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V18N02-03
\section{はじめに} 本皿は文曞あるいはある芳点で集められた文曞矀が䞎えられたずきそれに぀いお文曞量に䟝存しない定数—これを本皿では文曞定数ず定矩する—を蚈算する方匏に関する報告である文曞定数は叀くは文曞の著者刀定を䞻たる目的ずしお探究された最も叀い代衚的なものずしお1940幎代に提案されたYuleの$K$がある珟圚では著者刀定に察しおは蚀語モデルや機械孊習に基づく方法など代替ずなる手法が数倚く提案されおいるこのため䜕も文曞や文曞矀をあえお定数ずいう䞀぀の数倀に還元しお刀定を行う必芁はないしかし文曞あるいは文曞矀がある䞀貫した特質を持぀のであればその特質を定数に還元しようずするこず自䜓は工孊䞊の個別の応甚を超えおより広く蚈算蚀語孊䞊の興味深いテヌマであるず筆者らは考える文曞あるいは文曞矀に通底する䞀貫性の皮類には内容や難易床などさたざたなものが考えられ蚀語凊理分野では文曞分類や難易床刀定ずしおそれを捉える工孊的方法が考案されおきた文曞定数の堎合にはもずもずの研究の発端が著者刀定にあったために著者の語圙量語圙の偏り床合あるいは個別文曞の耇雑さなど語圙の耇雑さを蚈枬し数倀化する問題ずしお考えられおきた䞀般に文曞の倧きさが増すほど文曞の耇雑さは増倧するが䞀方で挱石の「坊っちゃん」の䞀郚分にはその党䜓にも通底する固有の特質があるず捉えるこずもできようこれを定数ずしお衚そうずするこずは蚘号列ずしおの文曞に䞀貫する耇雑さのある偎面を考えるこずに぀ながるず考えられるそしお察象ずしうる文曞は個別䜜品だけではない特定の内容の文曞矀や特定の蚀語の文曞矀でこれらの定数を考えるこずは自然蚀語の蚘号列の有する特質に光を圓おるこずにはならないか文曞定数を考えるこずは本皿でも報告するように易しい問題ではないその䞀぀の理由は自然蚀語の文曞においおhapaxlegomena—頻床が1回きりの単語—が語圙に察しお占める割合が比范的倧きいこずにあろうたずえばサむコロであれば各目の出る確率を掚定するのに必芁な斜行回数は掚定するこずができる䞀方で文曞の堎合にはさたざたな統蚈的掚定には文曞量が垞に䞍十分な状態のたたである~\cite{kyo,Baayen}すなわち文曞定数を考えるこずは確かな蚀語モデルが䞍圚のたた量が垞に足りおいない状態のたたで定数を考えるずいう問題ずしお䜍眮付けられよう次節でたずめるが文曞定数に関する研究はすでにさたざたなものがあり単語に泚目するものず文字列に泚目するものに倧別される近幎の研究ではそれらのほずんどが文曞長に応じお単調倉化しおしたうこずが報告されその䞭で文曞定数ずなる指暙は筆者らの知る範囲では珟圚のずころ2぀しかないこの珟状の䞭で本皿の意矩は以䞋の4点にたずめるこずができる第䞀に過去の研究で定数ずされおいるものうちの䞀぀が定数ではないず実隓的に瀺したこずである第二に過去の提案に加え近幎研究されおいる蚀語の倧域的特性を捉える耇雑系ネットワヌクや蚀語゚ントロピヌずいった数理的枠組みから文曞の特性を倧域的に捉える指暙を新たに吟味しこれらがやはり文曞定数ずならないこずを瀺すこずである以䞊の意味で本皿では新しい文曞定数を提案するものではなく文曞定数ずしおは䟝然ずしお既に提案されおいたもののうち2぀のみであるずいう結論ずなる第䞉に文曞定数に関する研究は英語を䞭心ずしお展開しやや広くおも印欧語族に぀いおのみの報告しかない本皿では日本語や䞭囜語に関しおも実隓を行い過去に提案されおきた文曞定数が非印欧語族に察しおも定数ずしお成り立぀かどうかを論じる第四に過去の研究の倧半では短い個別文曞に関しお定数ずなるかどうかが調べられおきた本皿では数癟MBにわたる文曞矀での実隓結果も報告する \section{関連研究} \label{TandB}過去の研究には単語に基づくものず文字列に基づくものの二皮類のものが提案されおいる単語ナニグラムに基づく文曞定数を埗ようずしたもっずも叀い孊者の䞀人は前述のようにYuleである~\cite{Yule}Yuleの目的は著者刀定にあり単語ナニグラムに基づく指暙$K$を提案したこれを受けHerdanが60幎代に独自の匏を提案しおいる~\cite{herdan}その埌は個別の提案が続き近幎TweedieずBaayenが単語ナニグラムのみに基づく指暙に関し網矅的な研究を行っおいる~\cite{BaayenTweedie}圌らは単語ナニグラムに基づく既存の12の指暙に関し実際に定数ずなるかどうかを調べた察象ずした文曞は「䞍思議の囜のアリス」など英語の耇数の短い個別文曞である圌らの実隓では12の指暙が文曞䞭の単語はランダムに発生するずいう仮定のもずで提案されおいるこずを受け文曞䞭の単語を出珟順にそのたた扱うものではなく文曞党䜓の単語をランダムに入れ替えおシャッフルするこずを行った䞊で指暙を蚈枬したその䞊で12の指暙の䞭で$K$ず$Z$に぀いおは小芏暡な英語文曞では文長によらず倀がほが䞀定ずなるがそのほかの指暙は䞀定ずはならないこずが報告されおいるさらにTweedieずBaayenは指暙が文曞の著者刀別に甚いるこずができるかを探究した各文曞を$K$-$Z$空間で衚しクラスタヌ分析などの別手法ず比范した結果$K$ず$Z$の二぀の特城量だけで著者を衚すこずができるず結論づけた本皿では単語ナニグラムに関しおTweedieずBaayenの報告ずは異なる芋解を実隓を根拠に瀺すそれは指暙$K$ず$Z$のうち$Z$は文曞定数を構成しないずいうものである$Z$は次節で詳しく説明するがZipfの法則を背景ずする点で耇雑系ネットワヌクずの関係が深いこの点で蚀語の倧域的特性を衚す蚀語のべき乗則から単玔に考えられる定数$r$を考えるこずができるがそれも定数ずはならないこずを合わせお瀺すたたTweedieずBaayenは英語の短い文曞のみを察象ずしたが本皿では日本語や䞭囜語も察象ずする文曞定数ずしおは蚀語゚ントロピヌにた぀わる䞀連の研究を考える必芁があるShannon\cite{Shannon}によっお提案されお以来蚀語゚ントロピヌを蚈算する方法が文字列に基づく方法nグラムに基づく方法の䞡方で考えられおきた~\cite{cover}蚀語゚ントロピヌは文字列の冗長性を特城付ける以䞊文曞においおもある䞋限倀に収束する定数ずしお蚈枬されうるこずが期埅される蚀語凊理の分野でも~\cite{brown}が単語nグラムに基づく蚀語゚ントロピヌのupperboundを蚈枬する方法を瀺しおいるがデヌタ量に察しお掚定量がどのように掚移するかに぀いおの考察は述べられおいないたた\cite{genzel}が゚ントロピヌレヌト䞀文字あたりの゚ントロピヌが定数であるずいう仮説を瀺しおいるしかし論文の内容は゚ントロピヌレヌトに関わる蚈算匏のある項が増倧するこずを理由ずする間接的なものに基づき゚ントロピヌレヌトが本圓に定数を為すずいえるかは䜕ずもいえないたたnグラムに基づく方法はスムヌゞングず関連しおパラメヌタ掚定を芁する点が文曞定数を求める䞊では難しいこのような䞭筆者らは文字列に基づく゚ントロピヌの蚈算方法ずしおパラメヌタ掚定を芁せず収束性が数孊的に瀺されおいるFarachらの蚈算方法~\cite{Farach}を甚い$H$を蚈算しその文長䟝存性を本皿では考える\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f1.eps}\end{center}\caption{各文字がランダムに出珟する堎合のVM}\label{zu:Golcher}\end{figure}最埌に近幎Golcherが文字列の繰り返しに基づく画期的な指暙$\mathit{VM}$を提案した~\cite{Golcher}詳现は埌述するがGolcherは接尟蟞朚の内郚ノヌド数を文長で割った倀が文曞定数であるこずを瀺したばかりでなく20の印欧語族は0.5付近で同じ倀ずなるこずを瀺したたたプログラミング蚀語やランダムテキストに぀いおは文長に察しお倀が倉化し自然蚀語の堎合ず倉化の様子がかなり異なるずいう結果が報告されおいるたずえば図\ref{zu:Golcher}はGolcherの芋解に沿っお筆者らが生成した図であるが$n$文字がランダムに出珟する堎合の$\mathit{VM}$は暪軞を文字数の察数瞊軞を$\mathit{VM}$ずしお振動するこずがわかるGolcherの実隓でもわれわれの結果でも蚀語の文曞は$\mathit{VM}$は文長に䟝らず定数ずなるGolcherはなぜ$\mathit{VM}$が䞀定になるのかに぀いおの理論的な考察は展開しおおらずそれは将来の課題ずしおいるGolcherは印欧語族に察しおのみ結果を瀺しおいるが本皿では日本語や䞭囜語に぀いおもGolcherの倀が定数ずなるこずを瀺す \section{指暙} \label{sihyou}前節で説明したように本皿では単語に基づく指暙ずしお$K$,$Z$,$r$,たた文字列に基づく指暙ずしお$\mathit{VM}$ず$H$を甚いた以䞋各指暙を順に説明する\subsection{単語に基づいた指暙}\subsubsection*{Yuleの指暙$K$}指暙$K$は文曞の語圙の豊富さを瀺す指暙ずしお1944幎に統蚈孊者のYuleによっお提案された~\cite{Yule}今文曞の総単語数単語数で蚈枬した際の文曞長を$N$,単語の皮類を$V$ずし文曞䞭に$m$回出珟する単語の皮類を$V(m,N)$ずするず$K$は\begin{equation}K=C\Big[-\frac{1}{N}+{\sum_{m=1}^{m=N}V(m,N)\left(\frac{m}{N}\right)^2}\Big]\label{k}\end{equation}で定矩されるここで$C$は$K$の倀が小さくなりすぎないようにするための係数でありYuleは$C=10^{4}$ずしたこの$C$の倀に本質的な意味はないたたYuleは文曞の生成モデルに぀がモデルず呌ばれる文曞䞭の単語はランダムに出珟するものずしたモデルを仮定しおいるこのモデルにおいお$N$が十分倧きい時にはこの$K$の期埅倀が䞀定ずなるこずを数孊的に蚌明するこずができる~\cite{Baayen}$K$が語圙の豊富さを衚すこずを以䞋簡単に説明する今文曞䞭からランダムに単語を䞀぀遞ぶこずを考えるするず匏(\ref{k})においお$(\frac{m}{N})$は文曞䞭$m$回出珟する単語が遞択される確率を衚すよっお$(\frac{m}{N})^2$はそのような単語が連続で遞択される確率であるここで同じ単語が連続で遞択される確率が倧きい堎合は文曞の語圙が乏しい堎合逆に確率が小さい堎合は語圙が豊富な堎合ず芋なすこずができる匏(\ref{k})より前者の堎合は$K$の倀は倧きくなり埌者の堎合は$K$の倀は小さくなるこずがわかるこのように$K$は同じ単語が連続で出珟する確率に基づいた語圙の豊富さを衚す指暙である\subsubsection*{Zipfの法則に基づいた指暙$Z$}\label{zipf}文曞䞭に珟れる各単語の出珟頻床はZipfの法則に埓うずいうこずが経隓的に知られおいる~\cite{Zipf}$Z$はこのZipfの法則に基づいた指暙である今文曞の総単語数単語数で蚈枬した際の文曞長を$N$,単語の皮類を$V_N$ずし$z$を文曞䞭に出珟する単語の回数に関しお降順に䞊べた時の順䜍を衚す倉数ずするここで順䜍が$z$である単語が文曞䞭に出珟する回数を$f(z,N)$ずするず$f(z,N)$ず$z$の間に\begin{equation}f(z,N)=\frac{C}{z^a}Cは芏栌化定数で\sum_{z}f(z,N)=Nを満たすように定める\label{eqzip}\end{equation}ずいうべき乗則の関係がおおよそ成り立぀たた匏(\ref{eqzip})においお$a=1,C=V_N$ずおくず文曞䞭に$m$回出珟する単語の皮類$V(m,N)$が\begin{equation}V(m,N)=\frac{V_N}{m(m+1)}\label{eqvmn}\end{equation}ず衚珟されるこずが導かれるOrlovらは1983幎にZipfの法則を拡匵しお総単語数が$N$である文曞の単語の皮類$V_N$の期埅倀$E[V_N]$が䞀぀のパラメヌタ$Z$を甚いお\begin{equation}E[V_N]=\frac{Z}{{\rmlog}(pZ)}\frac{N}{N-Z}{\rmlog}\left(\frac{N}{Z}\right)\label{Z}\end{equation}ず衚すこずができるこずを瀺した~\cite{Orlov}ここで$p$は文曞䞭に最も倚く出珟する単語の盞察頻床であり文曞ごずにほが䞀定の定数ず芋なされる$Z$は文曞が䞎えられた際に匏(\ref{eqvmn})の関係が最もよく圓おはたる単語数であるたた匏(\ref{Z})においお$N$を固定しお考えおみるず$Z$の倀が倧きくなるに぀れお文曞の単語の皮類の期埅倀である$E[V_N]$の倀が倧きくなるので指暙$Z$は文曞の語圙の豊富さを衚す指暙だず解釈するこずができる最埌に$Z$の蚈算方法に぀いお述べる匏(\ref{Z})においお単語数が$N$である時の単語の皮類の期埅倀$E[V_N]$を実際の文曞の$V_N$で眮き換えるず\[V_N=\frac{Z}{{\rmlog}(pZ)}\frac{N}{N-Z}{\rmlog}\left(\frac{N}{Z}\right)\]を埗るこの匏は$Z$に぀いお陜に解くこずができないので解析的な解を埗るこずはできないしたがっお$Z$を求める際には\[f(Z)=\frac{Z}{{\rmlog}(pZ)}\frac{N}{N-Z}{\rmlog}\left(\frac{N}{Z}\right)-V_N\]ずおいお$f(Z)=0$をニュヌトン法の反埩解法を甚いお数倀的に解く\subsubsection*{耇雑系ネットワヌクに基づいた指暙$r$}指暙$r$は$Z$が耇雑系の芳点からの指暙であるこずを受け本研究で新たに詊みた関連指暙であり文曞の単語のネットワヌク構造に着目したものであるたず文曞から構成される無向グラフ$\Omega=(W,E)$に぀いお説明する文曞䞭の単語の皮類を$V$ずするず$W$は$W=\{w_i\}$$(i=1,\ldots,V)$で定矩される各単語を頂点ずする頂点集合であるたた$E$は$E=\{(w_i,w_j)\}$で定矩される単語間の぀ながりを衚す枝集合であり2぀の単語$w_i$ず$w_j$が連続しお珟れる堎合に枝が存圚する぀たりここで考えおいるネットワヌクは文曞䞭の各単語を頂点ずしお連続しお珟れる単語間に枝を匵ったネットワヌクである本皿では文曞の単語から構成されるネットワヌクずしお䞊蚘のようなものを考えるこれ以倖にも単語ネットワヌクの構築方法には構文解析結果を甚いるものや文曞の単語間の共起関係に基づいたネットワヌクなど耇数考えるこずができるしかし単語から構成されるどのようなネットワヌクを考えたずしおも本皿の目的である文曞の耇雑さずいった文曞の倧域的な特性を考えた堎合にはいずれのネットワヌクにおいおも類䌌した性質が珟れるず考えられる実際にいく぀かを実隓的に詊しおみたが文曞量に察しお䞀定ずなるかどうかの芳点では倧勢に圱響はなかったゆえに本皿では文曞の単語から構成されるネットワヌクずしお䞊蚘を扱うさおここで埗られたネットワヌクの各頂点の次数分垃に着目するグラフにおいお頂点の次数が$k$である確率を$P(k)$ずおく図\ref{fig:deg}は英語ずJavaの堎合の次数分垃の䞡察数をずった図である図の暪軞は次数$k$の察数であり瞊軞は$P(k)$の察数であるいずれもある次数たではほが盎線になっおいるこのこずから単語のネットワヌクの次数分垃はある次数たではベキ分垃に埓っおいるず考えられるこのような性質はスケヌルフリヌ性~\cite{Barabasi}ず呌ばれ珟実のさたざたな耇雑系ネットワヌクで珟れる性質である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f2.eps}\end{center}\caption{英語ずJavaの堎合の次数分垃}\label{fig:deg}\end{figure}ベキ分垃は\begin{equation}P(k)=ck^{-\gamma}\label{beki}\end{equation}ずいう圢で衚されるここで$c$は正芏化定数であり$\sum_{k=1}^{\infty}P(k)=1$の条件から定たるここで匏(\ref{beki})の䞡蟺においお察数をずれば\begin{equation}{\rmlog}P(k)=-\gamma{\rmlog}k+{\rmlog}c\label{log}\end{equation}ずなりベキ分垃は䞡察数グラフにおいお盎線になるこずがわかる今匏(\ref{log})の䞡察数グラフ䞊での傟き$-\gamma$に着目し指暙$r$を\begin{equation}r=-\gamma\label{eqr}\end{equation}で定矩するこの指暙が䞀定になるかずいうこずに関しお特に理論的な背景はないが$r$は前節たでで玹介した$Z$ず同様に蚀語のべき乗則に関する指暙で蚀語の倧域的特性を瀺すものである以䞊文曞ごずに文長に䟝らず䞀定ずなるこずが期埅される最埌に$r$の蚈算方法に぀いお述べる本皿で$r$を求める際にはたず実際に文曞の単語から構成されるネットワヌクを぀くりネットワヌクの各頂点の次数を調べ図\ref{fig:deg}のような次数分垃を埗る次にこの次数分垃の傟きである$r$を埗る際には次数が2から$\sum_{k=1}^{n}P(k)\geqA$を満たす最小の次数$n$たでの範囲で最小二乗法を甚いお傟きを掚定した\footnote{実隓ではAは0.95ずした.}これは次数が1の堎合ず次数がある倧きさを超えた範囲ではいずれの文曞から構成されるネットワヌクにおいおも図\ref{fig:deg}のように次数分垃がべき分垃から倧きく倖れおいるためである\subsection{文字列に基づいた指暙}\subsubsection*{Golcherの指暙$\mathit{VM}$}$\mathit{VM}$は文字列の繰り返しの量を衚す指暙ずしお近幎Golcherによっお提案された指暙であり接尟蟞朚の構造を利甚したものである~\cite{Golcher}接尟蟞朚ずは文字列が䞎えられた時の接尟郚を朚構造で衚したデヌタ構造であり接尟郚に察するパトリシア朚である~\cite{Gusfield}以䞋䞎えられた文字列を$S$その文字列の長さを$T$,$S$の$i$番目の文字を$S[i]$,$S$の$i$番目から$j$番目たでの郚分文字列を$S[i,j]$$(i,j\in\{1,\ldots,T\},i\leqj)$をずする文字列$S$の接尟蟞朚${\calT}$は以䞋のように定矩される~\cite{Ukkonen,Gusfield}\begin{quote}根から葉ぞず向かう有向朚${\calT}$が次の条件を満たす時${\calT}$は$S$の接尟蟞朚であるずいう\begin{itemize}\item1から$T$たでの敎数がラベル付けされたちょうど$T$個の葉が存圚する\item内郚節点は少なくずも2぀の子をもち各枝には$S$に含たれる空ではない文字列が察応する\item同じ節点からの枝のラベルは必ず異なる文字から始たる\itemすべおの葉$i$に察しお根から葉$i$たでの経路のラベルは$S[i,T]$ずなる\end{itemize}\end{quote}Golcherの甚いる接尟朚蟞は$S$に含たれない文字を終端蚘号ずしお文字列の最埌に぀けお接尟蟞朚を構築するたずえば図\ref{fig:cocoa}は文字列`cocoa'の接尟蟞朚であるこれを甚いお$\mathit{VM}$の定矩説明を行う今䞎えられた文字列$S$の文字数を$T$,$S$の接尟蟞朚における内郚節点の数を$k$ずするず指暙$\mathit{VM}$は\begin{equation}VM=\frac{k}{T}\label{eq:v}\end{equation}で定矩される長さ$m$の接尟蟞朚は$m$個の葉を持぀こずから内郚節点の数は最倧でも$m-2$個であるよっお$0\leqk<T-2$であるから$\mathit{VM}$の倀の範囲は$0\leqVM<1$ずなるここでUkkonenのアルゎリズムによるず接尟蟞朚の内郚接点はこれたでに珟れおいない共通郚分が新たに珟れる堎合に増えるしたがっお$\mathit{VM}$はある皮の文字列の繰り返しの量を衚しおいるず考えるこずができる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f3.eps}\end{center}\caption{`cocoa'の接尟蟞朚}\label{fig:cocoa}\end{figure}最埌に$\mathit{VM}$の蚈算方法に぀いお述べる匏(\ref{eq:v})で定矩される$\mathit{VM}$の倀を求めるためには接尟蟞朚の内郚節点の数を求めればよい最も玠朎な方法ずしおは盎接接尟蟞朚を構成するこずによっお求める方法が考えられるしかし䞀般に接尟蟞朚の構成に必芁な空間領域は入力の文曞の数十倍ずなり倧芏暡な文曞を扱う堎合には盎接接尟蟞朚を構成する方法は珟実的ではない本皿ではより効率的なデヌタ構造である接尟蟞配列ず高さ配列を甚いお接尟蟞朚の擬䌌巡回を行うこずによっお内郚節点の数を求めたアルゎリズムは~\cite{Kasai01}に詳しい\subsubsection*{文曞の゚ントロピヌ$H$}ここで玹介する゚ントロピヌ$H$は情報理論の分野においおShannonによっお1948幎に導入された~\cite{Shannon}文曞を構成する有限個のアルファベットの集合を$\chi$ずし$X$を$\chi$䞊の確率倉数ずするこの時各アルファベット$x\in\chi$の文曞における出珟確率を$P_X(x)={\rmPr}(X=x)$ずおくず゚ントロピヌ$H$は\begin{equation}H=-\sum_{x\in\chi}P_X(x){\rmlog}P_X(x)\label{entropy}\end{equation}で定矩される文曞の゚ントロピヌを求めるためには匏(\ref{entropy})より各アルファベット$x$に察しその出珟確率$P_X(x)$を知る必芁があるが文曞から埗られる出珟確率はあくたで真の出珟確率の近䌌であり文曞から盎接求めるこずはできない蚀語凊理では文章の゚ントロピヌを求める方法に぀いおはさたざたな詊みがある~\cite{cover,brown}本皿では゚ントロピヌの倀の掚定方法ずしお収束性が蚌明されおいる䞀぀の方法であるこずからFarachらによる手法を甚いた~\cite{Farach}今䞎えられた文曞を䞀぀の文字列ず芋なしおこれを$S$ずしその長さを$T$,$S$の$i$番目から$j$番目たでの郚分文字列を$S[i,j]$$(i,j\in\{1,\ldots,T\},i\leqj)$ずする次に$S$の各䜍眮$i$$(1\leqi\leqT)$に察しおそれより以前の最倧マッチング$L_i$を以䞋のように定矩する\begin{equation}L_i={\rmmax}\{k:S[j,j+k]=S[i,i+k]\}\quad(j\in\{1,...,i-1\},1\leqj\leqj+k\leqi-1)\label{eqL}\end{equation}぀たり$L_i$は$S$の$i$番目から始たる文字列ず1番目から$i-1$番目たでの文字列ずの最倧共通郚分文字列長であるそしおこれら$L_i$の平均倀$\bar{L}$を\[\bar{L}=\frac{1}{T}\sum_{i=1}^{i=T}L_i\]ずするこの時Farachらの゚ントロピヌの掚定倀$H$は\begin{equation}H=\frac{{\rmlog}_2T}{\bar{L}}\end{equation}で定矩される今真の゚ントロピヌの倀を$H_t$ずするずこの手法によっお埗られる掚定倀$H$は$T\to\infty$の時に$|H_t-H|=O(1)$ずなるこずが数孊的に瀺されおいる \section{実隓} 本研究では個別文曞ず数十MB〜200~MBの自然蚀語やプログラミング蚀語の文曞を甚いお\ref{sihyou}章で説明した$K,Z,r,VM,H$の各指暙の文長に察する倀の倉化を調べる実隓を行った以䞋\ref{env}節で実隓デヌタや実行環境を説明した埌に\ref{result_small}節で小芏暡文曞での実隓結果\ref{result_normal}節で倧芏暡文曞に察する結果を図ずずもに述べる\subsection{実隓デヌタおよび実隓環境}\label{env}\subsubsection{実隓デヌタ}今回の実隓で甚いた文曞は衚\ref{tb:manylarge}の通りである個別文曞に関しおは\cite{BaayenTweedie}ずは異なり英語だけではなく日本語フランス語スペむン語の文章も察象ずした甚いたデヌタは衚\ref{tb:manylarge}の第䞀ブロックに瀺した\cite{BaayenTweedie}らの研究を抂芳するず定数になるかどうかを吟味するには小芏暡な個別文曞では長さが䞍十分であるこずもよくあるそこで日本語英語䞭囜語の新聞コヌパスに぀いおも定数ずなるかどうかを調べるたた埗られる定数が蚀語の特城量を衚すかどうかを吟味するため比范察象ずしおプログラミング蚀語のデヌタも甚いるこのためにはJava,RubyずLispの゜ヌスを甚いたここで日本語ず䞭囜語に぀いおは$\mathit{VM}$ず$H$の倀を蚈算する際には日本語ロヌマ字䞭囜語(pinyin)の文曞を甚いた堎合ならびに元のテキストを甚いた堎合の䞡方を報告するその他の蚀語に関しおはいずれの指暙の堎合も衚\ref{tb:manylarge}にある各蚀語の文曞を甚いお実隓を行ったたたプログラミングにおける単語は以䞋のように定矩したたずJavaずRubyに぀いおは゜ヌスを蚘号で分割し分割された各芁玠を単語ずした䟋えば`if(i$<$5)break;'であれば`if',`(',`i',`$<$',`5',`)',`break`,`;'の8぀の芁玠が単語であるLispの堎合はこれらの芁玠から`('ず`)'の2぀を陀いたものを単語ずした\begin{table}[t]\caption{実隓で甚いた蚀語デヌタ}\label{tb:manylarge}\input{03table01.txt}\end{table}\subsubsection{実隓で甚いたプログラム}今回の実隓においおはいく぀かの倖郚プログラムを利甚したここでそれらのプログラムに぀いお蚘茉するたず単語に基づいた指暙$K,Z,r$の倀を蚈算するために文曞を単語に分割する必芁がある日本語の堎合は圢態玠解析゜フトMecab\footnote{http://mecab.sourceforge.net/}を䞭囜語に぀いおはICTCLAS\footnote{http://ictclas.org/}を甚いお単語に分割した文字列に基づいた指暙$H,VM$に぀いおは日本語䞭囜語に関しおはロヌマ字pinyin倉換したものに぀いおも蚈算した䞭囜語に関しおはあらかじめpinyin衚蚘で曞かれた別の文曞を甚いたが日本語の堎合はKAKASI\footnote{http://kakasi.namazu.org/index.html.ja}を甚いおロヌマ字に倉換した各指暙の蚈算方法は\ref{sihyou}節で瀺したずおりである\subsection{個別文曞に察する結果}\label{result_small}\begin{figure}[b]\vspace{-1\baselineskip}\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f4.eps}\end{center}\caption{個別文曞に察する$K$}\label{fig:small_k}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f5.eps}\end{center}\caption{個別文曞に察する$\mathit{VM}$}\label{fig:small_v}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f6.eps}\end{center}\caption{個別文曞に察する$Z$}\label{fig:small_z}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f7.eps}\end{center}\caption{個別文曞に察する$r$}\label{fig:small_r}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f8.eps}\end{center}\caption{個別文曞に察する$H$}\label{fig:small_h}\end{figure}個別文曞に関する結果を図\ref{fig:small_k}--\ref{fig:small_h}に぀いお瀺す英語の文曞のみならず他の印欧語族や日本語ずいった文曞に぀いおは$K$,$\mathit{VM}$に぀いおは䞀定ずなる䞀方で\pagebreak$Z$,$r$,$H$に぀いおは倧域的には単調倉化する結果ずなった\cite{BaayenTweedie}の結果では$Z$が䞀定ずなるこずが瀺されおいたしかし実隓では䞀貫しお$Z$が䞀定ずはならないこずが瀺されおいる同様に類䌌の耇雑系の指暙ずしおの$r$もやはり䞀定ずはならなかった\subsection{倧芏暡文曞に察する結果}\label{result_normal}文長に察する各指暙の倀ず参考のためにシャッフル埌の結果に぀いお述べるここで文曞をシャッフルするずは各文曞ごずに文曞䞭の単語の順番をランダムに入れ替えるこずを蚀いシャッフル埌の結果ずはこの操䜜を20回繰り返した際の指暙の平均倀であるこのように単語順序をランダムに入れ替えるのはもずもずTweedieずBaayen~\cite{BaayenTweedie}が行っおいた方法で数匏䞊の仮定を満たすためであり文曞定数を考える䞊で前凊理ずしおの劥圓性は疑問であるずはいえ文曞には確かに局所的な揺れやぶれがあるので倧域的特性を抂芳し元文曞に察する指暙の掚移を比范怜蚎するために瀺すものであるこのシャッフルは先行研究ずの察比のため$K$ず$Z$の2぀の指暙に察しおのみ結果を瀺す以䞋の図では暪軞は文曞の単語数の察数をずったものであり瞊軞は指暙の倀である\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f9.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itK}}\label{fig:many_k}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f10.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itK}シャッフル埌の平均倀}\label{fig:many_sh_k}\end{minipage}\end{figure}図\ref{fig:many_k}は各文曞に察する$K$であり図\ref{fig:many_sh_k}はシャッフル埌の結果であるたず$K$に぀いおは自然蚀語の堎合いずれの蚀語においおも文曞の単語数の察数に察しお倀はほが䞀定ずなったプログラミング蚀語の堎合は自然蚀語ず比べお若干の倉化が芋られたが単語数が10䞇を超えるず同様に倀はほが䞀定ずなった文曞䞭の単語の順番をランダムに入れ替えた堎合ではいずれの蚀語の堎合でも文曞の単語数の察数に察しおほが完党に䞀定ずなったシャッフル前ず埌で$K$の倀はほずんど倉化しおいないこずから$K$は文曞䞭の単語がランダムに出珟するずいう仮定が背埌にある指暙にも拘わらずランダム性が厩れた実際の文曞においおも倀がほずんど倉わらずほが䞀定ずなったずいうこずが興味深いたたプログラミング蚀語の$K$の倀は自然蚀語の倀ず比べおかなり倧きくなり䞡蚀語間の$K$の倀に倧きな差が出る結果ずなった$\mathit{VM}$に぀いおは日䞭をアルファベットに倉換した堎合の結果をたず吟味する図\ref{fig:many_v}は各文曞に察する$\mathit{VM}$であり図\ref{fig:many_v2}は図\ref{fig:many_v}を拡倧したものである日本語の堎合に倀が英語䞭囜語ず比范しおわずかに倧きくなっおいるがいずれも文曞量の察数に察しお倀はほが䞀定でおよそ0.5の倀をずったプログラミング蚀語の堎合は自然蚀語の堎合よりも倉化が芋られるが単調に倉化する傟向はみられないプログラミング蚀語に関する$\mathit{VM}$の倀は自然蚀語よりも倧きくおよそ0.65の倀をずり䞡蚀語間で倀に倧きな差が衚れたこれは自然蚀語の冗長性がプログラミング蚀語のそれよりも䞀埋に小さいこずを瀺しおいるだろう\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f11.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itVM}}\label{fig:many_v}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f12.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itVM}図\ref{fig:many_v}の拡倧図}\label{fig:many_v2}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f13.eps}\end{center}\caption{日本語ず䞭囜語の原文の{\itVM}}\label{fig:raw_v}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f14.eps}\end{center}\caption{日本語ず䞭囜語の原文の$\mathit{VM}$図\ref{fig:raw_v}の拡倧図}\label{fig:raw_v2}\end{minipage}\end{figure}次にアルファベットに倉換しない堎合の日本語䞭囜語の文字列をそのたた甚いた堎合の$\mathit{VM}$の結果を図\ref{fig:raw_v}ず図\ref{fig:raw_v2}に瀺すこれらの図には比范のためアルファベットに倉換した堎合の日本語䞭囜語の結果も含たれおいるたず$\mathit{VM}$の倀はアルファベットに倉換しない堎合の日本語䞭囜語の文字列をそのたた甚いた堎合でもアルファベットに倉換した堎合ず同様に文曞量の察数に察しお倀はほが䞀定ずなるこずがわかるしかし$\mathit{VM}$の倀の倧きさに泚目するずその倀は日本語䞭囜語のいずれの堎合もおよそ0.35でありアルファベットに倉換した堎合の0.5ずいう倀より小さくなっおいるこれは日本語䞭囜語の原文におけるアルファベットサむズが倉換埌のそれよりも遥かに倧きいため文曞䞭で繰り返し出珟する文字列の皮類が枛少し接尟蟞朚の内郚節点の数が少なくなったからだず考えられる\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f15.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itZ}}\label{fig:many_z}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f16.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itZ}シャッフル埌の平均倀}\label{fig:many_sh_z}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[b]\noindent\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f17.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itr}}\label{fig:many_r}\end{minipage}\begin{minipage}{0.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{18-2ia3f18.eps}\end{center}\caption{各蚀語の{\itH}}\label{fig:many_h}\end{minipage}\end{figure}その他の3぀の指暙$Z,r,H$に぀いお述べる図\ref{fig:many_z}--\ref{fig:many_h}はそれぞれ各文曞に察する$Z,r,H$の結果であるたず耇雑系に関連した指暙である$Zずr$は$Z$におけるLispを陀いお文長に察しお倀が単調に増加する結果ずなったLispは$Z$においお倀が埮増するにずどたりほが䞀定ずなった$Z$や$r$は蚀語に内圚する倧域的な構造を䞀挙に捉えるものであるがそれは䞀般的には䞀定倀にはならないずいうこずであるたた文字列の゚ントロピヌ$H$は文長に察しお倀が単調に枛少する結果ずなったなおここで瀺す$H$は日䞭に぀いおはアルファベット衚蚘に倉換した結果であるさらに$Z$に぀いおはシャッフル埌も同様にLispを陀いお倀が䞀定ずはならなかった他の蚀語においおは党く䞀定にならなかった$Z$がLispに限り倀が埮増するにずどたったずいう結果は倧倉興味深い以䞊の実隓に加えお$\mathit{VM}$ず$H$の2぀の指暙に぀いおは文曞の文字列を逆順にしたものに察しおも実隓を行ったのでその結果を簡単に述べるこれは$\mathit{VM}$ず$H$が本研究で怜蚎しおいる指暙の䞭で文字列の順序に䟝存する指暙であるからであり文曞の文字列を逆順にするこずによっお文字列の前から埌ろぞの䟝存性だけではなく埌ろから前ぞの䟝存性を調査した結果ずしおは文字列を逆順にしおも$\mathit{VM}$ず$H$の倀は文長が増加するに぀れお文字列の順序を倉えない堎合の倀ずほが同じになった \section{考察} たず文長に䟝存せず指暙が䞀定ずなるかどうかの芳点から考察する前章での実隓の結果から自然蚀語プログラミング蚀語においお文長に䟝らず倀がほが䞀定ずなる指暙は本研究の範囲では$K$ず$\mathit{VM}$の2぀の指暙であるこずが瀺された$\mathit{VM}$に぀いおは非印欧語族である日本語䞭囜語においおもアルファベット衚蚘ならば倀がおよそ0.5ずなったこれはアルファベット—あるいは荒い近䌌ずしおの音—ずいう限られた蚀語芁玠を甚いお行う蚀語衚珟䞭に内圚する冗長性の床合を衚しおいるものず考えられるたた日本語䞭囜語の本来の衚蚘を甚いお同様に$\mathit{VM}$の倀を蚈算すれば甚いる文字の皮類がアルファベットの堎合より倧きいこずから文字列の繰り返しは少なくなり倀は0.5より小さくなるこずが瀺されたすなわち甚いるこずができる蚀語䞊の芁玠数が倧きくなるず冗長性は小さくお枈むこずを衚しおいるいずれにせよ\ref{TandB}節で瀺したように芁玠がランダムに生起する堎合には振動する指暙が蚀語では䞀定ずなるこずは実に興味深い次に倀が䞀定ずならなかった指暙に぀いお論じる$Z$はTweedieらの先行研究においお小芏暡な英語文曞においお倀が文長によらず䞀定ずなるずいう結果であったが個別文曞においおも倧芏暡文曞においおはLispを陀いたいずれの蚀語においおも䞀定ずはならずに文長に察しお単調に倉化したここでLispに぀いおは埮増ずの結果ずなったこのように過去に提案されおきた指暙は蚀語によっおは䞀定ずなる堎合もある本皿では「さたざたな文曞においお普遍に䞀定量ずなる指暙」に焊点を圓おおいるので$Z$はそれには該圓しないしかしどの指暙がどのような特性を持぀蚀語に察しお䞀定ずなるのかに぀いおは今埌の課題ずいえよう$Z$ず同様に耇雑系に関連した$r$に぀いおは$Z$ず同じように倀が文長に察しお倉化する結果ずなった゚ントロピヌ$H$に぀いおは厳密な掚定が難しい蚀語の確率モデルに䟝存しない蚈算方法を甚いおもやはり䞀定ずはならなかったここで$H$はnグラムから蚈算するこずができたた$\mathit{VM}$の定矩に甚いられる接尟蟞朚は朜圚的なnグラム確率から䜜られるず考えるこずができるこのこずから$H$ず$\mathit{VM}$は倀の収束性においお同じ性質を持぀ず予想されたが本研究の範囲では異なる性質を瀺した最埌に指暙の刀別力ずいう芳点から考察する刀別は個別文曞䜜品別著者著者刀別より広くある䞀定の内容で集められた文曞矀新聞の文曞分類など蚀語英語が日本語かなど語族印欧語族ずシナ・チベット語族など自然蚀語vs.プログラミング蚀語など異なる解像床で行うこずが考えられる本研究の結果では$K$ず$\mathit{VM}$は自然蚀語ずプログラミング蚀語間においお倀に有意な差が芋られたこの傟向は$K$ず$\mathit{VM}$ほどではないが他の指暙にも芋られたこのこずは2぀の蚀語間に本質的な耇雑さの差があるこずを瀺しおいるず考えられ特に$K$ず$\mathit{VM}$はその差をはっきりず捉えおいるず考えられるより高い解像床での刀別問題は語族や蚀語の刀別に぀いおは少なくずも$\mathit{VM}$に぀いおは衚蚘システムで甚いるアルファベットの倧きさに䟝存する$K$ず$Z$で個別文曞の刀別が可胜であるず~\cite{BaayenTweedie}では述べられおはいるがその問題に぀いおは今日ではより高性胜な機械孊習手法の方が手法ずしお劥圓であるず考えられるすなわち文曞定数が自然蚀語の冗長性を反映しおいるず芋られるこずが文曞定数の蚈算蚀語孊䞊の䞀぀の意矩であるず考えられる \section{たずめ} 本研究では既存の指暙$K$,$Z$,$\mathit{VM}$ず新たに詊みた指暙$r$,$H$の5぀の指暙に察しお自然蚀語ずプログラミング蚀語の文曞を耇数甚いお文長に䟝らずにその倀が䞀定になるかを吟味したYuleの$K$は文曞䞭の語圙の豊かさを衚す叀兞的な指暙であるのに察しOlrovの$Z$ず$r$は耇雑系に基づく指暙である$\mathit{VM}$は接尟蟞朚に基づく文曞の繰り返しを衚す指暙であり$H$は文曞の゚ントロピヌである文曞定数の文脈では$r$ず$H$は今回新たに詊みた指暙である実隓では個別文曞ならびに倧芏暡な自然蚀語ずプログラミング蚀語の文曞を甚いお各指暙の文長に察する倀の倉化の様子を網矅的に調べたその結果$K$ず$\mathit{VM}$の2぀の指暙のみ文長によらず倀がほが䞀定ずなったさらにこの2぀の指暙は自然蚀語ずプログラミング蚀語間においお倀に有意な差が芋られたたたその他の$Z$,$r$,$H$に぀いおは文長に察しお倀が単調に倉化する結果ずなった以䞊の結果からTweedieらの小芏暡な英語文曞においお$K$ず$Z$は䞀定ずなるずいう先行研究結果に぀いおは$K$に関しおはいえるものの$Z$に関しおは倧芏暡文曞においお䞀定ずならないこずがわかったたたGolcherの先行研究結果ずの察比においおは本研究の結果ではアルファベット衚蚘を甚いるず日本語䞭囜語ずいった非印欧語族の蚀語においおも$\mathit{VM}$は印欧語族同様ほが䞀定の0.5の倀ずなるこずがわかった\acknowledgment怜定に関しお有益なコメントを頂いた東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科の駒朚文保教授に感謝の意を衚する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Baayen}{Baayen}{2001}]{Baayen}Baayen,R.~H.\BBOP2001\BBCP.\newblock{\BemWordFrequencyDistributions}.\newblockKluwerAcademicPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Barab{\'a}si\BBA\Albert}{Barab{\'a}si\BBA\Albert}{1999}]{Barabasi}Barab{\'a}si,A.-L.\BBACOMMA\\BBA\Albert,R.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQEmergenceofscalinginrandomnetworks.\BBCQ\\newblock{\BemScience},{\Bbf286},\mbox{\BPGS\509--512}.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,Pietra,Lai,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1983}]{brown}Brown,P.~F.,Pietra,S.,Pietra,V.J.~D.,Lai,J.~C.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1983\BBCP.\newblock\BBOQAnestimateofanupperboundfortheentropyofEnglish.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf18}(1),\mbox{\BPGS\31--40}.\bibitem[\protect\BCAY{Cover\BBA\Thomas}{Cover\BBA\Thomas}{2006}]{cover}Cover,T.~M.\BBACOMMA\\BBA\Thomas,J.~A.\BBOP2006\BBCP.\newblock{\BemElementsofInformationTheory}.\newblockWiley-Interscience.\bibitem[\protect\BCAY{Farach,Noordewier,Savari,Shepp,Wyner,\BBA\Ziv}{Farachet~al.}{1995}]{Farach}Farach,M.,Noordewier,M.,Savari,S.,Shepp,L.,Wyner,A.,\BBA\Ziv,J.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQOntheEntropyofDNA:AlgorithmsandMeasurementsBasedonMemoryandRapidConvergence.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthesixthannualACM-SIAMsymposiumonDiscretealgorithms},\mbox{\BPGS\48--57}.\bibitem[\protect\BCAY{Genzel\BBA\Charniak}{Genzel\BBA\Charniak}{2002}]{genzel}Genzel,D.\BBACOMMA\\BBA\Charniak,E.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQEntropyRateConstancyinText.\BBCQ\\newblockIn{\BemAnnualMeetingoftheAssociationfortheACL},\mbox{\BPGS\199--206}.\bibitem[\protect\BCAY{Golcher}{Golcher}{2007}]{Golcher}Golcher,F.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAStableStatisticalConstantSpecificforHumanLanguageTexts.\BBCQ\\newblockIn{\BemRecentAdvancesinNaturalLanguageProcessing}.\bibitem[\protect\BCAY{Gusfield}{Gusfield}{1997}]{Gusfield}Gusfield,D.\BBOP1997\BBCP.\newblock{\BemAlgorithmsonStrings,andSequences:ComputerScienceandComputationalBiology}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Herdan}{Herdan}{1964}]{herdan}Herdan,G.\BBOP1964\BBCP.\newblock{\BemQuantitativeLinguistics}.\newblockButterworths.\bibitem[\protect\BCAY{圱浊}{圱浊}{2000}]{kyo}圱浊峡\BBOP2000\BBCP.\newblock\Jem{蚈量情報孊—図曞通蚀語研究ぞの応甚}.\newblockäžžå–„.\bibitem[\protect\BCAY{Kasai,Lee,Arimura,Arikawa,\BBA\Park}{Kasaiet~al.}{2001}]{Kasai01}Kasai,T.,Lee,G.,Arimura,H.,Arikawa,S.,\BBA\Park,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQLinear-TimeLongest-Common-prefixComputationinSuffixArraysandItsApplications.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe12thAnnualSymposiumonCombinatorialPatternMatching},\mbox{\BPGS\181--192}.Springer-Verlag.\bibitem[\protect\BCAY{Orlov\BBA\Chitashvili}{Orlov\BBA\Chitashvili}{1983}]{Orlov}Orlov,J.~K.\BBACOMMA\\BBA\Chitashvili,R.~Y.\BBOP1983\BBCP.\newblock\BBOQGeneralizedZ-distributiongeneratingthewell-known`rank-distributions'.\BBCQ\\newblock{\BemBulletinoftheAcademyofSciencesofGeorgia},{\Bbf110},\mbox{\BPGS\269--272}.\bibitem[\protect\BCAY{Shannon}{Shannon}{1948}]{Shannon}Shannon,C.\BBOP1948\BBCP.\newblock\BBOQAmathematicaltheoryofcommunication.\BBCQ\\newblock{\BemBellSystemTechnicalJournal},{\Bbf27},\mbox{\BPGS\379--423,623--656}.\bibitem[\protect\BCAY{Tweedie\BBA\Baayen}{Tweedie\BBA\Baayen}{1998}]{BaayenTweedie}Tweedie,F.~J.\BBACOMMA\\BBA\Baayen,R.~H.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQHowvariablemayaconstantbe?Measuresoflexicalrichnessinperspective.\BBCQ\\newblock{\BemComputersandtheHumanities},{\Bbf32},\mbox{\BPGS\323--352}.\bibitem[\protect\BCAY{Ukkonen}{Ukkonen}{1995}]{Ukkonen}Ukkonen,E.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQOn-lineconstructionofsuffix-trees.\BBCQ\\newblock{\BemAlgorithmica},{\Bbf14},\mbox{\BPGS\249--260}.\bibitem[\protect\BCAY{Yule}{Yule}{1944}]{Yule}Yule,G.~U.\BBOP1944\BBCP.\newblock{\BemTheStatisticalStudyofLiteraryVocabulary}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Zipf}{Zipf}{1949}]{Zipf}Zipf,G.~K.\BBOP1949\BBCP.\newblock{\BemHumanBehaviorsandthePrincipleofLeastEffort:AnIntroductiontoHumanEcology}.\newblockAddison-WesleyPress.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{朚村倧翌}{2010幎東京倧孊工孊郚蚈数工孊科卒業珟圚同倧孊倧孊院情報理工孊系研究科に圚孊䞭構造デヌタを察象ずした機械孊習に興味をも぀}\bioauthor{田䞭久矎子}{東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科准教授1997幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科情報工孊専攻博士課皋修了博士工孊工業技術院電子技術総合研究所東京倧孊倧孊院情報孊環講垫などを経お2005幎より珟職自然蚀語や蚘号系に普遍に内圚する数理構造に興味を持぀}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N03-08
\section{たえがき} 音声蚀語凊理の研究・開発はコンピュヌタの高性胜化を背景にしここ数幎の間に飛躍的な発展を遂げ特に倧量のデヌタに基づく確率・統蚈的なモデル化のアプロヌチは音響凊理面および蚀語凊理面の双方においお倧きな成功を収めたこれらの技術的進展により音声合成・音声認識技術は䞀気に実甚レベルに達し人間ずコンピュヌタずのむンタフェヌスずしお広範囲に応甚されるに至った䞀方応甚範囲が広範になるに぀れその粟床・品質に察しおより高いレベルのものが芁求されるようになっおいる䟋えば音声合成においおはテキストを単に読み䞊げるだけのものからパラ蚀語情報や感情などを衚珟する柔軟な合成音声が望たれるこのような合成音声には音声機胜障害者を察象ずした察話支揎システム\cite{Ii2}や癒し系ロボットぞの応甚など様々なものが提案されおいる蚀語情報だけでは䌝わらないこのような衚珟豊かな音声での感情や意図の衚珟には韻埋的特城が倧きく寄䞎するこずは明らかである\cite{Rai},\cite{Fuji},\cite{Nikku}そのため埓来から感情音声の韻埋的特城に関する研究が行われおおり基本呚波数パタヌン以䞋$F_0$パタヌンず呌ぶの統蚈的な傟向を音声心理孊的な芳点からずらえた研究\cite{Naga},\cite{As},\cite{Sige}や音声蚀語コヌパスに基づく工孊的な芳点からの研究\cite{Koba},\cite{Sagi}がある日本語音声における感情衚珟に関する研究は感情の皮類に着目しお特城付けや識別を詊みおいる䟋が倚い\cite{ITI},\cite{Ii},\cite{Kita}䞀方衚珟豊かな音声合成のために特定の感情に぀いおその皋床を数段階に分けた研究も行われるようになっおきおいる\cite{Hasi},\cite{kw2},\cite{Nsima}たた韻埋的特城が文の統語構造ず関連を持぀こずも明らかずなっおおり\cite{Hir},\cite{Ume},韻埋的特城であるむントネヌションやアクセントの生起タむミングにおいおは蚀語的情報を的確に利甚するこずでよりよい決定が行われるず考えられる筆者らは衚珟豊かな音声合成の実珟を目的ずしお特に感情に着目し耇数の皋床の感情情報を含む兞型的な発話に察する韻埋制埡指什の生成に぀いお怜蚎を行っおいる本論文は感情の皮類ずしお「喜び」「悲しみ」の2぀の感情を取り䞊げそれぞれの感情を3段階の皋床で衚珟した音声に察し発話の蚀語的情報ず$F_0$パタヌン制埡指什のパラメヌタずの関係に぀いお怜蚎するこずによっお感情を衚珟する音声合成ぞの応甚を目指すものであるすなわち本論文の䞻な目的は感情の皮類の刀別・差異に着目するこずではなく同䞀感情の皋床に察する圱響に぀いお明らかにするものであるそのための足がかりずしおR.Plutchikが提案した心理孊䞊の感情の立䜓モデル\cite{PLU}の基本8感情のうち「喜び」「悲しみ」のみを察象ずしお取り䞊げるにずどめた「喜び」「悲しみ」の2感情をその皋床たで考慮し分析した先行研究\cite{MD}では4〜6モヌラの単語を発声した際の感情音声を察象ずしお韻埋的特城が分析されおいるこの先行研究では韻埋的特城のうち時間構造に関するパラメヌタず$F_0$パタヌンに関するパラメヌタを取り扱っおいるしかし孀立に発声された特定の単語発話に察する詳现な怜蚎であり任意の文章を察象ずした音声合成に盎接応甚するこずは困難であるず考えられる䞀方暡擬察話を行っお数段階の皋床で感情音声を収集した先行研究\cite{Kawana}では非垞に限られた皮類の文を察象ずしお文発話を収録しおいる収録音声の$F_0$パタヌンずモヌラ持続時間短瞮率に぀いお分析を行い感情の皋床ず韻埋的特城ずの間に䞀定の傟向を芋い出しおいるがそれは話者や感情の皮類によっお倧きく異なるものず結論づけるにずどたり䞀般化には及んでいない本論文では任意の文章ぞの感情音声合成ぞの応甚を目指しお感情ごずに異なる10文を甚意しお分析察象ずしたここで蚀語的芁因の1぀である係り受け関係を網矅するため察象を4文節からなる文に限定したたた韻埋的特城には$F_0$パタヌン・発話速床・発話匷床・声質など様々あるが日本語音声の堎合高さに関する特城である$F_0$パタヌンが韻埋情報を支配する盎接的芁因であるず考えられおいるため本論文では特に$F_0$パタヌンに着目するこずずする$F_0$パタヌンに぀いおはその生成過皋モデル\cite{Fuji3}に基づいた分析を行い韻埋的特城の定量化を行うこれは$F_0$パタヌン生成過皋モデルが音声を生成する人間の生理的・物理的な特性を捉えたものでありたた蚀語的内容ずも敎合した制埡指什が埗られるこずが確認されおいるためであるこのモデルの$F_0$パタヌン制埡指什の倉化傟向をずらえるこずでテキスト音声合成時の$F_0$パタヌン生成に盎接に結び぀けるこずが可胜であるず期埅できる以䞋\ref{mt}.では発話内容の蚀語的情報ず音声資料の収録方法に぀いお述べる\ref{ln}.においお$F_0$パタヌンの分析手法に぀いお述べ\ref{ex}.で蚀語的情報に基づき$F_0$パタヌン制埡指什のパラメヌタずの関係に぀いお怜蚎した結果に぀いお述べる\ref{sa}.で本論文をたずめる \section{音声資料} label{mt}\subsection{発話内容の蚀語的情報}\label{yoso}発話テキストずしお「喜び」「悲しみ」のそれぞれの感情に察しお4文節からなるテキスト10文を甚意した特定の感情を前提ずしない䞭立な文を発話テキストずしお甚いお耇数感情を同䞀文で衚珟させる手法もあるがここでは感情ごずに適切な文をそれぞれ甚意したこれは話者に無理のない状況蚭定を理解させより自然な音声資料を収集するためである衚~\ref{hatuwa}に甚意した発話テキストの䞀郚を瀺す韻埋制埡指什の生起タむミングは感情の皮類その皋床のほか発話内容の蚀語的情報である係り受け関係モヌラ数アクセント型等の圱響を受けるず考えられる衚~\ref{factors}に発話テキストから埗られる蚀語的情報に基づく芁因をたずめたこれらの芁因はテキスト音声合成の際に䞀般的に考慮されおいるものであるここで文の係り受け構造に関しおは文節境界の枝分かれ皮別に着目した図~\ref{bdc}に文の係り受け構造ず境界の枝分かれ皮別を瀺す以䞊ここでは文節数ず係り受け構造に配慮したほかは特にテキストの制玄を䞎えないこずずした\ref{ex}.以降の結果の怜蚎においおこれらの芁因ずの圱響に぀いお調べおいく\begin{table}[b]\begin{center}\caption{発話テキストの䟋}\label{hatuwa}\begin{tabular}{p{0.06\textwidth}p{0.42\textwidth}p{0.42\textwidth}}\hline&「喜び」&「悲しみ」\\\hline1.&海が透き通っお珊瑚たで芋えるよ&い぀たで埅っおも垰っおこない\\2.&こんなステヌキを食べられお幞せだ&圌に䌝える勇気がありたせん\\3.&5幎掛かっお぀いに叞法詊隓に合栌したよ&これで二床ず息子に䌚えない\\4.&あの倧きいぬいぐるみが欲しい&センタヌの数孊のテストができなかった\\5.&今日は僕のりチで遊がうよ&二床ずきれいな花が芋られない\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[b]\begin{center}\caption{蚀語的情報に基づく芁因}\label{factors}\begin{tabular}{ll}\hline芁因&ずり埗る倀\\\hline韻埋語の文䞭での䜍眮&1234\\境界の枝分かれ皮別&右枝分かれ巊枝分かれ\\韻埋語のモヌラ数&23 8\\アクセント型&平板型頭高型起䌏型\\修食関係&連䜓修食連甚修食\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=1.0\textwidth]{bdc.eps}\end{center}\caption{係り受け構造ず境界の枝分かれ皮別L:巊枝分かれ境界/R:右枝分かれ境界}\label{bdc}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{発話の状況蚭定の䟋}\label{jyoukyou}\begin{tabular}{p{0.09\textwidth}p{0.42\textwidth}p{0.42\textwidth}}\hline&「喜び」&「悲しみ」\\\hlineテキスト&「海が透き通っお珊瑚たで芋えるよ」&「い぀たで埅っおも垰っおこない」\\状況蚭定&埅ちに埅った倏䌑み海がずおも綺麗ず評刀の島に行きたした本圓に透き通るように綺麗な海で珊瑚が砂浜からでも芋られたこずに感激しお䞀蚀&䞀緒に生掻するのが圓たり前だず思っおいた倫or劻を䞍慮の事故で亡くしたしたい぀もの元気のよい“ただいた”の声が聞こえおきたせん悲しんで䞀蚀\\\hline\end{tabular}\end{table}\subsection{録音条件}䞭立な感情を蟌めない発話ず匱・䞭・匷の3段階の皋床で「喜び」ず「悲しみ」の2皮類の感情を衚珟した発話を収録した発話の際指定した感情を衚珟しやすくするために発話の状況を蚭定した衚~\ref{jyoukyou}に状況蚭定の䟋を瀺す収録ではディスプレむに衚瀺される発話テキストおよび状況蚭定に埓い挔劇経隓のある成人話者8名男6名女2名が簡易防音宀内においお「䞭立」→「䞭」→「匱」→「匷」の順に発話した音声をそれぞれ3回録音した\subsection{感情の皋床の䞻芳評䟡}\label{subeva}話者の意図によっお数段階の皋床で収録した音声に察し聎取実隓を行い聞き手偎の芳点から感情の皋床の䞻芳評䟡を行ったこの聎取実隓は話者の意図した感情衚珟の皋床ず聞き手が受容した感情の皋床ずの䞀臎床を把握するこずが目的である被隓者は倧孊4幎生の男女6名であるたず各感情の発話テキスト10文の䞭からランダムに5文を遞択し480発話5文×4段階×3セット×8人を実隓甚の音声資料ずした実隓では話者ごずにデヌタセットを甚意し``これから聞こえおくる音声の感情の皋床を刀定しお䞋さい''ずいう指瀺に続いお䞭立を含むそれぞれの感情に関するすべおの発話をランダムな順序で呈瀺し聎取した音声に指定した感情がどの皋床衚れおいるず感じたかを「たったく感情が衚れおいない他の感情に聞こえる」ずいう堎合の``0"ず「僅かに感情が衚れおいる」ずいう堎合の``1"から「ずおも匷く感情が衚れおいる」ずいう堎合の``5"たでの6段階で評䟡しその数字を回答させた\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=0.8\textwidth]{14-3ia8f2.eps}\end{center}\caption{感情の皋床の䞻芳評䟡倀ず有意差怜定の結果䞊段話者MTI䞋段話者MTS}\label{mos}\end{figure}\subsubsection{有意差怜定}図~\ref{mos}に話者の意図した感情の皋床別の䞻芳評䟡倀の分垃結果ずそれぞれの皋床間で行った片偎怜定による有意差怜定の結果の䞀郚を瀺すここでは話者の意図した感情の皋床が最も的確に聞き手偎に䌝わったず考えられる話者MTIに察する結果ず逆に話者の意図した感情の皋床が聞き手偎にうたく䌝わらなかったず考えられる話者MTSに察する結果を瀺す図䞭の点線は聎取実隓においお埗られた評䟡倀の平均倀を衚しおいる話者MTIに぀いおは「喜び」に関しお感情の皋床匷の平均倀が小さくたた分散も倧きくなっおいるがそれぞれの皋床の違いに぀いおは有意に区別されたたた「悲しみ」に関しおはそれぞれ有意な差があり話者の意図した皋床が聞き手に䌝達された䞀方話者MTSに぀いおは「喜び」に関しおすべおの皋床においお評䟡倀の分垃が重なった「悲しみ」に関しおも䞀郚有意な差がないず刀断され明確な有意差を芋い出せない組み合わせもあり必ずしもうたく話者の意図した感情の皋床が聞き手に䌝わらなかった \section{韻埋的特城の分析手法} label{ln}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=0.8\textwidth]{f0model.eps}\end{center}\caption{$F_0$パタヌン生成過皋モデル}\label{model}\end{figure}韻埋的特城の分析には藀厎らによっお提案された$F_0$パタヌン生成過皋モデル図~\ref{model}\cite{Fuji3}を甚いたこのモデルは察数$F_0$パタヌンが句頭から句末に向かっお䞊昇ずその埌の緩やかな䞋降を瀺すフレヌズ成分ず語のアクセントに察応しお局所的な起䌏を瀺すアクセント成分および発話単䜍䞭でほが䞀定倀をずるベヌスラむン成分基底呚波数の総和ずしお衚珟できるずするものであり各成分がそれぞれの指什に察する䞀定の応答から生成されるずしおいるこのモデルの入力パラメヌタは音声を生成する人間の生理的・物理的な特性を捉えたもので蚀語的内容ずも敎合した制埡パラメヌタが埗られるこずが確認されおいる河井らは韻埋䞊の単䜍を$F_0$パタヌン生成過皋モデルにおけるフレヌズ指什・アクセント指什に基づいお定矩しおおり\cite{kawa}本論文でも「韻埋語」「韻埋句」を同じ定矩で取り扱うすなわち䞀぀のアクセント指什に察応しか぀䞀定のアクセント型を瀺す音玠連鎖を「韻埋語」たた䞀぀のフレヌズ指什に察応する韻埋語の連鎖を「韻埋句」ず定矩する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=0.85\textwidth]{sample.eps}\end{center}\caption{$F_0$パタヌン生成過皋モデルに基づく分析䟋}\label{sample}\end{figure}モデルパラメヌタである基底呚波数$F_b$フレヌズ指什の倧きさ$A_{pi}$ずその生起䜍眮$T_{0i}$およびアクセント指什の倧きさ$A_{aj}$ずその生起䜍眮$T_{1j}$,$T_{2j}$に぀いお録音した音声の$F_0$パタヌンの分析を行った具䜓的にはたず収録した音声資料を10kHz・16bitでデゞタル化しLPC予枬残差に察する倉圢自己盞関関数法を甚いお10ms間隔で$F_0$の倀を抜出したその$F_0$パタヌンに察し芖察によりモデルのパラメヌタを定め次にそれを初期倀ずしおAbS法に基づき最良近䌌を䞎えるパラメヌタを求めた図~\ref{sample}に「喜び」に関する発話「海が透き通っお珊瑚たで芋えるよ」ず「悲しみ」に関する発話「い぀たで埅っおも垰っおこない」に぀いお$F_0$パタヌン生成過皋モデルに基づいお分析した結果を瀺す䞊から音声波圢$F_0$の実枬倀+印・モデルによる最良近䌌実線・フレヌズ成分砎線・基底呚波数$F_b$点線フレヌズ指什$A_p$およびアクセント指什$A_a$を瀺しおいる \section{$F_0$パタヌン制埡指什ず蚀語的芁因ずの関係に぀いおの怜蚎} label{ex}感情の皋床の違いが$F_0$パタヌン制埡指什の生起タむミングおよび倧きさにどのように圱響するかに぀いお文の蚀語的芁因ずの関連で求めた収録音声の感情の皋床を聞き手偎の芳点から䞻芳評䟡した結果話し手の意図での感情の皋床が最も的確に聞き手に䌝達されおいた男性話者1名(MTI)の音声資料に察しお怜蚎を行った結果を以䞋に瀺す\subsection{基底呚波数$F_b$}図\ref{Fbkekka}は収集した発話に぀いお各発話の感情の皋床に察する基底呚波数の分垃を瀺したものである発話セットによる固有の傟向は認められずたた発話内容に䟝存する傟向の差は特にみられなかった以降の怜蚎では発話セットに関する傟向の違いはないものずする「喜び」「悲しみ」ずも感情の皋床が匷くなるに埓っお基底呚波数は高くなる傟向にある「喜び」では感情の皋床が匱いずきはほが䞀定あるいは埮増の倉化傟向がみられ感情の皋床が匷いずき増加傟向がみられた䞀方「悲しみ」では感情の皋床が匷くなるに぀れおほが䞀様な増加傟向があった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=0.9\textwidth]{fbokisa.eps}\end{center}\caption{感情の皋床に察する基底呚波数の分垃}\label{Fbkekka}\end{figure}\subsection{フレヌズ指什$A_p$}\label{Ap}\subsubsection{文節境界におけるフレヌズ指什の生起率}文䞭でのフレヌズ指什の生起に関しおは文節境界の枝分かれ皮別ず盎前のフレヌズ指什以降のモヌラ数に倧きく圱響を受けるこずを予備的に確認した図~\ref{kekka-1}に文節境界の枝分かれ皮別ごずに感情の皋床に察するフレヌズ指什の生起率ず盎前のフレヌズ指什以降のモヌラ数ずの関係を瀺した「喜び」ではいずれの枝分かれ境界に察しおも感情の皋床が匷くなるに぀れおより短い韻埋句の埌でも生起率が増加する傟向があった䞀方「悲しみ」では右枝分かれ境界の堎合感情の皋床が匷くなるに埓っお生起率が倧きく増加し巊枝分かれ境界の堎合感情の皋床の圱響を受けず生起率はほが䞀定であった限られたデヌタ数から埗た結果ではあるが枝分かれ境界皮別盎前のフレヌズ指什からのモヌラ数をパラメヌタずしお感情の皋床の圱響が明確に衚われるこずが確認できた\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=1.0\textwidth]{Aptiming.eps}\end{center}\caption{盎前のフレヌズ指什からのモヌラ数に察するフレヌズ指什生起率}\label{kekka-1}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=1.0\textwidth]{Apokisa.eps}\end{center}\caption{感情の皋床に察するフレヌズ指什の倧きさ}\label{kekka-3}\end{figure}\subsubsection{フレヌズ指什の倧きさ}フレヌズ指什の倧きさ関しおはその生起䜍眮が文頭の堎合ず文䞭の堎合ずで感情の皋床に察する倧きさの倉化に違いがみられたたた文䞭で生起したフレヌズ指什はその境界の枝分かれ皮別により異なる倉化の傟向がみられた図~\ref{kekka-3}に文頭・右枝分かれ境界・巊枝分かれ境界ごずに感情の皋床に察するフレヌズ指什の倧きさを瀺した感情を蟌めない䞭立の発話の堎合フレヌズ指什の倧きさは文頭右枝分かれ境界巊枝分かれ境界の関係がみられた䞭立発話の堎合文の統語構造である切れ目の深さが深いほど倧きなフレヌズ指什が生起するものず考えられるたた「喜び」「悲しみ」ずもに感情の皋床が匷くなるず文頭のフレヌズ指什の倧きさは小さくなり巊枝分かれ境界のフレヌズ指什は倧きくなった右枝分かれ境界のフレヌズ指什の倧きさは感情の皮類により異なる傟向がみられ「喜び」では感情の皋床が匷くなるに埓っお倧きくなり感情の皋床匷においお文頭でのフレヌズ指什の倧きさずほが䞀臎した䞀方「悲しみ」では感情の皋床が匷くなるに埓っお小さくなり発話内のすべおのフレヌズ指什の倧きさが近づいた\subsection{アクセント指什$A_a$}\label{Aa}\subsubsection{アクセント指什の生起タむミング}\begin{table}[b]\begin{center}\caption{立ち䞊がり・立ち䞋がりの基準点}\label{basetime}\begin{tabular}{cll}\hline型&立ち䞊がりの基準点&立ち䞋がりの基準点\\\hline平板型&第2モヌラの母音開始時点&最終モヌラの終了時点\\頭高型&第1モヌラの母音開始時点&第2モヌラの母音開始時点\\起䌏型&第2モヌラの母音開始時点&アクセント栞を持぀次の母音開始時点\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚~\ref{basetime}に瀺すように各韻埋語ごずのアクセント型の情報に基づきアクセント指什の立ち䞊がり・立ち䞋がりの基準点を求めた\cite{kawa}この基準点に察し$F_0$パタヌン生成過皋モデルを甚いた分析によっお埗られたアクセント指什の立ち䞊がり・立ち䞋がりのタむミングの盞察時間が感情の皋床によっおどのように倉化するかに぀いお怜蚎を行った衚\ref{onoffset}に基準点に察するアクセント指什の立ち䞊がり・立ち䞋がりのタむミングの盞察時間の平均倀を瀺したその結果感情の有無やその皋床の圱響はほずんど芋られずアクセント指什の立ち䞊がり・立ち䞋がりのタむミングはアクセント型にのみ䟝存したしたがっお音声合成時に感情の皋床を制埡するにあたっおアクセント指什のタむミングに぀いお考慮する必芁はないこずを確認した\begin{table}[t]\begin{center}\caption{基準点に察するアクセント指什の生起タむミング}\label{onoffset}\begin{tabular}{lcc}\hline&立ち䞊がり[s]&立ち䞋がり[s]\\\hline平板型&$-0.077$&$-0.062$\\頭高型&$-0.075$&$\phantom{-}0.027$\\起䌏型&$-0.104$&$-0.034$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{アクセント指什の倧きさ}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=0.9\textwidth]{Aaokisa.eps}\end{center}\caption{文頭からの韻埋語数ごずの感情の皋床に察するアクセント指什の倧きさの増加率}\label{Aakekka}\end{figure}アクセント指什の倧きさに関しおは予備的な怜蚎の結果文頭からの䜍眮韻埋語数が倧きく圱響するこずが分かっおいる\cite{kw2}図~\ref{Aakekka}に感情の皋床に察するアクセント指什の倧きさの増加率を文頭からの生起䜍眮に着目しお瀺したここでは䞭立を0感情の皋床が匱の堎合を1䞭の堎合を2匷の堎合を3ずしおこれらの感情の皋床の倀に察するアクセント指什の倧きさの回垰盎線を求めこの回垰盎線の傟きを増加率ず定矩し感情の皋床に察する増加率ず捉える぀たりこの増加率が倧きいずいうこずは感情の皋床が匷くなるに埓っおアクセント指什の倧きさがより倧きくなるずいうこずを衚す「喜び」では文頭からの䜍眮が離れおいる韻埋語のアクセントに増倧傟向がみられ䞀方「悲しみ」では文頭のアクセントに最も顕著に枛少の倉化傟向がみられたたた図~\ref{Aakekka1}には平板型頭高型起䌏型のアクセント型ごずに感情の皋床に察するアクセント指什の倧きさの増加率を瀺した「喜び」「悲しみ」いずれの感情においおも平板型・起䌏型の韻埋語に察するアクセント指什の倧きさは感情の皋床の圱響を受けずほが䞀定あるいは若干の枛少傟向がみられた䞀方頭高型の韻埋語に察するアクセント指什の倧きさは感情の皋床が匷くなるに぀れお枛少する倉化傟向がみられた\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[width=0.9\textwidth]{Aaokisa1.eps}\end{center}\caption{アクセント型ごずの感情の皋床に察するアクセント指什の倧きさの増加率}\label{Aakekka1}\end{figure} \section{あずがき} label{sa}本論文では衚珟豊かな感情音声の合成を目的ずしお「喜び」「悲しみ」の2぀の感情を取り䞊げそれらの感情の皋床ず韻埋的特城ずの関係に぀いお特に$F_0$パタヌンの特城に着目しお分析を行った$F_0$パタヌンの特城ずしおは$F_0$パタヌン生成過皋モデルの各パラメヌタを採甚し埗られる結果がテキスト音声合成時に容易に適甚できるこずを目指した分析の際テキスト音声合成で考慮される蚀語的芁因ずの関係に぀いお怜蚎を行ったその結果$F_0$パタヌン生成過皋モデルのパラメヌタのうち基底呚波数フレヌズ指什の倧きさおよびアクセント指什の倧きさに関しお感情の皋床に察する各パラメヌタの倉化傟向が埗られたたたフレヌズ指什の生起に察する感情の皋床の圱響に぀いおは文節境界の枝分かれ皮別ず盎前のフレヌズ指什からモヌラ数ずいった蚀語的芁因ごずに異なるこずを確認したアクセント指什の生起タむミングに関しお感情の有無や皋床の違いがアクセント型の倉圢を䌎うような圱響を䞎えないこずを確認した本論文で埗られた結果は4文節からなる文発話を察象ずしお倉化傟向を求めたものであるが基底呚波数フレヌズ指什の生起䜍眮および倧きさに぀いおは他の文節数からなる䞀般の文ぞの適応が可胜であるず考えられるアクセント指什の倧きさの倉化傟向に関しおは文頭からの文節数が倧きく寄䞎するこずが明らかずなっおおり前述の䞀般文ぞ適応可胜なパラメヌタに察する劥圓性の怜蚌も含めおさらなる怜蚎が必芁であるたた本論文では音声合成の工孊的な応甚を第䞀の目的ずしお捉え聞き手に察しお感情の皮類・皋床が的確に衚珟されおいる兞型的な1名の発話を分析察象ずしたしかし川波らの先行研究\cite{Kawana}によれば感情衚珟に関する韻埋的特城には個人差が倧きいこずが指摘されおおり今埌本論文ず同様のアプロヌチにより耇数話者の分析を進め話者に独立な傟向ず話者に䟝存する傟向ずに分離しお把握するこずを詊みる予定であるさらに本論文では韻埋的特城ずしお$F_0$パタヌンのみを分析の察象ずしたが筆者らの予備的怜蚎によるず感情の皮類によっおは発話速床がその䌝達に倧きく寄䞎するずいう結果を埗おおり今埌$F_0$パタヌンのほか発話速床パワヌを含めた総合的な韻埋制埡芏則を導出するべく怜蚎を進める蚈画である{\renewcommand{\baselinestretch}{}\selectfont\bibliographystyle{jnlpbbl_1.2}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Banse\BBA\Scherer}{Banse\BBA\Scherer}{1996}]{Rai}Banse,R.\BBACOMMA\\BBA\Scherer,K.~R.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQAcousticProfilesinVocalEmotionExpression\BBCQ\\newblock{\BemJournalofPersonalityandSocialPsychology},{\Bbf70}(3),\mbox{\BPGS\614--636}.\bibitem[\protect\BCAY{藀厎}{藀厎}{1994}]{Fuji}藀厎博也\BBOP1994\BBCP.\newblock\JBOQ音声の韻埋的特城における蚀語的・パラ蚀語的・非蚀語的情報の衚出\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},\mbox{\BPGS\HC94--09}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujisaki\BBA\Nagashima}{Fujisaki\BBA\Nagashima}{1969}]{Fuji3}Fujisaki,H.\BBACOMMA\\BBA\Nagashima,S.\BBOP1969\BBCP.\newblock\BBOQAmodelforthesynthesisofpitchcontoursofconnectedspeech\BBCQ\\newblock{\BemAnnualReportoftheEngineeringResearchInstitute},{\Bbf28},\mbox{\BPGS\53--60}.\bibitem[\protect\BCAY{Hashizawa,Takeda,Hamzah,\BBA\Ohyama}{Hashizawaet~al.}{2004}]{Hasi}Hashizawa,Y.,Takeda,S.,Hamzah,M.~D.,\BBA\Ohyama,G.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQOntheDifferencesinProsodicFeaturesofEmotionalExpressionsinJapaneseSpeechaccordingtotheDegreeoftheEmotion\BBCQ\\newblock{\BemSpeechProsody2004},\mbox{\BPGS\655--658}.\bibitem[\protect\BCAY{廣瀬\JBAå°Ÿé–¢\JBA高朚}{廣瀬\Jetal}{2001}]{Hir}廣瀬幞由\JBA尟関和圊\JBA高朚䞀幞\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ日本語読み䞊げ文の係り受け解析における韻埋的特城量の有効性\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf8}(4),\mbox{\BPGS\71--89}.\bibitem[\protect\BCAY{垂川\JBAäž­å±±\JBA侭田}{垂川\Jetal}{1967}]{ITI}垂川熹\JBA䞭山剛\JBA䞭田和男\BBOP1967\BBCP.\newblock\JBOQ合成音声の自然性に関する実隓的考察\JBCQ\\newblock\Jem{音響講論(秋)},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\95--96}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA䌊賀\JBA暋口\JBAニック\JBA安村}{飯田\Jetal}{2000}]{Ii2}飯田朱矎\JBA䌊賀聡䞀郎\JBA暋口文人\JBAニックキャンベル\JBA安村通晃\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ察話支揎のための感情音声合成システムの詊䜜ず評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{ヒュヌマンむンタフェヌス孊䌚論文誌},{\Bbf2}(2),\mbox{\BPGS\169--176}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Campbell,Iga,Higuchi,\BBA\Yasumura}{Iidaet~al.}{1998}]{Ii}Iida,A.,Campbell,N.,Iga,S.,Higuchi,F.,\BBA\Yasumura,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAcousticnatureandperceptualtestingofcorporaofemotionalspeech\BBCQ\\newblock{\Bem5thICSLP'98},\mbox{\BPGS\1559--1562}.\bibitem[\protect\BCAY{河井\JBA広瀬\JBA藀厎}{河井\Jetal}{1994}]{kawa}河井恒\JBA広瀬啓吉\JBA藀厎博也\BBOP1994\BBCP.\newblock\JBOQ日本文章音声の合成のための韻埋芏則\JBCQ\\newblock\Jem{音響誌},{\Bbf50}(6),\mbox{\BPGS\433--442}.\bibitem[\protect\BCAY{川波\JBA広瀬}{川波\JBA広瀬}{1997}]{Kawana}川波匘道\JBA広瀬啓吉\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ態床・感情音声における韻埋的特城の考察\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},\mbox{\BPGS\SP97--67}.\bibitem[\protect\BCAY{河接\JBA長島\JBA倧野}{河接\Jetal}{2005}]{kw2}河接宏矎\JBA長島倧介\JBA倧野柄雄\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ生成過皋モデルパラメヌタに基づく感情制埡芏則を適甚した合成音声の評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{音響講論(秋)},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\229--230}.\bibitem[\protect\BCAY{北原\JBA東倉}{北原\JBA東倉}{1989}]{Kita}北原矩兞\JBA東倉掋䞀\BBOP1989\BBCP.\newblock\JBOQ音声の韻埋情報ず感情衚珟\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},\mbox{\BPGS\SP88--158}.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA埳田}{小林\JBA埳田}{2004}]{Koba}小林隆倫\JBA埳田恵䞀\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQコヌパスベヌス音声合成技術の動向[4]—HMM音声合成方匏—\JBCQ\\newblock\Jem{信孊誌},{\BbfJ87}(4),\mbox{\BPGS\322--327}.\bibitem[\protect\BCAY{M.~Dzulkhiflee\JBAæ­Šç”°\JBA倧山}{M.~Dzulkhiflee\Jetal}{2003}]{MD}DzulkhifleeHamzah,M.,歊田昌䞀\JBA倧山玄\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ声優が発声した日本語「喜び」「悲しみ」衚珟音声の感情の皋床に応じた韻埋的特城の比范\JBCQ\\newblock\Jem{音響講論(秋)},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\367--368}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagasaki\BBA\Komatsu}{Nagasaki\BBA\Komatsu}{2004}]{Naga}Nagasaki,Y.\BBACOMMA\\BBA\Komatsu,T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCanPeoplePerceiveDifferentEmotionsfromaNon-emotionalVoicebyModifyingitsF0andDuration?''\\newblock{\BemSpeechProsody2004},\mbox{\BPGS\667--670}.\bibitem[\protect\BCAY{長島\JBA倧野}{長島\JBA倧野}{2004}]{Nsima}長島倧介\JBA倧野柄雄\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ感情衚珟の韻埋的特城の分析—喜びず悲しみに぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{音響講論(秋)},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\273--274}.\bibitem[\protect\BCAY{ニック}{ニック}{1997}]{Nikku}ニックキャンベル\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{プラグマティック・むントネヌション韻埋情報の機胜的圹割}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Paeschke}{Paeschke}{2004}]{As}Paeschke,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQGlobalTrendofFundamentalFrequencyinEmotionalSpeech\BBCQ\\newblock{\BemSpeechProsody2004},\mbox{\BPGS\671--674}.\bibitem[\protect\BCAY{Plutchik}{Plutchik}{1980}]{PLU}Plutchik,R.\BBOP1980\BBCP.\newblock\BBOQEmotion---APsychoevolutionarySynthesis\BBCQ\\newblock{\BemHarperandRow}.\bibitem[\protect\BCAY{匂坂\JBAニック}{匂坂\JBAニック}{2000}]{Sagi}匂坂芳兞\JBAニックキャンベル\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ音声合成のための芏則ずデヌタの衚珟,獲埗,評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{ä¿¡å­Šè«–(D-2)},{\BbfJ83-D-2}(11),\mbox{\BPGS\2068--2076}.\bibitem[\protect\BCAY{重氞}{重氞}{2000}]{Sige}重氞寊\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ感情刀別分析からみた感情音声の特性\JBCQ\\newblock\Jem{ä¿¡å­Šè«–(A)},{\BbfJ83-A}(6),\mbox{\BPGS\726--735}.\bibitem[\protect\BCAY{梅村\JBA原田\JBAæž…æ°Ž\JBA杉本}{梅村\Jetal}{2000}]{Ume}梅村祥之\JBA原田矩久\JBA枅氎叞\JBA杉本軍叞\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ音声合成におけるポヌズ制埡のための決定リストを甚いた局所係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf7}(5),\mbox{\BPGS\51--70}.\end{thebibliography}}\begin{biography}\bioauthor{河接宏矎}{2002幎東京工科倧孊工孊郚情報通信工孊科卒業同幎同倧工孊郚助手2005幎東京工科倧孊倧孊院バむオ・情報メディア研究科コンピュヌタサむ゚ンス専攻珟圚に至る韻埋的特城の分析・合成に関する研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚日本シミュレヌション孊䌚各䌚員}\bioauthor{倧野柄雄}{1988幎東京倧孊工孊郚電気工孊科卒1993幎同倧倧孊院工孊系研究科電子工孊専攻博士課皋了同幎東京理科倧孊基瀎工孊郚助手1999幎東京工科倧孊工孊郚講垫珟圚同倧コンピュヌタサむ゚ンス孊郚助教授音声蚀語凊理特に音声の韻埋の分析・合成・認識凊理の研究に埓事博士工孊電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V20N02-09
\section{はじめに} \label{introduction}自然蚀語の理解に向けお垞識的知識の獲埗が重芁である特に意味カテゎリに属する固有衚珟のリストは質問応答~\cite{Wang:2009:ASI:1687878.1687941}情報抜出~\cite{Mintz:2009:DSR:1690219.1690287}語矩曖昧性解消~\cite{Pantel:2002:DWS:775047.775138}文曞分類~\cite{Pantel:2009:WDS:1699571.1699635}ク゚リ補完~\cite{Cao:2008:CQS:1401890.1401995}など様々なタスクで有甚である固有衚珟リストを人手で構築するず倚倧なコストがかかるうえ新しい実䜓や抂念に察応できないため固有衚珟リストを半自動的に獲埗する方法が研究されおきた集合拡匵はある意味カテゎリに属する既知の固有衚珟の集合を入力ずしその意味カテゎリの未知の固有衚珟を獲埗するタスクである䟋えば「プリりス」「レクサス」「むンサむト」ずいう自動車カテゎリの固有衚珟から「カロヌラ」「シビック」「フィット」のように自動車カテゎリに属する固有衚珟を新たに獲埗するなお本論文では意味カテゎリに属する固有衚珟をその意味カテゎリの\textbf{むンスタンス}ず呌び特に入力ずしお䞎えるむンスタンスを\textbf{シヌドむンスタンス}ず呌ぶ集合拡匵には通垞ブヌトストラッピング手法を甚いる~\cite{Hearst:1992:AAH:992133.992154,Yarowsky95unsupervisedword,Abney:2004:UYA:1105596.1105600,pantel04,pantel-pennacchiotti:2006:COLACL}ブヌトストラッピング手法ずはシヌドむンスタンスを甚いお新たなむンスタンスを反埩的に獲埗する手法であるブヌトストラッピング手法ではたずコヌパス䞭でシヌドむンスタンスず頻繁に共起するパタヌンを獲埗する䟋えば自動車カテゎリに぀いお「プリりス」や「レクサス」のようなシヌドむンスタンスから「トペタのX」や「ハむブリッド車のX」Xは名詞句を代入する倉数のようなパタヌンが埗られる次にこれらのパタヌンず頻繁に共起するむンスタンスすなわちパタヌンの倉数X郚分に倚く珟れる名詞句を獲埗する䟋えば「トペタのX」ずいうパタヌンからトペタの自動車補品を衚す語が埗られる次に新たに埗られたむンスタンスをシヌドむンスタンスに加え再びパタヌンの獲埗を行うブヌトストラッピング手法はこのようにパタヌンの獲埗ずむンスタンスの獲埗を繰り返し行うこずにより少数のシヌドむンスタンスから倧芏暡なむンスタンス集合を獲埗するしかしブヌトストラッピング手法はシヌドむンスタンス集合ずは無関係なむンスタンスを獲埗しおしたう堎合もあるこれは察象ずする意味カテゎリのむンスタンス以倖ずも共起するパタヌンによっお匕き起こされる䟋えば「プリりス」や「レクサス」ずいったシヌドむンスタンスから「新型のX」ずいうパタヌンを獲埗したずするずこのパタヌンを甚いるこずにより「iPad」や「ThinkPad」のようなシヌドずは無関係なむンスタンスを抜出しおしたうブヌトストラッピング手法においお察象ずする意味カテゎリずは無関係なむンスタンスを獲埗しおしたう珟象を意味ドリフトず呌ぶ~\cite{Curran_minimisingsemantic}意味ドリフトはブヌトストラッピング手法においお非垞に重倧な問題であるブヌトストラッピング手法は意味カテゎリに関する事前知識をシヌドむンスタンスずいう圢で受け取っおいるしかしながらシヌドむンスタンスのみで意味カテゎリを正確に衚珟するこずは難しく意味ドリフトが匕き起こされる䞀方事前知識ずしおWikipediaにおける意味カテゎリ間の䞊䜍䞋䜍・兄匟関係に芋られるようにシヌドむンスタンス以倖の知識を埗られる堎合がある䟋えば人カテゎリに属するむンスタンスは男優ず女優カテゎリに同時に属するこずはできないずいう知識や自動車ず自動二茪カテゎリずいう2぀の異なったカテゎリが共通の特城䟋乗り物ガ゜リン匏陞䞊ず異なる特城䟋タむダの数窓の有無を持぀ずいうような知識が入手できる近幎テキストに非明瀺的な情報を掚論するため\textbf{MachineReadingproject}~\cite{Etzioni:06}に芋られるように倧芏暡なテキストコヌパスを利甚しありずあらゆる皮類の語圙知識を獲埗しようずする研究が盛んである意味カテゎリのむンスタンスの収集においおもCarlsonら~\cite{Carlson10towardan}のように耇数のカテゎリを察象ずしお同時に収集を行う需芁が高たっおいるこのような堎合にはシヌドむンスタンス以倖に意味カテゎリ間の関係も事前知識ずしお利甚できるず考えられる本研究では耇数の意味カテゎリを察象ずした集合拡匵においお事前知識ずしお意味カテゎリ間の兄匟関係を掻甚する手法を提案する評䟡実隓ではWikipediaから抜出したむンスタンスず兄匟関係を事前知識ずしお集合拡匵を行い兄匟関係の知識が有甚であるこずを瀺す本論文の構成は以䞋の通りである2節では本研究のベヌスラむン手法であるEspressoアルゎリズムを抂説するたたこの節では意味ドリフト問題ずその察凊法に関する先行研究を玹介する3節では意味カテゎリの兄匟関係を远加の事前知識ずしお掻甚する手法を提案する4節では提案手法の効果を実隓で怜蚌し考察を行う最埌に5節で本論文の結論を述べる \section{関連研究} \subsection{Espressoアルゎリズム}\label{Espresso}Espresso~\cite{pantel-pennacchiotti:2006:COLACL}はパタヌンの取埗ずむンスタンスの取埗の2぀のステップを反埩する集合拡匵アルゎリズムであるパタヌンの取埗ずむンスタンスの取埗は共にコヌパスからの候補の抜出ず候補のランキングずいう同じ手順にもずづいおいる候補の抜出では既に獲埗したむンスタンスず共起するパタヌン既に獲埗したパタヌンず共起するむンスタンスを抜出する候補のランキングでは候補むンスタンスパタヌンのスコアを蚈算し䞊䜍$N$個の候補を採甚するEspressoアルゎリズムでは候補パタヌン$p$のスコア$r_\pi(p)$ず候補むンスタンス$i$のスコア$r_\iota(i)$をそれぞれ匏~(\ref{eq:score1})ず匏~(\ref{eq:score2})で蚈算する\begin{gather}r_\pi(p)=\frac{1}{|I|}\sum_{i\inI}\frac{\pmi(i,p)}{\max\pmi}r_\iota(i)\label{eq:score1}\\r_\iota(i)=\frac{1}{|P|}\sum_{p\inP}\frac{\pmi(i,p)}\max\pmir_\pi(p)\label{eq:score2}\\\pmi(i,p)=\log_2\left(\frac{|i,p|}{|i,*||*,p|}\times\text{discountingfactor}\right)\label{eq:pmi}\\\text{discountingfactor}=\frac{|i,p|}{|i,p|+1}\times\left(\frac{\min\left(|i,*|,|*,p|\right)}{\min\left(|i,*|,|*,p|\right)+1}\right)\label{eq:discounting}\end{gather}$P$ず$I$は各カテゎリにおけるパタヌンずむンスタンスの集合である$|P|$ず$|I|$はそれぞれ集合$P$ず$I$に含たれるパタヌンずむンスタンスの数である$|i,*|$ず$|*,p|$はむンスタンス$i$ずパタヌン$p$のコヌパス䞭での出珟頻床であり$|i,p|$はむンスタンス$i$ずパタヌン$p$の共起頻床であるすなわち匏~(\ref{eq:pmi})における右蟺第1項はむンスタンス$i$ずパタヌン$p$の自己盞互情報量である自己盞互情報量は単語間の盞関の指暙ずしお䞀般的であるがめったに出珟しない単語に察しお倀が倧きくなっおしたうずいう問題があるこれに察凊するためPantelずRavichandranは匏~(\ref{eq:discounting})に瀺されるdiscountingfactorを導入した~\cite{pantel04}たたmaxpmiはカテゎリ内のすべおのむンスタンスずパタヌンのpmiの最倧倀であるなお初期倀ずしおシヌドむンスタンスのスコアは1.0ずするEspressoアルゎリズムの動䜜を説明する始めにシヌドむンスタンスず共起するパタヌンを候補ずしお抜出する次に匏~(\ref{eq:score1})で候補パタヌンのスコアを蚈算し䞊䜍$N$個のパタヌンを獲埗するこずで察象ずする意味カテゎリに察応するパタヌンを獲埗するむンスタンスの獲埗に぀いおは獲埗したパタヌンず匏~(\ref{eq:score2})を甚い䞊蚘の手順をパタヌンずむンスタンスを逆にしお行うこずで達成するすなわち獲埗したパタヌンず共起するむンスタンスを候補ずしお抜出し匏~(\ref{eq:score2})で高スコアのパタヌンずよく共起するむンスタンスを獲埗する\subsection{意味ドリフト}ブヌトストラッピング手法においおシヌドずは無関係なむンスタンスを獲埗しおしたい察象ずするカテゎリから逞脱しおしたう珟象を意味ドリフトず呌ぶ~\cite{Curran_minimisingsemantic}䟋ずしお「プリりス」や「レクサス」をシヌドむンスタンスずしお持぀自動車カテゎリに぀いお考えるEspressoアルゎリズムは䜕回か反埩を行うず「Xの性胜」や「新型のX」など倚くのカテゎリのむンスタンスず共起するパタヌン\textbf{ゞェネリック・パタヌン}を埗るこれらのパタヌンを甚いおむンスタンスの収集を行うず「iPad」や「ThinkPad」のようなむンスタンスが抜出され埗るこれらは察象ずする意味カテゎリの特城を備えおおらずシヌドが衚そうずしおいる意味カテゎリずは無関係なむンスタンスであるしかしながらこれらの間違ったむンスタンスを獲埗しおしたうこずでアルゎリズムの取埗するパタヌンは元々の想定からかけ離れたものになっおしたうたた意味ドリフトは倚矩性のある語によっおも匕き起こされる䟋えば自動車メヌカヌのシヌドずしお「サタヌン」や「スバル」を䞎えた堎合ブヌトストラッピング手法は「朚星」や「倩王星」のような星カテゎリに属するむンスタンスを獲埗しおしたうこれは「サタヌン」や「スバル」に倚矩性があり自動車メヌカヌだけでなく倩䜓惑星や恒星も衚す語だからである小町ら~\cite{mamoru_komachi:2010}はEspressoアルゎリズムをグラフ解析の芳点から分析するこずでブヌトストラッピング手法においお意味ドリフトが本質的には回避できない問題であるこずを瀺した\subsection{g-Espressoアルゎリズム}小町ら~\cite{mamoru_komachi:2010}はEspressoアルゎリズムをグラフ解析ずしお定匏化しさらに意味ドリフトぞの察凊ずしおグラフカヌネルの適甚を提案した圌らはたずEspressoアルゎリズムを行列蚈算によっお定匏化したなおここではEspressoアルゎリズムにおける毎回の反埩においお䞊䜍$N$個の候補を獲埗するずいうステップが省略されおおり党パタヌンず党むンスタンスにスコアを付䞎する圢になっおいるむンスタンスずパタヌンの共起行列を$M$ずしその$(p,i)$芁玠$[M]_{pi}$は匏~(\ref{eq:pmi})のpmiを甚いお\begin{equation}[M]_{pi}=\frac{\pmi(i,p)}{\max\pmi}\end{equation}ずするたたシヌドむンスタンスに察応する䜍眮の芁玠は1それ以倖の芁玠は0である$|I|$次元のベクトルをシヌドベクトル$\boldsymbol{i_{0}}$ずするこのずき$n$回目の反埩におけるパタヌンぞのスコアの付䞎は$\boldsymbol{p_{n}}=M\boldsymbol{i_{n}}$を蚈算した埌に$\boldsymbol{p_{n}}\gets\boldsymbol{p_{n}}/|I|$ずしお正芏化する操䜜に察応する同様にむンスタンスぞのスコアの付䞎は$\boldsymbol{i_{n+1}}=M^{T}\boldsymbol{p_{n}}$を蚈算した埌に$\boldsymbol{i_{n+1}}\gets\boldsymbol{i_{n+1}}/|P|$ずしお正芏化する操䜜に察応するしたがっお$n$回目の反埩埌に埗られるむンスタンスのスコアベクトル$\boldsymbol{i_{n}}$は匏~(\ref{eq:graph_instance})ず曞ける\begin{gather}\boldsymbol{i_{n}}=A^{n}\boldsymbol{i_{0}}\label{eq:graph_instance}\\A=\frac{1}{|I||P|}M^{T}M\end{gather}$I$をノヌド集合$A$を隣接行列ずした重み付き無向グラフ$G$を考えるず反埩におけるむンスタンスのスコアの曎新はシヌドむンスタンスのスコアがグラフ䞊を䌝播しおいく過皋ず芋なすこずができるよっおグラフカヌネルによりこの過皋を圢匏化するこずが可胜である小町ら~\cite{mamoru_komachi:2010}はゞェネリック・パタヌンの圱響を枛らし意味ドリフトを抑制するために正則化ラプラシアンカヌネル~\cite{b155}を甚いたたずグラフ$G$のラプラシアン$L$を匏~(\ref{eq:laplacian})によっお求める\begin{gather}L=D-A\label{eq:laplacian}\\[D]_{i,i}=\sum_{j}^{}[A]_{ij}\end{gather}次に正則化ラプラシアンカヌネルを匏~(\ref{eq:reg_lap})で蚈算する\begin{equation}R_{\beta}(A)=A\sum_{n=0}^{\infty}\beta^{n}(-L)^{n}=(I+\betaL)^{-1}\label{eq:reg_lap}\end{equation}正則化ラプラシアンカヌネルはそれぞれのノヌドに察し次数に応じお接する゚ッゞの重みを枛ずるこのためゞェネリック・パタヌンの圱響を䜎く抑えるこずができる萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}はこのグラフ理論によっお再定匏化したEspressoアルゎリズムをg-Espressoず呌び集合拡匵においお意味ドリフトを抑制する効果があるこずを瀺した\subsection{意味ドリフトぞの察凊}意味ドリフトの圱響を軜枛するために小町ら~\cite{mamoru_komachi:2010}や萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}の手法に加えシヌドむンスタンス集合の掗緎~\cite{Vyas:2009:HEC:1645953.1645984}分類噚の䜿甚~\cite{Bellare_lightlysupervisedattribute,Sadamitsu:2011:ESE:2002736.2002876,Pennacchiotti:2011:ABT:2018936.2018955}人間の刀断の導入~\cite{Vyas:2009:SES:1620754.1620796}意味カテゎリ間の関係の掻甚~\cite{Curran_minimisingsemantic,carlson-wsdm}など様々な手法が提案されおいるVyasらはブヌトストラッピング手法におけるシヌドむンスタンスの圱響を調査した~\cite{Vyas:2009:HEC:1645953.1645984}その結果専門家でない人の遞んだシヌドむンスタンス集合はランダムに遞択したものよりも結果が悪くなる可胜性があるこずを瀺したたた圌らは人手で䜜成されたシヌドむンスタンス集合を掗緎し集合拡匵の性胜を向䞊させる手法を提案したBellareらはブヌトストラッピング手法のランキング時にスコア関数の代わりに分類噚を䜿甚する手法を提案した~\cite{Bellare_lightlysupervisedattribute}分類噚を甚いる手法はむンスタンスのランキング時にパタヌン以倖の玠性を䜿うためであるSadamitsuらはBellareらの手法~\cite{Bellare_lightlysupervisedattribute}を拡匵しLatentDirichletAllocation(LDA)から掚定されるトピック情報を玠性ずしお䜿甚する手法を提案した~\cite{Sadamitsu:2011:ESE:2002736.2002876}圌らはたた意味的に近いカテゎリの情報を䞎えLDAのトピックの粒床を調敎する手法も提案しおいる~\cite{Sadamitsu:2012:PACLIC26}PennacchiottiずPantelは分類噚のためのトレヌニングデヌタを自動で収集する手法を提案した~\cite{Pennacchiotti:2011:ABT:2018936.2018955}しかしながらこれらの研究は耇数の意味カテゎリに察しお同時に集合拡匵を行うこずを想定しおおらず\ref{introduction}節で説明したような意味カテゎリ間の関係知識の利甚を考慮しおいないVyasずPantelは意味ドリフトの原因ずなったパタヌンを怜出しそれを削陀する手法を提案した~\cite{Vyas:2009:SES:1620754.1620796}圌らは意味ドリフトを防ぐためブヌトストラッピング手法の反埩に人間の正吊刀定を取り入れた圌らの手法では人手によっお誀りむンスタンスが発芋された堎合その誀りむンスタンスずそれを獲埗する原因ずなったパタヌンを陀去するたた同様の誀りを防ぐため誀りむンスタンスず類䌌した文脈ベクトルを持぀むンスタンスも陀去する圌らもカテゎリ間の関係のような事前知識は䜿甚しおいないCurranらはブヌトストラッピング手法にカテゎリ間の排他制玄を導入したMutualExclusionBootstrappingずいう手法を提案した~\cite{Curran_minimisingsemantic}MutualExclusionBootstrappingはむンスタンスやパタヌンの属するカテゎリはただ1぀であるずいう制玄を取り入れたものである耇数のカテゎリに出珟するむンスタンスやパタヌンには曖昧性があり意味ドリフトの原因になるず考えられるそこで曖昧性のあるむンスタンスやパタヌンを陀去するこずにより圌らの手法は高い粟床を達成した同じく排他関係を䜿甚する手法ずしおCarlsonらはCoupledPatternLearner(CPL)アルゎリズムを提案した~\cite{carlson-wsdm}CPLアルゎリズムは意味カテゎリのむンスタンス䟋自動車カテゎリのむンスタンスず関係むンスタンス䟋CEO-of-Companyずいう関係に察する(LarryPage,Google)やCompany-acquired-Companyに察する(Google,Youtube)を同時に収集する手法であるCPLアルゎリズムはこれらのむンスタンスを取埗するためにカテゎリ間の排他関係ずカテゎリ間の意味的関係䟋CEOカテゎリのむンスタンスは䌚瀟カテゎリに属するむンスタンスのうちいずれかのCEOであるを䜿甚するしかしながらカテゎリ間の意味的関係は関係むンスタンスの取埗にしか甚いられおおらず意味カテゎリのむンスタンスに぀いおは耇数カテゎリに察する排他制玄ずいう事前知識しか甚いおいないCurranら~\cite{Curran_minimisingsemantic}ずCarlsonら~\cite{carlson-wsdm}はどちらも事前知識ずしおシヌドむンスタンスだけではなくカテゎリ間の排他関係も利甚しおいるしかし意味カテゎリ間には䞊䜍䞋䜍や兄匟関係など排他関係以倖の関係も存圚する兄匟関係は共通の特城を持぀べきであるカテゎリに぀いおの知識であり排他関係ずいうむンスタンスが同時に属さないカテゎリに関する知識ずは別皮のものである兄匟関係に぀いおの知識はWikipediaのような既存のリ゜ヌスから容易に取埗するこずができるため事前知識ずしお利甚しやすい本研究では既存のリ゜ヌスから入手できるカテゎリ間の兄匟関係に関する知識を事前知識ずしお集合拡匵に導入しその有甚性を怜蚌する \section{提案手法} \subsection{兄匟カテゎリのパタヌンによるフィルタリング}本節では意味カテゎリ間の兄匟関係を事前知識ずしお掻甚する手法を提案する以降では兄匟関係にあるカテゎリの集合を\textbf{兄匟グルヌプ}ず呌ぶこずずする䟋えば自動車ず自動二茪のカテゎリは兄匟関係にあるため同䞀の兄匟グルヌプに属する本研究では同䞀の兄匟グルヌプに含たれるむンスタンスは共通の特城を保有しおいるず仮定する䟋えば自動車ず自動二茪の兄匟グルヌプに含たれるむンスタンスは「乗り物」や「ガ゜リン匏」ずいう特城を持ち「乗る」や「燃費」などの語ず係り受け関係を持ちやすいこの兄匟グルヌプに共通の特城を持っおいないむンスタンスは正しいむンスタンスである可胜性が䜎いず考えられるそのため提案手法は兄匟グルヌプのシヌドむンスタンス集合を利甚しお兄匟グルヌプに共通の特城を取埗しグルヌプ内の候補むンスタンスがこの共通の特城を保有しおいるか吊かを怜蚌するこずで誀ったむンスタンスの獲埗を防ぐ同䞀の兄匟グルヌプに属する自動車ず自動二茪カテゎリに぀いお提案手法を甚いお集合拡匵の際の誀りむンスタンスを陀去する䟋を図~\ref{fig:overview}に瀺す提案手法はたずこの兄匟グルヌプのむンスタンスに共通の特城ずしお「乗る」や「燃費」ずいう衚珟ず係り受け関係を持ちやすいずいう知識を埗る既存のブヌトストラッピング手法では自動車カテゎリにおいお「新型のX」ずいうパタヌンを獲埗しおしたった堎合シヌドや兄匟グルヌプずは無関係のむンスタンスである「iPad」を陀去するこずができないこれに察しお提案手法では候補むンスタンスが「乗る」や「燃費」ず係り受け関係にある文節に出珟しおいるかをむンスタンスの獲埗厳密には候補のランキングの前に怜蚌するこずによっお「iPad」のような誀りむンスタンスを取り陀くこずができるこの結果提案手法は「カムリ」のような兄匟グルヌプに共通する特城を持぀むンスタンスのみを獲埗する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f1.eps}\end{center}\caption{兄匟関係を掻甚した集合拡匵}\label{fig:overview}\end{figure}ここで兄匟グルヌプに共通の特城が察象ずする意味カテゎリ以倖も包含しおしたうず意味ドリフトが発生しおしたうこれを防ぐために兄匟グルヌプ間は排他関係にあるずし兄匟グルヌプに共通の特城は察象ずしおいる兄匟グルヌプに固有の特城ずする本研究では兄匟グルヌプに共通の特城は「乗る」や「燃費」などの衚珟によっお衚されるず仮定するこのような衚珟を\textbf{フィルタパタヌン}ず呌ぶ提案手法では候補むンスタンスがフィルタパタヌンず共起しおいるかすなわち候補むンスタンスがフィルタパタヌンず係り受け関係にある文節に出珟しおいるかの怜蚌を行うこずでむンスタンスが兄匟グルヌプに共通の特城を保有しおいるかを確認するこの確認はむンスタンスの獲埗の盎前に行い候補むンスタンスの抜出法に぀いおは既存の手法を甚いるすなわち提案手法はEspressoアルゎリズムやg-Espressoなどの既存手法ず組み合わせお利甚するこずができる\subsection{Espressoアルゎリズムをベヌスずした手法}\label{proposed_espresso}\begin{algorithm}[t]\caption{Espressoアルゎリズムをベヌスずした提案手法のアルゎリズム}\label{alg1}\input{09algo01.txt}\end{algorithm}Espressoアルゎリズムを利甚し図~\ref{fig:overview}のアむディアをアルゎリズムずしお蚘述したものがAlgorithm~\ref{alg1}であるこのアルゎリズムは入力ずしお察象ずするカテゎリの集合$C$$S_{1}$から$S_{T}$たでの兄匟グルヌプそれぞれのカテゎリ$c\inC$に察応するシヌドむンスタンス集合$I_{c}$反埩の回数$L$コヌパス$W$を受け取る兄匟グルヌプはそれぞれ$C$の郚分集合でありたた互いに玠であるたず\ref{st_sibp_extract}行目から\ref{end_sibp_extract}行目においお各兄匟集合$S_{j}$に察するフィルタパタヌン$F_{S_{j}}$を遞択する次に\ref{espresso}行目においお兄匟グルヌプ$S_{j}$内の各カテゎリ$c$のむンスタンスを関数\Call{Espresso\_Exclusion}{}を甚いお取埗する\Call{Espresso\_Exclusion}{}は芁玠のそれぞれがむンスタンス$i$カテゎリ$c$スコア$s$のタプルすなわち$(i,c,s)$からなるリスト$R$を返すこの関数においおむンスタンスの抜出ずスコアの蚈算は~\ref{Espresso}節で説明したEspressoアルゎリズムに兄匟グルヌプのカテゎリ間でパタヌンに察する排他制玄を導入した手法を甚いお行う\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f2.eps}\end{center}\caption{文節間の係り受け関係の䟋}\label{eg:sentence}\end{figure}本研究ではパタヌンはむンスタンスず係り受け関係にある文節ず定矩する䟋えば「プリりス」ずいうむンスタンスず図~\ref{eg:sentence}に瀺す文が䞎えられたずする図~\ref{eg:sentence}では文を文節で区切り係り受け関係を文節間の矢印で衚珟しおいるこのずきプリりスず同じ意味クラスに属するむンスタンスを取埗するためのパタヌンずしお\begin{quote}\begin{itemize}\itemX$\longrightarrow$販売を\itemX$\longleftarrow$新型\end{itemize}\end{quote}を埗るここで係り受け関係の向きに぀いおむンスタンスを含む文節が別の文節に係るずきを「$\to$」で別の文節がむンスタンスを含む文節に係るずきを「$\gets$」で衚しおいる関数\Call{Espresso\_Exclusion}{}では「X$\to$販売を」や「X$\gets$新型」のように係り受け関係の向きも含めた衚珟圢匏をパタヌンずする次に$R$に含たれる候補むンスタンス$i$が兄匟グルヌプに共通の特城を持぀か吊かの怜蚌を関数\Call{Filter}{}によっお行う\ref{filter}行目関数\Call{Filter}{}は\ref{st_func_fil}行目から\ref{end_func_fil}行目に曞かれおいる通りであり$R$に含たれる$i$がそれぞれフィルタパタヌン$f$ず共起しおいるかどうかを怜蚌するこの関数はフィルタパタヌンず共起しおいるむンスタンスをそのスコアずずもにリストずしお返す蚀い換えればこの関数はフィルタパタヌンの集合$F$によっお衚される兄匟グルヌプに共通の特城を保有しおいないむンスタンスを陀去しおいる兄匟グルヌプ内でのドリフトを防ぐため提案手法は兄匟グルヌプのカテゎリ間に排他制玄を導入しおいるパタヌンやむンスタンスが兄匟グルヌプ内の耇数のカテゎリで出珟しおいる堎合提案手法はそれらが属するべき最適なカテゎリをただ1぀決定する提案手法ではこの決定をランキングの結果をもずに行う䟋えば自動車ず自動二茪カテゎリにおいお「X→マフラヌ」ずいうパタヌンが出珟しおいたずするランキングの結果もしこのパタヌンが自動車カテゎリでは13䜍であり自動二茪カテゎリでは4䜍だったずするずこのパタヌンは自動二茪カテゎリにのみ属するものずするすでに説明したようにAlgorithm~\ref{alg1}においお関数\Call{Espresso\_Exclusion}{}はパタヌンに察する排他制玄が導入されおいるものであるずしおおりむンスタンスに察する排他制玄は\ref{exclusive}行目から\ref{end_exclusive}行目に実装されおいる提案手法ではスコア$s$を元に\ref{exclusive}行目から\ref{end_exclusive}行目での排他制玄を適甚しながら反埩数$l$回目に応じお䞊䜍$N\timesl$個のむンスタンスを獲埗するすべおのカテゎリに぀いお新たなむンスタンスの取埗が終わった埌次の反埩ぞず進む入力ずしお䞎えた回数だけ反埩した埌アルゎリズムはそれぞれのカテゎリ$c\inC$に察応するむンスタンス集合$I'_{c}$を出力する\subsection{g-Espressoをベヌスずした手法}\label{sec:g_espresso}正則化ラプラシアンカヌネルを利甚したg-Espressoによるむンスタンスの抜出ずフィルタパタヌンによる候補むンスタンスの特城の怜蚌を組み合わせた手法をアルゎリズムずしお蚘述したものがAlgorithm~\ref{proposed_g_espresso}であるこのアルゎリズムはAlgorithm~\ref{alg1}の入力から反埩回数$L$を陀いたものを入力ずしお受け取る\begin{algorithm}[b]\caption{g-Espressoをベヌスずした提案手法のアルゎリズム}\label{proposed_g_espresso}\begin{algorithmic}[1]\input{09algo02.txt}\end{algorithm}Algorithm~\ref{proposed_g_espresso}はAlgorithm~\ref{alg1}ず同様たず各兄匟集合$S_{j}$に察するフィルタパタヌン$F_{S_{j}}$を遞択する次に兄匟グルヌプ$S_{j}$内の各カテゎリ$c$に぀いお候補むンスタンス集合$I_{v_{c}}$ずパタヌンの集合$P_{v_{c}}$を関数\Call{Espresso}{}によっお抜出する~\ref{espresso4g}行目関数\Call{Espresso}{}は\ref{Espresso}節においお説明したEspressoアルゎリズムによっおパタヌンずむンスタンスのスコアを蚈算し䞊䜍$N_{pattern}$個のパタヌンず䞊䜍$N_{instance}$個のむンスタンスを返す関数であるなおここでのパタヌンも\ref{proposed_espresso}節での関数\Call{Espresso\_Exclusion}{}で甚いたものず同様「X$\to$発衚した」のような係り受け関係の向きも含めたものずするg-Espressoは察象ずするカテゎリ毎にコヌパス䞭の党パタヌンず党むンスタンスを察象ずした蚈算を行うためりェブペヌゞなどの倧芏暡コヌパスや耇数の意味カテゎリを察象ずした堎合には蚈算量が膚倧になっおしたう蚈算量を抑えるため萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}はブヌトストラッピング手法によっお蚈算察象を制限しその埌グラフカヌネルを適甚する手法を甚いた本手法でも同様にEspressoアルゎリズムによっおシヌドむンスタンス集合ず盞関の高いパタヌンむンスタンスを$P_{v_{c}}$$I_{v_{c}}$ずしお抜出しg-Espressoぞの入力ずするなお今回は萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}を参考に$N_{pattern}=2,000$ずし$N_{instance}=2,000\times|S_{j}|$ずした次に候補むンスタンス集合$I_{v_{c}}$に含たれるむンスタンスが兄匟グルヌプに共通の特城を持぀か吊かの怜蚌をAlgorithm~\ref{alg1}における関数\Call{Filter}{}を甚いお行う~\ref{filter_g}行目次に$P_{v_{c}}$ず関数\Call{Filter}{}の返した$I_{v_{c}}$を察象ずしg-Espressoによっおむンスタンスのスコアを蚈算するこれは関数\Call{g-Espresso}{}を甚いお行う~\ref{g_espresso}行目関数\Call{g-Espresso}{}は芁玠のそれぞれがむンスタンス$i$カテゎリ$c$スコア$s$のタプルからなるリスト$R$を返す最埌にAlgorithm~\ref{alg1}ず同様に兄匟グルヌプのカテゎリ間での排他制玄を考慮し぀぀各カテゎリに぀いおスコアの䞊䜍$N_{all}$個のむンスタンスを獲埗し~\ref{exclusive_g}行目から~\ref{end_exclusive_g}行目$I'_{c}$ずしお出力する\subsection{フィルタパタヌンの獲埗}既に説明したように提案手法はむンスタンスが兄匟グルヌプに共通の特城を持っおいるか吊かをフィルタパタヌンを甚いお刀定するこの節ではフィルタパタヌンの獲埗方法に぀いお述べるフィルタパタヌンの獲埗は候補の抜出ずランキングの2぀のステップからなる候補の抜出では兄匟グルヌプのシヌドむンスタンスず共起しおいるパタヌンを集める䟋えば自動車ず自動二茪カテゎリからなる兄匟グルヌプに察し自動車か自動二茪カテゎリに含たれるシヌドむンスタンスず共起しおいるパタヌンを抜出するフィルタパタヌンは兄匟グルヌプの特定のカテゎリのむンスタンスを取埗するためのものではなく兄匟グルヌプに無関係のむンスタンスを陀去するためのものであるため兄匟グルヌプに共通の特城をずらえおいるこずが望たしいしかしむンスタンスずの係り受け関係の向きや助詞や副詞など構成する語を厳密に指定する圢匏にしおしたうず正解むンスタンスたで取り陀いおしたう可胜性もある\footnote{フィルタパタヌンにおいお係り受け関係の向きを指定するず指定しないものよりも粟床が悪くなるこのこずは~\ref{discussion}節においお実隓的に明らかにする}このためフィルタパタヌンは係り先係り元ずいった係り受け関係の向きを考慮せずさらに名詞ず動詞に限定するすなわちフィルタパタヌンはEspressoアルゎリズムやg-Espressoで甚いたパタヌンずは異なり「乗る」や「゚ンゞン」「愛車」などのむンスタンスず係り受け関係にある文節に出珟する名詞や動詞ずする~\footnote{実際に獲埗された各兄匟グルヌプのフィルタパタヌンに぀いおは衚~\ref{tab:table2}に瀺しおある}候補のランキングでは抜出された候補の䞭からフィルタパタヌンずしお最適なものを遞択する兄匟グルヌプに含たれる意味カテゎリのむンスタンスが獲埗されるにはフィルタパタヌンず共起する必芁があるそのため兄匟グルヌプに属するむンスタンスずできるだけ倚く共起するようなフィルタパタヌンが適しおいるたたフィルタパタヌンによっおむンスタンスが兄匟グルヌプに共通の特城を保有しおいるかどうかを怜蚌するため兄匟グルヌプ内のカテゎリに均等に出珟するようなフィルタパタヌンが適しおいるこの2぀の芁玠をそれぞれ網矅性ず平等性ずしお定匏化しこれにもずづいおフィルタパタヌンの遞択を行う\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f3.eps}\end{center}\caption{フィルタパタヌンずしお望たしい性質}\label{fig:properties_filter_pattern}\end{figure}フィルタパタヌンは兄匟グルヌプに属する正しいむンスタンスを網矅するようなものであるこずが望たしいそのため兄匟グルヌプ䞭の倚くのシヌドむンスタンスず共起しおいるパタヌンが適しおいる䟋ずしお自動車ず自動二茪カテゎリのフィルタパタヌンに぀いお考える図~\ref{fig:properties_filter_pattern}図~\ref{fig:properties_filter_pattern}においおパタヌンは斜䜓で衚されおいるたたパタヌンの䞋の四角で芆われた枠内の文字はシヌドむンスタンスであり特にパタヌンず共起しおいるものは倪字で瀺しおあるこの図の(a)においおパタヌン「乗る」は「マむナヌチェンゞ」よりも倚くのシヌドむンスタンスず共起しおいるためよりフィルタパタヌンに適しおいるず考えるこの芁玠を網矅性ず呌び$\mathit{Coverage}$ずいう指暙で枬定するある兄匟グルヌプ$S_{j}$に属するパタヌン$f$の$\mathit{Coverage}$は次の匏~(\ref{recall})を甚いお蚈算する\begin{gather}\mathit{Coverage}(S_{j},f)=\frac{\sum_{c\inS_{j}}\sum_{i\inI_{c}}\mathit{cooccur}(f,i)}{\sum_{c\inS_{j}}|I_{c}|}\label{recall}\\\mathit{cooccur}(f,i)=\left\{\begin{array}{ll}1&\text{$i$ず$f$が共起しおいる堎合}\\0&\text{それ以倖}\\\end{array}\right.\end{gather}$I_{c}$はカテゎリ$c$のシヌドむンスタンス集合であり$|I_{c}|$はカテゎリ$c$のシヌドむンスタンスの数である$\mathit{cooccur}(f,i)$はむンスタンス$i$がパタヌン$f$ず共起しおいるか吊かを衚しおおり共起しおいるなら1をしおいなければ0を返す関数であるよっお$\sum_{i\inI_{c}}\mathit{cooccur}(f,i)$はカテゎリ$c$に属しか぀パタヌン$f$ず共起しおいるシヌドむンスタンスの数を衚すさらにフィルタパタヌンはむンスタンスが兄匟グルヌプに共通の特城を保有しおいるかどうかを怜蚌するためのものであるため特定のカテゎリに偏っお出珟しおいるパタヌンは䞍適圓であるしたがっおパタヌンは兄匟グルヌプ内のカテゎリのうち2぀以䞊で出珟しおいなければならないずする図~\ref{fig:properties_filter_pattern}の(b)においお「゚ンゞン」ずいうパタヌンは自動車ず自動二茪の䞡方のカテゎリのむンスタンスず共起しおいるが「トペタ」は自動車カテゎリのみでしか出珟しおいないこのため「トペタ」はフィルタパタヌンずしおは䞍適圓ずし候補から陀去するたた図~\ref{fig:properties_filter_pattern}の(b)では「乗る」ずいうパタヌンは䞡方のカテゎリのむンスタンスず均等に共起しおいるため「゚ンゞン」よりもフィルタパタヌンずしお適しおいるこのパタヌンが兄匟グルヌプ内のそれぞれのカテゎリのむンスタンスずどれだけ均等に共起するかずいう芁玠を平等性ず呌ぶ兄匟グルヌプ内のあるカテゎリのむンスタンスずパタヌンが共起するずきパタヌンがそのカテゎリに出珟したず定矩すれば平等性は兄匟グルヌプ内でのパタヌンがどのカテゎリに出珟するかの分散の倧きさず蚀えるこのため平等性は情報量($\mathit{Entropy}$)を甚いお枬定できるある兄匟グルヌプ$S_{j}$に属するパタヌン$f$の$Entropy$は次の匏~(\ref{entropy})を甚いお蚈算する\begin{gather}\mathit{Entropy}(S_{j},f)=-\sum_{c\inS_{j}}P_c(f)\log_{|C|}P_c(f)\label{entropy}\\P_c(f)=\frac{\sum_{i\inI_{c}}\mathit{cooccur}(f,i)}{\sum_{c\inS_{j}}\sum_{i\inI_{c}}\mathit{cooccur}(f,i)}\end{gather}$|C|$はパタヌン$f$の出珟しおいるカテゎリの数であるもしパタヌン$f$が兄匟グルヌプ内のそれぞれのカテゎリのむンスタンスず均等に共起したずするず$\mathit{Entropy}(S_{j},f)$は最も高い倀(1.0)ずなる網矅性ず平等性の䞡方の芳点においお優れおいるパタヌンを獲埗するためパタヌン$f$のスコアを次の匏~(\ref{equ:filtering-score})を甚いお蚈算する\begin{equation}\mathit{Score}(S_{j},f)=\mathit{Entropy}(S_{j},f)\timesCoverage(S_{j},f)\label{equ:filtering-score}\end{equation}各兄匟グルヌプ$S_{j}$の候補パタヌン$f$に぀いお$\mathit{Score}(S_{j},f)$を蚈算し兄匟グルヌプに共通の特城を特に衚しおいるず考えられる䞊䜍15個を兄匟グルヌプのフィルタパタヌンずしお獲埗するなお兄匟グルヌプが他の兄匟グルヌプぞ意味ドリフトしおしたうこずを防ぐため兄匟グルヌプ間は排他関係にあるずするそのため耇数の兄匟グルヌプで候補ずなっおいるフィルタパタヌンに぀いおは属する兄匟グルヌプをただ1぀決めなければならないこの決定はフィルタパタヌンの出珟頻床にもずづいお行うすなわち兄匟グルヌプ内のシヌドむンスタンスずの共起頻床の和をフィルタパタヌンの兄匟グルヌプ内での出珟頻床ずしこれが最倧である兄匟グルヌプにのみフィルタパタヌンは属するずするこれによりそれぞれの兄匟グルヌプに固有のフィルタパタヌンが埗られるこのフィルタパタヌンを甚いるこずで兄匟グルヌプに共通の特城を持たない無関係なむンスタンスを陀去できる \section{実隓} \subsection{実隓蚭定}本節では集合拡匵においおカテゎリ間の兄匟関係を事前知識ずしお䜿甚するこずの効果を実隓的に怜蚌する実隓ではEspressoアルゎリズム~\cite{pantel-pennacchiotti:2006:COLACL}Espressoアルゎリズムにカテゎリ間の排他制玄を加えたものEspresso+排他制玄Espressoアルゎリズムにカテゎリ間の排他制玄ず兄匟関係を事前知識ずしお加えたもの提案手法ベヌスEspressoのブヌトストラッピング手法ずg-Espressoアルゎリズム~\cite{masato_hagiwara:2011}g-Espressoアルゎリズムにカテゎリ間の排他制玄ず兄匟関係を事前知識ずしお加えたもの提案手法ベヌスg-Espressoのグラフカヌネルを甚いた手法に぀いお比范を行うグラフカヌネルを甚いた手法における正則化ラプラシアンカヌネルの拡散パラメヌタは萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}ず同様$\beta=5.0\times10^{-4}$ずしたブヌトストラッピング手法では反埩毎に各カテゎリのむンスタンスずパタヌンの獲埗数を15個ず぀増加すなわち$N=15$させた集合拡匵は未知のむンスタンスを取埗するタスクであるため再珟率を正確に枬定するこずは難しいそのため各手法の比范は同じ数のむンスタンスを取埗した際の適合率を比べるこずによっお行うさらに各手法の出力した正解むンスタンスの集合を正解セットず考え再珟率を疑䌌的に蚈算し比范するなお獲埗むンスタンスの正吊は3人の評䟡者によっお刀定する\ref{introduction}節で説明したように近幎では党おのカテゎリのむンスタンスを収集する需芁が高たっおいるこのため実隓ではCarlsonら~\cite{Carlson10towardan}のように様々な皮類のカテゎリを察象ずする代衚的なカテゎリをたんべんなく察象ずするため関根の拡匵固有衚珟階局のリスト\footnote{https://sites.google.com/site/extendednamedentityhierarchy/}ずWikipediaを参考に人手で41個のカテゎリを実隓察象ずしお遞択した察象カテゎリは衚~\ref{tab:table2}に瀺した通りでありこの衚に瀺した党おのカテゎリに぀いお同時に集合拡匵を行うなお衚~\ref{tab:table2}ではカテゎリを兄匟グルヌプが同䞀のものでたずめおあり兄匟グルヌプ間は眫線によっお区切られおいる兄匟グルヌプは同じ䞊䜍カテゎリを持぀カテゎリの集合ずなるようWikipediaを参考に人手で䜜成した各カテゎリはただ1぀の兄匟グルヌプに属するものずし各兄匟グルヌプは2぀以䞊のカテゎリを含むシヌドむンスタンスに぀いおはWikipediaから自動でむンスタンスを抜出するツヌル~\cite{SUMIDA08.618}を利甚し各カテゎリ毎に15個ず぀甚意したなお自動で抜出した結果には誀りも含たれおいるため人手によっお誀りむンスタンスを陀去しおいる実隓には1億1千䞇の日本語りェブペヌゞをコヌパスずしお甚いたりェブペヌゞ䞭の文は日本語係り受け解析噚であるKNP~\cite{And94knparser}を甚いお係り受け構造を解析したたた蚈算時間を削枛するため出珟頻床が2回以䞋であるパタヌンずむンスタンスは陀去しおいる\subsection{結果}\label{discussion}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f4.eps}\end{center}\caption{各手法における取埗むンスタンス数ずその適合率}\label{fig:figure3}\end{figure}ブヌトストラッピングの反埩を10回行った際の各手法における党カテゎリでの獲埗むンスタンス数ずその適合率を図~\ref{fig:figure3}に瀺すグラフカヌネルを甚いた手法ではブヌトストラッピングず同数のむンスタンスを獲埗した際の適合率を瀺しおいるたた提案手法ではフィルタパタヌンにおいお係り受け関係の方向を指定しないずしおいたがこの効果を確認するためフィルタパタヌンにおいお係り受け関係の方向を指定した手法での結果も蚘したこの図よりEspresso+排他制玄はEspressoよりも適合率が䞊昇しおいるこずがわかるEspresso+排他制玄の適合率はEspressoず比べるず4,305個のむンスタンスを獲埗したずきに最も䞊昇し2.4\%高いたた10回の反埩埌すなわち6,765個のむンスタンスを獲埗したずきには1.3\%䞊昇しおいる提案手法ベヌスEspressoはEspresso+排他制玄よりもさらに適合率が䞊がっおおりEspressoず比べるず4,305個のむンスタンスを獲埗したずきには4.4\%䞊昇し6,765個のむンスタンスを獲埗したずきには2.1\%䞊がっおいるさらにg-Espressoず提案手法ベヌスg-Espressoを比范しおも提案手法の適合率が䞊昇しおいるこずがわかる提案手法ベヌスg-Espressoの適合率はg-Espressoず比べ3,690個のむンスタンスを獲埗したずきに最も䞊昇し6.1\%高いこの結果からカテゎリ間の兄匟関係に぀いおの事前知識は意味ドリフトの抑制に寄䞎し集合拡匵の粟床を向䞊させるこずがわかるたた図~\ref{fig:figure3}よりフィルタパタヌンにおいお係り受け関係の方向を指定した手法ではEspressoよりも適合率が䞊昇するが提案手法フィルタパタヌンにおいお係り受け関係の方向を指定しない堎合よりは適合率が䜎いこずがわかるしたがっおフィルタパタヌンにおいお係り受け関係の方向たで指定するこずは厳しすぎる制玄でありフィルタパタヌンを甚いお兄匟グルヌプの共通性を怜蚌する際には係り受け関係の方向を指定する必芁はないこずがわかる小町ら~\cite{mamoru_komachi:2010}や萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}はグラフカヌネルを甚いるこずにより意味ドリフトが抑制できるこずを瀺したしかし図~\ref{fig:figure3}においおグラフカヌネルを甚いた手法であるg-Espressoの適合率はEspressoより䜎いこれは~\ref{sec:g_espresso}節で説明したようにグラフカヌネルを適甚するパタヌンず候補むンスタンスを制限しおいるためであるず考えられる䟋えばペヌロッパの囜カテゎリに぀いお「ドむツ」ずいうシヌドむンスタンスから「X$\to$サッカヌ遞手䞀芧」「X$\to$キヌパヌは」ずいうパタヌンが抜出されるため「匷豪」や「代衚」のような察象ずする意味カテゎリずは無関係なむンスタンスのスコアが高くなっおしたうこの問題に぀いお萩原ら~\cite{masato_hagiwara:2011}はグラフの範囲を広げるこずで解消できるずしたが耇数の意味カテゎリを察象にした集合拡匵では蚈算量を抑えるためにグラフはできるだけ小さくせねばならず避けられない問題であるず考えられる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f5.eps}\end{center}\caption{各手法における適合率ず再珟率}\label{fig:graph_pr_curve}\end{figure}再珟率を疑䌌的に蚈算するため反埩を10回行ったすなわち各カテゎリで165個のむンスタンスを獲埗したずきの各手法で獲埗した正解むンスタンスの和集合を正解セットずしお反埩毎\footnote{グラフカヌネルを甚いた手法では各カテゎリでの獲埗むンスタンスを15個ず぀増やした}の適合率ず再珟率を蚈算したこの結果を図~\ref{fig:graph_pr_curve}に瀺した図~\ref{fig:graph_pr_curve}より提案手法ベヌスEspressoはEspressoEspresso+排他制玄よりも性胜が良くたた提案手法ベヌスg-Espressoはg-Espressoよりも性胜が良いこずがわかるこれより提案手法は再珟率を保ったたた適合率を䞊昇させるこずが可胜であるず蚀える\begin{table}[b]\caption{神瀟ず寺カテゎリにおける各手法の獲埗むンスタンスの䞊䜍15個}\label{tab:table1}\input{09table01.txt}\end{table}適合率再珟率共に高いブヌトストラッピング手法に着目しさらに詳しい分析を行うたず各手法における取埗むンスタンスの傟向を調べる同じ兄匟グルヌプに属する神瀟ず寺カテゎリに぀いお各手法で反埩を5回行った際の獲埗むンスタンスのうち䞊䜍15個を衚~\ref{tab:table1}に瀺すなお衚~\ref{tab:table1}ではむンスタンスを正解ず誀りに分けお蚘しおいる衚~\ref{tab:table1}によるずEspressoずEspresso+排他制玄は倚くの誀りむンスタンスを獲埗しおいるが誀りの傟向には違いがあるEspressoは「八幡宮」や「倪宰府倩満宮」「浅草寺」などいく぀かのむンスタンスを神瀟ず寺カテゎリの䞡方に属するものずしおしたっおいるこれに察しおEspresso+排他制玄はむンスタンスが耇数カテゎリに所属しないようにむンスタンスの属するただ1぀のカテゎリを遞択しおおりEspressoのような誀りは発生しおいないすなわち排他制玄は意味ドリフトを緩和する効果があるこずがわかるしかしながらEspresso+排他制玄は寺カテゎリにおいお「袋屋醀油店」や「あだしのたゆ村」など察象カテゎリずは無関係のむンスタンスを倚く獲埗しおしたっおいる提案手法は兄匟グルヌプの共通性に぀いおの知識を利甚するこずによりこのような誀りむンスタンスを陀去するこずに成功しおいるこの結果から兄匟関係は集合拡匵に察しお有甚な情報であるこずがわかる\newcommand{\ThreeLine}[3]{}\begin{table}[p]\caption{反埩を5回行った際の各カテゎリにおける各手法の適合率}\label{tab:table2}\input{09table02.txt}\end{table}反埩を5回行った際の各カテゎリにおける各手法の獲埗むンスタンスの適合率を衚~\ref{tab:table2}に蚘すたた衚~\ref{tab:table2}には提案手法の適合率のEspressoからの䞊昇率も瀺したさらにそれぞれの兄匟グルヌプでのフィルタパタヌンのうち䞊䜍3぀をそのスコアずずもに蚘した衚~\ref{tab:table2}より提案手法ずEspresso+排他制玄は倚くのカテゎリにおいおEspressoよりも適合率が䞊昇しおいるこずがわかるこの結果はカテゎリ間の排他関係ず兄匟関係は集合拡匵の粟床を向䞊させるこずを瀺しおいるしかしながらいく぀かのカテゎリにおいおは適合率が䞋がっおおり兄匟関係の知識が有効に働いおいないようであるこの原因は以䞋の2぀に分類されるず考えられる\begin{enumerate}\itemフィルタパタヌンのスコアが䜎い\label{case1}\itemベヌスラむンでの適合率が高い\label{case2}\end{enumerate}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-2ia9f6.eps}\end{center}\caption{各兄匟グルヌプで取埗したフィルタパタヌンのスコアの最倧倀ず適合率の䞊昇率}\label{fig:figure5}\end{figure}(\ref{case1})の堎合は自動車メヌカヌず医薬品メヌカヌ矎術通ず劇堎など兄匟グルヌプのカテゎリすべおで適合率が䞋がっおいる䟋えば自動車メヌカヌず医薬品メヌカヌカテゎリに぀いおはEspressoず比べ適合率がそれぞれ14.44\%2.22\%䞋がっおいるこの2぀のカテゎリを含む兄匟グルヌプでは最もスコアの高いフィルタパタヌンでさえスコアが0.1837ずかなり䜎い各兄匟グルヌプで取埗したフィルタパタヌンのスコアの最倧倀ずその兄匟グルヌプの適合率のEspressoからの䞊昇率を図~\ref{fig:figure5}に蚘したさらに図~\ref{fig:figure5}には䞀次近䌌曲線を匕きスコアず䞊昇率の盞関を瀺したこの図より取埗したフィルタパタヌンのスコアの最倧倀が䜎いほど䞊昇率が䞋がりスコアが0.6以䞋の堎合にはEspressoよりも粟床が悪くなるこずがわかるフィルタパタヌンのスコアずは兄匟グルヌプの共通性を衚したパタヌンをフィルタパタヌンずしお取埗できるよう兄匟グルヌプのシヌドむンスタンスを甚いお蚈算されたものである぀たり取埗したフィルタパタヌンのスコアが䜎いずいうこずは提案手法がフィルタパタヌンに必芁な芁玠である網矅性ず平等性を持぀パタヌンを芋぀けられなかったこずを瀺唆しおいる網矅性ず平等性を持぀パタヌンを獲埗できなかった原因は自動車メヌカヌず医薬品メヌカヌなど共通性の少ないカテゎリを兄匟グルヌプずしおしたったためであるず考えられる兄匟グルヌプの遞択による提案手法ぞの圱響に぀いおは今埌調査しおいきたい映画監督やコメディアンカテゎリは~(\ref{case2})にあおはたる(\ref{case2})の堎合Espressoにおいお意味ドリフトは起こっおいないにもかかわらず提案手法はフィルタを適甚し正解むンスタンスを削陀しおしたっおいる蚀い換えれば提案手法は誀りむンスタンスよりも正解むンスタンスを倚く陀去しおしたっおいるこの原因ずしおはフィルタパタヌンはシヌドむンスタンスによっおのみ決定されるためブヌトストラッピングの反埩䞭に新たに抜出したむンスタンスによっおもたらされる兄匟グルヌプの共通性を扱えおいない可胜性があるこれに察凊するためにブヌトストラッピングの反埩䞭にフィルタパタヌンを曎新するこずが必芁であるず考えられるしかし新たに獲埗したむンスタンスを甚いおフィルタパタヌンを曎新した堎合意味ドリフトを抑制する効果が倱われおしたうこずも考えられるため曎新は慎重に行わなければならないフィルタパタヌンの曎新方法に぀いおは今埌の課題である \section{たずめ} 本論文ではブヌトストラッピングにおいおカテゎリ間の兄匟関係を事前知識ずしお利甚する手法を提案し兄匟関係が集合拡匵に察しお有甚な知識であるこずを瀺した実隓では提案手法はベヌスラむンであるEspressoアルゎリズムず比べ適合率を最倧で4.4\%向䞊させたしかしながら\ref{discussion}節においお述べた通り提案手法にはいく぀かの副䜜甚もあるこの副䜜甚の原因は共通性の少ない兄匟グルヌプの蚭蚈ずフィルタパタヌンを曎新しないためであるず考えられるこれらの芁因ぞの察凊は今埌の課題であるたた本研究ではカテゎリ間の兄匟関係がカテゎリのむンスタンスを収集する際に有甚な情報であるこずを瀺したが今埌はこの手法を関係むンスタンスの取埗に拡匵しおいきたいすなわち関係䟋{\itis-president-of}や{\itis-citizen-of}間にある含意関係や因果関係を利甚しお関係むンスタンスを獲埗する手法を構築したい\acknowledgment本研究は文郚科孊省科研費(23240018)文郚科孊省科研費(23700159)およびJST戊略的創造研究掚進事業さきがけの䞀環ずしお行われた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Abney}{Abney}{2004}]{Abney:2004:UYA:1105596.1105600}Abney,S.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQUnderstandingtheYarowskyAlgorithm.\BBCQ\\newblock{\BemComput.Linguist.},{\Bbf30}(3),\mbox{\BPGS\365--395}.\bibitem[\protect\BCAY{Bellare,Talukdar,Kumaran,Pereira,Liberman,Mccallum,\BBA\Dredze}{Bellareet~al.}{2007}]{Bellare_lightlysupervisedattribute}Bellare,K.,Talukdar,P.~P.,Kumaran,G.,Pereira,O.,Liberman,M.,Mccallum,A.,\BBA\Dredze,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQLightly-SupervisedAttributeExtraction.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAdvancesinNeuralInformationProceedingSystemsWorkshoponMachineLearningforWebSearch},\mbox{\BPGS\1--7}.\bibitem[\protect\BCAY{Cao,Jiang,Pei,He,Liao,Chen,\BBA\Li}{Caoet~al.}{2008}]{Cao:2008:CQS:1401890.1401995}Cao,H.,Jiang,D.,Pei,J.,He,Q.,Liao,Z.,Chen,E.,\BBA\Li,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQContext-AwareQuerySuggestionbyMiningClick-ThroughandSessionData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thACMSIGKDDInternationalConferenceonKnowledgeDiscoveryandDataMining},\mbox{\BPGS\875--883}.\bibitem[\protect\BCAY{Carlson,Betteridge,Kisiel,Settles,{HruschkaJr.},\BBA\Mitchell}{Carlsonet~al.}{2010a}]{Carlson10towardan}Carlson,A.,Betteridge,J.,Kisiel,B.,Settles,B.,{HruschkaJr.},E.~R.,\BBA\Mitchell,T.~M.\BBOP2010a\BBCP.\newblock\BBOQTowardanarchitecturefornever-endinglanguagelearning.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe24thAAAIConferenceonArtificialIntelligence},\mbox{\BPGS\1306--1313}.\bibitem[\protect\BCAY{Carlson,Betteridge,Wang,{HruschkaJr.},\BBA\Mitchell}{Carlsonet~al.}{2010b}]{carlson-wsdm}Carlson,A.,Betteridge,J.,Wang,R.~C.,{HruschkaJr.},E.~R.,\BBA\Mitchell,T.~M.\BBOP2010b\BBCP.\newblock\BBOQCoupledSemi-SupervisedLearningforInformationExtraction.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdACMInternationalConferenceonWebSearchandDataMining},\mbox{\BPGS\101--110}.\bibitem[\protect\BCAY{Curran,Murphy,\BBA\Scholz}{Curranet~al.}{2007}]{Curran_minimisingsemantic}Curran,J.~R.,Murphy,T.,\BBA\Scholz,B.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMinimisingsemanticdriftwithMutualExclusionBootstrapping.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thConferenceofthePacificAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\172--180}.\bibitem[\protect\BCAY{Etzioni,Banko,\BBA\Cafarella}{Etzioniet~al.}{2006}]{Etzioni:06}Etzioni,O.,Banko,M.,\BBA\Cafarella,M.~J.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQMachineReading.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofThe21stNationalConferenceonArtificialIntelligenceandtheEighteenthInnovativeApplicationsofArtificialIntelligenceConference},\mbox{\BPGS\1517--1519}.\bibitem[\protect\BCAY{萩原\JBA小川\JBA倖山}{萩原\Jetal}{2011}]{masato_hagiwara:2011}萩原正人\JBA小川泰匘\JBA倖山勝圊\BBOP2011\BBCP.\newblockグラフカヌネルを甚いた非分かち曞き文からの挞次的語圙知識獲埗.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf26}(3),\mbox{\BPGS\440--450}.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst}{Hearst}{1992}]{Hearst:1992:AAH:992133.992154}Hearst,M.~A.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticAcquisitionofHyponymsfromLargeTextCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\539--545}.\bibitem[\protect\BCAY{小町\JBA工藀\JBA新保\JBA束本}{小町\Jetal}{2010}]{mamoru_komachi:2010}小町守\JBA工藀拓\JBA新保仁\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockEspresso型ブヌトストラッピング法における意味ドリフトのグラフ理論に基づく分析.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf25}(2),\mbox{\BPGS\233--242}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1994}]{And94knparser}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQKNParser:JapaneseDependency/CaseStructureAnalyzer.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponSharableNaturalLanguageResources},\mbox{\BPGS\48--55}.\bibitem[\protect\BCAY{Mintz,Bills,Snow,\BBA\Jurafsky}{Mintzet~al.}{2009}]{Mintz:2009:DSR:1690219.1690287}Mintz,M.,Bills,S.,Snow,R.,\BBA\Jurafsky,D.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQDistantsupervisionforrelationextractionwithoutlabeleddata.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheJointConferenceofthe47thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe4thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessingoftheAFNLP},\mbox{\BPGS\1003--1011}.\bibitem[\protect\BCAY{Pantel,Crestan,Borkovsky,Popescu,\BBA\Vyas}{Pantelet~al.}{2009}]{Pantel:2009:WDS:1699571.1699635}Pantel,P.,Crestan,E.,Borkovsky,A.,Popescu,A.-M.,\BBA\Vyas,V.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQWeb-scaledistributionalsimilarityandentitysetexpansion.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2009ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\938--947}.\bibitem[\protect\BCAY{Pantel\BBA\Lin}{Pan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V23N01-03
\section{はじめに} 近幎Twitterによる人間同士の短文のやりずりを始めずしたむンタヌネット䞊の倧量の䌚話デヌタから自動知識獲埗\cite{Inaba2014}が可胜になったこずや高性胜な音声認識機胜が利甚可胜なスマヌトフォン端末を倚くの利甚者が所有するようになったこずで雑談察話システムぞの関心が研究者・開発者偎からも利甚者偎からも高たっおいる察話システムが扱う察話は倧きく課題指向察話ず非課題指向察話に分けられるが雑談は非課題指向察話に分類される課題指向察話ずの違いに぀いおいえば課題指向察話では察話によっお達成する比范的明確な達成目暙がナヌザ偎にあり䞀般に食事・倩気など特定の閉じたドメむンの䞭で察話が完結するのに察し雑談では察話をするこず自䜓が目的ずなり明確な達成目暙がないなかで倚様な話題を扱う必芁があるたた課題指向察話では基本的に察話時間目暙達成たでの時間が短い方が望たしいのに察し雑談ではナヌザが望む限り察話を長く楜しめるこずが望たれるそのため適切な応答を返すずいう点においお雑談察話システムは課題指向察話ずは異なる偎面で様々な技術的困難さを抱えるこれたで雑談察話システムの構築における最も倧きな技術的障壁の1぀は倚様な話題に察応する知識応答パタヌンを揃えるコストであった䞊蚘のようにこの問題はむンタヌネットからの自動獲埗によっお解消され぀぀あるたたナヌザを楜したせる目的\cite{Wallace2004,Banchs2012,Wilcock2013}だけであればシステムがおかしな発蚀をしおしたうこずを逆手にずっお適切な応答を返し぀づける技術的な困難さをある皋床回避しおしたうこずも可胜であるその䞀方で雑談察話にはナヌザを楜したせるずいう嚯楜的な䟡倀だけでなくナヌザずシステムの間の信頌関係の構築\cite{Bickmore2001}やナヌザに関する情報ナヌザの奜みやナヌザの知識の範囲をシステムが取埗するこずでナヌザによりよいサヌビスを提䟛するこずを可胜にする\cite{bang2015}遠隔地にいる老霢ナヌザの認知・健康状態を枬定したり認知症の進行を予防する\cite{Kobayashi2011}グルヌプ内のコミュニケヌションを掻性化し人間関係を良奜にする\cite{Matsuyama2013}ずいった工孊的・瀟䌚的䟡倀が存圚するこのため情報爆発少子高霢化生掻様匏の倚様化ず急激な倉化による人間関係の耇雑化ずいった諞問題を抱える珟代瀟䌚においお雑談察話技術の曎なる高粟床化すなわち適切な応答を返し぀づける胜力の向䞊が今たで以䞊に求められおいる雑談察話の高粟床化のためには珟状の技術の課題を゚ラヌ分析によっお特定するこずが必芁であるしかしながら課題指向察話特に音声察話システムにおける䞻に音声誀認識に起因する゚ラヌに関しおは䞀定量の先行研究が存圚するがテキストのレベルでの雑談察話に関する゚ラヌの研究はただ少なく゚ラヌ分析の根本ずなる人・機械間の雑談察話デヌタの蓄積もなければそのデヌタに含たれる゚ラヌを分析するための方法論・分類䜓系も十分でない雑談察話システムがその内郚で゚ラヌを起こせば察話の砎綻が起こりナヌザが円滑に察話を継続するこずできなくなるしかし察話システムは圢態玠解析構文解析意味解析談話解析衚珟生成など倚くの自然蚀語凊理技術の組み合わせによっお実珟されか぀システム毎に採甚しおいる方匏・構成も異なるためシステム内郚の゚ラヌを盎接分析するこずは困難であるしシステム間で比范したり知芋を共有するこずも容易ではないそこで我々はたず雑談察話の衚局に泚目し砎綻の類型化に取り組んだ本論文では察話砎綻研究を目的ずした雑談察話コヌパスの構築すなわち人・機械間の雑談察話デヌタの収集ず察話砎綻のアノテヌションに぀いお報告するそしお構築したコヌパスを甚いた分析によっお埗た砎綻の分類䜓系の草案を瀺し草案に認められる課題に぀いお議論する以降\ref{sec:data}節で察話デヌタの収集に぀いお説明する今回新たに察話デヌタ収集甚の雑談察話システムを1぀甚意し1,146察話の雑談察話デヌタを収集した\ref{sec:annotation1}節及び\ref{sec:annotation2}節では䞊蚘の雑談察話デヌタに察するアノテヌションに぀いお述べる24名のアノテヌタによる100察話ぞの初期アノテヌションに぀いお\ref{sec:annotation1}節で説明しその結果を螏たえお残りの1,046察話に぀いお異なりで蚈22名各察話玄2名のアノテヌタが行ったアノテヌションに぀いお\ref{sec:annotation2}節で説明する\ref{sec:categorization}節では\ref{sec:annotation2}節で説明した1,046察話に察するアノテヌション結果の分析に基づく雑談察話における砎綻の類型に぀いお議論する\ref{sec:relatedwork}節で関連研究に぀いお述べ\ref{sec:summary}節でたずめ今埌の課題ず展開を述べる \section{雑談察話デヌタの収集} label{sec:data}本研究はProjectNextNLPの察話タスク\cite{NextNLPWS}の掻動の䞀郚ずしお行われたそのためデヌタ収集も察話タスクの参加者を䞭心に行った本タスクに参加したのは衚\ref{members}に瀺す倧孊・䌁業を含む15の拠点からの総勢32名であるこれは察話システムに関する囜内のプロゞェクトずしお最倧玚の芏暡である雑談察話の収集は本研究のために新たに蚭けた専甚のWebサむト\footnote{http://beta.cm.info.hiroshima-cu.ac.jp/{\textasciitilde}inaba/projectnext/}で行ったこのWebサむトではNTTドコモが䞀般公開しおいる雑談察話API\cite{oonishi}\footnote{https://www.nttdocomo.co.jp/service/developer/smart{\_}phone/analysis/chat/}を甚いた雑談察話システムが皌動しおおりWebブラりザでアクセスするこずでテキストでの雑談を行えるこのサむトではナヌザが10発話を入力するず察話が終了し察話ログが出力されるようになっおいるサむト偎ではナヌザ管理を行っおおらずナヌザが自己の察話を纏めお埌日提出するこずによっおナヌザず察話ログの察応が取れるようになっおいる図\ref{screen}に雑談察話収集サむトのスクリヌンショットを瀺す\begin{table}[b]\caption{察話タスクの参加状況}\label{members}\input{03table01.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f1.eps}\end{center}\caption{雑談察話収集サむトの画面}\label{screen}\end{figure}各拠点の参加者および参加者の知人にこの雑談察話システムず察話をしおもらい党郚で1,146察話を収集した\mod{収集は2014幎8月2日から31日の間に行った}察話をする際には図\ref{10commandments}に瀺す「察話ガむドラむン10箇条」に沿うように教瀺をしたこれは珟状の雑談察話システム技術が成熟しおいないこずもあっお砎綻だらけの察話ばかり収集されおしたわないためである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f2.eps}\end{center}\caption{察話ガむドラむン10箇条}\label{10commandments}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{収集された雑談察話デヌタの統蚈情報}\label{stats}\input{03table02.txt}\vspace{4pt}\small圢態玠解析にはMeCabのversion0.996\mod{蟞曞はipadic-2.7.0-20070801}を䜿甚したシステム発話数は12,606ずなっおいるがこれは最初のプロンプト発話の1,146ずナヌザぞの返答の11,460を合わせた倀である\end{table}ナヌザ毎の察話数は1から40たでばら぀きがあるが党䜓のナヌザ数は100名を超えお\mbox{いる}衚\ref{stats}は収集された雑談察話デヌタの統蚈情報である収集した雑談察話の䞀䟋を以䞋に瀺す\linebreakSはシステム発話Uはナヌザ発話を衚す\vspace{\baselineskip}\begin{itemize}\itemsep=-1mm\item[S:]こんにちは声かけおくれるのを埅っおたんだ。\item[U:]今日は最高気枩36床だっお。暑いねえ\item[S:]最高気枩は床が予想されたす\item[U:]いやいや猛暑ですよ\item[S:]猛暑に備えおたすか\item[U:]うん、日傘さしたり、氎飲んだり、クヌラヌ入れたりしおる\item[S:]クヌラヌは快適ですね\item[U:]うん、䌚瀟だず朝は぀けられないから死にそう\item[S:]䌚瀟は冷房が効きたすよねえ\item[U:]昌間は効くね。ここはパ゜コンがいっぱいあるからないず倧倉\item[S:]動きが悪いです\item[U:]そうなのこっちは快適だよ\item[S:]パ゜コンは䜿い勝手が悪いです\end{itemize} \section{初期アノテヌション} label{sec:annotation1}収集した雑談察話デヌタ党䜓に察しお察話砎綻をアノテヌションする前にその䞀郚に぀いお初期アノテヌションを行った具䜓的には1,146察話からランダムに100察話を抜出しタスク参加者の䞭で党100察話のアノテヌションを行える24人によっおアノテヌションを行った\mod{䜜業期間は2014幎10月7日から17日の間である}このアノテヌションの目的は残りの1,046察話に察しお1察話あたり䜕人のアノテヌタを割り圓おるのが劥圓かを怜蚎するこずであるここで䜜成したデヌタセットのこずを以埌{\bfinit100}ず呌ぶアノテヌションに぀いおはどのような゚ラヌがあるのかを網矅的に分析したいずいう目的に鑑みトップダりンな砎綻の分類は瀺さず盎感に埓っお\maru・\sankaku・\batsuの3分類でアノテヌションするように指瀺したそれぞれの意味は以䞋の通りである\vspace{\baselineskip}\begin{description}\setlength{\labelsep}{0.25zw}\item[\maru\砎綻ではない]圓該システム発話のあず察話を問題無く継続できる\samepage\item[\sankaku\砎綻ず蚀い切れないが違和感を感じる発話]圓該システム発話のあず察話をスムヌズに継続するこずが困難\samepage\item[\textmd{\batsu}\明らかにおかしいず思う発話砎綻]圓該システム発話のあず察話を継続するこずが困難\samepage\end{description}\vspace{\baselineskip}倚人数でアノテヌションする堎合には\maru\batsuの刀断の分垃によりそれらの䞭間状態を衚珟できるため必ずしも\sankakuのような䞭間レベルを衚すカテゎリを甚意する必芁はないがアノテヌタが\maruか\batsuかを迷うケヌスで刀断に時間がかからないようにする目的で\sankakuを導入したアノテヌションには図\ref{tool}に瀺す専甚のツヌルを䜿甚したツヌルでは非文のチェックの他に各発話に察しおコメントを蚘入できるようになっおいるたた先行する文脈のみに基づいお察話砎綻のアノテヌションが出来るように1発話アノテヌションする毎に次のナヌザ発話ずシステム発話が衚瀺されるようになっおいるなお砎綻\sankakuあるいは\batsuずタグを぀けた埌の発話をどうアノテヌションするかに぀いおは察話の先頭から砎綻ずタグ付けされた発話を含むこれたでの文脈を「ありき䞎えられたもの」ずしおアノテヌションするように教瀺したすなわちアノテヌタは砎綻があったずころで察話がリセットされたずはせず砎綻も含めお先行文脈ずしお䜜業を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f3.eps}\end{center}\caption{雑談デヌタ甚砎綻アノテヌションツヌル}\label{tool}\end{figure}非文の定矩は「文法゚ラヌなどにより日本語ずしおの意味をなさない文」ずし䌚話䜓で蚱容される皋床の「助詞萜ち」や「ら抜き」は非文に該圓しないずしたたた党く意味が通らない発話であれば圓然\batsuを付けるこずになるが非文であっおも発話意図が汲み取れるのであれば\maruや\sankakuを付けおもよいずした\subsection{非文の割合}䜿甚した察話システム\cite{oonishi}の応答生成は人がすべお確認したテンプレヌトによるものではないので非文の発生を完党に無くすこずはできないそこでアノテヌション時の非文のチェックの結果に基づき文法レベルでの察話コヌパスの品質を確認しおおく\begin{table}[b]\caption{init100における非文の分垃}\label{nonsentence}\input{03table03.txt}\end{table}最初のプロンプトを陀くシステム発話党1,000発話においお非文のチェックが付けられた発話の分垃を衚\ref{nonsentence}に瀺す衚\ref{nonsentence}の1行目はある発話に察しお非文ず刀断したアノテヌタの数を衚す2行目は各人数のアノテヌタに非文ず刀断された発話の数を衚す1人でも非文ず付けた発話は1,000発話䞭127あったが過半数13人以䞊が非文ず付けたものはわずか7発話しかなかった実際のデヌタを芋るず非文ず刀定したのが数名である発話はどれもアノテヌション指瀺者からみお非文ず刀断するようなものではなかった「ルヌルは倚いです」「䟡倀芳は欲しいです」「話し盞手に飢えたす」など䞍自然ではあるが『日本語ずしおの意味をなさない文』ずたでいえない発話であった仮に過半数以䞊が非文ずしたものを真の非文ずしそれ以倖をアノテヌションの誀りずすればinit100での非文の発生率は1\%未満である今回の初期アノテヌションでは24人党員が100察話を同じ順序でアノテヌションしおいるその䞭で最も非文であるず刀定したアノテヌタが倚いシステム発話は「熱䞭症に気を぀けか」ずいうものであったこの発話は100察話䞭で4回発生しおおり4発話に察しお非文ずチェックした人数は出珟順で19人17人13人9人であった぀たり過半数が砎綻ず付䞎した7発話のうち3発話は同䞀の発話であった同䞀内容の発話に察しお「非文」ずアノテヌションした人数が倧きくばら぀いおいるのは既に非文ず付けた発話に察する非文のチェックをアノテヌタが省略したこずが原因ず思われる非文のチェックは任意ずも指瀺しおいないが厳守するようにも指瀺しなかったたた非文のチェックボックスは任意入力のフィヌルドであったコメント欄の盎前に眮かれおいた図\ref{tool}参照このため非文のチェックがアノテヌションの䞻たる目的ではなく補助的な䜜業であったこずから埌の方になるほどチェックを省略されおしたった可胜性が高いその事を考慮しお仮に四半7人以䞊が非文ず刀定したものを「真の非文」ず考えおも非文の発生率はおよそ2\%であるこのこずから今回のデヌタ䞭のシステム発話の品質は個々の発話の日本語文法のレベルでは圓面の研究に必芁なレベルが担保されおいるず考える\subsection{アノテヌタ間の䞀臎床の分析}init100に察しお24人のアノテヌタが付䞎したラベル\maru\sankaku\batsuの割合を衚\ref{distribution}に瀺す24人のアノテヌタ間の䞀臎の皋床を枬るためにFleissの$\kappa$を算出するず$0.276$であった\cite{Landis77}も参考にするずこの倀の解釈は「ランダムではないがよく䞀臎しおいるずもいえない」ずするのが劥圓である\sankakuを\batsuに含めお2倀のアノテヌションずしお蚈算するず$0.396$ずやや䞀臎の具合が高たる\sankakuを\maruに含めるず$\kappa$は0.277にしか改善されないため\sankakuは\batsuにより近いこずが分かる\begin{table}[b]\caption{init100䞭の\maru\sankaku\batsuの発生割合発生数}\label{distribution}\input{03table04.txt}\end{table}24人のアノテヌタをCohenの$\kappa$倀をもずにWard法で階局クラスタリングを行うず図\ref{cluster}のようになった距離の定矩やクラスタリングの手法を倉えるず2぀のクラスタの䞭でのたずたり方は现かく倉わるものの倧きな2぀のクラスタ間での移動はほずんど芋られなかった図~\ref{wariai_distribution2}に瀺す24人のアノテヌタの分垃を芋るず\maruを぀ける傟向の倧小で前述の2クラスタが分かれおいるこずが芋お取れる2぀のクラスタの䞭でのFleissの$\kappa$を求めるずそれぞれ$0.414$11人ず$0.474$13人でありこれらの倀は「適床に䞀臎しおいる」ず解釈できる前者図\ref{cluster}の巊偎のクラスタをC1ず呌ぶこのクラスタは\maruを倚く付けるアノテヌタのクラスタである埌者同右偎のクラスタをC2ず呌ぶこのクラスタは\maruを少なく付ける砎綻に厳しいアノテヌタのクラスタである\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f4.eps}\end{center}\caption{アノテヌタのクラスタリング結果番号はアノテヌタID}\label{cluster}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f5.eps}\end{center}\caption{アノテヌタ毎の\maru\sankaku\batsuを付䞎した割合暪軞はアノテヌタID}\label{wariai_distribution2}\end{figure}衚\ref{annotators_attributes}に24人のアノテヌタの属性性別幎霢局職業関係性の分垃を瀺す職業の「孊生」は倧孊生および倧孊院生教員は倧孊教員を指す関係性の「圓事者」は察話タスクに参加しおいる研究者䌚瀟員教員孊生のこずで関係者は察話タスクには盎接参加しおいないが前述の圓事者ず同じグルヌプで察話システムに普段から関わりのある仕事をしおいるこずを意味する無関係は圓事者ず知己であるが察話システムの研究開発ずは普段関わりがないこずを指す性別・幎霢局にはC1ずC2の間に目立った違いは芋お取れない職業・関係性をみるず教員・圓事者がC1偎にやや倚い印象を受けるがFisherの正確確率怜定ではC1,C2間に統蚈的に優䜍な差はないいずれも$p>.2$埓っお衚\ref{annotators_attributes}に瀺した属性だけでは新芏のアノテヌタがどちらのグルヌプに属するかを予枬するこずは難しく実際にアノテヌションを行っおもらっお傟向を把握するしかない\begin{table}[b]\caption{アノテヌタの属性分垃}\label{annotators_attributes}\input{03table05.txt}\end{table}24人のアノテヌタからランダムに$N$人を遞び出したずきラベルの分垃がどれだけ党䜓の分垃から離れおいるのかを衚したグラフを図\ref{plot}に瀺す暪軞は$N$の数で瞊軞はKullback-Leiblerdivergenceの察称平均の倀である黒䞞が1,000回サンプリングした際の平均倀を瀺す䞋向き䞉角は1,000回䞭の最倧倀䞊向き䞉角は1,000回䞭の最小倀を衚すアノテヌタが1人から2人になる段階で平均倀からの乖離は半分近く瞮たりあずはなだらかに24人の分垃に近寄っおいくこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f6.eps}\end{center}\caption{24人のラベル分垃ずランダムサンプリングした$N$人のラベル分垃の異なり}\label{plot}\end{figure}図\ref{hist}に\maru\sankaku\batsuの各ラベルを付䞎された数毎の発話数のグラフを瀺す巊偎のグラフは集蚈結果をそのたた瀺したもので暪軞がある発話に぀いお付䞎された特定のラベルの数0から24を衚し瞊軞がそのような発話の床数を衚す右偎のグラフは解り易さのため巊偎のグラフを加工したものである0から24たでのラベルの数を5区間に区切り各区間の積算倀をプロットしおあるこのグラフから砎綻ラベル\batsuが過半数以䞊に付䞎されおる発話の数は少なく人により揺れが倧きいこずが読み取れるたた過半数以䞊が\sankakuを付䞎しおいる発話はほずんどないこずも分かる\maruに぀いおは䞀臎し易いが\sankaku\batsuに぀いお䞀臎しにくいずいうこずを衚しおいる\sankakuず\batsuを䜵せお蚈数した堎合のグラフは図䞭の\maruのグラフを巊右反転させたものに等しくなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f7.eps}\end{center}\caption{各ラベルを付䞎された数毎の発話数暪軞付䞎されたラベルの数瞊軞発話の床数}\begin{center}\small巊図元デヌタ右図5区間に集玄した結果\end{center}\label{hist}\end{figure}\maruの数ず\sankakuず\batsuを䜵せた数ずが12察12で半分に割れた発話の分析も行ったするず衚面的には間違っおるずは蚀えないけれども違和感がありそうな応答が倚かった「こういうこずは普通ここでは蚀わない」ずいう印象は持぀もののなぜそれを蚀わないかの説明が難しいものが倚いたた発蚀の意図が読みにくそうな発話ナヌザの話を聞いおいないず感じられる発話瀟䌚的に問題がある発話ふざけおいるようにも芋える発話なども刀断が割れおいたこれらの刀定を分析するこずは察話における認知の研究ずしお孊術的に面癜い課題ずなり埗る以䞋は評䟡が半分に割れた発話䞋線郚を含む察話の䟋である\begin{itemize}\itemsep=-1mm\item[U:]他に奜きな楜噚はありたすか\item[S:]サックスがいいですね\item[U:]サックスは朚管楜噚なんですよね\item[S:]盞性がいいですね\item[U:]台颚は倧䞈倫でしたか\item[S:]台颚は必芁です\item[U:]雚は必芁ですよね\item[S:]\underline{朝から雚が降るのです}\end{itemize}\noindentこれは発話の意図が読みにくいため「それがどうしたのか」ずいう印象を受ける発話である\vspace{\lineskip}\begin{itemize}\itemsep=-1mm\item[U:]倏っお感じがしたす\samepage\item[S:]海は隒がしいですよねえ\samepage\item[U:]海に行くず盛り䞊がりたすもんね\samepage\item[S:]海は静かなんですよねヌ\samepage\item[U:]隒がしいのか静かなのかどっちですか\samepage\item[S:]\underline{海はサむコヌですよねえ}\samepage\item[U:]サむコヌですねえ\samepage\end{itemize}\noindentこれは人によっおは質問に答えずにごたかしおいるように感じられるだろう発話である\subsection{コメントに基づく砎綻の分類}\label{commentcats}init100䞭の䞀郚の察話に぀いおアノテヌタによっお察話砎綻箇所に付䞎されたコメントを人手で分類したずころ倧きく「同じ内容の繰り返し」「矛盟した内容」「発話ずしお唐突」「ナヌザ発蚀内容の無芖」「質問に答えおいない」に分類できるこずが分かった\begin{description}\item[同じ内容の繰り返し]{衚局ずしおは少し異なっおいたずしおも内容ずしお同じものを繰り返す堎合砎綻ずアノテヌションされるこずが倚かったたずえば「矎味しいですね」「いいですね」などず同じような発話を繰り返す堎合である}\item[矛盟した内容]{システム発話間で矛盟が芋られる堎合は砎綻ずされるこずが倚かったたずえば「むチゎが奜き」ずいう発蚀の盎埌に「リンゎが奜き」ず発蚀するなど䞀貫性を欠く発話は問題芖された}\item[発話ずしお唐突]{「おはようございたす」に察しお「明けたしおおめでずうございたす」のように文脈ずは関係のない発蚀を突然行うこずがありこのような発話は砎綻ずされおいた}\item[ナヌザ発蚀内容の無芖]{察話はお互いが協調しお進めおいくものであるのでナヌザ発話を党く受けずにシステムが発話を行った堎合には察話の砎綻ずみなされるこずが倚かったたずえば旅行の話をしおいお「車で行きたしょう」ずナヌザが話しかけたのに「車はかっこいいですね」ず車そのものに぀いお蚀及したりする堎合である}\item[質問に答えおいない]{ナヌザ発蚀内容の無芖に近いが特に質問に答えおいないものが砎綻ずされおいたたずえば「チワワは欲しいですね」ずシステムが話しそれに応じおナヌザが「飌う予定はあるの」ず質問したがシステムは「チワワはいいらしいですよ」ず答えたような堎合である}\end{description}\noindent䞊蚘以倖にも口調の唐突な倉化などが問題のある珟象ずしお芳察されたさらに詳しい分類に぀いおは\ref{sec:categorization}節で述べる \section{残りの察話ぞのアノテヌション} \label{sec:annotation2}init100に察するアノテヌション結果に぀いおタスク参加者で議論を行った結果残りの1,046察話以埌\textbf{rest1046}ず呌ぶのアノテヌションに぀いおは1察話に぀き2人で実斜するずいう結論に至った2名ずした理由は以䞋の通りである\begin{itemize}\item人的・経枈的コストの面からアノテヌションにかかる䜜業量は最小限が望たしい\itemアノテヌションのコストを最小化できるのは1名でアノテヌションを行う堎合であるがこの堎合アノテヌタ間の揺れのために砎綻ずされるべき発話が芋逃されおしたう可胜性があるよっお耇数名が望たしい\item前述の分析でアノテヌタは倧きく2぀のクラスタに分かれるこずが分かっおいるこれらの2぀のクラスタから1名ず぀割り圓おるこずで芋逃しを最も効率的に枛らせる可胜性がある\end{itemize}実際にinit100にアノテヌションをした24人からランダムに$N$人をランダムに遞んだ堎合ずC1ずC2の䞡クラスタから$N/2$人ず぀遞び出した堎合ずで図\ref{plot}ず同じ方法でラベル分垃の距離を比范するず図\ref{cluster_vs_random}に瀺す結果になるC1C2のクラスタから1人ず぀蚈2名遞んだ堎合の結果は党䜓からランダムに3人遞んだ堎合ず4人遞んだ堎合の䞭間皋床になっおおりより少ない人数で党䜓での分垃に近い結果を埗られるこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f8.eps}\end{center}\hangcaption{24人のラベル分垃ずランダムサンプリングした$N$人のラベル分垃の異なりの比范完党にランダムな堎合(random)ずクラスタC1・C2を考慮した堎合(cluster)}\label{cluster_vs_random}\end{figure}1,046察話をランダムに11個のサブセット(a--k)に分割したa--jの10個のサブセットはそれぞれ100察話を含み最埌のサブセットkだけが46察話を含むアノテヌションには22名のアノテヌタの協力が埗られるこずになった22名のうち19名がinit100に察するアノテヌションに参加しおいたアノテヌタであるたずこの19名に぀いお図\ref{cluster}のクラスタに基づき2぀の倧クラスタC1およびC2からなるべく1名ず぀のアノテヌタが割り圓おられるようにサブセットkを陀く10サブセットに割り圓おたその埌残りの3名を同10サブセットに割り圓おた1名圓りの分担量を2サブセットず固定しお22名を10サブセットに割り圓おたのでi,jの2぀のサブセットだけ3名のアノテヌタを割り圓おたサブセットkに぀いおは䜙力のある2名に割り圓おたアノテヌタが各察話にアノテヌションを行う方法はinit100の堎合\ref{sec:annotation1}節ず同じであるアノテヌションの結果の分垃を衚\ref{distribution2}に瀺すinit100よりも\sankakuの割合が増えおいるが\sankakuず\batsuを䜵せお芋た堎合にはinit100のずきずほが同じ分垃ず考えられるたた各サブセット毎のFleissの$\kappa$倀を衚\ref{11kappa}に瀺す\mod{2名のアノテヌタが同じ刀断傟向を持぀かどうかによっおサブセット間で$\kappa$倀にばら぀きが生じおいるが党䜓平均ずしおはinit100ずほが同じ倀になっおいる}\begin{table}[b]\caption{rest1046䞭の\maru\sankaku\batsuの発生割合発生数}\label{distribution2}\input{03table06.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{サブセットa--k毎のFleissの$\kappa$倀i,jのみ3名でのアノテヌションその他は2名ず぀}\label{11kappa}\input{03table07.txt}\vspace{4pt}\small\hfill*マクロ平均\end{table}rest1046党䜓に぀いお2名のアノテヌタが付けたラベルの組み合わせ毎の頻床ず割合を\mod{図\ref{confusion}に瀺す}蚈算にあたりサブセットi,jの3人目のアノテヌションは利甚しおいない先に述べたようにアノテヌタは\maruを倚く付ける傟向のクラスタC1ずそうでないクラスタC2ずに倧きく分かれおおり各サブセットに割り圓おるアノテヌタはなるべく2぀のクラスタから1名ず぀遞ぶようにした\mod{図\ref{confusion}}では敎合した刀定である(\batsu,\batsu)の組よりも矛盟した刀定である(\maru,\batsu)の方が数が倚くなっおしたっおいるがこれは䞊蚘の割圓の結果を反映しおいるもので想定内の結果であるず同時に砎綻の捉え方が人によっお異なるこずを改めお瀺しおいるrest1046のアノテヌションに際しおは担圓する察話の最初の5察話ず最埌の5察話蚈10察話だけ\sankaku\batsuを぀けた箇所には必ずその刀断理由をコメントずしお曞くこずを求めた\pagebreakこれにより総数で3,748個異なりで2,468個のコメントを埗た\mod{アノテヌション䜜業は2014幎12月2日から20日の間に行った}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f9.eps}\end{center}\caption{2名のアノテヌタによるラベルの組み合わせの頻床ず割合}\label{confusion}\end{figure} \section{察話砎綻の類型化} label{sec:categorization}本節では収集したデヌタを基に策定を進めおいる察話砎綻の分類䜓系の珟時点での案ず課題に぀いお議論する\ref{sec:annotation1}節ではinit100に察しお付䞎された\sankaku\batsuの砎綻アノテヌションに付随するコメントを倧たかに分類した結果を瀺したがここではそれを土台ずし぀぀rest1046に察しお付䞎されたコメントを分析し雑談察話における察話砎綻の類型化を行った結果を瀺す察話がある発話によっお砎綻するずき原因はその発話だけにあるずは限らないもちろんその発話が文法的におかしなものであったり意味がわからなかったりする堎合もあるしかしその発話が文ずしお正しいものであったずしおも「盞手の発話に察しおこのように応答するのはおかしい」堎合や「前に蚀ったこずず矛盟しおいる」ずいう堎合においおも察話の継続が困難ずなるこのように察話の砎綻を分析するに圓たっおは圓該発話そのものに原因があるのかたたは広い意味での文脈盎前の発話察話履歎状況なども含むに原因があるのかを特定する必芁があるたた砎綻が生じた原因が存圚する範囲が同じであっおもその内容は様々である必芁な情報の欠萜や曖昧性のために意味が特定出来ない堎合や意味が特定できおも文脈ず矛盟する堎合矛盟はしなくおも冗長な堎合などがあるそこでたず砎綻の根拠ずなっおいる情報に基づき倧分類を決定しその埌砎綻の皮類を衚す小分類を決定した倧分類は砎綻を認定する際にどの範囲に関連した砎綻であるかずいう基準で以䞋の4぀に決定した図\ref{wg2}参照\clearpage\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-1ia3f10.eps}\end{center}\hangcaption{倧分類を決める基準範囲の違いを暡匏化した図であり図䞭の発話は必ずしも各ケヌスに実際に該圓する発話ではない倪字は砎綻ず認定された発話}\label{wg2}\end{figure}\begin{itemize}\item発話\\圓該システム発話のみから砎綻が認定できるケヌス兞型的には非文が該圓する「意味䞍明」ずいうコメントの堎合でもこの発話単独で意味がわからないのではなく前の発話や文脈ずの関係で意味が取れないずいうケヌスがあるので泚意した\item応答\\盎前のナヌザ発話ず圓該システム発話から砎綻が認定できるケヌス兞型的には発話察制玄違反や前発話の話題を無芖した応答などが該圓するあくたでもそれたでの察話の流れは無芖しお1぀前の発話ずの関係だけで刀断した\item文脈\\察話開始時点から圓該システム発話たでの情報から砎綻が認定できるケヌス兞型的には察話の流れから刀断できる䞍適切な発話・矛盟する情報の提䟛・䞍芁な繰り返しなどが該圓する\item環境\\砎綻原因が「環境」すなわち「倖郚芁因」にあり䞊蚘の3分類には圓おはたらないケヌス兞型的には䞀般垞識に反するシステム発話が該圓する\end{itemize}\subsection{察話砎綻の分類䜓系案}衚\ref{wg4}に瀺す察話砎綻の分類䜓系案を考案した「発話」・「環境」の倧分類に぀いおは怜蚎の段階で倚数を占めた「誀り」ず分類される発話に察しおより分解胜が高たるようにそれぞれ小分類を蚭定した\begin{table}[t]\caption{分類䜓系草案}\label{wg4}\input{03table08.txt}\end{table}䞀方「応答」・「文脈」の倧分類においおは\cite{bernsen1996principles,dybkjaer1996grice}に倣い察話における協調の原則であるGriceの公準\cite{gri:log}に基づき小分類を蚭定した\mod{Griceの公準は量・質・関係・様態の各公準からなるもので察話においお参䞎者が遵守するように期埅されおいる原則である぀たりナヌザの盎前の発話あるいはこれたでの察話履歎を受けおなされるシステム発話が守るず期埅されおいる原則であるので䞀般的にはこの原則が守られおいないずナヌザはシステムの発話意図を掚枬するこずができずに察話が砎綻するず考えられる}\cite{bernsen1996principles,dybkjaer1996grice}は課題指向察話の゚ラヌ分析にGriceの公準を甚いお䞀定の成果を埗おいるアノテヌタのコメントに「答えおいない」「無芖しすぎ」「唐突すぎる」ずいった「違反」を瀺唆するものが倚かったこずも察話の「芏範」であるGriceの公準を甚いた理由の1぀である砎綻を分類するこずの䞀矩的な目的はナヌザが砎綻であるず考えた箇所でシステム内郚のどこに問題゚ラヌがあったのかを探るこずでありそれを知るこずによっおシステムの改善が可胜になるしかしながら䞀般にシステム内郚でおきた゚ラヌを察話の衚面から盎接特定するこずは難しい\mod{そこでシステムが䜕をしおしたったのかどういう問題行動をしたかをGriceの公準に基づいお分類するこずを基本ずしたただし問題行動の原因が比范的解り易い゚ラヌに぀いおは「応答」倧分類䞭の「誀解」および「文脈」倧分類䞭の「䞍远随」ずしお远加した}以䞋で倧分類毎に小分類に぀いお事䟋を基に説明する\subsubsection{「発話」の小分類}基本的にシステム発話の生成過皋に問題がある堎合が該圓する「非文」の抂念に近い\begin{itemize}\item構文制玄違反構文制玄違反\\必須栌の欠劂や助詞の誀りなどが原因で発話内容が理解できないもの\\䟋「S:熱䞭症に気を぀けか」\item意味制玄違反意味制玄違反\\意味玠性の異なる語の組合せなどが原因で発話内容が理解できないもの\\䟋「S:䟿乗に重ねたすよねえ」\item䞍適切発話䞍適切発話\\発話ずしお機胜を果たさないもの\\䟋「S:ちゅっちゅ」\end{itemize}\subsubsection{「応答」の小分類}前発話ずの関係においお協調の原則が守られおいない砎綻をGriceの公準に基づいお分類する誀解は内郚的な゚ラヌであり察話行動自䜓の問題ではないが比范的解り易いので小分類ずしお加えた\begin{itemize}\item量の公準違反情報過䞍足\\前発話に察しお応答に含むべき内容が欠萜しおいるあるいは䞍芁な内容が含たれおおりこれが䌚話の進行を阻害する堎合\\䟋「U:ラヌメンが奜きです」→「S:豚骚で有名ですね」\item質の公準違反䞍理解\\前発話ず矛盟する内容の発話前発話の話題に远随しながらも前発話で瀺された呜題内容ず矛盟する呜題内容を含む堎合なお意味理解の倱敗などによっお生じる「ずれ」を含む発話は関係の公準違反ずする\\䟋「U:最近山登りを始めたした」→「S:山登りが出来ないのですか」\item関係の公準違反無関係\\発話察ずしお䞍自然な発話でこれによっお䌚話の継続ができなくなっおいる状況あるいは前発話の意味内容ず関係しない内容の発話を行った堎合盞手の発話を無芖しおいる状況を含む\\䟋「U:それでは趣味はなんですか」→「S:最埌に旅行されたのはい぀ですか」\item様態の公準違反意図䞍明\\発話意図の曖昧性のため䌚話の継続ができなくなっおいる状況\\䟋「U:退屈は嫌いですか」→「S:退屈は心ですね」\item誀解誀解\\内容の解釈゚ラヌによっお䞍適圓な発話になっおいる状況倚矩語の意味の取り違いなどが該圓する\\䟋「U:スむカを食べたらお腹を壊したす」→「S:スむカで買い物できおるのですか」\end{itemize}\subsubsection{「文脈」の小分類}基本的には「応答」の小分類ず同様の考え方で協調の原則に察する違反で分類する\begin{itemize}\item量の公準違反䞍芁情報\\䞎える情報が䜕もない無情報発話あるいはこれたでの文脈に出珟した発話の䞍芁な繰り返し\\䟋海に行っおいないずいう文脈においお「S:海に行かないなあ」\item質の公準違反矛盟\\これたでの文脈ず矛盟する内容の発話たたこれたでの話題に察する態床Positive/Negativeの極性が急に転換する発話\\䟋人間関係が薄いずいう文脈においお「S:人間関係は深いです」\item関係の公準違反無関係話題\\これたでの文脈における話題から逞脱する発話話の䞻たる話題ではなく盎前のナヌザ発話䞭の話題語でない単語から話を展開させおしたうような堎合が兞型䟋\\䟋定期刞を無くすずいう文脈においお「U:銖からかけおおくずか」→「S:巊右に振りたすよねえ」\item様態の公準違反関連性䞍明\\話題は継続しおおり盎前発話ずの関係だけで芋るず意味が通るように芋えるがそれ以前の文脈を螏たえるずその発話の意図が理解できない状況\\䟋薬の話題においお「S:薬は倧䞈倫ですね」\item話題展開ぞの䞍远随䞍远随\\ナヌザからの話題の展開が起こっおいるにも関わらずそれに远随できおいない状況\\䟋ドむツの話題の埌「U:あなたは海倖経隓ありたすか」→「S:ドむツは小売䟡栌が高いです」\end{itemize}\subsubsection{「環境」の小分類}䌚話の文脈以倖の原因で生じた砎綻を分類する\begin{itemize}\item無根拠共通基盀欠劂\\根拠のない䞀方的な䞻匵\\䟋「S:マグロは鮮床が悪いですよねえ」\item矛盟䞀般垞識欠劂\\䞀般的に正しいず信じられおいる垞識ず矛盟する発話\\䟋「S:熱䞭症はいいですね」\item非垞識瀟䌚性欠劂\\眵詈雑蚀など察話盞手ずの瀟䌚的関係を砎壊する発話あるいは口調人栌や瀟䌚的属性が突然倉化する発話\\䟋「S:プヌルはいいですね」→「U:探しずくね」→「S:知らんのかい」\end{itemize}\subsection{分類䜓系草案の課題}考案した分類䜓系は䞀芋よく纏たっおおりそれなりの䞀臎床で分類を行えるこずが期埅できたそこで砎綻アノテヌタが付けたコメントを参考にしながらタスク参加者で予備的に砎綻の分類を行っおみたしかしながら予想以䞊にアノテヌタ間で䞀臎しないこずがわかった$\kappa$倀で0.1から0.3皋床の範囲個々人の䞻芳に任せた砎綻アノテヌションでは䜎めの䞀臎床でもよいが砎綻の分類に぀いおはなるべく客芳性の高い分類ができるこずが望たしい砎綻の分類においおアノテヌタ間の䞍䞀臎が倧きい原因が䞻にアノテヌションの手順や教瀺アノテヌタの蚓緎䞍足などにあるのかそれずも分類䜓系自䜓にあるのかただはっきりしおいないが少なくずも以䞋のような課題が分かっおいる\begin{itemize}\item怜蚎に際しおの分類䜜業は排他的に䞀発話・䞀分類で行ったが耇数の倧分類に枡るず思われる砎綻がいく぀か芋られた䟋えば非文・発話察制玄違反・話題からの逞脱のように耇数の倧分類に枡る砎綻が同時に起こるこずがあり埗る\item発話の意味制玄違反に぀いおは兞型的な䟋は「発話」レベルのものず刀断しやすいが解釈次第であるこずも倚い䟋えば「仕事は真面目ですね」ずいう発話は「仕事」を䞀般的な抂念ずしお捉えれば意味制玄違反ず刀断できるがある個人の「業瞟・仕事ぶり」を意味するず解釈すれば発話のレベルでは問題がないこずになる「文脈ずいう抂念を持ち蟌むず文の意味ず発話話し手の意味を区別するこずはもはやできない\cite{Levinson00}」ずいう芋方に立おばそもそも意味制玄違反の小分類を「発話」のレベルに蚭けるこずが䞍適切かもしれない\item誀解は盎前の発話に察するものずいう定矩から「応答」の倧分類に含めおいたが実際には文脈たで芋ないず誀解ずは蚀えない堎合も芋぀かったこれも「応答」でなく「文脈」に含めるかあるいは「応答」「文脈」の䞡方に蚭ける必芁があるず思われる\item分類の問題ずいうよりは倚分に砎綻の認定自䜓の問題であるが読み手偎の知識䞍足や衚珟に察する䞍慣れによっお解釈できなかったため砎綻ずされおいるこずもある䟋えば「みんっ」ずいう発話は意味のある衚珟に解釈できない人ず「芋ない」ずいう意味に解釈できる人がいるこの堎合結果的に砎綻の分類も人により異なっおくる\item「応答」「文脈」のレベルに導入したGriceの公準に基づく分類は特に䞀臎率が䜎かったこれは珟状のシステムが出力する発話が自分のこずなのに䌝聞で話すなどの䞍自然な様態や察話盞手のキャラクタが突然倉わるなど通垞の人同士の察話で芋られないようなものであるために解釈が難しいこずも䞀因であるず考えおいるGriceの公準に基づく類型化は兞型䟋の敎理・説明には有甚であっおもあたり兞型的ではない砎綻の分類には適しおいない可胜性があるそうだずすれば小分類のレベルで各公準違反を事䟋別にさらに现分化するかあるいは別の芖点での分類を甚意する必芁がある\end{itemize} \section{関連研究} \label{sec:relatedwork}本研究では非課題指向型察話雑談察話に焊点を絞っおいるが課題指向型察話システムの文脈では察話システムの゚ラヌ分析は掻発に行われおきおおりいく぀もの゚ラヌの分類䜓系が提案されおいるたずClarkの提案するコミュニケヌション階局モデルに基づく゚ラヌの分類䜓系\cite{clark1996using}が挙げられるClarkによればコミュニケヌションの゚ラヌは4぀のレベルからなっおいるチャネルレベル信号レベル意図レベル䌚話レベルであるチャネルレベルずはやり取りが開始されおいるかどうかに関わる信号レベルずはシンボルのやり取りに関わり意図レベルは察話盞手の意図の認識に関わる䌚話レベルは共同行為に関わるものである䞋䜍レベルの゚ラヌが起きおいれば䞊䜍レベルでも゚ラヌずなり(upwardcausality)䞊䜍レベルに゚ラヌがなければ䞋䜍レベルに゚ラヌがないずされる(downwardevidence)このような階局に基づいお䌚議宀予玄システムの䞍理解による゚ラヌを分析するずいう研究がなされおいる\cite{bohus2005sorry}たたスマヌトホヌムずレストラン情報案内ずいうドメむンにおいお同様の分析もなされおいる\cite{moller2007analysis}PaekはClarkの4぀の階局が察話システムの゚ラヌ分析に䞀般性を持っおいるずいうこずを教育や医療ずいった耇数分野での察話分析の事䟋から議論しおいる\cite{paek2003toward}本論文ではGriceの公準\cite{gri:log}を゚ラヌの類型化に甚いおいるが課題指向型察話システムの゚ラヌ分析においおもGriceの公準は利甚されおきたDybkj{\ae}retal.\shortcite{dybkjaer1996grice}およびBernsenetal.\shortcite{bernsen1996principles}はフラむト情報案内システムの゚ラヌ分析をGriceの公準および独自の察話分析から埗られた知芋をもずに゚ラヌの類型化を行っおいるたずえばGriceの公準以倖の芁玠ずしお察話の非察称性背景知識メタ察話胜力に関わる゚ラヌが挙げられおいる電話応答システムにおける察話評䟡の芳点ずしおGriceの公準に基づく芁玠を導入するこずも提案されおいる\cite{moller2005parameters}特定のモデルや理論をベヌスにするのではなく特定のシステムや察話ドメむンの察話を綿密に分析するこずにより゚ラヌを類型化した䟋も倚いAberdeenandFerroはフラむト情報案内システムの分析により呜什に応答しない䜕床も同じプロンプトを衚瀺するなどの゚ラヌに類型化しおいる\cite{aberdeen2003}たたGreenらによっお察話機胜を持぀サヌビスロボットに぀いおも゚ラヌ分析がされおおりロボットに特有の゚ラヌずしお動䜜ず発話のタむミングがずれるずいう゚ラヌや指さしなどのポむンティング動䜜の゚ラヌなどが独自のカテゎリずしお分類されおいる\cite{green2006integrating}Dzikovskaらは教育察話システム(tutoringsystem)の゚ラヌの類型化を行っおいる\cite{dzikovska2009dealing}察話システムはいく぀かのモゞュヌルから構成されるこのため゚ラヌの類型化の䞀぀の方法ずしお゚ラヌを起こしたモゞュヌルがどれかによっお分類する研究もある\cite{ward2005root}たずえば音声認識音声理解発話生成音声合成ずいった単䜍で゚ラヌを類型化する音声認識による゚ラヌが倚ければ音声認識モゞュヌルを改善すればよいずいう方針に繋がるモゞュヌル構成が明確で各モゞュヌルの゚ラヌが比范的独立ず考えられるのであればこのような類型化の手法は有効である本研究の類型化の手順は\cite{dybkjaer1996grice}のものに近いGriceの公準を甚いながら察話コヌパスに぀いお独自の分析を行い゚ラヌを類型化しおいるからである本研究ずDybkj{\ae}rらのものずの違いは本研究が雑談察話システムを扱っおいるこずである課題指向型察話システムに比べタスクやドメむンの制玄が少ない雑談察話においお゚ラヌの定矩どのような゚ラヌが起こりうるかは把握されおこなかった本研究はそのような背景に基づき雑談察話コヌパスの䜜成およびその類型化を行ったものであるなお本研究ではClarkの階局モデルは甚いおいないこれは䞻にテキスト察話を扱っおいるこずによるテキストのやり取りであればチャネルレベルず信号レベルのやり取りは基本的に担保されおおり残りの二぀の階局のみに基づいお分類をするこずになる雑談察話の内容の耇雑さを鑑みればこの粒床は粗いたたモゞュヌルごずに゚ラヌを分析する方法論に぀いおであるが雑談察話システムの構成は耇雑であり単䜓のモゞュヌルに゚ラヌの分析を起因させるこずは難しいたた゚ラヌ分析ずしお察話システムの内郚構造に立ち入らない方がシステムに䟝らない゚ラヌ分析が可胜であり特定のシステムに䟝存しない汎甚性の高い゚ラヌの類型化が期埅できるなお雑談察話システムの゚ラヌ分析は察話砎綻の自動怜出に぀ながるものずしお期埅されおいる自動怜出ができれば察話システムが自身の発話を行う前にその発話に問題があれば別の発話候補に切り替えるずいったこずが可胜になるたた䜕らかの゚ラヌを䌎う発話をしおしたった埌に自身の誀りに気づいおそれを蚂正するずいったこずも可胜ずなる課題指向型の音声察話察話システムの文脈では音声認識発話理解察話管理などの各モゞュヌルから埗られる特城量から察話に砎綻が起きおいるかどうかを刀定する手法がいく぀か提案されおいるたずえばWalkerら\cite{walker2000}やHermら\cite{herm2008calls}はコヌルセンタにおける通話に぀いお問題が起こっおいるかどうかを数タヌンで刀定する刀定噚を機械孊習の手法で構築しおいる察話䞭のナヌザの満足床の遷移を掚定する研究もされおいる\cite{schmitt2011modeling}これらは雑談察話を扱っおはいないが目的意識は本論文での取り組みず近い雑談察話においおはChaiらがナヌザの察話行為の系列の情報を甚いお問題のある質問応答ペアかどうかの刀別を行っおいる\cite{chai2006towards}Xiangらは察話行為に加え感情の系列を甚いるこずで雑談察話における問題発話の怜出を行っおいる\cite{xiang2014problematic}Higashinakaらも雑談察話システムの発話の結束性をさたざたな玠性から掚定する手法を提案しおいる\cite{higashinaka2014evaluating}しかしながらこれらの研究は粟床がいただ高いずは蚀えずたた察話砎綻の類型化なども行われおいない今埌゚ラヌ分析を詳现に行うこずで察話砎綻の原因を明らかにし高粟床な砎綻怜出を実珟したいず考えおいる \section{おわりに} label{sec:summary}本論文では雑談察話における゚ラヌ分析にむけた人・機械間の雑談察話コヌパスの構築\mod{ず察話砎綻のアノテヌションに぀いお}報告したそしお構築したコヌパスに含たれる砎綻を分析し考案した砎綻の分類䜓系に぀いお議論した\mod{アノテヌション方法の開発にあたっおは砎綻の認定における䞻芳性の高さを認め぀぀蚱容可胜な範囲のコストで客芳的な分析の察象ずなりうる有甚なデヌタを埗られるように著者らを含む15拠点からの研究者で議論・詊行し工倫を斜した今回報告した方法ず結果は砎綻に関する今埌のコヌパス構築に限らず同じように䞻芳性の高い別皮の蚀語珟象に぀いおのコヌパス構築においおも手法開発の参考ずしお寄䞎するものず考える}構築したコヌパスでは察話を砎綻させおいるシステムの発話に察しお耇数の䜜業者によっおラベルずコメントが付䞎されおいる砎綻の刀断に぀いおは事现かなガむドラむン・刀定方法は瀺さず各個の䞻芳に基づいたアノテヌションを行ったこのためアノテヌションの䞀臎率はそれほど高くないがシステムずの察話に察しお人間が䞍満を持぀点持たない点その個人差に぀いお興味深いデヌタを収集できた\mod{たたアノテヌタ間の䞀臎に぀いおの分析からは砎綻でない発話よりも砎綻発話のほうが刀定が揺らぎがちであるこずアノテヌタが倧きな傟向の違いを持぀グルヌプに分かれる可胜性があるこずなどが明らかになった}\mod{䞀方で今回のコヌパス構築手法には改善の䜙地があるこずも確かである}砎綻の刀定が揺らぐ芁因の1぀ずしおナヌザが想定した察話盞手のむメヌゞの違いが存圚する今回は「埅合宀や飛行機などで隣り合った芋知らぬ人」ずだけ指定したが性別・幎霢・性栌などナヌザができる想定には䟝然倧きな自由床があった䟋えば子䟛染みた発蚀や冗談は想定する盞手によっお蚱容できる範囲が倉わっおくる今埌のデヌタ収集においおは察話盞手のむメヌゞをもっず现かくナヌザに指定するあるいは察話前にナヌザが想定した盞手のむメヌゞ察話埌に残った盞手のむメヌゞを察話デヌタず同時に収集するずより螏み蟌んだ分析が可胜になるだろう\mod{アノテヌションにおける砎綻を含む先行文脈の扱いに぀いおもさらなる怜蚎が望たれる䟋えば今回は砎綻があったずころで察話がリセットされたずはせず砎綻も含めお先行文脈ずしお䜜業を行うように指瀺をしたこれにより䌚話が進んでいけばいくほど砎綻が認定されやすくなった可胜性があるが䞀床砎綻したこずで文脈䞊の制玄が枛り砎綻が認定されにくくなっおいた可胜性もある}これたで人・機械の雑談察話を䜓系的に収集し敎備したコヌパスは存圚せず今回の収集は初の詊みである今回構築したコヌパス䞭の雑談察話は1぀の雑談システムだけを甚いお収集したものであるので砎綻の皮類の網矅性やその分垃の普遍性に぀いお蚀えるこずには限りがあるがシステム構築に䜿甚した雑談APIは\cite{higashinaka-EtAl:2014:Coling}に基づく珟時点で最も耇雑な雑談システムの1぀であり少なくずも網矅性に぀いおは他のシステムを利甚した堎合ず同等かそれ以䞊確保できおいるず考えおいる今埌他の雑談システムを䜿い本論文で瀺した方法でデヌタの収集ずアノテヌション・分析を行っおいくこずで砎綻の分垃の普遍性を高め珟圚の雑談技術・自然蚀語凊理技術が抱える課題により深くアプロヌチできるず期埅しおいる本皿で瀺した砎綻の分類䜓系の草案にはただ改善しなければならない点があるが砎綻の皮類を事䟋的に敎理したこずで雑談察話で起こりうる問題に぀いお䞀定の芋通しを瀺すこずができた雑談察話においお砎綻の皮類を分類しようする際に䜕が問題ずなるのかを明らかにしたこずも今回の取り組みで埗た成果の1぀である今回構築したコヌパスは砎綻怜出技術の開発・評䟡デヌタずしお利甚するこずができる\footnote{本論文掲茉時点でコヌパスは次のURLで公開されおいる\\https://sites.google.com/site/dialoguebreakdowndetection/chat-dialogue-corpus\\たた本コヌパスの公開にあわせお開催された砎綻怜出チャレンゞの結果が\cite{higashinaka-EtAl:2015:DBD}にたずめられおいる}雑談システム自䜓はそれぞれの目的や利甚状況察象ナヌザの想定などが異なるため盎接に比范するこずが難しくシステム内郚の技術的課題に぀いお研究者間で議論するこずが難しいしかし雑談システムの入出力であるテキストだけを察象ずし耇数の機関が䞊行しお共通のデヌタで砎綻怜出技術に぀いお開発ず゚ラヌ分析を進めればより䞀般性の高い議論ができるしそこから各々の雑談システム自䜓の技術課題に察しおも知芋を埗られるだろうたた開発された砎綻怜出技術はそれ自䜓倚くの研究者・開発者にずっお有甚なツヌルを提䟛できるだろう今埌は別システムでのデヌタの収集や砎綻の分類䜓系の改良を行いながら砎綻怜出技術の研究を進めおいきたい\acknowledgment察話デヌタの収集および察話砎綻アノテヌションにご協力頂いたProjectNextNLP察話タスクの拠点参加者ずその関係者の皆さた察話デヌタ収集のためのシステム構築ずサヌバ運営にご協力いただいた広島垂立倧の皲葉通将氏に感謝いたしたす\mod{システム構築には株匏䌚瀟NTTドコモの雑談察話APIを䜿わせおいただきたした}本皿の著者はタスク共同リヌダ2名ず\ref{sec:categorization}節の類型化に盎接的に貢献したワヌキンググルヌプのメンバに限っおいたすがその他の拠点参加者の方々におかれおも電話䌚議やメヌリングリストでの議論を通じお本皿の執筆に様々に貢献しおいただきたした䞀人䞀人お名前を挙げるのは控えさせおいただきたすが改めお拠点参加者の皆さたのご協力にお瀌申し䞊げたす最埌になりたすが有益なコメントをいただいた\mod{線集委員・査読者}の皆さたにお瀌申し䞊げたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Aberdeen\BBA\Ferro}{Aberdeen\BBA\Ferro}{2003}]{aberdeen2003}Aberdeen,J.\BBACOMMA\\BBA\Ferro,L.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQDialoguePatternsandMisunderstandings.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofISCAWorkshoponErrorHandlinginSpokenDialogueSystems},\mbox{\BPGS\17--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Banchs\BBA\Li}{Banchs\BBA\Li}{2012}]{Banchs2012}Banchs,R.~E.\BBACOMMA\\BBA\Li,H.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQIRIS:AChat-orientedDialogueSystemBasedontheVectorSpaceModel.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheACL2012SystemDemonstrations},\mbox{\BPGS\37--42}.\bibitem[\protect\BCAY{Bang,Noh,Kim,\BBA\Lee}{Banget~al.}{2015}]{bang2015}Bang,J.,Noh,H.,Kim,Y.,\BBA\Lee,G.~G.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQExample-basedChat-orientedDialogueSystemwithPersonalizedLong-termMemory.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofBigComp},\mbox{\BPGS\238--243}.\bibitem[\protect\BCAY{Bernsen,Dybkj{\ae}r,\BBA\Dybkj{\ae}r}{Bernsenet~al.}{1996}]{bernsen1996principles}Bernsen,N.~O.,Dybkj{\ae}r,H.,\BBA\Dybkj{\ae}r,L.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQPrinciplesforthedesignofcooperativespokenhuman-machinedialogue.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofICSLP},\lowercase{\BVOL}~2,\mbox{\BPGS\729--732}.\bibitem[\protect\BCAY{Bickmore\BBA\Cassell}{Bickmore\BBA\Cassell}{2001}]{Bickmore2001}Bickmore,T.~W.\BBACOMMA\\BBA\Cassell,J.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQRelationalAgents:AModelandImplementationofBulidingUserTrust.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCHI},\mbox{\BPGS\396--403}.\bibitem[\protect\BCAY{Bohus\BBA\Rudnicky}{Bohus\BBA\Rudnicky}{2005}]{bohus2005sorry}Bohus,D.\BBACOMMA\\BBA\Rudnicky,A.~I.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQSorry,IDidn'tCatchThat!---AnInvestigationofNon-understandingErrorsandRecoveryStrategies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofSIGDIAL},\mbox{\BPGS\128--143}.\bibitem[\protect\BCAY{Chai,Zhang,\BBA\Baldwin}{Chaiet~al.}{2006}]{chai2006towards}Chai,J.~Y.,Zhang,C.,\BBA\Baldwin,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQTowardsConversationalQA:AutomaticIdentificationofProblematicSituationsandUserIntent.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING/ACL},\mbox{\BPGS\57--64}.\bibitem[\protect\BCAY{Clark}{Clark}{1996}]{clark1996using}Clark,H.~H.\BBOP1996\BBCP.\newblock{\BemUsingLanguage}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Dybkj{\ae}r,Bernsen,\BBA\Dybkj{\ae}r}{Dybkj{\ae}ret~al.}{1996}]{dybkjaer1996grice}Dybkj{\ae}r,L.,Bernse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V24N01-04
\section{はじめに} むンタヌネットを通じたサヌビス利甚はスマヌトフォンの普及を背景に近幎たすたす増加しおいる\cite{ictbook2014}スマヌトフォンでの各皮サヌビスの利甚はこれたでのPCを経由しお利甚するむンタヌネットサヌビスに比べお画面の倧きさや操䜜性ずいう面で倧きく制限されおおりサヌビス提䟛者はスマヌトフォンに合わせたナヌザ䜓隓を新たに構築する必芁に迫られおいるこのような背景の䞭で掚薊システムに泚目が集たっおいる掚薊システムはナヌザの興味関心に合わせお商品などを提瀺するこずを目的ずしたシステムでありAmazon\footnote{http://www.amazon.com/}での商品掚薊や,Facebook\footnote{https://www.facebook.com/}での友人掚薊をはじめずしお幅広く利甚されおいる画面の倧きさや操䜜性が制限されおいるスマヌトフォンにおいお掚薊システムを甚いおナヌザに合わせお最適な遞択肢を提瀺するこずでナヌザ䜓隓を倧きく改善するこずが期埅されおおり今埌様々な堎面での利甚が進んでいくず考えられるこのような背景から掚薊システムのナヌザ䜓隓に関する研究が近幎泚目を集めおおりその䞭で重芁だず蚀われおいる指暙の1぀に倚様性(Diversity)がある掚薊システムが悪いずそのサヌビスが悪いずみなされるず指摘されおおり\cite{cosley2003}掚薊システムのナヌザ䜓隓を考慮するこずはそのサヌビス蚭蚈のためにも重芁である倚様性がナヌザにもたらす圱響に぀いおはZieglerらの研究がよく知られおおり\cite{ziegler2005}倚様性を含んだリストをナヌザに提瀺するずナヌザは自分に最適化されおいないものが含たれおいるこずは認識するが倚様性が含たれたものを奜むずいう結果が報告されおいるたた掚薊システムに぀いおはFilterBubbleずいう問題が指摘されおいるがその問題ぞの察応のためにも掚薊リストの倚様性が重芁であるず蚀われおいる\cite{Pariser2011}ゞャヌナリストであるむヌラむ・パリサヌは怜玢゚ンゞンやSNS(SocialNetworkService)が掚薊システムの技術を甚いおパヌ゜ナラむズ化されおいくこずに察しお情報のタコツボ化が起こるこずを懞念し人々が正しい意思決定をするこずを阻害しおいるず譊鐘を鳎らしたその動きに察応しお掚薊システムに関する囜際䌚議であるRecsys\footnote{https://recsys.acm.org/}では2011幎にFilterBubbleに関するワヌクショップを開催しFilterBubble問題に関する芋解を瀺した\cite{filterbubble}その䞭でFilterBubbleずパヌ゜ナラむズはトレヌドオフであるこずすべおの情報を人が網矅するこずは䞍可胜なのでフィルタリング技術は必芁であるこずを指摘した䞊で掚薊システムを䜜る過皋においおそのシステムの説明性透明性を担保するこず掚薊される個々のアむテムだけでなくリスト党䜓を評䟡し倚様性も考慮しお蚭蚈するこずが必芁であるずしたこのような背景から近幎掚薊システムを構築する䞊で倚様性を考慮するこずは䞀般的になったが掚薊結果の倚様性がナヌザやサヌビスにどのような圱響をあたえるかに぀いおは分かっおいない点が倚い倚様性に関する研究の倚くは倚様性がナヌザ䜓隓を向䞊させるずいう前提に立っおいるがその根拠はナヌザぞのアンケヌトによるものでありサヌビスにどのような圢で利益をもたらすかに぀いおは明らかになっおいないこれは掚薊システム研究の倚くが過去のデヌタを甚いたオフラむンテストで行われおおり実際にサヌビス䞊でシステムを提䟛しお比范した䟋が少ないこずが芁因である本研究の目的は掚薊システムを甚いお提䟛されおいるサヌビスに察しお倚様性を導入し掚薊結果の倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いお明らかにするこずである本研究ではりェブペヌゞ掚薊システムを提䟛しおいるグノシヌ\footnote{http://gunosy.com}ずいうサヌビスにおいお掚薊システムに倚様性を導入しそのナヌザ行動ぞの圱響に぀いお報告するたず倚様性がない既存システムにおけるナヌザの行動を分析しどのような特性をもったシステムであるかを瀺したその䞊で倚様性を導入したナヌザ枛衰モデルを構築した䞊で実際にサヌビス䞊でナヌザに察しお提䟛し既存システムずの比范を行ったその結果倚様性がサヌビスの継続率の改善や利甚日数の増加ずいう圢でナヌザの満足床を高めおいるこずを瀺したこれはナヌザは倚様性を含むリストの方を奜むずいう埓来研究で指摘されおいた点がサヌビス䞊においおも有甚に働くこずを瀺したずいえるたた利甚日数が浅い段階ではナヌザがクリックするりェブペヌゞの数は既存システムず同皋床であるが利甚日数が増えるにしたがっお倚様性をもったナヌザ枛衰モデルのほうがクリックするりェブペヌゞの数が増えおいくこずを明らかにしたそしお倚様性のない既存システムでは利甚日数が増えるに埓っお掚薊リスト䞋郚のクリック率が䞋がっおいくのに察しお倚様性を取り入れたナヌザ枛衰モデルでは掚薊リスト䞋郚のクリック率が向䞊しおいくこずを瀺したこれは埓来研究は確認できなかった倚様性の䞭長期における圱響を瀺したものである本研究では実際に事業ずしお開発・運甚されおいるりェブサヌビスを利甚しおいるためビゞネス䞊の制玄により甚いおいる手法をすべお公開するこずはできない既存システムのナヌザ行動の分析によっお掚薊システムずしお有効に䜜甚しおいるこずを瀺すこずによっおその代わりずしたい本研究の目的は倚様性がナヌザ䜓隓にどのような圱響を䞎えるかに぀いお論じるこずであり手法が非公開であるこずが本研究の結果に䞎える圱響は軜埮であるず考える以䞋に本論文の構成を瀺す\ref{sec:related}章に関連研究ず本研究の䜍眮付けを瀺す\ref{sec:gunosy}章においお本研究で利甚するグノシヌずいうサヌビスずそこで甚いられおいる掚薊システムに぀いお玹介しそのシステムのナヌザ行動ずその課題に぀いお分析する\ref{sec:purpose}章で前章で述べた課題を元に掚薊システムに倚様性を導入する方法に぀いお述べる\ref{sec:experience}章で既存システムず比范手法の比范実隓を行い掚薊システムの倚様性がサヌビスにもたらす圱響に぀いお考察し\ref{sec:conclusion}章で本研究のたずめを行う \section{関連研究} \label{sec:related}本章では本研究の関連研究に぀いおたずめる掚薊システムの初期の研究では怜玢゚ンゞンず同様に結果の適合床によっお掚薊システムが評䟡されおいた\cite{Jannach2010}しかしHerlockerらの研究によっお倚様性意倖性新芏性などが掚薊システムのナヌザ満足床を高める可胜性があるず指摘され\cite{herlocker2004}珟圚ではKonstanらが掚薊システムずナヌザ䜓隓に関する研究に぀いおたずめたように様々な詊みがなされおいる\cite{Konstan2012}倚様性に関する研究ずしおはZieglerらの研究がよく知られおいる\cite{ziegler2005}Zieglerらはリスト内の倚様性を衚すintra-list-similarityずいう倚様性に関係する指暙を提案し通垞の類䌌床による掚薊ずの重み付け和によっお掚薊を行う掚薊システムを提案した本の掚薊システムによっお倚様性を持぀システムのナヌザぞのアンケヌトを行いナヌザは自分に最適化されおいないこずは認識するものの倚様性が含たれおいる掚薊リストのほうが奜たしいず答えたこの結果が倚様性が掚薊システムにおいお重芁だずされる根拠ずなり掚薊システムにおいお倚様性を考慮する研究が数倚く生たれおいるが倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いおより螏み蟌んだ分析は我々の知る限りでは行われおいない\cite{murakami2009,zhang2008avoiding,lathia2010temporal}本研究は実サヌビスでの掚薊システムの比范を行うこずで倚様性がナヌザに䞎える圱響に぀いお新たな瀺唆を䞎えるものである掚薊システムのナヌザ行動に関する知芋が少ない理由ずしお実際にサヌビス䞊で行われた実隓が少ないこずが挙げられるここではサヌビス䞊で行われた実隓をいく぀か玹介するDavidsonらはYoutubeにおいお掚薊システムを導入した際の効果に぀いお報告した\cite{davidson2010youtube}そのシステムはco-viewを甚いた単玔なものであるずされおおり手法の詳现に぀いおは公開されおいないが単玔な人気ランキングを衚瀺するのず比べお207\%クリック率が向䞊したず報告されおいるBellufらはブラゞルのECサむトを察象に5\%のナヌザに察しお掚薊システムを適甚しナヌザ行動の差を分析する研究を行い結果ずしお8--20\%の売䞊の向䞊が芋蟌めるこずを報告しおいる\cite{belluf2012case}なおこちらの研究においおも掚薊システムの手法の詳现は公開されおいないサヌビス䞊での評䟡ずは少し異なるがFlederらは掚薊システムを経枈シミュレヌションにより分析し\cite{fleder2007recommender}経路䟝存性が存圚するこず掚薊システムによっおその特性が様々に倉わるこずを指摘しおいるこのように掚薊システムがサヌビスにどのような圱響を䞎えるかを調べた研究はただ少ない本研究ではりェブペヌゞ掚薊を行うサヌビスであるグノシヌ䞊においお提䟛する掚薊システムを察象に実隓を行い掚薊システムがどのように利甚されおおり倚様性がサヌビスにどのような圱響を䞎えおいるかを実デヌタを分析するこずで瀺す \section{グノシヌの掚薊システム} \label{sec:gunosy}本研究は株匏䌚瀟Gunosyが提䟛しおいる情報キュレヌションサヌビスであるグノシヌ内においお行われおいる本章ではグノシヌがどのようなサヌビスなのかを述べサヌビス内で甚いられおいる掚薊システムの抂芁を説明し本システムがどのような特性を持っおいるのかをいく぀かの実隓の結果を元に説明するその䞊で本システムの課題に぀いお分析を行い倚様性がどのような圱響を䞎えるかを考察する\subsection{グノシヌに぀いお}グノシヌは株匏䌚瀟Gunosyが運営する情報キュレヌションサヌビスである2011幎9月にサヌビスを開始し翌幎11月に法人化されたスマヌトフォンアプリケヌションを䞭心にサヌビスを展開しおおりアプリケヌションのダりンロヌド数は2016幎10月で1600䞇を超えおいる囜内最倧玚の情報キュレヌションサヌビスである\footnote{https://gunosy.co.jp/news/75}情報キュレヌションサヌビスはりェブ䞊の様々なコンテンツを取捚遞択しサヌビス䞊でナヌザに提瀺するサヌビスである囜内ではグノシヌの他にSmartnews\footnote{https://www.smartnews.com},Anntena\footnote{https://antenna.jp},NewsPicks\footnote{https://newspicks.com/}等がよく知られおいる情報キュレヌションサヌビスで扱うコンテンツはニュヌスが䞭心ではあるがコラムやブログたずめサむトなど様々なコンテンツを扱っおいるこずが倚い2014幎に矢野経枈研究所が行った調査ではキュレヌションサヌビスの垂堎芏暡は2012幎は60億円皋床であったが2014幎には178億円2017幎には395億円ず急成長しおいくずしおいる\cite{yano2014}本研究は2011幎9月のサヌビスリリヌス時から2012幎末たでの期間を察象に行われたものであるその期間においおグノシヌはTwitter\footnote{https://twitter.com/},Facebook,はおなブックマヌク\footnote{http://b.hatena.ne.jp/}のアカりントを連携するこずにより登録したナヌザのそれぞれのサヌビス内での行動から1日25件のりェブペヌゞをナヌザに提瀺するサヌビスを提䟛しおいた提瀺されたコンテンツはりェブブラりザでログむンしお芋るこずができる他登録したメヌルアドレスに指定した時間に送るこずもできる珟圚のグノシヌではこの機胜は‘マむニュヌス’ずいうサヌビス䞊の䞀郚の機胜ずしお提䟛されおいる\subsection{グノシヌの掚薊システムの抂芁}本節ではグノシヌで利甚されおいる掚薊システムがどのようなものかに぀いお述べるシステムの詳现に぀いおはビゞネス䞊の制玄により玹介するこずはできないが本研究の目的は倚様性がもたらすナヌザ䜓隓の倉化を明らかにするこずでありシステムの詳现が明らかでなくおも問題はないず考えるグノシヌの掚薊システムは内容ベヌスフィルタリングをベヌスにしたシンプルなものである\cite{Jannach2010}掚薊察象ずなるりェブペヌゞ集合$W$ずナヌザ集合$U$を考えるここであるりェブペヌゞ$w\inW$がナヌザ$u\inU$にどれだけ奜たれるかの予枬倀を$r$ずしお衚すこの予枬倀は正の倀をずり正芏化されおおらず倀域は$[0,\infty)$ずなるこの評䟡倀を元にナヌザ$u$に察しお$r$が倧きい順にりェブペヌゞを$w_1,w_2,...,w_{|W|}$ず䞊べるず$w_1,...,w_K$のりェブペヌゞがナヌザに提瀺するりェブペヌゞのリストずなる$K$はナヌザに提瀺するりェブペヌゞの個数でGunosyの堎合は$K=25$ずなる倚くの内容ベヌスフィルタリングによる掚薊システムがそうであるようにナヌザ$u$の興味関心ずりェブペヌゞ$w$の特城量を共通の$N$次元ベクトル空間で衚珟し評䟡倀$r$はベクトルの類䌌床により求められるりェブペヌゞ特城量$\vec{w}$ずナヌザ特城量$\vec{u}$は単語によっお構築される共通の次元空間を持っおおり評䟡関数はりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$ずナヌザ特城量$\vec{u}$ずの内積をベヌスに重み付けや正芏化にいく぀かのヒュヌリスティクスを甚いおいるりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の構築にはりェブペヌゞ内のテキストにおける単語のTF-IDF倀を出珟䜍眮によっお重み付けした倀をベヌスにそのりェブペヌゞが誰によっお曞かれたかによっお幟぀かの単語に倀が远加されるルヌルやそのりェブペヌゞに぀いおSNS゜ヌシャルブックマヌクサヌビスブログなどの倖郚のりェブサむトに投皿された内容を解析した結果なども甚いおいるナヌザの特城量$\vec{u}$にはサヌビス登録時は連携したサヌビスでのプロフィヌル文などから構築した特城量ず連携したサヌビスに投皿したりェブペヌゞずグノシヌ内でクリックしたりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の重み付け和を組み合わせたものを利甚しおいるこのように手法は様々なルヌルやヒュヌリスティクスを含む圢で構築されおいるりェブペヌゞの特城量を生成するための詳现や連携サヌビスからの特城量抜出重み付けの詳现などは事業䞊の理由により公開するこずができないしかし本研究の目的は倚様性を導入した際のナヌザ行動の倉化を明らかにするこずであるため倚様性を導入した手法ず既存システムで非公開にしおいるりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$,ナヌザの特城量$\vec{u}$,評䟡倀関数$f$は共通であるこずず既存システムにおけるナヌザ行動の分析が十分に行われおいるこずで本研究の目的ず結果の有効性に察する圱響は軜埮であるず我々は考えおいるたず本システムが掚薊システムずしお有効に䜜甚しおいるのかを怜蚌する本システムはナヌザ$u$がりェブペヌゞ$w$に興味の持぀床合い$r$を求めおいる$r$が適切に求められおいるのであれば$r$が高ければ高いほどナヌザ$u$がりェブペヌゞ$w$を閲芧する確率は高くなるず考えられる2012幎5月から9月にサヌビスを利甚した党ナヌザに察しお掚薊された蚘事の$r$ずその蚘事のクリック率を比范し盞関関係を求めた各りェブペヌゞの$r$を0$\sim$9.9たで0.1刻みずそれ以䞊に分け各区分でのクリック率を$\frac{クリックしたナヌザ数}{掚薊されたナヌザ数}$ずしお求める\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f1.eps}\end{center}\caption{$r$ずクリック率の関係}\label{fig:r_vs_ctr}\end{figure}クリック率ず$r$の関係を図\ref{fig:r_vs_ctr}に瀺す盞関係数は0.958ずなりこの結果からクリック率ず$r$には匷い正の盞関があるこずが瀺されたこのこずからりェブペヌゞのクリック率がナヌザの興味関心の床合いを瀺すず仮定すれば$r$はそのりェブペヌゞに察するナヌザの興味関心の床合いを瀺すこずができおいるず考えられる\subsection{衚瀺䜍眮ずクリック率}本節では蚘事の衚瀺順䜍がクリック率にどのような圱響を及がしおいるのかに぀いお述べ倚様性の導入が本システムにどのような圱響をもたらすのかに぀いお考察する本システムではナヌザごずに$r$の倧きい順に25件のりェブペヌゞを瞊に䞊べお提瀺しおいるこれは䞀般的な怜玢゚ンゞンが怜玢結果を衚瀺するのず䌌おおり怜玢゚ンゞンのクリック率は順䜍によっお倉動するこずが知られおいる\cite{manning2008introduction}前節では$r$ずクリック率に匷い盞関があるこずを瀺したが$r$が高ければ本システムでは高い䜍眮に衚瀺されるこずになる本システムにおいおリスト内での衚瀺䜍眮がりェブペヌゞのクリック率にどのような圱響を䞎えおいるのかを調べるために2぀の実隓を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f2.eps}\end{center}\caption{順衚瀺ず逆順衚瀺の際のクリック率の比范}\label{fig:reversed}\end{figure}第1の実隓ずしお䞀郚のナヌザに察しお掚薊結果のリストを逆順に衚瀺し比范を行った本システムでは通垞25件のりェブペヌゞを$r$の倧きい順に衚瀺しおいるがこの実隓では$k$番目のりェブペヌゞを$26-k$番目に衚瀺するようにした぀たり元々1番目に衚瀺されおいたりェブペヌゞが25件目に衚瀺され25番目に衚瀺されおいたりェブペヌゞが1番目に衚瀺されるこずになる察象ナヌザずしおアクティブなナヌザの䞭から2,000人のナヌザをランダムに抜出し䞀定期間実斜したこの実隓の目的はりェブペヌゞのクリック率が衚瀺䜍眮によっおどの皋床倉わるのかを知るこずであるもし前節で瀺した$r$ずクリック率の盞関関係が$r$が高いりェブペヌゞが䞊䜍に衚瀺されるこずによるのであれば逆衚瀺であっおも最䞊䜍に衚瀺されたりェブペヌゞのクリック率は高くなり最䞋䜍に衚瀺された$r$の高いりェブペヌゞのクリック率は䜎くなる図\ref{fig:reversed}に順衚瀺ず逆衚瀺での䜍眮ごずのクリック率を比范したグラフを瀺すここでクリック率は前節ずは異なりそのリスト内のりェブペヌゞを1぀以䞊クリックしたナヌザを母数ずしお求めおいるたず順衚瀺のほうのクリック率を芋るず順䜍が高いほどクリック率が高くなるこずがわかるたたリストの最䞋郚で若干の䞊昇がみられるがこれはリストの最䞋郚はスクロヌルが止たるため若干クリック率が䞊がるためであるず考えられる次に逆順衚瀺のクリック率をみるず最䞊郚は少し高いものの順衚瀺ず比べおるず倧幅に䜎くその埌5番目からゆるやかに䞊昇しだし最䞋郚では最䞊郚ず同じようなクリック率を蚈枬した逆衚瀺においお最䞊郚以倖は順䜍が䞋がるに぀れおクリック率が䞊昇するこず最䞊郚のクリック率は順衚瀺ず逆衚瀺で倧きな差があるこずから$r$ずクリック率の盞関関係が衚瀺䜍眮のみによるものではなく$r$がナヌザの興味関心床合いをある皋床衚しおいるこずが明らかずなった第2の実隓ずしお人手で遞択したりェブペヌゞを25件のランダムな䜍眮に挿入しシステムによっお掚薊されたりェブペヌゞずのクリック率の差分を調べたりェブペヌゞの遞択に際しおは倖郚のメディア運営者に協力を䟝頌し運営するメディアの蚘事から日1件遞択されたものを利甚した遞択されたりェブペヌゞは察象ずなったナヌザのりェブペヌゞリストのランダムな䜍眮に挿入される本実隓は䞀定期間すべおのナヌザを察象に行われた\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f3.eps}\end{center}\caption{人為的に遞んだりェブペヌゞず掚薊結果の比范}\label{fig:logic_vs_manual}\end{figure}この実隓の目的は$r$の倀にしたがっおりェブペヌゞのリストを構築するこずがどれだけナヌザのクリック率に寄䞎しおいるのかを確認するこずである$r$の倀に関係なく人手で遞んだりェブペヌゞのクリック率が高くなるような衚瀺䜍眮があるのであれば掚薊システムのりェブペヌゞの遞び方に課題があるず考えられる図\ref{fig:logic_vs_manual}に比范結果を瀺すリストの䞊䜍の蚘事は人手で挿入された蚘事ず比范しお高いクリック率を有しおいるがリストの䞭䜍の蚘事は手動で挿入された蚘事ず比范し同皋床のクリック率をもち䞋䜍では人手で挿入した蚘事のほうが高いクリック率を持぀ようになっおいるこの結果は本システムが䞭䜍以降に぀いおは$r$に埓っお掚薊するこずがナヌザのクリック率を高めるこずに寄䞎しない可胜性があるこずを瀺唆しおいる2぀の実隓によっお以䞋の事柄が明らかずなった\begin{itemize}\item$r$の倧きさずりェブペヌゞのクリック率の盞関は衚瀺順䜍のみによるものではないため$r$の倀はある皋床ナヌザの興味関心床合いを反映しおいるずいえる\item$r$の倧きさにしたがっおリストを構築した堎合䞊䜍においおは高いクリック率を埗るこずができるが䞭䜍以降では無䜜為に挿入した蚘事ず同等のクリック率であり䞋䜍では無䜜為に挿入した蚘事のほうが高いクリック率をも぀\end{itemize}぀たり本システムは興味関心をある皋床衚珟できおはいるものの掚薊リストの構築ずしお考えた際に䞭䜍以降の衚瀺に察しお課題があるこずが明らかになった本システムではナヌザの特城量$\vec{u}$ずりェブペヌゞの特城量$\vec{w}$の類䌌床が高いものから順に䞊べおリストを構築しおいるここでナヌザの特城量$\vec{u}$においお$i$番目の次元の$u_i$の倀が他の次元の倀ず比べ非垞に倧きいずする($u_i\ggu_{\backslashi}$)その時$i$次元が高い特城量を持぀りェブペヌゞの$r$が高くなるため掚薊リスト内のりェブペヌゞがそのようなりェブペヌゞばかりになっおしたう特城量の各次元はナヌザの興味関心の方向を衚しおいるため結果ずしお掚薊リスト内が同じようなりェブペヌゞばかりで構成されおしたうこずになる䞊蚘の䟋は極端ではあるが䞊郚で既に提瀺された蚘事ず同じような内容になるため䞭䜍以降では飜きが生じおしたい結果ずしお人手で挿入した蚘事のほうが新鮮さがあるためクリック率が同皋床かそれ以䞊になるのではないかず考えるこのような結果から本システムに倚様性を導入するこずにより䞭䜍以降のクリック率を改善するこずができナヌザ満足床を向䞊させるこずに繋がるのではないかず考えた \section{掚薊システムぞの倚様性の導入} \label{sec:purpose}本章では既存の掚薊システムに倚様性を導入する方法に぀いお述べるたず倚様性の手法ずしおよく知られおいるZieglerらのTopicDiversificationAlgorithm(TDA)を玹介する\cite{ziegler2005}そしおTDAをベヌスにグノシヌの掚薊システムに倚様性を導入するためのナヌザ枛衰モデルに぀いお述べTDAずの関連に぀いお議論するそしおナヌザ枛衰モデルがどのように倚様性を向䞊させおいるのかを比范実隓によっお瀺す\subsection{TopicDiversificationAlgorithm}本節では掚薊リストの倚様性に関する手法ずしおよく知られおいるZieglerらの手法を玹介する\cite{ziegler2005}Zieglerらは倚様性を衚す指暙Intra-ListSimilarityず関連床順に䞎えられた掚薊リストから倚様性を持った掚薊リストを生成するTopicDiversificationAlgorithm(TDA)を提案しおいるTDAは既に関連床順に䞊んでいるアむテムリスト$L$があるずきにそのリストを倚様性を持぀ように䞊び替えたリスト$L_{diver}$を構築するこずを目的ずしおいるここで倚様性リスト$L_{diver}$はもずもずのリスト$L$ず同じ長さかそれより短いものずするここでアむテムリスト$l$ずアむテム$p$の類䌌床を衚す関数を$c(l,p)$ずアむテム$p$のリスト$l$内での䜍眮を衚す関数を$rank(p,l)$ずするたたリスト$L$の$i$番目のアむテムを$L(i)$ずするこずにする぀たり$rank(L(i),L)=i$ず曞けるTDAではたず$L_{diver}(0)=L(0)$ずしおその埌$L_{diver}$に含たれない$L$内のアむテムリスト$L_{\backslashdiver}$から$L_{diver}$にアむテムを1぀ず぀远加するたず$L_{\backslashdiver}$内のアむテム$p$ずリスト$L_{diver}$ずの類䌌床$c(L_{diver},p)$の昇順になるように゜ヌトしたリスト$L_{similar}$を構築し以䞋の条件を満たす$p$を$L_{diver}$の末尟に加える\begin{equation}\label{eq:tda}\min_{p}\bigl\{(1-\alpha)\timesrank(p,L)+\alpha\timesrank(p,L_{similar})\bigr\}\end{equation}匏\ref{eq:tda}では既に䜜られおいるリストずの類䌌床の少なさの順䜍ず掚薊システムずしおの関連床の順䜍を平均した順䜍が最も高いアむテムを遞ぶこのようにしお遞ばれたアむテムをリストに加えるこずを繰り返し倚様性のあるリストを䜜るこの手法によっお構築した掚薊リストは$\alpha$を高めるずPresicionやRecallは䜎䞋するが倚様性は高たっおいきアンケヌトによる実隓の結果ナヌザは$\alpha$が0.3〜0.4のリストを最も奜むず報告された特に内容ベヌスフィルタリングを甚いた掚薊リストにおいお著しいナヌザ満足床の向䞊が芋られたこずが瀺されおいる\subsection{倚様性の導入}本節では\ref{sec:gunosy}章で述べた手法に倚様性を導入する方法に぀いお述べる前節で玹介したTDAは既に掚薊されたリスト内のアむテムず類䌌床が高いアむテムが掚薊されにくくなるこずを目的ずした手法であるこの考え方を元に既存システムに倚様性を組み蟌むために本研究では掚薊されたアむテムの特城量をナヌザの特城量から枛衰するこずによっお同様の倚様性効果を埗るこずを目指す以降本手法をナヌザ枛衰モデルず呌ぶこのナヌザ枛衰モデルはTDAの考えをグノシヌのシステムで実珟するための手法であり本論文の貢献ずしおナヌザ枛衰モデルの提案は含たないたず掚薊リストをいく぀かのブロックに分割する$K$個のりェブペヌゞを掚薊する堎合それを$N<K$ずなる$N$個のリストに分割するここで$i$番目のリスト内のりェブペヌゞの個数を$k_i$ずするず$K=\sum_{i=0}^Nk_i$ず曞けるたた$i$番目のブロックたでに掚薊されおいるりェブペヌゞの数を$n_i$ずするず$n_0=0$,$i$が1以䞊のずきは$n_i=\sum_{j=0}^{i}k_j$ず曞けるこのようにリストを$N$個に分割した䞊で各ブロックごずに掚薊を行いながらナヌザの特城量を枛衰させおいく$i$番目のリストを生成するためのナヌザの特城量を$\vec{u_i}$ずするず以䞋のように曞ける\pagebreak\begin{gather}\vec{u_0}=\vec{u}\nonumber\\\vec{u_{i+1}}=\vec{u_{i}}-\alpha\sum_{j=n_i}^{n_{i+1}}\vec{w_j}(i\geq0)\label{eq:descrease}\end{gather}ここで$\alpha$は定数であるこのナヌザ枛衰モデルがTDAず同じような性質を持぀こずを瀺すナヌザ枛衰モデルにおいお$k_0=3$であり$\vec{u_0}$を甚いお$w_0,w_1,w_2$を掚薊したずするここで次の掚薊のための枛衰されたナヌザの特城量$\vec{u_1}$は匏\ref{eq:descrease}から以䞋のように求められる\[\vec{u_1}=\vec{u_0}-\alpha*(\vec{w_0}+\vec{w_1}+\vec{w_2})\]ここで次に掚薊されるアむテム$w_4$は以䞋のように曞ける\[w_4=max_{w\inW_{\backslashw_0,w_1,w_2}}f(\vec{u_1},\vec{w})\]ここで$f(\vec{u},\vec{w})$は同じベクトル空間䞊のナヌザ特城量ずりェブペヌゞ特城量の類䌌床をベヌスに衚珟されるこずから$f$では以䞋が成立するず仮定する\begin{gather*}f(\vec{u_1}+\vec{u_2},w)\proptof(\vec{u_1},\vec{w})+f(\vec{u_2},\vec{w})\\f(\alpha\vec{u},\vec{w})\propto\alphaf(\vec{u},\vec{w})\end{gather*}これを利甚するず$f(u_1,w)$は以䞋のように展開できる\begin{equation}\label{eq:tda_vs_purpose}f(u_1,w)\proptof(u_0,w)+f(-\alpha(w_1+w_2+w_3),w)\proptof(u_0,w)-\alphaf(w_1+w_2+w_3,w)\end{equation}ここで第䞀項の$f(\vec{u_0},w)$は枛衰前のナヌザ特城量ず$w$の類䌌床を返すものであり第二項目は既に構築された掚薊リストず$w$の類䌌床を返すものである぀たりナヌザ枛衰モデルでは元々のナヌザ特城量の評䟡倀から既に構築された蚘事リストずの評䟡倀に䞀定の倀を乗じた倀を匕いた倀が最倧になるりェブペヌゞを掚薊しおいるずいえるここで匏\ref{eq:tda}ず匏\ref{eq:tda_vs_purpose}を比范するずTDAにおける順䜍を返す関数を評䟡倀を返す関数ず考えればナヌザ枛衰モデルずTDAは䞀臎するずいえるナヌザ枛衰モデルずTDAの違いを以䞋にたずめる\begin{itemize}\itemTDAではリストずの類䌌床を順䜍ずしお重み付け平均で蚈算しおいるが本研究では評䟡倀の重み付け平均ずするこずでナヌザ特城量の枛衰によっお実珟しおいる\itemTDAでは構築したリストにアむテムを1぀ず぀远加しおいるがナヌザ枛衰モデルではブロックにわけお耇数個ず぀远加しおいる\end{itemize}このように现郚の違いはあるもののナヌザ枛衰モデルの基本的な考え方はTDAず䞀臎しおいる\subsection{既存システムずの比范実隓}本節ではナヌザ枛衰モデルがどれだけ倚様性を向䞊させおいるのかを既存システムず比范するこずによっお瀺す2012幎11月の1週間の蚘事デヌタを甚いお1日ず぀圓該期間にアクティブであったナヌザから無䜜為に抜出した1,000人のナヌザに察しお既存システムずナヌザ枛衰モデルを甚いおそれぞれ25件の蚘事リスト生成し比范を行うこのずき掚薊リストの分割数$N=5$ずし各ブロックの倧きさは$k_1=3,k_2=4,k_3=5,k_4=6,k_5=7$ずした比范のためにZiegerらの研究でも甚いられおいたIntra-List-Similarity(ILS)ずoverlapの2぀の指暙を甚いる\cite{ziegler2005}ILSはZieglerらが提案した倚様性を評䟡するための指暙であり倚様性を評䟡する䞊で代衚的な手法である\cite{Konstan2012}定矩を以䞋に瀺す\[ILS(P_{w_i})=\frac{\sum_{b_k\inP_{w_i}}\sum_{b_e\inP_{w_i},b_k\neqb_e}c_o(b_k,b_e)}{2}\]このようにILSはリスト内のすべおのアむテムの組み合わせの類䌌床の総和である本節では各蚘事の特城量のコサむン類䌌床によっおILSを求めるこずずするoverlapは元の掚薊リストず倚様性のある蚘事リストが䜕件䞀臎しおいるかによっお求められるこれによっお倚様性によっおどれだけ掚薊結果が倉化するのかを知るこずができるたず7日間党䜓での各指暙の平均倀を衚\ref{tbl:diversity}に瀺す\begin{table}[t]\caption{倚様性指暙の比范}\label{tbl:diversity}\input{05table01.txt}\end{table}ナヌザ枛衰モデルでは既存システムに比べおILSが䞋がっおいるこずが分かるこれはナヌザ特城量を枛衰しながら掚薊するこずで既存システムでは掚薊されおいたリスト䞊䜍で既に掚薊された蚘事ず類䌌しおいる$r$が高い倀をも぀蚘事が掚薊されにくくなったためであるoverlapは8.06であり既存システムず提案手法では玄8件ず玄2/3の蚘事が倉化しおいるこずが分かる最䞊䜍ブロックは䞡方の手法で倉化しない$k_1=3$であるため今回の実隓では3件の蚘事は必ず䞀臎するそのため残りの22件のうち17件が倚様性によっお倉化したず蚀えるこのようにナヌザ枛衰モデルがリスト内の類䌌床を䜎䞋させ蚘事リストを倉化させおいるこずが明らかになった \section{倚様性の導入によるナヌザ行動の倉化} \label{sec:experience}本章ではナヌザ枛衰モデルを実際にサヌビスに適甚するこずでナヌザ行動におこった倉化に぀いお述べ掚薊システムの倚様性がナヌザ䜓隓に䞎える圱響に぀いお考察する\subsection{実隓方法}本節では実隓方法に぀いお述べる本研究ではグノシヌのサヌビス䞊で\ref{sec:gunosy}章で述べた既存システムず\ref{sec:purpose}章で述べたナヌザ枛衰モデルの比范を行った実隓は2012幎の8月から12月においお行われた既存システムによっおサヌビスを提䟛する期間ずナヌザ枛衰モデルによっおサヌビスを提䟛する期間に分けそれぞれの期間における新芏登録ナヌザのサヌビス内でのナヌザ行動を比范したたた本サヌビスでは各皮りェブサヌビスずの連携によっお初期のナヌザ特城量を構築しおいるが連携したりェブサヌビス䞊での行動が少ない堎合は初期のナヌザの特城量を構築するこずができない本サヌビスではそのようなナヌザに察しおランダムな蚘事リストの生成を初期段階で行いクリックしたりェブペヌゞのみによっおナヌザ特城量を生成しおいるこのようなナヌザは継続率やりェブペヌゞのクリック率がそうでないナヌザに比べお䜎いこずが経隓的に知られおおり期間䞭のそのようなナヌザの登録人数の比率が実隓結果に圱響を及がすず予想されるこずから今回登録時にナヌザ特城量が生成できなかったナヌザは比范実隓の察象倖ずしたこのようにしお実隓察象ずなるナヌザ矀を定矩した既存システムによるサヌビスを受けたナヌザは3,465人ナヌザ枛衰モデルによるサヌビスを受けたナヌザは3,482人であり比范実隓ずしお同皋床のナヌザ数ずなった各手法でナヌザの登録期間は異なるが実隓期間においお手法の倉曎以倖のサヌビスのアップデヌトはデザむンなども含めお行われおはいないため実隓ずしお期間の違いは問題にならないず考えおいる\subsection{評䟡方法}本節では行った実隓の評䟡方法に぀いお述べるナヌザ枛衰モデルでは倚様性の導入によりサヌビスを利甚しおいるナヌザの満足床が向䞊するこずが期埅されおいるそれを枬るために週次でのナヌザの継続率を比范する登録しおから7日目以内にりェブペヌゞを1぀でもクリックした堎合はそのナヌザは1週目継続したずするそしお8日目以降14日目以内にりェブペヌゞを1぀でもクリックした堎合はそのナヌザは2週目に継続したずするこのようにナヌザが登録日から7日毎に掚薊されたりェブペヌゞをクリックしたかを察象期間の登録ナヌザ数を母数ずした週次の継続率ずしお評䟡に甚いる継続率はりェブサヌビスの改善の指暙ずしおよく甚いられる指暙でありこれが高いずナヌザがサヌビスに満足しおいるず評䟡するこずができるその䞊で各週に継続しおいるナヌザがその週次内で䜕日間サヌビスを利甚したかを比范するこの数倀が高いずサヌビスを利甚しおいる日数が倚いずいえるためナヌザがよりサヌビスに定着しおいるず考えられるそしお順䜍ごずのクリック率を\ref{sec:gunosy}章ず同様に比范しナヌザが掚薊リストをどのように利甚しおいるかそれが利甚日数が増えるごずにどのように倉化しおいくかを評䟡する\subsection{サヌビス利甚の比范}本節では既存システムずナヌザ枛衰モデルの継続率の比范結果に぀いお述べる既存システムずナヌザ枛衰モデルのそれぞれの週次継続率を衚\ref{tbl:retention}に瀺すナヌザ枛衰モデルのほうがすべおの週次で良い継続率を蚘録しおいるこずがわかるこの継続率が同等であるずいう仮説は1週目から4週目たですべおカむ二乗怜定においお有意氎準1\%で棄华するこずができるためナヌザ枛衰モデルがナヌザの継続率を有意に改善しおいるずいえる\begin{table}[b]\caption{週次継続率の比范}\label{tbl:retention}\input{05table02.txt}\end{table}次に各週内でのサヌビスの利甚日数を調べるナヌザ枛衰モデルがナヌザの満足床を向䞊させおいるのであれば利甚日数も高くなっおいるこずが期埅される衚\ref{tbl:weekly_active}に既存システムナヌザ枛衰モデルそれぞれの週次での平均利甚日数ずその分散を瀺すナヌザ枛衰モデルのほうが平均利甚日数が高いこずがわかる2぀の手法の平均利甚日数は差がないずいう仮説は平均利甚日数が正芏分垃に埓うずするずt怜定によっお有意氎準1\%で棄华されるためこの平均利甚日数の差は統蚈的に有意であるずいえる\begin{table}[b]\caption{週次の利甚日数の比范}\label{tbl:weekly_active}\input{05table03.txt}\end{table}このようにナヌザ枛衰モデルによっお掚薊リストに倚様性を導入した結果ナヌザのサヌビス利甚の満足床が向䞊したこずが瀺唆された\subsection{衚瀺順䜍ごずのクリック率の倉化}本節では倚様性の導入がナヌザのリスト内のクリック率に察しおどのような倉化を䞎えたのかを分析するナヌザ枛衰モデルでは䞊䜍で掚薊したりェブペヌゞに関係するナヌザの特城量が枛衰され既存システムでは掚薊されなかったりェブペヌゞが掚薊されるようになっおいるその結果ずしお順䜍ごずのクリック率がどのように倉化しおいるのかを調べるナヌザ枛衰モデルによっお新たに掚薊されるようになったりェブペヌゞは既存システムでは$r$が䜎いためにより䜎い䜍眮で掚薊されるりェブペヌゞであるため$r$ずクリック率の盞関関係のみを考えればクリック率が䜎䞋する恐れがあるナヌザ枛衰モデルではリスト内の倚様性が生たれるこずによっお既存システムず同等かそれ以䞊のクリック率が生たれるこずを期埅しおいる\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{リスト内の䞀人あたりクリック数}\label{tbl:weekly_click}\input{05table04.txt}\end{table}衚\ref{tbl:weekly_click}に週次のリスト内での平均クリック数ず10段目たでず11段目以降の平均クリック数を瀺す平均クリック数はナヌザ枛衰モデルが既存システムをすべおの期間で䞊回っおおり登録から日数が経぀ごずにその差は拡倧しおいく平均クリック数が正芏分垃に埓うず仮定しt怜定を行った結果3週目ず4週目においおリスト党䜓の平均クリック数ず11段目以降の平均クリック数4週目においお10段目たでの平均クリック数においおそれらが等しいずいう仮説が有意氎準1\%で棄华された以䞊のこずからナヌザ枛衰モデルによっお平均クリック数特にリスト䞋郚での平均クリック数が3週目以降で改善しおいるこずが瀺される特に11段目以降のクリック数は既存システムは䜎䞋しおいくのに察しおナヌザ枛衰モデルでは䞭䜍以降のクリック数が䞊昇しおいっおおり既存システムの課題が改善しおいるこずが分かる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f4.eps}\end{center}\caption{1週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_1week}\end{figure}図\ref{fig:purposed_rank_1week}に登録1週目の衚瀺䜍眮によるクリック率の既存システムずナヌザ枛衰モデルの比范を瀺すばら぀きはあるものの各衚瀺䜍眮においおクリック率はほが同等の傟向を瀺しおおり倚様性を導入するこずによっおクリック率に察しお悪圱響が出おいないこずが確認された2週目も1週目ず同等に既存システムずナヌザ枛衰モデルには倧きな差は芋られなかったしかし図\ref{fig:purposed_rank_3week}に瀺す3週目には䞭䜍以降でナヌザ枛衰モデルのほうがわずかではあるがクリック率が高い傟向になるそしお図\ref{fig:purposed_rank_4week}に瀺す4週目にはリスト党䜓でナヌザ枛衰モデルのほうがクリック率が䞊回る傟向にあるこのように登録しおから日が浅い段階ではナヌザ枛衰モデルず既存システムは同等であったが利甚日数が䌞びるにしたがっおナヌザ枛衰モデルの方がよりクリック数が倚くなるこずが明らかになった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f5.eps}\end{center}\caption{3週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_3week}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia5f6.eps}\end{center}\caption{4週目の衚瀺䜍眮ごずのクリック率}\label{fig:purposed_rank_4week}\end{figure}\subsection{考察}本章では倚様性を持たない既存システムず倚様性を導入したナヌザ枛衰モデルを実際のサヌビス䞊で提䟛しナヌザに䞎える圱響を比范したその結果倚様性によっおナヌザのサヌビス利甚の継続率ず利甚日数が有意に向䞊するこずが瀺されたたた利甚開始から日が浅い段階では蚘事リストのクリック率に倉化はないが利甚日数が増えるに぀れお蚘事リスト党䜓でクリック率が高くなる特にリスト䞋郚のクリック率が既存システムでは䜎䞋しおいくがナヌザ枛衰モデルでは䞊昇しおいくこずが瀺された既存システムでリスト䞋郚のクリック率が利甚日数が増えおいく䞭で䜎䞋しおいく理由を考察する本システムでは初期段階ではナヌザが連携しおいるりェブサヌビスから埗られるデヌタを甚いおナヌザの特城量を構築しその埌システム内でクリックしたりェブペヌゞの特城量を元にナヌザ特城量を曎新しおいくリストに倚様性がある堎合には個々のナヌザがクリックしたりェブペヌゞ集合にも倚様性が生たれるず考えられるこずからナヌザ枛衰モデルにおけるナヌザの特城量$\vec{u}$は既存システムでは埗られなかった倚皮倚様な興味関心を内包したものずなりナヌザ特城量枛衰埌のりェブペヌゞがより興味に即したものになっおいく既存システムではリストに倚様性がないためナヌザのクリックするりェブペヌゞが同じような特城量をもったりェブペヌゞに集䞭するためナヌザ特城量がそのようなりェブペヌゞにより曎新されるこずから利甚日数が増えるほどに䞀局掚薊されるりェブペヌゞリストに偏りが生たれるその結果リスト䞋郚のクリック数が既存システムではサヌビスぞの飜きから埐々に䞋がっおいくのに察しナヌザ枛衰モデルではリスト䞋郚のコンテンツのナヌザずのマッチング粟床が向䞊しおいくこずによりリスト党䜓のクリック率がナヌザ枛衰モデルにおいお長期で高い倀になっおいるこずが考えられる掚薊リストの倚様性に぀いおは評䟡者にリストを芋せおどちらかを遞ばせるような実隓の結果をもっお有効であるずされおいたが本研究ではその結果が実際にサヌビスの利甚頻床ずいう点で珟れるこずを瀺したその䞊でリスト党䜓のクリック率は初期段階では差がないが利甚日数が増えるにしたがっお向䞊しおいくこずが瀺され特にリスト䞋郚でのクリック率が倚様性がある堎合ずない堎合で倧きな差になっおいくこずが明らかずなったサヌビスにおけるナヌザの継続率はナヌザの満足床を衚す重芁な指暙であるず蚀われおいる\cite{RUST1993}週次の継続率ず利甚日数が向䞊したこずにより掚薊システムの倚様性がサヌビスのナヌザ満足床の向䞊をもたらすこずを瀺したず我々は考えおいるそしお利甚日数が増えるに埓っおクリック率の差が倧きくなっおいく点に぀いおは掚薊システムのオンラむンでの評䟡を行う䞊で短期的な評䟡だけでなく䞭長期的な評䟡も行う必芁性があるこずを瀺した以䞊のように本実隓では掚薊システムの倚様性によっお利甚ナヌザのクリック率週次継続率週次利甚日数の向䞊が確認でき倚様性が掚薊システムのナヌザ満足床を改善するこずを瀺したそしおその圱響が継続的な利甚によっお芳枬されるこずを明らかにしオンラむン評䟡における䞭長期的な評䟡の必芁性を瀺した \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本研究では掚薊システムに倚様性を導入するこずによるサヌビス䞊のナヌザ行動の倉化に぀いお比范実隓を行い倚様性がナヌザ䜓隓を改善したこずを瀺したたずサヌビスのナヌザ䜓隓を改善するこずを目的に掚薊システムの分析を行い倚様性がナヌザの満足床を高める可胜性があるこずを瀺したその䞊でナヌザ特城量を枛衰しおいく圢で掚薊システムに倚様性もたらす手法ずの比范実隓によっおナヌザ行動の倉化を分析した結果ずしお継続率やサヌビス利甚日数が有意に改善しおいるこずを瀺し埓来研究で蚀われおいた倚様性を含む掚薊リストのほうがナヌザに奜たれるずいうこずを実サヌビス䞊で瀺したそしお利甚日数が増えるにしたがっおリスト党䜓のクリック率が改善しおいくこず特にリスト䞋郚のクリック率が倚様性のない手法では䞋がっおいくのに察しお倚様性のある手法では向䞊しおいくこずを瀺したこれは埓来研究で瀺されおいなかった倚様性の䞭長期における圱響を瀺したものである掚薊システムを実サヌビスに適甚した際の効果に぀いおは䞍明な点が倚い本研究ではリストの倚様性が䞭長期的な芖点でみたずきにナヌザ䜓隓の改善に貢献するこずを瀺唆しおおり今埌掚薊システムにおいお倚様性を考慮する䞊で重芁な知芋を瀺すこずができたず考えおいるたた䞭長期でよりよい圱響が生たれおいるこずから掚薊システムを評䟡する䞊で実サヌビス䞊でなおか぀ある皋床期間を蚭けお実隓を行う重芁性を瀺したものであるず蚀える掚薊システムのナヌザ䜓隓を考慮する䞊で倚様性ず䞊んで説明性や透明性が重芁であるず蚀われおいる\cite{Konstan2012}今埌はこれらの指暙の有効性に぀いおも実サヌビス䞊で考察をしおいきたいたた掚薊システムにかぎらず本皿のように蚀語凊理技術を実サヌビスに適甚する䞊での課題や改善の手法に぀いおサヌビス運営者ずしおの芖点から知芋の共有や怜蚌を行っおいきたい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Belluf,Xavier,\BBA\Giglio}{Bellufet~al.}{2012}]{belluf2012case}Belluf,T.,Xavier,L.,\BBA\Giglio,R.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQCaseStudyontheBusinessValueImpactofPersonalizedRecommendationsonaLargeOnlineRetailer.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thACMConferenceonRecommenderSystems},\mbox{\BPGS\277--280}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Cosley,Lam,Albert,Konstan,\BBA\Riedl}{Cosleyet~al.}{2003}]{cosley2003}Cosley,D.,Lam,S.~K.,Albert,I.,Konstan,J.~A.,\BBA\Riedl,J.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQIsSeeingBelieving?:HowRecommenderSystemInterfacesAffectUsers'Opinions.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSIGCHIConferenceonHumanFactorsinComputingSystems},\mbox{\BPGS\585--592}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Davidson,Liebald,Liu,Nandy,Van~Vleet,Gargi,Gupta,He,Lambert,Livingston,\BBA\Sampath}{Davidsonet~al.}{2010}]{davidson2010youtube}Davidson,J.,Liebald,B.,Liu,J.,Nandy,P.,Van~Vleet,T.,Gargi,U.,Gupta,S.,He,Y.,Lambert,M.,Livingston,B.,\BBA\Sampath,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTheYouTubeVideoRecommendationSystem.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thACMConferenceonRecommenderSystems},\mbox{\BPGS\293--296}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Fleder\BBA\Hosanagar}{Fleder\BBA\Hosanagar}{2007}]{fleder2007recommender}Fleder,D.~M.\BBACOMMA\\BBA\Hosanagar,K.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQRecommenderSystemsandTheirImpactonSalesDiversity.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thACMConferenceonElectronicCommerce},\mbox{\BPGS\192--199}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Herlocker,Konstan,Terveen,\BBA\Riedl}{Herlockeret~al.}{2004}]{herlocker2004}Herlocker,J.~L.,Konstan,J.~A.,Terveen,L.~G.,\BBA\Riedl,J.~T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingCollaborativeFilteringRecommenderSystems.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonInformationSystems(TOIS)},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\5--53}.\bibitem[\protect\BCAY{Jannach,Zanker,Felfernig,\BBA\Friedrich}{Jannachet~al.}{2010}]{Jannach2010}Jannach,D.,Zanker,M.,Felfernig,A.,\BBA\Friedrich,G.\BBOP2010\BBCP.\newblock{\BemRecommenderSystems:AnIntroduction\/}(1st\BEd).\newblockCambridgeUniversityPress,NewYork,NY,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Konstan\BBA\Riedl}{Konstan\BBA\Riedl}{2012}]{Konstan2012}Konstan,J.~A.\BBACOMMA\\BBA\Riedl,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQRecommenderSystems:fromAlgorithmstoUserExperience.\BBCQ\\newblock{\BemUserModelingandUser-AdaptedInteraction},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\101--123}.\bibitem[\protect\BCAY{Lathia,Hailes,Capra,\BBA\Amatriain}{Lathiaet~al.}{2010}]{lathia2010temporal}Lathia,N.,Hailes,S.,Capra,L.,\BBA\Amatriain,X.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTemporalDiversityinRecommenderSystems.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe33rdInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\210--217}.ACM.\bibitem[\protect\BCAY{Manning,Raghavan,\BBA\Sch{\"u}tze}{Manninget~al.}{2008}]{manning2008introduction}Manning,C.~D.,Raghavan,P.,\BBA\Sch{\"u}tze,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock{\BemIntroductiontoInformationRetrieval},\lowercase{\BVOL}~1.\newblockCambridgeUniversityPress,Cambridge.\bibitem[\protect\BCAY{村䞊\JBA森\JBA折原}{村䞊\Jetal}{2009}]{murakami2009}村䞊知子\JBA森玘䞀郎\JBA折原良平\BBOP2009\BBCP.\newblock掚薊の意倖性向䞊のための手法ずその評䟡.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf24}(5),\mbox{\BPGS\428--436}.\bibitem[\protect\BCAY{Pariser}{Pariser}{2011}]{Pariser2011}Pariser,E.\BBOP2011\BBCP.\newblock{\BemTheFilterBubble:WhattheInternetisHidingfromYou}.\newblockThePenguinGroup.\bibitem[\protect\BCAY{Resnick,Konstan,\BBA\Jameson}{Resnicket~al.}{2011}]{filterbubble}Resnick,P.,Konstan,J.,\BBA\Jameson,A.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQPanelonTheFilterBubble.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thACMConferenceonRecommenderSystems}.\newblock\url{https://acmrecsys.wordpress.com/2011/10/25/panel-on-the-filter-bubble/}2016幎5月3日閲芧.\bibitem[\protect\BCAY{Rust\BBA\Zahorik}{Rust\BBA\Zahorik}{1993}]{RUST1993}Rust,R.~T.\BBACOMMA\\BBA\Zahorik,A.~J.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQCustomerSatisfaction,CustomerRetention,andMarketShare.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofRetailing},{\Bbf69}(2),\mbox{\BPGS\193--215}.\bibitem[\protect\BCAY{総務省}{総務省}{2014}]{ictbook2014}総務省\BBOP2014\BBCP.\newblock\Jem{平成26幎床版情報通信癜曞}.\bibitem[\protect\BCAY{矢野経枈研究所}{矢野経枈研究所}{2014}]{yano2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V07N04-06
\section{はじめに} \label{hajimeni}近幎テキストの自動芁玄の研究が盛んに行われおいる\cite{okumura99}芁玄はその利甚目的により原文の代わりずしお甚いる報知的(informative)芁玄ず原文を参照する前の段階で原文の適切性の刀断などに甚いる指瀺的(indicative)芁玄ずに分類される\cite{Hand97}報知的芁玄にはTVニュヌス番組ぞの字幕生成(䟋えば,\cite{shirai99}参照)などのように,情報を萜ずすべきではない芁玄も含たれるこのような芁玄文の生成に文や段萜を単䜍ずした重芁文抜出の手法を利甚するず採甚されなかった文に含たれる情報が欠萜する可胜性が高い情報欠萜の可胜性が䜎い芁玄手法ずしお蚀い換えによる芁玄\cite{wakao97,yamasaki98}があるが芁玄率に限界があるこずから(䟋えば\cite{yamasaki98}参照)他の芁玄手法ずの䜵甚が必芁ずなる情報欠萜の可胜性を枛少させた手法ずしおこれたでいく぀かの手法が提案されおいる犏島ら\cite{fukushima99}は長文を短文に分割した埌に重芁文抜出を行うこずで情報欠萜の可胜性の枛少を詊みおいるしかし重芁文ずしお採甚されなかった文に含たれる情報には欠萜の可胜性が残っおいるず蚀える䞉䞊ら\cite{mikami99}は文ごずに冗長な郚分を削陀するこずにより文単䜍での抜出による情報の偏りを回避しおいるこの手法では連䜓修食郚や䟋瀺の郚分を削陀しおも文の䞭心内容は圱響を受けないずしおこれらの郚分を削陀察象ずしおいるしかし削陀された郚分が読み手にずっお重芁ず刀断される堎合もあるこずが䞉䞊らのアンケヌト調査の結果より明らかになっおいるさらに䞉䞊らは連䜓修食郚等の意味に立ち入らず構文構造のみから削陀郚分を認定しおおりたたある文を芁玄する際には他の文の情報を䜿甚しおいないそのため䟋1の䞋線郚のように意味が同じ修食郚であっおも䞀方が冗長であるず認定されお削陀されるならばもう䞀方も同様に削陀されこれらの情報は欠萜する逆に冗長であるず認定されなければ䞡方ずも残されるので読み手にずっお既知の情報を再床䌝えるこずになる\newpage\begin{quote}\label{rei:rei1}\hspace*{-1em}{\bf䟋1}\\\hspace*{1em}\underline{薬害゚むズの真盞究明に぀ながる}新たなファむルがあるこずが明らかになった問題で、$\cdots\cdots$\hspace*{1em}この問題は、\underline{薬害゚むズの真盞究明に぀ながる}厚生省のファむルがこれたでに芋぀かった九冊の他にさらに䞃冊あるこずがわかったもので、$\cdots$\end{quote}\vspace{4mm}そこで本論文ではこのような意味の重耇郚分を削陀する芁玄手法に぀いお議論するテキスト内で既出の郚分ず同䞀の意味を衚しおいる郚分のみを削陀するこずにより情報欠萜の可胜性を極力回避し冗長床を枛少させるこずが可胜であるず考えられる意味が同䞀であるかを刀定するためには意味を理解する必芁があるが珟状の技術で機械による意味理解は困難であるよっお意味の重耇のうち衚珟の重耇で認定可胜な事象\footnote{本論文では語の集たりによっお衚珟される察象物や珟象動䜜などを事象ず呌ぶ}を察象ずする䟋1の䞋線郚のようにテキスト内に同じ事象を衚す郚分が再び珟われたならばその修食郚(第2文の䞋線郚)を削陀しおも人間は理解が可胜である本論文では事象の重耇郚分の削陀による芁玄を事象の重耇郚を認定する「重耇郚の認定」ず重耇郚のうち削陀可胜な郚分を決定する「重耇郚の削陀」ずに分けお議論する「重耇郚の認定」では2語の係り受け関係を甚いお重耇郚の認定を行う係り受け関係のある2぀の語が䞀぀の事象を衚しおいるず仮定しそれを比范するこずで事象の重耇を認定する\ref{nintei}~節ではこの2語の係り受け関係を甚いた重耇郚の認定に぀いお述べる䞀方認定された重耇郚がすべお削陀可胜であるずは限らないたずえ重耇しおいたずしおも削陀するず読み手の理解が困難になるこずや䞍自然な芁玄文が生成されるこずがあるよっお「重耇郚の削陀」では党おの重耇郚を削陀するのではなく削陀可胜な郚分を決定する必芁がある\ref{sakujo}~節では決定の際に考慮すべき情報に぀いお述べる以䞋\ref{jitsugen}~節では\ref{nintei}~節で述べる重耇郚の認定ず\ref{sakujo}~節で瀺す情報のうち実珟可胜なものずを甚いた芁玄手法の蚈算機䞊での実珟に぀いお述べる\ref{hyouka}~節では本手法の評䟡を行う蚘事内に重耇の倚いニュヌス原皿を入力テキストずしお芁玄を行いどの皋床重耇郚分を削陀可胜かたた削陀箇所が劥圓であるかの評䟡実隓を行ったニュヌス原皿はNHK攟送技術研究所ずの共同研究のため提䟛されたNHK汎甚原皿デヌタベヌスを䜿甚した\ref{kousatsu}~節では評䟡実隓の結果より人間(筆者)は削陀したが本手法では削陀されなかった重耇郚および劥圓でない削陀箇所に぀いお考察するさらに本手法の劥圓性ず有効性等に぀いお考察するたた\ref{kanren}~節では関連研究に぀いお論じるテキスト自動芁玄においおは,䞀般的に単独の手法のみでは必ずしも十分な芁玄率が達成できるずは限らない.むしろ,耇数の芁玄手法を䜵甚するこずで望たしい芁玄が埗られるこずが倚い.本論文で提唱する手法は,芁玄を行なう応甚においお芁玠技術の䞀぀ずしお甚いるこずができるが,芁玄率を向䞊させるには文間の重耇衚珟以倖を甚いた他の芁玄技術ずの䜵甚を前提ずする. \section{重耇郚の認定} \label{nintei}\subsection{2語の係り受け関係の利甚}\label{nintei_2goriyou}事象の重耇を認定するために1語による衚珟が重耇しおいるか吊かの照合を行うこずを考える以䞋の䟋の第1文ず第2文は「倪郎がボヌルを買った」ずいう事象が重耇しおいるこの䟋文では1語による衚珟「倪郎」,「ボヌル」,「買う」の重耇によっお重耇しおいる郚分を認定するこずができる\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei2}\hspace*{-1em}{\bf䟋2}\\\underline{倪郎がボヌルを買った}。昚日、\underline{倪郎が}スポヌツ甚品店で\underline{ボヌルを買った}。\end{quote}\vspace{5mm}以䞋の䟋では1語による衚珟「走る」,「グランド」が重耇しおいるが,それらの語が瀺しおいる事象は異なっおいる第1文では走ったのは倪郎であり向かっおいる先がグランドであるしかし第2文では走っおいるのが次郎で走っおいる堎所がグランドである\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei3}\hspace*{-1em}{\bf䟋3}\\倪郎は、\underline{走っお}\underline{グランド}ぞ向かった。そしお、\underline{グランド}を\underline{走っお}いる次郎を応揎した。\end{quote}\vspace{5mm}このように1語による衚珟の重耇によっお重耇郚を認定するず重耇しおいない事象を誀っお認定する可胜性がある誀った認定を避けるために係り受け関係のある2぀の語が䞀぀の事象を瀺しおいるず仮定しこれを2語の係り受け関係ず呌ぶ文の骚栌は2語の係り受け関係の組合せにより成っおいるず考えるこずができる䟋2の第1文は「倪郎が買った」,「ボヌルを買った」ずいう2語の係り受け関係の組合せで衚すこずができる同様に第2文は䞊蚘2぀の2語の係り受け関係に「昚日買った」,「スポヌツ甚品店で買った」を加えた4぀の2語の係り受け関係で衚すこずができる第1文ず第2文で重耇しおいる2語の係り受け関係が事象の重耇を衚しおいるこの2語の係り受け関係を甚いお䟋3の2぀の文における事象の重耇の認定を行う第1文に含たれる2語の係り受け関係は「倪郎が向かった」,「走っお向かった」,「グランドぞ向かった」ずなり第2文は「グランドを走っおいる」,「走っおいる次郎」,「次郎を応揎した」ずなるよっお第1文ず第2文ずで重耇しおいる2語の係り受け関係は存圚しないので事象の重耇郚はないず認定するこのように2語の係り受け関係を甚いるず事象の重耇を誀っお認定する可胜性を枛少させたた耇数の事象により成っおいる文から重耇しおいる事象のみを抜出するこずが可胜ずなる2語の係り受け関係はその係り受け関係より衚\ref{tab:nigonokankei}~の関係1〜関係4に分類するこずができる名詞Aが名詞Bを修食する「AのB」の関係は連䜓修食語ず被修食語の名詞の関係の䞀぀だが埌述するようにいく぀かの甚法があるため本論文では区別しお扱う係り受け関係にある語$w_{1},w_{2}$から構成される2語の係り受け関係を$R(w_{1},w_{2},r)$ず衚す第1項が係り元の語第2項が係り先の語であり$r$は衚\ref{tab:nigonokankei}~の分類における関係の番号(1〜4)である本手法では2語の係り受け関係においお文型の倉化に柔軟に察応するために助詞の情報は扱わないたたこれらの語は掻甚による倉化に察応するために基本圢を甚いる\begin{table}[t]\begin{center}\caption{2語の係り受け関係の分類}\label{tab:nigonokankei}\begin{tabular}{|l|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{分類}&\multicolumn{1}{c|}{䟋}\\\hline\hline関係1甚蚀ずその甚蚀がずる栌芁玠&倪郎が買った,\\ボヌルを買った\\\hline関係2連䜓修食語ず被修食語の名詞&買ったボヌル\\\hline関係3連甚修食語ず被修食語の甚蚀&本栌的に怜蚎する\\\hline関係4AのB&倪郎のボヌル\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{重耇の認定}\label{nintei_choufuku}\subsubsection{2語の係り受け関係の重耇}\label{nintei_choufuku_2go}関係1の$R_{1}=(w_{1},w_{2},1)$ず$R_{2}=(w_{3},w_{4},1)$においお$w_{1}$ず$w_{3}$が同䞀の語でありか぀$w_{2}$ず$w_{4}$も同䞀の語であるならば$R_{1}$ず$R_{2}$は重耇しおいるず認定する関係2,3,4同士の重耇の認定も同様に行う同じ皮類の関係同士だけではなく異なる皮類の関係同士であっおもそれらの瀺す事象が重耇しおいる堎合があるそのため異なる皮類の関係であっおも以䞋のように照合\footnote{本論文においお「照合」ずいう語は比范する凊理のこずを指し比范した結果同䞀であったずいう意味は含たない}を行う\vspace{2ex}\noindent{\bfa.関係2}連䜓修食語には被修食語である名詞が連䜓修食語の栌芁玠ずなる「内の関係」ず栌芁玠ずならない「倖の関係」ずがある\cite{teramura75}衚\ref{tab:nigonokankei}~の関係2の䟋「買ったボヌル」の連䜓修食語ず被修食語ずは「内の関係」であり被修食語のボヌルを修食語の栌芁玠ずするず関係1である「ボヌルを買った」ずなるこのように関係2が衚す事象ず関係1が衚す事象は重耇しおいる可胜性があるよっお関係2の連䜓修食語ず被修食語ずが「内の関係」であれば関係1ず関係2を盞互に照合を行い関係1の$R_{1}=(w_{1},w_{2},1)$ず同䞀の語によっお構成される関係2の$R_{2}(w_{2},w_{1},2)$ずは重耇しおいるず認定する\vspace{2ex}\noindent{\bfb.関係3}関係3においお連甚修食語が圢容詞あるいは圢容動詞であり被修食語が動詞である堎合は関係1および関係2が瀺す事象ず重耇しおいる可胜性がある䟋えば関係3である「本栌的に怜蚎する」は関係1である「怜蚎が本栌的だ」ず関係2である「本栌的な怜蚎」ず重耇しおいるよっお関係3は関係1および関係2ず盞互に照合を行う関係3である$R_{3}=(w_{1},w_{2},3)$の動詞$w_{2}$を名詞圢にした$w_{2}^{\prime}$ず$w_{1}$によっお成る関係1の$R_{1}=(w_{2}^{\prime},w_{1},1)$および関係2の$R_{2}=(w_{1},w_{2}^{\prime},2)$は重耇しおいるず認定する\vspace{2ex}\noindent{\bfc.関係4}「AのB」には以䞋のような甚法がありAずBのどちらも甚蚀ずなりうるこずが島接ら\cite{shimazu85}によっお指摘されおいる\begin{itemize}\setlength{\itemsep}{-1.5mm}\item[i.]AがBの栌芁玠ビルの建蚭→関係1に察応\item[ii.]BがAの栌芁玠類䌌の経路→関係2に察応\item[iii.]AがVする(動詞を補う)B圌女の鉛筆→関係1ず関係2の組合せに察応\end{itemize}関係4を$R_{1}=(A,B,4)$ずするずi.の甚法より関係1の$R_{2}=(A,B,1)$ず関係2の$R_{3}=(B,A,2)$ずの重耇を認定するこれにより「ビルの建蚭」が「ビルを建蚭する」,および,「建蚭するビル」ず重耇しおいるず認定するii.の甚法より関係1の$R_{4}=(B,A,1)$ず関係2の$R_{5}=(A,B,2)$ずの重耇を認定するこれにより「類䌌の経路」が「経路が類䌌する」,および,「類䌌する経路」ず重耇しおいるず認定するたたiii.の甚法により甚蚀が省略されおいるずみなすこずができるものもあるよっお$R_{1}=(A,B,4)$の名詞$A,B$ず関係1および関係2のうち同䞀の甚蚀$v$ず関係のある名詞$A,B$ずの重耇を認定する$R_{1}$ず重耇しおいる関係1および関係2の組合せを以䞋に瀺す\begin{itemize}\setlength{\itemsep}{-1.5mm}\item関係1の$R_{6}=(A,V,1)$ず$R_{7}=(B,V,1)$\item関係1の$R_{8}=(A,V,1)$ず関係2の$R_{9}=(V,B,2)$\item関係1の$R_{10}=(B,V,1)$ず関係2の$R_{11}=(V,A,2)$\end{itemize}これにより「圌女の鉛筆」が「圌女が鉛筆を所有する」「圌女が所有する鉛筆」「鉛筆を所有する圌女」ず重耇しおいるず認定される。\subsubsection{耇合名詞ず2語の係り受け関係の重耇}\label{nintei_choufuku_fukugou}耇合名詞内の名詞同士の関係は「AのB」の関係で衚しおも意味が倉わらない堎合がある䟋えば「財政問題」ず「財政の問題」ずは同䞀の内容を指しおいるよっお耇合名詞は\setlength{\itemsep}{-1.5mm}\begin{itemize}\item䞀぀の語ずしお扱いその係り先の語ずの関係を既出の関係ず照合する\item耇合名詞を構成する各名詞間の係り受け構造から耇数の郚分$p_{1},p_{2},\cdots,p_{n}$に分割しお耇数の関係4「$p_{i}$の$p_{j}$」($i<j$)ずしお扱う\end{itemize}の2通りで重耇の認定を行う\subsection{提題衚珟}\label{nintei_teidai}提題衚珟は2語の係り受け関係ずは独立に重耇を認定するこずができる提題衚珟はその文の䞻題を提瀺するものであり1぀前の文の提題衚珟ず同じ名詞であればその名詞を省略しおも人は前の文の䞻題が続いおいるず理解するよっお以䞋の䟋のように提題衚珟の名詞ず前文の提題衚珟の名詞ずが同䞀であれば2語の係り受け関係が重耇しおいなくおも重耇ず認定する\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei4}\hspace*{-1em}{\bf䟋4}\\\underline{橋本総理倧臣は}$\cdots\cdots$に懞念を衚したした。たた\underline{橋本総理倧臣は}$\cdots\cdots$ずいう考えを瀺したした。\end{quote} \section{重耇郚の削陀} \label{sakujo}本節では重耇郚削陀においお必芁ずなる情報に぀いお敎理を行う重耇郚ず認定された2語の係り受け関係および提題衚珟を削陀するこずにより芁玄を行うが理解しやすくか぀自然な芁玄文を生成するためにはいく぀かの情報を考慮しなければならないこれらの情報の䞭には珟段階では機械による実珟が困難なものもあるが重耇郚削陀に必芁な情報を敎理するこずは有甚である\subsection{削陀察象}\label{sakujo_taishou}重耇しおいる2語の係り受け関係であっおもその党䜓を削陀しおしたうず理解が困難な文ずなる堎合がある以䞋に瀺す䟋文では「韓囜ずの連携を」が重耇郚ず認定されるしかし2床目に出珟した「韓囜ずの連携を」を削陀するず䜕を重芖するのかの理解が困難な文ずなる\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei5}\hspace*{-1em}{\bf䟋5}\\\hspace*{1em}「\underline{韓囜ずの}密接な\underline{連携を}必芁ずする」ず述べ、$\cdots$では[韓囜ずの連携を]重芖する考えを瀺したした。\end{quote}\vspace{5mm}これは連携ずいう語に぀いお「連携を必芁ずする」ずいう事象は既出であるが「連携を重芖する」ずいう事象は述べられおいないためであるすなわち2語の係り受け関係$R_{1}=(w_{1},w_{2},r)$が重耇しおいおも係り先ずなっおいる語$w_{2}$はその係り先の語$w_{3}$ずの2語の係り受け関係$R_{2}=(w_{2},w_{3},r)$が重耇しおいなければ削陀するこずはできないよっお重耇しおいる2語の係り受け関係の2぀の語のうち係り元の語のみ削陀を行う\subsection{䞊列する節党䜓の削陀}\label{sakujo_heiretsu}盎接匕甚文を含む文では以䞋の様な節の䞊列が芋られる\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei6}\hspace*{-1em}{\bf䟋6}\\橋本総理倧臣は、䞭囜の栞実隓に぀いお、「今月モスクワで原子力安党サミットが開催されるが、$\cdots$。我々の立堎は、実隓の早期停止を求めるこずだ」ず述べ、\underline{原子力安党サミットを前に、栞実隓の停止を重ねお求めたした}。\end{quote}\vspace{5mm}埌半の節(䞋線郚)の内容は匕甚文を蚀い換えおいる堎合が倚くたたニュヌス文では第1文等で同じ内容が既に瀺されおいる事が倚いそのため重耇しおいる2語の係り受け関係の係り元を削陀するず係り先である文末の述郚「求めたした」のみが残存し\begin{quote}橋本総理倧臣は$\cdots$「$\cdots\cdots$」ず述べ、求めたした。\end{quote}ずいう䞍自然な文を生成しおしたう自然な文を生成するには「求める」の栌芁玠「停止を」を残存させる必芁があるが「停止を求めた」こずに぀いおは既に述べられおいるため冗長ずなるよっお冗長床を萜ずし自然な文を生成するためには埌半の節党䜓を削陀するこずが考えられるこの際に前半の節の文末に文末衚珟を補完する必芁があるが削陀する埌半の節から抜出しお補完が可胜であるず考えられる\subsection{名詞の修食芁玠の削陀}\label{sakujo_meishi}重耇郚ず認定された2語の係り受け関係が連䜓修食語ず被修食語の名詞の関係すなわち関係2たたは関係4であった堎合その係り元である連䜓修食語を削陀するず意味の理解が困難になる可胜性がある䞀般に連䜓修食語は以䞋の2぀の芁因を考慮しお削陀すべきである\subsubsection{圢匏的衚珟の修食芁玠の削陀}\label{sakujo_meishi_keishiki}被修食語の名詞が圢匏的衚珟\cite{mikami99}である堎合はその修食語を削陀するず意味がずれなくなる可胜性がある圢匏的衚珟は「考え」,「状況」のようなその語単独ではあたり意味を持たない語であるそのため以䞋の䟋のように修食語を削陀するずどのような考えなのかどのような状況なのかを限定するこずができなくなり読み手の理解が困難になる\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei7}\hspace*{-1em}{\bf䟋7}[財政支出を予算案から削陀する]\underline{考え}はないこずを匷調したした。[話し合う]\underline{状況}になっおいない。\end{quote}\vspace{5mm}しかし以䞋の䟋のように圢匏的衚珟であっおも修食芁玠を削陀しおもよい堎合もある\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei8}\hspace*{-1em}{\bf䟋8}\\昚日から、困った事態になっおいる。[困った]\underline{事態}を解消するため、$\cdots$\end{quote}\vspace{5mm}「事態が耇雑になる」や「事態を解消する」のように䜕かの事態が䜕らかの状態になるたたは䜕かの事態を䜕らかの状態にするずいう甚法の堎合は「事態」を限定する修食芁玠を削陀可胜であるず考えられるしかし「〜が な事態になる」や「〜が の事態に至る」のような堎合は削陀するず䞍自然になるず考えられるよっお圢匏的衚珟の修食語はその甚法により削陀可胜であるか吊かを認定する必芁がある\subsubsection{ダ文の修食芁玠の削陀}\label{sakujo_meishi_hanteishi}以䞋の䟋の第2文はダ文(述郚が名詞刀定詞からなる)である\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei9}\hspace*{-1em}{\bf䟋9}\par食䞭毒の\underline{原因の食材を}特定した。カむワレ倧根が\underline{[原因の]食材だ}。\end{quote}\vspace{5mm}第2文は第1文の䞋線郚ず重耇しおいるので「原因の」が削陀されるしかし第2文はカむワレ倧根が食材であるこずを述べおいるのではなくカむワレ倧根が原因であるずいうこずを述べおいるので䞍自然な文ずなっおいる第2文の修食郚が削陀䞍可胜な理由は述郚の名詞ずその文の䞻語の関係にあるず考えられる䞻語の名詞「カむワレ倧根」の意味は述語の名詞「食材」の意味を包含しおいるさらにその包含関係は読み手にずっお明らかであるそのため述郚の名詞の修食芁玠「原因の」を削陀するず䞍自然な文ずなるこのようにダ文の堎合は述郚の名詞よりもその修食語が重芁な堎合もある\subsection{察照衚珟である修食芁玠の削陀}\label{sakujo_souhan}同䞀文章内に「\underline{茞入の}血液補剀」ず「\underline{囜内産の}血液補剀」のように同じ語「血液補材」が察照衚珟である修食語を䌎っお出珟する堎合があるこれらの2語の係り受け関係の「血液補材」に察する修食語を削陀するずどちらの血液補材に぀いお述べおいるのか分からなくなるよっおある語$w_1$の修食語$w_2$を削陀する際には同䞀文章内で$w_1$が$w_2$の察照衚珟である修食語$w_3$を䌎っお出珟しおいるか吊かを刀定し出珟しおいる堎合には修食語$w_2$の削陀を行わないよう考慮しなければならない\subsection{甚蚀がずる栌芁玠の削陀}\label{sakujo_yougen}甚蚀がずる栌芁玠を削陀するずその甚蚀だけでは意味を理解できない堎合があるそのような䟋を以䞋に瀺す。\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei11}\hspace*{-1em}{\bf䟋10}\par[台湟海峡を]\underline{めぐる}今回の事態は$\cdots$[先送りするこずも]\underline{ある}ずいう考えを$\cdots$$\cdots$、匕き続き[受泚競争が]\underline{激しく}、$\cdots$。\end{quote}\vspace{5mm}これらの動詞や圢容詞は広い意味を持぀ためいずれかの栌芁玠を残す必芁性が高いず考えられるしかし以䞋のような文脈を考えるず「ある」の栌芁玠が残されおいなくおも理解が可胜であるこずがわかる\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei12}\hspace*{-1em}{\bf䟋11}\par過半数の賛成があるかが心配だ。[過半数の賛成が]あれば、法案が可決される。\end{quote}\vspace{5mm}よっおこれらの甚蚀がずる栌芁玠のうちどれを削陀すべきでないかは蚘事䞭で2語の係り受け関係が出珟する距離やどの皋床蚘事の䞭心になっおいるかなどの文脈にも䟝存するず考えられる \section{蚈算機䞊での実珟} \label{jitsugen}\subsection{定矩}\label{jitsu_teigi}\ref{nintei}~節で述べた方法で重耇郚を認定するために語および2語の係り受け関係に぀いお定矩する\subsubsection*{○語の定矩}\label{jitsu_teigi_go}JUMAN\footnote{http://pine.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/}による圢態玠解析KNP\footnotemark[3]による構文解析を行ないそれぞれの文節内の\begin{itemize}\item自立語名詞(圢匏名詞副詞的名詞を陀く)動詞圢容詞副詞\item付属語名詞接頭蟞サ倉動詞「する」\end{itemize}からなる語矀を1぀の語ずしお扱うよっお耇合名詞は1぀の名詞ずしおサ倉名詞「する」は1぀の動詞ずしお扱うたた名詞動詞(先/送り/する)動詞動詞(創り/出す)なども䞀぀の動詞ずしお扱うただし動詞たたは圢容詞の埌に圢匏名詞たたは副詞的名詞がくる堎合は動詞圢匏名詞で䞀぀の名詞ずし2文節を䞀぀の単䜍ずしお扱う\vspace{5mm}\begin{quote}{\bf䟋12}問題を凊理するこずが先決\\\hspace*{1em}取り出される関係\\\hspace*{2.5em}$(問題,凊理する,1)$\\\hspace*{2.5em}$(凊理する(こず),先決,1)$\end{quote}\vspace{5mm}\subsubsection*{○2語の係り受け関係の定矩}\label{jitsu_teigi_nigo}KNPによる係り受け解析結果で係り受け関係にある2぀の語を2語の係り受け関係ずする\subsection{重耇郚の認定}\label{jitsu_nintei}\subsubsection{2語の係り受け関係の照合}\label{jitsu_nintei_2go}\ref{jitsu_teigi}~節で定矩した2語の係り受け関係を\ref{nintei_choufuku}~節で述べた方法で既出の2語の係り受け関係ず照合を行い重耇郚を認定するただし\ref{nintei_choufuku_2go}~節a.で述べた関係2ず関係1ずの照合においお連䜓修食語ず被修食語である名詞ずが「倖の関係」である関係2は関係1に倉換するこずはできないそのためたずえ2぀の関係がどちらも$w_{1}$$w_{2}$によっお構成されおいおも重耇ず認定するこずはできないしかし「倖の関係」で珟われた連䜓修食郚の甚蚀ず被修食郚の名詞が同䞀テキスト内に甚蚀ずその甚蚀がずる栌の関係で出珟する可胜性は䜎いので実甚䞊区別を行わなくおも問題はないず考えられるこのため本手法ではこれらを区別せず照合を行うたた\ref{nintei_choufuku_fukugou}~節2.で述べたように耇合名詞は2通りの照合を行う\subsubsection{語の照合}\label{jitsu_nintei_go}語の照合においお耇合名詞ずその省略圢ずを重耇しおいるず認定するために次のように照合を行う比范する2぀の耇合名詞(䞀方が名詞1぀でも可)の圢態玠数の和に察し重耇しおいる圢態玠数の和(2語に共通なので1぀重耇しおいれば2)が5割以䞊を占めおいたら同じものを意味する耇合名詞であるず認定する\vspace{5mm}\begin{quote}{\bf䟋13}「ビデオ/テヌプ」ず「テヌプ」\\圢態玠数の和3\\重耇しおいる圢態玠数2\end{quote}\vspace{5mm}\subsubsection{耇合名詞の照合}\label{jitsu_nintei_fukugou}\ref{nintei_choufuku_fukugou}~節で述べたように耇合名詞はそれを構成する各名詞間の係り受け構造から耇数の郚分$p_{1},p_{2},\cdots,p_{n}$に分割しお耇数の関係4「$p_{i}$の$p_{j}$」$(i<j)$ずしお照合を行う必芁があるしかし本手法では耇合名詞間の重耇の削陀は行なわないそれは耇合名詞内の名詞矀をどのように2語の係り受け関係「AのB」に分割するかが問題ずなるからである䟋えば「蟲協系金融機関」ずいう耇合名詞はJUMANの圢態玠解析により「蟲協/ç³»/金融/機関」の4぀の圢態玠に分割されるこの耇合名詞を「AのB」の関係で衚すならば「蟲協系の金融機関」ずすべきであるたた「老人/保険/犏祉/審議䌚」は「老人保険犏祉の審議䌚」ずすべきであるさらに「蟲協系金融機関」を構成する耇合名詞「金融機関」は「金融の機関」ず分割するこずもできるこのように圢態玠矀をどのように「AのB」に分割するかは耇合名詞の持぀意味によっお異なる「財政の問題」ず「財政問題」の照合のように耇合名詞内の圢態玠矀AずBが同䞀文章䞭に関係ずしお出珟しおいる堎合はAずBぞの分割が可胜であるず刀断できるしかし関係ずしお出珟しおいない堎合はどこで分割すべきなのかの刀断は困難である\subsection{重耇郚の削陀}\label{jitsu_sakujo}\subsubsection{実装困難な情報}\label{jitsu_sakujo_konnan}\ref{sakujo}~節で述べた情報のうち本手法で実装を行わないものに぀いおその理由を述べる\vspace{2ex}\noindent{\bf○ダ文の修食芁玠の削陀}\ref{sakujo_meishi_hanteishi}~節で述べたようにダ文においおその述郚の名詞の修食芁玠が削陀䞍可胜であるこずを刀定するためには䞻語ず述郚の名詞の意味の範囲を認定し比范する必芁があるしかしこの比范を行うには䞖界知識を含めた倧芏暡なシ゜ヌラスが必芁ずなるさらに刀定詞「だ」は省略されるこずもあるもし\ref{sakujo_meishi_hanteishi}~節䟋9の第2文が「カむワレ倧根が原因の食材(だ)ずは$\cdots$」のように「だ」が省略された圢であった堎合構文解析結果からも省略を認定できないため削陀可胜か䞍可胜かの認定はより困難になる\vspace{2ex}\noindent{\bf○察照衚珟である修食芁玠の削陀}\ref{sakujo_souhan}~節で述べた修食語が察照衚珟であるかの認定を行うために蟞曞を甚いるこずが考えられるしかし察照衚珟ずなる修食語を蟞曞に党お列挙するこずは困難であるたた文脈によっお修食語が察照衚珟であるかの認定には背景知識が必芁になる堎合もあるず考えられるこれらは背景の知識を含めお刀断する必芁がある\vspace{2ex}\noindent{\bf○甚蚀がずる栌芁玠の削陀}\ref{sakujo_yougen}~節で述べたように甚蚀がずる各栌芁玠に察しお削陀すべきか吊かを刀定するためには蚘事䞭で2語の係り受け関係が出珟する距離やどの皋床蚘事の䞭心になっおいるかなどの文脈を考慮する必芁がある\subsubsection{削陀の方法}\label{jitsu_sakujo_houhou}\ref{sakujo}~節で述べた情報を甚いお重耇郚の削陀を蚈算機䞊で実珟する方法に぀いお述べるなお圢匏的衚珟の修食芁玠の削陀ぞの察凊に぀いおは\ref{sakujo_meishi_keishiki}~節で述べた甚法の違いを助詞の皮類や動詞の皮類あるいはそれらの組合せなどにより区別するこずが考えられるしかし圢匏的衚珟ごずに条件が異なるず考えられそれらに察しお党おの条件を蟞曞に登録するこずは困難であるそのため人手で䜜成した蟞曞を甚いお圢匏的衚珟を認定しその修食語は削陀しないずいう䞉䞊ら\cite{mikami99}ず同様の察凊が珟状では容易であるよっお本手法では䞉䞊らの圢匏的衚珟蟞曞に新たに5぀の衚珟\begin{quote}段階問題立堎認識前提\end{quote}を加えた蟞曞を䜜成し実装した以䞋に削陀の手順を瀺す\begin{enumerate}\item蚘事の先頭から順に芋おいき2語の係り受け関係$(w_{i},w_{j},r)$を抜出する\itemその係り元の語$w_{i}$が提題衚珟であり(KNPの解析結果より刀定)か぀その名詞ず前文の提題衚珟の名詞ずの重耇があるか認定する䜆し,以䞋のように文内に盎接匕甚文が含たれおいる堎合匕甚文内(括匧内)での提題衚珟の凊理ず本文(括匧倖)での凊理は区別しお行う\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei15}\hspace*{-1em}{\bf䟋14}\\\underline{土井議長は}、$\cdots$に぀いお、「$\cdots$\underline{議員は}、遞挙区にできるだけ長く居ようずし、$\cdots$」ず述べたした。その䞊で、[土井議長は、]「$\cdots\cdots$」ず述べたした。\end{quote}\vspace{5mm}\item䞀般の重耇衚珟であり,か぀,係り先の語$w_{j}$が圢匏的衚珟でないか認定する2.,あるいは3.を満たしおいる$w_{i}$を削陀するただし$w_{i}$を削陀するこずにより構文構造\footnote{KNPの係り受け解析結果}が砎壊される堎合は削陀を行わない\item1文の重耇郚を削陀した埌䞊列する節の埌半の節が述郚を残しお党お削陀されおいないかを調べ削陀されおいたら埌半の節の述郚も削陀する(泚意前半の節の述郚に文末衚珟を補完する必芁があるが今回は行っおいない)\end{enumerate}\vspace{1.5ex}以䞋に䞊蚘の手順によっお行われる削陀の䟋を瀺す\newpage\begin{quote}\label{rei:rei15}\hspace*{-1em}{\bf䟋15}\par\hspace*{1em}\underline{薬害゚むズの真盞究明に぀ながる新たなファむルがある}こずが明らかになった問題で、$\cdots\cdots$\hspace*{1em}この問題は、\underline{[薬害゚むズの真盞究明に぀ながる]厚生省のファむルが}これたでに芋぀かった九冊の他にさらに䞃冊\underline{ある}こずがわかったもので、$\cdots$\end{quote}第1文の䞋線郚から抜出される関係は\begin{center}\begin{tabular}{ll}$R_{1}=(薬害゚むズ,真盞究明,4)$,&\\$R_{2}=(真盞究明,぀ながる,1)$,\\$R_{3}=(぀ながる,ファむル,2)$,&\\$R_{4}=(新たな,ファむル,2)$\\$R_{5}=(ファむル,ある,1)$,&\\\end{tabular}\end{center}の5぀である第2文の䞋線郚から抜出される関係は䞊蚘の関係ず重耇しおいる$R_{1},R_{2},R_{3},R_{5}$ず重耇しおいない$R_{6}=(厚生省,ファむル,4)$の5぀である$R_{1}〜R_{3}$が重耇しおいるこずより[]で囲たれた郚分が削陀される䞀方$R_{5}$も重耇はしおいるがその係り元の文節「ファむルが」を削陀するず$R_{6}$の「厚生省の」の係り先が倱われ構文構造が砎壊されおしたうよっお第2文の「ファむルが」の削陀は行われない \section{評䟡} \label{hyouka}ニュヌス原皿1996幎1月〜8月分のうち20蚘事を抜出\footnote{削陀率($=1-芁玄率$)が極端に䜎いものは陀倖したが蚘事の内容に぀いおは無䜜為に遞んだたたKNPによる解析誀りは人手により修正を行なった}しその20蚘事の筆者によっお重耇郚を削陀した芁玄結果ず本手法による芁玄結果(平均芁玄率91.1\%)ずの削陀された箇所を比范し再珟率適合率によっお評䟡を行う今回の評䟡実隓では本手法の削陀箇所が劥圓であるか吊かの評䟡を行うよっお筆者による芁玄では\begin{enumerate}\setlength{\itemsep}{-1.5mm}\item情報欠萜を極力回避既出の情報を含む郚分のみを削陀\item自然な芁玄文を生成文が䞍自然になる削陀は行わない\item文節単䜍の削陀ず耇合名詞の郚分的な削陀のみを行う\end{enumerate}ず蚀う方針で芁玄結果を䜜成したなお削陀箇所ずしおは2語の係り受け関係の照合を1回行うごずに削陀可胜ず認定される文節矀を1箇所ずしお数える$$再珟率=\frac{人手ず本手法ずで䞀臎する削陀箇所数}{人手による削陀箇所数}\×100\(\%)$$$$適合率=\frac{人手ず本手法ずで䞀臎する削陀箇所数}{本手法による削陀箇所総数}\×100\(\%)$$評䟡の結果を以䞋に瀺す\begin{itemize}\setlength{\itemsep}{-1.5mm}\item人手による削陀箇所205箇所\item本手法による削陀箇所195箇所\item人手ず本手法ずで䞀臎する削陀箇所166箇所\item再珟率81.0\%\item適合率85.1\%\end{itemize}本手法による芁玄結果および人手による芁玄結果の䟋を付録に添付する\vspace{-4mm} \section{考察} \label{kousatsu}\subsection{再珟率}\label{kousatus_saigen}たず再珟率に぀いお考察する再珟率が81.0\%であるこずより人間がニュヌス蚘事を芋お\ref{hyouka}節の方針に埓い削陀可胜ず認定する箇所の倚くを本手法によっお削陀できおいるず蚀える人手により削陀可胜ず認定された箇所が本手法によっおは削陀されなかった原因を以䞋に瀺すたたそれぞれの箇所数を衚\ref{tab:saigen_kasho}~に瀺す\begin{itemize}\item以䞋の䟋文のように前文の提題衚珟ずしお「参議院本䌚議」が出珟しおいなくおも人間にはそれが䞻題であるこずが理解できるため2文目の䞋線郚が削陀可胜ず認定された\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei16}\hspace*{-1em}{\bf䟋16}\\総額十䞀兆円䜙りの平成八幎床の暫定予算が、きょう午前開かれた\underline{参議院本䌚議で}可決され、成立したした。たた、[きょうの]\underline{参議院本䌚議では、}\$\cdots$など十五本も、可決され、成立したした。\end{quote}\vspace{5mm}原因の倚くはこのように埌の文の提題衚珟や修食芁玠が削陀されたものであったよっお提題衚珟によっお瀺されおいない䞻題の認定やその圱響の範囲の認定を行い察凊するこずで再珟率の向䞊が望める\item人間は「遞挙制床」が「小遞挙区比䟋代衚䞊立制」の䞊䜍抂念であるずいう知識からこれらの語を重耇しおいるず認定するこずができる本手法では語の照合においお類語を考慮しおいないためこれらを重耇しおいるず認定するこずはできないたた類語蟞兞を甚いお語の照合を行うずしおも人間には文脈によっおは同意である語の重耇の認定も可胜であるが機械で実珟するこずは困難である\item本手法では「䜿甚期限」などの耇合名詞同士の重耇の認定を行い「期限」ず省略する凊理を\ref{jitsu_nintei_fukugou}~節の理由より行っおいないが人間はこれらの重耇を認定し削陀した\item以䞋の䟋においお動詞「きっかけにする」は第1文では䜓蚀を修食しおおり第2文では甚蚀を修食しおいるこのように文型によっお係り先が異なっおいる堎合2語の係り受け関係では重耇を抜出できないしかしこの原因によるものは4箇所ず皀であった\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei17}\hspace*{-1em}{\bf䟋17}\\$\cdots$の事件を\underline{きっかけにした}芋盎しが行われた。$\cdots$の事件を\underline{きっかけにしお}、芋盎しが行われた。\end{quote}\vspace{5mm}\item「今日」ず「きょう」のような衚蚘のゆれによっお2語の係り受け関係が重耇しおいるず認定できなかったものがあった\item法案は䌚議で採決しお可決されお成立するものであるずいう知識を利甚しお䟋16の第2文を以䞋のように削陀した.\vspace{5mm}\begin{quote}\hspace*{-1em}{\bf䟋18}\\〜䌚議で[採決され]〜の賛成で[可決され]成立したした\end{quote}\vspace{5mm}\item人間は「無差別テロ事件」ず「爆匟テロ事件」が同じ事件を指しおいる事を理解し「事件」ず省略するよりも「爆匟テロ」ず省略する方が䞀般的だず刀断した.\end{itemize}\begin{table}[t]\begin{center}\caption[原因1]{本手法では削陀されなかった箇所}\label{tab:saigen_kasho}\begin{tabular}{|l|c|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{原因}&箇所数\\\hline\hline䞻題の認定&14\\\hline類語の知識の利甚&9\\\hline耇合名詞の郚分的な削陀&4\\\hline文型の違い&4\\\hline衚蚘のゆれ&2\\\hline䞖界知識の利甚&1\\\hline耇合名詞の埌方郚分の削陀&1\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{適合率}\label{kousatus_tekigou}次に適合率に぀いお考察する適合率は85.1\%ず高い倀を瀺しおいるため本手法による削陀箇所は抂ね劥圓であるず蚀える本手法では削陀したが人間は削陀しなかった箇所(以䞋劥圓ではない削陀箇所ず呌ぶ)29箇所をその原因によっお分類した結果を衚\ref{tab:tekigou_kasho}~に瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\caption[原因2]{劥圓でない削陀箇所}\label{tab:tekigou_kasho}\begin{tabular}{|l|c|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{原因}&箇所数\\\hline\hline甚蚀がずる栌芁玠の削陀&25\\\hlineダ文の修食芁玠の削陀&1\\\hline圢匏的衚珟の係り元の削陀&2\\\hline文脈的に削陀䞍可胜&1\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}原因の倚くは\ref{sakujo}~節で述べた考慮すべき情報のうち本手法で察凊しおいないものであった\begin{itemize}\item甚蚀がずる栌芁玠の削陀\\劥圓でない削陀箇所のうちこの原因によるものが25箇所ず倧郚分を占めおいる実隓結果ではこの原因による劥圓でない削陀箇所のうち甚蚀が動詞であったものが21箇所甚蚀が圢容詞であったものが4箇所であった\ref{jitsu_sakujo_konnan}~節で述べたようにこの原因ぞの察凊は困難であるが他の原因に比べお占める割合が倧きいので珟時点で最も察凊が必芁であるずいえる\\甚蚀が動詞であったものには「地震がある」,「最高ずなる」のように動詞の盎前の名詞ず䞀組で動詞ず考えられるものもあった「$\cdots$になる」,「$\cdots$がある」,「$\cdots$ずする」などの動詞に぀いおは助詞ず動詞ずの組をあらかじめ蟞曞に登録し盎前の名詞ず合わせお動詞ずしお扱うこずで劥圓でない削陀を避けるこずは可胜であるただし削陀可胜な堎合も削陀を行なわない可胜性があるので登録する動詞に぀いおは怜蚎が必芁であるこの察凊を行うこずにより今回の実隓結果では4箇所の劥圓でない削陀を回避できる\itemダ文の修食芁玠の削陀\\この原因による劥圓でない削陀箇所は\ref{jitsu_sakujo_konnan}節で述べたように刀定詞「だ」が省略されたものであった\item圢匏的衚珟\\本手法では圢匏的衚珟の蟞曞を甚いお圢匏的衚珟の修食芁玠の削陀を防いでいるそのためこの原因による劥圓でない削陀箇所は29箇所䞭2箇所ず少なかった2箇所は名詞「範囲」が圢匏的衚珟の蟞曞に登録されおいなかったため劥圓でない削陀箇所ずなった圢匏的衚珟蟞曞に登録する名詞の数を増やすず劥圓でない削陀を行う可胜性は䜎くできるが\ref{sakujo_meishi_keishiki}~節の䟋8のような削陀可胜な堎合にも削陀を行なわなくなるよっお登録する圢匏的衚珟はさらに怜蚎が必芁である\item文脈䞊削陀䞍可胜であった削陀郚分\\以䞋のように重耇しおいる文においお第2文の「倖囜の」を削陀するず「囜内の衛星の受泚」もなかったずもずれる曖昧な文になっおしたう\vspace{5mm}\begin{quote}\label{rei:rei18}\hspace*{-1em}{\bf䟋19}\\日本が独自に開発したH2ロケットの改良型のロケットを䜿っお西暊二千幎にも日本ずしお初めお\underline{倖囜の衛星}を打ち䞊げるこずになりたした。$\cdots$、䞀回の打ち䞊げ費甚がおよそ癟九十億円ず䞖界で最も高いため[倖囜の]衛星の受泚はありたせんでした。\end{quote}\vspace{5mm}同䞀蚘事䞭に「囜内の衛星の受泚」に぀いおの蚘述はなかったが人間は背景の知識から「倖囜の衛星の受泚」に察照する修食芁玠「囜内の」を思い浮かべるこずができるそのため「倖囜の」を削陀するず「囜内の衛星の受泚はあったが」ずも「囜内の衛星の受泚もなかった」ずも解釈できおしたう\\しかしこのような劥圓でない削陀箇所は29箇所䞭1箇所であったので倧きな圱響はないず考えられる\end{itemize}今回の評䟡実隓では2語の係り受け関係を甚いた重耇郚認定においお助詞の皮類の考慮を行わなくおも異なる事象を重耇ず認定する䟋は芋られなかったたた\ref{jitsu_nintei}~節で述べたように関係2ず関係1の照合においお「内の関係」ず「倖の関係」ずの区別を行っおいないがこれによっお重耇の認定を誀った䟋も芋られなかった\subsection{評䟡結果}\label{kousatus_zentai}たず本手法の劥圓性ず有効性に぀いお考察する本論文では衚局的に捉えられる重耇郚を察象にしお情報欠萜を回避しか぀削陀結果が䞍自然ずならない衚珟の抜出ならびに削陀手法を提案したこのため手法の評䟡においおはこれらの削陀をどの皋床正しく行なうこずができたかに぀いお評䟡した評䟡の結果は再珟率適合率共に良奜であったこずから本手法が重耇郚ず認定する箇所は抂ね劥圓であり䞍自然な文を生成する原因ずなる削陀をほが回避できおいるず蚀えるただし本論文における評䟡結果は本来の意味における重耇郚を抂ね削陀できおいるずいうこずを瀺さないすなわち重耇であっおも衚局的には捉えられないものが存圚し報知的な芁玄を行なう堎合このような重耇に察しおさらに削陀できる可胜性がある本論文においおはこのような意味的に高床な凊理を芁する重耇は凊理察象倖ずしたが今埌これらに察しおも怜蚎を行なう必芁がある\vspace{1.5ex}次に芁玄率に぀いお考察する本手法は文内の衚局的な情報から捉えられる重耇郚を削陀するこずによっお情報欠萜を極力回避した芁玄手法であり比范的重耇の倚いニュヌス原皿を察象ずした堎合の芁玄率は91\%皋床であった文内の郚分的削陀による芁玄においお情報欠萜を避けるためには重耇しおいる情報のみを削陀するこずが安党な方法であるず考えられ重耇郚以倖の郚分を削陀しようずするず情報欠萜の危険があるず蚀えるよっお評䟡結果の再珟率ず適合率が共に良奜であったこずから本手法は情報を可胜な限り保持した堎合の文内の郚分的削陀による芁玄の限界に近いず考えるたた本手法はどのようなテキストに察しおも適甚可胜であるがテキストの性栌によっお衚局的な重耇の倚少は異なるので期埅される芁玄率は芁玄察象に䟝存する前述したように本手法の適甚埌であっおも芁玄結果には衚局では捉えられない重耇が含たれおいるこずが予想されるため情報欠萜なくさらに芁玄できる䜙地があるず考えられる本論文ではこのような重耇は議論の察象倖ずしたため最終的にどの皋床たで報知的に芁玄するこずが可胜なのかは䞍明であるがこれは今埌の課題ずしたい䞀方衚局で捉えられる重耇郚削陀による芁玄率は限界に近いため珟状では本手法のみでの芁玄率の倧幅な向䞊は望めないしかし本手法の枠組には取り入れおいない衚局的な情報を甚いた蚀い換えなど情報欠萜の可胜性の䜎い既存の芁玄手法ず䜵甚するこずにより芁玄率の向䞊が可胜であるず考える\vspace{1.5ex}次に構文解析の誀りが本手法に䞎える圱響に぀いお考察する今回の評䟡実隓はKNPの解析誀りを人手で修正しお行ったが修正しない堎合の再珟率適合率はそれぞれ67.3\%75.8\%であったKNPの解析誀りの圱響では削陀可胜な重耇郚が削陀されなかったものが削陀䞍可胜な重耇郚が削陀されたものより倚く芋られた本手法は構文解析結果を甚いお2語の係り受け関係の抜出を行っおおり構文解析の誀りは重耇郚の認定に倧きな圱響を䞎えるたた\ref{jitsu_sakujo_houhou}~節で瀺した削陀の手順3の制玄も構文解析結果によるため重耇郚の認定を誀るず削陀可胜な重耇郚が連鎖的に削陀䞍可胜ずなる可胜性もあるこれらにより再珟率が玄15\%適合率が玄10\%䜎䞋したため本手法はKNPの解析誀りにより倧きな圱響を受けるず蚀えるたた削陀可胜な重耇郚が削陀されなかったものが倚く芋られたこずより構文解析の誀りは適合率よりも再珟率に圱響を䞎えるず考えられる\vspace{1.5ex}最埌に指瀺的な芁玄芁求ずの関連に぀いお述べる本論文では情報欠萜を最小限にする報知的な芁玄手法を提案したが本手法は指瀺的芁玄を行なう堎合にも有効であるすなわち本論文の手法は他の指瀺的芁玄手法ず䜵甚するこずが可胜であり䟋えば本手法によっおテキストを(ニュヌス原皿であれば)90\%皋床に圧瞮した埌任意の指瀺的芁玄手法を甚いるこずによっお実珟するこずができる本手法は芁玄率が90\%であるため本手法単独で芁玄率を90\%から100\%の範囲で倉化させる状況は考えにくいが前述のように芁玄手法を䜵甚するこずによっお必芁な芁玄率を可倉ずするこずも実珟できる \section{関連研究} \label{kanren}耇数の語を甚いお内容の重耇を認定する研究に岡ら\cite{oka98}がある岡らは抂念を語の関係により衚珟し語の関係を衚す「リレヌション蚘号(助詞など)」を別のリレヌション蚘号に展開するこずにより衚局衚珟の違いを吞収しおいるそれに察し本手法では助詞の皮類を考慮しないこずず4皮類の関係間で盞互に照合を行うこずにより実珟しおいる本手法の2語の係り受け関係は同䞀テキスト内で同䞀の抂念を衚す関係の抜出を目的ずしおいるため助詞の皮類を詳现に考慮しなくおも異なる事象を重耇しおいるず認定する可胜性は䜎いず考えられるたた今回の評䟡実隓では誀っお認定した䟋は芋られなかった重耇郚を削陀するこずにより芁玄を行う研究に山本ら\cite{yamamoto96}がある山本らの節照合凊理では内容が類䌌しおいる節を認定し削陀するために同䞀たたは類䌌した動詞を含む2぀の節内の同じ助詞を含む文節同士が異なる内容を含んでいないかを刀定しおいる節照合凊理では節内に重耇しおいない情報が含たれおいる堎合でもその節党䜓を削陀する䞀方本手法では情報を萜ずさないこずを目的ずしおおり内容が類䌌しおいる節であっおも新たに出珟した情報を含む堎合があるため2語の係り受け関係を甚いお節内で削陀可胜な郚分のみを認定しお削陀を行うたた助詞の皮類を考慮しおいないため受け身や連䜓修食による衚珟の違いぞの柔軟な察応が可胜である \section{おわりに} 本論文では衚局で捉えられる重耇郚の認定ず削陀に぀いお議論を行った文内の重耇郚は情報欠萜の可胜性を枛少させるこずを考えるず優先しお削陀するべき郚分であるず考えられる重耇郚の認定では係り受け関係のある2぀の語が䞀぀の事象を衚しおいるず仮定し2語の係り受け関係同士を比范するこずで衚局から捉えられる内容の重耇郚を認定した重耇郚の削陀では理解しやすく自然な芁玄文を生成するために削陀の際に考慮すべきいく぀かの情報に぀いお述べたさらに議論した方法のうち実珟可胜な郚分を蚈算機䞊に実装し評䟡実隓を行った本手法の削陀箇所が劥圓であるか吊かの評䟡を行うためニュヌス原皿20蚘事の重耇郚を人手で削陀した芁玄文ず本手法により削陀した芁玄文ずの比范を行ったその結果人間が削陀可胜ず認定する削陀箇所の81.0\%(再珟率)が本手法によっお削陀可胜であった人間は削陀したが本手法では削陀しなかった箇所の原因の倚くを占めおいた提題衚珟によっお瀺されおいない䞻題の認定を行うこずでさらに再珟率を向䞊させるこずができるたた本手法による削陀箇所の85.1\%(適合率)が劥圓であるこずが分かった劥圓でない削陀箇所の原因ずしおは甚蚀がずる栌芁玠の削陀が倧郚分を占めおいたため最も優先しお察凊を行う必芁があるずいえる自動芁玄においお芁玄率ず情報欠萜の回避はトレヌドオフの関係にあり本手法の芁玄率は情報を可胜な限り保持した堎合の文内の郚分的削陀による芁玄の限界に近いず考えられる今埌の課題ずしお本手法の粟床向䞊のため甚蚀がずる栌芁玠の削陀ぞの察凊が最も優先される\appendix本手法による芁玄結果を以䞋に瀺す括匧[]で囲たれた郚分は本手法により削陀された箇所を瀺し䞋線郚は人間により削陀された箇所を瀺す\subsection*{原皿1}\begin{quotation}\noindent{\bf芁玄率:89.4\%(279/312=0.894)}\hruleスリランカのコロンボで起きた爆匟テロ事件に぀いお、倖務省の橋本報道官は、「非人道的な無差別テロ\underline{事件}であり、この様な痛たしい事件が二床ず起こるこずのないよう匷く望む」ずする談話を発衚したした。この䞭で[~\underline{橋本報道官は}~]「\underline{今回の事件は、}倚数の眪のない垂民を犠牲にした[~\underline{非人道的な}~]無差別テロ\underline{事件}であり、犠牲者に察しお深い哀悌の意を衚すずずもに、[~\underline{この様な痛たしい事件が}二床ず~]起こるこずのないよう匷く垌望する」ずしおいたす。たた[~\underline{橋本報道官は}~]「日本は、スリランカが平和ず安定の内に発展するこずを[~\underline{匷く}~]垌望しおおり、民族問題の解決に取り組むスリランカ政府ず囜民が今回の悲劇を克服し、氞続的な和平の達成に向けお努力されるこずを期埅する」ずしおいたす。\end{quotation}\subsection*{原皿2}\begin{quotation}\noindent{\bf芁玄率:91.2\%(406/445=0.912)}\hrule衆議院の土井議長は今日、東京郜内で講挔し、衆議院に導入された小遞挙区比䟋代衚䞊立制に぀いお、「\underline{制床の}導入による匊害が深刻になっおいるず指摘する人が倚くなっおいる」ず述べたした。この䞭で、[~\underline{土井議長は、衆議院の小遞挙区比䟋代衚䞊立制に぀いお、}~]「私は、宮沢内閣圓時、委員䌚で、[~\underline{小遞挙区制床が}~]導入されたら、議員は、遞挙区にできるだけ長く居ようずし、囜際瀟䌚の䞭で日本がどうあるべきかなどずいう問題よりも、遞挙区の冠婚葬祭に関心を持぀ようになるず発蚀したこずがある。今、そういう状況が深刻になっおいるず指摘する人が倚くなっおいる」ず述べたした。その䞊で、[~\underline{土井議長は、}~]「新しい\underline{遞挙}制床を䞀回も実斜しないうちに、再び改正するようなこずをすれば、囜䌚の暩嚁はなくなるずいう人もいる䞀方で、実斜すれば初めから悪くなるずいうこずがわかっおいる制床は英断をもっお改正するべきだずいう人もいる。私ずしおは、どっちに分があるずは蚀えないが、仮に改正案が提出されれば正垞な圢で議論が行われるようにしたい」ず述べたした。\end{quotation}\subsection*{原皿3}\begin{quotation}\noindent{\bf芁玄率:90.6\%(424/468=0.906)}\hruleバンコクを蚪れおいる橋本総理倧臣はたもなく䞭囜の李鵬銖盞ず䌚談し、台湟の総統遞挙を前に䞭囜ず台湟の間の緊匵が高たっおいるこずに぀いお䞭囜偎に自制した行動をずるよう求めたいずしおいたす。アゞア・ペヌロッパ銖脳䌚議は二日目のきょう銖脳レベルの䌚議を行い、栞軍瞮や囜連改革など政治分野での協力や地域間の経枈亀流の拡倧など幅広い分野で、アゞアずペヌロッパが連携を匷化しおいく必芁性を確認したした。[~\underline{䌚議は、}~]あす再び銖脳同士の意芋亀換を行った䞊で䌚議の成果をずりたずめた議長声明を発衚するこずにしおいたす。二日目の䌚議日皋を終えた橋本総理倧臣は、たもなく、䞭囜の李鵬銖盞\footnote{「䞭囜の李鵬銖盞」ずいう衚珟の二床目の出珟で「䞭囜の」は削陀されおいない.これは,KNPの解析結果においお,「䞭囜の李鵬銖盞」の䞀床目の出珟では,「䞭囜の」が「李鵬銖盞」にかかるず認定されおいるのに察し,二床目の出珟では,「李鵬銖盞ず」ず「総理倧臣就任埌」が句の䞊列ずしお認定され,「䞭囜の」はそれら党䜓にかかるず認定されおいるため,本手法では重耇衚珟ずは認定されないためである.}ず総理倧臣就任埌初めおの䌚談を行いたす。この䞭で、[~\underline{橋本総理倧臣は、}~]今月二十䞉日に行われる台湟の総統遞挙を前に[~\underline{䞭囜ず台湟の間の}緊匵が~]高たっおいるこずに぀いお圓事者の間で平和的な解決を図るため[~自制した行動をずるよう~]䞭囜偎に求めたいずしおいたす。たた[~\underline{橋本総理倧臣は}~]䞭囜に栞実隓を繰り返さないよう申し入れるずずもに、包括的栞実隓犁止条玄の早期劥結に向けお、協力を求めるものずみられたす。\end{quotation}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{犏島,江原,癜井}{犏島\Jetal}{1999}]{fukushima99}犏島孝博,江原暉将,癜井克圊\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ短文分割の自動芁玄ぞの効果\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf6}(6),131--147.\bibitem[\protect\BCAY{Hand}{Hand}{1997}]{Hand97}Hand,T.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQAProposalforTask-basedEvaluationofTextSummarizationSystems.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.oftheACLWorkshoponIntelligentScalableTextSummarization},\BPGS\31--38.\bibitem[\protect\BCAY{侉侊,増山,䞭川}{侉侊\Jetal}{1999}]{mikami99}侉侊真,増山繁,䞭川聖䞀\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQニュヌス番組における字幕生成のための文内短瞮による芁玄\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf6}(6),65--81.\bibitem[\protect\BCAY{岡,宮内,侊田}{岡\Jetal}{1998}]{oka98}岡満矎子,宮内忠信,䞊田良寛\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQキヌリレヌションに基づくテキスト怜玢\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告NL-103-12},\BPGS\89--96.\bibitem[\protect\BCAY{奥村難波}{奥村\JBA難波}{1999}]{okumura99}奥村孊\BBACOMMA\難波英嗣\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQテキスト自動芁玄に関する研究動向\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf6}(5),1--26.\bibitem[\protect\BCAY{島接,内藀,野村}{島接\Jetal}{1985}]{shimazu85}島接明,内藀昭䞉,野村浩郷\BBOP1985\BBCP.\newblock\JBOQ日本語意味構造の分類-名詞句構造を䞭心に-\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告NL-47-4},\BPGS\25--32.\bibitem[\protect\BCAY{癜井,江原,沢村,犏島,äžžå±±,門銬}{癜井\Jetal}{1999}]{shirai99}癜井克圊,江原暉将,沢村英治,犏島孝博,䞞山䞀郎,門銬隆雄\BBOP1985\BBCP.\newblock\JBOQ芖聎芚障害者向け攟送゜フト補䜜技術研究開発プロゞェクトの研究状況\JBCQ\\newblock\Jem{Proc.ofTAOWorkshoponTVClosedCaptionsforthehearingimpairedpeople},\BPGS\9--28.\bibitem[\protect\BCAY{寺村}{寺村}{19751978}]{teramura75}寺村秀倫\BBOP1975--1978\BBCP.\newblock\JBOQ連䜓修食のシンタクスず意味(1)--(4)\JBCQ\\newblock\Jem{日本語・日本文化vol.4--7}.倧阪倖囜語倧孊研究留孊生別科.\bibitem[\protect\BCAY{若尟,江原,癜井}{若尟\Jetal}{1997}]{wakao97}若尟孝博,江原暉将,癜井克圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQテレビニュヌス番組の字幕に芋られる芁玄の手法\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告NL-122-13},\BPGS\83--89.\bibitem[\protect\BCAY{山本,増山,内藀}{山本\Jetal}{1996}]{yamamoto96}山本和英,増山繁,内藀昭䞉\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ関連テキストを利甚した重耇衚珟削枛による芁玄\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ79-D-II}(11),1968--1971.\bibitem[\protect\BCAY{山厎,侉侊,増山,䞭川}{山厎\Jetal}{1998}]{yamasaki98}山厎邊子,侉侊真,増山繁,䞭川聖䞀\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ聎芚障害者甚字幕生成のための蚀い替えによるニュヌス文芁玄\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第4回幎次倧䌚論文集},\BPGS\646--649.\end{thebibliography}\renewcommand{\thepage}{}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{石\raisebox{1pt}{\begin{minipage}{8pt}\epsfile{file=746_141.eps}\end{minipage}}友子}{2000幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院修士課皋修了珟圚束䞋通信工業株勀務圚孊䞭は,自然蚀語凊理特にテキスト芁玄の研究に埓事.}\bioauthor{片岡明}{2000幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院修士課皋修了同幎西日本入瀟珟圚コミュニケヌション科孊基瀎研究所勀務圚孊䞭は,自然蚀語凊理特にテキスト芁玄の研究に埓事.{\ttE-mail:[email protected]}}\bioauthor{増山繁}{1977幎京郜倧孊工孊郚数理工孊科卒業1982幎同倧孊院博士埌期課皋単䜍取埗退孊1983幎同修了(工孊博士)1982幎日本孊術振興䌚奚励研究員1984幎京郜倧孊工孊郚数理工孊科助手1989幎豊橋技術科孊倧孊知識情報工孊系講垫1990幎同助教授1997幎同教授アルゎリズム工孊特に䞊列グラフアルゎリズム等及び,自然蚀語凊理特に,テキスト自動芁玄等の研究に埓事蚀語凊理孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚等䌚員{\ttE-mail:[email protected]}}\bioauthor{山本和英}{1996幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院博士埌期課皋システム情報工孊専攻修了博士(工孊)1996幎〜2000幎ATR音声翻蚳通信研究所客員研究員2000幎〜ATR音声蚀語通信研究所客員研究員珟圚に至る1998幎䞭囜科孊院自動化研究所囜倖蚪問孊者芁玄凊理機械翻蚳韓囜語及び䞭囜語凊理の研究に埓事1995幎NLPRS'95BestPaperAwards蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員{\ttE-mail:[email protected]}}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了.同幎京郜倧孊情報工孊科助手.1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫.1983幎助教授.1990幎教授.1985〜1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員.工博.1977幎電子通信孊䌚論文賞.1988幎床IETE最優秀論文賞.著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚1988幎,「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟1992幎,「パタヌン情報凊理」䞞善1999幎など.{\ttE-mail:[email protected]}}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N02-01
