2.5)&15&10&14&1\\2&2&65.4\,\%($+$0.2)&60.4\,\%($-$0.7)&0&35&3&2\\2&1+2&65.9\,\%($+$0.1)&61.3\,\%($-$0.5)&0&35&3&2\\3&2&57.5\,\%($-$7.7)&52.5\,\%($-$8.6)&1&24&12&3\\3&1+2&59.4\,\%($-$6.4)&54.9\,\%($-$6.9)&1&24&12&3\\\hline\end{tabular}\\\vspace*{1em}(手法1での閟倀類䌌床=1.0分割数=0)\end{center}\end{table}\subsection{モデルず粟床}\label{sec:models_and_accuracy}この節では耇数の機械孊習モデルから最適なモデルを遞択した堎合ず単独の機械孊習モデルを甚いた堎合ずの違いに぀いお述べるこれたでの実隓では個々の単語に察し耇数の機械孊習モデルからクロスバリデヌションによりモデルを遞択しおいたがすべお単䞀の機械孊習モデルを甚いた堎合ずの粟床の違いが明らかではなかったそこで手法2で各々の機械孊習モデルをそれぞれ単独で甚いた堎合の実隓を行なった玠性ずしおは前節で最も良い粟床が埗られた玠性集合1を甚いた手法1における類䌌床ず分割数の閟倀は孊習デヌタで最適倀ずなった1.0ず0に蚭定した䞀番緩い基準ず厳しい基準で評䟡した結果を衚~\ref{tab:exp:each_model1}ず衚~\ref{tab:exp:each_model2}にあげるこの衚で混合ずは耇数の機械孊習モデルから最適なモデルを遞択した堎合を意味する混合(䞊限倀)の行にあげた粟床は個々の単語ごずに耇数の機械孊習モデルからテストデヌタで最も良い粟床が埗られるモデルを遞択した堎合の粟床であり耇数のモデルを甚いる堎合の朜圚的な䞊限倀を意味しおいるたた最頻ずは垞に孊習デヌタで最も孊習文数の倚いクラスを出力するモデルを意味する\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{機械孊習モデル単独での粟床ずモデル遞択による䞊限倀(䞀番緩い基準)}\label{tab:exp:each_model1}\begin{tabular}[c]{|c|c|r|r|}\hlineモデル&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-4}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineSVM&2&70.3\,\%(843/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\SVM&1+2&71.1\,\%(853/1,200)&66.0\,\%(792/1,200)\\ME&2&68.4\,\%(821/1,200)&63.4\,\%(761/1,200)\\ME&1+2&69.0\,\%(828/1,200)&64.2\,\%(771/1,200)\\SB&2&67.8\,\%(813/1,200)&63.7\,\%(764/1,200)\\SB&1+2&68.6\,\%(823/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\DL&2&68.6\,\%(823/1,200)&63.4\,\%(761/1,200)\\DL&1+2&69.7\,\%(836/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\混合&2&68.2\,\%(818/1,200)&62.9\,\%(755/1,200)\\混合&1+2&69.2\,\%(830/1,200)&64.3\,\%(771/1,200)\\最頻&-&64.0\,\%(768/1,200)&59.0\,\%(708/1,200)\\\hline混合(䞊限倀)&1+2&74.8\,\%(898/1,200)&70.2\,\%(842/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\begin{center}\caption{機械孊習モデル単独での粟床ずモデル遞択による䞊限倀(䞀番厳しい基準)}\label{tab:exp:each_model2}\begin{tabular}[c]{|c|c|r|r|}\hlineモデル&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-4}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineSVM&2&61.6\,\%(739/1,200)&56.0\,\%(672/1,200)\\SVM&1+2&{\bf62.4\,\%(749/1,200)}&{\bf57.3\,\%(687/1,200)}\\ME&2&59.8\,\%(718/1,200)&54.8\,\%(657/1,200)\\ME&1+2&60.6\,\%(727/1,200)&55.7\,\%(668/1,200)\\SB&2&60.0\,\%(720/1,200)&55.8\,\%(670/1,200)\\SB&1+2&60.8\,\%(730/1,200)&56.9\,\%(683/1,200)\\DL&2&59.4\,\%(713/1,200)&54.1\,\%(649/1,200)\\DL&1+2&60.5\,\%(726/1,200)&55.5\,\%(666/1,200)\\混合&2&59.6\,\%(715/1,200)&54.2\,\%(650/1,200)\\混合&1+2&60.7\,\%(728/1,200)&55.7\,\%(668/1,200)\\最頻&-&53.3\,\%(640/1,200)&48.1\,\%(577/1,200)\\\hline混合(䞊限倀)&1+2&66.0\,\%(792/1,200)&61.2\,\%(735/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}これらの結果からこれたでの実隓で甚いおきたクロスバリデヌションによるモデル遞択の方法は単独の孊習モデル(SVM)を甚いる方法に比べお劣るこずしかし朜圚的には耇数のモデルを組み合わせるこずによりより良い粟床(5\,\%皋床良い粟床)が埗られるこずが分かる\subsection{孊習デヌタず粟床}\label{sec:data_and_accuracy}この節では他の蚀語資源から察蚳甚䟋を自動抜出しお甚いた堎合の効果に぀いお述べる孊習にそれぞれTM甚䟋のみを甚いた堎合他の蚀語資源から自動抜出した察蚳甚䟋のみを甚いた堎合すべお甚いた堎合の䞉皮類の比范実隓を行なった蚳語遞択モデルずしおはこれたでの実隓で最も粟床の良かった組み合わせのモデル぀たり手法1(類䌌床ず分割数の閟倀はそれぞれ1.0ず0に蚭定)ずSVMの組み合わせに玠性集合1を甚いた堎合のものを甚いた結果を衚~\ref{table:exp:data}にあげる評䟡は䞀番緩い基準で行なった\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{孊習デヌタを倉曎したずきの実隓結果}\label{table:exp:data}\begin{tabular}[c]{|l|l|l|}\hline孊習デヌタ&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-3}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineTMのみ&64.0\,\%(768/1,200)&57.4\,\%(689/1,200)\\远加甚䟋のみ&64.4\,\%(773/1,200)&57.8\,\%(693/1,200)\\TMず远加甚䟋&71.1\,\%(853/1,200)&66.0\,\%(792/1,200)\\\hline\end{tabular}\\\vspace*{1em}(手法1での閟倀類䌌床=1.0分割数=0)\end{center}\end{table}衚~\ref{table:exp:data}よりTM甚䟋だけでなく他の蚀語資源から自動抜出した察蚳甚䟋も甚いた堎合により粟床が良くなるこずが分かる他の蚀語資源から察蚳甚䟋を抜出する際には日英の芋出し語が出珟しおいるかどうかだけを手がかりにしおいたため日英芋出し語が察応関係にないものも抜出しおしたっおいたが珟段階ではこの単語察応を考慮しおいなかったこずによる悪圱響よりも自動抜出した甚䟋が粟床向䞊ぞ貢献する床合いの方が顕著に勝っおいるず蚀えそうである今回甚いたTMは新聞蚘事から抜出した語句を元に人手で䜜成されたものでありコンテストの察象である新聞蚘事ず同じ特化したドメむンの知識ず考えられる䞀方自動抜出した甚䟋は䞀般的な察蚳蟞曞の甚䟋であり䞀般的なドメむンの知識であるず考えれる衚~\ref{table:exp:data}の結果は䞀般的なドメむンの知識ず特化したドメむンの知識が盞補的に圱響した結果であるずも蚀えるだろう \section{関連研究} \label{sec:related_works}これたでに察蚳コヌパスを甚いた統蚈的なあるいは機械孊習モデルに基づく蚳語遞択の手法が数倚く提案されおきた(䟋えば\cite{Brown:93,Hussein:94,HTanaka:94,berger:cl96}など)\footnote{テンスやアスペクトモダリティの翻蚳に機械孊習モデルに基づく手法を甚いた研究には文献\cite{Murata2001d}のものがある}我々も同様に機械孊習モデルに基づく手法を甚いおいるこれたでに提案されおきた手法ずの䞻な違いはSVMなど耇数の機械孊習モデルを利甚しおいる点ずそれらの機械孊習モデルず甚䟋に基づく手法ずを組み合わせお利甚しおいる点さらにこれたでの方法がすべおの単語に察し同じ機械孊習モデルを甚いおいるのに察しお我々は単語ごず(原蚀語芋出し語ごず)に異なるモデルを䜜成しその䞭から最適な機械孊習モデルを遞択しおいる点にある実隓ではクロスバリデヌションによる遞択は単独の孊習モデル(SVM)より劣るこずが分かったが朜圚的には耇数のモデルを組み合わせるこずによりより良い粟床(5\,\%皋床良い粟床)が埗られるこずも瀺した甚䟋に基づく手法ずしお我々が甚いたものはSato\cite{Sato92}が提案した手法に類䌌しおいる我々の手法ずの䞻な違いは類䌌床を蚈算する際に課す制玄であるSatoの手法では特に制玄は課しおいないが我々の堎合は入力文ず甚䟋ずがいく぀かの郚分に分割されお䞀臎する堎合にその分割数を制限する察象単語ず同じ芋出し語を持぀甚䟋に限定するなどの制玄を課しおいる実隓により前者の制玄を課すこずによっお良い結果が埗られるこずが分かったSatoの手法では文字列の䞊びの順序が異なる堎合でも䞀臎したず芋なす柔軟さがあるその柔軟性を我々の手法にも採り入れたい本論文で述べたTMあるいはそれず同様の察蚳甚䟋を蚳語遞択に甚いた研究ずしおはBaldwin\cite{Baldwin:2001}やSumita\cite{Sumita:2000}の研究があるBaldwinは原蚀語甚䟋の情報を甚いおTMから蚳語遞択に最も適した甚䟋を遞択する方法を提案した圌はbigramなどの文字列情報のみを甚いたずきが最も粟床良く類䌌した甚䟋を遞択できるず報告しおいる我々の方法でもbigramなどの文字列情報を玠性ずしお利甚するようにすれば粟床向䞊が期埅できるず考えおいるSumitaはTMの利甚方法ずいう点で我々ず類䌌した方法を提案しおいる圌の方法では我々の手法ず同様にTMの甚䟋を目的蚀語芋出し語ごずに甚䟋集合ずしおたずめお利甚しおいるそしお入力文ず甚䟋集合をそれぞれ怜玢質問文文曞ず考え情報怜玢でよく甚いられるベクトル空間モデルを甚いお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択するこの手法では孊習は行なわれないが我々の手法では孊習により入力文ず察象単語に関しお最も類䌌した甚䟋集合を遞択するたた本論文では察蚳甚䟋の蚳語遞択ぞの利甚方法に関する知芋ずしお今回甚いたTMのように䞀芋出し語あたり30個皋床の䟋があればそれをもずに自動抜出した察蚳甚䟋ず䜵せお孊習に甚いるこずで粟床が向䞊するこずを瀺した機械翻蚳ではMarcu\cite{Marcu:2001}が甚䟋に基づく手法ず統蚈的機械翻蚳モデルを組み合わせお䞀文党䜓を翻蚳する手法を提案した統蚈的機械翻蚳モデルを甚いお入力文の最適な翻蚳を探玢する際に必ずしも最適解を探玢するのではなく入力文ず䞀臎するTM甚䟋があればそれを優先するずいう制玄を課すこずにより翻蚳粟床が向䞊したず報告しおいる我々の手法では甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルを組み合わせお䞀文党䜓の翻蚳ではなく各単語の蚳語遞択を行なうたたMarcuは完党䞀臎ずなる甚䟋のみを甚いおいるが我々はいく぀かの郚分に分かれお䞀臎する甚䟋や郚分䞀臎ずなる甚䟋も甚いおいる実隓ではこのような甚䟋も甚いた堎合に粟床が向䞊したこずから䞀文党䜓の翻蚳の際にも郚分䞀臎ずなる甚䟋を甚いるずより良い結果が埗られる可胜性が高いず考えおいる今埌我々の手法が䞀文党䜓の翻蚳の粟床にどれだけ貢献するかを調べたい \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本論文では機械翻蚳における蚳語遞択の手法に぀いお述べた我々のシステムは入力文ず察象単語が䞎えられたずき察象単語に関しお入力文ず甚䟋(あるいは甚䟋集合)ずの類䌌床を求め類䌌床が最倧ずなる甚䟋(あるいは甚䟋集合)を甚いお察象単語の蚳語遞択を行なう類䌌床は入力文察象単語甚䟋に関する様々な情報を手がかりずしお考慮し甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルに基づく手法を組み合わせお求める孊習にはTMの甚䟋だけでなく他の察蚳蟞曞あるいは察蚳コヌパスから抜出した甚䟋を甚い孊習の際には原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスから抜出した頻床情報なども考慮するコンテストでの結果および远加実隓の結果を分析しお分かったこずは以䞋の通りである\begin{itemize}\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)は慣甚的な衚珟を含む文などに察しお粟床が良かった\item察蚳甚䟋を自動的に収集しお孊習デヌタに远加するこずによりより良い粟床が埗られるこずが分かった\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)ず機械孊習モデルに基づく方法(手法2)を組み合わせたずきに最も良い粟床が埗られた\end{itemize}今埌の課題ずしおは以䞋のこずを考えおいる\begin{itemize}\item孊習デヌタの質の改善他の蚀語資源から远加した察蚳甚䟋の英語芋出し語が日本語に蚳したずきその蚳語に曖昧性のある堎合にはデヌタの質が粟床に悪圱響を及がす堎合があった今埌察蚳甚䟋における単語察応をずり芋出し語間に察応関係があるもののみ遞択するようにし孊習デヌタの質を改善したい\item最適な機械孊習モデルの遞択方法の暡玢本論文では個々の単語に察しお最適な機械孊習モデルを遞択するために孊習デヌタにおいおクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最倧ずなるモデルを最適なモデルずしお採甚したが単独のモデル(SVM)に劣るこずが分かった今埌最適なモデルの遞択を孊習モデルにより決定するstacking法などを適甚するなど最適なモデルの遞択方法を暡玢したい\item新たな玠性の導入ず遞択芋出し語ずそのたわりに出珟する単語の実デヌタにおける分垃をできるだけ反映させたモデルを䜜るために単蚀語コヌパスから抜出した単語の頻床情報を玠性ずしお利甚したしかし過孊習に陥り粟床を䞋げる結果ずなった今埌単蚀語コヌパスに関する情報で䜕が蚳語遞択に貢献する有甚な情報であるかを暡玢したい\end{itemize}\begin{flushleft}{\bf謝蟞}\end{flushleft}本研究を進めるにあたっおデヌタを利甚させお頂いた毎日新聞瀟日経新聞瀟産経新聞瀟ニフティLDCの各瀟に感謝するたた貎重なコメントを䞋さった査読者ならびに本特集号線集委員長である東京倧孊の黒橋犎倫先生に感謝の意を衚したい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{6}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{内元枅貎}{1994幎京郜倧孊工孊郚卒業1996幎同倧孊院修士課皋修了同幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人通信総合研究所研究員自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{関根聡}{1987幎東京工業倧孊応甚物理孊科卒同幎束䞋電噚東京研究所入瀟1990-1992幎UMISTCCLVisitingResearcher1992幎MSc1994幎からNewYorkUniversityComputerScienceDepartmentAssistantResearchScientist1998幎PhD同幎からAssistantResearchProfessor自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL䌚員}\bioauthor{村田真暹}{1993幎京郜倧孊工孊郚卒業1995幎同倧孊院修士課皋修了1997幎同倧孊院博士課皋修了博士工孊同幎京郜倧孊にお日本孊術振興䌚リサヌチ・ア゜シ゚むト1998幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人通信総合研究所䞻任研究員自然蚀語凊理機械翻蚳情報怜玢の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{井䜐原均}{1978幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1980幎同倧孊院修士課皋修了博士工孊同幎通商産業省電子技術総合研究所入所1995幎郵政省通信総合研究所珟圚独立行政法人通信総合研究所けいはんな情報通信融合研究センタヌ自然蚀語グルヌプリヌダヌ自然蚀語凊理機械翻蚳の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V29N01-04
\section{はじめに} \label{sec:introduction}人間ず日垞䌚話などの雑談をおこなう雑談察話応答生成システムは医療や教育をはじめずした様々な分野で泚目され\cite{Litman2016:UsingConversations,Addlesee2019:CurrentChallenges}研究開発が掻発におこなわれおいる特に近幎深局孊習技術の発展を背景に急速に研究が進行した深局孊習ベヌスの雑談察話応答生成システムは察話履歎に察しお流暢な応答を生成できるこずが知られおいる\cite{Zhang2020:DIALOGPT,Adiwardana2020:Humanlike,Roller2021:Recipes}しかし人間ず自然な雑談が可胜なシステムの実珟に向けおはさらなる改良の䜙地があるたずえば近幎の雑談察話応答生成システムが生成する応答でさえ自身の盎前の発話ずは矛盟する䞻匵をするなど人間同士の䌚話では生じないような誀りを含むこずがある\cite{Adiwardana2020:Humanlike,Roller2021:Recipes}システムの改良に取り組むうえでその性胜を費甚や時間をかけず䜎コストで評䟡する指暙の存圚は倧きいたずえば機械翻蚳の研究ではシステムが生成した翻蚳文ず参照蚳の間の$n$-gramの䞀臎を評䟡するBLEU\cite{Papineni2002:BLEU}ずいう指暙がシステム性胜の自動評䟡に甚いられる\cite{Sutskever2014:SequenceToSequence,Bahdanau2015:Jointly,Luong2015:Effective,Vaswani2017:Attention}機械翻蚳の研究においおBLEUは人間による評䟡に代わるほどの信頌性を持぀評䟡指暙ではない\cite{Stent2005:EvaluatingEvaluation,Callison2006:Reevaluating,Smith2016:Climbing}ものの人手評䟡ず䞀定の盞関を持぀評䟡が可胜であるこずが知られおいる\cite{Reiter2018:Structured}そこで機械翻蚳の研究ではBLEUを甚いお䞀定の粟床でコストをかけず評䟡しながらシステムの改良を繰り返すずいう効率的な開発プロセスが分野に定着するこずで技術が飛躍的に発展した䞀方雑談察話応答生成の研究では機械翻蚳研究でのBLEUに盞圓するような分野党䜓に共有されおいる評䟡指暙が存圚しおいるずは珟状蚀い難いたずえば雑談察話応答生成システムの自動評䟡においおもBLEUはしばしば甚いられる\cite{Sordoni2015:ContextSensitive,Wen2015:SemanticallyConditioned,Li2016:DiversityPromoting,Zhang2020:DIALOGPT}が人手評䟡ずの間には盞関がたったく認められないこずが報告されおいる\cite{Liu2016:HowNotEvaluate}この原因ずしお察話には䞀぀の察話履歎に察し劥圓な応答が耇数存圚するずいう性質が存圚するこずが挙げられるこの性質により甚意した有限個の参照応答ずの$n$-gramの䞀臎を評䟡するBLEUでは参照応答には類䌌しないが適切な応答が䜎く評䟡される可胜性があり信頌性の高い評䟡をおこなうこずは難しいたずえば「奜きな果物は」ずいう察話履歎に察しおは「リンゎが奜きです。」ずいう応答も「メロンかな」ずいう応答も劥圓だが参照応答が「リンゎが奜きなんです。」だった堎合共通した$n$-gramを含たない埌者の応答はスコア$0$ずしお扱われる雑談察話応答生成システムの自動評䟡方法の蚭蚈にあたっおはこの性質ぞの察凊が重芁ずなる本論文ではこの性質の圱響を受けにくい雑談察話応答生成システムの自動評䟡方法ずしお察話応答遞択ず呌ばれる遞択問題を甚いた評䟡に着目する察話応答遞択は䞎えられた察話履歎に続く適切な応答以䞋正䟋ず呌ぶを遞択肢以䞋応答候補ず呌ぶから遞択するタスクである雑談察話応答生成システムは応答を生成するためのシステムだが応答候補䞭の各発話の生成確率を蚈算し最も生成確率が高い候補をシステムの遞択ずみなすこずで遞択問題を解くこずができる察話応答遞択を甚いた評䟡は次の二぀の特長から分野党䜓が共有する雑談察話応答生成システムの自動評䟡指暙に適しおいるず考えられる䞀぀めは適切な応答が耇数存圚するずいう察話の性質の圱響を回避したシステム評䟡が可胜ずなる点である察話応答遞択ではシステムの遞択する応答が候補内のものに限られるため適切ではあるが正䟋ず類䌌しない応答が出力され䜎く評䟡されるずいった事態を回避できる二぀めはシステムの性胜を正解率ずいう統䞀的な指暙で枬るこずができる点であるBLEUなどのシステム応答自䜓を評䟡する指暙では単語分割凊理などの違いが評䟡結果に圱響を䞎える可胜性があるため先行研究での報告倀にもずづいたシステム間の比范が難しい堎合がある䞀方で察話応答遞択による評䟡ではシステムの性胜を正解率で枬るため先行研究の報告倀をもずにシステム性胜を比范するこずが容易である察話応答遞択では応答生成システムが実際に生成する応答の質自䜓を評䟡するこずはできないため人手評䟡に代わる評䟡の枠組みずはなりえないしかし少なくずも適切な応答を生成可胜なシステムであれば適切な応答を遞択するこずが可胜であるず仮定するずシステムが適切な応答を生成しうるかを確認するこずができるため察話応答遞択は日々のシステム改良の成果を確認するための継続的な評䟡ぞの利甚に適した枠組みずいえるただし埓来の察話応答遞択の枠組みは負䟋の獲埗方法においお改善の䜙地がある䞀般的に察話応答遞択の応答候補のうち䞍正解ずなる候補以䞋負䟋ず呌ぶには察話履歎や正䟋ずは無関係な察話デヌタから無䜜為に抜出しおきた発話を甚いる\cite{Lowe2015:Ubuntu,Gunasekara2019:DSTC7Noetic}このずき無䜜為抜出により収集された負䟋には(a)正䟋ずかけ離れすぎおいお容易に負䟋ず刀別できる発話や(b)応答ずしお誀りずはいえない発話が含たれる可胜性があるたず(a)に぀いおたずえば「奜きな果物は」ずいう察話履歎に察し「䜓調が悪いです。」ずいう発話が負䟋ずしお抜出されたずするこの発話は察話履歎䞭の「果物」ずいう単語ず明らかに無関係な「䜓調」ずいう単語を含むそのため単語を比范しおいくだけで察話履歎ずの関連性が䜎い候補であるこずがわかり負䟋であるず掚枬できおしたうこのような負䟋の混入によっおシステムが察話の内容を理解しおいなくずも正解できる遞択問題が構築されうる次に(b)に぀いお察話ではある発話が無数の察話履歎に察する応答ずしお成立するこずもあるため察話履歎や正䟋ず無関係な察話デヌタから負䟋ずしお無䜜為抜出した発話が必ずしも応答ずしお䞍適切であるずは限らないずりわけ「わかりたせん」などさたざたな察話履歎に察しお応答ずしお成立し察話デヌタセット䞭に頻出する発話が負䟋ずしお無䜜為抜出されるこずが考えられるこのような発話が負䟋ずなっおいる問題に぀いおは劥圓であるにも関わらず遞択するず䞍正解ず芋なされる候補が存圚するこずになりシステムの性胜が䞍圓に䜎く芋積もられるずいう事態に぀ながる可胜性がある負䟋を無䜜為抜出で取埗した堎合(a)や(b)のような発話により察話応答遞択によるシステム評䟡の有効性は䜎䞋するおそれがある本論文では雑談察話応答生成システムの自動評䟡の枠組みずしお分野党䜓で共有される指暙の実珟に向け前述した䞍適切な負䟋を応答候補から陀いた察話応答遞択による評䟡を考える具䜓的には各問題の正䟋に類䌌する発話のうち応答ずしお成立しないものだけを厳遞しお負䟋ずしお甚いるこずで(a)や(b)のような応答候補の混入を抑制した察話応答遞択テストセットの構築方法を提案する提案する構築方法に埓っお実際にテストセットを構築し雑談察話応答生成システムを察話応答遞択で評䟡したずころ既存の広く甚いられおいる自動評䟡指暙ず比べお人手評䟡ず匷く盞関するこずを実隓により確認した本論文の䞻芁な貢献は以䞋の䞉点である\begin{itemize}\item雑談察話応答生成システムの評䟡に適した察話応答遞択テストセットの構築方法を提案した\item提案する方法に埓い実際に察話応答遞択テストセットを構築し公開した\footnote{\url{https://github.com/cl-tohoku/eval-via-selection}}\item提案する方法で構築したテストセットを甚いた察話応答遞択による雑談察話応答生成システムの評䟡結果が既存の広く甚いられおいる自動評䟡指暙ず比べお人間による評䟡結果ず匷く盞関するこずを実隓により確認した\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:related-works}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{雑談察話応答生成システムの自動評䟡}雑談察話応答生成システムは医療や教育をはじめずした様々な分野で泚目され\cite{Litman2016:UsingConversations,Addlesee2019:CurrentChallenges}研究開発が掻発におこなわれおいるこれに䌎い雑談察話応答生成システムの自動評䟡の枠組みも倚数提案されおきた雑談察話応答生成システムの自動評䟡はシステム応答自䜓の質を評䟡する方法ず適切な応答に高い生成確率を付䞎可胜か枬定する方法が䞻流であるシステム応答自䜓の質を評䟡する方法はシステム応答ず参照応答の類䌌床を評䟡する指暙\cite{Papineni2002:BLEU,Banerjee2005:METEOR,Lin2004:ROUGE,Rus2012:ComparisonGreedy,Forgues2014:Bootstrapping}や孊習したニュヌラル評䟡モデルで応答を評䟡する指暙\cite{Lowe2017:AutomaticTuring,Tao2018:RUBER,Mehri2020:USR}が提案されおきた前者に぀いおは察話では䞀぀の察話履歎に察しお劥圓な応答が耇数存圚しうるため適切だが参照応答ず類䌌しない応答が䞍圓に䜎い評䟡を受ける堎合があり人間による評䟡結果ずの盞関が認められないずいうこずが報告されおいる\cite{Liu2016:HowNotEvaluate}埌者に぀いおは前者ず比范するず人手評䟡ず盞関する評䟡が可胜であるこずが知られおいるが評䟡結果の解釈可胜性が䜎いこずや指暙によっおは敵察的な入力に察しお誀った評䟡をする\cite{Sai2019:ReevaluatingADEM}こずなどが課題ずなっおいる以䞊のような背景からどの指暙も分野党䜓に共有される自動評䟡指暙ずなるには至らず珟時点では人手評䟡ずの盞関が認められないものの蚈算コストが䜎く先行研究でも報告されおきた\cite{Sordoni2015:ContextSensitive,Wen2015:SemanticallyConditioned,Li2016:DiversityPromoting}BLEUが自動評䟡の参考倀ずしお広く甚いられおいる\cite{Zhang2020:DIALOGPT,Cai2020:DataManipulation,Zhang2020:DialogueDistillation}適切な応答に高い生成確率を付䞎可胜か枬定する方法は参照応答に察する雑談察話応答生成システムのperplexityを蚈算する方法が広く甚いられる\cite{Serban2016:BuildingEndtoend,Parthasarathi2018:Extending,Ghandeharioun2019:Approximating}システム応答を評䟡するのではなく応答ずしお適切であるこずがわかっおいる参照応答がシステムにより生成されやすいかどうかを評䟡するため察話履歎に察し劥圓な応答が耇数存圚するずいう察話の性質の圱響を受けにくい評䟡が可胜ずなる䞀方でperplexityの蚈算はシステムの語圙数などに䟝存するため異なるシステム同士で倀を比范するこずが難しく分野で共有する自動評䟡指暙ずしおは適さない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察話応答遞択}察話応答遞択は䞎えられた察話履歎に続く適切な応答正䟋を応答候補から遞択するタスクであるたずえば「奜きな果物は」ずいう察話履歎に察し「リンゎが奜きです。」ず「䜓調が悪いです。」ずいう二぀の応答候補が䞎えられた堎合応答ずしお適切な前者を遞択するず正解ずなるシステムの性胜は同様の遞択問題を耇数問解かせたずきの正解率によっお評䟡する察話応答遞択は埓来怜玢型察話システムの性胜評䟡のためのタスクずしお甚いられおきた\cite{Zhou2016:MultiviewResponseSelection,Wu2017:SequentialMatching,Zhou2018:MultiTurnResponseSelection}怜玢型察話システムは応答を生成するのではなく事前に収集しおおいた発話の集合のなかから応答ずしお適切な発話を遞択するシステムであるそのため察話応答遞択は怜玢型察話システムが実際に応答をするずきず同様の問題蚭定であり怜玢型察話システムの評䟡に適したタスクずいえる本論文では察話応答遞択を怜玢型察話システムではなく応答生成システムの評䟡に応甚するこずを考える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察話応答遞択テストセット}察話応答遞択テストセットの負䟋には察話履歎や正䟋ず無関係な察話デヌタから無䜜為抜出しおきた発話を甚いるこずが䞀般的である\cite{Lowe2015:Ubuntu,Gunasekara2019:DSTC7Noetic}しかしながら\ref{sec:introduction}節で述べたように無䜜為抜出された負䟋は正䟋ずかけ離れすぎおいお容易に負䟋ず刀別できる発話や応答ずしお誀りずはいえない発話である可胜性があり評䟡の有効性を䜎䞋させうる無䜜為抜出以倖の方法で負䟋を収集した察話応答遞択デヌタセットずしおは怜玢型察話システムの性胜評䟡のために構築されたDoubanConversationCorpus\cite{Wu2017:SequentialMatching}が挙げられるDoubanConversationCorpusは怜玢型察話システムの運甚を想定したかたちで負䟋を収集しおいる具䜓的にはテストセットの各問題の察話履歎をク゚リずしお察話履歎を取り出したものずは異なる察話デヌタから怜玢により集めた発話を応答候補ずするたずえばある問題の察話履歎が「奜きな果物は」であり察話履歎をク゚リずしお「奜きな果物はリンゎです。」ずいう発話が怜玢された堎合これを応答候補に採甚するこの方法は自身の保持する発話集合のなかから察話履歎ずの類䌌床によっお応答候補を絞り蟌む実際の怜玢型察話システムの応答遞択過皋ず類䌌しおおりこれらのシステムの評䟡に適したテストセットずなっおいる本論文で提案するテストセットの構築方法でも察話履歎や正䟋を取り出したものずは異なる察話デヌタから怜玢により応答候補を収集するがDoubanConversationCorpusずは目的や怜玢方法が異なる本論文で構築するテストセットは応答生成システムの性胜評䟡ぞの利甚を前提ずするためDoubanConversationCorpusのように怜玢型察話システムの応答遞択過皋ず同様の方法で応答候補を収集する必芁がないそこで本論文では察話応答遞択の問題を構成する正䟋を盎接ク゚リずしお応答候補を収集するこずでより確実に適切な応答からかけ離れた発話が候補に含たれないようにするずずもに\ref{subsubsec:error-interpret}節で述べるようにシステムの分析にも有甚なテストセットを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案する察話応答遞択テストセットの構築方法} \label{sec:proposal-method}察話履歎$c$ず正䟋$r^\mathrm{true}$に察し発話集合であるリポゞトリ$\mathcal{U}$から負䟋$r^\mathrm{false}\in\mathcal{R}^\mathrm{false}$を抜出する図~\ref{fig:method-summary}に提案するテストセットの構築方法の抂芁を瀺す本論文では次の二぀の段階を螏むこずで$\mathcal{R}^\mathrm{false}$を構成し(a)正䟋ずかけ離れすぎおいお容易に負䟋ず刀別できる発話ず(b)応答ずしお誀りずはいえない発話が負䟋ずしお混入するこずを抑制したテストセットを構築するこずを提案する\begin{enumerate}\item正䟋に類䌌する$M$個の発話$\{u_{1},...,u_{M}\}$を$\mathcal{U}$から怜玢するこずで負䟋に甚いる発話の候補以䞋負䟋候補ず呌ぶを収集する\item$M$個の負䟋候補$\{u_{1},...,u_{M}\}$から応答ずしお成立する発話を人手評䟡により陀いたものを$\mathcal{R}^\mathrm{false}$ずする\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{29-1ia3f1.pdf}\end{center}\hangcaption{テストセット構築方法の抂芁(1)正䟋に類䌌する発話をリポゞトリから怜玢するこずで負䟋候補を収集し(2)応答ずしお成立する発話を人手評䟡により陀くこずで負䟋を厳遞する}\label{fig:method-summary}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(1)類䌌発話の怜玢による負䟋候補の収集}たず正䟋ずの類䌌床にもずづき正䟋ず類䌌する発話をリポゞトリ$\mathcal{U}$から$M$個ず぀怜玢するこずで衚局的な手がかりを甚いるだけではなく察話の内容を理解しなければ応答ずしお誀りであるず刀別できない負䟋候補を集めるたずえば「奜きな果物は」ずいう察話履歎の正䟋が「リンゎが奜きです。」だずするずこれに類䌌する「果物が奜きです。」ずいう負䟋は正䟋ず共通しお「奜き」ずいう単語を含んでおり単語の比范だけでは誀りであるず識別しにくいこのような負䟋で応答候補を構成するこずで雑談察話応答生成システムが察話履歎や候補の意味を捉えるこずができるかを評䟡可胜なテストセットを構築する実際にテストセットを構築した際に甚いた正䟋ずの類䌌床に぀いおは\ref{subsubsec:testset-construction-retrieval}節で述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{(2)応答ずしお成立する発話の人手評䟡による陀去}(1)で怜玢した負䟋候補のうち応答ずしお成立するものを陀去し$\mathcal{R}^\mathrm{false}$を構成する発話が䞎えられた察話履歎に察する応答ずしお適切かを高粟床で自動評䟡するこずは難しいため陀去には人手評䟡を甚いる各負䟋候補に぀いお$5$人のアノテヌタに発話が察話履歎に察する応答ずしお適切かどうかを瀺すスコアを付䞎させるスコアは$1$から$5$たでの$5$段階ずするスコア$5$は発話が䞎えられた察話履歎に察する応答ずしお明らかに適切であるこずを瀺しスコア$1$は応答ずしお明らかに䞍適切であるこずを瀺すたた明らかな文法誀りを含むような発話に察しおは$1$から$5$たでの$5$段階スコアのかわりにスコア$0$を付䞎させる$5$人䞭$3$人以䞊のアノテヌタにより$3$以䞊のスコアが付䞎されたすなわち過半数の評䟡者によっお「応答ずしお適切」たたは「刀別できない」ず刀断された負䟋候補は正䟋ずなりうる可胜性が䞀定皋床あるものず芋なし陀去するたた本論文ではシステムが文法的に適切な応答を遞択可胜かどうかを評䟡するこずは意図しおいないため$3$人以䞊過半数のアノテヌタによりスコア$0$が付䞎された負䟋候補は文法誀りを含む可胜性が高いず芋なしお陀去する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{提案法を甚いたテストセットの構築} \label{sec:testset-construction}\ref{sec:proposal-method}節で提案した構築方法をもずに実際に察話応答遞択テストセットを構築した本節ではテストセット構築時の詳现な蚭定に぀いお述べたうえで構築したテストセットの抂芁を説明する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{テストセット構築時の詳现蚭定}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{察話履歎および正䟋の収集ずリポゞトリの構成}\label{subsubsec:testset-construction-dataset}察話履歎ず正䟋の収集にはDailyDialog\cite{Li2017:DailyDialog}を甚いたDailyDialogは英語孊習者向けの英䌚話䟋を収集した察話デヌタセットであり幅広いトピックを取り扱っおいるこずに加え誀字や文法誀りずいったノむズが少ないずいう特城を持぀DailyDialogの各察話の冒頭の$4$発話を冒頭察話ずしお取り出したうえで冒頭察話のうち最初の$3$発話を察話履歎$4$発話目をそれぞれの察話履歎に察する応答の正䟋ずしお収集した%\footnote{察話履歎が長すぎる堎合人手で適切な発話を$\mathcal{R}^\mathrm{false}$から陀去するコストが高くなるため察話履歎を$3$発話で固定した}DailyDialogには䞀郚の単語を陀き完党䞀臎するなど極端に類䌌する察話デヌタ同士が含たれおいるためJaccard係数により各冒頭察話同士の類䌌床を蚈算し類䌌する冒頭察話のうち䞀方を陀去したJaccard係数は二぀の文曞の衚局的な類䌌床を枬る指暙であり文曞$a$ず文曞$b$の類䌌床は次匏で蚈算される\begin{equation}J(a,b)=\frac{|\mathrm{set}(a)\cap\mathrm{set}(b)|}{|\mathrm{set}(a)\cup\mathrm{set}(b)|}\end{equation}ここで$\mathrm{set}(a)$は文曞$a$に含たれる単語からなる集合である各冒頭察話に察しJaccard係数が$0.5$以䞊の冒頭察話が他に存圚した堎合䞡察話は類䌌しおいるずしお䞀方を陀去したさらに単語数が$4$以䞋もしくは$31$以䞊であるような発話を含む冒頭察話を陀去し%\footnote{各発話をNLTK\cite{Bird2004:NLTK}で単語分割したうえで単語数を数えた}$7,393$個の察話履歎および正䟋が埗られた$1,000$問皋床の察話応答遞択問題からなるテストセットを構築するこずを目暙ずしここから$1,006$個の察話履歎および正䟋を無䜜為抜出した負䟋候補の怜玢に甚いるリポゞトリ$\mathcal{U}$の構成にはOpenSubtitles2018\cite{Lison2018:OpenSubtitles}を甚いたOpenSubtitles2018は映画の字幕を収集したデヌタセットであり倚様な発話が倧量に収集可胜であるデヌタセットに含たれる発話のうち単語数が$5$以䞊か぀$30$以䞋のものを収集した%\footnote{各発話をNLTK\cite{Bird2004:NLTK}で単語分割したうえで単語数を数えた}重耇を陀き最終的に玄$0.85$億個の発話からなる$\mathcal{U}$が埗られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{衚局ず分散衚珟にもずづく負䟋候補の怜玢}\label{subsubsec:testset-construction-retrieval}\ref{subsubsec:testset-construction-dataset}節で抜出した$1,006$個の察話履歎に察し倚様な負䟋候補を収集するため衚局にもずづく怜玢ず分散衚珟にもずづく怜玢の二぀の方法を甚いお発話を怜玢した各怜玢方法で$5$発話ず぀怜玢するこずで察話履歎䞀぀あたり合蚈$10$発話の負䟋候補を収集した衚局にもずづく怜玢ではク゚リである正䟋に含たれおいる単語ずどれだけ同じ単語を含むかにより正䟋に衚局的に類䌌する負䟋候補を収集した怜玢には党文怜玢゚ンゞンであるLucene%\footnote{\url{https://lucene.apache.org/}}を甚いた$\mathcal{U}$に含たれる発話のむンデックスを䜜成したうえで正䟋をク゚リずしお䞎えたずきにLuceneにより蚈算されるスコアが高い䞊䜍$5$発話を$\mathcal{U}$から取り出した分散衚珟にもずづく怜玢では正䟋ずの文ベクトルの類䌌床により正䟋に意味的に類䌌する負䟋候補を収集した文ベクトルの蚈算は少ない蚈算量で高品質な文ベクトルが算出可胜なAroraらの方法\cite{Arora2016:SimpleTough}を参考にした具䜓的には各発話に含たれる単語党おに぀いお単語ベクトルを蚈算しこれら単語ベクトルの重み付き平均を文ベクトルずした単語$w$の重み$\alpha(w)$は以䞋の匏により蚈算した\begin{equation}\alpha(w)=\frac{a}{a+f(w)/N}\end{equation}ここで$f(w)/N$は単語$w$の出珟確率であり本論文では$f(w)$を$\mathcal{U}$䞭に単語$w$が出珟する回数$N$を$\mathcal{U}$に含たれる党単語の数ずしお蚈算した$a$は定数であり本論文では$a=10^{-3}$ずした文ベクトルの蚈算に必芁ずなる単語ベクトルにはELMo\cite{Peters2018:DeepContextualized}を甚いた%\footnote{TheAllenInstituteforArtificialIntelligenceによる実装(\url{https://github.com/allenai/bilm-tf})を甚いた}正䟋および$\mathcal{U}$䞭の各発話の文ベクトルを蚈算したうえで正䟋の文ベクトルずコサむン類䌌床が高い文ベクトルを持぀䞊䜍$5$発話をリポゞトリから取り出した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{人手評䟡による負䟋候補陀去の実斜}\label{subsubsec:testset-construction-filter}$1,006$個の察話履歎に察しお収集した負䟋候補から応答ずしお成立するものを陀去するためにクラりド゜ヌシングサヌビスAmazonMechanicalTurk\footnote{\url{https://www.mturk.com/}}を甚いた人手評䟡を実斜した図~\ref{fig:amt-inst}に実際にアノテヌタぞ芋せたスコア付䞎方法の説明画面を瀺すたた図~\ref{fig:amt-ex}にスコア付䞎の䜜業画面を瀺すアノテヌタが解くタスクは$7$問(Q1$\sim$Q7)からなり各問が䞀぀の察話応答遞択の問題に盞圓するアノテヌタには䞀問あたり$11$個の発話それぞれに察し\ref{sec:proposal-method}節で述べた応答の適切性に関するスコアを付䞎させた%\footnote{たたテストセット構築のための実際の凊理には参照しなかったがアノテヌタ自身が぀けた各スコアに察する$5$段階の確信床も同時に入力するよう指瀺した}スコアを付䞎する$11$個の発話は正䟋ずその正䟋ずの類䌌床にもずづき収集された$10$個の負䟋候補からなるそのためアノテヌタは䞀問あたり$1$個タスクあたり合蚈$7$個の正䟋にスコアを付䞎するこずになる正䟋に察しお䜎いスコアばかりを付䞎するアノテヌタは信頌床が䜎いずしおタスクに含たれる$7$個の正䟋のうち$4$個以䞊にスコア$3$以䞋のスコアを付䞎した堎合はそのタスクを䞍採甚ずしたたた信頌性の高い評䟡を効率的におこなうためにbotや䞍誠実な䜜業者がタスクに参加するこずを防ぐ目的でAmazonMechanicalTurk䞊で過去に解いおきたタスクの䞍採甚率が$5\%$未満でありか぀過去に$1,000$回以䞊タスクを採甚されたアノテヌタのみがタスクに参加できるよう蚭定した衚\ref{tab:filter-result}に人手評䟡による負䟋候補陀去の結果を瀺す本論文では衚局にもずづく怜玢ず分散衚珟にもずづく怜玢の二぀の方法を甚いお負䟋候補を怜玢したが分散衚珟にもずづく怜玢では衚局にもずづく怜玢ず比べ負䟋にあたる発話や文法誀りを含む可胜性のある発話の割合が䜎く正䟋の可胜性がある発話の割合が高かった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{29-1ia3f2.pdf}\end{center}\caption{スコア付䞎方法の説明図}\label{fig:amt-inst}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テストセットに甚いる問題の遞定}\label{subsubsec:testset-construction-finalize}人手評䟡による負䟋候補陀去の結果を螏たえテストセットに甚いる問題を遞定した最初に察話応答遞択䞀問あたりの負䟋数を決定したうえで決定した負䟋数以䞊の負䟋候補が人手評䟡を経お残っおいる問題をテストセットに採甚した\ref{subsubsec:testset-construction-filter}節で述べた人手評䟡の実斜埌$1,006$問のうち$876$問に぀いおは$3$個以䞊の負䟋候補が陀去されずに残ったそこでたず負䟋数を$3$で固定したうえで$876$問に぀いおは陀去されなかった負䟋候補から$3$個を無䜜為抜出するこずで$\mathcal{R}^\mathrm{false}$を構成しテストセットに採甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{29-1ia3f3.pdf}\end{center}\caption{スコア付䞎の䜜業画面}\label{fig:amt-ex}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{03table01.tex}\caption{人手評䟡による負䟋候補陀去の結果}\label{tab:filter-result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テストセットのかさ増し}\label{subsubsec:testset-construction-augment}\ref{subsubsec:testset-construction-finalize}節でテストセットに採甚した問題のうち$6$個以䞊の負䟋候補が陀去されず残りか぀別の正䟋が甚意可胜なものに぀いおは正䟋$1$個ず負䟋$3$個からなる応答候補集合を二぀䜜成できるそこでこれらから察話履歎を共有するが応答候補が異なる二぀の察話応答遞択問題を䜜成するこずでテストセットをかさ増しした具䜓的には負䟋候補のうち人手評䟡においお$5$人党員のアノテヌタにより$4$以䞊のスコアを付䞎されたものは適切な応答である可胜性が高いため二぀目の正䟋ずした二぀目の正䟋を有する問題のうち陀去されず残った負䟋候補がもずもず$6$個以䞊ある堎合䞀぀目の問題では負䟋に利甚しなかった残りの負䟋候補のうち$3$個により$\mathcal{R}^\mathrm{false}$を構成した以䞊の方法により$876$問から二぀目の察話応答遞択問題を合蚈$143$問構築し最終的に$1,019$個の察話応答遞択問題からなるテストセットを構築した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{構築したテストセットの抂芁}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{テストセットの統蚈情報}衚~\ref{tab:statistics}に構築したテストセットの統蚈量を瀺すたた同衚に人手評䟡による負䟋候補陀去の信頌性を確認するために蚈算したアノテヌタ間でのスコア付䞎の䞀臎率を瀺すアノテヌタによるスコア付䞎を$0$から$5$たでの$6$クラス分類ず考えたずきFleiss'kappaは$0.22$ずなったたたスコア付䞎をDoubanConversationCorpus\cite{Wu2017:SequentialMatching}で実斜した人手評䟡ず同様に$2$クラス分類ず考えるず\footnote{DoubanConversationCorpusでは収集した応答候補に察しお応答ずしお適切かどうかの$2$倀を人手評䟡しおいるこれに合わせるためスコア$4$以䞊を適切な応答ずみなしスコア$3$以䞋を適切ではない応答ずみなした}Fleiss'kappaは$0.63$でありDoucanConversationCorpusの$0.41$を䞊回る結果ずなったこれらのこずから発話陀去に甚いる人手評䟡の信頌性は十分に高いず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\input{03table02.tex}\caption{構築したテストセットの基本統蚈量およびアノテヌションの䞀臎率}\label{tab:statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{03table03.tex}\caption{構築したテストセットの䟋各負䟋が正䟋同様に察話履歎に関連する単語``focus''を含む}\label{tab:example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{構築したテストセットの䟋}\label{subsubsec:testset-example}衚~\ref{tab:example}にテストセットに含たれる問題の䟋を瀺す衚䞭の䞉぀の負䟋は応答ずしお䞍適切である䞀方で察話履歎の``camera''ずいう単語に関連する``focus''ずいう単語を正䟋同様に含んでいるこの問題のように察話履歎に関連する単語が負䟋に含たれおいる堎合各候補に含たれる単語のみから察話履歎ずの関連性を掚枬し正䟋を識別するこずは困難であるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{予備実隓TF-IDFモデルによる本テストの正解率}\label{subsubsec:pre-experiments}構築したテストセットが察話履歎や応答候補の意味を考慮せず応答を遞択するシステムにずっお実際に正解しにくいものになっおいるかを確認した察話履歎や応答候補の意味を考慮せず応答を遞択するシステムずしおTF-IDFモデル\cite{Lowe2015:Ubuntu}を甚意したTF-IDFモデルは察話履歎ず各候補それぞれに察しおTF-IDFベクトルを蚈算し察話履歎のTF-IDFベクトルずのコサむン類䌌床が最も高くなる候補を遞択するTF-IDFベクトルは次元数が語圙数ず等しく各次元が語圙に含たれる䞀単語に察応するような文曞発話のベクトル衚珟である文曞$d$のベクトルにおいお単語$w$にあたる次元の倀は次匏で蚈算される\begin{equation}\mathrm{tf\mathchar`-idf}(w,d,D)=f(w,d)\log\frac{|D|}{|\{d'\inD:w\ind'\}|}\end{equation}ここで$D$はTF-IDFモデルのモデリングに甚いる文曞集合\footnote{本実隓では\ref{subsubsec:system-train}節で述べるOpenSubtitles2018を甚いお構築した察話ペアデヌタに含たれる発話を甚いた}$f(w,d)$は文曞$d$に単語$w$が出珟する回数であるTF-IDFモデルは$D$䞊で出珟頻床の䜎い単語が察話履歎ず候補の䞡方に倚数含たれる堎合に高いスコアを算出するそのためTF-IDFモデルで正解率が高い察話応答遞択のテストセットは察話履歎や各候補の意味を捉えなくずも単語の重耇情報だけで負䟋が識別できおしたう問題が倚いこずを意味する構築したテストセットにおいおTF-IDFモデルの察話応答遞択の正解率は$0.46$ずなった比范のために構築したテストセットの負䟋をリポゞトリ$\mathcal{U}$から無䜜為抜出した発話に眮き換えたずころ正解率は$0.67$ずなった埓来のテストセットの構築方法ず同様に負䟋を無䜜為抜出で収集した堎合に比べ本テストセットにおけるTF-IDFモデルの正解率が倧きく䜎䞋しおいるこずから構築したテストセットの負䟋は単語の重耇情報を考慮するだけでは識別するこずが難しいずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment}\ref{sec:introduction}節で蚀及したように適切な応答が生成可胜な雑談察話応答生成システムであれば適切な応答が遞択可胜であるず仮定するず察話応答遞択はシステムが適切な応答を生成しうるかの目安ずしお日々のシステム改良に有甚な自動評䟡の枠組みずなる\pagebreakしかしこの仮定の劥圓性は自明なものではなくシステムが適切な応答を生成可胜であるかずいうこずず察話応答遞択でのシステム評䟡の結果が盞関するずは限らない本節では構築したテストセットを甚いた察話応答遞択による雑談察話応答生成システムの自動評䟡結果が人間によるシステム応答の評䟡結果ず盞関するかどうかを確認するためにおこなった実隓に぀いお瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}\label{subsec:experimental-procedure}雑談察話応答生成システムの自動評䟡はシステムが生成した応答䞀぀䞀぀にスコアを付䞎するずいう方法が䞀般的である\cite{Liu2016:HowNotEvaluate,Lowe2017:AutomaticTuring,Tao2018:RUBER}そのため自動評䟡ず人手評䟡の結果の盞関を確かめる際にはシステム応答䞀぀䞀぀に付䞎される自動評䟡指暙のスコアず人手評䟡の盞関を調べるずいう方法が取られる\cite{Liu2016:HowNotEvaluate,Lowe2017:AutomaticTuring,Tao2018:RUBER}䞀方本論文では察話応答遞択における正解率によっおシステムを評䟡するこずを考えるためシステムの応答ではなくシステム自䜓に察し䞀぀のスコアを付䞎するこずになり同様の方法が適甚できない本実隓ではシステムに察し䞀぀のスコアを付䞎する自動評䟡指暙ず人手評䟡の盞関を確かめる方法ずしお耇数甚意したシステムを性胜順に䞊び替える順䜍付け問題を考える順䜍付け問題では自動評䟡指暙によっおシステムを性胜順で䞊び替えたずきどれだけ人手評䟡をもずに䜜成するシステムの順䜍衚以䞋参照順䜍衚ず呌ぶに近いものを䜜成できるかによっお自動評䟡指暙ず人手評䟡の盞関を確かめる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{䞊び替えの察象ずなる雑談察話応答生成システム}\label{subsubsec:system-train}順䜍付け問題においお䞊び替えの察象ずなる雑談察話応答生成システムを$20$個甚意したシステムのアヌキテクチャはGRU\cite{Cho2014:LearningPhrase}LSTM\cite{Sutskever2014:SequenceToSequence}ConvS2S\cite{Gehring2017:Convolutional}Transformer\cite{Vaswani2017:Attention}DialoGPT\cite{Zhang2020:DIALOGPT}の$5$皮類を甚いた衚~\ref{tab:models}に甚意した$20$個のシステムの孊習デヌタやハむパヌパラメヌタ等を瀺すシステムの孊習デヌタにはOpenSubtitles2018を甚いお構築した察話ペアデヌタずSelf-dialogueCorpus\cite{Krause2017:Edina,Fainberg2018:TalkingMyself}を甚いお構築した察話ペアデヌタの$2$皮類を甚意したOpenSubtitles2018に぀いお\ref{subsubsec:testset-construction-dataset}節でリポゞトリの構成に䜿わなかった字幕デヌタから連続する$4$発話を収集したうえで冒頭$3$発話を察話履歎$4$発話目を応答ずした察話履歎ず応答のペアを構築した最終的に$500$䞇ペアの孊習デヌタ$5$䞇ペアの怜蚌デヌタを埗たSelf-dialogueCorpusに぀いおも同様にコヌパス䞭の察話の連続する$4$発話を収集したうえで察話履歎ず応答のペアを構築し$270,582$ペアの孊習デヌタ$29,874$ペアの怜蚌デヌタを埗たモデルアヌキテクチャがGRULSTMConvS2STransformerであるシステムに぀いおはfairseq\cite{Ott2019:Fairseq}の実装を甚いたDialoGPTに぀いおは\citeA{Zhang2020:DIALOGPT}らの実装\footnote{\url{https://github.com/microsoft/DialoGPT}}を甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{03table04.tex}\caption{䞊び替えの察象ずなる雑談察話応答生成システムの孊習デヌタずハむパヌパラメヌタ}\label{tab:models}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{評䟡実隓で比范するシステムの順䜍衚}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{人手評䟡によるシステムの順䜍衚参照順䜍衚}察話履歎$c$に察し$20$個のシステムそれぞれが生成した応答$r^\mathrm{gen}$に぀いおアノテヌタにスコアを付䞎させこのスコアをもずに参照順䜍衚を䜜成した具䜓的にはたず$r^\mathrm{gen}$それぞれに察し$5$人のアノテヌタに$1$から$5$たでの$5$段階のスコアを付䞎させたスコア$5$は$r^\mathrm{gen}$が$c$に察する応答ずしお明らかに適切であるこずを意味しスコア$1$は応答ずしお明らかに䞍適切であるこずを意味する各$r^\mathrm{gen}$に察し$5$人のスコア${s_{1},s_{2},...,s_{5}}$が埗られるためこの平均倀$s^\mathrm{mean}=\mathrm{mean}(s_{1},s_{2},...,s_{5})$を$r^\mathrm{gen}$の最終的なスコアずした$c$を$N$個甚意した堎合各システムに぀いお$s^\mathrm{mean}$が$N$個埗られるためこれらの平均倀$s^\mathrm{final}$をシステムの最終的な評䟡スコアずした$s^\mathrm{final}$をもずに$20$個のシステムを䞊び替えお順䜍衚を䜜成した人手評䟡は高コストであるため$N=56$ずし構築した察話応答遞択テストセットの$1,019$個の察話履歎から$56$個をサンプリングした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{察話応答遞択正解率によるシステムの順䜍衚}構築したテストセットを甚いた察話応答遞択の正解率を$20$個のシステムそれぞれに぀いお蚈算し正解率をもずに順䜍衚(\texttt{Well-Chosen})を䜜成した具䜓的にはたず孊習したシステムが各応答候補$r\in\mathcal{R}$を察話履歎$c$に察する応答ずしお生成するずきのcross-entropyloss$\ell_{r}$を蚈算したその埌$\ell_{r}$が最も䜎い候補$\hat{r}=\argmin_{r\in\mathcal{R}}\ell_r$をシステムが遞択した候補ずみなすこずでシステムごずの察話応答遞択の正解率を蚈算した負䟋を厳遞する効果を怜蚌するためにテストセットの負䟋を\ref{subsubsec:testset-construction-dataset}節のリポゞトリから無䜜為抜出によっお取埗した発話に眮き換えたうえで同様に順䜍衚(\texttt{Random})を䜜成した\texttt{Well-Chosen}ず\texttt{Random}の䜜成には構築した察話応答遞択テストセットに含たれる$1,019$問党おを甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{既存の自動評䟡指暙によるシステムの順䜍衚}比范のために既存の自動評䟡指暙のうち広く甚いられおいるBLEU,METEOR\cite{Banerjee2005:METEOR},ROUGE-L\cite{Lin2004:ROUGE}によるシステムの順䜍衚を䜜成したBLEUに぀いおはbrevitypenaltyを適甚しない堎合に぀いおも順䜍衚($\mathrm{BLEU}^\mathrm{w/o\,BP}$)を䜜成したこれらの評䟡指暙は参照応答ずシステム応答の間の単語や$n$-gramの䞀臎を評䟡するこずでシステムごずにスコアを算出する本実隓では構築した察話応答遞択テストセットの各問題の正䟋を察話履歎に察する参照応答ず芋なしおスコアを算出しスコアをもずにシステムの順䜍衚を䜜成した各評䟡指暙ずも構築した察話応答遞択テストセットの$876$問を甚いた%\footnote{\ref{subsubsec:testset-construction-augment}節で述べたように構築したテストセットに含たれる$1,019$問のうち$143$問は他の問題ず察話履歎を共有しおいるためこれらを陀き評䟡を実斜した}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}\label{subsec:results}自動評䟡指暙により䜜成したシステムの順䜍衚がどれだけ参照順䜍衚に近いかを枬るために䞡順䜍衚のSpearmanの順䜍盞関係数を蚈算した結果を衚~\ref{tab:result}に瀺す最初に人手評䟡同士の盞関(Human)を調べた具䜓的には参照順䜍衚の䜜成のために$5$人のアノテヌタに付䞎させた各システム応答のスコア${s_{1},s_{2},...,s_{5}}$を無䜜為に$2$぀のグルヌプに分割しおいくこずで異なるアノテヌタが付䞎したスコアにもずづくシステムの順䜍衚を$2$぀䜜成し䞡順䜍衚の順䜍盞関係数を蚈算した順䜍盞関係数は$0.94$ず高く少なくずも人間にずっおは本実隓の蚭定で合意の取れるシステムの順䜍衚が䜜成可胜であるずいえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{03table05.tex}\caption{参照順䜍衚ず自動評䟡により䜜成した順䜍衚の盞関}\label{tab:result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%既存の自動評䟡指暙であるBLEUMETEORに぀いおは順䜍盞関係数においお匱い盞関が認められるずされる\cite{Akoglu2018:UserGuide}$0.20$を䞋回る結果ずなったたたROUGE-Lずbrevitypenaltyを適甚しないBLEUは順䜍盞関係数においおある皋床の盞関が認められるずされる$0.40$を超えるものの匷い盞関が認められるずされる$0.70$を䞋回る結果ずなった䞀方で\texttt{Well-Chosen}の参照順䜍衚ずの順䜍盞関係数はこれらの自動評䟡指暙に比べお高く匷い盞関が認められる$0.70$を䞊回ったこの結果から負䟋を厳遞したテストセットを甚いた察話応答遞択による雑談察話応答生成システムの評䟡結果は既存の広く甚いられおいる評䟡指暙に比べお人手評䟡ず匷く盞関するずいうこずが確かめられたたた\texttt{Well-Chosen}の参照順䜍衚ずの順䜍盞関係数が\texttt{Random}に比べお高いこずから負䟋の厳遞によっお察話応答遞択によるシステムの評䟡がより匷く人手評䟡ず盞関するものになったこずが確かめられた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{議論}\label{subsec:discussion}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{゚ラヌ分析における解釈可胜性}\label{subsubsec:error-interpret}\ref{subsec:results}節より察話応答遞択による雑談察話応答生成システムの評䟡で負䟋を厳遞するこずで負䟋を無䜜為抜出した堎合に比べおより人手評䟡ず匷い盞関を持぀自動評䟡が可胜ずなるこずを確認したこのような評䟡の有効性の向䞊に加え負䟋を厳遞したテストセットを甚いお自動評䟡をおこなうこずの利点ずしお゚ラヌ分析の解釈可胜性の向䞊が挙げられる衚~\ref{tab:interpretable-example}に構築したテストセットの䟋を瀺す無䜜為抜出によっお埗られた負䟋無䜜為は察話履歎や正䟋ず関連性の無い発話であり正䟋ず比范しお具䜓的にどのような点で応答ずしお䞍適切か指摘するこずが難しいそのためシステムがこの発話を誀っお応答ずしお遞択したずしおも解消すべきシステムの具䜓的な問題点に぀いお分析するこずができない䞀方で同衚䞭の厳遞した負䟋厳遞は正䟋に類䌌しおいるが正䟋ず比范するず䞻語が``I''ではなく``You''ずなっおいる点で違いがありこの点が応答ずしお䞍適切な発話である原因ずなっおいるもし評䟡察象ずなるシステムがこの負䟋を遞択した堎合システムが察話履歎を螏たえお応答の䞻語を適切に考慮するこずが出来なかったず考えられるさらにシステムが䞍適切な䞻語を含む同様の負䟋を他の遞択問題でも遞択する傟向にある堎合システムは発話の䞻語の考慮ずいう点においお脆匱性があるず考えるこずができるこのように提案法で厳遞した負䟋が正䟋に類䌌する発話であるこずから正䟋ず比范しおどのような点が䞍適切かを明確に指摘するこずが比范的容易であり雑談察話応答生成システムの傟向や脆匱性に぀いおの詳现な分析に掻甚できる可胜性がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\input{03table06.tex}\caption{無䜜為抜出した負䟋無䜜為ず厳遞した負䟋厳遞の䟋}\label{tab:interpretable-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{03table07.tex}\caption{テストセットの負䟋$50$発話のうち各誀りラベルが付䞎された発話の数}\label{tab:breakdown}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[p]\input{03table08.tex}\caption{ラベルを付䞎できた負䟋の䟋}\label{tab:other-interpretable-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%本論文で構築したテストセットに䞍適切な箇所を具䜓的に指摘可胜な負䟋がどの皋床含たれおいるかを調べた具䜓的には構築したテストセットから無䜜為に取り出した負䟋$50$発話に぀いお具䜓的な誀りが指摘可胜な発話の数ずどのような誀りが含たれおいるかを調査した調査の結果負䟋$50$発話のうち$22$発話ず高い割合で発話に察しお具䜓的な誀りを指摘可胜であるこずが確認されたたた誀りの皮類ずしお(1)察話履歎の内容ず矛盟を含む(2)察話履歎に察しお返すべき情報が䞍足(3)䞻語が䞍適切(4)時制が䞍適切の$4$皮類が確認された衚\ref{tab:breakdown}に各誀りを含む負䟋の数を瀺す%\footnote{耇数の誀りを含む発話に぀いおはその発話を察話応答遞択で遞んだシステムがどの誀りに぀いお脆匱であるか特定できないためここではラベルが付䞎できない発話ずしお扱った}たた衚\ref{tab:other-interpretable-example}に各誀りを含む負䟋の䟋を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{負䟋を厳遞した察話応答遞択を甚いた評䟡手法の制限}\label{subsubsec:limitation}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{評䟡可胜な芳点}本評䟡方法はシステムが生成する応答の適切性に関する評䟡を想定しおいるそのため適切性以倖の芳点たずえば応答の倚様性などに぀いおは本方法論によっお評䟡するこずを想定しおいないこずに留意されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{評䟡可胜なシステム}本評䟡方法は負䟋を厳遞した察話応答遞択テストセットを甚いた評䟡であるそのため甚意したテストセットずドメむン等が合臎しないシステムに぀いおは本方法論によっお評䟡するこずを想定しおいないこずに留意されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本論文では雑談察話応答生成システムの自動評䟡の枠組みずしお分野党䜓で共有される指暙の実珟に向け䞍適切な負䟋の混入を抑制したテストセットを甚いた察話応答遞択による評䟡を怜蚎した具䜓的にはたず正䟋に類䌌するが応答ずしお成立しない発話のみを負䟋ずしお厳遞する察話応答遞択テストセットの構築方法を提案した\ref{sec:proposal-method}節応答生成システムを察話応答遞択で評䟡するこずの利点には適切な応答が耇数存圚するずいう察話の性質の圱響を回避可胜であるこず正解率ずいう統䞀的な指暙でシステム性胜を定量化可胜であるこずが挙げられる察話応答遞択ではシステムが生成する応答の質自䜓は評䟡しないため人手評䟡に代わる評䟡の枠組みずはなりえないが適切な応答を生成可胜なシステムであれば適切な応答を遞択するこずが可胜であるず仮定するずシステムが適切な応答を生成しうるかを確認するこずができるため日々のシステム改良の成果を確認するための評䟡に適した枠組みずいえるただし埓来のように察話応答遞択の負䟋を無䜜為抜出する堎合正䟋ずかけ離れすぎおいお容易に負䟋ず刀別できる発話や応答ずしお誀りずはいえない発話が負䟋ずしお応答候補に混入しシステム評䟡の有効性が䜎䞋するおそれがある本論文で提案した方法によっおこれらの䞍適切な負䟋の混入を抑制した察話応答遞択テストセットが構築可胜であるこずを定性的\ref{subsubsec:testset-example}節定量的\ref{subsubsec:pre-experiments}節に確認したたた提案した方法に埓っお実際に公開可胜な察話応答遞択テストセットを構築したうえで\ref{sec:testset-construction}節構築したテストセットを甚いた察話応答遞択によるシステム評䟡が人間によるシステム応答の評䟡ず盞関するかどうかを実隓により確認した\ref{sec:experiment}節実隓結果から負䟋を厳遞したテストセットを甚いた察話応答遞択による雑談察話応答生成システムの評䟡結果はBLEUなど既存の広く甚いられおいる評䟡指暙に比べお人手評䟡ず匷く盞関するずいうこずが確かめられた\ref{subsec:results}節加えお本論文で提案する方法により厳遞した負䟋は正䟋ず類䌌するずいう性質を持぀ため正䟋ず比べお具䜓的にどのような誀りを含むか指摘しやすく厳遞した負䟋を遞択したシステムの傟向や脆匱性に぀いお詳现な分析ができる可胜性があるこずに぀いお議論した\ref{subsubsec:error-interpret}節本論文で提案したテストセットの構築方法や公開したテストセットが雑談察話応答生成システムの自動評䟡の枠組みの䞀぀ずしお分野党䜓に共有されるこずで察話応答遞択でコストをかけず評䟡しながらシステム改良を繰り返す効率的な開発プロセスが利甚可胜ずなり雑談察話応答生成研究がさらに発展するこずを期埅する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費JP19H04162JP19K20351JP21J22383およびJSTCREST課題番号JPMJCR20D2の支揎を受けお行いたした本論文の執筆にあたり有益なコメントを頂きたした査読者担圓線集委員の皆様に感謝申し䞊げたすなお本研究の内容の䞀郚はThe58thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL2020)で発衚されたものです\cite{Sato2020:EvalVia}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\begingroup\addtolength{\baselineskip}{-0.5pt}\bibliography{03refs.bib}\endgroup\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{構築したテストセットの䟋} 衚\ref{tab:testset-example-appendix}に本研究で構築したテストセットの䟋を瀺す同衚には\ref{sec:experiment}節の実隓で\texttt{Random}䜜成時に甚いた負䟋を無䜜為抜出した応答候補も瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\renewcommand{\baselinestretch}{0.8}\begin{table}[b]\input{03table09-1.tex}\caption{厳遞した負䟋ず\texttt{Random}䜜成時に甚いた無䜜為抜出した負䟋の䟋}\label{tab:testset-example-appendix}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.9continued\addtocounter{table}{-1}\begin{table}[p]\input{03table09-2.tex}\caption{厳遞した負䟋ず\texttt{Random}䜜成時に甚いた無䜜為抜出した負䟋の䟋続き}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\renewcommand{\baselinestretch}{1.0}\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡実隓結果の詳现} 衚\ref{tab:result-allscores}に\ref{sec:experiment}節で述べた評䟡実隓における各評䟡指暙でのシステムのスコアおよび順䜍を瀺すたた図\ref{fig:scatter}に各自動評䟡指暙でのシステムのスコアず人手評䟡スコアの散垃図を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{29-1ia3f4.pdf}\end{center}\hangcaption{評䟡実隓における各自動評䟡指暙でのシステムのスコアず人手評䟡スコアの散垃図図䞭の各自動評䟡指暙でのスコアは順䜍が$1$䜍だったシステムのスコアで陀算しおいる}\label{fig:scatter}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[p]\begin{center}\rotatebox{90}{%\begin{minipage}{571pt}\input{03table10.tex}\caption{評䟡実隓における各評䟡指暙でのシステムスコアおよび順䜍}\label{tab:result-allscores}\end{minipage}}\end{center}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{䜐藀志貎}{2019幎東北倧孊工孊郚卒業2021幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了珟圚東北倧孊情報科孊研究科博士課皋取埗に向け研究を進めおいる2021幎床より日本孊術振興䌚特別研究員(DC1)}\bioauthor{赀間怜奈}{2017幎東北倧孊工孊郚卒業2018幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士前期課皋修了2021幎同博士課皋修了2021幎より東北倧孊デヌタ駆動科孊・AI教育研究センタヌ助教理化孊研究所AIPセンタヌ客員研究員}\bioauthor{倧内啓暹}{2015幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2018幎同博士埌期課皋修了2018幎から2021幎たで理化孊研究所AIPセンタヌ特別研究員2021幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊先端科孊技術研究科助教理化孊研究所AIPセンタヌ客員研究員}\bioauthor{鈎朚最}{2001幎から2018幎たで日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究所研究員䞻任研究員特別研究員2005幎に奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了珟圚東北倧孊デヌタ駆動科孊・AI教育研究センタヌ教授}\bioauthor{也健倪郎}{東北倧孊倧孊院情報科孊研究科教授1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同倧孊助手九州工業倧孊助教授奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お2010幎より珟職2016幎より理化孊研究所AIPセンタヌ自然蚀語理解チヌムリヌダヌ兌任}\end{biography}\biodate\clearpage\clearpage\end{document}
V06N06-01
\section{はじめに} 電子化されたテキストが䞖の䞭に満ち溢れ情報措氎ずいう蚀葉が䜿われるようになっおからかなりの歳月を経おいるしかし残念ながら我々の情報凊理胜力はたずえ凊理しなければならない情報が増えたずしおもそれほど向䞊はしないそのため自動芁玄技術などにより読み手が読むテキストの量を制埡できるこずが求められおいるたた近幎情報怜玢システムを利甚する機䌚も増えおいるがシステムの粟床の珟状を考慮するずナヌザはシステムの提瀺した候補が適切なものであるかどうかをテキストを芋お刀断せざるを埗ないこのような堎合芁玄をナヌザに提瀺しそれを芋お刀断を求めるようにするずナヌザの負荷を枛らす支揎が行なえる自然蚀語凊理の分野では近幎頑健な解析手法の開発が進みこれず䞊に述べたような自動芁玄技術の必芁性の増倧が重なり自動芁玄に関連した研究は90幎代の䞭頃になっお再び脚光を集め始めおいる垂販゜フトりェアも続々ず発売されおおりアメリカではDARPA支揎のTipsterプロゞェクトで芁玄が新しい研究課題ずされたり\cite{hand:97:a}たたACLAAAIなどで芁玄に関するワヌクショップシンポゞりムが盞次いで開催され盛況で掻発な議論が亀わされた日本でも98幎3月の蚀語凊理孊䌚幎次倧䌚に䜵蚭しお芁玄に関するワヌクショップが開催されそれを機䌚に本特集号の線集が䌁画された本皿ではこのような珟状を鑑みこれたでの(䞻に領域に䟝存しない)テキスト自動芁玄手法を抂芳するたたこれたでの手法の問題点を䞊げるずずもに最近自動芁玄に関する研究で泚目を集め぀぀あるいく぀かのトピックに぀いおもふれる本特集号の各論文がテキスト自動芁玄研究ずしおどのような䜍眮付けにあるかを知る䞊で本皿が参考になれば幞いである\footnote{各論文の個別の玹介は増山氏の線集埌蚘を参照しお頂きたい}芁玄研究は時に情報抜出(InformationExtraction)研究ず察で(あるいは察比しお)述べられるこずがあるどちらもテキスト䞭の重芁な情報を抜き出すずいう点では共通するが情報抜出はあらかじめ決められた「枠」を埋める圢で必芁な情報を抜き出すそのため領域に䟝存しおあらかじめ枠を甚意する必芁があったりたた領域に䟝存したテキストの特城を利甚した抜出手法を甚いたりするため領域を限定するこずが䞍可欠ずなる\footnote{情報抜出研究に関する解説ずしおは\cite{cowie:96:a,sekine:99:a}を参照されたいたたDARPAが支揎する情報抜出のプロゞェクトであるMUC(MessageUnderstandingConference)に関しおは若尟の解説\cite{wakao:96:a}を参照しお頂きたい}芁玄は原文の倧意を保持したたたテキストの長さ耇雑さを枛らす凊理ずも蚀えるがその過皋は倧きく次の3぀のステップに分けられるずされる:テキストの解釈(文の解析ずテキストの解析結果の生成)テキスト解析結果の芁玄の内郚衚珟ぞの倉圢(解析結果䞭の重芁郚分の抜出)芁玄の内郚衚珟の芁玄文ずしおの生成しかしこれたでの研究ではこれらのステップはテキスト䞭の重芁箇所(段萜文節など)の抜出およびその連結による生成ずしお実珟されるこずが倚かったそのため本皿では以埌重芁箇所の抜出を䞭心に解説する2節ではたず重芁箇所抜出に基づく芁玄手法に぀いお述べる2.1節で重芁箇所抜出に甚いられおきたさたざたな情報を取り䞊げそれぞれを甚いた芁玄手法に぀いお述べる2.2節ではそれらの情報を統合しお甚いるこずで重芁箇所を抜出する研究に぀いお抂芳する2.3節では重芁箇所抜出に基づく芁玄手法の問題点に぀いお述べるこのようなテキスト芁玄手法が䌝統的に研究されおきた䞀方で近幎芁玄を研究するに圓たっお考慮するべき芁因ずしお以䞋の3぀が提瀺されおいる\cite{sparck:98:a}\begin{enumerate}\item入力の性質--テキストの長さゞャンル分野単䞀/耇数テキストのどちらであるかなど\item芁玄の目的--どういう人が(ナヌザはどういう人か)どういう颚に(芁玄の利甚目的は䜕か)\footnote{芁玄は䞀般にその利甚目的に応じお次の2぀のタむプに分けられるこずが倚い\cite{hand:97:a}\begin{description}\item[indicative:]原文の適切性を刀断するなど原文を参照する前の段階で甚いる\item[informative:]原文の代わりずしお甚いる\end{description}}など\item出力の仕方\end{enumerate}たずえば入力テキストのゞャンルによっおは重芁箇所抜出による芁玄が難しいものも考えられるしたた芁玄ずいうもの自䜓が考えにくいものもあり埗るナヌザの持぀予備知識の皋床に応じお芁玄に含める情報量は倉えるべきであるず考えられるしたた利甚目的が異なればその目的に応じた適切な芁玄が必芁ず考えられるこれたでの䌝統的な芁玄研究はこのような芁因に関しお十分な考慮をしたものずは必ずしも蚀えないしかしこれらの芁因を考慮しお入力の性質芁玄の目的に応じた適切な芁玄手法を開発する動きが掻発になっおきおいるこのような自動芁玄に関する研究で最近泚目を集め぀぀あるいく぀かのトピックに぀いおも本皿ではふれる3,4,5節ではそれぞれ抜象化蚀い換えによる芁玄ナヌザに適応した芁玄耇数テキストを察象にした芁玄に蚀及する6,7節ではそれぞれ文䞭の重芁箇所抜出による芁玄芁玄の衚瀺方法に぀いお述べる8節では芁玄の評䟡方法に぀いお説明する \section{重芁文抜出による芁玄手法} \subsection{重芁文抜出に甚いられるテキスト䞭の特城に぀いお}1950幎代たで歎史を遡るこずができるずされるテキスト自動芁玄研究のこれたでの倚くのものはテキスト䞭の文(あるいは圢匏段萜)を1぀の単䜍ずしそれらに䜕らかの情報を基に重芁床を付䞎しその重芁床で順序付け重芁な文(圢匏段萜)を遞択しそれらを寄せ集めるこずで芁玄を䜜成する本節ではこの重芁床評䟡の際に甚いられおいるテキスト䞭の(䞻に衚局的な)情報に぀いお述べるPaice\cite{paice:90:a}はこの情報を7぀に分類しおいるがここではそれも参考にした䞊で以䞋の7぀の情報を取り䞊げ各小節で説明する\begin{enumerate}\itemテキスト䞭のキヌワヌドの出珟頻床を利甚する\itemテキスト䞭あるいは段萜䞭での䜍眮情報を利甚する\itemテキストのタむトル等の情報を利甚する\itemテキスト䞭の文間の関係を解析したテキスト構造を利甚する\itemテキスト䞭の手がかり衚珟を利甚する\itemテキスト䞭の文あるいは単語間の぀ながりの情報を利甚する\itemテキスト䞭の文間の類䌌性の情報を利甚する\end{enumerate}\subsubsection{(1)テキスト䞭の単語の出珟頻床の利甚}テキスト䞭によく出珟する内容語はテキストの䞻題を瀺す傟向があるずの仮定が情報怜玢分野などではしばしば甚いられるこの仮定に基づきテキスト䞭で出珟頻床の高い名詞をキヌワヌドず考えたり(tf法)たたこれに合わせお出珟するテキスト数も考慮するこずでそのテキスト固有の出珟の床合を蚈算したり(tf*idf法)など情報怜玢分野ではさたざたな単語の重み付け技法が甚いられおいる\cite{salton:89:a}テキスト䞭の出珟頻床に基づき単語に重芁床を䞎えるずいうこのような考え方を利甚し単語の重芁床を基に文に重芁床を付䞎するずいう重芁文抜出手法が自動芁玄研究の開始圓初である1950幎代から提案されおいる\cite{luhn:58:a,edmundson:69:a,zechner:96:a,wakao:97:a}単語の重芁床から文の重芁床を蚈算する手法はさたざた提案されおいるがその䞀䟋ずしおは文䞭に出珟する単語の重芁床の総和を文の重芁床ずするものがあるZechner\cite{zechner:96:a}は単語をtf*idf法で重み付けし文䞭に出珟する単語の重みの総和を文の重芁床ずする重芁文抜出手法の評䟡を行なっおいる人間の被隓者の芁玄ず比范し再珟率/適合率を蚈算した結果人間の被隓者同士の比范による粟床ず倧差ない結果を埗おいるたた新聞蚘事を察象ずしおいるので先頭数文を抜出する手法ずの比范を行なっおおりtf*idf法を甚いた手法の方が良い結果を埗おいるずしおいるたた単語ではなくテキスト䞭で隣接する単語の察の頻床を基に文に重芁床を付䞎する手法を鈎朚らは提案しおいる\cite{suzuki:88:a}Aoneら\cite{aone:97:a}は耇合語を自動的に抜出しそれらの頻床も考慮する手法を提案しおいる\subsubsection{(2)テキスト䞭での䜍眮情報の利甚}テキストはゞャンルに䟝存しおある皋床構造に芏則性が有るず通垞考えられおいるたずえば孊術論文は序論本論結論のような構造を持぀し新聞は芋出し小芋出しの埌に本文が来るこずが倚いこのようなゞャンルにより決たったテキストの構造を重芁箇所抜出に利甚する研究を本節ず次節では玹介するテキストの構造からテキスト䞭での重芁な箇所の䜍眮はある皋床予枬可胜であるず仮定しおテキスト䞭での文の䜍眮情報をその文の重芁床蚈算に利甚する手法がいく぀か考えられおいる論説文の堎合にテキスト党䜓のたずめは曞き出しや結び近くにあるず仮定するものや重芁な文はテキストの先頭最埌段萜の先頭最埌節の芋出しの盎埌にあるず考える\cite{edmundson:69:a}ものなどはその䞀䟋ず蚀えるたた新聞蚘事を察象ずした重芁文抜出では本文の先頭数文を抜出するのが良いずされる(この手法はlead手法ず呌ばれるこずが倚い)\cite{brandow:95:a}のも新聞蚘事の構造(本文䞭では倧意をたず先頭に瀺す)に基づいた䜍眮情報を利甚した手法ず蚀うこずができるBrandowら\cite{brandow:95:a}は新聞雑誌の蚘事を察象に60,150,250語の長さの芁玄文においおlead手法ず「単語の出珟頻床」「芋出しの情報」などを利甚した圌らのシステムANESの出力を受容可胜性(acceptability)で比范した結果92\%察74\%の差でlead手法の方が良かったず報告しおいる受容可胜性は経隓あるニュヌス分析者が原文ず照らし合わせお芁玄の内容ず読み易さに関しお刀断する指暙であるWasson\cite{wasson:98:a}はBrandowらの実隓を远詊しlead手法が有効である(あるいは有効でない)テキストはどのような皮類かずいうこずを明確にするためより詳现な評䟡を行なっおいるBrandowらず同様ニュヌス分析者が受容可胜/䞍可胜の刀定を芁玄に察しお行なう評䟡法を甚いテキストの皮類(ゞャンル)分野長さなどの違いによりlead手法の評䟡がどのように倉化するかを調査しおいるLead手法はテキストのゞャンルに関しお評䟡にばら぀きが芋られニュヌスで高い受容可胜性を瀺したがその现分類の䞭ではReviewで䜎い受容可胜性を瀺した新聞蚘事に限定した堎合の受容可胜性は95.5\%であった\subsubsection{(3)テキストのタむトル等の情報の利甚}ゞャンルにより決たったテキストの構造から埗られるもう䞀぀の情報ずしお本文以倖にテキスト䞭に付䞎されたタむトル芋出しの情報があるたずえば孊術論文の堎合はテキスト自䜓がタむトルを持぀堎合もありたた各章節にもタむトルが付䞎されるこずが倚いたた新聞には芋出し(headings)小芋出しが本文ずは別に付䞎されるこずもあるこのタむトル芋出しはある意味でテキスト本文の非垞に簡朔な芁玄ずも考えられるそのためタむトル芋出しに珟れる内容語を含む文が重芁であるず考えタむトル芋出し䞭の単語を重芁文抜出に利甚する手法がいく぀か提案されおいる\cite{edmundson:69:a}を始めずしお最近では芋出しに含たれる名詞を倚く含む文を重芁ずしお抜出する\cite{kameda:96:a,nakao:97:a,ochitani:97:a}などもその䞀䟋ず考えられる\footnote{\cite{nakao:97:a}は芋出し䞭の同じ名詞に関連する文を耇数抜出しおも冗長であるずいう考えに基づき単玔に文の重芁床の順に文を遞択せず独自の遞択手法を提案しおいる}\subsubsection{(4)文間の関係を解析したテキスト構造の利甚}自然蚀語凊理の分野ではテキスト䞭の接続詞等の手がかり語情報などを基に文間の構造を解析しテキスト構造を埗る研究がいく぀か芋られる(たずえば\cite{fukumoto:91:a,sumita:92:a,kurohashi:94:a})このようにしお埗られたテキスト構造を利甚しお重芁文を抜出する研究が近幎芋られるようになっおきおいる\cite{miike:94:a,marcu:97:a}Marcu\cite{marcu:97:a}は修蟞構造解析の結果埗られる栞(nucleus)がテキスト䞭の重芁箇所怜出に有効であるかどうかを実蚌するため栞ず重芁箇所の間に盞関関係があるかどうかを瀺す実隓を行なっおいる5テキストを13人の被隓者に提瀺し3段階評䟡で重芁文の抜出を行なうず同時に2人の蚈算蚀語孊者がテキストを修蟞構造解析し構造朚を生成したそしおその構造朚を基にそれぞれの文に重芁床を付䞎した結果ずしお被隓者の䜜成した芁玄ずの比范で蚈算蚀語孊者の修蟞構造を甚いた芁玄は再珟率67.5\%適合率78.5\%を埗おいるMarcuはたた450皮類のdiscoursemarkerを甚いた修蟞構造解析噚を䜜成しそれを甚いた芁玄䜜成実隓も詊みおいる結果ずしお被隓者の䜜成した芁玄ずの比范で修蟞構造解析噚を甚いた芁玄が再珟率66\%適合率68\%を埗おいる日本語に察しおはMiikeらの研究\cite{miike:94:a}がある接続詞照応衚珟などの手がかりを甚いた芏則集合により文間の関係を解析しテキスト構造を抜出するシステムを䜜成し埗られたテキスト構造に基づき文に重芁床を付䞎し芁玄を䜜成しおいる人間の䜜成したテキスト構造ず解析により埗られたテキスト構造の比范抜出した重芁文ず被隓者の抜出した重芁文の比范抜出した重芁文を甚いお怜玢テキストの適切性刀断を被隓者に求めた際の所芁時間刀断の粟床(再珟率/適合率)によりテキスト構造解析噚およびそれを甚いた芁玄手法の評䟡を行なっおいる解析により埗られたテキスト構造を利甚しお重芁文を抜出する手法の利点ずしおは\begin{itemize}\item長さに応じた芁玄を埗られた構造朚のそれぞれのレベルで䜜成できる\itemテキスト構造に基づいお重芁文を抜出しおいるので単語の頻床などを甚いた手法に比べ銖尟䞀貫性の高い芁玄が䜜成できる可胜性がある\end{itemize}点があげられる\subsubsection{(5)手がかり衚珟の利甚}(1)で述べたようなテキスト文の䞻題を衚す内容語ではないがテキスト䞭の重芁箇所を指瀺するず考えられる手がかり衚珟がいく぀か存圚するたずえば孊術論文などでは`thisreport',`inconclusion',`ourwork'などの衚珟は論文の䞻題を衚す文䞭に出珟するず考えられるこのような手がかり衚珟を利甚しおテキスト䞭の重芁文を抜出する研究も存圚する\cite{edmundson:69:a}これずは逆に重芁文ず負の盞関関係にあるず考えられる手がかり語を考慮するこずもできる「たずえば」などの䟋瀺を瀺す接続語で始たる文は重芁床が䜎いず考えられるのはその䞀䟋である\subsubsection{(6)文間単語間の぀ながりの利甚}本節ず次節ではテキスト䞭の文間の぀ながりの情報を重芁文抜出に利甚する手法に぀いお説明するSkorokhod'ko\cite{skorokhodko:72:a}は文をノヌド文間の関係をリンクずするグラフでテキストを衚珟し倚くの文ず関係のある文が重芁であるずいう考えに基づき重芁文を抜出する手法を瀺しおいる文䞭の単語が同䞀抂念を参照しおいるような文間にリンクがあるずしおいるHallidayずHasan\cite{halliday:76:a}は衚局的な文間の぀ながりを衚す指暙ずしお5皮類の結束性(cohesion)すなわち指瀺(reference)代入(substitution;たずえば`anewone'における`one'`doso'における`do'などを甚いた照応)省略(ellipsis)接続(conjunction)語圙的結束性(lexicalcohesion)をあげおいる語圙的結束性は関連性のある語圙が甚いられるこずで耇数の文間の意味的な぀ながりが明瀺される堎合でありSkorokhod'koが文間にリンクを䞎えたのはこの堎合に盞圓するず考えられるHoey\cite{hoey:91:a}はこの語圙的結束性の情報を利甚し文間で単語による぀ながりが倚いほど文間の぀ながりが匷いず考え他の文ずの぀ながりの匷さに基づき芁玄を䜜成する手法を瀺しおいるたた語圙的結束性の情報を互いに関連のある単語の぀ながりである語圙的連鎖(lexicalchain)\cite{morris:91:a}ずしお蚈算しそれを芁玄の知識源ずしお甚いる研究ずしおは䜐々朚ら\cite{sasaki:93:a}\footnote{䜐々朚らは語圙的連鎖ではなく結束チャヌトず呌んでいる}BarzilayずElhadad\cite{barzilay:97:a}望月ら\cite{mochizuki:98:a}がある奥西ら\cite{okunishi:98:a}はテキストのタむトルを最も重芁な文ず考えた䞊で重芁な文ずの぀ながりが匷い文を重芁ず考える重芁文抜出手法を提案しおいる文の重芁床は先行文ずの぀ながりの匷さず先行文の重芁床の積で蚈算されるが文間の぀ながりの匷さは同䞀単語の出珟により埗られる語圙的な぀ながりの情報などを基に蚈算されるManiら\cite{mani:97:a}はテキスト䞭の単語などがノヌドでありその間の隣接性構文的関係共参照関係語圙的類䌌性などの関係をアヌクで衚珟したグラフでテキストを衚珟しこのグラフ䞭での掻性倀の䌝播により高い掻性倀を埗た単語句文を重芁ずみなす重芁文抜出手法を瀺しおいる怜玢結果のテキストの適切性刀定に芁玄を甚いる評䟡方法で掻性倀が䞊䜍5文の芁玄(提案する手法による)ず原文を比范した結果粟床を萜すこずなく短い時間で適切性刀定ができるこずを瀺しおいるManiら\cite{mani:98:a}は䞊で述べた単語間の぀ながり(結束性)に基づく芁玄手法ず節文間の関係を解析したテキスト構造に基づいた芁玄手法を比范しおいるテキスト構造を利甚した手法ずしおは(4)で玹介したMarcuの研究を利甚しおいる人間の遞択した重芁文ずの䞀臎床で評䟡した結果テキスト構造を利甚した手法の方がわずかではあるが良い結果を埗られるこずを瀺しおいる\subsubsection{(7)テキスト䞭の文間の類䌌性の利甚}情報怜玢の分野ではテキスト(やその断片)をその䞭に出珟する単語の重みのベクトルずしお衚珟するこずが倚いこのような衚珟を甚いるずテキスト間の類䌌床はテキストを衚珟するベクトル間の内積等で蚈算するこずができる\footnote{ここで利甚される単語の重み付け手法及びベクトル間の類䌌床蚈算手法の数々に぀いおは\cite{salton:89:a}を参照しお欲しい}これず同様にテキスト䞭の文(段萜)を䞀単䜍ずしおそれらの間の類䌌床を蚈算しこの類䌌床を文(段萜)間の぀ながりの床合ず考えこの情報を基に重芁ず考えられる文(段萜)を抜出する手法がいく぀か提案されおいるこれらの手法は文(段萜)間で共通の単語が出珟する床合に基づき蚈算される文(段萜)間の぀ながりにより重芁文(段萜)抜出を行なっおいるず考えられるSaltonら\cite{salton:96:a}は段萜をノヌドずし(ある閟倀以䞊)類䌌床の高い段萜同士をリンクで結んだtextrelationshipmapsをたず生成しそこから重芁段萜を抜出するMitraら\cite{mitra:97:a}はこの手法を人間の抜出した重芁段萜ずの比范により評䟡しおいる癟科蟞兞の芋出し語に察する項目を察象に2人の人間の抜出した段萜の䞀臎の床合46\%に察し人間の段萜ずシステムの段萜の䞀臎の床合はほずんど倉わらないずしおいる先頭20\%の段萜を抜出した堎合が提案手法を䞊回る粟床を埗おいるがこれは癟科蟞兞が新聞同様先頭に芋出し語の定矩など䞻芁な内容を含んでいるからず考えられる亀田\cite{kameda:96:a}は2文間にどのくらい共通な単語(キヌワヌド)が珟れるか\footnote{厳密にはどの皋床単語の郚分文字列に重耇があるか}に基づいお蚈算した文間関連床(の平均)ずある文が他の文ずどの皋床広く関連があるかずいうカバレゞに基づいお文の重芁床を蚈算する手法を提案しおいる犏本\cite{fukumoto:97:a}も文を単語の(重みの)ベクトルずしお衚珟しベクトルの内積で文間の結合床を蚈算し結合床の高い文を順に抜出する手法を提案しおいる\subsection{耇数の衚局的手がかりを統合しお甚いる芁玄手法}前節で述べたように重芁箇所抜出にはこれたでさたざたな情報が甚いられおきおいるこれらの情報のうち䞀぀を甚いた手法も提案されおいるが䞀般に耇数の情報を同時に甚いた方が粟床を改善できるずの考え方に基づき耇数の情報を統合しお重芁箇所抜出に甚いる研究が数倚く芋られる本節ではそのような研究を抂芳する山本らのシステムGREEN\cite{yamamoto:95:a}は以䞋にあげる2぀の情報を甚いた芁玄システムである\begin{description}\item[文の皮類]人手で䜜成したパタヌンにより文の皮類を分類し著者の䞻匵等を述べた文(芋解文)のみを抜出する\item[テキスト䞭での䜍眮]テキスト段萜の先頭最埌の文を抜出する\end{description}この他に重芁文ずしお抜出される文の先頭に指瀺語や接続詞が出珟する堎合あるいは抜出される文の䞻語が省略されおいる堎合前文ずの結束性が匷く単独で芁玄䞭に存圚するず䞍自然であるず考え前文も芁玄に远加する凊理を行なっおいるたた重芁文䞭で比范的重芁床が䜎いず考えられる連䜓修食句の削陀を行ないさらに芁玄を短くするこずを詊みおいる芁玄の評䟡は芁玄の自然さ内容の適切さに関する被隓者ぞのアンケヌトにより行なっおいる亀田\cite{kameda:97:a}は類䌌した単語(キヌワヌド)が2぀の文に共に出珟する床合に応じお蚈算される文間関連床に基づいおテキスト䞭の文の重芁床を蚈算する以前の手法(2.1節(7)参照)\cite{kameda:96:a}に段萜や芋出しの情報などを远加しお重芁文の抜出を行なう手法を提案しおいるこの手法では文間関連床に基づく文自䜓の重芁床の他に段萜間関連床を甚いお段萜の重芁床のランキングを行ない段萜の重芁床を文の重芁床に加味する(重芁床の高い段萜䞭の文により倧きい重芁床を付䞎する)さらに芋出し文ず関連する文(2.1節(3)参照)や重芁性を瀺す機胜語句を含む文(2.1節(5)参照)を重芁芖する補正をこれに加え最終的な文の重芁床を蚈算する被隓者の抜出した重芁文ずの䞀臎の床合により評䟡を行ない以前の手法垂販の゜フトりェアずの比范の結果提案した手法が優れおいるこずを瀺しおいるこのようにテキスト䞭の箇所(文段萜)に重芁床を付䞎する情報を耇数統合する際には情報の統合の方法が問題ずなるこれたでの研究では個々の情報により付䞎された重芁床にそれぞれの情報の重みをかけたものを足し合わせ党䜓ずしおの重芁床ずする手法がよく甚いられおいる\footnote{ある文に察しお耇数の情報が矛盟する刀断をする堎合やたた耇数の情報間に䟝存関係がある堎合などを考慮するず単玔に耇数の情報をスコアずしお統合するのが適切なのかずいう疑問はある}このような重芁床蚈算の手法を甚いる堎合それぞれの情報に察する重み付けはこれたで人手でその重みを調敎する手法が取られるこずが倚かったEdmundson\cite{edmundson:69:a}は2.1節で䞊げたいく぀かの情報を人手で組み合わせた重芁文抜出手法による実隓を行ない耇数の情報を組み合わせるこずでより良い結果が埗られるこずを瀺しおいる個々の情報を甚いた手法では「䜍眮情報」,「手がかり衚珟」,「タむトル等の情報」,「出珟頻床」の順に粟床が良いしかし最初の3぀の情報の組合せがもっずも良い結果を埗られたず報告しおいる間瀬ら\cite{mase:89:a}は2.1節で䞊げた情報「タむトル等の情報」「出珟頻床」「手がかり衚珟」「段萜䞭での䜍眮情報」\footnote{間瀬らは段萜を衚局的な情報を基に分割したセグメントずいう意味的なたずたりも考慮に入れおいる}に察応するパラメタおよび「䞻題」(助詞「は」が埌眮する名詞)「文間の接続詞」などの情報を基にしたパラメタを組み合わせお利甚する重芁文抜出手法を瀺しおいる文の重芁床は各パラメタのスコアに人手で決定したパラメタの重みをかけたものを総和するこずで蚈算しおいるさらに抜出した重芁文に指瀺語が存圚する堎合先行詞を含む文を掚定し同時に抜出したり䞍芁ず考えられる接続詞や副詞を削陀するなどの埌凊理を加えおいるこれに察し近幎芁玄文集合を蚓緎コヌパスずしお機械孊習手法などを甚いるこずにより耇数の情報の統合方法を最適化する研究が盛んになっおきおいる耇数の情報の重みを自動的に決定するのはその䞀䟋ず蚀えるこのような研究はその孊習法の違いから次の3぀に倧別できる\newpage\begin{itemize}\item確率を甚いたベむズ掚定手法\cite{kupiec:95:a,jang:97:a,teufel:97:a}\item重回垰分析を甚いた手法\cite{watanabe:96:a}\item決定朚孊習を甚いた手法\cite{nomoto:97:a,aone:97:a}\end{itemize}Kupiecら\cite{kupiec:95:a}は重芁文抜出を統蚈的な分類問題ずみなしあらかじめ人手で遞択した重芁文を蚓緎集合ずし文が重芁文集合に含たれるかどうかの確率を䞎える分類関数を求めおおき重芁文はこの確率により文を順序付けるこずで抜出する重芁文抜出手法を提案しおいる具䜓的には属性(重芁文抜出のための情報)集合が䞎えられた時の文$s$が芁玄$S$に属す確率$P(s\inS|F_1,F_2,\ldotsF_k)$を蚈算する属性集合ずしおは2.1節で述べた「出珟頻床」「手がかり衚珟」「䜍眮情報」に察応するものの他に「短い文は重芁文になり難い」「固有名詞は重芁であるこずが倚い」ずいう仮定を導入するための属性も利甚しおいる人手で属性の重みの決定を行なったEdmundsonの研究ず基本的に結果が䞀臎しおいるたたテキストの先頭の文を抜出する手法をベヌスラむンずするずベヌスラむンの粟床24\%に比べ42\%平均の適合率を埗おいるWatanabe\cite{watanabe:96:a}は属性集合ずしお2.1節で述べた「出珟頻床」「䜍眮情報」に察応するものの他に「時制情報」(珟圚/過去)「文のタむプ」(事実/筆者の䞻匵/掚枬)「前文ずの接続関係」(理由/䟋瀺/逆説/䞊列/...)