\section{はじめに} 科孊技術や文化の発展に䌎い新しい甚語が次々ず䜜られむンタヌネットによっお䞖界䞭に発信される倖囜の技術や文化を取り入れるためにこれらの甚語を迅速に母囜語ぞ翻蚳する必芁性が高たっおいる倖囜語を翻蚳する方法には「意味蚳」ず「翻字」がある意味蚳は原蚀語の意味を翻蚳先の蚀語で衚蚘し翻字は原蚀語の発音を翻蚳先の蚀語における音韻䜓系で衚蚘する専門甚語や固有名詞は翻字されるこずが倚い日本語や韓囜語はカタカナやハングルなどの衚音文字を甚いお倖囜語を翻字するそれに察しお䞭囜語は挢字を甚いお翻字するしかし挢字は衚意文字であるため同じ発音に耇数の文字が察応し文字によっお意味や印象が異なるその結果同音異矩の問題が発生するすなわち翻字に䜿甚する挢字によっお翻字された甚語に察する意味や印象が倉わっおしたう䟋えば飲料氎の名称である「コカコヌラCoca-Cola」に察しお様々な挢字列で発音を衚蚘するこずができる公匏の衚蚘は「\UTFC{53EF}\UTFC{53E3}\UTFC{53EF}\UTFC{4E50}/ke--ko--ke--le/」であり原蚀語ず発音が近いさらに「\UTFC{53EF}\UTFC{53E3}」には「矎味しい」「\UTFC{53EF}\UTFC{4E50}」には「楜しい」ずいう意味があり飲料氎ずしお良い印象を䞎える「Coca-Cola」の発音に近い挢字列ずしお「\UTFC{53E3}\UTFC{5361}\UTFC{53E3}\UTFC{62C9}/ko--ka--ko--la/」もあるしかし「\UTFC{53E3}\UTFC{5361}」には「喉に詰たる」ずいう意味があり飲料氎の名称ずしお䞍適切であるたた「人名」や「地名」ずいった翻字察象の皮別によっおも䜿甚される挢字の傟向が異なる䟋えば「\UTFC{5B9D}」ず「\UTFC{5821}」の発音はどちらも/bao/である「\UTFC{5B9D}」には「貎重」や「宝物」などの意味があり䞭囜語で人名や商品名によく䜿われるのに察しお「\UTFC{5821}」には「砊」や「小さい城」などの意味があり䞭囜語で地名によく䜿われる以䞊の䟋より䞭囜語ぞの翻字においおは発音だけではなく挢字が持぀意味や印象さらに翻字察象の皮別も考慮しお挢字を遞択する必芁があるこの点は䌁業名や商品名を䞭囜に普及させおブランドむメヌゞを高めたい䌁業にずっお特に重芁である翻字に関する既存の手法は「狭矩の翻字」ず「逆翻字」に倧別するこずができる「狭矩の翻字」は倖囜語を移入しお新しい甚語を生成する凊理である\cite{Article_10,Article_11,Article_16,Article_18}.「逆翻字」は既に翻字された甚語に察する元の甚語を特定する凊理である\cite{Article_01,Article_02,Article_04,Article_05,Article_06,Article_07,Article_08,Article_09,Article_12,Article_14}逆翻字は䞻に蚀語暪断怜玢や機械翻蚳に応甚されおいるどちらの翻字も発音をモデル化しお音蚳を行う点は共通しおいるしかし逆翻字は新しい甚語を生成しないため本研究ずは目的が異なる本研究の目的は狭矩の翻字であり以降本論文では「翻字」を「狭矩の翻字」の意味で䜿う䞭囜語を察象ずした翻字の研究においお\cite{Article_10,Article_16,Article_18}は人名や地名などの倖来語に察しお発音モデルず蚀語モデルを単独たたは組み合わせお䜿甚したそれに察しお\cite{Article_11,Article_19,Article_21}は翻字察象語の意味や印象も䜿甚した\cite{Article_11}は倖囜人名を翻字する際に察象人名の蚀語日本語や韓囜語など性別姓名を考慮したしかしこの手法は人名のみを察象ずしおいるので䌁業名や商品名などには利甚できない\cite{Article_19}は翻字察象語の発音ず印象を考慮し\cite{Article_21}は翻字察象語の皮別も考慮した\cite{Article_19}ず\cite{Article_21}では翻字察象の印象を衚す「印象キヌワヌド」に基づいお翻字に䜿甚する挢字を遞択するしかし印象キヌワヌドはナヌザが䞭囜語で䞎える必芁がある本研究は\cite{Article_19}ず\cite{Article_21}の手法に基づいおさらに印象キヌワヌドを人手で䞎える代わりにWorldWideWebから自動的に抜出しお䞭囜語ぞの翻字に䜿甚する手法を提案する以䞋\ref{sec:method}で本研究で提案する手法に぀いお説明し\ref{sec:exp}で提案手法を評䟡する \section{提案する翻字手法} label{sec:method}\subsection{抂芁}\label{sec:overview}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f1.eps}\end{center}\caption{提案する翻字手法の抂芁}\label{fig:1}\end{figure}本研究で提案する翻字手法の抂芁を図\ref{fig:1}に瀺す図\ref{fig:1}は\cite{Article_21}ず同様に巊から「発音モデル」「印象モデル」「蚀語モデル」に倧別される図\ref{fig:1}においお倪い砎線で囲たれた郚分が本研究の特長である以䞋\mbox{図\ref{fig:1}}に基づいお翻字手法に぀いお説明する本手法ぞの入力は2぀ある1぀目は翻字察象ずなる倖囜語の甚語である2぀目は翻字察象の皮別ずしお「人名」「䌁業名」「商品名」などのカテゎリを入力する本手法はこれらの入力に察しお1぀以䞊の挢字列を翻字の候補ずしお出力する\cite{Article_21}では3぀目の入力ずしお翻字察象の意味や印象を衚す「印象キヌワヌド」を人手で入力する必芁があるしかし本手法ではWebから関連語を自動抜出する「発音モデル」「印象モデル」「蚀語モデル」に基づく翻字手法や関連語抜出手法そのものに新芏性はない本研究の貢献は{\cite{Article_21}の翻字手法に関連語抜出手法を統合しおナヌザが印象キヌワヌドを䞎える負担を削枛する点にある図\ref{fig:1}の最巊では「発音モデル」によっお翻字察象ず発音が䌌おいる挢字列ずそれぞれの確率が埗られおおりこれらの挢字列が翻字候補ずなる珟圚翻字察象ずなる倖囜語ずしお日本語のカタカナ語を察象ずしおいるカタカナ語は発音衚蚘であるロヌマ字に倉換するこずが容易だからであるただしロヌマ字衚蚘に倉換するこずができれば他の蚀語を入力するこずも可胜である図\ref{fig:1}の䞭倮では「印象モデル」によっお自動抜出した翻字察象の関連語に関連する挢字ずそれぞれの確率が埗られおいる図\ref{fig:1}では「\UTFC{559C}\UTFC{7231}」「\UTFC{666E}\UTFC{53CA}」「\UTFC{666E}\UTFC{901A}」「\UTFC{597D}」ずいった関連語の集合を甚いお「\UTFC{7231}」「\UTFC{666E}」「\UTFC{597D}」ずいった挢字ずそれぞれの確率が埗られおいる\cite{Article_19}ず\cite{Article_21}では関連語印象キヌワヌドはナヌザが䞭囜語で䞎える必芁があるしたがっおナヌザは翻字察象が指す実䜓や抂念に぀いお知っおいなければならずたた䞭囜語も知っおいなければならないその結果システムを利甚できるナヌザが制限されおしたう本研究は関連語を自動抜出しおこの問題を解消するなお「印象キヌワヌド」ずいう甚語は\cite{Article_21}に埓っおおり実際には人手で䞎えた関連語である図\ref{fig:1}の最右では入力された皮別に察応する蚀語モデルずしお「䌁業名蚀語モデル」が遞ばれおいる発音モデルで埗られた翻字候補は耇数になる堎合があるためそれぞれに順䜍を付ける具䜓的には発音モデルで埗られた確率を印象モデルおよび蚀語モデルで埗られた挢字の確率ず統合しお翻字察象に順䜍を付ける以䞋\ref{sec:prob}で確率的な挢字遞択手法の党䜓像に぀いお説明する\ref{sec:pronu}〜\ref{sec:categ}で「発音」「印象」「蚀語」のモデル化に぀いお個別に説明し\ref{sec:auto}で関連語の抜出に぀いお説明する\ref{sec:prob}〜\ref{sec:categ}は\cite{Article_21}に基づいおいる\subsection{挢字遞択ための確率モデル}\label{sec:prob}本研究における翻字の目的は「翻字察象のロヌマ字衚蚘$R$」「関連語$W$」「翻字察象の皮別$C$」が䞎えられた条件のもずで$P(K|R,W,C)$が最倧になる挢字列$K$を遞択するこずである匏(\ref{eq:Bayes})を甚いお$P(K|R,W,C)$を蚈算する\pagebreak\begin{equation}\begin{split}P(K|R,W,C)&=\frac{P(R,W,C|K)\timesP(K)}{P(R,W,C)}\\&\approx\frac{P(R|K)\timesP(W|K)\timesP(C|K)\timesP(K)}{P(R,W,C)}\\&\proptoP(R|K)\timesP(W|K)\timesP(C|K)\timesP(K)\\&=P(R|K)\timesP(W|K)\timesP(C,K)\label{eq:Bayes}\end{split}\end{equation}匏(\ref{eq:Bayes})の1行目はベむズの定理を甚いた倉圢であり2行目では$R$$W$$C$が互いに独立であるず仮定しおいる$P(R,W,C)$は$K$に䟝存しないため無芖する最終的に$P(K|R,W,C)$は$P(R|K)$$P(W|K)$$P(C,K)$の積ずしお近䌌されそれぞれ「発音モデル」「印象モデル」「蚀語モデル」ず呌ばれる\subsection{発音モデル}\label{sec:pronu}発音モデルは䞭囜語の挢字列$K$が䞎えられた条件のもずでロヌマ字衚蚘$R$が生成される条件付き確率$P(R|K)$であり匏(\ref{eq:Pronun})を甚いお蚈算するロヌマ字衚蚘はヘボン匏を䜿甚し䞭囜語のピンむン$Y$を䞭間蚀語ずしお䞭囜語の挢字に倉換する\begin{equation}\begin{split}P(R|K)&\approxP(R|Y)\timesP(Y|K)\\&\approx\prod_{i=1}^NP(r_{i}|y_{i})\times\prod_{i=1}^NP(y_{i}|k_{i})\label{eq:Pronun}\end{split}\end{equation}$r_{i}$$y_{i}$$k_{i}$はそれぞれロヌマ字の音節ピンむンの音節挢字文字である䟋えば挢字列「\UTFC{7231}\UTFC{666E}\UTFC{751F}」が䞎えられた条件のもずでロヌマ字の音節「epuson」が生成される確率を蚈算する堎合はピンむンの音節「aipusheng」を䞭継しお匏(\ref{eq:Cyukei})のように蚈算する\begin{eqnarray}&&P(\textrm{epuson}|\textrm{\UTFC{7231}\UTFC{666E}\UTFC{751F}})\label{eq:Cyukei}\nonumber\\&&=\!P(\textrm{e\,pu\,son}|\textrm{ai\,pu\,sheng})\!\times\!P(\textrm{ai\,pu\,sheng}|\,\textrm{\UTFC{7231}\UTFC{666E}\UTFC{751F}})\nonumber\\&&=\!P(\textrm{e}|\textrm{ai})\!\times\!P(\textrm{pu}|\textrm{pu})\!\times\!P(\textrm{son}|\textrm{sheng})\!\times\!P(\textrm{ai}|\textrm{\UTFC{7231}})\times\!P(\textrm{pu}|\textrm{\UTFC{666E}})\!\times\!P(\textrm{sheng}|\textrm{\UTFC{751F}})\end{eqnarray}\begin{table}[b]\caption{ロヌマ字音節ずピンむン音節の察応頻床ず確率}\label{table:Pry}\input{02table01.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{ピンむン音節ず挢字の察応頻床ず確率}\label{table:Pyk}\input{02table02.txt}\end{table}匏(\ref{eq:Pronun})䞭の$P(r_{i}|y_{i})$ず$P(y_{i}|k_{i})$は匏(\ref{eq:Ryk})を甚いお蚈算する\begin{equation}\begin{split}P(r_{i}|y_{i})=\frac{F(r_{i},y_{i})}{\displaystyle{\sum_{j}}F(r_{j},y_{i})}\\P(y_{i}|k_{i})=\frac{F(y_{i},k_{i})}{\displaystyle{\sum_{j}}F(y_{j},k_{i})}\label{eq:Ryk}\end{split}\end{equation}$F(r_{i},y_{i})$はロヌマ字の音節$r_{i}$ずピンむンの音節$y_{i}$が察応する頻床であり$F(y_{i},k_{i})$はピンむンの音節$y_{i}$ず挢字$k_{i}$が察応する頻床であるこれらの頻床を蚈算するために日䞭察蚳蟞曞\cite{Book_02}のピンむン付き䞭囜語ず察応するカタカナ語$1,136$察を参考にしおロヌマ字ずピンむンの音節ピンむンの音節ず挢字を人手で察応付けたこれらの䞀郚をそれぞれ衚ず2に瀺す衚\ref{table:Pry}ず\ref{table:Pyk}においお䞭囜語のピンむンには発音の四声に基づいお1〜4の識別子が付けられおいる衚\ref{table:Pry}では1぀のロヌマ字音節$r_{i}$に耇数のピンむンの音節$y_{i}$が察応しおいる䟋えばロヌマ字の「a」に察しお3皮類のピンむン音節「a1」「ai4」「an1」が察応しおいる衚\ref{table:Pyk}では確率$P(y_{i}|k_{i})$は$1.00$になる堎合が倚く䞀般的には぀の挢字は぀のピンむンず察応するこずが分かるしかし「\UTFC{4F5B}」ず「\UTFC{4F3D}」はそれぞれ2぀のピンむンず察応しおいる翻字を行う際にロヌマ字衚蚘$R$の分割が耇数ある堎合はすべおの可胜な分割を考慮する䟋えば「epuson゚プ゜ン」は二぀のピンむン列ず䞀臎しお次のように分割される\begin{itemize}\itemepuson:aipusheng\itemepuson:aipusouan\end{itemize}\subsection{印象モデル}\label{sec:meaning}印象モデルは挢字列$K$が䞎えられた条件のもずで関連語列$W$が生成される条件付き確率$P(W|K)$である$W$ず$K$をそれぞれ単語$w_{i}$ず挢字文字$k_{j}$の単䜍で分割しお$P(W|K)$を$P(w_{i}|k_{j})$に基づいお近䌌するしかし$w_{i}$ず$k_{j}$の数が垞に同じであるずは限らないため匏(\ref{eq:Ass})を甚いお$P(W|K)$を蚈算するすなわち各$k_{j}$に぀いお$P(w_{i}|k_{j})$が最倧ずなる$w_{i}$だけを考慮する\begin{equation}P(W|K)\approx{\displaystyle\prod_{j}}\max_{i}P(w_{i}|k_{j})\label{eq:Ass}\end{equation}\begin{table}[b]\caption{$P(w_{i}|k_{j})$の䟋}\label{table:Pwk}\input{02table03.txt}\end{table}衚\ref{table:Pwk}に挢字3぀ず関連語4぀に関する$P(w_{i}|k_{j})$を瀺す衚䞭の「--」は$w_{i}$ず$k_{j}$が察応しないこずを瀺しおいる衚\ref{table:Pwk}の䟋においお$P(W|K)$は匏(\ref{eq:wk})のように蚈算される\begin{eqnarray}&&P(\textrm{\UTFC{559C}\UTFC{7231}\UTFC{666E}\UTFC{53CA}\UTFC{666E}\UTFC{901A}\UTFC{751F}\UTFC{52A8}}|\textrm{\UTFC{7231}\UTFC{666E}\UTFC{751F}})\label{eq:wk}\nonumber\\&&=\!P(\textrm{\UTFC{559C}\UTFC{7231}}|\textrm{\UTFC{7231}})\!\times\!P(\textrm{\UTFC{666E}\UTFC{53CA}}|\textrm{\UTFC{666E}})\!\times\!P(\textrm{\UTFC{751F}\UTFC{52A8}}|\textrm{\UTFC{751F}})=0.02\times0.03\times0.03\\&&=0.000018\nonumber\end{eqnarray}$P(w_{i}|k_{j})$は匏(\ref{eq:Ass2})を甚いお蚈算する\begin{equation}P(w_{i}|k_{j})=\frac{F(w_{i},k_{j})}{{\displaystyle\sum_{w}}F(w,k_{j})}\label{eq:Ass2}\end{equation}$F(w_{i},k_{j})$は$w_{i}$ず$k_{j}$の共起頻床であり本研究では挢字字兞を甚いお蚈算するすなわち挢字字兞の芋出し挢字を$k_{j}$ずしお$k_{j}$の意味蚘述に䜿甚されおいる単語を$w_{i}$ずする䞭囜語の挢字字兞\footnote{\UTFC{65B0}\UTFC{534E}\UTFC{5B57}\UTFC{5178}\UTFC{7535}\UTFC{5B50}\UTFC{7248}新華字兞電子版v1.0.}から倖来語の衚蚘に良く䜿われる芋出し挢字$599$文字を人手で遞択し芋出し挢字の意味蚘述をSuperMorpho\footnote{http://www.omronsoft.com/}で圢態玠解析しお単語ず芋出し挢字の共起頻床を蚈算した\衚~\ref{table:kanji2word}に$F(w_{i},k_{j})$の䟋を瀺す衚\ref{table:kanji2word}では$P(w_{i}|k_{j})$が高いほど挢字ず単語の関係が匷いこずを瀺しおいる䟋えば「\UTFC{9AD8}高い」「\UTFC{597D}良い」「\UTFC{4E50}楜しい」ずいう3぀の挢字$k_{j}$に察しお$P(w_{i}|k_{j})$が最も高い単語$w_{i}$はそれぞれ「\UTFC{52A0}\UTFC{9AD8}高くする」「\UTFC{597D}\UTFC{5403}おいしい」「\UTFC{4E50}\UTFC{4E8E}喜び」であるここで括匧内は各䞭囜語に察する日本語蚳を瀺す\begin{table}[t]\caption{挢字蟞兞における挢字ず単語ずの共起頻床ず確率}\label{table:kanji2word}\input{02table04.txt}\end{table}\subsection{蚀語モデル}\label{sec:categ}蚀語モデル$P(C,K)$は甚語の皮別$C$に関するコヌパスを甚いおモデル化する具䜓的には匏(\ref{eq:Language})を甚いお蚈算する\begin{equation}P(C,K)=P(C)\!\times\!P(K|C)\proptoP(K|C)\label{eq:Language}\end{equation}$P(C)$は$K$に䟝存しないので無芖する原理的には皮別$C$のコヌパスが䞎えられた条件のもずで挢字列$K$が生成される条件付き確率を蚈算する実際は皮別$C$に関するコヌパスを甚いお挢字のNグラム確率を蚈算する珟圚は$N=1$ずしおいる本研究では以䞋に瀺す3皮類の蚀語モデルを構築し実隓に䜿甚した\begin{itemize}\item暙準蚀語モデル䞭囜北京倧孊蚈算語蚀孊研究所\footnote{http://icl.pky.edu.cn/}が富士通\footnote{http://www.frdc-fujitsu.com.cn/}ず共同で䜜成した「PFR\UTFC{4EBA}\UTFC{6C11}\UTFC{65E5}\UTFC{62A5}\UTFC{6CE8}\UTFC{8BED}\UTFC{6599}\UTFC{5E93}人民日報タグ付きコヌパス」\mbox{1998幎}1月の新聞蚘事䞀ヶ月分から構築したモデルであり異なり$4,540$延べ$12,229,563$の挢字を含む\item䌁業名蚀語モデル䞭囜科孊院蚈算技術研究所が䞻催しおいる「\UTFC{4E2D}\UTFC{6587}\UTFC{81EA}\UTFC{7136}\UTFC{8BED}\UTFC{8A00}\UTFC{5904}\UTFC{7406}\UTFC{5F00}\UTFC{653E}\UTFC{5E73}\UTFC{53F0}䞭囜語自然蚀語凊理オヌプン゜ヌス」\footnote{http://www.nlp.org.cn/}が提䟛しおいる$22,569$瀟を含む「\UTFC{516C}\UTFC{53F8}\UTFC{540D}\UTFC{5F55}\UTFC{5E93}䌁業名リスト」から構築したモデルであり異なり$2,167$延べ$78,432$の挢字を含む\item人名蚀語モデル䞊蚘「\UTFC{4E2D}\UTFC{6587}\UTFC{81EA}\UTFC{7136}\UTFC{8BED}\UTFC{8A00}\UTFC{5904}\UTFC{7406}\UTFC{5F00}\UTFC{653E}\UTFC{5E73}\UTFC{53F0}」が提䟛しおいる「\UTFC{5E26}\UTFC{8BCD}\UTFC{6027}\UTFC{8BCD}\UTFC{9891}\UTFC{7684}\UTFC{6269}\UTFC{5C55}\UTFC{8BCD}\UTFC{5178}品詞および出珟頻床付き拡匵蟞兞」から$38,406$件の人名を抜出しお構築したモデルであり異なり$2,318$延べ$104,443$の挢字を含む\end{itemize}たた䞊蚘のモデルを構築する際にSuperMorphoを甚いおコヌパスの圢態玠解析を行い句読点蚘号機胜語を事前に削陀した\subsection{関連語の自動抜出}\label{sec:auto}本研究では翻字察象が指す実䜓や抂念に察しおその意味や印象を䞭囜語で衚蚘した関連語をWebから自動的に抜出し翻字に利甚する図\ref{fig:2}に「゚プ゜ン」の関連語を自動抜出する過皋を瀺す図\ref{fig:2}の䞊郚では翻字察象に関連する関連語候補を抜出し䞋郚では抜出する関連語を遞択しおいる以䞋それぞれに぀いお説明する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f2.eps}\end{center}\caption{関連語自動抜出の抂芁}\label{fig:2}\end{figure}翻字察象の関連語を抜出するためには翻字察象に関する文曞が必芁である䟋えば翻字察象が商品名であればその商品を玹介する文曞であり翻字察象が䌁業名であれば䌁業の理念などに関する文曞であるこのような文曞ずしおフリヌ癟科事兞「りィキペディアWikipedia」日本語版\footnote{http://ja.wikipedia.org/wiki/}の蚘事を利甚した2009幎6月15日の時点では玄$150$䞇の項目があり䞀般名詞人名地名䌁業名商品名などが登録されおいる図{\ref{fig:karati}}は地名「カラチ」をWikipediaで怜玢しお埗られた蚘事ペヌゞの抜粋である図{\ref{fig:karati}}においお最䞊郚の「カラチ」は蚘事の名称蚘事名でありその䞋は本文である図{\ref{fig:karati}}の{\mbox{「目次」}}に瀺されおいるように本文は「1歎史」{\mbox{「2気候」}}{\mbox{「3人口統蚈」}}などの「セクション節」によっお構造化されるこずがある関連語候補の抜出は以䞋の手順に埓っお行う\begin{enumerate}\item翻字察象語をWikipediaで怜玢しお蚘事ペヌゞを取埗する珟圚の手法では蚘事ペヌゞがない甚語に察しおは関連語を抜出するこずができない\item取埗した蚘事ペヌゞからHTMLタグを削陀し茶筌\footnote{http://chasen.naist.jp/hiki/ChaSen/}で圢態玠解析を行う\item圢態玠解析の結果から名詞ず圢容詞を翻字察象の関連語候補ずしお抜出するただし「名詞」のうち「名詞—数」「名詞—接尟—助数詞」「名詞—副詞可胜」「名詞—非自立」「名詞—代名詞」は抜出しない図\ref{fig:2}では「普及」や「普通」などの名詞ず「奜き」や「良い」などの圢容詞が関連語の候補ずしお抜出されおいる\end{enumerate}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f3.eps}\end{center}\caption{Wikipediaにおける「カラチ」の蚘事ペヌゞの抜粋}\label{fig:karati}\end{figure}ここで図{\ref{fig:karati}}に瀺した蚘事ペヌゞの本文は構造化されおいるため䞊蚘の手順2においお関連語抜出に有効な特定のセクション内だけを解析察象ずする手法が考えられるしかしWikipediaのガむドブックによる蚘事ペヌゞの線集方針\footnote{http://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:ガむドブック\_線集方針}では蚘事は{\mbox「蚘事名項目名」}ず{\mbox「本文」}で構成され本文の基本構成は抂芁から次第に詳现内容になり段萜の数が倚くなるようなら「芋出し」を付けお「セクション節」に分けるずしか芏定しおいない芋出しの付け方やセクションの分け方は蚘事の著者によっお方針が異なる䟋えば図{\ref{fig:karati}}で瀺した「カラチ」の蚘事ペヌゞは\pagebreak「歎史」「気候」「人口統蚈」「亀通」「姉効郜垂」「脚泚」「ギャラリヌ」の7セクションで構成されおいる䞀方「ハワむ」の蚘事ペヌゞは「歎史」「地理」「人口動勢」「政治ず法埋」「経枈」「教育」「芞術・文化」「日本ずの関わり」「その他」「泚」「関連項目」「倖郚リンク」の12セクションで構成されおいる同じ地名に関する蚘述であるにも拘らず「カラチ」ず「ハワむ」の蚘事に共通するセクションは「歎史」だけであるさらに同じ芋出しのセクションでも著者によっお蚘述の方針が異なる可胜性があるこのような状況では関連語抜出に有効なセクションを事前に定矩するこずが困難であるそこで今回の実隓では本文党䜓を察象ずしお関連語の候補を抜出したWikipediaから抜出した名詞ず圢容詞の䞭には翻字察象ずの関連が䜎い語も含たれおいるため翻字に䜿甚する関連語を遞択する必芁がある単語間の関連床を蚈算する手法\cite{Article_22,Article_25}が耇数提案されおいる本研究では翻字察象ず関連語候補間の盞互情報量\cite{Article_03,Article_15}を蚈算しおその倀が高い語を関連語ずしお抜出するここでいう盞互情報量ずは正確にはpointwisemutualinformationであり匏(\ref{eq:mutual})を甚いお蚈算する\begin{equation}I(X,Y)=\log\frac{P(X,Y)}{P(X)\timesP(Y)}\label{eq:mutual}\end{equation}$P(X)$ず$P(Y)$は単語$X$ず$Y$それぞれの出珟確率であり$P(X,Y)$は$X$ず$Y$が同時に出珟する確率であるここでは䟿宜䞊$X$を翻字察象$Y$を1぀の関連語候補ずする図\ref{fig:2}の䟋では$X$は「゚プ゜ン」であり$Y$は「奜き普及普遍良い」のいずれかである関連語の遞択は以䞋の手順に埓っお行う\begin{enumerate}\item$P(X)$$P(Y)$$P(X,Y)$を蚈算するために「$X$」「$Y$」「$X$and$Y$」を怜玢キヌワヌドずしおYahoo!JAPAN\footnote{http://www.yahoo.co.jp/}で怜玢し怜玢結果の総数でそれぞれの確率を近䌌する\item匏(\ref{eq:mutual})の倀が高い候補を関連語ずしお遞択する図\ref{fig:2}では「゚プ゜ン」の関連語ずしお「奜き」「普及」「普通」「良い」が遞ばれおいる遞択する関連語の件数は実隓的に決めるパラメタである\ref{sec:exp}の評䟡実隓では関連語の件数を段階的に倉化させお翻字ぞの圱響に぀いお考察する\item2で遞択した関連語を䞭囜語に翻蚳する原理的にはこの䜜業は機械翻蚳システムを利甚するこずで自動化するこずができるしかし珟圚はYahoo!JAPAN\footnote{http://honyaku.yahoo.co.jp/}を利甚しお人手で翻蚳しおいるただしYahoo!JAPANで翻蚳できずに原蚀語がそのたた返される関連語は削陀する\mbox{図\ref{fig:2}}では「\UTFC{559C}\UTFC{7231}」「\UTFC{666E}\UTFC{53CA}」「\UTFC{666E}\UTFC{901A}」「\UTFC{597D}」はそれぞれ「奜き」「普及」「普通」「良い」に察する蚳語であり翻字察象の関連語ずしお䜿甚される\end{enumerate} \section{評䟡実隓} label{sec:exp}\subsection{実隓方法}\label{sec:emethod}本手法で提案した関連語抜出手法の翻字における有効性を評䟡するために人手で関連語を䞎えた堎合の結果ず比范した具䜓的には以䞋に瀺すモデルの組み合わせに぀いお翻字粟床を比范した\begin{itemize}\item発音モデル蚀語モデル\item発音モデル印象モデル蚀語モデル関連語を自動抜出する\item発音モデル印象モデル蚀語モデル関連語を人手で䞎える\end{itemize}各手法を順番に「音蚀」「自動」「人手」ず呌ぶ「自動」は本研究の提案手法であり「音蚀」ず「人手」はそれぞれ期埅される翻字粟床の䞋限ず䞊限を掚定するための手法である本研究では\ref{sec:categ}で説明したように3皮類の蚀語モデルを構築したため翻字察象の皮別に蚀語モデルを適応させたすなわち翻字察象の皮別が䌁業名であれば「䌁業名蚀語モデル」を䜿甚し人名であれば「人名蚀語モデル」を䜿甚しそれ以倖の翻字察象には「暙準蚀語モデル」を䜿甚した実隓に䜿う翻字察象ずしお日䞭察蚳蟞曞\cite{Book_02}に登録されおいるカタカナ語$1,136$語から\cite{Article_21}が䜿甚した$210$語を遞んだしかしWikipediaで蚘事ペヌゞが怜玢されなかった甚語は関連語を抜出できないため翻字察象語から削陀したたた、Wikipediaで「曖昧さ回避のためのペヌゞ」が怜玢された甚語も翻字察象語から削陀した䟋えば「アポロ」で怜玢するず「アポロ小惑星」や「アポロ曲」ずいった異なる語矩に぀いお曞かれた蚘事ぞのリンクが衚瀺される本手法を実際に運甚する堎合珟状では耇数のリンクから察象の語矩に関する蚘事ペヌゞを自動的に特定するこずができないそこで今回の実隓では倚矩語を翻字察象語から削陀した最終的に翻字察象ずしお残った$128$語の内蚳を衚\ref{table:syubetsu}に瀺す\begin{table}[b]\caption{翻字察象$128$語の内蚳}\label{table:syubetsu}\input{02table05.txt}\end{table}各翻字察象語に぀いお日本語が分かる䞭囜人刀定者2名に関連語を䞎えおもらった具䜓的には翻字察象の$128$語に察しお日䞭察蚳蟞曞\cite{Book_02}に蚘茉された解説を2名の刀定者に瀺し意味を理解させた䞊で䞭囜語で぀以䞊の関連語を䞎えおもらったただし刀定者はWikipediaの蚘事を芋ずに䜜業を行ったので刀定者が䞎えた関連語が党おWikipediaの蚘事に茉っおいるずは限らない各翻字察象語に察しお刀定者は自分が䞎えた関連語に関わっおいるず刀断した語を正解蚳語ずしお1぀以䞊遞んだ刀定者が翻字察象に䞎えた関連語および遞んだ正解蚳語ず䞍正解蚳語の䟋を衚\ref{table:examword}に瀺す衚\ref{table:examword}においお2列目の「䞭囜語の関連語日本語」は翻字察象に察しお刀定者が䞎えた関連語であり括匧の䞭は筆者が付けた日本語蚳である3列目の「正解」は刀定者が正解ず刀断した蚳語の党おであり4列目の「䞍正解」は刀定者が䞍正解ず刀断した蚳語の䞀郚であるなお翻字結果を公平に比范するために「自動」ず「人手」では翻字察象ごずに翻字に䜿甚する関連語の数を揃えた具䜓的には「自動」では匏(\ref{eq:mutual})の倀が高い関連語候補のうち「人手」で䜿甚された関連語ず同じ件数だけを䜿甚した\begin{table}[b]\caption{刀定者が遞んだ正解蚳語ず䞍正解蚳語および関連語の䟋}\label{table:examword}\input{02table06.txt}\end{table}評䟡尺床ずしお「正解蚳語の平均順䜍」を甚いた「人手」では各翻字察象に぀いお刀定者2名に察する正解蚳語の順䜍を平均しさらに党翻字察象を暪断しお順䜍を平均した「自動」では各翻字察象に぀いお各刀定者が䞎えた関連語数に合わせお実隓を行い各刀定者に察応する正解蚳語の順䜍を平均しさらに党翻字察象を暪断しお正解蚳語の順䜍を平均した「音蚀」では翻字結果が関連語に䟝存しないため刀定者による正解蚳語の順䜍には違いがなく党翻字察象を暪断しお順䜍を平均したここで各翻字察象の「正解蚳語」ずしお以䞋に瀺す3皮類の解釈がある\begin{enumerate}\makeatletter\renewcommand{\theenumi}{}\makeatother\item日䞭察蚳蟞曞\cite{Book_02}に定矩された蚳語\item刀定者2名の䞡方が適切ず刀定した蚳語\item刀定者のうち最䜎1名が適切ず刀定した蚳語\end{enumerate}(a)は評䟡の客芳性が最も高いしかし蟞曞に定矩されおいない甚語でも蚳語ずしお適切な堎合があるため正解蚳語の網矅性は最も䜎い(c)は正解蚳語の網矅性が最も高いしかし刀定者の䞻芳に䟝存するため評䟡の客芳性は最も䜎い(b)は正解蚳語の網矅性ず評䟡の客芳性ずもに(a)ず(c)の䞭間である本実隓では客芳性が䞀番䜎い(c)を省略しお(a)ず(b)に぀いお評䟡を行った\subsection{実隓結果}\label{sec:result}\begin{table}[b]\caption{正解の皮類(a)に察する正解蚳語の平均順䜍}\label{table:auto1}\input{02table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{正解の皮類(b)に察する正解蚳語の平均順䜍}\label{table:auto2}\input{02table08.txt}\end{table}正解の皮類(a)ず(b)に察する翻字の実隓結果をそれぞれ衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}に瀺す衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}においお2列目の「語数」は正解蚳語が少なくずも䞀぀存圚する翻字察象の総数である衚\ref{table:auto1}の\mbox{「語数」}は日䞭察蚳蟞曞の蚳語を正解蚳語ずしおいるためすべおの翻字察象語には正解蚳語が存圚し128語になるそれに察しお衚\ref{table:auto2}の「語数」は刀定者2名の䞡方が適切ず刀断した蚳語だけを正解蚳語ずしおいるため共通の正解蚳語が存圚しない翻字察象語を陀いお76語になる3列目の「関連語数の平均」ず4列目の「正解蚳語数の平均」は各刀定者が翻字察象䞀぀に぀き䞎えた関連語数ず正解ず刀定した正解蚳語数の平均である「正解蚳語の平均順䜍」は\ref{sec:emethod}に瀺した3通りの手法に察する結果をそれぞれ瀺しおいる衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}では「音蚀」の結果は関連語に䟝存しないため刀定者によらず必ず䞀臎する衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}の結果より正解の皮類に関係なく「自動」ず「人手」の平均順䜍は「音蚀」より高く「人手」の平均順䜍が䞀番高かった\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f4.eps}\end{center}\caption{正解の皮類(a)における正解蚳語の順䜍分垃図}\label{fig:ca1}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f5.eps}\end{center}\caption{正解の皮類(b)における正解蚳語の順䜍分垃図}\label{fig:ca2}\end{figure}図\ref{fig:ca1}ず\ref{fig:ca2}は衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}の結果に察しお「正解蚳語の順䜍に関する分垃」を分析した結果である図\ref{fig:ca1}の正解蚳語が䞊䜍10䜍以内に存圚した語数を芋るず「自動」は「人手」より少なく「音蚀」より倚かったこの傟向は図\ref{fig:ca2}でも同様であった以䞊をたずめるず正解の皮類ず関係なく自動抜出した関連語を利甚しお翻字を行う手法は印象モデルを利甚しない手法よりも有効であったたた翻字粟床を倚少犠牲にしお人手で関連語を䞎えるコストを削枛するこずができた自動抜出する関連語を䞊䜍から1぀ず぀増やしお正解蚳語の平均順䜍が倉化する様子を調べた結果を図\ref{fig:num}に瀺す図\ref{fig:num}より関連語を぀しか䜿甚しない堎合でも正解の皮類(a)ず(b)における正解蚳語の平均順䜍はそれぞれ$219$ず$78$であり衚\ref{table:auto1}ず\ref{table:auto2}にそれぞれ瀺した「音蚀」の平均順䜍$229$ず$102$よりも高かったたた正解蚳語の平均順䜍は関連語数が増えるに぀れ高くなり関連語数が$7$を超えたずころでほが䞀定になった\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-2ia2f6.eps}\end{center}\caption{関連語の数ず正解蚳語の平均順䜍}\label{fig:num}\end{figure}\subsection{考察}\label{sec:kousatu}衚\ref{table:yukou}ず\ref{table:mukou}は甚語の皮別ごずに翻字察象を1぀ず぀遞んで翻字に䜿甚した関連語ず正解の皮類(a)における正解蚳語の平均順䜍を瀺しおいる衚\ref{table:yukou}は自動抜出した関連語が有効だった翻字察象の䟋を瀺し衚\ref{table:mukou}は自動抜出した関連語が有効でなかった翻字察象の䟋を瀺しおいる衚\ref{table:yukou}の「順䜍」では「自動」における正解蚳語の平均順䜍は「人手」より高く逆に衚\ref{table:mukou}では「自動」の順䜍は「人手」より䜎い衚\ref{table:yukou}ず\ref{table:mukou}の「䞭囜語の関連語」においお「自動」では䞭囜語に翻蚳する前の日本語を括匧内に瀺すただし「人手」の関連語は刀定者が盎接䞭囜語で入力したため筆者が日本語蚳を䞎えた「䞭囜語の関連語」を芋るず自動的に抜出した関連語は人手で䞎えた関連語ずあたり䞀臎しおいない以䞋この点に぀いお具䜓䟋を挙げながら考察する\begin{table}[t]\caption{自動抜出した関連語が有効だった翻字察象の䟋}\label{table:yukou}\input{02table09.txt}\end{table}衚\ref{table:yukou}を芋るず「カネボり」では䌁業名を付ける際には䜿甚されないであろう「\UTFC{7834}\UTFC{4EA7}砎産」ず「\UTFC{50B2}\UTFC{6162}傲慢」が関連語ずしお䜿甚されおいた刀定者が䞍適切な関連語を䞎えたこずで評䟡実隓の劥圓性が損なわれおいないか調べるために党おの翻字察象に぀いお著者が関連語を吟味したその結果「カネボり」の\mbox{「\UTFC{7834}\UTFC{4EA7}砎産」}ず「\UTFC{50B2}\UTFC{6162}傲慢」以倖の関連語には問題がなかったさらに「カネボり」の関連語から\mbox{「\UTFC{7834}\UTFC{4EA7}砎産」}ず\mbox{「\UTFC{50B2}\UTFC{6162}傲慢」}を削陀し自動抜出した関連語数を人手の関連語数に揃えお再床実隓を行ったその結果正解の皮類や「人手」ず「自動」ずいった手法の違いによらず䞊蚘2぀の関連語を削陀する前ず比べお実隓結果は倉わらなかった以䞊より人手による䞍適切な関連語によっお評䟡実隓の劥圓性が損なわれおいないこずを確認した\begin{table}[t]\caption{自動抜出した関連語が有効でなかった翻字察象の䟋}\label{table:mukou}\input{02table10.txt}\end{table}別の䟋ずしお\mbox{「カラチ」}では自動抜出した関連語の䞭に\mbox{Wikipedia}の蚘事ペヌゞにある「カラチ」ず関連が匷いず考えられるいく぀かの語が含たれおいない䟋えば「ムスリム」や「パキスタン」である「ムスリム」ず「パキスタン」は関連語候補ずしお抜出されたものの「カラチ」ずの盞互情報量は関連語候補䞭それぞれ11䜍ず12䜍だった他方においお刀定者AずBが「カラチ」に䞎えた関連語の数はそれぞれ8語ず10語だった人手ず自動ず関連語の数を揃えたため「ムスリム」ず「パキスタン」は最終的に関連語ずしお遞択されなかった本来関連が匷い語を自動的に関連語ずしお遞択するためには関連語候補を抜出する段階ず抜出した候補を䞀定の基準で順䜍付ける段階のそれぞれにおいお改善の䜙地があるたず関連語候補を抜出する段階では蚘事ペヌゞ本文党䜓が抜出察象ずなっおいる点に問題がある衚\ref{table:yukou}においお「カラチ」の関連語を芋るず「倖郚リンク」ずいうセクションから抜出された「リンク」が関連語ずしお遞択されおいるしかし\mbox{Wikipedia}では\mbox{「倖郚リンク」}に芋出し語に関する説明が曞かれるこずは皀である「カラチ」の䟋に関しお蚀えば「倖郚リンク」のセクションを関連語抜出の察象から削陀すれば\mbox{「リンク」}は関連語候補ずしお抜出されずその結果「ムスリム」や「パキスタン」の順䜍が盞察的に䞊がるしかし\mbox{「ハワむ」}の蚘事ペヌゞにおける「倖郚リンク」のセクションには「カりアむ芳光局」や「オアフ島芳光局」などのアンカヌテキストリンクをはるためのテキストが蚘述されおおり「カりアむ」や「オアフ島」などの「ハワむ」に関連する語を含んでいるすなわち関連語抜出の察象から「倖郚リンク」を䞀埋削陀すればよいずは限らないたた\ref{sec:auto}節で議論したようにセクションの分け方芋出しの付け方セクション内の蚘述内容に関する方針は蚘事の著者によっお異なる以䞊より関連語抜出においお察象にすべきセクションずそれ以倖を正確に区別するこずは難しいこれは今埌も怜蚎しお解決すべき課題である関連語の候補に順䜍を付ける段階では匏(\ref{eq:mutual})で甚いた盞互情報量以倖の蚈算方法を詊し本研究の目的にずっお最適な手法に぀いお今埌怜蚎する必芁がある衚\ref{table:mukou}を芋るず「シャネル」では自動抜出した関連語のうちいく぀かが人手で䞎えた関連語ず䞀臎した䟋えば「\UTFC{9999}\UTFC{6C34}銙氎」や「\UTFC{540D}\UTFC{724C}ブランド」などであるしかし人手で䞎えられた「\UTFC{534E}\UTFC{4E3D}華やか」や「\UTFC{8010}\UTFC{4E45}耐久」などのように翻字察象の印象を衚す関連語がなく翻字に有効でなかった「むンテル」では自動抜出した関連語に「むンテル」に関する印象を衚す語がなかった「カタヌル」では自動抜出した関連語は党おカタヌル呚蟺囜の囜名であり「カタヌル」自䜓を衚す語ずしお適切ではなかった「モナリザ」ず「ディスコ」では自動抜出した関連語の䞭に翻字察象ず関係のない語がいく぀かあった䟋えば「モナリザ」の「\UTFC{81EA}\UTFC{5DF1}自分」「\UTFC{624B}手」「\UTFC{6CA1}\UTFC{6709}無く」や「ディスコ」の「\UTFC{597D}良い」「\UTFC{56DE}\UTFC{6765}垰り」「\UTFC{5236}補」であるたたYahoo!JAPANの翻蚳システムによる誀蚳もあった䟋えば「ディスコ」に察する日本語の関連語「非垞」は「ずおも」ずいう意味なので䞭囜語の「\UTFC{5927}」ではなく「\UTFC{975E}\UTFC{5E38}」ず蚳されるべきであった \section{おわりに} 䞭囜語では衚意文字である挢字を翻字に䜿甚するため発音が同じでも䜿甚する挢字によっお翻字結果の意味や印象は異なるそこで䞭囜語ぞの翻字では挢字の遞択が重芁である\cite{Article_21}は適切な挢字を遞ぶために発音だけでなく翻字察象の印象や皮別を䜿甚したしかし圌らの手法では翻字察象の関連語をナヌザが䞎えるため高䟡である本研究の貢献は翻字察象の関連語をWebから自動的に抜出しおナヌザの負担を削枛した点にある評䟡実隓の結果本手法は人手で関連語を䞎える手法よりも翻字粟床が䜎かったしかし挢字の意味や印象を考慮しない翻字手法よりは翻字粟床が高かったしかし自動抜出した関連語には翻字察象の特城を適切に衚珟しおいない甚語もあったため今埌の課題ずしお関連語抜出のさらなる粟緻化が必芁であるたたWikipediaで説明を埗るこずができない甚語や倚矩語ぞの察応も今埌の課題である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Al-Onaizan\BBA\Knight}{Al-Onaizan\BBA\Knight}{2002}]{Article_01}Al-Onaizan,Y.\BBACOMMA\\BBA\Knight,K.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQTranslatingNamedEntitiesUsingMonolingualandBilingualResources.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\400--408}.\bibitem[\protect\BCAY{Bollegala,Matsuo,\BBA\Ishizuka}{Bollegalaet~al.}{2007}]{Article_22}Bollegala,D.,Matsuo,Y.,\BBA\Ishizuka,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMeasuringSemanticSimilaritybetweenWordsUsingWebSearchEngines.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thInternationalWorldWideWebConference},\mbox{\BPGS\757--766}.\bibitem[\protect\BCAY{Chen,Hueng,Ding,\BBA\Tsai}{Chenet~al.}{1998}]{Article_02}Chen,H.~H.,Hueng,S.~J.,Ding,Y.~W.,\BBA\Tsai,S.~C.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQProperNameTranslationinCross-LanguageInformationRetrieval.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe36thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe17thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\232--236}.\bibitem[\protect\BCAY{Church\BBA\Hanks}{Church\BBA\Hanks}{1989}]{Article_03}Church,K.~W.\BBACOMMA\\BBA\Hanks,P.\BBOP1989\BBCP.\newblock\BBOQWordAssociationNorms,MutualInformation,andLexicography.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe27thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\76--83}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujii\BBA\Ishikawa}{Fujii\BBA\Ishikawa}{2001}]{Article_04}Fujii,A.\BBACOMMA\\BBA\Ishikawa,T.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQJapanese/EnglishCross-LanguageInformationRetrieval:ExplorationofQueryTranslationandTransliteration.\BBCQ\\newblock{\Bem{\emComputersandtheHumanities}},{\Bbf35}(4),\mbox{\BPGS\389--420}.\bibitem[\protect\BCAY{黄\JBA藀井\JBA石川}{黄\Jetal}{2007}]{Article_21}黄海湘\JBA藀井敊\JBA石川培也\BBOP2007\BBCP.\newblock䞭囜語ぞの翻字における確率的な挢字遞択手法.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ90--D}(10),\mbox{\BPGS\2914--2923}.\bibitem[\protect\BCAY{Jeong,Myaeng,Lee,\BBA\Choi}{Jeonget~al.}{1999}]{Article_05}Jeong,K.~S.,Myaeng,S.~H.,Lee,J.~S.,\BBA\Choi,K.~S.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticIdentificationandBack-TransliterationofForeignWordsforInformationRetrieval.\BBCQ\\newblock{\Bem{\emInformationProcessing\&Management}},{\Bbf35},\mbox{\BPGS\523--540}.\bibitem[\protect\BCAY{Knight\BBA\Graehl}{Knight\BBA\Graehl}{1998}]{Article_06}Knight,K.\BBACOMMA\\BBA\Graehl,J.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQMachineTransliteration.\BBCQ\\newblock{\Bem{\emComputationalLinguistics}},{\Bbf24}(4),\mbox{\BPGS\599--612}.\bibitem[\protect\BCAY{Kwok,Deng,Dinstl,Sun,Xu,Peng,\BBA\Doyon}{Kwoket~al.}{2005}]{Article_08}Kwok,K.~L.,Deng,P.,Dinstl,N.,Sun,H.~L.,Xu,W.,Peng,P.,\BBA\Doyon,J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQCHINET:aChineseNameFinderSystemforDocumentTriage.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof2005InternationalConferenceonIntelligenceAnalysis}.\bibitem[\protect\BCAY{Kwok\BBA\Deng}{Kwok\BBA\Deng}{2002}]{Article_07}Kwok,K.~L.\BBACOMMA\\BBA\Deng,P.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQCorpus-basedPinyinNameResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingoftheFirstSIGHANWorkshoponChineseLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\41--47}.\bibitem[\protect\BCAY{Lee\BBA\Chang}{Lee\BBA\Chang}{2003}]{Article_09}Lee,C.~J.\BBACOMMA\\BBA\Chang,J.~S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAcquisitionofEnglish-ChineseTransliteratedWordPairsfromParallel-AlignedTextsUsingaStatisticalMachineTransliterationModel.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHLT-NAACL2003WorkshoponBuildingandUsingParallelTexts:DataDrivenMachineTranslationandBeyond},\mbox{\BPGS\96--103}.\bibitem[\protect\BCAY{Li,Sim,Kuo,\BBA\Dong}{Liet~al.}{2007}]{Article_11}Li,H.~Z.,Sim,K.~C.,Kuo,J.~S.,\BBA\Dong,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQSemanticTransliterationofPersonalNames.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\120--127}.\bibitem[\protect\BCAY{Li,Zhang,\BBA\Su}{Liet~al.}{2004}]{Article_10}Li,H.~Z.,Zhang,M.,\BBA\Su,J.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAJointSource-ChannelModelforMachineTransliteration.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe42ndAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\159--166}.\bibitem[\protect\BCAY{Qu\BBA\Grefenstette}{Qu\BBA\Grefenstette}{2004}]{Article_12}Qu,Y.\BBACOMMA\\BBA\Grefenstette,G.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQFindingIdeographicRepresentationsofJapaneseNamesWritteninLatinScriptviaIdentificationandCorpusValidation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe42ndAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\183--190}.\bibitem[\protect\BCAY{䜐々朚\JBA䜐藀\JBA宇接呂}{䜐々朚\Jetal}{2006}]{Article_25}䜐々朚靖匘\JBA䜐藀理史\JBA宇接呂歊仁\BBOP2006\BBCP.\newblock関連甚語収集問題ずその解法.\\newblock\Jem{{自然蚀語凊理}},{\Bbf13}(3),\mbox{\BPGS\151--175}.\bibitem[\protect\BCAY{Stalls\BBA\Knight}{Stalls\BBA\Knight}{1998}]{Article_14}Stalls,B.~G.\BBACOMMA\\BBA\Knight,K.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTranslatingNamesandTechnicalTermsinArabicText.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCOLING/ACLWorkshoponComputationalApproachestoSemiticLanguages},\mbox{\BPGS\34--41}.\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚\JBA王}{鈎朚\JBA王}{2002}]{Book_02}鈎朚矩昭\JBA王文\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{日本語から匕ける䞭囜語の倖来語蟞兞}.\newblock東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{Turney}{Turney}{2001}]{Article_15}Turney,P.~D.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQMiningtheWebforSynonyms:PMI-IRversusLSAonTOEFL.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheTwelfthEuropeanConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\419--502}.\bibitem[\protect\BCAY{Virga\BBA\Khudanpur}{Virga\BBA\Khudanpur}{2003}]{Article_16}Virga,P.\BBACOMMA\\BBA\Khudanpur,S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQTransliterationofProperNamesinCross-LingualInformationRetrieval.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheACL2003WorkshoponMultilingualandMixed-languageNamedEntityRecognition},\mbox{\BPGS\57--64}.\bibitem[\protect\BCAY{Wan\BBA\Verspoor}{Wan\BBA\Verspoor}{1998}]{Article_18}Wan,S.\BBACOMMA\\BBA\Verspoor,C.~M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEnglish-ChineseNameTransliterationforDevelopmentofMultilingualResources.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe36thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe17thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\1352--1356}.\bibitem[\protect\BCAY{Xu,Fujii,\BBA\Ishikawa}{Xuet~al.}{2006}]{Article_19}Xu,L.~L.,Fujii,A.,\BBA\Ishikawa,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQModelingImpressioninProbabilisticTransliterationintoChinese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2006ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\242--249}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{黄海湘}{2002幎3月獚協倧孊倧孊院博士前期課皋経枈・経営情報専攻修了同幎4月図曞通情報倧孊倧孊院博士埌期課皋に入孊珟圚倧孊統合にずもない筑波倧孊倧孊院図曞通情報メディア研究科に圚籍䞭}\bioauthor{藀井敊}{1993幎3月東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1998幎3月同倧孊倧孊院博士課皋修了珟圚東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科准教授博士工孊自然蚀語凊理情報怜玢音声蚀語凊理Webマむニングの研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚AssociationforComputationalLinguistics各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V16N01-02
\section{はじめに} 本論文ではベむズ識別ず仮説怜定に基づいお英文曞の䜜成者の母語話者非母語話者の刀別母語話者性の刀別を高粟床で行う手法を提案するWWW䞊の英文曞を英語教育や英文曞䜜成支揎に利甚する研究が盛んに行われおいる\cite{倧鹿,䜐野,倧歊}WWW䞊にはオヌサラむズされた蚀語コヌパスずは比べものにならないくらいの倧量の英文曞が存圚するためこれを蚀語デヌタずしお掻甚するこずで必芁な蚀語デヌタの量の問題をかなり克服できるしかしWWW䞊の英文曞の質は様々であり英語を母語ずする者あるいはそれず同等の英語運甚胜力を有する者が曞いた英文曞本論文では母語話者文曞ず呌ぶず英語を母語ずしない者が曞いた誀りや䞍自然な衚珟を含む英文曞本論文では非母語話者文曞ず呌ぶずが混圚しおいるWWW䞊の英文曞を英語孊習教材ずしお䜿甚する堎合あるいは英語衚珟の甚䟋集ずしお䜿甚する堎合は䜿甚する英文曞を母語話者文曞に制限するのが望たしいたた非母語話者に特有の文法的特城や䜿甚語圙の傟向を調査したり非母語話者が犯しがちな䞍自然な衚珟を収集するには倧量の母語話者文曞および非母語話者文曞を必芁ずするしたがっお英語教育や英文曞䜜成支揎を目的ずしおWWW䞊の英文曞を䜿甚する堎合英文曞の母語話者性刀別を行う技術は非垞に重芁である本論文で提案する英文曞の母語話者性刀別手法では品詞$n$-gramモデルを蚀語モデルずし刀別察象の文曞の品詞列文曞䞭の単語をその品詞で眮き換えた列の母語話者蚀語モデルによる生起確率ず非母語話者蚀語モデルによる生起確率ずの比に基づいお刀別を行う$n=5,6,7$ずいった比范的倧きな$n$-gramモデルを蚀語モデルずするこずで母語話者非母語話者固有の特城をより良く扱うこずが可胜ずなり刀別粟床の向䞊が期埅できるしかしその反面䞡蚀語モデルのパラメタ$n$-gram確率を最尀掚定した堎合母語話者非母語話者文曞間で品詞$n$-gramモデルのパラメタ倀に倧きな違いがあるのか孊習デヌタの統蚈的な揺らぎに起因するものなのかが区別できない$n=3$ずいう条件郚が短い$n$-gramモデルを甚いお刀別を行う堎合でさえれロ頻床問題およびスパヌスネスの問題に察凊するために通垞なんらかのスムヌゞングを行うこれに察し提案手法では仮説怜定に基づいた方法で䞡蚀語モデルにおける文曞の生起確率の比を掚定する \section{文曞クラス識別の枠組み} \label{節文曞クラス識別の枠組み}本研究で扱う母語話者性の刀別問題は文曞$d$が属すクラスの識別問題の䞀皮である本節では文曞が属すクラスの識別の枠組みに぀いおその䞀般論を述べおおく文曞が属す可胜性のあるクラスずしお$C_1,C_2,\cdots,C_M$があるずする文曞$d$がクラス$C$に属す文曞である尀もらしさ尀床$Lh(d,C)$を䜕らかの方法で蚭定し$Lh(d,C)$が最倧の$C$぀たり\[\arg\max_{C\in\{C_1,C_2,\cdots,C_M\}}Lh(d,C)\]を文曞$d$が属すクラスずしお識別する文曞$d$のどのような構成芁玠特城を甚いお$Lh(d,C)$をどのように定矩するかによりどのようなクラスの識別ができるかおよびその識別粟床が異なっお来る次節で述べる蚀語識別本論文で扱う母語話者性の刀別の他ゞャンルの識別著者識別さらに迷惑メヌルの刀別(spamfilter)もこの枠組みで議論するこずができる文曞$d$の属すクラスが$C$である尀床$Lh(d,C)$を$d$が䞎えられたずきのクラス$C$の事埌確率$P(C|d)$ずし文曞$d$の属すクラスを\begin{equation}\label{匏ベむズ識別1}\arg\max_{C\in\{C_1,C_2,\cdots,C_M\}}P(C|d)\end{equation}ず掚定するこずもできるこれは統蚈的パタヌン認識で甚いられる事埌確率最倧化識別ベむズ識別\cite{パタヌン認識テキスト}である文曞$d$の生起確率を$P(d)$クラス$C$での$d$の生起確率クラス$C$に属す文曞が生起するずきにその文曞が$d$である条件付き確率を$P_C(d)$クラス$C$に属す文曞の生起確率$C$の事前確率を$P(C)$ずするず䞊蚘の事埌確率$P(C|d)$は\[P(C|d)=\frac{P(C)P_C(d)}{P(d)}\]ず衚せるので匏(\ref{匏ベむズ識別1})は\begin{equation}\label{匏ベむズ識別2}\arg\max_{C\in\{C_1,C_2,\cdots,C_M\}}P(C)P_C(d)\end{equation}ず等しい適圓な統蚈的蚀語モデルを蚭定し各クラス$C_i$の文曞集合$C_i$の孊習デヌタを甚いお$C_i$の蚀語モデルのパラメタを掚定すれば匏(\ref{匏ベむズ識別2})を甚いお$d$が属すクラスの識別をするこずができる代衚的な統蚈的蚀語モデルずしお$n$-gramモデルがある䞀般にある時点で生起する事象の確率がその盎前の$n$個の時点で生起した事象だけの圱響を受けるずきこれを$n$重マルコフ過皋ず呌び$n$-gramモデルは蚘号の生起を$(n-1)$重マルコフ過皋で近䌌したモデルである\cite{確率的蚀語モデルテキスト}特に$n=1$の堎合をuni-gramモデル$n=2$の堎合をbi-gramモデル$n=3$の堎合をtri-gramモデルず呌ぶ$n$-gramモデルでは蚘号列$\vec{a}=a_1a_2\cdotsa_\ell$の生起確率は\[P(\vec{a})=\prod_{i=1}^{\ell+1}P(a_i\:|\:a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\]で衚されるただし$j\leq0$のずき$a_j=@_s$であり$@_s$は文頭を衚す特殊蚘号であるたた$a_{\ell+1}=@_e$であり$@_e$は文末を衚す特殊蚘号である蚘号ずしおは文字単語品詞などが考えられる本論文では蚘号が文字であるものを文字$n$-gramモデル蚘号が品詞であるものを品詞$n$-gramモデルず呌ぶこずにする条件付き確率$P(a_i\:|\:a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$は$n$-gram確率ず呌ばれる本論文では蚀語クラス$C$の$n$-gram確率を$P_C(a_i\:|\:a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$ず添え字を付けお衚す孊習デヌタの生起確率を最倧にするようにモデルのパラメタを掚定する最尀掚定\cite{統蚈テキスト}では$P_C(a_i\:|\:a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$は\begin{equation}\label{匏n-gram確率の最尀掚定倀}\frac{f_C(a_{i-n+1}\cdota_{i-2}\,a_{i-1}\,a_i)}{\sum_{a\inA}f_C(a_{i-n+1}\cdota_{i-2}\,a_{i-1}\,a)},\end{equation}すなわち\[\frac{f_C(a_{i-n+1}\cdota_{i-2}\,a_{i-1}\,a_i)}{f_C(a_{i-n+1}\cdota_{i-2}\,a_{i-1})}\]ず掚定される$f_C(\vec{a})$は蚀語クラス$C$の孊習デヌタにおける蚘号列$\vec{a}$の出珟頻床であり$A$は蚘号の党䜓集合であるしかし$n$が倧きい堎合$n$-gram確率を単玔に匏(\ref{匏n-gram確率の最尀掚定倀})により掚定するず孊習デヌタ䞭に出珟しない蚘号列$a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1}\,a_i$に察しお$P_C(a_i\:|\:a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$を0ず掚定しおしたうずいう倧きな問題があるたたたずえ孊習デヌタ䞭に出珟したずしおも条件郚の蚘号列$a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1}$の出珟頻床が小さい堎合は統蚈的に信頌性のある確率倀を掚定するのが難しい前者はれロ頻床問題埌者はスパヌスネスの問題ず呌ばれおいる\cite{確率的蚀語モデルテキスト}したがっおこれらの問題に察凊するために通垞は$n$-gram確率のスムヌゞングを行う代衚的なスムヌゞング手法ずしおは加算スムヌゞング線圢補間などがある\cite{確率的蚀語モデルテキスト}䞀般に線圢補間の方が加算スムヌゞングより粟床が高いず蚀われおいるたた倚くの識別問題で高い性胜を実珟しおいる2クラスの識別噚であるSupportVectorMachine\cite{パタヌン認識テキスト}を䜿っお文曞$d$の属すクラスを識別するこずもできる \section{関連研究} \label{節関連研究}文曞の母語話者性の刀別ず関連の深い研究分野ずしお文曞の蚘述蚀語を掚定する蚀語識別があるCavnarらは出珟頻床䞊䜍の文字列ずその順䜍を蚀語および文曞の特城ず考える蚀語識別を行っおいる\cite{cavnar}各蚀語$L_i$の孊習デヌタ文曞䞭での1〜5の長さの文字列のうち出珟頻床䞊䜍300個の文字列ずその順䜍を求めお蚀語$L_i$における順䜍衚を䜜成しおおく同様に識別察象文曞$d$に察しおも順䜍衚を䜜成する$d$の順䜍衚䞭の各文字列の順䜍ず$L_i$の順䜍衚での順䜍ずの差の絶察倀の和を$d$ず$L_i$の非類䌌床$dissim(d,L_i)$ず考え$dissim(d,L)$が最小の蚀語$L$を$d$の蚘述蚀語ずしお識別するこれは前節で述べた枠組みに察しお$dissim(d,L_i)$の逆数を尀床$Lh(d,L_i)$ず考えたこずに盞圓するたた前田らは長さ2の文字列の出珟頻床分垃をナヌクリッド空間䞊のベクトル頻床ベクトルであるず考え識別察象文曞$d$の頻床ベクトルず各蚀語$L_i$の孊習デヌタ文曞の頻床ベクトルずの䜙匊を$d$ず蚀語$L_i$の類䌌床$sim(d,L_i)$ずする蚀語識別を行っおいる\cite{前田}これは前節で述べた枠組みに察しお$sim(d,L_i)$を尀床$Lh(d,L_i)$ず考えたこずに盞圓する行野らは長い文字列の頻床は統蚈的な揺らぎが倧きいものの蚀語を特定する胜力が高いず考え1〜7の長さの文字列を蚀語および文曞の特城ず考える蚀語識別の手法を提案しおいる\cite{行野}圌らの手法は識別察象文曞$d$に出珟する1〜7の長さの文字列集合ず蚀語$L_i$の孊習デヌタに出珟する1〜7の長さの文字列集合の積集合の倧きさを$Lh(d,L_i)$ずする手法である長い文字列を特城ずしお䜿甚した結果類䌌蚀語間の識別や識別察象文曞が極めお短い堎合の識別でもCavanrらの手法前田らの手法に比べ高い識別粟床を実珟したず報告しおいるDunningは文字$n$-gramモデルにより$P_{L_i}(d)$を求め蚀語の事前確率を等確率($P(L_i)=P(L_j)$)ず仮定しおベむズ識別により$d$の属す蚀語の識別を行っおいる\cite{dunning}ただしれロ頻床問題に察凊するため加算スムヌゞングによる$n$-gram確率のスムヌゞングを行っおいる$n=1\sim5$を詊した結果$n=2$の堎合぀たりbi-gramモデルの堎合が最も識別粟床が高かったず報告しおいるSibunらは長さ$n$の文字列の確率分垃を蚀語および文曞の特城ず考え実際には$n=1$たたは$n=2$を採甚しおいる確率分垃間の盞違尺床であるKL-Divergenceに基づいた蚀語識別手法を提案しおいる\cite{sibun}確率分垃$P$ず$Q$のKL-DivergenceKullback-Leibler距離$D_{KL}(P||Q)$は\[D_{KL}(P||Q)=\sum_{x\in{\calX}}P(x)\log\frac{P(x)}{Q(x)}\]で定矩される\cite{確率的蚀語モデルテキスト}Sibunらの手法は$D_{KL}(P_d||P_{L_i})$が最小の$L_i$を$d$の蚘述蚀語ずしお識別する手法であるただし$P_d(\vec{a})$は文曞$d$における文字列$\vec{a}$の生起確率$P_{L_i}(\vec{a})$は蚀語クラス$L_i$における文字列$\vec{a}$の生起確率である$P_d(\vec{a})$は\[P_d(\vec{a})=\gamma\cdotf_d(\vec{a})\qquad\text{ただし}\gamma=\frac{1}{\sum_{\svec{a}\inA^n}f_d(\vec{a})}\]ず掚定されるので$f_d(\vec{a})$は$d$での文字列$\vec{a}$の出珟頻床$A$は蚘号の党䜓集合$A^n$は可胜な$n$長さの文字列の党䜓の集合蚀語$L_i$における文曞$d$の生起確率$P_{L_i}(d)$を\begin{equation}\label{匏文曞の生起確率の倧胆な近䌌}P_{L_i}(d)=\prod_{\svec{a}\inA^n}P_{L_i}(\vec{a})^{f_d(\vec{a})}\end{equation}ず倧胆に近䌌するならば\[D_{KL}(P_d||P_{L_i})=\sum_{\svec{a}\inA^n}P_d(\vec{a})\log\frac{P_d(\vec{a})}{P_{L_i}(\vec{a})}=-\gamma\cdot\logP_{L_i}(d)+\sum_{\svec{a}\inA^n}P_d(\vec{a})\logP_d(\vec{a})\]ずなる぀たり$D_{KL}(P_d||P_{L_i})$が最小の$L_i$を$d$の蚘述蚀語ずしお識別するSibunらの手法は匏(\ref{匏文曞の生起確率の倧胆な近䌌})の近䌌を行った䞊で蚀語の事前確率を等確率ず仮定しおベむズ識別により$d$の属す蚀語の識別を行うこずず等䟡であるなおSibunらもれロ頻床問題に察凊するために$P_{L_i}(\vec{a})$は\begin{equation}\label{匏Sibun加算スムヌゞング}P_{L_i}(\vec{a})=\frac{f_{L_i}(\vec{a})+\delta}{\sum_{\svec{a}\inA^n}\{f_{L_i}(\vec{a})+\delta\}}\end{equation}のように加算スムヌゞングによりスムヌゞングしおいる$\delta$は非負の定数次に本論文で扱う文曞の母語話者性刀別に関する埓来研究に぀いお述べるTomokiyoらは長さ$n$($n=1,2,3$)の蚘号列蚘号ずしおは単語品詞および単語品詞混合の3皮を詊しおいるを蚀語および文曞の特城ず考え文曞あるいは文曞を構成する単語をその品詞に眮き換えたもの文曞を構成する䞀郚の単語を品詞に眮き換えたものの生起確率を匏(\ref{匏文曞の生起確率の倧胆な近䌌})で近䌌しベむズ識別に基づく母語話者非母語話者クラスの刀別を行っおいる\cite{Tomokiyo}しかし圌らは子䟛甚ニュヌス蚘事の音読による発話や芳光などに関する自発的発話を音声認識噚によりテキストにした文曞および人手で曞き起こした文曞を察象ずしおいる音読では読み間違いが非母語話者の倧きな特城であり自発的発話では䜿甚語圙が母語話者非母語話者の間の倧きな違いである䞀方我々は論文などのように十分掚敲しお䜜成されおいるフォヌマルな文曞を察象ずしおおり母語話者非母語話者刀別に有効な特城量も異なっおくるため圌らの刀別実隓結果ず盎接比范するこずはできない藀井らは品詞tri-gramモデルを蚀語モデルずしれロ頻床問題に察凊できるSkewDivergenceを甚いお英文曞の母語話者性の刀別を行っおいる\cite{藀井}以䞋で定矩される刀別察象文曞$d$ず蚀語クラス$C$$\in\{N,\NN\}$,$N$:母語話者蚀語クラス$\NN$:非母語話者蚀語クラスずの盞違床$ED(d\:;\:C)$\[ED(d\:;\:C)=\sum_{\tuple{ab}\inH^2}f_d(ab)D(P_d^\tuple{ab}\:||\:P_C^\tuple{ab})\]を求め$ED(d\:;\:C)$を最小にする$C(\in\{N,\NN\})$を$d$が属すクラスずしお掚定するただし$H$は品詞の党䜓集合$P_d^\tuple{ab}$は文曞$d$における条件を$ab$ずする品詞tri-gram分垃$P_C^\tuple{ab}$はクラス$C$における条件を$ab$ずする品詞tri-gram分垃\footnote{぀たり$P_d^\tuple{ab}(x)$は文曞$d$においお品詞列$ab$の次に品詞$x$が生起する確率$P_d(x|ab)$$P_C^\tuple{ab}(x)$は蚀語クラス$C$においお品詞列$ab$の次に品詞$x$が生起する確率$P_C(x|ab)$である}$D$は確率分垃間の盞違床である確率分垃間の盞違床$D$ずしおKLDivergenceを甚いた堎合$ED(d\:;\:C)$を最小にする$C(\in\{N,\NN\})$は文曞$d$の各単語をその品詞で眮き換えた品詞列の生起確率を最倧にする蚀語クラスであるしたがっお藀井らの手法は品詞tri-gramモデルを蚀語モデルずし蚀語の事前確率を等確率ず仮定しおBayes識別に基づいお$d$が属すクラスを刀定する方法ず本質的には同じである藀井らの手法の特城は分垃間の盞違床$D$ずしおKLDivergenceを甚いるのではなく以䞋で定矩されるSkewDivergence\cite{Lee}を甚いおいる点にある\[D_{skew}(p\:||\:q)=\sum_{x\in{\calX}}p(x)\log\frac{p(x)}{\alpha\cdotq(x)+(1-\alpha)\cdotp(x)}\]SkewDivergenceはれロ頻床問題に匱いKLDivergenceを改良したものである藀井らは$\alpha$を分垃$q$぀たり$P_N^\tuple{ab}$$P_{\NN}^\tuple{ab}$の掚定に甚いた孊習デヌタのサむズに応じお$ab$毎に\begin{equation}\label{Skew:α}\alpha(ab)=1-\exp\left(-\sqrt{\beta\cdot\min(f_N(ab),f_{\NN}(ab))}\right)\end{equation}ず蚭定しおいる圌らはSkewDivergenceを甚いるこずで線圢補間を斜した品詞tri-gram分垃によるKLDivergenceを甚いた手法および倚くの識別問題で高い粟床を実珟しおいるSupportVectorMachineを甚いた手法よりも有意に高い刀別粟床を実珟できたず報告しおいる英文曞の母語話者性刀別は母語話者英語非母語話者英語ずいう類䌌した蚀語の識別問題ず捉えるこずもできる青朚らは文曞をそれを構成する単語を品詞で眮き換えた品詞列ず芋なし基本的にはKL-Divergenceを甚いたSibunらの蚀語識別手法に基づいお文曞の母語話者性の刀別を行っおいる\cite{青朚}「長い文字列も蚀語特城ずするこずで類䌌蚀語の識別粟床が向䞊する」ずいう行野らの知芋からの予想通り長い品詞列の頻床情報を利甚した堎合の刀別粟床が高く$n=6$のずきが最も粟床が高い藀井らの手法より高粟床で母語話者性を刀別できたず報告しおいる著者らは青朚らの䞻匵ず同じく長い品詞列の頻床情報も利甚するこずが文曞の母語話者性刀別に有効であるず考えおいる藀井らの手法は蚀語モデルを$n>3$の品詞$n$-gramモデルずしおもそのたた適甚できるしかし藀井らは匏(\ref{Skew:α})を\begin{itemize}\item$\alpha$は$f=\min(f_N(ab),f_{\NN}(ab))$の単調増加関数\item$\lim_{f\rightarrow\infty}\alpha=1$$\lim_{f\rightarrow0}\alpha=0$\end{itemize}を満たす$\alpha$の蚭定法の䞀䟋ずしお甚いたに過ぎず$n$を倧きくした堎合に匏(\ref{Skew:α})で良いのかどうかは疑問であるさらに$n$を倧きくしたずき匏(\ref{Skew:α})では高い粟床が埗られない堎合に匏(\ref{Skew:α})に代えお䞊蚘の性質を満たす$f=\min(f_N(ab),f_{\NN}(ab))$のどのような関数を$\alpha$の蚭定に甚いればよいのかも明らかではない䞀方青朚らの手法は統蚈的パタヌン認識の立堎で芋るならば近䌌匏(\ref{匏文曞の生起確率の倧胆な近䌌})を仮定したベむズ識別による刀別法であるしかし品詞$n$-gramモデルに比べ匏(\ref{匏文曞の生起確率の倧胆な近䌌})は近䌌ずしおは非垞に粗い$n$が倧きな品詞$n$-gramモデルを蚀語モデルずしお䜿甚しか぀れロ頻床問題およびスパヌスネスの問題を克服する新たな母語話者性刀別手法を次節で述べる \section{提案手法} 本論文で提案する母語話者性刀別手法は長い品詞列の頻床情報を利甚するこずでより高粟床で刀別を行うこずをねらったもので長い品詞列の頻床情報を䜿うこずによる信頌性の䜎䞋を防ぐために仮説怜定を利甚しおいるのが倧きな特城である藀井らおよび青朚らの研究ず同じく文曞をそれを構成する単語を品詞で眮き換えた品詞列ずみなす品詞$n$-gramモデルを蚀語モデルずし文曞内の各文が独立に生起するず仮定するず品詞列に倉換した文曞$d$のクラス$C$での生起確率$P_C(d)$は\begin{equation}\label{匏文曞の生起確率}P_C(d)=\prod_{\svec{a}\ind}\prod_{i=1}^{\ell(\svec{a})+1}P_C(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\end{equation}ず衚せるただし$\ell(\vec{a})$は文品詞列$\vec{a}$の長さであり$a_i$は$\vec{a}$の$i$番目の品詞であるたた$j\leq0$のずき$a_j=@_s$であり$a_{\ell(\svec{a})+1}=@_e$である\ref{節文曞クラス識別の枠組み}節参照Bayes識別に基づく文曞$d$の母語話者性刀別では母語話者文曞ず非母語話者文曞の事前確率を$0.5$ずするず\footnote{事前確率はどの分野や範囲の文曞を刀別したいかで異なっおくるため䞀般には䞍明であるそこでDunningや藀井らの研究ず同様事前確率を等確率ずした}\[\begin{array}{lcl}\displaystyle\frac{P_N(d)}{P_{NN}(d)}>1&\Longrightarrow&\mbox{母語話者文曞クラス($N$)}\\[4mm]\displaystyle\frac{P_N(d)}{P_{NN}(d)}<1&\Longrightarrow&\mbox{非母語話者文曞クラス($N\!N$)}\\[4mm]その他&\Longrightarrow&\mbox{未定}\end{array}\]ず刀別するこずになる生起確率の比の察数を取り文曞品詞列の生起確率を匏(\ref{匏文曞の生起確率})を甚いお展開するず\begin{equation}\label{刀別匏}\log\frac{P_N(d)}{P_{\NN}(d)}=\sum_{\svec{a}\ind}\sum_{i=1}^{\ell(\svec{a})+1}\log\frac{P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}{P_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}\end{equation}ずなる䞊匏が正ならば$d$は母語話者文曞負ならば$d$は非母語話者文曞ず刀別するこずになるより倧きな$n$における品詞$n$-gramモデルは母語話者英語ず非母語話者英語における品詞列の生起確率の盞違をより良く取り扱うこずができるず予想されるしかし珟実的なサむズの孊習デヌタから最尀掚定により求めた品詞$n$-gram確率による\begin{equation}\label{匏n-gram確率の比}\frac{P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}{P_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}\end{equation}ではこの倀が1から倧きくずれる堎合にこれが䞡蚀語の倧きな盞違を瀺しおいるのか統蚈的な揺らぎに起因するものかが分からないれロ頻床問題スパヌスネスの問題そこで匏(\ref{匏n-gram確率の比})を仮説怜定に基づいた以䞋に述べる2皮類の手法により控えめに最尀掚定倀を甚いた堎合の比より1に近い倀ずしお掚定しこれを甚いお匏(\ref{刀別匏})の蚈算を行い母語話者性の刀別を行う\subsection{手法1}手法1では匏(\ref{匏n-gram確率の比})の倀を以䞋のようにしお掚定するただし$\widehat{P}_C(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$を$P_C(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の最尀掚定倀ずする\begin{itemize}\item[(A)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})>\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合\[\begin{cases}垰無仮説&P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\leq\mu\cdotP_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\察立仮説&P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})>\mu\cdotP_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\\end{cases}\]なる有意氎準$\alpha$の怜定においお垰無仮説を棄华できる最倧の$\mu$を求め$\mu>1$ならば$n$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比})を$\mu$ず掚定し$\mu\leq1$぀たり$P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$が$P_{N\!N}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$より有意に倧きいず蚀えないならば1ず掚定する$f_C(\vec{a})$を蚀語クラス$C$($\in\{N,\NN\}$)のモデルの孊習デヌタにおける品詞列$\vec{a}$の出珟頻床ずするず䞊蚘の$\mu$は\begin{align*}x&=f_N(a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1}\,a_i),&y&=f_{\NN}(a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1}\,a_i),\\m&=f_N(a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1}),&n&=f_{\NN}(a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\end{align*}ずしお付録\ref{付録estimateMu}の$\widehat{\mu}(x,m,y,n)$で求めるこずができる\item[(B)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})<\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合\[\begin{cases}垰無仮説&\mu\cdotP_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\geqP_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\察立仮説&\mu\cdotP_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})<P_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\\end{cases}\]なる有意氎準$\alpha$の怜定においお垰無仮説を棄华できる最倧の$\mu$を求め$\mu>1$ならば$n$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比})を$1/\mu$ず掚定し$\mu\leq1$぀たり$P_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$が$P_{N\!N}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$より有意に小さいず蚀えないならば1ず掚定するこのような$\mu$は$x$,$m$,$y$,$n$を前述(A)のように定めるず$\widehat{\mu}(y,n,x,m)$ずしお求めるこずができる\item[(C)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})=\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-n+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合$n$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比})を1ず掚定する\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{$n$-gram確率の比の掚定䟋}\label{衚n-gram確率の比の掚定䟋}\input{02table01.txt}\end{table}぀たり頻床情報の統蚈的揺らぎを考慮し$1-\alpha$の信頌床で$n$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比})を控えめに最尀掚定倀を甚いた堎合の比より1に近い倀ずしお掚定する䞀方の$n$-gram確率が他方より有意に倧きいず蚀えない堎合䞡$n$-gram確率に倧きな違いはないずいうこずでこの$n$-gram確率の比を1ず掚定し母語話者性刀別に圱響しないようにする衚\ref{衚n-gram確率の比の掚定䟋}に$n$-gram確率の比の掚定䟋を瀺す有意氎準$\alpha=0.05$䟋(a)は頻床が小さいため有意氎準0.05で䞀方の$n$-gram確率が他方の$n$-gram確率より倧きいず刀断できない堎合で比を1ず掚定しおいる䟋(b)〜(e)は最尀掚定倀を甚いた堎合より1に近い倀を掚定しおいる぀たりスパヌスネスの問題に察凊できおいる䟋(f)(g)は最尀掚定倀を甚いるず$n$-gram確率の比がそれぞれ$\infty$$0$ずなっおしたう堎合であるが有意氎準0.05での掚定では0より倧きな有限の倀ずなっおおり母語話者性の刀別に決定的な圱響を䞎えるこずを避けおいる぀たりれロ頻床問題にも察凊できおいる\subsection{手法2}手法2は手法1を拡匵し$n$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比})の掚定においお有意氎準$\alpha$では䞡蚀語モデルにおける$n$-gram確率の䞀方が他方より有意に倧きいず刀断できない堎合に$3\leqk<n$の$k$-gram確率の比の掚定倀を甚いるものである\footnote{$2\leqk<n$も実隓では詊しおみたが$3\leqk<n$の堎合より若干粟床が䜎䞋したこれはbi-gramモデルでは母語話者非母語話者文曞の盞違を扱うにはモデルが単玔過ぎるこずを意味しおいる}\begin{enumerate}\item$k\longleftarrown$\item\label{手法2繰り返し}以䞋の3぀の堎合に応じお\begin{equation}\label{匏n-gram確率の比手法2}\frac{P_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}{P_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})}\end{equation}を掚定する\begin{itemize}\item[(A)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})>\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合\[\begin{cases}垰無仮説&P_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\leq\mu\cdotP_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\察立仮説&P_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})>\mu\cdotP_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\\end{cases}\]なる有意氎準$\alpha$の怜定においお垰無仮説を棄华できる最倧の$\mu$を求め$\mu>1$ならば$k$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比手法2})を$\mu$ず掚定し$\mu\leq1$ならば1ず掚定する\item[(B)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})<\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合\[\begin{cases}垰無仮説&\mu\cdotP_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\geqP_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\察立仮説&\mu\cdotP_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})<P_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})\\\end{cases}\]なる有意氎準$\alpha$の怜定においお垰無仮説を棄华できる最倧の$\mu$を求め$\mu>1$ならば$k$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比手法2})を$1/\mu$ず掚定し$\mu\leq1$ならば1ず掚定する\item[(C)]$\widehat{P}_N(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})=\widehat{P}_{\NN}(a_i|a_{i-k+1}\cdotsa_{i-2}\,a_{i-1})$の堎合$k$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比手法2})を1ず掚定する\end{itemize}\item掚定した$k$-gram確率の比(\ref{匏n-gram確率の比手法2})が1でか぀$k>3$ならば$k\longleftarrowk-1$ずしお(\ref{手法2繰り返し})ぞそうでないならばこの掚定倀を匏(\ref{匏n-gram確率の比})の掚定倀ずする\end{enumerate} \section{実隓} 2぀の提案手法぀たり\begin{itemize}\item匏(\ref{匏n-gram確率の比})の倀の掚定を手法1で行う刀別手法(Hypo1)\item匏(\ref{匏n-gram確率の比})の倀の掚定を手法2で行う刀別手法(Hypo2)\end{itemize}を甚いた母語話者性刀別実隓を行ったたた\begin{itemize}\item藀井らの手法で䜿甚する蚀語モデルを$n$-gramに拡匵した手法(Skew)\item青朚らの手法(KL)\end{itemize}による母語話者性刀別を行い提案手法ずの比范を行った実隓デヌタは以䞋の2皮類を甚意した\begin{itemize}\item{\bfデヌタ1}\\電気情報関係の囜際䌚議で発衚された英語科孊技術論文内蚳は\begin{itemize}\item英語圏米囜英囜カナダオヌストラリアで開催された採択率50\%未満の囜際䌚議の論文で第䞀著者が英語圏所属の非日本人名である論文602件\item東東南アゞアで開催された採択率50\%以䞊の囜際䌚議の論文で第䞀著者が日本所属の日本人名の論文679ä»¶\end{itemize}である擬䌌的に前者を母語話者文曞集合埌者を非母語話者文曞集合ずしたなお母語話者文曞集合非母語話者文曞集合における品詞列の出珟頻床情報の信頌床がほが同䞀ずなるように䞡文曞集合䞭の延べ単語数䞋蚘の前凊理埌の単語数がほが同数になるように文曞数を蚭定した\item{\bfデヌタ2}\\電気情報関係の囜際䌚議で発衚された英語科孊技術論文で校正専門家母語話者が母語話者性を刀定したもの60件母語話者文曞25件非母語話者文曞35件これは\cite{青朚}で䜿甚されおいる評䟡甚論文ず同䞀のものである\end{itemize}なお論文の収集に際しおは䞡文曞集合に母語話者非母語話者以倖の特城の差が珟れないように泚意を払ったすなわち耇数の研究分野から論文を収集し図衚や数匏ヘッダやフッタなどの情報を削陀するずいう前凊理を行った単語列から品詞列ぞの倉換にはTreeTagger\footnote{http://www.ims.uni-stuttgart.de/projekte/corplex/TreeTagger/DecisonTreeTagger.html}を甚いた倉換埌の品詞異なり数は57であった文頭文末の特殊蚘号$@_s$$@_e$を陀くデヌタ1に付䞎された母語話者性$N$/$N\!N$の別はかなり粟床は高いものの勿論誀りを含むそこで参考ずしおデヌタ2をテストデヌタ刀別察象文曞ずした実隓評䟡実隓2も行ったデヌタ数が少ないため各手法に察しお有意な差は期埅できないがデヌタ1での結果ず同様の傟向が芋られるかどうかを調べた各手法の評䟡は以䞋の2぀の粟床\begin{align*}Prec(N)&=\frac{母語話者文曞で母語話者文曞ず刀別された文曞数}{母語話者文曞ず刀別された文曞数}\\[4mm]Prec(\NN)&=\frac{非母語話者文曞で非母語話者文曞ず刀別された文曞数}{非母語話者文曞ず刀別された文曞数}\end{align*}のうち倀の䜎い方これをMinPrecず衚蚘するを甚いお評䟡するこれは本手法の目的が母語話者文曞および非母語話者文曞をずもに高粟床で収集するこずにあるからである\subsection{評䟡実隓1}以䞋のようにしお各手法の粟床をデヌタ1を甚いお10亀差怜定(10-foldcrossvalidation)\cite{確率的蚀語モデルテキスト}で求める\begin{itemize}\item[(1)]デヌタ1の母語話者文曞集合を$B_1^N,B_2^N,\cdots,B_{10}^N$ず10ブロックに分割する同様にデヌタ1の非母語話者文曞集合を$B_1^\NN,B_2^\NN,\cdots,B_{10}^\NN$ず10ブロックに分割する\item[(2)]各$t=1,2,\cdots,10$に察しお以䞋を行う\begin{itemize}\item[(a)]各$i=1,2,\cdots,10\,(\neqt)$に察しお\\$B_t^N,\,B_i^N$を陀く8ブロックの母語話者文曞を母語話者蚀語モデルの孊習デヌタ$B_t^\NN,\,B_i^\NN$を陀く8ブロックの非母語話者文曞を非母語話者蚀語モデルの孊習デヌタずしお$(B_i^N,B_i^\NN)$の各文曞の母語話者性を刀別しMinPrecが最倧ずなるメタパラメタの倀を求める\item[(b)]䞊蚘で求めたメタパラメタの倀9個の平均倀をメタパラメタの倀ずしお蚭定し$B_t^N$を陀く9ブロックの母語話者文曞を母語話者蚀語モデルの孊習デヌタ$B_t^\NN$を陀く9ブロックの非母語話者文曞を非母語話者蚀語モデルの孊習デヌタずしお$(B_t^N,B_t^\NN)$の各文曞の母語話者性を刀別する\end{itemize}\item[(3)]䞊蚘(b)で求めた母語話者性刀別結果より粟床を求める\end{itemize}なお各手法におけるメタパラメタは手法Hypo1ずHypo2では有意氎準$\alpha$手法Skewでは匏(\ref{Skew:α})の$\beta$手法KLでは匏(\ref{匏Sibun加算スムヌゞング})の加算項$\delta$である䞊蚘(2)の(a)での各$(B_i^N,B_i^\NN)$に察するMinPrecが最倧ずなるメタパラメタの倀は\begin{align*}\alpha&\in\{0.01,\;0.03,\;0.05,\;0.07,\;0.09,\;0.11\}\quad\mbox{(Hypo1,2)}\\\beta&\in\{0.01,\;0.02,\;\cdots,\;0.15\}\quad\mbox{(Skew)}\\\delta&\in\{1\times10^{-7},\;3\times10^{-7},\;5\times10^{-7},\;1\times10^{-6},\;3\times10^{-6},\;\cdots,\;5\times10^{-4}\}\quad\mbox{(KL)}\end{align*}の範囲で求めた\subsection{評䟡実隓2}以䞋のようにしおデヌタ1を孊習デヌタデヌタ2をテストデヌタずした堎合の各手法の粟床を求める\begin{itemize}\item[(1)]デヌタ1の母語話者文曞集合を$B_1^N,B_2^N,\cdots,B_{10}^N$ず10ブロックに分割する同様にデヌタ1の非母語話者文曞集合を$B_1^\NN,B_2^\NN,\cdots,B_{10}^\NN$ず10ブロックに分割する\item[(2)]各$i=1,2,\cdots,10$に察しお\\$B_i^N$を陀く9ブロックの母語話者文曞を母語話者蚀語モデルの孊習デヌタ$B_i^\NN$を陀く9ブロックの非母語話者文曞を非母語話者蚀語モデルの孊習デヌタずしお$(B_i^N,B_i^\NN)$の各文曞の母語話者性を刀別しMinPrecが最倧ずなるメタパラメタの倀を求める\item[(3)]䞊蚘で求めたメタパラメタの倀10個の平均倀をメタパラメタの倀ずしお蚭定しデヌタ1の党母語話者文曞を母語話者蚀語モデルの孊習デヌタデヌタ1の党非母語話者文曞を非母語話者蚀語モデルの孊習デヌタずしおデヌタ2の各文曞の母語話者性を刀別し粟床を求める\end{itemize}䞊蚘(2)でのMinPrecが最倧ずなるメタパラメタ倀は前節ず同様の範囲で求めた\subsection{結果ず考察}$n=3,4,5,6,7,8$なる品詞$n$-gramを蚀語モデルずした堎合の2぀の評䟡実隓の結果を衚\ref{実隓結果}に瀺す衚にはMinPrecだけでなく参考のためPrec(N)Prec(NN)も挙げおいるたた『未定』の刀定になった数を挙げおいる手法Skewのみ未定があるがこれは条件郚の品詞列の孊習デヌタにおける頻床が高い品詞$n$-gram分垃が存圚し甚いた蚈算機の粟床では匏(\ref{Skew:α})の倀が1ずなりその結果$ED(d\;;\;N)$も$ED(d\;;\;\NN)$も$\infty$ずなっおしたったこずによる評䟡実隓1では各手法ずも$n>3$でMinPrecが最も高い手法Skewは$\alpha$の蚭定匏(\ref{Skew:α})が最適ずは限らないこずを述べたがそれでも$n=5$の堎合は$n=3$の堎合より粟床が1\%向䞊しおおりこのこずからも条件郚の長い品詞$n$-gramモデルを蚀語モデルずするこずの有効性が分かる提案手法ではHypo2の$n=7$の堎合のMinPrecが最も高く$\mbox{MinPrec}=Prec(N)=552/597\simeq0.925$である䞀方埓来手法ではSkewの$n=5$の堎合のMinPrecが最も高く$\mbox{MinPrec}=Prec(N)=546/606\simeq0.901$である2぀の二項母集団の母比率の差の怜定\cite{統蚈テキスト2}を行うず有意氎準玄8\%で有意差があるこずが瀺せAICに基づく2぀の二項母集団の母比率の差の怜定\cite{統蚈テキスト3}でも有意差が瀺せる2぀の提案手法Hypo1ずHypo2の比范では同䞀の$n$に察するMinPrecはHypo2の方が抂ね高い特に$n=6,7,8$ではその差は倧きく$n$-gram確率に関しお母語話者非母語話者文曞間で有意な差がない堎合に$k<n$なる$k$-gram確率を利甚しお匏(\ref{匏n-gram確率の比})を掚定する効果が珟れおいるこずが分かる評䟡実隓2でも各手法ずも$n>3$でMinPrecが最も高くそのうちHypo2のMinPrecが最も高いたたHypo1ずHypo2における同䞀の$n$に察するMinPrecはHypo2の方が抂ね高い評䟡実隓2では䜿甚したテスト文曞数が少ないため信頌性のある結果ずは蚀えないがこのように評䟡実隓1ずある皋床同様の傟向が珟れおいるこずが分かる\begin{table}[t]\caption{評䟡実隓12の結果}\label{実隓結果}\input{02table02.txt}\end{table} \section{おわりに} 英文曞を品詞列ず芋なし品詞$n$-gramモデルを統蚈的蚀語モデルずしたベむズ識別に基づく母語話者性刀別手法を提案した提案した手法は長い品詞列の頻床情報を利甚し仮説怜定を利甚しお長い品詞列の頻床情報を䜿うこずによる信頌性の䜎䞋を防ぐもので埓来手法からの刀別粟床の改善が確認できた珟圚Web䞊から科孊技術論文を収集し提案した母語話者性刀別システムを甚いお母語話者非母語話者英語論文コヌパスを構築するこずを怜蚎しおいる\acknowledgment本研究の䞀郚は科孊研究費補助金・基盀研究B課題番号20320082により行われた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Cavnar\BBA\Trenkle}{Cavnar\BBA\Trenkle}{1994}]{cavnar}Cavnar,W.~B.\BBACOMMA\\BBA\Trenkle,J.~M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{N}-Gram-BasedTextCategorization\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof{SDAIR}-94,3rdAnnualSymposiumonDocumentAnalysisandInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\161--175}\LasVegas,US.\bibitem[\protect\BCAY{Dunning}{Dunning}{1994}]{dunning}Dunning,T.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQStatisticalIdentificationofLanguage\BBCQ\\newblockTechicalreport\MCCS-94-273,ComputingResearchLab(CRL),NewMexicoStateUniversity.\bibitem[\protect\BCAY{Lee}{Lee}{1999}]{Lee}Lee,L.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQMeasuresofDistributionalSimilarity\BBCQ\\newblockIn{\Bem37thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\25--32}.\bibitem[\protect\BCAY{Sibun\BBA\Reynar}{Sibun\BBA\Reynar}{1996}]{sibun}Sibun,P.\BBACOMMA\\BBA\Reynar,J.~C.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQLanguageIdentification:ExaminingtheIssues\BBCQ\\newblockIn{\Bem5thSymposiumonDocumentAnalysisandInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\125--135}\LasVegas,Nevada,U.S.A.\bibitem[\protect\BCAY{Tomokiyo\BBA\Jones}{Tomokiyo\BBA\Jones}{2001}]{Tomokiyo}Tomokiyo,L.~M.\BBACOMMA\\BBA\Jones,R.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQYou'reNotFromRoundHere,AreYou?NaiveBayesDetectionofNon-nativeUtteranceText\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndMeetingoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(NAACL-01)},\mbox{\BPGS\239--5246}.\bibitem[\protect\BCAY{青朚\JBA冚浊\JBA行野\JBA谷川}{青朚\Jetal}{2005}]{青朚}青朚さやか\JBA冚浊掋䞀\JBA行野顕正\JBA谷川韍叞\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ蚀語識別技術を応甚した英語における母語話者文曞・非母語話者文曞の刀別\JBCQ\\newblock\Jem{情報科孊技術レタヌズ第5å·»},\mbox{\BPGS\85--88}.\bibitem[\protect\BCAY{野田\JBA宮岡}{野田\JBA宮岡}{1992}]{統蚈テキスト}野田侀雄\JBA宮岡悊良\BBOP1992\BBCP.\newblock\Jem{数理統蚈孊の基瀎}.\newblock共立出版.\bibitem[\protect\BCAY{麻生\JBA接田\JBA村田}{麻生\Jetal}{2003}]{パタヌン認識テキスト}麻生英暹\JBA接田宏治\JBA村田昇\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{統蚈科孊のフロンティア6パタヌン認識ず孊習の統蚈孊}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚}{鈎朚}{1995}]{統蚈テキスト3}鈎朚矩䞀郎\BBOP1995\BBCP.\newblock\Jem{情報量芏準による統蚈解析入門}.\newblock講談瀟.\bibitem[\protect\BCAY{北}{北}{1999}]{確率的蚀語モデルテキスト}北研二\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{蚀語ず蚈算4確率的蚀語モデル}.\newblock東京倧孊出版䌚.\bibitem[\protect\BCAY{行野\JBA田侭\JBA冚浊\JBA束本}{行野\Jetal}{2006}]{行野}行野顕正\JBA田䞭省䜜\JBA冚浊掋䞀\JBA束本英暹\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ䜎頻床byte列を掻甚した蚀語識別\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf47}(4),\mbox{\BPGS\1287--1294}.\bibitem[\protect\BCAY{藀井\JBA冚浊\JBA田侭}{藀井\Jetal}{2005}]{藀井}藀井宏\JBA冚浊掋䞀\JBA田䞭省䜜\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQSkewDivergenceに基づく文曞の母語話者性の掚定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(4),\mbox{\BPGS\79--96}.\bibitem[\protect\BCAY{倧鹿\JBA䜐藀\JBA安藀\JBA山名}{倧鹿\Jetal}{2005}]{倧鹿}倧鹿広憲\JBA䜐藀孊\JBA安藀進\JBA山名早人\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQGoogleを掻甚した英䜜文支揎システムの構築\JBCQ\\newblockIn{\BemDataEngineeringWorkshop},\mbox{\BPGS\4B--i8}.\bibitem[\protect\BCAY{竹村}{竹村}{1991}]{統蚈テキスト2}竹村地通\BBOP1991\BBCP.\newblock\Jem{珟代数理統蚈孊}.\newblock創文瀟.\bibitem[\protect\BCAY{倧歊\JBA河本\JBA竹腰\JBA囜村\JBAMorren\JBA竹内\JBA鵜川\JBA藀田\JBA金子}{倧歊\Jetal}{2004}]{倧歊}倧歊博\JBA河本健\JBA竹腰正隆\JBA囜村正子\JBABrianMorren\JBA竹内浩昭\JBA鵜川矩匘\JBA藀田信之\JBA金子呚叞\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQむンタヌネット利甚による電子英文情報の即時教材化システムの開発ずその教育利甚\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究䌚報告FI,No.77},\mbox{\BPGS\23--32}.\bibitem[\protect\BCAY{䜐野\JBA猪野}{䜐野\JBA猪野}{2000}]{䜐野}䜐野掋\JBA猪野真理枝\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ英語文法の難易床蚈枬ず自動分析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究䌚報告CE,No.58},\mbox{\BPGS\5--12}.\bibitem[\protect\BCAY{前田\JBA関\JBA吉川\JBA怍村}{前田\Jetal}{2001}]{前田}前田亮\JBA関慶劍\JBA吉川正俊\JBA怍村俊亮\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQWeb文曞の笊号系および䜿甚蚀語の自動識別\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ84-D-II}(1),\mbox{\BPGS\150--158}.\end{thebibliography}\appendix \section{2぀の二項母集団の母比率の比の怜定} 暙本$\vX$の統蚈モデルを$\{P(\cdot\:;\:\theta)\:|\:\theta\in\Theta\}$ずし$\Theta$はパラメタ空間$\Theta_0$ず$\Theta_1$を$\Theta_0\cap\Theta_1=\emptyset$$\Theta_0\cup\Theta_1=\Theta$なる$\Theta$の郚分集合ずする$\theta\in\Theta_0$は垰無仮説$\theta\in\Theta_1$は察立仮説ず呌ばれる暙本$\vX$の倀芳枬倀$\vx$を基に$\theta\in\Theta_0$か$\theta\in\Theta_1$かを決定するこずを統蚈的仮説怜定ずいう詳しくはたずえば文献\cite{統蚈テキスト}を参照暙本$\vX$の統蚈量$T(\vX)$を甚いお$T(\vx)\geqt$のずき垰無仮説を棄华する怜定を考える䞎えられた$\Theta_0$ず$\alpha$に䟝存させお$t$を\begin{equation}\label{匏有意氎準αの怜定}\forall\theta\in\Theta_0\;P(T(\vX)\geqt\:;\:\theta)\leq\alpha\end{equation}を満たすように蚭定するずこの怜定は有意氎準$\alpha$の怜定垰無仮説が正しいにもかかわらず垰無仮説を棄华しおしたう確率が$\alpha$以䞋である怜定ずなる確率倉数$X$が二項分垃$B(m,p)$\footnote{$X$の確率関数$f_X(x)$が以䞋で䞎えられる分垃である\[f_X(x)=\begin{cases}_mC_x\:p^x(1-p)^{m-x}&\;x=0,1,2,\cdots,m,\\0&\;その他\end{cases}\]}に埓い確率倉数$Y$が二項分垃$B(n,q)$に埓うずし$x/m>y/n$である堎合に$(X,Y)$の芳枬倀$(x,y)$を基に$p/q>\mu$であるか吊かの刀定を行いたいこのような刀定を行う怜定は著者の知る限りでは確率・統蚈のテキストなどでは解説されおいない望たしい性質を持぀こずで知られる尀床比怜定を行うこずも考えられるが$m$$n$が倧きくなった堎合棄华刀定の蚈算に時間を芁するしたがっお尀床比怜定を甚いた堎合珟実的な時間内で䞀぀の文曞の母語話者性の刀別ができないこずがあるそこで本研究ではこのような刀定を高速に行う近䌌的な怜定手法を新たに考案しこれを母語話者性の刀別に利甚する䞀様最匷力怜定や第2皮の誀り垰無仮説が正しくないにもかかわらず垰無仮説を採択しおしたう確率が本手法より小さな怜定で高速なものが求たるならばこれらの怜定を利甚するこずで母語話者性の刀別の粟床はより向䞊するず考えられる垰無仮説ず察立仮説を以䞋のように蚭定した怜定を考える\begin{align*}垰無仮説&:(p,q)\in\Theta_0=\{(p,q)\:|\:p\leq\muq,\;0\leqp\leq1,\;0\leqq\leq1\}\\察立仮説&:(p,q)\in\Theta_1=\{(p,q)\:|\:p>\muq,\;0\leqp\leq1,\;0\leqq\leq1\}\end{align*}本論文では母比率の比の怜定ず呌ぶ本質的には$p\leq\muq$であるか吊かであるがここでは䞊蚘のように正確に䞡仮説を蚘述しおおく垰無仮説が棄华されるならば$p/q>\mu$ず刀定したこずになる察立仮説が正しい堎合にその芳枬倀が倧きな倀ずなる傟向を持぀統蚈量$T^\dagger(X,Y)$\[T^\dagger(X,Y)=\frac{X/m}{(Y+1)/(n+1)}\]を甚いお$T^\dagger(x,y)\geqt^\dagger(\mu)$のずき垰無仮説を棄华するこずにする分母の`$+1$'は$Y$の芳枬倀が0の堎合でも$T^\dagger$が定矩できるように導入したものである匏(\ref{匏有意氎準αの怜定})より$t^\dagger(\mu)$は\begin{equation}\label{匏怜定基瀎}\forall(p,q)\in\Theta_0\;\;P(T^\dagger(X,Y)\geqt^\dagger(\mu)\:;\:p,q)\leq\alpha\end{equation}を満たすように$\mu$ず有意氎準$\alpha$に応じお蚭定される本手法では$t^\dagger(\mu)$を求めお垰無仮説の棄华刀定を行う代わりに芳枬倀$(x,y)$の$p$-倀を甚いお棄华刀定を行う$(x,y)$の$p$-倀ずは$(x,y)$を基に垰無仮説を棄华できる最小の有意氎準のこずである明らかに$P(T^\dagger(X,Y)\geqt\:;\:p,q)$は$t$の枛少関数であり$T^\dagger(x,y)\geqt^\dagger(\mu)$のずき垰無仮説を棄华するのであるから$(x,y)$の$p$-倀は以䞋で䞎えられ\begin{equation}\label{匏p-倀1}\max_{(p,q)\in\Theta_0}\;P(T^\dagger(X,Y)\geqT^\dagger(x,y)\:;\:p,q)\end{equation}この倀が$\alpha$以䞋である堎合に有意氎準$\alpha$で垰無仮説を棄华するこずになるここで新たに\[T(X,Y)=\frac{X}{Y+1}\]ず定矩するず匏(\ref{匏p-倀1})は以䞋ず等しい\begin{equation}\label{匏p-倀2}\max_{(p,q)\in\Theta_0}\;P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p,q).\end{equation}$Y$が$B(n,q)$に埓うずき$0\leqy_0<n$なる任意の$y_0$に察しお$P(Y\leqy_0\:;\:q)$は$q$の単調枛少関数であり$y_0<0$なる任意の$y_0$に察しお$P(Y\leqy_0\:;\:q)=0$であり$y_0\geqn$なる任意の$y_0$に察しお$P(Y\leqy_0\:;\:q)=1$であるこの性質ず$0<x,\;y<n$∵前提$x/m>y/n$および\[P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p,q)=\sum_{x'=0}^m\:\rule{0pt}{1pt}_mC_{x'}p^{x'}(1-p)^{m-x'}\cdotP\left(\frac{x'}{Y+1}\geqT(x,y)\:;\:q\right)\]ず衚すこずができるこずから$(x,y)$の$p$-倀である匏(\ref{匏p-倀2})は\begin{equation}\label{匏p-倀3}\max_{(p,q)\in\Theta_0'}\;P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p,q)\end{equation}ず等しいただし$\Theta_0'=\{(p,q)\:|\:p=\muq,\;0\leqp\leq1,\;0\leqq\leq1\}$である芳枬倀$(x,y)$に基づいた$(p,q)\in\Theta_0'$の䞋での$p$$q$の最尀掚定倀぀たり$(x,y)$の生起確率を最倧にする$p$$q$の倀を$p^*(\mu)$$q^*(\mu)$で衚すず\begin{align*}p^*(\mu)&=\mu\cdotq^*(\mu)\\q^*(\mu)&=\frac{x+\muy+\mum+n-\sqrt{(x+\muy+\mum+n)^2-4(x+y)(m+n)\mu}}{2(m+n)\mu}\end{align*}である本手法では怜定に芁する時間を考慮し匏(\ref{匏p-倀3})を$P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p^*(\mu),q^*(\mu))$で近䌌し\[P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p^*(\mu),q^*(\mu))\leq\alpha\]ならば垰無仮説を棄华する二項分垃$B(m,p)$に埓う確率倉数の分垃関数は$mp>5$か぀$m(1-p)>5$の堎合正芏分垃で近䌌できるそこで$P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p^*(\mu),q^*(\mu))\leq\alpha$の刀定に必芁な$P(T(X,Y)\geqt\:;\:p,q)$の蚈算は$X$$Y$の分垃を正芏分垃で近䌌できるか吊かにより4぀の堎合に分けお行った$X$$Y$共に正芏分垃で近䌌できる堎合ず$X$のみ正芏分垃で近䌌できる堎合の蚈算をそれぞれ以䞋の(1)(2)に瀺す以䞋に瀺すずおり正芏分垃の性質を利甚しお高速な蚈算が可胜である\medskip\noindent\underline{\mbox{(1)$5<mp<m-5$か぀$5<nq<n-5$の堎合}}\[P\left(T(X,Y)\geqt\:;\:p,q\right)=P(X-tY\geqt\:;\:p,q)\]である$X$の分垃は正芏分垃$N(mp,mp(1-p))$で近䌌でき\footnote{平均が$\xi$分散が$\sigma^2$の正芏分垃を$N(\xi,\sigma^2)$で衚す}$Y$の分垃は$N(nq,nq(1-q))$で近䌌できるので正芏分垃の性質より\[P(T(X,Y)\geqt\:;\:p,q)=P\left(Z\geq\frac{t-mp+tnq}{\sqrt{mp(1-p)+t^2nq(1-q)}}\right)\]であるただし$Z$は暙準正芏分垃に埓う確率倉数である\medskip\noindent\underline{\mbox{(2)$5<mp<m-5$か぀[$nq\leq5$たたは$n-5\leqnq$]の堎合}}\[P\left(T(X,Y)\geqt\:;\:p,q\right)=\sum_{y'=0}^nP(Y=y'\:;\:q)\cdotP(X\geqt(y'+1)\:;\:p)\]である$X$の分垃は正芏分垃$N(mp,mp(1-p))$で近䌌できるので\[P\left(T(X,Y)\geqt\:;\:p,q\right)=\sum_{y'=0}^n\:\rule{0pt}{1pt}_nC_{y'}\:{q}^{y'}(1-q)^{n-y'}\cdotP\left(Z\geq\frac{t(y'+1)-mp}{\sqrt{mp(1-p)}}\right).\]であるただし$Z$は暙準正芏分垃に埓う確率倉数である \section{仮説怜定を利甚した母比率の比の掚定} \label{付録estimateMu}$X$を二項分垃$B(m,p)$に埓う確率倉数$x$をその芳枬倀$Y$を二項分垃$B(n,q)$に埓う確率倉数$y$をその芳枬倀ずする勿論$p$$q$は未知である$x/m>y/n$を前提ずしお前節の仮説怜定で垰無仮説を棄华できる最倧の$\mu$぀たり\begin{equation}P(T(X,Y)\geqT(x,y)\;;\;p^*(\widehat{\mu}(x,m,y,n)),q^*(\widehat{\mu}(x,m,y,n)))=\alpha\end{equation}なる$\widehat{\mu}(x,m,y,n)$を以䞋のようにしお求める\[pv(\mu\:;\:x,y)=P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p^*(\mu),q^*(\mu))\]ずおき$pv(\mu\:;\:x,y)$が$\mu$の増加関数になっおいるこずを利甚しお\footnote{$p^*(\mu)$は$\mu$の増加関数$q^*(\mu)$は$\mu$の枛少関数になっおいるこずが瀺せる\\このこずから$P(T(X,Y)\geqT(x,y)\;;\;p^*(\mu),q^*(\mu))$が$\mu$の増加関数になっおいるこずが瀺せる}2分法により求める\begin{itemize}\item[(1)]$\mu_L=1$ずし$pv(\mu_L\;;\;x,y)<\alpha$ずなるたで$\mu_L\leftarrow\mu_L/2$を繰り返す\\$\mu_R=1$ずし$pv(\mu_R\;;\;x,y)>\alpha$ずなるたで$\mu_R\leftarrow2\cdot\mu_R$を繰り返す\item[(2)]$\mu_R-\mu_L$が十分小さくなるか$pv((\mu_L+\mu_R)/2\;;\;x,y)=\alpha$ずなるたで以䞋を繰り返す\begin{itemize}\item$\mu_C\leftarrow(\mu_L+\mu_R)/2$\item$\{pv(\mu_L\;;\;x,y)-\alpha\}$ず$\{pv(\mu_C\;;\;x,y)-\alpha\}$が同笊号ならば$\mu_L\leftarrow\mu_C$ずしそうでないならば$\mu_R\leftarrow\mu_C$ずする\end{itemize}\item[(3)]$(\mu_L+\mu_R)/2$が$\widehat{\mu}(x,m,y,n)$である\end{itemize}最埌に前節で述べた$T^\dagger(X,Y)$による$p/q$の信頌区間を文献\cite{統蚈テキスト}に埓っお求め$(\widehat{\mu}(x,m,y,n),\infty)$が近䌌的に$p/q$の$100(1-\alpha)\%$信頌区間になっおいるこずを述べシミュレヌションによりこれを確かめる暙本$\vX$の統蚈モデルを$\{P(\cdot\:;\:\theta)\:|\:\theta\in\Theta\}$ずし$S(\vx)$を$\Theta$の郚分集合ずする\[\forall\theta\in\Theta\;\;P(\theta\inS(\vX)\:;\:\theta)\geq1-\alpha\]ずなるずき$S(\vX)$を$\theta$の$100(1-\alpha)\%$信頌領域$S(\vX)$が区間になる堎合は信頌区間ず蚀う$p/q$はパラメタではないがこの定矩に圓おはめるならば統蚈量$L(X,Y)$が\begin{equation}\label{匏信頌区間定矩匏}\forall(p,q)\in[0,1]^2\;\;P(L(X,Y)<p/q\:;\:p,q)\geq1-\alpha\end{equation}を満たすならば$(L(X,Y),\infty)$は$p/q$の$100(1-\alpha)\%$信頌区間であるこれは$(X,Y)$の芳枬倀を100個埗たずき$L(x,y)<p/q$を満たす芳枬倀$(x,y)$が$100(1-\alpha)$個皋床以䞊あるこずを意味しおいる芳枬倀$(x,y)$に察する$L(x,y)$は\[L(x,y)=\max\{\mu\:|\:T^\dagger(x,y)\geqt^\dagger(\mu)\}\]で求めるこずができる以䞋にこれを瀺す䞊蚘定矩より$(p_0,q_0)$を任意に遞んだずき\[L(x,y)<p_0/q_0\LongleftrightarrowT^\dagger(x,y)<t^\dagger(p_0/q_0)\]が成立するしたがっお\begin{align*}P(L(X,Y)<p_0/q_0\:;\:p_0,q_0)&=P(T^\dagger(X,Y)<t^\dagger(p_0/q_0)\:;\:p_0,q_0)\\&=1-P(T^\dagger(X,Y)\geqt^\dagger(p_0/q_0)\:;\:p_0,q_0)\\&\geq1-\alpha\quad(\mbox{∵$p_0\leq(p_0/q_0)q_0$ず匏(\ref{匏怜定基瀎})})\end{align*}$p_0$$q_0$は任意に遞んだので$L(X,Y)$は匏(\ref{匏信頌区間定矩匏})を満たすこずが分かる$L(x,y)$の定矩より$L(x,y)$は垰無仮説($p\leq\muq$)を棄华できる最倧の$\mu$である前節で述べた怜定は$p$-倀(\ref{匏p-倀3})぀たり$p$-倀(\ref{匏p-倀1})を$P(T(X,Y)\geqT(x,y)\:;\:p^*(\mu),q^*(\mu))$で近䌌しおいるため$\widehat{\mu}(x,m,y,n)$は$L(x,y)$の近䌌ず考えられる$\widehat{\mu}(x,m,y,n)$が$L(x,y)$の近䌌ずなっおいるこずを確かめるためにシミュレヌションを行った有意氎準$\alpha$を0.05ずしいく぀かの$m$$p$$n$$q$に察しお$B(m,p)$および$B(n,q)$に埓っお$(x,y)$を$10,000$個発生させ$x/m\neqy/n$なる各$(x,y)$に察し\begin{itemize}\item$x/m>y/n$のずき$\widehat{\mu}(x,m,y,n)<p/q$ならば成功$\widehat{\mu}(x,m,y,n)\geqp/q$ならば倱敗\item$x/m<y/n$のずき$p/q<1/\widehat{\mu}(y,n,x,m)$ならば成功$p/q\geq1/\widehat{\mu}(y,n,x,m)$ならば倱敗\end{itemize}ずし求めた信頌区間に$p/q$が含たれる割合を求めた結果を衚\ref{衚estimateMu}に瀺すこの衚から近䌌の圱響はあるものの$\widehat{\mu}(x,m,y,n)<p/q$あるいは$p/q<1/\widehat{\mu}(y,n,x,m)$がほが$100(1-\alpha)\%$の割合で成立しおいるこずが分かる\clearpage\begin{table}[t]\caption{$p/q$の信頌区間の掚定の成功率}\label{衚estimateMu}\input{02table03.txt}\end{table}\begin{biography}\bioauthor{冚浊掋䞀}{1984幎九州倧孊工孊郚電子工孊科卒業1989幎同倧孊院工孊研究科電子工孊専攻博士課皋単䜍取埗退孊同幎九州倧孊工孊郚助手1995幎同助教授珟圚九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究院准教授博士工孊自然蚀語凊理蚈算蚀語孊に関する研究に埓事}\bioauthor{青朚さやか}{2006幎九州倧孊工孊郚電気情報工孊科卒業2008幎同倧孊院システム情報科孊府知胜システム孊専攻修了珟圚新日鉄゜リュヌションズ株に勀務自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{柎田雅博}{1996幎九州倧孊工孊郚情報工孊科卒業2005幎同倧孊院システム情報科孊研究科知胜システム孊専攻博士課皋単䜍取埗退孊同幎九州システム情報技術研究所特別研究助手2006幎九州倧孊ベンチャヌ・ビゞネス・ラボラトリヌ講垫䞭栞的研究機関研究員珟圚九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究院テクニカルスタッフ博士工孊自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{行野顕正}{2001幎九州倧孊工孊郚電気情報工孊科卒業2007幎同倧孊院システム情報科孊府知胜システム孊専攻博士課皋修了珟圚株匏䌚瀟ゞャストシステムに勀務博士工孊自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\end{biography}\biodate\end{document}
V10N04-05
\section{はじめに} 著者らは実甚に近い日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実珟を目指しお䞀連の研究をしおきた\cite{NLC93,MSTHESIS,MUHPARAM,PRICAI94,MUH_OGA2001,OGAWA2000,MT_SUMMIT2001,MUH_NLT_2002}その過皋で䞀定の語圙数を持぀日本語--りむグル語電子蟞曞の開発が䞍可欠であるず考えその開発に着手したその時点では日本語--りむグル語に関する通垞の蟞曞さえない状況であった最初は日本語--りむグル語機械翻蚳実隓甚の基本的な蟞曞の開発を考えおIPAの蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL}をベヌスに名詞や圢容詞などを含め玄1,200語の日本語--りむグル語電子蟞曞を䜜成した\cite{NLC93,MSTHESIS}IPAL動詞蟞曞には日本語の動詞のうちで語圙䜓系䞊ならびに䜿甚頻床䞊重芁であるず考えられる基本的な和語動詞861語が含たれおいる䞡蚀語のなかで特に栌助詞を含む名詞接尟蟞ず動詞接尟蟞が動詞ず密接な関係にあり日本語--りむグル語機械翻蚳においおも動詞が重芁であるためIPAL動詞蟞曞を遞んだしかし1,200語前埌の蟞曞では䞍十分であり実甚に近い機械翻蚳システムの実珟には少なくずも日垞䜿われる最䜎限の語圙を含む日本語--りむグル語電子蟞曞の開発が必芁であるずの考えに至ったそこで我々はたずりむグル語--日本語蟞曞であるりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}を電子化しお機械可読にしその逆蟞曞を自動的に生成するずいう方針で本栌的な日本語--りむグル語電子蟞曞の開発に着手した\cite{UJDICE,JUDICGEN}蟞曞開発は著者らが行なったがその内の䞀人は十分な日本語胜力を有するりむグル語ネむティブ話者である日本語--りむグル語電子蟞曞の開発䜜業は次のような段階に分けお行なった\\\begin{enumerate}\itemりむグル語--日本語電子蟞曞の䜜成\begin{itemize}\item[1-1.]りむグル語蟞兞\cite{UJDIC}のデヌタの電子化ず項目タグの付䞎\item[1-2.]各項目の修正および品詞の付䞎\end{itemize}\item日本語--りむグル語電子蟞曞の䜜成\begin{itemize}\item[2-1.]りむグル語--日本語蟞曞から日本語--りむグル語蟞曞を自動生成\item[2-2.]各芋出し語の怜査および修正\item[2-3.]機械翻蚳システムで利甚できる圢匏ぞの倉換\end{itemize}\end{enumerate}各䜜業の詳现に぀いおは2章以降で順次説明するこうした䞀連の䜜業を行なった結果語圙数玄20,000語の日本語--りむグル語電子蟞曞を䜜成するこずができた著者らはこの蟞曞が日垞よく䜿われる語圙をどの皋床芋出し語ずしお採録しおいるかを調べるために\\\begin{itemize}\item[a.]囜立囜語研究所の教育甚基本語圙\cite{KOKKEN}6,104語䞭のより基本的ずされおいる2,071語に察する収録率\item[b.]EDRコヌパス\cite{EDRCORPUS}の日本語テキスト文に含たれる単語の䞊䜍頻床2,056語に察する収録率\end{itemize}\mbox{}\\の2点に関しお調査したa.は日本語基本語圙に察する調査でb.は新聞蚘事などからのテキストを察象ずした調査でありそれぞれの特城はあるが党䜓ずしお芋るずa.b.ずもに玄80\,\%の収録率であったさらにa.ずb.それぞれに぀いお収録されおいない単語䞀぀䞀぀に関しお収録されなかったすなわち芋出し語ずしお採録されなかった理由に぀いお詳现な分析を行ないその理由を倧きくA〜Eの5぀に分類しそれぞれをさらに现分類しお怜蚎したこの結果は本論文ず同様の手法で蟞曞䜜成をする際収録率を䞊げるために泚意すべき点に぀いおいく぀かの知芋を䞎えおいる本論文は次のような構成になっおいる\ref{section:denshika}章ではりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}を機械可読にしそれに察しお䞀連の線集䜜業を行なっおりむグル語--日本語電子蟞曞を䜜成した過皋に぀いお述べる\ref{section:jidoseisei}章ではりむグル語--日本語電子蟞曞からその逆蟞曞である日本語--りむグル語蟞曞の自動生成に぀いお述べる\ref{section:for_majo}章では自動生成で埗られた日本語--りむグル語蟞曞の機械翻蚳甚蟞曞ぞの倉換に぀いお述べる\ref{section:hyoka}章では以䞊のようにしお著者らが䜜成した日本語--りむグル語蟞曞の収録率および収録されおいない単語の調査ずその結果に぀いお述べ著者らが䜜成した日本語--りむグル語蟞曞の評䟡ずする\ref{section:owari}章は本論文のたずめである \section{りむグル語--日本語蟞曞の電子化} label{section:denshika}我々の目暙は日本語--りむグル語機械翻蚳システムに䜿甚できる蟞曞の䜜成である元ずなる日本語--りむグル語蟞曞が存圚しなかったためたず維挢蟞兞\cite{UHDIC}の和蚳であるりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}を蚈算機で凊理可胜な圢にするための電算入力から䜜業を始めたこの䜜業では蚈算機での凊理を容易にするために各項目にタグを付加し図\ref{fig:first_dic}のような圢匏でデヌタを入力した\begin{figure}\begin{center}\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\\\mbox{}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}{\small\begin{verbatim}\un!etij!e\j結果結論成果効果成瞟\\uemusabi!kiningn!etijisi\je詊合の結果\\ue!uginixn!etijisi\je孊業成瞟\\ue~!kazanma!k\je成瞟を埗る\\uen!etijig!eerixm!ek\je成果を埗る\\ue~b!erm!ek\je効果があがる\\ue~qi!kma!k\je結果が出る\\ue~qi!karma!k\je結論を出す\\end{verbatim}}\end{minipage}\\\mbox{}\\\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\caption{電子化されたりむグル語蟞兞の䞀郚}\label{fig:first_dic}\end{center}\end{figure}ここで\verb+\u+,\verb+\j+,\verb+\ue+および\verb+\je+はそれぞれりむグル語の語圙芋出し日本語の察蚳語りむグル語の甚䟋・䟋文およびその和蚳文を瀺すタグである日本語の察蚳語が耇数ある堎合意味的に近いものずそうではないものがそれぞれ`,'ず`;'で区切られりむグル語䟋文ず和蚳文の末尟に`.'が付いおいる`\verb+~+'は芋出し語を衚わし`\verb+\+'は行末を衚わすたたりむグル語には32の文字があり`c'以倖のロヌマ字25文字ずりむグル語の発音に近いロヌマ字の前に\verb+`!'+を付した\verb+`!g'+,\verb+`!h'+,\verb+`!k'+,\verb+`!e'+,\verb+`!o'+,\verb+`!u'+,\verb+`!z'+の7文字の合蚈32の衚蚘を察応させたりむグル文字ず本論文での衚蚘の察応は衚\ref{table:arabic_latin}の通りである\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{りむグル文字ずロヌマ字衚蚘(本論文での衚蚘)ずの察応}\label{table:arabic_latin}\epsfile{file=uirmtab.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\end{table}次にこのデヌタに察しりむグル語ネむティブ話者および日本語ネむティブ話者からなる著者らの合議怜蚎の共同䜜業によりすべおの芋出し語ずその項目に぀いお逐䞀その内容を吟味確認しさらに以䞋の3点に泚目しお修正を斜した\\\begin{enumerate}\item[1)]品詞の付䞎および耇数の品詞をも぀芋出し語を品詞ごずに分割\item[2)]䞍適切な蚳語の修正および芋出し語綎りの誀りの蚂正\item[3)]語源・語矩が異なる芋出し語を異なる語矩ごずに分割\end{enumerate}\mbox{}\\たず1)の品詞の付䞎であるが図\ref{fig:first_dic}に芋るように元のりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}には品詞が付䞎されおいなかったのですべおの芋出し語に人手で品詞を付䞎したたた耇数の品詞を持っおいる芋出し語に぀いおは品詞ごずに分けお別々の芋出しずした日本語ず違っおりむグル語では二぀以䞊の品詞を持぀単語が倚く特に圢容詞にも名詞にもなる語が倚いりむグル語の`\verb+k!ok+'はその䞀䟋であるが図\ref{fig:arranged_dic}のように別々の芋出し語に分割し日本語蚳および䟋文もそれぞれの品詞ごずに分けお付加した\begin{figure}[tbp]\begin{center}\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\\\mbox{}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\small\begin{verbatim}\uk!ok\j青い\[圢容詞]\ue~boya!k\je青い顔料.\\ue~k!oz\je青い目.\\ue~purqa!k\je青豆.\\uk!ok\j空,倩空;青いあざ;青草;ただ実らない䜜物;青菜,野菜,りマゎダシの芜;ふさ状のもの\[名詞]\ueB!urk!ut~t!ep!erwaz!kilma!kta.\jeタカが空を舞っおいる.\\ueb!edinig!e~q!uxm!ek\je䜓に青いあざができる.\\ue!Koylar~k!etoydi.\je矊たちは青草を食べ飜きた.\\end{verbatim}\end{minipage}\\\mbox{}\\\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\vspace{-1.6ex}\end{center}\caption{人手による修正を加えたりむグル語--日本語蟞曞の䞀郚}\label{fig:arranged_dic}\end{figure}たた今回䜿甚したりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}は維挢蟞兞\cite{UHDIC}の䞭囜語蚳を日本語に翻蚳しお䜜成されおおり二次翻蚳による意味のずれや欠萜がかなりあった2)は䞻にそうした点に関しおの修正である䟋えばりむグル語の`gilitserin'\footnote{`gilitserin'はりむグル語でも「倖来語」である}は維挢蟞兞\cite{UHDIC}での䞭囜語ぞの蚳語が``甘油''になっおおりりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}でも日本語蚳が「甘油」になっおいたしかし「甘油」は日本語囜語蟞曞の芋出し語ずしお含たれおいなかったそこで䞭囜語--英語蟞兞\cite{EC_CE_DIC}を匕くず``甘油''の英蚳が`glycerine'であるこずが分かりりむグル語の`gilitserin'に察しお「グリセリン」ずいう日本語蚳語を圓おたたたりむグル語の日本語蚳ずしお䞎えられおいる単語が日本語囜語蟞兞の芋出し語に含たれおはいるものの䞭囜語を介しお蚳付けをしたため意味がずれおいたものもあった䟋えばりむグル語の`katta'の維挢蟞兞\cite{UHDIC}での䞭囜語ぞの蚳語は``倧事''であるがその意味は「重芁」ずいう意味の「倧事」ではなく「偉倧」ずいう意味の「倧事」であるしかし我々が出発点ずしお甚いたりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}では䞭囜語の「倧事」を日本語に蚳すずき「倧事」をそのたた日本語ずしお解釈しお`katta'の意味の䞀぀に「重芁」が付䞎されおいたこれは`katta'の意味ずしおは正しくないのでそれを削陀したこのような意味の取り違えは䞭囜語の「汜車」が日本語では「自動車」を意味しおいるように同じ文字列で衚わされた単語が䞭囜語ず日本語では異なる意味を持぀こずから生じおいるさらにこうした䜜業ず䞊行しお時代遅れになった単語や蚳語を削陀したり逆に適切な蚳語を適宜远加したりしお蚳語を修正したたた芋出し語の綎り字の誀りは気付く限り蚂正した䟋えば維挢蟞兞\cite{UHDIC}ならびにりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}で`ara-tora'ずあるのは誀りであり`ara-tura'ずするのが正しいのでそのように蚂正した\footnote{飯沌「りむグル語蟞兞」にはアラビックりむグル文字綎りが独自に付加されおいるがそれずラテンりむグル文字綎りの間に䞍䞀臎が芋られるこのこずを指摘しおくださった査読者に感謝するこの点に぀いお若干の説明を以䞋に蚘すこの䞍䞀臎の原因には次の4぀の堎合が考えられる1.『維挢蟞兞』のラテン文字(ラテンりむグル文字)芋出し語衚蚘ず飯沌『りむグル語蟞兞』のそれずは同䞀であるが飯沌版でアラビア文字(アラビックりむグル文字)の綎りを独自に付加した際に『維挢蟞兞』ずは異なった芏準で綎り字を決めおいるこずが原因で生じた䞍䞀臎2.りむグル語衚蚘にラテン文字を導入した時に䞭囜語の発音を正確に衚すために䞭囜語のPINYINで䜿われおいるzh,ch,shをりむグル語の組み合わせ文字ずしお取り入れたがこれに察応するアラビックりむグル文字はないそのためにそれらを音が近いアラビックりむグル文字で衚蚘したために生じた䞍䞀臎䟋えばPINYIN匏では`dad!uizhang'ず衚蚘されるものをアラビックりむグル文字で衚蚘しそれをラテン文字に写すず`dad!uyjang'になるこれは䞊蚘1の特別な堎合である3.『維挢蟞兞』の線集過皋でラテン文字芋出し語の綎りに間違いがあったものを正しく修正できなかったがアラビック文字の芋出し語は正しく远加しおいるために生じおいる䞍䞀臎䟋えば飯沌版ならびに『維挢蟞兞』で`ara-tora'ずあるのは誀りで`ara-tura'ずするのが正しい4.飯沌版で独自にアラビア文字綎りを远加した時にアラビア文字綎りに誀りを犯したために生じた䞍䞀臎りむグル語綎り字の正曞法は珟代りむグル語正曞法蟞兞\cite{UIIMLA}が1997幎に出版されるたでは決たっおいなかったので䞊蚘の1,2のようなこずが生じおいたしかしネむティブのりむグル語話者にずっおはそのような衚蚘の䞍䞀臎が生じおもいずれの衚蚘でも同䞀の単語ずしお同定できるものである3ず4の䞍䞀臎は間違いが原因で生じおいるのでその誀りは蚂正しなければならない3の誀りは気付く限り修正した4の修正に぀いおは今回の蟞曞にはアラビック衚蚘を入れなかったので察凊しおいない}2)の䞍適切な蚳語の修正䜜業には日本語の意味の確認のために広蟞苑\cite{KOJIEN}日本語倧蟞兞\cite{KODANSHA}倧蟞林\cite{SANSEIDO}新明解囜語蟞兞\cite{BOOKSHELF}をりむグル語の意味の確認のためにりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}維挢蟞兞\cite{UHDIC}䞭囜語--英語蟞兞\cite{EC_CE_DIC}りむグル語詳现蟞兞\cite{UILUGET}などを参照した3)は耇数の異なる語矩を持぀単語が䞀぀の芋出し語になっおいる堎合にこれを別々の芋出し語ずした耇数の語矩を持぀単語を蟞曞によっお同じ䞀぀の芋出し語ずしお扱ったり別の芋出し語ずしお扱ったりしおいるこずがあるここでも元になった維挢蟞兞\cite{UHDIC}では䞀぀の芋出し語ずしお扱われおいるものがりむグル語蟞兞\cite{UJDIC}では別々の芋出し語になっおいたりたたはその逆であったりしお区別する芏準がはっきりしおいなかったが著者らのこの䜜業では意味が類䌌しおいなければ別の芋出し語ずしたその䟋を図\ref{fig:separated_word}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\\\mbox{}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\small\begin{verbatim}\uk!eqm!ek\j螏む,枡る;通る,経る,経隓する\[自動詞][他動詞]\uelay~\je泥を螏む.\\ue!kar~\je雪を螏む.\\ueHiyalim!gabirixk!eqti.\jeあるこずが脳裏をかすめた.\\uk!eqm!ek\j捚おる,あきらめる;蚱す\[他動詞]\uehamhiyaldin~\je幻想を捚おる.\\uex!ehsin!epsidin~\je私欲を捚おる.\\uejandin~\je呜を捚おる.\\end{verbatim}\end{minipage}\\\mbox{}\\\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\vspace{-1.6ex}\end{center}\caption{同じ綎の語を別々の芋出し語に分けた䟋}\label{fig:separated_word}\end{figure}\begin{table}\begin{center}\caption{りむグル語--日本語電子蟞曞の芋出し語数および平均察蚳語数}\label{mytab:ujwtab}\footnotesize\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r}\hline品詞&名詞&動詞&\parbox[c]{2zw}{圢容詞}&\parbox[c]{2zw}{動䜜名詞}&副詞&\parbox[c]{2zw}{助数詞}&\parbox[c]{2zw}{感嘆詞}&\parbox[c]{2zw}{代名詞}&\parbox[c]{2zw}{接続詞}&\parbox[c]{2zw}{接続助詞}&\parbox[c]{2zw}{語気助詞}&合蚈\\\hline芋出し語数&7,259&3,682&2,868&1,046&691&142&48&19&21&10&2&15,788\\\hline\parbox[c]{5zw}{日本語ぞの\\平均察蚳\\語数}&1.86&2.35&2.12&2.12&2.09&1.61&2.14&1.79&2.48&2.80&2.50&2.05\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\mbox{}\\こうした䜜業の結果最終的に玄16,000語の語圙数を持぀りむグル語--日本語電子蟞曞を䜜成するこずができたこの蟞曞の品詞ごずの芋出し語数ず平均察蚳語数を衚\ref{mytab:ujwtab}に瀺すこの衚の䞭で圢容詞ずしおいるのは䜓蚀を修食するか状態・状況・様子を衚わす述語になりうる単語でありたた動䜜名詞は``-する''が付いお動詞化する日本語のサ倉名詞のように`!kilma!k'が埌に続いお動詞化する名詞であるたた名詞動詞圢容詞動䜜名詞の合蚈は14,855語で芋出し語総数15,788語の94.09\,\%になるここで動䜜や状況を衚わす動詞圢容詞動䜜名詞は平均2.12〜2.35語の日本語察蚳語をも぀のに察しお名詞に察しおは平均しお1.86語であり名詞の方が1:1察応の傟向が匷いこずが䌺えるこれらの様子は図\ref{myfig:ujnoun}\ref{myfig:ujverb}\ref{myfig:ujadj}\ref{myfig:ujsverb}によく珟れおいる\begin{figure}\vspace*{-2mm}\begin{minipage}{0.47\textwidth}\fbox{\epsfile{file=graphujnoun.eps,width=0.96\textwidth}}\caption{りむグル語名詞から日本語名詞ぞの\\察蚳語数の分垃}\label{myfig:ujnoun}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\textwidth}\fbox{\epsfile{file=graphujverb.eps,width=0.96\textwidth}}\caption{りむグル語動詞から日本語動詞ぞの\\察蚳語数の分垃}\label{myfig:ujverb}\end{minipage}\vspace{2mm}\begin{minipage}{0.47\textwidth}\fbox{\epsfile{file=graphujadj.eps,width=0.96\textwidth}}\caption{りむグル語圢容詞から日本語圢容詞ぞの\\察蚳語数の分垃}\label{myfig:ujadj}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.47\textwidth}\fbox{\epsfile{file=graphujsverb.eps,width=0.96\textwidth}}\caption{りむグル語動䜜名詞から日本語動詞ぞの\\察蚳語数の分垃}\label{myfig:ujsverb}\end{minipage}\end{figure} \section{日本語--りむグル語電子蟞曞の自動生成} label{section:jidoseisei}前章で述べた䞀連の手続きによっお䜜成したりむグル語--日本語電子蟞曞に察しお機械凊理を斜すこずによっお逆蟞曞である日本語--りむグル語蟞曞を生成した{\begin{figure}[p]\begin{center}\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\\\mbox{}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\small\verb+\uqotka\jはけブラシ\[名詞]+\\\verb+\uqotkilima!k\jはけでみがくブラシをかける\[他動詞]+\\\verb+\uqox!ka\j豚\[名詞]+\\\\\hspace*{2cm}(a)第\ref{section:denshika}章の手続きで生成したりむグル語--日本語蟞曞の䞀郚\\\hspace*{4cm}$\Downarrow$\\\end{minipage}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\small\verb+\uqotka\jはけ\[名詞]+\\\verb+\uqotka\jブラシ\[名詞]+\\\verb+\uqotkilima!k\jはけでみがく\[他動詞]+\\\verb+\uqotkilima!k\jブラシをかける\[他動詞]+\\\verb+\uqox!ka\j豚\[名詞]+\\\\\hspace*{2cm}(b)りむグル語--日本語の察の蟞曞\\\hspace*{4cm}$\Downarrow$\\\end{minipage}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\verb+<はけ,はけ,名詞,qotka>+\\\verb+<ブラシ,ぶらし,名詞,qotka>+\\\verb+<はけでみがく,はけでみがく,他動詞,qotkilima!k>+\\\verb+<ブラシをかける,ブラシをかける,他動詞,qotkilima!k>+\\\verb+<豚,ぶた,名詞,qox!ka>+\\\\\hspace*{2cm}(c)\verb+<日本語芋出し語,読み,品詞,りむグル語蚳>+の4項組蟞曞\\\hspace*{4cm}$\Downarrow$\\\end{minipage}\\\begin{minipage}{0.9\textwidth}\begin{tabular}{llll}(日本語芋出し語)&(読み)&(品詞)&(りむグル語蚳語)\\はけ&はけ&名詞&\verb+qotka+\\はけでみがく&はけでみがく&他動詞&\verb+qotkilima!k+\\豚&ぶた&名詞&\verb+qox!ka+\\ブラシ&ぶらし&名詞&\verb+qotka+\\ブラシをかける&ぶらしをかける&他動詞&\verb+qotkilima!k+\\\\\end{tabular}\\\hspace*{2cm}(d)日本語--りむグル語蟞曞の䞀郚\\\end{minipage}\\\rule{0.9\textwidth}{0.2mm}\caption{りむグル語--日本語蟞曞から日本語--りむグル語蟞曞ぞの倉換}\label{fig:convert}\end{center}\end{figure}りむグル語--日本語電子蟞曞においお䞀぀のりむグル語芋出し語に耇数の日本語蚳が付されおいる堎合もあるがたずこれらをりむグル語ず日本語蚳語の察にした(図\ref{fig:convert}--(b))これにりむグル語--日本語電子蟞曞に付加した品詞および挢字かな倉換プログラムKAKASI\footnote{http://kakasi.namazu.org/}を利甚しお埗た読み仮名を加え4項組$<$日本語芋出し語,読み,品詞,りむグル語蚳語$>$を自動的に䜜成した(図\ref{fig:convert}--(c))さらにこれを読みで゜ヌトしお結果的に図\ref{fig:convert}--(d)のような圢で日本語--りむグル語蟞曞の基本を䜜成したさらにこの4項組に察し次の3点に泚意しながら人手による修正を加えた\\\begin{enumerate}\item[1)]芋出し語ずしおの適切さ\item[2)]りむグル語蚳の劥圓性\item[3)]読みの正しさ\end{enumerate}~1)は蚳語ずしお適切に意味が衚わされおいおもそれが必ずしも芋出し語ずしお適切ではないこずによっお生じる問題である䟋えば元になったりむグル語--日本語蟞曞においおは\begin{center}\verb+\urixal!e\j卵癜ず砂糖で䜜ったお菓子.\[名詞]+\end{center}ずいう項目があったが日本語蚳の「卵癜ず砂糖で䜜ったお菓子」は`rixal!e'の説明であり「卵癜ず砂糖で䜜ったお菓子」の総称が`rixal!e'であるのではないよっお日本語--りむグル語蟞曞においお「卵癜ず砂糖で䜜ったお菓子」ずいう芋出し語を蚭け`rixal!e'をその蚳語ずするのは適切でないたた䟋えば\verb+<メロンの䞀皮,めろんのいっしゅ,[名詞],!kari!kax>+のように「○○の䞀皮」ずいった説明的な日本語蚳も日本語--りむグル語蟞曞の芋出し語ずしおは盞応しくないさらに\verb+<枅朝時代の新疆の県知事,しんちょうじだいのしんきょうのけんちじ,[名詞],ambal>+や宗教儀匏の蚀葉の説明などもやはり日本語芋出し語ずしお䞍適切であるこうした䞍適切な日本語芋出し語をも぀4項組を人手で陀去した次に2)のりむグル語蚳の劥圓性に぀いおは䟋えば「音」ずいう日本語芋出しを持぀4項組には\begin{verbatim}<音,おず,[名詞],a!hang>----(1)×<音,おず,[名詞],awaz>----(2)<音,おず,[名詞],sada>----(3)×<音,おず,[名詞],tawux>----(4)×\end{verbatim}\begin{table}\begin{center}\caption{日本語--りむグル語電子蟞曞の芋出し語数および平均察蚳語数}\label{mytab:juwtab}\footnotesize\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|r|r|r|r|r|r}\hline品詞&名詞&動詞&圢容詞&サ倉名詞&副詞&助数詞&感嘆詞&接続詞&合蚈\\\hline芋出し語数&8,457&5,411&3,480&1,785&784&156&73&20&20,166\\\hline\parbox[c]{8zw}{りむグル語ぞの\\平均察蚳語数}&1.51&1.60&1.68&1.31&1.76&1.47&1.71&1.55&1.56\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{verbatim}<音,おず,[名詞],tiwix>----(5)\end{verbatim}\noindentの5぀が珟れるがこれらはそれぞれりむグル語--日本語蟞曞の次の項目\begin{verbatim}\ua!hang\j音,音調;調和,協調;口ぶり,語気\[名詞]\uawaz\j声,音,音量;叫び声;祚,投祚\[名詞]\usada\j音声,音,声\[名詞]\utawux\j声,音\[名詞]\utiwix\j音声,音\[名詞]\end{verbatim}\noindentから出おきおいるしかしa!hangはここちよい音(ye!kimli!k〜)き぀い口調(k!eskin〜)のように音の調子を蚀う語でありsadaは歌声(nahxa〜si)拍手の音(al!kix〜si)民衆の声(ammining〜si)のように声ないしは特定の音を意味する語であるたたtawuxは母音(sozu!k〜)子音(!uz!uk〜)声垯(〜p!erdisi)のように人の声に関連した意味を持぀これらはいずれも「音」ずいう日本語に察する蚳ずしおは狭すぎお䞍適切であるので䞊の(1)(3)(4)の4項組を削陀した同様にしお日本語芋出し語に察しお付けられたりむグル語蚳の意味が䞍適切な堎合には日本語芋出し語を修正するか察応する4項組を人手で削陀したなお、䞊蚘1),2)で削陀した4項組は玄1,000個である。3)は挢字衚蚘の読みの曖昧さから生じる問題である元のりむグル語--日本語蟞曞においおは日本語蚳に読みが付加されおいなかったので今回は挢字かな倉換゜フトKAKASIを利甚しお自動的に読みを付加したしかし日本語には衚蚘は同じでも読みが耇数ある語がありさらにその䞭には読みが異なれば意味も異なる単語が倚数存圚するそうした堎合察応するりむグル語蚳も異なるこずになり䟋えば「額」の堎合「ひたい」ず読めばそのりむグル語蚳は`pixan!e'であるが「がく」ず読めば額瞁の意味の`jaza'あるいは金額の意味の`somma'をそのりむグル語蚳ずしお䞎えねばならないそこでりむグル語蚳の意味に合わせお日本語の芋出し語の読みを人手で修正した以䞊の䜜業の結果語圙数玄2䞇の日本語--りむグル語電子蟞曞を䜜るこずができた\mbox{衚\ref{mytab:juwtab}}に日本語--りむグル語電子蟞曞の品詞ごずの芋出し語数および平均察蚳語数を瀺したこの衚の圢容詞にはいわゆる日本語文法で蚀う圢容詞圢容動詞連䜓詞が含たれおいる衚\ref{mytab:ujwtab}のりむグル語--日本語蟞曞の堎合ず同様に名詞動詞圢容詞サ倉名詞で19,133語で総芋出し語数20,166語の94.88\,\%を占めおいるたた日本語1単語あたりのりむグル語蚳語数は各品詞ごずの平均で1.31〜1.76語であり党䜓の平均で1.56であるこれは本蟞曞の䜜成手続きからも掚察されるようにりむグル語--日本語蟞曞のりむグル語芋出し語しか日本語--りむグル語蟞曞の蚳語に出珟しないこずからも圓然の結果ずうなづかれようたた衚\ref{mytab:ujwtab}の段階では32,330組のりむグル語--日本語蚳の察があったが衚\ref{mytab:juwtab}の段階では31,392組の日本語--りむグル語蚳の察に枛少しおいるこの差の938組が䞊述の操䜜の1)2)に関連する䜜業で䞍適切であるずしお削陀されたものである \section{日本語--りむグル語蟞曞の翻蚳システム甚蟞曞ぞの倉換} label{section:for_majo}前章で䜜成した日本語--りむグル語電子蟞曞はデヌタが電子化されおはいるがそのたたでは機械翻蚳に甚いるこずはできないその意味では前章で䜜成した蟞曞は電子化された人間向けの日本語--りむグル語蟞曞であるそこで我々の機械翻蚳システムで䜿甚できるように以䞋の手順で倉換した\\\begin{enumerate}\item動詞の語尟の削陀\item圢容詞の现分化\item動名詞の远加\item挢字衚蚘ず読みの分離\end{enumerate}\mbox{}\\我々の掟生文法に基づく日本語--りむグル語機械翻蚳\cite{MT_SUMMIT2001}は名詞接尟蟞ず動詞接尟蟞の適切な倉換\cite{MUH_OGA2001,MAJO}ず圢態玠解析結果を逐語蚳するこずを基本ずしおおりこの倉換䜜業のキヌ・テクノロゞヌは圢態玠解析システム甚の適切な蟞曞を䜜るこずにあるこの䜜業は前章たでの手続きで䜜成した4項組に察しお行なうこずになるが説明を簡単にするために最初は読みの郚分を無芖した3項組で説明し読みの郚分の凊理に぀いおは最埌に述べるたず䜿甚する日本語圢態玠解析システムMAJO\cite{MAJO}の仕様に合わせ動詞の語尟を削陀したその際日本語芋出し語はMAJOで圢態玠解析しお末尟の圢態玠を陀去しりむグル語蚳語は語尟(-ma!kもしくは-m!ek)を機械的に取り陀いたたた品詞に぀いおも前章では自動詞他動詞を区別したがMAJOではこの区分は䞍芁でありその代りに語幹の末尟音玠が母音か子音かで母音幹動詞か子音幹動詞かの区別を行なった䟋えば$<$調べる,他動詞,selixturma!k$>$を$<$調べ,母音幹動詞,selixtur$>$\footnote{音韻凊理に基づくMAJOでは平仮名郚分をロヌマ字衚蚘に倉換するため実際には$<$調be,母音幹動詞,selixtur$>$ず登録した}ず倉換したなお「ブラシをかける」のように日本語では1圢態玠ではない語も最埌の語尟を取り陀き$<$ブラシをかけ,母音幹動詞,qotkila$>$のように登録した次に圢容詞ず品詞付けされた単語を现分類しそれぞれに適切な品詞を䞎えた今回の日本語--りむグル語蟞曞における品詞は原則ずしお元ずなるりむグル語--日本語蟞曞においお付加した品詞をそのたた䜿甚した\footnote{動詞に぀いおは䞊で説明したように他動詞・自動詞の区分は無芖し母音幹動詞・子音幹動詞ずいう品詞を䞎えたが動詞であるこずには倉わりはない}がりむグル語で圢容詞ず品詞付けした単語の日本語蚳は必ずしも日本語の圢容詞ずはならない実際にりむグル語で圢容詞ずされた語の蚳語ずしお挙げられる日本語単語には䟋えば「癜い」「静かな」「いわゆる」「空いた」「秋の」「意味のある」「意味のない」などの様々なパタヌンが存圚する日本語の芋出し語ずしおはこれらの単語の品詞を区別する必芁があるため動詞の堎合ず同様に日本語芋出し語をMAJOで圢態玠解析しその結果から以䞋のような品詞を付加した\begin{description}\item[圢状動詞]末尟の圢態玠が「い」でその盎前の圢態玠の品詞がMAJOによっお圢状動詞ず刀定された語\item[圢状名詞]末尟の圢態玠が「な」でその盎前の圢態玠の品詞がMAJOによっお圢状名詞ず刀定された語\item[連䜓詞]1語の圢態玠から成りその品詞が連䜓詞である語\item[修食詞]以䞊のいずれにも分類されない語\end{description}ここで圢状動詞ず圢状名詞ずいう呌称であるがこれは本研究の基瀎ずなる掟生文法における甚語でありそれぞれ日本語文法のいわゆる圢容詞圢容動詞を指すたた修食詞ずいう品詞は機械翻蚳のために远加した品詞であるこの分類によっお䞊に䟋ずしお挙げた単語に぀いおは「癜い」「意味のない」は圢状動詞「静か」は圢状名詞「いわゆる」は連䜓詞「空いた」「秋の」「意味のある」は修食詞ずしお蟞曞に登録した\footnote{圢状動詞ず圢状名詞に関しおは動詞の堎合ず同様に末尟の語尟を取り陀いお蟞曞に登録した}次にここたでの段階の蟞曞では芋出し語ずしお䞀郚のサ倉名詞に぀いお次のような問題があるので登録語を倉曎しおそれを解決した䟋えば「合意する」は登録されおいるが「合意」は登録されおいなかったので「合意する」は翻蚳できるが「合意」は翻蚳できないこずになるずいう問題があるこれはりむグル語の「合意」に盞圓する`kelixix'が動詞`kelixm!ek'の語幹`kelix-'に名詞化接尟蟞`-ix'が接続するこずによっお合成された掟生語でありそのためベヌスずしたりむグル語--日本語蟞曞に芋出し語ずしお掲茉されおいなかったからであるそこでこうした動詞に察しおは動詞語幹に`-ix'に埌接させ自動的に名詞圢を䜜成しこれに動名詞ずいう品詞を䞎えお蟞曞に登録したすなわち䞊蚘の䟋では$<$合意,動名詞,kelixix$>$ずいう項目を蟞曞に加えたなおその際に$<$合意す,母音幹動詞,kelix$>$の項目の方は蟞曞から削陀したので蟞曞に登録された単語数自䜓はこの䜜業では倉化しないしかし「合意する」を翻蚳する堎合には名詞`kelixix'を動詞語幹`kelix-'に戻す操䜜が必芁ずなるがこれは機械的に実珟できるそれに぀いおは参考文献\cite{OGAWA2000}を参照されたい最埌に挢字衚蚘ず読みをそれぞれ別の単語ずしお登録した圢態玠解析では字面だけを芋お解析するため䟋えば「物」が蟞曞に登録しおあっおも「もの」は解析できないそこで芋出し語の衚蚘ず読み仮名を別々に登録し䟋えば$<$物,もの,名詞,madda$>$に察しおは$<$物,名詞,madda$>$ず$<$もの,名詞,madda$>$を蟞曞に登録したたた動詞・圢状動詞・圢状名詞の語尟も挢字衚蚘に合わせお削陀した以䞊の結果衚\ref{table:judic_for_majo}に瀺した数の単語が機械翻蚳システム甚の蟞曞に登録された衚\ref{mytab:juwtab}に比べお単語数が増えおいるのは仮名衚蚘を登録したためであり語圙数自䜓は玄2䞇語のたたである登録した仮名衚蚘は衚\ref{mytab:juwtab}の合蚈芋出し語数ず衚\ref{mytab:juwtab}の合蚈芋出し語数の差の玄16,000語であるただし芋出し語を圢態玠解析する段階で䞍適切な解析ずなったものに぀いおは手䜜業で修正をした䟋えば前章で䜜成した日本語--りむグル語蟞曞には$<$息苊しい自動詞!kisilma!k$>$ずいう組があったがここで「自動詞」ずいう品詞が付加されおいるのはりむグル語の`!kisilma!k'が自動詞だからであるしかし日本語蚳の「息苊しい」は動詞ではないためそのたたでは蟞曞に登録できないそこで`!kisilma!k'の語幹に連䜓修食語ずする語尟`-idig!an'を付加しその品詞を「修食詞」ずしたよっお$<$息苊しい自動詞!kisilma!k$>$の堎合は$<$息苊しい修食詞!kisilidig!an$>$を蟞曞に登録した今回の蟞曞䜜成ではこのようにしお登録した単語は20語あった\begin{table}[tbp]\begin{center}\caption{機械翻蚳システム甚日本語--りむグル語蟞曞の登録語数}\label{table:judic_for_majo}\footnotesize\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline品詞&名詞&\parbox[c]{2em}{動名詞}&動詞&\parbox[c]{2em}{圢状動詞}&\parbox[c]{2em}{圢状名詞}&\parbox[c]{2em}{修食詞}&副詞&\parbox[c]{2em}{助数詞}&\parbox[c]{2em}{感嘆詞}&\parbox[c]{2em}{接続詞}&\parbox[c]{2em}{連䜓詞}&合蚈\\\hline\parbox[c]{2em}{登録語数}&18,323&1,629&7,611&1,320&1293&4,099&1,375&294&110&26&22&36,102\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}たた実際の機械翻蚳には元のりむグル語--日本語蟞曞に掲茉されおいなかった助詞動詞接尟蟞などが必芁ずなるがそれらに぀いおはりむグル語の解説曞を参考に人手で343語を登録したよっお珟圚のシステム甚の蟞曞の収録語数は衚\ref{table:judic_for_majo}の36,102語に人手で登録した単語を加えた36,445語である \section{日本語--りむグル語電子蟞曞の評䟡} label{section:hyoka}これたでに説明しおきた䞀連の䜜業によっおでき䞊がった日本語--りむグル語電子蟞曞(以䞋日--り蟞曞ず略蚘する)が日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実隓甚の蟞曞ずしおたた日垞普通に䜿う日本語--りむグル語蟞曞ずしおどの皋床満足できるかに぀いお評䟡をしおおくこずは圓然であろう本論文で著者らは2皮類の評䟡を行なった䞀぀は囜立囜語研究所が発衚しおいる「教育基本語圙」に察する収録率でありもう䞀぀はEDRコヌパスの日本語テキスト文に含たれる出珟頻床の高い単語に察する収録率である前者は日本語の基本語圙ず認められおいる語に察する収録率であり埌者は新聞蚘事や雑誌蚘事に高い頻床で出珟する単語に察する収録率であるこの評䟡では第\ref{section:for_majo}章で䜜成した翻蚳システム甚の蟞曞(以䞋システム甚蟞曞ず略蚘する)を甚いお単語が蟞曞に収録されおいるかどうかを自動的に刀定したこの刀定では単玔な字面の䞀臎だけを芋るため䟋えば「䜕時も」ず「い぀も」のように同じ単語が別の圢で蚘されおいた堎合にも蟞曞に収録されおいないず刀定されおしたうこうした語は機械翻蚳システム甚の蟞曞においおは未収録語ずしお扱うべきであるが人間が日垞䜿う翻蚳蟞曞ずしお考えれば収録されおいるず芋なしおも良いであろうそこで以䞋では最初に翻蚳システム甚蟞曞における収録率ず未収録語に぀いお怜蚎した䞀方で未収録語のうち人間が䜿甚する際には収録枈みず芋なすこずができる語を調べ第\ref{section:jidoseisei}章で䜜成した蟞曞を人間が通垞甚いる蟞曞ずしお評䟡する際にはそれらを収録語ず芋なしたたず囜立囜語研究所のデヌタに関する評䟡に぀いお述べる囜立囜語研究所の「教育基本語圙デヌタベヌス」\cite{KOKKEN}に含たれおいる6,104(2,071+4,033)語の内どれぐらいがシステム甚蟞曞に収録されおいるかを調べた結果3,552個(58.20\,\%)の単語が含たれおいるこずが分かったここで2,071+4,033ず曞いおいるのはより基本的な語ずしお「◎」印が付されたのが2,071語その他の基本語ずしお「○」印が付されたのが4,033語ず囜語研の語圙デヌタベヌスで二぀に分けおいるのでそのように衚わした\begin{figure}[tbp]\begin{center}\fbox{\begin{minipage}{0.9\textwidth}\epsfile{file=graphcover.eps,width=0.9\textwidth}\end{minipage}}\\\caption{EDRコヌパス䞊䜍頻床単語の日本語--りむグル語蟞曞に含たれる割合}\label{myfig:cover}\end{center}\end{figure}第2の評䟡に関しおは我々は玄21䞇文が入っおいるEDRコヌパスの日本語テキスト文䞭の圢態玠の䞭から出珟頻床の䞊䜍6,055語\footnote{ここで6,055になっおいるのは基本語圙ずされる囜語研の「教育基本語圙デヌタベヌス」の語圙数は6,103でありそれに準じお6,000前埌の䞊䜍頻床語を遞んだ結果である}を遞択しその䞭でどれぐらいの数の単語が収録されおいるかを調べた\mbox{}\\その結果3,135個の単語(51.77\,\%)が我々が䜜成したシステム甚蟞曞に収録されおいた単語の出珟頻床はコヌパスに含たれる文の出兞や文の遞び方によっお偏りが生じる可胜性もあるが第1の評䟡の結果ず比范しおEDRコヌパスに関しおはその偏りは党䜓の収録率に倧きく圱響する皋ではないず蚀えようたたEDRコヌパス出珟頻床䞊䜍単語を500単䜍ず぀増しおいっお察する収録率をグラフにたずめお図\ref{myfig:cover}に瀺したこれらの評䟡1,2の結果は基本語圙を6,000ベヌスで考えた時の単語の玄半分が収録されおいないが囜語研においおより基本的ずされる語圙2,000語ベヌスで考えるずそれぞれ囜語研の2,071語(以䞋囜語研デヌタず略蚘する)EDRの䞊䜍頻出の2,056語(以䞋EDRデヌタず略蚘する)に察しおシステム甚蟞曞の収録率は囜語研デヌタに察しお79.19\,\%(1,640語),EDRデヌタに察しお78.45\,\%(1,613語)であるそこで我々は未収録語(囜語研デヌタ20.81\,\%,EDRデヌタ21.55\,\%)に関しおその収録されなかった理由や珟象を調査し5皮類の分類芏準を決定しその芏準に基づいお収録されなかった単語の分類を行なったその結果を付録\cite{JUDIC_APPENDIX}に瀺したたたそれを集玄した結果を衚\ref{mytab:nocov}にたずめた\newcommand{\myitemA}[1]{}\newcommand{\myitemB}[1]{}\newcommand{\myitemC}[1]{}\newcommand{\myitemD}[1]{}\newcommand{\myitemE}[1]{}\newcommand{\kenum}[2]{}\newcommand{\tkenum}[2]{}\normalsize\begin{table}[p]\begin{center}\caption{未収録語の調査結果}\label{mytab:nocov}\small\normalbaselineskip=17pt\begin{tabular}{|l|l|@{}c@{}|@{}c@{}|l@{}|}\hline&皮類&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{c|c}\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}珟象\end{minipage}&\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}䟋\end{minipage}\\\end{tabular}}&察凊方法\\\hline\myitemA{A}&\myitemB{圢匏䞊の違いの理由で含たれなかった単語\kenum{10}{44}}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(1)衚蚘の違いや送り仮名の違いによるもの\kenum{9}{35}}&\myitemD{「䜕時も」「莈り物」は日本語--りむグル語蟞曞の芋出しに入っおいないが「い぀も」「莈物」はその芋出しに入っおいる}\\\hline\myitemC{(2)日本語で圢容詞の語幹が圢容動詞の語幹にもなるもの\kenum{0}{3}}&\myitemD{りむグル語の圢容詞'illi!k'の蚳語ずしお「暖かい」[圢]は蟞曞にあるが「暖かな」[圢動]はない\\\begin{minipage}[t]{0.24\textwidth}\tiny\setlength{\unitlength}{1mm}\begin{picture}(32,18)\put(0,15){りむグル語}\put(26,15){日本語}\put(5,10){\oval(12,6)}\put(1,9){illi!k}\put(29,9.8){\oval(8,7)}\put(26.5,8){\shortstack{\tiny暖かい\\{[圢]}}}\put(26.5,0){\shortstack{暖かな\\{[圢動]}}}\put(11,10){\vector(4,0){14}}\put(11,10){\vector(2,-1){14}}\end{picture}\\\mbox{}\end{minipage}}\\\hline\myitemC{(3)日本語の動詞でその意味がりむグル語では圢容詞で衚されるものたたは逆に日本語では圢容詞でその意味がりむグル語では動詞で衚されるもの\kenum{1}{6}}&\myitemD{「蟌む」は動詞であるがそのりむグル語蚳である\\`besi!k'(蟌んでいる)は圢容詞である\\「痛い」は圢容詞であるがそのりむグル語蚳である\\`a!grima!k'は動詞である}\end{tabular}}&\myitemE{これらの単語に察しおは機械的凊理を行なうこずにより蟞曞に远加できるず考えられる}\\\hline\myitemA{B}&\myitemB{元のりむグル語--日本語蟞曞で日本語の蚳付が䞍充分ず考えられる単語\kenum{168}{205}}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(1)同じ抂念の違った衚珟\kenum{15}{26}}&\myitemD{「米囜」ず「アメリカ」\\「火曜」ず「火曜日」など}\\\hline\myitemC{(2)その単語の類䌌語が蟞曞に存圚するもの\kenum{42}{58}}&\myitemD{「蟺り」察しお「呚り」\\「危ない」に察しお「危険な」など}\\\hline\myitemC{(3)元のりむグル語--日本語蟞曞でりむグル語に語矩が耇数あるのにその䞀郚が萜ちおいるもの\kenum{95}{78}}&\myitemD{\tiny\setlength{\unitlength}{1mm}\begin{picture}(33,16)\put(0,14){りむグル語}\put(26,14){日本語}\put(4,6.5){\oval(10,6)}\put(0,6){eqilma!k}\put(9,7){\vector(3,0){12}}\put(30,6.5){\circle{6}}\put(22,6){(門が)開く}\put(22,0){(花が)咲く}\put(9,7){\vector(2,-1){12}}\end{picture}}\\\end{tabular}}&\myitemE{りむグル語--日本語蟞曞の線集時にできるだけ倚くの蚳語を入れる}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\normalsize\begin{table}[p]\addtocounter{table}{-1}\begin{center}\caption{未収録語の調査結果(続き)}\small\normalbaselineskip=17pt\begin{tabular}{|l|l|@{}c@{}|@{}c@{}|l@{}|}\hline&皮類&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{c|c}\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}珟象\end{minipage}&\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}䟋\end{minipage}\\\end{tabular}}&察凊方法\\\hline\myitemA{}&\myitemB{}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(4)りむグル語--日本語蟞曞の線集時に耇数の品詞を持぀りむグル語に察しお品詞の付け忘れがあったもの\kenum{15}{28}}&\myitemD{りむグル語の圢容詞の`!kizil'\\(赀い)は名詞の堎合もあるが[名詞]ずいう品詞を付けなかった\\\begin{minipage}[t]{3.2cm}\tiny\setlength{\unitlength}{1mm}\begin{picture}(32,18)\put(0,15){りむグル語}\put(26,15){日本語}\put(5,10){\oval(12,6)}\put(2,9){!kizil}\put(29,10.4){\oval(8,7)}\put(27,8){\shortstack{赀い\\{[圢]}}}\put(27,0){\shortstack{èµ€\\{[名]}}}\put(11,10){\vector(4,0){14}}\put(11,10){\vector(2,-1){14}}\end{picture}\end{minipage}\\\mbox{}}\\\hline\myitemC{(5)日本語の䞁寧語尊敬語謙譲語などの埅遇衚珟\kenum{1}{15}}&\myitemD{「参る」「おっしゃる」\\「いただく」など}\\\end{tabular}}&\myitemE{}\\\hline\myitemA{C}&\myitemB{りむグル語蚳が䞀語で衚せない単語\kenum{191}{151}}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(1)りむグル語蚳が掟生語であるもの\kenum{28}{9}}&\myitemD{\setlength{\unitlength}{1mm}\begin{picture}(33,16)\put(-1,5){「埓来」}\put(18,5){{\bf!esli}{$\cdot$}d!e}\put(11,6){\vector(3,0){6}}\end{picture}}\\\hline\myitemC{(2)りむグル語蚳が2語以䞊の組合せからなる耇合語であるもの\kenum{150}{130}}&\myitemD{\setlength{\unitlength}{1mm}\begin{picture}(33,16)\put(-2,9){「握手」}\put(15,6){\shortstack{!kol\elixma!k\\手\\取り合う}}\put(9,10){\vector(3,0){5}}\put(-2,1){「圌凊」}\put(15,-2){\shortstack{awu\\\\y!er\\あの\\\ずころ}}\put(9,2){\vector(3,0){5}}\end{picture}}\\\hline\myitemC{(3)その語をりむグル語に蚳す時蚀い換えや語順の倉曎が必芁になるもの\kenum{10}{11}}&\myitemD{「...過ぎ」[接尟]$\longrightarrow$\\!h!eddidinoxu!k...(限床を超えお...)}\\\hline\myitemC{(4)その日本語を含む連語をりむグル語に蚳すもの\kenum{3}{1}}&\myitemD{「䞀緒」$\longrightarrow$...ず{\bf䞀緒}に\\$\longrightarrow$...bil!enbill!e\\\\しれ$\longrightarrow$かも{\bfしれ}ない\\$\longrightarrow$...m!umkin\\\mbox{}}\\\end{tabular}}&\myitemE{蟞曞に新たに登録する}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\normalsize\begin{table}[p]\addtocounter{table}{-1}\begin{center}\caption{未収録語の調査結果(続き)}\small\normalbaselineskip=17pt\begin{tabular}{|l|l|@{}c@{}|@{}c@{}|l@{}|}\hline&皮類&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{c|c}\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}珟象\end{minipage}&\begin{minipage}[c]{0.24\textwidth}䟋\end{minipage}\\\end{tabular}}&察凊方法\\\hline\myitemA{D}&\myitemB{その日本語単語のりむグル語蚳が元のりむグル語--日本語蟞曞から䜕らかの理由で倖れた単語\kenum{65}{8}}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(1)技術的甚語元の蟞曞ができた時点でただ䜿われおいなかったか技術的な甚語ずの理由で倖れた単語\kenum{26}{1}}&\myitemD{「テレビ」「アプリケヌション」「゚むズ」など}\\\hline\myitemC{(2)珟代甚語に含たれるず考えられる固有名詞\kenum{31}{0}}&\myitemD{「リクルヌト」「ゎルバチョフ」「IBM」など}\\\hline\myitemC{(3)普通に䜿われるりむグル語であるがたたたた元のりむグル語--日本語蟞曞の芋出し語から倖れたず考えられるもの\kenum{1}{4}}&\myitemD{「人圢(!koqa!k)」「もしもし(w!ey)」など}\\\hline\myitemC{(4)りむグル語では接尟蟞ずしお蚳されるもの\kenum{7}{3}}&\myitemD{「...的」「...性」「...目」など}\\\end{tabular}}&\myitemE{蟞曞に新たに登録する}\\\hline\myitemA{E}&\myitemB{その抂念がりむグル語の耇合語や句で衚すこずのできない単語\kenum{9}{23}}&\multicolumn{2}{@{}c@{}|}{\begin{tabular}{l|l}\myitemC{(1)その抂念が元々りむグル語にない単語\kenum{6}{18}}&\myitemD{「昭和」「畳」「神瀟」など}\\\hline\myitemC{(2)総称ずしおの抂念がりむグル語にはない単語\kenum{1}{3}}&\myitemD{「芪」「芪子」「菓子」など}\\\hline\myitemC{(3)察応する語法がりむグル語には存圚しないもの\kenum{2}{2}}&\myitemD{「お」[接頭語]「ご」[接頭語]}\\\end{tabular}}&\myitemE{}\\\hline\hline合蚈&\multicolumn{4}{@{}l@{}|}{\myitemB{\mbox{}\kenum{443}{431}}}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{分類芏準}\label{subsection:kijun}日--り蟞曞の芋出し語に採録されなかった単語を倧きく5皮類に分類しその理由ないしは珟象を以䞋に説明する\vspace{0.2cm}A)圢匏䞊の違いの理由で収録されなかった単語これらは圢匏的な違いだけの理由でシステム甚蟞曞に含たれなかったが人間が利甚する際には簡単に参照可胜であり語圙ずしおは含たれおいるず考えられるものであるここで圢匏的な違いずいうのは衚蚘の違いず品詞付けの違いであり次のように3぀に现分類される(1)挢字衚蚘ず仮名衚蚘の違いず送り仮名の違い囜語研では「䜕時も」ず衚蚘され日--り蟞曞では「い぀も」ず衚わされる堎合である(2)日本語では圢容詞ず圢容動詞が区別されおいるこずに起因する違い囜語研デヌタでは圢容詞「暖かい」ず圢容動詞「暖かな」の䞡方が基本語圙ずされおいたしかしりむグル語の圢容詞`illi!k'の蚳語ずしおは「暖かい」はあっおも「暖かな」はなかったため逆蟞曞においおも「暖かな」の芋出し語はないずされたしかしこの二぀は語圙ずしおは同じであり日本語の「暖か」が圢容詞の語幹にも圢容動詞の語幹にもなりえるために片方が収録されおいないず刀定されたのである(3)動詞による衚珟ず圢容詞による衚珟の違い䟋えば日本語の動詞「蟌む」はりむグル語では圢容詞`besi!k(蟌んでいる)'に盞圓したた日本語の圢容詞「痛い」はりむグル語では動詞`a!grima!k(痛む)'ず衚わされるこのように日本語では動詞ずされる語に察応するりむグル語が圢容詞であったりたたその逆に日本語では圢容詞ずされる語に察応するりむグル語が動詞であるような堎合である付録\cite{JUDIC_APPENDIX}ではこれらの3぀の堎合をA1,A2,A3の皮類ずしお分類し備考欄にはその根拠を瀺す語を瀺しおいる\\B)り--日蟞曞の日本語蚳付けが䞍十分なこずが理由で収録されなかった単語り--日蟞曞\cite{UJDIC}はりむグル語--䞭囜語蟞曞\cite{UHDIC}を日本語に翻蚳しお䜜られおいるので間接的な蚳付けに基づく意味の欠萜や歪みがあったりりむグル語単語の意味が十分理解されないたた蚳付けされおいたりする堎合があるたたり--日蟞曞\mbox{\cite{UJDIC}}は日本語を母語ずする人を察象にしたためりむグル語単語の日本語蚳の衚珟がいく぀かあっおもその䞭の䞀郚だけを蚳語にしおいる堎合が芋られる䟋えばりむグル語の単語`h!et!erlik'の蚳ずしおは「危険な」や「危ない」が考えられるが蟞曞には「危険な」だけが採録されおいたこのような理由で蚳語が欠萜するず本論文の方法で蟞曞を生成する堎合には芋出し語ずしお収録されないこずになるこのような堎合に察凊するにはり--日蟞曞を敎備する段階でできるだけ倚くの日本語蚳を付しおおくこずであるこのクラスに属する単語は囜語研では205語EDRでは168語であるしかし人間が利甚する堎合を考えれば「危険な」のりむグル語蚳があれば「危ない」ずいう語のりむグル語蚳にもそれを䜿うこずができそうした芳点からはこのクラスに入る単語はA)に属する単語ず同様に第\ref{section:jidoseisei}章で䜜成した人間甚の蟞曞には実質䞊含たれおいるず考えおもよいであろうこのB)に属する単語はさらに次の5぀に现分類される(1)衚珟は異なっおいるが同じ抂念の語が蟞曞に存圚する堎合䟋えば「米囜」ず「アメリカ」「火曜」ず「火曜日」のように前者は蟞曞にないがそれず同じこずを衚わしおいる埌者が蟞曞にある堎合である(2)類䌌語が蟞曞に存圚する堎合䟋えば「蟺り」に察しお「呚り」「危ない」に察しお「危険な」のように前者は蟞曞に入っおいないが類䌌語の埌者が入っおいる堎合である(3)りむグル語単語に耇数の語圙があるのにり--日蟞曞ではその䞀郚が萜ちおいるために日-り蟞曞に収録できなかった堎合䟋えば`eqilma!k'には「門が開く」の「開く」ず「花が咲く」の「咲く」ずいう語矩があるが「咲く」ずいう語矩が付されおいなかったので「咲く」が収録されなかったずいうような堎合である(4)り--日蟞曞線集時に耇数の品詞を持぀りむグル語に察しお品詞の付け忘れがあった堎合䟋えば`!kizil'は「赀い」ず「赀」のように圢容詞ず名詞の2぀の品詞を持぀が[圢容詞]ずだけ品詞付けをしたので名詞の「赀」ずいう語が収録できなかったような堎合である(5)日本語の䞁寧語・尊敬語・謙譲語などの埅遇衚珟でそれが意味するこずを衚わす通垞の語が蟞曞に存圚する堎合䟋えば「お父様」「参る」は蟞曞にないが「お父さん」「行く」はあるような堎合である付録\cite{JUDIC_APPENDIX}の衚ではこれらの5぀の堎合をB1,B2,B3,B4,B5の皮類ずしお分類しその根拠になる語を備考欄に瀺した\\C)日本語のりむグル語蚳が䞀語で衚わせないこずが理由で収録されなかった単語このクラスに属する日本語単語にりむグル語蚳を付けようずするず掟生語もしくは耇合語ずしお衚珟せざるを埗ない堎合であるこのような珟象は日本語--りむグル語のみならず他蚀語間の蟞曞䜜成時にも圓然珟れるこれらの単語に぀いおは䟋えば蟞曞の甚䟋郚分から獲埗するか人手によっお新たに登録する必芁があるこのクラスに属する単語は次の4぀に现分類される(1)りむグル語蚳が掟生語である堎合䟋えば日本語の「埓来」が`{\bf!esli}$\cdot$d!e'ず`!esli'の掟生語ず衚わされるような堎合(2)りむグル語蚳が2語以䞊の組み合わせからなる耇合語である堎合䟋えば「握手」が`!kolelixma!k'のように`!kol(手)'ず`elixma!k(握る)'の耇合語ずしお衚わされるような堎合である(3)りむグル語蚳をするずきに蚀い換えや語順の倉曎が必芁になる堎合䟋えば``食べ過ぎ''の「〜過ぎ」は`!h!eddidinoxu!k~(yem!ek)'(限床を超えお〜する(食べる))のように蚳す(4)その日本語単語単独でなくそれを含む連語をりむグル語に蚳す堎合䟋えば「䞀緒」は「〜ず{\bf䞀緒}に」のような連語ずしお考えそれを蚳しお`〜bil!enbille'ずするような堎合である付録\cite{JUDIC_APPENDIX}ではこれらの4぀の堎合をC1,C2,C3,C4の4぀の皮類に现分類しC1の堎合には備考欄に掟生語がどのように分解されるかを瀺しおいるたたC4の備考欄にはその単語を含む連語を瀺しおいる\\D)その日本語単語に盞圓するりむグル語単語が䜕らかの原因でり--日蟞曞の芋出し語から倖れたために収録されなかった単語基瀎ずしたり--日蟞曞\cite{UJDIC}すなわちそのもずのりむグル語--䞭囜語蟞曞\cite{UHDIC}を䜜った時にその単語に盞圓するりむグル語単語が䜕らかの原因でその芋出し語から倖れたために収録されなかった堎合であるこのグルヌプに属する単語の数に぀いおは囜語研デヌタ8語EDRデヌタ66語ずはっきりした差があるこれはEDRデヌタでは技術甚語や珟代甚語に珟れる固有名詞が倚く出珟しおいたためである必芁ならばこれらの単語は人手で登録するより他にないこのクラスに属する語はその原因別に次のように4぀に现分類される(1)技術甚語で元のり--日蟞曞が䜜られた時にただ䜿われおいなかったか技術甚語ずの理由で倖れた単語䟋えば「テレビ」「アプリケヌション」「゚むズ」などである(2)珟代甚語に含たれるず考えられる固有名詞䟋えば「リクルヌト」「ゎルバチョフ」「IBM」「䞭曜根」などである(3)普通に䜿われるりむグル語であるがたたたた元のり--日蟞曞の芋出し語から倖れた単語䟋えば「人圢(!koqa!k)」「もしもし(w!ey)」などである(4)りむグル語では接尟蟞ずしお蚳される単語元のり--日蟞曞には接尟蟞は登録されおいなかったためにりむグル語では接尟蟞ずしお蚳される日本語単語は採録されなかったものである䟋えば「君」「的」「性」「目」などである付録\cite{JUDIC_APPENDIX}ではこれらの語をD1,D2,D3,D4ず分類しこのクラスに属する単語に察しおりむグル語蚳が付けられる堎合にはそれを蚘しおある\\E)その抂念をりむグル語の耇合語や句で衚わすこずのできない単語日本語単語が衚わす抂念がりむグル語にはなくりむグル語の耇合語や句で衚珟するこずができない堎合であるこのように䞀方の蚀語の単語が衚わす抂念を他方の蚀語で簡朔に衚珟できない問題はどのような蚀語間でも存圚するこのクラスの単語が囜語研デヌタの方で倚く芋られるのはEDRデヌタには新聞や雑誌での高頻出語が含たれるのに察しお囜語研デヌタには日本語特有の語圙を収録しおいるためず考えられるこれらの単語を登録する堎合人間甚の蟞曞であれば䟋文などを添えながら説明を曞くこずになるシステム甚の蟞曞であれば日本語の読みをそのたた登録するかE3の堎合には䜕も蚳出しないこずになるこのクラスに属する単語は次の3぀に现分類される(1)抂念がりむグル語にない単語䟋えば「昭和」「畳」「神瀟」などである(2)総称ずしお抂念がりむグル語にない単語䟋えば「芪」「芪子」「菓子」などであるりむグル語で「芪」は「父ず母(ata-ana)」ず衚わされ「芪子」は「父子(ata-bala)」もしくは「母子(ana-bala)」ずしか衚珟できない(3)察応する語法がりむグル語には存圚しない堎合䟋えば「お食事」の「お」「ご挚拶」の「ご」などである\subsection{分類芏準の劥圓性ず分類結果の怜蚎}\label{subsection:kento}前節では我々の日--り蟞曞の芋出し語ずしお未収録ずなった原因をA〜Eたで倧きく5぀に分類しさらにそれらを现分類しおA1〜A3,B1〜B5,C1〜C4,D1〜D4,E1〜E3の党郚で19の芏準を䞎えたこの結果は衚\ref{mytab:nocov}にたずめられた通りである囜語研の教育甚基本語圙は孊習者に日本語教育をする䞊で基本的ず芋なされるものずされおおり䞀方EDRコヌパスの日本語文の高頻床出珟の語圙は新聞などから抜出されたものであり以䞋にも述べるようにこれらは性質の異なった゜ヌスず考えられるこれらの2぀の異なった語圙集合のいずれに぀いおも未収録語は䞊の芏準に埓っお無理なく分類ができしかも未収録の原因のいずれに぀いおもそれぞれどのように察凊すればよいかをそれ自身が瀺しおいるこの意味で\ref{subsection:kijun}で瀺した分類芏準は劥圓であるず考えられる次にこの芏準に埓っお2,000語ベヌスの囜語研デヌタEDRデヌタの未収録語を分類した結果に぀いお怜蚎するたずA1〜E3たでの理由ごずに未収録語数を瀺すグラフを図\ref{myfig:uncover}に瀺すこの図\ref{myfig:uncover}ず衚\ref{mytab:nocov}を芋るず次のような特城が分かる\\\mbox{}\begin{figure}[tbp]\begin{center}\epsfile{file=graphuncover.eps,width=0.9\textwidth}\caption{日本語--りむグル語蟞曞の未収録語の分垃}\label{myfig:uncover}\mbox{}\end{center}\end{figure}\noindent{\bf囜語研デヌタずEDRデヌタの共通的特城}\\1.未収録語数は囜語研デヌタでは431語(431/2,071=20.81\,\%),EDRデヌタでは443語(443/2,056=21.55\,\%)で共に玄20\,\%である2.皮類B,Cに属する語が未収録語の䞻芁郚分を占めおおり囜語研デヌタでは205(B)+151(C)=356語(356/431=82.60\,\%),EDRデヌタでは168(B)+191(C)=359語(359/443=81.04\,\%)で共に未収録語党䜓の玄80\,\%である\\\noindent{\bf囜語研デヌタずEDRデヌタの察照的特城}\\3.皮類Dに属する語は囜語研デヌタでは8語であるのに察しおEDRデヌタは66語で玄8倍であるD1〜D4に现分しおもD3を陀いおこの傟向は倉わらないこれはEDRデヌタが技術的な甚語や時代を反映した珟代甚語的な語圙を倚数含んでいるこずから自然な結果であるD3は本来蟞曞にあるのが圓然の語圙である4.皮類Eに属する語は囜語研デヌタでは23語であるのに察しおEDRデヌタは9語であり3分の1䜙りであるこれは囜語研デヌタが教育䞊基本的であるずしお遞定されたもので日本語特有の抂念を含むこずになるず考えるこずができよう5.皮類Aに぀いおは囜語研デヌタでは44語EDRデヌタは10語である皮類A1,A2は衚蚘の芏準化(送り仮名の統䞀語幹が同じである圢容詞・圢容動詞の凊理など)によっおほずんど解消されるず考えられる以䞊未収録語の分類結果を怜蚎し1.〜5.が芳察された既に述べたように皮類Aおよび皮類Bに属する語は人間甚の蟞曞ずしおは収録されおいるず芋なせるであろう皮類Aず皮類Bに属する語を合蚈するず囜語研デヌタでは249語EDRデヌタでは178語であるこれらは2,000語ベヌスで収録されなかったそれぞれの語数431語(囜語研),443語(EDR)の57.77\,\%,40.18\,\%であるよっお第\ref{section:jidoseisei}章で䜜成した蟞曞は2,000語ベヌスで考えればそれぞれ91.21\,\%,87.11\,\%の収録率をも぀ず芋なせるその意味では本論文の自動的に生成した日--り蟞曞が圓初の目的を達成しおいるこずを瀺しおいるず考えおもよいであろうたた3.,4.に芋るように囜語研デヌタずEDRデヌタずでは察照的でありこれは䜕を基本語圙ずするかに䟝存するずころである生掻習慣や瀟䌚習慣が異なれば語圙も異なるたた次々に珟れる珟代甚語を蟞曞芋出し語にするのは難しいこのように芋るず皮類D,Eの語があるこずは我々が䜜成した蟞曞のような堎合には決定的な欠点にはならないずしおもよいであろう䞀方で皮類Cの語数は囜語研デヌタ151語EDRデヌタ191語であり2,000語ベヌスで考えればそれぞれ7.29\,\%,9.29\,\%である皮類C,即ちりむグル蚳が䞀語で衚珟できない堎合にはり--日蟞曞䞭の䟋文の䞭から察蚳を抜出しお登録したり人手で新たに蟞曞登録するなどの䜜業が必芁であり今埌の課題でもある珟圚り--日蟞曞䞭の䟋文の䞭から抜出した蚳語を人手でチェックしおいる段階である \section{たずめ} label{section:owari}本論文では実甚に近い日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実珟の目的で少なくずも日垞䜿われる最䜎限の語圙を含む日本語--りむグル語蟞曞の開発を目暙に既存の語圙数玄16,000語のりむグル語--日本語蟞曞\cite{UJDIC}からできるだけ自動的な手順䜜業で語圙数玄20,000語の日本語--りむグル語蟞曞を開発したプロセスに぀いお説明しその成果ずしお埗られた日本語--りむグル語蟞曞の収録語の分析を行なったその結果機械翻蚳システム甚の蟞曞に関し囜立囜語研究所の教育基本語圙デヌタベヌス\cite{KOKKEN}におけるより基本的な語圙2,071語に察する収録率が玄79\,\%,たたEDRコヌパスの玄21䞇の日本語文から抜出した出珟頻床䞊䜍2,056語に察する収録率が玄78\,\%であったたた\ref{subsection:kento}節で述べた芳点から人間が利甚する蟞曞ずしお考えればそれぞれ91\,\%,87\,\%の収録率であったこのように所期の目暙の日本語--りむグル語翻蚳のための蟞曞を埗るこずができた次に衚\ref{mytab:nocov}に敎理した未収録語の分類芏準は本研究の堎合だけでなく䞀般に日本語から他の蚀語ぞの翻蚳蟞曞の評䟡の堎合にも適甚できるず考えられる日本語からのず制限しない堎合で任意の蚀語間の翻蚳蟞曞䜜成の堎合でもその枠組みは利甚可胜であるさらに本研究の日本語--りむグル語蟞曞の堎合ず同様に䟋えばトルコ語--日本語蟞曞はあるが日本語--トルコ語蟞曞がないずきにそれを生成をする堎合に本研究で採甚した逆蟞曞を䜜るずいう手順を甚いるアプロヌチはコストず時間の芖点から有効な手段を提䟛するず考えられる本研究で日垞䜿われる最䜎限の語圙を含む日本語--りむグル語蟞曞ができたので匕き続いおこれを甚いお実甚に近い日本語--りむグル語機械翻蚳システムの実珟を蚈りたいその際に皮々の圢で蟞曞の充実が必芁になるであろうが語圙の远加の他に䟋えば専門甚語や倖来語に察する察凊あるいは日本語固有の抂念を衚わす単語に察する察凊の仕方など堎合に応じた工倫も必芁になろう\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{judicj}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{ムフタル・マフスット}{1983幎新疆倧孊数孊系卒業1996幎名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋満了同幎䞉重倧孊助手2001幎より名叀屋倧孊助手工孊博士自然蚀語凊理に関する研究に埓事人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{小川泰匘}{1995幎名叀屋倧孊工孊郚情報工孊科卒業2000幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋埌期課皋修了同幎より名叀屋倧孊助手自然蚀語凊理に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{杉野花接江}{1961幎愛知孊芞倧孊数孊科卒業1965幎より名叀屋倧孊工孊郚助手1997幎〜2003幎3月たで同倧孊院工孊研究科助手珟圚同倧孊院情報科孊研究科臚時補助員オヌトマトン・蚀語理論確率オヌトマトン自然蚀語凊理に関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{皲垣康善}{1962幎名叀屋倧孊工孊郚電子工孊科卒業1967幎同倧孊院博士課皋修了同倧助教授䞉重倧孊教授を経お1981幎より名叀屋倧孊工孊郚・倧孊院工孊研究科教授2003幎4月より同倧孊名誉教授愛知県立倧孊情報科孊郚教授工孊博士この間スむッチング回路理論オヌトマトン・蚀語理論蚈算論゜フトり゚ア基瀎論䞊列凊理論代数的仕様蚘述法人工知胜基瀎論自然蚀語凊理などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚(珟圚副䌚長)人工知胜孊䌚日本゜フトり゚ア科孊䌚IEEEACMEATCS各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V03N04-02
\section{はじめに} label{intro}機械翻蚳システムには少し埮劙だが重芁な問題ずしお冠詞の問題がある䟋えば\vspace*{5mm}\begin{equation}\mbox{\underline{本}\.ず\.い\.う\.の\.は人間の成長に欠かせたせん}\label{eqn:book_hito}\end{equation}の「本」は総称的な䜿われ方で英語では``abook''にも``books''にも``thebook''にも蚳されるこれに察しお\begin{equation}\mbox{\.昚\.日\.僕\.が\.貞\.し\.た\underline{本}は読みたしたか}\label{eqn:book_boku}\end{equation}の「本」は英語では``thebook''ず蚳される冠詞の問題は倚くの堎合名詞句の{\bf指瀺性}ず{\bf数}を明らかにするこずによっお解決できる文(\ref{eqn:book_hito})の「本」は総称名詞句で数は未定であり``abook''にも``books''にも``thebook''にも蚳されるたた文(\ref{eqn:book_boku})の「本」は定名詞句でほずんどの堎合単数ず解釈しおよいよっお英語では``thebook''ずなる名詞句の指瀺性ず数は日本語の衚局衚珟から埗られるこずが倚い䟋えば文(\ref{eqn:book_hito})では「\.ず\.い\.う\.の\.は」ずいう衚珟から「本」が総称名詞句ずわかる文(\ref{eqn:book_boku})では修食節「昚日僕が貞した」が限定しおいるこずから「本」が定名詞句ずわかるそこで本研究では名詞句の指瀺性ず数を日本語文䞭にあるこのような衚局衚珟を手がかりずしお掚定するこずを詊みた名詞句の指瀺性ず数の掚定は文脈䟝存性の高い問題であり本来文脈凊理などを行なっお解決すべき問題であるしかし珟時点での自然蚀語凊理の技術では文脈凊理を他の解析に圹立おるずころたでは来おいないたた近幎コヌパスベヌスの研究が盛んであるが指瀺性ず数の正解の情報が付䞎されおいるコヌパスがなくタグなしコヌパスから指瀺性ず数の問題を解決するこずはほずんど䞍可胜であるのでコヌパスベヌスでこの問題を解決するこずはできないそういう状況の䞭で本論文は衚局の手がかりを利甚するだけでも指瀺性や数の問題をかなりの皋床解決するこずができるこずを瀺すものである本論文は文献\cite{Murata1993B}を詳しくしたものである近幎本研究は文献\cite{Bond1994,Murata1995}などにおいお匕甚され具䜓的に重芁性が明らかになり぀぀ある\cite{Bond1994}においおは日本語から英語ぞの翻蚳における数の決定に利甚されたた\cite{Murata1995}においおは同䞀名詞の指瀺察象の掚定に利甚されおいるそこで本論文は本研究を論文ずしおたずめるこずにしたものである以前の文献ではあげられなかった芏則も若干付け加えおいる \section{名詞句の指瀺性ず数の分類} label{sec:riron}\subsection{名詞句の指瀺性の分類}名詞句の指瀺性ずは名詞句の察象ぞの指瀺の仕方であるたず名詞句をその名詞句の類の成員すべおか類自䜓を指瀺察象ずする{\bf総称名詞句}ず類の成員の䞀郚を指瀺察象ずする{\bf非総称名詞句}に分ける次に非総称名詞句を指瀺察象が確定しおいるか吊かで{\bf定名詞句}ず{\bf䞍定名詞句}に分ける(図\ref{fig:sijisei_bunrui})\footnote{この分類は文献\cite{Inoue1985}を参考にしお行なった日本語の名詞句に察しおこの分類ず同じような分類をしおいるものに文献\cite{Kinsui1986}が挙げられるしかしそこでは総称名詞句定名詞句䞍定名詞句の他に指瀺察象を持たない名詞句が考えられおいる䟋えば「私は倧孊教垫です」の「倧孊教垫」は指瀺察象を持たないずしおあったそれに察し本研究では「倧孊教垫」は倧孊教垫ずいう類のある成員ず考え「䞍定名詞句」ず考えるたた「定」「䞍定」の区別は聞き手の知識による分類ずなっおおりここでの分類ずは異なる}この分類は英語の名詞句に぀いおの分類を念頭においお行なったが日本語の名詞句に぀いおもかなりの皋床圹に立぀ず考えおいる\footnote{\ref{sec:junbi}節の衚\ref{fig:sousyou}で述べるように指瀺性の刀断が難しい名詞句も倚く新たな分類を蚭けなければならなくなるこずも考えられ本論文の分類はただ完党なものではないしかし第䞀近䌌ずしおは有甚なものであるず考える}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{220pt}\begin{center}{\tiny\[\mbox{\normalsize名詞句}\left\{\begin{array}[h]{cc}\mbox{\normalsize総称名詞句}&\\&\\\mbox{\normalsize非総称名詞句}&\left\{\begin{array}[h]{c}\mbox{\normalsize定名詞句}\\\\\mbox{\normalsize䞍定名詞句}\end{array}\right.\end{array}\right.\]}\end{center}\vspace*{1mm}\end{minipage}}\caption{名詞句の指瀺性の分類}\label{fig:sijisei_bunrui}\end{center}\end{figure}\paragraph{総称名詞句}総称名詞句はその名詞句が意味する類に属する任意の成員単数でも耇数でも䞍可算のものでもよいのすべおもしくはその名詞句が意味する類それ自身を指瀺する䟋えば次の文(\ref{eqn:doguse})の「犬」は総称名詞句である\begin{equation}\underline{犬}は圹に立぀動物です\label{eqn:doguse}\end{equation}ここでの「犬」は「犬」ずいう類に属する成員のすべおを指瀺察象ずしおいる\paragraph{定名詞句}定名詞句はその名詞句が意味する類に属する文脈䞊唯䞀の成員単数でも耇数でも䞍可算のものでもよいを指瀺する䟋えば次の文(\ref{eqn:thedoguse})の「その犬」は定名詞句である\begin{equation}\underline{その犬}は圹に立ちたす\label{eqn:thedoguse}\end{equation}ここでの「その犬」は「犬」ずいう類に属する文脈䞊唯䞀の成員を指瀺察象ずしおいるこのこずは指瀺詞「その」によっお衚わされおおり聞き手は「その犬」なるものを確定できる\paragraph{䞍定名詞句}䞍定名詞句はその名詞句が意味する類に属するある䞍特定の成員単数でも耇数でも䞍可算のものでもよいを指瀺する䞍特定の成員を指瀺するずいうのは珟時点での聞き手の情報ではその名詞句が成員のどれを指し瀺すのか確定しおいないずいう意味であるたた珟時点での聞き手の情報ではその名詞句が成員のどれを指し瀺しおいるずしおもその文の解釈ずしお間違っおいないずいうこずでもある䞍定名詞句は総称名詞句ずは異なりその名詞句の意味する類の成員のすべおを指瀺するのではなくおその名詞句の意味する類の成員の䞀郚を指瀺する次の文の「犬」は䞍定名詞句である\begin{equation}\underline{犬}が䞉匹いたす\label{eqn:dog3}\end{equation}ここでの「犬」は犬ずいう類に属する任意の䞉匹の成員を指瀺察象ずしお持ちえるこれはどんな犬でも䞉匹いればこの文が䜿えるずいうこずである\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{220pt}\begin{center}{\tiny\[\mbox{\normalsize名詞句}\hspace{1mm}\left\{\begin{array}[h]{cc}\mbox{\normalsize可算名詞句}&\left\{\begin{array}[h]{c}\mbox{\normalsize単数名詞句}\\\\\mbox{\normalsize耇数名詞句}\end{array}\right.\\&\\\mbox{\normalsize䞍可算名詞句}&\end{array}\right.\]}\end{center}\vspace*{1mm}\end{minipage}}\caption{名詞句の数の分類}\label{fig:suu_bunrui}\end{center}\end{figure}\subsection{名詞句の数の分類}名詞句の数ずはその名詞句が指瀺する察象の数のこずである名詞句をその指瀺察象が数え䞊げられるか数え䞊げられないかに応じお{\bf可算名詞句}{\bf䞍可算名詞句}に分ける次に可算名詞句をその指瀺する察象が䞀個か耇数個かに応じお{\bf単数名詞句}{\bf耇数名詞句}に分ける(図\ref{fig:suu_bunrui})この分類は名詞句の指瀺性ず同様に英語の名詞句の分類を念頭においお行なった\footnote{この分類は日本語から英語ぞの翻蚳を念頭においお行なったものであるが以䞋の䟋のschool(å­Šæ ¡)のように英語では無冠詞で衚珟されお䞍可算を思わせるものであっおも意味的には単数であるものは単数ずしお考える\begin{quote}私はたいおい八時に\underline{å­Šæ ¡}ぞ行きたす\\(Iusuallygoto\underline{school}at8:00.)\end{quote}}\paragraph{単数}名詞句の指し瀺す察象が話者の頭の䞭で䞀個のものずしお他のものず区別しお捉えるこずができる堎合その名詞句の数は単数ずなる䟋えば次の文の「ケヌキ」は単数である\begin{equation}圌女は\underline{ケヌキ}を䞀個持っお行きたした\end{equation}ここでの「ケヌキ」は個々に区別しお捉えるこずができ䞀個である\paragraph{耇数}名詞句の指し瀺す察象が話者の頭の䞭で個々に区別できるものずしお耇数個ある堎合その名詞句の数は耇数ずなる䟋えば次の文の「たくさんのケヌキ」は耇数である\begin{equation}この店には\underline{たくさんのケヌキ}がありたす\label{eqn:cake_mise}\end{equation}ここでの「たくさんのケヌキ」は個々に区別しお捉えるこずができたたたくさんあるので耇数個ある\paragraph{䞍可算}名詞句の指し瀺す察象が話者の頭の䞭で個々に区別できないものである堎合名詞句の数は䞍可算ずなる䟋えば次の文の「銅」は䞍可算である\begin{equation}\underline{銅}はよく熱を䌝導したす\label{eqn:cake_kinou}\end{equation}ここでの「銅」は個々に区別しお捉えるこずができない「銅」は「銅」ずいう物質ずしお䜿われおおり䞍可算である\vspace*{-2mm} \section{名詞句の指瀺性ず数の掚定方法} label{sec:decide}\subsection{「可胜性」ず「埗点」}\label{sec:point}名詞句の指瀺性ず数の掚定は衚局の蚀語衚珟を手がかりにした芏則を異なった皮類の衚珟に応じお必芁なだけ䜜り入力文に察しおそれらを適甚するこずによっお行なうある衚局衚珟を手がかりにしおそこにあらわれる名詞句がある分類に属さないこずがわかる堎合がある䟋えば「\underline{\.あ\.る犬}」は連䜓詞「ある」が぀いおいるこずから「䞍定名詞句」であっお「総称名詞句」「定名詞句」になる可胜性はないこずがわかるこれを衚珟するために{\bf「可胜性」}ずいう評䟡倀を導入する「可胜性」が1のずきその分類に属する可胜性があるこずを意味し「可胜性」が0のずきその分類の可胜性がないこずを意味する「可胜性」が0ずなる芏則が適甚されれば名詞句がその分類に属する可胜性はなくなるこずになるある名詞句がある分類に属するかどうかを䞀぀の衚局衚珟から掚定するのではなく耇数の衚局衚珟を手がかりに掚定を行なえば分類の粟床はよくなるず考えられるそのため各芏則に重芁性を衚わす{\bf「埗点」}ずいう評䟡倀を導入しある名詞句に察しお適甚された芏則の「埗点」を合蚈するこずでその名詞句がある分類に属する堎合の評䟡倀ずする「可胜性」の情報だけではどの分類に属するのか䞀意に掚定できない堎合にこの評䟡倀はいずれの分類が最も適圓であるか掚定する基準になる\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{220pt}\baselineskip=12pt\hspace*{1.0cm}\protect\verb+(芏則の適甚条件)+\\\hspace*{2.0cm}\protect\verb++\{\verb+䞍定(可胜性埗点)+\\\hspace*{2.18cm}\protect\verb+定(可胜性埗点)+\\\hspace*{2.18cm}\protect\verb+総称(可胜性埗点)+\}\end{minipage}}\caption{名詞句の指瀺性を掚定する芏則}\label{fig:rule_kouzou_sijisei}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{220pt}\baselineskip=12pt\hspace*{1.0cm}\protect\verb+(芏則の適甚条件)+\\\hspace*{2.0cm}\protect\verb++\{\verb+単数(可胜性埗点)+\\\hspace*{2.18cm}\protect\verb+耇数(可胜性埗点)+\\\hspace*{2.18cm}\protect\verb+䞍可算(可胜性埗点)+\}\end{minipage}}\caption{名詞句の数を掚定する芏則}\label{fig:rule_kouzou_suu}\end{center}\end{figure}芏則は指瀺性の堎合に図\ref{fig:rule_kouzou_sijisei}数の堎合に図\ref{fig:rule_kouzou_suu}の構造をしおいる図の「芏則の適甚条件」にはその芏則が適甚されるかどうかの条件ずしお埌で説明する䟝存構造の衚珟の圢で文䞭の手がかりずなる衚珟を蚘述する各分類には「可胜性」ず「埗点」を䞀぀ず぀䞎えおいる「可胜性」は1か0のみであり「埗点」は0から10の間の敎数である「可胜性」が1の分類がただ䞀぀求たった堎合はその分類を掚定の結果ずする「可胜性」が1の分類が耇数ある堎合はその䞭で「埗点」が最も倧きい分類を掚定の結果ずする同点の堎合は同点の分類すべおを掚定の結果ずする\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{300pt}\baselineskip=16pt\hspace*{0cm}\protect\verb+䟝存構造の衚珟::=(文節䟝存構造の衚珟䟝存構造の衚珟...)+\\\hspace*{0cm}\protect\verb+文節::=<単語単語...>+\\\hspace*{0cm}\protect\verb+単語::=[品詞品詞现分類掻甚型掻甚圢基本圢倉化圢]+\end{minipage}}\caption{䟝存構造の衚珟の基本芁玠の圢匏}\label{fig:s_eps}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{340pt}\begin{center}\begin{minipage}[c]{260pt}\baselineskip=0pt{\hspace*{0.000cm}\protect\verb+圌は──┐+\\\hspace*{0.000cm}\protect\verb+その──┐│+\\\hspace*{0.000cm}\protect\verb+匁護士の──┐│+\\\hspace*{0.000cm}\protect\verb+息子の───+\\\hspace*{0.000cm}\protect\verb+䞀人です+}\center{(a):䟝存構造}\end{minipage}\end{center}\vspace{3mm}\begin{center}\begin{minipage}[c]{260pt}\baselineskip=12pt\hspace*{0cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+䞀人䞀人]+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+[刀定詞+\_\verb+刀定詞デス列基本圢だです]+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+[特殊句点+\_\verb++\_\verb+]>+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+息子息子]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[助詞名詞接続助詞+\_\verb++\_\verb+のの]>+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+匁護士匁護士]+\\\hspace*{1.36cm}\protect\verb+[助詞名詞接続助詞+\_\verb++\_\verb+のの]>+\\\hspace*{1.36cm}\protect\verb+(<[指瀺詞+\_\verb++\_\verb++\_\verb+そのその]>)))+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+圌圌]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[助詞副助詞+\_\verb++\_\verb+はは]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[特殊読点+\_\verb++\_\verb+]>))+\center{(b):䟝存構造の衚珟}\end{minipage}\end{center}{\hspace*{2cm}(a)に瀺す䟝存構造は(b)に瀺す圢に衚珟される}\end{minipage}}\caption{入力文「圌はその匁護士の息子の䞀人です」を衚わす衚珟}\label{fig:匁護士_csan}\end{center}\end{figure}\subsection{システムの動䜜}\label{sec:system}文䞭の名詞句の指瀺性ず数の掚定は次のようなステップで行なわれる\begin{itemize}\item[(1)]䞎えられた文の圢態玠解析構文解析\footnote{圢態玠解析構文解析は参考文献\cite{Matsumoto1992,Kurohashi1992}のものを甚いた}が行なわれ䟝存構造の衚珟に倉換されるこの䟝存構造の衚珟は図\ref{fig:s_eps}のような圢匏のものであり文節間の係り受けの情報を含んだ衚珟であるその䟋を図\ref{fig:匁護士_csan}に瀺す\item[(2)]䟝存構造の衚珟に倉換された文の名詞句を文頭から順に掚定する\footnote{このため既に掚定された指瀺性ず数は埌に出おくる名詞句の解析の時に手がかりずしお䜿甚できる(䟋\ref{subsec:abs_rule}節の具䜓䟋(c)(d))}各名詞句に察しおは指瀺性を先に数を埌に掚定する\footnote{このため数の掚定には指瀺性の解析結果を甚いるこずができる(䟋\ref{subsec:num_rule}節の芏則の䟋の3)}指瀺性の掚定は指瀺性の芏則をすべお甚いお各分類の「可胜性」ず「埗点」を蚈算するこの「可胜性」ず「埗点」から\ref{sec:point}節で述べたように指瀺性を掚定する数の掚定も同様である芏則の適甚条件は䟝存構造の衚珟に䌌た圢で衚す䟋えば「その」がかかる名詞句を衚珟する堎合は図\ref{fig:その}のような構造ずなる図䞭の``\verb+-+''は任意の䟝存構造の衚珟の郚分を衚すこのような適甚条件の衚珟ず入力文の䟝存構造の衚珟ずを比范しお芏則が適甚されるか吊かを決定する芏則の適甚条件の郚分には正芏衚珟論理和論理積吊定などを曞くこずができるたた比范郚分を指定するこずによっお文章䞭の任意の郚分ず比范するこずができる\item[(3)]䞊蚘(2)で埗られる掚定の結果を図\ref{fig:匁護士_noun}に瀺す圢で出力する\end{itemize}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{300pt}\baselineskip=12pt\hspace*{1.10cm}\protect\verb+(<[名詞-]>+\\\hspace*{1.6cm}\protect\verb+(<[指瀺詞+\_\verb++\_\verb++\_\verb+そのその]>)-)+\end{minipage}}\caption{「その」がかかる名詞句を衚す芏則の適甚条件の衚珟}\label{fig:その}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\small\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{300pt}\baselineskip=12pt\begin{center}\begin{minipage}[c]{220pt}\baselineskip=12pt\hspace*{0cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+䞀人䞀人䞍定単数]+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+[刀定詞+\_\verb+刀定詞デス列基本圢だです]+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+[特殊句点+\_\verb++\_\verb+]>+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+息子息子定耇数]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[助詞名詞接続助詞+\_\verb++\_\verb+のの]>+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+匁護士匁護士定単数]+\\\hspace*{1.36cm}\protect\verb+[助詞名詞接続助詞+\_\verb++\_\verb+のの]>+\\\hspace*{1.36cm}\protect\verb+(<[指瀺詞+\_\verb++\_\verb++\_\verb+そのその]>)))+\\\hspace*{0.33cm}\protect\verb+(<[名詞普通名詞+\_\verb++\_\verb+圌圌定単数]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[助詞副助詞+\_\verb++\_\verb+はは]+\\\hspace*{0.84cm}\protect\verb+[特殊読点+\_\verb++\_\verb+]>))+\end{minipage}\end{center}\end{minipage}}\caption{図6の文に察する指瀺性ず数の刀定結果の衚珟}\label{fig:匁護士_noun}\end{center}\end{figure}システムでは文章ごずに解析しおおり文章党䜓の衚局衚珟を利甚できるようにしおいるこれは同䞀名詞が既出のずき適甚される芏則に甚いられる\subsection{解析の察象から陀倖した名詞句}時間を衚わす名詞句「䞭」\hspace*{-.5em}「䞊」\hspace*{-.5em}「巊」\hspace*{-.5em}「右」\hspace*{-.5em}「䞋」\hspace*{-.5em}「埌」\hspace*{-.5em}「前」\hspace*{-.5em}「近く」\hspace*{-.5em}「遠く」\hspace*{-.5em}「別」\hspace*{-.5em}「他」\hspace*{-.5em}のよ\\うな名詞を䞻芁郚に持぀名詞句「本圓の」「普通の」「圹に立぀」などの連䜓詞の䞀郚ずみなせる名詞を䞻芁郚に持぀名詞句は察象から陀倖した「\underline{〜のたた}」「\underline{〜する皋}」「\underline{〜する蚳}でない」「\underline{〜する床}」の䞋線郚に圓たる名詞句なども陀倖した\hspace*{-2mm}「倧分」\hspace*{-2mm}「党員」\hspace*{-2mm}「\underline{䞀緒}に」\hspace*{-2mm}などの副詞ずみなせるものも陀倖した以䞊の名詞句以倖は察蚳の英語文では名詞に蚳されおいない堎合でもすべお解析の察象ずした \section{掚定に甚いる芏則} label{sec:rule}芏則は日本語英語の文法曞\cite{Kokuritukokugokenkyusho1978,Kumayama1985,Ikeuchi1985}を参考ずしお䜜ったが実隓察象テキストを芋お独自に考えお䜜ったものもある実隓䞭に新たな芏則を随時远加しおいったが珟時点ですべおを網矅できおいるずはいえない珟圚の芏則の数は指瀺性が86個で数が48個である\footnote{すべおの芏則は文献\cite{Murata1993A}にある}次に芏則の䟋をあげる\subsection{指瀺性の芏則}\label{subsec:abs_rule}\begin{enumerate}\item指瀺詞(「この」や「その」など)によっお修食される時\\\{\mbox{䞍定名詞句}(00)\,\mbox{定名詞句}(12)\,\mbox{総称名詞句}(00)\}\footnote{各分類の「可胜性」ず「埗点」を衚わす図\ref{fig:rule_kouzou_sijisei}参照}\\(䟋文)\underline{\.こ\.の本}はおもしろい.\\(蚳文)\underline{Thisbook}isinteresting.\item名詞句に぀く助詞が「は」で述語が過去圢の時\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(13)\,\mbox{総称名詞句}(11)\}\\(䟋文)\underline{犬}\.は向うに\.行\.き\.た\.し\.た\\(蚳文)\underline{Thedog}wentaway.\item名詞句に぀く助詞が「は」で述語が珟圚圢の時\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(12)\,\mbox{総称名詞句}(13)\}\\(䟋文)\underline{犬}\.は圹に立぀動物\.で\.す\\(蚳文)\underline{Dogs}\footnote{䞻語が総称名詞句になる堎合であるので``adog''でも``thedog''でもよい}areusefulanimals.\item名詞句に぀く助詞が「ぞ」「たで」「から」の時\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(12)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\\(䟋文)圌を\underline{空枯}\.た\.で迎えに行きたしょう\\(蚳文)Letusgotomeethimat\underline{theairport}.\item名詞句に぀く助詞が「の」で䜓蚀にかかる時\footnote{名詞句に぀く助詞が「の」で䜓蚀にかかる堎合い぀でも総称名詞句であるずは限らないしかし「の」は旧情報ず結び付きやすい性質を持っおおりほずんど定名詞句ず総称名詞句のいずれかである定名詞句の堎合は他の情報により掚定可胜になるず考え総称名詞句により高い埗点を䞎えおいる}\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(12)\,\mbox{総称名詞句}(13)\}\\(䟋文)圌は\underline{教育}\.の\.䟡\.倀を認識しおいたせん\\(蚳文)Hedoesn'trealizethevalueof\underline{education}.\end{enumerate}他にも(i)「地球」「宇宙」のような名詞句自身から定名詞句ず掚定する芏則\footnote{\label{foot:tikyuu}これは本来的には語の意味ずしお取り扱うのが適切だろうがこれたで取り扱っおきた堎合の特殊な堎合ず䜍眮付けお芏則の圢で凊理するこずにしおいる}(ii)名詞句に数詞がかかるこずから総称名詞句以倖ず掚定する芏則(iii)同䞀名詞の既出により定名詞句ず掚定する芏則(iv)「い぀も」「昔は」「〜では」のような副詞が動詞にかかるこずから総称名詞句ず掚定する芏則(v)「〜が奜き」「〜を楜しむ」のような動詞から総称名詞句ず掚定する芏則(vi)「甚」「向き」のような接尟蟞から総称名詞句ず掚定する芏則などがある手がかりずなる語がない時は䞍定名詞句ず掚定するようにしおいる\footnote{ここであげた芏則の他に「息子」「お腹」などの芪族呌称䜓の䞀郚を意味する名詞句は定名詞句である割合が高いので定名詞句であるず掚定する芏則を远加した方が良いず思われるただしこの芏則は5節で述べるテストサンプルの実隓の埌に䜜成したものであるので5節での実隓では甚いおいないしかしこの芏則の有効性を確かめるためこの芏則を远加しお実隓したずころ5節で述べる指瀺性の粟床に比べ孊習サンプルでは0.4\%䞋がりテストサンプルでは3\%䞊がるずいう結果ずなったこれは孊習サンプルでは芪族呌称䜓の䞀郚を意味する名詞句が定名詞句以倖で䜿われる䟋が意倖に倚かったためで䞀般のテキストでは芪族呌称䜓の䞀郚の芏則を利甚した方がよいず思われるこのずき芪族呌称䜓の䞀郚を意味する名詞の刀定には分類語圙衚\cite{Kokuritukokugokenkyusho1964}を甚いおいる分類語圙衚の分類番号が121ではじたるものを芪族呌称ずし157ではじたるものを䜓の䞀郚ずした}\vspace{3mm}䟋ずしお次の文の䞭に珟れる名詞句「我々が昚日摘みずった果物」に泚目しこれにどのような芏則が適甚され埗点がどのようになるか具䜓的に説明する\newpage\noindent\underline{我々が昚日摘みずった果物}は味がいいです\\\underline{Thefruitthatwepickedyesterday}tastesdelicious.\bigskip\vspace*{-.5mm}以䞋のように䞃぀の芏則が適甚されこの「果物」は定名詞句ず掚定された\begin{itemize}\item[(a)]名詞句に぀く助詞が「は」で述語が珟圚圢の時\\(果物\.は味が\.い\.い\.で\.す)\footnote{芏則が適甚される手がかりずなる衚珟}\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(12)\,\mbox{総称名詞句}(13)\}\item[(b)]述郚が過去圢の節が係る時\\(摘み\.ず\.っ\.た)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(11)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\item[(c)]「は」か「が」が぀いた定名詞句を含む節が係る時\\(\.我\.々\.が)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(11)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\item[(d)]助詞が぀いた定名詞句を含む節が係る時\\(\.我\.々が)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(11)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\item[(e)]代名詞を含む節が係る時\\(\.我\.々が)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(11)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\item[(f)]名詞句に぀く助詞が「は」で述語が圢容詞の時\\(果物\.は味が\.い\.い\.で\.す)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(10)\,\mbox{定名詞句}(13)\,\mbox{総称名詞句}(14)\}\item[(g)]䞻芁郚の名詞が普通名詞の時\\(果物)\\\{\mbox{䞍定名詞句}(11)\,\mbox{定名詞句}(10)\,\mbox{総称名詞句}(10)\}\end{itemize}\smallskipこれらすべおの芏則の適甚の結果ずしお「果物」の最終の「可胜性」ず「埗点」は\\\hspace*{9mm}\{\mbox{䞍定名詞句}(11)\,\mbox{定名詞句}(19)\,\mbox{総称名詞句}(17)\}\\ずなり定名詞句ず掚定された\subsection{数の芏則}\label{subsec:num_rule}\begin{enumerate}\item「その」「この」「あの」によっお修食される時\\\{\mbox{単数}(13)\,\mbox{耇数}(10)\,\mbox{䞍可算}(11)\}\\(䟋文)\underline{\.あ\.の本}をください\\(蚳文)Giveme\underline{thatbook}.\item名詞句に぀く助詞が「は」「が」「も」「を」で述郚に数詞が係る堎合\\数詞の数が単数の時\\\{\mbox{単数}(12)\,\mbox{耇数}(10)\,\mbox{䞍可算}(10)\}\\数詞の数が耇数の時\\\{\mbox{単数}(10)\,\mbox{耇数}(12)\,\mbox{䞍可算}(10)\}\\(䟋文)\underline{りんご}\.を\.二\.個食べる\\(蚳文)Ieattwo\underline{apples}.\item名詞句の指瀺性が総称名詞句ず掚定されおおり係り先の動詞が「が奜きです」「を楜しむ」などのように総称の名詞句を栌にずる堎合\\\{\mbox{単数}(10)\,\mbox{耇数}(12)\,\mbox{䞍可算}(10)\}\\(䟋文)私は\underline{りんご}\.が\.奜\.き\.で\.す\\(蚳文)Ilike\underline{apples}.\end{enumerate}他にも(i)「空気」「氎」のような名詞句自身から䞍可算ず掚定する芏則(ii)「達」「ら」のような接尟蟞から耇数ず掚定する芏則(iii)数詞が係るこずにより掚定する芏則(iv)名詞述語文における䞻語ず述語の数が䞀臎するこずにより掚定する芏則(v)「集める」「溢れる」などの動詞から掚定する芏則(vi)「いくらでも」「䜕床でも」のような副詞が動詞にかかるこずから掚定する芏則などがある手がかりずなる語がない時は単数ず掚定するようにしおいる \section{実隓ず考察} label{sec:jikken}\subsection{実隓の準備}\label{sec:junbi}\begin{table}[t]\small\caption{総称名詞句ずした名詞句の䟋(䞋線郚の名詞を䞻芁郚に持぀名詞句)}\label{fig:sousyou}{\begin{center}\begin{tabular}{|l|}\hline(1)\underline{ラクダ}は\underline{æ°Ž}を飲たなくおも長い間歩くこずができたす\\(2)ワシントンスクヌルから䞀クラスの孊生たちが昚日\underline{芋孊}にいきたした\\(3)倚くの若い\underline{男}の\underline{人たち}は\underline{陞軍}に兵圹したす\\(4)\underline{玳士}は普通\underline{淑女}のために\underline{ドア}を開けたす\\(5)有名なシャ−ロックホ−ムズ探偵の物語は倧抵ロンドン地域を\underline{背景}にしたものです\\(6)圌はクリスマスの\underline{莈り物}に本を買いたした\\(7)ワヌルドカップ倧䌚の決勝戊は\underline{タンゎ}のアルれンチンず\underline{行進曲}の西ドむツずの勝負だ\\[0.1cm]\hline\end{tabular}\end{center}}\end{table}実隓に甚いたテキストは名詞句の指瀺性ず数の正解の分類がわかりやすいように日英の察蚳がある文章に限った実隓察象のテキストの各名詞句に察しおあらかじめ正解の分類を人手で決定した正解の決定の際には察蚳の英語文を芋お行なったが必ずしも冠詞にずらわれるこずなく\ref{sec:riron}節で説明した分類の定矩によっお正解を決定した指瀺性の分類に぀いおは総称名詞句の刀定は極めお困難であり衚~\ref{fig:sousyou}のようなものを総称名詞句ずしたが正解が間違っおいる可胜性がある以䞋正解ずはこの人手による分類のこずをいう数の分類に぀いおは察蚳の英語文で名詞に蚳されおいるものは冠詞に合わせお正解を蚭定した明らかに耇数ずか䞍可算ずわかるものはそのように蚭定しそれ以倖は単数ずした総称名詞句が䞻語に来る堎合は冠詞が䜕になるのかわからないので数の分類は単数でも耇数でも䞍可算でもいいこずにしお正解は「未定」\footnote{各分類の埗点が同点の時のみ正解ずする分類}ずした\begin{table}[t]\small\caption{孊習サンプル}\label{tab:kanshi_d}\begin{center}{\begin{tabular}[c]{|l|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{5}{c|}{指瀺性}&\multicolumn{5}{c|}{数}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{評䟡}&䞍定&定&総称&その他&総数&単数&耇数&䞍可算&その他&総数\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{英語冠詞甚法蟞兞(140文,380名詞句)}\\\hline正解&96&184&58&1&339&274&32&18&25&349\\正解を含む&0&3&1&0&4&1&1&1&0&3\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&11&11\\䞍正解&4&25&7&1&37&3&10&0&4&17\\\hline正解率&96.0&86.8&87.9&50.0&89.2&98.6&74.4&94.7&62.5&91.8\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{こぶずりじいさん(104文,267名詞句)}\\\hline正解&73&140&6&1&222&205&24&5&0&234\\正解を含む&3&4&0&0&7&2&0&0&0&2\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&7&7\\䞍正解&11&23&4&0&38&1&22&1&0&24\\\hline正解率&83.9&84.0&60.0&100.0&83.2&98.7&52.2&83.3&0.0&87.6\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{倩声人語(23文,98名詞句)}\\\hline正解&25&35&16&0&76&64&13&0&3&80\\正解を含む&0&4&2&0&6&2&1&0&0&3\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&6&6\\䞍正解&5&10&1&0&16&1&6&1&1&9\\\hline正解率&83.3&71.4&84.2&-----&77.6&95.5&65.0&0.0&30.0&81.6\\\hline党䜓での出珟率&29.1&57.7&12.8&0.4&100.0&74.2&14.6&3.5&7.7&100.0\\党䜓での正解率&89.4&84.0&84.2&66.7&85.5&98.2&63.3&88.5&49.1&89.0\\\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table}\subsection{実隓}\ref{sec:system}節で述べたように指瀺性ず数の掚定の前に圢態玠・構文解析を行なうがそこでの誀りは人手で修正したたず䞉぀の資料\{英語冠詞甚法蟞兞\cite{Kumayama1985}の兞型的な甚法の䟋文(140文解析した名詞句380個)物語の「こぶずりじいさん」\cite{Nakao1985}å…šæ–‡(104文解析した名詞句267個)86幎7月1日の倩声人語(23文解析した名詞句98個)\}を孊習サンプルずしお実隓を行なったシステムには正解を入力しお自動的に正解率を出力できるようにしお正解率が向䞊するように芏則を倉曎远加した最も正解率が良くなった芏則の時の正解率を衚\ref{tab:kanshi_d}に瀺すこのずき䞉぀の資料に察しおはすべお同じ芏則で実隓を行なった芏則の倉曎远加は孊習サンプルでのすべおの誀り箇所に察しお以䞋のこずを行なうこずによっお実珟する\begin{enumerate}\item\label{enum:error_mod}誀り箇所を芋お芏則の倉曎・远加を行なう具䜓的には誀り箇所の呚蟺の衚局衚珟を眺め新たに芏則を䜜成できないかを考えるたたこのずき適甚されおいる芏則の条件郚や埗点を倉曎するこずでこの誀り箇所を盎すこずができないかを調べる\item\ref{enum:error_mod}のルヌルの倉曎・远加を行なった埌に実隓を行ない党䜓の正解率が䞊がるか䞋がるかを調べる正解率が䞊がれば\ref{enum:error_mod}で行なった倉曎・远加を正匏に採甚する正解率が䞋がった堎合は\ref{enum:error_mod}で行なった倉曎・远加は行なわず\ref{enum:error_mod}の怜蚎を䜕回か行なう\end{enumerate}このずき倧雑把に誀り䟋を調べ同じ理由で誀ったもので芏則を远加するこずでそれらを改善できる堎合はその芏則を远加するずいうこずも行なうたたある芏則を远加するべきかどうかが問題ずなったずきにその芏則が適甚される箇所をすべお出力しそれらを総合的に眺めた䞊で刀断する堎合もある\begin{table}[t]\caption{テストサンプル}\label{tab:turu_d}\begin{center}{\begin{tabular}[c]{|l|r|r|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{5}{|c|}{指瀺性}&\multicolumn{5}{c|}{数}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{評䟡}&䞍定&定&総称&その他&総数&単数&耇数&䞍可算&その他&総数\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{぀るのおんがえし(263文,699名詞句)}\\\hline正解&109&363&13&10&495&610&13&1&1&625\\正解を含む&6&25&0&0&31&12&2&0&0&14\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&1&1\\䞍正解&32&135&6&0&173&2&20&37&0&59\\\hline正解率&74.2&69.4&68.4&100.0&70.8&97.8&37.1&2.6&50.0&89.4\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{倩声人語(75文,283名詞句)}\\\hline正解&75&81&16&0&172&197&13&2&3&215\\正解を含む&8&9&1&0&18&3&1&0&0&4\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&3&3\\䞍正解&33&51&9&0&93&3&55&3&0&61\\\hline正解率&64.7&57.5&61.5&-----&60.8&97.0&18.8&40.0&50.0&76.0\\\hline\multicolumn{11}{|c|}{冷戊埌䞖界ず倪平掋アゞア(22文,192名詞句)}\\\hline正解&21&108&11&2&142&157&6&1&1&165\\正解を含む&6&7&0&0&13&3&0&0&0&3\\郚分解&0&0&0&0&0&0&0&0&0&0\\䞍正解&11&24&2&0&37&3&20&1&0&24\\\hline正解率&55.3&77.7&84.6&100.0&74.0&96.3&23.1&50.0&100.0&85.9\\\hline党䜓での出珟率&25.6&68.4&4.9&1.0&100.0&84.3&11.1&3.8&0.8&100.0\\党䜓での正解率&68.1&68.7&69.0&100.0&68.9&97.4&24.6&8.9&55.6&85.6\\\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table}以䞊の孊習サンプルでの実隓では新しい文での正解率がわからないそこで以䞊のようにしお䜜った芏則を固定しお新たな䞉぀の資料\{物語の「぀るのおんがえし」\cite{Nakao1985}å…šæ–‡(263文解析した名詞句699個)86幎7月8915日の倩声人語の䞉回分(75文解析した名詞句283個)冷戊埌䞖界ず倪平掋アゞア$\langle$囜際文化䌚通䌚報Vol.3No.21992幎4月号$\rangle$(22文解析した名詞句192個)\}をテストサンプルずしお実隓を行なったこれらの正解率を衚\ref{tab:turu_d}に瀺す衚䞭の「正解」は掚定の結果が正解ず䞀臎した堎合である「正解を含む」は掚定の結果の䞭に正解の分類がある堎合である䟋えば正解が定名詞句で掚定の結果が定名詞句ず䞍定名詞句が同点で埗られた堎合「正解を含む」ずなる「郚分解」は掚定の結果が正解に含たれる堎合である「䞍正解」は以䞊の評䟡以倖のものである「正解率」は「正解」の個数を総数で割ったものである「党正解率」は䞉぀の資料党おにおける正解率である「出珟率」は各分類の個数を総数で割ったものである「その他」は単数ず耇数ず䞍可算の埗点が同点の時のみ正解ずする「未定」のように耇数個の分類が正解になるものの個数である\subsection{考察}\subsubsection{指瀺性の実隓に察する考察}正解率が䞊がるようにテキストの衚珟に察しお芏則を倉曎しお実隓した孊習サンプルのテキスト党䜓での正解率は85.5\%であったたた各分類に察する正解率も極端に悪いものはないこのこずから衚局衚珟を手がかりずした我々の方法で極めお倚くの名詞句の指瀺性が掚定できるこずがわかった芏則を固定しお実隓したテストサンプルのテキスト党䜓での正解率は68.9\%であったたた各分類に察する正解率もほが均等に良くすべお50\%以䞊である぀るのおんがえしの実隓では定名詞句の出珟率が74.8\%であったのですべおの解析結果を定名詞句にする芏則を䜜るず正解率が74.8\%になり実隓の正解率の70.8\%より高くなるが䞍定名詞句ず総称名詞句の正解率が0\%になるので意味がないわれわれはそれぞれの分類が均等に良い正解率が埗られるこずに䟡倀があるず考えおいるテストサンプルのテキストでの正解率はあたり良くないが芏則を修正すれば容易に䞊がるず考えられるしかし新しい文章に察する正解率を䞊げようずするずどこたでも芏則を増やしおいかねばならないずいう危険性がある芏則を倉曎しおも解析が倱敗する䟋ずしお衚\ref{fig:false_tei},衚\ref{fig:false_sousyou}がある衚\ref{fig:false_tei}は定名詞句であるのに定名詞ずなる手がかりがなく解析を倱敗したものであるこれを解決するには文脈や発話状況などの衚局衚珟以倖の情報が必芁である衚\ref{fig:false_sousyou}は総称名詞句であるのに解析を倱敗したものであるそれぞれの䟋に察しお倱敗した理由を付けおいる総称名詞句は刀断が難しく成功はしおいるが正解があっおいるのか䞍確かな䟋もある\begin{equation}\underline{ラクダ}は\underline{æ°Ž}を飲たなくおも長い間歩けたす\label{eqn:rakuda}\end{equation}\vspace*{-.3mm}ずいう文の「ラクダ」は明らかに総称名詞句であるが「氎」は総称名詞句でいいのだろうか総称名詞句は他ず明確に区別しお考えにくく皮々の性質のものがありそうなので新たに分類を考え盎さなくおはならないだろう\setcounter{bottomnumber}{2}\begin{table}[t]\small\caption{解析を倱敗した定名詞句の䟋(䞋線郚の名詞を䞻芁郚に持぀名詞句)}\label{fig:false_tei}{\begin{center}\begin{tabular}{|p{300pt}|}\hline(1)圌は\underline{瀟長}の兄さんです\\(2)ゞョンは\underline{クラス}の䞭で䞀番背が高い\\(3)圌女は\underline{テヌブル}のほこりを取り陀くためにふきんを䜿いたした\\(4)\underline{仕事}で難しい所がありたしたが克服したした\\(5)私は\underline{先生}ず同じ本を持っおいたす\\(6)車は\underline{道}の\underline{わき}に駐車しおありたす\\(7)ゞョン゜ン教授は\underline{孊䌚}で\underline{論文}を読みたした\\[0.1cm]\hline\end{tabular}\end{center}}\end{table}\begin{table}[t]\small\caption{解析を倱敗した総称名詞句の䟋(䞋線郚の名詞句)}\label{fig:false_sousyou}{\begin{center}\begin{tabular}{|l|}\hline(1)修食節で限定され定名詞句になる䟋\\\underline{それ自䜓を守ろうずしない文化}は滅びたす\\[0.1cm]\hline(2)述語が過去圢のために定名詞句になる䟋\\\underline{䞭囜人}は独自の文字を発明したした\\[0.1cm]\hline(3)刀定詞「だ」が぀くために䞍定名詞句になる䟋\\日本の瀟䌚では父芪は\underline{家長}です\\[0.1cm]\hline(4)手がかりがなく䞍定名詞句になる䟋\\\underline{食物}がおいしければおいしいほどたくさん食べたす\\普通\underline{肺炎}にかかるず入院しなければなりたせん\\[0.1cm]\hline\end{tabular}\end{center}}\end{table}これ以倖の成功した䟋でも深く考察するず衚局衚珟で掚定できるのか疑問なものがある\begin{equation}\mbox{これは\underline{\.私\.が\.圌\.か\.ら\.借\.り\.た蟞曞}です}\label{eqn:kari_jisyo}\end{equation}この文の「私が圌から借りた蟞曞」は修食節により限定されおいお定名詞句ず解析されるしかしこの「私が圌から借りた蟞曞」は「私」が「圌」から耇数の蟞曞を借りおおりそのうちの䞀぀を指す堎合には䞍定名詞句ずなる぀たりある皋床の知識がなければ定名詞句か䞍定名詞句かの刀断ができない\subsubsection{数の実隓に察する考察}正解率が䞊がるようにテキストの衚珟に察しお芏則を倉曎しお実隓した孊習サンプルずしおのテキスト党䜓での正解率は89.0\%であったしかし「耇数」の正解率が党䜓的に悪いたた「䞍可算」は䞍可算名詞句ずしおあらかじめ登録しおあるので芋かけ䞊正解率は高いが問題がないわけではない芏則を固定しお実隓したテストサンプルずしおのテキスト党䜓での正解率は85.6\%であったしかし「耇数」「䞍可算」の正解率は悪く「単数」の出珟率ず正解率が高いおかげで高い正解率が出おいるにすぎないたたその「単数」の正解率が高いのも手がかりのないずきは「単数」ず掚定させおいるからにすぎない正解が「耇数」である名詞句で解析が倱敗した䟋に以䞋の䞋線郚の名詞句がある\begin{equation}\underline{あなたが泚文した建築材料}がきたした\label{eqn:kentiku}\end{equation}手がかりがなく解析結果は「単数」ずなっおしたうこれを「耇数」ず刀定できるようにするには「建築材料」ずいう名詞自身から「耇数」ず刀定できるようにしなければならないしかしい぀でも「建築材料」が「耇数」ずは限らない数量衚珟以倖から「耇数」ずわかった䟋ずしお以䞋の䞋線郚の名詞句がある\hspace*{-2mm}\begin{equation}\mbox{その事故が発生しおから\underline{野次銬}\.が\.集\.た\.っ\.おきたした}\label{eqn:jiko}\end{equation}\vspace*{-.3mm}「が集たる」から「野次銬」が「耇数」ず解析されたこのような芏則を䜜っおいけば数が明\\瀺されおいなくおも名詞句の数がわかる堎合があるしかし以䞋の䟋のように間違う堎合もある\begin{equation}\hspace*{-0.3cm}\mbox{\underline{シュヌト}\.を\.济\.び\.たゎヌルキヌパヌが右のおのひらを裂いた}\label{eqn:shoot}\end{equation}\vspace*{-.3mm}「を济びる」の芏則は実隓では「耇数」ず「䞍可算」が匷いずしおいたが䞀発のシュヌトで手\\を裂いたので䞊のシュヌトは「単数」である動詞からの掚定もそう安易なものではない\begin{table}[t]\small\leavevmode\caption{数を掚定するのに利甚できそうな動詞の䟋}\begin{center}\label{tab:num_verb}\begin{tabular}{|p{13cm}|}\hline济びる吹きかけるたぶすわきでるそろえるたおこむうもれる流れる吞い出すしみるもれるそそぐもぐるこがれる散らばる矀がる抌し寄せる䞊べる連ねる増える溢れる折り重ねる数える飲むどよめく\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}孊習サンプルテストサンプルでの実隓の埌「集たる」「䞊べる」「济びる」などの動詞から数を掚定する芏則に぀いお考察した分類語圙衚の動詞の郚分をながめ数の掚定に利甚できそうな動詞を玄300個人手で抜出したその䟋を衚\ref{tab:num_verb}にあげるたたこれらの動詞から数を掚定できる名詞句がどれくらいの割合で出珟するかを調べた85幎2月の倩声人語䞀カ月分のうち構文解析が成功した文(526文名詞2680個)に察しお動詞から数を掚定できる名詞句の数を数えたずころ21個存圚したこの数は少ないがそれでも数を解析できる名詞句が増えるので動詞から数を掚定する芏則も利甚する必芁があるず考える \section{おわりに} label{sec:end}孊習サンプルでの正解率は指瀺性で85.5\%数で89.0\%でありテストサンプルでの正解率は指瀺性で68.9\%数で85.6\%であった指瀺性の掚定における課題ずしおは次の二぀のこずが残っおいる䞀぀は人間が芋るず状況から定名詞句であるこずが明らかであるのに掚定できおいない堎合である状況の情報をうたく䜿えるようになれば掚定できるようになるしかしこのずきも知識だけでなく衚局衚珟ず知識の連携が必芁であろうもう䞀぀は総称名詞句に関するこずである総称名詞句は他の分類ずはっきりず区別しお定矩するこずが難しいずいう性質をもっおおりただただ考えおゆかなければならない問題であるしかし珟時点で総称名詞句ずしおいるものは衚局衚珟を手がかりずしおある皋床取り出すこずができるので分類がどう倉化しおも本研究で甚いた芏則の適甚条件の郚分はそのたた䜿えるず期埅できる数の方は数量詞のような衚局衚珟があれば容易に掚定できるがい぀でも数量詞があるずは限らないので数の掚定はそう容易ではないしかし数量詞のような衚局衚珟がなくおも動詞「集める」や副詞「いくらでも」などの衚局衚珟によっお数を掚定できる堎合があるこのような芏則によっお掚定できるものは少しではあるがそれでも解析できる名詞句の数が少しでも増えるこずになるのでこのような芏則も利甚するべきであるず考える\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{村田真暹}{1993幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1995幎同倧孊院修士課皋修了同幎同倧孊院博士課皋進孊珟圚に至る自然蚀語凊理機械翻蚳の研究に埓事}\bioauthor{黒橋犎倫}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊工孊郚助手珟圚に至る自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事1994幎4月より1幎間Pennsylvania倧孊客員研究員}\bioauthor{長尟真}{1959幎京郜倧孊工孊郚電子工孊科卒業工孊博士京郜倧孊工孊郚助手助教授を経お1973幎より京郜倧孊工孊郚教授囜立民族孊博物通教授を兌任(1976.2--1994.3)京郜倧孊倧型蚈算機センタヌ長(1986.4--1990.3)日本認知科孊䌚䌚長(1989.1--1990.12)パタヌン認識囜際孊䌚副䌚長(1982--1984)日本機械翻蚳協䌚初代䌚長(1991.3--1996.6)機械翻蚳囜際連盟初代䌚長(1991.7--1993.7)電子情報通信孊䌚副䌚長(1993.5--1995.4)情報凊理孊䌚副䌚長(1994.5--1996.4)京郜倧孊附属図曞通長(1995--)パタヌン認識画像凊理機械翻蚳自然蚀語凊理等の分野を䞊行しお研究}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V05N01-06
\section{はじめに} \label{sec:introduction}文曞怜玢では怜玢察象の文曞集合が倧きくなるに぀れ高速/高粟床な怜玢が困難になる䟋えばAltaVista~\footnote{{\tthttp://altavista.digital.com}}に代衚されるむンタヌネット䞊のキヌワヌド怜玢゚ンゞンでは怜玢時に入力されるキヌワヌド数が極端に少ないため~\footnote{AltaVistaでは平均2個匱のキヌワヌドしか入力されない}1)望んた文曞が怜玢されない(再珟率の問題)2)望たない文曞が倧量に怜玢される(適合率の問題)ずいった問題が生じおいるそのため芁求拡匵(queryexpansion)~\cite{smeaton:83:a,peat:91:a,schatz:96:a,niwa:97:a}関連床フィヌドバック(relevancefeedback)~\cite{salton:83:a,salton:90:a}などの手法が提案されおきたこれらの手法はいずれも芁求ずなるキヌワヌド集合を拡匵したり掗緎したりするこずでナヌザの怜玢意図を明確か぀正確なものに導いおいくこれに察し怜玢時にキヌワヌド集合ではなく文曞それ自身を入力し入力文曞ず類䌌する文曞を怜玢する方法が考えられる~\cite{wilbur:94:a}この怜玢方法を{\gt文曞連想怜玢}ず呌ぶ文曞連想怜玢が有効なのは怜玢芁求ず関連する文曞を我々が既に持っおいるずいう状況やキヌワヌド怜玢の途䞭で関連する文曞を䞀぀でも芋぀けたずいう状況であるたた論文特蚱など我々自身が曞いた文曞もそのたた怜玢入力ずしお利甚できる文曞連想怜玢を䜿うこずにより適切なキヌワヌド集合を遞択するこずなしに関連する文曞を芋぀けるこずができる文曞連想怜玢を実珟する際の問題点は類䌌文曞の怜玢に時間がかかるこずである単玔な網矅怜玢では怜玢察象の倧きさ$N$に比䟋した$O(N)$の時間を芁するそこで本論文では{\gtクラスタ怜玢}~\cite{salton:83:a}ず呌ばれる怜玢方法を甚いるクラスタ怜玢では通垞クラスタリングによりクラスタの二分朚をあらかじめ構築しおおき~\footnote{クラスタリングにも察象デヌタ集合を平坊なクラスタ集合に分割する方法(非階局的クラスタリング)もあるが~\cite{anderberg:73:a}本論文ではクラスタの階局的な朚構造を構築する方法(階局的クラスタリング)に限るたたクラスタ朚も盞互背反な二分朚に限る}その䞊でトップダりンに二分朚怜玢を行うよっお怜玢時間は平均$O(\log_2N)$に抑えられるずころがクラスタ怜玢に関する埓来の研究~\cite{croft:80:a,willett:88:a}では単玔な二分朚怜玢では十分な怜玢粟床が埗られないずいう問題があったその理由の䞀぀はクラスタリング時ず怜玢時に異なる距離尺床を甚いおいたこずであるほずんどの研究ではクラスタリングの手法ずしお単䞀リンク法Ward法などを甚いおいたがこれらの手法は埌の怜玢で䜿われる尺床(䟋えばTF$\cdot$IDF法や確率)ずは盎接関係のない尺床でクラスタの二分朚を構築しおいくこれに察し本論文ではクラスタリングの察象文曞それぞれを自己怜玢した際の粟床を最倧化しおいく確率的クラスタリングを提案するよっお本クラスタリング法は怜玢に適した手法であるず蚀える実際にクラスタ怜玢に本クラスタリング法を甚いた堎合単玔な二分朚怜玢でも十分な怜玢粟床を埗るこずができる怜玢速床が速い点に加えクラスタ怜玢には幟぀かの利点があるクラスタ怜玢が提案されたそもそもの理由は「密接に関連した文曞矀は同じ怜玢芁求に察する関連性も同等に高い」ずいう{\gtクラスタ仮説}~\cite{van-rijsbergen:74:a}である通垞のキヌワヌド怜玢では怜玢芁求ず単䞀文曞を厳密なキヌワヌド笊合に基づいお比范するためキヌワヌドの衚蚘の異なりにより関連する文曞をずり逃すこずもあるがクラスタ怜玢では怜玢芁求を意味的にたずたった文曞集合(クラスタ仮説で蚀うずころの「密接に関連した文曞矀」)ず比范するためこの問題も起りにくくなるクラスタ仮説は特に怜玢粟床の向䞊ずいう点においお実隓的に怜蚌されおいない仮説であったが近幎Hearst等によりキヌワヌド怜玢で怜玢した文曞集合を絞りこむずいう状況でその有効性が実蚌されおいる~\cite{hearst:96:a}本論文ではクラスタ怜玢が怜玢察象に含たれおいるノむズの圱響を受けにくいこず(ノむズ頑健性)に泚目し本論文で提案するクラスタ怜玢が網矅怜玢に比べ優れおいるこずを実蚌する以䞋\ref{sec:cluster_based_search}~節ではクラスタ怜玢に぀いお説明する\ref{sec:hbc}~節では本論文で提案する確率的クラスタリングに぀いお説明する\ref{sec:experiment}~節では本論文で提案したクラスタ怜玢の有効性を調べるために行なった幟぀かの実隓に぀いお述べる \section{クラスタ怜玢} \label{sec:cluster_based_search}クラスタ怜玢に限らず文曞察文曞の比范を行うにはたず文曞間の距離を定矩する必芁がある本論文では条件付き確率$P(C|d)$を甚い文曞$d$から文曞集合$C$ぞの方向性のある類䌌性を定矩するある文曞集合を怜玢する際は$d$が入力文曞(怜玢芁求)ずなり$C$がこれから怜玢しようずする文曞集合の郚分集合ずなる最も極端な䟋が網矅怜玢であり$C$は文曞集合の各文曞それ自身になる(図~\ref{fig:search_strategies}~(a)参照)䞀方クラスタ怜玢では$C$は䜕らかの指針により自動/人手で䜜られたクラスタである$P(C|d)$を掚定する方法は幟぀か提案されおいるが~\cite{robertson:76:a,fuhr:89:a,kwok:90:a}本論文ではIwayama等の掚定法~\cite{iwayama:94:b}を甚いるこずにする付録~\ref{app:SVMV}に$P(C|d)$の掚定法を蚘す図~\ref{fig:search_strategies}~(b)が兞型的なクラスタ怜玢を図匏化したものである本論文で扱うクラスタ怜玢では文曞集合を二分朚ずしお自動的に構成し(このステップを{\gtクラスタリング}たたは{\gt蚓緎}ず呌ぶ)怜玢芁求を各クラスタ(ノヌド)ず比范するこずによっお怜玢芁求ず類䌌する文曞を指定した数だけずりだす(このステップを{\gt怜玢}たたは{\gtテスト}ず呌ぶ)最も単玔な怜玢法は{\gt二分朚怜玢}であり(図~\ref{fig:search_strategies}~(b)参照)クラスタ朚の根からトップダりンに朚をたどり指定した数の文曞を含むクラスタを探す朚をたどる際は各ノヌドでそれぞれの子ノヌドに぀いお$P(C|d)$を蚈算しどちらに進むかを決定する二分朚怜玢は平均$O(\log_2N)$の怜玢時間しか必芁ずせず網矅怜玢($O(N)$)に比べ高速な怜玢が可胜である䞀般に網矅怜玢はその怜玢コストのため倧芏暡な文曞集合の怜玢/ランキングには適甚しづらい事実珟実に運甚されおいる怜玢システムのほずんどはランク付きの怜玢出力が提䟛されおいないか提䟛されおいおも近䌌蚈算~\cite{cutting:97:a}である堎合が倚い連想怜玢のように怜玢芁求が長い堎合はランク付けの蚈算に怜玢芁求の党情報を䜿わないこずもある~\cite{frakes:92:a}怜玢コストを軜枛する効果的な方法はキヌワヌドから文曞ぞの逆むンデクス(invertedfile)~\cite{salton:83:a}を䜿い怜玢芁求に含たれおいるキヌワヌドを党く含たない文曞を怜玢察象から陀倖するこずである~\cite{perry:83:a}残った文曞集合を網矅怜玢するこずで蚈算量も幟分軜枛できるしかし逆むンデクスの導入は問題の本質的解決ではなく原理的には䟝然ずしお$O(N)$の怜玢コストが必芁である\begin{figure*}\begin{center}\epsfile{file=iwayama1.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\caption{連想怜玢における文曞怜玢法:網矅怜玢ずクラスタ怜玢}\label{fig:search_strategies}\vspace{-2mm}\end{figure*}クラスタ朚䞊をトップダりンに二分朚怜玢する方法ずは逆に葉からボトムアップにクラスタ朚を怜玢する方法もあるこの怜玢法は{\gtボトムアップクラスタ怜玢}ず呌ばれ二分朚怜玢よりも粟床的に有効であるこずが実蚌されおいる~\cite{croft:80:a,willett:88:a}ずころがボトムアップクラスタ怜玢ではたず怜玢の出発点ずなる葉ノヌドを決める必芁がある既に䜕らかの方法で出発点がわかっおいる堎合はよいがそうでない堎合はれロからこのノヌドを芋぀けるため網矅怜玢に近い蚈算量が必芁ずなる本論文ではその簡玠さず高速性のためトップダりンな二分朚怜玢を䜿うこずにするたた二分朚怜玢にもビヌム幅内を䞊行しお怜玢する怜玢の出発ノヌドを葉に近いノヌドにするなど様々な拡匵が考えられるが本論文では断わりのない限り単玔な二分朚怜玢に限るこずにする \section{確率的クラスタリング(HBC)} \label{sec:hbc}クラスタ怜玢におけるクラスタリングの目的は怜玢を行った際に高い粟床を䞎えるようなクラスタ朚を構築するこずである䞍適切なクラスタ朚は怜玢芁求に察しお関連の䜎い文曞を出力しおしたう特にクラスタ朚の根に近い郚分は䞎えられたほずんどの文曞集合を含むため挠然性が高く二分朚怜玢もこの郚分での比范で誀りを起しやすい埓来のクラスタ怜玢においお二分朚怜玢の粟床が悪かったのは䞻にこの理由である以䞋では二分朚怜玢でも高い粟床を䞎えるような確率的クラスタリングを提案する栞ずなるアむデアはクラスタリング(蚓緎)にも怜玢(テスト)にも前節で説明した確率$P(C|d)$を甚いるこずであるたずクラスタリングで䜿う尺床ずしお{\gt\bf自己再珟率(selfrecall)}を定矩するあるクラスタ$C$に関する自己再珟率$SR(C)$を以䞋のように定矩する\begin{equation}SR(C)=\prod_{d\inC}P(C|d).\end{equation}自己再珟率はクラスタ内の各文曞が自分自身を含むクラスタを芋぀けるこずができる確率ず解釈するこずができるあるクラスタ$C$にずっお$SR(C)$の倀が倧きいずいうこずは$C$内の各文曞を怜玢入力ずした時それらが$C$を芋぀ける確率が高いずいうこずである文曞集合${\calD}$がクラスタの集合$\{C_1,C_2,\ldots\}$に分割されおいるずするずその文曞集合${\calD}$に察する自己再珟率は以䞋のように定矩できる\begin{equation}SR({\calD})=\prod_{C\in{\calD}}SR(C)=\prod_{C\in{\calD}}\prod_{d\inC}P(C|d).\end{equation}これは文曞集合党䜓に関する自己怜玢の粟床に関連するここたででクラスタリングの目的は「文曞集合${\calD}$が䞎えられた時$SR({\calD})$が最倧ずなる分割を芋付けるこず」ず詳现化できるただし通垞は山登り法になどにより局所的な最倧分割を求めるこずが倚い䟋えば$SR({\calD})$を評䟡関数ずしお非階局的クラスタリングアルゎリズム~\cite{anderberg:73:a}を適甚するず文曞集合を平坊なグルヌプに分割するこずができるたた文曞集合${\calD}$に察しお階局的な二分クラスタ朚を構築するには以䞋に瀺す凝集型アルゎリズムを適甚すればよい\begin{enumerate}\item初期クラスタ集合を${\calD}$内の各文曞それ自身のみからなるクラスタの集合ずする\itemマヌゞにより$SR({\calD})$の増分が最倧になるようなクラスタのペアを芋぀け実際にマヌゞする\item残りのクラスタの数が1でなければステップ2に戻る\end{enumerate}以䞊のアルゎリズムを{\gt\bf階局的ベむズクラスタリング(HBC:HierarchicalBayesianClustering)}ず呌ぶHBCの詳现に぀いおは\cite{iwayama:95:b,iwayama:95:a}を参照されたいそこではHBCず埓来のクラスタリング手法ずの比范実隓も行われおいるたた付録~\ref{app:hbc}にHBCの圢匏的な蚘述を瀺す埓来のクラスタ怜玢における実隓では二分朚怜玢に関しお吊定的な結果がでおいた考えられる理由はクラスタリング(蚓緎)ず怜玢(テスト)で異なった尺床(原理)を甚いおいたこずである埓来の実隓では単䞀リンク法やWard法をクラスタリングの方法ずしお甚いおいたがこれらの方法は怜玢に䜿う尺床ずは盎接関係のない尺床を䜿いクラスタ朚を構築しおいる䟋えば単䞀リンク法では二぀のクラスタ間の距離ずしおそれらのクラスタを構成する芁玠(文曞)間の最も近い距離を䜿うよっおクラスタ内の他の構成芁玠の情報は無芖されおしたうたた構成芁玠(文曞)ずクラスタ党䜓ずの関係が考慮されおいない怜玢で甚いるのは文曞ずクラスタずの距離であるこれらの欠点は完党リンク法や平均リンク法にもあおはたるWard法は矀内誀差の平方和によりクラスタ間の距離を蚈算するため䞊蚘の欠点はないしかし矀内誀差の平方和は怜玢時に甚いる距離尺床ずは盎接関係がないそれに察しHBCは文曞集合が䞎えられるずそれらを自己怜玢した時の粟床(具䜓的には自己再珟率)を最倧化するようなクラスタ朚を構築する぀たり蚓緎䟋に察する怜玢粟床の最倧化を行っおいるためクラスタ怜玢ずいう甚途に盎接関連した手法である次節ではHBCをクラスタ怜玢に甚いた堎合の有効性を実隓により怜蚌するなお単䞀リンク法やWard法も統蚈解析ずいう元々の甚途には有効な手法である \section{実隓} \label{sec:experiment}\subsection{実隓方匏ずデヌタに぀いお}実隓では連想怜玢の粟床を評䟡するために{\gtトピック割り付け}を行ったトピック割り付けずはあらかじめ定矩されたトピックの䞭から1個以䞊のトピックを文曞に割り付けるタスクである䟋えばある文曞に$\{x,y,z\}$ずいう3個のトピックが付いおいるずするこれらの正解トピックは通垞専門家によっお割り付けられるそしお自動的な方法により同じ文曞に$\{x,w\}$ずいう2個のトピックが割り付けられたずするここで$x$ずいう1぀のトピックのみが3個の正解トピックから再珟されたずいう意味で{\gt\bf再珟率(recall)}は$1/3$ずなるたた$x$ずいう1぀のトピックのみが自動的に割り付けられた2個のトピックのなかで正解であったずいう意味で{\gt\bf適合率(precision)}は$1/2$ずなる自動的なトピック割り付け法ずしおは$k$-NN法($k$-NearestNeighborclassifiers)~\cite{weiss:90:a,masand:92:a,mouri/97/a}を甚いた$k$-NN法ではある文曞$d$にトピックを割り付ける際あらかじめ専門家によりトピックが割り付けられおいる文曞集合(蚓緎デヌタ)の䞭から$d$に近いものを$k$個怜玢するこの怜玢法に文曞連想怜玢の手法(網矅怜玢クラスタ怜玢)を甚い比范した怜玢した$k$個の蚓緎デヌタには既にトピックが付いおいるためそれぞれのトピックを重み付きで集蚈しあるしきい倀以䞊になるトピックを$d$に割り付ける重みずしおは$d$ず各々の蚓緎デヌタずの距離(条件付き確率)を甚いたここで$d$に割り付けられるべき正解トピックが既にわかっおいるため再珟率/適合率が蚈算できるたた自動割り付けにおけるしきい倀を倉化させるこずで再珟率/適合率のトレヌドオフ曲線が描ける実隓デヌタには「珟代甚語の基瀎知識(92幎版)~\cite{gk/92/a}(GK)」ず「WallStreetJournal~\cite{liberman:91:a}(WSJ)」を甚いたそれぞれの特城は以䞋のずおりである\begin{description}\item[{\gt\bf珟代甚語の基瀎知識(GK)}]\strut\\日本語の蟞曞デヌタ$18,476$個の蟞曞芋出しを持ちそれぞれ$149$の小カテゎリいずれかに分類されおいるこの小カテゎリをトピックずしお甚いた぀たり各蟞曞芋出しは単䞀の正解トピックを持っおいるこずになる各蟞曞芋出しの説明文は$13$から$1,938$平均$287$の文字長を持぀短い説明文の圱響を陀くため説明文䞭に名詞未知語(抜出法に぀いおは埌述)を$100$個以䞋しか含たない蟞曞芋出しを陀去したたた蟞曞芋出しを少数しか持たないカテゎリの圱響を陀くため蟞曞芋出しを$20$個以䞋しか含たないカテゎリを陀去したこの結果残った蟞曞芋出し数は$1,072$カテゎリ数は$39$ずなった\item[{\gt\bfWallStreetJournal(WSJ)}]\strut\\英語の新聞蚘事デヌタ'89/7/25から'89/11/2たでの$8,907$蚘事を䜿った各蚘事には$78$個のトピックの䞭から耇数のトピックが割り付けられおいる䞀぀もトピックを持たない蚘事は取り陀いた蚘事に割り付けられおいる平均トピック数は$1.94$個である\end{description}これら二぀のデヌタセットには日本語ず英語ずいう倧きな盞違点の他に以䞋の特筆すべき盞違点がある\begin{itemize}\itemGKの各文曞が単䞀のトピックしか持たないのに察しWSJは耇数(平均$1.94$個)のトピックを持぀\itemGKは文曞長および各トピックが持぀文曞数が比范的均䞀なデヌタセットであるのに察しWSJは非均䞀なデヌタセットであるGKには各トピックを担圓する線集者が存圚しその線集者が担圓トピックの蟞曞芋出しを管理しおいるからである.それに加えGKでは短い蟞曞芋出し蟞曞芋出し数が少ないトピックを䞊蚘の方法により匷制的に陀去しおいるよっおWSJに比べGKはよりノむズの少ないデヌタセットであるず蚀える逆の芖点から芋るずWSJはより珟実デヌタに近いず蚀える\end{itemize}実隓の前凊理ずしおたず文曞衚珟ずしお甚いるタヌムを抜出する必芁がある䞡デヌタセットずも名詞ず未知語をタヌムずしお甚いたタガヌずしおGKではJUMAN~\cite{juman/94/a}をWSJではXeroxPart-of-SpeechTagger~\cite{cutting:93:a}を甚いたWSJに関しおはispell~\cite{ispell}を甚いお語尟凊理を行ない単語の原圢のみ甚いたたたトピック割り付けを行うにはデヌタセットを蚓緎デヌタずテストデヌタに分割する必芁があるGKは文曞数が少ないため4分割のクロスバリデヌションを行ったWSJでは'89/7/25から'89/9/29たでの$5,820$蚘事を蚓緎デヌタずしお'89/10/2から'89/11/2たでの$3,087$蚘事をテストデヌタずしお䜿った\subsection{埓来のクラスタ怜玢ずの比范}たず比范的ノむズの少ないGKを甚いおHBCを甚いたクラスタ怜玢ず埓来から行われおいたクラスタ怜玢を比范する埓来法ずしおはクラスタリングにWard法~\cite{anderberg:73:a}を怜玢に確率モデルを甚いたよっお䞡者はクラスタリングの手法のみが異なるたた比范察象ずしお網矅怜玢による実隓も行った網矅怜玢における文曞間の距離尺床にはクラスタ怜玢ず同じ確率モデルを甚いた以䞊は$k$-NN法によるトピック割り付けであるがこの他にトピック割り付けの代衚的な方法(以䞋{\gtトピック怜玢法}ず呌ぶ)も比范察象ずしお実隓に甚いたトピック怜玢法ではたず各トピック毎にそのトピックが割り付けられおいる文曞を集めトピックを衚珟する文曞集合ずする次にトピックを割り圓おようずする文曞ず各トピックを衚珟しおいる文曞集合ずの間の距離を蚈算しお距離が近いトピックを文曞に割り圓おる距離尺床ずしおは䞊蚘手法ず同じ確率モデルを甚いたGKでは割り圓おられるべきトピックが䞀぀であるため実隓に甚いた手法でも䞊䜍1䜍のトピックを割り付けそれが正解ずなっおいる割合で粟床を枬定した実隓結果を図~\ref{fig:gk}に瀺す図䞭X軞は$k$-NN法でいうずころの$k$぀たり刀定に甚いた蚓緎デヌタ数である\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=iwayama2.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\vspace{-2mm}\caption{トピック割り付けにおける連想怜玢の比范(GK)}\label{fig:gk}\vspace{-2mm}\end{figure}図~\ref{fig:gk}から$k$が極端に小さくない堎合網矅怜玢の粟床が最も良いこずがわかるたたHBCを甚いたクラスタ怜玢も網矅怜玢の粟床曲線を良く近䌌しおいるこのこずから怜玢に芁する速床などを考えるずHBCを甚いたクラスタ怜玢は速床/粟床の点でバランスの取れた手法であるず蚀える逆にWard法を甚いたクラスタ怜玢が䞎える粟床曲線は網矅怜玢の粟床曲線ずは極端に異なり特に$k$が$300$以䞋での粟床が非垞に悪くなっおいる興味深いのは網矅怜玢二぀のクラスタ怜玢共に$k$が倧きくなるに぀れトピック怜玢法が䞎える粟床に収束しおいく点であるただしHBCを甚いたクラスタ怜玢網矅怜玢が$k$を適圓に蚭定するずトピック怜玢法を䞊回るのに察しWard法を甚いたクラスタ怜玢は垞にトピック怜玢法を䞋回る以䞊の実隓結果からHBCを甚いたクラスタ怜玢法は埓来のクラスタ怜玢よりも有効であるこずが確認できた次節ではノむズを含むより実デヌタに近いWSJを甚いおHBCを甚いたクラスタ怜玢ず網矅怜玢ずの違いを詳しく調べる\subsection{クラスタ怜玢のノむズ頑健性}クラスタ怜玢は網矅怜玢ず比べるず汎化胜力ずいう点で優れおいるクラスタ怜玢は蚓緎デヌタを䞀般化したクラスタ集合を扱うためである網矅怜玢は蚓緎デヌタそれ自䜓を扱うため蚓緎デヌタ䞭に存圚するノむズの圱響を受けやすい前節のGKによる実隓ではこの点が確かめられなかったがこれはGKがノむズの少ない均䞀なデヌタセットであるこずによる本節ではWSJを䜿っおデヌタセット䞭に存圚するノむズがトピック割り付け(すなわち連想怜玢)に及がす圱響を調べるWSJの各文曞には耇数のトピックが割り付けられおいるため前述の再珟率/適合率で評䟡を行ったトピック割り付け戊略ずしおは以䞋の3皮類を甚い比范した\begin{description}\item[{\gt\bf定数割り付け(k-per-doc)}]\strut\\各テストデヌタに均䞀に$k$個づ぀トピックを割り圓おるここでは$k$の倀を倉化させお再珟率/適合率曲線を描く\item[{\gt\bf確率的割り付け(probabilitythreshold)}]\strut\\各テストデヌタに割り付けられるトピックには確率から重みが蚈算できるよっおあるしきい倀以䞊の重みを持぀トピックを各テストデヌタに割り付けるここでは割り付けのしきい倀を倉化させお再珟率/適合率曲線を描く\item[{\gt\bf比䟋配分割り付け(propotionalassignment)~\cite{lewis:92:a}}]\strut\\各トピック毎にテストデヌタを重みの順に゜ヌトしおおき蚓緎デヌタ䞭でそのトピックが占める割合に比䟋した数のテストデヌタにそのトピックを割り付ける䟋えば蚓緎デヌタ䞭で$2\%$の文曞に割り付けられおいるトピックは比䟋配分の定数を$0.1$ずするずテストデヌタ䞭の$0.2\%$の文曞に割り付けられる比䟋配分の定数を$5$ずするずテストデヌタ䞭の$10\%$の文曞に割り付けられるここでは比䟋配分の定数を倉化させお再珟率/適合率曲線を描く\end{description}埓来行なわれた実隓~\cite{lewis:92:a,iwayama:94:b,nishino/95/a}では比䟋配分割り付けの優䜍性が確認されおいるしかし比䟋配分割り付けを行うにはあらかじめ十分な数のテストデヌタがそろっおいる必芁があるよっお比䟋配分割り付けはバッチ的な割り付け凊理の局面では有効であるがオンラむン(リアルタむム)で割り付けを行なうような状況に適甚するこずはできない\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=iwayama3.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\vspace{-1.5mm}\caption{トピック割り付けにおける連想怜玢の比范(WSJ,定数割り付け)}\label{fig:wsj-kdoc}\vspace{-1.5mm}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=iwayama4.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\vspace{-1.5mm}\caption{トピック割り付けにおける連想怜玢の比范(WSJ,確率的割り付け)}\label{fig:wsj-thresh}\vspace{-1.5mm}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=iwayama5.eps,width=0.9\textwidth}\end{center}\vspace{-1.5mm}\caption{トピック割り付けにおける連想怜玢の比范(WSJ,比䟋配分割り付け)}\label{fig:wsj-prop}\vspace{-1.5mm}\end{figure}図~\ref{fig:wsj-kdoc}~$\sim$~\ref{fig:wsj-prop}にそれぞれの割り付け戊略による実隓結果を瀺すここではHBCによるクラスタ怜玢ず網矅怜玢を比范しおいるたたベヌスラむンずしおトピック怜玢法による結果も瀺したY軞のbreakevenずは再珟率/適合率トレヌドオフ曲線においお再珟率ず適合率が等しくなる点の倀であるX軞は前節ず同じく$k$-NN法における$k$の倀である図~\ref{fig:wsj-kdoc}~$\sim$~\ref{fig:wsj-prop}からたず他の二぀の割り付け戊略に比べ比䟋配分割り付けが優れおいるこずがわかるたた比䟋配分割り付けでは網矅怜玢クラスタ怜玢共にトピック怜玢ず同皋床の粟床である曎に䞡者共に$k$-NN法の$k$による圱響をあたり匷く受けおいないよっお比䟋配分割り付けは怜玢の手法に察しお安定した割り付け戊略であるず蚀えるずころが前述したように比䟋配分割り付けはバッチ凊理に限られるずいう制限がある定数割り付け確率的割り付けでは網矅怜玢クラスタ怜玢共にベヌスラむンのトピック怜玢を倧きく䞊回っおいるこれは$k$-NN法の優䜍性を瀺しおいるここで泚目しお欲しいのは$k$-NN法でも網矅怜玢の粟床曲線が$k$の倀に倧きく圱響を受けおいる点である特に最倧breakevenを䞎える$k$の範囲が非垞に狭くそれより$k$の倀が倧きくなるずbreakevenが急激に䜎䞋しおいるこれは蚓緎デヌタ䞭に存圚するノむズの圱響を匷く受けおいるこずを意味しおいる䞀方クラスタ怜玢の粟床曲線は$k$に䟝存せず安定しおいる぀たり最倧breakevenを䞎える$k$の範囲が広いため埮劙なパラメヌタ($k$)蚭定を行う必芁がないこれはクラスタリングずいう汎化操䜜により蚓緎デヌタ䞭のノむズの圱響があらわれにくくなっおいるこずを意味しおいる以䞊からHBCを甚いたクラスタ怜玢は網矅怜玢に比べノむズ頑健性に優れおいるず蚀える \section{おわりに} 本論文では文曞連想怜玢のための新しいクラスタ怜玢法を提案した提案したクラスタ怜玢では䞎えられた文曞集合を自己怜玢した時の粟床を最倧化する確率的クラスタリングを甚いおいるよっお本クラスタリング手法は埓来のクラスタ怜玢で甚いられおいたクラスタリング手法に比べるず怜玢に密接に関連した手法であるず蚀える「珟代甚語の基瀎知識」「WallStreetJournal」を甚いた実隓の結果埓来のクラスタ怜玢に察する本手法の優䜍性が確認できたたた網矅怜玢に察しおは本手法がノむズ頑健性ずいう点で優れおいるこずが確認できた以䞋問題点ず今埌の課題を挙げる\begin{description}\item[{\gtクラスタリングの高速化}]\strut\\本論文で提案したクラスタリングに限らず通垞の階局的クラスタリングはサむズ$N$の文曞集合をクラスタリングするのに$O(N^2)$の空間的/時間的蚈算資源を芁する今埌は特に倧芏暡文曞集合の文曞連想怜玢に察凊するためにクラスタリングに芁する蚈算量を抑える必芁があるこの問題に関しお近幎文曞衚珟ずしお甚いる単語の次元数を枛らす~\cite{schutze:97:a}クラスタ間の距離を蚈算せず単語分垃を調べる~\cite{tanaka/97/a}などの方法が提案されおいる我々はHBCの近䌌アルゎリズムによりこの問題を解決するこずを考えおおり既に幟぀かの手法を提案し予備的な実隓で有望な結果を埗おいる~\cite{iwayama/97/a}今埌は倧芏暡デヌタに適甚しおその有効性を実蚌する必芁がある\item[{\gt倚重分類}]\strut\\珟状のクラスタ朚は単玔な二分朚であるため同䞀文曞が耇数の芳点から分類されるずいった倚重分類を扱えないこの問題に぀いおはクラスタ生成時に同䞀文曞が耇数のクラスタに分類されるこずを蚱すあるいは怜玢時に耇数の怜玢パスを探玢するなどの手法が考えられる前者の手法に぀いおは既に提案したHBCの近䌌アルゎリズム~\cite{iwayama/97/a}が有望であるたた埌者の手法に぀いおはシ゜ヌラス構築ずいうタスクで有効な結果を埗おいる~\cite{tokunaga:97:a}\item[{\gt動的な文曞集合ぞの察応}]\strut\\通垞のクラスタリングでは察象ずなる文曞集合が文曞の远加/削陀などにより倉化するず䞀からクラスタリングを実行し盎さなければならないクラスタリングの高速化により再蚈算の時間が軜枛されるずはいえ倧芏暡な文曞集合を倉化の郜床再クラスタリングするのは非珟実的であるこの問題に぀いおはほずんど研究がなされおいない~\cite{crouch:75:a,can:89:a}我々はHBCの近䌌アルゎリズム~\cite{iwayama/97/a}の䞀皮がむンクリメンタルに動䜜するこずに着目し動的な文曞集合に察応するこずを考えおいる\end{description}\vspace{-2mm}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{IFIR,jIFIR}\clearpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{岩山真}{1987幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1992幎同倧孊院理工孊研究科博士埌期課皋修了同幎(æ ª)日立補䜜所基瀎研究所入所博士(工孊)自然蚀語凊理情報怜玢の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚AAAI,ACMSIGIR各䌚員}\bioauthor{埳氞健䌞}{1983幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1985幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎(æ ª)䞉菱総合研究所入瀟1986幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋入孊.珟圚同倧孊倧孊院情報理工孊研究科助教授博士(工孊)自然蚀語凊理蚈算蚀語孊情報怜玢などの研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚈量囜語孊䌚AssociationforComputationalLinguistics,ACMSIGIR各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\vspace{-3mm}\appendix \section{$P(C|d)$の掚定法} \label{app:SVMV}たず「存圚する党おのタヌム~\footnote{本研究ではタヌムずしお名詞および未知語を甚いた}から䞀぀を乱数抜出したずきそれが$t$ず等しい」ずいう事象を``$T=t$''ずする$P(C|d)$を可胜な党おの``$T=t$''で条件付けするず\begin{eqnarray}P(C|d)&=&\sum_{t}P(C|d,T=t)P(t|d)\nonumber\\&\approx&\sum_{T=t}P(C|T=t)P(T=t|d).\label{eq:svmv1}\end{eqnarray}ずなるここでの近䌌は$T=t$が䞎えられたずいう条件䞋での$C$ず$d$の条件付き独立性の仮定による~\footnote{詳しくは$P(C|d,T=t)=P(C|T=t)$この匏はもし$T=t$を知れば$C$に関する情報ず$d$に関する情報は独立であるこずを瀺しおいるこれは匷い仮定であるが$T=t$が$d$の特殊化された衚珟だず考えるず劥圓である}ベむズの定理を甚いるず(\ref{eq:svmv1})は以䞋のようになる\begin{equation}P(C|d)=P(C)\sum_{T=t}\frac{P(T=t|C)P(T=t|d)}{P(T=t)}.\label{eq:svmv2}\end{equation}ここで各々の芁玠確率を以䞋のように掚定する\begin{itemize}\item$P(T=t|C)$:$C$における$t$の盞察頻床\item$P(T=t|d)$:$d$における$t$の盞察頻床\item$P(T=t)$:䞎えられた文曞集合党䜓における$t$の盞察頻床\item$P(C)$:本論文では定数ずしお扱った\end{itemize} \section{階局的ベむズクラスタリング(HierarchicalBayesianClustering)} \label{app:hbc}\fbox{\begin{minipage}{100mm}\baselineskip=12pt\sfcode`;=3000\def\q{}{\bfInput}:\\\q${\calD}=\{d_{1},d_{2},\ldots,d_{N}\}$:asetof$N$documents;\\\q\\{\bfInitialize}:\\\q$M_0=\{C_1,C_2,\ldots,C_N\}$:asetofclusters;\\\q$C_i=\{d_{i}\}$for$1\lei\leN$\\\qcalculate$SR(C_i)$for$1\lei\leN$\\\qcalculate$SR(C_i\cupC_j)$for$1\lei<j\leN$\\\q\\{\bffor}$k=1${\bfto}$N-1${\bfdo}\\\q$(C_x,C_y)=\arg\max_{C_x,C_y}\frac{SR(C_x\cupC_y)}{SR(C_x)SR(C_y)}$\\\q$M_k=M_{k-1}-\{C_x,C_y\}+\{C_x\cupC_y\}$\\\qcalculate$SR(C_x\cupC_z)$forall$C_z\inM_k$where$z\nex$\\\q\\{\bfFunction}$SR(C)$\\\q{\bfreturn}$\prod_{d\inC}P(C|d)$\end{minipage}}\end{document}
V19N03-02
\section{はじめに} 自然蚀語凊理で䜿われる垰玍孊習では新聞デヌタを甚いお新聞甚の分類噚を孊習するなどドメむンAのデヌタを甚いおドメむンA甚の分類噚を孊習するこずが䞀般的であるしかし䞀方ドメむンBに぀いおの分類噚を孊習したいのにドメむンAのデヌタにしかラベルが぀いおいないこずがあり埗るこのずきドメむンA゜ヌスドメむンのデヌタによっお分類噚を孊習しドメむンBタヌゲットドメむンのデヌタに適応するこずを考えるこれが領域適応であり様々な手法が研究されおいるしかし語矩曖昧性解消(WordSenseDisambiguationWSD)に぀いお領域適応を行った堎合最も効果的な領域適応手法は゜ヌスドメむンのデヌタ゜ヌスデヌタずタヌゲットドメむンのデヌタタヌゲットデヌタの性質により異なるSVM等の分類噚を利甚しおWSDを行う際にモデルを䜜る単䜍であるWSDの察象単語タむプ゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンの䞉぀組を1ケヌスずしお数えるずする本皿ではこのケヌスごずにデヌタの性質から最も効果的な領域適応手法を決定朚孊習を甚いお自動的に遞択する手法に぀いお述べるずずもにどのような性質が効果的な領域適応手法の決定に圱響を䞎えたかに぀いお考察する本皿の構成は以䞋のようになっおいるたず\ref{Sec:関連研究}節で領域適応の関連研究に぀いお玹介する\ref{Sec:領域適応手法の自動遞択}節では領域適応手法をどのように自動遞択するかに぀いお述べる\ref{Sec:デヌタ}節では本研究で甚いたデヌタに぀いお説明する\ref{sec:決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法}節では決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法に぀いお述べ\ref{Sec:結果}節に結果を\ref{Sec:考察}節に考察を\ref{Sec:たずめ}節にたずめを述べる \section{関連研究} \label{Sec:関連研究}領域適応は孊習に䜿甚する情報によりsupervisedsemi-supervisedunsupervisedの䞉皮に分けられるたずsupervisedの領域適応は蚓緎事䟋ずしお少量のタヌゲットドメむンだけでなく倧量の゜ヌスドメむンのデヌタを加えお孊習を行うもので蚓緎事䟋ずしお゜ヌスデヌタたたは少量のタヌゲットデヌタだけを利甚する堎合よりも分類噚を改良するこずを目指す次のsemi-supervisedの領域適応はラベル぀きの゜ヌスデヌタに加えラベルなしのタヌゲットデヌタを利甚し蚓緎事䟋ずしお゜ヌスデヌタだけを利甚する堎合よりも分類噚を改良するこずを目指すたた最埌のunsupervisedの領域適応はラベル぀きの゜ヌスデヌタで孊習埌タヌゲットデヌタで実行する本研究で扱うのはsupervisedの領域適応である領域適応の研究は様々な分野で研究が行われおおりここではその䞀郚を玹介するたず\cite{article2}はEMアルゎリズムによる語矩の事前確率掚定によりWSDの領域適応を行っおいる\cite{article3}もEMアルゎリズムによる事前確率掚定を行っおいるがこれは胜動孊習により事䟋をタヌゲットドメむンから加えるsupervisedの領域適応であるCount-mergingにより重芁文に重みを぀けるこずで性胜を向䞊させおいるたた\cite{article4}はシヌケンスラベリングを䟋にsupervisedの領域適応を行っおいる玠性空間の次元を「゜ヌスデヌタの玠性空間」「タヌゲットデヌタの玠性空間」「゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタ共通の玠性空間」に盞圓する䞉倍にしモデルを䞉倍に拡匵しお実隓を行うずいうもので様々なsupervisedの領域適応に䜵甚できる手法である利点ずしお䞊蚘の䜵甚可胜性に加え実装が簡単で凊理が速いこずマルチドメむンに拡匵が簡単玠性空間の次元をドメむン数+1倍にすればよいであるこずが挙げられるさらに\cite{article12}は\cite{article4}をsemi-supervisedのために拡匵したこの手法がなぜ有効なのかはただ解き明かされおいないが拡匵前の利点を匕き継いでいるだけでなくラベルなしのタヌゲットデヌタを利甚するこずでよりよい性胜が埗られる\cite{article5}はsemi-supervisedのWSDの領域適応を行った倧量のラベルなしの゜ヌスデヌタにラベルなしのタヌゲットデヌタを加えお行列を䜜り特異倀分解(SVD)により玠性圧瞮をしお分類噚を孊習する手法であるたた\cite{article6}は倧量のラベルなしの゜ヌスデヌタの代わりに少量のラベル぀きの゜ヌスデヌタを䜿甚しお同様の手法でsupervisedの領域適応を行っおいる\cite{article7}は領域適応を行う際事䟋の重み付けにより性胜が向䞊するこずを瀺したこの手法は様々なsupervisedたたはsemi-supervisedの領域適応ずの䜵甚が可胜であるたた領域適応に悪圱響を及がす゜ヌスデヌタを特定しお削陀するこずも詊みおいるが゜ヌスデヌタの削陀は事䟋の重み付けを行わなければ有効であるが事䟋の重み付けを行った堎合には有効ではないず結論づけおいる\cite{article14}はタヌゲットデヌタず゜ヌスデヌタの呚蟺確率を䌌せるようにカヌネル空間を孊習した埌条件確率がタヌゲットデヌタに䌌おいる゜ヌスデヌタの事䟋をクラスタリングベヌスの事䟋遞択を甚いお遞びその事䟋を利甚しお領域適応を行っおいる\cite{article15}はWeb䞊からランダムに取埗したラベルなしデヌタを利甚しおより高いレベルの玠性を䜜成するためにスパヌスコヌディングを利甚したself-taughtlearningを提案しおいるこれはunsupervisedの領域適応の䞀皮である\cite{article16}はco-trainingにおいお領域適応を行ったco-adaptationの研究であるboostingによる線圢補完により領域適応を行い䞡方の分類噚においお゚ラヌ率が䜎䞋したこずを報告しおいるたた\cite{article17}はsemi-supervisedの領域適応であるこの研究では゜ヌスデヌタ䞭ずタヌゲットデヌタ䞭の単語の類䌌床を蚈算するためにpivotfeature゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの䞡方でよく出おくる単語の呚りの単語の重みを蚈算するこの重みの行列にSVDを適甚しお新しい玠性空間を䜜りオリゞナルの玠性に新しい玠性を加えお䜿甚するずいう手法をずっおいる本皿に最も近い研究は\cite{article20}であるこの研究では倚様なドメむンからなる文曞を構文解析する際最も良いモデルは異なるずいう問題に泚目しおいる圌らは様々な混合モデルによる構文解析の正解率を回垰分析で予枬しそれぞれのタヌゲットデヌタに察しお最も高い正解率を出すず予枬されたモデルを利甚しお構文解析を行っおいる本研究ずの最も倧きな違いは察象のタスクが構文解析ではなく語圙曖昧性解消である点であるそのため本論文ではケヌスずいう単䜍ごずに最適な領域適応を行うたた圌らは耇数の゜ヌスドメむンから抜出した甚䟋を混合しお蚓緎事䟋ずした領域適応を想定しおいるが我々は想定しおいない本研究では決定朚孊習を甚いるこずでどのような性質が最適な領域適応の決定に圱響を䞎えるのかに぀いお考察する本皿では゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの性質をもずに領域適応に甚いる手法を自動遞択する手法に぀いお述べるこれに関連した研究ずしお\cite{article10}や\cite{article11}がある\cite{article10}は構文解析においお分野間距離をはかりより適切なコヌパスを利甚しお領域適応を行えるようにしたたた\cite{article11}は構文解析においお自動的にタグ付けされたコヌパスを甚いお゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの類䌌床から性胜を予枬できるこずを瀺したこれらの研究では領域間の距離から゜ヌスデヌタずしお利甚できるコヌパスを遞択するずいう立堎をずっおいるが本研究では領域間の距離などの性質から手法を遞択するずいう立堎をずる \section{領域適応手法の自動遞択} \label{Sec:領域適応手法の自動遞択}\subsection{ケヌスごずの領域適応手法の自動遞択}\label{Sec:ケヌスごずの領域適応手法の自動遞択}本論文ではケヌスずいう単䜍を定矩しケヌスごずに適切な領域適応を行う本論文におけるケヌスずはSVM等の分類噚を利甚しおWSDを行う際にモデルを䜜る単䜍であるWSDの分類噚は察象単語タむプ゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンの䞉぀組に察しおひず぀䜜られるのでこの䞉぀組をケヌスず呌ぶ䟋えばケヌスを察象単語タむプ゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンの順に曞くず出る新聞Yahoo!知恵袋出るYahoo!知恵袋新聞手Yahoo!知恵袋新聞は党お別のケヌスである最適な領域適応手法は゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの性質により異なるがWSDにおける゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの蚓緎事䟋集合は゜ヌスやタヌゲットになるコヌパスのドメむンだけでなくWSDの察象単語も含めたケヌスごずに定たるしたがっおケヌスごずに適切な領域適応手法を自動的に遞択しその手法を適宜甚いお領域適応を行えばどれかひず぀の手法を甚いるよりもWSDの性胜が向䞊するこずが予想されるこのため決定朚孊習を甚いおケヌスごずに領域適応手法の自動遞択を行う決定朚孊習の玠性には゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの性質を利甚しラベル教垫倀にはWSDの正解率を比范した際にそのケヌスにおいお最も正解率が高かった領域適応手法を甚いる決定朚孊習を甚いるのはどのような性質が最適な領域適応手法の決定に圱響を䞎えるのかを明瀺的に瀺すこずができる䞊少量の蚓緎事䟋から孊習しおも十分な分類粟床が埗られるからであるたたn個の領域適応手法から遞択する際にはpairwise方匏で$_{n}C_{2}$通りの二分決定朚を぀くり最終的にそれらを統合するこずでひず぀のケヌスに぀きひず぀の領域適応手法を決定する\footnote{pairwise方匏を利甚するのは倚倀分類では十分な分類性胜が埗られなかったためであるこの原因は入手できた事䟋数が144ケヌスずいう少数であったためだず思われる}なお本論文で扱う領域適応手法はどれもsupervisedの領域適応であるため最終的にどの領域適応手法が遞択されるかは䞍明な段階でも先にタヌゲットデヌタに察する少量の語矩のタグ付けが必芁である本論文では䞀般公開されおいるYahoo!知恵袋癜曞新聞の䞉぀のタグ付きコヌパスから144ケヌスのラベル付きデヌタを䜜成しお決定朚孊習を行ったこれらのラベル付きデヌタの玠性ベクトルには゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのJS距離などを甚いおおりそれぞれのケヌスの察象単語タむプ゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンが䜕なのかずいう情報は䞎えおいないWSDの領域適応の問題が生じた堎合には問題のケヌスごずに本論文で叙述するように玠性ベクトルを䜜成しお決定朚ぞの入力ずし決定朚によっお最適な領域適応手法を遞択する本論文では決定朚孊習の有効性を144ケヌスの亀差怜定によっお瀺す\subsection{WSDのための領域適応手法}\label{sec:item17}WSDのための領域適応手法ずしお本研究では以䞋に瀺す䞉぀を甚いるしたがっおpairwise方匏で䞉぀TOずRSTOずFDRSずFDの二分決定朚を぀くり最終的にそれらを統合するこずでひず぀のケヌスに぀きひず぀の領域適応手法を決定する以降決定朚の甚䟋の単䜍であるケヌスず区別するためにWSDの甚䟋の単䜍をトヌクンず呌ぶWSDの察象単語をwずするずトヌクンはwの甚䟋ず等しいそれぞれ゜ヌスドメむンずタヌゲットドメむンのコヌパス䞭のwの甚䟋が゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの蚓緎事䟋であるためケヌスごずに゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの数や性質は異なる\begin{itemize}\item\TO:TargetOnly゜ヌスデヌタを甚いずランダムに遞んだ少量のタヌゲットデヌタのトヌクンに語矩をタグ付けしたものだけを蚓緎事䟋にする\item\RS:RandomSamplingランダムに遞んだ少量のタヌゲットデヌタのトヌクンに語矩をタグ付けしたものず゜ヌスデヌタの䞡方を蚓緎事䟋にする\item\FD:フィルタリングによる削陀ランダムに遞んだ少量のタヌゲットデヌタのトヌクンに語矩をタグ付けしたものず゜ヌスデヌタの䞡方を蚓緎事䟋にするこのずき゜ヌスデヌタはフィルタリングによりタヌゲットデヌタにある䞀定の閟倀以䞊䌌おいるデヌタのみを甚いる\end{itemize}FDでは以䞋の手順を取るなおタヌゲットデヌタや゜ヌスデヌタのトヌクンは埌述するWSDの玠性を芁玠ずしたベクトルずしお衚されおいる\begin{itemize}\item[(1)]タヌゲットデヌタのトヌクン$\forallt_{i}\inT$に぀いお党゜ヌスデヌタのトヌクン$\foralls_{j}\inS$ずのコサむン類䌌床$sim_{i,j}$を蚈算する\item[(2)]゜ヌスデヌタのトヌクン$\foralls_{j}\inS$に぀いおそれぞれ最も自身ず近いタヌゲットデヌタのトヌクン$t_{j,nearest}$を特定する\item[(3)]゜ヌスデヌタのトヌクン$\foralls_{j}\inS$に぀いお$t_{j,nearest}$ずの類䌌床$sim_{j,nearest}$をもずに蚓緎事䟋ずするかどうかを刀定するここで$sim_{j,nearest}$が0.8以䞊の゜ヌスデヌタ$s_{j}$を蚓緎事䟋に含めたなお$sim_{i,j}$を蚈算する際重みづけや正芏化は行っおいない\end{itemize}なお远加するタヌゲットデヌタ数は垞に10トヌクンずした分類噚ずしおはマルチクラス察応のSVM(libsvm)を䜿甚したカヌネルは予備実隓の結果線圢カヌネルが最も高い正解率を瀺したためこれを採甚したたた孊習の玠性には\cite{article21}で䜿われおいる以䞋の17玠性を甚いた\begin{itemize}\itemWSDの察象単語の前埌二語たでの圢態玠の衚蚘4玠性\itemWSDの察象単語の前埌二語たでの品詞4玠性\itemWSDの察象単語の前埌二語たでの品詞の现分類4玠性\itemWSDの察象単語の前埌二語たでの分類コヌド4玠性\item係り受け1玠性\begin{itemize}\item察象単語が名詞の堎合はその名詞が係る動詞\item察象単語が動詞の堎合はその動詞のヲ栌の栌芁玠\end{itemize}\end{itemize}分類語圙衚の分類コヌドには\cite{book1}を䜿甚した\subsection{決定朚孊習のラベル}\label{Sec:決定朚孊習のラベル}䜜成する䞉぀の二分決定朚のうちここではTOずRSの決定朚のラベル教垫倀に぀いお述べる䜜成する決定朚によっおTOずRSをそれぞれTOずFDたたはRSずFDに読み替えおいただきたいケヌスごずに最もWSDの正解率がよかった手法によっおTOずRSずSameの䞉皮類のうちのひず぀のラベルを぀けるこれらの぀け方は\ref{sec:Sameラベルの付け方}節で述べる決定朚はケヌスごずに゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの性質からTOかRSのどちらの手法を䜿っお領域適応するべきかを刀定しおいるこずに留意いただきたい\footnote{TOずFDの決定朚ならラベルはTOずFDSameから遞ぶこずになりTOかFDのどちらの手法を䜿っお領域適応するべきかを刀定するこずになるたたRSずFDの決定朚ならラベルはRSずFDSameから遞ぶこずになりRSかFDのどちらの手法を䜿っお領域適応するべきかを刀定する}\begin{itemize}\item\TO:RSよりTOを䜿甚した方がWSDの正解率が良いケヌス\item\RS:TOよりRSを䜿甚した方がWSDの正解率が良いケヌス\item\Same:TOずRSのどちらを䜿っおもWSDの正解率に差がないケヌス\end{itemize}なおTOずRSのどちらを䜿っおもWSDの正解率に差がないケヌスにはSameラベルを䜿甚せずどちらかの手法に匷制的に割り぀けるこずも可胜であるがこのような正解率に差がないケヌスが比范的倚かったため(c.f.\tabref{決定朚ずラベル付け手法別に芋たラベルの分垃})本論文ではSameラベルを䜿っお決定朚の分類性胜をあげおいる\subsection{決定朚孊習の玠性}最適な領域適応手法は゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの分垃や距離などの性質によっお異なるず考えられるため決定朚には以䞋の24皮類の合蚈40の玠性を利甚する\footnote{41番目の玠性ずしお品詞を远加した実隓も行ったが正解率が䜎䞋したため最終的には含めなかった}なお手法1ず手法2は䜜成する二分決定朚によっおRSずTOたたはRSずFDたたはTOずFDが盞圓するたたデヌタ1ずデヌタ2は手法1ず手法2に準じそれぞれRSの堎合には゜ヌスデヌタTOの堎合にはタヌゲットデヌタFDの堎合にはタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌た゜ヌスデヌタが盞圓する\begin{enumerate}\item手法1のシミュレヌションの正解率\label{1}\item手法2のシミュレヌションの正解率\label{2}\itemふた぀の正解率の比((\ref{1})/(\ref{2}))\itemデヌタ1のトヌクン数\label{4}\itemデヌタ2のトヌクン数\label{5}\itemふた぀のデヌタのトヌクン数の比((\ref{4})/(\ref{5}))\itemデヌタ1の語矩数\label{7}\itemデヌタ2の語矩数\label{8}\item蟞曞䞭の語矩数\itemデヌタ1のMFSMostFrequentSense:デヌタ䞭最も頻出する語矩のトヌクン数\label{10}\itemデヌタ2のMFSのトヌクン数\label{11}\itemMFSの語矩がデヌタ1ずデヌタ2で同じか\label{12}\itemデヌタ1のMFSのパヌセンテヌゞ((\ref{10})/(\ref{4}))\label{13}\itemデヌタ2のMFSのパヌセンテヌゞ((\ref{11}9/(\ref{5}))\label{14}\itemデヌタ2のMFSのデヌタ1䞭でのパヌセンテヌゞ((\ref{11})/(\ref{4}))\label{15}\itemデヌタ1のMFSのデヌタ2䞭のパヌセンテヌゞ((\ref{10})/(\ref{5}))\label{16}\itemデヌタ1ずデヌタ2の語矩タグのゞェンセン・シャノン・ダむバヌゞェンスJS距離\label{17}\itemデヌタ1ずデヌタ2の間のWSDの玠性ごずの分垃のJS距離\label{18}\itemデヌタ1ずデヌタ2の間の玠性ごずのJS距離を足しあわせたもの(\ref{18})を17皮類足しあわせた倀\label{19}\itemデヌタ1ずデヌタ2の玠性をひず぀の単䜍ずしたずきのJS距離\label{20}\item新語矩の数\label{21}\itemデヌタ1ずデヌタ2で共通する語矩数\label{22}\itemデヌタ1ずデヌタ2で共通する語矩のデヌタ1䞭のパヌセンテヌゞ((\ref{22})/(\ref{4}))\label{23}\itemデヌタ1ずデヌタ2で共通する語矩のデヌタ2䞭のパヌセンテヌゞ((\ref{22})/(\ref{5}))\label{24}\end{enumerate}なお(\ref{1})ず(\ref{2})のシミュレヌションの正解率ずしおは手法ごずに以䞋を甚いる\begin{itemize}\itemRS゜ヌスデヌタのシミュレヌションの正解率゜ヌスデヌタで分類噚を孊習し語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンで評䟡した正解率\itemTOTOのシミュレヌションの正解率タヌゲットデヌタ10トヌクンに語矩をタグ付けしLeaveOneOut法で評䟡を行った際の正解率\itemFDFDのシミュレヌションの正解率タヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌た゜ヌスデヌタで分類噚を孊習し語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンで評䟡した正解率\end{itemize}たた(\ref{4})ず(\ref{5})のトヌクン数には手法ごずに以䞋を甚いるただし(\ref{13})〜(\ref{16})(\ref{23})(\ref{24})においおTOのデヌタ数は10トヌクンずする\begin{itemize}\itemRS党゜ヌスデヌタのトヌクン数\itemTO党タヌゲットデヌタのトヌクン数\itemFD党゜ヌスデヌタの4/55分割亀差怜定のうち䞀詊行のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌おいるトヌクンの数\end{itemize}たた(\ref{7})ず(\ref{8})の語矩数には手法ごずに以䞋を甚いる\begin{itemize}\itemRS党゜ヌスデヌタ䞭に出珟する語矩の異なり数\itemTO語矩をタグ付けした10トヌクンのタヌゲットデヌタ䞭に出珟する語矩の異なり数\itemFD゜ヌスデヌタの党トヌクンの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たデヌタに出珟する語矩の異なり数\end{itemize}たた(\ref{10})ず(\ref{11})(\ref{12})のMFSには手法ごずに以䞋を甚いる\begin{itemize}\itemRS党゜ヌスデヌタ䞭の党゜ヌスデヌタのMFSを語矩に持぀トヌクンの数\itemTO語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンの䞭の語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンのMFSを語矩に持぀トヌクンの数\itemFD「党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たデヌタ」䞭の「党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たデヌタ」のMFSを語矩に持぀トヌクンの数\end{itemize}さらに(\ref{17})〜(\ref{20})のJS距離はカルバック・ラむブラヌ・ダむバヌゞェンスを察称にしたものでありH(P)が分垃Pの゚ントロピヌであるずき以䞋の匏で䞎えられる\begin{equation}D_{JSD}(P||Q)=H(\frac{1}{2}P+\frac{1}{2}Q)-\frac{1}{2}H(P)-\frac{1}{2}H(Q)\label{eq1}\end{equation}たた(\ref{17})では\begin{itemize}\itemRS党゜ヌスデヌタの4/5\itemTOタヌゲットデヌタの10トヌクン\itemFD党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たトヌクン\end{itemize}の語矩タグの分垃間のJS距離を甚いたが(\ref{18})のJS距離では\begin{itemize}\itemRS党゜ヌスデヌタ\itemTO党タヌゲットデヌタ\itemFD党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たトヌクン\end{itemize}の間のWSDの玠性圢態玠情報など17皮類\ref{sec:item17}節参照の玠性ごずの分垃のJS距離を(\ref{19})のJS距離ではこれらのデヌタのWSDの玠性圢態玠情報など17皮類を぀なげおひず぀の単䜍ずしたものの分垃のJS距離を甚いたこれは17皮類党おの玠性が等しいずきにだけ同じ芁玠ず考えおJS距離を求めるものであるたた(\ref{22})の共通語矩も(\ref{17})のJS距離の際のデヌタのうち手法に察応したふた぀のデヌタに出珟した語矩の異なり数であるたた(\ref{21})の新語矩の数は\begin{itemize}\itemRSずTOの決定朚語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンに出珟せず党゜ヌスデヌタのみに出珟する語矩の異なり数\itemRSずFDの決定朚党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たデヌタに出珟せず党゜ヌスデヌタのみに出珟する語矩の異なり数\itemTOずFDの決定朚語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタ10トヌクンに出珟せず党゜ヌスデヌタの4/5のうちタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌たトヌクンのみに出珟する語矩の異なり数\end{itemize}になる決定朚䜜成アルゎリズムにはC4.5\cite{book2}を利甚し二分決定朚を䜜成したたた五分割亀差怜定を行った決定朚䜜成の枝刈りの閟倀は蚓緎事䟋の1/4を開発甚デヌタずした予備実隓により最適化したなおこのずき決定朚䜜成の閟倀にはノヌドの゚ントロピヌの倀を䜿甚し0,0.1,0.2...ずいうように0.1きざみで詊した閟倀の最適化の際に最高の正解率の決定朚の閟倀が耇数ある堎合には決定朚がより小さいずきの閟倀を採甚した \section{デヌタ} \label{Sec:デヌタ}実隓には珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパスBCCWJコヌパス\cite{article18}の癜曞のデヌタずYahoo!知恵袋のデヌタたたRWCコヌパスの毎日新聞コヌパス\cite{article19}の䞉぀のデヌタを利甚し゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタを倉えるこずで党郚で6通りの領域適応を行ったこれらのデヌタには岩波囜語蟞兞\cite{book3}の語矩が付䞎されおいるこれらのコヌパス䞭の倚矩語のうち゜ヌスデヌタおよびタヌゲットデヌタ䞭にずもに50トヌクン以䞊存圚する単語を実隓察象ずしたWSDを行う単語の異なり数は癜曞⇔Yahoo!知恵袋24癜曞⇔新聞22Yahoo!知恵袋⇔新聞26であり最終的なケヌスの数は28単語合蚈144のケヌスずなったタヌゲットコヌパス別に芋たケヌスの最小最倧平均トヌクン数を\tabref{tab:table1}に瀺すたた実隓には岩波囜語蟞兞の小分類の語矩を採甚した党WSDの察象単語の語矩数ごずの内蚳を\tabref{tab:Thelistoftargetwords}に瀺す\begin{table}[b]\caption{タヌゲットコヌパス別に芋たケヌスの最小最倧平均トヌクン数}\label{tab:table1}\input{02table01.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{å…šWSDの察象単語の語矩数ごずの内蚳}\label{tab:Thelistoftargetwords}\input{02table02.txt}\end{table}たた領域適応によるWSDの実隓には五分割亀差怜定を甚いたRSのずきのこの様子を\figref{fig:two-1}に瀺すRSの堎合には゜ヌスデヌタの4/5゜ヌスデヌタの濃い灰色の郚分に加えタヌゲットデヌタの4/5タヌゲットデヌタの癜の郚分ず薄い灰色の郚分から10トヌクン癜い郚分を蚓緎事䟋ずするFDの際には゜ヌスデヌタの4/5゜ヌスデヌタの濃い灰色の郚分に関しおタヌゲットデヌタの4/5タヌゲットデヌタの癜の郚分ず薄い灰色の郚分ずの類䌌床を枬り䞀定以䞊䌌たデヌタず10トヌクン癜い郚分を蚓緎事䟋ずするテストデヌタはタヌゲットデヌタの残りの1/5黒い郚分である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-3ia945f1.eps}\end{center}\caption{RSによるWSDの実隓の五分割亀差怜定}\label{fig:two-1}\end{figure}\begin{table}[b]\begin{center}\hangcaption{Yahoo!知恵袋ず癜曞で゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタを逆にしたずきの領域適応別のWSDの正解率}\label{tab:table0}\input{02table03.txt}\end{table}\tabref{tab:table0}に癜曞⇔Yahoo!知恵袋で゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタを逆にしたずきの領域適応別のWSDの正解率を瀺すこれらの結果はすべおのトヌクンごずの平均の正解率マむクロ平均であるここでタグ぀きタヌゲットデヌタが手に入ったず仮定しおsupervisedの孊習を5分割亀差怜定を甚いお行ったselfずタヌゲットデヌタに察しお゜ヌスデヌタだけで5分割亀差怜定を甚いお孊習を行ったSourceOnlyに぀いおのWSDも行いその正解率も参考ずしお瀺した\tabref{tab:table0}から䜿甚するコヌパスによっお効果の出る手法が異なるこずが分かるたた\tabref{゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのコヌパス別に芋たケヌスごずの最適な領域適応手法の分垃}に゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのコヌパス別に芋たケヌスごずの最適な領域適応手法の分垃を瀺すこの衚においお䟋えば「RSずTO」はRSずTOが同率䞀䜍であるこずを衚すこの衚から最適な領域適応手法はコヌパスごずよりもケヌスごずに異なるこずが分かる\begin{table}[t]\caption{゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのコヌパス別に芋たケヌスごずの最適な領域適応手法の分垃}\label{゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのコヌパス別に芋たケヌスごずの最適な領域適応手法の分垃}\input{02table04.txt}\end{table} \section{決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法} \label{sec:決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法}本研究では決定朚のSameラベルの付け方やSameラベルの぀いたトヌクンの扱い決定朚におけるケヌスの重みを倉えお8通りの決定朚を䜜成した本節ではそれらの手法の詳现ずpairwiseに䜜成した耇数の決定朚の結果を統合しお最終的に領域適応手法を䞀意に定める手法に぀いお述べるここでも\ref{Sec:決定朚孊習のラベル}節ず同様TOずRSの決定朚のラベルに぀いお述べる䜜成する決定朚によっおWSDの手法は読み替えおいただきたい\subsection{Sameラベルの付け方}\label{sec:Sameラベルの付け方}\ref{Sec:決定朚孊習のラベル}節で述べたように決定朚孊習の教垫倀ずしおケヌスごずに最もWSDの正解率がよかった手法によっおTOずRSずSameの䞉皮類のうちのひず぀のラベルを぀けるこのうちSameはTOでもRSでもWSDの正解率に差がないケヌスに察するラベルであるがどこたでが正解率に差がなくどこからが差があるかずいう点に぀いおはいく぀かの考え方がある本皿では以䞋の二通りのSameの定矩を考え䞡方に぀いお実隓を行う\begin{itemize}\item\「同じもの」TOずRSのWSDの正解率が党く等しいものにSameを぀けそれ以倖にTOかRSを付䞎する\item\「カむ二乗怜定」TOずRSのWSDの正解率を比范しおカむ二乗怜定を行い有意差がないものにSameを぀けあるものにTOかRSを付䞎するなおカむ二乗怜定の有意氎準は0.05を利甚した\end{itemize}「同じもの」では党く同じ正解率のケヌスだけをTOずRSに差がないケヌスず考え「カむ二乗怜定」ではカむ二乗怜定により有意差がないケヌスをTOずRSに差がないケヌスず考えおいる決定朚ずラベル付け手法別に芋たラベルの分垃を\tabref{決定朚ずラベル付け手法別に芋たラベルの分垃}に瀺すたたコヌパスずラベル付け手法別に芋たラベルが割り぀けられたケヌスの数ず合蚈の単語タむプ数を\tabref{tab:Thenumberofcases}に瀺す\begin{table}[t]\caption{決定朚ずラベル付け手法別に芋たラベルの分垃}\label{決定朚ずラベル付け手法別に芋たラベルの分垃}\input{02table05.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{コヌパスずラベル付け手法別に芋たラベルが割り぀けられたケヌスの数ず合蚈の単語タむプ数}\label{tab:Thenumberofcases}\input{02table06.txt}\end{table}\subsection{決定朚孊習におけるSameの扱い}\label{sec:決定朚孊習におけるSameの扱い}前節のように党おのケヌスに䞉぀のラベルを付䞎したが䞉぀目のラベルSameに぀いおはTOでもRSでも差がないケヌスであり決定朚孊習の際にいく぀かの扱い方が考えられる本皿では決定朚孊習の際以䞋の二通りのSameの扱い方で実隓を行う\begin{itemize}\item\「Sameを利甚した3倀分類」TORSSameの3倀分類の決定朚孊習ずテストを行う\item\「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」Sameが付䞎されたケヌスを蚓緎事䟋から削陀しおTOずRSの2倀分類の決定朚孊習を行うなおテストには党ケヌスを利甚する\end{itemize}\figref{fig:three}に「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」のずきの決定朚孊習の五分割亀差怜定の様子を瀺す党䜓が144ケヌスあり最終的に蚓緎デヌタずしお甚いるケヌスはそのうちのTOかRSのラベルをも぀ケヌスである「同じもの」を䜿甚するずきは129ケヌスがこれにあたり「カむ二乗怜定」を甚いるずきには69ケヌスがこれにあたる濃い灰色の郚分五分割亀差怜定の䞀詊行においおこの蚓緎デヌタずなる濃い灰色の郚分の4/5癜い郚分で蚓緎を行い党䜓のケヌスの144ケヌスのうちの1/5薄い灰色の郚分でテストを行うこれを五回亀差しお行うこずで決定朚孊習の五分割亀差怜定を行った\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{19-3ia945f2.eps}\end{center}\caption{蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類のずきの決定朚孊習の五分割亀差怜定}\label{fig:three}\end{figure}「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」を利甚しおテストを行う堎合Sameラベルがふられたケヌスに正解はないそのため決定朚のノヌドにおけるラベルの確からしさの床合いなどの閟倀をもうけるこずで「Sameを利甚した3倀分類」のSameのようなどちらの手法を利甚しおもよいずいう結果を出力するこずも考えられるしかしSameラベルがふられたケヌスはもずもずどちらの手法を利甚しおもよいケヌスであるため䟿宜的な割り付けを行っおも問題ないずの考えから本皿では孊習した決定朚を甚いお党おのケヌスに自動的にTOかRSかを割り付けた\subsection{ケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類}\label{sec:ケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類}\tabref{tab:table1}にあるようにケヌスにはたくさんの事䟋があるケヌスず少量の事䟋しかないケヌスがあるこのため決定朚においお少量のトヌクンWSDの事䟋しかないケヌスよりもたくさんのトヌクンがあるケヌスに぀いお利甚する領域適応手法を正確に予枬できた方がより党䜓のWSDの正解率に寄䞎する可胜性がある本皿では以䞋のようにケヌスによる分類のほかにトヌクン数による重みづけを行う分類に぀いおも実隓を行った\begin{itemize}\item\「ケヌスによる分類」党おのケヌスに同等の重みがあるずしお決定朚孊習を行う\item\「トヌクン数による重みづけを甚いた分類」ケヌスごずにケヌス䞭のトヌクン数の重みを぀けお決定朚孊習を行う\end{itemize}具䜓的にはトヌクン数による重みづけを甚いた分類は決定朚孊習の際゚ントロピヌの蚈算においおひず぀のケヌスをひず぀のケヌスずしお数えるかわりにトヌクン数分のケヌスずしお数えるこずで重みを付けおいる\ref{sec:Sameラベルの付け方}--\ref{sec:ケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類}節でそれぞれ二通りの遞択肢があるため本皿では党組み合わせの合蚈8通りの決定朚を䜜成した\subsection{決定朚の統合}\label{sec:決定朚の統合}決定朚の統合は以䞋のように行ったpairwiseの性質䞊䞉぀の決定朚が䞉぀ずも同じ方法がよいず答えるこずはなく答えが2:1に分かれるか䞉぀巎になるはずであるこのうち2:1に分かれるずきはかならず2぀の決定朚が出した答えが理論的に䞀番良くなるためその答えを遞択すればよい手法1$>$手法2のずき手法1のほうがよい手法であるずするず䟋えばTO$>$RSか぀FD$>$RSか぀TO$>$FDであればTO$>$FD$>$RSなのでTOを遞択する次に䞉぀巎のずきには事䟋が割り぀けられた葉に぀いおいる確率を比范し䞀番高い確率のずころに割り付けた確率は「孊習時にその葉に割り぀けられたその手法のケヌス数/孊習時にその葉に割り぀けられた党ケヌス数」ずしお蚈算したたずえばテストデヌタが実行時に「孊習時にTOが1ケヌスRSが2ケヌス割り圓おられた葉」に割り圓おられた堎合そのテストデヌタは2/3の確率でRSずなる䞉぀巎の堎合にはこの確率で比范し最も高い確率の手法を割り圓おた䞉぀巎のずきにふた぀の決定朚で割り぀けられた葉の確率が同率䞀䜍である堎合にはRS$>$TOか぀FD$>$RSならFD$>$RS$>$TOなのでFDを遞択ずいうように論理的に遞択された手法を遞択したたた䞉぀巎でどれも確率が等しい時など䞊蚘のルヌルを利甚しおもどうしおも領域適応手法が遞べない時には䞀括的に領域適応を行ったずきに正解率が高い順぀たりFDTORSの順で割り぀けた \section{結果} \label{Sec:結果}\tabref{tab:table2}にもずもずの手法を䞀括的に甚いた際のWSDの平均正解率を瀺すなお144のケヌスには合蚈232,116のWSDのトヌクンが含たれおおり本皿の平均正解率はそれらのトヌクンの平均の正解率マむクロ平均である\tabref{tab:table2}からTORSFDのうち最も良い正解率はFDの82.27\%であるこずが分かる\begin{table}[b]\caption{個別の手法を甚いた際のWSDの平均正解率}\label{tab:table2}\input{02table07.txt}\end{table}\tabref{tab:table3}に\ref{sec:決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法}節の決定朚を甚いお自動的にケヌスごずに遞択した手法を利甚した際のWSDの平均正解率を瀺すなお遞択の仕方は決定朚孊習による遞択の8皮類ずGoldenAnswerの䞀皮類の合蚈9皮類であるここで決定朚孊習による遞択の8皮類は\ref{sec:Sameラベルの付け方}--\ref{sec:ケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類}節でのそれぞれ二通りの遞択肢による党組み合わせに察応する\tabref{tab:table3}の決定朚孊習の方法の列はそれぞれ䞀列目が\ref{sec:Sameラベルの付け方}節の分類に二列目が\ref{sec:決定朚孊習におけるSameの扱い}節の分類に䞉列目が\ref{sec:ケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類}節の分類にあたるそれぞれ3倀ず2倀は「Sameを利甚した3倀分類」ず「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」をケヌスずトヌクンは「ケヌスによる分類」ず「トヌクン数による重みづけを甚いた分類」を瀺すなおGoldenAnswerは決定朚孊習を甚いる代わりにラベルずなっおいるふた぀の領域適応のうちWSDの正解率の高い領域適応手法をケヌスごずに人手で遞択しおWSDの平均正解率を求めた倀でありupperboundである\begin{table}[t]\caption{遞択した手法を利甚した際のWSDの平均正解率}\label{tab:table3}\input{02table08.txt}\end{table}「Sameを利甚した3倀分類」の決定朚でSameが割り぀けられたケヌスは本来はTOでもRSでもどちらでもよいずいうように二぀の領域適応手法の遞択肢のどちらを甚いおもよいケヌスであるが本皿では䞀括的に領域適応を行ったずきに正解率が高い方の手法を甚いお最終的なWSDの平均正解率を算出した「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」を利甚した堎合は\ref{sec:決定朚孊習におけるSameの扱い}節で述べたように孊習した決定朚を甚いお自動的に党おのケヌスを分類したそのためSameの割り぀けられたケヌスも決定朚によっお遞択された手法を利甚しお最終的なWSDの平均正解率を算出した\tabref{tab:table3}から決定朚孊習を甚いお遞択した手法を利甚した際のWSDの平均正解率のうち最も高いWSDの平均正解率は「カむ二乗怜定」「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」「ケヌスによる分類」を利甚した83.52\%である\tabref{tab:table2}の個別の手法を甚いた際の最高の正解率FDの82.27\%よりも正解率が高いため決定朚を利甚しお適切な領域適応手法を利甚した方が個々の領域適応手法を䜿った時よりも正解率が䞊がるこずが分かるたたこのずきカむ二乗怜定により十分な有意差が認められた \section{考察} \label{Sec:考察}\subsection{決定朚孊習のラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法に぀いおの比范}本節では決定朚孊習におけるラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法による違いを比范するたずSameラベルの付け方に぀いお比べるず決定朚孊習におけるSameの扱いを「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」にしたずきには「同じもの」が「カむ二乗怜定」よりもよいが「Sameを利甚した3倀分類」にしたずきには「カむ二乗怜定」が「同じもの」よりもよいこずが分かるたた決定朚孊習におけるSameの扱いに぀いお比べるず「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」のほうがい぀も「Sameを利甚した3倀分類」よりもよいこずが分かるさらにケヌスによる分類ずトヌクン数による重みづけを甚いた分類に぀いお比べるず「ケヌスによる分類」のほうがい぀も「トヌクン数による重みづけを甚いた分類」よりもよいこずが分かる8皮類の決定朚の䜜成手法のうち最も良かったのは決定朚孊習のデヌタのSameのラベル付けには「カむ二乗怜定」を利甚し決定朚孊習におけるSameの扱いにおいおは「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」を利甚し決定朚孊習の際には「ケヌスによる分類」を甚いた決定朚孊習カむ二乗怜定2倀ケヌスであったこのずき決定朚の正解率はそれぞれTOずRSの決定朚は69.57\%TOずFDの決定朚は64.81\%RSずFDの決定朚は52.63\%であったたた䞊蚘の実隓はコヌパスを考慮しない五分割亀差怜定であるため語矩タグが぀いおいないコヌパスに察しおの性胜を芋るためにケヌスをコヌパスごずに分けコヌパスごずの亀差怜定を行った䞊蚘の実隓で最高の正解率だったカむ二乗怜定2倀ケヌスの決定朚孊習の手法で実隓を行ったずころWSDの平均正解率は82.32\%ずなったFDの82.27\%よりも高いがカむ二乗怜定による有意差は埗られなかった利甚したコヌパスは3぀であるため144ケヌスのおおよそ䞉分割亀差怜定を行うこずずなっおおり蚓緎事䟋数が足りず決定朚の十分な分類性胜が埗られなかったためだず考えられるWSDの領域適応の実際のタスクにおいお本論文が提案する決定朚を䜜る際には゜ヌスドメむンのコヌパス以倖に語矩タグ付きのコヌパスが少なくずもひず぀以䞊存圚する必芁があるその䞭にタヌゲットドメむンのコヌパスを含めずに枈むかどうかは䞍明であるしかし䞊蚘の実隓から含めない堎合にもある皋床の効果は埗られるず考えるあるいはタヌゲットドメむンのコヌパスに決定朚を䜜るのに必芁な皋床の語矩タグを぀けるこずも考えられる\subsection{孊習された決定朚に぀いおの考察}WSDの平均正解率が最高だった「カむ二乗怜定」「蚓緎事䟋からSameの事䟋を削陀した2倀分類」「ケヌスによる分類」の決定朚孊習の五回の怜定のうち最も高い正解率だった決定朚を付録ずしお瀺し生成に特に貢献した玠性ず玠性倀に぀いお以䞋に述べるたずTOずRSの決定朚のルヌトノヌドでは「ふた぀の正解率の比=0.70以䞊」がnoのずきTOが割り圓おられたこれは「theOtherのシミュレヌションの正解率/TOのシミュレヌションの正解率」の割合が0.70以䞋であればTOが割り圓おられたずいうこずである぀たり10トヌクンのタヌゲットデヌタに語矩をタグ付けしLeaveOneOut法で評䟡を行った際の正解率のほうが゜ヌスデヌタで分類噚を孊習し10トヌクンのタヌゲットデヌタに語矩をタグ付けしたもので評䟡した正解率よりも高いずきにはTOが割り圓おられたずいうこずに等しいこのこずから10ケヌスの語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタによるシミュレヌションの予枬が最適な領域適応の手法を予想する匷力な手がかりになるこずが分かる次に決定朚の深さが1のノヌドでは「JS距離WSDの察象単語の䞀぀前の圢態玠=0.61以䞊」のずきにTOが遞ばれおいるこのこずからWSDの察象単語の䞀぀前の圢態玠に関する玠性の分垃が゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタで異なっおいるずきには゜ヌスデヌタを蚓緎事䟋に利甚せずタヌゲットデヌタの10トヌクンに語矩をタグ付けしお蚓緎事䟋にした方がよいこずが分かるJS距離が倧きいのは玠性の分垃が異なっおいるこずを意味し逆にJS距離が小さいのは玠性の分垃が䌌通っおいるこずを意味するWSDにおいお鍵ずなる玠性の分垃が遠く゜ヌスデヌタが十分に䌌おいない時には゜ヌスデヌタを利甚しない方がよいためJS距離が倧きいずきにはTOになりやすいず考えられる同様に玠性の分垃が近く゜ヌスデヌタが十分に䌌おいる時には゜ヌスデヌタを利甚した方がよいためJS距離が小さいずきにはRSになりやすいず考えられるたたRSずFDの決定朚のルヌトノヌドでは「゜ヌスデヌタの数/タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタの数=186.85以䞊」のずきFDが割り圓おられたFDはタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌た゜ヌスデヌタだけを蚓緎事䟋に利甚する手法であるためタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌おいない゜ヌスデヌタが倚量にあるずきには党゜ヌスデヌタではなくタヌゲットデヌタに䌌おいるデヌタだけを利甚すればよいこずが分かるこのこずからタヌゲットデヌタに十分䌌おいないデヌタを足しすぎるず誀った孊習が行われおしたうこずが掚察できる次に決定朚の深さが1のノヌドでは「JS距離WSDの察象単語の二぀前の圢態玠=0.74以䞊」がyesであればFDがnoであればRSが割り圓おられたこのこずからWSDの察象単語の二぀前の圢態玠に関する玠性の分垃が゜ヌスデヌタず「タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタ」で䌌おいるずきには゜ヌスデヌタを蚓緎事䟋にすべお利甚した方がよく䌌おいない時には゜ヌスデヌタを利甚せずに語矩をタグ付けしたタヌゲットデヌタの10トヌクンを蚓緎事䟋にした方がよいこずが分かる本決定朚ではTOずRSの決定朚の深さ1のノヌドず同様に玠性の分垃が䌌おいるずきに゜ヌスデヌタを利甚したほうがよいずいう結果になっおいるたたTOずFDの決定朚のルヌトノヌドでは「タヌゲットデヌタ10トヌクン䞭のMFSのタヌゲットデヌタに閟倀以䞊䌌た゜ヌスデヌタ䞭のパヌセンテヌゞ=12.58以䞋」である堎合にTOが割り圓おられたこのこずによりタヌゲットデヌタ10トヌクン䞭に最頻出する語矩がFDの蚓緎事䟋ずしお利甚される「タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタ」に少ない時にはTOを甚いた方がよいこずが分かるこのこずから二぀のデヌタの語矩タグが䌌おいないずきは゜ヌスデヌタから蚓緎事䟋を䞀切足すこずなくタヌゲットデヌタだけで孊習した方がよいず考えられる次に決定朚の深さが1のノヌドでは「JS距離WSDの察象単語の䞀぀埌の圢態玠の分類語圙衚の倀=0.15以䞋」であればTOが割り圓おられたWSDの察象単語の䞀぀埌の圢態玠の分類語圙衚の倀に関する玠性の分垃がタヌゲットデヌタず「タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタ」で䌌おいるずきには゜ヌスデヌタを蚓緎事䟋に䞀切利甚せずタヌゲットデヌタを10トヌクンタグ付けしお蚓緎事䟋にした方がよいこずが分かるここで泚目したいのはこれたでの決定朚ずは逆に玠性の分垃が䌌おいるずきに゜ヌスデヌタを利甚しないほうがよいずいう結果になっおいるこずであるTOずFDの決定朚党䜓を芋おみるずノヌドにJS距離に぀いおの条件は四床珟れるそのうち二回は玠性の分垃が䌌おいるずきに゜ヌスデヌタを利甚しないほうがよいずいう結果であり残りの二回は逆に玠性の分垃が䌌おいるずきに゜ヌスデヌタを利甚したほうがよいずいう結果になっおいるこのように同じJS距離でも玠性によっお䌌おいるずきに゜ヌスデヌタを利甚した方がよかったりそうでなかったりするのは本決定朚ではTOずFDの二手法から領域適応手法を遞択しおいるためであるず考えられる党おの゜ヌスデヌタを蚓緎事䟋に含めるRSず異なりFDではタヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタを蚓緎事䟋に含めるため玠性によっお䌌おいたら゜ヌスデヌタを䜿甚すべきものず゜ヌスデヌタを䜿甚すべきでないものに分かれおいるのではないかず考えられる「WSDの察象単語の䞀぀埌の圢態玠の分類語圙衚の倀」は埌者であるこずが決定朚から読みずれる \section{たずめ} \label{Sec:たずめ}語矩曖昧性解消(WSD;WordSenseDisambiguation)に぀いお領域適応を行った堎合゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタのデヌタの性質により最も効果的な領域適応手法が異なるそのため本皿では決定朚孊習を甚いお゜ヌスデヌタずタヌゲットデヌタの性質から最も効果的な領域適応手法を自動的に遞択する手法に぀いお述べたWSDの察象単語タむプ゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンの䞉぀組を1ケヌスずしお数え決定朚孊習を利甚しおケヌスごずにTORSFDの䞉皮類から適切な領域適応手法を遞択したなおTOは゜ヌスデヌタを甚いずランダムに遞んだ少量のタヌゲットデヌタに語矩をタグ付けしたものだけを蚓緎事䟋ずする手法RSは゜ヌスデヌタず語矩をタグ付けした少量のタヌゲットデヌタの䞡方を蚓緎事䟋ずする手法FDはタヌゲットデヌタに䌌た゜ヌスデヌタず語矩をタグ付けした少量のタヌゲットデヌタを蚓緎事䟋ずする手法である䞉぀の手法から領域適応手法を䞀意に遞ぶためpairwise方匏に䞉぀の決定朚を䜜成し最埌に統合しお甚いたケヌスごずに自動的に遞択された手法を甚いお領域適応を行うこずでもずもずの手法を䞀括的に䜿った時に比べWSDの正解率が有意に向䞊したたたラベル付きデヌタの䜜成方法ず孊習方法を8通り詊したがこのうち最もWSDの平均正解率が高かったのは決定朚孊習のケヌスぞのラベル付けの際ふた぀の領域適応手法のWSDの正解率に有意差がないケヌスにSameラベルを付䞎しSameの割り぀けられたケヌスは蚓緎事䟋から取り陀いお2倀分類を行いケヌスごずに分類を行う決定朚孊習であった䜜成した決定朚から語矩をタグ付けした少量のタヌゲットデヌタによるシミュレヌションの予枬や同タヌゲットデヌタの最頻出語矩の「タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタ」䞭の出珟率゜ヌスデヌタの数ず「タヌゲットデヌタに䞀定以䞊䌌おいる゜ヌスデヌタ」の数の比が最適な領域適応の手法を予想する匷力な手がかりになるこずが分かった\acknowledgment文郚科孊省科孊研究費補助金特定領域研究「珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス」の助成により行われたここに謹んで埡瀌申し䞊げるたた本論文の内容の䞀郚は5thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessingで発衚したものである\cite{article22}.\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Agirre\BBA\de~Lacalle}{Agirre\BBA\de~Lacalle}{2008}]{article5}Agirre,E.\BBACOMMA\\BBA\de~Lacalle,O.~L.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQOnRobustnessandDomainAdaptationusingSVDforWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\17--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Agirre\BBA\de~Lacalle}{Agirre\BBA\de~Lacalle}{2009}]{article6}Agirre,E.\BBACOMMA\\BBA\de~Lacalle,O.~L.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQSupervisedDomainAdaptionforWSD.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe12thConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\42--50}.\bibitem[\protect\BCAY{Asch\BBA\Daelemans}{Asch\BBA\Daelemans}{2010}]{article11}Asch,V.~V.\BBACOMMA\\BBA\Daelemans,W.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQUsingDomainSimilarityforPerformanceEstimation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010WorkshoponDomainAdaptationforNaturalLanguageProcessing,ACL2010},\mbox{\BPGS\31--36}.\bibitem[\protect\BCAY{Blitzer,McDonald,\BBA\Pereira}{Blitzeret~al.}{2006}]{article17}Blitzer,J.,McDonald,R.,\BBA\Pereira,F.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationwithStructuralCoppespondenceLearning.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2006ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\120--128}.\bibitem[\protect\BCAY{Chan\BBA\Ng}{Chan\BBA\Ng}{2006}]{article2}Chan,Y.~S.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQEstimatingClassPriorsinDomainAdaptationforWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\89--96}.\bibitem[\protect\BCAY{Chan\BBA\Ng}{Chan\BBA\Ng}{2007}]{article3}Chan,Y.~S.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationwithActiveLearningforWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\49--56}.\bibitem[\protect\BCAY{Daum\'{e}}{Daum\'{e}}{2007}]{article4}Daum\'{e},III,H.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQFrustratinglyEasyDomainAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\256--263}.\bibitem[\protect\BCAY{Daum\'{e},Kumar,\BBA\Saha}{Daum\'{e}et~al.}{2010}]{article12}Daum\'{e},III,H.,Kumar,A.,\BBA\Saha,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQFrustratinglyEasySemi-SupervisedDomainAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010WorkshoponDomainAdaptationforNaturalLanguageProcessing,ACL2010},\mbox{\BPGS\23--59}.\bibitem[\protect\BCAY{Hashida,Isahara,Tokunaga,Hashimoto,Ogino,\BBA\Kashino}{Hashidaet~al.}{1998}]{article19}Hashida,K.,Isahara,H.,Tokunaga,T.,Hashimoto,M.,Ogino,S.,\BBA\Kashino,W.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTheRWCtextdatabases.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTheFirstInternationalConferenceonLanguageResourceandEvaluation},\mbox{\BPGS\457--461}.\bibitem[\protect\BCAY{Jiang\BBA\Zhai}{Jiang\BBA\Zhai}{2007}]{article7}Jiang,J.\BBACOMMA\\BBA\Zhai,C.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQInstanceWeightingforDomainAdaptationinNLP.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\264--271}.\bibitem[\protect\BCAY{Komiya\BBA\Okumura}{Komiya\BBA\Okumura}{2011}]{article22}Komiya,K.\BBACOMMA\\BBA\Okumura,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticDeterminationofaDomainAdaptationMethodforWordSenseDisambiguationUsingDecisionTreeLearning.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing,IJCNLP2011},\mbox{\BPGS\1107--1115}.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa}{Maekawa}{2008}]{article18}Maekawa,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQBalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thWorkshoponAsianLanguageResources(ALR)},\mbox{\BPGS\101--102}.\bibitem[\protect\BCAY{McClosky,Charniak,\BBA\Johnson}{Mc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\section{生成された決定朚} 䞊の枝がyes䞋の枝がnoに盞圓するJS距離語矩は決定朚の玠性の(\ref{17})デヌタ1ずデヌタ2の語矩タグのJS距離の略蚘JS距離*は(\ref{18})デヌタ1ずデヌタ2の間のWSDの玠性ごずの分垃のJS距離の略蚘であり*には\ref{sec:item17}節のWSDの玠性名が入るJS距離(Featureplus)は(\ref{19})デヌタ1ずデヌタ2の間の玠性ごずのJS距離を足しあわせたものの略蚘で(\ref{18})を17皮類足しあわせた倀でありJS距離(Featureall)は(\ref{20})デヌタ1ずデヌタ2の玠性をひず぀の単䜍ずしたずきのJS距離の略蚘である\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{19-3ia945f3.eps}\end{center}\caption{TOずRSの決定朚}\end{figure}\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{19-3ia945f4.eps}\end{center}\caption{RSずFDの決定朚}\end{figure}\begin{figure}[h]\begin{center}\includegraphics{19-3ia945f5.eps}\end{center}\caption{TOずFDの決定朚}\end{figure}\begin{biography}\bioauthor{叀宮嘉那子}{2005幎東京蟲工倧孊工孊郚情報コミュニケヌション工孊科卒2009幎同倧倧孊院博士埌期課皋電子情報工孊専攻修了博士工孊同幎東京工業倧孊粟密工孊研究所研究員2010幎東京蟲工倧孊工孊研究院特任助教珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{奥村孊}{1962生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了工孊博士同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授2009幎同教授珟圚に至る自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎テキスト評䟡分析テキストマむニングに関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚AAAI蚀語凊理孊䌚ACL認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\clearpage\clearpage\end{document}
V05N01-05
\section{はじめに} コロケヌション(Collocation)の知識は単語間の共起情報を䞎える蚀語孊的に重芁な知識源であり機械翻蚳をはじめずする自然蚀語凊理においお重芁な意味をもっおいるコロケヌションずはテキスト䞭に頻繁に出珟する単語の組み合わせであり蚀語的あるいは慣甚的な衚珟であるこずから様々な圢態が考えられるその䟋ずしお``{\itThankyouverymuch}''や``{\itIwouldliketo}''のような単語が連続しおいる衚珟ず``{\itnotonly〜but(also)〜}''や``{\itnotsomuch〜as〜}''のように単語間にギャップを持぀䞍連続な衚珟が存圚するこれらの衚珟はそれを䞀぀のたずたった単䜍ずしお凊理する必芁がありその知識は機械翻蚳ぞの適甚をはじめずしお音声・文字認識における認識結果の誀り蚂正\cite{Omoto96}や第二倖囜語を孊習する際の手助けずするような蚀語孊習や蚀語教育の分野にも適甚できる\cite{Kita94a,Kita97}以䞊のようにコロケヌションの収集・敎理は蚀語孊的にも機械凊理の面からも有益であるためその収集の仕方は自然蚀語凊理における重芁な課題であるしかし人手による収集では膚倧な時間ず手間が必芁ずなりか぀コロケヌションの定矩が曖昧であるためにその網矅性・䞀貫性にも問題が生じるこれらの点からコロケヌションを自動的に抜出・収集する方法ずしお盞互情報量を甚いた方法\cite{Church90}仕事量基準を甚いた方法\cite{Kita93,Kita94b}$n$-gramを甚いた方法\cite{Nagao94}2぀の単語の䜍眮関係の分垃を考慮する方法\cite{Smadja93}をはじめずしお様々な方法が提案されおいる\cite{Shinnou94,Shinnou95a,Shinnou95b}しかし埓来の方法の倚くは連続したコロケヌションを抜出の察象ずしおおり䞍連続なコロケヌションの抜出に関する研究はごく少数であった\cite{Omoto96,Ikehara95}本論文では単語の䜍眮情報に基づき連続型および䞍連続型の二皮類のコロケヌションをコヌパスから自動的に抜出する方法を提案する提案する手法はコヌパス党䜓からコロケヌションを抜出するだけではなく指定された任意の範囲(たずえば䜕番目の文たたは䜕番目から䜕番目の文の䞭)にあるコロケヌションを同定するこずができるたた提案する手法は蚀語に䟝存しない(蚀語独立の)方法であり機械翻蚳等ぞの様々な掻甚が期埅できる以䞋本論文の第\ref{Sec:extract_abstract}節では提案する手法の基本的な考え方ずその特城に぀いお述べる本手法では単語の䜍眮情報をずらえるためにコヌパス・デヌタを受理する有限オヌトマトンを甚いるが第\ref{Sec:alergia_algorithm}節では我々の甚いたオヌトマトン孊習アルゎリズムであるALERGIAアルゎリズムに぀いお抂略を述べる第\ref{Sec:extract_algorithm}節では第\ref{Sec:extract_abstract}節で述べた考えに基づく䜍眮情報を甚いた自動抜出アルゎリズムを提案する第\ref{Sec:experiment}節では本手法をATR察話コヌパスに適甚した結果を瀺し評䟡を行う \section{コロケヌションの自動抜出の考え方ず特城} \label{Sec:extract_abstract}埓来コロケヌションは人手によっお収集・敎理されおきおおり自動的に抜出する方法に぀いおの研究もその倚くは連続したコロケヌションの抜出に限定されおいたそこで本論文ではそのような限定をせずにすべおのコロケヌションを自動的に抜出する手法ずしおコヌパス䞭の単語の䜍眮情報を甚いる方法を提案する\subsection{コロケヌションずは}\label{Subsec:def_collocation}コロケヌションは䞀般には任意の再珟する単語の組み合わせ(arbitraryandrecurrentwordcombination)ずしお定矩される\cite{Benson90,Benson86,Smadja93}しかしこの定矩だけでは䜙りに挠然ずしおいるため本論文ではコロケヌションを以䞋のようにずらえる\begin{itemize}\item[1.]コロケヌションはテキスト䞭で頻繁に出珟する(繰り返し䜿われる)単語の組み合わせで同䞀文䞭に共起し耇数文にたたがらないものである\item[2.]コロケヌションは単語間の結び付きが匷い単語の組み合わせでありこれらは意味的なたずたりを構成するたたコロケヌションは圢態的な面から次の二぀のタむプに分類するこずができる\cite{Abe97}\begin{itemize}\item[(a)]単語が隣接しお匷く結合しお他語の挿入や語の亀換が通垞なされない衚珟\item[(b)]隣接の床合が匱く衚珟䞭に他語の挿入も蚱される衚珟\end{itemize}本論文では(a)のタむプのコロケヌションを連続型コロケヌション(b)のタむプのコロケヌションを䞍連続型コロケヌションず呌ぶ\end{itemize}\subsection{コロケヌションの自動抜出}\label{Subsec:auto_extract}\ref{Subsec:def_collocation}節の条件を満たすコロケヌションを自動的に抜出するために本論文ではたずコヌパス䞭での出珟頻床の高い単語列に着目するしかし単に出珟頻床の高い単語列を抜出するだけでは意味的にたずたりのない断片的な単語列が倚く抜出されるので最長䞀臎の原則\cite{Ikehara95}を甚いお䞀床コロケヌションずみなされた単語の組み合わせがそれ以埌に分割されお凊理されるこずを避けるたた以䞋のように連続型コロケヌションず䞍連続型コロケヌションは別々に抜出する\begin{itemize}\item[1.]コヌパス䞭に耇数回出珟する単語列(連続型コロケヌション)ず耇数回出珟しか぀出珟ごずに隣接する単語が異なる単語を抜出する\item[2.]䞊蚘1の単語列たたは単語がギャップを持っお(離れお)耇数回共起する組み合わせが䞍連続型コロケヌションである\end{itemize}䞊の集蚈方法は䞍連続型コロケヌションが連続型コロケヌションに比べおその存圚数(出珟回数)が少ないため出珟回数をスコアずしおコロケヌションを抜出した堎合䞍連続型コロケヌションは連続型コロケヌションよりもはるかに䜎いスコアずなりスコアのみにより䞍連続なコロケヌションを抜出するのは困難である\cite{Omoto96}こずから珟実的な方法であるず考える\subsection{単語の䜍眮情報}\label{Subsec:based}たず本手法の基瀎ずなる単語の``䜍眮情報''に぀いお説明するコヌパス䞭のある特定の堎所にある単語$w$の䜍眮を2項組\hspace{-0.2mm}$(i,j)$\hspace{-0.2mm}によっお衚すここで$i$は文番号(コヌパス䞭の䜕番目の文であるか)をたた$j$は単語番号(文䞭の䜕番目の単語であるか)を瀺しおいる単語$w$はコヌパス䞭の耇数箇所に出珟しえるのでこのような2項組のリストを考えるこずにより単語$w$がコヌパス䞭のどこに出珟するかを把握するこずができる以䞋では2項組\hspace{-0.2mm}$(i,j)$\hspace{-0.2mm}のリストのこずを単語$w$の出珟䜍眮衚ず呌ぶこずにする䞀぀泚意すべきこずはある単語\hspace{-0.2mm}$w$\hspace{-0.2mm}に察し必ずしも出珟䜍眮衚を䞀぀だけ考える必芁はないずいう点であるもし単語$w$が異なったコンテキストで甚いられおいればコンテキストごずに単語$w$の出珟䜍眮衚を甚意しおもよい埓っお同じ単語$w$であっおも異なった出珟䜍眮衚を持぀堎合がある本論文では単語$w$の出珟するコンテキストをずらえるために有限オヌトマトンを甚いるたずコヌパス䞭のすべおの文を受理するような有限オヌトマトンを構成するこのような有限オヌトマトンにおいお単語$w$による状態遷移はオヌトマトン䞭の耇数箇所に珟れる可胜性があるので各状態遷移ごずに単語$w$の出珟䜍眮衚を䜜成するなお本論文ではコヌパスから有限オヌトマトンを構成するためにALERGIAアルゎリズム\cite{Carrasco94}を甚いる(\ref{Sec:alergia_algorithm}節参照)本論文における自動抜出法ではある文䞭の単語の組み合わせが他の文にも出珟するものをその文に含たれるコロケヌション(の候補)ずみなす単語の出珟䜍眮衚を甚いるこずにより単語間の䜍眮関係をずらえるこずができるのである単語がコヌパス䞭の耇数の文に出珟しおいる堎合その各々の文の䞭での組み合わせを考慮するだけで耇数の文に察しお同じ組み合わせで出珟しおいるものを知るこずができる \section{ALERGIAアルゎリズムによる決定性確率有限オヌトマトンの構成} \label{Sec:alergia_algorithm}\ref{Subsec:based}節で述べたように単語の出珟するコンテキストをずらえるために本論文では有限オヌトマトンを甚いる我々はコヌパス・テキストを受理するような有限オヌトマトンを構成するためにALERGIAアルゎリズム\cite{Carrasco94}を甚いたALERGIAアルゎリズムは状態マヌゞング手法を甚いお孊習デヌタに察し最適な構造を持぀オヌトマトンを自動的に構成するたたALERGIAアルゎリズムでは本節(3)で述べるように状態の等䟡刀定を行い等䟡な状態をマヌゞするこずでオヌトマトンを構成する等䟡刀定を倉化させるこずで本手法で抜出される単語の組み合わせの結び付きの匷さを考慮できるのではないかず考える以䞋でALERGIAアルゎリズムの抂芁を述べるたた図\ref{Fig:pta2dsfa}にALERGIAアルゎリズムを甚いお孊習デヌタ\(S=\{110,\lambda,\lambda,\lambda,0,\lambda,00,00,\lambda,\lambda,\lambda,10110,\lambda,\lambda,100\}\)($\lambda$は空列)に察する決定性確率有限オヌトマトンを構成する䟋を瀺す図\ref{Fig:pta2dsfa}(a)から(d)たでの各状態の䞭には状態番号を蚘茉し各状態の䞋には入力蚘号列がその状態をたどった回数(å·Š)ずその状態で受理された回数(右)を付䞎しおいるたた各状態遷移には``遷移蚘号[状態遷移を行った回数]''を付䞎した\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita1.eps,width=0.80\textwidth}\end{center}\caption{ALERGIAアルゎリズムによる決定性確率有限オヌトマトンの構成}\label{Fig:pta2dsfa}\end{figure}\subsubsection*{(1)接頭朚アクセプタの䜜成}孊習デヌタから接頭朚アクセプタ(PrefixTreeAcceptor;PTA)を䜜成するここで接頭朚アクセプタずは孊習デヌタ䞭の入力蚘号列のみを受理するこずが可胜な決定性有限オヌトマトンであり初期状態を根ずした朚構造ずなる(図\ref{Fig:pta2dsfa}(a)参照)\subsubsection*{(2)状態遷移確率の蚈算}\hspace{-0.2mm}$n_{i}$\hspace{-0.2mm}を孊習デヌタが接頭朚アクセプタの状態\hspace{-0.2mm}$q_{i}$\hspace{-0.2mm}を蚪れた回数ずするもし孊習デヌタが状態\hspace{-0.2mm}$q_{i}$\hspace{-0.2mm}で受理されれば受理されたデヌタの個数を\hspace{-0.2mm}$f_{i}(\sharp)$\hspace{-0.2mm}ずする状態\hspace{-0.2mm}$q_{i}$\hspace{-0.2mm}で受理されなければ次の状態ぞ遷移するがこのずき状態遷移\hspace{-0.2mm}$\delta_{i}(a)$\hspace{-0.2mm}(状態\hspace{-0.2mm}$q_{i}$\hspace{-0.2mm}で入力蚘号$a$がきたずきの遷移)をたどった回数を\hspace{-0.2mm}$f_{i}(a)$\hspace{-0.2mm}ずする状態遷移\hspace{-0.2mm}$\delta_{i}(a)$\hspace{-0.2mm}の遷移確率\hspace{-0.2mm}$P_{i}(a)$\hspace{-0.2mm}は次のようにしお求められる\vspace{-0.5mm}\begin{equation}P_{i}(a)=\frac{f_{i}(a)}{n_{i}}\end{equation}\vspace{-0.5mm}なお\hspace{-0.2mm}$P_{i}(\sharp)$\hspace{-0.2mm}は入力蚘号列が状態\hspace{-0.2mm}$q_{i}$\hspace{-0.2mm}で受理される確率を衚しおいる\subsubsection*{(3)状態のマヌゞ}接頭朚アクセプタの状態$q_{i}$ず状態$q_{j}$が等䟡(\(q_{i}\equivq_{j}\))であればこれら2぀の状態をマヌゞするここで状態$q_{i}$\hspace{-0.2mm}ず状態$q_{j}$\hspace{-0.2mm}が等䟡であるずはすべおの入力蚘号\(a\in\Sigma\)($\Sigma$は入力蚘号の集合)に぀いお遷移確率$P_{i}(a)$ず$P_{j}(a)$が等しく遷移埌の状態も等䟡であるずきをいうすなわち\begin{equation}q_{i}\equivq_{j}\Longleftrightarrow\foralla\in\Sigma\left\{\begin{array}{l}P_{i}(a)=P_{j}(a)\\\delta_{i}(a)\equiv\delta_{j}(a)\end{array}\right.\end{equation}状態の等䟡性を刀断する堎合孊習デヌタに察する統蚈的な揺れを䌎うので二぀の遷移確率の差が蚱容範囲にあるずきに等䟡であるずするいた確率$p$のベルヌむ確率倉数があり$n$回の詊行のうち$f$回この事象が起こったずするず次匏が成り立぀\begin{equation}P\left(\left|p-\frac{f}{n}\right|<\sqrt{\frac{1}{2n}\log\frac{2}{\alpha}}\right)\geq1-\alpha\end{equation}ALERGIAアルゎリズムでは孊習デヌタから掚定された二぀の遷移確率の差が信頌範囲\(\sqrt{\frac{1}{2n}\log\frac{2}{\alpha}}\)の和の範囲内にあるずきに二぀の状態を確率的に等䟡であるずしおいるすなわち状態$q_{i}$\hspace{-0.2mm}ず状態$q_{j}$\hspace{-0.2mm}が等䟡であるずはすべおの入力蚘号\(a\in\Sigma\)に぀いお次匏が成り立぀こずである\begin{equation}\left|\frac{f_{i}(a)}{n_{i}}-\frac{f_{j}(a)}{n_{j}}\right|\leq\sqrt{\frac{1}{2}\log\frac{2}{\alpha}}\left(\frac{1}{\sqrt{n_{i}}}+\frac{1}{\sqrt{n_{j}}}\right)\label{Eq:eq_state}\end{equation}図\ref{Fig:pta2dsfa}(b)は図\ref{Fig:pta2dsfa}(a)の状態$q_1$\hspace{-0.2mm}ず状態$q_2$\hspace{-0.2mm}をマヌゞした埌のオヌトマトンであるその埌順に状態をマヌゞしお最終的に図\ref{Fig:pta2dsfa}(e)の決定性確率有限オヌトマトンが埗られる図\ref{Fig:pta2dsfa}(e)の状態の䞭にはその状態の受理確率を蚘茉し各状態遷移には``遷移蚘号[遷移確率]''を付䞎しおいる \section{単語䜍眮情報に基づく自動抜出アルゎリズム} \label{Sec:extract_algorithm}\ref{Sec:extract_abstract}節で述べた考えに基づいたコロケヌションの自動抜出アルゎリズムを以䞋で説明するたずコヌパスを\(W=s_0s_1\ldotss_N\)ず衚す$s_n$はコヌパス䞭の$n$番目の文であり$N+1$がコヌパス䞭の文の総数であるたたコヌパス䞭の文$s_n$は\(s_n=w_n^0\ldotsw_n^{T(n)}\)ず衚すここで$w_n^t$は文$s_n$䞭の$t$番目の単語であり\hspace{-0.2mm}$T(n)+1$\hspace{-0.2mm}が文の長さ(単語長)である以䞋ではコヌパス䞭の単語の䜍眮を衚すのに``文番号''および``単語番号''ずいう甚語を甚いる文番号ずはコヌパス䞭の文に察しお先頭から順に付けた番号であり単語番号ずは各々の文の䞭で先頭から順に付けた単語の出珟番号であるすなわち文\hspace{-0.2mm}$s_n$\hspace{-0.2mm}䞭の単語$w_n^t$に察しおは文番号は$n$単語番号は$t$ずなる\subsection*{手順(1):単語の出珟䜍眮衚の䜜成}\hspace{0.5mm}ALERGIA\hspace{0.5mm}アルゎリズムを甚いおコヌパス\(W=\{s_n;0\len\leN\}\)を受理する決定性確率有限オヌトマトンを構成する決定性確率有限オヌトマトンでは各文\hspace{-0.2mm}$s_n$\hspace{-0.2mm}に察しお状態遷移が䞀意に定たる各状態遷移に察しお単語の出珟䜍眮衚を䜜成する(図\ref{Fig:inlearn}参照)なお出珟䜍眮衚ずはすでに\ref{Subsec:based}節で述べたように各単語のコヌパス䞭の出珟䜍眮をたずめたものであり出珟䜍眮は文番号ず単語番号の2項組で衚される䜍眮情報は\(n=0,1,\ldotsN\)\(t(n)=0,\ldotsT(n)\)の順に蚘録する\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita2.eps,width=0.60\textwidth}\end{center}\caption{コヌパス$W$䞭の各単語の出珟䜍眮の蚘録}\label{Fig:inlearn}\end{figure}図\ref{Fig:edgeattr}は図\ref{Fig:inlearn}の凊理によっお䜜成された($W$䞭の)単語の出珟䜍眮衚を瀺しおいる各衚は文$s_0$の単語``もしもし''``通蚳囜際䌚議事務局''``です''``か''に察応しおいる\begin{figure}[hbt]\begin{center}\begin{footnotesize}\begin{minipage}[t]{3cm}\begin{tabular}[t]{|r|r|}\multicolumn{2}{c}{\bfもしもし}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語}\\\multicolumn{1}{|c|}{\bf番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf番号}\\\hline0&0\\73&0\\116&0\\169&0\\236&0\\270&0\\353&0\\429&0\\484&0\\512&0\\\end{tabular}\end{minipage}\quad\begin{minipage}[t]{3cm}\begin{tabular}[t]{|r|r|}\multicolumn{2}{c}{\bf通蚳囜際䌚議}\\\multicolumn{2}{c}{\bf事務局}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語}\\\multicolumn{1}{|c|}{\bf番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf番号}\\\hline0&1\\\hline\end{tabular}\end{minipage}\quad\begin{minipage}[t]{3cm}\begin{tabular}[t]{|r|r|}\multicolumn{2}{c}{\bfです}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語}\\\multicolumn{1}{|c|}{\bf番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf番号}\\\hline0&2\\1&2\\2&5\\4&2\\7&8\\13&9\\14&8\\15&3\\16&22\\17&4\\18&9\\19&9\\22&10\\23&27\\31&6\\33&6\\33&12\\\multicolumn{2}{|c|}{$\vdots$}\\73&2\\\multicolumn{2}{|c|}{$\vdots$}\\\end{tabular}\end{minipage}\quad\begin{minipage}[t]{3cm}\begin{tabular}[t]{|r|r|}\multicolumn{2}{c}{\bfか}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語}\\\multicolumn{1}{|c|}{\bf番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf番号}\\\hline0&3\\3&9\\6&19\\10&2\\12&7\\14&9\\15&4\\18&10\\21&33\\22&19\\27&15\\31&7\\33&13\\\multicolumn{2}{|c|}{$\vdots$}\\73&3\\\multicolumn{2}{|c|}{$\vdots$}\\\end{tabular}\end{minipage}\end{footnotesize}\end{center}\caption{$W$䞭の文$s_0$の単語に関する出珟䜍眮衚}\label{Fig:edgeattr}\end{figure}なおALERGIAアルゎリズムの等䟡刀定の信頌範囲を決定する\hspace{-0.2mm}$\alpha$\hspace{-0.2mm}の倀によっお構築されるオヌトマトンの芏暡は倉化する様々な\hspace{-0.2mm}$\alpha$\hspace{-0.2mm}の倀に察するオヌトマトンによっお䞊の手順で䜜成される出珟䜍眮衚の総数\((=状態遷移の総数)\)ず各衚の内容が異なる各衚に蚘録される出珟䜍眮の2項組の数は状態遷移の回数である\subsection*{手順(2):単語共有衚の䜜成}手順(2)から手順(6)にかけおコヌパス䞭の文$s_n$䞭のコロケヌションを同定・抜出する凊理を行う手順\hspace{0.6mm}(1)で\hspace{0.6mm}䜜成された単語の出珟䜍眮衚から文$s_n$の単語共有衚を䜜成する(図4参照)\begin{figure}[hbt]\begin{center}\begin{footnotesize}\begin{minipage}[t]{5cm}\begin{tabular}[t]{|c|c|c|}\multicolumn{3}{c}{\bf文$s_0$の単語共有衚}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf䜍眮番号}\\\hline14&8&2\\14&9&3\\15&3&2\\15&4&3\\18&9&2\\18&10&3\\31&6&2\\31&7&3\\33&6&2\\33&12&2\\33&13&3\\\multicolumn{3}{|c|}{$\vdots$}\\73&0&0\\73&2&2\\73&3&3\\\multicolumn{3}{|c|}{$\vdots$}\\\end{tabular}\end{minipage}\quad\begin{minipage}[t]{5cm}\begin{tabular}[t]{|c|c|c|}\multicolumn{3}{c}{\bf䞋蚘のものは単語共有衚には}\\\multicolumn{3}{c}{\bf含めない}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{\bf文番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf単語番号}&\multicolumn{1}{c|}{\bf䜍眮番号}\\\hline0&0&0\\0&1&1\\0&2&2\\0&3&3\\1&2&2\\2&5&2\\3&9&3\\4&2&2\\6&19&3\\7&8&2\\10&2&3\\12&7&3\\13&9&2\\16&22&2\\17&4&2\\19&9&2\\21&33&3\\22&10&2\\23&27&2\\\end{tabular}\end{minipage}\end{footnotesize}\end{center}\caption{コヌパス$W$䞭の文$s_0$の単語共有衚(巊衚)ず単語共有衚には含めない出珟䜍眮(右衚)}\label{Fig:wordkyofile}\end{figure}文$s_n$の単語共有衚ずは文$s_n$䞭のすべおの単語\hspace{-0.2mm}\(w_n^0,\ldotsw_n^{T(n)}\)\hspace{-0.2mm}(の状態遷移)の出珟䜍眮衚を文番号の小さい順にマヌゞしお䞀぀の衚にたずめた(文$s_n$に察しお固有の)ものであるなお図\ref{Fig:wordkyofile}においお\hspace{-0.2mm}``䜍眮番号''\hspace{-0.2mm}ずあるものはマヌゞする前に各単語の出珟䜍眮衚に文$s_n$の単語番号$t(n)$を付けお文$s_n$の単語共有衚の情報ずしお付加したものである぀たり文$s_n$の単語共有衚の䞭の情報は``文番号(出珟する文の番号$m$)''``単語番号(文$s_m$䞭の単語䜍眮)''``䜍眮番号(文$s_n$䞭の単語䜍眮)''の3項組ずなる以䞋では単語共有衚の䞀行(3項組)を出珟䜍眮レコヌドず呌ぶただし次のものは文$s_n$の単語共有衚に含めない\begin{itemize}\item[1.]文番号が$n$である出珟䜍眮レコヌド\item[2.]マヌゞしたずきにその文番号を持぀出珟䜍眮が䞀぀しかない出珟䜍眮レコヌドたずえば図\ref{Fig:edgeattr}の出珟䜍眮衚においお文番号$1$や$2$を持぀出珟䜍眮レコヌドがこれに該圓する\end{itemize}䞊蚘のものを含めない理由は手順(3)ず手順(5)で文$s_n$の単語共有衚を参照しお他の文にも出珟する文$s_n$\hspace{-0.2mm}䞭の単語の組み合わせを探すために文$s_n$\hspace{-0.2mm}䞭の単語が耇数個出珟する他の文番号を持぀出珟䜍眮レコヌドのみを文$s_n$の単語共有衚に残せばよいからである\subsection*{手順(3):二文䞭に共通しお出珟するパタヌンの抜出}手順(3)から手順(6)では他の文にも出珟する文$s_n$\hspace{-0.2mm}䞭のパタヌンを抜出するために二文(文$s_n$ず\hspace{-0.2mm}他の文)䞭で共通しお珟れるパタヌンを抜出する凊理(手順(3)手順(5))を繰り返し抜出されるパタヌンを収集する(手順(4)手順(6))手順(3)ず手順(4)では抜出・収集するパタヌンは単語たたは単語列であり手順(5)ず手順(6)では抜出・収集するパタヌンはギャップを持った単語の組み合わせである(\ref{Subsec:auto_extract}節参照)手順(2)で䜜成した文$s_n$の単語共有衚を同䞀文番号を持぀出珟䜍眮レコヌドごずにたずめ分割する(図\ref{Fig:tst2sp}参照)\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita5.eps,width=0.70\textwidth}\end{center}\caption{コヌパス$W$䞭の文$s_0$から抜出された出珟パタヌン}\label{Fig:tst2sp}\end{figure}こうしお埗られた分割衚のうち文番号が$m$であるものをずりだし次の抜出芏則を甚いお出珟パタヌンを抜出するここで抜出される出珟パタヌンは文$s_n$ず文$s_m$の䞡者に珟れるパタヌンずなる\begin{itemize}\item[{\bf抜出芏則1~:~}]二぀の出珟䜍眮レコヌド$r_1$ず$r_2$($\neqr_1$)の䜍眮番号(文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の単語䜍眮)を${\calP}_1$${\calP}_2$ず衚し単語番号(文$s_m$䞭の単語䜍眮)を${\calW}_1$${\calW}_2$ず衚すず\begin{itemize}\item[1.]\({\calP}_1+1={\calP}_2\)か぀\({\calW}_1+1={\calW}_2\)のずき``[$r_1$の単語][$r_2$の単語]''\item[2.]\({\calP}_2+1={\calP}_1\)か぀\({\calW}_2+1={\calW}_1\)のずき``[$r_2$の単語][$r_1$の単語]''\end{itemize}のように前埌に単語を結び付け結び付いた単語列(二単語以䞊のパタヌン)を䞀぀の出珟パタヌンずする\item[{\bf抜出芏則2~:~}]抜出芏則1を満たす$r_2$がない堎合``[$r_1$の単語]''を䞀぀の出珟パタヌンずする\end{itemize}䞊蚘の抜出芏則により埗られる出珟パタヌンはコヌパス䞭に最䜎でも2回出珟するために文$s_n$に含たれるコロケヌション(たたはその芁玠)ずなる可胜性がある以䞊の凊理を文$s_n$の単語共有衚のすべおの分割衚に察しお行い出珟パタヌンをすべお抜出する\subsection*{手順(4):単語パタヌンの収集ず連続型コロケヌションの抜出}手順(3)で抜出された出珟パタヌン矀から䜍眮番号の倀のみの比范凊理で文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}の単語パタヌンを収集する(図\ref{Fig:subpdel}参照)ここで単語パタヌンずは文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の単語(列)が䞀぀のたずたりずしお他の文にも出珟するものである\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita6.eps,width=0.70\textwidth}\end{center}\vspace{-3mm}\caption{コヌパス$W$䞭の文$s_0$の郚分パタヌンの削陀}\label{Fig:subpdel}\vspace{-2mm}\end{figure}抜出された出珟パタヌン矀から次の収集芏則により既に抜出されたパタヌンに包含される断片的なパタヌンを削陀する\begin{itemize}\item[{\bf収集芏則~:~}]文$s_n$䞭であるパタヌンが抜出された堎所からはその郚分パタヌンを抜出しないずし郚分パタヌンを削陀する\end{itemize}䞊の収集芏則を満たすために問題ずなるのは出珟パタヌンが耇数個抜出されたずきに耇数の出珟パタヌンが同じ䜍眮番号の倀の単語を持぀堎合であるその堎合出珟パタヌン$a$の最小の䜍眮番号を${\calP}_{min}(a)$最倧の䜍眮番号を${\calP}_{max}(a)$ずするずもし$a$の䜍眮番号(列)が最倧倀・最小倀の比范によっお出珟パタヌン$b$(\(\neqa\))の䜍眮番号列に包含される(\({\calP}_{min}(b)\leq{\calP}_{min}(a)\)か぀\({\calP}_{max}(a)\leq{\calP}_{max}(b)\))ならば$a$を削陀する単語パタヌンは文$s_n$䞭のパタヌンの䜍眮のみで刀定しお収集し以埌䜍眮番号の情報のみを必芁ずするたずえば耇数の出珟パタヌンの䜍眮番号列が党く䞀臎する堎合(\({\calP}_{min}(a)={\calP}_{min}(b)\)か぀\({\calP}_{max}(a)={\calP}_{max}(b)\))は同䞀単語パタヌンであるのでどれか䞀぀を残し削陀すればよい(図\ref{Fig:subpdel}(1)(3)(5))収集芏則で削陀されずに残された出珟パタヌンを文$s_n$の単語パタヌンずし単語パタヌンの集合を$P_{s_n}$ずする$P_{s_n}$䞭の単語列(二単語以䞊のパタヌン)を文$s_n$䞭の連続型コロケヌションずしお抜出するたずえばコヌパス$W$の文$s_0$の\hspace{-0.1mm}$P_{s_0}$\hspace{-0.1mm}からは``ですか''が抜出されるたた$P_{s_n}$䞭の単語パタヌンは文$s_n$䞭の䞍連続型コロケヌションの構成芁玠ずなる\subsection*{手順(5):二文䞭に共通しお出珟する䞍連続型コロケヌションの抜出}手順(4)で䜜られた集合\hspace{-0.1mm}$P_{s_n}$\hspace{-0.1mm}䞭の単語パタヌンは文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の単語(列)がコヌパス䞭の他の文にも出珟するパタヌンであり文$s_n$における単語のたずたりず考えるこずができる\ref{Subsec:auto_extract}節で述べたように文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}に含たれる䞍連続型コロケヌションは集合$P_{s_n}$䞭の単語パタヌンが文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}の䞭ず同じ組み合わせ(同順)で他の文䞭でもギャップを持っお共起するものである文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭のどのような䞍連続な単語の組み合わせが他の文に出珟しおいるかを知るために再床文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭ず同じ単語の組み合わせが出珟しおいる他の文に察しお凊理を行う文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}の単語共有衚の分割衚で文番号が\hspace{-0.1mm}$m'$\hspace{-0.1mm}であるものをずりだす文番号\hspace{-0.1mm}$m'$\hspace{-0.1mm}の分割衚から手順(3)ず同様の凊理で抜出される二文䞭に共通する出珟パタヌンが䜍眮番号列の比范によっお$P_{s_n}$䞭の単語パタヌンず䞀臎するかどうかを調べるもし文$s_{m'}$ずの間で耇数の($P_{s_n}$䞭の)単語パタヌンが共通しお出珟しおいおか぀䞡方の文で同順でギャップを持っお珟れおいる堎合その単語パタヌンの組み合わせが文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}ず文$s_{m'}$に共通しお珟れる䞍連続型コロケヌションである以䞋で凊理の詳现な説明を述べる\subsubsection*{手順(5.1):芁玠の認定}手順(3)で䜜成された文$s_n$の単語共有衚の分割衚のうち文番号が$m'$であるものをずりだし二文(文$s_n$ず文$s_{m'}$)䞭に共通しお出珟するパタヌンを抜出するただしこの手順では抜出された出珟パタヌンから次の条件を満たさないパタヌンを削陀する(図\ref{Fig:idenexam}参照ただし$P_{s_0}$は図\ref{Fig:subpdel}のものを甚いおいる)\begin{itemize}\item[{\bf条件1~:~}]$P_{s_n}$䞭にある単語パタヌンず䜍眮番号(列)が䞀臎するパタヌンであるこず\item[{\bf条件2~:~}]条件1を満たさない出珟パタヌンをすべお削陀した埌出珟パタヌンが``䜍眮番号(文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の䜍眮)''ず``単語番号(文$s_{m'}$䞭の䜍眮)''ずもに䞍連続な関係が成立する他の出珟パタヌンを持぀ものであるこず\end{itemize}\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita7.eps,width=0.90\textwidth}\end{center}\caption{コヌパス$W$䞭の文$s_0$に含たれる䞍連続型コロケヌションの芁玠の認定}\label{Fig:idenexam}\end{figure}条件1は出珟パタヌンの最小䜍眮番号ず最倧䜍眮番号が$P_{s_n}$䞭にある単語パタヌンの最小䜍眮番号ず最倧䜍眮番号ず完党に䞀臎する堎合のみ成立するたずえば図\ref{Fig:idenexam}(a)の出珟パタヌン2ず図\ref{Fig:idenexam}(b)の出珟パタヌン2は図\ref{Fig:subpdel}の$P_{s_0}$䞭の単語パタヌン1ず䞀臎し図\ref{Fig:idenexam}(b)の出珟パタヌン1は図\ref{Fig:subpdel}の$P_{s_0}$䞭の単語パタヌン2ず䞀臎するため条件1を満たすしかし図\ref{Fig:idenexam}(a)の出珟パタヌン1は条件1を満たさない次に条件1を満たす出珟パタヌンが䞀぀しか存圚しない堎合は条件2で比范察象ずなる他の出珟パタヌンがないためこのパタヌンは削陀する(図\ref{Fig:idenexam}(a)の出珟パタヌン2)もし条件1を満たす出珟パタヌンが耇数ある堎合ある出珟パタヌンに察しお䜍眮番号ず単語番号が共に䞍連続な関係が成立する他の出珟パタヌンを探すなお条件2の䞍連続な関係は次の䞍連続条件により刀定できるここで条件2の刀定の察象ずなる出珟パタヌンを$a$比范察象の他の出珟パタヌンを$b$ずするたた${\calW}_{min}(a)$を$a$の最小単語番号${\calW}_{max}(a)$を$a$の最倧単語番号ずする最小䜍眮番号ず最倧䜍眮番号は手順(4)ず同様${\calP}_{min}(a)$ず${\calP}_{max}(a)$で衚す\begin{itemize}\item[{\bf䞍連続条件A~:~}]\({\calP}_{min}(a)-1>{\calP}_{max}(b)\)か぀\({\calW}_{min}(a)-1>{\calW}_{max}(b)\)\item[{\bf䞍連続条件B~:~}]\({\calP}_{max}(a)+1<{\calP}_{min}(b)\)か぀\({\calW}_{max}(a)+1<{\calW}_{min}(b)\)\end{itemize}䞍連続条件Aたたは䞍連続条件Bの䞀方を満たす堎合パタヌン$a$ずパタヌン$b$の間に䜍眮番号ず単語番号ずで共に䞍連続な関係が成立する二぀の䞍連続条件を甚いお条件2を満たさない出珟パタヌンを削陀する図\ref{Fig:idenexam}(b)の堎合出珟パタヌン1ず出珟パタヌン2の間には䜍眮番号(文$s_0$䞭の䜍眮)ず単語番号(文$s_{73}$䞭の䜍眮)共に䞍連続な関係が成立する(䞍連続条件を満たす)ため二぀のパタヌンはずもに条件2を満たす条件1ず条件2を共に満たす出珟パタヌン($P_{s_n}$䞭の単語パタヌン)が文$s_n$に含たれる䞍連続型コロケヌションの芁玠ずなる぀たりそのパタヌンを共有する文$s_{m'}$(図\ref{Fig:idenexam}(b)の堎合は\(m'=73\))ず文$s_n$には同じ䞍連続な単語の組み合わせが出珟する条件1ず条件2を共に満たす出珟パタヌンがある堎合次の手順(5.2)の凊理を行い二文䞭で共通する䞍連続型コロケヌションを抜出する\subsubsection*{手順(5.2):倚分朚の構築}手順(5.1)で抜出された文$s_n$ず文$s_{m'}$で共通しお出珟する出珟パタヌンのうちの䞀぀を$a$ずしたずきに䞍連続条件Aを満たす$b$を持たない(䞡方の文でその出珟パタヌンより前の䜍眮には他の出珟パタヌンが出珟しおいない)出珟パタヌンが文$s_n$ず文$s_{m'}$ずの間で共通しお珟れる䞍連続型コロケヌションの先頭の芁玠である先頭の芁玠である出珟パタヌンすべおに察しお先頭の芁玠ではない(䞡方の文である出珟パタヌンの埌に出珟しおいる)出珟パタヌンを぀ないで先頭の出珟パタヌンを根ずした倚分朚を構成する以䞋にその倚分朚の構築に぀いお述べる最初に先頭の芁玠である出珟パタヌンを各々別の朚構造の根ずする各々の根に察しお぀なぐこずのできる出珟パタヌンは根を$a$ずしたずきに䞍連続条件Bが成立する出珟パタヌン$b$のみであるこのずき$b$は根$a$の子孫ずなる぀たり朚構造の各々の節の出珟パタヌンを$a$ずしたずきに\begin{itemize}\item䞍連続条件Bを満たす出珟パタヌン$b$が節$a$の子孫である\itemあるいは䞍連続条件Aを満たす出珟パタヌン$b$が節$a$の祖先である\end{itemize}ずいう条件を満たし朚構造が根のみである堎合は単玔に根の子ずしお盎接぀なげればよいしかし既に根以倖の節がある堎合は次のようにしおパタヌンを倚分朚に぀なげおいく(図\ref{Fig:ctree}参照)\begin{itemize}\item[1.]節$X$の子孫でありか぀節$X$が子パタヌンを持っおいない堎合節$X$の子ずしお぀なげる\item[2.]節$X$\hspace{-0.1mm}の子孫でありか぀節$X$\hspace{-0.1mm}の子の祖先でもある堎合節$X$\hspace{-0.1mm}ず節$X$\hspace{-0.1mm}の子の間に挿入する\item[3.]節$X$\hspace{-0.1mm}の子孫でありか぀節$X$\hspace{-0.1mm}の子すべおに察しお子孫でも祖先でもない堎合節$X\hspace{-0.1mm}$の子ずしお぀なげる\end{itemize}䞊の条件を123の順に適甚しお倚分朚を構築する\begin{figure}[hbt]\begin{center}\epsfile{file=kita8.eps,width=0.50\textwidth}\end{center}\caption{倚分朚による䞍連続型コロケヌションの抜出}\label{Fig:ctree}\vspace{4mm}\end{figure}以䞊の凊理に基づいおすべおの出珟パタヌンを各々倚分朚に぀なげる構成されたすべおの倚分朚を根からすべおの葉たでたどった各々の出珟パタヌン($P_{s_n}$䞭の単語パタヌン)の組み合わせが文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}ず文$s_{m'}$の間で共通しお出珟する文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の䞍連続型コロケヌションであるたずえば図\ref{Fig:idenexam}(b)の堎合文$s_0$ず文$s_{73}$ずの間では出珟パタヌン1``もしもし''が根ずなり残る出珟パタヌン2``ですか''を根に぀なぐこずになる``ですか''は葉ずなるので根からたどったパタヌン``もしもし〜ですか''が文$s_0$ず文$s_{73}$で共通しお出珟する䞍連続型コロケヌションずしお抜出される\subsection*{手順(6):䞍連続型コロケヌションの収集}手順(5)を文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}の単語共有衚のすべおの分割衚に察しお行い抜出される二文(文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}ず他の文)䞭で共通しお出珟する$P_{s_n}$䞭の単語パタヌンの組み合わせ(䞍連続型コロケヌション)から文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の䞍連続型コロケヌションを重耇しないように収集するたず抜出された各々の䞍連続型コロケヌション$\alpha$の先頭の芁玠である単語パタヌンず䞍連続型コロケヌション$\beta$\((\neq\alpha)\)の先頭の芁玠である単語パタヌンの䜍眮番号列を比范する䜍眮番号列が䞀臎した堎合は次の芁玠同士を比范するずいう凊理を繰り返すすべおの単語パタヌンが䞀臎すれば\hspace{-0.2mm}$\alpha$\hspace{-0.1mm}ず\hspace{-0.1mm}$\beta$\hspace{-0.1mm}を文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}の同じ䞍連続型コロケヌションずし䞀臎しない芁玠が䞀぀でもあれば$\alpha$ず$\beta$は文\hspace{-0.1mm}$s_n$\hspace{-0.1mm}䞭の異なる䞍連続型コロケヌションずする\vspace{-2mm}\subsection*{手順(7):コロケヌションの集蚈}コヌパス䞭のすべおの文に察しお手順(2)から手順(6)の凊理を行い各文に含たれる連続型および䞍連続型コロケヌション(の候補)を手順(4)ず手順(6)で抜出するコヌパス党䜓でのコロケヌションを集蚈するために抜出された連続型および䞍連続型コロケヌションを各々単語の組み合わせそのもの(文字列)の比范により同じものが抜出された回数を求める\vspace{1zh}以䞊手順(1)から手順(7)でコロケヌションの抜出法を述べおきた手順(1)ず手順(7)のみで若干の文字列凊理を必芁ずするほかはすべお敎数(䜍眮情報)の比范挔算のみで行うこずができるたた各文$s_n$\((0\len\leN)\)が含むコロケヌションの抜出凊理は各々独立したものであり分割凊理を行うこずで蚈算機の負荷を軜くするこずができる本手法の凊理の特城を次に瀺す\begin{itemize}\item[1.]各単語間の距離倀そのものを扱うのではなく各単語の関係を``連続''か``䞍連続''かのみずしお考える\item[2.]意味的にたずたりのない断片的な単語列の抜出を防ぐために池原ら\cite{Ikehara95}のように最長䞀臎の原則により単語列の長いものだけを抜出する\item[3.]倚分朚を構築するこずで䞀床の凊理ですべおの任意の長さの䞍連続型コロケヌションを抜出する\item[4.]コヌパス党䜓に含たれるコロケヌションだけではなく任意の文(たたは任意の範囲の文)に含たれるコロケヌションを知りたい堎合にも適する\item[5.]凊理するコヌパスを倧きくしたい堎合䜍眮情報を远加たたは新芏䜜成するだけでよい\end{itemize} \section{コロケヌションの抜出実隓} \label{Sec:experiment}\subsection{蚀語デヌタ}前節で述べた抜出法を甚いおコロケヌションの抜出実隓を行った実隓で䜿甚したデヌタはATR自動翻蚳電話研究所で䜜成されたATR察話デヌタベヌス(ATRDialogueDatabase;ADD)から抜き出したADDは䞻に電話たたはキヌボヌドを介した目的指向型の察話に基づいお䜜成された話し蚀葉ないしは疑䌌話し蚀葉に関する蚀語デヌタベヌスでありADD䞭の各単語には圢態玠解析等の様々な事前分析により衚蚘ひらがなによる読み暙準衚珟品詞掻甚型音䟿等の属性が付䞎されおいる本実隓では単語の衚蚘の郚分のみを甚いたなおADDには䌚話属性ずしお領域(囜際䌚議旅行等)ずメディア(電話キヌボヌド等)がある本実隓では囜際䌚議に関するキヌボヌド䌚話デヌタを甚いたキヌボヌド䌚話ずはキヌボヌドを䜿っお入力し蚈算機を介しおコミュニケヌションを行う䌚話で話し蚀葉に近い蚀い回しを含んでいる䜿甚したデヌタの倧きさを衚\ref{Tab:sourcedata}に瀺す\begin{table}[hbt]\begin{center}\caption{抜出実隓に甚いたデヌタの倧きさ}\label{Tab:sourcedata}\begin{tabular}{lccc}\hline蚀語&文の数&異なり単語数&延べ単語数\\\hline日本語&6,025&3,799&71,780\\\hline英語&5,984&3,158&64,088\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{実隓結果}実隓結果を衚\ref{Tab:jcolalphaht209}(日本語デヌタ)および衚\ref{Tab:ecolalphaht209}(英語デヌタ)に瀺す(匏(\ref{Eq:eq_state})で$\alpha\approx1^{-10}$皋床)実隓結果より連続型コロケヌションず䞍連続型コロケヌションずもに意味的にたずたりのある単語の組み合わせを抜出しおいるたた名詞間の共起関係(耇合名詞句等)よりも述語型の定型衚珟や慣甚衚珟を倚く抜出しおいる䞀方埓来の手法で抜出される連続型コロケヌションは盞互情報量を甚いた方法では䞻に耇合語やコヌパスのドメむンに䟝存した耇合名詞句であり仕事量基準を甚いた方法では䞻に述語型の定型衚珟や慣甚句である\cite{Kita94a,Kita94b}本手法は出珟頻床をスコアずしお抜出したために同じく出珟頻床に着目した仕事量基準を甚いた方法ず同じ傟向の衚珟を抜出し埓来法に盞圓する結果を埗たただし䞍連続型コロケヌションは党䜓ずしお出珟回数が少ないために䞀郚にノむズ的なものを含んでいるこの原因の䞀぀ずしお今回の実隓で䜿甚した蚀語デヌタの芏暡が小さかったこずがあげられる抜出された䞍連続型コロケヌションの出珟回数は連続型コロケヌションの出珟回数に比べ圧倒的に少なく最も倚い堎合でも日本語の堎合に13回英語の堎合に5回に過ぎないこのため偶然共起したような単語の組み合わせがノむズずしお混入しおしたったより倧芏暡の蚀語デヌタを甚いればノむズ的な単語の組み合わせの混入を抑えるこずができるず考えられる䞍連続型コロケヌションの出珟回数が少ないずいう点に関しおは今回実隓に甚いた蚀語デヌタの性質も関係しおいるず思われる抜出実隓に甚いた蚀語デヌタは䌚話すなわち話し蚀葉であり話し蚀葉の性質ずしお断片的で䞍完党な衚珟や省略が倚いこずをあげるこずができるその結果ずしお話し蚀葉䞭には䞍連続型コロケヌションの絶察数が少ないのではないかず考えられるこの点に関しおは新聞蚘事等の蚀語デヌタを察象ずした抜出実隓を行い今回の結果ず比范しおみる必芁があるだろうこれは今埌の課題である\begin{table}[hbt]\begin{center}\caption{実隓結果(日本語)}\label{Tab:jcolalphaht209}\begin{footnotesize}\begin{tabular}{|lr||lr|}\hline\multicolumn{2}{|c||}{連続型コロケヌション}&\multicolumn{2}{c|}{䞍連続型コロケヌション}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{皮類数10,994}&\multicolumn{2}{c|}{皮類数8,293}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{延べ出珟回数26,308}&\multicolumn{2}{c|}{延べ出珟回数9,139}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{コロケヌションず出珟回数}&\multicolumn{2}{c|}{コロケヌションず出珟回数}\\\hlineそうですか&111&はい〜ですね&13\\ですか&95&はい〜です&13\\わかりたした&81&の〜です&10\\そうですね&81&の〜が&7\\ですね&73&はい〜が&7\\には&46&の〜の&6\\はいわかりたした&46&を〜に&6\\あそうですか&43&もしもし〜ですか&5\\ですから&43&はい〜でございたす&5\\はいかしこたりたした&34&はい〜に&5\\倱瀌したす&32&ええ〜が&5\\はい第回コンピュヌタ囜際䌚議事務局です&32&え〜ですか&4\\でしょうか&32&も〜に&4\\はいでは&30&は〜を&4\\それは&29&あず〜の&4\\ですが&29&を〜の&4\\倱瀌いたしたす&26&ええ〜で&4\\はい第回コンピュヌタ囜際䌚議事務局でございたす&25&ええ〜に&4\\お䞖話になっおおりたす&25&で〜を&4\\それず&25&ず〜ですね&4\\なんですが&25&衚〜で&4\\はい倱瀌いたしたす&24&普通ペヌゞ〜衚&4\\ですので&24&衚〜ペヌゞ&4\\私は&23&〜で&4\\どうもありがずうございたした&23&が〜です&4\\でございたす&23&の〜を&4\\にも&23&はい〜には&4\\はい倱瀌したす&22&はい〜おおりたしお&4\\でしたら&21&の〜から&4\\はいでは倱瀌いたしたす&21&の〜ず&4\\では&21&あ〜ですか&3\\よろしくお願いしたす&20&ああ〜ですか&3\\ああそうですか&20&の方も〜の方も&3\\ず申したす&20&珟圚〜䞭です&3\\はいそうです&19&倱瀌ですが〜ですか&3\\\hline\end{tabular}\end{footnotesize}\end{center}\end{table}\begin{table}[hbt]\begin{center}\caption{実隓結果(英語)}\label{Tab:ecolalphaht209}\begin{footnotesize}\begin{tabular}{|lr||lr|}\hline\multicolumn{2}{|c||}{連続型コロケヌション}&\multicolumn{2}{c|}{䞍連続型コロケヌション}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{皮類数10,127}&\multicolumn{2}{c|}{皮類数5,910}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{延べ出珟回数24,692}&\multicolumn{2}{c|}{延べ出珟回数6,414}\\\hline\multicolumn{2}{|c||}{コロケヌションず出珟回数}&\multicolumn{2}{c|}{コロケヌションず出珟回数}\\\hlineisthatso&82&isee〜right&5\\isee&70&from〜to&4\\andthe&62&and〜are&4\\thankyouverymuch&58&asfarasthe〜isconcerned&4\\ohisthatso&53&of〜and&4\\okaygoodbye&52&professor〜professor&4\\forthe&46&whetherthe〜ornot&3\\yesgoodbye&43&mr〜right&3\\tothe&38&professor〜oftokyouniversityand&3\\ofthe&36&professor〜and&3\\fromthe&31&yourapplicationis〜10th&3\\thankyou&31&fromthe〜ofthe&3\\willbe&31&the〜are&3\\yesitis&30&theslides〜theohp&3\\onthe&29&directly〜hecomes&3\\it's&29&yes〜speaking&3\\inthe&28&professor〜professor〜and&3\\withthe&28&the〜one&3\\isthe&25&yesthe〜andthe&3\\yesplease&25&the〜and&3\\mayihelpyou&23&out〜for&3\\isthat&23&forthe〜of&3\\sothe&22&of〜our&3\\thisis&22&ofthe〜ofthe&3\\allright&22&onthe〜and&3\\noproblem&22&inthe〜no&3\\itis&22&in〜and&3\\wehave&19&dr〜of&3\\yesthe&19&andthe〜are&3\\thistime&19&yes〜are&3\\atthe&19&iwillshow〜by&2\\isit&19&howmany〜willtherebe&2\\iunderstand&19&feeof〜perperson&2\\yesiwill&19&iwouldliketotake〜withme&2\\ohisee&19&fromthe〜tothe&2\\\hline\end{tabular}\end{footnotesize}\end{center}\end{table}\subsection{䜍眮情報の倉化によるコロケヌションの違い}\ref{Sec:extract_algorithm}節で述べた抜出方法ではコヌパス・デヌタを受理する有限オヌトマトンを甚いお単語の出珟䜍眮衚を䜜成したしかし単語の出珟䜍眮衚を䜜成する方法は他にも色々ず考えられる本論文では有限オヌトマトンを甚いた理由は\ref{Subsec:based}節で述べたように有限オヌトマトンより単語の出珟するコンテキストをずらえるためであるたた本論文では有限オヌトマトンの䜜成にALERGIAアルゎリズムを甚いたがALERGIAアルゎリズムの信頌範囲(匏(\ref{Eq:eq_state})における$\alpha$の倀)を倉化させるこずにより異なった出珟䜍眮衚が䜜られる远加実隓ずしおALERGIAアルゎリズムの信頌範囲を倉化させた堎合に抜出されるコロケヌションの違いを調べた結果ずしお状態の等䟡刀定を厳しくする(匏(\ref{Eq:eq_state})の\hspace{-0.2mm}$\alpha$の\hspace{-0.2mm}倀が倧きい)ほど出珟回数の倚い単語同士の共起関係が匷調される傟向にあり出珟回数の少ない長い衚珟の抜出は抑制されたこれにより単語数の少ないコロケヌションが倚く抜出された特に䞊䜍に抜出されたものの倚くは2単語のみの衚珟であったたずえば日本語の堎合には栌助詞間の共起(``〜の〜に''``〜を〜に''等)が䞊䜍に抜出され英語の堎合には前眮詞ず冠詞などの共起が䞊䜍に抜出された䞊䜍の衚珟の出珟回数は等䟡刀定を緩くした堎合に比べお倚くなった逆に等䟡刀定を緩くする($\alpha$の倀が小さい)ほど短い衚珟の抜出が抑制され単語数の倚い長い衚珟が優先しお抜出された等䟡刀定が厳しかった堎合に抜出されおいた短い衚珟はより単語数の倚い衚珟に吞収され抜出されるコロケヌションの皮類が倚くなった我々の実隓より匏(\ref{Eq:eq_state})の$\alpha$の倀は0から0.1の範囲が適圓であるず考えられる以䞊のように抜出されるコロケヌションが倉化する理由ずしお次のこずが考えられるALERGIAアルゎリズムでは状態をマヌゞする際の等䟡刀定はある状態から遷移する単語ずその遷移確率の類䌌刀定をどれほど厳しく(たたは緩く)するかを意味しおいるしたがっお等䟡刀定を操䜜するこずにより疑䌌的に単語の結び付きの匷さを考慮するこずができる単語自身の出珟回数が倚い単語ほどその単語に比べ前埌の単語が原文䞭で珍しい(出珟回数が少ない)単語であるこずが増える結果ずしおコヌパス䞭で滅倚に出珟しないような単語が前埌に結び付く(出珟する)こずがあっおも結び付くこずが少ない(珍しい)ために単語間の関係が認められなくなるただしあたりに等䟡刀定が厳しすぎる堎合は接頭朚アクセプタ(朚構造)に近いものずなるために各文での先頭からの距離倀に巊右されやすくたた出珟回数の倚い単語がその前埌の単語を無芖しお共起するこずが増えるこのため\ref{Subsec:def_collocation}節での定矩に察しおコロケヌションずしお䞍適切なものが䞊䜍に抜出される堎合がある \section{おわりに} \label{Sec:conclusion}本論文では連続型および䞍連続型コロケヌションの自動抜出法ずしお単語の出珟䜍眮衚を甚いお単語の連続・䞍連続の関係により出珟頻床の高い単語の組み合わせを長さ優先の条件で抜出する方法を提案したたたATR察話デヌタベヌスを甚いた実隓を行い提案した方法の有効性を瀺した本手法はコヌパス䞭の各々の文に察する凊理であるこずから任意の文(たたはコヌパスの䞀郚分)に含たれるコロケヌションを知りたい堎合にも有効である今埌の課題ずしお有限オヌトマトン以倖の方法による出珟䜍眮衚の䜜成や抜出されたコロケヌションの定量的な評䟡方法に぀いお研究を行いたいず考えおいる\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{paper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{小田裕暹}{1975幎生1997幎埳島倧孊工孊郚知胜情報工孊科卒業同幎同倧孊院博士前期課皋入孊珟圚に至る確率・統蚈的自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚孊生䌚員}\bioauthor{北研二}{1957幎生1981幎早皲田倧孊理工孊郚数孊科卒業1983幎から1992幎たで沖電気工業(æ ª)勀務この間1987幎から1992幎たでATR自動翻蚳電話研究所に出向1992幎9月から埳島倧孊工孊郚勀務珟圚同助教授工孊博士確率・統蚈的自然蚀語凊理音声認識等の研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚日本蚀語孊䌚蚈量囜語孊䌚ACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V08N02-03
\section{はじめに} 人間はあいたいな情報を受け取り適宜に解釈しお適切に䌚話を進めるこずができるこれは人間が長幎にわたっお蓄積しおきた蚀語やその基本ずなる語抂念に関する「垞識」を持っおいるからであるすなわちある単語から抂念を想起しさらにその抂念に関係のある様々な抂念を連想できる胜力が重芁な圹割を果たしおいるず考えられる本研究の前提ずする「垞識的刀断」ずは「女性−婊人」「山−䞘」などは同矩・類矩の関係「山−川」「倕焌け−赀い」などは密な関係「山−机」「電車−空」などは疎な関係であるず刀断するなど語ず語の意味的関係に぀いおコンピュヌタにも人間の垞識的な感芚に近い刀断をさせるこずをねらうものであるこのような垞識的刀断を可胜ずするメカニズムは利甚者の意図を汲み取るこずのできる人間的な情報凊理システムの開発基盀ずしお圹立぀ず考えおいる我々が開発を進めおいる垞識的刀断システム党䜓は日垞的な事項すなわち倧きさ重さ速さ時間堎所等に関する基本的な知識\cite{Kikuyama,Obata}ず感芚や感情に関する知識\cite{Baba,Hanada,Tsutiya}で構成する刀断知識ベヌスサブシステムず本論文で察象ずする語抂念間の関連床を評䟡する抂念連鎖メカニズムで構成しおいる刀断知識ベヌスを構成する知識は少数玄千語の代衚的な語代衚語の間の垞識的な関係事物の倧小関係倕焌け−赀いなどを定矩したものである垞識的刀断システムに入力される倚くの語は代衚語ではなく知識ベヌスには陜に衚珟されおいない未知語ずなるため抂念連鎖メカニズムはこれらの未知語に぀いお意味的関係やその匷さの床合いを評䟡し最も関連の匷い代衚語を決定する本皿ではこの抂念連鎖メカニズムの基盀ずなる抂念ベヌスの構造すなわち語ずその意味を衚す属性関連の匷い語の集合の構成ずそれを甚いた抂念間の関連床の定量化方匏に぀いお提案しおいる埓来は䞀般に抂念間の類䌌性に重点が眮かれ類䌌床ずしお評䟡されおいるが本皿では類䌌性のみならず「山ず川」「電車ず駅」「川ず氎」など抂念間の幅広い関係の評䟡を察象ずするため関連床ずしお評䟡しおいる䟋えば類䌌性の評䟡においお「車ず銬」は乗り物ずいう芳点においお類䌌しおいるずいう考え方がずられおいるが本皿の関連床評䟡では䞡者の抂念は乗り物ずいう共通の属性をもっおいるに過ぎないず考え党䜓ずしおの関連床はかなり䜎いものずなる圓然芳点ずしお乗り物が蚭定された堎合の関連床は高くなる芳点ずなる抂念のも぀属性の範囲に限定した関連床を評䟡する\cite{Irie2}こずにより類䌌や盞察反意などにも察応可胜である抂念間の類䌌床に関するテヌマに぀いおは幟぀かの研究成果が報告されおいるが\cite{okada,oosuga,suzuki}倚くは連想に関する理論あるいは自然蚀語凊理における類䌌語の凊理などの研究であり本研究で察象ずするような垞識的刀断のための抂念ベヌスや抂念関連床ずは異なる抂念ベヌスの構造や必芁ずされる正確さは目的により異なったものずなる我々の察象ずする垞識的刀断システムの抂念ベヌスは自動孊習や利甚者の教瀺による継続的な改善成長が前提ずなる垞識的刀断の適切さは抂念ベヌスの内容ず関連床蚈算方匏に巊右されるため利甚を通じた抂念ベヌスの恒垞的な成長の容易性は極めお重芁な評䟡芁因ずなる\cite{kasahara4}では抂念構造の定矩ず抂念ベヌスの機械構築および抂念類䌌床の蚈算方匏に぀いお興味深い報告がなされおいるそこでは䞀぀の抂念を「意味特城を衚す属性」ず「抂念ず属性の関連の深さを衚す重み」で衚珟された$m$次元ベクトルずしお取り扱い぀の抂念間の類䌌床は正芏化されたベクトルの内積ずしお蚈算しおいるこのベクトル空間モデルでは玄䞇の抂念を玄3千の独立性の高い属性で衚珟するこずによりベクトル衚珟のための盎亀性の問題に察凊しおいるが必ずしも盎亀性が保蚌されおいるずは蚀えないたた属性の重みの問題ずしお出珟頻床に基づき重みが付䞎されおいるが属性の远加修正が発生した時新しい属性の重みをどのように決定するのか既に存圚する属性の重みはどのように倉曎するのかずいう問題が生じ抂念ベヌスの継続的な成長を前提ずするこずは難しい本皿ではこれらの問題を考慮した䞊で継続的な成長を容易ずするような新たな抂念ベヌスを構築し垞識的刀断ずしお適切な関連床を蚈算できるような関連床評䟡方匏を提案し実隓により評䟡する以䞋2章でたず抂念連鎖メカニズムの実珟に必芁ずなる抂念ベヌスの構造に぀いお述べ,より単玔な構造の抂念ベヌスを提案する3章では本皿の䞻題である抂念関連床の定量化の問題を定匏化し抂念の$n$次属性たでの論理関係を考慮する新方匏の提案を行う4章では2,3章で提案した抂念ベヌスず抂念関連床蚈算方匏の各組合わせに぀いお評䟡実隓を行い人間の垞識的刀断により近いかずいう芳点ず抂念ベヌスの継続的な成長の容易性の芳点においお埓来法ずの比范怜蚎を行う \section{抂念ベヌスの構造} \subsection{抂念ベヌス}\label{BasicCB}本研究では\cite{kasahara1,kasahara4}で抜出された玄䞇の抂念の利甚を前提ずしおおり抂念の定矩は以䞋ずする抂念の定矩抂念$A$はその属性$a_i$ず重み$w_i$の察の集合ずする\begin{eqnarray}A&=&\{(a_1,w_1),(a_2,w_2),\cdots,(a_m,w_m)\}\end{eqnarray}ここで属性の盎亀性が仮定できるならば任意の抂念は圢匏的に$m$次元属性空間のベクトルずしお衚珟できるベクトルの倧きさは1に正芏化する\begin{eqnarray}A&=&(w_1,w_2,\cdots,w_m)\label{Vector}\\&&0\lew_i\le1\nonumber\\&&\sum_{i=1}^mw_i^2=1\nonumber\end{eqnarray}ただし$m$はすべおの抂念を定矩するために必芁な属性数である抂念ベヌスはそれら抂念の集合である以䞋に評䟡の前提ずする皮の抂念ベヌスに぀いお述べる\begin{description}\item[基本抂念ベヌス]玄䞇の抂念Aずその属性$a_i$および重み$w_i$を耇数の囜語蟞曞などの語矩文から自動的に獲埗しおいる蟞曞の芋出し郚の単語を抂念ずし語矩文に含たれる自立語を属性ずしお抜出しそれらの重みは属性の出珟頻床を基に付䞎しおいるさらに属性の自己参照による新たな属性の远加及び䞍芁な属性の統蚈的な陀去からなる粟錬を行うこずによっお抂念ベヌスを機械構築しおいるこのようにしお構築された抂念ベヌスをその埌に倉曎を加えた抂念ベヌスず区別するため基本抂念ベヌスず呌びそこで䜿われおいる属性を基本属性ず呌ぶこずにする抂念数玄䞇属性皮別玄䞇䞀抂念の属性数平均玄45最倧400\item[圧瞮抂念ベヌス]基本抂念ベヌスの各基本属性をALT-J/Eシ゜ヌラス\cite{ikehara}の玄3千皮の抂念カテゎリヌに分類圧瞮しこれらを新属性ずしお各属性の重みを正芏化し盎すこの新属性の抂念ベヌスを圧瞮抂念ベヌスず呌ぶ抂念数玄䞇属性皮別玄千䞀抂念の属性数平均玄70最倧533\item[瞮小抂念ベヌス]基本抂念ベヌスの各抂念がも぀属性の䞭から重み順に30個を抜出するこずにより属性数を瞮小し属性の重みも正芏化し盎すこれを瞮小抂念ベヌスず呌ぶなお属性数30ずいう数は\cite{irie}による最適な打ち切り属性数に関する実隓結果によるものである抂念数玄䞇属性皮別玄䞇䞀抂念の属性数平均玄26最倧30\end{description}これらの皮の抂念ベヌスは以䞋の特性を有しおいる\begin{itemize}\item機械構築しおいるため抂念の属性には少なからぬ雑音属性ずしおふさわしくない単語が含たれおいる\item属性の重みは抂念の語矩文内での自立語の出珟頻床に基づいおおり抂念ず属性の意味的関連の匷さを正しく衚しおいるずは蚀えない\item抂念によりその属性数は異なっおおり属性数の䞍充分な抂念も倚々ある\end{itemize}\subsection{抂念ベヌスの利甚圢態}\label{DefCon}皮の抂念ベヌスのも぀これらの特性を考慮しお本研究では以䞋のような利甚圢態を評䟡する\begin{enumerate}\item基本抂念ベヌスでは属性の盎亀性を仮定できないので抂念をベクトルずしお衚珟するこずができず関連床を぀の抂念ベクトルの内積ずしお定矩できないそのため぀の抂念の関連の匷さを属性集合の近さ䞀臎する芁玠の数で評䟡する\item箄3千皮の属性ず重みで衚珟された圧瞮抂念ベヌスの堎合にはカテゎリヌ圧瞮により属性間の独立性がある皋床高められおいるこずから各抂念を玄3千次元のベクトルずしお扱うこずができ関連床は぀の抂念ベクトルの内積ずしお定矩する\item抂念の属性数を30個以䞋に瞮小した瞮小抂念ベヌスにおいおも属性の盎亀性を仮定できないので぀の抂念の関連の匷さを集合ずしおの近さで評䟡する\end{enumerate}抂念をベクトルずしお取り扱う方匏では属性の重みは極めお重芁な圹割を果たすこずから新しい抂念の远加や既存の抂念ぞの属性の远加修正に䌎う重みの倉曎は困難ずなるたた属性圧瞮により基本属性がもっおいた詳现な意味情報が倱われ十分な評䟡粟床が埗られない恐れがある抂念間の関連の床合いを属性集合の近さで評䟡する方匏では本皿で提案するような重みを䜿甚しない評䟡方匏や属性も抂念ずしおずらえ抂念を属性の連鎖的関係で定矩する方匏も可胜ずなる属性の重みを䜿甚しない方匏では圓然ながら抂念に察する新たな属性の远加時に重みの付䞎は䞍必芁でありたた明らかに䞍適切ず思われる属性の削陀も極めお容易ずなる\subsection{抂念の連鎖的定矩}\label{CBchain}抂念ベヌスにおける各抂念はある単語の衚蚘によっおラベル付けできるたた基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは属性$a_i$もある単語衚蚘であるしたがっお抂念ベヌス䞭の任意の属性の単語衚蚘が同じ抂念ベヌス䞭の抂念の単語衚蚘䞭に存圚するず仮定するず属性$a_i$をその単語衚蚘に察応する抂念ずみなすこずで属性の属性を取り出すこずができる基本抂念ベヌスず瞮小抂念ベヌスはこの条件を満たしおいるが圧瞮抂念ベヌスはこの条件を満たしおいないいた単語衚蚘を$Word_i$抂念の属性を$a_i$ず衚珟するずある抂念$A$は次匏で定矩されるただし本節では重みは省略しお蚘述する\begin{eqnarray}\mbox{抂念}A&=&Word_A\\&=&\{a_1,a_2,\cdots,a_i,\cdots,a_N\}\\&=&\{Word_1,Word_2,\cdots,Word_N\}\end{eqnarray}ここで属性$a_i$を抂念$A$の次属性ず呌ぶ$Word_i$はある抂念ず芋なせるので\begin{eqnarray}\mbox{1次属性}a_i&=&WORD_i\\&=&\{a_{i1},a_{i2},\cdots,a_{ij},\cdots,a_{iM}\}\end{eqnarray}これらの属性$a_{ij}$次属性の次属性を抂念$A$の次属性ず呌ぶ抂念$A$を次属性たでの抂念連鎖で定矩するず以䞋のようにマトリックス状になる{\samepage\begin{eqnarray}&&\left(\begin{array}{cccc}\hspace{0.2cm}a_1\hspace{0.2cm}&a_2\hspace{0.2cm}&\cdots\hspace{0.2cm}&a_{N}\hspace{0.1cm}\end{array}\right)\nonumber\\A&=&\left[\begin{array}{cccc}a_{11}&a_{21}&\cdots&a_{N1}\\a_{12}&a_{22}&\cdots&a_{N2}\\\vdots&\vdots&\vdots&\vdots\\a_{1M}&a_{2M}&\cdots&a_{NM}\end{array}\right]\label{EMatrix}\end{eqnarray}}ただし匏\ref{EMatrix}では$a_{ij}$は抂念$A$の次属性であり抂念$A$の各次属性の次属性数は䞀定($M$)ずしおいるさらに抂念の2次属性もその1次属性の集合で衚珟でき同様に抂念$A$の$n$次属性たで定矩可胜であるしたがっお基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは抂念$A$は$n$次たでの属性の連鎖で定矩されおいるこずになる \section{抂念関連床の評䟡モデル} \subsection{抂念の属性ベクトル空間モデル}埓来抂念関連床の評䟡は぀の正芏化された抂念ベクトルの内積により行われおいる\cite{matsuzawa,kasahara4,salton,ishikawa,hokari}.すなわち匏\ref{Vector}のように衚珟された抂念ベクトル間の内積により蚈算できるしかしこの方匏では各属性間の盎亀性を仮定しおおり盎亀属性を遞ぶこずは容易ではなく\cite{takama}たた適切な重みを蚭定するこずも非垞に困難であるず思われる\cite{kasahara4,ishikawa,hokari}ではALT-J/Eシ゜ヌラス\cite{ikehara}の玄3千皮の抂念カテゎリヌを属性ずしお利甚し各属性の重みは基本的には出珟頻床により䞎えおいるが十分な盎亀性を有しおいるかたた適切な重みになっおいるかあるいはそのような適切な性質を持぀ような抂念ベヌスぞず自動的に粟錬を行えるかが問題ずなる\subsection{抂念の属性集合モデル}\ref{CBchain}で瀺したように本皿で提案する抂念の定矩では任意の抂念$A$はその属性の集合ずしお定矩されおいるたた各属性はある抂念であるため結果ずしお任意の抂念$A$は$n$次たでの属性の連鎖で定矩されおいるこのような抂念定矩に察する関連床評䟡モデルを以䞋に述べる\subsubsection{1次属性集合の䞀臎床}各抂念の属性にはその抂念に関連する抂念が䞊んでいるものず考えられるので䞀臎する属性数が倚い皋関連が匷いず考えられるしたがっお2぀の抂念$A$$B$の関連床はそれぞれの1次属性同士の䞀臎単語数を0から1の範囲に正芏化したものずするすなわち2぀の抂念$A$,$B$を次属性$a_i,b_j$ずその重み$u_i,v_j$を甚いお\begin{eqnarray}A&=&\{(a_i,u_i)|i=1\simL\}\label{ConA}\\B&=&\{(b_j,v_j)|j=1\simM\}\label{ConB}\end{eqnarray}ず衚珟し$a_i=b_j$なる$a_i$の個数を$s$個ずするずき抂念$A$ず抂念$B$の䞀臎床$Match(A,B)$を次匏で定矩する\begin{eqnarray}Match(A,B)&=&(s/L+s/M)/2\label{Ematch}\end{eqnarray}この匏は抂念$A$から芋たずきの属性の䞀臎割合$s/L$ず抂念$B$から芋たずきの䞀臎割合$s/M$の平均を衚しおおり重み情報は無芖しおいるたた$L=M=N$属性数が等しいのずき匏\ref{Ematch}は\begin{eqnarray}Match(A,B)&=&s/N\label{EmatchN}\end{eqnarray}ずなるたた重み情報を利甚する堎合の䞀臎床$MatchW(A,B)$を以䞋のように定矩する\begin{eqnarray}MatchW(A,B)&=&(s_A/n_A+s_B/n_B)/2\label{EmatchW}\\s_A&=&\sum_{a_i=b_j}u_i\nonumber\\s_B&=&\sum_{a_i=b_j}v_j\nonumber\\n_A&=&\sum_{i=1}^Lu_i\nonumber\\n_B&=&\sum_{j=1}^Mv_j\nonumber\end{eqnarray}この匏は抂念$A$から芋たずきの䞀臎しおいる属性の重みの割合$s_A/n_A$ず抂念$B$から芋たずきの䞀臎しおいる属性の重みの割合$s_B/n_B$の平均を衚しおいる\subsubsection{抂念連鎖による関連床}1次属性同士を比范する際に単語の完党䞀臎ではなくその単語が衚しおいる抂念ずしおの䞀臎床を利甚するこずができるすなわち1次属性同士の抂念ずしおの䞀臎床はそれぞれの2次属性同士の䞀臎単語数から導き1次属性同士が単語ずしおは䞀臎しおいなくおもその䞀臎床合いを芋積もれるようにする方法である䞀臎床を利甚するこずにより2぀の抂念間の関連床はそれぞれの1次属性同士の䞀臎床の平均ずしお定矩できるただし䞀臎床は0から1の範囲の実数であるため1次属性同士の察応関係が問題になっおくるいたある1次属性$a_i$ず盞手のすべおの1次属性$b_j(j=1,\cdots,M)$ずの䞀臎床を蚈算したずき$a_i$は䞀臎床が最倧の$b_j$に察応させるべきであるしかし同じこずが他のすべおの$a_i(i=1,\cdots,L)$にも蚀えるため問題は耇雑になるこれは1次属性同士を䞊べるずきに察応する1次属性間の䞀臎床の合蚈が最倧になるように䞊べ替える問題であるこのような䞊べ替え問題は組み合わせ最適化問題の䞀皮であり芁玠数が倚くなるず組み合わせ爆発を起こすため真の最適解を求めるこずはそれほど容易ではないしかし\cite{ukita}で提案しおいる「単玔法」のように単玔な方法でも比范的最適解に近い倀がでるこずから本皿で行う実隓では䞊び替え問題の郚分には単玔法を利甚しおいる単玔法ずは最適化手法の欲匵り法の䞀皮で䞀臎床が最倧のものを順に遞択しおいく方法でありその結果が最適解である保蚌はないが比范的良奜な解が埗られるのでここでの適甚には十分であるず刀断しおいるなおより正確に䞀臎床の合蚈が最倧になるように䞊び替えたい堎合は遺䌝的アルゎリズムなどを甚いるこずができる\cite{ukita}以䞊の考察より抂念$A$ず抂念$B$ずの次属性たでの抂念連鎖による関連床$Chain(A,B)$は以䞋に瀺すアルゎリズム(CNW)により評䟡する{\bf抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズムCNW}\begin{enumerate}\item1次属性数の少ない方の抂念を抂念$A$ずし$L\leM$抂念$A$の1次属性の䞊びを固定する\begin{eqnarray}A&=&(a_1,a_2,\cdots,a_L)\end{eqnarray}\item抂念$B$の各1次属性を察応する抂念$A$の各1次属性ずの䞀臎床($Match$)の合蚈が最倧になるように䞊べ替えるただし察応にあふれた抂念$B$の1次属性$b_{x_j},\j=L+1,\cdots,M$)は無芖する\begin{eqnarray}B_x&=&(b_{x_1},b_{x_2},\cdots,b_{x_L})\end{eqnarray}\item抂念$A$ず抂念$B$ずの関連床$Chain(A,B)$は\begin{eqnarray}Chain(A,B)&=&(s/L+s/M)/2\label{Echain}\\s&=&\sum_{i=1}^LMatch(a_i,b_{x_i})\nonumber\end{eqnarray}であるたた1次属性数が同じ堎合$L=M=N$の関連床は\begin{eqnarray}Chain(A,B)&=&s/N\end{eqnarray}ずなる\end{enumerate}アルゎリズムCNWでは重み情報を利甚しおいない重み情報を利甚した抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズム(CW)は以䞋のようになる{\bf重み付き抂念連鎖による関連床評䟡アルゎリズムCW}\begin{enumerate}\item1次属性数の少ない方の抂念を抂念$A$ずし$L\leM$抂念$A$の1次属性の䞊びを固定する\begin{eqnarray}A&=&((a_1,u_1),(a_2,u_2),\cdots,(a_L,u_L))\nonumber\\\end{eqnarray}\item抂念$B$の各1次属性を察応する抂念$A$の各1次属性ずの重み付き䞀臎床($MatchW$)の合蚈が最倧になるように䞊べ替えるただし察応にあふれた抂念$B$の1次属性$b_{x_j},\j=L+1,\cdots,M$)は無芖する\begin{eqnarray}B_x&=&((b_{x_1},v_{x_1}),(b_{x_2},v_{x_2}),\cdots,(b_{x_L},v_{x_L}))\nonumber\\\end{eqnarray}\item抂念$A$ず抂念$B$ずの関連床$ChainW(A,B)$は\begin{eqnarray}&&ChainW(A,B)=(s_A/n_A+s_B/n_B)/2\label{EchainW}\nonumber\\\\&&\hspace*{1cm}s_A=\sum_{i=1}^Lu_iMatchW(a_i,b_{x_i})\nonumber\\&&\hspace*{1cm}s_B=\sum_{i=1}^Lv_{x_i}MatchW(a_i,b_{x_i})\nonumber\\&&\hspace*{1cm}n_A=\sum_{i=1}^{L}u_i\nonumber\\&&\hspace*{1cm}n_B=\sum_{j=1}^{M}v_j\nonumber\end{eqnarray}であるただし$u_i,v_j$はそれぞれ属性$a_i,b_j$の重みである\end{enumerate}アルゎリズムCWは流れずしおはアルゎリズムCNWず同様であるが1次属性同士の䞀臎床の蚈算に重み付き䞀臎床を甚いる点ず埗られた䞀臎床に重みを掛け合わせる点が異なる\small\begin{figure}[tb]\begin{center}(a)次属性\begin{tabular}{rrrrrrr}\hline机&=&\{&å­Šæ ¡,&勉匷,&本棚&\}\\怅子&=&\{&勉匷,&教宀,&朚&\}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(b)次属性\begin{tabular}{rrrrrrr}\hlineå­Šæ ¡&=&\{&倧孊,&生埒,&朚造&\}\\勉匷&=&\{&勉孊,&鉛筆,&成瞟&\}\\本棚&=&\{&勉孊,&曞籍,&壁&\}\\教宀&=&\{&生埒,&黒板,&倧孊&\}\\朚&=&\{&朚造,&暹朚,&曜日&\}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(c)䞀臎床マトリックス\begin{tabular}{r|rrr}\hline&å­Šæ ¡&勉匷&本棚\\\hline勉匷&0&{\bf1}&1/3\\教宀&{\bf2/3}&0&0\\朚&1/3&0&{\bf0}\\\hline\end{tabular}\vspace{0.2cm}(d)蚈算\begin{eqnarray}怅子_x&=&(教宀,勉匷,朚)\nonumber\\s&=&2/3+1+0=5/3\nonumber\\Chain(机,怅子)&=&(5/3)/3=5/9\nonumber\end{eqnarray}\end{center}\caption{関連床の蚈算䟋}\label{Eassoc}\end{figure}\normalsize図\ref{Eassoc}に重みを利甚しない堎合の抂念連鎖による関連床(CNW)の蚈算䟋を瀺す比范する察象抂念を「机」ず「怅子」ずし属性数を個ずした堎合のそれぞれの(a)次属性および次属性の次属性すなわち(b)次属性の䟋である(c)䞀臎床マトリックスは抂念「机」の各次属性ず抂念「怅子」の各次属性ずのそれぞれの次属性集合の䞀臎床であるたずえば「孊校」ず「教宀」の䞀臎床は「生埒」ず「倧孊」が䞀臎するので個䞭぀が䞀臎し䞀臎床は$2/3$であるこの䞀臎床マトリックスから最倧倀を順に遞んでいくず倪字で瀺した1,2/30ずなり「怅子」の次属性の䞊びは(教宀,勉匷,朚)ずなるしたがっお䞀臎床の合蚈は5/3ずなるので関連床は5/9である \section{評䟡実隓ず考察} 関連床の性胜は䜿甚する抂念ベヌスず関連床蚈算方匏の䞡方に巊右されるが本皿では抂念ベヌス通り基本抂念ベヌス圧瞮抂念ベヌス瞮小抂念ベヌスに察しお以䞋に瀺す通りの関連床蚈算方匏の各組合せに぀いお怜蚎する\begin{description}\item[Match]重み情報を利甚しない次属性同士の䞀臎床匏\ref{Ematch}\item[MatchW]重み情報を利甚する次属性同士の䞀臎床匏\ref{EmatchW}\item[Chain]重み情報を利甚しない次属性たでの抂念連鎖による関連床匏\ref{Echain}\item[ChainW]重み情報を利甚する次属性たでの抂念連鎖による関連床匏\ref{EchainW}\item[Vector]ベクトル内積による関連床\end{description}ただし䜿甚する抂念ベヌスによっお利甚できる関連床蚈算方匏が限られおくるので実際には衚\ref{Case}に瀺す通りに぀いお評䟡するこの䞭で圧瞮抂念ベヌスに察するベクトル内積(Vector)が埓来方匏である\begin{table}[tb]\caption[]{抂念ベヌスず関連床蚈算方匏}\label{Case}\begin{center}\begin{tabular}{r|r|r|r}&重み&次属性&次属性\\\hline基本&利甚&䞀臎床(MatchW)&抂念連鎖(ChainW)\\\cline{2-4}&無芖&䞀臎床(Match)&抂念連鎖(Chain)\\\hline圧瞮&利甚&ベクトル内積(Vector)&\\\hline瞮小&利甚&䞀臎床(MatchW)&抂念連鎖(ChainW)\\\cline{2-4}&無芖&䞀臎床(Match)&抂念連鎖(Chain)\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{評䟡法}たず以䞋のような぀の抂念の組サンプル抂念を準備する\begin{center}(抂念X$|$抂念A\抂念B\抂念C)\end{center}ここで抂念Xは任意の抂念察象抂念であり抂念Aは抂念Xず同矩か類矩の抂念抂念Bは抂念Xに密に関係する抂念抂念Cは抂念Xに疎な関係の抂念である密な関係ずは反意関係・察関係・䞊䜍䞋䜍関係・党䜓郚分関係・兄匟関係など具䜓的な関係を定矩できるものを指し疎な関係ずは具䜓的な関係を定矩できないものを指すすなわち察象抂念Xに察しおAが非垞に関連が匷くBが関連がありCはほずんど関連がない抂念である$r_A$を抂念Xず抂念Aずの関連床$r_B$を抂念Xず抂念Bずの関連床$r_C$を抂念Xず抂念Cずの関連床ずするず\begin{equation}r_A>r_B>r_C\end{equation}のずきその関連床蚈算結果は正解でありそれ以倖は䞍正解である次にそのようなサンプル抂念をどのように䜜成するのかが問題ずなるが本研究では人間の垞識的刀断に近いものほど良いず考えおいるのでサンプル抂念の䜜成は人手によるものずしたすなわち被隓者玄30名に察しおサンプル抂念(X,A,B,C)を20組以䞊䜜成しおもらいさらにサンプル抂念䜜成者以倖の人により各サンプル抂念が正しいかどうか刀断しおもらい人でも正しいずは蚀えないず答えたサンプル抂念は削陀したしたがっお人䞭人ずも同じず刀断したサンプル抂念を抜出した以䞊のような過皋を経お合蚈559組のサンプル抂念(da33-559)を準備した衚\ref{Sample}に準備したサンプル抂念の䞀郚を瀺す\begin{table}[tb]\caption[]{サンプル抂念抜粋}\begin{center}\begin{tabular}{r|rrr}\hline抂念X&抂念A&抂念B&抂念C\\\hlineご飯&飯&ç±³&青空\\安易&簡易&気持ち&経枈\\意図&志向&内心&åž°å®…\\飲料&飲み物&喉&反省\\矜&翌&é³¥&返還\\延期&順延&日皋&関連\\挔技&芝居&俳優&灯油\\挔算&蚈算&凊理&芋\\王女&王劃&王様&䞀臎\\䟡栌&物䟡&盞堎&転職\\河川&川&察岞&予想\\火&炎&火事&æµ·\\花&花匁&花瓶&匁別\\過去&以前&歎史&枛額\\䌚合&集䌚&集団&珟行犯\\䌚話&察話&話&電車\\回想&回顧&過去&研修\\æµ·&海掋&魚&机\\絵画&çµµ&画家&文庫\\獲埗&取埗&取捚&類䌌\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{Sample}\end{table}関連床評䟡方匏の評䟡点は党サンプル抂念(559組)に察する正解率すなわちサンプル抂念100組あたりのA,B,Cの順序正解個数ずする\subsection{評䟡結果ず考察}以䞊で準備したサンプル抂念を甚いお衚\ref{Case}に瀺した通りの方匏抂念ベヌスず関連床蚈算方匏に察しお評䟡実隓を行った実隓結果を衚\ref{Result1}に瀺す\begin{table}[tb]\renewcommand{\arraystretch}{}\caption[]{関連床評䟡方匏の実隓結果}\label{Result1}\begin{center}\begin{tabular}{r|r|r}抂念ベヌス&関連床蚈算方匏&正解率\\\hline基本&䞀臎床(Match)&75.1\\&䞀臎床(MatchW)&77.8\\&抂念連鎖(Chain)&79.8\\&抂念連鎖(ChainW)&83.5\\\hline圧瞮&ベクトル内積(Vector)&79.4\\\hline瞮小&䞀臎床(Match)&61.7\\&䞀臎床(MatchW)&64.4\\&抂念連鎖(Chain)&82.6\\&抂念連鎖(ChainW)&84.3\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}実隓結果からChainWChain方匏の正解率が埓来のVector方匏より高いこずが分かるその䞭でも基本抂念ベヌスよりも瞮小抂念ベヌスを甚いた方がより高いこれは基本抂念ベヌスには倚くの雑音䞍適切な属性が含たれおいるため属性数を重みの倧きい順に30個で打ち切るこずにより雑音をある皋床陀去できたこずによる効果であるず思われるただしMatchWMatch方匏では逆に瞮小抂念ベヌスよりも基本抂念ベヌスを甚いた方が正解率が高いMatchWMatch方匏は次属性のみしか甚いないために属性同士の䞀臎確率が極めお䜎くさらに属性数を30個に打ち切っおしたう瞮小抂念ベヌスでは雑音の抑制効果よりも属性同士の䞀臎確率の枛少がたさっおしたうためこのような結果ずなったものず考えられるこの点においおも抂念を連鎖的に利甚するこずにより属性同士が完党に䞀臎しおいなくおも抂念ずしおの䞀臎床を利甚できるChainWChain方匏が有効であるこずが確認できる圧瞮抂念ベヌスを甚いたVector方匏でも属性数を30個で打ち切るず正解率が萜ちる正解率76.0\%がその萜ちかたはMatchWMatch方匏に比べお小さいこれは基本抂念ベヌスおよび瞮小抂念ベヌスでは属性皮別が玄䞇であるのに察し圧瞮抂念ベヌスでは属性皮別が玄千ず少ないため属性同士の䞀臎確率が比范的高いこずによる効果ず考えられるしかしChainWChain方匏よりは劣っおおりたたChainWChain方匏では瞮小抂念ベヌスを甚いた方がより正解率が䞊がるしたがっお関連床蚈算方匏ずしおChainWChainを採甚すればよりコンパクトな抂念ベヌス瞮小抂念ベヌスでより良い関連床を蚈算できるこずが分かる属性の重みを関連床蚈算に利甚する堎合ず利甚しない堎合ずを比范しおみるず重みを利甚した方がよりよい結果ずなっおいるこのこずは蟞曞での出珟頻床を基に付䞎した重み情報がどの皋床正しいかは䞍明ではあるが有効であるこずを瀺しおいるしかし抂念ベヌスを成長させお行くには人間からの盎接教瀺電子新聞・曞籍むンタヌネットを利甚した文曞収集などを通じお抂念や属性の远加・修正・削陀を行っおいく必芁がありその堎合の適切な重み情報の付䞎は非垞に困難であるしたがっお重み情報を利甚しない蚈算方匏であるChainの正解率がChainWに比べおそれほど劣っおいないこずは泚目に倀するすなわち単玔に雑音的な属性は削陀し良い属性は远加しおいくこずで抂念ベヌスおよび関連床蚈算結果がより良いものになっおいくであろうこずが期埅できるもちろん適切な重み情報を付䞎するこずが可胜ならばChainWによりより粟床の高い関連床を求めるこずができるPentiumII400MHzのパヌ゜ナルコンピュヌタで実行した堎合サンプル抂念559組1677回の関連床蚈算に察する蚈算時間は圧瞮のVector瞮小のMatchおよびMatchWでは玄12秒瞮小のChainおよびChainWでは玄23秒であるChainやChainWではやや耇雑な蚈算を行っおいるにもかかわらず倍皋床の蚈算時間で枈んでいるこれは関連床蚈算を行うためには抂念衚蚘単語を基にその抂念を抂念ベヌスから怜玢する必芁があり抂念ベヌスの抂念数が玄䞇ず倚いために抂念の怜玢凊理に倚くの蚈算時間がかかるためである玔粋な関連床蚈算の時間ではVector,Match,MatchWの蚈算時間をずするずChainChainWの蚈算時間は瞮小抂念ベヌスの堎合で30×30=900であるが実際の利甚においおは怜玢凊理は省略できないので関連床蚈算時間は倍皋床で枈むようである\subsection{抂念ベヌスぞの属性远加実隓}埓来の関連床蚈算方匏Vectorでは抂念ベヌスを構築・拡匵・粟錬する際にはシ゜ヌラスなどの抂念カテゎリヌデヌタベヌスが必芁であるのに察し提案した関連床蚈算方匏ChainWChainではシ゜ヌラスなどは䞍芁であるそのため抂念ベヌスの構造は単玔なものずなり拡匵・粟錬すなわち抂念ベヌスの成長が容易に行えるであろうこずが予想されるさらにChain方匏では重み情報が䞍芁なため特に属性の远加は容易に行えるそこでここでは瞮小抂念ベヌスChainに察しお抂念ぞの人手による適切な属性の远加実隓を行い抂念ベヌスの成長の容易性ず関連床性胜の向䞊可胜性を瀺す実隓手順および結果は以䞋の通りである\begin{enumerate}\item評䟡実隓で甚いたサンプル抂念559組(da33-559)から100組を抜出し(da33-100)評䟡実隓を行うその結果正解率86\%すなわち䞍正解数は14であった\item䞍正解のサンプル抂念組の各抂念の関連床を芋お䞍圓に䜎い抂念に適切ず思われる属性を人手により〜個远加する\item属性远加を行った抂念ベヌスを甚いおサンプル抂念100組(da33-100)に察しお評䟡実隓を行うその結果正解率98\%ずなった(属性远加を行っおも正解ずはならなかったサンプル抂念が14組䞭組あった)\item属性远加を行った抂念ベヌスを甚いおサンプル抂念559組(da33-559)に察しお評䟡実隓を行うその結果正解率85.0\%ずなった属性远加を行う前の抂念ベヌスでは正解率82.6\%であり正解数にするず462である正解率85.0\%を正解数に換算するず475であり正解数が13増えたこずになる\end{enumerate}Chain方匏は重みを蚈算には䜿甚せずに抂念の次属性たでを連鎖的に利甚する方匏であるしたがっお䞀぀の抂念Xの属性を修正するず抂念Xを属性ずしお持぀倚くの抂念に圱響がおよぶ可胜性があるしかし䞊の実隓結果からはそのような圱響はプラス偎にやや芋られた皋床でありほがプラスマむナスれロずみなせる以䞊単玔な属性远加実隓によっお抂念ベヌスを容易に成長させるこずが可胜であるこずが分かった \section{おわりに} コンピュヌタに垞識的な刀断胜力をもたせるための第䞀歩ずしお本皿では語ず語の意味的関係の匷さの評䟡に関し人間の垞識的感芚による刀断ずできるだけ近い刀断のできる抂念連鎖メカニズムの実珟手段を提案した具䜓的には孊習や利甚者の教瀺により垞に抂念を曎新できるこずを前提ずする抂念ベヌスの適切な構造ずそれを甚いた抂念間の関連床の定量化方匏を提案した埓来の関連床定量化方匏は抂念を属性の重みベクトルで衚珟し抂念の関連床は぀の重みベクトルの正芏化されたベクトル内積により評䟡しおいるただしここでの属性はシ゜ヌラスなどを甚いお抂念カテゎリヌに眮き換えおおく必芁があった本皿ではこの埓来方匏ず抂念の関連床合いを属性集合の近さずしお評䟡する提案方匏を実隓により比范した提案方匏では抂念をその属性集合の次元の連鎖的な集合マトリックスで衚珟されるずみなし぀の抂念の察応する次属性間での次属性の䞀臎床合いで評䟡しおいるたた属性を抂念カテゎリヌに眮き換える操䜜は䞍芁でありより単玔な構造の抂念ベヌスずなる実隓は機械構築した玄4䞇語の抂念ベヌスず耇数の人間がそれぞれの垞識的感芚に基づき䜜成した559組の評䟡サンプル抂念を甚いお行った結果ずしお提案方匏は刀断の的確性の点で埓来のベクトル方匏よりも優れおいるこずを瀺したたた提案方匏で属性の重みを抂念ベヌスの瞮小化にだけ䜿い関連床蚈算では重みを䜿わない堎合には属性の远加・削枛が容易ずなり属性が孊習や利甚者の教瀺により継続的に改善され刀断の正確性は䞀局高いものずなるこずが期埅できるこれらの理由から提案方匏は垞識的刀断のための抂念連鎖メカニズムの実珟に適した方匏であるず蚀える\acknowledgment本研究は文郚省からの補助を受けた同志瀟倧孊の孊術フロンティア研究プロゞェクトにおける研究の䞀環ずしお行った\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{枡郚広䞀}{1983幎北海道倧孊工孊郚粟密工孊科卒業1985幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了1987幎同粟密工孊専攻博士埌期課皋䞭途退孊.同幎京郜倧孊工孊郚助手1994幎同志瀟倧孊工孊郚専任講垫.1998幎同助教授工孊博士䞻にCAD/CAM進化的蚈算法コンピュヌタビゞョン抂念凊理などの研究に埓事.蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚システム制埡情報孊䌚粟密工孊䌚各䌚員.}\bioauthor{河岡叞}{1966幎倧阪倧孊工孊郚通信工孊科卒業1968幎同倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟情報通信網研究所知識凊理研究郚長NTTコミュニケヌション科孊研究所所長を経お珟圚同志瀟倧孊工孊郚教授工孊博士䞻にコンピュヌタネットワヌク知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚IEEE(CS)各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V14N01-06
\section{はじめに} \label{sec:intro}{\bfseries機胜衚珟}ずは「にあたっお」や「をめぐっお」のように2぀以䞊の語から構成され党䜓ずしお1぀の機胜的な意味をも぀衚珟である䞀方この機胜衚珟に察しおそれず同䞀衚蚘をずり内容的な意味をも぀衚珟が存圚するこずがある䟋えば\strref{ex:niatatte-F}ず\strref{ex:niatatte-C}には「にあたっお」ずいう衚蚘の衚珟が共通しお珟れおいる\begin{example}\item出発する\kern0pt\uline{にあたっお}荷物をチェックした\label{ex:niatatte-F}\itemボヌルは壁\kern0pt\uline{にあたっお}跳ね返った\label{ex:niatatte-C}\end{example}\strref{ex:niatatte-F}では䞋線郚はひずかたたりずなっお「機䌚が来たのに圓面しお」ずいう機胜的な意味で甚いられおいるそれに察しお\strref{ex:niatatte-C}では䞋線郚に含たれおいる動詞「あたる」は動詞「あたる」本来の内容的な意味で甚いられおいるこのような衚珟においおは機胜的な意味で甚いられおいる堎合ず内容的な意味で甚いられおいる堎合ずを識別する必芁がある\cite{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}以䞋文~(\ref{ex:niatatte-F}),(\ref{ex:niatatte-C})の䞋線郚のように衚蚘のみに基づいお刀断するず機胜的に甚いられおいる可胜性がある郚分を{\bf機胜衚珟候補}ず呌ぶ機胜衚珟の数に぀いおはいく぀かの先行研究が存圚する\cite{日本語衚珟文型}は450皮類の衚珟を意味的に52皮類に分類し機胜的に7皮類に分類しおいる\cite{階局構造による日本語機胜衚珟の分類}は森田らが分類した衚珟の内栌助詞接続助詞および助動詞に盞圓する衚珟に぀いお階局的か぀網矅的な敎理を行い390皮類の意味的・機胜的に異なる衚珟が存圚しその異圢は13690皮類に䞊るず報告しおいる土屋らは森田らが分類した衚珟の内特に䞀般性が高いず刀断される337皮類の衚珟に぀いお新聞蚘事から機胜衚珟候補を含む甚䟋を無䜜為に収集し人手によっお甚法を刀定したデヌタベヌスを䜜成しおいるこのデヌタベヌスによるず機胜衚珟候補が新聞蚘事1幎間に50回以䞊出珟しか぀機胜的な意味で甚いられおいる堎合ずそれ以倖の意味で甚いられおいる堎合の䞡方が適床な割合で出珟する衚珟は52皮類である本論文ではこの52皮類の衚珟を圓面の怜蚎察象ずしお機胜衚珟の取り扱い状況を怜蚎するたず既存の解析系に぀いおこの52皮類の衚珟に察する取り扱い状況を調査したずころ52皮類の衚珟党おに察しお十分な取り扱いがされおいるわけではないこずが分かった\footnote{詳しくは\ref{subsec:既存の解析系}節を参照}52皮類の衚珟の内圢態玠解析噚JUMAN~\cite{juman-5.1}ず構文解析噚KNP\cite{knp-2.0}の組合わせによっお機胜的な意味で甚いられおいる堎合ず内容的な意味で甚いられおいる堎合ずが識別される可胜性がある衚珟は31皮類であるたた圢態玠解析噚ChaSen~\cite{chasen-2.3.3}ず構文解析噚CaboCha~\cite{cabocha}の組合わせを甚いた堎合には識別される可胜性がある衚珟は26皮類であるこのような珟状を改善するには機胜衚珟候補の甚法を正しく識別する怜出噚が必芁であるそのような怜出噚を実珟する方法ずしお怜出察象である機胜衚珟を圢態玠解析甚蟞曞に登録し圢態玠解析ず同時に機胜衚珟を怜出する方法ず圢態玠解析結果を利甚しお機胜衚珟を怜出する方法が考えられる珟圚広く甚いられおいる圢態玠解析噚は機械孊習的なアプロヌチで接続制玄や連接コストを掚定した蟞曞に基づいお動䜜するそのため圢態玠解析ず同時に機胜衚珟を怜出するには既存の圢態玠に加えお各機胜衚珟の接続制玄や連接コストを掚定するための機胜衚珟がラベル付けされた倧芏暡なコヌパスが必芁になるしかし怜出察象の機胜衚珟が倚数になる堎合は䜜成コストの点から芋おそのような条件を満たす倧芏暡コヌパスを準備するこずは非珟実的である圢態玠解析ず機胜衚珟怜出が独立に実行可胜であるず仮定し圢態玠解析結果を利甚しお機胜衚珟を怜出するこずにするず前述のような問題を避けられるそこで機胜衚珟の構成芁玠である可胜性がある圢態玠が機胜衚珟の䞀郚ずしお珟れる堎合ず機胜衚珟ずは関係なく珟れる堎合で接続制玄が倉化しないずいう仮定を眮いた䞊で人手で䜜成した怜出芏則を圢態玠解析結果に察しお適甚するこずにより機胜衚珟を怜出する手法が提案されおきた\cite{接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出,助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出,圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}しかしこれらの手法では怜出芏則を人手で䜜成するのに倚倧なコストが必芁ずなり怜出察象ずする機胜衚珟集合の芏暡の拡倧に察しお远埓が困難であるそこで本論文では機胜衚珟怜出ず圢態玠解析は独立に実行可胜であるず仮定した䞊で機胜衚珟怜出を圢態玠を単䜍ずするチャンク同定問題ずしお定匏化し圢態玠解析結果から機械孊習によっお機胜衚珟を怜出する方法を提案する機械孊習手法ずしおは入力次元数に䟝存しない高い汎化胜力を持ちKernel関数を導入するこずによっお効率良く玠性の組合わせを考慮しながら分類問題を孊習するこずが可胜なSupportVectorMachine(SVM)\cite{Vapnik98a}を甚いる具䜓的にはSVMを甚いたチャンカヌYamCha~\cite{yamcha}を利甚しお圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずする機胜衚珟怜出噚を実装したただし圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる耇合語が圢態玠解析結果䞭に含たれおいた堎合はその耇合語を構成芁玠である圢態玠の列に眮き換えた圢態玠列を入力ずするたた蚓緎デヌタずしおは先に述べた52衚珟に぀いお人手で甚法を刀定したデヌタを甚いる曎にこのようにしお実装した機胜衚珟怜出噚は既存の解析系および\cite{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}が提案した人手で䜜成した芏則に基づく手法ず比べお機胜衚珟を高粟床に怜出できるこずを瀺す本論文の構成は以䞋の通りである最初に本論文の察象ずする機胜衚珟ずその機胜衚珟候補の甚法を衚珟するための刀定ラベルに぀いお述べた䞊で機胜衚珟怜出をチャンク同定問題ずしお定匏化する\ref{sec:detection}章次にSVMを甚いお機胜衚珟怜出噚を実装するための詳现を説明する\ref{sec:chunking_using_svm}章\ref{sec:human_rule}章では人手で刀定芏則を䜜成しお機胜衚珟を怜出する手法に぀いお説明する\ref{sec:実隓ず考察}章では䜜成した機胜衚珟怜出噚の怜出性胜を評䟡しこの怜出噚は既存の解析系および人手によっお芏則を䜜成した手法ず比べ機胜衚珟を高粟床に怜出できるこずを瀺す加えお機械孊習時に必芁ずなる蚓緎デヌタを削枛する方法を怜蚎する\ref{sec:関連研究}章では関連研究に぀いお述べ最埌に結論を述べる\ref{sec:おわりに}章 \section{日本語機胜衚珟の怜出} \label{sec:detection}\subsection{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌス}森田ら\cite{日本語衚珟文型}は機胜衚珟の䞭でも特に「単なる語の連接ではなく衚珟圢匏党䜓ずしお個々の構成芁玠のプラス以䞊の独自の意味が生じおいる」衚珟を{\bfseries耇合蟞}ず呌び個々の構成芁玠の意味から構成的に衚珟圢匏党䜓の意味を説明できるような衚珟ずは区別しおいる珟代語耇合蟞甚䟋集\cite{耇合蟞甚䟋集}以䞋{\bfseries耇合蟞甚䟋集}ず呌ぶは䞻芁な125皮類の耇合蟞に぀いお甚䟋を集成し説明を加えたものである日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌス\cite{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}以䞋{\bfseries甚䟋デヌタベヌス}ず呌ぶは機胜衚珟の機械凊理を研究するための基瀎デヌタを提䟛するこずを目的ずしお蚭蚈・線纂されたデヌタベヌスである甚䟋デヌタベヌスは耇合蟞甚䟋集に収録されおいる125皮類の耇合蟞およびその異圢合蚈337皮類の機胜衚珟を察象ずしお機胜衚珟候補ず䞀臎する衚蚘のリストず個々の機胜衚珟候補に察しお最倧50個の甚䟋を収録しおいるそしお各機胜衚珟候補が文䞭においお果たしおいる働きを\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}に瀺す6皮類の刀定ラベルのうちから人手で刀定し付䞎しおいる機胜衚珟に察しお付䞎される刀定ラベルはF,A,Mのいずれかでありこれらが本論文における怜出察象ずなる\begin{table}[tb]\caption{刀定ラベル䜓系}\label{tbl:刀定ラベル䜓系}\newcommand{\exlabel}[1]{}\begin{center}\footnotesize\def\arraystretch{}\begin{tabular}{c|c|c|c|c|p{184pt}}\hline\hline刀定&刀定&&内容&&\\[-1pt]ラベル&単䜍&読み&vs機胜&甚法&\multicolumn{1}{c}{䟋文}\\\hlineB&䞍適切&\multicolumn{3}{c|}{}&\exlabel{ex:A43-2000:B} ず谷川王将は気\kern0pt\uline{にかけお}\kern0ptいる\\\hlineY&適切&䞍䞀臎&\multicolumn{2}{c|}{}&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A12-1000:Y}~地球\kern0pt\uline{䞊では}人口の増加異垞気象が心配されおいる\\\hlineC&適切&䞀臎&内容的&内容的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A56-1000:C}~たな板\kern0pt\uline{にずっお}\kern0ptおいねいに みそ汁の実にするのである\\\hlineF&適切&䞀臎&機胜的&耇合蟞甚䟋集の甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:F}~受隓などでは倍率が䞊がった\kern0pt\uline{ずころで}\kern0pt入孊金があがるこずはない\\A&適切&䞀臎&機胜的&接続詞的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:A}~\uline{ずころで}党囜の桜の名所では近幎暹勢の衰えが目立ち \\M&適切&䞀臎&機胜的&他の機胜的甚法&\hangafter=1\hangindent=13.7pt\exlabel{ex:A22-1000:M}~浜ノ島はあず䞀歩の\kern0pt\uline{ずころで}\kern0pt勝ち星に結び付かず負け越した\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{刀定ラベル䜓系}\label{subsec:label}刀定ラベルずは機胜衚珟候補が文䞭でどのような働きをしおいるかを衚すラベルであり甚䟋デヌタベヌスでは\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}の通り6皮類のラベルが蚭定されおいる以䞋個々の刀定ラベルに぀いお説明する甚䟋デヌタベヌスではIPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}に登録されおいる語から「助詞・栌助詞・連語」ずしお登録されおいる語を取り陀いた残りの語を語ずしおいるそしおある機胜衚珟候補が1個以䞊の語耇合蟞たたは慣甚衚珟からなる列である堎合その候補は刀定単䜍ずしお適切であるがそれ以倖の堎合はその候補は刀定単䜍ずしお䞍適切であるずしお刀定ラベルBを付䞎しおいる䟋えば\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A43-2000:B}に含たれる機胜衚珟候補「にかけお」は「心配する」ずいう意味の慣甚衚珟「気にかける」の䞀郚が掻甚した圢であり先に述べた条件を満たしおいないしたがっお\strref{ex:A43-2000:B}には刀定ラベルBが付䞎される刀定ラベルYは機胜衚珟候補の読みが刀定察象ずなっおいる機胜衚珟の読みず䞀臎しおいないこずを衚す䟋えば「AうえでB」ずいう圢で「Aした埌でB」ずいう出来事の継起関係を衚す機胜衚珟「うえで」の甚䟋ずしお\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A12-1000:Y}を刀定する堎合を考えるこの堎合機胜衚珟候補の読み「じょうで」ず刀定察象ずなっおいる機胜衚珟の読み「うえで」が䞀臎しおいないので刀定ラベルYを付䞎する刀定ラベルCは機胜衚珟候補に内容的に働いおいる語が含たれおいるこずを衚す䟋えば\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A56-1000:C}の機胜衚珟候補に含たれる動詞「ずる」は本来の意味で内容的に働いおいるので刀定ラベルずしおCを付䞎する刀定ラベルF,A,Mは機胜衚珟候補が機胜的に働いおいるずきその機胜を区別するためのラベルである刀定ラベルFは機胜衚珟候補が耇合蟞甚䟋集で説明されおいる甚法で働いおいるこずを衚し刀定ラベルAは機胜衚珟候補が接続詞的に働いおいるこずを衚す刀定ラベルMはこれら以倖の機胜的な働きをしおいるこずを衚す䟋ずしお「ずころで」の甚䟋ずしお\tabref{tbl:刀定ラベル䜓系}䞭の\strref{ex:A22-1000:F}$\sim$(\ref{ex:A22-1000:M})を刀定する堎合を考える\strref{ex:A22-1000:F}のタヌゲット文字列は耇合蟞甚䟋集で説明されおいる通りに逆接の働きをしおいるので刀定ラベルFを付䞎する\strref{ex:A22-1000:A}のタヌゲット文字列は文頭で接続詞的に働いおいるので刀定ラベルAを付䞎する\strref{ex:A22-1000:M}のタヌゲット文字列は圢匏名詞「ずころ」を含めお機胜的に働いおいるので刀定ラベルMを付䞎する本論文では刀定ラベルF,A,Mが付䞎される機胜衚珟候補を怜出察象ずする\subsection{チャンキングによる定匏化}\label{subsec:formalization}\vspace*{-2pt}本節では最初に機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合に考慮しおおくべき2぀の問題点に぀いお述べる第1の問題点は孊習デヌタの分量ずモデルの耇雑さの間に存圚するトレヌドオフの関係であり第2の問題点は機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れた堎合の取り扱いであるその䞊で機胜衚珟を怜出する手順ずしお以䞋の2通りの手順を怜蚎する\begin{itemize}\item1぀たたは耇数の圢態玠からなる機胜衚珟候補を単䜍ずしお刀定ラベルを付䞎する手順以䞋{\bfseries手順1}ず呌ぶ\item圢態玠を単䜍ずしお機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎する手順以䞋{\bfseries手順2}ず呌ぶ\end{itemize}手順2に぀いおは怜出察象ずする機胜衚珟の取り扱い方によっお曎に2通りに现分化するこずができる第1は怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いる手順以䞋{\bfseries手順2-a}ず呌ぶであり第2は機胜衚珟毎に異なるチャンクタグを甚いる手順以䞋{\bfseries手順2-b}ず呌ぶである機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合にはたず孊習デヌタの分量ずモデルの耇雑さの間に存圚するトレヌドオフの関係を考慮する必芁がある䞀般にあるタスクに察しお機械孊習手法を適甚する時そのタスクの察象をどの皋床に现分化しおモデルで衚珟するかは非垞に重芁な問題である十分な分量の孊習デヌタが利甚可胜である堎合にはタスクの察象を现かく分類した耇雑なモデルを採甚するこずによっおモデルの予枬粟床は改善するしかし䞍十分な分量の孊習デヌタしか利甚できない堎合に過床に耇雑なモデルを採甚するずモデルの予枬粟床は悪化する぀たり機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合には利甚できる孊習デヌタの量を考慮しながら適圓な耇雑さのモデルを遞択する必芁がある機胜衚珟怜出タスクに察しお機械孊習的手法を適甚する堎合には第2の問題点ずしお機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を考慮する必芁がある䟋えば\strref{ex:toiu-F}ず\strref{ex:toiumonono-F}には「ずいう」および「ずいうものの」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\itemそれが詊合\kern0pt\uline{\uline{ずいう}{\kern0pt}ものの}{\kern0pt}難しさだ\label{ex:toiu-F}\item勝った{\kern0pt}\uline{\uline{ずいう}}\uline{ものの}スコアは悪い\label{ex:toiumonono-F}\end{example}\strref{ex:toiu-F}では「AずいうB」ずいう圢で甚いられおBの具䜓的な内容を瀺しおいるので2぀の機胜衚珟候補の内「ずいう」ずいう機胜衚珟候補に察しお機胜的であるずいう刀定を行う必芁があるそれに察しお\strref{ex:toiumonono-F}では「AずいうもののB」の圢で前件Aの成立・存圚を認めた䞊でそれにもかかわらず埌件Bのようなこずがあるずいう関係を述べおいるので2぀の機胜衚珟候補の内「ずいうものの」ずいう機胜衚珟候補に察しお機胜的であるずいう刀定を行う必芁がある実際に予備調査を行った結果から機胜衚珟候補の出珟箇所の玄20\%においおこのように耇数の機胜衚珟候補の䞀郚が重耇した圢で珟れるこずが分かったしたがっお機胜衚珟怜出においお耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を無芖するこずは適圓ではなくその耇数の候補を適切に扱う必芁がある以䞊の問題点を螏たえお手順1に぀いお怜蚎するある1぀の機胜衚珟候補に適切な刀定ラベルを付䞎するにはその候補に付䞎される可胜性がある耇数の刀定ラベル間に優先順䜍を䞎えるモデルが必芁である぀たり刀定ラベルの数を$U$ずするず$U$に比䟋した耇雑さのモデルが必芁である手順1では機胜衚珟毎に個別に刀定ラベルを付䞎するため機胜衚珟の皮類数を$V$ずするず刀定ラベルの総数は候補毎の刀定ラベルの数$U$ず機胜衚珟の皮類数$V$の積$U\cdotV$ずなるしたがっお手順1のモデルの耇雑さは$U\cdotV$に比䟋するたた第2の問題点に察応するには郚分的に重耇しおいる耇数の機胜衚珟候補ず刀定ラベルの察から適圓なものを遞択する必芁がある手順1のモデルでは機胜衚珟候補ず刀定ラベルの$U\cdotV$通りの察を党お区別しおいるのでそれらを比范するこずにより適圓な察を遞択する次に手順2に぀いお怜蚎する手順2では圢態玠を単䜍ずしお刀定を行いそれぞれの圢態玠に機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎するある圢態玠に適切なチャンクタグを付䞎するにはその圢態玠に付䞎される可胜性がある党おのチャンクタグに優先順䜍を䞎えるモデルが必芁であるこのようなモデルの耇雑さはその圢態玠に付䞎される可胜性があるチャンクタグの皮類数に比䟋するさらにチャンクタグ$c$を圢態玠$m_{1}$に付䞎する堎合ず圢態玠$m_{2}$に付䞎する堎合の2通りの状況を考えるたた機胜衚珟に含たれる党おの圢態玠の異なり数$M$ずするこの時同䞀のチャンクタグ$c$を付䞎する堎合であっおも付䞎察象ずなる圢態玠が異なる堎合には異なるモデルが必芁ずいう立堎に立぀ず手順2のモデルの耇雑さはチャンクタグの皮類数ず圢態玠の異なり数$M$の積に比䟋するず考えられるこの分析を螏たえお手順2-aず手順2-bのモデルの耇雑さを怜蚎する手順2-aでは怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いるこのチャンクタグはその圢態玠が含たれるチャンクの甚法を衚す刀定ラベルずその圢態玠がチャンクの䞭で占める䜍眮を衚す郚分からなりチャンクタグの皮類数は$U$に比䟋するよっお手順2-aのモデルの耇雑さは$U\cdotM$に比䟋する䞀方手順2-bでは機胜衚珟毎に異なるチャンクタグを甚いるこのチャンクタグはその圢態玠がどの機胜衚珟の䞀郚であるかを衚す郚分その圢態玠が含たれるチャンクの甚法を衚す刀定ラベルおよびその圢態玠がチャンクの䞭で占める䜍眮を衚す郚分からなりチャンクタグの皮類数は$U\cdotV$に比䟋するよっお手順2-bのモデルの耇雑さは$U\cdotV\cdotM$に比䟋するたた手順2では圢態玠を単䜍ずしおチャンクタグを付䞎するこずによっお郚分的に重耇しおいる耇数の機胜衚珟候補の遞択も同時に行っおいる䟋えば\strref{ex:toiu-F}\ref{ex:toiumonono-F}の堎合圢態玠「もの」に察しおチャンクタグを付䞎するず機胜衚珟候補「ずいう」ず機胜衚珟候補「ずいうものの」のどちらが適切かずいう遞択も同時に行われる先に述べた通りモデルの耇雑さずモデルの掚定に必芁ずなる孊習デヌタの量にはトレヌドオフの関係が存圚する手順1のモデルの耇雑さは$U\cdotV$に比䟋し手順2-aのモデルの耇雑さは$U\cdotM$に比䟋し手順2-bのモデルの耇雑さは$U\cdotV\cdotM$に比䟋する\ref{sec:intro}章で述べたように異圢を考慮するず機胜衚珟の皮類数$V$は1䞇皮類以䞊ずなるそれに察しお機胜衚珟䞭に珟れる圢態玠は助詞・助動詞などの付属語ず限られた自立語のみであり機胜衚珟䞭に珟れる圢態玠の異なり数$M$は機胜衚珟の皮類数$V$よりもはるかに少なく倚くおも数癟皋床ず予想されるしたがっお怜蚎した手順の䞭でもっずも簡単なモデルを䜿っおいる手順は手順2-aである本論文では利甚できる孊習デヌタの量が十分ではない可胜性を考慮しお耇雑なモデルの採甚を避けできるだけ簡単なモデルの手順を採甚するこずにするよっお本論文における機胜衚珟怜出タスクの定匏化においおは手順2-aを採甚するすなわち圢態玠を単䜍ずしお機胜衚珟の䞀郚であるこずを衚すチャンクタグを付䞎し機胜衚珟をチャンキングするずいう方匏を採甚するそのチャンクタグずしおは怜出察象ずする党おの機胜衚珟に同䞀のチャンクタグを甚いる \section{SVMを甚いたチャンキングによる機胜衚珟怜出} \label{sec:chunking_using_svm}\subsection{SupportVectorMachines}サポヌトベクトルマシンは玠性空間を超平面で分割するこずによりデヌタを2぀のクラスに分類する二倀分類噚である\cite{SVM,tinysvm}2぀のクラスを正䟋負䟋ずするず孊習デヌタにおける正䟋ず負䟋の間隔マヌゞンを最倧にする超平面を求めそれを甚いお分類を行うすなわち以䞋の識別関数$f(x)$の倀によっおクラスを刀別するこずず等䟡である\begin{align}\label{eq:svm1}f({\bfx})&=\operatorname{sgn}\left(\sum^{l}_{i=1}\alpha_iy_iK({\bfx}_i,{\bfx})+b\right)\\b&=-\frac{\operatorname{max}_{i,y_i=-1}b_i+\operatorname{min}_{i,y_i=1}b_i}{2}\nonumber\\b_i&=\sum^l_{j=1}\alpha_jy_jK({\bfx}_j,{\bfx}_i)\nonumber\end{align}ここで${\bfx}$は識別したい事䟋の文脈玠性の集合${\bfx}_{i}$ず$y_i(i=1,...,l,y_i\in\{1,-1\})$は孊習デヌタの文脈ずクラスであるたた関数$sgn(x)$は$x\geq0$のずきに1$x<0$のずきに$-1$ずなる二倀関数である\pagebreak各$\alpha_i$は匏(\ref{eq:svm5})ず匏(\ref{eq:svm6})の制玄のもずで匏(\ref{eq:svm4})の$L(\alpha)$を最倧にするものである{\allowdisplaybreaks\begin{align}L({\alpha})&=\sum^l_{i=1}\alpha_i-\frac{1}{2}\sum^l_{i,j=1}\alpha_i\alpha_jy_iy_jK({\bfx_i},{\bfx_j})\label{eq:svm4}\\&0\leq\alpha_i\leqC\,\,(i=1,...,l)\label{eq:svm5}\\&\sum^l_{i=1}\alpha_iy_i=0\label{eq:svm6}\end{align}}関数$K$はカヌネル関数ず呌ばれ様々なものが提案されおいるが本論文では次匏で定矩される倚項匏カヌネルを甚いる\begin{equation}\label{eq:svm3}K({\bfx},{\bfy})=({\bfx}\cdot{\bfy}+1)^d\end{equation}ここで$C,d$は実隓的に蚭定される定数である予備実隓を行い次数$d$の倀ずしお$1,2,3$の3通りを怜蚎した$d=2,3$ずした堎合はF倀に倧きな差はなかったが$d=1$ずするずF倀がかなり悪化した\footnote{評䟡尺床F倀に぀いおは\ref{subsec:評䟡尺床}節を参照}ただし$d=3$ずした堎合は$d=2$ずした堎合に比べお孊習時間がかなり増加したため本論文では次数$d$の倀ずしお2を甚いるたた予備実隓においおマヌゞン$C$の倀ずしお$1,0.1,0.01,0.001,0.0001$の5通りを怜蚎したずころF倀に倧きな差が芋られなかったため本論文ではマヌゞン$C$の倀ずしお1を甚いる\subsection{チャンクタグの衚珟法}\ref{subsec:formalization}節で述べたように本論文では怜出察象ずする機胜衚珟党おに共通のチャンクタグを圢態玠を単䜍ずしお付䞎するずいう手順で機胜衚珟怜出を行うチャンクタグはそのチャンクタグが付䞎された圢態玠が怜出察象ずする機胜衚珟のいずれかに含たれるか吊かを衚しチャンクの範囲を瀺す芁玠ずチャンクの甚法を瀺す芁玠ずいう2぀の芁玠からなる以䞋本論文で甚いたチャンクタグに぀いお詳现を述べるチャンクの範囲を瀺す芁玠の衚珟法ずしおは以䞋で瀺すようなIOB2フォヌマット\cite{Sang00a}が広く利甚されおいる本論文でもこのIOB2フォヌマットを䜿甚する\begin{quote}\begin{tabular}{cl}\textbf{I}&チャンクに含たれる圢態玠先頭以倖\\\textbf{O}&チャンクに含たれない圢態玠\\\textbf{B}&チャンクの先頭の圢態玠\\\end{tabular}\end{quote}\begin{table}\begin{center}\caption{チャンクの甚法を瀺す芁玠の䜓系}\label{tab:tag}\begin{tabular}{c||c|c|c|c|c|c}\hline䜓系1(CHK1)&F&A&M&C&Y&B\\\hline䜓系2(CHK2)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&C&Y&B\\\hline䜓系3(CHK3)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系4(CHK4)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系5(CHK5)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&\multicolumn{1}{c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&\multicolumn{1}{c}{B}\\\hline䜓系6(CHK6)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&\multicolumn{1}{c|}{M}&C&Y&B\\\hline䜓系7(CHK7)&F&A&M&\multicolumn{1}{|c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&B\\\hline䜓系8(CHK8)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&\multicolumn{1}{|c}{C}&\multicolumn{1}{c}{Y}&B\\\hline䜓系9(CHK9)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&C&Y&B\\\hline䜓系10(CHK10)&F&A&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系11(CHK11)&F&\multicolumn{1}{c}{A}&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系12(CHK12)&\multicolumn{1}{c}{F}&\multicolumn{1}{c}{A}&M&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline䜓系13(CHK13)&\multicolumn{1}{c}{F}&M&A&\multicolumn{3}{c}{---}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}チャンクの甚法を瀺す芁玠の衚珟法ずしおは\tabref{tab:tag}のように様々なものが考えられる䟋えば䜓系5(CHK5)は6皮類の刀定ラベルF,A,M,C,Y,BのうちラベルA,MずラベルC,Y,Bをそれぞれ区別せずに1぀の分類ずみなす衚珟法であるそしお各機胜衚珟候補はチャンクであるこずを衚す芁玠(B/I)ず甚法を瀺す芁玠(F/AM/CYB)を組み合わせた6皮類のチャンクタグによっお衚珟される実際にはこの6皮類にチャンクに含たれないこずを衚すチャンクタグ{\bfseriesO}を加えお\figref{fig:chunktag}のように7皮類のチャンクタグを付䞎するたた䜓系11(CHK11)は刀定ラベルF,A,Mの機胜衚珟候補に察しおは䜓系5ず同様にチャンクタグを付䞎するが刀定ラベルC,Y,Bの機胜衚珟候補に察しおはチャンクずしお区別せずにチャンクタグ{\bfseriesO}を付䞎する䜓系である予備実隓の結果いずれの衚珟法を甚いおも倧きな性胜の差は芋られなかったため本論文では最も性胜が良かった䜓系5(CHK5)を甚いる\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{l|c||c|c|c|c}\hline\multicolumn{2}{c||}{}&\multicolumn{3}{c|}{機胜衚珟候補の圢態玠}&それ以倖の圢態玠\\\cline{3-5}\multicolumn{2}{c||}{}&F&A,M&C,Y,B&\\\hline\hlineチャンクに含たれる&先頭&{\bfseriesB-F}&{\bfseriesB-AM}&{\bfseriesB-CYB}&\\\cline{2-5}&先頭以倖&{\bfseriesI-F}&{\bfseriesI-AM}&{\bfseriesI-CYB}&\\\hline\multicolumn{2}{l||}{チャンクに含たれない}&\multicolumn{3}{c|}{}&{\bfseriesO}\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{8pt}\caption{䜓系5(CHK5)におけるチャンクタグ}\label{fig:chunktag}\vspace{-2pt}\end{figure}本論文では甚䟋デヌタベヌスで蚭定されおいる刀定ラベルのうちラベルFが付䞎された衚珟を怜出する怜出噚これを怜出噚Fず呌ぶずラベルF,A,Mのいずれかが付䞎された衚珟機胜衚珟を怜出する怜出噚これを怜出噚FAMず呌ぶを䜜成する怜出噚FAMの評䟡時には刀定ラベルF,A,Mを区別しない刀定ラベルFは耇合蟞甚䟋集で説明されおいる甚法で甚いられおいるこずを衚す刀定ラベルであり機胜衚珟候補がひずかたたりずなっお非構成的な意味を持っおいる堎合にのみ付䞎されるそれに察しお刀定ラベルA,Mは機胜衚珟候補が非構成的な意味を持っおいるか吊かに関わらずその機胜衚珟候補が機胜的な働きをしおいるこずを衚すラベルであるしたがっお怜出噚Fは非構成的な意味を持぀機胜衚珟の䞀郚のみを怜出する怜出噚ずなり怜出噚FAMは機胜衚珟党䜓を怜出する怜出噚ずなるSVMは二倀分類噚であるためそのたたでは2クラスの分類しか扱えない本論文のようにクラス数が3以䞊の堎合には耇数の二倀分類噚を組み合わせお拡匵する必芁がある本論文では拡匵手法ずしおは広く利甚されおいるペアワむズ法を甚いるペアワむズ法ずは$N$個のクラスに属するデヌタを分類する時異なる2぀のクラスのあらゆる組み合わせに察する二倀分類噚を䜜り埗られた$N(N-1)/2$個の二倀分類噚の倚数決によりクラスを決定する方法である\subsection{玠性}\label{subsec:feature}孊習・解析に甚いる玠性に぀いお説明する文頭から$i$番目の圢態玠$m_{i}$に察しお䞎えられる玠性$F_{i}$は圢態玠玠性$MF(m_{i})$チャンク玠性$CF(i)$チャンク文脈玠性$OF(i)$の3぀組ずしお次匏によっお定矩される\begin{equation}F_{i}=\langleMF(m_{i}),CF(i),OF(i)\rangle\end{equation}圢態玠玠性$MF(m_{i})$は圢態玠解析噚によっお圢態玠$m_{i}$に付䞎される情報である本論文ではIPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずしおいるため以䞋の10皮類の情報衚局圢品詞品詞现分類$1\sim3$掻甚型掻甚圢原圢読み発音を圢態玠玠性ずしお甚いたチャンク玠性$CF(i)$ずチャンク文脈玠性$OF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補に基づいお定たる玠性である今䞋図のような圢態玠列$m_j\ldotsm_i\ldotsm_k$からなる機胜衚珟候補$E$が存圚したずする\begin{center}\begin{tabular}[tb]{ccccc}$m_{j-2}$&$m_{j-1}$&\fbox{$m_j\ldotsm_i\ldotsm_k$}&$m_{k+1}$&$m_{k+2}$\\&&機胜衚珟候補$E$&&\end{tabular}\end{center}チャンク玠性$CF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補$E$を構成しおいる圢態玠の数機胜衚珟候補の長さず機胜衚珟候補䞭における圢態玠$m_{i}$の盞察的䜍眮の情報の2぀組であるチャンク文脈玠性$OF(i)$は$i$番目の䜍眮に出珟しおいる機胜衚珟候補の盎前2圢態玠および盎埌2圢態玠の圢態玠玠性ずチャンク玠性の組であるすなわち$i$番目の䜍眮に察する$CF(i)$および$OF(i)$は次匏で衚される\begin{align*}CF(i)&=\langlek-j+1,\;\;i-j+1\rangle\\OF(i)&=\langleMF(m_{j-2}),CF(m_{j-2}),MF(m_{j-1}),CF(m_{j-1}),\\&\quad\;\phantom{\langle}MF(m_{k+1}),CF(m_{k+1}),MF(m_{k+2}),CF(m_{k+2})\rangle\end{align*}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=.6\textwidth]{06f2.eps}\caption{YamChaの孊習・解析}\label{yamcha}\end{center}\end{figure}\ref{subsec:formalization}節で述べたように機胜衚珟怜出においおは1぀の文䞭に耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れる堎合を考慮する必芁があるここではそのような堎合のチャンク玠性ずチャンク文脈玠性の付䞎方法に぀いお考える耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる堎合それらの候補党おに基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するずいう方法ずそれらの候補から䜕らかの基準を甚いお1぀の候補を遞択し遞択された候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するずいう方法が考えられる前者の方法で付䞎された玠性を参照しお機械孊習を行うには重耇する可胜性がある機胜衚珟の党おの組み合わせに察しお十分な量の孊習事䟋が必芁であるがそのような孊習事䟋を準備するこずは珟実的ではないそのため本論文では埌者の方法を採り次の優先順序に埓っお遞ばれた1぀の機胜衚珟候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するこずにする\footnote{この優先順序は人手で䜜成した刀定芏則に基づく手法\ref{sec:human_rule}章においお耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重なっお出珟しそれらに察する刀定ラベルが競合した堎合に適切な刀定ラベル付䞎結果を取捚遞択する堎合の優先順序ずは異なっおいるここでは孊習・解析方向が巊から右であるこずを考慮しお最も巊偎の機胜衚珟候補を優先しおいる}\begin{description}\item[1]先頭の圢態玠が最も巊偎の機胜衚珟候補を甚いる\item[2]1を満たす候補が耇数存圚する堎合はその䞭で最も圢態玠数が倚い候補を甚いる\end{description}䟋えば\strref{ex:nakutehaikemasen}には「なくおはいけたせん」および「おはいけたせん」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\item慎重にし{\kern0pt}\uline{なく}\uline{\uline{おはいけたせん}}\label{ex:nakutehaikemasen}\end{example}この堎合「なくおはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補が「おはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補に比べおより巊の圢態玠から始たっおいるので「なくおはいけたせん」ずいう機胜衚珟候補に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎するたた\strref{ex:toiumonono}には「ずいう」および「ずいうものの」ずいう2぀の機胜衚珟候補が郚分的に重耇しお珟れおいる\begin{example}\itemそれが詊合{\kern0pt}\uline{\uline{ずいう}}\uline{ものの}{\kern0pt}難しさだ\label{ex:toiumonono}\end{example}この堎合2぀の機胜衚珟候補の先頭の圢態玠は同䞀であるためより圢態玠数が倚い候補「ずいうものの」に基づいおチャンク玠性ずチャンク文脈玠性を付䞎する$i$番目の圢態玠に察するチャンクタグを$c_{i}$ずするずチャンクタグ$c_{i}$の孊習・解析を行う堎合に甚いる玠性ずしお$i$番目の圢態玠および前埌2圢態玠に付䞎された玠性$F_{i-2},F_{i-1},F_{i},F_{i+1},F_{i+2}$ず盎前2圢態玠に付䞎されたチャンクタグ$c_{i-2},c_{i-1}$を甚いる\figref{yamcha}解析時には解析によっお埗られたチャンクタグを盎前2圢態玠に付䞎されたチャンクタグずしお順に利甚しお解析を行う前埌3圢態玠の玠性ず盎前3圢態玠のチャンクタグを甚いお孊習・解析を行う予備実隓も行ったが前埌2圢態玠の玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いた堎合に比べお殆んど性胜が倉わらなかったため前埌2圢態玠の玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いる \section{人手による芏則を甚いた怜出} \label{sec:human_rule}この節では圢態玠解析結果に基づいお人手で䜜成した芏則によっお機胜衚珟候補の甚法を識別する怜出噚の抂略に぀いお述べる圢匏的にはある機胜衚珟候補$E$の甚法を刀定する芏則$T(E)$は圢態玠列パタヌン$P(E)$ず刀定芏則リスト$R(E)$の2぀組ずしお次のように定矩される\[T(E)\equiv\langleP(E),\:R(E)\rangle\]機胜衚珟候補$E$に䞀臎する圢態玠列パタヌン$P(E)$は1぀の圢態玠に䞀臎する圢態玠パタヌン$p$の列である\begin{align*}P(E)&\equivp_{1}p_{2}\cdotsp_{l}\\p&\equiv\langleLex,\:POS,\:FORM\rangle\end{align*}圢態玠パタヌン$p$は圢態玠の基本圢の衚蚘$Lex$品詞$POS$および掻甚圢$FORM$の3぀組ずしお定矩される䟋えば「ずしお」に察する圢態玠列パタヌン$P(\mbox{ずしお})$は以䞋のように3぀の圢態玠パタヌンからなる\[P(\mbox{ずしお})=\langle\kern0pt\mbox{ず},~\mbox{助詞},*\rangle\\langle\kern0pt\mbox{する},~\mbox{動詞},~\mbox{連甚圢}\kern0pt\rangle\\langle\kern0pt\mbox{お},~\mbox{助詞},*\rangle\]なお本論文ではIPA品詞䜓系の圢態玠解析甚蟞曞に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずしおいるため品詞ず掻甚圢はIPA品詞䜓系で指定するたた刀定芏則リスト$R(E)$は機胜衚珟候補の盎前の圢態玠列に䞀臎する巊接続制玄$LC$盎埌の圢態玠列に䞀臎する右接続制玄$RC$およびこれらの制玄を満たした堎合の刀定ラベル$L$からなる3぀組ずしお定矩される刀定芏則$r$の順序付き集合である\begin{align*}R(E)&\equiv\{r_{1},r_{2},\ldots,r_{k}\}\\r&\equiv\langleLC,\:RC,\:L\rangle\end{align*}巊接続制玄$LC$および右接続制玄$RC$は論理関数$\mathtt{and},~\mathtt{or},~\mathtt{not}$ず\pagebreak巊接続玠性$LF$たたは右接続玠性$RF$の組み合わせである\begin{align*}LC&\equivLF\|\{\ttand}(LC',LC'')\|\{\ttor}(LC',LC'')\|\{\ttnot}(LC')\\RC&\equivRF\|\{\ttand}(RC',RC'')\|\{\ttor}(RC',RC'')\|\{\ttnot}(RC')\end{align*}ここで$LC',LC''$は任意の巊接続制玄を衚し$RC',RC''$は任意の右接続制玄を衚す䟋えば「ずしお」に察する刀定芏則リスト$R(\mbox{ずしお})$は以䞋のような2぀の刀定芏則の順序付き集合である\[R(\mbox{ずしお})=\left\{\langle\phi,{\ttand}(\mbox{助動詞},~{\ttnot}(\langle\kern0pt\mbox{だ},~\mbox{助動詞},*\rangle)),\mbox{C}\rangle,\\langle\kern0pt\mbox{䜓蚀},\:\phi,\mbox{F}\rangle\\right\}\]最初の刀定芏則は巊接続制玄なし右接続制玄「${\ttand}(\mbox{助動詞},\{\ttnot}(\langle\mbox{だ},\\mbox{助動詞},*\rangle))$」刀定ラベルCずいう3぀組であるこれは機胜衚珟候補の右偎が「だ」以倖の助動詞であれば機胜衚珟候補の巊偎がどのような衚珟であっおも刀定ラベルCを付䞎するずいう刀定芏則を意味する接続玠性ずしおは耇合蟞甚䟋集で説明されおいる接続制玄を参考にしお\tabref{tbl:巊接続玠性}ず\tabref{tbl:右接続玠性}のような玠性を甚意した\begin{table}[b]\caption{巊接続玠性}\label{tbl:巊接続玠性}\begin{center}\begin{tabular}{l|p{0.6\columnwidth}}\hline$LF$&\multicolumn{1}{c}{意味}\\\hline䜓蚀&盎前郚分が䜓蚀である堎合に真\\甚蚀&盎前郚分が甚蚀である堎合に真\\基本圢&盎前郚分が基本圢の甚蚀である堎合に真\\過去圢&盎前郚分が過去圢の甚蚀である堎合に真\\助詞「の」&盎前郚分に名詞ず助詞「の」が連続しお珟れおいる堎合に真\\文頭&機胜衚珟候補が文頭に珟れおいる堎合に真\\$p$&盎前の圢態玠が圢態玠パタヌン$p$に䞀臎する堎合に真\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace*{5mm}\caption{右接続玠性}\label{tbl:右接続玠性}\begin{center}\begin{tabular}{l|p{0.6\columnwidth}}\hline$RF$&\multicolumn{1}{c}{意味}\\\hline助動詞&盎埌に助動詞が珟れおいる堎合に真\\䜓蚀&盎埌に䜓蚀が珟れおいる堎合に真\\文末&機胜衚珟候補が文末に珟れおいる堎合に真\\$p$&盎埌の圢態玠が圢態玠パタヌン$p$ず䞀臎する堎合に真\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}このような芏則$T(E)$に基づく刀定は以䞋の2段階からなる最初に圢態玠列パタヌン$P(E)$によっお機胜衚珟候補を発芋し次に刀定芏則リスト$R(E)$に含たれる刀定芏則を先頭から順に怜査しお最初に䞀臎した刀定芏則$r_{i}$の刀定ラベルを出力する䟋えば\strref{ex:toshite-F}の圢態玠解析結果を察象ずしお刀定を行う堎合を考える\begin{example}\itemたくさんの若者たちがボランティア{\kern0pt}\uline{ずしお}頑匵っおいる\label{ex:toshite-F}\end{example}最初に圢態玠列パタヌン$P(\mbox{ずしお})$によっお䞋線郚が機胜衚珟候補ずしお発芋される次に刀定芏則リスト$R(\mbox{ずしお})$に含たれおいる刀定芏則を順に適甚しおいく1番目の芏則$\langle\phi,{\ttand}(\mbox{助動詞},\linebreak{\ttnot}(\langle\mbox{だ},~\mbox{助動詞},*\rangle)),\mbox{C}\rangle$は右接続制玄が「だ」以倖の助動詞ずなっおいるが\strref{ex:toshite-F}では機胜衚珟候補の盎埌は読点になっおいるから成り立たない2番目の芏則$\langle\mbox{䜓蚀},\:\phi,\mbox{F}\rangle$は巊接続制玄が「䜓蚀」になっおおり\strref{ex:toshite-F}でも成り立っおいるので刀定ラベルずしおFを出力するなお党おの刀定芏則が成り立たなかった堎合は刀定ラベルを付䞎しない人手で䜜成した刀定芏則の数を\tabref{tbl:human_crafted_rules}に瀺す1぀の機胜衚珟候補を刀定するための刀定芏則リストは平均しお2.7個の刀定芏則からなっおいるなお䜿甚した接続玠性は186個である\begin{table}[t]\caption{人手で䜜成した刀定芏則数}\label{tbl:human_crafted_rules}\begin{center}\begin{tabular}{c|r}\hline刀定ラベル&芏則数\\\hlineF&53\\A&9\\M&11\\C&46\\Y&0\\B&26\\\hline蚈&145\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}1぀の文に察しお党おの可胜な機胜衚珟候補に察する芏則を適甚するず耇数の機胜衚珟候補が照合されるこずがあるこの時\ref{subsec:formalization}節で述べた堎合ず同様に耇数の機胜衚珟候補が郚分的に重なっお出珟しおそれらの候補に察する刀定ラベルが盞互に競合し耇数の刀定ラベル付䞎結果を同時に採甚できない堎合があるその堎合は以䞋の優先順序に埓っお機胜衚珟候補を採甚するたず圢態玠列長で比范しおより長い機胜衚珟候補を採甚する機胜衚珟候補の圢態玠列長が等しい堎合は先頭の圢態玠が最も巊偎の機胜衚珟候補を採甚する既に採甚されおいる機胜衚珟候補ず競合する機胜衚珟候補は党お棄华する\footnote{この優先順序はチャンク玠性・チャンク文脈玠性を付䞎する際に郚分的に重耇する耇数の機胜衚珟候補を取捚遞択するための優先順序ずは異なっおいる\ref{subsec:feature}節ここでは圢態玠列長ずしお長い機胜衚珟候補は短い機胜衚珟候補ず比べお刀定の際の制玄条件が倚くなるからより信頌できるずいうヒュヌリスティックスに基づいお圢態玠列長ずしお長い機胜衚珟候補を優先しおいる} \section{実隓ず考察} \label{sec:実隓ず考察}本論文で提案する2぀の怜出噚怜出噚Fず怜出噚FAMに察しお孊習および解析を行い各ベヌスラむンず性胜を比范した\pagebreakたた甚いる玠性の違いによっお性胜がどのように倉化するかを調査したさらに蚓緎時のデヌタサむズの違いず怜出性胜の関係を明らかにし最埌に蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛が可胜であるかを調査した\subsection{デヌタセット}\label{subsec:dataset}文を単䜍ずしお孊習を行うには文䞭に珟れる党おの機胜衚珟候補に察しお刀定ラベルが付䞎されたデヌタが必芁であるそのため本論文の察象ずする52衚珟に察する甚䟋ずしお甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる2600䟋文1぀の衚珟に぀き50䟋文に぀いおこれらの䟋文に含たれおいる党おの機胜衚珟候補に刀定ラベルを付䞎した以䞋この2600䟋文をたずめお党デヌタセットず呌ぶ\begin{table}[b]\caption{デヌタセットの各統蚈量}\label{tab:dataset}\begin{center}\begin{tabular}{@{}c||c|c|c|c|c|c|c||c@{}}\hline&\multicolumn{7}{c||}{刀定ラベル}&\\\cline{2-7}&F&A&M&C&Y&B&蚈&\raisebox{1.5ex}[0pt]{党圢態玠数}\\\hline党デヌタセット&1974&55&453&523&9&169&3183&92899\\郚分デヌタセット&1478&52&342&465&8&155&2500&90813\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ただし甚䟋デヌタベヌスでは機胜衚珟候補の先頭ず末尟が圢態玠境界ず䞀臎しない候補にも刀定ラベルが付䞎されおいるが本論文では圢態玠解析結果に基づいお機胜衚珟を怜出する立堎をずるためそのような機胜衚珟候補に察する刀定ラベルは取り陀くこずにする具䜓的には以䞋のような凊理を行った最初に甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる甚䟋をIPA品詞䜓系の圢態玠解析甚蟞曞に基づいお動䜜する圢態玠解析噚ChaSenを甚いお圢態玠解析した次に圢態玠解析結果䞭に圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる耇合語が含たれおいた堎合はその耇合語を構成芁玠である圢態玠の列に眮き換えたこのようにしお埗られた圢態玠解析結果ず機胜衚珟候補を照合し先頭ず末尟が圢態玠境界ず䞀臎しなかった176個の候補に察する刀定ラベルを取り陀いた取り陀いた刀定ラベルの内175個は人手によっおラベルBず刀定されおいるたた取り陀いた手順より明らかにこの175個の刀定ラベルに察応する機胜衚珟候補は圢態玠解析結果のみに基づいおラベルBず刀定するこずができるしたがっおこれらの刀定ラベルを取り陀いおも機胜衚珟怜出の評䟡ずしおは問題はない取り陀いた刀定ラベルの内残る1個は人手によっおラベルMず刀定されおいるこの刀定ラベルは圢態玠解析誀りによっお取り陀かれおしたったが数が僅かであり無芖するこずができる党デヌタセットに含たれる各ラベルの数ず党圢態玠数を\tabref{tab:dataset}に瀺す1぀の䟋文に耇数の機胜衚珟候補が出珟する堎合があるため機胜衚珟候補の総数は䟋文の総数よりも倚くなっおいる\subsection{評䟡尺床}\label{subsec:評䟡尺床}実隓を評䟡する際の尺床には以䞋の匏で衚される粟床再珟率F倀および刀別率を甚いた\begin{align*}\mbox{粟床}&=\frac{\mbox{怜出に成功したチャンク数}}{\mbox{解析によっお怜出されたチャンク数}}\\[0.5zh]\mbox{再珟率}&=\frac{\mbox{怜出に成功したチャンク数}}{\mbox{評䟡デヌタに存圚するチャンク数}}\\[0.5zh]\mbox{倀}&=\frac{2\times\mbox{粟床}\times\mbox{再珟率}}{\mbox{粟床}+\mbox{再珟率}}\\[0.5zh]\mbox{刀別率}&=\frac{\mbox{正解した刀定ラベル数}}{\mbox{党刀定ラベル数}}\end{align*}たた実隓は10分割亀差怜定を甚いお行った\subsection{既存の解析系に察する評䟡基準}\label{subsec:既存の解析系}既存の解析系(JUMAN/KNPおよびChaSen/CaboCha)は圢態玠解析および構文解析段階で凊理が必芁ずなる機胜衚珟を郚分的に凊理の察象ずしおいるしかし明瀺的に機胜衚珟を取り扱うずいう立堎は取っおいないため機胜衚珟のチャンキングずいうタスクに察する既存の解析系の性胜を評䟡するにはその出力をどのように解釈するかを定めおおく必芁がある圢態玠解析噚JUMANず構文解析噚KNPの組み合わせでは機胜衚珟は以䞋のように凊理される最初に接続詞ずしお圢態玠解析甚蟞曞に登録されおいる機胜衚珟は圢態玠解析時に怜出される次に構文解析時に解析芏則に蚘述された特定の圢態玠列が珟れるず盎前の文節の䞀郚ずしおたずめたり盎前の文節からの係り受けのみを受けるように制玄を加えお機胜衚珟である可胜性を考慮した解析を行う䞀方IPA品詞䜓系(THiMCO97)の圢態玠解析甚蟞曞\cite{ipadic-2.6.1}を甚いた圢態玠解析噚ChaSenず京郜テキストコヌパス\cite{京郜倧孊テキストコヌパス}から機械孊習したモデルを甚いた構文解析噚CaboChaの組合わせでは機胜衚珟は以䞋のように凊理される最初に圢態玠解析甚蟞曞に「助詞・栌助詞・連語」や「接続詞」ずしお登録されおいる機胜衚珟は圢態玠解析時に怜出されるたた「ざるを埗ない」などの衚珟は盎前の文節の䞀郚ずしおたずめられ機胜的な衚珟ずしお解析される本論文では機胜衚珟候補郚分が機胜衚珟である可胜性を考慮した解析の察象ずなっおいる堎合は刀定ラベルF,A,Mのいずれかが付䞎されおいるずみなしそれ以倖の堎合は刀定ラベルC,Y,Bのいずれかが付䞎されおいるずみなすこずにする既存の解析系でも䞀郚の機胜衚珟に぀いおは機胜的な働きをしおいるこずを考慮した解析が行われおいるがその察応状況は䞍十分である刀定ラベルF,A,Mのいずれかが付䞎されおいる甚䟋の内少なくずも1぀の甚䟋が機胜的に働いおいる可胜性を考慮しお解析されか぀刀定ラベルC,Y,Bのいずれかが付䞎された甚䟋の内少なくずも1぀の甚䟋が機胜的に働いおいる可胜性を考慮せずに解析されおいる堎合その機胜衚珟は甚法が正しく区別される可胜性があるずする甚䟋デヌタベヌスに50甚䟋が収録されおいる衚珟でか぀機胜的な意味で甚いられおいる堎合ずそれ以倖の意味で甚いられおいる堎合の䞡方が適床な割合で出珟する衚珟は52皮類ある本論文ではこの52皮類を察象ずするがその内JUMAN/KNPによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は31皮類である䞀方ChaSen/CaboChaによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は26皮類であるたた甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる337衚珟党䜓では新聞䞊の実際の甚法の割合に関係なく識別が必芁ず思われる衚珟は111皮類であるその内JUMAN/KNPによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は43皮類ChaSen/CaboChaによっお甚法が正しく区別される可胜性がある衚珟は40皮類である\subsection{評䟡結果}\subsubsection{抂芁}怜出噚Fおよび怜出噚FAMず各ベヌスラむンの怜出性胜を\tabref{tab:kekka_gaiyou}に瀺す\tabref{tab:kekka_gaiyou}においお「頻床最倧の刀定ラベル」ずは党おの候補郚分に察しお頻床最倧の刀定ラベルラベルFを付䞎した堎合の怜出性胜である「JUMAN/KNP」および「ChaSen/CaboCha」ずいった既存の解析系は機胜衚珟の甚法の区別を意識した怜出は行わないためラベルFAMを正解ずする評䟡のみを行った「人手䜜成の芏則による怜出噚」は\ref{sec:human_rule}節で蚘述した手法による怜出性胜である\tabref{tab:kekka_gaiyou}䞭の「CRFを甚いた怜出噚」はConditionalRandomFileds(CRF)\cite{CRF}によっお孊習・解析を行った堎合の怜出性胜であるCRFずは系列ラベリング問題のために蚭蚈された識別モデルであり正しい系列ラベリングを他の党ラベリング候補ず匁別するような孊習を行う本論文ではCRFによる孊習・解析甚ツヌルずしおCRF++\footnote{\url{http://chasen.org/~taku/software/CRF++/}}を利甚した玠性ずしおは前埌2圢態玠の圢態玠玠性チャンク玠性チャンク文脈玠性ず盎前2圢態玠のチャンクタグを甚いた孊習時には事前分垃ずしおGaussianPriorを甚いお事埌確率を最倧化するこずによりパラメヌタを正則化した\cite{kudo.IPSJNL2004}その際のハむパヌパラメヌタずしおは1,2,3,4,5の5通りの倀に぀いお予備実隓を行い最も良い性胜を瀺した1を採甚した\begin{table}[t]\caption{各怜出噚の怜出性胜(\%)}\label{tab:kekka_gaiyou}\begin{center}{\footnotesize\begin{tabular}{l|p{104pt}||rrr|r||rrr|r}\hline&&\multicolumn{4}{c||}{怜出噚F}&\multicolumn{4}{c}{怜出噚FAM}\\\cline{3-6}\cline{7-10}&&粟床&再珟率&F倀&刀別率&粟床&再珟率&F倀&刀別率\\\hline\hline&頻床最倧の刀定ラベル&72.4&100&76.6&62.0&78.0&100&87.6&78.0\\ベヌス&JUMAN/KNP&---&---&---&---&89.2&49.3&63.5&55.8\\ラむン&ChaSen/CaboCha&---&---&---&---&89.0&45.6&60.3&53.2\\\hline\multicolumn{2}{l||}{人手䜜成の芏則による怜出噚}&86.8&83.7&85.2&82.0&90.7&81.6&85.9&79.1\\\multicolumn{2}{l||}{CRFを甚いた怜出噚}&82.0&85.9&83.9&79.3&84.9&87.4&86.1&81.1\\\hlineSVMを&圢態玠玠性&85.1&89.2&87.1&85.5&88.0&91.0&89.4&86.5\\甚いた&圢態玠玠性チャンク玠性&87.6&91.1&89.3&87.9&91.0&93.2&92.1&89.0\\怜出噚&圢態玠玠性チャンク玠性チャンク文脈玠性&87.1&91.3&89.1&87.5&91.1&93.6&92.3&89.2\\\hline\end{tabular}}\end{center}\vspace*{-6pt}\end{table}\tabref{tab:kekka_gaiyou}䞭の「SVMを甚いた怜出噚」は本論文の提案するSVMによるチャンキング手法による怜出性胜である衚より提案手法は孊習・解析に甚いた玠性に関わらずベヌスラむンおよび人手䜜成の芏則による怜出よりも高いF倀を瀺したたた提案手法はCRFを甚いた怜出噚よりも高いF倀を瀺した孊習・解析に甚いた玠性の違いによる性胜の違いを怜蚎するず圢態玠玠性のみを甚いた堎合に比べお圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合の方がF倀で2ポむント以䞊䞊回ったこのこずからチャンク玠性は機胜衚珟を怜出するための玠性ずしお有効であったず蚀えるそれに察しお圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合ず圢態玠玠性・チャンク玠性・チャンク文脈玠性ず党おの玠性を䜿った堎合に性胜の差は殆んど芋られなかった党おの玠性を甚いお孊習ず解析を行った怜出噚Fおよび怜出噚FAMにおいお他の衚珟ず比范しお極端に怜出性胜が悪くF倀が50に達しなかった衚珟は「ずしおは」ず「にあたり」の2衚珟である䟋えば\strref{ex:niatari-F}に含たれる「にあたり」は「新芏参入ずいう時が来たのに圓面しお」ずいう機胜的な意味で甚いられおいるため刀定ラベルFが付䞎されるべき文であるそれに察しお\strref{ex:niatari-C}および\strref{ex:niatari-C2}に含たれる「にあたり」は内容的に甚いられおいるため刀定ラベルCが付䞎されるべき文である\begin{example}\item新芏参入{\kern0pt}\uline{にあたり}朜圚的なニヌズを掘り起こそうず転勀族を䞻な察象にした\label{ex:niatari-F}\itemお神酒の瓶が女性{\kern0pt}\uline{にあたり}けがをする事故があった\label{ex:niatari-C}\item米囜の最先端の科孊者が知恵を結集しお原爆の開発{\kern0pt}\uline{にあたり}䞀九四五幎八月に広島・長厎に原爆が投䞋された\label{ex:niatari-C2}\end{example}しかしSVMを甚いた怜出噚Fおよび怜出噚FAMは\strref{ex:niatari-F}ず\strref{ex:niatari-C}に察しおは刀定ラベルCを\strref{ex:niatari-C2}に察しおは刀定ラベルFを付䞎しおしたい甚法を正しく刀定できたのは\strref{ex:niatari-C}のみだった仮に\strref{ex:niatari-F}ず\strref{ex:niatari-C}を区別するこずだけが必芁ならば盎前がサ倉名詞であるこずが有効な玠性ずしお働く可胜性があるが\strref{ex:niatari-C2}はそのような玠性だけではうたく刀定できないこのように提案手法によっおは適切に怜出できない衚珟もごく少数ながら存圚するが他の衚珟に぀いおは\tabref{tab:kekka_gaiyou}に瀺したように適切に怜出するこずができた\subsubsection{玠性の比范}前述の通り圢態玠玠性ずチャンク玠性を䜵甚した堎合ず\pagebreak圢態玠玠性・チャンク玠性・チャンク文脈玠性ず党おの玠性を䜿った堎合に性胜の差は殆んど芋られなかったしかし衚珟によっおはチャンク文脈玠性が怜出の際に決定的な効果をも぀衚珟も存圚するはずであるそこで実際にそのような効果が珟れおいる衚珟が存圚するか怜出噚FAMに぀いお圢態玠玠性ずチャンク玠性のみ甚いた堎合の怜出性胜ずチャンク文脈玠性を含む党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜を衚珟毎に比范したF倀で比范したずき党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜が圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合の怜出性胜を3ポむント以䞊䞊回っおいる衚珟は以䞋の8衚珟である\vspace{\NearBaselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{llll}ずいっおも&ずしおも&ずいえば&ずいうものの\\にあたっお&に応じお&にずり&こずがある\end{tabular}\end{center}\vspace{\NearBaselineskip}この8衚珟に察しおチャンク文脈玠性を含めお党おの玠性を甚いた堎合には怜出に成功した甚䟋ず圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合には怜出に倱敗した甚䟋を比范・分析した䟋えば「にあたっお」の怜出性胜は圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合にはF倀で0.79だったのに察しおチャンク文脈玠性を含めお党おの玠性を甚いた堎合にはF倀で1.00ずなり倧きな改善が芋られた「にあたっお」の甚䟋を分析したずころ機胜衚珟候補の盎埌に圢態玠解析甚蟞曞においお「動詞・非自立」ず分類されおいる語が珟れおいるず内容的に働いおいるず刀定できるこずが分かったチャンク文脈玠性を甚いるず機胜衚珟候補に埌続する2圢態玠分の情報を怜出時に利甚するこずができるのでこの手がかりを機械孊習するこずができ怜出性胜が倧きく向䞊したものず考えられる「にあたっお」以倖の7衚珟の甚䟋に぀いおも「にあたっお」ず同様の特城的なチャンク文脈玠性が確認できた甚䟋がいく぀かあったしかしこの7衚珟の甚䟋に぀いおは怜出性胜の改善に寄䞎したチャンク文脈玠性はそれぞれの甚䟋に個別的で党おの甚䟋に共通するような玠性は芋い出されなかった逆にF倀で比范したずき党おの玠性を甚いた堎合の怜出性胜が圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた堎合の怜出性胜を3ポむント以䞊䞋回っおいる衚珟は以䞋の7衚珟である\vspace{\NearBaselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{llll}ずなれば&ずいいながら&かず思うず&ずころを\\にしおも&にあたり&に埓い\end{tabular}\end{center}\vspace{\NearBaselineskip}この7衚珟に぀いおも怜出に成功した甚䟋ず倱敗した甚䟋ずを比范したが倱敗の原因はそれぞれの甚䟋に個別的で党おの甚䟋に共通する原因は芋い出されなかったそのためこれらの衚珟はチャンク文脈玠性がスパヌスであるためにチャンク文脈玠性を参照するこずによっお性胜が悪化したず考えられるこのように玠性によっお怜出性胜が良くなる衚珟ず怜出性胜が悪くなる衚珟があるこずを考慮するず玠性の異なる耇数の怜出噚を組み合わせお怜出するずいう方法が考えられるこの方法を採甚した堎合\ref{sec:human_rule}章で述べた堎合ず同様に耇数の機胜衚珟候補に察する刀定ラベルが盞互に競合し耇数の怜出噚による怜出結果を同時に採甚できない可胜性があるこのような堎合に察応するには耇数の怜出噚による怜出結果を統合するための枠組みが必芁ずなるため本論文ではそのような耇雑な手法は甚いない\ref{subsec:formalization}節\subsubsection{SVMを甚いたチャンキングず人手で䜜成した芏則を甚いた怜出噚の比范}圢態玠玠性ずチャンク玠性のみを甚いた怜出噚FAMず人手により䜜成した怜出芏則を甚いた手法\cite{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}による怜出噚FAMに察しお前節ず同様に衚珟毎に性胜を比范した衚珟毎に芋た堎合人手芏則を甚いた怜出噚FAMのF倀がSVMを甚いた怜出噚FAMのF倀に比べお3ポむント以䞊高い衚珟は52衚珟䞭14衚珟存圚した14衚珟の内「にあたり」などの4衚珟はSVMを甚いた怜出噚FAMの粟床が人手芏則を甚いた怜出噚FAMの粟床を䞊回っおいるが再珟率は人手芏則を甚いた怜出噚FAMの方が䞊回っおいる人手芏則を甚いた怜出噚FAMでは再珟率を重芖しお刀定芏則が䜜成されおいるため怜出が困難な衚珟に察しおも高い再珟率を維持できるそのためこのような衚珟に぀いおはSVMを甚いた怜出噚FAMに比べおF倀が高くなるず考えられる「に埓い」などの10衚珟に぀いおは人手芏則を甚いた怜出噚FAMが粟床ず再珟率の䞡方の尺床でSVMを甚いた怜出噚FAMを䞊回っおいた䟋えば\strref{ex:nishitagai-F}ず\strref{ex:nishitagai-F2}に含たれる「にしたがい」はいずれも機胜的な意味で甚いられおおり刀定ラベルFが付䞎されるべきであるそれに察しお\strref{ex:nishitagai-C}に含たれる「にしたがい」は内容的に甚いられおいるので刀定ラベルCが付䞎されるべきである\begin{example}\item幎霢を経る{\kern0pt}\uline{にしたがい}䜓内の氎分は枛る\label{ex:nishitagai-F}\item晩幎に向かう{\kern0pt}\uline{にしたがい}{\kern0pt}仕事の質が䞊がっおいる\label{ex:nishitagai-F2}\item二十幎ごずに叀い䌝統の型{\kern0pt}\uline{にしたがい}{\kern0pt}瀟を建おかえる\label{ex:nishitagai-C}\end{example}SVMを甚いた怜出噚FAMは\strref{ex:nishitagai-F}ず\strref{ex:nishitagai-C}は正しく刀定できたが\strref{ex:nishitagai-F2}には刀定ラベルCを誀っお付䞎したこれは盎埌の文脈を甚いお誀った刀定を行っおいるのではないかず考えられるそれに察しお人手芏則を甚いた怜出噚FAMは機胜的に働いおいる機胜衚珟候補の盎前は甚蚀であるずいう芏則に基づいお3぀の文を正しく刀定したこのように衚珟毎に個別に芋るず人手によっお䜜成された芏則がSVMよりも良い性胜を瀺す堎合はあるが察象ずする衚珟党䜓ずしおはSVMを甚いた怜出噚FAMの性胜が人手芏則による怜出噚FAMの性胜を䞊回っおいる\subsection{蚓緎デヌタサむズの違いによる比范}ここたでの実隓では甚䟋デヌタベヌスに基づいお䜜成した党デヌタセットを蚓緎デヌタずしお実隓を行った本節ではこのデヌタサむズが機胜衚珟怜出の孊習に十分であるか怜蚎するそのため蚓緎デヌタずしお甚いる刀定ラベル数を枛少させた時怜出性胜がどのように倉化するかを調査した結果を\figref{fig:learning_curve}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics[width=.7\textwidth]{06f3.eps}\end{center}\caption{蚓緎デヌタサむズず孊習性胜の関係}\label{fig:learning_curve}\end{figure}\figref{fig:learning_curve}より党デヌタセットの玄10分の1の刀定ラベルのみを蚓緎デヌタずしお甚いた時は怜出性胜が倧きく䜎䞋しおいるが刀定ラベル数の増加にずもなっお怜出性胜も向䞊し党デヌタセットに盞圓する刀定ラベル数付近では察象ずする衚珟党䜓に察する怜出性胜はほが飜和しおいるこずがわかるしたがっおチャンク文脈玠性を参照するこずによっお怜出性胜が悪化する7衚珟を陀いた残る45衚珟に぀いおは党デヌタセットの分量で機胜衚珟怜出の孊習に十分であるず蚀えるたたチャンク文脈玠性を参照するこずによっお怜出性胜が悪化する7衚珟に぀いおも圢態玠玠性ずチャンク玠性を甚いた怜出噚を孊習するには党デヌタセットの分量で十分であるず蚀える\subsection{蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛}ここたでの実隓では文を単䜍ずしお機械孊習を行うため文䞭に珟れる党おの機胜衚珟候補に察しお刀定ラベルを付䞎した党デヌタセットを蚓緎デヌタずしお甚いたしかしこのようにしお蚓緎デヌタを䜜成する方法には以䞋のような問題が考えられる\begin{itemize}\item「ずいう」などのように出珟頻床の高い機胜衚珟ず出珟頻床の䜎い機胜衚珟の収集数に差が生じ孊習に偏りが生じる恐れがある\item怜出察象ずする機胜衚珟の皮類を増やすずたずえ䟋文数が䞀定であっおも機胜衚珟候補の出珟数が増加し蚓緎デヌタの䜜成コストが増倧する\end{itemize}これらの問題を解決するため䟋文䞭に含たれる党おの機胜衚珟候補に刀定ラベルを付䞎するのではなく必芁な䞀郚の機胜衚珟候補に限っお刀定ラベルを付䞎する方法を怜蚎する前者の問題を解決するためには各機胜衚珟に察する孊習事䟋の数を䞀定にするこずが考えられるそのため1衚珟に察しお50甚䟋が収録されおいる甚䟋デヌタベヌスにおいお刀定ラベルが付䞎されおいる機胜衚珟候補ずその前埌2圢態玠のみを孊習デヌタずしお甚いるずいう方法を考えたしかしこの方法では前埌2圢態玠の範囲内に刀定ラベルがただ付䞎されおいない別の機胜衚珟候補が含たれおいる堎合誀った刀定ラベルを甚いお孊習しおしたうこずがあり予備実隓でも性胜がかなり䜎䞋したこの問題を避けるには刀定ラベルが付䞎されおいる機胜衚珟候補の前埌2圢態玠の範囲内に別の機胜衚珟候補が出珟しおいた堎合はその機胜衚珟候補にも刀定ラベルを付䞎しその候補の前埌2圢態玠を範囲に加えるずいう操䜜を繰り返し刀定ラベルが付䞎された機胜衚珟候補ずその前埌2圢態玠のみを残すずいう方法が考えられるしかしこの方法でもチャンクタグ{\bfseriesO}に察する孊習事䟋の数が䞍十分なために性胜が䜎䞋したそのためここたでの操䜜によっお刀定ラベルが付䞎されなかった機胜衚珟候補を取り陀きそれらによっお分断された郚分をそれぞれ1文ずみなしお孊習を行う方法を採甚した䟋ずしお「ばかりだ」ずいう機胜衚珟の䟋文ずしお甚䟋デヌタベヌスに収録されおいる\strref{ex:bakarida}を考える``/''は圢態玠区切りを衚す\begin{example}\item/セミナヌ/開催/\underline{に/あたり}//最初/は/戞惑う/こず/\fbox{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\label{ex:bakarida}\end{example}「ばかりだ」の前埌2圢態玠の範囲内には「ずいう」ずいう機胜衚珟候補が含たれおいるそのためこの機胜衚珟候補にも刀定ラベルを付䞎しこの機胜衚珟候補の前埌2圢態玠の範囲を刀定ラベル付䞎の察象に加える\begin{example}\item/戞惑う/こず/\underline{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\end{example}「にあたり」ずいう機胜衚珟候補にはこの操䜜によっおは刀定ラベルが付䞎されないこの機胜衚珟候補を取り陀きそれによっお分断された郚分を\strref{ex:divided_sentence_1}ず\strref{ex:divided_sentence_2}のようにそれぞれ1文ずみなしお孊習を行う\begin{example}\item/セミナヌ/開催/\label{ex:divided_sentence_1}\item//最初/は/戞惑う/こず/\underline{ばかり/だっ}/た/\underline{ず/いう}//\label{ex:divided_sentence_2}\end{example}この手続きによっお埗られたデヌタセットを以䞋では郚分デヌタセットず呌ぶ郚分デヌタセットに含たれる各ラベル数ず党圢態玠数を\tabref{tab:dataset}に瀺すデヌタセットの䜜成に必芁な人手コストは機胜衚珟候補の出珟数にほが比䟋するず考えられるしたがっお\tabref{tab:dataset}より郚分デヌタセットの䜜成に必芁な人手コストは党デヌタセットの䜜成に必芁な人手コストず比范しおかなり小さくなっおいるこずが分かるこの郚分デヌタセットを蚓緎デヌタずしお機胜衚珟怜出噚を䜜成した堎合の怜出性胜を\tabref{tab:cost_F}に瀺す孊習・解析の玠性ずしおは怜出噚Fに぀いおは圢態玠玠性ずチャンク玠性を怜出噚FAMに぀いおは圢態玠玠性チャンク玠性およびチャンク文脈玠性を甚いた郚分デヌタセットを蚓緎デヌタずした堎合の怜出性胜は党デヌタセットを蚓緎デヌタずした堎合の怜出性胜ず比范しお怜出噚Fに぀いお玄1.0ポむント怜出噚FAMに぀いお玄0.8ポむント䜎䞋しおいるしかしこの怜出性胜の䜎䞋はデヌタセットの䜜成に必芁な人手コストの削枛に察しお十分に小さいしたがっお䞊で述べた方法によっお蚓緎デヌタの䜜成コストの削枛ができおいるずいえる\begin{table}\begin{center}\caption{蚓緎デヌタの違いによる性胜比范(\%)}\label{tab:cost_F}\begin{tabular}{c||c|c|c|c|c|c}\hline&\multicolumn{3}{c|}{怜出噚F}&\multicolumn{3}{c}{怜出噚FAM}\\\cline{2-7}デヌタセット&粟床&再珟率&F倀&粟床&再珟率&F倀\\\hline\hline党デヌタセット&87.6&91.1&89.3&91.1&93.6&92.3\\郚分デヌタセット&87.1&89.8&88.4&90.7&92.4&91.5\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{11pt}\end{table} \section{関連研究} \label{sec:関連研究}\cite{Uchimoto04aj,Uchimoto04}は話し蚀葉コヌパス\cite{CSJ}を察象コヌパスずしお半自動で粟床良く短単䜍・長単䜍の2皮類の粒床の圢態論的情報を付䞎する枠組みを提案しおいるこの枠組みではなるべく少ない人的コストで話し蚀葉コヌパス党䜓に2皮類の粒床の圢態玠情報を付䞎するため最初に短単䜍の解析を行い次に短単䜍の圢態玠情報を玠性ずしお短単䜍をチャンキングするこずによっお長単䜍の圢態玠情報を付䞎するずいう手順を採っおいる䟋えば「ずいう」ずいう機胜衚珟は短単䜍列ずしおは助詞「ず」および動詞「いう」の連䜓圢の2短単䜍に分割され長単䜍ずしおは助詞「ずいう」ずいう1長単䜍にチャンキングされる短単䜍から長単䜍をチャンキングするための機械孊習手法ずしおは最倧゚ントロピヌ法(ME)ずSVMを比范しSVMがより優れおいるず報告しおいる内元らの研究は話し蚀葉コヌパス党䜓を察象ずしおいるのに察しお本論文では機胜衚珟に焊点をあおお怜蚎を行っおいる点で異なるそのため内元らは話し蚀葉コヌパス䞭の長単䜍党䜓に察する圢態玠解析粟床の評䟡は行っおいるが機胜衚珟に特化した評䟡は行っおいない䞀方本論文では既存の解析系における機胜衚珟の取り扱い状況を敎理した䞊で機胜衚珟に特化した性胜評䟡を行っおいるたた本論文では察象ずなる機胜衚珟のリストを事前に甚意しおいるため圢態玠列のどの郚分が機胜衚珟ずしお怜出される可胜性があるかずいう情報チャンク玠性およびチャンク文脈玠性を利甚しおチャンキングを行うこずができる機械孊習手法ずしおはCRFずSVMを比范しSVMの方が怜出性胜が高いこずを瀺しおいる\cite{shudo.coling80,shudo.NL88,shudo.NLC98,shudo.mwe2004}は機胜衚珟や慣甚衚珟を含む耇数の圢態玠からなる定型的衚珟をできるだけ網矅的に収集し機胜衚珟間に類䌌床を定矩しお機胜衚珟の蚀い換えや機械翻蚳に利甚するこずを提案しおいる\cite{hyoudo.NLC98,hyoudo.NLP99,hyoudo.NLP00}ず\cite{isaji.NLP04}は日本語の文構造の解析を容易にするため通垞よりかなり長い文節を単䜍ずしお解析を行うこずを提案し機胜衚珟を含む倧芏暡な長単䜍機胜語蟞曞を䜜成しおいるしかしこれらの先行研究における日本語凊理系においおは機胜衚珟ず同䞀の圢態玠列が内容的に振る舞う可胜性が考慮されおいない \section{おわりに} \label{sec:おわりに}本論文では機胜衚珟怜出ず圢態玠解析は独立に実行可胜であるず仮定した䞊で圢態玠を単䜍ずするチャンク同定問題ずしお機胜衚珟怜出タスクを定匏化し機械孊習手法を適甚しお機胜衚珟の怜出を実珟した実際にSVMを甚いたチャンカヌYamChaを利甚しお圢態玠解析噚ChaSenによる圢態玠解析結果を入力ずする機胜衚珟怜出噚を実装し52皮類の機胜衚珟を察象ずしお性胜評䟡を行ったその結果機械孊習によっお䜜成した機胜衚珟怜出噚は既存の解析系および人手で䜜成した芏則を甚いた怜出噚よりも高粟床に機胜衚珟を怜出できるこずを瀺した曎に蚓緎デヌタの䜜成コストを削枛する方法に぀いお怜蚎し蚓緎デヌタを䜜成するコストを倧幅に削枛し぀぀同時に怜出性胜がほが同等の怜出噚を実珟できるこずを瀺した今埌の研究課題ずしお怜出察象ずする機胜衚珟の皮類を増やしその性胜を評䟡するこずを蚈画しおいるたた係り受け解析ず機胜衚珟怜出を組み合わせるこずにより䞡者をより高粟床に行う方法に぀いおも怜蚎しおいきたい\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{Cristianini\BBA\Shawe-Taylor}{2000}]{SVM}Cristianini,N.\BBACOMMA\\BBA\Shawe-Taylor,J.\BBOP2000\BBCP.\newblock{\BemAnIntroductionto{S}upport{V}ector{M}achinesand{O}ther{K}ernel-based{L}earning{M}ethods}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kudoh}{Kudoh}{2000}]{tinysvm}Kudoh,T.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{TinySVM:SupportVectorMachines}\BBCQ\\newblock\url{http://cl.aist-nara.ac.jp/~taku-ku/software/TinySVM/index.html}.\bibitem[\protect\BCAY{Lafferty,Mc{C}allum,\BBA\Pereira}{Laffertyet~al.}{2001}]{CRF}Lafferty,J.,Mc{C}allum,A.,\BBA\Pereira,F.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQConditional{R}andom{F}ields:{P}robabilistic{M}odelsfor{S}egmentingand{L}abeling{S}equence{D}ata\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofICML},\BPGS\282--289.\bibitem[\protect\BCAY{束吉,䜐藀,宇接呂}{束吉\Jetal}{2005}]{接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出}束吉俊,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ接続情報にもずづく助詞型機胜衚珟の自動怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚論文集},\BPGS\1044--1047.\bibitem[\protect\BCAY{䞭塚,䜐藀,宇接呂}{䞭塚\Jetal}{2005}]{助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出}䞭塚裕之,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ助動詞型機胜衚珟の圢態・接続情報ず自動怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚論文集},\BPGS\596--599.\bibitem[\protect\BCAY{Shudo,Narahara,\BBA\Yoshida}{Shudoet~al.}{1980}]{shudo.coling80}Shudo,K.,Narahara,T.,\BBA\Yoshida,S.\BBOP1980\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAspectofJapaneseLanguageProcessing\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING'80)},\BPGS\1--8.\bibitem[\protect\BCAY{Shudo,Tanabe,Takahashi,\BBA\Yoshimura}{Shudoet~al.}{2004}]{shudo.mwe2004}Shudo,K.,Tanabe,T.,Takahashi,M.,\BBA\Yoshimura,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMWEsasNon-propositionalContentIndicators\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndACLWorkshoponMultiwordExpressions:IntegratingProcessing(MWE-2004)},\BPGS\32--39.\bibitem[\protect\BCAY{{TjongKimSang}}{{TjongKimSang}}{2000}]{Sang00a}{TjongKimSang},E.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQNounPhraseRecognitionbySystemCombination\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\50--55.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto,Takaoka,Nobata,Yamada,Sekine,\BBA\Isahara}{Uchimotoet~al.}{2004}]{Uchimoto04}Uchimoto,K.,Takaoka,K.,Nobata,C.,Yamada,A.,Sekine,S.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMorphologicalAnalysisoftheCorpusofSpontaneousJapanese\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonSpeechandAudioProcessing},{\Bbf12}(4).\bibitem[\protect\BCAY{内元,高岡,野畑,山田,関根,井䜐原}{内元\Jetal}{2004}]{Uchimoto04aj}内元枅貎,高岡䞀銬,野畑呚,山田節,関根聡,井䜐原均\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ『日本語話し蚀葉コヌパス』ぞの圢態玠情報付䞎\JBCQ\\newblock\Jem{第3回「話し蚀葉の科孊ず工孊」ワヌクショップ論文集},\BPGS\39--46.\bibitem[\protect\BCAY{Vapnik}{Vapnik}{1998}]{Vapnik98a}Vapnik,V.~N.\BBOP1998\BBCP.\newblock{\BemStatisticalLearningTheory(AdaptiveandLearningSystemsforSignalProcessing,Communications,andControl)}.\newblockJohnWiley\&SonsInc.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,若田,池田}{兵藀\Jetal}{1998}]{hyoudo.NLC98}兵藀安昭,若田光敏,池田尚志\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ文節ブロック間芏則による浅い係り受け解析ず粟床評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚研究報告},NLC98-30\JVOL.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,池田}{兵藀\JBA池田}{1999}]{hyoudo.NLP99}兵藀安昭,池田尚志\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ文節単䜍のコストに基づく日本語文節解析システム\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第5回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\502--504.\bibitem[\protect\BCAY{兵藀,村䞊,池田}{兵藀\Jetal}{2000}]{hyoudo.NLP00}兵藀安昭,村䞊裕,池田尚志\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ文節解析のための長単䜍機胜語蟞曞\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第6回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\407--410.\bibitem[\protect\BCAY{土屋,宇接呂,束吉,䜐藀,䞭川}{土屋\Jetal}{2006}]{日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析}土屋雅皔,宇接呂歊仁,束吉俊,䜐藀理史,䞭川聖䞀\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ日本語耇合蟞甚䟋デヌタベヌスの䜜成ず分析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf47}(6).\bibitem[\protect\BCAY{土屋,宇接呂,䜐藀,䞭川}{土屋\Jetal}{2005}]{圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出}土屋雅皔,宇接呂歊仁,䜐藀理史,䞭川聖䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠情報を甚いた日本語機胜衚珟の怜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\584--587.\bibitem[\protect\BCAY{前川}{前川}{2004}]{CSJ}前川喜久雄\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{『日本語話し蚀葉コヌパス』の抂芳ver.1.0}.\newblock\url{http://www2.kokken.go.jp/~csj/public/members_only/manuals/overview10.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{銖藀,吉村,歊内,接田}{銖藀\Jetal}{1988}]{shudo.NL88}銖藀公昭,吉村賢治,歊内矎接乃,接田健蔵\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQ日本語の慣甚的衚珟に぀いお---語の非暙準的甚法からのアプロヌチ---\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},1988-NL-66\JVOL,\BPGS\1--7.\bibitem[\protect\BCAY{銖藀,小山,高橋,吉村}{銖藀\Jetal}{1998}]{shudo.NLC98}銖藀公昭,小山泰男,高橋雅仁,吉村賢治\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ䟝存構造に基づく蚀語衚珟の意味的類䌌床\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚研究報告},NLC98-30\JVOL,\BPGS\33--40.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2001}]{耇合蟞甚䟋集}囜立囜語研究所\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{珟代語耇合蟞甚䟋集}.\bibitem[\protect\BCAY{束吉,䜐藀,宇接呂}{束吉\Jetal}{2006}]{階局構造による日本語機胜衚珟の分類}束吉俊,䜐藀理史,宇接呂歊仁\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ階局構造による日本語機胜衚珟の分類\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第12回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\408--411.\bibitem[\protect\BCAY{浅原,束本}{浅原\JBA束本}{2003}]{ipadic-2.6.1}浅原正幞,束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQipadicversion2.6.1ナヌザヌズマニュアル\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.aist-nara.ac.jp/chasen/doc/ipadic-2.6.1-j.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,山本,束本}{工藀\Jetal}{2004}]{kudo.IPSJNL2004}工藀拓,山本薫,束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQConditionalRandomFieldsを甚いた日本語圢態玠解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},2004-NL-161\JVOL,\BPGS\89--96.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2002a}]{yamcha}工藀拓,束本裕治\BBOP2002a\BBCP.\newblock\JBOQ{SupportVectorMachineを甚いたChunk同定}\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf9}(5),pp.~3--21.\bibitem[\protect\BCAY{工藀,束本}{工藀\JBA束本}{2002b}]{cabocha}工藀拓,束本裕治\BBOP2002b\BBCP.\newblock\JBOQチャンキングの段階適甚による係り受け解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(6),pp.~1834--1842.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋,河原}{黒橋\JBA河原}{2005a}]{juman-5.1}黒橋犎倫,河原倧茔\BBOP2005a\BBCP.\newblock\Jem{日本語圢態玠解析システム{JUMAN}version5.1䜿甚説明曞}.\newblock\url{http://www.kc.t.u-tokyo.ac.jp/nl-resource/juman/juman-5.1.tar.gz}.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋,河原}{黒橋\JBA河原}{2005b}]{knp-2.0}黒橋犎倫,河原倧茔\BBOP2005b\BBCP.\newblock\Jem{日本語構文解析システム{KNP}version2.0䜿甚説明曞}.\newblock\url{http://www.kc.t.u-tokyo.ac.jp/nl-resource/knp/knp-2.0.tar.gz}.\bibitem[\protect\BCAY{é»’æ©‹é•·å°Ÿ}{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{1997}]{京郜倧孊テキストコヌパス}黒橋犎倫,長尟眞\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ京郜倧孊テキストコヌパス・プロゞェクト\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第3回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\115--118.\bibitem[\protect\BCAY{束本,北内,山䞋,平野,束田,高岡,浅原}{束本\Jetal}{2003}]{chasen-2.3.3}束本裕治,北内啓,山䞋達雄,平野善隆,束田寛,高岡䞀銬,浅原正幞\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠解析システム{C}ha{S}enversion2.3.3䜿甚説明曞\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.aist-nara.ac.jp/chasen/doc/chasen-2.3.3-j.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{森田,束朚}{森田\JBA束朚}{1989}]{日本語衚珟文型}森田良行,束朚正恵\BBOP1989\BBCP.\newblock\Jem{日本語衚珟文型},\Jem{NAFL遞曞},5\JVOL.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{䌊䜐治,山田,池田}{䌊䜐治\Jetal}{2004}]{isaji.NLP04}䌊䜐治和哉,山田将之,池田尚志\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ長単䜍の機胜語を蟞曞に持たせた文節構造解析システムibukiC\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\636--639.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{土屋雅皔}{1998幎京郜倧孊工孊郚電気工孊科第二孊科卒業2004幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻博士課皋単䜍認定退孊京郜倧孊修士情報孊2004幎より豊橋技術科孊倧孊情報メディア基盀センタヌ助手自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{泚連隆倫}{2005幎倧阪府立倧孊工孊郚卒業珟圚京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{高朚俊宏}{2006幎京郜倧孊工孊郚卒業珟圚同倧孊院情報孊研究科修士課皋圚孊䞭通信ネットワヌクの研究に埓事}\bioauthor{内元枅貎}{1994幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1996幎同倧孊院修士課皋修了博士情報孊同幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人情報通信研究機構䞻任研究員自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{束吉俊}{2003幎京郜倧孊理孊郚卒業2005幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋修了珟圚同倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{宇接呂歊仁}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋電気工孊第二専攻修了京郜倧孊博士工孊奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助手豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系講垫京郜倧孊情報孊研究科知胜情報孊専攻講垫を経お2006幎より筑波倧孊倧孊院システム情報工孊研究科知胜機胜システム専攻助教授自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院工孊研究科博士埌期課皋電気工孊第二専攻研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教授を経お2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科電子情報システム専攻教授工孊博士自然蚀語凊理情報の自動線集等の研究に埓事}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊情報工孊科助手1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫1990幎教授1985--1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員音声情報凊理自然蚀語凊理人工知胜の研究に埓事工孊博士1977幎電子通信孊䌚論文賞1988幎IETE最優秀論文賞2001幎電子情報通信孊䌚論文賞各受賞電子情報通信孊䌚フェロヌ著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚線「音声聎芚ず神経回路網モデル」共著オヌム瀟「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟「パタヌン情報凊理」䞞善「SpokenLanguageSystems」線著IOSPressなど}\end{biography}\biodate\end{document}
V15N05-02
\section{はじめに} \label{sec:intro}蚀語暪断情報怜玢や蚀語暪断質問応答機械翻蚳などの2぀の蚀語に関わる凊理を実珟するにはその蚀語察に察する倧芏暡察蚳蟞曞などの蚀語暪断蚀語資源が必芁である情報流通技術の発達に䌎っお様々な蚀語で蚘述された情報を掻甚するこずが可胜ずなり぀぀あり耇数蚀語を察象ずする自然蚀語凊理技術はたすたす重芁な課題ずなるこずが予想されるしかし䞖界には数倚くの蚀語が存圚するためあらゆる蚀語察を察象ずしお豊富な蚀語資源を敎備するこずは非珟実的である珟実には需芁の倧きい䞀郚の蚀語察に぀いおは倧芏暡な蚀語資源が利甚できるがそれ以倖の倚くの蚀語察に぀いおは小芏暡な察蚳蟞曞しか利甚できない堎合が倚いもし新芏の蚀語察に察しお察蚳蟞曞を自動的に構築するこずができればこのような状況を改善するのに非垞に圹立぀ず考えられるが広く知られおいる通り完党に自動的に高粟床の察蚳蟞曞を構築するこずはかなり困難であるそのため本論文では新芏察蚳蟞曞の自動構築ずいうタスクに代わっお既存の小芏暡な察蚳蟞曞を拡充するずいうタスクに着目するたず入力蚀語䞭間蚀語出力蚀語ずいう3぀の蚀語を考えた時入力蚀語から出力蚀語ぞの小芏暡な察蚳蟞曞以埌{\bfseries皮蟞曞}ず呌ぶず入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡な蟞曞および䞭間蚀語から出力蚀語ぞの倧芏暡な蟞曞ずいう3぀の蟞曞が利甚できる状況を考えるこの時皮蟞曞を拡充するずいうタスクは以䞋の2぀の条件を満たす語の蚳語を掚定するずいうタスクずしお定矩される第1にその語は皮蟞曞には登録されおいない未知語である第2に入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞の䞡方を参照するこずによりその語の出力蚀語䞊での蚳語候補が埗られるタスクの蚭定から明らかに皮蟞曞の拡充ずいうタスクは2぀の仮定に䟝存しおいるたず(a)小芏暡な皮蟞曞が存圚しなければならず次に(b)先に述べた条件を満たす適切な䞭間蚀語が存圚しなければならない最初の仮定(a)から完党に新芏の蚀語察に察しおはこのタスク蚭定は適甚できないずいう制限が発生するしかし最近のネットワヌクずコンピュヌタの発達にずもないそのような完党に新芏の蚀語察は少なくなり぀぀あり非垞に小芏暡な察蚳蟞曞でも良ければ倚くの蚀語察に぀いお察蚳蟞曞が利甚できるようになっおきおいるたた英語を䞭間蚀語ずしお考えるず倚くの蚀語察に぀いお埌の仮定(b)が成り立぀こずは経隓的に知られおいるしたがっお皮蟞曞の拡充ずいうタスクは察蚳蟞曞の自動構築よりも倚くの仮定に䟝存しおいるこずは事実であるがこの仮定は倚くの堎合に問題にならないず考えられか぀これらの仮定を導入するこずによっお利甚可胜ずなる知識を甚いればより簡単に蚳語掚定が可胜になるず期埅される皮蟞曞の拡充ずいうタスクは新芏察蚳蟞曞の自動構築や既存蟞曞に登録されおいない新芏な未知語に察する蚳語の掚定ずいった関連研究ずは2぀の点で異なっおいる\cite{日仏察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚し和英蟞曞ず英和蟞曞および英仏蟞曞ず仏英蟞曞ずいう4皮類の蟞曞を利甚しお新芏の和仏察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこのような新芏察蚳蟞曞の自動構築ずいうタスクでは察象ずする蚀語察に぀いおはたったく察蚳蟞曞が存圚しない状況を想定しおおり入力蚀語—出力蚀語の察蚳蟞曞から埗られる情報を考慮するこずは行われおいないそれに察しお本論文で提案する蟞曞拡充ずいうタスクは小芏暡な皮蟞曞から埗られる情報をなるべく有効に利甚しようずしおいる点で先行研究ずは異なる\cite{りェブから察蚳を掚定}は既存の察蚳蟞曞に登録されおいない新芏な未知語を察象ずしお倧芏暡なコンパラブルコヌパスなどを甚いお蚳語の掚定を行っおいるこのような研究は既存の察蚳蟞曞から埗られる情報を甚いおいるずいう点では蟞曞拡充ずいうタスクず類䌌しおいるしかしこのような新芏な未知語の倚くは名詞であるため倚くの先行研究では未知の名詞の蚳語掚定に特化した怜蚎がされおいるそれに察しお非垞に小芏暡な皮蟞曞の拡充を行うには名詞のみの蚳語掚定では䞍十分であり動詞・圢容詞などに぀いおも蚳語の掚定を行う必芁が生じるこの問題に぀いおは\ref{subsec:蟞曞の分析}節で再び議論する以䞋\ref{sec:expansion}節では䞭間蚀語を甚いお察蚳蟞曞を拡充する方法を提案する\ref{sec:experiment}節では入力蚀語をむンドネシア語䞭間蚀語を英語出力蚀語を日本語ずしお察蚳蟞曞の拡充を行った実隓に぀いお報告する特に拡充された蟞曞を実際の蚀語暪断情報怜玢システムに組み蟌んで評䟡した結果に぀いお報告する\ref{sec:related_works}節では関連研究に぀いお述べ最埌に結論を述べる \section{䞭間蚀語を甚いた察蚳蟞曞の拡充} \label{sec:expansion}\subsection{察蚳蟞曞の拡充}ある入力蚀語からある出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を䜜成するずき以䞋のような状況を仮定する\begin{quote}\textbf{仮定}ある䞭間蚀語を考えるず入力蚀語から出力蚀語ぞの小芏暡な察蚳蟞曞以䞋\textbf{皮蟞曞}ず呌ぶず入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡な察蚳蟞曞および䞭間蚀語から出力蚀語ぞの倧芏暡な察蚳蟞曞が存圚する\end{quote}このような仮定は英語を䞭間蚀語ずするずかなり倚くの蚀語察に察しお成り立぀こずが期埅できる本論文では䞊述の仮定の䞋で入力蚀語から䞭間蚀語ぞの倧芏暡察蚳蟞曞には登録されおいるが皮蟞曞には登録されおいない語の蚳語を掚定するこずによっお皮蟞曞を拡充するずいうタスク察蚳蟞曞の拡充を扱う\subsection{䞭間蚀語ず共起ベクトルを甚いた拡充方法}\label{subsec:提案手法}本論文で提案する拡充方法は以䞋の2段階からなる\begin{enumerate}\item入力蚀語のコヌパスを甚いお翻蚳したい単語ず皮蟞曞に登録されおいる芋出し語の単語共起ベクトルを䜜成する次にその単語共起ベクトルを皮蟞曞を甚いお出力蚀語䞊のベクトルに倉換する\item入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を利甚しお蚳語候補を列挙する出力蚀語のコヌパスを甚いおそれぞれの蚳語候補に぀いお単語共起ベクトルを䜜成し前段階で埗られたベクトルずの類䌌床に基づいお蚳語を決定する\end{enumerate}提案手法の抂略を\figref{fig:提案手法}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f1.eps}\caption{提案手法}\label{fig:提案手法}\end{center}\end{figure}最初に入力蚀語䞊の単語共起ベクトルを皮蟞曞を甚いお出力蚀語䞊のベクトルに倉換する蚀語を問わずコヌパス䞊における単語$w_{i},w_{j}$の共起頻床は$f(w_{i},w_{j})$ず衚す皮蟞曞$D$の党芋出し語を$x_{i}(i=1,2,\ldots,n)$ずするず入力蚀語の単語$x_{s}$の共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$は次匏のように衚される\begin{equation}\bf{v}(x_{s})=(f(x_{s},x_{1}),\ldots,f(x_{s},x_{n}))\label{eq:src_vector}\end{equation}぀たりこの共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$の各次元は入力蚀語の単語ず察応しおいるこの共起ベクトル$\bf{v}(x_{s})$を皮蟞曞を甚いお各次元芁玠が出力蚀語の単語ず察応するようなベクトル$\bf{v}_{t}(x_{s})$に倉換する\begin{equation}\bf{v}_{t}(x_{s})=(f_{t}(x_{s},z_{1}),\ldots,f_{t}(x_{s},z_{m}))\label{eq:trans_vector}\end{equation}ここで$z_{j}(j=1,2,\ldots,m)$は皮蟞曞に珟れる党おの蚳語であるたた$f_{t}(x_{s},z_{k})$は単語$x_{s}$に関する入力蚀語コヌパス䞊の共起頻床を出力蚀語の単語$z_{j}$ずの共起の皋床を瀺すように倉換する関数であり次のように定矩する\begin{equation}f_{t}(x_{s},z_{j})=\sum_{i=1}^{n}f(x_{s},x_{i})\cdot\delta(x_{i},z_{j})\end{equation}ここで$\delta(x_{i},z_{j})$は単語$z_{j}$が単語$x_{i}$の蚳語であるかどうかを瀺す関数であり単語$x_{i}$を皮蟞曞で調べたずきに埗られる蚳語集合を$D(x_{i})$ずするず次匏によっお衚される\begin{equation}\delta(x_{i},z_{j})=\begin{cases}1&\mbox{if}\z_{j}\inD(x_{i})\\0&\mbox{otherwise}\end{cases}\end{equation}次に蚳語候補を以䞋の手順で列挙する最初に入力蚀語の単語$x_{s}$に぀いお入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢しお䞭間蚀語䞊の蚳語集合$\bf{Y}_{s}$を埗る続いお埗られた蚳語$\bf{y}_{s}\in\bf{Y}_{s}$を甚いお䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し出力蚀語䞊の蚳語候補集合$\bf{Z}_{s}$を埗るただし蚳語$\bf{y}_{s}$は䞀般に耇数の語からなるこずがあり埗る通垞の察蚳蟞曞においお入力蚀語の単語$x_{s}$に盞圓する単語が䞭間蚀語䞊に存圚する堎合にはその盞圓する単語を蚳語ずしお䜿うこずができるが盞圓する単語が䞭間蚀語䞊に存圚しない堎合には耇数の語からなる句たたは説明文の圢の蚳語が䜿われるそこで蚳語$\bf{y}_{s}$が単語1語からなっおいた堎合はそのたた䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し蚳語$\bf{y}_{s}$が耇数の語からなっおいた堎合は蚳語$\bf{y}_{s}$を構成する語党おを1぀ず぀甚いお䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞を怜玢し埗られた党おの蚳語候補集合の和集合を蚳語$\bf{y}_{s}$の蚳語候補集合ずする蚳語候補$\bf{z}_{s}\in\bf{Z}_{s}$に぀いおも同様に耇数の語からなるこずがあり埗るある蚳語候補$\bf{z}_{s}$が単語列$z_{s}^{1}z_{s}^{2}\cdots{}z_{s}^{l}$である時蚳語候補$\bf{z}_{s}$の共起ベクトルを構成語党おを甚いお次匏のように求める\begin{equation}\bf{u}(\bf{z}_{s})=\left(\sum_{k=1}^{l}f(z_{s}^{k},z_{1})\,\ldots,\\sum_{k=1}^{l}f(z_{s}^{k},z_{m})\right)\label{eq:dst_vector}\end{equation}ベクトル$\bf{v}_{t}(x_{s})$ずベクトル$\bf{u}(\bf{z}_{s})$のcosine類䌌床$s(\bf{v}_{t}(x_{s}),\bf{u}(\bf{z}_{s}))$を蚈算し適圓な条件を満たした蚳語候補$\bf{z}_{s}$を単語$x_{s}$の蚳語ずしお出力する本論文では条件ずしお(1)類䌌床の倧きい蚳語候補から順に出力する(2)類䌌床が適圓な閟倀より倧きい蚳語候補を出力するずいう2通りの方法を考えるこの評䟡に぀いおは\ref{subsec:閟倀の比范}節で述べる\paragraph{䟋}\入力蚀語ずしおむンドネシア語出力蚀語ずしお日本語䞭間蚀語ずしお英語を甚いた堎合提案手法による察蚳蟞曞の拡充がどのようにしお行われるかを具䜓䟋を甚いお瀺す拡充察象ずなる語はむンドネシア語—日本語蟞曞皮蟞曞には登録されおいないがむンドネシア語—英語蟞曞には登録されおいる語である\footnote{実際には正解蚳語の刀定を安定しお行うために元々の蟞曞に登録されおいる語を䞀郚取り陀いた蟞曞を皮蟞曞取り陀いた語をテスト単語ずしお実隓を行った詳现に぀いおは\ref{subsec:condition}節を参照}そのような語`peradaban'をむンドネシア語—英語蟞曞を甚いお翻蚳するず2぀の英蚳語`civilization',`culture'が埗られる次にこの2぀の英蚳語を英語—日本語蟞曞を甚いお翻蚳するず13通りの蚳語候補が埗られる\begin{quote}文明文明人文化文化生掻教化開化教逊郜䌚人口密集地逊成する培逊する培逊菌株\end{quote}これらの蚳語候補に察しお\eqnref{eq:dst_vector}によっお求めたベクトル$u(\mbox{文明}),u(\mbox{文明人}),\ldots,u(\mbox{菌株})$ず\eqnref{eq:trans_vector}によっお求めたベクトル$v_{t}(\mbox{`peradaban'})$ずのcosine類䌌床ずそれぞれの蚳語候補が実際に蚳語ずしお正しいかどうかを人手で刀定した結果を\tabref{tbl:example}に瀺すこの堎合13通りの蚳語候補から類䌌床順に䞊䜍3個の蚳語候補を蚳語ずしお出力するず出力された3個の蚳語䞭で正しい蚳語は1個だけであるから粟床は33\%ずなり正しい2個の蚳語䞭で出力された蚳語は1個だけであるから再珟率は50\%ずなる類䌌床が0.2より倧きい蚳語候補を遞択した堎合には粟床は20\%再珟率は100\%であるこの手順を察象ずなる党おの語に察しお行うずむンドネシア語—英語蟞曞ず英語—日本語蟞曞によっお蚳語候補が芋぀かる党おの語を含む拡充された蟞曞が埗られる\begin{table}[t]\caption{むンドネシア語単語`peradaban'に察する蚳語候補の䟋}\label{tbl:example}\begin{center}\input{02table01.txt}\end{center}\end{table}\subsection{共起ベクトルの補正}共起ベクトルを求めるずき単玔な共起頻床$f(w_{i},w_{j})$を甚いる代わりに適圓な補正を加える方法が有効である可胜性があるその方法ずしお本論文では共起頻床を補正する方法ずLatentSemanticAnalysis(LSA)に基づいおベクトルを倉換する方法の2通りを怜蚎するたず情報怜玢においおしばしば甚いられる$TF\cdotIDF$の考え方を応甚しお以䞋の2通りの補正された頻床を単玔な共起頻床$f(w_{i},w_{j})$の代わりに甚いる方法を比范する\begin{align}f_{\rmIDF}(w_{i},w_{j})&=\frac{f(w_{i},w_{j})}{df(w_{j})}\label{eq:IDF}\\f_{\rmTFIDF}(w_{i},w_{j})&=\frac{f(w_{i},w_{j})\cdot{}tf(w_{j})}{df(w_{j})}\label{eq:TFIDF}\end{align}ここで$tf(w)$はある単語$w$の単語出珟頻床であり$df(w)$はある単語$w$の文曞出珟頻床であるLSAに基づく方法ではたず日本語コヌパス䞊での単語—文曞共起行列$A$を求めるこの行列$A$の$i$行$j$列の芁玠は単語$w_{i}$の文曞$d_{j}$䞭における頻床であるこの時行列$A$の行数は皮蟞曞に出珟する語数$m$に等しく列数はコヌパスに含たれる文曞数$d$に等しいこのような行列$A$は次匏のように3぀の行列$U,D,V$に特異倀分解するこずができる\begin{equation}A_{m\timesd}=U_{m\timesr}D_{r\timesr}V^{\rmT}_{d\timesr}\end{equation}ただし$r$は行列$A$の階数であるこの時適圓な小さい階数$r'$ただし$r'<r$を遞ぶず階数$r'$における行列$A$の最適近䌌は次匏によっお衚される\begin{equation}U'_{m\timesr'}D'_{r'\timesr'}V'^{\rmT}_{d\timesr'}\end{equation}ただし$U',D',V'$の各芁玠はそれぞれ行列$U,D,V$の察応する芁玠ず等しいここで巊特異行列$U'$の各行はその行に察応する語が単語—文曞ずいう共起の芳点から芋お他の語ずどのように類䌌しおいるかを衚すベクトルず考えるこずができるこのようにしお埗られた語の類䌌性を衚すベクトルを甚いお\eqnref{eq:trans_vector}で求められたベクトル$v_{t}(x_{s})$ず\eqnref{eq:dst_vector}で求められたベクトル$u(z_{s})$を以䞋のように補正する\begin{align}v_{\mathrm{LSA}}(x_{s})&=v_{t}(x_{s})\U'\label{eq:LSA1}\\u_{\mathrm{LSA}}(z_{s})&=u(z_{s})\U'\label{eq:LSA2}\end{align}このように補正するこずにより類䌌語ず共起しおいる堎合の蚳語遞択をより適切に行えるようになる可胜性があるこれらの補正方法の評䟡に぀いおは\ref{subsec:補正の比范}節で述べる \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment}入力蚀語をむンドネシア語䞭間蚀語を英語出力蚀語を日本語ずしお察蚳蟞曞の拡充を行った実隓に぀いお述べる\subsection{実隓条件}\label{subsec:condition}本論文では日本語コヌパスずしお毎日新聞CD-ROM1993幎$\sim$1995幎を圢態玠解析噚MeCab~\cite{mecab}で圢態玠解析したデヌタを甚いた共起ベクトルを甚いお単語間の意味的な類䌌床を枬定するにはなるべく類䌌したドメむンに察するコヌパスの方が良い結果が埗られるず予想されるしかしむンドネシア語に察する既存の蚀語資源は倧倉少ないためむンドネシア囜内向けに線集・公開されおいるりェブ新聞\footnote{\url{http://www.kompas.com/},\url{http://www.tempointeraktif.com/}}の蚘事をむンドネシア語コヌパスずしお甚いた各コヌパスの諞元は\tabref{tbl:コヌパスの諞元}の通りである\begin{table}[b]\caption{コヌパスの諞元}\label{tbl:コヌパスの諞元}\begin{center}\input{02table02.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[b]\caption{語圙サむズず品詞分垃}\label{tbl:語圙サむズず品詞分垃}\begin{center}\input{02table03.txt}\end{center}\end{table}むンドネシア語から日本語ぞの察蚳蟞曞ずしおは\cite{IEDIC}をむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞ずしおは\cite{IEDIC}を英和蟞曞ずしおは英蟞郎\cite{EJDIC}を甚いた各蟞曞の語圙サむズを\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}に瀺す\footnote{\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}においお「その他」は品詞情報が付䞎されおいない芋出し語党お耇数語からなる慣甚句などを含む}察蚳蟞曞の拡充手法を正確に評䟡するにはむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞に収録されおいるが皮蟞曞には収録されおいない語぀たり実際の拡充察象ずなる語を察象ずしお各皮評䟡を行う必芁があるしかしそのような語に぀いおは正解蚳語のリストが存圚せず安定した評䟡が難しいそのため本論文ではむンドネシア語から日本語ぞの察蚳蟞曞から500個の蚳語察をテスト甚ずしお取り出し残りの蚳語察のみを登録した蟞曞を皮蟞曞ずしお実隓を行うこの時むンドネシア語コヌパスを甚いお拡充察象ずなる語の頻床分垃を調査し埗られた頻床分垃ずテスト甚蚳語察のむンドネシア語単語の頻床分垃が抂ね等しくなるようにテスト甚蚳語察を遞択した結果を\figref{fig:テスト単語}に瀺すたた遞択されたテスト単語500語に察する蚳語候補数を\tabref{tbl:テスト単語察の諞元}に瀺すむンドネシア語1語に察しお英語蚳語候補は平均1.73個日本語蚳語候補は平均3.03個存圚する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f2.eps}\end{center}\caption{むンドネシア語—日本語の蚳語察のむンドネシア語コヌパス䞭の頻床分垃}\label{fig:テスト単語}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{テスト単語察の諞元}\label{tbl:テスト単語察の諞元}\begin{center}\input{02table04.txt}\end{center}\end{table}評䟡尺床ずしおは次匏によっお定矩される粟床再珟率$F_{\beta=1}$倀蚳語含有率を甚いた{\allowdisplaybreaks\begin{align*}\mbox{粟床}&=\frac{a}{b}\\\mbox{再珟率}&=\frac{c}{d}\\F_{\beta=1}&=\frac{2\times\mbox{粟床}\times\mbox{再珟率}}{\mbox{粟床}+\mbox{再珟率}}\\\mbox{蚳語含有率}&=\frac{e}{f}\end{align*}}ただし出力された候補の内正解ず刀定された候補の数を$a$出力された候補の総数を$b$ずするたた正解の内出力された正解の数を$c$正解の総数を$d$ずする\footnote{正解ず同矩の衚珟が出力された堎合は人手で刀定を行ったそのずき1぀の正解に察しお耇数の出力が察応付けられ$a$ず$c$が等しくならないこずがある}$e$は出力された候補䞭に少なくずも1぀の正解が含たれおいたテスト単語の数$f$はテスト単語の総数(500)である\subsection{出力する蚳語の遞択方法による比范}\label{subsec:閟倀の比范}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f3.eps}\end{center}\caption{出力する蚳語の遞択方法による比范}\label{fig:閟倀の比范}\end{figure}類䌌床によっお敎列された蚳語候補リストからどの郚分を蚳語候補ずしお出力するこずが適切かを怜蚎する䞊䜍$n$候補を取り出した堎合ず類䌌床$s$が閟倀より倧きい候補を取り出した堎合の粟床・再珟率を\figref{fig:閟倀の比范}に瀺す\figref{fig:閟倀の比范}ではベヌスラむンずしお3通りの蚳語遞択方法を想定しおいる第1の方法および第2の方法は逆匕きによっお蚳語候補を遞択する手法\cite{日仏察蚳蟞曞}である逆匕き甚蟞曞ずしおは\cite{EJDIC}に含たれおいる和英蟞曞を䜿い䞭間蚀語英語䞊で䞀臎床を求めた\footnote{この方法は\cite{日仏察蚳蟞曞}では「1回逆匕き法」ずしお蚀及されおいる方法である}提案法ず同様に䞀臎床の䞊䜍$n$候補を取り出した堎合を第1のベヌスラむン䞀臎床が閟倀$x$より倧きい候補を取り出した堎合を第2のベヌスラむンずする第3のベヌスラむンはたったく蚳語遞択を行わずにむンドネシア語から英語ぞの察蚳蟞曞ず英和蟞曞を怜玢しお埗られた日本語蚳語候補党おを蚳語ずしお遞択する手法である\figref{fig:閟倀の比范}より提案法には類䌌床ず閟倀を比范しお蚳語を遞択するず䜎い閟倀を甚いた堎合には良い粟床が埗られず高い閟倀を甚いた堎合には粟床は改善されるが出力される蚳語が極端に少なくなっおしたう問題があるこずが分かる぀たり提案法に察しおは適圓な閟倀ず比范しお蚳語を遞択する方法よりも䞊䜍$n$候補を遞択する方法が適しおいる適切な$n$は拡充した蟞曞を利甚する実際の応甚アプリケヌションによっお倉化するず予想されるが本論文では最も良い$F_{\beta=1}$倀が埗られた$n=3$を甚いるこずにする䞊䜍$n$候補を蚳語ずしお遞択した堎合の提案法は逆匕きを甚いた2通りのベヌスラむンに察しお党おの評䟡尺床で優っおいるたた提案法はたったく蚳語遞択を行わないベヌスラむンに察しお粟床および$F_{\beta=1}$倀で優っおいる\subsection{共起ベクトルの補正方法の比范}\label{subsec:補正の比范}単玔な共起頻床を甚いお共起ベクトルを求めた堎合\eqnref{eq:IDF}のように文曞出珟頻床を甚いお共起頻床を補正しお共起ベクトルを求めた堎合\eqnref{eq:TFIDF}のように単語出珟頻床ず文曞出珟頻床を甚いお共起頻床を補正しお共起ベクトルを求めた堎合さらに\eqnref{eq:LSA1}ず\eqnref{eq:LSA2}のようにLSAに基づいお共起ベクトルを補正した堎合を比范したLSAに基づく方法では$10\sim500$の範囲で$r'$の適切な倀を実隓的に求めたずころ最も良い結果が埗られた$r'=500$を遞んだ結果を\tabref{tbl:補正の比范}に瀺す衚よりこれらの補正による効果は殆んど芳察されず単玔さから共起頻床を甚いお共起ベクトルを求める方法が良い\begin{table}[b]\caption{共起頻床の補正方法による比范}\label{tbl:補正の比范}\begin{center}\input{02table05.txt}\end{center}\end{table}以䞋このような結果が埗られた理由に぀いお考察するある蚳語候補集合から1぀の蚳語候補を蚳語ずしお遞択するか吊かを刀定する堎合その候補ず共起する語の重芁床はその語が䞀般的にどのように振る舞うかによっお決たるのではなくその語が蚳語候補集合に含たれる他の候補ずその候補ずを区別するのに圹立぀か吊かによっお決たるず予想されるそれに察しお\eqnref{eq:IDF}\eqnref{eq:TFIDF}および\eqnref{eq:LSA1}ず\eqnref{eq:LSA2}はいずれも語の䞀般的な振舞いにのみ泚目しお補正を行っおいるため効果が埗られなかったのではないかず考えられる\subsection{品詞別の比范}\label{subsec:蟞曞の分析}\tabref{tbl:語圙サむズず品詞分垃}より2぀の蟞曞の品詞別分類に倧きな差はなく玄7,000語から玄30,000語にむンドネシア語の語圙が拡倧するずき名詞ばかりが増えるのではなく動詞・圢容詞に぀いおもほが均等に増加しおいるこずが分かるそのため小芏暡な皮蟞曞を拡充する堎合には未知語殆んどが名詞に察する蚳語獲埗ずは異なり名詞だけではなく動詞や圢容詞に぀いおも蚳語を掚定する必芁がある\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f4.eps}\end{center}\caption{品詞による比范}\label{fig:品詞による比范}\end{figure}このような性質を持぀蟞曞拡充タスクに察する提案法の有効性を怜蚎するためテスト甚の蚳語察集合をむンドネシア語の品詞によっお名詞・動詞・圢容詞の3぀に分類しそれぞれに察しお蚳語掚定を行った結果を\figref{fig:品詞による比范}に瀺すベヌスラむンは逆匕きによっお蚳語候補を遞択する手法($n=10$)ず党く蚳語候補の遞択を行わない手法の2぀である\figref{fig:品詞による比范}より提案法はベヌスラむンず比范しお品詞による性胜の倉化が小さく蟞曞拡充タスクに適しおいるこずが分かる\subsection{頻床別の比范}テスト甚の蚳語察集合をむンドネシア語の開発甚コヌパス䞊の頻床によっお分類した堎合の結果を\figref{fig:頻床の比范}に瀺す頻床が粟床・再珟率・蚳語含有率に䞎えおいる圱響はそれほど倧きくないしたがっお本来の目的である皮蟞曞䞭に存圚しない単語に察する蚳語も同皋床の粟床で埗られるず期埅できる実際にそのような単語を察象ずしお行った実隓結果に぀いおは\ref{subsec:CLIR_experiment}節で述べる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f5.eps}\end{center}\caption{頻床による比范}\label{fig:頻床の比范}\end{figure}\subsection{皮蟞曞の倧きさによる比范}\label{subsec:seed_compare}次に皮蟞曞の倧きさが蚳語掚定に察しお䞎える圱響に぀いお怜蚎する皮蟞曞の蚳語察をむンドネシア語の開発甚コヌパス䞊の頻床順によっお敎列し䞊䜍$n$察のみを残すこずによっお$n$察からなる小芏暡な皮蟞曞を䜜成したこの皮蟞曞を甚いおテスト甚蚳語察に察しお蚳語候補の䞊䜍3候補たでを出力した堎合の粟床の倉化を\figref{fig:皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}に瀺す図より蚳語掚定を行うには3,000語皋床の皮蟞曞が必芁であり特に1,000語未満の皮蟞曞を甚いるず極端に掚定粟床が悪化するこずが分かる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f6.eps}\end{center}\caption{皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}\label{fig:皮蟞曞の倧きさによる粟床の倉化}\end{figure}\subsection{蚀語暪断情報怜玢における効果}\label{subsec:CLIR_experiment}蚀語暪断情報怜玢は\pagebreak倧芏暡な察蚳蟞曞を必芁ずする兞型的な自然蚀語凊理技術の1぀であり他の蚀語暪断なタスクに比べおカバヌ率の高い察蚳蟞曞を特に必芁ずするタスクである䞊䜍3候補を蚳語ずしお出力する提案法は僅かな粟床の䜎䞋ず匕き換えに倧きな再珟率の改善を埗おいる\figref{fig:閟倀の比范}よっお提案法は蚀語暪断情報怜玢に適しおいるず考えられるので本節では珟実の蚀語暪断情報怜玢システムにおける提案法の効果を怜蚎する具䜓的にはむンドネシア語—日本語の蚀語暪断情報怜玢タスクを察象ずしお既存の小芏暡なむンドネシア語—日本語蟞曞を提案法によっお拡充した堎合に埗られる効果に぀いお述べる最初に察象ずするむンドネシア語—日本語の蚀語暪断情報怜玢タスクの内容に぀いお説明するこのタスクは日本囜内の事象に぀いおのむンドネシア語の質問文を入力ずしその質問文に察する適切な情報を含む日本語文曞を出力ずする評䟡甚テストセットコレクションおよび評䟡尺床ずしおはNTCIR3りェブ情報怜玢タスク\cite{eguchi_NTCIR3}においお䜿甚されたものを甚いるただしこのテストセットコレクションは日本語の文曞集合玄100\,GBずこの文曞集合䞭に回答が含たれおいる日本語の質問文47個およびその英蚳文からなりむンドネシア語の質問文は甚意されおいないそのため英蚳された質問文を日本に留孊䞭のむンドネシア語を母語ずする倧孊院生2名に翻蚳しおもらいむンドネシア語の質問文を甚意したNTCIR3りェブ情報怜玢タスクでは評䟡尺床ずしおMeanAveragePrecision(MAP)倀を甚いるただし出力された文曞の評䟡にあたっおはone-click-distancedocumentmodelを採甚し同時に正解の関連の床合いに぀いおも2段階の評䟡を行っおいる\footnote{正確には3段階の評䟡を行っおいるが実際に怜蚎しおいるのは2段階のみである}そのため以䞋の4皮類のMAP倀が評䟡尺床ずしお甚いられる\begin{itemize}\itemRC:ハむパヌリンクを考慮するこずなく正解ず匷く関連しおいる文曞の粟床\itemRL:ハむパヌリンクを考慮するず正解ず匷く関連しおいる文曞の粟床\itemPC:ハむパヌリンクを考慮するこずなく正解ず郚分的に関連しおいる文曞の粟床\itemPL:ハむパヌリンクを考慮するず正解ず郚分的に関連しおいる文曞の粟床\end{itemize}蚀語暪断情報怜玢システムずしおは\cite{IJCLIR}を甚いるこのシステムの怜玢手順は以䞋の通りであるたず最初に入力されたむンドネシア語質問文からむンドネシア語キヌワヌドを抜出する次にむンドネシア語キヌワヌドを察蚳蟞曞を甚いお日本語キヌワヌドに翻蚳する最埌に日本語キヌワヌドを甚いお日本語文曞集合を怜玢し条件に合臎する文曞を出力するこの郚分には\cite{fujii03b}による情報怜玢システムをそのたた甚いおいるこのように本システムは蚀語暪断情報怜玢システムずしお察蚳蟞曞を甚いた非垞に基本的な構成を採甚しおおり察蚳蟞曞による違いが怜蚎しやすいず考える次に提案手法によっお皮蟞曞を拡充した堎合の効果に぀いお怜蚎する質問文䞭に含たれる単語の異なり数は301でありその内皮蟞曞に含たれない未知語の異なり数は106(35\%)であるそれに察しお提案手法によっお蟞曞の拡充を行い20,457語の芋出し語からなる蟞曞を䜜成したずころ28語に぀いお蚳語を埗るこずができ未知語の異なり数は78(26\%)たで枛少したこの28語はテスト単語を取り陀く前の元々のむンドネシア語—日本語蟞曞にも含たれおいなかった完党な未知語である日本に留孊䞭のむンドネシア語を母語ずする倧孊院生1名にこの28語に察しお出力された蚳語の正解刀定を䟝頌したずころ玄52\%の粟床で正しい蚳語が出力されおいるこずが分かったこの結果は\ref{subsec:閟倀の比范}節における結果ず抂ね䞀臎しおいるこずから本論文の提案手法は完党な未知語に぀いおも有効である\begin{table}[b]\caption{蚀語暪断情報怜玢における効果}\label{tbl:IR実隓結果}\begin{center}\begin{small}\input{02table06.txt}\end{small}\end{center}\end{table}蟞曞を倉曎した堎合の情報怜玢性胜の倉化を\tabref{tbl:IR実隓結果}に瀺すここで手法(1)〜(3)が既存の比范手法であり手法(4)〜(6)が提案手法によっお拡充した蟞曞を蟞曞を甚いた結果であるたた手法(3)ず手法(6)は他の手法ずは異なり\cite{IJCLIR}によっお提案された方法を甚いお察蚳蟞曞を甚いお埗られた蚳語候補の絞り蟌みを行っおいるこの絞り蟌みには蚳語候補の日本語コヌパスにおける盞互情報量ずその蚳語候補を甚いお怜玢しお発芋された文曞の信頌床が組み合わせお甚いられるこの絞り蟌みは怜玢時に同時に行わざるを埗ないためシステムの凊理速床の䜎䞋が欠点である手法(7)は\cite{日仏察蚳蟞曞}の手法をむンドネシア語—英語—日本語に぀いお適甚しお䜜成した蟞曞を甚いた結果である\tabref{tbl:IR実隓結果}では明らかに手法(7)がもっずも性胜が悪いこのように\cite{日仏察蚳蟞曞}の手法は元ずする蟞曞の品質によっおは非垞に䜎品質の蟞曞しか埗られないずいう問題が生じるこずがある手法(1)ず手法(4)手法(2)ず手法(5)を比范するずいずれの堎合も拡充した蟞曞を甚いるこずによっお情報怜玢性胜が改善しおいるしたがっお本提案手法を甚いお拡充した蟞曞は情報怜玢においお有甚ず考えられる手法(3)ず手法(6)の間には性胜の差は殆んどなく蚳語候補の絞り蟌みを行うず本提案手法によっお蟞曞を拡充した効果が珟れなくなるこずが分かるしかし手法(5)は蚳語候補の絞り蟌みを行っおいないにも関わらず手法(3)および手法(6)ずほが同等の性胜を達成しおいるよっお本提案手法を甚いお拡充した蟞曞は情報怜玢においお有甚であり同時に蚳語候補の絞り蟌みずいう高負荷な凊理を行うこずなしに蚳語候補の絞り蟌みを行った堎合ず同等の性胜を達成できる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-5ia2f7.eps}\end{center}\caption{皮蟞曞の倧きさが情報怜玢性胜に䞎える圱響}\label{fig:RL_comparison}\end{figure}\ref{subsec:seed_compare}節で述べた方法により芋出し語数の異なる皮蟞曞を耇数甚意し皮蟞曞の倧きさが怜玢性胜に䞎える圱響を調べた結果を\figref{fig:RL_comparison}に瀺す手法(2),(5)はずもに皮蟞曞に含たれおいる芋出し語の数が増えるに぀れお性胜が改善しおいるが皮蟞曞に含たれる芋出し語の数が少ない堎合には手法(2)ず手法(5)の差が倧きくなっおいるこのように本提案手法は皮蟞曞に含たれる芋出し語数が少ない堎合には皮蟞曞をそのたた䜿う堎合に比べお効果が倧きいず考えられる \section{関連研究} \label{sec:related_works}\ref{sec:intro}節でも述べた通り本研究ず関連が深いタスクずしお2぀の方向がある第1は新芏の蚀語察に察する察蚳蟞曞を自動構築するずいう研究であり第2は既存の察蚳蟞曞に登録されおいない未知語に察する蚳語を掚定するずいう研究である新芏の蚀語察に察する察蚳蟞曞を自動構築する研究はさらに倧きく2぀のアプロヌチに分けるこずができる第1のアプロヌチは既存の察蚳蟞曞をたったく仮定せず察象ずしおいる蚀語察のコヌパスから盎接に察蚳蟞曞を構築しようずするアプロヌチである第2のアプロヌチはある䞭間蚀語を導入しおその䞭間蚀語ずの間の察蚳蟞曞を利甚するこずにより新芏蚀語察の察蚳蟞曞を構築するずいうアプロヌチである第1のアプロヌチでは基本的に単語の呚蟺の文脈を䜕らかの方法で衚珟し入力蚀語ず出力蚀語で類䌌した文脈に出珟する語を蚳語察ずする䟋えば\cite{fung95}は英語ず䞭囜語を察象ずしおある単語の盎前ず盎埌に珟れる単語の皮類数を求めその皮類数によっお単語の文脈的な特異性を衚し良く䌌た特異性を備えた英語単語ず䞭囜語単語ずを蚳語察ずしおたずめるずいう方法を提案しおいる\cite{rapp95}は英語ずドむツ語を察象ずしお非垞に基本的な単語の蚳語察6個ずコンパラブルコヌパスを甚意しおおきこれらの蚳語ずの共起頻床に基づいお定矩した単語間の類䌌床を甚いお蚳語察を求める方法を提案しおいる新芏察蚳蟞曞を自動構築する第2のアプロヌチずしおは本研究ず同様に英語を䞭間蚀語ずしお甚いる詊みが幟぀か報告されおいる\cite{日仏察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお和仏察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこの方法では和英蟞曞ず英仏蟞曞を利甚しお日本語単語に察するフランス語蚳語候補を獲埗し仏英蟞曞ず英和蟞曞を利甚しお埗られたフランス語単語に察する日本語蚳語候補を調べる逆匕きを行うこずによっお蚳語候補の絞り蟌みを行い蚳語掚定粟床を改善しおいるこの方法で名詞を察象ずした堎合の粟床は76\%再珟率は44\%である癜井ら\cite{shirai01}は田䞭らず同様の方法を甚いお英語を䞭間蚀語ずしお日本語ず韓囜語の察蚳蟞曞を䜜成しおいるBondら\cite{bond01}も同様に英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお日本語ずマレヌ語の察蚳蟞曞を䜜成しおいる匵ら\cite{日䞭察蚳蟞曞}は英語を䞭間蚀語ずしお利甚しお日䞭察蚳蟞曞を䜜成する方法を提案しおいるこの方法では和英蟞曞ず英䞭蟞曞を利甚しお日本語単語に察する䞭囜語蚳語候補を獲埗し日本語ず䞭囜語の品詞情報ず挢字情報を利甚しお蚳語候補の順䜍付けを行っおいるこの方法で第1䜍に順䜍付けられた蚳語候補のみを出力した堎合の粟床は81.4\%であるこれらの先行研究は察象ずなる蚀語察の蟞曞が党く存圚しない状況を想定しおおり入力蚀語—出力蚀語の察蚳蟞曞から埗られる情報を考慮するこずは行われおいないそれに察しお本論文の手法では察象ずなる蚀語察に぀いお小芏暡な皮蟞曞が存圚する状況を想定しおおりその皮蟞曞から埗られる情報をなるべく有効に利甚しようずしおいる点でこれらの先行研究ずは異なる既存の察蚳蟞曞には含たれおいない語に぀いお蚳語掚定を行いか぀その掚定にあたっおは既存の察蚳蟞曞を最倧限に利甚しようするずいう2぀の点においお本論文で提案する皮蟞曞の拡充ずいうタスクず未知語の蚳語掚定ずいうタスクは関連が深い䟋えば\cite{tanaka02}は察象ずなる蚀語察のコンパラブルコヌパスを甚意し呚蟺に共起する単語を文脈ベクトルずしお衚珟し文脈ベクトルの類䌌床を求めお蚳語を掚定するずいう方法を提案しおいるただし掚定察象は耇合名詞に限られおおり動詞や圢容詞には察応しおいない\cite{kaji01}も類䌌の方法を提案し耇合語ず単玔語の䞡方に察しお評䟡を行っおいるただし\cite{kaji01}は非垞に倧芏暡な既存の察蚳蟞曞50,000語を甚いおいる点で本論文ずは問題蚭定が異なっおいるず考えられる本論文で提案しおいる蟞曞の拡充ずいうタスクにもっずも近い問題蚭定ずしおは\cite{tanaka96,fung98,chiao02,gaussier04}がある䟋えば\cite{tanaka96}は英語ず日本語のコンパラブルコヌパスず小芏暡な察蚳蟞曞を甚意し英語コヌパス䞊で芳枬された単語共起ず日本語コヌパス䞊で芳枬された単語共起ずを比范しお単語共起ずしお類䌌した振る舞いをしおいる単語を蚳語ずしお遞択するずいう方法を提案しおいる本論文の提案手法は入力蚀語から䞭間蚀語ぞの察蚳蟞曞ず䞭間蚀語から出力蚀語ぞの察蚳蟞曞の情報をも利甚するこずによっおより小さい皮蟞曞でより再珟率の高い蚳語掚定を行っおいるたた本論文では埗られた蚳語を人手で刀定しお評䟡を行うだけでなく実際の蚀語暪断情報怜玢システムに組み蟌んだ性胜評䟡を行っおいる \section{むすび} 本論文ではむンドネシア語—英語蟞曞および英語—日本語蟞曞を利甚しお蚳語候補を取り出しむンドネシア語コヌパスず日本語コヌパスの共起情報を甚いお蚳語候補の絞り蟌みを行っお小芏暡なむンドネシア語—日本語蟞曞を拡充する方法を提案した提案手法を甚いお実際に蟞曞を拡充したずころ䞊䜍3候補を出力した堎合には粟床45.9\%再珟率60.7\%で拡充するこずができたさらに実際のむンドネシア語—日本語蚀語暪断情報怜玢システムに提案手法を甚いお拡充した蟞曞を組み蟌んで実隓を行ったこの実隓により提案手法によっお拡充された蟞曞は実際の蚀語暪断情報怜玢システムにずっお有甚であり特別な蚳語絞り蟌み手法を適甚するこずなしに蚳語絞り蟌み手法を適甚した堎合ず同等の性胜を埗るこずができるこずを瀺したこの提案手法は実際の蚀語暪断情報怜玢システムにおいお有効であるこずが瀺されおいるが収録されおいる芋出し語は玄20,000語ずただ少なくより倧芏暡な蟞曞ぞの拡充が必芁ず予想されるそのためには本提案手法によっお拡充された蟞曞ずコヌパスを甚いお䞭間蚀語には䟝存せずに蟞曞を拡充するブヌトストラップ的な方法の怜蚎が必芁ず考えられる\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}}{{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}}{}]{IEDIC}{AgencyforTheAssessmentandApplicationofTechnology}\BBOP?\BBCP.\newblock\BBOQKamusElektornikBahasaIndonesia\BBCQ\\newblock\url{http://nlp.aia.bppt.go.id/kebi}.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Yamazaki,Sulong,\BBA\Ogura}{Bondet~al.}{2001}]{bond01}Bond,F.,Yamazaki,T.,Sulong,R.~B.,\BBA\Ogura,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQDesignand{C}onstructionofamachine-tractable{J}apanese-{M}alay{L}exicon\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\62--65}.\bibitem[\protect\BCAY{Chiao\BBA\Zweigenbaum}{Chiao\BBA\Zweigenbaum}{2002}]{chiao02}Chiao,Y.-C.\BBACOMMA\\BBA\Zweigenbaum,P.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQLookingforcandidatetranslationalequivalentsinspecialized,comparablecorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\1--5}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Eguchi,Oyama,Ishida,Kando,\BBA\Kuriyama}{Eguchiet~al.}{2003}]{eguchi_NTCIR3}Eguchi,K.,Oyama,K.,Ishida,E.,Kando,N.,\BBA\Kuriyama,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheWebRetrievalTaskattheThird{NTCIR}Workshop\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheThirdNTCIRWorkshoponresearchinInformationRetrieval,AutomaticTextSummarizationandQuestionAnswering}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujii\BBA\Ishikawa}{Fujii\BBA\Ishikawa}{2003}]{fujii03b}Fujii,A.\BBACOMMA\\BBA\Ishikawa,T.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{NTCIR}-3Cross-Language{IR}Experimentsat{ULIS}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheThirdNTCIRWorkshop}.\newblock\url{http://research.nii.ac.jp/ntcir/workshop/OnlineProceedings3/NTCIR3-CLIR-FujiiA.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{Fung}{Fung}{1995}]{fung95}Fung,P.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQCompilingBilingualLexiconEntriesfromaNon-Parallel{E}nglish-{C}hineseCorpus\BBCQ\\newblockInYarovsky,D.\BBACOMMA\\BBA\Church,K.\BEDS,{\BemProceedingsoftheThirdWorkshoponVeryLargeCorpora},\mbox{\BPGS\173--183}\Somerset,NewJersey.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Fung\BBA\Yee}{Fung\BBA\Yee}{1998}]{fung98}Fung,P.\BBACOMMA\\BBA\Yee,L.~Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAnIRapproachfortranslatingnewwordsfromnonparallel,comparabletexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe17thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\414--420}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Gaussier,Renders,Matveeva,Goutte,\BBA\Dejean}{Gaussieret~al.}{2004}]{gaussier04}Gaussier,E.,Renders,J.,Matveeva,I.,Goutte,C.,\BBA\Dejean,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAGeometricViewonBilingualLexiconExtractionfromComparableCorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe42ndMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'04),MainVolume},\mbox{\BPGS\526--533}\Barcelona,Spain.\bibitem[\protect\BCAY{Purwarianti,Tsuchiya,\BBA\Nakagawa}{Purwariantiet~al.}{2007}]{IJCLIR}Purwarianti,A.,Tsuchiya,M.,\BBA\Nakagawa,S.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQIndonesian-JapaneseTransitiveTranslationusingEnglishforCLIR\BBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(2),\mbox{\BPGS\95--123}.\bibitem[\protect\BCAY{Rapp}{Rapp}{1995}]{rapp95}Rapp,R.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingWordnanslationsinNon-ParallelTexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe33rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\320--322}.\bibitem[\protect\BCAY{Shirai\BBA\Yamamoto}{Shirai\BBA\Yamamoto}{2001}]{shirai01}Shirai,S.\BBACOMMA\\BBA\Yamamoto,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQLinkingEnglishWordsinTwoBilingualDictionariestoGenerateAnotherLanguagePairDictionary\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofICCPOL2001},\mbox{\BPGS\174--179}.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Iwasaki}{Tanaka\BBA\Iwasaki}{1996}]{tanaka96}Tanaka,K.\BBACOMMA\\BBA\Iwasaki,H.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQExtractionoflexicaltranslationsfromnon-alignedcorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\580--585}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka}{Tanaka}{2002}]{tanaka02}Tanaka,T.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQMeasuringthesimilaritybetweencompoundnounsindifferentlanguagesusingnon-parallelcorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thinternationalconferenceonComputationallinguistics},\mbox{\BPGS\1--7}\Morristown,NJ,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{梶博行\JBA盞薗敏子}{梶博行\JBA盞薗敏子}{2001}]{kaji01}梶博行\JBA盞薗敏子\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ共起語集合の類䌌床に基づく察蚳コヌパスからの察蚳語抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42}(9),\mbox{\BPGS\2248--2258}.\bibitem[\protect\BCAY{田侭\JBA梅村\JBA岩厎}{田侭\Jetal}{1996}]{日仏察蚳蟞曞}田䞭久矎子\JBA梅村恭叞\JBA岩厎英哉\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ第3蚀語を介した察蚳蟞曞の䜜成\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(6),\mbox{\BPGS\1915--1924}.\bibitem[\protect\BCAY{匵\JBA銬\JBA井䜐原}{匵\Jetal}{2005}]{日䞭察蚳蟞曞}匵玉朔\JBA銬青\JBA井䜐原均\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ英語を介した日䞭察蚳蟞曞の自動構築\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\63--85}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{2006}]{mecab}工藀拓\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ圢態玠解析噚{M}e{C}ab\JBCQ\\newblock\url{http://chasen.org/~taku/software/mecab/}.\bibitem[\protect\BCAY{道端秀暹}{道端秀暹}{2002}]{EJDIC}道端秀暹\JED\\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{英蟞朗}.\newblockアルク.\bibitem[\protect\BCAY{宇接呂\JBA日野\JBA堀内\JBA䞭川}{宇接呂\Jetal}{2005}]{りェブから察蚳を掚定}宇接呂歊仁\JBA日野浩平\JBA堀内貎叞\JBA䞭川聖䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ日英関連報道蚘事を甚いた蚳語察応掚定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(5),\mbox{\BPGS\43--69}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{土屋雅皔}{1998幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業2004幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻博士課皋単䜍認定退孊博士情報孊2004幎豊橋技術科孊倧孊情報凊理センタヌ助手2007幎より豊橋技術科孊倧孊情報メディア基盀センタヌ助教自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{脇田敏行}{2007幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系卒業}\bioauthor[:]{AyuPurwarianti}{GraduatedfromToyohashiUniversityofTechnologyforherDr.ofEng.degreein2007.Since2008,shehasbeenjoiningBandungInstituteofTechnologyasaResearchAssociateintheSchoolofInformaticsandElectricalEngineering.HerresearchinterestisinnaturallanguageprocessingareaespeciallyforIndonesianlanguage.}\bioauthor{䞭川聖䞀}{1976幎京郜倧孊倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊情報工孊科助手1980幎豊橋技術科孊倧孊情報工孊系講垫1990幎教授1985--1986幎カヌネギメロン倧孊客員研究員音声情報凊理自然蚀語凊理人工知胜の研究に埓事工孊博士1977幎電子通信孊䌚論文賞1988幎IETE最優秀論文賞2001幎電子情報通信孊䌚論文賞各受賞電子情報通信孊䌚フェロヌ情報凊理孊䌚フェロヌ著曞「確率モデルによる音声認識」電子情報通信孊䌚線「音声聎芚ず神経回路網モデル」共著オヌム瀟「情報理論の基瀎ず応甚」近代科孊瀟「パタヌン情報凊理」䞞善「SpokenLanguageSystems」線著IOSPressなど}\end{biography}\biodate\clearpage\end{document}
V06N02-04
\section{はじめに} 日本語テキスト音声合成は挢字かな亀じりの日本語テキストに察しお読みアクセント韻埋䞊の基本単䜍であるアクセント句の蚭定ずそのアクセント型付䞎ポヌズ等の読み韻埋情報\footnote{本論文では読みずアクセントやポヌズなどの韻埋情報をたずめお読み韻埋情報ずよぶ}を蚭定しこれらを元に音声波圢を生成しお合成音声を出力する自然で聞きやすい合成音声を出力するためにはこの読み韻埋情報を正しく蚭定する必芁がある読みは圢態玠解析により認定された単語の読みにより埗られるため圢態玠解析の粟床が読みの粟床に盎結するただし数量衚珟の読み䟋11本→ゞュヌむ\underline{ッポ}ン\mbox{䞋線郚分読み}が倉化ず連濁化䟋子䟛郚屋→コドモ\underline{ベ}ダ\mbox{䞋線郚分連濁に぀いおはすべおを単語}ずしお蟞曞登録するのは困難であるため芏則により読みを付䞎する数量衚珟の読みに぀いおは\cite{Miyazaki4}連濁化に぀いおは\cite{Sato}等によりその手法がほが確立されおいるアクセント句のアクセント型蚭定に぀いおは\cite{Sagisaka}の付属語アクセント結合芏則耇合単語自立語のアクセント結合芏則文節間アクセント結合芏則によりその手法がほが確立されおいるアクセント句境界ずポヌズの蚭定に぀いおは埓来から倚くの手法が提案されおいるヒュヌリスティックスベヌスの手法ずしおは係り受けの構造を利甚する\cite{Hakoda1}右枝分かれ境界等の統語情報を甚いる\cite{Kawai}等があるたた統蚈的手法によるポヌズの蚭定ずしおは係り受け情報を利甚した手法\cite{Kaiki}が提案されおいるしかしこれらは係り受けなどの蚀語的情報が既知であるこずを前提ずしおおりこれらの蚀語的情報の取埗が課題ずなる䞀方\cite{Suzuki}ではN文節の品詞情報を甚いお局所的な係り受け構造を掚定したた\cite{Fujio}では品詞列を入力ずしお確率文脈自由文法を甚いお係り受けを孊習しアクセント句境界や韻埋句境界ポヌズの蚭定を行うしかし\cite{Suzuki}は文節内の凊理に぀いおは蚀及しおおらずたた\cite{Fujio}では文節内での蚭定においお文節内構造の予枬誀りによる粟床の䜎䞋が問題点ずしお挙げられおいる我々は\cite{Miyazaki1}の方匏をベヌスずし倚段解析法による圢態玠解析を甚いお埗られた単語情報を利甚しお芏則により読み韻埋情報を蚭定し\cite{Hakoda2}の音声合成郚を甚いお合成音声を出力する日本語テキスト音声合成システムAUDIOTEXを開発したこのAUDIOTEXには珟圚数倚く開発されおいる音声合成システムず比范しお以䞋の2぀の特城がある\begin{itemize}\item単語蟞曞の登録単語数が倚いため圢態玠解析における未知語認定が少ない\\AUDIOTEX玄37䞇語垂販の䞻な音声合成システム10〜14䞇語\item単語蟞曞においお特に名詞ず接蟞は他のシステムにはない意味カテゎリ等の意味情報をもちこれらの意味情報を甚いた耇合語の意味的係り受け解析により耇合語の構造を高粟床に解析できるため耇合語の倚甚されるニュヌス文などに察しおも正しく読み韻埋情報が蚭定できる\end{itemize}本論文ではAUDIOTEXにおける読み韻埋情報の蚭定特に\cite{Miyazaki1}からの䞻な改良点ずしお圢態玠解析における読み韻埋情報付䞎に察応した長単䜍認定アクセント句境界蚭定における耇数文節アクセント句の蚭定ポヌズ蚭定における倚段階蚭定法の導入に぀いお述べさらにこれらの凊理で甚いる単語蟞曞の構成に぀いお説明するこの読み韻埋情報の蚭定においおは文節間の係り受け解析は行わず倚段解析法の圢態玠解析により埗られる耇合語内意味的係り受け情報品詞等の単語情報のみを甚いる文節間の係り受け解析を行わないのは珟状係り受け解析の粟床が十分でなくコストがかかりたた文節間係り受けの圱響を倧きく受けるポヌズ蚭定においおはアクセント句境界前埌の品詞情報等から埗られるアクセント句結合力を導入するこずにより実甚䞊十分な粟床が埗られるためであるさらに文節内の構造に察しおは耇合語意味的係り受け情報を甚いるこずによりその局所構造を元に適切にポヌズを蚭定できる以䞋\ref{sec:TTS-flow}節ではテキスト音声合成凊理の流れ\mbox{\ref{sec:morph}節では圢態玠解析における読み韻埋情報蚭定}のための特城\ref{sec:dic}節では読み韻埋情報蚭定のための単語蟞曞の情報\ref{sec:assign}節では読み韻埋情報の蚭定方法\ref{sec:evaluation}節では読み韻埋情報蚭定に察する評䟡ず考察\ref{sec:conclusion}節ではたずめを述べる \section{テキスト音声合成の流れ} label{sec:TTS-flow}テキスト音声合成の䞀般的な流れを図\ref{fig:system}の巊偎に瀺す挢字かな亀じりの日本語テキストを入力しテキスト解析郚においお蚀語的な解析\footnote{圢態玠解析構文解析意味解析等䞀般に珟状構文解析や意味解析を高粟床で行うこずは困難であるため圢態玠解析のみあるいは圢態玠解析ず局所的な係り受け解析が行われる堎合が倚い}を行いその情報を利甚しお読み韻埋情報を生成するそしお音声合成郚では読み韻埋情報を甚いおピッチや時間長デヌタを蚭定しお音声波圢を生成し合成音声を出力する\begin{figure*}[tb]\begin{center}\epsfile{file=system.eps}\end{center}\caption{テキスト音声合成凊理の流れ}\label{fig:system}\end{figure*}次にAUDIOTEXにおける読み韻埋情報テキスト解析郚音声合成郚の抂略を述べるAUDIOTEXでは読み韻埋情報ずしおアクセント句単䜍に読みアクセント型音調結合型を指定するアクセント付カナ文を甚いるこのアクセント付カナ文はピッチパタンを話調成分\footnote{ポヌズで区切られる単䜍呌気段萜ごずに蚭定される}の䞊にアクセント成分\footnote{アクセント句ごずに蚭定される}が重畳したものずしお衚しアクセント句の間アクセント句境界に音調結合ずいう抂念を導入しおアクセント句成分の盞察的な倧きさやポヌズ挿入の珟象を統䞀的にモデル化する韻埋制埡モデル\cite{Hakoda1}に基づいおいるここで音調結合型は話調成分アクセント成分ポヌズの関係により分けられ本論文では衚\ref{tab:oncyo}に瀺す6皮類を甚いるたた読み䞊げ速床ずしおは通垞ニュヌスなどが読み䞊げられる速床を想定しおおり\footnote{ポヌズ区間を陀いた平均速床6.4モヌラ/秒を基準の\mbox{速床ずしおいる読み䞊げ速床の倉曎は可胜であるが読み韻埋情}報が読み䞊げ速床により倉化するこずはない}この速床を基準ずしお読み韻埋情報を蚭定する\begin{table}[thb]\caption{音調結合型}\label{tab:oncyo}\begin{center}\begin{tabular}{l|l|l|l|l}\hline名称&衚蚘&ポヌズ&話調成分&盎埌アクセント成分\\\hline匷結合&$\ast$&なし&同䞀&抑圧\\匱結合&/&なし&同䞀&抑圧なし\\小ポヌズ&$\sqcup$スペヌス&小ポヌズ300msec&再蚭定&-\\䞭ポヌズ&,&䞭ポヌズ500msec&再蚭定&-\\倧ポヌズ&.&倧ポヌズ700msec&再蚭定&-\\疑問調\footnotemark&?&倧ポヌズ700msec&再蚭定&-\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\footnotetext{盎前アクセント句末尟のピッチを䞊げる}テキスト解析郚は図\ref{fig:system}の右偎に瀺す5郚により構成される\begin{description}\item[圢態玠解析]文を単語に分割し品詞や読み等の単語情報を付䞎するこの単語情報は読み韻埋情報を蚭定するために必芁な倚くの情報を備えおいるこの圢態玠解析で利甚する単語蟞曞には玄37䞇語が登録されおいる詳しくは\ref{sec:morph}節\ref{sec:dic}節で述べる\item[テキスト曞き換え]入力テキストがそのたた音声化するのに䞍適圓な衚珟や圢匏である堎合それを音声化に適した衚珟に曞き換える曞き換え内容は入力テキストの圢匏やドメむンに䟝存する䟋えば新聞蚘事では挢語衚珟や文末衚珟の曞き換え䟋``今秋''→``今幎の秋''``〜の予定。''→``〜の予定です。''が必芁でありたた電子メヌルでは読み䞊げ察象ずならない匕甚蚘号やsignatureの削陀などが必芁である珟圚新聞蚘事甚\cite{Matsuoka}電子メヌル甚の2皮類のテキスト曞き換えを備えおいるが本論文ではこの詳现に぀いおは省略する\item[読み付䞎]数量衚珟の読み付䞎連濁化を芏則により行うその他の読みは圢態玠解析で埗られる各単語の読みを甚いる\item[アクセント付䞎]耇合語意味的係り受け情報等を甚いお韻埋䞊の基本単䜍であるアクセント句を蚭定するたた単語固有のアクセント型単語のアクセント的性質を甚いたアクセント結合芏則によりアクセント句のアクセント型を付䞎する詳しくは\ref{subs:accent}節で述べる\item[音調結合型付䞎]時間衚珟数量衚珟や同栌衚珟䟋えば圹職名人名など独立に扱うこずができその構造が耇合語内意味的係り受け情報より埗られる局所構造内のアクセント句境界および句読点の盎埌など品詞情報から容易に意味的構文的な切れ目であるこずを掚定できるアクセント句境界を察象ずしおその局所構造に基づき音調結合型を蚭定した埌残りのアクセント句境界に察しおアクセント句結合力を甚いお音調結合型を蚭定する段階的な音調結合型蚭定法倚段階蚭定法に基づき音調結合型を付䞎する詳しくは\ref{subs:pause}節で述べる\end{description}音声合成郚は波圢線集方匏の音声合成゜フトりェアFLUET\cite{Hakoda2}の音声合成郚を利甚しおおりアクセント付カナ文を音玠蚘号列に倉換する韻埋パラメヌタ生成郚音玠片ファむルから隣接する音玠環境が䞀臎する音玠片デヌタを遞択する音玠片遞択郚遞択した音玠片デヌタを結合し芏則で蚭定されたピッチ時間長デヌタに基づいお波圢デヌタを加工する音玠片接続郚からなるたたAUDIOTEXはCでコヌディングされおおり音声合成郚はC++ラむブラリUNIXおよびWindows䞊で動䜜する \section{圢態玠解析における読み韻埋情報蚭定のための特城} label{sec:morph}圢態玠解析は\cite{Miyazaki1}の倚段解析法による圢態玠解析をより高粟床な読み韻埋情報蚭定を行うために拡匵しお利甚しおいる倚段解析法は文字皮の違いに着目しお仮に蚭定した範囲内仮文節であらゆる単語の組合わせを怜定する局所総圓たり法をベヌスずし構文や意味の情報が有効ずなる耇合語解析や同型語刀別などには郚分的に深く解析する蟞曞ずしおは各単語の情報を蚘述した単語蟞曞ず文法的接続情報を蚘述した接続蟞曞を甚いる以䞋読み韻埋情報蚭定のための圢態玠解析ずいう芳点からその特城を詳しく説明するここで連語の認定ず甚蚀語幹語尟の䞀語化は\cite{Miyazaki1}より新たに拡匵した項目であり共に長単䜍認定を行うための手法である\begin{figure}[tb]\begin{center}\epsfile{file=kakari.eps}\end{center}\caption{耇合語内意味的係り受け䟋}\label{fig:kakari}\end{figure}\begin{description}\item[耇合語内意味的係り受け情報]耇合語を構成する単語間の意味的結合関係を係り受けによっお解析する\cite{Miyazaki2}係り受け解析では数詞固有名詞接蟞甚蚀性名詞非甚蚀性名詞など14皮の係り受け芏則を甚いる䟋ずしお``前平成株匏䌚瀟瀟長山田倪郎氏51才''に察する耇合語内意味的係り受けを図\ref{fig:kakari}に瀺すこの意味的係り受け情報はアクセント句境界音調結合型の蚭定に利甚する\item[連語の認定]単語の認定粟床の向䞊は読み韻埋情報の粟床向䞊に盎結するそこで認定\mbox{粟床が比范的䜎かった補助甚蚀䟋``話しおいる''の``いる''や}栌助詞盞圓語䟋``圌に぀いお''の``に぀いお''の認定粟床を向䞊させるために「助詞補助甚蚀」䟋``おいる''や栌助詞盞圓語䟋``に぀いお''を連語ずしお登録し認定するこずずしたしかしこれらの連語内でアクセント句が分割される堎合等があるため䟋圌{\dgに}/{\dg぀いお}\footnote{/はアクセント句境界を衚す以降でも同様に蚘述するたたこの䟋における倪字は1぀の連語であるこずを瀺す}アクセント音調結合型蚭定時に連語すべおを1単語ずしお扱うのは問題があるそこで圢態玠解析では連語ずしお1語で認定する単語を連語を構成する各構成単語に分解できる機胜を蚭けた詳しくは\ref{sec:dic}節で述べる\item[甚蚀語幹語尟の䞀語化]芏則的な掻甚を行う甚蚀は単語蟞曞では䞍倉化郚分䟋䌌ず倉化郚分䟋るれろに分離しそれぞれを1単語ずしお登録しおいるたたサ倉名詞運動がサ倉動詞運動するの䞀郚を構成する堎合があるが単語蟞曞䞊はサ倉動詞型名詞運動ずサ倉動詞掻甚圢するのみを登録し語幹語尟をたずめた単語運動するずしおは登録しおいないアクセント句結合力に基づく音調結合型の蚭定においおはアクセント句境界前埌の単語の品詞情報が重芁ずなるしかし蟞曞の登録単䜍である短単䜍での単語認定では䟋えば``グランドで/運動する''のアクセント句境界の盎埌単語をサ倉名詞運動ずしお扱いその結果音調結合型の蚭定を誀るずいう問題があったそこで単語認定埌「甚蚀䞍倉化郚分倉化郚分」「甚蚀性名詞掻甚語尟」を䞀語に統合するこずにしたこれにより䟋えば``運動する''を1語のサ倉動詞ずしお扱うこずになる\end{description}\vspace{3mm} \section{読み韻埋情報蚭定のための単語蟞曞情報} label{sec:dic}䞀般に単語蟞曞は圢態玠解析においお単語を認定するための情報をも぀がAUDIOTEXの単語蟞曞では読み韻埋情報を蚭定するための様々な情報も保持しおいる本節では読み韻埋情報の蚭定に関連がある単語蟞曞情報に぀いお述べる\vspace{3mm}\subsection{長単䜍語ぞの察応}\label{subs:cho}単語蟞曞に登録する単語の単䜍は原則的には語基や接蟞などの短単䜍語であり耇合語などの長単䜍語は短単䜍語の組み合わせずみなすただし次に瀺す語は以䞋の理由により䟋倖的に長単䜍で登録しおいる\begin{itemize}\item連語補助甚蚀や栌助詞盞圓語の認定粟床の向䞊のため䟋に぀いおおいたし\item短単䜍語から長単䜍語の意味や読みなどを合成できないたたは合成するのが難しい䞀郚の慣甚衚珟熟語耇合語䞊列語短単䜍語の組み合わせでは正しく認定できないため䟋十六倜むザペむ䞀期䞀䌚むチゎむチ゚日仏英ニチフツ゚む\item有名な人名・地名等や䞀般語で構成される䜜品名・商品名等の䞀郚の固有名詞\\固有名詞の読みはバリ゚ヌションが倚くこのうち有名な人名・地名等は長単䜍で登録するこずによりその読み粟床を向䞊できるため\\䟋矜生善治ハブペシハル枅氎寺キペミズデラ\\たた䞀般語のみで構成される固有名詞は短単䜍語の組み合わせでは固有名詞ずしお認定できないため䟋週間䜏宅情報\item囜語蟞兞に子芋出し語や掟生語などずしお収録されおいる䞀般甚語出珟頻床が高く䞀般性が高いず考えられるためただしこれらの単語すべおが認定粟床向䞊に圹立぀ずは限らない䟋為替盞堎人工呌吞身分蚌明曞\end{itemize}このように長単䜍で登録するこずにより䞀般に圢態玠解析の粟床は向䞊するしかしアクセント音調結合型の蚭定においおは長単䜍語を短単䜍語ず同様に䞀語ずしお取り扱うこずは以䞋のような問題を生じる\begin{itemize}\item長単䜍語の内郚に蚭定すべきアクセント句境界に察応できない\\䞊列語``日仏英''→日/仏/英連語``に぀いお''→圌{\dgに}/{\dg぀いお}\item長単䜍語内郚にアクセント句境界を蚭定する必芁はないが耇合語を構成する単語数によりアクセント句境界を蚭定する堎合に耇合語を構成する単語数が正しく埗られず蚭定を誀る\\䟋``為替盞堎''が1語長単䜍登録の堎合\\圢態玠解析結果``為替盞堎+速報+サヌビス''3単語扱い実際は4単語)\\アクセント句×``為替盞堎速報サヌビス''ず蚭定○``為替盞堎/速報サヌビス''\\cf.``為替速報サヌビス''3単語→○``為替速報サヌビス''\end{itemize}これらの長単䜍語に察しお適切に読み韻埋情報を蚭定するために次の3぀の単語蟞曞情報をも぀\begin{description}\item[アクセント句情報]アクセント句情報は最倧3アクセント句分のモヌラ数読み長読みの衚蚘䞊の長さアクセント型を保持する最倧3アクセント句分の情報をも぀のは固有名詞など1語で登録されおいる耇合語内郚の特定の䜍眮にアクセント句境界が必ず存圚する堎合に察応するためである䟋えば短単䜍語の``日本''のアクセント句情報は\\\hspace*{1cm}第1アクセント句モヌラ数=3読み長=3アクセント型=2\\\hspace*{1cm}第2,3アクセント句なし\\ずなり長単䜍語の``日仏英''3アクセント句は\\\hspace*{1cm}第1アクセント句モヌラ数=2読み長=2アクセント型=1日\\\hspace*{1cm}第2アクセント句モヌラ数=2読み長=2アクセント型=1仏\\\hspace*{1cm}第3アクセント句モヌラ数=2読み長=2アクセント型=1英\\ずなるこの情報により``日/仏/英''ず正しくアクセント句境界が蚭定できる\item[語数]登録単語の内郚ではアクセント句境界を生じないが長単䜍で登録されおいるこずを衚すための情報であり登録単語を構成する単語数を衚す䟋えば``為替盞堎2+速\mbox{報1+サヌビス1''かっこ内の数字が語数を衚すでは}圢態玠解析の認定単語数は3語であるが語数により4語からなる耇合語であるこずがわかり``為替盞堎/速報サヌビス''ず正しくアクセント句境界が蚭定できる\item[構成単語情報]長単䜍で登録された単語を短単䜍の構成単語に展開するために各構成単語最倧10語の芋出し長品詞読み長をも぀これは長単䜍語の内郚に蚭定すべきアクセント句境界があり構成単語に付属語を含む堎合぀たり䞻に連語に察応するためであるこれらの長単䜍語はアクセント付䞎を行う前に構成単語情報を元に蟞曞怜玢を行い短単䜍に展開しおおく䞊蚘のアクセント情報で察応する単語ず異なり蟞曞怜玢を行っお短単䜍に展開するのは付属語のアクセント結合のための情報衚\ref{tab:dic}の付属語アクセント属性副次アクセントフラグを長単䜍語内で保持するのは煩雑なためである䟋連語``おいたしお+い+たし''\\\hspace*{1cm}お芋出し長=1,品詞=接続助詞読み長=1\\\hspace*{1cm}い芋出し長=1,品詞=䞀段動詞語幹読み長=1\\\hspace*{1cm}たし芋出し長=2,品詞=助動詞連甚圢断定読み長=2\end{description}\subsection{読み韻埋情報蚭定で甚いる単語蟞曞情報}衚\ref{tab:dic}に読み韻埋情報を蚭定する際に利甚する単語蟞曞情報を党凊理で利甚する共通情報ず特定の凊理のみで利甚する読み付䞎甚情報アクセント句境界蚭定甚情報アクセント型蚭定甚情報音調結合型蚭定甚情報の5皮類に分けお瀺す読み付䞎甚には数量衚珟の読みの補正連濁化のための情報をも぀アクセント句境界蚭定甚には耇合語の内郚構造を衚すための各皮フラグおよび韻埋的な特城を衚すフラグアクセント型蚭定甚にはアクセント的特城を瀺す各皮フラグ音調結合型蚭定甚には助詞を構文的に分類した助詞ポヌズ属性をも぀\begin{table}[thb]\caption{読み韻埋情報蚭定甚単語蟞曞情報}\label{tab:dic}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline\multicolumn{2}{|l|}{共通情報}\\\hline品詞&\cite{Miyazaki5}を元にした品詞䜓系泚1\\モヌラ数&\ref{subs:cho}節のアクセント句情報の䞀郚\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{読み付䞎甚情報}\\\hline読み&長音化衚蚘䟋可胜→カノヌ\\連濁フラグ&語頭が連濁する条件盎前語尟条件\\数詞音韻フラグ&助数詞に蚭定し数詞の読みを補正11\underline{回}→ゞュヌむ\underline{ッ}カむ泚2\\助数詞音韻フラグ&助数詞に蚭定し助数詞の読みを補正3\underline{本}→サン\underline{ボ}ン泚2\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{アクセント句境界蚭定甚情報}\\\hline承接語フラグ&\footnotesize{特定品詞助数詞地名姓名組織名その他固有名に承接する語}\\連䜓詞化フラグ&耇合語内で連䜓詞的〜のに䜿われる語クリスマス\\前眮助数詞フラグ&数詞の前で助数詞的に甚いられる語囜道第\\埌眮助数詞フラグ&数詞の埌で助数詞的に甚いられる語科目議垭\\圹職・敬称フラグ&圹職職皮敬称を衚す語先生様\\独立アクセント句フラグ&その語付属語のみでアクセント句を構成前接頭蟞\\\footnotesize{前方アクセント句境界フラグ}&単語前方にアクセント句境界を蚭定党䜓\\\footnotesize{埌方アクセント句境界フラグ}&単語の埌方にアクセント句境界を蚭定生たれ\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{アクセント型蚭定甚情報}\\\hlineアクセント型&\ref{subs:cho}節のアクセント句情報の䞀郚\\アクセント結合䟋倖属性&自立語アクセント結合での䟋倖的なアクセント型付䞎\\助数詞皮別&助数詞のアクセント型付䞎芏則皮別\\副次アクセントフラグ&副次アクセント属性をも぀語たす\\付属語アクセント属性&付属語アクセント結合甚属性盎前語品詞動詞圢容詞その他別\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{音調結合型蚭定甚情報}\\\hline助詞ポヌズ属性&助詞に蚭定し結合力を求めるために利甚\\\hline\multicolumn{2}{l}{泚1倧分類名詞動詞圢容詞圢容動詞副詞連䜓詞接続詞感動詞}\\\multicolumn{2}{l}{\hspace*{2cm}接蟞助動詞助詞蚘号}\\\multicolumn{2}{l}{泚2衚蚘の䞋線郚はそのフラグが蚭定される単語を衚し}\\\multicolumn{2}{l}{\hspace*{1cm}読みの䞋線郚はそのフラグにより補正が行われた読みを衚す}\\\multicolumn{2}{l}{泚3内に圓該フラグがonずなる単語䟋を衚す}\end{tabular}\end{center}\end{table}\normalsize \section{読み韻埋情報の蚭定法} \label{sec:assign}本節では読み韻埋情報の蚭定方法に぀いお説明する特に新たに倚段階蚭定法を導入した音調結合型の蚭定に぀いお詳现に述べる読み付䞎に぀いおは\cite{Miyazaki1}の手法数量衚珟読み付䞎連濁化をそのたた利甚するため省略する\subsection{アクセント付䞎}\label{subs:accent}耇合語内意味的係り受け情報および衚\ref{tab:dic}に瀺した単語蟞曞情報を甚いおアクセント句境界およびアクセント型の蚭定を行う数詞に぀いおは\cite{Miyazaki4}耇合語に぀いおは\cite{Miyazaki3}を基本ずしおアクセント句境界を蚭定し\cite{Sagisaka}に基づきアクセント句のアクセント型を蚭定するここで\cite{Miyazaki1}では文節間のアクセント結合を行っおいない文節境界をすべおアクセント句境界ずしおいるこれは文節間のアクセント結合を行わなくおも音調結合型を匷結合ずするこずにより実甚䞊十分ず刀断しおいるからであるしかし次に瀺す結び付きの匷い文節間においおは匷結合ずしおも䞍自然に感じるずいう実隓結果が埗られたためアクセント結合を行うこずずした\begin{itemize}\item指瀺副詞甚蚀\\そう指瀺副詞思う動詞→そう思う\item連䜓詞名詞$\neq$耇合語\\この連䜓詞䌚議名詞→この䌚議\\cf.この連䜓詞囜際名詞䌚議名詞→この/囜際䌚議\end{itemize}たた耇合語内のアクセント句境界蚭定においお独立性の高い時詞等は垞に独立のアクセント句ずされおいたが耇合語内意味的係り受け情報盎埌単語の品詞情報䞀般名詞サ倉名詞転生名詞その他により他の単語ず結合するか刀断するこずにした䟋\\\hspace*{1cm}正月時詞番組䞀般名詞で栌助詞→正月番組で\\\hspace*{1cm}今日時詞番組䞀般名詞で栌助詞→今日/番組でさらに自立語アクセント結合においお付属語アクセント結合における副次アクセントず同様の珟象が存圚する䟋えば神奈川等カナ'ガワ/ト'ヌ倧阪等オヌサカト'ヌ\footnote{'はアクセント䜍眮を衚し/はアクセント句境界を衚す以降も同様に蚘述する}\\のうち先行語``神奈川''がアクセントをも぀``神奈川等''は副次アクセントをも぀そこで自立語でも付属語ず同様に副次アクセントに察応するこずにした\subsection{音調結合型ポヌズ付䞎}\label{subs:pause}音調結合型の蚭定は耇合語内等から段階的に音調結合型を蚭定しおいく倚段階蚭定法を新たに導入した倚段階蚭定法でははじめに時間衚珟数量衚珟や同栌衚珟䟋「圹職名人名」では圹職名ず人名は同栌ずみなせるなど独立に扱うこずができその構造が耇合語内意味的係り受け情報より埗られる局所構造内のアクセント句境界および句読点の盎埌など品詞情報から容易に意味的構文的な切れ目であるこずを掚定できるアクセント句境界を察象ずしお意味的構文的に倧きな切れ目ずなるアクセント句境界にポヌズを぀ながりが匷いアクセント句境界にポヌズなしを蚭定する次に䞊蚘においお音調結合型が蚭定されなかったアクセント句境界に察し前埌の単語の品詞情報等より埗られるアクセント句結合力以降では結合力ず衚蚘を甚いお音調結合型を蚭定するここですべおのアクセント句境界に音調結合型が蚭定されるがあるモヌラ長以䞊連続しおポヌズが蚭定されおいない連続アクセント句列ポヌズ未蚭定区間に察しおは結合力を甚いおポヌズ付䞎のための補正を行う結合力の倀は1〜10の10段階倀が倧きいほど結合力が匷いでありアクセント句境界の前埌アクセント句の係り受けがありえない堎合䟋甚蚀連甚圢アクセント句境界名詞では極端に倀を小さく逆に係り受けが生じる可胜性が高い堎合䟋甚蚀連䜓圢アクセント句境界名詞では倧きく蚭定しおいるこの倚段階蚭定法を導入するこずにより埓来手法では粟床が䜎かった耇数アクセント句からなる耇合語内の蚭定においおもその内郚構造を反映した適切な音調結合型の蚭定が可胜ずなりたた文節間の係り受け解析を甚いなくおも結合力により近䌌的に係り受け構造を掚定し結合力の匷さずポヌズ未蚭定区間のモヌラ数に応じお段階的にポヌズを付䞎しおいくので実甚䞊十分な粟床で音調結合型を蚭定できる以䞋倚段階蚭定法の各ステップに぀いお説明するポヌズ付䞎の補正以倖ではすでに音調結合型が蚭定されおいるアクセント句境界は察象ずせず未蚭定のアクセント句境界のみを察象ずする\subsubsection{蚘号に基づく音調結合型蚭定}\label{subsub:kigo}アクセント句末尟が句読点等の蚘号の堎合その盎埌アクセント句境界に察しお音調結合型を蚭定する句点感嘆笊の堎合は倧ポヌズ700msec疑問笊には疑問調末尟ピッチが䞊がる700msecポヌズ読点開きかっこには䞭ポヌズ500msecその他の䞭点以倖の蚘号には小ポヌズ300msecを付䞎する\subsubsection{日時衚珟・数量衚珟の音調結合型蚭定}\label{subsub:num}日時衚珟数量衚珟はその局所構造に基づき音調結合型を決定する日時衚珟はその衚珟を幎芁玠月芁玠日芁玠に分類しこの出珟パタヌンにより音調結合型を蚭定する\\䟋\\\{小ポヌズ\}\footnote{\{{\itTYPE}\}はその䜍眮がアクセント句境界であり音調結合型ずしお{\itTYPE}を蚭定するこずを衚す以降も同様に蚘述する}幎芁玠\{小ポヌズ\}月芁玠\{匷結合\}日芁玠\\\hspace*{1cm}{\dg䌚議は\{小ポヌズ\}平成10幎\{小ポヌズ\}6月\{匷結合\}1日から}\\\{小ポヌズ\}月芁玠\{匷結合\}日芁玠{\dg䌚議は\{小ポヌズ\}6月\{匷結合\}1日から}数量衚珟は\cite{Miyazaki4}で\\前眮助数詞笊号数詞助数詞接蟞\footnote{は省略可を衚す}\\ず定矩された衚珟であるこの数量衚珟のパタヌンやその前埌アクセント句の品詞に応じお数量衚珟内およびその前埌の音調結合型を蚭定する\\䟋\\\{小ポヌズ\}前眮助数詞\{小ポヌズ\}2぀以䞊の数詞助数詞アクセント句\\\hspace*{1cm}{\dg\{小ポヌズ\}第\{小ポヌズ\}癟/二十/䞉回}\\\{小ポヌズ\}前眮助数詞\{匷結合\}1぀の数詞助数詞アクセント句\\\hspace*{1cm}{\dg\{小ポヌズ\}第\{匷結合\}䞉回}\subsubsection{特定単語の組み合わせによる音調結合型蚭定}\label{subsub:combi}連続する2たたは3アクセント句の品詞等の単語情報を参照しお埗られる局所構造により意味的構文的な切れ目ずなり垞にポヌズを付䞎すべきアクセント句境界に小ポヌズをたた぀ながりが非垞に匷く垞にポヌズなしずすべき境界に匷結合たたは匱結合を蚭定する\\䟋\\圹職\{小ポヌズ\}人名同栌衚珟{\dg瀟長\{小ポヌズ\}山田倪郎氏}\\``など''副助詞\{小ポヌズ\}甚蚀以倖の単語䟋瀺衚珟\\\hspace*{1cm}{\dg蚌人喚問など\{小ポヌズ\}事実審理が/始たりたす。}\subsubsection{結合力に基づく音調結合型蚭定}\label{subsub:ketsugo}蚘号に基づく音調結合型蚭定〜特定単語の組み合わせによる音調結合型蚭定で音調結合型が蚭定されなかったアクセント句境界に察しアクセント句境界前埌の単語の品詞等により埗られる結合力を甚いお音調結合型を蚭定する\begin{table}[t]\caption{盎前単語の品詞分類}\label{tab:prev}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|l|}\hline分類&品詞&具䜓䟋\\\hlineP1&副詞型名詞時詞数詞&\\P2&連䜓詞型名詞連䜓詞&\\P3&甚蚀助動詞連䜓圢&\\P4&甚蚀助動詞連甚圢&\\P5&副詞&\\P6&P1〜P5,P7〜P11以倖&\\P7&助詞ポヌズ属性1&副助詞はこの語のみ\\P8&助詞ポヌズ属性2&接続助詞からけれどば副助詞だけしか\\P9&助詞ポヌズ属性3&栌助詞が副助詞も接続助詞たり぀぀\\P10&助詞ポヌズ属性4&栌助詞からでを副助詞ず぀でも\\P11&助詞ポヌズ属性5&栌助詞のずや副助詞かなりやら\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{盎埌単語の品詞分類}\label{tab:next}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline分類&品詞\\\hlineN1&副詞型名詞時詞数詞\\N2&連䜓詞型名詞連䜓詞\\N3&本動詞\\N4&補助動詞\\N5&圢容詞圢容動詞\\N6&副詞\\N7&その他䞀般名詞接蟞等\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}結合力を蚭定するために品詞によりアクセント句境界の盎前単語を衚\ref{tab:prev}に瀺すP1〜P11の11皮類盎埌単語を衚\ref{tab:next}に瀺すN1〜N7の7皮類に分類したこれらは品詞の構文的性質䟋P3=連䜓修食をする甚蚀および独立性\footnote{倧分類が名詞ず同䞀でも副詞型名詞時詞等の方が䞀般名詞等より独立性が高いため名詞を现分類しおいるP1・P6N1・N7}ずいう2぀の芳点により分類を行ったものであるこのため盎前単語の分類においおは助詞を単語蟞曞情報の助詞ポヌズ属性構文的性質ず独立性により助詞を分類により5皮類に现分類した衚\ref{tab:prev}のP7〜P11には各ポヌズ属性毎にその属性をも぀助詞抜粋をあわせお瀺しおいる結合力はPi×Nji=1〜11,j=1〜7の組み合わせマトリックスにより決定する\footnote{ただし連語から分解された単語の境界には無条件に結合力最倧倀(10)を䞎える\\䟋{\dgに}(結合力=10){\dg぀いお}}この組み合わせマトリックスの各倀はPiずNjの構文的な性質係り受けがありえるありえないおよびそれぞれの独立性さらに係り受けがありえる組み合わせにおいおはその韻埋的特城\footnote{アクセント句のモヌラ長や耇合語の耇数アクセント句化など}を考慮しお経隓的に蚭定しおいるここではPi×N7の組み合わせマトリックスのみを衚\ref{tab:ketsugo}に瀺しお具䜓的に説明する盎前単語がP2,P3,P11の堎合はこのアクセント句境界の盎前文節が盎埌文節に係る連䜓修食関係ずなる可胜性が高いため衚\ref{tab:ketsugo2}に瀺すように盎埌アクセント句等の条件に応じお結合力を倉える衚\ref{tab:ketsugo2}の項番1は盎埌が耇数アクセント句からなる耇合語である堎合を衚しおおりこの堎合は連䜓修食関係が成立しおいおもアクセント句単䜍の構造ずしおは右枝分かれ構造ずなる堎合がほずんどである\footnote{䟋えば``昚幎/成立した/(A)男女/雇甚機䌚/均等法''では文節単䜍の構造ずしおは``成立した''→``\mbox{男女雇甚機䌚均等}法''ず係り受けが成立するがアクセント句単䜍の構造ずしおは``成立した''→``均等法''ずなり(A)は右枝分かれ境界ずなる}ため結合力を最小ずする\begin{table}\caption{Pi×N7の組み合わせマトリックス}\label{tab:ketsugo}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l|l|l|l|}\hlineP1=2&P2=衚\ref{tab:ketsugo2}&P3=衚\ref{tab:ketsugo2}&P4=1&P5=2&P6=9\\\hlineP7=1&P8=1&P9=2&P10=2&P11=衚\ref{tab:ketsugo2}&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{P2,P3,P11の結合力}\label{tab:ketsugo2}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|l|c|c|c|}\hline項&盎埌アクセント句条件&その他の条件&\multicolumn{3}{c|}{結合力}\\\cline{4-6}番&&&P2&P3&P11\\\hline1&名詞接蟞連䜓詞のみ&2぀埌のアクセント句先頭名詞or接蟞&-&1&1\\2&自立語の総モヌラ数$\geq$5&Pi$\ne$栌助詞``の''&5&4&2\\3&自立語の総モヌラ数$\geq$5&Pi=栌助詞``の''&-&-&5\\\hline4&\multicolumn{2}{|l|}{䞊蚘以倖}&8&7&8\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}この結合力はポヌズ付䞎の補正でも利甚するため蚘号に基づく音調結合型蚭定〜特定単語の組み合わせによる音調結合型蚭定ですでに匷結合たたは匱結合を蚭定しおいるアクセント句境界に察しおも求めおおくただし音調結合型の蚭定は行わないただしこれらのアクセント句境界に察しおは埗られた結合力に10を加算するこれは蚘号に基づく音調結合型蚭定〜特定単語の組み合わせによる音調結合型蚭定で蚭定される音調結合型を結合力に基づく音調結合型蚭定で蚭定される音調結合型より信頌性が高いず考えるためである音調結合型未蚭定のアクセント句境界に察しおは結合力=1ずなるアクセント句境界に小ポヌズそれ以倖のアクセント句境界には文節境界ずなるアクセント句境界に匱結合それ以倖に匷結合を付䞎する\subsubsection{ポヌズ付䞎の補正}\label{subsub:unpause}あるモヌラ長以䞊ポヌズが蚭定されおいない堎合このポヌズが蚭定されおいない区間をポヌズ未蚭定区間ずよぶに結合力を甚いおポヌズを蚭定するここではポヌズ未蚭定区間の長さず結合力に基づく音調結合型蚭定で蚭定した結合力の匷さにより段階的にポヌズを付䞎する\begin{description}\item[20モヌラ\hspace{-0.05mm}$\leq$\hspace{-0.05mm}ポヌズ未蚭定区間長\hspace{-0.05mm}$<$\hspace{-0.05mm}30モヌラの堎合]\mbox{ポヌズ未蚭定区間先頭から5モヌラ目}〜\mbox{末尟から5モヌラ目たでに}\mbox{結合力3以䞋のアクセント句境界が存圚する堎合にのみそ}の䞭で最小の結合力をも぀アクセント句境界に小ポヌズを付䞎する\mbox{それ以倖の堎合は}ポヌズを付䞎しない\item[ポヌズ未蚭定区間長$\geq$30モヌラの堎合]ポヌズ未蚭定区間先頭から5モヌラ目〜末尟から5モヌラ目たでに結合力が6以䞋のアクセント句境界が存圚する堎合にその䞭で最小の結合力をも぀アクセント句境界に小ポヌズを蚭定する条件を満たすアクセント句境界が存圚しない堎合にはポヌズ未蚭定区間先頭から2モヌラ目〜末尟から2モヌラ目たでのアクセント句境界においお最小の結合力をも぀アクセント句境界に小ポヌズを付䞎する\end{description}ここでポヌズ付䞎の補正を行った埌のポヌズ未蚭定区間が䞊蚘条件を満たす堎合には再垰的にポヌズ付䞎の補正を行うこれはポヌズ未蚭定区間長が20モヌラ以䞊30モヌラ未満ずポヌズが挿入されなくおもあたり䞍自然でない長さの堎合には結合力が匱い3以䞋アクセント句境界が存圚した堎合にのみポヌズを付䞎しポヌズ未蚭定区間長が30モヌラ以䞊ずポヌズがなければ䞍自然ずなる長さを越えた堎合には必ずポヌズを蚭定するずいう2段階のポヌズ付䞎の補正を行うものである\subsubsection{ポヌズ付䞎䟋}図\ref{fig:pause}に倚段階蚭定法によるポヌズ付䞎䟋を瀺すたず$[$A$]$$[$B$]$$[$C$]$に順にポヌズが蚭定された埌結合力が求められ\footnote{$[$A$]$$[$B$]$$[$C$]$のアクセント句境界はすでにポヌズが蚭定されおいるため結合力を求める必芁がない}結合力=1である$[$D$]$に小ポヌズが付䞎されるそしおポヌズ未蚭定区間``実態調査を共同で行うこずで合意したした。''27モヌラにおいお最小結合力2$\leq$3をも぀$[$E$]$に小ポヌズが付䞎されるポヌズ未蚭定区間``攟射性廃棄物の海掋投棄に''23モヌラはポヌズ未蚭定区間長が20モヌラ以䞊30モヌラ未満であり最小結合力が5$>$3であるためポヌズは付䞎されない\begin{figure}[tb]\vspace{-4mm}\begin{center}\epsfile{file=pause.eps}\end{center}\caption{ポヌズ付䞎䟋}\label{fig:pause}\end{figure} \section{評䟡} label{sec:evaluation}\subsection{読み韻埋情報の評䟡法}\label{subs:kana}本論文で提案した読み韻埋情報蚭定法の有効性を怜蚌するためAUDIOTEXで生成した読み韻埋情報アクセント付カナ文に察する評䟡を行った具䜓的には読み付䞎アクセント句境界蚭定アクセント型蚭定ポヌズ蚭定読み韻埋蚭定総合評䟡の5皮類の正解率を算出したここでAUDIOTEXでは6皮類の音調結合型を付䞎しおいるが本評䟡ではポヌズの有無の2段階で評䟡を行うこずずしたこれは珟圚の合成音声の品質はただ十分ずいえずポヌズなしのアクセント句境界に察しお匷結合ず匱結合のどちらを蚭定するのが正しいかを正確に聞き分けるこずができないためである\footnote{䞀般には巊枝分かれ境界に察しおは匷結合右枝分かれ境界に察しおは匱結合を付䞎するのが適切であるが珟圚の合成音声の品質では巊枝分かれ境界に察しおも匱結合を付䞎する方が明瞭性が増し聞きやすい堎合があるこのためAUDIOTEXではポヌズを付䞎しない文節境界にはすべお匱結合を付䞎しおいる}それぞれの正解率は以䞋の匏により衚される\begin{eqnarray}読み正解率&=&\frac{C_{al}-C_{er}}{C_{al}}\\アクセント句境界正解率&=&\frac{(C_{al}-C_{ep})-B_{er}}{C_{al}-C_{ep}}\\アクセント型正解率&=&\frac{A_{sp}-A_{te}}{A_{sp}}\\ポヌズ正解率&=&\frac{A_{sp}-A_{pe}}{A_{sp}}\\読み韻埋正解率&=&\frac{A_{cr}}{A_{al}}\end{eqnarray}\begin{small}\begin{tabbing}\hspace{1.5cm}\=\hspace{1cm}\=\kill\>$C_{al}$\>党文字数\\\>$C_{er}$\>読みを誀った文字数\\\>$C_{ep}$\>読み誀り同䞀アクセント句文字数\\\>$B_{er}$\>誀ったアクセント句境界数\\\>$A_{sp}$\>正しく分割されたアクセント句数\\\>$A_{te}$\>アクセント型を誀ったアクセント句数\\\>$A_{pe}$\>ポヌズ有無を誀ったアクセント句数\\\>$A_{cr}$\>読みアクセント句境界アクセント型ポヌズ有無が正しいアクセント句数\\\>$A_{al}$\>党アクセント句数\end{tabbing}\end{small}ここでアクセント句境界正解率における「読み誀り同䞀アクセント句文字数」$C_{ep}$ずは読みを誀った文字および読みを誀った文字ず同䞀アクセント句を構成する文字の総数である䟋えば``通算1アンダヌ''は``通算''ず``1アンダヌ''の2アクセント句ずなるが``1''の読みを``むチ''ず読み誀った堎合正解は``ワン''読み誀った文字``1''ず同䞀アクセント句ずなる``アンダヌ''も評䟡察象から陀くたたアクセント型音調結合型正解率の分母ずなる「正しく分割されたアクセント句数」ずは前埌共に正しいアクセント句境界で区切られたアクセント句数を衚すさらに「アクセント型を誀ったアクセント句数」$A_{te}$「ポヌズ有無を誀ったアクセント句数」$A_{pe}$は正しく分割されたアクセント句を察象ずするこのように正解率を定めたのは正しく䞎えられた情報を甚いた際の蚭定粟床評䟡を行うためであるずころでアクセント句境界やポヌズはゆれが蚱容され単䞀の正解は存圚しない䟋えば``小型凊理装眮''は``小型/凊理装眮''2アクセント句でも``小型凊理装眮''1アクセント句でもよく``初めお/(A)盞堎氎準に/觊れ、''の(A)の䜍眮にポヌズがあっおも\mbox{なくおも蚱容}されるたた誀りに察する蚱容床は個人差も存圚するそこで合成音声に慣れ読み韻埋情報の誀りの皮類の刀定を行うこずができ誀たった読み韻埋情報を正しく修正するこずができる2名の評䟡者評䟡者A,B)がAUDIOTEXにより生成された合成音声を聎き䞍自然に聞こえる個所を誀りずしお評䟡を行った評䟡察象ずしたテキストはニュヌス文章484文29829文字である評䟡は(1)評䟡テキストに察しお単語蟞曞を党く敎備しない状態で生成されたアクセント付カナ文オヌプン評䟡(2)評䟡テキストに察しお単語蟞曞の敎備を行った埌に生成されたアクセント付カナ文クロヌズ評䟡そしお本手法のベヌスずなった手法である\cite{Miyazaki1}により生成されたアクセント付カナ文の3皮類を察象に行った\subsection{読み韻埋情報の評䟡結果}各正解率を求めるための各倀を衚\ref{tab:ev_value}正解率を衚\ref{tab:evaluation}に瀺す衚\ref{tab:ev_value}衚\ref{tab:evaluation}においお「A$\mid$B正解」は評䟡者AB共に正解ず刀断したものおよび評䟡者AたたはBのいずれかが正解ず刀断したものを正解ずしたもの「A\&B正解」は評䟡者AB共に正解ず刀断したもののみを正解ずしたものである\footnote{ただし衚\ref{tab:ev_value}における$C_{er}$$B_{er}$などの誀り数においおは「A$\mid$B正解」は評䟡者ABが共に誀りずしたもの「A\&B正解」は評䟡者AB䞀方でも誀りずしたものを衚しおいる}\begin{table}[tb]\caption{評䟡匏の各倀}\label{tab:ev_value}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|cccc|}\hline\multicolumn{2}{|l|}{}&評䟡者A&評䟡者B&A$\mid$B正解&A\&B正解\\\hline共通&$C_{al}$&\multicolumn{4}{|c|}{29829}\\\hline(1)&$C_{er}$&\multicolumn{4}{|c|}{88}\\単語&$C_{ep}$&\multicolumn{4}{|c|}{281}\\蟞曞&$B_{er}$&178&146&107&217\\未敎備&$A_{al}$&\multicolumn{4}{|c|}{7253}\\(オヌプン)&$A_{sp}$&7009&7055&7122&6942\\&$A_{te}$&85&141&57&169\\&$A_{pe}$&80&375&63&392\\&$A_{cr}$&6721&6425&6890&6256\\\hline(2)&$C_{er}$&\multicolumn{4}{|c|}{32}\\単語&$C_{ep}$&\multicolumn{4}{|c|}{75}\\蟞曞&$B_{er}$&56&69&27&98\\敎備埌&$A_{al}$&\multicolumn{4}{|c|}{7207}\\(クロヌズ)&$A_{sp}$&7133&7108&7164&7077\\&$A_{te}$&18&86&14&90\\&$A_{pe}$&82&382&64&400\\&$A_{cr}$&7005&6617&7072&6550\\\hline(3)&$C_{er}$&\multicolumn{4}{|c|}{97}\\(宮厎,&$C_{ep}$&\multicolumn{4}{|c|}{317}\\倧山&$B_{er}$&403&466&282&587\\1986)&$A_{al}$&\multicolumn{4}{|c|}{7360}\\&$A_{sp}$&6762&6580&6884&6458\\&$A_{te}$&324&559&281&602\\&$A_{pe}$&469&1198&374&1293\\&$A_{cr}$&5823&4751&5986&4588\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tb]\caption{読み韻埋情報の正解率}\label{tab:evaluation}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|ccccc|}\hline評䟡察象&皮別&\multicolumn{5}{|c|}{正解率(\%)}\\\cline{3-7}&&評䟡者A&評䟡者B&A$\mid$B正解&A\&B正解&A,B平均\\\hline(1)&読み&\multicolumn{5}{|c|}{99.70}\\単語&アクセント句境界&99.39&99.51&99.64&99.27&99.45\\蟞曞&アクセント型&98.79&98.00&99.20&97.57&98.40\\未敎備&ポヌズ&98.86&94.68&99.12&94.35&96.77\\(オヌプン)&読み韻埋&92.67&88.58&95.00&86.25&90.63\\\hline(2)&読み&\multicolumn{5}{|c|}{99.89}\\単語&アクセント句境界&99.81&99.77&99.91&99.67&99.79\\蟞曞&アクセント型&99.75&98.79&99.80&98.73&99.27\\敎備埌&ポヌズ&98.85&94.63&99.11&94.35&96.74\\(クロヌズ)&読み韻埋&97.20&91.81&98.13&90.88&94.51\\\hline(3)&読み&\multicolumn{5}{|c|}{99.67}\\(宮厎,&アクセント句境界&98.63&98.42&99.04&98.01&98.53\\倧山&アクセント型&95.21&91.50&95.92&90.68&93.36\\1986)&ポヌズ&93.06&81.79&94.57&79.98&87.43\\&読み韻埋&79.12&64.55&81.33&62.34&71.84\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ここで2のクロヌズ評䟡甚に行った単語蟞曞の敎備は新語登録人名等48語アクセント句境界蚭定甚情報敎備27語アクセント型蚭定甚情報敎備24語耇合語意味的係り受け情報を正しく蚭定するためおよび同型語認定粟床を向䞊させるための情報意味カテゎリ承接属性など敎備18語䞍適切な単䜍や誀った内容で登録されおいる単語の削陀4語であった\subsubsection{評䟡者間の比范}評䟡者Aず評䟡者Bの評䟡結果を比范するず党䜓的な傟向は同じすなわち(2)クロヌズ評䟡(1)オヌプン評䟡(3)\cite{Miyazaki1}の手法の順に各正解率が高いずいえるただし党䜓的に評䟡者Bの方が評䟡者Aより正解率が䜎いこれは韻埋のゆれの蚱容範囲は個人差が倧きいこずを衚しおいる特にアクセント型では評䟡者Bが刀定した誀りは評䟡者Aの玄2〜5倍ポヌズ有無では玄3〜5倍ずなっおいるこのうち(2)クロヌズ評䟡のアクセント型誀り$A_{te}$においお評䟡者Bのみ誀りずしたアクセント句のうち44\%32件は蚭定されたアクセント型は1型以䞊であるが評䟡者Bは0型平板型ず刀断したものであった䟋キノ'ヌ昚日クワワ'ル加わるス'ヌカむ数回たた(2)クロヌズ評䟡のポヌズ有無誀り$A_{pe}$においお評䟡者Bのみ誀りずしたアクセント句のうち12\%37件は連䜓修食句が修食する耇合語が耇数アクセント句である堎合の連䜓修食句ず耇合語の間のポヌズであった䟋``倧統領の/(A)財政赀字/削枛策に''における(A)の䜍眮のポヌズたた10\%31件は数量衚珟内のポヌズであった䟋``およそ/(B)䞃億/䞃千䞇円の''における(B)の䜍眮のポヌズ\subsubsection{評䟡察象間の比范}衚\ref{tab:evaluation}の1オヌプン評䟡ず2クロヌズ評䟡を評䟡者ABが共に誀りずしたものA$\mid$B正解を察象ずしお比范するず(2)クロヌズ評䟡においお読みの誀り$C_{er}$が\mbox{箄$\frac{1}{3}$アクセ}ント句境界$B_{er}$アクセント型$A_{te}$の誀りが玄半数に枛少しおいるこの枛少分は未知語の新芏登録耇合語係り受け甚情報の敎備による圢態玠解析粟床の向䞊および衚\ref{tab:dic}に瀺した読み韻埋付䞎甚単語情報の適正さによっお改善される割合を瀺し本手法ではこの単語蟞曞情報の正確さが読み韻埋情報の粟床に倧きな圱響を䞎えるずいえるここで(2)クロヌズ評䟡においおポヌズ有無誀り$A_{pe}$が埮増しおいるのは読みアクセント句境界が誀った郚分はポヌズ評䟡の察象ずしおいないためポヌズにおいおは圢態玠解析誀りに起因する誀りはほずんどなくたた蟞曞敎備により読みアクセント句境界誀りが枛少したためにポヌズ評䟡の察象ずなるアクセント句数が増えさらにポヌズ付䞎のための単語蟞曞情報は1぀しかない助詞ポヌズ属性ため蟞曞敎備の圱響が少ないからである(3)の\cite{Miyazaki1}で提案された手法ず比范するず本提案方匏(1),(2)はポヌズ正解率の向䞊が顕著であり新たに導入した倚段階蚭定法によるポヌズ付䞎および圢態玠解析における長単䜍認定が有効であるずいえる\vspace{2mm}\subsubsection{(2)クロヌズ評䟡における誀り原因}2クロヌズ評䟡においお評䟡者ABが共に誀りずしたものA$\mid$B正解を察象ずしお各誀りの原因を以䞋に瀺す\begin{description}\item[読み誀り]1文節1自立語における同型語の読み分け誀りが75\%(24ä»¶)ず誀り原因の倧半を占めたこのような同型語の読み分けが倚段解析法による圢態玠解析の課題であるずいえる\\䟋\\\hspace*{1cm}銙枯ドルず{\dg元}×モト→○ゲンの亀換\\\hspace*{1cm}{\dg倧勢}×オオれヌ→○タむセヌが刀明\item[アクセント句境界誀り]䞻芁な誀り原因は以䞋の2点である\begin{description}\item[圢態玠解析誀り]品詞認定誀り単語境界誀り等の圢態玠解析誀りが原因ずなる誀りが33\%(9ä»¶)をを占めた\\䟋\\\hspace*{1cm}×囜䌚䌚/期末○囜䌚/䌚期末\\\hspace*{1.5cm}``囜䌚固有名詞+䌚接尟蟞+期末名詞\hspace{-2mm}''ず誀認定されるため\\\hspace*{1.5cm}正解``囜䌚固有名詞+䌚期名詞+末接尟蟞''\item[数量衚珟における誀り]数量衚珟においお通垞は数詞に承接しない単語等が承接した堎合にアクセント句境界を誀った11\%(3ä»¶)\\䟋\\\hspace*{1cm}×捜査/䞀課○捜査䞀課``捜査''ず``侀''が関連付けできない\end{description}\item[アクセント型誀り]品詞の認定誀り等匕き䞊げ×動詞○転生名詞の圢態玠解析誀りが原因ずなる誀りが36\%5件であった\item[ポヌズ有無誀り]文節間係り受け解析を行っおいないこずに起因し係り受けのない``連䜓圢名詞''``が助詞甚蚀''間等および䞊列句での誀りが20\%13件を占めた\\䟋\\\hspace*{1cm}×5癟䞇ポンドず\{匱結合\}前の\{小ポヌズ\}幎の/同じ時期に/比べ\\\hspace*{1cm}○5癟䞇ポンドず\{小ポヌズ\}前の\{匱結合\}幎の/同じ時期に/比べ\end{description}たた新たに導入した倚段階蚭定法では係り受けがありえないアクセント句境界前埌の単語の組み合わせに぀いおは極端に結合力を匱く蚭定したが総桐タンスを\{小ポヌズ\}玍入などず/報道されたした。\\\hspace*{1cm}結合力=2,ポヌズ付䞎の補正により小ポヌズ付䞎\\の``を玍入''のような䜓蚀止め等の衚珟に察応できず\mbox{実際には係り受け関係があるにも関わ}らず誀っおポヌズが付䞎され\cite{Miyazaki1}よりディグレヌドした堎合が5\%(3ä»¶)生じた\subsection{凊理性胜評䟡}\ref{subs:kana}節で甚いた評䟡文29829文字に察するテキスト解析郚の凊理時間アクセント付カナ文を生成するたでの時間を枬定した結果を衚\ref{tab:speed}に瀺す䜿甚マシンはSunSparcStation20である衚\ref{tab:speed}により\cite{Miyazaki1}ず比范しおAUDIOTEXが玄3.9倍も凊理時間がかかるこずがわかるこの理由ずしお圢態玠解析における甚蚀語幹語尟1語化凊理の远加および読み韻埋情報蚭定における芏則の远加が考えられる\begin{table}[bt]\caption{テキスト解析凊理の凊理時間}\label{tab:speed}\begin{center}\begin{tabular}{l|c|c}\hline&凊理時間&100文字あたりの凊理時間\\\hlineAUDIOTEX&280.22秒&0.94秒\\\cite{Miyazaki1}&72.57秒&0.24秒\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}しかしAUDIOTEXでは読み韻埋情報蚭定ず平行しお合成音声の出力を行うこずが可胜であり100文字の読み䞊げ時間は玄15〜20秒皋床であるため実甚䞊十分な凊理速床であるずいえる \section{おわりに} label{sec:conclusion}倚段解析法による圢態玠解析より埗られる単語情報を甚いお読み韻埋情報を芏則により蚭定する方法および読み韻埋情報蚭定のための単語蟞曞の構成を瀺したそしお特に音調結合型ポヌズの蚭定においお倚段階蚭定法を新たに導入し文節間の係り受け情報を甚いなくおも実甚䞊十分な粟床でポヌズを付䞎できるこずを瀺し本手法の有効性を確認した本手法による読み韻埋情報の蚭定粟床は単語蟞曞の粟床に倧きく䟝存しおいるため今埌は単語蟞曞の粟床向䞊を容易に行う手法を考えおいく必芁があるず考えられる\vspace{-3mm}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n2_04}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{浅野久子}{1991幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業同幎日本電信電話株入瀟音声合成情報抜出のための自然蚀語凊理テキスト凊理の研究に埓事珟圚NTT情報通信研究所知的通信凊理研究郚勀務情報凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{束岡浩叞}{1979幎九州倧孊工孊郚電子工孊科卒業同幎日本電信電話公瀟珟NTT入瀟珟圚NTTマルチメディアシステム総合研究所関西リモヌトオフィスにお電子図曞通システムの研究開発に埓事圢態玠解析音声合成情報怜玢の研究に興味を持぀情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{高朚䌞䞀郎}{1981幎金沢倧孊倧孊院電気工孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟珟NTT入瀟日本語圢態玠解析を甚いた校正支揎システムなど知的支揎サヌビスの開発に埓事珟圚NTT情報通信研究所知的通信凊理研究郚䞻幹研究員情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{小原氞}{1979幎慶応矩塟倧孊倧孊院電気工孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟珟NTT入瀟機械翻蚳掚敲支揎韻埋生成技術の研究に埓事珟圚NTT情報通信研究所知的通信凊理研究郚䞻幹研究員情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V14N05-02
\section{はじめに} 我々人間は日垞生掻においお様々な䌚話の䞭から必芁に応じお情報を取捚遞択しおいるさらに䌚話の流れに即しお語の意味を適宜解釈し適切な応答を行っおいる人間は語の情報から適切な応答を行うために様々な連想を行っおいる\cite{yoshimura2006}䟋えば「車」ずいう語から「タむダ」「゚ンゞン」「事故」 ずいった語を自然に連想する連想によっお䌚話の内容を柔軟に拡倧させおいるこのように柔軟な䌚話ができる背景には語の意味や語ず語の関係に぀いおの膚倧な知識を有しおいるため皮々の知識から語ず語の関連性を刀断し新たな語を連想するこずができるこずが挙げられる実生掻における䌚話では「車ず自動車」「自動車ず自転車」のように同矩性や類䌌性の高い語ず語の関係のみならず「車ず運転」「赀ちゃんず玩具」「雚ず傘」のように広い意味での語ず語の関連性の評䟡が必芁ずなる堎合が倚い人間ずコンピュヌタあるいはコンピュヌタ同士の䌚話においおも人間のような柔軟で垞識的な応答を行うためには連想機胜が重芁ずなるそのためにはコンピュヌタに語ず語に関する知識を付䞎し同矩性や類矩性のみならず倚様な芳点においお語ず語の関連の匷さを定量的に評䟡する手法が必芁ずなるこれたでコンピュヌタにおける䌚話凊理の重芁な芁玠の䞀぀ずしお語ず語の類䌌床に関する研究がなされおきた類䌌床の研究ではシ゜ヌラスなどの知識を甚いお語ず語が意味的にどの皋床䌌おいるかを評䟡するこずを目的ずしおいる\cite{kasahara1997}そのため䌚話においお未知の語が出珟した堎合には既知の知識ずの類䌌床を算出し同矩語や類矩語に眮換するこずによっお語の意味を理解するこずが可胜ずなる䞀方本論文ではコンピュヌタずの䌚話においお「雚が降っおいたすよ」ずいう文に察し「雪」「霧」 などの「雚」に察する同矩語や類矩語だけではなく「雚」や「降る」ずいう語から人間が自然に想起するような「傘」「濡れる」「倩気予報」 などの語を幅広く想起させ自然な䌚話を行うための連想機胜を実珟するこずを目的ずしおいるコンピュヌタがこのような連想をできるならば「雚が降っおいたすよ」ずいう文に察しお「それでは傘を持っおいきたす」ずいう応答を生成するこずが可胜ずなるコンピュヌタの連想機胜を実珟するために抂念ベヌスずそれを甚いた関連床蚈算方匏が提案されおいる\cite{kojima2004,watabe2001,watabe2006}抂念ベヌスでは語の意味抂念が電子化囜語蟞曞から抜出した特城語盎接意味語・間接意味語ず重みの集合で定矩されおいる各特城語属性の重みは抂念ず抂念の関連の匷さを定量的に評䟡するための基本量ずしお定矩しおいるすなわち抂念ベヌスの構築においおは抂念に察する属性をどのように抜出し各属性に付䞎する重みをどのように決定するかが重芁ずなる本論文では電子化蟞曞から構築された4䞇語芏暡の抂念ベヌスを電子化された新聞蚘事等を甚いお12䞇語芏暡の抂念ベヌスぞ拡匵する手法に぀いお述べおいる抂念ベヌスの構築手法に぀いおは電子化蟞曞から芋出し語に察する語矩説明文から属性を抜出し属性信頌床に基づく粟錬を行う手法が提案されおいるしかしながらこの手法には倧きく2぀の問題点が存圚する第䞀には蟞曞の語矩説明文から取埗される倧郚分の属性は語の狭矩の意味を説明する語盎接意味語であり間接的に芋出し語ず関連を持぀広矩の意味語間接意味語を獲埗するこずが困難である点であるこれはコンピュヌタに柔軟な連想機胜を実珟する䞊で同矩や類矩の語以倖の連想語を取埗する際に倧きく圱響する盎接意味語ず間接意味語に぀いお「自動車」の䟋を挙げる\noindent䟋自動車\begin{description}\item[盎接意味語]車車茪原動機回転装眮ブレヌキ \item[間接意味語]枋滞免蚱蚌事故䟿利亀通信号保険レヌス \end{description}第二には4䞇語芏暡の抂念ベヌスでは幅広い連想を行い語ず語の関連性を定量化する䞊で語圙が䞍十分である点である抂念を定矩するための属性は党お抂念ベヌスに定矩されおいる語でなければならないずいう制玄があるため4䞇語芏暡の抂念ベヌスに定矩されおいない語を新たな属性ずしお抂念に付䞎するためには抂念ベヌスの拡匵が必須ずなる抂念ベヌスの拡匵においおは抂念に付䞎すべき属性の抜出手法䞊びに獲埗した属性に察する重みの付䞎手法が必芁ずなるたず囜語蟞曞からの抂念ベヌス構築の際に適切に属性を取埗するこずができなかった抂念を抜出し䞍適切な抂念を削陀する属性の抜出手法ずしお電子化された新聞蚘事等における共起に基づく手法を提案するたた重みの付䞎手法ずしお属性関連床ず抂念䟡倀に基づく手法を提案するこのように拡匵した抂念ベヌスの有甚性を関連床蚈算方匏を甚いた評䟡実隓によっお瀺しおいる \section{抂念ベヌス} 抂念ベヌス\cite{kojima2004,hirose2002}は抂念芋出し語ずその特城を衚す耇数の語属性を察の組ずしお集めた語の知識ベヌスである任意の抂念$A$は芋出し語$A$ず属性$a_i$重み$w_i$により以䞋のように定矩する\begin{equation}A=\{(a_1,w_1),(a_2,w_2),(a_3,w_3),\cdots,(a_k,w_k)\}\end{equation}なお属性ずなる党おの語は抂念ベヌスの抂念ずしお定矩されおいなければならないこのこずから各抂念は$n$次元の属性連鎖集合ずしお定矩されるこずずなる図\ref{fig:concept-base}すなわち抂念$A$の属性$a_i$を䞀次元の属性䞀次属性ず呌ぶさらに属性$a_i$を抂念ずしお芋た堎合$a_i$の属性$a_{i_j}$を抂念$A$の二次元の属性二次属性ずしお導出するこずが可胜である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f1.eps}\caption{抂念ベヌス}\label{fig:concept-base}\end{center}\end{figure}抂念ずは$n$次元の属性連鎖集合で定矩される属性空間である抂念は無限連鎖による属性集合であるため起点ずなる抂念を識別するために「芋出し語」ず蚀う衚珟を甚いるすなわち芋出し語ずは$n$次元の属性連鎖集合によっお定矩された属性空間を識別するためのラベルであるさらに単に「属性」ず衚蚘する堎合は各抂念の䞀次属性を衚すものずする各属性の重みは抂念ず他の抂念ずの関連の匷さを定量的に評䟡するための基本量ずしお付䞎しおいるすなわち抂念間の関連の匷さは抂念を構成する属性重みの察の集合の総合的な䞀臎床合いに基づき定量化されるこのため抂念間の関連の匷さを定量化するためには属性ずその重みを具䜓的にどのように付䞎するかが重芁ずなるなお本論文で察象ずする抂念ベヌスでは各抂念の属性はシ゜ヌラス等を甚いお意味的に圧瞮しおいないその理由ずしお各抂念が持぀埮劙な特城が意味的な圧瞮を行うこずによっお倱われるこずたた抂念を意味的に適切に圧瞮するこずが困難であるこずが挙げられる \section{関連床蚈算方匏} 関連床蚈算方匏\cite{watabe2006}は抂念ベヌスに定矩された語ず語の関連の匷さを同矩性類䌌性のみに関わらず定量化する手法である本論文では抂念を構成する属性集合間の䞀臎の床合いを定量化する関連床蚈算方匏を前提にこの方匏に適した抂念ベヌスの構築法を論じおいるたた語ず語の類䌌性評䟡手法ずしおシ゜ヌラスなどを甚いお属性の意味的な圧瞮を行った抂念ベヌスを前提に各抂念をベクトルず芋なし䜙匊を甚いお定量化するベクトル空間モデルが広く利甚されおいる\cite{Kawashima2005}この方匏は「赀ちゃんず子ども」や「自動車ず車」ずいった類䌌性の高い語ず語の類䌌性評䟡には適しおいるが「赀ちゃんず玩具」や「自動車ず事故」ずいった語ず語の関連性は類䌌性ずいう芳点からは関連性評䟡が困難であるず考えられるそのため本論文に䜿甚する抂念ベヌスはより柔軟に語ず語の関連の匷さを定量化するために関連床蚈算方匏を前提ずしおいる以䞋抂念間の属性䞀臎床䞊びに属性䞀臎床に基づき抂念関連床を求める関連床蚈算方匏に぀いお述べる\subsection{属性䞀臎床}抂念$A$,$B$の属性を$a_i$,$b_j$察応する重みを$u_i$,$v_j$ずしそれぞれ属性が$L$個$M$個あるずする($L\leqM$)たた各抂念の属性の重みをその総和が$1.0$ずなるよう正芏化しおいる\begin{gather*}A=\{(a_i,u_i)|i=1\simL\}\\B=\{(b_j,v_j)|j=1\simM\}\end{gather*}このずき抂念$A$ず抂念$B$の属性䞀臎床$\mathit{MatchWR}(A,B)$を以䞋のように定矩する\begin{gather}\mathit{MatchWR}(A,B)=\sum_{a_i=b_j}\mathit{min}(u_i,v_j)\\\mathit{min}(u_i,v_j)=\begin{cases}u_i(u_i\leqv_j)\\v_j(v_j<u_i)\end{cases}\end{gather}ただし$a_i=b_j$は属性同士が䞀臎した堎合を瀺しおいるすなわち䞀臎した属性の重みのうち小さい方の重みの和が属性䞀臎床ずなる属性䞀臎床は$0.0\sim1.0$の倀をずる\subsection{抂念関連床}抂念関連床$\mathit{MR}$は察象ずなる二぀の抂念においお䞀次属性の組み合わせに぀いお属性䞀臎床を求めこれを基に抂念を構成する属性集合党䜓ずしおの䞀臎床合いを蚈算するこずで算出される具䜓的にはたず芋出し語ずしお䞀臎する属性同士($a_i=b_j$)に぀いお優先的に察応を決定する他の属性に぀いおは党おの䞀次属性の組み合わせにおいお属性䞀臎床を算出し属性䞀臎床の和が最倧ずなるように組み合わせを決定する属性䞀臎床を考慮するこずにより属性同士の芋出し語ずしおの䞀臎だけではなく䞀臎床合いの近い属性を有効に察応づけるこずが可胜ずなるたた抂念$A$,$B$間の芋出し語ずしお䞀臎する属性($a_i=b_j$)に぀いおは以䞋の凊理により別扱いずする$a_i=b_j$なる属性があった堎合それらの属性の重みを参照し$u_i>v_j$ずなる堎合は$a_i$の重み$u_i$を$u_i-v_j$ずし属性$b_j$を抂念$B$から陀倖する逆の堎合は同様に$b_j$の重み$v_j$を$v_j-u_i$ずし属性$a_i$を抂念$A$から陀倖する芋出し語ずしお䞀臎する属性が$T$組あった堎合抂念$A$,$B$はそれぞれ$A'$,$B'$ずしお以䞋のように再定矩されこれらの属性間には芋出し語ずしお䞀臎する属性は存圚しなくなる芋出し語ずしお䞀臎した属性の抂念関連床を$\mathit{MR}_{\mathit{com}}(A,B)$ずし以䞋の匏で定矩する\begin{gather}\mathit{MR}_{\mathit{com}}(A,B)=\sum_{a_i=b_j}\mathit{min}(u_i,v_j)\\A'=\{(a_i',u_i')|i=1\simL-T\}\nonumber\\B'=\{(b_j',v_j')|j=1\simM-T\}\nonumber\\\mathit{min}(u_i,v_j)=\begin{cases}u_i(u_i\leqv_j)\\v_j(v_j<u_i)\end{cases}\end{gather}次に芋出し語ずしお䞀臎する属性を陀倖した$A'$,$B'$の抂念関連床を$\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')$ずする$\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')$を算出するために属性数の少ない方の抂念$A'$の䞊びを固定し属性間の属性䞀臎床の和が最倧になるように抂念$B'$の属性を䞊べ替えるこの時察応にあふれた属性は無芖する抂念$A'$の属性$a_i'$ず抂念$B'$の属性$b_{x_i}$が察応したずするず抂念$B'$は以䞋のように䞊び換えられる\begin{equation}B'=\{(b_{x_1},v_{x_1}),(b_{x_2},v_{x_2}),\cdots,(b_{x_{L-T}},v_{x_{L-T}})\}\end{equation}この結果芋出し語ずしお䞀臎する属性を陀去した属性間の抂念関連床$\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')$を以䞋の匏によっお定矩する$\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')$は察応が決定した属性間の重みの比率ず重みの平均倀を属性䞀臎床に乗じるこずで属性䞀臎床を補正する\begin{gather}\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')=\sum_{s=1}^{L-T}\mathit{MatchWR}(a_s',b_s')\times\frac{\mathit{min}(u_s',v_s')}{\mathit{max}(u_s',v_s')}\times\frac{u_s'+v_s'}{2}\\\mathit{max}(u_i,v_j)=\begin{cases}u_i(u_i\geqv_j)\\v_j(v_j>u_i)\end{cases}\end{gather}このように芋出し語ずしお䞀臎する属性間の抂念関連床$\mathit{MR}_{\mathit{com}}(A,B)$ず芋出し語ずしお䞀臎しない属性間の抂念関連床$\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')$をそれぞれ算出し合蚈を抂念$A$,$B$の抂念関連床$\mathit{MR}(A,B)$ずする\begin{equation}\mathit{MR}(A,B)=\mathit{MR}_{\mathit{com}}(A,B)+\mathit{MR}_{\mathit{def}}(A',B')\end{equation}抂念関連床もたた属性䞀臎床ず同様$0.0\sim1.0$の倀をずる \section{関連床蚈算方匏を甚いた抂念ベヌス評䟡法} \label{hyouka}構築した抂念ベヌスの性胜評䟡は抂念ベヌスに定矩されおいる抂念$X$ず抂念$Y$の関連の匷さに察しお人間の評䟡ず関連床蚈算の比范により行う任意の抂念$X$ず抂念$Y$に察し出来るだけ人間の刀断結果に近い結果が埗られる抂念ベヌスが連想機胜を実珟する䞊で有効であるず考えられる\subsection{評䟡甚デヌタ}任意の抂念を基準抂念$X$ずし人間が刀断しお非垞に高い関連があるず考えられる抂念$A$抂念$A$ほどではないが抂念$X$に察しお関連があるず考えられる抂念$B$そしお抂念$X$に察しお無関連だず考えられる抂念$C$を䞀組ずするデヌタを準備するこのような4぀の芋出し語が䞀組ずなり構成されるデヌタセットを$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタず呌ぶ衚\ref{Table:X-ABC}\begin{table}[t]\input{02t1.txt}\end{table}\subsection{X-ABC関連床評䟡法}基準抂念$X$に察しお抂念$A$抂念$B$抂念$C$の抂念関連床$\mathit{MR}(X,A)$$\mathit{MR}(X,B)$$\mathit{MR}(X,C)$を算出するこのずきそれぞれの抂念関連床の間に以䞋の匏が成立するならば刀断は正しいずするたた党$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタに察し以䞋の匏を満たす$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタの比率を$C$平均順序正解率ず呌ぶ$set_{num}$は$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタの総数である\begin{gather}\mathit{MR}(XA)-\mathit{MR}(XB)>\mathit{AveMR}(XC)\\\mathit{MR}(XB)-\mathit{MR}(XC)>\mathit{AveMR}(XC)\\\mathit{AveMR}(XC)=\frac{\sum_{i=1}^{\mathit{set}_{\mathit{num}}}\mathit{MR}(X_iC_i)}{\mathit{set}_{\mathit{num}}}\end{gather}なお$\mathit{AveMR}(XC)$は$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタ党䜓における$MR(X,C)$の平均倀である基準抂念$X$に察しお無関連である抂念$C$ずの抂念関連床$\mathit{MR}(X,C)$は0ずなるのが理想であるが䞀぀でも䞀臎する属性があった堎合$\mathit{MR}(X,C)$は$0$ずならないそのため$\mathit{AveMR}(XC)$を抂念関連床の誀差ずみなし各抂念関連床($\mathit{MR}(X,A)$$\mathit{MR}(X,B)$$\mathit{MR}(X,C)$)間に誀差以䞊の有意差があった堎合を正解し抂念ベヌスの性胜評䟡を行う \section{囜語蟞曞を甚いた基本抂念ベヌス構築法} \label{kihon-make}本節では電子化囜語蟞曞から抂念ベヌスを構築する手法に぀いお述べるこの手法では電子化囜語蟞曞から各芋出し語に察しお語矩説明文に含たれる自立語を属性候補ずしお抜出しそれらを属性信頌床語に関する皮々の知識から属性ずしおの確からしさを定量化した倀により粟錬し䞍適切な語を削陀する\cite{kojima2004}その埌手䜜業で䜜成した重み孊習デヌタを甚いた最適化実隓により属性の重みを付䞎するこずにより抂念ベヌス基本抂念ベヌスを構築しおいるたた属性の取埗数が少数であった芋出し語に関しおは基本抂念ベヌスには定矩しおいない\subsection{電子化蟞曞からの属性抜出}電子化囜語蟞曞の芋出し語の語矩説明文䞭に含たれる自立語を構文解析により機械的に抜出する次に芋出し語の意味には関係なくどの説明文にも圢匏的に含たれる自立語は削陀し属性候補を埗るEx.するなる このようにしお抂念総数玄3侇4千属性総数玄150䞇各抂念に぀き平均玄40の属性を持぀初期抂念ベヌスが埗られる初期抂念ベヌスは厳密には関連床蚈算のための基本量ずしお重みが付䞎された抂念ベヌスではなく「抂念—属性」の察の集合が取埗され各属性の語矩説明文内での出珟頻床を重みずしお保持しおいる\subsection{孊習による重み付䞎手法}\label{sec:gakushu}初期抂念ベヌスに぀いお説明文䞭の出珟頻床ず語に関する皮々の知識シ゜ヌラスや同矩語蟞曞等を甚いお属性らしさを衚す属性信頌床を求める\cite{kojima2004}さらに属性信頌床の倀により属性のクラス分けを行い孊習実隓によりクラス毎の最適な属性の重みを埗る初期抂念ベヌスを甚いお属性信頌床を算出し実隓により各属性の重みを算出する重み孊習による属性重み付䞎手法に぀いお述べる各属性の重みが属性の確からしさを衚す属性信頌床に関係するこずは明らかであるが各属性信頌床に察しおどのような重みを付䞎すればよいのかは極めお難しい課題であるそこで手䜜業で甚意した孊習デヌタを甚いお評䟡結果が最適ずなる属性の重みを実隓的に求める手法が提案されおいる孊習実隓により属性の重みを決定する際に各属性の重みを連続倀ずしお最適化を行うのは䞍可胜であるしたがっお属性信頌床を基準ずし6぀のクラスに分割しクラスごずに重みを最適化する以䞋属性信頌床ず属性信頌床を算出するための手がかり孊習デヌタ実隓的に決定したクラス別の重みに぀いお述べる\subsubsection{属性信頌床ず信頌床クラス}属性信頌床は耇数の手がかりを甚いお算出され各手がかりに合臎する属性の確からしさは手䜜業によるサンプルの目芖評䟡によっお求められおいる属性信頌床を算出するための手がかりは以䞋の6項目である\begin{enumerate}\item抂念ず属性の䞀臎\item関係デヌタに定矩されおいる\item初期抂念ベヌスの頻床重み\item初期抂念ベヌスを甚いた抂念関連床\item抂念ず属性の衚蚘の郚分䞀臎\item抂念ず属性が盞互属性関係にある\end{enumerate}\noindent関係デヌタずは電子化蟞曞を解析した際に取埗された語ず語の関係を瀺すデヌタであり同矩・類矩・反意などの関係が定矩されおいるたた盞互属性関係ずは抂念$A$の属性$a_i$に察し抂念$a_i$の属性ずしお抂念$A$が付䞎されおいる堎合抂念$A$ず属性$a_i$は盞互属性関係にあるず定矩するたた耇数の手がかりに該圓する属性の属性信頌床は独立事象の確率合成によっお算出する独立事象$P_1$,$P_2$の起こりうる確率が$p_1$,$p_2$であった堎合$P_1$,$P_2$が同時に起こりうる確率$P$は以䞋の匏\ref{eq:gousei}によっお算出する\begin{equation}P=\frac{p_1p_2}{p_1p_2+(1-p_1)(1-p_2)}\label{eq:gousei}\end{equation}算出された各属性の属性信頌床を衚\ref{Table:shinraido-class}に瀺すように信頌床クラスに分類する\begin{table}[b]\input{02t2.txt}\end{table}\subsubsection{各信頌床クラスの属性の重み}重み孊習デヌタ衚\ref{Table:gakushu-data}を甚いおC平均順序正解率が最高ずなる各属性信頌床クラスの重みは衚\ref{Table:gakushu-kekka}のように埗られる\begin{table}[b]\input{02t3.txt}\end{table}重みが$0$ずなる信頌床クラス$5$$6$に関しおは属性ずしお採甚されず抂念ベヌスから削陀される信頌床クラス$1$に関しおは同矩・類矩・反意をさらに现分化しお重みを算出しおおり同矩が$8$類矩が$4$反意が$1$ずなっおいるこのずき抂念ベヌスの抂念総数は玄3侇4千属性総数は玄53䞇平均属性数は各抂念に぀き玄16個ずなるこのように構築された抂念ベヌスを基本抂念ベヌスず呌ぶ\begin{table}[b]\input{02t4.txt}\end{table}\subsubsection{特城ず問題点}\label{special}孊習による重み付䞎手法は抂念ベヌスの属性を遞別し適切な重みを付䞎する手法ずしおは十分評䟡できるものであるしかし同じ信頌床クラスに属する属性には同じ重みを付䞎するこずになるため信頌床クラスの蚭定が曖昧であるず適切な重みを算出するこずが困難になるたたこの方匏は孊習デヌタに倧きく䟝存するため䞀般性に問題が残る図\ref{fig:270-590}図\ref{fig:270-590}では重みを最適化するために䜿甚した590組の孊習デヌタによるC平均順序正解率ず590組の孊習デヌタず重耇しない500組の評䟡デヌタによるC平均順序正解率を瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f2.eps}\caption{基本抂念ベヌスの性胜評䟡}\label{fig:270-590}\end{center}\end{figure}最適化実隓に䜿甚した孊習デヌタによるC平均順序正解率ず最適化実隓に䜿甚しなかった評䟡デヌタによるC平均順序正解率ではおよそ10\%の差違が生じおおり孊習察象ずなる孊習デヌタに倧きく䟝存する重みが算出されおいるこずが分かるさらに語圙数の拡倧された抂念ベヌスの構築に際しおは信頌床クラスの分割数の蚭定ずそれに䌎う最適化孊習時間などに倚くの課題が発生する \section{新聞蚘事を甚いた抂念ベヌス構築法} 本節では基本抂念ベヌスの構築においお電子化蟞曞から適切な属性を抜出するこずができなかった芋出し語に぀いお新聞蚘事などを甚いお属性を取埗し抂念ベヌスを倧芏暡なものぞ拡匵し構築する手法に぀いお述べるたた基本抂念ベヌスに定矩されおいる抂念に぀いおも属性を远加しおいるなお基本抂念ベヌスぞの属性远加手法ずしお語間の論理関係を甚いた属性拡匵\cite{kojima2004a}が提案されおいるが基本抂念ベヌスに定矩される抂念のみを察象ずしおおり本論文で目的ずする抂念ベヌスの拡匵ずは本質的に異なる基本抂念ベヌスに定矩されおいる玄4䞇語の抂念では日垞䌚話に出珟する語に幅広く察応するこずが困難であり少なくずも囜語蟞曞の芋出し語ずしお蚘茉される抂念に぀いおは抂念ベヌスずしお構築するこずが望たしいしかし電子化蟞曞に蚘茉される語矩説明文からは適切に属性を取埗できない抂念が倚数存圚するため新聞蚘事やWEB文曞など䞀般の文曞から属性を獲埗するこずが必芁ずなる新聞蚘事など䞀般の蚘事から取埗した属性候補の確からしさは電子化蟞曞に蚘茉される語矩説明文から取埗した属性候補に察しお䜎䞋するそのため抂念に察しお䞍適切な属性雑音属性の陀去を行い適切な重みを付䞎する必芁があるこれには\ref{sec:gakushu}節に述べたように属性信頌床の考え方に基づく抂念ベヌスの粟錬手法が有効であるず考えられるが抂念数の増倧により適切な孊習デヌタを䜜成するこずや孊習デヌタに基づく重みの最適化を行うために時間がかかるこずなど皮々の問題が発生するしたがっお倧芏暡な抂念ベヌスを構築する際には抂念ベヌスの芏暡に即した粟錬手法が必芁ずなる本論文では倧芏暡に拡匵した抂念ベヌスの粟錬手法ずしお情報怜玢やテキストマむニングなどの分野においお広く利甚されるキヌワヌド重み付け手法である$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法\cite{tokunaga1999}に基づき各抂念に付䞎された属性に察し初期属性重みを付䞎するさらにその初期属性重みを甚いるこずにより拡匵した抂念ベヌスに定矩される任意の抂念ず抂念の抂念関連床を算出するこずが可胜ずなるそのため各抂念ず属性の抂念関連床を特に属性関連床ず呌び属性関連床を甚いお雑音属性の陀去を行うたた$\mathit{idf}$の考え方に基づく抂念䟡倀を算出し再床重みを付䞎するこずにより抂念ベヌスの質の向䞊を図っおいる\subsection{電子化蟞曞からの芋出し語抜出}䞀般的な囜語蟞曞にはおよそ20䞇語の語圙が収録されおいる電子化囜語蟞曞を甚いた基本抂念ベヌスの構築においおは芋出し語の説明文から取埗された自立語数属性数が少数である堎合にはその芋出し語は抂念ずしお採甚されおいなかったしかし4䞇語皋床の抂念では自然な䌚話を行うために語ず語の関連性を定量化する䞊で語圙が䞍十分であるそこで電子化新聞の蚘事を甚いるこずにより囜語蟞曞からは属性の取埗が困難であった芋出し語抂念に぀いお属性を抜出する手法を提案する囜語蟞曞に掲茉されおいる20䞇語のうち芋出し語抂念ずしお䞍適切な衚蚘を陀去した玄12䞇語の抂念に぀いお電子化新聞毎日新聞日本経枈新聞より属性を取埗するすなわち基本抂念ベヌスに定矩されおいる抂念に぀いおも同様に属性を取埗する衚\ref{Table:get-word}に電子化蟞曞に蚘茉されおおり䞔぀基本抂念ベヌスでは定矩されなかった芋出し語抂念の䟋および芋出し語ずしお䞍適切な衚蚘の䟋を瀺す\begin{table}[t]\input{02t5.txt}\end{table}基本抂念ベヌスにはカタカナ語や固有名詞が定矩されおいなかった堎合が倚いたた䞀般的に䌚話文䞭に出珟するような「飲食店」などの語も定矩されおいない芋出し語ずしお䞍適切であるずしたものは「 」による衚蚘の省略「〈〉」による衚蚘の䜿甚䟋「・」による衚蚘の䞊列等である\subsection{電子化新聞からの属性抜出}\label{get-attribute}電子化新聞には電子化蟞曞のように「語—説明文」ずいう明確な関係がないこのため電子化新聞から「抂念—属性」の関係を抜出するためには新聞蚘事内での語ず語の共起を手がかりずする手法が有効であるず考える\cite{hirose2002}本論文における共起ずは句読点によっお区切られた領域においお単語$A$ず単語$B$が同時に出珟しおいる堎合単語$A$ず単語$B$は共起しおいるず定矩する䟋えば図\ref{fig:news-kyouki}に瀺すように新聞蚘事内に「 倧孊が囜立研究所など倖郚の研究機関に倧孊院の研究宀を眮く 」ずいう文があった堎合語「倧孊囜立研究所倖郚 」など文䞭に出珟する単語は共起しおいるず定矩するこのように電子化新聞䞭の蚘事を句読点に区切られた領域に分割し領域ごずに玄12䞇語に拡匵された抂念ベヌスに定矩される抂念および属性候補を自立語ずしお抜出する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f3.eps}\caption{共起の䟋}\label{fig:news-kyouki}\end{center}\end{figure}たた抜出された領域内の単語$A$単語$B$単語$C$ の間には単語$A$を抂念ずした堎合その属性ずしお共起しおいる単語$B$単語$C$ が付䞎されるずいう関係にある「 倧孊が囜立研究所など倖郚の研究機関に倧孊院の研究宀を眮く 」の䟋では衚\ref{Table:kyouki-zokusei}のように「抂念—属性」の関係を取埗する\begin{table}[t]\input{02t6.txt}\end{table}このようにしお各抂念に察しお取埗された属性数は平均で100属性ほどである\subsection{初期属性重みの付䞎}本論文では最終的な属性重みずしお属性関連床ず抂念䟡倀を甚いるしかし前節たでの手順により「抂念—属性」の関係を抜出した段階では各抂念に察する属性に適切な重みが付䞎されおいないため属性関連床を算出するこずができないそこで$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法の考え方に基づく初期重みを付䞎するこずにより属性関連床を算出する\subsubsection{疑䌌$\mathit{tf}$の算出}$\mathit{tf}$ずは察象文曞内に同䞀の単語が出珟する頻床であるすなわち限られた領域内で頻繁に出珟する単語は重芁であるずいう指暙ずなるしかし本論文で構築する抂念ベヌスでは各抂念に察しお重耇する属性は付䞎しおいないしたがっお各抂念に察しお付䞎される属性の出珟頻床は党お1回のみであるそのため抂念ベヌスからは定量的な$\mathit{tf}$の算出が困難であるそこで本論文では抂念ベヌスの初期属性重み算出のために基本抂念ベヌスず属性抜出の際の共起情報を基に以䞋の手順により3段階の疑䌌$\mathit{tf}$倀を各属性に付䞎する図\ref{fig:shoki-shinraido}$\mathit{tf}(A,a)$は抂念芋出し語$A$に察する属性候補$a$の疑䌌$\mathit{tf}$倀を瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f4.eps}\caption{初期属性重み算出のための疑䌌$\mathit{tf}$導出}\label{fig:shoki-shinraido}\end{center}\end{figure}新聞蚘事を甚いた抂念ベヌスの拡匵では前提ずしお基本抂念ベヌスを䜿甚しおいる基本抂念ベヌスに定矩される抂念に察し付䞎されおいる属性の質は高いそのため基本抂念ベヌスに定矩されおいる「抂念—属性」の関係は信頌性が高いず考えられるため疑䌌$\mathit{tf}$を1.0ずしおいるたた基本抂念ベヌスには定矩されおいない「抂念—属性」の関係は新聞蚘事内での共起情報に基づいお収集しおいるしかし新聞蚘事内での共起情報のみでは「抂念—属性」の関係がどの皋床確からしいかを刀定するこずは困難であるしたがっお新聞蚘事内の共起情報のみによっお関係が瀺される属性に関しおは疑䌌$\mathit{tf}$を0.0ずし属性候補ずしお保留する$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法では単語の出珟頻床ず党文曞における察数文曞頻床を乗じるこずによりキヌワヌドの重みを算出しおいるそのため疑䌌$\mathit{tf}$を0.0ずした堎合$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法に基づいた重み付けを行うず重みは0.0ずなるしかしながら新聞蚘事内での共起情報以倖に「抂念—属性」の関係を明確にするこずができないために属性候補を雑音属性ずしお陀去するず倧半の属性候補は抂念ベヌスから陀去されおしたうそこで疑䌌$\mathit{tf}$を0.0ずし属性候補を保留しおおき埌述の属性関連床を算出し属性ずしおの採吊を決定するこずで最終的な属性ずしお付䞎するこずずする本論文では盎接意味語のみならず間接意味語も含めお抂念の属性ずするこずを目的ずしおいる耇合語を圢成する語ず語の間には間接意味語の関係ずなる堎合が倚いず考えられるここで耇合語ずは「携垯電話」などのように耇数の自立語名詞が耇合するこずによっお新たな意味を持぀語のこずである新聞蚘事内に出珟する語のうち本論文では特に隣接する語ず語の間には関係があるず考え蚘事内で隣接しお出珟する語ず語を耇合語ずしお定矩した新聞蚘事から取埗された耇合語はおよそ46䞇語ある抂念ず属性候補が耇合語の関係にある堎合共起の条件のみを満たす「抂念—属性」の関係よりも信頌性があるものずし疑䌌$\mathit{tf}$倀を0.5ずしおいる同様に抂念ず属性候補の芋出し語の衚蚘が郚分的に䞀臎しおいる堎合たずえば「車ず自動車」のように「車」ずいう衚蚘が䞀臎しおおりこれらの語ず語の間には関連があるず考えられるそのため疑䌌$\mathit{tf}$倀を0.5ずしおいるさらに囜語蟞曞における自立語ずその語矩説明文の間には語ず語がどのような論理関係を持っおいるかが蚘されおいる堎合が倚いそこで図\ref{fig:kankei}に瀺す関係を甚いお語ず語の明確な論理関係を抜出し「抂念—属性」の関係が囜語蟞曞においお論理関係を取埗できる堎合疑䌌$\mathit{tf}$倀を1.0ずしおいるこれは耇合語や衚蚘の郚分的な䞀臎ずは異なり囜語蟞曞の情報から関係が明確ずなるため抂念に察しお確からしい属性であるず刀断し疑䌌$\mathit{tf}$倀を付䞎しおいるたた囜語蟞曞の蚘茉情報に぀いおは「察」ず蚘されおいる芋出し語ずの関係は反意語「類」ず蚘されおいる芋出し語ずの関係は類矩語たた䜓蚀止めずなっおいる堎合は芋出し語ず同矩語「〜の略」ず蚘されおいる堎合は芋出し語ず同矩であるずした\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f5.eps}\caption{同矩・類矩・反意の語圙説明文}\label{fig:kankei}\end{center}\end{figure}囜語蟞曞の蚘茉情報ず同様にシ゜ヌラスにおいお䞊䜍・䞋䜍・仲間芪ノヌドが同じ図\ref{fig:shoki-shinraido}関係にある「抂念—属性」の関係も人手で䜜成された信頌できる情報であるずし疑䌌$\mathit{tf}$倀を1.0ずしおいる\subsubsection{$\mathit{idf}$の考え方に基づく抂念䟡倀}抂念䟡倀ずは抂念ベヌスに定矩されおいる各抂念の抂念ベヌス内における重芁性を瀺す倀である各抂念は$n$次の属性連鎖集合によっお定矩されおいる各抂念を特城づける属性は各抂念の語矩説明文や同䞀の新聞蚘事に共に出珟する語であるそれら属性はすべお抂念ベヌスにおいお定矩されおいるためさらにそれらの属性の語矩説明文や新聞蚘事に共出珟する語を取埗するこずが可胜であるしたがっお$n$次の属性集合を仮想的な文曞集合ずしお捉えるこずができる本論文では抂念ベヌスを仮想的な文曞空間ず捉え抂念䟡倀を算出し抂念ベヌスに定矩される各抂念に察する属性の重みずしお付䞎する手法を提案する抂念ベヌスの特性䞊倚数の抂念の属性ずしお付䞎されおいるような抂念は参照頻床が高く各抂念を特城づける䞊で䟡倀が䜎いず考えられるそのため察数文曞頻床である$\mathit{idf}$の考え方に基づき少数の抂念にしか属性ずしお付䞎されおいない抂念の䟡倀を重芁芖するこずを目的ずしおいる抂念ベヌスにおける抂念䟡倀ずしお情報怜玢などの分野で広く利甚されおいる$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$に基づく抂念䟡倀算出手法に぀いお述べる本論文では特に$\mathit{idf}$の考え方を基に抂念䟡倀の算出を行う$\mathit{idf}$ずは皀に出珟する語は重芁であるずいう芳点に基づいた情報䟡倀である䞀般に$\mathit{idf}$は以䞋の匏によっお算出される\begin{equation}\mathit{idf}(t)=\log\frac{N}{\mathit{df}(t)}\end{equation}ここで$N$は怜玢察象ずなる文曞集合䞭の党文曞数$\mathit{df}(t)$は語$t$が出珟する文曞数である$\mathit{idf}$はある語が少数の文曞にしか出珟しない堎合においお倧きな倀ずなり党おの文曞に出珟するような語は最小の倀ずなる䞀般に怜玢察象ずなる文曞数は膚倧であり察数をずるこずでその分垃を抑制しおいる本論文で察象ずしおいる抂念ベヌスは$n$次元の属性連鎖集合で定矩されおおり芋出し語を起点ずし$n$次元たでの属性集合を取埗するこずが可胜であるしたがっお抂念ベヌスに定矩される党芋出し語数玄12䞇語を仮想的な党文曞数ずしある抂念$A$が12䞇語の抂念の䞭で属性ずしお参照されおいる芋出し語数を仮想的な抂念$A$の出珟文曞数ずみなすこずができるしたがっお抂念ベヌスにおける擬䌌的な$\mathit{idf}$を以䞋の匏によっお定矩する\begin{equation}V\_\mathit{CB}_{(n)}(t)=\log_2\frac{N_{\mathit{all}}}{\mathit{df}(t)}\label{idf-base}\end{equation}このずき$N_{\mathit{all}}$は抂念ベヌスに定矩される党抂念数である玄12䞇$\mathit{df}(t)$は語$t$を$n$次属性内に属性ずしお保持しおいる抂念数であるなお䞀般に$\mathit{idf}$を算出する際の抑制関数ずしお垞甚察数が甚いられおいるこれは情報怜玢やテキストマむニングなどで察象ずする文曞数が数億から数十億ずいった巚倧な芏暡の文曞を゜ヌスずしおいるためである䞀方本論文で扱う抂念ベヌスは玄12䞇語の仮想的な文曞集合であり垞甚察数を甚いるこずによっお抑制幅が倧きくなり各倀の分垃が高密床に圧瞮されるため察数の底は2ずしおいるこのように$\mathit{idf}$の考え方に基づき$n$次の属性集合を甚いお擬䌌的に算出する抂念䟡倀を$V\_\mathit{CB}_{(n)}$ず定矩する\subsubsection{初期属性重みの付䞎}\label{shoki-omomi}本論文では属性関連床を甚いお各抂念に付䞎された属性に重みを算出する手法を提案するそのため属性関連床を算出するために各抂念に付䞎される属性には属性重みが付䞎されおいる必芁がある属性関連床を算出するための初期属性重みずしお疑䌌$\mathit{tf}$ず$V\_\mathit{CB}_{(1)}$による重み付けを行う匏\ref{shoki-zokuseiomomi}\begin{equation}w(A,a)=p\_\mathit{tf}(A,a)\timesV\_\mathit{CB}_{(1)}(a)\label{shoki-zokuseiomomi}\end{equation}$w(A,a)$は抂念$A$に察する属性候補$a$の属性重み$p\_\mathit{tf}(A,a)$は抂念$A$に察する属性候補$a$の疑䌌$\mathit{tf}$倀$V\_\mathit{CB}_{(1)}(a)$は属性候補を新聞蚘事から収集し疑䌌$\mathit{tf}$を各抂念に察する属性候補に付䞎した埌に疑䌌$\mathit{tf}$倀が0.0ずなった属性候補を陀去した抂念ベヌスでの䞀次属性を甚いた$a$の抂念䟡倀である\subsection{属性関連床}\label{kinji-shinraido}抂念ベヌスに定矩される任意の抂念ず抂念の関連床を抂念関連床ず呌ぶこずに察し「抂念—属性」の関係にある抂念同士の抂念関連床を特に属性関連床($\mathit{AR}$)ず呌ぶ属性関連床は抂念関連床ず同様に各抂念に付䞎される属性に察しお属性重みが付䞎されるこずにより算出される各属性に重みが付䞎されおいない限りは属性関連床を算出できないため\ref{shoki-omomi}節に述べた手法により重みを付䞎し抂念$A$に察する属性$a_i$の属性関連床を算出しおいる匏\ref{zokusei-kanrendo}\begin{equation}\mathit{AR}(A,a_i)=\mathit{MR}(A,a_i)\label{zokusei-kanrendo}\end{equation}たた属性関連床を甚いお新聞蚘事から拡匵した抂念ベヌスの属性の粟錬を行う新聞蚘事から「抂念—属性」の関係を抜出した堎合囜語蟞曞など定矩的な情報源から抜出する堎合ず比范するず属性ずしおの信頌性が䜎䞋するそのため初期属性重みを基に属性を粟錬する必芁がある新聞蚘事からの属性拡匵を行っおいるが前提条件ずしお基本抂念ベヌスを䜿甚しおいるため粟錬に際しおは図\ref{fig:270-590}に瀺した500組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタを甚いお基準抂念$X$に察し無関連の抂念である抂念$C$の平均倀すなわち基本抂念ベヌスにおける$\mathit{MR}(X,C)$の平均倀(0.02)を閟倀ずし属性を遞別しおいるこのずき拡匵した抂念ベヌスは抂念総数玄12䞇属性総数玄250䞇各抂念に察し平均玄30属性が付䞎された\subsection{属性関連床ず抂念䟡倀に基づく重み付䞎手法}\label{shin-omomi}$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法ではある限られた領域内に頻出する語は重芁であるずいう考え方に基づく$\mathit{tf}$ず党文曞集合においお皀に出珟する語は重芁であるずいう考え方に基づく$\mathit{idf}$を乗じるこずによっお各キヌワヌドの重みを算出しおいる䞀方本論文では$\mathit{idf}$の考え方に基づく抂念䟡倀を定量的に算出するこずは可胜であるが出珟頻床の情報に基づく$\mathit{tf}$を算出するこずができないそのため疑䌌$\mathit{tf}$を付䞎するこずにより$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$法に準拠した手法による重み付けを行っおいるしかし疑䌌$\mathit{tf}$は3段階の倀であり詳现な重みを算出できおいるずは蚀い難いそこで疑䌌$\mathit{tf}$ず抂念䟡倀によっお重みを付䞎した抂念ベヌスを甚いお属性関連床を算出し「抂念—属性」の関連の匷さが倧きいほどその属性は抂念にずっお重芁な属性であるず考え属性関連床($\mathit{AR}$)ず抂念䟡倀($V\_\mathit{CB}_{(n)}$)を乗じた倀を重みずしお付䞎する具䜓的には抂念$A$の属性$a_i$の重み$u_i$を以䞋の匏で定矩する\begin{equation}u_i=\mathit{AR}(A,a_i)\timesV\_\mathit{CB}_{(n)}(a_i)\end{equation}本論文で提案する属性関連床ず抂念䟡倀による重み付䞎手法では\ref{kihon-make}節で䜜成された抂念ベヌスぞの実隓による重み付䞎手法ずは異なり各属性の重みが離散倀ではなく連続倀をずるこずに特城がある \section{$X$-$\mathit{ABC}$関連床評䟡法を甚いた評䟡実隓} \ref{hyouka}節に述べた$X$-$\mathit{ABC}$関連床評䟡法を甚いお拡匵した抂念ベヌスの性胜評䟡を行った評䟡甚デヌタずしお倚数の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタを準備し3名の被隓者により目芖評䟡を行い3名党員が正しいず刀定した1780組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタを採甚した実隓に際しおは初期属性重みを付䞎した抂念ベヌスに察し属性関連床ず抂念䟡倀を$V\_\mathit{CB}_{(1)}\simV\_\mathit{CB}_{(4)}$たで展開した倀をそれぞれ重みずしお付䞎した抂念ベヌスの性胜比范を行ったたた本論文では属性関連床ず抂念䟡倀を乗じ重みを付䞎するため再垰的に重みを算出するこずが可胜であり再垰的に重みを付䞎した堎合のC平均順序正解率の動向を調査した最埌に基本抂念ベヌスず拡匵した抂念ベヌスの性胜比范ずしお500組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタず1780組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタを甚いお性胜評䟡を行った\subsection{属性関連床ず抂念䟡倀による重み付䞎手法の怜蚌}\ref{shoki-omomi}節においお䜜成した初期属性重みを付䞎した抂念ベヌスず\ref{shin-omomi}節においお䜜成した抂念ベヌスの性胜比范を行った初期属性重みに関しおは疑䌌$\mathit{tf}$が0.0ずなった属性候補を陀去し残った属性候補のみを甚いお抂念䟡倀を算出し重みずしお付䞎しおいる匏\ref{idf-base}たた属性関連床ず抂念䟡倀による重み付䞎手法では初期属性重みを甚いお算出した属性関連床を基に属性関連床が$0.02$に満たない属性候補を陀去し1次属性から算出した抂念䟡倀から4次属性たで抂念ベヌスを属性連鎖によっお展開し算出した抂念䟡倀を甚いお重みを付䞎した抂念ベヌスを構築した図\ref{fig:shoki-kanrendo-comp}にそれぞれのC平均順序正解率を瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f6.eps}\caption{初期属性重みず属性関連床$\times$抂念䟡倀}\label{fig:shoki-kanrendo-comp}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:shoki-kanrendo-comp}から雑音属性の陀去を行った埌に2次属性たで各抂念を属性連鎖によっお展開した際に取埗される抂念䟡倀$V\_\mathit{CB}_{(2)}$ず属性関連床を乗じ重みを付䞎した堎合が最高ずなり71.2\%ずなった以降の怜蚌では属性関連床ず抂念䟡倀$V\_\mathit{CB}_{(2)}$を乗じた重みを付䞎した抂念ベヌスを拡匵抂念ベヌスず定矩し拡匵抂念ベヌスを甚いお実隓を行った\subsection{属性関連床を繰り返し算出した重み付䞎手法の怜蚌}属性関連床ず抂念䟡倀に基づく重み付䞎手法は算出された重みを基に再床属性関連床を算出するこずによっお再垰的に重みを付䞎するこずが可胜であるすなわち拡匵抂念ベヌスに付䞎された重みを基に属性関連床を算出し抂念䟡倀を乗じた重みを付䞎するこずができるこのような操䜜を繰り返すこずによっおC平均順序正解率にどのような倉動が芋られるかを調査した図\ref{reverse}に結果を瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f7.eps}\caption{再垰的に重みを付䞎した堎合のC平均順序正解率}\label{reverse}\end{center}\end{figure}図\ref{reverse}では巊から順に拡匵抂念ベヌスを甚いお属性関連床を算出し抂念䟡倀を乗じた重みを付䞎した抂念ベヌス(first)firstを甚いお属性関連床を算出し抂念䟡倀を乗じた重みを付䞎した抂念ベヌス(second) ず順に4回目の繰り返したで瀺しおいる図\ref{reverse}から再垰的に重みを付䞎するこずは可胜であるが埐々にC平均順序正解率が䜎䞋するこずが分かるすなわち再垰的に重みを付䞎しおもC平均順序正解率の向䞊は芋蟌めないこずが分かる\subsection{基本抂念ベヌスず拡匵抂念ベヌスの性胜比范}本論文では新聞蚘事から抂念ベヌスを拡匵する手法に぀いお論じおいるが拡匵のベヌスずなる基本抂念ベヌスに定矩される抂念に぀いお拡匵するこずによっお基本抂念ベヌス郚分の性胜にどのような倉化が芋られるかを怜蚌した怜蚌には基本抂念ベヌスに定矩されおいる抂念のみで構成された$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタ500組ず基本抂念ベヌスに未定矩の抂念も含む1780組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタを甚いた実隓結果を図\ref{kihon-kakucho}に瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia2f8.eps}\caption{基本抂念ベヌスず拡匵抂念ベヌスの性胜比范}\label{kihon-kakucho}\end{center}\end{figure}図\ref{kihon-kakucho}から基本抂念ベヌスに定矩されおいる抂念に぀いお54.8\%から73.2\%ぞC平均順序正解率を向䞊させたこずが分かるたた基本抂念ベヌスに定矩されおいない抂念も含む$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタに぀いおは基本抂念ベヌスでは抂念関連床を正しく算出するこずができない抂念に぀いお拡匵抂念ベヌスによっお察応を可胜ずしたため察応語圙数の拡匵に成功しおいるこずが分かる基本抂念ベヌスでは1780組の$X$-$\mathit{ABC}$評䟡甚デヌタに察応できずC平均順序正解率が7.4\%ずなり拡匵によっお察応語圙数が拡倧したこずによる有効性が瀺されおいる\subsection{考察}怜蚌実隓により基本抂念ベヌスの性胜を倧幅に向䞊し察応できる語圙数を拡匵しおも拡匵抂念ベヌスの基本抂念ベヌス盞圓郚分における性胜もたた元々基本抂念ベヌスに定矩されおいた抂念ず同等の性胜で抂念関連床を算出するこずが可胜ずなったず蚀えるすなわち本論文で提案した手法を甚いお基本抂念ベヌスを新聞蚘事によっお拡匵し属性関連床ず抂念䟡倀を甚いた重み付䞎手法によっお構築した拡匵抂念ベヌスは有効であるこずが瀺されたず蚀える \section{おわりに} 人間ずコンピュヌタの自然な䌚話を実珟するにはコンピュヌタに倧芏暡の語に぀いお類矩語のみならず幅広い関連語を連想できる機胜を持たせるこずが必須ずなるこの連想機胜により䌚話においお知らない語を知っおいる語に眮き換え文の意味を理解しさらに入力文に含たれる語から応答にふさわしい語を想起するこずにより自然な応答文を䜜り出すこずが可胜ずなる本論文では12䞇語を超える倧芏暡抂念ベヌスを構築するため電子化蟞曞の語矩説明文からだけではなく電子化新聞等察象語抂念を含む䞀般的な情報文から倚数の属性候補語を収集しそれらを属性関連床ず抂念䟡倀に基づく属性重み付䞎法により粟錬し適切な属性語を遞出する方匏を提案したこの方匏では流行語など電子化囜語蟞曞にも掲茉されおいない新抂念に぀いおもWEBのホヌムペヌゞを䜿い逐次拡匵が可胜ずなるたた提案方匏で構築した倧芏暡抂念ベヌス12䞇語を甚いた関連床評䟡実隓により拡匵された抂念に関しおも4䞇語芏暡抂念ベヌス以䞊の性胜が埗られるこずを瀺したただし提案手法では固有名詞ず甚蚀に関しおは十分な属性を獲埗するこずが出来ず今埌の課題ずしお察応が必芁である固有名詞に぀いおは抂念ベヌスずは別に人名蟞兞䌁業名蟞兞地名蟞兞などの蟞兞類の知識ベヌス化による察凊たた甚蚀に぀いおは倧芏暡な栌フレヌム蟞曞\cite{kawahara2005,kawahara2006}の利甚による察凊を考えおいる\acknowledgment本研究は文郚科孊省からの補助を受けた同志瀟倧孊の孊術フロンティア研究プロゞェクトにおける研究の䞀環ずしお行った\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{広瀬\JBA枡郚\JBA河岡}{広瀬\Jetal}{2002}]{hirose2002}広瀬幹芏\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ抂念間ルヌルず属性ずしおの出珟頻床を考慮した抂念ベヌスの自動粟錬手法\JBCQ\\newblock信孊技報,電子情報通信孊䌚,NLC2001-93,109--116.\bibitem[\protect\BCAY{笠原\JBA束柀\JBA石川}{笠原\Jetal}{1997}]{kasahara1997}笠原芁\JBA束柀和光\JBA石川勉\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQ囜語蟞曞を利甚した日垞語の類䌌性刀別\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf38}(7),\mbox{\BPGS\1272--1283}.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA黒橋}{河原\JBA黒橋}{2005}]{kawahara2005}河原倧茔\JBA黒橋犎倫\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ栌フレヌム蟞曞の挞次的自動構築\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\109--131}.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA黒橋}{河原\JBA黒橋}{2006}]{kawahara2006}河原倧茔\JBA黒橋犎倫\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ高性胜蚈算環境を甚いたWebからの倧芏暡栌フレヌム構築\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚,情報凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{川島\JBA石川}{川島\JBA石川}{2005}]{Kawashima2005}川島貎広\JBA石川勉\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ蚀葉の意味の類䌌性刀別に関するシ゜ヌラスず抂念ベヌスの性胜評䟡\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌20å·»5号B},\mbox{\BPGS\326--336}.\bibitem[\protect\BCAY{小島\JBA枡郚\JBA河岡}{小島\Jetal}{2002}]{kojima2004}小島䞀秀\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ連想システムのための抂念ベヌス構成法-属性信頌床の考え方に基づく属性重みの決定\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf9}(5),\mbox{\BPGS\93--110}.\bibitem[\protect\BCAY{小島\JBA枡郚\JBA河岡}{小島\Jetal}{2004}]{kojima2004a}小島䞀秀\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ連想システムのための抂念ベヌス構成法-語間の論理関係を甚いた属性拡匵\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(3),\mbox{\BPGS\21--38}.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞}{埳氞}{1999}]{tokunaga1999}埳氞健䌞\JED\\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{情報怜玢ず蚀語凊理}.\newblock東京倧孊出版䌚.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA河岡}{枡郚\JBA河岡}{2001}]{watabe2001}枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ垞識的刀断のための抂念間の関連床評䟡モデル\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf8}(2),\mbox{\BPGS\39--54}.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA奥村\JBA河岡}{枡郚\Jetal}{2006}]{watabe2006}枡郚広䞀\JBA奥村玀之\JBA河岡叞\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ抂念の意味属性ず共起情報を甚いた関連床蚈算方匏\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\53--74}.\bibitem[\protect\BCAY{吉村\JBA土屋\JBA枡郚\JBA河岡}{吉村\Jetal}{2006}]{yoshimura2006}吉村枝里子\JBA土屋誠叞\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ連想知識メカニズムを甚いた挚拶文の自動拡匵方匏\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\117--141}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{奥村玀之}{2003幎同志瀟倧孊工孊郚知識工孊科卒業2005幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士前期課皋修了同倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士埌期課皋圚孊知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{土屋誠叞}{2000幎同志瀟倧孊工孊郚知識工孊科卒業2002幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士前期課皋修了同幎䞉掋電機株匏䌚瀟入瀟2007幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科知識工孊専攻博士埌期課皋修了同幎埳島倧孊倧孊院゜シオテクノサむ゚ンス研究郚助教工孊博士䞻に知識凊理抂念凊理意味解釈の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{枡郚広䞀}{1983幎北海道倧孊工孊郚粟密工孊科卒業1985幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了1987幎同粟密工孊専攻博士埌期課皋䞭途退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1994幎同志瀟倧孊工孊郚専任講垫1998幎同助教授工孊博士䞻に進化的蚈算法コンピュヌタビゞョン抂念凊理などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚システム制埡情報孊䌚粟密工孊䌚各䌚員}\bioauthor{河岡叞}{1966幎倧阪倧孊工孊郚通信工孊科卒業1968幎同倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟情報通信網研究所知識凊理研究郚長NTTコミュニケヌション科孊研究所所長を経お珟圚同志瀟倧孊工孊郚教授工孊博士䞻にコンピュヌタネットワヌク知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚IEEE(CS)各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V26N02-07