を利甚しおいるこれらの属性それぞれの各文に察するスコアに属性の重みをかけたものの総和を文の重芁床ずするが属性の重みを蚓緎デヌタから重回垰分析を行ない求めおいるNomoto\cite{nomoto:97:a},Aoneら\cite{aone:97:a}はそれぞれ,人手による芁玄文を蚓緎デヌタずし決定朚孊習アルゎリズムC4.5\cite{quinlan:93:a}を甚いお孊習した決定朚により文を重芁文/非重芁文に分類し重芁文抜出を行なう手法を提案しおいるKupiecらの手法ず同様にテキスト䞭の文が重芁文集合に属すかどうかを分類する分類噚を孊習するがここでは確率ではなく決定朚を孊習する決定朚孊習はあらかじめ分類枈みの蚓緎デヌタに属性情報を付加しおおきそのデヌタを正しく分類できるようなルヌル集合を決定朚の圢で孊習するこずになるManiら\cite{mani:98:b}は異なる孊習手法を甚いた芁玄の粟床の比范を行なっおいる「䜍眮情報」「単語の出珟頻床」「タむトル等の情報」「文間の結束性の情報」を属性ずしお甚いおいる察象テキストずしおはTeufelらず同じe-printarchive䞭の孊術論文198線および著者の蚘述した芁玄を利甚しおいる芁玄の長さは平均で原文の5\%であった決定朚孊習を甚いた結果から䜍眮情報単語の出珟頻床の情報が有効である䞀方結束性の情報が効いおいないこずが明らかになったたた孊術論文で有効ず考えられる「手がかり語の情報」を利甚しおいないにもかかわらず比范的良い結果を埗おいる結果から重回垰分析を甚いた手法決定朚孊習を甚いた手法はほが同等な性胜を埗おいるずしおいる\subsection{重芁文抜出に基づく芁玄の問題点}これたでの芁玄研究ずしおテキスト䞭の重芁箇所の抜出ずその連結による生成に基づくものを説明しおきた説明しおきた手法のうち単語の出珟頻床を甚いた手法や単語間の぀ながりの情報を甚いた手法ではテキストが耇数の話題から構成されおいる堎合話題ごずに語圙の出珟傟向が倉わるため十分な粟床が埗られない可胜性がある同様に䜍眮情報を甚いた手法も十分に機胜しない可胜性があるこのような堎合はテキストを䜕らかの手法(たずえば\cite{hearst:94:b,mochizuki:99:a})で話題ごずに分割し話題ごずに重芁文を抜出する必芁がある\cite{nakao:98:a}たた重芁箇所抜出に基づく芁玄手法の問題点ずしおは1)抜出した文䞭に代名詞などが含たれおいる堎合その先行詞が芁玄文䞭に存圚する保蚌がないこず2)テキスト䞭の色々な箇所から抜出したものを単に集めおいるため抜出した耇数の文間の぀ながり(銖尟䞀貫性)が悪いこずが指摘されおいるPaice\cite{paice:90:a}はテキスト䞭のキヌずなる重芁な文を抜出するために甚いられる衚局的な情報の抂説(2節)の埌重芁文抜出による芁玄䜜成の問題点ずしお䞊のような点を指摘しその問題点の解決法に぀いお述べおいる照応詞を含む文の前の数文を芁玄に远加したり接続詞は削陀したり動詞の時制や態は調和がずれた流れにしたりするこずで郚分的な解決が実珟できるこずを瀺しおいる(3節)たたテキストの構造の把握が芁玄文䜜成に重芁であるこずを4節で述べおいる2.2節で玹介した山本らのシステムGREENでは䞊に述べた問題点に察し重芁文ずしお抜出される文の先頭に指瀺語や接続詞が出珟する堎合あるいは抜出される文の䞻語が省略されおいる堎合単独で芁玄䞭に存圚するず䞍自然であるず考え前文も芁玄に远加するこずで察凊しおいる2.1節(2)で玹介したBrandowらのシステムANESでは文の先頭に照応詞が出珟する堎合その文を重芁文ずしお遞択しないこずやたた段萜の先頭でない文(2,3番目の文)が遞択された堎合段萜䞭のそれらの文の前の文を芁玄に远加するなどの方法で芁玄の結束性を増すこずを詊みおいる最埌に2.1節で説明した重芁箇所抜出のための様々な情報がどれもすべおのゞャンルのテキストで有効に機胜するずいうわけではないこずに泚意しおおきたい新聞蚘事孊術論文などテキストのゞャンルが異なれば有効な情報は異なるのが圓然であるこれたであたり議論されおこなかったがテキストのゞャンルず重芁文抜出に有効な情報の関係に぀いお今埌詳现に怜蚎する必芁があるず考えられるたた情報の組み合わせ方に関しおもテキストのゞャンルによっお最適化した組み合わせ方での粟床がばら぀くこず最適化した際に利甚される属性集合が異なるこずなどが報告されおいる\cite{nomoto:97:a,aone:98:b} \section{抜象化蚀い換えによる芁玄手法} これたで述べおきた研究はどれも「芁玄文=抜出したテキスト䞭の重芁箇所の連結」ずいう考え方に基づいおいたこれは芁玄を「原文から(䜕も倉えずに)抜出したextract(抜粋)」ず芋なしおいるずも蚀うこずができるこれに察し「蚀い換えたり合成したりするこずで原文の内容を衚珟し盎し芁玄(abstract)ずしお生成する」詊みが近幎いく぀か芋られるようになっおきたこのabstractの生成のためには通垞のextract(テキスト䞭の重芁抂念の抜出)以倖に抜出した抂念の統合生成の過皋が必芁である抂念の統合は抜出された耇数の重芁抂念を䜕らかの知識を甚いおより高い階局の抂念にたずめるこずであるこれによりテキスト䞭の重芁抂念はより少ない数の抂念で衚されるこずになる抂念の統合には抂念階局やスクリプトずいった知識が必芁ずなるHovyらのSUMMARIST\cite{hovy:97:a}システムはWordNetを抂念階局ずしお利甚しこのような抂念統合を実珟しおいるHovyらは\begin{quote}Johnboughtsomevegetables,fruit,bread,andmilk.\end{quote}のような文を抂念階局を甚いお\begin{quote}Johnboughtsomegroceries.\end{quote}のように蚀い換える凊理を抂念階局を甚いた抂念統合の䟋ずしお瀺しおいるKondoずOkumura\cite{kondo:97:a}はHovyらの甚いおいる抂念階局以倖にEDR単語蟞曞䞭の単語の定矩文をスクリプト知識ず芋なし定矩文を利甚しお抂念統合を実珟する手法を瀺しおいる定矩文は芋出し語の説明であるため逆に芋出し語は定矩文䞭に出珟する動䜜系列の簡朔な蚀い換えになっおいるず考えられるたずえば\begin{quote}{\bf説埗する}:よく\underline{話しお}{\bf玍埗させる}\\{\bf玍埗する}:物事を\underline{理解しお}{\bf承認する}\\{\bf承認する}:盞手の蚀い分を\underline{聞き入れる}\end{quote}のようにそれぞれの単語の定矩文が䞎えられおいる堎合\begin{quote}私は圌女に事情を\underline{話した}\\圌女は私の蚀う事を\underline{理解し}\\\underline{聞き入れおくれた}\end{quote}のような文は䞊の3぀の定矩文を利甚し定矩文䞭の動䜜系列を再垰的に芋出し語に蚀い換えるこずにより\begin{quote}私は圌女を{\bf説埗した}\end{quote}のような文に芁玄できるず考えられる \section{ナヌザに適応した動的な芁玄手法} これたでの芁玄研究は䞻に察象ずなるテキストの情報を基に芁玄は静的に決定できるずいう考え方で進められおきたように思われるこれに察しお近幎芁玄の利甚される状況でナヌザの芁求に適合した芁玄を動的に䜜成する必芁があるずいう考え方に基づいた研究が開始されおいる\cite{ochitani:97:a}たずえば情報怜玢においおナヌザがク゚リを入力し怜玢されたテキストが適切かどうかを刀断する際に芁玄を甚いる堎合を考えるず芁玄はナヌザが入力したク゚リに即したものになっおいる必芁がありこれたでのようにテキストの内容のみから䜜成しおいたのでは必ずしも十分ではないず蚀えるたたナヌザの持぀予備知識の皋床に応じお出力する芁玄の詳现さ長さは可倉であるべきであるず考えられる岩山ら\cite{iwayama:99:a}はテキスト分類においお長いテキストを察象ずする堎合テキスト䞭に耇数の話題が含たれるなどによりテキスト党䜓を単䜍ずするよりもテキスト䞭の断片を凊理察象ずした方が粟床が改善できるずいう考えに基づきパッセヌゞ分類ずいう手法を提案しおいるこのパッセヌゞ分類では分類されるカテゎリず関連の匷いパッセヌゞをテキスト䞭から抜出しおおりカテゎリを芳点ずした動的な芁玄䜜成を行なっおいるず蚀える同様に近幎テキスト怜玢においお泚目されおいるパッセヌゞ怜玢はナヌザの入力したク゚リに関連するテキスト䞭のパッセヌゞを抜出しそれを基に怜玢するわけなので動的芁玄䜜成を行なっおいるず蚀える(たずえば\cite{mochizuki:99:b})Tombrosら\cite{tombros:98:b}は「テキストのタむトル情報」「テキスト䞭での䜍眮情報」「テキスト䞭の単語の出珟頻床」に基づいた埓来通りの文の重芁床にク゚リ䞭の単語が文䞭に出珟する頻床に応じたスコアを加味するこずでク゚リに䟝存した重芁文抜出手法を実珟しおいるたたこの手法で抜出されたquerybiasedsummaryの情報怜玢時における有甚性を怜玢されたテキストのリストから適切なテキストを同定するタスクにおける被隓者の速さ粟床を蚈るこずで評䟡しおいるquerybiasedsummaryずテキストの先頭数文を抜出した芁玄を比范するこずでquerybiasedsummaryの有甚性が瀺せたずしおいる塩芋ら\cite{shiomi:98:a}も「テキスト䞭の単語の出珟頻床」に基づいた埓来通りの文の重芁床にク゚リ䞭の単語が文䞭に出珟する頻床に応じたスコアを加味するこずでク゚リに䟝存した重芁文抜出手法を実珟しおいるTombrosらず同様情報怜玢時における有甚性をBMIR-J1を利甚しお評䟡した結果芁玄率20\%の芁玄文においお埓来の単語の出珟頻床に基づいた手法ず比范するこずで提案する手法の有効性を瀺せたずしおいる\vspace{2.0cm} \section{耇数テキストを察象にした芁玄手法} これたで単䞀テキストの芁玄䜜成に関する様々な手法に぀いお述べおきた芁玄察象が耇数テキストの堎合単䞀テキストの芁玄ずは別に考慮すべき点が出おくるたず芁玄察象ずなる耇数のテキストをどのように収集するのかたた収集しおきたテキスト間で内容が重耇する堎合埓来の単䞀テキスト芁玄の手法を個々のテキストに適甚し䞊べただけでは個々の芁玄の蚘述が重耇する可胜性があり冗長で芁玄ずしお適切ではないそのため冗長な箇所(テキスト間の共通箇所)をどのように怜出し削陀するかが問題ずなる䞀方冗長な箇所を削陀しおも耇数テキストの芁玄文曞ずしおはただ十分であるずは蚀えない耇数のテキストを芁玄するずはそれらのテキストを比范し芁点をたずめるこずでありそのためにはテキスト間の共通点だけでなく盞違点も明らかにするこずが必芁であるず考えられるさらに芁玄文曞を䜜成するためには怜出されたテキスト間の共通点や盞違点を䞊べ䜿甚する単語の統䞀接続詞の付䞎等の読み易さを䞊げるための凊理を行う必芁があるず考えられる.埓っお耇数テキスト芁玄のポむントは次のようにたずめるこずができる.\[\left\{\begin{array}{lll}(a)&関連するテキストの自動収集&\\(b)&関連する耇数テキストからの情報の抜出&\left\{\begin{array}{ll}(b)-1&重芁箇所の抜出\\(b)-2&テキスト間の共通点の怜出\\(b)-3&テキスト間の盞違点の怜出\\\end{array}\right.\\(c)&テキスト間の文䜓の違い等を考慮した&\\&芁玄文曞の生成&\\\end{array}\right.\]耇数テキスト芁玄に関するこれたでの研究には以䞋のものがあるYamamotoら\cite{yamamoto:95:b}皲垣ら\cite{inagaki:98:b}柎田ら\cite{sibata:97:a}Radevら\cite{radev:98:a}Maniら\cite{mani:97:a}はいずれも耇数の新聞蚘事を察象に研究を行っおいるたた難波ら\cite{nanba:99:a}は孊術論文を察象に研究を行っおいる耇数新聞蚘事を芁玄察象ずしたこれたでの研究は次に瀺す倧きく2぀に分類される\begin{itemize}\item[(i)]ある事件に぀いお曞かれた蚘事ずその続報蚘事から芁玄を䜜成する\item[(ii)]ある事件に関する耇数の情報源(新聞瀟)の蚘事を芁玄察象ずし芁玄を䜜成する\end{itemize}柎田らはFitずいう怜玢システムに文章融合機胜を埋め蟌み自動分類された新聞蚘事の融合を詊みおいる柎田らは耇数の情報源から埗られる蚘事からの芁玄䜜成を詊みおいる((ii))柎田らはある事項に関連する蚘事が耇数の情報源から埗られた堎合蚘事間の共通箇所を抜出するこずが関連蚘事の重芁箇所を抜出するこずであるず考えおいる手法ずしおは出珟頻床の䜎い圢態玠が異なるテキストで出珟する堎合それを含む文は重耇文(テキスト間の共通点)の可胜性が高いず考え重耇文を同定しその片偎を甚いお芁玄䜜成を行っおいる.皲垣らも柎田らず同様ある事件に぀いお耇数の情報源(新聞瀟)から発行された蚘事から芁玄を䜜成する手法を提案しおいる((ii))「蚘事間の共通箇所を抜出するこずが関連蚘事の重芁箇所を抜出するこず」ずいう考え方は柎田らず同じであるず蚀えるRadevらは情報抜出手法により生成されたテンプレヌトを甚いお耇数の新聞蚘事の芁玄を詊みおいるRadevらも柎田ら皲垣らず同様に耇数の情報源から埗られる新聞蚘事を芁玄察象ずしおいるが同じ情報源から埗られる続報蚘事に぀いおも考慮しおいる((i)(ii))芁玄察象はテロリストに関する蚘事にあらかじめ限定されおいるたず情報抜出手法によりテンプレヌトに犯人犠牲者事件のタむプなどの蚈25の情報を抜出する次にテンプレヌトを甚いお芁玄を䜜成する䞀般に叀い蚘事では䞍完党であった情報が続報蚘事䞭で明らかになった堎合芁玄䜜成には新しい情報を優先させる必芁があるたた同じむベントが異なる情報源でレポヌトされそれらが互いに䞍完党な情報であるならば組み合わせるこずでより完党な情報が埗られる堎合があるこのような点を考慮し耇数蚘事から埗られた情報の共通点盞違点を考慮し統合するための7皮類のオペレヌタを準備し芁玄䜜成を行っおいる.Maniらは関連のある䞀組のニュヌス蚘事の芁玄を詊みおいる芁玄察象ずなる䞀組の蚘事が(i)であるのか(ii)であるのかに぀いおは論文䞭では明らかにしおいないManiらは2.1節(6)で玹介したように個々のテキスト(新聞蚘事)を関連する語句(ノヌド)の間にリンクを匵ったグラフで衚珟しおいるそしお掻性䌝搬によりテキストの話題ず関係するノヌド集合(サブグラフ)を怜出する蚘事間でそれらのサブグラフを照合するこずでテキスト間の共通点ず盞違点の抜出を行っおいる.難波らは特定分野の耇数の論文からサヌベむ論文を自動䜜成するこずを目指しおおりその第1歩ずしおサヌベむ論文䜜成支揎システムを構築しおいる難波らは論文間の参照情報に着目し参照情報を甚いお論文間の共通点や盞違点を明らかにする手法を提案しおいる参照情報ずは論文䞭で参照先論文に぀いお蚘述しおいる箇所(参照箇所)から埗られる情報のこずで参照先論文の重芁点や参照元ず参照先間の盞違点を明瀺する有甚な情報が埗られる難波らは参照箇所をcuewordを甚いお解析し論文の参照・被参照関係にリンク属性(参照タむプ)を付䞎しおいる特定のリンク属性が付䞎された参照関係を蟿るこずである特定分野の論文を自動的に収集するのに近い凊理を実珟しおいるこうしお収集された論文集合の参照関係のグラフや個々の論文のアブストラクト参照箇所を瀺すこずでナヌザに関連論文の共通点や盞違点を明瀺できるためサヌベむ論文䜜成に有甚であるず考えられるしかしこれらの情報を甚いおサヌベむ論文を自動的に䜜成するには至っおいない \section{文䞭の重芁箇所抜出䞍芁箇所削陀による芁玄手法} これたでの芁玄手法の倚くはテキスト䞭の重芁な文あるいは段萜を抜出するこずで実珟されおいたしかし文単䜍の抜出では重芁でないずしお捚おられる情報の単䜍が文であるこずから芁玄を䜜成する際に情報が倧きく欠萜する可胜性があるそのため文単䜍で抜出するこずでテキストを短くするのではなく䞀文ごずに重芁でない箇所を削り(あるいは重芁な箇所を抜出し)情報をなるべく枛らさずにテキストを短く衚珟し盎す芁玄手法が近幎提案され始めおいるこれらの手法は段萜文節を単䜍ずした重芁箇所抜出ではなく句文字列を単䜍ずした重芁箇所抜出(䞍芁箇所削陀)ず蚀うこずができるこれらの手法のもう1぀の特城ずしお具䜓的な利甚目的を想定した芁玄研究ずしお手法が提案されおいるこずが䞊げられるその䞀぀が文字攟送字幕を䜜成するこずを想定した芁玄手法ずしおの文の短瞮である文字攟送字幕を䜜成するこずを想定した堎合文字攟送字幕では䜓蚀止め挢字熟語などを倚甚した固有の衚珟が可胜であるこずたた文字攟送字幕甚芁玄の堎合通垞の芁玄ず比べるず芁玄の長さをそれほど短くする必芁がないこずなどから䞍芁ず考えられる文字列を削陀したり衚珟をより簡朔な別の衚珟に蚀い換えるなど衚局の文字列に関する凊理である皋床文を短瞮するこずが可胜である文末のサ倉動詞を䜓蚀止めにする(「7月䞭に解散したす」$\rightarrow$「7月䞭に解散ぞ」)文末の䞁寧の助動詞を削陀する(「䜙震が盞次ぎたした」$\rightarrow$「䜙震が盞次いだ」)などのような倉換芏則を甚意し文に察し倉換芏則を繰り返し適甚するこずで文はより短い文に倉換される若尟ら\cite{wakao:97:b}は実際のニュヌス番組䞭の字幕を甚いお人手で䜜成されおいる字幕ずニュヌス原皿を比范するこずで字幕甚の芁玄手法の分析を行なっおいる芁玄手法ずしお衚局の文字列の情報のみで可胜な手法のみを取り䞊げ5぀に分類しおいるたた各手法の䜿甚頻床削枛される文字数なども調査しおいる山厎ら\cite{yamazaki:98:a}も同様な手法を提案し芁玄率91.2\%を埗たずしおいる若尟ら山厎らがずもに元原皿ず字幕を人手で分析し芁玄のための芏則を䜜成しおいるのに察し加藀\cite{kato:98:b}はこの芁玄のための知識を自動的に獲埗する手法を提案しおいる原文ずなるニュヌス文原皿ず芁玄文ずなる文字攟送原皿のペアからなるコヌパスを利甚しお芁玄知識を自動獲埗しおいるペアずなる文間の察応をDPマッチングにより単語単䜍でずりその埌察応のずれなかった差分の郚分を芁玄のための倉換芏則ずしお獲埗しおいるたた近幎モバむルコミュニケヌションが脚光を济びおいるが限られた通信・衚瀺リ゜ヌスしか持たないモバむル端末ぞのテキスト衚瀺のための芁玄技術の研究も開始されおいる\cite{inagaki:98:a}この堎合も重芁文抜出ではなく情報をなるべく欠萜させず衚瀺する必芁があるこずから字幕䜜成の堎合ず同様な技術が甚いられる䞀方テキストを構文解析しその結果を利甚しお文䞭の重芁箇所を抜出する手法がいく぀か提案されおいるがこれらはいずれも人間がテキストを走り読み(skimming)するこずを支揎するために提案されおいる手法である亀田\cite{kameda:95:a}の日本語文曞読解支揎系QJRのskimming支揎では文曞の速読を支揎する目的で簡易日本語解析系QJPによる文の係り受け解析の結果を基に文の骚栌ずなる文節矀のみを匷調衚瀺する機胜を提䟛しおいるGrefenstette\cite{grefenstette:98:a}は芖芚障害者が音声合成噚を介しおテキストをskimmingするための文の単玔化手法を提案しおいるGrefenstetteが以前開発したshallowparserを基に文を構造化し文の骚栌ずなる文䞭の重芁箇所を抜出しおいるこれらの研究以前にも山本ら(2.2節参照)Mahesh(7節参照)などのように抜出した重芁文䞭の䞍芁箇所を削陀しさらに芁玄文を短くするこずを目的ずしお構文解析を利甚した文䞭の重芁箇所抜出は行なわれおいるこの堎合も構文解析結果から連䜓修食句埋め蟌み文埓属節などを䞍芁ずしお削陀しおいる \section{芁玄の衚瀺方法に぀いお} これたでの芁玄研究においおは芁玄は原文同様テキストずしお出力されるこずが䞀般的であったず蚀えるしかし2.3節で述べたように重芁箇所抜出に基づく䌝統的な芁玄手法では出力される芁玄がテキストずしおのたずたりを十分構成しおおらず読み易さの点で問題があるこずが指摘されおいるたた4節で觊れたように芁玄の長さはナヌザが自分の関心に応じお自由に倉えられるようになっおいるこずが望たしいずいう指摘もあるこのような立堎から近幎芁玄を単なるテキストずしおではなく他の圢でナヌザに衚瀺する詊みが行なわれ始めおいるMahesh\cite{mahesh:97:a}は芁玄過皋をテキストからのhypertextの構成過皋ずずらえ重芁な箇所が前面にありそこからリンクをたどるこずでより詳现な情報が段階的に埗られるような枠組を提案しおいる埓来の研究が(ある決たった芁玄率の)芁玄ず(芁玄する前の)テキスト党䜓ずいう2぀の芁玠しか提瀺しなかったのに察しナヌザが自分の関心に応じおリンクをたどるこずでさたざたな芁玄率の芁玄を段階的に参照可胜である枠組であるテキストからの重芁文抜出は埓来の手法を甚いおいるがその埌凊理ずしお抜出した文を(郚分的に)構文解析し埋め蟌み文埓属節などを削陀するこずでさらに芁玄文を短くするこずを詊みおいるSaggionずLapalme\cite{saggion:98:a}はナヌザに適応した芁玄の出力法ずしおindicativeな芁玄をたず衚瀺しそこから芁玄が察応するテキスト䞭の断片がたどれるようにしおおきナヌザは自分の関心に応じそのリンクをたどるこずでより情報量の倚い(informativeな)芁玄を芋るこずができるような枠組を瀺しおいるこれらの研究はどちらも重芁文抜出手法で埗られた芁玄のテキストずしおの銖尟䞀貫性の欠萜の問題に察しお芁玄を衚瀺する際衚瀺した芁玄が1぀のたずたったテキストでは本来なくしたがっお銖尟䞀貫性がない可胜性があるこず(前埌の文は無関係であるかもしれないこず)を明瀺しおやるこずで郚分的な解決を詊みおいるず蚀え興味深い \section{芁玄の評䟡方法に぀いお} これたでの単䞀テキストを察象ずする芁玄研究の倚くは人間の被隓者の䜜成した芁玄文ずシステムの䜜成した芁玄文を比范しシステムの芁玄文の再珟率適合率を評䟡尺床ずした評䟡を行なっおいたしかし人間においおも芁玄ずいうタスクは必ずしも容易ではなく人間の被隓者による芁玄が必ずしも高い割合で䞀臎するずは蚀えないたたこの評䟡法の前提ずする「ただ䞀぀正しい芁玄が存圚する」ずいう仮定が䞍自然であるずいう批刀が以前からあり芁玄システムの評䟡方法は再怜蚎される段階にあるず蚀えるこれに察しおMiikeら\cite{miike:94:a}は芁玄を利甚しお人間がタスクを行なう堎合のタスクの達成率が間接的に芁玄の評䟡ずなるずいう考え方に基づき評䟡を行なっおいる具䜓的には情報怜玢における怜玢テキストの適切性の刀断をする際に芁玄を甚いるこずで芁玄を評䟡しタスクに芁する時間ず怜玢の再珟率適合率で評䟡を行なっおいるDARPATipsterプロゞェクト(PhaseIII)の評䟡\cite{hand:97:a}においおも同様に䞊の仮定の䞍自然さからタスクに基づく評䟡方法が採甚されおいるTipsterプロゞェクトではテキストの分類情報怜玢における怜玢テキストの適切性の刀断それぞれに芁玄を利甚し被隓者のタスクに芁する時間(芁玄しないテキスト党䜓を甚いた堎合ずも比范する)タスクの粟床により芁玄を評䟡する䞀方間瀬ら\cite{mase:89:a}は原文を読んだ埌およびその芁玄だけを読んだ埌原文の内容を問うテストを被隓者に行ないテストの埗点比で芁玄の評䟡を行なっおいるテストの問題䜜成の困難さが問題点ずしお残るが原文を䌎わない状況での利甚を想定した芁玄の内容の十分性の評䟡ずしおは興味深い手法であるこのように芁玄を甚いお人間の被隓者が䜕らかのタスクを実行する際の粟床等を問題にするのではなく芁玄を利甚しお䜕らかのタスクを実行する応甚プログラムの粟床を瀺すこずで間接的に芁玄の評䟡を行なうずいう詊みも芋られる隅田ら\cite{隅田:97:a}は抜出した芁玄文のみを玢匕およびスコアづけの察象ずしたテキスト怜玢システムの評䟡を行ないテキスト党䜓を玢匕等に甚いた堎合に比べ粟床の向䞊が実珟できるこずを瀺すこずで抜出した芁玄文がテキストの倧意の把握に成功しおいるこずを間接的に実蚌しおいる良い芁玄が埗られれば重芁な抂念や単語のみが玢匕語ずしお利甚されるので怜玢の粟床が改善されるはずであるずいう仮定にこの評䟡は基づいおいるこのような芁玄文の内容に関する評䟡ずは別に芁玄文の「文章ずしおの読み易さ」を評䟡する評䟡方法も考えられる\cite{minel:97:a}2.1節(2)で玹介したBrandowらWassonは人間の受容可胜性刀断に基づいお芁玄を評䟡しおいる受容可胜性は人間が原文ず照らし合わせお内容ず読み易さに関しお受容可胜/䞍可胜の刀定を芁玄に察しお行ない求められる指暙である芁玄は本来このように内容に関する評䟡ず読み易さに関する評䟡の䞡方の次元で評䟡されるべきであるず蚀え今埌もより良い芁玄の評䟡方法の暡玢は続けられるものず考えられる1節で述べたように芁玄は䞀般にその利甚目的に応じお次の2぀のタむプに分けられるこずが倚い\cite{hand:97:a}\begin{description}\item[indicative:]原文の適切性を刀断するなど原文を参照する前の段階で甚いる\item[informative:]原文の代わりずしお甚いる\end{description}MiikeらTipsterプロゞェクトの評䟡は芁玄をindicativeなものずしお評䟡しおいるず蚀うこずができる䞀方間瀬ら隅田らの評䟡はinformativeなものずしおの芁玄の評䟡を行なっおいるこずになるここでTipsterプロゞェクトにおける評䟡方法に぀いおもう少し詳しく觊れおおく\footnote{TipsterのSUMMACに関する簡単な報告が\cite{fukumoto:98:a}にある}Tipsterプロゞェクトの評䟡法は䞊にも述べたようにタスクに基づくものであるがそのタスクは以䞋の3぀からなる\footnote{Tipsterではこれらのタスクに基づく評䟡以倖に受容可胜性による評䟡も合わせお行なっおいる}\\\\\begin{tabular}{ll}Task&Summarytype\\\hlinecategorization&generic,indicative\\adhocretrieval&query-based,indicative\\question-and-answer&query-based,informative\\\end{tabular}\\\\`query-based'芁玄は4節で述べたナヌザの芁求に特化した芁玄`generic'な芁玄は特化しない芁玄を意味する最初の2぀のタスクでは10\%の芁玄率での芁玄ず開発者が「最も良い」ず考える芁玄(長さは問わない)を基に評䟡を行なう3぀目のタスクでは質問に察する解答の正圓率で芁玄を評䟡する質問はテキストごずに倉わるものではなくqueryで瀺されたtopicごずに5぀甚意されるあるtopicに関する質問の正解は質問䜜成者自身が(質問に察する正解を䞎えおいるず刀断した)原文のpassageを遞ぶこずで決定される評䟡はこのpassageを芁玄がどの皋床含むかで人間が刀断する評䟡の指暙であるAnswerRecallはcorrect,partiallycorrect,missingの3段階で刀断される芁玄の評䟡方法ずしおは䞊述した間瀬らの手法ず同様なものず考えられる䞀方5節で述べた耇数テキストを察象ずする芁玄研究や6節で述べた文䞭の重芁箇所抜出による芁玄研究の評䟡は,研究が始たったばかりでもあり十分な議論がなされおきおいないず蚀っお良い.5節で述べたように耇数テキストを察象ずする堎合冗長な重耇箇所を怜出し削陀するこずが必芁ずなるため「冗長箇所をどの皋床正しく削陀できおいるか」\cite{funasaka:96:a}「テキスト間の類䌌箇所ず盞違箇所をどの皋床正しく抜出できおいるか」\cite{mani:97:a}ずいう芳点での評䟡が行なわれおいるたた難波ら\cite{nanba:99:a}は「芁玄に必芁な蚘述内容(参照箇所)をどの皋床正しく抜出できおいるか」を評䟡しおいるしかし耇数テキストから䜜成された芁玄文党䜓に関する評䟡はこれたでなされおおらずどのような点を評䟡すべきかずいうこずも明らかではない今埌,䜜成された芁玄党䜓の評䟡に぀いお怜蚎しおいく必芁があるず考えられる. \section{おわりに} テキスト自動芁玄に関するこれたでの研究動向を抂芳しおきた自然蚀語凊理の分野では近幎頑健な解析手法の開発が進んでいるがこれらの手法を甚いた芁玄研究が今埌も数倚く提案されるようになるず思われる2.1節(4)で述べた「解析したテキスト構造を利甚した」芁玄手法もテキスト構造を解析する頑健な手法が開発されお初めお実珟可胜な手法でありたた照応解析を利甚した芁玄手法\cite{boguraev:97:a}など頑健な文脈凊理を利甚した芁玄手法が今埌盛んに研究されるこずず思われる頑健な文脈凊理を利甚した手法は2.3節で述べたような䌝統的な重芁箇所抜出による芁玄の問題点の解決にも貢献できる可胜性が高いず蚀えるこの他にも耇合語を抜出しそれを利甚するたた固有名詞を抜出しそのタむプ(人名堎所䌚瀟名など)わけを利甚するなどしお芁玄手法をこれたでの単語に基づく単玔なものからより詳现な情報に基づくものに拡匵し粟床向䞊を図る詊み\cite{aone:97:a}も増えおいくず思われるたた6節で玹介したような文䞭の䞍芁箇所を削陀したり重芁箇所を抜出したりするこずによる芁玄手法では頑健な(郚分)構文解析手法の利甚が䞍可欠であるず考えられる最埌に本皿以倖の過去の解説および参考文献を玹介しおおく\cite{HLTsurvey}の7.4節にSparkJonesの簡単な解説がある\cite{paice:90:a}も察象が論文䞭心ではあるが2.1節で述べたようにこれたでの手法の解説を含んでいるInformationProcessing\&ManagementのVol.31,No.5(1995)は自動芁玄(AutomaticSummarizing)の特集号である本皿では述べなかった芁玄の生成過皋に関する研究ずしお3線の論文が収録されおいる\cite{EAI}にもAltermanの解説があるこの解説は察象が物語䞭心であり領域知識を甚いた手法に関しおのみが説明されおいる\cite{niggenmeyer:98:a}の5章は蚈算機による芁玄手法をたずめた章ずなっおいる人間の芁玄過皋に関しおは\cite{sakuma:89:a}\cite{niggenmeyer:98:a}などに詳しい分析があるたたテキスト自動芁玄に関するWebpageを最近䜜成した(\verb+http://galaga.jaist.ac.jp:8000/pub/research/summarization/+)興味のある方は参照しお頂きたい\acknowledgment本皿を執筆する機䌚を䞎えお䞋さった本特集号線集委員の皆様にたず感謝したす本皿をたずめるに圓たっおは自然蚀語凊理孊講座に圚籍する望月源君近藀恵子さん埳田昌晃君の協力が倧きな助けずなりたしたここに蚘し感謝したすたた本皿の予皿にコメントを寄せお䞋さった通信・攟送機構(TAO)の犏島孝博氏日立䞭倮研究所の小林矩行氏に感謝したすTipsterのSUMMACに関連する貎重な資料はニュヌペヌク倧孊の関根聡氏ゞャストシステムの野村盎之氏に提䟛しお頂きたしたここに感謝したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n6_fw}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{奥村孊}{1962幎生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授珟圚に至る工孊博士自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎語圙知識獲埗に関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚,AAAIACL,認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員e-mail:[email protected].}\bioauthor{難波英嗣}{1972幎生1996幎東京理科倧孊理工孊郚電気工孊科卒業1998幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎同倧孊院博士埌期課皋珟圚に至る自然蚀語凊理特にテキスト自動芁玄に関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各孊生䌚員}\end{biography}\end{document}
V08N03-07
\section{はじめに} 日本語ずりむグル語は共に膠着語である膠着語には抂念などを衚し単独で文節を構成するこずが可胜な自立語ず単独で文節になるこずはなく自立語に接続しおその自立語の文䞭での圹割を瀺したり自立語に新たな意味を付加する付属語の区分がある膠着語では付属語がよく発達しおおり蚀語構造䞊重芁な圹割を果たすこれらの特城は日本語ずりむグル語だけでなく韓囜語トルコ語モンゎル語などのアルタむ語系に属する蚀語に共通するものず考えられおいる\cite{JPORG}このグルヌプに属する蚀語間の機械翻蚳に぀いおはグロヌバル化の流れの䞭で倚蚀語間機械翻蚳の重芁性が高いにもかかわらずこれたでほずんど行われおおらず日本語ず韓囜語ずの翻蚳に぀いお研究されおいるのが目立぀に過ぎないそのような状況の䞭でムフタル小川らは日本語--りむグル語機械翻蚳の研究を開始したムフタル小川らはこれらの蚀語に共通する特城を有効に利甚した日本語--りむグル語機械翻蚳の研究を進めおいる\cite{SHURON}\cite{OGAWA2000}その特城の䞀぀は語順の自由床である日本語は語順が比范的自由であるず蚀われ䟋えば(1)「私が本を買った」ず(2)「本を私が買った」はいずれも日本語ずしお正しい衚珟であるこれは日本語では文節の圹割が付属語によっお瀺されるためであるこの性質は同じ膠着語であるりむグル語にも芋られ(1)の盎蚳ずなる``m!enkitapnisetiwaldim''ずいう衚珟も``m!en''(私)ず``kitap''(本)を入れ替えお(2)の盎蚳ずする``kitapnim!ensetiwaldim''ずいう衚珟もいずれもりむグル語ずしお可胜であるそのため日本語文をりむグル語ぞ翻蚳する堎合日本語の語順そのたたに翻蚳が可胜であるそこでムフタルらは日本語文の圢態玠解析結果を逐語蚳するこずを基本ずした日本語--りむグル語機械翻蚳システムを開発しおいる特に\cite{OGAWA2000}では動詞句の翻蚳に焊点を圓お掟生文法\cite{KIYOSE1991}を利甚するこずで動詞付属語を含めた動詞句に察しお自然なりむグル語蚳を䞎えるこずを可胜ずしおいるずころで日本語からりむグル語ぞ語順そのたたでの翻蚳が可胜なのは名詞付属語特に栌助詞によっお文節の圹割が明瀺されおいるからであるこれも日本語ずりむグル語に共通する特城の䞀぀であるしかしこのこずは栌助詞を正しく翻蚳できなかった堎合は翻蚳文が意味䞍明なものになるこずを意味するそこで本論文では日本語--りむグル語機械翻蚳の䞭での栌助詞の取り扱いを怜蚎する栌助詞は日本語だけでなくりむグル語にも存圚し䟋えば\cite{TAKEUTI}では栌語尟ず呌ばれおいる日本語の栌助詞ずりむグル語の栌助詞には察応関係が芋られるがいわゆる倚矩性の問題が存圚し日本語の栌助詞に耇数のりむグル語栌助詞が察応する堎合がある本論文では単に栌助詞を翻蚳するだけでなくこうした栌助詞の倚矩性も考慮しお適切な栌助詞の翻蚳を行う手法を提案する日本語ず他の膠着語ずの間の機械翻蚳に関する研究では日韓機械翻蚳が盛んである\cite{KMT4,H_LEE1989,J_KIM1996_2,C_PARK1997}これらの研究の倚くは日本語ず韓囜語の語順の類䌌性や栌圢匏の類䌌性を利甚し逐語蚳を基本ずする翻蚳が進められおおり比范的品質の良い翻蚳を実珟しおいるがその䞀方で語圙の倚矩性の解消が重芁な課題であるこずが指摘されおいる\cite{KMT4}倚矩性に関する研究に぀いおは\cite{H_LEE1989,J_KIM1996_2,C_PARK1997}などがあり動詞の栌パタヌンず意味解析を利甚する手法\cite{H_LEE1989}入力文の前埌に出珟する単語ずの接続関係を利甚する手法\cite{J_KIM1996_2}連語パタヌンを甚いる手法\cite{C_PARK1997}などが提案されおいる本論文では品質の高い日本語--りむグル語機械翻蚳システムの構築を目指しお動詞の栌パタヌンを利甚した栌助詞の翻蚳手法を提案するたず蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL}を甚いお䞡蚀語の栌助詞間の察応関係に぀いお詳现な調査を行うずずもに動詞の栌パタヌンを獲埗するさらにそれを利甚した栌助詞の倉換凊理を実珟し評䟡実隓を行った評䟡実隓に䜿甚する日本語--りむグル語機械翻蚳システムは\cite{OGAWA2000}で提案されたシステムに本論文で提案する栌助詞倉換凊理のモゞュヌルを加えたものであるこの方法ではあらかじめ獲埗した栌パタヌンず栌助詞の察蚳の情報を必芁に応じお日本語--りむグル語の察蚳蟞曞のりむグル語動詞に付加する実際の翻蚳の過皋はたず翻蚳察象である日本語入力文を圢態玠解析しそれぞれの圢態玠をりむグル語に逐語蚳するこの段階ですべおの単語にデフォルトのりむグル語蚳が䞎えられる次にりむグル語動詞に付加された栌パタヌンず入力文䞭に出珟した栌パタヌンずを比范しデフォルト蚳では䞍自然な蚳語ずなる栌助詞を適切な他の蚳語に眮き換える最埌に蚳出のりむグル語圢態玠を接続しおりむグル語文を生成する本論文ではりむグル語における同じ栌助詞の音䟿圢をすべお䞀぀に統合しお議論する䟋えば栌助詞``g!e''は音䟿倉化により``!ga''``k!e''``!ka''などの圢もずるが本論文䞭ではすべお``g!e''ず衚蚘するなお実際の翻蚳システムでは最埌のりむグル語文生成の段階で音䟿圢に埓っお倉化させるたたりむグル語には日本語には存圚しない人称接尟蟞がある䟋えば同じ「買う」でも「私が買う」``m!ensetiwali\underline{m!en}''ず「圌が買う」``usetiwali\underline{du}''では䞋線郚に瀺すようにそれぞれ別々の人称接尟蟞が接続するしかし本論文䞭ではいく぀かの䟋文を陀いお䞉人称に統䞀しお議論するりむグル語にはアラビア文字に䌌た32の文字があり文は右から巊ぞず曞かれるそれずは別にロヌマ字衚蚘を甚いる堎合もあり本論文では䟿宜䞊ロヌマ字衚蚘を甚いるこずにする䞍足する文字の代わりに!c,!e,!g,!h,!k,!o,!s,!u,!zを甚いるりむグル文字ずロヌマ字衚蚘の察応に関しおは付録Aを参照されたい本論文の構成は以䞋の通りであるたず2章では日本語--りむグル語機械翻蚳における栌助詞の重芁性ずその問題点に぀いお指摘する3章では蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL}における栌助詞の䜿甚状況ず察応するりむグル語蚳語の分垃に関する調査結果を瀺す4章では本論文で提案する日本語--りむグル語機械翻蚳における栌助詞の倉換凊理に぀いお述べ5章で本手法に基づく実隓結果を瀺す6章は本論文のたずめである \section{日本語ずりむグル語の栌助詞} label{prrel}日本語やりむグル語のような膠着語では助詞の機胜がよく発達しおいる特に栌助詞はある語の文䞭での圹割を決めたり他の語ずの関係を決めるなど文の構造を決める䞊で重芁な圹割を果たしおいる䟋えば「先生」「教宀」「生埒」「本」「倧きい声」「読たせた」の六぀の抂念語があるずするずそのたたではどれが䞻䜓かどれが被動態かなどそれらの文䞭での圹割や盞互関係は明確にならないしかし以䞋のように栌助詞の「が」「で」「に」「を」を甚いるこずによっおそれらが明確になる\begin{center}先生\parbox[t]{3ex}{\underline{が}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize(1)}}教宀\parbox[t]{3ex}{\underline{で}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize(2)}}生埒\parbox[t]{3ex}{\underline{に}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize(3)}}本\parbox[t]{3ex}{\underline{を}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize(4)}}倧きい声\parbox[t]{3ex}{\underline{で}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize(5)}}読たせた\end{center}日本語ずりむグル語の栌助詞は機胜的には同じであり日本語のある栌助詞の䞀぀の機胜に盞圓する栌助詞はほずんどりむグル語にも存圚する䟋えば䞊の文に察するりむグル語蚳は次のようになり栌助詞がそれぞれ察応しおいるこずが分かる\begin{center}o!kut!ku!ci\parbox[t]{3ex}{\underline{\o}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize($1'$)}}sinip\parbox[t]{3ex}{\underline{d!e}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize($2'$)}}o!ku!gu!cilar\parbox[t]{3ex}{\underline{g!e}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize($3'$)}}kitap\parbox[t]{3ex}{\underline{ni}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize($4'$)}}yu!kuriawaz\parbox[t]{3ex}{\underline{d!e}\vspace{-1ex}\\{\footnotesize($5'$)}}o!ku!guzdi\end{center}これは日本語--りむグル語機械翻蚳を行う䞊で重芁なポむントの䞀぀であるなぜなら䟋えば日本語を英語に翻蚳しようずするずき倚くの堎合日本語の栌助詞の機胜を英語の文䞭の語順動詞の語圙的機胜あるいは英語の文党䜓の文脈などで衚珟しなければならないそのため構文解析などが必芁になり日本語栌助詞の取り扱いが耇雑ずなるそれに察しりむグル語に翻蚳する堎合には語順をそのたたにしさらに栌助詞にも察応する蚳語を䞎えるだけで翻蚳が可胜ずなるよっお圢態玠解析が終了した段階で栌助詞を含む各単語を逐語蚳するこずによっお翻蚳が可胜ずなるしかし日本語ずりむグル語の栌助詞は必ずしも䞀察䞀に察応する蚳ではない䟋えば「仕事\underline{を}片付ける」``ixlar\underline{ni}ye!gixturidu'',「ゎミ\underline{を}捚おる」``!ehl!et\underline{ni}t!okidu''のような文では栌助詞「を」は``ni''に翻蚳されるしかし「倧孊前\underline{を}通る」``univirsititningaldi\underline{din}!otidu'',「橋\underline{を}枡る」``k!owr!uk\underline{din}!otidu\footnote{盎接的に関係はないがここでは「通る」ず「枡る」の䞡方のりむグル語蚳は``!otidu''になる}''ずいった文では「を」は``din''に翻蚳される䞀般に前者の「を」の機胜は察象を瀺すものであり埌者の機胜は堎所を瀺すものであるず蚀われる぀たり日本語の「を」に察応するりむグル語の栌助詞は「を」の機胜によっお異なるのであるたた堎所を瀺す「を」は「通る」「枡る」などの移動動詞ず䞀緒に出珟する堎合が倚いこずから「を」を含む名詞句が係る動詞に䟝存しお「を」に察応するりむグル語の栌助詞が決たるずも蚀える先に述べたように日本語ずりむグル語では栌助詞が文章を読解する䞊で重芁な圹割を果たすため日本語--りむグル語機械翻蚳においおも正しく翻蚳する必芁があるそのため日本語の栌助詞に察応する耇数のりむグル語栌助詞の䞭からどれを遞択するかずいう決定は日本語--りむグル語機械翻蚳においお倧きな課題であるそのためにはたず日本語の栌助詞の機胜を調べそれに察応するりむグル語の栌助詞を決めなければならない䞀般的な助詞の機胜や察応関係は\cite{NLC93}などで詳しく調べられおおりここでは栌助詞だけに的を絞る \section{動詞蟞曞調査に基づく日本語--りむグル語の栌助詞の察応付け} 前章で述べたように日本語ずりむグル語には共に栌助詞が存圚するが䞀般的にそれらは䞀察䞀に察応するずは限らない日本語の䞀぀の栌助詞が耇数の意味(機胜)を有しおおりそれぞれの意味に察しお別々のりむグル語の栌助詞が察応するからであるその逆も真であるそのため日本語からりむグル語ぞ翻蚳する際には日本語栌助詞のそれぞれの機胜に察応しお適切なりむグル語の助詞を蚳語ずしお遞定する必芁があるしたがっお日本語栌助詞の機胜を分類しそれぞれに察応するりむグル語栌助詞を決定する必芁があるが本論文では栌助詞ず動詞ずの関係に着目した日本語ずりむグル語では栌助詞が動詞ず密接な結合関係をもち各動詞がそれぞれ決たった栌パタヌン\footnote{結合䟡や栌構造栌フレヌムずいう堎合もある}を持っおいるそのため日本語--りむグル語機械翻蚳における栌助詞の機胜の決定ず蚳語の遞定は動詞ず切り離しお考えるこずはできないそこで我々は蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL}䞭に出珟した栌助詞の機胜を調査しそれぞれの出珟においお察応するりむグル語栌助詞はどれになるかずいう芳点から分析し察応付けを行った\cite{IPAL}を甚いたのは日本語の基本的な動詞ずそれらの意味や甚法が栌パタヌンの芳点から説明されおおり䞡蚀語の栌助詞の機胜及びそれらの間の統蚈的な察応関係を調べるのに適しおいるず考えたからである\cite{IPAL}には900に近い日本語動詞があり各動詞のそれぞれの意味を説明するための䟋文3473文が含たれおいる今回の調査ではそれらの䟋文においお動詞の栌圢匏パタヌンずしお瀺されたすべおの栌助詞に察しおりむグル語の蚳を䞎えそれらの統蚈を取ったここでは日本語からりむグル語ぞの機械翻蚳を想定しおいるため日本語の栌助詞がりむグル語のどの栌助詞にどのように察応しおいるかを䞭心に調査を行った\begin{table}[btp]\caption{栌助詞間の統蚈的察応関係}\label{tab:ipal}\begin{center}\begin{tabular}{c|rrrrrrrr|r}\hline栌助詞&\multicolumn{8}{c|}{察応するりむグル語ずその数}&合蚈\\\hline&\cc{\o}&\cc{ning}&\cc{g!e}&&&&&&\\が&3637&77&5&&&&&&3719\\&97.7\%&2.0\%&0.3\%&&&&&&\\\hline&\cc{ni}&\cc{ni/\o}&\cc{din}&\cc{\o}&\cc{g!e}&\cc{d!e}&\cc{\itfault}&&\\を&1566&320&118&34&19&4&47&&2108\\&74.3\%&15.2\%&5.6\%&1.6\%&0.9\%&0.2\%&2.2\%&&\\\hline&\cc{g!e}&\cc{d!e}&\cc{din}&\cc{\o}&\cc{\itfault}&&&&\\に&1183&294&81&16&35&&&&1609\\&73.5\%&18.3\%&5.0\%&1.0\%&2.2\%&&&&\\\hline&\cc{d!e}&\cc{bil!en}&&&&&&&\\で&638&14&&&&&&&652\\&97.8\%&2.2\%&&&&&&&\\\hline&\cc{d!ep}&\cc{\o/d!ep}&\cc{bil!en}&&&&&&\\ず&193&46&146&&&&&&385\\&50.1\%&12.0\%&37.9\%&&&&&&\\\hline&\cc{din}&\cc{\itfault}&&&&&&&\\から&289&5&&&&&&&294\\&98.3\%&1.7\%&&&&&&&\\\hline&\cc{g!e}&&&&&&&&\\ぞ&236&&&&&&&&236\\&100\%&&&&&&&&\\\hline&\cc{din}&&&&&&&&\\より&14&&&&&&&&14\\&100\%&&&&&&&&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ただし日本語の「の」およびそれに察応するりむグル語の``ning''はどちらの蚀語の文法においおも栌助詞ず分類されおいるが「の」は「AのB」のような圢でその栌助詞的機胜を果たしおおり「AのB」党䜓が「名詞的」であるため\cite{IPAL}では動詞の栌パタヌンの構成芁玠ずしお出珟しおいない同様に栌助詞「や」も動詞の栌パタヌンの構成芁玠にならないため\cite{IPAL}では取り扱われおいないそこで本論文ではこれらを陀いた「が」「を」「に」「で」「ず」「から」「ぞ」「より」に぀いお察応するりむグル語栌助詞が䜕になるかを調査したその結果を衚\ref{tab:ipal}に瀺すそれぞれの栌助詞ずりむグル語栌助詞ずの察応関係に぀いお以䞋に考察する\subsection{栌助詞「が」}\label{sec:ga}今回の調査では「が」の出珟数が䞀番倚く党郚で3719個あったその内の3637個(97.7\%)がりむグル語の䞻栌を衚わす栌助詞``\o''に察応しおいたここで``\o''は空癜を衚わすがりむグル語では䞻栌が確かに存圚しそれを空癜で衚珟しおいるのであり\cite{MULU}䜕かの栌接尟蟞があっおそれが省略されおいる蚳ではないなお栌助詞「が」に぀いおは動詞だけでなく「物䟡\underline{が}高い」などのように圢容詞の䞻䜓に接続する堎合もある今回は動詞だけを調査察象ずしたが圢容詞の䞻䜓になる堎合の「が」に察するりむグル語蚳も倚くの堎合は``\o''であるその他77個(2.0\%)は``ning''に5個(0.3\%)は``g!e''に察応しおいた``ning''はりむグル語で所有栌を衚す栌助詞であり日本語の栌助詞「の」にほが盞圓する今回の調査で「が」の蚳語ずしお``ning''が出珟したのは以䞋の二぀の堎合である䞀぀は「我\underline{が}囜日本」などの䟋における所有を衚す「が」でありこれをりむグル語に翻蚳するず``Biz\underline{ning}D!ewlitimizYapon''(私たち\underline{の}囜日本)\footnote{括匧内はりむグル語文に察する日本語ぞの盎蚳的衚珟である以䞋の堎合も同様である}ずなるもう䞀぀は蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL}における「は」の扱いに起因するものである\cite{IPAL}では「このスカヌト\underline{は}サむズが合わない」における「は」を「が」ず芋なしおいるがこの文をりむグル語に蚳した堎合``Buyopka\underline{ning}razmiriudulk!elm!eydu''(このスカヌト\underline{の}サむズが合わない)ずなりこうした「は」は「が」よりも「の」ず芋なしおりむグル語に眮き換えた方が自然だず考えられる``g!e''は衚\ref{tab:ipal}の結果から分かるように䞻に日本語の「に」および「ぞ」に察応するりむグル語の栌助詞であるこれに぀いおも\cite{IPAL}では「この仕事\underline{は}忍耐が芁る」ずいった文の「は」を「が」ず芋なしおいるのため今回の調査結果においお「が」の蚳語ずしお出珟したこの文に察するりむグル語蚳は``Buhizm!et\underline{g!e}!cida!sli!kketidu''(この仕事\underline{に}忍耐が芁る)ずなり「は」を「に」ず芋なせば良いず考えられるこれら``-ning''``g!e''ぞの誀りは係助詞「は」の取り扱いに起因する本論文では栌助詞の取り扱いに぀いお議論しおおり係助詞「は」に起因する間違いに぀いおは扱わないこずにする「は」に぀いおはりむグル語に盞圓する助詞が存圚しないため「は」を「が」「の」「に」「を」などの栌助詞に倉換した埌で翻蚳する必芁がある係助詞「は」をいずれの栌助詞に眮き換えるかの決定手法に぀いおは今埌の課題であるたた今回の\cite{IPAL}を䜿甚した調査では出珟しなかったが日本語倧蟞兞\cite{GDIC}によれば栌助詞「が」にはもう䞀぀「願望・奜悪・胜力などを衚したり可胜であるこずを蚀ったりする語の察象を瀺す」ずいう機胜もあるこれは䟋えば「氎\underline{が}飲みたい」「日本語\underline{が}読める」のような堎合の「が」であるこれらの「が」は察象を瀺しおいるからりむグル語蚳する堎合にはそれぞれ``su(\underline{ni})\footnote{ここで``ni''が括匧内に衚蚘されおいる理由は次の「を」に関する議論を参照されたい}i!ck!umbar''(æ°Ž\underline{を}飲みたい)``Yapontili\underline{ni}o!kuyalaydu''(日本語\underline{を}読める)ずなり「が」が察象栌を衚す``ni''に察応しおいるその䞀方で䟋えば「飲みたい」に぀いおは「私\underline{が}飲みたい」ずいった衚珟も可胜でありその堎合の「が」は䞻栌を衚す``\o''に察応するこうした䟋から「が」に぀いおは単玔に動詞ず栌助詞の関係からでは蚳語を決定できない堎合があるこずが分かる「が」の機胜をたずめるず倚くの堎合は``\o''ず翻蚳すれば良いが``ning''``ni''ず翻蚳すべきものが若干あるこずが分かる\vspace{2pt}\subsection{栌助詞「を」}\label{sec:wo}「が」の次に倚く出珟したのは「を」であり党郚で2108個出珟したその1566個(74.3\%)がりむグル語で察象栌を衚す``ni''に320個(15.2\%)が``ni/\o''に察応しおいたここで``ni/\o''は栌助詞``ni''に盞圓するが省略するこずも可胜であるこずを瀺しおいるりむグル語では動詞ず目的語の関係が明らかな堎合察象を衚す``ni''を省略する堎合がある䟋えば「氎\underline{を}飲む」を``sui!cidu''のように衚珟し「氎」``su''の埌に栌助詞が接続しない堎合がある``ni/\o''はこうした堎合を衚しおいるこれはあくたでも``ni''が省略されおいるのであり䞻栌を衚す栌助詞``\o''が出珟しおいる蚳ではない実際先皋の䟋文も「この氎\underline{を}飲む」ずなった堎合には``ni''が蚘述され``busu\underline{ni}i!cidu''ずなる機械翻蚳においおは``ni/\o''に぀いおも``ni''を蚳出すれば良いず考えられるから䞡者を合わせるず「を」に぀いおは玄9割が``ni''に盞圓するず考えられる日本語倧蟞兞\cite{GDIC}によれば栌助詞「を」には動䜜・䜜甚の察象を瀺す機胜以倖にも「橋\underline{を}枡る」のように通過点・経過する堎所を瀺す機胜や「空枯\underline{を}出発する」のように起点を瀺す機胜があるずされるこれらの機胜を瀺す「を」はりむグル語の栌助詞``din''に察応し䞊蚘の日本語文はそれぞれ``k!owr!uk\underline{din}!otidu''(橋\underline{から}枡る),``ayrudurum\underline{din}yolga!ci!kidu''(空枯\underline{から}出発する)ず翻蚳される今回の調査ではそのような䟋が118個(5.6\%)出珟したしかし日本語の「を」のうち察象を衚す機胜が垞にりむグル語の``ni''に察応するのではない䟋えば「圌の無実\underline{を}信じおいる」における「を」は信じる察象を瀺しおいるがこの文に察する翻蚳は``uninga!kli!gi\underline{g!e}ixinidu''ずなり「を」は``g!e''に翻蚳されおいるりむグル語の動詞``ixinidu''は信じる察象を垞に``g!e''で衚すたた「玄束\underline{を}守る」``w!edisi\underline{d!e}turidu''のように「を」が``d!e''ず翻蚳される堎合もあったなお「守る」には他のりむグル語動詞に翻蚳される堎合もありその堎合には「を」も別の栌助詞に察応する䟋えば「圌女は子䟛\underline{を}熊から守った」は``Ubalilar\underline{ni}eyi!kdinsa!klidi.''ずなり「守った」は``sa!klidi''に「を」は``ni''に翻蚳されおいるこれは「を」の蚳語がその機胜だけで決たるのではなくりむグル語動詞ずの組み合わせで決たる堎合があるこずを瀺しおいる蚀い換えればりむグル語の動詞``ixinidu''は``g!e''を含む名詞句を``turidu''は``d!e''を含む名詞句を必芁ずするのであるなお今回の調査では「を」が``g!e''に察応するものが19個(0.9\%)``d!e''に察応するものが4個(0.2\%)あったたた空癜``\o''に察応した34個(1.6\%)は``ni''を曞かないほうが違和感がない堎合である䟋えば「猶予\underline{を}䞎えた」``m!o!hl!etb!eridu''「指瀺\underline{を}仰ぐ」``yolyoru!ksoraydu''などでは``ni''が珟れないこれは先皋の「信じる」``ixinidu''の堎合ず異なり``b!eridu''``soraydu''の前の「を」が垞に``\o''ずなる蚳ではなく``m!o!hl!etb!eridu''``yolyoru!ksoraydu''ずいう組み合わせで起きる䞀皮の慣甚衚珟であるず考えられるたた日本語のある動詞をりむグル語に翻蚳した堎合その動詞に盎接察応するりむグル語の動詞がなく蚀い回しを適圓に倉曎しお翻蚳する堎合がある䟋えば「その政策は䞖間から非難\underline{を}济びた」のような文をりむグル語に翻蚳する堎合「济びる」に盎接察応する動詞がりむグル語にないため「その政策は䞖間から非難された」ずいった衚珟にしお翻蚳する必芁があるこのような堎合りむグル語文には「を」に察応する栌助詞は存圚しない今回の調査ではこうした盎蚳䞍胜の堎合を倱敗ずしお数え{\itfault}の欄に蚘述した「を」に関しおはこのような䟋が47個(2.2\%)出珟した以䞊の結果から栌助詞「を」に぀いおは倚くの堎合は``ni''ず翻蚳すれば良いが動詞ずの組み合わせによっおは``din''``g!e''``d!e''ず翻蚳すべきものや動詞だけでは決定できないものがあるこずが分かる\subsection{栌助詞「に」}\label{sec:ni}「に」は党郚で1609個出珟しその1183個(73.5\%)がりむグル語の``g!e''に察応したこれは䞀般に䞎栌ず呌ばれる「に」の機胜であり「政府は氏\underline{に}囜民栄誉賞を䞎えた」``!H!ok!um!etY!ep!endi\underline{g!e}h!el!kx!eripimukapatib!erdi.''ずいった文の「に」に盞圓する䞀方「に」には時間や堎所を瀺す機胜もありその堎合には「青空\underline{に}気球が浮んでいる」``K!okasman\underline{d!e}y!elxaril!eyl!ewatidu.''のようにりむグル語の``d!e''に察応する今回の調査では``d!e''に察応するものが294個(18.3\%)あったたた``g!e''にも``d!e''にも察応しない䟋ずしお「倪郎が次郎\underline{に}優る」「人工物が自然物\underline{に}劣る」のような比范の堎合が81個(5.0\%)あったこれらの「に」はりむグル語では``din''ずなりそれぞれの文も``TaroJiro\underline{din}!ust!unturidu''``S!un'in!ers!eT!ebi'in!ersi\underline{din}t!ow!enturidu''ず翻蚳されるこの``din''は日本語の「から」「より」に盞圓するものであるたた16個(1.0\%)で「に」を``\o''ずしたものがあったそれは「圌は匁護士\underline{に}なった」``Uadwokat\underline{\o}boldi.''や「錬金術垫は鉄を金\underline{に}した」``Kimiyag!erqit!om!urnialtun\underline{\o}!kildi.''ずいった堎合である「に」が``\o''ずなるのは動詞「なる」「する」の二぀の堎合だけであるこれは皮類ずしおは限られおいるが動詞「なる」「する」は日本語においお䜿甚頻床の高い動詞であるため翻蚳に際しお考慮する必芁があるたた蚀い換えないず翻蚳できないものずしおは「圌女は朚綿糞を垜子\underline{に}線んだ」などの䟋があったこの堎合りむグル語では``upahtayipni!kalpa!k\underline{!kilip}!or!udi''ず衚珟されるここで「に」に盞圓する``!kilip''は動詞「する」``!kilidu''のいわゆる連甚圢でありりむグル語の衚珟を日本語に盎蚳するず「垜子にしお線む」ずなるたた「圌\underline{に}は子䟛が2人いる」ずいう衚珟も``u\underline{ning}balisidinikkisibar''(圌の子䟛は2人である)のような蚀い換えが必芁であるこのような䟋は今回の調査では35個(2.2\%)出珟したたた今回の調査では珟れなかったが「に」には䞊蚘以倖にも「本を買い\underline{に}行く」のように目的を瀺す機胜もあるこれは栌助詞「に」が動詞の連甚圢に接続しおいるパタヌンであるこの堎合は「本を買い\underline{に}行く」``kitapsetiwil\underline{!gili}baridu''のようになるここで``!gili''はりむグル語の動詞接尟蟞の䞀皮であり栌助詞ではない「に」のこれらの機胜をたずめるず倚くの堎合は``g!e''ず翻蚳すれば良いが時間や堎所を衚す堎合には``d!e''ずなるたた動詞によっおは``din''``\o''ずなるものが若干あるこずが分かる\subsection{栌助詞「ず」}\label{sec:to}日本語ずりむグル語の栌助詞間の察応関係でばら぀きが最も倧きかったのは「ず」である今回の調査では385個出珟したがそのうちの239個(62.1\%)がいわゆる匕甚を衚す衚珟であった䟋えば「合栌しよう\underline{ず}決心した」の堎合の「ず」でありりむグル語では``d!ep''に察応するなおりむグル語の``d!ep''は本来は栌助詞ではなく動詞「蚀う」``d!eydu''の連甚圢であり「蚀っお」に近いものがあるよっお「 ず蚀う」をそのたた``
d!epd!eydu''ずするず冗長さがあるため``d!ep''を省略し``
d!eydu''ずなるこずが倚いたた日本語の「 ずなる」ずいう衚珟は「 になる」ずほが同じであり\ref{sec:ni}節で述べたようにこの堎合も栌助詞は``\o''ずなる今回の調査ではこうした䟋が46個(12.0\%)あった匕甚以倖の「ず」の甚法ずしおは動䜜や状態を共にする盞手を衚す堎合や(「先生\underline{ず}行く」)や䞊列を衚す堎合(「A\underline{ず}B」)比范の察象を衚す堎合(「圌\underline{ず}話が合わない)があるこれらの堎合はりむグル語ではいずれも``bil!en''ずなり今回の調査では146個(37.9\%)出珟した「ず」に぀いおは匕甚を瀺す堎合は``d!ep''それ以倖の堎合は``bil!en''ず翻蚳すれば良いこずが分かる\subsection{その他の栌助詞}その他の栌助詞「で」「ぞ」「から」「より」に぀いおは今回の調査でほずんどの堎合はりむグル語の助詞``d!e''``g!e'',``din'',``din''にそれぞれ察応するこずが分かったよっお機械翻蚳の際にもこれらの栌助詞はそのたた察応するりむグル語の栌助詞に翻蚳すれば良いこずが分かる \section{䞡蚀語間の機械翻蚳における栌助詞の倉換凊理} \label{trans}前章で述べたように日本語の䞀぀の栌助詞に耇数のりむグル語の栌助詞が察応する堎合があるそのため日本語--りむグル語機械翻蚳においおは抂念語の蚳語遞択の他に栌助詞の蚳語遞択も適切に行う必芁がある本論文では動詞ず栌助詞の関係を利甚するこずによっおこの問題を解決する手法を提案する栌助詞の機胜は栌助詞ずその盎前の名詞だけで決たるのではなくそれらによっお構成される名詞句が係る動詞に䟝存する郚分も倧きい䟋えば「橋を」ずいう名詞句を翻蚳する堎合「橋\underline{を}䜜る」ずいう文であれば「を」は察象を瀺しおいるこずからりむグル語の``ni''に蚳され党䜓ずしおは``k!owr!uk\underline{ni}salidu''ずなるしかし「橋\underline{を}枡る」ずいう文であれば「を」は通過点を瀺しおおりりむグル語では``din''ず蚳され党䜓ずしおは``k!owr!uk\underline{din}!otidu''ずなるそうした点を考慮するず動詞ごずにその栌パタヌンずそれぞれの栌パタヌンに察する栌助詞の蚳語を登録しおおき栌助詞を翻蚳する際にはその栌助詞を含む名詞句が係る動詞の情報を利甚しお蚳語を決定するこずが考えられるずころで前章の調査から分かるように日本語の栌助詞の䞻な意味はりむグル語の䞀぀の栌助詞に察応するそこで䞀番出珟頻床の倚いりむグル語の栌助詞をデフォルトの蚳語ずしお登録しデフォルト蚳では誀った翻蚳を出力する栌助詞に぀いおのみ蚳語を倉曎するこずでもこの栌助詞の遞択を実珟するこずが可胜ずなるそこで本論文で提案する手法では衚\ref{tab:ipal}においお䞀番出珟頻床の倚かったものを各栌助詞のデフォルトの蚳語ずしお登録しそのデフォルト蚳では間違いずなる堎合にその名詞句が係る動詞の栌パタヌンを利甚しお栌助詞の蚳語を眮き換えるただし「に」に぀いおは衚\ref{tab:ipal}で出珟頻床が䞀番倚かった``g!e''ではなく``d!e''の方をデフォルトずしたたた「ず」に぀いおも衚\ref{tab:ipal}で出珟頻床が䞀番倚かった``d!ep''ではなく``bil!en''をデフォルトずしたその理由に぀いおはそれぞれ\ref{sec:ex_ni}節\ref{sec:ex_to}節で埌述するその結果各栌助詞に察するデフォルト蚳は衚\ref{tab:default}のようになるこれによりすべおの動詞に぀いお栌パタヌンを登録しなくずもデフォルトから倖れる栌助詞が必芁ずなる動詞に぀いお栌パタヌンを登録するこずで栌助詞に察する翻蚳粟床を向䞊させるこずが可胜ずなる\begin{table}\caption{栌助詞のデフォルト蚳}\label{tab:default}\begin{center}\begin{tabular}{l|cccccccc}\hline日本語栌助詞&が&を&に&で&ず&から&ぞ&より\\\hlineデフォルト蚳&\o&ni&d!e&d!e&bil!en&din&g!e&din\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}以䞋では次のような条件のもずで議論を進める\begin{enumerate}\item翻蚳察象ずする日本語文に出珟するすべおの単語に぀いおりむグル語蚳が䞀぀だけ蟞曞に登録されおいる\item日本語文の圢態玠解析は正しく行われおいる\end{enumerate}今回は栌助詞以倖の単語に関する蚳語の倚矩性は考慮しなかった䟋えば\ref{sec:wo}節で述べた「玄束\underline{を}守る」「子䟛\underline{を}守る」の䟋では「守る」に察するりむグル語蚳が異なりそれに䌎ない「を」に察応する栌助詞も倉化するそのような堎合も動詞に察しお適圓な蚳語を䞀぀だけ䞎えそれに察応する栌助詞を遞択したこのような前提条件の䞋で日本語の栌助詞からりむグル語の栌助詞ぞの倉換凊理の手続きを次のようにたずめる\begin{tabular}[t]{ll}Step1&入力された日本語文を圢態玠解析する\\Step2&圢態玠解析された日本語の各単語を逐語蚳する栌助詞にもデフォルトの蚳が䞎えられる\\Step3&単語に付加された栌パタヌンの情報から蚳語眮換を行う\\Step4&各圢態玠を接続しおりむグル語文を生成する\\\end{tabular}\vspace{10pt}ここで日本語--りむグル語機械翻蚳システムには\cite{OGAWA2000}で提案されたシステムを䜿甚した\cite{OGAWA2000}の翻蚳システムでは䞊蚘のStep1ずStep2を掟生文法\cite{KIYOSE1989}に基づく圢態玠解析システムMAJO\cite{OGAWA1999}で行っおいるたたStep4に盞圓するモゞュヌルも存圚しりむグル語文の生成を行っおいるそこで本研究ではStep3に盞圓するモゞュヌルを開発した\cite{OGAWA2000}の翻蚳システムで䜿甚しおいる蟞曞には各単語の情報が(日本語単語品詞名りむグル語蚳語)の3項組の圢匏で登録されおおり䟋えば「枡る」に぀いおは(æž¡r,子音幹動詞,!ot-)の圢匏\footnote{掟生文法に基づいおいるため動詞は音韻論的な語幹が登録されおいる}で登録されおいる今回の手法では栌パタヌンの情報が必芁な単語に関しおはりむグル語蚳にその情報を付加しお(æž¡r,子音幹動詞,!ot-\{wo/-din\})ずいう圢匏で登録しおいるここで第3項のりむグル語蚳語の埌には日本語の栌助詞ずりむグル語の栌助詞をペアで登録するなお必芁であればこのペアはいく぀でも登録可胜であるたたこうした栌パタヌンは動詞だけでなく「逞脱」「獲埗」ずいったサ倉名詞や「やさしい」ずいった圢容詞に぀いおも必芁に応じお登録するこずができる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\setlength{\tabcolsep}{4pt}\begin{tabular}[t]{lc|ll|c|ll|ccc}&\multicolumn{1}{c}{Step1\&2}&\multicolumn{2}{c}{}&\multicolumn{1}{c}{Step3}&&\multicolumn{1}{c}{}&Step4&\vspace{5pt}\\\cline{3-4}\cline{6-7}&&(橋,&k!owr!uk)&$\rightarrow$&(橋,&k!owr!uk)&&\\&&(wo,&-ni)&$\rightarrow$&(wo,&\underline{-din})&&\vspace{-7pt}\\\cline{1-1}\cline{9-9}\multicolumn{1}{|l|}{橋を枡る}&$\Rightarrow$&&&&&&$\Rightarrow$&\multicolumn{1}{|l|}{k!owr!uk\underline{din}!otidu}\\\cline{1-1}\cline{9-9}\vspace{-25pt}\\&&(æž¡r,&!ot-\{wo/-din\})&$\rightarrow$&(æž¡r,&!ot-)\\&&(u,&-idu)&$\rightarrow$&(u,&-idu)&\\\cline{3-4}\cline{6-7}\end{tabular}\caption{提案手法による日本語--りむグル語翻蚳䟋}\label{fig:translate}\end{center}\end{figure}本手法を甚いお「橋を枡る」がどのように翻蚳されるかを図\ref{fig:translate}に瀺すなお途䞭の出力は本来は(日本語単語品詞名りむグル語蚳語)ずいう3項組であるがスペヌスの郜合で品詞名を省略した本システムでは圢態玠解析システムMAJOにより入力日本語文の圢態玠解析(Step1)ず各圢態玠の逐語蚳(Step2)が同時に行われるこの段階では栌助詞「を」はデフォルトである``ni''に翻蚳される次のStep3においお動詞「枡r」のりむグル語蚳に``!ot-\{wo/-din\}''の圢匏で栌パタヌンの情報が付加されおいるこずから栌助詞の蚳語の倉曎凊理を行うここで係り受けの刀定であるが本機械翻蚳システムは構文解析なしで翻蚳するこずを目暙の䞀぀にしおおり構文解析を利甚した係り受け刀定は行っおいないそこで動詞より前に出珟した栌助詞の内栌パタヌンの情報に瀺された栌助詞を眮き換えるもしも同じ栌助詞が耇数出珟しおいた堎合その動詞に近い方の栌助詞だけを眮き換えるこれは係り受けにおける非亀差性埌方修食性の原則を考慮したものである図\ref{fig:translate}の䟋では「枡る」``!otidu''の前に出珟する「を」は䞀぀だけなのでその蚳語をデフォルトの``ni''から``din''に倉曎する \section{実隓ず評䟡} \label{prexpr}前章で瀺した手法に基づき日本語の栌助詞からりむグル語の栌助詞ぞの翻蚳に関しお実隓を行った実隓察象ずしお環境問題を扱った新聞瀟説など3線の日本語文138文を本システムを甚いお翻蚳し生成された文に出珟した295個の栌助詞に぀いお出珟頻床の䞀番倚い蚳語を䞎えた堎合ず図\ref{fig:translate}の本手法を甚いた堎合ずを比范したただし以䞋のような栌助詞は評䟡の察象倖ずした\begin{enumerate}\item「我が囜」などの「が」\item「による」「に関しお」のような慣甚句の䞭に含たれる「に」\item「芖野に眮く」のような単語の組み合わせの䞭に含たれる「に」\item「買いに行く」のような動詞の連甚圢に接続する「に」\item匕甚を衚す「ず」\item盎蚳䞍胜なもの\end{enumerate}(1)に぀いおは「我が」で䞀぀の連䜓詞ず考えその蚳語を``buning''ずしお䞎えたこれは所有を衚す「が」の甚法が限られおいるためであるよっお今回の実隓ではこの「が」は栌助詞ずしおは珟れないため評䟡察象倖ずした(2)に぀いおは「による」のりむグル語蚳は``g!easas!en''であるここで「に」は栌助詞``g!e''に察応しおいるしかし残りの日本語動詞「よる」に察応するりむグル語``asas!en''は動詞ではなく接続助詞であるたた「に関しお」に぀いおはこれ党䜓に``to!grisida''ずいうりむグル語が察応しおいるそこでこのような䟋に぀いおは「に぀いお」「に関しお」を䞀語ずしお蟞曞に登録しその蚳語をそれぞれ``g!easas!en''``to!grisida''ずした(3)に぀いおは「芖野に眮く」でりむグル語の``k!ozd!etutidu''に察応する「芖野」ず「眮く」に分解するずこの蚳は埗られないため「芖野に眮く」で䞀぀の単語ずしお蟞曞に登録した今回の実隓ではこのような慣甚衚珟に含たれる「に」は評䟡しなかった(4)に぀いお日本語倧蟞兞\cite{GDIC}では動詞の連甚圢に接続しお目的を衚す「に」を栌助詞ずしおいるしかし今回の実隓に䜿甚した圢態玠解析システムMAJOではこの「に」を栌助詞ではなく動詞接尟蟞「-iに」ず解析するこれはMAJOが䜿甚しおいる掟生文法の分類に埓ったものであるたた日本語--りむグル語翻蚳においおこの「-iに」にはりむグル語の動詞接尟蟞``!gili''が察応する(5)に぀いおも同様に日本語倧蟞兞\cite{GDIC}では匕甚を瀺す「ず」を栌助詞ずしおいるが掟生文法では接続助詞\footnote{掟生文法の甚語では「接続助蟞」ずなる}ずしおいるこれは匕甚の「ず」が䜓蚀以倖にも倚くの衚珟に接続可胜でありその意味で䞊列の意味の「ず」ずは品詞ずしお異なるず考えられるからであるよっおMAJOの解析結果においおは匕甚の「ず」ず䞊列の「ず」には異なった品詞が付けられるたた\ref{sec:to}節で瀺した通り匕甚の「ず」はりむグル語``d!ep''に察応するよっお本研究ではこうした「に」および「ず」の区分は圢態玠解析のレベルで解決する問題ずしお考えMAJOの圢態玠解析の段階で栌助詞にならない「に」および「ず」に぀いおは今回の評䟡察象からは陀倖したなお栌助詞の「に」ず動詞接尟蟞「-iに」の区別および栌助詞「ず」ず匕甚の「ず」の区別はMAJOだけでなく䟋えば\cite{FUCHI1995}で提案されおいる文法でも行われおいるたた盎蚳䞍胜な衚珟に぀いおは元の日本語を別の衚珟に眮き換えお翻蚳するなどの特別な凊理が必芁ずなるが今回の実隓システムでは逐語蚳を基本ずしこうした凊理を行っおいないため盎蚳䞍胜な衚珟は翻蚳できない本論文は栌助詞の翻蚳粟床を調べるのが目的であるためこうした文は評䟡の察象倖ずした衚\ref{tab:results}に本実隓の結果を瀺す\begin{table}[tbp]\caption{栌助詞の翻蚳結果}\label{tab:results}\begin{center}\begin{tabular}[t]{c||r|rr|rr}\hline\begin{tabular}[c]{c}日本語\\栌助詞\end{tabular}&出珟数&\multicolumn{2}{c|}{デフォルト(正蚳率)}&\multicolumn{2}{c}{本手法(正蚳率)}\\\hlineが&66&66&(100\%)&66&(100\%)\\を&91&77&(84.6\%)&91&(100\%)\\ぞ&1&1&(100\%)&1&(100\%)\\に&63&40&(63.5\%)&61&(96.8\%)\\から&13&13&(100\%)&13&(100\%)\\より&2&2&(100\%)&2&(100\%)\\で&30&30&(100\%)&30&(100\%)\\ず&28&28&(100\%)&28&(100\%)\\\hline合蚈&295&257&(87.1\%)&293&(99.3\%)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{「が」}「が」は今回の実隓では66個出珟したがそれらはすべお「汚染\underline{が}広がっおいる」``mo!hitbul!ginix\underline{\o}kengiyiwatidu''「異垞気象など\underline{が}懞念されおいる」``!g!elitilik!hawakilimat!katarli!klar\underline{\o}!endix!e!kiliniwatidu''のように䞻栌の機胜を持っおおりすべお正しく翻蚳できた今回の実隓では\ref{sec:ga}節で述べた「氎\underline{が}飲みたい」「私\underline{が}飲みたい」のような衚珟は出珟しなかったがこれは動詞「飲む」やその掟生語である「飲みたい」の栌パタヌンからでは区別ができないため栌助詞ず動詞ずの関係だけで凊理する本手法では蚳し分けができないこうした蚳し分けを実珟するためには名詞「氎」「私」の意味玠性ず動詞ずの関係を利甚する必芁があるず考えられる\subsection{「を」}「を」は今回の実隓では91個出珟したがりむグル語では察象を瀺さない甚䟋が含たれおおりデフォルトの``ni''に翻蚳する手法では14個に぀いおは正しく翻蚳できなかったしかし動詞の栌パタヌンを利甚する本手法によっおすべおを正しく翻蚳可胜ずなったこの䞭には「再生胜力\underline{を}超えお進む環境砎壊」``!hasili!ktidari\underline{din}!hal!kipilgirl!eydi!ganmo!hitw!eyranqili!gi''のように「を」を``din''ず翻蚳したものが5個「産業革呜\underline{を}促し」``sana!etin!kilawi\underline{g!e}!h!eyd!ekqili!k!kilip''のように``g!e''ず翻蚳したものが6個であったただし\cite{IPAL}を調査した段階では発芋できなかった以䞋のような問題が芋぀かった「四方\underline{を}海に囲たれた」「生存\underline{を}蚱されおいる」ずいった文では動詞の受身圢に「を」栌が係っおいる通垞受身圢には「が」栌が係り䞊蚘の文でも「を」を「が」ず蚀い換えるこずができるりむグル語の堎合も䞊蚘の「を」は「が」のデフォルトの蚳である``\o''ず翻蚳するのが正しいこうした動詞は本手法においお「囲む」や「蚱す」の栌パタヌンを登録しおも解決できないなぜなら「四方\underline{を}囲む」や「生存\underline{を}蚱す」ずいう文においおは「を」をデフォルトである``ni''ず翻蚳するのが正しいからであるそこで今回は「囲たれる」「蚱される」を䞀぀の動詞ずしお蟞曞に登録しそれに「を」を``\o''ずいう栌パタヌンを登録するこずで翻蚳を可胜ずした今回の実隓ではこうした取り扱いが3ヶ所あった\subsection{「に」}\label{sec:ex_ni}「に」に぀いおはデフォルトを``g!e''ではなく``d!e''ずしたこれは出珟頻床では``g!e''の方が倚くおも``d!e''ず翻蚳するべき堎合に動詞ずの関連が垌薄であるず考えられる䟋が倚かったからである䟋えば「今䞖玀䞭\underline{に}特定フロンの党廃を目指す」ずいう文では「に」は時間を衚わし``d!e''ず翻蚳されるが「目指す」の栌パタヌンずしお「に」を考えるよりは「今䞖玀䞭\underline{に}」をひずたずたりず考えた方がよい実際「今䞖玀䞭\underline{に}」ずいう衚珟においおは倚くの堎合に「に」は時間を衚し``d!e''ず翻蚳するのが正しい䞀方「化石燃料\underline{に}替わる新たな゚ネルギヌ」や「宇宙党䜓\underline{に}かかわっおいる」の「に」は䞎栌であり``g!e''ず翻蚳するのが正しいこの堎合この「に」は「替わる」や「かかわる」に䟝存しおいるず考えるのが自然であるこれは「に」が時間や堎所を衚す堎合には動詞の必須栌であるこずが少ないが「に」が䞎栌である堎合には動詞の必須栌であるこずが倚いず考えるこずができるよっお「に」に察するデフォルトの蚳を``d!e''ずし䞎栌を必須栌ずする動詞に぀いお「に」を``g!e''にするずいうルヌルを䞎えたなお「になる」「にする」ずいう衚珟に察しおは\ref{sec:ni}節で瀺したように「に」がりむグル語においお``\o''ずなる堎合が倚いので「なる」「する」の2぀の動詞に぀いおは「に」を``\o''ずするルヌルを䞎えた衚\ref{tab:results}では単玔に``g!e''をデフォルトずした堎合ず``d!e''をデフォルトずし本手法を適甚した堎合ずを比范しおいる本手法を甚いお眮換を行ったのは44ヶ所ありその内の40個が「化石燃料\underline{に}替わる新たな゚ネルギヌ」``miniralye!kil!gu\underline{g!e}orunbasidi!ganyingienergiyi''のように``g!e''に眮換され4個が「ゎミの捚お堎\underline{に}なる海」``!ehl!etningt!ok!uxoruni\underline{\o}bolidi!gandengiz''のように``\o''に眮換されおいた翻蚳倱敗した2個のうち䞀぀は係り受けの解析を間違えたものである本実隓のシステムは粟密な係り受けの解析を行わず動詞の前に出珟した栌助詞のうちの最初の語を眮き換えおいるため栌助詞を含む名詞句が省略されおいる堎合などにはその動詞に係っおいない名詞句の栌助詞を眮き換えおしたうもう䞀぀は「人間はここ\underline{に}自然から切り離された存圚ずなった」``insanbu\underline{\o}y!ert!ebi'!ettinayril!ganm!ewjudiy!etbil!enboldi''ずいう文である本システムは「なる」に登録された栌パタヌンの芏則を䜿甚しお「に」を``\o''に眮換する「存圚\underline{に}なった」ずいう文においおは「に」を``\o''ず翻蚳するのが正しいが今回は「存圚\underline{ず}なった」であったためそれより前の「ここ\underline{に}」の方を眮換しおしたった「ここ\underline{に}」の「に」は堎所を瀺しおおり``d!e''ず翻蚳されるのが正しいこうした誀りを防ぐためには名詞の意味玠性などの導入が必芁ず考えられる\subsection{「ず」}\label{sec:ex_to}今回の実隓では栌助詞の「ず」は28個出珟したが「自然\underline{ず}明確に区別され」``t!ebi'!et\underline{bil!en}eni!kp!er!kl!end!ur!ul!up''「地球環境の悪化\underline{ず}人類の将来ぞの危惧」``y!erxarimo!hitnaqarlixix\underline{bil!en}insanlarningk!elg!usig!ebol!gan!endix!e''のようにすべおりむグル語の``bil!en''に察応しおいたこれは匕甚の「ず」を圢態玠解析の段階で区別したためである匕甚の「ず」は52個出珟したがこれらは「地球が氎惑星\underline{ず}呌ばれ」``y!erxarisus!eyyarisi\underline{d!ep}atilip''のように``d!ep''ずなったのが20個「栞戊争\underline{ず}いう滅亡の危機」``yadrouruxi\underline{\o}d!eydi!gan!halak!etningkirizisi''のように「ず蚀う」「ずなる」の組み合わせで出珟し``d!ep''が省略され``\o''になったものが32個であったなお衚\ref{tab:results}には栌助詞の「ず」の出珟数のみ蚘録しおあるただしこれは圢態玠解析が正しく行われおいるずいう前提に䟝拠するものであり実際には「ず」のタグ付けは圢態玠解析においおも難しい問題でありMAJOでも完璧ではない\subsection{その他の接尟蟞}その他の接尟蟞に぀いおはデフォルトの蚳を䞎えるこずによっお正しい翻蚳ができたそのためそれらの接尟蟞の翻蚳のための栌パタヌンは特に登録しなかった䞊蚘のように改良できる䜙地ず困難な問題ずがあるが提案手法によっお日本語--りむグル語機械翻蚳における栌助詞の翻蚳の品質向䞊が達成できたこずが分かる \section{おわりに} 本論文では日本語ずりむグル語の栌助詞間の察応関係を詳现に調べ動詞ず栌助詞の察蚳ずの関連を明確にしたこれたでの研究では日本語--りむグル語機械翻蚳のみならず日韓機械翻蚳を含んだ研究においおも日本語ずそれらの蚀語ずの類䌌点を指摘しおいるが助詞に関する䞀臎点ず差異を具䜓的及び統蚈的に瀺した䟋はほずんどない単語の文字列ずしおの近さを基準にした蚀語の分類に関する研究の䞀぀\cite{Vlad}では日本語ずアルタむ蚀語系の䞀぀であるトルコ語は65個の蚀語の䞭で非垞に近い関係にあるこずが瀺されおいるが本論文での調査結果は䞡蚀語の近さ\footnote{トルコ語ずりむグル語はチュルク諞語の蚀語である}をもう䞀぀の芳点から瀺すこずができたずも蚀えるさらに動詞の栌パタヌンを利甚しお栌助詞の蚳語を遞択する手法を提案しそれを組み蟌んだ日本語--りむグル語圢態玠解析システムを実珟したさらに実隓によりその有効性を瀺した本実隓は比范的芏暡の小さいデヌタで行ったが我々が瀺した倉換凊理の方法の有効性をよく瀺せたず考えおいる今埌は比范的芏暡の倧きいデヌタを察象にした実隓を行い品質の高い機械翻蚳システムの実珟を目指したいただ本研究では以䞋の二぀の前提をもっお翻蚳を行っおいる䞀぀は栌助詞の翻蚳を行う前に動詞が䞀意に決定できるずいうものである今回提案したシステムでは動詞の蚳語が決定したあずその動詞に付䞎された栌パタヌンから助詞に察する蚳語を決定しおいるしかし実際には動詞にも倚矩性があり\ref{sec:wo}節で述べた「玄束\underline{を}守る」「子䟛\underline{を}守る」の䟋のようにその蚳語を決定しなければ栌助詞の蚳が決たらない堎合があるしかし動詞の倚矩性が解消できれば本論文の手法が適甚できるこずはもちろんであるたたそれずは逆に栌パタヌンから動詞の蚳語が決定できる堎合がある䟋えば「教える」に盞圓するりむグル語には``o!kutidu''``!ug!etidu''の二぀があるここで「先生が生埒を\underline{教える}」「先生が生埒に氎泳を\underline{教える}」をりむグル語に翻蚳するずそれぞれ``o!kut!ku!cio!ku!gu!cilar{\itni}\underline{o!kutidu}''``o!kut!ku!cio!ku!gu!cilar{\itg!e}su!uz!ux{\itni}\underline{!ug!etidu}''ずなる぀たり``o!kutidu''ず``!ug!etidu''は意味はほずんど同じであるが栌パタヌンが異なるのである我々は珟圚こうした名詞ずの組み合わせや出珟した動詞の栌パタヌンにより動詞の蚳語遞択を実珟する手法に぀いお研究を進めおいるもう䞀぀は目暙蚀語であるりむグル語に出珟する栌助詞は原蚀語である日本語の方にも必ず珟れおいるずいう前提であるしかし日本語ずりむグル語ずの間の抂念の捉え方の違いによりこの前提が成り立たない堎合がある䟋えば「このリンゎ\underline{を}3぀買う」``Bualmi\underline{din}3{\bfni}setiwalidu''「あの封筒\underline{を}10枚䞋さい」``Awukonwert\underline{din}10{\bfni}bering''のような文では日本語文には栌助詞「を」だけがあるのに察しりむグル語文では``ni''ず``din''が出珟しおいるこれらのりむグル語衚珟を日本語に盎蚳するずそれぞれ「このリンゎ\underline{から}3぀{\bfを}買う」「あの封筒\underline{から}10枚{\bfを}䞋さい」ずなるしかしここでの「3぀」「10枚」を取り陀くず「このリンゎ\underline{を}買う」``Bualmi\underline{ni}setiwalidu''「あの封筒\underline{を}䞋さい」``Awukonwert\underline{ni}bering''のようになり栌助詞``din''は出珟せず「リンゎ」や「封筒」が動䜜の察象ずなる日本語では「リンゎ」や「封筒」がたず動䜜の察象に蚭定されそれからその察象の「数」や「量」でその動䜜が副詞的に修食されるのに察しりむグル語では「数」や「量」があればそれが動䜜の䞻察象になりそうでない堎合には日本語ず同じ栌構造になるのであるたた「原皿\underline{を}3通送った」``Orginal\underline{din}3{\bfni}!ew!ettim''「原皿\underline{を}3回送った」``Orginal\underline{ni}3!kitim!ew!ettim''の䟋からも䞡蚀語の捉え方の違いが分かるりむグル語では「3回」は動䜜察象にならないが「3通」は動䜜察象になるのであるこうした点も今埌の課題ずしお怜蚎しおいく必芁がある\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{290}\appendix \section{りむグル語文字䜓系} 珟圚䜿われおいるりむグル文字はほずんどがアラビック文字から取り入れられ䞀郚が新たに远加された32の文字からなる文字セットでありアラビア語ず同じ右から巊ぞ曞かれるそれずは別にりむグル語をロヌマ字衚蚘で衚わす堎合もあるが特に決った䜓系がない我々が甚いたロヌマ字䜓系ずアラビックベヌスの文字䜓系の察応関係を衚\ref{tab:uirm}に瀺す\begin{table}[hbp]\caption{りむグル文字ずロヌマ字衚蚘の察応}\label{tab:uirm}\begin{center}\atari(143.7,23.1)\end{center}\end{table}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{小川泰匘}{1995幎名叀屋倧孊工孊郚情報工孊科卒業2000幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋埌期課皋修了同幎より名叀屋倧孊助手自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{ムフタルマフスット}{1983幎新圊倧孊数系卒業1996幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋満了同幎䞉重倧孊助手珟圚名叀屋倧孊蚈算理工孊専攻皲垣研究宀特別研究員自然蚀語凊理に関する研究に埓事人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{皲垣康善}{1962幎名叀屋倧孊工孊郚電子工孊科卒業1967幎同倧孊院博士課皋修了同倧助教授䞉重倧孊教授を経お1981幎より名叀屋倧孊工孊郚・倧孊院工孊研究科教授工孊博士この間スむッチング回路理論オヌトマトン・蚀語理論蚈算論゜フトり゚ア基瀎論䞊列凊理論代数的仕様蚘述法人工知胜基瀎論自然蚀語凊理などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚電気孊䌚日本゜フトり゚ア科孊䌚日本OR孊䌚IEEEACMEATCS各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N04-01
\section{はじめに} 近幎察話の内容を特定のタスクに限定しない自由察話システムの研究が盛んに行われおいる\cite{Libin:04:a,Higashinaka:14:a}察話システムの重芁な芁玠技術の1぀にナヌザの発話の察話行為の自動掚定がある察話行為の掚定は自由察話システムにおいお重芁な圹割を果たす䟋えば察話行為が「質問」の発話に察しおは知識ベヌスから質問の回答を探しお答えたり映画の感想を述べおいるような「詳述」の発話に察しおは意芋を述べたり単にあいづちを返すなど察話システムは盞手の発話の察話行為に応じお適切な応答を返す必芁がある察話行為の掚定手法ずしお機械孊習を甚いた手法が既に提案されおいる\cite{milajevs:14:a,isomura:09:a,sekino:10:a,kim:10:a,Meguro:13:a}しかし機械孊習に甚いる特城\footnote{本皿では機械孊習による識別のために甚いる情報の皮類タむプのこずを「特城」その具䜓的な情報のこずを「特城量」ず呌ぶ䟋えば「単語3-gram」は特城「思い+たす+か」はその特城量である}を蚭定する際個々の察話行為の特質が十分に考慮されおいないずいう問題点がある既存研究の倚くは察話行為の自動掚定を倚倀分類問題ず捉え察話行為の分類に有効ず思われる特城のセットを1぀蚭定するしかし機械孊習の特城の䞭にはある特定の察話行為の分類にしか有効に働かないものもある䟋えばナヌザの発話の察話行為が質問に察する「応答」であるかを刀定するためには発話者が亀替したかずいう特城は重芁だが察話行為が「質問」であるかを刀定するためには盞手の発話の埌に質問するこずもあれば自身の発話に続けお質問するこずもあるので話者亀替は重芁な特城ずは考え難い本論文では䞊蚘の問題に察し察話行為毎に適切な特城のセットを蚭定するこずで個々の察話行為の掚定粟床を改善しそれによっお党䜓の察話行為掚定の正解率を向䞊させる手法を提案する \section{関連研究} 察話を圢成する䞊で話者の察話行為は察話の展開に匷い圱響を䞎えるだけでなく察人印象や察人関係にも圱響を及がしおいる\cite{nishida:92:a}自由察話においおは察話を継続するか吊かの刀断はナヌザに委ねられおおり察話の内容のみならず察話システムの䞍自然な応答や䞍快な発話は察話の砎綻に繋がる自由察話を継続するにはナヌザず察話システムが良奜な関係を築く必芁がありそのためには話者の察話行為を正確に掚枬しそれに応じお適切な応答を返さなければならない\subsection{察話行為の利甚}察話システムにおける察話行為情報の利甚目的ずしおナヌザ意図の理解システムの応答文生成における条件システムの察話制埡などが挙げられる\cite{Higashinaka:14:a,inui:01:a,Maeda:11:a,Sugiyama:13:a}䟋えばナヌザの発話を分析し察話行為にクラス分けするこずはナヌザの意図理解の1぀ずみなせるナヌザが挚拶をしおいるか䜕かを質問しおいるのかなどをシステムが理解するこずでその埌の察話の展開を決定する南らは行動予枬確率に基づく報酬を蚭定する郚分芳枬マルコフ決定過皋(POMDP)を甚いた察話制埡手法においお察話行為列のtri-gramによる行動予枬確率を導入した手法を提案しその有効性を確認した\cite{Minami:12:a}たた発話からの情報抜出のためのフィルタリング条件ずしおも察話行為の情報は甚いられる平野らはナヌザの発話からナヌザ情報を抜出する手法を提案しその手法では発話がナヌザ情報を含むか吊かを察話行為に基づき刀断しおいる\cite{Hirano:16:a}\subsection{察話行為掚定}教垫あり機械孊習に基づく察話行為の自動掚定では機械孊習に甚いる基本的な特城ずしお単語n-gramが利甚されるこずが倚いこれに加えお独自の特城も提案されおいる単語uni-gramは語順を考慮しおいないためMilajevsらは単語bi-gramを特城ずしお甚い単語uni-gramのみよりもbi-gramを䜵甚したずきの方が高い粟床が埗られるこずを瀺した\cite{milajevs:14:a}たた察話の流れを考慮するために前の発話の察話行為を特城ずしお利甚しその効果を評䟡した磯村らは頻床2以䞊の単語uni-gramず単語bi-gram及び1぀前の発話の察話行為を特城ずしおConditinalRandomField(CRF)を甚いお察話行為を掚定し75.77\%の掚定粟床を埗たず報告しおいる\cite{isomura:09:a}機械孊習アルゎリズムずしおSupportVectorMachine(SVM)ずNaiveBayesを甚いた実隓も行ったがこれらでは1぀前の発話の察話行為を特城ずしお利甚しおおらず掚定粟床はそれぞれ66.95\%ず60.14\%ずなりCRFより劣る関野らは特城ずしお発話文字数内容語数発話順番を提案し磯村の手法\cite{isomura:09:a}の特城にこれらを1぀以䞊远加したモデルを評䟡した\cite{sekino:10:a}党おの組み合わせにおいおその有効性が確認され内容語数ず発話順番を远加した堎合が最も高い粟床ずなったKimらはbag-of-wordsに加え察話䞭の話者の圹割などの構造的な情報ず盎前の発話や同䞀話者によるこれたでの察話行為などずいった察話の䟝存関係を機械孊習の特城ずしお提案した\cite{kim:10:a}ドメむンが限られた察話を評䟡の察象ずしおいるが96.86\%ずいう高い掚定粟床が埗られおいる目黒らは倚皮倚様な話題や語圙を含みたた非文法的な文が倚いマむクロブログ䞭の発話に察する察話行為自動付䞎のためシ゜ヌラスを甚いお抜象化した単語n-gramず文字n-gramを特城ずする手法を提案した\cite{Meguro:13:a}評䟡実隓の結果Bag-of-Ngramsを特城ずしお甚いたベヌスラむン手法よりも高い粟床を埗たこれらの先行研究では機械孊習のために甚いる特城のセットは1぀でありそれで党おの察話行為を掚定しおいるしかしどの特城がどの察話行為の掚定に有効に働くかなど特城ず察話行為の関係に぀いおは議論されおいない本研究では発話がある察話行為を持぀か吊かを掚定する機械孊習においお察話行為それぞれに察しお有効な特城を自動的に遞択する \section{提案手法} 本節では自由察話における発話を入力ずしその察話行為を掚定する手法に぀いお述べる察話行為の分類クラスをあらかじめ定矩しその䞭から適切な察話行為のクラスを1぀遞択する埓来手法の倚くは教垫あり機械孊習に基づくが孊習のための特城のセットはあらかじめ䞀埋に定められおいるしかし党おの特城が党おの察話行為の分類に必芁ずいうわけではなくある特城が特定の察話行為の分類に貢献しないこずがあるそのような特城は正解率を䜎䞋させる芁因ずなりうるこの問題を解決するために提案手法では察話行為の分類クラス毎に異なる特城のセットを蚭定する提案手法の凊理の流れを図\ref{fig:proposed_method}に瀺す察話行為毎に入力発話がその察話行為に該圓するか吊かを刀定する二倀分類噚を孊習するその際察話行為毎に最適な特城のセットを実隓的に決めるたた分類ず同時に刀定の信頌床も算出する次に二倀分類噚による刀定の結果ならびに刀定の信頌床を基に入力発話の察話行為をひず぀遞択する本論文では察話行為を遞択するアルゎリズムずしお\ref{sec:察話行為の遞択}項で述べる4぀の手法を提案する本論文では各察話行為の二倀分類噚をL2正則化ロゞスティック回垰によっお孊習し孊習ツヌルずしおLIBLINEAR\cite{fan:08:a}を甚いたLIBLINEARの孊習パラメタはデフォルト倀を甚いた刀定の信頌床はLIBLINEARが出力する確率を甚いた\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-4ia1f1.eps}\caption{提案手法の流れ}\label{fig:proposed_method}\end{center}\end{figure}\subsection{察話行為の定矩}察話行為の定矩ずしおはSWBD-DAMSL\cite{jurafsky:97:a}が著名だがかなり詳现な察話行為が定矩されおおりたた自由察話を察象ずしたものではない自由察話を想定した察話行為のセット\cite{Meguro:14:a}も提案されおはいるが本研究では今埌構築を目指す自由察話システムの仕様を考慮しお独自に定矩した9぀の察話行為のセットを甚いるその䞀芧を衚\ref{tab:dialog_tag}に瀺す\begin{table}[t]\caption{察話行為の定矩}\label{tab:dialog_tag}\input{01table01.txt}\end{table}\subsection{機械孊習に甚いる特城}人間同士の自由察話を人手で分析し察話行為の蚀語的特城を考慮しお察話行為の掚定に有効ず思われる28個の特城を蚭定したその䞀芧を衚\ref{tab:feature_type_list}に瀺すこれらは倧きく4぀のグルヌプに分けられる\begin{table}[t]\caption{察話行為掚定のための特城}\label{tab:feature_type_list}\input{01table02.txt}\end{table}\noindent\textbf{グルヌプ1}\quad$f_1$〜$f_{10}$は発話の内容を衚わし党おの察話行為の分類に有効ず考えられる特城である珟圚の発話察話行為を掚定するべき入力発話ならびにその盎前の発話に含たれる単語n-gram自立語文末に出珟する単語n-gramならびに付属語の列を特城ずする$f_9$,$f_{10}$はそれぞれ珟圚の発話ず前発話の単語n-gram付属語列の組を衚わす単語n-gramを甚いた特城($f_1$,$f_2$,$f_5$,$f_6$,$f_9$)では$n=1,2,3$ずした\noindent\textbf{グルヌプ2}\quad$f_{11}$〜$f_{17}$は発話の内容を衚わし特定の察話行為の掚定に有効に働くず考えられる特城である$f_{11}$〜$f_{15}$はそれぞれの察話行為の発話で頻出するず思われるキヌワヌドであるこれらのキヌワヌドは蚓緎デヌタを参照しお人手で遞定した$f_{16}$は芁求の発話の文末によく芋られる衚珟であり文末が呜什圢の動詞動詞基本圢+「な」の吊定の呜什圢動詞連甚圢+「お」動詞連甚圢+「や」これらの衚珟+「よ」or「ね」のいずれかに圓おはたるこずを衚わす$f_{17}$はあいづちを瀺唆する文末衚珟「ね」が出珟するかを衚わす\noindent\textbf{グルヌプ3}\quad$f_{18}$〜$f_{21}$は発話の内容以倖の情報を衚わし党おの察話行為の分類に有効ず考えられる特城である$f_{18}$$f_{19}$はそれぞれ盞手もしくは話者自身の盎近のいく぀かの発話の察話行為の列である察話行為列の長さは実隓的に定める詳现は\ref{sec:察話行為列の長さの最適化}で述べる$f_{20}$は発話文䞭の文字数に基づく発話の長さである発話長を機械孊習の特城ずしお甚いる堎合長さを適圓な間隔$1\sim5$$6\sim10$11以䞊などに切っお発話長を分類するのが䞀般的であるがその適切な間隔を決めるのは難しい本論文では「発話長が$l\pm2$である」($3\lel\le19$)「発話長が20以䞊である」ずいった特城量で発話長を衚珟する䟋えば発話長が10の発話に察しおは$l=8,9,10,11,12$の特城量の重みを1ずする$f_{21}$は珟圚ず盎前の発話の話者が同じかどうかを衚わす実隓に甚いた自由察話コヌパスでは同じ話者が2぀以䞊の発話を連続しお発蚀するこずがあるためこの特城を導入した\noindent\textbf{グルヌプ4}\quad$f_{22}$〜$f_{28}$は発話の内容以倖の情報を衚わし特定の察話行為の掚定に有効に働くず考えられる特城である$f_{22}$の「自立語の有無」は自立語を含たなくおも生成できる「応答(YesNo)」「あいづち」「フィラヌ」ずその他の察話行為の区別に有効であるず考えられる$f_{23}$〜$f_{25}$における「自立語繰り返し」ずは盞手の前発話の自立語が珟圚の発話で繰り返し甚いられるかを衚わす単語を繰り返しお聞き返す「確認」や反埩による「あいづち」の特城を捉えられる$f_{23}$は単玔に自立語が繰り返されるか吊かを考慮するがより厳密に「確認」「あいづち」を瀺唆する自立語の繰り返しを区別するため繰り返される自立語が盞手の前発話の文末に出珟する堎合を$f_{24}$発話で繰り返される自立語が珟圚の発話における唯䞀の自立語である堎合を$f_{25}$ずする$f_{26}$,$f_{27}$はそれぞれ発話が自立語1語非自立語1語で構成されおいるかを衚わす自立語1語で衚珟されるこずの倚い察話行為ずしおは「応答平叙」や「あいづち」がある$f_{28}$は同じ単語が発話の䞭で耇数回䜿われおいるかを衚わす応答衚珟や「あいづち」によく芋られる繰り返しによる匷調衚珟に察応するために導入した察話行為を掚定する二倀分類噚を孊習する際には発話を特城量のベクトルで衚珟する特城量ベクトルの重みはその特城量が発話に出珟しおいれば1それ以倖は0ずする\subsection{特城セットの最適化}\label{sec:特城セットの最適化}ここでは個々の察話行為毎に察話行為掚定のための特城を最適化する手法に぀いお述べる\begin{figure}[b]\input{01fig02-algo.txt}\caption{特城の遞択アルゎリズム}\label{al:feature_selection}\end{figure}\subsubsection{最適な特城セットの決定}\label{sec:最適な特城セットの決定}個々の察話行為に察し衚\ref{tab:feature_type_list}に瀺した特城の䞭からその察話行為の分類に有効でないものを削陀するこずで察話行為毎に最適な特城のセットを決めるそのアルゎリズムを図~\ref{al:feature_selection}に瀺す$E$は党特城の集合$E'$は最適化された特城の集合である$f(X)$は$X$を特城ずしお孊習した分類噚の開発デヌタにおけるF倀\footnote{発話がある察話行為に該圓するか吊かを刀定する二倀分類のF倀}である特城$f_i$を陀いたずきのF倀$f(E\setminus\{f_i\})$が党特城を甚いたずきのF倀$f(E)$よりも䜎ければ$f_i$を有効な特城ずみなしお$E'$に入れそうでなければ削陀するこれを党おの特城に぀いお行い1぀以䞊の特城が削陀されたら残された特城を新たに党特城の集合ずみなしお同様の操䜜を行うただし個別に評䟡したずきに有効でない特城は$E'$に残されおいないにも関わらず7行目の段階で耇数の特城が削陀された$E'$を甚いたずきのF倀がもずの$E$ず比べお䜎くなるこずがあるそのずきは特城を削陀するこずによっお最もF倀が向䞊する最も悪圱響を䞎えるものを1぀遞択しそれのみを削陀した特城の集合を新たな$E$ずする10行目これを特城が削陀されなくなるたで繰り返す\subsubsection{察話行為列の長さの最適化}\label{sec:察話行為列の長さの最適化}特城$f_{18}$ず$f_{19}$は「質問(YesNo)」の次には「応答(YesNo)」の発話が出珟しやすいずいったように察話行為の䞊びを考慮するために導入したしかし盎前だけでなく2぀以前の発話からの察話の流れが察話行為の掚定に有効である堎合も考えられるこのずきどれくらい前の発話を蟿ればよいか぀たり過去の発話の察話行為列の長さをいく぀に蚭定すればよいかは分類察象ずする察話行為によっお異なるず考えられる本研究では特城$f_{18}$ず$f_{19}$をそれぞれ盞手もしくは話者自身の過去の$N_h(=1,2,3,4,5)$個の発話の察話行為の列ずし$N_h$の倀を察話行為に応じお最適化するすなわち察話行為毎に開発デヌタでのF倀が最倧ずなる$N_h$を遞択するたた$N_h$の倀が倧きいずきには特城量の数が増えるため特城量の遞択を行う具䜓的には特城量ず察話行為の盞関の匷さを$\chi^2$倀で枬りそれが閟倀$T_h$よりも小さい特城量を削陀する$T_h$は0,1,5,10のいずれかずし$N_h$ず同様に開発デヌタでのF倀が最倧ずなる倀を遞択するこずで最適化する$N_h$ず$T_h$の最適化は\ref{sec:最適な特城セットの決定}で述べた最適な特城セットを決定する前に行うこのずき特城は$f_{1}$単語n-gramず$f_{18}$もしくは$f_{19}$のみを䜿甚する\footnote{予備実隓では先に最適な特城のセットを決定しその埌$N_h$ず$T_h$の最適化を行う手法も詊したが察話行為掚定のF倀はわずかに䜎䞋した}\subsection{組み合わせ特城量}\label{sec:組み合わせ特城量}本研究で䜿甚するLIBLINEARでは特城量間の盞関関係は考慮されおいないしかし特城量の組み合わせが察話行為の分類に特に有効に働く可胜性があるそのため2぀の特城量を組み合わせた特城量も䜿甚する以䞋これを「組み合わせ特城量」ず呌ぶただし党おの特城量を組み合わせるず特城量の数が増倧するため図\ref{al:feature_selection}のアルゎリズムにより埗られたそれぞれの察話行為に最適な特城セットのF倀ずその特城セットから1぀の特城を陀いた堎合のF倀の差が最も倧きい特城を「最も有効な特城」ず定矩し最も有効な特城の特城量ずそれ以倖の特城量の組のみを組み合わせ特城量ずしお導入する\subsection{察話行為の遞択}\label{sec:察話行為の遞択}本項では個々の察話行為の二倀分類噚の出力結果から最も適切な察話行為を1぀遞択する手法に぀いお述べる\subsubsection{刀定の信頌床による遞択}\label{sec:刀定の信頌床による遞択}察話行為の二倀分類噚が出力する信頌床を比范しそれが最も高い察話行為を遞択する具䜓的には匏(\ref{eq:model_simple})にしたがっお最終的に遞択する察話行為$\hat{d}$を決定する$r(d_i)$は察話行為$d_i$の刀定の信頌床を衚わす\begin{equation}\label{eq:model_simple}\textstyle\hat{d}=\arg\max_{d_i}r(d_i)\end{equation}\subsubsection{信頌床を特城量ずする機械孊習による手法}\label{sec:信頌床を特城量ずする機械孊習による遞択}9぀の察話行為の二倀分類噚の出力結果を特城量ずし察話行為を遞択するモデルを機械孊習する圓然だが\ref{sec:刀定の信頌床による遞択}で述べた手法においお信頌床1䜍の察話行為が垞に正解ずなるわけではないここでの狙いは「察話行為$d_a$ず$d_b$に぀いお$d_a$の信頌床が1䜍であるが$d_a$ず$d_b$の信頌床の差がそれほど倧きくないずきは$d_b$が正解である可胜性が高い」ずいった傟向を自動的に孊習するこずにあるこの手法では以䞋の特城量を甚いる\begin{itemize}\item察話行為$d_i$の刀定の信頌床\item信頌床の順䜍が$n$䜍の察話行為の刀定の信頌床($n=1,2,3$)\end{itemize}䞊蚘の特城量の重みは信頌床の倀ずする埌者の特城量はテキスト分類においお他クラスの信頌床を考慮する有効性が高橋らにより報告されおいる\cite{Takahashi:07:a}こずから蚭定した機械孊習アルゎリズムずしおロゞスティック回垰(LIBLINEAR)を甚いた\subsubsection{信頌床に察する重み付けに基づく手法}\label{sec:信頌床に察する重み付けに基づく手法}予備実隓の結果「自己開瀺」以倖の察話行為を持぀発話に察しお「自己開瀺」が誀っお遞択される事䟋が倚いこずがわかった「自己開瀺」の信頌床は他の察話行為に比べお平均的に高く「自己開瀺」が最終的に遞ばれやすいためであったこれは\ref{sec:data}項で埌述するように蚓緎デヌタにおける「自己開瀺」の出珟頻床が高いためず考えられるこのような信頌床の䞍均衡を是正するため匏(\ref{eq:model_weighting})にしたがっお察話行為を遞択する\begin{equation}\label{eq:model_weighting}\hat{d}=\left\{\begin{array}{ll}\arg\max_{d_i}w_i\cdotr(d_i)&\textrm{ifrank(1)=自己開瀺}\\\arg\max_{d_i}r(d_i)&\textrm{ifそれ以倖}\\\end{array}\right.\end{equation}rank(1)は信頌床の順䜍が1䜍の察話行為を衚わす$w_i$は察話行為$d_i$の信頌床に䞎える重みであり「自己開瀺」以倖の察話行為の信頌床を倧きくする働きをするたた「自己開瀺」に察する重みは1ず蚭定する\begin{figure}[b]\input{01fig03-algo.txt}\caption{信頌床に察する重みを決定するアルゎリズム}\label{al:weighting_method}\vspace{-0.5\Cvs}\end{figure}信頌床の重みを反埩掚定するアルゎリズムを図\ref{al:weighting_method}に瀺す倉数$j$は反埩のステップを衚わす倉数で7〜13行目の凊理を繰り返す開発デヌタ$D_{dev}$における発話$u_k$に察しその正解の察話行為が自己開瀺ではなく誀っお自動掚定された察話行為が自己開瀺であり$uncertainty(u_k)$が閟倀$TU_i$より倧きいずき9行目正解の察話行為$d_i$に察する重み$w_i^{(j)}$を10行目の匏にしたがっお曎新する$uncertainty(u_k)$は発話$u_k$に察する察話行為掚定の䞍確かさを衚わす指暙であり9぀の察話行為に察する刀定の信頌床$r(d_i)$を埗たずきその1䜍の信頌床ず2䜍の信頌床の比ず定矩する\footnote{1䜍ず2䜍の信頌床が近ければ近いほど1䜍の察話行為が正しくない可胜性が高い}$TU_i$は察話行為$d_i$に察する重みを曎新するか吊かを決める$uncertainty(u_k)$の閟倀である基本的には䞍正解ずなった「自己開瀺」の信頌床ず正解の察話行為$d_i$の信頌床の差が倧きいずきほど$w_i^{(j)}$により倧きい倀を加える$w_i^{(j)}$の倀を増やすこずにより正解の察話行為$d_i$の信頌床が高くなり遞ばれる可胜性が増す$\delta$は重みの1回圓たりの倉動量を調敎するパラメタである本研究では$\delta=0.001$ずした開発デヌタの党おの発話に぀いお重みの調敎が終わったら新しい重みを甚いおシステムによる自動掚定の結果を曎新する13行目䞀般に$w_i^{(j)}$は収束するが本研究では収束埌の重みではなく1回の反埩毎に開発デヌタにおける察話行為掚定の改善床$eval_j(d_i)$を枬りこれが最も高い時点での重みを遞択する15行目$eval_j(d_i)$の定矩は匏(\ref{eq:def_eval})であり察話行為が$d_i$である発話のうち重み付けによっお新たに正解ずなった発話数($|B|$)ず察話行為が「自己開瀺」である発話のうち重み付けによっお新たに䞍正解ずなった発話数($|W|$)の差である\footnote{$predict_0(u_k)$は重み付けしない手法で遞択された発話$u_k$の察話行為を衚わす}\begin{equation}\label{eq:def_eval}\begin{array}[t]{l}eval_j(d_i)=|B|-|W|\\\hspace*{3mm}B=\{u_k\;|\;gold(u_k)=d_i\landpredict_0(u_k)\negold(u_k)\landpredict_j(u_k)=gold(u_k)\}\\\hspace*{3mm}W=\{u_k\;|\;gold(u_k)=自己開瀺\landpredict_0(u_k)=gold(u_k)\landpredict_j(u_k)\negold(u_k)\}\end{array}\end{equation}本手法では$uncertainty(u_k)$が䜎いずきは重みの曎新を行わないこれは個々の察話行為の二倀分類噚の結果が十分に信頌できるずみなしおいるためである閟倀$TU_i$は重みの曎新を行うか行わないかをコントロヌルする働きをする$TU_i$は重み$w_i$の掚定に甚いたものずは別の開発デヌタを甚いお最適化する$TU_i$を倉動させ孊習した重みを甚いたシステムのevalの倀が最倧ずなる閟倀を遞択する\begin{table}[b]\caption{信頌床1䜍が䞍正解2䜍が正解ずなる察話行為の組ず発話数}\label{tab:classificationerrorofdialogpair}\input{01table03.txt}\vspace{4pt}\small$d_1$:自己開瀺$d_2$:質問(YesNo)$d_3$:質問(What)$d_4$:応答(YesNo)$d_5$:応答平叙$d_6$:あいづち$d_7$:フィラヌ$d_8$:確認$d_9$:芁求\end{table}\subsubsection{特定の察話行為の組に察しお機械孊習で識別する手法}\label{sec:特定の察話行為の組に察しお機械孊習で識別する手法}察話行為の䞭には互いに識別が難しい組み合わせがある衚\ref{tab:classificationerrorofdialogpair}は察話行為のそれぞれの組に察し䞀方の察話行為の信頌床の順䜍が1䜍でか぀䞍正解もう䞀方の察話行為の信頌床の順䜍が2䜍でか぀正解ずなる発話の開発デヌタにおける数を瀺しおいるこの衚においお発話数誀り数の倚い察話行為の組は特に刀定が難しいず考えられるここではこのような察話行為の組に察し適切な察話行為を遞択する分類噚を機械孊習するこずを詊みるただし「自己開瀺」($d_1$)に぀いおは\ref{sec:信頌床に察する重み付けに基づく手法}で述べた信頌床の重み付けによる手法で察応するこずずしここでは$d_1$を含たない組の䞭で衚\ref{tab:classificationerrorofdialogpair}における誀り発話数が倚い組に着目する具䜓的には他ず比べお誀り発話数の倚いあいづちフィラヌず質問(YesNo),確認の2぀の組に぀いお機械孊習により適切な察話行為を遞択する以䞊をたずめるず本手法は匏(\ref{eq:model_dialog_act_pair})にしたがっお$\hat{d}$を決定する\begin{equation}\label{eq:model_dialog_act_pair}\hat{d}=\left\{\begin{array}{ll}\arg\max_{d_i}w_i\cdotr(d_i)&\textrm{ifrank(1)=$d_1$(自己開瀺)}\\\mathrm{classify(rank(1),rank(2))}&\textrm{if\{rank(1),rank(2)\}=\{$d_6,d_7$\}or\{$d_2,d_8$\}}\\\arg\max_{d_i}r(d_i)&\textrm{ifそれ以倖}\\\end{array}\right.\end{equation}rank(1)rank(2)は刀定の信頌床が1䜍2䜍の察話行為を衚わしclassify($x,y$)は2぀の察話行為$x,y$の䞭から䞀方を遞択する分類噚であるclassify($x,y$)の孊習に䜿う特城量は組み合わせ特城量も含めお察話行為$x$ず$y$の分類に甚いる特城量の和集合ずし孊習にはLIBLINEARを甚いる \section{評䟡実隓} \subsection{デヌタ}\label{sec:data}察話コヌパスずしお人間同士の自由察話を曞き起こした名倧䌚話コヌパス\cite{meidai:01:a}を甚いた実隓では察話コヌパスの䞭から参加者が二名の察話のみを遞択し各発話に察し察話行為タグを人手で付䞎した察話数は97発話数は91,906である3察話に぀いお二者によっお察話行為タグを付䞎したずころ䞀臎率は77.3\%$\kappa$係数は0.636であったコヌパスにおける察話行為の出珟頻床ならびに割合を衚\ref{tab:distribution_of_dialog_tag}に瀺す$d_1$(自己開瀺)が最も倚く党䜓の6割匱を占めおいる䞀方$d_9$(芁求)は最も少なくそれが占める割合は1\%未満であるコヌパスをおよそ80\%10\%10\%に分割し77察話74,228発話を蚓緎デヌタ10察話8,984発話を開発デヌタ10察話8,694発話をテストデヌタずした開発デヌタは最適な特城の遞択やパラメタの最適化のために甚いたそれぞれのデヌタにおける察話行為の頻床分垃は党䜓ずほが同じであった\begin{table}[b]\caption{実隓デヌタにおける察話行為の出珟頻床の分垃}\label{tab:distribution_of_dialog_tag}\input{01table04.txt}\end{table}\subsection{パラメヌタ最適化}特城$f_{18}$盞手の過去の発話の察話行為列$f_{19}$話者の過去の発話の察話行為列に぀いお\ref{sec:察話行為列の長さの最適化}で述べたように過去の察話行為列の長さ$N_h$ならびに特城量遞択の閟倀$T_h$の最適化を行った本実隓ではテストデヌタにおける発話の察話行為を掚定する際$f_{18}$ず$f_{19}$の特城量は正解の察話行為を甚いる実際には過去の発話の察話行為は自動的に掚定するべきであるしかしこのような実隓蚭定では察話行為掚定の誀りが次の発話の察話行為の掚定に圱響し察話行為の誀掚定が前の発話の察話行為の誀りによるものかそれずも提案手法の䞍備など他の芁因によるものなのかを区別できない今回の実隓では提案手法の有効性を確認するこずに重点を眮き過去の発話の察話行為の分類に誀りはないずいう理想的な条件䞋で実隓を行った開発デヌタにおけるF倀が最倧ずなった$N_h$ず$T_h$の倀を衚\ref{tab:selected_history_length1}に瀺すこの衚ではパラメタの最適化を行わないずき($N_h=1$$T_h=0$)のF倀も瀺した`---'は$N_h=1$$T_h=0$のずきにF倀が最倧になった堎合すなわちパラメタの最適化によっおF倀が向䞊しなかった堎合を衚わす\begin{table}[b]\caption{過去の発話の察話行為の特城のパラメタ}\label{tab:selected_history_length1}\input{01table05.txt}\end{table}この結果から察話行為毎に話者自身の過去の発話の察話行為列盞手の過去の発話の察話行為列の最適な長さが異なるこずが瀺された特に「フィラヌ」に぀いおはF倀が11もしくは14ポむント向䞊しおおりパラメヌタ最適化の圱響が倧きいこれは「フィラヌ」の発話を認識するためにはそれたでの察話の流れが重芁な情報であるこずを瀺唆する䞀方で「質問(YesNo)」「応答(YesNo)」に぀いおは自身の過去の発話盞手の過去の発話ずもに$N_h=1$$T_h=0$のずきが最良ずなっおいる「質問(YesNo)」に぀いおは前の発話の察話行為の圱響が小さいず考えられるので察話行為列の長さを倉化させおも圱響がなかったず考えられる「応答(YesNo)」に぀いおは前の盞手の最埌の発話が「質問」であるこずが倚いため$f_{18}$に぀いおはひず぀前の盞手の発話の察話行為だけを特城量ずすれば十分ず考えられる䞀方$f_{19}$に぀いおはF倀が他の察話行為ず比べお極端に䜎い$N_h$$T_h$の最適化の際には$f_1$単語n-gramのみを特城ずしおいるこずが原因ず考えられる\subsection{特城セットの最適化の結果}個々の察話行為に察しお遞択された特城を衚\ref{tab:selected_feature2-1}に瀺す衚\ref{tab:selected_feature2-1}の結果から察話行為毎に有効な特城が倧きく異なるこずが確認された$f_{1}$単語n-gramは党おの察話行為に共通しお有効な特城である䞀方で$f_{2}$前発話の単語n-gramや$f_{8}$前発話の文末付属語列は党おの察話行為で䞍芁であり前の盞手の発話の内容は有効な特城ではないず考えられる衚\ref{tab:effective_feature}は\ref{sec:組み合わせ特城量}項で定矩した最も有効な特城の䞀芧であるこれらも察話行為毎に異なるが$f_1$$f_{18}$$f_{19}$のいずれかが遞ばれおおりこれらが特に重芁な特城であるこずがわかる\begin{table}[b]\caption{遞択された特城}\label{tab:selected_feature2-1}\input{01table06.txt}\par\vspace{4pt}\small$d_1$:自己開瀺$d_2$:質問(YesNo)$d_3$:質問(What)$d_4$:応答(YesNo)$d_5$:応答(平叙)$d_6$:あいづち$d_7$:フィラヌ$d_8$:確認$d_9$:芁求\end{table}\begin{table}[b]\caption{察話行為の分類に最も有効な特城}\label{tab:effective_feature}\input{01table07.txt}\end{table}\subsection{信頌床の重みの掚定}\ref{sec:信頌床に察する重み付けに基づく手法}で述べた手法においお察話行為毎の信頌床の重み$w_i$は開発デヌタを甚いお掚定した䞀方閟倀$TU_i$は開発デヌタずは別のデヌタで最適化する必芁がある本実隓では蚓緎デヌタの8分割亀差怜定により$TU_i$を最適化した亀差怜定の際には機械孊習の特城や重み$w_i$は開発デヌタで決定したものを甚いるが分類噚の孊習は分割されたデヌタ毎にやり盎した$TU_i$を0から0.9たで0.1刻みで倉動させ匏(\ref{eq:def_eval})のevalの倀が䞀番倧きい閟倀を遞択した「自己開瀺」以倖の察話行為に察する$w_i$ず$TU_i$の䞀芧を衚\ref{tab:w_k_and_TU_k_optimalization}に瀺す$d_4$(応答(YesNo))$d_7$(あいづち)$d_8$(確認)の3぀の察話行為に぀いおは信頌床に察する重み付けを行っおも察話行為掚定結果は向䞊しなかったため重みを1に蚭定しおいるすなわちこれらの察話行為の信頌床に察しおは重み付けを行わない\begin{table}[t]\caption{察話行為ごずの$w_i$ず$TU_i$}\label{tab:w_k_and_TU_k_optimalization}\input{01table08.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{8分割亀差怜定における分割デヌタ毎のeval倀}\label{tab:result_of_each_dialogue}\input{01table09.txt}\end{table}衚\ref{tab:result_of_each_dialogue}は䟋ずしお$d_2$$d_5$$d_7$の3぀の察話行為に぀いお8分割亀差怜定においお分割された個々のデヌタ($TR_1\simTR_8$)に察するevalの倀を瀺しおいる\footnote{$TU_i$は衚\ref{tab:result_of_each_dialogue}における「合蚈」が最も倧きい倀を遞んで最適化しおいる}evalの倀は察話デヌタによっおばら぀きが芋られ負の倀になる重み付けによっお悪化するこずもあるこの結果から信頌床に察する重み付けに基づく手法は察話によっお効果的に働く堎合ずそうでない堎合があるこずがわかった信頌床に察する重み付けは「自己開瀺」の刀定の信頌床が他の察話行為に比べお高いこずを是正するための手法であるが自己開瀺の発話の出珟のしやすさは察話の内容に匷く䟝存しおおり自己開瀺の発話が倚く出珟する察話に察しおは「自己開瀺」以倖の察話行為を遞択しやすくする本手法が有効に働かなかったず掚察できる\subsection{察話行為掚定の評䟡}察話行為を掚定する提案手法の性胜を評䟡する評䟡基準は各察話行為の掚定の粟床再珟率F倀ならびにこれら3぀の党察話行為に぀いおのマクロ平均ずマむクロ平均であるなお粟床および再珟率のマむクロ平均は正解率システムが遞択した察話行為ず正解の察話行為が䞀臎する割合に等しい提案手法を2぀のベヌスラむンず比范する䞀぀は党おの特城を甚いお9぀の察話行為のいずれかを遞択する分類噚をLIBLINEARで孊習する手法($BL_a$)であるもう䞀぀は3.3項で説明した方法で特城を遞択する手法($BL_s$)である提案手法が個々の察話行為毎に最適な特城を遞択するのに察し$BL_s$では特城のセットを1぀だけ遞択しそれを甚いお党おの察話行為を分類する䞀方提案手法ずしお\ref{sec:刀定の信頌床による遞択}で述べた信頌床を比范する手法($Pro_p$)\ref{sec:信頌床を特城量ずする機械孊習による遞択}で述べた信頌床を特城量ずした機械孊習を甚いる手法($Pro_m$)\ref{sec:信頌床に察する重み付けに基づく手法}で述べた「自己開瀺」以倖の察話行為の信頌床に察しお高い重みを䞎える手法($Pro_w$)\ref{sec:特定の察話行為の組に察しお機械孊習で識別する手法}で述べた刀定の難しい察話行為の組に察しお機械孊習で適切な察話行為を遞択する手法($Pro_b$)の4぀を評䟡するたず発話がある察話行為を持぀か吊かを刀定するタスク以䞋「個別察話行為刀定タスク」ず呌ぶに぀いおベヌスラむンず提案手法を比范する蚀い換えれば個別察話行為刀定タスクでは図\ref{fig:proposed_method}の第1段階における察話行為毎に孊習した分類噚の性胜を評䟡する衚\ref{tab:result_binary_task}は同タスクにおける$BL_s$ず$Pro_p$の粟床(P)再珟率(R)F倀(F)を瀺しおいる衚\ref{tab:result_binary_task}(a)は開発デヌタの結果であり察話行為毎に特城を最適化するこずによっお党おの察話行為に぀いお評䟡倀が同等もしくは向䞊しおいるこずが確認できる䞀方衚\ref{tab:result_binary_task}(b)はテストデヌタの結果であり$Pro_p$は$BL_s$に比べおF倀のマクロ平均が2.9ポむント向䞊したしかしながら「あいづち」ず「芁求」に぀いおはF倀が䜎䞋しおいるこれは開発デヌタずテストデヌタずで察話の内容が異なるため䞡デヌタにおいお最適な特城が䞀臎しおいないためず考えられるこの結果は自由察話では様々なトピックが話題に挙がるため察話行為分類のための最適な特城を実隓的に決定するこずが難しいこずを瀺唆する\begin{table}[b]\caption{個別察話行為刀定タスクの結果}\label{tab:result_binary_task}\input{01table10.txt}\end{table}衚\ref{tab:result_multi_task1}は発話に察しお9぀の察話行為の䞭から該圓するものを掚定するタスク以䞋「察話行為掚定タスク」ず呌ぶにおける各手法の評䟡倀を瀺しおいる2぀のベヌスラむンを比范するず$BL_s$はマクロ平均では$BL_a$を䞊回るがマむクロ平均は等しい察話行為を区別せずに単玔に特城を最適化しおも正解率は向䞊しないこずがわかる䞀方4぀の提案手法のF倀のマむクロ平均はいずれもベヌスラむンよりも高い最も結果が良かったのは手法$Pro_b$であった$BL_s$ず$Pro_b$の結果をマクネマヌ怜定で怜定したずころ5\%の有意氎準で有意差があった$Pro_b$が遞択した察話行為ず正解の察話行為の察応衚を付録\ref{sec:contingency_table_Pro_b}に瀺す\begin{table}[t]\caption{察話行為掚定タスクの結果}\label{tab:result_multi_task1}\input{01table11.txt}\par\vspace{4pt}\small$d_1$:自己開瀺$d_2$:質問(YesNo)$d_3$:質問(What)$d_4$:応答(YesNo)$d_5$:応答(平叙)$d_6$:あいづち$d_7$:フィラヌ$d_8$:確認$d_9$:芁求Ma:マクロ平均Mi:マむクロ平均\end{table}察話行為毎に結果を比范するず「応答(YesNo)」「あいづち」「確認」「芁求」に぀いおは$Pro_b$は$BL_s$に比べおF倀は改善しなかったが「自己開瀺」「質問(YesNo)」「質問(What)」「応答(平叙)」「フィラヌ」に぀いおはF倀が0.3〜9.7ポむント改善した$Pro_p$ず$Pro_m$を比范するず$Pro_m$は「あいづち」「確認」「芁求」以倖の察話行為でより高いF倀が埗られおおり信頌床を特城量ずした機械孊習の手法が有効であるこずを瀺しおいる「自己開瀺」に぀いお$Pro_p$ず$Pro_w$を比范するず再珟率は$Pro_p$の方が高いが粟床ならびにF倀では$Pro_w$が䞊回る信頌床に重み付けを行う$Pro_w$は刀定の信頌床が党般に高い「自己開瀺」が過床に遞ばれるこずを抑制するための手法であるがこの手法により「自己開瀺」のfalsepositiveの誀りが枛少したこずが確認されたたた衚\ref{tab:w_k_and_TU_k_optimalization}で重みを1より倧きく蚭定した党おの察話行為でF倀が向䞊した$Pro_b$は$Pro_w$ず比べお誀りが倚かったために改めお機械孊習で分類し盎した「質問(YesNo)」「フィラヌ」「確認」の結果が改善されおいるこずが確認できたただし「あいづち」に぀いおは粟床再珟率に倉化はあったがF倀は倉化しなかった本論文ではベヌスラむンで粟床や再珟率が䜎い察話行為に察しお掚定の性胜を向䞊させるこずを目指したが䞀郚の察話行為に぀いおはその目暙が達成されおいない具䜓的にはベヌスラむンで性胜の䜎い「フィラヌ」の評䟡倀は向䞊しおいるが「確認」や「芁求」に぀いおは逆にベヌスラむンよりも䜎くなっおいる「確認」に぀いおは衚\ref{tab:result_binary_task}より個別察話行為分類タスクでは提案手法はベヌスラむンを䞊回っおいるため図\ref{fig:proposed_method}における二段階の凊理のうち第1段階で「確認」に該圓するかを刀定する時点では性胜の向䞊が芋られるものの第2段階の察話行為を掚定する段階で誀りを倚く生じおいるこずがわかる䞀方「芁求」に぀いおは衚\ref{tab:result_binary_task}でも衚\ref{tab:result_multi_task1}でも提案手法はベヌスラむンより劣るこの原因ずしおコヌパスにおいお「芁求」の察話行為を持぀発話の数が他の察話行為ず比べお極端に少ないこずが考えられる組み合わせ特城量の有効性を評䟡するために組み合わせ特城量を䜿甚したモデルず䜿甚しないモデルのF倀のマむクロ平均正解率を比范した結果を衚\ref{tab:result_evaluate_comb_multi_task}に瀺すいずれの手法も組み合わせ特城量を甚いるこずでF倀が向䞊しおいるこずから組み合わせ特城量の有効性が確認できた\begin{table}[t]\caption{組み合わせ特城量の評䟡}\label{tab:result_evaluate_comb_multi_task}\input{01table12.txt}\end{table}\subsection{機械孊習アルゎリズムの比范}\label{sec:機械孊習アルゎリズムの比范}前項たでの実隓では機械孊習アルゎリズムずしおL2正則化ロゞスティック回垰を甚いたが本項ではこれず他の機械孊習アルゎリズムを比范するたた察話行為毎に適切な特城セットを蚭定するずいう提案手法の基本的な考え方が他の機械孊習アルゎリズムでも有効であるかを怜蚌するそのため$BL_a$党特城を甚いたベヌスラむン$BL_s$察話行為を区別しないで特城を遞択したベヌスラむンならびに提案手法のうち最も基本的な$Pro_p$を比范する実隓を行う比范する機械孊習アルゎリズムはSVMずするカヌネル関数ずしお線圢カヌネル倚項匏カヌネルカヌネルの次数は3RadialBasisFunction(RBF)カヌネルシグモむドカヌネルの4぀を甚いる$Pro_p$では察話行為毎に特城を遞択するために特城セットを倉えお孊習ずテストを繰り返す必芁があるがSVMの孊習は非垞に時間がかかるため珟実的な時間では特城遞択が終了しないそこで高速なLIBLINEARを甚いお遞択された特城のセット衚\ref{tab:selected_feature2-1}を甚い察話行為毎の二倀分類噚を孊習するずきのみSVMを甚いる同様に$BL_s$もLIBLINEARを甚いお遞択された特城のセットを甚いるたたL2正則化ロゞスティック回垰ずは異なり倚項匏カヌネルのSVMでは特城量の組み合わせも孊習時に考慮されるためここでの実隓では組み合わせ特城量は甚いないSVMの孊習にはLIBSVM\footnote{http://www.csie.ntu.edu.tw/{\textasciitilde}cjlin/libsvm/}を甚いる孊習パラメタはデフォルト倀を甚いる$Pro_p$で甚いる個々の察話行為刀定の信頌床はLIBSVMが出力する確率ずするSVMによる察話行為掚定のF倀のマむクロ平均正解率を衚\ref{tab:result_SVM}に瀺す比范のためL2正則化ロゞスティック回垰を甚いたずきの結果衚\ref{tab:result_evaluate_comb_multi_task}の組み合わせ特城量なしの結果も再掲する*ず$\dagger$はマクネマヌ怜定で$Pro_p$ず他の手法の差を怜定した結果を衚わす*はロゞスティック回垰の$Pro_p$ずの間に有意氎準5\%で有意差が$\dagger$は同じ孊習アルゎリズムの$BL_s$ずの間に有意差があるこずを瀺しおいる倚項匏カヌネルのSVMでは党おの発話に察しお「自己開瀺」が遞択されたこれは過孊習のためず考えられる\begin{table}[t]\caption{機械孊習アルゎリズムの比范}\label{tab:result_SVM}\input{01table13.txt}\vspace{4pt}\small*:$p<0.05$vs.ロゞスティック回垰の$Pro_p$,~~$\dagger$:$p<0.05$(vs.$BL_s$)\end{table}異なる機械孊習アルゎリズムの$Pro_p$の結果を比范するずL2正則化ロゞスティック回垰は党おのSVMよりも正解率が有意に高い線圢カヌネルのSVMに぀いおは$Pro_p$よりも$BL_s$の方が正解率が高いがロゞスティック回垰の$Pro_p$よりは劣るただし今回の実隓では特城遞択の際に甚いた機械孊習アルゎリズムロゞスティック回垰ず察話行為掚定の分類噚の孊習に甚いたアルゎリズム(SVM)が異なる特城遞択もSVMで行えばSVMでの分類に適した特城セットが遞ばれお正解率が向䞊する可胜性があるSVMの䞭で最も結果が良かった線圢カヌネルの$BL_s$に぀いおは特城遞択も線圢カヌネルのSVMを甚いおモデルを孊習する远加実隓を行ったずころF倀は0.806ず倉化しなかった\footnote{遞択された特城は異なるロゞスティック回垰を甚いお遞択された特城は$f_{1}$,$f_{5}$,$f_{8}$,$f_{14}$,$f_{15}$,$f_{18}$,$f_{19}$,$f_{20}$,$f_{22}$,$f_{24}$であったのに察し線圢カヌネルのSVMで遞択された特城は$f_{1}$,$f_{5}$,$f_{6}$,$f_{8}$,$f_{10}$,$f_{11}$,$f_{12}$,$f_{13}$,$f_{16}$,$f_{17}$,$f_{18}$,$f_{19}$,$f_{20}$,$f_{21}$,$f_{23}$,$f_{24}$,$f_{25}$,$f_{26}$,$f_{27}$,$f_{28}$であった}このモデルず提案手法ロゞスティック回垰の$Pro_p$ずは5\%の有意氎準で有意差があった他のカヌネルの$BL_s$や$Pro_p$に぀いおも特城遞択の段階からSVMを甚いるべきであるがLIBLINEAR以倖では特城遞択に非垞に時間がかかるずいう問題がある䟋えばIntelXeon2.93~GHzメモリ8~GBのサヌバを甚いお察話行為「自己開瀺」に該圓するかを刀定する二倀分類噚の孊習にLIBLINEARでは16秒を芁したのに察しLIBSVMではおよそ168倍の2,697秒を芁した今回の実隓結果からはLIBLINEARを甚いる手法が察話行為掚定のF倀ならびに蚈算時間の䞡方の芳点から最も優れおいるずいえる機械孊習アルゎリズム毎に$BL_s$ず$Pro_p$を比范するずロゞスティック回垰RBFカヌネルのSVMシグモむド関数のSVMにおいお差はそれほど顕著ではないものの$Pro_p$は$BL_s$よりも正解率が高かった有意矩な分類噚が孊習できなかった倚項匏カヌネルのSVMを陀けば4぀のうち3぀の機械孊習アルゎリズムに぀いお察話行為毎に最適な特城を遞択するずいうアプロヌチは有効ず蚀える䜆し提案手法のアプロヌチの劥圓性をより正確に怜蚌するためには異なる察話行為のセットを甚いた実隓や異なる察話コヌパスを甚いた実隓などを行う必芁があるだろう次に倚倀分類の機械孊習アルゎリズムであるCRFならびにランダムフォレスト\cite{breiman:01:a}ず提案手法を比范するCRFで分類されるのは系列本論文の堎合は発話列であるこずに泚意しおいただきたいここでは察話党䜓の発話列を入力ずしお䞎える手法($CRF_{all}$)ず察話の先頭から解析察象ずなる発話たでの発話列を逐次的に入力ずしお䞎える手法($CRF_{seq}$)の2぀を評䟡する実際に察話システムでの利甚を想定しおいるのは$CRF_{seq}$である$CRF_{all}$は察話が党お終了するたで察話行為を分類できないため実際の察話システムに組み蟌むこずは䞍可胜だが文献\cite{isomura:09:a}のようにコヌパスぞの察話行為のタグ付けを目的ずする堎合には利甚できるCRFの孊習にはCRFsuite\footnote{http://www.chokkan.org/software/crfsuite/}をランダムフォレストの孊習にはscikit-learn\footnote{http://scikit-learn.org/}を甚いる$CRF_{all}$$CRF_{seq}$$RF$ランダムフォレストのそれぞれに぀いお$BL_a$ず同じ特城セット28個の党おの特城を甚いたずきず$BL_s$ず同じ特城セットを甚いたずきの察話行為掚定のF倀を衚\ref{tab:crf_random-forest}に瀺す最良の提案手法である$Pro_b$F倀0.825は$CRF_{seq}$ず$RF$を䞊回りマクネマヌ怜定で5\%の有意氎準で有意差があるこずを確認した$CRF_{all}$は$CRF_{seq}$よりも解析に利甚できる発話数が倚いためF倀が高い$BL_s$ず同じ特城セットを甚いたずきの$CRF_{all}$は$Pro_b$を䞊回るが$CRF_{all}$は察話システムでの利甚を想定したモデルではない\begin{table}[t]\caption{CRFランダムフォレストの結果}\label{tab:crf_random-forest}\input{01table14.txt}\end{table} \section{おわりに} 本論文では自由察話における発話の察話行為を自動掚定する新しい手法を提案した提案手法は個々の察話行為毎に発話がその察話行為に該圓するかを刀定する第1段階ず第1段階の結果から最終的に最も適切な察話行為を遞択する第2段階から構成される第1段階においお教垫あり機械孊習のために有効な特城は察話行為毎に異なるずいう仮定の䞋察話行為毎に最適な特城のセットを自動的に決定する点に特長がある評䟡実隓の結果察話行為を区別せずに特城の遞択を行う手法ず比べお提案手法の察話行為掚定のF倀は0.6ポむント高かったF倀の差はそれほど倧きくはないものの統蚈的に有意な差があるこずを確認した本論文の貢献は以䞋の通りである衚\ref{tab:selected_feature2-1}に瀺すように有効な特城のセットは察話行為によっお異なるこずを実隓的に確認し察話行為毎に特城の最適化を行う提案手法のアプロヌチが有望であるこずを瀺した衚\ref{tab:result_SVM}に瀺したロゞスティック回垰ならびに4皮のカヌネル関数のSVMを甚いた怜蚌実隓ではロゞスティック回垰SVM(RBF)SVMシグモむドに぀いお察話行為毎に特城の最適化を行うこずでF倀の向䞊が芋られたただし統蚈的に有意差が確認されたのはSVM(RBF)のみであったたた過去の察話行為を特城ずするずきその最適な長さは察話行為毎に異なるこずを確認したさらに提案手法の第2段階においお分類の信頌床を単玔に比范しお察話行為を1぀遞択するず分類の信頌床が察話行為によっお倧きく差があるために特定の察話行為具䜓的には「自己開瀺」が遞ばれやすいずいう問題に察し適切な察話行為を遞択する3぀の手法を提案しそれらがF倀の向䞊に貢献するこずを確認した䞀方察話行為によっおは特城の最適化により開発デヌタではF倀が向䞊するもののテストデヌタは䜎䞋するこずがわかった自由察話システムでは様々なトピックが話題になるこずから察話によっお有効な特城が異なる可胜性があり特城の最適化を実隓的に行う提案手法のアプロヌチの問題点も明らかにした衚\ref{tab:result_of_each_dialogue}に瀺したように信頌床の重み付けに基づく手法が察話によっお有効に働く堎合ずそうでない堎合があるこずがわかったがこれも自由察話システムにおけるトピックの倚様性に起因するず考えられる今埌の課題ずしおはF倀が䟝然ずしお䜎い「フィラヌ」「確認」「芁求」に察しお察話行為掚定の性胜を向䞊させるこずが挙げられるこれらの察話行為の掚定に有効な新たな特城を発芋したり提案手法の第2段階における察話行為遞択手法を掗緎する必芁があるたた䞊蚘の考察を螏たえ領域適応の技術を応甚し察話の内容が蚓緎デヌタ・開発デヌタずテストデヌタずで異なる堎合でもF倀を䜎䞋させない方法を探究するこずも重芁な課題である\ref{sec:機械孊習アルゎリズムの比范}項で述べたように察話行為毎に適切な特城のセットを蚭定するずいう提案手法のアプロヌチの劥圓性を怜蚌するためには曎なる実隓が必芁であるたた自然蚀語凊理分野でも近幎盛んに利甚されるようになった深局孊習\cite{Kim:14:a}ずの比范も重芁である\acknowledgment本論文の査読にあたり査読者の方から数倚くの有益なコメントをいただきたした深く感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Breiman}{Breiman}{2001}]{breiman:01:a}Breiman,L.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQRandomForests.\BBCQ\\newblock{\BemMachineLearning},{\Bbf45}(1),\mbox{\BPGS\5--32}.\bibitem[\protect\BCAY{Fan,Chang,Hsieh,Wang,\BBA\Lin}{Fanet~al.}{2008}]{fan:08:a}Fan,R.-E.,Chang,K.-W.,Hsieh,C.-J.,Wang,X.-R.,\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLIBLINEAR:ALibraryforLargeLinearClassification.\BBCQ\\newblock{\BemTheJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\1871--1874}.\bibitem[\protect\BCAY{Higashinaka,Imamura,Meguro,Miyazaki,Kobayashi,Sugiyama,Hirano,Makino,\BBA\Matsuo}{Higashinakaet~al.}{2014}]{Higashinaka:14:a}Higashinaka,R.,Imamura,K.,Meguro,T.,Miyazaki,C.,Kobayashi,N.,Sugiyama,H.,Hirano,T.,Makino,T.,\BBA\Matsuo,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQTowardsanOpen-domainConversationalSystemFullyBasedonNaturalLanguageProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING2014},\mbox{\BPGS\928--939}.\bibitem[\protect\BCAY{平野\JBA小林\JBA東䞭\JBA牧野\JBA束尟}{平野\Jetal}{2016}]{Hirano:16:a}平野培\JBA小林のぞみ\JBA東䞭竜䞀郎\JBA牧野俊朗\JBA束尟矩博\BBOP2016\BBCP.\newblockパヌ゜ナラむズ可胜な察話システムのためのナヌザ情報抜出.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf31}(1),\mbox{\BPGS\DSF--B\_1--10}.\bibitem[\protect\BCAY{Inui,Ebe,Indurkhya,\BBA\Kotani}{Inuiet~al.}{2001}]{inui:01:a}Inui,N.,Ebe,T.,Indurkhya,B.,\BBA\Kotani,Y.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQACase-BasedNaturalLanguageDialogueSystemUsingDialogueAct.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofIEEEInternationalConferenceonSystems,Man,andCybernetics},\mbox{\BPGS\193--198}.\bibitem[\protect\BCAY{磯村\JBA鳥海\JBA石井}{磯村\Jetal}{2009}]{isomura:09:a}磯村盎暹\JBA鳥海䞍二倫\JBA石井健䞀郎\BBOP2009\BBCP.\newblock察話゚ヌゞェント評䟡におけるタグ付䞎の自動化.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌.A,基瀎・境界},{\Bbf92}(11),\mbox{\BPGS\795--805}.\bibitem[\protect\BCAY{Jurafsky,Shriberg,\BBA\Biasca}{Jurafskyet~al.}{1997}]{jurafsky:97:a}Jurafsky,D.,Shriberg,E.,\BBA\Biasca,D.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQSwitchboardSWBD-DAMSLShallow-Discourse-FunctionAnnotationCodersManual.\BBCQ\\newblock\BTR,InstituteofCognitiveScienceTechnicalReport.\bibitem[\protect\BCAY{Kim,Cavedon,\BBA\Baldwin}{Kimet~al.}{2010}]{kim:10:a}Kim,S.~N.,Cavedon,L.,\BBA\Baldwin,T.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQClassifyingDialogueActsinOne-on-oneLiveChats.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEMNLP},\mbox{\BPGS\862--871}.\bibitem[\protect\BCAY{Kim}{Kim}{2014}]{Kim:14:a}Kim,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQConvolutionalNeuralNetworksforSentenceClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2014ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1746--1751}.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2001}]{meidai:01:a}囜立囜語研究所\BBOP2001\BBCP.\newblock名倧䌚話コヌパス.\科孊研究費基盀研究(B)(2)「日本語孊習蟞曞線纂に向けた電子化コヌパス利甚によるコロケヌション研究」(平成13幎床〜15幎床),http://pj.ninjal.ac.jp/conversation/nuc.html.\bibitem[\protect\BCAY{Libin\BBA\Libin}{Libin\BBA\Libin}{2004}]{Libin:04:a}Libin,A.~V.\BBACOMMA\\BBA\Libin,E.~V.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQPerson-robotinteractionsfromtherobopsychologists'pointofview:theroboticpsychologyandrobotherapyapproach.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheIEEE,{\upshape\textbf{92}(11)}},\mbox{\BPGS\1789--1803}.\bibitem[\protect\BCAY{前田\JBA南\JBA堂坂}{前田\Jetal}{2011}]{Maeda:11:a}前田英䜜\JBA南泰浩\JBA堂坂浩二\BBOP2011\BBCP.\newblock人ロボット共生におけるコミュニケヌション戊略の生成.\\newblock\Jem{日本ロボット孊䌚誌},{\Bbf29}(10),\mbox{\BPGS\887--890}.\bibitem[\protect\BCAY{目黒\JBA東䞭\JBA杉山\JBA南}{目黒\Jetal}{2013}]{Meguro:13:a}目黒豊矎\JBA東䞭竜䞀郎\JBA杉山匘晃\JBA南泰浩\BBOP2013\BBCP.\newblock意味属性パタヌンを甚いたマむクロブログ䞭の発蚀に察する自動察話行為付䞎.\\newblock\Jem{研究報告音声蚀語情報凊理SLP},{\Bbf2013}(1),\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Meg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\section{察応衚} \label{sec:contingency_table_Pro_b}\begin{table}[b]\caption{正解の察話行為ず$Pro_b$の出力ずの察応衚}\label{tab:contingency_table_Pro_b}\input{01table15.txt}\vspace{4pt}\small$d_1$:自己開瀺$d_2$:質問(YesNo)$d_3$:質問(What)$d_4$:応答(YesNo)$d_5$:応答(平叙)$d_6$:あいづち$d_7$:フィラヌ$d_8$:確認$d_9$:芁求\end{table}正解の察話行為ず提案手法のうち最もF倀の高い$Pro_b$が遞択した察話行為の察応衚を衚\ref{tab:contingency_table_Pro_b}に瀺す\clearpage\begin{biography}\bioauthor{犏岡知隆}{2010幎東京工科倧孊コンピュヌタサむ゚ンス孊科コンピュヌタサむ゚ンス孊郚卒業2012幎同倧孊院バむオ・情報メディア研究科修士課皋修了2017幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士課皋修了同幎株匏䌚瀟NextremerAI゚ンゞニア珟圚に至る博士情報科孊電子情報通信孊䌚䌚員}\bioauthor{癜井枅昭}{1993幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1998幎同倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同幎同倧孊院助手2001幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授珟圚に至る博士工孊統蚈的自然蚀語解析に関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\clearpage\clearpage\end{document}
V08N03-03
\section{はじめに} 統蚈情報に基づく自然蚀語凊理では蚓緎デヌタずしおのコヌパスの圱響は非垞に倧きい圢態玠情報や品詞情報等の情報を付加したコヌパスを利甚するこずで凊理の粟床の向䞊や凊理の簡略化等が期埅できるが情報を付加する段階での劎力が倧きくその粟床に結果が倧きく巊右されるずいう問題がある生コヌパスをそのたた利甚する堎合にはコヌパスの取埗が容易であるため目的に合ったドメむンのコヌパスを倧量に入手できるずいう利点があるしかし生コヌパスは未登録語や未知の蚀い回し非文ずされるような文の出珟等を倚く含むこずがほずんどでありこれらが凊理の粟床の䜎䞋を招くずいう問題があるコヌパスから埗た情報を利甚するようなシステムの堎合凊理の基本は意味のある蚀語単䜍であるからたずこれを正しく認識するこずが先の凊理の粟床の向䞊に必芁である日本語のように意味のある蚀語単䜍ごずの区切り目が明らかでない蚀語ではたずこれを認識するこずが凊理の第䞀段階であるず蚀っおも過蚀ではないそこで本皿では生コヌパス䞭の意味のある文字列を掚枬し認識するこずで結果的にコヌパス䞭の未登録語を掚定するシステムを提案する本システムは察象ずなるドメむンの蚓緎甚コヌパスから取埗した文字間共起情報を利甚しお入力コヌパス䞭の意味のある文字列を認識しこれを出力する蚓緎甚コヌパステストコヌパスずもに事前のタグ付けは必芁ずしない \section{日本語における語句抜出} \subsection{自然蚀語凊理における凊理単䜍}自然蚀語凊理の凊理単䜍ずしおは単語を基本ずするものが䞀般的であるしかし単語は倚矩性を持぀ものも倚く文脈の䞭では䞀意に意味を決められる堎合でも単語ごずに分割した時点でその語の持぀意味を特定できなくなる堎合があり単語が最適な凊理単䜍ず蚀えるかには疑問が残る\cite{fung98}凊理の単䜍ずしお意味的な塊ずしおの語句をずった堎合このような倚矩性の問題等はある皋床抑えるこずができる埓っお意味的な塊ずしおの語句の認識は自然蚀語凊理の粟床の向䞊の点で重芁な課題である珟圚研究されおいる語句抜出システムはほずんどが名詞句を察象ずしたものである構文情報を基に名詞句を掚定する方法および倧芏暡コヌパスからのドメむン固有の語句の抜出ずが䞻に研究されおいるArgamonらはサブパタヌンの抂念を利甚しお名詞句をパタヌンずしお認識する蚘憶ベヌスの手法を提案しおいる\cite{argamon98}たたAnaniadouは語句の組成に぀いおの圢態論的ルヌルを利甚しお語句の認識を行なう手法を提案しおいる\cite{ananiadou94}\subsection{日本語における語句抜出}英語のように単語間に区切りを眮く蚀語では語句の認識は区切りによっお分けられた語を連結する䜜業ずなるそれに察し日本語は単語間に区切りを眮かない蚀語であるため日本語においおは単語の抜出プロセスは文の切り分け䜜業ずなる日本語は日垞的に利甚される文字が数千文字ず非垞に倚いたた数皮類の字皮を同時に利甚するずいう点でも日本語は特城的である文字の共起情報を利甚する手法ずしおは$n$-gramの画期的な抜出法を提案した長尟らによるもの\cite{nagao94}やOdaらの$n$-gramを利甚した手法\cite{oda99}が挙げられるたたKashiokaらは文字の盞互情報量を利甚した文字クラスタリングシステムを提案しこれを利甚した切り分け凊理およびタグ付け凊理を行なっおいる\cite{kashioka98}Kashiokaらの手法では凊理に必芁な情報を埗るため事前に蚓緎コヌパスの単語ぞの切り分けが必芁ずされる単語の共起情報を利甚する手法ずしおBorthwickは最倧゚ントロピ法に基づく固有名詞抜出の手法を提案しおいる\cite{borthwick99}Borthwickの手法ではあらかじめJumanを甚いお切り分けおよびタグ付けを行なっおいる \section{システム抂芁} \subsection{本システムの抂芁}本システムは入力ずしお日本語文䞀文を採り蚓緎コヌパスから事前に抜出した文字共起情報を基に文䞭に含たれる文字列を調べ意味のある文字列ず認めたものを出力する以䞋にシステムの凊理の流れを瀺す(図\ref{fig:flo})\begin{figure}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\begin{tabular}{ccc}\hline\hline蚓緎フェヌズ&&抜出フェヌズ\\\hline入力(文単䜍)&&入力(文単䜍)\\$\Downarrow$&&$\Downarrow$\\d-bigram&$\longrightarrow$&文字ペアそれぞれに぀いお\\&&有繋評䟡倀算出\\&&$\Downarrow$\\&&意味のある文字列抜出\\&&$\Downarrow$\\&&出力(文字列単䜍)\\\hline\hline\end{tabular}\caption{システムの凊理の流れ}\label{fig:flo}\end{center}\end{minipage}\end{figure}本システムは入力されたテストコヌパスを䞀文単䜍で凊理する入力文䞭の隣り合う文字ペアそれぞれに぀いお蚓緎コヌパスから抜出された文字単䜍共起情報を基にその二文字の繋がりやすさを瀺す有繋評䟡倀を算出しこれに基づいおこの二文字が同じ文字列に含たれるものであるかを掚枬するこの結果䞀繋がりず刀断された文字列に぀いおその有繋評䟡倀が十分に高いものを統蚈情報に基づいお意味がある文字列ず刀断しこれを抜出結果ずしお出力する\subsection{コヌパス}\label{sec:corpus_form}本システムの凊理単䜍は文である埓っお蚓緎コヌパスから文字単䜍共起情報を取埗する際も䜙分な情報を取埗しないよう文単䜍で凊理を行なう文末は原則ずしお文末蚘号によっお決める文末蚘号ずしおは「」「」「」の他「  」や「♪」「★」等文末を瀺すず認められるものはすべお認めるたた耇数の文末蚘号が続く堎合その最埌の文末蚘号たでを䞀文ずする文末蚘号が珟れおもそれが匕甚䞭である等文の途䞭であるず認められるような堎合にはそこで文を切らないe.g.「こんにちは」ず蚀ったたた文末蚘号がない堎合でも明らかに文の区切り目であるず考えられる堎合は文末蚘号を眮かないたた文末ずした\subsection{文字間統蚈情報}\label{sec:scoring}隣接bigramだけでは{\itAXYB}に珟れる事象{\itXY}ず{\itCXYD}に珟れる{\itXY}ずを区別するこずはできない日本語のように圢態玠間の区切り目が明らかでない蚀語では単玔隣接bigramを利甚するこずで捚おられるこれらの文脈情報が重芁な圹割を果たすこずがある本皿では共起情報を取埗する際の確率モデルずしおd-bigramを採甚したd-bigramずは事象間の距離を考慮したbigramモデルである\cite{tsutsumi93}\subsubsection{d-bigram確率モデル}\label{sec:d-bigram}d-bigramモデルは2぀の事象および事象間の距離の3぀のパラメヌタから成っおいる2事象間の距離はこの2事象が隣接しお䞊んでいる時1ずする䟋えば{\itABBC}ずいう事象列からは6皮類のd-bigramが取埗できる距離を考慮しない通垞のbigramモデルでは({\itA},{\itB})が2回カりントされるがd-bigramモデルの堎合隣り合っお出珟しおいる({\itA},{\itB};1)ず䞀事象間に眮いお出珟しおいる({\itA},{\itB};2)は別の事象ずしお扱われる\subsubsection{有繋評䟡倀}\label{sec:linkyscore}Nobesawaらは文䞭のある文字の䞊びが意味のある塊を成すこずの起こりやすさを算出するシステムを提案しおいる\cite{nobesawa96coling}この手法は語圙に぀いおの知識を䞀切必芁ずせず文字間共起情報のみで文を意味のある塊に切り分けるこずが可胜であるこずを瀺した実隓は日本語に぀いお行なわれ日本語の各文字の共起関係の情報は文䞭での文字の繋がり方を瀺すのに十分な情報を持っおいるこずを瀺した本皿ではこの点に着目し文字間の共起関係を利甚しお意味のある文字列を掚枬し自動抜出するシステムを提案するこずで蟞曞等の語圙を非垞に小さい劎力で補う手法を提案する本システムは有繋評䟡倀ず呌ばれる評䟡倀\cite{nobesawa96coling}を導入する有繋評䟡倀ずは隣り合った二文字が䞀塊の文字列に属する事象の起こりやすさを瀺す倀でありこの倀が高いほど察象ずなっおいる隣接二文字ペアが同じ文字列に属する可胜性が高い有繋評䟡倀は統蚈情報のみに基づいお算出する倀であるNobesawaらは有繋評䟡倀の蚈算にd-bigramを利甚するこずで文脈情報を圱響させおいる文䞭の$i$番目の文字ず$i+1$番目の文字の間の有繋評䟡倀の算出匏を匏(\ref{exp:uk})に瀺すただし$w_i$はある事象(本システムでは文$w$の$i$番目の文字)$d$は2事象間の距離(d-bigramの定矩による距離)$d_{max}$は有繋評䟡倀の算出に利甚されるd-bigramの距離$d$の最倧倀(本皿で玹介する実隓では$d_{max}=5$ずした)$g(d)$は距離の圱響に察する重み付け関数\footnote{距離が遠いほど事象の圱響が小さくなるずする䞻匵\cite{church89acl}を実装したものであり本皿で玹介する実隓では$g(d)=d^{-2}$\cite{sano96}ずしおいる}ずする\begin{eqnarray}\label{exp:uk}UK(i)=\sum_{d=1}^{d_{max}}\sum_{j=i-(d-1)}^{i}MI_d(w_j,w_{(j+d)};d)\timesg(d)\end{eqnarray}たた2事象間の盞互情報量の蚈算匏をd-bigramに察応するよう拡匵したものずしお匏(\ref{exp:mid})を利甚したただし$x$$y$は各事象$d$は2事象間の距離$P(x)$は事象$x$が起こる確率$P(x,y;d)$はd-bigram($x$,$y$;$d$)が起こる確率ずする\begin{eqnarray}\label{exp:mid}MI_d(x,y;d)=log_2\frac{P(x,y;d)}{P(x)P(y)}\end{eqnarray}図\ref{fig:scoring}に文脈情報の圱響のむメヌゞを瀺すある隣接2文字$w_i$ず$w_{i+1}$の間の有繋評䟡倀の算出にはこの2文字ペアの共起情報だけでなくその呚りに珟れる文字ペアの共起情報(䟋えば($w_{i-1}$,$w_{i+2}$;3)等)が圱響する\begin{figure}[htb]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\atari(100,41)\caption{d-bigramを甚いた有繋評䟡倀の算出\cite{nobesawa96coling}}\label{fig:scoring}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\vspace*{5mm}\subsection{文字列抜出}本皿で甚いるシステムは文字間共起情報を利甚しお算出する有繋評䟡倀を基に抜出すべき文字列の遞択を行なう図\ref{fig:scoregraph}に有繋評䟡倀のグラフの䟋を挙げる「ABCDEFGHIJK!」ずいう12文字から成る文字列を入力文ずしたずしグラフ䞭のX軞䞊のアルファベットはそれぞれ文䞭の各文字を瀺す末尟の「!」は文末蚘号を衚す\begin{figure}[htb]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\atari(70,35)\caption{有繋評䟡倀スコアグラフ\cite{nobesawa96coling}}\label{fig:scoregraph}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\vspace{-4mm}有繋評䟡倀は隣り合う文字ペアそれぞれに぀いお算出されるグラフ䞭では各文字ペア間の有繋評䟡倀をY軞で衚しおいる有繋評䟡倀は文字間共起情報を基にしおおり共起する確率が高い堎合ほど倀が高くなるスコアグラフが山状になっおいる郚分は文字間の繋がりの匷い文字の䞊びでありこの郚分は䞀塊の意味を成すずみなすこずが可胜である有繋評䟡倀の算出には該圓文字ペアだけでなくその呚りの文字ずの共起情報も利甚されるため長い文字列ではその文字列に含たれる文字それぞれの共起関係の盞乗効果により文字列の有繋評䟡倀が高くなる傟向がある偶然隣り合っお䞊んだ文字ペア\footnote{察象が蚀語であるため「偶然」ずいう衚珟は実際には適切でないここでは必ずしも隣り合う可胜性が高いずは蚀えない2単語の境界にある2文字ペアを指しお偶然の䞊びず蚀っおいる}の堎合有繋評䟡倀は盞察的に䜎くなりスコアグラフ䞊では谷を成す本システムではスコアグラフで蚀うずころの山状の郚分に盞圓する文字列を有繋文字列(有繋評䟡倀に基づいお䞀塊ず刀断された文字列\cite{nobesawa96coling})ずしお抜出する図\ref{fig:scoregraph}の䟋では{\gtAB}{\gtCDEF}および{\gtHIJK}がそれぞれ䞀塊の文字列ずしお出力されるこの手法ではどこたでを山ずするかの基準が必芁になる抜出に際しおの基準ずしお有繋評䟡倀に閟倀を蚭けこの倀を越えたものを山ずみなす方法ず山の郚分の募配に぀いお閟倀を蚭けお前埌の文字列ずの区切り目が明らかなものを山ずみなす方法が挙げられるこの閟倀を操䜜するこずで抜出する文字列の皮類や粟床をある皋床調節するこずが可胜である確実に䞀塊ずなる文字列のみを抜出したい堎合には抜出察象を遞出する際の基準を高く蚭定すればよい閟倀が高い堎合有繋文字列ずしお出力される文字列の長さが短くなる傟向があるこれは䟋えば耇合語等が単語に切り分かれる\footnote{耇合語は䞀般的に耇数の山が連なっお䞀぀の倧きな山を構成するような圢状ずなる閟倀が高くなるずそれぞれの山(倧抵の堎合単語)の切れ目の谷の郚分で切り分けられる堎合が増え結果的に耇合語を構成する単語がそれぞれに抜出される}等確実に䞀塊ずなる郚分のみを残そうずする䜜甚が匷くなるためである \section{実隓} 本皿では䞎えられた蚓緎コヌパスから埗た文字間共起情報のみを利甚した文字列抜出実隓の結果を報告する本皿では口語文を実隓察象ずしこれに含たれる頻出文字列を抜出するこずで口語文に倚く含たれその凊理を困難にする芁因ずなっおいる蟞曞未登録語の自動認識および自動抜出を行なうこずを目的ずする本皿で報告する実隓ではその結果を評䟡するため同じ入力コヌパスを日本語圢態玠解析ツヌル茶筌ver.1.51\cite{chasen97}で凊理した結果ず比范し茶筌が未登録語ずした文字列および茶筌が解析に倱敗した文字列に぀いおこれを本システムで抜出できたかに぀いお調査する\subsection{コヌパス}\label{sec:corpus}本実隓ではコヌパスずしお電子メヌル文曞を利甚した口語の蚘述文ずしおは察話コヌパス等他にも利甚可胜な文曞が存圚するがこれらはほずんどの堎合話し蚀葉を他者が蚘述したものでありその正確性や発話者の意図の反映等の点では電子メヌル文曞が優るず考えるたた電子メヌル文曞の堎合特に口語で蚘述されるものは䞀般の文曞に比べお未登録語が倚いためかな挢字倉換等の倱敗が倚く他の文曞を察象にしたものに比べおナヌザの䞍満が倚いず掚枬される埓っお䞀般の蟞曞では未登録語ずされるような頻出文字列が自動的にナヌザ蟞曞等の圢で組み蟌たれるシステムぞのニヌズは倧きいさらに電子メヌル文曞はそのたたで機械凊理可胜な状態で存圚しか぀ある皋床の量を収集するこずが少なくずも物理的には簡単である\footnote{電子メヌルの利甚はプラむバシヌの問題等がある}こずも電子メヌル文曞を実隓コヌパスずしお遞択したこずの倧きな理由に挙げられる統蚈情報を利甚した凊理システムの堎合十分な量のコヌパスの確保が問題になるこずを考えるずほずんど劎力を掛けずに倧量のコヌパスを取埗できる電子メヌルは非垞に有甚であるなお電子メヌルでは他のメヌルの匕甚が含たれるこずが倚いが同じ文を耇数回蚘録するこずを避けるため本実隓で甚いたコヌパスでは匕甚郚分はすべお削陀した\subsubsection{蚓緎コヌパス}\label{sec:trcorpus}有繋評䟡倀の算出に利甚する共起情報を埗るための蚓緎コヌパスずしお本実隓では1998幎から1999幎にかけお友人宛おに曞かれた口語調の電子メヌルを利甚した送信者は17人(å…šå“¡10代から30代の女性)で送られたメヌルはすべお同䞀の受信者(女性)に宛おたものである本コヌパスは351の電子メヌル䞭の7,865文から成っおおり含たれる文字数は176,380(䞀文圓たりの平均文字数22.4)である\subsubsection{テストコヌパス}\label{sec:tscorpus}テストコヌパスは1999幎に友人宛おに曞かれた口語調のメヌル文曞を利甚した送信者は3人(蚓緎コヌパスの送信者の䞀郚)であり同䞀の受信者(蚓緎コヌパスの受信者ず同じ)に宛おおメヌルを曞いおいるテストコヌパスは蚓緎コヌパスの䞀郚ではなく独立したものであるテストコヌパスは1,118文24,160文字から成っおおり䞀文圓たりの平均文字数は21.6である\subsection{実隓結果}\subsubsection{有繋評䟡倀の分垃}本実隓における有繋評䟡倀の分垃を図\ref{fig:scoredistribution}に瀺す有繋評䟡倀の平均倀は$0.34$であったこの倀を受けお文字列抜出実隓では抜出の閟倀を$0.50$に蚭定した\begin{figure}[htb]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\atari(55,83)\caption{有繋評䟡倀の分垃}\label{fig:scoredistribution}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\subsubsection{文字列抜出結果}本システムが抜出した文字列を分類するず衚\ref{tab:over05seq}のようになったここで「抜出成功」ずは単語や熟語のような文字列が過䞍足なく抜出された数「過接合」ずは耇数の単語等が䞀぀の文字列ずしお抜出されたものおよび意味のある文字列にその前埌の文字列の芁玠である文字が付着した圢で抜出されたもの「過分割」ずは文字列が途䞭で分割されたもののうち元の文字列が掚枬できるもの「抜出倱敗」ずは過分割・過接合のため意味をなさなくなったものを指す文字列の䟋のうち過分割抜出倱敗ずしお挙げたものは抜け萜ちた郚分を括匧内に瀺した\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{本システムの抜出文字列}\label{tab:over05seq}\begin{tabular}{crrl}\hline\hline&文字列数&割合&文字列の䟋\\\hline抜出成功&1920&42.76\%&「やっぱり」「北海道」「html圢匏」「24時間」「トモダチ」\\過接合&1876&41.78\%&「メヌルを」「にお手玙曞く」「いいねヌ」「私は」\\過分割&564&12.56\%&「メヌラ(ヌ)」「(O)utlook」「ゎヌルデンりむ(ヌク)」\\抜出倱敗&130&2.90\%&「を遣(わせる)」「が起こ(った)」「(぀か)めおないっ(す)」\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&4490&&\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}定矩にあるように過接合ずは耇数の文字列が接合した圢であり頻出文字列の抜出を行なう本システムの手法では倚く抜出されるものである過接合文字列は耇数の文字列が繋がる堎合ず文字列の前埌に他の文字列が付着する堎合ずに倧きく二぀に分類できる\begin{itemize}\item耇数の文字列の有意味な繋がり\begin{itemize}\item頻出文\item頻出蚀い回し\end{itemize}\item文字列の前埌に他の文字列の党郚たたは䞀郚分が付着したもの\begin{itemize}\item助詞文末蚘号の付着\item前埌の文字列が過分割され付着\end{itemize}\end{itemize}これらのうち頻出文頻出蚀い回しが䞀塊ずしお抜出されるこずは本システムの手法を考えるず自然であり倱敗ずは蚀えないたた文字列の前埌に助詞や文末蚘号が付着するこずは䟋えば「ず思う」の助詞「ず」の付着のようにその文字列の䞻たる利甚法によるものであり頻出蚀い回しの䞀皮ず考えるこずができる衚\ref{tab:over05u}に過接合ずされた文字列の内蚳を瀺す\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{抜出文字列䞭の過接合文字列}\label{tab:over05u}\begin{tabular}{crrl}\hline\hline&文字列数&割合&文字列の䟋\\\hline文&339&18.08\%&「今幎もよろしくね♪」「あははははは」\\&&&「メヌル遅くなっおごめんね」\\有意味文字列&192&10.24\%&「関西方面」「新バヌゞョン」「いい人」「ちょっず䞍安」\\&&&「でもやっぱり」「メヌル送らないで」\\助詞付着\&蚘号付着&198&10.56\%&「で倧倉です」「ずいいたす」\\助詞のみ付着&337&17.97\%&「それは」「ず䞀緒」「メヌルを」\\蚘号のみ付着&523&27.89\%&「だけど」「だよ」「です」\\その他&287&15.30\%&「っお感じ」「かったらハッキリ」\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&1876&\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}文の圢をしたもの等意味のある文字列が過接合ずされたのは531䟋でありこれらを含めた有意味文字列の抜出文字列党䜓に察する割合は54.59\%ずなるこの割合は本システムの適合率ず考えおよいさらに文末蚘号・助詞付着を原因ずする過接合をも加えるずその割合は84.70\%に䞊がる衚\ref{tab:over05seq}にある「過分割」はそのほずんどが動詞であるこれは動詞に぀いおの刀定を助動詞等たで含めた䞀塊を抜出した堎合にのみ抜出成功ずしたためである本皿では耇合動詞「曞き盎す」が二぀の動詞に切り分けられた䟋や「蚀っちゃった」のように掻甚し助動詞等が付着した文字列で「っちゃった」等付着郚分が切り分けられた䟋等もすべお過分割に分類しおいる\subsubsection{頻出文字列}衚\ref{tab:strongstring2}に高い有繋評䟡倀を瀺した隣接文字ペアの䞀郚を瀺すここに挙げられた隣接文字ペアは有繋評䟡倀の倀が$10.00$を越えたものであり衚䞭の数字はそのペアが評䟡倀$10.00$以䞊で出珟した頻床を瀺す\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{有繋評䟡倀の高い隣接文字ペア}\label{tab:strongstring2}\begin{tabular}{crl|crl}\hline\hline文字ペア&頻床&&文字ペア&頻床&\\\hlineワタ&19&「ワタシ」の䞀郚&&7&\\ット&12&「ネット」「ペット」等の䞀郚&友達&6&\\ネッ&11&「ネット」の䞀郚&返事&4&\\タシ&11&「ワタシ」の䞀郚&登録&4&\\ポス&10&「ポスト」の䞀郚&絶察&4&\\遊び&9&&瀺板&4&「掲瀺板」の䞀郚\\関西&8&&掲瀺&4&「掲瀺板」の䞀郚\\誕生&7&&&4&\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}衚\ref{tab:strongstring2}に挙げたような特に評䟡倀の高い隣接文字ペアは評䟡倀の高い文字列の䞀郚であるこずが倚い(衚\ref{tab:over5seq})衚\ref{tab:over5seq}に本システムが抜出した文字列の䞀郚を瀺すここでは文字列に含たれるすべおの隣接文字間の評䟡倀が$5.00$以䞊の文字列のみを瀺しこの堎合の頻床のみを掲茉した\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{共起関係の匷い文字列}\label{tab:over5seq}\begin{tabular}{lc|lc|lc}\hline\hline文字列&頻床&文字列&頻床&文字列&頻床\\\hline・・・&72&笑&36&ネット&20\\そう&52&ワタシ&29&&16\\けど&48&それ&26&リンク&15\\から&43&・・・・&25&友達&13\\メヌル&39&自分&20&&\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}\subsection{茶筌における未登録語}\label{sec:chasenunk}未登録語ずしお扱われる文字列のカテゎリずしおは以䞋のものが挙げられる\begin{itemize}\item新しい語句\begin{itemize}\item新語\item俗語\item固有名詞\end{itemize}\item既存の語句の異衚蚘\begin{itemize}\itemカタカナ衚蚘(「私」を「ワタシ」ず衚蚘する等)\itemアルファベット衚蚘(「グッド」を「GOOD」ず衚蚘する等)\item発音倉化に䌎う衚蚘倉化\end{itemize}\item擬音語擬態語等\item解析゚ラヌ\end{itemize}比范に甚いた日本語圢態玠解析ツヌル茶筌は蟞曞ベヌスのシステムであり未登録語は「未定矩語」のタグを付加しお出力される衚\ref{tab:unk}はテストコヌパスを茶筌にかけた結果未定矩語タグを付加されお出力された文字列を出珟頻床毎にたずめたものである本皿で利甚するシステムでは品詞タグを利甚しないため茶筌の品詞タグ付け゚ラヌ(文字列の切り出し方は正しいが付加された品詞タグが䞍適切なもの)に぀いおは無芖し未定矩語タグが付加された文字列および切り分けに倱敗した文字列のみを茶筌における抜出倱敗ずみなす衚\ref{tab:unk}では茶筌が未定矩語タグを付加しお出力した文字列の本システムでの抜出状況に぀いおも瀺しおいる「抜出成功」ずは本システムが抜出に成功した文字列の数「抜出倱敗」は本システムが認識できなかった文字列の数「郚分抜出」ずした欄は文字列の䞀郚が認識されなかった文字列の数を瀺す茶筌はテストコヌパスの圢態玠解析凊理の結果627の未定矩語タグ付き文字列を出力したテストコヌパスは1,118文から成っおいるため単玔に平均するず56.08\%の文に未登録語が含たれおいたこずになる\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{茶筌が未定矩語タグを付加した文字列の扱い}\label{tab:unk}\begin{tabular}{crrrr}\hline\hline\multicolumn{2}{c}{未定矩語タグ}&\multicolumn{3}{c}{本システムでの抜出結果}\\出珟頻床&総出珟数&抜出成功&郚分抜出&抜出倱敗\\\hline10以䞊&281&230&7&44\\3〜9&143&100&13&30\\2&56&43&4&9\\1&147&60&44&43\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&627&433&68&126\\&&69.06\%&10.85\%&20.10\%\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}衚\ref{tab:unk}に瀺すように本皿で提案する手法により茶筌が未定矩語タグを付加した文字列の69.06\%を回埩するこずが可胜であるこの割合は本システムの再珟率に盞圓する倀である本システムは頻床の高い文字列に぀いおさらによい結果を瀺す(衚\ref{tab:unk})茶筌が未定矩語タグを付加した文字列のうちテストコヌパスでの出珟頻床が10回を越す文字列では81.85\%が正しく抜出されおいる本実隓で甚いたテストコヌパスは蚓緎コヌパスの䞀郚ではないが条件が近いものであるためテストコヌパスでの出珟頻床は蚓緎コヌパスずある皋床䌌おいるものず考えるこずができるテストコヌパス䞭に二床以䞊出珟した未登録語に限った堎合本システムでの抜出成功の割合は77.71\%ずなるテストコヌパスに䞀床しか珟れおいない未登録語も本システムを甚いるこずで40.82\%を抜出するこずができた本システムが抜出した意味のある文字列䞭茶筌が未定矩語タグを付加した文字列の割合は11.22\%であった抜出の閟倀を䞊げるず出珟頻床の䜎い文字列の抜出に倱敗する可胜性が高くなるがこの割合の倀は倧きくなる茶筌が未定矩語タグを付加しお出力した文字列のうち本システムが抜出に成功したものの有繋評䟡倀の平均は6.11であり実隓の閟倀0.50を倧きく䞊回る有繋評䟡倀の分垃(図\ref{fig:scoredistribution})から芋おもこの数倀は十分高いものである衚\ref{tab:unk-category}は茶筌が未登録語ずした文字列を分類しそれぞれに぀いおの本システムでの抜出結果を瀺したものである\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{茶筌が未定矩語タグを付加した文字列の分類}\label{tab:unk-category}\begin{tabular}{lrrrr}\hline\hline\multicolumn{2}{c}{未定矩語タグ}&\multicolumn{3}{c}{本システムでの抜出結果}\\カテゎリ&蚈&抜出成功&䞀郚抜出&抜出倱敗\\\hline固有名詞&60&39&17&4\\新語(固有名詞を陀く)&70&48&12&10\\文字挿入&119&89&4&26\\衚蚘倉化&276&194&28&54\\文末蚘号&58&43&0&15\\スマむリヌ&15&9&6&0\\その他&29&12&1&16\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&627&433&68&126\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}衚\ref{tab:unk-category}が瀺すように未登録語の最倧の原因は衚蚘の倉化である口語調の文章では文字列を匷調する等の堎合にその衚蚘方法を倉えるこずがありこれによっお蟞曞に茉っおいる語でも芋出し語ず異なる衚蚘のために蟞曞ずマッチせず未登録語ずされる文字挿入も匷調等の目的で行なわれるこずが倚くその意味では衚蚘倉化の䞀郚ず芋るこずができるこの2皮類を足し合わせるず茶筌が未登録語ずしお出力した627文字列のうち356個56.78\%が衚蚘の倉化によるものずいうこずになる文末蚘号が䞀郚未登録語ずされたのは(1)蚘号が文末蚘号の代わりに甚いられた事䟋ず(2)耇数の文末蚘号が䞊んで䜿われた事䟋の2皮類の堎合であった文末蚘号ずしお頻繁に利甚された蚘号には「♪」や「 」等がある本システムは蟞曞を利甚せず蚓緎コヌパスから埗た共起情報のみを甚いるためこれらの蚘号も他の通垞の文末蚘号ず同様に文末に来る確率が高い文字列ずしお抜出しおいるたた(2)では「」や「」等同じ蚘号を䞊べお利甚するこずが倚い䞊ぶ個数には芏則はないが蚘号同士の䞊び方(「」や「 」は頻繁に起こるが「」は起こらない等)にはある皋床芏則がありd-bigram共起情報を利甚するこずで習埗可胜である衚\ref{tab:unk-category}のカテゎリ䞭未登録語ずされるべきものは新語および固有名詞だがこれは未登録語党䜓の20.73\%であった本実隓ではこれらのうち66.92\%を正しく抜出するこずに成功した\subsubsection{未登録語に含たれる字皮}\label{sec:unk-lettertype}衚\ref{tab:unk-lettertype}に茶筌が「未登録語」ずした文字列に含たれる文字の字皮を瀺す数字は各字皮の文字の数であり文字皮ずあるのはその字皮に該圓する文字の異なり数である茶筌が未登録語ずしお出力した627語(衚\ref{tab:unk})は合蚈1,493の文字から成っおおり平均文字数は2.38であった\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{茶筌が未定矩語タグを付加した文字の字皮}\label{tab:unk-lettertype}\begin{tabular}{lrrrrr}\hline\hline\multicolumn{3}{c}{未定矩語タグ}&\multicolumn{3}{c}{本システムでの抜出結果}\\å­—çš®&文字皮&蚈&抜出成功&䞀郚抜出&抜出倱敗\\\hline挢字&1&19&19&0&0\\ひらがな&12&200&155&7&38\\カタカナ&73&1051&712&188&151\\アラビア数字&1&1&0&1&0\\アルファベット&23&122&43&72&7\\蚘号&22&100&39&37&24\\\hline\multicolumn{2}{r}{蚈}&1493&968&305&220\\&&&64.84\%&20.43\%&14.74\%\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}未定矩語タグを付加された文字列に含たれる文字の70.40\%はカタカナであった挢字および数字に぀いおはそれぞれ1぀ず぀しか未登録語ずされおいない数字は䞀文字䞀文字を独立した数字ずしお扱うこずが可胜でありこのため未登録語ずなる可胜性が非垞に䜎いたた挢字は衚意文字であり䞀文字でもなんらかの意味を持぀そのため誀分割によっお䞀文字だけ独立しお切り分けられた堎合でもその䞀文字で䞀぀の文字列ず扱われるこずがありその結果未登録語ずしお出力される可胜性が䜎くなっおいる䟋えば「この䞖界」を「この䞖」ず「界」ずに切り分けた䟋があったがこの堎合「界」は「文孊界」等に芋られるような名詞接尟語ずされおいたこのように挢字文字列の未登録語は未登録語ずされずに無理な切り分けをされタグ付けの誀りを匕き起こす原因ずなっおいる\subsubsection{異衚蚘に起因する未登録語}\label{sec:unkrep}衚\ref{tab:unkrep}に茶筌が未登録語ずしたもののうち衚蚘倉化が原因ずなっおいるものを瀺すほずんどの蟞曞は基本的にそれぞれの語に぀いお芋出し語を䞀぀しか持たないため䟋えば同じ語をカタカナで衚蚘された堎合これを同じず刀定するこずは困難であるしかし口語衚珟等では語の匷調や衚蚘の簡玠化等のため基本的な衚蚘を甚いずかなで衚蚘するこずも倚い\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{衚蚘倉化に起因する未登録語}\label{tab:unkrep}\begin{tabular}{lrrrr}\hline\hline\multicolumn{2}{c}{未定矩語タグ}&\multicolumn{3}{c}{本システムでの抜出結果}\\サブカテゎリ&蚈&抜出成功&䞀郚抜出&抜出倱敗\\\hline語圢倉化&40&33&3&4\\カタカナ衚蚘&137&102&12&23\\語圢倉化\&カタカナ衚蚘&55&34&10&11\\その他&44&25&3&16\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&276&194&28&54\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}\subsubsection{発音延長に起因する未登録語}\label{sec:pronunciation-extension}日本語では「ん」以倖の音がすべお母音を䌎うためある音を䌞ばす堎合にはその音の含む母音をさらに付加する衚\ref{tab:unkrepsmall}に発音の延長のために添付された文字が未登録語ずなった119䟋に぀いお本システムによるその抜出結果を瀺す未登録語ずされた添付文字は7皮類の小字および「ン」の8皮類である衚\ref{tab:unkrepsmall}の「抜出倱敗」は添付文字は文字列に付加されたが文字列自䜓の抜出に倱敗したものを瀺す\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{添付文字が未登録語ずされた䟋}\label{tab:unkrepsmall}\begin{tabular}{crrrrrrrrr}\hline\hline文字&ぁ&ぃ&ぅ&ぇ&ぉ&っ&ッ&ン&蚈\\\hline付加成功&39&2&5&32&7&3&1&0&89\\抜出倱敗&0&0&0&0&0&4&0&0&4\\付加倱敗&5&1&4&2&1&7&5&1&26\\\hline\multicolumn{1}{r}{蚈}&44&3&9&34&8&14&6&1&119\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}衚\ref{tab:unkrepsmall}に瀺すように本システムを利甚するこずで茶筌で未登録語ずされた添付文字の74.79\%が元の文字列に添付された圢で抜出されたこれにより添付文字に起因する未登録語のおよそ75\%が未登録語ずしおでなく文字列の䞀郚ずしお抜出するこずが可胜になったこの堎合抜出される文字列は添付文字を付けた圢であり蟞曞の芋出し語ず異なるがこれは芋出し語が倉圢したものであり添付文字たで含めお䞀塊の文字列であるこずは吊めない埓っお語圢倉化した文字列ず芋出し語ずを結び぀けるこずができれば語圢倉化した文字列を蟞曞に登録するこずが可胜である未登録語ずされた文字ず元の文字列ずの関係が明らかになり元の文字列の語圢倉化であるこずが瀺されれば元の文字列の属性を継承するこずで語圢倉化した文字列に十分な情報を䞎えるこずが可胜である䟋えば「すごく」を匷調するため添付文字「っ」を挿入しお「すっごく」ずした堎合茶筌のような蟞曞ベヌスのツヌルでは「す」「っ」「ごく」等分割されお出力されるこの時挿入された「っ」は未登録語ずされる本システムでは蟞曞ずは関係なく文字単䜍の共起情報を基に文字列を抜出するため頻出語である「すっごく」は䞀塊の文字列ずしお抜出されるここで「っ」が茶筌では未登録語ずされおいるこずこの「っ」を抜かした「すごく」が蟞曞に登録されおいるこず呚りの語句ずの共起情報等から「すっごく」が「すごく」の語圢倉化であるこずを掚枬するこずが可胜ずなる\subsection{茶筌の解析誀り}\label{sec:chasenfail}衚\ref{tab:fail-category}に茶筌が解析に倱敗した文字列の抜出結果を瀺す本システムは茶筌が解析に倱敗した文字列のうち70.88\%の認識に成功した\begin{table}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\caption{茶筌による解析倱敗}\label{tab:fail-category}\begin{tabular}{clrrrr}\hline\hline\multicolumn{3}{c}{解析倱敗}&\multicolumn{3}{c}{本システムでの抜出結果}\\&カテゎリ&蚈&抜出成功&䞀郚抜出&抜出倱敗\\\hlineA&英文字を含むもの&42&41&1&0\\B&数字を含むもの&60&35&10&15\\C&固有名詞&92&81&5&6\\D&新語(固有名詞以倖)&11&2&5&4\\E&蚀い回し&8&4&3&1\\F&衚蚘倉化&176&106&37&33\\G&字皮倉化&19&10&5&4\\H&匷調衚珟&257&154&73&30\\I&文末蚘号&253&233&6&14\\J&解析誀り&115&82&19&14\\\hline\multicolumn{2}{r}{蚈}&941&667&159&115\\&&&70.88\%&16.90\%&12.22\%\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}カテゎリBは数字を含む文字列でありこのカテゎリに含たれる文字列はすべお数字に助数詞が付加された圢になっおいる本システムは25の文字列の抜出に倱敗しおいるが「日」が「」ず「日」に切り分けられたもの等25のうち12は助数詞が切り分けられおしたったものであるカテゎリFずGずHが文字列の語圢倉化に起因する誀りであるカテゎリFは口語での利甚等のための発音倉化に起因する衚蚘倉化のため茶筌が認識に倱敗した文字列である「やはり」の口語化である「やっぱ」等がこのカテゎリに入るカテゎリGは匷調等のため他の字皮で曞かれた文字列であるカテゎリJは解析誀りによる倱敗である本システムでは解析誀りのため茶筌が切り分けに倱敗した文字列のうち71.30\%の認識に成功したカテゎリHで本システムで抜出に倱敗した103の文字列のうちの53個は長音化のための附属文字が欠萜したものであり抜出された文字列は意味的に正しいものであった口語等で匷調のために添付する文字は耇数個になるこずもある䟋えば「たさか」を匷調するために「たさかヌヌヌ」等ず長音蚘号を耇数添付するこずも可胜だがこの堎合添付する文字の個数には特に制限がない本システムでは䟋えば長音蚘号は耇数回䞊ぶ可胜性があるずいう情報をd-bigramの圢で保有しおいるためこのような耇数個の文字の添付に察応可胜であるこれは添付文字に限ったこずではなく䟋えば笑い声を瀺す「ははははは」や文末の「」等の抜出も可胜である\subsection{茶筌ぞの語句登録}\label{sec:chasenentory}蟞曞ベヌスのツヌルでは䞀般に語句の登録を蚱しおいるがその登録は䞻に人手によるものである本システムは蟞曞ベヌスの解析ツヌルのための蟞曞䜜成支揎システムずしお利甚するこずが可胜である本手法は文字間の統蚈情報のみを利甚しお自動的に文字列の抜出を行なうため過分割・過接合の問題があるが文字列抜出の閟倀を䞊げるこずでかなり抜出文字列を絞るこずが可胜である䟋えば茶筌では新芏ファむルを甚意し図\ref{fig:chasendic}のフォヌマットで各語句を蚘述するこずで語句の登録を行なうこずができる\cite{chasen97}\begin{figure}[hbt]\begin{minipage}{\textwidth}\begin{center}\begin{tabular}{c}\hline\hline\\(品詞(名詞固有名詞人名䞀般))((芋出し語(竹取の翁2000))(読みタケトリノオキナ))\\\\\hline\hline\end{tabular}\caption{茶筌の蟞曞項目の蚘述}\label{fig:chasendic}\end{center}\end{minipage}\end{figure}茶筌の蟞曞の芋出し語に付加されおいる数倀は単語コストであるこの倀の決定には本システムが文字列抜出に際しお蚈算した有繋評䟡倀を加工しお利甚するこずが可胜である本システムでは読みがなや品詞の決定はできないが読みがな付加に関しおはKAKASI\footnote{KAKASI挢字-かな(ロヌマ字)倉換プログラムhttp://kakasi.namazu.org/}等のツヌルを利甚も可胜である未登録語ずされる文字列のうちカタカナ衚蚘に起因するものに぀いおはカタカナずひらがなは䞀察䞀に察応するので読みがな付加は容易であるたた品詞情報に぀いおは既存の蟞曞の情報ずの差別化が必芁な堎合本システムの出力した文字列を察象ずした新たな品詞名を蚭定すればよい品詞情報を必芁ずしないシステムでは本システムの出力結果をそのたたあるいは人手による遞別を埗お利甚するこずが可胜である特にかな挢字倉換システム等では本システムの利甚により頻出蚀い回しの登録が容易ずなるこずで粟床の向䞊が期埅できる\subsection{他の手法ずの比范}\label{sec:comparison}日本語における語句抜出の研究は䞻に名詞句の抜出固有名詞の抜出および語句切り分けに関するものである統蚈情報を利甚した語句抜出の手法は䞻ずしお品詞情報を利甚するもの単語の共起情報を利甚するもの文字の共起情報を利甚するものに倧別できるNagaoらは$n$-gram頻床を甚いた文字列抜出を提案した\cite{nagao94}$n$-gramは$n$の倀が倧きくなるにしたがっお出珟頻床が䜎䞋するが有意味文字列は他の文字列に比べお高い頻床で出珟するNagaoらの手法はこの性質を利甚したものであり本皿ず同様品詞等の情報を利甚せずに文字列の抜出を行なっおいるKitaniらは固有名詞党般を察象に固有名詞の前埌に出珟しやすい語を接蟞ずしお扱うこずで固有名詞の抜出を行なっおいる\cite{kitani94}たた久光らは察象を人名に絞り蟞曞ず共起情報を利甚した手法を提案しおいる\cite{hisamitsu97}久光らの手法でも人名の盎埌に珟れる接蟞を手がかりずしお抜出を行なっおおりさらに人名接蟞の獲埗支揎や姓ず名ずの分割・刀別に぀いおも提案しおいるたた犏本らは接蟞の他固有名詞の特性に基づいたヒュヌリスティクスを導入し粟床の向䞊を図っおいる\cite{fukumoto98}たたChaらは韓囜語を察象ずしお構文解析䞭に出珟した未登録語の抜出を行なっおいる\cite{cha98}Chaらは未登録語発芋のための圢態玠パタヌン蟞曞を利甚しお未登録語に察しおも他の語ず同様にタグ付けを行なうずいう手法を提案しおいる単語間共起情報や品詞情報を利甚する手法では前凊理ずしお切り分けおよびタグ付けが必芁ずなる蟞曞を利甚した手法では未登録語の問題は避けられないが未登録語に起因する解析゚ラヌがその埌の凊理の粟床を䞋げるずいう問題が生じる本皿で提案する手法では蟞曞を利甚せず前凊理にあたる蚓緎フェヌズも文字単䜍の共起情報の取埗だけであるため完党に自動的に行なうこずが可胜である \section{たずめ} 蟞曞ベヌスの自然蚀語凊理では未登録語が倧きな問題の䞀぀である本皿では凊理察象ずなるドメむンの生コヌパスを蚓緎コヌパスずしお取埗した文字共起デヌタのみを利甚しお察象ドメむンの頻出文字列の自動抜出を行なう手法を提案し口語を倚く含む電子メヌル文曞に察しお適甚しその有効性を瀺した本皿で利甚したシステムでは玔粋に二文字間の共起情報のみを利甚し䞎えられた入力コヌパス内の各隣接文字間の関係を掚枬するこずで文䞭の意味のある文字列の認識を行なっおいる本皿では口語を倚く含む電子メヌル文曞をコヌパスずしコヌパス䞭に頻出する口語衚珟および異衚蚘衚珟等の抜出を行なったこれらの口語衚珟異衚蚘衚珟は䞀般的な蟞曞に登録されおいないものが倚く蟞曞ベヌスの解析の際にノむズずなるものである本皿で瀺した実隓では蟞曞ベヌスの圢態玠解析ツヌルである茶筌が未登録語ず刀断した文字列の69.06\%を正しく認識したたた茶筌がなんらかの解析結果を出力した文字列に぀いおも解析誀りのため正しく切り分けが行なわれなかった文字列のうち70.88\%に぀いお本システムは正しい切り分けを行なった本システムは品詞タグを利甚しないためこの数字は切り分け誀りに぀いおのものであり本システムを利甚するこずによっお正しく認識された文字列を蟞曞に組み蟌むこずで切り分け誀りだけでなく品詞タグ付けの誀りに぀いおも枛少を図るこずができるず期埅する\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{260}\nocite{nobesawa00coling}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{延柀志保}{1994幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業1996幎同倧孊院理工孊研究科蚈算機科孊専攻修士課皋修了同幎慶應矩塟倧孊理工孊研究科博士課皋進孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{斎藀博昭}{1983幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業工孊博士慶應矩塟倧孊理工孊郚専任講垫}\bioauthor{䞭西正和}{1966幎慶應矩塟倧孊工孊郚管理工孊科卒業工孊博士慶應矩塟倧孊理工孊郚教授}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V30N02-18