\section{はじめに} \label{sect:introduction}日本語の構文解析は暙準的に文節間の䟝存関係により構成される構造「文節䟝存構造」あるいは文節係り受け構造に基づいお行われおきた特にCaboCha~\cite{Kudo:2002:CoNLL}やKNP~\cite{Kawahara:2006:HLTNAACL}に代衚される文節䟝存構造に基づく解析噚は高い解析粟床を実珟しお広範に利甚され日本語の自然蚀語凊理党般の発展に倧きく寄䞎しおきたしかしながら文節䟝存構造による構文構造の衚珟には2぀の問題点があるこずが指摘されおいる~\cite{Butler:2012:ANLP,Tanaka:2013:SPMRL}䞀぀は䟝存構造の単䜍が構文の構成玠(constituent)\footnote{本論文では名詞句動詞句などの「句」の単䜍を指す}ず敎合しないこずもう䞀぀は栌関係\footnote{「誰が」「䜕を」「䜕に」ず動詞などで衚される名詞ず述語の関係}や連䜓修食節の皮別\footnote{名詞を修食する節ず名詞ずの関係の皮類を瀺す䟋えば「昚日芋た-倢」では「倢」は「芋る」の察象になっおいるが「月に行った-倢」では「月に行った」は「倢」の内容になっおいるなど関係の違いを衚す}などの統語情報以䞋文法機胜情報ず呌ぶを䟝存構造の䞭に埋め蟌むこずが困難なこずであるこれらの問題点は述語項構造解析などの構文構造ず密接な関係を持぀凊理や機械翻蚳における事前䞊べ替え~\cite{Hoshino:2019:IPSJ}や倚蚀語間の質問応答など他の蚀語ずの察応付けが必芁な凊理で䞍郜合を生じる芁因ずなる本論文では構文の構成玠ず敎合する単䜍に基づき文法機胜情報を埋め蟌むこずが可胜なこずを特城ずする単語䟝存構造解析に基づく構文解析を提案する以䞋では文節䟝存構造解析の2぀の問題点を述語項構造解析ずの関係を䟋に具䜓的に説明し我々の解決手段の抂芁に぀いお述べる䞀぀目の䟝存構造の単䜍ず構文の構成玠ずの䞍敎合は構文解析結果の郚分構造䞀぀以䞊の文節が結合した単䜍が名詞句や動詞句などの構文の構成玠ず必ずしも䞀臎しないずいうこずである䟋えば次の文(\ref{ex-coordination-ja1})のように文節を単䜍ずしお衚珟された文から述語項構造を抜出するこずを考える\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-ja1}\gll$_{b1}$圌が$\mid_{b2}$飲んだ$\mid_{b3}$ワむンず$\mid_{b4}$酒の$\mid_{b5}$リスト\\{}\textit{he}{\scriptsizeNOM}{}\textit{drink}{\scriptsizePAST}{}\textit{wine}{\scriptsizeCONJ}{}\textit{sake}{\scriptsizeGEN}{}\textit{list}\\\end{exe}\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-ja1-const}\lb{NP}\lb{NP}圌が飲んだ\lb{NP}ワむンず酒\rb{}\rb{}のリスト\rb{}\\\end{exe}文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節䟝存構造には4぀の䟝存構造係り受け構造—䞊列構造を含む䟝存構造$b3$--$b4$ず䞊列構造を含たない䟝存構造$b1$--$b2$$b2$--$b4$ず$b4$--$b5$—が存圚しおいるたた文(\ref{ex-coordination-ja1})には文(\ref{ex-coordination-ja1-const})で衚されるように「ワむンず酒」「圌が飲んだワむンず酒」「圌が飲んだワむンず酒のリスト」の3぀の名詞句が階局的に含たれおいるしかし文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節を結合しおできる単䜍は最初の2぀の名詞句のどちらずも䞀臎しないこの結果ずしお文(\ref{ex-coordination-ja1})の文節䟝存構造から述語項構造を抜出しようずしたずき述語「飲んだ」の項ずしお䞊列構造を含む名詞句である「ワむンず酒」を盎接的に取り出すこずができないこの䞍䞀臎は他の蚀語ずの察応付けを行うずきにも同様の問題を生じる䟋えば文(\ref{ex-coordination-ja1})ず察蚳関係にある文(\ref{ex-coordination-en})においお䞊列構造を含む名詞句``wineandsake''に察応付けるべき名詞句「ワむンず酒」を盎接取り出すこずができない\begin{exe}\ex\label{ex-coordination-en}\lb{NP}alistof\lb{NP}\lb{NP}wineandsake\rb{}hedrank\rb{}\rb{}\\\end{exe}もう䞀぀の問題点は文節䟝存構造では統語的に異なる構造を区別するための情報を付加するこずが困難な点であるその兞型的な䟋ずしお内の関係の連䜓修食節関係節ず倖の関係の連䜓修食節内容節や補充節の区別がある文(\ref{ex-coordination-ja1})は䞻名詞句被修食名詞句ずなる「ワむンず酒」が述語「飲む」の察栌の栌関係を持぀関係節\footnote{「ワむンや酒」-を-「飲む」ずいう関係を持぀}を含み文(\ref{ex-gapless})は䞻名詞句「理由ず事情」が述語ずの栌関係がない倖の関係の連䜓修食節内容節\footnote{「飲む」-ずいう-「理由や事情」ずいう関係を持぀}を含んでいる\begin{exe}\ex\label{ex-gapless}\glln$_{b1}$圌が$\mid_{b2}$飲んだ$\mid_{b3}$理由ず$\mid_{b4}$事情の$\mid_{b5}$説明\\{}he{\scriptsizeNOM}{}drink{\scriptsizePAST}{}reason{\scriptsizeCONJ}{}situation{\scriptsizeGEN}{}explanation\\\end{exe}述語項構造を抜出する芳点では文(\ref{ex-coordination-ja1})の名詞句「ワむンず酒」は述語「飲む」の項ずしお抜出するが文(\ref{ex-gapless})の名詞句「理由ず事情」は項ずしお抜出しないこのような連䜓修食節の違いを区別するためには䟝存構造に文法機胜情報を付加しおそれぞれの統語的な機胜を衚瀺するこずが考えられるしかし文節䟝存構造の堎合䞻名詞句ず文節の結合単䜍が䞀臎しないため文(\ref{ex-coordination-ja1})文(\ref{ex-gapless})それぞれの文節$b2$ず$b4$の間の䟝存構造に文法機胜情報を付加しおも述語ず䞻名詞句の間の関係を適切に衚瀺しおいるずは蚀い難い我々は以䞊のような埓来の文節䟝存構造における問題点を解決するこずを目的ずしお日本語においお構文の構成玠を適切に扱い文法機胜情報を明瀺的に扱うこずのできる単語単䜍の䟝存構造による構文解析を提案する単語䟝存構造ではあらかじめ文節のような固定したチャンクを䟝存構造の単䜍ずしお蚭定するのではなく党おの関係を単語単䜍の結合した構造ずしお衚珟するこずにより構文構造を柔軟に衚珟するこずを可胜にする構文の構成玠ずの敎合性を考慮するには句構造による構文解析が有力な遞択肢ず考えられるが日本語の柔軟な語順ぞの察応のしやすさや文節䟝存構造のアノテヌションからの移行のしやすさの点から䟝存構造を採甚したただし䟝存構造の蚭蚈は構文の構成玠に基づいた構造および文法機胜情報を衚しおいる句のラベル非終端蚘号を持぀こずを特城ずする句構造を芏範ずしお句構造の構造・情報を䟝存構造に倉換する圢で行った本論文で提案する単語䟝存構造では文(\ref{ex-coordination-ja1})に含たれる「ワむンず酒」ずいう䞊列構造は\Fig{fig:ex-coordination-conjunction}の䞊の䟋のように衚珟する\footnote{本論文ではUniversalDependencies\cite{McDonald:2013:ACL,Nivre:2015:CICLing}やStanfordtypeddependencies\cite{DeMarneffe:2014:LREC}ず同様に䞻蟞を起点ずしお埓属郚に向かう方向の矢印により䟝存構造を衚す}$^{,}$\footnote{埌述するように6皮類の䟝存構造の構成の仕方スキヌマを提案する}すなわち「ワむン」ず「酒」ずいう単語からなる䟝存構造に察しお文法機胜情報を衚すラベル以䞋文法機胜タむプ「䞊列」を付加するこずによりそれぞれの単語を䞻蟞ずする構文芁玠からなる䞊列構造が存圚するこずを瀺しおいるたた「ワむンず酒」ずいう名詞句は「ワむン」「ず」「酒」の3語から構成される䟝存構造の塊ず察応付けるこずができるたた文(\ref{ex-coordination-ja1})ず文(\ref{ex-gapless})の区別は\Fig{fig:ex-coordination-conjunction}のように䞻名詞の䞻蟞ずなる単語ず連䜓修食節の䞻蟞ずなる述語の間の関係に「関係節」や「内容節」のような文法機胜タむプを付加するこずで実珟できる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f1.eps}\end{center}\hangcaption{単語単䜍の䟝存構造による構文構造の衚瀺䟋䞊䞊列の名詞句ず内の関係の連䜓修食節関係節を含む文(\ref{ex-coordination-ja1})䞋䞊列の名詞句ず倖の関係の連䜓修食節内容節を含む文(\ref{ex-gapless})}\label{fig:ex-coordination-conjunction}\end{figure}日本語の単語䟝存構造には他に倚蚀語間で共通の構文構造衚瀺を目指したUniversalDependencies\footnote{http://universaldependencies.github.io/docs/}以䞋UD\cite{McDonald:2013:ACL,DeMarneffe:2014:LREC,Nivre:2015:CICLing}の日本語仕様\cite{Kanayama:2015:ANLP,Tanaka:2016:LREC,Asahara:2019:JNLP}があるUDの䞻目的は倚蚀語間での仕様の共通化であるため各蚀語の特城的な蚀語珟象に察するアノテヌションは捚象される傟向があり䟋に挙げた関係節ず内容節の区別も行わない本研究はUDぞの察応は芖野に入れ぀぀も䞻県は日本語においお重芁ず考えられる文法機胜情報を衚瀺可胜な単語䟝存構造を実珟するこずである単語䟝存構造による構文解析は文節䟝存構造の課題を解決できる䞀方構文解析噚により自動解析を行う芳点で芋るず文節䟝存構造ず比范しお䟝存関係を結ぶ組合せの数が増倧するため解析粟床ぞの圱響が懞念されるたた日本語の単語䟝存構造ずしおどのような構造が適切であるかすなわち䟝存構造の䞻蟞をどのように決定すれば良いのかは自明ではない森らは単語間に䟝存構造を付䞎した倧芏暡なコヌパスを構築しお構文解析噚の孊習デヌタずしお適甚した結果ずしお90\%以䞊の粟床が埗られたこずを報告しおいる~\cite{Mori:2014:LREC}森らの䟝存構造は文節䟝存構造ず同様に埌方の語が䞻蟞ずなる単䞀方向の䟝存構造から構成されるが本論文で提案する単語䟝存構造のように䞡方向の䟝存構造が含たれる堎合の解析粟床ぞの圱響を怜蚌する必芁があるたた䟝存構造に付䞎された文法機胜タむプが解析噚によりどの皋床再珟可胜であるのかも確認する必芁がある以䞋\Sect{sect:relatedwork}で関連する研究に぀いお述べ\Sect{sect:design-of-typed-dependencies}で日本語の文法機胜タむプ付き単語䟝存構造の蚭蚈に぀いお説明し\Sect{sect:corpus}で実際に行ったコヌパスの構築に぀いお述べる\Sect{sect:evaluation}では䟝存構造の単䜍や構造の異なる単語䟝存構造デヌタから構文解析モデルを構築しそれらの違いが構文解析の粟床に䞎える圱響や文法機胜タむプから埗られる述語項構造情報の粟床に぀いお評䟡実隓を行った結果に぀いお述べる\Sect{sect:problems}で単語䟝存構造においお怜蚎すべき課題に぀いお述べる \section{関連研究} \label{sect:relatedwork}日本語の構文構造に文法機胜情報を衚瀺する研究ずしおは語圙化文法に基づくものがある䞻蟞駆動型句構造文法(Head-drivenPhraseStructureGrammar,HPSG)~\cite{Sag:2003}がその代衚的なものであり理論的に粟緻な日本語の文法JPSG(JapanesePhraseStructureGrammar)を提案したGunjiらの研究\cite{Gunji:1987}話し蚀葉を察象に実甚的な文法を構築しお解析噚を実珟したNagataらの研究~\cite{Nagata:1993:IEICE}広い蚀語珟象をカバヌし意味衚珟MRS(MinimalRecursionSemantics)~\cite{Copestake:2005:LRC}ず統合した文法JACYを構築したSiegelらの研究~\cite{Siegel:2002:WS}JACYに基づいお倧芏暡なツリヌバンクおよび構文解析噚のモデルを構築したBondらの研究~\cite{Bond:2008:LRE}などがあるHPSGの他に日本語の語圙機胜文法(LexicalFunctionGrammar,LFG)\cite{Kaplan:1982:MRGR}を構築した増垂らの研究\cite{Masuichi:2003:JNLP}日本語の組合せ範疇文法(CombinatoryCategorialGrammar,CCG)を提案した戞次の研究~\cite{Bekki:2010},その文法に基づいたツリヌバンクを既存の文節䟝存構造コヌパスず述語項構造デヌタから構築したUematsuらの研究~\cite{Uematsu:2013:ACL}などがあるこれらのアプロヌチでは統語情報意味情報語甚情報等を統合した粟緻な情報を扱えるこずが倧きな利点であるが解析は基本的に単䞀化に基づく方法で行われ高い蚈算コストを必芁ずするたた文節䟝存構造に比范するずアノテヌションコストが高いため倧芏暡なデヌタが構築しにくくたた察象ドメむンに察しお新たにコヌパスを甚意するのも容易ではない語圙化文法に基づく方法に比范しお蚈算コストアノテヌションコスト䞡面で軜量でか぀文法機胜情報を掻甚できる解析の枠組みずしお文脈自由文法(ContextFreeGrammar,CFG)によるもの䟝存構造文法によるものがある日本語のCFGを構築しお解析噚を実装評䟡したものずしおはNoroらの研究~\cite{Noro:2005:SYM}があるが圌らの研究では前節に挙げたような連䜓修食節の区別や述語項構造の情報は扱っおいないTanakaらは非終端蚘号ずしおこれらの文法機胜情報を組み蟌んだ句構造朚ツリヌバンクを構築しお確率自由文脈文法(ProbablisticContextFreeGrammar,PCFG)の構文解析モデルを評䟡した結果文節䟝存構造解析盞圓の粟床を維持しながら文法機胜タむプを扱えるこずを報告しおいる~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}たたButlerらはPenn通時コヌパスの芏玄に埓いより詳现な句構造コヌパスKeyakiTreebankを構築し\cite{Butler:2012:WS}PCFGによる構文解析を行った結果に぀いおも報告しおいる\cite{Fang:2014:ANLP}しかし日本語の句構造朚の構築は埓来の文節䟝存構造の構築よりも難易床が高いためドメむン適甚のためのデヌタを構築する障壁ずなる可胜性がある単語䟝存構造はアノテヌションを行う芳点からするず同じ䟝存構造である文節䟝存構造に近く句構造朚の構築に比范しお䜎いアノテヌションコストで様々なドメむンのデヌタが構築しやすいず考えられる日本語の単語単䜍の䟝存構造解析に぀いおは森らが珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス\cite{Maekawa:2014:LRE,Den:2008:LREC}で定矩されおいる短単䜍をベヌスずしお\footnote{動詞圢容詞等甚蚀は短単䜍を語基ず掻甚語尟でさらに分割しおいる}倧芏暡なコヌパスを構築しおいる\cite{Mori:2014:LREC}圌らのコヌパスでは単語間の文法機胜タむプのアノテヌションはなく文法機胜情報を獲埗するためには別のデヌタを準備するこずが必芁になる他にUchimotoらは日本語の話し蚀葉を察象ずしお䞻に蚀い淀みやフィラヌ等の文節䟝存構造ではうたく衚珟が行えない珟象に察しお単語間の䟝存構造を定矩しおいるが~\cite{Uchimoto:2008:LREC}詳现な文法機胜を区別するための仕組みは考慮されおいない文法機胜タむプを持぀単語䟝存構造で構文構造を衚珟する方法は英語等では広く䜿われおおり䞭でもStanfordtypeddependencies以䞋SD\cite{DeMarneffe:2008:COLINGWS}が代衚的なアノテヌションスキヌマずなっおいる日本語の文法機胜タむプは暙準的な文節䟝存構造では扱われおいないため我々はSDで甚いられおいる文法機胜タむプを参考にしお新たに定めたただし述語項構造情報を抜出するために必芁になる情報など日本語の構文構造を衚珟するのに䞍足しおいる情報があるため日本語の文法的特城が付䞎されおいる句構造朚の非終端蚘号を倉換するずいう方針により必芁な情報を衚珟できるように拡匵した\footnote{䟋えば「内の関係」ず「倖の関係」の連䜓修食節の区別を衚珟できるように文法機胜タむプを现分化した}句構造は各郚分朚が構文の構成玠ず䞀臎するこずからも構造の倉換元ずするこずに適しおいる本論文では提案する単語䟝存構造に基づく最初のコヌパスの構築を既存コヌパスの句構造朚に付䞎された情報を単語䟝存構造に倉換するこずで行い倉換された構文朚を孊習デヌタずするこずで解析噚を実珟した\Sect{sect:introduction}で述べた倚蚀語暪断で共通の構文構造衚瀺を目指すスキヌマであるUDはSDを拡匵したものであり日本語UDの仕様も策定されコヌパスの構築が行われおいる(金山他2015;Tanakaetal.2016;浅原他2019)\nocite{Kanayama:2015:ANLP,Tanaka:2016:LREC,Asahara:2019:JNLP}前述したようにUDでは蚀語特有の文法機胜情報はアノテヌションされない傟向があるが本研究の日本語の単語䟝存構造の蚭蚈をUDに必芁な情報を包含する圢で行うこずにより我々の単語䟝存構造をUDに倉換するこずが可胜であるず考える䟋えば文法機胜タむプに関しおは\Sect{sect:dependency-type}に述べるようにUDより现かいタむプを採甚しおおりタむプを統合するこずによりUDぞの察応付けが可胜である \section{日本語文法機胜タむプ付き䟝存構造の蚭蚈} \label{sect:design-of-typed-dependencies}本節では(a)構文の構成玠ず敎合する郚分構造から構成される(b)日本語の文法機胜情報を衚す文法機胜タむプを持぀ずいう2点を満たす日本語の文法機胜タむプ付き単語䟝存構造の蚭蚈に぀いお述べる蚭蚈はこの2぀の条件を満たしおいる句構造を芏範ずしお朚の構造ず各句の非終端蚘号が持぀文法機胜情報を単語䟝存構造ぞ倉換するずいう方針に基づいお行った句構造はTanakaらの句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}を甚いたその方針の䞊で具䜓的に(1)䟝存構造を構成する単䜍を䜕にするか(2)日本語の構文構造に適切な䟝存構造をどのように定矩するか(3)どのような文法機胜タむプ䟝存関係タむプを定矩するかの3点を定める必芁がある我々は(1)を埌述する長単䜍に(2)は句構造からの倉換芏則の違いにより6皮類の䟝存構造スキヌマを考え(3)を句構造の非終端蚘号から倉換した35皮類の文法機胜タむプに定めた\Sect{sect:evaluation}では本節で定めた䟝存構造の単䜍䟝存構造スキヌマの解析粟床に䞎える圱響および文法機胜タむプの有効性を調べるために行った評䟡実隓に぀いお述べる以降では(1)から(3)のそれぞれに぀いお述べる\subsection{䟝存構造の単䜍}\label{sect:parsingunit}䟝存構造の構成する単䜍を「単語」ずする堎合その単語の定矩を䜕にするかは党䜓蚭蚈に倧きな圱響を䞎える本論文では揺れが小さく斉䞀な単䜍ずしお珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス以䞋BCCWJ\cite{Maekawa:2014:LRE,Den:2008:LREC}で採甚されおいる短単䜍(ShortUnitWord,SUW)を基瀎ずしお考える短単䜍は基準がわかりやすくアノテヌション䜜業においおも揺れが少ない取り出した単䜍が文脈から離れすぎない\cite{Ogura:2007:ANLP}ずいう長所があり単語に぀いおの詳现な情報を保持する解析凊理の最小単䜍ずしお適しおいる䞀方で統語的な基本単䜍ずしお䟝存構造を構成するには短過ぎる傟向がある䟋えば「かもしれない」のような機胜語盞圓の働きを持぀耇合蟞は短単䜍では「か」「も」「しれ」「ない」の4語に分割されるがこれらの間の䟝存関係を衚珟しおもあたり意矩のある関係は含たれないそこで同じくBCCWJで採甚されおいる長単䜍(LongUnitWord,LUW)を䟝存構造を構成する単䜍ずしお採甚する長単䜍は粗く蚀えば䞀぀の文節内を1語の内容語ず0語以䞊の機胜語に分割した際の内容語連続した機胜語の結合をそれぞれ1単䜍ずしお定矩される長単䜍では「かもしれない」等の耇合蟞は助動詞盞圓の䞀語ずしお扱われるため重芁床の䜎い䟝存関係を扱わなくおよいずずもに構文構造を芋通しよく衚珟するこずができる衚\ref{fig:example-analyzed-sentence}に文を短単䜍長単䜍に単語分割した䟋を瀺す短単䜍ず長単䜍は階局的な関係になっおいるため長単䜍の䟝存構造に基づく構文解析を行う堎合にもそれぞれの長単䜍を構成する短単䜍の情報も解析噚の玠性ずしお甚いるこずができる\texttt{NN}\texttt{VB}などの品詞シンボルは埌述する句構造ツリヌバンクで定矩された前終端蚘号を衚しおおり\Tab{tbl:nonterminal-symbols}のようにBCCWJで定矩された品詞ず察応関係がある\begin{table}[t]\caption{単語分割結果の䟋品詞名は簡略化しお衚蚘}\label{fig:example-analyzed-sentence}\input{07table01.tex}\end{table}\begin{table}[t]\hangcaption{句構造ツリヌバンク\protect\cite{Tanaka:2013:SPMRL}で前終端蚘号ずしお甚いられおいる品詞シンボル本皿では句構造から単語䟝存構造ぞ倉換する芏則が参照}\label{tbl:nonterminal-symbols}\input{07table02.tex}\end{table}\subsection{䟝存構造スキヌマ}\label{sect:dependency-schema}日本語の文節䟝存構造では各䟝存構造を構成する文節間で基本的に右偎が䞻蟞になる構造ずしお定矩されおいる䞻蟞埌眮型しかしながら日本語においお単語間の䟝存構造を考える堎合には䞻蟞をどのように決定するかすなわちどのような䟝存構造を構成するのが適切であるかは自明ではないそこで我々は「構文解析結果の郚分構造が構文の構成玠(constituent)ず䞀臎する」芁件を満たす句構造を出発点ずしお単語䟝存構造ぞの倉換方法を考えるこずにより䟝存構造の蚭蚈を行った述語句述語ず埌続する0語以䞊の助動詞や助詞で構成される句ずその項を構成玠ずしお含むような文に察しお二぀のタむプの句構造を考える䞀぀は述語ずその項を先に結合する構造もう䞀぀は述語ず埌続する助詞助動詞などの機胜語を先に結合する構造であり本論文では前者を述語項結合型あるいは1型埌者を述語文節結合型あるいは2型ず呌ぶ\Fig{fig:predicate-conjoining-type}は同じ文を述語項結合型述語文節結合型により構成した句構造の䟋である述語項結合型は文(\ref{ex-hf1})や察応する英語の文(\ref{ex-eng1})のようにHPSG等で甚いられる生成文法的な考えに基づく構造述語文節結合型は文(\ref{ex-hf2})や察応する英語の文(\ref{ex-eng2})のような文節に類䌌した構造ず捉えるこずもできる\begin{exe}\ex\label{ex-sov}\begin{xlist}\ex\label{ex-hf1}\glln\lb{}\lb{}\lb{VP}猫が魚を食べ\rb{}\hspace{-1mm}た\rb{}\hspace{-1mm}かもしれない\rb{}\\{}{}{}SOVauxaux\\\ex\label{ex-hf2}\glln\lb{}猫が\lb{}魚を\lb{VP}食べたかもしれない\rb{}\hspace{-1mm}\rb{}\hspace{-1mm}\rb{}\\{}SOVauxaux\\\end{xlist}\ex\begin{xlist}\ex\label{ex-eng1}\glln\lb{}Thecat\lb{}mayhave\lb{VP}eatenthefish\rb{}\rb{}\rb{}.\\{}S{}{}auxaux{}V{}O\\\ex\label{ex-eng2}\glln\lb{}Thecat\lb{}\lb{VP}mayhaveeaten\rb{}thefish\rb{}\rb{}.\\{}S{}{}{}auxauxV{}O{}\\\end{xlist}\end{exe}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f2.eps}\end{center}\hangcaption{述語句の結合型の違いによる2皮類の句構造の構成四角で囲んだ\texttt{VP}は述語を含む句で優先的に結合する郚分朚の非終端蚘号を衚すその他の非終端蚘号\texttt{PP-OBJ}\texttt{IP-REL\_sbj}はそれぞれ察栌の埌眮詞句䞻栌の空所を持぀関係節を衚す}\label{fig:predicate-conjoining-type}\end{figure}これらの句構造から単語間の䟝存構造ぞ倉換するこずを考える句構造が二分朚で構成されおいる堎合を考えるず各䞭間ノヌドの分岐ごずに巊右どちらの芁玠が䞻蟞になるかを順に決定するこずで䟝存構造を構築するこずができるその際日本語の文を構成する䞻芁な芁玠である名詞句+機胜語䞻に助詞から成る埌眮詞句述語+機胜語䞻に助詞助動詞から成る述語句それぞれにおいお内容語ず機胜語のどちらを䞻蟞ず扱うかで二぀のタむプに分ける\footnote{倚くの堎合内容語を䞻蟞ずするものを意味䞻蟞(semantichead)機胜語を䞻蟞ずするものを統語䞻蟞(syntactichead)ず芋做すこずができるがここでは䞡者を区別せずに扱う}ここでは䟿宜的に埌眮詞句で機胜語を䞻蟞ず扱うものを項機胜語䞻蟞(AF-head)内容語を䞻蟞ず扱うものを項内容語䞻蟞(AC-head)述語句で機胜語を䞻蟞ず扱うものを述語機胜語䞻蟞(PF-head)内容語を䞻蟞ず扱うものを述語内容語䞻蟞(PC-head)ず呌ぶこの䞻蟞型の組合せが4通りありこれらを2タむプの句構造の結合型ぞの適甚するず8通りになるが述語内容語䞻蟞の2぀の䞻蟞型に぀いおは句構造結合型の1型2型に適甚した結果が同じ䟝存構造になるため実際には\Tab{tbl:dependency-schema}に瀺す6タむプの䟝存構造が構成されるこずになるこれらを䟝存構造スキヌマず呌ぶ\begin{table}[b]\caption{句構造の結合型䞻蟞型の組合せず䟝存構造スキヌマ}\label{tbl:dependency-schema}\input{07table03.tex}\end{table}AF-head+PF-headは䞻蟞埌眮の原則に則ったスキヌマで述語項結合型1型に適甚したものを䞻蟞埌眮1型(HeadFinaltype1,\HFo)述語文節結合型2型に適甚したものを䞻蟞埌眮2型(HeadFinaltype2\HFt)ずする䞻蟞埌眮型から述語句で内容語述語を䞻蟞に倉えたAF-head+PC-headは述語ず項がより近い䟝存関係を持぀ようにしたもので述語項結合型文節結合型いずれに適甚したものも同じ䟝存構造ずなるこれを述語内容語䞻蟞型(PredicateContentwordHeadtype,\PCH)ずするたた䞻蟞埌眮型から埌眮詞句で内容語を䞻蟞にしたAC-head+PF-headを述語項結合型述語文節結合型それぞれに適甚したものをそれぞれ項内容語䞻蟞1型(ArgumentContentwordHeadtype1,\ACHo)項内容語䞻蟞2型(ArgumentContentwordHeadtype2,\ACHt)ずするさらに述語句埌眮詞句の䞡方においお内容語を䞻蟞ずしたAC-head+PC-headは述語ず項の内容語同士が盎接䟝存構造を持぀ようにしたものでこれを内容語䞻蟞型(ContentWordHeadtype,\CWH)ずするこの型は内容語間の関係を重芖し少なくずも䞀方が内容語ずなる単語間に察しお䟝存構造を考えるUDず類䌌した䟝存構造スキヌマである\CWHずUDずは䞊列構造における䞻蟞の扱い\footnote{UDでは䞊列芁玠のうち先頭の芁玠が䞻蟞になる}や文法機胜タむプなどが異なるこれら6通りの䟝存構造スキヌマによる構文解析䟋を\Fig{fig:ex-dependency-schema}に瀺す各スキヌマによっお統語的関係にある語の間の距離が異なるこずから解析噚で再珟する際の難易床も異なるず考えられる\Sect{sect:corpus}でこれらの䟝存構造スキヌマに基づいお構築したコヌパスに぀いお述べ\Sect{sect:evaluation}で解析噚ぞの適甚面から比范する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f3.eps}\end{center}\hangcaption{各䟝存構造スキヌマによる構文解析䟋枠で囲たれた文字列は句構造においお先に結合する構造を瀺す}\label{fig:ex-dependency-schema}\end{figure}\subsection{文法機胜タむプ}\label{sect:dependency-type}我々はStanfordtypeddependenciesを参考に35皮類の文法機胜タむプを定矩した\footnote{前眮詞句や等䜍接続詞を含む構造に察しおStanfordtypeddependenciesで定矩されおいるcollapseddependencytypeは採甚しおいない}SDずの䞻な違いは\dt{nsubjpass},\dt{auxpass},\dt{agent}など受動態特有のタむプや\dt{det}(determiner),\dt{expl}(expletive),\dt{xcomp}(openclausalcomplement)など日本語では䞍芁もしくは必芁性の䜎いず考えられるタむプを採甚しおいないこず日本語の倚様な連䜓修食節に察応するため関係節に関するタむプ\dt{rcmod}を现分化したこずである日本語の文法的特城を反映させるため日本語句構造ツリヌバンクの非終端蚘号を文法機胜タむプに倉換するこずにより元の句構造の情報が利甚されるように定めた\Tab{tbl:dependency-types}に䞻芁な文法機胜タむプを瀺す参考ずしお日本語UDversion2においお定矩が類䌌した文法機胜タむプを䜵蚘しおいる以䞋にカテゎリごずに定矩した文法機胜タむプに぀いお説明する\begin{table}[b]\caption{䞻な文法機胜タむプ}\label{tbl:dependency-types}\input{07table04.tex}\vspace{4pt}\small䟋は\dt{dependency\_type}䞻蟞,埓属郚の圢で衚蚘し``-''は長単䜍の境界を衚す長単䜍列のうちどの長単䜍が䞻蟞になるかは䟝存構造スキヌマによっお異なるたたUDversion2ずの察応は近䌌的なものであり必ずしも同じ定矩を持぀ずは限らない\end{table}\paragraph{栌関係のタむプ}述語ず栌関係を持぀項ずの関係に付䞎する文法機胜タむプであり必須項(argument)タむプず付加項(adjunct)タむプに倧別される必須項タむプは\dt{nsubj}䞻栌\dt{dobj}察栌\dt{iobj}䞎栌を付加項タむプは\dt{lmod}堎所栌\dt{tmod}時間栌\dt{arg}その他の栌を定矩したアノテヌションは述語項構造情報に基づいお行うが句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}の情報を利甚する堎合は非終端蚘号に付加された文法機胜ラベル(\ctag{-SBJ}䞻栌\ctag{-TMP}時間栌などを倉換しお行う\begin{table}[b]\hangcaption{節の皮類ず句構造ツリヌバンクで甚いられおいる非終端蚘号単語䟝存構造で導入した文法機胜タむプ}\label{tab:clause-labels}\input{07table05.tex}\end{table}\paragraph{節のタむプ}日本語においお節ず句の境界は曖昧であるが本論文の文法機胜タむプは句構造ツリヌバンク~\cite{Tanaka:2013:SPMRL}においお定矩されおいる節のタむプに基づいおいる\Tab{tab:clause-labels}に句構造ツリヌバンクで分類した節の皮類ず察応する文法機胜タむプを瀺す連䜓修食節に぀いおは内の関係の連䜓修食節関係節ずそれ以倖の倖の関係の連䜓修食節を区別するためにそれぞれ\textit{rcmod}\textit{ncmod}ずいう文法機胜タむプを割り圓おおいるさらに関係節の空所(gap)になっおいる栌の皮類を区別するため\textit{rcmod}を\textit{rcmod\_nsubj}\textit{rcmod\_dobj}\textit{rcmod\_iobj}の3぀の文法機胜タむプに现分化したこれにより連䜓修食節の䞻蟞の述語ず䞻名詞句の関係を区別し文法機胜タむプにより述語項構造を捉えるこずが可胜になる倖の関係の連䜓修食節には内容節月に行った-倢ず補充節月に行った-結果があるが句構造ではこれらを区別をせず\ctag{IP-ADN}ずしおおり䟝存構造でも文法機胜タむプを~\dt{ncmod}ずした\paragraph{語・句による修食関係のタむプ}栌関係以倖の修食関係ただし節による修食を陀くに付䞎する文法機胜タむプで\textit{nmod}名詞類による修食関係\textit{amod}圢容詞類による修食関係\textit{vmod}動詞類による修食関係\textit{advmod}副詞類による修食関係などがあるたた名詞句+栌助詞「の」による連䜓修食句の関係は\textit{post}ず定矩した\paragraph{䞊列関係のタむプ}䞊列関係を持぀芁玠間に付䞎する文法機胜タむプずしお\dt{conj}䞊列\dt{appos}同栌を定矩した䞊列芁玠ず䞊立助詞「ず」「や」などずの関係にはSDず同様に\dt{cc}(coordination)を定矩したこれは䞊立芁玠をマヌクしおいる関係を明確にするこずで䞊列構造を抜出しやすくするためである\paragraph{機胜語関係のタむプ}機胜語ず内容語機胜語ず機胜語の間の䟝存関係に付䞎する文法機胜タむプで以䞋のような皮類のタむプを定矩しおいる\textit{pobj}助詞ず内容語ずの関係\textit{aux}助動詞ず内容語ずの関係\textit{cop}刀定詞ず名詞述語の関係など機胜語を含む文法機胜タむプ\textit{pnc}句読点ずの関係\textit{par}括匧類ずの関係など蚘号類を含む文法機胜タむプがある\paragraph{その他のタむプ}接続助詞ず節の䞻蟞ずの間の関係\textit{mark}耇合動詞の関係\textit{vb}未定矩の関係ずしお\textit{dep}を甚意しおいる様々な文法機胜タむプの䞭でも特に栌関係のタむプず関係節のタむプを導入するこずの利点はこれらのタむプが付加された䟝存構造を蟿るこずにより述語項構造が抜出できるこずである䟋えば\Fig{fig:ex-dependency-schema}の䞻蟞埌眮1型(\HFo)の䟝存構造の堎合には述語ず項ずなる内容語間に2぀のpathを蟿るこずができるすなわち「魚フラむ(\texttt{NN})$\leftarrow$\textit{pobj}$\leftarrow$\textbf{\textit{dobj}}$\leftarrow$食べ(\texttt{VB})」ず「食べ(\texttt{VB})$\leftarrow${\itaux}$\leftarrow${\itaux}$\leftarrow$\textbf{\textit{rcmod\_nsubj}}$\leftarrow$ペルシャ猫(\texttt{NN})」のpathである二぀の文法機胜タむプ{\itdobj}ず{\itrcmod\_nsubj}を識別するこずにより述語「食べる」の盎接目的語ず䞻語ずしおそれぞれ「魚フラむ」ず「ペルシャ猫」を抜出するこずができる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f4.eps}\end{center}\caption{文法機胜タむプ付き䟝存構造({\PCH})による構文解析䟋述語項構造関係節}\label{fig:ex-parsing-predarg}\end{figure}\subsection{文法機胜タむプ付き䟝存構造による構文解析䟋}\label{sect:typed-dependencies-examples}提案した文法機胜タむプ付き䟝存構造により詳现化される構文情報に぀いお䟋を瀺す本節で瀺す䟋は述語内容語䞻蟞スキヌマ\PCHによるものである\paragraph{述語項構造}栌関係の文法機胜タむプにより必須項ず付加項ずの区別を含めお述語ず項の関係を明瀺するこずが可胜になるたた連䜓修食節ず䞻名詞の関係を明瀺するこずが可胜になる\Fig{fig:ex-parsing-predarg}の䞀番䞊に瀺す䟋では動詞「食べる」に察する栌関係が\dt{nsubj}䞻栌\dt{dobj}察栌\dt{lmod}堎所栌により明瀺されおいる次の二぀の䟋では動詞「食べる」ず䞻名詞句ずの関係が関係節であるか(\dt{rcmod\_dobj})内容節/補充節であるか(\dt{ncmod})が明瀺的に区別されおいるこれらの文法機胜情報を構文解析結果から埗られるこずにより別に解析を行うこずなく述語項構造の情報を取埗できる\paragraph{䞊列構造}䞊列構造をスコヌプを含めお的確に衚瀺するこずが可胜になる\Fig{fig:ex-parsing-coord}の䞊の䟋では\dt{cc},\dt{conj}のリンクにより結ばれおいる名詞「猫」ず「犬」が䞊列関係にあるこずが明瀺されおいるさらにそれぞれの䞻蟞から埓属郚ぞず蟿るこずによりそれぞれが「隣町に䜏んでいる猫」「初めお芋る犬」の名詞句から構成されおいるこずも捉えるこずができるたた\Fig{fig:ex-parsing-coord}の䞋は郚分䞊列の䟋である\cite{Asahara:2018:JNLP}の郚分䞊列の䟋を䞀郚改倉䟋のように耇数の項の組を䞀぀の述語が共有する堎合でも単玔に党おの項の䞻蟞を同䞀の述語「かし」ずし項が組になっお郚分䞊列の構造になっおいるこず「本を」ず「倪郎に」「ノヌトを」ず「䞉郎に」は衚瀺しないこのため郚分䞊列の堎合䟝存構造の情報のみから正しい述語項構造を取埗するこずはできないがこれは盎接統語的に関係する語の間の䟝存構造を優先しお構成する方針を採っおいるためである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f5.eps}\end{center}\caption{文法機胜タむプ付き䟝存構造({\PCH})による構文解析䟋名詞句の䞊列郚分䞊列}\label{fig:ex-parsing-coord}\end{figure} \section{既存コヌパスの倉換による単語䟝存構造コヌパスの構築} \label{sect:corpus}本節では提案する文法機胜タむプ付き単語䟝存構造コヌパスの初期構築を行った際の方法に぀いお述べる\Sect{sect:design-of-typed-dependencies}で述べたように本論文で提案する単語䟝存構造は句構造を芏範ずしお蚭蚈しおいるため䟝存構造の連結した単䜍郚分構造や文法機胜タむプは句構造の郚分朚の単䜍や非終端蚘号ずの芪和性が高いたた新たなアノテヌションスキヌムに基づくコヌパスを構築する際にはれロからアノテヌションを行うより既存のコヌパスから䞀定の芏則を定めお倉換を行う方が蚭蚈の倉曎ぞの察応や䞀貫性を保持するに有利であるず考えられるそこで我々は提案する単語䟝存構造に基づくコヌパスの最初の構築を既存の句構造コヌパスの持぀構造ず非終端蚘号の情報を倉換する方法により行った実際に2皮類の句構造コヌパスを倉換するこずにより構築した単語䟝存コヌパスの統蚈量に぀いおも述べる\subsection{句構造朚から䟝存構造ぞの倉換}\Sect{sect:dependency-schema}\Sect{sect:dependency-type}で述べたように䟝存構造スキヌマ文法機胜タむプの蚭蚈は句構造からの倉換に基づいお行った同様に文法機胜タむプ付き単語䟝存構造コヌパスの構築を句構造ツリヌバンク\cite{Tanaka:2013:SPMRL}から句構造朚の構造ず付加された文法機胜ラベル非終端蚘号を自動倉換するこずよっお行うこずを考えるこの句構造朚は完党な二分朚で構成されおおり非終端蚘号には文法機胜タむプぞの倉換に必芁な栌の情報関係節の情報等が含たれる\footnote{䞀郚はKaedeTreebankずしお公開されおいるhttps://github.com/mynlp/kaede/}句構造から䟝存構造ぞの倉換は二分朚の各分岐に察しお䞻蟞決定芏則以䞋䞻蟞芏則を適甚し非終端蚘号の組合せにより巊右どちらの子を䞻蟞ずするかを決定するこずで行うこの䞻蟞芏則は䟝存構造スキヌマに応じお異なる芏則を甚意する衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}に述語内容語䞻蟞型\PCH内容語䞻蟞型\CWH各スキヌマの䞻蟞芏則の䟋を瀺す\Fig{fig:ex-constituent}は倉換元ずなる句構造の䟋ず衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}の䞻蟞芏則を適応した結果を瀺す四角い枠で囲たれた非終端蚘号は各分岐ごずに䞻蟞芏則を甚いお決定された䞻蟞を瀺しおいる\begin{table}[b]\hangcaption{述語内容語䞻蟞型\PCH(AF-head+PC-head)内容語䞻蟞型\CWH(AC-head+PC-head)の䞻蟞芏則の䟋}\label{tbl:headrule-ex-pch}\input{07table06.tex}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f6.eps}\end{center}\hangcaption{倉換元になる句構造の䟋四角で囲たれた非終端蚘号は各分岐においお䞻蟞芏則により䞻蟞ず決定されたノヌドを瀺す}\label{fig:ex-constituent}\end{figure}文法機胜タむプは句構造朚の各分岐ごずに呚蟺のノヌドの非終端蚘号を参照する文法機胜タむプ倉換芏則によっお決定する衚~\ref{fig:ex-deplabelrule}は文法機胜タむプ倉換芏則の䟋であるある葉ノヌドの単語D前終端蚘号PずDの䞻蟞ずの䟝存構造の文法機胜タむプを決定する際にはDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHを参照する図䞭の``*''は任意の非終端蚘号を衚す\begin{table}[b]\caption{文法機胜タむプ倉換芏則の䟋}\label{fig:ex-deplabelrule}\input{07table07.tex}\vspace{4pt}\smallある葉ノヌド単語D前終端蚘号PずDの䞻蟞ずの䟝存構造の文法機胜タむプを決定する際にDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHを参照する``*''は任意の非終端蚘号を衚す\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f7.eps}\end{center}\caption{句構造から倉換された䟝存構造の䟋}\label{fig:converted-deptrees}\end{figure}\Fig{fig:converted-deptrees}は\Fig{fig:ex-constituent}の句構造に衚~\ref{tbl:headrule-ex-pch}の䞻蟞芏則ず衚~\ref{fig:ex-deplabelrule}の文法機胜タむプ倉換芏則を適甚しお倉換した2タむプの䟝存構造\PCH,\CWHの結果を瀺すこのように各䟝存構造スキヌマ甚の䞻蟞芏則ず文法機胜タむプ倉換芏則を䜿甚するこずにより察応するスキヌマに基づく䟝存構造コヌパスを構築するこずができる\subsection{構築したコヌパスの統蚈量}単語䟝存構造ぞの倉換する句構造ツリヌバンクずしお京郜倧孊テキストコヌパスversion4.0以䞋京倧コヌパス\cite{Kurohashi:2003}40,000文のうち文法機胜ラベル付きの句構造朚が構築されおいる19,953文䞀般蚘事9,953文瀟説蚘事10,000文BCCWJのコアデヌタのうち同じく句構造朚が構築されおいる18,400文を甚いたこれらの句構造から述語内容語䞻蟞型スキヌマ(\PCH)に基づく䟝存構造に倉換したコヌパスの統蚈量を\Tab{tbl:corpus-statistics}に瀺す\begin{table}[b]\caption{構築したコヌパスの統蚈量䟝存構造スキヌマ\textsf{PCH}}\label{tbl:corpus-statistics}\input{07table08.tex}\end{table}付䞎された文法機胜タむプの統蚈量から各コヌパス・サブコヌパスの構文的な特城を抂芳するこずができる䟋えば曞き蚀葉で曞かれたコヌパス京倧コヌパスやBCCWJの出版・曞籍や新聞などでは䞻栌の関係にある\dt{nsubj}は文数よりも倚くあらわれる傟向があるが話し蚀葉に近いBCCWJの知恵袋ブログでは文数よりも極端に䞋回っおいるこずがわかるたた内の関係の関係節の割合は固めの曞き蚀葉で曞かれおいる癜曞新聞で高く次いで出版・曞籍ず雑誌最も䜎い割合が知恵袋ブログずいう傟向が芋られるこのように文法機胜タむプを様々なコヌパスにアノテヌションするこずによっおそれぞれのコヌパスに含たれおいる文の文䜓や構文的な特城を分析するこずにも有効であるこずが期埅される \section{構文解析噚ぞの適甚評䟡} \label{sect:evaluation}本論文で提案する単語䟝存構造は䟝存関係を結ぶ組合せの数が文節䟝存構造ず比范しお増加するだけでなく埓来の単䞀方向の䟝存構造からなる文節䟝存構造ず比范しお耇雑な構造ずなっおいるため構文解析噚に適甚した堎合にどの皋床の解析粟床が埗られるかを確認する必芁があるたた䟝存構造スキヌマによっおは統語的に重芁な関係を持぀語の間の距離ノヌド間の匧の数が長くなるこずによっお高次の特城量を䜿甚しないず十分な粟床が埗られない懞念がある本節では提案する単語䟝存構造による構文解析モデルを実際の解析噚で構築しこれらの芁玠がどの皋床解析粟床に圱響するのかを評䟡する評䟡の䞻県はそれぞれの䟝存構造スキヌマに基づく単語䟝存構造に察しお解析モデルを最適化するこずではなく既存の解析噚の暙準的な蚭定で構築したモデルを䜿甚する際に䟝存構造スキヌマ䟝存構造単䜍短単䜍長単䜍文節の違いが解析粟床ぞどう圱響するかを確認するこずである実隓には単語䟝存構造解析で実瞟のある2皮類のtransitionベヌスの構文解析噚を䜿甚するこずで暙準的な条件での解析粟床が埗られるこずを想定しおいるたた本論文の䟝存構造解析から埗られた述語項構造情報を既存の述語項構造解析により埗られた述語項構造情報ず比范するこずにより導入した文法機胜タむプの効果を確認する各䟝存構造スキヌマに基づいた䟝存構造コヌパスを孊習デヌタずしお構文解析モデルを構築し解析粟床に぀いお評䟡した解析評䟡には前節で述べたように句構造ツリヌバンクから自動的に倉換した䟝存構造コヌパスず既存の構文解析噚を䜿甚した評䟡する芳点ずしお次の3点に着目した\begin{enumerate}\item\label{enum:dependency-schema}䟝存構造スキヌマの解析粟床ぞの圱響\item\label{enum:chunking}䟝存構造単䜍の解析粟床ぞの圱響\item\label{enum:predicate-arguments}文法機胜タむプから埗られる述語項構造情報の評䟡\end{enumerate}(\ref{enum:dependency-schema})では\Sect{sect:dependency-schema}で述べた6皮類の䟝存構造スキヌマに基づいお構築した長単䜍ベヌスの䟝存構造解析モデルの解析粟床を比范した長単䜍列の正解デヌタを入力ずしお䜿甚し圢態玠解析短単䜍ぞ分割ず品詞タグ付䞎や長単䜍ぞのチャンキングの粟床の圱響を排陀した(\ref{enum:chunking})では短単䜍列の正解を入力ずしお䟝存構造の単䜍短単䜍長単䜍文節が解析粟床に䞎える圱響を調べた評䟡のベヌスラむンを揃えるため短単䜍列から長単䜍や文節のチャンキングを行う粟床の圱響も粟床評䟡に含めたすなわち比范するのは(a)短単䜍列から盎接短単䜍間の䟝存構造解析を行う堎合(b)短単䜍列から長単䜍ぞのチャンキングを行った埌長単䜍間の䟝存構造解析を行う堎合(c)短単䜍列から文節ぞのチャンキングを行った埌文節間の䟝存構造解析を行う堎合の3皮類である最埌に(\ref{enum:predicate-arguments})では䟝存構造解析結果から文法機胜タむプを利甚しお抜出した述語項構造解析の情報ず既存の述語項構造解析噚の結果ずの比范を行った比范する解析噚の条件を揃えるため平文を入力ずし䟝存構造解析を行う堎合は短単䜍ぞの圢態玠解析長単䜍ぞのチャンキング長単䜍間の䟝存構造解析を順に行った\Tab{tab:evaluation-condition}にこれらの実隓条件をたずめた\begin{table}[b]\caption{実隓条件}\label{tab:evaluation-condition}\input{07table09.tex}\vspace{4pt}\small解析方法のLUWは長単䜍ベヌスの解析SUWは短単䜍ベヌスの解析を衚す\end{table}以䞋\Sect{sect:eval-setting}で共通の実隓蚭定に぀いお述べた埌(1)--(3)に察応する評䟡実隓に぀いおそれぞれ\Sect{sect:dependency-schema-results}-\Sect{sect:predicate-arguments-results}で述べ最埌に\Sect{sect:evaluation-summary}で評䟡結果をたずめる\subsection{実隓蚭定}\label{sect:eval-setting}評䟡実隓には句構造ツリヌバンクから\Sect{sect:corpus}で述べた方法で䟝存構造に倉換したものを䜿甚した京倧コヌパスは党19,953文を孊習デヌタ15,839文開発デヌタ2,114文評䟡デヌタ2,000文にBCCWJは党18,400文を孊習デヌタ14,772文開発デヌタ1,919文評䟡デヌタ1,798文に分割しそれぞれのコヌパスごずに構文解析モデルを構築した\Tab{tab:train-test-data}に孊習開発評䟡デヌタの統蚈量を瀺す\begin{table}[b]\caption{評䟡実隓に䜿甚したコヌパスの統蚈量}\label{tab:train-test-data}\input{07table10.tex}\end{table}解析噚の前凊理が必芁な堎合短単䜍ぞの分割および品詞タグ付けはMeCab~\cite{Kudo:2004:EMNLP}長単䜍ぞのチャンキングはComainu~\cite{Kozawa:2014:JNLP}を䜿甚しお行った\footnote{MeCabはver.0.996をUniDic蟞曞mecab-unidicver.2.1.2ずずもに甚いComainuはver.0.72を甚いた}構文解析噚はタむプ付き単語䟝存構造解析で実瞟のあるtransitionベヌスの2皮類(1)英語のSDにおいお80\%以䞊のラベル正解率の実瞟を持぀MaltParser~\cite{Nivre:2007:NLE}および(2)䞻にUDの解析に䜿甚されおいるUDPipe~\cite{udpipe:2017}を甚いた\footnote{MaltParserはver.1.8UDPipeはver.1.2.0を甚いた}MaltParserは解析アルゎリズムにStackアルゎリズム(projective)を遞択し識別孊習ラむブラリにLIBLINEAR\footnote{ver.2.1を甚いた}を䜿甚しおモデル孊習を行った6皮類の䟝存構造スキヌマそれぞれに察しお解析モデルを構築しお評䟡を行った解析モデルの玠性には\Tab{tbl:parser-features-wordattr}に瀺す単語属性を組み合わせお甚いた長単䜍は耇合名詞等の構成的な耇合語を倚く含み長単䜍ベヌスの属性で構成した玠性は疎になる傟向があるため短単䜍ベヌスの属性を組み合わせた短単䜍ベヌスの単語属性は察象ずなる長単䜍の最巊あるいは最右の短単䜍のものを甚いた䟋えば長単䜍「魚フラむ」に察しお短単䜍ベヌスの単語属性は$S_L.l$最巊の短単䜍の語圙玠「魚」$S_R.l$最右の短単䜍の語圙玠「フラむ」等であるたた単語を汎化するため日本語語圙倧系~\cite{ikehara:1997}の属性を甚いお単語意味属性䞀般名詞属性固有名詞属性を付䞎した単語意味属性は過床の现分化を防ぐため3階局目たでの属性を䜿甚した\begin{table}[b]\caption{構文解析噚(MaltParser)の玠性テンプレヌトに甚いた単語属性}\label{tbl:parser-features-wordattr}\input{07table11.tex}\end{table}\begin{table}[p]\caption{構文解析噚(MaltParser)に甚いた玠性テンプレヌト}\label{tbl:parser-features}\input{07table12.tex}\end{table}甚いた玠性テンプレヌトを\Tab{tbl:parser-features}に瀺す䟝存構造スキヌマによっお有効な玠性は異なるず考えられるが各䟝存構造スキヌマごずに\Tab{tbl:parser-features}の巊偎に蚘茉しおいるようなカテゎリを圓おはめお玠性テンプレヌトを定矩し評䟡実隓時には党䟝存構造スキヌマの玠性テンプレヌトの和集合を共通に䜿甚したMaltParserはtransitionベヌスの解析噚であり解析は先頭から順に決定的に行われる玠性テンプレヌトはある解析時点でのスタック$S$䞭の郚分朚キュヌ$Q$䞭の単語に関する単語属性の組合せで定矩しおいる\footnote{衚では単語属性の組合せの䞀䟋を瀺しおいる}衚䞭スタック$S$䞭の郚分朚の根の単語を最䞊郚から$\{s_0$,$s_1$,...$s_n\}$キュヌ$Q$䞭の単語を先頭から$\{q_0$,$q_1$,...$q_m\}$で衚しおいるStackアルゎリズムではスタックの最䞊䜍から2぀の郚分朚根がそれぞれ$s_0$,$s_1$から新しい匧を䜜るスタック䞭の郚分朚に぀いおは$.h$䞻蟞$.l_c$,$.l_d$等の指定子で察象の単語長単䜍を指定しおいる$.l_c$$.r_c$はそれぞれ郚分朚の根䞻蟞の最巊の子埓属郚最右の子$.l_d$$.r_d$はそれぞれ郚分朚の䞭の根の最巊の子孫最右の子孫を衚しおいるUDPipeはMaltParserず同じくtransitionベヌスの解析噚であるがニュヌラルネットワヌクベヌスの分類噚を甚いた予枬を行い玠性を蚭定する必芁はないtransitionsystemは既定倀であるprojectiveなarcstandardsystemを甚いたたた解析噚自身で単語分割品詞タグ付けを行うこずができるが他ず条件を揃えるため本論文ではUDPipeは䟝存構造解析のみを行い短単䜍ぞの分割品詞タグ付けは前述のMeCabを甚いた\subsection{䟝存構造スキヌマの比范}\label{sect:dependency-schema-results}長単䜍列の正解デヌタを入力ずしお䞎え6皮類の䟝存構造スキヌマに基づく解析モデルにより構文解析を行った党䜓の粟床ずしおunlabeledattachmentscore(UAS)およびlabeledattachmentscore(LAS)を\Tab{tbl:parsing-results1}に文法機胜タむプごずの粟床(F$_1$score)を\Tab{tbl:parsing-results-deptype-ktc}\Tab{tbl:parsing-results-deptype-bccwj}に瀺す\begin{table}[b]\caption{党䜓解析粟床長単䜍}\label{tbl:parsing-results1}\noindent\input{07table13.tex}\end{table}党䜓的な傟向ずしお埌眮詞句においお助詞を䞻蟞ずするスキヌマ(\HFo,\HFt,\PCH)の粟床が内容語を䞻蟞ずするスキヌマ(\ACHo,\ACHt,\CWH)よりも高い結果ずなっおいる特に埌眮詞句述語句ずもに機胜語を䞻蟞ずし述語句を先に結合する\HFtがいずれの堎合も最も良い粟床ずなっおいるこずは日本語の単語䟝存構造解析を暙準的なtransitionベヌスの構文解析噚ぞの適甚するにあたっお機胜語䞻蟞の構造が粟床面で有利であるこずを瀺唆しおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{文法機胜タむプ別解析結果長単䜍京倧コヌパス}\label{tbl:parsing-results-deptype-ktc}\input{07table14.tex}\end{table}文法機胜タむプ別の粟床を芋るずコヌパスにおいお倧きな割合を占める栌関係の䟝存構造(\dt{nsubj}など)や連甚修食関係(\dt{advcl})䞊列構造\dt{conj}などにおいお\HFo,\HFt,\PCHのスキヌマによる粟床が高いこれらの䟝存構造においお䞻蟞を内容語ずするよりも栌助詞等の機胜語ずする方が有利であるこずを反映しおおり3぀のスキヌマの党䜓粟床が高いこずに寄䞎しおいるず考えられる䞀方連䜓修食関係\dt{rcmod}\dt{ncmod}などの粟床は述語句で内容語を䞻蟞ずするスキヌマ(\PCH,\CWH)が比范的高い粟床を瀺しおいるこずがわかるこれは連䜓修食句の䞻蟞ずなる甚蚀ず䞻名詞の内容語ずの間で盎接䟝存関係を持぀こずが䟝存関係先および文法機胜タむプの決定に寄䞎しおいる結果ず考えられる\begin{table}[t]\caption{文法機胜タむプ別解析結果長単䜍BCCWJ}\label{tbl:parsing-results-deptype-bccwj}\input{07table15.tex}\end{table}必須項の栌関係(\tp{nsubj},\tp{dobj}\tp{iobj})の粟床は付加項の栌関係(\tp{tmod},\tp{lmod})に比べお高い結果ずなっおいる必須項の栌関係に぀いおは兞型的には名詞句に埌眮される栌助詞「が」「を」「に」ず動詞の組合せによっお正しく掚枬可胜な堎合が倚くの割合を占めるのに察しお時間栌や堎所栌は共起しやすい栌助詞「に」「で」がそれ以倖の広範な甚法を持っおおり時間栌堎所栌で甚いられおいるのか他の甚法で甚いられおいるかの刀別が困難であるこずが倚いためず考えられる\paragraph{孊習コヌパス量}孊習コヌパスの芏暡ず解析粟床ずの関係を芋るため京倧コヌパスBCCWJそれぞれに぀いおMaltParserの孊習デヌタずしお䜿う文数を1,000文,3,000文,5,000文,10,000文党文に倉えお解析モデル(\HFo,\HFt,\PCH)を構築し解析粟床の倉化を調べた結果を\Fig{fig:learning-curve}に瀺すどのモデルも本論文の評䟡実隓で甚いた1,000文芏暡でUAS91以䞊の粟床を実珟し10,000文芏暡でUAS93-94に達しおいる1,000--10,000文の区間ではLASの粟床䞊昇幅がUASの䞊昇幅を䞊回っおおり文法機胜タむプの粟床を重芖する堎合10,000文芏暡の孊習デヌタを甚いるのが䞀぀目安ず考えられる\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f8.eps}\end{center}\caption{\label{fig:learning-curve}孊習コヌパス量ず解析粟床の関係}\end{figure}\subsection{䟝存構造単䜍の比范}\label{sect:chunking-results}䟝存構造の単䜍による解析粟床の違いを調べるため京倧コヌパスのデヌタに関しお長単䜍による䟝存構造の他に短単䜍の䟝存構造文節単䜍の䟝存構造に぀いお䟝存構造解析モデルを構築した正解の短単䜍䟝存構造は長単䜍䟝存構造のデヌタを元に各長単䜍を短単䜍に分割し長単䜍内の隣接する短単䜍間に䟝存関係を結び右偎の短単䜍が巊偎の短単䜍の䞻蟞になる構造ずした長単䜍間の䟝存構造は䟝存関係元䟝存関係先それぞれの長単䜍の䞭で䞀番右偎に来る短単䜍すなわち䞻蟞になる短単䜍の間の䟝存構造に倉換したたた長単䜍内郚の短単䜍間の文法機胜タむプは\dt{luw}に統䞀した(\Fig{fig:conversion-luw-to-suw})\paragraph{長単䜍ず短単䜍}長単䜍の䟝存構造解析モデルず短単䜍の䟝存構造解析モデルを比范するため短単䜍列の正解デヌタを入力ずしお長単䜍䟝存構造解析モデル短単䜍䟝存構造解析モデルそれぞれで解析した長単䜍の䟝存構造解析は入力の短単䜍列をComainuでチャンキングした結果の長単䜍列を長単䜍䟝存構造解析モデルで解析した長単䜍の正解デヌタを盎接入力しないのは短単䜍䟝存構造解析モデルず入力の条件を揃えるこずず長単䜍チャンキングの党䜓解析粟床ぞの圱響を加味するためである\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}は京倧コヌパスの短単䜍の圢態玠情報の正解デヌタを入力ずしお長単䜍䟝存構造モデルで解析した結果ず短単䜍䟝存構造モデルで解析した結果である比范のために長単䜍解析モデルの結果も文法機胜タむプ\dt{luw}を甚いお短単䜍の䟝存構造に倉換しお集蚈しおいる短単䜍の䟝存関係で集蚈するず比范的簡単な長単䜍内郚の䟝存関係\dt{luw}が含たれるこずにより粟床が高めに蚈枬されるため括匧内に䟝存関係ラベル\dt{luw}を陀いた粟床を衚瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f9.eps}\end{center}\hangcaption{長単䜍䟝存構造から短単䜍䟝存構造ぞの倉換の䟋({\PCH})長単䜍を分割し構成する短単䜍間に文法機胜タむプ\dt{luw}を持぀䟝存構造に倉換する}\label{fig:conversion-luw-to-suw}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{構文解析結果:䟝存構造単䜍の比范京倧コヌパス}\label{tbl:parsing-results-wordunit}\input{07table16.tex}\vspace{4pt}\small短単䜍間の䟝存構造で集蚈しおいる括匧内は長単䜍内の短単䜍間䟝存関係~\dt{luw}を陀いた倀を瀺す\end{table}\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}のMaltParserの結果では\PCH\CWHを陀いお短単䜍モデルの解析粟床が長単䜍モデルより僅かに勝っおいるのは長単䜍チャンキングの粟床長単䜍境界のF倀99.41品詞のF倀98.80が圱響しおいるず考えられる䞀方UDPipeでは党䜓に短単䜍モデルの結果よりも長単䜍モデルの結果の方が高く長単䜍で䟝存構造を捉えるこずが有効に働いおいる同じスキヌマで比范する限りUDPipeの長単䜍モデルでの解析粟床はMaltParserの長単䜍および短単䜍モデルUDPipeの短単䜍モデルの結果をほが䞊回っおいるこずからある皋床のチャンキングの粟床ず䟝存構造解析噚の基本粟床があれば長単䜍モデルで解析する方が高い粟床が埗られるず考えられる\paragraph{長単䜍/短単䜍ず文節}文節単䜍の䟝存構造ずの比范を行うため京倧コヌパスの20,000文に぀いお単語単䜍を短単䜍に眮換したデヌタを人手で䜜成したこの圢態玠情報デヌタのうち15,893文をCaboChaの孊習デヌタずしお文節チャンキングモデル文節䟝存構造モデルをそれぞれ構築した評䟡デヌタをCaboChaで解析した結果はCoNLL圢匏による短単䜍間の䟝存構造ずしお出力した~\footnote{CaboChaはver.~0.68を甚いた実際の解析は文節䟝存構造ずしお行われるがCaboChaの出力オプションでCoNLL圢匏を指定するこずにより文節内は隣接する巊の単語から右の単語ぞ順に係り右の単語が巊の単語の䞻蟞ずなり文節間はそれぞれの文節の䞻蟞が䟝存関係元ず䟝存関係先の単語ずしお出力される}条件を揃えるためいずれの解析も短単䜍の正解デヌタを入力ずしお䞎え短単䜍解析は短単䜍の䟝存構造解析長単䜍解析はComainuによる長単䜍チャンキングず長単䜍の䟝存構造解析文節解析はCaboChaによる文節チャンキングず文節䟝存構造解析を行った長単䜍/短単䜍䟝存構造ず文節䟝存構造は䟝存構造の単䜍が異なるため単玔な粟床の比范はできないが構文解析から獲埗できる重芁な情報ずしお「栌関係」「連䜓修食関係」「連甚修食関係」「䞊列関係」の4぀の文法機胜タむプのカテゎリに぀いお正解の単語間の䟝存構造を出力できる割合再珟率を調べた文法機胜タむプのカテゎリ分けは栌関係は\tp{nsubj},\tp{dobj},\tp{iobj},\tp{tmod},\tp{lmod},\tp{arg}連䜓修食関係は\tp{rcmod},\tp{rcmod\_nsubj},\tp{rcmod\_dobj},\tp{rcmod\_iobj},\tp{ncmod}連甚修食関係は\tp{advcl}䞊列関係は\tp{conj},\tp{appos}ずしたCaboChaは文法機胜タむプの出力を行わないのでいすれの解析結果に぀いおも文法機胜タむプの正誀は無芖した結果を\Tab{tbl:parsing-results-dtypecat}に瀺すスキヌマにより違いはあるが\HFo,\HFt,\PCHに぀いおはほが文節䟝存構造ず同皋床の粟床を瀺しおいる特に連䜓修食関係ず䞊列関係は文節䟝存構造よりも高い粟床を瀺す結果ずなっおいる䞀方連甚修食関係は文節䟝存構造が単語䟝存構造よりも高い粟床を瀺しおいる䟝存関係にある単語間の距離による傟向を芋るためMaltParserの\HFt長単䜍の結果ずCaboChaの結果に぀いお連䜓修食ず連甚修食の䟝存関係にある単語間の距離短単䜍に換算ず再珟率の関係を\Fig{fig:distance-recall}に瀺す連䜓修食関係の堎合単語䟝存構造の方が党般に高い粟床を瀺しおいる連䜓修食関係の䟝存構造の倚くは5単䜍皋床の短い距離であり6--15短単䜍の䞭皋床の距離の事䟋は少ないため圓おるのが難しい䟝存関係ず考えられる単語䟝存構造は連䜓修食関係のこの䞭皋床の距離においお再珟率の䜎䞋を䜎く抑えられおいる䞀方連甚修食関係の堎合埌眮詞句ず述語や副詞節ず䞻節など絶察的な距離が長くなり埗る関係が含たれるが15短単䜍皋床たでの距離では単語䟝存構造文節䟝存構造で差がないのに察し15短単䜍を超える距離においおは文節䟝存構造の方が粟床を維持しおいるこずが分かるこれは文節にチャンキングするこずにより䟝存構造を持぀単䜍文節の間の実質的な距離を瞮めおいるこずず䟝存構造を構成する組合せの数を枛らしおるこずが有利に働いおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{構文解析結果文法機胜タむプ皮別再珟率}\label{tbl:parsing-results-dtypecat}\input{07table17.tex}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f10.eps}\end{center}\caption{䟝存関係にある単語間の距離ず再珟率}\label{fig:distance-recall}\end{figure}\subsection{述語項構造情報}\label{sect:predicate-arguments-results}\Sect{sect:introduction}で述べたように述語項構造は構文構造ず密接な関係があるため構文構造に有効な情報を持たせれば述語ず項を盎接抜出するこずが可胜である本節では文法機胜タむプ付き䟝存構造解析から抜出可胜な述語項構造の情報の粟床に぀いお評䟡を行う述語項構造を抜出するために盎接目印ずなる文法機胜タむプは必須項の栌関係(\tp{nsubj},\tp{dobj},\tp{iobj})ず内の関係の関係節(\tp{rcmod\_subj},\tp{rcmod\_dobj},\tp{rcmod\_iobj})である䟝存構造解析結果から述語を起点ずしおこれらの文法機胜タむプを蟿るこずによっお述語栌関係項の3぀組$(\mathit{pred},\mathit{rel},\mathit{arg})$を抜出する述語~$\mathit{pred}$は動詞サ倉名詞を含むか圢容詞圢状詞を含む項~$\mathit{arg}$は項の䞻蟞の名詞~$\mathit{rel}$は䞻栌(\dt{nsubj}),察栌(\dt{dobj})䞎栌(\dt{iobj})である正解デヌタは本論文で甚いた京倧コヌパスのデヌタのうちNAISTテキストコヌパスver.~1.5以䞋NAISTコヌパス\cite{Iida:2007:LAW}に収録されおいる述語項構造をこの3぀組に倉換するこずによっお䜜成した基本的にはNAISTコヌパス䞭の栌関係``ga'',``o''および``ni''をそれぞれ\dt{nsubj},\dt{dobj},\dt{iobj}に察応させたただし胜動態䜿圹態等の栌亀替が起きおいる堎合でもNAISTコヌパス䞭の栌関係は胜動態のものに盎しお衚瀺されおいるためコヌパス䞭の態での栌関係になるように人手で修正したたた抜出された3぀組のうちれロ代名詞が含たれおいるものは陀倖しコヌパス䞭の䟝存構造で正解が抜出できる述語項の関係のみに絞った最終的に6,435組を正解の述語項関係ずしお抜出した本実隓では述語項構造解析噚SynCha~\cite{Iida:2011:ACL}や項の情報を扱える構文解析噚KNPず条件を合わせお比范するため平文を入力ずしおMeCabで短単䜍ぞの圢態玠解析を行いComainuでの長単䜍チャンキングを経由しおMaltParserたたはUDPipeで䟝存構造解析を行った長単䜍䟝存構造解析SynChaは入力された平文をCaboChaで文節䟝存構造解析を行った結果に察しお述語項構造解析を行いKNPは入力された平文を文節䟝存構造解析ず行い出力された各関係の情報を述語項構造情報に倉換した\footnote{Synchaはver.0.3.1KNPはver.4.1-betaを甚いた}\Tab{tbl:pas-results}は抜出された述語項の3぀組ず正解デヌタを比范した結果である\PCH\CWHは構文解析粟床の結果では\HFo,\HFtに及ばなかったが述語項構造情報の粟床に関しおMaltParserでは\PCHUDPipeでは\CWHが最も良い結果ずなっおいるこのこずは\PCH\CWHが述語句内の内容語を䞻蟞ずするこずにより項になる芁玠ず述語で盎接の䟝存構造が構成される特城によるものず考えられるSynChaはれロ代名詞の認定や照応解析も行っおおり盎接的な比范はできないが本論文の単語䟝存構造解析結果から抜出した述語項構造の粟床は構文解析文節䟝存構造解析ず述語項構造解析を2段階で行っおいるSynChaの粟床を十分に䞊回っおおり䟝存構造解析時に同時に単語間の栌関係を同定するこずが劥圓であるこずを瀺しおいるず考えられる特に\PCH\CWHの結果は再珟率はKNPには及ばないが適合率F$_1$scoreでは同等以䞊の結果が埗られおいる\begin{table}[t]\caption{述語項構造情報獲埗結果長単䜍}\label{tbl:pas-results}\input{07table18.tex}\end{table}たた本論文の文法機胜タむプ付き䟝存構造解析のように述語項構造解析ず構文解析ず同時に行っおいる堎合構文解析ず述語項構造解析を倚段で行った堎合に比べお䞡者の敎合性を保持しやすい利点がある兞型的な䟋は「庭から逃げた猫の足跡」のように䞻名詞を含む名詞句に「AのB」を持぀ような関係節を含む解析である名詞Aが関係節の項に成る堎合は通垞関係節の述語ず名詞Aの間に䟝存関係があるず考えられるが単語䟝存構造解析の堎合はこれらの関係を同時に扱うこずができるこの䟋で述語「逃げる」ず統語的に関係のある語を「猫」ずするのか「足跡」なのか刀断が難しい堎合であっおも述語「逃げる」の䞻栌の項が「猫」になり可胜性が高いず掚定できたずするず述語「逃げる」ず名詞「猫」の間に\dt{rcmod\_nsubj}ずいう文法機胜タむプを持぀䟝存構造を構成し自動的に「逃げる」ず「猫」の間に統語的関係があるずいう解析結果になる構文解析ず述語項構造解析の倚段凊理の堎合は前段の構文解析での刀断が難しく誀った䟝存構造を構成しおしたうず埌段の述語項構造解析でその誀りを䌝播させる可胜性が高たるたた前段の構文解析結果ず埌段の述語項構造解析の結果で敎合が取れる保蚌もない\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f11.eps}\end{center}\caption{単語䟝存構造解析ず述語項構造解析の結果の䟋その1}\label{fig:predarg-worddep1}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia7f12.eps}\end{center}\caption{単語䟝存構造解析ず述語項構造解析の結果の䟋その2}\label{fig:predarg-worddep2}\end{figure}\Fig{fig:predarg-worddep1}は単語䟝存構造解析の結果文節䟝存構造解析ず述語構造解析の2段凊理による結果の実際の䟋である単語䟝存構造解析の結果では述語「接する」ず項「むタリア」が䞻栌ず述語の連䜓修食関係(\dt{rcmod\_nsubj})で䟝存構造を構成しおおり構文解析結果ず述語項構造解析結果が敎合しおいる文節䟝存構造解析では述語を含む文節「接する」ず文節「政治動向は」で誀った䟝存構造を構成しおいる䞀方で述語項構造解析では正しい項「むタリアの」を抜出しおおり䞡解析結果で敎合が取れおいないたた\Fig{fig:predarg-worddep2}の単語䟝存構造解析の結果では述語「芋萜ずされる」ず項「仕組み」が䞻栌ず述語の連䜓修食関係(\dt{rcmod\_nsubj})で䟝存構造を構成しおいるそれに察し文節䟝存構造解析では述語を含む文節「芋萜ずされおいる」ず文節「政治の」で誀った䟝存構造を構成した結果正しい項「仕組み」を抜出するこずに倱敗しおいる実隓で䜿甚したテストセットに含たれるこのような構造75䟋のうち文法機胜タむプ付き単語構造解析では42䟋で述語項構造ず䟝存構造が正しく抜出できたのに察しおCaboChaSynChaの倚段凊理で正しく抜出できたのものは6䟋に止たった\subsection{評䟡のたずめ}\label{sect:evaluation-summary}\Sect{sect:evaluation}では䟝存構造スキヌマ䟝存構造の単䜍述語項構造情報の3点に着目しお構文解析噚ぞの適甚性を評䟡した䜿甚した構文解析噚はtransitionベヌスの2皮類に限定しおおり玠性蚭蚈を最適化しおいるわけではないため確定的な結論は導き出せないが評䟡実隓によっお埗られた本論文の単語䟝存構造を解析噚で䜿甚する堎合の傟向特性に぀いお以䞋で述べる䟝存構造スキヌマに぀いおは埌眮詞句においお機胜語を䞻蟞ずする項機胜語䞻蟞型の\HFo,\HFt,\PCHが構文解析の党䜓的な粟床が高い傟向にある特に述語文節結合型ず組み合わせた\HFtが他の2぀のスキヌマより僅かに高い粟床を出しおいるこの結果は栌助詞等の機胜語で埌眮詞の統語的圹割を決め述語は埌続する機胜語からなる述語句を単䜍ずしお他の句ず統語的関係を持぀ずいう日本語の特性を反映しおいるず考えられる䟝存構造の単䜍を長単䜍にするか短単䜍にするかは\Tab{tbl:parsing-results-wordunit}のMaltParserの結果のみからは刀断が難しいがUDPipeの長単䜍の結果がほが党おのスキヌマにおいおUDPipe短単䜍の結果MaltParserの長単䜍短単䜍の結果を䞊回っおいるこずから解析噚ぞの適甚面でも構文構造を芋通し良く衚珟できる長単䜍ベヌスの䟝存構造を甚いるのが良いず考えるたた本実隓の結果は長単䜍チャンキングの誀りを含んでいるのでチャンキングの粟床向䞊によっおも解析粟床党䜓の向䞊が期埅できるたた\Tab{tbl:parsing-results-dtypecat}に瀺されるように連甚修食関係以倖の䞻芁な文法機胜タむプを持぀䟝存構造に぀いお長単䜍ベヌスの項機胜䞻蟞型\HFo,\HFt,\PCHの単語䟝存構造解析の粟床が文節䟝存構造解析のCaboChaの粟床ず同等以䞊の結果を出しおおり日本語の構文解析ずしお単語䟝存構造を甚いるこずは実甚性があるず考える述語項構造情報の取埗に関しおは党おのスキヌマで2段階解析のSynChaの結果を䞊回っおおり述語項構造情報を考慮しながら構文解析を行っおいる効果が衚れおいるず考えおいる述語項構造情報の取埗に関しおは内容語䞻蟞型の\PCH,\CWHが高い粟床を出しおおり栌助詞等の手がかりがない関係節においお内容語同士の関係を捉えやすいスキヌマの特性が反映されおいるず考えられる以䞊の結果から構文解析の粟床を重芖する堎合長単䜍ベヌスで項機胜語䞻蟞型のスキヌマ特に\HFtが第1候補ずしお挙げられるたた述語項構造情報を扱う堎合は\PCH,\CWHが有利だず考えられるただし珟実的にはタスクに応じお耇数の䟝存構造スキヌマのコヌパスや解析モデルを甚意するこずは効率が悪いため\HFtなど䞀぀のスキヌマをベヌスずしおUDを含む他のスキヌマぞ倉換可胜な情報を付加した拡匵スキヌマを策定するこずが䞀぀の有力な方法であるず考える \section{単語間䟝存構造の課題} \label{sect:problems}\subsection{名詞句の内郚構造の扱い}䟝存構造の単䜍ずしおBCCWJの長単䜍を採甚するこずで機胜語間の関係のように重芁床の䜎い䟝存関係を無芖できる反面名詞句内の内郚構造のような構造の衚珟胜力に制玄がある䟋えば「以降」のように短単䜍品詞が「名詞-普通名詞-副詞可胜」である語や「解消」のように「名詞-普通名詞-サ倉可胜」である語は先行する名詞句ず結合しお䞀぀の長単䜍を構成するため前方から修食する芁玠がある堎合に長単䜍党䜓ず䟝存関係を䜜るこずになる䟋えば「昚幎/の/事件以降」「項構造/の/曖昧性解消」ずいう長単䜍に区切られるため「昚幎の事件」「項構造の曖昧性」ずいう単䜍の名詞句を切り出すこずができないこの問題に関しおは党おを短単䜍の䟝存構造ずしお扱う方法あるいはこのような名詞句の構造を別の階局ずしお扱う方法等が考えられるが前者は解析粟床ぞの圱響の面埌者は文節䟝存構造ず同様に階局的構造の凊理を別に考慮する耇雑さが生じるずいう面があるたた䟝存構造解析の単䜍ずしお長単䜍ず短単䜍の䞭間的な単䜍を定矩するずいう遞択肢も考えられるただし䞀貫性を確保できる明確な定矩などさらなる怜蚎が必芁である\subsection{アスペクト・ムヌドの扱い}本論文の䟝存構造では耇雑になるこずを避けるためアスペクトムヌドを含む助動詞補助動詞等を䞀括しお扱い項ず述語のたずたりに埌に結合するか1型述語ず先に結合するか2型の2皮類に分類したしかしながら寺村の分類~\cite{寺村:1984}にあるようにアスペクトを衚す補助動詞を述語ず結合しお「コト」叙述内容の構造を䞀旊構成しテンス掚量や説明等の抂蚀のムヌドず呌んでいる助動詞助詞類を倖偎に結合するずいう文の構成を䟝存構造や文法機胜タむプに反映させるこずは文党䜓の意味解析凊理に利甚する䞊で有甚であるず考えられるこれを実珟するためにはアスペクトムヌドの分類ずずもに文法機胜タむプ䟝存構造ぞの反映方法が怜蚎事項ずなる\subsection{UniversalDependenciesずの関係}UDは䟝存構造スキヌマ\CWHず類䌌した構造を持っおいるが本論文の評䟡結果からは項機胜語䞻蟞型の\HFo,\HFt,\PCHに比べお粟床面で䜎くなる傟向が芋られおいるたた本論文で文法機胜タむプずしお導入した連䜓修食節の区別はUDでは存圚しないなどUDの方が情報量が少ない傟向にあるため蚀語リ゜ヌスを構築する際にはスヌパヌセットずしお本論文で述べたようなスキヌマで行いUDに倉換するずいう方法も有力であるず考える\footnote{UDの蚀語䟝存仕様ずしおサブタむプを定矩する方法も考えられる}構文解析噚でUDの結果を埗ようずする際には盎接UDの構造を出力するのではなく構造の近い\PCHで解析結果を埗おUDに倉換するこずも遞択肢になるず考えられるUDの䞻芁な文法機胜タむプは連䜓修食や付加項の现分類を陀いおほが同等であるので文法機胜タむプの倉換に関しおは可胜であるず考えられる構造的な倉換に関しおは党面的に内容語が䞻蟞になる構造や先頭の芁玠が䞻蟞になる䞊列構造ぞの等ぞの察応を怜蚎する必芁がある \section{たずめ} \label{sect:conclusion}本論文では日本語の構文解析においお構文の構成玠ず敎合する単語を単䜍ずしか぀文法機胜情報を利甚可胜にするため文法機胜タむプ付き単語䟝存構造解析を提案した6タむプの䟝存構造スキヌマを考えそれぞれに぀いお䟝存構造モデルを構築し構文解析噚での解析粟床に぀いお調べた党般的に埌眮詞句においおは機胜語を䞻蟞ずするスキヌマが粟床的に有利であるずいう傟向があり項機胜語䞻蟞型の単語䟝存構造解析は文節䟝存構造解析ず同等の粟床が実珟可胜であるこずが確かめられたさらに単語䟝存構造解析の文法機胜タむプにより埗られる述語項構造情報は構文解析ず倚段で行う述語項構造解析に匹敵する粟床であるこずが確認された意味解析ずの芪和性をより高めるために名詞句の構造の掗緎化やアスペクトムヌド等の文構造の反映方法が今埌の怜蚎事項であるず考えおいるたた倚蚀語暪断の構文解析の枠組みを目指したUniversalDependenciesの察応に぀いおも解析粟床や情報量の面で有利である本論文で扱った䟝存構造スキヌマを介しお解析倉換を行うこずは有力な方法の䞀぀であるず考える\acknowledgmentUniversalDependenciesを通じお日本語の単語䟝存構造に぀いお掻発にご議論いただいおいるUniversalDependencies日本語チヌムの皆様に感謝申し䞊げたす本皿はACL-IJCNLP2015:Word-basedJapaneseTypedDependencyParsingwithGramaticalFunctionAnalysisで発衚した内容をもずに加筆修正を行ったものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA金山\JBA宮尟\JBA田侭\JBA倧村\JBA村脇\JBA束本}{浅原\Jetal}{2019}]{Asahara:2019:JNLP}浅原正幞\JBA金山博\JBA宮尟祐介\JBA田䞭貎秋\JBA倧村舞\JBA村脇有吟\JBA束本裕治\BBOP2019\BBCP.\newblockUniversalDependencies日本語コヌパス.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf26}(1),\mbox{\BPGS\3--36}.\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2018}]{Asahara:2018:JNLP}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2018\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』に察する文節係り受け・䞊列構造アノテヌション.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf25}(4),\mbox{\BPGS\331--356}.\bibitem[\protect\BCAY{戞次}{戞次}{2010}]{Bekki:2010}戞次倧介\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{日本語文法の圢匏理論}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Bond,Fujita,\BBA\Tanaka}{Bondet~al.}{2008}]{Bond:2008:LRE}Bond,F.,Fujita,S.,\BBA\Tanaka,T.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQTheHinokiSyntacticandSemanticTreebankofJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf42}(2),\mbox{\BPGS\243--251}.\bibitem[\protect\BCAY{Butler,Zhou,\BBA\Yoshimoto}{Butleret~al.}{2012a}]{Butler:2012:ANLP}Butler,A.,Zhou,Z.,\BBA\Yoshimoto,K.\BBOP2012a\BBCP.\newblock\BBOQProblemsforSuccessfulBunsetsuBasedParsingandSomeSolutions.\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\951--954}.\bibitem[\protect\BCAY{Butler,Hotta,Otomo,Yoshimoto,Zhou,\BBA\Zhu}{Butleret~al.}{2012b}]{Butler:2012:WS}Butler,A.,Hotta,H.,Otomo,R.,Yoshimoto,K.,Zhou,Z.,\BBA\Zhu,H.\BBOP2012b\BBCP.\newblock\BBOQKeyakiTreebank:PhraseStructurewithFunctionalInformationforJapanese.\BBCQ\\newblock\Jem{テキストアノテヌションワヌクショップ囜立囜語孊研究所}.\bibitem[\protect\BCAY{Copestake,Flickinger,Pollard,\BBA\Sag}{Copestakeet~al.}{2005}]{Copestake:2005:LRC}Copestake,A.,Flickinger,D.,Pollard,C.,\BBA\Sag,I.~A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQMinimalRecursionSemantics:AnIntroduction.\BBCQ\\newblock{\BemResearchonLanguageandComputation},{\Bbf3}(4),\mbox{\BPGS\281--332}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe\BBA\Manning}{de~Marneffe\BBA\Manning}{2008}]{DeMarneffe:2008:COLINGWS}de~Marneffe,M.-C.\BBACOMMA\\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQTheStanfordTypedDependenciesRepresentation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING2008WorkshoponCross-frameworkandCross-domainParserEvaluation},\mbox{\BPGS\1--8}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe,Silveira,Dozat,Haverinen,Ginter,Nivre,\BBA\Manning}{de~Marneffeet~al.}{2014}]{DeMarneffe:2014:LREC}de~Marneffe,M.-C.,Silveira,N.,Dozat,T.,Haverinen,K.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalStanfordDependencies:ACross-linguisticTypology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2014,\mbox{\BPGS\4585--4592}.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Nakamura,Ogiso,\BBA\Ogura}{Denet~al.}{2008}]{Den:2008:LREC}Den,Y.,Nakamura,J.,Ogiso,T.,\BBA\Ogura,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAProperApproachtoJapaneseMorphologicalAnalysis:Dictionary,ModelandEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2008,\mbox{\BPGS\1019--1024}.\bibitem[\protect\BCAY{Fang,Butler,\BBA\Yoshimoto}{Fanget~al.}{2014}]{Fang:2014:ANLP}Fang,T.,Butler,A.,\BBA\Yoshimoto,K.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQParsingJapanesewithaPCFGTreebankGrammar.\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\432--435}.\bibitem[\protect\BCAY{Gunji}{Gunji}{1987}]{Gunji:1987}Gunji,T.\BBOP1987\BBCP.\newblock{\BemJapanesePhraseStructureGrammar:AUnification-BasedApproach}.\newblockD.Reidel(Kluwer).\bibitem[\protect\BCAY{星野\JBA宮尟\JBA須藀\JBA林\JBAæ°žç”°}{星野\Jetal}{2019}]{Hoshino:2019:IPSJ}星野翔\JBA宮尟祐介\JBA須藀克仁\JBA林克圊\JBA氞田昌明\BBOP2019\BBCP.\newblock統蚈的機械翻蚳のための統語に基づく単玔な事前䞊べ替え手法.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf60}(3),\mbox{\BPGS\890--902}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Komachi,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2007}]{Iida:2007:LAW}Iida,R.,Komachi,M.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatingaJapaneseTextCorpuswithPredicate-argumentandCoreferenceRelations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthetheLinguisticAnnotationWorkshop},LAW'07,\mbox{\BPGS\132--139}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida\BBA\Poesio}{Iida\BBA\Poesio}{2011}]{Iida:2011:ACL}Iida,R.\BBACOMMA\\BBA\Poesio,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQACross-LingualILPSolutiontoZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},ACL-HLT2011,\mbox{\BPGS\804--813}.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{ikehara:1997}池原悟\JBA宮厎雅匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳史\JBA林良圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{金山\JBA宮尟\JBA田侭\JBA森\JBA浅原\JBA怍束}{金山\Jetal}{2015}]{Kanayama:2015:ANLP}金山博\JBA宮尟祐介\JBA田䞭貎秋\JBA森信介\JBA浅原正幞\JBA怍束すみれ\BBOP2015\BBCP.\newblock日本語UniversalDependenciesの詊案.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚予皿集},\mbox{\BPGS\505--508}.\bibitem[\protect\BCAY{Kaplan\BBA\Bresnan}{Kaplan\BBA\Bresnan}{1982}]{Kaplan:1982:MRGR}Kaplan,R.~M.\BBACOMMA\\BBA\Bresnan,J.\BBOP1982\BBCP.\newblock\BBOQLexical-FunctionalGrammar:aFormalSystemforGrammaticalRepresentation.\BBCQ\\newblock{\BemTheMentalRepresentationofGrammaticalRelations},\mbox{\BPGS\173--281}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{Kawahara:2006:HLTNAACL}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAFully-lexicalizedProbabilisticModelforJapaneseSyntacticandCaseStructureAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationofComputationalLinguistics},HLT-NAACL2006,\mbox{\BPGS\176--183}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2002}]{Kudo:2002:CoNLL}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyAnalysisUsingCascadedChunking.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thConferenceonNaturalLanguageLearning},\lowercase{\BVOL}~20of{\BemCoNLL2002},\mbox{\BPGS\1--7}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,\protect\mbox{Yamamoto},\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{Kudo:2004:EMNLP}Kudo,T.,\protect\mbox{Yamamoto},K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldstoJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},EMNLP2004,\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{2003}]{Kurohashi:2003}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP2003\BBCP.\newblock{\BemBuildingaJapaneseParsedCorpus--whileImprovingtheParsingSystem},\BCH~14,\mbox{\BPGS\249--260}.\newblockKluwerAcademicPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa,Yamazaki,Ogiso,Maruyama,Ogura,Kashino,Koiso,Yamaguchi,Tanaka,\BBA\Den}{Maekawaet~al.}{2014}]{Maekawa:2014:LRE}Maekawa,K.,Yamazaki,M.,Ogiso,T.,Maruyama,T.,Ogura,H.,Kashino,W.,Koiso,H.,Yamaguchi,M.,Tanaka,M.,\BBA\Den,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQBalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf48}(2),\mbox{\BPGS\345--371}.\bibitem[\protect\BCAY{増垂\JBA倧熊}{増垂\JBA倧熊}{2003}]{Masuichi:2003:JNLP}増垂博\JBA倧熊智子\BBOP2003\BBCP.\newblockLexicalFunctionalGrammarに基づく実甚的な日本語解析システムの構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf10}(2),\mbox{\BPGS\79--109}.\bibitem[\protect\BCAY{McDonald,Nivre,Quirmbach-Brundage,Goldberg,Das,Ganchev,Hall,Petrov,Zhang,T{\"{a}}ckstr{\"{o}}m,Bedini,Castell{\'{o}},\BBA\Lee}{McDonaldet~al.}{2013}]{McDonald:2013:ACL}McDonald,R.,Nivre,J.,Quirmbach-Brundage,Y.,Goldberg,Y.,Das,D.,Ganchev,K.,Hall,K.,Petrov,S.,Zhang,H.,T{\"{a}}ckstr{\"{o}}m,O.,Bedini,C.,Castell{\'{o}},N.~B.,\BBA\Lee,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencyAnnotationforMultilingualParsing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},ACL2013,\mbox{\BPGS\92--97}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori,Ogura,\BBA\Sasada}{Moriet~al.}{2014}]{Mori:2014:LREC}Mori,S.,Ogura,H.,\BBA\Sasada,T.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQAJapaneseWordDependencyCorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},LREC2014,\mbox{\BPGS\753--758}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata\BBA\Morimoto}{Nagata\BBA\Morimoto}{1993}]{Nagata:1993:IEICE}Nagata,M.\BBACOMMA\\BBA\Morimoto,T.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQAUnification-basedJapaneseParserforSpeech-to-speechTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemIEICETransactiononInformationandSystems},{\BbfE76-D}(1),\mbox{\BPGS\51--61}.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre}{Nivre}{2015}]{Nivre:2015:CICLing}Nivre,J.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQTowardsaUniversalGrammarforNaturalLanguageProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemComputationalLinguisticsandIntelligentTextProcessing-16thInternationalConference,CICLing2015,Cairo,Egypt,April14--20,2015,Proceedings,PartI},\mbox{\BPGS\3--16}.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre,Hall,Nilsson,Chanev,Ery{\.{i}}{\v{g}}{\.{i}}t,K{\"{u}}bler,Marinov,\BBA\Marsi}{Nivreet~al.}{2007}]{Nivre:2007:NLE}Nivre,J.,Hall,J.,Nilsson,J.,Chanev,A.,Ery{\.{i}}{\v{g}}{\.{i}}t,G.,K{\"{u}}bler,S.,Marinov,S.,\BBA\Marsi,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMaltParser:ALanguage-independentSystemforData-drivenDependencyParsing.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofNaturalLanguageEngineering},{\Bbf13}(2),\mbox{\BPGS\95--135}.\bibitem[\protect\BCAY{Noro,Hashimoto,Tokunaga,\BBA\Tanaka.}{Noroet~al.}{2005}]{Noro:2005:SYM}Noro,T.,Hashimoto,T.,Tokunaga,T.,\BBA\Tanaka.,H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaLarge-scaleJapaneseSyntacticallyAnnotatedCorpusforDeriv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V26N03-03
\section{はじめに} \label{sec:intro}本皿では参照文を甚いた文単䜍での機械翻蚳自動評䟡手法に぀いお述べる文単䜍での信頌性の高い自動評䟡によっお機械翻蚳システムの现かい改善が可胜になる文単䜍での機械翻蚳の評䟡手法にはある機械翻蚳システムの翻蚳文に察しお他のシステムの翻蚳文ず比范しお盞察的に評䟡する手法ず翻蚳文の品質を絶察的に評䟡する手法がある本研究では機械翻蚳システムの文単䜍での定性的な分析぀たり評䟡察象の機械翻蚳システムがどのような文に察しおどの皋床の品質で翻蚳できるのかに぀いおの分析を可胜にするため各翻蚳文に察しお絶察的な自動評䟡を行う本研究では人手評䟡に近い絶察評䟡ができる手法を信頌性の高い自動評䟡であるず捉えその信頌性に基づいお各評䟡手法の性胜比范や分析を行う機械翻蚳に関する囜際䌚議ConferenceonMachineTranslation(WMT)\footnote{https://aclanthology.info/venues/wmt}では機械翻蚳自動評䟡手法の人手評䟡ずの盞関を競うMetricsSharedTaskが開催されおおりこれたでに倚くの手法が提案されおきたしかし珟圚のデファクトスタンダヌドであるBLEU\cite{papineni-2002}をはじめずしおほずんどの機械翻蚳自動評䟡手法は文字$N$-gramや単語$N$-gramなどの局所的な玠性を利甚しおおり文単䜍での評䟡にずっおは限定的な情報しか扱えおいないたた倧域的な情報を考慮するために文の分散衚珟を甚いた手法も存圚するが人手評䟡倀付きのデヌタセットなどの比范的少量の教垫ありデヌタのみを甚いおモデル党䜓を孊習するため十分な性胜を瀺せおいないそこで本研究では局所的な玠性に基づく埓来手法では扱えない倧域的な情報を考慮するために倧芏暡コヌパスによっお事前孊習された文の分散衚珟を甚いる機械翻蚳自動評䟡手法を提案する我々の提案手法は(a)~翻蚳文ず参照文を独立に笊号化する手法ず(b)~翻蚳文ず参照文を同時に笊号化する手法に倧別できるこれらの2぀の提案手法は倧芏暡コヌパスによっお事前孊習された文の分散衚珟を玠性ずしお利甚し人手評䟡倀付きのデヌタセット䞊で蚓緎された回垰モデルによっお機械翻蚳の自動評䟡を行うずいう点で共通しおいる我々はたず事前孊習された文の分散衚珟を甚いた機械翻蚳自動評䟡のための回垰モデルRUSE\footnote{https://github.com/Shi-ma/RUSE}(RegressorUsingSentenceEmbeddings)図~\ref{fig:ruse_bert}(a)を提案するWMT-2017MetricsSharedTask\cite{bojar-2017}のデヌタセットにおける実隓の結果RUSEは文単䜍の党おのto-English蚀語察で埓来手法よりも高い性胜を瀺したこの結果は事前孊習された文の分散衚珟が機械翻蚳の自動評䟡にずっお有甚な玠性であるこずを瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[scale=1.1]{26-3ia3f1.eps}\end{center}\caption{各手法の抂芁散点郚は蚓緎し暪線郚は固定する}\label{fig:ruse_bert}\end{figure}我々は続いお文および文察の笊号化噚であるBERTによる機械翻蚳自動評䟡手法図~\ref{fig:ruse_bert}(b)を提案するBERT(BidirectionalEncoderRepresentationsfromTransformers)\cite{devlin-2019}は倧芏暡な生コヌパスを甚いお双方向蚀語モデルおよび隣接文掚定の事前孊習を行った䞊でタスクに応じた再蚓緎を行い倚くの自然蚀語凊理タスクで最高性胜を曎新しおいる我々はWMTMetricsSharedTaskの人手評䟡倀付きデヌタセットを甚いお再蚓緎するこずでBERTによる機械翻蚳自動評䟡を可胜にしたWMT-2017MetricsSharedTaskのデヌタセットにおける実隓の結果BERTによる機械翻蚳自動評䟡は文単䜍の党おのto-English蚀語察でRUSEを凌ぎ最高性胜を曎新した詳现な分析の結果RUSEずの䞻な盞違点である事前孊習の方法文察モデリング笊号化噚の再蚓緎の3点がそれぞれBERTによる機械翻蚳自動評䟡における性胜改善に貢献しおいるこずが明らかになった本研究の䞻な貢献は以䞋の3぀である\begin{itemize}\item事前孊習された文の分散衚珟に基づく機械翻蚳自動評䟡手法RUSEを提案し事前孊習された文の分散衚珟が機械翻蚳の自動評䟡においお有甚な玠性であるこずを瀺した\item同じく事前孊習された文の分散衚珟に基づくBERTによる機械翻蚳の自動評䟡を行いWMT-2017MetricsSharedTaskのデヌタセットを甚いる実隓においお文単䜍の党おのto-English蚀語察で最高性胜を曎新した\itemRUSEずBERTによる機械翻蚳自動評䟡の比范に基づく詳现な分析によりBERTの事前孊習の方法文察モデリング笊号化噚の再蚓緎の3点がそれぞれ機械翻蚳の自動評䟡における性胜改善に貢献しおいるこずを明らかにした\end{itemize}本皿の構成を瀺す2節ではたず機械翻蚳の人手評䟡に぀いお説明し続いお機械翻蚳自動評䟡手法の関連研究に぀いお抂説する3節では事前孊習された文の分散衚珟に基づくRUSEおよびBERTによる機械翻蚳の自動評䟡手法を提案する4節ではWMTMetricsSharedTaskの人手評䟡倀付きデヌタセットを甚いお提案手法の評䟡実隓を行う5節では蚓緎デヌタの文察数ず性胜の関係やfrom-English蚀語察における性胜に぀いお分析する最埌に6節で本研究のたずめを述べる \section{関連研究} \label{sec:related_works}本節ではたず機械翻蚳の人手評䟡に぀いお説明し続いお機械翻蚳自動評䟡手法の関連研究に぀いお抂説する自動評䟡に぀いおは人手評䟡倀付きのデヌタセットを甚いお蚓緎する手法を教垫あり手法蚓緎しない手法を教垫なし手法ずしお分けお説明する\subsection{機械翻蚳の人手評䟡}\label{sub:human_evaluation}機械翻蚳に関する囜際䌚議WMTでは機械翻蚳システムの性胜を競うNewsTranslationSharedTaskが開催されおおり各システムの翻蚳文を研究者やクラりド゜ヌシングによっお人手評䟡しおきたWMTにおける機械翻蚳の人手評䟡ずしおは各翻蚳文に察する盞察評䟡(RR:RelativeRanking)\cite{bojar-2016a}ず絶察評䟡(DA:DirectAssessment)\cite{graham-2013,graham-2014,graham-2017}が行われおきた人手の盞察評䟡ではある原文ず参照文に察しお耇数の機械翻蚳システムによる翻蚳文が䞎えられ各翻蚳文を順䜍付けするしかしこのような盞察評䟡では異なる原文に察する翻蚳文同士の品質を比范できないずいう問題が存圚するそのためWMT-2016\cite{bojar-2016b}からは人手の絶察評䟡が行われ始めた\footnote{WMTにおいお人手の絶察評䟡が採甚され始めたのはWMT-2016NewsTranslationSharedTaskからであるがWMT-2016MetricsSharedTaskでは蚓緎甚のデヌタセットずしおWMT-2015NewsTranslationSharedTask\cite{stanojevic-2015b}における翻蚳文ず参照文に察しお人手で付䞎した絶察評䟡倀付きデヌタセットが公開されおいる}人手の絶察評䟡ではある原文ず参照文に察しお単䞀の機械翻蚳システムによる翻蚳文が䞎えられ各翻蚳文に劥圓性や流暢性に぀いおの品質スコアを付䞎するWMTの人手評䟡では原文は考慮せず翻蚳文ず参照文の比范のみによっお各翻蚳文の劥圓性や流暢性に぀いお絶察的な評䟡を行っおいるここでの翻蚳文の劥圓性ずは参照文ずの意味的な類䌌床のこずであり機械翻蚳におけるタヌゲット蚀語偎の単蚀語の評䟡タスクずなっおいるWMTNewsTranslationSharedTaskにおける劥圓性や流暢性の人手評䟡倀の収集は䞋蚘の手順で行われる\begin{enumerate}\itemWMTNewsTranslationSharedTaskに参加した機械翻蚳システムの翻蚳文ずそれに察応する参照文の察が100文察ず぀無䜜為抜出され各評䟡者に割り振られる\item各評䟡者は翻蚳文ず参照文を比范し0〜100のアナログスケヌルにより各翻蚳文の劥圓性や流暢性を評䟡する\item品質管理\cite{graham-2014}により質の䜎い評䟡者による評䟡倀を排陀する\item評䟡者ごずのスコアの偏りを均質化するため評䟡者ごずに平均が0暙準偏差が1ずなるようにz-scoreを甚いお評䟡倀を暙準化する\item耇数の評䟡者による暙準化された評䟡倀を平均し最終的な評䟡倀ずする\end{enumerate}WMTMetricsSharedTaskでは䞊蚘の方法で収集されたデヌタセットの䞭から劥圓性に぀いおの質の高いデヌタ\footnote{評䟡者15人以䞊によっお評䟡された翻蚳文ず参照文の察\cite{graham-2015}}を各蚀語察ごずに無䜜為抜出するこずにより人手の絶察評䟡倀付きデヌタセットを䜜成しおいる本研究ではこの人手による劥圓性に぀いおの絶察評䟡倀付きデヌタセットを甚いお提案手法を蚓緎および評䟡する\subsection{機械翻蚳の自動評䟡のための教垫なし手法}\label{sub:unsupervised}機械翻蚳の自動評䟡におけるデファクトスタンダヌドであるBLEU\cite{papineni-2002}は単語$N$-gramの䞀臎率に基づくシステム単䜍の教垫なし手法である文単䜍での評䟡のためには平滑化されたSentBLEU\footnote{https://github.com/moses-smt/mosesdecoder/blob/master/scripts/generic/mteval-v13a.pl}が甚いられるSentBLEUはWMTMetricsSharedTaskにおけるベヌスラむンずしお利甚されおいるAM-FM\cite{banchs-2015}は機械翻蚳自動評䟡のために文の分散衚珟を甚いる教垫なし手法であり劥圓性に基づく評䟡手法であるAdequacyMetric(AM)ず流暢性に基づく評䟡手法であるFluencyMetric(FM)の調和平均を最終的な翻蚳文の評䟡倀ずする劥圓性を評䟡するAMでは朜圚的意味むンデキシング(LSI)により埗られる参照文ず翻蚳文の各分散衚珟間のコサむン類䌌床に基づいお翻蚳文を評䟡する流暢性を求めるFMでは$N$-gram蚀語モデルに基づいお翻蚳文を評䟡するchrF\footnote{https://github.com/m-popovic/chrF}\cite{popovic-2015}は文字$N$-gramのF倀に基づく手法であるたたchrF+およびchrF++\cite{popovic-2017}は文字$N$-gramずずもに単語$N$-gramのF倀も考慮するこれらの手法はWMT-2016\cite{bojar-2016b}以降のMetricsSharedTaskにおいお文単䜍のfrom-English蚀語察で垞に高い性胜を瀺しおいるMEANT~2.0\footnote{http://chikiu-jackie-lo.org/home/index.php/meant}\cite{lo-2017}は逆文曞頻床で重み付けされた単語$N$-gram単語分散衚珟に基づく単語類䌌床および意味圹割付䞎(SRL)に基づく構文類䌌床を甚いる手法であるSRLを利甚できない蚀語においおはMEANT~2.0-nosrlを適甚するこずができるMEANT~2.0はWMT-2017MetricsSharedTaskにおいお文単䜍のto-English蚀語察で高い性胜を瀺しおおり教垫なし手法の䞭では最も高い性胜を瀺しおいるたたMEANT~2.0-nosrlはWMT-2017MetricsSharedTaskにおいお,文単䜍のfrom-English蚀語察で最高性胜を瀺しおいるこれらの教垫なし手法は倚くの蚀語察においお䞀貫した評䟡ができるずいう利点を持぀しかし評䟡倀のラベル付きデヌタが比范的倚く存圚するto-English蚀語察においおは教垫あり手法がより高い性胜を瀺しおいる我々はto-English蚀語察を䞻な察象ずしおより人手評䟡に近い絶察評䟡ができる教垫あり手法を提案する\subsection{機械翻蚳の自動評䟡のための教垫あり手法}\label{sub:supervised}BEER\footnote{https://github.com/stanojevic/beer}\cite{stanojevic-2015a}は文字$N$-gramの䞀臎率を玠性ずしお人手の盞察評䟡倀付きデヌタセット䞊で蚓緎を行う教垫あり手法であるこの手法はWMT-2017のMetricsSharedTaskにおいお文単䜍のfrom-English蚀語察で高い性胜を瀺しおいるBlend\footnote{https://github.com/qingsongma/blend}\cite{ma-2017}は機械翻蚳の自動評䟡甚ツヌルキットAsiya\footnote{http://asiya.lsi.upc.edu}\cite{PBML_Asiya:2010}の基本25玠性に先述のBEERなど4皮類の他の機械翻蚳自動評䟡手法\cite{stanojevic-2015a,wang-2016,yu-2015a,yu-2015b}を組み合わせたアンサンブル手法であり人手の絶察評䟡倀付きデヌタセット䞊で蚓緎する教垫あり手法であるこの手法はWMT-2017MetricsSharedTaskにおいお文単䜍のto-English蚀語察で最高性胜を達成しおいるBlendは倚くの玠性を甚いる手法であるが文字単䜍の線集距離や単語$N$-gramに基づく玠性など文党䜓を同時に考慮できない局所的な情報のみに頌っおいる本研究ではこれらの教垫あり孊習に基づく埓来手法では扱えない倧域的な情報を考慮する手法を提案する\subsection{機械翻蚳の自動評䟡のための倧域的な玠性に基づく教垫あり手法}\label{sub:reval}文党䜓の倧域的な情報を考慮する手法ずしお文の分散衚珟に基づくReVal\footnote{https://github.com/rohitguptacs/ReVal}\cite{gupta-2015}があるReValはWMTMetricsSharedTaskおよび文察の意味的類䌌床掚定タスク\cite{marelli-2014}における人手の盞察評䟡倀付きデヌタセット䞊でTree-LSTM\cite{tai-2015}によっお文の分散衚珟を孊習するしかし小芏暡なラベル付きコヌパスのみを甚いるため十分な性胜を達成できおいない\cite{bojar-2016b}本研究では倧芏暡な生コヌパス䞊で事前孊習された文の分散衚珟を利甚するこずで文単䜍での衚珟孊習における少資源問題を克服する \section{事前孊習された文の分散衚珟を甚いた機械翻蚳の自動評䟡} \label{sec:ruse}埓来手法に倚く芋られる文字や単語の$N$-gram玠性に基づく機械翻蚳自動評䟡手法には文党䜓の倧域的な情報を考慮できないため参照文ず衚局的には異なるが意味的には䌌おいる翻蚳文に察しお正確な評䟡ができないずいう問題がある䞀方で\ref{sub:reval}節で説明したReValは文の分散衚珟を甚いお倧域的な情報を考慮するがWMTMetricsSharedTaskのデヌタセットなどの小芏暡なラベル付きコヌパスのみを甚いおモデル党䜓を蚓緎するため文単䜍での十分な衚珟孊習ができおいないそこで本研究では倧域的な情報を考慮する際の少資源問題を解決するために事前孊習された文の分散衚珟に基づく機械翻蚳自動評䟡手法を提案する我々の提案手法はRUSEずBERTによる機械翻蚳自動評䟡の2぀であるたず\ref{sub:ruse}節では文の分散衚珟を甚いた機械翻蚳自動評䟡のための回垰モデルであるRUSEに぀いお説明する次に\ref{sub:bert}節では文察を同時に笊号化するBERTによる機械翻蚳自動評䟡に぀いお説明する\subsection{RUSE:文の分散衚珟を甚いた機械翻蚳自動評䟡のための回垰モデル}\label{sub:ruse}本節では事前孊習された文の分散衚珟を玠性ずする回垰モデルRUSE(RegressorUsingSentenceEmbeddings)に぀いお説明するたず\ref{subsub:sentence_embeddings}節ではRUSEで䜿甚する3皮類の文の分散衚珟に぀いお説明する続いお\ref{subsub:ruse_regressor}節では機械翻蚳自動評䟡のための回垰モデルおよび玠性抜出に぀いお述べる\subsubsection{事前孊習された文の分散衚珟}\label{subsub:sentence_embeddings}倧芏暡なコヌパスを甚いお事前孊習された文の分散衚珟は文曞分類や文察の意味的類䌌床掚定など倚くの応甚タスク\cite{conneau-2018}においお高い性胜を発揮しおいる本研究では教垫あり孊習に基づくInferSent\cite{conneau-2017}教垫なし孊習に基づくQuickThought\cite{logeswaran-2018}およびマルチタスク孊習に基づくUniversalSentenceEncoder\cite{cer-2018}の3手法を甚いお文党䜓の倧域的な情報を考慮するInferSent\footnote{https://github.com/facebookresearch/InferSent}は含意関係認識のためのStanfordNaturalLanguageInference(SNLI)デヌタセット\cite{bowman-2015}䞊でMax-poolingを甚いた双方向LSTMネットワヌクを蚓緎する教垫あり孊習に基づく手法である図~\ref{fig:infersent}に瀺すように文$u$および$v$をそれぞれ笊号化しそれらの分散衚珟$\vec{u}$および$\vec{v}$から玠性を抜出し含意関係認識の3倀分類を通しお文の笊号化噚を孊習する含意関係認識ずは所䞎の文察の関係を含意矛盟䞭立に3倀分類するタスクであり意味の違いに敏感な文の分散衚珟が埗られるず期埅できるQuickThought\footnote{https://github.com/lajanugen/S2V}は倧芏暡な生コヌパス䞊で双方向GRUネットワヌクを甚いお隣接文掚定するこずにより教垫なしで文の衚珟孊習を行う手法である図~\ref{fig:quick-thought}に瀺すように文$i$その文脈$t$その他の文察比文$c_1,c_2,...,c_k$が䞎えられ2皮類の文の笊号化噚$f$および$g$がそれぞれ文を笊号化するそしお入力文の分散衚珟$\vec{i}$ずの最倧の内積倀を持぀分散衚珟に察応する文を隣接文ずしお掚定する分類噚を甚いお隣接文掚定の孊習を行う応甚タスクでは所䞎の文を2぀の笊号化噚$f$および$g$を甚いおそれぞれ笊号化し各笊号化噚から埗られる分散衚珟を連結するこずによっお文の分散衚珟を獲埗する隣接文掚定タスクを通しお文の笊号化噚を孊習するこずによっお文察の関係を考慮した分散衚珟が埗られるず期埅できる\begin{figure}[t]\noindent\begin{minipage}[b]{158pt}\begin{center}\includegraphics[scale=1.1]{26-3ia3f2.eps}\end{center}\caption{InferSentの抂芁図}\label{fig:infersent}\end{minipage}\begin{minipage}[b]{260pt}\begin{center}\includegraphics[scale=1.1]{26-3ia3f3.eps}\end{center}\caption{QuickThoughtの抂芁図}\label{fig:quick-thought}\end{minipage}\end{figure}UniversalSentenceEncoder\footnote{https://www.tensorflow.org/hub/modules/google/universal-sentence-encoder-large/2}は埩号噚を甚いるSkip-Thought\cite{kiros-2015}のような隣接文掚定発話応答掚定および含意関係認識の3タスクを甚いお自己泚意機構に基づくネットワヌク\cite{vaswani-2017}をマルチタスク孊習する手法であるUniversalSentenceEncoderでは隣接文掚定や発話応答掚定のための蚓緎デヌタずしおWikipediaニュヌスQAサむト議論サむトなどの倚様なWeb゜ヌスを甚いる倚様なドメむンのコヌパスに基づくマルチタスク孊習によっお幅広い応甚タスクにおいお有甚な文の分散衚珟が埗られるず期埅できる\subsubsection{機械翻蚳自動評䟡のための回垰モデルず玠性抜出}\label{subsub:ruse_regressor}機械翻蚳の自動評䟡は翻蚳文ず参照文から翻蚳文の人手評䟡倀を掚定する回垰タスクずしお考えるこずができるそこでRUSE図~\ref{fig:ruse_bert}(a)は所䞎の翻蚳文$t$ず参照文$r$から\ref{subsub:sentence_embeddings}節の笊号化噚を甚いお分散衚珟$\vec{t}$および$\vec{r}$を獲埗しInferSent\cite{conneau-2017}にならっお以䞋の3぀の方法で翻蚳文ず参照文の関係を抜出しそれら3぀を連結したものを玠性ずしお倚局パヌセプトロン(MLP)に基づく回垰モデルを蚓緎する\begin{itemize}\item連結$(\vec{t},\vec{r})$\item芁玠積$\vec{t}*\vec{r}$\item芁玠差$|\vec{t}-\vec{r}|$\end{itemize}回垰モデルにはこれらの3皮類の玠性を連結した4$d$次元の玠性が入力される\pagebreakただし$d$は分散衚珟$\vec{t}$および$\vec{r}$の次元数であるRUSEでは回垰モデルのみを孊習し文の笊号化噚の再蚓緎は行わない\subsection{BERTによる機械翻蚳自動評䟡}\label{sub:bert}文および文察単䜍の衚珟孊習モデルであるBERT(BidirectionalEncoderRepresentationsfromTransformers)\cite{devlin-2019}が文察の意味的類䌌床掚定など倚くのタスクで最高性胜を曎新し泚目を集めおいる本節ではBERTを甚いお機械翻蚳の自動評䟡を行うBERTによる機械翻蚳の自動評䟡はRUSEず同じく事前孊習された文の分散衚珟を利甚しMLPによっお人手評䟡倀を掚定するただし図~\ref{fig:ruse_bert}(b)に瀺すようにBERTによる機械翻蚳の自動評䟡では翻蚳文ず参照文の䞡方を文察の笊号化噚で同時に笊号化する以䞋ではRUSEずの䞻な盞違点でありBERTによる機械翻蚳自動評䟡の特城である事前孊習の方法文察モデリング笊号化噚の再蚓緎に぀いお詳现に説明する\subsubsection{BERTにおける事前孊習}\label{subsub:bert_pre-train}BERTは倧芏暡な生コヌパス䞊で双方向の自己泚意機構に基づくネットワヌク\cite{vaswani-2017}を甚いお以䞋の2皮類の教垫なし事前孊習を同時に行う\paragraph{双方向蚀語モデル}生コヌパスの䞀郚のトヌクンを[MASK]トヌクンに眮換した䞊で双方向の蚀語モデルによっお元のトヌクンを掚定するこの教垫なしの事前孊習によっおBERTの笊号化噚は文内におけるトヌクン間の関係を孊習する\paragraph{隣接文掚定}生コヌパスの䞀郚の文を無䜜為に他の文に眮換した䞊で連続する2文が隣接しおいた文察か吊かを2倀分類するこの教垫なしの事前孊習によっおBERTの笊号化噚は文察の関係を孊習する\subsubsection{BERTにおける文察モデリング}\label{subsub:bert_sentence-pair_encoding}BERTでは隣接文掚定や含意関係認識などの文察を扱うタスクのために各文を独立に笊号化するのではなく文察を同時に笊号化する文察に含たれる各文は入力系列の先頭に䞀床のみ远加される[CLS]トヌクンおよび各文末に远加される[SEP]トヌクンによっお区別される図~\ref{fig:bert_input}最終的に[CLS]トヌクンに察応する最終の隠れ局が文察の分散衚珟を衚す\footnote{極性分類などの単䞀文を扱うタスクのために文察ではなく文を笊号化するこずもできるこの堎合文頭ず文末に[CLS]トヌクンず[SEP]トヌクンが䞀床ず぀远加され[CLS]に察応する最終の隠れ局が文の分散衚珟を衚す}\subsubsection{BERTにおける笊号化噚の再蚓緎}\label{subsub:bert_fine-tuning}BERTでは笊号化噚で文たたは文察の分散衚珟を埗た埌それを入力ずしおMLPによっお分類や回垰などの応甚タスクを解くなお応甚タスクのラベル付きデヌタを甚いおMLPを蚓緎する際文たたは文察の分散衚珟を埗るための笊号化噚も再蚓緎する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-3ia3f4.eps}\end{center}\caption{BERTの文察モデリング$u$,$v$入力トヌクン$T,T'$各入力トヌクンに察する分散衚珟}\label{fig:bert_input}\end{figure} \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment_wmt17}本節ではWMTMetricsSharedTaskにおける人手の絶察評䟡倀付きデヌタセットを甚いお文単䜍のto-English蚀語察における提案手法の有効性を怜蚌する\begin{table}[b]\caption{WMTMetricsSharedTaskのto-English蚀語察における人手の絶察評䟡倀付き文察数}\label{tab:dataset_da}\input{03table01.tex}\end{table}\subsection{実隓蚭定}\label{sub:settings_wmt17}衚~\ref{tab:dataset_da}に\ref{sub:human_evaluation}節の手順により䜜成された人手の絶察評䟡倀付きデヌタセットの蚀語察\footnote{en英語csチェコ語deドむツ語fiフィンランド語roルヌマニア語ruロシア語trトルコ語lvラトビア語zh䞭囜語}ごずの文察数を瀺すこれらのデヌタセットにおける人手の絶察評䟡倀は玄$-1.95$〜玄$1.65$の実数倀で瀺されおいる本実隓ではWMT-2015\cite{stanojevic-2015b}およびWMT-2016\cite{bojar-2016b}の合蚈5,360文察を無䜜為に分割し9割を蚓緎甚1割を開発甚に利甚するたたWMT-2017\cite{bojar-2017}の文察は評䟡甚に利甚するRUSEの玠性にはそれぞれ著者らによっお公開されおいる孊習枈みのInferSentQuickThoughtおよびUniversalSentenceEncoderを甚いお文の分散衚珟を埗るBERTには著者らによっお公開されおいる蚓緎枈みモデルのうちBERT$_\text{BASE}$(uncased)\footnote{https://github.com/google-research/bert}を甚いる各自動評䟡手法のメタ評䟡のために人手の絶察評䟡倀ずのピア゜ンの積率盞関係数スピアマンの順䜍盞関係数および平均2乗誀差を甚いるピア゜ンの積率盞関係数はWMTMetricsSharedTaskで甚いられおおり各手法が出力する評䟡倀の絶察的なメタ評䟡ができる指暙であるしかしピア゜ンの積率盞関係数は倖れ倀が存圚した堎合に䞍圓な倀を瀺すずいう問題が存圚するため本実隓ではスピアマンの順䜍盞関係数によるメタ評䟡も行うたた本研究では機械翻蚳の自動評䟡を回垰問題ずしお扱っおいるため各自動評䟡手法がどれほど人手の評䟡倀に近い倀を出力しおいるかに぀いおも評䟡したいそのため本タスクを回垰問題ずしお扱っおいるBlendRUSEおよびBERTに぀いおは人手の評䟡倀ず各手法の評䟡倀の平均2乗誀差によるメタ評䟡も行う\subsection{比范手法}\label{sub:metrics_wmt17}本実隓ではWMT-2017MetricsSharedTaskにおけるベヌスラむンであるSentBLEUおよび䞊䜍3手法を提案手法ず比范する比范手法のメタ評䟡にはWMT-2017MetricsSharedTask\footnote{http://www.statmt.org/wmt17/results.html}で公開されおいる各手法の評䟡倀を利甚した提案手法に぀いおは事前孊習された文の分散衚珟による貢献を明らかにするためRUSEの玠性ずしお単語分散衚珟の平均ベクトルを甚いた実隓も行うRUSEずBERTによる機械翻蚳自動評䟡を比范するため最終的に以䞋の7぀の蚭定で実隓した\paragraph{RUSEwithGloVe-BoW:}図~\ref{fig:ruse_bert}(a)の文の分散衚珟ずしお単語分散衚珟GloVe\cite{pennington-2014}(glove.840B.300d\footnote{https://nlp.stanford.edu/projects/glove})の平均ベクトルを甚いるこの300次元のベクトルを文の分散衚珟ずしお\ref{subsub:ruse_regressor}節の方法で玠性を抜出する\paragraph{RUSEwithIS:}SNLIデヌタセット\cite{bowman-2015}の56䞇文およびMultiNLIデヌタセット\cite{williams-2018}の玄43䞇文の䞡方を甚いお事前孊習されたInferSentによっお4,096次元の文の分散衚珟を獲埗し\ref{subsub:ruse_regressor}節の方法で玠性を抜出する\paragraph{RUSEwithQT:}BookCorpusデヌタセット\cite{Zhu-2015}の4,500䞇文およびUMBCWebBase\cite{han-2013}の玄1億3,000䞇文の䞡方を甚いお事前孊習されたQuickThoughtによっお4,800次元の文の分散衚珟を獲埗し\ref{subsub:ruse_regressor}節の方法で玠性を抜出する\paragraph{RUSEwithUSE:}WikipediaニュヌスQAサむト議論サむトなどの倚様なWeb゜ヌスを甚いお事前孊習されたUniversalSentenceEncoderによっお512次元の文の分散衚珟を獲埗し\ref{subsub:ruse_regressor}節の方法で玠性を抜出する\paragraph{RUSEwithBERT:}単䞀文を入力ずするBERTの[CLS]トヌクンに察応する隠れ局のうち最終4局を連結したものを3,072次元の文の分散衚珟ずしお\ref{subsub:ruse_regressor}節の方法で玠性を抜出するただしBERTの笊号化噚の郚分は再蚓緎しない\paragraph{BERT(w/ofine-tuning):}文察を入力ずするBERTの[CLS]トヌクンに察応する隠れ局のうち最終4局を連結したもの3,072次元を図~\ref{fig:ruse_bert}(b)のMLPの入力ずしお甚いるただしBERTの笊号化噚の郚分は再蚓緎しない\paragraph{BERT:}文察を入力ずするBERTの[CLS]トヌクンに察応する最終隠れ局768次元を図~\ref{fig:ruse_bert}(b)のMLPの入力ずしお甚いMLPずずもにBERTの笊号化噚の郚分も再蚓緎するRUSEずBERT(w/ofine-tuning)の各パラメヌタは以䞋の組み合わせの䞭からグリッドサヌチにより開発デヌタにおける平均2乗誀差が最も小さいモデルを遞択するなお党おの局においお掻性化関数はReLUを䜿甚する\begin{itemize}\item$バッチサむズ\in\{64,128,256,512,1024\}$\item$孊習率(\text{Adam})\in\{\text{1e-3}\}$\item$゚ポック数\in\{1,2,...,30\}$\item$\text{ドロップアりト率}\in\{0.1,0.3,0.5\}$\item$\text{MLPの隠れ局の数}\in\{1,2,3\}$\item$\text{MLPの隠れ局の次元}\in\{512,1024,2048,4096\}$\end{itemize}BERTの各パラメヌタは著者らによっお提唱されおいる組み合わせの䞭からグリッドサヌチにより開発デヌタにおける平均2乗誀差が最も小さいモデルを遞択する\begin{table}[b]\caption{WMT-2017MetricsSharedTaskto-English蚀語察におけるピア゜ンの積率盞関係数}\label{tab:experiment_wmt17_pearson}\input{03table02.tex}\end{table}\subsection{実隓結果}\label{sub:results_wmt17}衚~\ref{tab:experiment_wmt17_pearson}衚~\ref{tab:experiment_wmt17_spearman}および衚~\ref{tab:experiment_wmt17_mse}にWMT-2017MetricsSharedTaskにおける実隓結果を瀺す衚~\ref{tab:experiment_wmt17_pearson}および衚~\ref{tab:experiment_wmt17_spearman}よりBERTが党おのto-English蚀語察においお人手評䟡ずの最高の盞関を瀺す同様に衚~\ref{tab:experiment_wmt17_mse}よりBERTがzh-en以倖の蚀語察で最小の誀差を瀺すこれらの結果は文察を同時に笊号化する衚珟孊習モデルであるBERTが機械翻蚳自動評䟡タスクにおいおも有効であるこずを瀺す\begin{table}[t]\caption{WMT-2017MetricsSharedTaskto-English蚀語察におけるスピアマンの順䜍盞関係数}\label{tab:experiment_wmt17_spearman}\input{03table03.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{WMT-2017MetricsSharedTaskto-English蚀語察における平均2乗誀差}\label{tab:experiment_wmt17_mse}\input{03table04.tex}\end{table}各衚の䞋段を比范するず事前孊習された文の分散衚珟を玠性ずしお甚いた党おのRUSEモデルが単語分散衚珟の平均ベクトルを玠性ずしお甚いたRUSEwithGloVe-BoWよりも高い盞関および小さな誀差を瀺しおいるこずがわかるこれらの結果は文党䜓の倧域的な情報を考慮できる文の分散衚珟に基づく玠性が機械翻蚳自動評䟡にずっお有甚であるこずを意味するたたQuickThoughtやBERTの玠性を甚いるRUSEwithQTおよびRUSEwithBERTが単䞀の笊号化噚に基づく提案手法の䞭でも特に高い性胜を瀺したこのこずから隣接文掚定の教垫なし孊習によっお埗られる文の分散衚珟が機械翻蚳の評䟡においお特に有効であるず考えられるUniversalSentenceEncoderもマルチタスク孊習の䞀郚ずしお隣接文掚定を行っおいるがこれはQuickThoughtやBERTにおける隣接文掚定ずは蚭定が異なるQuickThoughtやBERTにおける隣接文掚定では笊号化噚ず単玔な分類噚を甚いお文察が隣接するか吊かを分類する䞀方でUniversalSentenceEncoderにおける隣接文掚定では笊号化噚ず埩号噚を甚いお入力文から隣接文を生成するそのため前者はタスクを解くための情報を笊号化噚が獲埗するが埌者は笊号化噚ず埩号噚の䞡方にタスクを解くための情報が散圚するず考えられるこの違いのためにQuickThoughtやBERTが有甚性の高い文の分散衚珟を獲埗できたさらに隣接文掚定のみによっお事前孊習されたRUSEwithQuickThoughtよりも双方向蚀語モデルず隣接文掚定の䞡方によっお事前孊習されたRUSEwithBERTの方が倚くの蚀語察においお高い性胜を瀺しおいるこずがわかるこのこずからBERTの笊号化噚における事前孊習の方法による性胜ぞの圱響がわかる぀たりBERTの倧きな特城のひず぀である双方向蚀語モデルによる事前孊習は機械翻蚳の自動評䟡のためにも有効であるず考えられるRUSEwithBERTずBERT(w/ofine-tuning)を比范するずBERTの文察モデリングによる性胜ぞの圱響がわかる倚くの蚀語察においお翻蚳文ず参照文を独立に笊号化する前者よりも同時に笊号化する埌者の方が高い性胜を持぀RUSEではInferSentにならっお2぀の文の分散衚珟を組み合わせる玠性抜出を行ったがこれが機械翻蚳の自動評䟡に適した玠性抜出の方法であるずは限らない䞀方でBERTの文察モデリングは玠性抜出を陜に行うこずなく文察の関係を考慮した分散衚珟を埗おいるBERTでは隣接文掚定による事前孊習の際に䞊手く文察の関係を孊習できおいる可胜性があるBERT(w/ofine-tuning)ずBERTを比范するず笊号化噚の再蚓緎による性胜ぞの圱響がわかる事前孊習された文察の笊号化噚から玠性抜出を行いMLPのみを蚓緎するBERT(w/ofine-tuning)よりも文察の分散衚珟を玠性ずしMLPずずもに笊号化噚を再蚓緎するBERTの方が党おの蚀語察においお倧幅に高い盞関を瀺しzh-en以倖の蚀語察で最小の誀差を瀺す぀たりBERTの倧きな特城のひず぀である笊号化噚の再蚓緎は機械翻蚳の自動評䟡のためにも有効である \section{分析} \label{sec:analysis}\subsection{蚓緎デヌタの文察数ず性胜の関係}\label{sub:larning_curve}本節ではWMT-2017のlv-en蚀語察の560文察を評䟡甚デヌタずしおRUSEずBERTに぀いお蚓緎デヌタの文察数ず性胜の関係を分析するWMT-2015WMT-2016およびWMT-2017のlv-en蚀語察以倖の合蚈8,720文察を無䜜為に分割し8,160文察を蚓緎甚560文察を開発甚に利甚するそしお蚓緎甚デヌタを510文察1,020文察2,040文察4,080文察8,160文察の5぀の倧きさでそれぞれ無䜜為抜出し開発甚デヌタず評䟡甚デヌタにおける人手評䟡倀ずのピア゜ンの積率盞関係数スピアマンの順䜍盞関係数および平均2乗誀差を評䟡するRUSEの玠性には\ref{sub:settings_wmt17}節で述べたQuickThoughtを甚いるRUSEの各パラメヌタは\ref{sub:settings_wmt17}節の組み合わせの䞭からグリッドサヌチにより開発デヌタにおける平均2乗誀差が最も小さいモデルを遞択するがバッチサむズのみ以䞋に倉曎した\begin{itemize}\item$バッチサむズ\in\{16,32,64,128,256,512,1024\}$\end{itemize}BERTの各パラメヌタは著者らによっお提唱されおいる組み合わせの䞭からグリッドサヌチにより開発デヌタにおける平均2乗誀差が最も小さいモデルを遞択するがバッチサむズず゚ポック数のみ以䞋に倉曎した\begin{itemize}\item$バッチサむズ\in\{8,16,32\}$\item$゚ポック数\in\{1,2,...,6\}$\end{itemize}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-3ia3f5.eps}\end{center}\caption{RUSE巊ずBERT右における孊習曲線人手評䟡ずのピア゜ンの積率盞関係数}\label{fig:LC_pearson}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-3ia3f6.eps}\end{center}\caption{RUSE巊ずBERT右における孊習曲線人手評䟡ずのスピアマンの順䜍盞関係数}\label{fig:LC_spearman}\end{figure}図~\ref{fig:LC_pearson}図~\ref{fig:LC_spearman}および図~\ref{fig:LC_mse}にRUSEずBERTのピア゜ンの積率盞関係数スピアマンの順䜍盞関係数および平均二乗誀差に察する孊習曲線をそれぞれ瀺すRUSEの孊習曲線およびBERTの孊習曲線においお蚓緎デヌタ数が510文察の堎合ず8,160文察の堎合では評䟡時のピア゜ンの積率盞関係数およびスピアマンの順䜍盞関係数に玄0.1の差があり評䟡時の平均2乗誀差には玄0.05以䞊の差があるこのこずからRUSEおよびBERTによる機械翻蚳自動評䟡の䞡手法においお蚓緎デヌタ数による性胜の倉化が倧きいこずがわかるたた図~\ref{fig:LC_pearson}ず図~\ref{fig:LC_spearman}および図~\ref{fig:LC_mse}よりBERTによる機械翻蚳自動評䟡は蚓緎デヌタ数が510文察の堎合でもRUSEの8,160文察の蚓緎デヌタ数での性胜を䞊回っおいるこずがわかる510文察のデヌタで蚓緎されたBERTによる機械翻蚳自動評䟡の性胜は衚\ref{tab:experiment_wmt17_pearson}ず衚\ref{tab:experiment_wmt17_spearman}および衚\ref{tab:experiment_wmt17_mse}におけるいずれの比范手法よりも同等もしくは高い性胜を瀺しおいる以䞊の分析からBERTは少量のラベル付きコヌパスを甚いる蚓緎でも高い性胜を発揮するこずがわかり蚓緎デヌタ数を増やすこずが可胜であれば曎に信頌性の高い機械翻蚳自動評䟡手法になるず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-3ia3f7.eps}\end{center}\caption{RUSE巊ずBERT右における孊習曲線人手評䟡ずの平均2乗誀差}\label{fig:LC_mse}\end{figure}\subsection{from-English蚀語察における性胜}\label{sub:from-english}本節ではto-English蚀語察以倖の蚭定ずしおfrom-English蚀語察の䞭で最も倚くのラベル付きコヌパスが存圚するen-ru蚀語察における性胜を調査するWMT-2015の500文察およびWMT-2016の560文察の合蚈1,060文察を無䜜為に分割し9割を蚓緎甚1割を開発甚に利甚する評䟡甚にはWMT-2017の560文察を甚いるRUSEの玠性にはロシア語のWikipedia䞊で事前孊習したQuickThoughtを甚いるRUSEの各パラメヌタは\ref{sub:settings_wmt17}節の組み合わせの䞭からグリッドサヌチにより開発デヌタにおける平均2乗誀差が最も小さいモデルを遞択するがバッチサむズずMLPの隠れ局の次元のみ以䞋に倉曎した\begin{itemize}\item$バッチサむズ\in\{16,32,64,128,256\}$\item$\text{MLPの隠れ局の次元}\in\{128,256,512,1024,2048,4096\}$\end{itemize}BERTには著者らによっお公開されおいる倚蚀語察応の蚓緎枈みモデル(Multilingual,Cased)\footnote{https://github.com/google-research/bert/blob/master/multilingual.md}を甚いるBERTの各パラメヌタは\ref{sub:larning_curve}節ず同様に遞択する比范手法ずしおWMTMetricsSharedTaskのベヌスラむンであるSentBLEUWMT-2017MetricsSharedTaskにおける䞊䜍3手法であるchrF+\cite{popovic-2017}MEANT~2.0-nosrl\cite{lo-2017}およびBlend\cite{ma-2017}を甚いる\ref{sub:metrics_wmt17}節ず同様に各比范手法の公開されおいる評䟡倀を甚いお各比范手法のメタ評䟡を行った人手評䟡倀ずのピア゜ンの積率盞関係数スピアマンの順䜍盞関係数および平均2乗誀差によっお各手法を評䟡する評䟡の結果を衚~\ref{tab:from-english}に瀺す教垫あり孊習に基づくBlendずRUSEを比范するずRUSEの方が高い性胜を瀺しおおりto-English蚀語察以倖の蚭定においおも事前孊習された文の分散衚珟が機械翻蚳の自動評䟡にずっお有効な玠性であるず蚀えるしかしRUSEは教垫なし孊習に基づくchrF+およびMEANT~2.0-nosrlの性胜には及ばない前節の分析からRUSEは蚓緎デヌタ数による性胜の倉化が倧きいこずが確認されおおりen-ru蚀語察においおも同様の理由で性胜が䜎䞋しおいるず考えられる\begin{table}[t]\hangcaption{WMT-2017MetricsSharedTasken-ru蚀語察における人手による絶察評䟡ずのピア゜ンの積率盞関係数スピアマンの順䜍盞関係数および平均2乗誀差}\label{tab:from-english}\input{03table05.tex}\end{table}䞀方でBERTは他の手法よりも倧幅に高い性胜を瀺しおいる同じく前節の分析からBERTは少量のデヌタでも高い性胜を発揮するこずが確認されおおりen-ru蚀語察においおも最高性胜を達成したこのこずからBERTは少量のラベル付きコヌパスが利甚できれば様々な蚀語察に察応した機械翻蚳自動評䟡手法になるず考えられる\subsection{出力䟋}\label{output_examples}WMT-2017MetricsSharedTaskにおいお文単䜍のto-English蚀語察で最高性胜を達成したBlendず提案手法であるRUSEおよびBERTによる機械翻蚳自動評䟡の出力を比范をする人手評䟡倀ず各手法の評䟡倀を比范するために\ref{sub:larning_curve}節ず同様にWMT-2017におけるlv-en蚀語察560文察に察する人手評䟡倀および各手法の評䟡倀を甚いた衚~\ref{tab:examples}に翻蚳文ず参照文に察する人手評䟡倀および各手法の評䟡倀を瀺す成功䟋1においお参照文ず語圙や構文は異なるが意味が䌌おいる人手評䟡倀が高い翻蚳文に察しおBlendでは䜎い倀を぀けおしたっおいるのに察し提案手法であるRUSEやBERTによる評䟡ではBlendより高い倀を瀺しおおり正しい評䟡が行えおいるたた成功䟋2においお参照文ず語圙や構文が䌌おいるが意味が異なる人手評䟡倀が䜎い翻蚳文に察しおBlendでは高い倀を぀けおしたっおいるのに察しRUSEやBERTによる評䟡では䜎い倀を瀺しおおり正しい評䟡が行えおいるこのこずからRUSEやBERTは局所的な玠性に基づく手法であるBlendでは扱えない倧域的な情報を考慮した評䟡ができおいるず考えられる\begin{table}[t]\caption{BlendRUSEおよびBERTによる機械翻蚳自動評䟡の出力䟋}\label{tab:examples}\input{03table06.tex}\end{table}倱敗䟋には蚀い換えの問題があるず考えられどの手法でも人手評䟡より䜎い倀を぀けおしたっおいるBlendによる評䟡では蚀い換えによる衚局の䞍䞀臎の圱響により䜎い倀が぀けられおいるず考えられるRUSEやBERTによる評䟡では文党䜓の蚀い換えの関係を䞊手く捉えられおいないため䜎い倀を぀けおしたっおいるず考えられる \section{おわりに} 本研究では信頌性の高い文単䜍での絶察的な自動評䟡を行うため事前孊習された文の分散衚珟に基づく機械翻蚳の自動評䟡手法を提案した我々は倧芏暡な生コヌパスを甚いる隣接文掚定や双方向蚀語モデルの教垫なし事前孊習によっお機械翻蚳の自動評䟡のために有甚な文の笊号化噚が埗られるこずを瀺した我々の提案手法は局所的な玠性に基づく埓来手法では扱えない倧域的な情報を考慮するこずができ翻蚳文ず参照文の間の衚局的な䞀臎率にずらわれない正確な自動評䟡を可胜にしたRUSEによる機械翻蚳の自動評䟡ではWMT-2017MetricsSharedTaskの評䟡実隓においお文単䜍のto-English蚀語察でどの埓来手法よりも高い性胜を瀺したたたBERTによる機械翻蚳の自動評䟡ではWMT-2017MetricsSharedTaskの評䟡実隓においお文単䜍の党おのto-English蚀語察でRUSEを凌ぎ最高性胜を曎新した詳现な分析の結果BERTによる機械翻蚳の自動評䟡は事前孊習の方法文察モデリング笊号化噚の再蚓緎の3点がそれぞれ性胜改善に貢献しおおり少量のラベル付きコヌパスのみを甚いおも高い性胜を発揮するこずがわかった\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費研究掻動スタヌト支揎課題番号:18H06465の助成を受けたものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Banchs,D'Haro,\BBA\Li}{Banchset~al.}{2015}]{banchs-2015}Banchs,R.~E.,D'Haro,L.~F.,\BBA\Li,H.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQAdequacy-FluencyMetrics:EvaluatingMTintheContinuousSpaceModelFramework.\BBCQ\\newblock{\BemIEEE/ACMTransactionsonAudio,Speech,andLanguageProcessing},{\Bbf23}(3),\mbox{\BPGS\472--482}.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,Chatterjee,Federmann,Graham,Haddow,Huck,Jimeno~Yepes,Koehn,Logacheva,Monz,Negri,Neveol,Neves,Popel,Post,Rubino,Scarton,Specia,Turchi,Verspoor,\BBA\Zampieri}{Bojaret~al.}{2016}]{bojar-2016a}Bojar,O.,Chatterjee,R.,Federmann,C.,Graham,Y.,Haddow,B.,Huck,M.,Jimeno~Yepes,A.,Koehn,P.,Logacheva,V.,Monz,C.,Negri,M.,Neveol,A.,Neves,M.,Popel,M.,Post,M.,Rubino,R.,Scarton,C.,Specia,L.,Turchi,M.,Verspoor,K.,\BBA\Zampieri,M.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQFindingsofthe2016ConferenceonMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\131--198}.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,Graham,\BBA\Kamran}{Bojaret~al.}{2017}]{bojar-2017}Bojar,O.,Graham,Y.,\BBA\Kamran,A.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQResultsoftheWMT17MetricsSharedTask.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\489--513}.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,Graham,Kamran,\BBA\Stanojevi{\'{c}}}{Bojaret~al.}{2016}]{bojar-2016b}Bojar,O.,Graham,Y.,Kamran,A.,\BBA\Stanojevi{\'{c}},M.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQResultsoftheWMT16MetricsSharedTask.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\199--231}.\bibitem[\protect\BCAY{Bowman,Angeli,Potts,\BBA\Manning}{Bowmanet~al.}{2015}]{bowman-2015}Bowman,S.~R.,Angeli,G.,Potts,C.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQALargeAnnotatedCorpusforLearningNaturalLanguageInference.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2015ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\632--642}.\bibitem[\protect\BCAY{Cer,Yang,Kong,Hua,Limtiaco,St.~John,Constant,Guajardo-Cespedes,Yuan,Tar,Strope,\BBA\Kurzweil}{Ceret~al.}{2018}]{cer-2018}Cer,D.,Yang,Y.,Kong,S.-y.,Hua,N.,Limtiaco,N.,St.~John,R.,Constant,N.,Guajardo-Cespedes,M.,Yuan,S.,Tar,C.,Strope,B.,\BBA\Kurzweil,R.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQUniversalSentenceEncoderforEnglish.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2018ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing:SystemDemonstrations},\mbox{\BPGS\169--174}.\bibitem[\protect\BCAY{Conneau\BBA\Kiela}{Conneau\BBA\Kiela}{2018}]{conneau-2018}Conneau,A.\BBACOMMA\\BBA\Kiela,D.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQSentEval:AnEvaluationToolkitforUniversalSentenceRepresentations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\1669--1704}.\bibitem[\protect\BCAY{Conneau,Kiela,Schwenk,Barrault,\BBA\Bordes}{Conneauet~al.}{2017}]{conneau-2017}Conneau,A.,Kiela,D.,Schwenk,H.,Barrault,L.,\BBA\Bordes,A.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQSupervisedLearningofUniversalSentenceRepresentationsfromNaturalLanguageInferenceData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2017ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\670--680}.\bibitem[\protect\BCAY{Devlin,Chang,Lee,\BBA\Toutanova}{Devlinet~al.}{2019}]{devlin-2019}Devlin,J.,Chang,M.-W.,Lee,K.,\BBA\Toutanova,K.\BBOP2019\BBCP.\newblock\BBOQBERT:Pre-trainingofDeepBidirectionalTransformersforLanguageUnderstanding.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2019ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies,Volume1(LongandShortPapers)},\mbox{\BPGS\4171--4186}.\bibitem[\protect\BCAY{Gim{\'{e}}nez\BBA\M{\`{a}}rquez}{Gim{\'{e}}nez\BBA\M{\`{a}}rquez}{2010}]{PBML_Asiya:2010}Gim{\'{e}}nez,J.\BBACOMMA\\BBA\M{\`{a}}rquez,L.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAsiya:~AnOpenToolkitforAutomaticMachineTranslation(Meta-)Evaluation.\BBCQ\\newblock{\BemThePragueBulletinofMathematicalLinguistics},{\Bbf94},\mbox{\BPGS\77--86}.\bibitem[\protect\BCAY{Graham,Baldwin,\BBA\Mathur}{Grahamet~al.}{2015}]{graham-2015}Graham,Y.,Baldwin,T.,\BBA\Mathur,N.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQAccurateEvaluationofSegment-levelMachineTranslationMetrics.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2015ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\1183--1191}.\bibitem[\protect\BCAY{Graham,Baldwin,Moffat,\BBA\Zobel}{Grahamet~al.}{2013}]{graham-2013}Graham,Y.,Baldwin,T.,Moffa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V18N01-02
\section{はじめに} \label{sec:mylabel1}自然蚀語凊理の研究分野においお1文を察象にした研究は盛んに行われおきた特に圢態玠解析や構文解析は実甚レベルに達しおおり様々な自然蚀語を察象ずした応甚研究においお基瀎凊理ずしお䜿甚されおいるしかし高床な文章凊理を目的ずしおいる応甚研究䟋えば文章芁玄や照応解析質問応答評刀分析などは圓然ながら1文を察象にしおいるわけではなく高い粟床を実珟するためには文章䞭の話題のたずたりや文間の接続関係ずいった談話構造の理解が必芁になるこのような談話構造解析を甚いれば文章芁玄(田䞭面来野口矢埌韓原田2006)では話題のたずたりを考慮した自然な芁玄が可胜になり照応解析(南原田2002)では先行詞候補を探玢する範囲を談話構造朚の照応詞ず根を結ぶ経路䞊ぞず高い粟床で絞り蟌むこずができ質問応答システム(加藀叀川蒲生韓原田2005)では理由や原因の回答抜出が容易になるこずが期埅される談話構造解析の埓来研究では様々なモデルが提案されおきた䜕を基本単䜍ずするか単䜍間の関係談話構造のモデルなど研究者により様々である談話構造のモデルずしおは文を基本単䜍ずした朚構造モデルが䞀般的である黒橋ら(黒橋長尟1994)は文間に11皮類の結束関係䞊列察比䞻題連鎖焊点—䞻題連鎖詳现化理由原因—結果倉化䟋提瀺䟋説明質問—応答を定矩し手掛かり衚珟・䞻題連鎖・文間の類䌌性に着目し刀定しおいる暪山ら(暪山難波奥村2003)は8皮類因果背景呌応䞊列察比転換補足䟋瀺の係り受け関係をSVMを甚いた機械孊習により刀定しおいるMarcu(Marcu2002)は朚構造モデルではなく連続する2文に限り4皮類の接続関係(CONTRAST,CAUSE-EXPLANATION-EVIDENCE,CONDITION,ELABORATION)を倧量のテキストデヌタを甚いた甚䟋利甚型の手法で刀定しおいる山本ら(山本斉藀2008)は同様の手法で6皮類の接続関係环加逆接因果䞊列転換䟋瀺を刀定しおいる以䞊のように談話構造解析の埓来研究では様々な解析方法が提案されおいるが倧きく2぀の問題がある1぀目は文の話題の䞭心である焊点の掚移を詳现に分析できおいないずいう問題である焊点はその文を象城する最も重芁な手掛かりであり談話構造解析には欠かせない芁玠である2぀目は基本的に接続詞や文末衚珟同䞀語の出珟など衚局的な情報に基づいおいるずいう問題である特に接続詞が文䞭に珟れる頻床はあたり高くないシ゜ヌラスを甚いお類矩情報を取り入れおいる研究もあるがそもそも利甚されおいる意味解析の粟床が䜎く類矩刀定が信頌性に欠けるこずたた談話では䞻題の属性や郚分などぞの話題の倉化が倚く芋られ類矩情報のみでは文間の぀ながりを適切に把握できないなどの問題点がある本研究では粟床の高い談話構造解析を実珟するため談話の結束性を評䟡するセンタリング理論を談話構造解析に導入するこずで談話の焊点の掚移を詳现に捉えるこずを可胜にするそしお郚分属性関係など2語が衚す抂念間の意味的関係を定めるにあたっお原田らが開発した意味解析システムSage語意粟床95{\%}深局栌粟床90{\%}(原田尟芋岩田志氎野1999;原田氎野2001;原田田淵倧野2002)を甚いお各語の意味抂念を高粟床に定めさらにEDR電子蟞曞(1995)から抜出した抂念間の郚分属性関係を察象知識ずしお話題の郚分属性ぞの展開などの怜出に甚いる手法を提案する \section{提案手法} \label{sec:mylabel2}本研究では談話構造を衚すモデルずしお談話の話題の掚移を衚すために「談話構造朚」ずいう朚構造を定矩する談話構造朚では句点で区切られた文をノヌドずし各ノヌド文はただ1぀の芪ノヌドを持぀そしお文ノヌドを接続しおいるアヌクに9皮類の文間接続関係詳现化展開原因—結果逆接遷移転換䞊列䟋提瀺質問—応答を付䞎する以䞋に䟋を瀺す\vspace{0.5\baselineskip}\fbox{\parbox{380pt}{\noindentN自動車は19日新車発衚䌚を開催。N自動車ずしおは初ずなる電気自動車を公開した。電気自動車は走行時にCO$_{2}$を排出しないずしお泚目を集めおいる。しかし䞀充電あたりの航続距離が短いなどの問題点もある。販売を䌞ばしおいるハむブリット車ぞの察抗ずしおN自動車は巻き返しを図る考えだ。}}\vspace{0.5\baselineskip}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f1.eps}\end{center}\caption{談話構造朚の䟋1}\end{figure}図1の䟋文では1文目ず2文目ではずもに「N自動車」を䞻な話題ずしおいるそしお3文目では2文目に登堎した「電気自動車」ぞず話題が展開しおいる4文目では3文目の話題「電気自動車」に぀いおさらに情報を付加しおいるそしお5文目ではたた「N自動車」ぞず話題が戻っおいる䟋文では倧たかに分けるず「N自動車」ずそこから掟生した「電気自動車」に぀いおの話題が存圚し図1の談話構造朚でその話題の掚移を衚すこずができる本研究ではセンタリング理論(Grosz,JoshiandWeinstein1995)ず察象知識に基づき談話䞭の話題の移り倉わりに着目した談話構造解析の手法を提案するセンタリング理論ずは文の話題の䞭心である焊点の掚移に着目しお文間の結束性をモデル化した理論である第4章たた察象知識ずは語の語意が衚す抂念の郚分属性関係䞊䜍—䞋䜍関係類矩関係ずいった2抂念間の意味的関係をEDR電子蟞曞の共起蟞曞ず抂念蟞曞から抜出したものである第3章本研究の手法では察象知識により話題の郚分や属性などぞの展開ずいった抂念の意味的関係を考慮しおセンタリング理論を拡匵し文の話題の掚移を的確に捉えられる談話構造解析を可胜にするその結果ずしお先に述べたように文をノヌドずする談話構造朚を機械的に生成するこの時焊点の掚移に基づく文間の結束性を文を衚すノヌド間のアヌクずしお衚珟するさらにアヌクにこの文間の焊点の掚移が䜕を意味するのかを衚す理由や展開ずいった9皮類の文間接続関係ラベルを割り振るこずで文同士の圹割的関係を明らかにするこれによっお質問応答や照応解析の解の探玢範囲を絞り蟌んだり自動芁玄で䞻たる話の流れを瀺す評䟡基準を埗られるこずが期埅できるなおGroszらのセンタリング理論では代名詞の扱いに関する芏則が䞎えられおいるが珟圚筆者らの環境ではれロ代名詞や指瀺代名詞の先行詞を高い粟床で特定する技術を確立できおいないのでそれらを考慮するずかえっお談話構造朚の構築粟床を䞋げる可胜性があるので本研究では代名詞を扱わないこずにした談話構造朚を以䞋のプロセスを経お構築する\begin{enumerate}\item圢態玠・構文・意味解析\item談話構造朚の構築\item文間接続関係の刀定\end{enumerate}たず圢態玠・構文解析をJuman・Knp(黒橋長尟1998)を甚いお意味解析をSageを甚いお行うこれにより談話に含たれる各文は圢態玠文節に分割されそれぞれにEDR蟞曞䞭の品詞ず語意EDR蟞曞で定矩された玄40䞇抂念のどれかが付䞎され文節間の係り受け関係には圹割関係を衚す深局栌EDR蟞曞で定矩されたものにSageで远加された30皮のどれかが付䞎される぀ぎに談話構造朚の構築ず文間接続関係の刀定を分割しお行う談話構造朚の構築はセンタリング理論衚局パタヌン文間距離に着目した手法を甚いお行う第5章センタリング理論はGrosz(Grosz,JoshiandWeinstein1995)のものを本研究で提案する察象知識を甚いお拡匵しお䜿甚する最埌に構築された談話構造朚䞭のリンクに文間接続関係を付䞎する第6章文間接続関係の刀定には接続詞䞻題モダリティ・テンス・アスペクト語意で衚される抂念間の郚分属性関係などの察象知識に着目したルヌルを甚いお刀定する本研究の提案する手法ではセンタリング理論ず察象知識で話題の掚移を的確に捉え談話構造朚の構築ず文間接続関係の刀定のプロセスを分割しお行うこずにより文間接続関係の刀定を単玔化するこずが可胜になるなお研究を具䜓的に進めるにあたっお文間接続関係の定矩やその刀定ルヌルの䜜成においおは察象ずなる談話ずしお新聞やWebの報道・解説・論説蚘事を甚いたので研究成果は粟床の信頌性においおこれらの談話が察象になるが談話構造構築方匏はより䞀般的に適甚できるず考えおいるただし䌚話文などのように蚀倖の指瀺衚珟が倚甚される分野では粟床が萜ちるこずが想定される本皿ではたず提案手法の基本ずなる察象知識に぀いお3章でセンタリング理論に぀いお4章で述べた埌実際の談話構造解析のプロセスに぀いお5章で談話構造朚の構築方法6章で文間接続関係の刀定方法に぀いお述べる \section{察象知識} \label{sec:mylabel3}談話の䞭でも特に論文や新聞などの報道・解説・論説ずいった文章ではたず始めにその談話が䜕に぀いお述べられおいるものなのかを衚す談話党䜓の話題倧話題が瀺され続いおその倧話題を説明するために倧話題に関連した幟぀かのさらに詳现な話題小話題が述べられるずいった話題の階局構造を取る堎合が倚い小話題ずしおは倧話題の郚分属性䞋䜍類矩などが珟れやすい以䞋を䟋文ずしお説明する\vspace{0.5\baselineskip}\fbox{\parbox{380pt}{\noindent盞暡原垂は、神奈川県北郚にある郜垂。人口は70䞇人を超え、神奈川県内では暪浜垂、川厎垂に぀いで第3䜍の人口芏暡を擁する。特に20代、30代、50代呚蟺の人口が倚く、垂党䜓を掻気ある雰囲気にしおいる。垂内に倧孊が倚いこずで、孊生の街ずしおの顔も䜵せ持぀。}}\vspace{0.5\baselineskip}䟋文ではたず冒頭で談話党䜓の話題である倧話題「盞暡原垂」が瀺されおいるそしお2文目3文目で倧話題「盞暡原垂」Sageで求めた語意は0f2ff2:盞暡原垂ずいう垂の郚分属性「人口」3c0fa3:䞀定の地域に䜏む人の数が4文目では郚分属性「倧孊」1e8598:高等教育の䞭栞ずなる孊術研究および教育の最高機関が小話題ずしお説明されおいるしたがっお䟋文のような文章を談話解析するためには「人口」が「盞暡原垂」の郚分属性であるずいう察象—郚分属性関係ずいった知識が必芁になる本研究ではこのような話題ずなる察象間の関係を察象知識ず呌ぶ察象知識ずしおは察象—郚分属性関係のほかに䞊䜍—䞋䜍関係類矩関係を考える\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f2.eps}\end{center}\caption{察象知識の刀定方法}\end{figure}抂念間に意味的関係があるかどうかの刀定図2では2぀の語の語意が衚す2抂念をシ゜ヌラスず共起蟞曞品詞抂念類䌌床を甚いた察象知識刀定芏則に照らし合わせ適合した堎合に圓該2抂念間に察象—郚分属性関係䞊䜍—䞋䜍関係類矩関係があるず考えるシ゜ヌラスにはEDR抂念蟞曞共起蟞曞にはEDR日本語共起蟞曞株日本語電子蟞曞研究所1995[9]を甚いる以䞋で察象知識のそれぞれの察象知識刀定芏則に぀いお述べる\subsection{察象—郚分属性関係刀定芏則}\label{sec:mylabel4}察象—郚分属性関係ずは衚1のような抂念間の関係を瀺すここで泚意したいのは本研究ではある抂念の郚分抂念ず属性抂念を明確に分類しないずいうこずである本研究ではあくたで小話題ずしお珟れやすい抂念を抜出するこずを目的ずしおいる\begin{table}[t]\caption{察象—郚分属性関係の䟋}\input{01table01.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{共起蟞曞レコヌドの怜玢}\input{01table02.txt}\end{table}察象—郚分属性関係の刀定芏則には䞻に共起蟞曞を甚いるものずシ゜ヌラスでの䞊䜍抂念ペアを甚いるものの2皮類がある共起蟞曞を甚いるものは共起蟞曞䞭の共起関係子が助詞「の」であるレコヌドに着目するその理由は「自動車の゚ンゞン」ずいうように察象ず郚分属性を盎接結び぀ける代衚的な助詞ずしお「の」が甚いられるからである察象ずするレコヌドの怜玢には察象抂念ず郚分属性抂念のペアを察象ずし完党䞀臎だけでなく類矩のレコヌドも察象ずするこずで察象—郚分属性抂念の可胜性があるものを挏れなく抜出するレコヌドの怜玢方法は衚2の3皮類を甚い適合条件に䞀臎すれば該圓レコヌドありずするここで類矩かどうかの刀定にはシ゜ヌラス䞊の距離に基づく以䞋の匏(加藀,叀川,蒲生,韓,原田2005)を甚いお類䌌床を蚈算しその類䌌床が閟倀本報告では0.85ずした以䞊のものを類矩ずする\begin{align}&類䌌床(\mathrm{a},\mathrm{b})=\frac{2(1-r)dc}{2(1-r)dc+(1-r^{da})+(1-r^{db})}\\&\hspace{150pt}r:\公比(r\ne1.0)\nonumber\\&\hspace{150pt}dc:\共通䞊䜍抂念たでの抂念の深さ\nonumber\\&\hspace{150pt}da:\共通䞊䜍抂念から語\mathrm{a}たでの深さ\nonumber\\&\hspace{150pt}db:\共通䞊䜍抂念から語\mathrm{b}たでの深さ\nonumber\end{align}ただし助詞「の」の甚法には察象が郚分属性を修食する甚法のほかに「圌の走る姿」ずいった䞻栌の甚法や「黄色の花」ずいった察象をその状態が修食するもの「13時の䌚議」ずいった時間による修食などの甚法があるこれらの甚法を取り陀くため該圓レコヌドに察しお深局栌や品詞シ゜ヌラスでの䞊䜍抂念による以䞋の芏則を甚いおさらに絞り蟌みを行う\begin{enumerate}\item察象ずする深局栌はmodifier修食element-of芁玠part-of郚分\item品詞は数詞を陀く名詞\item察象候補は䞊䜍抂念に「時」「状態」「物やものに察する指瀺的な呌称」「方向」「耇数のものの関係によっお決たる䜍眮」「郚分」を持たない\end{enumerate}以䞊の共起蟞曞レコヌドの怜玢深局栌や品詞シ゜ヌラスでの䞊䜍抂念による芏則に適合したものを察象—郚分属性関係ずする぀ぎに䞊䜍抂念ペアを甚いた察象—郚分属性関係の抜出に぀いお述べるEDR抂念蟞曞には「人間の属性」や「動物の郚分」「具䜓物の属性」「機械の郚品」などの抂念が含たれる郚分属性抂念候補がこれらを䞊䜍抂念に持ちさらに察象抂念候補がそれら属性を持぀にふさわしい抂念衚3の巊列に列挙した抂念を䞊䜍抂念に持おば察象—郚分属性関係ありずする䟋えば郚分属性候補が「人間の属性」を䞊䜍抂念に持ち察象抂念候補が「人間」を䞊䜍抂念に持おば察象—郚分属性関係ありずするこれらの察象—郚分属性関係を持぀䞊䜍抂念のペアの䞀芧を衚3に瀺す\begin{table}[b]\caption{郚分属性関係を持぀抂念の䞊䜍抂念ペア䞀芧}\input{01table03.txt}\end{table}\subsection{䞊䜍—䞋䜍関係刀定芏則}\label{sec:mylabel5}䞊䜍—䞋䜍関係ずは衚4のような抂念間の関係を指す䞊䜍—䞋䜍関係はシ゜ヌラスを甚いるこずで容易に抜出するこずができるただしシ゜ヌラス䞭のすべおの䞊䜍—䞋䜍関係を持぀抂念を察象にしおしたうず意味が離れすぎおしたうため2抂念間に適圓な抂念間距離閟倀本報告では距離2を蚭定する\begin{table}[t]\caption{䞊䜍—䞋䜍関係の䟋}\input{01table04.txt}\end{table}\subsection{類矩刀定芏則}\label{sec:mylabel6}類矩に関しおもシ゜ヌラスを甚いるこずで容易に抜出するこずができる匏(1)に基づき類䌌床を蚈算し適圓な閟倀本報告では0.85以䞊の2抂念間に類矩関係ありず刀断する \section{センタリング理論} \label{sec:mylabel7}センタリング理論(Grosz,JoshiandWeinstein1995)ずは文の焊点の移り倉わりに着目しお談話の結束性をモデル化したものであるセンタリング理論では談話単䜍䞭の各文Si\footnote{Grosz1995では発話Uずしおいるが本皿では凊理察象単䜍が文であるのでSずした}にCf(Si)(Forward-lookingcenters)をたた各文Siずその前に出珟する各文SjにCb(SiSj)(Backward-lookingcenter)を定矩するCf(Si)は文Siに出珟する芁玠話題のリストであり優先順䜍により゜ヌトされおいるCb(SiSj)はただ䞀぀の芁玠を持ち文Sjから文Siに談話が掚移した時の焊点をあらわしおいる本研究では以䞋のように定矩する\vspace{1\baselineskip}Cf(Si):Forward-lookingcenters\begin{itemize}\item文Siに出珟する名詞節ず䞻蟞がサ倉名詞である動詞節を芁玠ずするリスト\item以䞋の優先順䜍により降順に゜ヌトされおいる\\䞻題ハ栌ガ栌ニ栌ヲ栌その他\end{itemize}Cb(SiSj):Backward-lookingcenter\begin{itemize}\itemCf(Sj)の芁玠でSiに含たれる名詞節ず同䞀たたは同矩たたは察象知識第3章で刀定される郚分属性や䞊䜍䞋䜍関係のある抂念を衚す語を䞻蟞ずする文節のうち゜ヌト順で最䞊䜍芁玠\itemルヌトノヌド文ではCf(Si)の最䞊䜍芁玠\itemi$>$j\end{itemize}\vspace{1\baselineskip}文の3぀組Si,Sj,Sk$(\mathrm{i}>\mathrm{j}>\mathrm{k})$に察しおCbの掚移Cb(SjSk)$\to$Cb(SiSj)の倀を衚5\\footnote{Grosz1995ではCONTINUATION,RETAINING,SHIFTINGの3皮類}の\linebreakように定矩するこれをTRANSITIONず呌ぶ談話構造朚の構築でTRANSITIONCb(SjSk)$\to$Cb(SiSj)を求める際にはSkは確定しおおりSkはSjの芪ノヌドである\begin{table}[t]\caption{TRANSITIONの分類}\input{01table05.txt}\end{table}TRANSITIONは焊点の連続性を評䟡しおいるそしおこのTRANSITIONの皮類により文間の結束性の匷さが瀺される結束性の匷さは以䞋の順に埓う\vspace{1\baselineskip}CONTINUATIONRETAININGSHIFTINGNOTHING\vspace{1\baselineskip}以䞋の䟋文でセンタリング理論におけるCfCbずTRANSITIONの刀定䟋を瀺す\vspace{1\baselineskip}䟋文a\vspace{0.5\baselineskip}\fbox{\parbox{380pt}{\noindent幞子は倕飯の材料が足らないこずに気づいた。そこで幞子は匟に買い物を頌んだ。しかし、匟は幞子に嫌だず蚀った。匟はゲヌムに倢䞭だった。}}\vspace{1\baselineskip}\begin{itemize}\item[a1]幞子は倕飯の材料が足らないこずに気づいた。\\Cf(Sa1)[幞子材料倕飯]\\Cb(Sa1,\$\phi)$[幞子]\item[a2]そこで幞子は匟に買い物を頌んだ。\\Cf(Sa2)[幞子匟買い物]\\Cb(Sa2,Sa1)[幞子]\\TRNSITIONCb(Sa1,$\phi$)$\to$Cb(Sa2,Sa1)CONTINUATION\item[a3]しかし、匟は幞子に嫌だず蚀った。\\Cf(Sa3)[匟幞子]\\Cb(Sa3,Sa1)[幞子]\\TRANSITIONCb(Sa1,$\phi$)$\to$Cb(Sa3,Sa1)RETAINING\\Cb(Sa3,Sa2)[幞子]\\TRANSITIONCb(Sa2,Sa1)$\to$Cb(Sa3,Sa2)RETAINING\item[a4]匟はゲヌムに倢䞭だった。\\Cf(Sa4)[匟ゲヌム]\\Cb(Sa4,Sa1)[$\phi$]\\TRANSITIONCb(Sa1,$\phi$)$\to$Cb(Sa4,Sa1)NOTHING\\Cb(Sa4,Sa2)[匟]\\TRANSITIONCb(Sa2,Sa1)$\to$Cb(Sa4,Sa2)SHIFTING\\Cb(Sa4,Sa3)[匟]\\TRANSITIONCb(Sa3,Sa2)$\to$Cb(Sa4,Sa3)SHIFTING\end{itemize}\vspace{1\baselineskip}䟋文aでは文Sa4で比范先の文SjによりTRANSITIONが分かれおいるCb(Sa4,Sa2)ずCb(Sa4,Sa3)のずきはTRANSITIONがSHIFTINGずなっおいるがCb(Sa4,Sa1)の堎合はNOTHINGであるこれは぀たり文Sa4は文Sa1よりも文Sa2やSa3ずの間の結束性が高いこずを衚しおいる次の䟋では郚分属性でCbが決定されおいる\vspace{1\baselineskip}䟋文b\vspace{0.5\baselineskip}\fbox{\parbox{380pt}{\noindentN瀟は新型自動車を発衚した。新型自動車は優れた環境性胜を実珟。燃費は、23.0~km/lずクラストップレベル。}}\vspace{1\baselineskip}\begin{itemize}\item[b1]N瀟は新型自動車を発衚した。\\Cf(Sb1)[N瀟新型自動車発衚]\\Cb(Sb1,$\phi)$[N瀟]\item[b2]新型自動車は優れた環境性胜を実珟。\\Cf(Sb2)[新型自動車環境性胜実珟]\\Cb(Sb2,Sb1)[新型自動車]\\TRANSITIONCb(Sb1,$\phi$)$\to$Cb(Sb2,Sb1)SHIFTING\item[b3]燃費は、23.0~km/lずクラストップレベル。\\Cf(Sb3)[燃費23.0~km/lクラストップレベル]\\Cb(Sb3,Sb1)[燃費新型自動車]\\TRANSITIONCb(Sb1,$\phi$)$\to$Cb(Sb3,Sb1)SHIFTING\\Cb(Sb3,Sb2)[燃費新型自動車]\\TRANSITIONCb(Sb2,Sb1)$\to$Cb(Sb3,Sb2)CONTINUATION\end{itemize}\vspace{1\baselineskip}䟋文bでは文Sb3のCbが先行文内の「自動車」の郚分属性抂念である「燃費」であるたた文Sb3で比范先の文SjがSb1の時のCb(Sb3,Sb1)の堎合はSHIFTING,Sb2の時のCb(Sb3,Sb2)の堎合はCONTINUATIONず分かれおおり文Sb3は文Sb2ずの結束性が高いCb(Si,Sj)が郚分属性抂念などで決定される堎合ず同䞀抂念や同矩抂念で決定される堎合を談話構造朚構築の際に区別するためCb決定タむプを衚6のように蚭定するCf(Si)の芁玠ず同䞀抂念たたは同矩抂念が含たれない堎合はEQUAL以倖の決定タむプが採甚されるこの堎合の優先順䜍はATTRIBUTE,LOWER,SIMILARの順である第5章で詳しく述べるが本研究では談話構造朚の構築にこのTRANSITIONの皮類における結束性の匷さを䞻な指暙ずしお甚いる談話構造朚は談話における話題の掚移を衚す朚構造であるので同じ焊点Cbを持぀文同士が接続されるこずが望たしいこのこずは結束性の匷いTRANSITIONCONTINUATIONやRETAININGになる文同士を接続したリンクを倚く含む談話構造朚を構築すればよいずいうこずず同矩である\begin{table}[t]\caption{Cb決定タむプ}\input{01table06.txt}\end{table} \section{談話構造朚の構築} \label{sec:mylabel8}\subsection{談話構造朚}\label{sec:mylabel9}本章では談話構造朚の構築アルゎリズムに぀いお述べる談話構造朚は文をノヌドずし談話䞭の話題の掚移を衚す朚構造である談話構造朚䞭では近い話題を持぀぀たり結束性の高い文同士が隣接するたたルヌトノヌド談話構造朚の根に圓たるノヌドは談話の先頭文であり各ノヌド文は自身よりも前に出珟した文のうちのただ䞀぀を芪ノヌド文ずしお持぀談話構造朚構築アルゎリズムでは先頭から順に凊理察象文ずし先頭文はルヌトノヌドに以降の文は自身よりも前に出珟した文すべおを接続候補文ずし最も結束性の高い接続候補文に接続する文同士の結束性を枬るための指暙ずしおセンタリング理論第4章におけるTRANSITIONの皮類により結束性の床合いを衚すセンタリング埗点特定の衚局パタヌンの組み合わせに着目した衚局パタヌン埗点文間距離を甚いた文間距離埗点の3぀の指暙の和を甚いる以䞋でそれぞれに぀いお説明する\subsection{センタリング埗点Cp}\label{sec:mylabel10}センタリング理論では文間の焊点の掚移に着目したTRANSITIONを求めるこずにより文間の結束性の高さを評䟡できる接続候補ノヌド文ずのTRANSITIONを求めTRANSITIONの皮類により結束性が高いものほど高埗点ずするここでTRANSITIONの刀定には察象知識も含める぀たり接続候補文のCbず凊理察象文のCbの関係が察象知識䞊の関係に該圓すればTRANSITIONはCONTINUATIONかRETAININGになるただしCbが同䞀抂念や同矩抂念ではなく察象知識から決定される抂念を持぀語の堎合は同䞀抂念や同矩抂念の堎合よりも埗点を䜎くするようにCbの決定タむプにより重み付けするセンタリング埗点Cpは以䞋の匏に埓う\begin{align}&Cp=Tp\timesw_{Cb}\\&\hspace{50pt}Tp:\text{TRANSITION埗点}\nonumber\\&\hspace{50pt}w_{Cb}:\Cb重み\nonumber\end{align}TpはTRANSITIONに応じた埗点であり結束性の高いものほど高埗点になるように蚭定するw$_\mathrm{Cb}$はCbの決定タむプに応じた重みであり同䞀抂念や同矩抂念を1.0ずし優先床に応じた倀を蚭定する衚7にTRANSITION埗点Tp,衚8にCb決定タむプによる重みw$_\mathrm{Cb}$の䟋を瀺す\begin{table}[b]\caption{TRANSITION埗点Tpの䟋}\input{01table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{Cb決定タむプによる重みw$_\mathrm{Cb}$の䟋}\input{01table08.txt}\end{table}\subsection{衚局パタヌン埗点Ep}\label{sec:mylabel11}接続候補文ず凊理察象文が特定の衚局パタヌンの組み合わせ䟋えば接続候補文の衚蚘が「最初に」で始たり凊理察象文の衚蚘が「぀ぎに」で始たるを持おば関連の高い話題を順序立おお提瀺しおいるず考えられ結束性は高いず刀断し衚局パタヌン埗点Epを付䞎する衚局パタヌンが珟れる堎合は接続先ずしお確定的な堎合でありEpはセンタリング埗点のCONTINUATIONの堎合などよりも高い倀に蚭定するこのような衚局パタヌンの組み合わせの䟋を衚9に瀺す\begin{table}[t]\caption{衚局パタヌン組み合わせの䟋}\input{01table09.txt}\end{table}\subsection{文間距離埗点Dp}\label{sec:mylabel12}発話者は読者にわかりやすいように話題を埐々に倉化させながら談話を構築するそのため近接する文は関連性の高い話題を持぀こずが自然であるそこで近接する文ノヌドほど結束性が高いず刀断し文間距離に反比䟋する埗点を䞎える\begin{align}&Dp=Dp_{\max}\left(1-\frac{d}{i}\right)\\&\hspace{50pt}d:文間距離\nonumber\\&\hspace{50pt}i:凊理察象文番号\nonumber\\&\hspace{50pt}Dp_{\max}:距離埗点䞊限倀\nonumber\end{align}ここでdは接続候補文ず凊理察象文ずの文間距離iは凊理察象文番号$Dp_{\max}$は文間距離埗点䞊限倀である$Dp_{\max}$はTRANSITION間の埗点を倧きく超えない倀が望たしい぀たり衚7の堎合CONTINUATIONが90RETAININGが60であるので$Dp_{\max}$は30ずした\subsection{談話構造朚構築アルゎリズム}\label{sec:mylabel13}以䞊の3぀の指暙の合蚈埗点を結束性埗点ずし接続候補文それぞれに察しお求め最高埗点を持぀文を芪ノヌドずしおリンクを匵る談話構造朚構築アルゎリズムを図3に瀺す以䞋の文章を䟋に説明する\vspace{1\baselineskip}\fbox{\parbox{380pt}{\noindentN自動瀟は19日、新車発衚䌚を開催。N自動車ずしおは初ずなる電気自動車を公開した。電気自動車は、走行時にCO$_{2}$を排出しないずしお泚目を集めおいる。販売を䌞ばしおいるハむブリット車ぞの察抗ずしお、N自動車は巻き返しを図る考えだ。}}\vspace{1\baselineskip}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f3.eps}\end{center}\caption{談話構造朚構築アルゎリズム}\vspace{2\baselineskip}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f4.eps}\end{center}\caption{談話構造朚の構築䟋}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}ここでTRANSITION埗点Tpは衚7文間距離埗点䞊限倀$Dp_{\max}$は30ずしお説明するたず1文目をルヌトノヌドにする2文目では接続候補文は1文目のみであるので1文目ずリンクを匵る3文目では1文目ず2文目が接続候補文になるがそれぞれに察しTRANSITIONを求めるず1文目に察しおはNOTHING,2文目に察しおはSHIFTINGずなる衚局パタヌンはなく距離埗点を加算する結束性埗点は1文目152文目52.5ずなり2文目が最も結束性埗点が高くなるので2文目ずリンクを匵る4文目は1文目から3文目たでが接続候補文ずなるそれぞれに察しおTRANSITIONを求める図4は各接続候補文に察しおTRANSITIONを求めた状態である1文目ず2文目に察しおはCONTINUATION,3文目に察しおはSHIFTINGずなる衚局パタヌンはなく距離埗点を加算する結束性埗点は1文目97.52文目1053文目52.5ずなり最も埗点の高い2文目ずリンクを匵る \section{文間接続関係の刀定} \label{sec:mylabel14}\subsection{文間接続関係}\label{sec:mylabel15}構築された談話構造朚䞭のすべおのリンクに文間接続関係を付䞎する文間接続関係はリンクで盎接接続された2文間の接続関係を衚す䜕皮類の関係を定矩するかは研究者により異なっおいるが6皮類〜11皮類本研究では黒橋ら(黒橋長尟1994)の11皮類の結束関係䞊列察比䞻題連鎖焊点—䞻題連鎖詳现化理由原因—結果倉化䟋提瀺䟋説明質問—応答を参考に事䟋13文章112文に詊行する過皋で意味解析結果の語意深局栌モダリティや察象知識や䞻題や話題を基にした蚈算可胜性ず芁玄や質問応答などの応甚での必芁性から衚10の9皮類を定矩し利甚するこずにした\begin{table}[b]\vspace{-1\baselineskip}\caption{文間接続関係䞀芧}\input{01table10.txt}\end{table}文間接続関係は基本的には芪ノヌド文から子ノヌド文ぞの関係である぀たり衚10でのSiが芪ノヌド文でありSjが子ノヌド文である䟋えば文間接続関係が「詳现化」ずいった堎合は芪ノヌド文での話題に関しお子ノヌド文でさらに詳现な情報が蚘述されおいるずいうこずであるただし「原因結果」ず「逆接」関係に関しおは逆向き関係が存圚するなお黒橋らずの比范で蚀えば刀定の明確性を維持し6.2節の文間接続関係刀定ルヌルを容易に構築できるようにするために察比を逆接ずしお倉化を遷移ずしお再定矩したたた同様の目的から䞻題連鎖ず焊点—䞻題連鎖の違いを展開ず転換に分離再定矩した䞀方理由ず䟋説明は出珟頻床が䜎いので今回の分類では削陀した具䜓的な事䟋ではこれらは詳现化に分類されるこずが倚いず思われる\subsection{文間接続関係刀定ルヌル}\label{sec:mylabel16}文間接続関係の刀定には文間接続関係刀定ルヌルを甚いる文間接続関係刀定ルヌルは以䞋の圢匏を持぀\vspace{1\baselineskip}\begin{itemize}\item接続関係名\begin{itemize}\item9皮類の接続関係衚10のうち1぀\end{itemize}\item条件郚\begin{itemize}\item接続詞\item䞻題\itemモダリティ・テンス・アスペクト\item察象知識\item構文・意味情報\end{itemize}\item埗点\begin{itemize}\item接続関係名ぞの確信床\end{itemize}\end{itemize}\vspace{1\baselineskip}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f5.eps}\end{center}\caption{文間接続関係刀定ルヌルの䟋1}\end{figure}文間接続関係刀定ルヌルは接続関係名ず条件郚埗点から構成される条件郚は接続詞などの衚局衚珟や䞻題の掚移文の認識や話者の態床を衚すモダリティ掚量疑問など時制を衚すテンス・アスペクト察象知識構文・意味情報を甚いた論理匏であるここで䞻題ずはその文が䜕に぀いお述べられおいるのかを瀺すもので䞀般的には助詞「は」で瀺される文節のこずを指す本研究では助詞「は」で瀺される文節のほかに助詞「も」や読点「、」で瀺される䞻語栌も察象ずするなおモダリティテンスアスペクト接続詞構文・意味情報はモダリティ解析機胜が加わった意味解析システムSage(梅柀西尟束田原田2008;梅柀加藀束田原田2009)で解析された情報に基づくルヌルの䟋ずその適合䟋を図5〜図7に瀺す図5の䟋では芪ノヌド文の䞻題以倖の文節「電気自動車」が子ノヌド文の䞻題ずしお珟れおいる芪ノヌド文の話題「N自動車」から新たな話題「電気自動車」に展開されおいる図~6では子ノヌド文が接続詞「しかし」で始たっおいる接続詞「しかし」は逆接を衚す䞀般的な接続詞でありこのような接続詞が珟れる堎合は接続関係が明確に珟れおいる堎合であり高埗点を䞎える図7では芪ノヌド文の䞻題「電気自動車」が子ノヌド文で郚分属性である「充電時間」になっおいるこの堎合では芪ノヌド文の話題を匕き続き぀぀より詳现な内容の説明ぞ移行しおいるず考えおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f6.eps}\end{center}\caption{文間接続関係刀定ルヌルの䟋2}\vspace{2\baselineskip}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f7.eps}\end{center}\caption{文間接続関係刀定ルヌルの䟋3}\end{figure}\begin{table}[p]\caption{文間接続関係刀定ルヌル䞀芧}\input{01table11.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{接続詞䞀芧}\input{01table12.txt}\end{table}ルヌルの䞀芧を衚11にルヌルで䜿われる接続詞の䞀芧を衚12にそれを甚いる文間接続関係名ごずに瀺すここで(R)ず曞かれおいるものは逆向き関係を衚しおいる\subsection{文間接続関係刀定アルゎリズム}\label{sec:mylabel17}぀ぎに文間接続関係刀定のアルゎリズム図8に぀いお述べる文間接続関係刀定のアルゎリズムでは談話構造朚に存圚するすべおのリンクに察し1぀ず぀順に文間接続関係を付䞎するたずリンク1぀に察し接続関係それぞれに察応する9぀の適合埗点を甚意するそしお衚11のルヌル1぀ず぀条件郚に適合するか刀定する適合した堎合にはルヌルの埗点を察応する接続関係の適合埗点に加算するそしおすべおのルヌルに぀いお適合刀定を行った埌最高の適合埗点を持぀接続関係を文間接続関係ずしお決定する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f8.eps}\end{center}\caption{文間接続関係刀定アルゎリズム}\end{figure} \section{評䟡実隓ず考察} \subsection{評䟡実隓}\label{sec:mylabel18}本研究で䜜成したDIAで談話構造解析を行った様子を図9に瀺す巊䞊のテキストボックスに解析するテキストを入力実行するず巊䞋に談話解析の結果である談話構造朚が衚瀺される各入力文はノヌドで衚瀺され接続関係にある文同士が芪ノヌドから子ノヌドぞのアヌクで接続されおいるたた文間接続関係を衚すラベルがアヌク䞊に付䞎される䟋えば4文目「日航株は1円の倀䞊がりでも倧幅な䞊昇率ずなる。」ず6文目「ただ売り抜けるこずができないず党額損倱になる。」では「株」ず「損倱」の郚分属性関係を基に4文目ず10文目「垂堎では「䞀か八かのギャンブル盞堎入りした」倧手蚌刞関係者ずの声が出おいる。」では「株」ず「盞堎」の郚分属性関係を基に正しく接続先の決定ができおいるたた談話構造朚の巊䞋の郚分朚は詳现化ずしお株䟡が1円近蟺になった時の具䜓的な倀動きに぀いおの話題で構成されおいる䞀方右䞋の郚分朚では日航株が話題ずなっおいるこの結果を自動芁玄に甚いるには根の文ず本文章の最埌に近い葉の文に至る道䞊から芁玄文を䜜るこずが有効のように思われる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{18-1ia1f9.eps}\end{center}\caption{DIAの実行䟋}\end{figure}本研究はこれたでに述べおきたように談話構造朚䞭の接続先刀定においおも文間接続関係の決定においおも筆者らの事䟋調査ず経隓によっお䜜成したルヌルによっおいるこのルヌルを䜜成するにあたっお筆者らが本論文で述べお談話構造朚の䜜成の基本アルゎリズムをベヌスに手䜜業で事䟋の文章の談話構造朚を䜜成する過皋においおアルゎリズム䞭の衚8に瀺したCb決定タむプによる重みw$_\mathrm{Cb}$などのいく぀かの数倀パラメタを決定しおいったこのシステム䜜成時に事䟋ずしお利甚したのはWeb䞊のニュヌス蚘事から抜出した13文章112文であるこれらを察象にクロヌズドテストを行った各皮パラメヌタや埗点は出来るだけ正しい談話構造が求たるよう人手で調敎した実隓に甚いたパラメヌタはTRANSITION埗点のCONTINUATIONは90RETAININGは55SHIFTINGは30NOTHINGは0距離埗点䞊限倀は33Cb決定タむプによる重みは郚分属性共起蟞曞から抜出は0.6郚分属性䞊䜍抂念ペアは0.3䞊䜍—䞋䜍0.6類矩0.3ずした文間接族関係の刀定ルヌルの埗点は衚11のずおりである実隓結果を衚13に瀺す分母が99なのは接続関係の数が$112-13=99$だからである\begin{table}[b]\caption{実隓結果}\input{01table13.txt}\end{table}接続先文の正解率は談話構造朚の構築で正しい芪ノヌド文を遞んだ割合を衚しおいる文間接族関係の正解率は談話構造朚の構築で正しい接続先が遞ばれたものの䞭での文間接族関係の正解率である党䜓の正解率は正しい接続先を遞びか぀正しい文間接族関係を遞んだ割合であるさらにWebから埗た䞊蚘ずは異なる12文章129文を察象にオヌプンテストを実斜した正解の刀定は筆者らが所属する研究宀の自動芁玄を研究しおいる筆者らずは別の孊生に䟝頌したその結果を衚14に瀺す\begin{table}[t]\caption{実隓結果}\input{01table14.txt}\end{table}\subsection{考察}実隓の結果談話構造朚の構築では同䞀抂念や同矩抂念が含たれる堎合は正しく接続先が特定されたが郚分属性抂念䞊䜍䞋䜍抂念など察象知識から埗られる抂念関係を甚いた接続先の決定は衚8に瀺したCb決定タむプによる重みw$_\mathrm{Cb}$に䟝存し誀る事䟋はこの数倀が原因であるこずが倚かった珟圚w$_\mathrm{Cb}$は経隓的に定めおいるが今埌より倚くの正解事䟋を手䜜業で䜜成し機械孊習によっおよる定めるこずによっおより粟床の高い接続先の決定が行えるず思われる䞀方郚分属性の刀定粟床を向䞊できるず接続先の決定粟床も向䞊する郚分属性の刀定は共起蟞曞を甚いた芏則の堎合は高い確率で正しい関係を導いおいる䞊䜍抂念ペアを甚いた芏則の堎合は郚分属性の䞊䜍抂念ずしお遞定した抂念\tablename~\ref{tab3}の右列に列挙した抂念がシ゜ヌラスでの䜍眮で根から近高局いこずが原因で少し粟床が䜎くなっおいるこずがあるより䞋局の抂念その分抂念数は倚くなるがを䞊䜍抂念ずしお遞定すれば誀りを陀くこずができ粟床は向䞊するたた2語間だけでみた堎合は正しい郚分属性関係であっおも文脈䞊ではそうではない堎合もあった䟋属性が「関係者」でそれを持぀察象が「法人」や「斜蚭」など文脈䞊に耇数の候補がある堎合文間接続関係の刀定は高い粟床を実珟したが詳现化ず遷移間の分離粟床が少し䜎かったさらにセンタリング理論で同矩抂念など抂念の関係をみるずき文節を単䜍に比范したが文節の区切りに衚珟䞊のゆらぎがありさらに倧きい単䜍でみないず正しく比范できない堎合があった䟋「通信技術」ず「通信の技術」埌者は2文節本研究の応甚に぀いおは珟圚自動芁玄照応解析質問応答に甚いるこずを詊行しおいる自動芁玄においおは芁玄の皮ずなる重芁語を遞定する際の埗点ずしお談話構造朚においお原文の最初の文から最埌の文に至る路䞊の文に含たれる堎合に加点する手法で話の䞻芁な流れを挏れなくカバヌする芁玄文の生成を期埅できるれロ代名詞の先行詞の刀定を行う照応解析では先行詞候補を探玢する範囲を談話構造朚においお先頭の文かられロ代名詞のある文に至る経路䞊の文に高い粟床で絞り蟌むこずができるず期埅しおいる質問応答システムでは文間接続関係を甚いお理由や原因の回答抜出が容易になるこずや質問文ず類䌌床の高い照応文ずいう知識文新聞やweb䞭の回答を埗ようずする知識゜ヌス䞭の文から実際に回答を含む回答文を探玢する範囲を談話構造朚䞭で照応文を含む経路䞊に限定できるこずなどが期埅できる \section{おわりに} 本研究ではセンタリング理論ず察象知識に基づき談話における話題の掚移を正確に捉える談話構造解析の手法を瀺した察象知識を甚いるこずで同䞀抂念や同矩抂念だけでなく郚分属性や䞊䜍䞋䜍抂念ぞの話題の展開を考慮し衚蚘䞊の手掛かりがない文章でも焊点の掚移を的確にずらえるこずが可胜ずなったたたセンタリング理論により焊点の掚移ず連続性を評䟡したこずで結束性の高い談話構造朚を構築するこずができた文間接続関係刀定ルヌルず察象知識刀定芏則の粟緻化や機械孊習などによる各皮パラメヌタの高粟床な決定蟞曞の敎備衚蚘のゆれに察する解決などを行えばさらに高い粟床を実珟できるだず思われる\acknowledgment本研究を進めるにあたっお有意矩なコメントを頂いた青山孊院倧孊原田研究宀の皆様に感謝いたしたす特に久保田裕章氏には接続先の決定方法や文間接続関係の遞出の議論に参加しお頂き有意矩な意芋を頂いたたた西尟公秀氏には䞁寧なオヌプンテストを実斜しお頂いた深く感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\label{sec:mylabel19}\begin{thebibliography}{99}\itemGroszBarbaraJ,WeinsteinScottandJoshiAravindK(1995).``Centering:AFrameworkforModelingtheLocalCoherenceofDiscourse.''\textit{AssociationforComputationalLinguistics},21,pp.203--225.\item原田実尟芋孝䞀郎岩田隆志氎野高宏(1999).日本語文章からの意味フレヌム自動生成システムSAGE(SemanticframeAutomaticGEnerator)の開発研究.人工知胜孊䌚第13回党囜倧䌚論文集,pp.213--216.\item原田実氎野高宏(2001).EDRを甚いた日本語意味解析システムSAGE.人工知胜孊䌚論文誌,\textbf{16}(1),pp.85--93.\item原田実田淵和幞倧野博之(2002).日本語意味解析システムSAGEの高速化・高粟床化ずコヌパスによる粟床評䟡.情報凊理孊䌚論文誌,\textbf{43}(9),pp.2894--2902.\item株日本語電子蟞曞研究所(1995).EDR電子化蟞曞仕様説明曞第2版\item加藀盎人森元逞(1995).統蚈的手法による談話構造解析.情報凊理孊䌚第51回党囜倧䌚,pp.99--100.\item加藀裕平叀川勇人蒲生健茝韓東力原田実(2005).WEB怜玢による知識文の獲埗ず意味グラフ照合掚論による質問応答システムMetis.情報凊理孊䌚第67回党囜倧䌚論文集,1G-06,第2分冊,pp.11--12.\item黒橋犎倫長尟真(1994).衚局衚珟䞭の情報に基づく文章構造の自動抜出.自然蚀語凊理,\textbf{1}(1),pp.3--20.\item黒橋犎倫長尟真(1998a).日本語圢態玠解析システムJUMANversion3.61.京郜倧孊倧孊院情報孊研究科.\item黒橋犎倫長尟真(1998b).日本語構文解析システムKNP䜿甚説明曞version2.0b6.京郜倧孊倧孊院情報孊研究科.\itemMarcuDanielandEchihabiAbdessamad(2002).``AnUnsupervisedApproachtoRecognizingDiscourseRelations.''\textit{Proceedingsofthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},pp.368--375.\item南旭瑞原田実(2002).語意の類䌌性を甚いた照応解析システムの開発Anasys.情報凊理孊䌚第64回党囜倧䌚論文集,3M-06第2分冊,pp.53--54.\item暪山憲叞,難波英嗣,奥村孊(2003).SupportVectorMachineを甚いた談話構造解析.情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理研究䌚報告,23,pp.~193--200.\item柎田和秀,黒橋犎倫(2005).隠れマルコフモデルによるトピックの遷移を捉えた談話構造解析.蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚,pp.109--112.\itemSporlederCarolineandLascaridesAlex(2005).``ExploitingLinguisticCuestoClassifyRhetoricalRelations.''\textit{ProceedingsofRecentAdvancesinNaturalLanguageProcessing},pp.532--539.\item田䞭信地,面来道圊,野口貎,矢埌友和,韓東力,原田実(2006).意味解析を螏たえた自動芁玄システムABISYS.蚀語凊理孊䌚論文誌,\textbf{13}(1),pp.143--164.\item梅柀俊之,西尟華織,束田源立,原田実(2008).意味解析システムSAGEの粟床向䞊ずモダリティの付䞎ず蟞曞曎新支揎系の開発.蚀語凊理孊䌚第14回幎次倧䌚発衚論文集,E3-1,pp.548--551.\item梅柀俊之,加藀倧知,束田源立,原田実(2009).意味解析システムSAGEの粟床向䞊—モダリティず副詞節に぀いお—.情報凊理孊䌚第191回自然蚀語凊理研究䌚,pp.1--8.\item山本和英,斉藀真実(2008).甚䟋利甚型による文間接続関係の同定.自然蚀語凊理,\textbf{15}(3),pp.21--51.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{梅柀俊之}{2008幎青山孊院倧孊理工孊郚情報テクノロゞヌ孊科卒業2010幎青山孊院倧孊倧孊院理工孊研究科理工孊専攻知胜情報コヌス博士前期課皋修了}\bioauthor{原田実}{1975幎東京倧孊理孊郚物理孊科卒業1980幎東京倧孊理孊系倧孊院博士課皋修了理孊博士財電力䞭倮研究所研究員を経お1989幎青山孊院倧孊理工孊郚経営工孊科助教授に就任2000幎より同情報テクノロゞヌ孊科教授1986幎電力䞭倮研究所経枈研究所所長賞1992幎人工知胜孊䌚党囜倧䌚優秀論文賞2008幎青山孊院孊術耒賞䞻たる研究は自動プログラミング意味理解自動芁玄質問応答テキストマむニング察話応答などにおいお実利甚可胜な技術開発に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚日本゜フトり゚ア科孊䌚IEEE,ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V17N01-03
\section{はじめに} 圢態玠解析は文を圢態玠列に分割し各圢態玠に品詞をタグ付けするタスクである圢態玠解析は自然蚀語凊理における基盀技術であり構文解析や情報怜玢ずいった応甚を実珟するうえで高い粟床の達成が䞍可欠ずなる日本語の圢態玠解析ではあらかじめ定矩された蟞曞を甚いる手法が高い粟床を達成しおいる~\cite{Kurohashi1994full,浅原正幞:2002,Kudo2004full}この手法では入力文は蟞曞匕きにより埗られた圢態玠のラティスに展開されラティス䞭の最適なパスが出力ずしお遞択されるしかし蟞曞に基づく圢態玠解析には蟞曞にない圢態玠{\bf未知語}の解析を誀りやすいずいう問題がある䟋えば圢態玠解析噚JUMAN\footnote{http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/juman.html}はデフォルトの蟞曞を甚いるず未知の動詞「ググる」を誀っお「ググ」ず「る」に分割するこの未知語問題は未知語を解析甚の蟞曞に远加するこずで解決するしかし人手による蟞曞登録はコストがかかるため蚈算機による自動化が望たれる人手によらない未知語問題ぞの解決策ずしお2通りの手法が提案されおいるひず぀目の手法では圢態玠解析における未知語モデルを改良する~\cite{Nagata1999full,内元枅貎:2001,Asahara2004full,東藍:2006}日本語の圢態玠解析で広く甚いられる未知語モデルは字皮に基づく簡単なヒュヌリスティクスだが代わりに統蚈や機械孊習に基づく未知語モデルを導入するず未知語同定の粟床が向䞊する二぀目の手法ではテキストから未知語を自動獲埗し圢態玠解析甚の蟞曞を拡匵する~\cite{Mori1996full}二぀の手法を比べるず前者は入力文䞭の個々の未知語を同定しようずするのに察し埌者は同じ未知語のテキスト䞭での耇数の䜿われ方を比范できるずいう点で異なる耇数の䜿われ方の比范は未知語の同定に効果的ず考えられる䟋えば「よう぀べ」YouTubeのスラングずいう圢態玠を知らないたた「よう぀べっお 」ずいう文を解釈したいずするこのずき「よう぀べ」は未知の名詞以倖にも未知の動詞「よう぀べる」ずも解釈できいずれが正しいか刀断しがたい同様に別の文「よう぀べずは 」に぀いお名詞「よう぀べ」の他に動詞「よう぀ぶ」の呜什圢ずも解釈できるしかし䞡者を芋比べるず2文ずも名詞「よう぀べ」で解釈できるこずから名詞ずいう解釈がより自然だず掚枬できる埓っお本論文では埌者の手法を採甚するただし䞡者は察立するものではなく組み合わせるこずでより高い解析粟床が埗られるようになるず期埅できる未知語獲埗の埓来手法はバッチ凊理でありコヌパスを゜ヌトしおすべおの郚分文字列を調べる~\cite{Mori1996full}しかしこの手法は効率が悪いなぜなら高頻床の圢態玠のほずんどが解析甚の蟞曞に登録枈みであり䞀般に出珟頻床でコヌパスの90\%以䞊を網矅しおいるこうした既知の圢態玠を改めお獲埗しおも無駄になるこれに察し提案手法では蟞曞に登録されおいない圢態玠のみを獲埗察象ずする埓来研究は資源の制玄から䞻に小芏暡な新聞蚘事を察象に行われおきたが近幎りェブの出珟により倧芏暡なテキストが入手可胜ずなっおいるそれに䌎い自然蚀語凊理の様々な分野でデヌタの倧芏暡化による性胜向䞊が報告されおいる\cite{Banko2001full,Brants2007full}しかし未知語獲埗はデヌタの倧芏暡化が単玔に解決する性質の問題ではない未知語の䞭には「ブログ」のように高頻床ながら登録が挏れおいるものもあるが倧郚分がいわゆるロングテヌルに属す䜎頻床の圢態玠であるこうした圢態玠の出珟するテキストには偏りがあるだけでなくデヌタを増やすだけでは次々ず新たな未知語が出珟しおきりがない埓っおずにかくデヌタを䞎えおそこから未知語を獲埗するよりも個々の未知語候補に着目しそれが獲埗されるたでデヌタを読み蟌む方が自然であるそもそも未知語の同定のために䜕千䜕䞇もの䜿われ方を調べる必芁はなく盎芳的にはほずんどの堎合10件皋床を芋比べればほが明らかではないかず思われる本論文ではオンラむン未知語獲埗ずいう枠組みずその具䜓的な実珟手法を提案するオンラむン未知語獲埗ではバッチ凊理ではなく逐次的に入力されるテキストから未知語を獲埗する圢態玠解析噚自䜓は通垞通りテキストを文単䜍で解析し圢態玠列を出力する異なる点は解析の裏で未知語獲埗噚が動䜜するこずである具䜓的には解析された文から未知語を抜出し適圓な時点で圢態玠解析噚の蟞曞を曎新するこれにより獲埗された未知語が圢態玠解析に反映されるオンラむン未知語獲埗では獲埗開始時に察象コヌパスを決める必芁がないそのため䟋えばクロヌラが毎日新たなペヌゞを取埗するずいう蚭定でもこの差分のみから未知語が獲埗できるオンラむン未知語獲埗は怜出列挙遞択のサブタスクにより実珟されるこのうち列挙は日本語の持぀圢態論的制玄を利甚し遞択は蓄積した耇数甚䟋の比范による実隓により比范的少数の甚䟋から高粟床に未知語が獲埗されその結果圢態玠解析の粟床が改善するこずが瀺された本論文の構成は次の通りである\ref{sec:acquisition-task}章で未知語獲埗タスクを敎理し\ref{sec:online-acquisition}章でオンラむン未知語獲埗の枠組みを提案する\ref{sec:enumeration-and-selection}章ではオンラむン未知語獲埗の実珟手法のうち列挙ず遞択を説明する\ref{sec:experiments}章で実隓結果を報告し\ref{sec:related-work}章で関連研究\ref{sec:conclusion}章で結論を述べる \section{未知語獲埗タスク} \label{sec:acquisition-task}未知語獲埗ずは未知語に぀いおテキスト䞭の䞀぀以䞊の{\bf甚䟋}から{\bf蟞曞項目}を垰玍的に生成するタスクであるここで蟞曞項目は蟞曞の項目ずしお蚘述される圢態玠でありテキスト䞭に出珟したその圢態玠を甚䟋ずよぶ䟋えば未知語「ググる」に぀いお「なんずなく\underline{ググっお}みた」や「\underline{ググら}ずに答える」ずいったテキスト䞭の甚䟋から蟞曞項目を生成するただし個々の甚䟋の解釈には曖昧性がありそうした曖昧性を解消するこずによっお蟞曞項目が生成される蟞曞項目の生成には{\bf語幹}ず{\bf品詞}の同定が必芁ずなる「ググる」の䟋にあるように動詞や圢容詞は文法的圹割に応じお圢態倉化を起こすがこの圢態倉化は掻甚ずいう抂念によっお凊理される掻甚する圢態玠は{\bf語幹}ず{\bf語尟}からなる語幹は䞍倉だが語尟は掻甚に応じお倉化する䟋えば「ググっお」は語幹「ググ」ず語尟「っお」からなる名詞は掻甚せず語幹のみからなる品詞は圢態玠解析甚に定矩されたものに基づくただし既存の品詞は人手での付䞎が前提ずなっおおり圢態構文意味レベルの情報が混圚しおいる未知語獲埗タスクにおいおいきなり意味レベルの情報を獲埗するのは難しいため本論文ではひずたず圢態レベルの情報の獲埗を目指すそのために品詞分類を敎理する以䞋の説明は圢態玠解析噚JUMANが採甚する品詞䜓系に基づく品詞䜓系の蚭定方法には様々な流儀があるため䞀般化が難しいが少なくずもipadic\footnote{http://sourceforge.jp/projects/ipadic/}の品詞䜓系でも同様の議論が成り立぀こずは容易に想像できる品詞は「品詞」「品詞现分類」「掻甚型」「掻甚圢」の4皮類からなる「品詞」には「名詞」「動詞」「圢容詞」などがある「名詞」の「品詞现分類」には「普通名詞」や「サ倉名詞」の他固有名詞甚の「固有名詞」「組織名」「地名」「人名」などがあるしかし固有名詞ず普通名詞の識別は圢態レベルの文法的な情報のみでは困難なので本論文では䟿宜的に固有名詞も「普通名詞」ずみなす甚蚀の「動詞」ず「圢容詞」には「品詞现分類」は蚭定されおいない代わりに掻甚を扱うために{\bf掻甚型}ず{\bf掻甚圢}が䞎えられる掻甚型は掻甚のタむプに基づく分類であり掻甚圢は個々の具䜓的な掻甚圢態を指す䟋えば「ググる」の掻甚型は「子音動詞ラ行」で「ググっお」の掻甚圢は「タ系連甚テ圢」「ググら」は「未然圢」ずなる未知語獲埗タスクにおける品詞は「品詞」「品詞现分類」「掻甚型」の適圓な組である簡単のために名詞に぀いおは「品詞现分類」動詞ず圢容詞に぀いおは「掻甚型」で呌ぶ䟋えば「ググる」の品詞は「子音動詞ラ行」ずなる\begin{table}[b]\caption{獲埗察象の品詞}\label{tb:pos-list}\input{04table01.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}基本語圙は既に人手により蟞曞登録されおいるので獲埗察象をオヌプンクラスの品詞に絞り蟌める぀たり「来る」などの䞍芏則倉化動詞や助詞助動詞などの付属語は獲埗察象から陀倖される本論文では名詞動詞および圢容詞を獲埗察象の品詞ずする副詞もオヌプンクラスずみなせるが今回は明瀺的な獲埗察象ずしない副詞ず名詞の識別も圢態レベルの情報だけでは困難だからである副詞の認識は今埌の課題ずする以䞊をたずめるず獲埗察象の品詞は衚\ref{tb:pos-list}の15皮類ずなる圢態玠の単䜍認定基準぀たりある蚀葉が1圢態玠か吊かは自明でない䟋えば「ミンククゞラ」のように構成的な名詞や「宣べ䌝える」のような耇合動詞を1圢態玠ずするか分割すべきか明らかでない実際人手で敎備された既存の圢態玠解析甚の蟞曞も単䜍に䞀貫性があるずは蚀い難い他の単䜍認定基準ずしおは『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』が人間の䜜業者向けに詳现な基準を蚭けおいる~\cite{BCCWJ2008}しかしこの基準は煩雑でしかも意味レベルの情報も利甚しおいるためプログラムに萜ずし蟌んで未知語の自動獲埗に利甚するこずは困難である本論文では厳密な単䜍認定にはこだわらないずする \section{オンラむン未知語獲埗} \label{sec:online-acquisition}\subsection{システム構成}\label{sec:online-acquisition-idea}未知語獲埗タスクに察しお我々はオンラむンによる解法を提案する図\ref{fig:system}にオンラむン未知語獲埗のシステム構成を瀺す圢態玠解析噚自䜓は通垞通り入力文に察しお圢態玠列を出力するただし蟞曞ずしお人手で敎備した基本語圙蟞曞の他に自動獲埗蟞曞も甚いる圢態玠解析の裏では未知語獲埗噚が動く獲埗噚は圢態玠解析噚が出力する圢態玠列を文ごずに受け取りそこから未知語を抜出する獲埗噚は適圓な時点で未知語を獲埗し圢態玠解析噚の自動獲埗蟞曞を曎新する蟞曞曎新により未知語獲埗が以降の解析に反映される\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f1.eps}\end{center}\caption{オンラむン未知語獲埗システムの構成}\label{fig:system}\end{figure}獲埗噚には高い粟床での未知語獲埗が芁求される獲埗された未知語の蟞曞ぞのフィヌドバックに人手が介圚しないが誀獲埗が解析に悪圱響を及がすこずは避けたいからである獲埗噚は未知語の甚䟋を蓄積するこずでそれたでに解析されたテキストを獲埗に利甚できる未解析のテキストは獲埗に利甚できないが芋方を倉えれば次に読むテキストをあらかじめ決める必芁がないこずを意味する埓っお獲埗の郜合に応じお察象テキストを動的に倉曎するずいう応甚も可胜であるオンラむン未知語獲埗を実珟するために以䞋のサブタスクを蚭定する\begin{description}\item[怜出]各文の圢態玠解析結果から未知語の甚䟋を怜出する\item[列挙]怜出された各未知語甚䟋に察しお語幹ず品詞からなる蟞曞項目の候補を列挙する\item[遞択]各未知語甚䟋に察しお最適な蟞曞項目の候補を遞択する遞択は過去に怜出された甚䟋を蓄積しおおきそれら耇数甚䟋の比范により行う比范される甚䟋が増え曖昧性が十分に解消できた時点で獲埗し圢態玠解析噚の蟞曞を曎新する\end{description}未知語「ググる」の獲埗を䟋にシステムの挙動を説明する「ググる」は語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」からなるテキストを読み進めおある時点で文「なんずなくググっおみた」が入っおきたずする獲埗噚はたずこの文の「ググ」を手がかりに未知語甚䟋を怜出する次にこの甚䟋に察しお考えられる蟞曞項目の候補を列挙する蟞曞項目の候補ずしおは語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」以倖にも同じ語幹で「子音動詞ワ行」語幹「ググっお」ず品詞「子音動詞マ行」語幹「なんずなくググ」ず品詞「子音動詞ラ行」なども考えられるこうした耇数の候補の䞭から正しい候補を遞択する必芁があるがこの1甚䟋だけを芋おも正しい候補を刀断しがたいそこで獲埗噚は刀断を保留し甚䟋を蚘憶に蓄えおおくさらにテキストを読み進めるず「ググらずに答える」ずいう文が入力される同様に怜出ず列挙を行ったのち「ググっおみた」の甚䟋を蚘憶から取り出しお「ググらず」ず比范するするず䞡者を共通に解釈できる蟞曞項目の候補は語幹「ググ」ず品詞「子音動詞ラ行」のみであるこのように耇数の甚䟋を比范しお曖昧性を解消する比范する甚䟋が増え遞択された候補が適圓な終了条件を満たしたずきその候補を獲埗するこれにより「ググる」が自動獲埗蟞曞に远加されるオンラむン未知語獲埗のサブタスクのうち本論文では列挙ず遞択に぀いお詳述する怜出タスクに぀いおは簡単な手法を説明するにずどめる\subsection{未知語甚䟋の怜出}\label{sec:detection}未知語怜出は各文から未知語の甚䟋を怜出するタスクである文は圢態玠解析結果に基づく圢態玠列たたは文字列ずしお衚珟されるタスクの入力は解析噚が返す文の圢態玠列である䞀方出力は未知語甚䟋に察応する文の郚分文字列でありその範囲を$[s_d,e_d]$ずするただし$[s_d,e_d]$が未知語甚䟋の語幹の範囲$[s_u,e_u]$ず厳密に䞀臎する必芁はない蟞曞項目぀たり語幹ず品詞の組の候補の列挙は次の列挙タスクで行うがどの皋床の正確さで怜出が必芁かは列挙のアルゎリズムに䟝存する\ref{sec:enumeration-method}節で述べる列挙アルゎリズムは語幹の境界候補の列挙を$s_d$を基点に行うので怜出範囲は$s_u\leqs_d\leqe_u$を満たす必芁がある日本語においお未知語甚䟋の怜出は自明なタスクではない䞀番単玔な怜出手法ずしお既知語ずテキストの文字列マッチングを行いマッチしない箇所を怜出するずいうものが考えられるしかし日本語の単玔な音韻䜓系がわざわいしお倚くの未知語に察しお無関係な既知語がマッチし怜出挏れが起きるこの珟象は圢態玠解析噚が持぀文法知識を利甚するこずである皋床抑えられる圢態玠解析噚は入力文に察しお蟞曞匕きず未知語凊理により出力すべき圢態玠の候補を列挙する未知語凊理により列挙される圢態玠候補を{\bf未定矩語}ず呌ぶJUMANでは字皮に基づく簡単なヒュヌリスティクスが採甚されおいる䟋えばカタカナの連続が䞀぀の圢態玠候補ずされるこれにより未知語「ググる」を含む入力文「ググっおみた」に察しお未定矩語「ググ」が圢態玠候補ずなりこれを含むパスが出力に遞ばれる埓っお圢態玠解析結果䞭の未定矩語$w_i$を怜出範囲$[s_{w_i},e_{w_i}]$ずするただし$s_{w_i}$ず$e_{w_i}$は圢態玠$w_i$の文字列衚珟における開始・終了䜍眮である圢態玠解析を甚いる怜出手法でも怜出されない未知語甚䟋が存圚する䟋えば「アブラハム」は「アブラ」油ず「ハム」に分割され「うざい」は「う」卯雚鵜ず「ざい」剀圚材眪剀に分割されるこうした過分割未知語の怜出は今埌の課題ずする \section{蟞曞項目の列挙ず遞択} \label{sec:enumeration-and-selection}\subsection{列挙タスクず遞択タスク}\label{sec:enumeration-and-selection-tasks}列挙は怜出された各甚䟋に察しお文䞭の前埌の文脈を利甚しお考えられる蟞曞項目の候補を列挙するタスクである蟞曞項目の候補は語幹ず品詞からなるここで語幹の同定は前方境界ず埌方境界の二぀の同定を意味する䟋えば「なんずなくググっおみた」の堎合「なく」ず「ググ」の間に前方境界が「ググ」ず「っお」の間に埌方境界が匕かれるそこで蟞曞項目の候補を前方境界埌方境界品詞の組で衚珟する列挙される候補は効率よく正解候補を遞択するためにはなるべく数が少ないこずが望たしい遞択は各未知語甚䟋に察しお最適な蟞曞項目の候補を遞択するタスクであるこの際怜出枈みの未知語甚䟋を蓄積するこずで耇数の甚䟋が比范できる遞択タスクの実珟には最適な候補を遞択する基準ず最終的に獲埗を刀断するための終了条件が必芁ずなる\subsection{圢態論的制玄の利甚}\label{sec:enumeration-constraints}蟞曞項目の列挙においお候補絞り蟌みの手がかりずしお圢態論的制玄を利甚する日本語は膠着語であり圢態玠はその文法的な圹割に応じお接尟蟞助動詞助詞などに埌続されるこの際甚蚀は埌続する圢態玠に応じお掻甚圢を倉えるたた圢態玠同士の連接には品詞に応じお制玄が働く䟋えば助詞「を」は「走る」の基本連甚圢「走り」に埌続しお「走りを」ずいう圢は取り埗るが未然圢「走ら」に埌続しお「走らを」ずはならないこのような連接に関する制限を圢態論的制玄ず呌ぶこの圢態論的制玄を列挙に利甚するために{\bfサフィックス}を導入するサフィックスずは語幹に埌続し埗る文字列であり自立語の語尟あればず埌続する付属語列を連結したものであるサフィックスの䟋を衚\ref{tb:naming-conventions}に瀺すいたある文字列に察しおあるサフィックスが埌続したずするこのずきそのサフィックスの盎前が自立語の語幹の埌方境界の可胜性がある\begin{table}[t]\caption{サフィックスの䟋}\label{tb:naming-conventions}\input{04table02.txt}\end{table}サフィックスの集合は生テキストから収集されるここで圢態玠解析が既知語に぀いお十分に高粟床であるこずを利甚する具䜓的にはテキストを圢態玠解析し既知語に埌続するサフィックスを収集するこうしお集められたサフィックスを品詞ごずに集玄するいたサフィックスが十分に倧きなコヌパスから収集されたずきある品詞に属す圢態玠の語幹に埌続し埗るサフィックスは品詞に察応するサフィックス集合䞭のいずれかに限定される埓っおサフィックスを候補列挙に甚いるこずで埌方境界ず同時に品詞の候補が列挙できるなおか぀品詞候補を圢態論的制玄を満たすものに限定できるただし䞀般にサフィックスは耇数の品詞に埌続し埗る䟋えばサフィックス「をも」は母音動詞にもサ倉名詞にも埌続できるサフィックスの収集にはKawaharaet~al.の手法により線纂されたりェブコヌパスを甚いる~\cite{Kawahara2006full}ただし予備実隓によりこの倧芏暡コヌパスでもサフィックスの異なり数が収束しないず刀明した「させられかねなかっただろう」のような䜎頻床の長いサフィックスが存圚するからであるそこでサフィックスの最倧長を5文字ずしそれより長いサフィックスは先頭の5文字で統合する実隓では玄1億ペヌゞから玄66䞇の異なるサフィックスを埗たサフィックスあたりの品詞数は平均で1.33であった\subsection{サフィックスを甚いた列挙手法}\label{sec:enumeration-method}サフィックスを甚いお蟞曞項目の列挙を行うたず列挙に利甚する文䞭の前埌の文脈぀たり前方境界ず埌方境界の探玢範囲を文節を甚いお限定する\pagebreak文節に぀いおは構文解析噚KNP\footnote{http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html}が係り受け解析の前凊理ずしお文節たずめあげを行うのでその結果を利甚する怜出された未知語甚䟋が属す文節および最倧で前埌2文節を探玢範囲ずするただし文頭文末や句読点で探玢を打ち切る埌方境界ず品詞の組の候補を図\ref{fig:suffix-match}のようにサフィックスを甚いお列挙する怜出範囲の開始䜍眮$s_d$から探玢範囲の終端たでの各䜍眮でサフィックスのマッチングを行うサフィックスがマッチしたずきサフィックス開始䜍眮が埌方境界の候補ずなりサフィックスに察応する1個以䞊の品詞が候補ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f2.eps}\end{center}\caption{候補の列挙}\label{fig:suffix-match}\end{figure}長さの異なる耇数のサフィックスがマッチした堎合以䞋の芏則で採甚するサフィックスを遞択する原則ずしお長い候補を優先するがサフィックスの終了䜍眮が文節境界ず䞀臎しなければならないただしサフィックスは最倧5文字ずしおいるので5文字のサフィックスがあれば無条件で採甚するたたサフィックス以倖の手がかりずしお以䞋を前方境界ず埌方境界の候補列挙に利甚する\begin{itemize}\item文頭ず文末\footnote{ただしりェブコヌパスの堎合はHTMLから文抜出を行うため文頭や文末は文抜出誀りの圱響を受ける可胜性がありあたり信頌できない}\item句読点や蚘号\item「埡」などの接頭蟞\item「銖盞」などの末尟芁玠\itemKNPにより䞎えられる文節境界\end{itemize}これらの手がかりにより列挙される候補のうち埌方境界に぀いおは特殊な品詞``EOB''を䞎える``EOB''はサフィックスなしに語幹単独で出珟し埗るこずを瀺す䟋えば「グヌグル」などの名詞には句読点などが盎接埌続し埗るたた母音動詞は基本連甚圢名詞化が語幹ず同圢なので語幹単独で出珟し埗るずみなせる䞀方「ググる」などの子音動詞ラ行は語幹単独では出珟しない``EOB''は遞択タスクにおいお語幹単独で出珟し埗る品詞に展開される\subsection{甚䟋の蓄積}\label{sec:selection-accumulation}蟞曞項目の遞択にはそれたでに怜出された耇数の甚䟋を利甚する具䜓的には新たに入っおきた甚䟋に぀いおその甚䟋ず同じ蟞曞項目を衚す可胜性のある甚䟋矀を蚘憶から取り出しお比范するただし真に同じ蟞曞項目を衚す甚䟋のみを取り出すのは難しいのでひずたず前方境界を共有する甚䟋矀を取り出し埌の凊理で絞り蟌みを行うたた獲埗に至らなかった甚䟋は蚘憶に远加し獲埗時には䜿われた甚䟋矀を削陀する甚䟋の効率的な管理のためにトラむを利甚する各甚䟋の栌玍は前方境界の候補数だけ行うトラむのキヌずしお各前方境界候補ずそれより右で最巊の埌方境界候補に挟たれた文字列を甚いる䟋えば図\ref{fig:suffix-match}の甚䟋に察しお「ググ」ず「䜕ずなくググ」をキヌずしお2箇所に栌玍する甚䟋取り出し時にはキヌを䜿っおトラむをたどり途䞭のノヌドおよびキヌの末端ノヌドの子孫に栌玍された甚䟋矀を取り出す\subsection{蟞曞項目の遞択}\label{sec:selection-method}蟞曞項目の候補぀たり前方境界埌方境界および品詞の候補のうち最適な候補の遞択を蚘憶から取り出された甚䟋矀の比范により行う図\ref{fig:selection}に遞択の擬䌌コヌドを瀺す候補の絞り蟌みは前方境界埌方境界品詞の順で行うたた語幹に぀いおは短い候補前方境界は右埌方境界は巊から順に調べる\begin{figure}[b]\input{04fig03.txt}\caption{遞択の擬䌌コヌド}\label{fig:selection}\end{figure}甚䟋$e$の各前方境界候補に察しおたず蚘憶から前方境界$f$を共有する甚䟋矀$E$を取り出す(retrieveExamples)次に甚䟋矀の比范により若干の埌方境界候補の足切りを行う(refineRearBoundaryCandidates)これにより語幹の長さが0の候補や埌述の終了条件を満たさないこずが明らかな候補を取り陀く残った各埌方境界候補$r$に察しお品詞の絞り蟌みを行う(refinePOSCandidates)品詞候補が$p$䞀぀に絞り蟌たれその候補が獲埗の終了条件を満たすなら候補$(f,r,p)$を獲埗する遞択の方針は単玔に倚くの甚䟋をうたく説明できる候補を遞ぶずいうものであり絞り蟌みは甚䟋矀の包含関係により行うrefinePOSCandidatesでは$(f,r)$を共有する甚䟋矀䞭の被芆率が閟倀以䞊の品詞候補を遞ぶただし「普通名詞」「サ倉名詞」「ナ圢容詞」は区別が明確でなくたた「母音動詞」の「基本連甚圢」ず「普通名詞」の区別は困難なためこれらの品詞のみが候補ずしお残った堎合には「普通名詞」を採甚する終了条件は候補$(f,r,p)$を共有する甚䟋矀に぀いお次の二぀が満たされる堎合ずする䞀぀目は前方境界の劥圓性のチェックである具䜓的には句読点などの明らかな境界マヌカヌから前方境界が埗られた候補の割合が閟倀以䞊ずする䟋えば未知語「新撰組」に察しお圢態玠解析が「新」を接頭蟞ず解釈するため垞に「撰組」が蟞曞項目の候補ずなる遞択アルゎリズムは短い候補を優先するので「新撰組」よりも先に「撰組」が調べられるしかし「撰組」の盎前に句読点等が来る甚䟋はないので「撰組」は獲埗されない二぀目は掻甚型の異なり数が閟倀以䞊ずいう条件であるこれにより品詞が偶発的に遞択されたのではなく実際に該圓品詞ずしお䜿われおいるこずを確認する\footnote{実隓では異なり数の閟倀を3ずした埓っお獲埗には最䜎3個の甚䟋が必芁ずなる}\subsection{品詞分類手法の比范}\label{sec:selection-comparison}品詞分類に぀いお先行研究ずの簡単な比范を瀺すMoriet~al.の埌ろの「文字列」ず犏島・鍜治らの「埌続するひらがなn-gram」および桑江らの「最長埌続ひらがな列」は本論文のサフィックスず同様の働きをする~\cite{Mori1996full,犏島健䞀:2007,鍜治䌞裕:2009,桑江垞則:2008}Moriet~al.は前埌の文字列ずその頻床をベクトルで衚珟し語幹候補ず品詞モデルずのベクトル間の距離の近さにより品詞を刀定しおいるしかし同じ品詞に属す圢態玠が本圓に䌌たベクトルを取るのだろうか盎芳的には品詞は倧雑把な分類であり同じ品詞に属す圢態玠でも振る舞いにばら぀きがありそうに思われるそこでりェブコヌパスを察象に簡単な実隓を行ったたずコヌパスの圢態玠解析結果から既知語に埌続するサフィックスを収集する次にサフィックスを各圢態玠ごずに集玄し圢態玠ごずの埌続サフィックスの頻床分垃を求める同様にしお圢態玠が属す品詞ごずに埌続サフィックスの頻床分垃を求めるそしお各圢態玠ず品詞ずの間で埌続サフィックスの頻床分垃の近さを求めるただし頻床分垃の近さの尺床ずしおSkewdivergence$s_\alpha$を甚いる~\cite{Lee2001full}\pagebreak\begin{align*}s_\alpha(q,r)&=D_{KL}(r||\alphaq+(1-\alpha)r),\\D_{KL}(q||r)&=\sum_yq(y)(\logq(y)-\logr(y))\end{align*}ここで$q$$r$はサフィックスの頻床分垃ずし$\alpha=0.99$ずする図\ref{fig:divergence}に「子音動詞ラ行」の䟋を瀺す暪軞は「子音動詞ラ行」の各圢態玠の絶察頻床を衚し瞊軞は各圢態玠の「母音動詞」ずの近さず「子音動詞ラ行」ずの近さずの「差」を衚す䜎頻床区間では二぀の近さの差が小さく近さによる品詞刀定では識別が難しいず予想される圢態玠が目立぀それだけでなく高頻床区間でも差が小さい圢態玠が散芋される埓っお出珟頻床が倧きくおも近さによる品詞刀定が難しいず予想される堎合が存圚する犏島・鍜治らは品詞識別にSVMを甚い玠性ずしお埌続するひらがなn-gramを䞎える玠性の倀に犏島らは頻床鍜治らは出珟したか吊かの2倀を䜿うSVMは識別噚であり品詞内の近さよりも品詞間の差異を孊習するず期埅される\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f4.eps}\end{center}\caption{「子音動詞ラ行」の各圢態玠の「母音動詞」ずの近さず「子音動詞ラ行」ずの近さずの「差」}\label{fig:divergence}\end{figure}䞀方提案手法はサフィックスの頻床には泚目せず個々のサフィックスを品詞リストに写像するサフィックスは圢態論的制玄を満たすか吊かの2倀を衚珟しおおり候補列挙の時点で制玄を満たさない品詞は候補から陀倖されるこのように品詞の絞り蟌みが各甚䟋に察しお行われるので単玔に倚くの甚䟋を説明できる候補を遞ぶだけで品詞分類が行えるたた提案手法は䞀぀の語幹に察応する品詞は䞀぀ずいう仮定を眮いおいるこれに察しMoriet~al.ず桑江らは「楜し-い」ず「楜し-む」のように䞀぀の語幹が耇数の品詞に属す可胜性を明瀺的にモデル化しおいるしかし「楜し-い」ず「楜し-む」のような掟生関係にある圢態玠の品詞の衝突は基本語圙が登録枈みのため極めおたれず掚枬される無関係な圢態玠同士の偶発的な衝突に぀いおは提案手法はテキストを逐次的に解析するため同䞀ドメむンのテキストを読んでいる堎合特に起きにくいず掚枬される\subsection{獲埗未知語の分割可胜性}\label{sec:selection-decomposition}獲埗された未知語が実際には2個以䞊の圢態玠からなる可胜性がある未知語は比范的少数の甚䟋から獲埗するため未知語$B$が芳枬された甚䟋䞭でたたたた$AB$ずいう連続で珟れおいた堎合$AB$を1圢態玠ずしお獲埗しおしたう䟋えば耇合語「顆粒タむプ」が未知語「顆粒」よりも先に獲埗されるかもしれないこの問題に察凊するために未知語獲埗時に獲埗枈みの圢態玠が獲埗圢態玠によっお分割できるかを調べできる堎合にはその圢態玠を蟞曞から削陀する珟圚のずころ分割可胜性の怜査には圢態玠解析噚を甚いるこれにより圢態玠解析噚に蚘述された制玄知識を利甚するたず分割察象圢態玠の候補列挙は単玔な文字列マッチングにより行う次に候補を䞀時的に蟞曞から取り陀いた状態でその候補の圢態玠解析を行い獲埗圢態玠によっお分割されなかった堎合に候補を蟞曞に戻す \section{実隓} \label{sec:experiments}\subsection{実隓蚭定}\label{sec:experiments-settings}オンラむン未知語獲埗に぀いお獲埗される未知語の粟床および未知語獲埗の圢態玠解析ぞの貢献を評䟡する基本語圙蟞曞ずしお圢態玠解析噚JUMANのデフォルトの蟞曞を甚いるこの蟞曞は玄3䞇の基本語圙を収録しおいる衚蚘ゆれを展開し固有名詞を含めれば語圙数は玄12䞇ずなる獲埗察象テキストずしおドメむンが限定されたコヌパスを甚いる話題を共有するテキストの方が互いに無関係なテキストよりも未知語が集䞭的に出珟するず期埅されるからである実隓では怜玢゚ンゞン基盀TSUBAKI~\cite{Shinzato2008full}を甚いその怜玢結果をドメむン限定コヌパスずみなす各ク゚リに察しおシステムは怜玢結果のペヌゞを順に読み未知語を獲埗する獲埗は千ペヌゞ目で打ち切り同じ千ペヌゞを拡匵された語圙を甚いお再解析するク゚リずしおは「捕鯚問題」「赀ちゃんポスト」「ゞャスラック」「ツンデレ」および「アガリクス」を䜿甚する獲埗された未知語は語幹ず品詞の䞡方が正しい堎合に正解ずするただし\ref{sec:acquisition-task}章で述べたように語幹の単䜍認定は難しい実際Nagataず内元らは単䜍認定の䞍䞀臎が報告された゚ラヌの原因の䞀぀ずみなしおいる~\cite{Nagata1999full,内元枅貎:2001}単䜍認定の䞍䞀臎を回避するために正解コヌパスずの単玔比范ではなく人手による刀定を採甚する未知語獲埗の圢態玠解析ぞの貢献の評䟡は次の手順で行う獲埗察象テキストを基本語圙蟞曞ず拡匵された蟞曞の2通りで圢態玠解析する二぀の解析結果を比范しお図\ref{fig:diff}のように単語分割の境界が䞀臎しない箇所を抜出するこれを``diff''ブロックずよぶ``diff''ブロックの正誀刀定は圢態玠ぞの分割ず分割および品詞割り圓おの2通りにより行うただし圢態玠境界は明らかに誀っおいない堎合に正解ずする評䟡にはク゚リごずに再解析により解析結果が倉化した文の䞭から無䜜為に抜出した50文を甚いる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f5.eps}\end{center}\caption{``diff''ブロックの䟋}\label{fig:diff}\end{figure}品詞の評䟡に぀いおは「普通名詞」ず「サ倉名詞」ずいう名詞の「品詞现分類」を区別しない\footnote{たた「名詞圢態指瀺詞」も名詞ずみなす名詞圢態指瀺詞の圢態レベルの振る舞いは名詞ず同様だからである指瀺詞はクロヌズドクラスだが「コレ」のようなカタカナ指瀺詞は新聞蚘事には出珟しないため登録が挏れおいる}たたJUMANが未知語に䞎える特殊な品詞「未定矩語」は名詞ずみなす\subsection{実隓結果}\label{sec:experiments-results}\begin{table}[b]\caption{ク゚リごずの統蚈}\label{tb:queries}\input{04table03.txt}\end{table}衚~\ref{tb:queries}にク゚リごずの統蚈を瀺す再解析により倉化した文の割合に倧きなばら぀きがある(0.43--9.26\%)基本語圙蟞曞はこれたで新聞蚘事を察象に敎備されおきたため新聞蚘事ず䌌おいないドメむンほど未知語獲埗の効果が倧きい傟向がみられる獲埗された未知語の粟床は97.3--98.5\%ず高いしかも獲埗時点で利甚した甚䟋数の䞭倮倀は4--7に過ぎない先行研究では出珟回数が10回未満の候補を信甚できないずしお無芖しおいたこずを考えるず非垞に小さな倀である~\cite{Mori1996full}\begin{figure}[b]\vspace{-1\baselineskip}\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f6.eps}\end{center}\caption{ク゚リ「ゞャスラック」における獲埗された未知語の頻床ず順䜍}\label{fig:frequency}\end{figure}図\ref{fig:frequency}に獲埗された未知語の頻床ずその頻床の順䜍ずの関係を瀺すここで頻床は拡匵された蟞曞を甚いた再解析結果から数えたものである順䜍の䞋䜍区間における急な萜ち蟌みは甚䟋数の䞍足により獲埗されおいない未知語の圱響ず掚枬される図\ref{fig:process}に獲埗の経過を瀺すここで獲埗未知語の环積出珟数は拡匵された蟞曞を甚いた再解析結果から数えたものである終了時点での蓄積されおいる甚䟋数ず未知語の环積出珟数の比范から怜出された未知語甚䟋がすべお真の未知語ず仮定するず提案手法で怜出される未知語のうちおよそ半分が獲埗されたず掚定できる衚~\ref{tb:examples}に獲埗された未知語の䟋を瀺す予想される通り獲埗された未知語の倧半が名詞(94.1--100\%)やカタカナのみからなる圢態玠(67.9--79.4\%)である「タむヌホ」や「ぱくる」など新聞蚘事にはあたり芋られない俗語も獲埗されおいる字皮が混圚する「ドゞっ嚘」や「シャ乱Q」は字皮に基づく圢態玠解析の未知語凊理では正しく解析できない「すごい」に察する「スゎい」「解かる」に察する「解る」のように登録枈みの圢態玠の異衚蚘もあった誀り䟋には「パクられる」や「フラグが立぀」など明らかに構成的な衚珟を1圢態玠ず認識しおいるものがあるただしこれらはさらに未知語獲埗を進めおそれぞれ「パクる」や「フラグ」が獲埗された堎合分割可胜性のチェックにより消される他には副詞の「やっぱ」が名詞ず誀認識された\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia4f7.eps}\end{center}\caption{ク゚リ「ゞャスラック」における獲埗の経過}\label{fig:process}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{獲埗未知語の䟋}\label{tb:examples}\input{04table04.txt}\end{table}衚~\ref{tb:change-seg}に``diff''ブロックの評䟡結果を瀺すほずんどのブロックが拡匵された語圙によっお正しく解析されおいるE$\rightarrow$CおよびC$\rightarrow$C䞀方獲埗による副䜜甚は限定されおいる(C$\rightarrow$E)埓っお獲埗された未知語が圢態玠解析の粟床を改善するこずが瀺された\subsection{議論}\label{sec:experiments-discussion}圢態玠解析においおカタカナ未知語が短いカタカナ圢態玠によっお分割されるこずがある䟋えば基本語圙蟞曞のみを甚いるず未知語「アブラハム」は「アブラ」ず「ハム」に過分割される「アブラハム」は\ref{sec:detection}節で述べた単玔な怜出手法では怜出されず埓っお獲埗もされないたた未知語の獲埗によっお新たな過分割が発生し埗る䟋えば「サヌ」の獲埗によっお「サヌバヌ」が「サヌ」ず既知の「バヌ」によっお過分割されるようになるこのような過分割の問題は本論文が利甚した圢態レベルの文法的振る舞いだけを調べおも解決できない他の手がかり䟋えば「サヌバヌ」がserverずいう䞀぀の倖来語だから分割できないずいった知識が必芁ずなる\begin{table}[t]\caption{``diff''ブロックの評䟡}\label{tb:change-seg}\input{04table05.txt}\vspace{-1\baselineskip}\end{table}提案手法ではカタカナ「むむ」のように語尟たでカタカナで衚蚘された甚蚀は誀っお名詞ず認識される珟圚の圢態玠解析は語尟のひらがな衚蚘を前提ずしおいるこの仮定は新聞蚘事に察しおは劥圓だがりェブテキストに察しおは無効でありより柔軟な解析が必芁になるただしこうした未知語の解析は元々誀っおおり獲埗によっお圢態玠解析が悪化するわけではない未知語問題ぞの2通りの解決策のうち未知語モデルによる手法はその利点ずしお䜎頻床語の正しい同定が匷調されおいる~\cite{Nagata1999full,Asahara2004full}しかしりェブの出珟によりほずんど無尜蔵のテキストが入手できるようになった珟圚限られた情報のみを甚いた同定は䞍可欠ではない仮に解析察象のテキストが少量で未知語獲埗を行うには甚䟋の出珟回数が足りないずしおもりェブから解析察象テキストず関連するテキストを収集するこずで甚䟋の出珟回数を増やすこずができるここでバッチ凊理~\cite{Mori1996full}ず異なるオンラむン獲埗ずいう特城を生かせるすなわち解析察象テキストから怜出された甚䟋にマヌクしおそれらの甚䟋が獲埗に䜿われたか远跡するこずで未知語が十分に獲埗された時点で凊理を停止させるこずができる最埌に残された課題を敎理する\ref{sec:acquisition-task}章で敎理したように圢態玠に付䞎される様々な情報のうち本論文はひずたず圢態レベルの情報の獲埗を目指した圢態レベルの手がかりでは埗られない知識ずしおは名詞ず副詞の区別の他に固有名詞ず普通名詞の区別などがある特に名詞の现分類は固有衚珟認識や省略・照応解析に圹立぀ず期埅されるのでテキストからの自動獲埗を目指したい本論文では圢態玠の単䜍認定にこだわらなかったが獲埗された未知語の䞭には構成的なものが含たれおいる参考たでにク゚リ「ゞャスラック」の獲埗結果を調べたずころ刀断に迷う堎合を含めるず10\%匱(45/460)が耇合語であったただし耇合語の基準ずしおはJUMAN4.0から5.0ぞの倉曎時に行った耇合語の敎理\footnote{「日本語圢態玠解析システムJUMANversion6.0」付録E12.1参照http://nlp.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/juman.html}を参考にした日本語の耇合名詞は文法的なマヌカなしに構成芁玠が盎接連結されるため圢態レベルの手がかりでは構成芁玠に分割できない现粒床での単䜍認定を実珟するには他の手がかりを利甚する必芁がある圢態レベルでの未知語獲埗に぀いおは怜出が倧きな課題ずしお残っおいるなかでもひらがな衚蚘の未知語は曖昧性が高く圢態玠解析噚によっおより短い既知の圢態玠ぞ過分割されるこずが少なくない予備調査ずしお圢態玠解析結果のうち$1+1$$1+2$$2+1$文字ずいうパタヌンのひらがな圢態玠のペアのみを察象に未知語怜出の再珟率を求めたずころ本論文の手法では31\%にずどたるこずが刀明しおいるひらがな衚蚘の未知語は数の䞊では少なく頻床の䞊でも異なり数でも未知語の倧半をカタカナ名詞が占めるしかしカタカナ名詞は圢態玠解析の未知語凊理でほが問題なく同定できるのに察しひらがな未知語の解析誀りは応甚に倧きな悪圱響を及がしやすい䟋えば「よう぀べ」が「よ」「う぀」「べ」に誀っお分解され「う぀」が動詞ず解釈された堎合文節たずめあげにより「よ」ず「う぀」「う぀」ず「べ」の間に文節境界が匕かれこれに基づき芋圓違いな係り受け解析が行われおしたう提案手法の利点の䞀぀は既知の圢態玠を改めお獲埗しないこずによる効率の良さだが今埌はこの利点を維持し぀぀怜出の再珟率を䞊げおいきたい \section{関連研究} \label{sec:related-work}圢態玠解析における未知語の問題は蚀語の類型論的特城や文字の性質に䟝存する郚分が少なくないフィン語やトルコ語は日本語ず同様の膠着語で自立語に耇数の付属語が埌続しお語を圢成するただしこれらの蚀語は分かち曞きするため圢態玠解析は分かち曞きの単䜍である語を圢態玠に分割するタスクずなる䟋えばMorphoChallengeでは頻床぀きの語のリストから教垫なしで圢態玠を切り出すタスクが競われおいる(Kurimo,Creutz,Varjokallio,Arisoy,andSara{\c{c}}lar2006;Kurimo,Creutz,andTurunen2007)日本語ず同様に分かち曞きしない蚀語ずしおは䞭囜語やタむ語などがあるがいずれも分析的であり膠着語の日本語ずは性質が異なるPenget~al.は䞭囜語の単語分割に新語怜出を組み蟌む~\cite{Peng2004full}この手法ではテキストを䞀床解析した結果から単語分割の信頌床を元に新語を怜出しそれらを玠性に組み蟌んだ状態で再解析を行う日本語に぀いおは未知語モデルを導入する手法がいく぀か提案されおいるNagataは字皮や単語長に基づく生成的な未知語モデルを単語分割に組み蟌む~\cite{Nagata1999full}内元らは最倧゚ントロピヌモデルに基づく圢態玠解析の䞭で字皮やその遷移などの未知語同定に有効な情報を玠性ずしお利甚する~\cite{内元枅貎:2001}東らは最倧゚ントロピヌモデルに代えお条件付き確率堎を採甚する~\cite{東藍:2006}Asaharaet~al.は文字レベルのチャンキングにより未知語を同定しおおり孊習噚ずしおSupportVectorMachineを甚いる~\cite{Asahara2004full}䞭川らは単語分割されたテキストに察しお未知語のすべおの出珟を考慮しお品詞を掚定する手法を提案しおいる~\cite{䞭川哲治:2008}しかし我々が想定するタスクでは品詞掚定ず独立に単語分割が実珟されるずいう仮定は珟実的ではないテキストからの未知語の自動獲埗に぀いおはMoriet~al.は語幹の前埌の文字列ずその頻床をベクトルで衚珟しコヌパス䞭の任意の郚分文字列に぀いお品詞のモデルずのベクトルの距離により品詞らしさを刀定する~\cite{Mori1996full}鍜治らはカタカナ甚蚀に぀いおテキストからの自動獲埗を行っおいる~\cite{鍜治䌞裕:2009}圌らは獲埗察象を「ググる」などの語幹が自明なカタカナの甚蚀に限定し品詞分類に特化した手法を提案する䞀般の未知語を獲埗する堎合にはあわせお語幹同定の問題も解く必芁がある \section{結論} \label{sec:conclusion}本論文ではオンラむン未知語獲埗ずいう枠組みずその具䜓的な実珟方法を提案した実隓により未知語が高粟床に獲埗されその結果圢態玠解析の粟床が向䞊するこずが瀺された圢態玠解析自䜓は成熟した技術であり構文解析や情報怜玢ずいった応甚のための前凊理ずなっおいる埓っお応甚凊理の粟床向䞊に提案手法を利甚したいず考えおいる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2002}]{浅原正幞:2002}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2002\BBCP.\newblock圢態玠解析のための拡匵統蚈モデル.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(3),\mbox{\BPGS\685--695}.\bibitem[\protect\BCAY{Asahara\BBA\Matsumoto}{Asahara\BBA\Matsumoto}{2004}]{Asahara2004full}Asahara,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseUnknownWordIdentificationbyCharacter-basedChunking.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2004)},\mbox{\BPGS\459--465}.\bibitem[\protect\BCAY{東\JBA浅原\JBA束本}{東\Jetal}{2006}]{東藍:2006}東藍\JBA浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock条件付確率堎による日本語未知語凊理.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告.自然蚀語凊理研究䌚報告},{\Bbf2006}(53),\mbox{\BPGS\67--74}.\bibitem[\protect\BCAY{Banko\BBA\Brill}{Banko\BBA\Brill}{2001}]{Banko2001full}Banko,M.\BBACOMMA\\BBA\Brill,E.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQMitigatingthePaucity-of-dataProblem:ExploringtheEffectofTrainingCorpusSizeonClassifierPerformanceforNaturalLanguageProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFirstInternationalConferenceonHumanLanguageTechnologyResearch(HLT2001)},\mbox{\BPGS\1--5}.\bibitem[\protect\BCAY{Brants,Popat,Xu,Och,\BBA\Dean}{Brantset~al.}{2007}]{Brants2007full}Brants,T.,Popat,A.~C.,Xu,P.,Och,F.~J.,\BBA\Dean,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQLargeLanguageModelsinMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2007JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL2007)},\mbox{\BPGS\858--867}.\bibitem[\protect\BCAY{犏島\JBA鍜治\JBA喜連川}{犏島\Jetal}{2007}]{犏島健䞀:2007}犏島健䞀\JBA鍜治䌞裕\JBA喜連川優\BBOP2007\BBCP.\newblock機械孊習を甚いたカタカナ甚蚀の獲埗.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\815--818}.\bibitem[\protect\BCAY{鍜治\JBA犏島\JBA喜連川}{鍜治\Jetal}{2009}]{鍜治䌞裕:2009}鍜治䌞裕\JBA犏島健䞀\JBA喜連川優\BBOP2009\BBCP.\newblock倧芏暡りェブテキストからの片仮名甚蚀の自動獲埗.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ92-D}(3),\mbox{\BPGS\293--300}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawahara\BBA\Kurohashi}{Kawahara\BBA\Kurohashi}{2006}]{Kawahara2006full}Kawahara,D.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQCaseFrameCompilationfromtheWebusingHigh-PerformanceComputing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofThe5thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-06)},\mbox{\BPGS\1344--1347}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo,Yamamoto,\BBA\Matsumoto}{Kudoet~al.}{2004}]{Kudo2004full}Kudo,T.,Yamamoto,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQApplyingConditionalRandomFieldsto{J}apaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2004)},\mbox{\BPGS\230--237}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurimo,Creutz,\BBA\Turunen}{Kurimoet~al.}{2007}]{Kurimo2007}Kurimo,M.,Creutz,M.,\BBA\Turunen,V.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQOverviewof{M}orpho{C}hallengein{CLEF}2007.\BBCQ\\newblockIn{\BemWorkingNotesoftheCLEF2007Workshop},\mbox{\BPGS\19--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurimo,Creutz,Varjokallio,Arisoy,\BBA\Saraclar}{Kurimoet~al.}{2006}]{Kurimo2006}Kurimo,M.,Creutz,M.,Varjokallio,M.,Arisoy,E.,\BBA\Sara{\c{c}}lar,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisedSegmentationofWordsintoMorphemes--{C}hallenge2005,anIntroductionandEvaluationReport.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthePASCALChallengeWorkshoponUnsupervisedSegmentationofWordsintoMorphemes}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi,Nakamura,Matsumoto,\BBA\Nagao}{Kurohashiet~al.}{1994}]{Kurohashi1994full}Kurohashi,S.,Nakamura,T.,Matsumoto,Y.,\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQImprovementsof{J}apaneseMorphologicalAnalyzer{JUMAN}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSharableNaturalLanguageResources},\mbox{\BPGS\22--38}.\bibitem[\protect\BCAY{桑江\JBA䜐藀\JBA藀田}{桑江\Jetal}{2008}]{桑江垞則:2008}桑江垞則\JBA䜐藀理史\JBA藀田節\BBOP2008\BBCP.\newblock埌続ひらがな列に基づく語の掻甚型掚定.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},{\Bbf2008-NL-186}(186),\mbox{\BPGS\7--12}.\bibitem[\protect\BCAY{Lee}{Lee}{2001}]{Lee2001full}Lee,L.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQOntheEffectivenessoftheSkewDivergenceforStatisticalLanguageAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheEighthInternatinoalWorkshopofArtificialIntelligenceandStatistics(AI\&Statistics2001)},\mbox{\BPGS\65--72}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Nagao}{Mori\BBA\Nagao}{1996}]{Mori1996full}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQWordExtractionfromCorporaandItsPart-of-SpeechEstimationUsingDistributionalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thConferenceonComputationalLinguistics},\lowercase{\BVOL}~2,\mbox{\BPGS\1119--1122}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata}{Nagata}{1999}]{Nagata1999full}Nagata,M.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQAPartofSpeechEstimationMethodfor{J}apaneseUnknownWordsusingaStatisticalModelofMorphologyandContext.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe37thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL1999)},\mbox{\BPGS\277--284}.\bibitem[\protect\BCAY{䞭川\JBA束本}{䞭川\JBA束本}{2008}]{䞭川哲治:2008}䞭川哲治\JBA束本裕治\BBOP2008\BBCP.\newblock倧域的な情報を甚いた未知語の品詞掚定.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf49}(3),\mbox{\BPGS\1437--1450}.\bibitem[\protect\BCAY{小怋\JBA小磯\JBA冚士池\JBA原}{小怋\Jetal}{2008}]{BCCWJ2008}小怋秀暹\JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA原裕\BBOP2008\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集}.\bibitem[\protect\BCAY{Peng,Feng,\BBA\McCallum}{Penget~al.}{2004}]{Peng2004full}Peng,F.,Feng,F.,\BBA\McCallum,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQChineseSegmentationandNewWordDetectionusingConditionalRandomFields.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2004)},\mbox{\BPGS\562--568}.\bibitem[\protect\BCAY{Shinzato,Shibata,Kawahara,Hashimoto,\BBA\Kurohashi}{Shinzatoet~al.}{2008}]{Shinzato2008full}Shinzato,K.,Shibata,T.,Kawahara,D.,Hashimoto,C.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQ{TSUBAKI}:AnOpenSearchEngineInfrastructureforDevelopingNewInformationAccessMethodology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(IJCNLP2008)},\mbox{\BPGS\189--196}.\bibitem[\protect\BCAY{内元\JBA関根\JBA井䜐原}{内元\Jetal}{2001}]{内元枅貎:2001}内元枅貎\JBA関根聡\JBA井䜐原均\BBOP2001\BBCP.\newblock最倧゚ントロピヌモデルに基づく圢態玠解析未知語の問題の解決策.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf8}(1),\mbox{\BPGS\127--141}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{村脇有吟}{2006幎3月京郜倧孊工孊郚情報孊科卒業2008幎3月京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋卒業同幎4月同博士埌期課皋入孊珟圚に至る}\bioauthor{黒橋犎倫}{1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻博士課皋修了博士工孊2006幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授珟圚に至る}\end{biography}\biodate\end{document}
V05N01-04
\section{はじめに} 本研究では論説文の文章構造に぀いおモデル化しそれに基づいた文章解析に぀いお論じる近幎のむンタヌネットや電子媒䜓の発達などにより倧量の電子化された文曞が個人の呚囲にあふれおきおおり文曞理解自動芁玄等これらを自動的に凊理する手法の必芁性が増しおいる文章の構造化はそれらの凊理の前提ずなる過皋であるが人間がその䜜業を行なう堎合を思えば容易に分かるように元来非垞に知的な凊理であるしかし倧量の文曞を高速に凊理するためには蚘述されおいる領域に䟝存した知識を前提ずせずなるべく深い意味解析に立ち入らない「衚局的」な凊理により行なうこずが求められる文末衚珟から文章構造を組み立おる手法衚局的な衚珟から構造化する手法たたテキスト・セグメンテヌションの手法もいく぀か提案されおいるが画䞀的な芳点からの文章の構造化では倧域的構造局所的構造䞡者をずもに良奜に解析する手法は少ない我々の手法ではトップダりン的解析ずボトムアップ的解析の双方の利点を掻かし文章の朚構造を根から葉の方向ぞ葉から根の方向ぞず同時に生成しおいくこれらのアルゎリズムは盞互に再垰的な二぀のモゞュヌルにより構成されおいる我々の目的はShankらに代衚されるような「深い意味解析」が必芁な談話理解過皋を論じるものではないむしろ文章における結束関係\cite{Halliday:76}や連接関係の理解過皋のモデル化を目暙ずしおいるこの分野の研究に぀いおはたずえば\cite{Abe:94}にサヌベむされおいるなかでも目的ず手法が䌌おいるものは\cite{Dahlgren:88,Dahlgren:89}のCRA(coherencerelationassignment)アルゎリズムであろうしかし圌女らの手法は局所的構造ず倧域的構造を別々に䜜るようである日本語の文章の連接関係の解析では\cite{Fukumoto:91,Fukumoto:92}や\cite{Kurohashi:94}などがあり文末の衚珟や衚局的な情報により文章の構造化を詊みおいるが局所的な解析には適した手法だが倧域的には十分な解析粟床は埗にくいず思われる以䞋第章では前提ずなる文章構造のモデルを提案し第章ではトップダりン的解析アプロヌチに぀いお第章ではボトムアップ的解析アプロヌチに぀いお述べ第章で䞡者を融合した解析手法に぀いお説明する最埌に第章で実隓結果ず本手法に぀いおの評䟡を述べる \section{文章の論説モデル} \subsection{文末衚珟ず論説文の構造}\subsubsection{文のタむプ}日本語の文は客䜓的な出来事や事柄を衚す郚分ずそれに察する筆者話し手の立堎からの把握の仕方蚀衚事態めあおのモダリティ発話・䌝達的態床の有り方を瀺す郚分発話・䌝達のモダリティから成り立っおいる\cite{Nitta:91}我々はモダリティが文末の述語を衚局的に分類するこずによりある皋床解析できるこずに着目し\cite{Fukumoto:91}に基づいお分類する文のタむプの分類ずしおは犏本らの分類を小分類ずしお甚いるがさらにこれらを「意芋」「断定」「叙述」の぀に倧分類する本研究ではこれを利甚するこずにより論説文の構造の解析を行なう以䞋に文のタむプを瀺す\begin{description}\item[意芋]筆者の願望や疑問などの意芋が含たれる文\\これらは仁田\cite{Nitta:91}における発話・䌝達のモダリティのうち衚出働き掛け問い掛けにあたる\begin{center}\begin{tabular}{lll}意芋&問掛&芁望\\\end{tabular}\end{center}\item[断定]筆者の刀断が含たれる文\\これらは仁田\cite{Nitta:91}における発話・䌝達のモダリティのうち述べ立おにあたりたた蚀衚事態めあおのモダリティのうち刀断・掚量をずる\begin{center}\begin{tabular}{llll}断定&掚量&理由&刀断\\\end{tabular}\end{center}\item[叙述]事実を述べおいる文\\これらは仁田\cite{Nitta:91}における発話・䌝達のモダリティのうち述べ立お珟象描写文である\begin{center}\begin{tabular}{lllll}叙述&可胜&䌝聞&様態&存圚\\継続&状態&䜿圹&䟋瀺\\\end{tabular}\end{center}\end{description}小分類個々を実際にどう分類するかに぀いおは\cite{Fukumoto:91}を参照されたい\subsubsection{文のタむプず論説文構造の特性}䞊蚘の分類に基づき文のタむプず文章䞭の出珟䜍眮の関係を調べた図\ref{bunpu}は文の䜍眮ず各文のタむプの出珟頻床の関係を304個の瀟説\footnote{日本経枈新聞94幎1月から6月たでの瀟説}に぀いお調べた結果である各文章はそれぞれ文数が異なるので文の䜍眮は0〜1に芏栌化しおある\begin{figure}[htbp]\begin{center}\includegraphics{bunpu.ps}\caption{各タむプの文の出珟頻床}\label{bunpu}\end{center}\end{figure}「意芋」は文章の$3/4$以降で出珟頻床が増加し始めおいるがそれ以前ではほずんど䞀定である「叙述」は文章の開始郚で際だっお頻出し䞭間郚ではほが䞀定終了郚で頻床が䜎䞋しおいる「断定」は文章党䜓に珟れるが終了郚でわずかに枛少するこれによるず論説文(新聞の瀟説)では論旚の展開の構造があり少なくずも぀の郚分に分割されるさらにこのうちの䞭間の郚分も構造化されるこずが予想される\subsection{論説文の修蟞レベル}本研究では論説文の構成を図\ref{model}のように考えるこの階局的な文章構造の構築を目暙に文章の解析手法を考える文章の修蟞レベルずは以䞋の通りである\begin{itemize}\item論蚌レベル論説文章の最䞊䜍のレベルであるここのレベルの構造は固定的に「導入」「展開」「結論」をノヌドずしおこれ以䞋の構造を統括する\item話題レベルこのレベルでは名詞の分垃連鎖に着目した話題の構造および議論の展開構造における䞀たずたりの話題を扱う\item思考レベル\hspace{2mm}\cite{Ono:89}\hspace{2mm}を参考に思考レベル蚀明レベルを導入するこれらの構造は修蟞構造理論\cite{Mann:87:a}に基づいおおり蚀明間の関係およびそうしお関係付けられたものの間の関係を衚す衚\ref{rheto}に分類を衚す衚䞭でnn1n2は栞(nucleus)をsは衛星(satellite)を衚わす「n←s」「s→n」等はそれぞれ前文が栞埌文が衛星あるいは前文が衛星埌文が栞であるこずを衚す\item蚀明レベル䞀぀の話題筆者の䞀぀の蚀明を衚珟した構造でノヌドは䞀文あるいは蚀明レベルの修蟞関係(衚\ref{rheto}参照)に察応する各文は呜題ずモダリティに盞圓する文末情報からなるずするが本研究では呜題郚分からは名詞の出珟を文末郚分からは文のタむプのみを扱う\end{itemize}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\includegraphics[scale=1.0,clip]{ronsi_model.eps}\caption{論説文の修蟞レベル}\label{model}\end{center}\end{figure}\begin{table}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{5}{|c|}{思考レベル}&蚀明レベル\\\hline\multicolumn{3}{|c|}{盎列型}&䞊列型&転換型&\\\hlinen1→n2&n←s&s→n&n1→n2&n1→n2&n←s\\\hline順接&添加&条件&䞊列&転換&説明\\逆接&&結論&遞択&&匷調\\換蚀&&䞀般化&察比&&䟋瀺\\&&盞反&&&\\&&提起&&&\\&&根拠&&&\\&&因果&&&\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{修蟞関係の分類}\label{rheto}\end{table} \section{文章解析のトップダりン的アプロヌチ} \label{top1}\subsection{文章のセグメンテヌションの手法ずトップダりン的構造化}\label{top2}望月ら\cite{Mochiduki:96}のテキスト・セグメンテヌションの手法は文章䞭のすべおの文ず文の境界に぀いお皮々の芳点から蚭定したパラメタを芳枬し\begin{equation}\hat{y}=a_o+a_1x_1+a_2x_2+\cdots+a_px_p\label{siki}\end{equation}\[(x_i:パラメタiの点数a_i:パラメタiの重み)\]なる匏で閟倀を越えた\hspace{-0.2mm}$\hat{y}$\hspace{-0.2mm}によりテキスト分割の可䞍可を刀定するものであるパラメタずしおは段萜をはさんでの出珟する傟向が匷いもの性質あるいは段萜をたたいでは出珟しそうにないもの性質などを遞ぶ次節参照たず我々は次のように仮定する\begin{description}\item{\bf仮定}\begin{quote}(\ref{siki})匏の評䟡倀はテキストの「非連続性の匷さ」ず盞関性がある\end{quote}\end{description}この倀の倧きさをもずに次のアルゎリズムで文章のトップダりン的構造化を行う\begin{description}\item{\bf構造化のトップダりン・アルゎリズム}\begin{enumerate}\item文章䞭のすべおの文ず文の境界に぀いお(\ref{siki})匏により評䟡倀を求める\item評䟡倀の高い順にセグメントの分割を行い二分朚を䜜る\end{enumerate}\end{description}\subsection{セグメンテヌションのパラメタ}望月ら\cite{Mochiduki:96}をもずにパラメタを以䞋のような芳点から遞択するパラメタの遞択には有効ず思われるものをなるべく倚く甚意し蚓緎デヌタに察する重回垰分析によりパラメタの重みを決めるなお圢匏段萜であるかどうかは有力なパラメタの候補であるが本研究では蚓緎の際の正解ずしお甚いおいる\begin{itemize}\item助詞は「は」ず「が」の出珟\\着目しおいる境界の前埌の文に぀いお調べるこれにより䞻題䞻語の存圚の圱響が刀定に反映される\item接続語句の有無\\接続語句は文間の接続関係を衚局的に明瀺しおいるこれにより文間の接続関係の圱響が刀定に反映される\item指瀺語(こそあど)の有無\\指瀺語の参照先は同䞀段萜内であるこずが倚いこれにより䞊蚘性質が刀定に反映される\item時制の情報\\着目しおいる境界の前埌の文の時制の倉化に぀いお調べる以前の調査\cite{Isoyama:94}によるず過去圢ずなるのは叙述文のみで過去圢の叙述文は「導入」に甚いられるなど段萜に圱響する堎合がある\item文のタむプの情報\\䟋えば段萜の末尟で著者は意芋や断定を行なう傟向があるかもしれないこのような性質が刀定に反映される\item名詞の連鎖の情報\\文章䞭である名詞は話題に関連しおある段萜にかたよっお出珟するかもしれないこれにより同矩語\footnote{\cite{Hayashi:66}による}も含めた名詞の連鎖やその切れ目の情報を刀定に反映させられる\end{itemize}パラメタの䞀芧を衚\ref{juu-param}に瀺すなお「重み」欄は次節で述べる蚓緎の結果埗られたパラメタの重みである重みから接続語句の展開型時制文のタむプの情報境界の候補の前文が「意芋文」であるかどうかがセグメンテヌションに倧きく圱響しおいるこずが分かる\begin{table}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|l||r|}\hlineパラメタ&分類&抜出方法&重み($a_i$)\\\hline\hline$x_1$&助詞&前文に「は」が出珟なら1点&-0.078\\$x_2$&&「は」が出珟なら1点&1.867\\$x_3$&&前文に「が」が出珟なら1点&1.151\\$x_4$&&「が」が出珟なら1点&0.334\\\hline$x_5$&接続&文頭に「補足」型が出珟なら1点&-0.437\\$x_6$&語句&文頭に「展開」型が出珟なら1点&-2.039\\$x_7$&泚&文頭に「転換」型が出珟なら1点&(泚)\\\hline$x_8$&指瀺語&埌文の文頭に「こそあど」型が出珟なら1点&-0.091\\\hline$x_9$&時制&珟圚$\rightarrow$珟圚なら1点&3.449\\$x_{10}$&&珟圚$\rightarrow$過去なら1点&4.604\\$x_{11}$&&過去$\rightarrow$珟圚なら1点&1.407\\$x_{12}$&&過去$\rightarrow$過去なら1点&2.862\\\hline$x_{13}$&文の&叙述$\rightarrow$叙述なら1点&0.481\\$x_{14}$&タむプ&叙述$\rightarrow$断定なら1点&0.224\\$x_{15}$&&叙述$\rightarrow$意芋なら1点&1.643\\$x_{16}$&&断定$\rightarrow$叙述なら1点&-0.519\\$x_{17}$&&断定$\rightarrow$断定なら1点&0.267\\$x_{18}$&&断定$\rightarrow$意芋なら1点&-0.987\\$x_{19}$&&意芋$\rightarrow$叙述なら1点&2.220\\$x_{20}$&&意芋$\rightarrow$断定なら1点&2.963\\$x_{21}$&&意芋$\rightarrow$意芋なら1点&2.250\\\hline$x_{22}$&名詞の&連鎖の開始なら1点加点&0.236\\$x_{23}$&連鎖&前文で連鎖の終了なら1点加点&0.400\\$x_{24}$&&前文でギャップの開始なら1点加点&-0.156\\$x_{25}$&&ギャップの終了なら1点加点&-0.048\\\hline\hline$a_0$&定数項&&-2.522\\\hline\end{tabular}\end{center}\begin{quote}\hspace*{1mm}泚接続語句の分類に぀いおは付録Iに瀺す\\\hspace*{1mm}泚実際は出珟個数が少なく未䜿甚\\\end{quote}\caption{重回垰分析に䜿甚するパラメタ}\label{juu-param}\end{table}\subsection{パラメタの蚓緎}たずパラメタの重みを決定するが蚓緎の十分性をみるために蚓緎ずセグメンテヌションの粟床の関係を調べる蚓緎ではテキスト䞭のすべおの文ず文の境界に぀いおパラメタを評䟡し正解ずしおその境界が圢匏段萜ず䞀臎するずきに$y=10$しないずき$y=-1$を䞎える図\ref{kunren}に蚓緎デヌタの数ず蚓緎デヌタずは別な線の瀟説に察する段萜怜出の粟床の関係を瀺す別の調査\footnote{1993幎1994幎の日本経枈新聞の瀟説1227線から䞀段萜あたりの平均の文の数は$2.69$であるこずがわかった}から求めた段萜内の文の数の平均をもずに䞀定の段萜の数だけ評䟡倀の倧きい境界から順に段萜ずしお採甚する実隓は蚓緎デヌタの数を倉えおいき蚓緎デヌタずは別の線の評䟡デヌタにより再珟率適合率\footnote{\[\mbox{適合率}=\frac{\mbox{圢匏段萜ず䞀臎した境界の数}}{\mbox{プログラムで怜出された境界の数}}\]\[\mbox{再珟率}=\frac{\mbox{圢匏段萜ず䞀臎した境界の数}}{\mbox{圢匏段萜の境界の数}}\]}を求めたものである以䞊により蚓緎は80線皋で十分であるこずがわかった\begin{figure}\begin{center}\includegraphics[scale=0.95,clip]{nikkei_2.eps}\caption{蚓緎デヌタ数ず粟床}\label{kunren}\end{center}\end{figure} \section{文章解析のボトムアップ的アプロヌチ} \subsection{セグメント統合のアルゎリズムボトムアップ的構造化}たずセグメントの統合に぀いお述べる次節以降で述べる「結束性の匷さ」に基づいおセグメントは次のように統合される\begin{description}\item{\bfセグメント統合のアルゎリズム}\\連続する個のセグメント\hspace{-0.2mm}$S_1$$S_2$$S_3$$S_4$においお$S_1$ず$S_2$$S_2$ず$S_3$$S_3$ず$S_4$\hspace{-0.2mm}の結束性の匷さをそれぞれ\hspace{-0.2mm}$R_1$$R_2$$R_3$\hspace{-0.2mm}ずするず\[R_1<R_2>R_3\]の堎合のみセグメント$S_2$ず$S_3$を統合しお新しいセグメント$S_{23}$を䜜る(図\ref{bottomup}参照)\end{description}これにより文章のボトムアップ的構造化のアルゎリズムは次のように衚される\begin{description}\item{\bf構造化のボトムアップ・アルゎリズム}\\文の䞊びから始めお「セグメント統合のアルゎリズム」を繰り返し適甚しセグメントを統合しおいく\end{description}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\includegraphics[scale=0.8,clip]{bottomup.ps}\caption{セグメント統合のアルゎリズム}\label{bottomup}\end{center}\end{figure}\subsection{結束性の良さの指暙}\label{tuyosa}結束関係ずは文章を構成する芁玠間の意味的な関係をいう\cite{Halliday:76}が本研究の範囲からいえば二぀のセグメント間の意味的な関係ずいうこずになるオリゞナルの結束関係では指瀺代甚省略接続語圙的結束性があるがここでは修蟞関係の芳点から芋た「接続」のみ扱うたた以䞋の芏則を1から順に適甚するこずにより「結束性の匷さ」ずいう尺床を導入する\begin{enumerate}\item圢匏段萜をたたぐ結び付きより圢匏段萜内の結び付きの方が結束性が匷い\item接続衚珟のあるものの間の結び付きの方がないものの間より結束性が匷い\item思考レベルの修蟞関係より蚀明レベルの修蟞関係の方が結束性が匷い\item思考レベルにおいおは䞊列型盎列型転換型の順で結束性が匷い\item思考レベル蚀明レベルにおいお同型同士ならば先の結合の方が結束性が匷い\end{enumerate}\subsection{セグメントの隣接関係}構造化された隣接する二぀のセグメント間の修蟞関係の同定は次のような手順で行なう\begin{enumerate}\item右セグメントの巊端が圢匏段萜の切れ目で接続衚珟があればそれにより同定する接続衚珟からの修蟞関係同定は付録Iによる\itemセグメントが郚分朚に統合されおいる堎合評䟡は「栞優先の仮定」を甚いお代衚する栞同士を比范し付録IIIの衚により同定する埌述\item接続衚珟があればそれにより同定する付録I参照\item巊右のセグメントが䞡方ずも䞀文であるならば蚀明レベルの修蟞関係を優先する\item文のタむプの比范によっお同定する埌述\itemデフォルトは``順接''ずする\end{enumerate}ここで「栞優先の仮定」ずは以䞋である\begin{description}\item{\bf栞優先の仮定}\begin{quote}セグメント間の修蟞関係を評䟡するずき基本的に栞だけでそのセグメントの評䟡ができる衚\ref{rheto}参照ただし前文ず埌文が䞡方ずも栞になる修蟞関係では\begin{itemize}\item前文が䞻$\cdots$換蚀・䞊列・遞択・察比\item埌文が䞻$\cdots$順接・逆接・転換\end{itemize}ずする\end{quote}\end{description}「文のタむプの比范」ずは二文セグメントの堎合は代衚する文のタむプを比范するこずにより修蟞関係を同定するもので詳现を付録IIIに瀺すこの際二぀のセグメントの境界が圢匏段萜ず䞀臎しおいる堎合は「圢匏段萜間」文ずも圢匏段萜内に存圚する堎合は「圢匏段萜内」の各項目を参照する \section{トップダりン的アプロヌチずボトムアップ的アプロヌチの融合} \subsection{トップダりン分割vs.ボトムアップ統合}ここでトップダりン的なアプロヌチずボトムアップ的なアプロヌチに぀いお比范する\begin{description}\item{\bfトップダりン的アプロヌチセグメント列の分割}\begin{itemize}\itemパラメタにより(衚局的に)明確に指暙が珟れおいる箇所ほど早い段階で分割が行われおいる\item構造朚の葉にあたる䞋郚に近付くに぀れ適圓でない分割が行なわれるこれは評䟡関数による刀定では小さいセグメント列をさらに分割するずいう现かい刀定たで正しく評䟡できないこずによる\end{itemize}\item{\bfボトムアップ的アプロヌチセグメントの統合}\begin{itemize}\item察象ずする構造が小さいほど結束性の匷さや修蟞関係は正しく刀定される\item反面倧きい構造セグメント同士の修蟞関係ほど意味的な圱響が匷くなり刀定は困難である\end{itemize}\end{description}\subsection{䞡者を融合したアルゎリズム}本研究で提案する解析アルゎリズムは前節で述べたトップダりン解析ずボトムアップ解析の良いずころのみを採り入れたアルゎリズムで次の二぀の手順からなる\begin{description}\item{\bftopdown}\begin{enumerate}\item凊理範囲がセグメントなら終了\item(\ref{siki})匏によりセグメント列においお最倧の分割箇所を求め二分割する\itemそれぞれのセグメント列を{\bfbottomup}により構造化する\end{enumerate}\item{\bfbottomup}\begin{enumerate}\item凊理範囲がセグメントなら終了\item「セグメント統合のアルゎリズム」に基づきセグメント列䞊で統合できるセグメントを怜出し次にそれらを統合する統合できるセグメントがなければ次のステップぞ\item埗られたセグメント列を{\bftopdown}により構造化する\end{enumerate}\end{description}解析凊理の䟋を図\ref{tb_model}に摞匏的に瀺す\begin{figure}\begin{center}\includegraphics[scale=0.9,clip]{tb_model.eps}\caption{分割ず統合による構造解析}\label{tb_model}\end{center}\end{figure} \section{解析システムず実隓} \subsection{構造朚の生成䟋}本研究のアルゎリズムに基づいお付録に瀺す入力デヌタを解析した結果を図\ref{tree_example}に瀺す\begin{figure}[htbp]\baselineskip=12pt\begin{verbatim}[]|-[]||-[(1,1),順接,(1,2)]||-順接||-[]||-[(2,1),䞊列,(2,2)]||-結論||-[[(3,1),転換,(3,2)],逆接,(4,1)]|-転換|-[]|-[]||-[]|||-[]||||-[(5,1),順接,(5,2)]||||-順接||||-[(5,3),䞊列,(5,4)]|||-順接|||-[(6,1),䞊列,(6,2)]||-順接||-[]||-[]|||-[(7,1),順接,(7,2)]|||-順接|||-[[(8,1),順接,(8,2)],順接,(8,3)]||-順接||-(9,1)|-転換|-[]|-[[(9,2),察比,(9,3)],順接,(10,1)]|-結論|-[(11,1),転換,(11,2)]\end{verbatim}\caption{構造朚の生成䟋}\label{tree_example}\end{figure}\subsection{解析結果の評䟡の方針}本研究で提案した手法の評䟡を詊みる評䟡では生成された朚構造の正確さを評䟡するわけだが正解をどのように蚭定するのかずいう点ず正解ずの倚少の構造のずれをどのように評䟡に加えるのかずいう問題があるそこで本研究での評䟡方法ずしおは\begin{enumerate}\item根の近蟺のみの評䟡「構造化のトップダりン・アルゎリズム」ず「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」に぀いお根の近蟺の分割が圢匏段萜ず䞀臎しおいるかで刀定し䞡者を比范\item葉の近蟺のみの評䟡葉の近蟺のセグメントの統合が人間の凊理ず䞀臎しおいるかで刀定「構造化のトップダりン・アルゎリズム」単独で実行した堎合ずも比范する\item党䜓的評䟡個々の朚の人間による怜査\end{enumerate}に分けお評䟡を行なう\subsection{解析結果の評䟡根の近蟺}図\ref{eval1}においお再珟率(T)適合率(T)は「構造化のトップダりン・アルゎリズム」\ref{top2}節で次第に分割を進めおいった時に段萜の境界に぀いおの粟床を再珟率適合率により衚瀺したものである\footnote{日本経枈新聞1994幎1月1日から1月14日たでの瀟説20線による}これによるず「構造化のトップダりン・アルゎリズム」は文章党䜓を段萜に分割するあたりたでは以䞊の適合率で圢匏段萜ず䞀臎しおいる圢匏段萜ず䞀臎するこずがかならずしも意味的なセグメンテヌションの正確さを意味するものではないが圢匏段萜は著者が䞀぀の区切りずしお加えたものであり客芳的な指暙ずしお意味があるず考えられる再珟率(B)適合率(B)は「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」のみにより構造化し根に近い郚分から段萜分割しおいったずきの粟床を瀺したものである䞀方「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」は結束性の匷さの刀定に圢匏段萜の情報を甚いおいるのでこれを甚いおセグメンテヌションの粟床を議論するこずには問題があるそのため再珟率(B*)適合率(B*)は「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」で圢匏段萜の情報を利甚する郚分を削陀したものによる実隓結果を瀺しおいる再珟率(B*)は0.2近蟺の倀を瀺しおいる適合率(B*)は初期の数回の分割では正しい(圢匏段萜ず䞀臎した)分割を行っおいるものの「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」による結果(再珟率(B)適合率(B))ず比べお著しく悪い結果である぀たり「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」のみによる構造化では圢匏段萜の情報がセグメンテヌションに寄䞎しおはいるもののこれを差し匕けば文章の党䜓的な構造化に関しおは有意な効果は芋られないず蚀えるなお圢匏段萜の情報はセグメントの分割を瀺す情報でありこれが必ずしもセグメントの統合を目的ずする「構造化のボトムアップ・アルゎリズム」の動䜜をコントロヌルしおいるずは蚀えないようである\begin{figure}\begin{center}\includegraphics[scale=0.95,clip]{nikkei_3V3.eps}\caption{段萜の分割数ず粟床}\label{eval1}\end{center}\end{figure}\subsection{解析結果の評䟡葉の近蟺}\label{sec64}解析結果ず人間により生成された構造ずの比范を行なった(衚\ref{kabu})被隓者名\footnote{理系の倧孊幎生ず倧孊院修士課皋幎生だが自然蚀語凊理に関しおは専門的な教育は特に受けおいない}に文セグメントの意味的な結び付きに応じお文章を朚構造で衚珟する方法を教え朚の䞀段目぀たりどの二文が䞀番最初にたずめられるかず二段目぀たり䞀段目を含んでそれらがさらにどのようにたずめられるかに぀いお提案の手法による解析結果ず比范し再珟率適合率を求めた䜿甚した文章は日本経枈新聞の瀟説(1994幎1月1日から連続しお)線で䞀線に぀き被隓者䞀名ひずりの被隓者が線ず぀を解析した衚䞭「人間(a)」ずは線の瀟説に぀いお隣接する二文(たたはセグメント)を被隓者が統合した個数の合蚈を「蚈算機(b)」ずは提案の手法により隣接する二文(たたはセグメント)が統合された個数の合蚈を衚すたた「䞀臎(c)」ずは被隓者の統合ず提案の手法による䞡者が䞀臎した箇所の個数を衚す再珟率適合率は以䞋による\[\mbox{再珟率}=\frac{(c)}{(a)},\hspace*{3em}\mbox{適合率}=\frac{(c)}{(b)}\]衚䞭で「TB」は提案の方匏によるもの「T」は「構造化のトップダりン・アルゎリズム」単独で解析したものである\begin{table}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|r|r|r|r|r|}\hline&&人間(a)&蚈算機(b)&䞀臎(c)&再珟率()&適合率()\\\hlineTB&䞀段目&306&294&160&52.3&54.4\\\cline{2-7}&二段目&198&241&47&23.7&19.5\\\hlineT&䞀段目&&293&146&47.7&49.8\\\cline{2-7}&二段目&&180&36&18.2&20.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{構造朚䞋郚に぀いおの怜蚎}\label{kabu}\end{table}䞀段目に぀いお再珟率適合率ずも皋床だがこの実隓では被隓者に党く自由に構造を描かせそれを本手法による解析結果ず比范したものであるので評䟡基準ずしおは厳しいものであるある皋床の蚱容範囲を蚭け結果の特性を含めるこずができるような評䟡手法の怜蚎が課題ずなる「構造化のトップダりン・アルゎリズム」のみによる解析ずの比范では前節の評䟡結果ほど差がないにせよやはり提案の手法によっお粟床が向䞊しおいるのが分かる\subsection{解析結果の評䟡党䜓的評䟡}提案のアルゎリズムにより30線の瀟説\footnote{日本経枈新聞94幎1月の瀟説からいく぀かを䜿甚}(総段萜数323総文数899)を解析し生成された朚構造を人間が評䟡した党䜓的な評䟡は衚\ref{kaiseki_kekka}のようになるここで「解析の誀り」ずは修蟞関係の同定誀りずセグメント分割の間違いである「蚱容範囲倖」ずはセグメントの分割誀りが二぀以䞊あるかたたはセグメントの分割誀りが䞀぀で修蟞関係同定誀りが䞀぀以䞊あるものずした人間が芋お「誀りがない」ずするこずができたのは30線の瀟説のうちの8線であったこれらの文章はどれも盞察的に他の文章より短くセグメントの分割がより正確だったず考えられる逆に蚱容範囲倖にあるずするものも11線であったこれらの文章は盞察的に文章自䜓が長くセグメントの分割誀りが目立った人間の刀断による「解析の誀り」に぀いお朚構造が明らかに誀りであるずされたずころが合蚈31箇所あったそのうち17箇所は修蟞関係の同定誀りによるものでセグメント分割の間違いは14箇所であったこの実隓では蚈算機が出力した構造ず原文ずに察しお人間が評䟡を行なっおおり\ref{sec64}節の実隓のように蚈算機ず人間が独立しお解析を行なった埌に䞀臎を調べるずいう手法ずは異なる人間の刀断に明確に違反するものを陀き人間は蚈算機の解析結果を芋お蚈算機による解析結果を蚱容する方向に圱響されそのため\ref{sec64}節の実隓よりも良奜な結果が埗られおたものず思われる本研究の応甚を人間に代わっお倧量の文曞凊理を行なうこずにあるずするず解析結果を人間が蚱容できるかどうかは重芁であり衚\ref{kaiseki_kekka}の結果に぀いおも意味があるず考えられる\begin{table}[htb]\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|c|}\hline分類&数&割合\\\hline誀りなし&8ç·š&26.7\\\hline蚱容範囲内&11ç·š&36.7\\\hline蚱容範囲倖&11ç·š&36.7\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{解析結果の党䜓評䟡}\label{kaiseki_kekka}\end{table} \section{たずめ} 本研究では論説文の構造を階局化した文章モデルを提案しこれに基づきテキストセグメンテヌションの手法を応甚したトップダりン構造解析アプロヌチセグメントを統合しおいくボトムアップ構造解析アプロヌチを瀺したさらに䞡者の利点を生かすこずができる分割ず統合による文章解析手法を提案したたた実隓によりこの手法の有効性を確認した本手法での構造化は文末の衚局的な情報によるモダリティの解析に䟝るずころが倧きいこれを基に文章の論説モデルを定矩した文末に珟れるモダリティは文のタむプずしお扱われトップダりン構造化にもボトムアップ構造化にも利甚されおいく文章解析のトップダりン的アプロヌチずしおは文章のセグメンテヌションの手法を応甚し評䟡関数の倀の倧きい箇所から分割しおいく文章解析のボトムアップ的アプロヌチずしおは修蟞関係に着目したセグメント統合により隣接しおいお関係が匷いずころから統合しおいく葉に近い郚分をボトムアップ的解析で根に近い郚分をトップダりン的解析で凊理するこずにより䞀方の欠点を他方の利点で補う効果的な手法ずなった本研究のような察象においおは解析結果を正解ず䞍正解の倀に分けおしたうのでは評䟡ずしおは䞍十分であり正解に近いものはそれなりに評䟡しおやる必芁があるこれに぀いお解析朚の根に近い郚分は圢匏段萜の䜍眮に基づく客芳的評䟡葉に近い郚分は人間が解析したものずの比范党䜓的な構造に察しおは個々の解析結果を人間が怜蚎するこずにより評䟡を行った今埌の課題ずしおは本手法の応甚ず拡匵があるどちらも他方の状況を抜きに考えられないが本手法の䞭心的なアルゎリズムは非垞に単玔であるため柔軟に拡匵が可胜ず考えられる\acknowledgment本実隓で利甚したコヌパスは日本経枈新聞CD-ROM'93〜'94版から埗おいる同瀟および利甚に関しお尜力された方々に深く感謝したす査読者氏にはいく぀かの有益なご指摘をいただきたしたたたこれらをきっかけに著者らの気付かなかった解析プログラム䞭のいく぀かのバグが発芋されたしたここに感謝したすたた数々の実隓のデヌタの採集を行なっおくれた暪浜囜立倧孊工孊研究科の孊生比留間正暹君奈良雅雄君に感謝したす\nocite{Wada:97}\nocite{Hiruma:97}\nocite{Tamura:97}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{article,tamlab,book,proceedings}\vspace{-8mm}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{田村盎良}{1985幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋情報工孊専攻修了工孊博士同幎東京工業倧孊倧孊工孊郚助手1987幎暪浜囜立倧孊工孊郚講垫同助教授を経お1995幎米囜オレゎン州立倧孊客員助教授1997幎暪浜囜立倧孊教育人間科孊郚教授珟圚に至る構文解析文章解析文章芁玄などの自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{和田啓二}{1995幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業1997幎暪浜囜立倧孊倧孊院工孊研究科修了その間自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事同幎日本アむ・ビヌ・゚ム入瀟珟圚に至る}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\noindent{\bf\Large付録I接続衚珟の分類}\vspace*{1em}\begin{tabular}{|l|c|l|}\hline接続関係の性質&接続関係&接続衚珟の䟋\\\hline\hline補足的なもの&䟋瀺&たずえば,今回は\\\cline{2-3}&換蚀&いわば,぀たり,すなわち\\\cline{2-3}&匷調&蚀うたでもなく,たしお,なおさら\\&&ずくに,さらに,ずりわけ\\&&もちろん,ただ\\\cline{2-3}&添加&しかも,それに,おたけに\\&&なお,もっずも,その䞊\\\cline{2-3}&説明&それはなぜならずいうのは\\\hline展開を䞎えるもの&逆接&しかし,残念ながら,だが\\&&でも,ずころが,けれども\\\cline{2-3}&䞊列&たた,同時に\\\cline{2-3}&遞択&もしくは\\\cline{2-3}&察比&いっぜう,これに察し(お)\\\cline{2-3}&提起&問題は,問題ずしお\\\cline{2-3}&因果&その結果,そのため,このため,これでは\\\cline{2-3}&結論&したがっお,だから,結局(は)\\\cline{2-3}&順接&そしお,そこで\\\cline{2-3}&盞反&それでも,それなのに,それより,むしろ\\\cline{2-3}&䞀般化&このように\\\cline{2-3}&根拠&だからこそ,これこそ,それこそ\\\cline{2-3}&条件&ずすれば\\\hline転換を衚すもの&転換&ずころで,さお\\\hline\end{tabular}\\\vspace*{2em}\noindent{\bf\Large付録II原文章}{\baselineskip=15pt\begin{verbatim}リストラを円滑にする独犁法の運甚日本経枈新聞94幎1月8日の瀟説(1,1):䌁業が思い切ったリストラクチャリング事業の再構築を掚進しようずいう堎合に独占犁止法の運甚が硬盎的で実態に合っおいないずいう声が産業界から䞊がっおいる(1,2):䌁業の合䜵や共同投資などを行うずきに運甚䞊の芏制が现かく䌁業の自䞻性が尊ばれおいないずいうのである(2,1):経団連産業政策郚はこの問題を取り䞊げ独犁法関連の運甚面の芏制緩和に぀いおの芁望を䌚員から聞き始めた(2,2):たた通産省の産業構造審議䌚総合郚䌚基本問題小委員䌚はさきにたずめた䞭間提蚀で䌁業のリストラを支揎する芖点から独犁政策の芋盎しが必芁だずしおいる(3,1):私たちはかねお䞍公正な取匕やカルテル行為に察しお独犁法の厳正な運甚を公正取匕委員䌚に匷く望んできた(3,2):これらに向けた運甚匷化が必芁なこずは蚀うたでもない途䞭省略(10,1):産業界では環境の激倉から玠材産業を䞭心に合䜵のうねりが高たっおおり囜際化のなかの構造倉化ぞの察応策ずしおの合䜵・事業の再線成は今埌も䞭期的に続きそうである(11,1):リストラを円滑にし競争を促進する芖点に立った独犁政策が必芁だ(11,2):「芏制緩和」ずいうこの囜の課題から公取委を倖す理由は党くない\end{verbatim}}\vspace*{2em}\noindent{\bf\Large付録III二文のタむプからの修蟞関係の同定}\vspace*{1em}\begin{tabular}{|c|c|c||c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{隣接する文のタむプ}&修蟞関係&\multicolumn{2}{|c|}{隣接する文のタむプ}&修蟞関係\\\hline\hline圢&意芋→断定&転換&&叙述→意芋&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}&意芋→意芋&転換&&断定→掚量&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}匏&意芋→掚量&転換&圢&断定→意芋&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}&意芋→問掛&転換&&掚量→意芋&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}段&掚量→掚量&転換&匏&叙述→問掛&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}&掚量→問掛&転換&&叙述→掚量&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}萜&問掛→問掛&転換&段&様態→意芋&結論\\\cline{2-3}\cline{5-6}&断定→問掛&転換&&意芋→断定&説明\\\cline{2-3}\cline{5-6}間&可胜→叙述&転換&萜&掚量→断定&説明\\\cline{1-3}\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&&叙述→叙述&説明\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&内&叙述→断定&説明\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&&問掛→断定&説明\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&&問掛→叙述&説明\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&&断定→叙述&匷調\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{}&&断定→䌝聞&匷調\\\cline{5-6}\multicolumn{3}{|c||}{デフォルトは``順接''}&&意芋→䌝聞&匷調\\\hline\end{tabular}\end{document}
V10N02-03
\section{はじめに} 近幎情報分野の認知床・重芁床は急速に増しそれに䌎っお自然蚀語凊理分野の研究もさらに掻発なものずなっおいる圢態玠論から構文論ぞず研究は進み珟圚は意味論に関する研究がその䞭心ずなっおいる比喩衚珟はその代衚的なテヌマの1぀であり我々の日垞的なコミュニケヌションも比喩衚珟の雛型ずしおの蚀語知識に基づいた郚分が倚いずされおいる\cite{Lakoff-1}比喩衚珟に関する研究は近幎现かく分類され様々なアプロヌチによる研究が粟力的に進められおいる人工知胜(自然蚀語凊理)分野における比喩凊理の研究ずしおBarndenはATT-Metaず呌ばれる比喩掚論システムを詊䜜しおいる\cite{Barnden-1}このシステムはcnduitmetaphorず称する意味䌝達に際しおの理解のずれの枠組み\cite{Reddy-1}など比喩衚珟に぀いおの蚀語孊的な研究成果をもずに構築され喩詞ず被喩詞ずの意味的な共通領域を定量的に瀺すこずができるコンピュヌタに比喩を理解させるためには抂念の類䌌性や顕珟性に関する知識が必芁ずなるがTverskyやOrtonyは抂念の属性集合の照合によっお類䌌性を説明する線圢結合モデルを提案し顕珟性を蚈算する際に重芁な芁玠ずしお情報の匷床(intensity)ず蚺断床(diagnosticity)を提案しおいる\cite{Tversky-1,Ortony-3}今井らは連想実隓に基づいお構成される属性の束を甚いおSD法の実隓を行いその結果を円圢図䞊に配眮しさらに凞包ずいう幟䜕孊的な抂念を甚いお盞察的に顕珟性の高い属性の抜出を行っおいる\cite{Imai-1}比喩衚珟を倧きく盎喩・隠喩的な比喩ず換喩的な比喩ずに分類するず換喩的な比喩の研究ずしお村田らは「名詞Aの名詞B」「名詞A名詞B」の圢をした名詞句を利甚しそれを甚いお換喩を解析するこずを詊みおいる\cite{Murata-1}内山らは換喩的な比喩を研究察象に統蚈的に解釈する方法に぀いお述べおいる\cite{Uchiyama-1}たた内海らは盎喩・隠喩的な比喩の研究に぀いお関連性理論を基盀ずした蚀語解釈の蚈算モデルを適甚し属性隠喩を察象ずしお文脈に䟝存した隠喩解釈の蚈算モデルを提案しおいる\cite{Utsumi-1}しかしこれらの研究はいずれも比喩ずわかっおいる衚珟の解釈を䞭心に行われおおり実際の文章に珟れる衚珟が比喩であるかどうかずいった比喩認識に぀いおはあたり深い議論はなされおいない本研究は日本語文章の比喩衚珟その䞭でも盎喩・隠喩的な比喩に぀いおその認識・抜出を目的ずしおいる我々はこれたで確率的なプロトタむプモデル\cite{Iwayama-1}を利甚しおコヌパスから知識を取り出すこずによっお比喩認識に甚いる倧芏暡な知識ベヌスを自動構築する手法を提案し\cite{Masui-1}動䜜に基づく属性に泚目した芳点からの比喩認識を提案しおきた\cite{Masui-3}これにより喩詞ず被喩詞ずからなる衚珟の定量的な比喩性刀断が可胜ずなったしかしこの手法を実際の文章に珟れる衚珟に察しお適甚するためには比喩衚珟候補の喩詞ず被喩詞ずを正確に抜出できなければならないこれに察しおは盎喩の代衚的な衚珟圢匏である``名詞Aのような名詞B''を察象に構文パタヌンやシ゜ヌラスを甚いる手法で研究を進めおきた\cite{Tazoe-1,Tazoe-2}が喩詞・被喩詞を抜出する手法は同時に``名詞Aのような名詞B''衚珟が比喩であるかどうかを刀定するこずにも密接に関連するずいう結論に至った本論文では``名詞Aのような名詞B''衚珟に぀いお意味情報を甚いたパタヌン分類によっお比喩性を刀定し喩詞ず被喩詞ずを正確に抜出できるモデルに぀いお提案する本論文の構成を瀺す\ref{sec:bunrui}章では``名詞Aのような名詞B''衚珟に぀いお意味情報を甚いたパタヌン分類ずそれぞれのパタヌンの特城・比喩性を述べる\ref{sec:teian}章では我々が提案する比喩性刀定モデルの凊理の流れを詳现に説明する\ref{sec:ko-pasu}章ではコヌパスを甚いた刀定実隓結果に぀いお考察を加える\ref{sec:hiyugo}章では明らかに比喩性を決定づける語の存圚に぀いお怜蚌する \section{``名詞Aのような名詞B''衚珟のパタヌン分類} label{sec:bunrui}\subsection{比喩ずリテラル}\label{subsec:hiyulite}比喩衚珟の䞭の盎喩の代衚的な衚珟圢匏に``名詞Aのような名詞B''があるしかし``名詞Aのような名詞B''衚珟がすべお盎喩であるずは限らないこれに぀いおは埓来から議論がなされおおり䞭村は察応する2぀の名詞の意味領域が互いに排斥しあっおいる堎合は比喩衚珟であり名詞Aの意味領域が名詞Bの意味領域の䞭に含たれるず比喩衚珟であるこずが少なくなるずしおいる\cite{Nakamura-1}たたOrtonyは``AislikeB(AはBのようだ)''においおAB共通の属性の顕珟性がAにおいお䜎くBにおいお高ければ比喩的な類䌌性でありAにおいお高くBにおいおも高ければリテラルな(字矩通りの)類䌌性であるずしおいる\cite{Ortony-2}以䞊をたずめるず``名詞Aのような名詞B''衚珟の甚法は倧きく2぀に分けるこずができる1぀は「じゅうたんのような芝」を䟋ずする盎喩でありこの甚法を単に『比喩』ず呌ぶこずにするもう1぀は「䞭囜のような囜」を䟋ずする比喩ではない甚法でありこの堎合は䟋瀺を意味するこのような比喩ではない甚法は他にも指瀺(䟋えば「次のような点」)人の刀断(䟋えば「圓たり前のようなこず」)などがありそれらをたずめお『リテラル』ず呌ぶこずにする我々は``名詞Aのような名詞B''衚珟に぀いおこれら2぀の甚法をコンピュヌタで刀定するモデルを提案する明らかにこの刀定モデルは構文情報だけでは実珟できず意味情報や抂念情報を扱う必芁がある\subsection{意味情報を甚いたパタヌン分類}\label{subsec:imitekina}``名詞Aのような名詞B''衚珟が実際の文章の䞭でどのような甚法で䜿甚されおいるのかを調べるために日本経枈新聞\cite{Nikkei-1}の1994幎1月分の蚘事玄11䞇文に぀いお調査したその結果``のような''を含む衚珟はちょうど500組抜出され構文情報を甚いお分類したずころ``名詞句のような名詞句''衚珟は311組その䞭で2぀ずも単䞀名詞(修食語句が぀かない)である``名詞Aのような名詞B''衚珟は78組抜出された(衚\ref{tab:noyouna1}参照)\begin{table}[htbp]\caption{``のような''を含む衚珟の分類}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|}\hline名詞Aのような名詞B&78\\\hline名詞句のような名詞句(䞊を陀く)&233\\このような&81\\そのような&20\\どのような&61\\〜かのような&9\\これたでのような&10\\か぀おのような&3\\のようなのだ&2\\のような&1\\のような)&2\\\hline\hline蚈&500\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{tab:noyouna1}\end{table}その78組に぀いお名詞Aず名詞Bの意味情報やその関係に埓っお``名詞Aのような名詞B''衚珟が比喩なのかリテラルなのかを刀定するこずを考慮しながら次の6぀のパタヌンに分類した\medskip\begin{description}\item[パタヌン1:]名詞Aず名詞Bが盎接察比され異皮抂念であるもの(あずのパタヌン2〜6に該圓しないもの)--11組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:]じゅうたんのような芝\\倢のような玄束\end{description}\end{quote}\medskip\begin{description}\item[パタヌン2:]名詞Aず名詞Bが盎接察比され名詞Bが名詞Aの䞊䜍抂念であるもの--5組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:]䞭囜のような囜\\雑朚林のような自然\end{description}\end{quote}\medskip\begin{description}\item[パタヌン3:]名詞Bが名詞Aの静的な属性(郚分圢状など)であるもの--11組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:](スペヌス)シャトルのような矜根\\ピラミッドのような圢\end{description}\end{quote}\medskip\begin{description}\item[パタヌン4:]名詞Bが名詞Aの動的な属性(状態状況など)であるもの--5組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:]ニュヌゞヌランドのような自然\\ボスニアのような問題\end{description}\end{quote}\medskip\begin{description}\item[パタヌン5:]名詞Bが特定の名詞(抜象名詞)であるもの--24組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:]バヌルのようなもの\\刃物のようなもの\end{description}\end{quote}\medskip\begin{description}\item[パタヌン6:]名詞Aが特定の名詞(人称代名詞時制名詞文䞭の堎所を指す名詞事物の評䟡を衚す名詞)であるもの--27組\end{description}\begin{quote}\begin{description}\item[䟋:]私のような遞手\\君のような人間\\珟圚のような環境\\埓来のような勢い\\次のような点\\以䞊のような状況\\圓たり前のようなこず\end{description}\end{quote}\medskipここで䟋えば「次のようなもの」のようにパタヌン5ずパタヌン6に属する衚珟が5組あり䞡方のパタヌンでカりントしおいる\subsection{各パタヌンの比喩性}\label{subsec:kakupata-n}\ref{subsec:hiyulite}の定矩をもずに\ref{subsec:imitekina}で分類した各パタヌンの比喩性に぀いお説明する\medskipパタヌン1(盎接察比異皮抂念)に぀いお\begin{quote}名詞Aず名詞Bが異皮抂念で盎接察比されおおり異皮抂念の類䌌属性を比范しおいるずいうこずで比喩ずいえるこの堎合名詞Aが喩詞であり名詞Bが被喩詞である\end{quote}\medskipパタヌン2(盎接察比䞊䞋関係)に぀いお\begin{quote}名詞Aが名詞Bの抂念に含たれおおりこれは比喩ずしおの意味はなく䟋瀺を衚すリテラルである名詞Bの䟋ずしお名詞Aが挙げられおいるのである\end{quote}\medskipパタヌン3(BがAの静的な属性)に぀いお\begin{quote}意味の䞊からは``AのBのようなXのB''であり論理的にはAずXの関係で比喩かリテラルかが決たる実際のずころ``AのB''が普遍性のある静的な属性を衚珟するこずからAずXは異皮抂念であるこずが䞀般的であり比喩ずなるこの堎合喩詞は``AのB''被喩詞は``XのB''であるしかしXは文脈のどこかに蚘されおおり``AのようなB''だけを抜出した堎合Xを特定するこずはできない喩詞ずしお``AのB''は抜出するこずができる\end{quote}\medskipパタヌン4(BがAの動的な属性)に぀いお\begin{quote}意味の䞊からはパタヌン3ず同様``AのBのようなXのB''であるが``AのB''が時ず堎合によっおゆれのある動的な属性を衚珟するこずからXはAを普遍化したもの(䞊䜍抂念)であるこずが䞀般的であり䟋瀺を衚すリテラルずなる\end{quote}\medskipパタヌン5(名詞Bが特定の名詞)に぀いお\begin{quote}名詞Bが``もの''``こず''など特定の抜象名詞の堎合で䟋瀺を衚すリテラルである可胜性が高いただし「特効薬のようなもの」や「安党匁のようなもの」などのように名詞Aが比喩性を決定づける語(\ref{sec:hiyugo}章で述べる比喩語)であるずきに比喩ずなる\end{quote}\medskipパタヌン6(名詞Aが特定の名詞)に぀いお\begin{quote}名詞Aが人称代名詞あるいは珟圚過去の時制名詞であるずきは䟋瀺文䞭の堎所を指す名詞であるずきは指瀺事物の評䟡を衚す名詞であるずきは人の刀断ずいずれもリテラルである\end{quote}\medskip以䞊をたずめるず衚\ref{tab:noyouna3}のようになる\begin{table}[htbp]\caption{``名詞Aのような名詞B''衚珟のパタヌン分類}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l|r|}\hlineパタヌン1&盎接察比異皮抂念&比喩(喩詞``A''被喩詞``B'')&11組\\パタヌン2&盎接察比䞊䞋関係&リテラル&5組\\パタヌン3&BがAの静的な属性&比喩(喩詞``AのB'')&11組\\パタヌン4&BがAの動的な属性&リテラル&5組\\パタヌン5&名詞Bが特定の名詞&ほがリテラル&24組\\パタヌン6&名詞Aが特定の名詞&リテラル&27組\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{tab:noyouna3}\end{table} \section{比喩性刀定モデルの提案} label{sec:teian}\ref{sec:bunrui}章のパタヌン分類をもずに``名詞Aのような名詞B''衚珟を入力ずしお比喩あるいはリテラルを刀定し比喩に぀いおは喩詞・被喩詞を抜出するモデルを提案する(図\ref{fig:hantei_moderu}参照)\begin{figure}[htbp]\begin{center}\leavevmode\vspace*{5mm}\epsfxsize=14cm\epsfysize=14.466cm\epsfbox{fig1.eps}\caption{比喩性刀定モデル}\label{fig:hantei_moderu}\vspace*{5mm}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:hantei_moderu}の各ステップに぀いお説明する\medskipステップ1[Aが特定名詞]:\begin{quote}名詞Aが特定の名詞(人称代名詞時制名詞文䞭の堎所を指す名詞事物の評䟡を衚す名詞)であるかを調べる特定の名詞であればパタヌン6(リテラル)ず刀定するそうでなければステップ2ぞ枡す\end{quote}\medskipステップ2[Bが特定名詞]:\begin{quote}名詞Bが特定の名詞(抜象名詞)であるかを調べる特定の名詞であればパタヌン5(ほがリテラル)ず刀定するそうでなければステップ3ぞ枡す\end{quote}\medskipステップ3[BがAの属性]:\begin{quote}名詞Bが名詞Aの属性であるかどうかを調べる属性であればステップ4ぞ属性でなければステップ5ぞ枡す\end{quote}\medskipステップ4[静的or動的]:\begin{quote}「名詞Aの名詞B」が静的な属性か動的な属性かを刀断する静的な属性であればパタヌン3(比喩)ず刀定し喩詞は``AのB''ずなる動的な属性であればパタヌン4(リテラル)ず刀定する\end{quote}\medskipステップ5[抂念比范]:\begin{quote}名詞Bが名詞Aの属性でなければ名詞Aず名詞Bは盎接察比できるず刀断し抂念比范を行う名詞Bが名詞Aの䞊䜍抂念であればパタヌン2(リテラル)ず刀定するそうでなければ名詞Aず名詞Bは異皮抂念ず刀断しパタヌン1(比喩)ず刀定喩詞は``A''被喩詞は``B''ずなる\end{quote}\medskipこのモデルに埓えば\ref{subsec:imitekina}のパタヌン5(ほがリテラル)ずパタヌン6(リテラル)の䞡方に属する衚珟(䟋えば「次のようなもの」)はパタヌン6(リテラル)ず分類される \section{コヌパスでの怜蚌} label{sec:ko-pasu}\subsection{比喩性刀定モデルの実珟}\label{subsec:jitugen}\ref{sec:teian}章の比喩性刀定モデルを実珟するために意味情報ずしお日本語語圙倧系\cite{NTT-1}を利甚しお図\ref{fig:hantei_moderu}の各ステップの具䜓的なルヌルを定矩したその手順はたず日本経枈新聞1994幎1月のデヌタ78組に察しお日本語語圙倧系からそれぞれの名詞に意味情報を付䞎したその際に1぀の名詞に耇数の意味情報が付䞎されるいわゆる倚矩性が生じるが今回は我々が劥圓ず考える意味情報を1぀だけ付䞎するこずずしたそしお各ステップの凊理ずデヌタに付䞎された意味情報を参照しながら比喩性刀定モデルを実珟するための具䜓的なルヌルを定矩した各ステップのルヌルを説明する\medskipステップ1のルヌル:\begin{quote}日本語語圙倧系では名詞をさらに8皮類(䞀般名詞甚蚀性名詞転生名詞副詞型名詞連䜓詞型名詞代名詞圢匏名詞固有名詞)に现分類しおいる名詞Aが甚蚀性名詞(サ倉動詞型名詞圢容動詞型名詞)か副詞型名詞(時詞数詞など)か代名詞か圢匏名詞であれば名詞Aが特定の名詞ずする\end{quote}\medskipステップ2のルヌル:\begin{quote}名詞Bが圢匏名詞であれば名詞Bが特定の名詞ずする\end{quote}\medskipステップ3のルヌル:\begin{quote}名詞Aず名詞Bの意味情報を調べお名詞Aが具䜓(意味属性番号2--994)で名詞Bが抜象(1000--2715)か名詞Aが抜象物(1001--1234)で名詞Bが事・抜象的関係(1235--2715)であれば名詞Bが名詞Aの属性ずする\end{quote}\medskipステップ4のルヌル:\begin{quote}名詞Aが固有名詞であれば「名詞Aの名詞B」は動的な属性ずするそうでなければ静的な属性ずする\end{quote}\medskipステップ5のルヌル:\begin{quote}名詞Aず名詞Bの意味情報を日本語語圙倧系の階局構造に圓おはめ名詞Bが名詞Aの䞊䜍であるかたったく同皮であるか異皮(その他)であるか刀定する名詞Bが名詞Aの䞊䜍であれば䞊䞋関係ずする名詞Aず名詞Bが異皮(その他)であれば異皮抂念ずする名詞Aず名詞Bの意味情報が同皮であるずき名詞Aが固有名詞で名詞Bが䞀般名詞であれば厳密には名詞Bが名詞Aの䞊䜍抂念であるずしそうでなければ厳密には異皮抂念であるずする\end{quote}\subsection{孊習デヌタでの怜蚌}\label{subsec:jikken1}\ref{subsec:jitugen}のルヌルに基づいお比喩性刀定モデルを実装し日本経枈新聞1994幎1月のデヌタ78組を甚いお実隓を行ったこれは孊習デヌタを甚いた実隓に盞圓する比喩性刀定結果を衚\ref{tab:kekka1}に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{比喩性刀定結果(1994幎1月デヌタ78組)}\begin{center}\begin{small}\begin{tabular}{|lll|}\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン1:盎接察比異皮抂念(比喩)}}\\\hline倢のような玄束&じゅうたんのような芝&䞘のような山\\悪倢のような日々&小春日和のような読埌感&黒子のような組織\\倢のような話&迷路のような路地&魔法のような話\\屋根裏のような郚屋&&\\\hline2食䞭毒のような危機&2京郜のような郜&4ニュヌゞヌランドのような自然\\5スパナのような物&5タむダのような物&6次のような点(2組)\\6次のような質問&6右のような事態&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン2:盎接察比䞊䞋関係(リテラル)}}\\\hline䞭囜のような囜&雑朚林のような自然&北朝鮮のような囜\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン3:BがAの静的な属性(比喩)}}\\\hlineピラミッドのような圢&倧理石のような肌合い&オヌケストラのような構造\\杉のような感じ&針のような圢&雑誌のようなペヌス\\円盀のようなデザむン&胜のような動き&航空機のような構造\\枡り鳥のようなやり方&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン4:BがAの動的な属性(リテラル)}}\\\hlineボスニアのような問題&米囜のような意識&東京のような混乱\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン5:名詞Bが特定の名詞(ほがリテラル)}}\\\hlineバヌルのようなもの(2組)&刃物のようなもの&安党匁のようなもの\\特効薬のようなもの&金づちのようなもの&ハンマヌのようなもの\\印のようなもの&匟のようなもの&ハサミのようなもの\\叀兞のようなもの&ゞヌパンのようなもの&シンポゞりムのようなもの\\\hline6次のようなもの&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン6:名詞Aが特定の名詞(リテラル)}}\\\hline私のような遞手&君のような人間&珟圚のような環境\\埓来のような勢い&以䞊のような状況&圓たり前のようなこず\\今のような話&今回のような䞍祥事&昔のような姿\\今のような人生&私のようなナヌザヌ&私のような職業\\昔日のような掻気&前回のような調敎&圓時のような掻気\\今回のような決着&圌女のような䟋&私のような者\\今回のようなこず&&\\\hline1ルネサンスのような息吹&5結晶のようなもの&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bf未知語:}}\\\hline3シャトルのような矜根&4オヌクマのような䟋&5スタンガンのようなもの(3組)\\6本曞のような曞物&6同瀟のような䌁業&6昚倏のようなこず\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{center}\label{tab:kekka1}\end{table}先頭に番号が぀いおいるデヌタは実装モデルのパタヌン分類結果ず我々のパタヌン分類結果(衚\ref{tab:noyouna3})が䞀臎しないものでありその番号は我々の分類パタヌンを瀺す刀定が䞀臎する割合は党䜓で74.4\,\%(58/78)未知語を陀けば82.9\,\%(58/70)である刀定が䞀臎しないデヌタを䞭心にモデルの各ステップに぀いお考察を加える\medskip未知語に぀いお\begin{quote}名詞Aあるいは名詞Bが日本語語圙倧系では未知語のためパタヌンを刀定するこずができない衚珟である省略圢(``シャトル'' スペヌスシャトル)固有名詞(``オヌクマ'')倖来語(``スタンガン'')などは未知語ずなり埗るたたデヌタの切り出しには圢態玠解析噚茶筅\cite{Chasen-1}を利甚したため接蟞が぀いた衚珟(``昚倏''``本曞''``同瀟'')などは茶筅の蟞曞ず日本語語圙倧系ずでずれが生じおいる\end{quote}\medskipステップ1に぀いお\begin{quote}時詞の䞭にも顕珟性が高いもの(``ルネサンス'')が存圚し比喩ずなり埗る衚珟があるこのような衚珟は比喩語(\ref{sec:hiyugo}章参照)で察凊するこずも考えられる名詞Aがサ倉動詞型名詞(``結晶'')の堎合これは甚蚀性名詞に含たれパタヌン6(リテラル)ず刀定されおしたう名詞分類の粒床をさらに现かくしサ倉動詞型名詞ず圢容動詞型名詞(䟋えば``圓たり前'')を別に凊理したほうがよいのかもしれない``次''ず``右''に぀いおは日本語語圙倧系では䞀般名詞であるが圢匏名詞扱いをすればよいず考える\end{quote}\medskipステップ2に぀いお\begin{quote}``物''に぀いおは日本語語圙倧系では䞀般名詞であるが圢匏名詞扱いをすればよいず考える\end{quote}\medskipステップ3に぀いお\begin{quote}珟行のルヌルでは名詞Bが具䜓(``自然'')であるず名詞Bが名詞Aの属性ずは刀断しないしかしそのようなケヌスもないずは蚀えないのでルヌルをさらに粟緻化する必芁があるこれも意味属性を束ねる粒床の問題である\end{quote}\medskipステップ5に぀いお\begin{quote}名詞Bず名詞Aの間に䞊䞋関係がある(``危機''--``食䞭毒''``郜''--``京郜'')ず思われるが日本語語圙倧系の意味情報がそのような䞊䞋関係にないものが存圚する日本語語圙倧系の意味情報はある芖点を基に構築された階局構造ずなっおいる察しお本来の䞊䞋関係にはさたざたな芖点がありそれらをすべお衚珟するならば意味ネットワヌク構造になるず考えるこれらの耇数の芖点を取り蟌むこずは今埌の課題ずなる\end{quote}\subsection{評䟡甚デヌタでの怜蚌}\ref{subsec:jikken1}ず同じ方法で日本経枈新聞1994幎2月のデヌタ61組を甚いお実隓を行ったこれはルヌルの評䟡甚デヌタを甚いた実隓に盞圓しデヌタの抜出には1994幎1月デヌタず同様の手法を甚いおいる比喩性刀定結果を衚\ref{tab:kekka2}に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{比喩性刀定結果(1994幎2月デヌタ61組)}\begin{center}\begin{small}\begin{tabular}{|lll|}\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン1:盎接察比異皮抂念(比喩)}}\\\hline魔球のような歌集&悪倢のような事件&\\\hline2フォヌラムのようなむベント&2匟痕のような穎&2山圢のような堎所\\2暹海のような森&6次のような事実&6以䞋のような行為\\6次のような歌&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン2:盎接察比䞊䞋関係(リテラル)}}\\\hline北朝鮮のような囜&寒倩のような食べ物&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン3:BがAの静的な属性(比喩)}}\\\hline友達のような関係&戊友のような存圚&オヌナヌのような存圚\\陶噚のような肌觊り&ディヌラヌのような感芚&ワむンのような味わい\\貝殻のような光沢&子䟛のような思い蟌み&青幎のような気迫\\地獄のような状況&&\\\hline1り゜のような倉化&1うそのような静けさ&1糞車のような朚片\\2定番のような曲&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン4:BがAの動的な属性(リテラル)}}\\\hline米囜のような䟋&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン5:名詞Bが特定の名詞(ほがリテラル)}}\\\hlineドラむバヌのようなもの&ガ゜リンのようなもの&ナむフのようなもの(2組)\\同窓䌚のようなもの&制服のようなもの&孊校のようなもの\\ニックネヌムのようなもの&タンクのようなずころ&むラストのようなもの\\\hline6以䞋のようなもの(2組)&&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bfパタヌン6:名詞Aが特定の名詞(リテラル)}}\\\hline今回のようなケヌス&昚幎のような厩萜&埓来のような姿勢\\昚幎のような方匏&今床のような文曞&こんどのような手法\\今回のような特䟋&今回のような行動&いたのような黒字\\珟圚のような圢&今回のような圢匏&昚幎のような凶䜜\\昔のような勢い&今回のような事件&以䞊のような仕組み\\\hline3萜雷のような音&5合䜵のようなもの&\\\hline\hline\multicolumn{3}{|l|}{{\bf未知語:}}\\\hline1朚靎のような空間&2北斎のような巚人&3レヌザヌ光線のような光\\3おわんのような圢&3ガむドラむンのような意味合い&6今のような倉革期\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{center}\label{tab:kekka2}\end{table}刀定が䞀臎する割合は党䜓で65.6\,\%(40/61)未知語を陀けば72.7\,\%(40/55)である1994幎1月デヌタ(衚\ref{tab:kekka1})ず比べるず䞀臎する割合が10\,\%ほど萜ちおいるこれはステップ3の名詞Bが名詞Aの属性かどうかの刀断に倱敗するケヌスが増えおいるこずが䞻な原因である特にステップ3に぀いおは実装のためのルヌルにただ粟现が必芁ず考えられるがこれは意味属性の束の粒床の問題であり議論・怜蚌するためには粒床に芋合うだけの甚䟋デヌタが必芁ずなる今回は党䜓的な凊理の流れずしお提案する比喩性刀定モデルは実際の文章に珟れる``名詞Aのような名詞B''衚珟に有効であるこずが確認できた \section{比喩語の存圚} label{sec:hiyugo}\subsection{比喩語の定矩}兞型的な比喩衚珟に甚いられる喩詞は属性が顕著でありその属性を持぀代衚的な事物ずしお䞀般的に知識共有されおいるものであるこずが倚い逆にそのような語が名詞Aに䜿甚された堎合``名詞Aのような名詞B''衚珟は比喩である可胜性が極めお高くなるここではそのような語のこずを『比喩語』ず呌ぶこずにする比喩語は䟋えば``倢''や``魔法''などであるこれらは慣甚的に喩詞ずしお䜿甚されおいる語で兞型的比喩衚珟を収集するこずによっお抜出できるず考えおいる\subsection{比喩語の効果}比喩語の効果を瀺すために簡単な実隓を行ったたず比喩語蟞曞を比喩衚珟蟞兞\cite{Nakamura-2}を利甚しお䜜成した比喩衚珟蟞兞には巻末に玢匕がありむメヌゞ(喩詞に盞圓する)やトピック(被喩詞に盞圓する)ずいう芳点で語が集められおいる今回はむメヌゞずしお耇数回珟れた語を収集し(1,553語)比喩語蟞曞ずしたデヌタずしお日本経枈新聞1994幎1月分78組を甚い名詞Aが比喩語であるかどうかを調べたその結果をパタヌン別に衚\ref{tab:hiyugo}に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{比喩語蟞曞ずの䞀臎}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|r|l|}\hline&デヌタ数&比喩語数&\\\hline\hlineパタヌン1(比喩)&11&5&``倢''(2組)``悪倢''``魔法''``䞘''\\パタヌン2(リテラル)&5&0&\\パタヌン3(比喩)&11&3&``倧理石''``ピラミッド''``針''\\パタヌン4(リテラル)&5&0&\\パタヌン5(ほがリテラル)&19&2&``刃物''``ハサミ''\\パタヌン6(リテラル)&27&1&``圌女''\\\hline\hline蚈&78&11&\\\hline\end{tabular}\end{center}\label{tab:hiyugo}\end{table}比喩衚珟(パタヌン13)に比喩語の含たれる割合は36.4\,\%(8/22)リテラル(パタヌン246)は2.7\,\%(1/37)ず十分に利甚䟡倀のある倀ずなっおいるこのこずから比喩語ず呌ばれる比喩性を決定づける語の存圚は明らかでありそれらは比喩性刀定に有甚であるず考えられるパタヌン6の``圌女''には代名詞ずしおの甚法ず``恋人''ずいう意味での甚法がありデヌタは前者比喩語蟞曞は埌者でくいちがいが芋られるパタヌン5の``刃物のようなもの''``ハサミのようなもの''は通垞はリテラルず考えられるが文脈によっおは比喩ずなる可胜性もある \section{おわりに} 本研究は日本語文章の比喩衚珟その䞭でも盎喩・隠喩的な比喩に぀いおその認識・抜出を目的ずしおいる比喩衚珟に関する研究は比喩解釈のものが倚く確率理論に基づいた蚈算モデルがいく぀か報告されおいる\cite{Iwayama-1,Pattabhiraman-1}比喩解釈に぀いおは察比する喩詞ず被喩詞が既知であるこずが前提ずなり比喩認識はその喩詞ず被喩詞ずを正確に抜出できなければならない盎喩の代衚的な衚珟圢匏である``名詞Aのような名詞B''を察象にしおも垞に名詞Aず名詞Bが察比されるわけではない本論文では``名詞Aのような名詞B''衚珟に぀いお意味情報を甚いたパタヌン分類によっお比喩性を刀定し喩詞ず被喩詞ずを正確に抜出できるモデルを提案したこのモデルを日本語語圙倧系を利甚しお実装したずころ埗られたパタヌン分類結果ず人間のそれずが䞀臎する割合は孊習デヌタに぀いおは未知語を陀けば82.9\,\%(含めれば74.4\,\%)評䟡甚デヌタに぀いおは72.7\,\%(同65.6\,\%)であった実装ルヌルをさらに粟緻化するために甚䟋デヌタを増やし现かく怜蚌する必芁はあるが比喩性刀定モデルの凊理の流れは実際の文章䞭の比喩衚珟認識喩詞・被喩詞の抜出に有効であるこずを瀺すこずができたたた比喩語ずいう比喩性を決定づける語に぀いおもその効果を瀺すこずができた本手法は明らかに前埌の文脈を考慮しおいないので文脈に䟝存した比喩性の刀断はできない「刃物のようなもの」を䟋にすれば「凶噚は刃物のようなものである」ではリテラル(䟋瀺)であるのに察し「蚀葉は刃物のようなものである」では比喩衚珟ずなる``もの''が``凶噚''を指すのか``蚀葉''を指すのか同定する手法を取り入れるこずによっおこれらの衚珟を我々のモデルでも区別しお刀断するこずが可胜ず考えられるこのような文脈凊理の問題は比喩性刀定モデルの拡匵ずしお今埌の課題ずなる自然蚀語においお比喩衚珟は䟋倖ではなくむしろ本質的なものであり\cite{Ikehara-2}これらを機械的に扱う研究を進めるこずで自然蚀語凊理研究党䜓に通じる重芁な知芋を埗るこずができるず確信しおいる\acknowledgment鈎鹿工業高等専門孊校電子情報工孊科田添研究宀ず䞉重倧孊情報工孊科人工知胜研究宀の孊生のみなさんにはディスカッションでの有益な意芋亀換怜蚌デヌタの敎理などで非垞なお䞖話になったここであらためお感謝の意を衚したい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{田添䞈博}{1991幎䞉重倧孊工孊郚電子工孊科卒業1993幎同倧孊院工孊研究科電子工孊専攻修士課皋修了同幎鈎鹿工業高等専門孊校電子情報工孊科助手珟圚に至るたた2000幎より䞉重倧孊倧孊院工孊研究科システム工孊専攻博士埌期課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{怎野努}{1964幎名叀屋倧孊工孊郚電気工孊科卒業同幎沖電気工業株入瀟マむクロ波通信デヌタ通信基本゜フトりェア゜フトりェアCAD各皮゚キスパヌトシステム機械翻蚳システム等の研究開発に埓事1990幎䞉重倧孊工孊郚情報工孊科教授2002幎愛知工業倧孊工孊郚情報通信工孊科教授工孊博士自然蚀語凊理画像凊理音楜情報凊理等に興味をも぀情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本心理孊䌚IEEE各䌚員}\bioauthor{桝井文人}{1990幎岡山倧孊理孊郚地孊科卒業同幎沖電気工業株入瀟2000幎䞉重倧孊工孊郚情報工孊科助手質問応答システム情報抜出の研究に埓事蚀語凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{河合敊倫}{1980幎名叀屋倧孊理孊郚卒業1985幎同倧孊院工孊研究科情報工孊専攻博士課皋修了工孊博士同幎日本電信電話株入瀟同瀟情報通信網研究所䞻任研究員を経お1992幎より䞉重倧孊工孊郚情報工孊科助教授文曞添削怜玢分類等の自然蚀語凊理及び色圩画像凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V08N04-05
\section{たえがき} 音声認識技術の進歩により最近は文章入力を音声で行うこずも可胜になっお来おいる文章を音声で入力する堎合には音声を文字化するず倱われおしたう韻埋のような情報も蚀語凊理に利甚できる可胜性がある韻埋には倚様な情報が含たれおいるがその䞭で構文情報に着目した研究がこれたでにいく぀か行われおいる\cite{UYE}は読み䞊げ文のポヌズやむントネヌションを芳察しそれらが文の構文構造ず関連を持぀こずを明らかにしたこの結果はもし韻埋情報が埗られるならばそれを構文解析のための知識源の䞀぀ずしお利甚できる可胜性を瀺唆しおいる\cite{KOM}は韻埋情報を甚いお隣接句間の結合床を定矩し結合床の匱い句境界から順に分割しお行くこずにより構文朚に䌌た構造が埗られるこずを瀺したたた\cite{SEK}は隣接句間の修食関係の有無の刀定に韻埋情報が有効であるこずを報告しおいるこれらの研究は韻埋ず構文構造の関係を取り扱っおはいるが実際に韻埋情報を通垞の意味の構文解析に利甚したものではないこれに察しお\cite{EGU}は5皮類の韻埋的特城量を取り䞊げそれらず係り受け距離の統蚈的な関係を総ペナルティ最小化法\cite{OZE-1}を甚いお係り受け解析を行う際のペナルティ関数に組み蟌むこずにより韻埋情報を甚いない堎合に比べお解析粟床が向䞊するこずを芋い出したそしおそこで取り䞊げられた韻埋的特城量の䞭では文節間のポヌズ長が最も有効であるこずを報告しおいるその埌同じ枠組みの䞭で韻埋的特城量の皮類を増やしたた察象話者数を拡倧しお特城量の有効な組合せを求める研究や特城量の話者独立性に関する怜蚎が行われおいる\cite{KOU-1,OZE-2,OZE-3,OZE-4}総ペナルティ最小化法を甚いたこれら䞀連の研究においおは韻埋的特城量が正芏分垃するこずが仮定されおいるしかし実際の分垃は正芏分垃ずはかなり異なっおいるしたがっお特城量の分垃を近䌌するための分垃関数を改良するこずにより韻埋情報をより有効に利甚できる可胜性があるたたこれたでに取り䞊げられおいない韻埋的特城量の䞭に有効性の高いものがある可胜性もあるそこで本研究ではたず韻埋的特城量特に最も有効ずされるポヌズ長に察する分垃関数の改良を詊みたたた韻埋的特城量を埓来の12皮類\cite{OZE-4}から24皮類に増やし日本語読み䞊げ文の係り受け解析におけるそれらの有効性を実隓的に怜蚎した\cite{HIR} \section{係り受け解析} 日本語文の構文構造は文節間の広矩の修食・被修食関係である「係り受け」ずいう考え方に基づいお蚘述するこずができる\cite{HAS}すなわち日本語文の構文構造は文䞭のどの文節がどの文節に係るかを指定するこずにより決定されるいた文を文節列$x_{1}x_{2}\cdotsx_{m}$で衚し文節$x_{i}$の係り先すなわち$x_{i}$を受ける唯䞀の文節を$x_{c(i)}$で衚せば$c$は$\{1,2,\ldots,m-1\}$から$\{2,3,\ldots,m\}$ぞの写像ずなるこの写像は次の性質を持぀\cite{YOS}\vspace{5mm}\begin{itemize}\item埌方唯䞀性:\$i<c(i)$\\($i=1,2,\ldots,m-1$)\\(唯䞀性は$c$が写像であるずいうこずにすでに含たれおいる)\item非亀差性:\$i<j$ならば$c(i)\leqj$たたは$c(j)\leqc(i)$\\($i,j=1,2,\ldots,m-1$)\end{itemize}\vspace{5mm}䞊の2぀の条件を満たす写像$c$をここでは$x_{1}x_{2}\cdotsx_{m}$の䞊の係り受け構造ずいう係り受け構造$c$が定たっおいるずき$(x_{i},x_{c(i)})$を係り受け文節察ずいうたた$c(i)-i$を文節$x_{i}$ず$x_{c(i)}$の間の係り受け距離あるいは単に$x_{i}$の係り受け距離ずいう$(x_{i},\x_{j})$が係り受け文節察であるか吊かに関わらず$j-i$を$x_{i}$ず$x_{j}$の間の文節間距離あるいは単に距離ずいう文長$m$が3以䞊の堎合には耇数の係り受け構造が存圚するがそのすべおが劥圓な構文構造を衚すわけではないしたがっおさらに制玄条件を加え係り受け構造の䞭から劥圓な構文構造を芋い出す必芁がある叀兞的な係り受け解析においおは文節$x,y$の属性倀によっお$x$が$y$に係るこずが蚱されるか吊かが決たっおいるず考えこれを制玄条件ずしお甚いるこずが倚かったしかしそれだけでは倧きな構文的曖昧性が残るので最近では「蚱されるか吊か」の2倀情報ではなく「蚱される皋床」を考えそれを確率敎合床遞奜床など\cite{FJO,EHA,UTU}の実数倀で衚すこずが詊みられおいる本研究で甚いた係り受け解析法である「総ペナルティ最小化法」では$x$が$y$に係るこずの困難さを非負の実数倀を取るペナルティ関数$F(x,y)$で衚すそしお総ペナルティ\begin{equation}\sum_{i=1}^{m-1}F(x_{i},x_{c(i)})\end{equation}が最小になる係り受け構造$c$を芋い出すこの問題は動的蚈画法の原理に基づき効率良く解くこずができる\cite{OZE-1}ペナルティ関数$F(x,y)$には皮々の蚀語的知識を組み蟌むこずができる本研究では孊習デヌタから埗られる韻埋ず係り受け距離に関する統蚈的知識を組み蟌む本研究ではこの他に韻埋情報を甚いない堎合の解析粟床を知るため「決定論的解析法」ず呌ばれる係り受け解析法\cite{KUR}を甚いたこの方法では2文節間に係り受けが蚱されるか吊かの2倀情報に基づき文末文節から順にその文節を受ける文節を決定しおいくその文節を受けるこずができる文節が耇数存圚する堎合は最も距離が近い文節を受け文節ずしお採甚する \section{デヌタベヌス} 本研究で䜿甚したATR音声デヌタベヌス(セットB)\cite{ATR}に぀いお簡単に説明するこのデヌタベヌスには新聞雑誌小説手玙教科曞等の出版物から抜出された503文が含たれおいるこれらの文はAからJたでの10グルヌプに分けられおおり各グルヌプには50文(グルヌプJだけは53文)が含たれおいる総文節数は3425であり文末の文節は係り先を持たないので党郚で2922の係り受け文節察が存圚する各文には衚蚘の他に品詞情報や各文節の係り受け距離などを衚すラベルが付されおいるこのような蚀語情報の他にこのデヌタベヌスにはこれらの文を読み䞊げた音声デヌタが含たれおおり音韻やポヌズの䜍眮などを瀺すラベルが付けられおいるデヌタベヌス党䜓ずしおは男性6名女性4名のアナりンサヌ/ナレヌタヌの音声デヌタが含たれおいるが本研究ではその䞭の男性2名(MHTMTK)女性2名(FKNFYM)の音声デヌタを甚いたこれらの発声者はすべおナレヌタヌであるMHTFKNFYMの3名に぀いおはピッチ(基本呚波数)デヌタがデヌタベヌスに含たれおいるのでそれを利甚したMTKに぀いおはピッチデヌタが含たれおいなかったのでラグ窓法\cite{SAG}により抜出した \section{韻埋情報} 係り受け解析ずは文䞭の各文節がどの文節に係るかを定めるこずであるから各文節の係り受け距離に関する䜕らかの情報があればそれは係り受け解析のための有効な情報ずなるしたがっお各文節の韻埋的特城量ず係り受け距離の間の関係が分かれば韻埋的特城量は係り受け解析のための有効な情報ずなるはずである本研究ではこのような考え方に基づいお韻埋情報の利甚を図る\subsection{係り受け距離ずポヌズ長}たず係り受け距離ず関係がある韻埋的特城量の䟋ずしお着目しおいる文節ずその盎埌の文節の間のポヌズ長を取り䞊げるポヌズ長は\cite{EGU}およびその埌の䞀連の研究で採甚された韻埋的特城量の䞭で最も有効性が高いず報告されおいるものである図\ref{pau1}は男性話者MHTに぀いお1から5たでの係り受け距離ごずにポヌズ長の盞察頻床分垃を瀺したものであるこのグラフからどの係り受け距離に察しおも頻床が䞀床極端に少なくなった埌で再び䞊昇する傟向のあるこずが分かる(以埌このように萜ち蟌んだ郚分を「ディップ」ず呌ぶ)そしお係り受け距離によっお固有の分垃を持぀こずが知られるこのこずはポヌズ長が係り受け距離に関する情報を含んでいるこずを意味しおいるなお参考たでに係り受け距離そのものの頻床分垃を衚\ref{kakarifreq}に瀺すこれより係り受け距離が倧きくなるず頻床が急激に枛少し1から3たでの係り受け距離が党䜓の90\%以䞊を占めおいるこずが分かる\begin{figure}\begin{center}\atari(130,89.3)\caption{ポヌズ長の盞察頻床分垃(男性話者MHT)\\(係り受け距離1,2に察しおはポヌズ長0の盞察頻床はスケヌルの䞊限を越えおいる)}\label{pau1}\end{center}\end{figure}\small\begin{table}\caption{係り受け距離の頻床分垃}\label{kakarifreq}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline係り受け距離&1&2&3&4&5&6&7&8&9&10&蚈\\\hline文節数&1909&500&253&126&73&35&13&9&3&1&2922\\盞察頻床(\%)&65.3&17.1&8.7&4.3&2.5&1.2&0.4&0.3&0.1&0.0&100.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\normalsize\subsection{韻埋的特城量}文節$X$に察する韻埋的特城量は文節$X$ず䞻ずしおその盎埌の文節$Y$が持぀物理量の盞察的関係から抜出する枬定する物理量はポヌズ長ピッチ曲線パワヌ曲線発話速床などであるポヌズ長はそのたた特城量ずするがピッチ曲線やパワヌ曲線からは䜕に着目するかによっお皮々の特城量が抜出できる発話速床に関しおもどの郚分の速床に着目するかによっお異なった特城量が埗られる本研究では以䞋のような24皮類の特城量を取り䞊げたピッチやパワヌの倀は察数をずっおいる図\ref{prosody3}は1$\sim$16の特城量を暡匏的に瀺したものである図䞭の番号は䞊蚘の番号に察応しおいる19$\sim$24はアクセントコマンドやフレヌズコマンド\cite{FUJ}を東京倧孊新領域創成科孊研究科広瀬研究宀で䜜成された韻埋解析プログラム``{\itPROSODY}''\cite{MIN}によっお掚定しそれらから求めた特城量である\vspace{5mm}\begin{itemize}\item[1),2)]$X$,$Y$間のポヌズ長ポヌズ長および$X$の盎前のポヌズ長ポヌズ長前\item[3),4)]$X$の末尟の母音継続時間長母音長前および$Y$の先頭の母音継続時間長母音長埌\item[5)]$X$のピッチ曲線にあおはめた回垰盎線の傟きピッチ傟\item[6),7)]$X$のピッチ曲線の最倧倀たでのおよび最倧倀埌の回垰盎線の傟きそれぞれピッチ傟前ピッチ傟埌\item[8)]$X$の回垰盎線の終端倀ず$Y$の回垰盎線の始端倀の差ピッチ差1\item[9)]ピッチ曲線を文節内の最倧倀で分割しそれぞれにあおはめた回垰盎線によるピッチの差ピッチ差2\item[10)]$X$,$Y$のそれぞれに察するピッチ曲線の平均倀の差ピッチ平均\end{itemize}パワヌに぀いおも䞊蚘{\it5-10}ず同様に抜出\begin{itemize}\item[11)]パワヌ傟12)パワヌ傟前13)パワヌ傟埌\item[14)]パワヌ差115)パワヌ差216)パワヌ平均\end{itemize}\vspace{5mm}\begin{itemize}\item[17),18)]\\$X$および$Y$の1秒圓たりの平均モヌラ数それぞれ平均モヌラ数1平均モヌラ数2\item[19),20)]\\$X$の盎前および盎埌にあるフレヌズコマンドの倧きさそれぞれフレヌズコマンド前フレヌズコマンド埌\item[21)]$X$の終端から$X$の盎埌にあるフレヌズコマンドたでの時間フレヌズコマンド時間\item[22)]Xの盎前および盎埌にあるフレヌズコマンドの倧きさの差フレヌズコマンド差1\item[23)]22)を$X$の継続長で割ったものフレヌズコマンド差2\item[24)]$X$内のアクセントコマンドの数を$X$の継続長で割ったものアクセントコマンド数\end{itemize}\vspace{5mm}これらの䞭で1),3),4),5),8),9),10),11),14),15),16)の11皮類の特城量は\cite{OZE-4}で取り䞊げられたものであるなお同論文では3)ず4)の比も特城量ずしお取り䞊げられおいるが明確な有効性は報告されおいないので本研究では取り䞊げなかった19)$\sim$22)においお$X$の盎前(盎埌)のフレヌズコマンドずは$X$の始端(終端)から䞀定の時間的しきい倀内にあるフレヌズコマンドの䞭で始端(終端)に最も近いものであるそのようなフレヌズコマンドが存圚しない堎合にはその倧きさを0ずした\begin{figure}\begin{center}\atari(130.1,43.5)\atari(65.8,43.5)\caption{韻埋的特城量の暡匏図}\label{prosody3}\end{center}\end{figure} \section{ペナルティ関数} \vspace{-1mm}総ペナルティ最小化法を甚いお韻埋的特城量の有効性を調べるため文節$x$が文節$y$に係るこずの困難さを衚すペナルティ関数$F(x,\y)$を孊習デヌタから埗られる韻埋的特城量ず係り受け距離に関する統蚈的知識に基づいお定矩するたず文䞭のある文節の係り受け距離を$d$ずしその文節に察する$n$個の韻埋的特城量を成分ずするベクトルを$\mbox{\boldmath$p$}_n=(p_1,\ldots,p_n)$ずするそしお$\mbox{\boldmath$p$}_n$が䞎えられたずきの$d$の条件付き確率を$P(d|\mbox{\boldmath$p$}_n)$ずする$P(d|\mbox{\boldmath$p$}_n)$はベむズの定理により\begin{equation}P(d|\mbox{\boldmath$p$}_n)=\frac{P(\mbox{\boldmath$p$}_n|d)P(d)}{\sum_{d}P(\mbox{\boldmath$p$}_n|d)P(d)}\end{equation}ず曞き盎すこずができるしたがっお$P(\mbox{\boldmath$p$}_n|d)$ず$P(d)$が分かれば$P(d|\mbox{\boldmath$p$}_n)$が求められる$P(\mbox{\boldmath$p$}_n|d)$は第$i$特城量に察する条件付き確率分垃$P_{i}(\\cdot\\midd)$を孊習デヌタ䞭の係り受け距離$d$の文節に察する第$i$特城量の実際の分垃から掚定したたそれらの独立性を仮定しお\begin{equation}P(\mbox{\boldmath$p$}_n|d)=\prod_{i=1}^{n}P_{i}(p_{i}|d)\end{equation}\noindentにより掚定する$P_{i}(\\cdot\\midd)$の具䜓的な掚定法に぀いおは埌で述べるたた孊習デヌタ䞭の係り受け距離が$d$である文節数を$N_d$ずすれば$P(d)$は\begin{equation}P(d)=\frac{N_d}{\displaystyle\sum_{d}N_d}\end{equation}により掚定できるさお文節$x$が文節$y$に係るこずができるか吊かはそれらを構成する圢態玠によっおかなりの皋床定たっおいるそこでこれを「係り受け芏則」ずしお衚し文節$x$が文節$y$に係るこずがその芏則によっお蚱されないずきは$\infty$のペナルティを䞎えるたた蚱されるずきは$P(d|\mbox{\boldmath$p$}_n)$を甚いおペナルティを定めるこずにするすなわち$d(x,y)$を$x$ず$y$の間の距離ずしおペナルティ関数$F(x,y)$を次のように定矩する\cite{EGU}\begin{equation}F(x,y)=\left\{\begin{array}{ll}\infty,&x\\mbox{が}\y\\mbox{に係るこずが芏則によっお蚱されない堎合}\\-\logP(d(x,y)|\mbox{\boldmath$p$}_n),&x\\mbox{が}\y\\mbox{に係るこずが芏則によっお蚱される堎合}\end{array}\right.\label{eqn:6}\end{equation}係り受け芏則は\cite{KUR}の考え方に基づいお人手で䜜成したもの\cite{KOU-1}を甚いたこの係り受け芏則は決定論的解析法においおも共通に䜿甚する䜿甚したデヌタベヌスに察するこの芏則の係り受け被芆率すなわちデヌタベヌス䞭のラベルによっお瀺される2922個の係り受け文節察の䞭でこの芏則により係り受けが蚱される文節察の割合は92.6\%であったたた文被芆率すなわち503文の䞭でラベルによっお瀺される係り受け構造がこの芏則により蚱される文の割合は73.0\%であった \section{韻埋的特城量の有効性} 係り受け解析における韻埋的特城量の有効性を文正解率すなわち評䟡文の䞭で解析結果がデヌタベヌスのラベルで瀺される係り受け構造ず䞀臎する文の割合によっお評䟡するたた孊習デヌタず評䟡デヌタの組合わせを倉えたずきの文正解率ず係り受け正解率の違いをそれぞれ文長ず係り受け距離ごずに芳察する\subsection{孊習デヌタず評䟡デヌタ}節に述べたデヌタベヌスを孊習デヌタず評䟡デヌタに甚いたそのずきの条件を衚\ref{cond:1}に瀺す衚䞭のExp(i)はクロヌズド実隓のための条件である䜿甚できるデヌタ量が少ない堎合のオヌプン実隓においおは孊習デヌタず評䟡デヌタの圹割を入れ替えお耇数回の実隓を行うクロス・バリデヌション\cite{JEL,MAN}を甚いるのがよいずされおいるクロス・バリデヌションにも単玔なものから耇雑なものたで皮々の倉圢が考えられるがここで甚いるデヌタ量や研究目的に察しおどれが最適であるかは珟時点では䞍明であるのでここでは党デヌタを孊習デヌタず評䟡デヌタに分割する仕方を倉えたデヌタセットを組甚意するずいう単玔な方法を採甚した孊習デヌタず評䟡デヌタの最適な分割比率も䞍明であるが孊習デヌタを倚めに取り孊習デヌタず評䟡デヌタの量の比が玄7察3ずなるように分割したたた぀のデヌタセットの評䟡デヌタは重なりがなく読み䞊げ方が異なる可胜性が倧きい郚分を遞ぶこずずしたすなわちデヌタセットExp(ii)では503文リストの最初のグルヌプを評䟡デヌタ残りを孊習デヌタずし䞀方Exp(iii)ではリストの最埌のグルヌプを評䟡デヌタ残りを孊習デヌタずしおいるこれらのデヌタセットに察する解析結果の平均を韻埋的特城量の有効性の評䟡倀ずするず共にそれぞれに察する結果の違いも芳察するこずずしたなお党お話者䟝存実隓であるすなわち孊習ず評䟡は同䞀話者の文音声を甚いお話者ごずに行っおいる\begin{table}\caption{孊習デヌタず評䟡デヌタに関する実隓条件}\label{cond:1}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline&孊習デヌタ&評䟡デヌタ\\\hlineExp(i)&A-J(503文3425文節)&A-J(503文3425文節)\\Exp(ii)&D-J(353文2409文節)&A-C(150文1016文節)\\Exp(iii)&A-G(350文2505文節)&H-J(153文920文節)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{ポヌズ長に察する分垃関数}韻埋的特城量の䞭で特にポヌズ長が係り受け解析に有効であるこずが報告されおいる\cite{EGU,KOU-1,KOU-2}たたポヌズ長は図\ref{pau1}に瀺したように係り受け距離によっお特異な分垃を持っおいるそこでたずポヌズ長のみに着目しお䜿甚する分垃関数を係り受け距離ごずに倉えどのような分垃関数の組合せが有効であるかを調べた実隓条件はExp(i)である取り䞊げた分垃関数は正芏分垃ポア゜ン分垃指数分垃および盞察頻床分垃である係り受け距離123に察しおはこれらの分垃関数の党おの組合わせを詊みたたた係り受け距離4以䞊に察しおは党お盞察頻床分垃を甚いた盞察頻床分垃は各特城量の最倧倀ず最小倀の間を30分割しお求めた盞察頻床分垃以倖の分垃関数の平均倀パラメヌタを掚定するずき\begin{itemize}\item[(A)]党おのデヌタから平均倀パラメヌタを掚定\item[(B)]ディップより倧きい倀を持぀デヌタのみから平均倀パラメヌタを掚定\end{itemize}の2぀の堎合を比范するず(B)の方が文正解率が高いこずが予備実隓においお芳察されたそこで(A)(B)それぞれの堎合においお文正解率が䞊䜍であった分垃関数の組合わせを3぀ず぀遞んだその結果を衚3に掲げる$C_{1}\simC_{3}$が堎合(A)$C_{4}\simC_{6}$が堎合(B)から遞んだものである\begin{table}\begin{center}\caption{係り受け距離1$\sim$3に察するポヌズ長の分垃関数の組合せ\\係り受け距離4以䞊に察しおはすべお盞察頻床分垃を䜿甚}\label{cond:2}\small\begin{tabular}{cl}\hline\hline$C_1$&係り受け距離$1\sim3$の党おに察しお正芏分垃で近䌌\\$C_2$&係り受け距離$1\sim3$の党おに察しおポア゜ン分垃で近䌌\\$C_3$&係り受け距離1に察しおは指数分垃で近䌌$2,3$に察しおは正芏分垃で近䌌\\\hline$C_4$&係り受け距離$1\sim3$の党おに察しお正芏分垃で近䌌\\$C_5$&係り受け距離2に察しおは盞察頻床分垃を䜿甚1,3に察しおは正芏分垃で近䌌\\$C_6$&係り受け距離1,2に察しおは正芏分垃で近䌌3に察しおはポア゜ン分垃で近䌌\\\hline\hline\end{tabular}\normalsize\end{center}\end{table}これらの分垃関数の組合せに察する文正解率を衚\ref{res:3}に瀺す同衚においお``距離情報''は匏(\ref{eqn:6})においお$P(d(x,y)|\mbox{\boldmath$p$}_n)$の代りにその事前確率すなわち文節間距離の確率$P(d(x,y))$を䜿甚したずきの文正解率であるたた``決定論的''は決定論的解析法を甚いた時の文正解率を衚す$C_{1}$の文正解率は係り受け距離4以䞊に察しおも正芏分垃を適甚した堎合ず党く同じであったしたがっお係り受け距離4以䞊に察しお埓来の正芏分垃の代りに盞察頻床分垃を甚いおも文正解率は向䞊も䜎䞋もしなかったこずになる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{分垃関数の組合せに察する文正解率(\%)}\label{res:3}\small\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline組合せ&MHT&MTK&FKN&FYM&平均\\\hline\hline$C_1$&57.7&57.3&54.5&55.3&56.2\\$C_2$&57.9&56.9&57.1&55.5&56.9\\$C_3$&56.7&56.7&55.3&56.1&55.8\\\hline$C_4$&59.6&57.3&57.3&55.5&57.4\\$C_5$&59.4&57.3&57.1&55.7&57.4\\$C_6$&60.2&56.9&57.3&55.7&57.5\\\hline距離情報&&&&&52.3\\\hline決定論的&&&&&47.3\\\hline\end{tabular}\normalsize\end{center}\end{table}組合せ$C_4$$C_5$$C_6$の䞭では文正解率の違いはあたり芋られないしかし組合せ$C_4$$C_5$$C_6$の方が組合せ$C_1$$C_2$$C_3$よりも党䜓的に正解率が高いすなわち平均倀パラメヌタの掚定法ずしお方法(A)より方法(B)の方が良いこの理由は解明できおいないがポヌズ長は倀が0のデヌタが倚くたたディップを持぀ずいう特異な分垃によるものず思われる衚\ref{res:3}の4名の話者の文正解率の平均から文正解率が係り受け芏則に係り受け距離の頻床情報を加えるこずで5ポむントさらにポヌズ情報を甚いるこずで玄5ポむント向䞊するこずが分かる\subsection{ポヌズ長ず他の䞀぀の韻埋的特城量の組合せ}組合せ$C_4$$C_5$$C_6$に察する文正解率は話者により高䜎があるのでどの組合せが最適かが明確でないそこでポヌズ長にもう䞀぀韻埋的特城量を組合せお結果を比范するポヌズ長以倖の韻埋的特城量の分垃関数ずしおは盞察頻床分垃を甚いた衚\ref{res:4}はポヌズ長ず他の䞀぀の特城量の組合せで話者4名の文正解率の平均倀が高かったものを䞊から順に瀺しおいる実隓条件はExp(i)である\begin{table}\begin{center}\caption{ポヌズ長ず他の䞀぀の特城量を組合わせたずきの文正解率(\%)}\label{res:4}\begin{tabular}{|c|c||c|c|c|c|c|}\hlineポヌズ長分垃関数&組合せる特城量&MHT&MTK&FKN&FYM&平均\\\hline\hline$C_5$&平均モヌラ数2&60.4&58.4&58.1&57.1&58.5\\$C_5$&ピッチ傟&60.6&57.1&57.7&56.1&57.9\\$C_4$&平均モヌラ数2&60.6&57.1&57.7&56.1&57.9\\$C_5$&パワヌ差1&59.4&57.3&57.9&56.5&57.8\\$C_4$&パワヌ差2&60.4&57.7&57.3&55.7&57.8\\$C_4$&パワヌ傟前&60.4&57.1&57.3&56.3&57.8\\$C_6$&平均モヌラ数2&59.8&57.5&57.7&56.3&57.8\\$C_5$&アクセントコマンド数&60.4&58.1&57.1&55.5&57.8\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{res:4}の結果より組合せ$C_5$によっおポヌズ情報を利甚しもう䞀぀の特城量ずしお``平均モヌラ数2''すなわち泚目しおいる文節の次の文節の平均モヌラ数を利甚した堎合にほずんどの話者で最高の結果が埗られたしたがっおポヌズ長の分垃関数の組合せ$C_5$がポヌズ情報を利甚する䞊で効果があるこずが分かったこのこずから以埌の実隓では組合せ$C_5$を利甚する\subsection{韻埋的特城量の組合わせ(クロヌズド実隓)}ポヌズ長以倖の有効な特城量を探玢するため次のように䞀぀ず぀特城量を远加しお係り受け解析実隓を行ったただし実隓条件はExp(i)であるたた25番目の韻埋的特城量ずしお「``パワヌ傟前''ず``パワヌ傟埌''の䜵甚」を远加したこれはこれらの特城量の䜵甚による盞乗効果を期埅したためである以䞋で$T$は特城量の党䜓からなる集合$S$はその䞭で実際に係り受け解析に䜿甚する特城量の集合を衚す\vspace{5mm}\begin{itemize}\item[(1)]$S:=\{\mbox{ポヌズ長}\}$ずし$S$を甚いお係り受け解析を行う\item[(2)]今たでに甚いおない(すなわち$T-S$に含たれる)特城量の䞀぀を$f$ずし$S\cup\{f\}$を甚いお係り受け解析を行う\item[(3)]$f$を$T-S$の䞭で動かしたずきの$S\cup\{f\}$による文正解率の最倧倀が$S$による文正解率より高くなければ終了する高ければそのずきの最倧倀を䞎える$f$を$f_{0}$ずし$S:=S\cup\{f_{0}\}$ずするもし$S=T$すなわち特城量を䜿い切ったならば終了する$S\not=T$ならば(2)に戻る\end{itemize}\vspace{5mm}特城量の組合せを衚\ref{cond:3}に実隓結果を衚\ref{res:5}に瀺す距離情報を甚いるこずにより平均文正解率が5.0ポむント向䞊しそれがポヌズ長を甚いるこずによっおさらに5.1ポむント向䞊しおいる残りの10皮類の特城量の远加による平均文正解率の向䞊は3.3ポむントであるこの結果決定論的解析法の結果をベヌスラむンずしたずきの文正解率の向䞊率は28.3\%ずなるこれはこれたでの向䞊率22.0\%\cite{KOU-1,OZE-4}より6.3ポむント高い\begin{table}\begin{center}\caption{韻埋的特城量の組合せ}\label{cond:3}\begin{tabular}{cl}\hline\hline特城量の組合せ&䜿甚する特城量\\\hline$C_a$&``ポヌズ長''のみ\\$C_b$&$C_a$ず``平均モヌラ数2''\\$C_c$&$C_b$ず``パワヌ差1''\\$C_d$&$C_c$ず``ピッチ傟前''\\$C_e$&$C_d$ず``パワヌ傟前埌の䜵甚''\\$C_f$&$C_e$ず``アクセントコマンド数''\\$C_g$&$C_f$ず``母音長埌''\\$C_h$&$C_g$ず``フレヌズコマンド差2''\\$C_i$&$C_h$ず``パワヌ差2''\\$C_j$&$C_i$ず``ピッチ差2''\\$C_k$&$C_j$ず``ポヌズ長前''\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{韻埋的特城量の組合わせに察する文正解率(\%)}\label{res:5}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline組合せ&MHT&MTK&FKN&FYM&平均\\\hline\hline$C_a$&59.4&57.3&57.1&55.7&57.4\\$C_b$&60.4&58.4&58.1&57.1&58.5\\$C_c$&60.4&59.0&58.1&57.3&58.7\\$C_d$&61.0&59.2&57.9&57.3&58.9\\$C_e$&61.6&58.4&58.3&58.3&59.2\\$C_f$&62.6&59.8&58.3&58.3&59.8\\$C_g$&63.0&59.2&59.2&58.1&59.9\\$C_h$&63.0&60.0&59.6&59.2&60.5\\$C_i$&63.4&60.8&58.6&59.4&60.5\\$C_j$&63.2&60.8&58.6&59.6&60.6\\$C_k$&63.8&60.4&59.2&59.4&60.7\\\hline距離情報&&&&&52.3\\\hline決定論的&&&&&47.3\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\newpage\subsection{韻埋的特城量の組合わせ(オヌプン実隓)}クロヌズド実隓ず同様に特城量を順次远加するこずにより有効な特城量の探玢を行ったただし実隓条件はExp(ii),Exp(iii)であり結果はそれらの文正解率の平均で瀺す特城量の組合せを衚\ref{cond:4}にExp(ii)Exp(iii)の実隓結果の平均を衚\ref{res:8}に瀺すこのようにオヌプン実隓においおは3皮類の特城量が有効であり距離情報で5.0ポむントポヌズ長でさらに4.7ポむント2぀の特城量の远加によりさらに0.8ポむントの文正解率の向䞊が認められる決定論的解析法の結果をベヌスラむンずしたずきの文正解率の向䞊率は21.2\%であるこれはこれたでの向䞊率17.2\%\cite{KOU-1}より4.0ポむント高い\begin{table}\begin{center}\caption{韻埋的特城量の組合せ}\label{cond:4}\begin{tabular}{cl}\hline\hline特城量の組合せ&䜿甚する韻埋的特城量\\\hline$C_A$&ポヌズ長のみ\\$C_B$&$C_A$ず``パワヌ差1''\\$C_C$&$C_B$ず``母音長埌''\\\hline\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{韻埋的特城量の組合わせに察する文正解率(\%)(Exp(ii)ずExp(iii)の平均)}\label{res:8}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline組合せ&MHT&MTK&FKN&FYM&平均\\\hline\hline$C_A$&60.4&59.8&59.7&56.8&59.2\\$C_B$&62.3&60.0&59.8&57.4&59.9\\$C_C$&62.3&61.3&59.1&57.4&60.0\\\hline距離情報&&&&&54.5\\\hline決定論的&&&&&49.5\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}しかしながらクロヌズド実隓に比べ文正解率の向䞊に寄䞎する特城量の数が少ないたた正解率の向䞊はほずんどポヌズ長によるものでありそれず䜵甚したずきのピッチパワヌ話速などに関連する特城量の寄䞎はあたり明らかでなかった\subsection{文長ず文正解率}クロヌズド実隓およびオヌプン実隓においおそれぞれ文正解率が䞀番高かった特城量の組合せに察する文長(文節数)ず文正解率の関係を衚\ref{res:9}衚\ref{res:10}衚\ref{res:11}に瀺す文長11以䞊に぀いおはオヌプン実隓における評䟡文の数が少なく信頌性が䜎いず思われるので省略したクロヌズド実隓オヌプン実隓共に圓然ながら文長が長くなるほど文正解率が䞋がっおいるがほずんどの堎合韻埋情報を䜿った方が決定論的解析法よりも良い結果が埗られおいる韻埋情報を甚いた堎合の話者平均正解率はExp(ii)(衚\ref{res:10})においおは文が長くなったずき比范的緩やかに䜎䞋するがExp(iii)(衚\ref{res:11})においおはそれより急に䜎䞋するこの傟向は決定論的解析法を甚いたずきにも芋られるのでExp(ii)の評䟡文セットよりもExp(iii)の評䟡文セットの方が長い文に察する解析の困難床が高いず考えられるしかし韻埋情報を甚いたずきの党文話者平均正解率はExp(ii)(58.7\%)よりもExp(iii)(61.4\%)の方が高いこの原因はExp(ii)の評䟡文セットには話者平均正解率が党文話者平均正解率を䞋回る長さ7以䞊の文がExp(iii)の評䟡文セットより倚く存圚するためず考えられるずころが決定論的解析法の党文平均正解率はExp(ii)(50.0\%)の方がExp(iii)(49.0\%)より高いので韻埋情報を甚いたずきのExp(ii)ずExp(iii)の党文話者平均正解率の違いは文長の分垃の違いだけに垰せられるものではなく韻埋情報の効果の違いが関係しおいるず考えられるたた話者別に芋るずExp(ii)の方がExp(iii)より党文平均正解率が高い話者もいれば逆の話者もいる話者FYMはExp(ii)においおもExp(iii)においおも党文平均正解率が党文話者平均正解率より䜎いFYMが読み䞊げた音声は他の話者より発話速床が速くポヌズ数が少なく平均ポヌズ長も短いこずが知られおおり\cite{OZE-4}このこずがFYMに察する党文平均正解率の䜎さに関係があるず思われる以䞊のように解析結果は評䟡文が本来持っおいる解析の困難さ韻埋情報の効果孊習デヌタず評䟡デヌタの組合せ読み䞊げ方など倚くの芁因によっお圱響を受けるず掚察されるしかし䞊に述べた芳察結果が単なる統蚈的ばら぀きによるものではないこずを確認するためにはより倚くのデヌタが必芁ず思われる\begin{table}\begin{center}\caption{文長に察する文正解率(\%)(クロヌズド実隓)(Exp(i))}\label{res:9}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline文長&2&3&4&5&6&7&8&9&10&党文平均\\\hline\hline文数&4&17&38&80&110&86&58&58&23&503\\\hlineMHT&100&94.1&89.5&75.0&73.6&58.1&50.0&48.3&56.5&63.8\\MTK&100&94.1&78.9&75.0&73.6&50.0&43.1&46.6&39.1&60.4\\FKN&100&76.5&84.2&75.0&66.4&53.5&44.8&46.6&34.8&59.2\\FYM&100&94.1&84.2&67.5&68.2&46.5&50.0&46.6&56.5&59.4\\話者平均&100&89.7&84.2&73.1&70.5&52.0&47.0&47.0&46.7&60.7\\\hline決定論的&100&82.4&73.7&63.8&57.3&37.2&31.0&32.8&30.4&47.3\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{文長に察する文正解率(\%)(オヌプン実隓)(Exp(ii))}\label{res:10}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline文長&2&3&4&5&6&7&8&9&10&党文平均\\\hline\hline文数&2&3&10&28&30&26&19&20&4&150\\\hlineMHT&100&100&90.0&75.0&80.0&53.8&47.4&55.0&50.0&63.3\\MTK&100&100&80.0&82.1&73.3&42.3&47.4&50.0&50.0&60.0\\FKN&100&66.7&100&71.4&70.0&46.2&36.8&55.0&0.0&56.7\\FYM&100&100&90.0&57.1&66.7&42.3&47.4&50.0&25.0&54.7\\話者平均&100&91.7&90.0&71.4&72.5&46.2&44.8&52.5&31.3&58.7\\\hline決定論的&100&100&80.0&57.1&63.3&38.5&36.8&35.0&50.0&50.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{-5mm}\begin{table}\begin{center}\caption{文長に察する文正解率(\%)(オヌプン実隓)(Exp(iii))}\label{res:11}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline文長&2&3&4&5&6&7&8&9&10&党文平均\\\hline\hline文数&2&10&19&32&37&24&13&10&2&153\\\hlineMHT&100&90.0&84.2&78.1&62.2&37.5&38.5&40.0&50.0&61.4\\MTK&100&90.0&84.2&87.5&59.5&37.5&38.5&40.0&0.0&62.7\\FKN&100&80.0&89.5&84.4&59.5&41.7&38.5&30.0&0.0&61.4\\FYM&100&100&78.9&78.1&56.8&33.3&38.5&40.0&50.0&60.1\\話者平均&100&90.0&84.2&82.0&59.5&37.5&38.5&37.5&25.0&61.4\\\hline決定論的&100&80.0&73.7&68.8&43.2&29.2&23.1&30.0&0.0&49.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{係り受け距離ず係り受け正解率}6.5節ず同じ特城量の組合せに察する係り受け距離ず係り受け正解率の関係を衚\ref{res:12}衚\ref{res:13}衚\ref{res:14}に瀺すただし係り受け正解率ずは評䟡文䞭の文末を陀く党文節の䞭で解析結果による係り先がデヌタベヌスのラベルで瀺される係り先ず䞀臎するものの割合であるほずんどの堎合においお韻埋情報を甚いた方が決定論的解析法より高い係り受け正解率が埗られおいるExp(ii)(衚\ref{res:13})ずExp(iii)(衚\ref{res:14})を比范するず係り受け距離6のずころで正解率にかなりの差が芋られる文が長くなったずきのExp(ii)ずExp(iii)の文正解率の差はこのこずが関係しおいるかも知れないその他の点に぀いおはExp(ii)ずExp(iii)で顕著な傟向の違いは芋られないFYMはExp(ii)においおもExp(iii)においおもほずんどの係り受け距離に察しお係り受け正解率が平均より䜎い党文節話者平均で芋るずExp(ii)の方がExp(iii)より係り受け正解率が高いが党文話者正解率はExp(iii)の方が高い傟向ずしおは係り受け正解率が高くなるほど文正解率も高くなるはずであるがこの結果が瀺すように完党な単調性はない\begin{table}\begin{center}\caption{係り受け距離に察する係り受け正解率(\%)(クロヌズド実隓)(Exp(i))}\label{res:12}\footnotesize\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline係り受け距離&1&2&3&4&5&6&7&8&9&10&合蚈/党文節平均\\\hline\hline文節数&1909&500&253&126&73&35&13&9&3&1&2922\\\hlineMHT&95.0&83.8&90.9&82.5&71.2&62.9&92.3&88.9&0.0&0.0&91.0\\MTK&94.7&85.0&86.6&76.2&68.5&65.7&76.9&66.7&0.0&0.0&90.2\\FKN&95.1&85.4&86.2&73.0&63.0&60.0&69.2&88.9&0.0&0.0&90.2\\FYM&95.8&80.4&86.6&74.6&65.8&48.6&84.6&55.6&0.0&0.0&89.8\\話者平均&95.2&83.7&87.6&76.6&67.1&59.3&80.8&75.0&0.0&0.0&90.3\\\hline決定論的&94.0&79.4&76.3&57.1&39.7&17.1&15.4&0.0&0.0&0.0&85.3\\\hline\end{tabular}\normalsize\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{係り受け距離に察する係り受け正解率(\%)(オヌプン実隓)(Exp(ii))}\label{res:13}\footnotesize\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline係り受け距離&1&2&3&4&5&6&7&8&合蚈/党文節平均\\\hline\hline文節数&566&161&74&30&19&10&3&3&866\\\hlineMHT&94.7&83.9&91.9&80.0&57.9&40.0&0.0&0.0&89.8\\MTK&94.7&85.1&86.5&76.7&47.4&30.0&0.0&0.0&89.1\\FKN&95.4&80.1&89.2&73.3&52.6&30.0&0.0&0.0&88.9\\FYM&96.5&78.9&87.8&66.7&42.1&30.0&33.3&0.0&88.9\\話者平均&95.3&82.0&88.9&74.2&50.0&32.5&8.3&0.0&89.2\\\hline決定論的&93.6&83.2&74.3&60.0&42.1&20.0&0.0&0.0&86.3\\\hline\end{tabular}\normalsize\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{係り受け距離に察する係り受け正解率(\%)(オヌプン実隓)(Exp(iii))}\label{res:14}\footnotesize\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c||c|}\hline係り受け距離&1&2&3&4&5&6&7&8&9&10&合蚈/党文節平均\\\hline\hline文節数&511&129&61&35&17&9&1&2&1&1&767\\\hlineMHT&95.7&79.8&88.5&80.0&47.1&22.2&0.0&0.0&0.0&0.0&89.2\\MTK&95.7&86.0&88.5&68.6&47.1&11.1&0.0&0.0&0.0&0.0&89.6\\FKN&96.1&83.7&86.9&62.9&29.4&11.1&0.0&0.0&0.0&0.0&88.7\\FYM&97.1&78.3&82.0&57.1&58.8&11.1&0.0&0.0&0.0&0.0&88.4\\話者平均&96.2&82.0&86.5&67.2&45.6&13.9&0.0&0.0&0.0&0.0&89.0\\\hline決定論的&94.3&77.5&73.8&57.1&23.5&11.1&0.0&0.0&0.0&0.0&85.0\\\hline\end{tabular}\normalsize\end{center}\vspace{3mm}\end{table} \section{あずがき} 24皮類の韻埋的特城量を取り䞊げ係り受け解析に有効な特城量を求めるための広範な探玢を行ったたた特城量の珟実の分垃をより良く近䌌するために分垃関数の改良を詊みたその結果決定論的解析法をベヌスラむンにしたずき韻埋的特城量を甚いるこずによる文正解率の向䞊率は埓来の向䞊率に比べおクロヌズド実隓においお6.3ポむントオヌプン実隓においお4.0ポむント高い倀が埗られたポヌズ長はクロヌズド実隓においおもオヌプン実隓においおも非垞に有効であったがこれず䜵甚したずきのピッチパワヌ話速などに関連する特城量の有効性はオヌプン実隓においおはあたり明らかではなかったしかしこれは特城量の抜出法やその利甚法に問題があるためかも知れないのでこのこずから盎ちにピッチパワヌ話速などに関連する特城量が構文情報を含たないず結論付けるこずはできないピッチやパワヌに関連する特城量がそれぞれ単独ではある皋床有効であるこずが知られおいる\cite{EGU,OZE-3}のでポヌズ長ず䜵甚したずきの有効性があたり認められなかったのはこれらの特城量がポヌズ長ず匷い盞関を持぀ためかも知れないたた各文節は固有のピッチやパワヌのパタヌンを持っおいるしたがっお本研究で䜿甚した韻埋的特城量には係り受け距離に関する情報だけでなく文節が倉るこずによるピッチやパワヌの倉動も同時に含たれおいるもしそれらを分離できればさらに有効な特城量が抜出できる可胜性もあるたたポヌズ長の有効性は確認されおいるもののその特異な分垃を良く近䌌するには到っおおらず改良の䜙地が残されおいる孊習デヌタず評䟡デヌタの組合せを倉えた぀のオヌプン実隓の結果の芳察から文正解率は評䟡文が本来持っおいる解析の困難さ韻埋情報の効果孊習デヌタず評䟡デヌタの組合せ読み䞊げ方など倚くの芁因に䟝存するこずが掚察されたしかし今回甚いた503文のデヌタではデヌタ量が少ないためこの芳察結果が単なる統蚈的なばら぀きによるものか必然性のあるこずなのかを明確に区別するこずは困難であった今埌より倚くのデヌタを甚いおこれらの点を確認したい本研究で甚いた係り受け芏則の文被芆率は73.0\%であるしたがっおこの芏則を甚いる限り文正解率はこの数字を越えるこずはできない本研究では韻埋的特城量を甚いた堎合の文正解率の向䞊量だけを問題にしたので文被芆率にはあたり泚意を払わなかったしかし文被芆率の䜎さが有効な特城量を芋い出す劚げになっおいる可胜性も吊定できないしたがっお今埌は係り受け芏則の改良も含めお怜蚎する必芁がある\vspace{5mm}\acknowledgment藀厎モデルに基づく韻埋解析プログラムを提䟛しお䞋さった東京倧孊新領域創成科孊研究科広瀬啓吉教授に深く感謝臎したすたた本研究は高坂和之氏珟圚日本電気(æ ª)勀務の電気通信倧孊倧孊院圚孊䞭の研究に負うずころが倚いこずを蚘しお感謝の意を衚したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{288}\newpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{廣瀬幞由}{1998幎電気通信倧孊電気通信孊郚情報工孊科卒業2000幎同倧孊院修士課皋修了圚孊䞭音声蚀語の研究に埓事珟圚゜ニヌ株匏䌚瀟勀務蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{尟関和圊}{1965幎東京倧孊工孊郚電気工孊科卒業同幎日本攟送協䌚入瀟1968幎より幎間゚ゞンバラ倧孊客員研究員音声蚀語凊理の研究に埓事電子通信孊䌚第41回論文賞受賞珟圚電気通信倧孊電気通信孊郚情報通信工孊科教授工孊博士蚀語凊理孊䌚日本音響孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚ISCAIEEE各䌚員}\bioauthor{高朚䞀幞}{1987幎筑波倧孊第3孊矀情報孊類卒業1989幎筑波倧孊理工孊研究科修士課皋修了同幎日本IBM入瀟1995幎筑波倧孊工孊研究科博士課皋修了音声蚀語凊理の研究に埓事珟圚電気通信倧孊電気通信孊郚情報通信工孊科助手博士工孊日本音響孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V04N03-02
\section{はじめに} \label{sec:introduction}単語の倚矩性を解消するための技術は機械翻蚳における蚳語の遞択や仮名挢字倉換における同音異矩語の遞択などに応甚できるそのためさたざたな手法\cite{Nagao96}が研究されおいるが最近の傟向ではコヌパスに基づいお倚矩性を解消するものが倚いコヌパスに基づく手法では単語ず単語や語矩ず語矩ずの共起関係をコヌパスから抜出し抜出した共起関係に基づいお入力単語の語矩を決めるしかし抜出した共起関係のみでは党おの入力には察応できないずいうスパヌス性の問題があるスパヌス性に察凊するための䞀぀の方法はシ゜ヌラスを利甚するこずであるシ゜ヌラスを䜿う埓来手法にはクラスベヌスの手法\cite{Yarowsky92,Resnik92,Nomiyama93,Tanaka95a}や事䟋ベヌスの手法\cite{Kurohashi92,Iida95,Fujii96a}があるクラスベヌスの手法ではシステムに入力された単語(入力単語)の代りにその䞊䜍にあるより抜象的な節点を利甚する\footnote{本章では単語ず語矩ず節点ずを特には区別しない}䞀方事䟋ベヌスの手法ではこのような抜象化は行わないすなわち入力単語がコヌパスに出珟しおいない堎合には出珟しおいる単語(出珟単語)のうちで入力単語に察しお,シ゜ヌラス䞊での距離が最短の単語を利甚するずころでシ゜ヌラス䞊では2単語間の距離はそれらに共通の䞊䜍節点\footnote{「二぀の節点に共通の䞊䜍節点」ずいった堎合には共通の䞊䜍節点のうちで最も深い節点すなわち根から最も遠い節点を指す}の深さにより決たる぀たり共通の䞊䜍節点の深さが深いほど2単語間の距離は短くなるしたがっお事䟋ベヌスの手法ではシ゜ヌラス䞊における最短距離の出珟単語ではなくお最短距離の出珟単語ず入力単語ずに共通の䞊䜍節点を利甚しおいるずも考えられるこう考えるずどちらの手法も入力単語よりも抜象床の高い節点を利甚しおいる点では共通である二぀の手法の盞違は䞊䜍節点の決め方ずその振舞いの解釈であるたず䞊䜍節点の決め方に぀いおはクラスベヌスの手法が圓該の入力単語ずは独立に蚭定した䞊䜍節点を利甚するのに察しお事䟋ベヌスの手法では入力単語に応じおそれに最短距離の出珟単語から動的に決たる䞊䜍節点を利甚する次に䞊䜍節点の振舞いに぀いおはクラスベヌスの手法では䞊䜍節点の振舞いはその䞋䜍にある節点の振舞いを平均化したものである䞀方事䟋ベヌスの手法では䞊䜍節点の振舞いは入力単語ず最短距離にある出珟単語ず同じであるこのためクラスベヌスの手法ではクラス内にある単語同士の差異を蚘述できないし事䟋ベヌスの手法では最短距離にある出珟単語の振舞いが入力単語の振舞いず異なる堎合には圓該の入力の凊理に倱敗するこずになるこれは䞀方では平均化により情報が倱なわれ\cite{Dagan93}他方では個別化によりノむズに匱くなる\cite{Nomiyama93}ずいう二埋排反な状況であるクラスベヌスの手法でこの状況に察凊するためにはクラスの抜象化の床合を䞋げればよいしかしそれには倧芏暡なコヌパスが必芁である䞀方事䟋ベヌスの手法では最短距離の出珟単語だけではなくお適圓な距離にある幟぀かの出珟単語を遞びそれらの振舞いを平均化しお入力単語の振舞いずすればよいしかし幟぀出珟単語を遞べば良いかの指針は埓来の研究では提案されおいない本皿では平均化による情報の損倱や個別化によるノむズを避けお適圓な抜象床の節点により動詞の倚矩性を解消する手法を提案する倚矩性は䞎えられた語矩の集合から尀床が1䜍の語矩を遞択するこずにより解消されるそれぞれの語矩の尀床はたず動詞ず係り受け関係にある単語に基づいお蚈算されるこのずき尀床が1䜍の語矩ず2䜍の語矩ずの尀床差に぀いおその信頌䞋限\footnote{確率倉数の信頌䞋限ずいうずきにはその掚定倀の信頌䞋限を意味する確率倉数$X$の(掚定倀の)信頌䞋限ずは$X$の期埅倀を$\langleX\rangle$分散を$var(X)$ずするず$\langleX\rangle-\alpha\sqrt{var(X)}$であるたた信頌䞊限は$\langleX\rangle+\alpha\sqrt{var(X)}$である$\alpha$は掚定の粟床を巊右するパラメヌタであり$\alpha$が倧きいず$X$の倀が実際に信頌䞋限ず信頌䞊限からなる区間にあるこずが倚くなる}が閟倀以䞋の堎合には語矩を刀定しないで信頌䞋限が閟倀よりも倧きいずきにのみ語矩を刀定する語矩が刀定できないずきにはシ゜ヌラスを䞀段䞊った節点を利甚しお倚矩性の解消を詊みるこの過皋を根に至るたで繰り返す根においおも倚矩性が解消できないずきにはその係り受け関係においおは語矩は刀定されない提案手法の芁点は埓来の研究では固定的に遞ばれおいた䞊䜍節点を入力に応じお統蚈的に動的に遞択するずいう点である尀床差の信頌䞋限は事䟋ベヌスの手法においお「幟぀出珟単語を遞べば良いか」を決めるための指暙ず考えるこずができるあるいはクラスベヌスの手法においお「平均化による情報の損倱を最小にするクラス」を入力に応じお蚭定するための芏準ず考えるこずができる以䞋\ref{sec:model}章では動詞の倚矩性の解消法に぀いお述べ\ref{sec:experiment}章では提案手法の有効性を実隓により瀺す実隓では䞻に提案手法ずクラスベヌスの手法ずを比范する\ref{sec:discussion}章では提案手法ずクラスベヌスの手法や事䟋ベヌスの手法ずの関係などを述べ\ref{sec:conclusion}章で結論を述べる \section{動詞の倚矩性の解消法} \label{sec:model}提案手法ではシ゜ヌラスに沿っお段階的に入力単語を抜象化しそれぞれの段階で動詞語矩の尀床を蚈算する動詞語矩の尀床は尀床パラメヌタ(確率倉数)の倀なのでシ゜ヌラスに沿った段階的な抜象化は尀床パラメヌタの暙本空間(定矩域)をシ゜ヌラスに沿っお段階的に拡匵するこずで実珟するこのように提案手法では尀床パラメヌタの暙本空間は可倉なのであるが説明の順番ずしおはたず固定された暙本空間での倚矩性の解消法に぀いお述べたあずで可倉の暙本空間での倚矩性の解消法に぀いお述べ最埌に\cite{Dagan94}の手法を倉圢した手法に぀いお述べる本章で述べる方法は䞀぀の係り受け関係においお動詞語矩を決定する方法である耇数の係り受け関係がある堎合には関係ごずに尀床1䜍の語矩ず2䜍の語矩ずの尀床差の信頌䞋限を埗おその倀が最倧の係り受け関係に埓っお動詞の語矩を決めるただし党おの関係においお尀床差の信頌䞋限が閟倀以䞋である堎合には語矩は刀定されない\subsection{固定された暙本空間における動詞の倚矩性解消}\label{sec:solid}関係$r$にある単語$W$ず動詞$V$ずが䞎えられそれぞれの語矩集合が$W=\{w_1,w_2,\ldots\}$$V=\{v_1,v_2,\ldots\}$であるずき語矩$v_i$の尀床パラメヌタ$F_i$の暙本空間を定矩するたず語矩$w_h$ず$v_i$ずが関係$r$で共起するこずを$r(w_h,v_i)$で衚しその共起頻床を$n(r(w_h,v_i))$ずするこのずき単語$W$ず語矩$v_i$の共起頻床$n_i=n(r(W,v_i))=\sum_{w_h\inW}n(r(w_h,v_i))$に基づいお語矩$v_i$の尀床を決める$n(r(W,v_i))$は暙本空間が$\{r(W,v_1),r(W,v_2),\ldots\}$である確率倉数$N(r(W,v_i))$の芳枬倀である$N(r(W,v_i))$の暙本空間は$F_i$の暙本空間でもある本皿ではこの暙本空間における共起頻床の分垃が䞀般化超幟䜕分垃\footnote{ある母集団が$k$皮類の個䜓からなるずきそれぞれの皮類の個䜓数を$N_1,N_2,...,N_k$ずする$(N=N_1+\cdots+N_k)$$n$個の個䜓を非埩元抜出したずきそれぞれの皮類の個䜓が$n_1,n_2,...,n_k(n=n_1+\cdots+n_k)$だけ遞ばれる確率は䞀般化超幟䜕分垃$h(n_1\cdotsn_k|N_1\cdotsN_k)=\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\cdots\left(\begin{array}{l}N_k\\n_k\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N\\n\end{array}\right)^{-1}$で衚されるなお$k=2$の堎合が超幟䜕分垃である}に埓うず仮定する぀たり暙本空間を$\{r(W,v_1),r(W,v_2),\ldots,r(W,v_k)\}$ずしたずき$W$ず$v_i$ずの共起頻床を衚す確率倉数$N(r(W,v_i))$の倀には$0\leN(r(W,v_i))\leN_i$ずいう制限があり$N_1+N_2+\cdots+N_k=N$であるずするこのずき語矩$v_i$の尀床パラメヌタ$F_i$を以䞋のように定矩する\begin{equation}\label{D1}F_i=\frac{N_i-n_i}{N-n}.\end{equation}ただし$n=n_1+n_2+\cdots+n_k$するず$F_i$の期埅倀分散および$F_i$ず$F_j$の共分散は以䞋の通りである(付録A参照)\begin{eqnarray}\label{D2}\langleF_i\rangle&=&(n_i+1)/(n+k),\\\label{D3}var(F_i)&=&p_i(1-p_i)/(n+k+1),\\\label{D4}cov(F_i,F_j)&=&-p_ip_j/(n+k+1).\end{eqnarray}ただし$p_i=\langleF_i\rangle$である動詞の語矩を刀定するかしないかは$D=F_1-F_2$の信頌䞋限($Pl$)に基づいお決めるここで$\langleD\rangle=\langleF_1\rangle-\langleF_2\rangle$$var(D)=var(F_1)+var(F_2)-2cov(F_1,F_2)$であるただし動詞の語矩を適圓に䞊べかえお$i\gej$ならば$n_i\gen_j$であるようにする掚定粟床を巊右する$\alpha$ず閟倀$\theta$を適圓に遞んで$Pl(v_1)=\langleD\rangle-\alpha\sqrt{var(D)}>\theta$である堎合には$v_1$を語矩ずするそうでない堎合には関係$r$においおは語矩を刀定しないなお$\alpha$ず$\theta$の倀は\ref{sec:experiment}章で述べる耇数の関係がある堎合には前述のように最倧の$Pl$である関係(信頌䞋限最倧の関係)に基づいお語矩の刀定を行うこれは\ref{sec:variable}節ず\ref{sec:dagan}節で述べる手法に぀いおも同様であるなお以埌特に断わらない限り信頌䞋限ずは尀床1䜍の語矩ず2䜍の語矩ずの尀床差($D$)の信頌䞋限($Pl$)のこずである\paragraph{䟋}「初めお理由を聞いた」における「聞く」の倚矩性を解消する「聞く」の語矩ずしおは「音を耳に感じずる(HEAR)」ず「質問する(ASK)」ずを考えるなお以䞋では$F_i$ずいう衚蚘の代りに$F(HEAR)$や$F(ASK)$ずいう衚蚘を甚いるたた共起頻床はEDR日本語コヌパス\cite{EDR95}の䞀郚における共起頻床である「初めお理由を聞いた」には「副詞(初めお聞く)」ず「を(理由聞く)」ずいう二぀の係り受け関係\footnote{本皿での係り受け関係の皮類は\ref{sec:data}節で述べる}があるのでそれぞれに぀いお信頌䞋限を求めるず以䞋のようになるたず「初めお」は「聞く」ずの共起回数は1回でHEARず共起しおいるこのずき$\alpha=1$ずするず(\ref{D2})匏から$\langleF(HEAR)\rangle=(1+1)/(1+2)\simeq0.67$$\langleF(ASK)\rangle=(0+1)/(1+2)\simeq0.33$である分散は(\ref{D3})匏から$var(F(HEAR))=var(F(ASK))\simeq0.056$であり共分散は(\ref{D4})匏から$cov(F(HEAR),F(ASK))\simeq-0.056$である以䞊より$\langleD\rangle=\langleF(HEAR)\rangle-\langleF(ASK)\rangle\simeq0.33$か぀$var(D)=var(F(HEAR))+var(F(ASK))-2cov(F(HEAR),F(ASK))\simeq0.22$$\sqrt{var(D)}\simeq0.47$であるよっお$Pl(HEAR)=\langleD\rangle-\sqrt{var(D)}\simeq-0.14$である次に「理由」は関係「を」では「聞く」ずの共起回数は5回でHEARず0回ASKず5回共起しおいるよっお䞊ず同様な蚈算により$Pl(ASK)\simeq0.47$ずなる「聞く」の語矩は$\theta=0$ずするず以䞋のように決たるたず「副詞(初めお聞く)」では$Pl(HEAR)\simeq-0.14\le\theta$であるので語矩は刀定されない䞀方「を(理由聞く)」では$Pl(ASK)\simeq0.47>\theta$であるのでASKが語矩ずしお遞択される語矩が刀定された関係は「を」のみであるので党䜓ではASKが語矩ずしお遞択されるこの䟋では信頌䞋限最倧の係り受け関係に埓っお語矩を刀定した結果が成功しおいる倱敗する䟋に぀いおは次節で述べる\vspace{\baselineskip}本節で述べた手法は単語ず動詞語矩ずの共起頻床に基づいお動詞の倚矩性を解消する手法であるがこの手法は容易にクラスベヌスの手法に拡匵できるすなわちあるクラスが䞎えられたずきにはそのクラスず動詞語矩ずの共起頻床に基づいお動詞の倚矩性を解消すればよいこのずきクラスず動詞語矩ずの共起頻床を埗るにはそのクラスに属する語矩の党おに぀いお動詞語矩ずの共起頻床を埗おそれらの和をずればよいこれは\ref{sec:dagan}節で述べる手法に぀いおも同様である\subsection{可倉の暙本空間における動詞の倚矩性解消}\label{sec:variable}前節で述べた手法は暙本空間$\{r\}\times\{w_1,w_2,\ldots\}\times\{v_1,v_2,\dots\}$を瞮小した暙本空間$\{r(W,v_1),r(W,v_2),\ldots\}$における共起頻床の分垃に぀いおの手法であるここでは暙本空間をシ゜ヌラスに沿っお拡匵するこずを考える暙本空間を段階的に拡匵し各段階においお信頌䞋限を求め信頌䞋限が閟倀より倧ずなった時点で語矩を刀定し刀定のプロセスを終える以䞋ではたず暙本空間の拡匵の仕方に぀いお述べ次に信頌䞋限の求め方に぀いお述べる最埌に䟋を瀺す\subsubsection{暙本空間の拡匵の仕方}ここで考える暙本空間は$\{r\}\timesU_i\times\{v_1,v_2,\ldots\}$である$U_i$は単語$W$の語矩集合$W=\{w_1,w_2,\ldots\}$をシ゜ヌラス\footnote{本皿ではシ゜ヌラスずは䞀぀の根を有するDAG(DirectedAcyclicGraph)であるずするシ゜ヌラスの節点のうちで根はそれに接続する枝の終点ずなるこずはなくか぀根からは党おの節点に察しお有向道があるたたそこから出おいく枝がないような節点を葉ず呌ぶさらにある節点の支配䞋の節点ずはその節点から到達できる節点である}の構造に埓っお拡匵したものである$U_i$は$U_{ij}$の和集合ずしお定矩されるので$U_{ij}$を定矩しおから$U_i$を定矩するたず$U_{ij}$は根から$w_j$たでの道䞊の節点においお根からの距離が$i$にある節点が支配する葉の集合\footnote{任意の単語の任意の語矩は葉で衚珟されるず仮定するこの堎合には各々の語矩は互いに支配関係にない分類語圙衚\cite{Kokken64}ずEDR抂念䜓系ずを\ref{sec:experiment}章では実隓に甚いるのであるが分類語圙衚の堎合にはこの仮定が成立するしかしEDR抂念䜓系の堎合には語矩にあたる抂念が葉であるずは限らないためその語矩にあたる節点が別の語矩にあたる節点を支配しおいる堎合があるその堎合にはある節点における葉の数がその節点が支配する語矩の数ず䞀臎しないそのため(\ref{U2a})匏や(\ref{U2b})匏においお考慮されない語矩がでる本皿ではこの問題は無芖し党おの語矩が葉に盞圓するずしお尀床を蚈算した}ずしお定矩されるこのずき根から$w_j$たでの距離を$l_j$ずするず\begin{equation}\label{U_0j}U_{0j}\supseteqU_{1j}\supseteq\cdots\supseteqU_{l_jj}=\{w_j\}\end{equation}であるなお$k>l_j$のずきには$U_{kj}=\phi$である次に$U_i$を以䞋のように定矩する\begin{equation}\label{U_i}U_i=\bigcup_{w_j\inW}U_{ij}.\end{equation}$i\lej$のずきには(\ref{U_0j})匏ず同様に$U_i\supseteqU_j$が成立するこのずき暙本空間は$l=\max_{w_j\inW}l_j$ずするず$U_l$から順に$U_{l-1},U_{l-2},\ldots,U_0$ず拡匵されるたずえば図\ref{fig:U_i}で$W=\{w_4,w_5\}$ずするず$U_0=\{w_1,w_2,w_3,w_4,w_5,w_6\}$,$U_1=U_2=\{w_4,w_5,w_6\}$,$U_3=\{w_5\}$であるこのずき暙本空間は$U_3,U_2,U_1,U_0$の順に拡匵される耇数の芪を持぀節点の堎合には根からの距離ずしお耇数の道の䞭で最長のものを遞択すれば$i\lej$のずきに$U_i\supseteqU_j$ずなるたずえば根$a$から葉$e$たでの二぀の道が$a\rightarrowb\rightarrowc\rightarrowd\rightarrowe$ず$a\rightarrowb\rightarrowf\rightarrowe$であるずきそれぞれの節点の根からの距離は$a=0,b=1,c=2,d=3,e=4,f=2$ずする暙本空間の拡匵の仕方は他にも考えられるがDAGを察象ずする堎合には䞊述の方法が簡明であるず考える\begin{figure}[htbp]\begin{center}\leavevmode\atari(88,64)\end{center}\caption{$U_i$の䟋}\label{fig:U_i}\end{figure}\subsubsection{信頌䞋限の求め方}関係$r$にある単語$W$ず動詞$V$に぀いおそれぞれの語矩集合を$W=\{w_1,w_2,\ldots\}$,$V=\{v_1,v_2,\ldots\}$ずするここで考える暙本空間は$I=\{r\}\timesU_i\timesV$である語矩$v_j$の尀床パラメヌタ$F(W^\prime,v_j|I)$は$W^\prime=W\capU_i$ずするず次のように定矩される\begin{eqnarray}\label{U1}F(W^\prime,v_j|I)&=&F(v_j|I)F(W^\prime|v_j,I)\nonumber\\&=&F(v_j|I)\sum_{w\inW^\prime}F(w|v_j,I).\end{eqnarray}$F(W^\prime,v_j|I)$は図\ref{fig:I}に瀺されるような暙本空間の構造すなわちたず動詞の語矩を遞び次にその語矩のもずで単語の語矩を遞ぶずいう構造を反映しおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\leavevmode\atari(108,72)\end{center}\caption{暙本空間$I$の構造}\label{fig:I}\end{figure}$F(W^\prime,v_j|I)$の期埅倀は以䞋の通りである\begin{equation}\label{U3}\langleF(W^\prime,v_j|I)\rangle=\langleF(v_j|I)\rangle\sum_{w\inW^\prime}\langleF(w|v_j,I)\rangle.\end{equation}ただし$F(v_j|I)$ず$F(W^\prime|v_j,I)$ずは確率的に独立であるずみなしたなお分散や共分散は付録Bで䞎える(\ref{U1})匏における$F(v_j|I)$や$F(w|v_j,I)$は前ず同じように䞀般化超幟䜕分垃に埓う確率倉数でありそれらの期埅倀は以䞋の通りである\begin{eqnarray}\label{U2a}\langleF(v_j|I)\rangle&=&\frac{\sum_{u\inU_i}n(r(u,v_j))+1}{\sum_{u\inU_i,v\inV}n(r(u,v))+|V|}\;\;,\\\label{U2b}\langleF(w|v_j,I)\rangle&=&\frac{n(r(w,v_j))+1}{\sum_{u\inU_i}n(r(u,v_j))+|U_i|}\;\;.\end{eqnarray}ただし$n(r(u,v))$は関係$r$における共起頻床を衚す分散や共分散も(\ref{D3})(\ref{D4})匏ず同様に埗られる(\ref{U2a})匏ず(\ref{U2b})匏に䜿われる数倀のなかでたず$|V|$は動詞の語矩の数であるたた$|U_i|$は暙本空間の可倉な郚分の倧きさを衚わす数倀である$|U_i|$はシ゜ヌラスの構造から決たるのでシ゜ヌラスの節点にあらかじめ蚘録しおおくこずにより実行時の蚈算量を枛らすたずえば図\ref{fig:U_i}で$|U_2|$の倀を求めるずきには二぀の節点$u_{24}$ず$u_{25}$に蚘録されおいる$|U_{24}|=1$ず$|U_{25}|=2$の和をずる同様に$\sum_{u\inU_i}n(r(u,v_j))$の倀も各節点に支配䞋の葉ず$v_j$ずの共起頻床の和を蚘録しおおきそれを利甚しお求める\footnote{共起頻床の和は葉から根に再垰的に共起頻床を䌝播するこずで蚘録するたずえば図\ref{fig:U_i}では$u_1$に蚘録される倀は$u_{24}$ず$u_{25}$に蚘録されおいる倀の和である倚重継承があるずきにはこの䌝播の過皋で䞀぀の節点に耇数の芪がある堎合があるその堎合にはその節点に蚘録されおいる共起頻床の倀を均等に芪に分ける}図\ref{fig:U_i}の䟋では$U_2$に぀いお$\sum_{u\inU_2}n(r(u,v_j))=n(r(w_4,v_j))+n(r(w_5,v_j))+n(r(w_6,v_j))$を求めるためには$u_{24}$に蚘録されおいる$n(r(w_4,v_j))$の倀ず$u_{25}$に蚘録されおいる$n(r(w_5,v_j))+n(r(w_6,v_j))$の倀ずの和をずるたた(\ref{U2a})匏や(\ref{U2b})匏の倀は$U_i$ごずに蚈算され$U_i$は最倧でシ゜ヌラスの高さだけの数しかないのでこれらの倀を蚈算するこずは蚈算量の面で困難ではない動詞の語矩を刀定するかしないかは$D=F(W^\prime,v_1|I)-F(W^\prime,v_2|I)$の信頌䞋限($Pl$)に基づいお決めるただし動詞の語矩を適圓に䞊べかえお$\langleF(W^\prime,v_1|I)\rangle\ge\langleF(W^\prime,v_2|I)\rangle\ge,\ldots$であるようにするなお$D$の期埅倀は$\langleD\rangle=\langleF(W^\prime,v_1|I)\rangle-\langleF(W^\prime,v_2|I)\rangle$であるたた分散$var(D)$は付録Bで䞎える語矩を刀定するために$\alpha$ず$\theta$を適圓に遞んで$Pl(v_1)=\langleD\rangle-\alpha\sqrt{var(D)}>\theta$である堎合には$v_1$を語矩ずし語矩刀定のプロセスを終えるそうでない堎合には$U_i$の段階では語矩の刀定をせずに暙本空間をシ゜ヌラスに沿っお拡匵した$U_{i-1}$で再び語矩の刀定をする$U_0$においおも刀定ができないずきには関係$r$においおは語矩の刀定を行わないなお$\alpha$ず$\theta$の倀は\ref{sec:experiment}章で述べる\paragraph{䟋}「私は関係者にいきさ぀を聞いた」における「聞く」の倚矩性を解消する「聞く」の語矩ずしおは前節ず同様にASKずHEARずを考えるたた$\alpha=1,\theta=0$ずするなお蚈算に必芁なその他の詳现は省略する「私は関係者にいきさ぀を聞いた」には「は(私聞く)」「に(関係者聞く)」「を(いきさ぀聞く)」ずいう䞉぀の係り受け関係があるのでそれぞれに぀いお信頌䞋限を蚈算し語矩を求める「私」は関係「は」では「聞く」ずの共起回数は6回でHEARず5回ASKず1回共起しおいるそのため暙本空間を拡匵するたでもなく$Pl(HEAR)=2.1\times10^{-1}>\theta$ずなった「関係者」は関係「に」では2回共起しHEARず1回ASKず1回共起しおいるしかしこのHEARでの共起はタグ付けの誀りでありASKず共起すべきものであったずにかくこの段階ではHEARずASKずで尀床差はないしかしシ゜ヌラス(分類語圙衚)を2段階あがった時点($U_4$)では$U_4$党䜓でHEARずの共起は2回ASKずの共起は9回であるこのずき$|U_4|=69$であり$Pl(ASK)=5.5\times10^{-4}>\theta$ずなりASKが語矩ずしお遞択されるこれはタグ付けの誀りを回避した䟋である「いきさ぀」は関係「を」では「聞く」ずの共起頻床は0である䞀段シ゜ヌラスを䞊ったずきの暙本空間党䜓ではASKず1回HEARず0回共起するしかしこの段階では$Pl(ASK)<\theta$であるので語矩は刀定されないそのたた暙本空間を拡匵しおいくず$U_1$で頻床の分垃が逆転しHEARで171回ASKで104回共起しおいるしかし$|U_1|=26984$ず暙本空間の倧きさが倧きいので信頌䞋限は閟倀$\theta$を超えない結局この係り受け関係では語矩は刀定されないこれはシ゜ヌラス䞊での最短距離の語矩に埓えば成功しおいた䟋である䞉぀の係り受け関係のうちで「は(私聞く)」が最も信頌䞋限$Pl$が倧きい䞀般にシ゜ヌラスを䞊るず暙本空間の倧きさは指数的に倧きくなるので尀床は指数的に小さくなるそのため暙本空間が小さいずきの信頌䞋限はそれが倧きいずきに比べお倧きいこの䟋では「は(私聞く)」に埓っお語矩を遞択するのでHEARが語矩に遞ばれるこれは倱敗であるなお最倧の信頌䞋限に基づく語矩遞択の劥圓性は\ref{sec:experiment}章で実隓により確かめる\subsection{Daganの手法}\label{sec:dagan}倚矩性を解消するずきに語矩の刀定が可胜なものだけを刀定するずいう手法は\cite{Dagan94}でも採甚されおいる\cite{Dagan94}では機械翻蚳における蚳語の遞択を目的ずしおいるがここではその手法を動詞語矩の遞択のために修正したものに぀いお述べる以䞋ではこの手法を単にDaganの手法ず呌ぶたた本節で甚いられおいる蚘号のうちで新たに定矩されおいない蚘号に぀いおは\ref{sec:solid}節ず同じ意味で甚いられおいる暙本空間に぀いおいえばDaganの手法は\ref{sec:solid}節ず同じ固定された暙本空間を䜿うただし\cite{Dagan94}では共起頻床は倚項分垃をしおいるず仮定しおいる動詞の語矩を刀定するかどうかは$\hat{p_1}$ず$\hat{p_2}$ずの察数比$\ln(\hat{p_1}/\hat{p_2})$に基づいお決めるただし$\hat{p_1},\hat{p_2},\ldots$は$n_1,n_2,\ldots$から最尀掚定される$r(W,v_1),r(W,v_2),\ldots$の確率であり$\ln(\hat{p_1}/\hat{p_2})=\ln(n_1/n_2)$$var(\ln(\hat{p_1}/\hat{p_2}))\simeq1/n_1+1/n_2$であるもし$n_1$$n_2$で$0$なるものがあれば$0$の代りに$0.5$を甚いる$\alpha$ず$\theta$を適圓に遞んで$Pl(v_1)=\ln(\hat{p_1}/\hat{p_2})-\alpha\sqrt{var(\ln(\hat{p_1}/\hat{p_2}))}>\theta$である堎合には$v_1$を語矩ずする\footnote{\cite{Dagan94}では`$>$'ではなく`$\ge$'であるが`$\ge$'の堎合には$\theta=0$ずしたずきに$\hat{p_1}=\hat{p_2}$であっおも$v_1$が遞ばれるこずになるため`$>$'ずしたただし実際にはどちらを甚いおも同じこずである}そうでない堎合には関係$r$では語矩は刀定されないなお\cite{Dagan94}では$\alpha=1.282$,$\theta=0.2$が遞ばれおいるので\ref{sec:experiment}章の実隓でもそれに埓った\subsection{Daganの手法ず提案手法ずの違い}Daganの手法ず提案手法ずの基本的な違いは暙本空間が固定か可倉かずいうこずである提案手法が尀床の比范に差を甚いたり分垃に䞀般化超幟䜕分垃を仮定したりしおいるのは可倉の暙本空間を䞊手く取扱うためであるたず尀床の比范に差を甚いた堎合には暙本空間を拡匵するたびに尀床や尀床差が指数的に小さくなるので暙本空間の倧きさを信頌䞋限に盎接反映させるこずができるDaganの手法のように(察数)比を甚いた堎合には第䜍の語矩の尀床ず第䜍の語矩の尀床ずはオヌダずしおは違わないため暙本空間の倧きさは盎接には反映されない次に䞀般化超幟䜕分垃を甚いおいる理由は暙本空間の倧きさを明瀺的に取扱うためである提案手法では暙本空間を拡匵するたびに尀床パラメヌタの期埅倀や分散が倉化するこずが必芁である䞀般化超幟䜕分垃に埓うず(\ref{U2b})匏で瀺されるように暙本空間の可倉な郚分の倧きさを$|U_i|$ずしお明瀺的に取り扱える暙本空間の倧きさを信頌䞋限に反映させる理由は暙本空間が小さいずきほど語矩の刀定結果が信頌できるず考えおいるためである \section{実隓} \label{sec:experiment}実隓のデヌタ手法結果に぀いお順に述べる\subsection{実隓デヌタ}\label{sec:data}\subsubsection{コヌパスからの実隓デヌタの抜出}EDR日本語コヌパス\footnote{本皿で甚いたEDR日本語コヌパス日本語単語蟞曞抂念䜓系蟞曞はVersion1.5である}から動詞を「係り」たたは「受け」ずする係り受け関係を抜出したEDR日本語コヌパスは新聞・雑誌・蟞兞などの流通文曞から1文単䜍でずられた玄22䞇文からなるコヌパスであり各文は人手により圢態玠・構文・意味解析されおいるなおEDR日本語コヌパスにおける圢態玠解析の結果には動詞などの掻甚語の基本圢は瀺されおいないそこで本実隓ではEDR日本語コヌパスでの圢態玠解析結果をもずにJUMAN\cite{Matsumoto94}を甚いお動詞の基本圢を同定したEDR日本語コヌパスにおける解析結果のうちで本皿で利甚するものは文節間の係り受け関係ず文節の䞻蟞に付䞎された語矩(抂念識別子)ずである文節間の係り受け関係は構文解析の結果から埗たたた構文解析の結果には句の䞻蟞に盞圓するものに印が付いおいるのでそれを利甚しお文節の䞻蟞を埗た抜出したものはコヌパスにおいお䞻蟞の印が぀いおいる動詞ずそれず係り受け関係にある文節の集合であるこれは䞻節か埓属節か連䜓修食節のいずれかであるが本皿では䞀括しおセットず呌ぶ倚矩性解消は各セットごずに行なわれるなお次のセットは抜出しなかった\begin{itemize}\item倚矩性解消の察象である動詞に抂念識別子が割圓おられおいないもの\item倚矩性解消の察象である動詞を䞻蟞ずする文節(動詞文節)が受身あるいは䜿圹であるもの\item倚矩性解消の察象である動詞をJUMANにより基本圢に倉圢できないもの\end{itemize}たたセットに含たれる文節で次のものは陀いた\begin{itemize}\item動詞圢容詞圢容動詞副詞名詞接尟語数字以倖を䞻蟞ずする文節\item動詞文節で䞻蟞である動詞をJUMANにより基本圢に倉圢できないもの\end{itemize}\newpage係り受け関係ずしおは図\ref{fig:rels}に瀺されおいる21皮類を甚いた「*」で瀺されおいるものは関係のグルヌプに぀けた名前であり関係の名前ではない「*係り」ずいうのはその品詞\footnote{「圢容(動)詞」ずは圢容詞たたは圢容動詞のこずであるたた名詞接尟語数字は䞀括しお「名詞」ずした}の圢態玠を䞻蟞ずする文節に係っおいくこずを瀺しおいるなお係りの関係は関係名の先頭に「係」を付けるこずで瀺す「*受け」はその文節を受けるこずを瀺しおいる「*受け」の関係で「*栌助詞」で瀺されるのは名詞に続く助詞列が栌助詞を含む堎合であるなお「φ」は名詞文節を受ける際に栌助詞や係助詞などが介圚しない堎合であるたた関係が「*係助詞」で瀺されるのは名詞に続く助詞列が係助詞のみからなる堎合である耇数の係助詞が共起する堎合には最埌の係助詞により関係名が決たるその他の堎合は「助詞盞圓衚珟」ずしお扱ったこの䟋ずしおは「に察しお」などがある\begin{figure}[htbp]\begin{center}\leavevmode\atari(99,37)\end{center}\caption{21皮類の係り受け関係}\label{fig:rels}\end{figure}抜出したセットから頻床500以䞊の動詞74語を遞びそれらの動詞を含む玄8,9000セットを実隓の察象ずした実隓では頻床が5000を超える4語(あるいうするなる)に぀いおは無䜜為に抜出した5000のセットに぀いお実隓を行ったその他の動詞に぀いおは抜出された党おのセットに぀いお実隓を行ったただし頻床が10未満の語矩を語矩ずしおも぀動詞を倚矩性解消の察象ずするようなセットは実隓のデヌタから陀いたなおこの74語には異なり語矩数が1の動詞は含たれおいない\subsubsection{シ゜ヌラス}実隓に甚いたシ゜ヌラスはEDR抂念䜓系ず分類語圙衚であるEDR抂念䜓系には玄40䞇の抂念識別子がありそれらはDAGを構成しおいる分類語圙衚には分類番号が぀けられた玄3侇7千の単語がありそれらは意味的に分類された6レベルの朚構造をなす\subsection{実隓の手法}\label{sec:method}それぞれの動詞に぀いお抜出したセットに察しお10分割のクロスバリデヌション法で倚矩性解消の実隓を行ったすなわち抜出したセットの集合を10個の均等な倧きさの郚分集合に分け9個の郚分集合を蚓緎デヌタずしお共起頻床を埗お残りの郚分集合をテストデヌタずしお倚矩性の解消をするずいうこずを10回繰り返した蚓緎の段階では以䞋のようにしお動詞の語矩(抂念識別子)ずそれに係る(それを受ける)単語の語矩ずの共起頻床を埗たたずシ゜ヌラスずしお分類語圙衚を䜿う堎合にはその単語に割り圓おられおいる$n$個の分類番号の党おに察しお$1/n$を動詞語矩ずの共起頻床ずした次にシ゜ヌラスずしおEDR抂念䜓系を䜿う堎合には共起の盞手である単語にコヌパスにおいお抂念識別子が付䞎されおいればその抂念識別子に共起頻床1を䞎えそうでなければ分類語圙衚の堎合ず同様に単語に割り圓おられおいる党おの抂念識別子に察しお均等に共起頻床を割圓おたなおテストの段階では単語は党お倚矩語ずしお取り扱い単語に付䞎されおいる抂念識別子は利甚しなかったコヌパスのなかの単語には耇合名詞もあるそのずきには右からの最長䞀臎により蟞曞匕きをしたたずえば「デヌタ通信」が蟞曞にないずきには「通信」で匕き「通信デヌタ」の堎合には「デヌタ」で匕いたこのようにしおも蟞曞にない単語に぀いおは共起ずしお数えなかった分類語圙衚をシ゜ヌラスずしお䜿うずきには分類語圙衚にない単語は未知語ずなるたたEDR抂念䜓系をシ゜ヌラスずしお䜿うずきにはEDR日本語単語蟞曞にもEDR日本語コヌパスにもない単語は未知語ずなる(字面が登録されおいおも抂念識別子が登録されおいない堎合は未知語である)\subsection{実隓結果}\label{sec:results}\subsubsection{倚矩性解消の粟床}抜出したセットに察しお次の四぀の芁因を組み合わせお倚矩性解消の実隓をしたその正確な組合せ方は衚\ref{tab:results}にある1)暙本空間は\ref{sec:model}章で述べた意味においお固定たたは可倉である2)共起の盞手は暙本空間が固定の堎合には単語かクラスであり可倉の堎合には語矩であるただしクラスずは分類語圙衚の堎合には分類番号の䞊䜍3桁を共有する分類番号の集合のこずであるたたEDR抂念䜓系の堎合には根からの距離が4である抂念識別子が䞀぀のクラスを代衚する抂念識別子でありそれに支配される抂念識別子の集合が䞀぀のクラスである3)シ゜ヌラスには分類語圙衚かEDR抂念䜓系かを甚いた4)倚矩性解消の際に動詞語矩を刀定する手法は差に基づくもの(\ref{sec:solid}節や\ref{sec:variable}節の手法)か比に基づくもの(Daganの手法)であるなお衚\ref{tab:results}の2行目に$\alpha=1.55$などずあるのは\ref{sec:solid}節ず\ref{sec:variable}節で述べた差に基づく手法においおパラメヌタ$\alpha$の倀を1.55などにしたずいうこずであるただし$\theta$は0に固定したたた比に基づく手法の堎合は$\alpha=1.282$$\theta=0.2$ず䞀定であるここで差に基づく手法の$\alpha$の倀は比范の䟿宜のため比に基づく手法ず適合率の差が1未満になるように調敎した堎合の倀である抜出したセットに察しお動詞ごずに倚矩性解消の実隓を行い刀定率・適合率を蚈算したある動詞に察する刀定率・適合率の定矩は以䞋の通りである\begin{equation}\label{app}\mbox{刀定率}=\frac{\mbox{語矩が刀定されたセットの数}}{\mbox{その動詞を含むセットの数}},\end{equation}\begin{equation}\label{pr}\mbox{適合率}=\frac{\mbox{正解の数}}{\mbox{語矩が刀定されたセットの数}}.\end{equation}ただし正解ずはプログラムにより遞択された語矩がEDR日本語コヌパスにおいお付䞎されおいる語矩(抂念識別子)ず䞀臎する堎合をいう\begin{table}[htbp]\begin{center}\leavevmode\caption{刀定率・適合率の平均倀}\label{tab:results}\smallskip\begin{tabular}{|c|cc|cc|cc|cc|cc|c|}\hline暙本空間&\multicolumn{8}{c|}{固定}&\multicolumn{2}{c|}{可倉}&\\\cline{1-2}\cline{2-9}\cline{10-11}共起察象&\multicolumn{4}{c|}{単語($\alpha=1.55$)}&\multicolumn{4}{c|}{クラス($\alpha=1.95$)}&\multicolumn{2}{c|}{語矩($\alpha=1$)}&\\\cline{1-2}\cline{2-5}\cline{6-9}\cline{10-11}Thesaurus&\multicolumn{2}{c|}{分類}&\multicolumn{2}{c|}{EDR}&\multicolumn{2}{c|}{分類}&\multicolumn{2}{c|}{EDR}&分類&EDR&\raisebox{1.6ex}[0pt]{BASE}\\\cline{1-2}\cline{2-3}\cline{4-5}\cline{6-7}\cline{8-9}\cline{10-11}刀定手法&比&å·®&比&å·®&比&å·®&比&å·®&\multicolumn{2}{c|}{å·®}&\\\hline\hline&.267&.332&.302&.363&.688&.682&.765&.764&.726&.865&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{党䜓}&.750&.752&.753&.751&.710&.707&.696&.696&.713&.695&0.652\\\hline\hline&.132&.163&.153&.179&.370&.365&.517&.533&.539&.699&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{group1}&.541&.544&.563&.567&.483&.473&.445&.442&.488&.462&0.353\\\hline&.194&.250&.214&.269&.510&.497&.587&.582&.624&.793&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{group2}&.665&.675&.671&.665&.608&.607&.603&.604&.624&.587&0.515\\\hline&.307&.366&.356&.411&.808&.795&.874&.865&.796&.926&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{group3}&.734&.733&.725&.726&.686&.685&.672&.673&.690&.674&0.647\\\hline&.331&.406&.374&.444&.850&.844&.905&.898&.829&.947&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{group4}&.861&.859&.859&.854&.831&.832&.825&.826&.823&.818&0.813\\\hline&.380&.485&.419&.523&.917&.925&.954&.957&.852&.966&1.000\\\raisebox{1.6ex}[0pt]{group5}&.964&.963&.962&.960&.957&.956&.953&.953&.956&.954&0.951\\\hline\end{tabular}\end{center}各欄には䞊段に刀定率の平均倀䞋段に適合率の平均倀が蚘茉されおいる衚の2行目に$\alpha=1.55$などずあるのは\ref{sec:solid}節ず\ref{sec:variable}節で述べた差に基づく手法においおパラメヌタ$\alpha$の倀を1.55などにしたずいうこずであるただし$\theta$は0に固定したたた比に基づく手法の堎合は$\alpha=1.282$$\theta=0.2$ず䞀定である\end{table}刀定率・適合率は動詞ごずに異なりか぀その異なりは最頻の語矩の占める割合ず盞関があるず考えられるたずえば䞀぀しか語矩がない堎合には適合率は1であるそこで動詞74語を最頻の語矩の占める割合の小さいものから順に五぀の均等な倧きさのグルヌプに分け各グルヌプごずに刀定率・適合率の平均倀を求めたそれらは衚\ref{tab:results}にgroup1〜5ずしお瀺されおいる衚の各欄の倀は䞊段が刀定率の平均倀であり䞋段が適合率の平均倀であるなお「党䜓」ずある行には動詞党䜓に぀いおの平均倀が茉せおあるたた「BASE」ずある右端の列には垞に最頻の語矩を遞ぶ手法の刀定率ず適合率があるこの手法は倚矩性解消のための手法のベヌスラむンず考えられる\cite{Gale92}BASEにおいおは党おのセットに぀いお最頻の語矩を語矩ずみなすので刀定率は1適合率は最頻の語矩の割合ずなる衚\ref{tab:results}においおたず共起察象ずしお単語を遞んだ堎合ずその他(クラスや語矩)を遞んだ堎合ずを比べるずシ゜ヌラスや刀定手法の組合わせにより違いはあるが単語を遞んだ堎合の適合率がその他の堎合より4〜5皋床高いしかし刀定率を比べるずその他の堎合の方が35〜50皋床単語を遞んだ堎合より高いこのように単語を共起察象ずした堎合にはクラスや語矩を共起察象ずする堎合に比べお適合率が高くなり刀定率が䜎くなるが4〜5皋床の適合率の高さは35〜50皋床の刀定率の䜎さを埋め合わせるほどではないず考える次に固定された暙本空間での結果に぀いお比范するたずEDR抂念䜓系ず分類語圙衚ずを比べるず登録単語数の差を反映しおEDR抂念䜓系の方が刀定率が高いたた比に基づく手法ず差に基づく手法ずを比べるず単語を共起の盞手ずした堎合には差に基づく手法の方が6皋床刀定率が高いこのこずは差に基づく手法の方が共起頻床の違いに敏感なこずを瀺しおいるクラスを共起の盞手ずした堎合には比に基づくものの方が倚少刀定率が高いがその差は1未満であるこの堎合に手法の違いが共起の盞手を単語にした堎合に比べお効かないのはクラスを共起の盞手ずした堎合には単語を共起の盞手ずした堎合に比べお語矩ごずの共起頻床の情報が無芖される床合が匷いためであるず考えられる最埌に固定された暙本空間におけるクラスの結果ず可倉な暙本空間の結果ずを差に基づく手法に぀いお比べるず可倉な暙本空間における方が分類語圙衚の堎合には4皋床EDR抂念䜓系の堎合には10皋床刀定率が高い前述のようにクラスを共起の盞手ずしたずきには比差の手法においお党䜓の刀定率の違いは1未満であるそれに比べお4あるいは10皋床の違いは倧きいず考える぀たり語矩の刀定に比を甚いるか差を甚いるかに比べお暙本空間を可倉にするか固定にするかはより重芁な違いであるず考えるなお本皿皋床の芏暡の実隓では1皋床の差があればEDR日本語コヌパスが日本語党䜓を良く代衚しおいるず仮定しお日本語党䜓でも同様な傟向が芋られるずいえるたずえば固定された暙本空間で共起の盞手ずしおクラスを遞び分類語圙衚をシ゜ヌラスずしお䜿ったずきには比に基づく手法の刀定率ず差に基づく手法の刀定率ずの差は0.6であるがこれは笊号怜定によるず1の有意氎準で有意な差である\subsubsection{最倧の信頌䞋限による語矩刀定の有効性}衚\ref{tab:results}では動詞ごずに刀定率ず適合率を埗おそれらの平均を瀺した動詞ごずに適合率などを埗たのは動詞ごずのデヌタ数の違いを吞収するためであるずころで本節ず次節では係り受け関係を個別にみるので埌述する指暙を動詞ごずに埗おそれを平均するのは䞍適圓であるなぜなら動詞によっおは出珟数の少い係り受け関係があるため安定した数倀が埗られないからであるそのため動詞ごずではなくお抜出したセット党䜓における指暙を調べるがこの堎合でも動詞ごずのデヌタ数の圱響は陀きたいそこでたず各動詞に぀いお前節ず同様のセットに察しお\ref{sec:variable}節で述べた提案手法によりEDR抂念䜓系を甚い共起の察象を語矩ずし$\alpha=1$$\theta=0$で倚矩性の解消をした次にその解析結果の䞭から各動詞に぀いお500セットを無䜜為に遞び党䜓では$500\times74=37,000$セットに぀いお本節ず次節での分析をしたこのセットの䞭では最頻の語矩が占める割合は0.655語矩の刀定されたセットの占める割合は0.865刀定されたセットの䞭での正解の割合は0.720であるさお提案手法では耇数の係り受け関係があるずきには係り受け関係ごずに動詞語矩ず信頌䞋限ずを求め信頌䞋限最倧の動詞語矩を語矩ずしお遞択しおいるそれが劥圓なこずは衚\ref{tab:1and2}からわかる衚\ref{tab:1and2}は抜出されたセットの䞭で語矩が刀定されたセットに぀いお係り受け関係ごずに語矩刀定の正解䞍正解を調べたずきに信頌䞋限最倧の係り受け関係での正解䞍正解ず2番目以降での正解䞍正解ずの関連を瀺したものである各欄の数倀はそのようなセットが語矩の刀定されたセットの䞭で占める割合であるなお「2番目以降に正解なし」ずいう堎合は䞀぀のセットにおいお語矩が刀定された係り受け関係の数が1である堎合を含む衚\ref{tab:1and2}から信頌䞋限が2番目以降の係り受け関係に正解がある堎合は0.46ず少ないこずがわかる曎に信頌䞋限最倧のものが䞍正解である堎合には2番目以降に正解がある割合は$0.021/0.280\simeq0.075$のみである以䞊から語矩の刀定された係り受け関係が耇数あるずきには信頌䞋限最倧の係り受け関係に基づいお語矩を刀断するのが劥圓であるずいえる\begin{table}[htbp]\begin{center}\leavevmode\caption{信頌䞋限最倧の係り受け関係での正解䞍正解ず2番目以降のものでの正解䞍正解の関連}\label{tab:1and2}\bigskip\begin{tabular}{c|cc|c}&2番目以降に正解あり&2番目以降に正解なし&合蚈\\\hline信頌䞋限最倧の関係が正解&0.442&0.278&0.720\\信頌䞋限最倧の関係が䞍正解&0.021&0.259&0.280\\\hline合蚈&0.463&0.537&1.000\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{個別の係り受け関係の倚矩性解消ぞの寄䞎}動詞の倚矩性解消における係り受け関係ごずの寄䞎率を衚\ref{tab:contrib}に瀺す衚\ref{tab:contrib}においお係り受け関係の「寄䞎率」ずは正解であったセットの䞭でその係り受け関係の信頌䞋限が最倧であったセット(その関係に基づいお語矩が刀定されたセット)の割合であるなお衚\ref{tab:contrib}の係り受け関係は図\ref{fig:rels}に瀺したもののなかで寄䞎率が1以䞊のものであるたた衚\ref{tab:contrib}では寄䞎率が5の䞊䞋で境界線を匕いた次に「出珟率」はその係り受け関係が出珟するセットの数を党セット数で割ったものであるただし1セット䞭に同じ係り受け関係が耇数回出珟しおも1回ずしお蚈数した「1䜍刀定率」ずいうのはその係り受け関係が出珟したセットにおいおその関係に基づいお動詞語矩が刀定されたセットの割合である「1䜍適合率」ずいうのはその係り受け関係により語矩が刀定されたセットにおいお正解であったセットの割合である「共出珟数」ずはその係り受け関係が出珟したセットにおいおその関係を含めた係り受け関係の個数の平均倀であるたず寄䞎率をみるず「を」「に」「が」のような必須的な栌およびこれに準ずる「係名詞」のものがやはり高いしかし必須でない係り受け関係でも「係動詞」や「動詞」は寄䞎率が高いこれはこの二぀の出珟率が高いためであろう぀たりコヌパス䞭には耇文が倚いためであるず考えられる次に1䜍刀定率は共出珟数が少いほど高くなる傟向があるそれは刀定の際の競合盞手が少くなるためであるそのため$\mbox{1䜍刀定率}/(1/\mbox{共出珟数})=\mbox{1䜍刀定率}\times\mbox{共出珟数}$は係り受け関係の盞察的な匷さ぀たり提案手法がどの係り受け関係により語矩を刀定するかの盞察的な床合を瀺しおいるず考えられるこの指暙により係り受け関係を䞊べるず倧きい方から「副詞」「を」「動詞」「係動詞」「圢容(動)詞」「φ」「が」「に」「係名詞」ずなるずころで蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞IPAL\cite{IPAL87}のような栌フレヌム蟞曞には名詞ず動詞の栌関係のみが蚘述されおいるしたがっお動詞ず動詞や副詞ず動詞ずの共起関係は蚘述されおいないずころが䞊述のこずからは動詞ず動詞や副詞ず動詞の係り受け関係も倚矩性解消に高く貢献しおいるずいえるよっお栌フレヌムだけでなく動詞ず動詞や副詞ず動詞の共起関係を蚘述しおおくこずも必芁であるず考えるなお1䜍適合率に぀いおは次章で別に述べる\begin{table}[htbp]\begin{center}\leavevmode\begin{tabular}{l|ccccc}係り受け関係&寄䞎率&出珟率&1䜍刀定率&1䜍適合率&共出珟数\\\hlineを&0.212&0.346&0.495&0.769&2.738\\係動詞&0.130&0.278&0.457&0.637&2.610\\係名詞&0.117&0.272&0.367&0.731&2.324\\動詞&0.116&0.247&0.430&0.679&2.837\\に&0.089&0.245&0.325&0.695&2.786\\が&0.084&0.212&0.325&0.762&2.807\\副詞&0.050&0.100&0.426&0.727&3.255\\\hlineは&0.046&0.187&0.208&0.739&3.053\\φ&0.032&0.081&0.324&0.759&3.303\\圢容(動)詞&0.029&0.067&0.369&0.733&3.030\\で&0.027&0.116&0.200&0.737&3.167\\助詞盞圓衚珟&0.014&0.075&0.162&0.727&3.003\\も&0.012&0.049&0.206&0.730&2.690\\ず&0.011&0.038&0.251&0.744&2.540\\から&0.011&0.036&0.229&0.843&3.124\\係圢容(動)詞&0.011&0.034&0.287&0.665&2.497\\\end{tabular}\end{center}\caption{係り受け関係の寄䞎率}\label{tab:contrib}\end{table} \section{考察} \label{sec:discussion}本章では提案手法ずクラスベヌスの手法や事䟋ベヌスの手法ずの関係および今埌の課題に぀いお述べる\subsection{提案手法ずクラスベヌスの手法や事䟋ベヌスの手法ずの関係}提案手法ずクラスベヌスの手法ずを比范するずクラスベヌスの手法におけるクラスは本皿での堎合のように先隓的に決めるかあるいはデヌタに基づいお決める\cite{Resnik92,Nomiyama93,Tanaka95a}必芁があるデヌタに基づく堎合には必芁が生じた時点でクラスを倉曎する必芁があるしかし提案手法の堎合には入力に応じお動的に暙本空間を定めるためクラスの蚭定自䜓が䞍芁である提案手法ず事䟋ベヌスの手法ずを実隓的に比范するこずは今埌の課題であるが䞀぀の係り受け関係から動詞の語矩を決める堎合に぀いおは定性的には以䞋のこずが蚀えるたず動詞語矩の尀床に぀いおいえば事䟋ベヌスの手法では入力単語が動詞語矩に付䞎する尀床は入力単語からその動詞語矩ずコヌパスで共起した単語(出珟単語)ぞのシ゜ヌラス䞊での最短距離に基づいおいる䞀方提案手法では動詞語矩の尀床はシ゜ヌラスの構造ず動詞語矩のシ゜ヌラス䞊での頻床分垃ず入力単語ずにより決たるこれはシ゜ヌラス䞊での距離をコヌパスでの共起情報ず入力単語ずを利甚しお尀床に倉換しおいるずみなすこずもできるなおこれず同様なこずは\cite{Shinnou96}でも行なわれおいるしかし\cite{Shinnou96}は単語間の䞀般的な類䌌性をシ゜ヌラス䞊での単語間の距離ずコヌパスでの共起頻床の分垃ずから蚭定するこずを目的ずしおいお倚矩性の解消は盎接の目的ずはしおいない次に提案手法においお\ref{sec:variable}節で述べた$\alpha$の倀を0にするず第1䜍ず第2䜍の語矩の尀床差が0でなくなった段階で必ず動詞の語矩が刀定されるこのずきには事䟋ベヌスの手法のようにシ゜ヌラス䞊での最短距離の出珟単語に基づいお動詞語矩を刀定しおいるこずになる䞀方$\alpha$の倀を倧きくするず動詞語矩の頻床分垃に倧きな偏りがなければ語矩は刀定されない぀たり$\alpha$の倀を倧きくするこずは最短距離以倖にある出珟単語も考慮するこずを意味するこのこずは\ref{sec:introduction}章で述べた「入力単語の振舞いを決めるのに幟぀出珟単語を甚いるか」ずいう問題を$\alpha$の蚭定に垰着させたず考えるこずもできる事䟋ベヌスの手法でもし耇数の出珟単語を䜿うずしおも幟぀䜿うかを決めるためにはシ゜ヌラスにおける動詞語矩の頻床分垃などを考慮しなければならないであろう提案手法では\ref{sec:variable}節で述べたようにそれが既に分散ずしお数匏䞭で考慮されおいるため$\alpha$の倀を決めるこずは幟぀出珟単語を䜿うかを決めるよりは容易であるず考える\subsection{今埌の課題}衚\ref{tab:contrib}にあるように関係ごずの1䜍適合率は䞀様ではないたずえば「を」は1䜍適合率が高く「係動詞」は1䜍適合率が䜎いそこで1䜍適合率が高いものは$\alpha$を小さくするこずにより刀定率を高くし1䜍適合率が䜎いものは$\alpha$を倧きくするこずにより刀定率を䜎くするこずが考えられる$\alpha$の蚭定の仕方は今埌の課題であるなお同様な考え方ずしお\cite{Fujii96a}では耇数の栌芁玠における語矩の尀床を足し合わせお党䜓の尀床ずするずきに栌ごずの曖昧性解消ぞの貢献床に応じおその栌での尀床に重みを付ける手法が述べられおいる本皿では耇数の係り受け関係があっおもそれらの間の関係は考慮せずに信頌䞋限が最倧のものを遞んで倚矩性の解消をしおいるこの方法は衚\ref{tab:1and2}に瀺すように有効であるしかし耇数の係り受け関係の間にある䟝存関係を利甚すれば刀定率や適合率が向䞊するず考えられるそのような䟝存関係を取扱うこずは今埌の課題である䟝存関係を考慮したものずしおは既存の栌フレヌムを利甚したり\cite{Kurohashi92,Fujii96a}栌フレヌムあるいは決定朚を獲埗したり\cite{Tanaka95b}察数線型モデル\cite{Matsuda88}により䟝存関係を掚定する\cite{Bruce94}などの研究があるのでこれらず提案手法ずの融合を怜蚎したい \section{おわりに} \label{sec:conclusion}シ゜ヌラスの構造に埓っお暙本空間を動的に拡匵し動詞の倚矩性を解消する手法を提案したシ゜ヌラスを䜿っお倚矩性を解消する埓来手法にはクラスベヌスの手法ず事䟋ベヌスの手法ずがあるが前者には平均化により情報が倱われるずいう短所があり埌者には個別化によりノむズに匱くなるずいう短所がある提案手法は入力に応じお抜象化の床合を統蚈的に倉化させるこずにより情報の損倱やノむズを避けながら倚矩性の解消をしようずしおいる実隓ではEDR日本語コヌパスから頻床500以䞊の動詞74語を抜出し延べで玄89,000の動詞に぀いお倚矩性の解消をしたこのずき最頻の語矩を垞に遞ぶ堎合の適合率は65刀定率は100であったクラスベヌスの手法ず提案手法ずを比范するず分類語圙衚をシ゜ヌラスずしお利甚した堎合には適合率は共に71であったが刀定率はクラスベヌスの手法が68提案手法が73であったEDR抂念䜓系を利甚した堎合には適合率は共に70であったが刀定率はクラスベヌスの手法が76提案手法が87であった䞡者の刀定率を比べるず提案手法の刀定率の方が統蚈的に有意に高く提案手法の有効性が瀺された仮名挢字倉換や情報怜玢などに提案手法を応甚するこず耇数の係り受け関係の間にある䟝存関係をモデル化するこずなどが今埌の課題である\acknowledgment本皿に察しお適切な助蚀を䞋さった本孊山本幹雄講垫に感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{disamb}\section*{付録}\label{sec:appendix}\section*{壷のなかに残された玉の割合の掚定\footnote{超幟䜕分垃に぀いおは\cite[Chapter6]{Jaynes96}にある}}\label{sec:apA}壷の䞭に$k$皮類の玉がありそれぞれ$N_1$,$N_2$,...,$N_k$個であるずする($N=\sum_{i=1}^{k}N_i$)ただしそれらの倀は䞍明である$n$個の玉を壷から取り出したずきそれぞれの皮類が$n_1$,$n_2$,...,$n_k$だけ取り出されたずする($n=\sum_{i=1}^{k}n_i$)このずき壷の䞭に残された玉$i$の割合$F_i=(N_i-n_i)/(N-n)$の期埅倀$\langleF_i\rangle$ず分散$var(F_i)$および$F_i$ず$F_j$ずの共分散$cov(F_i,F_j)$は$N\rightarrow\infty$のずき次の通りである\begin{equation}\label{A1}\langleF_i\rangle=(n_i+1)/(n+k)\end{equation}\begin{equation}\label{A2}var(F_i)=p_i(1-p_i)/(n+k+1)\end{equation}\begin{equation}\label{A3}cov(F_i,F_j)=-p_ip_j/(n+k+1)\end{equation}ただし$p_i=\langleF_i\rangle$である\subsection*{導出の抂略}$N_1$の期埅倀$\langleN_1\rangle$分散$var(N_1)$および$N_1$ず$N_2$ずの共分散$cov(N_1,N_2)$を求めそれを利甚しお$\langleF_1\rangle$$var(F_1)$$cov(F_1,F_2)$を求めるその他の$F_i$$i=2,\ldots,k$に぀いおは察称性から求たる$D$により$k$皮類の玉がそれぞれ$n_1$,...,$n_k$個取り出されたずいう事象を瀺す$N$や$N_i$は$p(\ldots)$の内郚で䜿われたずきには玉の数が$N$や$N_i$であるずいう事象を瀺しそれ以倖の堎合には玉の数を瀺すたた$I$はこの問題に察する事前知識(暙本空間など)を瀺す\begin{equation}\label{A4}\langleN_1\rangle=\sum_{N_1=0}^{N}N_1p(N_1|D,N,I)\end{equation}であるのでたず$p(N_1|D,N,I)$を求めるベむズの定理から\begin{equation}\label{A5}p(N_1|D,N,I)=p(N_1|N,I)\frac{p(D|N_1,N,I)}{p(D|N,I)}.\end{equation}事前確率ずしお次のような䞀様分垃を蚭定する\begin{equation}\label{A6}p(N_1|N,I)=\left\{\begin{array}{ll}1/(N+1)&0\leN_1\leN\\0&\mbox{otherwise}\end{array}\right..\end{equation}$D$は䞀般化超幟䜕分垃からの暙本であるので\begin{equation}\label{A7}p(D|N_1,N,I)=\frac{\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\sum_{N_2+\cdots+N_k=N-N_1}\left(\begin{array}{l}N_2\\n_2\end{array}\right)\cdots\left(\begin{array}{l}N_k\\n_k\end{array}\right)}{\left(\begin{array}{l}N\\n\end{array}\right)}.\end{equation}$p(D|N,I)$は正芏化のため項であり\begin{equation}\label{A8}p(D|N,I)=\sum_{N_1=0}^Np(D|N_1,N,I)p(N_1|N,I).\end{equation}(\ref{A5})匏に(\ref{A6})(\ref{A7})(\ref{A8})匏を代入するず次匏が埗られる\begin{equation}\label{A9}p(N_1|D,N,I)=\frac{\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\sum_{N_2+\cdots+N_k=N-N_1}\left(\begin{array}{l}N_2\\n_2\end{array}\right)\cdots\left(\begin{array}{l}N_k\\n_k\end{array}\right)}{\sum_{N_1+\cdots+N_k=N}\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\cdots\left(\begin{array}{l}N_k\\n_k\end{array}\right)}.\end{equation}ここで\begin{equation}\label{A10}\sum_{N_1+\cdots+N_k=N}\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\cdots\left(\begin{array}{l}N_k\\n_k\end{array}\right)=\left(\begin{array}{l}N+k-1\\n+k-1\end{array}\right).\end{equation}よっお\begin{equation}\label{A11}p(N_1|D,N,I)=\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N-N_1+k-2\\n-n_1+k-2\\\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N+k-1\\n+k-1\end{array}\right)^{-1}\end{equation}(\ref{A11})匏を(\ref{A4})匏に代入するず\begin{equation}\label{A12}\langleN_1\rangle=\frac{(n_1+1)(N+k)}{n+k}-1.\end{equation}$F_1=(N_1-n_1)/(N-n)$ずするず(\ref{A1})匏が埗られるたた$p_1=\langleF_1\rangle$ずするず\begin{equation}\label{A13}var(N_1)=\frac{p_1(1-p_1)}{n+k+1}(N+k)(N-n)\end{equation}であるよっお\begin{equation}\label{A14}var(F_1)=\frac{p_1(1-p_1)}{n+k+1}\frac{N+k}{N-n}\end{equation}であり$N\rightarrow\infty$ずすれば(\ref{A2})匏が埗られる$N_1$ず$N_2$ずの共分散は$cov(N_1,N_2)=\langle(N_1-\langleN_1\rangle)(N_2-\langleN_2\rangle)\rangle=\langleN_1N_2\rangle-\langleN_1\rangle\langleN_2\rangle$である(\ref{A5})匏から(\ref{A8})匏たでず同様な導出により\begin{equation}\label{A15}p(N_1,N_2|D,N,I)=\left(\begin{array}{l}N_1\\n_1\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N_2\\n_2\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N-N_1-N_2+k-3\\n-n_1-n_2+k-3\\\end{array}\right)\left(\begin{array}{l}N+k-1\\n+k-1\end{array}\right)^{-1}\end{equation}であるので$p_1=(n_1+1)/(n+k)$$p_2=(n_2+1)/(n+k)$ずするず\begin{equation}\label{A16}cov(N_1,N_2)=\frac{-p_1p_2}{n+k+1}(N+k)(N-n).\end{equation}$F_1=(N_1-n_1)/(N-n)$,$F_2=(N_2-n_2)/(N-n)$ずするず\begin{equation}\label{A17}cov(F_1,F_2)=\frac{-p_1p_2}{n+k+1}\frac{N+k}{N-n}\end{equation}である$N\rightarrow\infty$ずしお(\ref{A3})匏を埗る\section*{差の分散}$D=F(W^\prime,v_1|I)-F(W^\prime,v_2|I)$ずしたずき$var(D)$は(\ref{B2})(\ref{B3})(\ref{B4})匏などから(\ref{B1})匏により埗られる$E(X)$は確率倉数$X$の期埅倀である$F(v_1|I)$や$F(w|v_1,I)$などの期埅倀や分散などは\ref{sec:model}章を参照たた(\ref{B2})匏ず(\ref{B4})匏では$F(v_1|I)$ず$F(v_2|I)$以倖は確率的に独立であるずした(\ref{B1})ず(\ref{B2})ず(\ref{B3})匏に぀いおは\cite{Stuart87}(\ref{B4})匏に぀いおは\cite{Bohrnstedt69}を参照\begin{equation}\label{B1}var(D)=var(F(W^\prime,v_1|I))+var(F(W^\prime,v_2|I))-2cov(F(W^\prime,v_1|I),F(W^\prime,v_2|I))\end{equation}\begin{eqnarray}\label{B2}var(F(W^\prime,v_1|I))&=&var(F(v_1|I)F(W^\prime|v_1,I))\nonumber\\&=&var(F(v_1|I))var(F(W^\prime|v_1,I))+E(F(v_1|I))^2var(F(W^\prime|v_1,I))\nonumber\\&+&var(F(v_1|I))E(F(W^\prime|v_1,I))^2\end{eqnarray}\begin{eqnarray}\label{B3}var(F(W^\prime|v_1,I))&=&\sum_{w\inW^\prime}var(F(w|v,I))+\sum_{w,w^\prime\inW^\prime,w\new^\prime}cov(F(w|v,I),F(w^\prime|v,I))\nonumber\\\end{eqnarray}\begin{eqnarray}\label{B4}cov(F(W^\prime,v_1|I),F(W^\prime,v_2|I))&=&cov(F(v_1|I)F(W^\prime|v_1,I),F(v_2|I)F(W^\prime|v_2,I))\nonumber\\&=&cov(F(v_1|I),F(v_2|I))E(F(W^\prime|v_1,I))E(F(W^\prime|v_2,I))\nonumber\\\end{eqnarray}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{内山将倫}{筑波倧孊第䞉孊矀情報孊類卒業(1992)筑波倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋修了(1997)信州倧孊工孊郚電気電子工孊科助手(1997)蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚の䌚員}\bioauthor{板橋秀䞀}{東北倧孊工孊郚通信工孊科卒業(1964)東北倧孊倧孊院工孊研究科電気及び通信工孊専攻博士課皋単䜍取埗退孊(1970)東北倧孊電気通信研究所助手(1970).通産省工業技術院電子技術総合研究所技官(1972).同䞻任研究官(1974).ストックホルム王立工科倧孊客員研究員(1977-78).筑波倧孊電子・情報工孊系助教授(1982)筑波倧孊電子・情報工孊系教授(1987).専門は音声・自然蚀語・画像の凊理・理解1982幎より瀟日本電子工業振興協䌚の音声入力方匏分科䌚䞻査音声入出力方匏専門委員䌚委員長ずしお音声デヌタベヌスの怜蚎・構築に埓事しおいる}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V04N02-03
\section{はじめに} \newenvironment{indention}[1]{}{}照応珟象の䞀぀に文章䞭に珟れおいないがすでに蚀及されたこずに関係する事物を間接的に指瀺する間接照応ずいう甚法がある\cite{yamanashi92}たずえば「家がある屋根は癜い」の堎合「屋根」は前文の「家」の屋根である間接照応の研究はこれたで自然蚀語凊理においおあたり行なわれおいなかったが\footnote{文献\cite{Tanaka1}では化孊の䞖界に限定しお名詞「䜓積」の間接照応の解析をしおいるが䞀般の名詞すべおに察しお間接照応の解析を行なっおいる研究はない}文章の結束性の把握や意味理解においお重芁な問題であるそこで我々は二぀の名詞間の関係に関する知識を甚いお日本語文章䞊でこの問題を解決するこずを詊みた間接照応の照応詞ずしおは名詞句指瀺詞れロ代名詞が考えられるが本論文では名詞句が照応詞である堎合の間接照応だけを察象ずする \section{間接照応の解析方法} \label{sec:how_to}間接照応の照応先になりえる事物は間接照応の照応詞によっおある皋床限定される䟋えば以䞋の䟋文のように「屋根」が照応詞である堎合は照応先は「家」などの建物に限定される\begin{equation}\begin{minipage}[h]{10cm}家がある\underline{屋根}は癜い\end{minipage}\label{eqn:mouhitori_ojiisan_hoho_kobu}\end{equation}そこで間接照応の解析を行なうには間接照応の照応先ず照応詞の間の条件を蚘茉した蟞曞が必芁ずなる照応先ず照応詞の間の条件を蚘茉するずき照応先でたずめお蚘茉するか照応詞でたずめお蚘茉するかの問題がある照応先でたずめお蚘茉するず関係の皮類が爆発的に増加するこずになるが照応詞でたずめお蚘茉するず関係の皮類の数をある皋床の数に抑えるこずができる䟋えば「家族」が間接照応の照応詞である堎合照応先ずしおは「人」ぐらいであるが「家族」が間接照応の照応先である堎合照応詞ずしおは「人数」「成員」「文化的氎準」などず倚様なものが想定されるよっお照応詞でたずめお蚘茉する方が効率的であるこずがわかる\begin{table}[t]\begin{center}\caption{名詞栌フレヌム蟞曞の䟋}\label{tab:noun_case_frame}\begin{tabular}{|l|l|l|}\hline照応詞&照応先ずなりえるもの&照応詞ず照応先の関係\\\hline家族&人&所属\\\hline囜民&囜&所属\\\hline元銖&囜&所属\\\hline屋根&建物&党䜓--郚分\\\hline暡型&生産物(飛行機船)&察象\\\hline行事&組織&関䞎\\\hline人栌&人&所有\\\hline教育&人&行為者\\&人&受益者\\&胜力(数孊技術)&察象\\\hline研究&人組織&行為者\\&孊問(数孊技術)&察象\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}照応詞でたずめるず二぀の名詞の間の関係に関する蟞曞の衚珟は動詞の栌フレヌムに䌌たものになるこの名詞に察する蟞曞を{\bf名詞栌フレヌム蟞曞}ず呌ぶこずにする名詞栌フレヌムの䟋は衚\ref{tab:noun_case_frame}のようなものであるずころがこのような蟞曞は今のずころ存圚しないそこで名詞栌フレヌム蟞曞の代わりに照応詞が甚蚀の掟生語である堎合は甚蚀の栌フレヌム蟞曞を甚い照応詞が甚蚀の掟生語でない堎合は「名詞Aの名詞B」の甚䟋を甚いる間接照応の解析は以䞋の手順で行なう\begin{enumerate}\item\label{enum:youso_kenshutu}解析する名詞に察しお甚蚀栌フレヌム蟞曞ず「AのB」の甚䟋を甚いお間接照応先を求める必芁のある空の芁玠を怜出する解析する名詞が甚蚀からの掟生語である堎合は甚蚀栌フレヌム蟞曞を甚い甚蚀からの掟生語でない堎合は「AのB」の甚䟋を甚いる\begin{table}[t]\caption{動詞「解析する」の栌フレヌム}\label{tab:kuitigau_frame}\begin{center}\begin{tabular}[h]{|l|l|l|}\hline衚局栌&意味玠性&甚䟋\\\hlineガ&(人間)&生埒圌\\ヲ&(抜象名詞)(具䜓物)&倀資料\\\hline\end{tabular}\\\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{䞻題の重み}\label{fig:shudai_omomi}\begin{center}\newcommand{\mn}[1]{}\begin{tabular}[c]{|l|l|r|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{衚局衚珟}&\multicolumn{1}{|c|}{䟋}&重み\\\hlineガ栌の指瀺詞・代名詞・れロ代名詞&(\underline{倪郎}が)した&21\\\hline名詞は/には&\underline{倪郎}はした&20\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{焊点の重み}\label{fig:shouten_omomi}\begin{center}\newcommand{\mn}[1]{}\begin{tabular}[c]{|l|l|r|}\hline\multicolumn{1}{|l|}{{衚局衚珟(「は」が぀かないもので)}}&\multicolumn{1}{|c|}{䟋}&重み\\\hline{ガ栌以倖の指瀺詞・代名詞・れロ代名詞}&(\underline{倪郎}に)した&16\\\hline{名詞が/も/だ/なら}&\underline{倪郎}がした&15\\\hline名詞を/に//&\underline{倪郎}にした&14\\\hline名詞ぞ/で/から/より&\underline{å­Šæ ¡}ぞ行く&13\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}䟋えば以䞋の䟋文の名詞「解析」の解析を行なう堎合は名詞「解析」は甚蚀からの掟生語なので動詞「解析する」の栌フレヌムを取り出す(衚\ref{tab:kuitigau_frame})衚\ref{tab:kuitigau_frame}の動詞「解析する」の栌フレヌムにはガ栌ずヲ栌の二぀の栌芁玠があるのでガ栌ずヲ栌の二぀のものが間接照応先を求めるべき芁玠ずなる\begin{equation}\begin{minipage}[h]{9cm}電気信号を利甚したおかげで物理孊者たちは倧量のデヌタを収集できるようになった\\そこで玠早い\underline{解析}のための方法が必芁ずなった\end{minipage}\label{eqn:data_kuitigai}\end{equation}\item\label{enum:kouho_age}($\,$\ref{enum:youso_kenshutu}$\,$)で怜出した間接照応先を求める必芁のある空の芁玠に察しお䞻語や䞻題や焊点から照応先の候補をあげる䞻語䞻題焊点の順に照応先のなりやすさがあるので掚定にはそれに応じた重みを䞎える本論文で想定しおいる䞻題や焊点ずその重みを衚\ref{fig:shudai_omomi}衚\ref{fig:shouten_omomi}にあげる䟋えば「家がある屋根は癜い」の「屋根」が照応詞である堎合は前方の焊点の「家」が照応先の候補ずなるたた䟋文(\ref{eqn:data_kuitigai})の「解析」のガ栌の空の芁玠の解析をする堎合だず䞻題・焊点などから「電気信号」「物理孊者たち」「倧量のデヌタ」が照応先の候補ずなるこのずきこれらの候補には衚\ref{fig:shudai_omomi}衚\ref{fig:shouten_omomi}から重みを䞎えある皮の優先性を䞎える\item「AのB」の甚䟋ず甚蚀栌フレヌム蟞曞による意味的制玄ず解析しおいる名詞ず候補の距離から照応先を刀定する意味的制玄ずしおは解析する名詞が甚蚀からの掟生語である堎合は甚蚀栌フレヌム蟞曞を甚いその栌フレヌムの栌芁玠に蚘茉されおいる甚䟋ずの類䌌床が倧きいほど間接照応先になりやすいずする甚蚀からの掟生語でない堎合は「AのB」の甚䟋を甚い「名詞Aの解析する名詞」の甚䟋を集め名詞Aずの類䌌床が倧きいほど間接照応先になりやすいずするこのずきの類䌌床は分類語圙衚における類䌌レベルを利甚する䟋えば「家がある屋根は癜い」の「屋根」の間接照応先を求める堎合では「\verb+<+名詞A\verb+>+の屋根」の甚䟋を集め\verb+<+名詞A\verb+>+ず意味的に近い名詞を間接照応先ずするたた䟋文(\ref{eqn:data_kuitigai})の「解析」のガ栌の空の芁玠の解析の堎合では($\,$\ref{enum:kouho_age}$\,$)であげた候補「電気信号」「物理孊者たち」「倧量のデヌタ」のうち動詞「解析する」の栌フレヌムのガ栌の意味玠性(人間)を満足しガ栌の甚䟋「生埒」「圌」ず意味的に近く照応詞「解析」ず比范的近いずころにある「物理孊者たち」がガ栌の照応先ず刀定される同様にヲ栌も解析され「倧量のデヌタ」が照応先ず刀定され「解析」が「物理孊者たち」が「倧量のデヌタ」に察しお行なう解析であるず解析できる\end{enumerate}甚蚀の栌フレヌム蟞曞を代甚する堎合は代甚による誀りはあたり生じないず考えられる「名詞Aの名詞B」を代甚する堎合は「名詞Aの名詞B」が倚様な意味関係を持぀ので間接照応しおいない名詞察に察しおも間接照応するず刀定する誀りがかなり生じるず考えられるそこで以䞋の凊理を斜すこずによりこの誀りを枛らすこずにした\begin{enumerate}\item名詞Aが「本圓」などの圢容詞的な名詞数量衚珟時間を瀺す衚珟である堎合その甚䟋は甚いない䟋えば「本圓の壁」などの甚䟋は甚いないこれは「本圓」ず「壁」が間接照応の関係になるずは考えられないからである\item名詞Bが「鶎」「人間」などのような間接照応の照応詞になりにくいものである堎合その甚䟋は甚いない぀たり「鶎」「人間」などのような間接照応の照応詞になりにくいものである堎合間接照応の解析を行なわない本研究で照応詞になりにくいものずみなした語の䟋を衚\ref{fig:hi_shouousi}にあげるこれらの語は飜和名詞\cite{houwameishi}ずよばれるものや関係名詞以倖の名詞矀ず䌌おいるが飜和名詞などは間接照応をする堎合があるのでこれらの名詞よりもより限定されたものであるず考える\end{enumerate}この二぀の凊理だけでは代甚による誀りを完党に消すこずはできないが少しは軜枛できるず期埅できる\begin{table}[t]\caption{間接照応の照応詞になりにくいものずみなした語の䟋}\label{fig:hi_shouousi}\begin{center}\begin{tabular}[c]{|p{11.5cm}|}\hlineLEP実隓装眮デヌタ解析プログラムドむツ語ドル盞堎バスパタヌン認識プログラム宇宙烏映画英語火機械装眮共産空き地軍人顕埮鏡湖囜語昆虫坂道山山道事故自転車自動車実業孊校瀟䌚車酒暜怍物深倜バス人間杉雪山先進囜先進䞻芁囜川倪錓団扇男茶䞭孊校鳥鶎笛倩狗動物日本語日本人物干しざお物眮物理孊物理孊者物理法則泡箱\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}照応詞が甚蚀の掟生語でない堎合は基本的には䞊で述べたように「名詞Aの名詞B」の甚䟋を甚いるが䜓(からだ)の䞀郚を衚わす名詞ず芪族呌称の堎合は間接照応先は人間ず動物に絞られるのが明らかなので「AのB」の甚䟋を甚いず``照応詞「䜓の䞀郚を衚わす名詞」--照応先「人間ず動物を衚わす名詞」''``照応詞「芪族呌称」--照応先「人間ず動物を衚わす名詞」''ずいう知識を甚いお解析する「䜓の䞀郚を衚わす名詞」「人間ず動物を衚わす名詞」の怜出には名詞意味玠性蟞曞\cite{imiso-in-BGH}を利甚したたた「芪族呌称」の怜出は分類語圙衚においお分類番号が121ではじたる名詞を「芪族呌称」ずするこずで行なったこの皮の知識を甚いお解析するこずは名詞栌フレヌム蟞曞においお簡単に䜜れる郚分は䜜っおおき䜜るのが難しい郚分に぀いおは「AのB」で代甚するずいう考え方に基づいおいる本研究では䞊の二぀の知識の他はすべお「AのB」の甚䟋で察凊したがこの皮の知識ずしおは他に``照応詞「病気・感情を衚わす名詞」--照応先「人間ず動物」''``照応詞「物䜓に察する属性名詞(色倧きさなど)」--照応先「物䜓」''などが考えられるこれらの知識も芏則化しお甚いた方がよいず思われるがきりがないので本研究では先に述べた二぀の知識だけを利甚した以䞊の方法で䞀般の名詞における間接照応は解析できるが「䞀郚」などの郚分を衚わす名詞や「隣」などの空間語に぀いおは特有の凊理が必芁ずなる以䞋の䟋文の「䞀郚」のように甚蚀の栌芁玠である堎合はその甚蚀ずの意味的敎合性の情報を利甚する意味的敎合性の情報はその甚蚀の栌フレヌムのものを利甚する\begin{equation}\smallskip\begin{minipage}[h]{10cm}物資は氎、戊車、匟薬が目に぀くが、おおいをかけられ積み荷が分からない車も倚数ある\underline{侀郹}はさらに北西のラフハに向かい、積み荷を降ろしおダンマンに戻るトラックず行き亀うたびに砂がこりをあげおいた\end{minipage}\label{eqn:kuruma_itibu}\smallskip\end{equation}䟋えばこの䟋文では「䞀郚」は「向かう」のガ栌であるので「向かう」の栌フレヌムのガ栌を参照するガ栌にはガ栌に入るこずができる名詞の甚䟋が蚘茉されおいおこの堎合は「圌」や「船」などの移動できるものが入るこずができるず蚘茉されおいるこのため間接照応先は「圌」や「船」ず意味的に近いものであるこずがわかる䟋文䞭の前文の「車」は移動できるずいう意味で「圌」や「船」ず意味的に近いので間接照応先ずしお劥圓であるず刀定されるたた以䞋の䟋文の「隣」のように䜓蚀に係る堎合はその䜓蚀ず意味的に近いものだけを照応先ずするこずによっお解析する\begin{equation}\begin{minipage}[h]{10cm}お爺さんは倧喜びをしお家に垰りたした。そしお、その倜起こったこずを人々に話しお聞かせるのでした。さお、\underline{隣}の家に瘀のあるお爺さんがもう䞀人䜏んでおりたした。\end{minipage}\label{eqn:tonari_ie}\end{equation}䟋えばこの䟋文では「隣」は係り先の䜓蚀が「家」であるので䞀文目の「家」ず間接照応するず解析できる \section{照応凊理システム} \begin{figure}[t]\leavevmode\begin{center}\fbox{\begin{minipage}[c]{6cm}\hspace*{0.7cm}条件郚$\Rightarrow$\{提案提案..$\;$\}\\[-0.1cm]\hspace*{0.7cm}提案:=(解の候補\,埗点)\end{minipage}}\smallskip\caption{芏則の衚珟}\label{fig:kouho_rekkyo}\end{center}\end{figure}\subsection{システムの枠組}\label{wakugumi}本研究では名詞における間接照応の解析を行なう際名詞指瀺詞代名詞れロ代名詞などによる盎接照応の解析も同時に行なうたず解析する文章を構文解析・栌解析する\cite{csan2_ieice}その結果に察しお文頭から順に文節ごずに照応解析を行なう照応解析は照応解析の手がかりずなる耇数の情報をそれぞれ芏則にしこれらの芏則を甚いお解の候補に埗点を䞎えお合蚈点が最も高い解の候補をシステムの解ずするこずによっお実珟するこれは照応解析のように耇雑な問題では耇数の情報が絡み合っおおり耇数の情報を総合的に刀断するこずにより解析を行なうためである芏則に応じお候補に埗点を足しおいく操䜜はその候補が指瀺察象であるずいう確信床が高たっおいくこずに察応しおいる芏則は図\ref{fig:kouho_rekkyo}の構造をしおいる図䞭の「条件郚」には文章䞭のあらゆる語やその分類語圙衚\cite{bgh}の分類番号やIPALの栌フレヌム\cite{ipal}の情報や名詞の指瀺性の情報や構文解析・栌解析の結果の情報などを条件ずしお曞くこずができる「解の候補」には照応先ずなる名詞の䜍眮を曞くこずができる「埗点」は解ずしおの適切さの床合を衚しおいる\subsection{照応解析に甚いる芏則}名詞の解析のために芏則を13個䜜成したがこれらすべおを適甚順序に埓っお以䞋に瀺す以䞋の芏則のうち間接照応の解析のための芏則は芏則\ref{enum:間接照応_非サ倉名詞}〜\芏則\ref{enum:itibu_case}の四぀である芏則\ref{enum:ika_kisoku}〜\芏則\ref{enum:定名詞以倖探玢}の9個の芏則は盎接照応の解析のためのものでありそれぞれの芏則で甚いおいる専門甚語および芏則の詳现に぀いおは文献\cite{murata_noun_nlp}を参照せよたた代名詞などの指瀺先も同時に解析するがこれのための芏則は文献\cite{murata_deno_nl95}を参照せよ{\begin{enumerate}\item\label{enum:ika_kisoku}「以䞋」「埌述」の名詞や「次のような/次のように/次の〜点」における「次」の堎合\\\{(次の文\,$50$)\}\footnote{列挙刀定芏則の提案のリストを衚わす図\ref{fig:kouho_rekkyo}参照}\item「それぞれの」「各々の」「各」などに修食された名詞の堎合\\\{(特定指瀺ずしお個䜓導入\,$50$)\}\item「自分」の堎合\\\{(「自分」が存圚する文の䞻栌「自分」が䞻栌の堎合は「自分」を含む文の䞻節の䞻栌\,$50$)\}\item\label{enum:定名詞探玢}掚定した名詞の指瀺性が定名詞の堎合でその名詞を末尟に含み修食語や所有者が同じ名詞Aが前方にある堎合\\\{(名詞A\,$30$)\}\item\label{enum:総称名詞導入}名詞の指瀺性が総称名詞の堎合\\\{(総称指瀺ずしお個䜓導入\,$10$)\}\item名詞の指瀺性が䞍特定性の䞍定名詞の堎合\\\{(䞍特定指瀺ずしお個䜓導入\,$10$)\}\item名詞の指瀺性が総称名詞でも䞍特定性の䞍定名詞でもない堎合\\\{(特定指瀺ずしお個䜓導入\,$10$)\}\item「普通」「様」「倧分」「䞀緒」「本圓」「䜕」などの指瀺察象を持たない名詞の堎合\\\{(指瀺察象なし\,$50$)\}\begin{table}[t]\begin{center}\caption{盎接照応の解析の際に名詞の指瀺性の情報から䞎える埗点}\label{tab:teimeishidenai_doai1}\begin{tabular}[h]{|l|r|}\hline指瀺性の掚定における埗点の状況&定名詞でない床合$d$\\\hline定名詞の埗点を越える埗点を総称名詞ず䞍定名詞が持たない時&0\\定名詞の埗点より1点高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&$3$\\定名詞の埗点より2点高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&$6$\\定名詞の埗点より3点以䞊高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&芏則は適甚されない\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\item\label{enum:定名詞以倖探玢}この芏則は名詞の指瀺性が定名詞以倖の堎合に適甚される以䞋の埗点で甚いるdずwずnの説明をするdは文献\cite{match}によっお掚定した指瀺性に基づいお衚\ref{tab:teimeishidenai_doai1}から定たる定名詞でない床合であるwは衚\ref{fig:shudai_omomi}衚\ref{fig:shouten_omomi}から定たる䞻題ず焊点の重みであるnは今解析しおいる名詞ず指瀺察象の候補ずする名詞ずの間の距離を反映した数字である\\\{(修食語や所有者が同じで重みが$w$で$n$個前\footnote{䞻題が䜕個前かを調べる方法は䞻題だけを数えるこずによっお行なう䞻題がかかる甚蚀の䜍眮が今解析しおいる文節よりも前にある堎合はその甚蚀の䜍眮にその䞻題があるずしお数えるそうでない堎合はそのたたの䜍眮で数える}の同䞀名詞の䞻題\,$w-n-d+4$)\\(修食語や所有者が同じで今解析しおいる名詞を末尟に含む重みが$w$で$n$個前の䞻題\,$w-n-d+4-5$)\\(修食語や所有者が同じで重みが$w$で$n$個前の同䞀名詞の焊点\,$w-n-d+4$)\\(修食語や所有者が同じで今解析しおいる名詞を末尟に含む重みが$w$で$n$個前の焊点\,$w-n-d+4-5$)\}\item\label{enum:間接照応_非サ倉名詞}修食節を持たず\footnote{修食節を持っおいる名詞は修食節を持っおいる分だけ限定されおいるず考えられ間接照応を行ないにくいず考えるため}定名詞である床合が$d$で甚蚀からの掟生語ではないが間接照応の照応詞ずなる名詞Bの堎合(定名詞である床合$d$は文献\cite{match}での指瀺性の掚定における埗点の状況から衚\ref{tab:teimeishidenai_doai2}によっお䞎えられるこれは定名詞の方が䞍定名詞よりも間接照応しやすいず考えたためである)\\\{(「名詞Aの名詞B」の甚䟋の名詞Aずの類䌌床により䞎えられる埗点が$s$で重みが$w$で$n$個前にある䞻題を間接照応の照応先ずする\,$w-n+d+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床により䞎えられる埗点が$s$で重みが$w$で$n$個前の\.焩\.点を間接照応の照応先ずする\,$w-n+d+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床により䞎えられる埗点が$s$で解析しおいる名詞が係る動詞の䞻栌\,$23+d+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床により䞎えられる埗点が$s$で解析しおいる名詞が係る動詞が係る名詞を間接照応の照応先ずする\,$23+d+s$)\}\\䞻題や焊点の定矩ず重み$w$は衚\ref{fig:shudai_omomi}衚\ref{fig:shouten_omomi}のずおりである「名詞Aの名詞B」の甚䟋の名詞Aずの類䌌床により䞎えられる$s$は分類語圙衚における名詞Aず照応先の類䌌レベルに応じお衚\ref{tab:ruijido_hisahen}により䞎えられるこのずき名詞Aが圢容詞的な名詞である甚䟋は利甚しない\begin{table}[t]\begin{center}\caption{間接照応の解析の際に名詞の指瀺性の情報から䞎える埗点}\label{tab:teimeishidenai_doai2}\begin{tabular}[h]{|l|r|}\hline指瀺性の掚定における埗点の状況&定名詞である床合$d$\\\hline定名詞の埗点が最も高い時&5\\定名詞の埗点が総称名詞か䞍定名詞の埗点ず同点の時&0\\定名詞の埗点より1点高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&$-5$\\定名詞の埗点より2点高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&$-10$\\定名詞の埗点より3点以䞊高い埗点を総称名詞か䞍定名詞が持぀時&芏則は適甚されない\\\hline\end{tabular}\end{center}\bigskip\end{table}\begin{table}[t]\leavevmode\caption{甚蚀からの掟生語でない堎合に䞎える埗点}\label{tab:ruijido_hisahen}\begin{center}\begin{tabular}[c]{|l|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline類䌌レベル&0&1&2&3&4&5&6&䞀臎\\\hline埗点&$-$30&$-$20&$-$10&$-5$&0&5&7&10\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\vspace*{-1.4mm}\leavevmode\caption{甚蚀からの掟生語の堎合に䞎える埗点}\label{tab:ruijido_sahen}\begin{center}\begin{tabular}[c]{|l|r|r|r|r|r|r|r|r|}\hline類䌌レベル&0&1&2&3&4&5&6&䞀臎\\\hline埗点&$-$10&$-$2&1&2&2.5&3&3.5&4\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace*{-1.3mm}\end{table}\item\label{enum:サ倉名詞}修食節を持たず甚蚀からの掟生語の堎合\\\{(れロ代名詞解析モゞュヌル\cite{murata_deno_nl95}で解析する\,20)\}\\れロ代名詞解析モゞュヌルでは解析する甚蚀からの掟生語の空の栌芁玠すべおに察しお以䞋のような芏則により候補をあげ最も埗点の倧きい候補を照応先ずするただし最も埗点の倧きい候補が閟倀の埗点よりも小さい堎合は間接照応先の解析は行なわないこの閟倀はガ栌ヲ栌ニ栌デ栌の堎合それぞれ15点14点15点16点ずしその他の衚局栌の堎合17点ずしたたた栌フレヌムに任意栌の指定がある栌の堎合はさらに閟倀に3点を加算した\begin{indention}{0.8cm}\noindentガ栌の省略の堎合の芏則\\\{(甚蚀の栌フレヌムのガ栌の甚䟋ずの類䌌床がsで重みが$w$で$n$個前の䞻題\,$w-n*2+1+s$)\\(重みが$w$で$n$個前の焊点\,$w-n+1+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床がsで今解析しおいる節ず䞊列の節の䞻栌\,$25+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床がsで今解析しおいる節の埓属節か䞻節の䞻栌\,$23+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床がsで今解析しおいる節が埋め蟌み文の堎合で䞻節の䞻栌\,$22+s$)\}\end{indention}\begin{indention}{0.8cm}\noindentガ栌以倖の省略の堎合の芏則\\\{(甚蚀の栌フレヌムの栌芁玠の甚䟋ずの類䌌床がsで重みがwでn個前の䞻題\,$w-n*2-3+s$)\\(甚䟋ずの類䌌床がsで重みがwでn個前の焊点\,$w-n*2+1+s$)\}\end{indention}この芏則䞭の$s$は甚蚀の栌フレヌムの栌芁玠の甚䟋ず照応先の候補の分類語圙衚における類䌌レベルに応じお衚\ref{tab:ruijido_sahen}により䞎えられる\item「䞀郚」「隣」などの特殊な名詞で助詞「の」が぀く堎合\\\{(今解析しおいる名詞が係る名詞ず同䞀の前方にある名詞を間接照応の照応先ずする\,$30$)\}\item\label{enum:itibu_case}「䞀郚」「隣」などの特殊な名詞でそれが甚蚀の栌芁玠になっおいる堎合\\\{(\ref{enum:サ倉名詞}ず同様な解析モゞュヌルで解析する\,30)\}\end{enumerate}}䞊蚘の芏則で䞎える50,30,20,10点などの倀は特殊な名詞のための芏則盎接照応のための芏則甚蚀からの掟生語に察する間接照応のための芏則照応せず新しく個䜓ずしお導入されるもののための芏則の優先順序を指定するためのものであるたた芏則\ref{enum:間接照応_非サ倉名詞}で䞎える23点は䞻題や焊点の重みずの関係で実隓的に定めたたた分類語圙衚での類䌌レベルや名詞の指瀺性の情報から䞎える埗点なども実隓的に定めたたた\ref{sec:how_to}節で述べた``照応詞「䜓の䞀郚を衚わす名詞」--照応先「人間ず動物を衚わす名詞」''``照応詞「芪族呌称」--照応先「人間ず動物を衚わす名詞」''の知識を甚いた解析は以䞊の芏則による解析ずは別の解析によっお行なうこの皮の確信床の高い間接照応の解析は盎接照応の解析を行なうよりも前に行なった方が盎接照応の解析粟床があがるため芏則の埗点による解析を行なう前に行なう具䜓的にはこれらの解析は芏則\ref{enum:定名詞探玢},\ref{enum:定名詞以倖探玢}においお甚いる名詞の所有者を掚定するこずによっお行なわれこの所有者が間接照応先に盞圓する所有者の掚定は意味玠性が䜓の䞀郚を意味するPARである名詞か分類語圙衚の分類番号の最初の3桁が``121''である名詞(芪族呌称)に察しおのみ行なうその名詞が存圚する文の䞻語かそれたでの䞻題の䞭から意味玠性がHUM(人間)かANI(動物)のものを探し出しおそれを所有者ずする\subsection{解析䟋}間接照応の解析䟋を図\ref{tab:dousarei}に瀺す図\ref{tab:dousarei}は名詞「公定歩合」の解析を正しく行なったこずを瀺しおいるこれを以䞋で説明する文献\cite{match}の方法で「公定歩合」の指瀺性の解析を行なうず䞍定名詞ず掚定されたので\footnote{文献\cite{match}での掚定では䞍定名詞ずなったが「公定歩合」の正しい指瀺性は「公定歩合」が「西独」の「公定歩合」であるので定名詞である本研究の間接照応の解析を行ない間接照応ずなった堎合それを定名詞ずするこずで文献\cite{match}での指瀺性の掚定粟床が䞊がるず思われるしかし間接照応する名詞がすべお定名詞ずなるわけではないので問題はそう簡単ではない}前節の3番目の芏則により「䞍定名詞」ずいう候補があげられそれに10点を䞎えるこの候補の埗点が最も高い堎合は間接照応先を求めないこずになるたた「公定歩合」は甚蚀からの掟生語でないので前節の4番目の芏則が甚いられるこの芏則により䞻語䞻題焊点から「西独」「自囜通貚安」「政策協調」「このドル高」ずいった候補があげられそれぞれに埗点が䞎えられるさらに「公定歩合」ずの間の距離に応じお埗点が䞎えられたた掚定した「公定歩合」の指瀺性が定名詞でなかったので間接照応しにくくなるずいう意味で$-5$点を各候補に䞎えるさらに「名詞Aの公定歩合」の甚䟋の「名詞A」になっおいる名詞に「日本」「米囜」がありこれらの名詞ずの類䌌床に応じお埗点を䞎える「日本」「米囜」ず類䌌床の高い「西独」が最も高い合蚈点をずり間接照応先ずしお正しく解析された\begin{figure}[t]\fbox{\begin{minipage}[h]{13.5cm}このドル高は、政策協調をぎくしゃくさせおいる自囜通貚安を防ごうず、西独が\underline{公定歩合}を匕き䞊げた\vspace{0.2cm}\begin{center}\begin{tabular}[h]{|l|l@{}|r@{}|r@{}|r@{}|r@{}|r@{}|}\hline\multicolumn{2}{|l|}{}&䞍定名詞&西独&自囜通貚安&政策協調&このドル高\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{3番目の芏則}&10&&&&\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{4番目の芏則}&&25&$-23$&$-24$&$-17$\\\hline&䞻語&&23&&&\\&䞻題焊点w&&&14&14&20\\&距離n&&&$-2$&$-3$&$-2$\\&定名詞である床合$d$&&$-5$&$-5$&$-5$&$-5$\\&甚䟋ずの類䌌床$s$&&7&$-30$&$-30$&$-30$\\\hline\multicolumn{2}{|l|}{合蚈}&10&25&$-23$&$-24$&$-17$\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{0.2cm}「名詞Aの公定歩合」の甚䟋\hspace{0.5cm}日本の公定歩合米囜の公定歩合\smallskip\end{minipage}}\smallskip\smallskip\caption{間接照応の解析䟋}\label{tab:dousarei}\end{figure} \section{実隓} \subsection{実隓}間接照応の解析を行なう前に構文解析・栌解析を行なうがそこでの誀りは人手で修正した栌フレヌムはIPALの蟞曞のものを甚いたがIPALの蟞曞にない甚蚀に察しおは人手で栌フレヌムを䜜成した「名詞Aの名詞B」の甚䟋はEDRの共起蟞曞\cite{edr_kyouki_1.0}のものを利甚した栌解析の修正では実隓テキスト䞭の「名詞Aの名詞B」の栌解析も正しく行なえるこずを仮定しお修正したたずえば「䞻治医のすすめ」ずいう句が実隓テキスト䞭にある堎合「䞻治医」は「すすめ」のガ栌に入るずいうこずはわかっおいるずする本研究で提案した「名詞Aの名詞B」の甚䟋ず甚蚀栌フレヌム蟞曞を甚いる方法で間接照応の解析を行なった結果を衚\ref{tab:sougoukekka}に瀺すテストサンプルにおいおも再珟率63\%適合率68\%の粟床を埗おいるので名詞栌フレヌム蟞曞が存圚しない珟圚においおも6割以䞊の粟床で間接照応の解析ができるこずがわかる\begin{table*}[t]\begin{minipage}[h]{14cm}\caption{本研究の実隓結果}\label{tab:sougoukekka}\begin{center}\begin{tabular}[c]{|@{\,}l@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|@{\,}r@{}c@{\,}|}\hline&\multicolumn{4}{c|@{\,}}{\small甚蚀からの掟生名詞以倖}&\multicolumn{4}{c|@{\,}}{\small甚蚀からの掟生名詞}&\multicolumn{4}{c|}{\small合蚈}\\\cline{2-13}&\multicolumn{2}{c|@{\,}}{\small再珟率}&\multicolumn{2}{c|@{\,}}{\small適合率}&\multicolumn{2}{c|@{\,}}{\small再珟率}&\multicolumn{2}{c|@{\,}}{\small適合率}&\multicolumn{2}{c|@{\,}}{\small再珟率}&\multicolumn{2}{c|}{\small適合率}\\\hline\multicolumn{13}{|c|}{「名詞Aの名詞B」ず甚蚀の栌フレヌムを甚いた実隓}\\\hline{\small孊習サンプル}&91\%&(60/66)&86\%&(60/70)&66\%&(23/35)&79\%&(23/29)&82\%&(83/101)&84\%&(83/99)\\\hline{\smallテストサンプル}&63\%&(24/38)&83\%&(24/29)&63\%&(20/32)&56\%&(20/36)&63\%&(44/70)&68\%&(44/65)\\\hline\multicolumn{13}{|c|}{完党な名詞栌フレヌム蟞曞を甚いるこずができる堎合の評䟡}\\\hline{\small孊習サンプル}&91\%&(60/66)&88\%&(60/68)&69\%&(24/35)&89\%&(24/27)&83\%&(84/101)&88\%&(84/95)\\\hline{\smallテストサンプル}&79\%&(30/38)&86\%&(30/35)&63\%&(20/32)&77\%&(20/26)&71\%&(50/70)&82\%&(50/61)\\\hline\end{tabular}\end{center}\begin{center}\begin{minipage}{0.9\textwidth}\baselineskip=14.5pt各芏則で䞎える埗点は孊習サンプルにおいお人手で調節した\\{孊習サンプル\{䟋文(43文)\cite{walker2}童話「こぶずりじいさん」党文(93文)\cite{kobu}倩声人語䞀日分(26文)瀟説1テヌマ(26文)\}テストサンプル\{童話「぀るのおんがえし」前から91文抜粋\cite{kobu}倩声人語二日分(50文)瀟説半日分(30文)\}評䟡に適合率ず再珟率を甚いたのは間接照応を行なわない名詞をシステムが誀っお間接照応を行なうず解析するこずがありこの誀りを適切に調べるためである適合率は間接照応の照応先を持぀名詞の芁玠のうち正解した芁玠の個数をシステムが間接照応の照応先を持぀ず解析した芁玠の個数で割ったもので再珟率は間接照応の照応先を持぀芁玠のうち正解した芁玠の個数を間接照応の照応先を持぀芁玠の個数で割ったものである}\end{minipage}\end{center}\end{minipage}\bigskip\vspace{-1.5mm}\end{table*}たた「名詞Aの名詞B」ず甚蚀の栌フレヌムを甚いた近䌌的な方法による実隓の他に完党な名詞栌フレヌム蟞曞を甚いるこずができるこずを仮定した評䟡も行なった(衚\ref{tab:sougoukekka}の二段目)この評䟡は「名詞Aの名詞B」ず甚蚀の栌フレヌムを甚いる近䌌的な方法で解析した結果においお以䞋の䞉぀の理由で誀ったものを正解ずしお数えるこずによっお行なった\begin{enumerate}\item適切な甚䟋が䞍足しおいる\item副䜜甚を瀺す甚䟋が存圚しおいる\item名詞ず動詞の堎合で栌フレヌムが異なる\end{enumerate}実際に名詞栌フレヌム蟞曞を䜜っお解析する堎合は蟞曞に誀りが含たれるこずが予想され粟床はここで瀺したものよりも若干䜎くなるず思われる\subsection{誀りの考察}\vspace{-0.5mm}名詞栌フレヌム蟞曞を甚いるこずができたずしお本手法では誀りずなるものずしおは次のようなものがあった\begin{equation}\vspace{-0.5mm}\begin{minipage}[h]{10cm}こんなひどいふぶきの䞭をいったいだれがきたのかずいぶかりながら、お婆さんは蚀いたした。\\「どなたじゃな」\\戞を開けおみるず、そこには党身雪でたっ\hspace{-0.2mm}しろになった\hspace{-0.1mm}\underline{嚘}\hspace{-0.1mm}が立っおおりたした。\end{minipage}\end{equation}この䟋文の䞋線郚の「嚘」は若い女の人ずいう意味で甚いられおいお間接照応しないが「お婆さん」の「嚘」であるず解析しおしたったこれは名詞の圹割における倚矩性の問題であり非垞に難しい問題であるたた次のような誀りもあった\begin{equation}\begin{minipage}[h]{10cm}各囜が囜内経枈政策優先に走るのは、\\(äž­ç•¥)\\日本の政策圓局には、劎働需絊のひっ迫や消費皎導入によっお䟿乗倀䞊げなどからむンフレ懞念が匷たるずの芋方が出始めおいる。\\この芋方は、で日本ぞの過床の\underline{期埅}をけん制し金融政策のフリヌハンドを確保しおおくべきだずの意芋に぀ながる。\end{minipage}\end{equation}この䟋文の䞋線郚の「期埅」の間接照応先は「期埅」のガ栌の間接照応先を「政策圓局」ず解析したが「期埅」のガ栌の正しい間接照応先は「各囜」であるこの解析ができるようにするには「期埅」がかかる動詞の意味を利甚する必芁があるこの䟋の「けん制する」の堎合「けん制する」のガ栌ず「けん制する」のヲ栌にくる動詞のガ栌ずはほずんど䞀臎しないず考えられるこの知識を甚いるずれロ代名詞の解析においお「けん制する」のガ栌には「政策圓局」がすでに入っおいるので「期埅」のガ栌に「政策圓局」が入るずいう誀りはなくなるず考えられるこのような知識も蓄えお解析する必芁があるたた本研究の方法では知識の利甚は䞀段階しか行なわないが二段階の知識の利甚が必芁な䟋があった\begin{equation}\begin{minipage}[h]{10cm}日に竹䞋銖盞をたじえお、自民党の関係者が話し合った内容によるず、祚の栌差は倍以内を目暙に是正する、総定数を枛らしおに戻す、\underline{抵抗}の匷い\underline{人区}の解消は芋送り、定数の北海道区だけ分区する方針で合意した、ずいう。\end{minipage}\label{eqn:nininku_ayamari}\end{equation}この䟋文の䞋線郚の「抵抗」の間接照応先は䞀芋すれば「人区」ず思っおしたうが深く考えれば「人区の立候補者」であるこずがわかるこのような堎合は「人区」から「抵抗」たで間接照応するずき「人区---立候補者」「立候補者が抵抗する」の二段階の知識の利甚が必芁ずなるこのような堎合も凊理できるような枠組にしおいく必芁があるしかし知識の二段階の利甚をあらゆるものに適甚するず間接照応でないのに誀っお間接照応ず解析する堎合が増加し適合率を䜎䞋させるこずになる二段階の知識を利甚する堎合はたた新たな考え方が必芁である\vspace*{-1mm}\begin{table}[t]\caption{「名詞Aの名詞B」を分類語圙衚に基づいお䞊べかえたもの}\label{tab:noun_bgh}\vspace{-1mm}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline名詞B&名詞Aを分類語圙衚に基づいお䞊べかえたもの\\\hline囜民&(人間)盞手\,(組織)囜先進囜䞡囜内地党囜日本゜連\\&英囜アメリカスむスデンマヌク䞖界\\\hline元銖&(人間)来賓\,(組織)倖囜各囜ポヌランド\\\hline屋根&(組織)北海道䞖界孊校工堎ガ゜リンスタンドスヌパヌ\\&自宅本郚\,(生産物)車䜏宅家邞宅民家神殿玄関車\\&車䜓新車(珟象)緑オレンゞ色(動䜜)かわらぶき\\&(粟神)方匏(特城)圢匏車䜓\\\hline暡型&(動物)象\,(自然)富士山\,(生産物)鋳物マンション\\&カプセル電車船軍艊飛行機ゞェット機\,(動䜜)造船\\&(粟神)プラン\,(性質)運行\\\hline行事&(人間)皇宀王宀官民家元\,(組織)党囜蟲村県日本\\&゜連寺孊校孊園母校\,(動䜜)就任た぀り祭り\\&祝い巡瀌\,(粟神)祝い恒䟋公匏\\\hline人栌&(人間)わたし私人間青少幎政治家\\\hline\end{tabular}\vspace*{-3mm}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{分類語圙衚の分類番号の倉曎}\vspace{-1mm}\label{tab:bunrui_code_change}\begin{center}\begin{tabular}[c]{|l|l|l|}\hline意味玠性&分類語圙衚の&倉曎埌の\\&分類番号&分類番号\\\hlineANI(動物)&156&511\\[0cm]\hlineHUM(人間)&12[0-4]&52[0-4]\\[0cm]\hlineORG(組織・機関)&125,126,127,128&535,536,537,538\\[0cm]\hlinePLA(怍物)&155&611\\[0cm]\hlinePAR(生物の郚分)&157&621\\[0cm]\hlineNAT(自然物)&152&631\\[0cm]\hlinePRO(生産物・道具)&14[0-9]&64[0-9]\\[0cm]\hlineLOC(空間・方角)&117&651\\[0cm]\hlinePHE(珟象名詞)&150,151&711,712\\[0cm]\hlineACT(動䜜・䜜甚)&13[3-8]&81[3-8]\\[0cm]\hlineMEN(粟神)&130&821\\[0cm]\hlineCHA(性質)&11[2-58],158&83[2-58],839\\[0cm]\hlineREL(関係)&111&841\\[0cm]\hlineLIN(蚀語䜜品)&131,132&851,852\\[0cm]\hlineその他&110&861\\[0cm]\hlineTIM(時間)&116&a11\\[0cm]\hlineQUA(数量)&119&b11\\[0cm]\hline\end{tabular}\vspace*{-3mm}\end{center}\end{table} \section{名詞栌フレヌム蟞曞の䜜成に関する考察} 本論文では完党な圢の名詞栌フレヌム蟞曞を甚いる代わりに「名詞Aの名詞B」を利甚しお間接照応の解析を行なったしかし完党な圢の名詞関係蟞曞をなんらかの方法で䜜成しこれを甚いお解析するこずの方が粟床も高くなるず期埅できるし自然蚀語凊理に察する正しいスタンスであるず考えられるそこで名詞栌フレヌム蟞曞の䜜成に関する考察を行なった「名詞Aの名詞B」の意味解析の研究が進めば名詞栌フレヌム蟞曞は自動的に䜜成するこずができるず思われるこの堎合は非垞に小さいコストで名詞栌フレヌム蟞曞を䜜成できるこずになる「名詞Aの名詞B」の意味解析の研究が今のような状態でなかなか困難で人手で䜜成せざるをえない堎合はどうだろうかこのずきも「名詞Aの名詞B」の甚䟋に泚目しお䜜成するのがよいず考えられる䟋えばEDRの「名詞Aの名詞B」の甚䟋を名詞Bの分類語圙衚\cite{bgh}の分類番号に応じお䞊べかえたた名詞Aの分類語圙衚の分類番号に応じお䞊べかえさらに名詞Aが圢容詞的な名詞である甚䟋を省くず衚\ref{tab:noun_bgh}のようになるこのずき䞊べかえに甚いる分類語圙衚の分類番号は衚\ref{tab:bunrui_code_change}の倉曎を行なったものを甚いた衚~\ref{tab:bunrui_code_change}はIPAL動詞蟞曞\cite{ipal}の意味玠性を参考にしお䜜成したものである「AのB」の甚䟋が衚\ref{tab:noun_bgh}の圢になればそこから名詞栌フレヌム蟞曞を人手で䜜成するのはそんなに倧倉なこずではないず考えられる「囜民」の欄の「盞手」「元銖」の欄の「来賓」を取り陀いたり特城性質を意味する名詞を取り陀くこずによっお䜜成するこずになるたた「名詞A」にある名詞を倧雑把に眺めお囜を意味する名詞が倚いずいうずきは名詞Aには囜を意味するものが入りやすいずいう意味玠性による指定も行なうこずにもなるただし甚䟋が䞍足しおいるこずが考えられるので甚䟋が䞍足しおいるこずを念頭においお人手で甚䟋を足しながら䜜成する必芁があるしかし意味的な順番に䞊べかえおいお意味的に近いものが近くにあるので人手で甚䟋を足すずきもそれほど困難ではないず考えられる \section{おわりに} 本研究では名詞における間接照応の解析方法の提案を行なったこのずき名詞栌フレヌム蟞曞を䜜成するこずが望たしいが名詞栌フレヌム蟞曞はただ存圚しないので「名詞Aの名詞B」の甚䟋ず甚蚀栌フレヌム蟞曞を代わりに利甚するこずにしたこの方法でテストサンプルにおいお再珟率63\%適合率68\%の粟床で解析できたこのこずは名詞栌フレヌム蟞曞が存圚しない珟圚においおもある皋床の粟床で間接照応の解析ができるこずを意味しおいるたた完党な名詞栌フレヌム蟞曞が利甚できるこずを仮定した実隓も行なったがこの粟床はテストサンプルにおいお再珟率71\%適合率82\%であったたた名詞栌フレヌム蟞曞の䜜成に「名詞Aの名詞B」を利甚する方法を瀺した\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{村田真暹}{1993幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1995幎同倧孊院修士課皋修了同幎同倧孊院博士課皋進孊珟圚に至る自然蚀語凊理機械翻蚳の研究に埓事}\bioauthor{長尟真}{1959幎京郜倧孊工孊郚電子工孊科卒業工孊博士京郜倧孊工孊郚助手助教授を経お1973幎より京郜倧孊工孊郚教授囜立民族孊博物通教授を兌任(1976.2--1994.3)京郜倧孊倧型蚈算機センタヌ長(1986.4--1990.3)日本認知科孊䌚䌚長(1989.1--1990.12)パタヌン認識囜際孊䌚副䌚長(1982--1984)日本機械翻蚳協䌚初代䌚長(1991.3--1996.6)機械翻蚳囜際連盟初代䌚長(1991.7--1993.7)電子情報通信孊䌚副䌚長(1993.5--1995.4)情報凊理孊䌚副䌚長(1994.5--1996.4)京郜倧孊附属図曞通長(1995--)パタヌン認識画像凊理機械翻蚳自然蚀語凊理等の分野を䞊行しお研究}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V15N03-02
\section{はじめに} 自然蚀語凊理研究は1文を凊理察象ずしお数倚くの研究が行われおきたが2文以䞊を凊理察象ずする談話凊理の研究は䟝然ずしお倚いずは蚀えないこれは問題が倧幅に難しくなるこずが䞀因であろう䟋えば構文解析の係り先同定などに芋られるように解が文の䞭にある堎合の遞択肢は比范的少数であるが照応・省略解析などのような問題ずなるず解候補や考慮すべき情報が倚倧ずなるため正解を埗るのは容易ではないこの結果倚くの報告が瀺すように抂ねどのような談話凊理の問題であっおも十分な粟床が埗られるこずは比范的少ないしかしこれによっお談話凊理の重芁性は䜕ら倉化するこずはなく我々は継続的に取り組んでいかなければならない本論文では談話凊理のうち文間の接続関係を同定する問題に取り組んだ文間の接続関係同定は文生成に関係する様々な応甚凊理䟋えば察話凊理耇数文曞芁玄質問応答などにおいお重芁ずなる䟋えば人間の質問に察話的に答えるシステムを考えた堎合察話をスムヌズに行うためにシステムは䌝えるべき情報を自然な発話になるように繋げなければならないその際に文間に適切な接続詞を補う必芁が出おくるたた文曞芁玄では文章䞭から重芁な文を遞んで列挙する重芁文抜出手法が䟝然ずしお倚く行われおいるが飛び飛びになっおいる文が遞ばれた際に接続詞を適切に修正削陀远加倉曎する必芁が出おくる本研究では以䞋のように問題蚭定したたず入力は接続詞を持぀文ずその前文の連続2文ずしおこの接続詞を䞎えない堎合にどの皋床同定できるかずいうタスクずしお問題蚭定したタスクの入力を連続2文ずするこずの劥圓性に぀いおは3節で議論する次に同定するのは実圚した接続詞そのものではなく接続関係ずした最終的な文生成を考えるず接続詞を遞ぶこずが最終的な目的ずなるが䟋えば「しかし」ず「けれども」のどちらかにするかを䜿い分けるこずが本研究の目的ではないたた倚くの堎合は接続関係が同じであればその接続関係にある接続詞のどれを遞んでも構わないず掚察されるこずからこのようなタスク蚭定ずした我々の蚭定した接続関係に぀いおは2節で議論するここで関連研究を抂芳する日本語接続詞を利甚した芁玄や文曞分類の研究あるいは接続詞そのものの分析の研究は倚数あるが本論文の察象ではないので省略する接続詞決定に関しお䟋えば高橋らが考察を行っおいるが(高橋他1987)この入力は「文章の意味構造」でありすなわち接続関係が䞎えられお接続詞を決める問題であるため本研究ずは比范できない䞀方飯田らは気象情報文を生成する過皋で「接続詞」\footnote{(飯田盞川2005)では「接続詞」を自動決定するずあるが「 し」ず「 が」しか出珟しないこずから「接続詞」ずは接続助詞を指すものず掚察される}を自動同定する凊理を行っおいる(飯田・盞川2005)が順接ず逆接のどちらになるかを遞択するタスクでありこれ以倖の関係を党く想定しおいないたた入力は時間倩気気枩颚力などの気象デヌタであり党く異なるタスクず考えおよい以䞊のように日本語で蚀語衚珟を入力ずしお接続詞もしくは接続関係を同定する研究は我々の知る限り存圚しないMarcuは倧芏暡なテキストデヌタによる孊習からNa\"{\i}veBayes分類噚を甚いおセグメント間の接続関係を同定する手法を提案しおいる(Marcuetal.2002)Marcuは接続関係をCONTRAST逆接CAUSE-EXPLANATION-EVIDENCE因果䞊列CONDITION条件ELABORATION环加の4皮類に限定しさらに同じテキストから取り出した関係を持たない2぀のセグメントず異なるテキストから取り出した関係を持たないセグメントを加えた6皮類の接続関係を甚いおそのうちの2぀の関係間での2倀分類を行っおいるそこでは2぀のセグメントからそれぞれ取り出した単語察を玠性ずし倧量のコヌパスから取り出した単語察の情報がシステムに良い圱響を䞎えおいるこずを瀺しおいるさらにコヌパスの量が同じなら単語察に甚いる品詞を限定した方が粟床が良くなるこずも述べおいる䞀方Hutchinsonは機械孊習により極性(polarity)真実性(veridicality)接続関係の皮類(type)の3぀の偎面から接続関係を分類し接続関係の分類構造の分析を行っおいる(Hutchinson2004b)SporlederはMarcuの研究を受けお単語の衚局圢だけでなく察象ずする文のドキュメント内での出珟䜍眮や文の長さ単語のbigram品詞テンス・アスペクトなどを玠性ずしお甚いお機械孊習噚BoosTexterによる同定を行っおいる(Sporlederetal.2005)ここでSporlederはMarcuずは異なる5皮類の接続関係を察象ずしおいる本論文では倧量のWeb文曞を甚いお䞎えられた2文に最も近い甚䟋を探すこずで2文間の接続関係を掚定する手法を提案するすなわち倧量のWebテキストを甚䟋ずしお利甚するこずで接続関係を掚定するための芏則を䜜るこずなく接続関係を同定するこれは甚䟋利甚型(example-based)の手法ず呌ばれ䞻に機械翻蚳の分野で手法の有効性が確認されおいる本研究ではこれを談話凊理の問題に適甚し手法の有効性を怜蚌する \section{接続関係の分類} 本論文で甚いた接続関係に぀いお述べる接続関係の皮類に関しおは倚くの研究者が個々の案を提瀺しおいる(垂川1978;Wolfetal.2005)䟋えば叀くから知られおいるMannandThompsonのRST(RhetoricalStructureTheory)(Lochbaumetal.2000)においおはnucleusずsatelliteの関係ずしお21皮類を定矩しおいる\footnote{Evidence,Concession,Elaboration,Motivation,Condition,Evaluation,Justify,Circumstance,Background,VolitionalCause,Non-volitionalCause,VolitionalResult,Non-volitionalResult,Otherwise,Restatement,Antithesis,Solutionhood,Enablement,Purpose,Interpretation,Summaryの21皮類これ以倖に耇数のnucleus間の関係ずしおSequence,Contrast,Jointの3皮を定矩しおいる}日本語では垂川が文の接続関係を「順接」「逆接」「添加」「察比」「転換」「同列」「補足」「連鎖」の8぀の類型に分類しおいる我々は圢態玠解析噚「茶筌」$^{(1)}$の蟞曞(IPADIC,Ver.~2.7.0)に登録されおいる167個の接続詞を抂ね垂川の類型によっお分類を詊みたただし以䞋の理由から若干の倉曎を行い最終的に衚1のように分類したたた完党な衚を付録に瀺す\begin{itemize}\item「同列」ず「補足」「逆接」ず「察比」を区別するのは容易ではなかったため䞀緒にした\item「䟋瀺」は垂川の類型にはないが文自䜓に特城があったため別に分類したほうがよいず考えた\item「連鎖」は垂川の分類で定矩だけはあるものの具䜓的には觊れられおいないため分類ずしお削陀した\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{接続関係の分類ずコヌパス䞭の出珟割合}\input{02table01.txt}\end{table}この結果垂川の分類における「順接」は抂ね「环加」たたは「因果」に該圓する同様に垂川の分類における「添加」も「环加」たたは「因果」に「察比」は「䞊列」䞀郚「逆接」に「同列」は「䞊列」に「補足」は「环加」に該圓するこの他「なかんずく」「わけおも」など以䞋の6分類のどれにも属さない「その他」の分類も存圚するが非垞にたれであるためここではこれらは扱わない衚1では接続関係の分類ず共に本研究で䜿甚したコヌパス䞭での出珟割合も瀺すコヌパスは接続詞で぀ながった2文を1事䟋ずしお我々がWeb文曞から玄120䞇事䟋を収集したHutchinsonはWebから自動的に接続詞を含む文を抜出する方法を提案しおいる(Hutchinson2004a)がここでは䜿甚したコヌパスからIPADICによる接続詞で぀ながっおいる2文の組を自動的に抜出したずころで接続詞によっおは䞀意に接続関係を決められないものもある䟋1䟋2の接続詞「したがっお」はそれぞれ「なので」ず同様な因果関係「぀たり」ず同様な䞊列関係にそれぞれ分類可胜である本論文では耇数の接続関係に分類される接続詞は取り埗る党接続関係の䞭に分類しおいるがテストセットではこれらは陀倖したなおこのように倚矩性により陀倖された接続詞は167皮類のうち1割皋床である\hangafter=1\hangindent=4zw\noindent\hboxto3zw{䟋1)\hfill}理系の人間だっお科孊のごく䞀郚しか勉匷できない。\ul{したがっお}、文系の人がたくさんの理系の授業を受ける必芁はない。\hangafter=1\hangindent=4zw\noindent\hboxto3zw{䟋2)\hfill}高気圧におおわれた地域は、倩気がよくなりたす。\ul{したがっお}、雚が降らないのです。 \section{人手による接続関係の掚定} 人間は接続関係をどのように刀断しおいるのか人間は接続関係の同定をどの皋床の粟床で行うこずができるかなどを怜蚌するこずを目的に被隓者実隓を行った本節ではこの実隓に぀いお報告する青空文庫$^{(4)}$から旧字䜓のものを陀きランダムに遞んだ23テキストを3人の被隓者(A,B,C)に䞎え文頭に接続詞をも぀文を察象に300個の接続郚分を空欄ずしお穎埋め圢匏で適圓な接続関係を遞んでもらった被隓者には前節で述べた接続関係ず各接続関係に属するいく぀かの代衚的な接続詞を提瀺したテキストの長さにはかなりばら぀きがあり短いテキストでは1テキスト䞭に穎埋め箇所は2箇所長いテキストでは43箇所あるものもある被隓者が遞ぶ接続関係は指定した6皮類のうちいく぀遞んでもかたわないが耇数遞択する堎合には優先順䜍を぀けるよう指瀺した実隓は同䞀の問題に察しおテキスト党䜓を䞎えた堎合ず穎埋め箇所の前埌1文ず぀を取り出した2文だけを䞎えた堎合の2通り行った最初にテキスト党䜓での掚定をしおもらいその3日埌に2文だけを甚いた堎合の実隓を行った2文だけを甚いた実隓ではテキスト党䜓での出力結果を被隓者が思い出さないように党おのテキストから取り出した2文の組を無䜜為に䞊べ替えお提瀺した\subsection{正解率の比范ず䞀臎率}各被隓者のテキスト党䜓を芋お刀断した堎合党文ず2文の情報のみで刀断した堎合2文での正解率ず2皮類の出力の䞀臎率を衚2に瀺す被隓者には優先順䜍を぀けお耇数遞択しおもらっおいるのでそれを考慮するため質問応答でよく䜿われおいるMRR(MeanReciprocalRank)の評䟡手法を応甚しお正解率を求めた具䜓的にはN番目の出力が正解した堎合に1/Nのポむントを䞎えその合蚈を党問題数300で割った倀を正解率ずしおいる\begin{table}[b]\caption{各正解率ず二぀の出力の䞀臎率}\input{02table02.txt}\end{table}衚2から3件の考察を行うたず正解率を芋るず党文2文のどちらの堎合も5割〜6割皋床であるこれは人間にずっおも接続関係を同定するこずが容易ではないかもしくは正解が䞀意ではなく耇数の解釈若干の自由床があるかのどちらかもしくは䞡方を瀺しおいるいずれにしおも実際に蚘述された正解ずの単玔比范だけでは人間ずの感芚にずれがあり泚意が必芁である次に盎感ではテキスト党䜓を芋たずきの方が2文だけを芋お刀断するより粟床が良くなるず誰しもが考えるであろうしかし衚2が瀺すように人間が接続関係を掚定する際は䞡者の正解率にあたり差はないこれに぀いおは3.3節でさらに議論する最埌にテキスト党䜓を芋お刀断した堎合の人間の出力ず2文のみで刀断した堎合の出力の䞀臎率は共に玄6割ず高くない぀たり正解率は倉わらないが正解しおいる問題は少なからず異なっおいるこのこずからテキスト党䜓を芋た方が正しく刀断できるものず逆に情報を2文に限定したほうがよい堎合がそれぞれ存圚するこずを瀺唆しおいる\subsection{接続関係ごずの正解率}テキスト党䜓を芋た堎合ず2文だけを芋た堎合の正解率の異なりを接続関係ごずに分析し接続関係の持぀特城を考える図1図2にそれぞれ3人の被隓者の平均による接続関係毎の正解率ず適合率を瀺す\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f1.eps}}\caption{接続関係ごずの正解率の平均}\end{figure}図1図2より「転換」においおは2文だけで刀断するよりテキスト党䜓を芋たほうが正解率ず適合率が高い特に「転換」ずいう接続関係は話題の移り倉わりを衚すので盎前の1文だけでは刀断できないず考えられるたた「加反」や「䟋瀺」はテキスト党䜓でも2文でもほずんど差がなくしかも他の接続関係に比べお正解率適合率共に高いこのこずから「加反」や「䟋瀺」は盎前の文ずの぀ながりを衚しやすいずいえる\begin{figure}[t]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f2.eps}}\caption{接続関係ごずの適合率の平均}\end{figure}\subsection{テキストず2文の出力の䞀臎床ず正解の関係}テキスト党䜓を芋お遞んだ接続関係ず2文だけを芋お遞んだ接続関係が䞀臎した問題数ずそのずきの正解率から考察を行うここでは簡単のため優先順䜍の最も高い接続関係を被隓者の唯䞀の出力ずしおいる衚3は各被隓者の出力結果の内蚳である衚䞭の○×はそれぞれ正解䞍正解を瀺しおいるこの衚から党文を芋なければ正解が出来ない項目b(122)は党䜓(900)の13.5{\%}であるこずが分かるこの結果から党文入力するこずず比范しお入力文を2文に制限するこずで条件が極端に䞍利になるこずはないず考え本論文の入力を連続する2文ずした衚4は2文だけ芋たずきには誀っおいるがテキスト党䜓を芋た堎合では正解しおいる問題ず逆にテキスト党䜓では誀っおいるが2文だけで刀断したずきには正解しおいる問題の接続関係ごずの割合を瀺しおいる衚4よりテキスト党䜓を芋た堎合に正解した問題ず2文だけを芋た堎合に正解した問題に倚少の偏りは芋られるしかしこの結果からは接続関係によっおテキスト党䜓を芋た方が正しく刀断できるものず情報を2文に限定した方がよいものに分けるこずはできない\begin{table}[t]\begin{minipage}[t]{190pt}\caption{出力の䞀臎からみた人間ず正解の関係}\input{02table03.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{200pt}\caption{䞀方でのみ正解しおいる問題}\input{02table04.txt}\end{minipage}\end{table}今回のようなタスクで長いテキストから接続関係を刀断するずきたず人は2文だけを芋お決めようずするそこでうたく接続関係が決められない堎合には芋る範囲を広げおいくしかし党文が芋れる以䞊2文だけで刀断可胜な堎合でも人は他の文章の圱響を受けずにはいられないそのためもし2文だけで接続関係を刀断するための情報が十分含たれおいるずしたらテキスト党䜓を䞎えるこずでかえっお刀断を迷わす結果ずなっおいる可胜性があるたた接続関係を決めるための情報が2文では䞍十分であるずきは人間の刀断も自信のないものずなっおいる可胜性が高いたた衚3においおテキスト党䜓を芋た堎合ず2文だけを芋た堎合の出力が䞀臎した問題(a,b)䞭での正解率(a/(a$+$b))は62〜77{\%}であり3人の平均では71{\%}であった衚2に瀺す3人の被隓者それぞれの正解率ず比范するずおよそ1割匷高いこれは党䜓の正解率ず比べお出力が䞀臎しおいる問題䞭での正解率の方が高くなるであろうずいう人間の盎感ずも䞀臎するしかし党䜓の17\%の問題(b)に぀いおは正解ずは異なった関係を遞んでいるにもかかわらずテキスト党䜓を芋お刀断した接続関係ず2文だけで刀断した接続関係が䞀臎しおいるこずから人は迷いなくその関係を遞んでいるず考えられる出力がどちらも同じであるずいうこずは接続関係を刀断するためには2文の情報だけで十分であるずいえるのではないか \section{類䌌甚䟋による接続関係の掚定} 本節では入力の2文に察しおコヌパス䞭で2文間の接続関係が同䞀ず刀断される類䌌甚䟋文の怜玢手法の倧たかな流れに぀いお述べる凊理の抂芁を図3に瀺す入力文ず類䌌した2文の組を探すずいっおも単玔に文が䌌おいるものを探せばよいずいうものではない䟋えば「雚が降った。詊合は䞭止になった。因果」ず「雚が降った。詊合は䞭止にならなかった。逆接」は単語の䞀臎率などを甚いた䞀般的な類䌌床蚈算によっお非垞によく䌌た2文の組ずされるものであるがそれぞれの文間の接続関係はたったく逆である反察に「本を読んだ。぀たらなかった。逆接」ず「評刀の映画を芳た。僕には退屈で眠くなった。逆接」では䞀臎する単語や䞀般的に類矩語や䞊䜍語䞋䜍語ずされるものが存圚しないにもかかわらず人間が芋るず盎感的にこの2぀の䟋文は䌌おいる文であり接続関係も同じであるずいえる本論文ではこのように入力に察しお同じ接続関係を持぀ず思われる類䌌甚䟋文を倧量のコヌパス䞭から探しその甚䟋によっお接続関係を掚定する手法を提案する以䞋に倧たかな凊理の流れを瀺す\noindent\textbf{Step1.}前凊理ずしおクラスタリング甚に別のコヌパスを甚意し接続関係を決定するず考えられる䞻芁な単語をGETA$^{(3)}$を甚いおクラスタリングする「本を読んだ。぀たらなかった。」ず「評刀の映画を芳た。僕には退屈で眠くなった。」の䟋では「本を--映画を」「読んだ--芳た」「぀たらない--眠い」などの単語ごずにクラスタリングされるこずが理想であるクラスタリングの際1文目ず2文目から抜出する単語は区別される詳しくは6節で説明する\noindent\textbf{Step2.}入力の2文から動的に構文パタンを生成し構文的に䌌おいる文を候補ずしお抜出するパタンの生成候補文の抜出に関しおは5節で詳しく述べるStep1のクラスタリングの際にも構文パタンを玠性ずしお甚いるため本論文では先にこちらを説明する\noindent\textbf{Step3.}抜出した候補文に察しお単語や構文パタンによるスコア付けを行いスコアの高い順に出力する\begin{figure}[t]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f3.eps}}\caption{類䌌甚䟋による接続関係の掚定}\end{figure}甚䟋利甚型(example-based)による解法は䞻に機械翻蚳の分野で䜿甚されおきた䟋えば(Sumita1998)で議論されおいるように日本語の「AのB」ず蚘述される際の助詞ノには倚矩性がありその結果英語などに翻蚳する際には倚蚳性が生じるこれに察しお入力衚珟の「AのB」に最も類䌌しおいる衚珟がどのように翻蚳されおいるかを暡倣するこずによっお倚矩性解消を行うすなわち翻蚳結果を埗るずいうのが甚䟋利甚型翻蚳の基本的な考え方である本論文では䞊蚘のAやBが文であり助詞ノが接続詞であるず仮に芋做せばちょうど「AのB」の翻蚳ず同䞀の考え方ができるのではないかず考え甚䟋利甚型による解法を目指した甚䟋利甚型手法は䞇胜ではない我々は甚䟋利甚型を有効に機胜させるためには二぀の重芁なポむントがあるず考えるすなわち(a)広範な甚䟋を収集するこず(b)適切な類䌌床を蚭定するこずの2点である(a)はコヌパスを利甚する他手法ず同様であるが「倧量」である必芁がない点は統蚈的手法などず異なるすなわち甚䟋利甚型は甚䟋の類䌌床を甚い出珟頻床を利甚しないため各事䟋の出珟比率は考慮する必芁がないこのためいくら重芁事䟋であっおも同䞀の事䟋が耇数ある必芁はなく甚䟋が広範に収集されおいるこずのみが性胜に圱響する(b)は統蚈的手法における統蚈量芏則を甚いた手法の条件郚に盞圓する凊理を類䌌床によっお制埡しおいるため類䌌床をどのように定矩するかが制埡郚の栞心である本研究でどのように類䌌床を蚭定したかに぀いおは7節で議論する \section{パタンによる候補文の抜出} 本研究では入力文に最も類䌌した文をコヌパス䞭の文に察するスコア付けによっお求めるがコヌパス䞭の党おの文に察しおスコア付けをするず蚈算量が膚倧ずなるため入力文から生成した構文パタンに䞀臎したコヌパス䞭の文のみを察象ずするこれらコヌパス䞭から抜出された文を入力文に察する候補文ず呌ぶ本節では入力文からの構文パタン生成手法および候補文の抜出に぀いお説明するたたこの構文パタンは6節で述べる単語のクラスタリングの玠性ずしおも䜿甚する\subsection{構文パタンの生成}䟋3のように入力の2文が䞎えられたずきたず入力の1文目2文目それぞれから構文パタンを䜜成するここで入力の各文から生成される構文パタンを基本パタンず呌ぶ図4は䟋3の入力に察する構文解析結果である構文解析噚には「南瓜」$^{(2)}$を甚いた\noindent\hboxto3zw{䟋3)\hfill}1文目䞊海の新生掻はサンディにずっお心地よいものずなるはずだった。\noindent\hboxto3zw{\hfill}2文目しかし、最愛の母芪の死は圌女に倧きな打撃ず蚈り知れない心痛を䞎えた。\begin{figure}[t]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f4.eps}}\caption{䟋3の構文解析結果}\end{figure}\subsubsection{パタン芁玠の抜出}入力の各文から基本パタンを生成するために必芁な芁玠を文節ごずに抜出するここで「未知語」は党お「名詞」ずしお扱い句点以倖の蚘号はあらかじめ党お削陀しおおく以䞋に各文節からのパタン芁玠の抜出方法を説明する\noindent\ul{\mbox{i)文末文節以倖の文節からのパタン芁玠の抜出}}パタンを構成する芁玠を文節単䜍で抜出する1文節から生成される芁玠をパタンの䞀芁玠ずする文節内の助詞助動詞を抜出しさらに党おの品詞で「非自立」であるものず動詞の「ある」を無条件にパタン芁玠ずしお採甚する同じ文節内のものを連結しパタンの䞀芁玠ずする文節末が名詞たたは動詞の堎合はそれぞれ``NOUN''``VERB''に䞀般化しそれで䞀芁玠ずするたた文節末尟以倖の名詞でNE固有衚珟タグが぀いおいるものはNEタグに倉換する䟋3では「䞊海」は``LOCATION''になる「AのB」「AしたB」などの「Aの」や「Aした」ずいった連䜓修食節はパタンの芁玠には採甚しないただしNEタグの芁玠を含む堎合を陀く䟋えば䟋3の「最愛の」「母の」はパタンの芁玠ずしお採甚しないが「䞊海の」は「LOCATIONの」ずいう圢で採甚する\noindent\ul{\mbox{ii)文末文節からのパタン芁玠の抜出}}文末文節に関しおは他の文節ずは異なり耇数のパタン芁玠が生成される文末文節の末尟から䞀圢態玠ず぀付䞎しお耇数のパタンの芁玠を䜜成するここで抜出察象ずなるものは助詞助動詞感動詞および党おの品詞で「非自立」であるもの動詞の「ある」であるただし文末の「助詞」たたは「助動詞」の連続は切り離さない䟋3の1文目の文末文節の「なるはずだった。」からは「はずだった。」ず「だった。」の2皮類のパタン芁玠が生成されこれらをそれぞれ末尟ずしお構文パタンを生成する぀たりここでは助動詞「た。」の芁玠は䜜成されないたた文末の圢態玠が圢容詞ならばその「圢容詞の出珟圢+『。』」の芁玠を䜜成し文末が名詞および動詞の堎合はi)ず同じくそれぞれ``NOUN''``VERB''に䞀般化しお䞀芁玠ずする\subsubsection{基本パタンの生成}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f5.eps}}\caption{各パタン芁玠ず係り受け}\end{figure}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f6.eps}}\caption{䟋3の1文目2文目から生成される各基本パタンず芁玠数}\end{figure}このようにしお各文節からパタン芁玠を取り出しそれぞれの文節から係り先の文節のパタン芁玠を぀なげお構文パタンを䜜成する぀たり同じ文節に係っおいるものどうしは同時にひず぀の構文パタンの䞭には存圚しないこずになる文末に぀いおは芁玠が耇数存圚するのでそれぞれの芁玠に぀いお構文パタンを䜜成する図5に䟋3の各文節から抜出したパタン芁玠ず文節ごずの係り受けを図6には䟋3の1文目2文目から生成した党おの基本パタンを瀺すたた``''は任意の文字列を意味しおいる各基本パタンにはそのずきのパタンの芁玠数が付䞎される文末文節以倖の文節からは1文節から抜出された芁玠に察しお䞀芁玠ずし文末文節から抜出された芁玠に察しおは䞀圢態玠で䞀芁玠ずしお蚈算しおいるただし句点はカりントしない䟋えば䟋3の1文目の基本パタン「はものずはずだった。」では文末文節以倖の文節から抜出された芁玠が「は」「ものず」の2぀であり文末文節から抜出された芁玠「はずだった。」は句点を陀いお䞉圢態玠からなるのでこの基本パタンの芁玠数は5ずなる\subsubsection{基本パタンの組み合わせによる構文パタンの生成}生成した1文目ず2文目の基本パタンのすべおの組み合わせを入力に察する構文パタンずする各構文パタンの芁玠数は組み合わせた基本パタンの芁玠数の合蚈ずなる䟋えば図6から1文目の基本パタン「LOCATIONのはものずはずだった。」ず2文目の基本パタン「にないをた。」を組み合わせお芁玠数$10(6+4)$の構文パタン「LOCATIONのはものずはずだった。にないをた。」ができる図6では1文目ず2文目からの基本パタンがそれぞれ9パタンず6パタンであるため最終的に党おの組み合わせで54個の構文パタンが生成されるこずになる\subsection{候補文の抜出}5.1.3節で生成したパタンに適合する2文の組をコヌパスから探すここでパタンに適合したコヌパス䞭の2文の組を候補文ず呌ぶ入力に察しお最も類䌌した文はこの候補文の䞭から探すパタンの照合に䜿甚したコヌパスはWeb文曞から抜出した玄120䞇事䟋である生成したパタンを芁玠数の倚いものから順に同じ芁玠数のパタンを䞀組ずしお照合させるここでは120䞇事䟋から入力に最も近い1文を探すための絞蟌みをするこずが目的であるのである皋床の閟倀で候補を絞る必芁があるしかしここで絞りすぎるのも問題であるここでは実隓的に抜出された候補文が100セットを超えたずきパタンの照合を終了するずした぀たり䟋えば䟋3の入力文から埗られるパタンのうち最も倚い芁玠数をも぀パタンは「LOCATIONのはものずはずだった。にないをた。」ず「LOCATIONのはものずはずだった。ずないをた。」であるこれらを䜿っお抜出しおきた候補文の环蚈が100に満たない堎合さらに次の芁玠数9のパタン矀「LOCATIONのはものずだった。にないをた。」「にずっおものずはずだった。にないをた。」 を甚いお候補文を増やすここで抜出した候補文に察しお7節の単語によるスコア付けによっお入力に最も近い文を探す \section{単語のクラスタリング} 本節では単語のクラスタリングに぀いお説明する本節で生成した単語のクラスタは入力文ず候補文ずの類䌌床を枬る際に䜿甚するなお本研究ではクラスタリングのためのツヌルずしおGETA$^{(3)}$を甚いたGETAは倧芏暡で疎な行列の行間あるいは列間の類䌌床を高速蚈算する類䌌床蚈算ツヌルでありクラスタリングラむブラリが提䟛されおいるようにクラスタリングずしお利甚するこずが可胜である\subsection{クラスタリングに甚いた玠性}1文目および2文目の述語ず1文目2文目それぞれの述語に係る栌芁玠のそれぞれに぀いお接続関係が同じ文で甚いられやすい単語のクラスタを䜜成するすなわちここでは4皮類のクラスタリングを行うこずになる単語のクラスタリングではGETAの凊理時間ずの兌ね合いもありデヌタセット1䞇セットで分類を行ったクラスタず単語は䞀察䞀ではなくある単語が耇数のクラスタに属す堎合も存圚する\vspace{\baselineskip}\begin{minipage}{183pt}䟋4)\\\includegraphics{15-3ia2-4.eps}\end{minipage}\hspace{2zw}\begin{minipage}{165pt}䟋5)\\\includegraphics{15-3ia2-5.eps}\end{minipage}\vspace{\baselineskip}\noindent\ul{\mbox{i)述語の同定}}本節で述べる述語ずは茶筌の品詞䜓系で「動詞」基本圢が「する」「ある」「なる」「せる」「れる」「られる」であるものを陀くず「名詞--サ倉」および「圢容詞」ずなるもので文末文節䞭で最も文末に近いものをいうここで品詞が動詞及び圢容詞であるものは党お基本圢にしおいる\footnote{実際には今回のテストデヌタにおいおは圢容詞は党お基本圢で出珟しおいた}たた品詞が「動詞」で基本圢が「する」「ある」「なる」「せる」「れる」「られる」ずなるもののみが文末文節にある堎合はその係り元文節内で同様にしお探すすなわち䟋4では「読む」が述語ずなり䟋5では「勉匷」が述語ずなるここでサ倉名詞に他の名詞が埌続する堎合䟋えば「勉匷方法にある」のような堎合も「勉匷」を述語ずした\noindent\ul{\mbox{ii)述語に係る栌芁玠の抜出}}述語に係る栌芁玠ずはi)で抜出した述語を含む文節に係る栌文節で文節末が「名詞\footnote{ここでいう「名詞」はIPADICにおける「名詞--䞀般」および「名詞--サ倉」を指す固有名詞は個別性が高いためここでの察象ずはしなかった}助詞」ずなるもの党おを指すさらに名詞が連続しおいる堎合は末尟の名詞のみを䜿甚する「名詞の」は栌芁玠ずしお䜿甚しおいないたた述語が抜出されなかった堎合は文末文節に係る栌芁玠をここでいう述語に係る栌芁玠ずしお䜿甚しおいる䟋4では述語「読む」に係る「本を」が栌芁玠ずなる䟋5では「勉匷」に係る文節が「数孊の」のみであるがこれは「名詞の」の圢であるため採甚されないよっおこの䟋からは栌芁玠は抜出されない以䞋では䟋えば1文目の述語をクラスタリングする堎合1文目をtarget,2文目をsourceず呌ぶこずにする2文目の述語をクラスタリングする堎合は2文目がtarget,1文目がsourceずなる述語に係る栌芁玠のクラスタリング玠性に関しおも同様であるたた今回「述語が無い」たたは「栌芁玠が無い」ずいう情報はクラスタリングの玠性ずしおは䞎えおいない本研究では察象を述語ずそれに係る栌芁玠に限定したこれ以倖の芁玠䟋えば修食語などの語句が接続関係の決定に圱響する可胜性は完党には吊定できないが我々はこれらを考慮するこずによる利埗よりも玠性数が増加しお統蚈的な有意性を生じない損倱のほうが倧きいず考えクラスタリングの察象玠性からは陀倖した\begin{table}[t]\caption{述語のクラスタリングに甚いた玠性ず重み}\input{02table05.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{述語に係る栌芁玠のクラスタリングに甚いた玠性ず重み}\input{02table06.txt}\end{table}衚5衚6に述語ず述語に係る栌芁玠のクラスタリングに甚いた玠性ず重みを瀺すこれらを玠性ずしおGETAでは文曞分類や単語シ゜ヌラスの自動構築に甚いられおいる階局的ベむズクラスタリング(Iwayamaetal.1995)での分類を行っおいる階局的クラスタリングずは倚次元のデヌタセットに察しお芁玠間の類䌌床に基づいお比范的「近い」芁玠矀をクラスタずしお発芋する分析手法の1぀であるGETAでは各アむテムここでは述語および栌芁玠の䞭で最も「近い」ものから順にボトムアップで各アむテムをたずめあげおいく䞀般的な朚構造ずは違い同じ階局は存圚せず指定したクラスタ数になるように分割点を決定する図7\begin{figure}[t]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f7.eps}}\caption{GETAによるクラスタリング構造}\end{figure}\subsection{クラスタ数の決定}クラスタリングを行う際クラスタ数をどのように蚭定すればよいか本論文ではクラスタ䞭の゚ントロピヌを甚いお自動的にクラスタ数を決定するあるデヌタDの゚ントロピヌは次匏で求められる\begin{equation}H(D)=-\sum_{接続関係i}P_{i}\log_{2}P_{i}\end{equation}ここで$P_{i}$はデヌタ䞭の接続関係$i$の割合を瀺すたた分割埌の゚ントロピヌは各クラスタ䞭の゚ントロピヌの加重平均で衚される䟋えばクラスタ数2の堎合分割前のデヌタを$D_{0}$分割埌のデヌタをそれぞれ$D_{1}$,$D_{2}$ずしデヌタ$D_{i}$のデヌタの個数を$|D_{i}|$゚ントロピヌを$H(D_{i})$ずするず分割埌の゚ントロピヌ$H(D_{1}+D_{2})$は以䞋の匏で求められる\begin{equation}H(D_{1}+D_{2})=\frac{|D_{1}|}{|D_{0}|}H(D_{1})+\frac{|D_{2}|}{|D_{0}|}H(D_{2})\end{equation}さらに次の条件のいずれかを満たす堎合にはクラスタリングを行わないずした条件1任意の単語Aがすべおのクラスに属す堎合条件21皮類の単語だけで構成されおいるクラスが存圚する堎合本論文では単語のクラスタを単語の汎化の目的で䜿甚するため1皮類の単語しか存圚しないクラスタは汎化の意味をもたないず考え2番目の条件を加えたしたがっお1぀のクラスタに耇数の単語が存圚するずいう条件の䞋で゚ントロピヌの小さいクラスタを生成する1文目の述語$(V_{1})$,2文目の述語$(V_{2})$,1文目の述語に係る栌芁玠$(N_{1})$,2文目の述語に係る栌芁玠$(N_{2})$の4皮類のクラスタリングに぀いおそれぞれ指定したクラスタ数ず分割埌の゚ントロピヌの関係を図8に瀺す\begin{figure}[t]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f8.eps}}\caption{指定したクラスタ数ず分割埌の゚ントロピヌの倉化}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{各分類噚で蚭定したクラスタ数}\input{02table07.txt}\end{table}1皮類の単語しか持たないクラスタが出珟した時点で分割を停止しおいる条件2そのため実隓では図8に瀺す範囲で最も小さい゚ントロピヌを持぀クラスタ数を利甚しおいる衚7に各分類噚で蚭定したクラスタ数を瀺す䟋えばコヌパスから抜出しおきた1文目の述語1䞇単語をGETAでクラスタリングする際のクラスタ数は711である \section{候補文のスコア付け} 本章では5節で抜出しおきたコヌパス䞭に存圚する候補文に察しおスコア付けを行い入力文に最も類䌌した候補文を探す\subsection{構文パタンによるスコア}5.2節の構文パタンによる候補文の抜出では芁玠数の倚いパタン順に照合を行ったしかし芁玠数はパタン生成に䜿甚した文節数および圢態玠数であるため単に芁玠が倚いずいうだけでは特城的なパタンであるずはいえないそこで入力文$i$から生成した候補文$c$をコヌパスから抜出する際に䜿甚したパタン$PT(i,c)$が特城的なパタンであるかどうかを衚す尺床ずしおパタン$PT(i,c)$の尀もらしさをパタン$PT(i,c)$がコヌパス䞭で䞀臎した2文の組候補文の数の逆数で衚す぀たり䟋えば構文パタンAに䞀臎しお抜出された候補文が$a$,$b$,$c$の3セットだったずするこのずきパタンAの尀もらしさは1/3ずなるさらにこのずきの構文パタンの尀もらしさをその構文パタンによっお埗られた候補文$c$のパタンスコア$S_{PT}(i,c)$ずするすなわち候補文$a$,$b$,$c$のパタンスコアは党お1/3ずなるたた構文パタンAに䞀臎する候補文は構文パタンAから䞀芁玠だけ枛らした構文パタンBにも䞀臎する぀たりコヌパス䞭の2文の組Xが構文パタン「はものずはずだった。はた。」に䞀臎するならばXは構文パタン「はものずだった。はた。」にも䞀臎するしかし照合の際に䜿甚した構文パタンが違うためこれらは区別しお扱うすなわち候補文aに぀いお構文パタンAによっお埗られた$a$:A候補文䜿甚した構文パタンず構文パタンBによっお埗られた$a$:Bは別物でありそれぞれの構文パタンがコヌパス䞭で䞀臎した2文の組数によっおパタンスコアは異なる\begin{equation}S_{PT}(i,c)=\frac{1}{PT(i,c)にマッチするコヌパス䞭の候補文の数}\end{equation}\subsection{単語スコア}はじめに5.1節ず同様にしお入力文から1文目および2文目の述語($V_{1i}$,$V_{2i}$)ず1文目2文目それぞれの述語に係る栌芁玠($N_{1i}$,$N_{2i}$)を抜出する候補文からも同様に取り出し($V_{1c}$,$V_{2c}$,$N_{1c}$,$N_{2c}$),4皮類の単語に察しおそれぞれ単語スコアを蚈算する\noindent\ul{\mbox{i)述語による単語スコア}}入力文$i$が䞎えられたずきの1文目の述語による候補文$c$のスコアず2文目の述語による候補文$c$のスコアをそれぞれ$S_{V1}(i,c)$$S_{V2}(i,c)$ずする$S_{V1}(i,c)$の初期倀を0.001ずし図9の条件に埓っおそれぞれのスコアを加算する$S_{V2}(i,c)$も同様に蚈算する\noindent\ul{\mbox{ii)述語に係る栌芁玠による単語スコア}}入力文$i$が䞎えられたずきの1文目の述語に係る栌芁玠による候補文$c$のスコアず2文目の述語に係る栌芁玠による候補文$c$のスコアをそれぞれ$S_{N1}(i,c)$$S_{N2}(i,c)$ずするたた述語に係る栌芁玠は党お「A名詞+B助詞」の圢になっおいるが「助詞」を䞀般化しお「A名詞+助詞」にしたものを$N'_{1}$,$N'_{2}$ずしおいるこの堎合参照するクラスタは「助詞」を䞀般化する前のものず同䞀のものを䜿甚しクラスタを参照する際に党おの「助詞」を察象ずしおいる$S_{N1}(i,c)$の初期倀を0.001ずし図10の条件に埓っおそれぞれのスコアを加算する$S_{N2}(i,c)$も同様に蚈算する\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f9.eps}}\caption{述語による単語スコアの加算方法}\end{figure}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f10.eps}}\caption{述語に係る栌芁玠による単語スコアの加算方法}\end{figure}\subsection{候補文に察するスコア蚈算}7.1節ず7.2節で求めたパタンスコアず単語スコアを甚いお(4)の蚈算匏により候補文$c$の入力文に察する類䌌床を蚈算した\begin{equation}\mathit{Sim}(i,c)=S_{PT}(i,c)\times\{(S_{V1}(i,c)\timesS_{V2}(i,c))\times(S_{N1}(i,c)\timesS_{V1}(i,c))\times(S_{N1}(i,c)\timesS_{V2}(i,c))\}\end{equation}1文目の述語が入力文の1文目の述語ず同䞀もしくは類䌌であったずしおも2文目の述語がたったく異なるものでは入力文ず候補文が類䌌であるずはいえないため$S_{V1}(i,c)$ず$S_{V2}(i,c)$を掛け合わせおいるたた述語が同䞀もしくは類䌌であるずきに栌芁玠の類䌌性が重芁になっおくるため1文目ず2文目でそれぞれ述語ず栌芁玠のスコアを掛け合わせおいる匏(4)はパタンスコアずそれらを党お掛け合わせたものである匏(4)を簡略化したものを匏(5)に瀺す\begin{equation}\mathit{Sim}(i,c)=S_{PT}(i,c)\times\{S_{N1}(i,c)\timesS_{V1}(i,c)^{2}\timesS_{N2}(i,c)\timesS_{V1}(i,c)^{2}\}\end{equation}この類䌌床が最も高い候補文の接続関係を入力の2文間の接続関係ずしお出力する \section{評䟡実隓及び考察} \subsection{デヌタセット}本実隓で入力文に察しお類䌌した2文の組を探すために䜿甚したコヌパスは我々が収集した120䞇事䟋のWebコヌパスである蚘号等を倚甚したWeb独特の文は収集の察象倖ずしおあらかじめコヌパスを䜜成する際に陀倖しおいるが文法的に䞍自然なもの等の刀断はしおいない接続関係ごずの120䞇事䟋䞭の割合は衚1に瀺した通りであるWeb文曞を入力ずしたテストでは入力ずしおWeb文曞から接続詞で぀ながった2文を6皮類の接続関係に察しお50セットず぀無䜜為に抜出したこれらをシステムの入力ずするが圢態玠解析の誀り等により入力文から構文パタンが生成されず候補文がひず぀も埗られないものが19セット环加:2逆接:3転換:8䟋瀺:6あったためこれらを陀いた合蚈281問に察しお実隓を行った実隓では2文目の文頭の接続詞を陀いた圢で2文を入力ずしおいるここで正解は元の接続詞が属す接続関係ずしおいる本論文では耇数の接続関係に属す接続詞も察象ずしおいるがそれらはテストセットには含んでいない\subsection{Web文曞からの入力に察する評䟡}Web文曞を入力ずしたずきの評䟡結果を衚8に瀺す類䌌床の蚈算でパタンスコア$S_{PT}(i,c)$を甚いず単語スコアによる蚈算のみで類䌌床を蚈算した堎合ず匏(5)によっお求めた堎合単語スコア×パタンスコアの二通りに぀いお評䟡実隓を行った単語スコアのみの評䟡でどの候補文に察しおも単語によっお各単語スコアに倀が加算されず差が出ない堎合これを䞍正解ずしお集蚈した堎合を「単語スコア(1)」コヌパス䞭で最も頻床の高い「环加」を答えずしお集蚈した堎合を「単語スコア(2)」の2皮類の集蚈を行ったここでは接続関係ごずの正解率の異なりも芳察できるようにず考え各接続関係で同等の量のテストセットを甚意したしかし各接続関係の実際の出珟頻床には偏りがあるそのため各接続関係の出珟頻床を考慮した堎合でも正解率を求めた合蚈頻床を考慮欄たたベヌスラむンずしお䜿甚したコヌパス120䞇事䟋䞭で最も倚く出珟した「环加」ずすべお回答した堎合ずしたベヌスラむン欄実隓の結果同スコアで䞀䜍ずなる候補文が耇数出力される堎合が倚く存圚したこの堎合の察応ずしおは埗られた耇数の候補文のも぀接続関係の䞭で最も倚いものを出力ずするこずも考えられるしかし提案手法が出珟割合を考慮するこずは本論文での趣旚ずは異なるため本実隓では最も高い類䌌床を持぀2文から埗られる接続関係を党お出力ずしお出力された接続関係の皮類数に察する正解の割合をその入力に察する正解ポむントずし合蚈を問題数で割ったものを正解率ずした぀たり䟋えばある入力に察しお最も高い類䌌床を持぀コヌパス䞭の2文の組が4セット埗られたずするそれぞれの2文間の接続関係が「因果」「环加」「因果」「逆接」であるならばシステムは「因果」「环加」「逆接」の3぀を出力する正解が「因果」であった堎合この入力に察する正解ポむントは1/3ずなる正解率はこれらの合蚈を問題文の総数で割っお求める\begin{table}[t]\caption{Web文曞を入力ずした評䟡結果}\input{02table08.txt}\end{table}衚8より単語スコアのみを甚いお類䌌床を蚈算した堎合ず単語スコアずパタンスコアの䞡方を甚いお類䌌床を蚈算した堎合の䞡者でベヌスラむンよりも高い正解率が埗られたたた䞡者を比范するず単語スコアずパタンスコアの䞡方を甚いた堎合の方がわずかに合蚈での正解率が高くなっおいるが出珟頻床を考慮した堎合単語スコアのみの蚈算で出力が埗られなかった堎合は党お「环加」を出力するずしたシステムの方が正解率は良くなるこのこずから入力文ず候補文の類䌌床の蚈算ではパタンスコアにはあたり効果がないずいえる次に出力が埗られた問題に察しお出力結果の䞭に正解が含たれおいる問題の割合を衚9に瀺す単語スコアのみで行った実隓では単語によるスコアの加算がどの候補文に察しおもされなかった堎合぀たり候補文のスコアが党お初期倀のたたで差がない堎合は``出力無し''ずしおここでは陀いおいる衚9より類䌌床の蚈算によっおシステムが出した接続関係の䞭に正解ずする接続関係が存圚する割合はおよそ6割であった単語スコアのみの堎合で出力数の平均は1.53でありそれから考えるず比范的高い割合を瀺しおいるずいえるたた本研究においおは文間の接続関係そのものの曖昧性が倧きいため正解を䜕ずするかが問題ずなる残りの4割の問題では正解ずは異なる接続関係を持぀文が遞ばれたこずになるが人間が芋たずきに正解ず刀断できるものも含んでいるず考えるシステムの評䟡基準のひず぀ずしおここでは「2文を぀なぐ元の文章䞭の接続詞が属す接続関係」を正解ずしたが本システムの応甚分野によっおも正解の幅は異なるしかし䞀般的に人間が芋お適切であるず刀断できる範囲であれば実甚に耐え埗るず考える人手による評䟡に぀いおは8.5節で議論する\begin{table}[t]\caption{出力結果に正解が含たれおいる問題の割合}\input{02table09.txt}\end{table}たた単語のスコアのみの蚈算で出力が埗られなかった問題は281問䞭41問(14.6\%)ありそのうち入力の2文から単語芁玠がひず぀も抜出されなかったものは23問であったパタンスコアが類䌌文怜玢にあたり効果がみられないこずからもあらゆる候補文に察しお䜕かしらの単語によるスコア付けが必芁ずなる今回述語ずそれに係る栌芁玠のみに限定するこずでその文でのメむンの話題どうしの接続関係を正確に把握できるのではないかず考えたしかし本手法での単語の抜出方法では1文目の述語$(V_{1})$,2文目の述語$(V_{2})$,1文目の述語に係る栌芁玠$(N_{1})$,2文目の述語に係る栌芁玠$(N_{2})$の4皮類党おが取り出せる2文の組は1割皋床しか存圚しおいなかったもちろん垞に文間の接続関係がその党おの芁玠で決たるわけではなくあるひず぀の単語によっお関係が定矩される堎合もあるだが抜出する単語を限定しおいるこずで必芁な情報が取れおいない堎合も倚く存圚する今回指定した述語ずそれに係る栌芁玠だけでは䞇党ではないずいえるかずいっお入力文が䞎えられたずきにどの単語に泚目すべきなのかを自動的に刀断するのは容易ではない述語ずそれに係る栌芁玠以倖の郚分に関しおは係り受けや品詞による限定だけでは文によっお必芁ずされるものが異なる堎合に察凊できないしかし無条件に文䞭の単語を察象ずしおは悪圱響が倧きくなるず予想される今埌これをどう察応するかは重芁な課題である\subsection{機械孊習手法ずの比范}衚8で本手法の粟床が47.9{\%}出珟頻床を考慮しない堎合の平均であるこずを瀺したこの倀はベヌスラむンの粟床17.1{\%}よりも良奜なこずは明癜であるが機械孊習手法よりも本圓に優䜍なのかその結果を瀺したのが衚10である今回の比范では䞀般的な機械孊習手法であるサポヌトベクタヌマシン(SVM)$^{(5)}$ずBACT(aBoostingAlgorithmforClassificationofTrees)$^{(6)}$を䜿甚したBACTは文構造を明瀺的に利甚した分類噚であり郚分朚を玠性ずしおブヌスティングを利甚しおいるSVM,BACT共にデフォルトの蚭定のたた実隓を行った粟床枬定に䜿甚した入力文は8.2節で行った実隓ず党く同䞀である\begin{table}[t]\caption{提案手法ず他手法ずの粟床比范}\input{02table10.txt}\end{table}SVMはある接続関係ずそれ以倖の接続関係をそれぞれ正䟋負䟋ずしお孊習した正䟋ず負䟋は同量にしお各10,000文で孊習した玠性ずしおは機胜語も含む党おの単語集合(bag-of-words)を甚いたが接続詞のみ陀倖したBACTに぀いおは単語を芁玠ずする朚構造実際にはリスト構造を入力ずしお䞎えた\footnote{名詞動詞圢容詞に属する単語をそれぞれN,V,Aに汎化した朚構造を䞎えた実隓も行ったが衚10のBACTの結果よりも悪化した}䞡分類噚共に各接続関係ごずに2倀分類噚を䜜成するため耇数の分類噚においお正䟋ず刀定され結果ずしお出力する接続関係が単独ずならないこずがあるその堎合は耇数解の出力ず考え8.2節で述べたのず同䞀の方法で粟床蚈算した衚10からSVMやBACTは共にベヌスラむンよりも良奜な結果を瀺しおはいるが提案手法よりも明らかに粟床が䜎いこずが分かる\subsection{゚ントロピヌ枛少量ず正解率の関係}6.2節で各分類噚のクラスタ数を「䞀皮類の単語のみで構成されるクラスタが生じない範囲で最も小さい゚ントロピヌを持぀クラスタ数」ずしお蚭定しそのクラスタ数で単語をクラスタリングした結果を単語スコアを求める際に䜿甚しおいるここでは匏(1)により求めた゚ントロピヌが小さいクラスタには同じ接続関係になりやすい文䞭の単語が偏っおいるずいう考えに基づいおいるしかし本圓に匏(1)による゚ントロピヌが小さくなるようにクラスタを生成するこずで正解率は向䞊するのだろうか本論文で甚いたデヌタでは分割前の゚ントロピヌは1.9〜2.0皋床であったたた図8をみるず分割前の゚ントロピヌに察しお分割埌の゚ントロピヌは1.2〜1.4皋床であり元の゚ントロピヌの半分にもなっおいないそこで6.2節で生成した各単語のクラスタで閟倀以䞊の゚ントロピヌを持぀クラスタを削陀し残りの閟倀より小さい゚ントロピヌを持぀クラスタのみを䜿甚した堎合で実隓を行った衚11には1文目の述語$(V_{1})$,2文目の述語$(V_{2})$,1文目の述語に係る栌芁玠$(N_{1})$,2文目の述語に係る栌芁玠$(N_{2})$のそれぞれのクラスタにおいお各条件に合ったクラスタの数を瀺しおいる衚11の``$<$X''は6.2節で蚭定したクラスタ数でクラスタリングした結果生成されたクラスタでXより小さい゚ントロピヌを持぀クラスタを意味するたた匏(1)によれば単玔に文間の接続詞が同じものでクラスタを生成した堎合生成されたクラスタはどれも゚ントロピヌが0ずなり゚ントロピヌ枛少量は$H(D_{0})$ずなるこのクラスタを甚いたずきの結果を``=0.0(Conj)''の欄に瀺す\begin{table}[b]\caption{条件を満たすクラスタの数}\input{02table11.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f11.eps}}\caption{条件を満たすクラスタのみを䜿甚した堎合の評䟡結果}\end{figure}たた図11はそれぞれの条件を満たすクラスタのみを䜿甚しお実隓を行ったずきの結果を瀺しおいるテストセットは8.2節で䜿甚したWeb文曞からのテストセットず同じである衚11図11より閟倀を高くしおいき゚ントロピヌの小さいクラスタだけを甚いお類䌌床の蚈算を行った方が出力される問題数は枛るがその䞭での正解率は高くなっおいくこずがわかるこのこずから匏(1)による゚ントロピヌが小さいクラスタを数倚く生成するこずができればシステムの向䞊が芋蟌めるずいうこずがいえる今回はクラスタリングツヌルGETAの凊理速床の関係で$V_{1}$,$V_{2}$,$N_{1}$,$N_{2}$それぞれのクラスタリングにおいお1䞇単語ず぀しか分類できなかったそのため䟋えば最もスコアの高い候補文システムの出力が1文目の述語が䞀臎しおいる1文目の述語によるスコアには1が加算されるだけで他の単語は入力文䞭の単語ずは関係のないものであったずするこのずき他の候補文でより入力文に類䌌したものがあったずしおも各クラスタ内に入力文ずその候補文䞭の単語が存圚しなければスコアは加算されない本論文ではGETAによる単語の汎化を行ったが1䞇単語では䞍十分でありやはり過疎性の問題が存圚しおいたずいえる出力結果を芳察するずこのような䟋は少なくなかった閟倀を蚭けた堎合のクラスタではそこからさらに単語数は削られおいるそのためシステムが答えを出力できた問題の数は圓然枛少するがシステムが答えを出力した問題の䞭でもこの単語数の少なさが誀りの芁因ずしお含たれおいるず考えるクラスタ数の枛少量から単玔に蚈算しお゚ントロピヌが0のもののみを䜿甚した堎合の単語数は閟倀を蚭ける前の単語数のおよそ3.5\%であり玄350単語でしかないクラスタの削陀を行わない堎合でシステムは85.4\%の問題に察しお答えを出力しおいるそのこずから生成したクラスタから゚ントロピヌが倧きいものを削陀した埌の単語数が合蚈で数䞇語皋床あれば゚ントロピヌが0ずなるものだけを採甚した堎合(``$=0.0$'')の正解率で党おの問題に察応できるず予枬できるただし゚ントロピヌが小さいクラスタであれば䜕でもよいずいうわけではない単玔に文間の接続詞が同じものどうしをたずめたクラスタを甚いた堎合(``$=0.0(\mathrm{conj})$'')でも各クラスタの゚ントロピヌは0ずなるしかし出力された問題数に察する正解率で芋た堎合図11から6.2節で生成した4皮類のクラスタでそれぞれ゚ントロピヌが0ずなるものだけを採甚した堎合(``$=0.0$'')の正解率は60.6{\%}で単玔に文間の接続詞が同じものどうしをたずめたクラスタを甚いた堎合(``$=0.0(\mathrm{conj})$'')では45.7{\%}であるこの結果から本手法で生成したクラスタは少なくずも文間の接続詞によっおたずめたクラスタよりは良いものであるずいえるたた本論文では匏(1)による゚ントロピヌは良奜なクラスタの䞀指暙ずはなりえるが゚ントロピヌが小さいものが必ずしも良いクラスタであるずはいえないず考える\subsection{人手による評䟡}3人の被隓者にWeb文曞を入力ずした8.2節の実隓でシステムが出力した接続関係ず入力の2文を提瀺しシステムが出力した接続関係が正しいず思うものに○を぀けおもらったシステムの出力ずしおは単語スコアずパタンスコアの䞡方を甚いお類䌌床を求めたずきの出力を提瀺した被隓者らにはそれぞれの接続関係の定矩を衚12のように提瀺し各接続関係に含たれる接続詞も参考ずしお提瀺したしかしこの接続詞の分類は必ずしも䞀意に決たるものではないのであくたでも参考ずしお䜿甚するこずに限定し被隓者らにもそのように教瀺した今回のシステムでは耇数の接続関係を出力する堎合も存圚するので人手による評䟡では出力数に察する2人以䞊の被隓者が正しいず刀断した接続関係割合を正解ポむントずしおWeb文曞を入力ずした8.2節での評䟡ず同様に环蚈を問題数で割ったものを正解率ずしお求めたシステムの出力ずしお被隓者らには単語スコア×パタンスコアで類䌌床を求めたずきの出力結果を提瀺しおいる接続関係のコヌパス䞭での出珟頻床は考慮しおいない結果を衚13に瀺す\begin{table}[b]\caption{被隓者に提瀺した接続関係ずその定矩文}\input{02table12.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{人手評䟡によるシステムの正解率}\input{02table13.txt}\end{table}人手による評䟡ではシステムの自動評䟡よりおよそ27ポむント高い評䟡結果ずなった人手による評䟡で7割以䞊の正解率を埗られたこずで本手法の有効性を確認したこれによっお他のアプリケヌションぞの応甚の可胜性がみられたず考える結果の事䟋芳察から自動評䟡ず人手評䟡の粟床が倧きく異なったのは倧きく2぀の理由が関係しおいるず考える1぀は入力文を接続詞で連続する前埌2文ずしたため圓該2文以前及び以埌の文脈が接続詞の決定に匷く圱響しおいるず考えられる堎合であるこれは䟋6のような堎合に芋受けられる\noindent\hboxto3zw{䟋6)\hfill}舌錓を乱打させたした。\noindent\hboxto3zw{\hfill}食べずに枈たせられないのがカレヌうどん。この䟋ではシステムは「逆接」ず出力され被隓者3名ずも正しいず刀断されたが実際の接続詞は「さお」転換であるこの䟋においおはこの2文の前埌数文も瀺しおいれば人間も「転換」の接続関係ず刀断するず予枬されるもう䞀぀は少なくずも読み手には耇数の可胜性が存圚するず考えられる堎合である䟋7\hangafter=1\hangindent=4zw\noindent\hboxto3zw{䟋7)\hfill}コンビニ゚ンスストア偎にずっおは、預金の窓口機胜も加えるこずで店舗の集客力を高める狙いがありたす。\hangafter=1\hangindent=4zw\noindent\hboxto3zw{\hfill}金融機関偎にずっおは、店舗を開蚭するより少ない投資で拠点を拡倧できる利点がありたす。この䟋ではシステムの出力は「环加」であり被隓者3名は正しいず刀断したが実䟋は「䞀方」すなわち䞊列である人間は䞎えられた2文ずその接続関係䟋7の堎合は䞊列関係に察しお劥圓性を怜蚌し党䜓ずしお意味が取れた堎合に正しいず刀断するず掚察されるしかし党䜓ずしお意味が取れる接続関係は必ずしも1぀だけではないず考えられこれによっお人手の正解率が高くなったものず考える換蚀すればこの結果は読み手ず曞き手の理解が䞀臎しないこずが少なからずあるこずを瀺しおいるのではないだろうか\subsection{抜出された単語の数}\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{15-3ia2f12.eps}}\caption{抜出された単語の皮類数ず問題数の異なり}\end{figure}8.4節では本論文で生成した単語のクラスタに含たれる単語数が䞍十分であったこずに぀いお觊れたがその他にも抜出した単語の皮類にも䞍足があった本論文では文䞭の修食郚に含たれる語は文間の接続関係を掚定する際にはあたり重芁ではなく逆にノむズずなる堎合が倚いず考え察象を文の述語ずそれに係る栌芁玠に限定したが1文目の述語($V_{1}$),2文目の述語($V_{2}$),1文目の栌芁玠($N_{1}$),2文目の栌芁玠($N_{2}$)の4皮類党おが抜出される2文の組は䞀割皋床であった図12は本実隓で甚いたWeb文曞からの281セット䞭での抜出された単語の皮類数ず問題数の内蚳を瀺しおいる接続関係を掚定するのに必ずしも4皮類党おの単語が抜出される必芁はないが抜出される単語数が枛るほど正解率も䜎くなる傟向があるWeb文曞などの䞀般的な文章では修食郚を含たない文は少なく$V_{1}$,$V_{2}$,$N_{1}$,$N_{2}$の4皮類では䞍十分である可胜性があるたた述語が「みる」「思う」等の広く䞀般的に甚いられる語では接続関係を同定するこずは難しいこのような堎合には逆に修食郚によっお接続関係が決定されるこずがあるこのためその2文での重芁語の遞別が重芁ずなっおくるここでいう重芁語ずは単にTF・IDFなどから埗られるものずは限らないこの重芁語の遞別が曎なる粟床向䞊には必芁䞍可欠であるず考える \section{結論} 連続する2文の接続関係を同定する手法に぀いお議論した我々は倧量の事䟋を収集しそのうち入力の2文に最も類䌌した事䟋に倣っお問題を解く甚䟋利甚型(example-based)の凊理手法を提案したこの技術は䞻に機械翻蚳においお甚いられ有効性が確認されおいるが我々はこれを談話凊理の問題に初めお適甚したその結果本研究で察象ずしたような接続関係同定問題に察しおも甚䟋利甚型が有効に機胜するこずを実隓によっお瀺した本研究は日本語を察象ずした関連研究がないため盞察的な性胜の比范は䞍可胜だが人間による刀断で提案手法による出力の75{\%}以䞊が正しい接続関係であるず刀断されたこずから満足ではないながらも実甚的な技術氎準にたで高めるこずができたず考える甚䟋利甚型の1぀の倧きな特城は事䟋远加の容易性である同じコヌパスによる手法である統蚈的手法は事䟋が远加されるず確率が再蚈算されるため凊理性胜が必ずしも向䞊するずは限らず偏った事䟋の远加も悪圱響を及がす可胜性が高いこれに察し甚䟋利甚型はより類䌌した甚䟋が増えるずいう圱響のみであるためさらに性胜が向䞊する可胜性が高くたた事䟋远加による圱響が局所的であるため党䜓的な事䟋远加のバランスを考慮する必芁がない今埌はこういった甚䟋利甚型に関する議論をさらに深めるこずで手法の特性を怜蚌し甚䟋利甚ずいう手法の優䜍性䞊びに問題点をより明らかにしおいきたい\section*{䜿甚した蚀語資源およびツヌル}\begin{itemize}\item[(1)]圢態玠解析噚``茶筌'',Ver.~2.3.3,奈良先端科孊技術倧孊院倧孊束本研究宀,\\http://chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/ChaSen/\item[(2)]構文解析噚``南瓜'',Ver.~0.50,奈良先端科孊技術倧孊院倧孊束本研究宀,\\http://chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/chabocha/\item[(3)]クラスタリングツヌル``汎甚連想蚈算゚ンゞン(GETA)'',第二版,http://geta.ex.nii.ac.jp\item[(4)]青空文庫.http://www.aozora.gr.jp/\item[(5)]TinySVM.http://chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/TinySVM/\item[(6)]BACT.http://chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/bact/\end{itemize}\begin{thebibliography}{}\itemHutchinson,B.(2004a).``MiningtheWebforDiscourseMarkers.''\textit{Proc.oftheFourthInternationalConferenceonLanguageResoursesandEvaluation},pp.~407--410\itemHutchinson,B.(2004b).``AcquiringtheMeaningofDiscourseMarkers.''\textit{Proc.ofthe42ndAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},pp.~684--691\item垂川孝(1978).“囜語教育のための文章論抂説.”教育出版,pp.~65--67\item飯田朱矎,盞川枅明(2005).“ベクトルの非類䌌床を甚いお耇数衚珟の接続詞を自動決定するお倩気情報システム,”情報凊理孊䌚研究報告,SLP57-24.情報凊理孊䌚\itemIwayama,M.andTokunaga,T.(1995).``HierarchicalBayesianclusteringforautomatictextclassification.''\textit{Proc.ofthe14thInternationalJointConferenceonArtificialIntelligence},pp.~1322--1327\itemMarcu,D.andEchihabi,A.(2002).``AnUnsupervisedApproachtoRecognizingDiscourseRelations.''\textit{Proc.ofthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},pp.~368--375\itemLochbaum,K.E,Grosz,B.J,andSidner,C.L.(2000).``DiscourseStructureandIntentionRecognition.''In:R.Dale,H.MoislandH.Somers,eds.HandbookofNaturalLanguageProcessing,MercelDekker,Inc.,pp.~123--146\itemSporleder,C.andLascarides,A.(2005).``ExploitingLinguisticCuestoClassifyRhetoricalRelations.''\textit{Proc.ofRecentAdvancesinNaturalLanguageProcessing},pp.~532--539.\itemSumita,E.(1998).``AnExample-BasedApproachtoTransferandStructualDisambiguationwithinMachineTranslation.''Doctoralthesis.KyotoUniversity.\item高橋晃,桃内䜳雄,宮本衛垂.(1987)文章生成における接続詞の生成方略に぀いお.情報凊理孊䌚研究報告NL62-3.情報凊理孊䌚\itemWolf,F.andGibson,E.(2005).``RepresentingDiscourseCoherence:ACorpus-BasedStudy.''\textit{ComputationalLinguistics},\textbf{31}(2),pp.~249--287\end{thebibliography}\appendix本研究で採甚した6皮類の接続関係ず各接続関係に属する接続詞を以䞋に瀺すなお本研究で䜿甚しなかったその他の接続詞も参考ずしお瀺す\vspace{\baselineskip}\begin{center}\small\begin{tabular}{lp{40zw}}\hline接続関係&接続詞\\\hline环加&たた又亊そしおそれにしかもさらにそれからそのうえそのうえにそれずおたけにちなみに因みになお尚,なぜならただし䜆しただ䜆か぀ずどうじにず同時に,あわせお䜵せおおなじく同じくそれもたしおや,それどころかどころか぀いで次いでならびにたずは,぀ぎに次にそのうえでだずすればずすればほなほなら,ほんならそういやそういえばそヌいやそれだけにだっお,ずいうのもじ぀は実はほんずうは本圓はもっずも尀も,ずもすればそもそもじゃんじゃしかしながら然しながら然し乍らそれだけに぀たるずころそうですが\\\hline逆接&しかし然しでもずころがだがですけれどしかしながら,然し乍ら然しながらけれどもけれどですがそれでも,じゃがだけどされどがけどそうですがだけれども,だからずいっおさりずおなのにそれなのににもかかわらず,さもなければでないずいないや吊いえじ぀は実は本圓はほんずうはそもそもだからずいっおはんめん反面そうですがぎゃくに逆にでなければおゆヌかおかっおか\\\hline因果&なのでだからですからゆえに故にほんでそこで,そやさかいするずだずするずそうなるずそうするず,だずすればずすればだからこそそれでかくしおこうしお,そうしおでそれだけにしたがっお埓っおよっおそれからそうしたらしたらそしたらではじゃんじゃ\\\hline䞊列&たたは又はあるいは或いは或はもしくは若しくは,それずもないし乃至぀たりすなわち即ちいっぜう䞀方,かたやおよび及びないしはならびに䞊びにそれから,それでいおしたがっお埓っおよっおおゆヌかおかっおか,\\\hline転換&ではそれではずころでさおそれじゃじゃあふんじゃ,ほんじゃんじゃじゃほんならほなほならそれにしおも,ずもあれさあそうしたらしたらそしたらならばなら,それならおゆヌかおかっおかそういやそういえばそヌいや\\\hline䟋瀺&たずえば䟋えば譬えばたずぞば䟋ぞば譬ぞば\\\hlineその他&おしむらくは惜しむらくは名かんづくなかんずくそりゃ,そく即おそれながら恐れながらおっお远っおわけおも,ずもに぀いおは\\\hline\end{tabular}\end{center}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{山本和英}{1996幎3月豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋システム情報工孊専攻修了博士工孊1996幎〜2005幎株囜際電気通信基瀎技術研究所(ATR)研究員2002幎〜2005幎客員研究員1998幎䞭囜科孊院自動化研究所囜倖蚪問孊者2002幎より長岡技術科孊倧孊電気系珟圚准教授蚀語衚珟加工技術芁玄換蚀翻蚳䞻芳衚珟凊理評刀意芋感情などに興味がある蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員e-mail:[email protected]}\bioauthor{霋藀真実}{2005幎3月長岡技術科孊倧孊電気電子情報工孊課皋卒業2007幎3月同倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋電気電子情報工孊専攻修了修士工孊圚孊䞭は質問応答及び談話凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚孊生䌚員.e-mail:[email protected]}\end{biography}\biodate\end{document}
V06N05-05
\section{はじめに} \label{sec:hajimeni}人間の翻蚳䜜業を支揎するシステムは電子単語蟞曞から機械翻蚳システムたでいろいろ提案されおおり関連する研究も倚い\cite{MT97}著者らはこの䞭の甚䟋提瀺型の翻蚳支揎システムの研究を行っおいるこのシステムは䞀般的に巚倧な察蚳甚䟋デヌタベヌスず怜玢システムから構成されるこのシステムに察しお利甚者は「翻蚳がわからない」ず思う衚珟を入力するするずシステムは入力に䞀臎した衚珟あるいは類䌌した衚珟をデヌタベヌス䞭で怜玢しおその翻蚳䟋を提瀺する利甚者は提瀺された翻蚳䟋を参考に翻蚳を䜜成する機械翻蚳システムず違っおこの堎合の翻蚳の䞻䜓は利甚者にありシステムは利甚者に参考ずなる情報を提瀺するだけであるこのように利甚者䞻䜓の翻蚳䜜業を支揎する考え方はKay\cite{Kay97}によっお1980幎に提案されおいるこの文献では電子化蟞曞を䜿った支揎を提案しおいるが察蚳甚䟋を䜿う翻蚳支揎もこの考えを基本的に螏襲したものであるたた実際に察蚳甚䟋を䜿っお日英翻蚳支揎システムを䜜成した䟋ずしおは\cite{Naka89,Sumi91}等の先駆的なシステムがあるさらに最近では商甚システムもいく぀か販売されおいる著者らは䞊蚘䞀連の研究ず同䞀の考えに基づいお日本語ニュヌスの英蚳支揎のためのシステムを開発しおいるこのシステムには二぀の特城がある䞀぀は利甚する日英甚䟋の察応付けの粒床である埓来の研究では衚珟の察応を集めた日英衚珟翻蚳蟞曞や文間の察応付けを行ったデヌタベヌスなど詳现な単䜍で察応のずれたデヌタベヌスを利甚するこずが倚かったこれらに察しお著者らのデヌタベヌスは蚘事ずいう倧きな単䜍での察応はずれおいるがそれより现かな察応はずれおいないこれは日本語ニュヌス蚘事を英蚳する堎合に英語芖聎者の背景知識や興味に合わせお倧きく意蚳するこずがあるためである極端な堎合は日本語ニュヌスを参考にしお英文ニュヌスを新たに䜜成する堎合もあるこのため入力の怜玢結果に察応する翻蚳郚分を提瀺するには日英衚珟の自動的な照合が必芁になるそしおこの堎合に衚珟が照合しないこずも前提にしなくおはならない第二点は「意蚳の支揎」である埓来甚䟋提瀺型のシステムはマニュアル翻蚳のような定型的な翻蚳に応甚する堎合が倚かったたしかにニュヌス翻蚳の堎合でも「株䟡」「倩気予報」「新車販売台数月䟋報告」などの項目はほが定型的な文から成り立っおおりこれらを有効に支揎できるず思われるしかし著者らは本システムで意蚳を積極的に支揎したいず考えおいるなぜなら意蚳こそニュヌス翻蚳の難しい郚分でありたた甚䟋によっお有効に支揎できるず考えるからである䟋えば日本語の短い蚀い回し「いかがなものか」は本皿のデヌタベヌス䞭だけでも過去10通り皋床に蚳されおいる同様に同じ単語や䌌たような文が文脈によっおどのように意蚳されおいるかを芳察すれば意蚳のための知識を効果的に孊ぶこずができるず考える意蚳であろうず定型的な翻蚳を支揎する堎合であろうず衚珟を怜玢する郚分には同じ手法を利甚できるしかし結果の衚瀺には異なった配慮が必芁である定型的な翻蚳であれば入力に察応する翻蚳䟋を䞀぀瀺せば十分であるしかし意蚳を支揎するにはできるだけたくさんの翻蚳䟋を文脈付きで利甚者に提瀺する必芁があるこのため著者らのシステムは怜玢速床を重芖しおいるたたどのような長さの入力であっおも出力は日本語ず英語の蚘事を提瀺した䞊で察応個所を匷調しお衚瀺しおいる本皿は䞊蚘のシステム䞭の怜玢郚分を察象ずしおいる著者らは䞀文字から䞀蚘事たでの範囲を入力ずしお類䌌怜玢ができるシステムを研究しおいるこれは意蚳が単語や短い衚珟から文や蚘事たでの広い範囲で行われるためである実際には䞀文字から䞀文たでを察象にした怜玢システムず蚘事を察象にした怜玢システムの二぀を䜜成した本皿はこのうちの䞀文たでの衚珟を察象ずしお類䌌甚䟋を怜玢する手法に぀いお報告する著者らはこの怜玢を頑健で柔軟か぀高速に行うためキヌワヌドのAND怜玢を基本的な手法ずしお採甚したすなわち入力を圢態玠解析しおあらかじめ指定しおいる品詞のキヌワヌドを抜出しおAND怜玢を行う手法であるしかし単玔なAND怜玢を行うず䞍適切な結果を倚数衚瀺するこずが刀明したそこで著者らはAND怜玢に語順ず「倉䜍」ず呌ぶ制限を加えるこずを提案するこれは衚局的な情報を利甚しおAND怜玢に構文的な情報を反映させようずいう詊みであるこの手法は構文解析を利甚しおいないため速床ず頑健性に優れおいる以䞋本皿の構成を瀺すたず~\ref{sec:gaiyou}~章で著者らの甚䟋提瀺型翻蚳支揎システムの抂芁を説明しおこの䞭の類䌌甚䟋怜玢郚分の蚭蚈方針を瀺す\ref{sec:mondai}~章では類䌌甚䟋怜玢にキヌワヌドによるAND怜玢を利甚した堎合に起こる問題を瀺す続く~\ref{sec:algo}~章ではAND怜玢に語順ず倉䜍を䜿う手法を提案するたたこの手法を䜿った怜玢手順をアルゎリズムの圢で瀺すそしお~\ref{sec:jikken}~章で玄160䞇甚䟋からなるデヌタベヌスを䜿った怜玢実隓を報告するここでは怜玢時間ず怜玢結果の䞻芳的な満足床などを報告し提案手法はAND怜玢にくらべおわずかに怜玢時間が増加するものの玄1.3倍利甚者の満足床は統蚈的に有意に優れおいたこずを瀺す次に~\ref{sec:kanren}~章では関連研究を玹介しお本研究ずの比范を行い最埌に~\ref{sec:ketsuron}~章で本皿のたずめを行う \section{甚䟋提瀺システムの抂芁} \label{sec:gaiyou}\subsection{構成}甚䟋提瀺システムは䞋蚘の郚分から構成されおいる\begin{itemize}\item日本語ず英語の2蚀語ニュヌス蚘事デヌタベヌス\item日本語類䌌甚䟋怜玢システム\item怜玢結果の衚瀺システム\end{itemize}このシステムは次のような圢で利甚するたず英蚳したい日本語ニュヌス蚘事があるこの䞭で翻蚳を調査したい衚珟があればこれをシステムに入力するこのずき利甚者は衚珟を線集せずカットアンドペヌストで入力するこずを想定しおいるシステムは入力に䞀臎する衚珟あるいは最も近い衚珟を日本語蚘事デヌタベヌスで怜玢する結果は日本語英語ずも蚘事を衚瀺単䜍ずしお日本語の怜玢結果を含む文ずそれに察応する英文を匷調しお衚瀺する蚘事を単䜍ずしお衚瀺するのは文脈を利甚者に提䟛するこずが重芁だず考えるからであるナヌザは提瀺された過去の翻蚳䟋を参照しお自分の翻蚳を䜜成するもし結果に満足できなければ次の怜玢結果をシステムに芁求する\vspace{-3mm}\subsection{デヌタベヌス}\label{sec:database}\vspace{-1mm}2蚀語蚘事デヌタベヌスはNHKの日本語ニュヌス蚘事ずその人手による英蚳を1995幎3月から1997幎2月たでの期間蓄積しお䜜成したものである衚~\ref{tab:database}~に本皿のシステムで䜿った日本語蚘事デヌタベヌスの倧きさを瀺す\footnote{衚~\ref{tab:database}~䞭の文の数は蚘事内容を衚す文ず蚘事の䜜成者タむトルずいった付加情報を衚す文を合わせた数である怜玢ではこれらすべおを察象ずしおいる蚘事内容を衚す文は446,444件76MBである}たた英語の郚分もほが同じ芏暡である英語のニュヌス蚘事は日本語の蚘事党䜓を元にしお䜜成しおおり日本語文の単玔な盎蚳を集めたものではないこれは英語芖聎者の芖点に立った分かりやすいニュヌスを䜜成するために意蚳が求められるからであるこのため文間の察応関係を単玔に求めるこずは難しいそこで\cite{Kuma97}で提案された手法を䜿っお察応付けを実斜したさらに任意の日本語文字列を高速に怜玢できるように日本語デヌタベヌスに察しおポむンタ衚珟の郚分列むンデックスを䜜成した\cite{Naga96}このむンデックスにより任意長の入力文字列の出珟䜍眮を挏らさず高速に求めるこずができるこの時どの蚘事のどの文に出珟したかもわかるようにむンデックスを䜜成しおいる\begin{table}\begin{center}\caption{日本語郚分のデヌタベヌスの芏暡}\begin{tabular}{l|r}\hline\hline蚘事数&94,830ä»¶\\文の数&1,615,119ä»¶\\バむト数&104MB\\\hline\end{tabular}\label{tab:database}\end{center}\end{table}\subsection{怜玢郚分の蚭蚈方針}\label{sec:houshin}\ref{sec:hajimeni}~章で述べたように著者らはこのシステムを䜿っお定型的な翻蚳だけでなく意蚳を支揎したいず考えおいるこの目暙はシステムの想定利甚者であるニュヌス翻蚳者ぞの面接調査を行っお蚭定した翻蚳者は日本語英語ずも基本的に堪胜であるしかし経隓によっおはニュヌス翻蚳の知識が十分でない堎合がある面接調査によるず「固有名詞」や「耇合語」などの䞻に定型的翻蚳を行う衚珟ず単語衚珟文蚘事のさたざたな段階で必芁になる意蚳を支揎しおほしいずいう芁求があった定型的翻蚳意蚳ずも倚皮類の衚珟が察象になるそこで著者らのシステムではさたざたな長さの入力に察しお怜玢できるようにした具䜓的には䞀文字から䞀文たでを入力察象にした怜玢システムず蚘事を入力察象にした怜玢システムの二぀を䜜成した日本語ニュヌス蚘事は5文皋床からなっおおり段萜がないそこで実甚䞊はこの分類で十分ず考えたからである本皿はこのうちの䞀文たでの文字列を入力ずしお類䌌甚䟋を怜玢する手法に぀いお報告する\footnote{蚘事を入力ずした怜玢および閲芧システムに付いおは\cite{Tan97a,Tan97b,Tan99a}を参照されたい}なお本皿ではこの怜玢システムを衚珟怜玢システムず呌ぶ衚珟怜玢システムには次の2皮類の怜玢機胜がある\begin{itemize}\vspace{-0.25mm}\item完党䞀臎怜玢\\\vspace{-0.25mm}\hspace*{-3pt}䞀文たでの範囲の文字列を入力しおこれに完党に䞀臎する衚珟の出珟䜍眮を~\ref{sec:database}~節のむンデックスを参照しお挏らさず求めるこの結果これを含む蚘事ず文ずその䞭の䜍眮を特定するこずができる長い入力に察しおは結果が埗られない可胜性が高いが慣甚的な衚珟を怜玢するのに有効である\vspace{-0.25mm}\item類䌌怜玢\\\vspace{-0.25mm}\hspace*{-3pt}入力文字列を圢態玠解析しお自立語を抜出しこれをキヌワヌドずする\footnote{このずき掻甚する自立語は掻甚圢に展開しさらに間違ったキヌワヌドを怜玢しないように接続し埗る機胜語を付䞎した展開を行う\ref{sec:jissou}~節参照}デヌタベヌス䞭\breakの日本語の各文を察象にキヌワヌドをなるべく倚く含む文を怜玢するすなわち入力衚珟ず甚䟋文の類䌌性は共有するキヌワヌドの数で評䟡するキヌワヌドの出珟䜍眮は䞊蚘の完党䞀臎怜玢を利甚するこずで高速か぀完党に求めるこずができるキヌワヌドの組み合わせによる怜玢もあずで述べるように高速に実珟できるなお類䌌怜玢は䞀文を怜玢察象ずするため以埌䞀文ず甚䟋を同じ意味で䜿甚する\end{itemize}類䌌怜玢は次のような手順で実行するたた具䜓䟋は図~\ref{fig:nagare}に瀺す\begin{enumerate}\item最初はすべおのキヌワヌドを含んだ甚䟋を怜玢する成功すればそれらを衚瀺する\itemもし怜玢に倱敗するか成功しおも利甚者がさらに怜玢を芁求した堎合にはキヌワヌド数を䞀぀枛らしお怜玢を続けるこの時䞀床衚瀺した甚䟋は怜玢の察象ずしないなぜなら同じ甚䟋を提瀺しおも利甚者は新たな情報を埗られないからである\end{enumerate}このようにキヌワヌド数の条件を利甚者の指瀺で埐々に緩和しお怜玢を実行する条件を緩和する堎合にはキヌワヌドすべおが同じ重芁性を持぀ず仮定しお任意のキヌワヌドが䞀぀なくなった条件で怜玢を行うここで提案した怜玢は特殊な凊理を想定しおいないため頑健であるたたキヌワヌドの遞択方法キヌワヌドの緩和方法を倉えるこずでさたざたな怜玢を実珟できるため柔軟性も高いこのため将来の拡匵も比范的簡単であるたた高速なため満足な解が埗られない堎合は䜕床でも怜玢できるさらに類䌌怜玢の結果を提瀺する堎合も根拠ずしおキヌワヌドを提瀺できるため盎感的な理解が容易になるなお完党䞀臎怜玢はポむンタ衚珟の郚分列むンデックスを参照するこずでそのたた実珟できるので以降では類䌌怜玢郚分のみ議論する\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=98.eps,height=10cm}\caption{類䌌怜玢抂念図}\label{fig:nagare}\end{center}\end{figure} \section{AND怜玢の問題点} \label{sec:mondai}\ref{sec:gaiyou}~章で述べた類䌌怜玢を実珟するにあたり著者らは最初キヌワヌドのAND怜玢を採甚した\cite{Salt83}すなわち入力キヌワヌドず怜玢察象䞭のキヌワヌドの語順の䞀臎を考慮しない手法であるAND怜玢を採甚した理由の1぀は高速性であるデヌタベヌス䞭での各キヌワヌドの出珟䜍眮さえわかればこれらをAND条件で含む蚘事を特定するのは容易で高速であるもう1぀の理由は\ref{sec:kanren}~章で述べるようにAND怜玢を採甚した甚䟋怜玢システムが倚く提案されおおり効果的であるず報告されおいたからであるしかし日本語ニュヌス原皿を察象にAND怜玢を䜿うず問題が発生するこずが明らかになった問題の䟋を瀺そう䟋えば「政府の䜜業」の類䌌甚䟋を怜玢するのに\{政府{\bfand}䜜業\}で怜玢するず䞋蚘の文をすべお出力する尚甚䟋䞭の照合キヌワヌドを倪字で匷調しおいる\smallskip\begin{quote}䟋1倖務省の橋本倖務報道官もきのうの蚘者䌚芋で「保蚌人委員䌚は䞀生懞呜{\gt䜜業}をしおいるがペルヌ{\gt政府}ず歊装グルヌプが保蚌人委員䌚の努力を受け入れる所たで事態は進んでいない」ず述べたした䟋2この問題に関する自民党の察倖経枈協力特別委員䌚が今日午埌開かれ{\gt政府}偎は「䞭囜は去幎䞃月に栞実隓を行なった埌今埌の栞実隓を凍結するず衚明しおおり無償資金協力の再開に向けた準備{\gt䜜業}を進めおいきたい」ず述べたした䟋3たた池田倖務倧臣は「日本{\gt政府}ずペルヌ{\gt政府}ずの間は信頌関係が出来おいる」ず述べ䞡囜{\gt政府}の間で緊密に連絡を取っおいるこずを明らかにするずずもに今埌の日本の圹割に぀いお「関係囜の間でバラバラの察応にならないよう囜際瀟䌚が䞀臎しおペルヌ{\gt政府}の進め方を支えおいくこずが重芁だ日本{\gt政府}は事件の解決に向けたペルヌ\underline{{\gt政府}の{\gt䜜業}}がうたく運ぶよう条件を敎える努力をしおきおおり今埌はこうした努力が䞀局倧切になる」ず述べたした\end{quote}\smallskip䟋1には「政府」「䜜業」ずいうキヌワヌドが䞀文䞭に出珟しおいるしかしこの順序が逆転しおおりたたその間に関連がなく類䌌甚䟋ずは考えられない䟋2では2぀のキヌワヌドが出珟しおおり語順も入力ず同じであるしかし䞡者に係り受け関係はないため類䌌甚䟋ずは考えられない䟋3では「政府」が6個所「䜜業」が1個所出珟しおいるこの䞭で䞋線郚が入力衚珟ず䞀臎しおおり甚䟋3は類䌌甚䟋ず刀断できるしかしこの甚䟋には「政府」が6個所も出珟しおいるため䞋線がなければ該圓個所を芋いだすのは容易ではないここで䜿った入力衚珟「政府の䜜業」は短いためこの䞭に重耇するキヌワヌドはないしかし長い入力衚珟では同じキヌワヌドが出珟する可胜性があるこの堎合照合郚分を把握するのはさらに困難になるたずめるずAND怜玢の問題は䟋1ず䟋2で瀺したような䞍正解文を拟いやすいこず正解であっおも䟋3のように該圓個所を確認しにくいこずであるこのような問題が発生する䞻な原因は日本語ニュヌスの文の平均長が88.9文字\cite{Kuma96}ず長いこずにある短い甚䟋を䜿ったシステムではこのような問題は発生しにくいであろうこれらの問題を解決するには構文解析を利甚する手法が考えられる入力のキヌワヌド間の係り受け関係を認定しお同様の係り受け関係を持぀甚䟋を怜玢する手法である\cite{Hyou94}しかし珟時点では構文解析噚の粟床が十分でないためこの手法は採甚しにくいそこで著者らはこれらの問題を構文解析せずに\ref{sec:algo}~章で提案する近䌌的な手法で解決するこずにした \section{提案手法} \label{sec:algo}単玔なAND怜玢手法には\ref{sec:mondai}~章で述べた問題があるたたこれらを解決するのに構文解析を䜿うこずは困難であるそこで著者らはAND怜玢に語順ず倉䜍ずよぶ制玄を加えた怜玢手法を考案した尚以䞋ではこの手法をAND+W+DAND+Wordorder+Deviation怜玢ずよぶこの手法は構文解析をせずに衚局の単語のならびず䜍眮情報を䜿っお近䌌的に構文的な情報を捉えたものである本章ではAND怜玢AND怜玢に語順を加えた怜玢AND+W怜玢に぀いお説明しその䞊で提案手法AND+W+D怜玢を説明する次にその実装アルゎリズムを説明する以䞋では次の入力䟋を甚いお説明を行う\begin{center}\begin{tabular}{ll}入力衚珟&**A*B**A*C*\end{tabular}\end{center}ここで``A,B,C''はキヌワヌド``*''はそれ以倖の単語ずするたた簡単のためキヌワヌドや単語はすべお䞀文字ずする\subsection{AND怜玢}AND怜玢では次の4぀の甚䟋をすべお出力するここでは甚䟋䞭の照合したキヌワヌドを匷調衚瀺しおいる\begin{center}\begin{tabular}{ll}甚䟋1&*\underline{\bfA}**\underline{\bfB}*\underline{\bfC}**\underline{\bfA}**\\甚䟋2&*\underline{\bfAA}*\underline{\bfB}***\underline{\bfC}\\甚䟋3&*\underline{\bfA}**\underline{\bfA}**\underline{\bfB}*\underline{\bfA}**\underline{\bfC}\\甚䟋4&*\underline{\bfA}**\underline{\bfA}*\underline{\bfB}**\underline{\bfA}*\underline{\bfC}\end{tabular}\end{center}これらの甚䟋は順序が違っおもキヌワヌド``A,B,C''を含んでいるので条件を満たすたた4぀の甚䟋の間に優先順䜍はない甚䟋3ず甚䟋4には``A''が3぀あるがこの䞭のどの2぀ず照合したかを決めるこずができない\footnote{入力に合わせお2぀``A''を遞択するのであれば任意に遞択するしかなくあいたいである}以䞊の問題は先に\ref{sec:mondai}~章の䟋3で具䜓䟋で説明した問題ず同䞀である\subsection{語順を考慮したAND怜玢}入力ず語順が同じ衚珟はそうでない衚珟より近いであろうなぜなら語順はある皋床構文の情報を担うからであるそこでAND怜玢に語順の制玄を付加するこずで類䌌性の䜎い䞍適切な怜玢結果を枛らせるず期埅できる䟋えば䞊蚘の䟋でキヌワヌドの語順を考慮しお怜玢するず甚䟋3ず甚䟋4だけが出力される\ref{sec:mondai}~章の䟋で蚀うず「政府の䜜業」に察しお䟋2ず䟋3だけに解を絞ったこずに盞圓する\begin{center}\begin{tabular}{ll}甚䟋3&*\underline{\bfA}**A**\underline{\bfB}*\underline{\bfA}**\underline{\bfC}\\甚䟋4&*\underline{\bfA}**A*\underline{\bfB}**\underline{\bfA}*\underline{\bfC}\end{tabular}\end{center}しかし語順だけでは䞍十分な点があるたず甚䟋3ず4には最初にAが2぀あるがどちらが照合キヌワヌドなのか決めるこずができず照合個所を特定できないたた甚䟋の間に優先順䜍を぀けるこずができないキヌワヌドの数ず語順が同じ甚䟋が怜玢されたずきにその提瀺の優先順䜍を決められない問題であるこれは倧芏暡なデヌタベヌスを察象にした堎合に結果を絞り蟌めない問題に぀ながる\subsection{語順ず倉䜍を考慮したAND怜玢}\label{sec:teian}著者らは䞊蚘の問題を解決するために以䞋で説明するキヌワヌドの「倉䜍」を䜿った手法を利甚したたず入力䞭のキヌワヌド$x_i$の出珟䜍眮を䞎える関数を$org(x_i)$ずするこの倀は任意のキヌワヌドに぀いお䞀意に決めるこずができるこれに察しおキヌワヌド$x_i$の甚䟋内での出珟䜍眮を䞎える関数を$pos(x_i)$ずする\footnote{$org(x_i),pos(x_i)$は差をずるためデヌタベヌス䞭での絶察䜍眮であっおも文毎の盞察䜍眮であっおもかたわない以䞋では文毎の盞察䜍眮ずする}もし$pos(x_i)$の倀が決たればキヌワヌド$x_i$を入力ず甚䟋で照合できるこずになるしかし珟圚の䟋のように甚䟋に同䞀キヌワヌドが耇数出珟する堎合には䞀意に照合できないここで入力䞭の$x_i$の右隣のキヌワヌドが$x_{i+1}$であるずするたた甚䟋䞭にも$x_i$ず$x_{i+1}$ず同じ2぀のキヌワヌドが出珟しおいるずするただし甚䟋にはこの2぀のキヌワヌドが耇数出珟しおおりキヌワヌドの察応があいたいだずするこの時次匏で定矩するキヌワヌド察の倉䜍$dev(x_i,x_{i+1})$が最小になるように$pos(x_i),pos(x_{i+1})$を決めるこずにするこの基準を䜿えば倉䜍が同じ堎合を陀いお䞀意に照合するこずができる\begin{equation}dev(x_i,x_{i+1})=|(org(x_{i+1})-org(x_i))-(pos(x_{i+1})-pos(x_i))|\label{for:dev}\end{equation}\ref{for:dev}~匏は入力のキヌワヌド察の間隔ず甚䟋のキヌワヌド察の間隔の差であるこれが最も小さくなるように照合するのはキヌワヌドの間隔が䌌おいる堎合には係り受け関係も近い可胜性があるず考えたからである䟋えばこの経隓則で~\ref{sec:mondai}~章の䟋3の「政府の䜜業」の照合を正しく行うこずができる䞀般に入力のキヌワヌドが$n(n\ge2)$個ある堎合には隣接キヌワヌド察の倉䜍を利甚しおその合蚈が最小になるように照合する\footnote{隣接キヌワヌド䞀組では必ずしも構文の近さを反映しない堎合がある「政府の䜜業」ず「政府に䜜業」は係り受けは違うが倉䜍は0であるキヌワヌドが増えお制限が匷くなるほど構文的近さの良い近䌌になる傟向がある}\begin{equation}\sum_{i=1}^{n-1}dev(x_i,x_{i+1})\end{equation}珟圚の䟋で入力には$\{A,B,A,C\}$ずいうキヌワヌドがあるそこで$dev(A,B)+dev(B,A)+dev(A,C)$が最小ずなるようキヌワヌドを察応させるたたこの倀の小さな順に甚䟋を提瀺するこの結果は次の通りである\begin{center}\begin{tabular}{lll}甚䟋4&*A**\underline{\bfA}*\underline{\bfB}**\underline{\bfA}*\underline{\bfC}&倉䜍合蚈0\\甚䟋3&*A**\underline{\bfA}**\underline{\bfB}*\underline{\bfA}**\underline{\bfC}&倉䜍合蚈3\end{tabular}\end{center}AND+W怜玢ず同じ甚䟋を怜玢しおいるが照合したキヌワヌドを特定できおおりたた怜玢甚䟋に順䜍が぀いおいるこずに泚意されたいここでAND+W+D怜玢の特城をたずめる\begin{itemize}\itemキヌワヌドのあいたい性の解消\\AND+W+D怜玢はキヌワヌド照合にあいたい性がある堎合にそれを解消する胜力がある\ref{sec:mondai}~章の䟋3の堎合では「政府」の照合個所を䞋線郚分に特定できるこの性質は結果を衚瀺する堎合に有甚である\item甚䟋の順䜍付けが可胜\\AND+W怜玢ずAND+W+D怜玢が同じ入力キヌワヌド矀で出力する甚䟋集合は䞊蚘の䟋のように垞に䞀臎する違いの䞀぀は甚䟋に優先順䜍が぀く点である䟋えば\ref{sec:mondai}~章の䟋の䟋2ず䟋3のキヌワヌド数は2で同じであるしかし䟋3の倉䜍合蚈は0であるため1䜍ずなり䟋2は倉䜍が倧きいので2䜍の解ずなる\item完党䞀臎怜玢に近い\\名詞耇合語を怜玢する堎合は構成芁玠の名詞が連続した甚䟋が正解であるAND+W+D怜玢ではもし入力ず同䞀の耇合語があればその倉䜍合蚈は0ずなっお第1䜍で出力されるすなわち完党䞀臎怜玢の機胜も包含した怜玢手法ずなっおいる䞀方AND+W怜玢ではこのような保蚌はないこの性質は特に名詞耇合語の怜玢が倚くなる堎合に有利である\end{itemize}䞀般的にAND怜玢は同じ入力キヌワヌド矀に察しお語順を考慮したAND+W怜玢ずAND+W+D怜玢より倚くの文を怜玢する傟向があるただしキヌワヌド数を1たで枛らしお怜玢できる文の集合はいずれの手法も同じであるすなわちデヌタベヌス䞭の類䌌甚䟋の正解がどう定矩されおいおも最倧限に条件を緩和すれば3手法の再珟率は同じこずになる\subsection{アルゎリズムの抂芁}\label{sec:jissou}類䌌怜玢党䜓のアルゎリズムは~\ref{sec:houshin}~節に瀺した手順に埓っおいるすなわち利甚者の芁求に埓っおキヌワヌドの数を䞀぀ず぀枛らしお怜玢を行うこのずき利甚者は途䞭で怜玢を打ち切るこずが可胜である\footnote{実際キヌワヌド数が䞀぀になるたで条件を緩和するこずは考えにくい}たた甚䟋はキヌワヌドを最倧個数含む段階で衚瀺するものずしそれ以埌のキヌワヌドを削枛した段階では衚瀺しないここでは䞊蚘を考慮したAND+W+D怜玢アルゎリズムの抂芁を説明する凊理の倧たかな流れは以䞋の通りである\begin{itemize}\item入力衚珟の圢態玠解析を行っおキヌワヌドを求める\item甚䟋集合䞭でのキヌワヌドの出珟䜍眮を完党䞀臎怜玢で求める\itemキヌワヌドが出珟しおいる甚䟋に぀いおはノヌドテヌブルを䜜成するノヌドテヌブルは怜玢に䜿うデヌタ構造である\item怜玢衚瀺凊理のルヌプナヌザの芁求によっお繰り返す\begin{itemize}\item怜玢凊理\item衚瀺凊理\end{itemize}\end{itemize}入力衚珟は圢態玠解析されお自立語がキヌワヌドずしお抜出されるキヌワヌドのうち掻甚語は掻甚語尟や「ない」「぀぀」など接続し埗る機胜語をすべお付加しお展開する本システムではキヌワヌドの出珟䜍眮を文字列怜玢完党䞀臎怜玢によっお求めおいるこのため掻甚するキヌワヌドは可胜な出珟圢で怜玢する必芁があるこのずき掻甚語尟を付加しただけでは間違った品詞のキヌワヌドを怜玢する堎合がある䟋えば䞀段動詞の未然圢や連甚圢の「衰え」を怜玢するず名詞の「衰え」を怜玢する恐れがあるこのため機胜語も付加しお怜玢するこずで誀怜玢を防いでいるただし䟋えば吊定の「ない」は「なかっ」「なかろ」「なく」「ない」「なけれ」ず掻甚するが「な」だけを付加する぀たり誀怜玢を防ぐのに必芁十分な機胜語郚分文字列を付加する戊略を取っおいる入力には同じ衚局圢のキヌワヌドが耇数出珟する堎合があるため出珟順に付番しおすべおを区別するこの番号をキヌワヌドidず呌ぶただし展開で埗られる掟生キヌワヌドは同䞀のキヌワヌドidずする党甚䟋集合を察象に各キヌワヌド衚局圢を完党䞀臎怜玢によっお怜玢しそれぞれが出珟した甚䟋ずその䞭での䜍眮を求めるキヌワヌドが䞀぀以䞊出珟しおいる甚䟋に぀いおはノヌドテヌブルず呌ぶデヌタ構造を䜜成する前節で䜿った入力ず4぀の甚䟋に察応するノヌドテヌブルの䟋を図~\ref{fig:dousa}~に瀺す\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=104.eps,height=10cm}\caption{ノヌドテヌブルず怜玢結果}\label{fig:dousa}\vspace*{-1mm}\end{center}\end{figure}この図の最䞊段は入力のキヌワヌドの出珟䜍眮を瀺しおいる䞋郚の$g_1$から$g_4$に瀺したノヌド矀が甚䟋1から4に察応するノヌドテヌブルであるこのテヌブルは入力のキヌワヌドを出珟順぀たりキヌワヌドid順に䞊べ各idのキヌワヌド衚局圢の出珟䜍眮をノヌドずしお蚘述しおいる各ノヌドは察応するキヌワヌドidで管理されおいる\footnote{掻甚する語の堎合には同䞀キヌワヌドidに耇数の衚局圢がありそのすべおの出珟䜍眮を同䞀キヌワヌドid䞋のノヌドずする}ここで入力䞭にキヌワヌドが$M$個あるずするこのノヌドテヌブルには次の性質がある\begin{itemize}\item[性質1]甚䟋のノヌドテヌブルに察しお任意のノヌドから右方向でか぀出珟䜍眮が増加するような経路を䜜成したずするこの経路䞊のノヌド集合は語順の条件を満たすキヌワヌド集合である図~\ref{fig:dousa}~の矢印が経路の䟋である以埌経路ずはこの条件を満たす経路であるずする任意のノヌドからの経路を求める堎合にノヌドをなるべく倚く含んでか぀倉䜍合蚈が最小ずなる経路はグラフの最短経路問題ずしお定匏化できるので埓来のアルゎリズムで高速に求めるこずができる\footnote{ノヌド間の蟺のスコアは匏~(\ref{for:dev})~で定矩する倉䜍ずする}すなわち各ノヌドを始点ずする最適な怜玢結果を求めるこずができる\item[性質2]$N$個のキヌワヌドを含む経路はキヌワヌドidが$M-N+1$以䞋巊であるノヌドを開始点ずする経路䞊にしかない䟋えば図~\ref{fig:dousa}~においおキヌワヌド数3の経路はキヌワヌドidが1のノヌドず2のノヌドを開始点ずする堎合しかない別な芋方をするずキヌワヌドidが$M-N+1$に属するノヌドを開始点ずしお経路を求めるず$N$以䞋のキヌワヌドを含む堎合の経路を求めるこずができる\end{itemize}以䞊の性質を利甚しお図~\ref{fig:shousai}~に瀺すAND+W+D怜玢を実珟した\begin{figure}\begin{quote}\baselineskip=12pt\sfcode`;=3000\def\q{}a1)\q入力のキヌワヌドを抜出展開する;\\a2)\q甚䟋集合でのキヌワヌドの出珟䜍眮文ず䜍眮をすべお求める;\\a3)\q$M$キヌワヌド数;\\a4)\q$N=M$;\\[3mm]b1)\q$G\leftarrow\emptyset$;\\b2)\q{\bfforeach}\{$i\mids_i\inS$\}\{党甚䟋に察しお\\b3)\q\q{\bfif}(甚䟋$s_i$がキヌワヌドを䞀぀以䞊含むならば)\{\\b4)\q\q\q甚䟋$s_i$のノヌドテヌブル$g_i$を䜜成する;\\b5)\q\q\q$G\leftarrowG\cup\{i\}$;怜玢察象甚䟋リストを䜜成する\\b6)\q\q\}\\b7)\q\}\\[3mm]c1)\q{\bfwhile}($N>0$)\{\\c2)\q\q$startId=M-N+1$;開始点のキヌワヌドidの蚭定\\c3)\q\q{\bfforeach}\{$i\midi\inG$\}\{怜玢察象甚䟋$i$に察しお\\c4)\q\q\q{\bfforeach}\{$n\midg_i$の$startId$に属する各ノヌド\}\{\\c5-1)\q\q\q\q$g_i$のノヌド$n$から始たる最適経路を求める\\c5-2)\q\q\q\q最適経路䞊のノヌド数を$num$\\c5-3)\q\q\q\q倉䜍を$newdev$\\c5-4)\q\q\q\qキヌワヌド出珟䜍眮リストを$list$ずする\\c6)\q\q\q\q{\bfif}($R(i).dev>newdev$)\{\\c7-1)\q\q\q\q\q$R(i).dev\leftarrownewdev;$\\c7-2)\q\q\q\q\q$R(i).kwd\_num\leftarrownum;$\\c7-3)\q\q\q\q\q$R(i).kwd\_list\leftarrowlist;$\\c8)\q\q\q\q\}\\c9)\q\q\q\}\\c10)\q\q\}\\[3mm]d1)\q\q{\bfforeach}\{$i\midi\in\{R(i).kwd\_num=N\}\}$\{\\d2)\q\q\q{\itdev}の小さい順に甚䟋$i$ずその照合キヌワヌドを衚瀺する;\\d3)\q\q\q$G\leftarrowG-\{i\}$;衚瀺した集合を察象甚䟋から削陀する\\d4)\q\q\}\\d5)\q\q{\bfif}(利甚者が終了を指瀺{\bfor}$G=\emptyset$)\{終了;\}\\d6)\q\q{\bfelse}\{$N\leftarrowN-1$;\}\\d7)\q\}\end{quote}\caption{AND+W+D怜玢の基本アルゎリズム}\label{fig:shousai}\end{figure}アルゎリズム䞭の倉数$S$は党甚䟋集合を瀺す$S=\{s_1,s_2,\ldotss_i,\ldots\}$$G$は怜玢察象の甚䟋の番号を蚘録するリスト倉数であるb5䞀床衚瀺した甚䟋はこのリストから削陀するこずで以降の凊理を行わないようにするd3$R(i)$は甚䟋$s_i$に関する情報を栌玍する構造䜓の配列であるこの倉数には甚䟋$s_i$の最倧キヌワヌド含有数$R(i).kwd\_num$その倉䜍合蚈$R(i).dev$キヌワヌド矀の出珟䜍眮$R(i).kwd\_list$を蚘録するc7怜玢凊理の䞭心郚分はc1--c10であるキヌワヌド数$N$の甚䟋を怜玢するために開始キヌワヌドidをc2で蚭定しおいるこのあず各甚䟋$i$の䞭でこのキヌワヌドidに属するノヌドから最適経路を探玢しおいるc5怜玢開始キヌワヌドidはキヌワヌド数の緩和d6に䌎っお1から順に増加するように蚭定されおいるc2このため性質2から甚䟋$i$でキヌワヌド数$N$の経路が芋぀かった堎合にすでに同数の解が以前の開始キヌワヌドid$\{1,\ldots,M-N\}$での探玢で発芋されおいる可胜性があるそこでこのような堎合には倉䜍合蚈の小さい解だけを残す凊理を行っおいるc6--c7図~\ref{fig:dousa}~の矢印で瀺す経路ず倉䜍はキヌワヌドid1のノヌドを開始点ずしお最適経路を求めた結果である甚䟋1ず2に぀いおはキヌワヌド数3の解が甚䟋3ず4に぀いおはキヌワヌド数4の解が求められおいる以䞊のように本手法はキヌワヌドを最倧限含む順に解を求めおいる倚くの堎合利甚者は条件緩和の途䞭で怜玢を打ち切るのでこの順序で解を求めおいるただしこの手法では甚䟋のノヌド集合を最初に党郚保持するためデヌタベヌスの倧きさによっおはメモリの消費が問題になる可胜性があるこの堎合には各甚䟋の最適解を最初に求めるなど倉曎する䜙地はあるいずれにせよ動的蚈画法を利甚すれば実甚的な速床で解を求めるこずができる \section{怜玢実隓} \label{sec:jikken}\subsection{実行時間}\label{sec:jikan}AND怜玢AND+W怜玢AND+W+D怜玢を察象に怜玢時間を評䟡したAND+W怜玢はAND+W+D怜玢アルゎリズムをほがそのたた利甚しお䜜成したAND怜玢はキヌワヌドのノヌド集合を䜜成する過皋で出珟キヌワヌド数を蚈数するこずで実珟した怜玢察象デヌタベヌスは1995幎3月から1997幎2月たでに収集した日本語ニュヌスである衚~\ref{tab:database}入力したのは1997幎3月のニュヌス蚘事からランダムに遞んだ500蚘事の各先頭行500行であるこれらの蚘事は怜玢察象デヌタベヌスに含たれおいないたた入力の平均文字数は92.7文字ず長いこのためキヌワヌドが完党䞀臎する甚䟋はほずんどない実隓手順は以䞋のずおりである\begin{table}\begin{center}\caption{怜玢時間の比范(秒)}\label{tab:jikan}\begin{tabular}{l|rrr}\hline\hline手法&\multicolumn{1}{c}{AND}&\multicolumn{1}{c}{AND+W}&\multicolumn{1}{c}{AND+W+D}\\\cline{2-4}総時間&25,573.1&33,201.6&33,426.9\\䞀回の緩和の平均時間&2.33&3.02&3.04\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}入力の各文を圢態玠解析しお自立語キヌワヌドを抜出するそしお各文でキヌワヌド数1になるたで条件を自動的に緩和しながら怜玢を行っおその环積時間を蚈枬した\footnote{利甚したワヌクステヌションの蚘憶容量は256MBであり凊理速床は{\itSPECint92}$=202.9${\itSPECfp92}$=259.5$である}結果を衚~\ref{tab:jikan}に瀺す緩和の合蚈回数は3手法で等しく10,989回であるこの衚から語順を考慮したAND+W手法ずAND+W+D手法でもAND怜玢にくらべお玄1.3倍の時間増だったこずがわかるたたAND+WずAND+W+Dを比范するず時間の差はほずんどなく倉䜍の有無の圱響はほずんどなかったこずがわかる1回の緩和すなわち利甚者が1぀キヌワヌドを枛少するよう指瀺した時に芁した平均怜玢時間(総時間$/10,989$)を2行目に蚘したこれによればAND怜玢で2秒AND+WAND+W+Dで3秒皋床であるただし総時間にはキヌワヌドの出珟䜍眮をディスクからメモリに転送する初期凊理の時間を含めおおりこの時間がかなりの郚分を占めおいる初期凊理が終了した埌の1回の緩和に芁する時間は語順ず倉䜍を考慮しおも1ないし2秒であり実甚䞊満足できる速床であった以䞊の実隓より語順ず倉䜍を考慮しおもAND怜玢なみに十分高速に怜玢できるこずを確認した\subsection{怜玢文数の絞り蟌み効果}\label{sec:siborikomi}\ref{sec:teian}~節の終わりに述べたようにキヌワヌド数を1たで緩和すればANDAND+WAND+W+D手法で怜玢できる甚䟋集合は同じであるしかし実際にはキヌワヌド数の倧きなずころで怜玢を打ち切るので利甚者の芋る甚䟋数は語順の制玄の有無で違っおくるこの違いを前節ず同じ入力を䜿っお評䟡した語順を考慮した手法AND+W\footnote{AND+WずAND+W+Dは同じキヌワヌド集合に察しお同じ甚䟋集合を怜玢するのでここではAND+Wで代衚する}ずAND怜玢それぞれに぀いお各キヌワヌド数での怜玢甚䟋数を蚈枬した結果を図~\ref{fig:kazu}に瀺す怜玢甚䟋数は入力500文で合蚈したものである暪軞はキヌワヌド数で瞊軞は察数を取った怜玢数であるたたこのグラフの䞀郚の怜玢甚䟋数を衚~\ref{tab:kazu}に瀺す\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=108.eps,height=10cm}\caption{各キヌワヌド数での怜玢甚䟋数500入力での合蚈}\label{fig:kazu}\end{center}\end{figure}\begin{table}\begin{center}\caption{各キヌワヌド数での怜玢甚䟋数500入力での合蚈}\label{tab:kazu}\begin{tabular}{r|r|r}\hline\hline\multicolumn{1}{c|}{キヌワヌド数}&\multicolumn{1}{c|}{AND}&\multicolumn{1}{c}{AND+W(+D)}\\\cline{1-3}1&54,374,495&59,258,536\\2&13,923,270&11,338,161\\3&3,470,894&2,088,640\\$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}アルゎリズムの説明で述べたように文は含有キヌワヌド数が最倧の時に䞀床衚瀺するだけであるこのため図~\ref{fig:kazu}の2぀のグラフの面積は等しくなる衚~\ref{tab:kazu}から明らかなようにキヌワヌド数1の郚分でAND+W怜玢の怜玢甚䟋数がAND怜玢の結果を倧きく超えおいるこの結果キヌワヌド数が1以倖の郚分ではAND+W怜玢の怜玢数はANDより小さく抌さえられおいるすなわち語順制玄を䜿うこずでキヌワヌド数が1より倧きい郚分で怜玢結果数を絞り蟌むこずができたこずが確認できるしかし語順による絞り蟌みの効果が十分であるずは蚀えないキヌワヌド数が小さい郚分での絶察的な怜玢数が倧きいのが問題である䟋えば3語のキヌワヌドで怜玢する甚䟋数は平均で$4,177$$=2,088,640/500$に達したこのような甚䟋も怜玢する可胜性があるため絞り蟌み効果は十分でない逆に50皋床の怜玢甚䟋数を蚱容するず仮定すればキヌワヌドの語順を考えない堎合でも10語以䞊含む入力であれば蚱容範囲の怜玢数ずなる語順を䜿った堎合は8語以䞊で蚱容範囲ずなる\vspace*{-4mm}\subsection{怜玢結果の満足床}\vspace*{-0.5mm}\label{sec:manzoku}語順に倉䜍の制玄を加えるず怜玢結果に優先順䜍を぀けるこずができるこの順䜍が劥圓であれば怜玢甚䟋数の倚さの問題は解決できるそこで著者らはこの順䜍の劥圓性を怜蚌するため3手法の怜玢結果の満足床の高さを䞻芳的に評䟡しお比范した実隓芁領は以䞋の通りである\begin{itemize}\item被隓者\\翻蚳者3名このうち1名はニュヌス翻蚳の経隓が豊富である残りの2名はニュヌス翻蚳を盎接担圓しおいるわけではないが翻蚳の経隓は豊富であるいずれの被隓者も怜玢手法に぀いおは知らされおいない\item入力衚珟\\珟実の入力を想定しお58の日本語衚珟を䜜成した具䜓的には先の実隓で䜿甚した500文から文をランダムに抜出しそれらの䞀郚を切り出しお䜜成したすなわちカットアンドペヌストで入力するこずを想定した長さの平均は22.6文字最倧の入力は62文字最小の入力は14文字である\item出力\\䞀぀の入力に察しお各3手法の䞊䜍5個の日本語怜玢結果を印刷しお提瀺したこの時各手法の怜玢結果の提瀺順序を1぀の入力ごずに倉曎しお怜玢手法ず結果の察応がわからなくなるようにしたたた照合したキヌワヌドを$<>$で囲んで衚瀺した被隓者は最初のキヌワヌドから最埌のキヌワヌドが出珟した区間を䞭心に評䟡したこれはキヌワヌドで怜玢した郚分以倖に偶然類䌌した郚分があった堎合にこれを評䟡しないためである\item評䟡手法\\怜玢した郚分の正しい英蚳があるず想定したずきの満足床を次の2皮類で評䟡した\begin{itemize}\item盞察評䟡\\3手法すべおの結果を芋お最も満足床の高い結果を5点ずしお以䞋この結果ずの満足床の差を䞋蚘の芁領で評䟡した\begin{center}\begin{tabular}{llr}党く差がない&&5\\わずかに差がある&(わずかに劣る)&4\\差がある&(劣る)&3\\かなり差がある&(かなり劣る)&2\\非垞に差がある&(非垞に劣る)&1\\\end{tabular}\end{center}\item絶察評䟡\\翻蚳を行うずきに英蚳があればどの皋床圹に立぀かを以䞋の5段階で絶察評䟡した\begin{center}\begin{tabular}{llr}非垞に圹に立぀&(非垞に良い)&5\\かなり圹に立぀&(良い)&4\\たあ圹に立぀&(ふ぀う)&3\\あたり圹に立たない&(悪い)&2\\党然圹に立たない&(非垞に悪い)&1\\\end{tabular}\end{center}\end{itemize}\end{itemize}評䟡シヌトの実䟋を付録に瀺す3名の評䟡結果の平均倀を衚~\ref{tab:soutai}ず~\ref{tab:zettai}に瀺す\begin{table}\begin{center}\caption{盞察評䟡結果}\label{tab:soutai}\begin{tabular}{c|ccc}\hline\hline被隓者&AND&AND+W&AND+W+D\\\hlineA&$2.88$&$2.94$&$3.60$\\B&$2.99$&$3.07$&$3.90$\\C&$3.07$&$3.21$&$3.80$\\\hline平均&$2.98$&$3.08$&$3.77$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{絶察評䟡結果}\label{tab:zettai}\begin{tabular}{c|ccc}\hline\hline被隓者&AND&AND+W&AND+W+D\\\hlineA&$2.78$&$2.81$&$3.13$\\B&$2.84$&$2.98$&$3.44$\\C&$3.02$&$3.10$&$3.44$\\\hline平均&$2.88$&$2.96$&$3.34$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}たた各手法の違いを怜定するため平均倀の差の$t$--怜定を行った手法間の$t$--倀を衚~\ref{tab:soutaiT}ず\ref{tab:zettaiT}に瀺す\footnote{二぀の母分散が等しい堎合ずそうでない堎合で蚈算したずころ衚䞭の桁数で倀は倉わらなかった}\begin{table}\vspace*{-4mm}\begin{center}\caption{盞察評䟡の$t$--倀}\label{tab:soutaiT}\begin{tabular}{c|rr}\hline\hline&AND&AND+W\\\hlineAND+W&1.55&\\AND+W+D&13.28&11.77\\\hline\end{tabular}\end{center}\bigskip\begin{center}\caption{絶察評䟡の$t$--倀}\label{tab:zettaiT}\begin{tabular}{c|rr}\hline\hline&AND&AND+W\\\hlineAND+W&1.44&\\AND+W+D&8.73&7.23\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}$t_{0.025}(\infty)=1.960$であるからどちらの衚でもAND+W+DずANDAND+W+DずAND+Wの組み合わせでは有意氎準5\%で垰無仮説平均倀に差がないを棄华できる\footnote{$t_{0.0005}(\infty)=3.291$であり0.1\%であっおも棄华できる}䞀方ANDずAND+Wでは5\%有意氎準の棄华はできない以䞊の結果より次のこずが結論できる\begin{itemize}\itemAND怜玢ずAND怜玢に語順制玄を加えたAND+W怜玢ではAND+W怜玢の方が満足床が高くなる傟向は認められたが統蚈的に有意な差はなかった\itemAND+W+D怜玢の満足床はAND怜玢ずAND+W怜玢のいずれの満足床より高くなったたたこれは統蚈的に有意な差であった\end{itemize}以䞊より提案手法の粟床が最も高かったず結論できる\vspace*{-1.5mm}\subsection{議論}\vspace*{-0.5mm}本章の実隓結果のたずめを瀺す\begin{itemize}\item怜玢時間はAND怜玢が有利であったが語順ず倉䜍を加えおも1.3倍皋床の時間増であった\item語順制玄を远加するこずで怜玢結果を絞り蟌む効果は確認できたしかし短い入力に察する絞り蟌み効果は十分ではなかった\item倉䜍の制玄を加えるず怜玢結果に順䜍付けができるこの効果を蚈枬したずころ有効性を有意に怜出できた\end{itemize}今回の実隓からカットアンドペヌスト方匏の入力ではAND+W+D怜玢ずAND怜玢を䜿うのが良いず著者らは考えおいるAND+W+D怜玢は最も満足床が高かったからであるAND怜玢は今回の満足床の実隓の結果は䞀番䜎かったしかし速床の面は最も優れおいるたた入力の衚珟が長い郚分では怜玢結果の数も問題にならないそこで長い衚珟を怜玢する堎合にAND+W+D怜玢を補完する意味で利甚する䟡倀があるず考える䞀方AND+W怜玢ずAND+W+D怜玢の䞡方を䜿う必芁性は小さいず蚀える䞡者は基本的に同じ怜玢結果ずなるからであるただしこれは本皿のように入力衚珟を原文のカットアンドペヌストで䜜成する堎合に限る利甚者が盎接キヌワヌド列を入力する堎合には倉䜍の情報を䜿えないこのため語順だけを䜿ったAND+W怜玢を䜿う必芁も生じる\footnote{著者らのシステムにもキヌワヌドを盎接入力する機胜がありこの堎合にはANDずAND+W怜玢を利甚しおいる} \section{関連研究} \label{sec:kanren}類䌌甚䟋提瀺型翻蚳支揎システムの提案はこれたで倚くなされおいる\cite{Naka89,Sumi91,Tera92,Sato93,Take94,Hyou94,Kitamu96,Aoya95}ここではこのようなシステムの䞭で著者らの怜玢の研究ず近い研究に぀いお比范を行う䞭村\cite{Naka89}の研究は著者らの研究の出発点になったものであるこの論文は甚䟋怜玢による翻蚳支揎の考え方ず構成を瀺しおいる䞭村はこの論文で入力衚珟ず甚䟋が共有する自立語の数に基づいお類䌌性を蚈算する手法を提案しおいるたた怜玢結果の順䜍を次の3぀の条件で敎列しおいる1構成語本研究のキヌワヌドがその他の語をはさたない2甚䟋䞭の自立語の個数に察する構成語の数の比率3含んでいる構成語の数このシステムを䜿った小芏暡な評䟡実隓では長い(耇数文節)衚珟を入力した堎合に怜玢結果が「あいたい」ずなっお被隓者の評䟡が䜎くなったず報告しおいるこれは怜玢結果の効果的な絞り蟌みの必芁性を瀺唆した結果である著者らはこれに察しお語順ず倉䜍を考慮した怜玢を提案しその有効性を確認した隅田ら\cite{Sumi91}は衚珟蟞兞の甚䟋文を怜玢する翻蚳支揎システムを提案しおいる著者らずの䞻芁な違いは2点ある1甚䟋文はニュヌスの蚘事に比べお短く入力も単文に近い甚䟋を想定しおいる点2怜玢では構文的な類䌌性を重芖しおいる点である類䌌怜玢は入力の自立語を順次無芖しお最埌に付属語列のパタヌンたで怜玢条件を緩和する手法を採甚しおいるここで語順は考慮しおいない隅田らは構文情報の把握に助詞を利甚しおいるこれは短い甚䟋を察象にした堎合に有効であるが著者らのように長い甚䟋を扱う堎合には䞍適切であるなぜなら長い甚䟋では衚局の助詞だけで䞻芁な構文構造を把握するこずができないからであるたた助詞は極めお倚くの堎所に出珟するためこれを䜿う凊理は遅くなる問題もある実際著者らのシステムで助詞をキヌワヌドに含めお怜玢実隓を行ったずころ自立語だけを察象にする堎合の玄23倍の時間がかかるこずが分かった䜐藀\cite{Sato93}は文字を連続しお倚く共有する2぀の文を近いず考えた「最適照合怜玢」を提案しおいるこの論文では1文字を照合単䜍ずしか぀順序を考慮した照合手法CTM1ず2文字ず3文字を照合単䜍ずし順序を無芖した照合手法CTM2を提案しおいるたたどちらの手法も文字列が連続しお出珟するこずを類䌌性の条件に含めおいる文字ず単語の違いを無芖すれば著者らの語順ず倉䜍を考えた手法がCTM1に語順を無芖した手法がCTM2に察応するたたこの二぀の手法の怜玢結果の違いを次のような実隓で怜蚎しおいる1100個の入力をそれぞれ怜玢し䞊䜍5぀の類䌌衚珟を埗る2その英蚳の䞭で最良の英蚳の有甚性を4段階で䞻芳評䟡する\footnote{利甚者は䞀぀の有甚な察蚳が埗られれば十分ずいう考えによる䞀方著者らは倚様な察蚳の怜玢を重芁芖しおいる}実隓結果よるず二぀の手法の有甚性は同等もしくはCTM2の方が若干良かったずなっおいる著者らの結果ず比べるず出珟順序を考えないCTM2の結果が良いのは意倖である原因は甚䟋デヌタベヌスの違い入力衚珟の違い評䟡法の違いがあるため断定できないがCTM2の文字列の連続性の条件が貢献しおいる可胜性があるこの条件が著者らの倉䜍ず察応したず考えられる著者らの実隓結果でも語順だけでは効果が薄く倉䜍が有効であった点を考えるず䞡者の実隓結果に矛盟はない \section{おわりに} \label{sec:ketsuron}翻蚳支揎を目的ずした類䌌文怜玢手法を提案しおその有効性を実隓で確認した提案したのは入力ず甚䟋のキヌワヌドの共有数語順その倉䜍を類䌌性の基準ずした怜玢手法である提案手法は入力文の圢態玠解析以倖は衚局文字列の䞀臎を䜿うため高速か぀頑健ずいう利点を持぀今埌の課題を述べる珟圚はすべおの自立語を同等の重芁性を持ったキヌワヌドずしお怜玢を実行しおいるしかし利甚者が知りたい衚珟が特定のキヌワヌドを含む堎合があろうたた動詞を含んだ衚珟で条件緩和をする堎合に䞀般的に動詞は削陀しない方が良いず考えられるこのような特別な条件や経隓則を珟圚の凊理に远加するのは今埌の課題であるこのような倉曎は内容が明らかになれば珟圚の枠組みで簡単に実珟できるず考えおいる珟圚本怜玢郚分を含んだ日英翻蚳支揎システムをニュヌスの翻蚳珟堎で実際に䜿甚し始めおいるそこで怜玢条件の改良は実際の利甚者の意芋を取り入れお進めおいきたいず考えおいるたた今回は日本語の怜玢郚分だけの評䟡を行ったが実際の英語の出力を䜿っおシステム党䜓の評䟡も行う予定であるこれに぀いおは別途報告したい今回は日本語を察象にした怜玢システムを報告した今回の内容は蚀語に䟝存した郚分がほずんどないためその他の蚀語ぞの応甚も簡単であるすでに英語の怜玢郚分を䜜成しおおりその有効性を調査したいず考えおいるさらにその他の蚀語ぞの適甚可胜性も怜蚎したい\vspace{-2mm}\bigskip\medskip\noindent{\Large\bf付録\quad評䟡シヌトの䟋}\bigskip\vspace{-2mm}\label{app:sheet}\baselineskip=0.98\normalbaselineskipこの堎合はAND+WAND+W+DANDの順に怜玢結果を衚瀺しおいる評䟡文の最初の括匧付の数字が盞察評䟡2番目の数字が絶察評䟡の倀を瀺す++++++++++入力文++++++++++++++IN事故のあった斜蚭の䞭を調査したした++++++++++キヌワヌド++++++++++KW$<$事故$>$の$<$あっ$>$た$<$斜蚭$>$の䞭を$<$調査し$>$たした++++++++++怜玢文++++++++++++++SR2-1(1)(2)この研究グルヌプは車に携垯電話を備えおいお軜い物損$<$事故$>$を起こ\breakしたこずの$<$ある$>$ドラむバヌ六癟九十九人に぀いお事故のデヌタず通話蚘録を$<$調査し$>$た\breakしたSR2-2(1)(2)公海䞊でおきた今回の$<$事故$>$の原因調査は囜際条玄で船籍の$<$ある$>$ロシア\breakが行うこずになりたすが事故の原因を特定するためには船銖郚分の砎断面などを詳しく分析す\breakる必芁があるため運茞省では匕き続き倖亀ルヌトを通しお共同で$<$調査す$>$るこずをロシア偎\breakに求めおいくこずにしおいたすSR2-3(1)(2)埌玉県内では小山代衚が理事長を務める特別逊護老人ホヌムが$<$ある$>$北本垂\breakでもきょう臚時の垂議䌚が開かれ$<$斜蚭$>$建蚭に至る経緯や運営に぀いお$<$調査す$>$る特別委\break員䌚を蚭けたほか珟圚同じ瀟䌚犏祉グルヌプの特別逊護老人ホヌムの建蚭が進んでいる䞊犏岡垂も垂圹所の䞭に察策委員䌚を蚭眮しお補助金の䜿い途などに぀いお調査を始めおいたすSR2-4(1)(2)埌玉県内では小山容疑者が理事長を務める特別逊護老人ホヌムが$<$ある$>$北\break本垂でもきょう臚時の垂議䌚が開かれ$<$斜蚭$>$建蚭に至る経緯や運営に぀いお$<$調査す$>$る特\break別委員䌚を蚭けたほか珟圚同じ瀟䌚犏祉グルヌプの特別逊護老人ホヌムの建蚭が進んでいる\break䞊犏岡垂も垂圹所の䞭に察策委員䌚を蚭眮しお補助金の䜿い途などに぀いお調査を始めおい\breakたすSR2-5(1)(1)去幎山圢県でゞェット機の䜎空飛行が原因で女性が銬から萜ちお怪我をし\breakた$<$事故$>$に぀いお圚日アメリカ軍はこのゞェット機がアメリカ軍機で$<$ある$>$こずを認め被害\break者に賠償の支払いに応じる意向を防衛$<$斜蚭$>$庁に䌝えおきおいたこずが分かりたした++++++++++怜玢文++++++++++++++SR2-1(5)(4)東京電力によりたすず$<$事故$>$が$<$あっ$>$た$<$斜蚭$>$は定期点怜䞭でタヌビン\breakなどを分解しお組み盎し再び発電を始めるための詊運転䞭に事故が起きたずいうこずですSR2-2(3)(3)譊察庁は今幎六月に党囜で起きた死者やケガ人のでたおよそ六䞇二千件の亀\break通事故を察象に携垯電話が原因ずみられる$<$事故$>$がどの皋床$<$ある$>$のか初めお$<$調査し$>$た\breakしたSR2-3(3)(3)譊察庁は今幎六月に党囜で起きた死者やケガ人のでたおよそ六䞇二千件の亀\break通事故を察象に携垯電話が原因ずみられる$<$事故$>$がどの皋床$<$ある$>$のか初めお$<$調査し$>$た\breakしたSR2-4(1)(1)このためノヌスり゚スト航空では問題の゚ンゞンをアメリカのミネアポリ\breakスに$<$ある$>$本瀟の敎備$<$斜蚭$>$に運んで詳しく$<$調査す$>$る事にしたものできょう機䜓か\breakら問題の゚ンゞンを取り倖しお新しい゚ンゞンず取り替えこの゚ンゞンをきょうにもミネア\breakポリスに向け送る事にしおいたすSR2-5(1)(1)それによりたすず去幎の六月二十四日ワシントン州のフェアチャむルド\break空軍基地の䞊空で航空ショヌのリハヌサル飛行をしおいたヌ五十二戊略爆撃機が墜萜し乗員\break四人党員が死亡した$<$\hspace{-0.2pt}事故\hspace{-0.2pt}$>$で墜萜地点は基地に$<$\hspace{-0.2pt}ある\hspace{-0.2pt}$>$\mbox{栞兵噚の貯蔵$<$\hspace{-0.2pt}斜蚭\hspace{-0.2pt}$>$のすぐ近くで}距離はわずか十五メヌトルしか離れおいなかったいうこずです++++++++++怜玢文++++++++++++++SR2-1(1)(1)このうち原子力の問題に取り組んでいる原子力資料情報宀は地球芏暡で\break環境に圱響を及がす恐れの$<$ある$>$原子力発電所の$<$事故$>$に぀いお去幎十二月の高速増殖炉\break「もんじゅ」のナトリりム挏れ$<$事故$>$を䟋に挙げお▌地元ぞの$<$事故$>$の報告を矩務付けるこ\breakずや▌原子力$<$斜蚭$>$での$<$事故$>$の原因を$<$調査す$>$る第䞉者機関を蚭けるこずそれに▌民\break間の調査に察しおも情報を公開するこずなどを盛り蟌んだ「原子力$<$斜蚭$>$$<$事故$>$察応法」の\break制定を提案したしたSR2-2(1)(1)沖瞄県に$<$ある$>$アメリカ軍基地の排氎管から高い濃床の有害物質が\break怜出された問題できょう基地をかかえる沖瞄県内の自治䜓の代衚らが防衛$<$斜蚭$>$庁を蚪れア\breakメリカ軍による盞次ぐ事件や$<$事故$>$の防止に党力をあげるよう芁請したしたSR2-3(1)(1)はこの問題の実態を぀かむため保健所を持ち凊理$<$斜蚭$>$に蚱認可暩\breakが$<$ある$>$各郜道府県や垂あわせお八十二の自治䜓を察象にアンケヌト方匏で$<$調査し$>$すべお\breakの自治䜓から回答を埗たしたSR2-4(1)(1)はこの問題の実態を぀かむため保健所を持ち凊理$<$斜蚭$>$に蚱認可暩\breakが$<$ある$>$各郜道府県や垂あわせお八十二を察象にアンケヌト方匏で$<$調査し$>$すべおの自治䜓\breakから回答を埗たしたSR2-5(1)(1)これに察しお池田倖務倧臣は「圚日アメリカ軍は今回の$<$事故$>$で䜿甚され\breakたのず同様の劣化りランを含む砲匟を日本囜内の䞀郚の$<$斜蚭$>$に所蔵しおいるがこれは日本が\break攻撃を受けるなど緊急事態が発生した堎合には䜿甚する必芁が$<$ある$>$ものでそうした意味で撀\break去を求めるのは適圓ではない」ず述べアメリカ軍に察しお日本囜内に所蔵しおいる同皮の\break砲匟の撀去は求めないずいう考えを瀺したした\baselineskip=\normalbaselineskip\bigskip\acknowledgment本研究は第䞀著者がNHK攟送技術研究所勀務䞭に行った研究をたずめたものです本論文をたずめる機䌚を䞎えおいただいたATR音声翻蚳通信研究所の山本誠䞀瀟長ず暪尟昭男宀長に感謝いたしたすたたプログラムの䜜成ず実隓に協力しおいただいた株匏䌚瀟KISの束田䌞掋氏に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n5_05}\bigskip\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{田䞭英茝}{1982幎九州倧孊工孊郚電子工孊科卒業1984幎同倧孊院修士課皋修了同幎日本攟送協䌚に入局1987幎同攟送技術研究所勀務1997幎ATR音声翻蚳通信研究所勀務珟圚第4研究宀䞻任研究員機械翻蚳機械孊習情報怜玢の研究に埓事工孊博士情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{熊野正}{1993幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1995幎同孊理工孊研究科情報工孊専攻修士課皋修了同幎日本攟送協䌚に入局攟送技術研究所勀務自然蚀語凊理人工知胜の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{浊谷則奜}{1975幎東京倧孊倧孊院修士課皋電気工孊修了同幎日本攟送協䌚に入局1979幎同攟送技術研究所勀務1991幎より3幎間ATR自動翻蚳電話研究所ならびに音声翻蚳通信研究所に勀務珟圚NHK攟送技術研究所ヒュヌマンサむ゚ンス䞻任研究員情報怜玢自然蚀語凊理の研究に埓事工孊博士情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚映像情報メディア孊䌚各䌚員}\bioauthor{江原暉将}{1967幎早皲田倧孊第䞀理工孊郚電気通信孊科卒業同幎日本攟送協䌚に入局1970幎より攟送技術研究所に勀務珟圚ヒュヌマンサむ゚ンスグルヌプ䞻任研究員かな挢字倉換機械翻蚳音声認識などの研究に埓事工孊博士本䌚評議委員情報凊理孊䌚機械翻蚳協䌚電子情報通信孊䌚映像情報メディア孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V26N01-09
\section{はじめに} 近幎ニュヌラルネットワヌク及び分散衚珟の䜿甚により係り受け解析は倧きく発展しおいる\cite{dchen2014,weiss2015,hzhou2015,alberti2015,andor2016,dyer2015}こうした構文解析噚が単語ごずの分かち曞きを行う英語や倚くのペヌロッパ諞語に適甚された堎合は非垞に正確に動䜜するしかし日本語や䞭囜語のように特に単語毎の分かち曞きを行わない蚀語に察し適甚する堎合は事前に圢態玠解析噚や単語分割噚を利甚しお単語分割を行う必芁があるたた単語分割が比范的に容易な蚀語の堎合でも構文解析噚は品詞タグ付け結果を利甚するこずが倚いしたがっお前段の単語分割噚や品詞タグ付け噚ず埌段の構文解析噚をパむプラむンにより結合されお甚いられるしかしどのような単語分割噚や品詞タグ付け噚にも出力の誀りが存圚し結果的にそれが埌方の係り受け解析噚にも䌝播するこずで党䜓の解析結果が悪くなっおしたう問題が存圚したこれを誀差䌝播問題ず呌ぶ日本語においおも䞭囜語においおも単語の定矩には曖昧性が存圚するが特に䞭囜語ではこのような単語の定矩の曖昧性から単語分割が悪名高く難しいこずが知られおいる\cite{Shen2016a}それゆえ埓来法である単語分割品詞タグ付け構文解析のパむプラむンモデルは単語分割の誀りに垞に悩たされるこずになった単語分割噚が単語の境界を誀っお分割しおしたうず䌝統的なone-hotな単語玠性や通垞の単語の分散衚珟(\textbf{wordembedding})ではもずの単語の意味を正しく捉えなおすこずは難しい結果的に䞭囜語の文を生文から解析する際はパむプラむンモデルの粟床は70\%前半皋床ずなっおいた\cite{hatori2012}このような誀差䌝播問題に察しおは統合モデルを䜿甚するこずが有効な解決方法ずしお提案されおいる\cite{zhang-clark2008:EMNLP,zhang-clark2010,hatori2011,hatori2012,mzhang2014}䞭囜語の単語は単䞀の衚局系で耇数の構文的な圹割を挔じるゆえにそうした単語の境界を定めるこずず埌続の品詞タグ付け構文解析は非垞に関連のあるタスクずなりそれらを別個に行うよりも同時に凊理するこずで性胜の向䞊が芋蟌たれる䞭囜語の統合構文解析噚に぀いおはすでに\citeA{hatori2012}や\citeA{mzhang2014}などの統合モデルが存圚するしかしこれらのモデルは近幎のwordembeddingのような衚珟孊習や深局孊習手法を利甚しおおらず専ら耇雑な玠性遞択やそれら玠性同士の組み合わせに䟝存しおいる本研究ではニュヌラルネットワヌクを甚いた手法による䞭囜語の統合構文解析モデルを提案しパむプラむンを甚いたモデルずも比范するニュヌラルネットワヌクに基づく係り受け解析では単語の分散衚珟ず同様に文字の分散衚珟が有効であるこずが英語などの蚀語における実隓で瀺されおいる\cite{ballesteros2015}しかし䞭囜語や日本語のように個々の文字が固有の意味を持぀蚀語においお単語以䞋の構造である郚分単語の分散衚珟がどのように有効であるかに぀いおはいただ十分な研究が行われおいない䞭囜語では単語そのものの定矩がやや曖昧である他に単語内にも意味を持぀郚分単語が存圚する堎合がある加えお䞭囜語の統合構文解析を行う堎合には単語分割の誀りに察凊したり文䞭で単語分割をただ行っおいない箇所の先読みを行う必芁があり必然的に単語だけではなく郚分単語や単語ずはならない文字列の意味を捉えるこずが必芁になるこのような郚分単語や単語ずはならない文字列は倧抵の堎合はモデルの孊習に甚いる蚓緎コヌパスや事前孊習された単語の分散衚珟䞭には存圚せず文字や文字列の分散衚珟を扱わない先行研究では未知語ずしお凊理されるしかしこうした文字列を未知語ずしお眮換し凊理するよりもその構成文字から可胜な限りその意味を汲み取った方がより高粟床な構文解析が行えるず考えられるこのため本研究では文字列の分散衚珟を利甚した統合構文解析モデルを提案する提案手法では既知の文字たたは単語に぀いおはそれらの分散衚珟を䜿甚し未知の文字列に぀いおは文字列の分散衚珟を䜿甚する本研究では䞭囜語の統合構文解析モデルずしお単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルず単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルおよび係り受け解析のパむプラむンモデルの2぀を提案するこれらのモデルを䜿甚するこずで実隓では新芏に䞖界最高性胜の䞭囜語単語分割および品詞タグ付け粟床を達成したたた係り受け解析ずのパむプラむンモデルが埓前の統合解析モデルず比范しおより優れた性胜を達成した以䞊の党おのモデルにおいお単語ず文字の分散衚珟に加えお文字列の分散衚珟を利甚した著者の知る限りにおいおこれは分散衚珟ずニュヌラルネットワヌクを利甚し䞭囜語の単語分割・品詞タグ付け・係り受け解析の統合解析を行ったはじめおのモデルであるこの論文における貢献は以䞋のようにたずめられる(1)分散衚珟に基づく初めおの統合構文解析モデルを提案した(2)文字列の分散衚珟を未知語や䞍完党な文字列に察しおその意味を可胜な限り汲み取るために䜿甚した(3)加えお既存手法で芋られた耇雑な玠性遞択を避けるために双方向LSTMを䜿甚するモデルを提案した(4)䞭囜語のコヌパスにおける実隓で単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析にお新芏に䞖界最高性胜を達成したこの他に本論文では䞭囜語係り受け解析のラベル付けモデルを提案し原文からラベル付き係り受け解析たでを行った際のスコアを評䟡するこのモデルに関しおも同様に文字列の分散衚珟を利甚する \section{関連研究} 遷移型係り受け解析アルゎリズムは係り受け解析を行う際にその粟床の高さず凊理速床の速さから広く䜿われおいるモデルである特に䞭囜語の統合遷移型係り受け解析に察するアルゎリズムは\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}においお提案された\citeA{hatori2012}は係り受け解析に関する情報が単語分割ず品詞タグ付けを行う際にも有効であるこずを瀺し遷移型係り受け解析アルゎリズムに基づく最初の単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析のモデルを提案した\citeA{mzhang2014}はこれを拡匵し通垞の単語間の係り受けに加えお単語内郚の係り受けに察しお独自にアノテヌションを斜しこれを考慮するこずによっお粟床の向䞊を達成できるこずを瀺したこうした\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}による提案手法によりパむプラむンモデルより優れた性胜を出すなど倧きな成果が埗られた䞀方でこのような埓来法におけるモデルでは文字および単語のone-hotな衚珟を専ら利甚しおおり䜿甚する文字や単語の類䌌性は考慮されおいなかった加えお䞭囜語の統合構文解析により凊理を行う最䞭には玠性ずしお既知の単語や文字だけではなく単語をなさない䞍完党な文字列や郚分単語も出珟するそのような䞍完党な文字列もしくは未知の単語はモデルになんらかの圢で認識させるこずで構文解析を行う際の重芁な情報ずなりうるしかしそのような䞍完党な文字列は埓来法における倖郚知識源である蟞曞情報や孊習枈みの通垞の単語の分散衚珟では捉えるこずが難しかった\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}の提案手法における他の問題点ずしおこれらの先行研究が詳现な玠性遞択を甚いおいるこずがあげられる䞀方で近幎双方向LSTMを利甚し詳现な玠性遞択を回避したニュヌラルネットワヌクモデルが提案されおいる\cite{kiperwasser2016,cross2016}これらのモデルでは双方向LSTMは語句の分散衚珟をその内容も含めおモデル化するために甚いられおいる実際に\citeA{kiperwasser2016}による構文解析モデルにおいおは双方向LSTMにより文党䜓の情報を利甚するこずができるのに察し玠性に基づくモデルでは文党䜓を玠性ずしお甚いるこずはできないたたこのように双方向LSTMを利甚しお文党䜓を笊号化する手法は機械翻蚳でも倚く甚いられおいる\cite{bahdanau2014}結果ずしお\citeA{kiperwasser2016}によるモデルでは䞖界最高の性胜ず比范可胜な性胜を達成しおいる本研究では$n$グラムの文字分散衚珟に察応した双方向LSTMを利甚した構文解析モデルも提案するなお\citeA{hatori2012}による手法ではあくたでも単䞀の分類噚を䜿甚しお単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析を同時に行うのに察し\citeA{mzhang2014}の提案手法では単語分割・品詞タグ付けに察応する分類噚ず係り受け解析に察応する分類噚を同時に甚意し単語分割・品詞タグ付けに察応する分類噚を数単語分だけ先に凊理させるこのような2぀の手法は本研究における単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルず単語分割・品詞タグ付けの統合モデルおよび係り受け解析のパむプラむンモデルの関係に近い\ref{sec:segtag+dep}節におこの関係を詳现に議論する \section{モデル} この論文で提案する統合構文解析モデルは\ref{sec:transition}節で解説する遷移型アルゎリズムを䜿甚するたた䞍完党な文字列に察する分散衚珟を埗るための文字列の分散衚珟手法に぀いおは\ref{sec:modelembedding}節で解説する玠性遞択を利甚するニュヌラルネットワヌクモデルを\ref{sec:modelfnn}節で解説し双方向LSTMを利甚するニュヌラルネットワヌクモデルを\ref{sec:bilstm}節で解説する\subsection{単語分割・品詞タグ付け係り受け解析のための遷移型アルゎリズム}\label{sec:transition}単語分割・品詞タグ付け係り受け解析のための統合アルゎリズムには\citeA{hatori2012}に基づく遷移型の統合アルゎリズムを䜿甚する統合解析モデルは入力文字列からなるbufferずstackからなりbufferは文字が栌玍されstackには単語ず品詞タグおよびそれらの単語の構文朚䞊の子孫に圓たる単語が栌玍される図\ref{fig:trans}初期状態ではbufferに党おの入力文字列が栌玍されるstackは空であるたたアルゎリズムの䟿宜䞊bufferの末尟には文末を意味するシンボル``EOS''を眮く䞋蚘の遷移操䜜に埓っおbufferからstackに文字が移され単語や構文朚か圢成される終状態においおはbufferが空になりstackにはEOSシンボルを係り受け解析におけるROOTノヌドずしお品詞タグが付䞎された単語矀による構文朚が生成されおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia9f1.eps}\end{center}\caption{単語分割・品詞タグ付け玠性遞択のための遷移に基づく統合アルゎリズム}\label{fig:trans}\end{figure}本研究で甚いる遷移操䜜は以䞋の通りである\begin{itemize}\item{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH(t)}(\textit{shift}):bufferの最初の文字をstackの先頭ぞ移動させ新しい単語ずする\item{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}(\textit{append}):bufferの最初の文字をstackの先頭の単語の末尟に加える\item{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RR}(\textit{reduce-right}):stackの先頭2単語のうち右偎の単語をstackから消去し巊偎の単語の右偎の子䟛の単語ずする\item{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RL}(\textit{reduce-left}):stackの先頭2単語のうち巊偎の単語をstackから消去し右偎の単語の巊偎の子䟛の単語ずする\end{itemize}{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜によっお単語の境界ず品詞タグが決定され{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RR}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RL}操䜜により構文朚が䜜成されるこれらの遷移操䜜のうち{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RR}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RL}操䜜はArc-standardアルゎリズムのものず同䞀である\cite{nivre2004arcstand}{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜はいずれもbufferの最初の文字をstackぞず移動させるが{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜は移動した文字を新しい単語の先頭ずするのに察し{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜はすでにstack先頭にある郚分単語の末尟に文字を加えるゆえに{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜はモデルが予枬する単語数を1単語だけ増加させるのに察し{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜はstackの先頭に存圚する郚分単語を1文字分だけ延長させる品詞タグは{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH(t)}操䜜ず同時に付䞎されるゆえに{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH(t)}操䜜は品詞タグの数ず同じだけ存圚するなおbuffer䞊に文字が存圚しない時は{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜を行うこずはできない同様にstack䞊に2個以䞊の単語たたは生成途䞭の単語が存圚しない時は{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RR}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RL}操䜜を行うこずはできないたた{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜が適甚可胜ずなるのは盎前の操䜜が{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}操䜜もしくは{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜である時のみであるこの論文においおは貪欲法による蚓緎及び探玢ずビヌム法による蚓緎および探玢の䞡方を実隓するこの解析アルゎリズムはその䞡方に察しお動䜜するたた本研究においおは単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルず係り受け解析の単独モデルも同様に䜜成した単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルにおいおは{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RR}操䜜および{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}RL}操䜜は甚いない同様に単独の係り受け解析モデルにおいおは通垞のArc-standard構文解析モデルを䜿甚する\subsection{単語および文字文字列の分散衚珟}\label{sec:modelembedding}本節ではニュヌラルネットワヌクモデルにおいお甚いられる分散衚珟に぀いお解説する統合構文解析を行う際は必然的に意味のある単語ず䞍完党な文字列が解析䞭に倚く出珟するこのような䞍完党な文字列の衚珟は\citeA{hatori2012}などの既存手法においおは甚いられなかったがもし分散衚珟を甚いお他の単語や文字列ずの類䌌性を衚珟できれば統合構文解析を行う際に非垞によい情報ずなりうるはずである䟋えば固有衚珟である``南京\UTFC{4E1C}è·¯''䞊海にある有名な商店街はPennChineseTreebank(CTB)コヌパスではひず぀の単語ずしお扱われおいるこのような固有衚珟は``北京西路''や``湘西路''などずしおCTBコヌパス䞭に倚く出珟するこれらは``南京''や``北京''などの郜垂を衚す郚分単語ず``\UTFC{4E1C}è·¯''や``西路''などずいった堎所を衚す郚分単語の組み合わせずしお理解されるこうした衚珟を孊習するこずでテストデヌタ䞭に未知の``固有地名\UTFC{4E1C}è·¯''や``固有地名西路''ずいった衚珟が出珟しおもこれを地名ずしお凊理するこずが期埅できるたた郚分単語や逆に耇数の単語にたたがる文字列を利甚するこずが単語分割の誀りを補うために圹立぀堎合もある䟋えば``南京\UTFC{4E1C}è·¯''に察し単語分割噚が過剰に単語分割を行い``南京''ず``\UTFC{4E1C}è·¯''の2単語に区切っおしたった堎合を仮定しよう\footnote{アノテヌション基準によっおはそもそもこのような分割の仕方が正しい堎合もある}この時事前孊習された単語の分散衚珟やCTBの蚓緎コヌパス䞭に``\UTFC{4E1C}è·¯''ずいう単語が存圚しなければこれは未知語ずしお凊理されうるこのような堎合でもその文字の構成から``\UTFC{4E1C}è·¯''は堎所を衚す単語であるず掚枬できるこのように郚分単語や文字の衚珟を䜿甚するこずで単語分割の誀りに察しお頑健さを持たせるこずができるしかしながらこうした郚分単語や文字列等は倚くの埓来研究では未知語もしくは``UNK''シンボル等ずしお眮換され凊理されおいた本研究ではこうした文字列に぀いおもそれを構成する文字から可胜な限り意味を捉える分散衚珟を提案する$n$個の文字$c_i$からなる文字列$c_1c_2\cdotsc_n$を考える提案手法ではこの文字列に察する分散衚珟$\mathbf{v}(\cdot)$を以䞋のように蚈算する\begin{equation}\mathbf{v}(c_1c_2\cdotsc_n)=\sum_{i=1}^n\mathbf{v}_c(c_i)\end{equation}ここで$\mathbf{v}_c(\cdot)$は文字の分散衚珟ベクトルを衚すこのように文字列の分散衚珟をその構成文字の文字衚珟から構成する手法はどのような文字列に察しおも蚈算できるほかRNNやCNN等の耇雑なニュヌラルネットワヌクを甚いないこずによる速床䞊の利点が存圚するなおこのような文字単語および文字列の分散衚珟はすべお同じベクトルの次元を持ちニュヌラルネットワヌクの蚈算グラフ䞭で入力に察しどのような分散衚珟を利甚するかが決定されるしたがっおいずれの分散衚珟を利甚する堎合でもその基ずなる文字たたは単語の分散衚珟がニュヌラルネットワヌクの誀差逆䌝播法により孊習される本研究では任意の䞭囜語の単語列に察し以䞋の芏則におその分散衚珟を割り圓おる\begin{description}\item[(1)]文字列が既存の単語分散衚珟䞭に存圚するか調べ存圚する堎合にはその分散衚珟を䜿甚する\item[(2)]分散衚珟が存圚しない堎合には䞊蚘の匏のように文字に察する分散衚珟を甚いお文字列の分散衚珟ずしお䜿甚する\item[(3)]分散衚珟䞭に存圚しない文字に぀いおはUNKシンボルを䜿甚する\end{description}本研究ではUNKシンボルのような未知語の衚珟ベクトルを利甚するこずは可胜な限り回避したなぜならばそのようなベクトルを䜿甚するこずはニュヌラルネットワヌクに䞎える入力を瞮退させるこずになるからであるしかしながら事前孊習された分散衚珟䞭に存圚しない文字に぀いおは入力をUNKシンボルに眮換しお䜿甚する品詞タグに぀いおも同様に察応する分散衚珟を甚意し孊習に䜿甚するUNKシンボルに察応する分散衚珟や品詞タグに察応する分散衚珟は正芏分垃を甚いお初期化されるこの他本研究では郚分単語の長さに察応する数字の分散衚珟を䞀郚に甚いたこれは䞀定の長さを持぀文字列は同じ分散衚珟を共有するものであるもっぱらbufferからstackぞず䞀文字毎に移されおいる最䞭の郚分単語の長さを衚珟するために甚いられる数字の分散衚珟も正芏分垃を甚いお初期化される提案手法では単語ず文字の分散衚珟を事前孊習にお準備する文字ず単語の分散衚珟は同䞀のベクトル空間に埋め蟌たれるたず事前孊習に甚いるコヌパスに぀いお単語分割されたファむルず䞀文ごずに文字分割されたファむルを甚意する各ファむルには䞀行に䞀文ず぀事前孊習に甚いる文を配眮する次にそれらのファむルを結合し行単䜍でランダムに䞊び替え単語及び文字の分散衚珟を孊習するための事前孊習コヌパスずするこれにより類䌌した意味を持぀単語ず䞭囜語の文字はベクトル空間内の近い䜍眮に埋め蟌たれるこずが期埅される䞭囜語の文䞭には䞀文字で䞀単語ずなる単語も存圚しそのような単語を介しお呚蟺の文字や単語が類䌌した䜍眮に配眮されうるからである具䜓的な分散衚珟孊習に甚いたツヌルおよびコヌパスに぀いおは\ref{sec:exp_setting}節に蚘茉した\subsection{玠性遞択を利甚するニュヌラルネットワヌクモデル}\label{sec:modelfnn}\subsubsection{ニュヌラルネットワヌクモデル}玠性遞択に基づくニュヌラルネットワヌクモデルを図\ref{fig:modelfnnnet}に瀺す玠性ずその分散衚珟を入力に取るニュヌラルネットワヌクを䜿甚した構文解析は近幎掻発な研究が行われおおりその䞭には貪欲法に基づいおニュヌラルネットワヌクを孊習させるもの\cite{dchen2014,weiss2015}ビヌム探玢を甚いるもの\cite{andor2016,weiss2015}がある本研究ではこのように玠性を入力ずしお甚いるこずに加えお䞍完党な文字列が玠性ずしお入力されおも凊理が可胜であるように\ref{sec:modelembedding}節にお導入した文字列の分散衚珟の動的生成を加えた\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia9f2.eps}\end{center}\hangcaption{玠性に基づくニュヌラルネットワヌク貪欲法による出力は2番目の隠れ局から入力を受けるのに察しビヌム探玢には党おの隠れ局および貪欲法による出力局から入力を受けるパヌセプトロン局を䜿甚する入力の文字列は分散衚珟に含たれおいる堎合はその分散衚珟が䜿甚され含たれおいない堎合は文字列の分散衚珟がその文字構成から蚈算されお䜿甚される}\label{fig:modelfnnnet}\end{figure}遷移操䜜を決定する分類噚には8,000次元の2぀の隠れ局を持぀3局フィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクを䜿甚したこれは200次元の隠れ局を利甚した\cite{dchen2014}や1,024次元もしくは2,048次元の隠れ局を利甚した\citeA{weiss2015}よりも曎に倧きい隠れ局の掻性化関数にはReLUを䜿甚した\cite{nair2010relu}なお\cite{dchen2014}にお甚いられおいる$x^3$の掻性化関数は2局のフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクでは比范可胜な性胜を達成したが3局以䞊のフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクではうたく動䜜しなかったフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクの最終局が出力局ずなる貪欲法による出力局はsoftmax関数を䜿甚したニュヌラルネットワヌクの隠れ局は乱数を甚いお初期化した貪欲法における損倱関数$L(\theta)$は\begin{gather*}L(\theta)=-\sum_{s,t}\logp_{s,t}^{\mathrm{greedy}}+\frac{\lambda}{2}||\theta||^2,\\p_{s,t}^{\mathrm{greedy}}(\boldsymbol{\beta})\propto\exp\left(\sum_jw_{tj}\beta_j+b_t\right),\end{gather*}ずなるここで$t$は可胜な遷移操䜜の集合$\mathcal{T}$($t\in\mathcal{T}$)の䞭のある1぀の遷移操䜜を衚す$s$はニュヌラルネットワヌクの孊習におけるミニバッチ䞭の1぀の芁玠を瀺す$\boldsymbol{\beta}$はフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌク最終局における出力を衚す$w_{tj}$及び$b_t$はニュヌラルネットワヌクの重み行列ずバむアス項を瀺す$\theta$はモデルの党おの倉数を瀺す本研究ではニュヌラルネットワヌクの倉数に察し$L2$眰則項ずDropoutを䜿甚したニュヌラルネットワヌクの誀差逆䌝播法はこれらのニュヌラルネットワヌクの倉数を含めお単語及び文字の分散衚珟たで行われる誀差逆䌝播法の孊習率の調敎にはAdagradを䜿甚する\cite{duchi2010adagrad}Adam\cite{kingma2015adam}ずSGDを䜿甚するこずも考慮したがこのモデルに぀いおはAdagradがよりよく振る舞った他のモデル倉数に぀いおは衚\ref{table:params}にたずめる\begin{table}[t]\caption{ニュヌラルネットワヌクの構造ず孊習に関する諞倉数}\label{table:params}\input{09table01.tex}\vspace{4pt}\small単語ず文字は同じ次元の分散衚珟を持぀「文字列長さの埋め蟌み」ずはbufferからstackぞず䞀文字毎に移されおいる最䞭の郚分単語の長さに察応する数字の分散衚珟である\end{table}衚\ref{table:params}のモデル倉数のうち$\mathbf{h_1}$ず$\mathbf{h_2}$のサむズは予備実隓により決められた孊習率の初期倀に぀いおはニュヌラルネットワヌクの孊習においお広く䜿われおいるものを甚いたがビヌムを䜿甚する堎合はモデルの安定性のため小さな初期倀から孊習を始めた単語・文字の埋め蟌みにおけるボキャブラリヌ数に぀いおは分散衚珟に含たれる語圙数を倚くするためサむズの倧きいものを甚いた埋め蟌みの次元は\citeA{dchen2014}などの先行研究で広く䜿われおいる倀の䞀぀である200次元を甚いたニュヌラルネットワヌクの隠れ局が8,000次元ずなりこれは先行研究よりも倧きいこの理由ずしお1぀目に\ref{sec:features}節にお玹介する玠性を衚珟するベクトル衚珟が倧きいこずが挙げられる䟋えば単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルに぀いおは合蚈で9,820次元にもなるこの䞭には文字列に関する玠性も含たれるこれを衚珟するために倧きな隠れ局が必芁ずなる2぀目にニュヌラルネットワヌクが単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析ずいう倚岐にわたる刀断をしなければならないこずが挙げられる出力偎が耇雑になるために必芁ずなる隠れ局のサむズも倧きくなるず考えられる貪欲法によるモデルの孊習では孊習前に蚓緎デヌタセット䞭の党おの文に察しお遷移型構文解析アルゎリズムを正解ラベルに埓っお順次適甚させたずきに出珟する入力玠性および遷移操䜜の教垫ラベルの組み合わせを予め蚈算し抜出したこのようにしお抜出された文内での遷移操䜜ず入力玠性の組み合わせを文をたたいでシャッフルしおからニュヌラルネットワヌクの孊習に甚いるミニバッチを䜜成したこれによりあるミニバッチに特定の文が偏るこずがないようにしたモデルのテスト時や実際の入力文の解析時には凊理を行う文を耇数個䞊べおミニバッチを䜜成し同時に解析が行えるようにしたこれによりある䞀連のニュヌラルネットワヌクの呌び出しに察し耇数文を同時に凊理するこずが可胜ずなり速床の倧幅な向䞊が可胜ずなったこの際に同時に凊理が可胜な文数は専らGPUのメモリサむズのみに制玄されるたたこの方法はビヌムを甚いた解析にも適甚できる\subsubsection{玠性}\label{sec:features}このニュヌラルネットワヌクの玠性を衚\ref{table:features}に列挙する本研究では以䞋の3皮類の玠性を䜿甚した\begin{description}\item{(1)}\citeA{hatori2012}にお甚いられた玠性から玠性同士の共起を取り陀いたもの\item{(2)}\citeA{dchen2014}にお甚いられた玠性\item{(3)}文字列に関する独自の玠性\end{description}\begin{table}[t]\caption{統合モデルに察する玠性}\label{table:features}\input{09table02.tex}\vspace{4pt}\smallこの衚においお``b''はbufferの文字``s''はstackの単語を瀺し``b''ず``s''の次の数字は先頭からの文字および単語の番号である``l''ず``r''はその単語の巊偎ず右偎の子どもの単語のこずを指し``l''ず``r''の次の数字は子どもの単語の番号であるサフィックスのwpceはそれぞれ文字列たたは単語品詞タグ文字そしお文字列の最埌の䞀文字を衚す``q0''は盎前にbufferからstackぞ移動された単語を``q1''は``q0''より先に移動された単語を瀺す``partofq0word''ではq0f1q0f2q0f3はそれぞれf1f2f3の䜍眮の文字から始たるq0の郚分単語を衚すここでf1はq0の最埌の文字の䜍眮を衚すためq0f1はq0の最埌の䞀文字を衚すf2は最埌から2番目の文字の䜍眮を衚すためq0f2はf2の䜍眮から始たる2文字の文字列を瀺す``stringsacrossq0andbuf.''ではq0f1bXは単語q0のf1の䜍眮から始たる$X$個の文字からなる文字列を衚すこの玠性による文字列はbufferずstackにたたがりうるが連続的な文字列に限定する``stringsofbuffercharacters''ではbX-Yがbuffer内郚の$X$番目から$Y$番目たでの文字列を衚すlenq0はq0の長さを瀺しこの分散衚珟のみ小さな埋め蟌みのサむズを甚いる\end{table}このなかで独自の玠性ずしお郚分単語に関するものずbufferずstackにたたがる文字列の玠性bufferの䞭の文字列の玠性が存圚するbufferずstackにたたがる文字列の玠性は珟圚単語分割が行われおいる単語に察する貎重な情報を提䟛するたた長すぎる文字列に察する玠性を甚いるこずがないように本研究では文字列玠性の長さを4文字以䞋に制限したCTBデヌタセットにおいおは5文字以䞊の長さの単語は皀であるからであるただしこれは玠性に関するものであり出力単語ずしおはそれ以䞊の長さのものもありうるただし本研究では文䞭に連続に出珟する文字列のみを玠性に甚い共起に関する玠性は䜿甚しなかったここでいう共起に関する玠性ずは䟋えばstackの先頭以倖の䜍眮にある文字列ずbufferにある文字列の組み合わせに関する玠性等である\citeA{hatori2012}では倚数の手䜜業で調敎されたone-hotな玠性の共起を利甚しおいた本研究ではそのような玠性同士の共起はニュヌラルネットワヌクの隠れ局䞊で自然に考慮されるず考えた\cite{hinton1986}本研究では単語分割枈みの単語に぀いおは単語や文字列のほかにすでにモデルによっお付䞎された品詞も玠性ずしお利甚させたたたbufferからstackぞず䞀文字ず぀文字を移動させおいる最䞭の単語の長さを衚珟するために小さな次元の埋め蟌みを甚いたたた単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合解析モデルずは別に単語分割ず品詞タグ付けのみの統合モデルも実隓に甚いたこのモデルに぀いおは構文解析に関する玠性すなわちstackに存圚する単語や文字列の子䟛や孫にあたる単語に関する玠性を省略しおいる\subsubsection{ビヌム探玢}ビヌム探玢は䞭囜語の統合解析においお重芁な圹割を果たす本研究では近幎提案されたビヌムを甚いたニュヌラルネットワヌクの最適化手法を採甚した\cite{weiss2015,andor2016}図\ref{fig:modelfnnnet}では最䞊郚に䜍眮するパヌセプトロン局がビヌムを利甚した解析に䜿甚する具䜓的にはビヌム探玢のために独立したパヌセプトロン局を甚意しフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクの2局の隠れ局および貪欲法による出力局をその入力ずする:[$\mathbf{h}_1,\mathbf{h}_2,\mathbf{p^{\mathrm{greedy}}(y)}$].次にこのパヌセプトロン局を以䞋のコスト関数にしたがっお孊習させる\cite{andor2016}:\begin{align*}L(d^*_{1:j};\theta)&=-\sum_{i=1}^j\rho(d^*_{1:i-1},d^*_i;\theta)\\&+\ln\sum_{d'_{1:j}\in\mathcal{B}_{1:j}}\exp\sum_{i=1}^j\rho(d'_{1:i-1},d'_i;\theta),\label{eq:andor}\end{align*}ここにおいお$d_{1:j}$は統合構文解析の遷移経路を瀺し$d^*_{1:j}$は正解の遷移経路を瀺す$\mathcal{B}_{1:j}$はビヌム内郚での1番目から$j$番目たでの遷移経路を瀺す$\rho$は図\ref{fig:modelfnnnet}におけるパヌセプトロン局の出力を衚す本研究では\citeA{andor2016}ず同様にしお貪欲法を甚いおフォヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌク郚分を孊習し次にビヌムを甚いおパヌセプトロン局のみを孊習させる最埌にフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクを含めお誀差逆䌝播法による孊習を行うこの孊習はネットワヌク党䜓に察しお行うこずも可胜であるが予備実隓の結果この段階で文字および単語の埋め蟌み局を最適化するず孊習結果が悪くなるこずが刀明したそこで本研究では文字及び単語埋め蟌み局をこの段階の孊習からは陀倖したこのニュヌラルネットワヌク党䜓を通した誀差逆䌝播法はかなりのGPUメモリを消費するそれゆえ蚓緎コヌパスのうちずりわけ長い文はGPUメモリに茉せられないために蚓緎から取り陀いたたたビヌムを甚いた蚓緎においおは最初の゚ポックでは小さなビヌムサむズで孊習を行い埐々に孊習に甚いるビヌムサむズを増やしおいった孊習には順に4,8,16のサむズのビヌムを䜿甚した最終的な単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルの孊習及びテストにはサむズ16のビヌムを甚いた本研究では単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルでのビヌム探玢に぀いお\citeA{hatori2012}ず同様に特別な配眮ステップを䜿甚した単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルでのビヌム探玢では{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}遷移のみに2ステップの配眮をもたせおいるこの配眮を䜿甚するこずで$N$文字の文に察する総遷移回数はどのような遷移経路を経由しおも文終端蚘号に察応する遷移を陀いお$2N-1$ずなるこれは{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}遷移操䜜が文字の远加ず単語内の係り受け解決の2぀のこずを行っおいるずしお解釈できる぀たり䞭囜語の単語は単語内にも文字同士の係り受け関係が存圚するず解釈し{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}遷移操䜜はこの単語内の係り受けを解決するものずしお捉える本研究では\citeA{hatori2012}にお甚いられたHuangずSagaeによる動的蚈画法を甚いたビヌム探玢の手法は䜿甚しおいない\cite{huangsagae2010,hatori2012}それは\citeA{andor2016}によるニュヌラルネットワヌクのビヌムサヌチを利甚した広域最適化手法匏が遷移型解析の途䞭状態でのニュヌラルネットワヌク関数の出力結果を入力ずするこずによる遷移型解析にお経由するすべおの途䞭状態でのニュヌラルネットワヌクの出力結果は先の匏を通じお党䜓の蚈算グラフの䞭に取り蟌たれるこのようにニュヌラルネットワヌクの蚈算グラフの䞭で遷移の途䞭状態も含めた最適化が行われるために少なくずも孊習時はこの手法における動的蚈画法の採甚は難しいず考えられるたたニュヌラルネットワヌク固有の問題ずしおDropoutを䜿甚しおいる堎合はそもそも同䞀の入力に察しお確率的に異なる振る舞いをするこの性質は動的蚈画法には向かない\subsection{双方向LSTMを䜿甚したモデル}\label{sec:bilstm}\ref{sec:modelfnn}節では玠性遞択を利甚したニュヌラルネットワヌクを提案したこのモデルは非垞に高い性胜を誇るが以䞋の2぀の問題が存圚した\begin{description}\item[(1)]ニュヌラルネットワヌクが限られた玠性に基づいお動䜜するため文党䜓の情報を入力にずるこずはできない\item[(2)]玠性遞択に頌っおいる\end{description}この問題を解決するため\citeA{kiperwasser2016}は双方向LSTMによる構文解析モデルを提案した圌らのモデルでは非垞に少数の玠性のみを䜿甚しながら双方向LSTMを䜿甚するこずで文党䜓の情報をニュヌラルネットワヌクに䞎えるこずに成功した結果的に圌らのモデルはPennTreebankデヌタセットにお玠性に基づく\citeA{weiss2015}によるモデルず比范可胜な性胜を達成した圌らのモデルは3぀の郚分から成り立っおいる入力文を凊理する双方向LSTMず双方向LSTMの隠れ局から玠性を抜出する関数ず倚局パヌセプトロンである語句を盎接に玠性ずしお甚いるのではなく文党䜓を双方向LSTMを利甚しお凊理した各語句の分散衚珟を玠性ずしお甚いるこずに特城がある本論文では\citeA{kiperwasser2016}の手法を発展させ双方向LSTMによる文党䜓の情報抜出を利甚しお単玔か぀倧域的な玠性を利甚した統合構文解析モデルを提案する\citeA{kiperwasser2016}の手法は入力が単語分割されおいるこずを前提ずしおいるしたがっお䞭囜語の統合構文解析に応甚するに際し単語分割が斜されおいない入力にどのように双方向LSTMを利甚するかが問題ずなる文字に察する単玔な双方向LSTMのみを䜿甚した堎合文字列ずしおの意味を捉えられるずは限らないそこで本研究では単玔な文字入力の他に文䞭に存圚するできる限り倚くの文字列に察しお分散衚珟を付䞎しその利甚を可胜にする方法を提案する図\ref{fig:modellstmnet}のように入力文䞭に出珟する耇数の長さの文字列を捉えるために$n$文字入力に察応する耇数の双方向LSTMを組み合わせる$n$文字入力に察応する双方向LSTMは文字列$c_i\cdotsc_{i+n-1}$の配列である\[\{c_1\cdotsc_{n},\cdots,c_i\cdotsc_{i+n-1},\cdots,c_{N-n+1}\cdotsc_{N}\}\]を入力ずするここで$c_i$は$N$文字からなる文䞭の$i$番目の文字を衚すたた文終端蚘号やニュヌラルネットワヌクのパディングのための衚珟は別に䞎える具䜓的には$n=1$のずきは文字入力の双方向LSTMに察応し$n=2$のずきは連続的な2文字$c_ic_{i+1}$を双方向LSTMの入力ずするこうした$n$文字入力に察応する双方向LSTMは入力ずなる文字列の衚珟を単語たたは文字の分散衚珟もしくは動的に生成される文字列の分散衚珟ずしお利甚するこのように文䞭に存圚する文字列をできる限り利甚する手法では圓然ながら倚くの䞍完党な単語が入力䞭に生成されおしたうしかしながら䞍完党な単語や文字列であっおも文字列の分散衚珟を利甚するこずで双方向LSTMにその構成文字の情報を䌝えるこずが可胜ずなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia9f3.eps}\end{center}\hangcaption{双方向LSTMによるモデル$n$-gramに察応する4個の独立した双方向LSTMによっお文党䜓が$n$文字ず぀凊理され文字の開始䜍眮に応じた4個の隠れ状態が䜜られる次にstackやbufferの状態に合わせお隠れ状態から玠性抜出が行われるなお玠性抜出の際は単語の開始䜍眮に察応する4個の隠れ状態を結合しお甚いるなお本図においおは4玠性モデルに察応する4個の玠性を図瀺した8玠性モデルにおいお䜿甚されるstackの子䟛の単語に関する4個の玠性に぀いおは図瀺しおいない}\label{fig:modellstmnet}\end{figure}このようにしお生成された文䞭の文字列の双方向LSTMによる衚珟をbuffer及びstack内郚の単語や文字列の衚珟ずしお利甚するただしここでは文字$c_i$から開始する耇数の文字列$c_i,c_ic_{i+1},\cdots,c_{i+n-1}$に぀いおその双方向LSTMによる衚珟を連結したベクトル\[\left[v(c_i),v(c_ic_{i+1}),\cdots,v(c_{i+n-1})\right]\]を文字$c_i$から開始される文字列の玠性の衚珟ベクトルずしお利甚する双方向LSTMを利甚するモデルの玠性は衚\ref{table:featureslstm}にたずめられる最埌に倚局パヌセプトロンおよびsoftmax関数により統合構文解析に甚いられる遷移確率が予枬される\begin{table}[t]\caption{双方向LSTMを甚いたモデルに䜿甚される玠性}\label{table:featureslstm}\input{09table03.tex}\vspace{4pt}\small構文解析を行う際のstackずbufferのみの非垞に基本的な玠性が4玠性モデルでありstackの子䟛の単語に関する4個の玠性を加えたのが8玠性モデルである玠性に䜿甚されおいる蚘号に぀いおは衚\ref{table:features}ず同䞀である\end{table}双方向LSTMを䜿甚するモデルに぀いおは倚局パヌセプトロンには3局の重み行列を持぀ものを甚いたこのニュヌラルネットワヌクに぀いおは貪欲法による孊習を適甚した\subsection{係り受けラベルの掚定モデル}\label{sec:modellabeler}本論文では係り受け解析のラベルの掚定モデルを提案するこのモデルは先皋たでのモデルずは独立に入力文の単語列品詞タグおよびラベルなしの係り受け解析結果を入力にずるモデル本䜓は入力単語列ず品詞タグを凊理する䞀局の双方向LSTMず係り受けのある各単語ペアごずにラベルを掚定するフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクからなる図\ref{fig:modellabeler}前節たでのモデルず同様にUNKに起因する問題を回避するためこのモデルは入力単語を単語文字および文字列の分散衚珟を利甚しお入力単語列の分散衚珟を埗るたた品詞タグも分散衚珟に倉換し入力単語列の分散衚珟ず連結した䞊で双方向LSTMぞの入力ずする双方向LSTMの出力から係り受け元ず係り受け先の単語の分散衚珟を抜出し2局フィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクの入力ずする2局フィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクの最終局にあるsoftmax関数が係り受けのラベルの予枬分垃を出力する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia9f4.eps}\end{center}\hangcaption{双方向LSTMによる係り受け解析結果ぞのラベル付けモデル係り受けのある単語察に぀いお係り受けラベルを掚枬する}\label{fig:modellabeler}\end{figure} \section{実隓} \subsection{実隓蚭定}\label{sec:exp_setting}実隓には䞭囜語の構文解析デヌタセットであるPennChineseTreebank5.1(CTB-5)およびPennChineseTreebank7(CTB-7)を利甚したデヌタセットの分割には暙準的に甚いられおいるCTB-5の分割\cite{jiang2008ctb5}およびCTB-7の分割\cite{wang2011ctb7}を䜿甚したオリゞナルのCTBデヌタセットには係り受け解析の結果は含たれおいないそこでPenn2Malt\footnote{https://stp.lingfil.uu.se/~nivre/research/Penn2Malt.html}を䜿甚しお係り受け解析の圢匏に倉換したデヌタセットの統蚈を衚\ref{table:ctb5stat}に瀺す\begin{table}[t]\caption{PennChineseTreebankデヌタセットの統蚈}\label{table:ctb5stat}\input{09table04.tex}\end{table}分散衚珟の事前孊習にはChineseGigawordCorpusを䜿甚した分散衚珟の事前孊習の具䜓的な手法は\ref{sec:modelembedding}節の埌半に蚘茉した本研究では単語および文字の分散衚珟事前孊習にはword2vecを䜿甚した\cite{mikolov2013word2vec}事前孊習に甚いたコヌパスの単語分割には\cite{Shen2016c}のKKNにより行われたこれら単語ず文字の同時埋め蟌み事前孊習は\ref{sec:modelembedding}節にお玹介した方法により行われた孊習枈み分散衚珟のうちその頻床順の䞊䜍100䞇語を䜿甚したさらにCTBデヌタセットのうち蚓緎デヌタセットに含たれる未知語に぀いおは正芏乱数を甚いお初期化されたベクトルを䜿甚する開発デヌタセットおよびテストデヌタセットに぀いおはこのような事前に初期化された分散衚珟を持たない未知語を持぀本研究ではラベルなしの係り受け解析をたず実隓し評䟡した次に\ref{sec:labelexp}節におラベル付きの解析を行った単語分割や品詞タグ付け係り受けの評䟡には\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}にしたがっおF1枬定による暙準的な単語単䜍での評䟡を行ったこの蚭定では正しく分割されおいない単語に察しおは品詞タグず係り受け解析の結果も正しいずはみなされない\citeA{hatori2012}ず同様に句読点ぞの係り受けは評䟡の察象ずはしない本研究ではSegTagSegTagDepおよびDepの3皮類のモデルを甚いお実隓を行ったSegTagは単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルであるSegTagモデルにお䜿甚される遷移操䜜は\ref{sec:transition}節にお䜿甚される玠性は\ref{sec:features}節の末尟にお解説しおいるSegTagDepは単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルでありDepは係り受け解析のモデルであるDepモデルは\citeA{weiss2015}および\citeA{andor2016}に類䌌したた䜿甚される玠性の皮類は\citeA{dchen2014}ず同様であるが玠性の入力方法には\ref{sec:modelembedding}節にお解説した文字列の分散衚珟を利甚しおいるこれにより単語分割の誀りや未知語などがDepモデルの入力に含たれおいおもDepモデルは文字衚珟からある皋床はその入力を捉えるこずが期埅されるこの効果は埌ほど怜蚌するこの論文における実隓の倚くはGPUを甚いお行われたがビヌムを甚いた孊習の䞀郚は倧きなミニバッチを䜿甚しおいたためにGPUメモリに乗せるこずができずCPU䞊で行われたニュヌラルネットワヌクの実装にはTheanoを甚いた\subsection{結果}\subsubsection{単語分割ず品詞タグ付けの統合モデル}最初に単語分割ず品詞タグ付けの統合モデル(SegTag)に぀いお実隓し評䟡したこのモデルにお䜿甚される遷移操䜜は\ref{sec:transition}節にお䜿甚される玠性は\ref{sec:features}節の末尟にお解説しおいる衚\ref{table:segpos}ではCTB-5デヌタセットを甚いお単語分割ず品詞タグ付けの性胜を比范した本研究では提案手法を\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}\citeA{zhangdarwish2015}の3぀の異なる関連研究ず比范したZhangY.らのモデルはZhangM.らのモデルのk-best出力を再䞊び替えするモデルである\cite{zhangdarwish2015}なおこの衚における\citeA{hatori2012}の手法のスコアは\citeA{hatori2012}の論文から取埗した本研究での単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルはこれらの既存手法に察しその䞡方で優れた性胜を瀺したこの䞭には優れた蟞曞情報を利甚する\citeA{hatori2012}のモデルも含たれるただし本研究ではChineseGigawordCorpusを甚いお単語および文字の分散衚珟を事前孊習しおおりCTBデヌタセットのみを䜿甚しおいる既存手法ずの比范においおは泚意を芁する\begin{table}[b]\caption{単語分割ず品詞タグ付けの統合モデル}\label{table:segpos}\input{09table05.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5における実隓結果SegTagモデルを\citeA{hatori2012}および\citeA{mzhang2014}\citeA{zhangdarwish2015}のモデルず比范した\citeA{hatori2012}のモデルにおける(d)は蟞曞を䜿甚したモデルであるこずを瀺す\citeA{mzhang2014}のモデルにおけるEAGはArc-Eagerモデルであるこずを瀺すSegTag(g)は貪欲法を甚いお孊習されたモデルをSegTagはビヌムサヌチを甚いお孊習されたモデルを瀺す\end{table}\subsubsection{単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデル}衚\ref{table:segposdepresult}は単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析たでをすべお統合しお行った堎合の結果を瀺しおいる特に貪欲法を甚いお孊習を行った統合モデルであるSegTagDep(g)モデルずビヌムを甚いお孊習を行ったSegTagDepモデルの結果を瀺す提案手法は単語分割ず品詞タグ付けにおいお既存手法を超える性胜を発揮した\citeA{andor2016}によるビヌムサヌチを甚いるこずで係り受け解析のスコアは曎に改善されたがZhangM.らの手法およびそれを甚いるZhangY.らの手法にはわずかに劣る性胜を瀺したなおこの衚における\citeA{hatori2012}の手法のスコアは\citeA{mzhang2014}から取埗した\begin{table}[t]\hangcaption{単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデル(SegTagDep)ず単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルず係り受け解析のパむプラむンモデル(SegTag+Dep)}\label{table:segposdepresult}\input{09table06.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5における実隓結果(g)は貪欲法を甚いお孊習されたこずを瀺すSegTag+DepモデルにおいおはSegTagずDepの双方でビヌムを甚いお蚓緎ずテストを行っおいるなお\citeA{zhangdarwish2015}は他の構文解析噚の結果を再配眮し粟床の向䞊を目指すモデルである$\ddagger$はSegTagDep(g)モデルに察しお察応のあるt怜定を行い$p<0.01$で統蚈的に有意な改善が芋られたこずを瀺す\end{table}なお貪欲法によるモデルであるSegTagDep(g)はビヌムサヌチを甚いるモデルよりわずかに劣る結果ずなったがビヌムを甚いないこずによる解析の速さは䞀考に倀する\subsubsection{単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルず係り受け解析のパむプラむンモデル}\label{sec:segtag+dep}次にSegTagモデルず䟝存構造解析のみのモデル(Dep)ずのパむプラむンモデル(SegTag+Dep)を実隓した簡単のためSegTagモデルは貪欲法で孊習されたのに察しDepモデルはサむズ4のビヌムを甚いお孊習及びテストが行われた結果を衚\ref{table:segposdepresult}のSegTag+Depに瀺す同じくビヌムサヌチを䜿甚するモデルであるSegTagDepずSegTag+Depを比范した堎合SegTag+Depは係り受け解析を含めた統合モデルであるSegTagDepよりも係り受け解析および単語分割においお優れおいたSegTagDepモデルやSegTag+Depモデルにおける単語分割の誀りは䞻に固有衚珟にお生じおいる本論文ではこれを詳现に考察するSegTagDepモデルにお甚いられるビヌムを甚いた孊習では\citeA{hatori2012}の{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜に2倍の配眮長を持たせる手法が䜿われおいるこれは単語内郚の文字同士の係り受けを考慮しおいるず解釈できる䟋えば``\UTFC{8BB0}者''蚘者``\UTFC{5B9E}\UTFC{9A8C}宀''実隓宀のような単語においおは前の文字が順番に埌ろの文字に係り受け構造を持぀ずしお盎感的にも理解できるこの解釈では{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}操䜜は文字を連結しか぀単語内の係り受けを解決しおいるために2倍の配眮長を持぀操䜜ずなるしかし固有衚珟においおは先皋のような単語内係り受けが存圚するずは考えにくい堎合がある䟋えば人名である``\UTFC{5362}仁法''は文字同士の係り受けを持たない単語ず芋なしたほうが自然であるそのような単語に察しおはSegTagDepモデルでは{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}SH}遷移を行うこずが倚くなるこれは\citeA{hatori2012}の{\usefont{T1}{pcr}{m}{n}AP}遷移が文字の結合ず単語内係り受けの解決ずいう2぀のこずをしおいるずみなした堎合に固有衚珟には必ずしもそのような内郚の係り受けが存圚するずは限らないためやや過剰な配眮をもたせおいるず考えられるためであるそのため結果的にSegTag+Depの方がSegTagDepより優れおた単語分割結果ずなったず考えられる固有衚珟に぀いおSegTagDepモデルずSegTag+Depモデルを比范した堎合以䞋のような差が芋られた``\UTFC{603B}\UTFC{7EDF}~\UTFC{9F9A}保雷~逐叙''ゎンバオリ倧統領が䌚食をしおずいう句䞭の``\UTFC{9F9A}保雷~逐叙''に察しSegTagDepモデルは``\UTFC{9F9A}保雷逐叙''ずいう䞀単語ずしお固有衚珟ずしたのに察しSegTag+Depモデルは固有衚珟の``\UTFC{9F9A}保雷''ゎンバオリ・人名ず動詞の``逐叙''䌚食をしおずしお正しく単語分割を行った地名に぀いおも䞀語の固有衚珟である``新喀里倚尌\UTFC{4E9A}''ニュヌカレドニアや``所\UTFC{7F57}\UTFC{95E8}矀\UTFC{5C9B}''゜ロモン諞島に察しおSegTagDepモデルは過分割を行ったがSegTag+Depモデルは䞀語の固有衚珟ずしお正しく分割を行ったやや特殊な䟋ずしおは``以倚明尌加\UTFC{4E3A}䟋就圚\UTFC{9648}氎扁\UTFC{603B}\UTFC{7EDF}造\UTFC{8BBF}前倕倚囜新\UTFC{603B}\UTFC{7EDF}\UTFC{9635}\UTFC{8425}äž»\UTFC{52A8}向媒䜓透露䞭囜倧\UTFC{9646}将\UTFC{4E3A}倚囜\UTFC{5174}建倧型火力\UTFC{53D1}\UTFC{7535}厂的\UTFC{8BAF}息''ドミニカ共和囜では陳氎扁総統が蚪れる盎前に新倧統領陣営は自ら䞭囜倧陞により倧型の火力発電所が建蚭されるこずをメディアに告げたずいう文では``倚囜''がドミニカを指し瀺す固有衚珟ずなる䞀方で``倚囜''は``倚''および``囜''ず二単語にも分割されこの堎合は「倚くの囜」ずいう意味にもなるこのような堎合にSegTagDepでは``倚囜''を``倚''ず``囜''に分割しお出力されたがSegTag+Depでは「倚囜」ずしお䞀語の固有衚珟ずしお出力されたたた関連研究にお\citeA{mzhang2014}の提案したSTD(Arc-standard)モデルは\citeA{hatori2012}の単語分割・品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルよりも高性胜に動䜜した\citeA{mzhang2014}の提案したSTD(Arc-standard)モデルはたず単語分割を先に行いその結果を``deque''に栌玍しおから係り受け解析を行うモデルであり本論文におけるSegTag+Depモデルず類䌌する本研究における提案手法においおは加えお単語ず文字の分散衚珟を利甚するこずで埓来法より高性胜に単語分割ず品詞タグ付けが動䜜するために単語分割ず品詞タグ付けの結果を先読みするこずでDepモデルが最終的に良い結果を出しおいるものず掚枬される\subsubsection{CTB-7における実隓}SegTagDepおよびSegTag+Depモデルをより倧きなCTB-7デヌタセットにおいおも評䟡したCTB-7デヌタセットにおける実隓においおは4局の隠れ局を持぀倚局パヌセプトロンが3局のものよりも優れた結果を残したただしCTB-5における実隓においおは明確な差異を芋出すこずができなかったこの違いに぀いおは蚓緎デヌタセットのサむズの違いによるものず掚枬される4局の隠れ局を持぀倚局パヌセプトロンモデルによる実隓結果を衚\ref{table:ctb7}に瀺す\subsubsection{文字列の分散衚珟の圱響}本研究にお提案する文字列の分散衚珟がどの皋床有効なのかを調べるためSegTag+Depモデルに぀いお文字列の分散衚珟を䜿甚した堎合ずUNKに察応する分散衚珟を䜿甚した堎合の性胜の倉化を調べた実際の䜿甚条件に近い状況で詊隓を行うためにSegTagモデルによる単語分割及び品詞タグ付けの解析結果に察し係り受け解析を行う係り受け解析には貪欲法により孊習された以䞋の2぀のモデルを詊隓した最初のモデルDep(g)は文字列の分散衚珟を䜿甚した係り受けモデルである次のモデルDep(g)-csは文字列の分散衚珟を䜿甚せず文字ず単語の分散衚珟に出珟しない未知語に察しおはUNKの分散衚珟を䜿甚したモデルである入力玠性に察応する分散衚珟が存圚しなかった堎合には埓来法であるDep(g)-csモデルはUNKの分散衚珟を䜿甚するがDep(g)は文字列の分散衚珟を䜿甚する結果を衚\ref{table:sumemb}に瀺すなお簡単のためにビヌムを䜿甚しない条件での比范を瀺す\begin{table}[b]\caption{SegTagDepずSegTag+Depの実隓結果}\label{table:ctb7}\input{09table07.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-7における実隓結果なお貪欲法を甚いお蚓緎されたモデルSegTagDep(g)による結果も同様に瀺すSegTag+DepモデルにおいおはSegTagずDepの双方でビヌムを甚いお蚓緎ずテストを行っおいる\end{table}\begin{table}[b]\hangcaption{SegTagの解析結果に察し文字列の分散衚珟を利甚した堎合ずUNKの分散衚珟を利甚した堎合のDep(g)モデルの性胜}\label{table:sumemb}\input{09table08.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5における実隓結果``Dep(g)-cs''は文字列の分散衚珟を䜿甚せず文字ず単語の分散衚珟に出珟しない未知語に察しおはUNKの分散衚珟を䜿甚したモデルである$^{*}$は察応のあるt怜定を行ったずころ$p<0.05$で統蚈的に有意な改善が芋られたこずを瀺す\end{table}この結果からモデルが未知語に遭遇した堎合単玔なUNKの分散衚珟を利甚するよりも文字列の分散衚珟を利甚したほうが性胜が良くなるこずがわかる\subsubsection{双方向LSTMを䜿甚したモデル}双方向LSTMを䜿甚したモデルに぀いおも同様に実隓を行ったなお本実隓では貪欲法に基づく孊習のみを行った\footnote{ビヌムを甚いた孊習により性胜の向䞊が芋蟌たれるが双方向LSTMを䜿甚しおいるこずにより珟実的な時間内での蚓緎及び評䟡は難しいず刀断した}双方向LSTMを利甚したモデルは衚\ref{table:featureslstm}のように基本的な玠性にしか䟝存しないずいう利点がある結果を衚\ref{table:globalext}に瀺す双方向LSTMを甚いたモデルは埓来法ず比范しおやや悪い性胜ずなったが非垞に基本的な玠性のみを䜿甚しおこの性胜を達成したこずは泚目に倀する\begin{table}[b]\caption{双方向LSTMを䜿甚するモデル}\label{table:globalext}\input{09table09.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5における実隓結果4玠性モデルず8玠性モデルは衚\ref{table:featureslstm}における䜿甚玠性数ず察応する\end{table}\begin{table}[b]\caption{ラベルなし係り受け解析スコア(UAS)ずラベル付き係り受け解析スコア(LAS)}\label{table:labeldep}\input{09table10.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5ずCTB-7における実隓結果LASはUASず同様に単語分割が正しい単語同士の係り受けの堎合のみ正解ずなるたた匕甚笊や句読点は評䟡から取り陀かれおいる\end{table}\subsubsection{係り受けのラベル掚定}\label{sec:labelexp}最埌に係り受けのラベル解析モデルを利甚するこずでラベルも含めた係り受け解析を行うCTB-5およびCTB-7に察しお係り受けのラベルの掚定を行ったこの実隓ではラベルなしの評䟡では最も優れおいたSegTag+Depの解析結果に察し曎にラベル掚定を行うこずで各コヌパスにおける原文からラベル付係り受け解析を行った際のスコアを枬定するこずを目的ずする係り受け解析のラベルの掚定結果を衚\ref{table:labeldep}に瀺すこの係り受けラベルの掚定モデルに぀いおはパむプラむンもしくは統合モデルによる評䟡が\citeA{hatori2012}や\citeA{mzhang2014}などの先行研究では行われおおらず比范の察象ずはしなかったたた䞊のCTB-5ずCTB-7の解析結果に぀いおラベル付き係り受けのうちもずずなるラベルなしの係り受けが正しい係り受けに぀いおのラベル毎の正解率を集蚈したその結果を衚\ref{table:labeldep2}に瀺す総じお修食語(modifier)はスコアが高めずなるが文内のより倧域的な構造である䞻栌(SUB)や目的栌(OBJ)に぀いおは䜎めずなる傟向が芋られた\begin{table}[t]\caption{ラベルごずの正解率}\label{table:labeldep2}\input{09table11.tex}\vspace{4pt}\smallCTB-5ずCTB-7における実隓結果なお句読点の係り受けである``P''ラベルずROOTぞの係り受けである``ROOT''ラベルは陀いた\end{table} \section{将来研究} 本研究䞭では結果ずしお単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルよりも単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルおよび係り受け解析のパむプラむンモデルの方が優れた性胜を発揮したこれは係り受け解析の情報を単語分割に掻甚する際にどこたで内郚的に単語分割を行っおから係り受けを解析を行うかずいう問題ず関連する䟋えば\citeA{hatori2012}のモデルでは単語分割ず係り受け解析は同時であるず蚀えるが\citeA{mzhang2014}のSTDモデルでは単語分割を3単語分だけ先に行うこずにより係り受け解析の際に単語の先読みを可胜にしおいるこのような問題に察し解析文やモデルの状態に応じお単語の先読みを行うか係り受け解析を優先しお行うかを刀断するモデルを䜜成するこずができれば非垞に有甚な統合構文解析噚ずなるだろうこの他本論文では最埌に係り受けのラベル掚定を行ったがこの係り受けラベル掚定モデルも含めお係り受け解析を行うモデルも考えられるこのようにするこずで係り受けのラベルの皮類に関する情報が係り受け解析や品詞タグ付けなどの粟床に良い圱響を及がしうるためこれは有望な研究ずなりえるだろう最埌に双方向LSTMによる文䞭の単語衚珟は䟋えば近幎提案されたELMoのように非垞に柔軟か぀匷力な手法である\cite{elmo2018}しかしながら今回の研究で速床およびGPUメモリの制玄により双方向LSTMを甚いるモデルずビヌム探玢を䜵甚するこずが出来なかったように䞭囜語の統合解析ぞの双方向LSTMの䜿甚はあたり容易なこずではないこれは䞻に䞭囜語の統合構文解析では解析が進むに連れお文字ばかりでなく解析枈みの単語の情報を利甚するこずが重芁ずなるからである解析のステップごずに解析枈みの単語を甚いお双方向LSTMを再蚈算する手法は蚈算コストがかなり倧きいず蚀えるこの問題点が解決されればこの手法を甚いお䞖界最高性胜を達成するモデルを䜜成しうるず考えられる \section{結論} 本論文では䞭囜語の統合構文解析を行う2぀のモデルを提案した1぀目は玠性ずフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクに基づくモデルであり2぀目は双方向LSTMを䜿甚したニュヌラルネットワヌクに基づくモデルであるそのいずれにおいおも文字列の分散衚珟を䜿甚するこずでUNKに盞圓する分散衚珟を甚いるこずを避け䞍完党な語句であっおもその構成する文字の分散衚珟から文字列同士の分散衚珟を埗るこずが可胜ずなる結果ずしお単語分割品詞タグ付けおよび係り受け解析の統合モデルは䞭囜の単語分割ず品詞タグ付けにおいお既存の統合解析手法よりも優れた性胜を発揮したしかし係り受け解析に぀いおは既存手法ず比范可胜もしくはやや劣る性胜にずどたったそこでさらに単語分割ず品詞タグ付けの統合モデルおよび係り受け解析のパむプラむンモデルを実蚌するこずで係り受け解析におも䞖界最高の性胜を達成した双方向LSTMモデルを䜿甚するこずで基本的な玠性のみを䜿甚しながら文党䜓の構造も考慮するモデルも提案した\acknowledgmentこの論文はACL2017にお発衚を行った``NeuralJointModelforTransition-basedChineseSyntacticAnalysis''を和蚳し拡匵したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Alberti,Weiss,Coppola,\BBA\Petrov}{Albertiet~al.}{2015}]{alberti2015}Alberti,C.,Weiss,D.,Coppola,G.,\BBA\Petrov,S.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQImprovedTransition-BasedParsingandTaggingwithNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2015ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1354--1359}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Andor,Alberti,Weiss,Severyn,Presta,Ganchev,Petrov,\BBA\Collins}{Andoret~al.}{2016}]{andor2016}Andor,D.,Alberti,C.,Weiss,D.,Severyn,A.,Presta,A.,Ganchev,K.,Petrov,S.,\BBA\Collins,M.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQGloballyNormalizedTransition-BasedNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\2442--2452}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Bahdanau,Cho,\BBA\Bengio}{Bahdanauet~al.}{2014}]{bahdanau2014}Bahdanau,D.,Cho,K.,\BBA\Bengio,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQNeuralMachineTranslationbyJointlyLearningtoAlignandTranslate.\BBCQ\\newblock{\BemCoRR},{\Bbfabs/1409.0473}.\bibitem[\protect\BCAY{Ballesteros,Dyer,\BBA\Smith}{Ballesteroset~al.}{2015}]{ballesteros2015}Ballesteros,M.,Dyer,C.,\BBA\Smith,N.~A.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQImprovedTransition-basedParsingbyModelingCharactersinsteadofWordswithLSTMs.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2015ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\349--359}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Chen\BBA\Manning}{Chen\BBA\Manning}{2014}]{dchen2014}Chen,D.\BBACOMMA\\BBA\Manning,C.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQAFastandAccurateDependencyParserusingNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2014ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\740--750}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Cross\BBA\Huang}{Cross\BBA\Huang}{2016}]{cross2016}Cross,J.\BBACOMMA\\BBA\Huang,L.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQIncrementalParsingwithMinimalFeaturesUsingBi-DirectionalLSTM.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe54thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume2:ShortPapers)},\mbox{\BPGS\32--37},Berlin,Germany.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Duchi,Hazan,\BBA\Singer}{Duchiet~al.}{2010}]{duchi2010adagrad}Duchi,J.,Hazan,E.,\BBA\Singer,Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAdaptiveSubgradientMethodsforOnlineLearningandStochasticOptimization.\BBCQ.\newblock\BNUM\UCB/EECS-2010-24.\bibitem[\protect\BCAY{Dyer,Ballesteros,Ling,Matthews,\BBA\Smith}{Dyeret~al.}{2015}]{dyer2015}Dyer,C.,Ballesteros,M.,Ling,W.,Matthews,A.,\BBA\Smith,N.~A.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQTransition-BasedDependencyParsingwithStackLongShort-TermMemory.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe7thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\334--343}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Hatori,Matsuzaki,Miyao,\BBA\Tsujii}{Hatoriet~al.}{2011}]{hatori2011}Hatori,J.,Matsuzaki,T.,Miyao,Y.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQIncrementalJointPOSTaggingandDependencyParsinginChinese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof5thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1216--1224}.AsianFederationofNaturalLanguageProcessing.\bibitem[\protect\BCAY{Hatori,Matsuzaki,Miyao,\BBA\Tsujii}{Hatoriet~al.}{2012}]{hatori2012}Hatori,J.,Matsuzaki,T.,Miyao,Y.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQIncrementalJointApproachtoWordSegmentation,POSTagging,andDependencyParsinginChinese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\1045--1053}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Hinton,McClelland,\BBA\Rumelhart}{Hintonet~al.}{1986}]{hinton1986}Hinton,G.~E.,McClelland,J.~L.,\BBA\Rumelhart,D.~E.\BBOP1986\BBCP.\newblock\BBOQLearningDistributedRepresentationsofConcepts.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thAnnualConferenceoftheCognitiveScienceSociety}.\newblockVol.~1,p.~12.\bibitem[\protect\BCAY{Huang\BBA\Sagae}{Huang\BBA\Sagae}{2010}]{huangsagae2010}Huang,L.\BBACOMMA\\BBA\Sagae,K.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQDynamicProgrammingforLinear-TimeIncrementalParsing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe48thAnnualMeetingoft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ombiningGraph-basedandTransition-basedDependencyParsing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2008ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\562--571}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Zhang\BBA\Clark}{Zhang\BBA\Clark}{2010}]{zhang-clark2010}Zhang,Y.\BBACOMMA\\BBA\Clark,S.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAFastDecoderforJointWordSegmentationandPOS-TaggingUsingaSingleDiscriminativeModel.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\843--852}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Zhou,Zhang,Huang,\BBA\Chen}{Zhouet~al.}{2015}]{hzhou2015}Zhou,H.,Zhang,Y.,Huang,S.,\BBA\Chen,J.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQANeuralProbabilisticStructured-PredictionModelforTransition-BasedDependencyParsing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe7thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\1213--1222}.AssociationforComputationalLinguistics.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{栗田修平}{2013幎京郜倧孊理孊郚物理系卒業2015幎同倧孊院物理孊教宀修士課皋修了2015幎より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科知胜情報孊専攻博士課皋圚籍䞭2019幎同倧孊院博士取埗芋蟌み深局孊習深局孊習を甚いた自然蚀語凊理の研究に埓事修士理孊蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{河原倧茔}{1997幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1999幎同倧孊院修士課皋修了2002幎同倧孊院博士課皋単䜍取埗認定退孊東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科孊術研究支揎員独立行政法人情報通信研究機構研究員同䞻任研究員を経お2010幎より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科准教授自然蚀語凊理知識凊理の研究に埓事博士情報孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{黒橋犎倫}{1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻博士課皋修了博士工孊2006幎4月より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚10呚幎蚘念論文賞同20呚幎蚘念論文賞第8回船井情報科孊振興賞2009IBMFacultyAward等を受賞2014幎より日本孊術䌚議連携䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V22N04-01
\section{はじめに} Googleに代衚される珟圚の怜玢゚ンゞンはその性胜が非垞によくなっおきおおり適切な怜玢甚語キヌワヌドさえ䞎えおやればおおむね期埅通りの怜玢結果が埗られるしかし䞀方倚くのナヌザ特に子どもや高霢者倖囜人などにずっお怜玢察象を衚す適切な怜玢甚語特に専門甚語などを芋぀けるこずは埀々にしおそう簡単ではないマむクロ゜フトの「珟圚の怜玢で䞍満に思う点」に関する調査\footnote{http://www.garbagenews.net/archives/1466626.htmlたたはhttp://news.mynavi.jp/news/2010/07/05/028/}によれば57.6\%の人が適切なキヌワヌド探しの難しさに䞍満を感じおいるたた「䜕か欲しい情報を求めお怜玢゚ンゞンを利甚しおいるのにそれを利甚するための適切なキヌワヌドをたた別のずころで探さねばならないずいう堂々巡りをした経隓を持぀人も倚いはず」ずも指摘されおいるこれは2010幎の調査ではあるが珟圚においおもこれらの䞍満点が倧方解消されたずは蚀い難いそこで関連語・呚蟺語たずえば「コンピュヌタ」「前の状態」「戻す」たたはそれらの語から構成される文を手掛かりに適切な怜玢甚語この堎合「システム埩元」を予枬・提瀺する怜玢支揎システムがあればより快適な怜玢ができるのではないかず考えられる本研究ではITや医療など様々な分野においおこれらの分野の関連語・呚蟺語たたはそれらの語から構成される文を入力ずし機械孊習を甚いお適切な怜玢甚語を予枬・提瀺する怜玢支揎システムの開発を目暙ずしおいるこのような研究はすくなくずも日本語においおは我々が調べた限りではこれたでなされおいなかった\footnote{類䌌研究ずしお「意味的逆匕き蟞曞」に関する研究\cite{Aihara}や「クロスワヌドを解く」に関する研究\cite{Uchiki}があるしかしこれらは分野ごずの怜玢甚語の予枬・提瀺に基づく怜玢支揎を第䞀の目的ずしおおらずそれゆえに粟床正解率は本研究で埗られたものよりはるかに䜎かったたた手法もLSIを利甚した情報怜玢技術や゚キスパヌトなどに基づくアプロヌチを取っおおり本研究が取っおいる機械孊習のアプロヌチずは異なる}本皿ではその第䞀歩ずしお分野をコンピュヌタ関連に限定し深局孊習(DeepLearning)の䞀皮であるDeepBeliefNetwork(DBN)を甚いた予枬手法を提案する近幎深局孊習は様々な分野で泚目され音声認識~\cite{Li}や画像認識~\cite{Krizhevsky}のみならず自然蚀語凊理の諞課題ぞの応甚にも優れた性胜を出しおいるそれらの諞課題は圢態玠・構文解析~\cite{Billingsley,Hermann,Luong,Socher:13a}意味凊理~\cite{Hashimoto,Srivastava,Tsubaki}蚀い換え~\cite{Socher:11}機械翻蚳~\cite{Auli,Liu,Kalchbrenner,Zou}文曞分類~\cite{Glorot}情報怜玢~\cite{Salakhutdinov}その他~\cite{Seide,Socher:13b}を含むさらに統䞀した枠組みで品詞タグ付け・チャンキング・固有衚珟認識・意味圹割のラベル付けを含む各皮の蚀語凊理課題を取り扱えるニュヌラルネットおよび孊習アルゎリズムも提案されおいる~\cite{Collobert}しかしながらわれわれの知っおいる限りでは前に述べたような情報怜玢支揎に関する課題に深局孊習を甚いた研究はこれたでなされおいないしたがっお本皿で述べる研究は䞻に二぀の目的を持っおいる䞀぀は関連語・呚蟺語などから適切な怜玢甚語を正確に予枬する手法を提案するこずであるもう䞀぀は深局孊習がこのような蚀語凊理課題においお埓来の機械孊習手法である倚局パヌセプトロン(MLP)やサポヌトベクトルマシン(SVM)より優れおいるか吊かを確かめるこずである本研究に甚いたデヌタはむンタヌネットから粟床保蚌がある皋床できる手動収集ずノむズ\footnote{ここのノむズずは関係のない単語が含たれおいるたたは必芁な単語が欠萜しおいるこずを指す}は含たれるが芏暡の倧きいデヌタの収集が可胜な自動収集ずの2通りの方法で収集した加えおある皋床芏暡が倧きく粟床もよい疑䌌デヌタも自動生成しお甚いた機械孊習のパラメヌタチュヌニングはグリッドサヌチず亀差怜蚌を甚いお行った実隓の結果たず孊習デヌタずしお手動収集デヌタのみを甚いおも自動収集デヌタず疑䌌デヌタを加えおもDBNの予枬粟床は甚䟋に基づくベヌスラむン手法よりははるかに高くMLPずSVMのいずれよりも高いこずが確認できたたたいずれの機械孊習手法も手動収集デヌタにノむズの倚い自動収集デヌタずノむズの少ない疑䌌デヌタを加えお孊習するこずにより予枬粟床が向䞊したさらに手動収集デヌタにノむズの倚い自動収集デヌタのみを加えお孊習した堎合DBNずSVMには予枬粟床の向䞊が芋られたがMLPにはみられなかったこの結果からMLPよりもDBNずSVMのほうがノむズに匷くノむズの倚い孊習デヌタも有効利甚できる可胜性が高いず蚀えよう \section{関連語・呚蟺語コヌパス} \begin{table}[b]\caption{コヌパスの入力ずラベルのペアの䟋}\label{tab:example}\input{01table01.txt}\end{table}機械孊習を甚いお関連語・呚蟺語から怜玢甚語を予枬・提瀺する堎合その孊習デヌタずしお入力関連語・呚蟺語ず正解ずなるレスポンス怜玢甚語のペアからなるコヌパスが必芁ずなる本皿ではこのようなコヌパスを「関連語・呚蟺語コヌパス」ず呌ぶたた教垫あり機械孊習ではレスポンスをラベルず呌ぶ堎合が倚いので本皿では怜玢甚語をラベルず呌ぶ衚~\ref{tab:example}はコヌパスの入力関連語・呚蟺語ずその元ずなる説明文曞ずラベルのペアの䟋を瀺す本章ではコヌパスデヌタの収集・䜜成方法に぀いお述べるたた収集・䜜成したデヌタからの関連語・呚蟺語の抜出方法ず特城ベクトルの構成方法に぀いお述べる\subsection{手動収集ず自動収集}本研究ではラベルを説明しおいる文曞には関連語・呚蟺語が倚く含たれるず考えむンタヌネットからこのようなWebペヌゞを手動ず自動の2通りの方法で収集した手動収集では人手でラベルを説明するWebペヌゞを遞別し収集する\footnote{人手でWebペヌゞを遞別した埌そのWebペヌゞから説明文曞ずしお該圓する箇所を人手で遞別する凊理を行っおいる}䞀方自動収集ではラベルの埌に「ずは」「は」「ずいうものは」「に぀いおは」「の意味は」の5語を付けおたずえばラベルが「グラフィックボヌド」であれば「グラフィックボヌドずは」「グラフィックボヌドずいうものは」などでGoogleで怜玢したものを説明文曞ずしお収集する\footnote{収集したWebペヌゞ党䜓をそのラベルの説明文曞ずしお扱っおいる}手動収集デヌタは芏暡が小さい代わりに粟床が高く自動収集デヌタは粟床が䜎い代わりに芏暡が倧きい\subsection{疑䌌デヌタ}機械孊習の汎化胜力を向䞊させるために孊習デヌタずしお粟床は高いが芏暡が小さい手動収集デヌタに加え粟床はそれほど高くない぀たりノむズはあるが盞察的に芏暡の倧きい自動収集デヌタを甚いるこずにしたしかし自動収集したデヌタには説明文曞ずラベルがそもそも䞀臎しない぀たり説明文曞ぞのラベルが履き違えられおいる可胜性も考えられるそのために手動で収集した説明文曞をオリゞナルのデヌタずしおずらえそれらに適床なノむズを加えお䜜成した疑䌌デヌタも甚いるこずにしたこのようなデヌタは自動収集したデヌタに比べノむズが少なくラベルの履き違いもないず考えるこずができる疑䌌デヌタの具䜓的な生成手順は以䞋の通りである\begin{enumerate}\itemオリゞナルの説明文曞からすべおの異なり単語を抜出する\item個々のオリゞナルの説明文曞に察し远加削陀たたは远加\&削陀の凊理を加える具䜓的には手順(1)で抜出した単語のうち説明文曞にない単語を説明文曞の単語数の10\%個ランダムに遞んで加える説明文曞から単語を説明文曞の単語数の10\%個ランダムに遞んで削陀するたたは䞊蚘の10\%ず぀の远加ず削陀を同時に斜すずいう凊理を等確率぀たりそれぞれを1/3の確率で行う\footnote{10\%ずいう倀は予備実隓などで粟査しお決めたものではなく著者らが適床なノむズずしお䞻芳で蚭定したものである}\item手順(2)で埗られたデヌタを疑䌌デヌタずする\end{enumerate}なおこの生成方法においおは1぀のオリゞナルの説明文曞に察し疑䌌デヌタを耇数生成するこずが可胜である\subsection{評䟡デヌタ}評䟡デヌタは孊習デヌタずは別に自動収集したものを甚いるただし自動収集デヌタはラベルが正確ずは限らないため評䟡デヌタずしお甚いおも適切な評䟡ずならない可胜性があるそのため評䟡デヌタずしお自動収集デヌタの䞭からラベルの正しいものを人手で遞別しお甚いるこずにした\subsection{関連語・呚蟺語抜出ずベクトル倉換}以䞋の手順(1)〜(4)で説明文曞から関連語・呚蟺語を抜出するそれに手順(5)(6)を加えるこずにより機械孊習に必芁な特城ベクトルぞの倉換を行う\begin{enumerate}\item手動収集のデヌタを圢態玠解析し名詞固有名詞サ倉接続䞀般を抜出する\footnote{圢態玠解析にMeCab0.98を䜿甚した未知語ず衚蚘ゆれに぀いおは特別な凊理を斜しおおらず今埌の課題ずなるただし未知語ずしおの耇合語に぀いおはたずえば「朚村補䜜所」や「株匏䌚瀟り゚ヌブ」など倧半の日本䌁業名の堎合は䞭小䌁業で瀟名ずしおは未知語であっおも「朚村」ず「補䜜所」などがそれぞれ名詞ずしお解析されおいるので手順(2)にしたがっお問題なく1぀の既知単語ずしお扱われる䞀方たずえば「隰迅公叞」のような衚珟においお最初の挢字が名詞以倖の品詞ず刀断された堎合は1぀の既知単語ずしお正しく扱うこずができないたた衚蚘ゆれに぀いおは「サヌバ」ず「サヌバヌ」「神経回路」ず「ニュヌラルネット」のような圢態玠解析ツヌルの蟞曞に登録されおいるものはそれぞれ異なる単語ずしお扱われおしたい予枬性胜を萜ずす可胜性がある}\item名詞が連続しおいるならば日本語同士なら結合し英語同士なら空癜を間に入れお結合し1぀の単語ず芋なす\item各ラベルから出珟頻床がトップ50以内の単語を抜出する\footnote{50ずいう倀は手動で収集したデヌタにおいお各ラベルの関連語・呚蟺語の数は確実にそれ以䞋であるこずを確認した䞊で提案手法の拡匵性぀たり倚少倧きい目にず機械孊習の玠性遞択胜力぀たり倚少倧きい目にしおも問題がないこずも考慮にいれお蚭定したなおこの倀は倚少倧きく蚭定されおも手順(4)で絞られるので倀をある皋床倧きい目に蚭定しおおけば40がよいか60がよいかずいった现かい遞択はほずんど意味をなさないず思われる}\itemラベル間で重耇しおいる単語を陀倖する本研究では以䞋に述べる考えに基づき2ラベル間で重耇する単語を陀倖するたたは3ラベル以䞊で共通する単語を陀倖するずいう2通りの方法を採甚したたず各ラベルにできるだけ特城的な単語のみを玠性にするためには重耇単語をできるだけ陀倖するのが効果的ず考えるたた今回は実隓芏暡が小さくあたり問題にならないが予枬甚語の数の増加に䌎う特城ベクトル次元の倧幅な増加を抑える1぀の方法ずしお重耇単語を陀倖するこずが考えられる特城ベクトル次元の抑制はたた䞀般的に孊習におけるデヌタスパヌスネス問題の緩和にも぀ながるしかし䞀方ラベル間の単語重耇をたったく認めないずたずえば「USBメモリ」のような「USB」や「メモリ」に共通する重芁な単語を陀倖しおしたう問題も考えられるそのため本研究では2ラベル間の重耇を蚱容し3ラベル以䞊で共通する単語を陀倖する方法も甚いる\item䞊蚘手順で埗られた単語をベクトルの芁玠ずし個々の芁玠はその単語が出珟しおいれば1出珟しおいなければ0の2倀を取る\item2.1,2.2,2.3節で述べたすべおのデヌタに察し圢態玠解析を行い手順(5)にしたがっお特城ベクトルに倉換する\end{enumerate} \section{深局孊習} 深局孊習ずは埓来の機械孊習より深い局構造をしおいる機械孊習手法党般のこずを指すその代衚的な手法ずしおDeepBeliefNetwork(DBN)~\cite{Hinton,Lee,Bengio:09,Bengio:13}ずStackedDenoisingAutoencoder(SdA)~\cite{Bengio:07,Bengio:09,Bengio:13,Vincent:08,Vincent:10}が提案されおいる数倚くの課題においおその䞡者の性胜がほが同じず蚀われおいるが本研究ではよりスマヌトなアヌキテクチャを有するDBNを甚いるこずにした深局孊習は本来経隓則で行っおいた特城抜出を機械孊習に組み蟌もうずしおできたものであるそのためDBNはRestrictedBoltzmannMachine(RBM)を耇数䞊べ教垫なし孊習の特城抜出噚ずしお利甚する倚局のニュヌラルネットずラベルを出力する教垫あり孊習の最終局から構成される特城抜出噚の教垫なし孊習はPre-training最終局の教垫あり孊習はFine-tuningず呌ばれる\subsection{RestrictedBoltzmannMachine(RBM)}RBMは制限付きボルツマンマシンずも呌ばれ孊習デヌタの確率分垃を教垫なし孊習で衚珟する蚀い換えれば孊習デヌタの生成モデルを統蚈的な機械孊習の方法で構築する䞀皮の確率的なグラフィカルモデルである本来のボルツマンマシンの可芖局ず隠れ局のナニット間の結合を制限するこずにより効率的な教垫なし孊習を実珟しおいるRBMの構造は図~\ref{fig_rbm}に瀺しおいるように可芖局ず隠れ局の2局から構成され局内ナニット間に結合がなく局間のナニットすなわち可芖ナニット($v_1,v_2,\cdots,v_m$)ず隠れナニット($h_1,h_2,\cdots,h_n$)は結合されおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f1.eps}\end{center}\caption{RestrictedBoltzmannMachineの構造}\label{fig_rbm}\vspace{-1\Cvs}\end{figure}以䞋その孊習アルゎリズム~\cite{Bengio:09}を簡朔に述べおおく孊習デヌタ$\bm{v}$が可芖局に䞎えられたずきたず匏(1)(2)そしお再床(1)の順で条件付確率に基づくサンプリングを行う{\allowdisplaybreaks\begin{gather}P(h_i^{(k)}=1|\bm{v}^{(k)})={\rmsigmoid}\bigg(\sum_{j=1}^mw_{ij}v_j^{(k)}+c_i\bigg)\\P(v_j^{(k+1)}=1|\bm{h}^{(k)})={\rmsigmoid}\bigg(\sum_{i=1}^nw_{ij}h_i^{(k)}+b_j\bigg)\end{gather}}ただし$k$($\geq1$)はサンプリングの繰り返し回数$\bm{v}^{(1)}=\bm{v}$$w_{ij}$はナニット$v_j$ず$h_i$間の結合の重みそしお$b_j$ず$c_i$は可芖局ず隠れ局のナニット$v_j$ず$h_i$のオフセットバむアスであるサンプリングを$k$回行った埌重みずオフセットは以䞋のように曎新される\begin{gather}\bm{W}\leftarrow\bm{W}+\epsilon(\bm{h}^{(1)}\bm{v}^{T}-P(\bm{h}^{(k+1)}=1|\bm{v}^{(k+1)})\bm{v}^{(k+1)T})\\\bm{b}\leftarrow\bm{b}+\epsilon(\bm{v}-\bm{v}^{(k+1)})\\\bm{c}\leftarrow\bm{c}+\epsilon(\bm{h}^{(1)}-P(\bm{h}^{(k+1)}=1|\bm{v}^{(k+1)}))\end{gather}ただし$\epsilon$は孊習率である$\bm{W}$は埮小な乱数\footnote{本研究ではhttp://deeplearning.net/tutorial/mlp.htmlのチュヌトリアルに埓っお区間[$-4\frac{\sqrt{6}}{\sqrt{m+n}}$,$4\frac{\sqrt{6}}{\sqrt{m+n}}$]内の䞀様乱数を甚いるただし$m$ず$n$はそれぞれ可芖局ず隠れ局のナニット数であるその数孊的な考えに぀いおは\cite{Glorot:10}を参照されたい}$\bm{b}$,$\bm{c}$は$\bm{0}$で初期化するサンプリングの繰り返し回数が十分倚いずきはGibbssamplingず呌ばれおおり蚈算コストが非垞に高いそのため通垞サンプリングを$k$回のみ行う$k$-ContrastiveDivergence略しおCD-$k$ず呌ばれる方法が採甚される実際$k=1$(CD-1)でも結果が十分よいこずが経隓的に知られおおり\cite{Bengio:09}本研究も$k=1$に蚭定しお孊習を行うここで$N$個の孊習デヌタに察しCD-$k$ず呌ばれるサンプリング方法で$e$回繰り返し孊習を行う手順を図~\ref{fig:procedure-RBM}にたずめる孊習が進むに぀れ可芖局のサンプル\footnote{ここでは条件付確率の匏(1)(2)に基づき生成されたデヌタをサンプルず呌んでいる}$\bm{v}^{(k+1)}$が孊習デヌタ$\bm{v}$に近づいおいく\subsection{DeepBeliefNetwork(DBN)}図~\ref{fig_dbn}は䞀䟋ずしお䞉぀のRBMず教垫あり孊習噚から構成されるDBNを瀺すただし実際DBNを構成するRBMの数は可倉であるそれらRBMはPre-trainingずも呌ばれ教垫なしの特城抜出噚ずしお機胜する䞀方教垫あり孊習噚はFine-tuningずも呌ばれ入力図~\ref{fig_dbn}の堎合はその入力から埗られたRBM3の出力ずラベルのペア぀たり正解付孊習デヌタを孊習するこずにより未知の入力に察しおも適切なラベルを出力できるようになる図に瀺しおいるように前方のRBMの隠れ局は埌方のRBMの可芖局ずなっおいるここでは簡䟿化のためにRBMの局ただし入力局を陀くをDBNの隠れ局ず芋なす぀たり図の䟋は䞉局の隠れ局のDBNである隠れ局の数ずRBMの数は同じであるこずに泚意されたいなお教垫あり孊習はいろいろな方法で実珟できるが本皿ではロゞスティク回垰を甚いるこずにした\begin{figure}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f2.eps}\end{center}\caption{RBMの孊習手順}\label{fig:procedure-RBM}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f3.eps}\end{center}\caption{DeepBeliefNetworkの䟋}\label{fig_dbn}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f4.eps}\end{center}\caption{䞉぀のRBMを持぀DBNの孊習手順}\label{fig:procedure-DBN}\end{figure}䞉぀のRBMを持぀DBNの孊習手順を図~\ref{fig:procedure-DBN}にたずめる \section{実隓} \subsection{実隓蚭定}\subsubsection{デヌタ}\begin{table}[b]\caption{10個のラベルず各ラベルの入力説明文曞の数ずそれらの党ラベルに占める割合}\label{tab:dist}\input{01table02.txt}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}\begin{table}[b]\caption{孊習甚デヌタセット}\label{tab:data}\input{01table03.txt}\end{table}孊習ず評䟡には10個のラベルずそれらの入力説明文曞のペアから構成されるデヌタを甚いた衚~\ref{tab:dist}はラベル名ず各ラベルの入力説明文曞の数ずそれらの党ラベルに占める割合を瀺す\footnote{自動収集デヌタにおいお各ラベルのデヌタ数に倚少のバラ぀きがあるがある皋床のバランスが取れおいる}ただし孊習デヌタは手動収集デヌタをベヌスずしそのベヌスずなるデヌタに異なる数の自動収集デヌタず疑䌌デヌタを加えるこずにより13個のデヌタセット衚~\ref{tab:data}を䜜成しお甚いた衚䞭のm300はベヌスずなるデヌタセットで手動で収集した300個のデヌタであるたたたずえばa2400は2,400個の自動収集デヌタずm300で構成されたデヌタセットp2400は2,400個の疑䌌デヌタずm300から構成されたデヌタセットそしおa2400p2400は2,400個の自動収集デヌタ2,400個の疑䌌デヌタそしおm300から構成されたデヌタセットであるたた評䟡には孊習デヌタず異なる100個のデヌタを甚いた個々の説明文曞は2.4節で述べた方法で2ラベル間で重耇する単語を陀倖する堎合ず3ラベル以䞊で共通する単語を陀倖する堎合においおそれぞれ182ず223次元の特城ベクトルに倉換される\subsubsection{パラメヌタのチュヌニング}\begin{table}[b]\caption{グリッドサヌチに甚いるパラメヌタ}\label{tab:gs}\input{01table04.txt}\end{table}各皮の機械孊習の各孊習デヌタセットにおける最適なパラメヌタはそれぞれの孊習デヌタセットに察しグリッドサヌチず5-fold亀差怜蚌を行っお決定したグリッドサヌチに甚いるパラメヌタの詳现は衚~\ref{tab:gs}にたずめおいるたずえばDBNの入力が182次元の堎合の構造隠れ局の欄に152-121-91があるこれはそのDBNは182-{\bf152-121-91}-10ずいう構造を持぀ずいうこずを衚しおいるただし数字182ず10は入力局ず出力局のナニット数でありそれぞれ特城ベクトルの次元数ずラベルの数に察応しおいるたたこれら隠れ局のナニット数は恣意的にではなく前半の3぀に぀いおは線圢等間隔に蚭定しおいるすなわち入力局のナニット数(182)からピラミッド的に最初の隠れ局のナニット数を$182\times5/6$(152)次の隠れ局のナニット数を$182\times4/6$(121)そしお最埌の隠れ局のナニット数を$182\times3/6$(91)のように蚭定しおいる䞀方埌半の3぀に぀いおはBengioの\cite{Bengio:12}の薊めすなわち過孊習ぞの察凊が適切であれば隠れ局のナニット数は基本的に倚いほどよいネットワヌク構造は各局が同じサむズでよい堎合が倚いピラミッドたたは逆ピラミッドである必芁はないに基づきすべおの隠れ局のナニット数を入力局のナニット数の3/2倍であるように蚭定した入力局のナニット数が223の堎合も同様な考え方に基づいお蚭定したDBNがMLPずSVMよりパラメヌタが倚いため同じ现かさのグリッドサヌチで最適なパラメヌタを決めおしたうずパラメヌタの倚いDBNのほうが现かなチュヌニングができるため有利になる可胜性があるこのようなバむアスをなくすためにMLPずSVMに぀いおそのパラメヌタグリッドをより现かくしMLPずSVMの探玢すべきパラメヌタセットの数぀たりパラメヌタの組み合わせの数をDBNのそれず等しいかそれ以䞊にした䞀方MLPに぀いおは構造孊習率孊習回数がDBNずたったく同じものも比范に甚いた本皿では埌者をMLP1前者をMLP2ず呌ぶその結果DBNずMLP2は同じく864通りのパラメヌタセットSVM(Linear)ずSVM(RBF)は900通りのパラメヌタセットたたMLP1は72通りのパラメヌタセットを持぀こずになる\subsubsection{ベヌスラむン}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f5.eps}\end{center}\caption{ベヌスラむン手法(Baseline1,Baseline2)およびその正解率算出のアルゎリズム}\label{fig:baseline}\end{figure}MLPずSVMに加え甚䟋に基づく手法をベヌスラむンずしお比范実隓に加えたこれは評䟡デヌタを孊習デヌタの䞀぀ひず぀ず比范し共通する単語のもっずも倚いたたは共通する単語数をその評䟡デヌタの単語数で正芏化した倀がもっずも倧きい孊習デヌタのラベルを評䟡デヌタのラベルずする方法であるここで䞡者をそれぞれBaseline1ずBaseline2ず呌ぶ図~\ref{fig:baseline}は本手法および本手法による予枬結果の正解率算出のアルゎリズムを瀺すただしカりントに甚いる単語は2.4節で述べた(1)〜(4)の手順に埓っお説明文曞から抜出されたものである\subsection{実隓結果}\subsubsection{182次元の特城ベクトルを䜿甚した堎合}図~\ref{fig:prec}は各機械孊習においお異なる孊習デヌタセットを甚いた堎合の評䟡デヌタぞの予枬粟床を瀺すここでの粟床は各パラメヌタセットの亀差怜蚌誀差を昇順小さい順に䞊べたずきの䞊䜍N個ただしNは5から30たで可倉のパラメヌタセットを甚いた堎合の平均粟床であるなお本論文に甚いられおいる平均粟床はすべおマクロ平均で算出したものである\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f6.eps}\end{center}\hangcaption{亀差怜蚌誀差の昇順で䞊䜍N(5〜30)セットのパラメヌタを甚いた堎合の各機械孊習の平均粟床に぀いおの孊習デヌタセット間の比范182次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{fig:prec}\end{figure}図に瀺しおいるように党般的に芋れば孊習デヌタセットa2400p2400を甚いた堎合逆䞉角圢マヌクの点線\footnote{点線ず砎線の違いに泚意されたい}すなわち手動収集デヌタに自動収集デヌタず疑䌌デヌタの䞡方を最も倚く加えた堎合DBNずMLPは最高の粟床そしおSVMもほが最高の粟床を出しおいる\footnote{SVM(RBF)の堎合逆䞉角圢マヌクの点線は四角圢マヌクの点線ず重ねおいるこずに泚意されたい}たた手動収集デヌタに自動収集デヌタず疑䌌デヌタの䞡方を適床に加えた堎合点線は手動収集デヌタのみの堎合星マヌクの倪線に比べDBNずMLPずSVM(RBF)の予枬粟床はおおむね向䞊しおいるしかしSVM(Linear)に぀いおはそのような傟向は芋られなかった\footnote{これはSVM(Linear)が線圢分離可胜なデヌタしか取り扱えないこずに起因するものず思われる}さらに手動収集デヌタのみを甚いた堎合ず自動収集デヌタず疑䌌デヌタのどちらか䞀方のみを手動収集デヌタに加えた堎合に぀いお比べるずDBNずSVM(RBF)に぀いおは自動収集デヌタのみを加えた堎合実線MLPに぀いおは疑䌌デヌタのみを加えた堎合砎線のほうがそれぞれに粟床の向䞊が芋られた自動収集デヌタのほうが疑䌌デヌタよりもノむズが倚いこずから䞊蚘結果はDBNずSVM(RBF)のほうがMLPよりもノむズの倚い孊習デヌタを有効利甚できる可胜性が高いこずを瀺しおいる図~\ref{fig:cmp}は各機械孊習間の評䟡デヌタぞの予枬粟床の比范を瀺すここでの粟床は図~\ref{fig:prec}ず同様各パラメヌタセットの亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍N個ただしNは5から30たで可倉のパラメヌタセットを甚いた堎合の平均粟床である孊習デヌタセットも図~\ref{fig:prec}のずたったく同じであるがそれらの詳现の明瀺は省略されおいるただし各グラフの瞊軞の範囲が統䞀されおいるためグラフDBNvs.SVM(RBF)においおSVM(RBF)の粟床が0.9未満なもの蚈4本の線が衚瀺されおいないなおすべおの結果は図~\ref{fig:prec}には瀺されおいるこの図からはDBNのほう実線が他の機械孊習砎線より性胜がよいこずが䞀目瞭然にわかる\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f7.eps}\end{center}\hangcaption{亀差怜蚌誀差の昇順で䞊䜍N(5〜30)セットのパラメヌタを甚いた堎合の平均粟床に぀いおの機械孊習間の比范182次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{fig:cmp}\end{figure}\begin{table}[p]\caption{ベヌスラむンの粟床}\label{tab:baseline}\input{01table05.txt}\end{table}衚~\ref{tab:baseline}\ref{tab:rst-top1}\ref{tab:rst-top5}\ref{tab:rst-top10}はそれぞれ各孊習デヌタセットを甚いた堎合のベヌスラむンの予枬粟床亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いた堎合の予枬粟床亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍5個10個のパラメヌタセットを甚いた堎合の平均予枬粟床を瀺すたず機械孊習ずは察照的にベヌスラむン手法ではノむズの倚い孊習デヌタを加えおも぀たり手動収集デヌタに自動収集デヌタのみを加えた堎合ず自動収集デヌタず疑䌌デヌタの䞡方を加えた堎合予枬粟床の向䞊に圹立たないばかりか逆にこれらのデヌタは予枬粟床を倧きく䞋げおしたった次にほずんどの堎合においおベヌスラむンの予枬粟床は機械孊習のそれよりかなり䜎かったたたほずんどの堎合においおDBNがすべおの機械孊習においお最高の予枬粟床を出しおいる各孊習セットにおいお各機械孊習手法䞭の最高の粟床は倪字で衚されおいる\begin{table}[t]\hangcaption{亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いたDBN,MLP,SVMの予枬粟床182次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{tab:rst-top1}\input{01table06.txt}\end{table}\begin{table}[t]\hangcaption{亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍5個のパラメヌタセットを甚いたDBN,MLP,SVMの平均予枬粟床182次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{tab:rst-top5}\input{01table07.txt}\end{table}\subsubsection{223次元の特城ベクトルを䜿甚した堎合}前節の実隓結果はすでに提案手法の予枬粟床が埓来の機械孊習手法より高いこずを瀺しただけでなく孊習デヌタにおけるノむズに察する頑健性もある皋床瀺せたず考えるしかし䞊蚘実隓では手動孊習デヌタのラベル間の重耇単語を陀倖しおいたため疑䌌デヌタの䜜成時はそれらをノむズずしお加えるこずができず提案手法のノむズぞの頑健性に疑問が残る本節の実隓は2ラベル間の重耇単語を残しおいるため前節の実隓よりもより適切にノむズの頑健性を確認できるず考える\begin{table}[t]\hangcaption{亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍10個のパラメヌタセットを甚いたDBN,MLP,SVMの平均予枬粟床182次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{tab:rst-top10}\input{01table08.txt}\end{table}\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{22-4ia1f8.eps}\end{center}\hangcaption{亀差怜蚌誀差の昇順で䞊䜍N(5〜30)セットのパラメヌタを甚いた堎合の各機械孊習の平均粟床に぀いおの孊習デヌタセット間の比范223次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{fig:prec-add}\end{figure}図~\ref{fig:prec-add}は図~\ref{fig:prec}ず同様各機械孊習においお異なる孊習デヌタセットを甚いた堎合の評䟡デヌタぞの予枬粟床を瀺すDBNのグラフにおいおすべおの点線ず2本の実線が星マヌクの倪線぀たり手動デヌタの䞊にあるこずたたSVM(RBF)においおすべおの点線ず実線が星マヌクの倪線の䞊にあるこずから前の実隓結果ず同様DBNずSVM(RBF)に぀いおは疑䌌デヌタを含めたノむズのある孊習デヌタの利甚が有効であるこずが確認できる䞀方MLPずSVM(Linear)に぀いおは手動デヌタの星マヌクの倪線がほずんど䞀番䞊に䜍眮しおいるこずから疑䌌デヌタを含めたノむズのある孊習デヌタの有効性がほずんど芋られないすなわちMLPずSVM(Linear)のノむズに察する頑健性に぀いおは前節の実隓結果よりも悪い結果ずなった逆にDBNの優䜍性がより顕著になったずも蚀えるなお182次元の特城ベクトルを甚いた実隓結果ではa2400p2400を甚いた堎合逆䞉角圢マヌクの点線すなわち手動収集デヌタに自動収集デヌタず疑䌌デヌタの䞡方を最も倚く加えた堎合DBNが最高の粟床を出しおいるのに察し本実隓結果ではDBNはa600p600を甚いた堎合正䞉角圢マヌクの点線に最高の粟床を出しおいるこれは粟床の高いデヌタに察し加えおよいノむズのあるデヌタに぀いおは適正の数があるはずで次元数が増えるず個々の特城ベクトルの本来のノむズの床合いが増匷したためノむズデヌタの適正数が枛少したず考えるこずができ䞡者の結果は矛盟しないず思われる\subsubsection{有意差怜定}\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\hangcaption{亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いた堎合のDBNず他の手法ずの性胜比范に関する䞡偎笊号怜定ずt怜定の結果}\label{tab:test-top1}\input{01table09.txt}\vspace{4pt}\small数倀はp倀であり有意氎準10\%で有意に差があるものには*有意氎準5\%で有意に差があるものには**有意氎準1\%で有意に差があるものには***を付けおいる\par\end{table}\begin{table}[b]\hangcaption{各孊習デヌタセットに぀いおそれらにおける亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍10個のパラメヌタセットを甚いた堎合の平均予枬粟床に぀いおのDBNず他の手法ずの性胜比范に関する䞡偎t怜定の結果}\label{tab:test-top10}\input{01table10.txt}\small数倀はp倀であり有意氎準10\%で有意に差があるものには*有意氎準5\%で有意に差があるものには**有意氎準1\%で有意に差があるものには***を付けおいる\par\end{table}亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いた堎合ず亀差怜蚌誀差を昇順に䞊べたずきの䞊䜍10個のパラメヌタセットを甚いた堎合に぀いおDBNず他の手法ずの性胜の有意差怜定を行った亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いた堎合各孊習デヌタセットに぀いお単独で怜定を行うずデヌタ数が少なすぎるため各孊習デヌタセットの結果を1぀にたずめお笊号怜定ずt怜定を行った䞀方亀差怜蚌誀差䞊䜍10個のパラメヌタセットを甚いた堎合は各孊習デヌタセットに぀いお単独でt怜定を行った怜定結果を衚~\ref{tab:test-top1}\ref{tab:test-top10}に瀺すこれらの結果から182次元ず223次元の特城ベクトルのいずれを甚いおも倚数の堎合においおDBNが他の手法より有意に優れおいるこずが確認できるたた詳现をみるずたずえばa2400p2400の孊習デヌタセットに぀いおは182次元の特城ベクトルをa600p600/a1200p1200の孊習デヌタセットに぀いおは223次元の特城ベクトルを甚いたほうが有意差が顕著であるこずがわかり特城ベクトルの構成方法に぀いおDBNず他の手法ずの性胜差の芳点からどれが䞀番よいかは䞀抂に断蚀するこずができない\footnote{この結果に぀いおは4.2.2節でも述べたようにノむズデヌタに぀いおは適正の数があるはずであるこずず次元数が増えるず個々のベクトルの本来のノむズの床合いが増匷するよっおノむズデヌタの適正数が枛るこずを合わせお考えれば䞡者の結果は矛盟しないず思われる}\begin{table}[t]\hangcaption{各孊習デヌタセットに察しお亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセットを甚いた堎合のラベルごずの党孊習デヌタセットにおける平均予枬粟床}\label{tab:label-prec}\input{01table11.txt}\end{table}最埌に参考ずしお各手法のラベル怜玢語ごずの予枬粟床衚~\ref{tab:label-prec}ず亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセット衚~\ref{tab:parameter}を瀺しおおく衚~\ref{tab:label-prec}から182次元の「PCケヌス」を陀き各ラベルぞの予枬粟床にばら぀きが小さいこずがわかるたた党般的にDBNのほうがほかの手法より各ラベルに察する予枬粟床がよいこずがわかるさらにたずえばDBNの予枬粟床は182次元の堎合のほうが10個䞭の6個のラベルに぀いお223次元の堎合に勝っおおり182次元ず223次元のどちらのほうがよいかが䞀抂に蚀えないこずがわかる衚~\ref{tab:parameter}には隠れ局のナニット数が182次元で273223次元で335が倚く出珟しおおり隠れ局のナニット数は倚いほうがよいずいうBengioの提蚀ず合臎しおいる\begin{table}[t]\caption{DBNの各孊習デヌタセットに察しお亀差怜蚌誀差が最小のパラメヌタセット}\label{tab:parameter}\input{01table12.txt}\end{table} \section{本課題の意矩に぀いお} 本研究では特定の分野の関連語・呚蟺語たたは説明文曞を入力ずしたずきの\pagebreak怜玢甚語の予枬・提瀺を行う怜玢支揎を想定しおいるたず説明文曞による支揎の意矩はたずえばThe5thNTCIRWorkshopMeetingonEvaluationofInformationAccessTechnologies:InformationRetrieval,QuestionAnsweringandCross-LingualInformationAccessのようなワヌクショップ型共同研究\cite{Ma}における長い文曞を怜玢課題\footnote{怜玢課題䟋AOLずタむムワヌナヌ合䜵の圱響に関する蚘事を探したいAOL・タむムワヌナヌ合䜵がむンタヌネットず゚ンタヌテむンメントずいうメディア産業に䞎える圱響に関する意芋を適合ずするAOL・タむムワヌナヌ合䜵の展開に぀いおの蚘述は郚分的に適合ずする総額ず所有暩転換の仕組みに関する情報は䞍適合ずする}ずしたタスクからも類掚できる぀たりたずえばナヌザが関連語・呚蟺語もはっきりわからないずきはその支揎芁求を文曞の圢で䌝える入力するニヌズはあるず考えるたた䞀方圓然のこずではあるが本研究では少数キヌワヌド関連語・呚蟺語による怜玢甚語の予枬も期埅しおいる実際衚~\ref{tab:keyword-prec}はDBNに぀いお各孊習デヌタセットを甚いた堎合の衚~\ref{tab:keyword}に瀺す3関連語・呚蟺語$+1$ノむズ語\footnote{これらのキヌワヌドは予備実隓も含め䞀切粟査せずに著者らの知識に頌っお手動収集のデヌタから関連語・呚蟺語・ノむズ語ずしおふさわしいものを䞻芳で遞んでいるしかし圓然なこずではあるがこれらのキヌワヌドはすべお誰にも知られおいる甚語である保蚌はないたた本実隓の目的からしおそう保蚌する必芁もない}による党怜玢甚語の平均予枬粟床を瀺しおいる\footnote{圓然のこずではあるが予枬粟床は甚いるキヌワヌドに倧きく䟝存する詊しに10怜玢甚語のうち6怜玢甚語の関連語・呚蟺語を意識的に関連性の匱いものを遞んで実隓するず平均粟床が8割皋床たでに䞋がった}実隓はただ小芏暡ではあるがこの結果は提案手法が少数キヌワヌドによる支揎も可胜であるこずを瀺唆しおいるず思われる\begin{table}[t]\caption{予枬に甚いるキヌワヌド}\label{tab:keyword}\input{01table13.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{DBNの少数キヌワヌドによる予枬粟床223次元の特城ベクトルを甚いた堎合}\label{tab:keyword-prec}\input{01table14.txt}\end{table} \section{結び} 本皿では深局孊習の代衚的な手法であるDeepBeliefNetwork(DBN)を甚いお\pagebreak関連語・呚蟺語たたはそれらの語から構成される説明文曞から適切な怜玢甚語を予枬する手法を提案したDBNの有効性を確認するために甚䟋に基づくベヌスラむン手法倚局パヌセプトロン(MLP)およびサポヌトベクトルマシン(SVM)ずの比范を行った孊習ず評䟡に甚いるデヌタは手動ず自動の2通りの方法でむンタヌネットから収集した加えお自動生成した疑䌌デヌタも甚いた各皮機械孊習の最適なパラメヌタはグリッドサヌチず亀差怜蚌を行うこずにより決めた実隓の結果DBNの予枬粟床はベヌスラむン手法よりはるかに高くMLPずSVMのいずれよりも高かったたた手動収集デヌタに自動収集のデヌタず疑䌌デヌタを加えお孊習するこずにより予枬粟床は向䞊したさらによりノむズの倚い孊習デヌタを加えおもDBNの予枬粟床はさらに向䞊したしかしながらこの堎合MLPの粟床向䞊は芋られなかったこのこずからDBNのほうがMLPよりもノむズの倚い孊習デヌタを有効利甚できるこずが分かったなおただ少数の実隓䟋しかなかったが提案手法が少数キヌワヌドによる支揎も可胜であるこずを瀺唆した実隓結果も埗られた今埌はより倧芏暡な評䟡実隓を通じ提案手法の有効性の確認を行うずずもに様々な分野における実甚的な怜玢甚語の予枬システムを構築しおいく予定である\acknowledgment本皿に察しお䞁寧か぀有益なご意芋ご指摘をいただきたした査読者の方に感謝いたしたす本皿の内容の䞀郚はThe28thPacificAsiaConferenceonLanguage,InformationandComputing(Paclic28)で発衚したものです\cite{Ma:14}たた本研究はJSPS科研費25330368の助成を受けおいたす蚘しお謝意を衚したす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{粟飯原\JBAé•·å°Ÿ\JBA田侭}{粟飯原\Jetal}{2013}]{Aihara}粟飯原俊介\JBA長尟真\JBA田䞭久矎子\BBOP2013\BBCP.\newblock意味的逆匕き蟞曞『真蚀』.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\406--409}.\bibitem[\protect\BCAY{Auli,Galley,Quirk,\BBA\Zweig}{Auliet~al.}{2013}]{Auli}Auli,M.,Galley,M.,Quirk,C.,\BBA\Zweig,G.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQJointLanguageandTranslationModelingwithRecurrentNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2013ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2013)},\mbox{\BPGS\1044--1054}.\bibitem[\protect\BCAY{Bengio}{Bengio}{2009}]{Bengio:09}Bengio,Y.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQLearningDeepArchitecturesforAI.\BBCQ\\newblock{\BemFoundationsandTrendsinMachineLearning},{\Bbf2}(1),\mbox{\BPGS\1--127}.\bibitem[\protect\BCAY{Bengio}{Bengio}{2012}]{Bengio:12}Bengio,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQPracticalRecommendationsforGradient-BasedTrainingofDeepArchitectures.\BBCQ\\newblock{\BemeprintarXiv:1206.5533},\mbox{\BPGS\1--33}.\bibitem[\protect\BCAY{Bengio,Courville,\BBA\Vincent}{Bengioet~al.}{2013}]{Bengio:13}Bengio,Y.,Courville,A.,\BBA\Vincent,P.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQRepresentationLearning:AReviewandNewPerspectives.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonPatternAnalysisandMachineIntelligence},{\Bbf35}(8),\mbox{\BPGS\1798--1828}.\bibitem[\protect\BCAY{Bengio,Lamblin,Popovici,\BBA\Larochelle}{Bengioet~al.}{2007}]{Bengio:07}Bengio,Y.,Lamblin,P.,Popovici,D.,\BBA\Larochelle,H.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQGreedyLayer-wiseTrainingofDeepNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemAdvancesinNeuralInformationProcessingSystems19(NIPS2006)},\mbox{\BPGS\153--160}.\bibitem[\protect\BCAY{Billingsley\BBA\Curran}{Billingsley\BBA\Curran}{2012}]{Billingsley}Billingsley,R.\BBACOMMA\\BBA\Curran,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQImprovementstoTraininganRNNParser.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe24thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2012)},\mbox{\BPGS\279--294}.\bibitem[\protect\BCAY{Collobert,Weston,Bottou,Karlen,Kavukcuoglu,\BBA\Kuksa}{Collobertet~al.}{2011}]{Collobert}Collobert,R.,Weston,J.,Bottou,L.,Karlen,M.,Kavukcuoglu,K.,\BBA\Kuksa,P.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQNaturalLanguageProcessing(Almost)fromScratch.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf12},\mbox{\BPGS\2493--2537}.\bibitem[\protect\BCAY{Glorot\BBA\Bengio}{Glorot\BBA\Bengio}{2010}]{Glorot:10}Glorot,X.\BBACOMMA\\BBA\Bengio,Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQUnderstandingtheDifficultyofTrainingDeepFeedforwardNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thInternationalConferenceonArtificialIntelligenceandStatistics(AISTATS2010)},\mbox{\BPGS\249--256}.\bibitem[\protect\BCAY{Glorot,Bordes,\BBA\Bengio}{Glorotet~al.}{2011}]{Glorot}Glorot,X.,Bordes,A.,\BBA\Bengio,Y.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationforLarge-ScaleSentimentClassification:ADeepLearningApproach.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe28thInternationalConferenceonMachineLearning(ICML2011)},\mbox{\BPGS\513--520}.\bibitem[\protect\BCAY{Hashimoto,Miwa,Tsuruoka,\BBA\Chikayama}{Hashimotoet~al.}{2013}]{Hashimoto}Hashimoto,K.,Miwa,M.,Tsuruoka,Y.,\BBA\Chikayama,T.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQSimpleCustomizationofRecursiveNeuralNetworksforSemanticRelationClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2013ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP2013)},\mbox{\BPGS\1372--1376}.\bibitem[\protect\BCAY{Hermann\BBA\Blunsom}{Hermann\BBA\Blunsom}{2013}]{Hermann}Hermann,K.~M.\BBACOMMA\\BBA\Blunsom,P.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQTheRoleofSyntaxinVectorSpaceModelsofCompositionalSemantics.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL2013)},\mbox{\BPGS\894--904}.\bibitem[\protect\BCAY{Hiton,Osindero,\BBA\Teh}{Hitonet~al.}{2006}]{Hinton}Hiton,G.~E.,Osindero,S.,\BBA\Teh,Y.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAFastLearningAlgorithmforDeepBeliefNets.\BBCQ\\newblock{\BemNeuralComputation},{\Bbf18},\mbox{\BPGS\1527--1554}.\bibitem[\protect\BCAY{Kalchbrenner\BBA\Blunsom}{Kalchbrenner\BBA\Blunsom}{2013}]{Kalchbrenner}Kalchbrenner,N.\BBACOMMA\\BBA\Blunsom,P.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQRecurrentContinuousTranslationModels.\BBCQ\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V21N02-02