\section{はじめに} 本論文では自然蚀語凊理システムの実瀟䌚応甚の具䜓䟋ずしお筆者が行った2020東京オリンピック参加者名簿の翻蚳支揎の経隓を報告する実瀟䌚応甚では「こずば」が瀟䌚的存圚であるこずを考慮したシステム蚭蚈・運甚が重芁ずなるオリンピック参加者名簿の翻蚳ずは囜際オリンピック委員䌚(InternationalOlympicCommittee,IOC)から提䟛される名簿に含たれるほがすべおの参加者の氏名アルファベット衚蚘にカタカナ衚蚘の蚳を付䞎するこずである\footnote{氏名を挢字で衚蚘する囜・地域の参加者を陀く具䜓的には日本䞭囜韓囜銙枯台湟}このタスクは技術的にはトランスリタレヌション(transliteration)の問題ずみなされるしかしながら客芳的な正解は存圚しないためシステムが出力すべきものはシステムの利甚者あるいは瀟䌚が玍埗するカタカナ蚳ずなるこの点に぀いおは次章以降で詳しく議論する本論文ではたず第2章でオリンピック参加者名簿翻蚳ずいうタスクを説明し人名翻蚳の本質に぀いお議論する第3章では翻蚳支揎に䜿甚したシステム\textbf{ç¶Ž2021}ず実際の翻蚳支揎䜜業の経過を瀺す続く第4章ず第5章では綎2021ずそれを支えるシステム\textbf{袷2019}の技術的詳现を瀺すこれらのシステムは準備段階で䜜成したシステム\cite{Yasue2016a,Yasue2016b,Sato2017}に改良を加えたものである第6章ではシステムの翻蚳結果が実際にどの皋床採甚されたかを瀺すずずもにこれらの䞀連の経隓を通しお埗られた知芋をたずめる最埌の第7章では関連研究に぀いお述べる本研究の新芏性はオリンピック参加者名簿の翻蚳ずいう珟実のタスクを実行するためのシステムを蚭蚈・実装しそのタスクをどの皋床うたく遂行したかを翻蚳結果の採甚率ずいう圢で瀺した点にあるなお本論文では姓ず名の組を衚す甚語ずしお「氏名」を姓たたは名を衚す甚語ずしお「名前」を甚い「氏名」ず「名前」を総称する甚語ずしお「人名」を甚いる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{オリンピック参加者名簿翻蚳ず人名翻蚳} \label{sec:difficult}オリンピック参加者名簿翻蚳には人名翻蚳自䜓の難しさずオリンピック名簿固有の過酷さが存圚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人名翻蚳の難しさ}アルファベット衚蚘の人名にカタカナ衚蚘の蚳を付䞎するこずは技術的にはトランスリタレヌションずみなされるトランスリタレヌションずはある蚀語の衚蚘をもっぱら発音に基づいお他の蚀語の衚蚘に倉換するこずである人名のトランスリタレヌションには次の2぀の難しさがある(1)はトランスリタレヌション䞀般の(2)は人名のトランスリタレヌション固有の難しさである\begin{enumerate}\item日本語の音で近䌌する必芁がある有名な䟋にテニス遞手の``AndyMurray''の姓をどのようにカタカナ衚蚘するかずいう問題いわゆるマリヌ/マレヌ問題がある日本語にない音は日本語のいずれかの音に近䌌する必芁があるがそこには自由床があり蚳者あるいは翻蚳する組織の意向が反映される\item蚀語を同定できない人名のアルファベット衚蚘だけから蚀語を掚枬するのは困難であるテキストずしお非垞に短いほずんどの堎合2語だけでなく同䞀衚蚘の語が耇数の蚀語に存圚するからであるオリンピックやワヌルドカップなどのスポヌツ倧䌚の参加遞手の人名を翻蚳する堎合その人物の所属する囜家はわかるのが普通であるが囜家から蚀語を䞀意に決定するこずはできない倚蚀語囜家は数倚く存圚するずずもに婚姻や移民による囜籍倉曎もある\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{オリンピック参加者名簿翻蚳固有の過酷さ}オリンピック参加者名簿翻蚳固有の過酷さずしお次の3点がある\begin{enumerate}\item察象人数が倚い具䜓的には2020東京オリンピックの参加者は13,032人であった\item察象ずする囜\footnote{本論文での「囜」ずは正確にはIOCコヌドを持぀囜・地域・参加䞻䜓を指す}の数が倚い具䜓的には2020東京オリンピックの参加囜は206カ囜であった\item開幕盎前たで名簿が確定しない開幕の玄1ヶ月前から数回に枡っおIOCから参加者の候補リストが送られおくる回を重ねる毎に曎新される参加者がほが確定するのは開幕盎前でありそのタむミングで倧量の人名を翻蚳するのは時間的に困難であるため前もっお参加者の候補リストを翻蚳しおおく必芁があるが候補リストに含たれる候補者の数は実際の参加者数よりもかなり倚い3.5節で具䜓的な数字を瀺すなお倧䌚期間䞭にも遞手の入れ替えはあるずのこずである\end{enumerate}日本においおオリンピック参加者名簿を翻蚳する䞻な組織は(1)攟送局から委蚗をうけたNHKの関連䌚瀟ず(2)2぀の通信瀟時事通信瀟ず共同通信瀟であるちなみに埓前はこれら3組織は独立に翻蚳を行っおいたそうで同䞀人物のカタカナ蚳が3組織で䞀臎しないものが少なからず存圚したようである東京オリンピック開催に合わせお3者間でカタカナ蚳のすり合わせが行われたず聞いおいるがおそらくカタカナ蚳の䞍䞀臎の問題は完党には解消されおいないものず掚察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人名翻蚳の本質}人名はその人物を特定する識別子ずしおの機胜を持぀そのカタカナ蚳はその人物の日本語における識別子ずなるため同䞀人物に耇数の蚳が存圚するこずは奜たしくないそのため人名を翻蚳する際にはたず既蚳の有無を確かめるこずが重芁ずなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{既蚳が存圚する堎合}``RogerFederer''のような有名人の堎合は既蚳が存圚し「ロゞャヌ・フェデラヌ」が定着しおいるこのような堎合の人名翻蚳は定着した既蚳に合わせるこずが芁請されるしかしながらすでに述べた``AndyMurray''のように耇数のカタカナ衚蚘「アンディ・マリヌ」ず「アンディ・マレヌ」が広く䜿われる堎合もあるそのような堎合はそのどちらかに合わせるこずになるが䞀方を採甚するこずにしたならば䞀貫しおそれを採甚する必芁があるここで泚意したいこずは諞般の事情により定着した蚳が倉曎される堎合があるずいう点であるよく知られた具䜓䟋は人名ではなく地名であるが「グルゞア」が「ゞョヌゞア」に「キ゚フ」が「キヌり」に倉曎になったこずは蚘憶に新しいすなわちたずえ定着した蚳であっおもそれは氞劫䞍倉の絶察的存圚ではない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{既蚳が存圚しない堎合}少数の有名人を陀けば既蚳が存圚しない人物がほずんどである本圓に存圚しないかどうかは知る術はないので探した範囲で既蚳が芋぀からなかった堎合は存圚しないず刀断する既蚳が存圚しない堎合アルファベット衚蚘からその発音を掚枬しそれを近䌌的に衚すカタカナ衚蚘を定めるそこには恣意性が存圚し客芳的な正解ずいうものは存圚しないだからずいっお任意のカタカナ衚蚘を採甚しおよいわけではないたずえば``BriceOttonello''ずいうフランス(FRA)の遞手の蚳に「バンゞャマン・ダビ゚」を圓おるこずはできない「ブリス・オットヌネロ」のようにそれらしいカタカナ蚳を圓おるこずが芁請されるこの蚳が瀟䌚的に受け入れられば既蚳ずしお定着する぀たり既蚳が存圚しない堎合の人名翻蚳は定着する可胜性のある蚳を新たに䜜るこずであるたずえそれが実際の発音ず倚少異なっおいおも瀟䌚に受け入れられれば既蚳ずしお定着する蚀い換えるならば定着した既蚳ずは瀟䌚的に受け入れられた蚳である以䞊をたずめるず次のようになろう\textbf{人名翻蚳の適切さは瀟䌚的に決定される}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{人名翻蚳支揎システム「綎2021」} 本プロゞェクトは2020東京オリンピックの参加者名簿の翻蚳に関しお時事通信瀟より協力の芁請がありそれを受ける圢で2015幎に正匏にスタヌトした時事通信瀟の意向はこの翻蚳䜜業を機械凊理で軜枛し名簿党䜓の翻蚳を実珟したいずいうものであった\footnote{埓前のオリンピックの参加者名簿の翻蚳では時事通信瀟は党参加者の翻蚳を準備しなかったずのこずであるリアルタむムで読み䞊げる必芁がある攟送媒䜓ずは異なり掻字媒䜓では入皿たでに若干の時間的䜙裕があるためその時間に翻蚳するずいう方法がずれる}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{基本方針}支揎システムの蚭蚈にあたっおは以䞋に瀺す3぀の基本方針を定めた\begin{enumerate}\item{カタカナ衚蚘の統制}日本語は衚蚘に関しお寛容な蚀語でありカタカナ衚蚘においおはいわゆる「衚蚘ゆれ」が倚数存圚する倖来語の衚蚘のガむドラむンずしお平成3幎6月28日の内閣告瀺二号「倖来語の衚蚘」\cite{Katakana}が存圚するが実際にはこのガむドラむンを逞脱した衚蚘が倚数存圚する支揎システムにおいおは䜿甚するカタカナ衚蚘の範囲を厳密に定め出力するカタカナ蚳を統制する具䜓的な統制方法は\ref{sec:Awase}章で詳しく述べる\item{既蚳蟞曞を甚いた翻蚳}既蚳蟞曞を敎備し既蚳が存圚する堎合は既蚳を採甚する\item{囜毎のトランスリタレヌタ}同䞀のアルファベット衚蚘であっおも蚀語によっおカタカナ蚳が異なる堎合があるすでに述べたように人名の蚀語はわからないため囜毎にトランスリタレヌタを甚意し蚳し分けを実珟する\end{enumerate}既蚳蟞曞の敎備\footnote{前回たでのオリンピックやメゞャヌな囜際倧䌚の参加者名簿などを元にオリンピックぞの参加予想も考慮しお䜜成するようである}は時事通信瀟が担圓した時事通信瀟の人名翻蚳の基本方針は「1囜1名前に察しおカタカナ蚳はひず぀」である぀たり囜ず名前が定たればカタカナ蚳が䞀意に定たるように統制するこれは原則でありすでに定着した既蚳などは䟋倖ずしお扱うこの方針は囜毎のトランスリタレヌタの実珟に奜郜合であった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia17f1.pdf}\end{center}\caption{ç¶Ž2021の構成}\label{fig:system}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ç¶Ž2021の構成}ç¶Ž2021の構成を図\ref{fig:system}に瀺す綎2021は以䞋の芁玠から構成されおいる\begin{enumerate}\item既蚳蟞曞\\過去に採甚された翻蚳の具䜓䟋を蟞曞化したもの氏名察蚳蟞曞ず名前察蚳蟞曞の2皮類の蟞曞から構成される蟞曞のレコヌドは囜名の情報IOCコヌドを持぀\item囜別翻蚳サブシステム\\名前のアルファベット衚蚘からカタカナ衚蚘を掚定するトランスリタレヌタ囜別翻蚳サブシステムは党郚で208個存圚するこのうち207個はIOCコヌドに察応するサブシステムで残りの1個は囜名が䞍明の堎合に䜿甚するサブシステムである\item蟞曞翻蚳モゞュヌル\\入力に察しお既蚳蟞曞を怜玢し䞀臎するものがあれば出力する囜名の䞀臎は必須である\item蚳語掚定モゞュヌル\\入力された囜名に基づいお囜別翻蚳サブシステムを呌び出し蚳語候補を5件出力する蚳語掚定の単䜍は名前姓たたは名である\end{enumerate}この構成で次に瀺す2皮類の翻蚳支揎サヌビスを提䟛する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{17table01.tex}%\caption{䞀括翻蚳の入出力圢匏}\label{tab:batch}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䞀括翻蚳サヌビス}䞀括翻蚳は倚数の氏名を䞀床に翻蚳するサヌビスでその入出力ぱクセルファむルであるその圢匏を衚\ref{tab:batch}に瀺すなおここで蚀及しない列も存圚するが翻蚳凊理には関䞎しない\begin{enumerate}\itemD,F,Gの3列が入力である\itemH列は翻蚳凊理の状況ステヌタスを以䞋の4皮類で瀺す\begin{description}\item[{\rm完党䞀臎}]氏名察蚳蟞曞で翻蚳でき蚳が唯䞀である\item[{\rm䞀臎}]名前察蚳蟞曞で姓ず名の䞡方が翻蚳できか぀それぞれの蚳が唯䞀である\item[{\rm重耇}]名前察蚳蟞曞での翻蚳に曖昧性耇数の蚳が存圚する\item[{\rm掚定}]姓ず名のいずれかは蚳語掚定された「重耇」よりもこちらを優先する\end{description}\itemI,J列は蟞曞翻蚳の結果を瀺す\itemK,L列は以䞋の優先床で決定した暫定蚳を瀺す\begin{enumerate}\item氏名察蚳蟞曞での翻蚳結果\item名前察蚳蟞曞での翻蚳結果耇数蚳がある堎合は䞀番頻床が高いもの\itemトランスリタレヌタによる1䜍の掚定結果\end{enumerate}\itemN,O,P,Q列は蟞曞翻蚳における他の候補を瀺す\itemR,S,T,U列は姓の蚳語掚定結果の2䜍から5䜍を瀺す\itemW,X,Y,Z列は名の蚳語掚定結果の2䜍から5䜍を瀺す\end{enumerate}実甚システムでは入出力の圢匏がシステムの利䟿性を倧きく巊右するこのため入出力圢匏の蚭蚈は非垞に重芁である䞊蚘の圢匏は実際に出力ファむルを利甚しお最終的な察蚳名簿を䜜成する圓事者ずよく盞談のうえ決定した\begin{itemize}\itemH列ステヌタスは翻蚳結果を芋盎す際に翻蚳凊理の状況がわかるように導入した\itemK,L列暫定蚳は翻蚳結果をそのたた採甚する堎合の䜜業を䞍芁にするために導入した翻蚳結果を修正する堎合この2列のみを曞き換えればよいため䜜業量は最小限で枈む\end{itemize}䞀括翻蚳に芁する時間は翻蚳する人名の件数に䟝存する3.8䞇件の堎合MacBookPro(AppleM1,16GB)で5分皋床である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{りェブサヌビス}りェブサヌビスではナヌザヌの入力に察しお翻蚳候補を提瀺し蚳語決定を支揎するサヌビスである耇数の囜を指定しおそれらの結果を比范したり囜名から掚定される蚀語を瀺す機胜を持っおいるすでに\ref{sec:difficult}章で述べたように参加者情報は五月雚匏に曎新されるため䞀括翻蚳以倖の翻蚳支揎が必芁ずなる図\ref{fig:interface}にりェブサヌビスの入出力画面を瀺す入力はアルファベット衚蚘の名前ず囜名最倧3カ囜たで指定可胜であるこの䟋は``Peter''をHUGハンガリヌ,GERドむツ,CANカナダの3カ囜を指定しお翻蚳する堎合を瀺しおいる指定した3カ囜以倖に囜名が䞍明の堎合の結果(all)も衚瀺される出力ペヌゞの䞊郚には蚳語掚定の結果が瀺される蟞曞翻蚳で翻蚳できた堎合はその結果も衚瀺されるこの䟋の堎合名前蟞曞のハンガリヌ(HUG)の察蚳に「Peter/ペテル」があるためその情報が瀺されおいる蚳語の䞋に囜名はその察蚳が存圚する囜を瀺しおいる出力ペヌゞの䞋郚には名前蟞曞の怜玢結果が瀺される``Peter''の察蚳は9カ囜に存圚し蚳語の皮類は3皮類であるこの郚分の衚瀺では囜名から掚枬される蚀語も合わせお衚瀺される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[p]\begin{center}\scalebox{0.97}{%\includegraphics{30-2ia17f2.pdf}}%\end{center}\caption{りェブサヌビスのむンタフェヌス}\label{fig:interface}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{オリンピック参加者名簿の実際}衚\ref{tab:timeline}に本プロゞェクトのタむムラむンを瀺すすでに述べたように本プロゞェクトは2020東京オリンピックを芋据えお2015幎よりスタヌトした%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{17table02.tex}%\caption{プロゞェクト・タむムラむン}\label{tab:timeline}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%支揎システムのりェブサヌビスは2016幎リオデゞャネむロオリンピックに合わせお皌働させそれ以降オリンピック開催に合わせお曎新しおきた東京オリンピックの翻蚳スケゞュヌルはタむトであるこずが想定されたため事前に入念に準備し本番に備えた東京オリンピック・パラリンピックが1幎延期されたため実際の䜜業は2021幎ずなったその埌時事通信瀟から䟝頌があり匕き続き北京オリンピック・パラリンピックの参加者名簿の翻蚳を行ったこの衚からわかるように東京オリンピック参加者名簿の1回目の䞀括翻蚳は開催の玄3週間前に実斜したこの時点で翻蚳数は38,200件であり最終的な参加者の2.9倍であるすでに述べたように時間的制玄から名簿が確定する前に翻蚳する必芁があり翻蚳察象の人数は膚れ䞊がる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[t]\input{17table03.tex}%\caption{オリンピック・パラリンピックの参加者数ず䞀括翻蚳数}\label{tab:olympic}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{tab:olympic}に4倧䌚の参加囜数参加者数䞀括翻蚳数を瀺すこの衚から特に倏季オリンピックの参加者名簿の翻蚳の過酷さが確認できる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{「綎2021」の技術的詳现} 本章では綎2021の技術的な詳现を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{蟞曞翻蚳}蟞曞翻蚳で䜿甚する蟞曞は以䞋の通りであるこれらの蟞曞は翻蚳実行時にはリレヌショナルデヌタベヌス(SQLite3)に栌玍され怜玢される蟞曞翻蚳では囜名の䞀臎は必須ずする\begin{description}\item[氏名察蚳蟞曞]28,816レコヌド各レコヌドは以䞋の5芁玠から構成される\begin{enumerate}\item囜名IOCコヌド\item姓アルファベット衚蚘\item名アルファベット衚蚘\item姓カタカナ衚蚘\item名カタカナ衚蚘\end{enumerate}\item[名前察蚳蟞曞]40,050レコヌド各レコヌドは以䞋の4芁玠から構成される\begin{enumerate}\item囜名IOCコヌド\item名前アルファベット衚蚘\item名前カタカナ衚蚘\item頻床氏名察蚳蟞曞における頻床\end{enumerate}\end{description}名前察蚳蟞曞は氏名察蚳蟞曞から機械的に䜜成する氏名察蚳蟞曞では姓ず名を区別するが名前察蚳蟞曞では姓ず名を区別しない付録の衚\ref{tab:country}に察蚳蟞曞の囜別のサむズを瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{蚳語掚定}囜別翻蚳サブシステムはMeCab\footnote{\texttt{https://taku910.github.io/mecab/}}をトランスデュヌサヌ(transducer)ずしお動䜜させるこずによっお実珟するそのためには動䜜を芏定するMeCab甚蟞曞が必芁ずなるがこのMeCab甚蟞曞をそれぞれの囜に察しお䜜成するこずにより囜別翻蚳サブシステムを構成するこのMeCab甚蟞曞のこずを本論文では\textbf{囜別モデル}ず呌ぶ囜別モデルは党郚で208個存圚する囜別モデルをどのように䜜成するかは\ref{sec:Awase}章で述べる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia17f3.pdf}\end{center}\caption{MeCabによる蚳語掚定}\label{fig:MeCab}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia17f4.pdf}\end{center}\caption{袷2019の構成}\label{fig:Awase}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図\ref{fig:MeCab}にマレヌシア(MAS)甚の翻蚳サブシステムで``selvathamy''がどのように分解されお翻蚳されるかを瀺す1行目が入力で2行目以降が出力である``se/l/va/tha/m/by''の6単䜍に分解されそれぞれがカタカナに倉換されお「セ/ル/バ/サ/ム/ビヌ」が埗られおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{「袷2019」の技術的詳现} \label{sec:Awase}袷2019は綎2021が必芁ずする囜別モデルを䜜成するシステムである\pagebreakその構成を図\ref{fig:Awase}に瀺す囜別モデルの䜜成は倧きく2段階に分かれる第1段階では囜が䞍明の察蚳デヌタから囜別モデルの䜜成基盀ずなるモデル\textbf{ベヌスモデル}を䜜成する第2段階ではそれぞれの囜に察しおその囜の察蚳デヌタを甚いおベヌスモデルに再孊習を適甚し囜別モデルを䜜成するこれらのモデルの䜜成にはMeCabの孊習機胜ず再孊習機胜を利甚するMeCabの孊習機胜・再孊習機胜を利甚するためにはそれぞれの察蚳を図\ref{fig:MeCab}に瀺すような解析結果ず同じ圢匏に倉換する必芁があるこの圢匏を\textbf{孊習甚コヌパス}ず呌ぶ察蚳をこの圢匏に倉換するためには察蚳のアラむメント郚分察応を掚定する必芁があるこのアラむメントの自動掚定が袷2019の䞭栞的機胜でありその実珟にはカタカナ衚蚘の統制ず独自のロヌマ字衚蚘が重芁な圹割を果たしおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{カタカナ衚蚘の統制}袷2019では芏範的カタカナ列を厳密に定矩しおいる具䜓的には䜿甚できるカタカナ\mbox{1文字}カタカナ2文字通垞のカタカナ1文字+小曞カタカナ1文字蚘号1文字を定矩しそれらの列に分解できるカタカナ列を芏範的カタカナ列ずみなす衚\ref{tab:katakana}に䜿甚できるカタカナ1文字・2文字の䞀芧を瀺すこれらのそれぞれには独自のロヌマ字衚蚘絣匏ロヌマ字を定めおいるこのロヌマ字衚蚘はアラむメントを決定する際に䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[p]\input{17table04.tex}%\caption{袷2019が認めるカタカナ文字1文字ず2文字ずロヌマ字衚蚘}\label{tab:katakana}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{tab:katakana}は平成3幎6月28日の内閣告瀺二号「倖来語の衚蚘」\cite{Katakana}の第1衚ず第2衚のすべおのカタカナ列を含んでいるこれらに加えお以䞋のものを远加しおいる\begin{quote}キェギェグィグェグォヒェノャノュノョビェピェミェリェニェ\\・䞭黒等号マむナス蚘号瞊棒\footnote{最埌の「」は過去の実装を螏襲しお残っおいるだけで実質的には䞍芁である}\end{quote}これらの遞定に圓たっおはカタカナ衚蚘の人名における頻床芏範的リストから陀倖した堎合にどんな衚蚘に倉換暙準化するこずになるか党䜓の䞀貫性などを考慮した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{17table05.tex}%\caption{芏範カタカナ列ぞの倉換衚}\label{tab:katakana2}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%袷2019は芏範的ではないカタカナ列を怜出したりそれを芏範的カタカナ列に自動倉換暙準化する機胜を有する自動倉換は以䞋に埓う\begin{enumerate}\item衚\ref{tab:katakana2}に瀺す倉換衚で倉換できる堎合はこの衚に埓っお倉換する\item小曞き文字の音が盎前ず同じ音の堎合は長音蚘号「ヌ」に倉換するただし盎埌が長音蚘号の堎合は倉換しない\\䟋「キャシィ$\rightarrow$キャシヌ」「アルマルゞァビィ$\rightarrow$アルマルゞャビヌ」\itemそれ以倖の小曞き文字は通垞の倧きさの文字に倉換する\\䟋「ネグレァン$\rightarrow$ネグレアン」「クデャコフ$\rightarrow$クデダコフ」\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アルファベット衚蚘の統制}名前に含たれる倧文字はあらかじめ小文字に倉換する名前のアルファベット衚蚘は以䞋の文字だけからなる文字列ずする\begin{quote}\item小文字aからz空癜ハむフン(\texttt{-})アポストロフィ(\texttt{'})\end{quote}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{アラむメントの掚定}名前のアルファベット衚蚘統制枈ずカタカナ衚蚘統制枈のアラむメントの掚定を次の3ステップで行う\begin{enumerate}\itemカタカナ衚蚘をロヌマ字衚蚘に倉換する\itemロヌマ字衚蚘ずアルファベット衚蚘のアラむメントを決定する\item埗られたアラむメントを必芁に応じお結合しカタカナ衚蚘ずアルファベット衚蚘のアラむメントを完成させる\end{enumerate}この凊理の䞭栞はステップ(2)すなわちロヌマ字衚蚘ずアルファベット衚蚘のアラむメントを決定する凊理でその出力は郚分察応の列ずなる袷2019では芏範的な郚分察応ずしお1,191皮類の郚分察応を定矩しそれぞれにスコアを付䞎しおある䞎えられた入力ロヌマ字衚蚘の文字列ずアルファベット衚蚘の文字列に察しおスコアの総和が最も倧きい郚分察応の列を動的蚈画法により求めこれをアラむメントずしお採甚する1,191皮類の芏範的な郚分察応はすべお手䜜業で定矩したそのスコアは若干の䟋倖を陀き郚分察応の䞡蟺から自動的に蚈算されるアラむメントには芏範的ではない郚分察応が含たれるこずも認めるただし芏範的ではない郚分察応のスコアは芏範的な郚分察応のスコアよりも小さく蚭定しおいるためそのようなアラむメントが採甚されるこずは少ない事実䞊これは「誀りの可胜性のある」察蚳を芋぀けるための機胜であるカタカナ衚蚘ずアルファベット衚蚘のアラむメントを盎接決定するのではなくロヌマ字衚蚘ずアルファベット衚蚘のアラむメントを経由しお決定するのは定矩すべき郚分察応の皮類を枛らすためであるこのアラむメント掚定プログラムは察象蚀語原語を問わないそのため倚くの皮類の郚分察応を定矩する必芁がある郚分察応の定矩にカタカナを甚いるず定矩すべき郚分察応の皮類は組み合わせ的に増倧するヘボン匏ロヌマ字や蚓什匏ロヌマ字を採甚しなかったのはそれらは子音字の䞀貫性に欠けるからであるたずえば「サ」ず「シ」の子音は明らかに異なる加えおそれらのロヌマ字はいわゆる50音に察しおのみ定矩されおおりそれ以倖の単䜍たずえば「クァ」には定矩されおいないからである絣匏ロヌマ字では原則ずしお子音字倧文字たたは数字1字で衚すの䞀貫性を重芁芖しお蚭蚈した郚分察応の定矩を手䜜業で行ったのは倚くの蚀語に察応するためである入手可胜な人名察蚳の量はメゞャヌな蚀語ほど倚くマむナヌな蚀語は少ないそのため入手可胜な察蚳䟋から郚分察応を掚定するずマむナヌな蚀語で必芁ずなる郚分察応が十分に埗られない実際機械孊習による郚分察応の掚定は詊みたが満足できる結果は埗られなかった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{17table06.tex}%\caption{定矩されおいる郚分察応の長さ}\label{tab:primitive}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%定矩した1,191皮類の郚分察応の䞡蟺の長さ別の数を衚\ref{tab:primitive}に瀺すロヌマ字偎の長さが1の郚分察応は日本語の子音たたは母音に察する郚分察応であるこの衚からも郚分察応の定矩にカタカナを䜿甚するのは埗策ではないこずが確認できる\footnote{囜が䞍明である堎合に䜿甚する囜別モデルallのMeCab蟞曞に登録されおいるカタカナ衚蚘ずアルファベット衚蚘の郚分察応は10,707皮類である}なお䟋倖的に長い察応は「MoHaMaDoモハマド/mohd」でこれはひずかたたりずしお捉えるのがよいず刀断したため郚分察応ずしお採甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{孊習甚コヌパスの圢匏}MeCabの孊習機胜ず再孊習機胜を利甚するために必芁な孊習甚コヌパスは名前察蚳のアラむメント結果から䜜成する\footnote{察蚳のアラむメントが䞍自然なアルファベット偎に察応芁玠がないカタカナが存圚する堎合はその察蚳からは孊習甚コヌパスを䜜成しない}孊習甚コヌパスの各行はひず぀の郚分察応に察応し以䞋に瀺す9属性から構成される\begin{enumerate}\item郚分察応のアルファベット偎\item(1)の母音・子音字情報v:母音字,c:子音字,X:特殊文字\item郚分察応のカタカナ偎\item(3)の母音・子音字情報v:母音字,s:半母音字,C:子音字,0:ン,Q:ッ,l:長音蚘号,X:特殊文字\item(3)の先頭の子音字列半母音も含む\item(3)の先頭の子音字\item(3)の末尟の母音字列\item(3)の末尟の母音字\item(3)の末尟の音タむプv:通垞,l:長音,q:促音\end{enumerate}これらのうち(1)ず(3)が郚分察応のアルファベット偎ずカタカナ偎でありそれ以倖の属性は郚分察応から蚈算する郚分察応にどのような属性を付䞎するかは孊習における汎化性胜に圱響するしかしながら䞊蚘の蚭定で必芁ず思われる性胜が達成されたためそれ以䞊の怜蚎は行わなかった実隓的に確かめおはいないが「どのような察応単䜍を郚分察応ずしお採甚するか」の方が「郚分察応にどのような属性を蚭定するか」よりも実行性胜に䞎える圱響がより倧きいず思われる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{ベヌスモデルの䜜成}\label{sec:base_model}ベヌスモデルはMeCabの孊習機胜を䜿っお䜜成する䜿甚した察蚳デヌタは過去の研究\cite{SatoWWW2009,SatoNLP2012}によっお埗られた囜情報が䞍明の氏名察蚳デヌタ276,311件であるこのデヌタをたず名前察蚳デヌタ136,106ä»¶\footnote{䞀郚クリヌニングを適甚した}に倉換し次にそれぞれの察蚳のアラむメントを掚定しお孊習甚コヌパスに倉換しMeCabのモデルを孊習した孊習時に蚭定するCRFのパラメヌタは実隓的に調査した範囲では$C=0.4$が最も良かったためこの倀で䜜成したモデルをベヌスモデルずしお採甚したなおこのベヌスモデルの䜜成は2017幎に行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{囜別モデルの䜜成}\label{sec:country_model}囜別モデルはMeCabの再孊習機胜を䜿っお䜜成するこの再孊習機胜は孊習枈モデルず少量の远加孊習甚デヌタからモデルを再構築する仕組みである孊習枈モデルずしおは䞊蚘で述べたベヌスモデルを甚い远加孊習甚デヌタずしおは名前察蚳蟞曞に含たれるそれぞれの囜の察蚳デヌタを甚いる再孊習においおもCRFのパラメヌタが必芁ずなるがこの倀はベヌスモデル䜜成時ず同じ$C=0.4$を甚いた208カ囜の囜別モデルの䜜成はMacBookPro(AppleM1,16GB)で玄26時間で完了するそのため囜別モデルの数の倚さ208カ囜は特に問題ずはならない%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{怜蚎} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{暫定蚳はどのぐらい採甚されたか}ç¶Ž2021が出力した暫定蚳は実際にどのぐらい䜿われたのだろうか時事通信瀟から入手した4倧䌚の最終察蚳名簿ず時事通信瀟に送付した綎2021の翻蚳結果を぀きあわせお採甚率そのたた採甚された割合を算出した察象ずしたのは最終察蚳名簿ず綎2021の翻蚳結果の䞡方に含たれる人名である人名の同䞀性は遞手コヌド\footnote{オリンピック参加者名簿では候補者を含めそれぞれの遞手にナニヌクなコヌドが割り圓おられおいる}の同䞀性で刀定したその結果を衚\ref{tab:used}に瀺す氏名は延べ数人物単䜍名前は異なり数囜名アルファベット衚蚘の名前カタカナ衚蚘の名前の3぀組の単䜍である氏名の䞋䜍分類「完党䞀臎䞀臎重耇掚定」は3.3節で述べた翻蚳凊理の状況に察応する名前の䞋䜍分類「蟞曞掚定」は蟞曞で翻蚳したのかトランスリタレヌションで翻蚳したのかを衚す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{17table07.tex}%\caption{4倧䌚の暫定蚳採甚率}\label{tab:used}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たず東京オリンピックの結果に泚目しよう以䞋のこずが芳察される\begin{itemize}\item翻蚳結果が蚳語掚定によるものすなわち新たにカタカナ蚳を付䞎しなければならない人名が氏名単䜍の翻蚳では69.6\%名前単䜍の翻蚳では59.8\%を占めた既蚳蟞曞は前回たでのオリンピックやメゞャヌな囜際倧䌚の参加者名簿などを元に参加者予想を加味しお䜜成されおいるがそのような既蚳蟞曞を甚いおも蟞曞のカバヌ率は50\%に届かない\item既蚳の採甚率は100\%ではない氏名単䜍では完党䞀臎で6.0\%䞀臎で4.8\%名前単䜍では3.4\%が修正されたこれは既蚳がさたざたな事情たずえば他メディアずの敎合性で修正されるこずを瀺しおいる\item暫定蚳の採甚率は氏名単䜍では90.4\%名前単䜍では94.0\%であったこの倀は十分高いず蚀えよう\item蚳語掚定に限定した堎合の暫定蚳の採甚率は氏名単䜍では88.7\%名前単䜍では92.3\%であるこの倀も十分高いず蚀えよう\end{itemize}これらの数倀から綎2021の翻蚳支揎は十分に圹立ったず結論づけおもよいだろうさらに綎2021のトランスリタレヌタ翻蚳サブシステム矀は実甚的な性胜を有しおいるず刀断しおもよいだろう次に他の3倧䌚にも目を向けよう\begin{itemize}\itemパラリンピックはオリンピックず比范しお蟞曞のカバヌ率が高いこれはおそらくパラリンピックの方が参加者を予想しやすいためず考えられる\item倏季倧䌚に比べお冬季倧䌚の採甚率が䜎い特に北京オリンピックの採甚率が䜎いこの理由は定かではないが各囜モデルの䜜成に䜿甚した既蚳蟞曞に由来する可胜性倏季ず冬季の参加者数の違いが既蚳蟞曞にも反映されおいるず察象ずする囜に由来する可胜性カタカナ蚳が難しい囜が倚いあるいは競技皮目に由来する可胜性冬季はメゞャヌな皮目が少ないが考えられる蟞曞翻蚳の採甚率も䜎いこずを考慮に入れるずカタカナ蚳の方針が安定しおいない囜が倚いずいうこずなのかもしれない\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{埗られた知芋}本皿で報告したオリンピック参加者名簿の翻蚳支揎の経隓から倚くの知芋が埗られたがそのなかで筆者が特に重芁ず思う3点を以䞋にたずめる\begin{enumerate}\item珟実の問題はベンチマヌクずは異なる珟実の人名トランスリタレヌションでは既蚳が存圚しない人名が察象ずなるそこには正解は存圚ぜずトランスリタレヌタに求められるこずは䜿甚者や瀟䌚に受け入れられるこずが期埅されるカタカナ蚳のひず぀を䜜り出すこずであるこれたでトランスリタレヌタの性胜は既蚳デヌタから構成されるテストセットを甚い既蚳ずの䞀臎率で評䟡されおきた既蚳が存圚する人名は本来はトランスリタレヌションの察象倖の人名であるトランスリタレヌションの察象ずなる人名の母集団には含たれないそのためテストセットを甚いたベンチマヌクは珟実のタスクでどのぐらい圹立぀かを必ずしも正しく反映しない珟実のトランスリタレヌション・タスクは正解を圓おるずいう問題ではない\itemカタカナ蚳の蚭蚈が重芁䞀床に倧量の人名にカタカナ蚳を付䞎する堎合カタカナ蚳党䜓の䞀貫性や統䞀性が求められるそのためそれぞれの人名をどう蚳すかを決める以前にそれぞれの囜に察しおカタカナ蚳のガむドラむンを決めるこずがより重芁ずなるこのガむドラむンにはどれだけのカタカナを䜿甚するかたずえば「ノ」を䜿甚するのかしないのかどのようなスペル・郚分スペルにどのようなカタカナ衚蚘を圓おるかたずえば末尟の``vic''を「ビッチ」ず蚳すのか「ビク」ず蚳すのかなどが含たれる今回のプロゞェクトではカタカナ蚳で䜿甚できるカタカナ1文字・2文字を定矩し蟞曞および孊習デヌタのカタカナ衚蚘を統制しおトランスリタレヌタが出力するカタカナ衚蚘を統制したこのこずはトランスリタレヌションをある皮の蚭蚈問題ずしお扱ったずも蚀えるしかしながら十分に統制が行き届かなかったずいう反省もある特に耇数の語からなる名前たずえば``AndreKlippenberg''や``Andre-Pierre''のカタカナ蚳をどうするかの蚭蚈が䞍十分であった\footnote{カタカナ蚳でこのような名前の区切りをどう衚蚘するかは瀟䌚的にはたったく定たっおいないず蚀っおよい区切りを無芖する堎合䞭黒「・」で぀なぐ堎合ハむフォンやマむナス蚘号で぀なぐ堎合など倚皮倚様な実䟋が存圚する}アルファベット衚蚘では前者のように空癜で区切られる堎合ず埌者のようにハむフォンで区切られる堎合があるが既蚳蟞曞には埌者の圢匏は存圚しなかった前者の堎合時事通信瀟の方針に埓い綎2021は空癜を無芖しお「アンドレクリッペンベルグ」を出力するが埌者の堎合はハむフォンを残し「アンドレ-ピ゚ヌル」を出力するようになっおいた\footnote{実はこれはバグで蚭蚈では党角のマむナス蚘号を出力する仕様ずなっおいた}最終名簿では埌者はハむフォンを削陀した「アンドレピ゚ヌル」が䜿われおいたため埌者の掚定結果は䞍採甚に分類されるこのようなハむフォン削陀のみの修正は東京オリンピックの名前の修正数897ä»¶äž­194ä»¶(21.6\%)を占めた\item安定した゜フトりェアを䜿う\\ç¶Ž2021ず袷2019が利甚しおいる䞻芁な゜フトりェアはRuby,MeCab,SQLite3,ActiveRecordであるこれらは安定しおおりMeCab以倖は十分に保守されおいる数幎に枡るプロゞェクトにおいおは安定した゜フトりェアよく保守されおいる゜フトりェアを䜿うこずが重芁である実際綎の旧バヌゞョンで䜿甚しおいた蟞曞怜玢ツヌルがOSのバヌゞョンアップで䜿甚できなくなったためSQLite3ぞの倉曎を䜙儀なくされた\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} トランスリタレヌションの自動化はKnightらの先駆的な研究\cite{Knight1998}以降倚くの研究が行われおきた2010幎頃たでの研究はKarimiらのサヌベむ\cite{Karimi2011}にたずめられおいる最近は我々の研究\cite{JungJSAI2018}を含めニュヌラルネットを利甚した実装\cite{Jadidinejad2016,grundkiewicz-heafield-2018-neural,10.1145/3265752}もあるトランスリタレヌションは抜象的にはある系列を別の系列に倉換する系列倉換問題ず捉えるこずができるトランスリタレヌションでは通垞の翻蚳ずは異なり倉換前埌で察応する郚分列の順序が保存されるそのため系列ラベリング問題ず捉えるこずもできるトランスリタレヌション過皋を具䜓的にどのようにモデル化するかには倚くのバリ゚ヌションが存圚するそれらのバリ゚ヌションを䜜り出す䞻芁なポむントは(1)䞭間的な音玠のレベルを明瀺的に導入するか吊か(2)倉換の最小単䜍をどのように蚭蚈するか(3)最小単䜍の倉換が䜕に䟝存しお定たるず仮定するかの3点であるこれらを定めその詳现ず実装方法を定めるず具䜓的な手法が埗られるトランスリタレヌションは察象ずする蚀語察に䟝存する郚分も倧きくどのような方法が最適であるかの刀断は容易ではない綎2021の方匏は倉換過皋ではアルファベット衚蚘を盎接カタカナ衚蚘に倉換するため䞭間的な音玠レベルを経由しない盎接倉換方匏しかし最小単䜍は音を匷く意識した独自のロヌマ字衚蚘を経由しお定める袷2019ため音倉換ずしお完結した単䜍である぀たり衚面䞊は衚蚘から衚蚘ぞの倉換であるがその倉換の最小単䜍は音に基づく倉換ずなっおいる最小単䜍ぞの分割ず最小単䜍の倉換はMeCabすなわちbi-gramマルコフモデルに基づいお行われその確率はConditionalRandomField(CRF)によっお蚓緎䟋から孊習されるトランスリタレヌションはMeCabで実行されるため十分に高速である綎2021の倧きな特城は入力ずしお原蚀語ではなく囜名を指定する点にあるこれはすでに2.1節で述べたように人名のアルファベット衚蚘だけから蚀語を掚枬するこずは困難であるずいう理由による同時に「1囜1名前に察しおカタカナ蚳はひず぀」ずいう名簿翻蚳の統制方針を実珟するためでもあるどのような孊習方匏を採甚するにせよ孊習ベヌスのシステムではどのような蚓緎䟋集合を甚いるかが重芁な芁玠ずなるアルファベット衚蚘\footnote{原論文ではLatinscript}ずカタカナ衚蚘の人名察蚳デヌタずしおりィキペディアから抜出したデヌタセットが公開されおいるが\cite{Merhav2018}その倧きさは名前単䜍で98,820件でありか぀それぞれの衚蚘は統制されおいないこれに察しお綎2021はベヌスモデルの孊習に察象ずするタスクオリンピック名簿の翻蚳の芁請に合臎するように衚蚘を統制した蚓緎䟋136,106件を䜿甚しさらに各囜モデルの孊習では延べ40,050件の囜別人名蚓緎䟋既蚳蟞曞を䜿甚しおいるトランスリタレヌションの出力を統制するためには蚓緎䟋を適切に統制するこずが䞍可欠であるこれたでのトランスリタレヌションの研究では既蚳デヌタから構成されるテストセットを甚いお性胜を評䟡しおきたしかしながら2.3節で述べたように既蚳が存圚するならばトランスリタレヌションを適甚する必芁はない぀たりこのような評䟡は本来察象ずすべき母集団には含たれないデヌタを䜿っお評䟡しおいるこずになる真にトランスリタレヌションを必芁ずするのは既蚳が存圚しない堎合である本研究はオリンピック参加者名簿の翻蚳ずいう珟実のタスクに察しおシステムを蚭蚈・実装し真にトランスリタレヌションを必芁ずする人名に察しおシステムのタスク遂行の皋床を採甚率ずいう圢で瀺した点に新芏性があるなお採甚率はテストセットを甚いおシステムの性胜を枬るベンチマヌクの指暙ではなく遂行した珟実のタスクの事埌評䟡の指暙であるほずんどのトランスリタレヌション研究ではどのような方匏でトランスリタレヌションを実珟するかに焊点が圓おられおきたしかしながら珟実のタスクに察しお実際に䜿えるシステムを䜜る堎合はその比重は小さいそれよりもそのタスクが芁請する仕様をどう満たすかそれに合わせお蚓緎䟋をどのように統制するか䜿甚圢態を想定しおどのようなサヌビスを提䟛するか倖郚芁因で定たるスケゞュヌルを満たすために䜕をすべきか十分な高速化ず修正䜜業の簡䟿化などがより倧きな比重を占める珟実の問題を解く堎合はこのような芁玠を考慮しお実珟可胜な解決策を芋぀ける必芁がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究に研究パヌトナヌずしお協力しおくださった時事通信瀟の朝賀英裕氏に感謝したす本研究ではJSPS科孊研究費213000942650047の成果を利甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{17refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{察蚳蟞曞のサむズ} 衚\ref{tab:country}に綎2021の氏名察蚳蟞曞および名前察蚳蟞曞の囜別のサむズを瀺す\newpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[p]\input{17table08.tex}%\end{center}\caption{察蚳蟞曞の囜別サむズ囜名はIOCコヌド}\label{tab:country}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\clearpage%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{䜐藀理史}{%1988幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科教授博士工孊蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚ACM各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V12N03-04
\section{はじめに} label{sec:introduction}\smpt{結合䟡蟞曞の重芁性}甚蚀の䞋䜍範疇化構造や遞択制限などの詳现な情報は、自然蚀語凊理の様々な分野で利甚されおいる。本皿では、これらの詳现な情報を結合䟡情報ず呌び、結合䟡情報を持぀蟞曞を結合䟡蟞曞ず呌ぶ。たた、結合䟡蟞曞の゚ントリを結合䟡゚ントリ、あるいは単に゚ントリず呌ぶ。結合䟡蟞曞を甚いたシステムには、機械翻蚳システム(\altje\citep{Ikehara:1991}、PIVOT\citep{Nomura:2002j})や自動芁玄システム(CBsummarizer\citep{Nomura:2002j})、蚀い換えシステム(蔵\citep{Takahashi:01})、れロ代名詞照応システム(ZeroChecker\citep{Yamura-Takei:Fujiwara:Yoshie:Aizawa:2002})、質問応答システム(SAIQA-II\citep{Sasaki:2004})などがあり、倚岐に枡っおいる。たた、近幎では、結合䟡蟞曞等の詳现な蟞曞情報ずコヌパスなどを利甚した統蚈的手法を融合させる研究も行なわれおいる\citep{Uszkoreit:2002,Copestake:Flickinger:Pollard:Sag:1999}。䟋えば、\citet{Carroll:Minnen:Briscoe:1998}は、統蚈的統語解析噚に䞋䜍範疇化構造の情報を持぀蟞曞を利甚するこずで、解析粟床をあげられるこずを瀺しおいる。\smpt{蚀語珟象を調べるこずに利甚できる}このように、詳现な情報を持぀結合䟡蟞曞は非垞に有甚なため、様々な自然蚀語凊理システムで利甚されおいる。たた、亀替などの蚀語珟象の量的な調査にも利甚できる。ここで亀替関係ずは、異なる衚局的構造によっお、ほが同じ意味関係を衚すこずができるような関係である。䟋えば、「(店の)補品が\ul{完売する}」ず「(店が)補品を\ul{完売する}」は衚局的構造は異なるが、ほが同じ意味関係を持ち、亀替しおいる。このような亀替は、英語では、\citet{Levin:1993}によっお80皮類以䞊提瀺されおいる。日本語では、\citet{Bond:Baldwin:Fujita:2002j}によっお倧芏暡に調査が行なわれおいる。\citet{Bond:Baldwin:Fujita:2002j}によるず、最も倚い亀替タむプは「砂糖が\ul{溶ける}」\tot「私が砂糖を\ul{溶く}」などのように、自動詞の䞻語(\sbj)が他動詞の目的語(\obj)ずなる亀替(以降、\soaltず呌ぶ)であるず報告されおいる。\soaltは党亀替の34\%を占めおおり、最も䞀般的な亀替タむプであるずいえる。本皿では、この、最も䞀般的な亀替タむプである\soaltを察象ずし、既存の結合䟡蟞曞を甚いお亀替の遞択制限の察応関係等の調査を量的に行なう。たた、その調査結果に基づき、亀替情報を甚いお新たな結合䟡゚ントリを獲埗する方法を提案する。\smpt{結合䟡蟞曞の構築方法の先行研究}結合䟡蟞曞の構築方法は倚く提案されおおり、これらの構築方法は倧別しお3皮類に分類できる。第䞀に人手で䜜成する方法がある\citep{Shirai:1999zj}。人手で䜜成する方法の利点は、質の高い蚀語資源が獲埗できるずいう点である。しかし、その䜜成にはコストず時間がかかるずいう問題や、䜜成する゚ントリが網矅性に欠けるずいう問題がある。たた、内省による䜜成の堎合、䜜成者や䜜成時期の異なりによる刀断の揺れが起こり、蟞曞の䞀貫性を保぀こずが難しいずいう問題もある。第二に、コヌパスから情報を孊習する方法が提案されおいる\citep{Li:Abe:1998,Manning:1993,Utsuro:1997,Kawahara:Kurohashi:2001}。しかし、\citet{Korhonen:2002}は、コヌパスからの単蚀語の䞋䜍範疇化構造を自動的に獲埗する堎合、粟床は玄80\%が䞊限である事を瀺しおいる。たた、\citet{Utsuro:1997}や\citet{Korhonen:2002}は、䞋䜍範疇化構造を自動的に獲埗する堎合でも、人手による修正が必芁であるず述べおいる。このように、自動孊習では、必然的に゚ラヌが含たれ粟床が保蚌できないため、完党に自動構築された結合䟡蟞曞はほずんどない。第䞉に、蚀語資源を統合する方法が提案されおいる。䟋えば、既存の結合䟡蟞曞を半自動的に拡匵する方法\citep{Fujita:Bond:2002a,Bond:Fujita:2003,Hong:Kim:Park:Lee:2004}、コヌパスからの孊習デヌタを甚いお拡匵する方法\citep{Korhonen:2002}、倚蚀語蟞曞を甚いお単蚀語デヌタを豊かにする方法\citep{Probst:2003}が提案されおいる。このように、蚀語資源を統合する方法は倚様であるが、党般に人手で党お䜜成するよりコストが安く、コヌパスから自動的に獲埗するより信頌性が高いずいう利点がある。たた、こうした方法では、様々な研究者や組織により構築されおいる蚀語資源を有効利甚できるずいう利点もある。\smpt{提案手法}本皿で提案する結合䟡゚ントリの獲埗方法は、第䞉の蚀語資源を統合する方法に分類できる。本提案手法では、亀替を起こす動詞に察し、亀替の片偎に察応する結合䟡゚ントリが䞍足しおいる堎合、䞍足しおいる゚ントリを自動的に獲埗する手法を提案する。本提案手法では、芋出し語レベルでの亀替情報、すなわち、「溶ける」ず「溶く」は亀替する、ずいう情報ず、亀替の片偎に察応する既存の結合䟡゚ントリを皮ずしお甚いる。これらから、亀替のもう䞀方に察応する新たな結合䟡゚ントリを獲埗し、䞡゚ントリ間の察応関係を蟞曞に付䞎する。すなわち、本提案手法は、亀替を起こす動詞で䞍足しおいる結合䟡゚ントリを補うず共に、結合䟡゚ントリ間の亀替関係の情報を付䞎するこずで結合䟡蟞曞をより豊かにするこずができる。たた、既存の結合䟡蟞曞が2蚀語の結合䟡情報を持぀堎合、䞡方の蚀語の結合䟡情報も同時に獲埗できる。そのため、本提案手法は特に機械翻蚳においお利甚䟡倀が高い。以䞋、\ref{sec:resource}章では、本皿で利甚する蚀語資源を玹介する。\ref{sec:exam}章では、\soaltの調査を行なう。\ref{sec:create-method}章では、\ref{sec:exam}章の調査に基づき、亀替情報を甚いた結合䟡゚ントリの䜜成方法を提案する。\ref{sec:eva}章では本提案手法で䜜成した結合䟡゚ントリの評䟡に぀いお報告する。\ref{sec:discuss}章では、本提案手法の改良や展開に぀いお議論し、\ref{sec:conclusion}章はたずめである。 \section{利甚する蚀語資源} \label{sec:resource}本章では、亀替を起こす動詞の特城調査に利甚する蚀語資源に぀いお述べる。調査に利甚する蚀語資源は、亀替を起こす動詞のリスト以䞋、亀替動詞リストず呌ぶず、既存の2蚀語の結合䟡情報を持぀結合䟡蟞曞である。たた、これらの蚀語資源は、\ref{sec:create-method}章で提案するの結合䟡゚ントリの獲埗方法でも利甚する。\smpt{亀替動詞リストの説明}たず、亀替動詞リストずは、\soaltを起こす動詞の組み合わせのリストである。このリストは、\citet{Jacobsen:1981}ず\citet{Bullock:1999}の日本語亀替のデヌタず、日英蟞曞であるEDICT\citep{Breen:1995,Breen:2004}を元に我々が䜜成したものであり、日本語の和語動詞の自動詞ず他動詞のペアず、各動詞に぀き䞀぀以䞊の英蚳(gloss)で構成される。\citet{Jacobsen:1981}のリストには370組、\citet{Bullock:1999}のリストには190組の和語動詞が登録されおいる。我々がEDICTを甚いお抜出したのは434組である。これらのリストから、「俯向く」「俯く」などの衚蚘揺れを吞収し、重耇を陀くず571組になる。曎にこの䞭から、\soalt{}ずしお䞍適切な動詞の組み合せ、䟋えば、「混む」「蟌める」のように語矩の異なる組み合わせや、「挏れる」「挏る」のような自動詞同士の組み合わせなどを人手で削陀し\footnote{\citet{Jacobsen:1981}ず\citet{Bullock:1999}のリストからも、䞻に、語矩が異なるずいう理由で玄70組が削陀された。}、最終的に460組を残した。このリストの䟋を衚\ref{tab:list}に瀺す。\begin{table}[htbp]\centering\begin{tabular}{ll|ll}\multicolumn{2}{c|}{\jita{自動詞}}&\multicolumn{2}{c}{\jita{他動詞}}\\\hline日本語&英蚳&日本語&英蚳\\\hline溶ける&dissolve&溶く&dissolve\\泣く&cry&泣かす&makecry\\䞊がる&rise&䞊げる&lift\\\end{tabular}\caption{\soaltのリストの䟋}\label{tab:list}\end{table}\smpt{結合䟡蟞曞(ALT)の説明}たた、本皿で甚いた結合䟡蟞曞は、NTTで日英機械翻蚳システム\altje甚に開発しおきた結合䟡蟞曞\citep{GoiTaikeij}である。この結合䟡蟞曞は日本語ず英語の䞡方の結合䟡情報を持っおいる。\altje{}の結合䟡蟞曞は、慣甚衚珟蟞曞ず圢容詞を陀き、5,062の日本語動詞ず11,214の結合䟡゚ントリで構成されおいる。日本語偎の結合䟡情報には項構造ず遞択制限の情報が含たれる。\mpt{項構造の説明}ここで項ずは、動詞の意味を完結させるために必芁な情報であり、甚いられる衚局的な栌助詞、意味圹割の情報を含んでいる。たた倚くの゚ントリには、必須栌に加えお、曖昧性を枛らすため、随栌も付䞎されおいる。\begin{figure*}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{ll}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}[t]{ll}\multicolumn{2}{l}{J-EEntry:302116}\\\\\sbj&┌\textbf{N1}:\izj{具䜓物}が\node{sbj}{\gm{nom}}\\\ix&├\textbf{N3}:\izj{具䜓物}に\node{ix1}{\gm{dat}}\\&└\textbf{Vi}:溶ける\\\\[-1ex]\\\sbj&┌\ul{\textbf{N1}}\node{Esbj}{\gm{subject}}\\&├\textbf{Vi}\ul{\eng{dissolve}}\\\ix&└\textbf{PP}\node{Eix1}{\ul{\eng{in}\textbf{N3}}}\\\end{tabular}\end{minipage}}&\framebox{\begin{minipage}[t]{0.45\textwidth}\begin{tabular}[t]{ll}\multicolumn{2}{l}{J-EEntry:508661}\\\node{erg}{\abs}&┌\textbf{N1}:\izj{人人工物}が\gm{nom}\\\node{obj}{\obj}&├\textbf{N2}:\izj{具䜓物}を\gm{acc}\\\node{ix2}{\ix}&├\textbf{N3}:\izj{無生物}に\gm{dat}\\&└\textbf{Vt}:溶く\\\\[-1ex]\node{Eerg}{\abs}&┌\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\\&├\textbf{Vt}\ul{\eng{dissolve}}\\\node{Eobj}{\obj}&├\ul{\textbf{N2}}\gm{directobject}\\\node{Eix2}{\ix}&└\textbf{PP}\ul{\eng{in}\textbf{N3}}\\\end{tabular}\end{minipage}}\end{tabular}\caption{\mbox{\soaltの䟋:\textbf{Vi}溶ける\protect\eng{dissolve}}\tot\textbf{Vt}溶く\protect\eng{dissolve}}\label{fig:toku-tokeru}\vspace*{-5mm}\end{center}\aanodecurve[r][0]{ix1}[l][0]{ix2}{10mm}\aanodecurve[r][0]{Eix1}[l][0]{Eix2}{10mm}\aanodecurve[r][0]{sbj}[l][0]{obj}{10mm}\aanodecurve[r][0]{Esbj}[l][0]{Eobj}{9mm}\end{figure*}図\ref{fig:toku-tokeru}に、\altjeの結合䟡蟞曞の䟋を瀺す。図\ref{fig:toku-tokeru}の「溶く」\tot「溶ける」は\soaltの関係を持ち、図のように項構造をリンクできる。䜆し図\ref{fig:toku-tokeru}では、\abs{}は他動詞偎だけに珟れ、自動詞偎では察応する意味圹割がない。たた、図\ref{fig:toku-tokeru}で、N1は䞻栌を、N2、N3は目的栌を衚す倉数であり、本皿ではこれらN1、N2、N3等を栌圹割ず呌ぶ。たた、図\ref{fig:toku-tokeru}で、\izj{}で瀺したのは栌の遞択制限であり、意味属性か字面、あるいは、\iz{*}のリスト圢匏で定矩されおいる。意味属性は2,710カテゎリを持぀日本語語圙倧系\citep{GoiTaikeij}のシ゜ヌラスで定矩されおいる。このシ゜ヌラスの䞊䜍4レベルを図\ref{fig:iz}に瀺す。このシ゜ヌラスは最倧12レベルたでの深さを持぀非平衡型階局構造である。レベル1は\iz{名詞}であり、レベル12は\iz{蟲䜜業},\iz{出挔}などの现かな意味属性を含む。レベルが深くなるに぀れ、意味はより特殊化されおいるため、遞択制限はより厳しくなる。たた、字面は、特定の語ずだけ䞀臎し埗るこずを、\iz{*}は、あらゆる語や節を取り埗るこずを瀺しおいる。なお、本皿では、\soalt{}における他動詞偎の䞻栌を\abs(ergative)、目的栌を\obj{}、自動詞偎の䞻栌を\sbj{}ず呌ぶ。たた、\abs{}、\obj{}、\sbj{}以倖の栌は、\ix{}ず呌ぶ\citep[p11]{Dixon:1991}。\smpt{調査察象ず実隓察象}本皿で甚いる亀替動詞リスト(460組)のうち、315組(68.5\%)は、図\ref{fig:toku-tokeru}のように自動詞ず他動詞の䞡方の゚ントリが既存の結合䟡蟞曞に存圚する。たた、79組(17.2\%)は自動詞か他動詞のどちらかのみが既存の結合䟡蟞曞に存圚する図\ref{fig:venn}参照。自動詞、他動詞共に結合䟡蟞曞に存圚しないのは、66組合せ(14.3\%)である。ここで、䞡方の゚ントリが存圚する315組を゚ントリに展開するず、381組の結合䟡゚ントリずなる。この381組の結合䟡゚ントリを利甚しお、\soaltの亀替の特城調査を行なう(\ref{sec:AOS-compare}ç« )。たた、片偎の゚ントリのみが結合䟡蟞曞に存圚する79組の動詞に぀いお、欠劂しおいる結合䟡゚ントリの獲埗実隓を行なう(\ref{sec:create-method}ç« )。\begin{figure}[htbp]\fbox{\begin{pspicture}(12,4)\psset{fillstyle=solid}\psset{fillcolor=white}\psellipse(7,2)(5,1.7)\psset{fillcolor=white}\psclip{\psset{fillcolor=white}\psellipse(5,2)(4.75,1.7)}\psset{fillcolor=lightgray}\psellipse(7,2)(5,1.7)\endpsclip\rput(0.75,3.75){\shortstack{å…š460組}}\rput(6,2){\shortstack{自他動詞共に存圚\\315組}}\rput(1.2,2){\shortstack{他動詞のみ\\27組}}\rput(11,2){\shortstack{自動詞のみ\\52組}}\rput(6,0.05){\shortstack{自他動詞共に存圚せず\hspace{0.5cm}66組}}\end{pspicture}}\centering\caption{\soaltの亀替動詞リストに察応する結合䟡゚ントリの有無}\label{fig:venn}\end{figure}{\setlength{\tabcolsep}{4.7pt}\begin{figure*}[hbtp]\begin{center}\begin{tabular}{llllllllllllllllllllllll}&&\multicolumn{10}{c}{\sa{1}{名詞}}\\[2ex]\multicolumn{7}{c}{\sa{2}{具䜓}}&\multicolumn{14}{c}{\sa{1000}{抜象}}\\[2ex]\multicolumn{2}{c}{\sa{3}{䞻䜓}}&\multicolumn{3}{c}{\sa{388}{堎所}}&\multicolumn{2}{c}{\sa{533}{具䜓物}}&\multicolumn{2}{c}{\sa{1001}{抜象物}}&\multicolumn{3}{c}{\sa{1235}{事}}&\multicolumn{9}{c}{\sa{2422}{抜象的関係}}\\[2ex]\sa{4}{人\\~}&\sa{362}{組\\織}&\sa{389}{æ–œ\\èš­}&\sa{458}{地\\域}&\sa{468}{自\\然}&\sa{534}{生\\物\\~}&\sa{706}{無\\生\\物}&\sa{1002}{抜象物\\粟神}&\sa{1154}{\hspace*{-1em}抜象物\\\hspace*{-1em}行為}&\sa{1236}{人\\間\\掻\\動}&\sa{2054}{事\\象}&\sa{2304}{自\\然\\珟\\象}&\sa{2423}{存\\圚}&\sa{2432}{類\\・\\ç³»}&\sa{2443}{関\\連}&\sa{2483}{性\\質}&\sa{2507}{状\\態}&\sa{2564}{圢\\状}&\sa{2585}{数\\量}&\sa{2610}{å Ž}&\sa{2670}{時\\間}\end{tabular}\nodeconnect[b]{c1}[t]{c2}\nodeconnect[b]{c1}[t]{c1000}\nodeconnect[b]{c2}[t]{c3}\nodeconnect[b]{c2}[t]{c388}\nodeconnect[b]{c2}[t]{c533}\nodeconnect[b]{c3}[t]{c4}\nodeconnect[b]{c3}[t]{c362}\nodeconnect[b]{c388}[t]{c389}\nodeconnect[b]{c388}[t]{c458}\nodeconnect[b]{c388}[t]{c468}\nodeconnect[b]{c533}[t]{c534}\nodeconnect[b]{c533}[t]{c706}\nodeconnect[b]{c1000}[t]{c1001}\nodeconnect[b]{c1000}[t]{c1235}\nodeconnect[b]{c1000}[t]{c2422}\nodeconnect[b]{c1001}[t]{c1002}\nodeconnect[b]{c1001}[t]{c1154}\nodeconnect[b]{c1235}[t]{c1236}\nodeconnect[b]{c1235}[t]{c2054}\nodeconnect[b]{c1235}[t]{c2304}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2423}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2432}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2443}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2483}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2507}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2564}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2585}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2610}\nodeconnect[b]{c2422}[t]{c2670}\caption{日本語語圙倧系の䞊䜍4階局(䞀般名詞シ゜ヌラス)}\label{fig:iz}\end{center}\end{figure*}} \section{\soalt{}の調査} \label{sec:exam}\subsection{\abs\obj\sbjの遞択制限の調査}\label{sec:AOS-compare}亀替では、同じ意味圹割が、異なる衚局栌(syntacticposition)に出珟し埗る\citep[pp118--123]{Gunji:2002}。「溶く」\tot「溶ける」の亀替を䟋にあげるず、溶かされる圹は自動詞「溶ける」の䞻語(\sbj{})であり、か぀、他動詞「溶く」の目的語(\obj{})でもある。\citet{Baldwin:1999b}は、異なる衚局栌に察応する遞択制限が出珟するず仮定しおいる。\citet{Dorr:1997}は、䞀぀の衚蚘により䞡方の亀替の゚ントリを生成しおおり、この仮定を支持しおいるようである。この仮定のように、異なる衚局栌に同じ遞択制限が甚いられるのであれば、亀替の片偎の゚ントリからもう片偎の゚ントリを䜜成する堎合に、察応する衚局栌では同じ遞択制限が利甚できる。䜆し、\abs{}は空の項ず亀替するため、他動詞偎の゚ントリを䜜成する堎合の遞択制限を、察応する衚局栌から埗るこずができない。しかし、\citet{Kilgarriff:1993}は、\abs{}は\izs{意識(sentient)}ず\izs{意志性(volition)}を持ち、\obj{}は\izs{状態倉化(changes-state)}ず、\izs{圱響(causallyaffected)}を受けるずいう特城を持぀ずしおいる。Kilgarriffの䞻匵のように、特に\abs{}の意味属性が特城的であれば、他動詞偎の゚ントリを䜜成する堎合に、最も兞型的な意味属性を甚いお\abs{}を䜜成するこずができる。そこで本章では、\soaltにおける意味圹割、具䜓的には\abs{}、\obj{}、\sbj{}の遞択制限ずしお甚いられおいる意味属性の同䞀性や性質を調査する。特に\sbj{}ず\obj{}に同䞀の遞択制限が利甚できるかどうか、たた、\absに頻出する遞択制限を調査する。たず、遞択制限ずしお甚いられおいる意味属性の同䞀性を怜蚎するため、\abs{}、\obj{}、\sbj{}の意味属性間の距離を調査する。遞択制限は意味属性のリストで衚されるため、2぀の遞択制限に含たれる意味属性間の芪等\footnote{芪等ずは、「芪族関係の芪疎を枬る単䜍。盎系芪では、芪子の間を䞀䞖ずし、その䞖数によっお定める。〜䞭略〜傍系芪では、それぞれの共通の祖先たでの䞖数を合蚈しお算出する。〜埌略〜」(広蟞苑第四版CD-ROM版\citep{koujien}より)}のうち、最少のものを最近距離ずしお甚いる。芪等は䟋えば、図\ref{fig:iz}より、\izj{名詞}ず\izj{具䜓}は1芪等、\izj{名詞}ず\izj{䞻䜓}は2芪等、のようになる。そのため、最近距離は近ければ近いほど、それぞれの意味属性が近い事を瀺しおいる。䜆し、利甚する結合䟡蟞曞は人手で䜜成されたものであるため、1芪等皋床の差は、䜜成者や䜜成時期の異なりによる揺れの可胜性もある。䟋えば、図\ref{fig:toku-tokeru}の\ix{}の遞択制限はそれぞれ「溶ける」では\izj{具䜓物}、「溶く」では\izj{無生物}であり、最近距離が1ずなるが、これは有意な差ではないず考えられる。しかしこの堎合も、最近距離は高々1であり、最近距離が近ければ近いほど、意味属性が近いこずに倉わりはない。図\ref{fig:sr-diff}は、意味圹割が察応する\abs{}ず\sbj{}、文法圹割が察応する\obj{}ず\sbj{}の最近距離の分垃の調査結果を瀺しおいる。䜆し、最近距離0の組み合わせのうち、遞択制限が完党に同䞀になったものを「0(同䞀)」に分類し、その他のものを「0」に分類しおいる。䟋えば、図\ref{fig:toku-tokeru}の「溶く」\tot{}「溶ける」では、\sbj{}ず\obj{}の遞択制限は共に\izj{具䜓物}なので、最近距離は「0(同䞀)」である。たた、\abs{}の遞択制限は\izj{人人工物}であり、図\ref{fig:iz}より\izj{人}ず\izj{具䜓物}は3芪等、\izj{人工物}ず\izj{具䜓物}は2芪等\footnote{\izj{人工物}は\izj{無生物}(図\ref{fig:iz})の子䟛なので、\izj{具䜓物}の孫である。}なので、\abs{}ず\sbj{}の最近距離は2である。図\ref{fig:sr-diff}から、\obj{}ず\sbj{}の遞択制限は最近距離0(同䞀)が30.1\%、最近距離0が27.5\%であり、ここたでで、党䜓の57.6\%を占める。察しお、\abs{}ず\sbj{}では、最近距離1が26.7\%ず最も倚く、次が最近距離2の21.5\%である。぀たり、\obj{}ず\sbj{}は文法的には異なる䜍眮にあるが、\citet{Bond:Baldwin:Fujita:2002j}が䞻匵しおいるように、遞択制限の䞀臎率は高い。特に、完党に同じ遞択制限でなくずも、少なくずも䞀郚は同じ意味属性を含んでいる割合が非垞に高い。䞀方、\abs{}ず\sbj{}は文法圹割は共に䞻語だが、\obj{}ず\sbj{}に比べ、䞀臎率は䜎く、遞択制限は異なっおいる。\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics[angle=0,width=100mm]{SR-taiou.eps}\caption{遞択制限の最近距離}\label{fig:sr-diff}\end{center}\end{figure}次に、\abs{}、\obj{}、\sbj{}、特に\abs{}が\izs{意識}ず\izs{意志性}を持぀かどうかを調べる。日本語語圙倧系の階局の䞭で、\izj{䞻䜓}配䞋の意味属性は\izs{意識}ず\izs{意志性}を持ち、\izj{䞻䜓}配䞋の意味属性が含たれる割合が高いほど、その栌の動䜜䞻性(agentivity)が高いずいえる。\abs{}、\obj{}、\sbj{}の遞択制限に、\izj{䞻䜓}配䞋の意味属性が含たれる割合は、\abs{}で60.1\%、\obj{}で14.1\%、\sbj{}で13.9\%であった。぀たり、\citet{Kilgarriff:1993}が䞻匵しおいるように、\abs{}は非垞に動䜜䞻性が高いが、\sbj{}は文法的には同じ䜍眮にあるが動䜜䞻性は䜎い。なお、\abs{}の遞択制限ずしお最も出珟頻床が高かったのは、\izj{䞻䜓}であり、党\abs{}の41.4\%を占めた。これらの結果をたずめるず、\sbjず\objは完党に䞀臎するわけではないが、少なくずも䞀郚の意味制限が䞀臎する確率が高く、\sbjず\objの遞択制限ずしお同䞀の遞択制限が利甚できるずいえる。たた、\abs{}は\izs{意識}ず\izs{意志性}を持぀割合が非垞に高く、\abs{}の遞択制限ずしお最もよく利甚されるのは\izj{䞻䜓}である。\subsection{日本語ず英語の亀替の比范調査}\label{sec:alternations}本節では、2蚀語間の亀替比范を行なう。特に、日本語が\soaltを起こす堎合に、察応する英蚳の結合䟡情報の倉化を調査する。結合䟡゚ントリ獲埗の芳点からするず、日本語が\soaltを起こす堎合に、英語偎の結合䟡の倉化も芏則的であれば、英語偎の結合䟡情報も日本語偎ず同時に獲埗が可胜であるず予枬できる。この調査には、亀替動詞リストを甚いる。亀替動詞リストは日本語は460組み合わせだが、倚くの動詞は英蚳が耇数あるため、英蚳の異なりを考慮するず、党郚で839の組み合わせからなる。このリストの英蚳組み合わせを分類した結果を、衚\ref{tb:alternation-type}に瀺す。{\setlength{\tabcolsep}{2.2pt}\begin{table*}[h]\small\begin{tabular}{lllllllrr}\multicolumn{2}{c}{日本語}&\multicolumn{2}{c}{英蚳}&\multicolumn{2}{c}{英語構造}&タむプ&数&(\%)\\\jita{自動詞}&\jita{他動詞}&\jita{自動詞}&\jita{他動詞}&\jita{自動詞}&\jita{他動詞}&\\\hline\hline匱たる&匱める&\sbj\ul{weaken}&\abs\ul{weaken}\obj&\eng{\sbjVi}&\eng{\absVt\obj}&\typeSO&138&30.0\\挏れる&挏らす&\sbjbe\ul{omitted}&\abs\ul{omit}\obj&\eng{\sbjbeVt-ed}&\eng{\absVt\obj}&\iz{passive}&91&19.8\\泣く&泣かす&\sbj\ul{cry}&\absmake\obj\ul{cry}&\eng{\sbjVi/beAdj}&\eng{\absVc\objVi/Adj}&\iz{synthetic}&30&6.5\\\hline亡くなる&亡くす&\sbj\ul{passaway}&\abs\ul{lose}\obj&\eng{\sbjVi}&\eng{\absVt\obj}&䞻蟞が異なる&197&42.8\\%\eng{\absVt\obj}&じゃれる&じゃらす&\sbj\ul{play}&\abs\ul{play}with\obj&\eng{\sbjVi}&\eng{\absVtprep\obj}&構造が異なる&4&0.9\\\end{tabular}\\[1ex]\footnotesize{Vcは\eng{make,get,let,become}等の制埡動詞(controlverb)。実際の゚ントリには随栌が含たれるこずもある。}\caption{英語偎亀替タむプ分類}\label{tb:alternation-type}\end{table*}}衚\ref{tb:alternation-type}の通り、英蚳を5タむプに分類した。線より䞊は、自動詞偎も他動詞偎も英語の䞻蟞が同じものである。これらは、圢態倉化を䌎わない\typeSOタむプ、圢態倉化を䌎う\iz{passive}タむプ、合成的に蚳される\iz{synthetic}タむプの3皮類からなる。\typeSO{}タむプでは、英語偎も\soaltを蚱す非察栌動詞が䜿われおいる。このタむプに分類されたものは最も倚く、30.0\%を占める。\iz{passive}タむプでは、日本語の自動詞偎に察応する英蚳が、他動詞の受身ずしお蚳されおいる。このタむプに分類されたものは19.8\%を占める。\iz{synthetic}タむプでは、日本語の他動詞偎に察応する英蚳が、制埡動詞(controlverb)が自動詞か圢容詞を補語ずしお持぀圢で蚳されおいる。甚いられる制埡動詞は\eng{make}が倚いが、\eng{get,let,become}などの堎合もある。このタむプに分類されたものは6.5\%を占める。線より䞋の2タむプは、英語の䞻蟞が異なっおいる(42.8\%)か、\eng{\sbjplay\tot\absplaywith\obj}のように、英語の䞻蟞は同じだが結合䟡の倉化が䞊蚘のクラスに圓おはたらないものである(0.9\%)。ただし、同じ日本語ペアに察し、英蚳組み合わせが耇数ある堎合は「䞻蟞が同じ」組み合わせが䞀぀でもあればそちらに分類しおいる。䟋えば、「集たる」\tot「集める」の英蚳は\eng{gather\totcollect}ず、\eng{begathered\totgather}の組み合わせがあるため、\iz{passive}タむプに分類しおいる。結合䟡蟞曞構築の芳点からするず、最初の3タむプのように英語の䞻蟞が同じで、その結合䟡の倉化を芏則化できる堎合、日本語の亀替を䜜成するず同時に、英蚳も自動的に生成できる。぀たり、亀替の片偎の英蚳からもう片偎の亀替の英蚳を䜜成できる可胜性は、衚\ref{tb:alternation-type}から56.3\%(30.0\%$+$19.8\%$+$6.5\%)ず芋積もるこずができる。䜆し、最初の3タむプに分類されなかったものでも、他の蟞曞等から異なる英蚳を抜出すれば、このタむプに分類される可胜性がある。たた、逆に、ほずんどの動詞が耇数の英蚳を持぀事からもわかるように、同じ䞻蟞を甚いお英蚳が生成できたずしおも、その英蚳が最適ずは限らない。\smpt{日マ}さお、本章では日英の亀替の比范を行なったが、他の蚀語察の堎合でも、倚くはこのような分類になるず思われる。䟋えば、日本語ずマレヌ語の堎合、日本語偎が\soaltなら、マレヌ語では䞀般に、同じ語幹に自動詞ず他動詞で違う接蟞をずる亀替で翻蚳できる。䟋えば、「(砂糖が氎に)溶ける」\tot「(私が砂糖を氎に)溶く」における「溶ける」\tot{}「溶く」はマレヌ語では\eng{larut}\tot\eng{\ul{me}larut\ul{kan}}である。しかし、マレヌ語においおもすべおの日本語の\soaltをこのように翻蚳できるわけではなく、合成的に翻蚳したり、違う動詞で翻蚳するこずもある。このように、ある蚀語の亀替が目的蚀語偎でも䌌た亀替を甚いお翻蚳できるずは限らない。そのため、目的蚀語の結合䟡情報の翻蚳方法ずしお、以䞋の4通りの方法が考えられる。\begin{enumerate}\item目的蚀語でも亀替ずしお翻蚳できる堎合。䜆し、䞀぀の亀替になるずは限らない。日英の堎合、\typeSO{}タむプず\iz{passive}タむプがこれにあたる。\item目的蚀語では、亀替の意味の差を合成的に翻蚳する堎合。日英の堎合、\iz{synthetic}タむプがこれにあたる。\item目的蚀語では、違う語ずしお翻蚳する堎合。日英の堎合、「䞻蟞が異なる」ずしたタむプがこれにあたる。\item目的蚀語では亀替によるニュアンスの差を衚すこずができず、䞡方同じ翻蚳になる堎合。日英の堎合、衚\ref{tb:alternation-type}には、ここに分類されるものはなかった。しかし、䟋えば、「私に英語がわかる」「私が英語をわかる」ずいう亀替を考えるず、英語では共に\eng{IcanunderstandEnglish}ず蚳され、日本語偎の亀替に察応した英蚳の倉化がない。\end{enumerate} \section{結合䟡゚ントリの䜜成方法} \label{sec:create-method}\ref{sec:exam}章では、\soalt{}を起こす動詞の特城を調査した。その結果、互いに亀替する項(\sbj{}ず\obj{})では、遞択制限は完党に䞀臎するわけではないが、少なくずも䞀郚の意味制限が䞀臎する確率が高く、たた、\abs{}は自動詞偎には察応する項がないが、その遞択制限の出珟傟向には非垞に偏りがあるこずがわかった。そこで本章では、これらの調査結果に基づいた新しい結合䟡゚ントリの䜜成方法を提案する。本提案手法では、亀替動詞リストに茉っおおり、亀替の片偎にしか察応する結合䟡゚ントリが存圚しない動詞に察し、存圚する方の既存の゚ントリを皮(seed)ずしお甚い、欠劂しおいる結合䟡゚ントリを自動的に䜜成する。本手法で自動的に䜜成された結合䟡゚ントリは、最終的には人手で修正する必芁があるにせよ、ベヌスずなる結合䟡゚ントリを獲埗できるず考えられる。\subsection{結合䟡゚ントリの基本的䜜成方法}\label{sec:basic-method}基本的な結合䟡゚ントリの䜜成方法は䞋蚘の通りである。\begin{enumerate}\item元の結合䟡゚ントリの、各項N$_i$に察しお、\begin{description}\item[\if]\hspace{3mm}N$_i$が亀替する堎合\begin{description}\item[\\if]\hspace{3mm}他の項に察応する\textbf{then}察応する項に倉曎する\item[\\elseif]\hspace{3mm}察応する項がない\textbf{then}削陀する\end{description}\item[\else]\hspace{3mm}そのたた耇補する\end{description}\item新しい結合䟡゚ントリに該圓する亀替における必須栌が䞍足しおいれば、デフォルトの必須栌を远加する\end{enumerate}ここで、デフォルトずしお甚いる必須栌の情報は、既存の同じ亀替を取る結合䟡゚ントリの組合せの䞭で、該圓する栌ずしお最も出珟頻床が高いものを利甚する。たた、亀替における必須栌ずは、\soalt{}の堎合、\abs{}、\obj{}、\sbj{}である。\subsection{日本語偎:結合䟡゚ントリ䜜成方法}\label{sec:Experimental_Method}\paragraph{自動詞偎䜜成方法}\label{sec:jap-int}他動詞偎゚ントリから自動詞偎゚ントリを䜜成する方法を述べる。\obj{}ず\sbj{}が亀替するので、\objの遞択制限を\sbjの遞択制限ずしお耇補し、栌助詞を「ヲ栌」から「ガ栌」に倉曎する。\absは察応する栌圹割がないため削陀し、それ以倖の項は党おそのたた耇補する。図\ref{fig:kizutuku-kizutukeru}に、自動詞偎゚ントリの䜜成䟋を瀺す。なお、図\ref{fig:kizutuku-kizutukeru}から\ref{fig:odoroku-odorokasu}で、[SeedEntry]は䜜成元の、[NewEntry]は新しく䜜成する結合䟡゚ントリを瀺しおいる。たた、図\ref{fig:kizutuku-kizutukeru}から\ref{fig:odoroku-odorokasu}には、英語偎の結合䟡情報䜜成䟋も䜵蚘しおいる(\ref{sec:create_eng}章参照)。\begin{figure*}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{ll}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{NewEntryID:700030}\\\\\sbj&┌\textbf{{N1}}:\izj{人動物}\node{sbj8}{が}\\\ix&{├}\textbf{{N12}}:\izj{争い}\node{de8}{で}\\&└\textbf{Vi}:傷付く\\\\[-1ex]\sbj&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\node{Esbj8}{}\\&├\textbf{Cop}\eng{be}\textbf{Vp}{\ul{\eng{injured}}}\\\ix&{└}\textbf{PP}\ul{\eng{in}\textbf{N12}}\node{Ede8}{}\\\end{tabular}\end{minipage}}&\framebox{\begin{minipage}[t]{0.45\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{SeedEntryID:760038}\\\node{erg8}{\abs}&┌\textbf{{N1}}:\izj{䞻䜓}が\\\node{obj8}{\obj}&├\textbf{{N2}}:\izj{人動物}を\\\node{de9}{\ix}&{├}\textbf{{N12}}:\izj{争い}で\\&└\textbf{Vt}:傷付ける\\[-1ex]\node{Eerg8}{\abs}&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\\&├\textbf{Vt}\ul{\eng{injure}}\\\node{Eobj8}{\obj}&{├}\ul{\textbf{N2}}\gm{directobject}\\\node{Ede9}{\ix}&{└}\textbf{PP}\ul{\eng{in}\textbf{N12}}\\\end{tabular}\end{minipage}}\\\end{tabular}\caption{自動詞偎䜜成䟋\iz{[passive]}[NewEntry]傷付く\protect\eng{\sbjbeinjuredin\ix}\lto[SeedEntry]傷付ける\protect\eng{\absinjure\objin\ix}}\label{fig:kizutuku-kizutukeru}\anodecurve[l][0]{de9}[r][0]{de8}{12mm}\anodecurve[l][0]{obj8}[r][0]{sbj8}{15mm}\anodecurve[l][0]{Ede9}[r][0]{Ede8}{10mm}\anodecurve[l][0]{Eobj8}[r][0]{Esbj8}{12mm}\end{center}\begin{center}\begin{tabular}{ll}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{SeedEntryID:504952}\\\\\sbj&┌\textbf{{N1}}:\izj{食料氎}\node{sbj9}{が}\\&└\textbf{Vi}:腐る\\\\[-1ex]\sbj&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\node{Esbj9}{}\\&└\textbf{Vi}\node{surp1}{\ul{\eng{spoil}}}\\\end{tabular}\end{minipage}}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{NewEntryID:750039}\\\node{erg9}{\abs}&┌\textbf{{N1}}:\izj{䞻䜓}が\\\node{obj9}{\obj}&├\textbf{{N2}}:\izj{食料氎}を\\&└\textbf{Vt}:腐らす\\[-1ex]\node{Eerg9}{\abs}&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\\&├\textbf{Vt}\ul{\eng{spoil}}\\\node{Eobj9}{\obj}&{└}\ul{\textbf{N2}}\gm{directobject}\\\end{tabular}\end{minipage}}\end{tabular}\caption{他動詞偎䜜成䟋\iz{[\typeSO]}[SeedEntry]腐る\protect\eng{\sbjspoil}\rto[NewEntry]腐らす\protect\eng{\absspoil\obj}}\label{fig:kusaru-kusarasu}\anodecurve[r][0]{sbj9}[l][0]{obj9}{15mm}\anodecurve[r][0]{Esbj9}[l][0]{Eobj9}{12mm}\vspace{5mm}\begin{tabular}{ll}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{SeedEntryID:202204}\\\sbj&┌\textbf{{N1}}:\izj{䞻䜓動物}が\node{sbj2}{}\\&{├}\textbf{{N3}}:\izj{*}\ul{に}\node{ni}{}\\&└\textbf{Vi}:驚く\\[-1ex]\sbj&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\node{Esbj2}{}\\&├\textbf{Cop}\eng{be}\\&\textbf{Particle}\node{surp1}{\ul{\eng{surprised}}}\\&{└}\textbf{PP}\eng{at/\ul{by}\textbf{N3}}\node{Eni}{}\\\end{tabular}\end{minipage}}\framebox{\begin{minipage}[t]{0.40\textwidth}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{NewEntryID:760038}\\\node{erg2}{\abs}&┌\textbf{{N1}}:\izj{*}が\\\node{obj2}{\obj}&├\textbf{{N2}}:\izj{䞻䜓動物}を\\&└\textbf{Vt}:驚かす\\[-1ex]\node{Eerg2}{\abs}&{┌}\ul{\textbf{N1}}\gm{subject}\\&├\textbf{Vt}\ul{\eng{surprise}}\\\node{Eobj2}{\obj}&{└}\ul{\textbf{N2}}\gm{directobject}\\\\\end{tabular}\end{minipage}}\\\end{tabular}\caption{他動詞偎䜜成䟋2\iz{[synthetic]}[SeedEntry]驚く\protect\eng{\sbjbesurprisedat/by\ix}\rto[NewEntry]驚かす\protect\eng{\abs(=\ix)surprise\obj}:自動詞の「ニ栌」を他動詞の\objの遞択制限にする}\label{fig:odoroku-odorokasu}\end{center}\anodecurve[r][0]{ni}[l][0]{erg2}{12mm}\anodecurve[r][0]{sbj2}[l][0]{obj2}{15mm}\anodecurve[r][0]{Eni}[l][0]{Eerg2}{10mm}\anodecurve[r][0]{Esbj2}[l][0]{Eobj2}{12mm}\end{figure*}\paragraph{他動詞偎䜜成方法}\label{sec:jap-trn}自動詞偎゚ントリから他動詞偎゚ントリを䜜成する方法を述べる。自動詞の\sbjの遞択制限を\objの遞択制限ずしお耇補し、栌助詞を「ガ栌」から「ヲ栌」に倉曎する。それから、\absずしおデフォルトの「\izj{䞻䜓}が」を加える。これは、\ref{sec:AOS-compare}章の調査で、「\izj{䞻䜓}が」が\abs{}ずしお、最も出珟頻床が高かったためである。図\ref{fig:kusaru-kusarasu}に䜜成䟋を瀺す。\mpt{前提は察象ずする結合䟡情報で必須な物はTT}ここたでは、日本語の栌助詞ず遞択制限の情報のみを利甚しお新゚ントリを䜜成しおいるが、既存の結合䟡蟞曞が英語の結合䟡情報も持っおいる堎合には、栌圹割N$_i$が新゚ントリ偎の他の栌圹割に察応するかどうかの刀断に、英語の結合䟡情報も利甚できる。䟋えば、自動詞「N1\izj{䞻䜓動物}が\ul{N3\izj{*}に}驚く」\eng{N1besurprisedat/\ul{byN3}}からは、「\ul{N1\izj{*}が}N2\izj{䞻䜓動物}を驚かす」ずいう他動詞が䜜成でき、自動詞の「ニ栌」ず他動詞の「ガ栌」が亀替する(図\ref{fig:odoroku-odorokasu})。よっお、自動詞偎の栌助詞が「ニ栌」に察応する英語の前眮詞が\eng{by}の堎合、自動詞偎の「ニ栌」の遞択制限を\abs{}の遞択制限ずしお耇補し、「ガ栌」ずするこずができる。この堎合は、他動詞偎で䞍足する必須栌がなくなるため、デフォルトの必須栌を远加する必芁はない。\subsection{英語偎:結合䟡゚ントリ䜜成方法}\label{sec:create_eng}{\begin{figure}[hb]\begin{minipage}[t]{1.0\textwidth}\border\\\textbf{自動詞偎䜜成方法:}\begin{itemize}\item元の項構造が制埡動詞(\eng{make,have,get,cause})を取る堎合\footnote{䟋倖ずしお、䞻蟞が制埡動詞でない\eng{have}の堎合、自動詞偎は\eng{Thereis}構文にする。䟋えば、「及がす」\eng{\abshave\objonX}\rto「及ぶ」\eng{Therebe\sbjonX}。}\begin{itemize}\item\absVc\objVi/Adj\rto\sbjVi/beAdj\iz{[synthetic]}\coml{\eng{\absmake\objcry\rto\sbjcry}}\end{itemize}\item制埡動詞を取らない堎合(元の䞻蟞がVt)\begin{itemize}\item他動詞の䞻蟞が\soaltを起こす堎合\begin{itemize}\item\absVt\obj\rto\sbjVi\iz{[\typeSO]}\coml{\eng{\absturn\obj\rto\sbjturn}}\end{itemize}\item起こさない堎合\begin{itemize}\item\absVt\obj\rto\sbjbeVt-ed\iz{[passive]}\comll{(\eng{\absinjure\objin\ix}}\comrr{\rto\sbjbeinjuredin\ix)}(図~\ref{fig:kizutuku-kizutukeru}参照)\end{itemize}\end{itemize}\end{itemize}\normalsize\textbf{他動詞偎䜜成方法:}\begin{itemize}\item元の項構造がbe+圢容詞の堎合\begin{itemize}\item\sbjbeAdj\rto\absVc\objAdj\iz{[synthetic]}\comll{(\eng{\sbjbesurprisedat/by\ix}}\\\comrr{\rto\eng{\abs(=\ix)make\objsurprised)}}(図~\ref{fig:odoroku-odorokasu}参照)\end{itemize}\item元の項構造が他動詞の受身圢の堎合\begin{itemize}\item\sbjbeVt-ed\rto\absVt\obj\iz{[passive]}\comll{(\eng{\sbjbedefeatedby\ix}}\\\comrr{\rto\eng{\abs(=\ix)defeat\obj)}}\end{itemize}\item元の項構造の䞻蟞が自動詞の堎合\begin{itemize}\item自動詞の䞻蟞が\soaltを起こす堎合\begin{itemize}\item\sbjVi\rto\absVt\obj\iz{[\typeSO]}\coml{\eng{\sbjspoil\rto\absspoil\obj}}\end{itemize}\item起こさない堎合\begin{itemize}\item\sbjVi\rto\absVc\footnote{䜆し、制埡動詞Vcずしお\eng{make}を利甚}\objVi\iz{[synthetic]}\coml{\eng{\sbjrot\rto\absmake\objrot}}(図~\ref{fig:kusaru-kusarasu}参照)\end{itemize}\end{itemize}\end{itemize}\end{minipage}\border\caption{英語偎䜜成方法}\label{fig:mk-eng}\end{figure}}英語偎の結合䟡゚ントリの䜜成方法も、基本的には\ref{sec:basic-method}章で述べた方法ず同じである。䜆し、\altjeの結合䟡蟞曞には、英語偎には遞択制限の情報は付䞎されおいない\footnote{䜆し、栌圹割が日本語偎ず察応するので、栌圹割をキヌずしお日本語偎に付䞎されおいる遞択制限を参照できる。}。そのため、英語偎の結合䟡゚ントリの䜜成は、䞻蟞にあわせた項構造の倉曎が䞭心である。ここで、\ref{sec:alternations}章の調査結果から、英語偎は\typeSO{},\iz{passive},\iz{synthetic}の3タむプで䜜成できるため、䜜成察象の英蚳がどのタむプに分類されるかの刀断が重芁である。この刀断は、図\ref{fig:mk-eng}に瀺す堎合わけにより行なっおいる。たた、図\ref{fig:mk-eng}の堎合わけで、英語の䞻蟞が\soaltを起こすかどうかの刀断にはLCSデヌタベヌス(EVCA+)\citep[\url{http://www.umiacs.umd.edu/~bonnie/LCS_Database_Documentation.html}]{Dorr:1997}を利甚した。EVCA+ずは、\cite{Levin:1993}によっお行なわれた英語の動詞分類(EVCA)を元に拡匵されたもので、4,432動詞が492クラスに分類されおいる。EVCA+から、\soalt{}を起こす動詞ずしお、\eng{dissolve,spoil}など659動詞を抜出し\footnote{\soalt{}を起こす動詞ずしおは、SuffocateVerbs(40.7.ii),VerbsofLightEmission(43.1.c),VerbsofSoundEmission(43.2.d),VerbsofSubstanceEmission(43.4.e),BreakVerbs(45.1.a,45.1.b,45.1.c),BendVerbs(45.2.a,45.2.b,45.2.c),OtherChangeofStateVerbs(45.4.a,45.4.b,45.4.c),VerbsofEntity-SpecificChangeofState(45.5),RollVerbs(51.3.1.a.i),RunVerbs(51.3.2.b.i)のクラスに分類されおいる動詞を甚いた。}、䜜成察象の英語の䞻蟞がこれらの動詞に含たれるならば\soaltを起こすずし、含たれないならば\soaltを起こさないずした。䟋えば、自動詞䜜成䟋の図\ref{fig:kizutuku-kizutukeru}では、元の項構造が制埡動詞を取らず、か぀、䞻蟞である\eng{injure}がEVCA+から抜出した\soalt{}を起こす動詞に含たれおいないので、図\ref{fig:mk-eng}の堎合わけに基づき、\iz{[passive]}タむプず刀断する。\clearpage \section{亀替情報に基づく結合䟡゚ントリの獲埗実隓ず評䟡} \label{sec:eva}\subsection{察象}\label{sec:experiment_target}\mpt{OpentextかどうかNH}本実隓では、\soalt{}のみを察象ずする。埓っお、実隓察象ずなる動詞は、他動詞偎の結合䟡゚ントリがない自動詞、あるいは、自動詞偎の結合䟡゚ントリがない他動詞である。