\section{はじめに} 平成11幎から政府䞻導で行われた平成の倧合䜵や平成19幎より斜行された地方分暩改革掚進法など地方政治を重芖する取り組みが盛んに行われおいたのは蚘憶に新しい䞀方で有暩者の政治離れが深刻な問題ずなっお久しく平成25幎7月21日の第23回参議院議員通垞遞挙における遞挙区遞挙では52.61\%の投祚率\footnote{http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo\_s/data/sangiin23/index.html}ずなり参議院議員通垞遞挙においお過去3番目に䜎い倀ずなった地方政治の堎合平成23幎4月の第17回統䞀地方遞挙の投祚率は48.15\%\footnote{http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo\_s/data/chihou/ichiran.html}でありさらに䜎い倀ずなっおいる地方政治に察する有暩者の政治離れの原因には幟぀か考えられるがその䞀因に地方議䌚議員およびその掻動の認知床の䜎さがあげられる珟状では政治情報を入手する゜ヌスずしおテレビや新聞などのマスメディアが占める割合が倧きいがこのようなマスメディアに銖長以倖の地方議䌚議員が取り䞊げられるこずはほずんどない地方議䌚議員は囜䌚議員ず同様に䜏民による遞挙によっお遞ばれか぀囜政よりも身近な存圚であるべきであるにもかかわらずその掻動に関する認知床が䜎いのは倧きな問題であるず考えるそこで䜏民に提䟛される地方政治の情報特に地方議䌚議員に関する情報量の䞍足を解決するための方法の䞀぀ずしおWeb䞊の情報を有効に利甚するこずを考えるWeb䞊に存圚する議員の情報には議員や政党のホヌムペヌゞニュヌスサむトの政治ニュヌス議員のブログやTwitterなどのSNSマニフェスト議䌚の䌚議録などがあるこのうち䌚議録には議員からの䞀方的な情報発信ではなく議論や反察意芋などのやりずりが含たれ公の堎における各議員の掻動や考え方を知るこずができるたた研究察象ずしお䌚議録を芋た堎合䌚議録は銖長や議員の議論が曞き起こされた話し蚀葉のデヌタであり長い幎月の議論が蚘録された通時的なデヌタであるこずから政治孊経枈孊蚀語孊情報工孊等の様々な分野における研究察象のデヌタずしお利甚されおいる䟋えば政治孊の分野では平成の倧合䜵前埌に行われた垂長遞挙に぀いおの分析を行い合䜵を行った垂ず行わなかった垂の違いを圓遞者の属性から比范した平野\cite{hrn}の研究合䜵が地方議䌚や議員の掻動に察しお䞎えた圱響を856議員にアンケヌト調査するこずで分析を行った森脇\cite{mrwk}の研究などがあるたた経枈孊の分野では「小芏暡自治䜓の倚遞銖長は合䜵に消極的」ずいう仮説を怜蚌するために党囜の地方議員銖長の情報を人手で調査した川浊\cite{kwur,kwur2}の研究など蚀語孊の分野では「去った○日」ずいう衚珟「去る○日」の意が那芇垂の䌚議録に芋られるこずを指摘した井䞊\cite{inue}「めっちゃんこ」が名叀屋垂の䌚議録に芋られるこずを指摘した山䞋\footnote{http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/2012/07/07/}圢態玠N-gramを甚いお地方議䌚䌚議録の地域差を捉える方法に぀いお怜蚎した高䞞ら\cite{tkmr,tkmr1,tkmr2}発蚀者の出身地域ずオノマトペの䜿甚頻床に぀いおの分析を行った平田ら\cite{hrt}などの研究が存圚する情報工孊の分野においおも特城的な衚局衚珟を手掛かりに囜䌚䌚議録を察象ずした自動芁玄を行った川端ら\cite{kwbt}や山本ら\cite{ymmt}の研究䜏民の朜圚的な関心を明確化するための胜動的質問生成手法を提案した朚村ら\cite{kim3}の研究などが存圚し海倖でも䌚議録䞭の発蚀を元にむデオロギヌを分類するYuetal.\cite{bei}や䌚議録で甚いられおいる語句を可芖化するGeodeetal.\cite{bart}などの研究が行われおいるこれらの研究を行う䞊で基瀎ずなる䌚議録のデヌタであるが囜䌚の堎合囜立囜䌚図曞通により䌚議録サむト\footnote{http://kokkai.ndl.go.jp/}が敎備されおおり第1回囜䌚昭和22幎以降のすべおの䌚議録がテキストデヌタずしお公開され怜玢システムによっお怜玢を行うこずができる䞀方で地方議䌚䌚議録の堎合党おの自治䜓の䌚議録をたずめおいるサむトは存圚せず自治䜓ごずに参照する必芁がある加えお自治䜓によりWeb䞊で公開されおいる圢匏が異なるこずが倚いため統䞀的に各自治䜓の䌚議録を扱おうずすれば収集䜜業や敎圢䜜業に劎力がかかるたた各研究者が重耇するデヌタの電子化䜜業を個別に行っおいるずいった非効率な状況も招いおいるこのような背景から我々は地方政治に関する研究の掻性化・孊際的応甚を目指しお研究者が利甚可胜な{\bf地方議䌚䌚議録コヌパス}の構築を行っおいるコヌパスの構築にあたっおは朚村ら\cite{kim1}や乙歊ら\cite{ottk}においお行われた北海道の地方議䌚䌚議録デヌタの自動収集や加工の技術を参考にし党囜の垂町村の議䌚䌚議録を察象ずしたコヌパス構築を行うこずずした地方議䌚䌚議録コヌパスはWeb䞊で公開されおいる党囜の地方議䌚䌚議録を察象ずしお「い぀」「どの䌚議で」「どの議員が」「䜕を発蚀したのか」を発蚀に察しお垂町村や議䌚皮別幎床や発蚀者名などの各皮情報を付䞎するこずで構築し怜玢可胜な圢匏で収録するたた近幎ペヌロッパではVoteMatch\footnote{http://www.votematch.net}ず呌ばれる投祚支揎ツヌルが倚くの利甚者を獲埗しおおり\cite{uekm,uekm2,kgm}日本でも「投祚ぎったん\footnote{http://www.votematch.jpn.org/}」などの日本語版ボヌトマッチシステムが利甚されおいるこずさらに平成25幎4月19日から公職遞挙法が䞀郚改正され\footnote{http://http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo\_s/naruhodo/naruhodo10.html}むンタヌネットなどを利甚した遞挙運動のうち䞀定のものが解犁されたこずなどから我々は地方議䌚䌚議録コヌパスを甚いお䌚議録における発蚀を基に利甚者ず政治的に近い考えをも぀議員を刀断しお提瀺するシステムを最終的な目的ずしおいるさお地方議䌚䌚議録コヌパスを構築するず䌚議録を文字列や単語で怜玢するこずができるようになるさらに䌚議録の曞誌情報や議員情報に基づいお簡単な泚釈付けを行うこずにより幎床や地域をたたいだ比范怜蚎や地域ごずの衚珟の差の分析などを行うこずが可胜ずなるその䞀方で我々が構築を目指しおいるシステムは利甚者ず政治的に近い議員を刀断し利甚者に提瀺するものであるため䌚議録の曞誌情報や発蚀議員名ずいった簡単な泚釈付けのみでは議員の斜策や事業に察する意芋の刀別を行うこずができず䞍十分であるすなわち議員の発蚀の䞭にある斜策や事業に察する意芋のように䞋䜍構造が存圚しそれらが結び付くこずで䞀぀の情報ずなるものに察しおの分析を行うこずは䌚議録の文字列怜玢のみでは難しい政治的な考えの近さは䞀般に斜策や事業などぞの賛吊の䞀臎床合いにより掚枬できるず考えられ䞊神ら\cite{uekm,uekm2,kgm}などのボヌトマッチシステムでもこの考え方に基づいおいるさらに議員の斜策や事業に関する賛吊の意芋には同じ賛成の立堎をずる議員の間でもその賛成の床合いには差が存圚しおいる䟋えば「昚幎床は○○などの事業に取り組んできた」ず発蚀した議員ず「○○などの事業を行うのもやむを埗ない」ず発蚀した議員では前者の方が既に自らが取り組んでいるこずを衚明しおいるこずからより積極的に賛成であるず考えられる積極的に賛成である議員の方が消極的に賛成である議員よりも圌らが賛成する斜策や事業の実珟に向けお尜力するず考えられるため圓該の斜策や事業を実珟しおほしい利甚者には積極的に賛成である議員の方を提瀺するこずが望たしいたた消極的に反察の意芋を瀺しおいる議員よりも積極的に反察の意芋を瀺しおいる議員の方が圌らが反察する斜策や事業を廃止するこずに泚力するず考えられるため反察の立堎を取る議員に察しおも同様の考えが成り立぀このように賛吊に加えお積極性を考慮しお利甚者ず近い考えをも぀議員を刀断する必芁がある以䞊の背景から我々は比范的簡単な凊理により自動的に付䞎できるタグを地方議䌚䌚議録コヌパス党䜓に付䞎するずずもに䞊蚘の政治情報システムの怜蚎のために䌚議録の䞀郚に察しお議員の斜策・事業に察する賛吊ずその積極性に関連する情報の泚釈付けを行うこずずした本皿ではたず2節で関連研究に぀いお述べ3節では地方議䌚䌚議録の収集及び地方議䌚䌚議録コヌパスの構築に぀いお説明する次に4節では地方議䌚䌚議録コヌパスの䞀郚に察しお我々が付䞎したタグの仕様や泚釈結果の統蚈ずその分析及び残された課題に぀いお述べる最埌に5節でたずめる \section{関連研究} 本節では本皿に関連する各皮研究に぀いお説明する\subsection{䌚議録を察象ずした研究}䌚議録を察象ずした研究ずしおは以前より囜䌚䌚議録を察象ずした研究が行われおきた川端ら\cite{kwbt}や山本ら\cite{ymmt}は特城的な衚局衚珟を手掛かりに囜䌚䌚議録を察象ずした自動芁玄を行っおいる平田ら\cite{hrt}は発蚀者の出身地域ずオノマトペの䜿甚頻床に぀いおの分析を行っおいるたた囜䌚䌚議録怜玢システムずいうシステムが公開されおおり囜䌚の䌚議録を自由に怜玢・閲芧するこずができるこれに察し地方議䌚䌚議録のも぀䌚議録怜玢システムは垂町村ごずに様匏が異なっおいるため耇数の垂町村の䌚議録を察象に研究を行おうずした堎合にそのたた利甚するこずは難しいそこで地方議䌚䌚議録を収集しお統䞀された曞匏に敎圢する必芁があるこれに関連し朚村ら\cite{kim1}や乙歊ら\cite{ottk}は北海道内の各垂町村を察象に地方議䌚䌚議録の自動収集に向けた公開パタンの分析を行っおいる51皮類の収集パタンによる自動収集プログラムを甚いお玄94\%の自治䜓から䌚議録の収集に成功しおいるこの成果を参考にし぀぀我々は各自治䜓が䌚議録を公開しおいる圢匏を分析し党囜芏暡の䌚議録の収集を行った\subsection{コヌパス構築に関する研究}Web文曞を察象ずしコヌパスを構築する研究では以䞋の研究が存圚する関口ら\cite{skgc}はWeb文曞を収集しHTMLタグや日本語文章の曞法を甚い質の面での改善を行うこずでWebコヌパスを䜜成した橋本ら\cite{hsmt}はブログを察象ずした自然蚀語凊理の高粟床化ぞの寄䞎を目的ずし81名の倧孊生に4぀のテヌマで執筆させた249蚘事のブログに文境界圢態玠係り受け栌・省略・照応固有衚珟評䟡衚珟に関する泚釈付けを行ったPtaszynskietal.\cite{ptas}は日本語のブログを自動収集しお構築した3.5億文からなるコヌパスYACISに察しお自動的に感情情報を付䞎したたた飯田ら\cite{iid}は新聞蚘事を察象ずし述語項構造・共参照タグを付䞎する基準に぀いお報告し事態性名詞のタグ付䞎においお具䜓物のタグ付䞎ず項のタグ付䞎を独立に行うこずで䜜業品質を向䞊させおいるしかしながら本研究でコヌパス構築の察象ずしたデヌタは地方議䌚䌚議録でありこれらのコヌパス構築の手法ずは察象ずするデヌタが異なる\subsection{䞻芳的な情報の泚釈付けに関する研究}本研究は政治的課題に察する賛吊ず積極性に関する泚釈付けを行っおおり䞻芳的な泚釈付けの䞀぀である䞻芳的な泚釈付けずしおは以䞋の研究があるWeibeetal.\cite{wb}は意芋などのprivatestateをニュヌス蚘事の句に察しお泚釈付けを行っおいる束吉ら\cite{mtys}は曞き手が衚明する真停刀断䟡倀刀断などの事象に察する総合的な情報を衚すタグの䜓系を提案しこれに基づくコヌパスを基瀎ずした解析システムを提案したたた評刀情報に関する研究では小林ら\cite{kbys}は䞻芳的評䟡の構成芁玠を「根拠」「評䟡」「態床」の3぀の芁玠に分類したうえでの泚釈付きコヌパスの䜜成を行っおいる宮厎ら\cite{myzk}はWeb文曞を察象に補品の様態ず評䟡ずを分離した評刀情報のモデルを提案し評刀情報コヌパス構築の際の泚釈者間の泚釈揺れを削枛する方法を論じおいる倧城ら\cite{osr}は斜策や事業に察する賛吊の意芋を構造的に捉えるための泚釈付けタグセットを提案しその有効性を確認した我々の提案する泚釈付けは意芋や評刀情報の泚釈付けず同様に文䞭のある郚分に察しお極性を付䞎するずいう点で共通しおいるが極性に加えお皋床を衚す積極性の情報を泚釈付けしおいる点でこれらの研究ず異なる積極性の情報を泚釈付けするこずの有甚性に぀いおは次節で説明する\subsection{ボヌトマッチに関する研究}ボヌトマッチは遞挙に関するむンタヌネットサヌビスの䞀皮で有暩者ず立候補者たたは有暩者ず政党の考え方の䞀臎床を枬定するこずができるシステムである䞊神ら\cite{uekm,uekm2,kgm}はコンピュヌタによりコヌディングを自動化する手法を提案しマニフェストの分析の自動化を行いそれを甚いおボヌトマッチシステム「投祚ぎったん」を䜜成したたた毎日新聞の「えらがヌず」{\kern-0.5zw}\footnote{http://vote.mainichi.jp/}などが公開されおいる朚村ら(朚村他2011)は意思決定の際に甚いられる決定朚を甚い「決定朚においお同じ経路を遞択する盞手は同じ考え方をする盞手ずみなすこずができる」ずいう仮説のもずに利甚者の政治的興味や関心を同定するための質問生成手法を提案しおいる我々の堎合賛吊に加え積極性に぀いおも考慮し泚釈付けを行うため既存のボヌトマッチシステムでは比范を行うのが難しいある斜策や事業に察し同意芋の議員を積極性ずいう尺床を甚いお分類するこずが可胜ずなるそれにより「昚幎床は○○などの事業に取り組んできた」ず発蚀した議員ず「○○などの事業を行うのもやむを埗ない」ず発蚀した議員のようにどちらも賛成の意思を瀺しおいるが積極性の床合いが異なる堎合に我々の提案する泚釈付け手法を甚いれば前者の議員がより積極的に賛成であるず泚釈付けるこずが可胜であるこれにより圓該の斜策や事業を実珟しおほしい利甚者に察しその意芋により近い前者の議員を提瀺するこずが可胜ずなる \section{地方議䌚䌚議録コヌパス} \label{sec:aboutcgkc}本節では地方議䌚䌚議録の収集および地方議䌚䌚議録コヌパスを構築するプロゞェクトの抂芁及び構築された地方議䌚䌚議録コヌパスに぀いお説明する\subsection{プロゞェクトの目的}本プロゞェクトは地方政治に関する研究の掻性化・孊際的応甚を目指しお研究者が利甚可胜な地方議䌚䌚議録コヌパスを党囜芏暡で構築しWeb䞊で提䟛するこずを目的ずするたたそのコヌパスを利甚した政治孊瀟䌚蚀語孊情報工孊の研究を行いその成果を孊際的に応甚した政治情報システムの開発を行うプロゞェクトの党䜓像を図\ref{zent}に瀺す\clearpage\subsection{地方議䌚䌚議録の収集}\begin{figure}[b]\vspace{-0.8\Cvs}\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f1.eps}\end{center}\caption{プロゞェクトの党䜓像}\label{zent}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{51垂町村の䌚議録怜玢システム}\label{syst}\input{ca02table01.txt}\vspace*{-0.5\Cvs}\end{table}党郜道府県の県庁所圚地ず政什指定郜垂の蚈51垂町村の䌚議録に぀いお平成17幎から平成22幎を察象に収集を行った垂町村の䌚議録の倚くはWeb䞊で専甚の䌚議録怜玢システムを通しお公開されおいるその䌚議録システムは衚\ref{syst}に瀺すように倧きく分けお4぀の䌚瀟が䌚議録怜玢システムを提䟛しおおりそれぞれ付録Aに瀺すクロヌルプログラムを構築し収集を行ったなおその他に該圓するのは秋田垂のみで独自の䌚議録怜玢システムを䜜っおいたため人手により䌚議録を収集した\subsection{地方議䌚䌚議録コヌパスの構築}\begin{table}[b]\caption{発蚀に付䞎する項目}\label{huyo1}\input{ca02table02.txt}\end{table}利甚者の利䟿性を考慮し付録Aの方法により収集した䌚議録に察し衚\ref{huyo1}に瀺す付随情報を付䞎しデヌタベヌス化を行ったその際には必芁な発蚀のみを簡単に参照できるように䌚議録を発蚀単䜍に分割した発蚀単䜍の分割に぀いおは句点や括匧などを区切りにしおおりその際にHTMLタグはすべお取り陀いおいる以䞋発蚀に付䞎する項目に぀いお説明する「発蚀ID」は各発蚀の識別を行うため「垂町村コヌド」は垂町村ごずの怜玢のため「議䌚名」は議䌚ごずの怜玢のため「議䌚皮別コヌド」垂町村によっお名称の違う議䌚名を分類するためにそれぞれ必芁ずなる「幎床」「回」「月」「号」「日付」に぀いおは時間情報ずしお重芁なため必芁である「衚題」はペヌゞのタむトルずしお「段萜番号」は段萜ごずの抜出を容易にするため「圹職名」は䌚議によっお議員の圹職が倉わるこずがあるため「発蚀者名」は䌚議録䞭の文字列をそのたた保持するためたた発蚀者が議員であるずは限らないため「議員ID」は議員の識別のためにそれぞれ必芁である「ファむルのパス」は元ファむルを参照するこずを容易にするため「その他」は発蚀ずそれ以倖の内容を区別するためにそれぞれ必芁ずなる䟋えば図\ref{egko}のような䌚議録が䞎えられたずき䞋線郚の発蚀に察しお衚\ref{eghuyo1}のように情報が付䞎され図\ref{fig:huyoo}の様になる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f2.eps}\end{center}\caption{甲府垂議䌚䌚議録の䟋}\label{egko}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{発蚀に察する情報付䞎の䟋}\label{eghuyo1}\input{ca02table03.txt}\end{table}「発蚀ID」は䌚議録では2番目の発蚀であるこずを衚しおいる「垂町村コヌド」は総務省により割り圓おられた地方公共団䜓コヌドを指す「議䌚皮別コヌド」は定䟋䌚ず臚時䌚には個別のコヌドが割り圓おられおいるがその他の委員䌚は垂町村によっお異なるためその他ず䞀括りにしおいる「幎床」は衚題に含たれる和暊を西暊に盎しおいる「回」は衚題に「第○回定䟋䌚」のように曞かれおいるものもあるが䟋のように「○月定䟋䌚」ず曞かれおいるものは元ファむルが配眮されおいた同䞀ディレクトリ内の定䟋䌚の開催月を比范しお䜕回目であるかを掚定しおいる「議䌚名」は衚題から日付や回などを省くこずで生成される「号」はファむル名より䌚議が1日目であるこずを衚しおいる「日付」はこの䟋の䞭には珟れおいないが䌚議録のHTMLタグの䞭に珟れるものを抜出しおいる「衚題」は䌚議録のHTMLファむルにあるtitle芁玠であるがtitleがない堎合はファむル名から「平成〜幎○○䌚」たでを抜出しおいる「段萜番号」は2番目の段萜であるこずを衚しおいるなお段萜の区切りはbrタグにより刀別される「圹職名」ず「発蚀者名」は発蚀者の発蚀の最初に「○圹職名発蚀者名君」のような衚珟で珟れるものを抜出しおいる「議員ID」は党囜の地方議員の䞀芧を別途甚意しすべおの議員に割り振った「ファむルのパス」は収集したファむルの保存堎所を瀺しおいる「発蚀」には該圓する1文の発蚀を文字列で保存しおいる「その他」には発蚀以倖の䌚議録の内容䟋えば「垂長宮島雅展君登壇」のような蚘述が入れられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f3.eps}\end{center}\caption{図\ref{egko}䞭の䞋線郚に察しお付䞎を行った結果}\label{fig:huyoo}\end{figure}\subsection{地方議䌚䌚議録コヌパスを甚いた研究}前節の手法により構築した地方議䌚䌚議録コヌパス及びそのデヌタベヌスにより党囜の地方議䌚䌚議録に察し「い぀」「どの䌚議で」「どの議員が」「䜕を発蚀したのか」に぀いお怜玢を行うこずが可胜ずなるこれを受けお今埌政治孊瀟䌚蚀語孊情報工孊ずいった各分野での研究が期埅されるが以䞋では珟時点で行われおいる地方議䌚䌚議録コヌパスを甚いた情報工孊ず瀟䌚蚀語孊の研究に぀いお玹介する\subsubsection{情報工孊の研究}情報工孊の分野では䌚議録に含たれるテキストから政治的課題の衚珟や芁求衚珟の自動抜出抜出デヌタの関係掚定などを甚いお䜏民自治䜓職員政治家などに有益な情報を提䟛する研究が行われおいる䌚議録は定䟋䌚だけでも膚倧な量であり北海道小暜垂の垂議䌚䌚議録の堎合定䟋䌚1回分の䌚議録だけでA4刀にするず200ペヌゞを超える朚村ら\cite{kim3}は倧量のテキストデヌタに察しお胜動的にアクセスしこれらのデヌタを読む䜏民が少ないず考え政治的課題の関心を明確にするための質問をシステムから利甚者に行うこずで利甚者の考えに近い議員を提瀺する方法を提案しおいる䌚議録に含たれる重芁郚分を抜出する研究も行われおいる葊原ら\cite{ashr}は䌚議録に含たれる重芁な内容が議員からの質問に含たれるこずが倚いこずに着目し議員の質問から芁求衚珟を抜出する研究を行っおいる他には倧城ら\cite{osr}は斜策や事業に察する賛吊の意芋を構造的にずらえるための泚釈付けタグセットを提案しおいる議員の斜策や事業の意芋に぀いお泚釈付けを行うずいう点では共通しおいるが同じ賛成もしくは反察を瀺す議員に察しその積極性を考慮するずいう点で本研究ずは異なっおいる\subsubsection{蚀語孊の研究}地方議䌚䌚議録は瀟䌚蚀語孊日本語孊方蚀孊などの研究に寄䞎する蚀語資源であるず考えられるしかし䌚議録は議䌚における発蚀を䞀字䞀句厳密に蚘録しおいるわけではなく文章ずしおの読みやすさを考慮しお意味内容が倧きく倉わらない範囲で修正敎文が加えられおいる高䞞ら\cite{tkmr,tkmr1,tkmr2}は地方議䌚䌚議録の蚀語資源ずしおの性質を明らかにするための基瀎研究ずしお耇数の地方議䌚䌚議録における敎文の状況を分析し実態を比范した敎文の過皋においお冗長な衚珟の削陀や蚀い間違いや方蚀語圙の修正などが行われおいるため地方議䌚䌚議録コヌパスを甚い話し蚀葉などに含たれる非流暢性を分析するこずは困難であるず考えられるが本コヌパスは通時性・共時性を䜵せ持぀蚀語資源であるため新しい文法衚珟の需芁の実態や議䌚甚語の倉遷等を分析するこずが可胜であるさらに敎文の担圓者がある衚珟が方蚀であるこずに気付かないこずや発蚀者の口調を維持するために方蚀であっおも敎文されずに残されるこずがあるこずずいった理由により䌚議録に珟れる方蚀等を分析するこずが可胜である珟圚これらの芳点に基づく研究ぞの本コヌパスの掻甚が進められおいる \section{賛吊の積極性に関する泚釈付け} \ref{sec:aboutcgkc}節で説明した地方議䌚䌚議録コヌパスにより発蚀文や方蚀のような衚局的な衚珟の怜玢や分析は可胜ずなったしかし我々が開発を目指しおいる利甚者の考えに近い議員を提瀺するシステムを構築するためにはある議員の斜策や事業に察する意芋䟋えばその賛吊や積極性を刀定する必芁がある意芋は耇数の圢態玠等の芁玠を組み合わせるこずにより衚されるものであるず考えられるため先に述べたプレむンテキストに基づくコヌパスの構築のみでは䞍十分であるず考え䌚議録䞭に衚れる政治的課題や政策に察する賛吊およびその積極性に関する泚釈付けを行うこずずした本節ではたず賛吊の積極性に関する情報に関しお考察し泚釈すべき情報の定矩を行う付䞎したXML圢匏のタグの仕様ず付䞎の基準に぀いお説明した埌泚釈付け結果の統蚈を瀺す最埌にタグに関する課題に぀いお述べる\subsection{賛吊の積極性に関する情報}\label{ssec:info}賛吊の積極性に぀いお考えるにあたり䌚議録䞭の賛吊を衚明する発蚀を芳察しそれらに぀いお分析を行った図\ref{fig:eg_bamen}に䌚議録の構成を5぀の堎面の芳点から䟋文ずずもに瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f4.eps}\end{center}\caption{䌚議録の堎面構成}\label{fig:eg_bamen}\end{figure}図\ref{fig:eg_bamen}に瀺した5぀の堎面の内(i)から(iv)の堎面においお斜策や事業およびそれに関する賛吊を衚す文や衚珟が珟れるこずが倚く䞀方で(v)の堎面ではほずんど珟れなかった次に議員が斜策や事業に関する意芋を述べる際の発蚀の䟋を図\ref{fig:eg_sentence}に瀺す斜策や事業に関する意芋を衚す文は䟋文(1)の䞋線郚(a)のように斜策や事業そのものを衚す衚珟ず䞋線郚(b)のように発蚀者の斜策や事業に関する意芋の衚珟の2぀から構成されるず考えるこずができるなお発蚀者ずしおは䞀般の議員に加えお自治䜓の銖長及び郚局長委員長議長なども珟れる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f5.eps}\end{center}\caption{斜策や事業に関する意芋を含む文の䟋}\label{fig:eg_sentence}\end{figure}たず斜策や事業の衚珟に぀いおの分析結果に぀いお述べる䟋文(2)では斜策や事業は䞋線郚(c)の耇合名詞1語で衚されおいるが䟋文(1)の䞋線郚(a)や䟋文(3)の䞋線郚(e)䟋文(7)の䞋線郚(m)のようにより倧きな名詞句で1぀の斜策や事業が衚珟されおいるものも倚く存圚しおおりいずれの堎合も連続する文字列で珟れおいるこずが倚かったたた䟋文(4)のように斜策や事業は珟れおいないがその実斜の床合いのみを述べおいる文も倚く存圚しおいた次に斜策や事業に察する賛吊の衚珟に぀いおの分析結果を述べる䟋文(1)から䟋文(5)たでのように斜策や事業に関しお賛成を述べる衚珟ず䟋文(6)(7)のような斜策や事業に察しお反察を述べる衚珟があるその比率ずしおは賛成が非垞に倚かったこれは自分の関心のある斜策や事業ず行政偎に実珟させたい斜策や事業に぀いお蚀及するこずが非垞に倚く芋られたこずによるものであるず思われる賛成を述べる際には䟋文(1)の䞋線郚(b)や䟋文(5)の䞋線郚(h)のように明確に賛成の意思を衚す文が非垞に倚く芋られた䞋線郚(d)のように「積極的に」などの蚀葉が入り積極的な意思を瀺す衚珟も芋られた反察を述べる際には賛成の堎合ず同様に䟋文(6)の䞋線郚(k)ず(l)のように明確に反察の意思を衚明する文も存圚するが䟋文(7)のように珟状で十分であり新たな行動を起こす必芁がないため䞋線郚(m)の斜策や事業には賛成ではないずいうように消極的に反察を述べる文も存圚しおいたたた䟋文(5)の䞋線郚(h)ず(i)のように斜策や事業を衚す衚珟が意芋を衚明する文以降の文で発蚀されそれ以前の文にその斜策や事業に察する説明がありそれが斜策や事業に察する意芋の理由ずなるような文も存圚しおいた他にも䟋文(9)のように自らの意芋ではなく垂民の声ずしお斜策や事業に察しお意芋を述べる文も芋られた\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f6.eps}\end{center}\caption{斜策や事業の実珟の床合い}\label{fig:jit}\end{figure}さらに同じように賛成の立堎もしくは反察の立堎を衚明しおいおも蚀及する斜策や事業がどのくらい実珟されおいるかの床合いにも差が芋られたその床合いは図\ref{fig:jit}に瀺す4぀に倧別するこずができたここで議員の斜策や事業に関する意芋を衚明する発蚀を読みその賛吊ぞの積極性を刀断する堎合を内省するず積極性を刀断するための手掛かりずしお少なくずも以䞋の3点があった1点目は発蚀䞭の「やむを埗ない」などのほかに手立おがないこずを瀺す衚珟であるこの衚珟がある堎合消極的な賛成もしくは反察であるこずが読み取れるしかしながら䌚議録の堎合䞀般的には積極性を瀺すはずの衚珟の存圚が必ずしも字矩通りの積極性を瀺すずは限らない䟋えば「取り組たねばならないず考えおいる」ずいう衚珟の堎合䞀般的には積極的な賛成を瀺しおいるず考えられるが䌚議録における議員の発蚀においおはこの衚珟だけをもっお積極的な賛成であるず刀断するこずは䞍適切であるなぜなら䌚議録には特有の衚珟や蚀い回しがあり議員は斜策や事業に積極的に取り組むこずが圓然ずしお捉えられおいるため積極的であるこずを瀺す衚珟が垞時の衚珟ずなっおいるこずが倚い䞀方消極的であるこずを瀺す衚珟に関しおは䟋えば「倧幅な繰り入れに぀いおはおのずから限界があるず考えるので倀䞊げに぀いおは賛成ずは蚀えないがやむを埗ないず考える」のように珟状が非垞に厳しいため本心では実斜したくないのだが珟状を鑑みるず実斜せざるを埗ないずいう意図で発蚀したず読み取れ消極性が感じられるすなわち積極的であるこずを瀺す衚珟が垞時の衚珟のため衚珟が積極的なものに偏っおおり積極的か消極的かを瀺す衚珟で非察称性があるように思われる2点目は蚀及された斜策や事業の具䜓性である積極的であるように読み取れる堎合その斜策や事業ぞの蚀及が具䜓的であるこずが倚い䟋えば単に「取り組たねばならない」ずいう発蚀よりも「○○ずいった理由により△月たでに取り組たねばならない」ずいう発蚀の方が積極的に取り組むずいう意思を読み取るこずができる具䜓性の有無を刀断する手掛かりずしお実珟したい斜策や事業の詳现な内容や珟状を数倀などを螏たえお蚀及するような構造等が考えられるが本皿では斜策や事業に察する意芋の根拠ずなる理由に着目し理由が述べられおいる文には具䜓性があるず考えた3点目は蚀及された斜策や事業の実珟床合いであるすなわちこれから取り組みたいずいう意思を衚明しおいるだけなのかそれずも既に斜策や事業の䞀郚に着手しおいるのかずいった違いにより賛吊の積極性を読み取るこずができるず考えられる斜策や事業に察する賛吊の積極性を刀断する䞊で䞊蚘の3点が手がかりになるずいうこずは仮説であるが賛吊の積極性に察する人間の刀断結果ず共にこれらの手がかりに関する衚珟の泚釈付けを行うこずによりその仮説の分析およびその分析結果に基づいお構築された積極性刀断のための仕組みが正しく動䜜しうるかどうかの確認が可胜ずなる\subsection{賛吊の積極性に関する泚釈付け}\label{ssec:huyo}本皿では地方議䌚䌚議録コヌパスに収録されおいる札幌垂暪浜垂京郜垂北九州垂の4垂の2010幎の第2回定䟋䌚を察象に泚釈付けを行ったこの4垂を察象ずした理由は政什指定郜垂であるこず党囜に散らばっおいるこず同䞀の蚘述圢匏の䌚議録を採甚しおいるこずの3点による泚釈付けを行う単䜍ずしお「発話」「段萜」「文」「文字列」の4぀の単䜍を甚い「文」「段萜」「発話」を以䞋のように定矩したたず4垂の䌚議録の蚘述圢匏では党おの文の最埌が句点で終わっおいるこずから句点を「文」の境界ずした次に同䞀の話題に関する文は1぀の段萜にたずめお蚘述されおおり党おの段萜の最初には空癜が存圚するこずから行頭の空癜を「段萜」の境界ずした最埌に文の発蚀者に関する情報がコヌパス䞭に収録されおいるため発蚀者が同䞀人物である文の連続を1぀の「発話」ずした\ref{ssec:info}節での議論を基に衚\ref{tb:tag}に瀺す11皮類のタグに関しお泚釈付けを行うこずずした先に述べた4぀の郜垂に察しお8人の泚釈者が1人2郜垂ず぀担圓し泚釈付けを行い1郜垂に぀き4぀のコヌパスを䜜成するこずずした泚釈者の育った蚀語環境は党員日本語で出身地は神奈川県が3人静岡県が2人愛知県が1人岡山県が1人䜐賀県が1人であった泚釈䜜業にかかった時間はおおむね1郜垂に぀き15時間から20時間皋床であった各泚釈の説明を以䞋に述べる\begin{table}[b]\caption{泚釈の䞀芧}\label{tb:tag}\input{ca02table04.txt}\end{table}(1)番目は発蚀がどのようなシヌンでなされたかの泚釈であり発話単䜍で付䞎する議員が意芋を述べるこずが倚いシヌンに぀いお発蚀が行われる堎面ごずの比范や分析を行えるよう「質問」「回答」「蚎論」「説明」の4シヌンを想定し各シヌンを以䞋のように定矩した\begin{itemize}\item「質問」発蚀䞭に他者に察しお回答を求める文が存圚しおいる\item「回答」発蚀䞭に他者からの質問に察する回答ずなる文が存圚しおいる\item「蚎論」自分の意芋を䞀方的に衚明しおいる文が存圚しおいる\item「説明」議案等の内容を説明する文が存圚しおいる\end{itemize}䞊蚘の4シヌンに圓おはたらないシヌンは「その他」ずしお泚釈づけを行ったシヌンは排他的に泚釈付けられるすなわち泚釈者は䞊蚘の4シヌンに「その他」を加えた5぀のうちから1぀を遞ぶ䜜業効率の芳点から「その他」のシヌンにおける発蚀には(2)以降の泚釈付けを行わなかった(2)番目は発蚀者の関心がある斜策や事業に関する泚釈であり文字列単䜍で付䞎する発蚀䞭に含たれる斜策や事業を瀺す文字列を同定するずずもにこれに察し「賛成掚進」「反察廃止」「その他」の䜕れかの極性を付䞎するこれにより発蚀に察する賛吊の自動刀定を行うための機械孊習の教垫情報ずしお泚釈付けを行ったコヌパスを利甚できる極性の刀断は前埌の文脈に珟れる蚘述により䜜業者の䞻芳に基づいお行われた斜策や事業に関する泚釈付けは次のような圢で行われる\begin{quote}\texttt{<}PolicyPolarity=\verb/"/賛成\verb/"/\texttt{>}路線の存続\texttt{<}/Policy\texttt{>}\end{quote}この䟋では「路線の存続」ずいう斜策に察し発蚀者は賛成の意思を立堎を瀺しおいる(3)番目は発蚀内容のカテゎリヌに関する泚釈であり段萜単䜍で付䞎するカテゎリヌは朚村ら\cite{kim2}の政治的カテゎリヌを参考に比范的議題に挙げられるこずが倚い「医療」「教育」「環境」「芳光」「防灜」「公共」の6カテゎリヌを察象ずした1぀の段萜に耇数のカテゎリヌを付䞎するこずを蚱可しおいるたた発蚀内容がどのカテゎリヌにも属さない堎合には「その他」ずしお泚釈付けを行った(4)番目は質問ず回答の察応付けに関する泚釈であり段萜単䜍で付䞎する質問の段萜から回答の段萜ぞず1察1で察応付けおおりもしも回答が耇数の段萜にたたがっおいる堎合は最初の段萜に察応付けを行った段萜に察する泚釈付けは次のような圢で行われるこれによりある議員の質問ずそれに察する行政偎の回答が結び付き斜策・事業ごずの議員の意芋ず行政偎の意芋を1぀の組ずしお分析が可胜ずなる\begin{quote}\texttt{<}ParagraphId=\verb/"/P338\verb/"/CorrespondingAnswerParagraphID=\verb/"/P438\verb/"/Category=\verb/"/医療\verb/"/\texttt{>}\end{quote}この䟋では338番目の段萜は医療のカテゎリヌに぀いお発蚀しおおりその段萜の䞭で珟れた質問は438段萜で回答されおいるこずを衚しおいる(5)番目は疑問文かどうかを刀断した結果の泚釈であり文単䜍で付䞎する本皿での疑問文ずは他者の回答を芁求する文ず定矩しおおり「○○に぀いおお聞かせ願いたい」ずいった衚珟であっおも疑問文ずした(6)番目は意芋性がある文かどうかを刀断した結果の泚釈であり文単䜍で付䞎する本皿での意芋性がある文ずは「○○すべきだ」「△△の方が良いず考えられる」ずいった意芋であるこずが明確に瀺されおいる文ず定矩しおいる(7)番目は発蚀者本人の意芋である文かどうかを刀断した結果の泚釈であり文単䜍で付䞎する(8)番目は発蚀内容の䞭栞ずなる文に関する泚釈である本皿での䞭栞ずなる文ずは発蚀内容を端的に述べおいる文ず定矩しおいる我々はシステムが利甚者に発蚀内容を提瀺する際には発蚀内容の敎理・芁玄を行う必芁があるず考えおおり敎理・芁玄を行うための情報ずしお利甚するこずを想定しおいる(2)の斜策・事業を泚釈を含む文たたは(6)の意芋性があるず刀断された文を含む段萜には最䜎でも1文は䞭栞ずなる文を遞定し泚釈付けを行うこずずした(9)番目は(2)の斜策・事業の極性たたは(6)の意芋性がある文ずその理由ずなる文ずの察応付けに関する泚釈である理由ずなる文から(2)で遞択された斜策・事業たたは(6)の意芋性がある文ぞず1察倚で察応付けを行っおいるこれらが耇数存圚するこずにより理由ずなる文の集合ず(2)ならびに(6)に属する文の集合の間に倚察倚の関係が成り立぀これにより斜策や事業に察する賛吊の珟れ方やどのような発蚀が賛吊の理由ずなるのかに぀いおの分析が可胜ずなる(10)番目は発蚀時点で文䞭の意芋がどの皋床実珟されおいるかの泚釈であり文単䜍で付䞎する実珟の皋床ずしお「衚明」「着手」「完了」「拡倧」の4぀の状態を以䞋のように定矩した\begin{itemize}\item「衚明」䜕も実珟できおいない状態やるべきずいう意思を衚明しただけの状態\item「着手」実珟のために行動を開始した状態珟圚進行䞭であり目暙は達成されおいない\item「完了」すでに目暙を達成した状態珟圚は行動しおいない\item「拡倧」すでに目暙を達成しおおり{\kern-0.5zw}さらなる成果を求めお行動したい{\kern-0.5zw}しおいる{\kern-0.5zw}状態\end{itemize}(2)の斜策・事業を泚釈した文には必ず付䞎するこずずした(11)番目は総合的に芋お文䞭の意芋がどの皋床説埗性がありそうか目暙を実珟できそうかに関する泚釈であり文単䜍で付䞎する説埗性の刀断は前埌の文脈を考慮した䜜業者の䞻芳に基づいお行われ(2)の斜策・事業に関する泚釈付けを行った文には必ず付䞎するこずずした前述の理由の察応付けや意芋性の有無ず合わせお発蚀䞭のどの芁玠が意芋の積極性を衚すかに぀いおの考察が可胜ずなる文に関する泚釈付けは以䞋のように行われる\begin{quote}\texttt{<}SentenceId=\verb/"/S346\verb/"/Member=\verb/"/(小川盎人議員)\verb/"/IsQuestion=\verb/"/False\verb/"/IsOpinion=\verb/"/True\verb/"/IsPrincipal=\verb/"/True\verb/"/Actualization=\verb/"/䞍明\verb/"/CorrespondingConclusive=\verb/"/P:352\_11\_9:路線の存続\verb/"/IsPersuasive=\verb/"/True\verb/"/IsCoreSentence=\verb/"/False\verb/"/\texttt{>}䞘珠路線は、道内䞻芁郜垂を結び、ビゞネスマンや芳光客、さらには札幌垂内医療機関ぞの通院など、倚くの人がさたざたな目的を持ち札幌ず各地を埀来しおおり、移転するこずで幎間37䞇人の利甚者の利䟿性や経枈掻動を著しく損なうこずになるのは明らかでありたす。\texttt{<}/Sentence\texttt{>}\\\texttt{<}SentenceId=\verb/"/S352\verb/"/Member=\verb/"/(小川盎人議員)\verb/"/IsQuestion=\verb/"/True\verb/"/IsOpinion=\verb/"/True\verb/"/IsPrincipal=\verb/"/True\verb/"/Actualization=\verb/"/衚明\verb/"/CorrespondingConclusive=\verb/"/None\verb/"/IsPersuasive=\linebreak\verb/"/True\verb/"/IsCoreSentence=\verb/"/True\verb/"/\texttt{>}そこで、質問ですが、\texttt{<}PolicyPolarity=\verb/"/賛成\verb/"/\texttt{>}路線の存続\texttt{<}/Policy\texttt{>}に向けおは、道、経枈界、関係自治䜓が䞀䜓ずなった掻動が求められ、さらには、道民、垂民に倧きく運動を広げおいくこずも芖野に入れた取り組みが必芁ず考えたすが、今埌、垂長はどのように察応しようずされおいるのか、お䌺いいたしたす。\texttt{<}/Sentence\texttt{>}\end{quote}衚\ref{tb:tag}䞭の各泚釈は(5)から順に「IsQuestion」「IsOpinion」「IsPrincipal」「IsCoreSentence」「CorrespondingConclusive」「Actualization」「IsPersuasive」ず衚されこの䟋では2文目に珟れおいる「路線の存続」ずいう斜策に察し1文目がその理由ずしお結び぀いおいる泚釈者の泚釈付けの際の誀りを軜枛するために図\ref{fg:tool}に瀺す専甚のタグ付けツヌルを開発しツヌルを通しお䞊蚘の泚釈付けを行った泚釈情報は図\ref{fg:xml}に瀺すようなXML圢匏で付䞎される\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f7.eps}\end{center}\caption{タグ付けツヌル}\label{fg:tool}\end{figure}\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f8.eps}\end{center}\caption{XMLデヌタの䟋}\label{fg:xml}\end{figure}\subsection{泚釈結果の統蚈および分析}\begin{table}[p]\caption{総発話数ずシヌンごずの内蚳}\label{tb:utterance}\input{ca02table05.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{段萜ずカテゎリヌごずの内蚳}\label{tb:paragraph}\input{ca02table06.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{文単䜍の泚釈結果}\label{tb:sentence}\input{ca02table07.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{斜策・事業の泚釈結果}\label{tb:policy}\input{ca02table08.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{実珟床ず説埗性の内蚳}\label{tb:jitset}\input{ca02table09.txt}\end{table}\ref{ssec:huyo}節で述べた4郜垂の圓該䌚議録に察する泚釈付けを行った結果の傟向を分析するために各統蚈量を調査したその結果を衚\ref{tb:utterance}から衚\ref{tb:reaper}に瀺す以䞋の(1)などの数字は\ref{ssec:info}節の\mbox{衚\ref{tb:tag}}䞭の泚釈の皮類番号である衚\ref{tb:utterance}に䌚議録䞭の発話の数ず(1)で付䞎されたシヌンの内蚳を瀺す衚\ref{tb:paragraph}には䌚議録䞭の段萜の数(3)のカテゎリヌが付䞎された段萜の数およびその内蚳を瀺す各段萜には耇数のカテゎリヌの付䞎を蚱可しおいるこずずならびに「その他」のシヌンの段萜にはカテゎリヌが付䞎されおいないこずに泚意されたい衚\ref{tb:sentence}に䌚議録䞭の文の数(1)で付䞎されたシヌンの文の数ずその内蚳(3)で付䞎されたカテゎリヌの文の数ずその内蚳(5)の疑問文の数(6)の意芋性のある文の数(7)の本人の意芋である文の数(8)の䞭栞ずなる文の数(9)の理由ずなる文の数(10)の実珟床を有する文の数ずその内蚳(11)の説埗性がある文の数を瀺す衚\ref{tb:policy}には(2)の抜出された斜策や事業及び極性の内蚳を瀺す各衚䞭の括匧内の倀は割合を瀺しおいる衚\ref{tb:jitset}に各実珟床ず説埗性の関係を瀺しおおり括匧内の数はそれぞれ衚明の文の䞭で説埗性のあるものの割合ず着手・完了・拡倧の文の䞭で説埗性のあるものの割合を瀺しおいる衚\ref{tb:reaper}に意芋文および斜策や事業に察しお理由が結び぀くかどうかそれらが説埗性を持぀かどうかを瀺しおいるなお衚䞭の数倀は4郜垂の泚釈結果を合蚈したものである\begin{table}[t]\caption{理由ず説埗性の関係}\label{tb:reaper}\input{ca02table10.txt}\end{table}たず4郜垂間で泚釈結果を比范するず衚\ref{tb:utterance}から衚\ref{tb:policy}に関しおは泚釈の数の分垃に倧きな差は芋られない次に衚\ref{tb:utterance}から順に統蚈量からわかったこずに぀いお述べる衚\ref{tb:utterance}の総発話数ずシヌンごずの内蚳を芋るずいずれの垂においおも「その他」のシヌンが䞀番倚く「回答」「質問」のシヌンが残りの倧郚分を占めおいる「その他」のシヌンは図\ref{fig:eg_bamen}の(5)に瀺したずおり議長の挚拶や議決予算などの各皮報告に察しお泚釈されるものであり斜策や事業に察し意芋を述べる発蚀はほが存圚しないそのため斜策や事業に察する賛吊を刀定する際には䞍芁でありシヌンに関する泚釈付けをおこなうこずによりこれらを省いたデヌタを䜜成するこずが可胜になるず考えられるたた「回答」のシヌンの泚釈数を4郜垂間で比范するず北九州垂のみ他の郜垂より倚くなっおいた4郜垂ずも質問者の倚数の質問に察し垂長及び関係郚眲の議員が答える圢匏をずっおいるが北九州垂は郚眲の区切りが「建蚭郜垂局長」「建蚭局長」ずいうように圹職が现かく蚭定されおいるため回答者が増える傟向にあるからではないかず思われるこのように各シヌンの分垃の違いから各郜垂の議䌚の傟向に぀いお分析するこずも可胜であるこずがわかった衚\ref{tb:paragraph}の段萜ずカテゎリヌごずの内蚳を芋るずいずれの郜垂においおも「その他」が䞀番倚く「医療」が次に続き「教育」「公共」が残りの倚くを占めおいる今回泚釈付けを行ったのは2010幎の䌚議録でありその前幎の2009幎に新型むンフル゚ンザが䞖界的に流行しおいたためそれに察しおの察策等に぀いお述べる議員が倚く「医療」のカテゎリヌであるず泚釈された段萜の数が他の物に比べお倚くなったものず考えられるこの結果から議䌚の話題は時事的な問題に圱響を受け埗るずいうこずがわかった衚\ref{tb:sentence}の文単䜍の泚釈結果を芋るずカテゎリヌの分垃は特に倉わらないがシヌンの分垃は倧きく倉化し「質問」のシヌンず泚釈された発話に含たれる文が䞀番倚くなっおいるこれは4郜垂の議䌚の質問応答圢匏が䞀括質疑・䞀括答匁であり発話者が亀代する堎面が少ないこずによるこのように発話単䜍でのシヌンず各シヌンの発話に含たれる文の数を比范するこずで議䌚の質問圢匏の傟向を知るこずができる衚\ref{tb:policy}の斜策や事業の極性の内蚳をみるず賛成の割合が暪浜垂札幌垂においおは玄9割北九州垂京郜垂においおは玄8割をそれぞれ占めおいたこれにより䌚議録䞭の発蚀では賛成意芋が垞時の衚珟ずなっおいるずいう\ref{ssec:info}節における1点目の芳察に぀いお裏付けるこずができたたた賛吊の刀定を二倀分類で行う際には吊定の刀定粟床が重芁になるず考えられる衚\ref{tb:jitset}の実珟床ず説埗性の関係を芋るず実珟床に関する泚釈付けのある文に関しお説埗性があるず刀断された文の割合が玄4割から5割ずなっおおり実珟床に関する泚釈付けのない文に関しお説埗性があるず刀断された文の割合を倧きく䞊回っおいるこれにより床合いにかかわらず実珟床を含む文すなわち斜策や事業を実珟したいずいう発蚀や既に実斜しおいるずいう発蚀は積極性に寄䞎するず考えるこずができそうである最埌に意芋文および斜策や事業に察しおそれらに理由が結び぀いおいるか説埗性を持぀かに関しおの統蚈を瀺した衚\ref{tb:reaper}を芋るず理由が結び぀いおいる文や斜策は説埗性があるず刀断されるこずが倚い傟向にあり理由を持぀文は積極性の手がかりになるずいう\ref{ssec:info}節における2点目の芳察を裏付けるこずができた\subsection{付䞎したタグの課題}\label{ssec:mondai}本小節では地方議䌚䌚議録コヌパスに我々が提案したタグを付䞎した際に明らかになった課題を「タグの仕様」ず「泚釈付けにおける䞻芳的刀断」の2぀の芳点から説明する\subsubsection{タグの仕様策定に関わる課題}「理由の察応付け」のタグは斜策や事業に関する賛吊の理由ずなる文に察しお付䞎されその理由ず斜策や事業ずを結び぀けるものであるがその付䞎単䜍を「文」ずしおいるたた䌚議録では「○○しおたいりたす」や「○○ず考えたす」等のような文末衚珟が垞態ずなっおおり「××を行うこずは倧きな利益を生むため掚進しおいこうず考えおおりたす」ずいった理由を含む耇文においおも文末衚珟ずしお珟れるこずが倚いそのため理由を衚す衚珟に぀いお分析を行いたい時には単に理由を含むず泚釈づけられた文党䜓に泚目するだけでは正しくないずいう問題がある理由に纏わる分析を簡単に行えるようにするためには「理由の察応付け」のタグの泚釈単䜍を文字列ずし先述の䟋の「××を行うこずは倧きな利益を生むため」にのような埓属節等に泚釈付けを行えるような仕様ずすればこの問題は解決できるず考えられる\subsubsection{泚釈付けにおける䞻芳的刀断}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA2f9.eps}\end{center}\caption{斜策や事業の認定に関する刀断に生じた揺れの䟋}\label{fig:yure}\end{figure}テキストに察する泚釈付けにおいお䞀般的に泚釈者間の刀断が必ずしも䞀臎しないこずが問題ずなる本皿における泚釈付けにおいおは特に「斜策・事業」の認定に関する刀断に揺れが芋られた「斜策・事業」のタグは文字列に察し付䞎されるものであるが議員の発蚀䞭に必ずしも斜策や事業がひず぀の連続した文字列や名詞句の圢で出珟するわけではなく図\ref{fig:yure}のように泚釈者によりどの範囲を斜策や事業ずしお捉えるのかが異なっおしたうこずがあったいずれの䟋もどの範囲を斜策や事業ずしお泚釈付けるかで揺れが生じおいるのだが䞋の䟋に関しおはある泚釈者は2぀の斜策があるず泚釈し別の泚釈者は纏めお1぀の斜策ずしお泚釈付けおいるこれにより斜策や事業ずそれに関する賛吊の分析を行う際にばら぀きが生じおしたう解決策ずしおは斜策や事業のみ範囲をあらかじめ決めおおくずいう仕様にするこずが考えられる\subsubsection{提案した泚釈付け手法に远加しお必芁であるず考えられる情報}本皿では議員の斜策や事業に関する賛吊ず積極性に関する泚釈付け手法を提案したが積極性は必ずしもその有無ずいった二倀の倀で刀断される情報ではなく䟋えば「やや積極的」「かなり積極的」ずいうように積極的な堎合ず消極的な堎合のいずれにおいおも耇数の段階が存圚するこずがあるこのような堎合においおより詳现に泚釈付けを行うためには積極性に関する床合いを衚珟する手段が远加される必芁がある \section{おわりに} 本皿では地方政治に関する研究の掻性化・孊際的応甚を目指しお党郜道府県の県庁所圚地および政什指定郜垂の蚈51垂町村に぀いお䌚議録の収集ずコヌパスの構築を行った51垂町村の䌚議録はWeb䞊で䞻に4瀟の䌚議録怜玢システムにより提䟛されおおりペヌゞに匵られたリンクをたどっおいく方法ずCGIのパラメヌタを倉えおいく方法などにより䌚議録を自動的に収集するこずを行った地方議䌚䌚議録コヌパスには17項目の情報を付䞎しおおりたた発蚀単䜍に分割しおデヌタベヌス化を行っおいるたた我々が目的ずする䌚議録における発蚀を基に利甚者ず政治的に近い考えをも぀議員を刀断しお提瀺するシステムの開発に向け地方議䌚䌚議録コヌパスの分析・評䟡甚のデヌタ䜜成のために䌚議録䞭の議員の斜策や事業に察する賛吊ずその積極性に関する泚釈付けを行う手法に぀いお提案をした泚釈結果の統蚈および課題に぀いお論じた今埌本皿での分析により埗られた知芋を基に各発蚀に察しお賛吊ずその積極性を自動刀定する手法を開発したいず考えおいる\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費22300086の助成を受けたものである\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{葊原\JBA朚村\JBA荒朚}{葊原\Jetal}{2012}]{ashr}葊原史敏\JBA朚村泰知\JBA荒朚健治\BBOP2012\BBCP.\newblock地方議䌚䌚議録における芁求・芁望衚珟抜出の提案.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚論文集},\mbox{\BPGS\1--27}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Goede,vanWees,Marx,\BBA\Reinanda}{de~Goedeet~al.}{2013}]{bart}de~Goede,B.,vanWees,J.,Marx,M.,\BBA\Reinanda,R.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQPoliticalMashupNgramviewerTrackingWhoSaidWhatandWheninParliament.\BBCQ\\newblock{\BemResearchandAdvancedTechnologyforDigitalLibraries},\mbox{\BPGS\446--449}.\bibitem[\protect\BCAY{橋本\JBA黒橋\JBA河原\JBA新里\JBAæ°žç”°}{橋本\Jetal}{2011}]{hsmt}橋本力\JBA黒橋犎倫\JBA河原倧茔\JBA新里圭叞\JBA氞田昌明\BBOP2011\BBCP.\newblock構文・照応・評䟡情報぀きブログコヌパスの構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf18}(2),\mbox{\BPGS\175--201}.\bibitem[\protect\BCAY{平田\JBA䞭村\JBA小束\JBA秋田}{平田\Jetal}{2012}]{hrt}平田䜐智子\JBA䞭村聡史\JBA小束孝埳\JBA秋田喜矎\BBOP2012\BBCP.\newblock囜䌚䌚議録コヌパスを甚いたオノマトペ䜿甚の地域比范.\\newblock\Jem{第27回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集3N4-OS-01c-2},{\Bbf31}(10).\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA小町\JBA也\JBA束本}{飯田\Jetal}{2008}]{iid}飯田韍\JBA小町守\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2008\BBCP.\newblock述語項構造ず照応関係のアノテヌションNAISTテキストコヌパス構築の経隓から.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(2),\mbox{\BPGS\25--50}.\bibitem[\protect\BCAY{井䞊}{井䞊}{2013}]{inue}井䞊史雄\BBOP2013\BBCP.\newblock[こずばの散歩道171去った○日.\\newblock\Jem{日本語孊},{\Bbf31-10}.\bibitem[\protect\BCAY{川端\JBA山本}{川端\JBA山本}{2007}]{kwbt}川端正法\JBA山本和英\BBOP2007\BBCP.\newblock話題の継続に着目した囜䌚䌚議録芁玄.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎床倧䌚},\mbox{\BPGS\696--699}.\bibitem[\protect\BCAY{川浊}{川浊}{2009}]{kwur}川浊昭圊\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQSelf-ServingMayorsandLocalGovernmentConsolidationsinHokkaido.\BBCQ\\newblock\Jem{日本経枈孊䌚春季倧䌚研究報告}.\bibitem[\protect\BCAY{Kawaura}{Kawaura}{2010}]{kwur2}Kawaura,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQSelf-ServingMayorsandLocalGovernmentConsolidationsinJapan.\BBCQ\\newblockIn{\BemUniversityofHawaiiDepartmentofEconomicsWorkingPaper}.\bibitem[\protect\BCAY{朚村\JBA枋朚\JBA高䞞}{朚村\Jetal}{2009}]{kim1}朚村泰知\JBA枋朚英朔\JBA高䞞圭䞀\BBOP2009\BBCP.\newblock地方議員ず䜏民間の共同支揎に向けたりェブの利甚.\\newblock\Jem{遞挙研究},{\Bbf25}(1),\mbox{\BPGS\110--118}.\bibitem[\protect\BCAY{朚村\JBA枋朚\JBA高䞞\JBA小林\JBA森}{朚村\Jetal}{2010}]{kim2}朚村泰知\JBA枋朚英朔\JBA高䞞圭䞀\JBA小林哲郎\JBA森蟰則\BBOP2010\BBCP.\newblock北海道を察象ずした地方議員ず䜏民間の共同支揎システムのナヌザむンタヌフェヌス評䟡.\\newblock\Jem{第24回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集2J2-NFC2-3}.\bibitem[\protect\BCAY{朚村\JBA枋朚\JBA高䞞\JBA乙歊\JBA小林\JBA森}{朚村\Jetal}{2011}]{kim3}朚村泰知\JBA枋朚英朔\JBA高䞞圭䞀\JBA乙歊北斗\JBA小林哲郎\JBA森蟰則\BBOP2011\BBCP.\newblock地方議員マッチングシステムにおける胜動的質問のための質問生成手法.\\newblock\Jem{第24回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集},{\Bbf26}(5),\mbox{\BPGS\580--593}.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA也\JBA束本}{小林\Jetal}{2006}]{kbys}小林のぞみ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock意芋情報の抜出構造化のタスク䜿甚に関する考察.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理研究䌚報告2006-NL-171}.\bibitem[\protect\BCAY{束吉\JBA江口\JBA䜐尟\JBA村䞊\JBA也\JBA束本}{束吉\Jetal}{2010}]{mtys}束吉俊\JBA江口萌\JBA䜐尟ちずせ\JBA村䞊浩叞\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockテキスト情報分析のための刀断情報アノテヌション.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ93-D}(6),\mbox{\BPGS\705--713}.\bibitem[\protect\BCAY{宮厎\JBA森}{宮厎\JBA森}{2010}]{myzk}宮厎林倪郎\JBA森蟰則\BBOP2010\BBCP.\newblock泚釈事䟋参照を甚いた耇数泚釈者による評刀情報コヌパスの䜜成.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(5),\mbox{\BPGS\3--50}.\bibitem[\protect\BCAY{森脇}{森脇}{2008}]{mrwk}森脇俊雅\BBOP2008\BBCP.\newblock合䜵ず地方議䌚掻動議員アンケヌトの分析を䞭心にしお.\\newblock\Jem{遞挙研究},{\Bbf23},\mbox{\BPGS\82--90}.\bibitem[\protect\BCAY{倧城\JBA枡邊\JBA枋朚\JBA朚村\JBA森}{倧城\Jetal}{2012}]{osr}倧城卓\JBA枡邊裕斗\JBA枋朚英朔\JBA朚村泰知\JBA森蟰則\BBOP2012\BBCP.\newblock地方政治情報システムのための地方議䌚䌚議録ぞの泚釈付けタグセットの提案.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\3--9}.\bibitem[\protect\BCAY{乙歊\JBA高䞞\JBA枋朚\JBA朚村\JBA荒朚}{乙歊\Jetal}{2009}]{ottk}乙歊北斗\JBA高䞞圭䞀\JBA枋朚英朔\JBA朚村泰知\JBA荒朚健治\BBOP2009\BBCP.\newblock地方議䌚䌚議録の自動収集に向けた公開パタンの分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第15回幎次倧䌚},\mbox{\BPGS\192--195}.\bibitem[\protect\BCAY{Ptaszynski,Rzepka,Araki,\BBA\Momouchi}{Ptaszynskiet~al.}{2012}]{ptas}Ptaszynski,M.,Rzepka,R.,Araki,K.,\BBA\Momouchi,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyAnnotatingAFive-Billion-WordCorpusofJapaneseBlogsforAffectandSentimentAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProseedingsofthe3rdWorkshoponComputationalApproachestoSubjectivityandSentimentAnalysis},\mbox{\BPGS\123--130}.\bibitem[\protect\BCAY{関口\JBA山本}{関口\JBA山本}{2003}]{skgc}関口掋䞀\JBA山本和英\BBOP2003\BBCP.\newblockWebコヌパスの提案.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告.情報孊基瀎研究䌚報告},{\Bbf2003}(98),\mbox{\BPGS\123--130}.\bibitem[\protect\BCAY{高䞞\JBA朚村}{高䞞\JBA朚村}{2010}]{tkmr}高䞞圭䞀\JBA朚村泰知\BBOP2010\BBCP.\newblock栃朚県の地方議䌚䌚議録における敎文に぀いおの基瀎分析—本䌚議のりェブ配信ず䌚議録の比范—.\\newblock\Jem{郜垂経枈研究幎報},\mbox{\BPGS\74--86}.\bibitem[\protect\BCAY{高䞞}{高䞞}{2011}]{tkmr1}高䞞圭䞀\BBOP2011\BBCP.\newblock芏暡の異なる自治䜓における地方議䌚䌚議録の敎文の比范.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第27回研究倧䌚},\mbox{\BPGS\256--259}.\bibitem[\protect\BCAY{高䞞}{高䞞}{2013}]{tkmr2}高䞞圭䞀\BBOP2013\BBCP.\newblock圢態玠N-gramを甚いた地方議䌚䌚議録における地域差の分析手法の怜蚎—ひらがなで構成された文末の4-gramに着目しお—.\\newblock\Jem{明海日本語},\mbox{\BPGS\1--10}.\bibitem[\protect\BCAY{䞊神}{䞊神}{2006}]{uekm}䞊神貎䜳\BBOP2006\BBCP.\newblock投祚支揎ツヌルず『政策䞭心の遞挙』の実珟—オランダの実践ず日本における展望—.\\newblock\Jem{遞挙孊䌚玀芁},{\Bbf6},\mbox{\BPGS\43--64}.\bibitem[\protect\BCAY{䞊神\JBAå €}{䞊神\JBAå €}{2008}]{uekm2}䞊神貎䜳\JBA堀英敬\BBOP2008\BBCP.\newblock投祚支揎のためのむンタヌネット・ツヌル—日本版ボヌトマッチの䜜成プロセスに぀いお—.\\newblock\Jem{遞挙孊䌚玀芁},{\Bbf10},\mbox{\BPGS\39--80}.\bibitem[\protect\BCAY{䞊神\JBA䜐藀}{䞊神\JBA䜐藀}{2009}]{kgm}䞊神貎䜳\JBA䜐藀哲也\BBOP2009\BBCP.\newblock政党や政治家の政策的な立堎を掚定する—コンピュヌタによる自動コヌディングの詊み—.\\newblock\Jem{遞挙研究},{\Bbf25}(1),\mbox{\BPGS\61--73}.\bibitem[\protect\BCAY{Weibe,Wilson,\BBA\Cardie}{Weibeet~al.}{2005}]{wb}Weibe,J.,Wilson,T.,\BBA\Cardie,C.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatingExpressionsofOpinionsandEmotionsinLanguage.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf39}(2--3),\mbox{\BPGS\165--210}.\bibitem[\protect\BCAY{山本\JBA安達}{山本\JBA安達}{2005}]{ymmt}山本和英\JBA安達康昭\BBOP2005\BBCP.\newblock囜䌚䌚議録を察象ずする話し蚀葉芁玄.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(1),\mbox{\BPGS\51--78}.\bibitem[\protect\BCAY{Yu,Kaufmann,\BBA\Diermeier}{Yuet~al.}{2008}]{bei}Yu,B.,Kaufmann,S.,\BBA\Diermeier,D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQClassifyingPartyAffiliationfromPoliticalSpeech.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofInformationTechnology\&Politics},{\Bbf5}(1),\mbox{\BPGS\33--48}.\bibitem[\protect\BCAY{平野}{平野}{2008}]{hrn}平野淳䞀\BBOP2008\BBCP.\newblock「平成の倧合䜵」ず垂長遞挙.\\newblock\Jem{遞挙研究},{\Bbf24}(1),\mbox{\BPGS\32--39}.\end{thebibliography}\appendix\vspace*{-1\Cvs} \section{各䌚議録怜玢システムのクロヌルプログラムの仕様} 衚\ref{syst}に瀺した4぀の䌚瀟が提䟛する䌚議録怜玢システムのそれぞれに収録された䌚議録を収集するためのクロヌルプログラムの仕様は以䞋のずおりである\\\begin{itemize}\item倧和速蚘情報センタヌ・䌚議録研究所倧和速蚘情報センタヌおよび䌚議録研究所の䌚議録怜玢システムを導入しおいる垂町村のWebペヌゞではトップペヌゞもしくはトップペヌゞから盎接リンクが匵られおいるペヌゞに各幎床の䌚議録ぞのリンク䞀芧が存圚するものがほずんどであるリンク䞀芧が存圚しない堎合怜玢甚の入力フォヌムに未蚘入で怜玢を実行するこずで党䌚議録の怜玢結果がリンク情報ずしお衚瀺されるこれらのリンクをクロヌルプログラムが蟿るこずで䌚議録のペヌゞを自動的に取埗する\itemフュヌチャヌむンフュヌチャヌむンの䌚議録怜玢システムを導入しおいる垂町村のWebペヌゞでは䌚議録怜玢システムの出力がCGIプログラムにより自動生成されおいおそのCGIプログラムに枡すパラメタにより出力内容を制埡できる䟋えば䌚議録の怜玢は以䞋のようなパラメタを枡すこずで行われおいる\\[0.5\Cvs]ACT=100\&KENSAKU=0\&SORT=0\&KTYP=0,1,2,3,4\&KGTP=0,1,2,3,4\&PAGE=1\\[0.5\Cvs]CGIプログラムに枡すパラメタPAGEの倀を順次倉えるこずですべおの怜玢結果を埗るこずができるパラメタACT,KTYPの倀はそれぞれペヌゞの衚瀺方法䌚議皮別に察応するたた䌚議録は発蚀ごずに分割されおおり同じCGIプログラムにおいお次のようなパラメタを枡すこずで各発蚀を取埗できる\\[0.5\Cvs]ACT=203\&KENSAKU=0\&SORT=0\&KTYP=2,3\&KGTP=1,2\&TITL\_SUBT=\%95\%BD\\\%90\%AC\%82Q\%82Q\%94N\%81@\%82Q\%8C\%8E\%92\%E8\%97\%E1\%89\%EF\%81\%7C03\%8\\C\%8E03\%93\%FA-04\%8D\%86\&HUID=46845\&FINO=655\&HATUGENMODE=0\&HYOU\\JIMODE=0\&STYLE=0\\[0.5\Cvs]パラメタTITL\_SUBTHUIDの倀はそれぞれURI゚ンコヌドされた衚題発蚀IDに察応するパラメタACTはこの䟋の「203」では「発蚀」ひず぀前の䟋の「100」では「怜玢結果」を指しおいるパラメタTITL\_SUBTの倀はこの䟋では「平成22幎2月定䟋䌚03月03日--04号」を指しおいるクロヌルプログラムはこれらパラメタの倀を順次倉えるこずでCGIプログラムを経由しお䌚議録を自動的に取埗する\item神戞綜合速蚘神戞綜合速蚘の䌚議録怜玢システムを導入しおいる垂町村のWebペヌゞでは䌚議録怜玢システムの怜玢結果の出力がCGIプログラムにより自動生成されおおりそのCGIプログラムに枡すパラメタにより出力内容を制埡できる䟋えば䌚議録の怜玢はCGIプログラムに以䞋のようなパラメタを枡すこずで行われおいる\\[0.5\Cvs]treedepth=\%95\%BD\%90\%AC22\%94N\%20\%95\%BD\%90\%AC22\%94N\%203\%8C\%8E\%92\\\%E8\%97\%E1\%89\%EF\%20\\[0.5\Cvs]パラメタtreedepthの倀はURI゚ンコヌドされた和暊ず衚題に察応するこの䟋では「平成22幎3月定䟋䌚」を指しおいるクロヌルプログラムはこのパラメタの倀を倉えCGIプログラムが生成したペヌゞに匵られたリンクをたどるこずで䌚議録のペヌゞを自動的に取埗する\end{itemize}\begin{biography}\bioauthor{筒井貎士}{2013幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業珟圚同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期圚孊䞭自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{我満拓匥}{2013幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業珟圚東京倧孊倧孊院工孊系研究科電気系工孊専攻博士課皋前期圚孊䞭数理生呜情報孊に関する研究に埓事}\bioauthor{倧城卓}{2010幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2012幎同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了修士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{菅原晃平}{2010幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2012幎同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了修士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{氞井隆広}{2010幎暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2012幎同倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了修士情報孊圚孊䞭は自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{枋朚英朔}{1997幎小暜商科倧孊商孊郚商孊郚商業教員逊成課皋卒業1999幎同倧孊倧孊院商孊研究科修士課皋修了2002幎北海道倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋修了博士工孊2006幎北海孊園倧孊倧孊院経営孊研究科博士埌期課皋修了博士経営孊珟圚暪浜囜立倧孊環境情報研究院科孊研究費研究員自然蚀語に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚日本認知科孊孊䌚各䌚員}\bioauthor{朚村泰知}{2004幎北海道倧孊倧孊院工孊研究科電子情報工孊専攻博士埌期課皋修了博士工孊2005幎小暜商科倧孊商孊郚助教授着任2007幎同准教授珟圚に至るこの間2010幎10月より2011幎9月たでNewYork倧孊客員研究員自然蚀語凊理情報抜出などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{森蟰則}{1991幎暪浜囜立倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋埌期修了工孊博士同幎同倧孊工孊郚助手着任同講垫同助教授を経お珟圚同倧孊倧孊院環境情報研究院教授この間1998幎2月より11月たでStanford倧孊CSLI客員研究員自然蚀語凊理情報抜出情報怜玢などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚,情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚,ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N03-04
\section{はじめに} \label{sec:hajimeni}\subsection{背景}テキストデヌタからヒトの心理状態を抜出・分析する研究䟋は近幎盛んに行われるようになっおいるこれはヒトの行動に぀いお芳枬可胜な圢ずしお倖郚に珟れた行動結果だけでなく評䟡・奜き嫌い・満足・芁求ずいった心理的な面を扱うニヌズが高たっおいるこずを反映しおいる筆者らは亀通行動特に経路遞択行動の心理状態をこずばによっおモデル化するこずを詊みおいる亀通行動分析の代衚的な問題の捉え方の1぀はある堎所から別の堎所に移動する際に経路や亀通手段ずしおいく぀かの遞択肢が挙がっおおりその䞭から1぀を遞ぶずいうものであるが亀通行動分析においおも同様に心理面のニヌズが高たっおいる埓来の亀通行動分析の䞻芁な課題の1぀は経枈の急速な発展ずずもに増倧する亀通需芁を量的に満たすずいう点であったこれを螏たえ倚くの堎合関心は遞択の結果である行動に向けられおおり行動結果が芳枬可胜な圢ずしお珟れた情報から分析を加えるずいうアプロヌチが倚いこの堎合個人の行動の因果的背景は簡玠化される\cite{Fujii2002}こずが倚くヒトの心理的な偎面に目が向けられるこずは少なかった心理的な芁玠を扱うこずがあっおも内郚的な倉数ずしお衚珟されるこずが倚かったしかし欧米諞囜ず同様に我が囜も成熟瀟䌚を迎え量的な需芁を満たすだけでなく心理的な偎面や質的な偎面に目を向ける必芁性が高たっおいるヒトが倚くの遞択肢の䞭から1぀を遞択しお行動に移る時には䜕らかの心理的な思考過皋を経おいるず思われる心理的な偎面に着目するこずによっおなぜ遞択したのかずいう因果関係やある遞択肢を遞択した堎合でも䜕らかの䞍満を感じおいるかもしれないずいったような埓来の方法では捉えるこずが難しかった未知の芁玠を発芋するのに圹立぀ず考えられる遞択理由に着目するこずの重芁性は\citeA{Shafir1993}によっお指摘されおいる圌らは実隓の結果理由付けがなされるこずによっお遞択行動が行われる点もあるこずを芋いだしさらに埓来の数倀的な行動モデルでは説明できない堎合もあるこずを報告しおいるしたがっお亀通行動分析においおも遞択肢の遞択理由を盎接捉えるこずが重芁であるず考えられる\subsection{遞択肢の遞択プロセスの捉え方}いく぀かの遞択肢の䞭から1぀を遞ぶずいう行動は我々の生掻の䞭でしばしば行われる\pagebreakたずえばある商品を賌入する堎合にはいく぀かの候補を挙げそれぞれの特城評刀意芋等を比范しお最終的に1぀を遞ぶずいうプロセスを経るこずが倚いこのような遞択行動ずそれに䌎う心の状態を研究察象ずする䟋はいく぀か行われおいるたずえば\citeA{Tateishi2001}はある商品を賌入する時の評刀情報を分析しおいるが評刀情報を「ナヌザの行動・意思決定に圹立぀圢匏で意芋をたずめたもの」ず捉えおいるしたがっお遞択行動をするに際しおの各遞択肢の特城ずなる情報をWeb等のテキストデヌタから抜出・分析するこずが評刀情報や意芋抜出等の研究䟋であるず䜍眮づけるこずができる\begin{figure}[b]\begin{center}\begin{picture}(370,50)(0,10)\put(10,40){\framebox(70,20){亀通空間}}\put(150,40){\framebox(70,20){認知結果}}\put(290,40){\framebox(70,20){遞択・行動}}\put(80,50){\vector(1,0){70}}\put(220,50){\vector(1,0){70}}\put(80,25){\makebox(70,15){空間認知}}\put(80,10){\makebox(70,15){「認知する」}}\put(220,25){\makebox(70,15){意思決定}}\put(220,10){\makebox(70,15){「決める」}}\end{picture}\end{center}\caption{遞択のプロセス}\label{fig:process}\end{figure}本皿で扱う亀通行動分析における遞択行動も同様の枠組みで捉えるこずができる\shortcite{Takao2004_HKSTS}すなわち\begin{enumerate}\item起点から終点に至る経路や亀通手段が遞択肢ずしおいく぀か存圚するずき\itemその䞭から1぀を遞択するこずである\end{enumerate}ず考えられるこれに察応しお遞択行動の心理的プロセスは2段階で捉えるこずができる図\ref{fig:process}第1段階は物理的な亀通空間内の各遞択肢の特城や印象ずいった芁玠を意識・認識・認知するたでの段階でいわば「認知する」段階である認知した結果の芁玠を「認知結果」ず呌ぶ第2段階は各遞択肢の認知結果を評䟡しお候補ずなる遞択肢を取捚遞択し最終的な遞択をする意思決定の段階でいわば「決める」段階であるしたがっお前述の評刀情報や意芋抜出等の研究は第1段階に焊点を圓おた研究であるず䜍眮づけるこずができるこれに察しお本研究では「決める」段階も含めお包括的に遞択行動を捉えようずする点に立堎の違いがある第2段階の「決める」段階は意思決定のモデルで捉えるこずができる意思決定モデルは補償型ず非補償型に倧別するこずができる\cite{Payne1976}補償型の意思決定モデルは効甚関数のようにある皮の点数の足し算で遞択肢の魅力を衚珟するモデルであり非補償型の意思決定モデルは特定の属性によっお遞択肢を取捚遞択するように衚珟するモデルである\footnote{\citeA{Shafir1993}も同様の分類を行っおおり補償型は`formal,value-based'非補償型は`reason-based'に盞圓する}ヒトが遞択行動を行う際は䜕らかの理由を念頭に眮いお遞択肢の取捚遞択を行うずいう思考プロセスを経るこずが倚いず考えられる補償型モデルは行動結果を倧局的に捉えようずする堎合に䟿利であるのに察し非補償型モデルは遞択たたは非遞択の根拠をモデルの䞭で明確に扱うため遞択理由を明瀺的に衚珟するこずができるしたがっおヒトの論理的な思考プロセスを明らかにするには非補償型が適しおいるず考えられるので本研究では非補償型のモデルで分析を詊みる本研究の枠組みで遞択行動を捉える堎合第2段階は\citeA{Tversky1972}のElimination-By-Aspects(EBA)の意思決定モデルで衚珟するこずができる「アスペクト」\footnote{「アスペクト」の甚語は本皿ではEBAのアスペクトを衚す}ずはある状況を衚す特城぀たり「遅い」「確実」のような遞択候補のいく぀かの遞択肢に共通しお衚れる認知結果を意味する蚀い換えるず意思決定の段階をEBAに則っお捉える堎合認知結果がEBAモデルのアスペクトに盞圓する\footnote{以䞋の文䞭ではEBAの凊理に着目する堎合は「アスペクト」「認知する」段階の結果やデヌタ収集に着目する堎合は「認知結果」ず蚘す}EBAでは意思決定は着目しおいるアスペクトを各遞択肢が持っおいるか吊かによっお候補を順に排陀しおいくこずで行われるたずえば「遅い」のが嫌な堎合「遅い」ずいうアスペクトを持぀遞択肢が候補から排陀されるしたがっお遞択肢を盎接遞ぶのではなく遞ぶのはアスペクトでありその結果遞択肢が遞択されるずいう捉え方である\subsection{目的}\label{subsec:mokuteki}筆者らのこれたでの研究ではこずばずしお衚れた情報をそれぞれ個別に適切に捉えるこずができるかどうかに焊点を圓おおきたたずえば\shortciteA{Takao2005_E,Takao2005_NLP}ではそれぞれの文に蚘述された認知結果を適切に抜出できるかどうか\shortciteA{Takao2005_RON}では「決める」段階における1回の取捚遞択方略をそれぞれ個別に適切に捉えるこずができたかに着目したこの結果を螏たえ本皿では遞択行動の「決める」段階の意思決定の過皋を党䜓ずしお捉え「決める」プロセス党䜓の蚘述に぀いお怜蚌し情報凊理を行う䞊での問題点を明確化するすなわち文や認知結果取捚遞択方略を個別に扱うのではなく1遞択行動を衚すデヌタをひずたずめで扱い提案手法の総合的な怜蚌を行うただし䞀般にヒトの心理状態は必ずしも完党な圢ではこずばに衚れおいないこずに泚意する必芁がある䞍完党な圢のこずばデヌタからはこれたでの研究で述べた手法をそのたた甚いるだけでは正しい遞択結果を蚘述できるずは限らないしたがっお䞍完党なこずばのデヌタから「決める」プロセスの心理状態を扱うにはどのような課題があるのかを明確化する必芁があるそこでできるだけ簡単な圢で「決める」プロセスを衚珟したうえで远加的な課題を発芋しその解決方法を考察するこずが本皿のもう1぀の目的であるさらにマヌケティングぞの利甚ずいう芳点から蚀えば遞択肢に関する皮々の評刀や印象を単に抜出するだけでなく遞択や排陀のきっかけずなった理由をピンポむントで抜出できれば遞択肢が遞択されるための手がかりを効率的に埗るこずができるそこで単玔な情報抜出だけではなくEBAの意思決定モデルに則っお問題を捉えるこずできっかけの理由が埗られるこずを瀺す本皿の構成は次の通りである\ref{sec:kanren}章では関連研究を敎理しお本皿の立堎を明確にする\ref{sec:datacollect}章ではデヌタ収集方法に぀いお述べる\ref{sec:ebaprocess}章では遞択プロセスをEBAに則っお衚珟する方法に぀いお述べる\ref{sec:gyoukan}章では行間を読み取る方法に぀いお述べる\ref{sec:kikkake}章では遞択・削陀されるきっかけの理由を捉える方法に぀いお述べる最埌に\ref{sec:owarini}章で内容をたずめる \section{関連研究} \label{sec:kanren}評刀情報・意芋抜出の研究䟋ずしおは\citeA{Tateishi2001,Kobayashi2003,Kobayashi2004,Kobayashi2005}の研究がWeb䞊に倧量に存圚する蚀語デヌタから特定の補品の評刀情報を抜出しおいる圌らの方法は評䟡衚珟を肯定的・吊定的衚珟に分類しおあらかじめ蟞曞ずしお甚意しおおくずいう固定的な尺床を甚いおいるのに察し本研究ではアスペクトは状況によっお評䟡が倉化しうるずいう前提に立っお取捚遞択の様子をEBAに則っお捉えるずいう点が異なっおいるたた\citeA{Nasukawa2005}は皮ずなる奜䞍評衚珟を少数定矩し文章䞭でその皮衚珟が存圚する堎所を特定するこずで奜評・䞍評の認知結果を抜出しおいる圌らの研究では情報凊理機噚を察象ずしおおりナヌザヌから質問や苊情の圢で挙がっおきた蚀語デヌタの䞭から開発サむドが察凊すべき項目を抜出するずいう目的のため認知結果が奜評・䞍評に分類できるずいう前提に基づき䞍評の認知結果を抜出するずいう立堎に立っおいるこのように評刀情報・意芋抜出の研究䟋の倚くは評䟡衚珟を固定的に捉えおいるがそれらが遞択に際しお実際にどの皋床寄䞎しおいるかに぀いおの分析は必ずしも十分ずは蚀えない䞀方本研究の方法は遞択のプロセスを捉えるこずになるため取捚遞択に寄䞎した認知結果をピンポむントで抜出するこずができるたた認知結果は必ずしも1語では衚珟できず「埅ち時間が長い」のように長い語ずなる点に泚意する必芁があるこれに぀いお\citeA{Kobayashi2005}は認知結果ずその評䟡を〈察象属性属性倀評䟡〉の4぀組で抜出するこずを詊み䟋えば〈フィットホンダの車皮名走行性胜キビキビ満足〉ずいう組を抜出しその䞊で属性倀ず評䟡の区別は困難であるため評䟡ず属性倀を合わせお評䟡倀ずしおいる図\ref{fig:4_2}これに察しお本研究では「疲れる」「暑い」のように「身䜓が」等の属性を衚す語は通垞省略されお属性ず属性倀が1語になる堎合や「到着時間の芋蟌みがたおやすい」のように属性ず属性倀の区別が曖昧な堎合があり䞡者を合わせお認知結果ずするこずが適切であるたた本研究では評䟡は遞択肢の取捚遞択のトリガヌずしお捉えるので特定の属性倀に特定の評䟡を䞎えるずいう立堎には立っおいない\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{picture}(300,75)(0,10)\put(10,70){\makebox(60,15)[l]{\shortciteA{Kobayashi2005}}}\put(200,70){\makebox(90,15){評䟡倀䟋キビキビ満足}}\put(245,65){\oval(90,10)[t]}\put(100,40){\framebox(40,20){察象}}\put(150,40){\framebox(40,20){属性}}\put(200,40){\framebox(40,20){属性倀}}\put(250,40){\framebox(40,20){評䟡}}\put(195,35){\oval(90,10)[b]}\put(150,10){\makebox(90,15){認知結果䟋疲れる}}\put(10,10){\makebox(60,15)[l]{本研究}}\end{picture}\end{center}\caption{\protect\shortciteA{Kobayashi2005}の方法ず本研究の方法の違い}\label{fig:4_2}\end{figure}印象衚珟に関する研究䟋ずしおは楜曲に関する印象衚珟の研究\shortcite{Kumamoto2002}やテレビ番組に関する印象衚珟の研究\shortcite{Hitachi2000}があるさらに\shortciteA{Kumamoto2004}は楜曲怜玢システムにおける皋床語の研究も行っおいるそれに察し本研究では衚珟収集を盎接の目的ずはしおおらず遞択プロセスを捉えるこずに䞻県を眮きそれに必芁な衚珟をシ゜ヌラスを利甚しながら収集する立堎をずるたた自由蚘述型アンケヌトの自由回答文から人間の心理状態を分析しようず詊みる研究䟋もある\citeA{Inui2004}は道路に関する自由蚘述型アンケヌトの自由回答文を回答の背埌にある態床や回答意図の分類に焊点を圓おお分析しおいる本研究の察象は態床や意図ではなく遞択理由であるずいう違いはあるものの蚀語デヌタからヒトの心理状態を知ろうずする点が本研究ず類䌌しおおりたた衚珟に着目するずいう点でヒントを䞎えおくれおいる経路遞択にどのような芁因が圱響を及がすかに぀いおの研究もいく぀かなされおいる\citeA{Nakamura2002}は駅呚蟺の危険・䞍快芁因を研究しおいる\shortciteA{Fukuda2002}は亀通手段遞択行動を察象ずしお各皮項目の5段階の䞻芳的評䟡を尋ねおいるこのように経路遞択行動には皮々の芁因が圱響を及がすしかしいく぀かの芁因に぀いおは個々に研究がなされおいるが遞択行動に関しお包括的に芁因を捉える研究は十分なされおいるずはいえないそこで本研究では被隓者にこずばで蚘述しおもらう方法で遞択のきっかけずなる芁因を捉えるこずを詊みる \section{デヌタ収集方法} \label{sec:datacollect}評刀情報・意芋抜出の研究䟋では既に存圚する蚀語デヌタから有益な情報を抜出しようずするマむニング的な立堎に立っおいる堎合が倚いこれに察し本研究では分析の枠組みを蚭定しそれに適したデヌタを収集するずいう立堎に立ち自由蚘述型アンケヌトを実斜しおデヌタを収集した\shortcite{Takao2004_KKKK}被隓者に察し特定の出発点から京郜垂圹所に行く堎合に぀いお自転車・地䞋鉄・バス・タクシヌの4぀の遞択肢を提瀺しどうやっお行くかに぀いおのアンケヌト調査を実斜した季節・倩候等の異なるいく぀かのシナリオを提瀺しそれぞれの堎合に぀いお以䞋の蚭問の回答を求めた\begin{description}\item{(a)}各経路に぀いお思うこずを自由に蚘述\item{(b)}どの経路を遞択するか\item{(c)}遞択する理由を自由に蚘述\end{description}(a)が「認知する」(b)(c)が「決める」に察応する厳密に蚀えばこれは完党に自由な蚘述ではなく項目別の蚘述であるこの理由は遞択プロセスの分析の枠組みに適したデヌタを収集するためである(a)(b)(c)をセットで数えた堎合の有効回答数は138回答である文数では(a)が1209文(c)が258文である \section{EBAに則った取捚遞択プロセスの蚘述} \label{sec:ebaprocess}\subsection{取捚遞択方略}「決める」プロセスはある根拠に基づいおそれぞれの遞択肢を排陀するか残存させるかをより分けるずいういく぀かのステップで構成される1぀の根拠に基づく1回のより分けを1回の「取捚遞択」ずいいその根拠を「方略」ずいうEBAの堎合アスペクトを持぀かどうかが根拠ずなる分析の結果取捚遞択の方略は次の3皮類に敎理できるこずがわかった\shortcite{Takao2005_RON}\begin{itemize}\itemPositiveな方略\itemNegativeな方略\itemIndifferentな方略\end{itemize}Positiveな方略はアスペクトを奜むこずを衚し察象アスペクトを持っおいる遞択肢を候補に残しおそれ以倖の遞択肢を候補から排陀する方略であるNegativeな方略はアスペクトを嫌がるこずを衚し察象アスペクトを持っおいる遞択肢を候補から排陀しおそれ以倖の遞択肢を候補に残す方略であるIndifferentな方略ずは遞択肢を遞ぶ時にそのアスペクトは盞察的に重芁ではなくもっず優先順䜍の高いアスペクトが他にあるこずを衚す぀たりこのアスペクトによっお遞択肢は排陀されないこずを明瀺する意味で甚いられるIndifferentな方略は䞻に方略を刀別するために甚いられ「決める」プロセスを通しで扱う堎合には明瀺的には甚いられない1回の取捚遞択方略で遞択肢が残存たたは排陀される様子を敎理し衚\ref{tab:6_1}に瀺す䟋ずしお「速い」に぀いおの取捚遞択を瀺すこの堎合遞択肢が「速い」ずいうアスペクトを持぀堎合「not速い」ずいうアスペクトを持぀堎合䞡方ずも持たない堎合の3通りがある衚の1番目の「速い」に぀いおのPositiveな方略は「速いのが望たしい」を意味するこの結果「速い」だけが候補に残存し衚の○印それ以倖の2぀は候補から排陀される衚の×印たたこの堎合の取捚遞択の様子を図\ref{fig:6_3}に瀺す\begin{table}[t]\caption{基本的な取捚遞択}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l||c|c|c|}\hline\multicolumn{3}{|c||}{方略}&\multicolumn{3}{|c|}{遞択肢が持぀アスペクト}\\\hline皮類&察象アスペクト&意味&速い&not速い&蚘述なし\\\hline\hlinePositive&速い&速いのが望たしい&○&×&×\\\hlineNegative&not速い&速くないのは嫌&○&×&○\\\hlineNegative&速い&速いのは嫌&×&○&○\\\hlinePositive&not速い&速くないのが望たしい&×&○&×\\\hline\multicolumn{6}{r}{○候補に残存×排陀}\\\end{tabular}\label{tab:6_1}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{picture}(220,100)(110,5)\put(110,90){\makebox(60,15){遞択肢1}}\put(190,90){\makebox(60,15){遞択肢2}}\put(270,90){\makebox(60,15){遞択肢3}}\put(110,70){\framebox(60,20){速い}}\put(190,70){\framebox(60,20){not速い}}\put(270,70){\framebox(60,20){(蚘述なし)}}\put(110,35){\framebox(220,20){方略Positive,速い速いのが望たしい}}\put(140,70){\line(0,-1){15}}\put(220,70){\line(0,-1){15}}\put(300,70){\line(0,-1){15}}\put(140,35){\vector(0,-1){15}}\put(220,35){\vector(0,-1){15}}\put(300,35){\vector(0,-1){15}}\put(110,5){\makebox(60,15){残存}}\put(190,5){\makebox(60,15){排陀}}\put(270,5){\makebox(60,15){排陀}}\end{picture}\end{center}\caption{1回のPositiveな方略での取捚遞択}\label{fig:6_3}\end{figure}衚の2番目「not速い」に぀いおのNegativeな方略は「速くないのは嫌」を意味するこの堎合「not速い」だけが排陀され「速い」ず「蚘述なし」が候補に残存するこの堎合の取捚遞択の様子を図\ref{fig:6_4}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{picture}(220,100)(110,5)\put(110,90){\makebox(60,15){遞択肢1}}\put(190,90){\makebox(60,15){遞択肢2}}\put(270,90){\makebox(60,15){遞択肢3}}\put(110,70){\framebox(60,20){速い}}\put(190,70){\framebox(60,20){not速い}}\put(270,70){\framebox(60,20){(蚘述なし)}}\put(110,35){\framebox(220,20){方略Negative,not速い速くないのは嫌}}\put(140,70){\line(0,-1){15}}\put(220,70){\line(0,-1){15}}\put(300,70){\line(0,-1){15}}\put(140,35){\vector(0,-1){15}}\put(220,35){\vector(0,-1){15}}\put(300,35){\vector(0,-1){15}}\put(110,5){\makebox(60,15){残存}}\put(190,5){\makebox(60,15){排陀}}\put(270,5){\makebox(60,15){残存}}\end{picture}\end{center}\caption{1回のNegativeな方略での取捚遞択}\label{fig:6_4}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}これを芋おわかるように「速くない」の「ない」を衚す吊定「not」を適切に考慮しお取捚遞択を衚珟する必芁があるたた1番目ず2番目は䌌た方略であるが「蚘述なし」の遞択肢すなわち「速い」ずも「速くない」ずも意識に挙がっおいないような遞択肢が残存するか排陀されるかが異なる\footnote{\citeA{Shafir1993}ではchoose長所に着目しお遞択する堎合ずreject短所に着目しお排陀する堎合ずで違いがあり際立った長所も短所もない遞択肢はchooseもrejectもされにくいこずが報告されおいる本皿の方法はこの様子を衚珟するこずができる}しかし反矩語がある堎合を考えるず文字通りの凊理だけでは問題があるこずがわかるたずえば「not速い」に぀いおのNegativeな方略は「not速い」を持぀遞択肢のみを排陀しそれ以倖の遞択肢を候補に残す意味を考えるずこの方略は「速くないのは嫌」なので圓然「遅い」堎合も嫌ず蚀うこずを意味するしかし文字通りの凊理だず「遅い」を持぀遞択肢は「not速い」ずは衚蚘が異なるため排陀には該圓せず残存するこずになっおしたうしたがっお取捚遞択を適切に衚珟するためには方略の察象アスペクトの反矩語を適切に認識する必芁があるこずがわかる\subsection{同矩語・反矩語のグルヌピング}\label{sec:grouping}\begin{table}[b]\caption{同矩語・反意語のグルヌピング}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|l|}\hline&グルヌプ名&反矩語\\\hline1&暑い&寒い\\2&遠い&近い\\3&広い&狭い\\4&道路がすく&混雑・枋滞\\5&ゆったり&窮屈\\6&軜い&重い\\7&濡れる&也く\\8&明るい&暗い\\9&速い・早い&遅い\\10&安党&危険\\11&平穏&䞍穏\\12&可胜&䞍可胜\\13&確実&䞍確実\\14&高い&安い\\15&䟿利&䞍䟿\\16&遅れる&間に合う\\17&疲れる&楜\\18&束瞛&自由\\19&気分転換&−\\20&幞運&侍運\\\hline\end{tabular}\label{tab:6_4}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{取捚遞択衚反矩語凊理あり}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l||c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c||}{方略}&\multicolumn{5}{|c|}{遞択肢が持぀アスペクト}\\\hline皮類&察象アスペクト&速い&not速い&遅い&not遅い&蚘述なし\\\hline\hlinePositive&速い&○&×&×&○&×\\\hlineNegative&not速い&○&×&×&○&○\\\hlineNegative&遅い&○&×&×&○&○\\\hlinePositive&not遅い&○&×&×&○&×\\\hlineNegative&速い&×&○&○&×&○\\\hlinePositive&not速い&×&○&○&×&×\\\hlinePositive&遅い&×&○&○&×&×\\\hlineNegative&not遅い&×&○&○&×&○\\\hline\multicolumn{7}{r}{○候補に残存×排陀}\\\end{tabular}\label{tab:6_5}\end{center}\end{table}本研究では角川類語新蟞兞\shortcite{Kadokawa}を甚いお語の意味分類を敎理した分類の粗いカテゎリを適宜分割し同矩語・反矩語のカテゎリをグルヌピングしたたずえば「安い」ず「無料」は別のカテゎリに属しおいるがどちらも安䟡であるこずを衚しおいるのでグルヌピングによっお同じ意味であるず捉えるこずができるこのこずによっお「安い」に぀いおのPositiveな方略安いのが望たしいの堎合に「無料」の遞択肢を候補に残すこずができる衚\ref{tab:6_4}に本皿で䜜成した20組の同矩語・反矩語の組を瀺すグルヌピングの必芁があるもののみを瀺したこのようにしお反矩語を適切に認識できるようにしたうえでたずえば方略の察象アスペクトが「速い」たたは「not速い」の堎合\begin{quote}「遅い」$\rightarrow$「not速い」\\「not遅い」$\rightarrow$「速い」\end{quote}のように眮き換えるこずずするすなわち反矩語を眮き換えるずずもにnotの有無を反転させるするず衚\ref{tab:6_5}のようになり䞍郜合は解消される\subsection{その他の問題}本研究のデヌタには「決める」段階での遞択理由に「習慣的にこの遞択肢に決めおいる」ずいう堎合が若干あった習慣行動ずは「圓初はある皮の心理状態によっおすなわち理由を意識した状態で遞択肢を遞んでいたが繰り返し同様の行動を実行するに぀れお遞択理由が意識から消滅した状態」であるずいえる\cite{Fujii2002}したがっお遞択理由がこずばに衚れないのは遞択理由を意識しなくなったためであるこずばに衚れおいないので本研究のこずばを甚いる手法では遞択の様子をうたく衚珟できないもし可胜ならデヌタを収集する際の工倫ずしおそのような習慣が圢成されるに至った理由を再質問等によっお文デヌタの圢にしそのプロセスを捉えたいずころであるがこの点に぀いおは今埌の課題である本皿では「習慣的」を衚す語が含たれるかどうかで習慣的な遞択かどうかを刀別するにずどめた\subsection{通しテスト}「決める」プロセスはいく぀かの取捚遞択のステップで構成される\ref{subsec:mokuteki}節で述べたように筆者らのこれたでの研究では取捚遞択方略をそれぞれ個別に適切に抜出するこずを問題ずし良い結果を埗た\shortcite{Takao2005_RON}本皿ではこれらの個別の取捚遞択方略を構成するこずで遞択プロセスの開始から完了たでを通しで扱うこずを問題ずしおいるので本節でそのテストを行うすなわち本手法のできるだけ簡単な圢によっお「決める」プロセスを蚘述できるかどうかを確認するずずもにどのような課題が残されおいるかを解明するために「決める」プロセスの通しテストを行った\footnote{取捚遞択のステップを個別に扱うのではなく遞択プロセス党䜓を通しで扱うこずを明瀺するため「通しテスト」ず蚘す}最終的な遞択が行われるたでの各遞択肢の認知結果の蚘述および遞択理由の方略が蚘述された䞀連のアンケヌト回答を1件ずし衚\ref{tab:6_5}の取捚遞択衚に基づいた遞択行動の衚珟結果が実際の遞択結果ず䞀臎しおいるかをテストした繰り返しになるがこのテストは性胜評䟡ではなく心理的な情報をこずばでどの皋床扱えるかやそれに関する課題を芋いだすためのものである\begin{table}[b]\caption{通しテストの結果衚れおいる情報のみ}\begin{center}\begin{tabular}{|cl|r|r|}\hline区分&評䟡&党デヌタ&テストセット\\\hline○&正しい遞択肢のみが残った&33&6\\△&ただ䜙分な遞択肢が残っおいる&10&2\\▲&党郚排陀された&58&12\\×&間違った遞択肢が残った&7&2\\−&習慣的方略の蚘述なし&30&8\\\hline蚈&&138&30\\\hline\end{tabular}\label{tab:6_8}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{picture}(360,195)(50,30)\put(110,210){\makebox(70,15){自転車}}\put(190,210){\makebox(70,15){地䞋鉄}}\put(270,210){\makebox(70,15){バス}}\put(350,210){\makebox(70,15){タクシヌ}}\put(110,170){\framebox(70,40){\shortstack{濡れる}}}\put(190,170){\framebox(70,40){\shortstack{not濡れる\\時間が読める}}}\put(270,170){\framebox(70,40){\shortstack{not濡れる\\混む\\遅い}}}\put(350,170){\framebox(70,40){\shortstack{not濡れる\\道路が混む\\遅い}}}\put(50,135){\makebox(55,20)[r]{取捚遞択1}}\put(110,135){\framebox(310,20){文「濡れたくないので自転車は华䞋」,方略Negative,濡れる}}\put(145,170){\line(0,-1){15}}\put(225,170){\line(0,-1){15}}\put(305,170){\line(0,-1){15}}\put(385,170){\line(0,-1){15}}\put(145,135){\vector(0,-1){15}}\put(225,135){\vector(0,-1){15}}\put(305,135){\vector(0,-1){15}}\put(385,135){\vector(0,-1){15}}\put(110,105){\makebox(70,15){排陀}}\put(190,105){\makebox(70,15){残存}}\put(270,105){\makebox(70,15){残存}}\put(350,105){\makebox(70,15){残存}}\put(50,60){\makebox(55,30)[r]{取捚遞択2}}\put(110,60){\framebox(310,30){\shortstack{文「五十日なので道路が混んでいる可胜性があり\\バスずタクシヌも华䞋」方略Negative,道路が混む}}}\put(225,105){\line(0,-1){15}}\put(305,105){\line(0,-1){15}}\put(385,105){\line(0,-1){15}}\put(225,60){\vector(0,-1){15}}\put(305,60){\vector(0,-1){15}}\put(385,60){\vector(0,-1){15}}\put(190,30){\makebox(70,15){残存}}\put(270,30){\makebox(70,15){排陀}}\put(350,30){\makebox(70,15){排陀}}\end{picture}\end{center}\caption{「決める」プロセスの蚘述}\label{fig:6_2}\end{figure}衚\ref{tab:6_8}にその結果を瀺すテストセットは党デヌタからランダムに30回答を遞んだものでありその残りが孊習セットである孊習セットを蚀語知識の獲埗甚に甚いるために䞡者を分離したが\ref{sec:ebaprocess}章たでの段階では孊習セットを甚いた蚀語知識の獲埗は行っおいないなお埌述の\ref{sec:gyoukan}章の「行間を読み取る」の分析で孊習セットを甚いおいる衚の「○正しい遞択肢のみが残った」は成功したもの「△ただ䜙分な遞択肢が残っおいる」は正しい遞択肢以倖にも䜕か排陀されずに残っおいる堎合「▲党郚排陀された」は正しい遞択肢も含めおすべおの遞択肢が排陀された堎合「×間違った遞択肢が残った」は正しい遞択肢が排陀され間違った遞択肢だけが残った堎合である「−習慣的方略の蚘述なし」は習慣的な遞択ず明蚘しおいる堎合たたは遞択理由の方略が1぀も蚘述されおいない堎合である的はずれな回答はテスト察象倖ずしたが習慣的な遞択や郚分的に認知結果がうたく蚘述されおいない回答もテスト察象から陀倖せずテストを行ったこの堎合被隓者の文章衚珟力や着県点の違いも結果の成瞟の善し悪しに圱響するさらにEBAの意思決定モデルで蚘述できないような遞択行動をしおいる堎合も䞍成功の䞀因ずなるしたがっお衚の`○'評䟡の割合が小さいように芋えるが必ずしも手法に問題点があるためだけではなく被隓者の文章衚珟力等こずば自䜓がヒトの心理状態をどの皋床衚珟できるものなのかずいう問題にも倧きく圱響を受けおいる`○'の成功䟋によっお心理状態が本手法に適合しか぀完党にこずばに衚れおいる堎合なら取捚遞択方略によっお「決める」プロセスが蚘述できるこずが確認できる成功䟋を図\ref{fig:6_2}に瀺す方略の抜出元の文も瀺した\footnote{この䟋では遞択肢を「华䞋」する旚が元の文に明瀺的に衚れおいるがEBAに則っお取捚遞択の理由を捉えるこずが本研究の目的であるので遞択肢の华䞋の語句は盎接甚いず方略に沿っお遞択行動を捉えおいるしたがっお「遅いのは嫌だから」のように遞択肢は明蚘されずアスペクトを嫌う堎合も本手法で扱うこずができる}次に倱敗の原因を詳しく考察するこずで䞍完党なこずばデヌタの凊理方法を明確化する\subsection{考察}\label{sec:kousatsu}ここでは䞍成功の原因を考察する第1はアスペクトの蚘述䞍足である遞択理由の文は「雚が降っおいお自転車に乗れないから」ず蚘述されおいたがこの文には「雚」ずいう条件ず「乗れない」ずいう結果は曞かれおいる䞀方「危険」等のアスペクトは明蚘されおいないので取捚遞択を適切に衚珟できなかった日垞䌚話では自転車は雚に日には「危険」ずいうこずを垞識で知っおいるのでこずばに明瀺的に衚れおいなくおも意味を理解できる぀たりヒトの文章衚珟には限界があり心理状態を必ずしもありのたた文に蚘述するずは限らず垞識や暗黙の了解事項を掻甚しお省略された意図をくみ取っおもらおうずしおいる内容が倚岐にわたる垞識を収集するのは有利な解決方法ずは蚀えないので珟実的な方法ずしおはデヌタ収集時に蚘述内容に䞍足があった堎合には適切に再質問をするずいう方法が考えられる぀たり乗れないずいう刀断を䞋すに至った理由を明蚘するように被隓者に求める必芁があるたた「認知する」段階ず「決める」段階での蚘述内容の敎合がずれおいないために倱敗したものもあったたずえば「決める」段階の文には「お金もかからない」ず蚘述されおいるが「認知する」段階には「お金がかかるかからない」ずいう意味の蚘述がない堎合があったこれに぀いおもデヌタ収集時に蚘述䞍足を指摘しお明蚘させる必芁がある第2は盞察的なアスペクトに぀いお行間を読み取る必芁性である遞択理由の蚘述には「移動時間が短い」ず蚘述されおいた「移動時間が短い」に぀いおのPositiveな方略が次のように各遞択肢のアスペクトに「移動時間が短い」が衚れおいないためすべおの遞択肢が排陀されおしたった\begin{quote}自転車蚘述なし\\地䞋鉄「時間がかかる」\\バス「時間がかかる」\\タクシヌ蚘述なし\end{quote}しかし地䞋鉄・バスに぀いおは「時間がかかる」が明蚘されおいる自転車・タクシヌに぀いおは「時間がかかる」を蚘述しないこずで盞察的に「時間がかからない」ずいうニュアンスをくみ取っおもらおうずしおいるしたがっお䜕も蚘述されおいない状態でも他の遞択肢の蚘述を参照し盞察的に「時間がかからない」ず刀断し被隓者の気持ちを行間からくみ取る凊理が必芁であるこれに぀いおは次章で詳しく述べる第3はアスペクトの皋床語の凊理の必芁性である各遞択肢のアスペクトが以䞋のようになっおいるずする\begin{quote}自転車「亀通費がかからない」\\地䞋鉄「費甚がかかる」\\バス「費甚がかかる」\\タクシヌ「費甚が栌段にかかる」\end{quote}この時「費甚もそれほどかからない」ずいう文から「not費甚がかかる」に぀いおのPositiveな方略が抜出されたこのため自転車のみが残存し正解の地䞋鉄は「費甚がかかる」ため排陀されおしたったしたがっお「栌段に」「それほど」のような匷匱の皋床語を適切に解釈するこずが必芁であるすなわちこの堎合は費甚が「それほどかからない」以䞋の遞択肢を残存させ「栌段にかかる」のみを排陀すればよい本研究ではアスペクトがこずばに衚れおいるかどうかずいう芳点から属性倀を癜黒2倀で衚したしかし\citeA{Bohanec}が質的スコアを䜕段階かで衚珟しおいるように皋床を適切に捉える必芁がある\begin{quote}Bohanecの䟋教育氎準\{unacceptable,acceptable,appropriate\}\\本研究の䟋費甚\{栌段にかかるかかるかからない\}\end{quote}皋床語は「ずおも遅い」の「ずおも」のようなアスペクトの語ぞ係る修食語や「混雑がひどい」の「ひどい」のようなアスペクトの語から係る語や文末衚珟の圢で衚される本研究のデヌタから皋床語を調べたずころ匷匱を衚すものず確信床を衚すものの2぀の軞があるこずがわかった\begin{quote}匷匱の皋床の軞ずおも〜皋床語なし〜少し\\確信床の皋床の軞絶察〜皋床語なし〜かもしれない\end{quote}この2぀の軞を扱うこずによりアスペクトをより適切に捉えるこずができるただし\citeA{Bohanec}のモデルは遞択肢の総合評䟡を出すこずを目的ずしおいるこずから補償型モデルに分類できるしたがっお圌らの方法はそのたたでは本研究のような遞択プロセスを蚘述する目的に甚いるには適しおおらず独自に工倫を行う必芁があるしかし本研究の堎合は皋床語の凊理を必芁ずする堎合はきわめお少なく皋床語に぀いおはさらに倚くのデヌタを収集しお怜蚎する必芁がある第4は属性ツリヌの必芁性である取捚遞択方略の察象アスペクトに「䞍䟿」が登堎しおいるが遞択肢のアスペクトには盎接衚れおいない堎合があった「時間がかかる」「到着時間が䞍安定」「高い」等を総合しお「䞍䟿」ず芋なす必芁があるこの凊理には\citeA{Bohanec}の属性ツリヌの手法を甚いるこずができる図\ref{fig:6_7}圌らのモデルは属性を䟝存構造によっおツリヌで衚し䞋䜍の属性を䞊䜍の属性に集蚈する仕組みになっおいる「䞍䟿」の䟋では\begin{quote}if時間がかかるand到着時間が䞍安定and高いthen䞍䟿\end{quote}のようなif-thenルヌルでツリヌの末端からルヌト根に向かっお集蚈を行う必芁がある\begin{figure}[b]\begin{center}\begin{picture}(200,82)(0,0)\put(0,66){\framebox(70,16){䞍䟿}}\put(35,8){\line(0,1){58}}\put(35,52){\line(1,0){65}}\put(35,30){\line(1,0){65}}\put(35,8){\line(1,0){65}}\put(100,44){\framebox(100,16){時間がかかる}}\put(100,22){\framebox(100,16){到着時間が䞍安定}}\put(100,0){\framebox(100,16){高い}}\end{picture}\end{center}\caption{Bohanecの属性ツリヌ}\label{fig:6_7}\end{figure}このほか語のニュアンスの違いによる䞍成功もあったたずえば「楜」が肉䜓的に楜なのか気分的に楜なのかを区別する必芁があるケヌスがあったテストセットの䞍成功の原因を敎理し衚\ref{tab:6_9}に瀺すこのうち(0)(1)はEBAでは衚すこずができないたたはヒトの文章蚘述力に関する事柄であり(4)(5)は語圙知識の事柄であるそこでEBAに深く関係する事柄で改善効果の倧きい(2)の「行間を読み取る」に぀いお次章でさらに議論する\begin{table}[t]\caption{䞍成功の原因}\begin{center}\begin{tabular}{clr}\hline&原因&件数のべ\\\hline(0)&習慣的な遞択&7\\(1)&アスペクトの蚘述䞍足&11\\(2)&盞察的なアスペクトに぀いお行間を読み取る必芁&2\\(3)&皋床語の凊理が必芁&2\\(4)&属性ツリヌが必芁&2\\(5)&語のニュアンスの違い&3\\\hline\end{tabular}\label{tab:6_9}\end{center}\end{table} \section{行間を読み取る} \label{sec:gyoukan}行間を読み取る必芁があるこずは\ref{sec:kousatsu}で述べたすなわち䜕も蚘述しないこずで䜕らかのニュアンスを瀺そうずしおいるので蚘述なしの項目を衚\ref{tab:6_5}に埓っお凊理するだけでは䞍十分な堎合があるしたがっおそれらを情報ずしお適切に取り出さなければ遞択行動を正しく衚珟できないこの章では行間に隠されたアスペクトを適切に補充しその結果通しテストの成瞟がどの皋床改善されるかを怜蚌し行間を読み取る効果を確認する行間を読み取る必芁のある堎合は次の2぀のタむプに分けられるこずがわかった\begin{description}\item{(a)}Positiveな方略による取捚遞択で衚れおいる情報だけだず党遞択肢が排陀されるが察象アスペクトの反矩語がいずれかの遞択肢に挙がっおいる堎合\item{(b)}Negativeな方略による取捚遞択で衚れおいる情報だけだず䜕も排陀されないが察象アスペクトの反矩語がいずれかの遞択肢に挙がっおいる堎合\end{description}\ref{sec:grouping}で述べた反矩語凊理によりあるアスペクトの反矩語はnotの有無を反転させるこずで衚珟しおいる(a)の䟋を次に瀺す\begin{quote}遞択肢1「濡れる」\\遞択肢2蚘述なし\\方略Positive,not濡れる濡れないのが望たしい\end{quote}この䟋の方略ではアスペクト「not濡れる」を持぀遞択肢のみが残存し他は排陀されるその結果党おの遞択肢がこの方略によっお排陀されるしかし察象アスペクト「not濡れる」の反矩語「濡れる」が遞択肢1に挙がっおおり遞択肢2は䜕も蚘述しないこずで「濡れない」ニュアンスを衚そうずしおいるしたがっお「蚘述なし」の遞択肢2に「濡れる」の反矩語「not濡れる」を補い残存させる(b)の䟋を次に瀺す\begin{quote}遞択肢1「時間通り」\\遞択肢2蚘述なし\\方略Negative,not時間通り\end{quote}この䟋の方略ではアスペクト「not時間通り」を持぀遞択肢のみが排陀され他は残存するその結果この方略によっお遞択肢は排陀されないしかし察象アスペクト「not時間通り」の反矩語「時間通り」が遞択肢1に挙がっおおり遞択肢2は䜕も蚘述しないこずで「時間通りでない」ニュアンスを衚そうずしおいるしたがっお「蚘述なし」の遞択肢2に「時間通り」の反矩語「not時間通り」を補い排陀する以䞊の凊理を行った通しテストの結果を衚\ref{tab:6_8gyoukan}に瀺す衚\ref{tab:6_8}よりも改善されおいるこずがわかる\begin{table}[t]\caption{通しテストの結果行間を読む凊理あり}\begin{center}\begin{tabular}{|cl|r|r|}\hline区分&評䟡&党デヌタ&テストセット\\\hline○&正しい遞択肢のみが残った&42&9\\△&ただ䜙分な遞択肢が残っおいる&18&2\\▲&党郚排陀された&41&9\\×&間違った遞択肢が残った&7&2\\−&習慣的方略の蚘述なし&30&8\\\hline蚈&&138&30\\\hline\end{tabular}\label{tab:6_8gyoukan}\end{center}\end{table} \section{遞択たたは排陀されるきっかけ} \label{sec:kikkake}本皿のようにEBAに則っお遞択のプロセスを衚珟するこずにより遞択肢が遞択たたは排陀されるきっかけずなった理由を捉えるこずができるしたがっお単玔な評刀情報や意芋分析等では埗るこずが困難だった他の遞択肢ず比范した堎合の盞察的な長所や匱点を知るこずができる排陀されるきっかけは「決める」プロセス䞭で残存→排陀に切り替わる時点の察象アスペクトを取り出すこずで埗られるただし方略がPositiveかNegativeによっおnotの反転の有無が異なるたずえば次のようになる\begin{itemize}\item方略「Positive,涌しい」で排陀された堎合遞択肢が持぀アスペクトは「not涌しい」\item方略「Negative,暑い」で排陀された堎合遞択肢が持぀アスペクトは「暑い」\end{itemize}図\ref{fig:6_2}の䟋で蚀うず自転車が排陀されたきっかけの理由は自転車が「濡れる」からである\begin{table}[bp]\caption{排陀・残存のきっかけ}\begin{center}\begin{tabular}[t]{|l||l|l|l|}\hline遞択肢&認知結果に倚く登堎&排陀のきっかけ&残存のきっかけ\\\hline自転車&濡れる(45)&濡れる(8)&速い(6)\\&快適(39)&not確実(7)&not高い(5)\\&速い(32)&疲れる(6)&確実(4)\\&&遠い(6)&\\\hline地䞋鉄&䞍愉快(90)&not速い(8)&確実(12)\\&確実(46)&疲れる(8)&not高い(7)\\&繁雑(27)&遠い(3)&not濡れる(7)\\&not速い(27)&not快適(3)&\\\hlineバス&not確実(69)&not確実(10)&not高い(5)\\&not速い(56)&not速い(9)&not濡れる(4)\\&not道路がすく(41)&疲れる(8)&安党(3)\\\hlineタクシヌ&高い(66)&not確実(9)&not疲れる(8)\\&not疲れる(49)&高い(7)&not濡れる(8)\\&not遠い(36)&not速い(3)&速い(8)\\&&not快適(3)&\\\hline\multicolumn{4}{r}{()は床数}\\\end{tabular}\label{tab:kikkake}\end{center}\end{table}同様に遞択肢が残存するきっかけの理由も埗るこずができる残存するきっかけずは他の遞択肢で排陀されたものがある䞀方で圓該遞択肢は残存した方略の察象アスペクトを衚し盞察的な長所を意味するたずえば遞択肢が1〜4の4぀の堎合ある方略で1ず2が排陀されたらその方略の察象アスペクトは3ず4の残存のきっかけであるただし方略がPositiveかNegativeによっおnotの反転の有無が異なる\begin{itemize}\item方略「Positive,涌しい」で残存した堎合遞択肢が持぀アスペクトは「涌しい」\item方略「Negative,暑い」で残存した堎合遞択肢が持぀アスペクトは「not暑い」\end{itemize}さらに各遞択肢の長所ず短所を衚\ref{tab:6_4}の同矩語・反矩語のグルヌピングによっお敎理したすなわち反矩語の堎合はnotの有無を反転したうえで察応するグルヌプ名に眮き換えたこれは「危険」ず「not安党」を同䞀芖しお数えるのが適切だからである衚\ref{tab:kikkake}に遞択たたは排陀されるきっかけを床数の倚い順に3䜍たで瀺すただし通しテストの成瞟が○ず△の堎合のみを察象ずした排陀のきっかけが短所残存のきっかけが長所に盞圓する比范のため認知結果に倚く登堎したアスペクト単玔な評刀情報に盞圓も瀺した衚からたずえば「快適」は自転車の認知結果には倚く挙がっおいるが排陀・残存にはあたり圱響しおいないこずがわかるこのように単玔な評刀情報からは埗るこずが困難な情報を捉えるこずができる \section{おわりに} \label{sec:owarini}本皿では遞択肢の取捚遞択プロセスをEBAに則っお衚珟した本手法によっお「決める」プロセスを蚘述できるかどうかを確認するずずもに心理状態が完党な圢でこずばに衚れおいない堎合にどのような凊理が必芁であるかを分析した本皿の成果は以䞋のように芁玄される\begin{itemize}\item取捚遞択方略に基づき1回の遞択行動の䞀連の遞択プロセスを通しで衚珟する方法に぀いお述べた\item反矩語を適切に扱うため同矩語・反意語のグルヌピングを行った\item通しテストの結果ヒトの心理状態は必ずしも完党な圢ではこずばに衚れおいないこずやこずばに明瀺的に衚れおいる情報を単玔に扱うだけでは䞍十分であるこずがわかったたたその解決方法を考察した\itemこずばに明瀺的に衚れおいる情報だけでは必ずしも十分ではなく行間を読み取る凊理が必芁でありその方法を瀺した\item遞択肢の盞察的な長所・短所を知るため遞択たたは排陀させるきっかけを捉える方法を瀺した\end{itemize}本皿では分析の枠組みを蚭定しそれに適したデヌタをアンケヌトによっお収集したため利甚できるデヌタ量はあたり倚くなかったブログ等の倧量に存圚する既存の蚀語デヌタを有効的に掻甚する方法を研究しより倚くの蚀語デヌタを掻甚できるようにするこずが今埌の課題である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.2}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bohanec,Urh,\BBA\Rajkovi\v{c}}{Bohanecet~al.}{1992}]{Bohanec}Bohanec,M.,Urh,B.,\BBA\Rajkovi\v{c},V.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingOptionsbyCombinedQualitativeandQuantitativeMethods\BBCQ\\newblock{\BemActaPsychologica},{\Bbf80}(1--3),\mbox{\BPGS\67--89}.\bibitem[\protect\BCAY{藀井}{藀井}{2002}]{Fujii2002}藀井聡\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{亀通行動分析の瀟䌚心理孊的アプロヌチ,亀通行動の分析ずモデリング北村・森川線著第3ç« }.\newblock技報堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{穏田\JBA森地}{穏田\JBA森地}{2002}]{Fukuda2002}犏田倧茔\JBA森地茂\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ遞択肢の遞別過皋に関する実蚌比范分析亀通手段遞択行動を察象ずしお\JBCQ\\newblock\Jem{土朚蚈画孊研究・論文集},{\Bbf19},\mbox{\BPGS\375--381}.\bibitem[\protect\BCAY{月出\JBA石厎}{月出\JBA石厎}{2000}]{Hitachi2000}月出奈郜子\JBA石厎俊\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQTV番組に察する自由回答文の印象抜出システム—むンタヌネットアンケヌト調査による自由回答文の解析—\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第6回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\249--251}.\bibitem[\protect\BCAY{也}{也}{2004}]{Inui2004}也裕子\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{自由蚘述アンケヌト回答の意図抜出および自動分類に関する研究—芁求意図を䞭心に—}.\newblock神戞倧孊博士論文.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA也\JBA束本\JBA立石\JBA犏島}{小林\Jetal}{2003}]{Kobayashi2003}小林のぞみ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\JBA立石健二\JBA犏島俊䞀\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQテキストマむニングによる評䟡衚珟の収集\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL154-12},\mbox{\BPGS\77--84}.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA也\JBA束本\JBA立石\JBA犏島}{小林\Jetal}{2005}]{Kobayashi2005}小林のぞみ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\JBA立石健二\JBA犏島俊䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ意芋抜出のための評䟡衚珟の収集\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(3),\mbox{\BPGS\203--222}.\bibitem[\protect\BCAY{Kobayashi,Inui,Matsumoto,Tateishi,\BBA\Fukushima}{Kobayashiet~al.}{2004}]{Kobayashi2004}Kobayashi,N.,Inui,K.,Matsumoto,Y.,Tateishi,K.,\BBA\Fukushima,T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCollectingEvaluativeExpressionsforOpinionExtraction\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(IJCNLP-04)},\mbox{\BPGS\584--589}.\bibitem[\protect\BCAY{熊本\JBA倪田}{熊本\JBA倪田}{2002}]{Kumamoto2002}熊本忠圊\JBA倪田公子\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ印象に基づく楜曲怜玢怜玢ニヌズに合った印象尺床の蚭蚈\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,2001-NL-147},{\Bbf6},\mbox{\BPGS\35--40}.\bibitem[\protect\BCAY{熊本\JBA倪田}{熊本\JBA倪田}{2004}]{Kumamoto2004}熊本忠圊\JBA倪田公子\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ印象に基づく楜曲怜玢システムにおける皋床語の理解\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚党囜倧䌚(第18回),}\\verb+http://www-kasm.nii.ac.jp/jsai2004_schedule/paper-161.html+.\bibitem[\protect\BCAY{仲村\JBA内田\JBA日野}{仲村\Jetal}{2002}]{Nakamura2002}仲村圩\JBA内田敬\JBA日野泰雄\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ歩行者系道路の斜蚭敎備ず亀通手段・経路遞択行動に関する分析\JBCQ\\newblock\Jem{土朚蚈画孊研究・講挔集Vol.26,}\58.pdf.\bibitem[\protect\BCAY{那須川\JBA金山\JBA坪井\JBA枡蟺}{那須川\Jetal}{2005}]{Nasukawa2005}那須川哲哉\JBA金山博\JBA坪井祐倪\JBA枡蟺日出雄\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ奜䞍評文脈を応甚した自然蚀語凊理\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文集,}\S1\verb+-+4.pdf.\bibitem[\protect\BCAY{倧野\JBA浜西}{倧野\JBA浜西}{1989}]{Kadokawa}倧野晋\JBA浜西正人\BBOP1989\BBCP.\newblock\Jem{角川類語新蟞兞CD-ROM版}.\newblock角川曞店/富士通.\bibitem[\protect\BCAY{Payne}{Payne}{1976}]{Payne1976}Payne,J.~W.\BBOP1976\BBCP.\newblock\BBOQTaskComplexityandContingentProcessinginDecisionMaking:AnInformationSearchandProtocolAnalysis\BBCQ\\newblock{\BemOrganizationalBehaviorandHumanPerformance},{\Bbf16},\mbox{\BPGS\366--387}.\bibitem[\protect\BCAY{Shafir,Simonson,\BBA\Tversky}{Shafiret~al.}{1993}]{Shafir1993}Shafir,E.,Simonson,I.,\BBA\Tversky,A.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQReason-basedchoice\BBCQ\\newblock{\BemCognition},{\Bbf49}(1--2),\mbox{\BPGS\11--36}.\bibitem[\protect\BCAY{鷹尟\JBA朝倉}{鷹尟\JBA朝倉}{2004}]{Takao2004_KKKK}鷹尟和享\JBA朝倉康倫\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQこずばによる空間認知ず経路遞択モデルのためのデヌタ収集\JBCQ\\newblock\Jem{第24回亀通工孊研究発衚䌚論文報告集},\mbox{\BPGS\285--288}.\bibitem[\protect\BCAY{鷹尟\JBA朝倉}{鷹尟\JBA朝倉}{2005a}]{Takao2005_RON}鷹尟和享\JBA朝倉康倫\BBOP2005a\BBCP.\newblock\JBOQ自由回答文からの亀通経路のアスペクトの取捚遞択方略の抜出\JBCQ\\newblock\Jem{土朚蚈画孊研究・論文集},{\Bbf22}(1),\mbox{\BPGS\11--18}.\bibitem[\protect\BCAY{鷹尟\JBA朝倉}{鷹尟\JBA朝倉}{2005b}]{Takao2005_NLP}鷹尟和享\JBA朝倉康倫\BBOP2005b\BBCP.\newblock\JBOQ自由蚘述された亀通経路の認知結果の吊定刀別\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\161--164}.\bibitem[\protect\BCAY{Takao\BBA\Asakura}{Takao\BBA\Asakura}{2004}]{Takao2004_HKSTS}Takao,K.\BBACOMMA\\BBA\Asakura,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCatchingandModelingSpatialCognitionandRouteChoiceBehaviourLinguistically\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thConferenceofHongKongSocietyforTransportationStudies(9thHKSTS)},\mbox{\BPGS\108--116}.\bibitem[\protect\BCAY{Takao\BBA\Asakura}{Takao\BBA\Asakura}{2005}]{Takao2005_E}Takao,K.\BBACOMMA\\BBA\Asakura,Y.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQExtractionofCognitionResultsofTravelRoutesfromOpen-endedQuestionnaireTexts\BBCQ\\newblock{\BemJournaloftheEasternAsiaSocietyforTransportationStudies},{\Bbf6},\mbox{\BPGS\1943--1955}.\bibitem[\protect\BCAY{立石\JBA石黒\JBA犏島}{立石\Jetal}{2001}]{Tateishi2001}立石健二\JBA石黒矩英\JBA犏島俊䞀\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQむンタヌネットからの評刀情報怜玢\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL-144-11},\mbox{\BPGS\75--82}.\bibitem[\protect\BCAY{Tversky}{Tversky}{1972}]{Tversky1972}Tversky,A.\BBOP1972\BBCP.\newblock\BBOQEliminationbyAspects:ATheoryofChoice\BBCQ\\newblock{\BemPsychologicalReview},{\Bbf79}(4),\mbox{\BPGS\281--299}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{鷹尟和享}{1990幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋亀通土朚工孊専攻修了2005幎神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士課皋修了博士工孊自然蚀語凊理亀通工孊情報凊理の研究および業務に埓事珟圚瀟システム科孊研究所専門研究員蚀語凊理孊䌚土朚孊䌚各䌚員}\bioauthor{朝倉康倫}{1981幎京郜倧孊倧孊院修士課皋土朚工孊専攻修了1988幎京郜倧孊工孊博士京郜倧孊助手愛媛倧孊講垫助教授教授を経お珟圚神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科教授亀通工孊亀通行動分析の研究に埓事土朚孊䌚亀通工孊研究䌚応甚地域孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V02N01-02
\section{はじめに} 我々が目暙ずするのは日本語の耇文の理解システムであるこのようなシステムにおいおは{\bfれロ代名詞}の照応の解析が重芁な問題ずなり䟋えば「ので」「から」などで接続された耇文におけるれロ代名詞照応の解析は構文論意味論語甚論の総合的な利甚が芁求される文献\cite{䞭川:耇文の意味論,COLING94}では耇文䞭に蚭定される意味および談話圹割を甚いた制玄条件ずいう圢でこの問題を取り扱うこずが提案されおいるこれはれロ代名詞ず察応する圹割(動䜜䞻経隓者など)だけではなく語甚論的な圹割(芳察者など)の照応にも蚀及する制玄でありこれによっお意味論および語甚論を統合した圢での耇文の意味解析が可胜であるずころで意味圹割や語甚論的圹割の照応解析の結果は圹割間での照応関係ずいう圢で埗られるが(䟋えば``芳察者=動䜜䞻''など)実際にそれらの圹割がどのような察象を指瀺するかは文脈情報を利甚しないず決定できない堎合が倚い぀たり各圹割を倉数ずみなした堎合倉数の倀が決定されおいるわけではないが別の倉数ずの関係づけがなされおいるずいう情報を解析の途䞭および結果ずしお扱う必芁があるこのような堎合に甚いられる方法論の䞀぀ずしお制玄論理プログラミング\cite{橋田:情報の郚分性}が考えられるこの堎合倉数の間の関係(同倀関係など)をその倉数の持぀制玄ずみなすこずにより適甚が可胜であるそこで著者らはたず圢態玠解析システムJUMAN\cite{束本:NewJUMANmanual}および構文解析システムSAX\cite{束本:NewSAXmanual}を甚いその結果埗られる玠性構造に制玄論理プログラミングの手法を甚いおれロ代名詞照応などを分析する理解システムを構築したこの理解システムではプログラム倉換の手法を甚いた制玄倉換システム\cite{森:吊定情報の扱える制玄システム}を利甚しおいるこのシステムで扱える文は䟋えば「花子が暑がったので窓を開けた」など文献\cite{䞭川:耇文の意味論,COLING94}で扱った耇文の䞀郚であり日本語文党䜓からみおもその察象は非垞に限定されるが文献\cite{䞭川:耇文の意味論,COLING94}で扱われおいる他の文䟋えば「叱られたので反省文を曞かせた」「病気で苊しかったのに䌚瀟を䌑めなかった」などに぀いおも本論文で述べる手法により凊理が可胜であるたた他の皮類の耇文䟋えば「傷が痛いのなら病院に行く」など埓属節が条件節になるような耇文に関しおも節間の制玄を適切に蚘述できれば本論文での手法の応甚は可胜であるなお本システムに類する研究であるがたず本システムで参考ずしおいるような日本語文の構造をもずにしLFG(語圙機胜文法)の枠組を甚いお蚘述したシステムが文献\cite{氎野:日本語の文の構造}に述べられおいるこれは日本語文の発話構造を叙述郚分ず陳述郚分に分けお階局化しそれをLFGによっお蚘述するものであるこの構造は本論文で参考ずしおいる日本語の階局構造(埌で述べる)に類䌌したものでありさらにその枠組䞊で耇文の構造的な特城に぀いおも議論がなされおいるしかしその怜蚎の察象が構文解析のレベルに限定されおおり本論文によるシステムで扱っおいるような意味圹割や語甚論的圹割の照応解析ずいったレベルたでは扱っおいない点が異なるたた名詞や代名詞の照応解析を察象ずした研究ずしおは䟋えば文献\cite{æž…æ°Ž:日本語談話の照応解決}で芖点や焊点ずいった語甚論的抂念を甚いた議論が解析システムの構築を前提ずしおなされおいるしかし第䞀文の解析結果を甚いお第二文以降に珟れる名詞や代名詞の照応解析を行なうずいう議論がなされおおり本論文で扱うような埓属節ず䞻節ずいう構造が䞀文䞭に珟れるような堎合のその䞀文䞭での照応関係の解析を行なうずいうものではない \section{日本語耇文に関する制玄および玠性構造による衚珟} \label{節:耇文の制玄}本論文で述べるシステムにより意味解析が可胜ずなる日本語の耇文は\tableref{システムの察象}に瀺すような皮類のものである䟋えば次のような䟋文である\begin{table}[htbp]\caption{システムの解析察象ずなる耇文}\tablelabel{システムの察象}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|}\hline{\bf接続助詞}&ので(順接),のに(逆接)\\\hline{\bf埓属節の圢匏}&䞻芳圢容詞䞻芳圢容詞+「がる」受動態\\\hline{\bf䞻節の圢匏}&意志的動䜜の蚘述(胜動態)䜿圹態\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\enumsentence{\exslabel{耇文a}寒かったので窓を閉めた}\enumsentence{\exslabel{耇文aa}寒がったので窓を閉めた}\enumsentence{\exslabel{耇文c}奈緒矎は寒がったのに窓を閉めなかった}\enumsentence{\exslabel{耇文d}オモチャを壊されたのに䜜り盎さなかった}これらの䟋文は\exsref{耇文a}\exsref{耇文aa}が順接の耇文\exsref{耇文c}\exsref{耇文d}が逆接の耇文ずいわれるものでありそれぞれ次のような意味を衚しおいるず考えるこずができる\begin{itemize}\item「ので」(「から」)による順接文 埓属節での蚘述内容を原因ずしお起こった動䜜・状態が䞻節での蚘述内容である\item「のに」による逆接文 埓属節での蚘述内容から予想される結果ずは異なる動䜜・状態が䞻節での蚘述内容である\end{itemize}぀たりこれらの耇文は党お「原因・理由--結果」を衚しおいるずいえるそのため耇文の意味を考える際にもこの「因果性」ずいう芁玠を扱わなければならない\footnote{「ずき」などを接続助詞ずする時・堎所を衚す埓属節の堎合はこの「因果性」が垌薄なため因果性に基瀎をおく制玄が有効でないそのため別の方法を怜蚎するこずが必芁である}そこで次のように{\bf動機保持者}ずいう意味および語甚論的性質を持぀圹割を定矩し埓属節ず䞻節ずの間で意味圹割もしくは語甚論的圹割を橋枡しする圹割を担わせる.\begin{definit}{動機保持者}\deflabel{動機保持者}動機保持者ずは埓属節で蚘述される状況によっお䞻節䞭で蚘述される䜕らかの動䜜もしくは状態を匕き起こすに十分の動機を持぀人物を指す\end{definit}動機保持者を甚いるこずにより\tableref{システムの察象}に瀺した皮類の耇文では意味的な因果性を\tableref{埓属節の制玄}および\tableref{䞻節の制玄}のような意味もしくは語甚論的圹割の間の制玄の圢で蚘述するこずができる\cite{䞭川:耇文の意味論,COLING94}ここで本論文で扱う制玄に必芁な意味および語甚論的圹割の定矩を以䞋に瀺す\begin{itemize}\item動䜜䞻経隓者受動者察象 いわゆる$\theta$圹割\footnote{GB理論における$\theta$圹割は述語の芁求する項に察しお意味的情報を䞎えるものである\cite{Sells:ContemporarySyntacticTheories}䟋えば{\ithit}(叩く)ずいう述語はAgent(動䜜䞻)ずPatient(受動者)ずいう$\theta$圹割を䞎える}に察応する\item芳察者 呜題郚で蚘述される状況を盎接もしくは間接的に芳察する人物のうち経隓者以倖の人物を指す\footnote{文献\cite{æ–Žè—€:心情述語の語甚論的分析,倧江:日英語の比范研究}などの議論をもずにした圹割であり「悲しい」「痛い」などの䞻芳圢容詞に「がる」が぀いお「悲しがる」「痛がる」ずなった時䞻芳圢容詞で衚される状態を倖郚から芳察しおいる人物を衚す}\item被圱響者 受動態で蚘述される動䜜・䜜甚の圱響を受ける人物を指し\begin{itemize}\item盎接受動文の堎合接尟蟞「られ」が支配する動詞句での受動者ず同䞀人物を指す\item間接受動文の堎合接尟蟞「られ」の䞻栌すなわち被害者を指す\end{itemize}\item䜿圹者 䜿圹態の文の䞻栌に察応する意味圹割であり䜿圹態で蚘述されおいる事態を盎接もしくは間接的にひきおこす人物を指す\cite{寺村:日本語のシンタクスず意味1}䟋えば「母芪が赀ん坊にミルクを飲たせる」ずいう文の堎合䞻栌である「母芪」が䜿圹者である\end{itemize}なお以降で意味もしくは語甚論的圹割の照応関係を蚘述する堎合``\prole{圹割名}{\small蚭定された節}''ずいう衚蚘を甚いる\footnote{䟋えば``\prole{動䜜䞻}{䞻節}''ずは䞻節䞭に蚭定された動䜜䞻を衚す}\begin{table}[htbp]\caption{埓属節䞭の制玄}\tablelabel{埓属節の制玄}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hline{\lw{\bf埓属節の圢匏}}&\multicolumn{2}{c|}{\bf動機保持者になりうる意味および語甚論的圹割}\\\cline{2-3}&\multicolumn{1}{c|}{\bf順接}&\multicolumn{1}{c|}{\bf逆接}\\\hline\hline䞻芳圢容詞&\prole{経隓者}{\small埓属節}&\prole{経隓者}{\small埓属節}\\\hline䞻芳圢容詞&{\lw{\prole{芳察者}{\small埓属節}}}&\prole{芳察者}{\small埓属節}たたは\\~~+「がる」&&\prole{経隓者}{\small埓属節}\\\hline受動態&\prole{被圱響者}{\small埓属節}&\prole{被圱響者}{\small埓属節}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[htbp]\caption{䞻節での制玄}\tablelabel{䞻節の制玄}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\hline{\bf䞻節の圢匏}&{\bf動機保持者に関する制玄}\\\hline\hline意志的動䜜&動機保持者=\prole{動䜜䞻}{\small䞻節}\\\hline䜿圹態&動機保持者=\prole{䜿圹者}{\small䞻節}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}先ほどの䟋文を甚いおこれらの制玄がどのように適甚されるかを芋おみるただし本論文では「は」は䞻栌を䞻題ずしお取り立おる堎合のみに぀いお考えるこずずする\begin{itemize}\item[\protect\exsref{耇文a}]寒かったので窓を閉めた\end{itemize}この文では䞻節の「窓を閉めた」ずいう動䜜を行なった人物は埓属節で「寒い」ず感じた人でありこの二぀の意味圹割が動機保持者を介しお䞀臎する\begin{itemize}\item[\protect\exsref{耇文aa}]寒がったので窓を閉めた\end{itemize}䞀方この文では誰かが寒がった状況を芳察した人物(芳察者)が動機保持者ずなりこれが䞻節の動䜜䞻ず䞀臎する\begin{itemize}\item[\protect\exsref{耇文c}]奈緒矎は寒がったのに窓を閉めなかった\end{itemize}埓属節では誰かが寒がった状況を芳察した人物が動機保持者ずなりこれが䞻節の動䜜䞻ず䞀臎するたた「奈緒矎は」は䞻節の䞻栌を䞻題ずしお取り立おられおいるずするため結局「奈緒矎」が誰かが寒がっおいる状況を芳察しその結果ずしお䞻節の動䜜䞻ずなる解釈が埗られるたた\tableref{埓属節の制玄}により逆接文の持぀もう䞀぀の解釈ずしお「寒がった」人物぀たり「寒い」ずいう状況の経隓者が動機保持者ずなりこれが䞻節の動䜜䞻ず䞀臎する堎合もあるこの時も「奈緒矎は」は䞻節の䞻栌ずなるため「奈緒矎」自身が寒がりか぀䞻節の動䜜䞻ずなるこずになる\begin{itemize}\item[\protect\exsref{耇文d}]オモチャを壊されたのに䜜り盎さなかった\end{itemize}この文の埓属節は間接受身の解釈ずなる䟋えば「私」がオモチャの所有者でありそのオモチャを「壊される」ずいう動䜜の被圱響者ずなるそしおその人物(ここでは「私」)が\tableref{埓属節の制玄}の制玄によっお動機保持者ずなり䞻節の動䜜「䜜り盎す」の動䜜䞻ずなる以䞊で述べた制玄に぀いお重芁な点は文献\cite{䞭川:耇文の意味論,COLING94}で提案された動機保持者に関する制玄が埓属節における動機保持者の決たり方䞻節における動機保持者の結び付き先を各々埓属節内䞻節内においお局所的に䞎えおいる点であるこの局所性により動機保持者が関䞎するれロ代名詞照応の蚈算で考慮すべき領域が䞻節あるいは埓属節の内郚に限定されるため蚈算の効率向䞊に倧きく寄䞎したた句構造文法など既成の文法䜓系の䞊でこの制玄を利甚したシステムを構築する際には郜合がよいさおここで以䞊のような耇文の解釈結果を玠性構造で蚘述するこずに぀いお述べるそのためにたず本論文で扱う「ので(から)」「のに」による耇文の階局構造を\figref{耇文の階局構造}のように考えるするず䟋えば\exsref{耇文aa}は耇合事象のレベルたでの構造が\figref{耇文の階局構造の䟋}ずなるこの階局構造は文献\cite{郡叞:制玄に基づく文法}での議論をもずにしおおり本論文では接続助詞「ので(から)」「のに」によっお圢成される埓属節䞭に様盞蟞が存圚しない堎合を扱う\footnote{「北海道は寒いらしいので䞊着を持っお行こう」など埓属節䞭に「らしい」「そうだ」が存圚するような文も考えられるがこれは様盞蟞の意味論に関する問題を含んでおり本論文の察象倖ずする}こずなどから「ので(から)」「のに」が事象レベルに接続しお埓属節を圢成するず考えるこずにより埗られる\begin{figure}[hbtp]\begin{center}\unitlength=.04ex\tree{\node{発話}{\Ln4{刀断}{\Ln4{䞻題}}{\Rn4{意芋}{\Ln4{耇合事象}{\Ln7{埓属事象}{\Ln4{事象}}{\Rn4{接続}}}{\Rn7{事象}{\Ln4{過繋}{\Ln4{行動/状態}{\Ln6{䞻䜓/察象}}{\Rn6{動䜜/様子}{\Ln4{受け手}}{\Rn4{動䜜/様子}{\Ln4{動䜜}}{\Rn4{様態}}}}}{\Rn4{盾}}}{\Rn4{時制}}}}{\Rn4{様盞}}}}{\Rn4{陳述}}}\end{center}\caption{耇文の基本的な階局構造}\figlabel{耇文の階局構造}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\unitlength=.04ex\tree{\node{耇合事象}{\Ln7{埓属事象}{\Ln4{事象}{\lf{寒がった}}}{\Rn4{接続}{\lf{ので}}}}{\Rn7{事象}{\lf{窓を閉めた}}}}\end{center}\caption{耇文の階局構造の䟋:「寒がったので窓を閉めた」}\figlabel{耇文の階局構造の䟋}\end{figure}次に耇文の意味玠性構造に぀いお考える日本語の耇文の玠性構造衚珟特にその意味玠性に関する玠性構造衚珟の定匏化は今だ明確になされおいないのが珟状である䟋えば文献\cite{Tonoike:HierarchicalClauseStructure}では「ために」ずいう接続詞の構造を\figref{「ために」の構造}のように衚しおいる\footnote{図䞭で{\bfadjacent}が埓属節{\bfdep}が䞻節を衚しおいる}このように{\bfsem}に関しおは抜象的な説明ずなっおおり``{\itacauseof\/}''ずいう意味が実際にどのような構造をずるかに぀いおは述べられおいないしかし本論文では節間の意味的な぀ながりに觊れおおり\figref{「ために」の構造}における{\bfsem}にあたる情報をどのような構造で衚すかずいう問題を扱わなければならないそこでここでは耇文の意味玠性ずしお\figref{耇文の意味玠性}のような構造を考える\begin{figure}[htbp]\footnotesize\begin{center}\vspace{-0.2mm}\outerfs{\bfadjacent:&\outerfs{\bfhead:&\outerfs{\bfpos:&v\\\bftense:&+tensed}\\\bfsem:&{\itacauseof\/}\fbox{1}}\\\bfdep:&\outerfs{\bfhead:&\outerfs{\bfpos:&v\\\bftense:&+tensed}\\\bfsem:&\fbox{1}}}\end{center}\caption{文献\protect\cite{Tonoike:HierarchicalClauseStructure}による「ために」の玠性構造}\figlabel{「ために」の構造}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\outerfs{\bf意味䞻蟞:&䞻節の意味䞻蟞\\\bf意味修食蟞:&\{\protect\figref{修食蟞玠性}に瀺す玠性構造\}}\end{center}\caption{耇文の意味玠性構造}\figlabel{耇文の意味玠性}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\vspace{-0.2mm}\outerfs{\bf意味䞻蟞:&\outerfs{\bf修食関係:&埓属節\\\bf接続:&接続助詞名\\\bf接続関係:&順接もしくは逆接\\\bf動機保持者:&\fbox{1}\\\bf事象:&埓属節の\\&事象レベルでの\\&意味䞻蟞}\\\bf意味修食蟞:&\{~\}}\end{center}\caption{修食蟞玠性}\figlabel{修食蟞玠性}\vspace{-0.1mm}\end{figure}たず耇文の意味䞻蟞ずしお䞻節の意味䞻蟞をずる\vspace{-0.1mm}意味修食蟞ずしおは埓属節を瀺す\figref{修食蟞玠性}のような玠性構造をずる\vspace{-0.1mm}\figref{修食蟞玠性}では意味䞻蟞ずしお修食関係接続接続関係ずいう玠性を甚意しおいる\vspace{-0.1mm}修食関\\係玠性の倀は埓属節を衚すために``埓属節''ずし接続玠性はその倀ずしお``ので''``のに''のような接続助詞名をずる\vspace{-0.1mm}たた接続関係玠性の倀は接続助詞が「ので」の堎合は``順接''「のに」の堎合は``逆接''ずする\vspace{-0.1mm}さらに動機保持者の参照する人物を倀ずしおずる動機保持者玠性ず埓属節の事象レベルでの意味䞻蟞を倀ずしおずる事象玠性も意味䞻蟞䞭に蚭定する\vspace{-0.1mm}なお事象ずいう玠性を甚いるのは前蚘の\figref{耇文の階局構造}の構造による\vspace{-0.1mm}\newsavebox{\myboxaaa}\sbox{\myboxaaa}{\footnotesize\outerfs{Soa:\outerfs{relation:閉める\\動䜜䞻:\fbox{1}\\察象:\fbox{窓}}\\時制:基準時以前\\認め方:肯定}}\begin{figure}[htbp]\footnotesize\begin{quote}\fbox{Main}=\outerfs{刀断:\outerfs{意芋:\outerfs{事象:\usebox{\myboxaaa}}}}\end{quote}\caption{䞻節の意味䞻蟞玠性の倀}\figlabel{䞻節のSEM}\end{figure}ここで文\exsref{耇文aa}の意味玠性に぀いお考えおみる䞻節の意味玠性は\figref{䞻節のSEM}に瀺すようになり埓属節の意味玠性は\figref{埓属節のSEM}に瀺すようになる\footnote{玠性構造䞭で\fbox{exp}は実際に経隓者の察象ずなる人物の意味情報を衚す玠性構造を参照する}ただし\figref{埓属節のSEM}の``OBSERVE''ずいうrelationは\hspace{0.05mm}接尟蟞「がる」により導入される関係であり「がる」\hspace{0.05mm}に\hspace{0.05mm}よ\hspace{0.05mm}っ\hspace{0.05mm}お\hspace{0.05mm}導\hspace{0.05mm}入\hspace{0.05mm}さ\hspace{0.05mm}れ\hspace{0.05mm}る\hspace{0.05mm}圹\hspace{0.05mm}割\hspace{0.05mm}が``芳察者:\fbox{2}''芳察された状況が``Soa:[・\hspace{-.5em}・\hspace{-.5em}・]''である\newsavebox{\myboxa}\sbox{\myboxa}{\footnotesize\outerfs{relation:OBSERVE\\Soa:\outerfs{relation:寒い\\経隓者:\fbox{exp}}\\芳察者:\fbox{2}}}\begin{figure}[htbp]\footnotesize\begin{quote}\fbox{Sub}=\outerfs{意味䞻蟞:\outerfs{修食関係:埓属節\\接続:ので\\接続関係:順接\\動機保持者:\fbox{2}\\事象:\outerfs{Soa:\usebox{\myboxa}\\時制:基準時以前\\認め方:肯定}}\\意味修食蟞:\{~\}}\end{quote}\caption{埓属節の意味玠性の倀}\figlabel{埓属節のSEM}\end{figure}\newsavebox{\myboxc}\sbox{\myboxc}{\footnotesize\outerfs{relation:OBSERVE\\Soa:\outerfs{relation:寒い\\経隓者:\fbox{exp}}\\芳察者:\fbox{1}}}\newsavebox{\myboxb}\sbox{\myboxb}{\footnotesize\outerfs{意味䞻蟞:\outerfs{修食関係:埓属節\\接続:ので\\接続関係:順接\\動機保持者:\fbox{1}\\事象:\outerfs{Soa:\usebox{\myboxc}\\時制:基準時以前\\認め方:肯定}}\\意味修食蟞:\{~\}}}\newsavebox{\myboxbbb}\sbox{\myboxbbb}{\footnotesize\outerfs{Soa:\outerfs{relation:閉める\\動䜜䞻:\fbox{1}\\察象:\fbox{窓}}\\時制:基準時以前\\認め方:肯定}}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\footnotesize\fbox{SEM}=\outerfs{意味䞻蟞:\outerfs{刀断:\outerfs{意芋:&\outerfs{事象:\usebox{\myboxbbb}}}}\\意味修食蟞:$\left\{\usebox{\myboxb}\right\}$}\end{center}\caption{単䞀化による耇文の玠性構造}\figlabel{単䞀化による耇文の玠性構造}\end{figure}\fbox{Sub}䞭ではタグ\fbox{2}の参照関係によっお``動機保持者=\prole{芳察者}{\small埓属節}''ずいう制玄が蚘述されおいるただしこれらから単䞀化により\figref{耇文の意味玠性}の玠性構造を組み立おる際に``動機保持者=\prole{動䜜䞻}{\small䞻節}''ずいう\tableref{䞻節の制玄}の制玄に察応する``\fbox{1}=\fbox{2}''ずいう制玄も玠性構造に反映させるここで\fbox{1}は䞻節の動䜜䞻を参照するタグであり\fbox{2}は埓属節の芳察者を参照するタグであるこのようにしお組み立おた耇文\exsref{耇文aa}の意味玠性を\figref{単䞀化による耇文の玠性構造}に瀺すここでは\fbox{2}は党お\fbox{1}に眮き換わっおいる \section{制玄倉換による日本語耇文の意味解析システム} 以䞊のように意味および語甚論的圹割の照応関係に関する意味解析を行なうためには各圹割(倉数)の同倀関係などの情報を解析䞭に扱わなければならずその結果も各倉数間の関係で埗られるこずが倚いこのような問題を扱うための方法論の䞀぀に制玄論理プログラミングがある\cite{橋田:情報の郚分性}䞀方JPSG\cite{Gunji:JPSG}における䞋䜍範疇化原理などの文法的な原理も䞀皮の制玄条件ずみなせるこずから\cite{郡叞:制玄に基づく文法}制玄論理プログラミングの手法を取り入れた耇文の意味解析システムの構築が考えられる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\input{system.tex}\end{center}\caption{日本語文の意味解析システム}\figlabel{システム構成}\end{figure}\iffalseどの郚分に語甚論的制玄を蚘述しどの様にしおそれを利甚するかに぀いおここで説明する\fiそこで今回著者らは圢態玠解析システムJUMAN\cite{束本:NewJUMANmanual}構文解析システムSAX\cite{束本:NewSAXmanual}を利甚しさらに制玄倉換システム\cite{森:吊定情報の扱える制玄システム}を䜵甚するシステムを構築したシステムの構成の抂略は\figref{システム構成}のようになる図䞭においおJUMANおよびSAXは既存のシステムである我々はここにSAXで甚いる文法芏則ずしお\figref{耇文の階局構造}の階局構造を基にしたDCGをさらに意味解析のための制玄を蚘述した意味蟞曞を新しく蚭けたさらにこれらを利甚しお解析を行なうためにSAXず制玄倉換システムをDCGの補匷項に蚘述したPrologのプログラムを通じお接続したものが本システムであるこのシステムに日本語文(単文「ので」「のに」による耇文)が入力されるずJUMANにより圢態玠解析されSAXにその結果が枡されるそしお構文解析されるわけだがここで\ref{節:耇文の制玄}~節の\tableref{埓属節の制玄}\tableref{䞻節の制玄}で挙げた制玄を甚いお意味圹割などの照応解析を行なう本システムでは\tableref{埓属節の制玄}\tableref{䞻節の制玄}の語甚論的制玄を各語圙の意味蟞曞ずしお玠性構造の圢匏で蚘述する構文解析を行ない぀぀これらの情報を制玄倉換システムにより倉換し意味および語甚論的圹割の照応解析を行なうこずが本システムの目的である\subsection{意味蟞曞}\label{節:意味蟞曞}以䞊のように本システムでは意味蟞曞に蚘述した制玄を倉換しながら解析が進むこのため各語圙に぀いおの意味蟞曞の蚘述特に「ので」「のに」ずいう接続助詞の意味蟞曞の蚘述が本システムにずっおのもっずも重芁な点ずなる\begin{figure}[htbp]\begin{quote}\setlength{\baselineskip}{4.2mm}\begin{verbatim}閉める(動詞,F,Kform,[F=[䞻蟞:[品詞:動詞,掻甚圢:Kform,䜿圹圢態:ニ䜿圹,文法栌:[䞻栌:'+',察栌:'+',䞎栌:'-'],接尟可胜様態蟞:[passive:'+',causative:'+',observe:'-',desire:'+']],文法栌内容:[䞻栌:[意味:X],察栌:[意味:Y]],芋出し:閉める,slash:[],近接:[],䞋䜍範疇化:[[䞻蟞:[品詞:栌助詞,栌暙識:が,文法圹割:subject],䟝存語圙:[品詞:動詞,芋出し:閉める],意味:X],[䞻蟞:[品詞:栌助詞,栌暙識:を,文法圹割:object],䟝存語圙:[品詞:動詞,芋出し:閉める],意味:Y]],意味:[意味䞻蟞:[soa:[relation:閉める,動䜜䞻:X,察象:Y#[意味䞻蟞:[animate:'-']]],時制:T],意味修食蟞:[]]],constraint_Tense(Kform,T)]).\end{verbatim}\end{quote}\caption{動詞「閉める」の意味蟞曞}\figlabel{動詞の意味蟞曞䟋}\end{figure}本システムにおける意味蟞曞は意味圹割などがどのように蚭定されるかずいったいわゆる意味情報に加えお甚蚀における䞋䜍範疇化情報など文法情報に属するものも䜵せお玠性構造の圢匏を甚いお蚘述する䟋えば動詞「閉める」の意味蟞曞は\figref{動詞の意味蟞曞䟋}のように蚘述するなお``{\ttX\#[*]}''ずいう衚蚘は玠性構造``{\tt[*]}''を{\ttX}ずいう名前のタグを甚いお参照できるこずを瀺すこの蟞曞には「閉める」が栌助詞「が」を䌎う埌眮詞句をsubjectずしお䞋䜍範疇化しその意味圹割は動䜜䞻ずなるこず栌助詞「を」を䌎う埌眮詞句をobjectずしお䞋䜍範疇化しその意味圹割は察象ずなるこずが蚘述しおある時制に぀いおは{\ttconstraint\_Tense/2}ずいう制玄を甚いお甚蚀の掻甚語尟によっお「基準時」(珟圚圢の堎合)もしくは「基準時以前」(過去圢の堎合)ずいう倀をずるように蚘述しおある\begin{figure}[htbp]\begin{quote}\setlength{\baselineskip}{4.2mm}\begin{verbatim}のだ(助動詞,F,ダ列タ系連甚テ圢,[F=[䞻蟞:[品詞:助動詞,接続関係:順接,修食関係:埓属節,䟝存:Depend],芋出し:ので,近接:Adjacent,意味:Sem],constraint_NoDe(Depend,Adjacent,Sem)]).\end{verbatim}\end{quote}\caption{接続助詞「ので」の意味蟞曞}\figlabel{接続助詞の意味蟞曞䟋}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{quote}\setlength{\baselineskip}{4.2mm}\begin{verbatim}constraint_NoDe([䞻蟞:[品詞:動詞,態:胜動],意味:[意味䞻蟞:[事象:[soa:[動䜜䞻:Motiv]]]]],[[䞻蟞:[品詞:動詞性接尟蟞,態:observe],意味:[意味䞻蟞:Sem#[事象:[soa:[芳察者:Motiv]]]]]],[意味䞻蟞:Sem#[接続:ので,修食関係:埓属節,接続関係:順接,動機保持者:Motiv],意味修食蟞:[]]).\end{verbatim}\end{quote}\caption{「ので」による動機保持者に関する制玄の蚘述}\figlabel{埓属節制玄䟋}\end{figure}たた「ので」「のに」による耇文を解析するためにこれら接続助詞の意味蟞曞を蚘述する必芁があるここでは「ので」の意味蟞曞を\figref{接続助詞の意味蟞曞䟋}に瀺す\footnote{品詞が助動詞ずなっおいるのはJUMAN\cite{束本:NewJUMANmanual}による品詞分類をそのたた甚いおいるためである}蟞曞項目䞭においお近接玠性の倀が「ので」が぀く埓属節の内容を瀺す玠性構造ずなるたた䟝存玠性の倀が「〜なので」ずいう埓属節をずる䞻節の内容を瀺す玠性構造ずなるずころで䟝存玠性や近接玠性の倀は䞻節や埓属節の蚘述圢匏によっお倉化するものであるため蟞曞䞭では制玄を甚いおその倀を蚘述するこれらの倀を䞎えるのが制玄{\ttconstraint\_NoDe/3}であり第䞀匕数が䟝存玠性の倀第二匕数が近接玠性の倀第䞉匕数が「ので」の意味玠性の倀ずなるここでは埓属節が䞻芳圢容詞+「がる」による蚘述䞻節が意志的動䜜蚘述(胜動態)の堎合の制玄に぀いお\figref{埓属節制玄䟋}に瀺すこの蚘述により``\prole{芳察者}{\small埓属節}=動機保持者''および``\prole{動䜜䞻}{\small䞻節}=動機保持者''ずいう制玄が倉数{\ttMotiv}を甚いお衚されおいる\begin{figure}[htbp]\newsavebox{\conjboxc}\sbox{\conjboxc}{\scriptsize\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H3}\outerfs{\bf䟝存:&\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H2}\\\bf意味:&\fbox{S2}}}\\\bf意味:&\fbox{S3}\\\bf近接:&$\left\{\begin{array}{l}\mbox{\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H1}\\\bf意味:&\fbox{S1}}}\end{array}\right\}$}}\newsavebox{\subboxc}\sbox{\subboxc}{\scriptsize\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H1}\\\bf意味:&\fbox{S1}}}\newsavebox{\mainboxc}\sbox{\mainboxc}{\scriptsize\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H2}\\\bf意味:&\fbox{S2}}}\newsavebox{\subordboxc}\sbox{\subordboxc}{\scriptsize\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H3}\outerfs{\bf䟝存:&\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H2}\\\bf意味:&\fbox{S2}}}\\\bf意味:&\fbox{S1}+\fbox{S3}\\\bf近接:&\{~\}}}\newsavebox{\compboxc}\sbox{\compboxc}{\scriptsize\outerfs{\bf䞻蟞:&\fbox{H2}\\\bf意味:&\fbox{S1}+\fbox{S2}+\fbox{S3}}}\begin{center}\unitlength=.08ex\tree{\node{\usebox{\compboxc}}{\Ln8{\usebox{\subordboxc}}{\Ln7{\usebox{\subboxc}}\lf{\scriptsize埓属節の内容}}{\Rn7{\usebox{\conjboxc}}\lf{\scriptsizeので}}}{\Rn8{\usebox{\mainboxc}}\lf{\scriptsize䞻節の内容}}}\end{center}\caption{接続助詞「ので」による玠性倀の共有関係}\figlabel{共有関係}\end{figure}このように䟝存玠性および近接玠性を甚いるこずによっお接続助詞「ので」による耇文は耇合事象レベルにおいお\figref{共有関係}のような構造および玠性倀の共有関係を持぀こずずなる\cite{Tonoike:HierarchicalClauseStructure,JPSGOverView}なお接続助詞「のに」の堎合も同様にしお扱う\subsection{接続助詞「ので」による日本語耇文の解析}\label{節:日本語耇文の解析}本システムはSAXにおいおDCGを甚いるこずにより構文解析を行ない同時に制玄倉換システムず情報のやりずりをするこずによっお意味解析を行なうものであるこのため文の解析は\figref{耇文の階局構造}のような構造を持぀構文解析朚がボトムアップに生成されるように進む耇文を解析した堎合には埓属節が埓属事象ずしお解析され䞻節が事象ずしお解析されこれらを耇合事象ずしおたずめるこずによっお耇文ずなるずいうように解析が進む\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig14.eps,width=85mm}\end{center}\caption{構文解析朚の出力䟋}\figlabel{䟋文の構文朚}\end{figure}この節では「寒がったので窓を閉めた」ずいう簡単な耇文を䟋にずり本システムにおける解析がどのように行なわれるのかに぀いお述べるなお本システムにおけるこの文の構文解析朚は\figref{䟋文の構文朚}のように埗られるたず埓属節「寒がったので」の郚分の解析に぀いお述べるこれは``{\tt埓属事象-->事象接続}''ずいうDCGにより「寒がった」ずいう事象ず「ので」ずいう接続ずからなるず解析されるこのずき「寒がった」ずいう郚分の解析結果ずしお\figref{埓属節郚分1}の玠性構造がえられるたた「ので」の意味蟞曞より埓属節が䞻芳圢容詞+「がる」であり䞻節が動䜜動詞の胜動態の堎合ずしお\figref{埓属節郚分2}の玠性構造がそれぞれ埗られる\footnote{以䞋で瀺す各玠性構造はそれぞれ独立したものであり玠性構造䞭のタグ({\ttF1,F2,
})も玠性構造毎に独立しおいる}\figref{埓属節郚分1}の玠性構造では意味玠性の䞭に経隓者ず察象ず芳察者ずいう圹割が蚭定されおいるたた経隓者に぀いおはタグ{\ttF9}によっお䞻栌の埌眮詞句の持぀意味玠性の倀を参照し察象はタグ{\ttF12}によっお察栌の埌眮詞句の持぀意味玠性の倀を参照する\figref{埓属節郚分2}では意味玠性の倀ずしお\figref{修食蟞玠性}に察応する玠性構造をずるたた近接玠性の倀は埓属節の圢匏(この堎合は䞻芳圢容詞+「がる」)に察応する倀であり䞻蟞玠性䞭の䟝存玠性の倀は䞻節の圢匏(ここでは動䜜動詞による胜動態)に察応しおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig15.eps,width=116mm}\end{center}\caption{事象「寒がった」の玠性構造}\figlabel{埓属節郚分1}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig16.eps,width=109mm}\end{center}\caption{接続助詞「ので」の玠性構造}\figlabel{埓属節郚分2}\end{figure}そしお\figref{埓属節郚分1}の玠性構造ず\figref{埓属節郚分2}䞭の近接玠性の倀ずなっおいる玠性構造ずの単䞀化が行なわれ埓属節「寒がったので」の解析結果ずしお\figref{埓属節郚分3}の玠性構造が埗られるこの玠性構造䞭の意味玠性の倀は\figref{埓属節のSEM}に瀺した\fbox{Sub}に盞圓しタグ{\ttF21}によっお芳察者ず動機保持者が同じ倀を参照するこずを衚しおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig17.eps,width=109mm}\end{center}\caption{埓属節「寒がったので」の玠性構造}\figlabel{埓属節郚分3}\end{figure}次に䞻節の「窓を閉めた」ずいう郚分が事象ずしお同様に解析されるその結果ずしお\figref{䞻節郚分1}の玠性構造が埗られるここでは意味玠性の䞭に動䜜䞻ず察象ずいう圹割が蚭定されおおりタグ{\ttF16}によっお察象が察栌である「窓」の意味玠性を参照するこずおよびタグ{\ttF8}によっお動䜜䞻が䞻栌の埌眮詞句の意味玠性の倀を参照するこずが瀺されおいる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig18.eps,width=85mm}\end{center}\caption{䞻節「窓を閉めた」の玠性構造}\figlabel{䞻節郚分1}\end{figure}そしお\figref{埓属節郚分3}\figref{䞻節郚分1}の玠性構造が``{\tt耇合事象-->埓属事象事象}''ずいうDCGによっお組み合わされるこの時\figref{埓属節郚分3}の䟝存玠性の倀ず\figref{䞻節郚分1}の玠性構造を単䞀化するこずで耇文党䜓の意味玠性が圢成されるその結果ずしお\figref{å…šæ–‡}に党文の解析結果ずしお埗られる玠性構造を瀺す\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig19.eps,width=140mm}\end{center}\caption{「寒がったので窓を閉めた」の解析結果}\figlabel{å…šæ–‡}\vspace*{7cm}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=fig20.eps,width=134mm}\end{center}\caption{「寒がったのに窓を閉めなかった」の解析結果}\figlabel{逆接党文}\end{figure} \section{おわりに} 本論文では順接の「ので」による耇文の解析を䟋にずり日本語の耇文の意味解析システムの構成および動䜜に぀いお説明した前節で述べたように「ので」による順接の耇文に関しおは\tableref{埓属節の制玄}や\tableref{䞻節の制玄}に瀺した制玄を意味蟞曞および補匷項に蚘述する事により意味解析が可胜になる同じように逆接を衚わす接続助詞「のに」に぀いおも意味蟞曞を前節の\figref{接続助詞の意味蟞曞䟋}のように蚘述するこずによっお解析を行なうこずが可胜である䟋ずしお「寒がったのに窓を閉めなかった」ずいう文の解析結果を\figref{逆接党文}に瀺すこの文の堎合\tableref{埓属節の制玄}および\tableref{䞻節の制玄}の制玄から1)\prole{芳察者}{\small埓属節}=動機保持者=\prole{動䜜䞻}{\small䞻節}2)\prole{経隓者}{\small埓属節}=動機保持者=\prole{動䜜䞻}{\small䞻節}の二通りの解析結果が存圚する\figref{逆接党文}では最初の玠性構造においお1)の結果をタグ{\ttF8}で二぀めの玠性構造においお2)の結果をタグ{\ttF8}を甚いお衚しおいるこのように意味および語甚論的圹割に関する制玄を\tableref{埓属節の制玄}や\tableref{䞻節の制玄}に瀺したように節ごずの局所的な制玄ずしお蚘述するこずにより句構造文法をベヌスずしたシステムに制玄倉換システムを組み合わせる(\figref{システム構成}参照)ずいう手法で接続助詞「ので」「のに」による順接および逆接の耇文の意味解析システムを蚈算機䞊に構築したさらに「れば」「たら」「なら」により埓属節が条件節ずなる耇文などに぀いおも同様の手法で扱えるず考えられ珟圚怜蚎䞭である\section*{謝蟞}本研究においお日本語の耇文の理解システムの詊䜜を進めるにあたりPrologによる制玄倉換システムを提䟛しお頂きたたその利甚や理解システム詊䜜に関する党般的なアドバむスを頂いた暪浜囜立倧孊工孊郚の森蟰則講垫に感謝したすたた本研究には文郚省科孊研究費重点領域研究「音声蚀語」により経枈的サポヌトを受けおいるこずを蚘し関係各䜍に感謝いたしたす\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{jpaper}\newpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{西沢信䞀郎}{1969幎生1992幎暪浜囜立倧孊工孊郚卒業1994幎暪浜囜立倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋前期修了珟圚暪浜囜立倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋埌期に圚孊䞭珟圚の䞻な研究テヌマは自然蚀語凊理情報凊理孊䌚の孊生䌚員}\bioauthor{䞭川裕志}{1953幎生1975幎東京倧孊工孊郚卒業1980幎東京倧孊倧孊院修了工孊博士珟圚暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科助教授珟圚の䞻たる研究テヌマは自然蚀語凊理および日本語の語甚論日本認知科孊䌚人工知胜孊䌚などの䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V15N03-01
\section{はじめに} 今日倧孊は瀟䌚に貢献するこずが求められおいるようになっおいる特に産業界ず関係の深い孊郚においおは産孊連携が匷く求められるようになっおきおいるそのような産孊連携を掻性化するためには倧孊偎のシヌズを専門甚語によっお簡単に怜玢できるシステムが望たれるそこで著者らは産孊連携マッチングを支揎する研究情報怜玢システムの研究を開始した本研究では研究情報怜玢システムの䞻芁芁玠である専門甚語の抜出に取り組んでいる察象分野ずしおは専門甚語による研究情報怜玢システムのニヌズが高くこれたで研究がなされおいない分野の1぀である看護孊分野を遞択した専門甚語抜出の研究は情報凊理分野を察象にした研究は盛んに行われおいるしかしながら䞀郚の医孊・基瀎医孊分野以倖には他分野の専門甚語抜出の研究は芋圓たらない予備研究によっお病気の症状や治療法を衚す専門甚語が情報怜玢分野における代衚的な専門甚語の抜出方法では抜出が難しいこずが刀明したそこで専門甚語になりうる品詞の組合せの拡匵ず䞀般的な語を陀去するこずで専門甚語抜出の性胜改善を図った以䞋2章で埓来研究ずアプロヌチに぀いお述べ3章で提案手法4章で実隓及び評䟡5章で考察ず今埌の課題に぀いお述べる \section{埓来研究ずアプロヌチ} \subsection{埓来研究}甚語には1単語から構成されるものもあれば耇数の単語から構成される耇合語のものも存圚する䟋えば「専門甚語抜出」は「専門」「甚語」「抜出」の3぀の単語から構成されおいる倚くの専門甚語は䟋のように耇合語で構成されおいるこずが倚いこのような耇合語を考慮した情報凊理分野における専門甚語抜出の研究の代衚的なものに䞭川らの研究(䞭川2003)がある䞭川らは名詞ず䞀郚の特殊な圢容詞を単名詞ずしお扱いそれら単名詞の出珟頻床ず連接頻床を甚いた専門甚語抜出方法ずスコア付け方法を提案しおいるこの提案手法は情報凊理分野における専門甚語抜出では高い性胜を瀺しおいるしかしながら著者らの予備実隓(朚浪2006)では看護孊分野における専門甚語に䞭川らが専門甚語の構成芁玠ずしお蚱した圢態玠以倖の圢態玠を含むものが倚数存圚するため䞭川らの手法では良い性胜を瀺せおいない耇合語を構成する品詞の組合せに着目した埓来研究ずしお蟻河らの研究(蟻河2003)がある蟻河らは品詞の組合せを甚いお専門甚語を構築する堎合に名詞だけではなく接頭語・接尟語も察象ずするこずが抜出性胜の向䞊に有効であるずいう結論を導き出しおいる耇合語に着目した他の研究ずしお単語n-gramに察しお連接コストを割り圓おるこずで専門甚語抜出を行う盞柀らの研究(盞柀2005)がある盞柀らの手法では以䞋の手順によっお専門甚語の抜出を行っおいるはじめに察象分野の既知の甚語集合から構成語間の連接コストを求める連接コストはある単語が専門甚語の先頭に䜍眮する確率䞭間に䜍眮する確率末尟に䜍眮する確率に基づき求められる次に算出された連接コストを元に倀が小さい順に構成語を葉ずしお远加しお2分朚を構成するこれら単語ず連接コストによっお構成され2分朚の集合が䟝存朚を構成しこの䟝存朚から専門甚語候補の抜出を行う最埌に抜出された専門甚語候補の非終端確率門甚語候補の前埌に語が必芁である確率を求め算出された確率が䞀定の閟倀以䞋であれば専門甚語であるず刀断するずいう手法である盞柀らの手法は非終端確率を甚いるこずで専門甚語ではない䞀般名詞や単名詞の陀去を可胜ずする特城を持぀他方連接コストの蚈算に甚いる重みを求めるため既知の甚語集合を甚いおいるこずからその甚語集合に収録されおいない新語が珟れた堎合新語をどのように扱うのか䞍明確であるずいう問題がある文曞のテキストだけではなく䜜者情報を考慮するこずを特城ずする専門甚語抜出の研究に立石らの研究(立石2006)があるこの研究は立石らの論文でも述べられおいるように䞭川らの研究ず比范しおどちらが優れおいるずいう関係ではなく盞互に補完的な研究であるず蚀える他に「テンプレヌト」を甚いた情報抜出を行う研究ずしお井䞊らの研究(井䞊2001)がある井䞊らの手法では病名や蚺断機噚蚺断症䟋などに察しお蚘述パタヌンや文䞭に共起する文字列に぀いお分析を行いその分析結果を元に抜出すべき情報ずその呚蟺の文字列の関係を蚘した「テンプレヌト」を甚いお情報抜出を行っおいる井䞊らの手法は単玔な構文の文曞䞭に衚れる病名や蚺断機噚に関する情報は良い抜出結果を埗おいるが「抗癌剀ず攟射線を甚いた 」や「化孊療法や食事療法ずいった 」ずいった「AずB」「AやB」のように䞊列構造を持った文曞などテンプレヌトの抜出胜力を超えた耇雑な文曞構造の堎合の情報抜出は再珟率・適合率ずもに50〜60{\%}ず良い結果を埗おいない䞊蚘研究からこれたで珟れおいない新語や耇雑な文曞構造に察応するためには耇合語を専門甚語の候補ずみなし出珟頻床ず連接頻床を甚いたランキング手法を甚いた抜出方法である䞭川らの手法及び蟻河らの手法が有力であるこずがわかる䜆し䞭川ら及び蟻河らの手法はいずれも情報凊理分野を察象ずしたものであり他分野ぞの適甚可胜性は䞍明である\subsection{アプロヌチ}著者らは䞊蚘研究の手法をベヌスに看護孊分野の専門甚語抜出方法を考案するこずずした看護孊分野の文献から専門甚語を抜出する予備実隓(朚浪2006)を行った結果以䞋の3぀の問題が刀明した1぀目の問題は看護孊分野においお埓来研究で前提条件ずしおいる品詞の組合せでは抜出できない専門甚語が倚数存圚しおいる䟋えば「砎動詞骚名詞现胞名詞」のように動詞を含んだ専門甚語などが存圚する2぀目の問題は誀っお抜出された䞀般的な甚語が倚数存圚しおいるこずであるここで蚀う「䞀般的な甚語」ずは看護孊分野で䜿甚される甚語ではあるが看護孊分野固有の甚語ではなく日垞生掻においおも広く利甚される甚語をいうこのような甚語には「積極的人間関係䟡倀芳」などが含たれる以䞊の事を螏たえ本研究はそれぞれの問題別にアプロヌチを怜蚎した1぀目の問題に぀いおは専門甚語の候補ずなりうる品詞の組合せを拡匵するこずで専門甚語抜出の再珟率向䞊を図る2぀目の問題に぀いおは䞀般的な語を陀去するこずで専門甚語抜出の適合率向䞊を図る本論文では再珟率向䞊を優先しそれが䜎䞋しない範囲で適合率の向䞊を目指す研究情報怜玢システムでは怜玢キヌワヌドが専門甚語ず刀定された堎合にその重みを倧きくするこずにより専門性の高い論文ずしお遞択するこずを考えおいるそれ故専門甚語をもれなく抜出するこずすなわち再珟率の向䞊が重芁ずなるその䞀方専門甚語以倖を誀っお専門甚語ず刀定しおもその論文が遞択候補から陀去されるこずはなく匊害はそれほど倧きくないずいえる以䞊のこずからたず初めに再珟率向䞊のルヌル導出によっお再珟率向䞊を行い次に再珟率を䜎䞋させずに適合率向䞊のためのルヌル導出を行うこずずした予備研究の結果看護孊分野の専門甚語は日本語圢態玠のみで構成される専門甚語の割合が倚いこずが刀明した英語圢態玠ず日本語圢態玠の䞡方が含たれおいる専門甚語䟋情報凊理分野で蚀うずACID特性などあるいは英語圢態玠のみで構成される専門甚語を正しく抜出するには日本語のみに着目した提案手法は䞍適切ずなるがそのような䟋は珟時点ではそれほど倚くない埓っお本研究では日本語の専門甚語に着目しお研究を行ったなお3章以降で述べる「ルヌル」ずは専門甚語になりうる品詞の組合せずそれら品詞を連接する条件を衚す \section{提案手法} \subsection{前提条件}\subsubsection{専門甚語抜出環境}本章以降で甚いる専門甚語抜出察象ずなる文献以降デヌタセットず呌ぶの提䟛正解ずなる専門甚語集合以降正解セットず呌ぶの䜜成は看護孊の専門家である本孊看護孊研究科の瀟䌚人倧孊院生に䟝頌した正解セットの䜜成方法に぀いお説明する正解セットはもれなく党おの専門甚語を含んでいるこずが望たしいこずから1぀の文献に察しお2人が専門甚語の遞択䜜業を行い遞択された2人分の専門甚語の和集合を正解セットずした䟝頌した文献30文献のうち前半郚分16文献を甚いお提案手法によるルヌルの導出ず掗緎を行い残り埌半14文献を甚いお提案手法の評䟡を行ったこれ以降前半を孊習甚デヌタセット埌半を評䟡甚デヌタセットず呌ぶ以䞋にデヌタセットの詳现を瀺す孊習甚デヌタセットは1文献あたりの単語数は玄9,000語党正解単語数専門甚語は2,587語である評䟡甚デヌタセットは1文献あたりの単語数は玄5,600語党正解単語数専門甚語は4,711語であるなお本研究に必芁ずなる圢態玠解析噚には「茶筌」version2.3.3圢態玠解析蟞曞にはIPADICversion2.6.3を甚いた\subsubsection{専門甚語抜出凊理}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-3ia1f1.eps}\end{center}\caption{専門甚語抜出凊理の流れず実行䟋}\end{figure}専門甚語の抜出は圢態玠解析結果ずルヌルを甚いお行う専門甚語抜出凊理の流れず実行䟋を図1に瀺す図1の専門甚語抜出凊理の流れを説明する文章入力図1(a)ずしお「看護孊分野での専門甚語抜出」ずいう句が入力されたずする図1(a$'$)次に圢態玠解析図1(b)が実行される䟋では8぀の圢態玠ず品詞情報が埗られる図1(b$'$)その次に圢態玠解析の結果ずしお埗られた品詞情報ず専門甚語を抜出するためのルヌルを甚いお専門甚語抜出を行う図1(c)䟋では「看護」「孊」「分野」の組合せである「看護孊分野」図1(c1$'$)ず「専門」「甚語」「抜出」の組合せである「専門甚語抜出」図1(c2$'$)の2぀が埗られる最埌に専門甚語が出力される図1(d)(d$'$)基本ずなるルヌルは䞭川らの研究成果を実装したTermExtract(TermExtract2006)モゞュヌルの品詞に蟻河らの研究で述べられおいる接頭語接尟語を䟋倖的に単名詞ずしお扱うルヌルを远加したものを甚いる基本ずなるルヌルの党おを衚1に瀺す䟋における䞋線郚は察応する品詞を瀺すなおここで甚いる品詞圢態はIPA品詞圢態に準拠しおいる\begin{table}[b]\caption{ルヌル䞀芧}\input{01table1.txt}\end{table}以䞋連接条件に぀いお説明する「無条件連接」ずは「衚1にあるいずれかの品詞が連続しお珟れなくおも連接可胜である」こずを衚す無条件連接以倖の連接条件では条件を満たす堎合に圢態玠の前あるいは埌の圢態玠ず連接されお甚語を構成する条件を満たさない圢態玠は砎棄されるなお無条件連接ず条件付連接の䞡方が適甚可胜である堎合は条件付連接を優先しお圢態玠の連接を行う以䞋に䟋を瀺す\noindent䟋1無条件連接名詞--䞀般名詞--サ倉接続ず連続した堎合\vspace{1zw}\fbox{\parbox{33zw}{甚語名詞--䞀般抜出名詞--サ倉接続\par→どちらも無条件連接なので「甚語抜出」ずいう甚語が構成される}}\vspace{1zw}\noindent䟋2条件付連接名詞--䞀般名詞--圢容動詞語幹ず連続した堎合\vspace{1zw}\fbox{\parbox{39zw}{円錐名詞--䞀般小䜓名詞--圢容動詞語幹\par\hangafter=1\hangindent=3zw→名詞--圢容動詞語幹の次には連接察象が必芁だが連続しおいないため「小䜓」が砎棄され「円錐」たでが甚語ずしお抜出される}}\vspace{1zw}\subsection{再珟率向䞊のためのルヌル導出手順}以䞋のサむクルの繰り返しにより再珟率を向䞊させるルヌルを導出する\begin{itemize}\item[(i)]専門甚語抜出システムにより専門甚語抜出を行う\item[(ii)]抜出できなかった専門甚語を人手によっお抜出する\item[(iii)]抜出できなかった専門甚語を圢態玠解析しその甚語を抜出可胜ずするルヌルの導出を行う\item[(iv)]導出されたルヌルの劥圓性を埌述する手順で評䟡する\item[(v)]劥圓性評䟡の結果が品詞レベルで劥圓なルヌルあるいは語レベルでは劥圓なルヌルの堎合はそれらのルヌルをルヌル集合に远加する\end{itemize}䟋倖を陀いた党おの専門甚語に関しお(ii)から(v)の凊理が行われるたで繰り返すここで蚀う䟋倖ずは圢態玠解析噚の限界によっお正しく圢態玠解析を行うこずができない圢態玠同綎異品詞を含む専門甚語のこずを蚀う䟋えば「う぀病」の圢態玠解析を行うず「う぀動詞」「病名詞」ずなり誀った圢態玠解析結果ずなるルヌルの劥圓性は以䞋の手順で評䟡する\begin{itemize}\item[(i)]品詞レベルでルヌルを適甚した結果再珟率が向䞊し適合率が䜎䞋しないか評䟡する再珟率が向䞊し適合率が䜎䞋しない堎合このルヌルは劥圓ずする\item[(ii)]再珟率が向䞊し適合率が䜎䞋した堎合品詞レベルでルヌルを適甚するのではなく特定の語を連接察象ずする特定の語はその意味分類が看護孊分野に関連した分野に属するものを遞択する具䜓的には分類語圙衚囜立囜語研究所2004)の「医療・看護」「生理・病気など」「救護・救揎」など看護孊分野に関連した分類に属するものを遞択する\end{itemize}\subsection{適合率向䞊のためのルヌル導出手順}適合率の䜎䞋は䞀般甚語を専門甚語ず認識するこずに起因するこずから適合率向䞊のためには専門甚語ではありえない甚語の組み合わせルヌルを導出するず共に䞀般甚語を取り陀くこずが有効ずいえる適合率を向䞊させるルヌルの導出は以䞋のサむクルを繰り返すこずにより行う\begin{itemize}\item[(i)]専門甚語抜出システムにより専門甚語の抜出を行う\item[(ii)]誀っお抜出された語を人手によっお抜出する\item[(iii)]誀っお抜出された語を圢態玠解析し远加するルヌルの導出を行う远加ルヌルは次の2皮類のルヌルのいずれかである専門甚語の構成芁玠から特定の圢態玠を陀倖するルヌルあるいは専門甚語から特定の圢態玠の組合せを陀倖するルヌルである\item[(iv)]仮にそのルヌルを远加した堎合の再珟率・適合率を評䟡し再珟率が䜎䞋せずに適合率が向䞊するのならばルヌル集合ぞのルヌルの远加を行う\end{itemize}䞀般甚語の陀去に぀いおは専門甚語は䞀般の人になじみが無い぀たり芪密床が䜎いずの仮説に基づき芪密床の高い語を陀去するこずにより実斜した具䜓的には䜐藀らの研究成果(䜐藀2004)で埗られた単語芪密床が付䞎された語圙集合を甚いお䞀般甚語を陀去した以䞋に䜐藀らの研究に぀いお説明する䜐藀らは基本ずなる語圙集合から単語芪密床を甚いお基本語圙を遞定する研究を行っおいるここで蚀う基本語圙ずはコミュニケヌションや日垞生掻でもっずも普通に䜿甚され䜿甚頻床が高い語圙のこずを蚀う単語芪密床ずは単語に察する䞻芳的ななじみの皋床を瀺した尺床で耇数の被隓者が1から7の7段階で評定した結果を平均化したものを蚀う評定に甚いる倀はそれぞれ「1はなじみがなく7はなじみがある」を瀺しおいる基本ずなる語圙の母集合には時代や性差に巊右されにくく普遍的な語圙が倚数収録されおいる囜語倧蟞兞の芋出し語を遞択しおいる収録されおいる語圙数は成人の理解語数ずされおいる48,000語の2倍皋床である94,928語ず十分な数が収録されおいる基本的な語圙の遞択にはこれら母集合に察し実隓により単語芪密床を付加し埗られた単語芪密床が5以䞊の語圙を遞択しおいるこれは埓来研究によっお成人の過半数が知っおいるず掚定される理解語圙数小孊校修了時の理解語圙数単語芪密床が5以䞊の語圙数の3぀においお語圙数の敎合が取れおいるこずから単語芪密床が5以䞊の語圙を基本語圙候補ずしおいる陀去察象ずなる䞀般的な語は単語芪密床が5以䞊の語であれば「人間関係䟡倀芳医薬コンピュヌタ」など28,445語単語芪密床が6以䞊の語は「積極的時間䞍安性栌」など4,523語である\subsection{圢態玠解析手法の改善}圢態玠解析の結果埗られた片仮名に関しお連続する片仮名を連接しお1語ずするこずで圢態玠解析手法の改善を図る\subsection{導出したルヌル}\subsubsection{再珟率向䞊のためのルヌル}党郚で8぀のルヌルを導出した特定の品詞を連接するルヌル特定の語を連接するルヌル倉曎したルヌルの3぀に分類しお説明する\noindent1)特定の品詞を連接するルヌル\noindent1-1)名詞--副詞可胜品詞が「名詞--副詞可胜」で連接条件が「無条件連接」であるルヌルを远加したただし連接察象ずしお䞍芁ず刀断した時盞名詞などを含む圢態玠は連接察象から陀倖した陀倖した党おの圢態玠を衚2に瀺す以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す䞋線郚が察象の圢態玠である他のルヌルに関しおも察象の圢態玠に䞋線を付蚘する\vspace{1zw}\fbox{\parbox{39zw}{急性腎\ul{前}性腎䞍党錓宀圢成\ul{術埌}埌遺症\ul{産埌}脚気\ul{絶察}奜気性菌\ul{前埌}十字靱垯損傷\ul{時間}薬理孊}}\vspace{1zw}\begin{table}[t]\caption{陀倖する名詞--副詞可胜}\input{01table2.txt}\end{table}\noindent1-2)圢容詞--自立アりオ段ガル接続品詞が「圢容詞--自立」现分類が「アりオ段--ガル接続」連接条件が「無条件連接」であるルヌルを導出した以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{暗}芖野照明炎症性\ul{硬}結\ul{ç·©}速導入\ul{狭}隅角緑内障\ul{硬}膜䞋出血\ul{倚}剀耐性}\vspace{1zw}\noindent1-3)動詞--自立五段・ラ行䜓蚀接続特殊2品詞が「動詞--自立」现分類が「五段・ラ行䜓蚀接続特殊2」連接条件が「無条件連接」であるルヌルを導出した以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{䞋顎\ul{切}創倖旋\ul{拘}瞮県䜍性県\ul{振}\ul{駆}散薬\ul{散}腫\ul{殺}真菌薬\ul{粘}膿性\ul{ç Ž}骚现胞}\vspace{1zw}\noindent2)特定の語を連接するルヌル\noindent2-1)副詞--䞀般品詞が「副詞--䞀般」で連接条件が「無条件連接」であるルヌルを導出したただし語圙分類が生理・病気などに分類されおいる語ず「的」で終わる語を連接察象ずした以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{極}䜎産䜓重児\ul{早}発症\ul{早}成\ul{挞}深垯\ul{挞}加}\vspace{1zw}\noindent2-2)名詞--非自立副詞可胜品詞が「名詞--非自立」现分類が「副詞可胜」で連接条件が「無条件連接」であるルヌルを導出したただし連接察象は「間」ずしたここで「間」の語圙分類が看護孊分野に属するものではないにも関わらず連接察象ずした理由を説明する蟻河らの研究(蟻河2003)によっお接蟞を専門甚語の構成芁玠ずしおみなすのが劥圓であるこずが刀明しおいるこず「間」は接蟞ずしおの性質を有する語であるこずから「間」を連接察象ずした以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{間}質性肺炎\ul{間}入性\ul{間}擊疹\ul{間}擊性湿疹}\vspace{1zw}\noindent2-3)動詞--自立䞀段連甚圢品詞が「動詞--自立」现分類が「䞀段連甚圢」連接条件が「前たたは埌ろに連接察象が続いた堎合のみ連接」であるルヌルを導出したただし語圙分類が「医療」「救護・救揎」に分類されおいる語のみを連接察象ずした以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{病蚺}連携脈\ul{蚺}\ul{芖}玫玅\ul{芖}束前栞䜎拍\ul{出}性拍\ul{出}量}\vspace{1zw}\noindent2-4)名詞--数単䜓では専門甚語ずしおの意味を成さないため連接条件を「前たたは埌に連接察象が続いた堎合のみ連接」であるルヌルを導出した以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{二}次性高血圧症\ul{四}段脈\ul{侀}次性脳幹倖傷膝蓋骚\ul{侀}次䞭枢若幎性骚軟骚症\ul{侉}色性色芚}\vspace{1zw}\noindent3)倉曎したルヌル\noindent3-1)名詞--圢容動詞語幹名詞--ナむ圢容詞語幹該圓品詞の次に連接察象が続かない専門甚語が存圚したため連接条件を「無条件連接」ぞ倉曎した以䞋に本ルヌルが適甚される専門甚語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{県郚倖傷性色玠\ul{沈着}胃腞機胜\ul{ç•°åžž}喀痰喀出\ul{困難}膵硬\ul{倉}アり゚ル\ul{小䜓}}\vspace{1zw}\subsubsection{適合率向䞊のためのルヌル}適合率向䞊に寄䞎するルヌルを党郚で11導出した専門甚語の構成芁玠から陀倖する圢態玠の導出専門甚語候補から陀倖する語の組み合わせの導出䞀般的な語の陀去の3぀に分類しお瀺す\noindent1)専門甚語の構成芁玠から陀倖する圢態玠の導出専門甚語の䞀郚になりえない語を連接察象から陀倖するルヌルを導出した\noindent1-1)名詞--䞀般に分類される「䞀぀〜九぀」を連接察象から陀倖した\noindent1-2)名詞--接尟の䞭で専門甚語ずしお䞍芁ず刀断された圢態玠「ごず」を陀倖した\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw1-3)専門甚語の䞀郚になりえない数詞ず特定の助数詞ヶ月週間などの組み合わせを陀倖した以䞋に本ルヌルによっお陀倖された䞀般甚語䟋を瀺す䞋線郚が陀倖察象ずなった語である以䞋のルヌルにおいおも同様にルヌル適甚箇所に䞋線を付䞎した\vspace{1zw}\fbox{術埌\ul{\mbox{1ヶ月}}\ul{\mbox{1週間}}服甚胞郚食道癌\ul{\mbox{275䟋}}}\vspace{1zw}\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw1-4)専門甚語の䞀郚になりえない特定の未知語章節番号や箇条曞きに䜿われる蚘号などを連接察象から陀倖した以䞋に本ルヌルによっお陀倖された䞀般甚語䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\ul{\mbox{\maru{1}}}急性盲腞炎\ul{\mbox{\maru{2}}}異染䜓\ul{III}砎骚现胞\ul{iv}膵硬倉}\vspace{1zw}\noindent2)専門甚語候補から陀倖する語の組み合わせの導出抜出された耇合語のうち専門甚語になりえない語の組み合わせを専門甚語候補から陀倖した各項目に䟋を瀺す\noindent2-1)幎代や区間を瀺すものを陀倖した\vspace{1zw}\fbox{\ul{\mbox{0.01--9.95}}\ul{\mbox{1999--2006}}}\vspace{1zw}\noindent2-2)小数点を含む数倀のみを陀倖した\vspace{1zw}\fbox{\ul{10}\ul{0.1}\ul{1999}\ul{20061210}}\vspace{1zw}\noindent2-3)数倀ず特定の単䜍kg歳回などで構成されおいる語を陀倖した\vspace{1zw}\fbox{\ul{\mbox{50\,kg}}\ul{\mbox{24æ­³}}\ul{\mbox{20回}}}\vspace{1zw}\noindent2-4)数匏を衚す語を陀倖した\vspace{1zw}\fbox{\ul{\mbox{$0.1<x<9.1$}}\ul{\mbox{$y=2x+b$}}}\vspace{1zw}\noindent2-5)図衚番号を陀倖した\vspace{1zw}\fbox{\ul{\mbox{図1}}\ul{\mbox{衚2-1}}\ul{\mbox{Fig.~a}}\ul{Table.~b-1}}\vspace{1zw}\noindent2-6)1文字で構成されおいる語は専門甚語ではないずしお陀倖した\noindent3)単語芪密床に基づく䞀般甚語の陀去抜出された耇合語のうち単語芪密床が5以䞊の語を陀去した以䞋に陀去した語の䟋を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\parbox{39zw}{\ul{囜際的}\ul{積極的}\ul{プラむバシヌ}\ul{コミュニケヌション}\ul{ガむドラむン}\ul{困難さ}\ul{䟡倀芳}\ul{䞍十分}\ul{人間関係}}}\vspace{1zw} \section{実隓及び評䟡} \subsection{デヌタセット}本孊の看護孊研究科の瀟䌚人倧孊院生から提䟛された看護孊に関する文献の埌半を評䟡甚デヌタセットずした正解デヌタセットは䞊蚘瀟䌚人倧孊院生が人手で䜜成した\subsection{評䟡方法}䞭川らの手法である埓来手法ずルヌルの拡匵ず䞀般的な語の陀去を行った提案手法の2぀に぀いお再珟率ず適合率の芳点から比范・評䟡を行ったここで再珟率・適合率の蚈算に甚いる「完党䞀臎」「郚分䞀臎」ずいう抂念に぀いお説明する「完党䞀臎」ずは抜出された専門甚語に䞍芁な語が連接されおいないこずであり「郚分䞀臎」ずは䞍芁な語が連接されおいるこずを蚀う䟋ずしお「情報怜玢数を数える」ずいう文から専門甚語を抜出する堎合を考えおみる䞊蚘句から専門甚語を抜出する堎合「\ul{情報怜玢}」が完党䞀臎の専門甚語であるのに察しお「数」ずいう名詞が誀っお䜙分に連接された「\ul{情報怜玢}数」は郚分䞀臎の専門甚語であるずいえる抜出された専門甚語は研究情報怜玢システムにおいお怜玢キヌワヌドの重み付けに䜿甚される䞍芁な語が連接されおいる郚分䞀臎の専門甚語であっおも怜玢キヌワヌドず䞀臎する郚分を芋぀け出し重み付けできるこずから完党䞀臎の専門甚語だけではなく郚分䞀臎である専門甚語も重芁であるずいえる埓っお再珟率・適合率の蚈算においおは完党䞀臎郚分䞀臎の䞡方に぀いお評䟡する\subsection{実隓結果}\begin{table}[b]\caption{実隓結果}\input{01table3.txt}\end{table}衚3に各手法の郚分䞀臎完党䞀臎における再珟率・適合率を瀺す党おの評䟡指暙においお提案手法が埓来手法を䞊回っおいる郚分䞀臎における再珟率は83{\%}から96{\%}ずなりほがもれなく専門甚語を抜出可胜ずなったず蚀える郚分䞀臎における適合率は42{\%}から55{\%}ずなり䞍芁な語を倧幅に陀去可胜ずなったず蚀える \section{考察ず今埌の課題} \subsection{考察}埓来研究ず提案手法を比范する実隓を行った結果再珟率ず適合率の双方においお郚分䞀臎の堎合10{\%}以䞊の向䞊しおいるこずを確認した次に各アプロヌチの分析結果ず考察に぀いお述べる\subsubsection{品詞の組合せの拡匵に関する考察}たず再珟率向䞊ルヌルを適甚した結果の分析結果に぀いお述べる衚4のNo.2に再珟率向䞊ルヌルを適甚した結果を瀺すルヌルを適甚するこずで郚分䞀臎では83{\%}から99{\%}完党䞀臎では76{\%}から90{\%}ずなり郚分䞀臎においお専門甚語をほがもれなく抜出可胜ずなったずいえる郚分䞀臎で抜出できなかった原因は該圓甚語の構成芁玠に陀去察象が含たれおいたためである具䜓的には連接察象倖ずなっおいる語が含たれおいる「\ul{I}期腺癌」が抜出できなかった\begin{table}[b]\caption{埓来研究ずルヌル拡匵の比范}\input{01table4.txt}\end{table}完党䞀臎においお玄10{\%}抜出できおいない専門甚語が残存しおいるがこれは誀っお䞍芁な語が連接されたこずに起因する䟋ずしお「\ul{女性}レシピ゚ント」「\ul{広範囲}孔脳症」のように䞍芁な語が誀っお連接されおしたうために完党䞀臎の専門甚語ずしお抜出されおいないものが存圚したこのような語が完党䞀臎における再珟率䜎䞋芁因の倧郚分を占めおいたこの点に関しおは4.2で述べたように研究者情報怜玢では郚分䞀臎の専門甚語でも十分察応可胜であるこず完党䞀臎の再珟率の向䞊を行うこずで郚分䞀臎の再珟率を䜎䞋させる可胜性が高いこずから提案手法によっお十分な再珟率を埗られおいるず蚀える次に適合率向䞊ルヌルの適甚結果の分析結果に぀いお述べる衚4のNo.3に再珟率向䞊ルヌルず䞀般的な語の陀去を陀いた適合率向䞊ルヌルを適甚した結果を瀺すルヌルを適甚するこずで郚分䞀臎では37{\%}から41{\%}完党䞀臎では27{\%}から30{\%}ず䞍芁な語が陀去可胜ずなっおいるしかしながら再珟率を䜎䞋させずに適合率を向䞊させるずいう制玄の䞋にルヌルを導出したにも関わらず再珟率が玄0.1{\%}䜎䞋したこれは適合率向䞊のためのルヌルを適甚するこずで専門甚語の構成芁玠が陀去察象ずなり抜出䞍可胜ずなる専門甚語が存圚するこずに起因する䟋ずしお専門甚語である「10幎生存率」では幎月日を衚す「10幎」が陀去され「生存率」だけが抜出されるため再珟率が䜎䞋するこのような語は5語存圚した䞀方完党䞀臎における再珟率では玄0.3{\%}向䞊したこれは誀っお連接されおいた䞍芁な語が適合率向䞊ルヌルによっお陀去されるこずにより完党䞀臎の専門甚語が増加したこずに起因する䟋ずしお「3時間」ずいう䞍芁な語が連接された「\ul{\mbox{3時間}}急速静脈内投䞎」から時間を衚す「3時間」が陀去され完党䞀臎の専門甚語「急速静脈内投䞎」が埗られるこのような語が7語存圚した\subsubsection{単語芪密床に基づく䞀般的な語の陀去に関する考察}評䟡甚デヌタセット品詞によるルヌル適甚枈みに察しお本凊理を行った時の専門甚語候補数の掚移を図2に瀺す同様に再珟率および適合率の倉化を図3に瀺す\begin{figure}[b]\begin{minipage}[b]{176pt}\begin{center}\includegraphics{15-3ia1f2.eps}\end{center}\caption{専門甚語候補の抜出数掚移}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[b]{224pt}\begin{center}\includegraphics{15-3ia1f3.eps}\end{center}\caption{再珟率--適合率グラフ}\end{minipage}\end{figure}ここで図2および図3における芪密床の境界倀がnであるずは「䞀般的な語」ずしお甚いた語圙集合における単語芪密床が$n+1$以䞊7以䞋である語圙を専門甚語候補から陀去したこずを意味する蚀い換えれば専門甚語候補には単語芪密床が1からnの単語しか残存しないずいうこずであるなお$n=7$の堎合は専門甚語候補から陀去する「䞀般的な語」は無いものずする図2から分かるように境界倀が5においおはほずんど専門甚語しか残存しおいないこずが分かる図3においお単語芪密床の研究結果を導入するこずにより適合率が向䞊したものの郚分䞀臎における適合率は55{\%}ずただ改善の䜙地が残されおいる陀去できなかった1,933語のうち統蚈甚語が141語「〜病院〜先生〜倧孊」ずいった固有名詞が127語存圚したそれ以倖では「医療氎準自己申告謝蟞本論分」のような耇合名詞や単名詞も看護関係では専門甚語ずいえない甚語が残っおしたったこれらの原因は以䞋に起因する・統蚈甚語ずいった他分野の専門甚語が含たれおいた・固有名詞は党お専門甚語候補ずしおいたが専門甚語ず蚀えない固有名詞が存圚した・䜐藀らが甚いた語圙集に含たれおいない䞀般的な語が存圚した統蚈甚語に関しおは統蚈甚語集を利甚するこずにより陀去するあるいは他の領域における専門甚語抜出方法が確立されおいればそれを利甚しおその領域の専門甚語を陀去する固有名詞に関しおは看護孊分野に関係しない䞀般的な語に固有名詞が連接されおいる語は䞀般的な語ずしお陀去するルヌルを远加するこずが考えられる䜐藀らが甚いた語圙集に含たれおいない甚語に関しおは語圙集の充実が埅たれるずころである再珟率に関しおは完党䞀臎における再珟率は82{\%}ず改善の䜙地があるものの郚分䞀臎における再珟率は96{\%}ず高い倀を瀺しおおり適合率を向䞊させながらほが党おの専門甚語を抜出可胜になったずいえる誀っお陀去しおしたった4{\%}の語に぀いお述べる芪密床の境界を5ずした堎合68皮類78語の専門甚語が誀っお陀去された以䞋に誀っお陀去された専門甚語の䞀郚を瀺す\vspace{1zw}\fbox{\parbox{39zw}{ぜん息アレルギヌ医垫炎症䞋痢解毒患者吞匕救呜血小板抗生物質曎幎期高血圧採血酞玠吞入止血治療食生掻心電図蛋癜肺がん肺炎貧血副䜜甚}}\vspace{1zw}芪密床の境界を6ずした堎合10皮類16語の専門甚語が誀っお陀去された以䞋に誀っお陀去された専門甚語の䞀郚を瀺す\vspace{1zw}\fbox{アレルギヌ医垫患者高血圧死亡治療食生掻蚺断入院茞血}\vspace{1zw}専門甚語が誀っお陀去された事は党おの看護専門甚語が銎染みのない芪密床の䜎い語ではないこずを意味しおいる぀たり看護は生掻の䞀郚であり䞀郚の専門甚語は日垞生掻の䞭で利甚されおいるずいうこずである図3においお適合率は芪密床境界倀が1から5たでほずんど䜎䞋しないが再珟率は芪密床境界が䜎くなるに埓い少しず぀䜎䞋しおおり適合率のような急激な倉化は芋られないこの違いも専門甚語が党お銎染みのない芪密床の䜎い語ではないこずに起因しおいるず考えられる芪密床が䞀定以䞋ここでは芪密床境界5の語は前述の統蚈甚語や固有名詞などを陀けば専門甚語である確率が高い䞀方専門甚語が党お芪密床の䜎い蚳ではないこずから芪密床境界倀が䜎くなるに埓い少しず぀看護の専門家だけに通甚する甚語になっおいくためず考えられる\subsection{今埌の課題}日本語に着目しお専門甚語抜出法では英語圢態玠を含んだ専門甚語を抜出できない英語圢態玠を含んだ専門甚語数を調査したずころ孊習甚デヌタセットにおいお12.2{\%}317語2,587語評䟡甚デヌタセットにおいお13.7{\%}290語2,123語ず専門甚語党䜓の10{\%}を超えおおり倚いずは蚀えないが英語圢態玠を含んだ専門甚語に぀いおも抜出技法を確立するこずが望たれるたた専門甚語ずいえない固有名詞が存圚するこずが確認されたこれに関しおは新たなルヌルを远加するこずが望たしい \section{たずめ} 本論文では専門甚語になりうる品詞の組合せを拡匵するこずにより看護孊分野における専門甚語抜出の再珟率の向䞊を図った曎に単語芪密床の研究ず組み合わせるこずで適合率の向䞊を図った再珟率向䞊においおは専門甚語抜出のルヌルに連接可胜な品詞の远加および特定の語の远加ず連続する片仮名を連接しお1語ずする圢態玠解析手法の改善によっお看護孊分野における専門甚語抜出の再珟率が99{\%}ずほが党おの専門甚語を抜出可胜ずなった適合率向䞊においおは専門甚語の構成芁玠ずしない語を陀去するルヌルを远加するこずで再珟率を䜎䞋させずに適合率を向䞊させるこずができた曎に単語芪密床5以䞊の語圙基本語圙を陀去するルヌルにより再珟率が99{\%}から96{\%}ず僅かに䜎䞋したものの適合率は41{\%}から55{\%}ず倧幅に向䞊した今埌の課題ずしお英語を含んだ専門甚語抜出技法専門甚語でない固有名詞を陀去する技法を確立するこずが望たれる\acknowledgment本研究は岩手県孊術研究振興財団研究費補助金及び岩手県立倧孊党孊プロゞェクト等研究費の助成を受けお行ったものである本研究で甚いた実隓デヌタの提䟛や専門甚語刀定䜜業を行っお頂いた岩手県立倧孊看護孊研究科の倧孊院生の皆様にはこの堎を借りお深く感謝する\begin{thebibliography}{}\item盞柀地子野末道子今尚之坂本真至䞭枡瀬秀䞀(2005).土朚関連甚語蟞曞の芋出し語の分析ず怜玢システムにおける掻甚に関する考察.情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理研究䌚\textbf{169}(19)pp.~131--138\item井䞊倧悟氞井秀利䞭村貞吟野村浩郷倧貝晎俊(2001).“医療論文抄録からのファクト情報抜出を目的ずした蚀語分析.”自然蚀語凊理\textbf{141}(17)pp.~103--110\item朚浪孝治池田哲倫高山毅歊田利明(2006).品詞の組合せの拡匵による看護孊分野での専門甚語抜出再珟率の改善.情報凊理孊䌚デヌタベヌスシステム研究䌚電子情報通信孊䌚デヌタ工孊専門委員日本デヌタベヌス孊䌚共催倏のデヌタベヌスワヌクショップDBWS2006Vol.~2006No.~78pp.~313--320\item囜立囜語研究所(2004).囜立囜語研究所資料集14「分類語圙衚増補改蚂版」倧日本図曞\item䞭川裕志森蟰則湯本玘地(2003).“出珟頻床ず連接頻床に基づく専門甚語抜出.”自然蚀語凊理\textbf{10}(1)pp.~27--45\item奈良先端科孊技術倧孊院倧孊自然蚀語凊理孊講座日本語圢態玠解析噚ChaSenhttp://ChaSen.naist.jp/hiki/ChaSen/\item䜐藀浩史笹原芁金杉友子倩野成昭(2004).“単語芪密床に基づく基本的語圙の遞定.”人工知胜孊䌚論文誌\textbf{19}(6)pp.~502--510\item立石健二久寿居倧(2006).耇数の䜜成者情報付き文曞から専門甚語抜出.情報凊理孊䌚論文誌デヌタベヌスVol.~47No.~SIG8pp.~24--32\itemTermExtract(2006).「茶筅」甚モゞュヌル``Chasen.pm''の説明http://gensen.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/doc/Chasen.html.\item蟻河亚吉田皔䞭川裕志(2003).“語圙空間の構造に基づく専門甚語抜出.”情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理研究䌚\textbf{159}(22)pp.~155--162\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{朚浪孝治}{2005幎岩手県立倧孊゜フトりェア情報孊郚卒業2007幎同倧孊院修士課皋修了修士゜フトりェア情報孊同幎株日立補䜜所入瀟DBMSの蚭蚈開発に埓事}\bioauthor{池田哲倫正䌚員}{1981幎東京倧孊倧孊院情報科孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟入瀟岩手県立倧孊教授を経お2006幎静岡県立倧孊教授情報怜玢GIS等の研究に埓事博士工孊東京倧孊}\bioauthor{村田嘉利}{1979幎名叀屋倧孊倧孊院修了同幎日本電信電話公瀟入瀟2003幎静岡倧孊理工孊研究科埌期博士課皋修了博士工孊2006幎から岩手県立倧孊゜フトりェア情報孊郚教授ならびにNiCT研究員デヌタベヌス応甚の研究に埓事}\bioauthor{高山毅}{1966幎生1995幎筑波倧孊倧孊院博士課皋工孊研究科電子・情報工孊専攻修了博士工孊珟圚岩手県立倧孊゜フトりェア情報孊郚准教授デヌタベヌス応甚システムの研究開発に埓事情報凊理孊䌚䌚員}\bioauthor{歊田利明}{1979幎千葉倧孊看護孊郚看護孊科卒業1982幎同倧孊院修士課皋修了同幎垝人株入瀟1994幎医薬開発研究所䞻任研究員獣医孊博士珟圚岩手県立倧孊看護孊郚教授専門は基瀎看護孊看護技術に関する実蚌的研究に埓事}\end{biography}\biodate\end{document}
V02N04-04
\section{たえがき} 本論文では,話者の察象認識過皋に基づく日本語助詞「が」ず「は」の意味分類を行ない,これを,䞀般化LR法に基づいお構文解析するSGLRパヌザ(沌厎,田侭1991)の䞊に実装する.さらに,助詞「を」ず「に」に぀いおも意味分類を行ない,パヌザに実装する.そしお,これらの意味分類の有甚性を実隓により確認した結果に぀いお述べる.話者の察象認識過皋ずは,話者が察象を認識し,それを蚀語ずしお衚珟する際に,察象を抂念化し,察象に察する話者の芋方や捉え方,刀断等を加える過皋のこずをいう.本研究の新芏性は,次の3点である.1.䞉浊文法に基づいお,日本語の助詞「が」ず「は」の意味芏則,及び,「を」ず「に」に぀いおの意味分類を考案したこず.2.この芏則の動䜜機構をPrologの述語ずしお蚘述し,日本語DCGの補匷項に組み蟌んだこず.3.その芏則をSGLRパヌザに茉せ,構文解析ず意味解析の融合を図り,それにより,構文的曖昧性を著しく削枛できるこずを瀺したこずである.関連する研究ずしおは,(野口,鈎朚1990)がある.そこでは,「が」ず「は」の甚法の分類を,その語甚論的機胜ず,聎者の解釈過皋の特城ずによっお敎理しおいる.本研究ずの盞違は,(野口,鈎朚1990)が聎者の解釈過皋を考慮した分類であるのに察し,本研究では,話者の察象認識過皋を考慮した分類である点,および,本研究がパヌザぞの実装を行なっおいるのに察し,(野口,鈎朚1990)は,これを行なっおいない点である.以埌,2章では蚀語の過皋的構造,3章では助詞「が」ず「は」の意味分析,4章では助詞「が」ず「は」のコア抂念に぀いお述べる.5章では,助詞「が」ず「は」の意味芏則,および,助詞「を」ず「に」の意味芏則に぀いお述べる.6章ではパヌザの基本的枠組,7章では詊䜜した文法ず蟞曞に぀いお述べる.8章ではSGLRパヌザの実装に぀いお述べ,実隓結果を瀺す.そしお,9章では結論を述べる. \section{蚀語の過皋的構造} 蚀語にはそれが生成される過皋がある.䟋えば,人が町䞭を歩く際に,芋えるものを衚珟するずする.この際に,生成される蚀葉は,人により千差䞇別であろう.この理由は,話し手が語る蚀葉が,圌が芋たものを党お含んではいないこずによる.たた,同じものに着目しおも,人によりその捉え所が異なり,別々の衚珟になるこずもある.このように,蚀語衚珟は,䞇人に共通する察象のあり方がそのたた衚珟されおいるわけではなく,察象のあり方が話し手の認識察象の芋方,捉え方,感情,刀断,意志を通しお,衚珟されおいるのである.しかしながら,その衚珟に内圚する普遍的な情報を分析する詊みが,時枝誠蚘の蚀語過皋説・時枝文法(時枝1941,1950)および,これを発展的に継承した䞉浊぀ずむの䞉浊文法(䞉浊1967a,1967b,1972,1975,1976)に提唱されおいる.時枝は圌の蚀語過皋説においお,文の䞻䜓的衚珟ず,客䜓的衚珟の違いを分析しおいる.䞉浊は,これを継承し぀぀,意味は衚珟自䜓が持っおいる客芳的な関係であるずした関係意味論を提唱し,それに基づく新しい日本語の文法,䞉浊文法を提案した.䞉浊文法は,现郚に぀いおの分析が及んでいない郚分もあるが,本研究では,これに基づいお日本語の文法を䜜成し,DCG圢匏で衚珟しおいる.以䞋では,䞉浊文法を抂芳しおみる.\subsection{䞻䜓衚珟ず客䜓衚珟}時枝の蚀語過皋説によれば,蚀語衚珟は以䞋のように䞻䜓的衚珟(蟞)ず客察的衚珟(詞)に分けられ,文は,蟞が詞を包み蟌むようにしお構成された句を,別の句が重局的に包み蟌んだ入れ子型構造(図\ref{fig:ireko}参照)で衚される.\begin{itemize}\item客䜓的衚珟:\\話者が察象を抂念化しお捉えた衚珟で,日本語では,名詞,動詞,圢容詞,副詞,連䜓詞,接蟞で衚される.䞻芳的な感情や意志などであっおも,それが話者の察象ずしお捉えられたものであれば抂念化し,客䜓的衚珟ずしお衚される.実䜓,属性,関係からなる察象のうち,実䜓を抂念化したものが名詞である.\item䞻䜓的衚珟\\話者の䞻䜓的な感情,芁求,意志,刀断などを盎接衚珟したものであり,日本語では,助詞,助動詞陳述を衚す零蚘号,すなわち,図\ref{fig:ireko}に瀺す蚘号φのように肯定刀断を衚し,衚珟ずしおは省略された助動詞を含む,感動詞,接続詞,陳述副詞で衚される.\end{itemize}\begin{figure}\begin{picture}(300,40)(-100,30)\put(15,35){\framebox(175,40){}}\put(20,40){\framebox(40,30){梅}}\put(60,43){\framebox(20,24){の}}\put(85,40){\framebox(40,30){花}}\put(125,43){\framebox(20,24){が}}\put(150,40){\framebox(40,30){咲く}}\put(190,43){\framebox(20,24){φ}}\end{picture}\caption{句の入れ子型構造}\vspace*{-1mm}\label{fig:ireko}\end{figure}\vspace*{-0.5mm} \section{助詞「が」ず「は」の意味分析} \vspace*{-0.5mm}日本語の栌助詞「が」,副助詞・係助詞「は」の意味解釈に぀いおは,倚くの囜語孊者・蚀語孊者により論じられおおり,既に皮々の孊説が提案されおいる.䟋えば,久野は図\ref{fig:kuno}に瀺すように,「は」を䞻題ず察照に,「が」を䞭立叙述ず総蚘ず目的栌に分け,新情報旧情報ずいう芳点から「が」ず「は」の盞違を論じおいる(久野1973).しかし,埓来の孊説の䞻な論点は,䞻題䞻栌,新情報旧情報などずいった点にずどたっおおり,話者の察象認識過皋たで螏み蟌んだ議論はあたりされおいない.池田は,認知的な芳点から,「は」が「その発話の察象䞖界が䜕であるかを指し瀺すものである」のに察しお,「が」は「察象䞖界に぀いお叙述する際の着目察象を指すもの」ずいう説明原理に基づいお説明するこずを詊みおいる(池田1989)時枝の蚀語過皋説(時枝1941,1950)を発展的に継承した䞉浊の助詞論(䞉浊1967b,1972,1975,1976)によれば,助詞は甚蚀に察する実䜓の関係栌関係などを瀺すだけでなく,実䜓に察する話者の捉え方をも衚す.以䞋では,このような芳点から,栌助詞「が」,および副助詞・係助詞「は」を察象に話者の察象認識過皋からみた意味分析を行ない,栞ずなる抂念コア抂念を明らかにする.さらに,「は」や「が」を䜿い分けるこずによっお生ずる埮劙なニュアンスの違いをも解析できるようなより高床な日本語文の意味凊理を実珟するための助詞「は」「が」に関する分類芏則を䜜る.\begin{figure}\hspace*{10mm}䞻題総称鯚\underline{は}ホニュり類です.\\\hspace*{10mm}䞻題文脈指瀺倪郎\underline{は}孊生です.\\\hspace*{10mm}察照雚\underline{は}降っおいたすが雪\underline{は}降っおいたせん.\\\hspace*{10mm}䞭立叙述雚\underline{が}降っおいたす.\\\hspace*{10mm}総蚘倪郎\underline{が}孊生です.\\\hspace*{10mm}目的栌僕は花子\underline{が}奜きだ.\caption{助詞「は」ず「が」の甚法久野}\vspace*{-1mm}\label{fig:kuno}\end{figure}\subsection{䞉浊文法による助詞の扱い}蚀語衚珟には䞇人に共通する察象のあり方がそのたた衚珟されおいるわけではなく,察象のあり方が話者の認識察象の芋方,捉え方,話者の感情・意志・刀断など察象に立ち向かう話者の心的状況を通しお衚珟されおいる.すなわち,蚀語は察象-認識-衚珟の過皋的構造を持぀.ここで,意味ずは「音声や文字に結び付き固定された察象ず認識ずの間の関係」であり,蚀語衚珟そのものに客芳的に存圚する.語は衚珟されお初めお意味関係を生じるのであり,察象や認識は意味を構成する実䜓である.蚀語衚珟は,話者が察象を抂念化しお捉えた客䜓的衚珟詞ず話者の䞻芳的な感情・芁求・意志・刀断などを盎接的に衚珟した䞻䜓的衚珟蟞に分けられる.日本語文は詞が蟞を䌎っお入れ子を構成しおいく,入れ子構造モデルずしお捉えられる.助詞は蟞であり,察象実䜓に立ち向かう話者の立堎を盎接衚珟する.助詞のうち,実䜓のあり方の認識を衚すのが栌助詞,認識に察する陳述の芁求を衚すのが係助詞,実䜓や認識に察する芳念的前提の付加を衚すのが副助詞である.栌助詞「が」は実䜓の個別性,係助詞「は」は実䜓の普遍性,副助詞「は」は実䜓の特殊性を衚す.\vspace*{-0.5mm} \section{助詞「が」「は」のコア抂念} \vspace*{-0.5mm}䞀般に察象は耇雑な構造ず倚様な属性を持ち,その数は数えきれない.このような性質を持぀察象を有限な胜力で認識するには,皮々の捚象が行なわれる.すべおの察象はそれ自身を他ず区別する特城を持぀ず同時に䜕らかの共通性を持぀.この個別性ず普遍性は盞察的なものであり,認識者の芖点によっお盞互に入れ替わる.ここで,察象の個別性に着目すれば,察象は具䜓的に取り䞊げられ,普遍性に着目すれば察象の個別的偎面は捚象されお抜象化が行なわれる.\subsection{助詞「が」のコア抂念}栌助詞「が」は,察象実䜓の個別的偎面に着目しお,その時その時の実䜓のあり方を個別的・具䜓的に取り䞊げるこずを衚す.䟋えば,「鳥が飛ぶ」においおは,認識者の目前にいる「鳥」ずいう皮クラスに属する個䜓むンスタンスずしおの「鳥」を取り䞊げおいる.久野の䞭立叙述は,この甚法にあたる.たた,クラスずしおの「鳥」も,より抜象化された䞊䜍抂念であるクラスずしおの「動物」から芋れば,個別的・具䜓的に取り䞊げたこずになる.特殊な文脈においお,今話題にのがっおいる動物の䞭で,「鳥だけこそ飛ぶ」ずいう意味で,「鳥が飛ぶ」ず衚珟する堎合にも,実䜓の個別性を衚す栌助詞「が」が䜿われる.この堎合は個別性が特に匷調され,実䜓の限定性・排他性を衚すようになる.久野の総蚘や目的栌は,このような甚法にあたる.栌助詞「が」は,埓来,新情報や䞻栌を衚すず蚀われおいる.しかし,新情報は,性質䞊個別に取り䞊げる必芁があるから,たた,䞻栌は甚蚀に必須のものずしおやはり個別に取り䞊げる必芁があるから,それぞれ「が」が䜿われるず考えるべきである.たた,「が」は䞻栌以倖にも䜿われるこずは,久野が「が」の甚法ずしお目的栌をあげおいるこずからも明らかであろう.さらに,池田の「察象䞖界の䞭で着目するもの」は,圓然個別に取り䞊げる必芁があるため,「が」が䜿われるず考えられる.\subsection{助詞「は」のコア抂念}係助詞「は」は,察象の普遍的偎面に着目しお,い぀も替わらない実䜓のあり方を普遍的・抜象的に取り䞊げるこずを衚す.䟋えば,「鳥は飛ぶ」においおは,むンスタンスずしおの「鳥」ではなく,クラスずしおの「鳥」を取り䞊げおいる.久野の䞻題総称は,このような甚法にあたる.副助詞「は」は,察象を他の実䜓ず比范しおその特別なあり方,すなわち実䜓の特殊性を取り䞊げるこずを衚す.通垞,ある芳念的前提が存圚する.䟋えば,「昚日は遅刻した」においおは,「い぀もは遅刻しない」ずいう芳念的前提が存圚しおおり,「遅刻する」ずいう芳点から芋た「今日,䞀昚日,\ldots」ず比范した「昚日」の特殊性を取り䞊げおいる.たた,特殊な文脈においお,今話題にのがっおいる動物の䞭で,「他のものず異なり鳥こそ飛ぶ」ずいう意味で,「鳥は飛ぶ」ず衚珟する堎合にも,実䜓の特殊性を衚す副助詞「は」が䜿われる.この堎合,実䜓の限定性・排他性を衚す「鳥が飛ぶ」ず類䌌な衚珟であるが,「が」を甚いた堎合に比べお,排他性はあたりない.久野の䞻題文脈指瀺は䞊蚘のような甚法に圓たる.さらに,「雚は降っおいるが雪は降っおいない」では,「雚」のずきは「雪などそれ以倖の倩候」ではなく,「雪」のずきは「雚などそれ以倖の倩候ではないこずを意識しお,盞互前提においお䞡者「雚」ず「雪」の特殊性を取り䞊げおいる.この盞互前提から察照の意味が生ずる.久野の察照は,このような甚法にあたる.副助詞・係助詞「は」は,埓来,旧情報や䞻題を衚すず蚀われおいる.しかし,実䜓の普遍的偎面䟋えば,クラスずしおの鳥の抂念は,誰でもが共通の知識ずしおもっおいる既知の情報,すなわち旧情報である.たた,実䜓の特殊的偎面は,話者ず聞き手の間で察象の比范察象ずなる実䜓や芳念的前提ずずもに知識を共有しおいお始めお理解できる旧情報である.このような旧情報を「は」で取り䞊げ,それらに぀いお叙述する,すなわち新情報を付加するこずにより䞻題の意味を生じるのである.さらに,池田の「察象䞖界が䜕であるか指し瀺すもの」は,「は」が䞻題を瀺すこずを別な衚珟で述べたものず蚀える. \section{助詞の意味分類} \subsection{助詞「が」ず「は」の意味芏則}\label{sec:gatoha}䞉浊文法に基づく助詞「が」ず「は」の意味芏則の芁点は次の通りである.たず,意味を「音声や文字に結び付き固定された察象ず認識ずの間の関係」即ち,察象ず認識ずの間の関係ず定矩した䞊で,助詞「が」ず「は」に前接する名詞の぀の範疇クラスずむンスタンスを衚す範疇,むンスタンスを衚す範疇,クラスを衚す範疇に察しお助詞「が」ず「は」の意味分類を次のように定矩しおいる.\\+が前接する名詞が目的栌の堎合,をず捚象し限定性.\\~䟋酒が奜きだ.氎が飲みたい.\\前接する名詞が総蚘の堎合,をず捚象し限定性.\\~䟋燕が鳥だ.子䟛がかかりやすい.\\䞊蚘以倖の堎合,をず捚象し個別性.\\~䟋鳥が飛ぶ.雪が癜い.犬がいる.\\+は存圚文の堎合,をず捚象し特殊性.\\~䟋犬はいる.本はある.\\前接する名詞が察照の堎合,をず捚象し特殊性.\\~䟋月は東に日は西に.\\前接する名詞が目的栌の堎合,をず捚象し特殊性.\\~䟋酒は奜きだ.氎は飲みたい.\\䞊蚘以倖の堎合,をず捚象し普遍性.\\~䟋鳥は飛ぶ.雪は癜い.燕は鳥だ.\\+が限定性.~䟋倪郎が孊生です.\\+は特殊性.~䟋倪郎は孊生です.\\+が限定性.~䟋鳥類がハチュり類から進化した.\\+は普遍性.~䟋鳥類はハチュり類から進化した.\subsection{助詞「を」ず「に」の意味分類}\label{sec:wotoni}助詞「を」ず「に」のコア抂念に぀いおは,䞉浊文法(䞉浊1967b,1972,1975,1976)に準拠しおいる.すなわち,「を」は,実䜓ず属性ずの動的な目暙ずしおの関係付けを行ない,「に」は,実䜓ず属性ずの静的な目暙ずしおの関係付けを行なう.意味分類は,助詞に前接する名詞あるいは,他の品詞の䞊䜍抂念により,「を」を぀,「に」を぀に分けるこずにした(森岡,埳川,川端,䞭村,星野1993).\\堎所+を堎所.~䟋鳥が空を飛ぶ.\\時+を時.~䟋この宿で倜を過ごす.\\行為+を行為.~䟋圌は仕事をする.\\䞊蚘以倖+を動的察象.~䟋癜い䞊着を着る.\\堎所+に堎所.~䟋䞊朚の道に雚が降る.\\時+に時.~䟋䞉時に䌚いたした.\\様態+に様態.~䟋巊右に揺れる.\\行為+に目的.~䟋忘れ物を取りに垰る.\\䞊蚘以倖+に静的察象.~䟋あなたに枡すものがある. \section{パヌザの基本的枠組} 次に話者の察象認識過皋を分析するパヌザの基本的枠組に぀いお蚘述する.\\・文法芏則はDCG圢匏ずする.\\これは,我々がSGLRパヌザ埌述を䜿甚しおいるこずによる.\\・DCGの蚘述はチョムスキヌ暙準圢に準ずる.\\チョムスキヌ暙準圢は,文法に意味制玄を加えるこずずの敎合性が良い.すなわち,芏則右蟺の非終端蚘号が぀のみ存圚するずいう点が,二぀の芁玠を意味分類しお,䞀぀の結果を䜜るずいう枠組を導入でき,構文解析ず,意味解析の融合を図るこずができる.\\・党おの名詞に匕数ずしお,,,,,の分類ただし,は動䜜名詞,は目的栌をずる状態名詞,は目的栌をずらない状態名詞を衚す.ず,䞊䜍抂念を䞎える.\\䞊䜍抂念ずしおは,助詞「を」ず「に」の意味分類に適合するものずしお,人,動物,物,堎所,時,衚珟,行為などを割り振る.\\・党おの助詞,助動詞に匕数ずしおその語を䞎える.\\・党おの動詞に,䞊䜍の意味抂念を䞎える.(宮厎,高橋1993)の意味分類では甚いられないものも含む.\\・意味分類は補匷項で行なう.\\これは,DCG圢匏の芁請によるものである.SGLRパヌザは,これにより,意味解析ず構文解析を融合しお行なう.\\・構文解析ず意味分類を同時に進める.\\・意味分類の同定は,トップレベルの芏則で呌び出す.\\・構文的曖昧性がある堎合は,曖昧な個々の解析に意味分類を䞎える.これにより,構文的曖昧性を,意味分類を通しお,削枛できる可胜性が生ずる.\\・話者の察象認識過皋は,構文朚の客䜓刀断である詞ず,䞻䜓刀断である蟞ずしお取り出す.さらに,助詞「が」ず「は」の甚法の分類ずしお,話者の察象に察する芋方を抜出する. \section{文法ず蟞曞の詊䜜} 以䞊に基づき詊䜜した簡易版の文法ず蟞曞を図\ref{fig:gram},図\ref{fig:dict}に瀺す.文法ず蟞曞はDCG圢匏に埓っおおり,補匷項のプログラム呌び出しにより,意味凊理を行なう.補匷項のプログラムは図\ref{fig:augmentation}に瀺した.これをSGLRパヌザに実装するこずにより,構文解析を行なう.パヌザの動䜜はボトムアップに情報を組み立おおいく.これにより,情報は匕数ずしお䞎えられた倉数を通し,朚の末端のカテゎリから䞊䜍のカテゎリに向かっお流れる.文法は,おおむね䞉浊文法の圢匏に埓っおいる.特に,零刀断蟞ずいうものを,導入しおいる点は,埓来のものず異なる.零刀断蟞は,話者の䞻䜓的刀断を瀺す重芁な芁玠である.これに぀いおは,実隓䟋で説明する.たた,蟞曞の各項目には,匕数ずしお,意味的情報が付加されおいる.以䞋,補匷項のプログラムに぀いお説明する.``分類''は,埌眮詞句における,助詞の意味分類を行なう.''同定''は,話者の察象認識過皋の認識を呌び出す.''認識''では,\ref{sec:gatoha},\ref{sec:wotoni}に瀺した意味分類芏則に埓っお,助詞の圹割を分類する.''認識''の第䞀匕数においお,助詞の皮類ず名詞の分類に応じ,第六匕数に分類の結果を返す.''述郚''は,認識の際に,述語の情報を必芁ずする時,それを呌び出すものである.\newpage\begin{figure}[htb]\footnotesize\verb|文法|\\\begin{minipage}[t]{.48\textwidth}\begin{verbatim}文(S)-->文(S1),文(S2),{同定1(S1,S2,S)}.文(S)-->詞(P),蟞(D),{同定(P,D,S)}.詞(S)-->埌眮詞句(P),動詞(V),{結合(P,[述語(V)],S)}.詞(S)-->埌眮詞句(P),名詞(N),{結合(P,[述語(N)],S)}.詞(S)-->埌眮詞句(P),圢容詞(A),{結合(P,[述語(A)],S)}.詞(S)-->埌眮詞句(P1),圢匏動詞句(P2),{結合(P1,[述語(P2)],S)}.詞(S)-->埌眮詞句(P),仮定動詞(V),{芁玠(指瀺栌(_),P),結合(P,[述語(V)],S)}.埌眮詞句(P)-->埌眮詞句(P1),埌眮詞句(P2),{結合(P1,P2,P)}.埌眮詞句(P)-->動詞(A),助詞(ni),{分類([A,ni],P)}.埌眮詞句(P)-->名詞(A),助詞(D),{分類([A,D],P)}.\end{verbatim}\end{minipage}\begin{minipage}[t]{.48\textwidth}\begin{verbatim}埌眮詞句(P)-->名詞句([S,A]),助詞(D),{分類([A,D],P0),結合(S,P0,P)}.埌眮詞句(P)-->圢容詞(A),蟞0(D),{分類([A,D],P)}.名詞(P)-->代名詞(N),名詞(P).名詞句([S,P])-->文(S),名詞(P),{述郚(S,行為)}.圢匏動詞句([n4,V])-->名詞([n4,_]),圢匏動詞(V).仮定動詞(存圚)-->[].蟞0(φ)-->[].蟞(D)-->蟞0(D).蟞(da)-->助動詞(da).蟞(masu)-->助動詞(masu).蟞(ADJ)-->圢匏圢容詞(ADJ),蟞0(D).蟞([masu,ta])-->助動詞(masu),助動詞(ta).蟞(X)-->蟞0(D),助動詞(X),{X==ta;X==tai;X==nai;X==darou}.\end{verbatim}\end{minipage}\normalsize\caption{詊䜜した日本語文法}\label{fig:gram}\end{figure}\begin{figure}[htb]\footnotesize\verb|蟞曞|\\\begin{minipage}[t]{.32\textwidth}\begin{verbatim}名詞([n1,動物])-->[鯚].名詞([n1,物])-->[雹].名詞([n1,物])-->[酒].名詞([n1,物])-->[æ°Ž].名詞([n1,堎所])-->[東].名詞([n1,堎所])-->[道].名詞([n1,物])-->[侊着].名詞([n1,物])-->[忘れ物].名詞([n2,人])-->[僕].名詞([n2,人])-->[花子].名詞([n2,時])-->[倜].名詞([n3,動物])-->[鳥類].名詞([n4,様態])-->[進化].名詞([n51,感情])-->[奜き].代名詞(kono)-->[この].助詞(ga)-->[が].助詞(wo)-->[を].助詞(de)-->[で].助動詞(da)-->[です].助動詞(ta)-->[た].助動詞(masu)-->[たす].動詞(珟象)-->[かかり].動詞(珟象)-->[降る].動詞(行為)-->[飲み].動詞(行為)-->[行く].動詞(行為)-->[過ごす].動詞(行為)-->[揺れる].動詞(行為)-->[䌚い].動詞(存圚)-->[ある].圢匏動詞(行為)-->[した].圢匏圢容詞(皋床)-->[やすい].\end{verbatim}\end{minipage}\begin{minipage}[t]{.32\textwidth}\begin{verbatim}名詞([n1,動物])-->[犬].名詞([n1,物])-->[本].名詞([n1,物])-->[月].名詞([n1,物])-->[花].名詞([n1,堎所])-->[西].名詞([n1,動物])-->[燕].名詞([n1,物])-->[䞊朚].名詞([n2,人])-->[私].名詞([n2,人])-->[あなた].名詞([n2,数])-->[侉].名詞([n3,動物])-->[ホニュり類].名詞([n3,動物])-->[ハチュり類].名詞([n4,様態])-->[巊右].名詞([n52,様態])-->[きれい].助詞(ha)-->[は].助詞(ni)-->[に].助詞(no)-->[の].助詞(kara)-->[から].助動詞(da)-->[だ].助動詞(tai)-->[たい].助動詞(masu)-->[たし].動詞(珟象)-->[降っお].動詞(行為)-->[飛ぶ].動詞(行為)-->[取り].動詞(行為)-->[着る].動詞(行為)-->[枡す].動詞(行為)-->[åž°ã‚‹].動詞(存圚)-->[いる].圢匏動詞(存圚)-->[い].圢容詞(色)-->[癜い].\end{verbatim}\end{minipage}\begin{minipage}[t]{.32\textwidth}\begin{verbatim}名詞([n1,人])-->[孊生].名詞([n1,人])-->[子䟛].名詞([n1,物])-->[雪].名詞([n1,動物])-->[é³¥].名詞([n1,堎所])-->[空].名詞([n1,物,時])-->[日].名詞([n1,物])-->[もの].名詞([n2,堎所])-->[宿].名詞([n2,人])-->[倪郎].名詞([n2,時])-->[昚日].\end{verbatim}\end{minipage}\normalsize\caption{詊䜜した日本語蟞曞}\label{fig:dict}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\footnotesize\begin{verbatim}分類([[N|_],ha],[䞻題(N)]):-!.分類([[N|_],ga],[総蚘(N)]):-!.分類([[_,N|_],wo],[目的栌(N)]):-!.分類([[_,N|_],ni],[指瀺栌(N)]):-!.分類([V,ni],[指瀺栌(V)]):-!.分類([N,to],[同䜍栌(N)]):-!.分類([N,mo],[同䞻題(N)]):-!.分類([N,no],[所有栌(N)]):-!.分類([X,Y],[その他(X,Y)]):-!.結合([],X,X):-!.結合([A|X],Y,[A|Z]):-結合(X,Y,Z).芁玠(X,[X|_]):-!.芁玠(X,[_|R]):-芁玠(X,R).同定([A|L],D,[B|R]):-同定([A|L],D,[0,0],[B|R]).同定([[]|L],D,F,R):-同定(L,D,F,R).同定([A|L],D,F,[A|R]):-A=[_|_],同定(L,D,F,R).同定([A|L],D,F,[B|R]):-認識(A,L,D,F,F1,B),同定(L,D,F1,R).同定([],_,_,[]).同定1(S,S,[察照,S]):-!.認識(総蚘(n1),L,da,[0,N],[1,N],[[→+が],総蚘,限定性]):-述郚(L,[n1,_]).認識(総蚘(n1),L,da,[0,N],[1,N],[[→+が],目的栌,限定性]):-述郚(L,[n51,_]),!.認識(総蚘(n1),L,tai,[0,N],[1,N],[[→+が],目的栌,限定性]):-述郚(L,行為).認識(総蚘(n1),L,皋床,[0,N],[1,N],[[→+が],総蚘,限定性]).認識(総蚘(n1),L,_,[0,N],[1,N],[[→+が],䞭立叙述,個別性]).認識(総蚘(n2),L,_,[0,N],[1,N],[[+が],総蚘,限定性]).認識(総蚘(n3),L,_,[0,N],[1,N],[[+が],総蚘,限定性]).認識(䞻題(n1),L,_,[N,0],[N,1],[[→+は],存圚,特殊性]):-述郚(L,存圚).認識(䞻題(n1),L,da,[N,0],[N,1],[[→+は],目的栌,特殊性]):-述郚(L,[n4,_]).認識(䞻題(n1),L,da,[N,0],[N,1],[[→+は],目的栌,特殊性]):-述郚(L,[n51,_]).認識(䞻題(n1),L,tai,[N,0],[N,1],[[→+は],目的栌,特殊性]).認識(䞻題(n1),L,_,[N,0],[N,1],[[→+は],総称,普遍性]).認識(䞻題(n2),L,_,[N,0],[N,1],[[+は],文脈指瀺,特殊性]).認識(䞻題(n3),L,_,[N,0],[N,1],[[+は],総称,普遍性]).認識(目的栌(堎所),L,_,F,F,[目的栌,堎所]):-!.認識(目的栌(時),L,_,F,F,[目的栌,時]):-!.認識(目的栌(物),L,_,F,F,[目的栌,動的察象]):-!.認識(目的栌(動物),L,_,F,F,[目的栌,動的察象]):-!.認識(目的栌(人),L,_,F,F,[目的栌,動的察象]):-!.認識(目的栌(行為),L,_,F,F,[目的栌,行為]):-!.認識(目的栌(_),L,_,F,F,[目的栌,動的察象]).認識(指瀺栌(堎所),L,_,F,F,[指瀺栌,堎所]):-!.認識(指瀺栌(時),L,_,F,F,[指瀺栌,時]):-!.認識(指瀺栌(堎合),L,_,F,F,[指瀺栌,堎合]):-!.認識(指瀺栌(様態),L,_,F,F,[指瀺栌,様態]):-!.認識(指瀺栌(行為),L,_,F,F,[指瀺栌,目的]):-!.認識(指瀺栌(物),L,F,_,F,[指瀺栌,静的察象]):-!.認識(指瀺栌(動物),L,_,F,F,[指瀺栌,静的察象]):-!.認識(指瀺栌(人),L,_,F,F,[指瀺栌,静的察象]):-!.認識(指瀺栌(_),L,_,F,F,[指瀺栌,静的察象]).認識(その他(_,_),L,_,F,F,[]).認識(所有栌(_),L,_,F,F,[]).認識(述語(P),L,_,F,F,述語(P)).述郚([述語(P)|_],P):-!.述郚([A|L],P):-述郚(L,P).\end{verbatim}\normalsize\caption{意味分類の芏則}\label{fig:augmentation}\end{figure}\normalsize\clearpage \section{パヌザぞの実装} Prolog䞊に,DCG文法の圢匏により,話者の察象認識過皋に基づく助詞の意味分類を瀺した.その際,ボトムアップに情報が流れるように蚘述しおいる.この点は,SGLRパヌザを䜿甚するが故の文法の特殊性ずいえる.しかし,この文法は,他のDCGのボトムアップパヌザにも適甚できる文法であり,その意味で,文法には䞀般性があるずいえる.\subsection{SGLRパヌザに぀いお}SGLRパヌザ(沌厎,田侭1991)は,Prolog䞊に構築された䞀般化LRパヌザで,富田法に準ずる構文解析のアルゎリズムを持っおいる.その特城は,構文解析で甚いるスタックが耇数生ずる堎合,これを統合し,凊理効率を䞊げおいるこず,及び,DCG文法を甚いるこずにより,構文解析ず意味解析の融合を図れる枠組を提䟛しおいるこずである.䞊のような文法ず蟞曞,及び,補匷項のプログラムを甚意すれば,SGLRのトランスレヌタが文法ず蟞曞をボトムアップに動䜜するPrologプログラムに倉換し,構文解析を行なうこずができる.\subsection{実隓結果}䞊蚘の文法,蟞曞,意味分類芏則をSGLRパヌザ䞊で動䜜させた結果を䞋に瀺す.\small\begin{verbatim}inputsentense:酒,が,奜き,だ.酒,が,奜き,だLength:4executiontime=0msec|-文|-詞||-埌眮詞句|||-名詞--酒|||-助詞--が||-名詞--奜き|-蟞|-助動詞--だArgumentInformation:[[[[→+が],目的栌,限定性],述語([n51,感情])]]NumberofTreesare:1\end{verbatim}\normalsizeこの䟋は,「が」の解析結果ずしお,「酒」が目的栌になっおおり,N1のカテゎリが,N3のカテゎリに捚象されおいるここずを瀺しおいる.たた,客䜓的衚珟を''詞''ずしお,䞻䜓的衚珟を''蟞''ずしお取り出しおいる.この点ず,捚象の刀断においお,話者の察象認識過皋の実装に成功しおいる.\small\begin{verbatim}inputsentense:月,は,東,に,日,は,西,に.月,は,東,に,日,は,西,にLength:8executiontime=60msec|-文|-文||-詞|||-埌眮詞句||||-埌眮詞句|||||-名詞--月|||||-助詞--は||||-埌眮詞句||||-名詞--東||||-助詞--に|||-仮定動詞--[]||-蟞||-蟞0--[]|-文|-詞||-埌眮詞句|||-埌眮詞句||||-名詞--日||||-助詞--は|||-埌眮詞句|||-名詞--西|||-助詞--に||-仮定動詞--[]|-蟞|-蟞0--[]ArgumentInformation:[[察照,[[[→+は],存圚,特殊性],[指瀺栌,堎所],述語(存圚)]]]NumberofTreesare:1\end{verbatim}\normalsizeこの文は,察照の文であるこずを瀺すず同時に,「東」ず「西」が堎所を瀺すこずを衚しおいる.\small\begin{verbatim}inputsentense:é³¥,が,空,を,飛ぶ.é³¥,が,空,を,飛ぶLength:5executiontime=10msec|-文|-詞||-埌眮詞句|||-埌眮詞句||||-名詞--é³¥||||-助詞--が|||-埌眮詞句|||-名詞--空|||-助詞--を||-動詞--飛ぶ|-蟞|-蟞0--[]ArgumentInformation:[[[[→+が],䞭立叙述,個別性],[目的栌,堎所],述語(行為)]]NumberofTreesare:1\end{verbatim}\normalsizeこの文は,「が」の䞭立叙述の甚法であるこずを瀺し,「を」の解析においお,「空」が堎所であるこずを瀺しおいる.たた,文末に付加された「蟞0」は,零刀断蟞ずいい,肯定の助動詞がそこに省略されおいるこずを瀺しおいる.\small\begin{verbatim}inputsentense:あなた,に,枡す,もの,が,ある.あなた,に,枡す,もの,が,あるLength:6executiontime=10msec|-文|-詞||-埌眮詞句|||-名詞句||||-文|||||-詞||||||-埌眮詞句|||||||-名詞--あなた|||||||-助詞--に||||||-動詞--枡す|||||-蟞|||||-蟞0--[]||||-名詞--もの|||-助詞--が||-動詞--ある|-蟞|-蟞0--[]ArgumentInformation:[[[指瀺栌,静的察象],述語(行為),[[→+が],䞭立叙述,個別性],述語(存圚)]]NumberofTreesis:1\end{verbatim}\normalsizeこの解析は,「が」の総蚘の甚法であり,「あなた」が察象であるこずを瀺しおいる.たた,文末の蟞0は,そこに肯定の助動詞が省略されおいるこずを瀺しおいる.䞊蚘のように本論文に蚘茉した䟋文に぀いおは,党お正しく意味分類がなされた.たた,予想されおいたこずではあるが,構文的曖昧性も著しく枛少するこずが刀明した.䟋えば,「月は東に日は西に.」の文には,66通りの構文朚が存圚するが,意味制玄によりそれが1぀に絞られ,解析時間も4.5倍速くなっおいる. \section{結論} 本研究では,DCG文法に基づいお,助詞「が」ず「は」及び,「に」ず「を」の意味分類を行なうパヌザの基本的枠組を提案し,その有甚性を実蚌した.話者の察象認識過皋の分析に぀いお蚀えば,客䜓的衚珟ず䞻䜓的衚珟を詞ず蟞の圢で取り出す文法を詊䜜した点ず,䞻䜓的衚珟である助詞の意味分類をSGLRパヌザ䞊に実装した点で,話者の察象の芋方の抜出に成功したず蚀える.今埌はさらに,話者の察象の捉え方や感情,刀断,意志等を分類抜出する拡匵が期埅できる.さらに,パヌザ自䜓も,䞉浊文法による圢態玠解析システム(高橋,䜐野,宍倉,前川,宮厎1993)ず結合し,䞉浊文法による本栌的な統語意味融合型の文法を構築し,構文的曖昧性の意味制玄を甚いた解消の怜蚎を行なう予定である.\acknowledgment最埌に「は」ず「が」の意味分析においお埡蚎論頂いたNTTコミュニケヌション科孊研究所の,池原悟,癜井諭の䞡氏に感謝する.\nocite{Ikeda1989}\nocite{Kuno1973}\nocite{Miura1967a}\nocite{Miura1967b}\nocite{Miura1972}\nocite{Miura1975}\nocite{Miura1976}\nocite{Miyazaki1993}\nocite{Morioka1993}\nocite{Noguchi1990}\nocite{Numazaki1991}\nocite{Takahashi1993}\nocite{Tokieda1941}\nocite{Tokieda1950}\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{nls}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{沌厎浩明}1986幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業.1988幎同倧孊院修士課皋修了.同幎(æ ª)䞉菱総合研究所入瀟.1989幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋入孊.1992幎同倧孊院博士課皋修了.日本孊術振興䌚特別研究員.1993幎より新期倧孊工孊郚情報工孊科助手.自然蚀語理解,察話システムなどの研究に埓事.工孊博士.1990幎情報凊理孊䌚孊術奚励賞受賞.電子情報通信孊䌚,情報凊理孊䌚,各䌚員.1995幎7月死去.\bioauthor{宮厎正匘}1969幎東京工業倧孊工孊郚電気工孊科卒業同幎日本電信電話公瀟に入瀟以来電気通信研究所においお倧型コンピュヌタの開発コンピュヌタシステムの性胜評䟡法の研究日本文音声出力システムや機械翻蚳などの自然蚀語凊理の研究に埓事1989幎より新期倧孊工孊郚情報工孊科教授自然蚀語理解機械翻蚳蟞曞・シ゜ヌラスなど自然蚀語凊理甚蚀語知識の䜓系化などの研究に埓事工孊博士1995幎日本科孊技術情報センタヌ賞(孊術賞)受賞.電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員.\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V09N05-01
\section{はじめに} 自然蚀語凊理においおchunk同定問題(chunking)ずは単語列(䞀般にこれをtoken列ずよぶ)をある芖点からたずめ䞊げおいきたずめ䞊げた固たり(chunk)をそれらが果たす機胜ごずに分類する䞀連の手続きのこずを指すこの問題の範疇にある凊理ずしお英語の単名詞句同定(baseNPchunking)任意の句の同定(chunking)日本語の文節たずめ䞊げ固有名詞/専門甚語抜出などがあるたた各文字をtokenずしおずらえるならば英語のtokenization日本語のわかち曞き品詞タグ付けなどもchunk同定問題の䞀皮ずしおずらえるこずができる䞀般にchunk同定問題は文脈から埗られる情報を玠性ずしおずらえそれらの情報から粟床良くchunkを同定するルヌルを導出する手続きずみなすこずができるそのため各皮の統蚈的機械孊習アルゎリズムを適甚可胜である実際に機械孊習を甚いた倚くのchunk同定手法が提案されおいる\cite{Ramshaw95,Tjong_Kim_Sang2000a,Tjong_Kim_Sang2000b,Tjong_Kim_Sang2000d,内元00,Sassano00b}しかしながら埓来の統蚈的手法はいく぀かの問題がある䟋えば隠れマルコフモデルや最倧゚ントロピヌ(ME)モデルは玠性どうしの組み合わせ(共起関係)を効率良く孊習できず有効な組み合わせの倚くは人手によっお蚭定されるたた倚く機械孊習アルゎリズムは高い粟床を埗るために慎重な玠性遞択を芁求しこれらの玠性遞択も人間の発芋的な手続きにたよっおいる堎合が倚い䞀方統蚈的機械孊習の分野ではBoosting\cite{Freund96}SupportVectorMachines(SVMs)\cite{Vapnik95a,Vapnik98}等の孊習サンプルず分類境界の間隔(マヌゞン)を最倧化にするような戊略に基づく手法が提案されおいる特にSVMは孊習デヌタの次元数(玠性集合)に䟝存しない極めお高い汎化胜力を持ち合わせおいるこずが実隓的にも理論的にも明らかになっおいるさらにKernel関数を導入するずこで非線圢のモデル空間を仮定したり耇数の玠性の組み合せを考慮した孊習が可胜であるこのような優䜍性からSVMは倚くのパタヌン認識の分野に応甚されおいる自然蚀語凊理の分野においおも文曞分類や係り受け解析に応甚されおおり埓来の手法に比べお高い性胜を瀺しおいる\cite{Joachims99,å¹³2000,kudo2000b,kudo2000c,工藀02}本皿ではchunk同定問題ずしお英語の単名詞句のたずめ䞊げ(baseNPchunking)および英語の任意の句の同定(chunking)を䟋にずりながら孊習手法ずしおSVMを甚いた手法を述べるさらにchunkの衚珟方法が異なる耇数の孊習デヌタから独立に孊習しそれらの重み付き倚数決を行うこずでさらなる粟床向䞊を詊みるその際本皿では各モデルの重みずしおSVMに固有の新たな2皮類の重み付けの手法を提案する本皿の構成は以䞋の通りである2章でSVMの抂芁を説明し3章で䞀般的なchunk同定モデルおよびSVMの具䜓的な適甚方法重み付け倚数決の方法に぀いお述べるさらに4章で実際のタグ付きコヌパスを甚いた評䟡実隓を提瀺し最埌に5章で本皿をたずめる \section{SupportVectorMachine} \subsection{最適分離平面}分類問題においお正䟋負䟋の2぀のクラスに属す孊習デヌタのベクトル集合を\begin{eqnarray*}({\bfx}_i,y_i),\ldots,({\bfx}_l,y_l)\qquad{\bfx}_i\in{\bfR}^n,\,\,y_i\in\{+1,-1\}\end{eqnarray*}ずするここで${\bfx}_i$はデヌタ$i$の特城ベクトルで䞀般的に$n$次元の玠性ベクトル$({\bfx}_i=[f_1,f_2,\ldots,f_n]^T\in{\bfR}^n)$で衚珟される$y_i$はデヌタ$i$が正䟋($+1$)あるいは負䟋($-1$)のいずれかを衚わす倀であるパタヌン認識ずはこの孊習デヌタ${\bfx}_i\in{\bfR}^n$からクラスラベル出力$y\in\{\pm1\}$ぞの識別関数$f:{\bfR}^n\rightarrow\{\pm1\}$を導出するこずにあるSVMでは以䞋のような$n$次元Euclid空間䞊の平面で正䟋負䟋を分離するこずを考える\begin{eqnarray}{\bfw}^T{\bfx}+b=0\qquad{\bfw}\in{\bfR}^n,b\in{\bfR}\label{eq:hyperplane}\end{eqnarray}この時近接する正䟋ず負䟋の間の間隔({\bfマヌゞン})ができるだけ倧きいほうが汎化胜力が高く粟床よく評䟡デヌタを分類できる図\ref{fig:hyperplane}に2次元空間䞊の正䟋(癜䞞)負䟋(é»’äžž)を分離する問題を䟋にこのマヌゞン最倧化の抂略を衚す\begin{figure}\begin{center}\epsfxsize=7cm\epsfbox{hyperplane.eps}\caption{マヌゞン最倧化}\label{fig:hyperplane}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:hyperplane}䞭の実線は匏(\ref{eq:hyperplane})の分離平面を瀺す䞀般にこのような分離平面は無数に存圚し図\ref{fig:hyperplane}に瀺す2぀の分離平面はどちらも孊習デヌタを誀りなく分離しおいる分離平面に平行する2぀の砎線は分離平面が傟き${\bfw}$を倉化させないたた平行移動したずきに分類誀りなく移動できる境界を瀺すこの2぀の砎線間の距離を{\bfマヌゞン}ず呌びSVMはマヌゞンが最倧ずなる分離平面を求める戊略を採甚しおいる図\ref{fig:hyperplane}の䟋では右の分離平面が巊の分離平面にくらべお倧きなマヌゞンを持っおおり粟床よくテスト事䟋を分離できるこずを意味しおいる実際に2぀の砎線を求めおみる砎線は正䟋($+1$)もしくは負䟋($-1$)のラベルを出力する境界面になるように正芏化を行えば\begin{eqnarray*}&{\bfw}^T{\bfx}+b=\pm1\qquad{\bfw}\in{\bfR}^n,b\in{\bfR}\end{eqnarray*}で䞎えられるさらにマヌゞン$d$は分離平面䞊の任意の点${\bfx'}$から各砎線たでの距離の和であり${\bfx'}$は${\bfw}^T{\bfx'}+b=0$を満たすため\begin{eqnarray*}d&=&\frac{|{\bfw}^T{\bfx'}+b-1|}{\|{\bfw}\|}+\frac{|{\bfw}^T{\bfx'}+b+1|}{\|{\bfw}\|}=\frac{|-1|}{\|{\bfw}\|}+\frac{|1|}{\|{\bfw}\|}\nonumber\\&=&\frac{2}{\|{\bfw}\|}\end{eqnarray*}ずなるこのマヌゞンを最倧化するためには$\|{\bfw}\|$を最小化すればよい぀たりこの問題は以䞋の制玄付き最適化問題を解くこずず等䟡ずなる\footnote{実際の我々の実隓では倚少の解析誀りを認めるSoftMarginの項を远加した最適化問題を解いおいる}\begin{eqnarray*}&目的関数:&L({\bfw})=\frac{1}{2}\|{\bfw}\|^2\rightarrow最小化\\&制玄条件:&y_i({\bfw}^T{\bfx}_i+b)\geq1\,\,(i=1\ldotsl)\end{eqnarray*}ここで2぀の砎線䞊の分類を決定づける事䟋をサポヌトベクタヌず呌びサポヌトベクタヌ以倖の事䟋は実際の孊習結果に圱響を及がさないさらに䞀般的な分類問題においおは孊習デヌタを線圢分離するこずが困難な堎合あるこのような堎合各玠性の組み合わせを考慮しより高次元な空間に孊習デヌタを写像すれば線圢分離が容易になる実際の蚌明は省略するがSVMの孊習分類アルゎリズムは事䟋間の内積しか䜿甚しないこの点を生かし各事䟋間の内積を任意のKernel関数におきかえるこずでSVMは䜎次元䞭の非線圢分類問題を高次元䞭の線圢分離問題ずしおみなし分類を行うこずが可胜ずなっおいる倚くのKernel関数が提案されおいるが我々は以䞋の匏で䞎えられる$d$次の倚項匏Kernel関数を甚いた\begin{eqnarray*}K({\bfx}_i,{\bfx}_j)=({\bfx}_i^T{\bfx}_j+1)^d\label{eq:kernel_pol}\end{eqnarray*}$d$次の倚項匏関数は$d$個たでの玠性の組み合わせ(共起)を考慮した孊習モデルず芋なすこずができる\subsection{SVMの汎化胜力}ここで汎化胜力に関する䞀般的な理論に぀いお考察する孊習デヌタおよびテストデヌタがすべお独立か぀同じ分垃$P({\bfx},y)$から生成されたず仮定するず識別関数$f$のテストデヌタに察する汎化誀差$E_g[f]$孊習デヌタに察する誀差$E_t[f]$は以䞋のように䞎えられる\begin{eqnarray*}E_g[f]&=&\int\frac{1}{2}|f({\bfx})-y|dP({\bfx},y)\\E_t[f]&=&\frac{1}{l}\sum_{i=1}^{l}\frac{1}{2}|f({\bfx}_i)-y_i|\end{eqnarray*}さらに$E_g[f],E_t[f]$には以䞋のような関係が成立するこずが知られおいる\cite{Vapnik98}\newtheorem{theorem}{}\begin{theorem}[Vapnik]孊習デヌタの事䟋数を$l$モデルのVC次元を$h$ずする時汎化誀差$E_g[f]$は$1-\eta$の確率で以䞋の䞊限倀を持぀\begin{eqnarray}E_g[f]\leqE_t[f]+\sqrt{\frac{h(\ln\frac{2l}{h}+1)-\ln\frac{\eta}{4}}{l}}\label{eq:svm_gen}\end{eqnarray}\end{theorem}ここでVC次元$h$ずはモデルの蚘述胜力耇雑さを衚すパラメヌタである匏(\ref{eq:svm_gen})の右蟺をVCboundず呌び汎化誀差を小さくするにはVCboundをできるだけ小さくすればよい埓来からある倚くの孊習アルゎリズムはモデルの耇雑さであるVC次元$h$を固定し孊習デヌタに察する゚ラヌ率を最小にするような戊略をずるそのため適切に$h$を遞ばないずテストデヌタを粟床良く分類できないたた適切な$h$の遞択は䞀般的に困難である䞀方SVMは孊習デヌタに察する゚ラヌ率をSoftMarginやKernel関数を䜿っお固定しそのうえで右蟺の第二項を最小化する戊略をずる実際に匏(\ref{eq:svm_gen})の右蟺第二項に泚目するず$h$に察しお増加関数ずなっおいる぀たり汎化誀差$E_g(h)$を小さくするには$h$をできるだけ小さくすればよいSVMではVC次元$h$ずマヌゞン$M$には以䞋の関係が成立するこずが知られおいる\cite{Vapnik98}\begin{theorem}[Vapnik]事䟋の次元数を$n$マヌゞンを$d$党事䟋を囲む球面の最小盎埄を$D$ずするずSVMのVC次元$h$は以䞋の䞊限倀を持぀\begin{eqnarray}h\leq\min(D^2/d^2,n)+1\label{eq:teiri}\end{eqnarray}\end{theorem}匏(\ref{eq:teiri})から$h$を最小にするためにはマヌゞンを最倧にすればよくこれはSVMがずる戊略そのものであるこずが分かるたた孊習デヌタの次元数が十分倧きければVC次元$h$は孊習デヌタの次元数に䟝存しないさらに$D$は䜿甚するKernel関数によっお決たるため匏(\ref{eq:teiri})はKernel関数の遞択の指針を䞎える胜力も持ちあわせおいるこずが知られおいる\cite{Vapnik98}たたVapnikは匏(\ref{eq:svm_gen})ずは別にSVMに固有の゚ラヌ率の䞊限を䞎えおいる\begin{theorem}[Vapnik]$E_l[f]$を{\itLeave-One-Out}によっお評䟡される゚ラヌ率ずする堎合\begin{eqnarray}E_l[f]\leq\frac{サポヌトベクタヌ数}{孊習サンプル数}\label{eq:loo}\end{eqnarray}ずなる\end{theorem}{\itLeave-One-Out}ずは$l$個の孊習デヌタのうち1個をずりのぞいおテストデヌタずし残り$l-1$を䜿っお孊習するこずをすべおのデヌタに぀いお$l$回繰り返すこずで未知デヌタに察する゚ラヌ率を予枬する手法である匏(\ref{eq:loo})は容易に蚌明可胜である぀たりSVMの特城ずしおsupportvector以倖の事䟋は最終の識別関数には䞀切圱響を及がさないそのため個々のsupportvectorすべおが誀ったずきが最悪のケヌスずなり匏(\ref{eq:loo})が導かれるこのboundは単玔明解で汎化誀差のおおたかな倀を予枬するこずを可胜にするしかしsupportvectorの数が増えおも汎化胜力が向䞊する事䟋もあり匏(\ref{eq:loo})の汎化誀差の予枬胜力は匏(\ref{eq:svm_gen})には劣るこずが知られおいる\vspace{-4mm} \section{SVMに基づくChunk同定} \subsection{Chunkの衚珟方法}Chunk同定の際各chunkの状態をどう衚珟するかが問題ずなる䞀぀の手法ずしお各chunk同定を分割問題ずみなし各単語の間(ギャップ)にタグを付䞎する手法が考えられるしかしこの手法は単語ずは別の䜍眮にタグを付䞎する必芁があり埓来からある圢態玠解析などのタグ付けタスクずは異なる枠組が必芁ずなるその䞀方で各単語にchunkの状態を瀺すタグを付䞎する手法があるこの手法は埓来からあるタグ付け問題ず同じ枠組でモデル化ができる利点がある埌者の単語にタグを付䞎する衚珟法ずしお以䞋2皮類の手法が提案されおいる\begin{enumerate}\itemInside/Outside\\この手法は英語のbaseNP同定でよく甚いられる手法の䞀぀である\cite{Ramshaw95}この手法ではchunkの状態ずしお以䞋の3皮類を蚭定する\begin{tabular}{cl}I&珟圚䜍眮の単語はchunkの䞀郚である\\O&珟圚䜍眮の単語はchunkに含たれない\\B&珟圚䜍眮の単語はあるchunkの盎埌に䜍眮するchunkの先頭である\\\end{tabular}\vspace*{5mm}さらにTjongKimSangらは䞊蚘のモデルをIOB1ず呌びこのモデルを基にIOB2/IOE1/IOE2の3皮類の衚珟方法を提案しおいる\cite{Tjong_Kim_Sang2000e}\begin{tabular}{cp{34zw}}IOB2&IOB1ず基本的に同じだがBタグの意味づけがこずなるIOB2の堎合Bタグはすべおのchunkの先頭に付䞎される\\IOE1&IOB1ず基本的に同じだがBタグの代わりにEタグを導入するEタグはあるchunkの盎前に䜍眮するchunkの末尟の単語に付䞎される\\IOE2&IOE1ず基本的に同じだがEタグはすべおのchunkの末尟の単語に付䞎される\end{tabular}\itemStart/End\\この手法は日本語固有名詞抜出においお甚いられた手法\cite{内元00}で各単語に付䞎するタグずしお以䞋の5皮類を蚭定する\footnote{内元らはC/E/U/O/Sの5皮類のタグを甚いおいるがIOB1/IOB2/IOE1/IOE2モデルずの敎合性から䟿宜的にB/E/I/O/Sタグを甚いるタグの名称の倉曎のみで本質的なタグの意味づけに倉曎はない}\begin{tabular}{cp{34zw}}B&珟圚䜍眮の単語は2぀以䞊の単語から構成されるchunkの先頭の単語である\\E&珟圚䜍眮の単語は2぀以䞊の単語から構成されるchunkの末尟の単語である\\I&珟圚䜍眮の単語は3぀以䞊の単語から構成されるchunkの先頭末尟以倖の䞭間の単語である\\S&珟圚䜍眮の単語は単独で䞀぀のchunkを構成する\\O&珟圚䜍眮の単語はchunkに含たれない\\\end{tabular}\end{enumerate}これら5皮類のタグ付け手法を英語の単名詞句抜出(baseNPchunking)を䟋に以䞋に瀺す\begin{center}\begin{tabular}{l|ccccc}&IOB1&IOB2&IOE1&IOE2&IOBES\\\hlineIn&O&O&O&O&O\\early&I&B&I&I&B\\trading&I&I&I&E&E\\in&O&O&O&O&O\\busy&I&B&I&I&B\\Hong&I&I&I&I&I\\Kong&I&I&E&E&E\\Monday&B&B&I&E&S\\,&O&O&O&O&O\\gold&I&B&I&E&S\\was&O&O&O&O&O\\\end{tabular}\end{center}各chunkに察しそのchunkの圹割を瀺すタグを付䞎する堎合はB/E/I/O/Sずいったchunkの状態を瀺すタグず圹割を瀺すタグを'-'で連結し新たなタグを導入するこずによっお衚珟する䟋えばIOB2モデルにおいお動詞句(VP)の先頭の単語はB-VPずいうタグを付䞎すればよい\subsection{SVMによるChunk同定}基本的にSVMは2倀分類噚であるそのためchunkのタグ衚珟のように倚倀の分類問題を扱うためにはSVMに察し䜕らかの拡匵を行う必芁がある䞀般に2倀分類噚を倚倀分類噚に拡匵する手法ずしお以䞋に述べる2皮類の手法がある䞀぀は{\itoneclassvs.allothers}ず呌ばれる手法で$K$クラスの分類問題に察しあるクラスかそれ以倖かを分類する蚈$K$皮類の分類噚を䜜成する手法であるもう䞀぀は{\itpairwise}法であり各クラス2぀の組み合わせを分類する$K\times(K-2)/2$皮類の分類噚を䜜成し最終的にそれらの倚数決でクラスを決定する手法であるたたDietterichやAllweinらは䞊蚘の二぀を含む圢で二倀分類を倚倀分類噚に拡匵するための統䞀的な手法を提案しおいる\cite{dietterich95solving,allwein00reducing}本皿では倚倀分類噚ぞの拡匵手法ずしお{\itpairwise}法を採甚した採甚の理由ずしお以䞋が挙げられる\begin{itemize}\item䞀般にSVMは$O(n^2)\simO(n^3)$($n$は孊習デヌタのサむズ)の孊習コストを芁求するそのために個々の二倀分類噚に甚いられる孊習デヌタのサむズが小さければ孊習コストを倧幅に削枛するこずができる{\itpairwise}法は{\itoneclassvs.others}に比べ倚くの二倀各分類噚を䜜成するが各二倀分類噚に甚いられる孊習デヌタは少量であり党䜓的に孊習のコストを小さくするこずができる\item{\itpairwise}法が実隓的に良い結果が埗られたずいう報告\cite{Ulrich}がある\end{itemize}chunkタグの孊習に甚いる玠性ずしおは珟圚の単語およびその呚蟺の単語や品詞ずいった文脈を甚いる具䜓的には䜍眮$i$のchunkタグ$c_i$の掚定を行う玠性ずしお$c_i$自身の単語ず品詞および右2぀巊2぀の単語ず品詞を甚いたたた巊2぀のchunkタグも玠性ずしお䜿甚したさらに解析方向を逆(右向きから巊向き)にし右2぀のchunkを玠性ずしお䜿甚するこずも考えられる本皿ではこれら2぀の解析手法を{\bf前向き解析/埌ろ向き解析}ず呌び区別する\begin{center}\begin{tabular}{cccccc}&&$\rightarrow$&解析方向&$\rightarrow$&\\単語:&$w_{i-2}$&$w_{i-1}$&$w_{i}$&$w_{i+1}$&$w_{i+1}$\\品詞:&$t_{i-2}$&$t_{i-1}$&$t_{i}$&$t_{i+1}$&$t_{i+1}$\\chunk:&$c_{i-2}$&$c_{i-1}$&\fbox{$c_{i}$}\end{tabular}\end{center}䞀般に巊2぀(埌ろ向きの堎合は右2぀)のchunkタグは孊習デヌタに察しおは付䞎されおいるがテストデヌタに察しおは付䞎されおいないそこで実際の解析時にはこれらの玠性は巊から右向きに(埌向きの堎合は右から巊に)解析しながら動的に远加しおいくこずずしたこのような凊理は䞀皮の動的蚈画法(DP)ず考えるこずができるすなわち党䜓ずしお最尀なchunkタグ列は各chunkタグに付䞎されるある皮のスコアの和が最倧になるようなタグ列を遞択するこずにより決定されるさらに動的蚈画法を行う際に解析のビヌム幅を指定するこずで曖昧性の候補の爆発を抑えるこずができるCoNLL2000のsharedtaskにおいお我々はスコアずしおpairwise時の投祚数たたビヌム幅を5ずしお解析を行っおいる\cite{kudo2000a}本皿ではこのような曖昧性を考慮したビヌム幅付きの解析は行わずビヌム幅1の決定的な解析を行ったその理由ずしおは以䞋が挙げられる\begin{itemize}\item我々の詳现な調査の結果ビヌム幅を倧きく蚭定しおも顕著な粟床向䞊に繋がらず決定的な解析でも十分な解析粟床が埗られるこずが分かった\item本皿の目的は埌述する重み付き倚数決の手法を比范するこずであり単玔な蚭定にするこずで個々の重み付け手法の盞違点を明確にするこずができる\end{itemize}\subsection{重み付き倚数決}重み付き倚数決ずは1぀の孊習噚で出力を埗るのではなく孊習デヌタ孊習デヌタの衚珟方法玠性の遞択手法孊習アルゎリズムあるいは孊習アルゎリズムのパラメヌタ等の異なる耇数の孊習噚を線圢結合しお出力を埗るアルゎリズムのこずを指すこのような重み付き倚数決の手法は朜圚的にマヌゞン最倧化の効果があり汎化胜力の高い匷孊習アルゎリズムを䜜成できるこずが理論的にも実隓的にも明らかになっおいるここで倚数決がなぜ粟床向䞊に繋がるのかその簡単な蚌明を行う重み付き倚数決に甚いる孊習噚の1぀を$f_i\in{\bfR}$さらに孊習すべき察象(正解)を$t\in{\bfR}$ずするたた$f_i$の$M$個を均䞀な重み$1/M$で線圢結合した孊習噚を$f'=\frac{1}{M}\sum_{i=1}^Mf_i$ずするこの時$f_i$ず$t$および$f'$ず$t$の二乗誀差の期埅倀には以䞋のような関係が成立するただし$E[x]$は$x$の期埅倀を衚珟する\begin{eqnarray}E[(f'-t)^2]&=&E[\textstyle(\frac{1}{M}\textstyle\sum_{i=1}^Mf_i-t)^2]\nonumber\\&=&E[\textstyle\frac{1}{M}\textstyle\sum_{i=1}^M(f_i-t)^2-\frac{1}{M}\textstyle\sum_{i=1}^M(f_i-\frac{1}{M}\sum_{i=1}^Mf_i)^2]\nonumber\\&\leq&E[\textstyle\frac{1}{M}\sum_{i=1}^M(f_i-t)^2]\nonumber\\&=&E[(f_i-t)^2]\label{eq:w}\end{eqnarray}匏\ref{eq:w}より倚数決を行った孊習噚の二乗誀差の期埅倀のが単独に孊習した孊習噚の期埅倀より小さくなるこずが分かるここでは蚌明を簡単にするために均䞀な重みずしたが䞍均䞀な重みの堎合に察する䞀般化も可胜である詳现に぀いおは文献\cite{Haykin99}を参照されたいこの重み付き倚数決の抂念の䞀぀ずしおBoosting\cite{Freund96}があり自然蚀語凊理の倚くのタスクに応甚され高い粟床を瀺しおいるChunk同定問題においおも重み付き倚数決の手法が適甚されおいる䟋えばTjongKimSangらはbaseNP同定の問題に察し匱孊習アルゎリズムにMBLMEIGTree等の7皮類のアルゎリズムさらにIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の4皮類の衚珟を甚いお独立に孊習した耇数のモデルの重み付き倚数決を行うこずで個々のモデルのどれよりも高粟床の結果が埗られたず報告しおいる\cite{Tjong_Kim_Sang2000a,Tjong_Kim_Sang2000b}本皿では匱孊習アルゎリズムにSVMを甚いIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の4皮類の衚珟さらに解析方向(前向き/埌ろ向き)の合蚈$4\times2=8$皮類の重み付け倚数決を行うこずで粟床向䞊を詊みるIOB1/IOB2/IOE1/IOE2にはそれぞれ次のような特城があるIOB1/IOE2はchunkが連続したずきのみ他ずは異なるタグ(B/E)が付䞎される぀たりchunkが連続するような事䟋に特化した孊習が行われるたたIOB2/IOE2はchunkの開始/終了䜍眮に他ずは違ったタグ(B/E)が付䞎されるこれらはchunkの開始/終了䜍眮に特化した孊習が行われるさらにchunk䞭の䞻蟞(Head)ずなる単語はchunkの成立に必芁䞍可欠であるために他の単語に比べ頻出し同定が容易である䞻蟞がchunkの先頭にある堎合は前向きに解析を行うこずで䞻蟞が最初に決定されその結果が埌続するタグの玠性に圱響を及がすため党䜓ずしお高い粟床が期埅できる逆に䞻蟞がchunkの末尟にある堎合は埌ろ向きに解析を行ったほうが高い粟床が埗られる前向き/埌ろ向きずはすべおのchunkの䞻蟞が先頭/末尟にあるず仮定しそれぞれの仮定に特化した孊習手法であるこのようにchunkの衚珟方法及び解析方向の異なる耇数の孊習噚を䜜成するこずでそれぞれ芖点の異なる耇数の孊習噚が䜜成される䞀般に耇数の孊習噚の性質が異なれば異なるほど倚数決の結果の粟床が高くなるために単独のタグ衚珟方法及び解析方向の手法より高い粟床が期埅できる重み付き倚数決を行う堎合各モデルの重みをどう決定するかが問題ずなる真のテストデヌタに察する粟床を甚いるこずで良い結果を埗るこずができるが䞀般に真のテストデヌタを評䟡するこずは䞍可胜であるBoostingでは孊習デヌタの頻床分垃を倉曎しながら各ラりンドにおける孊習デヌタに察する粟床を重みずしおいるしかしながらSVMはSoftMarginパラメヌタKernel関数の遞択次第で孊習デヌタを完党に分離するこずができ単玔に孊習デヌタに察する粟床を重みにするこずは困難である本皿では重み付き倚数決の重みずしお以䞋の4皮類の手法を提案しそれぞれの手法の粟床や蚈算量などを考察する\begin{enumerate}\item{\bf均䞀重み}\\これはすべおのモデルに察し均䞀の重みを付䞎する手法である最も単玔な手法であり他の手法に察するベヌスラむンずなる\item{\bf亀差怜定}\\孊習デヌタを$N$等分し$N-1$を孊習デヌタ残りの$1$をテストずしお評䟡するこの凊理を$N$回行いそれぞれの粟床の平均を各モデルの重みずしお利甚する\item{\bfVCbound}\\匏(\ref{eq:svm_gen})匏(\ref{eq:teiri})を甚いおVCboundを蚈算しその倀から正解率の䞋限を掚定し\footnote{゚ラヌ率の䞊限であるため1からこの倀を匕き正解率の䞋限ずみなす}重みずする手法であるただし匏(\ref{eq:teiri})における党事䟋を囲む最小盎埄$D$は各孊習デヌタから原点たでのノルム最倧倀を甚いお近䌌を行った\begin{eqnarray*}D^2\sim\max_{i}\{K({\bfx}_i,{\bfx}_i)-2K({\bfx}_i,O)+K(O,O)\}\,\,\,\,(O:原点)\end{eqnarray*}\item{\bfLeave-One-Out(L-O-O)bound}\\匏(\ref{eq:loo})のLeave-One-Outboundを求め正解率の䞋限を掚定し重みずする手法である\end{enumerate}実際の解析は以䞋のように行った\begin{enumerate}\item孊習デヌタをIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の各衚珟に倉換する\item4぀の衚珟に察し前向き解析埌ろ向き解析の蚈$4\times2=8$皮類のモデルを䜜成しSVMで独立に孊習する\item8皮類のモデルに察しVCboundLeave-One-Outboundを蚈算し重みを求める亀差怜定に関しおは(1)(2)の凊理を各分割したデヌタに察しお行い各ラりンドのタグ付け粟床の平均を重みずする実際の実隓では亀差怜定における分割数$N$は5ずした\item合蚈8皮類のモデルを甚いお孊習デヌタずは別のテストデヌタを解析する個々の8皮類のモデルが出力するchunkの衚珟はそれぞれ異なるためそのたたでは倚数決を行うこずができない倚数決を行うためには個々の結果を1぀の統䞀衚珟に倉換する必芁があるこの目的のために解析埌のデヌタをIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の各衚珟に再び倉換する\itemIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の個々に倉換された結果に察しタグレベルで合蚈8皮類の重み぀き倚数決を行う\footnote{実際にはchunkレベルで行わないずchunkの敎合性が取れなくなる可胜性があるが本皿では問題を簡単にするためタグレベルで倚数決を取るこずずした}぀たり各重み付けの手法に察しIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の4皮類の衚珟方法で評䟡した結果を埗るこずずなる最終的に$4$(統䞀衚珟のタむプ)$\times$$4$(重み付けの方法)$=16$皮類の結果を埗るこずずなる\end{enumerate}重み付き倚数決の候補ずしおIOBES前向き解析ずIOBES埌向き解析の各モデルを参加させるこずは可胜であるが我々はそのような実隓を行わなかったその理由ずしお掚定すべきクラスの数がIOB1IOB2IOE1IOE2モデルは3に察しIOBESモデルは5ず異なりVCboundやLeave-One-Outboundを同じ条件で比范するこずが困難なこずが挙げられるIOBES前向き解析ずIOBES埌向き解析の各モデルの実隓はIOB1IOB2IOE1IOE2の各モデルずの粟床を比范するために行った \section{実隓ず考察} \subsection{実隓環境蚭定}実隓には以䞋の2皮類のタグ付きデヌタを甚いた\begin{itemize}\itembaseNP暙準デヌタセット({\bfbaseNP})\\PennTree-bank/WSJの15-18を孊習デヌタ00-1419-24をテストデヌタずしBrillTagger\cite{Brill95}を甚いおpart-of-speech(POS)を付䞎したデヌタであるテストデヌタのサむズ以倖はbaseNP抜出に甚いられるデヌタずしお䞀般的なものである\itemChunkingデヌタセット({\bfchunking})\\baseNP暙準デヌタセットず基本的に同䞀であるがbaseNP以倖に{\smallVP,PP,ADJP,ADVP,CONJP,INITJ,LST,PRT,SBAR}の合蚈10皮類の英語の句を衚珟するタグが付䞎されおいるテストデヌタのサむズを陀けばCoNLL-2000SheadTask\cite{Tjong_Kim_Sang2000c}ず同䞀のデヌタである\end{itemize}それぞれのデヌタのサむズを衚\ref{fg:env}に瀺す\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{r|r|r|r}\hline\hline&トヌクン(単語)数&chunk数&文数\\\hlinebaseNP孊習デヌタ&211,727&53,371&8,936\\baseNPテストデヌタ&962,039&248,656&40,272\\chunking孊習デヌタ&211,727&104,893&8,936\\chunkingテストデヌタ&962,039&483,301&40,272\\\end{tabular}\end{center}\caption{実隓デヌタ}\label{fg:env}\end{table}実隓にはSVM孊習パッケヌゞ{\itTiny}SVMを甚いた\footnote{http://cl.aist-nara.ac.jp/\~\,taku-ku/software/TinySVM/から入手可胜}このツヌルは本実隓のようなバむナリの玠性衚珟に特化しお高速化が斜されおおりVCboundを自動的に掚定する機胜を持っおいるたたすべおの実隓においおKernel関数は2次の倚項匏Kernelを䜿甚した評䟡方法ずしおは適合率ず再珟率の調和平均で䞎えられるF倀($\beta=1$)を甚いたこれはchunk同定においお䞀般的に甚いられる評䟡方法である以埌特にこずわらない限りF倀のこずを粟床ず呌ぶ\subsection{実隓結果}衚\ref{fg:ind}に各chunkの衚珟方法および解析方向が異なる蚈8皮のモデルで独立に孊習した実隓結果(テストデヌタに察する粟床掚定された重み)をたずめたたた比范察象ずしおStart/End法を甚いた孊習結果に぀いおも瀺しおいるさらに衚\ref{fg:voting}にこれらを均䞀重み\,\,亀差怜定($N=5$)\,\,VCbound\,\,LeaveonOutboundの4皮類の重み付けで倚数決を行った際の結果をたずめた衚\ref{fg:best}には各の重み付け手法の䞭の最良の結果に぀いおその適合率ず再珟率を瀺す\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{@{}c@{}@{}c@{}|p{2.4zw}|ccc@{}}\hline\hline\multicolumn{2}{c|}{孊習条件}&\multicolumn{1}{c|}{粟床}&\multicolumn{3}{c}{掚定された重み}\\孊習デヌタ&倉換先&$F_{\beta=1}$&亀差怜定&VCbound&L-O-Obound\\\hlinebaseNP&IOB1-前&94.04&.9394&.4310&.9193\\&IOB1-埌&94.08&.9422&.4351&.9184\\&IOB2-前&94.13&.9410&.4415&.9172\\&IOB2-埌&94.13&.9407&.4300&.9166\\&IOE1-前&93.91&.9386&.4274&.9183\\&IOE1-埌&94.14&.9425&.4400&.{\bf9217}\\&IOE2-前&94.09&.9409&.4350&.9180\\&IOE2-埌&{\bf94.23}&{\bf.9426}&{\bf.4510}&.9193\\\hlinechunking&IOB1-前&93.56&.9342&.6585&.9605\\&IOB1-埌&93.58&.9346&.6614&.9596\\&IOB2-前&93.54&.9341&.6809&.9586\\&IOB2-埌&93.52&.9355&.6722&.9594\\&IOE1-前&93.46&.9335&.6533&.9589\\&IOE1-埌&{\bf93.65}&.9358&.6669&.9611\\&IOE2-前&93.50&.9341&.6740&{\bf.9606}\\&IOE2-埌&{\bf93.65}&{\bf.9361}&{\bf.6913}&.9597\\\hline\hlinebaseNP&IOBES-前&93.93&&&\\&IOBES-埌&93.94&&&\\\hlinechunking&IOBES-前&93.36&&&\\&IOBES-埌&93.41&&&\\\end{tabular}\end{center}\caption{個々のモデルの粟床比范}\label{fg:ind}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{@{}c@{}c|ccccc@{}}\hline\hline\multicolumn{2}{c|}{孊習条件}&\multicolumn{4}{c}{各重み付けに察する粟床$F_{\beta=1}$}\\孊習デヌタ&評䟡手法&均䞀重み&亀差怜定&VCbound&L-O-Obound\\\hlinebaseNP&IOB1&94.31&94.37&94.39&94.36\\&IOB2&94.33&94.39&{\bf94.41}&94.38\\&IOE1&94.32&94.38&94.38&94.36\\&IOE2&94.33&94.38&94.40&94.38\\\hlinechunking&IOB1&93.78&93.81&93.81&93.81\\&IOB2&93.74&{\bf93.84}&{\bf93.84}&{\bf93.84}\\&IOE1&93.79&93.81&93.81&93.81\\&IOE2&93.81&93.82&93.83&93.82\\\end{tabular}\end{center}\caption{重み付き倚数決の結果}\label{fg:voting}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{c|ccc}\hline\hlineデヌタセット&適合率&再珟率&$F_{\beta=1}$\\\hlinebaseNP&94.48\%&94.34\%&94.41\\chunking&93.85\%&93.83\%&93.84\\\end{tabular}\end{center}\caption{各デヌタセットに察する最良結果}\label{fg:best}\end{table}\subsection{Chunkの衚珟方法ず解析粟床}衚\ref{fg:ind}からInside/Outsideに基づく8぀の手法を比范するず「IOE2+埌ろ向き」が最良の粟床を「IOE1+前向き」が最䜎の粟床を瀺すこずが分かる\footnote{chunkingデヌタセットの「IOE1+埌ろ向き」以倖は「IOE2+埌ろ向き」の結果が10\%の棄华率で有意であるこずが確認された}これは以䞋に述べる我々の盎芳ず合臎する\begin{itemize}\item倚くの堎合chunk䞭の䞻蟞は末尟の単語ずなるすなわち埌ろ向きからから解析するず䞻蟞を最初に決定できるため優䜍ずなる\\$\rightarrow$(埌ろ向き$>$前向き)\itemIOEは䞻蟞ずなりやすいchunkの末尟に特化した孊習が行われるため先頭に特化するIOBに比べ優䜍ずなる\\$\rightarrow$(IOE$>$IOB)\itemIOBはchunkの先頭をIOEはchunkの末尟に特化しお孊習が行われるそのためIOBは前向きIOEは埌ろ向きから解析するず特化しお孊習される単語が先に掚定されるため優䜍ずなる\\$\rightarrow$(IOB+前向き$>$IOB+埌ろ向きIOE前向き$<$IOE埌ろ向き)\item同䞀のchunkが連続するこずは皀であるすなわちchunkの連続に特化するIOB1/IOE1はchunkの先頭/末尟に特化するIOB2/IOE2に比べ劣る\\$\rightarrow$(\{IOB1IOE1\}$<$\{IOB2IOE2\})\item同䞀chunkが連続する堎合は前のchunkの末尟の単語(䞻蟞)よりはむしろ埌続するchunkの先頭の単語が境界の認定に圹割を果たす堎合が倚いそのためchunkが連続する堎合はchunkの先頭に特化するIOB1がIOE1に比べ優䜍ずなる\\$\rightarrow$(IOB1$>$IOE1)\end{itemize}次にInside/Outside法(IOB1/IOB2/IOE1/IOE2の各手法)ずStart/End法の粟床を比范する颯々野らは各孊習アルゎリズムの特城を考察しながら決定リストに぀いおは现かい組み合せを考慮するStart/End法が最倧゚ントロピヌ方に぀いおはより粗い情報を考慮するInside/Outside法が粟床が良いず報告しおいる\cite{Sassano00b}SVMを甚いた本手法では党䜓的にInside/Outside法の法がStart/Endに比べ高い粟床を瀺しおいるSVMは決定リストのように単独の玠性(ルヌル)で分類するのではなく最倧゚ントロピヌず同じく耇数の玠性の線型結合で分類するためにこの結果は颯々野らの分析ず合臎するさらに別の芁因ずしお以䞋が考えられるたずStart/Endは5皮類のタグを䜿い衚珟するためInside/Outsideず比范しおデヌタスパヌスネスの問題を助長しおしたう恐れがあるたた5皮類のタグを䜿うこずで矛盟のあるタグのシヌケンスの数が増えおしたう具䜓的にはS→EI→BO→Iずいったタグの連続はタグ付けずしおは䞍適切である䞀方IOB1はO→BのみIOB2はO→Iのみが䞍適切な連続であるタグ付けに関する指針制玄ずいった「タグ付けスキヌマ」はそれらを明瀺的な圢で䞎えない本手法ではシステム自身がデヌタから孊習する必芁がありそれだけ䜙蚈なコストが生じおしたう぀たり矛盟のあるタグ列が少ない衚珟方法が優䜍であるず考える\subsection{モデル遞択胜力}重み付き倚数決を行う際の重みは各システムの未知デヌタに察する粟床の予枬倀であるためこれらの倧小を比范するこずでモデル遞択が行える衚\ref{fg:ind}からVCbound亀差怜定それぞれが「IOE2+埌ろ向き」に察し最高の重みを「IOE1+前向き」に最䜎の重みを算出しおおりテストデヌタに察する粟床をうたく予想しおるこれらの結果からVCbound亀差怜定がモデル遞択基準ずしお良奜に機胜しおいるこずが分かる亀差怜定はモデル遞択に甚いられる䞀般的な手法であるが分割数が倚くなるず掚定に倚くの蚈算量を必芁ずするその䞀方でVCboundは孊習ず同時にモデル遞択が行え亀差怜定に比べ効率的であるず考えるLeave-One-Outboundは他に比べ蚈算コストの小さいモデル遞択手法であるがその胜力はVCboundや亀差怜定よりも劣るこずが分かった\subsection{倚数決の効果}衚\ref{fg:voting}から倚数決を行うこずで重みの付䞎方法によらず単独のどのモデルよりも粟床が向䞊するこずが確認できる\footnote{棄华率10\%以䞋で有意差があるず刀定された}重み付き倚数決の手法間の粟床差には倚くの堎合顕著な差は芋られなかった特にVCbound亀差怜定Leave-One-Outboundはほが同等の粟床ずなったしかし均䞀重みず比范しお䞊蚘の3぀手法で重みを掚定するほうが若干ながら優䜍であるこずが分かる\subsection{関連研究ずの比范}\subsubsection{baseNPデヌタセット}TjongKimSangらは匱孊習アルゎリズムにMBLMEIGTree等の7皮類のアルゎリズムさらにIOB1/IOB2/IOE1/IOE2の4皮類の衚珟を甚いお独立に孊習した耇数のモデルの重み付き倚数決を行うこずでbaseNPデヌタセットに察し93.86の粟床が埗られたず報告しおいる\cite{Tjong_Kim_Sang2000a,Tjong_Kim_Sang2000b}我々は単独の衚珟を甚いた堎合でも93.91-94.23の粟床を埗おいるテストデヌタが異なるため厳密な比范は行えないがSVM単独の結果は埓来手法ず同等だず考える䞀方埓来手法は7皮類の孊習アルゎリズム及び4぀のchunk衚珟の異なるシステムの倚数決の結果であり個々の孊習噚の孊習及びテストの蚈算量はSVM単独のシステムに比べ倧きいシステムの耇雑さずいう芳点から芋ればSVM単独のシステムは埓来手法に比べ優䜍であるず考えるさらに埓来手法ず同様に各衚珟の重み付き倚数決を行うこずで94.40の粟床を埗るこずができたこれは埓来法の粟床93.86に比べ優れおいるず考える倚数決を実行するこずは党䜓ずしおシステムが耇雑になるこずが䞀぀の問題点であるTjongKimSangらによる手法はMBLMEIGTreeずいった7皮類のアルゎリズムを甚いおおり党䜓ずしお耇雑になっおいるさらに個々の孊習噚のパラメヌタは恣意的に蚭定されおおりこれらの最適なパラメヌタを考慮するず蚭定すべきパラメヌタの数が倚く制埡が困難であるず考える䞀方本手法は単䞀のSVMのみを甚いそれ以倖の孊習アルゎリズムを甚いおいない重み付き倚数決を行うずいう芳点から芋れば本手法は埓来手法に比べシステム党䜓の蚭蚈が簡朔であり蚭定すべきパラメヌタ数が少ないこの点も本手法の優䜍な点ず考える\subsubsection{CoNLLデヌタセット}CoNLL-2000SharedTaskにおいお我々はSVMずIOB2ず前向き解析の単独システム甚いお93.48の粟床を報告しおいる\cite{kudo2000a}\footnote{テストデヌタが異なるため粟床に若干差が出おいる}本実隓結果から倚数決を行うこずで「IOB2+前向き」に限らずどの単独システムに比べおも粟床が向䞊しおいるたたCoNLL-2000で報告された重み付き倚数決に基づく他の手法\cite{Tjong_Kim_Sang2000d}よりも高い粟床を瀺すこずができた\subsection{今埌の課題}\begin{itemize}\item他の分野ぞの応甚\\我々の提案する手法は日本語の文節たずめ䞊げや固有名詞専門甚語抜出ず䞀般的なchunk同定問題に応甚可胜である我々の提案する手法がこれらの他の分野でも有効であるか実際に怜蚌を行う予定である\item可倉長モデル\\本皿では巊右2぀の文脈のみを考慮する単玔な固定長モデルを採甚したしかし実際には個々のchunkを同定に必芁な文脈長は可倉であり個々のchunkに察し最適な文脈長を遞択するこずでさらなる粟床向䞊が期埅できる颯々野らは日本語の固有名詞抜出においお可倉長モデルを提案し単玔な固定長のモデルより高い粟床が埗られたず報告しおいる\cite{Sassano00b}今埌このような可倉長のモデルを取りいれたいず考えおいる\itemより予枬胜力の高いboundの採甚\\本皿では重み付き倚数決の重みずしおSVMに固有の抂念---VCboundLeave-One-Outboundを提案したその䞀方でChapelleらはこれらより予枬胜力の高いboundを提案しKernel関数の遞択やSoftMarginパラメヌタの遞択に極めお有効であるずこを瀺しおいる\cite{ChaVap00}これらの予枬胜力の高いboundを重みずしお採甚するこずでさらなる粟床向䞊が期埅できる\end{itemize} \section{たずめ} 本皿ではSupportVectorMachine(SVM)に基づく䞀般的なchunk同定問題の解析手法を提案し実際のタグ付きコヌパスを甚いお実隓を行った英語の単名詞句抜出における実隓では耇数のシステム混合に基づく埓来のモデルず同等の粟床を瀺しSVMの持぀高い汎化胜力を裏づける結果ずなったたたchunkの衚珟方法や解析方向の異なる耇数のシステムの䞭から最適なものを遞択するための「モデル遞択基準」ずしお本皿で採甚したVCboundは埓来からある亀差怜定ず同皋床の予枬性胜があるこずが確認されたVCboundは亀差怜定のように孊習を繰り返す必芁がなく孊習ず同時に蚈算が可胜であるため蚈算量の軜枛に繋がるさらにchunkの衚珟方法や解析方向の異なる耇数のシステムの重み付き倚数決を行うこずで個々のどのモデルよりも高い粟床を瀺した\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{工藀拓}{1976幎生1999幎京郜倧孊工孊郚電気電子工孊科卒2001幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎同倧孊院博士埌期課皋に進孊専門は統蚈的自然蚀語凊理機械孊習統蚈的手法に興味を持぀}\bioauthor{束本裕治}{1955幎生1977幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒1979幎同倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋情報工孊専攻修了同幎電子技術総合研究所入所1984〜85幎英囜むンペリアルカレッゞ客員研究員1985〜87幎(財)新䞖代コンピュヌタ技術開発機構に出向京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る工孊博士専門は自然蚀語凊理情報凊理孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚蚀語凊理孊䌚認知科孊䌚AAAIACLACM各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V04N01-02
\section{はじめに} label{sec:Intro}自然蚀語凊理ではこれたで曞き蚀葉を察象ずしおさたざたな理論や技術が開発されおきたが話し蚀葉に関しおはほずんど䜕もなされおこなかったしかし近幎の音声認識技術の進歩によっお話し蚀葉の解析は自然蚀語凊理の䞭心的なテヌマの1぀になり぀぀ある音声翻蚳音声察話システムマルチモヌダル・むンタヌフェヌスなどの領域で自然な発話を扱うための手法が研究され出しおいる話し蚀葉の特城は蚀い淀み蚀い盎し省略などのさたざたな{\bf䞍適栌性}\,(ill-formedness)である䟋えば(\ref{eq:Sentence1})には(i)\,蚀い盎し(「ほん」が「翻蚳」に蚀い盎されおいる)(ii)\,助詞省略(「翻蚳」の埌の栌助詞「を」が省略されおいる)の2぀の䞍適栌性がある\enumsentence{\label{eq:Sentence1}ほん翻蚳入れたす}曞き蚀葉には芋られないこれらの珟象のために埓来の適栌文の解析手法はそのたたでは話し蚀葉の解析には適甚できないしたがっお䞍適栌性を扱うための手法を確立するこずが話し蚀葉を察象ずした自然蚀語凊理研究にずっお必須である特に䞍適栌性を扱うための手法をその他の蚀語解析過皋の䞭にどのように組み蟌むかが重芁な課題ずなる本皿ではテキスト(挢字仮名混じり文)に曞き起こされた日本語の話し蚀葉の文からその文の栌構造を取り出す構文・意味解析凊理の䞭で蚀い淀み蚀い盎しなどの䞍適栌性を適切に扱う手法に぀いお述べる䞍適栌文を扱う手法の研究は以䞋の3぀のアプロヌチに倧別できる\begin{description}\item[A.䞍適栌性を扱う個別的な手法]話し蚀葉に特有の䞍適栌性を個別的な手法で扱う蚀い盎しを扱う手法\cite{Hindle:ACL83-123,Bear:ACL92-56,Nakatani:ACL93-46,䜐川:情凊論-35-1-46}や助詞省略を扱う手法\cite{山本:情凊論-33-11-1322}がある\item[B.䞍適栌性を扱う䞀般的な手法]さたざたな䞍適栌性を䞀般的なモデルに基づいお扱う以䞋の2぀のモデルに倧別される\begin{description}\item[B-1.二段階モデル(two-stagemodel)に基づく手法]たず通垞の適栌文の解析手法で入力文を解析しそれが倱敗した堎合に䞍適栌性を扱うための凊理を起動する{\bf郚分解析法}\cite{Jensen:CL-9-3-147,McDonald:ANLP92-193}や{\bf制玄緩和法}\cite{Weischedel:CL-9-3-161,Mellish:ACL89-102}がある\item[B-2.統䞀モデル(uniformmodel)に基づく手法]適栌文ず䞍適栌文ずの間に明確な区別をおかず䞡者を連続的なものずずらえ統䞀的に扱う{\bf優先意味論}に基づく手法\cite{Fass:CL-9-3-178}や{\bfアブダクション}に基づく手法\cite{Hobbs:AI-63-69}がある\end{description}\end{description}本皿では以䞋にあげる理由により統䞀モデルに基づく手法を甚いる\begin{enumerate}\renewcommand{\theenumi}{}\renewcommand{\labelenumi}{}\item䞍適栌文の凊理はしばしば適栌文の凊理ず同等な胜力を必芁ずする䟋えば蚀い盎しを含む文においお修埩察象(蚀い盎された郚分)の範囲を同定するのは適栌文においお埓属節の範囲を決めるのず同じ難しさがあるしたがっお䞍適栌文を扱うために埓来適栌文の凊理に䜿われおきた手法を拡匵しお䜿えるこずが望たしい\item䞍適栌文ず適栌文が曖昧な堎合がある䟋えば(\ref{eq:Sentence1})の「ほん」はたたたた「本」ず同じ字面であるため「本(に)翻蚳(を)入れたす」のような適栌文ずしおの解釈が可胜になる適栌文ず䞍適栌文が統䞀的に扱えないずこのような曖昧性は解消できない\item話し蚀葉(特に音声蚀語)の解析に必芁な実時間凊理は䞍適栌文を凊理するのに二段階の過皋を経る二段階モデルでは実珟できないこれに察しお統䞀モデルでは挞時的な凊理が可胜なので実時間凊理を実珟しやすい\item統䞀モデルは人間の蚀語凊理モデルずしおも劥圓である人間はしばしば文の途䞭であっおも䞍適栌性が生じたこずに気が぀くこのこずは人間が適栌文の凊理ず䞊行しお䞍適栌性の怜出のための凊理を行なっおいるこずを瀺唆する\end{enumerate}統䞀モデルを採甚するこずにより適栌文におけるさたざたな問題(構造の決定や文法・意味関係の付䞎ずいった問題)を解決するための手法を拡匵するこずで䞍適栌性の問題も同じ枠組の䞭で扱えるより具䜓的には蚀い淀み蚀い盎しなどを語ず語の間のある皮の䟝存関係ず考えるこずにより{\bf係り受け解析}の拡匵ずしお適栌性ず䞍適栌性を統䞀的に扱う手法が実珟される以䞋たず\ref{sec:Ill-formed}\,節では日本語の話し蚀葉におけるさたざたな䞍適栌性を音声察話コヌパスからの実䟋をあげながら説明し統䞀モデルの必芁性を述べる次に\ref{sec:Uniform}\,節で本皿で提案する統䞀モデルに基づく話し蚀葉の解析手法を説明する\ref{sec:Evaluation}\,節では解析の実䟋をあげるずずもに実隓システムの性胜を評䟡するこずで本手法の有効性を怜蚎するさらにその適甚範囲に぀いおも明らかにする\ref{sec:Comparison}\,節では埓来の手法ずの比范を述べ最埌に\ref{sec:Conclude}\,節でたずめを述べるなお話し蚀葉の解析を考える䞊で音声情報の果たす圹割は重芁であるが本皿では音声凊理の問題には立ち入らない \section{日本語の話し蚀葉における䞍適栌性} label{sec:Ill-formed}日本語の話し蚀葉ではさたざたなレベルでさたざたな皮類の䞍適栌性が生じる\cite{河原:情凊-36-11-1027}ここではこれらの䞍適栌性のうち本研究でタヌゲットずする蚀い淀み蚀い盎し繰り返し助詞省略に぀いおATR察話デヌタベヌス(ADD)\,\cite{江原:ATR-TR-I-0186}から実䟋をあげながら説明する\subsection{蚀い淀み}\label{sec:Ill-formed:Hesitation}{\bf蚀い淀み}(hesitations)ずは「あのヌ」「えヌず」などの意味を持たない冗長語(間投語぀なぎ語ずもいう)によっお発話が滞るこずである(\ref{eq:Hesitation})では倪字が冗長語である\enumsentence{\label{eq:Hesitation}{\bfえヌっず}そちら第䞀回の通蚳電話囜際䌚議の事務局でしょうか}\citeA{村䞊:IEICE-SP-91-100-71}によるずADDでは玄50\,\%の文に蚀い淀みが含たれるこのうち玄70\,\%では頻床䞊䜍4皮類の冗長語(「えヌ」「あのヌ」「あの」「え」)が䜿われおいる\footnote{\citeA{䞭川:音響-51-3-202}による日本音響孊䌚連続音声デヌタベヌス(ASJ)の分析では蚀い淀みは1文あたり1.126回出珟し「え」「えず」「あの」「あ」「た」の頻床䞊䜍5皮類の冗長語が出珟総数の82\,\%を占める\citeauthor{䞭川:音響-51-3-202}は長母音や促音による違いを無芖しおいるので\citeauthor{村䞊:IEICE-SP-91-100-71}の分析結果にもこの方略を適甚するず同じ5皮類の冗長語のバリ゚ヌションで䞊䜍9皮類玄85\,\%を占めるこずになり䞡者の分析はほが䞀臎する}このこずから蚀い淀みは(蚀語凊理においおは)䞻だった冗長語を蟞曞に登録するこずでかなりの郚分が扱えるず思われるただし冗長語はしばしば他の単語ず混同される(連䜓詞「あの」「その」など)こずがありそういった堎合に統䞀モデルは有効である\subsection{蚀い盎し}\label{sec:Ill-formed:Repair}{\bf蚀い盎し}(repairs)ずは蚀い誀りを蚂正したりより良い蚀い回しに倉曎するために話者自身が発話を䞭断しおその郚分を再床発話するこずである\citeA{村䞊:IEICE-SP-91-100-71}によるずADDでは玄10\,\%の文に蚀い盎しが含たれる\footnote{これは\citeA{䞭川:音響-51-3-202}によるASJの分析結果(1文あたり0.145回)や\citeA{Bear:ACL92-56}によるDARPAのATISタスク・コヌパスの分析結果(10語以䞊の文の10\,\%)ずもほが䞀臎する}(\ref{eq:Repair1})では倪字が蚀い盎しによっお蚂正された郚分(修埩察象)である\enumsentence{\label{eq:Repair1}あのこの{\bfクレ}クレゞットカヌドずいうのは}蚀語凊理における蚀い盎しの扱いの問題点は以䞋のようにたずめられる\begin{enumerate}\renewcommand{\theenumi}{}\renewcommand{\labelenumi}{}\item蚀い盎しには蚀語的な手がかりがないので怜出が困難である蚀い盎しに䌎っお蚀い淀みが生じるこずがしばしばあるが蚀い淀みは元来独立しお起こり埗るので信頌できる手がかりにはならない\footnote{音声凊理ずの統合を考えるず音響的・韻埋的な手がかりが圹立぀可胜性はある\cite{O'Shaughnessy:ICSLP92-931,Nakatani:ACL93-46}}\item修埩察象の範囲を同定するのが困難である䟋えば(\ref{eq:Repair2})では「準備を」ず「始めお」は修埩察象に含たれるが「もう」ず「ビデオの」は含たれない\enumsentence{\label{eq:Repair2}もう{\bf準備を始めお}ビデオの準備を始めおいきたい}\item蚀い盎しは話者に生じたトラブルの内容に応じお倚様なパタヌンをずる䟋えば(\ref{eq:Repair3}),(\ref{eq:Repair4}),(\ref{eq:Repair5})はそれぞれ音韻的な原因(発語の途䞭で぀たった)統語的な原因(誀った助詞を遞択した)意味的な原因(䞍適切な意味内容を遞択した)による蚀い盎しず考えられる\enumsentence{\label{eq:Repair3}{\bf぀う}通蚳電話に関するさたざたなあのヌ方面}\enumsentence{\label{eq:Repair4}あの{\bfクレゞットカヌドをね}あのヌクレゞットカヌドの名前ずなんかナンバヌを}\enumsentence{\label{eq:Repair5}あの䌚議ではもちろん{\bf通蚳}翻蚳も入れたす}\end{enumerate}これらの問題点は適栌文の凊理で生じる問題点ず共通しおいる䟋えば(\ref{eq:Repair2})における修埩察象の範囲の同定は(\ref{eq:Subord})における埓属節(倪字郚分)の範囲の同定ず同皮の問題である\enumsentence{\label{eq:Subord}もう{\bf準備を始めおから}ずいぶん埅ちたした}さらに\citeA{䜐川:IPSJ-NL-94-100-73}が指摘したように蚀い盎しの䞭には適栌文ず簡単には区別できないものがある䟋えば(\ref{eq:Repair6})では「きょう」が「協賛する」に蚀い盎されおいるのであるが「きょう」がたたたた「今日」ず同じ字面のため適栌文ずしおの解釈も可胜である\enumsentence{\label{eq:Repair6}{\bfきょう}協賛する孊䌚䌚員}\citeauthor{䜐川:IPSJ-NL-94-100-73}によるずこのような適栌文ずの間で曖昧性がある䟋はADDに含たれる蚀い盎しのうちの玄1割を占めおいるしかし(\ref{eq:Repair5})のような文でも助詞省略の可胜性を考えるず曖昧になる(「通蚳」の埌に助詞を補うず「入れたす」に係る可胜性がある)こずからこの割合は実際にはもっず倧きいず思われるこれらは蚀い盎しのような䞍適栌性を適栌文の凊理手法を拡匵するこずで統䞀的に扱う必芁があるこずを瀺唆する\subsection{繰り返し}\label{sec:Ill-formed:Repetition}{\bf繰り返し}(repetitions)は蚀い盎しの特別な堎合である\citeA{村䞊:IEICE-SP-91-100-71}によるずADDに含たれる蚀い盎しの14\,\%が繰り返しである(\ref{eq:Repetition})では倪字が繰り返された郚分である\enumsentence{\label{eq:Repetition}えヌ{\bf京郜ロむダルが}えヌ京郜ロむダルが䞀番郜心ですね}\subsection{助詞省略}\label{sec:Ill-formed:ParticleEllipsis}{\bf助詞省略}(particleellipses)は曞き蚀葉には芋られない話し蚀葉に特有の珟象である\citeA{保坂:JSAI-SLUD-9203-1}によるずADDにおいお普通名詞文節の12\,\%代名詞文節の16\,\%で助詞が省略されおいる\footnote{\citeA{山本:情凊論-33-11-1322}によるずASJでは助詞省略の割合は党名詞文節の4\,\%である}(\ref{eq:Particle})では省略された助詞を括匧内に補っおある\enumsentence{\label{eq:Particle}䌚議{\bf[に]}参加する手続き{\bf[を]}ちょっずお教え願えたすでしょうか}助詞省略は構文・意味解析においお倧きな問題ずなる日本語では通垞語ず語の間の意味関係が栌助詞によっお明瀺されるので解析システムは栌情報を頌りに意味関係を決定しようずするもし助詞が省略されおいるずこのような方法で意味関係を決定するこずができないしかし栌情報をあおにできない堎面は曞き蚀葉においおも生じる䟋えば䞻栌や目的栌の名詞句が䞻題化されるず助詞が同䞀の圢匏(「は」や「も」)に眮き換わるのでもずの栌が䜕であったかは簡単にはわからないさらに日本語には関係代名詞がないので被修食名詞の関係節内での意味圹割(䟋えば(\ref{eq:Particle})での「手続き」ず「参加する」の間の意味関係)を決めるのに栌情報を利甚するこずはできないこういった堎合には単語の意味属性を頌りに意味関係の掚定を行なうこずになるが助詞省略を含む句に察しおも同じ方法が適甚できるこれも適栌文ず䞍適栌文を統䞀的に扱うモデルの劥圓性を瀺しおいる\vspace*{-0.2mm}\subsection{その他の䞍適栌性}\label{sec:Ill-formed:Others}\vspace*{-0.2mm}日本語の話し蚀葉にはこれたで述べたもの以倖にも述郚の省略倒眮蚀い誀りなどの䞍適栌性があるがこれらに぀いおは(a)\,頻床が䜎い(b)\,単玔なヒュヌリスティクスで扱えるこずが倚い(c)\,構文・意味解析の範囲を越えるなどの理由により本皿では扱わない\vspace*{-0.2mm} \section{統䞀モデルに基づく話し蚀葉の解析} label{sec:Uniform}\vspace*{-0.2mm}\vspace*{-0.2mm}\subsection{本手法の抂芁}\label{sec:Uniform:Overview}\vspace*{-0.2mm}本皿で提案する統䞀モデルに基づく話し蚀葉の解析手法を説明する本手法は\begin{enumerate}\renewcommand{\theenumi}{}\renewcommand{\labelenumi}{}\item話し蚀葉におけるさたざたな制玄を統䞀的に蚘述した芏則矀\item入力文に察しおそれらの芏則を順次適甚しお最適な解釈を求める解釈噚\end{enumerate}からなるすべおの芏則は{\bf確定節}によっお蚘述され解釈噚ずしおは{\bfアブダクション}が甚いられる本皿では前者に぀いおのみ述べる埌者に぀いおは別皿\cite{䌝:情凊論-35-12-2734}を参照されたい本手法は基本的には係り受け解析の拡匵である入力文の䟝存構造を生成するために各語(文節)の間の䟝存関係を調べる䟋えば(\ref{eq:Sentence2})に察する䟝存構造ず各文節の間の文法・意味関係は(\ref{eq:Depend1})のようになる\enumsentence{\label{eq:Sentence2}䌚議では翻蚳も入れたす}\enumsentence{\label{eq:Depend1}[\DP{loct\&de}䌚議では\Q[\DP{obje\&accAct}翻蚳も\Q入れたす]]}ここで\Rel{loct},\Rel{obje}は意味関係(それぞれ「堎所」「察象」)を衚し\Rel{de},\Rel{accAct}は文法関係(それぞれ「デ栌」「目的栌・胜動態」)を衚す\footnote{文法関係は係り文節が任意栌芁玠の堎合は係り文節の栌で衚し必須栌芁玠の堎合は係り文節の栌ず受け文節の態の組合せで衚すこれは埌者では態に䟝存しお栌亀替が起こる可胜性があるからである}䟝存構造の決定ず文法・意味関係の付䞎は{\bf構造芏則}ず{\bf解釈芏則}を参照しながら行なうこの凊理は栌情報のみに基づいお決定的に行なうのではなく係り文節ず受け文節の間の意味的な結合の匷さや文法関係の実珟のしやすさ(䟋えば「も」は「䞻栌」になりやすいか「目的栌」になりやすいか)などを考慮しおさたざたな候補に{\bf優先床}を䞎え最終的に最も優先床の高い組合せを芋぀けるこずによっお行なうしたがっお我々のフォヌマリズムは制玄に基づく(constraint-based)ずいうよりは{\bf遞奜}に基づく(preference-based)ものである本手法では通垞の係り受け解析を拡匵し蚀い淀み蚀い盎しなども語ず語(文節ず文節)の間の䟝存関係ずずらえる䟋えば蚀い盎しを含む文(\ref{eq:Sentence3})の䟝存構造は(\ref{eq:Depend2})のようになる\enumsentence{\label{eq:Sentence3}ほん翻蚳入れたす}\enumsentence{\label{eq:Depend2}[\DP{obje\&accAct}[\DP{phonRepair}ほん\Q翻蚳]\Q入れたす]}ここで\Rel{phonRepair}は「ほん」ず「翻蚳」の間に音韻的な原因による蚀い盎し(以䞋「音韻的蚀い盎し」)によっお䟝存関係が生じおいるこずを衚すこのように䞍適栌性を扱えるよう係り受け解析を拡匵するこずによっお適栌文の最適な解釈を求める凊理ず䞍適栌性を怜出・修正する凊理が同じ道具だおで実珟できるだけでなく適栌文ず䞍適栌文ずの間の曖昧性にも察凊できる\subsection{構文・意味解析の過皋}\label{sec:Uniform:Process}本手法による構文・意味解析の過皋を簡単な䟋題を甚いお説明する図\,\ref{fig:Process}\,は(\ref{eq:Sentence3})の解析過皋であるこの文は蚀い盎しず助詞省略の2぀の䞍適栌性を含むさらに蚀い盎しは適栌文ずの間で曖昧である(「ほん」は「本」ず同じ字面)\begin{figure}\begin{center}\mbox{{\bfA:}\quadほん\Q翻蚳\Q入れたす}\\[\medskipamount]{\Large$\Downarrow$}\rlap{\fbox{文節解析}}\\[\medskipamount]\mbox{\makebox(0,0)[lb]{\raisebox{1.6\baselineskip}{\bfB:}}\begin{footnotesize}\Feature{\Slot{phon}&\Value{ほん}\\\Slot{syn}&\Pair{\footnotesize\Value{本},\Value{普通名詞},\Value{無},\Value{$-$}}\\\Slot{sem}&\Pair{\footnotesize\Value{本},\Value{曞物}}}\Feature{\Slot{phon}&\Value{ほんやく}\\\Slot{syn}&\Pair{\footnotesize\Value{翻蚳},\Value{サ倉名詞},\Value{無},\Value{$-$}}\\\Slot{sem}&\Pair{\footnotesize\Value{翻蚳},\Value{翻蚳}}}\Feature{\Slot{phon}&\Value{いれたす}\\\Slot{syn}&\Pair{\footnotesize\Value{入れる},\Value{がを動詞},\Value{基本},\Value{胜動}}\\\Slot{sem}&\Pair{\footnotesize\Value{入れる},\Value{授受}}}\end{footnotesize}}\\[\medskipamount]{\Large$\Downarrow$}\rlap{\fbox{䟝存構造解析}}\\[\medskipamount]\mbox{{\bfC:}\quad[\DP{?}[\DP{?}ほん\Q翻蚳]\Q入れたす]\qquad{\bfOR}\qquad[\DP{?}ほん\Q[\DP{?}翻蚳\Q入れたす]]}\\[\medskipamount]{\Large$\Downarrow$}\rlap{\fbox{䟝存関係解析}}\\[\medskipamount]\mbox{\raisebox{1.2\baselineskip}{\bfD:}\DependTable{\Pair{ほん,\,翻蚳}}{\Rel{of\&gen}&0.0002\\\underline{\Rel{phonRepair}}&\underline{0.0053}}\DependTable{\Pair{翻蚳,\,入れたす}}{\underline{\Rel{obje\&accAct}}&\underline{0.0134}\\\Rel{inst\&de}&0.0031}\DependTable{\Pair{ほん,\,入れたす}}{\Rel{obje\&accAct}&0.0004\\\Rel{loct\&ni}&0.0029}}\\[\medskipamount]{\Large$\Downarrow$}\rlap{\fbox{最適解遞択}}\\[\smallskipamount]\mbox{{\bfE:}\quad[\DP{obje\&accAct}[\DP{phonRepair}ほん\Q翻蚳]\Q入れたす]}\end{center}\caption{構文・意味解析の過皋}\label{fig:Process}\end{figure}解析過皋は以䞋の4぀のステップからなる\begin{description}\item[文節解析]入力文{\bfA}を玠性構造で衚珟された文節の列{\bfB}に倉換する\item[䟝存構造解析]文節の列{\bfB}に構造芏則を適甚し可胜な䟝存構造の集合{\bfC}に倉換する\item[䟝存関係解析]䟝存構造の集合{\bfC}に含たれる各䟝存関係に぀いお解釈芏則を適甚し解釈の候補{\bfD}を生成する䟝存関係解釈の候補のおのおのには$[0,1]$間の実数倀で衚される優先床を䞎える\item[最適解遞択]最も優先床の倧きい解釈({\bfD}の䞋線郚分)を遞択し文党䜓の䟝存構造ず䟝存関係解釈{\bfE}を出力する\end{description}この䟋では{\bfB}の文節列に察しお{\bfC}の2぀の䟝存構造が可胜でありその䞭に3぀の䟝存関係が含たれるそれぞれの䟝存関係に察する解釈の候補は{\bfD}のようになり䞋線を匕いたものが最も優先床の倧きい組合せずしお遞択されるこの過皋においお助詞省略は「目的栌」に解釈され蚀い盎しず適栌文(「本(に)入れたす」)ずの曖昧性も解消されおいる\subsection{文節解析}\label{sec:Uniform:Bunsetsu}文節解析ぞの入力は音声認識システムの出力ずしお挢字仮名混じり文が䞎えられるこずを想定しおいる文節解析は入力文を玠性構造で衚珟された文節の列に倉換する文節はちょうど1぀の自立語ずいく぀かの付属語からなる\footnote{特別な付属語ずしお繋蟞(「です」など)ず補文暙識(「こず」など)があるこれらは自立語の範疇を倉曎する(「䌚議」(名詞)$\to$「䌚議です」(動詞))ので{\bf範疇倉換語}ずよぶ範疇倉換語を含む文節に察しおは耇数のレベルでの係り受けが可胜である䟋えば「蚀語孊の䌚議です」は名詞レベル「これは䌚議です」は動詞レベルでの係り受けである}玠性構造は䞀般に以䞋の圢匏である\begin{equation}\label{eq:Feature}\Feature{\Slot{phon}&よみ\\\Slot{syn}&\Pair{語圙,範疇,圢,態}\\\Slot{sem}&\Pair{抂念,属性}}\end{equation}\begin{description}\item[よみ]文節党䜓のよみを仮名で衚したもの\item[語圙]文節内の自立語の芋出し語\item[範疇]語圙の統語範疇「連䜓詞」「副詞」「普通名詞」「固有名詞」「が動詞」「がを動詞」「が圢容詞」などがある(甚蚀は栌パタヌンに応じお现分類されおいる)\footnote{範疇倉換語を含む文節の範疇はリストで衚す䟋えば「䌚議です」の範疇は「普通名詞+繋蟞」である}\item[圢]名詞文節の栌や動詞文節の掻甚圢名詞文節が助詞省略を含む堎合は「無」で衚す\item[態]動詞文節の態動詞文節以倖は`\Value{$-$}'で衚す\item[抂念]文節内の自立語の芋出し語\item[属性]抂念の意味属性角川類語新蟞兞\cite{倧野:角類新-81}の小分類を䜿甚\end{description}話し蚀葉では{\bf䞍芁語}を扱う必芁がある䞍芁語は以䞋のいずれかである\begin{itemize}\item「あのヌ」「えヌず」のような冗長語\item発語が䞭断された語(䞭断語)\end{itemize}これらはしばしば適正な語ず同じ字面になるこずがある(䟋えば(\ref{eq:Sentence3})の䞭断語「ほん」は「本」ず同じ字面)その堎合には䞍芁語ず適正な語の䞡方の可胜性を考慮するこずになるなお本皿では䞍芁語であっおも音声認識システムによっお正しい音韻列が䞎えられるず仮定しおいるがこれは珟圚の音声認識技術から考えるず少し難しいかも知れない文節解析の出力である文節列は以䞋の圢匏の芁玠匏によっお衚珟される\begin{equation}\label{eq:Bunsetsu}\Formula{\Var{Sym}}{\Var{Start},\Var{End},\Var{Feature}}\end{equation}\Var{Sym}は非終端蚘号であり\Var{Start},\Var{End}はそれぞれその文節の開始䜍眮終了䜍眮(確定節文法(DCG)の文字列匕数に察応)を衚し\Var{Feature}はその文節の玠性構造を衚す非終端蚘号\Var{Sym}は統語範疇に䟝存しお衚\,\ref{tab:Sym}(付録)のように決たる\subsection{䟝存構造解析}\label{sec:Uniform:Struct}䟝存構造解析は(\ref{eq:Bunsetsu})の圢匏の芁玠匏で衚珟された文節の列に察しお構造芏則を適甚しながらすべおの可胜な䟝存構造を生成する構造芏則は䞀般に以䞋の圢匏である\footnote{実際には範疇倉換を扱う構造芏則が別にありこれによっお「䌚議です」の範疇が「普通名詞+繋蟞」から「が動詞」に倉換される倉換前には名詞レベルでの係り受けが倉換埌には動詞レベルでの係り受けが可胜である}\begin{equation}\label{eq:Struct}\begin{array}[t]{@{}l@{}}\Formula{\Var{Sym2}}{X_0,X_2,F_2}\,\Implied\,\Formula{\Var{Sym1}}{X_0,X_1,F_1},\,\Formula{\Var{Sym2}}{X_1,X_2,F_2},\,\Formula{\Var{Depend}}{F_1,F_2}.\end{array}\end{equation}この芏則は係り文節(右蟺の第1匏)ず受け文節(右蟺の第2匏)から耇合句(巊蟺)が䜜られるこずを衚す耇合句の玠性構造は受け文節から匕き継がれこれは日本語が䞻芁郚埌眮(head-final)型であるこずによる右蟺の第3匏は係り文節ず受け文節の間の䟝存関係を衚すこの䟝存関係は䟝存関係解析においお適圓な文法・意味関係もしくは䞍適栌性を瀺す関係に解釈される係り文節ず受け文節の可胜な組合せずその間の䟝存関係の解釈の皮類は非終端蚘号によっお衚\,\ref{tab:Struct}(付録)のように制限されるこの芏則は耇合句に察しおも再垰的に適甚される耇合句の玠性構造は䞻芁郚の情報だけを持぀ので䟝存関係は句の間の関係ではなく䞻芁郚文節の間の関係であるこずに泚意せよこれは係り受け解析の特城であり調べるべき䟝存関係の数が文節数の二乗のオヌダに抑えられる\subsection{䟝存関係解析}\label{sec:Uniform:Depend}䟝存関係解析はすべおの可胜な䟝存構造に含たれる䟝存関係のおのおのに察しお解釈芏則を適甚しすべおの可胜な解釈の候補を生成する解釈芏則は(i)\,適栌な䟝存関係に関する芏則ず(ii)\,䞍適栌な䟝存関係に関する芏則の2皮類からなる\subsubsection{適栌な䟝存関係に関する解釈芏則}\label{sec:Uniform:Depend:Well-formed}適栌な䟝存関係に関する解釈芏則は䞀般に以䞋の圢匏である\begin{equation}\label{eq:Well-formed}\begin{array}[t]{@{}l@{}}\Formula{\Var{Depend}}{F_1,F_2}\,\Implied\,\Formula{\Var{Cond}}{F_1,F_2},\,\Formula{\Var{SemRel}}{F_1,F_2},\,\Formula{\Var{SynRel}}{F_1,F_2}.\end{array}\end{equation}この芏則は䟝存関係\Var{Depend}がある条件\Var{Cond}のもずである意味関係\Var{SemRel}ずある文法関係\Var{SynRel}に解釈できるこずを衚す䟋えば名詞文節ず動詞文節の間の䟝存関係(\Rel{dep\_n\_v})は意味関係\Rel{obje}(「察象」)ず文法関係\Rel{accAct}(「目的栌・胜動態」)に解釈できるこの際の条件ずしおは受け文節が目的栌に察象を取る動詞(「がを動詞」など)であるこず受け文節の態が「胜動」であるこず係り文節の圢が目的栌になれるもの(「を」「も」「無」など)であるこずなどが課されるこれらの条件は単䞀化文法においお䞋䜍範疇化玠性ずしお蚘述されおいるものず等䟡である適栌な䟝存関係の䞀郚を衚\,\ref{tab:Well-formed}(付録)にあげる\subsubsection{䞍適栌な䟝存関係に関する解釈芏則}\label{sec:Uniform:Depend:Ill-formed}䞍適栌な䟝存関係に関する解釈芏則は䞀般に以䞋の圢匏である\begin{equation}\label{eq:Ill-formed}\begin{array}[t]{@{}l@{}}\Formula{\Var{Depend}}{F_1,F_2}\,\Implied\,\Formula{\Var{Cond}}{F_1,F_2},\,\Formula{\Var{IllRel}}{F_1,F_2}.\end{array}\end{equation}この芏則は䟝存関係\Var{Depend}がある条件\Var{Cond}のもずである䞍適栌性を瀺す関係\Var{IllRel}に解釈できるこずを衚す䟋えば䞍芁語ず名詞文節の間の䟝存関係(\Rel{dep\_nonlex\_any})は䞍適栌な䟝存関係\Rel{phonRepair}(「音韻的蚀い盎し」)に解釈できるこの際の条件ずしおは係り文節のよみが受け文節のよみの郚分(䟋えば「ほん」ず「ほんやく」)であるこずが課される䞍適栌な䟝存関係を衚\,\ref{tab:Ill-formed}(付録)にあげるここでは以䞋の5皮類の䞍適栌性を考えおいる\Rel{hest}(「蚀い淀み」),\Rel{phonRepair}(「音韻的蚀い盎し」),\Rel{synRepair}(「統語的蚀い盎し」),\Rel{semRepair}(「意味的蚀い盎し」),\Rel{rept}(「繰り返し」)\subsubsection{優先床}\label{sec:Uniform:Depend:Preference}䟝存関係解釈の候補のおのおのには$[0,1]$間の実数倀で衚される優先床が䞎えられる優先床をどのように䞎えるかずいうこずは話し蚀葉の構文・意味解析をどのようなモデルに基づいお行なうかずいうこずずは䞀応独立した問題であるず考えられるしかし本手法の有効性を怜蚌するために我々は䞀぀の優先床蚈算法を実隓システムに実装した以䞋ではこれに぀いお簡単に説明する詳现は別皿\cite{䌝:蚀凊-投皿䞭}を参照されたい我々の優先床蚈算法は{\bfコヌパス}に基づく(corpus-based)手法である優先床はその䟝存関係解釈が孊習デヌタ䞭でどのくらいの頻床で生じおいるかに応じお䞎えるすなわち係り文節$\alpha$ず受け文節$\beta$の間の䟝存関係解釈$\pi$の優先床$P(\pi,\alpha,\beta)$は次匏で䞎えられる\begin{equation}\label{eq:Preference}P(\pi,\alpha,\beta)=\frac{\mbox{\Formula{$\pi$}{\alpha,\beta}の頻床}}{\sum_{p,x,y}\mbox{\Formula{$p$}{x,y}の頻床}}\end{equation}分子は係\hspace{-0.1mm}り\hspace{-0.1mm}文節$\alpha$\hspace{-0.2mm}ず受け文節$\beta$\hspace{-0.1mm}の間に解釈$\pi$\hspace{-0.1mm}を持぀事䟋(\Formula{$\pi$}{\alpha,\beta}で衚す)\hspace{-0.1mm}の頻床であり\hspace{-0.5mm}分母は孊\\習デヌタ䞭のすべおの事䟋の頻床の総和であるしかしこのたたでは孊習デヌタの垌薄性(data-sparseness)の問題を避けられないので分子の\,\Formula{$\pi$}{\alpha,\beta}\,の頻床を蚈算する際に完党に䞀臎する事䟋だけでなく類䌌した事䟋の頻床も考慮する䟋えば\Formula{\Rel{obje}}{翻蚳,入れる}\,の頻床を蚈算する際にこれず類䌌した事䟋\,\Formula{\Rel{obje}}{通蚳,行なう}\,が孊習デヌタ䞭にあればその頻床を考慮に入れるずいう具合である䞍適栌な䟝存関係に぀いおも䟋えば蚀い盎しのパタヌンの間の類䌌性を定矩し䞊ず同じ方法で優先床の蚈算を行なう類䌌性の定矩などの詳现に぀いおはここでは省略する\subsection{最適解遞択}\label{sec:Uniform:Best}最適解遞択はすべおの可胜な䟝存構造ず䟝存関係解釈の候補から最も優先床が倧きくなる組合せをみ぀け文党䜓の䟝存構造ず䟝存関係解釈を出力する(栌構造はそこから生成できる) \section{評䟡} label{sec:Evaluation}\subsection{解析の実䟋}\label{sec:Evaluation:Example}以䞋では本手法による構文・意味解析の実䟋をあげる䟋文はいずれもATR察話デヌタベヌス(ADD)\,\cite{江原:ATR-TR-I-0186}からずったものである\begin{Ex}\label{Ex:Example1}\rm\\begin{description}\item[入力]あの䌚議ではもちろん通蚳翻蚳も入れたす\item[出力][\DP{loct\&de}\SS{[\DP{hest}あの\Q䌚議では]\\\relax[\DP{advRel\&renyo}\SS{もちろん\\\relax[\DP{obje\&accAct}[\DP{semRepair}通蚳\Q翻蚳も]\Q入れたす]]]}}\end{description}\end{Ex}この文は蚀い淀み(「あの」)ず蚀い盎し(「通蚳」$\to$「翻蚳も」)を含む冗長語「あの」は盎埌の文節「䌚議では」に察しお䞍適栌な䟝存関係\Rel{hest}で係るこれはすべおの蚀い淀みに共通した構造であるこの文の蚀い盎しは意味的な原因で生じおおり䞍適栌な䟝存関係\Rel{semRepair}が付䞎される構造芏則(\ref{eq:Struct})により蚀い盎しの蚂正郚分「翻蚳も」が䞻芁郚ずしお䞊䜍の構造に䌝わるこずに泚意せよこれは日本語においおは䞍適栌性による構造も含めお䞻芁郚埌眮の性質が成り立぀こずを意味する\begin{Ex}\label{Ex:Example2}\rm\\begin{description}\item[入力]あのヌ蚀語孊関係の方からのスピヌチスピヌスピヌスピヌチのですね申し蟌み\item[出力][\DP{from\&karano}\SS{[\DP{in\&gen}[\DP{hest}あのヌ\Q蚀語孊関係の]\Q方からの]\\\relax[\DP{of\&gen}\SS{[\DP{synRepair}\SS{スピヌチ\\\relax[\DP{phonRepair}\SS{スピヌ\\\relax[\DP{phonRepair}スピヌ\Qスピヌチのですね]]]}}\\\relax申し蟌み]]}}\end{description}\end{Ex}この文では蚀い盎しが3぀連続しお生じおいる(「スピヌチ」「スピヌ」「スピヌ」$\to$「スピヌチのですね」)これらはすべお蚂正郚分に係るように分析されるその結果連続する蚀い盎しの郚分は右分岐構造をなすこれは日本語の適栌文の暙準的な構造に合臎する\begin{Ex}\label{Ex:Example3}\rm\\begin{description}\item[入力]えヌっず受領の通知は受け取りの通知は十二月䞉十䞀日たでに出させおいただきたす\item[出力][\DP{obje\&accAct}\SS{[\DP{rept}\SS{[\DP{of\&gen}[\DP{hest}えヌっず\Q受領の]\Q通知は]\\\relax[\DP{of\&gen}受け取りの\Q通知は]]}\\\relax[\DP{tlim\&madeni}十二月䞉十䞀日たでに\Q出させおいただきたす]]}\end{description}\end{Ex}この文の蚀い盎し(「受領の通知は」$\to$「受け取りの通知は」)では修埩察象が単䞀の文節ではなく耇数の文節であるしかし修埩察象の内郚が適栌な構造([\DP{of\&gen}受領の通知は])をなしおいるため係り受け解析を拡匵した本手法では倧域的なマッチング\cite{Kikui:ICSLP94-915}を甚いるこずなく修埩察象の範囲を同定できる修埩察象の内郚構造の適栌性は日本語においおは倚くの堎合に成り立぀ず予想される実際ADDの10察話を分析したずころ修埩察象が(冗長語を陀いお)2文節以䞊ある蚀い盎し(14䟋)のすべおに぀いお適栌な内郚構造を䞎えるこずができた\begin{Ex}\label{Eq:Example4}\rm\\begin{description}\item[入力]囜際電話のどうじコンピュヌタによる通蚳コンピュヌタによる同時通蚳に関するあのヌ䌚議\item[出力]\SS{[\DP{on\&nikansuru}\\\QQ[\DP{of\&gen}\SS{囜際電話の\\\relax[\DP{phonRepair}\SS{どうじ\\\relax[\DP{semRepair}\SS{[\DP{by\&niyoru}コンピュヌタによる\Q通蚳]\\\relax[\DP{by\&niyoru}コンピュヌタによる\Q同時通蚳に関する]]]]}}}\\\QQ[\DP{hest}あのヌ\Q䌚議]]}\end{description}\end{Ex}この文では蚀い盎しが2぀連続しお生じおおり(「どうじ」「コンピュヌタによる通蚳」$\to$「コンピュヌタによる同時通蚳に関する」)か぀2番めの蚀い盎しの修埩察象は耇数の文節であるさらに蚀い盎しの盎前の文節「囜際電話の」は2぀の蚀い盎しをはさんで「コンピュヌタによる同時通蚳に関する」に係るこの䟋は䞀芋かなり耇雑にみえるが䞊のように問題なく䟝存構造が䞎えられるこのような耇雑な䟋でもうたく扱えるずいうこずは係り受け解析を拡匵した本手法の䞀般性を瀺しおいるずいえる\subsection{実隓システムの性胜}\label{sec:Evaluation:Experiment}本手法の有効性を定量的に怜蚌するために実隓システムを䜜成した優先床の蚈算法ずしおは\ref{sec:Uniform:Depend:Preference}\,節で抂略を述べたものを甚いた実隓はADDの10察話(662文)を察象ずしお亀差怜定(crossvalidation)で行なった実隓の詳现に぀いおは別皿\cite{䌝:蚀凊-投皿䞭}を参照されたい実隓の結果䟝存関係解釈の正解率は66\%文党䜓の解釈の正解率は49\%であった(人手で付䞎したものず完党に䞀臎したずきのみ正解)䞍適栌性の怜出・修正だけでなく構文・意味解析の総合性胜を評䟡しおいるこずを考えるず悪くない成瞟ずいえる䞀方蚀い盎しに泚目するず統語的蚀い盎しでは再珟率90\%適合率47\%意味的蚀い盎しでは再珟率88\%適合率32\%であった(音韻的蚀い盎しでは修埩察象ず適正な語ずの曖昧性が生じなかったために再珟率適合率ずもに100\%であった)さらに蚀い盎しの解析の適合率の䜎さが統䞀モデルに起因するものかどうか調べるためにこの手法を二段階モデルに組み蟌んで比范したすなわち蚀い盎しに察する解釈芏則を陀いた芏則矀で第䞀段階の解析を行ないそれが倱敗した堎合に蚀い盎しに察する解釈芏則を加えお再解析を行なうこの結果適合率は統語的蚀い盎しでは75\%ず倧きく改善されたが意味的蚀い盎しでは33\%に改善されたに過ぎなかった逆に再珟率はそれぞれ30\%,12\%ず倧きく䜎䞋したこれは蚀い盎しの倚くが適栌文ずしお誀っお解析されたこずを衚し(事実適栌な䟝存関係の解析の適合率が二段階モデルでは䜎䞋した)\citeA{䜐川:IPSJ-NL-94-100-73}が芳察した䞍適栌文ず適栌文ずの曖昧性が二段階モデルでは倧きな問題ずなるこずがわかったこれに察し統䞀モデルでは音響的・韻埋的情報を甚いるこずによっお誀っお蚀い盎しず刀断される䟋を陀去できる可胜性がある\cite{O'Shaughnessy:ICSLP92-931,Nakatani:ACL93-46}\subsection{適甚範囲}\label{sec:Evaluation:Limitation}本研究のタヌゲットである蚀い淀み蚀い盎し繰り返し助詞省略のうち本手法では扱えないものを以䞋にあげる\begin{enumerate}\renewcommand{\theenumi}{}\renewcommand{\labelenumi}{}\item\label{Limitation:1}文節の途䞭で生じた蚀い淀みや蚀い盎しは扱えない䟋えば(\ref{eq:Limitation1})では冗長語「あのヌ」が文節「こちらが」の途䞭で生じおいる(\ref{eq:Limitation2})では蚀い盎しの蚂正が文節の途䞭から生じおいる(\ref{eq:Limitation3})では助詞を含む文節党䜓(「アブストラクトが」)の代わりに助詞(「が」)だけが蚀い換えられおいる\enumsentence{\label{eq:Limitation1}こちら{\bfあのヌ}が朝食のえヌお倀段}\enumsentence{\label{eq:Limitation2}えヌずこの時点で提出しおいただく{\bfだく}のは}\enumsentence{\label{eq:Limitation3}あのヌアブストラクト{\bfを}があれば}ADDの613察話に察する粗い芋積りでは蚀い淀み蚀い盎しが文節の途䞭で生じる割合はそれぞれ0.15\%,3.7\%であった埌者の半数は助詞の蚀い換えである\item\label{Limitation:2}耇合的な原因によっお生じた蚀い盎しは扱えない䟋えば(\ref{eq:Limitation4})は音韻的な原因ず意味的な原因が耇合した蚀い盎しず考えられる(「おおさ」は「倧阪」の発語を䞭断したものでありか぀「倧阪」自䜓も「京郜」を蚀い誀ったものである)\enumsentence{\label{eq:Limitation4}東京から{\bfおおさ}えヌ京郜たで}\item\label{Limitation:3}修埩察象が2文節以䞊ある蚀い盎しのうち䞻芁郚が䞭断語であるものは扱えない䟋えば(\ref{eq:Limitation5})では修埩察象「これはきん」の䞻芁郚「きん」は蚂正郚分の䞻芁郚「犁ぜられおいたす」の䞭断語であるず思われるが「きん」が䞍芁語になっおしたうため修埩察象の内郚構造を正しく解析できない\enumsentence{\label{eq:Limitation5}{\bfこれはきん}えヌ䞀応これはえヌ犁ぜられおいたすんで}\end{enumerate}(\ref{Limitation:1})は係り受け解析を基本ずする本手法ずは別に扱う必芁がある(\ref{Limitation:2}),(\ref{Limitation:3})は䞭断語の扱いに関する問題点であり今埌怜蚎したい \section{埓来の手法ずの比范} label{sec:Comparison}䞍適栌文を扱う手法の研究は\ref{sec:Intro}\,節で述べたように(A)\,䞍適栌性を扱う個別的な手法(B-1)\,二段階モデルに基づく䞀般的な手法(B-2)\,統䞀モデルに基づく䞀般的な手法の3぀のアプロヌチに倧別できるこれらず本皿の手法ずの比范を述べる䞍適栌性を扱う個別的な手法\cite{Hindle:ACL83-123,Bear:ACL92-56,Nakatani:ACL93-46,䜐川:情凊論-35-1-46,山本:情凊論-33-11-1322}においおは蚀い盎しの扱いなどが他の構文・意味解析過皋ずは独立しお論ぜられおいるこれらの䞭には再珟率・適合率による評䟡においお本皿の手法より優れおいるものもある(䟋えば\citeA{Nakatani:ACL93-46}は蚀い盎しの怜出で再珟率83\%ず適合率94\%を達成しおいる)がこれらの手法を構文・意味解析システムに組み蟌んだずきにどれだけ有効かは明らかでない\footnote{\citeauthor{Bear:ACL92-56}は埌の報告\cite{Dowding:ACL93-54}においお蚀い盎しの凊理を構文・意味解析システムに組み蟌んだ際の再珟率・適合率がそれぞれ30\%,62\%であったずしおいる}特に\ref{sec:Ill-formed:Repair}\,節で述べたように日本語においおは適栌文ず䞍適栌文の曖昧性が生じる堎合が倚いので䞍適栌性の凊理を構文・意味解析過皋の䞭にうたく組み蟌む方法を考えるこずがずりわけ重芁である䞀方䞍適栌性を扱う䞀般的な手法を話し蚀葉の䞍適栌性の扱いに具䜓的に適甚した研究は芋られない二段階モデルに基づく手法\cite{Jensen:CL-9-3-147,McDonald:ANLP92-193,Weischedel:CL-9-3-161,Mellish:ACL89-102}の䞭には話し蚀葉の凊理に適甚できそうなものもある(䟋えばチャヌト法の拡匵によっお文䞭の䜙分な語の削陀や欠萜しおいる語の挿入を行なう\citeA{Mellish:ACL89-102}の手法)が具䜓䟋がないのでその有効範囲は明らかでないたた統䞀モデルに基づく手法\cite{Fass:CL-9-3-178,Hobbs:AI-63-69}は動䜜原理ず簡単な䟋の提瀺に留たっおおり本皿で瀺したような広範囲な実䟋ぞの適甚に぀いおは述べられおいない本皿の手法は既存の統䞀モデルに基づく手法からアむデアを借甚しおいる郚分もある(䟋えば確定節による芏則の蚘述ずアブダクションによる解釈は\citeA{Hobbs:AI-63-69}のモデルの拡匵である)が話し蚀葉の䞍適栌性を扱うための具䜓的な芏則や優先床蚈算の具䜓的な手法を䞎えおいる点においお既存の手法に優るたずめるず本皿の手法は䞍適栌性を扱うための具䜓的な方法を䞎え぀぀特定の䞍適栌性の扱いにずどたらず構文・意味解析過皋党䜓を考慮した手法を実珟しおいる点が埓来の手法に察しお優れおいるずいえる \section{おわりに} label{sec:Conclude}本皿ではテキスト(挢字仮名混じり文)に曞き起こされた日本語の話し蚀葉の文からその文の栌構造を取り出す構文・意味解析凊理の䞭で蚀い淀み蚀い盎しなどの䞍適栌性を適切に扱う手法に぀いお述べた本手法は適栌文ず䞍適栌文を統䞀的に扱う統䞀モデルに基づいおおり具䜓的には係り受け解析の拡匵によっお実珟されおいる本皿ではたず音声察話コヌパスからの実䟋をあげながら統䞀モデルの必芁性を述べ次に本手法の詳现を説明した埌その有効性を解析の実䟋をあげるずずもに実隓システムの性胜を評䟡するこずで瀺したその結果さたざたな䞍適栌性を含む耇雑な話し蚀葉の文が係り受け解析を基本ずする本手法によっおうたく扱えるこずが瀺されさらに定量的にも詊隓文の玄半数に完党に正しい䟝存構造が䞎えられるこずが瀺された今埌の課題ずしおは適甚範囲の拡倧ずずもに音響的・韻埋的情報を利甚した䞍適栌性の解析の高粟床化があげられる\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䌝康晎}{1988幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1993幎同倧孊倧孊院博士埌期課皋研究指導認定退孊京郜倧孊博士(工孊)1991幎より2幎間ATR自動翻蚳電話研究所滞圚研究員1993幎囜際電気通信基瀎技術研究所入瀟ATR音声翻蚳通信研究所研究員1996幎10月より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授珟圚に至る蚈算蚀語孊認知科孊の研究に埓事日本認知科孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\appendix\begin{table}[h]\caption{非終端蚘号}\label{tab:Sym}\smallskip\centering\begin{tabular}{|c|l|}\hline\Var{Sym}&\hfil統語範疇\\\hline\hline\Rel{nonlex}&䞍芁語\\\hline\Rel{adn}&連䜓詞\\\hline\Rel{adv}&副詞\\\hline\Rel{n}&普通名詞固有名詞などの名詞類\\\hline\Rel{v}&が動詞がを動詞が圢容詞などの動詞類\\\hline\Rel{n\_v}&名詞類+繋蟞\\\hline\Rel{v\_n}&動詞類+補文暙識\\\hline\Rel{n\_v\_n}&名詞類+繋蟞+補文暙識\\\hline\Rel{v\_n\_v}&動詞類+補文暙識+繋蟞\\\hline\end{tabular}\end{table}\begin{table}[h]\caption{䟝存構造における係り文節ず受け文節の組合せ}\label{tab:Struct}\vspace*{-\bigskipamount}\centering\begin{tabular}[t]{|c|c|c|}\hline\Var{Sym1}&\Var{Sym2}&\Var{Depend}\\\hline\hline\Rel{nonlex}&\Rel{nonlex}&\Rel{dep\_nonlex\_nonlex}\\\hline\Rel{nonlex}&\Rel{adn},\Rel{adv},\Rel{n},\Rel{n\_v},\Rel{n\_v\_n},\Rel{v},\Rel{v\_n},\Rel{v\_n\_v}\,のいずれか&\Rel{dep\_nonlex\_any}\\\hline\Rel{adn}&\Rel{adn}&\Rel{dep\_adn\_adn}\\\hline\Rel{adn}&\Rel{n},\Rel{n\_v},\Rel{n\_v\_n}\,のいずれか&\Rel{dep\_adn\_n}\\\hline\Rel{adv}&\Rel{adv}&\Rel{dep\_adv\_adv}\\\hline\Rel{adv}&\Rel{v},\Rel{v\_n},\Rel{v\_n\_v}\,のいずれか&\Rel{dep\_adv\_v}\\\hline\Rel{n}&\Rel{n},\Rel{n\_v},\Rel{n\_v\_n}\,のいずれか&\Rel{dep\_n\_n}\\\hline\Rel{n}&\Rel{v},\Rel{v\_n},\Rel{v\_n\_v}\,のいずれか&\Rel{dep\_n\_v}\\\hline\Rel{v}&\Rel{n},\Rel{n\_v},\Rel{n\_v\_n}\,のいずれか&\Rel{dep\_v\_n}\\\hline\Rel{v}&\Rel{v},\Rel{v\_n},\Rel{v\_n\_v}\,のいずれか&\Rel{dep\_v\_v}\\\hline\end{tabular}\end{table}\begin{table}[h]\caption{適栌な䟝存関係に関する解釈(侀郹)}\label{tab:Well-formed}\smallskip\centering\begin{tabular}{|c|c|c||l|}\hline\Var{Depend}&\Var{SemRel}&\Var{SynRel}&\hfil䟋\\\hline\hline\Rel{dep\_adn\_n}&\Rel{adnRel}&\Rel{rentai}&\Pair{この,\,䌚議}\\\hline\Rel{dep\_adv\_v}&\Rel{advRel}&\Rel{renyo}&\Pair{倚分,\,簡単だ}\\\hline&\Rel{of}&\Rel{gen}&\Pair{日本の,\,驖盾}\\\cline{2-4}\Rel{dep\_n\_n}&\Rel{in}&\Rel{gen}&\Pair{京郜の,\,ホテル}\\\cline{2-4}&\Rel{from}&\Rel{karano}&\Pair{倧孊からの,\,参加者}\\\hline&\Rel{agen}&\Rel{nomAct}&\Pair{孊生が,\,研究する}\\\cline{2-4}&\Rel{obje}&\Rel{nomAct}&\Pair{䌚議が,\,興味深い}\\\cline{2-4}\Rel{dep\_n\_v}&\Rel{obje}&\Rel{accAct}&\Pair{日本語を,\,話す}\\\cline{2-4}&\Rel{obje}&\Rel{nomPass}&\Pair{日本語が,\,話される}\\\cline{2-4}&\Rel{loct}&\Rel{de}&\Pair{倧孊で,\,研究する}\\\hline\Rel{dep\_v\_n}&\Rel{that}&\Rel{toiu}&\Pair{分析するずいう,\,研究}\\\hline\Rel{dep\_v\_v}&\Rel{caus}&\Rel{node}&\Pair{興味深いので,\,聞く}\\\hline\end{tabular}\end{table}\begin{table}[h]\caption{䞍適栌な䟝存関係に関する解釈}\label{tab:Ill-formed}\smallskip\centering\begin{tabular}{|c|c||l|}\hline\Var{Depend}&\Var{IllRel}&\hfil䟋\\\hline\hline\Rel{dep\_nonlex\_nonlex}&\Rel{hest}&\Pair{えヌっず,\,あのヌ}\\\hline\Rel{dep\_nonlex\_any}&\Rel{hest}&\Pair{えヌっず,\,そちら}\\\cline{2-3}&\Rel{phonRepair}&\Pair{぀う,\,通蚳電話}\\\hline\Rel{dep\_adn\_adn}&\Rel{semRepair}&\Pair{同じ,\,同䞀}\\\hline\Rel{dep\_adv\_adv}&\Rel{semRepair}&\Pair{盎接に,\,簡単に}\\\hline&\Rel{synRepair}&\Pair{カヌドを,\,カヌドの}\\\cline{2-3}\Rel{dep\_n\_n}&\Rel{semRepair}&\Pair{通蚳,\,翻蚳}\\\cline{2-3}&\Rel{rept}&\Pair{通知は,\,通知は}\\\hline&\Rel{synRepair}&\Pair{持ち蟌んで,\,持ち蟌んでいただいお}\\\cline{2-3}\Rel{dep\_v\_v}&\Rel{semRepair}&\Pair{぀もりです,\,予定です}\\\cline{2-3}&\Rel{rept}&\Pair{行くず,\,行くず}\\\hline\end{tabular}\end{table}\end{document}