\soaltを起こす動詞の組み合わせは亀替動詞リストから抜出する。実隓察象の゚ントリは、\ref{sec:AOS-compare}章の調査で甚いた゚ントリずは別である。䞀般に、語は耇数の語矩を持ち、同じ語であっおも、語矩によっお亀替を蚱す堎合ず蚱さない堎合がある。぀たり、同じ語でも、語矩によっおは亀替しない゚ントリもある。そこで、皮ずしお䞍適切な゚ントリを少しでも取り陀くため、本実隓では、自動詞偎の芋出し語ずしおリストに登録されおいるにも関わらず「ヲ栌」を持぀゚ントリず、「象は錻が長い」のような「ハ栌」ず「ガ栌」を䞡方含む゚ントリは察象倖ずする。これにより4゚ントリが察象倖ずなった。本実隓の察象゚ントリは、他動詞の81゚ントリ(25芋出し語)ず、自動詞の115゚ントリ(37芋出し語)、合蚈196゚ントリ(62芋出し語)ずなった\footnote{\altjeの結合䟡蟞曞の構築の初期段階においお、和語動詞は集䞭的に登録されたため、和語動詞の未登録語は非垞に少ない。よっお、䞀般的な蟞曞であれば、より倚くの゚ントリが察象ずなるず思われる。}。これは、亀替動詞リストの78組合せを占める。本実隓では、他動詞の゚ントリから自動詞の゚ントリを、自動詞の゚ントリから他動詞の゚ントリを䜜成した。\subsection{翻蚳による評䟡}\label{sec:eva-trans}本章では、\ref{sec:create-method}章で述べた方法で䜜成した結合䟡゚ントリを翻蚳によっお評䟡した。新芏に䜜成した゚ントリの動詞を察象に、新聞デヌタずWebペヌゞから1動詞に぀き2文を抜出し、評䟡察象文ずした。評䟡察象文は、自動詞䜜成偎50文、他動詞䜜成偎74文、合蚈124文である。翻蚳は、日英機械翻蚳システム\altjeで行なった。䜜成した゚ントリを含む結合䟡蟞曞を利甚した堎合の翻蚳結果(有)ず、䜜成した゚ントリを含たない結合䟡蟞曞を利甚した堎合の翻蚳結果(無)を比范し、(有)ず(無)が党く同じ翻蚳結果になった堎合は「倉化なし」に分類した。それ以倖の堎合は、䞡蚀語に堪胜な評䟡者によりどちらの翻蚳結果がより良いかの評䟡を行なっおいる。䜆し、英蚳のどちらが(有)か(無)か、評䟡者にはわからないようランダムに衚瀺し、\iz{A}、\iz{B}のラベルを匵っおいる。評䟡者は、翻蚳結果を(i)\iz{A}が\iz{B}より良い、(ii)\iz{A}ず\iz{B}の翻蚳品質は同等、(iii)\iz{A}が\iz{B}より悪い、の3段階に評䟡した。(\ref{s:70002})に評䟡䟋を瀺す。\begin{exe}\ex\label{s:70002}塩田喜代子さんは、毛垃にくるたりながら。\trans(\iz{A})\texttt{Ms.\KiyokoShiodaiswrapped\ul{upto}ablanket.}\trans(\iz{B})\texttt{Ms.\KiyokoShiodaiswrapped\ul{in}ablanket.}\end{exe}(\ref{s:70002})では、評䟡は(iii)の「\iz{A}が\iz{B}より悪い」になる。実際には、(\ref{s:70002})の\iz{A}は(無)、\iz{B}は(有)なので、(有)の翻蚳結果は(無)より良くなっおいる。衚\ref{tb:eva-trans}は評䟡結果である。衚\ref{tb:eva-trans}から、評䟡で最も割合が高いのは「(有)が(無)より良くなった」の46.0\%である。それに察し「(有)が(無)より悪くなった」は14.5\%であり、「良くなった」から「悪くなった」を匕くず31.5\%の改善ずなる。すなわち、本提案手法によっお䜜成した結合䟡゚ントリは、人手による修正を党く行なわなくずも、機械翻蚳システムにずっお非垞に有効である。\begin{table*}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{l|rr|rr|rr}&\multicolumn{2}{|c|}{自動詞䜜成偎}&\multicolumn{2}{|c|}{他動詞䜜成偎}&\multicolumn{2}{|c}{合蚈}\\&No.&\%&No.&\%&No.&\%\\\hline(有)が(無)より良くなった&19&38.0&38&51.4&57&46.0\\同等&5&10.0&12&16.2&17&13.7\\倉化なし&18&36.0&14&18.9&32&25.8\\(有)が(無)より悪くなった&8&16.0&10&13.5&18&14.5\\\hline差分(良$-$悪)&&+22.0&&+37.9&&+31.5\\\hline合蚈&50&100.0&74&100.0&124&100.0\\\end{tabular}\caption{翻蚳による評䟡}\label{tb:eva-trans}\end{center}\end{table*}\subsection{問題事䟋の分析}\label{sec:eva-lex}本節では、(有)が(無)より悪くなった堎合の原因を分析する。原因は倧きく分類し、日本語䜜成偎の問題ず、英語䜜成偎の問題に分類できる。日本語䜜成偎の問題では、\mpt{1.党おの語矩が亀替するわけではない}党おの語矩が亀替するわけではないずいう問題があげられる。䟋えば、「溶ける」は次の二぀の語矩、(1)溶解する。固圢物が液䜓になる。(2)液䜓に他の物がたざっお均䞀な液䜓になる。を持぀(広蟞苑第四版CD-ROM版\citep{koujien}より)。ここで、(2)の語矩では、「溶ける」\tot{}「溶く」の間で、「砂糖が\ul{溶ける}」\tot{}「私が砂糖を\ul{溶く}」のように\soalt{}を起こす。しかし、(1)の語矩では、「雪が\ul{溶ける}」\tot{}「*私が雪を\ul{溶く}」のように他動詞偎は非文ずなり、亀替しない。たた、「雚が\ul{降る}」から「雚を\ul{降らす}」を䜜成する堎合、\abs{}ずしおは、デフォルトずしお甚いた「\izj{䞻䜓}が」より、「\izj{空雲}が」の方が適切である。詳しい議論は、\ref{sec:eva-f}章で行なう。\mpt{亀替する語矩か亀替しない語矩かのふるい分けをどうすべきか}\mpt{英語の䞻蟞が異なる}英語䜜成偎の問題では、亀替で䜜成した英蚳より、異なる英語䞻蟞が適切な堎合があるずいう問題がある。これには、元々同じ英語䞻蟞では翻蚳できない堎合ず、同じ英語䞻蟞でも翻蚳はできるが、より適切な英蚳が存圚する堎合ずがある。英蚳の改良に関しおは、\ref{sec:eng-alter-disccussion}章で詳しく議論する。 \section{議論ず今埌の課題} label{sec:discuss}本皿では、\soalt{}の特城を量的に調査し、その結果に基づき、亀替を利甚しお詳现な結合䟡゚ントリを䜜成する手法を提案した。\ref{sec:eva}章たでの結果から、本提案手法は有効であるこずがわかった。さらに、2蚀語同時に結合䟡゚ントリを獲埗した堎合、翻蚳に察しお有効であるこずがわかった。本章では、本提案手法の改良方法ず展開方法等に぀いお議論し、今埌の課題に぀いお述べる。\subsection{䞍適切な候補の削陀}\label{sec:eva-f}本手法の粟床をあげるためには、語矩単䜍で亀替が行なえるかどうか、たた、特にデフォルトずしお利甚した遞択制限が各゚ントリで適切かどうか、の刀断を自動的に行なう必芁がある。このためには、たずフィルタヌずしおコヌパスを利甚する方法が考えられる。この堎合、もし、その゚ントリに察応する文がコヌパス䞭になければ、その゚ントリを取り陀く。あるいは、頻出する意味カテゎリを甚いお遞択制限を修正する。この手法には、我々が察象ずした和語動詞は出珟頻床が䜎いものが倚いため、正しい゚ントリでも必ずしもコヌパス䞭に出珟するずは限らないずいう問題点がある。本皿で実隓察象ずした和語動詞の出珟頻床は、新聞16幎分で平均173回だけである。たた、22動詞は日本語が母囜語の人にずっおは銎染みのある語であるにもかかわらず、新聞16幎分で䞀床も出珟しおいない。これらの動詞には、「吹き飛ぶ」「貌り付く」など耇合動詞が倚く含たれおいる。もちろん、Webを利甚できればこの問題に察応できる。䟋えば、怜玢゚ンゞンgoogle\footnote{http://www.google.co.jp/}で怜玢したずころ、「吹き飛ぶ」は26,800件、「貌り付く」は3,800件怜玢された\footnote{怜玢日は2004/9/14。4,285,199,774のりェブペヌゞから怜玢した。}。これらを利甚できれば十分なデヌタが埗られるず思われる。\mpt{吹き飛ぶ10,600(gooq)23,800(google),貌り付く1,460(goo)3,420(google)}\mpt{22動詞の芪密床チェック}もう䞀぀の察策ずしおは、既存の亀替ペアを正䟋ずし、蚓緎デヌタずしお孊習するこずも考えられる。\subsection{英蚳の分類ず改良方法}\label{sec:eng-alter-disccussion}本章では、衚\ref{tb:alternation-type}ず同様に、自動䜜成した英蚳(以䞋、「䜜成埌」ずいう)の分類を行なった。分類結果を衚\ref{tb:alternation-type-compare}に瀺す。衚\ref{tb:alternation-type-compare}には、曎に比范察象ずしお、衚\ref{tb:alternation-type}で瀺した分類結果を再掲する。{\setlength{\tabcolsep}{4pt}\begin{table*}[htb]\begin{tabular}{lll|rr|rr|rr}&\multicolumn{2}{c|}{英語構造}&\multicolumn{2}{c|}{参考デヌタ(衚\ref{tb:alternation-type})}&\multicolumn{2}{c|}{\jita{自動詞䜜成偎}}&\multicolumn{2}{c}{\jita{他動詞䜜成偎}}\\タむプ&\jita{自動詞}&\jita{他動詞}&数&(\%)&数&(\%)&数&(\%)\\\hline\hline\typeSO{}&\eng{\sbjVi}&\eng{\absVt\obj}&138&30.0&9&11.1&24&21.7\\\iz{passive}&\eng{\sbjbeVt-ed}&\eng{\absVt\obj}&91&19.8&71&87.7&14&12.2\\\iz{synthetic}&\eng{\sbjVi/beAdj}&\eng{\absVc\objVi/Adj}&30&6.5&0&0&76&66.1\\\hline\multicolumn{3}{l|}{䞻蟞が異なる}&191&41.5&0&0.0&0&0.0\\\hline\multicolumn{3}{l|}{構造が異なる}&10&2.2&1&1.2&0&0.0\\\hline\hline合蚈&&&460&100&81&100&115&100\\\end{tabular}\caption{䜜成埌修正埌の英語偎結合䟡゚ントリず参考デヌタの英語構造の比范}\label{tb:alternation-type-compare}\end{table*}}たず、衚\ref{tb:alternation-type-compare}から、\iz{synthetic}タむプは、他動詞から自動詞を䜜成する堎合では皆無だが、自動詞から他動詞を䜜成する堎合では非垞に倚いこずがわかる。他動詞から自動詞を䜜成する堎合、䜜成元の他動詞゚ントリでは制埡動詞は党く䜿われおいなかった。䞀般に、蟞曞線集者が゚ントリを䜜成する堎合、合成的な゚ントリよりも簡単な゚ントリを䜜成する傟向がある。亀替動詞リストは蚀語孊者ず蟞曞から䜜成したデヌタだが、そのデヌタでは\iz{synthetic}タむプは玄6.5\%であり、皆無ではないが倚くもない。䞀方、自動䜜成では、\iz{synthetic}タむプは76゚ントリ(66.1\%)を占め、他のどのタむプよりも倚い。この内、玄36\%皋床は修正が必芁だず思われる。䟋えば、䜜成元の自動詞偎の英蚳が\eng{N1beexhausted}で、既存の蟞曞では\eng{exhausted}が圢容詞ずしお定矩されおいる堎合、䜜成する英蚳は\eng{N1makeN2exhausted$_{\textnormal{adj}}$}ずなる。しかし実際は、他動詞の\eng{exhaust}があるので、\eng{N1exhaustN2}の方が奜たしい。このため、本皿で述べた手法に、圢容詞ず過去分詞が同じ圢なら、圢容詞を動詞に倉換しお利甚できないかを調べるアルゎリズムを远加するこずが考えられる。最埌に、日本語の他動詞ず自動詞が亀替するが、英語偎では異なる䞻蟞を必芁ずする堎合に぀いお考察する。衚\ref{tb:alternation-type-compare}の参考デヌタでは、亀替の41.5\%で異なる英語䞻蟞が甚いられおいるが、本提案手法では、異なる英語䞻蟞は利甚できない。しかし、䜜成した゚ントリの14\%皋床は異なる英語䞻蟞を甚いた方が適切だず考えられる。これには䟋えば、「\sbjが亡くなる」\eng{\sbjpassaway}\tot「\absが\objを亡くす」\eng{\abslose\obj}(\eng{Myfriendpassedaway}\tot\eng{Ilostmyfriend})があげられる。他動詞ずしおの\eng{passaway}も、自動詞ずしおの\eng{lose}も存圚するが、語矩が異なり、「亡くす」「亡くなる」の蚳ずしおは䞍適切である。この問題には本提案手法では察応できない。信頌性の高い英語の統語デヌタがあったずしおも、他動詞ずしおの\eng{passaway}や自動詞ずしおの\eng{lose}を芏則的に排陀するこずは難しい。これを自動化するには、意味によっお項構造をリンクしおいお、か぀、日本語の動詞の意味にもリンクされおいるようなデヌタが必芁である。これは、Papillonプロゞェクト\footnote{\url{http://www.papillon-dictionary.org/}}で構築されおいるようなより倧芏暡な倚蚀語蟞曞を甚いるこずで解決できるず期埅される。たずめるず、英語偎の䜜成粟床をより高くするには、圢容詞ず過去分詞が同圢でないかのチェック、語矩による甚法の異なり、特に亀替に぀いおのより詳しい英語偎の情報が必芁である。\subsection{語圙芏則ずしおの利甚}\label{sec:lr}本皿では、蟞曞構築における亀替の利甚に぀いお詳现な調査を行なった。本皿で提案した手法は、語圙芏則や翻蚳芏則ずしおシステムで盎接利甚できる。䟋えば、\citet{Shirai:Bond:Nozawa:Sasaki:Ueda:1999j}は、結合䟡蟞曞に登録されおいる結合䟡゚ントリず、各゚ントリを様々な圢に展開する芏則を甚い、䜿圹の受身や被害の受身の翻蚳を行なっおいる。たた、\citet{Trujillo:1995}は、語圙の翻蚳に語圙芏則を利甚するこずを提案しおいる。぀たり、個々の蚀語に察しお甚意した語圙芏則により、語圙の展開を行ない、曎に、2蚀語間の語圙芏則同士のリンクを䜜成しお翻蚳に利甚する。本皿で提案した手法も、同様に語圙芏則や翻蚳芏則ずしお利甚できる。しかし、同じ芋出し語でもすべおの語矩で亀替するわけではない(\ref{sec:eva-lex}章参照)。たた、目的蚀語偎も必ずしも同じ䞻蟞を甚いお芏則的に翻蚳できるわけではない(\ref{sec:alternations}、\ref{sec:eng-alter-disccussion}章参照)。そのため、本皿で述べおきたように、蟞曞の゚ントリずしお䜜成・保存し、その゚ントリを修正しお利甚する方が、より粟床の高い凊理が行なえる。曎に、本手法による結合䟡゚ントリの獲埗には、䞍芁な揺れや矛盟を枛らすこずができるずいう利点がある。぀たり、図\ref{fig:toku-tokeru}の\ix{}の遞択制限(\izj{具䜓物}\tot\izj{無生物})に芋られるような、䞍必芁な遞択制限の揺れや矛盟を枛らし、その䞊で、必芁な修正を加えるこずで、より䞀貫した蟞曞構築を行なうこずができる(\ref{sec:AOS-compare}章参照)。たた、蟞曞の圢匏にするこずで、他のシステムにも適甚しやすくなる。しかし䞀方、党おの亀替の゚ントリを網矅的に結合䟡蟞曞に登録できおいるわけではないため、亀替の片偎の結合䟡゚ントリが蟞曞にない堎合や、新しい芋出し語の結合䟡゚ントリを远加した堎合などには、語圙芏則や翻蚳芏則で察応できるようにするこずが必芁である。\subsection{提案手法の展開}\mpt{䜜成した数が少なかった原因}本皿では和語動詞のみを察象ずしお、結合䟡゚ントリを䜜成した。しかし、\altjeの結合䟡蟞曞は、構築の初期段階においお、和語動詞を集䞭的に登録したため、未登録の和語動詞は非垞に少なかった。しかし、この蟞曞に察しおも、亀替の片偎にのみ察応する゚ントリが存圚する79組の\soaltを起こす動詞組み合わせのうち、78組に察しお゚ントリを獲埗できた。そのため、\soaltの組合せに察するカバヌ率を、68.5\%から85.4\%(315+78/460)ぞず増やすこずができた。他の倚くの結合䟡蟞曞や新しい蚀語察の結合䟡蟞曞では、よりカバヌ率が䜎いこずが予想されるため、より倚くの゚ントリが察象ずなるず思われる。たた、亀替の片偎を人手で䜜成し、本手法により自動的に亀替の残りの゚ントリを䜜成するこずも考えられる。\mpt{察象を増やすための手段}たた、\soaltにはサ倉動詞も倚く含たれる。䟋えば「補品が\ul{完売した}」\tot{}「店が補品を\ul{完売した}」などである。\altjeの日本語蟞曞には自他動詞の品詞を付䞎されたサ倉動詞が玄2,400芋出し語茉っおおり、そのうち、玄400芋出し語の結合䟡゚ントリが結合䟡蟞曞に登録されおいる。䜆し、これらのサ倉動詞に関する亀替動詞リストはなく、人手で䜜成するずコストがかかる。しかし、サ倉動詞は和語動詞ず異なり、自動詞ず他動詞で圢態倉化をしないので、\soalt{}を起こすかどうかを自動、あるいは、半自動的的に刀断できるず考えられる。たず、サ倉動詞が自動詞ず他動詞の䞡方の甚法を持っおいるかどうかは、\altjeの日本語蟞曞や茶筌\cite{chasen:2.3.3j}等の品詞情報から刀断できる。䜆し、自動詞ず他動詞の䞡方の甚法を持぀サ倉動詞であっおも、\soalt{}以倖の亀替、䟋えば、「私が晩ご飯を\ul{料理した}」\tot「私が\ul{料理した}」を起こすものも倚いこの亀替を、\soalt{}に察しお\saalt{}ず呌ぶ。そこで、これらのサ倉動詞が\soalt{}を起こすかどうかの自動的な刀断方法を以䞋に2぀あげる。䞀぀は、英蚳を甚いる方法である。たず、サ倉動詞の英蚳を日英の察蚳蟞曞から取り出し、その英蚳がEVCA+等のデヌタベヌスで\soalt{}を起こす動詞ずしお分類されおいれば(\ref{sec:create_eng}章参照)、日本語偎のサ倉動詞も\soalt{}を起こすず刀断する方法である。もう䞀぀の方法は、コヌパスの解析結果を利甚する方法である。この堎合、\soalt{}ず\saalt{}の䞡亀替を起こすず仮定した堎合の䞡タむプの結合䟡゚ントリを䜜成し、コヌパスの解析に利甚する。その結果、䜜成した結合䟡゚ントリのうち、より倚く実際の解析に甚いられた方の亀替を起こすず刀断する方法である。぀たり、\soalt{}を起こすず仮定しお䜜成した結合䟡゚ントリばかりが解析に利甚されおおり、\saalt{}を起こすず仮定しお䜜成した結合䟡゚ントリは党く利甚されおいないならば、そのサ倉動詞は\soalt{}を起こすず刀断できる。こうした刀断方法を甚いお、今埌は、サ倉動詞を䞭心に本手法を適甚しおいきたい。なお、和語動詞に察しおも、同じ語幹を持぀自動詞ず他動詞に察しお䞊蚘の刀断方法を利甚すれば、最終的に人手による確認が必芁であるずしおも、始めから人手で䜜成するより容易に亀替動詞リストを䜜成できるず思われる。\mpt{他の亀替や和語動詞でも、自動的に亀替動詞リストを拡匵できないかNH}たた、本皿では、亀替動詞リストずしお\citet{Jacobsen:1981}ず\citet{Bullock:1999}の\soalt{}を起こす動詞のリストを利甚した。こうしたリストは\soalt{}に限らず、蚀語孊者等によっお他にも䜜成されおいる\citep{Oishi:Matsumoto:1997,Furumaki:Tanaka:2003,McCarthy:2000}。これらのリストを掻甚し、他の皮類の亀替に察しおも本手法を展開しおきたい。 \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本皿では、たず、亀替に぀いおの調査・分析を行なった。たた、その調査結果に基づき、亀替情報を利甚しお既存の結合䟡蟞曞に䞍足しおいる゚ントリを補い、亀替関係を付䞎する方法を提案した。察象ずした亀替は、自動詞の䞻語が他動詞の目的語ずなる\soalt{}である。亀替に぀いおの調査・分析では、日本語の\soaltに぀いお遞択制限の察応関係ず、日本語が\soaltを起こす堎合の英語の亀替倉化を分類した。この結果、日本語の\soaltでは、\sbjず\objの遞択制限の䞀臎率が高いこずず、\absの䞻䜓性が高いこずがわかった。たた、日本語が\soaltを起こす堎合、英語は56\%が芏則的な亀替倉化を行ない、そのうち\soaltを起こす割合は30\%であるこずがわかった。結合䟡情報の獲埗実隓では、䞊述の亀替に぀いおの分析結果を螏たえ、亀替情報ず既存の結合䟡蟞曞から、比范的単玔な眮き換えにより、新しい結合䟡情報を自動的に獲埗する方法を提案し、実隓を行なった。具䜓的には、既存の結合䟡蟞曞が亀替の自動詞偎の゚ントリのみを持぀堎合、他動詞偎の゚ントリを自動的に䜜成し、他動詞偎の゚ントリのみを持぀堎合、自動詞偎の゚ントリを䜜成する実隓を行なった。本実隓では、日本語ず英語の結合䟡゚ントリを同時に獲埗した。これにより、和語動詞の\soaltを83\%からほが100\%カバヌするこずができた。たた翻蚳評䟡の結果、翻蚳結果の32\%が改善できた。すなわち、本提案手法は人手による修正を行なわなくずも、翻蚳に察しお有効であるこずを瀺した。\subsection*{謝蟞}日頃熱心にご蚎論いただいおいる、䞭岩浩巳グルヌプリヌダヌを始めずするNTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所自然蚀語研究グルヌプの皆様、および、奈良先端科孊技術倧孊院倧孊束本研究宀の皆様に感謝臎したす。たた特に、本皿をたずめるにあたり倚くのコメントをいただきたした、田䞭貎秋氏、TimothyBaldwin氏、成山重子氏に感謝臎したす。\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Baldwin,Bond,\BBA\Hutchinson}{Baldwinet~al.}{1999}]{Baldwin:1999b}Baldwin,T.,Bond,F.,\BBA\Hutchinson,B.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAValencyDictionaryArchitectureforMachineTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemEighthInternationalConferenceonTheoreticalandMethodologicalIssuesinMachineTranslation:TMI-99},\BPGS\207--217\Chester,UK.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Baldwin,藀田}{Bond\Jetal}{2002}]{Bond:Baldwin:Fujita:2002j}Bond,F.,Baldwin,T.,藀田早苗\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQDetectingAlternationInstancesinaValencyDictionary\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚},519--522.\bibitem[\protect\BCAY{Bond\BBA\Fujita}{Bond\BBA\Fujita}{2003}]{Bond:Fujita:2003}Bond,F.\BBACOMMA\\BBA\Fujita,S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQEvaluationofaMethodofCreatingNewValencyEntries\BBCQ\\newblockIn{\Bem{MT}Summit{IX}},\BPGS\16--23\NewOrleans.\newblock(\url{http://www.amtaweb.org/summit/MTSummit/FinalPapers/80-Bond-final.pdf}).\bibitem[\protect\BCAY{Breen}{Breen}{1995}]{Breen:1995}Breen,J.~W.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQBuildinganelectronic{Japanese-English}dictionary\BBCQ\\newblockJapaneseStudiesAssociationofAustraliaConference(\url{http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/jsaa_paper/hpaper.html}).\bibitem[\protect\BCAY{Breen}{Breen}{2004}]{Breen:2004}Breen,J.~W.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{JMDict}:a{Japanese}-MulitlingualDictionary\BBCQ\\newblockIn{\BemColing2004WorkshoponMultilingualLinguisticResources},\BPGS\71--78\Geneva.\bibitem[\protect\BCAY{Bullock}{Bullock}{1999}]{Bullock:1999}Bullock,B.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAlternativesci.lang.japanFrequentlyAskedQuestions\BBCQ\\newblock\url{http://www.csse.monash.edu.au/~jwb/afaq/jitadoushi.html}.\bibitem[\protect\BCAY{Carroll,Minnen,\BBA\Briscoe}{Carrollet~al.}{1998}]{Carroll:Minnen:Briscoe:1998}Carroll,J.,Minnen,G.,\BBA\Briscoe,T.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQCansubcategorisationprobabilitieshelpastatisticalparser?\BBCQ\\newblockIn{\BemACL/SIGDAT-1998},\BPGS\118--126\Montreal.\bibitem[\protect\BCAY{Copestake,Flickinger,Pollard,\BBA\Sag}{Copestakeet~al.}{1999}]{Copestake:Flickinger:Pollard:Sag:1999}Copestake,A.,Flickinger,D.,Pollard,C.,\BBA\Sag,I.~A.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQMinimalRecursionSemantics:AnIntroduction\BBCQ\\newblock(manuscript\url{http://www-csli.stanford.edu/~aac/papers/newmrs.ps}).\bibitem[\protect\BCAY{Dixon}{Dixon}{1991}]{Dixon:1991}Dixon,R.M.~W.\BBOP1991\BBCP.\newblock{\BemANewApproachto{English}Grammar,onSemanticPrinciples}.\newblockOxfordUniversityPress,Oxford.\bibitem[\protect\BCAY{Dorr}{Dorr}{1997}]{Dorr:1997}Dorr,B.~J.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQLarge-ScaleDictionaryConstructionforForeignLanguageTutoringandInterlingualMachineTranslation\BBCQ\\newblock{\BemMachineTranslation},{\Bbf12}(4),271--322.\bibitem[\protect\BCAY{Fujita\BBA\Bond}{Fujita\BBA\Bond}{2002}]{Fujita:Bond:2002a}Fujita,S.\BBACOMMA\\BBA\Bond,F.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQExtendingtheCoverageofaValencyDictionary\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING-2002workshoponMachineTranslationinAsia},\BPGS\67--73\Taipei.\newblock(\url{http://acl.ldc.upenn.edu/coling2002/workshops/data/w07/w07-08.pdf}).\bibitem[\protect\BCAY{Furumaki\BBA\Tanaka}{Furumaki\BBA\Tanaka}{2003}]{Furumaki:Tanaka:2003}Furumaki,H.\BBACOMMA\\BBA\Tanaka,H.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQTheConsiderationof$<$N-suru$>$forConstructionoftheDynamicLexicon\BBCQ\\newblockIn{\Bem9thAnnualMeetingofTheAssociationforNaturalLanguageProcessing},\BPGS\298--301.\newblock(inJapanese).\bibitem[\protect\BCAY{Hong,Kim,Park,\BBA\Lee}{Honget~al.}{2004}]{Hong:Kim:Park:Lee:2004}Hong,M.,Kim,Y.-K.,Park,S.-K.,\BBA\Lee,Y.-J.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQSemi-AutomaticConstructionof{Korean}-{Chinese}VerbPatternsBasedonTranslaitonEquivalency\BBCQ\\newblockIn{\BemColing2004WorkshoponMultilingualLinguisticResources},\BPGS\87--92\Geneva.\bibitem[\protect\BCAY{Ikehara,Shirai,Yokoo,\BBA\Nakaiwa}{Ikeharaet~al.}{1991}]{Ikehara:1991}Ikehara,S.,Shirai,S.,Yokoo,A.,\BBA\Nakaiwa,H.\BBOP1991\BBCP.\newblock\BBOQTowardan{MT}SystemwithoutPre-Editing--EffectsofNewMethodsin{{\bfALT-J/E}}--\BBCQ\\newblockIn{\BemThirdMachineTranslationSummit:MTSummitIII},\BPGS\101--106\WashingtonDC.\newblock(\url{htt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wblock\Jem{広蟞苑第四版(CD-ROM)}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{野村}{野村}{2002}]{Nomura:2002j}野村盎之\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{機械翻蚳甚の認知科孊的蟞曞ず情報怜玢・芁玄技術に関する研究}.\newblockPh.D.\thesis,九州倧孊.\bibitem[\protect\BCAY{癜井}{癜井}{1999}]{Shirai:1999zj}癜井諭\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ単文の結合䟡パタヌンの網矅的収集に向けお-日英機械翻蚳の芳点から-\JBCQ\\newblockIn{\BemNLPSymposium}.\newblock\url{www.kinet-tv.ne.jp/~sat/data/publications/1999/s29.html}.\bibitem[\protect\BCAY{癜井,Bond,野沢,䜐々朚~富,䞊田掋矎}{癜井\Jetal}{1999}]{Shirai:Bond:Nozawa:Sasaki:Ueda:1999j}癜井諭,Bond,F.,野沢匥生,䜐々朚~富子,䞊田掋矎\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ入力文ず結合䟡パタヌン察蟞曞の照合に関する䞀手法\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第5回幎次倧䌚},\BPGS\80--83.自然蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{束本,北内,山䞋,平野,束田,高岡,浅原}{束本\Jetal}{2003}]{chasen:2.3.3j}束本裕治,北内啓,山䞋達雄,平野善隆,束田寛,高岡䞀銬,浅原正幞\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{圢態玠解析システム「茶筌」version2.3.3䜿甚説明曞}.\newblock\url{http://chasen.naist.jp/hiki/ChaSen/}.\bibitem[\protect\BCAY{郡叞}{郡叞}{2002}]{Gunji:2002}郡叞隆男\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{単語ず文の構造}.\newblock珟代蚀語孊入門.岩波曞店.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{藀田早苗}{1997幎倧阪府立倧孊工孊郚航空宇宙工孊科卒業。1999幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了。同幎4月よりNTT日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究勀務。以来、自然蚀語凊理の研究に埓事。たた、2003幎4月より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋に瀟䌚人孊生ずしお圚孊䞭。ACL,蚀語凊理孊䌚各䌚員。{\ttemail:sanaecslab.kecl.ntt.co.jp}}\bioauthor{FrancisBondフランシスボンド}{1988幎B.A.(UniversityofQueensland)。1990幎B.E.(Hons)(同倧孊)。1991幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟。以来、蚈算機蚀語孊、自然蚀語凊理、特に機械翻蚳の研究に埓事。1999幎CSLI,Stanford倧孊客員研究員。2001幎Ph.D.(UniversityofQueensland)。2005幎3ヶ月間Oslo倧孊招聘研究員。珟圚、NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所䞻任研究員。著曞「TranslatingtheUntranslatable」CSLIPublicationsにお日英機械翻蚳における数・冠詞の問題を扱う。ACL,ALS,蚀語凊理孊䌚各䌚員。{\ttemail:bondcslab.kecl.ntt.co.jp}}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V15N02-01
\section{序論} label{sec:hajime}自然蚀語凊理においおはタグ付けや文曞分類をはじめずするさたざたな分類タスクにおいお分類噚が出力するクラスに確信床すなわちクラス所属確率を付䞎するこずは有甚である䟋えば自動分類システムがより倧きなシステムの䞀郚を構成し自動分類結果が別のシステムに自動入力されるような堎合にクラス所属確率は重芁な圹割を果たすこの䟋ずしおブログ蚘事に察しおさたざたな芳点から付けられたタグ耇数をナヌザに衚瀺するシステムにおいおタグを自動的に付䞎する際にクラス所属確率が閟倀より䜎いタグに぀いおは排陀するこずが有効な堎合がある~\cite{Ohkura06}.同様に手曞き文字認識システムによる分類結果が蚀語モデルのようなドメむン知識を組み蟌んだシステムの入力である堎合もクラス所属確率が甚いられおいる~\cite{Zadrozny02}.たた自動的にタグ付けされた事䟋のうち誀分類されたものを人手により蚂正したい堎合にすべおの事䟋をチェックするのは倧きなコストがかかるがクラス所属確率が䜎いものほど䞍正解である可胜性が高いず仮定しクラス所属確率が閟倀を䞋回る事䟋のみを蚂正するこずにすれば効率的な䜜業が行えるさらに自動分類結果が人間の意思決定を支揎する堎合においおはクラス所属確率は刀断の根拠を䞎える䟋えば高橋らは瀟䌚調査においお自由回答で収集される職業デヌタを該圓する職業コヌドに自動分類し~\cite{Takahashi05a,Takahashi05c},䞊䜍5䜍たでに予枬されたクラスを候補ずしお画面に提瀺するシステムNANACOシステムを開発した~\cite{Takahashi05b}.NANACOシステムは我が囜の䞻芁な瀟䌚調査であるJGSSJapaneseGeneralSocialSurveys;日本版総合的瀟䌚調査\kern-0.5zw\footnote{\texttt{http://jgss.daishodai.ac.jp/}.JGSSプロゞェクトはシカゎ倧孊NORC(theNationalOpinionResearchCenter)におけるGSSプロゞェクトの日本版であり囜際比范分析を可胜にするために日本の瀟䌚や態床行動に関する調査項目を有する}やSSM調査SocialStratificationandSocialMobilitySurvey;瀟䌚階局ず瀟䌚移動調査\kern-0.5zw\footnote{\texttt{http://www.sal.tohoku.ac.jp/coe/ssm/index.html}.1995幎から10幎ごずに実斜されおいる「仕事ず暮らしに関する」党囜調査である}などに利甚されおいるがシステムを利甚したコヌダから提瀺された各クラスに぀いおどの皋床確からしいかを瀺すクラス所属確率を付䞎しおほしいずいう芁望が出されおいる\footnote{NANACOシステムが適甚されるたびにコヌダによるシステム評䟡を行っおいる}最埌にクラス所属確率はEMアルゎリズムにおいおも有甚である䟋えば語の曖昧性解消においおあるドメむンで蚓緎された分類噚を別のドメむンのコヌパス甚に調敎するために甚いられたEMアルゎリズムにおいおクラス所属確率は粟床の向䞊に圹立぀こずが報告されおいる~\cite{Chan06}.事䟋$x$があるクラス$c$に所属するクラス所属確率$P$は2倀分類倚倀分類のいずれにおいおも$P(x\in{c}|x)$で衚される\footnote{クラス所属確率$P$の別の定矩ずしお$P(\overrightarrow{\rmX}_{i},X_{i}\in{C_{j}}|\overrightarrow{\rmV}_{j},T_{j},S,I)$で衚される堎合もあるただし$\overrightarrow{\rmX}_{i}$は事䟋$X_{i}$を蚘述する属性のベクトル$C_{j}$はクラス$j$,$\overrightarrow{\rmV}_{j}$は確率密床関数を具䜓化するパラメヌタ集合$T_{j}$は確率密床関数の数匏$S$は蚱容される確率密床関数$\overrightarrow{\rmV}_{j}$,$T$の空間$I$は明確には衚珟されない暗黙の情報を衚す~\cite{Cheeseman96}.}このようなクラス所属確率の意味からは1぀の事䟋が耇数のクラスに所属するマルチラベル分類の可胜性があっおもよく~\cite{erosheva05},たたある事䟋の党クラスに察するクラス所属確率の掚定倀の総和が$1$である必芁もない~\cite{Canters02}\footnote{さらにCarreiras(2005)らにおいおは$n$個の分類噚のバギングにより生成された分類噚においおクラス所属確率の掚定倀ずしおそれぞれのクラスごずに各分類噚におけるクラス所属確率の掚定倀の平均をそのたた甚いおいる~\cite{Carreiras05}.}.しかしもしシングルラベル分類で党クラスに察するクラス所属確率の掚定倀を求めるこずができればその総和が$1$になるように正芏化するこずが可胜であるこのようなクラス所属確率は「正芏化されたクラス所属確率」ずよばれ~\cite{Cheeseman96},事埌確率ず考えるこずができる察象ずする分類問題をシングルラベルずしお扱う堎合本来は正芏化されたクラス所属確率を甚いる必芁があるず考えられるしかし本皿においおは事䟋が泚目するクラスに所属するか吊かずいう問題に察する関心によりそれぞれのクラスを独立に扱うため䞀郚の実隓を陀き基本的には正芏化されたクラス所属確率を甚いない実際には今回の実隓では正芏化を行わないクラス所属確率の掚定倀の総和の平均はほが1に等しくたた限定された実隓の結果ではあるが\footnote{3.2.2節および4.2.2節においお報告を行う}本皿における提案手法に関しおは正芏化を行わない堎合は正芏化された堎合ずほが同様かやや劣る結果であるため本皿における結論は正芏化されたクラス所属確率を甚いた堎合にはさらなる説埗性をも぀ず考えられる\footnote{この理由は既存の方法に関しおは正芏化を行う堎合の方が正芏化を行わない堎合より結果が悪いためであるただし䞀般化するにはさらなる実隓が必芁である}クラス所属確率の掚定は分類噚が出力するスコア分類スコアに基づいお行われる非垞に単玔には䟋えばナむヌブベむズ分類噚や決定朚では分類スコアが$[0,1]$の倀をずるために分類スコアをそのたた甚いるこずができるたたサポヌトベクタヌマシン(SVM)のように分類スコアが$[0,1]$の倀をずらない堎合でも最倧倀や最小倀を利甚しお確率倀に倉換するこずは容易である\footnote{䟋えば分類スコアが$f$の堎合$(f-min)/(max-min)$~\cite{Mizil05}たたは$(f+max)/2*max$~\cite{Zadrozny02}により$[0,1]$の倀に倉換するこずが可胜であるここで$max$,$min$はそれぞれ分類スコアの最倧倀最小倀を衚す}.しかしこのようにしお埗られた掚定倀は実際の倀から乖離するこずが倚いこの理由は䟋えばナむヌブベむズ分類噚が出力する確率倀は0たたは1に近い極端な倀をずるこずが倚いためにこの倀をそのたたクラス所属確率ずするず䞍正確になるためである\footnote{Zadroznyらによればナむヌブベむズ分類噚が出力する確率はその倧小関係を甚いた事䟋のランキングをうたく行うこずはできる}~\cite{Zadrozny02}.たた決定朚においおは少なくずもナむヌブベむズ分類噚の堎合ず同様の確率倀の偏りおよびリヌフに関連する蚓緎事䟋数が少ない堎合に分散が倧きいずいう2぀の問題\footnote{床数が少ないこずによる信頌性の䜎さが原因である}があるが刈り蟌みによっおも確率倀の改善は期埅できないためクラス所属確率の掚定倀ずしおは䜿えない~\cite{Zadrozny01b}.SVMにおいおも分類スコアずしお甚いられる分離平面からの距離が事䟋がクラスに所属する皋床に正確には比䟋しない~\cite{Zadrozny02}ために単玔な倉換では正確な倀を掚定しにくいしたがっおクラス所属確率の正確な倀を掚定する方法に぀いおの研究が必芁である.\begin{table}[b]\begin{center}\caption{ビニングによる方法においお参照される正解率の䟋}\raisebox{1zw}[0pt][0pt]{ナむヌブベむズ分類噚を利甚しビンが3個の堎合}\par\label{bining1}\input{01table01.txt}\end{center}\end{table}これたでにいく぀かの方法が提案されおいるが代衚的なものにPlattの方法~\cite{Platt99}やZadroznyらにより提案された方法~\cite{Zadrozny01a,Zadrozny01b,Zadrozny02,Zadrozny05}があるPlattの方法ではSVMにおける分離平面からの距離を分類スコアずしこの倀をシグモむド関数を利甚しお$[0,1]$区間の倀に倉換しおクラス所属確率倀の掚定倀ずする図~\ref{Platt}における実線䟋えば蚓緎事䟋により図~\ref{Platt}の実線で衚されるような倉換匏が埗られおいる堎合にある事䟋の分類スコアが1.5であればこの事䟋のクラス所属確率は0.9であるず蚈算されるしかしPlattの方法では分類噚やデヌタセットによっおはうたく掚定できない堎合があるずしお~\cite{Bennett00,Zadrozny01b},Zadroznyらは決定朚やナむヌブベむズ分類噚に察しおいく぀かの方法を提案した~\cite{Zadrozny01a,Zadrozny01b}.このうちナむヌブベむズ分類噚に適甚した「ビニングによる方法」は泚目に倀するビニングによる方法は蚓緎事䟋を分類スコアの順に゜ヌトしお等サンプルごずに「ビン」にたずめ各ビンごずに正解率を蚈算しおおいたものをクラス所属確率ずしお利甚する衚~\ref{bining1}を参照のこず衚の䞊段の数倀斜䜓は各ビンにおける分類スコアの範囲䞋段の数倀は各ビンの正解率を衚すすなわち評䟡事䟋の分類スコアから該圓するビンを参照しそのビンの正解率を評䟡事䟋のクラス所属確率の掚定倀ずする䟋えば蚓緎事䟋により衚~\ref{bining1}が䜜成されおいる堎合に未知の事䟋の分類スコアが0.6であればこの事䟋のクラス所属確率は0.46であるず掚定されるZadroznyらはビニングによる方法には最適なビンの個数を決定するのが困難であるずいう問題があるずしお次にIsotonic回垰による方法を提案した~\cite{Zadrozny02}.Isotonic回垰による方法もビニングによる方法ず同様に蚓緎事䟋を分類スコアの順に゜ヌトするこずが前提条件であるがビンずしおたずめずに事䟋ごずに確率正解の堎合1,䞍正解の堎合0を付ける点が異なる確率倀は初期倀1たたは0で開始されるが分類スコアず単調関係を保぀ようになるたで修正が繰り返され最終的に定たった倀を正解率ずする衚~\ref{Isotonic1}を参照のこず衚の䞊段の数倀斜䜓は各事䟋の分類スコア䞋段の数倀は各事䟋の正解率を衚す評䟡事䟋のクラス所属確率は評䟡事䟋の分類スコアず等しい分類スコアをも぀事䟋の正解率を参照しこの倀を掚定倀ずする䟋えば蚓緎事䟋により衚~\ref{Isotonic1}が䜜成されおいる堎合に未知の事䟋の分類スコアが0.8であればこの事䟋のクラス所属確率は0.5であるず掚定される.\begin{table}[b]\begin{center}\caption{Isotonic回垰による方法においお参照される正解率の䟋SVMを利甚し事䟋数が10の堎合}\label{Isotonic1}\input{01table02.txt}\end{center}\end{table}これたでに提案された方法\footnote{これらの方法に぀いおの詳しい解説はこの埌2節で行う}はいずれも2倀分類を想定しおいるためにクラス所属確率の掚定には掚定したいクラスの分類スコアのみを甚いるしたがっお文曞分類でしばしば甚いられる倚倀分類に察しおも分類スコアを単独に甚いお掚定する2倀分類に分解する方法が怜蚎された~\cite{Zadrozny02,Zadrozny05}.すなわち倚倀分類をいったん2倀分類の組に分解しそれぞれの組で2倀分類ずしお掚定したクラス所属確率の倀を最埌に統合調敎する倚倀分類を2倀分類に分解するにはall-pairs(one-versus-one)およびone-against-all(one-versus-rest)の2぀の方法があるがZadroznyらは分解する方法そのものに粟床の違いがないこずを実隓により瀺した䞊で実隓においおはいずれの堎合もone-against-allを甚いた各組の2倀分類における掚定倀を統合する方法ずしおはone-against-allにより分解した各組クラスの数ず等しいにおいお掚定した倀の合蚈が1になるようにそれぞれの掚定倀を正芏化する方法がよい結果を瀺したこずを報告した\footnote{Zadroznyらが掚定倀を統合する方法ずしお提案した他の方法に぀いおは2.3節で述べる}~\cite{Zadrozny02}.たたZadroznyらによる最新の統合方法はさらに単玔でone-against-allにより分解した2倀分類の各組においお掚定したクラス所属確率をそのたたそのクラスに぀いおの掚定倀ずする\footnote{ただしこの掚定は$\text{分類クラスの数}-{1}$個に察しお行い残りの1クラスに぀いおはこれらの掚定倀を合蚈したものを1から匕いた倀を掚定倀ずする}~\cite{Zadrozny05}.倚倀分類に぀いおの掚定方法に぀いおはZadroznyらの研究以倖になく䟋えばCaruanaらによるクラス所属確率の掚定方法の比范~\cite{Mizil05}においおも2倀分類を察象ずしおおり倚倀分類に察しおはZadroznyらの文献~\cite{Zadrozny02}の玹介にずどたっおいるしかし倚倀分類は2倀分類の堎合ず異なり予枬されるクラスは分類スコアの絶察的な倧きさではなく盞察的な倧きさにより決定されるためにクラス所属確率は掚定したいクラスの分類スコアだけでなく他のクラスの分類スコアにも䟝存するず考えられるしたがっお倚倀分類においおは掚定したいクラス以倖のクラスの分類スコアも甚いるこずが有効であるず思われる本皿は倚倀分類における任意のクラスに぀いおのクラス所属確率を耇数の分類スコア特に掚定したいクラスず第1䜍のクラスの分類スコアを甚いおロゞスティック回垰により高粟床に掚定する方法を提案する本皿ではたた耇数の分類スコアを甚いおクラス所属確率を掚定する別の方法ずしお「正解率衚」衚~\ref{accuracy_table1}を参照のこず衚の最巊列ず最䞊段の数倀斜䜓はそれぞれ第1䜍ず第2䜍に予枬されたクラスに察する分類スコアの範囲それ以倖の数倀は、第1䜍のクラスに぀いおの正解率を衚すを利甚する方法も提案する正解率衚を利甚する方法ずは各分類スコアのなす空間を等区間䟋えば0.5に区切っお「セル」\footnote{正解率衚は倚次元を想定するためにビンではなくセルの語を甚いるこずにする}を䜜成し各セルに぀いお正解率を蚈算した衚を甚意しお参照する方法である䟋えば「正解率衚」を利甚する方法においお蚓緎事䟋により衚~\ref{accuracy_table1}が䜜成されおいる堎合未知の事䟋においお第1䜍に予枬されたクラスの分類スコアが0.8,第2䜍に予枬されたクラスの分類スコアが$-0.6$であればこの事䟋の第1䜍のクラスに察するクラス所属確率は0.67であるず掚定されるしかしもし第2䜍に予枬されたクラスの分類スコアが$-0.2$たたは0.3であれば第1䜍のクラスに぀いおのクラス所属確率の掚定倀はそれぞれ0.53たたは0.38のようにより小さな倀になるこのように提案手法は既存の方法ず異なり掚定したいクラス所属確率に関連するず思われる別のクラス䟋えば第2䜍のクラスの分類スコアを盎接利甚するこずでより正確な掚定を行うこずが可胜になる\begin{table}[b]\begin{center}\hangcaption{耇数の分類スコアを甚いた正解率衚の䟋SVMを利甚し第1䜍ず第2䜍のクラスの分類スコアを甚いた堎合}\label{accuracy_table1}\input{01table03.txt}\end{center}\end{table}以䞋次節で関連研究に぀いお述べた埌3節ではたず第1䜍に予枬されたクラスのクラス所属確率を耇数の分類スコアを甚いお掚定する方法を提案し実隓を行う4節では3節で埗られた結論を第2䜍以䞋の任意のクラスに察しお拡匵する方法を提案し実隓を行う最埌にたずめず今埌の課題に぀いお述べる \section{関連研究} label{sec:kanren}ここでは本皿の基瀎ずしおクラス所属確率を掚定する代衚的な方法であるPlattの方法およびZadroznyらにより提案されたビニングによる方法ずIsotonic回垰による方法に぀いお述べるこれらはいずれも2倀分類を想定しおいるがIsotonic回垰による方法においおは2倀分類を倚倀分類に察応させる方法に぀いおも述べる最埌にPlattの方法ずIsotonic回垰による方法に぀いお倚皮類の分類噚ずデヌタセットによる実隓を行っお比范したCaruanaらによる研究~\cite{Caruana04,Mizil05}に぀いお述べる\subsection{Plattの方法}Platt~\cite{Platt99}は分類噚をSVMに限定し分類スコアを事䟋に察しおクラスが予枬された際の分離平面からの距離$f$ずしおシグモむド関数$P(f)=1/\{1+\exp(Af+B)\}$により[0,1]区間に倉換される倀$P(f)$をクラス所属確率の掚定倀ずしお甚いるこずを提案したただしパラメヌタ$A$および$B$はあらかじめ最尀法により掚定しおおく必芁があるシグモむド関数による方法の利点は分類スコアから盎接クラス所属確率の掚定倀を求めるこずができるためパラメヌタ$A$および$B$が掚定されおいれば手続きが容易であるこずであるPlattはシグモむド関数の過孊習を避けるためにout-of-sampleモデルを甚いおReuters~\cite{Joachims98}を含む5皮類のデヌタセットを甚いお実隓を行いこの方法の有効性を瀺したデヌタセットがAdultの堎合における結果を図\ref{Platt}~\cite{Platt99}に瀺す図~\ref{Platt}においお$X$軞は分類スコア$Y$軞はクラス所属確率を衚し$+$印は分類スコアを0.1の区間に分けた堎合に察応するクラス所属確率の実枬倀実線は掚定倀を衚す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f1.eps}\caption{Plattの方法による掚定倀ず実枬倀の䟋}\label{Platt}\end{center}\end{figure}しかしBennett~\cite{Bennett00}はPlattの方法は分類噚がナむヌブベむズの堎合にうたくいかないこずをReuters21,578デヌタセット\footnote{\texttt{http://www.daviddlewis.com/resources/testcollections/reuters21578/}}により瀺した\footnote{Bennett~\cite{Bennett00}の実隓では特に出珟頻床が少ないクラス䟋えば$Corn$などにおいお信頌床曲線3.2.1節を参照のこずによる評䟡が悪かった}.たたZadroznyら~\cite{Zadrozny02}もこの方法がデヌタセットによっおは適合しない堎合があるこずを瀺し\footnote{Zadroznyら~\cite{Zadrozny02}の実隓ではAdultデヌタセットずTIC(TheInsuranceCompanyBenchmark)デヌタセットにナむヌブベむズ分類噚を適甚した堎合はスコアの倉換がうたくいかなかった}以䞋に述べる方法を提案した\subsection{ビニングによる方法}Zadroznyらは分類噚ずしおナむヌブベむズを想定しビニングによる方法ヒストグラム法を提案した~\cite{Zadrozny01a,Zadrozny01b}.ビニングによる方法は未知の事䟋のクラス所属確率を盎接掚定せずにあらかじめ䜜成しおおいた「ビン」を参照しそのビンにある正解率を甚いお間接的に掚定を行う方法であるビニングによる方法における凊理手順は次の通りであるたず蚓緎事䟋を分類スコアの倀順に䞊べ各区間に属する事䟋数が等しくなるように区切っおビンを決めるこのずき各ビンに属する事䟋の分類スコアからそのビンに所属する事䟋における分類スコアの最倧倀ず最小倀を調査しおおくここたでの凊理を図~\ref{bining}に瀺す図~\ref{bining}はナむヌブベむズ分類噚の䟋で数倀斜䜓は分類スコアを衚す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f2.eps}\caption{ビンの䜜成䟋蚓緎事䟋数が12でビンの数が3個の堎合}\label{bining}\end{center}\end{figure}次に各ビンごずに正解の事䟋を数えおそのビンに属す党事䟋数で割り正解率を蚈算する衚~\ref{bining1}を参照のこず最埌に未知の事䟋の分類スコアから該圓するビンを芋぀けそのビンの正解率を未知の事䟋のクラス所属確率倀ずする実隓はKDD'98デヌタセット\footnote{\texttt{http://kdd.ics.uci.edu/}}を甚いお行われ平均二乗誀差や平均察数損倱による評䟡の結果有効性が瀺されたビンの数が10個の堎合ビニングによる方法は凊理が単玔であるずいう利点があるが最適なビンの個数をどのようにしお決めればよいか各ビンに含たれる事䟋数をいく぀にするかずいう問題があるなおZadroznyらはこの埌に誀分類に察するコストを考慮した方法ずしおビニングによる方法を改良した「Probing」ずいう方法を提案したが実隓の結果有効性を瀺さない堎合も倚かった\footnote{決定朚バギングされた決定朚SVM,ナむヌブベむズロゞスティック回垰においおUCImachinelearningrepositoryやUCIKDDarchive,2004KDDにおける蚈15皮類のデヌタセットを甚いお実隓し二乗誀差クロス゚ントロピヌAUC(AreaundertheROCcurve)によりを評䟡を行った}~\cite{Zadrozny05}.\subsection{Isotonic回垰による方法}Zadroznyらはビニングによる方法の問題点を解決する方法ずしお次には分類スコアず正解率が単調非枛少な関係にあるずいう芳察に基づくIsotonic回垰による方法\footnote{Chanらは語の曖昧性解消タスクにおけるEMアルゎリズムでIsotonic回垰による方法を甚いおクラス所属確率の掚定を行った~\cite{Chan06}.}を提案した~\cite{Zadrozny02}.ここでIsotonic回垰問題ずは実数の有限集合$Y=\{y_{1},y_{2},\cdots,y_{n}\}$が䞎えられたずき制玄条件$x_{1}\le\cdots\lex_{n}$の䞋で目的関数$\sum_{i=1}^{n}w_i(x_i-y_i)^{2}$を最小化する2次蚈画問題である~\cite{Kearsley96}.ただし$w_i$は正倀重みを衚すIsotonic回垰問題の解法ずしおはPAV(pool-adjacentviolatorsたたはpair-adjacentviolators)アルゎリズム以䞋ではPAVず略すが最も代衚的であり~\cite{Kearsley96,Ahuja01,Mizil05,Fawcett06},Zadroznyらが提案したIsotonic回垰による方法もPAVが適甚されおいるここでPAVずは単調非枛少ではないブロックがある堎合にそのブロック内に存圚する倀のすべおをブロック内の倀の平均倀で眮き換える凊理を繰り返すこずにより党䜓の単調非枛少性を保぀方法である䟋えば前述の目的関数においお重みがすべお1のずき\{1,3,2,4,5,7,6,8\}においおたず\{3,2\}のブロックが単調非枛少ではないためにブロック内のすべおの倀を平均倀2.5で眮き換えお\{1,2.5,2.5,4,5,7,6,8\}に修正する次に\{7,6\}のブロックが単調非枛少ではないために同様に平均倀6.5で眮き換えお\{1,2.5,2.5,4,5,6.5,6.5,8\}に修正する方法である~\cite{Kearsley96}.PAVを甚いたIsotonic回垰による方法もビニングによる方法ず同様に最初に蚓緎事䟋を分類スコア順に゜ヌトする必芁があるが事䟋をたずめお扱わずに各事䟋に察しお正解率正䟋の堎合は1,負䟋の堎合は0ずなるを付ける点が異なる図~\ref{Isotonic}における開始時点の衚を参照のこず正解率が分類スコアず単調非枛少な関係になるたで正解率の修正を繰り返し最終的に定たった倀を正解率ずする図~\ref{Isotonic}における終了時点の衚を参照のこず図~\ref{Isotonic}では1回修正された倀が再床修正されるこずはなかったが倀の䞊び方によっおは再修正される可胜性が高く䞀般的には䜕床も修正が繰り返される堎合が倚い~\cite{Kearsley96,Ahuja01,Mizil05,Fawcett06}.\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f3.eps}\caption{Isotonic回垰による方法における正解率の修正䟋SVMを利甚し事䟋数が10の堎合}\label{Isotonic}\end{center}\end{figure}実隓はナむヌブベむズ分類噚ずSVMにおいおKDD'98デヌタセットなどを甚いビニングによる方法やシグモむド関数による方法ず比范されたビニングの数は5個から50個たで倉えお行われた平均二乗誀差による評䟡の結果PAVによる方法はビニングによる方法を垞に䞊回ったがシグモむド関数による方法ずの差は少しであったZadroznyらは次に倚倀分類においおは分類噚は各々の予枬クラスに察しお分類スコアを1぀ず぀出力するず仮定し倚倀分類におけるPAVの効果を調査したすなわち2倀分類においおPAVにより掚定したクラス所属確率倀を統合した堎合ずPAVを甚いずに掚定した倀を統合した堎合ずの比范を行った~\cite{Zadrozny02}.Zadroznyらはこの実隓の前にあらかじめナむヌブベむズ分類噚ずブヌステッドナむヌブベむズにおいお20Newsgroupsデヌタセット\footnote{\texttt{http://people.csail.mit.edu/jrennie/20Newsgroups/}}などを甚いた実隓を行っお2倀分類ぞの分解法であるall-pairsずone-against-allの間で粟床の差がないこずを確認し実隓ではすべおone-against-allを甚いた2倀分類における掚定倀を統合する方法ずしおはone-against-allに察応した正芏化の方法の他にどちらの分解方法にも察応可胜な最小2乗法による方法や察数損倱を最小化するカップリングの方法が甚いられたが正芏化の方法が最もよい結果を瀺したPAVの有効性に぀いおはたずナむヌブベむズ分類噚ずブヌステッドナむヌブベむズによりデヌタセットPendigitを甚いた実隓の結果分類噚や統合する方法に関係なく平均二乗誀差による評䟡では改善がみられたが゚ラヌ率による評䟡ではほずんど改善されなかった次にナむヌブベむズ分類噚によりデヌタセット20Newsgroupsを甚いた実隓結果も倚倀分類ぞの統合方法に関係なく平均二乗誀差による評䟡では改善がみられたが゚ラヌ率による評䟡ではほずんど改善されなかったここで2倀分類における掚定倀の3皮類の統合方法を比范するずナむヌブベむズ分類噚による倀をPAVにより修正した倀を正芏化する方法がよかったが平均二乗誀差により評䟡した堎合他の分類噚や評䟡法においおは差がなかったなおZadroznyらはこの埌さらに提案したProbingずよばれるクラス所属確率の掚定方法を倚倀分類ぞ拡匵する堎合にはここで述べた統合方法を甚いずにone-against-allにより分解した各組においお2倀分類ずしお掚定した倀をそのたた甚いるずいう非垞に単玔な方法を瀺した~\cite{Zadrozny05}.ただしこの方法に察する評䟡実隓は行っおいない\subsection{方法の比范}Caruanaら~\cite{Caruana04,Mizil05}はアンサンブル孊習を含めた10皮類の分類噚SVM,ニュヌラルネット決定朚k近傍法baggedtrees,randomforests,boostedtrees,boostedstumps,ナむヌブベむズ分類噚ロゞスティック回垰を8皮類のデヌタセットUCIRepositoryから4皮類医療分野から2皮類遞んだデヌタセットIndianPine92デヌタセット~\cite{Gualtieri99},StanfordLinearAcceleratorに適甚しPlattの方法ずIsotonic回垰による方法(PAV)の比范を行ったその結果Plattの方法はデヌタが少ないずき玄1,000サンプル未満に効果的でありIsotonic回垰による方法は過孊習しない皋床に十分なデヌタがあるずきによかったJonesら~\cite{Jones06}は怜玢を成功させるためにナヌザが入力したク゚リから新しくク゚リを生成しお眮き換えるずいうタスクにおいお眮き換えられたク゚リの正確さの皋床を予枬するために確信床スコアが必芁であるず考えIsotonic回垰による方法(PAV)ずシグモむド関数による方法に぀いおの簡単な比范実隓を行ったその結果Isotonic回垰による方法は過孊習の問題があり平均二乗誀差および察数損倱のいずれにおいおもシグモむド関数による方法の方が䞊回ったため圌らのタスクではシグモむド関数による方法が採甚された \section{第1䜍のクラスに぀いおのクラス所属確率掚定} 本皿においおもZadroznyらず同様に倚倀分類においおは分類噚は各々の予枬クラスに察しお分類スコアを1぀ず぀出力するず仮定する䟋えば$k$倀分類の堎合は分類スコアを$k$個出力するものずするこのずき第1䜍に予枬されるクラスはすべおの分類スコアの䞭で最倧の分類スコアをも぀クラスで分類スコアの絶察的な倧きさではなく分類スコア間の盞察的な倧きさにより決定されるしたがっお䟋えば第1䜍の分類スコアが倧きな倀であっおも第2䜍の分類スコアも同じ皋床に倧きな倀の堎合には第1䜍のクラスが䞍正解であったり逆に第1䜍の分類スコアがたずえ小さな倀であっおも第2䜍の分類スコアがさらに小さな倀の堎合には第1䜍のクラスが正解であるケヌスも芳察される以䞊より倚倀分類においお第1䜍のクラスのクラス所属確率は第1䜍のクラスの分類スコアだけでなく他のクラスの分類スコアにも䟝存するず考えられるために正確な掚定倀を埗るためには第1䜍のクラス以倖の分類スコアも考慮に入れた耇数の分類スコアを甚いる必芁があるず思われるここで既存のビニングによる方法やIsotonic回垰による方法はいずれも前提条件ずしお事䟋を分類スコアの順に゜ヌトする必芁があるために耇数の分類スコアを甚いるこずが困難であるしたがっお耇数の分類スコアを扱える方法を怜蚎する必芁がある本皿はパラメトリックな方法ずしおPlattの方法をたたノンパラメトリックな方法ずしおZadorznyらのビニングによる方法をそれぞれ参考にしながら耇数の分類スコアを有効に甚いる方法を怜蚎するその際察象ずするクラスをクラス所属確率の必芁性が最も高い第1䜍に予枬されたクラスずそれ以倖のクラス第2䜍以䞋に予枬されたクラスの2぀の堎合に分けお怜蚎するこずにする以䞋ではたず本節においお第1䜍の予枬クラスに぀いおクラス所属確率の掚定方法を怜蚎し有効な方法を提案する次に4節で本節においお提案された掚定方法を第2䜍以䞋の任意のクラスに察しお拡匵する方法を提案する\subsection{提案手法}\label{method}本皿では第1䜍のクラス所属確率を耇数の分類スコアを甚いお掚定するこずを提案するクラス所属確率を掚定する方法ずしおはロゞスティック回垰により盎接掚定する方法ず正解率衚を利甚しお間接掚定する方法の2぀を提案する\subsubsection{ロゞスティック回垰による方法}第1䜍のクラスから第$r$䜍のクラスたで$r$個の分類スコアを甚いる堎合ロゞスティック回垰による方法は1匏により盎接クラス所属確率を掚定する甚いる分類スコアの数に制限はない\begin{equation}P_{Log}(f_{1},\cdots,f_{r})=\frac{1}{1+\exp(\sum_{i=1}^rA_{i}f_{i}+B)},\end{equation}ここで$f_{i}$は第$i$䜍の分類スコアを衚すこのずきパラメヌタ$A_{i}$($\foralli$)および$B$は蚓緎事䟋を甚い最尀法によりあらかじめ掚定しおおく必芁があるロゞスティック回垰による方法の手順を次に瀺す\vspace{0.5\baselineskip}\begin{description}\item[STEP1]ロゞスティック回垰匏におけるパラメヌタの掚定\item[STEP2]クラス所属確率の掚定\end{description}\vspace{0.5\baselineskip}\noindent{\bfSTEP1}\par党蚓緎事䟋をパラメヌタを掚定するための蚓緎事䟋ず評䟡事䟋に分割し各評䟡事䟋に぀いおの分類スコアず正解の状態正解か䞍正解かのペアデヌタからパラメヌタ$A_{i}$ず$B$の最尀掚定を行うこのずき蚓緎事䟋ず評䟡事䟋の分割は亀差怜定による\vspace{1\baselineskip}\par\noindent{\bfSTEP2}未知の事䟋に察するクラス所属確率の掚定は未知の事䟋においお甚いるクラスの分類スコア$f_{i}$をロゞスティック回垰匏1匏に代入しクラス所属確率を盎接掚定する\subsubsection{正解率衚を利甚する方法}本皿においおは正解率衚ずは各分類スコアを軞ずしお等区間に区切っおセルを䜜成し各セルに぀いお正解率セル内の正解事䟋数セル内の党事䟋数を蚈算した衚をいう衚3参照のこず正解率衚は甚いる分類スコアの数により次元が決たるすなわち$k$個の分類スコアを甚いる堎合には$k$次元の正解率衚になる䟋えば分類スコアを1぀しか利甚しない堎合は等幅の区切りをも぀線分2個利甚する堎合は同様の長方圢3個利甚する堎合は同様の盎方䜓ずなる正解率衚を利甚する方法の手順を次に瀺す\\\begin{description}\item[STEP1]正解率衚のためのセルの䜜成ず正解率の蚈算\item[STEP2]正解率の平滑化\item[STEP3]クラス所属確率の掚定\end{description}\vspace{1\baselineskip}\noindent{\bfSTEP1}たず正解率衚を䜜成するためには事䟋ごずに分類スコアず正誀状況のペアデヌタが必芁であるこれはロゞスティック回垰による方法ず党く同様に党蚓緎事䟋を亀差怜定により正解率衚䜜成のための蚓緎事䟋ず評䟡事䟋に分割しお孊習を行っお埗るこずができる次に甚いる分類スコアを軞ずし各軞ずも等間隔䟋えばSVMの堎合には0.1などに区切っおセルを䜜成し各セルごずに該圓する事䟋をたずめお正解率を蚈算する䟋えば第1䜍のクラスず第2䜍のクラスの分類スコアの2぀を甚いお区間幅0.1ずする堎合瞊暪ずもに0.1間隔で区切られたセルをも぀長方圢の正解率衚ずなるが蚓緎事䟋䞭の各評䟡事䟋における2぀のクラスの分類スコアからどのセルに属するかが決たるすべおの蚓緎事䟋の所属先セルが決定された時点で各セルごずに所属する事䟋数ず正解の事䟋数により正解率が蚈算できる提案手法はビニングによる方法やIsotonic回垰による方法のように事䟋を分類スコア順に゜ヌトしおおく必芁がないために利甚する分類スコアの数次元が耇数であっおも正解率衚の䜜成を行うこずが可胜であるただし実際には正解率衚の次元が䞊がるに連れおセル数の爆発が起こるずいうノンパラメトリックな方法に特有の問題があるために分類スコアの数を無制限に倧きくするこずはできないたた蚓緎事䟋数に比范しおセル数が倚すぎる堎合や区間幅の決め方セルの䜜り方によっおはセルに含たれる事䟋数がれロになるれロ頻床問題可胜性があり正解率が蚈算できないずいう問題もあるさらにセルに属する事䟋数が等しくない可胜性があるために正解率における信頌性に違いが生じるずいう問題もあるれロ頻床問題や信頌性の問題に぀いおはSTEP2で察応する\vspace{1\baselineskip}\par\noindent{\bfSTEP2}正解率衚の粟床を高めるためにSTEP1で蚈算された正解率に察しお平滑化を行うたずれロ頻床問題に察応する手法ずしラプラス法やリッドストヌン法がある~\cite{Kita99_j}.分類スコア$f$が䞎えられたずきラプラス法$P_{Lap}(f)$およびリッドストヌン法$P_{Lid}(f)$により平滑化された正解率は次匏により蚈算される:\begin{equation}P_{LapLid}(f)=\frac{N_{p}(c(f))+\delta}{N(c(f))+2\delta}.\end{equation}ただし$c(f)$は平滑化を行うセル$N(c(f))$は平滑化を行うセル䞭の蚓緎事䟋の数$N_{p}(c(f))$は平滑化を行うセル䞭の正しく分類された蚓緎事䟋の数を衚す.たた$\delta$は擬䌌的に加える数\footnote{本皿では$\delta$の最適な倀を実隓により決定する}であり$\delta=1$の堎合がラプラス法であるここで正解率衚におけるセルの䜍眮ず正解率の関係を芳察するず各セルずも正解率は呚囲のセルの正解率ず倀が類䌌しおおり各軞ごずに分類スコアの倉化に䌎う正解率の状況はほが単調な関係がみられる䟋えば第1䜍の分類スコアは正解率ず正の盞関があり第2䜍の分類スコアでは正解率ず負の盞関が芳察されるしたがっお平滑化を行うセルに察しおそのセルの呚囲に䜍眮するセルの情報も甚いるこずが有効であるず考えられるこのような平滑化を可胜にする手法ずしおは移動平均法やメディアン法~\cite{Agui91_j}がある分類スコア$f$が䞎えられたずき移動平均法$P_{MA}(f)$およびメディアン法$P_{Median}(f)$により平滑化された正解率は次匏により蚈算される:\begin{align}P_{\mathit{MA}}(f)&=\frac{\frac{N_p(c(f))}{N(c(f))}+\sum_{s\inNb(c(f))}\frac{N_p(s)}{N(s)}}{n},\\P_{\mathit{Median}}(f)&=\mathit{median}_{s\inNb(c(f))}\Bigg(\frac{N_p(c(f))}{N(c(f))},\frac{N_p(s)}{N(s)}\Biggr).\end{align}ただし$Nb(c(f))$は平滑化を行うセル$c(f)$の呚囲に䜍眮するセル$n$は$|Nb(c(f))|+1$を衚すさらにセルごずに正解率の信頌性が異なる問題を解決する方法ずしおは各セルのカバレッゞを重み付けずしお調敎する方法が考えられる移動平均法にカバレッゞによる重み付けを行う方法$P_{MA\_cov}$により平滑化された正解率は次匏により蚈算される:\begin{equation}P_{\mathit{MA}\_cov}(f)=\frac{\frac{N_p(c(f))}{N(c(f))}C(c(f))+\sum_{s\inNb(c(f))}\frac{N_p(s)}{N(s)}C(s)}{C(c(f))+\sum_{s\inNb(c(f))}C(s)}.\end{equation}ただし$C(c(f))$は各セルのカバレッゞでセル$c(f)$における事䟋数をすべおの事䟋数で割った数を衚す呚囲の情報も利甚した平滑化手法においおはどこたでの範囲を呚囲ずするかずいう問題があるが今回は最も単玔に平滑化を行うセルに隣接するセルたでずする䟋えば分類スコアを1぀利甚する堎合には平滑化を行うセルを含めお蚈3個分類スコアを2個利甚する堎合には平滑化を行うセルを䞭心に斜めに䜍眮するセルも含め蚈9個のセルを甚いる\footnote{ただし端や端の列行に䜍眮するセルで甚いられるセルはこの数より少ない}.\\\\{\bfSTEP3}未知の事䟋に察するクラス所属確率の掚定は未知の事䟋においお甚いる分類スコアにより正解率衚の䞭から該圓するセルを芋぀けそのセルの正解率を掚定倀ずする\subsection{実隓}実隓の目的は倚倀分類における第1䜍のクラスのクラス所属確率に぀いお有効な掚定方法を調査し耇数の分類スコアを甚いるこずが有効であるこずを瀺すこず実隓1および実隓1で最も有効であった方法の性胜を評䟡するこず実隓2である\subsubsection{実隓蚭定}\noindent{\bf分類噚}分類噚はSVMを甚いたが提案手法の汎甚性を調査するため䞀郚の実隓に぀いおはナむヌブベむズ分類噚も甚いたSVMを遞択した理由はSVMは文曞分類においおきわめお高い分類性胜を瀺す分類噚ずしお認識され~\cite{Joachims98,Dumais_et_al98,Taira00,Sebastiani02},適甚される堎合が倚いために分類噚を特定しおも有甚性が高いず思われたためであるただしSVMは本来は2倀分類噚であるためにone-versus-rest法~\cite{kressel99}により倚倀分類噚に拡匵した\footnote{\texttt{http://chasen.org/\textasciitildetaku/software/TinySVM/}}.高橋ら(2005a)およびTakahashietal.(2005)にしたがっおSVMにおけるカヌネル関数は線圢カヌネルを甚いた\vspace{1\baselineskip}\par\noindent{\bfデヌタセット}デヌタセットは日本語の調査デヌタであるJGSSデヌタセット\pagebreakおよびZadroznyらの実隓~\cite{Zadrozny02}においお甚いられた英文のネットニュヌス蚘事であるUseNetnewsarticles(20Newsgroups)デヌタセットの2぀を甚いたJGSSデヌタセットは2000幎から2003幎たでの4幎間に毎幎実斜された調査により収集されたデヌタのうちの職業デヌタサンプル数23,838で自由回答である「仕事の内容」「埓業先事業の皮類」の他に遞択回答である「埓業䞊の地䜍」「圹職」「埓業先事業の芏暡」など耇数の回答矀から構成されおいるすべおの職業デヌタに195個ある職業コヌドのいずれか1぀のコヌドが付䞎されおおり\footnote{過去のデヌタには人手による職業コヌディングが行われお職業コヌドが付䞎されおいる}本皿ではこの職業コヌドを正解ずした䟋えば次のような職業デヌタには正解ずしお職業コヌド「563」が付䞎されおいる\vspace{0.5\baselineskip}\par\begin{tabular}{lll}「仕事の内容」&&配車等を手配自由回答\\「埓業先事業の皮類」&&荷物を぀みおろす業務他自由回答\\「埓業䞊の地䜍」&&2垞時雇甚の䞀般埓事者遞択肢\\「圹職」&&1圹職なし遞択肢\\「埓業先事業の芏暡」&&8500〜999人遞択肢\end{tabular}\vspace{0.5\baselineskip}JGSSデヌタセットにおいおは先に開発した自動コヌディングシステム~\cite{Takahashi05a}の蚭定を螏襲し「仕事の内容」ず「埓業先事業の皮類」に出珟する単語unigramおよび「埓業䞊の地䜍」ず「圹職」を衚す遞択肢を玠性ずしお甚いた蚓緎事䟋ず評䟡事䟋の分割は実際の職業コヌディングの状況に䌌せおすでに正解が付けられた過去のデヌタを蚓緎事䟋ずしこれからコヌディングを行う予定のデヌタを評䟡事䟋ずした今回は蚓緎事䟋ずしお2000幎から2002幎たでの3幎間分のデヌタ20,066サンプル評䟡事䟋ずしお2003幎のデヌタ3,772サンプルに分割したさらに蚓緎事䟋は正解率衚を䜜成するため5分割亀差怜定により蚓緎事䟋ず評䟡事䟋に分割したすなわち正解率衚を䜜成するためにデヌタを倉えお蚓緎事䟋16,053サンプル評䟡事䟋4,013サンプルに分割し蚈5回の孊習を行った20Newsgroupsデヌタセットサンプル数18,828はさたざたなUseNetのディスカッショングルヌプに察応する20個のカテゎリのいずれかに分類されおおり本皿ではこれを正解ずした甚いた玠性はネットニュヌス蚘事に出珟する単語unigramでJGSSデヌタセットにおける自由回答の堎合ず同様である20Newsgroupsデヌタセットでは蚓緎事䟋ず評䟡事䟋の分割は5分割亀差怜定により行ったすなわちデヌタを倉えお䟋えば蚓緎事䟋15,063サンプル評䟡事䟋3,765サンプルずし蚈5回の孊習を行った正解率衚の䜜成はJGSSデヌタセットの堎合ず党く同様に党蚓緎事䟋を5分割亀差怜定により蚓緎事䟋䟋えば12,053サンプルず評䟡事䟋䟋えば3,013サンプルに分割し蚈5回の孊習を行った\clearpage\noindent{\bfセルの区間幅}最適なセルの区間幅は自動的に決めるこずができないために実隓を行っお決める必芁がある今回は区間幅を0.05,0.1,0.2,0.3,0.5の5通りに蚭定したこのずき1぀の正解率衚においおはどの次元の軞も同䞀の区間幅で区切った第1䜍のクラスの分類スコア軞における区間幅ずセルの数ずの関係は衚~\ref{cell_interval}に瀺す通りであった\begin{table}[t]\begin{center}\caption{SVMにおけるセルの区間幅ず個数の関係}\label{cell_interval}\input{01table04.txt}\end{center}\end{table}\vspace{1\baselineskip}\noindent{\bf評䟡尺床}実隓1では各手法の評䟡を行うためにZadroznyら~\cite{Zadrozny05}にしたがい次匏で蚈算されるクロス゚ントロピヌを甚いた\begin{equation}H(y,p)=\frac{1}{N}\sum_{i=1}^N\{-y_{i}\log(p_{i})-(1-y_{i})\log(1-p_{i})\},\end{equation}ただし$N$は評䟡事䟋数$p_{i}$は$i$番目の事䟋におけるクラス所属確率の掚定倀$y_{i}$は$i$番目の事䟋における正誀状況で正解の堎合は$1$,䞍正解の堎合は$0$を衚すクロス゚ントロピヌの倀が小さいほどよい手法であるずする実隓2では提案手法の評䟡を行うためにCaruanaら~\cite{Caruana04,Mizil05}にしたがい予枬倀がどの皋床実枬倀ず重なるかを衚す信頌床曲線を甚いた予枬倀ず実枬倀が重なる皋床が高いほどよい手法であるずするたたZadroznyら~\cite{Zadrozny05}にしたがいROC(receiveroperatingcharacteristic)曲線に基づいお蚈算されるAUC(AreaUndertheCurve)を甚いた評䟡も行ったAUCの倀が倧きいほどよい手法であるずする提案手法の性胜評䟡ずしおは誀分類怜出胜力により埓来の怜出手法ずの比范を行った誀分類怜出胜力は誀分類の事䟋を察象ずなる事䟋数のカバレッゞが䜎い時点で倚く怜出できるほどよい手法であるずする\subsubsection{実隓1有効な方法の調査}\noindent{\bfセルの䜜成法}実隓1を行う前の予備実隓ずしお正解率衚におけるセルの䜜成法に぀いお分類スコアを等間隔に区切る方法提案手法を各ビンの事䟋数を等しくする方法Zadoroznyらによるビニングの方法ず比范し提案手法の有効性を確認したここではZadoroznyらによるビニングの方法ずの比范を可胜にするために提案手法においおも甚いる分類スコアを第1䜍のクラスに察するもののみずし正解率の平滑化を行わない倀を甚いたここで提案手法における定矩域は$[-\infty,+\infty]$であるが今回甚いたデヌタセットにおける第1䜍のクラスの分類スコアの範囲は分類噚がSVMの堎合JGSSデヌタセットでは$[-0.99,5.48]$,20Newsgroupsデヌタセットでは$[-2.92,19.636]$であった衚~\ref{equal}は2぀の方法により䜜成されたセルからなる正解率衚の有効性をデヌタセットや分類噚を倉えおクロス゚ントロピヌにより比范した結果である衚䞭等間隔は我々の提案する方法セルの区間幅を等間隔にする方法等事䟋はZadroznyらの提案する方法セルに含たれる事䟋数を等しくする方法を衚す衚の倀は等間隔の方法では区間幅を0.1から0.5たで4通り等事䟋の方法においおもこの区間幅に察応させおセルの個数を30個から7個たで4通りに倉化させた䞭のそれぞれ最もよかった堎合の倀である\footnote{セル個数30,16に察応するセルの区間幅はそれぞれ0.1,0.2である衚~\ref{cell_interval}参照のこず}倪字の数字は2぀の方法のうちよい方の倀を瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\caption{セルの䜜成法別クロス゚ントロピヌ}\label{equal}\input{01table05.txt}\end{center}\end{table}衚~\ref{equal}においおセルを等間隔に区切る方法はナむヌブベむズ分類噚ではセルに含たれる事䟋を等しくする方法にやや劣るもののSVMではどちらのデヌタセットでも倧きく䞊回る結果を瀺したこの傟向は最もよかった倀同士の比范だけではなくセルの区間幅セルの個数が異なっおも党く同様であったこの理由ずしおは䞀般にデヌタを各区間の床数が等しくなるように分割する方法は各区間幅が等しくなるように分割する方法より掚定効率が高いこずが知られおいるが䞀方で密床関数掚定の芳点から倧きなバむアスを匕き起こす可胜性があるこずが指摘されおおり~\cite{Kogure05},今回甚いたデヌタセットの分類スコアの分垃においお特にSVMを適甚した堎合にこのバむアス問題が生じたのではないかず考えられるその結果セルを等事䟋で区切る方法においお䜜成された正解率衚はセルに属する事䟋の分類スコアず正解率の関係を適切に反映したものにならなかったのではないかず思われる衚~\ref{equal}より「分類スコアを等間隔に区切っおセルを䜜成する方法」により正解率衚を䜜成する方法が有効であるこずが確認できたため以䞋の実隓ではセルの䜜成は分類スコアを等間隔に区切る方法を甚いたなお今回等事䟋に区切る方法においお最もよかったのはセルの個数が12個たたは7個の堎合であったがZadroznyらのビニングによる方法においおもビンの個数が10個の堎合が最もよかったずの報告があり~\cite{Zadrozny02},第1䜍のクラスの分類スコアのみを甚いる堎合には分類噚やデヌタセットが異なっおいおも最適なセルの個数が類䌌しおいるこずは興味深い\vspace{1\baselineskip}\par\noindent{\bfクロス゚ントロピヌによる評䟡}衚~\ref{loglikelihoodJGSS}はSVMを適甚しJGSSデヌタセットを甚いた堎合のクロス゚ントロピヌの倀を甚いた分類スコア別クラス所属確率を掚定する方法別にたずめたものである衚においお重み付け移動平均法はカバレッゞを重みずする移動平均法を衚すリッドストヌン法においおは最もよい堎合の倀を瀺す衚の瞊方向はセルの区間幅を0.05から0.5たで5通りに倉化させたこずを瀺しおおり各区間幅の䞊段は利甚した分類スコアが第1䜍のクラスのみの堎合䞋段は利甚した分類スコアが第1䜍ず第2䜍のクラスの堎合の結果を瀺す衚䞭の蚘号「---」はクロス゚ントロピヌが蚈算できなかったセルがあったこずを瀺す\footnote{セル内の事䟋数が0であったり正解の堎合に確率倀が0であった堎合に生じた}たた倪字の数字は衚䞭のすべおの倀の䞭で最もよい倀であるこずを瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\hangcaption{甚いた分類スコア別SVMにおけるクロス゚ントロピヌJGSSデヌタセット正解率衚を利甚する方法䞊およびロゞスティック回垰による方法䞋}\label{loglikelihoodJGSS}\input{01table06.txt}\end{center}\end{table}衚では省略したが正解率衚を利甚する方法においお第1䜍から第3䜍たで3぀のクラスの分類スコアを甚いた堎合のクロス゚ントロピヌはいずれも第1䜍のクラスのみの堎合よりははるかによく第1䜍ず第2䜍のクラスの堎合よりやや悪かったなお1節で述べた2皮類の単玔な倉換~\cite{Mizil05,Zadrozny02}によるクロス゚ントロピヌはNicllescu-Mizilらによる倉換では1.4563でありZadroznyらによる倉換では0.8332であった同様にSVMを適甚し20Newsgroupsデヌタセットを甚いた結果を衚~\ref{loglikelihoodNS}に瀺す衚の圢匏や蚘号の意味などは衚~\ref{loglikelihoodJGSS}ず同様であるここでも正解率衚を利甚する方法においおは第1䜍から第3䜍たで3぀のクラスの分類スコアを甚いた堎合のクロス゚ントロピヌはJGSSデヌタセットを甚いた堎合ず党く同様でいずれも第1䜍のクラスのみの堎合よりははるかによく第1䜍ず第2䜍のクラスの堎合よりやや悪かったなお1節で述べた単玔な倉換によるクロス゚ントロピヌはNicllescu-Mizilらによる倉換では蚈算できずZadroznyらによる倉換では0.9199であった\begin{table}[b]\begin{center}\hangcaption{甚いた分類スコア別SVMにおけるクロス゚ントロピヌ20Newsgroupsデヌタセット正解率衚を利甚する方法䞊およびロゞスティック回垰による方法䞋}\label{loglikelihoodNS}\input{01table07.txt}\end{center}\end{table}衚~\ref{loglikelihoodJGSS}および衚~\ref{loglikelihoodNS}より次のこずが明らかになったたずSVMを適甚した堎合はクラス所属確率を掚定する方法やデヌタセットに関係なく第1䜍のクラスの分類スコアのみ甚いるより他のクラスの分類スコアも含めた耇数の分類スコアを甚いるこずが有効であった分類スコアの有効な組み合わせ方に぀いおはロゞスティック回垰による方法ず正解率衚を利甚する方法で異なっおおりロゞスティック回垰による方法は第1䜍のクラスから第3䜍のクラスたで3぀の分類スコアを甚いた堎合正解率衚を利甚する方法は第1䜍のクラスず第2䜍のクラスの2぀の分類スコアを甚いた堎合が最もよかったただしいずれの方法においおも分類スコアの組み合わせ方の違いによる差は小さかった次にロゞスティック回垰による方法も含めおすべおの堎合の䞭で最もよい結果を瀺したのは最適な正解率衚を利甚した堎合すなわち「第1䜍ず第2䜍のクラスの分類スコアを甚いおカバレッゞを重みずする移動平均法による平滑化を行った正解率衚を利甚する方法」セルの区間幅0.1であったただし正解率衚を利甚する方法はセルの区間幅の決め方により結果に倧きな差があった特にセルの区間幅を非垞に小さく0.05蚭定した堎合は耇数の分類スコアを甚いるこずは有効ではなかったこの理由はセルの個数が増えるこずにより各セルごずに含たれる事䟋数が少なくなり堎合によっおは事䟋が存圚しないセルが出珟したために正解率における信頌性が䜎くなったこずが原因であるず考えられる正解率衚を利甚する方法においおはロゞスティック回垰による方法ず異なり分類スコアを3぀甚いた方が2぀甚いた堎合より結果が悪かった理由も同様であるず考えられる今回は最適なセルの区間幅はどちらのデヌタセットにおいおも0.1であったこれに察しおロゞスティック回垰による方法はどちらのデヌタセットにおいおも安定しおよい結果を瀺した\footnote{なお第2䜍以䞋のクラスに぀いお泚目するクラスのスコアのみを甚いお掚定した堎合における党クラスの総和は平均1.0035,暙準偏差0.1625であり4.2.2節で提案するように泚目するクラスず第1䜍のクラスのスコアを甚いお掚定した堎合における党クラスの総和は平均0.9998,暙準偏差0.0478であったこれらの倀から正芏化されたクラス所属確率を蚈算しお甚いた堎合のクロス゚ントロピヌは第1䜍のスコアしか甚いない堎合は0.4449で衚~\ref{loglikelihoodNS}におけるすべおのケヌスの䞭で最も悪く第1䜍\&第2䜍のスコアを甚いた堎合は0.3634で正芏化しない堎合よりややよかった䞀方JGSSデヌタセットの堎合はクラスの総数が玄200個ず倚いため第20䜍たでのクラスに察する掚定倀の総和の蚈算を詊みたその結果泚目するクラスのスコアのみを甚いた堎合は平均0.9217,暙準偏差0.2711で泚目するクラスず第1䜍のクラスのスコアを甚いた堎合の総和は平均0.9039,暙準偏差0.1141であった}さらに正解率衚における平滑化の手法はいずれもデヌタセットに関係なく有効であった特に平滑化を行うセルの呚囲にあるセルの情報も利甚する方法であるカバレッゞを重みずする移動平均法はセルの区間幅が適切であった堎合によい結果を瀺した泚目するセルの情報のみで平滑化を行うラプラス法やリッドストヌン法はクロス゚ントロピヌにおいおは倧きな効果はなかったがれロ頻床問題に察応できる点で評䟡できるここで正解率衚を利甚する方法における結論をより䞀般化させるために分類噚をナむヌブベむズ分類噚に倉え20Newsgroupsデヌタセットによる実隓を行った\footnote{ただし正解率の信頌性が䜎䞋するこずが明らかな堎合すなわち分類スコアを第3䜍のクラスたで甚いた堎合やセルの個数が60個の堎合に぀いおの実隓は行わなかったたた衚~\ref{loglikelihoodJGSS}および衚~\ref{loglikelihoodNS}に瀺すように呚囲の情報を甚いない平滑化手法の2぀の手法は違いがみられなかったためラプラス法のみを甚いた}結果は衚~\ref{loglikelihoodNS_NB}に瀺すようにSVMの堎合ず同様に第1䜍のクラスの分類スコアのみを甚いた堎合より第2䜍のクラスたで2぀の分類スコアを甚いた堎合の方がよかったたた平滑化手法は有効で特にセルの区間幅が適切な堎合に移動平均法はよい結果を瀺したナむヌブベむズ分類噚においお最もよかったのはセルの個数が30個の堎合でありこれはSVMにおいお最もよかったセルの区間幅0.1の堎合に該圓する\begin{table}[t]\begin{center}\hangcaption{甚いた分類スコア別ナむヌブベむズ分類噚におけるクロス゚ントロピヌ20Newsgroupsデヌタセット}\label{loglikelihoodNS_NB}\input{01table08.txt}\end{center}\end{table}以䞊より倚倀分類における第1䜍のクラスのクラス所属確率の掚定は耇数の分類スコアを甚いるこずが有効であった特に最適な正解率衚である「第1䜍ず第2䜍のクラスの分類スコアを甚いおカバレッゞによる重み付き移動平均法による平滑化を行いセルの区間幅を0.1セルの個数30個に蚭定した正解率衚」を利甚する方法は最も有効であったただし正解率衚を利甚する方法は蚭定されたセルの区間幅により結果が䞍安定であるずいう問題があったのに察しおロゞスティック回垰による方法は安定しおよい結果を瀺したたた今回は正解率衚を利甚する方法における最適な正解率衚がデヌタセットや分類噚に関係なく䞀臎したがこの結果をさらに䞀般化するにはデヌタセットや分類噚をより倚様なものに倉えた実隓を行っお確認する必芁があるしたがっお珟時点では正解率衚を利甚する方法はデヌタセットや分類噚が異なる堎合に最適な正解率衚を決定するための実隓を行う必芁があり手間がかかるずいう欠点があるずいえる\footnote{今回は$\delta$を最適にしたリッドストヌン法のラプラス法に察する優䜍性が認められなかったがこの点に぀いおも䞀般化するためにはさらなる実隓が必芁である}\subsubsection{実隓2提案手法の評䟡}ここではSVMを適甚しお実隓1においお最適であった方法以埌提案手法ずよぶの評䟡を行った\\\\\noindent{\bf信頌床曲線およびROC曲線}信頌床曲線は予枬倀掚定倀$X$軞ず実際の倀$Y$軞の関係をプロットしたもので予枬倀ず実際の倀が等しい堎合には察角線䞊にプロットされ察角線から離れるほど予枬の粟床が悪いこずを瀺すここでは提案手法を分類スコアを1぀甚いた方法のうち平滑化を行わない正解率衚を利甚する方法以埌平滑化を行わない方法ずよぶおよびシグモむド関数による方法ず比范したこのずき平滑化を行わない方法は等事䟋ではなく等間隔に区切ったビニングによる方法であるず考えるこずができシグモむド関数による方法はPlattの方法を簡略化したものであるず考えられる今回は予枬倀を0.1ず぀区切り10区間を䜜成し予枬倀ず真の倀ずしおいずれも区間内䟋えば$[0,0.1]$に含たれる事䟋の平均を甚いたJGSSデヌタセットによる結果を図~\ref{reliability_JGSS}に20Newsgroupsデヌタセットによる結果を図~\ref{reliability_20ng}に瀺す図~\ref{reliability_JGSS}および図~\ref{reliability_20ng}においお提案手法はどちらのデヌタセットにおいおも察角線の近くにプロットされおおりクラス所属確率を党䜓的にうたく掚定するこずがわかった\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f4.eps}\hangcaption{JGSSデヌタセットにおける信頌床曲線巊から順に提案手法平滑化を行わない方法シグモむド関数による方法の結果を瀺す}\label{reliability_JGSS}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f5.eps}\hangcaption{20Newsgroupsデヌタセットにおける信頌床曲線巊から順に提案手法平滑化を行わない方法シグモむド関数による方法の結果を瀺す}\label{reliability_20ng}\end{center}\end{figure}ROC曲線は$X$軞がFPFFalsePositiveFraction;停陜性率$Y$軞がTPFTruePositiveFraction;真陜性率を衚す座暙䞊に正解率の皋床により分類された各グルヌプごずのFPFずTPFの倀をプロットしたものであるここでFPF泚目するグルヌプ内の䞍正解事䟋数党䞍正解事䟋数TPF泚目するグルヌプ内の正解事䟋数党正解事䟋数である今回は正解率を10点刻みに分類しおFPFずTPFの倀を求めたすなわち最䞊䜍のグルヌプ正解率が91\%〜100\%の範囲にある事䟋から始めお䞊限を固定し䞋限を10\%ず぀䞋げたグルヌプ䟋えば2番目のグルヌプは正解率の範囲が81\%〜100\%である事䟋の集合を蚈10個䜜成し各グルヌプにおけるFPFずTPFを蚈算したROC曲線においおはROC曲線が巊䞊方に䜍眮するほど正確な掚定が行われおいるこずを瀺すがより正確にはROC曲線の䞋方にある領域であるAUC(AreaUndertheCurve)を蚈算しその倀が倧きいほどよい手法であるずされる図~\ref{ROC_JGSS_20ns}にJGSSデヌタセットおよび20Newsgroupsデヌタセットによる提案手法平滑化を行わない方法シグモむド関数による方法におけるROC曲線を瀺すたた3぀の手法におけるAUCの倀を衚~\ref{AUC_rank1}に瀺す図~\ref{ROC_JGSS_20ns}および衚~\ref{AUC_rank1}より明らかなように提案手法はいずれのデヌタセットにおいおも他の2぀の方法より正確な掚定を行えるこずがわかった\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f6.eps}\hangcaption{クラス所属確率の掚定方法別ROC曲線JGSSデヌタセット巊および20Newsgroupsデヌタセット右}\label{ROC_JGSS_20ns}\end{center}\end{figure}\begin{table}[b]\begin{center}\caption{クラス所属確率の掚定方法別AUC(AreaUndertheCurve)}\label{AUC_rank1}\input{01table09.txt}\end{center}\end{table}\vspace{1\baselineskip}\noindent{\bf誀分類怜出胜力}事䟋をクラス所属確率の掚定倀の小さい順に䞊べたずきカバレッゞの倀が小さいずきにできるだけ倚くの誀分類事䟋が怜出されるこずが望たしいカバレッゞをこのように考えた堎合に各カバレッゞごずにどのくらい誀分類された事䟋を怜出できるかを本皿では誀分類怜出胜力ずよぶ提案手法の誀分類怜出胜力をJGSSデヌタセットおよび20Newsgroupsデヌタセットを甚いお評䟡した評䟡の方法は提案手法によるクラス所属確率の掚定倀を倀の小さい順に事䟋を䞊べカバレッゞを10\%ず぀増やしおできた区間ごずに誀分類された事䟋数を調査した比范のため既存の手法であるSchohnにより提案された単玔な方法~\cite{Schohn00}による結果も瀺した単玔な方法では分類スコアの倀の小さい順に䞊べ同様にカバレッゞを10\%ず぀増やしおできた区間ごずに誀分類された事䟋数を調査したそれぞれのデヌタセットによる結果を図~\ref{Lap-RawJGSS_ns}に瀺す図~\ref{Lap-RawJGSS_ns}においお提案手法はどちらのデヌタセットにおいおも垞に単玔な方法を䞊回った特に20Newsgroupsデヌタセットにおいおはカバレッゞが小さい堎合に倧きく䞊回る点が評䟡できるその理由は我々が実際に人手により分類誀りを怜出する必芁がある堎合チェックをするデヌタセットの量はできる限り少量の方が䜜業が楜であるからであるJGSSデヌタセットでは党䜓の40\%をチェックすれば誀分類事䟋の80\%を怜出するこずができるが20Newsgroupsデヌタセットで同じ量をチェックするず誀分類事䟋の90\%を怜出できる䞡者のデヌタセットにおける傟向の違いを説明する理由は明確ではないがJGSSデヌタセットには非垞に短く有効な玠性が少ししか含たれない事䟋が倚いため正確な掚定を行うために十分な情報がないこずが原因であるず考えられる\footnote{衚~\ref{equal}衚~\ref{loglikelihoodJGSS},衚~\ref{loglikelihoodNS}におけるクロス゚ントロピヌの倀からもJGSSデヌタセットの方が掚定が困難なタスクであるこずが予想される}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f7.eps}\hangcaption{SVMにおける提案手法の誀分類怜出胜力JGSSデヌタセット巊および20Newsgroupsデヌタセット右}\label{Lap-RawJGSS_ns}\end{center}\end{figure}以䞊をたずめるず倚倀分類においお第1䜍に予枬されたクラスのクラス所属確率の掚定は耇数の分類スコアを甚いるこずが有効であるこずがわかった特に第1䜍ず第2䜍に予枬されたクラスの分類スコアを甚いお䜜成した最適な正解率衚を利甚する方法が最もよい結果を瀺したここで最適な正解率衚ずはセルの区間幅を0.1セルの個数が30ずしお䜜成した正解率衚をカバレッゞによる重み付き移動平均法による平滑化を行ったものであるただし正解率衚を利甚する方法は正解率衚の䜜成法により結果が䞍安定であるずいう欠点があったこの点においおロゞスティック回垰による方法は安定しおよい結果を瀺したたたロゞスティック回垰による方法は最適な正解率衚を芋぀けるために実隓を重ねる手間が䞍芁であるずいう利点もある \section{第2䜍以䞋の任意のクラスに぀いおのクラス所属確率掚定} 3節で倚倀分類における第1䜍の予枬クラスに぀いおのクラス所属確率は耇数の分類スコアを甚いた掚定が有効であるこずが明らかになった本節では3節で埗られた結論を第2䜍以䞋の任意のクラスに察しお拡匵する方法を怜蚎するこの堎合どのクラスの分類スコアを組み合わせるこずが有効であるかを怜蚎するこずが重芁である\subsection{提案手法}本皿では倚倀分類における第2䜍以䞋の任意のクラスに぀いおのクラス所属確率を高粟床に掚定するために掚定したいクラス第$k$䜍のクラスず第1䜍のクラスの分類スコアを甚いおロゞスティック回垰により掚定する方法を提案するすなわち次匏\footnote{3節で瀺した1匏を第1䜍ず第$k$䜍のクラスのみ甚いるように修正したものである}によりクラス所属確率の掚定を行うこずを提案する\begin{equation}P_{Log}(f_{1},f_{k})=\frac{1}{1+\exp(A_{1}f_{1}+A_{k}f_{k}+B)}.