V02N02-01
\section{たえがき} 高床な自然蚀語理解システムの実珟のために,凝った蚀い回し,すなわち修蟞衚珟を工孊的に凊理する手法の確立は,避けお通れない研究課題になっおいる.代衚的な修蟞衚珟である「比喩」は,隠喩,盎喩,掻喩,物喩,提喩,換喩,諷喩,匕喩,匵喩,類喩,声喩,字喩,詞喩の13皮類に分類するのが䞀般的である\cite{Haga1990}.その䞭でも隠喩ず換喩は,埓来からずりわけ泚目され\cite{Haga1990},工孊の分野でもこの2皮の比喩の解析の研究に぀いおは,既に数倚く行われおいる\cite{Doi1989,Iwayama1991,Utsumi1993,Suwa1994,Iwayama1992}.隠喩ず換喩以倖の比喩に぀いおは,諷喩の固定したものである「諺」を怜出するモデルが提案されおいる\cite{Doi1992}以倖は,抂しお工孊的凊理の察象ずしおはただあたり泚目されおいないずいっおよい.比喩の䞀぀である「詞喩」は,「同音語など,こずばの倚面性を利甚しおむメヌゞの倚重性をもたらす,地口や語呂合わせなどの遊戯的衚珟の総称」ず定矩され\cite{Nakamura1991},その䞭心が,同音異矩語あるいは類音語を利甚した「掛け蚀葉」にあるずされおいる\cite{Nakamura1977}.たた「駄排萜」は䞭村によるず,「掛け蚀葉の䜿甚それ自䜓を目的ずしお無意味な蚀葉を添える衚珟技法」ず定矩される\cite{Nakamura1991}.さらに尌ケ厎は,掛け蚀葉ず駄排萜ずを,成立の仕組みの䞊では同じものずしお扱っおいる\cite{Amagasaki1988}.これらによるず,詞喩ず駄排萜ずの関係に぀いおは皮々の芋方があるものの,駄排萜を詞喩衚珟の卑近な兞型䟋ずしお扱うこずに異論は無いものず考えられる.北垣は,ヒュヌマンフレンドリヌなコンピュヌタの開発ずいう芳点から,駄排萜情報を抜出するシステムを詊䜜しおいる\cite{Kitagaki1993}.しかしこれは,自然蚀語理解の芳点から駄排萜の工孊的解析に取り組んだ研究ではない.筆者らは,駄排萜を「地口」ずしお扱い,その工孊的怜出法の怜蚎を進めおきた\cite{Takizawa1989}.珟圚は怜出から䞀歩進めお,駄排萜を理解するシステムの構築を目指しおいる.その研究の䞀環ずしお本皿では,蚘述された(即ち発話されたものでない)駄排萜を収集し,筆者らが「䜵眮型」ず呌ぶ駄排萜の䞀皮に぀いお,音玠䞊の性質を分析し,工孊的凊理機構を構成するために必芁な知芋を埗た結果に぀いお報告する. \section{分析のための準備} label{pre}\subsection{甚語の定矩}\label{pre-def}比喩の研究では,比喩を,䟋えられる語(被喩蟞,tenor)ず䟋える語(喩蟞,vehicle)ずの2項関係に単玔化しお分析しおいる.䟋えば楠芋によるず,実際の甚䟋における\#\ref{one}のような比喩を\#\ref{two}のような盎喩等に単玔化しお,被喩蟞「心」ず喩蟞「沌」の2項の関係を分析する\cite{Haga1990}.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「心は颚のない池か沌の面のようにただどんよりず柱んでいた.」\label{one}\item「心は沌のようだ」\label{two}\end{sample}\vspace*{1em}被喩蟞ず喩蟞の2項以倖は,䞀般に比喩の成立には盎接的には無関係ず考えられるため,比喩の研究はこの2項の関係を分析するこずに垰結させるこずができる.そこで本研究でも,駄排萜を,比喩の䞀皮である詞喩の兞型䟋ず捉え,2項関係に単玔化しお分析する.筆者らは,駄排萜(地口)を「重畳型」ず「䜵眮型」ずに分類できるこずを指摘した\cite{Takizawa1992}.重畳型ずは,\#\ref{three}のように,2項の音玠列を共有させる駄排萜である.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「\underline{通垞残業}省」\label{three}\end{sample}\vspace*{1em}\#\ref{three}の堎合は「通商産業省」ず「通垞残業」ずが,䞋線郚で音玠䜍眮を共有しおいる.たた䜵眮型ずは\#\ref{four}のように,2項の音玠列を近接した䜍眮に䜵存させる駄排萜である.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「\underline{トむレ}に行っ\underline{ずいれ}」\label{four}\end{sample}\vspace*{1em}\#\ref{four}の堎合は,類䌌音玠列である「トむレ」(普通名詞)ず「ずいれ」(「行っお」(子音動詞カ行促音䟿圢タ系連甚テ圢)の䞀郚「お」「おいで」(普通名詞)の音䟿化)ずが,䞋線郚で瀺すように近接しお䜵存しおいる.ある発話に察しお聞き手が駄排萜で答える\#\ref{five}のような䟋は,䜵眮型に分類される.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「\underline{運動堎}借りおもいい」「\underline{うん,どうじょ}.」\label{five}\end{sample}\vspace*{1em}䞀般の比喩の堎合,単玔化された2項は䞀方が被喩蟞,他方が喩蟞ずなる.ずころが駄排萜の堎合,2項のうちのどちらが被喩蟞でどちらが喩蟞であるかを明確には決められない.䟋えば,\#\ref{six}の堎合,「豚」(普通名詞)ず「ぶた」(子音動詞タ行未然圢)ずの2項関係に単玔化できるが,先行する「豚」の音玠を「ぶた」のほうに重ねたず考えれば,「ぶた」が「豚」を䟋えたこずになる.逆に,「ぶた」が埌続するこずを匂わせるためにたず「豚」を提瀺した(すなわち「豚」に「ぶた」を重ねおいる)ず考えれば,「豚」が「ぶた」を䟋えたこずになる.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「豚がぶたれた」\label{six}\end{sample}\vspace*{1em}そこで本研究では,駄排萜を構成する2項を区別するこずなく共に喩蟞ずし,先に提瀺される喩蟞を「先行喩蟞」,埌の喩蟞を「埌続喩蟞」ず呌ぶこずにする.駄排萜は,䞡喩蟞の発音を接近させるために,䞀方(たたは䞡方)の喩蟞の発音を倉歪させるこずがよく行われる.本研究では,発音倉歪埌の語句(䟋えば\#\ref{four}の埌半の䞋線郚「ずいれ」)を「出珟喩蟞」ず呌ぶこずにする.そしお倉歪前の語句,即ち出珟喩蟞を,付録で述べる「基準蟞曞」に登録されおいる圢態玠の組合せに埩元した語句を「埩元喩蟞」ず呌ぶこずにする.䟋えば\#\ref{four}の出珟喩蟞「ずいれ」の堎合,「おおいで」が埩元喩蟞(埌続埩元喩蟞)ずなる.なお,\#\ref{four}の先行埩元喩蟞「トむレ」のように,出珟喩蟞が埩元喩蟞ず䞀臎する堎合もありうる.重畳型ず䜵眮型ずでは,機械凊理によっお出珟喩蟞(および埩元喩蟞)を同定するためにずるべき方法が,根本的に異なる.重畳型の堎合,先行出珟喩蟞ず埌続出珟喩蟞ずが重なっおおり\footnote{埓っお重畳型の堎合は「先行」「埌続」ずいう呌称は䞍適圓であろう.},䞡方の出珟喩蟞を同定するには,同䞀文字列の範囲を2重に解析する必芁がある.䟋えば重畳型駄排萜「通垞残業省」の堎合,衚蚘に埓った蟞曞匕きから「通垞残業」(2圢態玠)を䞀方の出珟喩蟞(か぀埩元喩蟞)ずしお同定した䞊で,曎に同䞀文字列の範囲においお,今床は音玠列の最長䞀臎による蟞曞匕きを行い,もう䞀方の出珟喩蟞である「通垞残業省」を同定しお,そこから埩元喩蟞の「通商産業省」を埩元する,ずいう解析を行う必芁がある.通垞の自然蚀語凊理では,このように同䞀文字列を2重に解析するこずは䞀般に無い.それに察し䜵眮型駄排萜の堎合は,先行埌続出珟喩蟞が独立しお明瀺されおいるため,圢態玠・構文解析は原理的には通垞の自然蚀語における解析方法ず同じであり,あずは音玠列の照合によっお,同䞀(たたは類䌌)音玠列を探玢しお先行埌続出珟喩蟞を同定すればよい.そこで本皿では,機械凊理がより簡単ず思われる䜵眮型のほうにたず着目しお分析した.\subsection{想定する駄排萜理解システム}機械による駄排萜理解ずは,文を入力し,意味解析結果,出珟喩蟞,および埩元喩蟞を出力するこずずする.䟋えば,\#\ref{four}の文を入力した堎合,抂念的には以䞋のような出力を埗るこずを,機械が駄排萜を理解したこずずする.\vspace*{1em}\begin{list}{}{}\item意味解析結果:トむレに行くこずを勧める\footnote{実際の意味解析結果の出力は,もちろんこのような自然蚀語による曖昧な衚珟でなく,蚘号による意味衚珟にすべきであろう.}\item先行出珟喩蟞:「トむレ」\item埌続出珟喩蟞:「ずいれ」\item先行埩元喩蟞:「トむレ」\item埌続埩元喩蟞:「おおいで」\end{list}\vspace*{1em}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\vspace{-0.7cm}\epsfile{file=fig.eps,scale=1.0}\caption{本研究で想定する駄排萜理解システム}\label{joke-system}\end{center}\end{figure}}本研究で想定する駄排萜理解システムを図\ref{joke-system}に瀺す.このシステムは,未知語凊理機胜をも぀通垞の自然蚀語理解システム(以䞋「䞻凊理郚」ず呌ぶ)に,音玠列比范に基づく駄排萜怜出郚ず,駄排萜に起因する未知語の凊理郚(以䞋「喩蟞埩元郚」ず呌ぶ)ずを倖付けした機構を想定しおいる\footnote{想定する駄排萜理解システムは,挢字カナ亀じり文を音玠蚘号列化する際の限界や,通垞の未知語凊理の困難さなど,駄排萜凊理に限らない䞀般的な未解決の問題を切り離しお想定したものである.これは,本研究が取り扱う範囲を駄排萜凊理に限定したいためである.埓っお提案するシステムを実際に実珟するためには,乗り越えなければならない壁が倚くある.}.䞻凊理郚に倖付けするずいう方針で蚭蚈したのは,通垞の自然蚀語理解技術の進歩を,駄排萜理解システムに取り蟌むこずができるようにするためである.この方針によれば,䞻凊理郚の性胜向䞊に䌎っお,駄排萜理解システムずしおの性胜も向䞊するこずが期埅できる.たた,通垞の自然蚀語理解システムがも぀䞀般的な限界を䞀応切り離しお,倖付け郚分の構築に重点的に取り組むこずができる.入力は,テキスト文(挢字カナ亀じり文)ずする\footnote{珟段階では,音声入力を想定しおいない.その理由は,音声認識における音韻識別性胜の限界ずいう,本研究が盎接的には察象ずしない芁因による制玄を排陀するためである.しかし駄排萜はむントネヌション等のプロ゜ディヌを駆䜿しお生成・理解される発話衚珟ず考えられるので,将来的には音声入力を想定したシステムを怜蚎しなければならないず考えられる.}.たず駄排萜怜出郚では,入力テキストを音玠蚘号化し,その音玠列の䞭に,ある皋床の長さに枡っおある皋床の類䌌性で䞀臎あるいは類䌌する郚分音玠列の組があるかどうかを調べる.あった堎合(その郚分音玠列をps1ずps2ずする),その入力に駄排萜が存圚したず刀定し,ps1ずps2を,先行埌続出珟喩蟞の音玠列ずする.䞀方,䞻凊理郚においお未知語ず刀定された語句を取り出し,その未知語が出珟喩蟞,即ち駄排萜化に䌎う音玠倉歪によっお生じた語句であるかどうかを喩蟞埩元郚で刀定する.具䜓的には,その未知語の音玠列がps1たたはps2のどちらかず重なるかどうかをチェックする.もし重なるならば,その未知語を出珟喩蟞ず刀定し,喩蟞埩元郚においお,駄排萜の音玠倉歪の性質に基づく芏則に埓っおその未知語(出珟喩蟞)から元の語(埩元喩蟞)を埩元し,埩元した語を䞻凊理郚に返す.この凊理郚における凊理の目的は,埩元喩蟞の同定のみならず,通垞の意味解析が出珟喩蟞(駄排萜化による未知語)の存圚によっお劚げられるのを防ぐこずである.本システムは最終出力ずしお,通垞の意味解析結果,出珟喩蟞,および埩元喩蟞が䞻凊理郚から埗られるこずになる.駄排萜怜出郚においお,入力に駄排萜が含たれおいないず刀定された堎合は,意味解析結果だけが出力されるこずになる.\subsection{分析内容}本研究の目的は,図1の駄排萜理解システムを実珟するために必芁な音玠䞊の知芋を埗るこずである.そのために,特に駄排萜のための凊理を行う郚分である「駄排萜怜出郚」ず「喩蟞埩元郚」ずに぀いお,その構築のためにどのような音玠䞊の知芋が必芁かを考える.たず,駄排萜怜出郚を構築するためは,音玠列がどの皋床䞀臎あるいは類䌌したら駄排萜ず刀定するかずいう基準を決めるこずが必芁である.そこで,収集した駄排萜における先行埌続出珟喩蟞に぀いお,音玠列の長さず音玠の類䌌性ずいう芳点から,以䞋の2点を調べる.\vspace*{1em}(1)先行−埌続出珟喩蟞間の音玠列は,どれ䜍の長さの䞀臎(たたは類䌌)が芋られるか(2)先行−埌続出珟喩蟞間の音玠の盞違にはどのような特城があるか\vspace*{1em}\\たた,喩蟞埩元郚を構築するためには,出珟喩蟞を埩元喩蟞に埩元するための知芋,すなわち駄排萜はどのように発音が倉歪される傟向があるかに぀いおの知芋が必芁になる.そこで,収集した駄排萜における出珟喩蟞埩元喩蟞に぀いお,以䞋の点に぀いお調べる.\vspace*{1em}(3)出珟−埩元喩蟞間の音玠の盞違にはどのような特城があるか\\\\\\vspace{-1mm}以䞊の3点に぀いお調べた結果を,それぞれ\ref{onso-length}〜\ref{onso-soui}節で述べる.\subsection{分析察象ずする駄排萜の収集ず遞定}本皿で分析察象ずする駄排萜は,倖囜語専攻の倧孊生54名に回答甚玙を配垃し,筆蚘による創䜜を䟝頌しお収集したものである\footnote{本研究で分析察象ずする駄排萜は,コヌパスから甚䟋を収集したものではない.甚䟋を甚いなかった理由は,実際のコヌパスにおいお駄排萜が出珟する頻床が限られおおり,蚈量的な分析に耐えるだけの甚䟋を収集するこずが困難ず思われたためである.}.埓っお収集された駄排萜は,発話されたものではなく,蚘述されたものである.各人の創䜜個数には制限を蚭けず,被隓者ペヌスの回答により,制限時間も蚭けなかった.その結果,325個の創䜜文(たたは創䜜句)が収集された(䜆し\#\ref{five}のような察話文の堎合,1察話を1文ず数えた).収集した325個の文(句)から,以䞋の基準で分析察象を遞定した.\\\begin{enumerate}{\def\labelenumi{}\item\ref{pre-def}節で述べたように,本研究ではたず䜵眮型駄排萜を察象ずするため,重畳型駄排萜は分析察象から陀倖した.\item被隓者間で重耇する駄排萜は1぀だけ残し,あずは陀倖した.\item2項関係に単玔化した堎合に重耇するものは1぀だけ残し,あずは陀倖した.\item韻を螏んでいるだけのものは駄排萜でなく韻文に属するず考え,陀倖した.韻文ずみなす基準は,先行埌続埩元喩蟞の音玠列の䞀臎(たたは類䌌)郚分を切り出した堎合に,先行埌続埩元喩蟞共に圢態玠の途䞭で切れおしたうものずした.぀たり,音玠䞀臎(たたは類䌌)範囲を切り出すず先行埌続埩元喩蟞のどちらか少なくずも片方が䞀぀あるいは2぀以䞊の圢態玠(の組合せ)になっおいるもののみを駄排萜ずした.この基準に基づき陀倖した䟋を\#\ref{seven},\#\ref{eight}に瀺す.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「ママず坊やでマヌボヌ春雚」\label{seven}\item「倧腞・小腞・気象庁」\label{eight}\end{sample}\vspace*{1em}\#\ref{seven}は駄排萜ではなく頭韻の組合せずみなすのが劥圓ず思われる.\#\ref{eight}は埩元喩蟞が「腞」ず「庁」であり,どちらも圢態玠「倧腞」「小腞」「気象庁」の䞀郚に過ぎないので,駄排萜ではなく韻文ずみなした\footnote{「倧腞」が無ければ䞡出珟喩蟞は「小腞」ず「象庁」ずなるので,䞀圢態玠を成す「小腞」を䞀方の埩元喩蟞ずみなすこずもできるが,\#8は䞃五調のリズムになっおいるこずから,成立の䞊で「倧腞」が䞍可欠ず考えられる.そうするず,本分析では䞀圢態玠ずみなさない「腞」ず「庁」が出珟喩蟞ずなるので,分析から陀倖するのが劥圓ずいうこずになる.}.\item「ひねり」が党く無く,単なる同音(たたは類䌌音)の反埩に過ぎないず思われるものは陀倖した\footnote{「掛け蚀葉の䜿甚それ自䜓を目的ずしお無意味な蚀葉を添える衚珟技法」である駄排萜に察しお,同音(たたは類䌌音)の反埩に過ぎないからずいっお陀倖するこずは定矩に矛盟する,ずいう意芋があるかも知れない.しかし同音(たたは類䌌音)の反埩に過ぎないものたでも駄排萜に含めるず,類䌌した音玠の矅列だけでも駄排萜になり埗おしたい,駄排萜の範囲が極端に広がっおしたう危険がある.倚少の「ひねり」が感じられるこずを,駄排萜であるための条件ずするこずは,盎芳的な定矩にも合臎しおいるず思われる.}.陀倖した䟋を\#\ref{nine}ず\#\ref{ten}に瀺す.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「寝耳に耳」\label{nine}\item「あなた䜕型」「くわがた」\label{ten}\end{sample}\vspace*{1em}}\end{enumerate}以䞊のような圢態䞊の理由によっお陀倖されたもの以倖は,すべお分析察象ずし,駄排萜ずしおの面癜さのような䞻芳的な刀定による陀倖は行わなかった.たた,原文のたたでは2項関係になっおいないものを2項関係にするための修正を行った.修正の䟋を\#\ref{eleven},\#\ref{twelve}に瀺す.\vspace*{1em}\begin{sample}\item「鳩が䜕かを萜ずしおいったっおね」「ふん」\\\\hspace*{3cm}→「糞」ず「ふん」ずの2項関係ずしお分析\label{eleven}\item「倩囜の話をしよう」「あのよヌ」\\\\hspace*{3cm}→「あの䞖」ず「あのよヌ」ずの2項関係ずしお分析\label{twelve}\end{sample}\vspace*{1em}以䞊の陀倖・修正の結果,最終的に分析察象ずした駄排萜数(先行埌続出珟喩蟞の組)は203組ずなった.\ref{onso}章では,この203組を分析した結果に぀いお述べる. \section{䜵眮型駄排萜の音玠䞊の分析} label{onso}\subsection{音玠列同士の照合方法}本節では,\#\ref{thirteen}の䟋を甚いお,音玠列同士の照合方法を説明する.\vspace*{1em}\begin{sample}\item仏などほっずけ.\label{thirteen}\end{sample}\vspace*{1em}たず,原文を音玠列に倉換し,䞀臎(たたは類䌌)する郚分音玠列を出珟喩蟞ずしお切り出す.\#\ref{thirteen}を倉換した音玠列/hotokenadohoQtoke/から切り出した以䞋の2぀の郚分音玠列が,それぞれ先行埌続出珟喩蟞の音玠列ずなる.\vspace*{1em}\begin{list}{}{}\item先行出珟喩蟞\hspace*{2cm}/hotoke/\item埌続出珟喩蟞\hspace*{2cm}/hoQtoke/\end{list}\vspace*{1em}次に,先行−埌続出珟喩蟞間,および出珟−埩元喩蟞間で,音玠列を照合し,音玠の盞違を調べる.音玠列を照合する手順は,次の通りずする.たず子音同士を照合する.次に母音同士を照合する.䜆し母音の堎合は,短音同士だけでなく,短音ず長音(䟋えば/o/ず/oo/)あるいは単母音ず耇合母音(䟋えば/o/ず/eo/)のような音玠同士の察応づけも蚱容する.最埌に促音/Q/ず撥音/N/に぀いお,既に照合し終わった音玠を陀いた残りの音玠ず照合する.なお,䟋えば音玠列$/\alpha\beta\gamma/$\hspace*{-0.2mm}ず\hspace*{-0.2mm}$/\alpha\gamma/$ずを照合した堎合,$/\alpha/$同士ず\hspace*{-0.3mm}$/\gamma/$同士が察応づけられ,/β/ず察応づけられる音玠は無いこずになる.この$/\hspace*{-0.3mm}\beta\hspace*{-0.3mm}/$のような音玠を「盞手の無い音玠」ず呌ぶこずにする.この手順に埓い,\#\ref{thirteen}の郚分音玠列を照合するず,以䞋のようになる.\vspace*{1em}\begin{itemize}\item先行出珟喩蟞ず埌続出珟喩蟞ずの照合\begin{verbatim}先行出珟喩蟞/hotoke/||.||||→盾違:盞手の無い促音が1぀存圚埌続出珟喩蟞/hoQtoke/\end{verbatim}\item出珟喩蟞ず,その出珟喩蟞から埩元した埩元喩蟞ずの照合\begin{example}先行出珟喩蟞/hotoke/||||||→盞違は無い先行埩元喩蟞/hotoke/(普通名詞「仏」)埌続出珟喩蟞/hoQtoke/||||△||→盾違:/o/ず/eo/\footnote{単母音ず耇合母音の察応づけも蚱容しおいるので,この堎合は「単母音/o/ず耇合母音/eo/ずが盞違しおいる」ずし,「盞手の無い/e/が䞀぀存圚する」ずはしない.}埌続埩元喩蟞/hoQteoke/(子音動詞ラ行タ系連甚テ圢「ほっお」子音動詞カ行呜什圢「おけ」)\end{example}\end{itemize}\vspace*{1em}以䞊の結果,\#\ref{thirteen}の堎合に埗られる音玠の盞違は,以䞋のようになる.\vspace*{1em}\begin{list}{}{}\item先行−埌続出珟喩蟞間 盞手の無い促音が1぀存圚\item出珟−埩元喩蟞間 (埌続のほうが)/o/ず/eo/\end{list}\subsection{先行埌続出珟喩蟞の音玠列の長さに぀いおの分析}\label{onso-length}音節は単独で発声できる最小単䜍ずされおいる\footnote{今回収集した駄排萜の䞭で1察だけ,音節単䜍の入れ替えがあった(/zjare/-/rezja/).この堎合,䞊蚘の芁領で音玠を単玔に照合するず倧きな盞違ずなっおしたう.しかし音節単䜍の入れ替えは,音声を聞き取った印象では倧きな盞違ずは感じられないものである.なぜなら音節は,単独で発声できる最小単䜍ずされおおり\cite{JIPDEC1992},人間は音玠単䜍でなく音節単䜍で音声を知芚しおいるためず考えられる.埓っお本研究ではこの1察だけは䟋倖ずしお「音節単䜍の入れ替え」ずいう䞀぀の盞違ずしお扱うこずにする.}ため,その数が,実際の長さを反映しおいるず考えられる.そこで本研究では音玠列の長さずしお,音玠数ではなく音節数を甚いる.䟋えば\#13の堎合の音節数は,先行出珟喩蟞/hotoke/が3,埌続出珟喩蟞/hoQtoke/が4である.\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{cc|rrrrrrrr}埌&&&&&&\multicolumn{4}{r}{(総蚈203)}\vspace*{-0.2em}\\続&&&&&&&&&\vspace*{-0.2em}\\出&8&&&&&&&&\vspace*{-0.2em}\\珟&7&&&&&&&1&1\vspace*{-0.2em}\\喩&6&&&&&2&3&&\vspace*{-0.2em}\\蟞&5&&&2&4&4&2&&\vspace*{-0.2em}\\の&4&&2&16&29&6&&&\vspace*{-0.2em}\\音&3&&8&65&4&1&&&\vspace*{-0.2em}\\節&2&&51&1&&&&&\vspace*{-0.2em}\\数&1&\1&&&&&&&\vspace*{-0.2em}\\\cline{3-10}\multicolumn{3}{r}{1}&2&3&4&\5&\6&\7&\8\vspace*{-0.2em}\\\multicolumn{10}{r}{先\行\出\珟\喩\蟞\の\音\節\数\\\\}\vspace*{-0.1em}\\\end{tabular}\caption{先行/埌続出珟喩蟞の音節数の分垃}\label{onsetu-dist}\end{center}\end{figure}分析察象ずする203個の先行埌続出珟喩蟞の各音節数の分垃を,図\ref{onsetu-dist}に瀺す.先行埌続出珟喩蟞の各音節数が䞀臎しおいるのは合蚈154個で,党䜓(203個)のうちの玄4分の3を占める.たた,先行のほうが長いものは15個,埌続のほうが長いものは34個であった.図2から,先行埌続出珟喩蟞の各音玠列の長さに぀いお,定性的に以䞋の知芋が埗られる.\vspace*{2em}\\【知芋】\begin{itemize}\item出珟喩蟞の音節数は,先行ず埌続ずで䞀臎する堎合が倚い.\item䞀臎する堎合の長さは,2〜4音節である堎合が倚い.\item䞍䞀臎の堎合の長さは,先行が3音節,埌続が4音節である堎合が比范的倚い.\item䞍䞀臎の堎合でも,長さの差は2音節たでで,3音節以䞊の差があるこずはほずんどない.\item䞍䞀臎の堎合,埌続のほうが先行よりも長い堎合が倚い.\end{itemize}\subsection{先行−埌続出珟喩蟞間の音玠の盞違に぀いおの分析}分析察象の203察のうち,先行−埌続出珟喩蟞間に最䜎1個でも音玠の盞違があるのは71察であった(箄35\%).埓っお党䜓の玄3分の2は音玠列が完党に䞀臎したこずになる.1察に぀き1個の盞違があるのは57察,2個の盞違があるのは12察,3個の盞違があるのは2察ずなった.埓っお盞違の総蚈は87個ずなった.この87個に぀いお分析した結果,以䞋のようになった.\vspace*{1em}\begin{list}{\Large$\bullet$}{}\item促音/Q/\\\\盞手の無い促音が20個ず,際だっお倚かった.\item母音\\\\長音−短音間の盞違が38個で際だっお倚く,内蚳は衚\ref{different1}のようになった.衚\ref{different1}によるず,/o/-/oo/の盞違ず/a/-/aa/の盞違が比范的倚いず蚀える.先行が短音で埌続が長音である傟向がやや匷いように芋受けられるが,目立った傟向ずたでは蚀えない.\begin{table}\begin{center}\caption{長音--短音間の盞違の内蚳}\label{different1}\begin{tabular}{lccc}音玠の盞違&先行が長音で&先行が短音で&蚈\\&埌続が短音&埌続が長音&\\\hline/o/-/oo/&8&6&14\\/a/-/aa/&4&7&11\\/e/-/ee/&1&4&5\\/i/-/ii/&2&3&5\\/u/-/uu/&0&3&3\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\\\\単母音間の盞違や単母音−耇合母音間の盞違は,衚\ref{different2}の4個ず,盞手の無い拗音/j/ず䞀緒になった1個(埌述)の,蚈5個だけであった.\begin{table}\begin{center}\caption{短母音間および短母音--耇合母音間の盞違(各1個)}\label{different2}\begin{tabular}{l}/i/-/e/\\/a/-/o/\\/oi/-/u/\\/a/-/au/\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\item子音(半母音を含む)\\\\最も倚かったのは砎裂音の無声−有声間の盞違で,6個であった.そのうち構音䜍眮が同じ/k/-/g/および/t/-/d/の組み合わせが5個を占め,それ以倖は/k/-/d/の1個だけであった.摩擊音に぀いおは,有声/z/−無声/s/の盞違が2個芋られた.その他の子音に぀いおは,衚\ref{different3}に瀺す盞違がそれぞれ1個ず぀ずなった.\begin{table}\begin{center}\caption{その他の子音間の盞違(各1個)}\label{different3}\begin{tabular}{l}/i/-/e/\\/a/-/o/\\/oi/-/u/\\/a/-/au/\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\item撥音/N/\\\\盞手の無い撥音が2個あった.\itemほか\\\\残りは,衚\ref{different4}の盞違ずなった.\addtocounter{footnote}{-1}\begin{table}\begin{center}\caption{その他の盞違}\label{different4}\begin{tabular}{l}盞手の無い拗音(2個)\\盞手の無い拗音ず母音の盞違/joo/-/oi/(1個)\\盞手の無い錻音/n/(1個)\\盞手の無い流音/r/(2個)\\音節単䜍の入替/zjare/-/rezja/\footnotemark(1個)\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\end{list}以䞊より,先行−埌続出珟喩蟞間の音玠の盞違に぀いお,以䞋の知芋が埗られる.\vspace*{2em}\\【知芋】\begin{itemize}\item音玠の盞違があるこずは比范的少ない.\item盞違がある堎合,1個である堎合が最も倚く,倚くおも3個皋床たでである.\item盞手の無い促音/Q/が倚い.\item母音に぀いおは,長音−短音間の盞違が倚く,その䞭でも/o/-/oo/間ず/a/-/aa/間の盞違が倚い.短音間の盞違や単母音ず耇合母音ずの間の盞違などはあたり倚くない.埓っお駄排萜における母音の盞違は,長音ず短音ずの盞違以倖はあたり考慮しなくおいいず蚀える.\item子音に぀いおは,砎裂音の無声−有声間の盞違が比范的目立ち,その䞭でも同じ構音䜍眮での盞違が倚い.しかし子音の盞違に぀いおは抂しお目立った傟向は無い.\end{itemize}\subsection{出珟−埩元喩蟞間の音玠の盞違に぀いおの分析}\label{onso-soui}分析察象ずする406察(203察$\times$2(先行ず埌続))の出珟−埩元喩蟞の察のうち,盞違があるの\\は59察(箄15\%)で,比范的少なく,すべお埌続の出珟−埩元喩蟞間の盞違であった.盞違が1個なのは44察,2個が13察,3個が2察で,その結果,盞違は総蚈76個ずなった.この76個に぀いお,音玠グルヌプ毎に分析する.\vspace*{1em}\begin{list}{\Large$\bullet$}{}\item撥音/N/\\\\撥音に関する盞違は,先行−埌続出珟喩蟞間では87個䞭2個しか芋られなかったのに察し,出珟−埩元喩蟞間では76個䞭11個ず,比范的目立った.内蚳は,撥音ずその他の音玠ずの盞違が10個,盞手の無い撥音が1個であった.他の音玠ずの盞違(10個)の内蚳は,/N/-/no/が6個で最も倚く,次が/N/-/ru/(たたは/iru/)の3個で,/N/-/su/が1個だけ芋られた.荻野によるず,いわゆる「圢匏的でない衚珟」においお倚甚される付属語「ん」ず眮き換えられるものずしお,圢匏名詞「の」など(/N/-/no/)が最も倚く,その次に倚いのが吊定助動詞「ぬ」など(/N/-/nu/)で,その次がラ行動詞型語尟・接尟の類(/N/-/ru/など)ずなっおいる\cite{Ogino1993}.即ち,筆者らの結果における撥音に関する盞違の出珟頻床の1䜍ず2䜍はそれぞれ,同文献における出珟頻床の1䜍ず3䜍に察応しおいる\footnote{同文献においお2䜍の出珟頻床をも぀,吊定助動詞「ぬ」が撥音化した「ん」は,我々の研究では,既に䞀般化した衚珟ずみなし,吊定助動詞ずしお基準蟞曞に登録しおいる.そのため,吊定助動詞「ぬ」の意味で/N/が䜿われた堎合は,出珟喩蟞も埩元喩蟞も/N/ずなり,盞違が生じない.そのためこの堎合は,撥音に関する盞違の順䜍に珟れおいない.}.このこずから,駄排萜の出珟−埩元喩蟞間の撥音に関する盞違の出珟頻床に関しおは,いわゆる「圢匏的でない」衚珟における出珟頻床ず同様の傟向があるずいえる.\item子音\\\\有声の砎裂音-摩擊音間(/d/-/z/)が4個,流音-有声砎裂音間(/r/-/d/)が2個,無声摩擊音間(/h/-/s/)が1個,の蚈7個芋られた.党子音に関する盞違の合蚈が76個䞭の7個だけなので,比范的少ないずいえる.\item促音/Q/\\\\先行−埌続出珟喩蟞間に際だっお倚く芋られた,盞手の無い促音は,出珟−埩元喩蟞間の堎合は1個しか無かった.その代わりに,先行−埌続出珟喩蟞間では党く芋られなかった,盞手のある促音が,衚\ref{different5}のようにいく぀か芋られた.\begin{table}\begin{center}\caption{盞手のある促音に関する盞違}\label{different5}\begin{tabular}{cccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数\\\hline/Q/&-&/de/&2\\/Q/&-&/ru/&1\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\item母音\\\\先行−埌続出珟喩蟞間では少なかった単母音間の盞違は,出珟−埩元喩蟞間の堎合では9個あった.音玠の出珟頻床は衚\ref{different6}のように,目立った特城は無い.\begin{table}\begin{center}\caption{短母音間の盞違}\label{different6}\begin{tabular}{cccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数\\\hline/u/&-&/o/&2\\/o/&-&/u/&1\\/e/&-&/a/&2\\/a/&-&/e/&1\\/e/&-&/o/&1\\/o/&-&/e/&1\\/i/&-&/a/&1\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\\\\先行−埌続出珟喩蟞間では際だっお倚く芋られた短音−長音間の盞違は,出珟−埩元喩蟞間の堎合は衚\ref{different7}のように比范的少なく,ほずんどの堎合,出珟喩蟞が長音,埩元喩蟞が短音であった.先行−埌続出珟喩蟞間の堎合ず同様に/o/ず/a/が倚かったが,/e/も倚いのが特城である.\begin{table}\begin{center}\caption{短音--長音間の盞違}\label{different7}\begin{tabular}{cccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数\\\hline/oo/&-&/o/&6\\/o/&-&/oo/&1\\/ee/&-&/e/&5\\/aa/&-&/a/&4\\/uu/&-&/u/&1\\/ii/&-&/i/&1\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\\\\䞊蚘以倖の母音に関する盞違は,衚\ref{different8}のようになった./ai/-/a/の盞違を陀き,出珟喩蟞が単母音たたは長音に限られるのは,埩元喩蟞が発音の「なたけ」によっお出珟喩蟞に倉化するこずによるものず考えられる.䟋倖である/ai/-/a/の4個のうち,3個は終助詞「か」が出珟喩蟞「かい」に倉化したものであり,あず1個は刀定詞「じゃ」が「じゃい」に倉化したものである.たた,先行−埌続出珟喩蟞間でいく぀か芋られた,盞手の無い拗音/j/は衚\ref{different9}のように,出珟−埩元喩蟞間でもいく぀か芋られた.すべお出珟喩蟞の摩擊音に拗音が付加しおいる堎合であった.\begin{table}\begin{center}\caption{その他の母音に関する盞違}\label{different8}\begin{tabular}{ccccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数&\\\cline{1-4}\multicolumn{1}{l}{単母音}&-&\multicolumn{1}{l}{耇合母音}&&\\/o/&-&/eo/&5&\\\multicolumn{1}{l}{耇合母音}&-&\multicolumn{1}{l}{単母音}&&\\/ai/&-&/a/&4&\\\multicolumn{1}{l}{長音間}&&&&\\/ee/&-&/ii/&1&\\\multicolumn{1}{l}{長音}&-&\multicolumn{1}{l}{耇合母音}&&\\/oo/&-&/eo/&1&\\/aa/&-&/ai/&1&\\/ee/&-&/ai/&1&\\\multicolumn{5}{l}{半母音(拗音/j/を含む)や子音を挟んだ母音}\\/ee/&-&/jai/&1&\\/a/&-&/owa/&1&\\/aa/&-&/uwa/&1&\\/i/&-&/esi/&1&\\/oo/&-&/eoru/&1&\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\begin{center}\caption{盞手の無い拗音に関する盞違}\label{different9}\begin{tabular}{cccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数\\\hline/zjoo/&-&/zo/&1\\/sja/&-&/sa/&2\\/zjo/&-&/zo/&1\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\itemほか\\\\以䞊の他に,衚\ref{different10}のような盞違が芋られた.「盞手無し-/i/」は,「いや」が「や」に,「いたす」が「たす」になたけたもので,母音に芋られたなたけの特城ず共通しおいるずいえる.\begin{table}\begin{center}\caption{その他の盞違}\label{different10}\begin{tabular}{cccc}出珟喩蟞&&埩元喩蟞&個数\\\hline/su/&-&盞手なし&1\\/t/&-&盞手なし&1\\盞手なし&-&/i/&2\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\end{list}以䞊より,出珟−埩元喩蟞間の音玠の盞違に぀いお,以䞋の知芋が埗られる.\vspace*{2em}\\\vspace{-0.2mm}【知芋】\begin{itemize}\item音玠の盞違があるこずは比范的少ない.特に先行の出珟−埩元喩蟞間に盞違があるこずはほずんどない.\item音玠の盞違は1個である堎合が最も倚く,倚くおも3個皋床たでである.\item撥音に関する盞違が比范的目立぀.たた撥音ずその他の音玠ずの盞違は,いわゆる「圢匏的でない」衚珟ず同様な出珟頻床の傟向がある.\item子音の盞違は比范的少ない.\item促音の盞違は少ない.盞違がある堎合でも,盞手の無い促音よりも盞手のある促音のほうが倚い.\item単母音間の盞違は比范的少ない.単母音の音玠の盞違には特城的な傟向は無い.\item母音の短音−長音間の盞違は比范的少ない.ほずんどの堎合,出珟喩蟞が長音,埩元喩蟞が短音である./o/,/e/,/a/が比范的倚い.\item母音の盞違の堎合,ほずんどの堎合,出珟喩蟞が単母音たたは長音に限られる.これは,母音に関しおは,埩元喩蟞から発音をなたけたものにする堎合が倚いためず考えられる.出珟喩蟞偎では,終助詞や刀定詞などの文末の語に/i/や,摩擊音の埌に拗音/j/が付加するこずがよくある.\end{itemize}\vspace{-0.3mm} \section{考察ず課題} 分析結果によるず,駄排萜においお極端に発音が倉歪される堎合は少ないこずが明らかになった.むしろ倉歪が党く無く,音玠列が完党に䞀臎する堎合が倚数を占めおいる.この性質は,工孊的凊理においお䞡出珟喩蟞および䞡埩元喩蟞を同定するのに郜合が良い.人間が駄排萜を理解する過皋における凊理では,先行−埌続出珟喩蟞間では,明瀺された2぀の音玠列を単玔に比范するだけであるのに察し,出珟−埩元喩蟞間では,1぀の音玠列ず,自分の知識に栌玍されおいる抂念の音玠列ずの比范を行い,音玠列の類䌌した抂念を取り出すずいう怜玢䜜業を必芁ずする.そのため,怜玢劎力を軜枛するため,出珟−埩元喩蟞間のほうが音玠の盞違が少ないはずず予想される.分析結果では,先行−埌続出珟喩蟞間に盞違がある察は党䜓の玄35であるのに察し,出珟−埩元喩蟞間は玄15ず少なく,この予想に矛盟しない結果になっおいる.埩元喩蟞から出珟喩蟞ぞの音玠の倉歪ず,先行−埌続出珟喩蟞間の音玠の盞違ずが䞀臎しおいる堎合が3䟋あった.この堎合,埩元喩蟞同士は音玠列が完党に䞀臎しおいるのに,出珟喩蟞にした結果かえっお音玠列に䞍䞀臎が生じるこずになる.即ち,䞡埩元喩蟞の発音を近づけるために倉歪しお出珟喩蟞にするずいう,倉歪の目的に反しおいる.その䟋を\#\ref{fourteen}に瀺す.\vspace*{1em}\begin{sample}\itemこのむカ酢はむカスヌ\label{fourteen}\end{sample}\vspace*{1em}\#\ref{fourteen}の分析結果を衚\ref{result}に瀺す.埩元喩蟞間に盞違がないにもかかわらず,出珟喩蟞間に短音/u/−長音/uu/の盞違がある.他の2䟋も母音の短音−長音間の盞違であった.これは,音玠倉歪(特に長音化するこず)自䜓が,駄排萜の成立に重芁な圹割を果たしおいるこずを瀺唆しおいる.面癜い駄排萜にするために音玠倉歪が果たす圹割に぀いおは本皿では立ち入らなかったが,重芁な問題ず思われる.\begin{table}\begin{center}\caption{\#\ref{fourteen}の分析結果}\label{result}\begin{tabular}{lcll}[分析結果]&&&\\\先行出珟喩蟞&:&むカ酢&/ikasu/\\\埌続出珟喩蟞&:&むカスヌ&/ikasuu/\\\先行埩元喩蟞&:&むカ酢(普通名詞)&/ikasu/\\\埌続埩元喩蟞&:&いかす(子音動詞サ行)&/ikasu/\\\end{tabular}\end{center}\end{table}本分析には,以䞋のような課題が残っおいる.\begin{itemize}\item分析察象が甚䟋に基づくものでないこず\\\\本研究で分析察象ずした駄排萜は,分析のために創䜜されたものである.そのため分析察象は,ステレオタむプ的な,いわば「苊し玛れ」の駄排萜が目立った.本分析結果が普遍的な駄排萜に適甚できるかどうかずいう問題が残っおいる.\item基準蟞曞の補匷の問題\\\\付録で述べるように,本研究では俗語的衚珟を蚱容するため基準蟞曞の補匷を行ったが,どの皋床たで蚱容すべきかに぀いおの明確な基準が無い.そのため分析結果が,駄排萜に特有な音玠倉歪の特城であるかどうかを明確にできかったずいう問題が残っおいる.\item音玠倉歪の衚蚘法の問題\\\\蚘述された駄排萜の堎合には,音韻に関する衚蚘の忠実性に限界があるために,「衚蚘のゆれ」が分析結果に圱響を䞎えおいるこずが考えられる.䟋えば,\#\ref{four}の埌続出珟喩蟞の衚蚘を倉えお\#\ref{four}(a)〜(c)のようにした堎合,埌続出珟喩蟞は(a)(b)(c)の順に,先行出珟喩蟞「トむレ」ずの音玠列䞀臎床が枛少し,逆に埌続埩元喩蟞「おおいで」ずの䞀臎床が増加するが,実際の駄排萜においおどの衚蚘が甚いられるかは明確にできるものではない.\vspace*{1em}\hspace*{1em}\#4(a)\\\「トむレに行っずいで」\\\hspace*{1em}\#4(b)\\\「トむレに行っおおいれ」\\\hspace*{1em}\#4(c)\\\「トむレに行っおおいで」\\\end{itemize}このように,本皿のような衚蚘された音玠䞊の分析で,駄排萜の真の発音䞊の性質をどこたで的確に捉えられるか,ずいう問題が残っおいる.䞊蚘の䟋のように,先行−埌続出珟喩蟞間の音玠の盞違ず,出珟−埩元喩蟞間の盞違ずは,同䞀駄排萜䞊で背反の関係にある.埓っお本皿のようにそれぞれの盞違を別個に分析するこずはむしろ䞍自然ず考えるこずもできる.より適切な分析方法に぀いお今埌も怜蚎しおいきたい. \section{むすび} 本皿では,筆者らが「䜵眮型」ず呌ぶ駄排萜の䞀皮に぀いお,音玠䞊の性質を分析し,工孊的凊理機構を構成するために必芁な知芋を埗た結果に぀いお報告した.今埌,曎に倚くの駄排萜に぀いお分析を行い,本皿で埗られた結果が普遍的に通甚するものであるかどうかを確かめる必芁がある.たた,音玠䞊の特城だけでなく,圢態玠構文䞊,さらに意味䞊の特城の分析も必芁である.䞡喩蟞の意味が持぀「䟡倀の萜差」や,俗語的衚珟であるこずなどが,駄排萜ずしおの「出来の良さ」に関連しおいるず考えられるので\cite{Takizawa1992},今埌も怜蚎を進める予定である.\section*{謝蟞}研究のきっかけを䞎えお䞋さった同志瀟倧孊柳田益造教授,駄排萜の収集に協力䞋さった神戞垂倖囜語倧孊の諞氏,䞊びに有益なご蚎論を賜る京郜倧孊山梚正明教授及び京郜蚀語孊コロキりムの諞氏に感謝臎したす.本研究では基準蟞曞ずしお,京郜倧孊長尟研究宀の圢態玠解析システムJUMANの暙準蟞曞を甚いた.関係各䜍に感謝臎したす.最埌に,有益なご指摘を䞋さった査読者の方に埡瀌申し䞊げたす.\section*{付録:基準蟞曞に぀いお}本研究においお分析の基準ずしお甚いる圢態玠解析蟞曞を「基準蟞曞」ず呌ぶこずにする.基準蟞曞ずしお,日本語圢態玠解析システムJUMANに暙準添付されおいる蟞曞(異なり圢態玠数玄13䞇語)を甚いた.䜆し実際の分析には,終助詞,擬音・擬態語,固有名詞等の圢態玠の远加,および連接蟞曞の拡匵などの補匷を行った蟞曞を甚いた.以䞋に,補匷した理由,補匷範囲,および補匷の具䜓的内容に぀いお述べる.\vspace*{1em}\begin{list}{\Large$\bullet$}{}\item補匷した理由\\\\喩蟞埩元郚では,䞻凊理郚においお生じた未知語のうち,駄排萜化に䌎う音玠倉歪によっお未知語になったず刀定されたものを出珟喩蟞の候補ずし,埩元喩蟞に埩元する.そのため䞻凊理郚においお,出珟喩蟞以倖の未知語をできるだけ枛らしおおくこずが,より正しい解析結果を埗るための前提ずなる\footnote{圢態玠解析に倱敗するこずず,未知語を生じるこずずは等䟡ではない.誀った圢態玠解析を行っおしたったこずによっお未知語であっおも未知語にならないこずもありうるが,これは䞻凊理郚における問題であるので,本研究では取り扱わないこずにする.}.そのために補匷が必芁ずなる.\item補匷の範囲\\\\掻甚倉化の远加や語圙の登録など,圢態玠単䜍で察応できる範囲で,しかも駄排萜の堎合に限らずある皋床䜿甚が普遍化しおいるず思われる衚珟に぀いお,方蚀的・俗語的衚珟も含めおできるだけ察応できるように補匷する.そうするこずで,駄排萜に特有な特城のみをより明確に浮かび䞊がらせるこずができるず考えられる.\item補匷の具䜓的内容\begin{enumerate}\def\labelenumi{}\item垞識的衚蚘ず思われる擬音・擬態語や,俗語的衚珟ずしお定着しおいるず思われる語圙,および固有名詞等を远加した.広蟞苑\cite{Koujien1969}に掲茉されおいる語圙を䞀応の远加の基準ずしたが,擬音・擬態語等に぀いおは,広蟞苑に掲茉されおいないものも远加した.\vspace*{1em}\begin{tabular}{l}[远加䟋]\\\\\\\擬音・擬態語「ガヌン」,「ポトン」\\\\\\\代名詞「どい぀」\\\\\\\他動詞サ行倉栌掻甚「ざんす」\\\\\\\刀定詞「や」(甚䟋:「奜きや」)\\\\\\\刀定詞「じゃ」(甚䟋:「誰じゃ」)\\\\\\\終助詞「や」(甚䟋:「痛いや」)\\\end{tabular}\vspace*{1em}\item連接蟞曞の匷化を行い,俗語的衚珟ずしお定着しおいるず思われる接続関係を蚱容するようにした.䟋えば「栌奜いい」(名詞圢容詞)は,JUMANに暙準添付されおいる連接蟞曞では接続怜定ではねられる(「栌奜がいい」(名詞助詞圢容詞)ずしなければならない)が,俗語的衚珟ずしお䞀般化しおいるず思われるので,名詞圢容詞の接続を連接蟞曞に远加し,「栌奜いい」を蚱容できるようにした.他に同様な理由で,呜什圢終助詞(䟋「捚おろよ」),接尟蟞刀定詞(䟋「ではないです」)などを远加した.\item掻甚倉化を拡匵し,䟋えば「芋れる」のようないわゆる「ラ抜き蚀葉」などを蚱容できるようにした.\end{enumerate}\end{list}なおJUMANシステムは,文献\cite{Masuoka1989}に基づいお䜜成されおいる.\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{main}\newpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{滝柀修}{1985幎京郜倧孊工孊郚電気工孊科卒業.1987幎同倧孊院修士課皋修了.同幎,郵政省電波研究所(珟・通信総合研究所)入所.珟圚,同所関西先端研究センタヌ知的機胜研究宀䞻任研究官.自然蚀語凊理の䞭でも,駄排萜,皮肉,トヌトロゞヌ等の修蟞衚珟の蚈算機凊理に興味を持っおいる.1990幎床電子情報通信孊䌚篠原蚘念孊術奚励賞,同幎床電気関係孊䌚関西支郚連合倧䌚奚励賞受賞.日本音響孊䌚,日本心理孊䌚,情報凊理孊䌚,蚀語凊理孊䌚,蚈量囜語孊䌚,人工知胜孊䌚各䌚員.}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V03N02-02
\section{はじめに} むンタヌネット䞊の電子ニュヌス(以䞋ネットニュヌスず蚘す)は誰もが自由に蚘事を投皿するこずができそれがそのたた広く配垃されるずいう特城を持った新しいマスメディアである情報発信者が限られおいる埓来のマスメディア(新聞ラゞオテレビ)ず比べ情報発信の機䌚を広くに解攟した点でネットニュヌスはマスメディアの新しい可胜性を開いたが逆に情報発信者の拡倧による情報の措氎ず情報(テキスト)品質の倚様化ずいう新しい珟象を匕き起こし぀぀あるこのため求める情報を簡単に芋぀けるこずができなくなり぀぀ある我々はこの問題を解決する方策ずしおダむゞェストに泚目しおいる\cite{Madoka-master-94,Madoka-ipsj-conf-94,Madoka-ipsj95}ダむゞェストずは元ずなる情報の特質をコンパクトにたずめお情報の皮類別に敎理したものであり我々が倧量の情報に接する際に効果的なナビゲヌション機胜を果たす既存のダむゞェストは人手で線集されたものがほずんどであるがはじめからオンラむンテキストずしお存圚するネットニュヌスではこのダむゞェスト䜜成を完党に自動化するこずが可胜である我々は既にネットニュヌスのダむゞェスト自動生成の1぀のプロトタむプずしおfj.meetingsのダむゞェスト自動生成システムを䜜成し実際に運甚しおいる\footnote{\verb+http://www.jaist.ac.jp/\~{}sato/nnad/home-j.html+}本研究ではその次のステップずしおfj.wantedのダむゞェスト自動生成に぀いお怜蚎したfj.wantedはfj.meetingsずは異なりかなり倚様な投皿者が倚様なテキスト品質の蚘事を投皿しおおりfj.meetingsのダむゞェスト自動生成で甚いた手法ずは異なった手法が必芁ずなる \section{ニュヌスグルヌプfj.wanted} ダむゞェスト自動生成システムの䜜成に先立ち94幎9月8日から10月18日の間にfj.wantedに流れた蚘事231ä»¶(フォロヌ蚘事は陀く)に察する調査を行なった特にその䞭の59件に぀いおは詳现な調査を行なったここではその調査結果を瀺す\subsection{䞻題䞊の特城}fj.wantedの蚘事の䞻題(目的)は「䜕かを探しおいる(求めおいる)ずいうこずを䌝える」ずいうものであるこれらの蚘事の䞻題はおおよそ図\ref{fig:category}に瀺すような2段の階局的カテゎリに分類するこずが可胜である\footnote{䞋䜍分類の1--5に分類できないもの(䟋えば「ある物ずある物を亀換したい$=$亀換しおくれる人を探しおいる」)は0の「探しおいたす」に分類する}この図においおかぎ括匧内は求めるものの察象が䜕であるかを瀺しおいる以䞋ではこれらのカテゎリを蚘事のカテゎリず呌ぶ\begin{figure}\begin{center}\tree[h]{0.探しおいたす[人,物,情報]}\leaf{1.譲っお䞋さい[物]}\leaf{2.譲りたす[物]}\leaf{3.貞しお䞋さい[物]}\leaf{4.募集したす[人]}\leaf{5.教えお䞋さい[情報]}\endtree\end{center}\caption{蚘事のカテゎリ}\label{fig:category}\end{figure}\subsection{文章䞊の特城}fj.wantedの蚘事には以䞋のような文章䞊の特城が芋られた\begin{enumerate}\item[(1)]倚くの蚘事においおその蚘事の内容を端的に衚す1文(以䞋サマリ文ず呌ぶ)が存圚する\end{enumerate}調査した蚘事59件䞭54ä»¶(91.5\%)にサマリ文が存圚した\begin{enumerate}\item[(2)]fj.wantedの蚘事で甚いられる文章構造のほずんどは単刀盎入型か背景説明型である\end{enumerate}単刀盎入型ず背景説明型ずは図\ref{fig:structure}に瀺すような文章構造(文章の流れ)をさすこの図においおかぎ括匧が぀けられたものは省略可胜な芁玠である調査した蚘事59件䞭単刀盎入型は47ä»¶(79.8\%)背景説明型は10ä»¶(16.9\%)であったなおこれらの型においお「芁玄」の郚分が1文であればそれがサマリ文ずなる\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}[t]{|l|}\multicolumn{1}{c}{単刀盎入型}\\\hline1.[あいさ぀・自己玹介]\\2.芁玄(1文or耇数の文)\\3.[詳现説明]\\\hline\end{tabular}\hspace*{10mm}\begin{tabular}[t]{|l|}\multicolumn{1}{c}{背景説明型}\\\hline1.[あいさ぀・自己玹介]\\2.背景説明\\3.芁玄(1文or耇数の文)\\4.[詳现説明]\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{単刀盎入型ず背景説明型}\label{fig:structure}\end{figure}\subsection{衚珟䞊の特城}fj.wantedの蚘事には以䞋のような衚珟䞊の特城が芋られた\begin{enumerate}\item[(1)]兞型的な「求む」の衚珟が倚くの蚘事で甚いられる\end{enumerate}これらの衚珟のほずんどは兞型的な動詞矀ず文パタヌン(文末衚珟)によっお構成されおいる䜿われる兞型的な動詞は蚘事のカテゎリによっお異なる図\ref{fig:pattern_example}に䟋を瀺す\begin{enumerate}\item[(2)]機械による蚀語凊理を難しくする以䞋のような特城が芋られる\begin{itemize}\itemテキストが䜎品質である(誀りが倚い)\item䌚話䜓が存圚する(ex.「〜っおあるんでしょうか」)\item品目名ずしおかなり特殊な固有名詞が倚数珟れる\end{itemize}\end{enumerate}\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{|rl|}\hline\multicolumn{2}{|l|}{特城的な動詞}\\\hline0.&探しおいたす求めおいたす〜方はいらっしゃいたせんか...\\1.&譲っお䞋さい売っお䞋さい買いたす...\\2.&譲りたす売りたす...\\3.&貞しお䞋さい\\4.&募集したす\\5.&教えお䞋さいご存知ないですか...\\\hline\hline\multicolumn{2}{|l|}{兞型的な「求む」の文パタヌン}\\\hlinea.&「〜を(動詞)䞋さい」\\b.&「〜を(動詞)䞋さる方を探しおいたす」\\c.&「〜を探しおいたすどなたか(動詞)いただけないでしょうか」\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{兞型的な「求む」の衚珟䟋}\label{fig:pattern_example}\vspace*{10mm}\end{figure} \section{サマリ抜出} 䞊蚘の調査結果に基づきfj.wantedの各蚘事から\begin{enumerate}\item蚘事のカテゎリ\itemサマリ文\end{enumerate}の2぀を蚘事のサマリずしお抜出するこずずしそれを行なうモゞュヌルを䜜成したその抂芁を図\ref{fig:summary_extraction}に瀺すこの図に瀺すようにサマリ抜出は文分割特城抜出カテゎリ刀定サマリ文抜出の4぀のステップによっお行なうが最埌の2぀のカテゎリ刀定ずサマリ文抜出はそれぞれ独立に行うこれは以䞋のようにサマリ文ずしお抜出すべき文ずカテゎリ刀定の根拠ずなる文が異なる堎合があるからである\begin{quote}互換機甚のモニタを探しおいたす。\\以䞊の解像床を持぀カラヌモニタヌを䞇円未満で譲っおいただけないでしょうか。\end{quote}この䟋では1文目がサマリ文であるのに察しカテゎリ「譲っお䞋さい」は2文目から求たる\begin{figure}\begin{center}\small\fbox{\begin{tabular}{p{8zw}cp{8zw}}&蚘事&\\&$\downarrow$&\\&\fbox{1.文分割}&(先頭10文のみ)\\&$\downarrow$&\\&\fbox{2.特城抜出}&\\&$\downarrow$&\\&特城ベクトル&(各文に察しお)\\&$\swarrow$\\\\$\searrow$&\\\multicolumn{3}{c}{\begin{tabular}{@{}c@{}}\fbox{3.カテゎリ刀定}\\$\downarrow$\\カテゎリ\end{tabular}\\\begin{tabular}{@{}c@{}}\fbox{4.サマリ文抜出}\\$\downarrow$\\サマリ文\end{tabular}}\end{tabular}}\end{center}\caption{サマリ抜出の抂芁}\label{fig:summary_extraction}\end{figure}\subsection{文分割}ニュヌス蚘事の本文を文毎に分割し先頭の10文を取り出す\footnote{この10ずいう数は実隓的に決定したなおfj.wantedの蚘事の半数以䞊は10文以䞋の蚘事である}蚘事には色々な衚瀺䞊の工倫がされおいるこずがあり文を切り出すこずはそれほど単玔ではないここでは各皮のヒュヌリスティックを組み蟌んだ専甚プログラムによっお文を切り出す\subsection{特城抜出}各文に察しお42個の特城が存圚するかどうかを調べ特城ベクトル(42bitのビット列)を䜜成するここでの「特城」ずは䟋えば\begin{description}\item[特城2]「譲っお䞋さい」に類する衚珟が存圚する\end{description}ずいったものでありこれは衚\ref{table:yuzutte}に瀺すような衚珟が存圚するかどうかを文字列照合によっお調べるこずによっお刀定する42個の特城の抂芁を衚\ref{table:features}に瀺す\begin{table}\caption{特城2の衚珟}\label{table:yuzutte}\begin{center}\small\begin{tabular}{|r|l|l|l|}\hline譲っお&\multicolumn{3}{l|}{\{欲しい$|$䞋さい$|$もらいたい$|$頂きたい\}}\\\cline{2-4}&もらえ&\multicolumn{2}{l|}{るず}\\\cline{3-4}&頂け&たす&か\\&&たせん&でしょうか\\&&ない&\\\hlineお譲り&\multicolumn{3}{l|}{\{䞋さい$|$頂きたい$|$頂きたく\}}\\\cline{2-4}&頂け&\multicolumn{2}{l|}{るず}\\\cline{3-4}&願え&たす&か\\&&たせん&でしょうか\\&&ない&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{42個の特城}\label{table:features}\begin{center}\footnotesize\begin{tabular}{rll}ID&特城&以降の凊理での利甚\\\hline1&探しおいたす&$\rightarrow$探しおいたす\\2&譲っお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\3&売っお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\4&買っお䞋さい&$\rightarrow$譲りたす\\5&貞しお䞋さい&$\rightarrow$貞しお䞋さい\\6&教えお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\7&知らせお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\8&玹介しお䞋さい&$\rightarrow$教えお䞋さい\\9&ダビングしお䞋さい&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\10&譲りたす&$\rightarrow$譲りたす\\11&売りたす&$\rightarrow$譲りたす\\12&募集したす&$\rightarrow$募集したす\\13&知りたいの&$\rightarrow$教えお䞋さい\\14&買いたいの&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\15&欲しいの&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\16&求めおいたす&$\rightarrow$探しおいたす\\17&垌望したす&$\rightarrow$(譲っお䞋さい)\\18&存圚したすか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\19&はあるのでしょうか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\20&はいらっしゃいたすか&$\rightarrow$探しおいたす\\21&可胜でしょうか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\\hline\end{tabular}\begin{tabular}{rll}ID&特城&以降の凊理での利甚\\\hline22&知りたせんか&$\rightarrow$教えお䞋さい\\23&質問です&$\rightarrow$教えお䞋さい\\24&譲っお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\25&売っお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\26&買っお䞋さる&$\rightarrow$譲りたす\\27&貞しお䞋さる&$\rightarrow$貞しお䞋さい\\28&ダビングしお䞋さる&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\29&知っおいる&$\rightarrow$教えお䞋さい\\30&情報を埅っおいたす&$\rightarrow$教えお䞋さい\\31&情報をお持ちの&$\rightarrow$教えお䞋さい\\32&届きたせん&$\rightarrow$譲っお䞋さい\\33&䟡栌&$\rightarrow$譲っお䞋さい(+探)\\34&1䞇円&$\rightarrow$譲っお䞋さい(+探)\\35&どのように/誰か/どこか&$\rightarrow$教えお䞋さい(+探)\\36&疑問文&\\37&です文&$\rightarrow$skip\\38&あいさ぀&$\rightarrow$skip\\39&自己玹介&$\rightarrow$skip\\40&代理投皿&$\rightarrow$skip\\41&境界線&$\rightarrow$skip\\42&コメント&$\rightarrow$skip\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{カテゎリ刀定}カテゎリ刀定では35個の芏則を甚いるこのうち31個の芏則は特城1--16,18-32に盎接察応する芏則でこれらの特城の存圚がそのたたカテゎリの候補に察応する(衚\ref{table:features}䞭の「以降の凊理での利甚」欄を参照)残りの4぀の芏則のうちの3぀は特城33--35に察応する芏則で他の芏則によっお「探しおいたす」ずいうカテゎリが候補ずなっおいる堎合にのみ䜿甚する残りの1぀の芏則(特城17に察応)は他の芏則によっおカテゎリの候補が埗られない堎合にのみ䜿甚する具䜓的には以䞋の手順によっおカテゎリを決定する\begin{enumerate}\itemカテゎリ候補リストを空ずする\item先頭の文の特城ベクトルから順に文の特城ベクトルに察しお以䞋を実行する\begin{enumerate}\item[(a)]芏則を適甚しその特城ベクトルから埗られる党おのカテゎリの候補をカテゎリ候補リストに远加する\item[(b)]そのリストの䞭に「譲っお䞋さい譲りたす貞しお䞋さい募集したす」のいずれかが含たれる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\end{enumerate}\itemカテゎリ候補リストに「教えお䞋さい」が含たれおいる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\itemカテゎリ候補リストに「探しおいたす」が含たれおいる堎合はそれを最終的なカテゎリずし凊理を終了する\itemカテゎリは䞍明ずする\end{enumerate}\subsection{サマリ文抜出}サマリ文の抜出では以䞋の2぀の方法を実装した\begin{description}\item[衚珟パタヌンによる方法]特城1--32を持った最初の文をサマリ文ずする䜆しその前の文が「疑問文(特城36)」である堎合はその文をサマリ文ずする\item[文章構造による方法]特城37--42を持たない最初の文をサマリ文ずする\footnote{これは単刀盎入型に察応した方法である}\end{description} \section{実隓} 2節での調査の察象ずした231件の蚘事(KNOWN)ず1994幎12月5日から12月13日の間にfj.wantedに流れた80件の蚘事(UNKNOWN)に察しおサマリ抜出の実隓を行なったここではその実隓結果に぀いお述べる\subsection{カテゎリ刀定}カテゎリ刀定の実隓結果を衚\ref{table:cat_result}に瀺すこの衚よりわかるように既知の蚘事矀(KNOWN)に察しおは88.3\%未知の蚘事矀(UNKNOWN)に察しおは81.3\%ずいう高い粟床で正しくカテゎリを刀定できた\begin{table}\caption{カテゎリ刀定の実隓結果}\label{table:cat_result}\begin{center}\begin{tabular}{|l|rr|rr|}\hline&\multicolumn{2}{c|}{KNOWN}&\multicolumn{2}{c|}{UNKNOWN}\\\hline党蚘事数&231&(100.0\%)&80&(100.0\%)\\\hlineカテゎリを正しく刀定&204&(88.3\%)&65&(81.3\%)\\カテゎリを誀っお刀定&22&(9.5\%)&7&(8.8\%)\\刀定䞍胜&5&(2.1\%)&8&(10.0\%)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}カテゎリの刀定に倱敗した䟋ずカテゎリが抜出できなかった䟋を図\ref{fig:cat_error}ず図\ref{fig:cat_fail}に瀺す\footnote{ここで本論文におけるネットニュヌス蚘事の参照に関する考え方を述べおおく通垞のガむドラむンではネットニュヌス蚘事を参照する堎合にはそのメッセヌゞIDを明蚘するこずが掚奚されおいるしかし本論文ではメッセヌゞIDを明蚘しないこずにしか぀蚘事䞭の眲名所属に関する蚘述を線集するこずによっおそのニュヌス蚘事の投皿者に関する情報を明らかにしない方針を取ったそれは以䞋の理由による(1)本論文での参照しおいる蚘事は本論文では凊理察象の䟋ずしおのみ意味を持っおいる(2)本論文でメッセヌゞIDを明蚘するこずが投皿者の利益になるずは思われないなお本論文で䟋ずしお参照しおいるニュヌス蚘事は党お1994幎12月5日から12月13日の間にfj.wantedに流れた80件の蚘事(UNKNOWN)から取った}図\ref{fig:cat_error}の䟋では正しいカテゎリは「譲っお䞋さい」であるのに察し「探しおいたす」ずいうカテゎリだず刀定された\subsection{サマリ文抜出}サマリ文抜出の実隓結果を衚\ref{table:summary_result}に瀺すここで組み合わせた方法ずはたず衚珟パタヌンによる方法でサマリ文の抜出を詊み抜出できない堎合のみ文章構造による方法を甚いる方法であるこの衚においおカギ括匧内はサマリ文が存圚する堎合の成功率を瀺すこの衚より衚珟パタヌンによる方法は抜出粟床がよく文章構造による方法ず組み合わせるこずのよっおさらにほんの少しだけ抜出粟床が向䞊するこずがわかる\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}\verb+<名前><所属>+\\\\キャノンのFDレンズを探しおたす。\\\\FD50F1.2〜1.4たでのレンズを手攟そうず考えおいる方がありたしたら䞀報連絡ください。\end{tabular}\end{screen}\caption{カテゎリ刀定の倱敗䟋}\label{fig:cat_error}\end{figure}\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}オヌディオ甚アンプ\\メヌカヌ等問いたせん。\\気長にお埅ちしおいたす。\\\\\verb+<名前><所属>+\end{tabular}\end{screen}\caption{カテゎリ刀定の䞍胜䟋}\label{fig:cat_fail}\end{figure}図\ref{fig:extract_error}にサマリ抜出の倱敗䟋を瀺すこの䟋の堎合「私が欲しおいるのは〜ずゆヌものです」ずいうパタヌンが登録されおいないため衚珟パタヌンによる方法では抜出に倱敗するたた文章構造による方法では最初の文が自己玹介文(特城39)であり第2文が「です文」(特城37)であるためこの2文をスキップし第3文をサマリ文ずしお抜出しおしたう\begin{table}\caption{サマリ文抜出の実隓結果}\label{table:summary_result}\begin{center}\begin{tabular}{|l|rrr|rrr|}\hline&\multicolumn{3}{c|}{KNOWN}&\multicolumn{3}{c|}{UNKNOWN}\\\hline党蚘事数&231&(100.0\%)&&80&(100.0\%)&\\サマリ文が存圚&198&(85.7\%)&[100.0\%]&69&(86.3\%)&[100.0\%]\\\hline衚珟パタヌンによる方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&185&(80.1\%)&[93.4\%]&60&(75.0\%)&[87.0\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&40&(17.3\%)&&14&(17.5\%)&\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出䞍胜}&6&(2.6\%)&&6&(7.5\%)&\\\hline文章構造による方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&156&(67.5\%)&[78.8\%]&44&(55.0\%)&[63.8\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&75&(32.5\%)&&36&(45.0\%)&\\\hline組み合わせた方法&\multicolumn{3}{c|}{}&\multicolumn{3}{c|}{}\\\multicolumn{1}{|r|}{正しく抜出}&187&(81.0\%)&[94.4\%]&61&(76.3\%)&[88.4\%]\\\multicolumn{1}{|r|}{抜出誀り}&44&(19.0\%)&&19&(23.8\%)&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{ダむゞェストシステム} 䞊蚘のサマリ抜出モゞュヌルを甚いおfj.wantedのダむゞェストシステムを詊䜜した䜜成したシステムの抂芁を図\ref{fig:system}に瀺すサマリ文抜出では基本的には衚珟パタンによる方法を甚いこの方法によっおサマリ文が抜出できない堎合には文章構造による方法を甚いるダむゞェスト線集では埗られた蚘事のサマリをカテゎリ別に敎理しHTML(HyperTextMarkupLanguage)圢匏で出力するこのずき元の蚘事ぞのポむンタをハむパヌテキストのリンクずしお埋め蟌むダむゞェストリヌダヌずしおはWWW(World-WideWeb)のクラむアントプログラム(xmosaic等)を甚いる\begin{figure}\begin{screen}\small\noindent\begin{tabular}{@{}p{\textwidth}@{}}\verb+<名前><所属>ず申したす。+\\\\私が欲しおいるのは、”HONDACIVIC25X[EF2]のサヌビスマニュアル”いわゆる、敎備解説曞ずゆヌものです。\\\\たあ、ディヌラヌ系の郚販に行けば手にはいるのですが、䜕せ䞇円ずいう倀段は、今の私には倧き過ぎるのです。(以䞋略)\end{tabular}\end{screen}\caption{サマリ抜出の倱敗䟋}\label{fig:extract_error}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\small\fbox{\begin{tabular}{cccc}蚘事&蚘事&...&蚘事\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\\fbox{サマリ抜出}&\fbox{サマリ抜出}&...&\fbox{サマリ抜出}\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\サマリ&サマリ&...&サマリ\\$\downarrow$&$\downarrow$&&$\downarrow$\\\multicolumn{4}{c}{\framebox[70mm]{ダむゞェスト線集}}\\\multicolumn{4}{c}{$\downarrow$}\\\multicolumn{4}{c}{ダむゞェスト}\\\multicolumn{4}{c}{$\uparrow$}\\\multicolumn{4}{c}{\fbox{ダむゞェストリヌダヌ}}\end{tabular}}\end{center}\caption{ダむゞェストシステムの抂芁}\label{fig:system}\end{figure}\clearpage\begin{figure}[h]\begin{center}\atari(139,73)\end{center}\caption{WWWでのダむゞェストサヌビス}\label{fig:digest}\end{figure}本システムは珟圚WWWにおいお詊隓運甚しおいる\footnote{\verb+http://www.jaist.ac.jp/\~{}sato/nnad/home-j.html+}図\ref{fig:digest}にダむゞェストの衚瀺䟋を瀺す \section{議論} \begin{enumerate}\item[(1)]本研究によりfj.wantedに関しおも実甚的なダむゞェストの自動生成が可胜であるこずが明らかになった\end{enumerate}圓初我々はテキストず投皿者がかなり倚様であるためfj.wantedのダむゞェスト自動生成は難しいのではないかず考えおいたしかし本研究の結果はこの予想を芆すものであったfj.wantedのダむゞェスト自動生成が可胜であった最倧の理由は「fj.wantedの蚘事が自分の求めるものが䜕であるかを読み手に䌝えるずいう明確な目的を持った文章でありそのような情報を䌝達するために䜿われる文章構造ず文章衚珟はかなり限定される」ずいうこずにあるだろう\footnote{逆の偎面から芋ればこのように文章構造や文章衚珟が限られおいるため我々は明確にその文章の䞻題(目的)を理解するこずができるずも蚀えよう}このこずが蚀わば「斜め読み」的凊理によるサマリ抜出を可胜にしおいるず考えられる\begin{enumerate}\item[(2)]さらなる粟床向䞊を目指すならばサマリ文がない蚘事(15\%)のサマリ生成が必芁ずなる\end{enumerate}サマリ文がない蚘事の倚くは照応や省略ずいった珟象が珟れおいるためにサマリ文ずなるような1文が存圚しない蚘事であるこのため照応省略の凊理が十分な粟床で実珟できなければ適切なサマリ文を生成できないず考えられる\begin{enumerate}\item[(3)]投皿者によるサマリ䜜成は非珟実的であるそのためサマリの自動抜出は重芁である\end{enumerate}サマリを自動生成するのではなくあらかじめサマリを付けお投皿しおもらうずいう解も存圚するしかし珟圚の蚘事のサブゞェクト(subject)に曞かれおいる情報からみお我々はそれは非珟実的だず考える\begin{enumerate}\item[(4)]本方法は他の掲瀺情報型ニュヌスグルヌプや質問応答型\footnote{「ある質問蚘事に察しおそれに察する答がフォロヌ蚘事ずしお投皿される」ずいう性質を持぀ニュヌスグルヌプ}ニュヌスグルヌプの質問蚘事のダむゞェストにも応甚できるず考えられる\end{enumerate}応答蚘事の芁玄を含んだ圢でダむゞェスト(あるいはFAQ(FrequentlyAskedQuestions))を自動生成するこずも考えられるがその重芁性は䜎いず考えるなぜならば質問蚘事のリストを質問の芁玄ずそれぞの応答蚘事ぞのポむンタずいう圢で瀺すこずができれば十分にダむゞェストの圹割を果たすず考えられるからである\begin{enumerate}\item[(5)]テキストの䞻題による分類は重芁である\end{enumerate}テキストには䞻題(目的)ず分野(内容)\footnote{䟋えば新聞蚘事では経枈政治スポヌツずいった分類がこの「分野による分類」に盞圓する}ずいう2぀の盎亀する分類が存圚しこの2぀がいわば情報の取捚遞択の瞊糞ず暪糞ずなっおいるこのうち分野による分類はいたたで倚くの研究があるが䞻題による分類はそれほど泚目されおいなかったこの䞻題による分類も分野による分類ず同様に求める情報に到達するこずを支揎するナビゲヌション機胜の実珟においお匷力な道具ずなるず考えられる \section{関連研究} ダむゞェストの自動生成を実珟する䞭心技術はサマリ抜出にある本システムでは蚘事のサマリずしお蚘事のカテゎリずサマリ文を抜出したこれらに関連する研究は䞻にテキスト分類ず芁玄ずいう分野においお研究されおきた\subsection{テキスト分類}テキスト分類ずはひずたずたりのテキスト(文献ニュヌス蚘事等)をその内容に基づいお分類するこずである通垞あらかじめカテゎリ集合が䞎えられその䞭から適切なカテゎリを割り圓おるこずを行なうConstrue-TIS\cite{Construe-TIS-91}は英語の新聞蚘事を察象ずする分類システムでキヌワヌドから抂念を認識し認識した抂念を組み合わせお最終的なカテゎリを決定するこのシステムはキヌワヌドずその前埌の文脈情報ずいう衚局的な手がかりを利甚しかなりよい粟床(90\%皋床)で新聞蚘事を分類するこずができる䞀方ThinkingMachineCorporationはMemory-BasedReasoningを甚いおDowJonesのニュヌス蚘事を分類するシステムを開発しおいる\cite{Masand-92}このシステムはすでに分類枈みの5䞇件のニュヌス蚘事を甚いお再珟率玄80\%正解率玄70\%で分類コヌド割り圓おを行なうこずができるこれらのシステムはいずれも英語を察象ずしたシステムであり日本語を察象ずしたテキスト分類はそれほど詊みられおいないたた前節で述べたようにこれらの分類はいずれもテキストの内容(分野)による分類であり䞻題(目的)による分類はほずんど研究されおいない\subsection{芁玄}芁玄ずはあるひずたずたりのテキスト(䟋えば論文)が衚しおいる意味内容を非垞に短いテキストで簡朔に衚珟するこずを蚀うここ1,2幎日本語を察象ずした芁玄研究がいく぀か行なわれおいる原ら\cite{Hara-ipsj-nlp-94}は耇雑な蚀語解析を避け項目名ず特城ずいう衚局的な情報を利甚するこずで特蚱広報の抄録を䜜成する方法を提案しおいる䞀方GREEN\cite{Yamamoto-nlp-95}は論説文を察象ずした芁玄システムであるこのシステムは珟状で利甚可胜な談話芁玠を取り蟌み重芁な文を抜き出すこずずその文から修食句を削枛するこずによっお芁玄を生成する我々の立堎は前者ず近いが以䞋の二点においお今たでの研究ず異なる第䞀にネットニュヌスのダむゞェストの生成の際に必芁ずなるサマリは通垞の芁玄よりも非垞に短いずいう点である我々がダむゞェストに求める機胜は「情報(蚘事)が必芁であるか䞍必芁であるか刀定できるこず」でありこれを満たすならばサマリは短ければ短いほど奜たしいず考える第二に察象ずしおいるテキストの品質が倚様であるずいう点であるこれたでの研究が察象ずしおきたテキストは特蚱広報や新聞の論説蚘事など高品質なテキストであるこれらのテキストの品質に察しネットニュヌスの蚘事のテキスト品質はかなり䜎い\subsection{fj.meetingsダむゞェストずの違い}ネットニュヌスのダむゞェスト自動生成システムは本システム以倖に筆者らが先に実珟したfj.meetingsのダむゞェスト自動生成システム\cite{Madoka-master-94,Madoka-ipsj-conf-94,Madoka-ipsj95}があるこのシステムず本システムずの倧きな違いはサマリずしお抜出する情報ずその抜出法にあるfj.meetingsのダむゞェスト䜜成では䌚告蚘事からその䌚議の名称(タむトル開催期日開催堎所論文締切期日ずいった情報項目をその蚘事のサマリずしお抜出するこのように抜出すべき情報をあらかじめ限定できるのは察象ずする蚘事が䌚議に関する蚘事に限定されるからであるこのためサマリ抜出にはいわゆる情報抜出の手法を甚いるこずができるfj.meetingsのサマリ抜出ではセンタリング箇条曞ずいったスタむル情報ず抜出する情報項目に特有な蚀語衚珟パタヌンを組み合わせお利甚するこれに察しお本システムのダむゞェスト䜜成では各蚘事からその蚘事の内容を端的に衚す1文(サマリ文)を抜出するこれはfj.wantedの蚘事から抜出すべき情報項目をfj.meetingsの䌚告蚘事のように限定するこずができないからであるこのためサマリ抜出の手法は情報抜出よりは芁玄に近い圢ずなる本システムでは䞻に蚀語衚珟パタヌンを利甚しおサマリ文を芋぀ける方法をずっおいる \section{おわりに} 本皿ではfj.wantedのダむゞェストの自動生成を実珟する方法に぀いお述べたその䞭心技術はニュヌス蚘事からのサマリ抜出法であるこの方法は蚀わば「斜め読みを暡擬した凊理」でありたず衚局的な衚珟を手がかりずしお42の特城を抜出しそれらの特城を甚いお蚘事のサマリ(カテゎリずサマリ文)を抜出する未知の蚘事矀に察するブラむンドテストにおいお本方法はカテゎリ刀定正解率81\%サマリ文抜出正解率76\%ずいう倀を瀺した本論文で述べた方法はfj.wantedを察象ずしたものであるが他の掲瀺情報型ニュヌスグルヌプや質問応答型のニュヌスグルヌプのダむゞェスト䜜成にも同様な手法が適甚できるず考えられるたた本方法を発展させるこずによっおFAQの自動䜜成もある皋床可胜であろうダむゞェストの自動生成ではオリゞナルのテキストがすでにオンラむンテキストずしお存圚するこずが前提ずなっおいる珟圚のずころネットニュヌスはこの前提を満たす数少ない察象であるが今埌倚くのテキスト情報がオンラむンテキストずしお入手可胜になるに぀れお他の察象に察しおもダむゞェストの自動生成の道が開けるず考えられる本論文で瀺したダむゞェストはネットニュヌスに察するダむゞェストの䞀䟋に過ぎないこの他にいわゆる``What'sup?''(今䜕が話題になっおいるか)を把握するための俯瞰ダむゞェストや必芁な蚘事をキヌワヌドから探すリファレンスダむゞェストなどが考えられる\cite{Madoka-master-94}今埌これらのダむゞェストをニュヌスリヌダヌず有機的に統合し倚角的にネットニュヌスにアクセスするこずを可胜にしおいく必芁があるであろうそれは間接的にはネットニュヌスの新しいマスメディアずしおの可胜性を広げおいくこずに぀ながっおいくず考えられる\newpage\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院博士課皋研究指導認定退孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1992幎より北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊博士(工孊).自然蚀語凊理機械孊習超䞊列人工知胜などの研究に埓事}\bioauthor{䜐藀円}{1986幎慶應矩塟倧孊法孊郚政治孊科卒業同幎(æ ª)総合ビゞョン入瀟1990幎(æ ª)電通総研勀務1994幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科修士課皋修了珟圚同博士埌期課皋圚孊䞭蚈算機ネットワヌク䞊のマスコミュニケヌション蚈算機䜿甚者の倫理等に興味を持っおいる}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V06N07-02
\section{はじめに} 日本語の長文で䞀文䞭に埓属節が耇数個存圚する堎合それらの節の間の係り受け関係を䞀意に認定するこずは非垞に困難であるたたこのこずは日本語の長文を構文解析する際の最倧のボトルネックの䞀぀ずなっおいる䞀方これたで日本語の埓属節の間の䟝存関係に関する研究ずしおは\cite{Minami73aj,Minami93aj}による埓属節の䞉階局の分類がよく知られおいる\cite{Minami73aj,Minami93aj}はスコヌプの包含関係の狭い順に埓属節を䞉階局に分類しスコヌプの広い埓属節はよりスコヌプの狭い埓属節をその䞭に含むこずができるが逆にスコヌプの狭い埓属節がよりスコヌプの広い埓属節をその䞭に含むこずはできないずいう傟向に぀いお述べおいるさらに\cite{FFukumoto92aj,SShirai95bj}は蚈算機による係り受け解析においお\cite{Minami73aj,Minami93aj}の埓属節の分類が有甚であるずしその利甚法に぀いお提案しおいる特に\cite{SShirai95bj}は蚈算機による係り受け解析における有効性の芳点から\cite{Minami73aj,Minami93aj}の埓属節の䞉階局の分類を再構成・詳现化したたこの詳现な埓属節の分類を甚いた埓属節係り受け刀定芏則を提案しおいるこれらの研究においおは人手で䟋文を分析するこずにより埓属節の節末衚珟を抜出し䟋文における埓属節の係り受け関係の傟向から埓属節の節末衚珟を階局的に分類しおいるしかし人手で分析できる䟋文の量には限りがあるためこのようにしお抜出された埓属節節末衚珟は網矅性に欠けるおそれがあるたた人手で埓属節節末衚珟の階局的分類を行う際にも分類そのものの網矅性に欠けるあるいは分類が恣意性の圱響を受けるおそれが倚分にある\footnote{実際にEDR日本語コヌパス\cite{EDR95aj-nlp}(箄21䞇文)に察しお\cite{SShirai95bj}の埓属節係り受け刀定芏則のうち衚局的圢態玠情報の郚分を甚いお埓属節の係り受け関係の刀定を行った結果玄30\%のカバレヌゞ玄80\%の適合率ずいう結果を埗おいる\cite{Nishiokayama98aj}}そこで本論文では倧量の構文解析枈コヌパスから統蚈的手法により埓属節節末衚珟の間の係り受け関係を刀定する芏則を自動抜出する手法を提案するたず倧量の構文解析枈コヌパスを分析しそこに含たれる埓属節節末衚珟を網矅するように埓属節の玠性を蚭定するこの段階で人手による䟋文の分析では掩れがあった埓属節節末衚珟に぀いおもこれを網矅的に収集するこずができるたた統蚈的手法ずしお決定リストの孊習の手法~\cite{Yarowsky94a}を甚いるこずにより係り偎・受け偎の埓属節の圢態玠䞊の特城ず二぀の埓属節のスコヌプが包含関係にあるか吊かの間の因果関係を分析しこの因果関係を考慮しお埓属節節末衚珟の間の係り受け関係刀定芏則を孊習するそこでは埓属節のスコヌプの包含関係の傟向に応じお埓属節節末衚珟を階局的に分類するのではなく個々の埓属節節末衚珟の間にスコヌプの包含関係蚀い換えれば係り受け関係の傟向が匷く芋られるか吊かを統蚈的に刀定しおいるたた人手によっお係り受け関係の傟向を芏則化するのではなく倧量の係り受けデヌタから自動的に孊習を行っおいるので抜出された係り受け刀定芏則に恣意性が含たれるこずはない本論文では実際にEDR日本語コヌパス\cite{EDR95aj-nlp}(構文解析枈玄21䞇文)から埓属節係り受け刀定芏則を抜出しこれを甚いお埓属節の係り受け関係を刀定する評䟡実隓を行った結果に぀いお瀺すたた関連手法ずの実隓的比范ずしお埓来の統蚈的係り受け解析モデル\cite{Collins96a,Fujio97aj,Ehara98aj,Haruno98cj,Uchimoto98aj}ず本論文のモデルずの違いに぀いお説明し埓属節間の係り受け解析においおは埓来の統蚈的係り受け解析モデルに比べお本論文のモデルの方が優れおいるこずを瀺す同様に埓属節間の係り受けの刀定に有効な属性を遞択する方法ずしお決定朚孊習\cite{Quinlan93a}により属性遞択を行う手法\cite{Haruno98cj}ず本論文で採甚した決定リスト孊習の手法\cite{Yarowsky94a}を比范し本論文の手法の優䜍性を瀺すさらに掚定された埓属節間の係り受け関係を\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析においお利甚するこずにより統蚈的文係り受け解析の粟床が向䞊するこずを瀺す \section{埓属節の階局的分類を甚いた係り受け解析} \label{sec:sbrd_hd}本節では\cite{SShirai95bj}における埓属節の階局的分類およびそれを甚いた埓属節係り受け刀定芏則に぀いお述べる\subsection{埓属節の䞉階局の分類}\label{subsec:clsb}たず\cite{SShirai95bj}では\cite{Minami73aj,Minami93aj}の埓属節の䞉階局の分類に基づいお蚈算機による係り受け解析における有効性の芳点から統語構造におけるスコヌプの包含関係の狭い順に以䞋の䞉階局の埓属節分類を提案しおいるただしここで蚭定された党54皮類の埓属節の節末衚珟は新聞蚘事の芁玄文972文を人手で分析するこずにより埗たものである\begin{description}\item[A類]「同時」の衚珟「$\sim$ずずもに」「$\sim$ながら」「$\sim$぀぀」など7皮類\item[B類]「原因」「䞭止」の衚珟連甚圢単独「$\sim$お」「名詞+で」「$\sim$ため」など46皮類\item[C類]「独立」の衚珟「$\sim$が」1皮類\end{description}\subsection{埓属節間のスコヌプの包含関係}そしお䞊蚘の䞉皮類の埓属節間のスコヌプの包含関係に以䞋の傟向があるずしおいる\begin{enumerate}\itemA類は他のA類B類C類の䞀郚ずなるこずができる\itemB類は他のB類C類の䞀郚ずなるこずができるがA類の䞀郚ずはなれない\itemC類は他のC類の䞀郚ずなるこずができるがA類B類の䞀郚ずはなれない\end{enumerate}たたその他に埓属節に察しお以䞋の四぀の詳现な分類を行い埓属節のスコヌプの間に詳现な包含関係を蚭定しおいる\paragraph{読点の有無}同類同士の埓属節の間では読点の付䞎された埓属節の方が読点の付䞎されおいない埓属節を含む関係にあるすなわち埓属節のスコヌプの包含関係は包含関係の狭い順にA類$<$A類+読点$<$B類$<$B類+読点$<$C類$<$C類+読点ずなる\paragraph{連甚節の䞭止性}B類同士「B類+読点」同士の埓属節は衚珟の意味的な流れの䞭止性の匷匱により以䞋の二皮類に分類でき䞭止性の匷い埓属節は䞭止性の匱い埓属節を包含する\begin{itemize}\item䞭止性の匱いもの:甚蚀連甚圢「$\sim$お」「$\sim$ため」など7皮類\item䞭止性の匷いもの:「名詞+で」「$\sim$おおり」など4皮類\end{itemize}\paragraph{述語の状態性ず動䜜性}B類同士「B類+読点」同士の埓属節は動䜜性の匷い順に他動詞性自動詞性圢容詞性名詞性の四皮類に分類でき動䜜性が匷い埓属節は動䜜性の匱い埓属節を包含する\paragraph{匕甚節ず連䜓節}匕甚節が連甚節を包含する際の包含関係においおは「$\sim$するず(発衚する)」などの匕甚節の包含関係の広さは「C類+読点」に準じ「$\sim$するよう(䟝頌する)」などの匕甚盞圓節述語の包含関係の広さは「B類+読点」に準ずる䞀方連䜓節が連甚節を包含する際の包含関係においおは圢匏名詞に係る連䜓節述語の包含関係の広さは「B類+読点」に準じその他の通垞の連䜓節述語の包含関係の広さはB類に準ずる\subsection{埓属節係り受け刀定芏則}\label{subsec:deprule}さらに\cite{SShirai95bj}では䞊蚘の埓属節間のスコヌプの包含関係を埓属節間の係り受け関係ず察応させ埓属節間の係り受け関係の決定においおはスコヌプの包含関係においおより広い関係にあるほど係り受けの優先床が高いずし\begin{enumerate}\item優先床の䜎い埓属節は優先床の高い埓属節に係る\item優先床の高い埓属節は優先床の䜎い埓属節に係らない\end{enumerate}ずいう優先芏則を提案しおいる \section{コヌパスからの埓属節係り受け遞奜情報の抜出} \label{sec:learn}本論文では前節のような埓属節の階局的分類による係り受け刀定芏則を人手で抜出するのではなく構文解析枈コヌパスから埓属節の間の係り受け遞奜情報を自動的に抜出する\subsection{日本語埓属節の定矩}\label{subsec:dataex}本節では本論文で察象ずする日本語埓属節の定矩に぀いお述べる埓属節を定矩するにあたっおはたず文を圢態玠解析システム茶筌\cite{Matsumoto97aj}により圢態玠解析し次に正芏衚珟により蚘述された文節定矩にしたがっお圢態玠列を文節単䜍にたずめる(文節凊理たでを斜したデヌタに぀いおは\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の係り受け解析で甚いられおいるものを利甚しおいる)䞀般に文節は自立語郚分ず付属語郚分からなるが文節区切り枈デヌタ䞊で自立語郚分ず付属語郚分が以䞋の条件を満たす文節を埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節ずする\footnote{本論文䞭では品詞および掻甚圢などの文法甚語はいずれも圢態玠解析システム茶筌\cite{Matsumoto97aj}の甚語にしたがっおいる}\begin{enumerate}\item自立語郚分は以䞋のいずれかを満たす(いわゆる述語)\begin{enumerate}\item[(a)]動詞たたは圢容詞\item[(b)]「名詞句$+$刀定詞(である)」\end{enumerate}\item付属語郚分は以䞋のいずれかを満たす\begin{enumerate}\item[(a)]なし\item[(b)]副詞タむプ(䟋:「$\sim$(しお)以来」---「以来」が副詞)\item[(c)]副詞的名詞タむプ(䟋:「$\sim$(する)ため」---「ため」が副詞的名詞)\item[(d)]圢匏名詞タむプ(䟋:「$\sim$(する)こず」---「こず」が圢匏名詞)\item[(e)]時盞名詞タむプ(䟋:「$\sim$(する)たえ」---「たえ」が時盞名詞)\item[(f)]述語接続助詞タむプ(䟋:「$\sim$(する)が」---「が」が述語接続助詞)\item[(g)]匕甚助詞タむプ(䟋:「$\sim$(する)ず」---「ず」が匕甚助詞)\item[(h)](a)$\sim$(g)の埌に副助詞(「は」「など」など)終助詞(「か」「よ」など)が付加されたもの\end{enumerate}\end{enumerate}この定矩は狭矩の埓属節を含む任意の述語節(匕甚節連䜓修食節などを含む)に察応しおおり本論文ではその党おをたずめお広矩の「埓属節」ずしお扱うただし連䜓修食節に぀いおは係り受け関係においお受け偎ずなる堎合にのみ係り受け関係決定の評䟡の察象ずしおいる\begin{table*}\begin{center}\caption{埓属節の玠性}\label{tab:ftr}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{玠性タむプ}&皮類数&\multicolumn{1}{|c|}{玠性(語圙玠性に぀いおは抜粋)}\\\hline\hline読点玠性&2&読点有読点無\\\hline文法・品詞玠性&&副詞副詞的名詞圢匏名詞時盞名詞\\(節末か吊かの&17&述語接続助詞匕甚助詞副助詞\\区別あり)&&に(栌助詞)+副助詞刀定詞終助詞\\\hline節末掻甚語&12&語幹基本未然連甚連䜓条件\\掻甚圢玠性&&呜什タタリテ掚量意志\\\hline&&副詞(ずもに䞀方で以来)\\&&副詞的名詞(あずずきため堎合よう方が)\\語圙玠性&&圢匏名詞(のはものものはこずこずが)\\(頻床10以䞊)&235&時盞名詞(今瞬間前に以䞊)\\(文法・品詞玠性を&&述語接続助詞(がからもののながら぀぀し)\\語圙化したもの)&&匕甚助詞(ず)副助詞(はなどもだけでもなら)\\&&に(栌助詞)+副助詞(にはにも)\\&&刀定詞(ではでも)終助詞(かかをよ)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\vspace{-2mm}\subsection{埓属節の玠性衚珟}\label{subsec:ftr}次に埓属節の係り受け遞奜情報を蚘述するための準備ずしお埓属節の様々な属性を蚘述するために前節で定矩した埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節に察しお衚\ref{tab:ftr}の玠性を蚭定するこれは人手により抜出された\cite{SShirai95bj}の埓属節の節末衚珟の蚭定(\ref{subsec:clsb}節)をより䞀般的・網矅的にするためのものである特に本論文ではEDR日本語コヌパス\cite{EDR95aj-nlp}(箄21䞇文)の構文解析枈コヌパス(のうち文の衚局文字列および構文構造の括匧付け情報のみ)を甚いお埓属節の係り受け遞奜情報の抜出を行うのでEDRコヌパスから抜出された埓属節を網矅するように蚭定されおいるたたこれらの玠性は埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節の特城を蚘述したものでいずれも文節凊理たでで利甚可胜な圢態玠・品詞䞊の特城のみを甚いおいる衚\ref{tab:ftr}の玠性は倧きくi)読点玠性ii)文法・品詞玠性iii)節末掻甚語掻甚圢玠性iv)語圙玠性の四タむプに分けられるii)の文法・品詞玠性は埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節の付属語列郚分に珟れ埗る圢態玠の品詞を蚘述したものでその圢態玠が文節末に珟れるか文節の䞭皋に珟れるかの区別があるiii)の節末掻甚語掻甚圢玠性は埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節の文節末が掻甚語の堎合にその掻甚圢を蚘述したものであるiv)の語圙玠性はii)の文法・品詞玠性の各玠性を語圙化したものである\subsection{決定リストの孊習}埓属節の間の係り受け関係の遞奜情報を蚘述する方法ずしお決定リスト~\cite{Rivest87a,Yarowsky94a}を甚いる本論文では特に\cite{Yarowsky94a}の決定リスト孊習の方法を甚いお埓属節の係り受け関係が蚘述されたデヌタから埓属節係り受け遞奜情報を抜出する決定リストはある蚌拠$E$のもずでクラス$D$を決定するずいう芏則を優先床の高い順にリスト圢匏で䞊べたもので適甚時には優先床の高い芏則から順に適甚を詊みおいく\cite{Yarowsky94a}の決定リスト孊習の方法においおはクラス$D$の正解付デヌタから蚌拠$E$が存圚する($E\!=\!1$)ずいう条件のもずでクラス$D$が$D\!=\!x$ずなる条件付確率$P(D\!=\!x\midE\!=\!1)$を蚈算しこの条件付確率を甚いお以䞋の手順で決定リストを構成する\begin{enumerate}\itemある蚌拠$E$が存圚する($E\!=\!1$)ずいう条件のもずでの条件付確率$P(D\!=\!x\midE\!=\!1)$\mbox{の倀の倧きさが䞀䜍のクラス}$x_1$ず二䜍のクラス$x_2$の間で以䞋の察数尀床比を蚈算する\[\log_2\frac{P(D\!=\!x_1\midE\!=\!1)}{P(D\!=\!x_2\midE\!=\!1)}\]その結果察数尀床比が倧きい順に蚌拠$E$ずクラス$D$の組を䞊べる\footnote{実際にはある蚌拠$E$が存圚するずいう条件のもずでクラス$D$が$D\!=\!x$ずなる事象の頻床に埮小倀$\alpha(0.1\leq\alpha\leq0.25)$を加えるこずにより芳枬された頻床が0の堎合にも察凊できる\cite{Yarowsky94a}この補正はクラス$D$を䞀意に\mbox{決定する}(すなわち二䜍のクラス$x_2$に぀いお$P(D\!=\!x_2\midE\!=\!1)\!=\!0$ずなる)蚌拠$E$が耇数ある堎合\mbox{それらを蚌}拠$E$のもずでクラス$D\!=\!x_1$ずなる事象の頻床順に優先付けするずいう効果がある}ただしこのずきの察数尀床比はクラス$D\!=\!x$の確率$P(D\!=\!x)$の倀の倧きさが䞀䜍のクラス$x_1$ず二䜍のクラス$x_2$の間で以䞋の察数尀床比を蚈算しお埗られる倀\[\log_2\frac{P(D\!=\!x_1)}{P(D\!=\!x_2)}\]を䞋限倀ずする\item決定リストの最終行は``default''を衚しクラス$D\!=\!x$の確率$P(D\!=\!x)$の倀の倧きさが䞀䜍のクラス$x_1$を䞎える\end{enumerate}\subsection{決定リストの孊習による埓属節係り受け遞奜情報の抜出}\label{subsec:dlist_sb}前節の決定リストの孊習の手法を甚いお二぀の埓属節の間の係り受け関係の遞奜情報を抜出する基本的にはある二぀の埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節の玠性の情報の組を蚌拠ずしおその二぀の述語節の間の係り受け関係を決定するいた䞀文䞭で埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節(および文末述語文節)の䞊びを$Seg_1,\ldots,Seg_n$ずするず䞀぀の述語的文節は\ref{subsec:ftr}節で述べた玠性の組で蚘述されるので各述語的文節$Seg_i$は耇数の玠性を芁玠ずしうる玠性集合${\calF}_i$を持぀こずになるこのずき決定リストの蚌拠$E$ずしおは二぀の述語的文節$Seg_i$$Seg_j(i<j)$の持぀玠性集合${\calF}_i$${\calF}_j$に察しおそのあらゆる可胜な郚分集合\footnote{ただし互いに包含関係にある玠性に぀いおはどちらか䞀方のみを含める}の組$(F_i,F_j)$を蚌拠$E$の候補ずする\footnote{埓来の統蚈的係り受け解析モデルではこれらの玠性の他に二぀の文節間の距離を利甚しおいる本論文では埓属節の階局的分類の考え方に即しお玠性の蚭定を行っおおり二぀の文節間の距離の情報はあえお利甚せず珟圚蚭定しおいる玠性の範囲でどの皋床の性胜が達成できるかを瀺す}たた決定リストのクラス$D$ずしおは基本的には述語的文節$Seg_i$ず$Seg_j$が係り受け関係にある堎合ず係り受け関係にない堎合の二぀を蚭定するこずになるが第\ref{sec:sbrd_hd}節で述べた埓属節の階局的分類の考え方を利甚するこずにより特に二぀の述語的文節が係り受け関係にない堎合に぀いお少し異なったクラスの蚭定をするそのためにたず埓属節間の係り受け関係が埓属節のスコヌプの包含関係にどのように察応しおいるのかに぀いお調べる以䞋では埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節$Seg_1$が文䞭の他の埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節$Seg_2$に先行しおいるずしお埓属節間の係り受け関係ず埓属節のスコヌプの包含関係ずの察応を以䞋のように分類しお考える\begin{figure}\hspace*{-1.5cm}\begin{center}\framebox{\epsfile{file=fig/rel_mod_j.ps,scale=0.65}}\caption{埓属節間の係り受けずスコヌプの包含関係:\\(1)先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$に係る堎合}\label{fig:rel1}\end{center}\end{figure}\begin{figure}\vspace{-8mm}\hspace*{-1cm}\begin{center}\framebox{\epsfile{file=fig/rel_out_over_j.ps,scale=0.58}}\caption{埓属節間の係り受けずスコヌプの包含関係:\\(2a)先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$を越えお\\より遠くの述語的文節に係る堎合}\label{fig:rel2a}\end{center}\vspace{-2mm}\end{figure}\begin{enumerate}\item[(1)]先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$に係る堎合(図\ref{fig:rel1})\item[(2)]先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$に係らない堎合\begin{enumerate}\item[(2a)]先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$を越えおより遠くの述語的文節に係る堎合(図\ref{fig:rel2a})\item[(2b)]先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$よりも前の述語的文節に係る堎合\begin{enumerate}\item[(2b-i)]$Seg_1$\hspace{-0.5pt}が\hspace{-0.5pt}$Seg_2$\hspace{-0.5pt}を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプに\mbox{含たれる堎合(図\ref{fig:rel2bi})}\item[(2b-ii)]$Seg_1$が$Seg_2$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプに含たれない堎合(図~\ref{fig:rel2bii})\end{enumerate}\end{enumerate}\end{enumerate}\medskip\noindent\begin{minipage}{\textwidth}最初に埓属節(の䞻蟞文節$Seg_1$)が埌続する埓属節(の䞻蟞文節$Seg_2$)に係る堎合は図~\ref{fig:rel1}に瀺すように$Seg_1$を䞻蟞ずする埓属節は$Seg_2$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプに包含されるこずになる(図䞭の矢印は係り受け関係をたた朚構造は統語解析朚の略蚘を衚す)䞀方埓属節(の䞻蟞文節$Seg_1$)が埌続する埓属節(の䞻蟞文節$Seg_2$)に係らない堎合は図~\ref{fig:rel2a}$\sim$\ref{fig:rel2bii}に\end{minipage}\begin{figure}\hspace*{-1.5cm}\vspace{-3mm}\begin{center}\framebox{\epsfile{file=fig/rel_in_notmod_j.ps,height=49mm,width=132mm}}\caption{埓属節間の係り受けずスコヌプの包含関係:\\(2b-i)先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$よりも前の\\述語的文節に係る堎合で$Seg_1$が$Seg_2$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプに含たれる堎合}\label{fig:rel2bi}\end{center}\end{figure}\begin{figure}\hspace*{-1.5cm}\vspace{-12mm}\begin{center}\framebox{\epsfile{file=fig/rel_out_short_j.ps,height=39mm,width=137mm}}\caption{埓属節間の係り受けずスコヌプの包含関係:\\(2b-ii)先行する述語的文節$Seg_1$が埌続の述語的文節$Seg_2$よりも前の\\述語的文節に係る堎合で$Seg_1$が$Seg_2$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプに含たれない堎合}\label{fig:rel2bii}\end{center}\vspace{-6mm}\end{figure}\noindent瀺すように䞊蚘の(2a)(2b)の二通りに分けられるここで\ref{subsec:deprule}節の埓属節係り受け刀定芏則を蚀い換えるず埓属節の包含関係においおより広いスコヌプを持぀埓属節(の䞻蟞文節)は埌続する埓属節のうちより狭いスコヌプを持぀埓属節(の䞻蟞文節)には係らないずいうこずができるしたがっお(2a)の堎合には䞻蟞文節$Seg_1$は包含関係においお$Seg_2$より\mbox{もより広い}スコヌプを持぀必芁がある䞀方(2b)の堎合は$Seg_1$が$Seg_2$\mbox{を䞻蟞ずする埓属節}のスコヌプに含たれる堎合((2b-i)図\ref{fig:rel2bi})ず含たれない堎合((2b-ii)図\ref{fig:rel2bii})の䞡方の可胜性があるしたがっお䞀般に(2b)の堎合には$Seg_1$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプの広さず$Seg_2$を䞻蟞ずする埓属節のスコヌプの広さの間には䟝存関係がなく互いに独立な関係にあるず蚀える以䞊のこずから本論文では二぀の述語的文節が係り受け関係にない堎合のうち特に(2a)の堎合のみに泚目しお決定リストのクラス$D$ずしおは\medskip\begin{enumerate}\noindent\begin{minipage}{\textwidth}\item述語的文節$Seg_i$ず$Seg_j$が係り受け関係にある堎合\item述語的文節$Seg_i$の係り先が$Seg_j$を越えたより埌ろの述語的文節たたは文末述語文\end{minipage}節ずなる堎合\end{enumerate}の二぀を蚭定するこずずしこのいずれの堎合になるかを刀定するこずずする\footnote{埓来の統蚈的係り受け解析モデル\cite{Collins96a,Fujio97aj,Ehara98aj,Haruno98cj,Uchimoto98aj}\mbox{においおは}クラスずしお二぀の文節が係り受け関係にある堎合ず係り受け関係にない堎合の二぀を蚭定しおおり埓属節の階局的分類の考え方を利甚した本論文の蚭定ずは異なっおいる本論文の蚭定法ず埓来の統蚈的係り受け解析モデルにおけるクラスの蚭定法の実隓的比范に぀いおは\ref{subsubsec:prev_dep}節で詳しく述べる}以䞊をたずめるず決定リストの蚌拠$E$ずクラス$D$は以䞋のようになる\begin{itemize}\item{\bf蚌拠}$E$:二぀の埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節$Seg_i$$Seg_j(i\!<\!j)$の持぀玠性集合のあらゆる郚分集合の組$(F_{i},F_{j})$\item{\bfクラス}$D$:$Seg_i$が$Seg_j$に係る堎合($D\!=\!係る$)ず$Seg_i$が$Seg_j$を越えおより\mbox{埌ろの述語}的文節もしくは文末述語文節に係る堎合($D\!=\!越える$)の二倀\end{itemize}このような蚌拠$E$ずクラス$D$の蚭定のもずで前節の決定リストの孊習法にしたがっお埓属節間の係り受けを決定する遞奜情報を抜出する\subsubsection*{䟋}䟋ずしお図~\ref{fig:ex}の埓属節間の係り受け解析枈の文から埓属節の係り受け関係のデヌタを抜出する手順を以䞋に瀺す図~\ref{fig:ex}の文には文末の他に二぀の述語的文節$Seg_1$$Seg_2$がありそ\breakれぞれ${\calF}_1$${\calF}_2$の玠性集合を持぀\footnote{$Seg_2$の``なので''は茶筌では「刀定詞``だ''の連䜓圢+助動詞``のだ''のテ圢」ずしお圢態玠解析される}たた係り受け関係ずしおは$Seg_1$が文末に係るために$Seg_1$は$Seg_2$を「越える」ずいう関係にあるこの$Seg_1$ず$Seg_2$の係り受け\mbox{関係から決定リス}トを構成するための蚌拠$E$・クラス$D$のデヌタを抜出するず衚~\ref{tab:EDex}の結果が埗られるここで${\calF}_1$䞭の二぀の玠性\begin{quote}述語接続助詞(節末)``が''\end{quote}に぀いおは包含関係にあるのでどちらか䞀方のみを含めるこずしお${\calF}_1$ず${\calF}_2$のあらゆる可胜な郚分集合の組が蚌拠$E$ずなるたたこれらの蚌拠に察しおそのクラス$D$はいずれも$D\!=\!「越える」$ずなる\begin{figure*}\begin{center}\framebox{\epsfile{file=fig/depex.ps,vscale=0.9,hscale=0.75}}\\\vspace*{.3cm}\begin{tabular}[c]{|l|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{述語的文節}&\multicolumn{1}{|c|}{玠性集合}\\\hline$Seg_1$:``倀䞊げするが''&${\calF}_1\!=\!\Bigl\{読点有述語接続助詞(節末)``が''\Bigr\}$\\$Seg_2$:``3\%なので''&${\calF}_2\!=\!\Bigl\{読点有テ圢\Bigr\}$\\$Seg_3$(文末):``でおくるだろう''&\multicolumn{1}{|c|}{---}\\\hline\end{tabular}\caption{耇数の埓属節を含む文の䟋}\label{fig:ex}\end{center}\end{figure*}\begin{table}\begin{center}\caption{係り受け解析枈の文から抜出される蚌拠$E$・クラス$D$の組の䟋}\label{tab:EDex}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{蚌拠$E$}&クラス\\\cline{1-2}$F_1$&$F_2$&$D$\\\hline\hline読点有&読点有&越える\\読点有&テ圢&越える\\読点有&読点有,テ圢&越える\\述語接続助詞(節末)&読点有&越える\\述語接続助詞(節末)&テ圢&越える\\述語接続助詞(節末)&読点有,テ圢&越える\\読点有,述語接続助詞(節末)&読点有&越える\\読点有,述語接続助詞(節末)&テ圢&越える\\読点有,述語接続助詞(節末)&読点有,テ圢&越える\\``が''&読点有&越える\\``が''&テ圢&越える\\``が''&読点有,テ圢&越える\\読点有,``が''&読点有&越える\\読点有,``が''&テ圢&越える\\読点有,``が''&読点有,テ圢&越える\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{EDRコヌパスから孊習した決定リスト}EDR日本語コヌパスの玄21䞇文を蚓緎甚デヌタ(95\%)ず評䟡甚デヌタ(5\%)に分割し蚓緎甚デヌタ199,500文から係り受け関係が「係る」たたは「越える」になる述語的文節を抜\mbox{出した結果}162,443組の述語的文節のペアが埗られたこれらの埓属節係り受けデヌタから埓属節係り受け遞奜のための決定リストを孊習した結果のうち蚌拠$E$の頻床が10以䞊の芏則をいく぀か抜粋したものを衚~\ref{tab:dlist}に瀺す芏則数は確率倀が$P(D\midE)\!=\!1$ずなる芏則が923$0.5378\!<\!P(D\midE)\!<\!1$ずなる芏則が6,889でその総数は7,812である衚~\ref{tab:dlist}の\mbox{決定リストのデ}フォヌルト芏則ずしおは\begin{eqnarray*}P(D\!=\!越える)&=&0.5378\\P(D\!=\!係る)&=&0.4622\\P(D\!=\!越える)&>&P(D\!=\!係る)\end{eqnarray*}ずなるこずから$D\!=\!「越える」$をデフォヌルト芏則ずしこれを決定リストの最終行ずする\begin{table*}\begin{center}\caption{EDRコヌパスから孊習した決定リスト䞭の芏則\\(蚌拠$E$の頻床10以䞊)の抜粋}\label{tab:dlist}\vspace*{.1cm}\hspace*{-1cm}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{蚌拠$E$}&クラス&確率倀&蚌拠$E$\\\cline{1-2}$F_1$&$F_2$&$D$&$P(D\midE)$&の頻床\\\hline\hline連甚圢&刀定詞($\neg$節末)&越える&1&548\\連甚圢&``では''&越える&1&536\\$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$\\読点無&読点有,``のが''&係る&1&123\\$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$\\読点無,副詞($\neg$節末)&読点有,``が''&係る&1&10\\読点有&読点無,刀定詞($\neg$節末)&越える&0.997&1541\\$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$\\副詞的名詞&連甚圢&越える&0.538&1280\\(デフォヌルト)&(デフォヌルト)&越える&0.5378&87366\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*} \section{決定リストを甚いた埓属節係り受け解析} \label{sec:ana}\subsection{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定}\begin{table}\begin{center}\caption{決定リストの適甚䟋}\label{tab:dlap}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{蚌拠$E$}&クラス&確率倀&\\\cline{1-2}$F_1$&$F_2$&$D$&$P(D\midE)$&頻床\\\hline\hline{\bf読点有,``が''}&{\bfテ圢}&{\bf越える}&{\bf0.917}&{\bf1354}\\``が''&テ圢&越える&0.912&1391\\読点有,述語接続助詞(節末)&テ圢&越える&0.907&570\\述語接続助詞(節末)&テ圢&越える&0.858&620\\読点有&テ圢&越える&0.835&11923\\読点有,``が''&読点有&越える&0.827&2936\\読点有,``が''&読点有,テ圢&越える&0.826&533\\読点有,述語接続助詞(節末)&読点有&越える&0.818&1212\\``が''&読点有&越える&0.815&3027\\``が''&読点有,テ圢&越える&0.814&547\\読点有,述語接続助詞(節末)&読点有,テ圢&越える&0.804&225\\述語接続助詞(節末)&読点有&越える&0.746&1352\\述語接続助詞(節末)&読点有,テ圢&越える&0.722&252\\読点有&読点有,テ圢&越える&0.674&4071\\読点有&読点有&越える&0.612&24511\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}いた䞀文䞭の二぀の埓属節の䞻蟞文節$Seg_i$$Seg_j(i<j)$が䞎えられおいお決定リストを甚いおこの二぀の文節間の係り受け関係を掚定するこずを考える$Seg_i$$Seg_j$それぞれの持぀玠性集合を${\calF}_i$${\calF}_j$ずするず${\calF}_i$${\calF}_j$に察しおあらゆる可胜な郚分集合の組$(F_i,F_j)$を考えこれを蚌拠$E$の候補ずしお決定リストを怜玢し決定リスト䞭でもっずも優先順䜍の高い芏則の䞎えるクラス$\hat{D}$を$Seg_i$$Seg_j$の係り受け関係の掚定結果ずする決定リストを甚いたこの係り受け関係の掚定法はあらゆる可胜な蚌拠$(F_i,F_j)$に぀いお条件付確率$P(D\!=\!x(F_i,F_j)\mid(F_i,F_j))$の最倧倀を䞎える蚌拠$(\hat{F}_i,\hat{F}_j)$を求めその蚌拠を甚いた時のクラス$D\!=\!x(\hat{F}_i,\hat{F}_j)$をクラス$D$の掚定結果$\hat{D}$ずするこずず等䟡である\footnote{ただしある蚌拠$E$が存圚するずいう条件のもずでクラス$D$が$D\!=\!x$ずなる事象の頻床に埮小倀$\alpha(0.1\leq\alpha\leq0.25)$を加えるずいう補正がなされおいるずする}\begin{eqnarray*}(\hat{F}_i,\hat{F}_j)&=&\argmax_{(F_i,F_j)}P(D\!=\!x(F_i,F_j)\mid(F_i,F_j))\\\hat{D}&=&x(\hat{F}_i,\hat{F}_j)\end{eqnarray*}\subsubsection*{䟋}䟋ずしお図~\ref{fig:ex}の文の述語的文節$Seg_1$ず$Seg_2$の間の係り受け関係を衚~\ref{tab:dlist}の\mbox{決定リストを甚}いお掚定する様子を以䞋に瀺す述語的文節$Seg_1$ず$Seg_2$の組に察する可胜な蚌拠のパタヌン$(F_1,F_2)$は衚~\ref{tab:EDex}のようになりこれらの蚌拠に぀いお衚~\ref{tab:dlist}の決定リストを怜玢するず\mbox{それぞ}れ衚~\ref{tab:dlap}に瀺すクラス$D$および条件付確率$P(D|E)$が埗られるこの結果最も優先順䜍の高い芏則ずしお衚~\ref{tab:dlap}の先頭にゎシック䜓で瀺した芏則が遞ばれ係り受け関係の掚定に甚いる蚌拠$(\hat{F}_1,\hat{F}_2)$および係り受け関係の掚定結果$\hat{D}$はそれぞれ\begin{eqnarray*}(\hat{F}_1,\hat{F}_2)&=&\Bigl(\\{読点有``が''\}\\{テ圢\}\\Bigr)\\\hat{D}&=&越える\end{eqnarray*}ずなる\subsection{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析}\label{subsubsec:sent}次に前節で求めた二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定結果を甚いお䞀文䞭の埓属節の係り受け解析を行うその際には先行する埓属節の䞻蟞ずなる述語的文節が埌続する述語的文節に「係る」確率だけでなく埌続する述語的文節を「越える」確率も考慮しお埓属節の係り受け解析の優先床を蚈算する\footnote{埓来の統蚈的係り受け解析モデル\cite{Collins96a,Fujio97aj,Ehara98aj,Haruno98cj,Uchimoto98aj}では「係る」確率のみを考慮しお䞀文党䜓の係り受け解析の優先床を蚈算しおいる本論文の蚈算法ず埓来の統蚈的係り受け解析モデルにおける蚈算法ずの実隓的比范に぀いおは\ref{subsubsec:prev_dep}節で詳しく述べる}たず文$S$をその文䞭の述語的文節の列$S_{sb}$ずしお以䞋のように蚘述する\begin{eqnarray*}S_{sb}&=&Seg_1,\ldots,Seg_{n-1},Seg_n(文末)\end{eqnarray*}ここで各$Seg_i$は述語的文節を衚し$Seg_n$は文末の述語文節であるたた述語的文節$Seg_i$の係り先の文節を$mod(Seg_i)$で衚すそしお文$S$䞭の述語的文節の列$S_{sb}$の間の係り受け関係のパタヌンを述語的文節$Seg_i$の係り先の文節$mod(Seg_i)$の列で衚しこれを$Dep(S_{sb})$ず蚘述するただしここでは文䞭の係り受け関係ずしおは互いに非亀差のもののみを察象ずする(実際の解析はCKY法によっおいる)\begin{eqnarray*}Dep(S_{sb})&=&mod(Seg_1),\ldots,mod(Seg_{n-1})\\&&(ただし互いに非亀差の係り受け関係のみ)\end{eqnarray*}そしお以䞋の手順により決定リスト䞭の係り受け関係の確率倀を甚いおそれぞれの係り受けパタヌン$Dep(S_{sb})$の優先床を蚈算するたず埓属節$Seg_i$から$mod(Seg_i)$ぞの係り受け関係の優先床を蚈算する前節ず同様二぀\breakの述語的文節$Seg_i$ず$Seg_j$の間に係り受け関係$D\!=\!x$が成り立぀確率の掚定においおはあらゆる蚌拠$(F_i,F_j)$に぀いお決定リストを甚いお条件付確率$P(D\!=\!x\mid(F_i,F_j))$の最倧倀を求めこの最倧条件付確率を求めるべき掚定倀$\hat{P}(D\!=\!x\mid(Seg_i,Seg_j))$ずする\begin{eqnarray*}\hat{P}(D\!=\!x\mid(Seg_i,Seg_j))&=&\max_{(F_i,F_j)}P(D\!=\!x\mid(F_i,F_j))\end{eqnarray*}そしお述語的文節$Seg_k$を$Seg_i$の係り先\begin{eqnarray*}Seg_k&=&mod(Seg_i)\end{eqnarray*}ずしお以䞋の匏により述語的文節$Seg_i$が$Seg_k$に係る係り受け関係の優先床$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))$を蚈算する\begin{enumerate}\item$k\!<\!n$の堎合$Seg_i$が$Seg_k$に「係る」確率ず$Seg_i$が$Seg_j(j\!=\!i+1,\ldots,k-1)$を「越える」確率の盞乗平均\footnote{ここで盞乗平均ではなく単に積をずるず係り先$Seg_k$が$Seg_i$からどれだけ離れおいるかによっお\mbox{積をずる項の数が}異なり項の数が少ない方が有利になっおしたう傟向があるこれはすなわちより近くに係る係り受け関係が有利になるようにバむアスをかけるこずに盞圓する数孊的意味付けずしおは積をずるこずにより確率ずしおの性質が保たれるずいう利点はあるが各係り受け関係の確率を公平に評䟡するずいう目的からは倖れるため本論文では積ではなく盞乗平均を甚いるずいう立堎をずるなお䞡者の実隓的比范ずしおは\ref{subsubsec:subsent}節においお\mbox{盞乗平均を甚いた堎合ず積を}甚いた堎合の実隓結果を比范しその違いに぀いお考察する}を$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))$ずする\begin{eqnarray*}\lefteqn{Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))=}\\&&\Bigl(\\\hat{P}(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))\times\prod_{j=i+1}^{k-1}\hat{P}(D\!=\!越える\mid(Seg_i,Seg_j))\\\Bigr)^{\frac{1}{k-i}}\end{eqnarray*}\item$k\!=\!n$の堎合$Seg_i$が$Seg_n(文末)$に「係る」確率は(文末を「越える」確率は0なので)1ずみなしお考慮せず$Seg_i$が$Seg_j(j\!=\!i+1,\ldots,n-1)$を「越える」確率の盞乗平均を$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))$ずする(ただし$i\!<\!n-1$ずする$i\!=\!n-1$のずきは$Seg_{n-1}$は必ず$Seg_n$(文末)に係る)\begin{eqnarray*}Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))&=&\Bigl(\\prod_{j=i+1}^{n-1}\hat{P}(D\!=\!越える\mid(Seg_i,Seg_j))\\Bigr)^{\frac{1}{n-i-1}}\end{eqnarray*}\end{enumerate}最埌に述語的文節$Seg_i$から$mod(Seg_i)$ぞの係り受け関係の優先床$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,mod(Seg_i)))$の積によっお文$S$䞭の述語的文節の列$S_{sb}$が\mbox{係り受け関係$Dep(S_{sb})$を持}぀優先床$Q(S_{sb},Dep(S_{sb}))$を蚈算する\begin{eqnarray*}Q(S_{sb},Dep(S_{sb}))&=&\prod_{i=1}^{n-2}Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,mod(Seg_i)))\end{eqnarray*}䞊匏の優先床を甚いお文$S$䞭の述語的文節の列$S_{sb}$に察しお以䞋の最倧の\mbox{優先床を䞎える係り}受け関係$\hat{Dep}(S_{sb})$を文$S$の埓属節係り受け解析の解析結果ずする\begin{eqnarray*}\hat{Dep}(S_{sb})&=&\argmax_{Dep(S_{sb})}Q(S_{sb},Dep(S_{sb}))\end{eqnarray*} \section{実隓および評䟡} \ref{subsec:dlist_sb}節の方法によりEDR日本語コヌパス玄21䞇文のうちの蚓緎甚デヌタ(95\%)\mbox{から抜出し}た埓属節係り受けデヌタから埓属節係り受け遞奜のための決定リストを孊習しこれを甚いお評䟡甚デヌタ(5\%)䞭の二぀の埓属節の間の係り受け関係を掚定する実隓および䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の実隓を行った\subsection{評䟡デヌタ}評䟡甚デヌタ(5\%)10,320文䞭で䞀文䞭に二぀以䞊の埓属節を含み埓属節の係り受けの曖昧性のある文は3,128文(箄30\%)であったこの3,128文および残りの7,192文に぀いお文節数䞀文䞭の平均文節数述語的文節数を調査した結果を衚~\ref{tab:evalD}に瀺すたた第\ref{sec:sentana}節では\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析においお掚定した埓属節間の係り受け関係を評䟡するのでこれらの評䟡甚文セットを\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析によっお解析した堎合の文節レベル正解率䞊䜍1個/5個における文レベル正解含有率および述語的文節の係り受け正解率も瀺す以䞋の実隓では評䟡甚デヌタ10,320文のうち埓属節の係り受けの曖昧性のある文3,128文を評䟡察象ずする\begin{table}[t]\vspace{-5mm}\begin{center}\caption{評䟡甚デヌタの特性}\label{tab:evalD}\begin{tabular}[c]{|c||c|c||c|}\hline&\multicolumn{2}{|c||}{郚分デヌタセット}&\\\cline{2-3}&埓属節係り受け&埓属節係り受け&\\&曖昧性あり&曖昧性なし&党評䟡デヌタ\\\hline\hline文数&3,128(30.3\%)&7,192(69.7\%)&10,320\\文節数&32,038(39.9\%)&48,281(60.1\%)&80,319\\䞀文䞭の平均文節数&10.2&6.7&7.8\\述語的文節数&&&\\\multicolumn{1}{|r||}{(総数)}&8,789&---&---\\\multicolumn{1}{|r||}{(係り先が曖昧)}&4,207&0&4,207\\\hline係り受け解析正解率&&&\\\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}&&&\\\multicolumn{1}{|r||}{文節レベル正解率}&85.3\%&86.7\%&86.1\%\\\multicolumn{1}{|r||}{文レベル正解含有率}&&&\\\multicolumn{1}{|r||}{(䞊䜍1個)}&25.4\%&47.5\%&40.8\%\\\multicolumn{1}{|r||}{(䞊䜍5個)}&35.8\%&60.2\%&52.8\%\\\multicolumn{1}{|r||}{述語的文節の正解率}&65.7\%&---&65.7\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定}\label{subsubsec:experi-pair}以䞋の条件のもずで評䟡デヌタ3,128文に察しお二぀の埓属節の間の係り受け関係を掚定する実隓を行なった\begin{table}\begin{center}\caption{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定の実隓結果(\%)}\label{tab:ressub}\begin{tabular}[c]{|c||c|c||c|c|}\hline&\multicolumn{4}{|c|}{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定}\\\cline{2-5}&\multicolumn{2}{|c||}{決定リストによる玠性遞択}&\multicolumn{2}{|c|}{\\\決定朚による玠性遞択\\\}\\\cline{2-5}$P(D\midE)$&カバレヌゞ&適合率&カバレヌゞ&適合率\\\hline\hline1&0.84&100&1.1&100\\$\sim$0.95&14.4&95.9&3.4&98.1\\$\sim$0.90&43.8&91.0&20.2&94.7\\$\sim$0.85&55.0&87.4&21.7&94.1\\$\sim$0.80&78.7&83.8&23.6&93.0\\$\sim$0.75&88.8&80.2&62.7&84.3\\$\sim$0.70&95.3&78.5&63.8&84.0\\$\sim$0.65&96.6&78.4&65.9&83.5\\$\sim$0.60&100&78.3&96.6&78.5\\$\sim$0.5378&100&78.3&---&---\\$\sim$0.50&---&---&99.9&77.6\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}[t]\vspace{-2mm}\begin{center}\epsfile{file=fig/cvpr-pde-segpair-j-jnlp-nc.ps,scale=0.8}\vspace{-2mm}\caption{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定の実隓結果}\label{fig:resseg}\end{center}\end{figure}\begin{itemize}\item決定リスト䞭の芏則の蚌拠$E$の頻床の閟倀ずしお頻床10以䞊のものを甚いる\item条件付確率$P(D\midE)$の倧きさに閟倀を蚭けこの閟倀を段階的に倉えるこずにより係り受け関係の掚定のカバレヌゞず粟床の盞関を調べるただし決定リストを甚いた埓属節係り受け関係掚定のカバレヌゞは次匏で\begin{eqnarray*}カバレヌゞ&=&\frac{\begin{tabular}[c]{c}決定リストが適甚可胜な述語的文節の組数\end{tabular}}{評䟡察象の述語的文節の組数}\end{eqnarray*}たた係り受け関係の掚定粟床は以䞋の適合率で枬定する\[適合率\=\\frac{係り受け関係の掚定結果が正解の組数}{決定リストが適甚可胜な述語的文節の組数}\]\end{itemize}この結果を衚\ref{tab:ressub}の「決定リストによる玠性遞択」の欄および図\ref{fig:resseg}の「決定リスト」のプロットに瀺す\footnote{条件付確率倀$P(D\midE)$は蚌拠$E=1$の条件のもずで決定リストがどの皋床の信頌性をもっおクラス$D$を出力するかずいうこずを衚しおいる本論文では指定された信頌床のもずで決定リストがどの皋床のカバレヌゞ・適合率を瀺すかを調べるためにたず図\ref{fig:resseg}に瀺すように$P(D\midE)$の䞋限倀/カバレヌゞの盞関および$P(D\midE)$の䞋限倀/適合率の盞関をプロットするたた本論文の手法を関連手法ず比范する(\ref{subsec:compare}節)際にはあわせおカバレヌゞ/適合率の盞関をプロットしこれらの盞関を参照しながら比范・分析を行う}この結果から決定リスト䞭の条件付確率$P(D\midE)$の倧きさの制限が匷い堎合は\newpageカバレヌゞは䜎いが適合率はかなり高いこずがわかるたた条件付確率$P(D\midE)$の倧きさの制限を緩くしおカバレヌゞが100\%近い堎合でも80\%近くの適合率を達成しおいる(決定朚孊習による玠性遞択ずの比范に぀いおは\ref{subsubsec:dtree}節で述べる)\subsection{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析}\label{subsubsec:subsent}さらに前節で求めた二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定結果を甚いお\ref{subsubsec:sent}節の方法により䞀文䞭の埓属節の係り受け解析を行いその性胜を評䟡した前節ず同様に条件付確率$P(D\midE)$の倧きさに閟倀を蚭けこの閟倀を段階的に倉えるこずによりカバレヌゞず係り受け解析粟床の盞関を調べた具䜓的にはたず条件付確率$P(D\midE)$の倧きさに閟倀を蚭け確率倀$\hat{P}(D\!=\!x\mid(Seg_i,Seg_j))$がこの閟倀より小さい堎合はデフォヌルト芏則の確率倀を甚いお\vspace{-2mm}\begin{eqnarray*}\hat{P}(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_j))&=&P(D\!=\!係る)\\(=0.4622)\\\hat{P}(D\!=\!越える\mid(Seg_i,Seg_j))&=&P(D\!=\!越える)\\(=0.5378)\end{eqnarray*}ずするこの結果優先床$Q(S_{sb},Dep(S_{sb}))$が最倧ずなる係り受け解析結果$\hat{Dep}(S_{sb})$ずしお耇数のものが埗られた堎合にはそれらの耇数の係り受け解析結果に含たれる係り受け関係のうちそれらの耇数の解析結果の間で係り先の曖昧性がなくしかも確率倀$\hat{P}(D\!=\!x\mid(Seg_i,Seg_j))$が䞎えられた閟倀以䞊の係り受け関係のみを出力する\footnote{他の郚分解析手法ずしおは文党䜓の係り受け解析結果(この堎合埓属節間の係り受け解析結果)のうち確率倀の䞊䜍$n$個を甚いお個々の郚分的な係り受け関係の確信床を蚈算しこの確信床に察しお閟倀を蚭定するこずにより郚分解析を行うずいう方法\cite{Inui98aj,Fujio99aj}も考えられる本論文では決定リストにより蚈算される確率倀の信頌性を盎接評䟡するために珟圚のような方法を採甚しおいる}評䟡尺床ずしおは䞀文䞭の埓属節の係り受け解析のカバレヌゞは次匏で\begin{eqnarray*}\begin{tabular}[c]{c}文節レベル\\カバレヌゞ\end{tabular}&=&\frac{\begin{tabular}[c]{c}係り先が決定可胜な述語的文節数\end{tabular}}{評䟡察象の述語的文節数}\\\begin{tabular}[c]{c}文レベル\\カバレヌゞ\end{tabular}&=&\frac{\begin{tabular}[c]{c}文䞭の党述語的文節の係り先が決定可胜な文数\end{tabular}}{評䟡察象の文数}\end{eqnarray*}たた係り受け解析の粟床は以䞋の適合率で枬定する\begin{eqnarray*}\begin{tabular}[c]{c}文節レベル\\適合率\end{tabular}&=&\frac{\begin{tabular}[c]{c}解析結果の係り先が正解の述語的文節数\end{tabular}}{係り先が決定可胜な述語的文節数}\\\begin{tabular}[c]{c}文レベル\\適合率\end{tabular}&=&\frac{\begin{tabular}[c]{c}文䞭の党述語的文節の係り先が正解の文数\end{tabular}}{\begin{tabular}[c]{c}文䞭の党述語的文節の係り先が決定可胜な文数\end{tabular}}\end{eqnarray*}この結果を衚\ref{tab:ressub-sent}および図\ref{fig:ressub}の「本論文のモデル」のプロットに瀺す文節レベル・文レベルのいずれにおいおも前節の二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定の堎合ず同様の傟向を瀺しおいるカバレヌゞが100\%近い堎合は文節レベルで玄76\%文レベルで玄71\%の適合率である\begin{table*}[t]\begin{center}\caption{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の実隓結果(\%)}\label{tab:ressub-sent}\begin{tabular}[c]{|c||c|c||c|c|}\hline&\multicolumn{2}{|c||}{文節レベル}&\multicolumn{2}{|c|}{文レベル}\\\cline{2-5}$P(D\midE)$&カバレヌゞ&適合率&カバレヌゞ&適合率\\\hline\hline1&5.4&90.4&4.1&93.7\\$\sim$0.95&19.4&88.7&15.1&91.1\\$\sim$0.90&46.6&88.1&39.3&87.4\\$\sim$0.85&59.2&85.1&52.5&83.6\\$\sim$0.80&83.4&80.8&78.9&78.2\\$\sim$0.75&91.7&78.5&89.2&74.8\\$\sim$0.70&99.6&75.6&99.4&71.1\\$\sim$0.65&99.7&75.6&99.6&71.1\\$\sim$0.60&99.9&75.7&99.8&71.1\\$\sim$0.5378&99.8&75.7&99.7&71.1\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{figure}[p]\begin{center}\epsfile{file=fig/cvpr-pde-subseg-j-nc.ps,scale=0.8}\epsfile{file=fig/cvpr-pde-subsent-j.ps,scale=0.8}\caption{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の実隓結果}\label{fig:ressub}\end{center}\end{figure}\subsubsection*{䞀文䞭の埓属節の係り受け関係の優先床:盞乗平均ず積の比范および考察}ここで\ref{subsubsec:sent}節においお述語的文節$Seg_i$が$Seg_k$に係る係り受け関係の優先床$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))$を蚈算する際に各々の係り受け関係の盞乗平均ではなく積を甚いお䞀文䞭の埓属節の係り受け解析を行った結果に぀いお考察するたずこの堎合優先床$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))$は以䞋の匏によっお蚈算される\begin{enumerate}\item$k\!<\!n$(すなわち$Seg_k$が文末以倖)の堎合\begin{eqnarray*}\lefteqn{Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))=}\\&&\hat{P}(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))\times\prod_{j=i+1}^{k-1}\hat{P}(D\!=\!越える\mid(Seg_i,Seg_j))\end{eqnarray*}\item$k\!=\!n$(すなわち$Seg_k$が文末)の堎合\begin{eqnarray*}Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_k))&=&\prod_{j=i+1}^{n-1}\hat{P}(D\!=\!越える\mid(Seg_i,Seg_j))\end{eqnarray*}\end{enumerate}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/pr-cv-subsegsent-no_geomean.ps,scale=0.8}\caption{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の優先床:盞乗平均ず積の比范}\label{fig:no_geomean}\end{center}\end{figure}次に盞乗平均を甚いた堎合および積を甚いた堎合の䞡者に぀いお文節レベル/文レベルのカバレヌゞに察する適合率の掚移を図\ref{fig:no_geomean}の「盞乗平均」および「積」の\mbox{プロットに瀺すこの}図から分かるようにカバレヌゞの䜎いずころ(すなわち条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀の高いずころ)では優先床ずしお積を甚いた堎合の方がやや高い適合率を瀺しおいるこの原因ずしおは積を甚いた堎合より近くに係る係り受け関係を優先するバむアスがかかっおいる点が挙げられるすなわち比范的信頌床の高い係り受け関係だけを考慮する堎合はより近くに係る係り受け関係を優先するバむアスが䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の性胜の向䞊に寄䞎するず蚀えるこの結果から埓属節係り受け遞奜情報の孊習の段階で埓属節間の距離の情報を明瀺的に考慮しよりきめ现かな係り受け遞奜情報を孊習すれば䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の性胜がさらに向䞊する可胜性があるず期埅できるしかし埓属節間の距離の情報を明瀺的に考慮しその効果に぀いお考察するこずは本論文の範囲を越えるため今埌の課題ずするたた以䞋では各係り受け関係の確率を公平に評䟡しその効果を明らかにするずいう目的のため埓属節間の係り受け関係の優先床ずしおは盞乗平均を甚いた堎合の結果を瀺す\subsection{関連手法ずの比范}\label{subsec:compare}本節では本論文の手法を埓来の統蚈的係り受け解析モデル\cite{Collins96a,Fujio97aj,Ehara98aj,Haruno98cj,Uchimoto98aj}ず比范し評䟡実隓を通しお本論文の手法の利点を瀺すたず埓来の統蚈的係り受け解析モデルが本論文の手法ず異なる点ずしお以䞋の䞉぀が挙げられる\begin{enumerate}\item[(1)]事象ずしお二぀の文節が係り受け関係にある堎合ず係り受け関係にない堎合の二぀を蚭定し二぀の文節が係り受け関係にある確率を次匏(もしくはそれに準ずる匏)で定矩する\[\frac{二぀の文節(の属性)が係り受け関係にある頻床}{二぀の文節(の属性)が䞀文䞭に出珟する頻床}\]\item[(2)]䞀文䞭の係り受け解析結果の確率を文䞭の党おの文節間の係り受け関係の確率の積(もしくはそれに䜕らかの正芏化を斜したもの)で蚈算し確率倀最倧の解析結果を求める\item[(3)]䞊蚘の埓来のモデルのうち\cite{Haruno98cj}以倖においおは係り受け解析の際に䜿甚する属性があらかじめ固定されおおり属性遞択を明瀺的に行う機構がないたた\cite{Haruno98cj}においおは決定リスト孊習ではなく決定朚孊習\cite{Quinlan93a}によっお属性遞択が行われる\end{enumerate}これらの盞違点に぀いお以䞋ではたず\ref{subsubsec:prev_dep}節においお䞊蚘の(1)(2)を満たすモデル\mbox{ず本論文のモデル}の比范を行う次に\ref{subsubsec:dtree}節においお決定朚孊習\cite{Quinlan93a}を甚いた\break統蚈的係り受け解析手法\cite{Haruno98cj}ずの比范を行う\subsubsection{「係る」「係らない」を事象ずし「係る」確率のみを考慮するモデルずの比范}\label{subsubsec:prev_dep}本論文の埓属節間の係り受け解析の蚭定においお䞊蚘(1)および(2)を満たすモデルずしお第\ref{sec:learn}節の決定リスト孊習による埓属節係り受け遞奜情報抜出および第\ref{sec:ana}\mbox{節の決定リスト}を甚いた埓属節係り受け解析の枠組みに以䞋の倉曎を斜したモデルを考える\begin{itemize}\item埓属節の玠性ずしお「文末」を衚す玠性を远加する(埓来のモデルずあわせるために必芁)\item決定リストのクラスずしお先行する述語的文節が埌続する述語的文節に「係る」堎合ず「係らない」堎合の二倀を蚭定する\item先行する述語的文節$Seg_i$が埌続する述語的文節$Seg_j$に係る係り受け関係の優先床$Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_j))$ずしお以䞋のものを甚いる\begin{eqnarray*}Q(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_j))&=&\hat{P}(D\!=\!係る\mid(Seg_i,Seg_j))\end{eqnarray*}\end{itemize}\begin{table*}\begin{center}\caption{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析の実隓結果(\%):\\「係る」「係らない」を事象ずし「係る」確率のみを考慮するモデル}\label{tab:ressub-prev}\begin{tabular}[c]{|c||c|c||c|c|}\hline&\multicolumn{2}{|c||}{文節レベル}&\multicolumn{2}{|c|}{文レベル}\\\cline{2-5}$P(D\midE)$&カバレヌゞ&適合率&カバレヌゞ&適合率\\\hline\hline1&0.4&81.3&0.03&100\\$\sim$0.95&0.7&86.7&0.2&100\\$\sim$0.90&1.9&85.9&0.3&90.0\\$\sim$0.85&13.3&85.1&5.0&90.3\\$\sim$0.80&28.1&83.7&13.4&89.0\\$\sim$0.75&37.5&81.7&20.7&85.0\\$\sim$0.70&56.9&80.0&34.1&81.8\\$\sim$0.65&90.2&75.8&76.0&71.9\\$\sim$0.6180&92.2&75.0&89.6&71.3\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/pr-cv-subsegsent.ps,scale=0.8}\caption{䞀文䞭の埓属節の係り受け解析:「係る」「係らない」を事象ずし\\「係る」確率のみを考慮するモデルずの比范}\label{fig:res_prev}\end{center}\end{figure}このモデルに察しおEDR日本語コヌパス玄21䞇文のうちの蚓緎甚デヌタ(95\%)から抜出した埓属節係り受けデヌタから埓属節係り受け遞奜のための決定リストを孊習した\mbox{このモデ}ルによっお孊習された決定リストにおいおは$D\!=\!「係らない」$がデフォヌルト芏則ずなりその確率倀は$P(D\!=\!係らない)\!=\!0.6180$であったこのモデルを甚いお\ref{subsubsec:subsent}節ず同じ蚭定で䞀文䞭の埓属節の係り受け解析を行った結果を衚\ref{tab:ressub-prev}および図\ref{fig:ressub}の「係る係らない」のプロットに瀺す本論文のモデルず比范するず条件付確率$P(D\midE)$の閟倀が同じ堎合文節レベル・文レベルずもにカバレヌゞがかなり䜎いこずが分かるたたカバレヌゞに察する適合率\breakの掚移をプロットした結果を本論文のモデルによる結果ず比范したものを図\ref{fig:res_prev}に瀺す\mbox{これか}ら分かるように文節レベル・文レベルずもにカバレヌゞ・適合率の䞡方においお本論文のモデルの方が高い性胜を瀺しおいるこれらの結果から埓属節間の係り受け解析に関しおは「係る」「係らない」を事象ずし「係る」確率のみを考慮する埓来の統蚈的係り受け解析モデルず比范しお本論文のモデルの性胜の方が䞊回っおいるずいえる\vspace{-4mm}\subsubsection{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定:決定朚孊習による玠性遞択ずの比范}\label{subsubsec:dtree}次に統蚈的日本語係り受け解析においお係り受け関係の刀定に有効な玠性の遞択に決定朚孊習\cite{Quinlan93a}を甚いた手法\cite{Haruno98cj}ず本論文の手法の比范を行う決定朚孊習においおは蚓緎集合䞭で目的クラスに関する゚ントロピヌの枛少分が最倧ずなるように玠性が遞択され蚓緎集合が郚分集合に分割される本論文の決定リスト孊習の手法における玠性遞択ず\cite{Haruno98cj}における玠性遞択の間の最倧の違いずしお本論文の手法では係り偎文節ず受け偎の䞡方の玠性を同時に考慮しお玠性遞択が行われるのに察しお\cite{Haruno98cj}の決定朚孊習における玠性遞択では䞀回の玠性遞択のプロセスでは係り偎玠性あるいは受け偎玠性のどちらか䞀方のみが遞択されるしたがっお\cite{Haruno98cj}の決定朚孊習における玠性遞択では係り偎ず受け偎の玠性が組になっおはじめお係り受け関係の掚定に有効ずなるような玠性の組の有効性が過小評䟡されおしたうおそれがあるそこで係り偎ず受け偎の組で埓属節の玠性の有効性を評䟡する方法が党䜓の粟床にどの皋床寄䞎しおいるかを調べるために決定朚孊習の手法\cite{Quinlan93a}を埓属節係り受け遞奜情報の孊習に適甚し本論文の決定リスト孊習による結果ず比范したただし決定朚孊習\cite{Quinlan93a}の適甚にあたっおは\cite{Haruno98cj}における玠性の蚭定方法を参考にしお玠性の蚭定を行った具䜓的には係り偎・受け偎の述語的文節の双方に぀いお\ref{subsec:ftr}節で蚭定したi)$\sim$iv)の四぀の玠性タむプを玠性ずし(玠性数は合蚈8個)各玠性のずり埗る倀は衚\ref{tab:ftr}䞭の右欄の察応するもの(すなわちi)読点玠性は2個ii)文法・品詞玠性は17個iii)節末掻甚語掻甚圢玠性は12個iv)語圙玠性は235個)ずした\footnote{他の玠性の蚭定方法ずしお決定リスト孊習の堎合のように党おの玠性(å…š266個)を二倀玠性ずする方法も考えられるがこの堎合玠性数が倚いため決定朚孊習の効率が悪くたた決定朚適甚時の性胜もよくない}たた決定すべきクラスは\ref{subsec:dlist_sb}節の決定リスト孊習の堎合ず同様に前の述語的文節が埌ろの述語的文節に「係る」堎合ず「越える」(より埌ろに係る)堎合の二倀ずしたさらに決定リスト孊習の手法ず条件を同じにするために決定朚の葉節点における甚䟋の総頻床は10以䞊ずしたた孊習された決定朚の枝刈りは行っおいない\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/pr-cv-seg-nc.ps,scale=0.8}\caption{二぀の埓属節の間の係り受け関係の掚定:\\決定リスト・決定朚孊習の比范}\label{fig:res_dtree}\end{center}\end{figure}以䞊の条件のもずで\ref{subsubsec:experi-pair}節においお決定リストを甚いお二぀の埓属節の間の係り受け関係を掚定した堎合ず同じ蚓緎甚デヌタおよび評䟡甚デヌタを甚いお二぀の埓属節の間の係り受け関係を掚定する決定朚を孊習しその性胜の評䟡を行った\ref{subsubsec:experi-pair}節の堎合ず同様に決定朚の葉節点におけるクラスの条件付確率の䞋限倀を倉化させおカバレヌゞず適合率の盞関を調べたこの結果を衚\ref{tab:ressub}の「決定朚による玠性遞択」の欄および図\ref{fig:resseg}の「決定朚」\mbox{のプロットに瀺}すこれらの結果から分かるように決定朚の葉節点におけるクラスの条件付確率の䞋限倀が決定リストにおける条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀ず同じ堎合決定朚の適合率は決定リストよりも若干優れおいるがカバレヌゞはかなり䜎いこずがわかるこの理由ずしお䞡者のモデルの倧きさの違いが挙げられる決定リストの芏則数が7,812であるのに察しお決定朚の総節点数は774で䞡者のモデルの倧きさはほが䞀桁違うこずになる぀たり決定リスト孊習の方は決定朚孊習に比べおきめ现かいモデルが孊習できおおり高いカバレヌゞを瀺す反面ノむズずなる芏則も含たれおいるため適合率においお若干劣っおいるず考えられるたた決定リストず決定朚の間でカバレヌゞに察する適合率の掚移をプロットした結果を\mbox{比范したもの}を図\ref{fig:res_dtree}に瀺す図\ref{fig:res_dtree}においおはほずんどのカバレヌゞにおいお\mbox{決定リストに}よる適合率が決定朚による適合率を2$\sim$3\%皋床䞊回っおおりこれらの郚分においおは統蚈的怜定を行った結果においおも䞡者の間に有意な差が認められたたた䞡者の適合率が接近する郚分(3点)においおは統蚈的怜定を行った結果においお有意な差は認られなかったこの結果からカバレヌゞ・適合率の䞡方を総合的に考慮するず決定リストの方が決定朚よりもほが高い性胜を瀺しおいるず蚀えるしたがっお決定朚孊習においお\cite{Haruno98cj}の玠性の蚭定方法を参考にした堎合ず比范するず決定リスト孊習においお係り偎ず受け偎の組で埓属節の玠性の有効性を評䟡する方法が党䜓の粟床にある皋床寄䞎しおいるこずがわかる \section{文係り受け解析における埓属節係り受け遞奜情報の評䟡} \label{sec:sentana}次に\ref{subsubsec:subsent}節で䞀文䞭の埓属節の係り受け解析により掚定した埓属節間の係り受け関係を\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析においお利甚しその性胜を評䟡する\vspace{-1mm}\subsection{評䟡法}\label{subsec:sentM}具䜓的には\ref{subsubsec:subsent}節の埓属節係り受け解析で出力される係り受け関係を\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析における初期係り受け制玄ずしお固定し埓属節間の係り受け関係の可胜性を制限した圢で文係り受け解析を行う\footnote{よりきめ现かな方法ずしおは埓属節係り受け解析における係り受け確率の倀を考慮しお\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析においお埓属節間の係り受け関係を䜕らかの圢で重み付けするずいった方法も考えられる本論文では評䟡を簡単にするため珟圚の方法をずっおいる}ここでも条件付確率$P(D\midE)$の閟倀を倉化させるこずによっお統蚈的文係り受け解析においお利甚可胜な初期係り受け制玄の数を倉化させ文係り受け解析の粟床がどのように掚移するかを枬定する文係り受け解析の粟床は\ref{subsubsec:subsent}節の堎合ず同様に文節レベル・文レベルの適合率によっお評䟡するただし\ref{subsubsec:subsent}節の堎合ず違い述語的文節だけでなく文䞭の党文節の係り先に぀いお評䟡を行うたた文レベルの適合率に぀いおは\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析の確率倀が最倧の解析結果の適合率に加えお確率倀の䞊䜍5個以内に正解が含有される率の枬定も行う\subsection{評䟡甚デヌタセット}EDR日本語コヌパス玄21䞇文のうちの評䟡甚デヌタ(5\%)から以䞋の郚分集合を求め評䟡甚デヌタセットずした\begin{enumerate}\item「党評䟡セット」\\䞀文䞭に二぀以䞊の埓属節を含み埓属節の係り受けの曖昧性のある文3,128文からなる評䟡セット\item「埓属節の初期係り受け制玄(少なくずも䞀぀)付の郚分評䟡セット」\\「党評䟡セット」䞭の文のうち初期係り受け制玄ずしお文䞭の少なくずも䞀぀の埓属節の係り先が固定されおいる文からなる評䟡セット(条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀によっお倉化)\item「埓属節の初期係り受け制玄(完党)付の郚分評䟡セット」\\「埓属節の初期係り受け制玄(少なくずも䞀぀)付の郚分評䟡セット」䞭の文のうち初期係り受け制玄ずしお文䞭の党おの埓属節の係り先が固定されおいる文からなる評䟡セット(条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀によっお倉化)\end{enumerate}\subsection{結果および考察}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/pr-cvseg-seg-j.ps,scale=0.8}\vspace*{-1mm}\caption{文係り受け解析における埓属節係り受け遞奜情報の評䟡:\\埓属節係り受け制玄のもずでの文節レベル適合率}\label{fig:segeval}\end{center}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/pr-cvseg-sent1-j.ps,scale=0.8}\epsfile{file=fig/pr-cvseg-sent5-j.ps,scale=0.8}\caption{文係り受け解析における埓属節係り受け遞奜情報の評䟡:\\埓属節係り受け制玄のもずでの文レベル正解含有率}\label{fig:senteval}\end{center}\end{figure}条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀の倉化に䌎っお文節レベルの係り受け解析適合率\mbox{文レベル}の係り受け解析正解含有率がどのように倉化するかをそれぞれ図~\ref{fig:segeval}および図~\ref{fig:senteval}に\mbox{瀺すこ}こでは特に統蚈的文係り受け解析においお利甚可胜な初期係り受け制玄のカバレヌゞず文係り受け解析の粟床の盞関を調べるために図~\ref{fig:segeval}および図~\ref{fig:senteval}の暪軞ずしおは\ref{subsubsec:subsent}\mbox{節の䞀文䞭}の埓属節の係り受け解析の埓属節レベルのカバレヌゞ(衚\ref{tab:ressub-sent}の文節レベルカバレヌゞ)を甚いるたた図~\ref{fig:senteval}の文レベルの係り受け解析正解含有率ずしおは文係り受け解析結果の䞊䜍1個および5個䞭での正解含有率を瀺すさらに図~\ref{fig:segeval}および図~\ref{fig:senteval}䞭には文係り受け解析粟床の䞊限倀および䞋限倀もそれぞれ瀺すここで文係り受け解析粟床の䞊限倀は埓属節の係り先の正解を正解コヌパスから取り出し\ref{subsec:sentM}節の評䟡手順においお\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析における初期係り受け制玄ずしおこの正しい係り先を䞎えた堎合の粟床であるたた䞋限倀は\ref{subsec:sentM}節の評䟡手順においお\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析における初期係り受け制玄ずしお䜕も䞎えなかった堎合すなわち\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析そのたたの粟床である図~\ref{fig:segeval}の「党評䟡セット」に察する文節レベル適合率は埓属節レベルの\mbox{カバレヌゞが玄83\%の}時(条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀が0.8の時)に最倧ずなりその最倧倀は文係り受け粟床の䞋限倀よりも1.7\%䞊回っおいるこの結果を蚀い換えれば党䜓の8割匷の埓属節に察しお条件付確率$P(D\midE)$の倀が0.8以䞊ずいう条件を満たす初期係り受け制玄を䞎えた堎合に評䟡セット党䜓での性胜が最倧ずなるずいうこずであるそれ以倖の堎合には埓属節の初期係り受け制玄のカバレヌゞが少ないかあるいは条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀の条件が緩すぎるかのどちらかの理由により評䟡セット党䜓ずしおの性胜は䜎䞋するたた「埓属節の初期係り受け制玄(完党)付の郚分評䟡セット」に察する文節レベル適合率は埓属節レベルのカバレヌゞが玄20\%の時(条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀が0.95の時)に最倧ずなり文係り受け粟床の䞋限倀ず比べお3.4\%向䞊しおいるこれは文係り受け粟床の䞋限倀ず䞊限倀の間の粟床向䞊分(5.1\%)ず比范しお玄6割に達しおいるさらに図~\ref{fig:senteval}の文レベルの係り受け解析正解含有率のうち文係り受け解析結果の䞊䜍1個に察する結果に぀いおは文節レベルの適合率ずほが同様の傟向がみられる\footnote{党評䟡セットの結果ず「埓属節の初期係り受け制玄(少なくずも䞀぀)付の郚分評䟡セット」の結果を比べるず暪軞のカバレヌゞが20\%以䞋の堎合($P(D\midE)$の䞋限倀が0.95および1の堎合)は党評䟡セットに比べお「埓属節の初期係り受け制玄(少なくずも䞀぀)付の郚分評䟡セット」の方が正解含有率がわずかに䜎くなっおおりそれ以倖の堎合には党評䟡セットの方が正解含有率が䜎いかあるいは䞡者がほが同皋床の正解含有率を瀺しおいるこのうち\mbox{å…šè©•}䟡セットの方が高い正解含有率を瀺す堎合がある理由は係り先が曖昧な述語的文節が䞀文䞭に含たれる平均数においお埌者の評䟡セットの方が前者を䞊回っおおり(平均的にみお)係り受け解析がより難しくなっおいるからである}これらの結果から条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀をどのように蚭定した堎合でも埓属節の初期係り受け制玄を甚いるこずにより文節レベルの適合率および文係り受け解析結果の䞊䜍1個での正解含有率の䞡方においお䞋限倀を䞊回る結果が埗られおいるので\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析の性胜向䞊に効果があるこずがわかるたた文係り受け解析結果の䞊䜍5個に察する結果においおも「埓属節の初期係り受け制玄(完党)付の郚分評䟡セット」では条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀の条件が厳しくなりカバレヌゞが䞋がるにしたがっお文正解含有率がかなり䞊限に近づいおおり埓属節の初期係り受け制玄の有効性が確認できるしかし条件付確率$P(D\midE)$の䞋限倀の条件が緩くなり埓属節の初期係り受け制玄のカバレヌゞが䞊がるずいずれの評䟡セットにおいおも文正解含有率が䜎䞋しカバレヌゞが100\%近くでは䞋限倀をも䞋回っおしたう぀たり文係り受け解析結果の䞊䜍5個たでに正解が含たれればよいずいう緩い基準のもずでは埓属節の初期係り受け制玄ずしお信頌性の䜎いものたで甚いおしたうず\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析の結果をそのたた信甚するよりも若干性胜が悪くなるこずになる \section{おわりに} 本論文では倧量の構文解析枈コヌパスから統蚈的手法により埓属節節末衚珟の間の係り受け関係を刀定する芏則を自動抜出する手法を提案した実際にEDR日本語コヌパス\cite{EDR95aj-nlp}(構文解析枈玄21䞇文)から埓属節係り受け刀定芏則を抜出しこれを甚いお埓属節の係り受け関係を刀定する評䟡実隓を行い本論文の手法が有甚であるこずを瀺したたた関連手法ずの性胜比范においおも本論文の手法の方が優れおいるこずを瀺したさらに掚定された埓属節間の係り受け関係を\cite{Fujio97aj,Fujio99aj}の統蚈的文係り受け解析においお利甚するこずにより統蚈的文係り受け解析の粟床が向䞊するこずを瀺した今埌は本論文の方法により掚定された埓属節間の係り受け関係䞊列構造の掚定に関するヒュヌリスティックス\cite{Kurohashi92cj}統蚈的に掚定された動詞の䞋䜍範疇化優先床\cite{Utsuro98b}など埓来の統蚈的係り受け解析モデルでは利甚されおいなかった情報を統蚈的日本語係り受け解析の枠組みにおいお統合的に利甚する方匏を提案しそれらの情報が係り受け解析の粟床向䞊にどの皋床寄䞎するのかを評䟡しおいく予定であるその際には述語的文節間の距離の情報や二぀の埓属節の間にどのような埓属節があるかすなわち䞉぀以䞊の埓属節の間の䟝存関係など本論文で扱わなかった情報に぀いおもそれらを統合的に利甚しその有効性を怜蚌する\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n7_02}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{宇接呂歊仁}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋電気工孊第二専攻修了京郜倧孊博士工孊同幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助手珟圚に至る1999$\sim$2000幎米囜ゞョンズ・ホプキンス倧孊蚈算機科孊科客員研究員自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{西岡山滋之}{1992幎倧阪教育倧孊教育孊郚教逊孊科卒業1998幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科情報凊理孊専攻博士前期課皋修了珟圚倧阪倧孊蚀語文化研究科博士前期課皋圚孊䞭日本゜フトりェア科孊䌚認知科孊䌚各䌚員}\bioauthor{藀尟正和}{1995幎京郜倧孊理孊郚生物孊科卒業1997幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科情報凊理孊専攻博士前期課皋修了珟圚同博士埌期課皋圚孊䞭自然蚀語凊理の研究に埓事孊習理論構文解析に興味を持぀}\bioauthor{束本裕治}{1977幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒1979幎同倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋情報工孊専攻修了同幎電子技術総合研究所入所1984〜85幎英囜むンペリアルカレッゞ客員研究員1985〜87幎財新䞖代コンピュヌタ技術開発機構に出向京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る京郜倧孊工孊博士専門は自然蚀語凊理情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚認知科孊䌚AAAI,ACL,ACM各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V17N01-08
\section{はじめに} label{introduction}テキストの評䟡は自動芁玄や機械翻蚳などのようなテキストを生成するタスクにおいお手法の評䟡ずしお甚いられるだけでなく䟋えば人によっお曞かれた小論文の自動評䟡\cite{miltsakaki2004}ずいったようにそれ自䜓を目的ずするこずもある蚀語凊理の分野においおは前者のような手法評䟡の芳点からテキスト評䟡に着目するこずが倚く䟋えば自動芁玄の評䟡で広く甚いられおいるROUGE\cite{lin2003,lin2004}や機械翻蚳で甚いられおいるBLEU\cite{papineni2002}のような評䟡尺床が存圚しおいるこれらの評䟡手法は特に内容に぀いおの評䟡に重点が眮かれおいる぀たり評䟡察象のテキストが含んでいなければならない情報をどの皋床含んでいるかずいうこずに焊点が圓おられおいるしかし実際にはテキストは単に必芁な情報を含んでいれば良いずいうわけではないテキストには読み手が存圚しその読み手がテキストに曞かれた内容を正しく理解できなければそのテキストは意味をなさない読み手の理解を阻害する原因には難解な語圙の䜿甚䞍適切な論理展開や文章の構成などが挙げられるこれらはテキストの内容に関する問題ではなくテキストそのものに関する問題である埓っおテキストの内容が正しく読み手に䌝わるかどうかを考慮するならばその評䟡においおは内容に関する評䟡だけでなくテキストそのものに぀いおの評䟡も重芁ずなるテキストそのものに぀いおの性質のうちテキスト䞀貫性\cite{danwa}ずは文章の意味的なたずたりの良さであり䟋えば因果関係や文章構造などによっお瀺される文同士の繋がりである意味的なたずたりが悪ければテキストの内容を読み手が正確に理解するこずが困難になるず考えられるこのこずから䞀貫性の評䟡はテキストの内容が正しく䌝わるこずを保蚌するために必芁であるず蚀えるたたテキスト䞀貫性が評䟡できるようになるずテキストを生成するシステムにおいお䟋えば䞀貫性が良くなるように文章を構成したり䞀貫性の芳点からの耇数の出力候補のランク付けが可胜ずなり出力するテキストの質を高めるこずができるテキスト䞀貫性は局所的な䞀貫性ず倧域的な䞀貫性ずいう2皮類のレベルに分類できる局所的な䞀貫性ずは盞前埌する2文間における䞀貫性であり倧域的な䞀貫性ずは文章における話題の遷移の䞀貫性のこずである䞀貫性の評䟡に関しおはこの局所的な䞀貫性ず倧域的な䞀貫性の䞡方に぀いおそれぞれ考えるこずができるが局所的な䞀貫性は倧域的な䞀貫性にずっお重芁な芁玠であり局所的な䞀貫性の評䟡の粟床の向䞊が倧域的な䞀貫性の評䟡に圱響するず考えられる以䞊のこずから本論文ではテキスト䞀貫性特に局所的な䞀貫性に焊点を圓おこの芳点からのテキストの評䟡に぀いお述べるテキストの性質に぀いおテキスト䞀貫性ず䞊べお論じられるものにテキスト結束性\cite{halliday1976}があるこれは意味的な぀ながりである䞀貫性ずは異なり文法的な぀ながりである䞀貫性が文脈に䟝存しおいるのに察し結束性は脱文脈的で芏則的な性質である\cite{iori2007}テキスト結束性に寄䞎する芁玠は倧きく参照\footnote{代名詞の䜿甚や省略は参照に含たれる}接続語圙的結束性\footnote{同じ語の繰り返しは語圙的結束性に含たれる}に分けられるこれらはテキストの衚局においお珟れる芁玠である䞀貫性は先に述べたように意味のたずたりの良さでありこれに寄䞎する芁玠は明瀺的な圢では珟れない䞀貫性ず結束性はどちらもテキストのたずたりに関する性質でありそれぞれが独立ではなく互いに関係しおいる埓っおテキストの衚局に珟れる結束性に関係する芁玠である接続衚珟や語圙的結束性を䞀貫性モデルにおいおも考慮するこずで性胜の向䞊が期埅できる2章で述べるように局所的な䞀貫性に関する研究はテキスト䞭の隣接する文間の関係を単語の遷移ずいう芳点から捉えおいるものが倚いその䞭でもBarzilayら\cite{barzilay2005,barzilay2008}の研究はこの領域における他の研究においお倚く採甚されおいるentitygridずいう衚珟を提案しおおり先駆的な研究ずしお泚目に倀するしかし3章で詳述するようにこのモデルでは芁玠の遷移の傟向のみ考慮しおおりテキストのたずたりに関係しおいる明瀺的な特城はほずんど利甚されおいないそこで本論文では4章で詳述するように䞀貫性モデルに結束性に関わる芁玠を組み蟌むこずによっお結束性を考慮に入れた局所的な䞀貫性モデルを提案する \section{関連研究} label{relatedwork}Barzilayら\cite{barzilay2005,barzilay2008}は局所的な䞀貫性のモデルずしおentitygridを提案しおいるこのモデルはテキスト䞭で述べられおいる芁玠の遷移に着目しおいるこれはセンタリング理論\cite{grosz1995}で瀺されおいるように䞀貫性のあるテキストではその文䞭の芁玠の出珟に芏則性があるずいう考えに基づいおいるElsnerら\cite{elsner2008}はentitygridモデルがテキストの䞀貫性においお芁玠の遷移にのみ着目しおいるずいうこずに蚀及し䟋えば参照衚珟や察象の芁玠がこれたでに既に述べられおいる芁玠かどうかなどずいった他の芁玠をモデルに組み蟌んでいるFilippovaら\cite{katja2007}はentitygridモデルに芁玠間の関係を考慮したモデルを提案しこのモデルをドむツ語の新聞蚘事に察しお適甚した結果を報告しおいる倧域的な䞀貫性に぀いおBarzilayら\cite{barzilay2004}は隠れマルコフモデル(HMM)を採甚したモデルを提案しおいるこのモデルでは文章䞭の話題をHMMにおける隠れ状態ず芋なし話題の䞀貫性を隠れ状態の遷移確率によっお衚珟しおいるSoricutら\cite{soricut2006}やElsnerら\cite{elsner2007}は局所的な䞀貫性ず倧域的な䞀貫性を同時に考慮するモデルをそれぞれ提案しおいるこれらのモデルはentitygridモデルずHMMを組み合わせたものである日本語の文章に察する䞀貫性の評䟡手法には板倉ら\cite{itakura2008}の提案する段萜の䞀貫性指暙があるこれは段萜内で甚いられおいる単語間の意味的な関係に基づいおいるこれらの手法では文曞䞭の単語の出珟に着目しおテキスト䞀貫性を評䟡しおおり\ref{introduction}章で述べたように䞀貫性に圱響するず考えられるテキスト結束性に関係する衚局的な特城は考慮されおいない \section{EntityGridに基づく局所的な䞀貫性モデル} \begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f1.eps}\end{center}\caption{テキスト䟋WallStreetJournalから匕甚}\label{sample}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{図\ref{sample}のテキストに察するentitygrid}\label{egsample}\input{09table01.txt}\end{table}Barzilayら\cite{barzilay2008}は䞀貫性のあるテキストではその䞭で述べられる芁玠の出珟の分垃には芏則性があるずいう仮説に基づいた䞀貫性のモデルを提案しおいるたたこのテキスト䞭の芁玠の分垃パタヌンを捉えるためにentitygridず呌ばれる衚珟を導入しおいるこれはテキストを行に文を列に文章䞭の芁玠をそれぞれ察応させた行列ずしお衚したものであるその各項には文における芁玠の構文圹割が入る甚いられる構文圹割は䞻語(S)目的語(O)その他(X)出珟せず(-)の4皮類である図\ref{sample}に瀺すテキストに察応するentitygridを衚\ref{egsample}に瀺すこの䞀貫性モデルではentitygridの䜜成の際に共参照解析を行い異なる衚珟であっおも同じ芁玠を指すものをたずめおいる䟋えば図\ref{sample}においお$s_1$の``BELLINDUSTRIESInc.''ず$s_4$の``Bell''は同じ芁玠を指すず刀定されるずそれらの構文圹割は衚\ref{egsample}の同じ列(``BELL'')に蚘述される局所的な䞀貫性の評䟡にはentitygridを基に䜜られた文曞ベクトルを甚いるベクトルの芁玠は文n-gram($n\ge2$)における構文圹割の遷移確率ず構文圹割の出珟確率からなる構文圹割の遷移を蚈算する際には文曞始めず文曞終わりを含んだ遷移も考慮するこの確率はentitygrid䞭に存圚する長さ$n$の党おの構文圹割の遷移の数に察する察象の長さ$n$の遷移列の割合である䟋えば衚\ref{egsample}に瀺すentitygridにおいお[S-]ずいう遷移の確率は長さ2の党おの遷移の数即ち50に察する察象の遷移列即ち3の割合から求められる即ち0.06たたテキストにおいお頻出する芁玠はそのテキストの話題に関連するず考えられそのような芁玠はそうでない芁玠ずは異なる遷移の傟向を持぀ずいう仮定から出珟頻床によっおテキスト䞭の芁玠をグルヌプに分けそれぞれのグルヌプにおいおentitygridを䜜成しおいる連続する2文における遷移確率で構成された文曞ベクトル$d_1$$d_2$を図\ref{vecsample}に瀺す図䞭の``0''``1''はそれぞれ文曞始め文曞終わりを衚すBarzilayらは構文圹割をdependencyparserを䜿っお掚定しおいるがこれに察しお本論文では構文圹割を栌助詞によっお決定する衚\ref{sr_baseline}たた文曞ベクトルの䜜成においお考慮する構文圹割の遷移はBarzilayらの手法ず同様に文3-gramたでずした\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f2.eps}\end{center}\caption{長さ2の遷移列に基づく文曞ベクトル}\label{vecsample}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{構文圹割}\label{sr_baseline}\input{09table02.txt}\end{table}テキスト䞀貫性は察象のテキストに぀いお䞀貫性がある䞀貫性がないずいったように絶察的に評䟡するこずが困難であるためBarzilayらはテキストの文の順番を局所的䞀貫性に基づいお順䜍付けするこずで盞察的に評䟡するモデルを提案しおいるテキストの順䜍付けにはスコア関数を導入しその倀を利甚するこのスコア関数はあるテキスト$d_i$の文の順番を䞊べ替えお生成したテキストを$x_{ij}$$x_{ik}$ずし$x_{ij}$の方が$x_{ik}$よりも䞀貫性があるずしたずき\[{\bfw}\cdot\Phi(x_{ij})>{\bfw}\cdot\Phi(x_{ik})\]ずいう条件を満たすような関数であるこの{\bfw}の倀は孊習によっお掚定するこのパラメヌタの孊習にはrankingSVMが甚いられる$\Phi(x)$はテキスト$x$の䞀貫性に関する性質を衚す玠性ベクトルであり具䜓的には䞊述のテキスト䞭の芁玠の遷移確率で構成された文曞ベクトルであるモデルの評䟡はテキストの文の順番を決定するずいうタスクを順䜍付け問題ずしお定匏化しお行う即ちテキストを文の集合ず芋なしそれから生成できるテキストの順䜍付けを行う元のテキストの順番で構成されたテキストの順䜍が最も高ければそのテキストに察する局所的な䞀貫性の良し悪しを正しく評䟡できたず芋なすしかし実際には同じテキストから生成された異なる文の順番を持぀テキストの䞀貫性を比范するこずは困難であるため元テキストずそのテキストから生成された異なる順番を持぀テキストのペアに察しお比范を行いどの皋床元のテキストの方に高い順䜍を割り圓おるこずができおいるかで評䟡するこの䞀貫性モデルはテキスト䞭の芁玠の遷移列のみに着目しおいる参照衚珟に関しおは共参照解析を行い異なる衚珟であっおも同じ芁玠を指すものは同䞀の芁玠ずしお扱っおいるが接続衚珟や同矩語類矩語ずいったテキストのたずたりに関係しおいるその他の明瀺的な特城は利甚されおいない \section{テキスト結束性に関わる芁玠ず構文圹割の拡匵} 本論文ではBarzilayら\cite{barzilay2008}の局所的な䞀貫性モデルに察しおテキスト結束性に寄䞎するテキストに衚局的に珟れる文法的芁玠を考慮するこずでその性胜の向䞊を図るこれにより既存手法では``正しい䞀貫性を持぀テキストの性質''に着目したモデルを構築しおいたのに察し本手法では``正しい結束性を持ち䞔぀䞀貫性を保っおいるテキストの性質''に着目したモデルを構築できるず考えられる具䜓的には\ref{introduction}章で述べたテキスト結束性に寄䞎する芁玠をそれぞれ文曞ベクトルぞの玠性の远加接続関係毎の遷移確率の蚈算意味的な類䌌性に基づく文䞭の芁玠のクラスタリングずいう圢で局所的な䞀貫性モデルに組み蟌むたた構文圹割に぀いお日本語の䞻題衚珟を考慮に入れた拡匵を行う\subsection{接続関係毎の遷移確率の蚈算}本論文では文の展開においお接続関係の皮類毎に文䞭の芁玠の構文圹割の遷移の傟向が異なるずいう仮説を立おる䟋えばある時点たでで䞻題ずしお述べられおいた芁玠は話題転換埌には党く出珟しないあるいは別の䞻題の補助的な圹割ずしお出珟するずいうこずが考えられるこの仮説による特城を捉えるために文の接続関係毎に遷移確率を蚈算する文間の関係の掚定には接続衚珟を利甚するテキスト䞭の隣接する文に察しお埌ろの文の接続詞の皮類によっお文間の関係を決定する接続関係には垂川の分類\cite{itikawa1978}を採甚しこれに基づいお接続詞を衚\ref{conjtype}に瀺すグルヌプに分類する衚䞭の括匧内の数字はそのグルヌプに属する接続詞の数である各グルヌプぞの接続詞の察応付けは人手で行った接続詞が存圚しない堎合はその2文間には連鎖型の接続関係があるず芋なす文間の関係の皮類毎に遷移確率を蚈算するためベクトルの玠性の数は接続関係の数に比䟋しお増加するこのこずはデヌタのスパヌス性を導くず考えられるのでさらにこの8皮類の分類を衚\ref{relation}に瀺す文脈圢成の関係に基づく3皮類のグルヌプにたずめる\begin{table}[b]\caption{接続関係の分類}\label{conjtype}\input{09table03.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{文脈圢成の芳点に基づく接続関係の分類}\label{relation}\input{09table04.txt}\end{table}\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{.5\textwidth}\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f3.eps}\end{center}\figcaption{テキスト䟋2}\label{sample2}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{.45\textwidth}\caption{図\ref{sample2}に察するentitygrid}\label{egsample2}\input{09table05.txt}\end{minipage}\end{table}図\ref{sample2}に瀺すテキストずそのentitygrid衚\ref{egsample2}から生成される長さ2の構文圹割の遷移確率のベクトルの䟋を瀺すここで$s_1,\dots,s_4$は文であり$e_1,\dots,e_3$は文䞭の芁玠図䞭の䞋付き文字はその芁玠の文䞭での構文圹割である文$s_2$の文頭に接続詞``そしお''がありこの接続詞は添加型に属するため$s_1$ず$s_2$間の関係はGroup2ずなる$s_2$ず$s_3$間$s_3$ず$s_4$間に関しおは$s_3$ず$s_4$の文頭に接続詞が存圚しないので連鎖型ず芋なしGroup3ずなる遷移確率の蚈算は各関係毎に行う䟋えばGroup3の[S-]ずいう構文圹割の遷移確率はGroup3の長さ2の党おの遷移の数即ち16に察する[S-]の遷移の数即ち1の割合である0.06ずなる図\ref{sample2}のベクトルを図\ref{sample2vector}に瀺すSS$_{\rmG_i}$はGroup$i$における構文圹割の遷移[SS]の遷移確率を衚す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f4.eps}\end{center}\caption{接続関係を考慮した文曞ベクトルの䟋䞀郚}\label{sample2vector}\vspace{-0.5\baselineskip}\end{figure}\subsection{参照衚珟}参照衚珟に関しお本論文ではその先行詞が明瀺的である指瀺衚珟のみを考慮する``この''や``あの''などの指瀺圢容詞が䜿われおいる指瀺衚珟はその先行詞が前文に珟れるこずが倚い埓っお逆に指瀺圢容詞が出珟しおいる文の前文にその先行詞が出珟しおいなければその2文間の぀ながりは悪いず考えるこずができるこのこずを考慮するために指瀺圢容詞を含む参照衚珟がその先行詞を前文に含む割合を文曞ベクトルの玠性ずしお远加する察象ずする指瀺圢容詞は``この''など8皮類で割合は``指瀺圢容詞+名詞''ずいう衚珟の出珟数に察するその先行詞が前文に珟れおいる堎合の数で求めるこれは参照衚珟が正しく機胜しおいる割合ず芋なすこずができるBarzilayらの手法ではgridを䜜成する際に共参照解析を行い異なる衚珟であっおも同じ芁玠を指す堎合は同䞀芁玠ず芋なしおいるこれに察しお本論文では共参照解析は行っおいない\subsection{語圙的結束性に基づいた文䞭の芁玠のクラスタリング}Barzilayらのentitygridモデルでは遷移確率を蚈算する際にそれぞれの芁玠を独立に扱っおいるそのために芁玠間の関係はモデルに反映されおいないこの問題に察しお各芁玠を意味的なクラスタリングによっおたずめ埗られたクラスタを1぀の芁玠ずしお扱うこずで察応する本論文ではクラスタリング手法ずしお日本語語圙倧系\cite{goitaikei}の意味䜓系を利甚した手法ず語圙的連鎖を利甚した手法の2皮類を考える芁玠をクラスタにたずめた際同じクラスタにたずめられる芁玠が1文䞭に耇数存圚するずそのクラスタに察しお耇数の構文圹割が存圚するこずになるこのような堎合における構文圹割の扱いに察しお次の2皮類を考える\begin{list}{}{}\item[{\bf手法1(1st).}]構文圹割の優先順䜍\footnote{優先順䜍S$>$O$>$X.}に基づいおクラスタに察しお1぀の構文圹割を決定する\item[{\bf手法2(comb).}]クラスタ䞭の構文圹割を党お利甚し遷移は党組合せを考える\end{list}図\ref{select}にそれぞれの䟋を瀺す図においお$e_1$$e_2$$e_3$は芁玠であり$c_1$は$e_2$ず$e_3$を含むクラスタである手法1では文$s_1$ず$s_2$間での$c_1$の遷移は[OS]のみずするこれに察しお手法2では構文圹割の党おの組合せである[OO][OS][-O][-S]を$c_1$の遷移ず芋なす\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f5.eps}\end{center}\caption{構文圹割の遞択}\label{select}\end{figure}\subsubsection{日本語語圙倧系を利甚したクラスタリング}日本語語圙倧系を䜿っお芁玠を同じ抂念のグルヌプにたずめる日本語語圙倧系は最倧12段からなる階局的な構造を持぀意味属性の䜓系を持぀シ゜ヌラスであるこのそれぞれの意味属性をクラスタずしお扱うテキスト䞭に出珟する各芁玠に察しおその芁玠が持぀意味属性を日本語語圙倧系から怜玢するこのうち特定の段においお同じ意味属性を有する芁玠を同じクラスタにたずめる1぀の芁玠に察しお耇数の意味属性が存圚する堎合はその特定の段の意味属性で芋た時に数の倚かった意味属性をその芁玠の意味属性ず芋なす\subsubsection{語圙的連鎖を利甚したクラスタリング}語圙的連鎖\cite{morris1991}ずは意味的に関連しおいる語の列であるこの語の列をクラスタずしお扱う本論文ではMochizukiらの手法\cite{mochizuki2000}に基づいお語圙的連鎖を求めるはじめに単語$X$$Y$間の共起スコアはコサむン尺床(1)によっお求める\begin{equation}cos(X,Y)=\frac{\sum^n_{i=1}x_i\timesy_i}{\sqrt{\sum^n_{i=1}x^2_i}\times\sqrt{\sum^n_{i=1}y^2_i}}\end{equation}ここで$x_i$$y_i$はテキスト$i$においお単語$X$$Y$が出珟する回数であり$n$はコヌパス䞭のテキストの数である次に2぀のクラスタ$C_i$$C_j$間の類䌌床は匏(2)によっお求める\begin{equation}sim(C_i,C_j)=\underset{X,Y}{\max}\cos(X\inC_i,Y\inC_j)\end{equation}語圙的連鎖の生成アルゎリズムは1文䞭の芁玠のクラスタリングずテキスト党䜓の芁玠のクラスタリングの2ステップからなりテキスト䞭の党おの文に察しおこのステップを繰り返し行う1文䞭の芁玠のクラスタリングではたずテキストから文を取り出しその文䞭のそれぞれの芁玠を1クラスタず芋なしお党おのクラスタのペアに察しお匏(2)によっお類䌌床を蚈算する類䌌床の最も高いペアの類䌌床が閟倀以䞊であればそのペアをマヌゞするこの凊理をマヌゞするペアが無くなるたで繰り返す次にテキスト党䜓のクラスタず先ほど生成した文䞭のクラスタの党おのペアの類䌌床を同様に匏(2)によっお蚈算する類䌌床の最も高いペアの類䌌床が閟倀以䞊であればそのペアをマヌゞするこの凊理をマヌゞするペアが無くなるたで繰り返す\subsection{構文圹割の拡匵}Barzilayら\cite{barzilay2008}のentitygridモデルではテキストにおいお顕著な䜿われ方をする芁玠をそうでない芁玠ず分けお遷移確率を求めおいるこれは顕著に衚れる芁玠はテキストの䞻題を衚すこずが倚くそのような芁玠は特別な遷移傟向を持぀ずいう仮説に基づいおいる䞻題に関しおは日本語の文章では助詞``は''を甚いるこずでその文の䞻題を明瀺的に衚すこずができるたた䞻題かどうかずいうだけでなく述郚に盎接係る芁玠ずそうでない芁玠では文章の展開ぞの寄䞎が異なるず考えられるこれらのこずをモデルに組み蟌むために本論文ではBarzilayらのentitygridモデルで甚いられおいる4皮類の構文圹割を衚\ref{sr_proposed}に瀺す䞻題ず述郚芁玠を加えた6皮類に拡匵するこの構文圹割の集合においおはその圹割間の優先順䜍関係をH$>$S$>$O$>$R$>$Xずする(cf.\cite{marilyn1994})\begin{table}[t]\caption{構文圹割拡匵}\label{sr_proposed}\input{09table06.txt}\end{table} \section{実隓ず考察} 前章で述べた各芁玠の評䟡のために2皮類の実隓を行った1぀は文順序に関するタスクでありもう1぀は自動芁玄で生成された芁玄テキストのランキングのタスクである実隓においお性胜を評䟡するモデルず各モデルから生成される文曞ベクトルの次元数を衚\ref{features}に瀺す各モデルに察しお接続関係毎に遷移確率を蚈算しおベクトルを䜜成した堎合(+CONJ)ずそれを行わなかった堎合(noCONJ)の䞡方で実隓を行った党おのモデルにおいお頻出する芁玠ずそうでない芁玠に分けおgridを䜜成するその閟倀はBarzilayらの手法ず同様に2ずしたBaselineはBarzilayら\cite{barzilay2008}の蚭定に埓ったモデルである䜆し本論文ではBaselineにおいおも共参照解析は行わない\begin{table}[t]\caption{怜蚎するモデル}\label{features}\input{09table07.txt}\end{table}実隓では圢態玠解析にはMeCab\footnote{http://mecab.sourceforge.net/}を係り受け解析にはCaboCha\footnote{http://www.chasen.org/\~{}taku/software/cabocha/}を䜿甚した\subsection{予備実隓}\label{pilot}語圙的結束性の考慮においお日本語語圙倧系を利甚したクラスタリングの際に䜿甚する意味属性の段ず語圙的連鎖によるクラスタリングの際の閟倀をあらかじめ決定する必芁がある本論文ではこれらの倀を予備実隓によっお決定した予備実隓は衚\ref{features}のSC(1st)ずLC(1st)のモデルに察しお\ref{sentenceordering}節ず同じタスクを行った䜿甚したデヌタは朝日新聞コヌパスの2003幎の蚘事のうち``人もの''ずいうカテゎリに分類されおいる蚘事100件であるこの蚘事の順番を無䜜為に䞊べ替えたものず元の蚘事を比べお元の蚘事の方が䞀貫性があるず刀定したペアを正解ず芋なしその粟床が最も良かった倀を䜿甚するパラメヌタずした日本語語圙倧系で甚いられおいる意味属性䜓系は最倧で12段あり1が最も抜象的な抂念であるこのうち3〜9の段に察しお実隓を行った結果を衚\ref{goitaikeipilot}に瀺す同様に語圙的連鎖のクラスタのマヌゞに関する閟倀に぀いお0.05から0.5たで0.05刻みで倀を倉えお行った実隓の結果を衚\ref{lcpilot}に瀺すこれらの結果から本実隓では語圙的連鎖のクラスタのマヌゞの閟倀には0.35を䜿甚したたた日本語語圙倧系を甚いたクラスタリングは語圙的連鎖のクラスタリングに比べお粟床が䜎いこずが刀明したため以降の実隓では文䞭の芁玠のクラスタリングでは語圙的連鎖によるクラスタリングに぀いおのみ行う\subsection{実隓1:テキストの䞊べ替え}\label{sentenceordering}文順序に関するタスクでは3章で述べた評䟡方法ず同様にオリゞナルのテキストず文の順番を䞊べ替えたテキストずを比范しどちらが䞀貫性があるかを正しく刀定できた粟床でモデルの評䟡を行った\begin{table}[b]\caption{予備実隓結果日本語語圙倧系}\label{goitaikeipilot}\input{09table08.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{予備実隓結果語圙的連鎖}\label{lcpilot}\input{09table09.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各モデルのコストパラメヌタの倀}\label{costparameter}\input{09table10.txt}\end{table}孊習にはSVM$^{light}$\footnote{http://www.cs.cornell.edu/people/tj/svm\_light/}のrankingSVMモヌドを䜿甚したコストパラメヌタ$c$の倀に぀いおは各モデル毎に予備実隓で䜿甚したデヌタを䜿っお10分割亀差怜定を行い最も粟床が高いものを䜿甚しおいる各モデルに察する$c$の倀を衚\ref{costparameter}に瀺すたた䞊べ替えテキスト䞭の文の順番がオリゞナルのテキストの文の順番ず倧きく異なっおいれば䞀貫性の刀定は容易になるず考えられるこのこずを怜蚌するために衚\ref{permutation}に瀺す5皮類の䞊べ替えの比范を行うswap1はオリゞナルのテキストずの差が最も小さくrandomはその差が最も倧きくなるmixはswap1swap2swap3の混合でありswap3よりは差は小さい本実隓では朝日新聞コヌパスの2003幎分の蚘事から``行政改革''``医療''``教育''ずいうカテゎリに該圓するもので1蚘事あたり10文以䞊で構成されおいるものを䜿甚したデヌタセット䞭に含たれる蚘事のカテゎリの割合は均等になるように調敎しおいるオリゞナルのテキストず比范する䞊べ替えテキストに関しお衚\ref{permutation}に瀺す各䞊べ替えの皮類のそれぞれにおいお1぀の蚘事に察しお20個の䞊べ替えテキストを生成したこの比范する䞊べ替えのテキストの数に関しおKaramanis\cite{karamanis2006}はセンタリング理論に基づいた手法に察しお信頌できる結果を埗るために100,000個の䞊べ替えテキストを生成しお評䟡を行っおいるが我々はentitygridに基づいたモデルを甚いおおりこのモデルでの粟床向䞊を目的ずしおいるため䜿甚する䞊べ替えテキストの数はBarzilayら\cite{barzilay2008}の実隓の蚭定にあわせおいる\begin{table}[b]\caption{䞊べ替えの皮類}\label{permutation}\input{09table11.txt}\end{table}実隓はデヌタセットに察しお10分割亀差怜定を行いテストデヌタ䞭の各ペアにおいおオリゞナルのテキストの方が䞀貫性があるず刀定されたペアの割合で評䟡した衚\ref{exp1_model}に100蚘事300蚘事に察しおmixの䞊べ替えを行ったデヌタを甚いた各モデルの結果を瀺す``noCONJ''は各モデルにおいお接続関係毎の遷移確率の蚈算を行わなかった堎合``+CONJ''は接続関係毎の遷移確率の蚈算を行った堎合を瀺す衚䞭の倪字の数倀は䜿甚したデヌタにおいお最も良かったものを衚し斜字はベヌスラむン接続関係を未考慮のBaselineを䞋回ったものを衚すたた右肩の蚘号$^{**}(p<0.01)$$^{*}(p<0.05)$は笊号怜定においおベヌスラむンの粟床ず有意な差があるこずを瀺す党䜓ずしおはいく぀かベヌスラむンを䞋回っおいるものがあるものの倚くのモデルにおいおベヌスラむンを有意に䞊回る結果を埗るこずができた接続関係毎に遷移確率を蚈算したモデル``+CONJ''の列の方がそうでないモデル``noCONJ''の列に比べお良い結果を瀺しおいる特に各デヌタセットにおいお接続関係のタむプを考慮したモデルが最も良い粟床を埗おおり文脈の展開を明瀺的に瀺す接続衚珟から埗られる接続関係が䞀貫性の刀定に有甚であるこずを瀺しおいる\begin{table}[t]\caption{モデル別の結果実隓1}\label{exp1_model}\input{09table12.txt}\end{table}gridから䜜成される文曞ベクトルの玠性は構文圹割の遷移の組合せの数だけ存圚する埓っお構文圹割を拡匵したモデル(SR(H))はベヌスラむンのモデルに比べお玠性の数が倚くなりデヌタが少なかった時の圱響が顕著に衚れるず考えられるたた参照衚珟に぀いおは少数の明瀺的な指瀺圢容詞のみに限定したため参照衚珟を考慮したモデル(REF)でもそれほど差が出なかったず考えられる語圙的結束性に基づいたクラスタリングを行ったモデルでは良奜な結果を埗るこずができた本論文で提案した芁玠の党おを考慮したモデルは党おの堎合で最良の結果を埗るこずはなく語圙的結束性のみを考慮したモデルを䞋回った堎合もあったこれは構文圹割を拡匵したモデルず同様に党おの芁玠を考慮したモデルず語圙的結束性のみを考慮したモデルずでは文曞ベクトルの次元の数が異なるこずが圱響しおいるず考えられる本論文で甚いおいる䞀貫性モデルではモデルの孊習に必芁なデヌタは人間が曞いたテキストのみであり孊習のために特別な情報を付䞎する必芁はない埓っお孊習デヌタの䜜成に必芁なコストはほずんどないそこでデヌタを曎に増やしお実隓を行ったこの実隓ではベヌスラむンのモデル(Baseline)構文圹割を拡匵したモデル(SR(H))党おの芁玠を考慮したモデル(ALL-LC(comb))接続関係毎に遷移確率を蚈算したモデル(+CONJ,Baseline)ず党おの芁玠を考慮した接続関係毎に遷移確率を蚈算したモデル(+CONJ,ALL-LC(comb))のみを䜿甚した結果を衚\ref{exp1_add_tab}にそのグラフを図\ref{exp1_add}に瀺す接続関係毎の遷移確率を考慮したモデルはそうでないモデルに比べおデヌタが増加するに぀れお粟床が向䞊するこずが明らかになった䞀方構文圹割を拡匵したモデルはデヌタを増やしおいっおもベヌスラむンに比べおあたり向䞊は芋られなかった衚\ref{exp1_data}に䞊べ替えの皮類毎での結果を瀺す比范するテキストの差ず問題の難易床ずの関係に぀いおは差が䞀番小さいswap1では粟床が最も䜎く䞀番倧きいrandomでは粟床が最も高くなっおおり仮説通りの結果が埗られたたた党おのデヌタセットにおいおBaselineず比べお本論文のモデルの方が良奜な結果を埗るこずができた\begin{table}[t]\caption{デヌタ増加時の粟床実隓1}\label{exp1_add_tab}\input{09table13.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-1ia9f6.eps}\end{center}\caption{デヌタ増加時の粟床実隓1}\label{exp1_add}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{デヌタ別の結果実隓1}\label{exp1_data}\input{09table14.txt}\end{table}\subsection{実隓2:芁玄文曞の比范}\ref{sentenceordering}節で行った実隓ではあるテキストずそのテキスト䞭の文の順番を䞊べ替えたものずを比范しおいるこのため比范する2぀のテキストの単語の出珟頻床分垃は等しいず蚀えるしかし実際にはこのような状況は皀であるず考えられる䟋えば自動芁玄の評䟡においおは同じ元文曞から生成された芁玄を甚いおシステムの評䟡を行う元文曞が同じであっおもシステム毎に異なる芁玄が生成されるこずがありこれらの単語の出珟傟向は異なるず考えられるそこで実際に自動芁玄システムによっお生成された芁玄を比范しどちらが䞀貫性があるかを刀定するずいう実隓を行った実隓に䜿甚したデヌタはNTCIR-4\footnote{http://research.nii.ac.jp/ntcir/ntcir-ws4/ws-en.html}\cite{ntcir4}のサブタスクであったTSC3(TextSummarizationChallenge3)\footnote{http://www.lr.pi.titech.ac.jp/tsc/index-en.html}に提出された芁玄であるTSC3では11のシステムが30件の元文曞に察しおそれぞれ長短2皮類の芁玄を生成しおいるこのうち実際に芁玄文が出力されおいる657件の芁玄を䜿甚したそれぞれの芁玄には被隓者による評䟡結果が付䞎されおいるこの評䟡では被隓者は15個のQualityquestionず呌ばれるテキストの質に関するチェック項目\cite{hirao2004}が瀺され各項目毎にスコアを付けるこのQualityquestionは䞻に芁玄の読みやすさに察する質問で構成されおいる本実隓では特に䞀貫性に関係する項目のスコアのみに着目しこれらから芁玄の䞀貫性に関するスコアを蚈算し比范を行った芁玄のスコアの決定に぀いお述べるTSC3で甚いられた15個のチェック項目のうち付録\ref{qq}に瀺す8個の項目のスコアを利甚したそれぞれチェック項目のスコアは各項目の内容に該圓する箇所の個数であり$qq_2$〜$qq_8$に぀いおは$qq_1$の項目に圓おはたった重耇文は陀倖しお数えられおいる以䞊より芁玄$S$のスコア$score(S)$を以䞋の匏によっお求める\begin{equation}score(S)=\frac{N(qq_2)+\dots+N(qq_8)}{length(S)-N(qq_1)}+\frac{N(qq_1)}{length(S)}\end{equation}ここで$N(qq_i)$はチェック項目$qq_i$のスコアであり$length(S)$は芁玄$S$の文数である$qq_8$の回答は``矛盟しおいる''``どちらずもいえない''``矛盟しおいない''のいずれかでありこれらのスコアは順に10.50ずしお$N(qq_8)$の倀ずした各スコアは文章䞭のおかしな箇所の個数であるこずから$score(S)$は小さい方が良いテキスト即ち本実隓においおは䞀貫性が高いず考えるこの$score(S)$を甚いお本実隓では同じテキストから生成された異なるシステムによる同じ長さの芁玄のペアに察しどちらの芁玄が䞀貫性があるかを刀定する埓っおタスクずしおは実隓1ず同じものずなる比范する芁玄のスコアが等しいペアは陀倖するテキスト䞀貫性の刀定を実際に利甚する状況では刀定が必芁なデヌタを蚓緎デヌタに甚いるこずはできず別に蚓緎デヌタを甚意する必芁があるこのこずを考慮しお本実隓では亀差怜定ではなく\ref{sentenceordering}節の実隓においお䜜成した300蚘事ずそのmixの䞊べ替えを蚓緎デヌタずしお甚いそれによっお埗られたモデルを甚いお刀定を行った実隓に䜿甚した孊習噚や各パラメヌタの倀は\ref{sentenceordering}節での実隓ず同じであるたた\ref{sentenceordering}節の実隓ず同様に比范するテキストの差による粟床の違いの怜蚌も行った本実隓ではそれぞれの芁玄のスコアの差が倧きければ䞀貫性の刀定は容易になるず考えられるそこで比范する芁玄のペアのスコアの差を0から2.0たで0.5刻みでの範囲で分割しそれぞれでの粟床を蚈算した甚いたテストデヌタ党おに察する各モデルの粟床を衚\ref{exp2_model}に瀺す衚䞭の蚘号字䜓の意味に぀いおは前節の実隓ず同様である\begin{table}[b]\caption{モデル別の結果実隓2}\label{exp2_model}\input{09table15.txt}\end{table}孊習デヌタずテストデヌタのドメむンが異なるために前節の実隓に比べお党䜓的な粟床は䜎くなっおいるが提案したほが党おのモデルにおいおベヌスラむンよりも良い粟床を埗るこずができた接続関係を考慮したモデル衚䞭の``+CONJ''の列ずそうでないモデル衚䞭の``noCONJ''の列では最も良い粟床を埗られたモデルは接続関係を考慮しない堎合でのものであったがそれぞれのモデルにおいおの接続関係の考慮の有無による違いでは考慮した方が良い粟床を瀺しおいるものが倚くなっおいる本実隓においおも構文圹割の拡匵(SR(H))や参照衚珟の考慮(REF)を組み蟌んだモデルはほずんど改善が芋られなかったこれは前節の実隓結果ず同様であった語圙的結束性に基づくクラスタリングにおいおも同様にベヌスラむンを䞊回る結果を埗るこずができた比范した芁玄のスコアの差が小さければそれらの䞀貫性を刀定するこずが困難になるず考えられるそこでテストデヌタの各ペアのスコアの差毎の粟床を求めたその結果を衚\ref{exp2_data}に瀺す1行目のラベルの括匧の䞭の数字はその範囲に該圓する芁玄ペアの数である差が2.0より倧きいペアに぀いおは該圓するペアの数が倚くなかったため省略しおいる芁玄のスコアの差ず粟床の関係に぀いおはこちらも仮説通りスコアの差が小さければ刀定は難しくなり差が倧きくなれば刀定は容易であるずいう結果になった本実隓で甚いたTSCのデヌタは1぀の元文曞に察しお耇数のシステム芁玄が存圚しおおり䞊述の蚈算匏で求められたスコアに基づいお同じ元文曞から生成された芁玄を順䜍付けするこずができるそこで芁玄のペアの比范ではなく同䞀文曞から生成された芁玄の順䜍を掚定するずいう実隓を行った䜿甚したモデルは前述の実隓ず同じ300蚘事ずそのmixの䞊べ替えのデヌタで孊習したものである評䟡にはSpearmanの順䜍盞関係数の平均を䜿甚した結果を衚\ref{rankcor}に瀺す\begin{table}[t]\caption{スコアの差毎の結果実隓2}\label{exp2_data}\input{09table16.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{順䜍盞関実隓2}\label{rankcor}\input{09table17.txt}\end{table}ベヌスラむンに比べお提案したモデルに高い盞関を瀺すものがあったが党䜓的に盞関は䜎いずいう結果が埗られたこれは特にスコアの差が小さい堎合での刀定粟床が圱響しおいるず考えられる本実隓結果からベヌスラむンず比べるずある皋床実際にテキスト䞀貫性の刀定を行うような蚭定においおも本論文で提案したモデルの方が有効であるこずが明らかになったしかしその粟床は高いずは蚀えず改良の䜙地がある \section{おわりに} 本論文では接続関係参照衚珟語圙的結束性ずいった結束装眮たた日本語に特化した構文圹割をentitygridモデルに組み蟌むこずで結束性を考慮したテキストの局所的な䞀貫性モデルを提案しその有効性の怜蚌を行った実隓から提案モデルがテキスト䞀貫性の高いテキストの刀定ず自動芁玄によっお䜜成されたテキストの評䟡の2぀のタスクにおいおオリゞナルのentitygridモデルを䞊回るずいうこずを瀺したentitygridによるテキストの䞀貫性モデルはテキストにおける文䞭の芁玠の遷移に着目したものである本論文ではその芁玠の遷移は文脈の展開によっお違う傟向を瀺すずいう仮説を立お文脈展開の皮類を明瀺的に瀺す働きを持぀接続関係に着目しその皮類毎にgridを䜜成するずいうモデルを提案した実隓の結果接続関係を考慮したモデルの方がそうでないモデルに比べお良い結果を埗るこずができこの仮説がテキストの䞀貫性の評䟡においお有効であるこずを瀺したたたその他の項目に぀いおも䞀貫性の評䟡においお有効であるこずを瀺した本論文で採甚したentitygridに基づいた局所的䞀貫性のモデルではテキストを1぀のベクトルずしお扱うためテキスト党䜓に぀いおの䞀貫性の刀定は行えおもテキストの郚分に぀いおの䞀貫性の評䟡は行えないテキストの郚分の䞀貫性の評䟡は小論文の自動評䟡など教育の珟堎での利甚においお有甚であるず考えられるたた䟋えばテキストにおいお䞀貫性の悪い箇所の数を甚いるなどによっおテキストの郚分の䞀貫性の評䟡をテキスト党䜓の評䟡に甚いるこずも可胜であるず考えられるこのこずからテキスト内の郚分的な単䜍での䞀貫性の評䟡手法の提案が今埌の課題である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Lapata}{Barzilay\BBA\Lapata}{2005}]{barzilay2005}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\Lapata,M.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQModelingLocalCoherence:anEntity-basedApproach.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe43rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'05)},\mbox{\BPGS\141--148}.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Lapata}{Barzilay\BBA\Lapata}{2008}]{barzilay2008}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\Lapata,M.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQModelingLocalCoherence:AnEntity-BasedApproach.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf34}(1),\mbox{\BPGS\1--34}.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Lee}{Barzilay\BBA\Lee}{2004}]{barzilay2004}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\Lee,L.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQCatchingtheDrift:ProbabilisticContentModels,withApplicationstoGenerationandSummarization.\BBCQ\\newblockIn{\BemHLT-NAACL2004:MainProceedings},\mbox{\BPGS\113--120}.\bibitem[\protect\BCAY{Elsner,Austerweil,\BBA\Charniak}{Elsneret~al.}{2007}]{elsner2007}Elsner,M.,Austerweil,J.,\BBA\Charniak,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAUnifiedLocalandGlobalModelforDiscourseCoherence.\BBCQ\\newblockIn{\BemHumanLanguageTechnologies2007:TheConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics;ProceedingsoftheMainConference},\mbox{\BPGS\436--443}.\bibitem[\protect\BCAY{Elsner\BBA\Charniak}{Elsner\BBA\Charniak}{2008}]{elsner2008}Elsner,M.\BBACOMMA\\BBA\Charniak,E.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQCoreference-inspiredCoherenceModeling.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-08:HLT,ShortPapers},\mbox{\BPGS\41--44}.\bibitem[\protect\BCAY{Filippova\BBA\Strube}{Filippova\BBA\Strube}{2007}]{katja2007}Filippova,K.\BBACOMMA\\BBA\Strube,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQExtendingtheEntity-gridCoherenceModeltoSemanticallyRelatedEntities.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thEuropeanWorkshoponNaturalLanguageGeneration}.\bibitem[\protect\BCAY{Grosz,Weinstein,\BBA\Joshi}{Groszet~al.}{1995}]{grosz1995}Grosz,B.~J.,Weinstein,S.,\BBA\Joshi,A.~K.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQCentering:aFrameworkforModelingtheLocalCoherenceofDiscourse.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf21}(2),\mbox{\BPGS\203--225}.\bibitem[\protect\BCAY{Halliday\BBA\Hasan}{Halliday\BBA\Hasan}{1976}]{halliday1976}Halliday,M.A.~K.\BBACOMMA\\BBA\Hasan,R.\BBOP1976\BBCP.\newblock{\BemCohesioninEnglish}.\newblockLongman,London.\bibitem[\protect\BCAY{Hirao,Okumura,Fukushima,\BBA\Nanba}{Hiraoet~al.}{2004}]{hirao2004}Hirao,T.,Okumura,M.,Fukushima,T.,\BBA\Nanba,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTextSummarizationChallenge3-TextsummarizationevaluationatNTCIRWorkshop4.\BBCQ\\newblockWorkingNotesofthe4thNTCIRWorkshopMeeting.\bibitem[\protect\BCAY{垂川}{垂川}{1978}]{itikawa1978}垂川孝\BBOP1978\BBCP.\newblock\Jem{囜語教育のための文章論抂説}.\newblock教育出版.\bibitem[\protect\BCAY{池原\JBA宮厎\JBA癜井\JBA暪尟\JBA䞭岩\JBA小倉\JBA倧山\JBA林}{池原\Jetal}{1997}]{goitaikei}池原悟\JBA宮厎正匘\JBA癜井諭\JBA暪尟昭男\JBA䞭岩浩巳\JBA小倉健倪郎\JBA倧山芳史\JBA林良圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{庵}{庵}{2007}]{iori2007}庵功雄\BBOP2007\BBCP.\newblock\Jem{日本語におけるテキストの結束性の研究}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{板倉\JBA癜井\JBA黒岩\JBA小高\JBA小倉}{板倉\Jetal}{2008}]{itakura2008}板倉由知\JBA癜井治圊\JBA黒岩䞈介\JBA小高知宏\JBA小倉久和\BBOP2008\BBCP.\newblock単語の抂念関係を甚いた段萜䞀貫性評䟡指暙の有効性.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告NL-183}.\bibitem[\protect\BCAY{Kando}{Kando}{2004}]{ntcir4}Kando,N.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheFourthNTCIRWorkshop.\BBCQ\\newblockWorkingNotesofthe4thNTCIRWorkshopmeeting.\bibitem[\protect\BCAY{Karamanis}{Karamanis}{2006}]{karamanis2006}Karamanis,N.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQEvaluatingCenteringforSentenceOrderinginTwoNewDomains.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyConferenceoftheNAACL,CompanionVolume:ShortPapers},\mbox{\BPGS\65--68}.\bibitem[\protect\BCAY{Lin}{Lin}{2004}]{lin2004}Lin,C.-Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQROUGE:APackageforAutomaticEvaluationofSummaries.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWorksoponTextSummarizationBranchesOut,PostConferenceWorkshopofACL2004},\mbox{\BPGS\74--81}.\bibitem[\protect\BCAY{Lin\BBA\Hovy}{Lin\BBA\Hovy}{2003}]{lin2003}Lin,C.-Y.\BBACOMMA\\BBA\Hovy,E.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEvaluationofSummariesUsingN-gramCo-OccurrenceStatistics.\BBCQ\\newblockIn{\Bem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\section{スコアの蚈算に䜿甚したQualityquestion} label{qq}\begin{list}{}{}\item[${\bfqq_1}$.]同䞀のあるいはほが重耇する文はいく぀あるか?\item[${\bfqq_2}$.]れロ代名詞化指瀺衚珟化すべき箇所はいく぀あるか?\item[${\bfqq_3}$.]先行詞のない指瀺衚珟はいく぀あるか?\item[${\bfqq_4}$.]固有衚珟の出珟䜍眮がおかしい箇所はいく぀あるか?\item[${\bfqq_5}$.]同䞀事物を参照する衚珟の䞀貫性ずいう芳点から修正すべき衚珟はいく぀あるか?\item[${\bfqq_6}$.]前埌の文脈も螏たえた䞊で必須芁玠が欠劂しおいる箇所はいく぀あるか?\item[${\bfqq_7}$.]接続詞が必芁・䞍必芁な箇所はいく぀あるか?\item[${\bfqq_8}$.]時系列の関係が矛盟しおないか?\end{list}\begin{biography}\bioauthor{暪野光正䌚員}{2003幎岡山倧孊工孊郚情報工孊科卒2008幎同倧倧孊院自然科孊研究科産業創成工孊専攻単䜍取埗退孊博士工孊同幎東京工業倧孊粟密工孊研究所研究員珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{奥村孊正䌚員}{1962幎生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了工孊博士同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授2009幎同教授珟圚に至る自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎テキスト評䟡分析テキストマむニングに関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚AAAI蚀語凊理孊䌚ACL,認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員\\[email protected],http://oku-gw.pi.titech.ac.jp/{\textasciitilde}oku/}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N03-11
\section{はじめに} テキスト察話における察話者の情緒\footnote{心理孊ではemotionの蚳語に「情緒」や「情動」を甚いるemotionはfeeling蚳語は「感情」より狭い意味である本皿では機械凊理の立堎から\cite{埳久&岡田98}にならい「情緒」ずいう甚語を甚いる}を分析する䞊で情緒タグ付きテキスト察話コヌパスが必芁ずされおいる通垞蚀語衚珟ず話者の情緒ずの間には必ずしも盎接的な察応関係が存圚するずは限らず倚矩が存圚する堎合が倚いため察話文に内包された情緒を蚀語衚珟のみによっお正しく刀定するこずは難しいしたがっお音声や衚情などの蚀語倖情報が欠けおいるテキスト察話に察しお情緒のタグを付䞎しようずするず付䞎するタグの皮類やタむミングが付䞎䜜業者によっお異なっおしたうずいう「タグ付䞎の䞍安定さ」が問題ずなるそのため情緒タグの付䞎には可胜な限り蚀語倖情報の付随する察話を察象ずするこずが望たれる音声の持぀蚀語倖情報を掻甚する方法は既に倚くの研究で詊みられおおり音声察話においおは安定性の高いタグ付䞎が可胜であるこずが瀺されおいるたずえばLitmanらはチュヌタリングの察話における感情予枬を実珟する際に音声察話コヌパスにPositive,Neutral,Negativeの3分類の感情タグを付䞎したずころ2人の付䞎者間の感情タグの䞀臎率は81.75\%($\kappa=0.624$)であったず報告しおいる\cite{Litman03}音声以倖の蚀語倖情報ずしお衚情に泚目するず挫画における察話シヌンの利甚可胜性が考えられる挫画は挫画家により創䜜された察話であるので人間同士の察話を盎接蚘録した察話デヌタではないしかし研究目的に䟝っおは挫画の察話が研究察象ずしお受け入れられる堎合がある挫画家は人間同士の察話衚情心境などに぀いおの芳察胜力に秀でおおり読者に自然に受け入れられるように挫画に描き蟌むこずができるので挫画内での出来事は空想ではあるがそれ以倖の郚分すなわち登堎人物の口調人物間の亀枉などの談話展開は垞識的であるしその間の人物の喜怒哀楜ずいった心境は読者にずっお玍埗のいくように描かれおいる口調や談話展開心境に぀いおは珟実の察話を日蚘ずしお蚘述した堎合ず同じような珟実味があるずいえるだろう\footnote{ただし挫画の衚情は読者に登堎人物の心境を䌝えるために誇匵しお描かれおいる可胜性があるので衚情そのものを研究の察象ずする堎合は泚意が必芁であるなお口調も特殊な衚珟が䜿われるが登堎人物の個性を衚すものの堎合その人物に぀いお区別すれば分析党䜓ぞの圱響は倧きくならない}ゆえに挫画は情緒ず蚀語衚珟の関係を分析する䞊で有効な蚀語資源ずなりうる可胜性がある挫画の衚珟や理解に関する研究ずしお䞭柀は幌児から䞭孊生たでが挫画における「人物絵」「衚情」「圢喩」「吹き出し衚珟」「音喩」「コマの感情」に぀いおを読み取る胜力を調査したずころ衚情理解ずコマの感情理解に関しお盞察的に耇雑な「心配䞍安」に぀いおは正答率は䜎いが盞察的に明確な「嬉しさ怒り悲しさ悔しさ楜しさ寂しさ」に぀いおは正答率が70\%を超えおいたず報告しおいる\cite{䞭柀05}たた遠藀らは挫画の修蟞的技法に぀いお認知科孊的な立堎からの分析の枠組みを瀺すために「時間」「叙法」「態」「描写の焊点」「コマの蚀説」に着目しハむパヌコミックを構築した\cite{遠藀&小方03}䞭柀により挫画から安定しお感情を読み取るこずの可胜性は瀺されたしかし資源の構築ずいう面からは遠藀らのような党般的な資源ずしおの蓄積䟋はあるものの感情に特化した蚀語資源ずしお構築した䟋はなく挫画を察象に構築した蚀語資源にどれだけの信頌性があるのかは明確ではないそこで本皿では挫画を察象ずした情緒タグ付きテキスト察話コヌパスを構築しその信頌性を評䟡するこずを目的ずするコヌパスの信頌性ずしお本皿で泚目する点は次の通りである\begin{itemize}\item{\bf安定性}䞻芳的な刀断で付䞎されるタグであるが䜜業者に䟝存する揺らぎが抑えられおいるか\begin{description}\item{\bf(1)䞀臎率}コヌパス構築の途䞭段階で䞀時的に付䞎される情緒タグにおける䜜業者間の䞀臎の割合\item{\bf(2)同意率}コヌパス構築の最終段階で決定される情緒タグに぀いお䜜業者以倖の者から埗られる同意の割合\end{description}\item{\bf有効性}構築したコヌパスは蚀語分析に䜿甚する䟡倀があるか\end{itemize}これらを評䟡するこずを念頭に本皿は次のこずを行う1)挫画の衚情を参照しながら1話に぀き2人の䜜業者が䞀時的な情緒タグを付䞎するその結果より䞀臎率を評䟡するその結果は関連研究ず比范しそしお衚情を参照しない堎合ず比范する2)䞀時的な情緒タグを䜜業者の協議により遞別・修正し正解ずする情緒タグを決定するその結果を別の者が怜査しお同意率を評䟡する3)台詞ず情緒タグの共起に基づき「情緒衚珟性のある文末衚珟」をコヌパスから抜出するずいう詊行的な実隓を行う挫画を察象ずしたコヌパスであっおも自然で情緒的な文末衚珟が埗られるかどうかによっお有効性を刀断するこれらの評䟡を通じお挫画に登堎する人物の衚情を情緒の刀定に甚いるこずの可胜性ずそれを利甚した情緒タグ付䞎方法の信頌性を確認する \section{情緒の䜍眮づけ} 挫画の読者は挫画から登堎人物の情緒を読み取るこずができる挫画を読む過皋で幟぀かの芳点から情緒を捉えるこずができる図\ref{fig1}それぞれを以䞋で説明し本皿で扱う情緒の䜍眮づけを明確にする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-3ia11f1.eps}\caption{挫画から情緒を読み取る過皋}\label{fig1}\end{center}\end{figure}\subsection{内圚する情緒}情緒は情緒䞻の内郚に存圚し情緒䞻しか知り埗ない本皿ではこの情緒を「真の内圚する情緒」ず呌ぶこずにする䞀方第䞉者は情緒䞻に関する様々な情報を元に真の内圚する情緒に向かっお情緒を掚定するこずができる本皿ではこの掚定される情緒を「掚定䞊の内圚する情緒」ず呌ぶこずにする挫画においおは登堎人物の「真の内圚する情緒」は基本的には挫画の䜜者しか知り埗ないが時折ナレヌションや登堎人物の独り蚀に衚珟されるこずがある読者は挫画のシリヌズ党䜓からそうした衚珟を捉えお登堎人物の性栌を理解しさらに挫画に含たれる総合的な描写絵衚情台詞独り蚀効果音ナレヌションおよびその前埌の振る舞いを把握するこずができるので「真の内圚する情緒」に近いものずしお「掚定䞊の内圚する情緒」を読み取るこずができる\subsection{衚出する情緒}音声衚情蚀語衚珟は音玠顔の圢状文字の䞊びなどの物理的特城により識別されるそれらの識別に察しお人々の間で共通した解釈があるずき音声衚情蚀語衚珟は情報を䌝達する圹割を果たすこずができる蚀語衚珟は囜語蟞兞に芋られるように文字列の解釈の仕方が玄束されおいる蚀語衚珟から話し手の考えが理解できるのは第䞀に蚀語衚珟に察する玄束を甚いお聞き手が話し手の考えを聞き手の䞭に再構築できるからである䞀方衚情の解釈は瀟䌚的な玄束付けが先に䞎えられるものではないが生埗的な情緒の反応ずしおあるいは経隓的なものずしお人々の間で共通点があるこのように蚀語衚珟や衚情には解釈の共通性があるので話し手が蚀語衚珟や衚情を甚いお他者に情緒を䌝えるこずができる本皿では蚀語衚珟の解釈ずしお埗られる情緒のこずを「蚀語衚珟に衚出する情緒」そしお衚情の解釈ずしお埗られる情緒のこずを「衚情に衚出する情緒」ず呌ぶこずにする「衚情に衚出する情緒」に぀いお衚情は意識䞋では情緒的な反応が盎結しおいるが他者による解釈を芋越しお衚情を䜜るこずもできる埓っお情緒䞻の衚情はその者の「真の内圚する情緒」ず必ずしも䞀臎するずは限らない珟実の衚情では情緒を正確に把握するこずは容易ではないが挫画の衚情では挫画家が区別の぀きやすいように衚情を描くので「衚情に衚出する情緒」は「掚定䞊の内圚する情緒」よりも区別が容易である䞀方「蚀語衚珟に衚出する情緒」ずは繰り返しになるが蚀語衚珟の芏範ずしおの意味的玄束に察応しおいる情緒であるたずえば「雚に降ら\underline{れおしたった}」の䞋線郚には「雚が降る」ずいう事態に察する「話者のネガティブな気持ち」が察応しおいる兞型䟋に぀いおは情緒的な刀断が容易にみえるが盎感的ではなしにその刀断を説明しようずするず実際には深い分析が䌎うたずえば\cite{金子06}ため「掚定䞊の内圚する情緒」や「衚情に衚出する情緒」ず比范するず刀断が容易ではない\subsection{本皿のタグ付䞎のねらい}「真の内圚する情緒」を求めるこずは心理孊的・認知科孊的な芁求ずしお存圚するしかし本皿は蚀語凊理の立堎から蚀語理解ずしお人々が共通に掚定する情緒を蚈算機凊理により掚定するこずを狙うため「掚定䞊の内圚する情緒」を情緒タグずしお付䞎するここで詊行的に挫画を読みながら情緒のタグを付䞎しおみるず「衚情に衚出する情緒」に匷く圱響を受けるこずに気が぀くたずえば「顔で笑っお心で泣いお」ずいう状況のずき笑顔に察する情緒のタグを付䞎しおしたうずころが「衚情に衚出する情緒」をタグずしお付䞎しおみるず「掚定䞊の内圚する情緒」を玠盎に付䞎しやすいこずが分かるそこで本皿では補助ずしお「衚情に衚出する情緒」を衚情タグずしお付䞎するこずにする「蚀語衚珟に衚出する情緒」を厳密にずらえるこずは䞊述のずおり容易ではないので「蚀語衚珟に衚出する情緒」をタグずしお付䞎するこずは本皿では盎接的には狙わない情緒を衚出するこずが玄束されおいる蚀語衚珟ならばある皋床の倧きさのコヌパスにおいお察応する情緒ずずもに繰り返し出珟するこずが予想されるしたがっお「蚀語衚珟に衚出する情緒」は本コヌパスの「掚定䞊の内圚する情緒」のタグから分析的に求めるこずにする \section{コヌパスの構築} \subsection{コヌパスに収録するタグ}\subsubsection{タグの皮類}本皿のコヌパスには「掚定䞊の内圚する情緒」ず「衚情に衚出する情緒」に察応するタグを付䞎する前者に察応するタグを「情緒タグ」埌者に察応するタグを「衚情タグ」ず呌ぶ詳现を以䞋で説明する\noindent{\bf(1)情緒タグ}情緒タグは以䞋に瀺すような9分類系ず3分類系の2系統ずする\noindent{\bf9分類系}9分類系の情緒タグは次の9皮類ずする\begin{quote}《喜び》《悲しみ》《奜たしい》《嫌だ》《驚き》《期埅》《恐れ》《怒り》《なし》\end{quote}プルチックの基本情緒\cite{Plutchik60}を参考にした8皮類ず情緒の無い状態《なし》であるプルチックの分類を甚いる理由は耇雑な情緒を耇数の基本情緒の組み合わせで衚珟できるためであるただし本皿のコヌパスに耇雑な情緒に察するタグずしお耇数のタグを付䞎する際プルチックの瀺す組み合わせ方に必ずしも埓う必芁はなく䜜業者の盎感に任せるこずずするそれは日本語ず英語での感情衚珟語の抂念に差があるためであるたた9分類系の情緒の日本語名は\cite{埳久&岡田98}に埓った情緒タグの付䞎においお刀断に悩む堎合情緒の生起する原因を参考にするこずを意図しおいる\noindent{\bf3分類系}3分類系の情緒タグは次の3皮類ずする\begin{quote}《Positive》《Negative》《なし》\end{quote}《Positive》は《喜び》《奜たしい》《期埅》に察応し《Negative》は《悲しみ》《嫌だ》《恐れ》《怒り》に察応する9分類系の《驚き》は3分類系の《なし》に含めるこのように䜜業者は9分類系でタグを付䞎するこずずし3分類系は9分類系からの自動倉換で埗るものずする3分類系は情緒の分解胜ずしおは荒いしかし\cite{Litman03}や\cite{Craggs&Wood04}などに瀺されるように感情に関するタギングではよく䜿甚される分類である3分類系は関連研究ずコヌパスの粟床を比范するために甚いる\noindent{\bf(2)衚情タグ}衚情タグは次の7皮類ずする\begin{quote}〈幞犏〉〈嫌悪〉〈悲しみ〉〈驚き〉〈恐れ〉〈怒り〉〈背埌〉\end{quote}はじめの6皮類ぱクマンらの分類\cite{゚クマン&フリヌセン90}に基づく衚情である残りの1皮類の〈背埌〉は本皿が挫画の特城を加味しお定めた「みなしの衚情」である぀たり「青ざめ」「冷や汗」「震え」などの描写が䌎うず人物の情緒的な様子が読者に䌝わるこずに配慮しお定めたタグである衚情タグず9分類系の情緒タグではラベル名に䞍䞀臎の箇所があるが次のように察応する〈幞犏〉は《喜び》《奜たしい》《期埅》ず察応する〈嫌悪〉は《嫌だ》ず察応する〈悲しみ〉〈驚き〉〈恐れ〉〈怒り〉は文字通りに9分類系の情緒タグず察応する゚クマンらが衚情を倧別したずきに区別されおいないこずから分かるずおり顔の圢状の違いにより《喜び》《奜たしい》《期埅》を芋分けるこずは困難であるため本皿でも無理に现分類するこずを避けたたた〈嫌悪〉ず《嫌だ》は背景研究で䜿われおいたラベルに埓うため統䞀したラベル名にはしなかった\subsubsection{付䞎手順}本皿で行うタグ付䞎の手順は次の通りである\begin{description}\item{\bf手順1}1぀の話に察しお2人の䜜業者が独立に挫画を読みながら挫画の登堎人物に察しお衚情タグを䞀時的に付䞎する衚情タグはコマ内の人物に察しお付䞎する\item{\bf手順2}同じく2人の䜜業者が独立に衚情タグの付䞎されたずころに前埌の文脈などを考慮しながら情緒タグを䞀時的に付䞎する情緒タグも衚情タグず同じくコマ内の人物に察しお付䞎する\item{\bf手順3}手順1・2で䞀時的なタグを付䞎した2人の䜜業者が互いにその䞀時的なタグを芋比べお協議により「正解」ずいえる衚情タグず情緒タグを決定する\end{description}手順1・2に2名しか䜜業者を割り圓おおいないため単玔に䞡者の䞀臎するタグを「正解のタグ」ず決定するのでは信頌性が埗られないず考えお手順3を蚭けおいる以降の説明で付䞎手順に関しおタグを区別するために手順1・2で付䞎したタグを「䞀時タグ」手順3で決定したタグを「正解タグ」ず呌ぶ䞀時タグ正解タグずもに耇数の情緒が掚定される際耇数の情緒タグを付䞎する情緒䞻が葛藀しおいる状況では盞反する情緒が亀互に生じおいるず考えられるがタグの察応する挫画のコマの時間幅においおは同時に生じるず芋なしお䞡方の情緒タグを付䞎するただしタグ付䞎者が単に決めかねおいるこずず情緒䞻が葛藀しおいるこずは区別し前者の堎合はいずれかのタグに決定するなお衚情タグの付䞎されたずころに情緒タグを付䞎するのは本皿の着県点ずしお衚情ずいう蚀語倖情報を利甚するこずを掲げおいるためである実践的に情緒タグ付きコヌパスを構築する際衚情タグのない郚分に情緒タグを付䞎するこずを制限するものではないたた台詞のないずころでも衚情タグがあれば情緒タグを付䞎するのは察話の聞き手の情緒を分析する䞊で必芁になるず考えたからである\subsection{コヌパスに収録する蚀語衚珟}本皿では蚀語衚珟の分析甚のコヌパスの構築を目指しおいるので挫画の絵はコヌパスに収録せず蚀語衚珟をコヌパスに収録するコヌパスに収録する蚀語衚珟はナレヌション登堎人物の台詞吹き出しの内ず倖および登堎人物の発するオノマトペであるコヌパスにはそれらの蚀語衚珟に話者名を添えお収録するその際吹き出しの倖の台詞は登堎人物の内心の気持ちを蚀語衚珟したものである可胜性があるので話者名に括匧を付け吹き出し内の台詞ず区別をするコヌパス䞭の蚀語衚珟の圢態玠・構文解析においお句読点が無かったり平仮名曞きが倚いず支障をきたすため蚀語衚珟をコヌパスに収録する際句読点の远加ず仮名挢字倉換を行った刀断基準はタむピストに瀺したものの刀断に揺れが生じるので埌に衚珟の統䞀をずる\footnote{挫画のありのたたの衚珟を分析するこずが目的ならばこうした加工は必芁でない本皿では平仮名衚蚘のレベルで衚珟を区別しお分析するこずが目的ではないので加工を行った}\subsection{実斜}本皿では挫画「ちびたる子ちゃん」の第1巻から第10巻たでの10冊\cite{さくら87-93}を察象ずした採甚の理由は小孊生の女の子の出来事を描いおおり比范的垞識的な堎面蚭定ず日垞的な䌚話が倚くみられるためである䜜業者の䜓制に぀いお挫画本の蚀語衚珟をコヌパスずしお収録する䜜業を2人のタむピストが行いタグの付䞎䜜業を本研究宀の孊生6名が行った以埌この6名の䜜業者をA者〜F者ず呌ぶ䜜業時間に぀いおタむピストによる党文の収録には玄2ヶ月タグの付䞎党般には玄1ヶ月をそれぞれ芁したタグ付䞎の実働時間に぀いお手順1から3たでを実斜するには1話あたり玄2時間であった䞀時タグの決定ず䞡者の協議ずもに時間を費やしたコヌパスの䞀郚を衚\ref{tab1}に瀺す台詞を構成する文が基本単䜍であり通番が䞎えられるここには衚瀺しおいないが巻番号話番号などの敎理番号を備えおいる䞀時タグは2人の䜜業者が別々に付䞎䜜業を行った埌ここに瀺すように1぀のファむルに統合する各者に芋萜ずしがあるのだが正解タグにおいおはそれらが修正されおいるこずがわかる\begin{table}[b]\begin{center}\caption{コヌパスの䞀郚\protect\cite{さくら87-93}第5巻より}\label{tab1}\footnotesize\setlength{\tabcolsep}{1.5pt}\begin{tabular}{|c|c|c|p{3zw}|p{4cm}||c|c|c|c|c|c|}\hline\hline\#&頁&コ&\multicolumn{1}{|c|}{話者}&\multicolumn{1}{|c||}{台詞}&\multicolumn{2}{|c|}{正解タグ}&\multicolumn{4}{|c|}{䞀時タグ}\\\cline{8-11}&&マ&&&\multicolumn{2}{c}{}&\multicolumn{2}{|c|}{X者}&\multicolumn{2}{|c|}{Y者}\\\cline{6-11}&&&&&衚情&情緒&衚情&情緒&衚情&情緒\\\hline\hline1&22&3&たる子&うちのもみの朚は小さいね&〈悲しみ〉&《悲しみ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈悲しみ〉&《悲しみ》\\\cline{1-1}\cline{4-11}2&&&お姉&仕方ないじゃん&〈幞犏〉&《悲しみ》&〈幞犏〉&《悲しみ》&〈幞犏〉&《悲しみ》\\&&&ちゃん&&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{3-11}3&&4&お姉&ぎゃあっ&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》\\&&&ちゃん&&〈恐れ〉&《恐れ》&青&&〈恐れ〉&《恐れ》\\&&&&&青&&&&青&\\\cline{1-1}\cline{4-11}4&&&たる子&&〈驚き〉&《驚き》&〈驚き〉&《驚き》&&\\\hline5&23&1&お姉ちゃん&たる子あんたもみの朚の鉢に金魚の死骞埋めたでしょ&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{3-11}6&&2&たる子&そうだよ&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{5-5}7&&&&だっお肥料になるず思っお&&&&&&\\\cline{1-1}\cline{4-11}8&&&お姉&やめおよ&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》&〈嫌悪〉&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{5-5}9&&&ちゃん&気持ち悪い&汗&&汗&&汗&\\\hline\end{tabular}\vspace{\baselineskip}\caption{コヌパスの芏暡}\label{tab2}\begin{tabular}{llrr}\hline\hline\multicolumn{2}{c}{項目}&\multicolumn{2}{c}{芏暡}\\\hline\multicolumn{2}{l}{冊子話}&\multicolumn{2}{l}{第1巻〜第10巻104話}\\\multicolumn{2}{l}{コマ}&\multicolumn{2}{l}{10,213コマ}\\\multicolumn{2}{l}{文文字}&\multicolumn{2}{l}{29,538文388,809文字}\\\multicolumn{2}{l}{タグ付䞎箇所}&\multicolumn{2}{l}{12,345のべ人}\\\hline\multicolumn{2}{l}{衚情タグ}&14,040個&100.0\%~~~\\内蚳&〈幞犏〉&6,018個&42.9\%~~~\\&〈嫌悪〉&2,608個&18.6\%~~~\\&〈驚き〉&1,787個&12.7\%~~~\\&〈悲しみ〉&1,360個&9.7\%~~~\\&〈怒り〉&1,200個&8.5\%~~~\\&〈恐れ〉&870個&6.2\%~~~\\&〈背埌〉&197個&1.4\%~~~\\\hline\multicolumn{2}{l}{情緒タグ}&16,635個&100.0\%~~~\\内蚳&《喜び》&4,469個&26.9\%~~~\\&《嫌だ》&2,990個&18.0\%~~~\\&《期埅》&2,237個&13.4\%~~~\\&《驚き》&2,010個&12.1\%~~~\\&《恐れ》&1,757個&10.6\%~~~\\&《悲しみ》&1,428個&8.6\%~~~\\&《怒り》&1,347個&8.1\%~~~\\&《なし》&207個&1.2\%~~~\\&《奜たしい》&190個&1.1\%~~~\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}台詞ず正解タグの関係は次の特城がある\begin{itemize}\item衚情タグず情緒タグは同䞀コマ内の同䞀話者の台詞党おに察応するものであり台詞䞭の特定の文に察応するものではないたずえば\#8,\#9\item耇数のタグは同時に生じおいるこずを衚すために付䞎された堎合もあれば耇雑な情緒を衚すために付䞎された堎合もあるたずえば\#3\item台詞が無くおもタグは付䞎されるこずがあるたずえば\#4\item\#5のように叱責ず思われる台詞であっおも挫画においお衚情の描かれおいないコマには情緒タグを付䞎しない\end{itemize}\subsection{結果}構築したコヌパスの芏暡を衚\ref{tab2}にたずめる10冊の挫画に104話が収録されおいた蚀語衚珟の芏暡ずしおコマ数文数文字数を瀺しタグの芏暡ずしお正解タグの付䞎箇所数衚情タグ数情緒タグ数を瀺す「タグ付䞎箇所数」ずはコマ毎の登堎人物のうち衚情が平静でなかった者の数である本コヌパスではそのような者にタグが付䞎されるたずえば衚\ref{tab1}でタグが付䞎された話者数はのべ5人である \section{安定性の評䟡} 既に述べたずおり本コヌパスはタグ付䞎の安定性に関しお次の配慮を行った\begin{description}\item{\bf(1)}衚情を参照しながら情緒タグを付䞎した\item{\bf(2)}2者による協議により正解の情緒タグを決定した\end{description}(1)に関しお第\ref{sec4.2}節ではたず2者間の䞀時タグの䞀臎率を求めコヌパス党䜓の安定性を評䟡する関連研究ず比范しお本コヌパスの安定性の氎準を考察する次に䞀郚の話に぀いお衚情参照のない堎合の䞀臎率を求め衚情参照のある堎合ず比范するこずで衚情が安定性を高める効果を調べる(2)に関しお第\ref{sec4.3}節では䜜業者以倖の者が正解タグに同意した数を調べおコヌパス党䜓の正解タグの正確さ同意率を評䟡する次に䞀時タグず正解タグの比范により䜜業者の粟床を調べ粟床の悪かった郚分の正解タグに぀いおの同意率を評䟡する2者による協議が最終的に決定されるタグの「正確さ」の確保に有効であるこずを確認する\subsection{評䟡方法}䞻芳的なタグ付䞎の安定性を評䟡するために2人の付䞎䜜業者間での䞀臎するタグの割合をカッパ倀$\kappa$倀で評䟡する方法が甚いられおいる\cite{Narayanan02}\[\kappa=(P(A)-P(E))/(1-P(E))\]$P(A)$は2人の付䞎者によるタグの䞀臎数の割合である$P(E)$は偶然の䞀臎の期埅倀の割合であるタグ付䞎の1぀の察象に耇数のタグの付䞎を認めるタスクにおいお単玔に$\kappa$倀を甚いた評䟡ができないこずから\footnote{耇数の泚釈の組が1぀の耇雑な意味を衚す泚釈ずみなしお求めた$\kappa$倀を本皿では$\kappa_{\mbox{耇合}}$ず呌ぶ$P(E)$を求める際に独立性が保蚌できないこずから正確な方法ずは蚀えないが参考倀ずしお求めるたた単䞀の泚釈の付䞎されたずころのみを察象に求めた$\kappa$倀を本皿では$\kappa_{\mbox{単独}}$ず呌び参考倀ずしお求める}2人の䜜業者の付䞎タグ総数を基準ずした䞀臎率が評䟡倀ずしお甚いられるこずがある\cite{埳久R&寺嶌06}\[\mbox{〈䞀臎率〉}=\frac{\mbox{〈2者間の䞀臎タグ数〉}*2}{\mbox{〈2者の総付䞎タグ数〉}}*100(\%)\]次に正解の存圚する堎合の評䟡方法を瀺す2人の䜜業者間の協議で正解タグを付䞎したが協議ずは無関係な人物が正解タグを芋たずきに同意できるタグの数の割合本皿では〈同意率〉ず呌ぶによっお正解タグの「正確さ」を評䟡する\[\mbox{〈同意率〉}=\frac{\mbox{〈同意を埗た正解タグの数〉}}{\mbox{〈怜査された正解タグの数〉}}*100(\%)\]正解タグが決たっおいるならば正解タグに察する䞀時タグの再珟率ず適合率から評䟡するこずができる\[\mbox{〈再珟率〉}=\frac{\mbox{〈正解タグず䞀臎した䞀時タグ数〉}}{\mbox{〈正解タグ数〉}}\]\[\mbox{〈適合率〉}=\frac{\mbox{〈正解タグず䞀臎した䞀時タグ数〉}}{\mbox{〈䞀時タグ数〉}}\]\subsection{情緒の䞀時タグの評䟡}\label{sec4.2}\begin{table}[b]\begin{center}\caption{衚情参照時の9分類系情緒の䞀時タグの䞀臎率}\label{tab3}\begin{tabular}{cccccc}\hline\hlineå·»&䜜業者&䞀臎率&䞀臎数&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hline1〜2&A者-B者&74.0\%&(3,667)&0.532&0.607\\3〜4&C者-B者&71.9\%&(3,148)&0.513&0.600\\5〜6&C者-D者&68.6\%&(2,904)&0.497&0.597\\7〜8&E者-D者&52.7\%&(2,625)&0.313&0.408\\9〜10&E者-F者&60.1\%&(2,808)&0.363&0.496\\\hline1〜10&総合&65.2\%&(15,152)&0.444&0.546\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{衚情参照時の情緒タグの䞀臎率}2人の䜜業者間で情緒の䞀時タグの䞀臎率および$\kappa$倀参考倀を求めた衚\ref{tab3}にその結果をたずめる衚\ref{tab3}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item総合の䞀臎率は65.2\%であった\footnote{総合ずはA,C,E者偎ずB,D,F者偎をそれぞれ束ねお比范するこずである}\item䜜業者察ごずに䞀臎率をみるず52.7\%〜74.0\%であった\itemE-D者間ずE-F者間の䞀臎率が盞察的に䜎い\end{itemize}挫画「ちびたる子ちゃん」は易しく理解できる挫画であるこずから7巻から10巻の話の内容が難しいずいうよりはE者による情緒の刀断に問題があった可胜性がある関連研究においお9分類系情緒のタグを付䞎しお䞀臎率を瀺した䟋がないためここに瀺した䞀臎率は今埌のタグ付䞎における参考倀ずなる\subsubsection{関連研究ずの比范}感情タグに関する研究では感情の皮類ずしおPositive,Neutral,Negativeを甚いるこずが倚い\cite{Litman03}や\cite{Narayanan02}に芋られるように音声察話においおはPositive/Negativeの2皮類の感情の識別の$\kappa$倀は0.465〜0.624であり䞀臎率は最高で81.75\%ずいうレベルであるそれらず比范のできるように本コヌパスの3分類系の情緒タグの䞀臎率を求めた衚\ref{tab4}に結果をたずめる衚\ref{tab4}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item䞀臎率は総合で78.0\%であり䜜業者察ごずにみるず72.5\%から82.9\%たでの範囲にある\item$\kappa$倀に぀いお$\kappa_{\mbox{耇合}}$は総合で0.640であり䜜業者察ごずにみるず0.589から0.668たでの範囲にある\end{itemize}関連研究ず比范するず本皿の結果は最高倀に぀いおいえば関連研究の結果を䞊回っおいるそしお総合の評䟡倀をみるず最高倀よりやや劣る皋床であるゆえに本皿で提案したタグ付䞎の方法は安定性が高いずいえる\begin{table}[b]\begin{center}\caption{衚情参照時の3分類系情緒の䞀時タグの䞀臎率}\label{tab4}\begin{tabular}{cccccc}\hline\hlineå·»&䜜業者察&䞀臎率&䞀臎数&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hline1〜2&A者-B者&82.9\%&(3,849)&0.668&0.682\\3〜4&C者-B者&81.5\%&(3,286)&0.657&0.671\\5〜6&C者-D者&81.8\%&(3,155)&0.702&0.717\\7〜8&E者-D者&72.5\%&(3,117)&0.572&0.594\\9〜10&E者-F者&74.3\%&(2,818)&0.589&0.612\\\hline党お&総合&78.0\%&(19,043)&0.640&0.658\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{衚情参照しない時の䞀臎率}衚情を参照するこずの効果を調査するために衚情参照をせずにタグを付䞎し䞀臎率を求めた察象は第2巻第6巻の各第1話第2話の合蚈4話1,217文ずした衚\ref{tab5}に衚情参照のある堎合の䞀臎率ず衚情参照のない堎合の䞀臎率を比范しお瀺す衚情参照のある堎合は前述の結果から該圓話を抜出した倀である衚\ref{tab5}より以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item䞀臎率は衚情参照のない堎合が60.5\%であり衚情参照のある堎合は67.7\%であるこずから衚情参照のある方が安定しおいる\end{itemize}\begin{table}[t]\begin{center}\caption{衚情参照の有無による情緒タグの䞀臎率の違い}\label{tab5}\begin{tabular}{cccc}\hline\hline衚情参照&䞀臎率&$\kappa_{\mbox{耇合}}$&$\kappa_{\mbox{単独}}$\\\hlineあり&67.7\%&0.485&0.575\\なし&60.5\%&0.382&0.472\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚情タグの付䞎されおいない箇所に情緒タグを付䞎しなかったが実践的なコヌパス構築においおはその郚分にも情緒タグを付䞎するこずがあるだろうその際の䞀臎率は衚情参照のありずなしの各堎合の間になるず思われる衚情タグの無い郚分でも前埌の衚情タグから補間的に様子がずらえられるためである\subsection{情緒の正解タグの評䟡}\label{sec4.3}\subsubsection{正解タグのサンプル怜査}\label{sec4.3.1}本コヌパスからランダムに察話郚分を抜出し蚈414個の正解情緒タグを察象に怜査した〈同意率〉は97\%(414/425)であったしたがっお正解タグの正確さは高い\begin{table}[b]\begin{center}\caption{正解タグず䞀時タグの間の䞀臎の割合}\label{tab6}\begin{tabular}{ccccc}\hline\hline䜜業者&再珟率&適合率&䞀臎率&䞀臎数\\\hlineA者&0.876&0.931&90.3\%&(4,578)\\B者&0.848&0.889&86.8\%&(8,432)\\C者&0.766&0.832&79.8\%&(7,068)\\D者&0.822&0.901&86.0\%&(8,049)\\E者&0.670&0.690&68.0\%&(6,862)\\F者&0.798&0.843&82.0\%&(3,958)\\\hline総合&0.788&0.838&81.3\%&(38,947)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{䞀時タグず正解タグの比范}䞀時タグず正解タグの〈適合率〉ず〈再珟率〉を求めるず衚\ref{tab6}のようになった衚\ref{tab6}から以䞋のこずが分かる\begin{itemize}\item総合では再珟率ず適合率が0.788ず0.838である\item䜜業者ごずにみるず再珟率ず適合率はC者ずE者が総合よりも䜎い\end{itemize}そこで最も評䟡の悪かったE者が関わった郚分の正解タグの正確さを評䟡した第7巻から第10巻たでがE者の担圓であったのでその範囲に぀いお正解タグの同意率を求めたずころ97\%(158/163)であった党䜓の同意率ず同等であったこずから手順3による協議は䜜業者の刀断誀りを補うこずができおいたずいえる \section{有効性の評䟡} 本コヌパスは挫画を題材ずしお䜜成した挫画における発話文であっおも蚀語分析の目的によっおは有効であるこずを詊行的な実隓を通じお瀺す本皿はコヌパスの構築が目的であるのでコヌパスに分析する䟡倀があるかどうかの目途がたおば有効性の評䟡は十分である\subsection{情緒の共起する文末衚珟の抜出}日本語の文末には助詞・助動詞のみならず圢匏的な語の組み合わせを加えるず倚くの衚珟圢匏が存圚しその䞭には話者の埌悔や非難などの䞻芳を衚すものがあるそこで本コヌパスにおいお情緒タグずの共起から情緒的なニュアンスのある文末衚珟を抜出するこずを詊みる文末衚珟を抜出する方法に぀いお述べる圢匏的な語も加えるず文末衚珟ず刀断する根拠が曖昧であるため繰り返し情緒ず共起する文末文字列を機械的に抜出する方法を本皿では甚いるその手順は次のずおりである(1)10分割したコヌパスの1぀をテストデヌタ残りをトレヌニングデヌタずする(2)10通りのテストデヌタずトレヌニングデヌタの組においおテストデヌタ䞭の各文に぀いおトレヌニングデヌタから最長䞀臎ずなる文末の文字列を抜出する(3)コヌパス党䜓から文末衚珟の䞀臎する文を怜玢しその文に付䞎されおいる情緒タグの数を集蚈するこずで抜出した文末衚珟ず情緒タグの共起する頻床を求める\subsection{抜出結果}台詞のあるタグ付䞎箇所11,027から3,164皮類の文末衚珟を埗たその䞭より情緒を衚珟するず思われる文末衚珟を図\ref{fig2}に幟぀か玹介する「かものにうよもんおしたう」を含む文末衚珟の䞀郚である情緒の共起割合ずはその文末衚珟に共起した情緒タグの総数を100\%ずしたずきの各情緒タグの割合である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia11f2.eps}\caption{情緒衚珟性のある文末衚珟の䟋}\label{fig2}\end{center}\end{figure}ここに挙げた䟋はわかりやすい䟋であるしかし他の文末衚珟をみるず確率的には情緒ずの関連性があるものの人の目でみたずきには関連性が感じられないものもある\footnote{参考ずしお埗られた文末衚珟をそのたた甚いお本コヌパスの台詞から情緒を掚定する実隓文末衚珟に察応し割合の最も高い情緒を台詞から掚定される情緒ずしその台詞に察応する情緒タグを少なくずも1぀を求めるを行ったずころ43.8\%4,832/11,027の正解率であった}文末衚珟を芋お感じられる情緒は「蚀語衚珟に衚出する情緒」であるが確率的に関連付けられおいる情緒が「掚定䞊の内圚する情緒」であるためこうした差異が生じたものず思われるさらに情緒的な文末衚珟に぀いおの知識ベヌスを構築する堎合を考えおみるず文末衚珟に察応する「蚀語衚珟に衚出する情緒」の劥圓性の問題の他に文末衚珟の知識ベヌスずしおの衚蚘の問題が生じるたずえば蚀語衚珟の意味をずらえる知識の蚘述圢匏ずしお機械翻蚳の分野では文型パタヌンが提案されおいる\cite{池原04}のでその衚蚘法を参考にしお図\ref{fig2}の文末衚珟は次のようにパタヌン化できる\begin{description}\itemP0100:$CL1.te$みようよ期埅50\%喜び50\%\itemP0101:$CL1$たしょうよ期埅40\%喜び60\%\end{description}P0100に぀いお図\ref{fig2}では「おみようよ」だが助詞「お」は先行する動詞に䟝存しお「で」であっおもよいため掗緎の際にその揺れを吞収する関数である``$.te$''に曞き換えるP0101に぀いお同図では「りたしょうよ」ずなっおおり掻甚語尟の「り」が䜙分であるため掗緎の際に修正が必芁である以䞊のように本実隓は単玔なものであるが挫画を題材ずしおいおも分析䟡倀のあるコヌパスであるこずが確認できた \section{考察} 第\ref{sec6.1}節では今埌の情緒タグ付䞎に備え情緒タグ付䞎の誀り䟋を瀺す第\ref{sec6.2}節では耇数の情緒タグの付䞎される堎面ず耇雑な情緒の関係を分析し耇雑な情緒を扱う䞊での未解決の問題を瀺す\subsection{情緒タグ付䞎の誀り分析}\label{sec6.1}第\ref{sec4.3}項での同意率の調査においお同意の埗られなかった箇所に぀いお分析する\subsubsection{類䌌の情緒を区別する問題}タグ付䞎者によるず「《喜び》《期埅》および《奜たしい》の3぀の区別に戞惑った」ずいう意芋があった同意率の怜査では䞋蚘の䟋の2コマ目のお姉ちゃんの情緒が《喜び》であるこずに察しお同意が埗られなかった怜査者によるず《喜び》はただノヌトを所有しおいないので䞍適切であり「ノヌトに察する《奜たしい》」ず「ノヌトがもらえるずいう《期埅》」の2぀の情緒タグが適切であるずいうこのように区別の決め手になるのは情緒の生じる原因および情緒の反応を前埌の文脈から読み取るこずである\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&1&お姉ちゃん&あヌっこのノヌトいいなヌ&&\\\hline2&2&お姉ちゃん&どうしたの&〈幞犏〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}3&&&コレ&&\\\hline4&&お母さん&シヌチキンを買ったら&〈幞犏〉&《喜び》\\&&&もらったのよ&&\\\hline5&3&お姉ちゃん&私に頂戎&〈幞犏〉&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&算数のノヌトにするの&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※3å·»24ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{察人的な情緒のタグを遞択する問題}9分類系の情緒は基本行動ずの察応関係を考察する䞊でわかりやすいが察人感情ぞの察応関係が䞍明確である䞋蚘の䟋では\#3のナレヌションのずおりたたちゃんの真の内圚する情緒は「心配」であるタグ付䞎者は「心配」に察しお《嫌だ》を遞択したが同意率の怜査者は《恐れ》の方がよいずいう意芋であった察話では察人感情に敏感であるので兞型的な察人感情ず9分類系のタグずの察応関係をタグ付䞎䜜業者にあらかじめ瀺しおおくこずが必芁であった\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&7&たる子&今日もお父さんずお颚呂に入る玄&〈幞犏〉&《喜び》\\&&&束しおるんだ&&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{3-6}2&&たたちゃん&たたのがせないようにね&〈幞犏〉&\underline{《嫌だ》}\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&ナレヌタ&色々ず心配なたたちゃんであった&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※10å·»62ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{衚情に䟝存する問題}本皿で察象ずしおいる挫画「ちびたる子ちゃん」ではタグ付䞎過皋での印象ずしお登堎人物に内圚する情緒ず衚情がよく察応しおいるように思われたた愛想笑いのように内圚する情緒ず衚情が察応しないずきは「汗」が描かれるようである䞋蚘の䟋では怜査者は\#14〜\#16で「ももこ」が愛想笑いをしおいるずしお《喜び》の情緒タグは䞍適切であるず刀断したため盞違が生じた\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&2&お母さん& おな具合にさあ私も若いころには&〈喜び〉&《喜び》\\&&&色々あった蚳よ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}2&&ももこ&ふうん 倱恋 ねェ &&\\\hline3&3&お母さん&アンタ倱恋っおのは悲しいもんよォ&〈嫌悪〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}4&&&も〜〜お母さんはネェ&&《悲しみ》\\\cline{1-1}\cline{3-6}5&&ももこ&分かったよ&〈幞犏〉&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&蟛いんでしょ&〈嫌悪汗〉&\\\cline{1-1}\cline{4-4}7&&&ハむハむ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}8&&&もういい&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}9&&&私眠いから&&\\\hline10&4&お母さん&ダメッももこっ&〈幞犏〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}11&&&ここから先が面癜いのよ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}12&&&いよいよお父さんが登堎するのよ&&\\\cline{1-1}\cline{4-4}13&&&寝ちゃダメッ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}14&&ももこ&ふヌん &〈幞犏汗〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}15&&&あヌワクワクするなあ&&《嫌だ》\\\cline{1-1}\cline{4-4}16&&&楜しみだなあ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※4å·»155ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{ナレヌションを芋萜ずす問題}ナレヌションや非盎接的な吹き出し吹き出しず人物の間を耇数の䞞で結ぶものは人物の心境を衚し真の内圚する情緒が蚘述されおいるずいえる䞋蚘の䟋ではナレヌタのいうずおりたる子が〈幞犏〉の衚情でお母さんに話しかけおいるのはお母さんの心境に探りをいれおいるのであっお《喜び》をもっお話をしおいるのではない\#2の台詞は非盎接的な吹き出しの郚分であるがその台詞は「䞍安」な気持ちを盎接的に述べおおり情緒タグずしおは《恐れ》が適圓である\vspace{\baselineskip}\begin{center}\setlength{\tabcolsep}{3pt}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&3&たる子&はっお父さんずお母さん&〈幞犏〉&《恐れ》\\&&&ケンカしおるらしいね&〈恐れ青〉&\\\cline{1-1}\cline{4-4}2&&&たいしたこずなきゃいいけど&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&お父さん&&〈怒り〉&《怒り》\\\cline{1-1}\cline{3-6}4&&お母さん&&〈怒り〉&《怒り》\\\hline5&4&たる子&ねえお母さん今日の倕食お寿叞にしおえ&〈幞犏〉&\underline{《喜び》}\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&お願いヌ&&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{3-6}7&&ナレヌタ&このように子䟛は自らリトマス玙ずなり&&\\&&&芪のケンカの深刻さを調べるのだ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※7å·»127ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsection{耇雑な情緒の扱い}\label{sec6.2}耇雑な情緒に察するタグの付䞎に぀いお考察する\subsubsection{耇雑な情緒の䟋}本皿はプルチックの8぀の基本的な情緒を参考に情緒タグを定めたその利点ずしお耇雑な情緒を基本的な情緒の組み合わせで扱うこずが挙げられるその利点を掻かすために本コヌパスでは1぀のコマ・1人の人物においお耇数の情緒が同時に掚定できるずきそれらの付䞎を認めおいるたずえば䞋蚘の䟋では\#5,6,7のたたちゃんの台詞にはたたちゃんの情緒ずしお《喜び》ず《奜たしい》を同時に付䞎するここでプルチックの分類に埓うず《喜び》ず《奜たしい》に察しおは《愛》ずいう耇雑な情緒が察応する\vspace{\baselineskip}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|l|c|c|}\hline\#&コマ&話者&\multicolumn{1}{|c|}{台詞}&衚情&情緒\\\hline1&1&たたちゃん&ねえたるちゃん&〈幞犏〉&《期埅》\\\cline{1-1}\cline{4-4}2&&&母の日には䜕あげる&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}3&&たる子&え&〈驚き〉&《驚き》\\\cline{1-1}\cline{4-4}4&&&䜕かあげるの&&\\\hline5&2&たたちゃん&そりゃそうよ&〈幞犏〉&《喜び》\\\cline{1-1}\cline{4-4}6&&&い぀もお䞖話になっおいるお母さんだ&&《奜たしい》\\&&&もん&&→《愛》\\\cline{1-1}\cline{4-4}7&&&母の日くらいお瀌しなきゃ&&\\\cline{1-1}\cline{3-6}8&&たる子&あんた子䟛の癖に矩理がたいわねェ&&\\\hline\multicolumn{6}{r}{※6å·»4ペヌゞより匕甚}\end{tabular}\end{center}\subsubsection{耇雑な情緒ぞのタグ付䞎}プルチックは2぀の基本的な情緒の組により耇雑な情緒ずしお23皮類を瀺したそこでその組に埓い本コヌパスの基本的な情緒の2぀組に察しお耇雑な情緒を衚すタグを付䞎しそのタグに察する同意率を求めた同意率は各情緒に぀いお最倧30件のランダムサンプリングにより怜査した同意の刀定には耇雑な情緒の英語偎の語矩を考慮に入れた衚\ref{tab7}にその結果を瀺す党䜓で同意率は63\%ずなったが耇雑な情緒ごずに芋るず同意率の開きが倧きい\begin{table}[t]\begin{center}\caption{耇雑な情緒のタグ付䞎ず同意率}\label{tab7}\begin{tabular}{rccrrc}\hline\hline\#&耇雑な情緒&情緒の組み合わせ&件数&同意率&同意数サンプル数\\\hline1&楜芳&喜び+期埅&1,231&100\%&(30/30)\\2&奜戊的&期埅+怒り&11&100\%&(11/11)\\3&懞念&期埅+恐れ&70&97\%&(29/30)\\4&歓喜&喜び+驚き&110&93\%&(28/30)\\5&みじめ&嫌だ+悲しみ&234&87\%&(26/30)\\6&憂鬱&喜び+嫌だ&71&83\%&(25/30)\\7&嫉劬&怒り+悲しみ&27&81\%&(22/27)\\8&憀慚&驚き+怒り&22&77\%&(17/22)\\9&譊戒&恐れ+驚き&252&77\%&(23/30)\\10&絶望&恐れ+悲しみ&81&73\%&(22/30)\\11&倱望&驚き+悲しみ&38&73\%&(22/30)\\12&軜蔑&嫌だ+怒り&239&63\%&(19/30)\\13&運呜&期埅+奜たしい&19&53\%&(10/19)\\14&愛&喜び+奜たしい&62&47\%&(14/30)\\15&自慢&喜び+怒り&10&30\%&(3/10)\\16&恥&恐れ+嫌だ&452&27\%&(8/30)\\17&悲芳&期埅+悲しみ&37&17\%&(5/30)\\18&眪悪感&喜び+恐れ&25&16\%&(4/25)\\19&皮肉&期埅+嫌だ&35&7\%&(2/30)\\20&服埓&恐れ+奜たしい&4&0\%&(0/4)\\21&奜奇心&驚き+奜たしい&3&0\%&(0/3)\\22&-&驚き+嫌だ&178&&\\23&-&喜び+悲しみ&51&&\\24&-&期埅+驚き&42&&\\25&-&恐れ+怒り&18&&\\26&-&嫌だ+奜たしい&2&&\\27&支配&奜たしい+怒り&0&&\\28&感傷的&奜たしい+悲しみ&0&&\\\hline&&&3,324&63\%&(320/511)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{耇雑な情緒の察応関係の誀り分析}同意のできなかった理由に぀いお考察する\begin{itemize}\item「cynicism皮肉・冷笑」に぀いお「期埅嫌だ」の察象が人間である必芁がある䞋蚘の正䟋ではたる子は䞞尟の態床に《嫌だ》ず思い぀぀䞞尟がツチノコ探しを続けるこずに《期埅》をしおいるので冷笑の様子ず蚀えるしかし䞋蚘の負䟋ではたる子が今の掋服が気に入らないこずずしお《嫌だ》が付䞎されおいるが同時にお母さんが芁求に応えおくれるこずの《期埅》が付䞎されおいる\begin{description}\item正䟋\begin{description}\item[䞞尟]スタモツチノコ株匏䌚瀟さえ成功すれば䞖界は我々のものなのです\item[たる子]そうかなァ 《期埅》《嫌だ》\item[ナレヌタ]䞖界がツチノコごずきに埓うずは思えない\end{description}\begin{flushright}4巻48ペヌゞより匕甚\end{flushright}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]お母さんお母さん\itemもっず倜䌚服っお感じのないかね\itemロングスカヌトでさあ《嫌だ》《期埅》\item[お母さん]ないわよ\end{description}\begin{flushright}7巻117ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「眪悪感」に぀いお「喜び恐れ」は《喜び》の察象や原因ず《恐れ》の原因ずが䞀臎しなければならないたずえば䞋蚘の正䟋ではお母さんはお父さんの発蚀を原因ずしお《喜び》を感じ぀぀《恐れ》も感じおいるので「眪悪感」があるしかし䞋蚘の負䟋ではおじいちゃんは《恐れ》の䜙韻が残っおいるだけで「眪悪感」はない\begin{description}\item正䟋\begin{description}\item[お父さん]どれどれたる子ず噂になっおるはたじっおどれだ\item[お姉ちゃん]この子よこの子\item[お父さん]おヌおもしれヌ顔しおるなァ\itemたる子ず結婚したら倫婊で挫才やらせよう\item[お母さん]お父さんたる子が聞いたら怒るわよ《喜び》《恐れ》\end{description}\begin{flushright}8巻26ペヌゞより匕甚\end{flushright}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]おじいちゃん火事だよ\item[おじいちゃん]たっ倧倉じゃ早く逃げろっ\itemたる子っこっちに来るんじゃ\item[たる子]違う違ううちじゃないよよその火事\item[おじいちゃん] そうかい よそかい  《喜び》《恐れ》\end{description}\begin{flushright}10巻27ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「悲芳」を構成する「期埅悲しみ」のうち《期埅》に぀いお本皿は「予期」ずせずポゞティブな解釈を認めおいるため「悲芳」の語感にそぐわなくなった《悲しみ》の䞭で䜕かに《期埅》を持ち぀぀行動する様子は「悲芳」ずいうより「蟛抱匷い」あるいは「意地」ずいえる\begin{description}\item負䟋\begin{description}\item[お父さん]こりゃ祭も䞭止だな\item[たる子]嫌だっ\item倕方たでに止むもん \itemお祭に行けるもん 《悲しみ》《期埅》\end{description}\begin{flushright}6巻61ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\item「恥」は「恐れ嫌だ」であるが情緒䞻の評䟡を䞋げるこずに関連しなければならないしかし䞋蚘の䟋ではたる子が酷く恐れおいるのであっお「恥」にはならない\begin{description}\item負䟋\begin{description}\item[たる子]あヌ神様神様倧地震なんお絶察絶察来たせんように \item《恐れ》《嫌だ》\end{description}\begin{flushright}2巻97ペヌゞより匕甚\end{flushright}\end{description}\end{itemize}䞊述の分析によるず9分類系の情緒タグだけでは耇雑な情緒をそのたた扱うこずは難しい耇雑な情緒を扱う䞊でコヌパスにはさらなる情報の付䞎が必芁である\subsubsection{耇雑な情緒ぞの察凊に向けお}耇雑な情緒を扱うために必芁な情報ずは情緒の原因・察象に぀いおの情報である特に次の点が重芁である\begin{itemize}\item察人性情緒の生じる原因・察象ずしお関わる人物を明確にするこず\item他の情緒ずの関連性泚目しおいる情緒の原因・察象が組ずなるもう䞀方の情緒の原因・察象ず同䞀であるかどうか\item情緒䞻ぞの評刀情緒の原因・察象およびその圱響が情緒䞻の評刀に関わるかどうか\end{itemize}たずえば次のように情緒タグに情報を付加するこずが考えられる\begin{description}\item䟋\begin{description}\item[u1]お父さんおヌおもしれヌ顔しおるなァ\item[u2]お父さんたる子ず結婚したら倫婊で挫才やらせよう\item[u3]お母さんおずうさんたる子が聞いたら怒るわよ\end{description}\begin{description}\item《喜び原因u2察人性0評刀0》\item《恐れ原因u2察人性評刀0》\end{description}\end{description}ここたでタグが付䞎されおいるならば「眪悪感」のタグの付䞎は同䞀の原因である《喜び》ず《恐れ察人性》の存圚を基に自動で行うこずができるさらにより厳密に情緒をタグで衚そうずするず䞊蚘の情報の他にOCCモデルでEvent,Agent,Objectで䜓系的に瀺されるような情報やゎヌル・プランや遞奜等に関する情報も必芁になる\cite{Ortony88}たた心的状態を衚すタグを付䞎する方法がある\cite{埳久&侭野&山䞋&岡田01}しかしこうした豊富な情報をコヌパスに付䞎しようずするず蚀語衚珟されおいない背景事情を衚すためのタグが非垞に倚くなるたずえば䞊述の{\bfu2}ずいう原因の衚瀺はここでは幞いにも適圓なラベルずしお䜿甚できたが垞にこの皋床の粒床のラベルで原因がカバヌできるずは限らないそのような目に芋えない情報に察するタグは衚蚘が耇雑になり分析者の負担が非垞に重い\cite{叀塩&埳久04} \section{おわりに} 本皿は信頌性の高い情緒タグ付き察話コヌパスを実珟するこずを狙い挫画の察話文を察象に登堎人物の衚情を参照する方法によっお情緒タグを付䞎したたた埗られた察話コヌパスの信頌性を評䟡した具䜓的には挫画「ちびたる子ちゃん」10冊を察象に1話に぀き2人のタグ付䞎䜜業者が「衚情タグ7皮類」ず「情緒タグ9皮類」を䞀時的に付䞎した埌に正解ずする衚情タグず情緒タグを䞡者が協議により決定したその結果コヌパスの芏暡は29,538文388,809文字衚情タグ14,040個情緒タグ16,635個ずなったたた挫画本の蚀語衚珟の電子化ずタグの付䞎は玄3ヶ月で完了した次にコヌパスの信頌性を次の3点から評䟡した\begin{description}\item(1)䞀臎率コヌパス構築の途䞭段階で䞀時的に付䞎される情緒タグにおける䜜業者間の䞀臎の割合\item(2)同意率コヌパス構築の最終段階で決定される情緒タグに぀いお䜜業者以倖の者から埗られる同意の割合\item(3)有効性構築したコヌパスは蚀語分析に䜿甚する䟡倀があるか\end{description}(1)に぀いお2者の䞀時的な情緒タグの䞀臎率は9分類系の情緒タグにおいお65.2\%($\kappa$=0.444)3分類系の情緒タグにおいお78.0\%($\kappa$=0.640)であった関連研究\cite{Litman03}における3分類系の情緒の䞀臎率が81.75\%($\kappa$=0.465〜0.624)であったこずに察し本皿は近い結果を埗たこずから本皿のタグの安定性は良奜な郚類に属するこずがわかったたた衚情を参照しない堎合の9分類系情緒タグの䞀臎率が60.5\%($\kappa$=0.382)であったこずより衚情を参照するこずにより安定性が向䞊するこずが確認できた(2)に぀いおサンプリング怜査によるず同意率は97\%(414/425)ずなったコヌパスにおいお䞀時的なタグの䞀臎率の䜎かった郚分においお最終的に正解ずしお決定した情緒タグの同意率を求めたずころ97\%(158/163)ずなったこずより正確さが確保できおいるこずが確認できた(3)に぀いお埗られたコヌパスを「情緒衚珟性のある文末衚珟の抜出」に䜿甚したずころ11,027件の情緒タグ付きの台詞から3,164件の文末衚珟が情緒の共起割合ずずもに抜出された挫画から䜜成したコヌパスであるが自然で情緒的な文末衚珟が芋られたこずから本コヌパスは蚀語衚珟ず情緒の関係を分析する䞊で有効であるこずの䞀䟋が瀺された以䞊から情緒刀定においお挫画に登堎する人物の衚情は音声に匹敵する蚀語倖情報を持぀こずが分かりそれを利甚したタグ付䞎方法の信頌性が確認された今埌の課題ずしお異なる挫画を察象にコヌパスを構築するこず挫画以倖の蚀語衚珟たずえばblogなどずの共通性を調査するこずが挙げられる\acknowledgment本研究は科孊技術研究費補助金若手研究(B)課題番号17700151の䞋で行いたしたコヌパスぞの蚀語衚珟の収録䜜業にご協力頂きたした田䞭勝匘氏・東匘之氏鳥取シルバヌ人材センタヌそしおタグ付䞎にご協力頂きたした研究宀メンバヌに深く感謝したす挫画「ちびたる子ちゃん」の著者さくらももこ氏に敬意を衚したす\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Craggs\BBA\Wood}{Craggs\BBA\Wood}{2004}]{Craggs&Wood04}Craggs,R.\BBACOMMA\\BBA\Wood,M.~M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAtwodimensionalannotationschemeforemotionindialogue\BBCQ\\newblockIn{\BemExploringAttitudeandAffectinText:TheoriesandApplications},\BPGS\44--49.AAAIPress.\bibitem[\protect\BCAY{Ekman\BBA\Friesen}{Ekman\BBA\Friesen}{1990}]{゚クマン&フリヌセン90}Ekman,P.\BBACOMMA\\BBA\Friesen,W.~V.\BBOP1990\BBCP.\newblock工藀力\hspace*{-0.5zw}蚳線\hspace*{-0.5zw},\Jem{衚情分析入門}.\newblock誠心曞房.\bibitem[\protect\BCAY{Litman\BBA\Forbes}{Litman\BBA\Forbes}{2003}]{Litman03}Litman,D.\BBACOMMA\\BBA\Forbes,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQRecognizingemotionsfromstudentspeechintutoringdialogues\BBCQ\\newblockIn{\BemAutomaticSpeechRecognitionandUnderstandingWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Narayanan}{Narayanan}{2002}]{Narayanan02}Narayanan,S.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQTowardsmodelinguserbehaviorinhuman-machineinteractions:EffectofErrorsandEmotions\BBCQ\\newblockIn{\BemISLEWorkshoponTaggingformultimodaldialogsWorkshop}.\bibitem[\protect\BCAY{Ortony,Clore,\BBA\Collins}{Ortonyet~al.}{1988}]{Ortony88}Ortony,A.,Clore,G.~L.,\BBA\Collins,A.\BBOP1988\BBCP.\newblock{\BemTheCognitiveStructureofEmotions}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Plutchik}{Plutchik}{1960}]{Plutchik60}Plutchik,R.\BBOP1960\BBCP.\newblock\BBOQTheMultifactor-AnalyticTheoryofEmotion\BBCQ\\newblock{\BemTheJournalofPsychology},{\Bbf50},pp.~153--171.\bibitem[\protect\BCAY{池原,阿郚,埳久,村䞊}{池原\Jetal}{2004}]{池原04}池原悟,阿郚さ぀き,埳久雅人,村䞊仁䞀\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ非線圢な衚珟構造に着目した重文ず耇文の日英文型パタヌン化\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf11}(3),pp.~69--95.\bibitem[\protect\BCAY{遠藀,小方}{遠藀\JBA小方}{2003}]{遠藀&小方03}遠藀泰匘,小方孝\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQマンガの蚀説技法を統合する枠組みずしおのハむパヌコミック\JBCQ\\newblock\Jem{マンガ研究},{\Bbf4},pp.~113--132.\bibitem[\protect\BCAY{金子}{金子}{2006}]{金子06}金子真\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ焊点化副詞「ナンカ」が衚わす吊定的評䟡の掟生に぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第12回幎次倧䌚ワヌクショップ「感情・評䟡・態床ず蚀語」論文集},pp.~33--36.\bibitem[\protect\BCAY{叀塩,埳久,村䞊,池原}{叀塩\Jetal}{2004}]{叀塩&埳久04}叀塩貎行,埳久雅人,村䞊仁䞀,池原悟\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ情緒泚釈付きコヌパスの誀り分析\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚党囜倧䌚},2G3--02.\bibitem[\protect\BCAY{さくらももこ}{さくらももこ}{1987--1993}]{さくら87-93}さくらももこ\BBOP1987--1993\BBCP.\newblock\Jem{ちびたる子ちゃん},1〜10\JVOL.\newblock集英瀟.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,侭野,山䞋,岡田}{埳久\Jetal}{2001}]{埳久&侭野&山䞋&岡田01}埳久雅人,䞭野育恵,山䞋智之,岡田盎之\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ情緒を加味した深いタスク指向の察話理解のためのルヌルベヌスの構築\JBCQ\\newblock\Jem{信孊技報},{\BbfTL2001-25},pp.~21--28.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,岡田}{埳久,岡田}{1998}]{埳久&岡田98}埳久雅人,岡田盎之\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQパタヌン理解的手法に基づく知胜゚ヌゞェントの情緒生起\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(8),pp.~2440--2451.\bibitem[\protect\BCAY{埳久,寺嶌}{埳久,寺嶌}{2006}]{埳久R&寺嶌06}埳久良子,寺嶌立倪\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ雑談における発話のやりずりず盛り䞊がりの関連\JBCQ\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf21}(2),pp.~133--142.\bibitem[\protect\BCAY{䞭柀}{䞭柀}{2005}]{䞭柀05}䞭柀最\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQマンガのコマの読みリテラシヌの発達\JBCQ\\newblock\Jem{マンガ研究},{\Bbf7},pp.~6--21.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{埳久雅人}{1995幎九州工業倧孊倧孊院情報工孊研究科博士前期課皋修了同幎同倧孊情報工孊郚助手統合的知胜゚ヌゞェントの開発に埓事2002幎より鳥取倧孊工孊郚助手自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{村䞊仁䞀}{1984幎筑波倧孊第3孊矀基瀎工孊類卒業1986幎同倧孊修士課皋理工孊研究科理工孊専攻修了同幎NTT情報通信凊理研究所に勀務1991幎囜際通信基瀎研究所(ATR)自動翻蚳電話研究所に出向1998幎より鳥取倧孊工孊郚助教授䞻に音声認識のための蚀語凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{池原悟}{1967幎倧阪倧孊基瀎工孊郚電気工孊科卒業1969幎同倧孊倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟に入瀟数匏凊理トラフィック理論自然蚀語凊理の研究に埓事1996幎スタンフォヌド倧孊客員教授1996幎より鳥取倧孊工孊郚教授工孊博士1982幎情報凊理孊䌚論文賞1993幎同孊䌚研究賞1995幎日本科孊技術情報センタヌ賞孊術賞同幎人工知胜孊䌚論文賞2002幎電気通信普及財団賞テレコム・システム技術賞2006幎人工知胜孊䌚業瞟賞受賞電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚機械翻蚳協䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V10N04-06
\section{はじめに} \label{sec:intro}\thispagestyle{empty}機械翻蚳蚀語暪断的な怜玢や芁玄など耇数の蚀語を同時に扱うシステムにおいお察蚳蟞曞は必芁䞍可欠でありその品質がシステム党䜓の性胜を巊右するこれらに甚いられる察蚳蟞曞は珟圚人手によっお䜜成されるこずが倚いしかし人手による䜜成には限界があり品質を向䞊するためには膚倧な劎力が必芁であるこず蟞曞の蚘述の䞀貫性を保぀こずが困難であるこずが問題ずなるこのこずからコヌパスから自動的に察蚳蟞曞を䜜成しようずする研究が近幎盛んに行われおいる~\cite{tanaka_96,kitamura_97,melamed_97,yamamoto_01,kaji_01}しかしこれらの研究の倚くは察蚳衚珟の察応床の蚈算に単語の共起関係を利甚しおいるためにデヌタスパヌスネスに陥りやすくそのため小芏暡なコヌパスから察蚳衚珟を抜出するこずは難しい察蚳コヌパス自䜓があたり倚くない珟状では小芏暡な察蚳コヌパスからでも察蚳衚珟を抜出できるこずが望たしい本論文ではサポヌトベクタマシン~\cite{vapnik_book_99}を甚いお文察応付き察蚳コヌパスから察蚳衚珟を抜出する手法を提案するサポヌトベクタマシンは蚓緎事䟋ず分割境界の距離(マヌゞン)を最倧化する戊略に基づく手法であり埓来からある孊習モデルに比べお汎化胜力が高く過孊習しにくいためにデヌタスパヌスネスに察しお頑健であるずいう特城を持぀さらにカヌネル関数を甚いるこずによっお非線圢な分割境界を孊習したり玠性同士の䟝存関係を自動的に孊習するこずが可胜であるこのため自然蚀語凊理の分野でもテキスト分類~\cite{joachims_98,taira_99}Chunk同定~\cite{kudo_00b}構文解析~\cite{kudo_00a}などに応甚されおいる我々の手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁があるが䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳衚珟あるいは蚓緎コヌパスにおいお出珟しなかった察蚳衚珟でさえも抜出するこずができるしたがっおある皋床倧芏暡な察蚳コヌパスから優れた察蚳モデルを孊習しおおけばサポヌトベクタマシンの高い汎化胜力によっお䜎頻床の察蚳衚珟でも抜出が可胜であるずいう特城を持぀本論文の構成は以䞋の通りである\ref{sec:svm}~節ではサポヌトベクタマシンに぀いお説明し\ref{sec:SVMdict}~節ではサポヌトベクタマシンを甚いお察蚳衚珟を抜出する手法を述べる\ref{sec:experiment_discussion}~節では我々が提案した手法の有効性を瀺すために行った実隓の結果ずそれに察する考察を述べる\ref{sec:related_works}~節においお関連研究ずの比范を行う最埌に\ref{sec:conclusion}~節で本論文のたずめを述べる \section{サポヌトベクタマシン} \label{sec:svm}サポヌトベクタマシン(SupportVectorMachine,以䞋SVM)\cite{vapnik_book_99}は$d$~個の玠性を持぀事䟋を$d$~次元ベクトルによっお衚し${\bfR}^d$においお2~぀のクラスに線圢分離する二倀分類噚である䞎えられた事䟋$\vec{x}=(x_1,x_2,\ldots,x_d)^t$がクラス$X_{-1},X_{+1}$のどちらに属するかを匏~(\ref{eq:classify})によっお刀別する\begin{equation}\label{eq:classify}f(\vec{x})=\sign(g(\vec{x}))=\left\{\begin{array}{rl}+1&\left(\vec{x}\inX_{+1}\right)\\-1&\left(\vec{x}\inX_{-1}\right)\\\end{array}\right.\end{equation}ここで$g$は2~぀のクラスを分離する超平面であり$\vec{w}$ず$b$は孊習によっお決定する\begin{equation}\label{eq:hyperplain}g(\vec{x})=\vec{w}^t\vec{x}+b\end{equation}蚓緎事䟋$\vec{x}_1,\ldots,\vec{x}_n$に察する教垫信号$y_1,\ldots,y_n$を以䞋のように䞎える\[y_i=\left\{\begin{array}{rl}+1&\left(\vec{x}_i\inX_{+1}\right)\\-1&\left(\vec{x}_i\inX_{-1}\right)\\\end{array}\right.\]蚓緎事䟋が線圢分離可胜である堎合には匏~(\ref{eq:classify})を満たすような$\vec{w}$,$b$は耇数存圚するこずから以䞋のような制玄を䞎える\begin{equation}\label{eq:constraint}\foralli,\quady_i(\vec{w}^t\vec{x}_i+b)-1\geq0\end{equation}SVMでは蚓緎事䟋ず分割境界の間の距離(マヌゞン)を最倧化する戊略に基づきパラメヌタ$\vec{w}$,$b$を決める詳しい導出は文献~\cite{vapnik_book_99}に譲るが最終的にマヌゞンの最倧化の問題は匏~(\ref{eq:constraint})の条件の䞋に$||\vec{w}||^2/2$を最小化する問題に垰着する~\footnote{実際の実隓ではある皋床の誀りを蚱す゜フトマヌゞン項を远加したモデルを甚いた}これを2~次蚈画法によっお解くこずで最適な分離平面$g$が埗られる事䟋$\vec{x}$に察しお$g(\vec{x})$の笊号はクラスを衚し絶察倀はクラス分けの確信床を衚すたた以䞋のようにシグモむド関数によっお$\vec{x}$がクラス$X_{+1}$に分類される確率を近䌌するこずができる~\cite{platt_99}\begin{equation}\label{eq:sigmoid}P(\vec{x}\inX_{+1}|\vec{x})=\frac{1}{1+\exp(-g(\vec{x}))}\end{equation}\paragraph{非線圢分離ぞの拡匵:}線圢分離が困難な事䟋に察しおも前凊理ずしお非線圢な写像$\phi:{\bfR}^d\mapsto{\bfR}^{d'}$を甚いおそれらをより高次元に写像するこずによっお線圢分離できる堎合がある写像先の空間${\bfR}^{d'}$においお線圢分離を行えば元の空間${\bfR}^d$においお非線圢分離を行っおいるのず同じこずになる詳しい導出は省略するがSVMでは孊習識別アルゎリズムにおいお事䟋間の内積しか䜿甚しおいない点を生かし各事䟋間の内積$\vec{x}_i^t\vec{x}_j$を匏~(\ref{eq:kernel})に眮き換えるこずによっお高次元ぞの写像を実珟する\begin{equation}\label{eq:kernel}K(\vec{x}_i,\vec{x}_j)=\phi(\vec{x}_i)^t\phi(\vec{x}_j)\end{equation}$K$はカヌネル関数ず呌ばれる実際には$\phi$自䜓の蚈算をする必芁がないので蚈算量の面でも非垞に効率的であるよく䜿われるカヌネル関数の䟋ずしおは倚項匏型カヌネル関数~(\ref{eq:poly_kernel})などが知られおいる\begin{equation}\label{eq:poly_kernel}K(\vec{x}_i,\vec{x}_j)=(\vec{x}_i^t\vec{x}_j+1)^p\end{equation}$p$~次の倚項匏型カヌネル関数による非線圢分離は元の空間${\bfR}^d$においおは$p$~個の玠性の䟝存関係を考慮しおいるこずに盞圓する \section{SVMを甚いた察蚳衚珟の抜出} \label{sec:SVMdict}本論文で提案する手法は察蚳文ずなっおいる日本語文ず英語文からその䞭に含たれる句の察蚳関係を抜出するその手法は以䞋の2~぀の手順から構成される\begin{quote}\begin{enumerate}\item蚓緎コヌパスにおいお察蚳関係ずなっおいる衚珟(察蚳察)ずそうでない衚珟を人手によっお分類前者を正事䟋埌者を負事䟋ずしこれらからSVMによっお察蚳モデルを孊習する(\ref{sec:learn}~節)\item察蚳文ずなっおいる日英䞡蚀語の文を構文解析し埗られた句構造から察蚳察ず成り埗る候補(察蚳察候補)の集合を䜜成するそれらを察蚳モデルに入力するこずによっお察蚳関係であるかどうかを刀別する(\ref{sec:extraction}~節)\end{enumerate}\end{quote}本手法の抂略図を図~\ref{fig:struct}に瀺す\begin{figure}[tbp]\begin{center}\epsfile{file=struct.eps,width=.8\columnwidth}\caption{本手法の抂略}\label{fig:struct}\end{center}\end{figure}\subsection{䜿甚する玠性}\label{sec:feature}SVMを察蚳関係の抜出に甚いるためには察蚳察候補から玠性ベクトルを䜜成する必芁がある本論文で提案する手法では衚~\ref{tab:features}のような玠性を甚いお玠性ベクトルを構成した\begin{table}[t]\centering\caption{察蚳衚珟の抜出に䜿甚した玠性}\label{tab:features}\begin{small}\begin{tabular}{|ll|r|}\hline&\multicolumn{1}{c|}{玠性}&\multicolumn{1}{c|}{個数}\\\hline\hline&既存の蟞曞を䜿甚する玠性&\\\hline(1a)&察蚳察候補内の察蚳単語察&1,558\\(1b)&察蚳察候補が珟れる文脈で共起する語同士の察蚳単語察&2,408\\\hline&単語数を䜿甚する玠性&\\\hline(2a)&日本語句の単語数&1\\(2b)&英語句の単語数&1\\\hline&構成する品詞に関する玠性&\\\hline(3a)&日本語句における名詞動詞圢容詞圢容動詞副詞の出珟割合&5\\(3b)&英語句における名詞動詞圢容詞副詞の出珟割合&4\\\hline&構成する語に関する玠性&\\\hline(4a)&日本語句に出珟する語&3,006\\(4b)&英語句に出珟する語&2,654\\\hline&句の近傍に出珟する語に関する玠性&\\\hline(5a)&日本語句の近傍に珟れる語&3,266\\(5b)&英語句の近傍に珟れる語&2,859\\\hline\hline&\multicolumn{1}{c|}{合蚈}&15,762\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}既存の蟞曞を䜿甚する玠性を2~皮類甚いる玠性~(1a)は察蚳察候補に含たれる語に぀いお蟞曞匕きを行い察蚳ずなっおいる単語の組(察蚳単語察)が察蚳察候補に含たれおいればそれを玠性ずする察蚳関係ずなっおいる衚珟には察蚳単語察が倚く含たれるこずに基づく玠性である蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ベクトルの次元に割り圓お察蚳察候補内に察蚳単語察が珟れた堎合は察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性~(1b)は察蚳察候補の近傍に出珟した語に぀いお蟞曞匕きを行い蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ずする「察蚳関係にある衚珟は近傍に出珟しおいる語の出珟文脈も(蚀語の違いこそあれ)䌌おいる」ずいう考え~\cite{kaji_01}に基づく玠性である本論文における実隓では同䞀文に珟れる語を近傍ずした蟞曞に含たれる察蚳単語察を玠性ベクトルの次元に割り圓お察蚳察候補の近傍に察蚳単語察が珟れた堎合は察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする察蚳蟞曞ずいう既存の知識を玠性ずいう圢で有効に利甚するこずによっお粟床の向䞊を期埅するこずができる玠性~(2a)(2b)は察蚳関係ずなっおいる衚珟は䞡蚀語の句の構成語数に盞関関係があるずいう考えに基づく日英それぞれの句に含たれる語数を玠性ずした玠性~(3a)(3b)は察蚳関係ずなっおいる衚珟は内容語に関しおはその構成比率に぀いお䞡蚀語間に盞関関係があるずいう考えに基づく日英それぞれに぀いお句の語数に察する内容語の出珟数の割合を玠性ずするなお日本語の内容語は名詞動詞圢容詞圢容動詞副詞ずし英語の内容語は名詞動詞圢容詞副詞ずした玠性~(4a)(4b)は日英䞡蚀語を構成する内容語に玠性ベクトルの次元を割り圓お語が出珟すれば察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性である玠性~(5a)(5b)は察蚳察候補の近傍に珟れた内容語に玠性ベクトルの次元を割り圓お語が出珟すれば察応する次元の倀を1ずしそうでなければ0ずする玠性である察蚳文䞭に既存の察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きできない語が倚数含たれる堎合がある玠性~(4a)(4b)(5a)(5b)はそのような堎合に既存の察蚳蟞曞を甚いた玠性~(1a)(1b)を補完する目的で導入したカヌネル関数によっお玠性~(4a)ず(4b)の䟝存関係玠性~(5a)ず(5b)の䟝存関係をモデルに組み蟌むこずによっお既存の察蚳蟞曞に珟れない察蚳単語察における玠性~(1a)(1b)ず同じ圹割を期埅するこずができる\subsection{察蚳モデルの孊習}\label{sec:learn}蚓緎コヌパス䞭の各察蚳文においお察蚳関係ずなっおいる衚珟ずそうでない衚珟を人手によっお䜜成する察応する日英の䞡文を構文解析し埗られた䞡蚀語の句の組合わせに぀いお察蚳衚珟ずなっおいるものを正事䟋ずしそうでないものを負事䟋ずする本論文における実隓では組合わせの察象ずする句は名詞句ず動詞句ずしたたた巚倧すぎる句構造は察蚳衚珟ずしおの実甚的な䟡倀が少ないず思われるこずから句の郚分構文朚の高さが5以䞋のものを組合わせの察象ずした本論文における実隓では日本経枈新聞瀟英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞~\cite{nikkei_business_corpus}を察蚳コヌパスずしお甚いた英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞の各察蚳文は察蚳察ずなる郚分があらかじめマヌクアップされおおり察蚳衚珟ずしお抜出すべき句の制玄(郚分構文朚の高さが5以䞋の名詞句動詞句)を満たす察蚳察を正事䟋ずした負事䟋はApplePieParser~\footnote{{\tthttp://www.cs.nyu.edu/cs/projects/proteus/app/}}ずKNP~\footnote{{\tthttp://www-lab25.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/knp.html}}によっお構文解析した結果から察蚳衚珟ずしお抜出する句の制玄を満たすもののうち察蚳衚珟になっおいないものを遞んだ具䜓的には各察蚳文に1~察ず぀ある察蚳察$(p_j,p_e)$($p_j$は日本語句$p_e$は英語句)に察しお日英各文を構文解析するこずによっお埗られた句$p_j'(\neqp_j)$や$p_e'(\neqp_e)$を甚いた$(p_j',p_e)$や$(p_j,p_e')$を負事䟋ずした~\footnote{本来であれば構文解析によっお埗られた句の党おの組合わせから人手によっお正事䟋ず負事䟋に分割しお孊習するべきであるが$p_j$や$p_e$を含む党おの察蚳察候補の䞭から察蚳察$(p_j,p_e)$を高い粟床で抜出できるこずを瀺せれば本手法の有効性を瀺すこずができるこずから䞊蚘の実隓蚭定で十分であるず考える}このようにしお埗られた党おの事䟋から\ref{sec:feature}~節で述べた方法によっお玠性ベクトルを䜜成し教垫信号ずしお正事䟋には$+1$負事䟋には$-1$を䞎えるこれを蚓緎デヌタずしお\ref{sec:svm}~節で述べたSVMによっお察蚳モデルの孊習を行い匏~(\ref{eq:hyperplain})における最適な分離平面$g$を埗る\subsection{察蚳察の抜出}\label{sec:extraction}たず抜出の察象ずなる察蚳察の候補を䜜成する察蚳文になっおいる日英䞡蚀語の文を構文解析し埗られた日英䞡蚀語の句の組合わせを察蚳察候補の集合ずする蚓緎デヌタず条件を同じにするために察象ずする句は郚分構文朚の高さが5以䞋の名詞句ず動詞句ずした生成した察蚳察候補から\ref{sec:feature}~節で述べた方法によっお玠性ベクトルを䜜成するそれらず\ref{sec:learn}~節で述べた方法によっお埗た最適な分離平面$g$を甚いおその察蚳察候補の「察蚳察らしさ」を枬る察蚳察候補$(p_j,p_e)$に察応する玠性ベクトルを$\vec{x}_{p_jp_e}$ずした時最適な分離平面$g$を甚いお$(p_j,p_e)$の「察蚳察らしさ」を以䞋の匏によっお衚す\begin{equation}\label{eq:sim}sim(p_j,p_e)=\frac{1}{1+\exp(-g(\vec{x}_{p_jp_e}))}\end{equation}任意の$(p_j,p_e)$に察しお$0<sim(p_j,p_e)<1$であり$sim(p_j,p_e)$が倧きいほど$(p_j,p_e)$が「察蚳察らしい」こずを衚す䞀぀の句が耇数の句ず察応するこずはないこずから以䞋のようなアルゎリズムによっお察蚳察の抜出を行う\begin{quote}\begin{enumerate}\item[{\bf入力:}]閟倀$th\in[0,1]$\\察蚳文䞭の察蚳察候補の集合$C$\item[{\bf出力:}]抜出された察蚳察の集合$T$\item[{\bf1.}]$T\leftarrow\emptyset$\item[{\bf2.}]$th\leqsim(p_j,p_e)$ずなる$(p_j,p_e)\inC$がなければ終了\item[{\bf3.}]$\displaystyle(p_j^*,p_e^*)=\argmax_{(p_j,p_e)\inC}sim(p_j,p_e)$ずなる$(p_j^*,p_e^*)$を察蚳察ずしお抜出し$T$に远加する\item[{\bf4.}]$p_j^*$や$p_e^*$を含む察蚳察候補を$C$から削陀する\item[{\bf5.}]{\bf2.}ぞ戻る\end{enumerate}\end{quote}$th$の倀によっお埗られる察蚳察の品質を調節するこずができる$th$の倀が$1$に近い時には抜出数が少なくなる代わりに確信床が高い察蚳察だけを抜出し逆に$th$の倀が$0$に近い時には確信床が倚少䜎いものも抜出するこずによっお抜出数を優先する䞊蚘の凊理は1~文単䜍で行うそのため\ref{sec:learn}~節によっお察蚳モデルを䞀旊孊習しおしたえば抜出察象ずなるコヌパスは小芏暡なものでもよくたずえ1~文からでもそこに含たれる察蚳察を抜出するこずができる \section{実隓および考察} \label{sec:experiment_discussion}\subsection{実隓結果}\label{sec:results}\ref{sec:SVMdict}~節においお提案した手法の有効性を確認するために日本経枈新聞瀟英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞~\cite{nikkei_business_corpus}を察蚳コヌパスずしお甚いた実隓を行ったコヌパスに含たれる察蚳文のうち蚓緎コヌパスずしお4,000~文テストコヌパスずしお1,000~文を甚い\ref{sec:learn}~節に埓い察蚳察候補を生成したその結果本論文における実隓の察象ずなった察蚳察候補の数は衚~\ref{tab:candidates}の通りずなったたた察蚳察候補に含たれる圢態数の平均倀ずコヌパス䞭における察蚳察候補の出珟頻床の平均倀を衚~\ref{tab:avg_length_count}に瀺す\begin{table}[tbp]\centering\caption{察蚳察候補の数}\label{tab:candidates}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|}\hline&\multicolumn{1}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{1}{c|}{負事䟋}\\\hline蚓緎コヌパス&4,000&59,203\\テストコヌパス&1,000&15,048\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}\begin{table}[tbp]\centering\caption{察蚳察候補の平均圢態玠数ず平均頻床}\label{tab:avg_length_count}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|r|r||r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{4}{c||}{平均圢態玠数}&\multicolumn{4}{c|}{平均頻床}\\\cline{2-9}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c||}{負事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{負事䟋}\\\cline{2-9}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c||}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{日本語}}&\multicolumn{1}{c|}{\makebox[.9cm]{英語}}\\\hline蚓緎コヌパス&5.03&3.97&4.96&4.23&1.06&1.04&1.33&1.26\\テストコヌパス&5.10&4.09&5.03&4.62&1.01&1.01&1.25&1.12\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}埗られた事䟋から\ref{sec:feature}~節に埓っお玠性を生成する玠性~(1a)(1b)のために䜿甚する察蚳蟞曞ずしおEDICT~\footnote{\tthttp://www.csse.monash.edu.au/$\mbox{}^\sim$jwb/edict.html}に含たれる察蚳単語察のうち蚓緎コヌパス䞭に出珟した2,879個を甚いた玠性~(4a)(4b)(5a)(5b)のために䜿甚する語ずしお蚓緎コヌパス䞭に3回以䞊出珟する語を甚いたその結果甚意した玠性の個数は衚~\ref{tab:features}の通りずなった察蚳モデルの孊習ではカヌネル関数を甚いない堎合(linear)ず2~次3~次4~次の倚項匏型カヌネル関数(poly2,poly3,poly4)を甚いた堎合の実隓を行った蚓緎コヌパスから埗られた事䟋を甚いお察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスから埗られた事䟋から察蚳察の抜出を行ったそれぞれの察蚳モデルにおいお抜出アルゎリズムの閟倀$th$の倀を0.10.50.70.9ず倉化させた時の適合率ず再珟率を図~\ref{fig:result}\begin{figure}[tbp]\begin{center}\epsfile{file=result.eps,width=.6\columnwidth}\caption{察蚳モデルず抜出粟床}\label{fig:result}\end{center}\end{figure}に瀺す各点の右に瀺した数字が閟倀$th$であるもっずも良い抜出粟床を瀺した2~次倚項匏型カヌネル関数を甚いた堎合の適合率ず再珟率を衚~\ref{tab:result}\begin{table}[tbp]\centering\caption{2~次倚項匏型カヌネル関数による察蚳モデルの適合率ず再珟率}\label{tab:result}\begin{small}\begin{tabular}{|c|r|r|r|r|}\hline閟倀$th$&出力数&正解数&\multicolumn{1}{c|}{適合率(\%)}&\multicolumn{1}{c|}{再珟率(\%)}\\\hline0.1&1,000&804&80.4&80.4\\0.5&960&776&80.8&77.6\\0.7&701&594&84.7&59.4\\0.9&265&229&86.4&22.9\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table}に瀺すたた2~次倚項匏型カヌネル関数を甚い抜出時の閟倀$th=0.5$の時の察蚳察の抜出䟋を衚~\ref{tab:success}\begin{table*}[tbp]\centering\caption{本手法による察蚳察の抜出䟋}\label{tab:success}{\small\begin{tabular}{|l|l|r|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{日本語句$p_j$}&\multicolumn{1}{c|}{英語句$p_e$}&\multicolumn{1}{c|}{$sim(p_j,p_e)$}\\\hline本郚に異動いたしたす&movetothecorporateheadquarters&0.899\\䌚長ずしお経営を続ける&carryonaschairman&0.862\\長幎の海倖勀務&ourmanyyearsofserviceoverseas&0.824\\新しい人事異動&anewassignment&0.823\\2幎の任期を1期もしくはそれ以䞊の期間&foroneormoretwo-yearterms&0.605\\\hline\end{tabular}}\end{table*}に瀺す以䞊の結果から本論文で提案した手法によっお1,000~文ずいう比范的小芏暡なコヌパスから䜎頻床の察蚳察でも高い粟床で抜出できるこずが瀺された\subsection{察蚳モデルず抜出粟床}\label{sec:kernel}SVMは䜿甚するカヌネル関数ずそれに付随するパラメヌタに自由床がありそれらは実隓的に決定する必芁があるそこで本論文で行った実隓においおもカヌネル関数を䜿わない堎合(linear)ず2~次3~次4~次の倚項匏型カヌネル関数(poly2,poly3,poly4)を甚いた堎合の実隓を行ったlinearによる抜出粟床は倚項匏型カヌネル関数を䜿甚した堎合よりも䜎い\ref{sec:feature}~節で述べた玠性が玠性同士の䟝存関係がカヌネル関数によっお自動的に孊習されるこずを期埅しおいるためであるず考えられる倚項匏型カヌネル関数を甚いた堎合には2~次(poly2)がもっずも良い抜出粟床ずなった本論文で行った実隓における蚓緎事䟋の数や玠性の構成では2~次倚項匏型カヌネル関数によっお2~個の玠性の䟝存関係を孊習するこずが最適であるこずを瀺しおいるSVMはより高次元の倚項匏型カヌネル関数を甚いるこずによっおより倚くの玠性の䟝存関係を考慮した耇雑なモデルを孊習するこずが可胜であるがあたりに倚くの玠性の䟝存関係を孊習しおしたうずその䞭には孊習する必芁のないものも含たれるこずになり過孊習によっおモデルの性胜を悪化させる結果になるこずが予想される本論文における実隓でも同様の珟象が起こっおいるず考えられる\subsection{蚓緎コヌパスの倧きさず抜出粟床}\label{sec:corpus_size}蚓緎コヌパスの文数が抜出粟床に䞎える圱響を調べるために蚓緎コヌパスの文数を200~文から4,000~文たで200~文ず぀増やしながら察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率を求める実隓を行った結果を図~\ref{fig:size_dict}(å·Š)に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率再珟率ずもに蚓緎コヌパスの文数にほが比䟋しお䞊昇しおおり蚓緎コヌパスの文数が粟床に倧きな圱響を及がしおいるこずがわかるこのため本手法は察蚳モデルの孊習においお比范的倧芏暡なコヌパスを甚いる必芁があるしかし抜出時には凊理を1~文単䜍で行うので䞀旊孊習が完了しおしたえば抜出察象ずなるコヌパスは小芏暡なものでもよくたずえ1~文からでもそこに含たれる察蚳察を抜出するこずができる\begin{figure}[tbp]\centering\begin{tabular}{cc}\epsfile{file=size.eps,width=.47\textwidth}&\epsfile{file=dict.eps,width=.47\textwidth}\end{tabular}\caption{蚓緎コヌパスの文数ず粟床の関係(å·Š)ず察蚳蟞曞の倧きさず粟床の関係(右)}\label{fig:size_dict}\end{figure}\subsection{蟞曞の倧きさず抜出粟床}\label{sec:dict_size}玠性~(1a)(1b)で甚いおいる既存の察蚳蟞曞の倧きさが抜出粟床に䞎える圱響を調べるために䜿甚する察蚳単語察の数を0~個から2,800~個たで100~個ず぀増やしながら察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率を求める実隓を行った結果を図~\ref{fig:size_dict}(右)に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率再珟率ずもに䜿甚する察蚳単語察の数にほが比䟋しお䞊昇しおおり本手法においお䜿甚する察蚳蟞曞は可胜なかぎり倚くの察蚳単語察を含むものを甚いた方が良いこずがわかる\subsection{玠性ず抜出粟床}\label{sec:important_features}玠性の重芁床を調べるために\ref{sec:feature}~節においお述べた玠性を1~皮類ず぀削陀しお察蚳モデルの孊習を行いテストコヌパスからの抜出における適合率ず再珟率の増枛を求める実隓を行った結果を衚~\ref{tab:important_features}に瀺す䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした適合率ず再珟率における括匧内の倀は玠性1~個あたりの増枛である\begin{table*}[tbp]\centering\caption{玠性を削陀した時の適合率ず再珟率の増枛}\label{tab:important_features}{\small\begin{tabular}{|ll|r|rr@{}l|rr@{}l|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{玠性}&\multicolumn{1}{c|}{個数}&\multicolumn{3}{c|}{適合率(\%)}&\multicolumn{3}{c|}{再珟率(\%)}\\\hline\hline&蟞曞による玠性&3,966&$-13.1$&$(-3.3$&$\times10^{-3})$&$-13.9$&$(-3.5$&$\times10^{-3})$\\\hline(1a)&察蚳察内察蚳単語察&1,558&$-9.0$&$(-5.8$&$\times10^{-3})$&$-9.3$&$(-6.0$&$\times10^{-3})$\\(1b)&察蚳察倖察蚳単語察&2,408&$-3.2$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$&$-4.0$&$(-1.7$&$\times10^{-3})$\\\hline\hline&語数による玠性&2&$-4.2$&$(-2.1$&$\times10^{\pm0})$&$-3.0$&$(-1.5$&$\times10^{\pm0})$\\\hline(2a)&日本語語数&1&$-2.2$&$(-2.2$&$\times10^{\pm0})$&$-2.1$&$(-2.1$&$\times10^{\pm0})$\\(2b)&英語語数&1&$-2.5$&$(-2.5$&$\times10^{\pm0})$&$-2.6$&$(-2.6$&$\times10^{\pm0})$\\\hline\hline&品詞による玠性&9&$-4.0$&$(-4.4$&$\times10^{-1})$&$-4.2$&$(-4.7$&$\times10^{-1})$\\\hline(3a)&日本語品詞&5&$-1.0$&$(-2.0$&$\times10^{-1})$&$-1.3$&$(-2.6$&$\times10^{-1})$\\(3b)&英語品詞&4&$-2.4$&$(-6.0$&$\times10^{-1})$&$-2.6$&$(-6.5$&$\times10^{-1})$\\\hline\hline&構成語による玠性&5,660&$-3.1$&$(-5.5$&$\times10^{-4})$&$-4.0$&$(-7.1$&$\times10^{-4})$\\\hline(4a)&日本語構成語&3,006&$-2.2$&$(-7.4$&$\times10^{-4})$&$-3.9$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$\\(4b)&英語構成語&2,654&$-2.4$&$(-9.0$&$\times10^{-4})$&$-3.4$&$(-1.3$&$\times10^{-3})$\\\hline\hline&近傍語による玠性&6,125&$-2.2$&$(-3.7$&$\times10^{-4})$&$-2.5$&$(-4.1$&$\times10^{-4})$\\\hline(5a)&日本語近傍語&3,266&$-1.3$&$(-4.1$&$\times10^{-4})$&$-1.6$&$(-4.9$&$\times10^{-4})$\\(5b)&英語近傍語&2,859&$-2.0$&$(-6.9$&$\times10^{-4})$&$-2.2$&$(-7.7$&$\times10^{-4})$\\\hline\hline&党おの玠性を䜿甚&15,762&80.8&&&77.6&&\\\hline\end{tabular}}\end{table*}玠性1~個あたりの粟床の増枛では語数による玠性~(2a)(2b)ず品詞による玠性~(3a)(3b)を削陀した時の䞋萜が特に倧きい(2a)(2b)に属する玠性は党おの事䟋に存圚し(3a)(3b)に属する玠性も他の玠性に比べるずはるかに倚くの事䟋に存圚する玠性であるしたがっおモデル構築におけるこれらの圹割は倧きくゆえに削陀した時の粟床の䞋萜が倧きくなるず考えられるその他では察蚳蟞曞による玠性~(1a)(1b)を削陀した時の䞋萜が倧きい玠性~(1a)は日英䞡蚀語の句の䞭で既存の察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きできるものがあるかどうかを衚しおおりこの情報が句の察蚳関係を掚定する際には極めお重芁であるずいう我々の盎感ず合臎するたた玠性~(1b)の仮定である「察蚳関係にある衚珟は近傍に出珟しおいる語の出珟文脈も(蚀語の違いこそあれ)䌌おいる」ずいう考えが察蚳モデルの構築においお効果が倧きいこずが瀺されたその他の玠性を削陀した時も抜出粟床の䞋萜を匕き起こしおおり察蚳モデルの構成においお有効であるこずが瀺された\subsection{認識誀りず玠性}\label{sec:mistake}認識誀りの原因を調べるためにテストコヌパスにおいお正しく認識された事䟋ず正しく認識されなかった事䟋における玠性の出珟個数(玠性倀が0以倖ずなる芁玠の個数)の平均倀を蚈算した(衚~\ref{tab:avg_features})䜿甚したカヌネル関数は2~次倚項匏型カヌネル関数であり抜出時の閟倀$th$は0.5ずした出力ず蚘された行においお$+1$ず蚘されおいる列はシステムが察蚳察であるず認識した事䟋を衚し$-1$ず蚘されおいる列は察蚳察でないず認識した事䟋を衚す玠性~(1b)の行に泚目するず察蚳察でないず識別された負事䟋に察しお察蚳察ずしお識別されおしたった負事䟋における玠性~(1b)の出珟個数の平均倀がかなり倧きく正事䟋の堎合の倀ずあたり差のない倀ずなっおいるこのこずは察蚳察ずしお識別されおしたった負事䟋の近傍に察蚳単語察がよく珟れおいるこずを衚しおいる本論文における実隓では同䞀文に珟れる語を近傍ずし玠性~(1b)は蟞曞䞭の察蚳単語察が近傍に出珟するか吊かを衚しおいるので特に頻出する察蚳単語察に関する玠性~(1b)の出珟個数は増えやすくそれが認識誀りを招いおいるず考えられるしたがっお近傍の定矩を「同䞀文内」ではなく「日本語句・英語句から$n$~語以内」のように近傍の範囲を狭くしたり「日本語句・英語句ず係り受け関係にある」のようにより関連性が匷いものだけを玠性にするこずによっおこのような誀りは枛らすこずができるず思われるしかし衚~\ref{tab:important_features}からわかるように近傍の範囲を狭くするこずによっお玠性~(1b)が枛りすぎるず粟床が䞋萜するので今回の実隓では近傍を「同䞀文内」ずした\begin{table}[tbp]\centering\caption{䞀事䟋あたりの玠性の出珟個数の平均倀}\label{tab:avg_features}\begin{small}\begin{tabular}{|l|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{正事䟋}&\multicolumn{2}{c|}{負事䟋}\\\hline\multicolumn{1}{|c|}{出力}&\multicolumn{1}{c|}{$+1$}&\multicolumn{1}{c|}{$-1$}&\multicolumn{1}{c|}{$+1$}&\multicolumn{1}{c|}{$-1$}\\\hline\hline\multicolumn{1}{|c|}{事䟋数}&\makebox[.9cm][r]{776}&\makebox[.9cm][r]{224}&\makebox[.9cm][r]{184}&\makebox[.9cm][r]{14,864}\\\hline\hline(1a)察蚳察内察蚳単語察&1.07&0.83&0.13&0.04\\(1b)察蚳察倖察蚳単語察&3.75&3.88&3.51&2.75\\(2a)日本語語数&1.00&1.00&1.00&1.00\\(2b)英語語数&1.00&1.00&1.00&1.00\\(3a)日本語品詞&1.50&1.41&1.38&1.50\\(3b)英語品詞&1.72&1.60&1.96&1.55\\(4a)日本語構成語&4.92&4.47&4.32&4.77\\(4b)英語構成語&3.68&3.15&4.24&3.93\\(5a)日本語近傍語&4.47&4.40&4.39&4.45\\(5b)英語近傍語&4.54&4.59&4.54&4.53\\\hline\end{tabular}\end{small}\end{table} \section{関連研究ずの比范} \label{sec:related_works}本手法ず同様に察蚳文の文察応が既に付いおいるこずを前提にしおいる研究には文献~\cite{melamed_97,kitamura_97,yamamoto_01}などがあげられる\cite{melamed_97}はCompetitiveLinkingAlgorithmずいう単語察のリンク付け法ず2぀のパラメヌタに察する山登り法を組み合わせお単語察の察応床を求める手法を提案したしかしMelamedの手法は1~単語察1~単語の察応を仮定しおおり日本語ず英語のように構造が倧きく異なる蚀語に察しお適甚するのは困難である\cite{kitamura_97}はDice係数~\cite{kay_93}を察蚳察の出珟頻床の察数によっお重み付けする重み付きDice係数を提案しこれを察蚳察の察応床ずしお採甚した\cite{yamamoto_01}は北村らの手法を改良し文節の䟝存関係が察蚳衚珟の抜出においお有効な手がかりであるこずを瀺した北村らの手法ず山本らの手法が察応床ずしお採甚しおいる重み付きDice係数は察蚳察の出珟回数に䟝存しおいるので出珟回数が少ない察蚳察に察する察応床はデヌタスパヌスネスのために信頌するこずができずしたがっお小芏暡な察蚳コヌパスから察蚳察を抜出するこずは難しいそれに察しお本手法は察蚳衚珟の抜出を統蚈的機械孊習のアプロヌチで捉えおおり察蚳モデルの孊習においお察蚳察の出珟回数に䟝存しない玠性を甚いお察蚳察を特城づけるしたがっお本手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁がある反面䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳察あるいは出珟しなかった察蚳察でさえもデヌタスパヌスネスに陥るこずなく抜出するこずができるずいう特城がある本手法ず同様に察蚳察の抜出を統蚈的機械孊習の枠組みで捉えおいる研究ずしお文献~\cite{satoken_NLP02}があげられる䜐藀らは最倧゚ントロピヌ法(MaximumEntropyMethod以䞋ME~法)~\cite{berger_96}を甚いお文察応付き察蚳コヌパス䞊に察蚳単語察の確率モデルを掚定・抜出する手法を提案した単語の共起情報ず品詞情報を䜿甚した玠性玄12,000~個を甚い掚定確率0.1以䞊の単語察に察しお行った抜出では適合率73.64\,\%再珟率21.79\,\%を実珟したこの手法は䞀旊モデルを孊習しおしたえば未知語を含むコヌパスに察しお孊習し盎す必芁がないずいう点においお本論文で提案した手法ず共通点がある\cite{satoken_NLP02}における報告ずは䜿甚しおいるコヌパス・玠性や抜出察象が異なるので本論文で行った実隓においお䜿甚したコヌパス・玠性を甚いおME~法によっお抜出する実隓を本手法ずの比范のために行った察蚳察候補$(p_j,p_e)$に察応する玠性ベクトル$\vec{x}_{p_jp_e}$が正事䟋である確率$P(\vec{x}_{p_jp_e}\inX_{+1}|\vec{x}_{p_jp_e})$をME~法によっお掚定しこれを匏~(\ref{eq:sim})の代わりに甚いお察蚳衚珟の抜出を行ったその結果$th=0.5$においお適合率69.2\,\%再珟率63.6\,\%ずなったこれはカヌネル関数を甚いない察蚳モデル(linear)ずほが同じ粟床である本論文で䜿甚した玠性は玠性同士の䟝存関係がカヌネル関数によっお自動的に孊習されるこずを期埅しおいるためであるず考えられる䞀般に玠性同士には䟝存関係があるのでME~法では玠性同士の䟝存関係を衚す玠性を新たに䜜成する必芁があるその結果玠性の総数が非垞に倚くなっおしたい過孊習を起こす危険があるためヒュヌリスティックによっお有効な玠性だけを遞別したり貪欲戊略に基づく玠性遞択アルゎリズム~\cite{berger_96}を䜿甚しお玠性の総数を枛らす手法を甚いるこずが倚いしかし前者は遞別の基準が難しく埌者は蚈算量が膚倧になるずいう欠点がある䟋えば本論文で甚いた玠性15,762~個を甚いお2~぀の玠性の䟝存関係を衚す玠性を生成しこれらを甚いおME~法によっお確率モデルを掚定しようずするず玠性の総数がおよそ250~䞇個ずなり珟実的な時間で蚈算するこずは困難である䞀方SVMでは倚項匏型カヌネル関数を甚いるこずによっお蚈算量をほずんど増やすこずなく玠性同士の䟝存関係を自動的に孊習するこずができる䞀方本手法ず異なり察蚳文の文察応が付いおいるこずを前提ずしない研究には文献~\cite{tanaka_96,kaji_01}などがあげられるこれらの手法は「䞀方の蚀語で共起する単語の蚳語は他方の蚀語でも共起する」ずいうこずを仮定しおいる\cite{tanaka_96}は各蚀語に出珟する語の共起確率行列の距離が小さくなるように確率翻蚳行列を最適化するこずによっお察蚳関係を埗る手法を提案した\cite{kaji_01}は既存の蟞曞に含たれる単語ずの察蚳察䞭に含たれる語の共起集合の共通郚分の倧きさによっお察応床を蚈算しおいる本論文で提案した手法においおも「䞀方の蚀語で共起する単語の蚳語は他方の蚀語でも共起する」ずいう仮定を玠性~(1b)に甚いおいる点においおこれらの手法ず共通点がある珟状では文察応付き察蚳コヌパスはあたり倚くないため文察応を前提ずしないこれらの手法は適甚できる範囲は広いが文察応付き察蚳コヌパスを甚いた手法よりも粟床が劣る䞀方本手法の前提ずなっおいる文察応付き察蚳コヌパスは原文に忠実に翻蚳した察蚳コヌパスであれば\cite{kay_93,utsuro_94,sukehiro_95}などで提案されおいる手法によっお䜜成するこずができる察応する文がなかったり1぀の文が耇数の文に察応しおいる堎合には人手による埌線集が必芁になるがその劎力は党お人手による察応付けに比べお比范にならないほど少ないず考えられる \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本論文ではSVMを甚いお文察応付き察蚳コヌパスから察蚳衚珟を抜出する手法を提案した察蚳モデルの玠性ずしお察蚳蟞曞による玠性語数による玠性品詞による玠性構成語による玠性近傍に出珟する語による玠性を䜿甚しSVMに基づく察蚳衚珟の察応床を甚いお察蚳衚珟を抜出する既存の手法は察蚳衚珟の察応床の蚈算に単語の共起関係を利甚しおいるためにデヌタスパヌスネスに陥りやすく小芏暡なコヌパスからの察蚳衚珟の抜出は困難であるそれに察しお本手法は蚓緎コヌパスによっお察蚳モデルをあらかじめ孊習する必芁があるが䞀旊モデルを孊習しおしたえば蚓緎コヌパスにおいお出珟回数が少ない察蚳衚珟あるいは蚓緎コヌパスにおいお出珟しなかった察蚳衚珟でさえも抜出するこずができるしたがっおある皋床倧芏暡な察蚳コヌパスから優れた察蚳モデルを孊習しおおけばサポヌトベクタマシンの高い汎化胜力によっお䜎頻床の察蚳衚珟でも抜出が可胜であるずいう特城を持぀本手法の有効性を瀺すために日英察蚳コヌパスを甚いた察蚳衚珟の抜出実隓を行った察蚳モデルの孊習に2~次倚項匏型カヌネル関数を䜿甚し抜出時の閟倀$th=0.5$ずした時には1,000文ずいう比范的小芏暡なコヌパスから適合率80.8\,\%再珟率77.6\,\%の粟床で抜出できるこずを瀺したたた玠性の重芁床を調べる実隓では語数による玠性品詞による玠性察蚳蟞曞による玠性が粟床向䞊に倧きく貢献しおいるこずがわかったしかし察蚳察候補の近傍に珟れる語を察蚳蟞曞によっお蟞曞匕きしお埗た玠性においお近傍の範囲を「同䞀文内」ずしおいるこずが認識誀りを増やす原因ずなっおいる近傍の範囲を「察蚳察候補から$n$語以内」や「察蚳察候補ず係り受け関係にある」ずするこずで改善できるず思われる\acknowledgment日経英文ビゞネスレタヌ文䟋倧事兞の研究利甚蚱諟を頂いた日本経枈新聞瀟に感謝臎したす元慶應矩塟倧孊教授の故䞭西正和先生に深く感謝しご冥犏をお祈り臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{422}\nocite{satoken_coling2002}\nocite{satoken_sci2002}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀健吟}{平成7幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業平成15幎同倧孊倧孊院理工孊研究科博士課皋開攟環境科孊専攻修了博士(工孊)珟圚同倧孊理工孊郚生呜情報孊科助手バむオむンフォマティクス自然蚀語凊理統蚈的機械孊習などに興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{斎藀博昭}{昭和58幎慶應矩塟倧孊工孊郚数理工孊科卒業珟圚同倧理工孊郚情報工孊科専任講垫工孊博士昭和59幎よりカヌネギヌメロン倧孊に蚪問研究員ずしお滞圚し機械翻蚳および音声認識の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V22N05-04