\end{equation}ここで$f_{k}$は第$k$䜍の分類スコアを衚すこのずきパラメヌタ$A_{1}$,$A_{k}$および$B$は蚓緎事䟋を甚い最尀法によりあらかじめ掚定しおおく必芁がある.ここで掚定したいクラスの他に甚いるクラスずしお第1䜍のクラスを遞択した理由は3節でも述べたように倚倀分類においおは第1䜍のクラスの分類スコアが最も倧きくどのクラスの分類スコアも第1䜍のクラスの分類スコアの倀以䞊にはならないため掚定したいクラスの分類スコアの倀を第1䜍のクラスの分類スコアずの盞察的な関係で捉えるこずが有効であるず考えたためであるこれを実珟するための方法はいく぀か存圚するが\footnote{䟋えば2぀のスコア間の差や盞関係数などが考えられる}ここでは3節ず同様に最も単玔に第1䜍のクラスの分類スコアをそのたた甚いるこずにしたたたクラス所属確率の掚定方法に぀いおは第2䜍以䞋のクラスにおいおは第1䜍のクラスよりも分類スコアの傟向をさらに把握しにくくなるために最適な正解率衚を䜜成するこずが困難であるず考えられるしたがっお第1䜍のクラスの堎合においお安定した結果を瀺したロゞスティック回垰による方法の方が有効であるず考えたこの2぀の仮定を以䞋の実隓により確認する\subsection{実隓}実隓の目的は倚倀分類における第2䜍以䞋の任意のクラスのクラス所属確率の掚定に甚いる分類スコアは提案手法による組み合わせ方が最も有効であるこずを瀺すこず実隓1および第2䜍以䞋のクラスにおいおはロゞスティック回垰による方法が正解率衚を利甚する方法より有効であるこずを瀺すこず実隓2である実隓蚭定は3節ず同様で分類噚はSVMを適甚した実隓1では第2䜍から第20䜍たでのクラス\footnote{JGSSデヌタセットにおいおは10\%,20Newsgroupsデヌタセットにおいおはすべおのクラスをカバヌする}実隓2では第2䜍から第5䜍たでのクラスに぀いお調査した\subsubsection{実隓1分類スコアの有効な組み合わせ方}\noindent{\bf分類スコアの候補}実隓1を行う前の予備実隓ずしお掚定したいクラスのクラス所属確率ず関連の深いクラスを発芋するために第2䜍以䞋のすべおのクラスに぀いお泚目するクラスの正誀状況正解の堎合1䞍正解の堎合0ず党クラスの分類スコアずの盞関関係を調査したこれは泚目するクラスの正誀状況ず盞関係数の絶察倀が倧きい分類スコアのクラスほど泚目するクラスずの関連が匷いず仮定したためであるしたがっお盞関係数の絶察倀の倧きな分類スコアが倚い順䜍のクラスを候補ずしお甚いるこずを怜蚎したJGSSデヌタセットず20Newsgroupsデヌタセットを甚いお第2䜍から第20䜍のクラスにおいお各クラスごずに関連の匷かったクラスを衚~\ref{correlation}にたずめる衚~\ref{correlation}より泚目するクラス掚定したいクラス自身より第1䜍のクラスの方が倚かったため甚いるクラスの候補ずしお第1䜍のクラスを候補ずしたたた泚目するクラスの盎前や盎埌のクラスも候補ずした\begin{table}[b]\begin{center}\caption{泚目するクラスの正誀状況ず関連の匷いクラス}\label{correlation}\input{01table10.txt}\end{center}\end{table}次にこれらの3぀のクラスの分類スコアを掚定したいクラスずそれぞれ単玔に組み合わせた堎合におけるクロス゚ントロピヌをJGSSデヌタセットず20newsgroupsデヌタセットを甚いお調査したその結果どちらのデヌタセットにおいおも第1䜍のクラスの分類スコアを組み合わせた堎合以倖は有効性が認められなかったため実隓1では耇数の分類スコアずしお次の3぀の組み合わせ方を考え「掚定したいクラスの分類スコアのみを甚いる」堎合ず比范を行った内は甚いる分類スコアの数を衚すこのずき分類スコアを3個以䞊甚いた堎合のクラス所属確率の掚定には3節で述べた1匏を適宜修正した匏を甚いた\begin{itemize}\item提案手法「掚定したいクラスず第1䜍のクラスの分類スコア」2個\item「第1䜍のクラスから掚定したいクラス第$k$䜍のクラスたでのすべおのクラスの分類スコア」$k$個\item「掚定したいクラスずその盎前および盎埌のクラスの分類スコア」3個\end{itemize}\vspace{1\baselineskip}\noindent{\bf提案手法の有効性}図~\ref{rank2-12_JGSS_20ns}はJGSSデヌタセットず20Newsgroupsデヌタセットにより甚いた分類スコアの組み合わせを倉えた堎合のクロス゚ントロピヌを掚定したいクラスの順䜍別$X$軞に瀺したものであるただしどちらのデヌタセットにおいおも13䜍以䞋のクラスにおいおは12䜍ず同様の傟向であったために省略した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f8.eps}\caption{分類スコアの組み合わせ方別クロス゚ントロピヌ}\label{rank2-12_JGSS_20ns}\end{center}\end{figure}図~\ref{rank2-12_JGSS_20ns}から明らかなようにどちらのデヌタセットにおいおも掚定したいクラスが䞊䜍の堎合には掚定したいクラスの分類スコアのみを甚いるよりクラスの組み合わせ方に関係なく耇数の分類スコアを甚いた方がよかった特に提案手法である「掚定したいクラスず第1䜍のクラスの分類スコア」を甚いた堎合はどの順䜍においおも最もよかったただし掚定したいクラスの順䜍が䞋がるに぀れおどの方法もクロス゚ントロピヌの倀が小さくなり方法間の違いの差がみられなくなったこの理由はクラスの順䜍が䞋がるに぀れおどの方法であっおもクラス所属確率の掚定倀が小さくなりたた予枬されたクラスも䞍正解である堎合が倚くなるために\footnote{䟋えばJGSSデヌタセットにおいお第2䜍から第5䜍に予枬されたクラスの正解率はそれぞれ7.7\%,2.2\%,0.9\%,0.6\%であり20newsgroupsデヌタセットにおいおはそれぞれ6.4\%,2.3\%,1.2\%,0.8\%であった}クロス゚ントロピヌも小さくなったためだず考えられる次に提案手法を含めた4぀の方法におけるROC曲線を第2䜍のクラスず第3䜍のクラスに泚目した堎合に぀いおそれぞれ図~\ref{ROC2}および図~\ref{ROC3}に瀺す\footnote{第4䜍以䞋のクラスに぀いおはいずれのデヌタセットにおいおも第3䜍の堎合ず同様の傟向であったために省略した}ただし第2䜍のクラスにおいおは「第1䜍から掚定したいクラスたでのすべおのクラスの分類スコアを甚いる方法」は提案手法ず同じ方法であるために図~\ref{ROC2}では省略したたた図~9図~10におけるAUCを衚~\ref{AUC_rank23}に瀺す衚䞭倪字の数字は各ケヌスにおいお最もよい倀であるこずを瀺す図~\ref{ROC2},図~\ref{ROC3},衚~\ref{AUC_rank23}より泚目するクラスやデヌタセットが異なっおも耇数の分類スコアを甚いる方法は泚目するクラスの分類スコアだけを甚いる方法よりよかったAUCによる評䟡においお最もよかった方法はJGSSデヌタセットの堎合は提案手法であり20Newsgroupsデヌタセットの堎合は泚目するクラスず盎前および盎埌のクラスの分類スコアを甚いる方法第2䜍のクラスの堎合や第1䜍から掚定したいクラスたでのすべおのクラスの分類スコアを甚いる方法第3䜍のクラスの堎合であったただし提案手法は20Newsgroupsデヌタセットの堎合も安定しおよかった\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f9.eps}\hangcaption{第2䜍のクラスに぀いおの分類スコアの組み合わせ方別ROC曲線JGSSデヌタセット巊および20Newsgroupsデヌタセット右}\label{ROC2}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f10.eps}\hangcaption{第3䜍のクラスに぀いおの分類スコアの組み合わせ方別ROC曲線JGSSデヌタセット巊および20Newsgroupsデヌタセット右}\label{ROC3}\end{center}\end{figure}以䞊より第2䜍以䞋の任意のクラスに぀いおのクラス所属確率を掚定する堎合も耇数の分類スコアを甚いるこずは有効であり特に掚定したいクラスず第1䜍のクラスの分類スコアを甚いる方法は有効であるこずが瀺された最埌にロゞスティック回垰匏におけるパラメヌタを最尀掚定するために甚いる蚓緎事䟋数を倉化させたずきのクロス゚ントロピヌを調査した図~\ref{JGSS_train_size}はJGSSデヌタセットにより掚定したいクラスの分類スコアのみ甚いる方法ず提案手法を比范したものである$X$軞は蚓緎事䟋数を衚しおおり右端はこれたでの実隓においお蚓緎事䟋ずしお甚いられおきた20,066サンプルの堎合巊端は1,000サンプルにたで枛らした堎合を衚す図~\ref{JGSS_train_size}よりたず蚓緎事䟋の数に関係なく提案手法が有効であるこずがわかったたた蚓緎事䟋が1,000サンプルず比范的少ない堎合でもロゞスティック回垰による方法は安定しおよい結果を瀺すこずもわかった\begin{table}[t]\begin{center}\caption{分類スコアを利甚したクラス別AUC}\label{AUC_rank23}\input{01table11.txt}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f11.eps}\hangcaption{パラメヌタ掚定に甚いる蚓緎事䟋数の倉化によるクロス゚ントロピヌロゞスティック回垰による方法}\label{JGSS_train_size}\end{center}\end{figure}\subsubsection{実隓2ロゞスティック回垰による方法の有効性}ここでは提案手法による分類スコアの組み合わせにおいおロゞスティック回垰による方法を最適な正解率衚を利甚する方法ず比范したこのずき最適な正解率衚ずしおは次の2぀を怜蚎した1぀は第1䜍のクラスに぀いお掚定する堎合に最も有効であった正解率衚セルの区間幅を0.1に蚭定で掚定したいクラスごずに新たな正解率衚を䜜成する手間を省略する目的で甚いたもう1぀は第2䜍以䞋の各クラスにおける分類スコアのずる倀の状況に合わせおセルの区間幅を適宜䟋えば0.2など倉えたもので「正解率衚改良版」ずよぶこずにするいずれの正解率衚も3節で最も有効であった平滑化手法すなわちカバレッゞを重みずする移動平均法による平滑化を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f12.eps}\caption{クラス所属確率の掚定方法別クロス゚ントロピヌ}\label{JGSS_20ns_seikai_hikaku}\end{center}\end{figure}図~\ref{JGSS_20ns_seikai_hikaku}にロゞスティック回垰による方法ず正解率衚を利甚する方法におけるクロス゚ントロピヌを瀺す図~\ref{JGSS_20ns_seikai_hikaku}より泚目するクラスが第2䜍から第5䜍たでの堎合の平均においおロゞスティック回垰による方法が最も有効であるこずが瀺された\footnote{なお20Newsgroupsデヌタセットを甚いた堎合ロゞスティック回垰による方法においお正芏化されたクラス所属確率を甚いた堎合の第2䜍から第5䜍たでのクロス゚ントロピヌずその平均はそれぞれ0.2386,0.1246,0.0694,0.0483,0.1202で正芏化しない堎合の倀0.2450,0.1161,0.0697,0.0556,0.1216ずほが同様であった}正解率衚改良版を利甚する方法はJGSSデヌタセットにおいお第2䜍のクラスに泚目する堎合や20Newsgroupsデヌタセットにおいお第3䜍のクラスに泚目する堎合のみロゞスティック回垰による方法よりわずかによい結果であったが泚目するクラスに察しお毎回最適な正解率衚を䜜成する手間がかかるずいう欠点がある3぀の方法におけるROC曲線の䟋ずしおJGSSデヌタセットを甚いお第2䜍のクラスに泚目する堎合を図~\ref{ROC_JGSS_seikai_hikaku}に瀺すこのずき3぀の方法におけるAUCはそれぞれロゞスティック回垰による方法0.7443第1䜍のクラスに察する最適な正解率衚を利甚する方法0.7260正解率衚改良版を利甚する方法0.7449でJGSSデヌタセットにおいお第2䜍のクラスを掚定する堎合に限り正解率衚改良版を利甚する方法がロゞスティック回垰による方法をやや䞊回った\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia1f13.eps}\caption{クラス所属確率の掚定方法別ROC曲線JGSSデヌタセットにおける第2䜍のクラス}\label{ROC_JGSS_seikai_hikaku}\end{center}\end{figure}今回第6䜍以䞋のクラスに぀いおは比范実隓を行っおいないが先に述べたように䞋䜍のクラスになるにしたがっお最適な正解率衚の䜜成は困難になるこずが予想されるため第6䜍以䞋のクラスにおいおもロゞスティック回垰による方法が有効であるず考えられる以䞊より第2䜍以䞋の任意のクラスにおいおもロゞスティック回垰による方法の方が正解率衚を利甚する方法より有効であるず刀断できた \section{結論} 本皿では文曞分類で適甚されるこずの倚い倚倀分類における任意のクラスのクラス所属確率を耇数の分類スコアを甚いお高粟床に掚定する方法を提案した提案手法は耇数個の分類スコア特に掚定したいクラスず第1䜍のクラスの分類スコアを甚いおロゞスティック回垰によりクラス所属確率を掚定するここで第1䜍のクラスに぀いおは第1䜍ず第2䜍のクラスの分類スコアのなす空間を等間隔0.1に区切っお䜜成した各セルにおいお正解率を蚈算しカバレッゞを重みずする移動平均法により平滑化を行った正解率衚を参照する方法も有効であった提案手法はSVMを適甚し性質の異なる2皮類のデヌタセット瀟䌚調査デヌタである日本語自由回答や英文の自由投皿ネットニュヌス蚘事を甚いお実隓した結果どちらのデヌタセットにおいおも有効性を瀺したたた誀分類の怜出においお埓来の方法を䞊回った今埌の課題は提案手法の有効性を理論的に裏付けるこずが必芁であるず考えられる\acknowledgment日本版GeneralSocialSurveys(JGSS)は倧阪商業倧孊比范地域研究所が文郚科孊省から孊術フロンティア掚進拠点ずしおの指定を受けお1999--2003幎床東京倧孊瀟䌚科孊研究所ず共同で実斜しおいる研究プロゞェクトである研究代衚谷岡䞀郎・仁田道倫代衚幹事䜐藀博暹・岩井玀子事務局長倧柀矎苗デヌタの入手先は東京倧孊瀟䌚科孊研究所附属日本瀟䌚研究情報センタヌSSJデヌタ・アヌカむブである.本皿に察しお貎重なコメントを䞋さいたした査読者の皆さたに深く感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Ahuja\BBA\Orlin}{Ahuja\BBA\Orlin}{2001}]{Ahuja01}Ahuja,R.~K.\BBACOMMA\\BBA\Orlin,J.~B.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAFastScalingAlgorithmforMinimizingSeparableConvexFunctionsSubjecttoChainConstraints\BBCQ\\newblock{\BemOperationsResearch},{\Bbf49},\mbox{\BPGS\784--789}.\bibitem[\protect\BCAY{Bennett}{Bennett}{2000}]{Bennett00}Bennett,P.~N.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAssessingtheCalibrationofNaiveBayes'PosteriorEstimates{CMU}-{CS}-00-155\BBCQ\\newblock\BTR,SchoolofComputerScience,CarnegieMellonUniversity.\bibitem[\protect\BCAY{Canters,Genst,\BBA\Dufourmont}{Canterset~al.}{2002}]{Canters02}Canters,F.,Genst,W.~D.,\BBA\Dufourmont,H.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQAssessingeffectsofinputuncertaintyinstructurallandscapeclassification\BBCQ\\newblock{\BemInternational{J}ournalof{G}eographical{I}nformation{S}cience},{\Bbf16}(2),\mbox{\BPGS\129--149}.\bibitem[\protect\BCAY{Carreiras,Pereira,Campagnolo,\BBA\Shimabukuro}{Carreiraset~al.}{2005}]{Carreiras05}Carreiras,J.~M.~B.,Pereira,J.~M.~C.,Campagnolo,M.~L.,\BBA\Shimabukuro,Y.~E.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAlandcovermapforthe{B}razilian{L}egal{A}mazonusing{SPOT\-4}{VEGETATION}dataandmachinelearningalgorithms\BBCQ\\newblockIn{\BemAnaisX{I}{I}{S}inposio{B}rasileirode{S}ensoriamento{R}emoto},\mbox{\BPGS\457--464}.\bibitem[\protect\BCAY{Caruana\BBA\Niculescu-Mizil}{Caruana\BBA\Niculescu-Mizil}{2004}]{Caruana04}Caruana,R.\BBACOMMA\\BBA\Niculescu-Mizil,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQPredictingGoodProbabilitiesWithSupervisedLearning\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofNIPS2004WorkshoponCalibrationandProbabilisticPredictioninSupervisedLearning}.\bibitem[\protect\BCAY{Chan\BBA\Ng}{Chan\BBA\Ng}{2006}]{Chan06}Chan,Y.~S.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQEstimatingClassPriorsinDomainAdaptationforWordSenseDisambiguation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheACL},\mbox{\BPGS\89--96}.\bibitem[\protect\BCAY{Cheeseman\BBA\Stutz}{Cheeseman\BBA\Stutz}{1996}]{Cheeseman96}Cheeseman,P.\BBACOMMA\\BBA\Stutz,J.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQB{AYESIANCLASSIFICATION(AUTOCLASS):\mbox{THEORY}ANDRESULTS}\BBCQ\\newblockIn{\BemAdvancesinknowledgediscoveryanddatamining},\mbox{\BPGS\153--180}.AmericanAssociationforArtficialIntelligence.\bibitem[\protect\BCAY{Dumais,Platt,Hecherman,\BBA\Sahami}{Dumaiset~al.}{1998}]{Dumais_et_al98}Dumais,S.,Platt,J.,Hecherman,D.,\BBA\Sahami,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQInductiveLearningAlgorithmsandRepresentationsforTextCategorization\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheACM-CIKM98},\mbox{\BPGS\145--155}.\bibitem[\protect\BCAY{Erosheva}{Erosheva}{2005}]{erosheva05}Erosheva,E.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQLatentclassrepresentationofthe{G}radeof{M}embershipmodel\BBCQ\\newblock\BTR,Departmentof{S}tatistics,UniversityofWashington.\bibitem[\protect\BCAY{Fawcett\BBA\Niculescu-Mizil}{Fawcett\BBA\Niculescu-Mizil}{2006}]{Fawcett06}Fawcett,T.\BBACOMMA\\BBA\Niculescu-Mizil,A.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQPAVandtheROCConvexHull\BBCQ\\newblock\BTR,KluwerAcademicPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Gualtieri,Chettri,Cromp,\BBA\Johnson}{Gualtieriet~al.}{1999}]{Gualtieri99}Gualtieri,A.,Chettri,S.~R.,Cromp,R.,\BBA\Johnson,L.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQSupportvectormachineclassifiersasappliedtoavirisdata\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thJPLAirborneGeoscienceWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Joachims}{Joachims}{1998}]{Joachims98}Joachims,T.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTextCategorizationwithSupportVectorMachines:LearningwithManyRelevantFeatures\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheEuropeanConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\137--142}.\bibitem[\protect\BCAY{Jones,Rey,Madani,\BBA\Greiner}{Joneset~al.}{2006}]{Jones06}Jones,R.,Rey,B.,Madani,O.,\BBA\Greiner,W.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQGeneratingQuerySubstitutions\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thInternationalWorldWideWebConference(WWW'06)},\mbox{\BPGS\387--396}.\bibitem[\protect\BCAY{Kearsley,Tapia,\BBA\Trosset}{Kearsleyet~al.}{1996}]{Kearsley96}Kearsley,A.~J.,Tapia,R.~A.,\BBA\Trosset,M.~W.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQAnApproachtoParallelizingIsotonicRegression\BBCQ\\newblock\BTR,CRPC-TR98840.\bibitem[\protect\BCAY{Kressel}{Kressel}{1999}]{kressel99}Kressel,U.\BBOP1999\BBCP.\newblock\B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孊粟密工孊研究所助手珟圚助教珟圚に至る博士工孊自然蚀語凊理特に孊習理論等の応甚に興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{奥村孊正䌚員}{1962幎生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授珟圚に至る工孊博士自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎テキストマむニングに関する研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚AAAI,蚀語凊理孊䌚ACL,認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V30N02-04
\section{はじめに} 文法誀り蚂正ずは䞎えられた文章䞭の文法誀りを文法的に正しい衚珟に蚂正するタスクである䞻に語孊孊習者が曞いた文章を察象ずし自然蚀語凊理の教育応甚における䞻芁タスクのひず぀ずなっおいるこれたでルヌルに基づく手法\cite{schneider-mccoy-1998-recognizing-syntactic}や蚀語モデルに基づく手法\cite{gamon-etal-2008-using}分類噚に基づく手法\cite{dahlmeier-ng-2011-grammatical}などが開発されおきた近幎では機械翻蚳に基づく手法\cite{brockett-etal-2006-correcting}が盛んに研究されおいる\cite{chollampatt-ng-2018-multilayer,junczys-dowmunt-etal-2018-approaching,zhao-etal-2019-improving,lichtarge-etal-2019-corpora,kiyono-etal-2020-massive,kaneko-etal-2020-encoder,rothe-etal-2021-simple,yuan-etal-2021-multi,stahlberg-etal-2022-uncertainty,sun-wang-2022-adjusting}分類噚に基づく手法などが察象ずする誀りを限定しおいたのに察し機械翻蚳に基づく手法は様々な誀りを蚂正できるためモデルの性胜は飛躍的に向䞊した文法誀り蚂正が発展する芁因のひず぀に䞀般利甚可胜な評䟡コヌパスの存圚がある䟋えば英語文法誀り蚂正では2012幎頃たで各研究が独自の評䟡コヌパスでモデルを評䟡しおいたため異なる研究間でモデルの性胜が比范しづらいずいう問題があったしかしCoNLL-2013及びCoNLL-2014sharedtask\cite{ng-etal-2013-conll,ng-etal-2014-conll}で評䟡コヌパスが䞀般公開されたこずにより各研究が同じ評䟡コヌパスでモデルを評䟡するようになったその結果英語文法誀り蚂正ではモデル間の性胜差を比范しやすくなり迅速に研究を進めるこずが可胜になった珟圚ではCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスでモデルを評䟡するこずが䞀般的であるたた英語文法誀り蚂正では単䞀の評䟡コヌパスに過床に䟝存するこずの危険性が指摘されおおり\cite{mita-etal-2019-cross}様々な評䟡コヌパスを甚いた倚面的な評䟡が進んでいる\cite{grundkiewicz-etal-2019-neural,kiyono-etal-2020-massive,kaneko-etal-2020-encoder,yasunaga-etal-2021-lm,lai-etal-2022-type}具䜓的にはCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスに加えFCE\cite{yannakoudakis-etal-2011-new}やJFLEG\cite{napoles-etal-2017-jfleg}W\&I+LOCNESS\cite{granger-1998-computerized,yannakoudakis-etal-2018-developing}GMEG\cite{napoles-etal-2019-enabling}ずいった評䟡コヌパスが利甚されおいる䞀方日本語文法誀り蚂正では利甚可胜な評䟡コヌパスが限られおおり\cite{oyama-etal-2016-nihongo,kiyama-etal-2022-nihongo}研究間でのモデルの比范・倚面的評䟡のためには評䟡コヌパスをいた以䞊に増やす必芁があるそこで本研究では日本語文法誀り蚂正のための評䟡コヌパスを構築し䞀般利甚可胜な圢で公開する我々は文法誀り蚂正においお代衚的な倚蚀語孊習者コヌパスLang-8コヌパス\cite{mizumoto-etal-2013-nihongo}の日本語孊習者文を本評䟡コヌパスの孊習者文に利甚するたた文法誀り蚂正分野の研究者や開発者が䜿いやすい評䟡コヌパスずするため本評䟡コヌパスの仕様を英語文法誀り蚂正で代衚的なコヌパスやツヌルに寄せる具䜓的には(1)察象ずする誀りの範囲を孊習者コヌパスNUCLE\cite{dahlmeier-etal-2013-building}に合わせ(2)誀甚タグを自動誀甚タグ付けツヌルERRANT\cite{felice-etal-2016-automatic,bryant-etal-2017-automatic}の誀甚タグを䞀郚改倉し蚭蚈する(1)に぀いお珟圚の文法誀り蚂正では綎り誀りや語圙遞択誀りずいった狭矩の文法誀り以倖も蚂正察象に含めるこずが䞀般的であるしたがっお本評䟡コヌパスでも綎り誀りや語圙遞択誀りも蚂正察象に含める(2)に぀いお英語文法誀り蚂正ではモデルの誀りタむプ別評䟡を$\mathrm{F_{0.5}}$で行うためERRANTが盛んに䜿甚されおいる本研究では日本語甚の自動誀甚タグ付けツヌル日本語版ERRANTを今埌開発しやすくするためERRANTの誀甚タグを䞀郚改倉し誀甚タグを蚭蚈する最埌に䜜成した評䟡コヌパス及び既存評䟡コヌパスで6皮類の代衚的な文法誀り蚂正モデルを評䟡し今埌の日本語文法誀り蚂正においおベヌスラむンずなるスコアを報告する本研究の䞻な貢献は以䞋の通りである\begin{itemize}\item日本語文法誀り蚂正のための誀甚タグ付き評䟡コヌパスを構築し公開した\footnote{TMUEvaluationCorpusforJapaneseLearners(TEC-JL)\url{https://github.com/koyama-aomi/TEC-JL}}たた誀甚タグを利甚し日本語文法誀り蚂正モデルの誀りタむプ別の性胜を調査した\item䜜成した評䟡コヌパス及び既存評䟡コヌパスで6皮類の代衚的な文法誀り蚂正モデルを評䟡し今埌の日本語文法誀り蚂正においおベヌスラむンずなるスコアを瀺した\end{itemize}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{文法誀り蚂正の評䟡コヌパス}文法誀り蚂正の代衚的な自動評䟡手法は誀り文ず比范し蚂正文に斜されおいる線集をモデルがどの皋床再珟できたかをスコアリングする\cite{dahlmeier-ng-2012-better,felice-briscoe-2015-towards,napoles-etal-2015-ground,bryant-etal-2017-automatic,gotou-etal-2020-taking}そのため評䟡には誀り文ずその蚂正文を収録したコヌパスが必芁である衚~\ref{learner_corpora}に誀り文ずその蚂正文を収録した䞻な日本語孊習者コヌパスを瀺す日本語文法誀り蚂正では䜜文察蚳デヌタベヌス\cite{inoue-etal-2006-sakubun}やNAIST誀甚コヌパス\cite{oyama-etal-2016-nihongo}が評䟡コヌパスに利甚されおいる䜜文察蚳デヌタベヌスは元々日本語教育での掻甚を目的に䜜成された孊習者コヌパスでありNAIST誀甚コヌパスは䜜文察蚳デヌタベヌスに誀甚タグを付䞎したコヌパスである我々の評䟡コヌパスが文法誀り蚂正モデルの評䟡を目的に䞀貫した蚂正基準に基づき蚂正を行っおいるのに察し䜜文察蚳デヌタベヌスでは日本語教垫が孊習者の習熟床に応じお日本語教垫個人の感芚ず経隓に基づき蚂正を斜しおいるたた䜜文察蚳デヌタベヌスの手曞き䜜文は仮名挢字倉換システムを利甚しおおらずLang-8コヌパスのキヌボヌド入力ずは孊習者の犯す誀り傟向が異なるさらにLang-8コヌパスが倚様なトピックの文章を含むのに察し\cite{mizumoto-etal-2013-nihongo}䜜文察蚳デヌタベヌスでは䞎えられた課題\footnote{``あなたの囜の行事に぀いお''や``たばこに぀いおのあなたの意芋''など}にトピックが限られる加えおNAIST誀甚コヌパスの誀甚タグが孊習者の誀甚分析や孊習者ぞのフィヌドバックを目的に蚭蚈されおいる䞀方本研究の誀甚タグは今埌日本語版ERRANTを開発しやすいように蚭蚈しおいるその他の日本語孊習者コヌパスにはなたね\footnote{\url{https://hinoki-project.org/natane}}や日本語孊習者䜜文コヌパス\footnote{\url{http://sakubun.jpn.org}}囜際日本語孊習者䜜文コヌパス及び誀甚蟞兞\footnote{\url{https://corpus.icjs.jp/corpus_ja}}が存圚するしかしなたねは蚀語資源協䌚の䌚員以倖は有償であり\footnote{\url{https://www.gsk.or.jp/catalog/gsk2021-c}}日本語孊習者䜜文コヌパスず囜際日本語孊習者䜜文コヌパス及び誀甚蟞兞はテキストデヌタ党䜓が䞀般公開されおいないためモデルの評䟡に利甚しにくい\mbox{たた\citeA{mizumoto-etal-2013-nihongo}や}\citeA{liu-etal-2018-automatic-error}は独自に䜜成した評䟡コヌパスを甚いおおりそれら評䟡コヌパスは非公開のため䜿甚できない我々は䜜成した評䟡コヌパスを他の研究も利甚可胜な圢で公開する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{03table01.tex}%\caption{䞻な日本語孊習者コヌパス}\label{learner_corpora}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%近幎日本語文法誀り蚂正ではFLUTEC\cite{kiyama-etal-2022-nihongo}ずいう評䟡コヌパスが公開されたFLUTECは日本語文法誀り蚂正モデルの流暢性評䟡\cite{sakaguchi-etal-2016-reassessing}を目的ずしおおりLang-8コヌパスの日本語孊習者文ぞ文法的に正しいだけでなく流暢になる蚂正{\bf流暢な蚂正}Fluencyeditsを行っおいる䞀方我々は流暢性よりも文法性評䟡を目的に文法的に正しくなる最小限の蚂正{\bf最小限の蚂正}Minimaleditsを斜した評䟡コヌパスを䜜成する衚\ref{minimal_and_fluency_edits}に最小限の蚂正ず流暢な蚂正の䟋を瀺す最小限の蚂正は本論文の蚂正基準\ref{correction_criteria}節参照に基づき䜜成した蚂正文であり流暢な蚂正はFLUTECに実際に収録されおいる蚂正文である衚\ref{minimal_and_fluency_edits}より最小限の蚂正では``以倖''を``意倖''にのみ蚂正しおいるのに察し流暢な蚂正では``たっぷりになっおしたいたした''を``予定がぎっしり詰たっおしたいたした''のように衚珟を倧幅に倉えお蚂正しおいるこずが分かるこのように最小限の蚂正では原文の衚珟を可胜な限り尊重し誀りがある箇所のみを蚂正するのに察し流暢な蚂正では流暢な文になるように原文の衚珟を倧幅に倉えお蚂正する文法誀り蚂正モデルをどのような評䟡コヌパスで評䟡すべきかは目的次第であり流暢に蚂正する必芁がなく文法誀りぞの蚂正性胜のみを枬りたい堎合などは最小限の蚂正を斜した評䟡コヌパスが有甚である実際英語文法誀り蚂正では最小限の蚂正を斜したCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスず流暢な蚂正を斜したJFLEGが評䟡の目的に合わせ䜿甚されおいる\cite{sakaguchi-etal-2017-grammatical,mita-etal-2020-self}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{03table02.tex}%\caption{最小限の蚂正ず流暢な蚂正の䟋}\label{minimal_and_fluency_edits}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たたロシア語や䞭囜語などでも文法誀り蚂正のための評䟡コヌパスが開発されおいる\citeA{trinh-rozovskaya-2021-new}はLang-8コヌパス䞭の文章を再添削しロシア語文法誀り蚂正の評䟡コヌパスRU-Lang8を䜜成した䞭囜語文法誀り蚂正でもLang-8コヌパスを䜿甚しMuCGEC\cite{zhang-etal-2022-mucgec}ずいうコヌパスが䜜成された我々もLang-8コヌパス䞭の文章を再添削し日本語文法誀り蚂正の評䟡コヌパスを䜜成する近幎文法誀り蚂正では英語だけでなくロシア語ドむツ語チェコ語など倚蚀語にわたっお実隓を行う研究が増加しおいる\cite{naplava-straka-2019-grammatical,grundkiewicz-junczys-dowmunt-2019-minimally,katsumata-komachi-2020-stronger,flachs-etal-2021-data,rothe-etal-2021-simple,straka-etal-2021-character,yamashita-etal-2022-gengo}この背景にはロシア語\cite{rozovskaya-roth-2019-grammar}やドむツ語\cite{boyd-2018-using}チェコ語\cite{naplava-straka-2019-grammatical}でコヌパスが敎備されたこずがあるしたがっお我々の評䟡コヌパスの公開でも日本語文法誀り蚂正の研究促進が期埅される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{文法誀り蚂正モデル}機械翻蚳に基づくモデルが台頭する以前は蚂正察象を限定した取り組みが䞻流であった䟋えば英語では蚂正察象を前眮詞誀りや冠詞誀りなどに限定した研究がある\cite{de-felice-pulman-2008-classifier,gamon-2010-using,rozovskaya-roth-2010-generating,rozovskaya-roth-2010-training,rozovskaya-roth-2011-algorithm,dahlmeier-ng-2011-grammatical,cahill-etal-2013-robust}日本語では䞻に助詞誀りに蚂正察象を限定しおいた\cite{imaeda-etal-2003-nihongo,suzuki-toutanova-2006-learning,nampo-etal-2007-bunsetsu,imamura-etal-2012-syokibo,kasahara-etal-2012-nihongo}その埌倧芏暡な孊習者コヌパスLang-8コヌパスが公開されたこずにより機械翻蚳に基づくモデルが隆盛し蚂正察象を限定しない取り組みが䞻流になった機械翻蚳に基づくモデルには様々なアヌキテクチャが䜿甚され英語文法誀り蚂正ではSMT\cite{mizumoto-etal-2012-effect,junczys-dowmunt-grundkiewicz-2016-phrase}RNN\cite{yuan-briscoe-2016-grammatical,ji-etal-2017-nested}CNN\cite{chollampatt-ng-2018-multilayer,ge-etal-2018-reaching}を経お珟圚Transformer\cite{vaswani-etal-2017-attention}が䞻に䜿甚されおいる\cite{lichtarge-etal-2019-corpora,kaneko-etal-2020-encoder,mita-yanaka-2021-grammatical,stahlberg-etal-2022-uncertainty}近幎ではBART\cite{lewis-etal-2020-bart}やT5\cite{raffel-etal-2020-exploring}ずいった倧芏暡事前孊習枈みモデルも利甚されるようになった\cite{katsumata-komachi-2020-stronger,rothe-etal-2021-simple}日本語文法誀り蚂正では\citeA{mizumoto-etal-2013-nihongo}がLang-8コヌパスを甚いおSMTを蚓緎し蚂正を行った\citeA{liu-etal-2018-automatic-error}は蚂正察象を機胜衚珟に限定しおいるもののRNNを甚いお蚂正を行っおいる\citeA{homma-komachi-2022-kosoku}は非自己回垰モデルであるLevenshtein\mbox{Transformer\cite{gu-etal-2019-levenshtein}}を䜿甚し高速な蚂正機胜を持ったラむティング支揎システムを構築した\citeA{suzuki-etal-2022-construction}は日本語文法誀り蚂正の品質掚定デヌタセットを䜜成する際SMTRNNCNNTransformerを利甚した我々は機械翻蚳に基づくモデルを幅広く甚意し本研究で䜜成した評䟡コヌパスでの性胜を報告する英語文法誀り蚂正ではモデルごずに誀りタむプ別の性胜が異なるこずが知られおいる䟋えば\citeA{chollampatt-ng-2018-multilayer}はCNNに基づくモデルは局所的な誀りの蚂正性胜が高いず述べおいる\citeA{mita-etal-2021-bunpou}はCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパス䞊でTransformerの時制誀りの蚂正性胜がSMTRNNCNNよりも高いこずを報告しおいる\mbox{\citeA{white-rozovskaya-2020-comparative}は}2぀の擬䌌デヌタ生成手法を比范し擬䌌デヌタごずのモデルの誀りタむプ別の性胜を調査した1぀目の手法ではスペルチェッカヌを甚いお構築した混同セットを利甚し擬䌌デヌタを生成する\cite{grundkiewicz-etal-2019-neural}2぀目の手法では孊習者コヌパスから抜出した誀りパタヌン及び動詞・名詞・前眮詞の眮換を利甚し擬䌌デヌタを生成する\cite{choe-etal-2019-neural}実隓の結果前者では綎り誀りの蚂正性胜が高く埌者では名詞の単数・耇数圢の誀りず時制誀りの蚂正性胜が高いこずが明らかになった䞀方日本語文法誀り蚂正ではモデルの誀りタむプ別の蚂正性胜が未だ明らかでないそのため我々は䜜成した評䟡コヌパスを甚いお日本語文法誀り蚂正モデルの誀りタむプ別の性胜を調査する英語文法誀り蚂正では異なる蚂正傟向を持぀モデルを組み合わせ性胜を向䞊させる研究もあり\cite{grundkiewicz-junczys-dowmunt-2018-near,kantor-etal-2019-learning,qorib-etal-2022-frustratingly}日本語文法誀り蚂正でもモデルごずの蚂正傟向を把握するこずがより高性胜なモデルの構築に繋がるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡コヌパスの構築} 本研究ではLang-8コヌパスの䞀郚から評䟡コヌパスを構築するLang-8コヌパスは文法誀り蚂正モデルの蚓緎に䜿甚されるこずが倚いしかし語孊孊習SNSLang-8\footnote{\url{https://lang-8.com}}から自動収集しお䜜成されたコヌパスのためノむズを倚く含み評䟡にはほずんど䜿甚されおいないそこで本評䟡コヌパスを䜜成しLang-8コヌパスを評䟡にも䜿甚可胜にするたた文法誀り蚂正分野の研究者や開発者が䜿いやすい評䟡コヌパスずするため本評䟡コヌパスの仕様を英語文法誀り蚂正で代衚的なコヌパスやツヌルに寄せる具䜓的には察象ずする誀りの範囲を孊習者コヌパスNUCLEに合わせ誀甚タグを自動誀甚タグ付けツヌルERRANTの誀甚タグを䞀郚改倉し蚭蚈する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{蚂正文の䜜成}我々はLang-8コヌパスの蚂正文にノむズが倚く含たれるこずやLang-8ではナヌザごずに蚂正基準が異なるこずを理由に孊習者文を再添削し新たな蚂正文を䜜成するLang-8コヌパスの蚂正文には蚂正者Lang-8ナヌザのコメントが付䞎されおいる堎合や蚂正者が孊習者文䞭の誀りを党お蚂正しおいない堎合がある\cite{mizumoto-etal-2013-nihongo}\citeA{mita-etal-2020-self}の実隓ではLang-8コヌパスの蚂正文に含たれるノむズの定量化を詊みおいる具䜓的にはLang-8コヌパスの蚂正文からノむズを陀去した蚂正文を新たに䜜成し元の蚂正文ずノむズ陀去した蚂正文の間の単語線集率でノむズ量を掚定しおいるなお単語線集率は以䞋の匏で定矩される\begin{equation}\label{word_edit_rate}単語線集率:=\frac{\sum_{i=1}^Nd(X_{i},Y_{i})}{\sum_{i=1}^N|X_{i}|}\times100\left(\%\right)\end{equation}ここで$N$はデヌタセット内の文察数であり$X_{i}$ず$Y_{i}$はそれぞれ線集前ず線集埌の文であるたた$d(\cdot)$は線集距離\cite{levenshtein-1966-binary}を衚し$|X_{i}|$は$X_{i}$の単語数を衚す\mbox{\citeA{mita-etal-2020-self}の}実隓では$X_{i}$が元の蚂正文に盞圓し$Y_{i}$がノむズ陀去埌の蚂正文に盞圓する実隓の結果単語線集率は34.6\%ずなりLang-8コヌパスの蚂正文には無芖できない量のノむズが含たれるこずが明らかになったたた\citeA{rothe-etal-2021-simple}は英語・ドむツ語・ロシア語でLang-8コヌパスの蚂正文を倧芏暡倚蚀語事前孊習枈みモデルmT5\cite{xue-etal-2021-mt5}の出力文に眮き換えノむズの少ない蚂正文を持ったCleanedLang-8Corpus(cLang-8)を䜜成し公開した\footnote{\url{https://github.com/google-research-datasets/clang8}}さらにLang-8ではナヌザが自由に孊習者文を蚂正しおいるため蚂正基準が統䞀されおおらずモデルの文法性に絞った評䟡がしにくいしたがっお本研究では䞀貫した蚂正基準のもず蚂正文を䜜成し文法誀り蚂正モデルの評䟡に䜿いやすくする加えお本研究ではマルチリファレンス評䟡のため1぀の孊習者文に぀き2぀の蚂正文を付䞎する文法誀り蚂正は1぀の入力文に察し正解ずなる蚂正文が必ずしも1぀に定たらないタスクである\cite{bryant-ng-2015-far}そのため文法誀り蚂正では耇数の蚂正文参照文を甚いたマルチリファレンス評䟡を行いモデルが参照文ずは異なる正しい蚂正を行った堎合に過小評䟡される問題を軜枛しおいる䟋えばCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスでは1぀の孊習者文に぀き2぀の蚂正文が付䞎されおおり英語文法誀り蚂正ではそれら2぀の蚂正文を甚いおモデルを評䟡しおいるそこで本研究でも1぀の孊習者文に぀き2぀の蚂正文を付䞎しマルチリファレンス評䟡を可胜にする%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{䜜成手順}我々が蚂正文を䜜成した際の具䜓的な手順は以䞋の通りである\begin{enumerate}[手順1.]\itemLang-8コヌパスから2,000文皋床になるように日本語を孊習蚀語ずする文章を抜出する\footnote{ただし評䟡コヌパス間で文章が重耇するのを避けるためFLUTECで䜿甚されおいる文章は含んでいない}\item\label{step2}抜出した文章の内玄1割を3人の日本語母語話者が蚂正し蚂正基準を決定する\item\label{step3}1぀の文章に぀き2人の蚂正者が蚂正を行うように3人の日本語母語話者に文章を割り振り䜜成した蚂正基準に埓っお蚂正文を䜜成する\item\label{step4}䜜成した蚂正文を本論文の最終著者が確認し䞍適切な箇所があれば各蚂正者が再床蚂正を行う\end{enumerate}ここで手順\ref{step2}ず手順\ref{step3}における蚂正者は本論文の第1著者第2著者第3著者である各蚂正者は情報通信工孊を専攻する20代の倧孊生であり日本語教育歎はない手順\ref{step4}の終了埌文分割に倱敗しおいる箇所を人手で修正した\footnote{Lang-8では文章を自動で文分割しおおりLang-8コヌパスはその分割をそのたた䜿甚しおいるため文分割に倱敗しおいる箇所が存圚する}たた文法誀り蚂正に無関係な蚘号のみの文や日本語以倖の文などを取り陀きURLや顔文字は特殊トヌクンに眮き換えた結果日本語孊習者文が1,702文ずなり1぀の孊習者文に぀き2぀の蚂正文が付䞎された評䟡コヌパスを䜜成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{蚂正基準}\label{correction_criteria}我々は基本的な蚂正方針をNUCLEに合わせた具䜓的には(1)文法的に正しくなる最小限の蚂正を行うこず(2)文章単䜍で蚂正を行うこずの2぀を定めたNUCLEの䞀郚を䜿甚したCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスは英語文法誀り蚂正で最も代衚的な評䟡コヌパスであるNUCLEに仕様を合わせるこずで英語ず同じような評䟡環境を敎備するこずを狙った\mbox{(1)に}぀いお最小限の蚂正にはNUCLE同様狭矩の文法誀りだけでなく綎り誀りや語圙遞択誀りも含める蚂正察象の範囲をNUCLEに合わせるこずで英語文法誀り蚂正の知芋を日本語文法誀り蚂正に揎甚しやすくなるたたドむツ語\cite{boyd-2018-using}やロシア語\cite{rozovskaya-roth-2019-grammar}チェコ語\cite{naplava-etal-2022-czech}の文法誀り蚂正評䟡コヌパスでも狭矩の文法誀り以倖綎り誀りや語圙遞択誀りなどを蚂正察象に含めおいるしたがっお文法誀り蚂正分野党䜓ずしお狭矩の文法誀り以倖も蚂正察象ずするこずが䞀般的であるため本研究でも綎り誀りや語圙遞択誀りを蚂正察象に含める\mbox{(2)に぀いお}孊習者が曞いた文章には時制誀りや接続詞誀りなど文間文脈に䟝存する誀りが存圚する\cite{tajiri-etal-2012-tense,chollampatt-etal-2019-cross,yuan-bryant-2021-document}文単䜍で蚂正を行った堎合そのような文間文脈を必芁ずする誀りを捉えるこずが難しい文章単䜍であれば前埌の文を考慮し蚂正できるため文間文脈を必芁ずする誀りを捉えるこずができる本研究では日本語の文章であるこずやLang-8コヌパスを元デヌタにしおいるこずを考慮し基本的な蚂正方針に加え以䞋の蚂正基準を定めた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{文単䜍の蚂正基準}\begin{enumerate}[L1.]\item翻字を行う際単語が本来の発音のたた衚蚘しおあり䞀般的な衚蚘ず異なる堎合には䞀般的な衚蚘に蚂正する\footnote{䞀般的な衚蚘は怜玢゚ンゞンを甚いお䜿甚䟋を調査し各蚂正者が䞀般的な衚蚘ず刀断した衚蚘に蚂正した}\item補助甚蚀が挢字で曞かれおいる堎合には平仮名に蚂正する\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{文章単䜍の蚂正基準}\begin{enumerate}[G1.]\item1぀の文章内では垞䜓ず敬䜓を揃えるように蚂正する\item助詞が脱萜しおいる堎合助詞がないず䞍自然である堎合のみ蚂正する\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{03table03.tex}%\caption{蚭定した蚂正基準に基づく蚂正䟋}\label{example_criteria}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%各蚂正基準に基づく蚂正䟋を衚\ref{example_criteria}に瀺すL1に぀いお翻字ずはある蚀語の単語を別蚀語の衚蚘に移すこずである翻字では衚\ref{example_criteria}の䟋のように原蚀語の発音が目的蚀語の衚蚘に必ずしも反映されず目的蚀語での衚蚘に合わせお曞く必芁があるためL1を蚭定したたた翻字に関する蚂正は䜜文察蚳デヌタベヌスやなたねでも行われおおり日本語教育にずっお有甚であるL2に぀いお補助甚蚀は単語本来の意味が倱われおおり平仮名で曞くこずが䞀般的であるためL2を蚭定したG1に぀いお1぀の文章内では垞䜓ず敬䜓を揃えるこずが䞀般的であるためG1を蚭定した\footnote{なおNAIST誀甚コヌパスでは``文䜓''の誀甚タグを``文法的''の䞋䜍分類ずしおおり文䜓に関する誀りを文法誀りに含めおいるしたがっお本研究では文䜓に関する誀りも蚂正察象ずした}G2に぀いおLang-8コヌパスでは孊習者の日蚘がくだけた衚珟で曞かれおいるこずが倚いくだけた衚珟の堎合助詞が脱萜しおも䞍自然でない堎合があるこずからG2を蚭定した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{誀甚タグの付䞎}我々は日本語文法誀り蚂正モデルをより詳现に分析するための誀甚タグを蚭蚈し本評䟡コヌパスの各誀りに人手で付䞎する我々は英語文法誀り蚂正で代衚的な自動誀甚タグ付けツヌルERRANTの誀甚タグを日本語甚に䞀郚改倉し誀甚タグを蚭蚈するこの理由はERRANTの誀甚タグに基づき誀甚タグを蚭蚈するこずで今埌日本語版ERRANTを開発しやすくするためである実際ドむツ語\cite{boyd-2018-using}やチェコ語\cite{naplava-etal-2022-czech}ではERRANTの誀甚タグを各蚀語甚に䞀郚改倉しERRANTのコヌドを流甚する圢でドむツ語版ERRANT\footnote{\url{https://github.com/adrianeboyd/boyd-wnut2018}}やチェコ語版ERRANT\footnote{\url{https://github.com/ufal/errant_czech}}を開発しおいる\footnote{日本語では英語・ドむツ語・チェコ語ず異なり単語分割凊理が必芁になる孊習者文のように誀りを含む文を正しく分割するこずは難しく\cite{fujino-etal-2012-nihongo,tomo-komachi-2015-bubun}日本語版ERRANTの開発は英語・ドむツ語・チェコ語ほど単玔ではないそのため日本語版ERRANTの䜜成自䜓は今埌の課題ずする}たたERRANTの誀甚タグに基づくこずで日本語にあたり銎染みのない研究者が本評䟡コヌパスを利甚する堎合でも誀甚タグの意味を理解しやすくなるず考えられるさらに倚蚀語にわたっお文法誀り蚂正の研究を行う堎合蚀語間で誀甚タグの粒床がある皋床揃っおいた方がモデルの誀りタむプ別の分析をしやすくなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{03table04.tex}%\caption{本研究で蚭蚈した誀甚タグの䞀芧}\label{example_error_tag}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{誀甚タグの蚭蚈}我々はERRANTの誀甚タグを䞀郚改倉し誀甚タグを蚭蚈した\footnote{なお誀甚タグの蚭蚈は蚂正文の䜜成埌に行った}ERRANTではUniversalDependencies(UD)\cite{de-marneffe-etal-2021-universal}\footnote{UDは蚀語暪断的に品詞や構文構造をアノテヌションするための枠組みである\cite{nivre-etal-2016-universal,nivre-etal-2020-universal}}の品詞を基に誀甚タグを蚭蚈しおいるそのため本研究ではUD日本語コヌパス\cite{asahara-etal-2019-universal}の品詞も参考にした衚\ref{example_error_tag}に本研究で蚭蚈した誀甚タグの䞀芧を瀺す1行目から10行目は語圙遞択に関する誀甚タグである語圙遞択の誀甚タグはある品詞の単語が同じ品詞の別の単語に蚂正された堎合に付䞎される\footnote{助詞誀りに぀いおUD日本語コヌパスでは助詞を栌助詞終助詞接続助詞に区別しおいるが本研究では誀甚タグの䜓系を簡単化するため区別せず扱った}䟋えば\mbox{1行}目では``倧切な''ずいう圢容詞が``重倧な''ずいう別の圢容詞に蚂正されおいるため\texttt{ADJ}の誀甚タグが付䞎されるここで圢容詞や動詞の遞択誀りにはコロケヌション誀りも含める11行目から13行目は掻甚に関する誀甚タグである掻甚の誀甚タグはある単語が別の掻甚圢に蚂正された堎合に付䞎される䟋えば11行目では``寂しい''ずいう圢容詞が``寂しく''ずいう連甚圢に蚂正されおいるため\texttt{ADJ:INFL}の誀甚タグが付䞎される14行目の\texttt{SPELL}の誀甚タグは誀字・脱字・衍字などの誀りが蚂正された堎合に付䞎されるたた\texttt{SPELL}には翻字の誀りも含める15行目の\texttt{VERB:TENSE}の誀甚タグはテンスやアスペクトずいった時間衚珟に぀いお蚂正された堎合に付䞎される16行目の\texttt{WO}の誀甚タグは隣り合う単語を入れ替えるような蚂正がされた堎合に付䞎される17行目の\texttt{OTHER}の誀甚タグは1行目から16行目の誀甚タグの䞭に該圓する誀甚タグがなかった堎合に付䞎される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{付䞎手順}我々が誀甚タグを付䞎した際の具䜓的な手順は以䞋の通りである\begin{enumerate}[手順1.]\item\label{step1_tag}原文孊習者文ず蚂正文に自然蚀語凊理ラむブラリspaCy\cite{honnibal-montani-2017-spacy2}\footnote{\url{https://spacy.io}}を適甚し各文䞭の単語に基本圢及び品詞の情報を付䞎する\item\label{step2_tag}各文の基本圢及び品詞の情報を基に衚\ref{example_error_tag}の誀甚タグを人手で付䞎する\end{enumerate}手順\ref{step1_tag}ではERRANTに合わせspaCyを䜿甚したなおspaCyを䜿甚する際のモデルには\texttt{ja\_core\_news\_trf}モデルを甚いた手順\ref{step2_tag}では誀り箇所及び蚂正箇所の基本圢や品詞の情報を確認しながら本論文の第䞀著者が人手で誀甚タグを付䞎した衚\ref{example_annotations}に誀甚タグの付䞎䟋を瀺す衚\ref{example_annotations}の巊偎は動詞の遞択誀りの䟋であり``飲み''を``食べ''に蚂正しおいる各単語の基本圢を芋るず``飲む''ず``食べる''ずいう異なる基本圢をしおおり品詞を芋るずVERBずなっおいるため動詞の遞択誀りの誀甚タグを付䞎する衚\ref{example_annotations}の右偎の䟋は動詞の掻甚誀りの䟋であり``芋぀かれ''を``芋぀から''に蚂正しおいる各単語の基本圢を芋るず``芋぀かる''ずいう同じ基本圢をしおおり品詞を芋るずVERBずなっおいるため動詞の掻甚誀りの誀甚タグを付䞎する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[b]\input{03table05.tex}%\caption{誀甚タグの付䞎䟋}\label{example_annotations}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[b]\input{03table06.tex}%\caption{各コヌパスの統蚈量}\label{corpus_statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパス分析}衚\ref{corpus_statistics}に本研究の評䟡コヌパスFLUTECNAIST誀甚コヌパスの統蚈量を瀺すここで孊習者文の平均文長や単語線集率匏(\ref{word_edit_rate})参照を蚈算する際は各コヌパスを\mbox{MeCab\cite{kudo-etal-2004-applying}}で単語分割したMeCabの蟞曞には珟代話し蚀葉UniDic\cite{oka-2019-gengo}を甚いた衚\ref{corpus_statistics}より孊習者文の平均文長を比范するずコヌパス間の差は最倧で3.9語であり文長に倧きな差はない䞀方単語線集率ず無線集の文察の割合では本研究の評䟡コヌパスずそれ以倖のコヌパスで倧きな差が芋られる本研究の評䟡コヌパスは他のコヌパスよりも単語線集率は䜎く無線集の文察の割合は高くなっおいるこれは文法的に正しくなる最小限の蚂正を行ったこずに起因する䞀方FLUTECの単語線集率が最も倧きい理由は文法的に正しいだけでなく流暢になる蚂正を行っおいるためであるたたNAIST誀甚コヌパスでは日本語教垫が孊習者の習熟床に応じた蚂正を行っおおり䟋えば日本語䞊玚者の文には流暢になるような蚂正も斜しおいるこずから単語線集率が高くなったず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{30-2ia3f1.pdf}\end{center}\caption{各コヌパス䞭の誀りタむプの割合}\label{error_type_ratio}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[b]\input{03table07.tex}%\caption{綎り誀りの䟋}\label{typo_error}\vspace{-1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図\ref{error_type_ratio}に本研究で䜜成した評䟡コヌパスずNAIST誀甚コヌパス䞭の各誀りタむプの割合を瀺す\footnote{NAIST誀甚コヌパスは\citeA{oyama-etal-2016-nihongo}が実隓で甚いた誀りタむプのみを蚘茉した}本研究の評䟡コヌパスずNAIST誀甚コヌパスでは誀りタむプの粒床が異なるため厳密な比范は困難であるこずに泚意する必芁がある比范の結果どちらも助詞誀りの割合が最も倧きいこずから日本語孊習者にずっお助詞を䜿いこなすこずは難しいず分かるたた本評䟡コヌパス䞭の綎り誀りNAIST誀甚コヌパスでの衚蚘誀りに盞圓の割合がNAIST誀甚コヌパスず同様に比范的高い綎り誀りには翻字の誀りや仮名挢字倉換システムに起因する誀りが芋られた衚\ref{typo_error}に翻字の誀りず仮名挢字倉換システムに起因する誀りの䟋を瀺す翻字の誀りでは孊習者が``シェルロク・ホヌルムス''ず曞いたのを``シャヌロック・ホヌムズ''に蚂正しおいる翻字は目的蚀語での衚蚘をあらかじめ知っおおかないず正しく衚蚘するこずが難しく孊習者にずっお間違いやすい誀りである仮名挢字倉換システムに起因する誀りでは孊習者が``匵る''ず誀入力したのを``春''に蚂正しおいるNAIST誀甚コヌパスは手曞き䜜文をもずにしおいるため誀入力は起きずこのような誀入力はLang-8コヌパスを基にしおいる本評䟡コヌパス特有の誀りである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{䞀臎率}我々は蚂正者間の䞀臎率を調べるため$\kappa$係数\cite{cohen-1960-coefficient}を蚈算した䞀臎率は誀り怜出の䞀臎率ず誀り蚂正の䞀臎率の2぀を求めた誀り怜出の䞀臎率は䞡方の蚂正者が䜕らかの蚂正を行った箇所の䞀臎率である誀り蚂正の䞀臎率は䞡方の蚂正者が同じ蚂正を行った箇所の䞀臎率である$\kappa$係数の蚈算は\citeA{dahlmeier-etal-2013-building}に埓った衚\ref{corpus_agreement}の巊偎にそれぞれの蚂正者間の䞀臎率を瀺す衚\ref{corpus_agreement}より誀り怜出の䞀臎率は\citeA{landis-koch-1977-measurement}の基準におけるsubstantialagreementかなりの䞀臎に該圓し誀り蚂正の䞀臎率はmoderate\mbox{agreement適床な䞀臎}に該圓するしたがっお蚂正者間で誀りの怜出や蚂正は抂ね䞀臎しおいるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{03table08.tex}%\caption{蚂正者間の䞀臎率}\label{corpus_agreement}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%別の芳点からも蚂正者間の䞀臎率を枬る具䜓的には片方の蚂正文を文法誀り蚂正モデルの出力ずみなしもう片方の蚂正文のみを正解ずしお評䟡した時のスコアを求める衚\ref{corpus_agreement}の右偎にそれぞれの蚂正文のスコアを瀺すスコアは$\mathrm{M^2}$scorer\cite{dahlmeier-ng-2012-better}で枬定したPrecisionRecall$\mathrm{F_{0.5}}$を甚いた衚\ref{corpus_agreement}よりどちらの堎合もRecallは玄62\%である蚀い換えるず䟋えば蚂正文2を正解ずした堎合蚂正文2が蚂正した箇所のうち蚂正文1も同じ蚂正をした箇所が玄62\%であるしたがっお玄62\%の蚂正が蚂正者間で䞀臎しおいるこずが分かるたた$\mathrm{F_{0.5}}$はどちらも玄64\%でありこのスコアが文法誀り蚂正モデルのある皮の性胜限界であるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{本評䟡コヌパスのリミテヌション}我々は文法誀り蚂正分野の研究者や開発者が䜿いやすい評䟡コヌパスを䜜成するためERRANTの誀甚タグを䞀郚改倉し本誀甚タグを蚭蚈したしたがっお第二蚀語習埗分野での誀甚タグず倧きく異なる郚分が生じおおり第二蚀語習埗分野の研究者にずっおは䜿いにくい誀甚タグである可胜性がある䟋えば本誀甚タグはERRANTず同様フラットな構造をしおいるが第二蚀語習埗分野での誀甚タグは階局的な構造をずる\cite{dagneaux-etal-1998}たたNAIST誀甚コヌパスやなたねが现かく誀甚タグを蚭蚈しおいるのに察し\footnote{NAIST誀甚コヌパスでは76皮類なたねでは77皮類の誀甚タグを蚭蚈しおいる}本誀甚タグはERRANTの誀甚タグを基に蚭蚈したため17皮類ず比范的粗い\footnote{ERRANTでは25皮類の誀甚タグを蚭蚈しおいるERRANTはルヌルに基づき誀甚タグを付䞎するため誀甚タグがルヌルで蚘述可胜な範囲に限られるたた誀甚タグを现かくするず蚘述するルヌルの数が膚倧になり開発コストが倧幅に増加するそのためERRANTでは開発コストず折り合いを぀け誀甚タグの皮類を抑えおいる}この理由は今埌日本語版ERRANTを開発しやすくするためであるが第二蚀語習埗分野での利甚孊習者の誀甚分析や孊習者ぞのフィヌドバックなどたで考慮するず誀甚タグは现かく蚭蚈される方が望たしい本誀甚タグをより现かくする堎合語圙遞択誀りずコロケヌション誀りを区別するこずなどが挙げられる実際NAIST誀甚コヌパスやなたねでは語圙遞択誀りずコロケヌション誀りを区別しおおり第二蚀語習埗分野で利甚する堎合それらは区別された方が有甚である䞀方日本語版ERRANTの䜜成では語圙遞択誀りずコロケヌション誀りをどのように自動で区別するかが問題ずなる語圙遞択誀りずコロケヌション誀りを区別するにはコロケヌションに関する倖郚知識の利甚\cite{pereira-etal-2016-leveraging}や機械孊習による誀甚タグの付䞎\cite{swanson-yamangil-2012-correction,oyama-etal-2016-nihongo}などを行う必芁があるず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{実隓} 本節では䜜成した評䟡コヌパスで代衚的な文法誀り蚂正モデルを評䟡し今埌の日本語文法誀り蚂正においおベヌスラむンずなるスコアを瀺すたた我々の評䟡コヌパスに加えFLUTECやNAIST誀甚コヌパスも利甚しモデルを倚面的に評䟡した結果を報告するさらに本評䟡コヌパスの誀甚タグを利甚しモデルごずの誀りタむプ別の性胜も調査する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}\label{experimental_settings}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{デヌタセット}衚\ref{gec_dataset_table}に本実隓で䜿甚したデヌタセットを瀺す蚓緎デヌタにはLang-8コヌパス\cite{mizumoto-etal-2013-nihongo}を甚いたただしTEC-JL本研究の評䟡コヌパスずFLUTECに䜿甚されおいる文章は取り陀いたたた\citeA{mizumoto-etal-2013-nihongo}ず同様に蚓緎デヌタには文長制限などを斜し蚓緎時にノむズずなる文察を陀去した\footnote{前凊理に䜿甚したスクリプトはGitHubで公開する}開発デヌタにはFLUTECの開発デヌタを甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{03table09.tex}%\caption{実隓で䜿甚したデヌタセットの詳现}\label{gec_dataset_table}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{性胜評䟡}評䟡デヌタにはTEC-JLに加え\pagebreakFLUTEC\cite{kiyama-etal-2022-nihongo}ずNAIST誀甚コヌパス\cite{oyama-etal-2016-nihongo}を䜿甚したTEC-JLずNAIST誀甚コヌパスはMaxMatch($\mathrm{M^2}$)\cite{dahlmeier-ng-2012-better}で評䟡しFLUTECは\mbox{$\mathrm{GLEU^+}$\cite{napoles-etal-2015-ground,napoles-etal-2016-gleu}}で評䟡した\footnote{英語文法誀り蚂正では慣習的に最小限の蚂正を斜したCoNLL-2014sharedtask評䟡コヌパスは$\mathrm{M^2}$で評䟡し流暢な蚂正を斜したJFLEGは$\mathrm{GLEU^+}$で評䟡しおいるこずを考慮した}たた単語分割誀りが評䟡結果に圱響を䞎えないようにするため文字単䜍で評䟡した報告する党おの倀は4぀の異なるシヌドで蚓緎されたモデルのスコアの平均である各評䟡尺床の詳现は以䞋の通りである\begin{description}\item[$\mathrm{M^2}$\cite{dahlmeier-ng-2012-better}]$\mathrm{M^2}$は文法誀り蚂正においお最も䞀般的な評䟡尺床である$\mathrm{M^2}$ではモデルの出力文が行った線集を参照文の線集ずなるべく倚く䞀臎するように蚈算しPrecisionRecall$\mathrm{F_{0.5}}$を求める文法誀り蚂正ではCoNLL-2014sharedtask以降$\mathrm{F_{1}}$ではなくPrecisionを重芖した$\mathrm{F_{0.5}}$を䜿甚するこずが䞀般的である\footnote{\citeA{ng-etal-2014-conll}は$\mathrm{F_{0.5}}$を採甚した理由に文法誀り蚂正モデルの蚂正をナヌザに受け入れおもらいやすくするには誀った蚂正が少ないこずが重芁であるためず述べおいるたた英語\cite{grundkiewicz-etal-2015-human}やチェコ語\cite{naplava-etal-2022-czech}文法誀り蚂正では$\mathrm{F_{1}}$よりも$\mathrm{F_{0.5}}$の方が人手評䟡ずの盞関が高いこずが瀺されおいるさらに文法誀り怜出ではRecallよりもPrecision重芖のモデルの方が孊習効果を高めるこずが知られおいる\cite{nagata-nakatani-2010-evaluating}}本研究では$\mathrm{M^2}$の蚈算に$\mathrm{M^2}$scorerを䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/nusnlp/m2scorer}}\item[$\mathrm{GLEU^+}$\cite{napoles-etal-2015-ground,napoles-etal-2016-gleu}]$\mathrm{GLEU^+}$は機械翻蚳モデルの評䟡尺床BLEU\cite{papineni-etal-2002-bleu}を文法誀り蚂正甚に改良した評䟡尺床であるBLEUがモデルの出力文ず参照文のN-gramのみを䜿甚するのに察し$\mathrm{GLEU^+}$では原文のN-gramも䜿甚しスコアリングする本研究では$\mathrm{GLEU^+}$の蚈算に\citeA{napoles-etal-2016-gleu}が公開しおいるスクリプトを䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/cnap/gec-ranking}}\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{文法誀り蚂正モデル}幅広いモデルの性胜を調査するため\pagebreak文法誀り蚂正モデルにはSMT\cite{koehn-etal-2003-statistical}及びRNN\cite{luong-etal-2015-effective}CNN\cite{gehring-etal-2017-convolutional}Transformer\cite{vaswani-etal-2017-attention}を甚いるたた䞊蚘のモデルに加え事前孊習枈みモデルBART\cite{lewis-etal-2020-bart}ずT5\cite{raffel-etal-2020-exploring}も䜿甚する実装にはSMTではMoses\cite{koehn-etal-2007-moses}\footnote{\url{https://github.com/moses-smt/mosesdecoder}}を甚いたたたRNNCNNTransformerBARTではfairseq\cite{ott-etal-2019-fairseq}\footnote{\url{https://github.com/facebookresearch/fairseq}}を䜿甚しT5ではTransformers\cite{wolf-etal-2020-transformers}\footnote{\url{https://github.com/huggingface/transformers}}を䜿甚したなお\citeA{mizumoto-2020-nihongo}の実隓結果に基づきSMTRNNCNNTransformerの蚓緎には孊習者文は文字に分割し蚂正文は語圙サむズ16,000で1-gram蚀語モデルに基づくトヌクン化\cite{kudo-2018-subword}を斜したデヌタを䜿甚したたたBARTずT5では事前孊習時の分割に埓った具䜓的にはBARTではJuman++\cite{morita-etal-2015-morphological}で単語分割したのち語圙サむズ32,000で1-gram蚀語モデルに基づくトヌクン化を斜しT5では語圙サむズ32,000で1-gram蚀語モデルに基づくトヌクン化を斜した1-gram蚀語モデルに基づくトヌクン化を行う際の実装にはSentencePiece\cite{kudo-richardson-2018-sentencepiece}\footnote{\url{https://github.com/google/sentencepiece}}を䜿甚した各モデルの蚭定は以䞋の通りである\begin{description}\item[SMT\cite{koehn-etal-2003-statistical}]GIZA++\cite{och-ney-2003-systematic}をアラむメントツヌルに䜿甚しKenLM\cite{heafield-2011-kenlm}を甚いお3-gram蚀語モデルを構築した蚀語モデルの蚓緎には蚓緎デヌタ䞭の蚂正文を䜿甚したたた開発デヌタを甚いおBLEUを最倧化するようにMERT\cite{och-2003-minimum}を行った\item[RNN\cite{luong-etal-2015-effective}]アヌキテクチャは\citeA{luong-etal-2015-effective}のモデルをベヌスにした6局の゚ンコヌダ・デコヌダモデルである゚ンコヌダずデコヌダの単語埋め蟌みは512次元である蚓緎時の最適化方法や掚論時の蚭定は\citeA{kiyono-etal-2020-massive}に埓った\item[CNN\cite{gehring-etal-2017-convolutional}]アヌキテクチャは\citeA{gehring-etal-2017-convolutional}のモデルをベヌスにした6局の゚ンコヌダ・デコヌダモデルである゚ンコヌダずデコヌダの単語埋め蟌みは512次元であるたたカヌネルサむズは3である蚓緎時の最適化方法や掚論時の蚭定は\citeA{kiyono-etal-2020-massive}に埓った\item[Transformer\cite{vaswani-etal-2017-attention}]アヌキテクチャは\citeA{vaswani-etal-2017-attention}の``Transformer(base)''ず同様である具䜓的には6局の゚ンコヌダ・デコヌダモデルであり゚ンコヌダずデコヌダの単語埋め蟌みは512次元である蚓緎時の最適化方法や掚論時の蚭定は\citeA{kiyono-etal-2020-massive}に埓った\item[BART\cite{lewis-etal-2020-bart}]BARTはTransformerに基づく゚ンコヌダ・デコヌダ型の事前孊習枈みモデルである本研究では\citeA{tanaka-etal-2021-nihongo}が公開しおいる日本語BARTを䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/utanaka2000/fairseq/tree/japanese_bart_pretrained_model}}\citeA{tanaka-etal-2021-nihongo}のモデルではテキスト内の0個以䞊のトヌクンを1個の\texttt{[MASK]}トヌクンに眮き換え元のテキストを予枬するtextinfillingタスクを事前孊習に行っおいる衚\ref{example_bart_t5}参照事前孊習甚のデヌタには日本語Wikipediaから抜出した1,800䞇文を䜿甚しおいる゚ンコヌダずデコヌダはそれぞれ6局であり単語埋め蟌みは768次元である蚓緎時の最適化方法や掚論時の蚭定は付録\ref{bart_t5_setting}に蚘茉する\item[T5\cite{raffel-etal-2020-exploring}]T5はTransformerに基づく゚ンコヌダ・デコヌダ型の事前孊習枈みモデルである本研究ではMegagonLabs\footnote{\url{https://megagon.ai}}が公開しおいる日本語T5を䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/megagonlabs/t5-japanese}}T5ではテキスト内の䞀郚トヌクンをそれぞれ別の特殊トヌクンに眮き換え眮き換え元のトヌクンのみを予枬するように事前孊習を行っおいる衚\ref{example_bart_t5}参照事前孊習甚のデヌタにはmC4\cite{raffel-etal-2020-exploring}ずWiki-40B\cite{guo-etal-2020-wiki}の日本語郚分からそれぞれ782GBず2GBのテキストを䜿甚しおいる゚ンコヌダずデコヌダはそれぞれ12局であり単語埋め蟌みは768次元である蚓緎時の最適化方法や掚論時の蚭定は付録\ref{bart_t5_setting}に蚘茉する\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{03table10.tex}%\caption{BART及びT5での事前孊習の䟋\texttt{[MASK]}及び\texttt{<X>}\texttt{<Y>}\texttt{<Z>}は特殊トヌクンである}\label{example_bart_t5}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}衚\ref{tb:over_all_score_no_pseudo_data}に各文法誀り蚂正モデルの性胜を瀺す蚂正なしは入力文をモデル出力ずみなし評䟡した時のスコアである衚\ref{tb:over_all_score_no_pseudo_data}よりCNNはPrecisionが高く䞍必芁な蚂正が他のモデルよりも少ないこずが分かるその結果最小限の蚂正を斜したTEC-JLでは事前孊習枈みモデルであるT5を陀いおCNNの$\mathrm{F_{0.5}}$が最も高くなっおいる䞀方Transformerに加えTransformerに基づくモデルであるBARTやT5はRecallが高いこずが分かるたた流暢な蚂正を斜したFLUTECではTransformerやBARTT5の方が他のモデルよりも$\mathrm{GLEU^+}$スコアが高いしたがっおTransformerを含めTransformerに基づくモデルは流暢な蚂正を行っおいるず考えられる我々はTransformerが流暢な蚂正を行っおいるこずを怜蚌するため各モデルの流暢性を調査した流暢性は入力文ず出力文のパヌプレキシティ比(PPLR)で枬定した具䜓的にはPPLRは以䞋の匏で定矩される\pagebreak\begin{equation}PPLR:=\frac{PPL_{output}}{PPL_{input}}\end{equation}ここで$PPL_{input}$及び$PPL_{output}$はそれぞれ入力文ず出力文のパヌプレキシティであるPPLRは$0$以䞊の倀をずり倀が䜎いほど流暢性が高い぀たり流暢な蚂正を行ったず考えられる本実隓ではパヌプレキシティの枬定にGPT\cite{radford-etal-2018-improving}を䜿甚した\footnote{\url{https://huggingface.co/rinna/japanese-gpt-1b}}たた文法誀り蚂正では入力文の意味を保存し぀぀蚂正する必芁がある\cite{asano-etal-2018-bumposei}そのため入力文ず出力文の間で意味が保存されおいるか意味保存性を入力文ず出力文の文ベクトルのcos類䌌床を甚いお枬定するcos類䌌床は$-1$以䞊$1$以䞋の倀を取り$1$に近いほど入力文ず出力文の間で意味が保存されおいるず考えられる本実隓では入力文ず出力文の文ベクトルの取埗にSentence-BERT\cite{reimers-gurevych-2019-sentence}を利甚した\footnote{\url{https://huggingface.co/sonoisa/sentence-bert-base-ja-mean-tokens-v2}}図\ref{pplr_cos_sim}にTEC-JLにおける各モデルのPPLR及びcos類䌌床を瀺す\footnote{倖れ倀の圱響を軜枛するため5\%トリム平均を甚いた}図\ref{pplr_cos_sim}より流暢性はCNNよりもTransformerの方が高いこずが分かる䞀方意味保存性はTransformerよりもCNNの方が高いしたがっおTransformerは意味保存性を犠牲にしCNNよりも流暢性の高い蚂正を行っおいる\footnote{なおハむパヌパラメヌタ次第ではTransformerでも意味保存性を重芖した蚂正を行う可胜性はあり今埌\citeA{kiyono-etal-2020-massive}の蚭定以倖でも怜蚌する必芁がある}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{03table11.tex}%\caption{各文法誀り蚂正モデルの性胜}\label{tb:over_all_score_no_pseudo_data}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次に各モデルの誀りタむプ別の性胜を衚\ref{recall_score}に瀺す誀りタむプはTEC-JL䞭の割合が$5\%$以䞊の誀りタむプのみを蚘茉したたた誀りタむプ別の性胜にはRecallを甚いた\footnote{誀りタむプ別の性胜を$\mathrm{F_{0.5}}$で評䟡するにはモデル出力に誀甚タグを付䞎し誀りタむプ別のPrecisionを求める必芁がある英語文法誀り蚂正ではERRANTで誀甚タグを自動掚定し誀りタむプ別のPrecisionを求めるこずが可胜であるしかし日本語では公開された自動誀甚タグ付けツヌルがないためRecallで評䟡した}衚\ref{recall_score}より各モデルは綎り誀りの性胜が高いこずが分かるたた助詞誀りの性胜も高くBARTでは$60\%$近くの助詞誀りを蚂正できおいるしたがっお綎り誀りや助詞誀りは日本語文法誀り蚂正モデルにずっお比范的蚂正しやすい誀りタむプである綎り誀りや助詞誀りが蚂正しやすい理由には様々な芁玠があるず思われるが䟋えば孊習者が犯しやすい誀りのため蚓緎デヌタに同様の誀りが倚く存圚するこずなどが考えられる䞀方名詞誀りは各モデルの蚂正性胜が比范的䜎くSMTやRNNCNNでは$10\%$以䞋でありTransformerやBARTT5でも$20\%$から$30\%$皋床である名詞誀りは文脈を考慮しお蚂正する必芁がある堎合が倚いため誀りタむプの䞭でも蚂正性胜が䜎くなったず考えられる英語文法誀り蚂正でも名詞誀りの蚂正性胜は䜎く\cite{bryant-etal-2019-bea}名詞誀りの蚂正性胜向䞊は日本語ず英語で共通の課題である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia3f2.pdf}\end{center}\caption{TEC-JLにおける各モデルのPPLR及びcos類䌌床}\label{pplr_cos_sim}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{03table12.tex}%\caption{TEC-JLにおける各モデルの誀りタむプ別のRecall(\%)}\label{recall_score}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{擬䌌デヌタによる性胜向䞊} 本節では日本語文法誀り蚂正モデルの蚓緎に\pagebreak擬䌌デヌタを䜿甚した堎合の性胜倉化を調査する珟圚文法誀り蚂正で䞻流の゚ンコヌダ・デコヌダモデル\cite{sutskever-etal-2014-sequence,bahdanau-etal-2015-neural}は倧量の蚓緎デヌタを必芁ずする\cite{koehn-knowles-2017-six}しかし文法誀り蚂正に利甚可胜な孊習者デヌタは限られおおり英語文法誀り蚂正では擬䌌デヌタを利甚した゚ンコヌダ・デコヌダモデルの性胜向䞊が䞀般化しおいる\cite{xie-etal-2018-noising,ge-etal-2018-fluency,zhao-etal-2019-improving,grundkiewicz-etal-2019-neural,lichtarge-etal-2019-corpora,lichtarge-etal-2020-data,kiyono-etal-2020-massive,wang-zheng-2020-improving,zhou-etal-2020-improving-grammatical,wan-etal-2020-improving,stahlberg-kumar-2021-synthetic,yasunaga-etal-2021-lm,li-he-2021-data,koyama-etal-2022-tayo}䞀方日本語文法誀り蚂正では擬䌌デヌタが゚ンコヌダ・デコヌダモデルの性胜に䞎える圱響があたり明らかになっおいないそこで本節では既存の擬䌌デヌタ生成手法を適甚し日本語文法誀り蚂正に擬䌌デヌタを甚いた堎合のモデルの性胜倉化を芳察する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}゚ンコヌダ・デコヌダモデルにはRNNCNNTransformerを䜿甚する各モデルのアヌキテクチャや評䟡方法は\ref{experimental_settings}節ず同様である擬䌌デヌタ生成時の生成元コヌパスにはWiki-40Bの日本語Wikipedia郚分から抜出した1,000䞇文を甚いた\citeA{kiyono-etal-2020-massive}に埓い擬䌌デヌタは事前孊習で䜿甚し孊習者デヌタはファむンチュヌニングにのみ甚いたたた事前孊習及びファむンチュヌニング時の蚭定は\citeA{kiyono-etal-2020-massive}に埓った䜿甚する擬䌌デヌタ生成手法は以䞋の通りである\begin{description}\item[Directnoise\cite{zhao-etal-2019-improving}]原文に4぀の線集操䜜削陀挿入眮換シャッフルを行う具䜓的には原文をトヌクンに区切り次の操䜜を確率的に適甚する$(\mathrm{i})$削陀:10\%の確率でトヌクンを削陀する$(\mathrm{ii})$挿入:10\%の確率でトヌクンの埌ろに生成元コヌパス䞭のトヌクンを挿入する$(\mathrm{iii})$眮換:10\%の確率でトヌクンを生成元コヌパス䞭のトヌクンに眮き換える$(\mathrm{iv})$シャッフル:各トヌクンの䜍眮番号に察し正芏分垃から抜出した倀を加え昇順に敎列する本実隓では\citeA{zhao-etal-2019-improving}が公開しおいるスクリプトを䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/yuantiku/fairseq-gec}}\item[Directnoise(ja)\cite{ogawa-yamamoto-2020-nihongo}]Directnoiseが非珟実的な誀りを倚く生成する点を改良しDirectnoiseに日本語孊習者特有の誀り傟向を反映させる具䜓的には原文をトヌクンに区切り次の操䜜を確率的に適甚する$(\mathrm{i})$削陀:助詞を10\%助詞以倖を5\%の確率で削陀するたた送り仮名がある単語では50\%の確率で送り仮名の1文字目を削陀する$(\mathrm{ii})$挿入:5\%の確率で埌ろにトヌクンを挿入する挿入するトヌクンは70\%の確率で助詞セットから30\%の確率で生成元コヌパスから遞択する$(\mathrm{iii})$眮換:助詞を10\%助詞以倖を5\%の確率で眮換する眮換するトヌクンは70\%の確率で助詞セットから30\%の確率で生成元コヌパスから遞択する$(\mathrm{iv})$シャッフル:Directnoiseのシャッフル操䜜を文節単䜍で行う本実隓では\citeA{ogawa-yamamoto-2020-nihongo}が公開しおいるスクリプトを䜿甚した\footnote{\url{https://github.com/youichiro/transformer-copy}}\item[Back-translation\cite{xie-etal-2018-noising}]逆翻蚳モデル\cite{sennrich-etal-2016-improving}を甚いお原文に誀りを生成させる逆翻蚳モデルずは入力ず出力を入れ替えお蚓緎したモデルである文法誀り蚂正の堎合蚂正文を入力ずし孊習者文を出力ずしお蚓緎したモデルになる\citeA{xie-etal-2018-noising}はビヌムサヌチ時毎ステップの各仮説のスコアに$r\beta_{\mathrm{random}}$をノむズずしお加えより倚様な誀りを含むように改良したここで$r$は区間$[0,1]$の䞀様分垃からランダムに遞択される倀であり$\beta_{\mathrm{random}}$はノむズの倧きさを調節するためのハむパヌパラメヌタである本実隓ではTransformerを逆翻蚳モデルに甚い事前実隓においお開発デヌタ䞊で最倧の$\mathrm{GLEU^+}$スコアずなった時の倀である$\beta_{\mathrm{random}}=8$を䜿甚した\item[Round-triptranslation\cite{lichtarge-etal-2019-corpora}]原文を他蚀語ぞ翻蚳しその翻蚳文を原蚀語に翻蚳し盎す本実隓では日本語の原文を英語に翻蚳し生成された英語を日本語ぞ再床翻蚳した日英翻蚳モデル及び英日翻蚳モデルには\citeA{morishita-etal-2022-jparacrawl}のJParaCrawl\cite{morishita-etal-2020-jparacrawl,morishita-etal-2022-jparacrawl}で蚓緎された``Transformer(big)''\cite{vaswani-etal-2017-attention}を䜿甚した\footnote{\url{https://www.kecl.ntt.co.jp/icl/lirg/jparacrawl}}\end{description}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}衚\ref{tb:over_all_score_pseudo_data}に擬䌌デヌタを䜿甚した堎合の各文法誀り蚂正モデルの性胜を瀺す衚\ref{tb:over_all_score_pseudo_data}より擬䌌デヌタを䜿甚するこずで各モデルの性胜が向䞊したこずが分かるTEC-JLではCNNにBack-translationで生成した擬䌌デヌタを甚いた堎合に$\mathrm{F_{0.5}}$が最も高くなったFLUTECずNAIST誀甚コヌパスではTransformerにBack-translationを䜿甚した堎合にそれぞれ$\mathrm{GLEU^+}$スコアず$\mathrm{F_{0.5}}$が最も高くなった党䜓的な傟向ずしおはDirectnoiseずDirectnoise(ja)よりもBack-translationやRound-triptranslationを甚いた方がモデルの性胜が向䞊しおいるこの理由にはBack-translationやRound-triptranslationの方がより倚様な誀りを生成できるこずが考えられるDirectnoiseずDirectnoise(ja)を比范するずDirectnoiseよりもDirect\mbox{noise(ja)}を䜿甚した堎合の方がRecallが向䞊するこずが分かるDirectnoise(ja)は孊習者の犯しやすい珟実的な誀りを発生できるためDirectnoiseよりも孊習者文䞭の誀りを捉えやすくなったず考えられる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[t]\input{03table13.tex}%\caption{擬䌌デヌタを甚いた堎合の各文法誀り蚂正モデルの性胜\textbf{倪字}は各モデルでの最高性胜を衚す}\label{tb:over_all_score_pseudo_data}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%図\ref{error_type_with_pseudo_data}に擬䌌デヌタで事前孊習した堎合の各文法誀り蚂正モデルの誀りタむプ別の性胜を瀺すここで事前孊習なしは擬䌌デヌタを甚いず孊習者デヌタのみで蚓緎したモデルの性胜を衚す図\ref{error_type_with_pseudo_data}より党おの擬䌌デヌタ生成手法で助詞誀りの蚂正性胜が事前孊習なしの堎合のよりも向䞊しおいるこずが分かる助詞誀りは孊習者が犯しやすい誀りタむプであるため\cite{oyama-etal-2016-nihongo}党おの擬䌌デヌタ生成手法で性胜が向䞊したこずは奜たしい結果であるたたRNNではDirectnoise(ja)を䜿甚した堎合に句読点誀りの蚂正性胜が他の手法よりも向䞊しおいるTransformerではBack-translationを䜿甚した堎合に綎り誀りの蚂正性胜が他の手法よりも向䞊した䞀方CNNでは綎り誀りの蚂正性胜がBack-translationを䜿甚しおも向䞊しおおらずRound-triptranslationの堎合のみ向䞊しおいるたた動詞の掻甚誀りの蚂正性胜に関しおCNNでは党おの擬䌌デヌタ生成手法で性胜が向䞊しおいるがRNNやTransformerでは性胜を䜎䞋させる擬䌌デヌタ生成手法があるしたがっおどのような擬䌌デヌタ生成手法が有効かはモデルのアヌキテクチャに䟝存するこずが瀺唆され今埌より詳现な分析が必芁である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.3\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{30-2ia3f3.pdf}\end{center}\caption{擬䌌デヌタを利甚した堎合の各文法誀り蚂正モデルのRecall(\%)}\label{error_type_with_pseudo_data}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.4\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{30-2ia3f4.pdf}\end{center}\caption{TEC-JLにおける擬䌌デヌタ量を倉化させた時の$\mathrm{F_{0.5}}$}\label{f0.5_score}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[t]\input{03table14.tex}%\hangcaption{TEC-JLにおける擬䌌デヌタ量文察数を倉化させた時の誀りタむプ別のRecall(\%)Δは擬䌌デヌタなしの性胜からの各擬䌌デヌタ量での差分を衚す}\label{error_type_with_each_data_size}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{擬䌌デヌタ量が性胜に䞎える圱響}擬䌌デヌタ量が蚂正性胜に䞎える圱響をより詳现に調べるため擬䌌デヌタ量を倉化させた時のモデルの性胜を調査した具䜓的には擬䌌デヌタ量を1M3M5M7M10Mず倉化させた時の性胜を調査した図\ref{f0.5_score}にTEC-JLにおける擬䌌デヌタ量を倉化させた時の$\mathrm{F_{0.5}}$を瀺す本実隓では衚\ref{tb:over_all_score_pseudo_data}でTEC-JLにおいお最高性胜であるCNNを文法誀り蚂正モデルに䜿甚しBack-translationによる擬䌌デヌタを甚いた図\ref{f0.5_score}より擬䌌デヌタ量の増加ずずもにモデルの性胜は向䞊するこずが分かるこれは英語文法誀り蚂正での\citeA{kiyono-etal-2020-massive}や\mbox{\citeA{wan-etal-2020-improving}}の報告ず敎合性のある結果である次に誀りタむプ別の性胜はどのように倉化するかを調べる衚\ref{error_type_with_each_data_size}に擬䌌デヌタ量を倉化させた時の誀りタむプ別のRecallを瀺す\mbox{衚\ref{error_type_with_each_data_size}}よりほずんどの堎合擬䌌デヌタなしの時に比べ擬䌌デヌタを䜿甚した時の方が誀りタむプ別の性胜も向䞊するこずが分かるたた助詞誀りや助動詞の遞択誀りなどは擬䌌デヌタ量が1Mの時ず比べ10MではRecallが2\%皋床䞊昇しおいる䞀方綎り誀りでは擬䌌デヌタなしの時よりも10Mの時の方が性胜が䞋がっおいるたた句読点誀りの性胜は擬䌌デヌタ量が1Mず10Mの時でほずんど倉わっおいないこの理由にはBack-translationでは綎り誀りや句読点誀りを䞊手く生成できおいないこずが考えられ擬䌌デヌタにより性胜が向䞊しやすい誀りタむプずそうでない誀りタむプが存圚するこずが分かった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本研究では日本語文法誀り蚂正のための誀甚タグ付き評䟡コヌパスを構築した孊習者文にはLang-8コヌパスの日本語孊習者文を利甚し䞀貫した蚂正基準に基づき蚂正を斜したたた文法誀り蚂正分野の研究者や開発者が䜿いやすい評䟡コヌパスずするため評䟡コヌパスの仕様を英語文法誀り蚂正で代衚的なコヌパスやツヌルに寄せた本評䟡コヌパスが日本語文法誀り蚂正の研究促進に寄䞎するこずを期埅する実隓では6皮類の代衚的な文法誀り蚂正モデルを評䟡し今埌の日本語文法誀り蚂正においおベヌスラむンずなるスコアを瀺した今埌の課題ずしおは日本語版ERRANTの開発が挙げられる本実隓では誀りタむプ別の性胜評䟡にRecallを甚いたがモデルをより粟緻に評䟡するにはPrecisionも考慮した$\mathrm{F_{0.5}}$で評䟡するこずが望たしい誀りタむプ別の$\mathrm{F_{0.5}}$を求めるにはモデル出力に誀甚タグを付䞎し誀りタむプ別のPrecisionを求める必芁があるしかし日本語ではERRANTのような自動誀甚タグ付けツヌルが存圚せず人手での誀甚タグ付けはコストが高いしたがっお日本語版ERRANTを開発しモデルの誀りタむプ別の性胜を$\mathrm{F_{0.5}}$で評䟡可胜にする必芁がある%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgmentLang-8のデヌタを提䟛しおくださった株匏䌚瀟Lang-8の喜掋掋氏に感謝申しあげたす%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{03refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\appendix \section{BART及びT5の蚭定} \label{bart_t5_setting}衚\ref{optimaization_setting}にBART及びT5のハむパヌパラメヌタず掚論時の蚭定を瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[h]\input{03table15.tex}%\caption{BART及びT5のハむパヌパラメヌタず掚論時の蚭定}\label{optimaization_setting}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{小山碧海}{%2021幎東京郜立倧孊システムデザむン孊郚システムデザむン孊科情報通信システムコヌス卒業2023幎東京郜立倧孊倧孊院システムデザむン研究科情報科孊域博士前期課皋修了同幎KDDI株匏䌚瀟入瀟及び東京郜立倧孊倧孊院システムデザむン研究科情報科孊域博士埌期課皋進孊珟圚に至る}\bioauthor{喜友名朝芖顕}{%2021幎東京郜立倧孊システムデザむン孊郚システムデザむン孊科情報通信システムコヌス卒業2023幎東京郜立倧孊倧孊院システムデザむン研究科情報科孊域博士前期課皋修了同幎ダフヌ株匏䌚瀟入瀟珟圚に至る}\bioauthor{小林賢治}{%2021幎東京郜立倧孊システムデザむン孊郚システムデザむン孊科情報通信システムコヌス卒業2023幎東京郜立倧孊倧孊院システムデザむン研究科情報科孊域博士前期課皋修了同幎NEC゜リュヌションむノベヌタ株匏䌚瀟入瀟珟圚に至る}\bioauthor{新井矎桜}{%2017幎垝京倧孊倖囜語孊郚倖囜語孊科卒業2020幎銖郜倧孊東京珟東京郜立倧孊倧孊院システムデザむン研究科情報科孊域博士前期課皋修了同幎フュヌチャヌ株匏䌚瀟入瀟珟圚に至る}\bioauthor{䞉田雅人}{2014幎県立広島倧孊経営情報孊郚経営孊科卒業2016幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋終了.同幎日本マむクロ゜フト株匏䌚瀟入瀟2018幎理化孊研究所革新知胜統合研究センタヌ入所2021幎東北倧孊倧孊院情報科孊研究科博士埌期課皋修了博士情報科孊同幎東京郜立倧孊システムデザむン孊郚特任助教2022幎株匏䌚瀟サむバヌ゚ヌゞェントAILabリサヌチサむ゚ンティスト珟圚に至る蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{岡照晃}{%2010幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊課皋卒業2012幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2013幎より日本孊術振興䌚特別研究員(DC2)を経お2015幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了博士工孊同幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科特定研究員2016幎囜立囜語研究所蚀語倉化研究領域プロゞェクト非垞勀研究員同幎同研究所コヌパス開発センタヌ特任助教2021幎東京郜立倧孊システムデザむン孊郚特任助教2023幎䞀橋倧孊゜ヌシャル・デヌタサむ゚ンス研究科特任助教珟圚に至る}\bioauthor{小町守}{%2005幎東京倧孊教逊孊郚基瀎科孊科科孊史・科孊哲孊分科卒業2007幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2008幎より日本孊術振興䌚特別研究員(DC2)を経お2010幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了博士工孊同幎同研究科助教2013幎銖郜倧孊東京珟東京郜立倧孊システムデザむン孊郚准教授2022幎同倧孊同孊郚教授2023幎䞀橋倧孊゜ヌシャル・デヌタサむ゚ンス研究科教授珟圚に至る情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\clearpage\clearpage\end{document}
V28N01-04
\section{はじめに} 本皿では『分類語圙衚』\cite{WLSP-2004}に察する反察語・察矩語情報付䞎に぀いお論じる分類語圙衚は単語の意味をその語矩に基づいお分類しおいる分類語圙衚の初版の曞籍は1964幎に出版され増補改蚂版の曞籍が2004幎に出版されたこの増補改蚂版をもずにしたCSV圢匏のデヌタベヌス分類語圙衚増補改蚂版デヌタベヌス以䞋『分類語圙衚DB』が公開されおいる同デヌタは区切り蚘号を含めお101,070゚ントリからなる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[b]\input{03table01.tex}\caption{分類語圙衚の構造}\label{tbl:ex-wlsp}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[b]\begin{center}\input{03table02.tex}\caption{分類語圙衚の項目「最倧」}\label{tbl:wlsp}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚\ref{tbl:ex-wlsp}に分類語圙衚の構造を瀺す分類語圙衚の単語・語矩は分類番号・段萜番号・小段萜番号・語番号が割り圓おられおいるこれらの番号が語の階局的なクラスタを構成しおいる分類番号は語の統語分類を衚す類ず意味分類を衚す郚門・䞭項目・分類項目により構成されおいる分類語圙衚のピリオドより前の数字が類をピリオドの埌1ケタの数字が郚門を2ケタが䞭項目を4ケタが分類項目を衚す衚\ref{tbl:wlsp}に「最倧」分類番号1.1920の䟋を瀺すここで最初の1は統語分類の類「䜓」を衚すピリオドより埌の.1920が意味分類を衚し最初の.1が郚門「関係」.19が䞭項目「量」.1920が分類項目「皋床・限床」を衚す分類語圙衚の意味の階局構造は反察語(opposites)・反矩語(antonyms)も含めた類矩語(synonyms)\footnote{本皿では類矩語(synonyms)$\supset$反察語・察矩語(opposites)$\supset$反矩語(antonyms)ずする反察語・察矩語の定矩に぀いおは\ref{subsec:related:ling}節で論じる以降反察語・察矩語を含めお「反察語」ず呌ぶ}に察しお同じラベルを割り圓おる䟋えば衚\ref{tbl:ex-wlsp}の小段萜番号1.1920-01-01には「最倧」$\Leftrightarrow$「最小」ず「最倚」$\Leftrightarrow$「最少」ずいった単語察が反察語だず考えられる反察語は基本的には二項察立の単語察に察しお認めるものであるが䞉項察立のものに察しお認めるものもある本研究では分類語圙衚の類矩語に察する反察語情報を倧芏暡に付䞎するたず反察語ず少しでも考えられる単語察を人手で分類語圙衚から抜出した次に展開した反察語察候補ずランダムに抜出した単語察を文字刺激ずしお反察語らしさの評定倀をクラりド゜ヌシングにより収集したさらにクラりド゜ヌシングにより\modified{正順呈瀺・逆順呈瀺のいずれかで}50\%以䞊の方が反察語であるず認識した語察に぀いお反察語の分類情報を付䞎したこれらのデヌタベヌスに぀いお反察語の分類ごずの評定倀情報・コヌパス頻床・単語ベクトルの傟向に぀いお調査した\ref{sec:related}節では蚀語孊における反察語の関連研究ず蚀語凊理における極性分析などに぀いお瀺す\ref{sec:method}節に反察語情報の付䞎方法を瀺し\ref{sec:analysis}節に分析結果を瀺す\ref{sec:summary}節にたずめず今埌の課題に぀いお瀺す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} \label{sec:related}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{関連研究蚀語孊の芳点から}\label{subsec:related:ling}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{Cruseの反察語(opposites)の分類}反察語(opposites)は様々な定矩があり䜕を反察ず考えるのかずいう基準や評䟡はいただ明確ではない\citeA{Cruse-1994}の蚀及によるず反察語(opposites)は盞補語(complementaries)・逆語(converses)・反転語(reversives)・反意語(antonyms)を含む䞀般的な抂念であり\begin{enumerate}\item察立的な反察性(diametricopposition)\item二倀性(binarity)\item䞊䜍抂念における包括性(exhaustivenessofsuperordinatedomain)\item察称性(symmetry)\end{enumerate}などが特城ずしおあげられるしかし反察語ず呌ばれるものがこれらのすべおの特城を備えおいるわけではないこずに蚀及しおいる䟋えば反察語察(huge,tiny)は(large,small)ず比べお䞊䜍抂念における包括性は䜎い方向における反察語(directionalopposition)は空間における動䜜も含めお定矩しやすいずされる\cite{Cruse-1986}方向から発展しお連想により定矩されるものも含たれる\footnote{基準の瀺し方においおは内包的な定矩もあれば倖延的な蚘述などさたざたな手法がある䟋えば\citeA{Cruse-1994}においおは\begin{itemize}\item盞補語(complementaries)「Xであるこず」が「Yでないこず」ず同倀である堎合にXずYは盞補ず蚀う\item逆語(converses)倉数A,Bをずる関数$F^{X}(A,B)$が成り立぀堎合か぀その堎合にのみ$F^{Y}(B,A)$が成り立぀ずきXずYは逆語ず蚀う\end{itemize}のように内包的に定矩するものもあれば\begin{itemize}\item盞補語の䟋(dead,alive)\item逆語の䟋(isabove,isbelow)\end{itemize}のように倖延的な蚘述もある䜆し\cite{Cruse-1994}はすべおの反察語の抂念を内包的に定矩もしくは倖延的に蚘述するこずは難しいずも蚀及しおいる}以䞋にさたざたな反察語に぀いお瀺す\begin{itemize}\item察蹠語(antipodal)䜕らかの軞の䞡端に䜍眮するものから発展しお䞡極ずしお察になる衚珟䟋(top,bottom),(maximum,minimum)\item察照語(counterparts)䜍眮的に察照的なものから発展しお抂念的・文化的に察になる衚珟䟋(ridge,groove),(hill,valley),(male,female),(heaven,hell),(yin,yang)\item反転語(reversives)反察方向ぞの動䜜や倉化を瀺す動詞など䟋(rise,fall),(appear,disappear),(enter,leave)\item逆語(converses)2぀の察象の盞察的な関係を衚す察䟋(above,below),(ancestor,descendant)(doctor,patient)\end{itemize}反察性に関わる極性(polarity)には圢態䞊あるいは論理䞊のほか䜕らかの特城の有無評䟡的なポゞティブネガティブがあるずしおいる\citeA{Cruse-1994}によれば反察語は䞊蚘のような二項察立だけでなく䞉項以䞊の察立(lackofcongruence)も含たれるたた反察語の䞭で反意語(antonyms)は尺床の察立に関連する狭い範囲の語察を衚す\citeA{Cruse-1986}の定矩では\begin{enumerate}\item段階的なもの(gradable)でほずんどは圢容詞であり䞀郚動詞を含む(mostareadjectives;afewareverbs)\item䜕らかの倉数の皋床(degreesofsomevariableproperty)\item皋床を衚す尺床に沿っお反察の方向性がある(oppositedirectionsalongthescalerepresentingdegrees)\item語察により厳密に領域を2分しない(thetermsofapairdonotstrictlybisectadomain)\end{enumerate}ず二項察立性や䞊䜍抂念における包括性などを厳密に芏定しない぀たり閉じた察ではなく開いた察であるず蚀えるなお\cite{Murphy-2003}は反意語(antonym)の䞋䜍分類に(1)contrary,(2)complementary(contradictory),(3)converse,(4)reversiveずしたうえで(3),(4)に皮々の雑倚な䟋䞀般に方向関連を含める%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{村朚の「察矩語」の分類}日本語においおは\citeA{村朚-1987}が反意語(antonyms)よりも広い意味で「察矩語」を捉えるずし\begin{enumerate}\item盞補関係に基づく反矩察ある条件䞋で抂念の領域を分割する察\item䞡極性に基づく反矩察ものごずの察極を名付けた単語の察立\item皋床性をも぀反矩察空間量重量スピヌドずいったものごずの属性や性質をあらわす単語の察立倚くは圢容詞\item芖点がらみの反矩察(a)同䞀の察象や過皋が2぀の異なる芖点から名付けられた単語察(b)互いに他を前提ずしおなりたっおいる単語察\item倉化に関わる反矩察(a)ある空間を考慮しお互いに逆方向に移動するこずを含意する単語察(b)状態の倉化に関䞎するもので互いにもずの状態にもどる関係の単語察\end{enumerate}を挙げるCruseの反意語(antonyms)は抂ね村朚の「皋床」にあたるずいえる䞉項以䞊の察立の単語察や盞反するずはいえない偎面の単語察も含めるこのほか察比が反察の意識になったず考えられる単語察を開いた察矩察ず䜍眮付け二倀性・党䜓-郚分・二偎面・文脈に䟝存する反矩察・慣甚句による反矩察などを挙げるたた村朚が閉じた察ず区別しお開の察に分類する「郜䌚田舎」などがCruseでは方向性で説明される開閉の区別はないほか「盞補」関係ず考えられる「衚裏」のような察や「倉化」にあたる察は反転語(reversives)「芖点がらみ」の察は逆語(converses)の扱いずされ反察を持぀察の分類は倧きく異なる詳现に぀いおは\ref{subsec:label:anno}節に瀺す実際にどのような察が反察ず認識されおいるのかどのようなタむプの察が反察ず認識されおいるのか理論䞊の分類で反察の意識の説明が可胜であるのか実態からの調査や分析が埅たれる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{反矩性の調査}反察語においお䜕が「反察」なのかを解明するため蟞曞やコヌパスから収集した反察語察の関係性や反矩性の床合を調査する詊みがなされおいる反察語察における反矩性の匷さに぀いおも議論や調査がなされおきたたずえば\citeA{Herrmann-1979}は反意語(antonyms)の皋床の違いを実隓的に調査し関係性の類䌌が項目の類䌌よりも反察性に関わるずした\citeA{Herrmann-1986}は疑念構造を反意語(antonym)察の芁因ずし速さ明るさ匷さ倧きさ幅䟡倀厚さのような抂念次元を基盀ず考える\citeA{Cruse-1986}は䞀次元で抂念化できるこず察立で意味が蚀い぀くされおいるこずその他の意味に関しお䞀臎床が高いこずなどが圱響するずいう\citeA{村朚-1987}は䞀次元の尺床で察立するこず぀りあいが察立で蚀い぀くされおいるこず文脈の䞍芁性同皮類品詞・語皮・文䜓的特城・共通語圢郚分を挙げおいる反矩性の良し悪しをコヌパス調査産出実隓心理実隓などから怜蚌\cite{Paradis-2009}する詊みも芋られるがいずれの芁玠も反矩性の刀断に圱響しおいる可胜性が考えられるずはいえ䜕がどれだけ圱響しおいるのかは明確ではない日本語の反察語の実態的な調査の䟋には\citeA{荻野-1988,荻野-1996}による「通垞の日本語話者が考えおいる」反察語の報告がある165反察語察の反矩性刀断実隓を行ったもので結果から䞀般的な「察比」の意識は雑倚で個人差があるものの意味関係よりも珟実䞖界のモノの関係でずらえられ二項察立の単語察に反矩性の意識が匷い傟向が分析されおいるたた日本語の反察語の皋床性に぀いおは\citeA{束本-2007}が138反察語察の反矩性刀断実隓の結果に基づき反矩性の皋床を方向性ず極性の抂念的な察立の芳点から分析しおいる察比的な比范においお方向性が顕著な単語察で反矩性が高く刀断される傟向ず肯定性・吊定性の皋床が関わる傟向が瀺された䜆し\citeA{Cruse-2004}は(doctor,patient)のような単語察に぀いお内圚する二項察立を考えるが\citeA{束本-2007}は極性の明確さが芁因ず分析するたた方向性に関する単語察では「䞡端開攟型スケヌル」\footnote{䞡偎開攟型の䟋ずしお(倧きい,小さい)(長い,短い)片偎開攟型の䟋ずしお(無害の,有害の)(同じ,違う)䞡偎閉鎖型の䟋ずしお(満杯の,空の)(真っ癜な,真っ黒な)があげられる}で反矩性刀断皋床が高いずいう結果も埗られおいるこれらの日本語を甚いた先行研究はいずれも癟数十単語察芏暡の実隓であるが珟実䞖界のモノの関係・比范においお方向性が顕著ずいう点においお䞀臎しおいるずいえる\citeA{村朚-1987}が「皋床」に分類する圢容詞察いわゆるCruseの「反意語」(antonyms)で反察性の匷い可胜性も考えられる反察語ず認識されおいる察を網矅的に収集した怜蚌が求められようなお\citeA{荻野-1996}では提瀺順を逆転させた調査においお165単語察䞭15単語察においお反察語らしさの倧小が異なっおいたこの珟象の理由ずしお先に読んだ語に耇数の反察語が意識される堎合単語察の反察語意識が䜎䞋する傟向を分析しおいる\citeA{Paradis-2009}の調査でも反察語察間の結び぀きの匷さが連想の起点ずする語によっお倉わる䟋が瀺され想起される䜿甚文脈ずの関係によるず指摘されおいるしかし提瀺順の違いによる反察語らしさの違いが先に瀺された語の倚矩性のみで党お説明されるのではない\citeA{荻野-1996}は提瀺順の逆転で反察語らしさが異なっおいた(以前,以埌)(侊,例)などの単語察はあおはたらないずし「前埌」「䞊䞋」のような熟語の圱響を吊定しおいる%「調べたい」らしい反察性の意識が語の提瀺順で異なる䟋に぀いおどの皋床どのような皮類ずしお存圚するか調査し反察性の意識に関わる芁因を確かめる必芁があろう%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{関連研究蚀語凊理の芳点から}\label{subsec:related:nlp}以䞋では䞻に単語埋め蟌み\cite{Mikolov-2013a,Mikolov-2013b}を含めた分垃意味論における反察語の扱いに぀いお玹介する\citeA{mohammad-etal-2013-computing}は分垃意味論で構成される単語の類矩性評䟡においお反察語同士の分垃意味論的な距離が近いずころに出珟するずしおおり\citeA{ono-etal-2015-word,rothe-schutze-2015-autoextend}は単語の察矩関係を単語埋め蟌みから刀断するのは難しいずしおいる䞀方\citeA{mikolov-etal-2013-linguistic}がword2vec䞊のlinguistic\modified{regularity}の䟋に出した$$\vec{king}-\vec{man}+\vec{woman}=\vec{queen}$$におけるmale/female関係は閉じた察矩関係にあるずも蚀えるだろう日本語においおは単語埋め蟌み䞭にも反察語間で文脈的な差異があるずしお単語埋め蟌み䞊での識別を詊みた研究もある\cite{䜐藀-2016,䞭村-2018,䞭村-2019,川島-2019}が䞻ずしお評䟡的なポゞティブネガティブを察象ずしおおり蚀語孊的に粟緻な反察語の調査は行われおいない\citeA{村朚-1987}においおは(man,woman)や(king,queen)\footnote{(king,queen)は「最高支配者」ずいう領域においお盞補}は盞補(complementation)に盞圓する閉じた反察語察である\citeA{mikolov-etal-2013-linguistic}の䟋ではmale/femaleの䟋ずしお(uncle,aunt)を瀺しおおりこれも盞補に盞圓する反察語察\footnote{(uncle,aunt)は「父母のきょうだいもしくは父母のきょうだいの配偶者」ずいう領域においお盞補}である䞀方芖点(viewpoints)に盞圓するuncleの反察語ずしおnephewやnieceが考えられる\citeA{束本-2007}においおは(man,woman)は非関係的であるが(king,queen)・(uncle,aunt)・(uncle,nephew)・(uncle,niece)は関係的であるこれらの先行研究からはたしお単語埋め蟌み䞊で反察語察がどのように衚珟されるのか適切に収集した反察語デヌタベヌスに基づく怜蚌が求められようさらに\citeA{村朚-1987}の「察矩語」の分類ごずに異なる差ベクトルを持぀のかを怜蚌したい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{デヌタ構築方法} \label{sec:method}日本語の反察語察を収集し䞀般的な日本語話者による反察語かどうかの刀断を取埗する反察語の定矩ずしお䞀般的な日本語話者に察しお質問玙調査を行った際の「反察語である」の刀定が50\%以䞊のものを「反察語」ずするたた反察語ずしお埗られた察の分析を行い先行研究で瀺された傟向を倧芏暡なデヌタで怜蚌するずずもに反察語ずされる単語察のタむプ分類ず反察語ず認識されやすいタむプに぀いおの調査も詊みる具䜓的なデヌタ構築方法は次のずおりである最初に分類語圙衚から反察語に盞圓する候補を人手により収集した\ref{subsec:label:ext}節次にクラりド゜ヌシングにより反察語であるか吊かの評定倀情報を収集した\ref{subsec:label:crowd}節最埌に人手により\citeA{村朚-1987}による反察語のタむプ村朚においおは「察矩語」を付䞎した\ref{subsec:label:anno}節%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{反察語察候補の抜出}\label{subsec:label:ext}4人の䜜業者により分類語圙衚の階局構造においお同じラベルを持぀ものを察象に反察語察候補の抜出を行ったたず\modified{4人の䜜業者により}小段萜番号が同じ単語矀\modified{の組み合わせ162,990察}から\modified{反察語}候補察を抜出した次に\modified{2人の䜜業者が}段萜番号が同じ単語矀\modified{の組み合わせ842,459察}から\modified{反察語}候補察を抜出した\modified{この際小段萜番号が同じ単語矀においお挏れがあった堎合には远加した}抜出にあたっおは「䞉省堂反察語察立語蟞兞」に採録されおいる単語察に぀いおも参照した抜出䜜業は2017幎6月に開始し2018幎11月に終了した本䜜業で7,658の反察語察を抜出した3,405語察は小段萜番号が同じ単語矀から4,253語察は段萜番号が同じ単語矀から抜出したものであった%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クラりド゜ヌシングによる評定倀情報}\label{subsec:label:crowd}\ref{subsec:label:ext}節で抜出した7,658反察語察候補にランダムで远加した4,342の単語察\footnote{小段萜番号が同じ単語矀からランダムに2語をフィラヌ候補察ずしお抜出した}をあわせた12,000単語察を察象ずしお䞀般の方が反察語ずしお認識するかどうかの評定倀をYahoo!クラりド゜ヌシングにより収集した\modified{実隓察象者は20歳以䞊のYahoo!JapanIDを所持する者ずした実隓に際し䞍適切な回答を行う実隓䞍適切者の排陀を行ったが性別・圚䜏地などによる統制は行っおいない}図\ref{fig:crowd}に評定倀情報収集画面の䟋を瀺す反察語の皋床を「察矩語・反察語でない」・「察矩語・反察語であるが眮き換え䞍可」・「察矩語・反察語であり眮き換え可」の3択から遞択させた「察矩語・反察語でない」は単語察に察矩語・反察語性を芋いだせないずきに遞択する「察矩語・反察語であるが眮き換え䞍可」は単語察に察矩語・反察語性があるが栌亀代などにより文脈によっおは眮き換えができないずきに遞択する眮き換え䞍可の䟋ずしお「にを加算する」$\Leftrightarrow$「からを枛算する」を瀺した「察矩語・反察語であり眮き換え可」は単語察に察矩語・反察語性があり眮き換えができるずきに遞択する眮き換え可の䟋ずしお「北」$\Leftrightarrow$「南」ず「暑い」$\Leftrightarrow$「寒い」を瀺した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{28-1ia3f1.pdf}\end{center}\caption{クラりド゜ヌシングによる評定倀情報収集画面}\label{fig:crowd}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\modified{単語察の呈瀺順ずしお分類語圙衚䞊のIDの昇順に瀺したもの正順呈瀺ず降順に瀺したもの逆順呈瀺の2皮類を蚭定した}クラりド゜ヌシングは2回に分けお実斜した1回目は2018幎12月17日8:03〜21:25に行い1,597人が参加し18時間21分を芁した2回目は2019幎11月22日8:03〜24日7:40に行い1,753人が参加し47時間43分を芁した費甚は皎別で40䞇円を芁した各単語察は順方向20人・逆方向20人評䟡を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{反察語タむプアノテヌション}\label{subsec:label:anno}クラりド゜ヌシングにより\pagebreak実隓協力者50\%以䞊の方が\modified{正順呈瀺・逆順呈瀺のいずれかで}「察矩語・反察語である」眮き換えの可䞍可問わずの5,538単語察を評䟡察象ずしたラベル分類は閉じた察・開いた察を確認しながら\citeA{村朚-1987}の分類にならった䜆し反察語ず評䟡された察には\citeA{村朚-1987}では瀺されおいない関係性の察が存圚するこずや反察性が芋いだせない分類䞍胜こずなどが予想されたため閉開ずもに「その他」のラベルを蚭定した閉じた察のタむプは以䞋の通り\begin{itemize}\item{\bf盞補}(\modified{complementation}):ふた぀の単語XずYがある条件䞋で抂念の領域を分割する察䞀方が肯定されれば他方が吊定される䞭間段階を認めない\\䟋(男,女)(父,母)(侊,例)(裏,衚)(真,停)(等しい,異なる)(同じ,違う)(出勀,欠勀)(合栌する,萜第する)(匕き受ける,断る)\\䜆し人間の刀断にかかわる関係に぀いおはどちらも吊定可胜で厳密ではない堎合がある\footnote{䟋賛成-反察の䞭間に「保留」信じる-疑うは「信じもしないし疑いもしない」があり埗る}\item{\bf䞡極}(bipolar):連続的であれ䞍連続的であれものごずの䞡極に䜍眮する郚分の察䞭間段階が存圚する\\䟋(満点,零点)(最高,最䜎)(最倧倀,最小倀)(頂侊,ふもず)(倩,地)(始発駅,終着駅)(開䌚,閉䌚)(入孊,卒業)(始たる,終わる)\item{\bf皋床}(degree):ものごずの属性や性質をあらわし倚くは圢容詞皋床を特城づける副詞類「ずおも」「少し」などず共起する察察立するふた぀の語の意味領域は厳密には別れない差は盞察的䞭間点は倚くの堎合存圚しない$\neq$䞡極が䞀方の吊定は他方の肯定を意味しない$\neq$盞補䟋(倧きい,小さい)(高い,䜎い)(重い,軜い)(早い,遅い)(暑い,寒い)(きれいな,汚い)(安党,危険)(積極的,消極的)(うれしい,悲しい)(倪った,やせた)\item{\bf芖点}(viewpoints):珟実の察象䞖界に属さず人間の察象のずらえかたに関わる察\begin{itemize}\item同䞀の察象や過皋がふた぀の異なる芖点から名づけられた単語のあいだに成立\\䟋(䞊り坂,䞋り坂)(入口,出口)(スタヌト地点,ゎヌル地点)(いく,くる)(売る,買う)(貞す,借りる)(教える,教わる)\item互いに他を前提ずしお成立\\䟋(芪,子)(倫,劻)(先生,生埒)(医者,患者)(垫匠,匟子)\end{itemize}\item{\bf倉化}(change):\begin{itemize}\itemある空間を考慮しお互いに逆方向に移動する䜍眮の倉化が逆方向関係\\䟋(あがる,さがる)(぀く,離れる)(到着,出発)\item状態の倉化に関䞎し互いにもずの状態に戻る可逆的関係\\䟋(珟れる,消える)(結ぶ,ほどく)(芚える,忘れる)(積む,䞋ろす)(生産,砎壊)(着衣,脱衣)(暖める,冷やす)(のばす,ちぢめる)\end{itemize}\end{itemize}開いた察はものごずのふた぀の偎面をずりだしお察比し反矩性を感じる察である文脈に䟝存するが二倀性や䞡極性が認容される\begin{itemize}\item{\bf兞型2倀}(representative):ある察象にふた぀しかないなどふた぀がものごずの兞型である察\\䟋(和宀,掋宀)(郜䌚,田舎)\item{\bf郚分党䜓}(whole-part):さししめしおいる察象の関係が党䜓ず郚分である察\\䟋(埀埩,片道)(䞡手,片手)\item{\bf2偎面}(twosided):ものごずのふた぀の偎面に泚目した察\\䟋(たお,よこ)(æ°Žå¹³,垂盎)(䞀般,特殊)\item{\bf慣甚}(idiom):慣甚句ずしお反矩性をも぀ず感じられる察\\䟋(気を倱う,我にかえる)((気が)はれる,(気が)ふさぐ)(骚をおる,骚をおしむ)\item{\bfその他開}(others):䞊蚘以倖のもの\end{itemize}最初に3人の䜜業者が独立に䜜業を行った関係性の刀定においおも反察性の考え方には個人差が生じるこずになる\modified{3人の刀定が完党に䞀臎したのは1,539察(27.8\%)2人の刀定が䞀臎したのは2,625察(47.4\%)であり3人ずも䞀臎しなかったのは1,374察(24.8\%)であった}2人以䞊䞀臎した\modified{4,164察(75.2\%)}に぀いおは䞀臎したものを最終結果ずしお採甚したなお特に刀定が䞀臎しなかったものは閉の「盞補」「䞡極」「皋床」597察ず開425察の刀定である刀定が䞀臎しなかったものに぀いおは4人目の刀定を远加するずずもに「その他開」は傟向により次の3぀のタむプを導入し最終結果ずした\begin{itemize}\item{\bf終了}(finished):継続しおいた状態ずその終了を瀺す語の察終わった状態であれば「盞補」関係が成立するため問題はないが(授乳,離乳)のような反察語察においおは刀定が䞀臎しおいなかったほかに(進捗,停滞)などがある\item{\bf䞻副別}(main-sub):䞀方が䞻であるものの「盞補」や「䞡極」「郚分党䜓」ずも刀定し難い(本流,支流)(盎行する,迂回する)などで刀定揺れが生じおいた\item{\bf因果}(cause-effect):䞀方が原因ずなる単語察に付䞎した(におう,脱臭する)や因果関係を瀺す(起因する,結果する)のような単語察で刀定が䞀臎しおいなかった\end{itemize}最終的に「その他開」が付䞎されおいる察はその他の反矩でないが反察語ず半数以䞊に刀定された類矩語察反矩ではあるが態が異なり反察ず認められなかった単語察䟋(銖が぀ながる,銖にする)である%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{分析} \label{sec:analysis}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{察応する反察語数の分析}\label{subsec:analysis:1ton}たず反察語察は必ずしも1察1察応しおいるわけではなく1察倚察応しおいる堎合がある衚\ref{tbl:1ton}に1぀の反察語に察応する反察語数の分垃反察語であるず\modified{の}認定が\modified{正順呈瀺・逆順呈瀺のいずれかで}50\%以䞊のもののみを瀺す9,286語\footnote{分類語圙衚番号が異なる語を別語ずした堎合の反察語察のいずれかの芁玠になる異なり語数}䞭88\%の8,184語が1察1察応しおいるが残りの12\%は耇数の反察語を持぀%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3and4\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{153pt}\setlength{\captionwidth}{153pt}\input{03table03.tex}\hangcaption{1぀の反察語に察応する反察語数の分垃}\label{tbl:1ton}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{252pt}\input{03table04.tex}\caption{耇数の反察語に察応する䟋}\label{tbl:1ton2}\end{minipage}\vspace{-1\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\citeA{Cruse-1986}は反察語を共有するずいう合同関係に基づく合同類(congruencevariants)に぀いおの怜蚎を行っおいるCruseは反察語の合同類を䞊䜍䞋䜍型(`hypo-/super'type)ず逆元なし型(`semi-'type)の2皮類に分けたうえで前者のみが頻出するずしおいる日本語では䞊䜍反察語ずしお「脱ぐ」の䟋「着る」「かぶる」「履く」「はく」「穿く」を瀺しおおり本デヌタベヌス䞊でも確認できた衚\ref{tbl:1ton}本デヌタベヌス䞊で芋られたそのほかの䟋ずしお性差・芖点のものがあった䟋えば衚\ref{tbl:1ton2}に瀺すずおり「ホステス」「ホスト」「ゲスト」はそれぞれ互いに反察語の関係にあるが性差の関係ずしおの盞補ず䞻客の関係ずしおの芖点の関係がある動詞の䟋ずしおは「婿取りする」が芖点ずしお「婿入りする」や兞型ずしお「嫁ずりする」などの反察語を持぀衚\ref{tbl:1ton-example}に察応する反察語数が倚い甚䟋を瀺す分類語圙衚に含たれる類矩の慣甚衚珟が倚い堎合に1぀の反察語に察応する語数が倚い傟向が確認できたたた動詞においお自他亀代した事䟋が出珟する傟向も芋られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{03table05.tex}\caption{察応する反察語数が倚い甚䟋}\label{tbl:1ton-example}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{反察語デヌタベヌスを構成する語の倚矩性}次に反察語の倚矩性に぀いお怜蚎する倚矩性を怜蚎するにあたりWLSP2UniDic分類語圙衚番号-UniDic語圙玠番号察応衚\footnote{\url{https://github.com/masayu-a/WLSP2UniDic/}}\cite{wlsp2unidic}を甚いる反察語察に出珟する分類語圙衚の語に察しおUniDicの語圙玠番号ず察応をずったうえでUniDic偎からみお分類語圙衚の語矩が䜕皮類割り圓おられおいるかを集蚈したものずその䟋を衚\ref{tbl:polysemous}に瀺す語矩数の欄が「-」ずあるのは分類語圙衚ずUniDicの単䜍が異なるために察応する芁玠がないもの3,050䟋である残りの6,232䟋䞭59\%の3,651䟋がUniDicの語圙玠単䜍に単矩の語であった残りの41\%は倚矩性を持ち倚いものでは「掛ける」が12の語矩を持぀\modified{ここでは}耇数の反察語に察応する倚矩語の䟋ずしお「甘い」を衚\ref{tbl:polysemous:amai}を瀺す「難易」「埅遇」「味」の3぀の語矩に察しお「厳しい」ず「蟛い」が反察語ずしお察応しおいるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{03table06.tex}\caption{反察語デヌタベヌスを構成する語の倚矩性}\label{tbl:polysemous}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{03table07.tex}\caption{倚矩語「甘い」の反察語}\label{tbl:polysemous:amai}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[t]\input{03table08.tex}\caption{クラりド゜ヌシングによる評定倀の集蚈結果}\label{tbl:crowd:rate}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{クラりド゜ヌシングによる評定倀の分析}\label{subsec:analysis:crowd}たず衚\ref{tbl:crowd:rate}にクラりド゜ヌシングによる評定倀の集蚈結果に぀いお瀺す候補倖の単語察に察しお83.8\%の回答が「反察語でない」である䞀方反察語候補の単語察に察しおは34.3\%小段萜䞀臎候補・35.9\%段萜䞀臎候補であった「反察語でない」の刀断においおは小段萜䞀臎ず段萜䞀臎の差は1.6\%$(35.9\%-34.3\%)$であったしかしながら「眮き換え可」か吊かに぀いおは小段萜番号䞀臎のほうが段萜番号䞀臎よりも5.6\%(42.4\%$-$36.8\%)\modified{倧きな倀}であった小段萜番号䞀臎のほうが眮き換え可胜性が高い傟向がみられる100\%反察語であるず刀断された䟋は可決$\Leftrightarrow$吊決眮き換え可87.5\%寒流$\Leftrightarrow$暖流眮き換え䞍可85\%であった\modified{衚\ref{tbl:crowd:dist}に反察語察候補毎の評定倀の分垃を瀺す割合は10\%単䜍に四捚五入したなおアノテヌション察象である正順呈瀺・逆順呈瀺のいずれかが50\%以䞊反察語である芁玠数は小段萜䞀臎候補2,465察段萜䞀臎候補3,008察候補倖65察であった}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[t]\input{03table09.tex}\caption{反察語察候補毎の評定倀の分垃}\label{tbl:crowd:dist}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{03table10.tex}\caption{正順ず逆順ずで「反察語でない」の刀断が分かれる事䟋}\label{tbl:crowd:reverse}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%クラりド゜ヌシングの評䟡は呈瀺順序を正順ず逆順の2パタヌンそれぞれ20人評䟡した衚\ref{tbl:crowd:reverse}に正順ず逆順で「反察語でない」の刀断が分かれる事䟋を瀺すたずえば「ぷりぷりする」「にこにこする」の正順で呈瀺した堎合には70\%の回答が「反察語でない」であったが逆順で呈瀺した堎合には10\%にたで小さくなったほかの事䟋ずしお性差(淑女,玳士)のほうが(玳士,淑女)よりも反察語性があがる倧小(小錓,倧錓)のほうが(倧錓,小錓)よりも反察語性があがるなどの傟向がみられた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{分類語圙衚番号による分析}\modified{本デヌタベヌスは分類語圙衚をもずにしお構成されおおり分類語圙衚の意味情報に基づく怜蚎が可胜である}衚\ref{tbl:result:wlsp}に分類語圙衚の分類番号ごずの集蚈結果頻床䞊蚘10䜍たでを瀺す\modified{頻床最䞊䜍の2.3100}蚀語掻動は「口を開く」などの慣甚衚珟が倚く含たれおいるために頻床が高くなっおいる\modified{それ以倖に぀いおは2.1580増枛倉化閉・1.1730方向芖点閉䞡極閉盞補閉兞型開など・1.1770内倖盞補閉の衚珟が倚く反察語ずしお芋られた}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{03table11.tex}\caption{分類語圙衚ごずの集蚈頻床䞊䜍10䜍たで}\label{tbl:result:wlsp}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{反察語のタむプによる分析}アノテヌションした反察語のタむプによる集蚈結果を衚\ref{tbl:crowd:type}に瀺す頻床で最も倚いものは盞補であり次いで倉化・皋床・䞡極ず閉じた反察語察が倚くみられた衚は「反察語でない」の回答が少ない順にならべたが閉じた察が開いた察よりも「反察語である」ず刀断されやすい傟向が確認できた開いた察の䞭では2偎面が「反察語である」ず刀断されやすい傟向がみられた眮き換え可胜性は皋床閉・盞補閉・䞡極閉・2偎面開などで高い傟向が確認された\modified{䞀般に閉じた反察語察のほうが眮き換え可胜性が高い傟向があるが倉化閉や芖点閉などは栌亀替を行う可胜性が高く眮き換え可胜性が䜎くなったず考えられる}たた正順ず逆順ずでの「反察語でない」の刀断の差分は䞻副別開で若干高くなる傟向がみられた衚\ref{tbl:crowd:reverse}の結果ずあわせお考えるず副から䞻ぞの方向のほうが反察語ずしお認定されやすい傟向がうかがえる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table12\begin{table}[t]\input{03table12.tex}\caption{反察語のタむプに基づく集蚈「反察語でない」昇順}\label{tbl:crowd:type}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{コヌパスのUni-gram頻床による分析}次に『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)䞊のUni-gram頻床ずの察照比范を行う囜語研短単䜍(SUW)に基づく頻床比の察数「SUW察数頻床比」\footnote{SUW察数頻床比単語察䞭の短単䜍に基づく単語Aの頻床1以䞊を短単䜍に基づく単語Bの頻床1以䞊で割ったものの自然察数をずり絶察倀をずったものLUW察数頻床比は長単䜍に基づいお同様の蚈算を行ったもの母集団が同じため察数尀床比に盞圓する2単語の頻床が同じ堎合は0頻床の差があるほど倧きな倀になる}ず囜語研長単䜍\pagebreakに基づく頻床の察数比「LUW察数頻床比」により単語察の2単語の頻床に差があるか吊かを算出する算出された頻床の差がクラりド゜ヌシングによる「正順ず逆順の差分」\modified{ず盞関があるのか}を怜蚌する察象は「反察語である」が50\%以䞊であり単語察の双方がBCCWJの短単䜍・長単䜍に基づく頻床情報を持぀頻床1以䞊の2,747\modified{察}ずするたず「SUW察数頻床比」ず「正順ず逆順の差分」のSpearman盞関係数を単語察ごずに評䟡したずころ盞関係数が0.051($p<0.01$)ず盞関がみられなかった「LUW察数頻床比」ず「正順ず逆順の差分」に぀いおもSpearmanの盞関係数0.054($p<0.01$)ず同様の結果であったこのこずから\modified{反察語性刀断における呈瀺順序の遞奜性を衚す}「正順ず逆順の差分」は頻床に基づく差異ず関連がないずいうこずがわかる\modified{なお察数頻床比に方向性を䞎えた蚭定でも怜蚎したが盞関係数SUW0.004LUW0.003いずれも$p<0.01$ず盞関は芋られなかった}衚\ref{tbl:freq}にタむプごずの察照結果を瀺す芖点・兞型・2偎面などの反察語察は頻床差がない傟向がみられるが倉化・郚分党䜓・䞻副別・因果に぀いおは頻床差がある傟向がみられた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table13\begin{table}[b]\input{03table13.tex}\caption{反察語タむプずコヌパス䞊のUni-gram頻床差}\label{tbl:freq}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table14\begin{table}[b]\input{03table14.tex}\caption{反察語のタむプずコヌパス䞊の反察語察の生起順序の頻床差}\label{tbl:bifreq}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{\modified{コヌパス䞭の生起順序による怜蚎}}\modified{次に『囜語研日本語りェブコヌパス』(NWJC)䞊の生起順序ずの察照比范を行う反察語察の2芁玠が1文䞭に共起する甚䟋䞭においおその生起順序の頻床比の察数\footnote{1文䞭に反察語察の芁玠AずBがこの順に出珟した頻床を芁玠BずAの順に出珟した頻床で割ったものの自然察数をずり絶察倀をずったもの}により生起順序に差があるか吊かを算出する算出された頻床の差がクラりド゜ヌシングによる「正順ず逆順の差分」ず盞関があるのかを怜蚌する察象は「反察語である」が50\%以䞊であり単語察の双方が正順ず逆順ずもにNWJCäž­1文以䞊共起する2,725察ずする察数頻床比ず「正順ず逆順の差分」のSpearman盞関係数を評䟡したずころ盞関係数が0.011($p<0.01$)ず盞関がみられなかったこのこずから反察語性刀断における呈瀺順序の遞奜性を衚す「正順ず逆順の差分」はコヌパス䞭の生起順序ず関連がないずいうこずがわかるなお察数頻床比に方向性を䞎えた蚭定でも怜蚎したが盞関係数$-0.008$($p<0.01$)ず盞関は芋られなかった衚\ref{tbl:bifreq}にタむプごずの察象結果を瀺す皋床・2偎面・終了などの反察語察は頻床差がない傟向がみられるが䞡極・芖点・兞型2倀・慣甚・その他開に぀いおは頻床差のある傟向がみられた}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{単語埋め蟌みによる分析}本小節では『囜語研日本語りェブコヌパス』\cite{Asahara-2014}から蚓緎した単語埋め蟌みモデルNWJC2vec\cite{nwjc2vec}においお反察語察がどのように衚珟されるかを怜蚌する「反察語である」が50\%以䞊であり単語察の双方がNWJC2vecに基づく単語埋め蟌みを有する2,809単語察を分析察象ずしたNWJC2vecのモデルずしおfastText\cite{fastText}で蚓緎した300次元のskip-gramのものを甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table15\begin{table}[b]\input{03table15.tex}\caption{反察語察のコサむン類䌌床ずクラりド゜ヌシングによる眮き換え可胜性}\label{tbl:word2vec}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%たず単語察間の距離を評䟡した眮き換え可の回答ず盞関分析反察語察ごずを行ったずころSpearman盞関係数は0.286($p<0.05$)であった\modified{このこずからヒトが感じる眮き換え可胜性ず単語埋め蟌み䞊の類䌌床ずに䞭皋床の盞関があるこずがわかる}衚\ref{tbl:word2vec}にタむプごずのコサむン類䌌床の平均ずクラりド゜ヌシングによる眮き換え可胜性の評定倀の平均の比范を瀺す\modified{反察語察の2単語の類䌌床が高いのは2偎面・慣甚・兞型2倀など開いた反察語察であったこのこずから狭矩においおは反矩でなくおも単語ベクトルで確認できる前埌文脈の類䌌性からヒトは反矩性を感じるのではないかず考えられる閉じた察の䞭では芖点のコサむン類䌌床が高かった衚珟ずしお栌亀替が考えられるものの単語埋め蟌みが捉えられる範囲においおは前埌文脈の類䌌性が高かった可胜性がある}\deleted{次に単語察間の差ベクトルを評䟡した反察語察による差ベクトル間のコサむン類䌌床を評䟡したずころ平均0.945䞭倮倀0.954ず高い類䌌床が確認されたこのこずから$\vec{king}-\vec{man}+\vec{woman}=\vec{queen}$の前提ずなる$\vec{king}-\vec{queen}\sim\vec{man}-\vec{woman}$が䞀般に成り立぀こずが䌺えるたた差ベクトル集合に察しお䞻成分分析・クラスタ分析k-means法・tSNE法による可芖化などにより分析しおみたが反察語タむプごずの差ベクトルの違いはみられなかった以䞊の芳察から察矩関係の差ベクトルを前提ずする$\vec{king}-\vec{man}+\vec{woman}=\vec{queen}$の挔算にみられる反察語察間の差ベクトルの類䌌性は確認できたしかしながら今回導入した反察語タむプごずに差ベクトルが異なるかに぀いおは明確な区別は確認できなかった}\modified{たた反察語察をなす各語のベクトルや反察語察の差ベクトルに぀いおも䞻成分分析・クラスタ分析・tSNE法による可芖化などにより分析を行ったが反察語タむプごずの違いに぀いお特段の傟向が芋られなかった今埌他の単語埋め蟌み手法などを甚いおさらなる調査を進めたい}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} \label{sec:summary}本皿では『分類語圙衚』に察する反察語情報付䞎に぀いお瀺した人手により『分類語圙衚』より反察語候補を収集したうえでクラりド゜ヌシングによりヒトが反察語ず刀定するか吊かを収集し\modified{正順呈瀺・逆順呈瀺のいずれかで}50\%以䞊の方が反察語ず刀定したものを反察語ず定矩した反察語ずしお埗られた単語察に察しお\citeA{村朚-1987}の反察語タむプを付䞎した開いた反察語察に぀いおは新たに「終了」「䞻副別」「因果」を導入し粟緻化を行った分析においおは認知蚀語・蚀語凊理の䞡面の分析を進めたたずクラりド゜ヌシングにおいお順序を倉えお呈瀺した堎合に反察語察ず認識する割合が異なるものを䞭心に分析し䞻副・性差・倧小においお非察称性がみられるこずを確認した分類語圙衚の分類項目による分析においおは増枛・方向・内倖・倉化・埀埩・進行などの反察語衚珟が倚いほか蚀語掻動・人物・家族などにも反察語衚珟が倚いこずを確認した反察語のタむプごずの分析においおは閉じた反察語察のほうが開いた反察語察よりも反察語ずしお認識されやすい傟向を確認したコヌパス頻床の分析においおは反察語察ずしおの認識に非察称性がみられるものが頻床によるものではないずいうこずを確認した最埌に単語埋め蟌みによる分析においおは\modified{眮き換え可胜性がベクトル空間䞊のコサむン類䌌床ず䞭皋床の盞関がある}こず\deleted{ず反察語察の差ベクトル同士が高いコサむン類䌌床平均0.945を有しおおり$\vec{king}-\vec{man}+\vec{woman}=\vec{queen}$のような挔算が近䌌的に可胜であるこず}を確認した\deleted{しかし反察語タむプごずに異なる差ベクトルをも぀ずいう珟象に぀いおは確認できなかった}本デヌタは\url{https://github.com/masayu-a/WLSP-antonym}よりクリ゚むティブコモンズラむセンスBY-NC-SA3.0で公開する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究の䞀郚は囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの拡匵・統合・自動化に関する基瀎研究」JSPS科研費17H0091718H05521,18K18519,19K00591,19K00655の助成を受けおいたす%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.6}\bibliography{03refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{加藀祥}{%2011幎神戞倧孊人文孊研究科博士埌期課皋修了2012幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクトPDフェロヌ同プロゞェクト非垞勀研究員2020幎より目癜倧孊倖囜語孊郚専任講垫博士文孊日本語孊䌚日本認知蚀語孊䌚日本認知科孊䌚各䌚員}\bioauthor{浅原正幞}{%2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授2019幎より同教授博士工孊蚀語凊理孊䌚日本蚀語孊䌚日本語孊䌚各䌚員}\bioauthor{森山奈々矎}{%2018幎接田塟倧孊孊芞孊郚英文孊科卒業2018〜2020幎囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ技術補䜐員}\bioauthor{荻原亜圩矎}{%2019幎接田塟倧孊孊芞孊郚英文孊科卒業珟圚同倧孊院文孊研究科修士課皋に圚孊䞭2019幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ技術補䜐員}\bioauthor{山厎誠}{%1984幎筑波倧孊倧孊院文芞・蚀語研究科蚀語孊専攻日本語孊単䜍取埗退孊同幎囜立囜語研究所研究員珟圚同蚀語倉化研究領域教授博士孊術蚀語凊理孊䌚日本語孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V31N02-12
\section{はじめに} やさしい日本語ずは語圙や文法に制限を加えた倖囜人や高霢者など倚くの人にずっおわかりやすい日本語のこずである珟圚の日本では倚様な囜籍の圚留倖囜人玄300䞇人\footnote{\url{https://www.moj.go.jp/isa/content/001381744.pdf}}が生掻しおおりこのような日本語非母語話者に察する情報䌝達の手段ずしおやさしい日本語の掻甚およびやさしい日本語ぞのテキスト平易化の技術\cite{alva-manchego-etal-2020-data}が期埅されおいるテキスト平易化ずは文の意味を保持し぀぀難解な文を平易に蚀い換えるタスクのこずであるテキスト平易化は非母語話者\cite{wreo15332}や子ども\cite{belder-2010,kajiwara-2013}倱語症などの蚀語障害を持぀人々\cite{1998Practical,Dyslexia,autism}の文章読解を支揎し他の自然蚀語凊理タスク\cite{chandrasekar-etal-1996-motivations,Silveira2012EnhancingMS,stajner-popovic-2016-text}の性胜を改善する近幎の研究ではテキスト平易化を同䞀蚀語内の機械翻蚳の問題ずしお扱い\cite{alva-manchego-etal-2020-data}難解な文ず平易な文からなるパラレルコヌパスを甚いお系列倉換モデル\cite{vaswani-2017}を蚓緎する本研究では日本語を察象にテキスト平易化モデルを蚓緎および評䟡するためのパラレルコヌパスを構築するパラレルコヌパスに基づくデヌタ駆動のテキスト平易化は英語を䞭心にドむツ語\cite{klaper-etal-2013-building,sauberli-etal-2020-benchmarking}やむタリア語\cite{brunato-etal-2016-paccss}など倚くの蚀語で研究されおいる英語では非母語話者向けのSimpleWikipediaや専門家によっお子䟛向けに曞かれたニュヌス蚘事から文アラむメントによっお自動構築されたパラレルコヌパス\cite{coster-kauchak-2011-simple,xu-etal-2015-problems,jiang-etal-2020-neural}が公開されおいる日本語では孊生やクラりドワヌカにより平易化されたSNOW\footnote{\url{https://www.jnlp.org/GengoHouse/snow/t15}}\cite{maruyama-yamamoto-2018-simplified,katsuta-yamamoto-2018-crowdsourced}やテキスト平易化の専門家によっお平易化されたJADES\footnote{\url{https://github.com/naist-nlp/jades}}\cite{hayakawa-etal-2022-jades}があるSNOWは教科曞などの日本語文\footnote{\url{http://www.edrdg.org/wiki/index.php/Tanaka_Corpus}}を非専門家が文単䜍で平易化した倧芏暡なパラレルコヌパスであるSNOWの平易化は䜜者らによっお定矩された基瀎語圙2,000語\footnote{\url{https://www.jnlp.org/GengoHouse/list/語圙}}に基づくためこの語圙で網矅できない衚珟に぀いおは华っおわかりにくい蚀い回しが芋られるそのためSNOWに含たれる䜎品質な文察を陀倖するパラレルコヌパスフィルタリング\cite{hatagaki-etal-2022-parallel}が研究されおいるJADESはWMT20\cite{barrault-etal-2020-findings}日英ニュヌス翻蚳タスクの怜蚌・評䟡甚サブセットを専門家が文単䜍で平易化した小芏暡なパラレルコヌパスである衚~\ref{tab:corpus_kind}に瀺すように既存の日本語テキスト平易化パラレルコヌパスには高品質か぀倧芏暡なコヌパスは存圚しない本研究では高品質か぀倧芏暡な日本語のテキスト平易化パラレルコヌパスを構築するために日本語のWeb蚘事ずその専門家による平易化版の蚘事察から人手で文アラむメントをずる我々が構築したテキスト平易化パラレルコヌパスの1.6䞇文察に぀いお分析したずころ本コヌパスは既存の倧芏暡コヌパスであるSNOWよりも倚様な平易化操䜜を含み専門家が構築したJADESよりも解釈性ず正確性の高い平易化が行われおいるこずを確認できたたたMATCHAで蚓緎したテキスト平易化モデルはSNOWで蚓緎したモデルに比べお解釈性ず正確性の高い平易化ができるこずを確認した本研究で構築した日本語のテキスト平易化パラレルコヌパスMATCHAはGitHub\footnote{\url{https://github.com/EhimeNLP/matcha}}で公開した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table1\begin{table}[t]\input{11table01.tex}%\caption{日本語テキスト平易化コヌパスの特城}\label{tab:corpus_kind}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{関連研究} label{sec:previous}テキスト平易化のためのパラレルコヌパスの構築には倧きく2皮類の方法がある䞀方は所䞎の文を人手で平易に曞き換える方法で他方は難解\footnote{以降パラレルコヌパスのうち盞察的に難しい方を難解な蚘事や文盞察的に易しい方を平易な蚘事や文ず呌ぶ}な蚘事ず平易な蚘事の蚘事察の䞭から文アラむメントによっお意味的に察応する難解文ず平易文の文察を抜出する方法である前者はコストが高いため䞻に数千文察の芏暡の評䟡甚コヌパスの構築\cite{xu-etal-2016-optimizing,scarton-etal-2018-simpa,alva-manchego-etal-2020-asset}に甚いられる埌者は比范的䜎コストであるため英語\cite{coster-kauchak-2011-simple,xu-etal-2015-problems,jiang-etal-2020-neural}・ドむツ語\cite{klaper-etal-2013-building,sauberli-etal-2020-benchmarking}・むタリア語\cite{brunato-etal-2016-paccss}など倚くの蚀語においおテキスト平易化の蚓緎甚パラレルコヌパスを構築するために採甚されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{他蚀語のテキスト平易化コヌパス}\label{sec:previous_corpus}英語ではWikipedia\cite{coster-kauchak-2011-simple}やNewsela\cite{xu-etal-2015-problems}のパラレルコヌパスがTF-IDFに基づく自動的な文アラむメントによっお構築されおいるたた深局孊習を甚いお文アラむメントを改善した高品質か぀倧芏暡版のWiki-AutoやNewsela-Auto\cite{jiang-etal-2020-neural}も公開されおいる英語以倖の蚀語においおはドむツ語では障害者向けのWebサむト\cite{klaper-etal-2013-building}やニュヌス蚘事\cite{sauberli-etal-2020-benchmarking}から文アラむメントによっおテキスト平易化のパラレルコヌパスが構築されおいるむタリア語ではWebテキストに察するリヌダビリティ枬定\cite{brunato-etal-2016-paccss}によっお難解なテキストず平易なテキストを分類した䞊で自動的な文アラむメントによっおテキスト平易化のパラレルコヌパスが構築されおいる本研究でも同様に難解な蚘事ず平易な蚘事の察を甚いおテキスト平易化パラレルコヌパスを構築するしかし先行研究ずは異なり本研究では蚓緎甚コヌパスを含む党おの文アラむメントを人手で行い高品質なパラレルコヌパスを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{日本語のテキスト平易化コヌパス}\label{sec:ja_simp_corpora}日本語のテキスト平易化コヌパスにはSNOW\cite{maruyama-yamamoto-2018-simplified,katsuta-yamamoto-2018-crowdsourced}およびJADES\cite{hayakawa-etal-2022-jades}があるSNOWは教科曞や歌詞などの文で構成される田䞭コヌパス$^4$の日本語文を孊生やクラりドワヌカなどの非専門家が文単䜍で平易化しお構築したパラレルコヌパスであるSNOWの平易化は䜜者らによっお定矩された基瀎語圙2,000語$^5$に基づくためこの基瀎語圙で網矅できない衚珟に぀いおは华っおわかりにくい蚀い回しが芋られる䟋えば「゚ミリヌは倕食に\textbf{豆腐}をたべた。」を「゚ミリヌは倕食に\textbf{氎に぀けた怍物で䜜った癜く柔らかいもの}を食べた。」ず曞き換えおいる䟋があるJADESはWMT20\cite{barrault-etal-2020-findings}日英ニュヌス翻蚳タスクの怜蚌・評䟡甚サブセットの䞀郚を専門家が文単䜍で平易化しお構築した小芏暡なパラレルコヌパスである平易文の難易床ずしおは日本語胜力詊隓\footnote{\url{https://www.jlpt.jp/}}の旧3玚を基準ずしお採甚しおいるこれは日本語非母語話者が日垞的なコミュニケヌションの際に必芁ずなる基本的な日本語を理解できる難易床でCEFR(CommonEuropeanFrameworkofReferenceforLanguages)のB1玚に盞圓する衚~\ref{tab:corpus_kind}にも瀺したように既存の日本語テキスト平易化パラレルコヌパスには高品質ず倧芏暡を䞡立したコヌパスは存圚しない本研究では専門家による平易化に基づき日本語のテキスト平易化のための高品質か぀倧芏暡なパラレルコヌパスを構築する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{MATCHAコヌパスの構築} label{sec:matcha}本研究では図~\ref{fig:matcha}のように蚪日芳光客向けメディアMATCHA\footnote{\url{https://matcha-jp.com/}}から日本語のテキスト平易化のための高品質なパラレルコヌパスMATCHAコヌパスを構築する以降\ref{sec:simple}節ではMATCHAのやさしい日本語の蚘事に぀いお\ref{sec:preprocess}節では前凊理に぀いお\pagebreak\ref{sec:alignment}節では文アラむメントに぀いおそれぞれ説明するなお前凊理および文アラむメントは本皿の著者である4人の倧孊生日本語母語話者が䜜業した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.1\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia11f1.pdf}\end{center}\caption{MATCHAコヌパスず文アラむメントの抂芁}\label{fig:matcha}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{やさしい日本語の蚘事に぀いお}\label{sec:simple}MATCHAは日本を蚪れる旅行者に向けお芳光・グルメ・文化など日本の情報を玹介する蚘事をWeb䞊に掲茉しおいるMATCHAの蚘事は日本語だけでなく英語や䞭囜語など10蚀語で曞かれおおり専門家\footnote{日本語教育胜力怜定詊隓に合栌埌海倖で日本語教垫ずしお勀務}によっお曞かれたやさしい日本語の蚘事も含たれるMATCHAのやさしい日本語蚘事は日本語胜力詊隓新4玚盞圓旧3玚盞圓の文法や単語を甚いお通垞の日本語蚘事を曞き換えお䜜成されおいる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{蚘事の前凊理}\label{sec:preprocess}本研究では2015幎4月から2023幎3月たでの8幎間に公開されたMATCHAの蚘事のうちタむトルおよび本文のテキストを甚いお日本語のテキスト平易化のためのパラレルコヌパスを構築するたず同じ内容に぀いお曞かれたURLに含たれる蚘事IDが䞀臎する日本語の蚘事およびやさしい日本語の蚘事の察を抜出し以䞋の前凊理を斜す%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{蚘号の削陀}HTMLタグ空癜文字本文䞭に含たれる装食蚘号●,■,□,・,,※を削陀した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{文分割}本文のテキストに察しお「。」「」「」の文末蚘号の埌に改行を入れ自動的に文分割を行ったただし括匧内のテキストには文分割を適甚しなかったたた改行の次の単語が助詞ずなる堎合にも文分割を適甚しなかったこれは䟋えば「しおみたいずいう人は」ずいうテキストにおいお「」の䜍眮で文分割するのは適切ではないず考えたためであるここで品詞の刀定にはMeCab(IPADIC)\footnote{\url{https://taku910.github.io/mecab/}}\cite{kudo-etal-2004-applying}を䜿甚した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{スタむルの調敎}以䞋の1から4を人手で行い最埌に5を自動的に実行したなおこの䜜業は4人の䜜業者が分担しお進めたが誀字の認定や䟋文の認定は䜜業者によっお刀断が揺れ埗るため1から3は党䜜業者の同意を埗おから実行した\begin{enumerate}\item誀字脱字の修正\item泚釈蚘号や段萜番号を削陀\footnote{文単䜍の平易化を扱う本研究では文倖の情報を参照しない}\item䟋文を鉀括匧で囲む\item挢字の読み仮名を削陀\item本文のうち文末蚘号を含たない文を削陀\end{enumerate}たた無䜜為に遞択した10蚘事察1,123文に぀いおこれらの前凊理の䜜業者間の䞀臎率を適合率および再珟率によっお評䟡したその結果党おの䜜業者間においお0.95以䞊のF倀であり䞀貫した基準で前凊理を実斜できおいるこずを確認した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table2\begin{table}[t]\input{11table02.tex}%\caption{スタむル調敎の具䜓䟋\underline{\bf{䞋線}}は远加する修正\protect\sol{\bf{取り消し線}}は削陀する修正を衚す}\label{tab:edit_format}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%衚~\ref{tab:edit_format}にスタむル調敎の具䜓䟋を瀺す誀字脱字がある堎合は修正し䞍芁な括匧や泚釈蚘号読み仮名は削陀し文䞭の䟋文には括匧を付䞎した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{文アラむメント}\label{sec:alignment}難解な蚘事ず平易な蚘事の察の䞭から意味的に察応する文察を人手で抜出し\pagebreak文単䜍のパラレルコヌパスを構築する文アラむメントの抂芁に぀いおは図\ref{fig:matcha}に瀺すなお平易な蚘事が難解な蚘事を曞き換えお䜜成されおいるこずをふたえお䜜業者は難解文を起点ずしお察応する平易文を探すここで曞き換えは文単䜍で行われおいるわけではないため党おの難解文に察しお意味的に完党に察応する平易文が存圚するわけではないこずに泚意されたいそこで英語の先行研究\cite{hwang-etal-2015-aligning,kajiwara-komachi-2016-building,jiang-etal-2020-neural}に埓い完党䞀臎および郚分䞀臎の䞡方の文アラむメントをずるたた同じ理由で難解文ず平易文の察応関係が1文察1文になるずは限らないため文の分割1察n,$n>1$および融合m察1,$m>1$も考慮するただし本研究では文単䜍のテキスト平易化を察象ずするため耇数文同士の察応m察nは扱わないなお文アラむメントの遞択肢が耇数存圚する堎合は蚘事䞭の文の盞察䜍眮が近い方を遞択する無䜜為に遞択した5蚘事察難解文223文平易文280文に぀いお文アラむメントの䜜業者間の䞀臎率をFleiss'kappa\cite{fleiss-1971-kappa}を甚いお蚈算したその結果䞀臎率は$\kappa=0.90$であり䞀貫した基準で文アラむメントを実斜できおいるこずを確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table3\begin{table}[b]\input{11table03.tex}%\hangcaption{コヌパスの統蚈情報文の平均文字数文の平均単語数単語難易床に぀いおは垞に他のコヌパスずの統蚈的有意差りェルチ怜定における$p<0.05$が認められた}\label{tab:statistics}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{MATCHAコヌパスの分析} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{統蚈情報}衚~\ref{tab:statistics}にSNOWJADESおよびMATCHAのコヌパスの統蚈情報を瀺す前凊理ずしお党おの英数字や蚘号カタカナを半角に倉換しルヌルベヌスの文分割\footnote{\url{https://github.com/wwwcojp/ja_sentence_segmenter}}およびMeCab(IPADIC)による単語分割を実斜したなおMATCHAは完党䞀臎$11,847$件のうち$11,000$件および郚分䞀臎$5,098$件のうち$5,000$件を無䜜為に遞択しおコヌパスを構築したたず語圙サむズに泚目するず平易化によっおSNOWずJADESの語圙サむズが倧幅に枛少しおいる䞀方でMATCHAの平易文は語圙サむズ\footnote{MATCHAは倚くの固有名詞を含むがIPADIC以倖の蟞曞を単語分割に甚いるなどの特別な凊理はしおいない}が倧きいこれはSNOWずJADESは基瀎語圙を甚いるなどの語圙制限を行っおいるがMATCHAは厳密に語圙を制限しおいないためであるず考えられる文の平均文字数および平均単語数,平均文節数からはJADESが長文でありSNOWが短文であるこずがわかるこの差はドメむンの違いに起因するず考えられるたた平易化によっおJADESずMATCHAの文長が短くなる䞀方でSNOWは長くなっおいるこれはSNOWの語圙制限が圱響しおいるず考えられるSNOWでは語圙制限により\ref{sec:ja_simp_corpora}節で䟋瀺した「豆腐→氎に぀けた怍物で䜜った癜く柔らかいもの」のように単語から長いフレヌズぞの蚀い換えが起こり平易化に䌎う文長の増加を匕き起こしおいる単語難易床は内容語の出珟頻床の察数順䜍を文ごずに平均した倀であり英語の先行研究\cite{alva-manchego-etal-2020-asset}で甚いられおいる分析手法であるこの倀が小さいほどより平易な単語を䜿甚しおいるず解釈できるなお本研究ではfastText\footnote{\url{https://fasttext.cc/docs/en/crawl-vectors.html}}\cite{bojanowski-etal-2017-enriching}の語圙が頻床順に䞊んでいるこずを利甚しおこれを蚈算した平易化によっおSNOWの単語難易床が䞊昇しおいる䞀方で専門家によっお平易化されたJADESおよびMATCHAはより平易な単語が䜿われおいるなおSNOWにおける基瀎語圙2,000語ぞの語圙制限が単語難易床に圱響を䞎えおいるかどうかを確認するためにSNOWの基瀎語圙および各コヌパスの平易文䞭の単語がfastTextの単語頻床順䜍の䞭でどのように分垃しおいるのかを衚すヒストグラムを図\ref{fig:element_word_rank}に瀺すどのコヌパスも同様の頻床分垃で単語が䜿甚され特にSNOWの基瀎語圙2,000語は高頻床領域に集䞭しおいるこずからSNOWの語圙制限が単語難易床の掚定に悪圱響を䞎えおいる可胜性は䜎い平易文の単語難易床はアノテヌタの質によっお圱響を受けるこずが瀺唆される衚~\ref{tab:alignment-type}に各コヌパスにおける文アラむメントの皮類ごずの割合を瀺すSNOWおよびJADESは難解文から平易文に文単䜍で曞き換えおいるため郚分䞀臎の文察は存圚しない䞀方でMATCHAは玄3割が郚分䞀臎であるたたJADESおよびMATCHAはSNOWよりも1察nの文アラむメントの割合が倚いこれはJADESやMATCHAには文長の長い難解文が含たれるためこれを効果的に平易化するために文分割が積極的に行われおいるからだず考えられるm察1も含めおJADESやMATCHAはSNOWよりも文単䜍の倧域的な倉換を豊富に含むこずが瀺唆される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%fig.2\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{31-2ia11f2.pdf}\end{center}\caption{fastTextの単語頻床順䜍における平易文䞭の単語の分垃}\label{fig:element_word_rank}\end{figure}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table4\begin{table}[t]\input{11table04.tex}%\caption{文アラむメントの皮類の内蚳}\label{tab:alignment-type}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{人手評䟡}\label{sec:corpus_human_eval}各コヌパスの完党䞀臎の文察の䞭から200文察ず぀を無䜜為に遞び\pagebreak平易化操䜜の出珟回数を数えた結果を衚~\ref{tab:operation_result}に瀺すここで平易化操䜜には語句の挿入・語句の削陀・単語の眮換ずいう語圙に関する倉換ず䞊び替え・文分割・文融合ずいう構文に関する倉換が含たれるたた語圙ず構文の䞡方に関係する句の眮換も扱うSNOWの平易化操䜜が語句の眮換に集䞭しおいる䞀方でJADESやMATCHAには語句の挿入や削陀䞊び替えや文分割など倚様な倉換が含たれるこずがわかるなお短い難解文に察しおは語句の削陀や文分割が起こりにくいず考えられるため最も文長の短いSNOWに合わせお難解文の平均単語数が11ずなるように制限した評䟡も行った短い文に察しおも同様にSNOWが語句の眮換を䞭心ずする平易化を行っおいる䞀方でJADESやMATCHAは文分割以倖の倚様な倉換を行っおいるSNOWを平易化した非専門家は語句の眮換を䞭心に行いJADESやMATCHAを平易化した専門家は倚様な平易化操䜜を行っおいるこずが瀺唆される%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table5\begin{table}[t]\input{11table05.tex}%\hangcaption{200文察ごずに含たれる平易化操䜜の出珟回数䞊段は各コヌパスの党䜓から䞋段は最も短いSNOWに合わせお難解文の平均単語数が11ずなるようにそれぞれ無䜜為抜出した文察を察象ずする}\label{tab:operation_result}\vspace{-0.75\Cvs}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%コヌパスの品質評䟡のために同様に遞んだ200文察を3人のアノテヌタによっお解釈性・正確性・平易性の芳点から人手評䟡したこれらのアノテヌタは著者ではない日本語母語話者の倧孊生である人手評䟡には機械翻蚳の人手評䟡に甚いられる解釈性5点満点および正確性7点満点の評䟡基準\cite{sudoh-2021}を甚いさらに以䞋の平易性5点満点の評䟡基準を远加した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{文意解釈性5点満点}\begin{enumerate}\item䜕を䌝達しようずしおいるかが理解できない箇所がある\item衚蚘や文法の誀り衚珟の問題でしっかり読たないず䌝達内容が理解できない\item衚蚘や文法の誀りがあるが䌝達内容の理解は容易\item文法的に正しいが䞍自然な衚珟がある\item文法的に正しく蚀葉遣いも自然である\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{文意正確性7点満点}\begin{enumerate}\item文意が理解できず正確性評䟡に倀しない\item参照文ず無関係な内容が䌝達されおいる\item参照文ず矛盟する内容が䌝達されおいる\item参照文ず矛盟ずたではいかないが重芁な情報の誀りや過䞍足があり文意の重倧な誀解が起こり埗る\item参照文ず文意に若干の霟霬はあるが倧きな誀解を招くほどではない\item参照文ず文意に僅かな違いがあるがほが誀解の心配はない\item参照文ず文意が同䞀ず考えお差し支えない\end{enumerate}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\paragraph{平易性5点満点}\begin{enumerate}\item原文ず無関係な内容であり評䟡に倀しない\item原文よりも理解しにくい\item原文ず理解しやすさに倉わりがない\item原文よりも僅かに理解しやすい\item原文よりも理解しやすい\end{enumerate}評䟡結果の平均倀を衚~\ref{tab:corpus_eval_result}に瀺すMATCHAは解釈性および正確性が他のコヌパスよりも顕著に高く日本語の蚀い換えずしおの品質が高いこずがわかるこれは専門家によっお曞かれた蚘事の䞭から我々が誀字脱字を修正した䞊で泚意深く文アラむメントを行った成果であるJADESも専門家が携わっおいるがこちらは解釈性や正確性を犠牲に平易性を重芖しおいるのが察照的であるこのこずから解釈性および正確性ず平易性の間にはトレヌドオフの関係があるこずが瀺唆される平易性に関しおJADESでは充分に平易な原文をコヌパスから陀倖しおいるため盞察的な平易性の差が衚れやすいこずも芁因のひず぀であるSNOWはMATCHAず同等の平易性を持぀ものの解釈性および正確性の芳点ではMATCHAほどの品質ではないず蚀える各評䟡指暙においおの平均順䜍を考慮するず衚\ref{tab:corpus_kind}の「蚀い換えの品質」に瀺したようにMATCHA$>$SNOW$>$JADESの順で高品質なコヌパスであるず蚀える%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table6\begin{table}[t]\input{11table06.tex}%\hangcaption{{コヌパス品質の人手評䟡解釈性ず平易性は5段階評䟡正確性は7段階評䟡\textbf{倪字}は最高倀である$^{\dagger}$は\textbf{倪字}ずその他の統蚈的有意差Bootstrap怜定における$p<0.05$が認められたこずを瀺す}}\label{tab:corpus_eval_result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%人手評䟡における評䟡者間の䞀臎床をQuadraticWeightedKappa\cite{cohen-1968}を甚いお蚈算した結果を衚\ref{tab:corpus_result_qwk}に瀺す党おの芳点においお党おの評䟡者間で$\kappa>0.4$の䞭皋床の䞀臎を確認できた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table7\begin{table}[t]\input{11table07.tex}%\caption{コヌパス人手評䟡における評䟡者間の䞀臎床(QuadraticWeightedKappa)}\label{tab:corpus_result_qwk}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{評䟡実隓} 本実隓では本研究で構築したMATCHAおよび既存の倧芏暡な日本語テキスト平易化コヌパスであるSNOW\cite{maruyama-yamamoto-2018-simplified,katsuta-yamamoto-2018-crowdsourced}を甚いおテキスト平易化モデルを蚓緎しそれらの性胜を評䟡する既存の小芏暡な日本語テキスト平易化コヌパスであるJADES\cite{hayakawa-etal-2022-jades}は評䟡甚に䜿甚する%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓蚭定}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{デヌタセット}デヌタセットの芏暡を衚\ref{tab:dataset}に瀺すたず怜蚌甚および評䟡甚デヌタに぀いお説明するMATCHAの怜蚌甚および評䟡甚デヌタは完党䞀臎の文察の䞭からそれぞれ$500$件ず぀を無䜜為に抜出した先行研究\cite{hatagaki-etal-2022-parallel}に埓いSNOWはマルチリファレンス郚分の$100$文察を評䟡甚にその他から無䜜為抜出した$2,000$文察を怜蚌甚に甚いたJADESに぀いおは党おを評䟡甚デヌタずしお䜿甚し怜蚌甚デヌタにはMATCHAおよびSNOWの怜蚌甚デヌタを合わせた$2,500$文察を甚いた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table8\begin{table}[b]\input{11table08.tex}%\caption{モデルずデヌタセットの構成}\label{tab:dataset}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%次にモデルず蚓緎デヌタに぀いお説明するMATCHA-10kはMATCHAの完党䞀臎の文察のみを甚いお蚓緎したモデルであるMATCHA-15kはMATCHAコヌパスの党䜓を甚いお蚓緎したモデルであるSNOW-15kは蚓緎デヌタ量を合わせた比范のためにSNOWの蚓緎甚デヌタの䞭からMATCHAコヌパスず同じく$15,000$文察を無䜜為に抜出しお蚓緎したモデルであるSNOW-82kはSNOWの怜蚌甚デヌタず評䟡甚デヌタ以倖の文察を党お甚いお蚓緎したモデルである%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{モデル}テキスト平易化モデルはマスク蚀語モデリングによっお事前蚓緎された日本語BART(BART-basev2)\footnote{\url{https://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/?BART日本語Pretrainedモデル}}\cite{lewis-2020}をそれぞれの蚓緎デヌタ䞊でファむンチュヌニングしお構築したBARTの蚓緎にはfairseqツヌルキット\cite{ott-2019}を䜿甚した蚓緎の蚭定は基本的に公匏の蚭定に埓うがearlystoppingを採甚し怜蚌甚デヌタのクロス゚ントロピヌ損倱が5回連続で改善しない堎合に蚓緎を終了したたた孊習率は$\{2e-5,3e-5,4e-5,5e-5\}$の䞭から怜蚌甚デヌタにおける損倱が最䜎ずなる倀を採甚した前凊理は党角化を斜しJuman++v2.0.0-rc3\footnote{\url{https://github.com/ku-nlp/jumanpp}}\cite{Morita-2015,Tolmachev-2018}による単語分割の埌にBARTに付属のSentencePiece\cite{sentencepiece}モデルを甚いおサブワヌド分割を行った%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{評䟡指暙}テキスト平易化モデルの性胜はEASSE\footnote{\url{https://github.com/feralvam/easse}}\cite{alva-manchego-etal-2019-easse}を甚いおSARI\cite{xu-etal-2016-optimizing}を評䟡したSNOWのみ7皮類ず぀の参照文を持぀マルチリファレンスであるこずに泚意されたい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsection{実隓結果}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{自動評䟡による実隓結果}\label{sec:model_auto_eval}自動評䟡の結果を衚\ref{tab:sari}に瀺すたずドメむン内の評䟡甚デヌタに察しお各ドメむンのモデルが高い性胜を達成するこず蚓緎デヌタ量が倚い方が高い性胜を達成するこずがわかる次に同じ蚓緎デヌタ量のMATCHA-15kおよびSNOW-15kの比范からドメむン倖のJADESにおいおより高い性胜を達成したMATCHAがより高品質な蚓緎デヌタであるこずが瀺唆される䞀方でMATCHA-15kずSNOW-82kを比范するずより倧芏暡なSNOW-82kがJADESにおいお最高性胜を瀺したたたMATCHAの2モデルの間ではMATCHA-15kの方が高い性胜を達成したこずから郚分䞀臎の文察も蚓緎に含め蚓緎デヌタ量を増やすこずが重芁であるこずがわかる%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table9\begin{table}[b]\input{11table09.tex}%\hangcaption{SARIによる自動評䟡の結果{MATCHA-15kに぀いお$^{\dagger}$はMATCHA-10k,$^{\ddagger}$はSNOW-15kずの統蚈的有意差Bootstrap怜定における$p<0.05$が認められたこずを瀺す\textbf{倪字}は最高倀である}}\label{tab:sari}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\subsubsection{人手評䟡による実隓結果}詳现な品質評䟡のために各コヌパスから均等に合蚈200件を無䜜為抜出し3人のアノテヌタによっお\ref{sec:corpus_human_eval}節ず同様に解釈性・正確性・平易性の人手評䟡を実斜した衚~\ref{tab:model_eval_result}に瀺す評䟡結果から解釈性ず正確性においおはMATCHAで蚓緎したテキスト平易化モデルが高い性胜を達成するこずがわかるこれは衚~\ref{tab:corpus_eval_result}に瀺したずおり蚓緎デヌタの性質を反映しMATCHAで蚓緎したモデルが解釈性および正確性のより高い平易化を実珟できたず考えられるMATCHAの2モデルの間では完党䞀臎の文察のみで蚓緎したMATCHA-10kモデルの方が解釈性および正確性に秀でおいる䞀方で平易性に関しおは郚分䞀臎の蚓緎デヌタも含むMATCHA-15kモデルの方が優れおいる同じ蚓緎デヌタ量のMATCHA-15kおよびSNOW-15kの比范からは党おの芳点においおMATCHAで蚓緎したモデルの方が高性胜であるこずがわかるこのこずからMATCHAコヌパスで蚓緎したモデルは\ref{sec:corpus_human_eval}節で蚀及した解釈性および正確性ず平易性の間のトレヌドオフを少なくずも同芏暡の蚓緎デヌタを甚いる蚭定では克服できおいるこずがわかる䞀方で倧芏暡なSNOWの党䜓で蚓緎したモデルは平易性に関しお最高性胜を達成した%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table10\begin{table}[t]\input{11table10.tex}%\hangcaption{モデル品質の人手評䟡解釈性および平易性は5段階正確性は7段階評䟡\textbf{倪字}は最高倀である$^{\dagger}$は\textbf{倪字}ずその他の統蚈的有意差Bootstrap怜定における$p<0.05$が認められたこずを瀺す}\label{tab:model_eval_result}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%table11\begin{table}[t]\input{11table11.tex}%\caption{モデル人手評䟡における評䟡者間の䞀臎床(QuadraticWeightedKappa)}\label{tab:result_qwk}\end{table}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\ref{sec:corpus_human_eval}節ず同様に人手評䟡における評䟡者間の䞀臎床をQuadraticWeightedKappa\cite{cohen-1968}を甚いお蚈算した結果を衚\ref{tab:result_qwk}に瀺す党おの芳点においお党おの評䟡者間で$\kappa>0.4$の䞭皋床の䞀臎を確認できたたた解釈性においおは$\kappa>0.6$のかなりの䞀臎が芋られた%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{おわりに} 本皿では新しい日本語のテキスト平易化パラレルコヌパスMATCHAに぀いお説明した我々は専門家が平易化した蚘事の察から人手で文アラむメントをずるこずによっお$16,000$文察の倧芏暡か぀高品質なテキスト平易化パラレルコヌパスを構築した本コヌパスを分析したずころ既存の日本語テキスト平易化パラレルコヌパスず比范しおより倚様な平易化操䜜を含みより流暢か぀意味を保持しながら平易化された文を収録できおいるこずが明らかになったたたMATCHAコヌパスを甚いお蚓緎したテキスト平易化モデルはコヌパスの特性を反映し既存のコヌパスを甚いお蚓緎したモデルよりも高品質なテキスト平易化を実珟できたしかしより倧芏暡な既存コヌパスを甚いお蚓緎したモデルの方が生成文の平易性に関しおは高い人手評䟡を埗た今埌の課題ずしお倧芏暡蚀語モデル\cite{brown-2020}の掻甚やデヌタ拡匵\cite{kajiwara-2020}の適甚などによっおコヌパスサむズの問題を克服したいたた元の蚘事が倚蚀語で蚘述されおいるこずを利甚し英語など他蚀語の文ずも文アラむメントをずり蚀語暪断のテキスト平易化パラレルコヌパス\cite{marchisio-etal-2019-controlling,agrawal-carpuat-2019-controlling,tani-etal-2022-benchmark}ぞず拡匵したい%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\acknowledgment本研究は愛媛倧孊ず株匏䌚瀟MATCHAの共同研究の成果をたずめたものであり内閣府総合科孊技術・むノベヌション䌚議の戊略的むノベヌション創造プログラム(SIP)第3期「統合型ヘルスケアシステムの構築」研究掚進法人JSTの助成を受けお実斜されたものです%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\bibliographystyle{jnlpbbl_1.7}\bibliography{11refs}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\begin{biography}\bioauthor{宮田莉奈}{2024幎愛媛倧孊工孊郚工孊科卒業同幎同倧孊倧孊院理工孊研究科に進孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{惟高日向}{2023幎愛媛倧孊工孊郚工孊科卒業同幎同倧孊倧孊院理工孊研究科に進孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{山内掋茝}{2023幎愛媛倧孊工孊郚工孊科卒業同幎同倧孊倧孊院理工孊研究科に進孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{柳本倧茝}{2023幎愛媛倧孊工孊郚工孊科卒業同幎同倧孊倧孊院理工孊研究科に進孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{梶原智之}{愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科講垫2013幎長岡技術科孊倧孊工孊郚電気電子情報工孊課皋卒業2015幎同倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了2018幎銖郜倧孊東京倧孊院システムデザむン研究科博士埌期課皋修了博士工孊2018幎より倧阪倧孊デヌタビリティフロンティア機構の特任助教2021幎より愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科の助教を経お2024幎より珟職情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{二宮厇}{1996幎東京倧孊理孊郚情報科孊科卒業1998幎同倧孊倧孊院理孊系研究科修士課皋修了2001幎同倧孊倧孊院理孊系研究科博士課皋修了同幎より科孊技術振興事業団研究員2006幎より東京倧孊情報基盀センタヌ講垫2010幎より愛媛倧孊倧孊院理工孊研究科准教授2017幎同教授博士理孊蚀語凊理孊䌚アゞア倪平掋機械翻蚳協䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{西脇靖玘}{株匏䌚瀟MATCHA取締圹CTO2008幎静岡倧孊情報孊郚情報瀟䌚孊科卒業2009幎早皲田倧孊倧孊院囜際情報通信研究科修士課皋修了Coltテクノロゞヌサヌビス株匏䌚瀟株匏䌚瀟サむバヌ゚ヌゞェントを経お2021幎より珟職}\end{biography}%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%\biodate\end{document}
V20N03-04
\section{はじめに} 2011幎3月11日に発生した東日本倧震灜の被灜範囲の広倧さは蚘憶に新しいこの震灜では既存マスメディア攟送・新聞・雑誌等だけでなくTwitterなどの゜ヌシャルメディアによる情報発信が盛んに行われた\cite{Shimbun,Endo2}しかしながら倧手既存メディアは被灜報道を重芖しおいた実際被灜者にずっお有甚な報道ずしお灜害時でも也電池で駆動可胜なラゞオ䞊びに無料で避難所等ぞ配垃された地元地方玙が圹に立ったこずが\cite{Fukuda}の被灜者アンケヌトで調査報告されおいるこの様な震灜初期の状況の理由ずしお阿郚正暹IBC岩手攟送瀟長は震灜発生圓時の被灜地においおテレビは「テレビ報道は系列間競争の䞭でどうしおも党囜ぞ向かっお攟送せざるを埗ない䞭略被灜者に面ず向き合う攟送がなかなか出来ない被灜者のためだけの攟送に培し切れない」ずいうゞレンマがあったずする䞀方「しかしラゞオは違う地域情報に培するこずが出来る䞭略テレビではどこそこの誰が無事だずいう情報はニュヌスになりづらいしかしラゞオでは倧切な情報なのだい぀しかラゞオが安党情報安吊情報ぞず流れおいったのは自然なこずだったず思う」ず述懐しおいる\cite{IBC}震灜初期から゜ヌシャルメディアの䞀぀であるTwitterには救助芁請ハッシュタグ{\tt\#j\_j\_helpme}\cite{Twitter_tags}が付䞎された倧量の救助の声が寄せられおいた被灜地マスメディアの䞀぀であるラゞオ犏島は圓時生きおいた3~G回線を甚いおTwitterによる情報収集・発信を行っおいる\cite{rfc}ただしこれら救助芁請の倚くには「【拡散垌望】」ずいう文字列が含たれおいたためそれを芋た「善意の第䞉者」はTwitterのリツィヌト機胜党文匕甚機胜を甚いる傟向が高かった\cite{Ogiue,Tachiiri}結果ずしおリツィヌトによっお救助芁請の類䌌情報がTwitterぞ膚倧に流れたものの「実際に救助芁請情報が譊察など関係機関ぞ適切に通報されたかどうか」ずいう最も重芁な情報のトレヌスは著しく困難なものになったこの様な状況を解消するために我々は2011幎3月15日Twitter䞊の救助芁請情報をテキストフィルタリングで抜出し類䌌文を䞀぀にたずめお䞀芧衚瀺するWebサむトを開発し翌16日に公開した\cite{Aida0,extraction,Aida1}本論文では本サむトの技術のみならず救助芁請の情報支揎掻動プロゞェクト{\tt\#99japan}ず本サむトずの具䜓的な連携・掻甚事䟋に぀いお述べるここで{\tt\#99japan}ずは救助状況の進捗・完了報告を重芖するTwitterを甚いたプロゞェクトであるず共に発灜2時間埌2ちゃんねる臚時地震板ボランティアらによっお立ち䞊げられたスレッド「【私にも】䞉陞沖地震灜害の情報支揎【できる】」\cite{2ch}を由来するこのスレッドは「震灜初期におけるネット䞊のアりトリヌチ掻動蚘録」ずしお特筆に倀する \section{Twitter} {\bfTwitter}ずはWeb䞊で140字以内の短文による{\bfツィヌト(Tweet)}を投皿するこずで情報発信出来る{\bf゜ヌシャルメディア}の䞀皮であるTwitterのブラりザ衚瀺䟋を図\ref{fig:Twitter}に瀺す以降本論文に関連するTwitterの甚語・抂念に぀いお述べるがより詳现に぀いおは\cite{Twitter_help}を参照されたい\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia5f1.eps}\end{center}\caption{Twitterのブラりザ衚瀺の䞀䟋䞀関コミュニティFM・{\tt@FMasmo}のツィヌト}\label{fig:Twitter}\end{figure}{\bfナヌザ名(UserName)}ずはTwitterぞのログむンIDであり{アルファベット・数字・アンダヌスコアの組合せ文字列}ずしお既存ナヌザ名ず重耇がなければ自由に決められる埓来の電子掲瀺板やチャットずは異なりナヌザ同士が{\bfフォロヌ(Follow)}し合うこずで゜ヌシャルネットワヌクを成すこのネットワヌクにおいおフォロヌ元のナヌザを{\bfフォロワヌ}ず呌ぶナヌザのペヌゞには自分のツィヌトずフォロヌしおいる他ナヌザのツィヌトなどが時系列順に衚瀺されるこれをナヌザの{\bfタむムラむン(TimeLine)}ず呌ぶ{\bfパブリックタむムラむン(PublicTimeLine)}ずは「非公開ナヌザを陀く党ナヌザのタむムラむン」を指すここで{\bf非公開ナヌザ}ずはフォロヌを蚱可制にしおいるナヌザを指す非公開ナヌザでなければ誰からもフォロヌされ埗るが任意のフォロワヌを{\bfブロック}するずフォロヌを拒吊出来る{\bf返信(Reply)}ずはナヌザのツィヌトの内容に察しおメヌルの返信のようにそのナヌザぞ向けおツィヌトするこずである返信する堎合「返信ボタン」図\ref{fig:Twitter}の巊方向矢印をクリックするず文頭に返信先ナヌザ名が``{\tt@ナヌザ名}''のように衚瀺される返信に限らず任意のツィヌト䞭に``{\tt@ナヌザ名}''を含めるずツィヌトはそのナヌザのタむムラむンにも反映されるそれを{\bf蚀及(Mention)}ず呌ぶ蚀及は通䟋ナヌザのツィヌトの出兞が解るよう``{\ttRT@ナヌザ名:ツィヌトの䞀郚}''付きで匕甚しそれに぀いお蚀及するツィヌトを前眮する堎合が倚い{\bfリツィヌト(Retweet,RT)}ずは「党文匕甚するこず」を意味するリツィヌトによっおナヌザのタむムラむン䞊のツィヌトを党文匕甚しそれをフォロワヌぞ䞀斉に拡散出来るリツィヌトを受信したフォロワヌはさらにそれをリツィヌトするこずも出来るため䞀般に興味・関心を惹く深いツィヌトは䌝播されやすい特にフォロワヌ数の倚いナヌザ有名人などのリツィヌトは䌝播されやすい傟向があり゜ヌシャルメディアの特城ず蚀えるリツィヌトをする堎合は「リツィヌトボタン」図\ref{fig:Twitter}の折れ線矢印二組の蚘号をクリックするこの機胜を{\bf公匏リツィヌト}ず呌ぶ䞀方{\bf非公匏リツィヌト}ずはリツィヌトボタンを抌さずにコピヌ\&ペヌストなどによる党文匕甚を指す非公匏リツィヌトは公匏リツィヌトずは異なり匕甚元ツィヌト日時ではなく匕甚日時が蚘録されおしたうそのため最初のツィヌト日時の把握が困難になる匕甚元がツィヌトを削陀した堎合も匕甚先情報は削陀されないなど様々な問題点が指摘されおいる\footnote{ただしか぀おリツィヌトはナヌザが情報拡散のために始めた詊みであり「{\ttRT@発蚀ナヌザ名:ツィヌト}」圢匏で党文匕甚しおいたこの機胜をTwitter瀟がRTボタンを抌すだけでリツィヌト出来る機胜を実装しそれを「公匏リツィヌト」ず呌んでいる}{\bfハッシュタグ}ずはツィヌトの任意の䜍眮に挿入出来る自分の興味・関心に関係する``{\tt\#}''で始たるアルファベット・数字・アンダヌスコアの組合せで衚珟される文字列であるなお2011幎7月13日より「{\tt\#日本語}」などマルチバむト日本語文字列のハッシュタグが利甚可胜になった\cite{nihongo}図\ref{fig:Twitter}䞭の``{\tt\#cfmasmo}''はハッシュタグの䜿甚䟋であるツィヌト内の``{\tt@user}''や``{\tt\#hashtag}''から自動的にリンクが匵られそのリンクをクリックするこずで「{\tt@user}のタむムラむン」や「{\tt\#hashtag}のタむムラむン」をそれぞれ埗られるハッシュタグに限らずTwitterでは任意の怜玢語でパブリックタむムラむンを図\ref{fig:Twitter}䞊郚の怜玢フォヌム等から怜玢出来るTwitterは䞊述のツィヌト・リツィヌト・返信・蚀及・ハッシュタグなどによっおフォロワヌだけでなく共通の関心事を持぀ナヌザを意識した投皿が出来る{\bfマむクロブログ}でもある以降本論文ではツィヌトを以䞋の圢匏で衚す\begin{quote}\twitter{@user2user2user3ぞの蚀及ツィヌト\#tag${}_1$...\#tag${}_n$\\RT@user3:user3のツィヌトの郚分匕甚...}{YYYY/MM/DDhh:mm:ss}{user1}\end{quote} \section{救助芁請情報} \label{request}震灜初期の救助掻動においお怜蚎すべき救助芁請情報を敎理した結果以䞋を識別した\begin{enumerate}\item救助芁請の1次情報\item救助芁請の2次情報あるいは重耇情報\item救助芁請ずは無関係な情報\item救助完了報告\end{enumerate}我々はたず(1)〜(3)に着目した本論文では(1)及び(2)を{\bf救助芁請情報}(3)を{\bf非救助芁請情報}ず呌ぶここで(2)はTwitter䞊での情報拡散を垌望する文字列【拡散垌望】等が付䞎されおリツィヌトされた情報も含むこのような情報は救助掻動においおは情報が拡散するだけで通報されたのかどうか刀明しない恐れがあるが遠隔地から被灜地の珟状をある皋床把握できる利点も有り埗る\subsection{Twitter䞊の救助芁請情報}Twitter䞊での救助芁請の「1次情報」はオリゞナルツィヌト「2次情報」はリツィヌト・返信・蚀及にそれぞれ該圓するその文䟋を以䞋に挙げる\begin{itemize}\item{\bf1次情報}\begin{quote}\twitter{【拡散垌望】宮城県の○○病院で100人以䞊孀立しおいる暡様\#j\_j\_helpme\\}{2011/3/1201:23:45}{foo}\end{quote}\item{\bf2次情報リツィヌト}\begin{quote}\twitter{RT@foo:【拡散垌望】宮城県の○○病院で100人以䞊孀立しおいる暡様\#j\_j\_helpme}{2011/3/1201:23:45}{bar}\end{quote}\item{\bf2次情報返信}\begin{quote}\twitter{@foo本件に぀いおどなたも通報されおいないようでしたので譊察ぞ通報臎したした\#j\_j\_helpme}{2011/3/1212:34:50}{baz}\end{quote}\item{\bf2次情報蚀及}\begin{quote}\twitter{どなたか本件の情報発信元をご存じの方はいらっしゃらないですか?RT@foo:【拡散垌望】宮城県の○○病院で100人以䞊孀立しおいる暡様\#j\_j\_helpme\\}{2011/3/1201:30:00}{bar}\end{quote}\end{itemize}䞀般に2次情報の堎合は匕甚・返信先を明瀺する``{\tt@ナヌザ名}''が含たれなおか぀そのナヌザのタむムラむンにも2次情報のツィヌト本文が衚瀺されるたた1次情報でも任意の``{\tt@ナヌザ名}''を含むツィヌトが出来る本論文ではリツィヌトの堎合文頭に``{\ttRT}''ReTweetの略ず``{\tt@匕甚元ナヌザ名}''を付蚘するなお蚀及の堎合は``{\ttRT}''の他に``{\ttQT}''QuoteTweetの略が甚いられるこずもあるTwitterでは䞋蚘のように先頭から時系列を遡っお蚀及文は前眮匕甚文は埌眮され䞀次情報が最埌眮される堎合が顕著である\begin{quote}\twitter{user2ぞの蚀及文RT@user2:user3ぞの蚀及文RT@user3\\$\ldots$RT@user$n$:䞀次情報}{YYYY/MM/DDhh:mm:ss}{user1}\end{quote}救助芁請の情報源は被灜地から盎接寄せられたものだけでなく知人宛のメヌル䌝聞や電子掲瀺板情報など様々ありえるが我々は{\bf1次情報を「重芁床の高い救助芁請ツィヌトの情報源」}ず定めた2次情報に぀いおはリツィヌトの堎合党文匕甚であるため1次情報ず同䞀芖可胜でありたた蚀及・返信の堎合䞊述の考察より最埌眮匕甚文が1次情報ずなる可胜性が高いため重芁床は1次情報よりも盞察的に䞋がる\subsection{救助芁請情報の傟向}\label{key}救助芁請情報に含たれやすい語による怜玢結果にはそれ以倖の情報も数倚く含たれうるそこで救助芁請情報を抜出するためにそれらの語の特城を正芏衚珟ずしおたずめた\begin{enumerate}\item救助芁請情報は以䞋を含むものずする\begin{itemize}\item「地名+県・垂・区・町・村」など䜏所に含たれる語{5語}救助芁請の発信先特定のため\item「孀・救・助・呜・探・願・捜・求・送・食・氎・届・死・衰」や「消息・深刻・芁請・避難」などラむフラむン未埩旧や安吊確認に起因する語{21語}\end{itemize}\item非救助芁請情報は以䞋を含むものずする\begin{itemize}\item過去のデマに含たれおいた固有名詞{など}{䟋デマ花山村競茪堎ピヌスボヌトペヌグルト玍豆など14語}\item報道機関のTwitter公匏アカりント報道機関{が発信した}情報は譊察など関係機関ぞ既報枈みの可胜性が高いため{䟋{\ttradio\_rfc\_japan},{\ttfct\_staff},{\tt[Aa]sahi},{\ttFKSminpo},{\tt[Nn][Hh][Kk]},{\ttnhk\_seikatsu},{\tti\_jijicom\_eqa},{\ttkahoku\_shimpo},{\ttakt\_akita\_tv},{\ttNTV,telebee\_tnc},{\ttNISHINIPPON},{\ttzakdesk},{\tt781fm},など20語}\item政治家や著名人など特定人名囜名政党名団䜓名思想・信条を含む情報は救助芁請の可胜性が䜎いため{䟋民䞻党自民党瀟民党共産党公明党みんなの党など9語}\item{特定の囜名・囜際機関囜名・機関名は報道等の二次情報の可胜性が高いため}{䟋アメリカフランスドむツケニア囜連ナニセフ6語}\item原発事故関連の語救助芁請に科孊甚語を含む可胜性は䜎いため{䟋セシりムペり玠りランプルトニりムストロンチりムマむクロベクレルシヌベルト攟射線攟射胜10語}\item{救助芁請情報に甚いられないであろう語}{䟋笑批刀テロなど8語}\item{ハッシュタグが濫甚されたツィヌトに含たれおいた語}ハッシュタグ{本来の意味}ず無関係な内容のため{䟋予枬垂堎リスクマネゞメント情報{\tt\#oogiri},など6語}\end{itemize}\end{enumerate}\subsection{救助芁請情報の衚瀺方針}2011幎3月15日は震灜初期であったため救助芁請情報の抜出凊理サむトを速やかに構築・公開する必芁があった我々は必芁な救助芁請情報が埋もれないように敢えお単䞀ペヌゞ内に倧量衚瀺するこずにした圓初は300件2012幎1月30日圓時1000件このようにした理由を以䞋に挙げる\begin{enumerate}\item抜出した情報はノむズが含たれうる正芏衚珟によるフィルタリング芏則を厳しくするず本圓の救助芁請情報が衚瀺されない恐れがあるため「本圓にそれが真の救助芁請かどうか」は閲芧者の刀断に委ねるこずずした\item衚瀺された救助芁請情報を閲芧しお通報掻動を行うボランティアは被灜地以倖の者でPC甚電源環境が確保されおいるず仮定したたた2011幎時点の䞀般䞖垯のPC環境では倧量の情報を衚瀺しおもブラりザ動䜜が䞍安定になるこずは無い\item同䞀ペヌゞ衚瀺であればどのブラりザもデフォルトで備えおいる怜玢機胜で任意の語で文を怜玢できる\itemペヌゞ分割(pagination)されおいるず利甚者にリンク遷移䜜業などを匷いるためペヌゞ分割を行わない\end{enumerate}この方針に基づき次節で述べる情報抜出アルゎリズムの詊䜜版を2011幎3月15日に実装翌16日にむンタヌネット䞊に公開\cite{extraction}しその埌も改良に努めたたたデマ等のノむズは事前に想定出来ないためそれらに含たれうる語を分析し前節の「非救助芁請情報が含む語」の定矩に適宜远蚘した\subsection{救助芁請情報の抜出手法}\label{algorithm}\begin{figure}[t]\begin{center}\sloppy\begin{screen}\tt\#j\_j\_helpme\#j\_i\_helpme\#hinan\#jishin\#jisin\#tunami\#311sppt\#311care\#311sien\#itaisousaku99japan\#anpi\#aitai\#Funbaro\#hope4japan\#prayforjapan\#ganbappe\#save\_busshi\#save\_volunteer\#save\_gienkin\#save\_kids\#saigai\#shinsai\#tasukeai\#fukkou\#fukko\#save\_miyagi\#save\_fukushima\#save\_iwate\#save\_aomori\#save\_ibaraki\#save\_chiba\#save\_nagano\#save\_sendai\#save\_ishinomaki\#save\_iwaki\#ishinomaki\#shiogama\#rikuzentakata緊急地震䜙震火事怪我負傷者自宅避難避難所孀立逓死\\緊急+救助食料+䞍足物資+䞍足食糧+䞍足救揎支揎安吊消息栄村陞前高田釜石倧船枡\\気仙沌南䞉陞歌接志接川石巻束島亘理山元盞銬いわき飯舘\end{screen}\end{center}\caption{救助掻動が最も盛んだった時期の怜玢語䞀芧2012幎4月22日確認時}\label{keyword}\end{figure}救助芁請情報の抜出アルゎリズムの手法抂芁は以䞋のずおりである\begin{enumerate}\item図\ref{keyword}に瀺した怜玢語それぞれに぀いおそれを含むツィヌト情報を「1500ったヌ」\cite{1500}よりHTML取埗する\item取埗したすべおの情報に察しお以䞋を行う\begin{enumerate}\itemHTMLからツィヌトのみ抜出し盎前たでに抜出しおいたものにマヌゞ埌そのログを保存する\item抜出した救助芁請情報候補から非救助芁請情報ず思われるものを\ref{key}節の芏則に埓っおフィルタリングする\itemフィルタリング枈みの救助芁請情報候補から䞋蚘手続きで{\bf類䌌ツィヌト刀定キヌ}を生成する\begin{enumerate}\item文頭から``{\tt@}''たでの最長文字列を削陀するナヌザ名付き1次情報抜出\itemASCII文字ナヌザ名含む・党角蚘号・仮名文字などを陀去したマルチバむト文字列の前15字分を類䌌ツィヌト刀定キヌずする\end{enumerate}\item類䌌ツィヌト刀定キヌが䞀臎するツィヌトは同倀ず芋なしツィヌト回数をカりントする同倀類の䞭で最も叀い日時のものをその同倀類の{\bf代衚ツィヌト}ずし同倀のツィヌトの最新日時を曎新時刻ずしお蚘録する\item曎新時刻の新しい順で゜ヌトする\end{enumerate}\item埗られたツィヌト情報をそれぞれ䞋蚘5項目ずしおたずめ䞊䜍1000件をHTMLぞ倉換しサむトを曎新する\begin{itemize}\item救助芁請情報の通し番号\item救助芁請代衚ツィヌト本文\item最新ツィヌト日時\item最叀ツィヌト日時本サむトで最初に芳枬した代衚ツィヌトの日時\itemツィヌト回数代衚ツィヌトの同倀類の数\item掚定情報源URL``http://twitter.com/ナヌザ名/statuses/発蚀ID''の圢匏\end{itemize}\end{enumerate}ここでツィヌトには任意の䜍眮に``{\tt@ナヌザ名}''を含めるこずが出来るため以䞋のようにナヌザ名を埌眮しおいる堎合1次情報が``{\tt@}''の前眮であるため類䌌ツィヌト刀定キヌは空語になるがTwitterの慣習䞊このような文䟋はほずんど出珟しないこずより無芖する\begin{quote}\twitter{1次情報$\ldots$@user2}{YYYY/MM/DDhh:mm:ss}{user1}\end{quote} \section{救助掻動} Webベヌスでの救助掻動にはボランティア同士で救助芁請の通報状況を共有する必芁がある本サむト開蚭埌このような掻動を個人で行なっおいた株匏䌚瀟゚コヒルズ代衚取締圹・田宮嘉䞀氏ずの出䌚いがきっかけずなっお\ref{99japan}節で述べる{\tt\#99japan}ぞ我々も参加した\subsection{震灜初期のネットの状況}震灜初期はネット䞊においお倚くのボランティア掻動が立ち䞊げられたたたGoogleやYahoo!などのポヌタルサむトにおいお情報提䟛が行われた特に2010幎1月のハむチ地震から䜿われた安吊確認システム``GooglePersonFinder''はよく知られおいる\cite{GPF}さらに様々なネット䞊の情報源からGooglePersonFinderぞの安吊情報を匷化するプロゞェクト``ANPINLP''\shortcite{anpi_nlp}が自然蚀語凊理研究者らボランティアによっお立ち䞊げられTwitterからは33242に及ぶツむヌトにタグ付けされた\cite{anpi_nlp_proc}救助掻動を含めたシステムずしおは``sinsai.info''\shortcite{sinsai.info}が知られおいるこのサむトは2007幎のケニア倧統領遞挙以降倚くの人灜・倩灜で甚いられたクラりド゜ヌシングツヌルUshahidiを甚い震灜圓日に構築されたシステムずしお有名である\cite{sinsai.info_TechWave}その他攟射線量マップやTwitterの震灜関連タグが付䞎されたツィヌトのタむムラむン衚瀺サむトなど様々なシステムが公開されたしかしながら無数に生たれたシステムず震灜初期の党囜各地のボランティアずの連携は必ずしも迅速に出来たずは蚀えない寧ろボランティア偎が既存システムを利甚しお詊行錯誀的に芏則を決めお掻動しおいた事䟋も倚いその䞀䟋ずしお2ちゃんねる臚時地震板においお震灜圓日に立おられたスレッド「【私にも】䞉陞沖地震灜害の情報支揎【できる】」\cite{2ch}を䞭心ずしお「東北倧震灜たずめWiki」\cite{atwiki}や「共同線集被害リアルマップ東北地方倪平掋沖地震救助甚マップ」\cite{map1}が挙げられるこれらは以䞋に瀺す経緯で開蚭された\begin{enumerate}\item発灜盎埌2ちゃんねる臚時地震板スレッド「震床7」\cite{2ch_shindo7_1}が立ち䞊がる\itemその埌「震床7その2」〜「震床7その5」\cite{2ch_shindo7_2,2ch_shindo7_3,2ch_shindo7_4,2ch_shindo7_5}の順序でスレッドが立ち䞊がる\item「震床7その5」\cite{2ch_shindo7_5}47番目の投皿ナヌザ{\ttID:nx64KwTT}が発灜2時間埌にスレッド「【私にも】䞉陞沖地震灜害の情報支揎【できる】」\cite{2ch}を立お11番目の投皿で「東北倧震灜たずめWiki」\cite{atwiki}開蚭を衚明する\item翌12日ナヌザ{\ttID:EJYqO+nC0}が立おたスレッド「被害状況たずめGoogleマップ垌望スレ」\cite{2ch_map}で「救助甚マップ」\cite{map1}が開蚭されたこずが同日\cite{2ch}436番目の投皿で衚明される\end{enumerate}埌にこれらのサむトの情報は「東日本倧震灜東北地方倪平掋沖地震@りィキ」\shortcite{matome_wiki}に䞀元化された\subsection{「東日本震灜支揎{\tt\#99japan}」}\label{99japan}2011幎3月15日田宮嘉䞀氏(TwitterID:{\tt@ktamiya})はブログのコメント欄を甚いお通報掻動履歎を管理しおいた\cite{ktamiya}同氏は3月18日自身のTwitterのフォロワヌ数10䞇超が倚い利点を掻かしお情報支揎掻動のメンバヌを募集{\bf「東北関東倧震灜救助支揎プロゞェクト{\tt\#99japan}」}が組織された珟「東日本震灜支揎{\tt\#99japan}」募集時の掻動抂芁は以䞋のずおりである\cite{99japan1}:\begin{itemize}\item{\bf目的}Twitter等での救助芁請の声を適正機関に䌝達する支揎を行い被灜者を救う\item{\bf掻動内容}䞻に被灜者の情報の敎理内容確認アドバむス救助芁請の代行期間は物資が行き枡り埩興段階に入る頃たでを予定\end{itemize}このプロゞェクトではGoogleマップのデフォルト機胜を甚いお構築された前述の「救助甚マップ」\cite{map1}ず「物資芁請・提䟛マップ」\cite{map2}の䜿甚䞊びに線集芏則が採甚されたなおこれらマップ開蚭者らも{\tt\#99japan}に合流しおいるこずより{\tt\#99japan}は「東日本倧震灜最初期の情報支揎プロゞェクト」の䞀぀ず蚀える``{\tt\#99japan}''はプロゞェクト名であるず共にハッシュタグでもあるこのタグ付きでツィヌトするこずでプロゞェクトメンバヌはい぀でも救助芁請情報や通報状況情報を共有出来るもちろんメンバヌ以倖の人でもツィヌトは閲芧可胜であるこの{\bf「ハッシュタグによる緩やかなナヌザ間の情報共有」が「Twitterベヌスのボランティア掻動」最倧の特城である}``{\tt\#99japan}''における情報共有・マップ線集・情報元確認䜜業の流れを以䞋に瀺す(\texttt{@ma\_chiman}2011a)\nocite{99japan2}\begin{itemize}\item{情報共有・マップ線集䜜業}\begin{enumerate}\item{各掻動者は本サむトなどで埗た救助芁請情報や関連情報に察しお``{\tt\#99japan}''を付加したツィヌトを発蚀するこずで有益な情報を集玄させ各掻動者が短時間で情報の把握ができるようにする}\item{共有された情報に埓い各掻動者はマップから通報察象地点を遞び譊察など関係機関に電話・メヌル・ツィヌトする通報察象地点は(1)未通報地点(2)通報枈みだが経過䞍明(3)解決枈み(4)その他に倧別される}\item{通報地点のポップアップに通報内容を蚘入する蚘入䟋【日付芁請先に電話で連絡枈自分のID】}\end{enumerate}\item{情報元確認䜜業}\begin{enumerate}\itemツィヌト時点から䞀定日数経過した珟地情報の鮮床を保぀ために情報元ツむヌト者を蟿り経過を蚪ねる\item近蟺にお䜏たいの方ずコンタクトを取り状況を尋ね確認䞭であるこずをマップに蚘入する\item返信の有無や内容に応じお次の情報をマップに反映する\begin{itemize}\item【解決珟圚の日付自分のID】\item【新しい情報埗られず珟圚の日付自分のID】\item【未連絡珟圚の日付自分のID】\itemその他情報\end{itemize}\end{enumerate}\end{itemize}我々が開発したサむトの目暙は``{\tt\#99japan}''においお救助芁請情報を通報ボランティアが発芋する機䌚を増やすこずである\subsection{本サむトず{\tt\#99japan}の連携掻動}我々は{\tt\#99japan}メンバヌの芁望に沿うよう本サむトを改善した結果本論文著者の盞田(TwitterID:{\tt@aidashin})に察しお公匏サむト開蚭者・{\tt@ma\_chiman}氏や「救助甚マップ」管理者・{\tt@juntaro33}氏より以䞋のような評䟡を埗た\begin{itemize}\item3月20日の掻動開始盎埌発足埌最初の日曜日\begin{itemize}\item\twitter{【提案】@aidashinさんのツむヌトでhttp://is.gd/THMebZずいうものを芋かけたした察応枈み・アバりトな内容なものも倚いですが察応しおなさそうなものも芋かけたのですがこちらを照䌚する䜜業も必芁だず思われたすか\\\mbox{\rm(\texttt{@ma\_chiman}2011b)\nocite{ma_chiman_0}}}{2011/03/2020:39:37}{ma\_chiman}\item\twitter{@ma\_chiman@ktamiya@aidashinこれもツむッタヌからの情報であれば党郚拟う必芁があるず思いたす\mbox{\rm\cite{juntaro33_00}}}{2011/03/2020:47:22}{\mbox{juntaro33}}\end{itemize}\item1次情報のツィヌト日時の衚瀺機胜远加時\begin{itemize}\item\twitter{@aidashinすごいですお疲れ様です\mbox{\rm\cite{juntaro33_0}}\\}{2011/3/2518:19:14}{\mbox{juntaro33}}\item\twitter{@aidashinhttp://bit.ly/hfDcW0確認臎したした盞倉わらず最新ツむヌトを拟うのに䟿利ですね芳枬機胜が぀いたのはこのツヌルにずっおは倧きな進展になりそうですね最䞭に開発さすがです{\tt\#99japan}\mbox{\rm(\texttt{@ma\_chiman}2011c)\nocite{ma_chiman_1}}\\}{2011/03/2517:09:46}{ma\_chiman}\end{itemize}\item救助芁請ず安吊確認の色分け機胜远加時\begin{itemize}\item\twitter{@aidashinこれは芋やすいです\#99japan\mbox{\rm(\texttt{@ma\_chiman}2011d)\nocite{ma_chiman_2}}\\}{2011/3/3115:28:46}{ma\_chiman}\end{itemize}\item本サむトぞの反応に驚いおいたこずに察しお\begin{itemize}\item\twitter{@aidashin今䞀番有甚に䜿わせおもらっおたすありがずうございたす\mbox{\rm\cite{juntaro33_1}}}{2011/4/216:16:24}{\mbox{juntaro33}}\end{itemize}\itemマップを䜜成された方々の芋解を䌺った際\begin{itemize}\item\twitter{@aidashinいえいえ今マップの情報のほずんどがあいださんのシステムからの情報ですから\mbox{\rm\cite{juntaro33_2}}}{2011/4/623:52:14}{\mbox{juntaro33}}\end{itemize}\end{itemize}本サむトの豊橋技術科孊倧孊以倖からのアクセス数の遷移を図\ref{log}に瀺す公開日や3月20日の{\tt\#99japan}掻動開始盎埌は特にアクセス数が倚い4月初め頃に緊急状態を脱しアクセス数は䞀時的に枛少したが4月7日の最倧震床6匷宮城4月11・12日の最倧震床6匱犏島の倧䜙震時アクセス数が再び増加しおおり盞関が芋られる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia5f2.eps}\end{center}\caption{「救助芁請情報抜出サむト」アクセス数の遷移}\label{log}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia5f3.eps}\end{center}\caption{共同線集物資芁請・提䟛マップ東北関東倧震灜2012月1日30日圓時}\label{map}\end{figure}「救助甚マップ」や「物資芁請・提䟛マップ」図\ref{map}を甚いた掻動によっお4月䞊旬たでの3週間皋で救助・物資支揎それぞれ200地点を超える通報・支揎掻動が行われた\footnote{「救助甚マップ」「共同線集被害リアルマップ東北地方倪平掋沖地震」は公開が凍結されおいるが2011幎3月29日9:17たでのバックアップは閲芧可胜である\cite{map1_backup}}なお本掻動は\cite{Utada}においお評䟡されおいる \section{考察} {\tt\#99japan}を振り返るずたず「倧地震発生時に集う堎所」ずしお「2ちゃんねる臚時地震板が存圚しおいたこず」が重芁であった今回震灜圓日に2ちゃんねる臚時地震板ナヌザらがボランティアずなっおWikiやGoogleマップの他にTwitterやmixiなど゜ヌシャルメディアなど既存の情報技術を掻甚した情報共有がなされた次にTwitterナヌザらが圌らず{\tt\#99japan}に自然合流しTwitterによっおより倚くの情報が共有できたずりわけハッシュタグずしおの``{\tt\#99japan}''は通報報告のみならず進捗報告や救助完了報告に぀いおも共有出来る仕組みずしお極めお意矩があるこのような進捗・完了報告の重芁性は「東日本倧震灜ビッグデヌタワヌクショップ」のTwitterブレむンストヌミングにおいおも指摘されおいる\shortcite{bigdata}通報掻動には「救助芁請情報の鮮床」が重芁であったが我々の「救助芁請情報抜出サむト」は{\tt\#99japan}ぞの情報源提䟛元ずしお掻甚され効率的な通報掻動支揎に貢献した倧震灜埌の瀟䌚に぀いお考察した\cite{Endo}においお遠藀は序章3節「われわれはいた䜕を考えるべきか」の䞭で以䞋を留意点ずしお述べおいる\begin{enumerate}\item未曟有の倧灜害におけるミクロな「珟実」の粟査\itemマクロな瀟䌚システムの分析ず再蚭蚈\item非垞時における瀟䌚的コミュニケヌション回路の再構築\item地域コミュニティにおける瀟䌚資本ず情報蓄積\itemボランティア掻動の組織化ず゜ヌシャルメディア\item囜際瀟䌚ずの察話—䞖界問題ずしおの倧震灜\end{enumerate}{\tt\#99japan}は(5)をいち早く実斜した事䟋ず蚀えるたた実瀟䌚における(3)の䞀郚ずしお機胜した\cite{Utada}は本掻動を評䟡しながらも(1)ず(2)に関連する課題点ずしお「公共の組織ず連携しおいない点」を指摘しおいる\begin{quote}それぞれのマップ\footnote{マップは\cite{map1,map2}を指す}の冒頭には「通報が無ければ、このマップに曞き蟌んでも救助されたせん!通報が原則です!!通報をしないず囜は助けられたせん!!」ず泚意喚起しおいる。しかし、囜の救揎組織がこのマップを採甚すれば、こうした心配はなくなる。通報したかどうかではなくお、「察応䞭」ずか「救揎枈」ずいったより具䜓的で確実な情報が反映できる。通信ネットワヌクが十分に機胜しなかった今回の教蚓で、いずれは避難所などにも、衛星を䜿ったネット回線など灜害察応の通信ネットワヌク環境が敎備されおいくだろう。そうなっおくれば、こうした地図を䜿った情報共有の仕組みはたすたす圹に立぀。公の組織も利甚するこずを考えるべきではないか。怜玢できない名簿を䜜っおいる時代ではもはやなくなっおいるはずなのだから。\end{quote}なお(4)は震灜埩興察策(6)は震灜に関する正確な情報発信をそれぞれ含意するがこれらのための「研究者らず地域䜏民䞀䜓ずなったアりトリヌチ掻動」は広く行われおいるそしおこのような掻動の収集・蚘録・分析掻動が(1)ず(2)に察する埩興方法論の提案になるず考えられる \section{おわりに} 我々は震灜初期の2011幎3月16日Twitter䞊の党情報から救助芁請情報を䞀芧衚瀺するサむトを早期開発しWeb䞊に公開した特にTwitterベヌスの東日本震灜支揎プロゞェクト{\tt\#99japan}の掻動に参加・連携するこずで本サむトで抜出した数倚くの救助芁請情報に基づいお適宜通報掻動が行われたこずが刀った{たた{\tt\#99japan}のメンバヌの芁望に埓い救助芁請情報の抜出粟床向䞊ず機胜改善に努めるこずが出来た}本掻動に限らず震灜初期支揎掻動に「゜ヌシャルメディア」が掻甚されおいるこずも報告されおいる\cite{NHK,Shimbun,Tachiiri}今埌の課題ずしお珟圚も皌働し取埗し続けおいる本サむトログからニヌズを分析し適応的な震灜埩興支揎システム構築が挙げられるたた今回は{\tt\#99japan}は偶然幟぀かの重芁な芁玠が繋がったが\cite{Endo,Utada}で指摘されおいる様に{\tt\#99japan}のような掻動を䞀過性のものずせずに次の灜害時より迅速的か぀効率的な救助・埩興掻動になるように「灜害ボランティアに関する瀟䌚システムの枠組み」を今のうちに掗緎化しおおくべきであろう\section*{この床の東日本倧震灜で被灜された皆様ぞ}この床の東日本倧震灜によっお亡くなられた方々ぞ謹んで哀悌の意を衚したすず共に被灜された皆様ご家族䞊びに関係者の皆様ぞお芋舞い申し䞊げたすそしお被灜地の䞀日も早い埩興を心よりお祈り申し䞊げたす\acknowledgmentたず本サむト開発を勧めお頂いた{\tt@nkanada}様に埡瀌申し䞊げたす次に本研究成果は{\tt\#99japan}を立ち䞊げた田宮嘉䞀様マップ開蚭者の{\tt@juntaro33}様{\tt\#99japan}のサむト管理者の{\tt@ma\_chiman}様䞊びに倚くの{\tt\#99japan}ボランティアの皆様のお力添え賜りたしたこずぞ深謝臎したすたた本サむト開発・公開に際しお有益な助蚀賜りたした``ANPINLP''\shortcite{anpi_nlp}ボランティア研究者の方々に感謝臎したす最埌に震灜初期に出䌚った``311HELP.com''\cite{311help}開発者の株匏䌚瀟42・田原倧生様が2011幎7月31日{\tt\#99japan}に぀いお公の堎で初めお発衚の機䌚を䞎えお䞋さいたしたこずぞ改めお感謝臎したす本論文の内容の䞀郚は蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚で発衚したものである\cite{Aida1}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{{\tt\#99japan}有志ら}{{\tt\#99japan}有志ら}{2011a}]{map1}{\tt\#99japan}有志ら\BBOP2011a\BBCP.\newblock共同線集被害リアルマップ東北地方倪平掋沖地震.\\linebreak\newblock\url{https://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&brcurrent=3,0x5f8892ddfbe0dc71:0xce6fb9385107a4ad,0&msa=0&msid=209051486000599298555.00049e33f3610df1bed86&z=9}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt\#99japan}有志ら}{{\tt\#99japan}有志ら}{2011b}]{map2}{\tt\#99japan}有志ら\BBOP2011b\BBCP.\newblock共同線集物資芁請・提䟛マップ東北関東倧震灜.\\newblock\url{https://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&brcurrent=3,0x34674e0fd77f192f:0xf54275d47c665244,0&oe=UTF8&num=200&msa=0&msid=212756209350684899471.00049ea27cf60c4292136&ll=37.827141,140.306396&spn=2.290855,3.488159&z=8}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt\#99japan}有志ら}{{\tt\#99japan}有志ら}{2011c}]{map1_backup}{\tt\#99japan}有志ら\BBOP2011c\BBCP.\newblock共同線集被害リアルマップ東北地方倪平掋沖地震3/299:17たでのバックアップ分.\\newblock\url{https://maps.google.co.jp/maps/ms?ie=UTF8&hl=ja&brcurrent=3,0x34674e0fd77f192f:0xf54275d47c665244,0&msa=0&ll=38.255436,140.998535&spn=10.259815,16.54541&z=6&msid=212756209350684899471.00049f93fb04a48b1dce9}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@juntaro33}}{{\tt@juntaro33}}{2011a}]{juntaro33_00}{\tt@juntaro33}\BBOP2011a\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/juntaro33/status/49436866939863040}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@juntaro33}}{{\tt@juntaro33}}{2011b}]{juntaro33_0}{\tt@juntaro33}\BBOP2011b\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/juntaro33/status/51211528241819648}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@juntaro33}}{{\tt@juntaro33}}{2011c}]{juntaro33_1}{\tt@juntaro33}\BBOP2011c\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/juntaro33/status/54079719091605504}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@juntaro33}}{{\tt@juntaro33}}{2011d}]{juntaro33_2}{\tt@juntaro33}\BBOP2011d\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/juntaro33/status/55643984638394368}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@ma\_chiman}}{{\tt@ma\_chiman}}{2011a}]{99japan2}{\tt@ma\_chiman}\BBOP2011a\BBCP.\newblock東日本震灜支揎\#99japan救急ゞャパン公匏サむト.\\newblock\url{https://sites.google.com/site/sharp99japan/}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@ma\_chiman}}{{\tt@ma\_chiman}}{2011b}]{ma_chiman_0}{\tt@ma\_chiman}\BBOP2011b\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/ma_chiman/status/49434917083414528}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@ma\_chiman}}{{\tt@ma\_chiman}}{2011c}]{ma_chiman_1}{\tt@ma\_chiman}\BBOP2011c\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/ma_chiman/status/51194045803921408}.\bibitem[\protect\BCAY{{\tt@ma\_chiman}}{{\tt@ma\_chiman}}{2011d}]{ma_chiman_2}{\tt@ma\_chiman}\BBOP2011d\BBCP\\newblock\url{https://twitter.com/#!/ma_chiman/status/53342954399600640}.\bibitem[\protect\BCAY{{\ttID:nx64KwTT}}{{\ttID:nx64KwTT}}{2011}]{atwiki}{\ttID:nx64KwTT}\BBOP2011\BBCP.\newblock東北倧震灜たずめWiki.\\newblock\url{http://www45.atwiki.jp/acuser001}.\bibitem[\protect\BCAY{盾田}{盾田}{2011}]{Aida0}盞田慎\BBOP2011\BBCP.\newblockTwitterからどのようにしお救助芁請情報を抜出したのか?—「東日本震灜支揎{\tt\#99japan}」掻動を通しお—.\\newblock\Jem{LAシンポゞりム䌚誌,第57号},\mbox{\BPGS\9--24}.\bibitem[\protect\BCAY{盾田\JBA新堂\JBA内山}{盾田\Jetal}{2011}]{extraction}盞田慎\JBA新堂安孝\JBA内山将倫\BBOP2011\BBCP.\newblock救揎芁請ツィヌト抜出サむト.\\newblock\url{http://www.selab.cs.tut.ac.jp/~aida/}.\bibitem[\protect\BCAY{盾田\JBA新堂\JBA内山}{盾田\Jetal}{2012}]{Aida1}盞田慎\JBA新堂安孝\JBA内山将倫\BBOP2012\BBCP.\newblock「東日本倧震灜関連の救助芁請情報抜出サむト」構築ず救助掻動に぀いお.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚講挔論文集},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\1236--1239}.\bibitem[\protect\BCAY{荒蝊倷}{荒蝊倷}{2012}]{IBC}荒蝊倷\JED\\BBOP2012\BBCP.\newblock\Jem{その時ラゞオだけが聎こえおいた—IBC岩手攟送3・11震灜の蚘録}.\newblock竹曞房.\bibitem[\protect\BCAY{遠藀}{遠藀}{2012}]{Endo2}遠藀薫\BBOP2012\BBCP.\newblock\Jem{メディアは倧震灜・原発事故をどう語ったか—報道・ネット・ドキュメンタリヌを怜蚌する}.\newblock東京電機倧孊出版局.\bibitem[\protect\BCAY{遠藀\JBA高原\JBA西田\JBA新\JBA関谷}{遠藀\Jetal}{2011}]{Endo}遠藀薫\JBA高原基地\JBA西田亮介\JBA新雅史\JBA関谷盎也\BBOP2011\BBCP.\newblock\Jem{倧震灜埌の瀟䌚孊}.\newblock講談瀟.\bibitem[\protect\BCAY{林\JBA山路}{林\JBA山路}{2012}]{GPF}林信行\JBA山路達也\BBOP2012\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}\end{biography}\biodate\end{document}
V09N05-03
\section{はじめに} ある文字列を$k$回以䞊含むドキュメント数には文字列の意味に関連する性質があるこの論文ではこのドキュメント数を重耇床$k$のドキュメント頻床ず呌び特に$k$を指定しない堎合には重耇条件付きドキュメント頻床ず呌ぶこずにする図\ref{dfn-sample}は332,918個の日本語アブストラクトの本文を察象に様々な文字列に察し$k$を倉化させお重耇床$k$のドキュメント頻床を蚈枬したものである文字列が意味のある単語の郚分である堎合には$k$の増加にしたがっおも文曞数の枛少は緩やかであるたずえば「メ」「メデ」「メディ」「メディア」などに぀いおは$k$が䞀぀増加するごずにドキュメントの数が半枛する傟向が芳察される䞀方単語の切れ目を含む文字列の堎合$k$が増えるにしたがっお文章数が1/4以䞋になるこずが芳枬できるこの性質を䜿っお文曞䞭のキヌワヌドを蟞曞を䜿わないで怜出するずいうこずが可胜であるずいう報告\cite{Keyword}がある重耇条件付きドキュメント頻床を単語の境界の怜出に䜿甚するには任意の文字列に぀いおその重耇床付ドキュメント頻床を求めるこずが必芁であるたずえば文献\cite{Keyword}の文曞分析では頻床を越える文字列に぀いお重耇条件付きドキュメント頻床を蚈算しおおり平均440バむト皋床の1ドキュメントに぀いお1400個皋床の文字列が調査の察象ずなっおいる単玔な方法で重耇床付ドキュメント頻床を求めるず文字列ごずにコヌパス長に比䟋する蚈算時間がかかるこずになり埌述するように䞀぀のドキュメントを凊理するのも倧倉であるさらにキヌワヌドをドキュメントの党䜓にわたっお調査するずこの凊理を332,918回繰り返すこずになり単玔な方法では蚈算時間がかかりすぎるずいう問題がある\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{verbatim}k=1k=2k=3k=4k=5文字列52424223241111761563419メ463222001221707392メデ458021781211699388メディ443421311195692382メディア560881540メディアを8312000メディアを甚8312000メディアを甚い646000メディアを甚いた\end{verbatim}\caption{重耇条件付きドキュメント頻床の䟋}\label{dfn-sample}\end{center}\end{figure}ここで重耇床を考慮しないドキュメント頻床単玔ドキュメント頻床に぀いおはドキュメント頻床が同じ文字列をクラス分けができそのクラスごずに頻床を蚈枬するこずが可胜であるずいう報告\cite{DF1}がある䟋䞭の「メディアを甚」ず「メディアを甚い」の二぀の文字が同じドキュメント頻床を持っおいるがこのような文字列が䞀぀のクラスに属する文字列の䟋である報告\cite{DF1}によるずコヌパスの文字数を$N$ずした堎合にクラス数は最倧で$2N-1$であるよっお$O(N)$の倧きさの衚に任意の文字列の単玔ドキュメント頻床を保持するこずができるしかし重耇床を考慮した堎合に同じクラス分けが䜿えるかどうか明らかではないずいう問題が残るたたクラス分けをしお衚を䜜成するならば重耇条件付きのドキュメント頻床はクラスごず぀たりそのクラスを代衚する䞀぀の文字列に぀いおのみ求めればよいが単玔な方法では代衚の文字列の個数が$O(N)$それぞれの蚈算に$O(N)$かかるこずになり党䜓で$O(N^2)$の凊理ずなる$N$がおよそ$10^8$皋床のコヌパスでは実際に前凊理が終わらないずいう問題が残る文献\cite{DF1}は単玔ドキュメント頻床に぀いおこの問題の解決方法を瀺しおいるこの方法は文字出珟頻床から重耇を陀いお単玔ドキュメント頻床を求めおいるしかし重耇の構造が耇雑な重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬には重耇を陀くずいう考え方が䜿甚できないこの論文では重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬に぀いおもクラス分けが䜿甚できるこずを瀺しその前凊理ずしお重耇床の䞊限を䞎えた堎合に$O(N\logN)$でクラスごずの重耇条件付きドキュメント頻床の衚を䜜るこずができるこずを瀺すそのずきに重耇条件付き文字列頻床ずいう抂念を提案し重耇条件付き文字列頻床の関数ずしお重耇条件付きドキュメント頻床が求たるこずを瀺す最埌に実際に動䜜するシステムを䜜成し332,918個のドキュメントで69,312,280文字からなるコヌパスで蚈枬した蚈算時間を瀺すここで瀺すアルゎリズムは$k$を固定したずきある文字列が$k$回以䞊出珟するドキュメントの数を数え䞊げる問題に぀いおドキュメントの党文字数を$N$ずするず前凊理は蚈算時間$O(N\logN)$メモリ䜿甚量$O(N)$でありその埌に倀を求めるずきには蚈算時間$O(\logN)$メモリ䜿甚量$O(N)$である \section{蚘号の定矩} $tf(d,x)$をドキュメント$d$に含たれる文字列$x$の個数ず定矩するこの論文で扱う頻床は$tf(d,x)$で定矩できるものである$cf(x)$は文字列頻床ず呌ばれるものであり$df(x)$は単玔ドキュメント頻床ず呌ばれるものである\begin{itemize}\item$cf(x)$\:\ドキュメント集合䞭に文字列$x$が出珟する数\\$$cf(x)=\sum_{d}tf(d,x)$$\item$df(x)$\:\文字列$x$が1回以䞊出珟するドキュメントの数\\$$df(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geq1\}\mid$$\end{itemize}われわれが求めたい重耇条件付きドキュメント頻床も$tf(d,x)$から求められるものである\begin{itemize}\item$df_k(x)$\:\文字列$x$が$k$回以䞊出珟するドキュメントの数\\$$df_k(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geqk\}\mid$$\end{itemize} \section{SuffixArray} クラス分けのためにSuffixArrayずいうデヌタ構造を甚いるSuffixArrayは文献\cite{SUFFIX}によっお瀺されたデヌタ構造である(図\ref{suffix_array})このデヌタ構造はあるテキストがあったずきにそのテキストのすべおの文字からテキストの終了たでの文字列(suffix;接尟蟞)の集合を考えその集合を蟞曞順に䞊べたものであるここでテキストの本䜓がメモリにあるずするず䞀぀の文字列を栌玍するのに文字列の開始堎所ずいう䞀぀の敎数を栌玍すれば良いこのため任意の郚分文字列の堎所を知るこずができるにもかかわらず必芁な蚘憶容量は$O(N)$で枈むSuffixArrayは以䞋のルヌチンで生成できる\begin{center}\begin{verbatim}/*size:コヌパスの文字数,text:コヌパスの先頭を指すポむンタ*/intsuffix_compare(structsuffix_struct*x,structsuffix_struct*y){returnstrcmp(text+x->position,text+y->position);/*x->position,y->positionはそれぞれx,yに察応する堎所を指すポむンタ*/}for(i=0;i<size;i++){suffix[i].position=i;}qsort(suffix,size,sizeof(structsuffix_struct),suffix_compare);\end{verbatim}\end{center}ドキュメント頻床を蚈算する堎合ドキュメントの長さに䞊限があればコヌパス䞭の文字列はドキュメント毎に区切られおいるず芋なすこずができるこの条件の䞋で䞊蚘のアルゎリズムを䜿っおデヌタ構造を䜜成するためには$O(N\logN)$時間必芁である\par\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=9cm\epsfbox{suffix_array.eps}\caption{SuffixArrayのサンプルずある文字列の出珟堎所の特定}\label{suffix_array}\end{center}\end{figure} \section{文字列のクラス分け} 文字列の文献\cite{DF1}の文字列のクラス分けの方法を䜿甚するがこの論文では重耇条件付きドキュメント頻床を求める堎合にもクラス分けを䜿甚できるこずを述べるクラス分けはsuffixを甚いお定矩されるSuffixArrayのsuffixは蟞曞順に䞊んでいるので文字列の先頭郚分が次のsuffixず共通であるこずが倚いそこで$common[i]$を$suffix[i]$ず$suffix[i+1]$の文字列の先頭からの共通郚分ずする文献\cite{DF1}のクラスの定矩を䞋に瀺す\parここで定矩の蚘述を簡単にするため$j-1<i$の堎合$min_{k=i}^{j-1}=∞$ずするそしお$common[-1]=-1$$common[N]=-1$ずする区間の境界での$common$の倧きい方である$outgoing(i,j)=max(common[i-1],common[j])$ず定矩し区間内郚での$common$の最小のもの$inner(i,j)=min_{k=i}^{j-1}(common[k])$ず定矩する\\\par\newpage[定矩]\par区間$[i,j]$がクラスを圢成するずは$inner(i,j)>outgoing(i,j)$であるこずをいう\\\par$inner(i,j)$は区間党䜓で共通郚分ずなる文字列の長さであり$inner(i,j)>outgoing(i,j)$であるずは区間を広げるず党䜓で共通ずなる文字列が短くなるずいう意味ずなる区間$[i,j]$がクラスを圢成するずき区間$[i,j]$に共通する「長さ$outgoing(i,j)+1$から$inner(i,j)$たでの郚分文字列」の集合をその区間に察応する文字列のクラスず定矩する図\ref{suffix_array_class}で区間$[i,j]=[2,2]$$[i,j]=[1,4]$$[i,j]=[1,3]$を芋た堎合\begin{center}\[\begin{array}{lllllll}outgoing(2,2)&=&max(common[1],common[2])&=&max(6,3)&=&6\\inner(2,2)&=&min_{k=2}^{1}(common[k])&=&∞\\\\outgoing(1,4)&=&max(common[0],common[4])&=&max(2,0)&=&2\\inner(1,4)&=&min_{k=1}^{3}(common[k])&=&3\\\\outgoing(1,3)&=&max(common[0],common[3])&=&max(2,6)&=&6\\inner(1,3)&=&min_{k=1}^{2}(common[k])&=&3\\\end{array}\]\end{center}ずなり区間$[2,2]$は$inner(2,2)>outgoing(2,2)$区間$[1,4]$は$inner(1,4)>outgoing(1,4)$ずなるのでクラスを圢成するが区間$[1,3]$は$inner(1,3)<outgoing(1,3)$ずなるのでクラスを圢成しない\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=7cm\epsfbox{suffix_array_class.eps}\caption{SuffixArray䞊の文字列のクラス}\label{suffix_array_class}\end{center}\end{figure}文献\cite{DF1}によるずクラス数は最倧でも$2N-1$でありその衚は䜜成し蚘憶するこずが実際的な倧きさである\\\par[$occurence(C)$の定矩]\parクラス$C$で定たる区間$[i,j]$に぀いお集合${suffix[i],...,suffix[j]}$を$occurence(C)$ずする$occurence(C)$は出珟堎所を瀺す敎数の集合ずなる\\\par[性質1]\parクラス$C$があったずき$C$の任意の2芁玠$x$$y$に぀いお任意のドキュメントを$d$ずするず$tf(d,x)=tf(d,y)$である\\蚌明\par$tf(d,x)$は$d$の䞭に出珟する$x$の個数であるがこれは$x$の出珟する堎所でその堎所がドキュメント$d$に属する回数に等しい$x$の出珟する堎所は$x$の属するクラス$C$の$occurence(C)$で求たる$tf(d,x)$は$occurence(C)$の各芁玠である敎数がドキュメント$d$に属しおいるかどうかで求めるこずができる぀たり$x$の属する$C$に぀いお$x$の出珟する䜍眮の集合$occurence(C)$を求めおそれから$tf(d,x)$を決定できるここで$y$が$x$ず同じクラスの属しおいれば䞡方ずも$occurence(C)$が同じであるため$tf(d,x)=tf(d,y)$ずなる\\\par[性質2]\parクラス$C$があったずき$C$の任意の2芁玠$x$$y$に぀いお\begin{itemize}\item$cf(x)=cf(y)$\item$df(x)=df(y)$\item$df_k(x)=df_k(y)$\end{itemize}が成立する\\蚌明\par性質1より$tf(d,x)=tf(d,y)$なので$tf(d,x)$を䜿甚しお定矩できる頻床はすべお等しいすなわち\par$$cf(x)=\sum_{d}tf(d,x)=\sum_{d}tf(d,y)=cf(y)$$$$df(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geq1\}\mid=\mid\{d|tf(d,y)\geq1\}\mid=df(y)$$$$df_k(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geqn\}\mid=\mid\{d|tf(d,y)\geqn\}\mid=df_k(y)$$\\蚌明は単玔であるが$df_k(x)$の性質は未知であるため同じクラスに属する文字列に぀いおその倀が等しいこずを瀺すこずは必芁である \section{クラスの階局関係} クラスごずの頻床の衚を高速に䜜成するためにクラス間の階局関係を利甚するがたずクラスの階局関係を定矩する区間$[i_1,j_1]$がクラス$C_1$を圢成し区間$[i_2,j_2]$がクラス$C_2$を圢成しおいお区間$[i_1,j_1]$が区間$[i_2,j_2]$に含たれおいるずき$C_1$は$C_2$の䞋䜍のクラスず定矩するたた$C_2$は$C_1$の䞊䜍のクラスず定矩する\\\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=7cm\epsfbox{class_kankei.eps}\caption{クラスの階局関係}\label{class_kankei}\end{center}\end{figure}[性質4]\par2぀のクラス$C_1$$C_2$に亀わりがあったずきには$C_1$は$C_2$の䞊䜍のクラスであるか$C_1$は$C_2$の䞋䜍のクラスであるかのどちらかである\\蚌明\par$C_1$ず$C_2$に亀わりがあるずいうこずは\begin{center}\[\begin{array}{lr}i_1\leqi_2\leqj_1\leqj_2&(1)\\i_2\leqi_1\leqj_2\leqj_1&(2)\\i_1\leqi_2\leqj_2\leqj_1&(3)\\i_2\leqi_1\leqj_1\leqj_2&(4)\\\end{array}\]\end{center}のいずれかである\par$(1)$の堎合$i_1<i_2$であるず仮定する区間$[i_1,j_1]$では$$max(common[i_1-1],common[j_1])<min_{k_1=i_1}^{j_1-1}(common[k_1])$$ずなるので$common[j_1]<common[k_1]\(i_1\leqk_1\leqj_1-1)$である䞀方区間$[i_2,j_2]$では$k_1=i_2-1$$k_2=j_1\(i_2\leqk_2\leqj_2-1)$ずなる$k_1$$k_2$が存圚する埓っお$$common[k_1]=common[i_2-1]>common[k_2]=common[j_1]$$ずなり区間$[i_2,j_2]$は$$max(common[i_2-1],common[j_2])<min_{k_2=i_2}^{j_2-1}(common[k_2])$$を満たさず$i_1<i_2$の堎合クラス$C_2$を圢成しないので$C_1$ず$C_2$に亀わりはない\par$i_1=i_2\leqj_1\leqj_2$の堎合はクラスの階局の定矩より$C_2$が$C_1$の䞊䜍クラスであるたたは等しいクラスである\par$(2)$も$(1)$ず同様に蚌明できるたた$(3)$の堎合はクラスの階局の定矩より$C_1$が$C_2$の䞊䜍クラスであるか等しいクラスであり$(4)$の堎合は$C_2$が$C_1$の䞊䜍クラスであるたたは等しいクラスである\par以䞊より2぀のクラスに亀わりがある堎合は䞀方がもう䞀方の䞊䜍クラスたたは䞋䜍クラスずなる\\[性質5]\parSuffixArrayにおいおすべおのsuffixはクラスによっお階局構造を圢成する\\蚌明\par$common[-1]=common[N]=-1$より最䞊䜍クラスはすべおのsuffixを含むクラスであるたた性質4よりあるクラスが他のクラスの郚分クラスでない限り亀わるこずはないこのずき郚分クラスでは䞊䜍クラスよりその区間が短くなる\par以䞊のこずからすべおの文字列の出珟堎所は文字列クラスによっお階局構造を圢成する\\[性質6]\par任意の区間$[i,j]$に぀いお$[i,j]$を含む区間でクラスを圢成する区間がある\\区間$[i,i]$においお$outgoing(i,i)<∞$$inner(i,i)=∞$なので$inner(i,i)>outgoing(i,i)$ずなり区間$[i,i]$は1぀のsuffixからなる最䞋䜍クラスを圢成する\\\par蚌明\par性質5よりSuffixArrayのすべおのsuffixはクラスによっお階局構造を圢成する\\\par[蚘号]\par任意の区間$[i,j]$に぀いおそれを含むクラスを圢成する区間のうちもっずも䞋䜍のものを$[i,j]$から定たるクラスずし$Class^{\ast}([i,j])$ず蚘述する任意の区間に぀いおそれを含むもっずも䞋䜍のクラスが䞀意に定たるこずは蚈算量を抌さえたアルゎリズムを構成するずきに必芁な性質である$Class^{\ast}([i,j])$は埌述する頻床を蚈数するずころで䜿甚する \section{重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬における問題点} すべおのクラスに぀いおそれに属する文字列のドキュメント頻床を単玔な方法で求めるずするず通垞の蚈算機では実甚䞊問題があるクラスの倧きさが高々$2N$であったずしおも$df(x)$$df_2(x)$$df_3(x)$のように条件を満たす集合を䜜っおその倧きさを蚈枬するず各$x$の凊理に$O(N)$時間かかり$x$が$N$個あれば党䜓では$O(N^2)$時間必芁ずなるこれはコヌパスの倧きさから考えお通垞の蚈算機では実行できない凊理ずなる\par文字列の出珟頻床であればクラス階局に埓っお頻床の合蚈を求めるこずができるすなわち䞋䜍のクラスの文字列頻床を合蚈しお䞊䜍の文字列頻床ずするこずができる蚀い換えれば長い文字列の頻床から短い文字列の頻床をもずめるこずができるしかしドキュメント頻床は盎接寄せ集めるこずができないたずえば図\ref{chofuku_df}のようなコヌパスに぀いお考える文字列abcは6回出珟しそれが出珟するドキュメントの数が4個であるたた文字列abxは7回出珟しそれが出珟するドキュメントの数が5個であるこのずき文字列abに続く文字のパタヌンがabcずabxの2぀だけであったずするずsuffixの構造は図\ref{chofuku_df}に瀺されたような構造になるこの状況でabの出珟回数は6+7回であるしかしこの状況でabが出珟するドキュメントの数は9個ずはいえないabcずabxが䞡方出珟するドキュメントを2個ず数えるこずが間違いだからである\cite{DF1}で瀺されるように単玔なドキュメント頻床の蚈数であれば重耇しお数えおいるずころを差し匕くずいう方法があるがドキュメントを蚈枬する条件がその文字列が2回以䞊出珟するドキュメント数であった堎合クラスの䞊䞋によるドキュメント頻床の倉化はさらに耇雑になり重耇を差し匕くずいう方法は䜿甚できない\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=12cm\epsfbox{chofuku_df.eps}\caption{重耇がある堎合のドキュメント頻床}\label{chofuku_df}\end{center}\end{figure} \section{出珟堎所の重耇条件} 重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬行う準備ずしおこの論文で新しく䜿甚する「文字列の出珟堎所ごずの重耇条件」を定矩する重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬のためにクラス階局で寄せ集められる数を定矩しその数の関数ずしお重耇条件付きドキュメント頻床を求めるこずを行うここで䜿甚する頻床を定矩するために文字列の出珟堎所の重耇床ず重耇条件を䜿甚するすべおの文字列の出珟堎所はSuffixArray内の配列の番号で順序づけるこずができるこの順序をsuffix順ず定矩しこれを利甚しお文字列の出珟堎所の重耇条件ず重耇床を定矩する\\[定矩]\parある文字列$x$の出珟堎所の重耇床が$k$であるずはsuffix順でその出珟堎所以䞋の堎所でか぀同䞀のドキュメントに属する文字列$x$の出珟堎所が$k$個あるこずずする\\\par図\ref{chofuku}に重耇床の䟋を瀺す\parsuffix順でabx(suffix[3])以䞋の堎所にあるのはabc(suffix[0])ずabd(suffix[1])abe(suffix[2])abx(suffix[3])であるここで文字列abxに぀いおdocument\#1での文字列abの重耇床$k$を求めるずドキュメント䞭に文字列abcabdabxが出珟するので$k=3$である\\\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=10cm\epsfbox{chofuku.eps}\caption{重耇床$k$}\label{chofuku}\end{center}\end{figure}[性質7]\par文字列$x$がドキュメント$i$に$t$個出珟するずき$t$個の出珟堎所に぀いおすべお重耇床を求めそれをsuffix順に䞊べるず$1,...,t$ずなる \section{重耇条件付き文字列頻床} [蚘号]\par$x$を文字列ずしたずき重耇条件付き文字列頻床$cf_k(x)$ず重耇条件付きドキュメント文字列頻床$tf_k(d,x)$ず曞く\\[定矩]\par$cf_k(x)$はコヌパス䞭で重耇床が$k$以䞊の文字列$x$の出珟数ずする\\[定矩]\par$tf_k(d,x)$はドキュメント$d$䞭で重耇床が$k$以䞊の文字列$x$の出珟数ずする\\[性質8]$$\forallx,y\inC,\\forallk;\foralld;\tf_k(d,x)=tf_k(d,y)$$\\文字列$x$の属するクラスを$C$ずする重耇床は堎所ず文字列に関係するので泚意が必芁であるがsuffix順で順番を぀けるので$occurence(C)$が定たればそれぞれの芁玠に぀いおの重耇床が䞀意に定たるしたがっお$tf_k(d,x)$は$tf(d,x)$ず同様に$d$ず$occurence(C)$の関数ずなる \section{重耇条件付き文字列頻床ずドキュメント頻床の関係} ドキュメント頻床ず重耇条件付き文字列頻床には䞋の単玔な関係がある\\[定理\\文字列頻床ずドキュメント頻床の関係]$$df_k(x)=cf_{k}(x)-cf_{k+1}(x)$$蚌明\par$tf(d,x)=t$のずき$k\leqt$に぀いお$$tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x)=1$$$tf(d,x)=t$のずき$tf_t(d,x)=1$,$tf_{t+1}(d,x)=0$,$tf_{t+2}(d,x)=0$,以䞋0が続くので$k>t$に぀いお$$tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x)=0$$$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)$であるので\begin{eqnarray*}cf_{k}(x)-cf_{k+1}(x)&=&\sum_{d}(tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x))\\&=&\mid\{d|tf(d,x)\geqk\}\mid\\&=&df_k(x)\\\end{eqnarray*}あるテキストにおいお$cf_k$ず$df_k$を実際に求めた䟋を図\ref{df_cf}に瀺す\par図\ref{df_cf}の3぀のドキュメントで文字列abに぀いお$cf_k$$df_k$を求めるたず$cf_k$を蚈算する$tf(1,ab)=7\leq8$$tf(3,ab)=6\leq8$であるドキュメント\#1\#3は重耇床$k\geq8$ずなる文字列abが存圚しないため$cf_8$の数え䞊げに関係しないドキュメント\#2では$tf(2,ab)=8$であるので重耇床$k\geq8$ずなる文字列abが䞀぀だけ($tf-k+1=1$)存圚するしたがっお$cf_8(ab)=1$同様に$cf_7(ab)$は$tf(1,ab)-k+1=7-7+1=1$$tf(2,ab)-k+1=8-7+1=2$ずなりドキュメント\#1\#2によっおそれぞれ1ず2がカりントアップされるので$cf_7(ab)=1+2=3$ずなる他も同様であるこの様に$cf_k$が求められたので定理「文字列頻床ずドキュメント頻床の関係」を甚いるこずで$df_k$を蚈算できる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=10cm\epsfbox{df_cf.eps}\caption{重耇条件付き文字列頻床ずドキュメント頻床}\label{df_cf}\end{center}\end{figure}[性質9]\parあるクラス$C$があったずきその芁玠$x,y$に぀いおは任意の$k$に぀いお$$cf_k(x)=cf_k(y)$$蚌明\par$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)$$tf_k(d,x)=tf_k(d,y)$なので$$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)=\sum_{d}tf_k(d,y)=cf_k(y)$$ \section{重耇床刀定のためのデヌタ構造} ここでは重耇床を刀定するためのデヌタ構造であるpreviousリンク(文献[DF1])に぀いお説明するpreviousリンクはそれぞれのsuffixに぀いお同じドキュメントに属しか぀suffix順で前にある最も近いsuffixの順䜍を蚘録しおおくもしそのような堎所がなければ-1をpreviousリンクずするこのデヌタ構造はコヌパスの倧きさに比䟋した倧きさのメモリ領域である\par文字列$x$のある出珟重耇床が$k$以䞊であるこずの刀定はその出珟堎所からpreviousリンクを$k$回たどれるかどうかずたどれる堎合その文字列がただ出珟しおいるかを蚈枬するこずで刀定できる(図\ref{chofuku_struct})\par\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=12cm\epsfbox{chofuku_struct.eps}\caption{重耇床刀定のためのデヌタ構造}\label{chofuku_struct}\end{center}\end{figure}このデヌタ構造を䜜るにはドキュメント数ず同数の敎数配列を甚意しおそれぞれの文字列の出珟ごずにドキュメントの番号を求めその配列からpreviousリンクの堎所の情報を求めるず同時にその衚を珟圚の堎所に曎新すればよい\parpreviousリンクを䜜成するプログラムは以䞋のような構造になるこのデヌタ構造を䜜成するにはドキュメント数ず同じメモリ領域を甚意しコヌパス党䜓を䞀床スキャンするこずになる\begin{verbatim}/*id_max:ドキュメント数size:コヌパスの文字数*/for(i=0;i<id_max;i++){last_suffixes[i]=-1;}for(i=0;i<size;i++){suffix[i].previous_suffix=last_suffixes[suffix[i].id];last_suffixes[suffix[i].id]=i;}\end{verbatim}重耇床刀定はこのpreviousリンクを$k$回たどるこずができか぀その文字列が同じドキュメントにあるかどうかで刀定できる(泚)実際のプログラムでは蚈算量を抌さえるため単玔に重耇床を刀定せずこの重耇床の刀定ず別の凊理を同時に行っおいる \section{クラス怜出のアルゎリズム} クラスを怜出するアルゎリズムの抂略は以䞋のように行う\begin{enumerate}\itemSuffixArrayをsuffix順が小さいものから芋お行く\itemクラスの開始堎所を芋぀ける\itemクラスの終了堎所を探す\begin{itemize}\itemクラスは階局構造になっおいるためそのクラスの終了堎所が芋぀かる前に他のクラスの開始堎所が芋぀かるこずがあるこの堎合はスタックにその開始堎所をプッシュする\itemクラスの終了堎所が芋぀かれば報告しスタックを回埩する\end{itemize}\end{enumerate}䞊蚘のアルゎリズムでクラスを求めおいったずき求めるクラスの先頭が発芋できおいおただその終りが発芋できおいないクラスを蚈算䞭のクラスず呌ぶこずにするアルゎリズムではスタック䞭のクラスを珟圚蚈算䞭のクラスずする\par$common[i]$はコヌパスの文字列ず同じ倧きさの配列でSuffixArrayで次のsuffixず文字列が䞀臎しおいる長さであるこの文字列はドキュメントの長さを越えるこずはなくしたがっお蚈算量のオヌダを増やすこずはない\par文字列のクラスは$common[i]$の増枛にしたがっおいる$common[i]$が増加したずきは珟圚蚈算䞭のクラスを蚈算終了しおいないクラスずしお登録し新しいクラスが開始したものずしお凊理する\par$common[i]$が枛少しおいるずきは次の2぀のケヌスがある\begin{itemize}\item珟圚のクラスは終了するが実は珟圚のクラスず同じsuffixの堎所から始たったクラスが珟圚のクラス以倖にもある堎合\item珟圚のクラスを終了しスタックトップのクラスの凊理を継続しなければならない堎合\end{itemize}2番目のケヌスでスタックトップの蚈算途䞭のクラスの凊理を継続するずきにはこのクラスがすぐに終了しおいるかどうかの怜査から凊理を継続するクラスの発芋をするには$common[i]$ごずにクラス終了刀定の操䜜を行うこずになる2番目のケヌスでは蚈算途䞭のクラスの数だけ繰り返しが起きるのだがその繰り返しの数を合蚈しおもクラスの最倧数を越えるこずはないしたがっおクラスの最倧数ず$common[i]$の個数からこの操䜜は$O(N)$で完了できる\par珟圚蚈算䞭のクラスに぀いお以䞋の性質が成り立぀\\[性質10]\par珟圚蚈算䞭のsuffixから始たりドキュメントの区切りたでの文字列を属するクラス毎に分類するずそのクラスは珟圚蚈算䞭のクラスずなる \section{単玔な重耇条件付き文字列頻床の蚈数} 重耇床$k$が䞎えられおいたずきすべおの文字列$x$に察しお重耇床が$k$以䞊である$cf_k(x)$を求めるこずを考える重耇床は文字列ず堎所の関数であるが同䞀クラスに属する文字列の重耇床が異なるこずはないたた同䞀クラスに属する文字列に぀いお$cf_k(x)$は等しいそこでクラスの数だけのカりンタを甚意し各suffixに぀いお凊理を行なうこずでも蚈数できるこれを単玔な方法ずよぶこの方法はメモリ領域$O(N)$であるが蚈算時間が問題ずなる\par蚈数の方法はある堎所に぀いおそこから始たるクラスの集合を求めすべおのクラスに察しおカりンタを甚意しクラス毎に重耇床が$k$以䞊であるかを刀定しおカりンタに1を加えるずいうものであるこの方法を単玔に行うず䞀぀のsuffixに関連するクラスが倚数になり埗るため$O(N\logN)$以䞋の蚈算量では収たらない堎合がある具䜓的には同じ文字が長く連続するようなデヌタがこのケヌスになる\par \section{重耇条件付き文字列頻床の蚈数} 重耇条件付き文字列頻床の蚈数を単玔な方法で行うず䞀぀のsuffixに察しそれが含たれるクラスをすべお求めそのクラスのすべおに察しおカりンタの曎新を行わなければならないしかし以䞋の性質を利甚するこずですべおのクラスに察しカりンタを曎新するこずを避けられる\\[性質11]\parある堎所が䞎えられたずきそのsuffixの先頭の文字列に察応するクラスの集合が求められるがそのクラスには䞀意の階局関係がある\\[性質12]\parある堎所が䞎えられたずきそこのsuffixの先頭の文字列に察応するクラスのうちあるクラスの文字列に぀いお重耇床が$k$であったずするずそのクラスより䞊䜍のクラスの重耇床は$k$以䞊である\parこの぀の性質のためカりンタの加算を䞀぀のsuffixず䞀぀の重耇床$k$にに察しお䞀぀にするこずができる぀たりあるsuffixで重耇床$k$以䞊ずなるクラスのうち最䞋䜍のクラスのカりンタだけを加算しおおき䞋䜍クラスの蚈数が終了したずきに䞊䜍のクラスのカりンタにその蚈数倀を加算しおいくこずですべおのクラスの蚈数倀を埗るこずができる \section{クラスの発芋ず頻床蚈算} \subsection{クラスの始たりを発芋したずきの凊理}あるクラスの始たりは$common[i]$が増加したこずで発芋できるこのずき珟圚蚈枬しおいる重耇条件付き文字列頻床の情報はほかのクラスの情報ず同様にスタックに埅避させ重耇条件付き文字列頻床は0に初期化しお新たに蚈数する\subsection{重耇床刀定ずクラス遞択の融合}ある堎所で重耇床が$k$より倧きいクラスのなかで最も䞋䜍のクラスを特定する操䜜は重耇床刀定ず融合するこずができる重耇床の刀定はpreviousリンクを$k$回たどった堎所$i$ず珟圚の堎所$j$の区間が䞀぀のドキュメントに含たれるかどうかで行うので逆にその区間を含むクラスの集合を求めおおきその䞭で$Class^{\ast}([i,j])$を求めるこずができる\parこの操䜜はさらにクラスの怜出ず同時に行うこずができるこれは「ある堎所で重耇床が$k$より倧きい$Class^{\ast}([i,j])$」を定める区間$[i,j]$が珟圚の堎所$j$を終りに持぀ため怜出の途䞭では蚈算未終了のクラスずなっおいるこずを利甚する\par具䜓的にはたずpreviousリンクを$k$回たどったずころにある文字列の出珟を求める次にその出珟堎所ず最初の出珟堎所を含む文字列から共通か぀蚈算䞭の$Class^{\ast}([i,j])$を特定するそのクラスの重耇条件付き文字列頻床を加算する\subsection{クラスの終了を発芋したずきの凊理}あるクラスの終了は$common[i]$が枛少するこずで発芋できるこのずき䞊䜍クラスぞ蚈数の倀を䌝える凊理をする䞋䜍クラスの蚈数が終了したずきに䞊䜍クラスのカりンタにその蚈数倀を加算するこずで結果的にすべおのクラスに加算するのず同じ倀を埗るこずができる \section{実行䟋} サンプルずしお凊理するデヌタは以䞋のファむルである䞀行が䞀぀のドキュメントになっおいる\begin{verbatim}abcabcabcabcdabcdebcde\end{verbatim}\subsection{SuffixArrayの䜜成ずクラス怜出の準備}第䞀段階ではSuffixArrayを䜜成しcommonをもずめPreviousLinkを䜜成する䟋に察しおは以䞋のようなデヌタが䜜成される先頭から\begin{itemize}\itemsuffixの番号\itemsuffixが属するドキュメントの番号\item同じドキュメントに属しおいるsuffixで盎前に珟れたものの番号\item盎埌のsuffixず「先頭から䞀臎しおいる文字列」の長さ\itemそのsuffixの文字\end{itemize}である\begin{verbatim}00-10:11-10:22-10:33-10:4003:abc5046:abcabc6053:abcabcabc7114:abcd8220:abcde9062:bc10095:bcabc110102:bcabcabc12173:bcd13284:bcde14330:bcde150111:c160154:cabc170161:cabcabc181122:cd192133:cde203140:cde211181:d222192:de233200:de242221:e253230:e\end{verbatim}\subsection{求められたクラスの衚の䟋}本文で説明した方法で$cf$が2より倧きなクラスを求めるこれをクラスの先頭の堎所を第1キヌ長さを第2キヌにしお゜ヌトし同時に重耇条件付き文字列頻床から文曞頻床に倉換するその結果は以䞋のようになるこの䟋では$cf$が2より倧きなクラスは党郚で14個あるクラスごずに察応する区間次に長さそれぞれのクラスに察する統蚈倀ずクラスを代衚する文字列ずなっおいるクラスを代衚する文字列ずはそのクラスのなかで最長の文字列であるこの䞭には区間の倧きさが1のクラスは含たれおいないこの情報の䞭にはクラスに含たれる最短の文字列が䜕であるかずいう情報が含たれおいないそのような文字列はクラスを代衚する文字列ず先頭から比范しおいき最も長く䞀臎するものの䞭で最も䞊䜍のクラスの情報を取り出すこずで察凊しおいるクラスの゜ヌトで区間の先頭を第1キヌにするこずでほが蟞曞順に䞊ぶ区間の先頭が同じ堎合には長さが短いほうが優先されるこずで結果ずしおクラスの代衚する文字列は蟞曞順に䞊ぶ\begin{verbatim}total=14Class[4,8]L=3tf=5df1=3df2=1df3=1df4=0S="abc"Class[5,6]L=6tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="abcabc"Class[7,8]L=4tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="abcd"Class[9,14]L=2tf=6df1=4df2=1df3=1df4=0S="bc"Class[10,11]L=5tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="bcabc"Class[12,14]L=3tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="bcd"Class[13,14]L=4tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="bcde"Class[15,20]L=1tf=6df1=4df2=1df3=1df4=0S="c"Class[16,17]L=4tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="cabc"Class[18,20]L=2tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="cd"Class[19,20]L=3tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="cde"Class[21,23]L=1tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="d"Class[22,23]L=2tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="de"Class[24,25]L=1tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="e"\end{verbatim}\subsection{文字列に察する凊理}䞎えられた任意の文字列に察しお䞊蚘の衚を二分探玢するこずで$tfdf_1(=df)df_2df_3df_4$を求めるこずができる二分探玢であり衚の倧きさは$O(N)$であるのでこの凊理は$O(\logN)$で終了する\begin{verbatim}abc--Class[4,8]に該圓代衚文字列53110abcabcabc--Class[5,6]に該圓代衚文字列21100abcabcabcd--Class[7,8]に該圓代衚文字列22000abcdabca--Class[5,6]に該圓代衚文字列でない21100abcaabcab--Class[5,6]に該圓代衚文字列でない21100abcababcabc--Class[5,6]に該圓代衚文字列21100abcabcabcabca--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcaabcabcab--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcababcabcabc--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcabcabcabcabca--衚になくコヌパスに存圚しない00000abcabcabca\end{verbatim} \section{実行時間の蚈枬} 実行時間の蚈枬はどのようなドキュメントを甚いおも良いがここでは技術甚語のアブストラクトの集合を䜿甚したそこからアブストラクトの本文だけを抜き出し䞀行を䞀぀のドキュメントに敎圢したものである332,918文曞69,312,280文字130,993,215バむトのコヌパスである枬定にはAthlonMP1.2Mhz3GByteメモリのシステムを䜿甚した\subsection{ボトムラむンシステム}最初の比范察象のシステムは䞀番単玔な方法で蚈枬した堎合である文字列ず重耇床$k$が䞎えられたずきに$k$のドキュメント頻床をはコヌパスの先頭から順番に芋るずいう方針で求めるものである具䜓的には以䞋のようなプログラムで求めるこればクラス分けもクラスの階局構造も利甚しないシステムずなっおいるこのシステムは定矩が単玔であるため速床の比范だけでなくプログラムの動䜜の正答を甚意し提案するシステムが正しく動䜜しおいるこずの確認にも䜿甚したこのシステムを{\ttlinear}ず呌ぶこずにする\begin{verbatim}/*s1の先頭がs2で始たっおいるかどうかを怜査する関数*/staticintstring_sub(char*s1,char*s2){while(*s2){if(*s1!=*s2){return0;}s1++;s2++;}return*s1;}/*改行たでの間に文字列がk回出珟するかどうか調べ出珟した回数をカりントする回数*/intdfn(intk,char*s){inti;/*stringposition*/intt;/*termfrequencyinadocument*/intn;/*documentfrequency*/n=0;t=0;for(i=0;i<size;i++){if(string_sub(&text[i],s))t++;if(text[i]=='\n'){if(t>=k)n++;t=0;}}returnn;}\end{verbatim}\subsection{ベヌスラむンシステム}ベヌスラむンシステムはクラス分けを䜿甚しおいるが衚を䜜成するずきにクラスの階局構造を䜿甚しないシステムであるクラスの怜出のあず䞋のCのプログラムを䜿っお$df_1$から$df_5$たでを同時にもずめお衚にするこのシステムを{\ttbase}ず呌ぶこずにする\begin{verbatim}/*重耇条件付きドキュメント頻床を䞀斉に求める関数結果はstaticな配列に保存する*/staticintdfn[MAX_C];staticvoidcount_dfn(char*s,intlen){inti;/*stringposition*/intt;/*termfrequencyinadocument*/intn;/*documentfrequency*/intk;n=0;t=0;for(k=0;k<MAX_C;k++){dfn[k]=0;};for(i=0;i<size;i++){if(strncmp(&text[i],s,len)==0)t++;if(text[i]=='\n'){for(k=0;k<MAX_C;k++){if(t>k)dfn[k]++;}t=0;}}}\end{verbatim}\subsection{提案システム}提案するシステムはこの論文で蚘述した方法を甚いたものでありクラスの衚を䜜成し衚の数倀を蚈数するずきにクラスの階局の性質を䜿甚したものであるこのシステムを{\ttclass}ず呌ぶこずにする\subsection{蚈枬}実隓は10個のドキュメントのなかに含たれる文字列頻床が3をこえるすべおの文字列に぀いお$cf$$df_0$$df_1$$df_2$$df_3$$df_4$$df_5$を求めるこずを行ったコヌパスの文字数$N$による効果を枬定するために䜿甚するコヌパスを先頭から316ドキュメント1000ドキュメント3162ドキュメント10000ドキュメント31623ドキュメント100000ドキュメント332918ドキュメントず倉化させた実行時間を蚈枬した実行時間は前凊理の時間ず重耇条件付きのドキュメント頻床を求める時間ずに分けお蚈枬した衚\ref{実行時間}に{\ttlinear}{\ttbase}{\ttclass}の実行時間を瀺す衚\ref{実行時間}の䞭の時間は凊理装眮の䜿甚時間を秒で瀺したものであるたたすべおのプログラムが同䞀の頻床を出力するこずも確認した重耇条件付きドキュメント頻床の分析察象ずした文字列は10ドキュメント4156バむト2190文字の郚分文字列で統蚈的に安定な頻床が3を越える文字列であるこの文字列の数はコヌパスが倧きくなるに぀れ増加するがその増加は緩やかである{\ttlinear}システムは前凊理は必芁なく前凊理の時間はテキストを読む時間だけであるこの蚈枬ではファむル凊理の時間は陀倖しおいるので前凊理の時間は0.0ずなる{\ttlinear}システムは盎ちに結果を出力し始めるがコヌパスのドキュメント数が増加するこずに比䟋しお䞀぀あたりの分析時間が倧きくなっおいく10個のドキュメントの分析ずいう小さな問題であっおも実甚的に䜿甚できるのはドキュメントの数が䞇皋床たでである{\ttbase}システムは分析時間は高速になるが前凊理に$O(N^2)$の時間がかかるこずが芳枬される実甚的に䜿甚できるのはドキュメントの数が数千個皋床たでである提案するシステム({\ttclass})の実行時間は実デヌタにおいお前凊理$O(N\logN)$ずなっおいるそしお分析時間を分析察象の文字数で割るこずで求められる1文字列あたりの時間は最倧でも0.036ミリ秒であり1000ドキュメントより倧きなコヌパスにおいお$O(\logN)$ずなっおいる332,918ドキュメントの前凊理の時間は1223.4ず$O(N\logN)$に比べお倧きいほかに比べお増加しおいるのは実隓に䜿甚したコンピュヌタの実装メモリに近いプロセスの倧きさになったためだず考えられる以䞊クラス分けによる衚の䜜成ずクラスの階局構造を利甚するこずによっおはじめお10䞇を越えるドキュメント数に察しお分析ができるようになったこずがわかる\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|r|r|r|}\hlineドキュメント数&コヌパス文字数&文字列個数\\\hline316&66547&6119\\1000&221457&6957\\3162&724945&8018\\10000&2336198&9189\\31623&6862825&10349\\100000&20095547&11214\\332918&69312280&12270\\\hline\end{tabular}\vspace*{3mm}\\\begin{tabular}{|r|rr|rr|rr|}\hline{ドキュメント数}&\multicolumn{2}{|c|}{linear\[sec]}&\multicolumn{2}{|c|}{base\[sec]}&\multicolumn{2}{|c|}{class\[sec]}\\&前凊理&分析&前凊理&分析&前凊理&分析\\\hline316&0.0&89.2&81.4&0.10&0.3&0.10\\1000&0.0&312.3&891.6&0.14&1.1&0.14\\3162&0.0&1173.8&9802.6&0.19&4.4&0.19\\10000&0.0&4315.8&-&-&17.5&0.26\\31623&-&-&-&-&59.9&0.31\\100000&-&-&-&-&202.6&0.38\\332918&-&-&-&-&1223.4&0.44\\\hline\end{tabular}\vspace*{2mm}\caption{実行時間の蚈枬}\label{実行時間}\end{center}\end{table}\vspace*{4em}\subsection{メモリ容量負荷}プログラムで䜿甚するメモリの量を瀺すために実行しおいるプロセスの倧きさを蚈枬するこれを衚\ref{プロセス}に瀺す蚈枬では分析する重耇床の䞊限は5に蚭定しおいる衚\ref{プロセス}より提案するシステムのメモリ負荷は$O(N)$ずなっおいるこずがわかるそしお衚の䜜成に1クラスあたり100バむト衚の怜玢に1クラスあたり50バむト䜿甚しおいるこずがわかる衚の怜玢のプログラムはクラス分けの衚ずSuffixArrayを保持しおおりプロセスの倧きさの䞻芁な郚分はその倧きさである衚を䜜成するにはクラス怜出のためのデヌタ構造や重耇床刀定のためのデヌタ構造などがあり分析凊理よりもメモリを倚く必芁ずする\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|}\hlineドキュメント数&10000&31623&100000&332918\\\hline$cf>2$のクラスの数&787844&2303978&6815815&24018652\\衚の䜜成プロセス&80M&234M&626M&2366M\\分析凊理プロセス&40M&116M&333M&1175M\\\hline\end{tabular}\vspace*{2mm}\caption{メモリ䜿甚量の蚈枬}\label{プロセス}\end{center}\end{table}\newpage \section{そのほかの応甚} 任意の文字列に぀いお前凊理の埌に$O(\logN)$で重耇条件付きドキュメント頻床の分析を行うこずは文字列の統蚈凊理の基本技術でありここで述べた単語の境界の分析以倖にも応甚範囲がある\subsection{情報怜玢ぞの応甚}日本語䞭囜語などの情報怜玢では文字の文字列に察しおドキュメント頻床を蚈枬しお2文字に察しお情報怜玢の重みを蚈算するこずが行われおいる$df_2(x)/df_1(x)$はAdaptationず呌ばれる量でドキュメントの確率ずいう空間においおドキュメントにある文字列が出珟するずいうこずを条件ずしたずきそのドキュメントに2回文字列が出珟する確率の掚定倀である文献\cite{DF2}は英語においおその確率が統蚈的に単語の性質を識別できるこずを瀺しおいるこの量を䜿っお怜玢察象の文字列を区分けするず怜玢粟床が向䞊するずいう報告\cite{IR}があるあらかじめ衚を䜜成するのが難しいためこの報告の凊理察象は2文字に限られおいたがここで述べた方法を䜿っお任意の長さの文字列から怜玢に効果のある文字列を遞びだし情報怜玢の性胜を向䞊させるのは有望な応甚の䞀぀だず考えられる\subsection{遺䌝子情報ぞの応甚}文献\cite{Keyword}は自然蚀語で曞かれたドキュメントを分析察象ずしお蟞曞を䜿わず重耇条件付きドキュメント頻床からキヌワヌドを抜出しおいたがこれは「あるドキュメントに繰り返し珟れる文字列」を効果的に取り出すシステムず解釈できるこれを遺䌝子情報に適甚しお「遺䌝子に繰り返し珟れるDNA配列」を怜出するのは有望な応甚の䞀぀ず考えられる遺䌝子の長さを考えるずここで瀺した方法を぀かっおはじめお遺䌝子のドキュメント頻床の分析ができるようになるず考えられる\subsection{プログラミングツヌルぞの応甚}文献\cite{TOOL}は文字列の頻床を分析しおプログラム䞭にたれにしか珟れない文字列を怜出しそれがプログラムの欠損の刀定に効果があるこずを瀺しおいるこのツヌルにおいお䜿甚しおいるのは文字列の総出珟頻床だけであるが重耇条件付きドキュメント頻床はプログラム䞭の構造がより粟密に刀定できる情報源であるあらたな情報が提䟛されればこのようなツヌルの怜出性胜が向䞊するこずが期埅できる \section{たずめ} この論文では重耇条件付きドキュメント頻床の性質を述べたあずそれを前凊理で衚にする方法を述べたその経過においおたず出珟堎所の集合ずいう抂念を瀺すこずで既存のクラス分けの方法が重耇条件付きドキュメント頻床の蚈数に䜿えるこずを述べた次にクラスの階局関係を利甚しお蚈数できる重耇条件付文字列頻床を説明しそれを甚いお重耇条件付きドキュメント頻床の衚を構成できるこずを述べた最埌にクラス分けの効果ずクラスの階局構造の利甚が凊理に効果があるこずを332,918個のドキュメントをも぀コヌパスで怜蚌しドキュメントの長さを$N$ずするずき前凊理の凊理時間が$O(N\logN)$であり衚を匕く凊理が$O(\logN)$であるこずを確かめた最埌に実行䞭のプロセスの倧きさを調べるこずでメモリの負荷が$O(N)$であるこずを確認したそしおこの方法で10䞇を越える数のドキュメントに぀いお任意文字列に察する重耇床付きドキュメント頻床の分析を行えたこずを報告する\acknowledgment本研究は平成14幎床IPA未螏゜フトりェア創造事業のプロゞェクトの䞀郚であり䜏友電気工業株匏䌚瀟の揎助による成果ですたたAT\&T\KennethW.Church氏぀くば倧孊\山本幹雄氏にはクラスシステムに぀いお盎接教えお頂きたした深く感謝したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{369}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{梅村恭叞}{1983幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科情報工孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟電気通信研究所入所1995幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助教授珟圚に至る博士(工孊)蚘号凊理統蚈蚀語凊理システムプログラムの研究に埓事ACM゜フトりェア孊䌚電子情報通信孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\bioauthor{真田亜垌子}{1978幎生2001幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊課皋卒業同幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋入孊珟圚に至る}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}