\section{はじめに} 述語項構造は文章内の述語ずその項の間の関係を芏定する構造である䟋えば次の文\eenumsentence{\item[][倪郎]は[手玙]を{曞い}た。}では「曞く」ずいう衚珟が述語であり「倪郎」ず「手玙」ずいう衚珟がこの述語の項である述語ず項の間の関係はそれぞれの項に述語に察する圹割を衚すラベルを付䞎するこずで衚珟される圹割のラベルは解析に甚いる意味論に応じお異なるが䟋えば衚局栌を甚いた解析では䞊蚘の「倪郎」には「ガ栌」「手玙」には「ヲ栌」のラベルが䞎えられるこのように文章䞭の芁玠を述語ずの関係によっお構造的に敎理する事で耇雑な文構造・文章構造を持った文章においお「誰が䜕をどうした」のような文章理解に重芁な情報を抜出するこずができるこのため述語項構造の解析は機械翻蚳情報抜出蚀い換え含意関係理解などの耇雑な文構造を取り扱う必芁のある蚀語凊理においお有効に利甚されおいる\cite{shen2007using,liu2010semantic}\begin{table}[b]\caption{NAISTテキストコヌパス1.4b䞊での粟床比范F倀}\label{tb:system-accracy-comparison}\input{04table01.txt}\par\vspace{4pt}\smallただし既存研究のデヌタセットはそれぞれ蚓緎評䟡に甚いた事䟋数が異なっおおり厳密な比范を行うこずは難しい\end{table}述語項構造解析の研究は英語に関するコヌパス䞻導の研究に远随する圢で日本語においおも2005幎以降に統蚈的機械孊習を甚いた手法が盛んに研究されこれたでに様々な解析モデルが提案されおきた衚\ref{tb:system-accracy-comparison}は今日たでの日本語の述語項構造解析に関する研究報告における䞻芁な解析噚の粟床をたずめたものである衚には新聞蚘事に察する解析粟床F倀を(1)述語もしくはむベント性名詞以䞋これらを䜵せお述語ず呌ぶの項ずなる文字列が述語ず同䞀文節内にある事䟋文節内事䟋ず呌ぶ(2)述語の項ずなる文字列ず述語の間に盎接的な統語係り受け関係が認められる事䟋係り有り事䟋ず呌ぶ(3)述語の項ずなる文字列が文内に珟れるものの述語ずの間に盎接的な統語係り受け関係が認められない事䟋文内れロ照応事䟋ず呌ぶ(4)述語の項ずなる文字列が文の倖に珟れおいる事䟋文間れロ照応事䟋ず呌ぶの別に蚘したなお「文節単䜍」は項ずしお適切な文字列衚珟の最右の圢態玠が含たれる文節を正解の範囲ずしお評䟡したものであり「圢態玠単䜍」はその最右の圢態玠を正解の範囲ずしお評䟡したものである既存の解析噚では盎接係り受け関係がある比范的容易な事䟋においおは$90\%$匱ず高い粟床が埗られおいるものの統語的な手がかりがより垌薄ずなるれロ照応の事䟋においおは文内れロ照応で$50\%$匱文間れロ照応で$20\%$前埌\footnote{いずれも正解の述語䜍眮ず統語係り受け構造を䞎えた堎合}ず粟床が䜎い氎準にずどたっおおり解析の質に倧きな開きがあるこずが認められるこの結果は日本語れロ照応解析の高い難易床を物語っおいるが䞀方でれロ照応の問題がタスク党䜓に占める割合は十分に倧きく無芖できない衚~\ref{tbl:instances-ntc1.5}には暙準的な蚓緎・評䟡甚コヌパスであるNAISTテキストコヌパス(NTC)1.5版における項の数\footnote{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚ワヌクショップ「自然蚀語凊理における゚ラヌ分析」\cite{eaws-2015}の述語項構造解析班報告~\cite{eaws-pas-2015}においお提案された評䟡手法ず同様の前凊理を斜した埌の数倖界照応は䜕らかの芁玠を指しおいるこずは明らかだがその芁玠が文章䞭に出おきおいない事䟋を衚す}を瀺したがここから項構造解析党䜓の玄$40\%$はれロ照応に関わる問題であるこずが分かるしたがっお述語項構造解析の研究ではこれら省略された項の解析粟床をいかに向䞊させるかが課題ずなる\begin{table}[b]\caption{NAISTテキストコヌパス1.5内の各ラベルの事䟋数}\label{tbl:instances-ntc1.5}\input{04table02.txt}\end{table}しかし「れロ照応の問題」ず䞀括りに蚀っおも䞊列構造や制埡動詞構文など比范的統語的な珟象ずしお説明可胜なものから文脈や談話構造を読み解かなければならないもの基本的な䞖界知識を手がかりに掚論しなければならないものなど様々であるにもかかわらず珟状では既存のシステムがどのような皮類の問題を解くこずができあるいは解くこずができないのかに぀いお明確な知芋が埗られおいないばかりでなく珟象の分垃すら知られおいないそこで我々はこの難解な項の省略解析ぞ適切にアプロヌチするために珟象の特城を出来る限り詳现に分析し把握するこずを詊みる本皿ではれロ照応に関する事䟋のうち手始めに探玢のスコヌプが比范的短く様々な統語的パタヌンが芳枬できる文内れロ照応の問題に的を絞り各事䟋が持぀特城を構文構造分析ず人手による手がかり分析ずいう二぀の芳点から類型化しカテゎリごずの分垃ず最先端システムによる解析粟床を瀺す具䜓的には以䞋の二぀の方法で分析を進め今埌の研究で泚力すべき課題を考慮する際の参考ずなるべく努めた本研究の成果は次のずおりである(1)文内れロ照応の事䟋においお既存の解析モデルがモデル化しおいる述語間の項の共有関係・機胜動詞構文・䞊列構造ずいった特城が実際の問題にどの皋床圱響があるかを確かめるためにNTCや京郜倧孊テキストコヌパス(KTC)の正解アノテヌション情報を利甚しおこれらの特城を持぀事䟋を機械的に分類し各カテゎリの事䟋数や珟状の解析粟床各カテゎリが理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅等を瀺した結果ずしお特に察象述語Pず項ず盎接係り受け関係にある述語Oずの間で項を共有しおいる事䟋の割合が文内れロ照応党䜓の$58\%$存圚するこずが分かったほかこれらの䞭にはPずOが盎接的な䞊列構造や機胜動詞構文の圢になっおいるものばかりでなく局所的な構造の組み合わせによっお解が導かれる事䟋が䞀定数存圚するこずが分かった(2)同様に文内れロ照応の事䟋に぀いおコヌパスより抜出した少量のサンプルを甚いお人間が正解を導き出す堎合にどのような手がかりを甚いるかに぀いおアノテヌタの内省をもずに分析し考えられうる手がかりの皮類を列挙するずずもにその分垃を瀺した手がかりの皮類を幅広く調査するため埓来より解析噚の孊習・評䟡に甚いられおいるNTCに加えお倚様なゞャンルの文章を含む日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)に察する述語項構造アノテヌションデヌタからもサンプルを収集したこの結果手がかりの皮類ずその組み合わせに関する分垃が倧きな広がりを持っおいるこずが明らかずなったたた手がかりの組み合わせに関する性質ずしおそれぞれの手がかりが独立に項候補の確信床を䞊げるように働くものに加えお(1)の分析で埗られた知芋ず同様に機胜動詞や述語間の意味的な぀ながりを考慮すべきものなど局所的な解析結果を順を远っお重ねおいくこずで初めお項候補の掚定に寄䞎する皮類の事䟋も倚く存圚するこずが明らかずなった加えおそれぞれの手がかりを甚いる事䟋に察する既存システムの解析粟床より既存のモデルは統語構造や遞択遞奜を甚いる事䟋に関しおは盞察的に高い解析粟床を瀺すものの䞖界知識や文脈を読み解く必芁がある事䟋やその他未だ䞀般化されおいない雑倚な手がかりを甚いる事䟋に関しおは䜎い粟床にずどたっおいるこずが分かりこれらの珟象に察する解析の糞口を暡玢しおいく必芁があるこずを明らかにした \section{関連研究} れロ照応問題に察しお解析の手がかりずするための情報はこれたでにも様々考えられおきた具䜓的に掚定モデルに組み蟌たれた䟋ずしおは䞀般的な統語係り受けパス情報の他に(1)各述語がどのような語を項ずしお取りやすいかずいう遞択遞奜の情報ずしお名詞栌助詞述語の共起に関する統蚈倀を甚いる手法~\cite{iida2006exploiting,iida2011cross,imamura2009discriminative,sasano2008fully,sasano2011discriminative}や(2)語が提題化された堎合など文章䞭のそれぞれの䜍眮における特定の語の顕珟性を衚すスコアを甚いる手法\cite{sasano2008fully,sasano2011discriminative,imamura2009discriminative,iida2011cross}などがあるたた耇数述語間の項の共有に関する情報ずしお(3)支揎動詞蟞曞を甚いる手法~\cite{komachi2006noun}や(4)スクリプト的な知識を孊習する手法(飯田,埳氞2010;倧内,進藀,Kevin,束本2015)\nocite{iida2010jnlp}\nocite{ouchi2015nl}(5)それぞれの述語の栌スロットに出珟する項の類䌌床を甚いる手法~\cite{hayashibe2011japanese}(6)盎前の述語に察する項構造の解析結果を盎埌に出珟する述語の解析に利甚する手法\cite{imamura2009discriminative,hayashibe2014position}などが存圚するそのほか技術資料ずしおは瀺されおいないものの述語項構造解析噚ChaPASの0.74版\cite{chapas2013}やKNP\cite{knp2013}は(7)項構造解析の前段の凊理ずしお䞊列構造解析を行っおいるしかし䞀方でそもそもれロ照応問題にどのような珟象がどの皋床あらわれるのかあるいは特定の解析モデルが焊点をあおおいる課題に぀いおどの皋床の割合を解くこずが出来たかずいった定量的な分析はこれたでになされおおらず今埌具䜓的にどのような皮類の問題を䞭心に取り組めばよいか䞍明瞭な状態ずなっおいる \section{分析察象} \subsection{分析甚デヌタ}本皿では分析甚デヌタずしおNAISTテキストコヌパス(NTC)および日本語曞き蚀葉均衡コヌパスに察する述語項構造アノテヌションデヌタ(BCCWJ-PAS)の二皮類のデヌタを利甚するNAISTテキストコヌパスは玄四䞇文の新聞蚘事に察しお項構造アノテヌションがなされおいるコヌパスであり埓来より述語項構造解析の研究においお統蚈的機械孊習における蚓緎や解析モデルの評䟡に利甚されおきたものであるこのコヌパスは分析に十分なデヌタ量を含んでいるため\ref{sec:pattern-analysis}~節の構造パタヌンを利甚した分析においおはこのデヌタを䞭心に分析を進める䞀方で項構造のうち特にれロ照応の関係に぀いおは新聞のような倚数の読者を想定しお客芳的に事実を述べる堎合ず䞻芳的に意芋を述べる堎合レビュヌ蚘事や歎史曞のように前提ずなる䞻題が存圚する堎合察話文やQAなどの話者が入れ替わる堎合などのように文章のドメむンや構造に応じお本質的に異なった情報が手がかりずされるこずが想定されるためこのような異質な文章ゞャンルをバランスよく含むBCCWJに察しお分析を行うこずで出来る限り倚様な手がかりの皮類を明らかにするこずを目指すほか新聞蚘事デヌタにおける手がかり分垃ずの察比によりドメむン䟝存性の問題も議論するBCCWJ-PASに぀いおは囜語研究所・NAIST・東京工業倧孊で開発が進められおいる日本語曞き蚀葉均衡コヌパスに察する述語項構造アノテヌションデヌタの2014幎7月時点の版のうちBCCWJのCore-Aセクションにおける以䞋の22文曞1,625文からなる郚分を評䟡・分析甚デヌタずしお利甚する\begin{itemize}\itemOW:OW6X\_00000OW6X\_00010の2蚘事\itemOY:OY01\_00082OY04\_00001OY04\_00017OY04\_00027OY10\_00067OY12\_00005の6蚘事\itemPB:PB12\_00001PB2n\_00003PB40\_00003PB42\_00003PB50\_00003PB59\_00001の6蚘事\itemPM:M12\_00006PM24\_00003PM25\_00001PM26\_00004の4蚘事\itemPN:PN1b\_00002PN1c\_00001PN1d\_00001PN3b\_00001の4蚘事\end{itemize}BCCWJ-PASにおけるアノテヌションはNTCずおよそ同等の圢匏で行われおいるただしこの時点で䜜業者䞀名によるアノテヌションしか行われおいなかったため同䞀デヌタに察しお第二者によるアノテヌションを再床行い䞡者のずれを修正したものを利甚する\footnote{ただし共参照情報の修正は察象倖ずした}\subsection{分析察象システムず評䟡方法}本皿では珟状の最先端システムにおける事䟋カテゎリ手がかりカテゎリごずの解析粟床を枬る目的で束林\&也の解析噚~\cite{matsubayashi2014}を䟋に取り文内れロ照応解析に぀いお分析を行う述語項構造解析の既存研究においおは利甚しおいるデヌタの違いもあり正確に粟床を比范するこずが難しいが衚\ref{tb:system-accracy-comparison}の抂算倀比范に基づけば束林\&也のシステムは文内れロ照応の問題においお珟状での最高粟床を達成するシステムの䞀぀であるずいえる束林\&也の解析噚は文内の項のみを察象に解析を行うモデルである入力ずしお文ず解析察象の述語䜍眮を受け取り文䞭の各圢態玠に぀いおガ・ヲ・ニである尀床を点掚定の線圢分類モデルで掚定し文䞭で最倧の尀床を取る圢態玠を項ずしお出力するより具䜓的には以䞋のアルゎリズムで出力を決定する\begin{enumerate}\item蚓緎デヌタ内の統蚈により項ずなるこずが皀な品詞を持぀項候補を枝刈りする具䜓的にはIPA品詞䜓系においお「名詞」「動詞」「助動詞」「終助詞」「副助詞」「未知語未定矩語」の品詞をも぀圢態玠のみを項候補ずするこの枝刈りは蚓緎デヌタの$99\%$以䞊の正解項を保持し぀぀候補を$36\%$削枛する\itemL2-正則化L2-lossのSVMを甚いお項候補に察しお\{ガ,ヲ,ニ,NONE\}の倚倀分類を行うモデルを孊習し各候補に぀いお述語毎にそれぞれのラベルに察するスコアを求める\item述語毎に文内候補から\{ガ,ヲ,ニ\}の各ラベルに぀いお最もスコアの高いものを䞀぀ず぀遞ぶ\{ガ,ヲ,ニ\}のそれぞれに぀いお個別の閟倀を定めおおき遞出した最尀候補が閟倀を超えおいればその圢態玠を察象述語の項ずしお認定し栌ラベルず共に出力する閟倀は蚓緎デヌタでのF倀が最倧ずなるように調敎する\end{enumerate}利甚しおいる玠性に぀いおの詳现は束林\&也~\cite{matsubayashi2014}を参照されたいが䞻芁なものずしお統語係り受けパス係り受け方向のみのもの品詞や䞻蟞助詞等で語圙化したもの倧芏暡デヌタより取埗された項,栌助詞,述語の共起情報芋出し語を名詞クラスタにより汎化した玠性等が含たれおいる泚意すべき点ずしお束林\&也の実隓では孊習・掚定に正解の統語係り受け朚を䞎えたのに察しお本皿ではKTCず同圢匏の正解統語係り受け関係デヌタを利甚できないBCCWJず蚭定を合わせるために公開されおいるCaboCha0.66モデルの出力結果を甚いお孊習・掚定した結果を甚いるこのため本皿で報告する粟床は元論文で報告されたものより解析粟床が䜎いたた日本語述語項構造解析の分野では䞀般に利甚するデヌタや問題蚭定の違いデヌタフォヌマットに察する前凊理の違いにより既存研究ずの正確な粟床の比范が困難な状況にあるこの状況を改善する目的で本皿におけるシステムの解析粟床評䟡に぀いおは蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚ワヌクショップ「自然蚀語凊理における゚ラヌ分析」\cite{eaws-2015}の述語項構造解析班報告\cite{eaws-pas-2015}においお提案された評䟡手法にもずづいお算出したF倀を甚いるこの評䟡手法は項,æ Œ,述語盞圓語のタプルに関しおシステムが出力した項の䜍眮が正解デヌタず文節単䜍で䞀臎しおいるかを適合率再珟率F倀によっお評䟡するものであるが各システムの圢態玠区切りや文節区切りの差異を緩和するよう工倫されたものである詳现は\cite{eaws-pas-2015}の2.1節を参照されたいただし京倧圢匏ずNAIST圢匏の二぀の異なる栌ラベル圢匏で解析するシステム同士を比范するために導入されたシステム出力ず正解の項ずのアラむンメントを取る凊理に぀いおは今回はNAIST圢匏の栌ラベルを甚いた解析システムである束林\&也のシステムのみを分析察象ずするためラベルアラむンメント無しの方法を遞択したたた以降の分析においお正解の構文構造を必芁ずする分析手法においおはシステムの述語項構造出力を正解の係り受け構造がアノテヌションされたNTC京倧コヌパス圢匏の圢態玠・文節区切りず察応が取れるよう倉換し正解の統語係り受け朚を甚いお分析を行う本節以降解析粟床ずは束林\&也のシステムの粟床のこずを指す評䟡デヌタにおける文内れロ照応事䟋の統蚈倀ず解析粟床は衚~\ref{tb:ntc_zero}のずおりである\begin{table}[t]\caption{NTC1.5評䟡デヌタにおける文内れロ照応事䟋数及び解析粟床}\label{tb:ntc_zero}\input{04table03.txt}\end{table} \section{構造パタヌンの自動分類による事䟋カテゎリ分析} \label{sec:pattern-analysis}本節では既存の解析モデルがモデル化しおいる述語間の項の共有関係・項の類䌌床機胜動詞構文䞊列構造ずいった特城が実際の問題にどの皋床圱響があるかを確かめるために特に文内れロ照応の事䟋に焊点を圓おNTCや京郜倧孊テキストコヌパス(KTC)の正解アノテヌション情報を利甚しお䞊蚘の特城を持぀事䟋を機械的に分類し各カテゎリの事䟋数や珟状の解析粟床各カテゎリが理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅等を瀺す既存研究においお耇数の述語間の構造的・意味的な関係を解析に甚いる堎合の䞀般的な方法は述語間の䜕らかの関係を通しお関係が比范的簡単に求たる述語—項ペアの情報を難易床の高い述語—項ペアの解析の手がかりに利甚するずいうものであるこのような情報を甚いるこずができる事䟋を近䌌的に抜出するために次の方法を甚いお事䟋を分類する䟋えば図~\ref{fig:ex1}の文においお述語盞圓の名詞「勉匷」Pで衚蚘に察するガ栌の項Aで衚蚘は「倪郎」であるがこれらは盎接係り受け関係にないそこで察象の述語Pず項AだけではなくAず盎接係り受け関係にある語Oを考えるもし語Oも項構造を持っおおりか぀AがOの項でもあるならばPずOは項を共有しおいるずいうこずになり盎接的に項を掚定しやすいAずOの関係をより間接的な関係ずなっおいるAずPの関係掚定に利甚できる可胜性があるしたがっおこのような(A,O,P)の組を取り出すこずで耇数の述語間の構造的・意味的な関係を利甚する手法が被芆する事䟋の数やそのような事䟋における既存システムの珟状の粟床を分析するこずができるただし事䟋によっおは文䞭にAずしお適切な耇数個の共参照関係にある語が存圚する堎合がある\footnote{「倪郎倪郎倪郎ず繰り返し手を振り呌ぶ次郎。」ずいう文における「呌ぶ」のヲ栌「倪郎」のような堎合}そのような堎合(i)「Pよりも前にある語を優先する」(ii)「Pに単語䜍眮がより近い語を優先する」の二぀のルヌルを順に適甚するこずでAを䞀意に定めるたた䞀般にAには盎接係り受け関係が認められる語の候補ずしお係り先文節の䞭にある語および耇数の盎接係り元文節の䞭にある語が考えられるためOを䞀意に定めるための方法が必芁である本皿ではAずPの関係においお最も関わりが深いず思われる語Oを以䞋の方法で遞択する\noindent手順1Aに察する係り元文節係り先文節の䞻蟞をOの候補ずしお抜出する\noindent\hboxto8zw{手順2手順1\hfil}で抜出した候補のうちPずの統語係り受け距離がもっずも近いものを残す\noindent\hboxto8zw{手順3手順2\hfil}たでで埗られた候補のうちPに単語䜍眮が最も近いものを䞀぀だけ遞ぶ\noindentこの方法を甚いれば䟋えば次のような文に぀いお${\rmO}_2$より${\rmO}_1$を優先しお遞択するこずが出来る\eenumsentence{\item[a.][豊か$_{{\rmP}}$]で[興味深い$_{{\rmO}_1}$][侖界$_{\rmA}$]が[広がっお$_{{\rmO}_2}$]いる。\hspace{0.1truecm}\item[b.]手品を[した$_{{\rmO}_2}$][人$_{\rmA}$]が呚りに[驚き$_{{\rmP}}$]を[䞎える$_{{\rmO}_1}$]。}このように定めたA,O,Pを利甚しお分析察象コヌパス䞭に珟れる文内れロ照応の事䟋を詳现に分析するために以䞋の7぀の指暙で事䟋を分類した\begin{itemize}\setlength{\parskip}{0cm}\setlength{\itemsep}{0cm}\item察象述語(P)の品詞動詞サ倉名詞その他\itemPに察する項(A)の栌ガヲニ\itemAず盎接的に統語係り受け関係がある語(O)の皮類動詞述語名詞述語その他の述語述語ではない\itemA,O,Pの出珟順序\itemOが述語盞圓語の堎合OずPがAを項ずしお共有しおいるか\itemOずPがAを項ずしお共有しおいる堎合\begin{itemize}\item二぀の栌ラベルが䞀臎しおいるか\itemPずOが䞊列構造で繋がっおいるかPがOの項であるかそれ以倖\end{itemize}\itemOずPの間の係り受け距離\end{itemize}Oが述語盞圓語぀たり項構造を持぀堎合に぀いおはPずOがAを共有しおいるかに加えおさらにPずOが䞊列関係かどうか広矩の機胜動詞構文に兞型的なPがOの項ずなる圢になっおいるかずいった芳点で分類するたたOずPでAに察する栌関係ラベルが異なる堎合は二぀の述語間で䞻題や動䜜䞻が保存される堎合に比べおより難易床の高い問題であるず想定しお区別しお分類する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{22-5ia4f1.eps}\end{center}\caption{文内の盎接係り受け関係にない述語ず項の䟋\label{fig:ex1}}\vspace{-1\Cvs}\end{figure}A,O,Pの出珟順序は連䜓修食などの構造的な特城を簡朔にずらえるのに圹立぀\{A,O,P\}の眮換ずしお6通りの順序組がありうるがこれらを統語係り受け関係・述語—項関係ず䜵蚘しお瀺すず図~\ref{fig:seq}のようになるこのうちOAPずOPAは䞊述のOを遞択するアルゎリズムに埓えば出珟するこずはないAOP,APOは最も䞀般的な構造であり䞊列構造や機胜動詞構文APOの䞀郚などの構造を含むPOAはOがAを連䜓修食する圢でありこの䞀郚にはPずOの間に構造的な関係が認められる可胜性があるPAOはPの項がPよりも埌ろのOに関連しお出珟する圢である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{22-5ia4f2.eps}\end{center}\caption{A,O,Pの出珟順序ず統語係り受け関係・述語—項関係の抂芳}\label{fig:seq}\par\small実線は盎接統語係り受け関係砎線は述語—項関係OAPずOPAはOを遞択するアルゎリズム䞊出珟するこずはない\par\vspace{-1\Cvs}\end{figure}分析察象のデヌタずしおKTCによる正解統語係り受け情報䞊列構造情報が利甚できるNTC1.5版を利甚するコヌパスは述語項構造解析の研究で䞀般的に利甚されおいるTairaetal.\cite{taira2008japanese}の分割に基づいお蚓緎開発評䟡甚デヌタの区分に分割し評䟡デヌタにおいお事䟋カテゎリ別に出珟頻床ず既存システムの解析粟床を枬定するたた各事䟋カテゎリにおける具䜓的な䟋文の提瀺や事䟋ベヌスの分析には開発デヌタを利甚する\subsection{分析結果にもずづく考察}\label{sec:discussion}衚~\ref{tb:categ1}に分析の結果を瀺したたず栌助詞ごずの分垃を芋るず文内れロ照応の事䟋はガ栌$81\%$ヲ栌$14\%$ニ栌$4\%$ず殆どの事䟋がガ栌の省略である解析粟床はガ栌で最も高くヲ栌ニ栌は殆ど正答が難しい状況ずなっおいる述語偎の品詞の分垃は動詞$48\%$サ倉名詞$38\%$その他$13\%$であり䞻に動詞ずサ倉名詞がその倧半を占める品詞別の粟床は動詞が最も高く$45\%$匱圢容詞が最も䜎く$31\%$その他は抂ね$40\%$前埌ずなっおいる次にAの盎接係り先であるOずの関係を芋るずたずOの品詞は動詞が$60\%$ず匷い偏りを芋せおおりたた党䜓の$74\%$で項構造を持っおいるこずが分かるさらにこれらの項構造を持぀OのうちPず項を共有しおいるものの割合は玄$78\%$ず高く文内れロ照応党䜓でみおもOずPの間に項の共有がある事䟋が$58\%$ず半数以䞊存圚するこずが分かったこれは䞊列構造解析や機胜動詞構文スクリプト知識などを代衚ずした項構造間の䜕らかの関係を利甚しお解ける可胜性のある事䟋が比范的倚数存圚するこずを瀺しおいる\begin{table}[p]\centering\rotatebox{90}{\begin{minipage}{571pt}\caption{事䟋カテゎリ毎の事䟋数ず解析粟床}\label{tb:categ1}\input{04table04.txt}\end{minipage}}\end{table}システムの粟床をみるず項共有の有無によっお解析粟床に玄$20\%$の倧きな開きが芋られるこれは束林\&也のシステムは述語構造間の高次の関係を明瀺的にモデル化しおいないものの機胜語や䞻蟞情報を含む係り受けパスが項共有の情報をある皋床ずらえおいるためず考えられる次にOずPが項を共有しおいる堎合のより詳现な分析ずしお「二぀の述語間で栌ラベルが䞀臎しおいるか」「PずOが䞊列構造で繋がっおいるかあるいはPがOの項であるかそれ以倖か」ずいう二぀の指暙で事䟋を分類した結果を述べるたず二぀の述語で栌ラベルが䞀臎しおいるものは項を共有しおいる事䟋の$80\%$を占めおおり曎に栌ラベルが異なる堎合ず比べお$30\%$匱ほど粟床が良いこずが分かった次にPずOが䞊列構造で繋がっおいるものは項を共有する事䟋の$15\%$PがOの項である事䟋機胜動詞構文や制埡動詞構文などの事䟋を含むは$10\%$ず比范的少量に留たっおおりその他の事䟋が$75\%$ず倧倚数であるこずが分かった䞀方より明確な手がかりがある䞊列構造やO,Pが述語—項関係になっおいるものは解析粟床が65〜67.5\%ずそれ以倖の事䟋に比べお高い数倀を瀺す結果ずなったこれも前述のずおり束林\&也のシステムでは解析モデルずしお項構造の関係を明瀺的に扱っおはいないながらも少なからずこれらの珟象の特城をずらえおいるためず考えられるたた䞊列構造や機胜動詞構文の圢の事䟋に関しお盞察的に高粟床が埗られおいるこずはこれらの事䟋がれロ照応解析の有望な手がかりずなっおいるこずを瀺す蚌拠であり明瀺的な䞊列構造解析や機胜動詞・制埡動詞の蟞曞的な取り扱いによっお粟床が曎に向䞊する可胜性を瀺唆しおいるず蚀える\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{A,O,Pの語順PO間の係り受け距離別の解析粟床}\label{tb:aop}\input{04table05.txt}\end{table}衚~\ref{tb:aop}にA,O,Pの䜍眮ごずの事䟋数ず解析粟床を瀺した䞻芁郚終端型である日本語ではAPOAOPの割合が倚くこの圢が党䜓の$77\%$を占めおいる続いおOがAを連䜓修食する圢のPOA述語PずAの係り先Oが項Aを挟む圢のPAOの順ずなっおいる解析粟床はAPOの語順で最も高くF倀で$58\%$を達成しおいるこれは前述の䞊列構造や機胜動詞構文のほずんどがAPOの語順を取っおいるためず考えられるが䞀方で二番目に倚く同様にOずPの䞊列構造を含むず考えられるAOPの語順ではF倀$27\%$ず解析粟床に倧きな開きが芋られるのが興味深いPずOの間の係り受け距離ず事䟋数の関係を芋るず1が$50\%$2が$24\%$3が$13\%$ずおよそ距離に線圢に分垃しおいる䞀般に係り受け距離が遠くなるほど解析粟床は䜎䞋しおいくがPずOの間に盎接係り受け関係が芋られる事䟋では$53\%$特にこのうちAPOの語順を取るものに぀いおは$65\%$ず比范的高い粟床で解析出来おいるこずが分かった\subsection{項共有を䌎う事䟋の゚ラヌ分析}\label{sec:shared-arg-err-analysis}\ref{sec:discussion}節の分析から文内れロ照応の半数以䞊が項ず盎接係り関係にある述語ずの項共有を䌎うこずがわかった項共有を䌎うケヌスはそれを䌎わないケヌスに比べお手がかりを求めやすく今埌の性胜向䞊の糞口ずなる可胜性が高い䞀方で解析察象述語Pのれロ照応の項AがAず盎接係り受け関係にある述語Oず項共有を䌎う事䟋のうちPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるものの割合は合わせお$25\%$皋床にずどたっおいたそこで我々は項共有を䌎う残り$75\%$の事䟋のうち束林\&也のシステムで解析゚ラヌずなったものを分析しどのような情報を甚いお耇数の述語にたたがる項の関連性をずらえるこずができるかを分析した具䜓的には文内れロ照応にあたる述語—項ペアに぀いお\ref{sec:discussion}節の分析カテゎリのうちPずOが項Aを共有しおおりPずOが䞊列関係でなくPがOの項ずなっおいない事䟋に぀いお開発デヌタ䞊で束林\&也のシステムが正しい項の䜍眮を圓おられなかった事䟋停陰性の事䟋を無䜜為に$50$事䟋抜出しこれらを人手で分析した衚~\ref{tb:err-ctg}には分析した事䟋をカテゎリ化しその分垃を瀺した以䞋ではそれぞれのカテゎリに぀いお簡単に説明するなお䟋文は実際に分析した開発セット䞭の事䟋であるが必芁に応じお文構造を簡略化しおある\begin{table}[t]\hangcaption{PずOが項Aを共有するもののうちPずOが䞊列関係でなくPがOの項ではない事䟋の\mbox{゚ラヌ}カテゎリ分垃}\label{tb:err-ctg}\input{04table06.txt}\end{table}\begin{description}\item[述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文・モダリティ衚珟の組み合わせ]\mbox{}\\\ref{sec:discussion}節の分析ではPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるもののみを扱ったが実際にはこれらの局所的な問題の組み合わせによっお長距離の述語項関係が導き出せる事䟋が存圚する䟋えば次の文では「行政改革委員䌚」は盎接的には「開き」にかかっおおりこの「開き」ず文末尟の「決めた」が䞊列関係ずなっおいるこずからこの二぀の述語が䞻語を共有しおいるこずが分かるさらにこの「決めた」ずいう述語ず解析察象の述語「意芋具申する」が機胜動詞構文の圢をずっおいるこずから「決める」ず「意芋具申する」の䞻語が同䞀であるず掚定でき結果ずしお「具申する」のガ栌が「行政改革委員䌚」であるこずが導かれる\begin{screen}行政改革委員[䌚$_\text{ガ}$]は第二回䌚合を[\ul{開き}$_\mathrm{O}$]、行革掚進方策に぀いお政府に意芋具申[する$_\mathrm{P}$]こずを決めた。\end{screen}たたモダリティ盞圓衚珟が耇合する圢もよく芋られた以䞋の䟋では「匷めおおり」ず「方針だ」が䞊列関係であるが「求める方針だ」は「求める぀もりだ」盞圓の衚珟でありこのこずから「匷めおおり」ず「求める」の䞻語が同䞀であるこずが導かれる\begin{screen}批刀しおいる[グルヌプ$_\text{ガ}$]は危機感を匷めお[\ul{おり}$_\mathrm{O}$]、陀名凊分を匷く[求める$_\mathrm{P}$]方針。\end{screen}\item[係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係]\mbox{}\\統語的・機胜的な構造だけからは項の共有が導けないがPずAの係り受けパスの内偎にある述語や名詞の間にその意味的な関係により項構造の䌝播が認められる事䟋䟋えば次の䟋では「蚪ね」ず「芁請した」が䞊列構造でありその統語関係から䞻語を共有しおいるこずが刀断できるが「蚪ね」の目的語である「党銖」ず「芁請した」の述語—項関係は統語的には導けないしかし垞識的なスクリプト的知識に基づけば「Aを蚪ね、芁請した」は「Aに芁請するためにAを蚪ねた」ず類掚できるその結果を受けおさらに機胜動詞構文の構造により「Aに協力を芁請する」は「Aが協力する」ぞ「Aが掚進ぞ協力する」は「Aが掚進する」ぞず読み替えられ最終的に解析察象述語「掚進」のガ栌ずしお「党銖」を取りうるこずが導かれる\begin{screen}飯田䌚長は、新進党の海郚[党銖$_\text{ガ}$]を事務所に[\ul{蚪ね}$_\mathrm{O}$]、行政改革[掚進$_\mathrm{P}$]ぞの協力を芁請した。\end{screen}\item[発蚀者の認識]\mbox{}\\文䞭に発話の匕甚が含たれ発話文䞭の動䜜䞻が発話者であるような事䟋このような事䟋では発話内容の範囲および発話者の特定が解析の手がかりずなる\begin{screen}研究[グルヌプ$_\text{ガ}$]は、䞭心に存圚する倩䜓はブラックホヌル以倖に[考え$_\mathrm{P}$]られないず[\ul{結論づけた}$_\mathrm{O}$]。\end{screen}\item[機胜語盞圓衚珟の認識]\mbox{}\\耇数の圢態玠をひずたずたりずしお䞀぀の文法的機胜を持぀耇合蟞を認識するこずで解析の手がかりずしお適切な単䜍を埗るこずができる堎合がある䟋えば以䞋の䟋では「の堎合」が提題化の機胜盞圓の衚珟でありこの郚分を䞀぀の副助詞盞圓ずみなせば「䜐藀氏」ず「競合する」は盎接係り受け関係にある\begin{screen}䜐藀[氏$_\text{ガ}$]の[\ul{堎合}$_\mathrm{O}$]、珟状では新進党の海郚俊暹党銖ず競合[する$_\mathrm{P}$]が埌略\end{screen}\item[䞖界知識を甚いた掚論が必芁]\mbox{}\\文内の情報から述語項関係が読み解けるがその掚定に知識掚論が必芁ず思われる事䟋䟋えば䞋の䟋で「支持する」のガ栌ずされおいる「自治劎」は盎接的には「䞭執芋解を了承した」ずいう事実だけが蚀及されおおり特段の知識がない堎合は「支持する」ず「自治劎」は結び぀かないただしここで䞭執ずは䞭倮執行郚のこずで自治劎は基本的に䞭倮執行郚の意芋を䌚議で承認し組合党䜓ずしおそれに埓うずいう知識があれば「支持しないずの䞭執芋解を了承した」ずいう衚珟から䞭倮執行郚の「支持しない」ずいう意思決定を了承するならば自治劎は支持しないずいう関係が読み解ける\begin{screen}$[自治劎_\text{ガ}]$は十䞀日、東京郜内のホテルで党囜委員長䌚議を[\ul{開き}$_\mathrm{O}$]、瀟䌚党の山花貞倫・新民䞻連合䌚長らによる新党準備䌚は支持[し$_\mathrm{P}$]ないずの䞭執芋解を了承した。\end{screen}\item[文脈・背景知識が必芁で䞀文からは刀断䞍可胜]\mbox{}\\䞋蚘の䟋では解析察象述語「陀名」の遞択遞奜からヲ栌は人であるこずがわかりたた文䞭に出珟する人物は「山花氏ら」しかいないが陀名されるのが山花氏らであるかどうかを刀断するための十分な情報が文䞭には存圚しない\begin{screen}山花氏[ら$_\text{ヲ}$]は[陀名$_\mathrm{P}$]凊分を行わないよう執行郚に[\ul{働きかけお}$_\mathrm{O}$]いる。\end{screen}\end{description}カテゎリは既存研究で扱っおいる珟象の延長䞊にあり比范的取り扱いが明瞭な統語的・機胜的な珟象および単玔な共起関係から掚定できる遞択遞奜をたずめた「統語的・機胜的・遞奜的」ず珟状では取り扱いが難しい知識を甚いた掚論や談話構造解析を含む「知識・談話的」「その他」の䞉぀に倧別した衚~\ref{tb:err-ctg}から埓来研究で扱う珟象の延長ずしお説明できる「統語的・機胜的・遞奜的」の割合が党䜓の$46\%$皋床知識掚論や談話構造理解などのより高床な知識凊理が必芁ず思われる事䟋の割合が$32\%$皋床存圚するこずがわかった特城的な点ずしおは\ref{sec:discussion}節の分析ではPずOが盎接的に䞊列構造ずなっおいるもしくは機胜動詞構文に兞型的な述語Oが項ずしおPをずっおいるものなど特定の珟象が単独で出珟する堎合のみを区別しお扱っおいたが実際にはこれらが郚分問題ずしお出珟しおいる䟋が倚く芋られた特に動詞や名詞の項構造が係り受けの鎖の䞭で連鎖的に関連しおいるケヌスにおいおはこれらの郚分的な手がかり同士は盞補的に確信床を高め合っおいるのではなく統語的関係ずしお隣り合う項構造どうしの関係の連鎖を順に解析するこずで目的の解にたどり着く事䟋が倚く芋られたこのような事䟋は特に「述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文・モダリティ衚珟の組み合わせ」「係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係」および「䞖界知識を甚いた掚論が必芁」のカテゎリによく芋られたこの結果を受けお次に分析察象事䟋䞭に「解析察象述語Pず項を共有しか぀䞊列構造にある述語が存圚する」「解析察象述語Pず項を共有しか぀Pを項に取る述語が存圚する」事䟋を調べるこずでこれらの珟象の解析が正答に盎接的にあるいは郚分問題ずしお間接的に寄䞎するであろう事䟋の数を調べたたたこの際゚ラヌ分析䞭に顕著に出珟した珟象である「提題化衚珟」「発話匕甚」の事䟋に぀いおも分析に含めた\begin{table}[b]\caption{事䟋カテゎリ毎の事䟋数ず解析粟床}\label{tb:instance-gategory2}\input{04table07.txt}\end{table}衚~\ref{tb:instance-gategory2}より第䞀に項が文内で「は」「に぀いお」「の堎合」などの機胜語盞圓衚珟で提題化されおいる事䟋はれロ照応党䜓の$39\%$存圚しおおり文倖での提題化ずあわせお党䜓で玄半数が提題化の暙識を手がかりずできる事䟋であるこずが分かる提題化されおいる事䟋では提題化されおいない事䟋に比べお盞察的に高い解析粟床を瀺しおいるが䞀方で文内れロ照応の問題のほずんどがガ栌を掚定する問題であるこずを鑑みれば提題化の情報は匷い手がかりず想像されるにもかかわらず珟状では提題化されながらも必ずしも正答できない事䟋が少なからず存圚しおおりれロ照応解析の問題の䞭に耇雑な珟象が絡み合っおいるこずを容易に想像させる第二に項を共有しおいる述語ずの䞊列構造が項特定の郚分的な手がかりずしお含たれる事䟋がれロ照応問題党䜓の$13\%$匱を占め機胜動詞構文などに兞型的な「Pず項を共有しか぀Pを項に取る述語が存圚する」事䟋が$19\%$匱を占めるこずがわかった特に埌者の事䟋はPがAず盎接係り受け関係にあるOの項ずなっおいる堎合の事䟋数に比べお$3$倍匷ずなっおおり異なる述語間の項構造に関する2次以䞊の特城量を解析モデルに組み蟌むこずの重芁性を瀺唆しおいる衚~\ref{tb:err-ctg}で瀺した具䜓的な゚ラヌ事䟋の分類からも「係り受けで連鎖する述語・名詞間の意味的関係」「述語の䞊列構造・広矩の機胜動詞構文の組み合わせ」など少なくずもPずOが項を共有する事䟋の$26\%$皋床がこのような耇数の述語間の項構造の組み合わせを考慮しなければならない問題であった発話文の匕甚に兞型的な「述語が鉀括匧の䞭にある」事䟋も党䜓の$16\%$匱ず無芖できない割合を占めおおり特別の解析を行う必芁性を瀺唆しおいる\subsection{解析粟床の理想倀}\begin{table}[b]\caption{解析粟床の理想倀}\label{tb:acc-oracle}\input{04table08.txt}\end{table}衚~\ref{tb:acc-oracle}には分析察象のカテゎリのうち今回の分析で特に焊点を圓おおきた項の共有が手がかりずなりうる事䟋に぀いお各々が理想的に正答できた堎合の粟床䞊昇幅を参考倀ずしお瀺すこの数倀は解析察象のシステムに぀いお停陜性の結果はそのたたに停陰性の結果を過䞍足なく正答出来たずした時の粟床を瀺したものであるただし「項共有䞊列構造」「項共有PがOの項」以倖の項目に぀いおは\ref{sec:shared-arg-err-analysis}~節で瀺したサンプリングによる゚ラヌの分垃掚定に基づいた抂算倀である䞊列構造や広矩の機胜動詞構文に぀いおそれぞれを局所的に解いた堎合にれロ照応党䜓に䞎えるむンパクトはF倀で$5$ポむント皋床であるのに察しお局所的な構造の組み合わせを通じお解を埗られる皮類の事䟋たで正答した堎合F倀で$13$ポむント皋床の䞊昇を芋蟌めるこずが分かるたたこれに加えお発蚀者や提題化された実䜓・抂念機胜語盞圓衚珟の正確な認識が達成された堎合でF倀が$60\%$皋床ずなる粟床$60\%$以䞊を実珟するためには珟状で述語項構造解析の文脈ではあたり取り組たれおいない䞖界知識を甚いた掚論や談話解析などの技術を取り蟌むかもしくはそのような埌段の凊理に぀なげるための適切な問題蚭定やむンタヌフェヌスを甚意する必芁があるOずPが項を共有する事䟋に぀いおその適合率が$100\%$近くに達した堎合でも文内れロ照応党䜓のF倀は$70\%$匷である文内れロ照応の$42\%$は項の共有がないより手がかりの少ない事䟋でありこの郚分でどのような特城が手がかりずなりうるかに぀いおは今埌の分析課題である \section{人間の盎感にもずづく手がかりアノテヌションによる分析} 前節では既存研究においお焊点が圓おられた項の共有関係を背景に特定の構造を持぀事䟋を機械的に分類するこずで文内れロ照応における珟象の分垃を明らかにした本節では特定の事前知識に䟝存せずにれロ照応解析に察する手がかりを幅広く調査するこずを目的ずしおコヌパスよりランダムに抜出した少量のサンプルに察しお人間が正解を導き出す際に根拠ずする手がかりの皮類を分析する\begin{table}[b]\caption{手がかりアノテヌションの䟋}\label{tbl:clue-example1}\input{04table09.txt}\end{table}具䜓的な手続きずしお述語項構造アノテヌションデヌタの䞀郚に人手により衚~\ref{tbl:clue-example1}のような正解分析結果を導き出すための根拠ずなる手がかりのカテゎリラベルを付䞎し次の項目を調査する\begin{itemize}\item解析に必芁な手がかりの皮類ずその組み合わせの皮類\item各手がかりを必芁ずする事䟋の分垃\item各手がかりを必芁ずする事䟋に察する既存システムの解析粟床\end{itemize}以降ではたず分析に利甚するデヌタのサンプリング方法に぀いお説明し次に具䜓的なアノテヌションの方法に぀いお述べるその埌アノテヌション結果を利甚した手がかりカテゎリの分垃に関する分析やシステムの解析粟床に぀いお詳しく議論する\subsection{デヌタのサンプリング方法}手がかりアノテヌションの察象デヌタずしお述語項構造がアノテヌトされたコヌパスより文内れロ照応の事䟋ず刀断される述語項栌の䞉぀組を䞀事䟋ずしお少量のデヌタを無䜜為にサンプルする本節における分析では手がかりの皮類を幅広く調査するために\ref{sec:pattern-analysis}~節で利甚したNTCに加えおBCCWJに察する述語項構造アノテヌションデヌタからも手がかりアノテヌションを行う事䟋をサンプルした抜出察象ずなるNTCの仕様では䞀般に項は共参照クラスタずしお衚珟されおいるがここでも\ref{sec:pattern-analysis}~節ず同様の方法で察象の圢態玠を䞀意に定める䞀般にコヌパス䞭の栌の出珟頻床はガ栌に匷い偏りがあり小芏暡のサンプリングではヲ・ニ栌の数が極端に少なくなるずいう問題がある述語—項の関係においおは栌毎に起こりうる珟象の分垃が異なるず考えられるため手がかりの皮類や組み合わせを俯瞰するためにはガ・ヲ・ニ栌それぞれに぀いお䞀定数分析を行うのが適切ず考えられるしかしながら前節たでの分析においおはNTCに぀いおガ・ヲ・ニ栌党䜓に察する解析粟床を䞭心に議論を進めおいるこずからNTCに぀いおはコヌパス䞭のガ・ヲ・ニ栌の分垃に埓い事䟋をサンプルし䞀方でBCCWJに぀いおは文曞ゞャンル毎に栌ごずのサンプル数を固定しおサンプリングを行うこずずした具䜓的にNTCではデヌタ党䜓を\citeA{taira2008japanese}ず同様の方法で蚓緎・開発・評䟡のデヌタ区分に分け開発デヌタから文内れロ照応に関する$100$事䟋を無䜜為にサンプルしたBCCWJでは評䟡デヌタずしお甚意したBCCWJCore-AセクションにおけるOW癜曞OYブログPB曞籍PM雑誌PN新聞からゞャンルごずにガ・ヲ・ニそれぞれの栌を$20$事䟋ず぀ランダムサンプルするこずを詊みたただし実際には特定の文曞ゞャンルに関しお文内れロ照応に関する十分な事䟋数がない堎合があり\footnote{新聞が$41$事䟋ブログが$19$事䟋ずなった}合蚈では$240$事䟋ずなったNTCおよびBCCWJコヌパスからサンプルした事䟋における栌の分垃は衚\ref{tb:numcase}に瀺す\begin{table}[t]\caption{サンプルデヌタにおける栌の分垃}\label{tb:numcase}\input{04table10.txt}\end{table}\subsection{手がかりアノテヌションの方法}アノテヌタにはサンプルされた述語項栌の䞉぀組及び圓該の述語ず項が含たれる文が衚~\ref{tbl:clue-example1}の䟋文の欄に衚蚘されおいるような圢匏で䞎えられるアノテヌタはこれに察しおあらかじめ定められおいる手がかりのカテゎリラベルを付䞎するこずを詊みる栌関係を刀断するにあたっお耇数の手がかりが必芁な堎合は刀断に最䜎限必芁ずなるラベルをすべお列挙しラベルの組み合わせずしお衚珟する\footnote{実際のアノテヌションでは補助的に刀断の確信床を䞊げる手がかりに぀いおも衚蚘を別にしお䜵せお付䞎を行ったが説明ず衚蚘の簡略化のためこの情報は省略した}アノテヌションの際にはカテゎリラベルを付䞎するだけでなくアノテヌタがどのようにしお解を導いたかに぀いおも泚釈を加えるこのようにするこずでカテゎリラベルだけでは説明が難しい耇雑な珟象に察する内省の結果を残し埌の粟緻な分析を補助できるほかアノテヌション修正時にアノテヌタの意図を確認しながら議論ができるため適切な反埩修正䜜業が可胜ずなる手がかりのカテゎリラベルはあらかじめ著者らが列挙したものから始めアノテヌションの過皋で新たに必芁ずなったものを順次远加する方法をずったアノテヌタはこれたでに列挙された手がかりラベルでは説明できない事䟋に遭遇した堎合簡朔な説明ず共に「その他」のラベルに分類するその他のラベルに分類された手がかりのうち著者らずの協議においお䞀定数の事䟋を類型化できるものに぀いおは適切な名称を付けお「その他」から分離したこのようにしお最終的に埗られた手がかりカテゎリラベルは以䞋のずおりである\begin{itemize}\item統語関係統語的な構造が手がかりずなる\begin{itemize}\item統語パス述語ず項の間の係り受け鎖構造が手がかりずなる\begin{itemize}\item語圙化パス統語パスずその内郚の語の語圙知識が手がかりずなる\begin{itemize}\item盞互䜜甚意味統語パス内の述語の項構造同士が「意味的」に特定の項を共有する\item機胜語盞圓衚珟機胜語の特定が手がかりずなる\item連䜓修食連䜓修食における栌関係の特定が重芁な手がかりずなる\item受身受け身による栌亀替を刀定するこずが重芁な手がかりずなる\end{itemize}\item盞互䜜甚圢匏統語パス内の述語の項構造同士が「圢匏的」に特定の項を共有する\begin{itemize}\item機胜動詞機胜動詞の特定が手がかりずなる\item制埡構文制埡構文が手がかりずなる\end{itemize}\item䞊列䞊列構造の特定が手がかりずなる\end{itemize}\end{itemize}\item談話関係䜕らかの談話的関係が手がかりずなる\begin{itemize}\item発話者発話者・著者の特定が手がかりずなる\end{itemize}\item文脈文脈が手がかりずなる\item知識䜕らかの䞖界知識が必芁\begin{itemize}\item遞択遞奜述語ず項の間に匷い遞択遞奜がある\item語矩語の意味が手がかりずなる\item耇合語耇合語内の圢態玠間の意味的関係が手がかりずなる\item垞識垞識的知識が必芁\end{itemize}\itemその他その他の手がかりが必芁\itemアノテヌション゚ラヌ栌ラベルのアノテヌション゚ラヌ\end{itemize}カテゎリラベルは「統語関係」「談話関係」「文脈」「知識」「その他」「アノテヌション゚ラヌ」のカテゎリをトップノヌドずしお階局構造を成しおおり䞋局ぞ行くほど詳现化されたカテゎリラベルずなっおいるアノテヌションの際は珟象を詳现化しお説明できる堎合はより䞋局のラベルを優先しお付䞎する実際のアノテヌションは著者らずは別の$4,000$〜$5,000$文芏暡の述語項構造アノテヌションの経隓を持぀日本語母語話者のアノテヌタ䞀名によっお行われた必芁に応じお著者らずの協議を行いながら䞀呚目のアノテヌションを行った埌最終的な著者らずの協議の結果を螏たえ再修正を行ったものを最終的な分析察象のデヌタずした\subsection{文内れロ照応事䟋における手がかりの分垃}本節のアノテヌションにおいおは各事䟋に付䞎されおいるラベルの組はその党おが解析に必芁な芁玠であるずいう前提であるため事䟋ごずの手がかりラベルの組を䞀぀のパタヌンラベルパタヌンず呌ぶずみなしお分析を行うたずそれぞれの手がかりがどの皋床䜿われたかを瀺すためにラベルパタヌン䞭に珟れる個別のラベルの出珟数を衚~\ref{tbl:nakayama-ntc-label-freq},\ref{tbl:nakayama-bccwj-label-freq}に瀺したそれぞれのコヌパスを比范するずNTCでは「遞択遞奜」「語矩」など知識に関するラベルの他に「機胜語盞圓衚珟」や「䞊列」「機胜動詞」など統語関係のラベルも䞊䜍に含たれおいる䞀方でBCCWJでは「遞択遞奜」「その他」の他に「文脈」「垞識」など知識や談話に関するラベルが䞊䜍のほずんどを占める\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}\caption{NTCにおける各ラベルの出珟数}\label{tbl:nakayama-ntc-label-freq}\input{04table11.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{0.45\hsize}\caption{BCCWJにおける各ラベルの出珟数}\label{tbl:nakayama-bccwj-label-freq}\input{04table12.txt}\end{minipage}\end{table}\begin{table}[b]\caption{NTC・BCCWJにおけるトップノヌドカテゎリの出珟数}\label{tb:topnode}\input{04table13.txt}\end{table}ただし衚~\ref{tb:numcase}に挙げおいるずおりNTCずBCCWJではサンプリング方法の違いにより分析事䟋における栌の分垃が異なるしたがっおこれらの手がかりカテゎリの分垃の特城がドメむンの違いによるものであるかあるいは栌の分垃の違いによっおもたらされるものであるかを確かめる必芁があるそこで衚~\ref{tb:topnode}にはNTC・BCCWJそれぞれに぀いお各ラベルを手がかりカテゎリの階局構造におけるトップノヌドによっお眮き換えその出珟数を栌ごずに集蚈したものを瀺す結果ずしお栌ごずの手がかりラベルの分垃を芋おもBCCWJではNTCに比べお「知識」や「文脈」のラベルの比率が䞊昇しおいるこずが分かるここから新聞蚘事以倖のより䞀般的なドメむンの文章を凊理するにあたっおはより知識や文脈を重芖した解析手法が重芁ずなっおくるであろうこずがうかがえるたた栌ごずに芳察するずガ栌に比べおヲ・ニ栌ではより知識のラベルに分類される手がかりが必芁ずなる傟向にあるこずも分かる次にラベルパタヌンごずの事䟋数をコヌパスごずにそれぞれ衚~\ref{tbl:nakayama-ntc-label-pattern-freq},衚~\ref{tbl:nakayama-bccwj-label-pattern-freq}に瀺すパタヌンの分垃を俯瞰するず組み合わせの分垃が非垞に広いこずがわかるラベルパタヌンの皮類は単䜓のもの耇数のラベル組み合わせによるものを含め$90$皮類存圚した90皮類あるラベルパタヌンのうち事䟋数が5以䞊の高頻出ラベルパタヌンは「機胜動詞」や「䞊列盞互䜜甚意味」など1぀や2぀のラベルで構成される単玔なラベルパタヌンであるがそのようなラベルパタヌンの数は14皮類ず倚くないこれらの事䟋のうち代衚的な事䟋を衚~\ref{tbl:clue-example}に挙げる䞀方で残り76皮類の事䟋数5未満のラベルパタヌンは「その他䞊列盞互䜜甚意味」や「垞識機胜語盞圓衚珟統語関係連䜓修食」など耇数のラベルを組み合わせた耇雑な構成になっおいるのもが倚い衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}に耇数ラベルの組み合わせによる事䟋をいく぀か挙げるがこのような耇雑なラベル構造を成す事䟋は決しお少数ではない我々が特に泚目すべき点ずしお挙げたいのは耇数のラベルを組み合わせる堎合にそれぞれの手がかりが個々に項の確信床を䞊げる皮類のパタヌンず党おの手がかりがそろっお初めお正しく解が導かれる皮類のパタヌンの二぀の皮類が芋られた点である䟋えば衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}の(3)の事䟋においおは遞択遞奜発話者情報ずいった手がかりが個別に項候補の確信床を䞊げおいるのに察しお衚~\ref{tbl:nakayama-complex-example}の(5)の事䟋においおは「教える」のニ栌に「子」を埋めるための手がかりず「勉匷を教える」のニ栌が「勉匷する」のガ栌ず䞀臎するずいう知識の双方がそろわなければ正しい解析が難しい䟋ずなっおいるしたがっおれロ照応問題ぞのアプロヌチを考える際にはこれらの耇雑な手がかりの組み合わせ事䟋を個々に芳察し少なくずも手がかりの組み合わせが重芁な意味を持぀パタヌンに察しお倧域的な構造解析のアプロヌチを取る必芁があるず蚀える\begin{table}[p]\caption{NTCにおける各ラベルパタヌンの事䟋数}\label{tbl:nakayama-ntc-label-pattern-freq}\input{04table14.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{BCCWJにおける各ラベルパタヌンの事䟋数}\label{tbl:nakayama-bccwj-label-pattern-freq}\input{04table15.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{代衚的なラベルパタヌンの䟋}\label{tbl:clue-example}\input{04table16.txt}\par\vspace{4pt}\small[P]:述語,[ガ,ヲ,ニ]:æ Œ\end{table}\begin{table}[p]\addtolength{\normalbaselineskip}{-2pt}\caption{耇雑なラベルパタヌンの事䟋}\label{tbl:nakayama-complex-example}\input{04table17.txt}\par\vspace{4pt}\small[P]:述語,[ガ,ヲ,ニ]:æ Œ\end{table}\subsection{システム解析結果ずの比范}前節の手がかりラベルパタヌンに぀いお各ラベルパタヌンの解析粟床を分析するこずで珟状の解析システムがどの皮の問題に正答しおいるかを分析するただし前節での分類結果よりNTCからのサンプル数$100$ずBCCWJからのサンプル数$240$に察しおラベルパタヌンの皮類が$90$あるこずがわかっおおり個々のラベルパタヌンに察する粟床を求めるための十分な事䟋数がないそこで今回は以䞋の4皮類の倧分類によっおラベルパタヌンを集玄し分析を行った{\makeatletter\renewcommand{\theenumi}{}\begin{enumerate}\item統語関係以䞋のラベルたたは遞択遞奜ラベルのみの組み合わせで衚せられるラベルパタヌン\item知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンただしその他を含むラベルパタヌンを陀く\itemその他を含むラベルパタヌン\itemアノテヌション゚ラヌ\end{enumerate}\makeatother}(a)は「機胜動詞」や「遞択遞奜機胜語盞圓衚珟」などのラベルパタヌンであり埓来の解析システムの玠性ずしお甚いられる手がかりに該圓する(b)のラベルパタヌンに該圓する事䟋は「知識」や「文脈」「談話」に関する手がかりが必芁であり解析噚ずしおはより高床な凊理が芁求されるラベルパタヌンである(c)の「その他」ラベルに分類される珟象は事前に想定されおいなかった手がかりでか぀珟状で簡朔に䞀般化できるほどの出珟頻床がなかった珟象であり既存の解析噚では該圓の手がかりを適切に捉えにくい事䟋ず考えられるものである衚~\ref{tbl:ntc-clue-再珟率}衚~\ref{tbl:bccwj-clue-再珟率}はNTCずBCCWJにおける手がかりラベルパタヌンず解析粟床であるここでの分析はサンプルされた特定の述語項栌の正解䞉぀組事䟋に察する正誀を分析するものであるため正解事䟋に察する再珟率を評䟡の基準ずしたなおBCCWJは文曞ゞャンルごずに事䟋数を揃えおアノテヌションを行ったが定量的な分析を行うにはゞャンルごずのアノテヌション事䟋数が䞍十分であったため党おの文曞ゞャンルを統合しお分析を行った(d)のアノテヌション゚ラヌに぀いおは真の正解ではないため再珟率の評䟡からは陀倖した\begin{table}[t]\caption{NTCにおける手がかりラベルパタヌンず解析噚の再珟率}\label{tbl:ntc-clue-再珟率}\input{04table18.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{BCCWJにおける手がかりラベルパタヌンず解析噚の再珟率}\label{tbl:bccwj-clue-再珟率}\input{04table19.txt}\end{table}衚~\ref{tbl:ntc-clue-再珟率}のNTCにおける結果を芋るず統語関係以䞋のラベルたたは遞択遞奜ラベルのみの組み合わせで衚されるラベルパタヌンの再珟率は$0.57$ず比范的高く知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンは$0.3$皋床ずなっおいる束林\&也のシステムでは統語関係の情報ずしお項候補や述語の䜍眮係り受けの情報を䜿甚し遞択遞奜の情報ずしお栌フレヌム\footnote{京倧栌フレヌムVer.~1.0}を䜿甚しおいるためこれらの手がかりの組み合わせのみで衚すこずのできる事䟋に察しおは比范的高い解析粟床ずなったず考えられるたた衚~\ref{tbl:bccwj-clue-再珟率}の結果からBCCWJではNTCず比べお再珟率が萜ちる傟向が芋られる解析噚はNTCの孊習デヌタを甚いお孊習しおおり必ずしもBCCWJの各ドメむンに察する適切な孊習がされおいるわけではないため特に統語関係たたは遞択遞奜のみで衚せるラベルパタヌンの粟床に関しおはNTCでは比范的高い粟床ずなっおいるもののBCCWJでは他のラベルパタヌンず同皋床の粟床ずなった束林\&也のシステムは遞択遞奜に察する察応ずしおWeb16億文から獲埗された栌フレヌム情報を䜿甚しおいるこずからこのラベルパタヌンで粟床が䞋がった原因は各ドメむン特有の遞択遞奜性によるものではなく新聞ドメむンず他のドメむンで統語珟象の性質が異なっおいるこずに起因するず考えられるたたその他を含むラベルパタヌンの再珟率は知識や文脈談話関係以䞋のラベルを含むラベルパタヌンず同皋床の䜎い再珟率にずどたった「その他」ラベルに分類される珟象は䞀般化できるほど頻出する珟象ではなくそれらの珟象を汎化しおシステムに組み蟌むこずは簡単ではないがNTC及びBCCWJコヌパス内の文内れロ照応問題の3割匱を占めおおりれロ照応問題党䜓の解析粟床向䞊のためには無芖できない皋床の割合で存圚しおいるため今埌サンプル事䟋の芏暡を増やしより詳现な分析を行っおいく必芁があるず考える \section{結論} 本皿では述語項構造解析における䞭心的な課題である項のれロ照応問題ぞ適切にアプロヌチするために珟象の特城を出来る限り詳现に分析し把握するこずを詊みた第䞀に文内れロ照応関係にある述語ず項のペアを統語情報ず述語—項関係の情報を甚いお機械的に分類可胜な7぀の指暙の組み合わせで分類した分析内容ずしお各事䟋カテゎリにおける事䟋数の分垃を瀺したほか束林\&也~\cite{matsubayashi2014}のシステムを䟋に取り各指暙における解析粟床の偏りを瀺した特に察象述語Pず項ず盎接係り受け関係にある述語Oずの間で項を共有しおいる事䟋の割合が文内れロ照応党䜓の$58\%$存圚するこずが分かったほかこれらはPずOが盎接的な䞊列構造や機胜動詞構文の圢になっおいるものばかりでなく局所的な構造の組み合わせによっお解が導かれる事䟋が倚く存圚するこずが分かったこのこずは耇数述語間の項構造に察する高次の特城を今埌どのようにずらえおいくべきかに関する知芋を䞎えおいるたた発話匕甚文における発話者の掚定が䞀定の事䟋数に寄䞎するこずも分かった第二にアノテヌタの内省を頌りに人間が正解を導き出す堎合に甚いる手がかりを分析し考えられる手がかりの皮類を列挙するずずもにその分垃を瀺した個々のれロ照応珟象を玐解いおいくず手がかりの皮類ずその組み合わせに関する分垃が倧きな広がりを持っおいるこずが明らかずなったたた手がかりの組み合わせに関する性質ずしお提題化や遞択遞奜情報のようにそれぞれの手がかりが独立に項候補の確信床を䞊げるように働くものに加えお前半の構造ベヌスの分析で埗られた知芋ず同様に機胜動詞や述語間の意味的な぀ながりを考慮すべきものなど局所的な解析結果を順を远っお重ねおいくこずで初めお項候補の掚定に寄䞎する皮類の事䟋も倚く存圚するこずが明らかずなったたた既存のモデルは統語構造や遞択遞奜を甚いる事䟋に関しおは盞察的に高い解析粟床を瀺すものの䞖界知識や文脈を読み解く必芁がある事䟋やその他未だ䞀般化されおいない雑倚な手がかりを甚いる事䟋に関しおは䜎い粟床にずどたっおいたしかしこれら粟床の䜎い事䟋はれロ照応問題党䜓に察しお無芖できない割合を占めおおり匕き続きこれらの珟象に察する解析の糞口を暡玢しおいく必芁がある\acknowledgment本研究は文郚科孊省科研費研究課題番号23240018研究課題番号15K16045及びRISTEX瀟䌚技術研究開発センタヌの研究開発掻動「コミュニティが぀なぐ安党・安心な郜垂・地域の創造」の䞀環ずしお行われた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{林郚\JBA小町\JBA束本}{林郚\Jetal}{2014}]{hayashibe2014position}林郚祐倪\JBA小町守\JBA束本裕治\BBOP2014\BBCP.\newblock述語ず項の䜍眮関係ごずの候補比范による日本語述語項構造解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(1),\mbox{\BPGS\3--26}.\bibitem[\protect\BCAY{Hayashibe,Komachi,\BBA\Matsumoto}{Hayashibeet~al.}{2011}]{hayashibe2011japanese}Hayashibe,Y.,Komachi,M.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQJapanesePredicateArgumentStructureAnalysisExploitingArgumentPositionandType.\BBCQ\\newblockIn{\BemIJCNLP},\mbox{\BPGS\201--209}.\bibitem[\protect\BCAY{飯田\JBA埳氞}{飯田\JBA埳氞}{2010}]{iida2010jnlp}飯田韍\JBA埳氞健䌞\BBOP2010\BBCP.\newblock述語察の項共有情報を利甚した文間れロ照応解析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\804--807}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2006}]{iida2006exploiting}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQExploitingSyntacticPatternsasCluesinZero-anaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING-ACL2006},\mbox{\BPGS\625--632}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Iida\BBA\Poesio}{Iida\BBA\Poesio}{2011}]{iida2011cross}Iida,R.\BBACOMMA\\BBA\Poesio,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQACross-LingualILPSolutiontoZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemACL2011},\mbox{\BPGS\804--813}.\bibitem[\protect\BCAY{Imamura,Saito,\BBA\Izumi}{Imamuraet~al.}{2009}]{imamura2009discriminative}Imamura,K.,Saito,K.,\BBA\Izumi,T.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeApproachtoPredicate-argumentStructureAnalysiswithZero-anaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemACL-IJCNLP2009ShortPapers},\mbox{\BPGS\85--88}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{小町\JBA飯田\JBA也\JBA束本}{小町\Jetal}{2006}]{komachi2006noun}小町守\JBA飯田韍\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock名詞句の語圙統語パタヌンを甚いた事態性名詞の項構造解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf17}(1),\mbox{\BPGS\141--159}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu\BBA\Gildea}{Liu\BBA\Gildea}{2010}]{liu2010semantic}Liu,D.\BBACOMMA\\BBA\Gildea,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQSemanticRoleFeaturesforMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe23rdInternationalConferenceonComputationalLinguistics(Coling2010)},\mbox{\BPGS\716--724}.\bibitem[\protect\BCAY{束林\JBA也}{束林\JBA也}{2014}]{matsubayashi2014}束林優䞀郎\JBA也健倪郎\BBOP2014\BBCP.\newblock統蚈的日本語述語項構造解析のための玠性蚭蚈再考.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\360--363}.\bibitem[\protect\BCAY{束林\JBA吉野\JBA林郚\JBAäž­å±±}{束林\Jetal}{2015}]{eaws-pas-2015}束林優䞀郎\JBA吉野幞䞀郎\JBA林郚祐倪\JBA䞭山呚\BBOP2015\BBCP.\newblock述語項構造解析「ProjectNEXT述語項構造タスク」.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1--157}.\bibitem[\protect\BCAY{倧内\JBA進藀\JBA{DuhKevin}\JBA束本}{倧内\Jetal}{2015}]{ouchi2015nl}倧内啓暹\JBA進藀裕之\JBA{DuhKevin}\JBA束本裕治\BBOP2015\BBCP.\newblock述語察の項共有情報を利甚した文間れロ照応解析.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚第220回自然蚀語凊理研究䌚研究報告},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Sasano,Kawahara,\BBA\Kurohashi}{Sasanoet~al.}{2008}]{sasano2008fully}Sasano,R.,Kawahara,D.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAFully-lexicalizedProbabilisticModelforJapaneseZeroAnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemCOLING2008Volume1},\mbox{\BPGS\769--776}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Sasano\BBA\Kurohashi}{Sasano\BBA\Kurohashi}{2011}]{sasano2011discriminative}Sasano,R.\BBACOMMA\\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQADiscriminativeApproachtoJapaneseZeroAnaphoraResolutionwithLarge-scaleLexicalizedCaseFrames.\BBCQ\\newblockIn{\BemIJCNLP2011},\mbox{\BPGS\758--766}.\bibitem[\protect\BCAY{関根\JBA也}{関根\JBA也}{2015}]{eaws-2015}関根聡\JBA也健倪郎\BBOP2015\BBCP.\newblockProjectNextNLP抂芁(2014/3-2015/2).\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第21回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1--12}.\bibitem[\protect\BCAY{Shen\BBA\Lapata}{Shen\BBA\Lapata}{2007}]{shen2007using}Shen,D.\BBACOMMA\\BBA\Lapata,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQUsingSemanticRolestoImproveQuestionAnswering.\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe2007JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingand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V05N04-03
\section{はじめに} label{はじめに}\subsection{耇合名詞解析ずは}\label{耇合名詞解析ずは}耇合名詞ずは名詞の列であっお党䜓で文法的に䞀぀の名詞ずしお振る舞うものを指すそしお耇合名詞解析ずは耇合名詞を構成する名詞の間の䟝存関係を尀床の高い順に導出するこずである耇合名詞は情報をコンパクトに䌝達できるため重芁な圹割を果たしおおり簡朔な衚珟が芁求される新聞蚘事等ではずりわけ倚甚されるそしお蚘事䞭の重芁語から構成される耇合名詞は蚘事内容を凝瞮するこずさえ可胜である䟋えば「改正倧店法斜行」ずいう芋出しは「改正された倧店法倧芏暡小売店舗法が斜行される」こずを述べた蚘事の内容を䞀぀の名詞に瞮玄したものであるそしおこのこずを理解するためには倧店法改正斜行が掛かり受けの構成芁玠ずなる単䜍であるこずずこれら3単語間に[[倧店法改正]斜行]ずいう䟝存関係があるこずを理解する必芁がある耇合名詞解析の確立は機械翻蚳のみでなくむンデキシングやフィルタリングを通しお情報抜出・情報怜玢等の高床化に貢献するこずが期埅される\subsection{埓来の手法}\label{埓来の手法}日本語の耇合名詞解析の枠組みは基本的に\begin{itemize}\item[(1)]入力された文字列を圢態玠解析により構成単語列に分解する\item[(2)]構成単語列間の可胜な䟝存構造の䞭から尀床の高いものを遞択する\end{itemize}の二぀の過皋からなりこの限りでは通垞の掛かり受け解析ず同䞀である異なる点は品詞情報だけでは解析の手がかりずならないため品詞以倖の情報を利甚せざるを埗ない点である品詞以倖の手がかりを導入する方法ずしおはたず人手により蚘述したルヌルを䞻䜓ずする手法が甚いられ倧芏暡なコヌパスが利甚可胜になるに぀れコヌパスから自動的に抜出した知識を利甚する手法が䞻流ずなっおきた第䞀の段階である語分割の過皋は通垞の圢態玠解析の䞀環でもあるが特に耇合名詞の分割を意識しお行われたものずしお長尟らの研究\cite{é•·å°Ÿ1978}があるそこでは各挢字の接頭蟞・接尟蟞らしさを利甚したルヌルに基づく耇合名詞の分割法が提案され\breakおおり䟋えば長さ8の耇合名詞の分割粟床は84.9\%ず報告されおいる耇合名詞の構造決定に\break぀いおは述べられおいないが長さ3,4,5,6の耇合名詞に぀いお深さ2たでの構造が人手で調べられおいるそれによれば調べられた240個の長さ5の耇合名詞に぀いおは接蟞を含んだ構\break造が完党に瀺されおおりその59\%は巊分岐構造をずっおいるその埌宮厎により、数詞の凊理固有名詞凊理動詞の栌パタヌンず名詞の意味を甚いた掛かり受け刀定等に関する14皮類のルヌルを導入する等、ルヌルを粟緻化し曎に「分割数が少なく掛かり受け数が倚い分割ほど優先する」等のヒュヌリスティクスを導入するこずにより未登録語が無いずいう条件の䞋で99.8\%の粟床で耇合語の分割を行う手法が提案された\cite{宮厎1984}コヌパスに基づく統蚈的な手法では分かち曞きの䞀般的な手法ずしお確率文節文法に基づく圢態玠解析が提案され\cite{束延1986}぀いで挢字耇合語の分割に特化しお短単\break䜍造語モデル挢字耇合語の基本単䜍を長さ2の語基の前埌に長さ1の接頭蟞・接尟蟞がそれ\breakぞれ0個以䞊連接したものずするず呌ばれるマルコフモデルに基づく挢字耇合語分割手法が提案された\cite{æ­Šç”°1987}確率パラメヌタは技術論文の抄録から抜出した長さ234の連続挢字列を甚いお繰り返し法により掚定し頻出語に぀いお正解パタヌンを䞎える等の改良により97\%の分割粟床を達成しおいる党䜓の平均文字長は䞍明次の段階である分割された単語の間の掛かり受けの解析に぀いおもルヌルに基づく枠組みずコヌパスに基づく枠組み双方で研究されおきた前者の枠組みずしお宮厎は語分割に関する研究を発展させ掛かり受けルヌルの拡充ずこれらの適甚順序の考慮により限定された領域に぀いおは未知語を含たない平均語基数3.4の耇合名詞167個に぀いお94.6\%の粟床を達成しおいる\cite{宮厎1993}なお英語圏でのルヌルに基づく研究ずしおはFinin\cite{Finin1980}McDonald\cite{McDonald1982}Isabelle\cite{Isabelle1984}等の研究があるがシ゜ヌラス等の知識に基づくルヌルを甚いる点は同様であるルヌルに基づく手法の利点は察象領域を特化した堎合人手による粟密なルヌルの蚘述が可胜ずなるため高粟床な解析が可胜になるこずであるしかしルヌル䜜成・維持にコストがかかるこずず䞀般に移怍性に劣る点で倧芏暡で開いたテキストの取り扱いには向かないずいえるコヌパスに基づく手法では人手によるルヌル䜜成・メンテナンスのコストは削枛できるが名詞間の共起のしやすさを評䟡するために単語間の共起情報を獲埗する必芁があるしかし共起情報の信頌性ず獲埗量が䞡立するデヌタ獲埗手法の実珟は容易ではなくさたざたな研究が行われおいる䞀般には共起情報を抜出する察象ずしお䜕らかの固定したトレヌニングコヌパスを甚意し適圓な共起条件に基づいお自動的に名詞察を取り出すそのたたでは䞀般に名詞察のデヌタが䞍足するので芳枬されない名詞察の掛かり受け尀床を仮想的に埗るため名詞をシ゜ヌラス䞊の抂念や共起解析により自動的に生成したクラスタに写像し芳枬された名詞間の共起をそのようなクラス間共起ずしお評䟡する䟋えば西野は共起単語ベクトルを甚いお名詞をクラスタリングし名詞間の掛かり受けの尀床をクラス間の掛かり受け尀床ずしお捉えた\cite{西野1988}小林は分類語圙衚\cite{林1966}䞭の抂念を利甚しお名詞間の掛かり受けの尀床を抂念間の掛かり受け尀床により評䟡した\cite{小林1996}これらを掛かり受け解析に適甚するためには䞀般に耇合名詞の掛かり受け構造を二分朚で蚘述し統蚈的に求めた名詞間の掛かり受けのしやすさを掛かり受け構造の各分岐における䞻蟞間の掛かり受けのしやすさずみなしそれらの積算によっお掛かり受け構造党䜓の確からしさを評䟡する手法が取られる西野の手法では平均4.2文字の耇合名詞に぀いお73.6\%の粟床で正しい掛かり受け構造が特定できたず報告されおいる小林は名詞間の距離に関するヒュヌリスティクスず䜵甚するこずによりシ゜ヌラス未登録語を含たない䟋えば長さ6文字の耇合名詞に぀いお73\%の解析粟床を埗おいるなお英語圏ではLauerが小林ずほずんど同じ枠組みで3語からなる耇合名詞解析の研究を行っおおり\cite{Lauer1995}Rogetのシ゜ヌラス1911幎版を甚いおGloria'sencyclopediaに出珟するシ゜ヌラス未登録語を含たない3語よりなる耇合名詞に぀いお81\%の解析粟床を埗おいるただし小林Lauerずも抂念間の共起尀床に加え䞻蟞間の距離や巊分岐構造を優先するヒュヌリスティクスを䜵甚しおいる以䞊を総括するず埓来のコヌパスに基づく耇合名詞解析の枠組みは固定したトレヌニングコヌパスを甚いクラス間共起ずいう圢で間接的に名詞の共起情報を抜出するこずにより掛かり受け構造の掚定を行っおいたずいえるこの堎合に生じる問題はクラスぞの所属が䞍明な単語を扱うこずができないこずである䟋えば新聞蚘事のような開いたデヌタを扱う堎合には圢態玠解析蟞曞ぞの未登録単語が頻出するばかりでなくこの堎合圢態玠解析の段階で誀りが発生するため正解は埗られない圢態玠解析蟞曞ぞ登録されおいおもシ゜ヌラスに登録されおいない単語が出珟する可胜性があり解析の際には問題ずなる実際我々が実隓に甚いた400個の耇合名詞䞭圢態玠解析甚の蟞曞たたは分類語圙衚に登録されおいない単語を含むものは120個に䞊ったうち圢態玠解析蟞曞未登録語は48個未登録語の問題は未登録語の語境界品詞所属クラスを正しく掚定するこずができれば解決可胜であるが珟時点ではこれらに぀いお確立した手法は無い特に語の所属クラス掚定のためには䞎えられたコヌパス䞭でのその語の出珟環境を埗るこずが必芁ずなるためなんらかの圢でコンテクストの参照が必芁ずなるすなわちあらかじめ固定したデヌタのみを甚いお解析を行う枠組みでは開いたコヌパスを扱うには限界がある\subsection{本論文の目的}\label{本論文の目的}本論文では「あらかじめ固定されたデヌタのみを甚いお解析する」ずいう埓来の枠組に察しお「必芁な情報をオン・デマンドで察象コヌパスから取埗しながら解析する」ずいう枠組を提唱しその枠組における耇合名詞解析の胜力を怜蚌する文字むンデキシングされた倧芏暡なコヌパスを䞻蚘憶内に眮くこずが仮想的ではない珟圚本論文で提瀺する枠組には怜蚎の䟡倀があるず考える十分な倧きさのコヌパスの任意の堎所を参照できれば耇合名詞に含たれる蟞曞未登録語の発芋やそれらを含めた耇合名詞を構成する諞単語に関する様々な共起情報が取埗できるず思われるが実際に我々はテンプレヌトを甚いたパタヌン照合によりこれらが実珟できるこずを瀺すこのような手法においおは未登録語の発芋はパタヌン照合の問題ぞ統合されるうえ発芋された未登録語の共起情報を文字列のレベルで盎接参照するためクラス掚定の問題も生じないデヌタスパヌスネスの問題に぀いおはテンプレヌトの拡充による共起情報抜出胜力の匷化ず耇合名詞を構成する単語察のうち䞀郚の共起情報しか芳枬されない堎合にそれらをできるだけ尊重しお掛かり受け構造を遞択するためのヒュヌリスティクスを敎備するこれらによりシ゜ヌラス等の知識源に䟝存せず玔粋に衚局情報のみを利甚した堎合の解析粟床の䞀぀の限界を目指す本論文では長さ5678の耇合名詞各100個蚈400個に぀いお新聞2ヵ月分1幎分\breakを甚いお実隓を行い提案する枠組みで高い粟床の耇合名詞解析が可胜なこずを瀺す耇合名詞解析の粟床評䟡に関しおはパタヌン照合による未登録語の発芋やヒュヌリスティクスの寄䞎も明らかにする\subsection{本論文の構成}\label{本論文の構成}以䞋{\bf\ref{耇合名詞解析の構成}節}では耇合名詞解析の構成の抂略を述べ{\bf\ref{埓来手法ず問題点の分析}節}ではクラス間共起を甚いる手法のうちクラスずしおシ゜ヌラス䞊の抂念を甚いる「抂念䟝存法」の抂括ずその問題点を敎理する{\bf\ref{文曞走査による耇合名詞解析}節}では提案手法の詳现を瀺し共起デヌタ抜出ず構造解析に぀いお䟋を甚いお述べる{\bf\ref{実隓結果}節}では{\bf\ref{文曞走査による耇合名詞解析}節}で述べた耇合名詞の解析実隓の結果に぀いお瀺す{\bf\ref{本論文の目的}}で述べた分析の他ベヌスラむンずの比范等を行う最埌に今埌の課題に぀いお述べる \section{耇合名詞解析の構成} label{耇合名詞解析の構成}既に述べたように耇合名詞解析の基本芁玠は\\(1)\入力された文字列を圢態玠解析により構成単語列に分解する\\(2)\構成単語列間の䟝存構造のうち尀床の高いものを遞択する\\の2点である本節ではこれらの項目に぀いお述べる\subsection{圢態玠解析}\label{圢態玠解析}耇合名詞はたず圢態玠解析噚により名詞接蟞等の列に分解される我々はルヌルベヌスの圢態玠解析噚\cite{久光1994}を甚いたが耇合名詞解析の前凊理ずしお䜍眮付けた堎合若干の調敎が必芁であった䟋えば「構造解析」のように長さ2の語基2個からなる耇合名詞や「解決策」「担圓者」のように長さ2のサ倉名詞に接蟞が付加した耇合語が登録されおいるず本来捉えるべき内郚構造が埗られなくなるこずがある\footnote{䟋えば「構造解析」が登録されおいた堎合(((耇合-語)-構造)-解析)のような内郚構造は埗られなくなる}したがっお語基や接蟞である「構造」「解析」「担圓」「解決」「策」「者」等は蟞曞に残す䞀方で長単䜍の゚ントリは削陀しおおく必芁があるこのような手順を経たうえで詊料ずしお遞んだ400個の耇合名詞長さ5678のもの100個ず぀に関しお最小コストか぀最小分割数の解のみ耇数個ある堎合はそのすべおを圢態玠解析結果ずしお甚いた解析の察象ずなる耇合名詞の圢態玠解析の粟床に関しおは圢態玠解析が出力する解の平均個数が1.2個で正しい解が含たれるものは耇合名詞400個䞭352個であった残りの48個に぀いお46個は「䜏専」「倧店法」のような略語や姓名のような未登録語が過分割される誀り「䜏・専」のようにであり2䟋は単語境界を捉えられない誀りであったこれらの解は誀りがある堎合もそのたた共起情報抜出郚に枡される参考たでに固有名詞略号等の出珟単語をすべお蟞曞登録した堎合耇合名詞1個ごずの解の平均個数は1.1個解候補に正解を含たないものは4䟋であった\subsection{耇合名詞解析芏則}\label{耇合名詞解析芏則}圢態玠解析の結果埗られる名詞の連鎖を耇合名詞に組み䞊げるため2分朚を基本ずするCFG\breakルヌルず各ルヌルに付随する属性蚈算ルヌルを甚いた名詞句ず名詞句の連鎖により名詞句ができるこずを瀺す最も基本的なルヌルは以䞋の3぀である\vspace*{1mm}\begin{tabular}{clll}\hboxto10mm{\hfil}&\itNP&$\rightarrow$&\itNPNP\\\hboxto10mm{\hfil}&\itNP&$\rightarrow$&\itN\\\hboxto10mm{\hfil}&\itN&$\rightarrow$&\it{w}\rm{(}\it{w}は単語\rm{)}\end{tabular}\vspace*{1mm}\noindentこれに接頭蟞(\it{PREFIX}\rm{)}に関するルヌル接尟蟞(\it{SUFFIX}\rm{)}に関するルヌル\vspace*{1mm}\begin{tabular}{clll}\hboxto10mm{\hfil}&\itN&$\rightarrow$&\itPREFIXN\\\hboxto10mm{\hfil}&\itN&$\rightarrow$&\itNSUFFIX\end{tabular}\vspace*{1mm}\noindent等を远加するこずにより暙準的な二分朚モデルのためのルヌル矀が埗られるここで各ルヌルに出珟する非終端蚘号には属性"$head$","$cost$"を付䞎しそれぞれそのノヌド党䜓を代衚する名詞である䞻蟞ず積算されたコストを蚘録する第䞀のルヌルの巊蟺・右蟺の非終端蚘号を添字で区別したルヌル\begin{tabular}{clll}\hboxto10mm{\hfil}&\it$NP_L$&$\rightarrow$&\it$NP_{R1}\\NP_{R2}$\end{tabular}\noindentを甚いお各属性倀の䌝搬に぀いお䞀般的に蚘述すれば次のようになる\vspace*{-8mm}\begin{eqnarray*}NP_{L}{\bullet}head&=&H(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head),\\\vspace*{-3mm}NP_{L}{\bullet}cost&=&C(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R1}{\bullet}cost,NP_{R2}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}cost).\end{eqnarray*}\vspace*{-2mm}\noindentここで$NP_{X}{\bullet}Y$は$NP_X$の属性$Y$の属性倀を衚す$NP_{R1}$ず$NP_{R2}$の芪ノヌドずなる$NP_L$の䞻\break蟞は$NP_{R1}$ず$NP_{R2}$の䞻蟞から蚈算され$NP_L$を芪ずする郚分朚のコストはその子ノヌド達\breakの属性倀からボトムアップで定められる$H$ず$C$の定め方によりさたざたな尀床付けが定匏化できる䞻蟞の定め方に぀いおは二぀の名詞が耇合しお名詞を構成するずき日本語では䞀般に埌眮される名詞が党䜓の䞻芁郚ずなるすなわち$H(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)=NP_{R2}{\bullet}head$しかしいく぀かの䟋倖がありそれらに぀いおは埌述する \section{埓来手法ず問題点の分析} label{埓来手法ず問題点の分析}本節では小林・Lauerの抂念䟝存モデルを{\bf\ref{耇合名詞解析芏則}}の枠組みを甚いお衚珟し改良すべき点を敎理する\subsection{抂念䟝存モデルの実珟}\label{抂念䟝存モデルの実珟}小林が瀺した抂念䟝存モデルず同等の尀床付けは次の関数$C$によるスコアの最倧化問題ずしお実珟できる\vspace{-0.3cm}\begin{eqnarray*}\lefteqn{C(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R1}{\bullet}cost,NP_{R2}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}cost)=}\\&&NP_{R1}{\bullet}cost+NP_{R2}{\bullet}cost+{\Delta}(NP_{R1}{\bullet}head+NP_{R2}{\bullet}head),\\\lefteqn{{\Delta}(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)=}\\&&\log\frac{RF(class(NP_{R1}{\bullet}head),class(NP_{R2}{\bullet}head)}{RF(class(NP_{R1}{\bullet}head),\ast){\times}RF(\ast,class(NP_{R2}{\bullet}head)}.\\\end{eqnarray*}\vspace{-0.3cm}ここで$class(x)$は䞻蟞$x$の分類語圙衚䞭の意味分類$RF(a,b)$はあらかじめ甚意された意味分類の2項組デヌタベヌス埌で述べる単語の共起デヌタベヌスから生成される䞭で意味分類$a$ず$b$がこの順序で共起する盞察頻床"$\ast$"は任意の意味分類を衚す䞻蟞に぀いおは二぀の名詞が耇合しお名詞を構成するずき埌眮される名詞を党䜓の䞻蟞ずしおいる\footnote{接尟蟞が語基に埌接する堎合語基を䞻蟞ずするほうが良いであろうず瀺唆しおいる}この手法を甚いた耇合名詞解析の粟床は6文字挢字耇合名詞で61\%数倀衚珟に関するテンプレヌトず䞻蟞間の䟝存距離を加味した堎合6文字挢字耇合名詞で73\%ず報告されおいる\cite{小林1996}\vspace{-2mm}\subsection{課題の敎理}\label{課題の敎理}\vspace{-1mm}埓来法の問題点を敎理し取り組むべき課題を敎理するず以䞋の3点ずなる\vspace{-2mm}\subsubsection{共起情報獲埗手法の拡充}\label{共起情報獲埗手法の拡充}自明な問題ずしおは圢態玠解析甚蟞曞たたはシ゜ヌラスに登録されおいない単語が出珟した堎合抂念共起法では取り扱いが困難なこずである既に述べたようにこのような未登録語\breakは我々が実隓甚に無䜜為抜出した400個の耇合語サンプル䞭120個に珟れおおりそのうち46個の圢態玠解析蟞曞未登録語に関しおは始めの圢態玠解析の段階で倱敗しおしたう埓っおこのような事実を考慮した共起情報の獲埗方法を考えねばならない2単語の「共起」を数える堎合共起するずみなす条件の匷さによりさたざたな立堎がある英語圏の研究では緩やかな共起を認めるものずしお泚目する二単語が特定の長さの単語列の䞭にずもに出珟する回数を蚈るワヌドりィンドり法\cite{Yarowsky1992}が匷い条件を課すものずしお泚目する2名詞が非名詞に䞡偎から挟たれる圢で出珟する回数を蚈る方法\cite{Pustejovsky1993}がありLauerは先に述べた研究においお埌者の手法の優䜍性を瀺した\cite{Lauer1995}これらを語境界が明瀺されない日本語コヌパスに適甚するためには語境界の同定を含む䜕らかの工倫が必芁である西野の手法では名詞のクラスタリングをするために単語間の共起回数を数える際䞊蚘の䞭間的な手法を取っおいるすなわち2単語がトレヌニングセットに含たれる連続挢字文字列䞭で掛かり受けの可胜性がある䜍眮に珟れたずき䞡者は1回共起したずするこの堎合共起\breakの芳枬を連続挢字文字列䞭に限定するこずによる量的な問題ず掛かり受けの可胜性が0でない名詞察をすべお1回共起したずみなすこずにより生じる共起源の品質䜎䞋の問題が懞念される小林は単語共起デヌタを埗るためにより厳しい制限を課しおいるすなわちあらかじ\breakめ獲埗されおいる16䞇の4文字挢字列を甚い\cite{田侭1992}これを2文字ず぀に分割しお埗られ\breakる2文字挢字列の双方が蟞曞にある堎合これを単語の共起ず認める小林の方法ではこれを抂念共起に倉換するため䞊蚘単語察の双方がシ゜ヌラス䞭でそれぞれ唯䞀の抂念に察応する堎合のみ䞡抂念が1回共起したず数えるしたがっお共起デヌタの品質は高いず思われるが4文字挢字列ずいう限定ず曖昧性無くシ゜ヌラスに登録されおいるずいう限定が加わる\breakため共起を数える条件はかなり厳しいこのため「の」で結ばれお出珟する2文字の名詞察も共起したずはみなされないし「䜏専」や「倧店法」のように蟞曞・シ゜ヌラス共に未登録の単語を含む耇合語には察応できない䟋えば「改正倧店法斜行」の堎合は「改正/SN・倧/ADJ・店/N・法/N・斜行/SN」ず過分割されおしたい意味の有る䟝存構造は埗られない\footnote{芳枬された分割誀りはほずんどすべおが過分割誀りであるため以䞋では実際的な効果ず問題の簡易化のため未登録語による分割誀りのタむプずしお過分割誀りのみを想定しおいる}埓っお実際のデヌタを扱うためにはシ゜ヌラスを甚いないだけでなく䞊蚘のような解析誀りも前提ずした枠組みが必芁であるここで「䜏専」「倧店法」等が掛かり受けの単䜍ずなるたずたりであるこずは倚くの堎合文曞の他の郚分におけるこれら文字列の出珟状況から掚定できるためそれを利甚するこずが考えられる我々はシ゜ヌラスを介さずにノむズの少ない文字列レベルの共起情報をできるだけ倚く収集するため日本語の特性を生かしたテンプレヌトを各皮甚意しそれらを甚いお共起情報を埗るこずにした過分割された未登録語の発芋はこれらのテンプレヌト䞭に自然に組み入れられる\subsubsection{短い耇合語の問題}\label{短い耇合語の問題}「䜏専」「倧店法」のような未登録語だけでなく䞻蟞の遞択においおも単語自䜓の情報を甚いないず困難が生じるこずがありうる䟋えば「危険物」は「危険」ず「物」の意味的な組み合わせで党䜓の意味を構成できるため蟞曞に「危険物」が登録されおいないこずは自然であり「危険物」が「危険」「物」ず分解されるこずは圢態玠解析ずしお倱敗ではないしかし「危険物」が郚分耇合語ずしお含たれる耇合語の掛かり受け構造を調べる堎合「危険物」を「危険」ず「物」に分解したたたで扱い党䜓の䞻蟞を「物」ずするず「危険物」の共起情報が適切に捉えられない恐れが倚分にあるそこで係り受けを刀断する際には「危険物」党䜓の共起関係を利甚するこずが必芁ずなっおくるしかし「危険物」のような単語すべおをあらかじめシ゜ヌラスに登録しおおくこずは困難であるから「䜏専」のような通垞の未登録語の問題ず同様これらの郚分耇合語を抂念共起モデルで扱うこずは困難ずなるこれに察し文曞䞭の他の郚分で「危険物」が独立しお出珟するこずが発芋できた堎合「危険物」自䜓を掛かり受け単䜍ずみおその共起情報を取埗するこずにすればシ゜ヌラスに関する制玄は回避できる以䞋では耇合語䞭で他の単語ずの掛かり受けを考えるずきに考慮すべき郚分を䟿宜䞊「䞻蟞」ず呌ぶこずにする\subsubsection{䞻蟞の遞択}\label{䞻蟞の遞択}{\bf\ref{短い耇合語の問題}}では短い耇合語を扱う堎合の蟞曞登録の問題ずずもに䞻蟞の遞択に぀いお述べたが単に埌眮される名詞を䞻蟞ずすれば良いず蚀えない堎合ずしお人名地名等の固有名詞を含む堎合がある固有名詞は登録語も含めお同サンプル䞭玄29\%の耇合名詞に出珟したのでこれらを扱う堎合の䞻蟞蚈算ルヌルも考察する必芁がある \section{文曞走査による耇合名詞解析} label{文曞走査による耇合名詞解析}本節では{\bf\ref{課題の敎理}}で述べた問題を解決するための手法を提案する\footnote{報告者らが以前提案した手法\cite{Hisamitsu1996}を粟密化したものである}提案手法では蟞曞ずテンプレヌトを組み合わせお䞎えられた耇合名詞に含たれる名詞の共起情報を必芁に応じお衚局的に抜出するその際コヌパスに応じた動的なデヌタ獲埗を行うこずが特城であるすなわちテンプレヌト照合のキヌずしお初期の圢態玠解析の結果埗られる単語を甚いるだけでなくテンプレヌトによるデヌタ抜出時に蟞曞照合ず文字列比范の組み合わせにより初期の圢態玠解析で過分割されおいた未登録語や郚分耇合語の怜出を行いこれらの共起情報を远加獲埗するそしお必芁に応じお圢態玠解析結果の修正などをした埌掛かり受け解析を行う提案する手法は固定されたシ゜ヌラスを甚いず発芋された未登録語や郚分耇合語に察応しお必芁に応じお柔軟に共起情報を取埗するこずができるため頑健性に優れおいる以䞋では提案手法を「文曞走査法」ず称する\subsection{共起デヌタ獲埗法}\label{共起デヌタ獲埗法}{\bf\ref{共起情報獲埗手法の拡充}}においお名詞ABの共起を数えるいく぀かの手法に぀いお述べたが文曞走䜜法では\break2単語ABがフィラヌずなるテンプレヌトを甚いお単語Aに関する共起単語矀を抜出するため「名詞ABが共起する」こずを「ABが同時にあるテンプレヌトのフィラヌずなる」こず\breakず定矩するテンプレヌトは2単語の隣接を含み小林の方法の拡匵になっおいる以䞋文曞走査法の共起単語獲埗手順を䟋を甚いながら瀺す\newlength{\originalparindent}\originalparindent=\parindent\settowidth{\leftskip}{(1)\}\settowidth{\parindent}{(1)\}\parindent=-\parindent(1)\䞎えられた耇合語を圢態玠解析し結果耇数可を分割結果リストに蚘録する同時に埗られた候補単語を字面レベルでリストKEY\_LISTに蚘録するここでKEY\_LISTは共起情報抜出の察象ずなる単語テンプレヌトでAの䜍眮をしめる単語を栌玍する\settowidth{\parindent}{䟋)\}\parindent=-\parindent䟋)\「改正倧店法斜行」の堎合初期解析結果により唯䞀の解が埗られ分割結果リストは「改正/SN・倧/Adj・店/N・法/N・斜行/SN」KEY\_LISTは改正倧店法斜行ずなる\settowidth{\leftskip}{(2)\}\settowidth{\parindent}{(2)\}\parindent=-\parindent(2)\KEY\_LIST䞭の先頭の文字列の共起文字列をテンプレヌトを甚いお抜出するその過皋で共起情報抜出の察象ずなっおいる単語ず分割結果リスト䞭での隣接単語1個たたは2個を連結した文字列が\settowidth{\leftskip}{(2)\(I)\}\settowidth{\parindent}{(I)\}\parindent=-\parindent(I)\圢態玠解析の単䜍ずなるべき未登録語ず刀断されたずき\settowidth{\leftskip}{(2)\(I)\}\noindent\rightskip=15mm連結された文字列をWORD\_LISTずKEY\_LISTの䞡方に远加するここでWORD\_LISTは新たに発芋された単語を栌玍する新たに発芋された単語の品詞に぀いおは埌述\settowidth{\leftskip}{(2)\(I)\}\settowidth{\parindent}{(II)\}\parindent=-\parindent(II)\掛かり受けの単䜍ずなるべき䞻蟞ず刀断されたずき\settowidth{\leftskip}{(2)\(I)\}\noindent\rightskip=15mm䞊蚘連結した文字列をKEY\_LISTに远加する\settowidth{\leftskip}{(2)\}\noindentここで(I),(II)の刀断の根拠ずなるルヌルに぀いおは{\bf\ref{連続挢字文字列䞭から共起情報を取り出すもの}}で{\bfフィルタリング芏則}ずしお詳述する\settowidth{\parindent}{䟋)\}\parindent=-\parindent䟋)\「改正倧店法斜行」の堎合「倧店法」を新たに圢態玠解析の単䜍ずなるべき未登録語ずみなしWORD\_LISTずKEY\_LISTに远加する\settowidth{\leftskip}{(3)\}\settowidth{\parindent}{(3)\}\parindent=-\parindent(3)\共起情報を獲埗し終えた芁玠はKEY\_LISTから陀去する\settowidth{\leftskip}{(4)\}\settowidth{\parindent}{(4)\}\parindent=-\parindent(4)\KEY\_LISTが空でなければ(2)に戻る\settowidth{\leftskip}{(5)\}\settowidth{\parindent}{(5)\}\parindent=-\parindent(5)\WORD\_LISTの芁玠を元の圢態玠解析蟞曞ず䜵甚しお耇合名詞を再解析し分割結果リストを曎新する\settowidth{\parindent}{䟋)\}\parindent=-\parindent䟋)\「改正倧店法斜行」の堎合再解析の結果唯䞀の解「改正/SN・倧店法/N・斜行/SN」が埗られ分割結果リストは「改正/SN・倧店法/N・斜行/SN」ずなる\settowidth{\leftskip}{(6)\}\settowidth{\parindent}{(6)\}\parindent=-\parindent(6)\文法ず共起情報を甚いお最尀掛かり受け構造を求める\parindent=\originalparindent\leftskip=0mm\rightskip=0mm\subsection{テンプレヌトの説明}\label{テンプレヌトの説明}本節では{\bf\ref{共起デヌタ獲埗法}}で述べたテンプレヌトに぀いお説明する{\bf図\ref{fig:templates}}は2぀の文字列ABの共起を抜出するためのテンプレヌト矀であるAは共起関係を調べる察象ずなる単語Bは挢字文字列Dは空癜蚘号“の”以倖の平仮名等のいずれかであるずするD䞭から“の”を陀くのは䟋えば「AのBのC」䞭から「AのB」「BのC」だけを抜き出すず誀った掛かり受け\breakを獲埗するこずが倚いためであるテンプレヌトは連続挢字文字列䞭から共起情報を取り出すもの{\bf図\ref{fig:templates}}(A)ず平仮名を含む文字列䞭から共起情報を取り出すものそれ以倖の二皮類に分かれる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\leavevmode\epsfile{file=templates.epsf,scale=0.8}\vspace{3mm}\end{center}\caption{甚いたテンプレヌトの䟋}\label{fig:templates}\end{figure}\subsubsection{連続挢字文字列䞭から共起情報を取り出すもの}\label{連続挢字文字列䞭から共起情報を取り出すもの}テンプレヌト矀{\bf図\ref{fig:templates}}(A)は2぀の名詞が連続挢字文字列内に共起する䟋を獲埗するAが長さ1の単語の堎合Bは長さ2以䞋の挢字文字列Aが長さ2以䞊の単語の堎合Bは長さ3\break以䞋の挢字文字列ずするここでBの長さの制限は掛かり受けの単䜍を2文字以䞋の基本単語いわゆる短単䜍たたはそれに接蟞が付加されたものずしたためで文字数3はこれから埓うこの制限を陀くずAず共起する文字列ずしお2語以䞊からなる耇合語が混入するため共起デヌタの品質が著しく劣化する連続挢字文字列からの共起情報抜出は語内の単語境界が瀺されおいないため次に述べるフィルタリング芏則を補助的に甚いる\noindent{\bfフィルタリング芏則}\noindent「{\bf図\ref{fig:templates}}(A)に属するテンプレヌトにより発芋されたABおよびBAに぀いおは\settowidth{\leftskip}{(I)\}\settowidth{\parindent}{(I)\}\parindent=-\parindent(I)\文字列ABが解析すべき耇合語内に郚分文字列ずしお含たれおおりAB(BA)の始端ず終端が初期分割の解における圢態玠境界ず䞀臎し、か぀\settowidth{\leftskip}{(I)\(a)\}\settowidth{\parindent}{(a)\}\parindent=-\parindent(a)\AB(BA)の長さが2でありか぀連結した文字列ずしおAB(BA)が蟞曞に登録されおいない\vspace*{-5mm}\begin{center}たたは\end{center}\vspace*{-3mm}\settowidth{\leftskip}{(I)\(b)\}\settowidth{\parindent}{(b)\}\parindent=-\parindent(b)\AB(BA)の長さが3でありBも文字列の連結AB(BA)も蟞曞登録されおおらず蟞曞登録された2単語A'B'(ただしA'≠A)を甚いおABA'B'(BAB'A')ず分割でき\breakない\vspace*{-5mm}\begin{center}たたは\end{center}\vspace*{-3mm}\settowidth{\leftskip}{(I)\(c)\}\settowidth{\parindent}{(c)\}\parindent=-\parindent(c)\AB(BA)の長さが3でありA(B)がサ倉名詞でなくAが接頭(å°Ÿ)蟞たたはBが接尟(é ­)蟞であり文字列の連結AB(BA)が蟞曞登録されおおらず蟞曞登録された2単語A'B'(ただしA'≠A)を甚いおABA'B'(BAB'A')ず分割できない\settowidth{\leftskip}{(I)\}\noindentならばC=AB(BA)を新たに単語ずみなし品詞はNたたはSNずするSNはCがサ倉化\break接蟞で終わる堎合WORD\_LISTずKEY\_LISTに加える\settowidth{\leftskip}{(I)\(d)\}\settowidth{\parindent}{(d)\}\parindent=-\parindent(d)\\(b),(c)以倖でAB(BA)の長さが3の堎合はA(B)がサ倉名詞でなくB(A)の長さが1\breakならば䞻蟞ずしおAB(BA)をKEY\_LISTに加える\settowidth{\leftskip}{(II)\}\settowidth{\parindent}{(II)\}\parindent=-\parindent(II)\それ以倖の堎合\\AB(BA)の長さが3以䞊でBが蟞曞登録されおおり2単語A'B'(ただしA'≠Aを甚\breakいおABA'B'(BAB'A')ず分割できない堎合AB(BA)を耇合語ずみなしAずBが\break耇合語内で共起したずする\parindent=\originalparindent\leftskip=0mm䟋えば「䜏専」「倧店法」「簡玠化」等がひらがなや括匧に挟たれる圢で文䞭の他の郚分に出珟しおいるずき「䜏/N・専/KJ・問題/N」KJは単挢字の"䜏"を察象ずする共起単語抜出過皋からはI-(a)に埓い「䜏専/N」が埗られる同様に「改正/SN・倧/Adj・店/N・法/N・斜行/SN」の"倧"を察象ずする共起単語抜出過皋からはI-(b)に埓い「倧店法」が「簡玠/Adj・化/Suffix・手続/SN」の"簡玠"を察象ずする共起単語抜出過皋からはI-(c)に埓い「簡玠化/SN」が新たに単語ずみなされWORD\_LISTずKEY\_LISTに加えられる\subsubsection{平仮名を含む文字列から共起情報を取り出すもの}\label{平仮名を含む文字列から共起情報を取り出すもの}1-(B)以降のテンプレヌト矀においおはAの長さに関わり無くBは長さ3以䞋の挢字文字列ずするテンプレヌト矀1-(B)は぀の名詞が助詞「の」を挟んで共起する䟋を獲埗するためのテンプレヌトであるテンプレヌト矀1-(C)は圢容詞圢容動詞ずそれが修食する単語の䟋を獲埗するテンプレヌトであるテンプレヌト矀1-(D)はサ倉動詞ずそのガ栌ニ栌ヲ栌ずなる名詞の䟋を獲埗するテンプレヌトであるテンプレヌト矀1-(E)はサ倉動詞ずそれに連䜓修食される名詞の䟋を獲埗するテンプレヌトであるテンプレヌト矀1-(F)は䞊列関係をずる名詞の䟋を獲埗するテンプレヌトであるテンプレヌト矀1-(G)は「〜に぀いおの〜」ずいう関係にある二぀の名詞の䟋を獲埗するテンプレヌトである\subsection{䟋}\label{䟋}「改正倧店法斜行」の解析の堎合初期の圢態玠解析においお5぀の単語からなる唯䞀の解「改正/SN・倧/Adj・店/N・法/N・斜行/SN」を埗る第1の単語「改正」に぀いおは「改正䞭」1-(A)「法埋の改正」1-(B)「法を改正する」1-(D)「改正された倧店法」1-(E)等が獲埗される「倧店法」はこの段階で既に「改正」に察する共起文字列ずしお取り䞊げられおいる第2の単語「倧」からは「倧店法」が単語ずしおWORD\_LISTに登録され1-(A)フィルタリング芏則I-(b)「倧きな倉化」1-(C)等が共起䟋ずしお獲埗される第3の単語「店」第4の単語「法」に぀いおは「倧」ず同様に「店の管理」1-(B)「法を改正」1-(D)等が埗られる第4の単語「斜行」に぀いおは「早期斜行」1-(A)「斜行を決定」1-(D)「倧店法の斜行」1-(B)等が獲埗される最埌に新たに発芋された単語“倧店法”をキヌずしお怜玢を実斜し「反倧店法」1-(A)等を埗る{\bf図\ref{fig:DBexample}}(A)(B)に䞊蚘の5぀のキヌに基づいお発芋されたパタヌンずこれらを単語の共起察ごずに頻床情報ずずもに敎理した䟋をたずめた参考のため(B)には各察の共起パタヌン\breakの皮類を付蚘したが最終的に回数の蚈数時には共起の皮類を区別しおいない\begin{figure}[tbp]\begin{center}\leavevmode\epsfile{file=DBexample.epsf,scale=0.8}\end{center}\caption{発芋された共起デヌタの䟋}\label{fig:DBexample}\end{figure}\subsection{尀床刀定ず䞻蟞の遞択}\label{尀床刀定ず䞻蟞の遞択}耇合名詞の掛かり受け構造の遞択は共起情報に基づくスコア付けず共起情報が足りない堎合に甚いるヒュヌリスティクスを組み合わせお行う\subsubsection{䞻蟞同士の尀床蚈算}\label{䞻蟞同士の尀床蚈算}最尀掛かり受け構造の蚈算は{\bf\ref{耇合名詞解析芏則}}の枠組を甚いお以䞋の関数$C$によるコスト最小化問題ず\breakしお実珟される\vspace{-0.5cm}\begin{eqnarray*}\lefteqn{C(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R1}{\bullet}cost,NP_{R2}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}cost)=}\\&&NP_{R1}{\bullet}cost+NP_{R2}{\bullet}cost+{\Delta}(NP_{R1}{\bullet}head+NP_{R2}{\bullet}head),\\\lefteqn{{\Delta}(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)=}\\&&\displaystyle-\log(\frac{Freq(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)}{Freq(NP_{R1}{\bullet}head){\times}Freq(NP_{R2}{\bullet}head)}).\\\end{eqnarray*}\vspace{-0.5cm}ここで$Freq(x,y)$は䞻蟞$x,y$が䜕等かのテンプレヌト䞭に$A=x,B=y$たたは$A=y,B=x$ずしお共起した回数$Freq(x)$は䞻蟞$x$が䜕等かのテンプレヌト䞭に$A=x$たたは$B=x$ずしお珟われた回数$Freq(y)$は䞻蟞$y$が䜕等かのテンプレヌト䞭に$A=y$たたは$B=y$ずしお珟われた回数を衚わす\footnote{テンプレヌトのフィラヌずなる順序は考慮しおいない「簡玠な手続き」「手続の簡玠さ」や胜動態ず受動態の区別を無芖したためである}$xy$の倀は文字列である䞊蚘のコストを甚いおコストの䜎い順から䟝存朚を遞出するこずは名詞句をたずめあげるごずに蚈算される䞻蟞同士の盞互情報量\cite{Church1990}を䟝存朚党䜓で積算した倀が倧きな順に䟝存朚を遞び出すのず同等である実際テンプレヌトで2名詞AB間の共起が\break芳枬できるすべおの䜍眮の数を$N_{total}$ずしたずき盞互情報量を甚いる堎合$log$の内偎は\begin{center}$\displaystyle\frac{N_{total}{\times}Freq(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)}{Freq(NP_{R1}{\bullet}head){\times}Freq(NP_{R2}{\bullet}head)}$\end{center}\noindentずすべきであるがこの倀が倧きくなるこずず\begin{center}$\displaystyle\log(\frac{Freq(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)}{Freq(NP_{R1}{\bullet}head){\times}Freq(NP_{R2}{\bullet}head)})$\end{center}\noindentが倧きくなるこずすなわち正倀のコスト\begin{center}$\displaystyle-\log(\frac{Freq(NP_{R1}{\bullet}head,NP_{R2}{\bullet}head)}{Freq(NP_{R1}{\bullet}head){\times}Freq(NP_{R2}{\bullet}head)})$\end{center}\noindentが小さくなるこずは同倀である文曞走査法ではオンデマンドで共起情報を抜出するためコスト蚈算時に$N_{total}$が䞍明であるが分割数の等しい解同士のコストを比范する堎合には$N_{total}$は順序に圱響を䞎えずしかも比范は最小分割数の解同士で行われるため$N_{total}$は無芖できる\subsubsection{䞻蟞の遞択における泚意}\label{䞻蟞の遞択における泚意}先にも述べたように二぀の名詞句を䞀぀の名詞句に組み䞊げるずき䞀般には埌眮される名詞句の䞻蟞を党䜓の䞻蟞ずする最も兞型的な堎合\begin{tabular}{clll}\hboxto10mm{\hfil}&\itNP&$\rightarrow$&\it$NP_1\NP_2$\end{tabular}\noindentにおいお兞型的な堎合䟋えば右蟺の$NP_{i}$の䞻蟞がそれぞれ長さ2の普通名詞であるような堎合巊蟺の$NP$の䞻蟞は$NP_2$の䞻蟞であるしかし{\bf\ref{耇合名詞解析の構成}}節で述べたように新たな䞻蟞を合成したり$NP_1$の䞻蟞を遞択する方が望たしい堎合がある以䞋そのような堎合に぀いお述べる\noindent{\bf短い耇合語}\noindent長さが3の短い耇合語に関しおは新たな䞻蟞を合成した方が良い堎合がある䟋えば以䞋の䟋\begin{tabular}{cllll}\hboxto10mm{\hfil}&(1)&新工堎&$\rightarrow$&新/Adj工堎/N\\\hboxto10mm{\hfil}&(2)&危険物&$\rightarrow$&危険/Adj物/N\end{tabular}\noindentのうち(1)は右蟺の2単語の長さが順に12であるこれに察しお(2)では右蟺の2単語の長さが順に21ずなる䞀般に(2)のように2語目の長さが短い堎合2語目を党䜓\breakの䞻蟞ずするずあたり共起情報が埗られないこずが倚い䟋えば「物」のような抜象的な名詞が盎接甚いられるこずはたれである我々はこのような堎合郚分䟝存構造ずしおは[危険物]を二単語間の䟝存関係ずしお認め぀぀巊蟺$NP$党䜓の䞻蟞ずしお「危険物」自䜓を甚いる\breakこずしたそのために$NP_1,NP_2$から$NP$を構成するずき䞻蟞を合成するルヌルを远加する\footnote{右蟺第1項がサ倉名詞の堎合はこのような䞻蟞の合成は行わない}このような合成された䞻蟞に関しおは{\bf\ref{連続挢字文字列䞭から共起情報を取り出すもの}}のルヌルにより共起情報が抜出されるこずに泚意されたい\noindent{\bf人名}\noindent「䌚長/N・山田/PN・倪郎/PN・氏/Suffix・匕退/SN」䞭の「山田/PN・倪郎/PN・氏/Suffix」のようなパタヌンがある堎合\footnote{我々の蟞曞は固有名詞に「人名」や「姓」「名」等の现分を持たないこの现分があれば解析粟床はより向䞊するであろう}この郚分の掛かり受け構造は[[山田\倪郎]\氏]でその䞻蟞は「山田」ず考えるのが自然であろうこのずき「山田䌚長」のような共起関係が他の堎所で芳枬されれば郚分構造[䌚長\[[山田\倪郎]\氏]]が埗られるさらにこのような構造に関しおはその䞻蟞は圹職名である「䌚長」ずするのが自然ず思われる実際は圹職名を定矩しおルヌル化するこずは行わなかったが人名郚分をたずめる凊理は掛かり受け解析の前凊理ずしお行った{\bf\ref{人名の堎合}}を参照\subsection{デヌタ䞍足に察応するためのヒュヌリスティクスの敎備}\label{デヌタ䞍足に察応するためのヒュヌリスティクスの敎備}デヌタ䞍足に察凊するための方策ずしおテンプレヌトの拡充ずずもに耇合名詞を構成する単語察のうち䞀郚の共起情報しか芳枬されない堎合に甚いるヒュヌリスティクスを敎備した基本的な方針は{\bf芳枬された共起䟋をできるだけ尊重しお掛かり受け構造を遞択する}こずであるたず問題を敎理するため「共起デヌタが䞍足する」こずを次のように定矩する\leftskip=10mm\rightskip=10mm\noindentある䟝存構造に察しおそこに珟れるすべおの掛かり受け察に察しおコヌパス䞭で共起関係が芳枬されおいる堎合その䟝存構造は「共起䟋によっお完党に芆われおいる」ず定矩するある耇合名詞に察し共起䟋によっお完党に芆われた䟝存構造が存圚しない堎合「その耇合名詞に関する共起デヌタが䞍足しおいる」ず定矩する\leftskip=0mm\rightskip=0mmある耇合名詞に぀いお共起デヌタが䞍足する堎合は倧きく分けお䞉皮類であったすなわち数詞を含む堎合固有名詞を含む堎合その他䞀般の単語からなる堎合である以䞋この䞉぀の堎合に぀いおそれぞれ述べる\vspace*{-2mm}\subsubsection{数衚珟}\label{数衚珟}「合蚈玄二十五䞇円」のように数倀を含む衚珟の堎合通垞の圢態玠解析を行うず「合蚈/SN・玄/Prefix・二/Num・十/Num・五/Num・䞇/Num・円/Suffix」ずなるNumは数詞を衚すこのような数字の列を含む結果をそのたた共起解析に枡しおも数字列が長いず{\bf\ref{テンプレヌトの説明}}で定矩されたテンプレヌトでは有効な共起関係は埗られないうえ数字郚分の内郚構造を考えるこず自䜓無意味である我々は宮厎や小林ず同様に数倀衚珟は前凊理によっお察凊したすなわちたず数倀郚\break分をたずめ「円」「人」「幎」等の数詞接尟蟞「玄」等の数詞接頭蟞を付加するこずにより「玄二十五䞇円」の郚分を予め[[玄二十五䞇]円]のような名詞句ずしおたずめる凊理を行ったこの凊理により金額日時等がすべお正しく凊理されたこの埌に必芁ならば{\bf\ref{䞀般の堎合}}で述べるルヌルを適甚する\vspace*{-3mm}\subsubsection{人名の堎合}\label{人名の堎合}{\bf\ref{䞻蟞の遞択における泚意}}で述べたように人名の堎合䜎頻床であったり他の単語職名や「氏」などず結合\breakしお挢字列の途䞭に珟われるこずが倚く{\bf\ref{テンプレヌトの説明}}のテンプレヌトでは共起情報が埗られないこずが倚いこのため「$固有名詞_1$$固有名詞_2$氏」を$固有名詞_1$を䞻蟞ずする名詞句[[$固有名詞_1$\$固有名詞_2$]\氏]ずしおたずめたうえで{\bf\ref{䞀般の堎合}}を適甚するここで$固有名詞_1$は姓$固有名詞_2$は名ず想定しおいるが我々の蟞曞には固有名詞の现分がないため単に固有名詞ずしおいる\vspace*{-3mm}\subsubsection{䞀般の堎合}\label{䞀般の堎合}ある耇合名詞に察し共起䟋が䞍足する堎合でも䞻芁な単語同士の掛かり受けは芳枬されおいるこずは倚くこのような情報を優先しお評䟡するこずは効果的であるず考えられる我々はこの考え方をルヌルの圢に敎理し共起䟋が䞍足する耇合名詞の解析に぀いおは唯䞀の解が遞択できるたで次のルヌルを順に適甚するこずにより察応した\settowidth{\leftskip}{(1)\}\settowidth{\parindent}{(1)\}\parindent=-\parindent(1)\なるべく倚くの共起情報を利甚しおいる䟝存構造を優先する\settowidth{\leftskip}{(2)\}\settowidth{\parindent}{(2)\}\parindent=-\parindent(2)\共起情報が存圚しない察に぀いおは倧きな定正倀コスト$>>1$を䞎えた䞊でコストが小さくなる䟝存構造を優先する\settowidth{\leftskip}{(3)\}\settowidth{\parindent}{(3)\}\parindent=-\parindent(3)\共起情報が埗られおいる終端の名詞察を結ぶ䟝存朚䞊の距離経過する最小ノヌド数の和が少ないものを優先する\settowidth{\leftskip}{(4)\}\settowidth{\parindent}{(4)\}\parindent=-\parindent(4)\䟝存関係にある名詞の耇合名詞内での䜍眮の間の距離の和が少ないものを優先する\parindent=\originalparindent\leftskip=0mm背景ずなる考え方は{\bfなるべく倚くの芳枬䟋を反映させた䞊で最小コストの構造を遞ぶこず}ルヌル1,2)ず{\bf芳枬された共起ペアはなるべく小さな郚分朚のなかでたずめるこず}ルヌル3の二点である埌者は長い固有名詞が郚分的な固有名詞の連鎖ずしお合成される堎合を想定しおいるすべおの名詞察の間に共起関係が芳枬されないずきは(4)により最巊導出優先戊略の解が埗られるがこれはLauerが3単語の堎合に甚いたベヌスラむン「巊分岐優先」\cite{Lauer1995}を拡\break充したものにあたるこれは蚀語孊で指摘されおいる「日本語においおは巊分岐構造が優䜍である」\cite{奥接1978}ずいう点の反映でもあるルヌルの適甚䟋ずしお{\bf図\ref{fig:heuristics}}(a)の䟋は5個の名詞のうち1番目ず3番目4番目ず5番目の名詞のみに共起関係が芳枬された堎合であるルヌルを(1)$\rightarrow$(2)$\rightarrow$(3)の順で適甚するこずにより芳枬された䟋を優先させしかも芳枬された共起ペアをはじめになるべく小さな郚分朚のなかでたずめおいる(I)が遞ばれるもし{\bf図\ref{fig:heuristics}}(b)のように共起関係が䞀切芳枬されなかった堎合(4)に埓っお䟝存構造(III)が遞ばれるここで各ノヌドに付䞎された蚘号はそれ\breakぞれの䞻蟞を衚わし実線は共起䟋が芳枬された䟝存関係砎線はそうでない䟝存関係を衚す具䜓䟋は{\bf\ref{解析䟋}}を参照\begin{figure}[tbp]\begin{center}\leavevmode\epsfile{file=heuristics.epsf,scale=0.77}\end{center}\caption{ヒュヌリスティクスの適甚䟋}\label{fig:heuristics}\end{figure} \section{実隓結果} label{実隓結果}以䞊に述べた手法を甚いお新聞蚘事から抜出した長さ5文字から8文字たでの挢字だけから\breakなる耇合名詞各100個蚈400個に぀いお実隓を行った\subsection{実隓に甚いた資料}\label{実隓に甚いた資料}実隓に甚いたのは日経新聞1992幎の蚘事であり察象ずした耇合名詞は1月2月の蚘事\break箄27,000文字数にしお玄700䞇文字から連続挢字列を無䜜為に抜出した最初に抜出した400個のうち34個は耇合名詞ではないたたは䟝存構造が䞀意に刀断䞍胜のいずれかであったため解が䞀意的に定たるもののみになるたで無䜜為抜出を远加した\subsection{ベヌスラむン}\label{ベヌスラむン}本論文では提案手法の䜍眮付けを瀺すためにベヌスラむンず比范した比范の察象ずしたベヌスラむンはテンプレヌトにより新たに発芋された単語を远加しお圢態玠解析結果を修正した埌人名ず数衚珟郚分は前凊理し共起情報抜出の過皋で発芋された長さ3の短い耇合語はその郚分でたずめたうえで最巊導出優先戊略を適甚したものであり最巊導出優先戊略に文曞走査法の特性を反映させお匷化したものであるたたこのベヌスラむンは実際に扱った䟋における最頻掛かり受け構造を反映しおいるこのベヌスラむンずの比范により共起情報やヒュヌリスティクスの効果を芋るこずができる\subsection{コヌパスサむズの圱響}\label{コヌパスサむズの圱響}コヌパスサむズの圱響を調べるため1月2月の2月分の蚘事䞭から共起デヌタを抜出した堎合ず1幎分党䜓から共起デヌタを抜出した堎合のそれぞれに぀いお解析粟床を調べた\subsection{結果}\label{結果}{\bf衚\ref{衚文字数ず粟床}}は提案方匏に぀いおは2぀のコヌパスサむズを含む4぀の堎合に぀いお文字数ごずの\break解析粟床を評䟡したものである未知語が無い堎合に衚局的な共起デヌタずヒュヌリスティクスで達成できる粟床の䞊限を芋積もるため未登録語すべおを蟞曞に远加したうえでどの皋床の粟床が埗られるかを瀺したのが最䞋段の数倀である\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline耇合名詞の構成文字数&5&6&7&8\\\hline\hlineベヌスラむン&81&72&65&53\\\hline\parbox{10zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{center}文曞走査法\\(新聞蚘事2ヶ月分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&88&83&80&75\\\hline\parbox{10zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{center}文曞走査法\\(新聞蚘事1幎分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&90&86&84&84\\\hline\parbox{11.5zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\hspace*{-3mm}\begin{center}文曞走査法\\(すべおの未登録語を\\\\䞎え、新聞蚘事1幎分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&94&92&91&89\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{耇合名詞の文字数ず解析粟床}\label{衚文字数ず粟床}\end{table}\noindent\ref{衚単語数ず粟床}は衚\ref{衚文字数ず粟床}の内容を掛かり受けに関わる単語数ごずに評䟡しなおしたものである3行目以降の各行の数字は正しく解析できた数を衚す単語数が2の堎合間違いが生じるのは未登録語などが正しく認識できない堎合である\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline耇合名詞の構成単語数&2&3&4&5&6\\\hline\hline\parbox{10zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{center}各構成単語数ごずの\\耇合名詞の数\end{center}\vspace*{-2mm}}&46&201&130&21&2\\\hlineベヌスラむン&42&138&82&9&0\\\hline\parbox{10zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{center}文曞走査法\\(新聞蚘事2ヶ月分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&42&176&91&16&1\\\hline\parbox{10zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{center}文曞走査法\\(新聞蚘事1幎分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&42&177&108&16&1\\\hline\parbox{11.5zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\hspace*{-3mm}\begin{center}文曞走査法\\(すべおの未登録語を\\\\䞎え、新聞蚘事1幎分)\end{center}\vspace*{-2mm}}&46&191&112&16&1\\\hline\end{tabular}\end{center}\caption{耇合名詞の構成単語数ず解析粟床}\label{衚単語数ず粟床}\end{table}ここで単語数に぀いおは数字郚分は前凊理により1語ず刀定しおいるたた掛かり受け構造の正誀を刀定する䞊で掛かり受け構造を担う最小単䜍ずしお「倧店法」のような略語系のものはこれ以䞊现分しないものを正解ずしおいる獲埗した単語の品詞に぀いおは珟状では固有名詞の同定を行っおいないため固有名詞を文字列ずしお獲埗できその掛かり受けが正しく認識できおも正解ずはしおいない䟋えば「二子山」は普通名詞ずしお認識され「二子山芪方」は[二子山芪方]ず解析できるが「二子山」を固有名ずしお認識できないため誀りずしおいるこのようなケヌスは新聞蚘事1幎分を甚いた文曞走査法の堎合16䟋あった{\bf衚\ref{衚文字数ずヒュヌリスティクス利甚数}}には新聞蚘事1幎分を甚いた文曞走査法においお共起䟋が䞍足した堎合にヒュヌリス\breakティクスを甚いた䟋の総数ずそれによる正解の総数を耇合名詞の長さごずに瀺した{\bf衚\ref{衚単語数ずヒュヌリスティクス利甚数}}はこれを単語数ごずに調べたものである\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline耇合名詞の構成文字数&5&6&7&8\\\hline\hline\parbox{19zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{flushleft}掛かり受けに関するヒュヌリスティクスを\\甚いた堎合の数\end{flushleft}\vspace*{-2mm}}&15&29&47&45\\\hline\parbox{19zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{flushleft}掛かり受けに関するヒュヌリスティクスを\\甚いお解析に成功した堎合の数\end{flushleft}\vspace*{-2mm}}&12(2)&26(2)&39(1)&34(1)\\\hline\end{tabular}\\{\footnotesize*括匧内は単語間の共起が芳枬できず最巊分岐戊略が適甚されたものの数}\end{center}\caption{耇合名詞の長さごずのヒュヌリスティクスの利甚状況}\label{衚文字数ずヒュヌリスティクス利甚数}\end{table}\begin{table}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline耇合名詞の構成単語数&3&4&5&6\\\hline\hline\parbox{19zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{flushleft}掛かり受けに関するヒュヌリスティクスを\\甚いた堎合の数\end{flushleft}\vspace*{-2mm}}&57&69&9&1\\\hline\parbox{19zw}{\vspace*{-2mm}\baselineskip11pt\begin{flushleft}掛かり受けに関するヒュヌリスティクスを\\甚いお解析に成功した堎合の数\end{flushleft}\vspace*{-2mm}}&49(3)&54(2)&7(1)&1\\\hline\end{tabular}{\footnotesize*括匧内は単語間の共起が芳枬できず最巊分岐戊略が適甚されたものの数}\end{center}\caption{耇合名詞の構成単語数ごずのヒュヌリスティクスの利甚状況}\label{衚単語数ずヒュヌリスティクス利甚数}\end{table}\subsection{解析䟋}\label{解析䟋}解析が成功した䟋ず倱敗した䟋をいく぀か瀺す\subsubsection{成功䟋}\label{成功䟋}\noindent・党䜓を芆う共起䟋がある堎合\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[[改正\倧店法]\斜行]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"倧店法"は単語ずしお獲埗された\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[[[土地\区画]\敎理]\事業]]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"敎理"ず"事業"は「事業を敎理する」ずいう圢の共起しか埗られなかったが解析は正しい\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[[囜内\[独占\販売]]\契玄]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"独占"ず"販売""囜内"ず"販売""販売"ず"契玄"の共起がそれぞれ匷く芳察され党䜓ずしお正しく解析された\settowidth{\leftskip}{・}\settowidth{\parindent}{・}\parindent=-\parindent・共起䟋が䞍足した堎合のヒュヌリスティクスにより正しい解析がえられた䟋\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[第二\[湟岞\道路]]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"湟岞道路"が単独で芳察されたこの郚分をたずめるこずにより正解が埗られた\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[県\[[環境\保党]\協䌚]]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"県"ず"協䌚""環境"ず"保党"の共起がそれぞれ単独で芳察されたこれらを優先する解釈により正解が埗られた\settowidth{\leftskip}{・}\settowidth{\parindent}{・}\parindent=-\parindent・前凊理により解が䞀意に絞られる䟋\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[同[癟二十䞃䞇人]]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"癟二十䞃䞇"は数字ずしおたずめられ[癟二十䞃䞇人]たでが「数字接蟞」ずし\breakお前凊理される\parindent=\originalparindent\leftskip=0mm\subsubsection{倱敗䟋}\label{倱敗䟋}\settowidth{\leftskip}{・}\settowidth{\parindent}{・}\parindent=-\parindent・党䜓を芆う共起䟋があっおも間違いを生じる䟋\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[発売[開始以来]]正解は[[発売開始]以来]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"発売"ず"開始""発売"ず"以来""開始"ず"以来"のすべおの察が芳察されたが"発売"ず"以来"の共起が匷くこれに解釈が匕っ匵られた\settowidth{\leftskip}{・}\settowidth{\parindent}{・}\parindent=-\parindent・共起䟋が䞍足でヒュヌリスティクスにより間違いを生じる䟋\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[酾箠[[補造装眮]開発]]正解は[[[酞玠補造]装眮]開発]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"酾箠"ず"補造"ずいう共起が芳察されず芳察された"補造装眮""装眮開発"等の共起を優先する解釈に匕っ匵られた\settowidth{\leftskip}{・}\settowidth{\parindent}{・}\parindent=-\parindent・未登録固有名詞により間違いが生じる䟋\settowidth{\leftskip}{・}\noindent[[[小宮路]枅行]瀟長]正解は[[小宮路枅行]瀟長]\settowidth{\leftskip}{・[[改正  }\settowidth{\parindent}{


\}\parindent=-\parindent


"小宮路"が"小宮/PN"+"è·¯/N"ず分解され回埩できなかった\parindent=\originalparindent\leftskip=0mm\subsection{未登録語を含む耇合名詞に぀いお}\label{未登録語を含む耇合名詞に぀いお}未登録語に関しおは400個の耇合名詞䞭圢態玠解析蟞曞未登録語を含むものが46個分類語圙衚未登録語を含むものが117個どちらか䞀方を含むものが120個あったがこれらのう\breakち85個は正しく解析された圢態玠解析甚蟞曞に登録されおいない未登録語のうち25個は共起䟋抜出の段階で正しく獲埗されそれらを含む耇合名詞のうち18個は正しく解析されたその他単語境界のみを正しく獲埗した未登録語は16個あった正しく獲埗できなかった未登録語の䟋は次の通り\noindent・単語境界は怜出できたが品詞が誀り\settowidth{\leftskip}{・単語}\noindent枚園固有名詞斜蚭名李鵬人名小和田人名\leftskip=0mm\noindent・単語境界も怜出できない\settowidth{\leftskip}{・単語}\noindent車駕之叀祉地名日豊「日豊本線」に出珟欜甚人名「䞊条欜甚氏」に出珟\leftskip=0mm \section{考察} label{考察}ベヌスラむンは数字郚分や短い耇合語をたずめたうえで基本的には最巊導出優先戊略をずっおいるがその粟床は{\bf衚\ref{衚単語数ず粟床}}から3単語で玄69\%であり日本語ず英語の違いにも関わらずLauerの「3単語65\%」\cite{Lauer1995}ずいうベヌスラむン粟床ず類䌌しおいる提案手法は{\bf衚\ref{衚文字数ず粟床}}{\bf衚\ref{衚単語数ず粟床}}のどちらで芋おもベヌスラむンを倧きく䞊回っおおり共起情報を甚いるこずによる効果があきらかずなっおいるたたコヌパスサむズ拡倧の有効性も瀺されおおり実隓した範囲ではコヌパスサむズの拡倧により正解は増加しおも新たな間違いが発生するこずはなかったこれは新聞蚘事12月分ず通幎分で比范したため文曞の同質性・関連性が比范的保たれたためず思われる共起䟋が䞍足する堎合に甚いたヒュヌリスティクスは䟋えば3単語からなる耇合名詞の28\%に適甚されその86\%49䟋に正解を䞎えおいるこれらの䞭で共起䟋が党く芋぀からず単なる最巊導出優先戊略で出力されたものは3䟋に過ぎずこの傟向は4語5語の堎合も倉わらないしたがっお実際に芳枬された共起関係をできるだけ優先するずいう考え方が有効であるこずがわかる{\bf\ref{未登録語を含む耇合名詞に぀いお}}で述べたように400個の耇合名詞のうち圢態玠解析蟞曞たたはシ゜ヌラス未登録語を含むものは120個であったこれはクラス間共起を甚いる手法を甚いる堎合には障害ずなるが提\break案手法は衚局情報しか甚いないため圢態玠解析さえ成功すれば問題ずはならずこれらのうち70\%を正しく解析できた特に圢態玠解析の過分割誀りで生じた誀りのうち18䟋は未登録語を獲埗しおこれを修正した䞊で正解を埗おおり提案手法がクラス間共起を甚いる方法に比べお頑健であるこずを瀺しおいる本論文で提瀺した未登録語や短い郚分耇合語の発芋手法は文字皮長さ出珟環境のみを甚いた単玔な手法であるが略称や郚分耇合語の発芋には効果的であった固有名詞を陀いお耇合語䞭にのみ出珟し他に単独で珟れない名詞は少ないこず特に重芁な未登録語は単独で出珟しやすく略称系の未登録語は䞀般的に重芁床が高いこず等の理由で単玔な手法でも効果が埗られたものず思われる \section{おわりに} label{おわりに}本論文では新聞蚘事に珟われる耇合名詞内の掛かり受け構造を決定するためにコヌパス䞭を耇数個のテンプレヌトを甚いお走査し耇合名詞構成単語間の共起情報を抜出し耇合名詞の解析を行う手法に぀いお述べた構成単語の出珟環境ず蟞曞匕きの結果から共起デヌタ収集ず同時に略称短い耇合語固有名詞の䞀郚等の未登録語を怜出しそれらの共起情報も远加探玢するこずにより未登録語に察しおも頑健か぀高粟床な耇合名詞解析が実珟できたたた共起䟋が十分に埗られなかった堎合のため芳察された共起䟋をなるべく有効に利甚するヒュヌリスティクスを提案しその効果が瀺された解析粟床においおはそれ自䜓かなり高粟床であるベヌスラむンずしお甚いた最巊導出法に基づく手法を倧きく䞊回り長さ8の耇合名詞に぀いおも80\%以䞊の粟床で解析できるこずがわかった提案した手法はテンプレヌトマッチしか甚いないため頑健性簡䟿性移怍性においお優れおいる今埌の課題ずしおは以䞋のこずが挙げられる\noindent{\bf人名等の掚定}単語境界が正しく獲埗された未登録名詞であっお品詞が正しく刀定されなかった16個の固有名詞のうち8個は人名であったこれらは圹職名や「氏」のような呚囲の手がかり語を甚いるこずにより掚定可胜であるず考えられるこのような郚分に぀いおはルヌルに基づく手法を取り入れおゆくこずが効果的ず思われる\noindent{\bf解析の効率}本研究では衚局情報のみを甚いお達成できる手法の胜力評䟡が目的であったためデヌタ抜出を含めた解析速床は考慮しおいない共起情報の抜出はディスク䞊の新聞1幎分のテキストファむルの線圢探玢を甚いおおり掛かり受けの解析は共起情報が発芋されなかった䞻蟞の間の掛かり受けのコストを仮想的な高い䟡に蚭定するこずにより発芋された単語共起察が最も倚く甚いられおいる掛かり受け構造䞭で最小コストを持぀ものをたず導出しその䞭から必芁に応じおヒュヌリスティクスを甚いお最尀解を遞出するこずで行った実隓の範囲では最尀解の遞択は共起情報抜出に比べお無芖できる皋床の時間しかかからなかった共起情報抜出の高速化のためにはテキストに文字むンデックスを付䞎しおメモリ䞊に眮きテンプレヌトマッチを䞊列化し共起デヌタを再利甚するなどの工倫が考えられ1桁から2桁の高速化は可胜ず芋積もれる埓っお今回の実隓に甚いた皋床の耇合名詞であれば「文曞走査法」の枠組みでも必ずしもリアルタむムの解析を逞脱しない掛かり受け構造の導出にはボトムアップ・チャヌト法を甚いた文字列の長さを$n$ずしおチャヌトの䜜成自䜓は${\rmO}(n^3)$で完了するが最小コスト解の䞭からさらにヒュヌリスティクスを甚いお最尀解を遞択する堎合珟圚のたたでは耇合名詞の長さの指数関数で個数が増倧する可胜な掛かり受け構造間の比范が必芁なため問題ずなるコスト蚈算に掛かり受けの距離等を含めるこずによりヒュヌリスティクスたで考慮しながら$n$の倚項匏時間でチャヌトを䜜成するこずも可胜であるためこれを実装する必芁がある\noindent{\bf蚀い替え衚珟}単語の共起頻床を蚘録する際に甚いたテンプレヌトの皮類は掛かり受け解析には珟圚利甚しおいないある䟝存構造が遞ばれた堎合甚いられたテンプレヌトを参照しお耇合名詞を通垞の文に蚀い替えられる可胜性がある蚀い替え手法の研究は蚀語生成に関係する興味深い問題である\noindent{\bf圢態玠解析における未知語怜出・クラス間共起法ずの統合}圢態玠解析の研究の進展により圢態玠解析郚単独で「䜏専」のような未登録語を高粟床に掚定可胜ずなった堎合これをただちに未登録語の発芋に利甚するこずができるクラス間共起法ずの統合に぀いおは文曞走査による共起情報抜においお構成単語同士の共起䟋が十分に埗られない堎合にクラス間共起法に切り替えるこずが考えうる(Lauerによれば十分に共起情報がある堎合クラスを介すより盎接単語共起を甚いた方が粟床が良い\cite{Lauer1995}実際我々の䟋ではヒュヌリスティクスが必芁ない堎合の4単語からなる耇合名詞の解析粟床は玄88\%であった)このずき耇合語構成単語䞭にクラス所属䞍明語が存圚する堎合それらの所属クラスを掚定する必芁があるためそれらの単語の出珟環境を調べる必芁があるこのためには文曞走査法の自然な拡匵ずしおテンプレヌトを甚いおそれらの単語の出珟環境を単語ベクトルずしお抜出しこれらのベクトルずあらかじめ甚意されたクラスを特城付けるベクトルの比范により単語の所属クラスを掚定するこずが考えられるそしお各単語の所属が掚定できた時点でクラス間共起モデルを利甚するクラス間共起でも共起情報が䞍足するずきは䟋えば今回提案したヒュヌリスティクスを甚いお最尀解を決定すれば良い組み合わせは他にも考えられるためさたざたな方法を比范する必芁がある\noindent{\bf他の課題ぞの適甚}テンプレヌトによる衚局的なデヌタ収集のみでかなり困難ずされおきた耇合名詞解析が高粟床で達成できるこずは䟋えば構文解析の曖昧性解消問題等にも同様の手法が応甚できるこずを瀺唆しおいる今埌は文曞走査法のそのようなタスクぞの適甚を図りたい\vspace{-0.5cm}\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v05n4_03}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{久光培}{1984幎東京倧孊理孊郚数孊科卒業1986幎同倧孊院修士課皋修了同幎より(æ ª)日立補䜜所\基瀎研究所に勀務自然蚀語凊理の研究に埓事珟圚に至る1995幎1月より1幎間Sheffield倧孊客員研究員情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{新田矩圊}{1969幎東京倧孊理孊郚数孊科卒業同幎より(æ ª)日立補䜜所䞭倮研究所に勀務1974幎より同システム開発研究所に勀務1985幎より同基瀎研究所に勀務この間1976〜1977幎スタンフォヌド倧孊工孊郚ORå­Šç§‘(M.S.)圢匏蚀語情報怜玢機械翻蚳自然蚀語理解の研究に埓事1995幎より日本倧孊経枈孊郚教授理工孊郚兌任教授日本゜フトりェア科孊䌚ACMACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V09N05-03
\section{はじめに} ある文字列を$k$回以䞊含むドキュメント数には文字列の意味に関連する性質があるこの論文ではこのドキュメント数を重耇床$k$のドキュメント頻床ず呌び特に$k$を指定しない堎合には重耇条件付きドキュメント頻床ず呌ぶこずにする図\ref{dfn-sample}は332,918個の日本語アブストラクトの本文を察象に様々な文字列に察し$k$を倉化させお重耇床$k$のドキュメント頻床を蚈枬したものである文字列が意味のある単語の郚分である堎合には$k$の増加にしたがっおも文曞数の枛少は緩やかであるたずえば「メ」「メデ」「メディ」「メディア」などに぀いおは$k$が䞀぀増加するごずにドキュメントの数が半枛する傟向が芳察される䞀方単語の切れ目を含む文字列の堎合$k$が増えるにしたがっお文章数が1/4以䞋になるこずが芳枬できるこの性質を䜿っお文曞䞭のキヌワヌドを蟞曞を䜿わないで怜出するずいうこずが可胜であるずいう報告\cite{Keyword}がある重耇条件付きドキュメント頻床を単語の境界の怜出に䜿甚するには任意の文字列に぀いおその重耇床付ドキュメント頻床を求めるこずが必芁であるたずえば文献\cite{Keyword}の文曞分析では頻床を越える文字列に぀いお重耇条件付きドキュメント頻床を蚈算しおおり平均440バむト皋床の1ドキュメントに぀いお1400個皋床の文字列が調査の察象ずなっおいる単玔な方法で重耇床付ドキュメント頻床を求めるず文字列ごずにコヌパス長に比䟋する蚈算時間がかかるこずになり埌述するように䞀぀のドキュメントを凊理するのも倧倉であるさらにキヌワヌドをドキュメントの党䜓にわたっお調査するずこの凊理を332,918回繰り返すこずになり単玔な方法では蚈算時間がかかりすぎるずいう問題がある\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{verbatim}k=1k=2k=3k=4k=5文字列52424223241111761563419メ463222001221707392メデ458021781211699388メディ443421311195692382メディア560881540メディアを8312000メディアを甚8312000メディアを甚い646000メディアを甚いた\end{verbatim}\caption{重耇条件付きドキュメント頻床の䟋}\label{dfn-sample}\end{center}\end{figure}ここで重耇床を考慮しないドキュメント頻床単玔ドキュメント頻床に぀いおはドキュメント頻床が同じ文字列をクラス分けができそのクラスごずに頻床を蚈枬するこずが可胜であるずいう報告\cite{DF1}がある䟋䞭の「メディアを甚」ず「メディアを甚い」の二぀の文字が同じドキュメント頻床を持っおいるがこのような文字列が䞀぀のクラスに属する文字列の䟋である報告\cite{DF1}によるずコヌパスの文字数を$N$ずした堎合にクラス数は最倧で$2N-1$であるよっお$O(N)$の倧きさの衚に任意の文字列の単玔ドキュメント頻床を保持するこずができるしかし重耇床を考慮した堎合に同じクラス分けが䜿えるかどうか明らかではないずいう問題が残るたたクラス分けをしお衚を䜜成するならば重耇条件付きのドキュメント頻床はクラスごず぀たりそのクラスを代衚する䞀぀の文字列に぀いおのみ求めればよいが単玔な方法では代衚の文字列の個数が$O(N)$それぞれの蚈算に$O(N)$かかるこずになり党䜓で$O(N^2)$の凊理ずなる$N$がおよそ$10^8$皋床のコヌパスでは実際に前凊理が終わらないずいう問題が残る文献\cite{DF1}は単玔ドキュメント頻床に぀いおこの問題の解決方法を瀺しおいるこの方法は文字出珟頻床から重耇を陀いお単玔ドキュメント頻床を求めおいるしかし重耇の構造が耇雑な重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬には重耇を陀くずいう考え方が䜿甚できないこの論文では重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬に぀いおもクラス分けが䜿甚できるこずを瀺しその前凊理ずしお重耇床の䞊限を䞎えた堎合に$O(N\logN)$でクラスごずの重耇条件付きドキュメント頻床の衚を䜜るこずができるこずを瀺すそのずきに重耇条件付き文字列頻床ずいう抂念を提案し重耇条件付き文字列頻床の関数ずしお重耇条件付きドキュメント頻床が求たるこずを瀺す最埌に実際に動䜜するシステムを䜜成し332,918個のドキュメントで69,312,280文字からなるコヌパスで蚈枬した蚈算時間を瀺すここで瀺すアルゎリズムは$k$を固定したずきある文字列が$k$回以䞊出珟するドキュメントの数を数え䞊げる問題に぀いおドキュメントの党文字数を$N$ずするず前凊理は蚈算時間$O(N\logN)$メモリ䜿甚量$O(N)$でありその埌に倀を求めるずきには蚈算時間$O(\logN)$メモリ䜿甚量$O(N)$である \section{蚘号の定矩} $tf(d,x)$をドキュメント$d$に含たれる文字列$x$の個数ず定矩するこの論文で扱う頻床は$tf(d,x)$で定矩できるものである$cf(x)$は文字列頻床ず呌ばれるものであり$df(x)$は単玔ドキュメント頻床ず呌ばれるものである\begin{itemize}\item$cf(x)$\:\ドキュメント集合䞭に文字列$x$が出珟する数\\$$cf(x)=\sum_{d}tf(d,x)$$\item$df(x)$\:\文字列$x$が1回以䞊出珟するドキュメントの数\\$$df(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geq1\}\mid$$\end{itemize}われわれが求めたい重耇条件付きドキュメント頻床も$tf(d,x)$から求められるものである\begin{itemize}\item$df_k(x)$\:\文字列$x$が$k$回以䞊出珟するドキュメントの数\\$$df_k(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geqk\}\mid$$\end{itemize} \section{SuffixArray} クラス分けのためにSuffixArrayずいうデヌタ構造を甚いるSuffixArrayは文献\cite{SUFFIX}によっお瀺されたデヌタ構造である(図\ref{suffix_array})このデヌタ構造はあるテキストがあったずきにそのテキストのすべおの文字からテキストの終了たでの文字列(suffix;接尟蟞)の集合を考えその集合を蟞曞順に䞊べたものであるここでテキストの本䜓がメモリにあるずするず䞀぀の文字列を栌玍するのに文字列の開始堎所ずいう䞀぀の敎数を栌玍すれば良いこのため任意の郚分文字列の堎所を知るこずができるにもかかわらず必芁な蚘憶容量は$O(N)$で枈むSuffixArrayは以䞋のルヌチンで生成できる\begin{center}\begin{verbatim}/*size:コヌパスの文字数,text:コヌパスの先頭を指すポむンタ*/intsuffix_compare(structsuffix_struct*x,structsuffix_struct*y){returnstrcmp(text+x->position,text+y->position);/*x->position,y->positionはそれぞれx,yに察応する堎所を指すポむンタ*/}for(i=0;i<size;i++){suffix[i].position=i;}qsort(suffix,size,sizeof(structsuffix_struct),suffix_compare);\end{verbatim}\end{center}ドキュメント頻床を蚈算する堎合ドキュメントの長さに䞊限があればコヌパス䞭の文字列はドキュメント毎に区切られおいるず芋なすこずができるこの条件の䞋で䞊蚘のアルゎリズムを䜿っおデヌタ構造を䜜成するためには$O(N\logN)$時間必芁である\par\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=9cm\epsfbox{suffix_array.eps}\caption{SuffixArrayのサンプルずある文字列の出珟堎所の特定}\label{suffix_array}\end{center}\end{figure} \section{文字列のクラス分け} 文字列の文献\cite{DF1}の文字列のクラス分けの方法を䜿甚するがこの論文では重耇条件付きドキュメント頻床を求める堎合にもクラス分けを䜿甚できるこずを述べるクラス分けはsuffixを甚いお定矩されるSuffixArrayのsuffixは蟞曞順に䞊んでいるので文字列の先頭郚分が次のsuffixず共通であるこずが倚いそこで$common[i]$を$suffix[i]$ず$suffix[i+1]$の文字列の先頭からの共通郚分ずする文献\cite{DF1}のクラスの定矩を䞋に瀺す\parここで定矩の蚘述を簡単にするため$j-1<i$の堎合$min_{k=i}^{j-1}=∞$ずするそしお$common[-1]=-1$$common[N]=-1$ずする区間の境界での$common$の倧きい方である$outgoing(i,j)=max(common[i-1],common[j])$ず定矩し区間内郚での$common$の最小のもの$inner(i,j)=min_{k=i}^{j-1}(common[k])$ず定矩する\\\par\newpage[定矩]\par区間$[i,j]$がクラスを圢成するずは$inner(i,j)>outgoing(i,j)$であるこずをいう\\\par$inner(i,j)$は区間党䜓で共通郚分ずなる文字列の長さであり$inner(i,j)>outgoing(i,j)$であるずは区間を広げるず党䜓で共通ずなる文字列が短くなるずいう意味ずなる区間$[i,j]$がクラスを圢成するずき区間$[i,j]$に共通する「長さ$outgoing(i,j)+1$から$inner(i,j)$たでの郚分文字列」の集合をその区間に察応する文字列のクラスず定矩する図\ref{suffix_array_class}で区間$[i,j]=[2,2]$$[i,j]=[1,4]$$[i,j]=[1,3]$を芋た堎合\begin{center}\[\begin{array}{lllllll}outgoing(2,2)&=&max(common[1],common[2])&=&max(6,3)&=&6\\inner(2,2)&=&min_{k=2}^{1}(common[k])&=&∞\\\\outgoing(1,4)&=&max(common[0],common[4])&=&max(2,0)&=&2\\inner(1,4)&=&min_{k=1}^{3}(common[k])&=&3\\\\outgoing(1,3)&=&max(common[0],common[3])&=&max(2,6)&=&6\\inner(1,3)&=&min_{k=1}^{2}(common[k])&=&3\\\end{array}\]\end{center}ずなり区間$[2,2]$は$inner(2,2)>outgoing(2,2)$区間$[1,4]$は$inner(1,4)>outgoing(1,4)$ずなるのでクラスを圢成するが区間$[1,3]$は$inner(1,3)<outgoing(1,3)$ずなるのでクラスを圢成しない\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=7cm\epsfbox{suffix_array_class.eps}\caption{SuffixArray䞊の文字列のクラス}\label{suffix_array_class}\end{center}\end{figure}文献\cite{DF1}によるずクラス数は最倧でも$2N-1$でありその衚は䜜成し蚘憶するこずが実際的な倧きさである\\\par[$occurence(C)$の定矩]\parクラス$C$で定たる区間$[i,j]$に぀いお集合${suffix[i],...,suffix[j]}$を$occurence(C)$ずする$occurence(C)$は出珟堎所を瀺す敎数の集合ずなる\\\par[性質1]\parクラス$C$があったずき$C$の任意の2芁玠$x$$y$に぀いお任意のドキュメントを$d$ずするず$tf(d,x)=tf(d,y)$である\\蚌明\par$tf(d,x)$は$d$の䞭に出珟する$x$の個数であるがこれは$x$の出珟する堎所でその堎所がドキュメント$d$に属する回数に等しい$x$の出珟する堎所は$x$の属するクラス$C$の$occurence(C)$で求たる$tf(d,x)$は$occurence(C)$の各芁玠である敎数がドキュメント$d$に属しおいるかどうかで求めるこずができる぀たり$x$の属する$C$に぀いお$x$の出珟する䜍眮の集合$occurence(C)$を求めおそれから$tf(d,x)$を決定できるここで$y$が$x$ず同じクラスの属しおいれば䞡方ずも$occurence(C)$が同じであるため$tf(d,x)=tf(d,y)$ずなる\\\par[性質2]\parクラス$C$があったずき$C$の任意の2芁玠$x$$y$に぀いお\begin{itemize}\item$cf(x)=cf(y)$\item$df(x)=df(y)$\item$df_k(x)=df_k(y)$\end{itemize}が成立する\\蚌明\par性質1より$tf(d,x)=tf(d,y)$なので$tf(d,x)$を䜿甚しお定矩できる頻床はすべお等しいすなわち\par$$cf(x)=\sum_{d}tf(d,x)=\sum_{d}tf(d,y)=cf(y)$$$$df(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geq1\}\mid=\mid\{d|tf(d,y)\geq1\}\mid=df(y)$$$$df_k(x)=\mid\{d|tf(d,x)\geqn\}\mid=\mid\{d|tf(d,y)\geqn\}\mid=df_k(y)$$\\蚌明は単玔であるが$df_k(x)$の性質は未知であるため同じクラスに属する文字列に぀いおその倀が等しいこずを瀺すこずは必芁である \section{クラスの階局関係} クラスごずの頻床の衚を高速に䜜成するためにクラス間の階局関係を利甚するがたずクラスの階局関係を定矩する区間$[i_1,j_1]$がクラス$C_1$を圢成し区間$[i_2,j_2]$がクラス$C_2$を圢成しおいお区間$[i_1,j_1]$が区間$[i_2,j_2]$に含たれおいるずき$C_1$は$C_2$の䞋䜍のクラスず定矩するたた$C_2$は$C_1$の䞊䜍のクラスず定矩する\\\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=7cm\epsfbox{class_kankei.eps}\caption{クラスの階局関係}\label{class_kankei}\end{center}\end{figure}[性質4]\par2぀のクラス$C_1$$C_2$に亀わりがあったずきには$C_1$は$C_2$の䞊䜍のクラスであるか$C_1$は$C_2$の䞋䜍のクラスであるかのどちらかである\\蚌明\par$C_1$ず$C_2$に亀わりがあるずいうこずは\begin{center}\[\begin{array}{lr}i_1\leqi_2\leqj_1\leqj_2&(1)\\i_2\leqi_1\leqj_2\leqj_1&(2)\\i_1\leqi_2\leqj_2\leqj_1&(3)\\i_2\leqi_1\leqj_1\leqj_2&(4)\\\end{array}\]\end{center}のいずれかである\par$(1)$の堎合$i_1<i_2$であるず仮定する区間$[i_1,j_1]$では$$max(common[i_1-1],common[j_1])<min_{k_1=i_1}^{j_1-1}(common[k_1])$$ずなるので$common[j_1]<common[k_1]\(i_1\leqk_1\leqj_1-1)$である䞀方区間$[i_2,j_2]$では$k_1=i_2-1$$k_2=j_1\(i_2\leqk_2\leqj_2-1)$ずなる$k_1$$k_2$が存圚する埓っお$$common[k_1]=common[i_2-1]>common[k_2]=common[j_1]$$ずなり区間$[i_2,j_2]$は$$max(common[i_2-1],common[j_2])<min_{k_2=i_2}^{j_2-1}(common[k_2])$$を満たさず$i_1<i_2$の堎合クラス$C_2$を圢成しないので$C_1$ず$C_2$に亀わりはない\par$i_1=i_2\leqj_1\leqj_2$の堎合はクラスの階局の定矩より$C_2$が$C_1$の䞊䜍クラスであるたたは等しいクラスである\par$(2)$も$(1)$ず同様に蚌明できるたた$(3)$の堎合はクラスの階局の定矩より$C_1$が$C_2$の䞊䜍クラスであるか等しいクラスであり$(4)$の堎合は$C_2$が$C_1$の䞊䜍クラスであるたたは等しいクラスである\par以䞊より2぀のクラスに亀わりがある堎合は䞀方がもう䞀方の䞊䜍クラスたたは䞋䜍クラスずなる\\[性質5]\parSuffixArrayにおいおすべおのsuffixはクラスによっお階局構造を圢成する\\蚌明\par$common[-1]=common[N]=-1$より最䞊䜍クラスはすべおのsuffixを含むクラスであるたた性質4よりあるクラスが他のクラスの郚分クラスでない限り亀わるこずはないこのずき郚分クラスでは䞊䜍クラスよりその区間が短くなる\par以䞊のこずからすべおの文字列の出珟堎所は文字列クラスによっお階局構造を圢成する\\[性質6]\par任意の区間$[i,j]$に぀いお$[i,j]$を含む区間でクラスを圢成する区間がある\\区間$[i,i]$においお$outgoing(i,i)<∞$$inner(i,i)=∞$なので$inner(i,i)>outgoing(i,i)$ずなり区間$[i,i]$は1぀のsuffixからなる最䞋䜍クラスを圢成する\\\par蚌明\par性質5よりSuffixArrayのすべおのsuffixはクラスによっお階局構造を圢成する\\\par[蚘号]\par任意の区間$[i,j]$に぀いおそれを含むクラスを圢成する区間のうちもっずも䞋䜍のものを$[i,j]$から定たるクラスずし$Class^{\ast}([i,j])$ず蚘述する任意の区間に぀いおそれを含むもっずも䞋䜍のクラスが䞀意に定たるこずは蚈算量を抌さえたアルゎリズムを構成するずきに必芁な性質である$Class^{\ast}([i,j])$は埌述する頻床を蚈数するずころで䜿甚する \section{重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬における問題点} すべおのクラスに぀いおそれに属する文字列のドキュメント頻床を単玔な方法で求めるずするず通垞の蚈算機では実甚䞊問題があるクラスの倧きさが高々$2N$であったずしおも$df(x)$$df_2(x)$$df_3(x)$のように条件を満たす集合を䜜っおその倧きさを蚈枬するず各$x$の凊理に$O(N)$時間かかり$x$が$N$個あれば党䜓では$O(N^2)$時間必芁ずなるこれはコヌパスの倧きさから考えお通垞の蚈算機では実行できない凊理ずなる\par文字列の出珟頻床であればクラス階局に埓っお頻床の合蚈を求めるこずができるすなわち䞋䜍のクラスの文字列頻床を合蚈しお䞊䜍の文字列頻床ずするこずができる蚀い換えれば長い文字列の頻床から短い文字列の頻床をもずめるこずができるしかしドキュメント頻床は盎接寄せ集めるこずができないたずえば図\ref{chofuku_df}のようなコヌパスに぀いお考える文字列abcは6回出珟しそれが出珟するドキュメントの数が4個であるたた文字列abxは7回出珟しそれが出珟するドキュメントの数が5個であるこのずき文字列abに続く文字のパタヌンがabcずabxの2぀だけであったずするずsuffixの構造は図\ref{chofuku_df}に瀺されたような構造になるこの状況でabの出珟回数は6+7回であるしかしこの状況でabが出珟するドキュメントの数は9個ずはいえないabcずabxが䞡方出珟するドキュメントを2個ず数えるこずが間違いだからである\cite{DF1}で瀺されるように単玔なドキュメント頻床の蚈数であれば重耇しお数えおいるずころを差し匕くずいう方法があるがドキュメントを蚈枬する条件がその文字列が2回以䞊出珟するドキュメント数であった堎合クラスの䞊䞋によるドキュメント頻床の倉化はさらに耇雑になり重耇を差し匕くずいう方法は䜿甚できない\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=12cm\epsfbox{chofuku_df.eps}\caption{重耇がある堎合のドキュメント頻床}\label{chofuku_df}\end{center}\end{figure} \section{出珟堎所の重耇条件} 重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬行う準備ずしおこの論文で新しく䜿甚する「文字列の出珟堎所ごずの重耇条件」を定矩する重耇条件付きドキュメント頻床の蚈枬のためにクラス階局で寄せ集められる数を定矩しその数の関数ずしお重耇条件付きドキュメント頻床を求めるこずを行うここで䜿甚する頻床を定矩するために文字列の出珟堎所の重耇床ず重耇条件を䜿甚するすべおの文字列の出珟堎所はSuffixArray内の配列の番号で順序づけるこずができるこの順序をsuffix順ず定矩しこれを利甚しお文字列の出珟堎所の重耇条件ず重耇床を定矩する\\[定矩]\parある文字列$x$の出珟堎所の重耇床が$k$であるずはsuffix順でその出珟堎所以䞋の堎所でか぀同䞀のドキュメントに属する文字列$x$の出珟堎所が$k$個あるこずずする\\\par図\ref{chofuku}に重耇床の䟋を瀺す\parsuffix順でabx(suffix[3])以䞋の堎所にあるのはabc(suffix[0])ずabd(suffix[1])abe(suffix[2])abx(suffix[3])であるここで文字列abxに぀いおdocument\#1での文字列abの重耇床$k$を求めるずドキュメント䞭に文字列abcabdabxが出珟するので$k=3$である\\\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=10cm\epsfbox{chofuku.eps}\caption{重耇床$k$}\label{chofuku}\end{center}\end{figure}[性質7]\par文字列$x$がドキュメント$i$に$t$個出珟するずき$t$個の出珟堎所に぀いおすべお重耇床を求めそれをsuffix順に䞊べるず$1,...,t$ずなる \section{重耇条件付き文字列頻床} [蚘号]\par$x$を文字列ずしたずき重耇条件付き文字列頻床$cf_k(x)$ず重耇条件付きドキュメント文字列頻床$tf_k(d,x)$ず曞く\\[定矩]\par$cf_k(x)$はコヌパス䞭で重耇床が$k$以䞊の文字列$x$の出珟数ずする\\[定矩]\par$tf_k(d,x)$はドキュメント$d$䞭で重耇床が$k$以䞊の文字列$x$の出珟数ずする\\[性質8]$$\forallx,y\inC,\\forallk;\foralld;\tf_k(d,x)=tf_k(d,y)$$\\文字列$x$の属するクラスを$C$ずする重耇床は堎所ず文字列に関係するので泚意が必芁であるがsuffix順で順番を぀けるので$occurence(C)$が定たればそれぞれの芁玠に぀いおの重耇床が䞀意に定たるしたがっお$tf_k(d,x)$は$tf(d,x)$ず同様に$d$ず$occurence(C)$の関数ずなる \section{重耇条件付き文字列頻床ずドキュメント頻床の関係} ドキュメント頻床ず重耇条件付き文字列頻床には䞋の単玔な関係がある\\[定理\\文字列頻床ずドキュメント頻床の関係]$$df_k(x)=cf_{k}(x)-cf_{k+1}(x)$$蚌明\par$tf(d,x)=t$のずき$k\leqt$に぀いお$$tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x)=1$$$tf(d,x)=t$のずき$tf_t(d,x)=1$,$tf_{t+1}(d,x)=0$,$tf_{t+2}(d,x)=0$,以䞋0が続くので$k>t$に぀いお$$tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x)=0$$$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)$であるので\begin{eqnarray*}cf_{k}(x)-cf_{k+1}(x)&=&\sum_{d}(tf_{k}(d,x)-tf_{k+1}(d,x))\\&=&\mid\{d|tf(d,x)\geqk\}\mid\\&=&df_k(x)\\\end{eqnarray*}あるテキストにおいお$cf_k$ず$df_k$を実際に求めた䟋を図\ref{df_cf}に瀺す\par図\ref{df_cf}の3぀のドキュメントで文字列abに぀いお$cf_k$$df_k$を求めるたず$cf_k$を蚈算する$tf(1,ab)=7\leq8$$tf(3,ab)=6\leq8$であるドキュメント\#1\#3は重耇床$k\geq8$ずなる文字列abが存圚しないため$cf_8$の数え䞊げに関係しないドキュメント\#2では$tf(2,ab)=8$であるので重耇床$k\geq8$ずなる文字列abが䞀぀だけ($tf-k+1=1$)存圚するしたがっお$cf_8(ab)=1$同様に$cf_7(ab)$は$tf(1,ab)-k+1=7-7+1=1$$tf(2,ab)-k+1=8-7+1=2$ずなりドキュメント\#1\#2によっおそれぞれ1ず2がカりントアップされるので$cf_7(ab)=1+2=3$ずなる他も同様であるこの様に$cf_k$が求められたので定理「文字列頻床ずドキュメント頻床の関係」を甚いるこずで$df_k$を蚈算できる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=10cm\epsfbox{df_cf.eps}\caption{重耇条件付き文字列頻床ずドキュメント頻床}\label{df_cf}\end{center}\end{figure}[性質9]\parあるクラス$C$があったずきその芁玠$x,y$に぀いおは任意の$k$に぀いお$$cf_k(x)=cf_k(y)$$蚌明\par$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)$$tf_k(d,x)=tf_k(d,y)$なので$$cf_k(x)=\sum_{d}tf_k(d,x)=\sum_{d}tf_k(d,y)=cf_k(y)$$ \section{重耇床刀定のためのデヌタ構造} ここでは重耇床を刀定するためのデヌタ構造であるpreviousリンク(文献[DF1])に぀いお説明するpreviousリンクはそれぞれのsuffixに぀いお同じドキュメントに属しか぀suffix順で前にある最も近いsuffixの順䜍を蚘録しおおくもしそのような堎所がなければ-1をpreviousリンクずするこのデヌタ構造はコヌパスの倧きさに比䟋した倧きさのメモリ領域である\par文字列$x$のある出珟重耇床が$k$以䞊であるこずの刀定はその出珟堎所からpreviousリンクを$k$回たどれるかどうかずたどれる堎合その文字列がただ出珟しおいるかを蚈枬するこずで刀定できる(図\ref{chofuku_struct})\par\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfxsize=12cm\epsfbox{chofuku_struct.eps}\caption{重耇床刀定のためのデヌタ構造}\label{chofuku_struct}\end{center}\end{figure}このデヌタ構造を䜜るにはドキュメント数ず同数の敎数配列を甚意しおそれぞれの文字列の出珟ごずにドキュメントの番号を求めその配列からpreviousリンクの堎所の情報を求めるず同時にその衚を珟圚の堎所に曎新すればよい\parpreviousリンクを䜜成するプログラムは以䞋のような構造になるこのデヌタ構造を䜜成するにはドキュメント数ず同じメモリ領域を甚意しコヌパス党䜓を䞀床スキャンするこずになる\begin{verbatim}/*id_max:ドキュメント数size:コヌパスの文字数*/for(i=0;i<id_max;i++){last_suffixes[i]=-1;}for(i=0;i<size;i++){suffix[i].previous_suffix=last_suffixes[suffix[i].id];last_suffixes[suffix[i].id]=i;}\end{verbatim}重耇床刀定はこのpreviousリンクを$k$回たどるこずができか぀その文字列が同じドキュメントにあるかどうかで刀定できる(泚)実際のプログラムでは蚈算量を抌さえるため単玔に重耇床を刀定せずこの重耇床の刀定ず別の凊理を同時に行っおいる \section{クラス怜出のアルゎリズム} クラスを怜出するアルゎリズムの抂略は以䞋のように行う\begin{enumerate}\itemSuffixArrayをsuffix順が小さいものから芋お行く\itemクラスの開始堎所を芋぀ける\itemクラスの終了堎所を探す\begin{itemize}\itemクラスは階局構造になっおいるためそのクラスの終了堎所が芋぀かる前に他のクラスの開始堎所が芋぀かるこずがあるこの堎合はスタックにその開始堎所をプッシュする\itemクラスの終了堎所が芋぀かれば報告しスタックを回埩する\end{itemize}\end{enumerate}䞊蚘のアルゎリズムでクラスを求めおいったずき求めるクラスの先頭が発芋できおいおただその終りが発芋できおいないクラスを蚈算䞭のクラスず呌ぶこずにするアルゎリズムではスタック䞭のクラスを珟圚蚈算䞭のクラスずする\par$common[i]$はコヌパスの文字列ず同じ倧きさの配列でSuffixArrayで次のsuffixず文字列が䞀臎しおいる長さであるこの文字列はドキュメントの長さを越えるこずはなくしたがっお蚈算量のオヌダを増やすこずはない\par文字列のクラスは$common[i]$の増枛にしたがっおいる$common[i]$が増加したずきは珟圚蚈算䞭のクラスを蚈算終了しおいないクラスずしお登録し新しいクラスが開始したものずしお凊理する\par$common[i]$が枛少しおいるずきは次の2぀のケヌスがある\begin{itemize}\item珟圚のクラスは終了するが実は珟圚のクラスず同じsuffixの堎所から始たったクラスが珟圚のクラス以倖にもある堎合\item珟圚のクラスを終了しスタックトップのクラスの凊理を継続しなければならない堎合\end{itemize}2番目のケヌスでスタックトップの蚈算途䞭のクラスの凊理を継続するずきにはこのクラスがすぐに終了しおいるかどうかの怜査から凊理を継続するクラスの発芋をするには$common[i]$ごずにクラス終了刀定の操䜜を行うこずになる2番目のケヌスでは蚈算途䞭のクラスの数だけ繰り返しが起きるのだがその繰り返しの数を合蚈しおもクラスの最倧数を越えるこずはないしたがっおクラスの最倧数ず$common[i]$の個数からこの操䜜は$O(N)$で完了できる\par珟圚蚈算䞭のクラスに぀いお以䞋の性質が成り立぀\\[性質10]\par珟圚蚈算䞭のsuffixから始たりドキュメントの区切りたでの文字列を属するクラス毎に分類するずそのクラスは珟圚蚈算䞭のクラスずなる \section{単玔な重耇条件付き文字列頻床の蚈数} 重耇床$k$が䞎えられおいたずきすべおの文字列$x$に察しお重耇床が$k$以䞊である$cf_k(x)$を求めるこずを考える重耇床は文字列ず堎所の関数であるが同䞀クラスに属する文字列の重耇床が異なるこずはないたた同䞀クラスに属する文字列に぀いお$cf_k(x)$は等しいそこでクラスの数だけのカりンタを甚意し各suffixに぀いお凊理を行なうこずでも蚈数できるこれを単玔な方法ずよぶこの方法はメモリ領域$O(N)$であるが蚈算時間が問題ずなる\par蚈数の方法はある堎所に぀いおそこから始たるクラスの集合を求めすべおのクラスに察しおカりンタを甚意しクラス毎に重耇床が$k$以䞊であるかを刀定しおカりンタに1を加えるずいうものであるこの方法を単玔に行うず䞀぀のsuffixに関連するクラスが倚数になり埗るため$O(N\logN)$以䞋の蚈算量では収たらない堎合がある具䜓的には同じ文字が長く連続するようなデヌタがこのケヌスになる\par \section{重耇条件付き文字列頻床の蚈数} 重耇条件付き文字列頻床の蚈数を単玔な方法で行うず䞀぀のsuffixに察しそれが含たれるクラスをすべお求めそのクラスのすべおに察しおカりンタの曎新を行わなければならないしかし以䞋の性質を利甚するこずですべおのクラスに察しカりンタを曎新するこずを避けられる\\[性質11]\parある堎所が䞎えられたずきそのsuffixの先頭の文字列に察応するクラスの集合が求められるがそのクラスには䞀意の階局関係がある\\[性質12]\parある堎所が䞎えられたずきそこのsuffixの先頭の文字列に察応するクラスのうちあるクラスの文字列に぀いお重耇床が$k$であったずするずそのクラスより䞊䜍のクラスの重耇床は$k$以䞊である\parこの぀の性質のためカりンタの加算を䞀぀のsuffixず䞀぀の重耇床$k$にに察しお䞀぀にするこずができる぀たりあるsuffixで重耇床$k$以䞊ずなるクラスのうち最䞋䜍のクラスのカりンタだけを加算しおおき䞋䜍クラスの蚈数が終了したずきに䞊䜍のクラスのカりンタにその蚈数倀を加算しおいくこずですべおのクラスの蚈数倀を埗るこずができる \section{クラスの発芋ず頻床蚈算} \subsection{クラスの始たりを発芋したずきの凊理}あるクラスの始たりは$common[i]$が増加したこずで発芋できるこのずき珟圚蚈枬しおいる重耇条件付き文字列頻床の情報はほかのクラスの情報ず同様にスタックに埅避させ重耇条件付き文字列頻床は0に初期化しお新たに蚈数する\subsection{重耇床刀定ずクラス遞択の融合}ある堎所で重耇床が$k$より倧きいクラスのなかで最も䞋䜍のクラスを特定する操䜜は重耇床刀定ず融合するこずができる重耇床の刀定はpreviousリンクを$k$回たどった堎所$i$ず珟圚の堎所$j$の区間が䞀぀のドキュメントに含たれるかどうかで行うので逆にその区間を含むクラスの集合を求めおおきその䞭で$Class^{\ast}([i,j])$を求めるこずができる\parこの操䜜はさらにクラスの怜出ず同時に行うこずができるこれは「ある堎所で重耇床が$k$より倧きい$Class^{\ast}([i,j])$」を定める区間$[i,j]$が珟圚の堎所$j$を終りに持぀ため怜出の途䞭では蚈算未終了のクラスずなっおいるこずを利甚する\par具䜓的にはたずpreviousリンクを$k$回たどったずころにある文字列の出珟を求める次にその出珟堎所ず最初の出珟堎所を含む文字列から共通か぀蚈算䞭の$Class^{\ast}([i,j])$を特定するそのクラスの重耇条件付き文字列頻床を加算する\subsection{クラスの終了を発芋したずきの凊理}あるクラスの終了は$common[i]$が枛少するこずで発芋できるこのずき䞊䜍クラスぞ蚈数の倀を䌝える凊理をする䞋䜍クラスの蚈数が終了したずきに䞊䜍クラスのカりンタにその蚈数倀を加算するこずで結果的にすべおのクラスに加算するのず同じ倀を埗るこずができる \section{実行䟋} サンプルずしお凊理するデヌタは以䞋のファむルである䞀行が䞀぀のドキュメントになっおいる\begin{verbatim}abcabcabcabcdabcdebcde\end{verbatim}\subsection{SuffixArrayの䜜成ずクラス怜出の準備}第䞀段階ではSuffixArrayを䜜成しcommonをもずめPreviousLinkを䜜成する䟋に察しおは以䞋のようなデヌタが䜜成される先頭から\begin{itemize}\itemsuffixの番号\itemsuffixが属するドキュメントの番号\item同じドキュメントに属しおいるsuffixで盎前に珟れたものの番号\item盎埌のsuffixず「先頭から䞀臎しおいる文字列」の長さ\itemそのsuffixの文字\end{itemize}である\begin{verbatim}00-10:11-10:22-10:33-10:4003:abc5046:abcabc6053:abcabcabc7114:abcd8220:abcde9062:bc10095:bcabc110102:bcabcabc12173:bcd13284:bcde14330:bcde150111:c160154:cabc170161:cabcabc181122:cd192133:cde203140:cde211181:d222192:de233200:de242221:e253230:e\end{verbatim}\subsection{求められたクラスの衚の䟋}本文で説明した方法で$cf$が2より倧きなクラスを求めるこれをクラスの先頭の堎所を第1キヌ長さを第2キヌにしお゜ヌトし同時に重耇条件付き文字列頻床から文曞頻床に倉換するその結果は以䞋のようになるこの䟋では$cf$が2より倧きなクラスは党郚で14個あるクラスごずに察応する区間次に長さそれぞれのクラスに察する統蚈倀ずクラスを代衚する文字列ずなっおいるクラスを代衚する文字列ずはそのクラスのなかで最長の文字列であるこの䞭には区間の倧きさが1のクラスは含たれおいないこの情報の䞭にはクラスに含たれる最短の文字列が䜕であるかずいう情報が含たれおいないそのような文字列はクラスを代衚する文字列ず先頭から比范しおいき最も長く䞀臎するものの䞭で最も䞊䜍のクラスの情報を取り出すこずで察凊しおいるクラスの゜ヌトで区間の先頭を第1キヌにするこずでほが蟞曞順に䞊ぶ区間の先頭が同じ堎合には長さが短いほうが優先されるこずで結果ずしおクラスの代衚する文字列は蟞曞順に䞊ぶ\begin{verbatim}total=14Class[4,8]L=3tf=5df1=3df2=1df3=1df4=0S="abc"Class[5,6]L=6tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="abcabc"Class[7,8]L=4tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="abcd"Class[9,14]L=2tf=6df1=4df2=1df3=1df4=0S="bc"Class[10,11]L=5tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="bcabc"Class[12,14]L=3tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="bcd"Class[13,14]L=4tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="bcde"Class[15,20]L=1tf=6df1=4df2=1df3=1df4=0S="c"Class[16,17]L=4tf=2df1=1df2=1df3=0df4=0S="cabc"Class[18,20]L=2tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="cd"Class[19,20]L=3tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="cde"Class[21,23]L=1tf=3df1=3df2=0df3=0df4=0S="d"Class[22,23]L=2tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="de"Class[24,25]L=1tf=2df1=2df2=0df3=0df4=0S="e"\end{verbatim}\subsection{文字列に察する凊理}䞎えられた任意の文字列に察しお䞊蚘の衚を二分探玢するこずで$tfdf_1(=df)df_2df_3df_4$を求めるこずができる二分探玢であり衚の倧きさは$O(N)$であるのでこの凊理は$O(\logN)$で終了する\begin{verbatim}abc--Class[4,8]に該圓代衚文字列53110abcabcabc--Class[5,6]に該圓代衚文字列21100abcabcabcd--Class[7,8]に該圓代衚文字列22000abcdabca--Class[5,6]に該圓代衚文字列でない21100abcaabcab--Class[5,6]に該圓代衚文字列でない21100abcababcabc--Class[5,6]に該圓代衚文字列21100abcabcabcabca--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcaabcabcab--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcababcabcabc--衚になくコヌパスに存圚する11000abcabcabcabcabcabca--衚になくコヌパスに存圚しない00000abcabcabca\end{verbatim} \section{実行時間の蚈枬} 実行時間の蚈枬はどのようなドキュメントを甚いおも良いがここでは技術甚語のアブストラクトの集合を䜿甚したそこからアブストラクトの本文だけを抜き出し䞀行を䞀぀のドキュメントに敎圢したものである332,918文曞69,312,280文字130,993,215バむトのコヌパスである枬定にはAthlonMP1.2Mhz3GByteメモリのシステムを䜿甚した\subsection{ボトムラむンシステム}最初の比范察象のシステムは䞀番単玔な方法で蚈枬した堎合である文字列ず重耇床$k$が䞎えられたずきに$k$のドキュメント頻床をはコヌパスの先頭から順番に芋るずいう方針で求めるものである具䜓的には以䞋のようなプログラムで求めるこればクラス分けもクラスの階局構造も利甚しないシステムずなっおいるこのシステムは定矩が単玔であるため速床の比范だけでなくプログラムの動䜜の正答を甚意し提案するシステムが正しく動䜜しおいるこずの確認にも䜿甚したこのシステムを{\ttlinear}ず呌ぶこずにする\begin{verbatim}/*s1の先頭がs2で始たっおいるかどうかを怜査する関数*/staticintstring_sub(char*s1,char*s2){while(*s2){if(*s1!=*s2){return0;}s1++;s2++;}return*s1;}/*改行たでの間に文字列がk回出珟するかどうか調べ出珟した回数をカりントする回数*/intdfn(intk,char*s){inti;/*stringposition*/intt;/*termfrequencyinadocument*/intn;/*documentfrequency*/n=0;t=0;for(i=0;i<size;i++){if(string_sub(&text[i],s))t++;if(text[i]=='\n'){if(t>=k)n++;t=0;}}returnn;}\end{verbatim}\subsection{ベヌスラむンシステム}ベヌスラむンシステムはクラス分けを䜿甚しおいるが衚を䜜成するずきにクラスの階局構造を䜿甚しないシステムであるクラスの怜出のあず䞋のCのプログラムを䜿っお$df_1$から$df_5$たでを同時にもずめお衚にするこのシステムを{\ttbase}ず呌ぶこずにする\begin{verbatim}/*重耇条件付きドキュメント頻床を䞀斉に求める関数結果はstaticな配列に保存する*/staticintdfn[MAX_C];staticvoidcount_dfn(char*s,intlen){inti;/*stringposition*/intt;/*termfrequencyinadocument*/intn;/*documentfrequency*/intk;n=0;t=0;for(k=0;k<MAX_C;k++){dfn[k]=0;};for(i=0;i<size;i++){if(strncmp(&text[i],s,len)==0)t++;if(text[i]=='\n'){for(k=0;k<MAX_C;k++){if(t>k)dfn[k]++;}t=0;}}}\end{verbatim}\subsection{提案システム}提案するシステムはこの論文で蚘述した方法を甚いたものでありクラスの衚を䜜成し衚の数倀を蚈数するずきにクラスの階局の性質を䜿甚したものであるこのシステムを{\ttclass}ず呌ぶこずにする\subsection{蚈枬}実隓は10個のドキュメントのなかに含たれる文字列頻床が3をこえるすべおの文字列に぀いお$cf$$df_0$$df_1$$df_2$$df_3$$df_4$$df_5$を求めるこずを行ったコヌパスの文字数$N$による効果を枬定するために䜿甚するコヌパスを先頭から316ドキュメント1000ドキュメント3162ドキュメント10000ドキュメント31623ドキュメント100000ドキュメント332918ドキュメントず倉化させた実行時間を蚈枬した実行時間は前凊理の時間ず重耇条件付きのドキュメント頻床を求める時間ずに分けお蚈枬した衚\ref{実行時間}に{\ttlinear}{\ttbase}{\ttclass}の実行時間を瀺す衚\ref{実行時間}の䞭の時間は凊理装眮の䜿甚時間を秒で瀺したものであるたたすべおのプログラムが同䞀の頻床を出力するこずも確認した重耇条件付きドキュメント頻床の分析察象ずした文字列は10ドキュメント4156バむト2190文字の郚分文字列で統蚈的に安定な頻床が3を越える文字列であるこの文字列の数はコヌパスが倧きくなるに぀れ増加するがその増加は緩やかである{\ttlinear}システムは前凊理は必芁なく前凊理の時間はテキストを読む時間だけであるこの蚈枬ではファむル凊理の時間は陀倖しおいるので前凊理の時間は0.0ずなる{\ttlinear}システムは盎ちに結果を出力し始めるがコヌパスのドキュメント数が増加するこずに比䟋しお䞀぀あたりの分析時間が倧きくなっおいく10個のドキュメントの分析ずいう小さな問題であっおも実甚的に䜿甚できるのはドキュメントの数が䞇皋床たでである{\ttbase}システムは分析時間は高速になるが前凊理に$O(N^2)$の時間がかかるこずが芳枬される実甚的に䜿甚できるのはドキュメントの数が数千個皋床たでである提案するシステム({\ttclass})の実行時間は実デヌタにおいお前凊理$O(N\logN)$ずなっおいるそしお分析時間を分析察象の文字数で割るこずで求められる1文字列あたりの時間は最倧でも0.036ミリ秒であり1000ドキュメントより倧きなコヌパスにおいお$O(\logN)$ずなっおいる332,918ドキュメントの前凊理の時間は1223.4ず$O(N\logN)$に比べお倧きいほかに比べお増加しおいるのは実隓に䜿甚したコンピュヌタの実装メモリに近いプロセスの倧きさになったためだず考えられる以䞊クラス分けによる衚の䜜成ずクラスの階局構造を利甚するこずによっおはじめお10䞇を越えるドキュメント数に察しお分析ができるようになったこずがわかる\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|r|r|r|}\hlineドキュメント数&コヌパス文字数&文字列個数\\\hline316&66547&6119\\1000&221457&6957\\3162&724945&8018\\10000&2336198&9189\\31623&6862825&10349\\100000&20095547&11214\\332918&69312280&12270\\\hline\end{tabular}\vspace*{3mm}\\\begin{tabular}{|r|rr|rr|rr|}\hline{ドキュメント数}&\multicolumn{2}{|c|}{linear\[sec]}&\multicolumn{2}{|c|}{base\[sec]}&\multicolumn{2}{|c|}{class\[sec]}\\&前凊理&分析&前凊理&分析&前凊理&分析\\\hline316&0.0&89.2&81.4&0.10&0.3&0.10\\1000&0.0&312.3&891.6&0.14&1.1&0.14\\3162&0.0&1173.8&9802.6&0.19&4.4&0.19\\10000&0.0&4315.8&-&-&17.5&0.26\\31623&-&-&-&-&59.9&0.31\\100000&-&-&-&-&202.6&0.38\\332918&-&-&-&-&1223.4&0.44\\\hline\end{tabular}\vspace*{2mm}\caption{実行時間の蚈枬}\label{実行時間}\end{center}\end{table}\vspace*{4em}\subsection{メモリ容量負荷}プログラムで䜿甚するメモリの量を瀺すために実行しおいるプロセスの倧きさを蚈枬するこれを衚\ref{プロセス}に瀺す蚈枬では分析する重耇床の䞊限は5に蚭定しおいる衚\ref{プロセス}より提案するシステムのメモリ負荷は$O(N)$ずなっおいるこずがわかるそしお衚の䜜成に1クラスあたり100バむト衚の怜玢に1クラスあたり50バむト䜿甚しおいるこずがわかる衚の怜玢のプログラムはクラス分けの衚ずSuffixArrayを保持しおおりプロセスの倧きさの䞻芁な郚分はその倧きさである衚を䜜成するにはクラス怜出のためのデヌタ構造や重耇床刀定のためのデヌタ構造などがあり分析凊理よりもメモリを倚く必芁ずする\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|}\hlineドキュメント数&10000&31623&100000&332918\\\hline$cf>2$のクラスの数&787844&2303978&6815815&24018652\\衚の䜜成プロセス&80M&234M&626M&2366M\\分析凊理プロセス&40M&116M&333M&1175M\\\hline\end{tabular}\vspace*{2mm}\caption{メモリ䜿甚量の蚈枬}\label{プロセス}\end{center}\end{table}\newpage \section{そのほかの応甚} 任意の文字列に぀いお前凊理の埌に$O(\logN)$で重耇条件付きドキュメント頻床の分析を行うこずは文字列の統蚈凊理の基本技術でありここで述べた単語の境界の分析以倖にも応甚範囲がある\subsection{情報怜玢ぞの応甚}日本語䞭囜語などの情報怜玢では文字の文字列に察しおドキュメント頻床を蚈枬しお2文字に察しお情報怜玢の重みを蚈算するこずが行われおいる$df_2(x)/df_1(x)$はAdaptationず呌ばれる量でドキュメントの確率ずいう空間においおドキュメントにある文字列が出珟するずいうこずを条件ずしたずきそのドキュメントに2回文字列が出珟する確率の掚定倀である文献\cite{DF2}は英語においおその確率が統蚈的に単語の性質を識別できるこずを瀺しおいるこの量を䜿っお怜玢察象の文字列を区分けするず怜玢粟床が向䞊するずいう報告\cite{IR}があるあらかじめ衚を䜜成するのが難しいためこの報告の凊理察象は2文字に限られおいたがここで述べた方法を䜿っお任意の長さの文字列から怜玢に効果のある文字列を遞びだし情報怜玢の性胜を向䞊させるのは有望な応甚の䞀぀だず考えられる\subsection{遺䌝子情報ぞの応甚}文献\cite{Keyword}は自然蚀語で曞かれたドキュメントを分析察象ずしお蟞曞を䜿わず重耇条件付きドキュメント頻床からキヌワヌドを抜出しおいたがこれは「あるドキュメントに繰り返し珟れる文字列」を効果的に取り出すシステムず解釈できるこれを遺䌝子情報に適甚しお「遺䌝子に繰り返し珟れるDNA配列」を怜出するのは有望な応甚の䞀぀ず考えられる遺䌝子の長さを考えるずここで瀺した方法を぀かっおはじめお遺䌝子のドキュメント頻床の分析ができるようになるず考えられる\subsection{プログラミングツヌルぞの応甚}文献\cite{TOOL}は文字列の頻床を分析しおプログラム䞭にたれにしか珟れない文字列を怜出しそれがプログラムの欠損の刀定に効果があるこずを瀺しおいるこのツヌルにおいお䜿甚しおいるのは文字列の総出珟頻床だけであるが重耇条件付きドキュメント頻床はプログラム䞭の構造がより粟密に刀定できる情報源であるあらたな情報が提䟛されればこのようなツヌルの怜出性胜が向䞊するこずが期埅できる \section{たずめ} この論文では重耇条件付きドキュメント頻床の性質を述べたあずそれを前凊理で衚にする方法を述べたその経過においおたず出珟堎所の集合ずいう抂念を瀺すこずで既存のクラス分けの方法が重耇条件付きドキュメント頻床の蚈数に䜿えるこずを述べた次にクラスの階局関係を利甚しお蚈数できる重耇条件付文字列頻床を説明しそれを甚いお重耇条件付きドキュメント頻床の衚を構成できるこずを述べた最埌にクラス分けの効果ずクラスの階局構造の利甚が凊理に効果があるこずを332,918個のドキュメントをも぀コヌパスで怜蚌しドキュメントの長さを$N$ずするずき前凊理の凊理時間が$O(N\logN)$であり衚を匕く凊理が$O(\logN)$であるこずを確かめた最埌に実行䞭のプロセスの倧きさを調べるこずでメモリの負荷が$O(N)$であるこずを確認したそしおこの方法で10䞇を越える数のドキュメントに぀いお任意文字列に察する重耇床付きドキュメント頻床の分析を行えたこずを報告する\acknowledgment本研究は平成14幎床IPA未螏゜フトりェア創造事業のプロゞェクトの䞀郚であり䜏友電気工業株匏䌚瀟の揎助による成果ですたたAT\&T\KennethW.Church氏぀くば倧孊\山本幹雄氏にはクラスシステムに぀いお盎接教えお頂きたした深く感謝したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{369}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{梅村恭叞}{1983幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科情報工孊専攻修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟電気通信研究所入所1995幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助教授珟圚に至る博士(工孊)蚘号凊理統蚈蚀語凊理システムプログラムの研究に埓事ACM゜フトりェア孊䌚電子情報通信孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\bioauthor{真田亜垌子}{1978幎生2001幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊課皋卒業同幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院工孊研究科情報工孊専攻修士課皋入孊珟圚に至る}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V02N04-01
\section{背景ず目的} 今日家庭向けの電化補品からビゞネス向けの専門的な機噚たであらゆる補品にマニュアルが付属しおいるこれらの機噚は耇雑な操䜜手順を必芁ずするものが倚いこれを曖昧性なく蚘述するこずがマニュアルには求められおいるたた海倖向けの補品などのマニュアルでこのような耇雑な操䜜手順を適切に翻蚳するこずも困難であるそこで本皿は䞊蚘のような問題の解決の基瀎ずなるマニュアル文を蚈算機で理解する手法に぀いお怜蚎するがその前に日本語マニュアル文の理解システムが実珟した際に期埅される効果に぀いお述べおおく\begin{itemize}\item日本語マニュアル文の機械翻蚳においお蚀語-知識間の関係の基瀎を䞎える\item自然蚀語で曞かれたマニュアル文の衚す知識の論理構造を明らかにしこれをマニュアル文䜜成者にフィヌドバックするこずによっおより質の良いマニュアル文䜜成の揎助を行なえる\itemマニュアル文理解を通しお抜出されたマニュアルが蚘述しおいる機械操䜜に関する知識を知識ベヌス化できるこの知識ベヌスは知的操䜜システムや自動運転システムにおいお圹立぀\end{itemize}さお䞀般的な文理解はおおむね次の手順で行なわれるず考えられる\begin{enumerate}\item文の衚局衚珟を意味衚珟に倉換する\label{倉換}\itemこの意味衚珟の未決定郚分を決定する\label{決定}\end{enumerate}\ref{倉換}は䞀般的に「文法の最小関䞎アプロヌチ」\cite{kame}ずいわれる考え方に則っお行なわれるこの考え方は文を圢態玠解析や構文解析などを甚いお論理匏などの意味衚珟ぞ翻蚳する際統語的知識や䞀郚の意味的知識だけを利甚し以埌の凊理においお芆されない意味衚珟を埗るずいうものであるよっお埗られた意味衚珟は䞀般に曖昧であり文脈などにより決定されるず考えられる未決定郚分が含たれる埓来の\ref{決定}に関する研究は蚘述察象や事象に関する領域知識を利甚しお意味衚珟の衚す物事に関する掚論をしお意味衚珟の未決定郚分を決定するずいう方向であった(\cite{abe}など)これは知識衚珟レベルでの曖昧性解消ず考えるこずができる領域知識を甚いる方法は広範な知識を甚いるため曖昧性解消においおは有甚であるしかしこの方法を甚いるには倧芏暡な領域知識ないし垞識知識をあらかじめ備えおおく必芁があるが珟圚そのような垞識・知識ベヌスは存圚しおいない点が問題であるしたがっおこの問題に察凊するためは個別の領域知識にほずんど䟝存しない情報を甚いるこずが必芁ずなるさお本皿では察象を日本語マニュアル文に限定しお考えおいるそしお\cite{mori}に基づき䞊蚘の個別の領域知識にほずんど䟝存しない情報ずしお蚀語衚珟自䜓が持っおいる意味によっおその蚀語衚珟がマニュアル文に䜿甚される際に顕圚化する制玄に぀いお考察するここで重芁な点は以䞋での考察が個別のマニュアルが蚘述しおいる個別領域(䟋えば、ワヌプロのマニュアルならワヌプロ操䜜固有の知識)を問題にしおいるのではなくマニュアル文でありさえすれば分野や補品を問わずいかなるマニュアル文にも通甚する制玄に぀いお考察しようずしおいる点であるしかし領域知識にほずんど䟝存しないずはいえ蚀語的な制玄を適甚する話し手聞き手などの察象が解析しようずしおいるマニュアル文では䜕に察応しおいるかなどの蚀語的察象ずマニュアルで述べられおいる䞖界における察象物の間の関係に関する知識は必芁である以䞋ではこの知識を蚀語・マニュアル察応関係知識ず呌ぶここでは察象ずしおいるのが日本語マニュアル文であるから蚀語孊的な察象ず蚘述察象の間の関係に関する情報などこの皮の情報は「解析䞭の文章が日本語で曞かれたマニュアルに珟れる文である」ずいうこず自身から導くよっお以䞊の手順をたずめるず本皿で想定しおいる日本語マニュアル文の理解システムでは「文法の最小関䞎アプロヌチ」による構文解析ず蚀語衚珟自身が持぀語甚論的制玄ず蚀語・マニュアル察応関係知識に基づいおマニュアル文を理解するこずずなろうさお意味衚珟の未決定郚分を決定する問題に関しおはれロ代名詞の照応限量子の䜜甚範囲の決定やもずもず曖昧な語の曖昧性解消などさたざたな問題がある日本語では䞻語が頻繁に省略されるため意味衚珟の未決定郚分にはれロ代名詞が倚く存圚するそのためれロ代名詞の適切な指瀺察象を同定するこずは日本語マニュアル文の理解における重芁な芁玠技術であるそこで本皿ではれロ代名詞の指瀺察象同定問題に察しおマニュアル文の操䜜手順においおしばしば珟れる条件衚珟の性質を利甚するこずを提案するずいうのはシステムの操䜜に関しおは今のずころ基本的に利甚者ずのむンタラクションなしで完党に動くものはないそこである条件の時はこういう動䜜が起きるなどずいう人間ずシステムのむンタラクションをマニュアルで正確に蚘述しなければならないそしおその蚘述方法ずしお条件衚珟がしばしば甚いられおいるからである䞀般にマニュアル文の読者぀たり利甚者の関心は自分が行なう動䜜システムが行なう動䜜が䜕であるか自分の動䜜の結果システムはどうなるかなどを知るこずなので条件衚珟における動䜜䞻の決定が䞍可欠である埓っお本皿ではマニュアルの操䜜手順に珟れる条件衚珟に぀いおその語甚論的制玄を定匏化し䞻に䞻語に察応するれロ代名詞の指瀺察象同定に応甚するこずに぀いお述べるもちろん本皿で提案する制玄だけでれロ代名詞の指瀺察象同定問題が党お解決するわけではないが条件衚珟が䜿われおいる文においおは有力な制玄ずなるこずが倚くのマニュアル文を分析した結果分かったさお本皿で問題にするのは操䜜手順を蚘述する文であり倚くの堎合䞻語は動䜜の䞻䜓すなわち動䜜䞻であるただし無意志の動䜜や状態を蚘述しおいる文あるいは節もあるのでここでは動䜜䞻の代わりに\cite{仁田:日本語の栌を求めお}のいう「䞻(ぬし)」ずいう抂念を甚いるすなわち仁田の分類ではより広く(a)察象に倉化を䞎える䞻䜓(b)知芚認知思考などの䞻䜓(c)事象発生の起因的な匕き起こし手(d)発生物珟象(e)属性性質の持ち䞻を含むしたがっお堎合によっおはカラやデでマヌクされるこずもありうる若干耇雑になったが非垞に倧雑把に蚀えば胜動文の堎合は䞻語であり受身文の堎合は察応する胜動文の䞻語になるものず考えられる以䞋ではこれを{\dgäž»}ず呌ぶこずにするそしお省略されおいる堎合に{\dgäž»}になれる可胜性のあるものを考える堎合には、この考え方を基準ずした以䞋第2節ではマニュアル文に珟れる察象物ず䟝頌勧誘衚珟可胜矩務衚珟が䜿甚される堎合に蚀語孊的に導かれる制玄に぀いお蚘す第3節ではマニュアル文においお条件衚珟が䜿甚される堎合に蚀語孊的に導かれる制玄を説明しさらに実際のマニュアル文においおその制玄がどの皋床成立しおいるかを瀺す第4節はたずめである \section{マニュアル文における基本的制玄} マニュアルを構成する最も基本的なオブゞェクトおよびその蚀語的な圹割は倧別するず次のようになる\begin{description}\item[制玄1]マニュアル文における蚀語的圹割に察応するオブゞェクト\item[話し手]メヌカヌ(マニュアルラむタヌ)である意図を持぀\item[聞き手]マニュアルの読み手である利甚者になる意図を持぀\item[第䞉者]装眮やシステムの党䜓もしくは䞀郚を衚す通垞は意図的動䜜を行なわずメヌカヌ利甚者により制埡されるたたすべおの動きがメヌカヌに把握されおいるただし非垞に知的なマシンの堎合には意図を持ち埗る\end{description}これらを考慮するずマニュアル文で甚いられる人称は次のようになる\begin{description}\item[制玄2]人称\item[䞀人称]メヌカヌ\item[二人称]利甚者\item[䞉人称]システム\end{description}次に基本的な衚珟圢匏に぀いおの考察をするマニュアルの基本的な構成は説明の仕方の説明操䜜手順の説明アフタヌサヌビスに関する説明等からなるこれら各々の文脈に珟われる文は性質が異なる操䜜手順の説明では話し手の動䜜は既に完了しおいるが説明の仕方の説明アフタヌサヌビスに関する説明ではその限りではないそこで以䞋の考察ではマニュアルの䞻芁郚である操䜜手順の説明に珟れる堎合を考えるたず䟝頌文に぀いお考える䟋えば\enumsentence{「ここで蚭定したホスト名はNCDXサヌバで発生するNFSの芁求に内郚的に䜿甚されるこずに留意しお䞋さい」\cite[p.3-29]{NCDw}}のようにマニュアル文での䟝頌察象は人称の制玄(制玄2)から利甚者ずなる埓っお次の制玄が埗られる\begin{description}\item[制玄3]䟝頌勧誘衚珟\end{description}\begin{quote}䟝頌勧誘衚珟の文においお䟝頌ないしは勧誘されお動䜜などを行なう{\dgäž»}は利甚者である\end{quote}たたマニュアルにはある動䜜に関する蚱可可胜矩務などの状態を衚珟するモダリティがしばしば珟われるここでは可胜衚珟ず矩務衚珟に぀いお考える可胜衚珟の䟋文を瀺す\enumsentence{\label{kanou}「この蚭定によりTelnetで接続する堎合にTelnetホスト名の入力を省略できたす」\cite[p.3-33]{NCDw}}可胜衚珟を持぀文はある動䜜をするこずが可胜であるこずを瀺すずずもにその動䜜を行なうこずに関しお{\dgäž»}に遞択暩があるこずを瀺すたた矩務衚珟を持぀文は{\dgäž»}がある動䜜をしなければならないこずを瀺しおいるがこれは{\dgäž»}には遞択の䜙地がありその動䜜を行なわない可胜性があるからであるよっお次の制玄が埗られる.\begin{description}\item[制玄4]可胜衚珟矩務衚珟における{\dgäž»}\end{description}\begin{quote}可胜衚珟矩務衚珟の文の{\dgäž»}は䜕らかの意味でその遞択を行なうための意図を持ち埗なければならないマニュアルが読たれおいる時点では操䜜に関するメヌカの動䜜は終了しおいるずすれば{\dgäž»}はメヌカにはなり埗ないので利甚者ずなる\end{quote}これより(\ref{kanou})の堎合「省略する」動䜜を行なうのが利甚者であるこずが埗られる \section{条件衚珟の{\dgäž»}に関する制玄} 日本語の条件衚珟には「れば」「たら」「なら」「ず」がありこれらの圢匏を特城づける基本的性栌は異なっおいる\cite{masu}それぞれの基本的な特城をたずめるず衚\ref{kihon}のようになる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{条件衚珟の基本的特城}\label{kihon}\begin{tabular}{|c|l|}\hline圢匏&基本的特城\\\hline\hline「ず」&珟実に芳察される継起的な事態の衚珟\\\hline「れば」&䞀般的因果関係の衚珟\\\hline「たら」&時空間に実珟する個別事態の衚珟\\\hline「なら」&ある事態を真であるず仮定しお提瀺する衚珟\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}このうち我々が調べた範囲で芋るずマニュアル文では「たら」「なら」はあたり甚いられおいなかったたた「れば」に比べお「ず」の出珟頻床が高かった以䞋の節ではそれぞれの堎合に぀いお考察する\subsection{「ず」文の{\dgäž»}制玄}たず\cite{kuno}によるず接続助詞「ず」に぀いお前件は先行条件を衚し埌件はその圓然の結果習慣的な結果或いは䞍可避な結果を衚すずあるたた\cite{masu}によるず「ず」が未然の事態を衚す堎合埌件の事態が前件の事態に連動しお起こるずいう意味においお前件ず埌件の二぀の事態が䞀䜓の事態であるこずが匷調されおいるこのような性質から「ず」の埌件は呜什・芁求・決意を衚せないずされるよっお埌件には基本的に事実の叙述や刀断掚量の衚珟のみが蚱されるたた基本的にはマニュアル文では確実な物事のみを述べるものであり物事の䞍確実さを衚すような話し手の態床特に刀断掚量の衚珟は珟れにくいしたがっお事実叙述のみが埌件に珟われるず考えられる事実叙述ずしお珟われ埗るのはある動䜜の蚘述ず蚱可衚珟などによる䜕らかの動䜜に関連する状態蚘述である動䜜の蚘述を考える際に重芁ずなるのが動詞の意志性無意志性の問題である動詞の意志に関する分類ずしお\cite{ipa}の分類に基づくず{\dgäž»}が意図的に行ないうる動䜜を衚す意志動詞ず{\dgäž»}による意図的な動䜜を衚さない無意志動詞ずがある動詞の呜什圢が呜什を衚し意志・掚量圢が意志・勧誘を衚すものが意志動詞であり呜什圢が願望を衚したり意志・掚量圢が掚量を衚すのが無意志動詞である無意志動詞は無意志甚法のみであるが意志動詞は意志甚法のみのものず意志甚法無意志甚法の䞡方に䜿えるものの2皮類がある無意志動詞ずしおは「痛む」無意志甚法もある意志動詞ずしおは「萜す」意志甚法のみの意志動詞ずしおは「捜す」などがあるたず意志甚法の動詞が埌件で䜿われる堎合を考える「ず」文の埌件には先に述べたように䟝頌勧誘衚珟は存圚しないそのため動䜜手順の説明では動詞の基本圢぀たり「る圢」\cite{井䞊}が甚いられるこずがほずんどである「る圢」で動䜜䞻が聞き手の堎合実質的に䟝頌衚珟になる埓っお「ず」文では埌件で䟝頌を衚珟できないため{\dgäž»}は聞き手にはなり埗ないたた「ず」文では先に述べたように決意を衚すこずができない「る圢」で{\dgäž»}が話し手の堎合意志を衚すがこの甚法も「ず」文では存圚しないため{\dgäž»}は話し手にはならない{\dgäž»}が第䞉者の堎合「る圢」では䟝頌意志等を衚さないので「ず」文の性質には抵觊しないしたがっお人称に関する制玄より第䞉者であるシステムが埌件の{\dgäž»}ずなる䟋えば\enumsentence{\label{tobun}「取消キヌを抌すず文曞䜜成画面に戻りたす」\cite{OAS}}においお「文曞䜜成画面に戻る」のはシステムである無意志甚法の堎合は「る圢」が意志呜什䟝頌等を衚さないので意志甚法の堎合ず異なる振舞いをする䟋えば「觊れるず感電したす」の埌件の{\dgäž»}は利甚者になるたた可胜態の文のように状態蚘述の堎合は意志呜什䟝頌を衚さない状態蚘述には意志甚法/無意志甚法の抂念は無いがこれを無意志甚法しかないず芋倣せば「ず」に関する制玄は次のようになる\begin{description}\item[制玄5]「ず」文の埌件の{\dgäž»}制玄\end{description}\begin{quote}接続助詞「ず」による耇文構造においお埌件の述郚が無意志甚法を持たず非過去の堎合にはその{\dgäž»}は3人称になる\end{quote}この制玄の怜蚌のために接続助詞「ず」が甚いられおいるマニュアル文䟋を玄400䟋ほどを集め2節における䞻芁な結果である制玄4および蚀語孊的考察においおはそれに関連しおいる制玄5に぀いお調べたその結果調べた範囲ではこれらの制玄に違反する文はなく制玄の劥圓性が確認された\subsection{「れば」「たら」「なら」の䜿甚䟋に぀いおの考察}ここでは「ず」以倖の条件衚珟である「れば」「たら」「なら」のマニュアル文での䜿われ方に぀いお考察する「なら」は甚䟋が少ないので特に「れば」ず「たら」の䜿い分けに぀いお述べるたず\cite{masu}による「れば」「たら」「なら」の意味を列挙しよう\begin{description}\item[「れば」]の基本的特城は時間を越えお成り立぀普遍的因果関係を衚すこずにあるたた状態衚珟は動䜜の衚珟に比べ仮定的な衚珟になりやすい\item[「たら」]に関しおは1)時間の経過にずもなっお実珟するこずが予想される事態を衚すものず2)実珟するかどうかが定かではないような事態が実珟したこずを仮定しそれにずもなっおどのような事態が実珟するかを衚珟するものずがある\item[「なら」]に぀いおは埌件に衚珟の重点があり前件を真ず仮定しおその想定のもずで埌件で刀断や態床の衚明が行なわれるため兞型的な仮定衚珟であるたた「れば」「たら」に比べお前件ず埌件の぀ながりが匱い\end{description}ここで述べた各接続助詞の意味からすぐに分かるこずは条件節すなわち前件で「れば」「たら」「なら」が䜿われる堎合䞻節すなわち埌件においお䟝頌衚珟の可胜かどうかであるたず普遍的な因果関係が蚘述される堎合は埌件は前件の発生にずもなっお必然的に生じる結果であるから原理的には話し手自身がその結果に察しお持぀意芋が介入する䜙地がない䟝頌は話し手自身の持぀䞻芳的なものであるから埌件に䟝頌はこない「れば」が普遍的因果性を衚すずいうこずは「れば」の埌件には基本的には䟝頌衚珟が珟れないこずを意味するただし前件が状態衚珟の堎合は仮定的になるずあるこずからその堎合は埌件に䟝頌衚珟が珟れる可胜性がある次に仮定を衚すずされる「たら」「なら」の堎合に぀いお考えおみる前件すなわち条件節で仮定が衚珟される堎合は次のように考えられるすなわち仮定した人物は話し手である話し手はこの仮定された状況においお起こりそうなこずやあるべき動䜜などを埌件すなわち䞻節で蚘述する぀たり埌件は話し手の願望や予想が蚘述されおいるこのこずは仮定法䞀般に蚀えるこずであるしたがっお埌件で話し手の願望ずみなせる䟝頌が珟れるこずは可胜性が高いず蚀えるたずめるず「たら」「なら」は基本的には仮定を衚すから埌件では䟝頌衚珟が珟れる可胜性が高いこずになるこのこずを実䟋で芋おみようたず「れば」ず同じように因果性を蚘述する「ず」では実䟋を調べた結果䞻節で䟝頌衚珟は珟れなかった埌に瀺す実䟋文の分析でも「れば」接続の文で䞻節が䟝頌衚珟のものは非垞に少ないただし「れば」では前件が状態の堎合には埌件で䟝頌が可胜でありそれに該圓する䟋ずしお次のものがある\enumsentence{\label{iraireba}「りィンドりを芋る必芁がなければりィンドりをリサむズ・コヌナを䜿甚しお小さくするのではなくアむコンにしお䞋さい」\cite[p.63]{desk}}この文の前件は状態を衚しおいるので䞊で述べたように䞻節で䟝頌衚珟が珟れおいるず考えられる(\ref{iraireba})の「なければ」を「なかったら」や「ないなら」に代えた文を考えおみれば分かるように「たら」「なら」も同様に䟝頌を衚すこずができるのこずも䞊の説明から予想されるこずであるこれはごく倧雑把な傟向であるがもう少し詳しく「れば」「たら」「なら」の䜿い分けを考えるために䞻節぀たり埌件を次のような芳点から分類するたず操䜜手順の説明の堎合ず限定しおいるのでメヌカヌの動䜜は完了しおいるず考えられる埓っお{\dgäž»}ずなりうるオブゞェクトは利甚者ずシステムであるそしお「ず」ず同様に意志性/無意志性の芳点から意志甚法であるものを動䜜無意志甚法であるものを状態ず2぀に分けるさらに完了などの盞衚珟可胜衚珟圢容詞圢容動詞など本質的に状態であるものも状態に分類しおいる本皿で調べた範囲ではこの分類で状態であるこずを認識できたがその他の状態ず認識されうる衚珟が存圚する可胜性はありその際には状態を衚瀺する衚珟に぀いお远加が必芁になる珟状ではこの分類より可胜な{\dgäž»}ず動䜜$\cdot$状態の組合せは次の4぀になる\begin{itemize}\item利甚者の動䜜\item利甚者の状態\itemシステムの動䜜\itemシステムの状態\end{itemize}この4぀の状態をそれぞれの接続助詞で接続するず各々16通りの接続が考えられる以䞋ではこの分類に埓っお「れば」「たら」「なら」を前件及び埌件の性質により分類し考察する衚\ref{bunruireba}に「れば」の分類衚\ref{bunruitara}に「たら」の分類「なら」は䟋文数が少ないが参考たでに衚\ref{bunruinara}に「なら」の分類を瀺す\newcommand{\maintab}{}\newcommand{\subtab}{}\begin{table*}[btp]\caption{「れば」の分類衚}\label{bunruireba}\begin{center}\begin{tabular}{|@{}c@{}|@{}c@{}|}\hline&埌\hspace{3zw}ä»¶\\\subtab&\maintab\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\newcommand{\Maintab}{}\newcommand{\Subtab}{}\begin{table*}[btp]\caption{「たら」の分類衚}\label{bunruitara}\begin{center}\begin{tabular}{|@{}c@{}|@{}c@{}|}\hline&埌\hspace{3zw}ä»¶\\\Subtab&\Maintab\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\newcommand{\MainTab}{}\newcommand{\SubTab}{}\begin{table*}[btp]\caption{「なら」の分類衚}\label{bunruinara}\begin{center}\begin{tabular}{|@{}c@{}|@{}c@{}|}\hline&埌\hspace{3zw}ä»¶\\\SubTab&\MainTab\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}これらの基本的特城にマニュアルで甚いられる文であるずいうこずを勘案しお衚\ref{bunruireba}衚\ref{bunruitara}衚\ref{bunruinara}に぀いお各々怜蚎しおいくたず党䜓を抂芳するず「れば」ず「たら」「なら」ずでは䜿甚傟向が倧きく違うこずが分る「れば」では埌件が利甚者の動䜜になりにくく逆に「たら」「なら」では「れば」ずは盞補的に埌件が利甚者の動䜜になりやすいたた党般的に前件がシステムの動䜜である文が非垞に少ないこのこずの理由は珟圚のシステムのほずんどが利甚者の働きかけにより䜕か他の動䜜を行なったりある状態に移行したりするからであるず考えられる前件がシステムの状態である文でもそのシステム状態は利甚者の動䜜に起因するものであるずいうタむプが倚い「れば」文の堎合前件が利甚者の動䜜である文が倚いこれは「れば」文の基本的性質である因果関係は動䜜の方が衚しやすいためず考えられるさらに前件がシステムの状態である文もそのシステム状態は利甚者によっお匕き起こされた結果であるずいう文が倚いこの理由は動䜜的偎面を残しおいるため䞊蚘の堎合ず同様の理由で「れば」で衚しやすいからであろう以䞋では接続の皮類により差が明確に出た埌件の性質の分類に基づき考察しおいく\subsubsection{埌件が利甚者の動䜜である文に぀いお}ここでは埌件が利甚者の動䜜になるタむプに぀いお考察するこの分類になる割合は「れば」の堎合玄5\%「たら」の堎合玄90\%「なら」の堎合文䟋が少ないが100\%であるたずこれらの接続助詞で接続される文では埌件に利甚者の動䜜をずるこずができるずいう点で「ず」文ず根本的に異なる埌件が利甚者の動䜜である堎合すなわち利甚者が{\dgäž»}である堎合はある皮の䟝頌を衚すなおマニュアル文においお前件が$\alpha$埌件が$\beta$であるこ\\ずを「$\alpha\rightarrow\beta$」ず衚蚘するただし$\alpha,\beta$は「(利甚者ないしはシステム)の(動䜜ないしは状態)」を衚す。利甚者でもシステムでもよいずきは単に動䜜あるいは状態ず曞く\begin{enumerate}\item{\bf動䜜$\rightarrow$利甚者の動䜜に぀いお}\label{act-usract}\\「れば」1䟋「たら」33䟋たず前件が利甚者の動䜜である「れば」の文はほずんどないそこで頻床の高い「たら」の文を無理に「れば」文に倉えた次の文に぀いお考えおみよう.\enumsentence{\label{debag}「そのモゞュヌルのデバッグが終了すれば指定のファむルに曞き蟌んで䞋さい」\\ただし原文は(シャヌプ株匏䌚瀟,p.108)であり、「終了すれば」が「終了したら」ずなっおいる}この文は少なくずも筆者らには「終了すれば」ではなく「終了したら」ずする方が自然であるその理由は「れば」の基本的性質は因果関係を衚すからであるもう少し詳しく蚀うず基本的に利甚者に行動の遞択暩があるマニュアル文においお二぀の利甚者の動䜜が䜕らかの必然的な因果関係を持っおいるずは考えにくいからである䞀方「たら」では仮定的衚珟ず時間的経過の性質が反映される前件が利甚者の動䜜の堎合は時間の経過に沿っお前件がシステムの動䜜の堎合は仮定的な事態の発生によっお利甚者にある動䜜を促しおいるず考えられる埓っお「動䜜$\rightarrow$利甚者の動䜜」では「たら」を䜿うのが適圓であろう前件がシステムの動䜜ずなる「たら」䟋をあげる\enumsentence{\label{ijou}「䜿甚䞭に機噚が停止したら安党装眮が䜜動しおないか調べお䞋さい」(リンナむ株匏䌚瀟,p.31)}\item{\bf利甚者の状態$\rightarrow$利甚者の動䜜に぀いお}\label{st-usract}\\「れば」4䟋「たら」7䟋「なら」8䟋\\先に䟋瀺した(\ref{iraireba})が「れば」の䟋である「れば」接続の文(\ref{iraireba})に぀いおは既に述べた通りであるこれたた既に述べたような「たら」「なら」文の䞻節に䟝頌衚珟がくる䟋を以䞋に瀺しおおく\enumsentence{\label{iraitara}「瞫いおわったら垃をひろげたす」(蛇の目ミシン工業株匏䌚瀟)}「なら」の堎合次の䟋の「必芁なら」など出珟の仕方がほが決たっおいる\enumsentence{\label{irainara}「必芁ならボヌレヌトパリティフロヌ制埡デヌタ長及びストップビット数の蚭定を倉曎しお䞋さい」\cite[p.58]{LASER}}\item{\bfシステムの状態$\rightarrow$利甚者の動䜜に぀いお}\label{sysst-usract}\\「れば」6䟋「たら」13䟋「なら」1䟋\\この型に぀いおは「れば」も「たら」も文䟋が存圚しおいるが性質は倧きく異なる「なら」は甚䟋が少ないのでここでは省略する「たら」は今たでず同様に時間的掚移や仮定を衚しおいる䞀方「れば」の堎合は異なるこの分類に出おくる衚珟は次のように異垞に関する凊眮に぀いおである\enumsentence{\label{shochi}「それでも゚ラヌが出るようであれば``A''を抌しお凊理を䞭止しMS-DOSにもどり前項「重芁な゚ラヌメッセヌゞ」の凊眮を詊みたす」\cite[p.167]{DOS}}異垞ずその凊眮の察応がはっきりしおいる堎合衚珟の因果性を匷くしお利甚者に凊眮の仕方を衚すために「れば」を甚いる傟向があるず考えられる\end{enumerate}埌件が利甚者の動䜜ずなる文に぀いおみおきたがたずめるず次のようになる\begin{itemize}\item「れば」の堎合埌件に利甚者の動䜜が来るこず自䜓が特殊でもし来たずしおも前件が状態の方が自然である\item「たら」の堎合は前件には束瞛されない\end{itemize}\subsubsection{埌件がシステムの動䜜である文に぀いお}埌件がシステムの動䜜すなわち埌件の{\dgäž»}がシステムである文では「れば」の䜿甚頻床が非垞に高い党䜓ずしおこの分類になる割合は「れば」では玄45\%「たら」では玄3\%「なら」はなしであるよっおここからの考察は䞻ずしお「れば」に぀いおおこなう\def\labelenumi{}\def\theenumi{}\begin{enumerate}\item{\bf動䜜$\rightarrow$システムの動䜜に぀いお}\label{act-sysact}\\「れば」53䟋「たら」0䟋\\前件の{\dgäž»}が利甚者の堎合利甚者の動䜜の結果ずしおシステムが䜕かの動䜜を行なうずいう文ずなり「れば」の基本的性質ず䞀臎する䞀方システムの動䜜からシステムの動䜜は利甚者にずっお盎接関係ない情報であるず考えられるそのため前件の{\dgäž»}がシステムの堎合の文䟋が少ないず考えられる䞀方「たら」「なら」は因果関係を衚さないためここでは䜿われないず考えられる\item{\bfシステムの状態$\rightarrow$システムの動䜜に぀いお}\label{sysst-sysact}\\「れば」38䟋「たら」2䟋\\この分類でよく甚いられおいる甚法はシステムがある状態であるず自動的に次の動䜜にシステムが移るずいうものであるシステムの状態が利甚者の操䜜の結果であれば利甚者の動䜜の結果ずしおシステムがある動䜜を起こすずいう意味になるので「れば」で衚珟しやすい\item{\bf利甚者の状態$\rightarrow$システムの動䜜に぀いお}\label{usrst-sysact}\\「れば」1䟋「たら」0䟋\\利甚者の状態を察知しおシステムが䜕か動䜜を起こすような文であるこれは本来システムが知的であるか利甚者の状態を怜知するセンサヌ機胜を有する堎合に珟れるず考えられる珟圚のずころこの意味での文䟋は芋぀かっおいないしかし珟圚行なっおいる衚局衚珟による分類では次の文がここに該圓しおしたう\enumsentence{\label{chau}「TRANSPORTでDECnetを遞択するのであればNODEはDECnetnodeになりたす」\cite[p.4-25]{NCDw}}意味的には(\ref{chau})はNODEの利甚者に察する遞択肢がDECnetnodeだけであるずいうこずを衚すのでこの分類には実際には察応しない\end{enumerate}以䞊埌件がシステムの動䜜である文に぀いお芋おきたがたずめるず珟圚のシステムの動䜜は利甚者の動䜜の結果ずしおの動䜜システム内での動䜜ずいう2通りがありいずれもシステムの動䜜は因果関係があるために「れば」で衚珟される\subsubsection{埌件が状態である文に぀いお}埌件が状態である文では「れば」の䜿甚頻床が非垞に高い党䜓ずしおこの分類になる割合は「れば」では玄48\%「たら」では玄7\%「なら」はなしであるよっおここからの考察は䞻ずしお「れば」に぀いおおこなう埌件の状態は利甚者の状態ずシステムの状態の2皮類あるが埌件がシステムの状態である文は非垞に少ない䞀方埌件が利甚者の状態である文䟋は非垞に倚くこれに぀いお芋るずほずんどが可胜態の「〜できる」ずいう圢になっおいるこれはマニュアル文では話し手の芖点はもっぱら聞き手である利甚者に合わせおいるためシステムの状態は利甚者の状態ず䞀䜓化させお曞かれおいるこずが倚いためであるず考えられるすなわちシステムの状態の倚くは利甚者にずっお「なにかするこずができる」ずいう遞択暩があるこずを瀺すために利甚者の状態の衚珟をずっおいるず考えられるそのため状態の分類に぀いお埌件が利甚者の状態である文は倚くシステムの状態である文は少ないこずが説明できる以䞋各々の堎合を考察する\def\labelenumi{}\def\theenumi{}\begin{enumerate}\item{\bf埌件が利甚者の状態のずき}\label{-usrst}\\「れば」97䟋「たら」3䟋\\先に述べたように埌件の利甚者の状態は「〜できる」ずいう圢が倚い前件が利甚者の動䜜の堎合利甚者の動䜜の垰結ずしお利甚者の状態特に可胜状態になるので因果関係が成立しおいるず考えられるそのため「れば」が甚いられおいるず考えられる前件がシステムの状態である堎合システムのある状態から予想される利甚者の特定の状態ぞの掚移を衚す.したがっお因果関係を衚す「れば」を甚いるず考えられる前件が利甚者の状態である堎合その状態で利甚者にできる動䜜を瀺す既に述べたように前件が状態だず「れば」の持぀普遍的因果性の意味䌚いが薄たるため「れば」が甚いられるたた「たら」に぀いおも利甚者のある状態を仮定するずあるこずができるので䜿甚可胜である前件がシステムの動䜜の堎合調べた範囲では「れば」は芋぀からなかった前件が動䜜であれば「れば」は因果関係を衚す利甚者の可胜状態ずはマニュアルの曞き手すなわち話し手の利甚者すなわち聞き手ぞの態床であり「れば」の因果関係の意味ず盞容れないのが「れば」文がない理由であろう「たら」ではシステムの動䜜が終了したあず利甚者がある状態になるずいうこずを衚珟しおおり「たら」の時間的経過の性質を反映しおいるいずれの堎合も制玄4により可胜態の{\dgäž»}は意図を持ちうる利甚者ずなる\item{\bf埌件がシステムの状態のずき}\label{-sysst}\\「れば」25䟋「たら」0䟋\\先に述べたように埌件がシステムの状態である文は状態を利甚者ず䞀䜓化させお蚘述するため総じお少ない前件が利甚者の動䜜の堎合利甚者の動䜜によりシステムがある状態になるずいう文になるので因果関係が生じ「れば」が甚いられる前件がシステムの動䜜である堎合システムのずった動䜜の結果ずしおシステムがある状態になるずいうこずで「れば」の基本的性質に反しないたたシステムの動䜜が時間的に終ったあずでシステムのある状態になるずいうこずで「たら」の性質にも反しない前件がシステムの状態である堎合システムの状態からシステムの状態ぞの関連を衚すがこれに぀いおは利甚者は盎接関䞎できないず考えられる埌件におけるシステムの状態が利甚者の状態に盎接結び付いおいない限りこの衚珟は䜿われないず考えられる前件が利甚者の状態である堎合は特殊で\ref{usrst-sysact}ず同様システムのあり方に䟝存しシステムが知的であるか利甚者の状態を察知するセンサヌ機胜を有する堎合に限られるず考えられる実際システムの状態は利甚者の状態ず䞀臎させお蚘述されるこずが倚く文䟋は芋぀かっおはいない\end{enumerate}いずれの堎合も埌件の{\dgäž»}はシステムになるず考えられる埌件が状態の堎合「れば」が甚いられやすい理由ずしおはマニュアル文では物事を確定的に蚘述する傟向があるためず考えられる䞀方「たら」は基本的には仮定の事態ないしは時間経過を衚すために甚いられる時間経過を衚珟したい堎合は埌件が状態であるため時間経過を衚珟するこずにはなりにくいこずが䜿甚䟋が少ない原因のひず぀であろうたた仮定法の堎合埌件が確定的状態になりにくいこずも「たら」が䜿われない理由のひず぀であろう.埌件が状態である文に぀いおみおきたがたずめるず利甚者の状態ずシステムの状態は䞀䜓化されお蚘述されそのため利甚者に遞択暩を持たせる「〜できる」ずいう衚珟を甚いる傟向があるそしお利甚者の遞択暩は状況により必然的に生じるものであるずいう理由で「れば」が倚く甚いられおいるず考えられる\subsection{デフォヌルト芏則}今たでの考察から「れば」「たら」「なら」に぀いおのマニュアルにおける䜿甚方法に関する傟向が埗られた特に{\dgäž»}に泚目するず文型ず匷い盞関があるこずがわかるそこで次のデフォヌルト芏則を立おるこずができるたず「れば」に぀いおは「ず」ずほが同様の分垃になるので以䞋のようになる\begin{description}\item[デフォヌルト芏則1]「れば」文の埌件の{\dgäž»}制玄\end{description}\begin{quote}接続助詞「れば」による耇文構造においお埌件は利甚者の意志的動䜜を衚さない぀たり埌件の述郚が無意志甚法を持たない堎合にはその{\dgäž»}はシステムになる\end{quote}「たら」「なら」に぀いおはこれず盞補的な分垃をしおいるので以䞋のようになる\begin{description}\item[デフォヌルト芏則2]「たら」「なら」文の埌件の{\dgäž»}制玄\end{description}\begin{quote}接続助詞「たら」「なら」による耇文構造においお埌件は利甚者の動䜜しか衚さない぀たり埌件の{\dgäž»}は利甚者である\end{quote}前出の分垃衚から䞊蚘のデフォヌルト芏則の予枬の正しさを調べおみるず「れば」に関するデフォヌルト芏則1は95.1\%デフォヌルト芏則2は「たら」に察しお89.8\%「なら」に察しおは文䟋が少ないものの100\%満足されおいるよっおこれらのデフォヌルト芏則は十分劥圓性を持っおいるず考えられるもちろん3.2節での分析に埓ったよりきめの现かいデフォヌルト芏則も可胜だが玙面の郜合でここでは省略する. \section{おわりに} マニュアル文に珟われる条件衚珟「ず」「れば」「たら」「なら」に぀いお蚀語孊的実蚌的考察を行ないその性質に぀いお述べたたたその性質から各条件衚珟の埌件の{\dgäž»}に぀いお制玄ならびにデフォヌルト芏則を提案し十分劥圓性を持぀こずを怜蚌したこれらの制玄やデフォヌルト芏則を利甚するこずによりマニュアル文から知識獲埗に必芁䞍可欠なれロ代名詞の照応候補の絞り蟌みなどを効率よく行なえるず期埅されるたた本皿で扱った条件衚珟は二぀の単文が接続されたものであったが耇文が前件もしくは埌件に含たれる堎合も数は少ないが存圚するこのような堎合に関しおも考察する必芁があろう\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{jpaper}\renewcommand{\refname}{}\makeatletter\@ifundefined{nop}{\def\nop#1{}}{}\makeatother\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{{Canon,Inc.}}{{Canon,Inc.}}{1993}]{LASER}{Canon,Inc.}\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{LASERSHOTA404PS/A404PS-Lite操䜜説明曞}.\bibitem[\protect\BCAY{{NetworkComputingDevices,Inc.}}{{NetworkComputingDevices,Inc.}}{1992}]{NCDw}{NetworkComputingDevices,Inc.}\BBOP1992\BBCP.\newblock{\BemNCDware2.4XServerUser'sManual}.\bibitem[\protect\BCAY{日本電気株匏䌚瀟}{日本電気株匏䌚瀟}{1990}]{DOS}日本電気株匏䌚瀟\BBOP1990\BBCP.\newblock\Jem{MS-DOS$^{\mbox{{\smallTM}}}$3.3Cナヌザヌズガむド}.\bibitem[\protect\BCAY{{SunMicrosystems,Inc.}}{{SunMicrosystems,Inc.}}{1992}]{desk}{SunMicrosystems,Inc.}\BBOP1992\BBCP.\newblock\Jem{Desktopシステム・ナヌザ・ガむド}.\bibitem[\protect\BCAY{ハむテクノロゞヌコミュニケヌションズ株}{ハむテクノロゞヌコミュニケヌションズ株}{1988}]{OAS}ハむテクノロゞヌコミュニケヌションズ株\BBOP1988\BBCP.\newblock\Jem{OASYSLiteF・ROM11/11D操䜜マニュアル}.\bibitem[\protect\BCAY{シャヌプ株匏䌚瀟}{シャヌプ株匏䌚瀟}{}]{pocket}シャヌプ株匏䌚瀟.\newblock\Jem{ポケットコンピュヌタPC-1490UII取扱説明曞}.\bibitem[\protect\BCAY{リンナむ株匏䌚瀟}{リンナむ株匏䌚瀟}{}]{heater}リンナむ株匏䌚瀟.\newblock\Jem{ガスファンヒヌタヌ取扱説明曞}.\bibitem[\protect\BCAY{蛇の目ミシン工業株匏䌚瀟}{蛇の目ミシン工業株匏䌚瀟}{}]{sew}蛇の目ミシン工業株匏䌚瀟.\newblock\Jem{JE-2000䜿い方の手匕き}.\end{thebibliography}など16冊\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{森蟰則}{1986幎暪浜囜立倧孊工孊郚卒業1991幎同倧倧孊院工孊研究科博士課皋修了工孊博士1991幎より暪浜囜立倧孊工孊郚勀務珟圚同助教授蚈算蚀語孊自然蚀語凊理システムの研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚各䌚員}\bioauthor{韍野匘幞}{1971幎生1994幎暪浜囜立倧孊工孊郚卒業珟圚同倧倧孊院工孊研究科圚籍}\bioauthor{䞭川裕志}{1953幎生1975幎東京倧孊工孊郚卒業1980幎東京倧孊倧孊院博士過皋修了工孊博士珟圚暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科教授自然蚀語凊理日本語の意味論・語甚論などの研究に埓事日本認知科孊䌚人工知胜孊䌚などの䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V26N01-06
\section{はじめに} フレヌズベヌスの統蚈的機械翻蚳\cite{Koehn:2003:SPT:1073445.1073462}はフレヌズを翻蚳単䜍ずしお機械翻蚳を行う手法であるこの手法では局所的な文脈を考慮しお翻蚳を行うため英語ずフランス語のように語順が䌌おいる蚀語察や短い文においおは高品質な翻蚳を行えるこずが知られおいるしかし英語ず日本語のように語順が倧きく異なる蚀語察では局所的な文脈を考慮するだけでは原蚀語のフレヌズを目的蚀語のどのフレヌズに翻蚳するかを正しく遞択するこずは難しいため翻蚳粟床が䜎いこのような語順の問題に察し翻蚳噚のデコヌダで䞊び替えを考慮し぀぀翻蚳する手法\linebreak\cite{Tillmann:2004:UOM:1613984.1614010}翻蚳噚に入力する前に原蚀語文の語順を目的蚀語文の語順に近づくよう䞊び替える事前䞊び替え\cite{nakagawa2015}原蚀語文をそのたた翻蚳した目的蚀語文を䞊び替える事埌䞊び替えが提案されおいる\cite{hayashi-EtAl:2013:EMNLP}特に事前䞊び替え手法は長距離の䞊び替えを効果的か぀効率的に行える\cite{E14-1026,nakagawa2015}先行研究ずしおNakagawa\cite{nakagawa2015}はBracketingTransductionGrammar(BTG)\cite{Wu:1997:SIT:972705.972707}にしたがっお構文解析を行い぀぀事前䞊び替えを行う手法を提案しおいるこの手法は事前䞊び替えにおいお最高性胜を達成しおいるが䞊び替えの孊習のために人手による玠性テンプレヌトの蚭蚈が必芁であるそこで本皿では統蚈的機械翻蚳のためのRecursiveNeuralNetwork(RvNN)\cite{GollerandKuchler,Socher:2011:PNS:3104482.3104499}を甚いた事前䞊び替え手法を提案するニュヌラルネットワヌクによる孊習の特城ずしお人手による玠性テンプレヌトの蚭蚈が䞍芁であり蚓緎デヌタから盎接玠性ベクトルを孊習できるずいう利点があるたたRvNNは朚構造の再垰的ニュヌラルネットワヌクであり長距離の䞊び替えが容易に行える提案手法では䞎えられた構文朚にしたがっおRvNNを構築し葉ノヌドからボトムアップに蚈算を行っおいくこずで各節ノヌドにおいお䞊び替えに察しお重芁であるず考えられる郚分朚の単語や品詞・構文タグを考慮した䞊び替えを行う統蚈的機械翻蚳をベヌスにするこずで事前䞊び替えのような䞭間プロセスに泚目した手法の性胜が翻蚳党䜓に䞎える圱響に぀いお明らかにできる利点があるたた統蚈的機械翻蚳のようにホワむトボックス的なアプロヌチは商甚翻蚳においおシステムの修正やアップデヌトが容易であるずいう利点もあるさらに珟圚䞻流のニュヌラル機械翻蚳\cite{D15-1166}でも統蚈的機械翻蚳ずニュヌラル機械翻蚳を組み合わせるこずで性胜を向䞊するモデルが先行研究\cite{D17-1149}により提案されおおり統蚈的機械翻蚳の性胜を向䞊させるこずは有益である英日・英仏・英䞭の蚀語察を甚いた評䟡実隓の結果英日翻蚳においお提案手法はNakagawaの手法ず遜色ない粟床を達成したたた詳现な分析を実斜し英仏英䞭における事前䞊び替えの性胜たた事前䞊び替えに圱響を䞎える芁因を調査したさらに近幎機械翻蚳の䞻流ずなっおいるニュヌラル機械翻蚳\cite{D15-1166}においお事前䞊び替えが䞎える圱響に぀いおも実隓を行い怜蚌した \section{関連研究} \label{sec:mt_reordering}本章では提案手法ず関連の深い事前䞊び替えに関する既存研究に぀いお議論するCollinsら\cite{CollinsKoehn2005}やGojunandFraser\cite{gojunfraser2012}Wangら\cite{wang-collins-koehn:2007:EMNLP-CoNLL2007}は䞊び替えのルヌルを定めそのルヌルにしたがっお事前䞊び替えを行っおいるXuら\cite{xu-EtAl:2009:NAACLHLT09}やIsozakiら\cite{isozaki10hfe}は朚構造に察しお䞊び替えのルヌルを定めSVO型蚀語である英語からSOV型蚀語ぞの翻蚳における事前䞊び替えを行っおいるこれらの手法のようにある蚀語察に぀いお䞊び替えのルヌルを定めるためには原蚀語ず目的蚀語に぀いおの知識が必芁でありたた党おの蚀語察においお䞊び替えのルヌルを定めるこずは難しいそのためルヌルに基づいた䞊び替えでは適甚可胜な蚀語察が限られおしたうそこで察蚳コヌパスから自動で䞊び替えを孊習する手法も提案されおいるZhangら\cite{Zhang:2007:CRS:1626281.1626282}やCregoandHabash\cite{crego-habash:2008:WMT}は$n$-gramからなるチャンクに察しお䞊び替えルヌルを察蚳コヌパスから埗る手法を提案しおいるCregoandMari\~no\cite{Crego2006}やTrombleandEisner\cite{tromble-eisner:2009:EMNLP}は品詞タグを甚いた事前䞊び替え手法を提案しおいるたたVisweswariahら\cite{visweswariah-EtAl:2011:EMNLP}は単語をノヌドずしたグラフを䜜成し巡回セヌルスマン問題ずしお䞊び替えの問題を定匏化しおいる朚構造を甚いるこずで長距離の郚分フレヌズの䞊び替えが容易に行えるずいう利点があるため朚構造を甚いる手法も倚く提案されおいるXiaandMcCord\cite{xia-mccord:2004:COLING}やGenzel\cite{genzel:2010:PAPERS}は朚構造から䞊び替えパタヌンを抜出しこれを原蚀語文に適甚するこずで䞊び替えを行っおいる機械孊習を甚いお䞊び替えを孊習する手法も提案されおいるLiら\cite{li-EtAl:2007:ACLMain2}は構文朚での各ノヌドにおいお最倧゚ントロピヌモデルを甚いお子ノヌドが$3$぀以内のノヌドに限定しお孊習および䞊び替えを行うモデルを提案しおいるLernerandPetrov\cite{lerner-petrov:2013:EMNLP}は䟝存朚に察しお子ノヌドが$7$぀以内のノヌドに察しお䞊び替えを行う手法を提案しおいるYangら\cite{yang-EtAl:2012:ACL2012}は䞊び替えを子ノヌドの順序を求める順序問題ずしRanking-SVM\cite{joachims2002optimizing}を甚いお子ノヌドの順序を求めるこずで䞊び替えを行っおいる朚構造を甚いお各ノヌドにおける子ノヌドの順序を決定するようなモデルでは子ノヌドの数が倚くなるに぀れお䞊び替え候補が爆発的に増加するずいう問題があるそこで朚構造を$2$分朚に限定するこずで各ノヌドにおいお子ノヌドを䞊び替えるか吊かずいう二倀分類の問題ずしお定矩できるJehlら\cite{E14-1026}は$2$分朚に察しおアラむンメントの亀差が少なくなるようにロゞスティック回垰モデルを甚いお䞊び替えを孊習する手法を提案しおいるHoshinoら\cite{hoshino-EtAl:2015:ACL-IJCNLP}は$2$分朚に察しお順䜍盞関係数であるKendallの$\tau$\cite{kendall1938measure}が最倧ずなるように二倀分類の分類噚を甚いお各ノヌドでの䞊び替えを行っおいるDeNeroandUszkoreit\cite{denero-uszkoreit:2011:EMNLP}は構文解析をし぀぀同時に䞊び替えも孊習する手法を提案しおいるNeubigら\cite{neubig-watanabe-mori:2012:EMNLP-CoNLL}はBTGに基づいお構文朚の構築および䞊び替えを行う手法を提案しおいるが蚈算量が倚く時間がかかるずいう問題があった本皿で比范を行うNakagawa\cite{nakagawa2015}の手法はBTGに基づく䞊び替えにおける蚈算量の問題を解決した手法であり翻蚳においお最高性胜を達成しおいる原蚀語文ず単語アラむンメントからトップダりンで$2$分朚を構築し぀぀各ノヌドで䞊び替えをするか吊かを孊習する$2$単語以䞊のスパンのうちどこで区切るか区切った郚分の前埌を䞊び替えるかをトップダりンで再垰的に蚈算しおいくこずで最終的に構文朚および各節ノヌドでのラベルが決定される構文朚を構築しながら䞊び替えも予枬するため構文解析を事前に行う必芁がなく構文解析噚の粟床に䟝るこずなく䞊び替えを行えるしかしその孊習のために玠性テンプレヌトを人手で蚭蚈する必芁がある近幎では玠性テンプレヌトの蚭蚈を必芁ずしないニュヌラルネットワヌクに基づいた手法も提案されおいるdeGispertら\cite{degispert-iglesias-byrne:2015:NAACL-HLT}はフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌク(FFNN)を甚いた$2$分朚での䞊び替えを提案しおいるBothaら\cite{botha-EtAl:2017:EMNLP2017}もFFNNを甚いた䞊び替えを提案しおいるが朚構造を甚いずに䞊び替えを行っおいるMiceli-BaroneandAttardi\cite{micelibarone-attardi:2015:ACL-IJCNLP}はRecurrentNeuralNetwork(RNN)を甚いお䟝存朚のノヌドを蟿るこずで䞊び替え手法を提案しおいる圌らは単語を出力する``EMIT''芪ノヌドぞ移動する``UP''$j$番目のノヌドぞ移動する``DOWN$_j$''の$3$぀の動䜜を定矩しRNNで動䜜を予枬するこずで䞊び替えを行うKanouchiら\cite{kanouchi-sudoh-komachi:2016:WAT2016}は統蚈的機械翻蚳の翻蚳モデルにより抜出するフレヌズペアに぀いおRvNNを甚いお䞊び替えラベルを掚定するこずで翻蚳システムの内郚で翻蚳ず同時にフレヌズの䞊び替えを行う提案手法ず同様RvNNを甚いおいるが提案手法は翻蚳システムずは独立しお事前䞊び替えを行う点で異なるたた提案手法では原蚀語の構文朚に察しおボトムアップに構築されるRvNNを甚いお$2$皮類のラベルの予枬を行うこずで郚分朚党䜓を考慮した䞊び替えを行える構文朚を甚いるこずで長距離の䞊び替えがより簡単に行えるずいう利点があるKawaraら\cite{P18-3004}は英日察においおRvNNを甚いた事前䞊び替え手法を提案し提案手法が有効であるこずを瀺しおいる本皿では英日英仏英䞭察に察しおRvNNを甚いた事前䞊び替えを適甚し詳现な分析を行う \section{RecursiveNeuralNetworkによる事前䞊び替え} \label{sec:reorder_rvnn}本章では提案手法であるRvNNによる䞊び替え手法を説明するたず提案手法のベヌスずなる文察における語順の近さを枬る指暙であるKendallの$\tau$を説明する次に節ノヌドにおける正解ラベル付䞎のアルゎリズムに぀いお述べRvNNを甚いた事前䞊び替えモデルに぀いお述べる\subsection{Kendallの$\tau$}\label{sec:kendall_tau}Kendallの$\tau$\cite{kendall1938measure}は順䜍盞関係数の$1$぀であり匏(\ref{eq:kendall_tau})で蚈算される\begin{align}\label{eq:kendall_tau}\tau(\bm{a})&=\frac{4\sum^{n-1}_{i=1}\sum^{n}_{j=i}\delta({\bm{a}}_i<{\bm{a}}_j)}{|\bm{a}|(|\bm{a}|-1)}-1,\\\delta(x)&=\begin{cases}1&(x\{\rmis\true}),\\0&({\rmotherwise}).\end{cases}\nonumber\end{align}数列$\bm{a}$の芁玠が完党に昇順に䞊んでいる堎合$\tau(\bm{a})$は$1$を完党に降順であれば$-1$をずりそれ以倖であれば$-1<\tau(\bm{a})<1$ずなる匏(\ref{eq:kendall_tau})は$\bm{a}$に含たれる数倀のペア$\bm{a}_iず\bm{a}_j(i<j)$が昇順$(\bm{a}_i<\bm{a}_j)$になっおいる割合を$-1$から$1$の間に正芏化したものでありこの倀が倧きいほど昇順に䞊んでいるペアの割合が倚い\subsection{正解ラベルの付䞎}\label{sec:rank_eval}提案手法では$2$分朚である句構文朚の各節ノヌドにおいお子ノヌドの順序を入れ替えるかどうかのラベル付けを行い䞊び替えの蚓緎デヌタを䜜成するAlgorithm\ref{alg:labeling}に正解ラベル付䞎の擬䌌コヌドを瀺す入力は$2$分朚のノヌド$n$ず単語アラむンメント$\bm{a}$であるノヌドは巊右の子ノヌドぞのリンクleftおよびrightず䞊び替えを瀺すラベル(label)を保持する$\bm{a}[n]$は葉ノヌドにおける単語のアラむンメントの目的蚀語におけるむンデックスを衚す䞊び替えのラベルは関数KendallTau($a_l,a_r$)により\ref{sec:kendall_tau}節で説明した手法でKendallの$\tau$の倀を蚈算しその結果に基づいお決定する各節ノヌドにおいお子ノヌドを䞊び替えた際にKendallの$\tau$が倧きくなる堎合は䞊び替えを行う``Inverted''ラベルを小さくなるたたは倉わらない堎合はそのたたの順序を維持する``Straight''ラベルを付䞎するこれをボトムアップで行うこずで䞎えられた構文朚においおKendallの$\tau$が最倧ずなるようにラベルが付䞎される\begin{algorithm}[t]\caption{正解ラベル付䞎の擬䌌コヌド}\label{alg:labeling}\input{06algo01.tex}\end{algorithm}\subsection{事前䞊び替えモデル}RvNNは朚構造型のニュヌラルネットワヌクである\cite{GollerandKuchler,Socher:2011:PNS:3104482.3104499}RvNNにおける各ノヌドは図\ref{fig:rvnn_unit}に瀺す構造を持ちこれを再垰的に結合するこずで朚構造型のニュヌラルネットワヌクを構築する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia6f1.eps}\end{center}\caption{RvNNの基本ずなる構造}\label{fig:rvnn_unit}\end{figure}提案手法では句構文朚にしたがっおRvNNを構築し各節ノヌドにおいおAlgorithm\ref{alg:labeling}で付䞎した正解ラベルを予枬する孊習を行うAlgorithm\ref{alg:preorder}に予枬したラベルを甚いた䞊び替えの擬䌌コヌドを瀺す入力はAlgorithm\ref{alg:labeling}によっお正解ラベルが付䞎された$2$分朚のノヌド$n$であり巊右の子ノヌドぞのリンクleftおよびrightず䞊び替えの予枬結果を保持するlabelを持぀$\mathrm{len}(\cdot)$は芁玠の数を蚈算する葉ノヌドはさらに自身の単語wordずそのベクトル衚珟$\bm{e}$を保持する$S_l$$S_r$は䞊び替え埌の単語列である節ノヌドにおいおは巊ず右の子ノヌドからそれぞれのベクトル衚珟$\bm{v}_l$$\bm{v}_r$を入力ずし関数RvNN($\bm{v}_l,\bm{v}_r$)によっお自身のベクトルの蚈算ずラベルの予枬を行うRvNN($\bm{v}_l,\bm{v}_r$)はベクトル衚珟$\bm{v}_l$$\bm{v}_r$を受け取り予枬されたラベル$Label$ず節ノヌドのベクトル$\bm{v}$を返す関数である巊の子ノヌドず右の子ノヌドのベクトル衚珟を甚いおラベルを予枬するこずで郚分朚を考慮し぀぀䞊び替えを行うかどうかを決定できる\begin{algorithm}[b]\caption{RvNNによる䞊び替えの擬䌌コヌド}\label{alg:preorder}\input{06algo02.tex}\end{algorithm}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia6f2.eps}\end{center}\hangcaption{``MyparentsliveinLondon''のRvNNによる䞊び替え暪線が匕いおある節ノヌドは``Inverted''緑色はノヌドのベクトルを衚し青色は品詞・構文タグのベクトルを衚す}\label{fig:rec_example}\end{figure}図\ref{fig:rec_example}に``MyparentsliveinLondon''ずいう文に察しおRvNNを甚いた䞊び替えの䟋を瀺す䟋えば``liveinLondon''のフレヌズに察応したノヌドにおいお匏(\ref{eq:concatnodes})に埓い``live''ず``inLondon''の子ノヌドを考慮しおベクトルを蚈算する\begin{align}\label{eq:concatnodes}\bm{v}&=f([\bm{v}_l;\bm{v}_r]W+\bm{b})\\\label{eq:labelfunc}\bm{s}&=\bm{v}W_s+\bm{b_s}\end{align}$f$はReLU関数$W\in\mathbb{R}^{\lambda\times2\lambda}$は重み行列$\bm{v}_l$$\bm{v}_r\in\mathbb{R}^\lambda$はそれぞれ巊右の子ノヌドのベクトル$W_s\in\mathbb{R}^{2\times\lambda}$は出力局における重み行列$\bm{b}\in\mathbb{R}^\lambda$$\bm{b_s}\in\mathbb{R}^2$はバむアス項を衚す$\lambda$は隠れ局の次元数を衚すたた$[\cdot;\cdot]$はベクトルを結合する${\bfs}\inR^2$は各ラベルに察する重みのベクトルであり匏(\ref{eq:softmax})に瀺す゜フトマックス関数に入力するこずで``Straight''および``Inverted''ラベルの確率を蚈算する\begin{equation}\label{eq:softmax}p_i=\frac{\exp(\bm{s}_i)}{\sum_{m=1}^{|\bm{s}|}\exp(\bm{s}_m)}\end{equation}$|\cdot|$はベクトルの次元数を衚しここでは$|\bm{s}|=2$である葉ノヌドでは単語ベクトルを入力ずし匏(\ref{eq:leaf_node})によっおベクトル衚珟を埗る\begin{align}\bm{e}&=\bm{x}W_x\nonumber\\\label{eq:leaf_node}\bm{v}_e&=f(\bm{e}W_e+\bm{b}_e)\end{align}ここで$\bm{x}\in\mathbb{R}^V$は入力単語を衚すone-hotベクトル$W_x\in\mathbb{R}^{V\times\lambda}$は単語分散衚珟を衚す行列$V$は語圙数を衚す$W_e\in\mathbb{R}^{\lambda\times\lambda}$は重み行列$\bm{b}_e\in\mathbb{R}^\lambda$はバむアス項であるロス関数は匏(\ref{eq:loss_func})で定矩される亀差゚ントロピヌを甚いる\begin{equation}\label{eq:loss_func}L(\theta)=-\frac{1}{K}\sum^K_{k=1}\sum_{n\in\mathcal{T}}\logp(l^n_k;\theta)\end{equation}$\theta$はモデルのパラメヌタ$n$は構文朚$\mathcal{T}$のノヌドであり$K$はミニバッチのサむズ$l^n_k$はミニバッチの$k$番目の構文朚の$n$番目のノヌドのラベルを衚す本皿では各ノヌドにおける品詞もしくは構文タグを考慮する手法も提案するこれらを考慮する際は匏(\ref{eq:concatnodes})に代わり匏(\ref{eq:concatnodes_pos})を甚いる\begin{equation}\label{eq:concatnodes_pos}\bm{v}_t=f([\bm{v}_l;\bm{v}_r;\bm{e}_t]W_t+\bm{b}_t)\end{equation}${\bfe}_t\in\mathbb{R}^\lambda$は品詞・構文タグの情報を衚珟するベクトルで各ノヌドの品詞たたは構文タグを衚すone-hotベクトルを入力ずし匏(\ref{eq:leaf_node})ず同様に蚈算する$W_t\in\mathbb{R}^{3\lambda\times\lambda}$は重み行列$\bm{b}_t\in\mathbb{R}^\lambda$はバむアス項である \section{翻蚳性胜評䟡} \label{sec:experiments}本章では事前䞊び替えを甚いた翻蚳評䟡実隓に぀いお述べるたず初めに実隓蚭定に぀いお述べ実隓結果を瀺すその埌翻蚳結果の詳现な分析を行う\subsection{実隓蚭定}英日英仏英䞭察においお原蚀語文の事前䞊び替えを行いその䞊で機械翻蚳システムを蚓緎し翻蚳粟床を評䟡する英日翻蚳はASPECコヌパス\cite{NAKAZAWA16.621}を甚いたASPECコヌパスはUtiyamaandIsahara\cite{Utiyama07ajapanese-english}による文アラむンメント類䌌床に基づいお察蚳文がランク付けされおいる本皿では䞊䜍$50$䞇文察から$10$䞇文察をサンプリングしお事前䞊び替えの蚓緎デヌタずした英仏翻蚳はCommonCrawlコヌパス\cite{bojar-EtAl:2015:WMT}を甚いたCommonCrawlコヌパスに含たれる蚓緎デヌタは玄$291$䞇文察開発デヌタ(newstest2013)は3,000文察テストデヌタ(newstest2014)は3,003文察である英䞭翻蚳はIWSLTコヌパス\cite{iwslt15}を甚いたIWSLTコヌパスに含たれる蚓緎デヌタは玄$21$䞇文察開発デヌタ(dev2010)は$887$文察テストデヌタ(tst2013)は1,261文察である英仏英䞭ずもに蚓緎デヌタから無䜜為にサンプリングした10䞇文を䞊び替えの蚓緎デヌタずした党おの蚀語察においお先行研究\cite{nakagawa2015,D15-1166}ず同様翻蚳噚の孊習には原蚀語目的蚀語ずもに$50$単語以䞋で文察の単語数の比はMosesの前凊理スクリプトのデフォルト倀である$9$以䞋の条件を満たす文察を甚いた衚\ref{tab:corpus_stats}に翻蚳システムの蚓緎に甚いたデヌタの統蚈量を瀺す\begin{table}[b]\caption{翻蚳の孊習に甚いたデヌタの統蚈量文察}\label{tab:corpus_stats}\input{06table01.tex}\end{table}英語文はStanfordCoreNLP\footnote{http://stanfordnlp.github.io/CoreNLP/}で単語分割ず品詞タグ付けをEnju\footnote{http://www.nactem.ac.uk/enju/}で構文解析を行った日本語文はMeCab\footnote{http://taku910.github.io/mecab/}で圢態玠解析をCkylark\footnote{https://github.com/odashi/Ckylark}で構文解析を行ったフランス語文はMosesに付属しおいるスクリプト\footnote{https://github.com/moses-smt/mosesdecoder/blob/master/scripts/tokenizer/tokenizer.perl}で単語分割を行いBerkeleyParser\footnote{https://github.com/slavpetrov/berkeleyparser}で構文解析を行った䞭囜語文はKyotoMorph\footnote{https://bitbucket.org/msmoshen/kyotomorph-beta}を甚いお単語分割を行いBerkeleyParserで構文解析を行ったKyotoMorphの蚓緎にはCTBversion5(CTB5)ずSCTB\cite{chu-EtAl:2016:ALR12}を甚いた䞊び替えの孊習における単語アラむンメントはMGIZA\footnote{https://github.com/moses-smt/mgiza}を甚いIBMModel1ずhiddenMarkovmodelをそれぞれ$3$回繰り返しお䞡方向のアラむンメントを蚈算したこの時の単語クラス数は先行研究\cite{nakagawa2015}にしたがっお$256$ずしたその埌intersectionのルヌルにより最終的なアラむンメントを獲埗した提案手法であるRvNNはChainer\footnote{http://chainer.org/}を甚いお実装し語圙は頻床が高いものから$5$䞇語を甚いた最適化にはAdam\cite{DBLP:journals/corr/KingmaB14}に重み枛衰(0.0001)およびGradientClipping($5$)を適甚しお行ったミニバッチサむズは$500$ずした開発デヌタにおけるロス倀が最小ずなった゚ポック英日2英䞭・英仏5のモデルを甚い事前䞊び替えを行うNakagawa\cite{nakagawa2015}のBTG手法を比范察象ずし公開されおいる実装\footnote{http://github.com/google/topdown-btg-preordering}を甚いた蚓緎には提案手法ず同䞀の前凊理を行った$10$䞇文察の察蚳デヌタを甚い事前䞊び替えを行った統蚈的機械翻蚳噚ずしおMoses\footnote{http://www.statmt.org/moses/}のフレヌズベヌス統蚈的機械翻蚳(PBSMT)を甚いた蚓緎デヌタの目的蚀語文を甚いおKenLM\footnote{http://github.com/kpu/kenlm}で$5$-gram蚀語モデルを蚓緎した䞊び替えモデルはLinearモデル\cite{Koehn:2003:SPT:1073445.1073462}を甚いたハむパヌパラメヌタのチュヌニングは開発デヌタを甚いおMERT\cite{och:2003:ACL}で$3$回行ったそれぞれの蚭定でテストデヌタの翻蚳を評䟡した評䟡倀の平均を最終的な評䟡倀ずするたたニュヌラル機械翻蚳噚ずしおOpenNMT\footnote{http://opennmt.net/}の泚意機構モデルを甚いた語圙は原蚀語目的蚀語ずもに頻床の䞊䜍$5$䞇語を甚い単語ベクトルの次元数は$500$隠れ局のベクトルの次元数は$500$ずしたデフォルトの蚭定に埓い゚ンコヌダデコヌダずもに$2$局のLSTMを甚いたバッチサむズは$64$文ずし$13$゚ポックの孊習を行った翻蚳粟床の評䟡指暙ずしおBLEU\cite{papineni-EtAl:2002:ACL}たた語順の評䟡指暙ずしおRIBES\cite{sudoh-nagata:2016:WAT2016}を甚いたそれぞれの評䟡倀の統蚈的有意差を怜蚌するためブヌトストラップによる怜定\cite{koehn:2004:EMNLP}を行った\subsection{実隓結果}\label{sec:ex_result}\subsubsection{提案手法における品詞・構文タグの効果}RvNNにおける品詞・構文タグおよび単語ベクトル節ノヌドのベクトルの次元数が事前䞊び替えおよびPBSMTの翻蚳粟床に䞎える圱響を怜蚌するため英日察においおASPECコヌパスの䞊䜍$50$䞇文察を甚いお実隓を行った衚\ref{tab:rec_bleu}に単語のみを入力ずした堎合ず品詞・構文タグを付䞎した堎合の開発セットにおけるBLEU倀を瀺すWAT2017のベヌスラむンシステム\footnote{http://lotus.kuee.kyoto-u.ac.jp/WAT/WAT2017/baseline/baselineSystemPhrase.html}ず同様に䞊び替えなしのものは歪み制玄は$20$ずしBTGずRvNNで䞊び替えを行った堎合の歪み制玄は$0$ずした品詞・構文タグがない堎合ベクトルの次元数が$100$の時に比べお$200$の時はBLEU倀が䜎䞋しおいるが$500$の時は向䞊しおいる品詞・構文タグを甚いた堎合ベクトルの次元数が$100$の時に比べお$200$の時はBLEU倀が向䞊したが$500$の時は䜎䞋しおいるたた品詞・構文タグを甚いないベクトル次元数が$500$の時ず品詞・構文タグを甚いたベクトル次元数が$200$の時を比范するず有意差は芋られなかった以䞊の結果に基づき以降の実隓では隠れ局のベクトルの次元数をより少ない$200$ずし品詞・構文タグを甚いお事前䞊び替えを行う\begin{table}[t]\hangcaption{ベクトルの次元数ず品詞・構文タグの有無による開発セットにおけるBLEUの倉化英日ASPECコヌパスの50䞇文察で孊習}\label{tab:rec_bleu}\input{06table02.tex}\end{table}\subsubsection{PBSMTおよびNMTによる翻蚳粟床}PBSMTNMTにより翻蚳を行った結果を衚\ref{tab:eval_bleu}に瀺すBTGずRvNNで事前䞊び替えを行ったものはPBSMTにおける歪み制玄を$0$ずした䞊び替えなしのものは英日日英ではWAT2017のベヌスラむンシステムの蚭定に埓い歪み制玄を$20$ずした英䞭䞭英英仏仏英察では歪み制玄をMosesのデフォルト倀である$6$ずした\footnote{Gotoら\cite{P13-1016}は䞭英翻蚳においお歪み制玄を$10$$20$$30$$\infty$にしお翻蚳を行い歪み制玄が$10$の時にBLEU倀が䞀番高かったず報告しおいるそのため英䞭䞭英翻蚳においお歪み制玄を$6$$10$$20$に蚭定し翻蚳実隓を行ったその結果開発デヌタにおいおBLEU倀が䞀番高かった歪み制玄$6$を遞択した}\begin{table}[t]\hangcaption{テストセットにおけるBLEUおよびRIBESの評䟡結果最も性胜の高いものず有意差がないもの($p<0.05$)を倪字で衚す}\label{tab:eval_bleu}\input{06table03.tex}\end{table}PBSMTで翻蚳を行った堎合英日方向の翻蚳では䞊び替えなしに比べおRvNNずBTGの䞡方でBLEU倀がそれぞれ$4.62$ポむント$4.97$ポむント有意に向䞊したたたRIBES倀も事前䞊び替えなしに比べおRvNNおよびBTGで$8.77$ポむント$9.58$ポむント有意に向䞊したこれらの結果から英日翻蚳においお事前䞊び替えを行うこずで翻蚳粟床が倧きく向䞊しおいるこずが分かるRvNNずBTGではBLEU倀およびRIBES倀においお統蚈的有意差は認められなかった$p$倀はそれぞれ$p=0.068$$p=0.226$であったこのこずから提案手法では玠性テンプレヌトの蚭蚈を必芁ずするこずなく事前䞊び替え手法のstate-of-the-artであるBTGず同等の翻蚳性胜を達成しおいるこずが分かる英仏英䞭方向におけるPBSMTを甚いた翻蚳結果のBLEU倀およびRIBES倀はBTGでは有意に向䞊したがRvNNでは䞊び替えなしず同皋床ずなった䞀方でRvNNBTG䞊び替えなしの䞉者に぀いお英仏・英䞭翻蚳におけるRIBESの倀に有意差はなかったこれは英䞭英仏の蚀語察では元々長距離の語順倉換が䞍芁であるため事前䞊び替えの効果が限定的だったこずを瀺唆しおいるず考えるたた日英方向ではPBSMTを甚いた翻蚳結果では䞊び替えなしず比范しおRvNNによる事前䞊び替えを行うこずでBLEU倀が有意に$1.99$ポむント向䞊しおいるしかしBTGでの䞊び替えによるBLEU倀の向䞊には及ばない結果ずなったRIBES倀はRvNNずBTGでそれぞれ$7.65$ポむント$8.27$ポむントの向䞊を達成しおいる仏英䞭英方向においおPBSMTによる翻蚳ではBTGによる䞊び替えではBLEU倀が䞊び替えなしの堎合に比べ有意に向䞊しおいるがRvNNによる䞊び替えでは䞊び替えなしの堎合よりも䜎䞋しおいるこれは構文朚の粟床が圱響したものず考えられ\ref{sec:analsys_reorder}項においお分析するNMTを甚いた翻蚳ではRvNNによる事前䞊び替えを行うず英日英䞭日英仏英方向の翻蚳においおBLEU倀RIBES倀が䜎䞋したしかし英仏方向ではBLEU倀が$0.65$ポむントRIBES倀が$0.18$ポむント䞭英方向ではBLEU倀が$0.62$ポむントRIBES倀が$0.57$ポむント向䞊したBTGによる事前䞊び替えではNMTを甚いお翻蚳を行うず䞊び替えなしの堎合に比べすべおの蚀語察でBLEU倀{RIBES倀}が䜎䞋する結果ずなったこれはSudohら\cite{sudoh-nagata:2016:WAT2016}の英䞭翻蚳における実隓結果ず共通の珟象であり原因の$1$぀ずしお事前䞊び替えにより蚀語の構造が厩れおしたうこずが考えられるしかし英仏䞭英察においおはRvNNの事前䞊び替えの結果NMTの翻蚳粟床が向䞊しおおりNMTにおいおも事前䞊び替えによる効果が発揮される堎合があるこずを瀺しおいる今埌提案手法をNMTのモデルに組み蟌み同時に孊習を行うこずでNMTにおける翻蚳粟床の向䞊に取り組む予定であるNMTによる翻蚳におけるRIBES倀に぀いお英仏仏英翻蚳においおBTGによる䞊び替えを行ったPBSMTの性胜が事前䞊び替えなしのNMTの性胜をわずかに䞊回っおいるがこれらの結果には統蚈的有意差はなかったそれぞれ$p=0.329$$p=0.323$先行研究でも瀺されおいる通り本実隓においおも事前䞊び替えの有無に関わらずNMTがSMTを䞊回る結果ずなっおいる\subsection{分析}\subsubsection{事前䞊び替えず翻蚳粟床の関係分析}\label{sec:analsys_reorder}事前䞊び替えの性胜が翻蚳結果に䞎える圱響を調査するため事前䞊び替えの性胜ず翻蚳粟床の関連を分析する入力文の理想的な事前䞊び替えが行えるず原蚀語ず目的蚀語の語順が等しくなる぀たり䞊び替えた入力文ず参照翻蚳の語順が等しくなり翻蚳タスクは逐語翻蚳に近づくず考えられるそのため䞊び替えた入力文ず参照翻蚳の語順の近さを評䟡するKendallの$\tau$ず翻蚳結果ず参照翻蚳の語順を評䟡するRIBES倀には盞関があるず期埅されるたた逐語翻蚳に近づくこずで翻蚳タスク自䜓が簡単になりBLEU倀も向䞊するず期埅できる衚\ref{tab:kendallBLEURIBES}に開発セットにおける䞊び替え前埌の入力文それぞれず参照翻蚳文間のKendallの$\tau$ずPBSMTによる翻蚳結果のBLEU倀RIBES倀を瀺す英日察においおRvNNは䞊び替えなしに比べおKendallの$\tau$が$27.07$ポむント向䞊しおおり英語日本語文での語順の䞀臎率を倧きく向䞊できおいるBLEU倀RIBES倀もそれぞれ$3.68$ポむント$8.27$ポむント向䞊しおいる日英察においおも䞊び替えなしず比范しおRvNNによる事前䞊び替えでKendallの$\tau$が$10.83$ポむント向䞊しBLEU倀RIBES倀もそれぞれ$2.27$ポむント$8.23$ポむント向䞊しおいる぀たりRvNNでは語順の䞀臎率を倧きく向䞊できた英日日英察ではBLEU倀およびRIBES倀を改善できおいるこずが分かる䞀方仏英䞭英察では䞊び替えなしに比べおRvNNのKendallの$\tau$がそれぞれ$1.08$ポむント$0.26$ポむント向䞊したがBLEU倀RIBES倀に有意な倉化はみられなかったこのこずから事前䞊び替えにより語順の䞀臎率を高めるこずができれば翻蚳粟床に倧きく貢献できるがKendallの$\tau$の小芏暡な改善が翻蚳粟床に䞎える圱響は限定的であるこずが分かる\begin{table}[t]\hangcaption{開発デヌタにおけるKendallの$\tau$ずBLEUおよびRIBESずの関係最も性胜の高いものず有意差がないもの($p<0.05$)を倪字で衚す}\label{tab:kendallBLEURIBES}\input{06table04.tex}\end{table}䞀方でBTGでは仏英察においおKendallの$\tau$を$1.43$ポむント向䞊できおおりたたBLEU倀RIBES倀がそれぞれ$1.27$ポむント$0.41$ポむント䞭英察においおもKendallの$\tau$を$1.65$ポむント改善したたRIBES倀が$0.24$ポむント向䞊しおいる提案手法では䞭英察においおBLEURIBESを向䞊できなかった理由ずしお構文解析゚ラヌの圱響が考えられるBTGでは事前䞊び替えに適した朚構造を構築しながら䞊び替えを行う䞀方RvNNでは構文解析噚が出力する構文朚に基づいお事前䞊び替えを行うため構文解析噚の粟床がRvNNによる䞊び替えの粟床に圱響する本実隓で甚いた構文解析噚の粟床は䞭囜語で$77\%$\cite{che-spitkovsky-liu:2012:ACL2012short}ず報告されおおり英語の堎合の$91\%$\cite{Miyao:2008:FFM:1350986.1350988}より倧幅に䜎い䞭英翻蚳のため構文解析した䞭囜語文のうち開発デヌタから䞀文単䜍のBLEU倀が䜎䞋した$50$件を芳察した結果構文解析゚ラヌず単語アラむンメントの質が䜎いこずによる耇合的な芁因により事前䞊び替えに倱敗しおいるこずが明らかずなった構文解析に倱敗した文は$13$文ありそのうち名詞句の解析誀りが$9$件動詞句の解析誀りが$6$件あったこれらの構文解析゚ラヌにより事前䞊び替えに倱敗したものは$6$件あったこのうち構文解析゚ラヌによりどのような䞊び替えを行っおもKendallの$\tau$を向䞊できないものが$3$件単語アラむンメントそのものができおおらずどのような䞊び替えを行っおもKendallの$\tau$を向䞊できないものが$2$件あったこれらは䞭英翻蚳の実隓に甚いた察蚳コヌパス(IWSLT2015)はTEDより収集された口語䜓の文であるため構文解析が難しくたたコヌパスサむズが小さいこずから単語アラむンメントも困難なためず考えられる\subsubsection{機械孊習手法の効果}\label{sec:diff_ml}次に提案手法では構文朚に基づく機械孊習により事前䞊び替えを行うが構文朚を甚いる効果および機械孊習手法の効果を分けお怜蚌するため提案手法ず同様に機械孊習を甚いお構文朚の各ノヌドで䞊び替えを行う手法であるHoshinoら\cite{hoshino-EtAl:2015:ACL-IJCNLP}ず英日察で比范実隓を行ったHoshinoらの手法は機械孊習手法ずしおSupportVectorMachineを甚いるものである衚\ref{tab:comp_hoshino}にその結果を瀺すHoshinoらの手法ず比范しおRvNNを甚いた翻蚳ではBLEU倀が有意に$0.58$ポむント高い結果ずなったこの結果より単語ベクトルおよび品詞・構文タグベクトルを考慮しRvNNによる事前䞊び替えを行うこずで構文情報をよりずらえた䞊び替えを実珟できるこずが分かる\begin{table}[b]\hangcaption{機械孊習手法の違いによる䞊び替えのPBSMTによる英日察での翻蚳評䟡最も性胜の高いものず有意差がないもの($p<0.05$)を倪字で衚す}\label{tab:comp_hoshino}\input{06table05.tex}\end{table}\begin{table}[b]\caption{英日察における䞊び替えの成功䟋ずその翻蚳䟋}\label{tab:preorder_success}\input{06table06.tex}\end{table}\subsubsection{翻蚳䟋の分析}衚\ref{tab:preorder_success}に英日察においお事前䞊び替えに成功した䟋およびそのPBSMTNMTを甚いた翻蚳結果を瀺す原文ず参照蚳では語順が倧きく異なっおいるが䞊び替えを行うこずで語順が近づいおいるこずが分かるPBSMTによる翻蚳䟋では䞊び替えなしの文ず比べ䞊び替えを行った文は意味が通るような蚳文ずなっおいる特に動詞である``causes''が䞊び替えを行うこずで文末に移動し参照蚳の「ひきおこす」ず同様の意味を衚す「原因ずなる」ず翻蚳されおおり䞊び替えなしの翻蚳である「郚品である」ず比べお正しい翻蚳結果ずなっおいるNMTによる翻蚳䟋ではPBSMTによる翻蚳䟋ず比范しおより流暢な翻蚳ずなっおいるが䜎頻床語である``economizer''が$\langle$unk$\rangle$ず翻蚳されおいる\begin{table}[b]\caption{英日察における䞊び替えの倱敗䟋ずその翻蚳䟋}\label{tab:preorder_failed1}\input{06table07.tex}\end{table}衚\ref{tab:preorder_failed1}に英日察においお事前䞊び替えに倱敗した䟋およびそのPBSMTNMTによる翻蚳結果を瀺すRvNNによる䞊び替えの䟋では元々括匧倖にあった単語列が䞊び替えの結果括匧の䞭に入っおいたり巊括匧ず右括匧の順番が反察になっおいるこれは構文解析の結果図\ref{fig:parse_ex}に瀺すように``(c)''ずいうフレヌズが誀っお二぀の句に分断されおおりその誀りが事前䞊び替えに圱響しおしたったためであるBTGでは構文解析ず䞊び替えを同時に行うためこのような構文解析誀りの圱響を受けない衚\ref{tab:preorder_enfr}\ref{tab:preorder_enzh}に英仏察および英䞭察での䞊び替えおよび翻蚳結果を瀺すこれらの蚀語察では語順が䌌おいるため事前䞊び替えを行っおも語順はほずんど倉化せず実際に䞊び替えなしの文ずBTGRvNNによっお䞊び替えられた文もそれほど倉化しおいない\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia6f3.eps}\end{center}\caption{倱敗した構文解析結果の䞀郚分暪線が匕いおある節ノヌドは``Inverted''を瀺す}\label{fig:parse_ex}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{英仏察における䞊び替えの䟋ずその翻蚳䟋}\label{tab:preorder_enfr}\input{06table08.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{英䞭察における䞊び替えの䟋ずその翻蚳䟋}\label{tab:preorder_enzh}\input{06table09.tex}\end{table} \section{たずめ} 本皿では統蚈的機械翻蚳のための玠性テンプレヌトの蚭蚈を必芁ずしないRvNNを甚いた事前䞊び替え手法を提案した英日英仏英䞭蚀語察を甚いた評䟡実隓の結果提案手法は英日統蚈的機械翻蚳においお人手で蚭蚈した玠性テンプレヌトに基づく事前䞊び替え手法のstate-of-the-art\cite{nakagawa2015}ず同等の翻蚳性胜を達成しおいるしかし提案手法では構文解析を必芁ずするため構文解析の誀りが事前䞊び替えの粟床に圱響するよっお構文解析ずノヌドの䞊び替えを同時に行うモデルの構築が今埌の課題の$1$぀ずしお挙げられる先行研究\cite{sudoh-nagata:2016:WAT2016,DuandWay:2017}においお事前䞊び替えを行った文察でNMTを蚓緎するず翻蚳粟床が䜎䞋するこずが報告されおいるしかし提案手法を甚いた堎合英仏䞭英察ではNMTにおいおBLEU倀が有意に向䞊しおおり事前䞊び替えがNMTに貢献する可胜性が瀺された提案手法では事前䞊び替えずNMTは完党に独立なモデルずなっおいるがこれらを統合し事前䞊び替えモデルずNMTの蚓緎を同時に行うこずでNMTに適した事前䞊び替えを行えるず期埅できる今埌このような事前䞊び替えずNMTモデルを融合した手法に取り組む予定である\acknowledgment本研究は日本電信電話株匏䌚瀟コミュニケヌション科孊基瀎研究所及びJSPS科研費\#17H06822の助成を受けたものです本皿の評䟡実隓を行うにあたりご協力いただいた星野翔氏に深謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,Chatterjee,Federmann,Haddow,Huck,Hokamp,Koehn,Logacheva,Monz,Negri,Post,Scarton,Specia,\BBA\Turchi}{Bojaret~al.}{2015}]{bojar-EtAl:2015:WMT}Bojar,O.,Chatterjee,R.,Federmann,C.,Haddow,B.,Huck,M.,Hokamp,C.,Koehn,P.,Logacheva,V.,Monz,C.,Negri,M.,Post,M.,Scarton,C.,Specia,L.,\BBA\Turchi,M.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQFindingsofthe2015WorkshoponStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thWorkshoponStatisticalMachineTranslation(WMT)},\mbox{\BPGS\1--46},Lisbon,Portugal.\bibitem[\protect\BCAY{Botha,Pitler,Ma,Bakalov,Salcianu,Weiss,McDonald,\BBA\Petrov}{Bothaet~al.}{2017}]{botha-EtAl:2017:EMNLP2017}Botha,J.~A.,Pitler,E.,Ma,J.,Bakalov,A.,Salcianu,A.,Weiss,D.,McDonald,R.,\BBA\Petrov,S.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQNaturalLanguageProcessingwithSmallFeed-ForwardNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\2879--2885},Copenhagen,Denmark.\bibitem[\protect\BCAY{Cettolo,Niehues,St{\"{u}}ker,Bentivogli,Cattoni,\BBA\Federico}{Cettoloet~al.}{2015}]{iwslt15}Cettolo,M.,Niehues,J.,St{\"{u}}ker,S.,Bentivogli,L.,Cattoni,R.,\BBA\Federico,M.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQTheIWSLT2015EvaluationCampaign.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSpokenLanguageTranslation(IWSLT)},\mbox{\BPGS\2--10},Tokyo,Japan.\bibitem[\protect\BCAY{Che,Spitkovsky,\BBA\Liu}{Cheet~al.}{2012}]{che-spitkovsky-liu:2012:ACL2012short}Che,W.,Spitkovsky,V.,\BBA\Liu,T.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAComparisonofChineseParsersforStanfordDependencies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL)},\mbox{\BPGS\11--16},JejuIsland,Korea.\bibitem[\protect\BCAY{Chu,Nakazawa,Kawahara,\BBA\Kurohashi}{Chuet~al.}{2016}]{chu-EtAl:2016:ALR12}Chu,C.,Nakazawa,T.,Kawahara,D.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQSCTB:AChineseTreebankinScientificDomain.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponAsianLanguageResources(ALR)},\mbox{\BPGS\59--67},Osaka,Japan.\bibitem[\protect\BCAY{Collins,Koehn,\BBA\Kucerova}{Collinset~al.}{2005}]{CollinsKoehn2005}Collins,M.,Koehn,P.,\BBA\Kucerova,I.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQClauseRestructuringforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL)},\mbox{\BPGS\531--540}.\bibitem[\protect\BCAY{Crego\BBA\Habash}{Crego\BBA\Habash}{2008}]{crego-habash:2008:WMT}Crego,J.~M.\BBACOMMA\\BBA\Habash,N.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQUsingShallowSyntaxInformationtoImproveWordAlignmentandReorderingforSMT.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\53--61},Columbus,Ohio.\bibitem[\protect\BCAY{Crego\BBA\Mari{\~{n}}o}{Crego\BBA\Mari{\~{n}}o}{2006}]{Crego2006}Crego,J.~M.\BBACOMMA\\BBA\Mari{\~{n}}o,J.~B.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQImprovingStatisticalMTbyCouplingReorderingandDecoding.\BBCQ\\newblock{\BemMachineTranslation},{\Bbf20}(3),\mbox{\BPGS\199--215}.\bibitem[\protect\BCAY{de~Gispert,Iglesias,\BBA\Byrne}{de~Gispertet~al.}{2015}]{degispert-iglesias-byrne:2015:NAACL-HLT}de~Gispert,A.,Iglesias,G.,\BBA\Byrne,B.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQFastandAccuratePreorderingforSMTusingNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies(NAACL-HLT)},\mbox{\BPGS\1012--1017},Denver,Colorado.\bibitem[\protect\BCAY{DeNero\BBA\Uszkoreit}{DeNero\BBA\Uszkoreit}{2011}]{denero-uszkoreit:2011:EMNLP}DeNero,J.\BBACOMMA\\BBA\Uszkoreit,J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQInducingSentenceStructurefromParallelCorporaforReordering.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\193--203},Edinburgh,UK.\bibitem[\protect\BCAY{Du\BBA\Way}{Du\BBA\Way}{2017}]{DuandWay:2017}Du,J.\BBACOMMA\\BBA\Way,A.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQPre-ReorderingforNeuralMachineTranslation:HelpfulorHarmful?\BBCQ\\newblock{\BemThePragueBulletinofMathematicalLinguistics},{\Bbf108},\mbox{\BPGS\171--182}.\bibitem[\protect\BCAY{Genzel}{Genzel}{2010}]{genzel:2010:PAPERS}Genzel,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyLearningSource-sideReorderingRulesforLargeScaleMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\Bem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V23N05-04
\section{はじめに} 文曞間類䌌床がはかるものずしお「䌝える内容の䞀臎」内容䞀臎だけでなく「䌝える衚珟の䞀臎」衚珟䞀臎がある文曞間類䌌床は自動芁玄や機械翻蚳ではシステム出力の内容評䟡を行うために参照芁玄翻蚳ずの差異を評䟡する指暙ずしお甚いられる䞀方文曞間類䌌床は衚珟の差異を評䟡するこずを目的ずしおテキストの文䜓の蚈量比范にも甚いられる本皿では文曞間類䌌床の数理的構造の説明し様々な内容もしくは文䜓が同じであるこずが想定されるテキストを甚いお各蚈量の特性に぀いお怜蚎する\modified{}\cite{nanba-hirao-2008-JSAI-journal}は2008幎時点での自動芁玄の評䟡指暙に぀いおの評䟡をたずめおいる2008幎以降に提案された語順を考慮した内容評䟡のための指暙を含めお語順に察する順序尺床を含めた距離空間・類䌌床・カヌネル・盞関係数などの尺床を甚いお数理的構造に぀いお敎理する具䜓的には䞀臎郚分文字列による尺床・䞀臎郚分列による尺床・ベクトル型順序尺床・線集型順序尺床の四぀に分類し議論するこれらの四぀の尺床に基づき内容䞀臎内容の同䞀性ず衚珟䞀臎文䜓の類䌌性の芳点から蚀語生産過皋の倚様性を評䟡する耇数人が同䞀課題を実斜した堎合の各評䟡尺床の分散や同䞀人が同䞀課題を繰り返し実斜した堎合の各評䟡尺床の分散などを怜蚎する生産過皋においおは口述・筆術・タむプ入力の䞉皮類に぀いお評䟡し課題においおは芁玄・語釈・再話に぀いお評䟡する芁玄は長い文曞を同等の内容で短く蚀い換えるこずを目的ずする蚀語生産過皋であるが語釈は短い単語が指し瀺す意味ず同等の内容を長く蚀い換えるこずを目的ずする蚀語生産過皋であるこずから芁玄は語釈の逆写像の䞀般化ずずらえるこずができるたた再話は長い文曞を再床同等の内容でそのたた提瀺するこずを目的ずする蚀語生産過皋であるこずから芁玄の䞀般化であるずずらえるこずができるこの評䟡を通しお四぀の指暙における差異がどのような生産過皋の差異に珟れるのかを調査するたた同䞀蚀語生産課題に察する生成物の倚様性に぀いおも議論する衚珟䞀臎を぀かさどるものずしお情報の提瀺順序を含む修蟞法(rhetoric)・䜿甚域(register)や䜍盞(phase)\footnote{ここでは「䜿甚域」ず「䜍盞」は数孊の甚途ではなく文䜓論の甚語ずしお甚いおいる}に内圚する文䜓・個人に内圚する文䜓などが考えられる芁玄を評䟡するにあたり内容䞀臎は重芁であるず考えるが衚珟䞀臎はどの皋床重芁であるのだろうかさらにこれらはどの評䟡尺床に衚出するのだろうか察照比范を介しお各蚀語生産過皋に共通のふるたいを瀺す評䟡尺床ず課題に特有のふるたいを瀺す評䟡尺床に぀いお調査する\modified{自動芁玄評䟡のための参照文曞は䞀般に口述筆蚘の専門家や蚘者経隓者などにより䜜成され統制された少数のものが提䟛される自動翻蚳評䟡においおも職業翻蚳家等により限られた数の参照文曞が䜜成される統制は距離空間䞊の凞問題ずしお課題を蚭定しその課題蚭定の枠組内で評䟡したい工孊研究者の郜合で行われおいるものであるさらに工孊研究者は参照文曞の差異がナヌクリッド距離空間䞊に芏定され文曞間類䌌床で比范可胜なレベルで統制できうるものだず考えおいるきらいがある䞀方文曞を介したコミュニケヌションにおいお蚀語生産者ではない者による受容過皋は統制されるものではなく耇数の受容者間で共有されるものではない䞀人の受容者においおも時間的経過などで統制できるものでもない本皿では人間の芁玄䜜成時の䞍安定な蚀語受容過皋\footnote{ここで蚀語受容過皋ずは芁玄䜜成時に元文曞を読む過皋のこずを指す}においお文曞の重芁箇所遞択がどの皋床ゆれるものなのかを評䟡するずずもにそのゆれは評䟡指暙を構成するどの尺床に衚れるのかを調査するこの調査を通しお本来誀りでないものが課題蚭定の時点で誀りになっおいる可胜性があるずいう実態を明らかにする}本皿の貢献は以䞋のずおりである\begin{itemize}\item既存の文曞芁玄や機械翻蚳の自動評䟡に利甚される評䟡指暙ず距離空間・類䌌床・カヌネル空間・順序尺床・盞関係数などの尺床ずの関係を敎理\modified{した}\item同䞀課題に぀いお耇数人の蚀語生産者間で生成される文曞のゆれを定量的に評䟡\modified{した}\item課題ごずに同䞀人の蚀語生産者の課題詊行間で生成される文曞のゆれを定量的に評䟡\modified{した}\item䞊に述べたゆれの評䟡に基づき内容評䟡ず衚珟評䟡の尺床䞊のふるたいの\modified{䞍安定さを明らかにした}\end{itemize}尚本皿では「評䟡指暙」ず「尺床」を区別しお甚いる自動芁玄や機械翻蚳ではシステム出力の内容評䟡を行うためのROUGEやBLEUなど広く知られおいるものを衚す際に「評䟡指暙」ず呌び「評䟡指暙」を構成する距離空間・類䌌床・カヌネル・盞関係数などを「尺床」ず呌ぶ「評䟡指暙」が単䞀の「尺床」から構成されるこずもあり「評䟡指暙」=「尺床」である堎合もある以䞋\ref{sec:sim}節では既存の自動評䟡指暙を距離・類䌌床・カヌネル・順序尺床・盞関係数により説明するこずで文曞間類䌌床を四぀に分類し敎理する3節では尺床を適甚しお比范するさたざたな蚀語生成過皋を蚘録した蚀語資源に぀いお説明する4節では評䟡尺床の定性的な評䟡に぀いお瀺す5節にたずめず今埌の研究の方向性に぀いお瀺す \section{評䟡指暙ず距離・類䌌床・カヌネル・順序尺床・盞関係数} \label{sec:sim}\subsection{本節の趣旚}\label{ss:sim-intro}本節では過去に提案されおいる自動芁玄ず機械翻蚳の評䟡指暙を距離・類䌌床・カヌネル・順序尺床・盞関係数などの尺床により説明するこずを詊みるこの説明の過皋でいく぀かの評䟡指暙が擬距離の公理の察称性䞉角䞍等匏や距離の公理の非退化性を満たさないこずに蚀及するたず郚分文字列(substring)ず郚分列(subsequence)の違いを明確にするため2.2節で郚分文字列ず郚分列に基づく類䌌床に぀いお解説する2.3節で先行研究で蚀及されおいる評䟡指暙に぀いお解説する2.4節で関連するカヌネル・順序尺床に぀いお瀺す2.5節で指暙の䞀般化に぀いお述べる評䟡指暙においおは二぀のデヌタ比范ずいう芳点から単䞀の参照テキストず単䞀のシステム出力テキストの察の文曞間類䌌床に限定しお議論する耇数の参照テキストを考慮する堎合には退化性等を考慮する必芁がある尚本節で甚いる甚語や蚘号の定矩は\ref{sec:app:term}節にたずめおある\subsection{LCSubstrずLCS}\subsubsection{蚘号列ず文字列ず郚分文字列ず郚分列}評䟡指暙の議論を始める前に蚘号列文字列郚分文字列郚分列の違いに぀いお確認する䜕らかの党順序が付䞎されおいる蚘号集合のこずを{\bf蚘号列}ず呌ぶ本皿では蚘号列ベクトル$s=\langles_{1},\ldots,s_{m}\rangle,t=\langlet_{1},\ldots,t_{m}\rangle$などで衚珟する参照テキストシステム出力テキストはずもに文字(character)ベヌスの蚘号列もしくは圢態玠解析埌の圢態玠(morpheme)ベヌスの蚘号列ずみなすこずができる評䟡する蚘号列䞊の連続列のこずを{\bf文字列(string)}ず呌ぶ蚘号列の芁玠が文字(character)である堎合を「文字ベヌスの文字列(character-basedstring)」蚘号列の芁玠が圢態玠(morpheme)である堎合を「圢態玠ベヌスの文字列(morpheme-based)」ず呌ぶこずずする蚘号列に察しお隣接性ず順序を保持した郚分的蚘号列のこずを{\bf郚分文字列(substring)}ず呌ぶ長さ$n$の郚分文字列を特にn-gram郚分文字列ず呌ぶ蚘号列$s$の$i$番目の芁玠からはじたるn-gram郚分文字列を$s_{i\ldotsi+n-1}$で衚珟する蚘号列に察しお順序を保持した郚分的蚘号列のこずを{\bf郚分列(subsequence)}ず呌ぶ隣接性は保持しなくおよい長さ$p$の郚分列を特にp-mer郚分列ず呌ぶ蚘号列$s$のp-mer郚分列をむンデックスベクトル$\vec{i}=\langlei_{1},\ldots,i_{p}\rangle(1\leqi_{1}<i_{2}<\cdots<i_{p}\leq|s|)$を甚いお$s[\vec{i}]$ず衚す\subsubsection{最長共通郚分文字列(LongestCommonSubstring:LCSubstr)長}\label{sss:LCStr}最長共通郚分文字列(LongestCommonSubstring)の\modified{略称}はLCSだが䞀般には\ref{sss:LCS}\modified{節}に瀺す最長共通郚分列(LongestCommonSubsequence)のこずをLCSず呌ぶこずが倚い本皿では前者を\modified{LCSubstr},埌者をLCSず呌び区別する蚘号列$s$,$t$を䞎えた際の最長共通郚分文字列を次匏で定矩する\[\mbox{\modified{LCSubstr}}(s,t)=\argmax_{s_{i\ldotsi+n-1}|\existsj,s_{i\ldotsi+n-1}=t_{j\ldotsj+n-1}}n\]蚘号列$s$,$t$を䞎えた際の最長共通郚分文字列長\modified{LCSubstr}長を次匏で定矩する\[|\mbox{\modified{LCSubstr}}(s,t)|=\max_{\foralli,\forallj,s_{i\ldotsi+n-1}=t_{j\ldotsj+n-1}}n\]これを[0,1]区間に正芏化するず以䞋のようになる\[\mbox{Score}_{\mbox{\modified{LCSubstr}}}(s,t)=\frac{2\cdot|\mbox{\modified{LCSubstr}}(s,t)|}{|s|+|t|}\]\subsubsection{最長共通郚分列(LongestCommonSubsequence:LCS)長ずLevenshtein距離}\label{sss:LCS}\label{para:Levenshtein}蚘号列$s$,$t$を䞎えた際の最長共通郚分列(LongestCommonSubsequence:LCS)を次匏で定矩する\[\mbox{LCS}(s,t)=\argmax_{s[\vec{i}]\exists\vec{j},s[\vec{i}]=t[\vec{j}]}|\vec{i}|\]蚘号列$s$,$t$を䞎えた際の最長共通郚分列長LCS長を次匏で定矩する\[|\mbox{LCS}(s,t)|=\max_{\forall\vec{i},\forall\vec{j}:s[\vec{i}]=t[\vec{j}]}|\vec{i}|\][0,1]区間に正芏化するず以䞋のようになる\[\mbox{Score}_{\mbox{LCS}}(s,t)=\frac{2\cdot|\mbox{LCS}(s,t)|}{|s|+|t|}\]なお挿入のコストを1削陀のコストを1代入のコストを2もしくは代入を犁止ずした堎合のLevenshtein距離線集型距離ずLCS長の関係は以䞋のようになる\[\mbox{d}_{\mbox{Levenshtein}}(s,t)=|s|+|t|-2\cdot|\mbox{LCS}(s,t)|\]さらにLCSは\ref{para:rankedit}節で瀺すずおり察称矀䞊の線集型距離のうちのUlam距離ず深く関連し䞀皮の順序尺床であるずも考えられる\subsubsection{ギャップ加重最長共通郚分列長による指暙}\label{sss:WLCS}郚分列LCSは郚分文字列\modified{LCSubstr}ず異なりギャップを䌎うギャップが倚いLCSに枛衰させた倀を割り圓おるために「LCSの蚘号列䞊の長さ」に察しお加重を行うこずができる「LCSの蚘号列䞊の長さ」は参照テキスト\footnote{本皿では参照テキストを$R$ず定矩する}偎$|\mbox{LCS}(C,R)|_{R}$で衚すずシステム出力テキスト\footnote{本皿ではシステム出力テキストを$C$ず定矩する}偎$|\mbox{LCS}(C,R)|_{C}$で衚すずで異なるためにそれぞれ蚈算する必芁がある\begin{gather*}|\mbox{LCS}(C,R)|_{R}=\argmax_{(j_{|\vec{j}|}-j_{1})|\forall\vec{i},\forall\vec{j},C[\vec{i}]=R[\vec{j}]}|\vec{j}|\\|\mbox{LCS}(C,R)|_{C}=\argmax_{(i_{|\vec{i}|}-i_{1})|\forall\vec{i},\forall\vec{j},C[\vec{i}]=R[\vec{j}]}|\vec{i}|\end{gather*}参照テキスト偎で重みを付けお正芏化する再珟率的な指暙を$\mbox{R}_{\mbox{WLCS}}(C,R)$ずしシステム出力テキスト偎で重みを付けお正芏化する粟床的な指暙を$\mbox{P}_{\mbox{WLCS}}(C,R)$ずするず以䞋のようになる\begin{gather*}\mbox{R}_{\mbox{WLCS}}(C,R)=\frac{\alpha^{|\mbox{LCS}(C,R)|_{R}-|\mbox{LCS}(C,R)|}\cdot|\mbox{LCS}(C,R)|}{|R|}\\[1ex]\mbox{P}_{\mbox{WLCS}}(C,R)=\frac{\alpha^{|\mbox{LCS}(C,R)|_{C}-|\mbox{LCS}(C,R)|}\cdot|\mbox{LCS}(C,R)|}{|C|}\end{gather*}党䜓を正芏化するず以䞋のようになる\[\mbox{Score}^{(\gamma)}_{\mbox{WLCS}}(C,R)=\frac{(1+\gamma^{2})R_{\mbox{WLCS}}(C,R)P_{\mbox{WLCS}}(C,R)}{R_{\mbox{WLCS}}(C,R)+\gamma^{2}P_{\mbox{WLCS}}(C,R)}\]ここで$\gamma$は$\mbox{R}_{\mbox{WLCS}}$ず$\mbox{P}_{\mbox{WLCS}}$のどちらを重芖するかの混ぜ合わせ係数である\subsection{自動評䟡指暙}次に自動芁玄ず機械翻蚳の自動評䟡指暙を確認するが基本的には文単䜍の評䟡か぀参照テキストが䞀぀であるずいう仮定をおく\subsubsection{芁玄の評䟡指暙}ROUGE-L\cite{Lin-2004-WSTS}は\modified{}システム出力テキストず参照テキストの最長共通郚分列(LCS)長を指暙ずしお正芏化したものである\[\mbox{Score}^{(\gamma)}_{\mbox{ROUGE-L}}(C,R)=\frac{(1+\gamma^{2})\cdotR_{\mbox{LCS}}(C,R)\cdotP_{\mbox{LCS}}(C,R)}{R_{\mbox{LCS}}(C,R)+\gamma^{2}P_{\mbox{LCS}}(C,R)}\]ここで再珟率に盞圓する$R_{\mbox{LCS}}(C,R)$ず粟床に盞圓する$P_{\mbox{LCS}}(C,R)$は以䞋のように定矩する\begin{gather*}R_{\mbox{LCS}}(C,R)=\frac{\displaystyle|\mbox{LCS(C,R)}|}{|R|}\\[1ex]P_{\mbox{LCS}}(C,R)=\frac{\displaystyle|\mbox{LCS(C,R)}|}{|C|}\end{gather*}䞊蚘指暙は文単䜍のものであり文曞レベルに拡匵するためにシステム出力テキスト䞭の文$c_{i}\inC$ず参照テキスト䞭の文$r_{j}\inR$のLCS蚘号列䞭の蚘号の集合和を甚いお評䟡する同様の議論が他の指暙においおも行われおいるが以䞋本皿ではこの議論を省略する\paragraph{ROUGE-W}\label{para:ROUGE-W}\modified{ROUGE-W\cite{Lin-2004-WSTS}は}ギャップ加重最長共通郚分列長に䌌た抂念である違いずしおは「LCSの蚘号列䞊の長さ」を参照テキスト偎ずシステム出力テキスト偎$|\mbox{LCS}(C,R)|_{R}+|\mbox{LCS}(C,R)|_{C}$でずった䞊で加重関数$f(x):f(x+y)>f(x)+f(y),x>0,y>0,x\inN,y\inN$$N$は自然数を別に定\pagebreak矩しお「LCSの蚘号列䞊の長さ」に察しお加重を行うROUGE-Wの実装では$f(x)=x^{\alpha}$ずいう倚項匏を甚いおおりギャップ加重最長共通郚分列長$\mbox{Score}^{(\gamma)}_{\mbox{WLCS}}(C,R)$の倉皮ず考えるこずができる\paragraph{ROUGE-N}\label{para:ROUGE-N}ROUGE-N\cite{Lin-2003-NAACL,Lin-2004-WSTS}はn-gramの䞀臎床を指暙ずしお甚いるものである\[\mbox{Score}^{(R)}_{\mbox{ROUGE-N}}(C,R)=\frac{\displaystyle\sum_{e\in(\mbox{n-gram}(C)\cap\mbox{n-gram}(R))}\min(|e|_{C},|e|_{R})}{\displaystyle\sum_{e\in\mbox{n-gram}(R)}|e|_{R}}\]䜆し$\mbox{n-gram}(C)$はシステム出力テキストC䞭のn-gram集合$\mbox{n-gram}(R)$は参照テキストR䞭のn-gram集合$|e|_{C}$はCに含たれる$e$の芁玠数のべ出珟数$|e|_{R}$はRに含たれる$e$の芁玠数ずする\paragraph{ROUGE-S(U)}\label{para:ROUGE-S}ROUGE-S\cite{Lin-2004-WSTS}は2-merの郚分列の䞀臎床を指暙ずしお甚いるものである\[\mbox{Score}^{(\gamma)}_{\mbox{ROUGE-S}}(C,R)=\frac{(1+\gamma^{2})P_{S}(C,R)R_{S}(C,R)}{R_{S}(C,R)+\gamma^{2}P_{S}(C,R)}\]ここで粟床に盞圓する$P_{S}(C,R)$ず再珟率に盞圓する$R_{S}(C,R)$は以䞋のように定矩する\begin{align*}P_{S}(C,R)&=\frac{\displaystyle\sum_{e\in(\mbox{2-mer}_{C}\cap\mbox{2-mer}_{R})}\min(|e|_{C},|e|_{R})}{\displaystyle\sum_{e\in\mbox{2-mer}(C)}|e|_{C}}\\R_{S}(C,R)&=\frac{\displaystyle\sum_{e\in(\mbox{2-mer}_{C}\cap\mbox{2-mer}_{R})}\min(|e|_{C},|e|_{R})}{\displaystyle\sum_{e\in\mbox{2-mer}(R)}|e|_{R}}\end{align*}䜆し$\mbox{p-mer}(C)$はC䞭のp-mer集合$\mbox{p-mer}(R)$は参照テキストR䞭のp-mer集合ずするROUGE-SUは䞊のROUGE-Sの$p=2$を$p\leq2$に拡匵したものである\paragraph{ESK}\label{para:ESK}ESK\cite{hirao-2006-IPSJ-journal}は畳み蟌みカヌネルの䞀぀である拡匵文字列カヌネルのうちギャップ加重p-mer郚分列カヌネルを評䟡指暙ずしお定矩したものである\[\begin{split}&\mbox{Score}^{\mbox{p-mer}}_{\mbox{ESK}}(C,R)\\&\quad=\frac{\displaystyle\sum_{u\in{\mbox{p-mer}(C)}}\sum_{v\in{\mbox{p-mer}(R)}}\lambda^{|u|-p}\delta(u,v)|u||v|}{\displaystyle\sqrt{(\sum_{u,u'\in{\mbox{p-mer}(C)}}\lambda^{(|u|-p)}|u||u'|)+(\sum_{v,v'\in{\mbox{p-mer}(R)}}\lambda^{(|v|-p)}|v||v'|)}}\end{split}\]\cite{hirao-2006-IPSJ-journal}では2-merの郚分列に制限するほか文単䜍に比范し粟床重芖の指暙ず再珟床重芖の\modified{指暙}の二぀の\modified{重み぀き}調和平均\modified{($0\leq\lambda\leq1$)}を定矩しおいるESKは他に各圢態玠に付䞎される意味ラベルを考慮した評䟡指暙を提案しおいるが本皿で甚いるESKは意味ラベルを考慮しない圢態玠基本圢に基づくものずする\subsubsection{翻蚳の評䟡指暙}\paragraph{BLEU}BLEU\cite{Papineni-2001-BLEU}は機械翻蚳評䟡のための指暙で$n$の倀を倉えたn-gramの粟床系指暙の重み($\omega_{n}$)付き盞乗平均により指暙を定矩する\begin{align*}P^{\mbox{n-gram}}_{\mbox{BLEU}}(C,R)&=\frac{\displaystyle\sum_{e\in(\mbox{n-gram}(C)\cap\mbox{n-gram}(R))}\min(|e|_{C},|e|_{R})}{\displaystyle\sum_{e\in\mbox{n-gram}(C)}|e|}\\\mbox{Score}_{\mbox{BLEU}}(C,R)&=BP(C,R)\cdot\exp(\displaystyle\sum^{N}_{n=1}\omega_{n}\logP^{\mbox{n-gram}}_{\mbox{BLEU}}(C,R))\end{align*}ここで盞乗平均の蚈算を簡単にするために$\sum^{N}_{n=1}\omega_{n}=1$ずいう制玄がある短いシステム出力テキストに察しお高い粟床が出やすいこの粟床系の指暙に察し粟床ず再珟率の重み付き調和平均ずいう方法を取らずBrevityPenalty(BP)ずいう項を入れお補正しおいる\[\mbox{BP}(C,R)=\left\{\begin{array}{ll}1&\mbox{if}\|C|>|R|\\\exp(1-\frac{|R|}{|C|})&\mbox{if}\|C|\leq|R|\end{array}\right.\]\paragraph{IMPACT}\label{para:IMPACT}IMPACT\cite{echizen-ya-2007-MTSUMMIT}はLCSに基づく指暙ではなく\modified{LCSubstr}の再垰的な取埗による指暙である{\allowdisplaybreaks\begin{align*}R_{IP}(C,R)&=\Biggl(\displaystyle\frac{\displaystyle\sum^{\mbox{RN}}_{r=0}(\alpha^{r}\sum_{e\in\mbox{\modified{LCSubstr}}(C^{(r)},R^{(r)})}|e|^{\beta})}{|R|^{\beta}}\Biggr)^{\displaystyle\frac{1}{\beta}}\\[1ex]P_{IP}(C,R)&=\Biggl(\displaystyle\frac{\displaystyle\sum^{\mbox{RN}}_{r=0}(\alpha^{r}\sum_{e\in\mbox{\modified{LCSubstr}}(C^{(r)},R^{(r)})}|e|^{\beta})}{|C|^{\beta}}\Biggr)^{\displaystyle\frac{1}{\beta}}\end{align*}}ここで$\alpha$はむテレヌト回数$r$($r\leq\mbox{RN}$)に察する重み($\alpha<1.0$)$\beta$は\modified{\modified{LCSubstr}長に察する重み}($\beta>1.0$)$C^{(1)}=C$$R^{(1)}=R$$C^{(r)}=C^{(r-1)}\setminus\{\mbox{\modified{LCSubstr}}(C^{(r-1)},R^{(r-1)})\}$$R^{(r)}=R^{(r-1)}\setminus\{\mbox{\modified{LCSubstr}}(C^{(r-1)},R^{(r-1)})\}$\pagebreakずする\[\mbox{Score}_{\mbox{IP}}=\frac{(1+\gamma^{2})R_{\mbox{IP}}P_{\mbox{IP}}}{R_{\mbox{IP}}+\gamma^{2}P_{\mbox{IP}}}\]この指暙は\ref{para:allstr}節に瀺す文字列長加重党郚分文字列カヌネルに関連がある文字列長加重党郚分文字列カヌネルに察しお再垰的に\modified{LCSubstr}を遞択する際に既遞択の\modified{LCSubstr}を排陀し再垰の回数をRNで制限するずいう制玄を入れたものである\paragraph{RIBES}\label{para:RIBES}RIBES(平尟,磯厎,須藀,Duh,塚田,æ°žç”°2014)は\nocite{hirao-2014-JNLP-journal}システム出力テキストず参照テキストのアラむンメントをずったうえで語順の線集型順序尺床を考慮したものである\[\begin{split}\mbox{Score}_{\mbox{RIBES}}&=\Biggl(d_{\mbox{Kendall}}(\mbox{1-gram}_{\mbox{align}}(C,R))\Biggr)\cdot\\&\quad\Biggl(P_{\mbox{RIBES}}(C,R)\Biggr)^{\alpha}\cdot\Biggl(\mbox{BP}(C,R)\Biggr)^{\beta}\end{split}\]ここで$d_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)$は\ref{para:rankedit}\modified{節}で定矩する順䜍ベクトル$\mu,\nu$に察するKendall距離$\mbox{1-gram}_{\mbox{align}}(\mu,\nu)$は元論文\cite{hirao-2014-JNLP-journal}の\modified{{\ttworder}}で出力されるアラむンメントされた二぀の順序ベクトルの察を衚す右蟺2項目は1-gram単語ベヌスのもの粟床ずよび$P_{\mbox{RIBES}}(C,R)=\frac{|\mbox{1-gram}_{\mbox{align}}(C,R)|}{|C|}$ずする$|\mbox{1-gram}_{\mbox{align}}(\mu,\nu)|$は\modified{{\ttworder}}で出力されるアラむンメントされた順序ベクトルの長さ二぀出力されるが等しいである$\alpha$は1-gram粟床に察する重み$\beta$はBLEUで甚いられたBPに察する重みであるなお$P_{\mbox{RIBES}}(C,R)$はそれぞれの蚘号列に重耇する蚘号がない堎合以䞋が成り立぀\begin{align*}P_{\mbox{RIBES}}(C,R)&=\mbox{Score}^{(P)}_{\mbox{ROUGE-1}}(C,R)\\[1ex]=&\frac{\displaystyle\sum_{e\in(\mbox{1-gram}(C)\cap\mbox{1-gram}(R))}\min(|e|_{C},|e|_{R})}{\displaystyle\sum_{e\in\mbox{1-gram}(R)}|e|}\end{align*}\paragraph{LRscore}\label{para:LRscore}LRscore\cite{Birch-2010}も同様にアラむンメントをずったうえで語順の順序尺床を考慮したものである順序尺床ずしおベクトル型であるHamming距離ず線集型であるKendall距離を甚いおいる\begin{align*}\mbox{Score}^{\mbox{Hamming}}_{\mbox{LRscore}}(C,R)&=\alpha\cdotBP(C,R)\cdotd_{\mbox{Hamming}}(C,R)+(1-\alpha)\mbox{Score}_{\mbox{BLEU}(C,R)}\\[1.5ex]\mbox{Score}^{\mbox{Kendall}}_{\mbox{LRscore}}(C,R)&=\alpha\cdotBP(C,R)\cdotd_{\mbox{Kendall}}(C,R)+(1-\alpha)\mbox{Score}_{\mbox{BLEU}(C,R)}\end{align*}$\alpha$は語順をどの皋床考慮するかの重み぀け係数\subsection{関連するカヌネル・順序尺床}䞊に述べた指暙は基本的には以䞋のカヌネルおよび順序尺床の組み合わせで構成するこずができる以䞋では各皮指暙に関連するカヌネルおよび順序尺床に぀いお確認する\subsubsection{カヌネル・距離文字列の共有}畳み蟌みカヌネルのうち系列デヌタに察するカヌネルは共通する郚分文字列・郚分列を数え䞊げるいずれも効率よく蚈数する方法が提案されおいる(Shawe-TaylorandCristianini,倧北蚳2010)\nocite{Taylor-2010}たた適切に正芏化するこずにより郚分文字列・郚分列の共有に぀いおの距離や指暙を芏定するこずができる様々なカヌネルの説明に入る前に[0,1]区間正芏化に぀いお瀺すカヌネルの[0,1]区間正芏化はカヌネルの研究分野でよく甚いられおおり以䞋の匏により行われる\[\mbox{Score}_{K_{-}}(s,t)=\frac{K_{-}(s,t)}{||K_{-}(s,s)||\cdot||K_{-}(t,t)||}\]各皮指暙のように再珟率--粟床間の重み$\gamma$を入れたい堎合には以䞋のようにする\[\mbox{Score}^{(\gamma)}_{K_{-}}(s,t)=\frac{(1+\gamma^{2})K_{-}(s,t)}{\sqrt{(K_{-}(s,s))^{2}+\gamma^{2}(K_{-}(t,t))^{2}}}\]\paragraph{党郚分文字列カヌネルず文字列長加重党郚分文字列カヌネル}\label{para:allstr}党郚分文字列カヌネル(AllStringKernelorExactMatchingKernel)は共通する党おの郚分文字列の数を数える任意の長さの郚分文字列$u$の出珟数を座暙軞ずする特城量空間$F_{\mbox{all\_str}}$を考える\begin{align*}\Phi^{*}_{\mbox{str}}:\sigma^{*}&\rightarrowF_{\mbox{all\_str}}\simR^{|\sigma|^{*}}\\\Phi^{*}_{\mbox{str}}(s)&=(\phi^{*}_{u}(s))_{u\in\sigma^{*}}\\\phi^{*}_{u}(s)&=|\{i|s_{i\ldots*}=u\}|\\K_{\mbox{all\_str}}(s,t)&=\langle\Phi^{*}_{\mbox{str}}(s),\Phi^{*}_{\mbox{str}}(t)\rangle_{F_{\mbox{all\_str}}}\\&=\sum_{u\in\sigma^{*}}\phi^{*}_{u}(s)\phi^{*}_{u}(t)\end{align*}カヌネル関数を盎接蚈算するず以䞋のようになる\[K_{\mbox{all\_str}}(s,t)=\sum^{\min(|s|,|t|)}_{n=1}\sum^{|s|-n+1}_{i=1}\sum^{|t|-n+1}_{j=1}\delta(s_{i\ldotsi+n-1},t_{j\ldotsj+n-1})\]ここで$\delta$はクロネッカヌのデルタずする蚀語凊理の堎合埗られるn-gramに察しお加重をかけるこずが䞀般に行われおいる文字列長に察しお加重をかけたものを文字列長加重党郚分文字列カヌネル(LengthWeightedAllStringKernelorLengthWeightedExactMatchingKernel)ず呌ぶ\[\begin{split}&K_{\mbox{w\_all\_str}}(s,t)\\&\quad=\sum^{\min(|s|,|t|)}_{n=1}\sum^{|s|-n+1}_{i=1}\sum^{|t|-n+1}_{j=1}\omega_{|s|}\delta(s_{i\ldotsi+n-1},t_{j\ldotsj+n-1})\end{split}\]ここで$\omega_{n}$は長さ$n$に察する重みを衚す\ref{para:IMPACT}節で述べたIMPACTはこのカヌネルの特殊圢ずみなすこずができるこのカヌネルず次のn-スペクトラムカヌネルはSuffixTreeを甚いお効率よく蚈算する方法が提案されおいる\paragraph{n-スペクトラムカヌネル}\label{para:n-spec-k}n-スペクトラムカヌネル(SpectrumKernel)は共通する長さ$n$の郚分文字列(n-gram)の数を数える長さ$n$の郚分文字列$u$の出珟数を座暙軞ずする特城量空間$F_{\mbox{n-gram}}$を考える\begin{align*}\Phi^{n}_{\mbox{str}}:\sigma^{n}&\rightarrowF_{\mbox{n-gram}}\simR^{|\sigma|^{n}}\\\Phi^{n}_{\mbox{str}}(s)&=(\phi^{n}_{u}(s))_{u\in\sigma^{n}}\\\phi^{n}_{u}(s)&=|\{i|s_{i\ldotsi+n-1}=u\}|\\K_{\mbox{n-gram}}(s,t)&=\langle\Phi^{n}_{\mbox{str}}(s),\Phi^{n}_{\mbox{str}}(t)\rangle_{F_{\mbox{n-gram}}}\\&=\sum_{u\in\sigma^{n}}\phi^{n}_{u}(s)\phi^{n}_{t}(t)\end{align*}盎接蚈算するず以䞋のようになる\[K_{\mbox{n-gram}}(s,t)=\sum^{|s|-n+1}_{i=1}\sum^{|t|-n+1}_{j=1}\delta(s_{i\ldotsi+n-1},t_{j\ldotsj+n-1})\]ROUGE-Nは分子に$K_{\mbox{n-gram}}(C,R)$より小さい倀を持ち分母に参照テキストののべ出力n-gram数を持぀こずから再珟率ずしお正芏化したものに盞圓する通垞の正芏化した$K_{\mbox{n-gram}}(s,t)$は再珟率ず粟床の調和平均ず解釈できるたた1-gramスペクトラムカヌネルは1-mer郚分列カヌネルず同倀でこれらは近䌌的にBLEUなどで利甚されおいるBP盞圓の倀を蚈算するず考える\paragraph{党郚分列カヌネル}\label{para:allseq-k}党郚分列カヌネルは共通するすべおの郚分列の数を数える任意の長さの郚分列$v$の出珟数を座暙軞ずする特城量空間$F_{\mbox{all\_seq}}$を考える{\allowdisplaybreaks\begin{align*}\Psi^{*}_{\mbox{seq}}:\sigma^{*}\rightarrow&F_{\mbox{all\_seq}}\simR^{|\sigma|^{\infty}}\\\Psi^{*}_{\mbox{seq}}(s)=&(\psi^{*}_{v}(s))_{v\in\sigma^{*}}\\\psi^{*}_{v}(s)=&|\{\vec{i}|s[\vec{i}]=v\}|\\K_{\mbox{all\_seq}}(s,t)=&\langle\Psi^{*}_{\mbox{seq}}(s),\Psi^{*}_{\mbox{seq}}(t)\rangle_{F_{\mbox{all\_seq}}}\\=&\sum_{v\in\sigma^{*}}\psi^{*}_{v}(s)\cdot\psi^{*}_{v}(t)\end{align*}}$K_{\mbox{all\_seq}}(s,t)$は以䞋のように再垰的に蚈算するこずにより$O(|s||t|)$で蚈算するこずができる$\epsilon$を空蚘号列ずするず$K_{\mbox{all\_seq}}(s,\epsilon)=K_{\mbox{all\_seq}}(t,\epsilon)=1$ずし$K_{\mbox{all\_seq}}(s,t)$が求たるず$K_{\mbox{all\_seq}}(s\cdota,t)=K_{\mbox{all\_seq}}(s,t)+\sum_{1\leqi\leq|t|,j:t_{j}=a}K_{\mbox{all\_seq}}(s,t_{i\ldotsj-1})$ず$s$再垰的に定矩できるさらに$\tilde{K}_{\mbox{all\_seq}}(s\cdota,t)=K_{\mbox{all\_seq}}(s,t_{i\ldotsj-1})$ずするず$\tilde{K}_{\mbox{all\_seq}}(s\cdota,t\cdotb)=\tilde{K}_{\mbox{all\_seq}}(s\cdota,t)+\delta(a,b)K_{\mbox{all\_seq}}(s,t)$ず$t$再垰的に定矩できる\paragraph{固定長郚分列カヌネル}\label{para:p-mer-k}固定長郚分列カヌネルは共通する長さ$p$の郚分列(p-mer)の数を数えあげる長さ$p$の郚分文字列$v$の出珟数を座暙軞ずする特城量空間$F_{\mbox{p-mer}}$を考える\begin{align*}\Psi^{p}_{\mbox{seq}}:\sigma^{p}&\rightarrowF_{\mbox{p-mer}}\simR^{|\sigma|^{p}}\\\Psi^{p}_{\mbox{seq}}(s)&=(\psi^{p}_{v}(s))_{v\in\sigma^{p}}\\\psi^{p}_{v}(s)&=|\{\vec{i}|s[\vec{i}]=v\}|\\K_{\mbox{p-mer}}(s,t)&=\langle\Psi^{p}_{\mbox{seq}}(s),\Psi^{p}_{\mbox{seq}}(t)\rangle_{F_{\mbox{p-mer}}}\\&=\sum_{v\in\sigma^{p}}\psi^{p}_{v}(s)\cdot\psi^{p}_{v}(t)\end{align*}ROUGE-Sは分子に$K_{\mbox{2-mer}}(C,R)$より小さい倀を持ち分母に参照テキストののべ出力2-mer数を持぀こずから再珟率ずしお正芏化したものに盞圓するROUGE-SUは分子に$K_{\mbox{1-mer,2-mer}}(C,R)$より小さい倀を持ち分母に参照テキストののべ出力1-mer,2-mer数を持぀こずから再珟率ずしお正芏化する通垞の正芏化した$K_{\mbox{p-mer}}(s,t)$は再珟率ず粟床の調和平均ず解釈できる\paragraph{ギャップ加重郚分列カヌネル}\label{para:gap-p-mer-k}ギャップ加重郚分列カヌネル\modified{は}p-merの郚分列の数え䞊げの際に隣接性を考慮しお重み$\lambda$を加重するESK\cite{hirao-2006-IPSJ-journal}はこのカヌネルを甚いた尺床である長さ$p$の郚分列$v$を座暙ずする特城量空間$F_{\mbox{p-mer}}$を考える\begin{align*}K_{\mbox{gap\_p-mer}}(s,t)&=\langle\Psi^{gap\_p}_{\mbox{seq}}(s),\Psi^{gap\_p}_{\mbox{seq}}(t)\rangle_{F_{\mbox{p-mer}}}\\&=\sum_{v\in\sigma^{p}}\psi^{gap\_p}_{v}(s)\cdot\psi^{gap\_p}_{v}(t)\end{align*}ここで$\psi^{gap\_p}_{v}(s)=\sum_{\vec{i}:v=s[\vec{i}]}\lambda^{l(\vec{i})}$ずし$l(\vec{i})=|s_{i_{1}\ldotsi_{|v|}}|(\vec{i}=\langlei_{1},\ldots,i_{|v|}\rangle)$ずする\subsubsection{順序尺床}以䞋では順序尺床に぀いお考えるが文献\cite{kamishima-2009-JSAI-sig-dmsm}に詳しい解説がある基本的には同じ長さ$m$の二぀の順䜍ベクトル$\mu,\nu\inS_{m}$に察する2皮類の距離を考える\paragraph{順䜍ベクトル型距離}\label{para:rankvec}䞀぀目の距離は「順䜍ベクトル型」の距離で順䜍ベクトルを$m$次元空間䞭の点を衚すベクトルずみなしベクトル空間䞊の距離を定矩する\modified{ベクトル空間䞊の$\theta$-ノルムを甚いる}ず以䞋のようになる\[d_{||\mbox{Rank}||_{\theta}}(\mu,\nu)=(\sum^{m}_{i=1}|\mu(i)-\nu(i)|^{\theta})^{1/\theta}\]ここで$\theta=1$の堎合特にSpearmanfootruleず呌ぶ\[d_{\mbox{Footrule}}(\mu,\nu)=(\sum^{m}_{i=1}|\mu(i)-\nu(i)|)\]$\theta=2$の堎合は通垞のEuclid距離だがこのEuclid距離を2乗したものを特にSpearman距離ず呌ぶ\[d_{\mbox{Spearman}}(\mu,\nu)=(\sum^{m}_{i=1}|\mu(i)-\nu(i)|^{2})\]Spearman距離は距離の公理のうち察称性ず正定倀性を満たすしかしEuclid距離を2乗したものなので䞉角䞍等匏を満たさないが慣習的\modified{に}距離ずしお扱われるさらに$[-1,1]$区間に正芏化したものはSpearmanの順䜍盞関係数$\rho$ずしお知られおいる\[\mbox{Spearman's}\;\rho=1-\frac{6\cdotd_{\mbox{Spearman}}(\mu,\nu)}{m^3-m}\]この倀は順序尺床に基づく二぀の順䜍ベクトル$\mu,\nu$のPearson盞関係数ず等しい\footnote{ここで順序尺床ずは間隔に意味がある間隔尺床を順䜍のみに倉換しおいるこずを前提にしおいる}その他順䜍ベクトルの同䞀順䜍のものが同じ芁玠である芁玠数を数えたHamming距離がある\[d_{\mbox{Hamming}}(\mu,\nu)=\sum^{m}_{i=1}\delta(\mu(i),\nu(i))\]Hamming距離は文字列䞊で代入コスト1のみを蚱した線集距離ずしおも解釈できるたた距離$\mbox{d}_{||\mbox{rank}||_\theta}$$d_{\mbox{Footrule}}$$d_{\mbox{Spearman}}$$d_{\mbox{Hamming}}$に察応するスコア$\mbox{Score}_{||\mbox{rank}||_\theta}$$\mbox{Score}_{\mbox{Footrule}}$$\mbox{Score}_{\mbox{Spearman}}$$\mbox{Score}_{\mbox{Hamming}}$を次のように芏定するこずができる\[\mbox{Score}_{-}=\frac{1}{1+d_{-}}\]\paragraph{察称矀䞊の線集型距離}\label{para:rankedit}二぀目の距離は「線集型」の距離である順序ベクトルを蚘号列ずみなした堎合順䜍ベクトル$\mu$をもうひず぀の順䜍ベクトル$\nu$に倉換するために必芁な最小操䜜数を意味するLevenshtein距離に぀いお述べた以䞋では順序ベクトルを察称矀ずみなした堎合の線集型距離に぀いお述べる線集に蚱される操䜜によっおいく぀かの距離のバリ゚ヌションがある\begin{itemize}\itemKendall距離\\Kendall距離$d_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)$は順序ベクトルを察称矀ずみなした際に隣接互換で眮換する最小回数によっお定矩される蚀い換えるず隣接する察象察を亀換(Swap)する操䜜の最小回数を甚いたものであるKendall距離は二぀の順䜍ベクトル䞭の$\frac{m(m-1)}{2}$個の察象察のうち逆順になっおいる察の数に等しい\begin{gather*}d_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)=\min(\argmax_{\bar{q}}\delta((\Pi^{\bar{q}}_{q=1}\pi_{2}(k_{q},k_{q}+1))\cdot\mu,\nu))\\d_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)=\sum^{m}_{i=1}\sum^{m}_{j=i+1}\chi(i,j)\end{gather*}ここで$k_{q}$は順䜍ベクトル$\mu$のむンデックスたた$\chi$は察象察$\langlei,j\rangle$が同順のずき0逆順のずき1を返す指瀺関数\[\chi=\left\{\begin{array}{ll}1&\mbox{if}\(\mu(i)-\mu(j))(\nu(i)-\nu(j))<0,\\0&\mbox{if}\(\mu(i)-\mu(j))(\nu(i)-\nu(j))\geq0\end{array}\right.\]$\pi_{2}=(i,i+1)$は隣接する二぀の元のみを入れ替えお他の元は倉えない操䜜である隣接互換を意味するこれを指暙ずしお䜿いやすくするために[0,1]区間の範囲に正芏化するず以䞋のようになる\[\mbox{Score}_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)=1-\frac{2\cdotd_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)}{m^2-m}\]これを$[-1,1]$区間の範囲に正芏化したものはKendallの順䜍盞関係数$\tau$ずしお知られおいる\[\mbox{Kendall's}\;\tau=1-\frac{4\cdotd_{\mbox{Kendall}}(\mu,\nu)}{m^2-m}\]\itemCayley距離\\Cayley距離$d_{\mbox{Caylay}}$は順序ベクトルを察称矀ずみなした際に互換で眮換する最小回数によっお定矩される蚀い換えるず隣接しおいなくおも良い察象察を亀換(Swap)する最小回数を甚いたものである\newpage\[d_{\mbox{Caylay}}(\mu,\nu)=\min(\argmax_{\bar{q}}\delta((\Pi^{\bar{q}}_{q=1}\pi_{2}(k_{q},l_{q}))\cdot\mu,\nu))\]ここで$k_{q},l_{q}$は順䜍ベクトル$\mu$のむンデックス$\pi_{2}=(i,j)$は二぀の元のみを入れ替えお他の元は倉えない操䜜である互換を意味する\itemUlam距離\\Ulam距離$d_{\mbox{Ulam}}$は順序ベクトルを察称矀ずみなした際に連続した順序ベクトル郚分列$\langlei,i+1,\ldots,j-1,j\rangle$の巡回眮換の操䜜のみで眮換する最小回数によっお定矩されるこれは「本棚の本の入れ換え」で䟋えられる順䜍ベクトル$\mu$で䞊んでいる本棚の本を順䜍ベクトル$\nu$に䞊べ替えるためにある芁玠を抜いお別の堎所に挿入するずいうこずを行うUlam距離は同じ芁玠が蚘号列に存圚しないずいう前提のもず最長䞀臎郚分列長ず以䞋の関係にあるこずが知られおいる\[d_{\mbox{Ulam}}(\mu,\nu)=m-|\mbox{LCS}(\mu,\nu)|\]これを[0,1]区間の範囲に正芏化するず以䞋のように正芏化最倧共通郚分列ず同じになる\begin{align*}\mbox{Score}_{\mbox{Ulam}}(\mu,\nu)&=1-\frac{d_{\mbox{Ulam}}(\mu,\nu)}{m}\\&=\frac{|\mbox{LCS}(\mu,\nu)|}{m}\\&=\mbox{Score}_{\mbox{LCS}}(\mu,\nu)\end{align*}\end{itemize}\modified{図\ref{fig:editdist}に順序ベクトルによる眮換により衚珟した線集型距離の䟋を瀺す線集型距離の定矩で蚱される線集の回数を数えるず順序ベクトル$(1,4,3,2)$ず$(1,2,3,4)$のKendall距離は3Caylay距離は1Ulam距離は2ずなるたた順序ベクトル$(2,3,1,4)$ず$(1,2,3,4)$のKendall距離は2Caylay距離は2Ulam距離は1ずなる}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-5ia4f1.eps}\end{center}\caption{察称矀䞊の線集型距離}\label{fig:editdist}\end{figure}以䞋は我々の意芋だが蚀語生産時の線集䜜業の工数を評䟡する堎合には\cite{Nivre-2009-ACL}のswapに代衚されるようなKendall距離のような線集よりもUlam距離のような線集を考慮すべきであるず考える蚀語生産時にKendall距離で考慮される列内絶察䜍眮よりもUlam距離で考慮される列内盞察䜍眮を考えながら線集を行う方が人にずっお自然な凊理であるず考える\paragraph{順序尺床間の関係}\label{para:rankrel}ベクトル型の$\mbox{Spearman's}\;\rho$ず$\mbox{Kendall's}\;\tau$ずの間には以䞋のDanielsの䞍等匏が成立する\[-1\leq\frac{3(m+2)}{m-2}\tau-\frac{2(m+1)}{m-2}\rho\leq1\]$m\rightarrow\infty$の極限をずるず$-1\leq3\tau-2\rho\leq1$が成り立぀このこずから二぀の盞関係数の間の盞関が高いこずが瀺される距離の芳点からは$d_{\mbox{Caylay}}\leqd_{\mbox{Kendall}}$が成り立぀さらにFootrule距離ずKendall距離ずCayley距離の間に以䞋の䞍等匏が成り立぀(Diaconis-Grahaminequality):\[d_{\mbox{Kendall}}+d_{\mbox{Caylay}}\leqd_{\mbox{Footrule}}\leq2\cdotd_{\mbox{Kendall}}\]たたSpearman距離ずKendallの距離の間には以䞋の䞍等匏が成り立぀(Durbin-Stuartinequality):\[\frac{4}{3}d_{\mbox{Kendall}}(1+\frac{d_{\mbox{Kendall}}}{m})\leqd_{\mbox{Spearman}}\]぀たり評䟡指暙のデザむンにおける順序尺床の遞択による差異はこれらの䞍等匏の範囲によっお制限される\subsection{指暙の䞀般化}\label{ss:sim-general}以䞊評䟡指暙・距離・カヌネル・盞関係数を議論しおきたたずめるず付蚘B衚\ref{table:scores}のようになる各指暙ず人手の評䟡結果をできるかぎり合わせるずいう芳点からするず\cite{hirao-2007-JSAI-journal}のように衚\ref{table:scores}にあげたすべおの尺床$\mbox{Score}_{-}\in\{\mbox{Score}_{*}\}$の加重盞乗平均䞋匏を考え加重$\omega_{-}$ず各指暙に付随するパラメヌタを各指暙の埓属性や盞関に泚意しながら人手の評䟡結果ずの回垰により求めれば良い\begin{gather*}\overline{\mbox{Score}_{*}}=\sqrt[\displaystyle\sum\omega_{-}]{\displaystyle\Pi\mbox{Score}^{\omega_{-}}_{-}}\\\log\overline{\mbox{Score}_{*}}=\frac{1}{\displaystyle\sum\omega_{-}}(\sumw_{-}\cdot\log\mbox{Score}_{-})\end{gather*}この指暙のあり方に぀いおは泚意すべき点がいく぀かある\begin{itemize}\itemsubstring郚分文字列n-gram系ずsubsequence郚分列p-mer系ずの違いを螏たえる\item最長䞀臎郚分長は察称矀䞊の線集型距離であるUlam距離ず深く関連する\item順序に察する順䜍ベクトル型距離ず線集型距離の間には\ref{para:rankrel}節に瀺される関係が成り立぀\end{itemize}本皿では先に述べた四぀の尺床がそれぞれどのような特性があるかを明らかにするこずを目的ずしおおり最適な指暙の組み合わせに぀いおは怜蚎を行わない次節以降各尺床がさたざたな蚀語資源䞊でどのようなふるたいをするのかに぀いおみおいきたい \section{評䟡に甚いる蚀語資源} ここでは様々な蚀語生成過皋を蚘録した蚀語資源におけるテキスト察の尺床の差異を怜蚌するこずにより各尺床がずらえようずしおいるものが䜕なのかを分析する衚\ref{tbl:resources}に利甚する蚀語資源に぀いお瀺すたず蚀語生産過皋ずしお芁玄(BCCWJ-SUMM)ず語釈(GLOSS)ず再話(RETELLING)の3皮類の蚀語資源を甚いる芁玄は長い元文曞を短くする情報提瀺手法である語釈は短い単語を長い文曞で説明する情報提瀺手法である再話は長い元文曞をできるだけその内容を保存したたた瀺す情報提瀺手法である情報提瀺手法を比范するこずで各尺床が䜕を評䟡しおいるのかを明らかにするこずを詊みる\begin{table}[t]\caption{指暙評䟡に䜿う蚀語資源}\label{tbl:resources}\input{04table01.txt}\end{table}芁玄ず語釈に぀いおはクラりド゜ヌシングにより安䟡で倧量にデヌタを埗る手法タむプ入力ず実隓宀にお被隓者に繰り返し同䞀課題を䟝頌しおデヌタを埗る手法筆述の2皮類の方法を甚いた再話のデヌタに぀いおは既存のデヌタを甚い筆述による圢態ず口述による圢態のデヌタを準備した蚀語生産圢態ずしおタむプ入力・筆術・口述の3皮類のデヌタを察照比范するこれは評䟡尺床が芁玄の内容の類䌌床だけでなく個人の文䜓の類䌌床を評䟡しおしたう郚分を分析するために準備したそれぞれ文䜓の統制が可胜なレベルが異なっおおり評䟡尺床に圱響を䞎えるものだず考えこれを評䟡するこずを詊みるさらに倧勢の実隓協力者に同じタスクを行わせる堎合の協力者間の尺床のふるたいず同䞀の実隓協力者に同じタスクを耇数回行わせる堎合の尺床のふるたいを怜蚌しどの尺床にゆれが生じるかを明らかにする以䞋各蚀語資源に぀いお解説する\subsection{BCCWJ-SUMM\_C}BCCWJ-SUMM\_Cは『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』\cite{Maekawa-2014-LRE}(BCCWJ)の新聞蚘事PNサンプルの芁玄をYahoo!クラりド゜ヌシング15歳以䞊の男女により被隓者実隓的に䜜成したもの\cite{asahara-2015-jclws7}であるBCCWJの1サンプルには耇数の蚘事が含たれおおりそれを蚘事単䜍に分割したうえで元文曞集合19文曞を構築した元文曞集合はBCCWJコアデヌタPNサンプル優先順䜍Aから遞択した40文字毎に改行した元文曞を画像ずしお提䟛し実隓協力者に50--100文字に芁玄せよずいう指瀺で収集した自動\modified{芁玄}の本来のあり方ずしおは文字数の削枛ではなく読み手の読み時間の削枛が本質であるず考えるが実隓の郜合䞊文字数による制限を課した実隓協力者の環境はPCに限定した元文曞毎に玄100--200人の実隓協力者が芁玄に埓事した実隓実斜時期は2014幎9月である埗られたデヌタには文字数制限を守っおいないもの・実隓の趣旚を理解しおいないもの・既に実隓を行った実隓協力者から同䞀回答を提䟛されたず考えられるものなどが含たれおおりこれらを排陀したものを有効芁玄ずする統蚈分析においおこの有効芁玄のみを甚いる\subsection{BCCWJ-SUMM\_L}BCCWJ-SUMM\_LはBCCWJの新聞蚘事の芁玄を実隓宀環境で筆述により䜜成したもの\cite{asahara-2015-jclws7}であるBCCWJ-SUMM\_Cで甚いた元文曞を印刷玙面で提䟛し実隓協力者に50--100文字に芁玄せよずいう指瀺で収集した䞀぀の元文曞に察しお3回たで繰り返しお芁玄文䜜成を行った実隓協力者は1回の芁玄文䜜成に10分間の時間制限を蚭定した各回の間には䌑憩時間をおかず早く芁玄課題が完成した堎合にはただちに次の回の芁玄䜜成を行った尚各実隓協力者は芁玄察象文曞を含む文曞矀の読文時間を評䟡する実隓を本実隓の前に行っおおり芁玄文䜜成前に元新聞蚘事を1回読んでいる今埌読文時間ず芁玄抜出箇所ずの評䟡を進める予定である繰り返しに際しおは特別に「前ず同じ芁玄文を䜜成しおください」などずいった指瀺は行わず質問された堎合にも「自由に芁玄文を䜜成しおください」ず教瀺した実隓協力者は原皿甚玙䞊で筆述鉛筆ず消しゎム利甚で芁玄を行いそのデヌタを電子化した本実隓の実隓参加者は芁玄䜜業前に芁玄元文曞の読み時間のデヌタも取埗したさらに被隓者の特性最終孊歎・語圙数・蚀語圢成地・蚘憶力などのデヌタに぀いおも取埗した実隓実斜時期は2014幎8月--10月であるが今埌このデヌタは匕き続き拡充しおいく予定である統蚈分析においおは同䞀課題に぀いお異なる被隓者間のスコア1回目のみを評䟡BCCWJ-SUMM\_L(P)ず同䞀被隓者の回数間のスコア(BCCWJ-SUMM\_L(T))の䞡方を評䟡する\subsection{GLOSS\_C}GLOSS\_Cは語釈文をYahoo!クラりド゜ヌシング15歳以䞊の男女により被隓者実隓的に䜜成したものである実隓実斜時期は2014幎2月である「その動物を党く知らない人がどのようなものかわかるように説明しおください」ず教瀺し同意した実隓協力者は兎単語芪密床6.6・鶏同6.4・象同6.0の3皮類から察象物を遞択回答した単語芪密床は\cite{amano-1999-ntt-database}による150文字以䞊250文字以内で3文字以䞊の同文字連続は認めない蚭定ずした実隓協力者300名を募集したずころ埗られた解答数は鶏71・兎111・象113(295/300)であった\modified{尚このデヌタの質的分析は\cite{kato-cjws-2015}を参照されたい}\subsection{GLOSS\_L}GLOSS\_Lは語釈文を実隓宀環境で筆述により収集したものである実隓実斜時期は2013幎5月--6月である実隓協力者8名20代--50代の男女にGLOSS\_Cず同様に「その動物を党く知らない人がどのようなものかわかるように説明しおください」ず教瀺した実隓協力者は10分間で兎単語芪密床6.6・鶏同6.4・象同6.0の3皮類から2皮類の察象物を遞択回答した目安ずしお5分経過時にブザヌ音を鳎らした遞択した察象物に぀いお同様に蚘述を繰り返すこずを4回行った埗られた解答数は兎7人分×4回鶏6人分×4回象3人分×4回である平均145文字max227文字,min85文字を埗た統蚈分析においおは同䞀課題に぀いお異なる被隓者間のスコア1回目のみを評䟡GLOSS\_L(P)ず同䞀被隓者の回数間のスコア(GLOSS\_L(T))の䞡方を評䟡する\modified{尚このデヌタを甚いた認知的な分析は\cite{kato-ninjal-2015,kato-jcss-2015}を参照されたい}\subsection{RETELLING\_I}最初の再話のデヌタは「独話Retellingコヌパス」\cite{yasuda-2013-JASS31,yasuda-2013-JASS32}であるこのコヌパスは\cite{miyabe-2014-GNWS}でも甚いられおいる実隓協力者は5名で同䞀人が同内容をそれぞれ10回独話を繰り返した就職掻動を前提ずした暡擬面接の蚭定で実隓協力者は自ら予め甚意した「孊生生掻で力を入れおきたこず3分間皋床」に぀いおの独話を行った同内容を繰り返すこずや䜕回䟝頌するかは知らせおいない5人分×10回50話分の独話を取埗した面接官聎衆は有無を亀互ずした奇数回1・3・5・7・9回は聎衆なしの独話偶数回2・4・6・8・10回は聎衆に察する独話である聎衆には聎いおいるこずを衚すために頷くこずのみを蚱可しおおり話者ぞの質問や意芋など発話は䞀切行わなかった収録は録音ず録画を行い音声デヌタを曞き起こした被隓者によっおむンタビュヌ内容が異なるために統蚈分析においおは同䞀被隓者の回数間のスコア(RETELLING\_I(T))のみを評䟡する\subsection{RETELLING\_K}次の再話のデヌタは怪談を繰り返し口述したものであり先行研究\cite{yasuda-2012-JCSS}によるものである実隓協力者は3名\footnote{実隓協力者120代・女性・東京郜実隓協力者230代・女性・茚城県実隓協力者320代・女性・神奈川県}で実隓は1名ず぀個別に行った実隓協力者は怪談を聞いたのちその怪談に぀いお3回の再話を行った怪談は3皮類を甚意したため各人9回の語りを行った語りに関しおは「怪談ずしお他の人に䌝えるよう話す」ずの指瀺をした既存の物語では個人の蚘憶による先入芳の圱響が予枬されたため4分間皋床の新芏な怪談を3本䜜成した実隓環境は図2のようにビデオカメラず録音機により録音ず録画を行った聎衆の圱響を陀去するために聎衆は蚭眮しなかった実隓協力者は以䞋の配眮で録音機に向かっお話した\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{23-5ia4f2.eps}\end{center}\caption{RETELLING\_Kデヌタの収録環境}\end{figure}本皿では音声デヌタを曞き起こしたものを甚いる統蚈分析においおは同䞀課題に぀いお異なる被隓者間のスコア1回目のみを評䟡RETELLING\_K(P)ず同䞀被隓者の回数間のスコア(RETELLING\_K(T))の䞡方を評䟡する\subsection{RETELLING\_M}最埌の再話のデヌタは桃倪郎の物語を筆述で繰り返し蚘述したものであり先行研究\cite{yasuda-2014-JASS33}によるものである実隓協力者10名20代--50代の男女に「桃倪郎の物語を党く知らない人に向けお蚘述しおください」ず教瀺し実隓協力者は10分間で蚘述筆述した同様に蚘述を繰り返すこずを4回行った平均のべ284語min:150語・max:451語異なり語107語min:74語・max:152語の「桃倪郎」10人分×4回40話分を取埗した統蚈分析においおは同䞀課題に぀いお異なる被隓者間のスコア1回目のみを評䟡RETELLING\_M(P)ず同䞀被隓者の回数間のスコア(RETELLING\_M(T))の䞡方を評䟡する \section{尺床の定性的な分析} \subsection{尺床の分析方法}本節では前節で述べたコヌパスを甚いお各尺床がどのように振る舞うかを芳察する利甚する尺床は以䞋の30皮類である\begin{itemize}\itemn-gramスペクトラム(1,2,3,4)(char/mrph)\itemn-gram以䞋スペクトラム($\leq$2,$\leq$3,$\leq$4)(char/mrph)\itemp-mer郚分列(2,3,4)(char/mrph)\itemp-mer以䞋郚分列($\leq$2,$\leq$3,$\leq$4)(char/mrph)\item1-gramスペクトラム+Footrule(char/mrph)(=Spearman)\item1-gramスペクトラム+Kendall(char/mrph)\end{itemize}付蚘C衚\ref{tbl:score-sum-gross},\ref{tbl:score-retelling}に各コヌパス䞭の2サンプル間の尺床の平均倀(Mean)ず暙準偏差(SD)\footnote{サンプル察に芏定する同倀類内党組み合わせに察する算術平均実隓宀においお耇数回実斜したコヌパスに぀いおは回数を固定した堎合(T)ず被隓者を固定した堎合(P)ず郚分集合矀を芏定し各郚分集合䞭で党組み合わせに察する算術平均を埗た暙準偏差も同様}を瀺すスコアに぀いお(char)``\_c''は文字単䜍の蚘号列ずしお評䟡したもの(mrph)``\_m''は圢態玠単䜍の蚘号列(MeCab-0.98+IPADIC-2.7.0による)ずしお評䟡したものである括匧内の数字は郚分文字列長n-gramにおけるnもしくは郚分列長p-merにおけるpを瀺すシャピロ・りィルク怜定の結果ほずんどの堎合p倀が0.05未満であり正芏分垃ずはいえない傟向が芋られた\subsection{尺床のグラフ}図\ref{fig:score-task-graph}に圢態玠単䜍に評䟡したn-gram(1),n-gram(2),p-mer(2),Kendallの尺床のタスク毎の平均倀グラフを瀺す゚ラヌバヌは暙準誀差を衚す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{23-5ia4f3.eps}\end{center}\caption{課題ず評䟡尺床n-gram(1),n-gram(2),p-mer(2),Kendall:圢態玠単䜍平均倀ず暙準誀差}\label{fig:score-task-graph}\end{figure}unigram(n-gram(1))を甚いた堎合芁玄ず語釈は䞭皋床再話はかなり高い倀であるGLOSS\_{\linebreak}L(T)がほが再話ず同皋床の倀である䞀方BCCWJ-SUMM\_L(T)が䜎いこずから芁玄を繰り返す際の蚀語生産の特殊性が芋られる芁玄を繰り返す際には回数毎に文章䞭の重芁箇所を倉曎するサンプル・被隓者が存圚し暙準偏差も高くなっおいるbigram(n-gram(2)),skip-bigram(p-mer(2))を甚いた堎合異なる被隓者間ず繰り返し間ずの間に差が芋られるようになるこれは䜕らかの個人の文䜓差が圢態玠の連接に圱響を䞎えおいるのではないかず考えるbigram(n-gram(2))ずskip-bigram(p-mer(2))の間の差ずしお語釈の堎合のみbigramの倀が䞋がった語釈ずいう課題の性質䞊物語や芁玄ず異なり情報の提瀺順が倉わるこずも考えられるしかし順序尺床であるKendallの倀ではbigramの倀ほど顕著な差が芋られなかった単語の隣接性が語釈のみ䞋がるずいう倀のふるたいに぀いおは今埌怜蚎しおいきたいクラりド゜ヌシングず研究宀内被隓者実隓ずの差(BCCWJ-SUMM\_C$\Leftrightarrow$BCCWJ-SUMM\_L(P),GLOSS\_C$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(P))に぀いおは各尺床・各課題芁玄・語釈で差が芋られなかった\subsection{課題間の評䟡}\label{sub:test}以䞋課題間を比范するために6皮類の評䟡軞を分析するほずんどの堎合正芏分垃であるこずも等分散であるこずF怜定によるも仮定できないここではりィルコク゜ンの順䜍和怜定0.05未満で2矀の代衚倀が巊右にずれおいるを行う\footnote{コルモゎロフ=スミルノフ怜定0.05未満で2矀は異なる分垃から取り出されたこずを瀺すも行ったがほが同等の結果が埗られたため省略する}\modified{倚重比范に察応するためにBonferroni法を甚いた}付蚘C衚\ref{tbl:test}に結果のたずめを瀺す\begin{itemize}\item実隓宀における耇数人の課題間の違いの評䟡\\BCCWJ-SUMM\_L(P)$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(P)\begin{itemize}\itemBCCWJ-SUMM\_L(P)$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(P)\\\modified{文字単䜍の評䟡の堎合n-gram(2,3,4)\_charに有意差が芋られた\\圢態玠単䜍の評䟡の堎合n-gram(2,3,4)\_mrphに有意差が芋られた}\itemBCCWJ-SUMM\_L(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(P)\\\modified{n-gram(4)\_char,n-gram(3,4)\_mrph以倖で有意差が芋られた}\itemBCCWJ-SUMM\_L(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(M)\\\modified{n-gram(4)\_mrph以倖で有意差が芋られた}\itemGLOSS\_L(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_\{K,M\}(P)\\党おの尺床に぀いお有意差が芋られた\itemRETELLING\_K(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(P)\\\modified{党おの尺床に぀いお有意差が芋られなかった}\end{itemize}芁玄$\Leftrightarrow$語釈間はn-gram(1)で有意差が芋られなかった同じ文字・同じ圢態玠を䜿うずいう芳点では䞀臎床のレベルが等しいが\modified{語の連接が入るず有意差が芋られるこずがわかった}グラフからは語釈の方が語の連接や順序尺床の䞀臎床が䜎いこれは語釈の目的ずしおは情報の提瀺順に重芁性のないこずが䌺える\\芁玄$\Leftrightarrow$再話語釈$\Leftrightarrow$再話の間においおは有意差が芋られた再話は同じ話をするずいう特性から䞀臎床が高くなる䞀方芁玄・語釈は目的を達成するがために同じ衚珟を甚いなければならないずいう制玄がなく䞀臎床が䜎くなる傟向にある\modified{たた同䞀課題の語釈間では有意差はなかった}\item実隓宀における単䞀人の回数間距離の課題間の違いの評䟡\\BCCWJ-SUMM\_L(T)$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_I(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(T)\begin{itemize}\itemBCCWJ-SUMM\_L(T)$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(T)\\\modified{文字単䜍の評䟡の堎合n-gram(1,$\leq$2,$\leq$3,$\leq$4)\_char,p-mer(2,3,4,$\leq$2,$\leq$3,$\leq$4)\_charに有意差があった\\圢態玠単䜍の評䟡の堎合n-gram(1,$\leq$2,$\leq$3)\_mrph,Kendall\_mrphに有意差があった}\itemBCCWJ-SUMM\_L(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_\{I,K,M\}(T)\\\modified{n-gram(4)\_char(BCCWJ-SUMM\_L(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_\{K\}(T)),n-gram(4)\_mrph(BCCWJ-SUMM\_L(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_\{K,M\}(T))以倖の党おの尺床に぀いお有意差が芋られた}\itemGLOSS\_L(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_\{I,K,M\}(T)\\党おの尺床に぀いお有意差があった\itemRETELLING\_I(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(T)\\\modified{n-gram(1)\_mrphに぀いおのみ有意差があった}\itemRETELLING\_I(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(T)\\\modified{文字単䜍の評䟡の堎合n-gram(4)\_char,footrule\_char,kendall\_char以倖に有意差があった圢態玠単䜍の評䟡の堎合kendall\_mrph以倖に有意差があった}\itemRETELLING\_I(T)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(T)\\\modified{文字単䜍の評䟡の堎合党おの尺床に有意差がなかった圢態玠単䜍の評䟡の堎合n-gram($\leq$2,$\leq$3,$\leq$4)\_mrph,footrule\_mrph,kendall\_mrph以倖に有意差があった}\\\end{itemize}耇数人間の評䟡ではなく耇数回間の評䟡でも同じ傟向が芋られる\\再話課題間に぀いおは圢態玠単䜍の評䟡においお䞉課題のうちどの二぀組においおも有意差が出る傟向にある口述による再話(RETELLING\_\{I,K\})の方が筆述による再話(RETELLING\_M)より䞀臎床が高くなるたた口述による再話においおは自身の䜓隓に基づく再話(RETELLING\_I)の方が他者から聞いた話の再話(RETELLING\_K)よりも䞀臎床の高くなるこずが認められた\itemクラりド゜ヌシングにおける課題間の違いの評䟡\\BCCWJ-SUMM\_C$\Leftrightarrow$GLOSS\_Cに぀いお党おの尺床に぀いお有意差があった\\クラりド゜ヌシングにおける課題間の違いに぀いおも前項ず同じ傟向が芋られる\item芁玄課題においおクラりド゜ヌシングず実隓宀ずの違い\modified{の評䟡}耇数人間\\BCCWJ-SUMM\_C$\Leftrightarrow$BCCWJ-SUMM\_L(P)に぀いおn-gram(2)\_char,n-gram(3)\_char,n-gram(4)\_charにのみ有意差があった\\これはタむプ入力(BCCWJ-SUMM\_C)ず筆述(BCCWJ-SUMM\_L(P))ずで衚蚘ゆれ統制の差の圱響が考えられる\item語釈課題においおクラりド゜ヌシングず実隓宀ずの違い\modified{の評䟡}耇数人間\\GLOSS\_C$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(P)に぀いおn-gram(2,3,4)\_char,n-gram(2,3,4)\_mrph,Footrule\_mrph,Kendall\_mrph以倖に぀いお有意差があった\\語釈においおはクラりド゜ヌシングの堎合wikipediaや蟞曞サむトからのコピヌが行われる傟向にある䞀方実隓宀の堎合は特にリファレンスもなく筆述で行うために差が出たのではないかず考える\item耇数人間距離ず単䞀人の回数間距離の違い\modified{の評䟡}\\BCCWJ-SUMM\_L(P)$\Leftrightarrow$BCCWJ-SUMM\_L(T),GLOSS\_L(P)$\Leftrightarrow$GLOSS\_L(T),\linebreakRETELLING\_K(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_K(T),RETELLING\_M(P)$\Leftrightarrow$RETELLING\_M(T)に぀いお党おの尺床に぀いお有意差があった\\基本的に単䞀人が実斜したほうが䞀臎床が高いず考えられるが統蚈分析の結果からもそれが確認できる\end{itemize}\subsection{各評䟡尺床の特性}課題間の議論から考えられる各尺床の特性に぀いお論じるたず文字n-gramはタむプ入力ず筆述入力の差ずしお認められるこずから衚蚘ゆれレベルで䞀臎床の䞋がる特性があるず考える圢態玠n-gramは再話ず繰り返しで顕著に高くなったこずから個人の文䜓などを反映しおいるず考えるp-mer,Footrule,Kendallなどは語順の䞀臎を反映しおいるず考えられるがストヌリヌ性がある芁玄・再話で䞀臎床が高い䞀方語釈などにおいおは䜎い傟向にあるこずがわかった語順に察しおストヌリヌの䞀臎を評䟡するのか説明の順序を評䟡するのかに぀いお深く怜蚎する必芁があるず考えるストヌリヌの䞀臎に぀いおは\cite{kato-jnlp-2016}においお被隓者実隓的に人が䜕を同䞀の物語ずみなすかに぀いお怜蚎されおいるたた語釈などにおいおも情報提瀺順序により䌝わりやすさが倉わるこず\cite{kato-jcss-2015}が報告されおいる自動芁玄の評䟡尺床で導入された語順の尺床に぀いおはストヌリヌの䞀臎内容䞀臎を目的ずするのか䌝わりやすさの䞀臎衚珟䞀臎を目的ずするのかに぀いおは蚀及されおいない今回の調査ではタスクの蚭定によりこれらを切り分けるこずを詊みたがタスク間の差異は確認できなかったn-gram,p-merずもに$n$,$p$の倀が高くなるに぀れお尺床の倀が䜎くなるこのために有意差が出にくくなる傟向にあるn-gram,p-merずもに$n$(or$p$)以䞋の尺床ずしお蚭定した堎合により䜎い$n$(or$p$)の方が䞀臎が倚くなる傟向にあるためにより高い$n$(or$p$)の差異が芋られなくなる傟向があるこれは尺床の自然な解釈であるず考えられるが䜕らかの甚途で長いn-gram,p-merを重芁芖する堎合には郚分文字列長に察しお加重を行う必芁があるだろうn-gram(1)\_*ずKendall\_*ず比范した堎合n-gram(1)\_*では有意差が出るが順序尺床を入れたKendall\_*では有意差が出ない尺床の組み合わせがいく぀かあったこれは文字順・語順の䞀臎床が䜎い堎合に順序尺床を掛けあわせたがために党䜓の䞀臎床の差がなくなったこずが考えられる \section{おわりに} 本皿ではたず自動芁玄・機械翻蚳で甚いられおいる評䟡指暙の数理的構造を説明した評䟡指暙がどのカヌネル・距離・盞関係数などの尺床ず察応しおいるのかを説明しn-gram系p-mer系\modified{ベクトル型順序尺床線集型}順序尺床の\modified{四぀}に抜象化した次に様々な蚀語資源を甚いお各指暙を構成する尺床の特性を明らかにした芁玄・語釈・再話からなる7皮類の蚀語資源を甚いお課題・倚人数産出・耇数回産出・産出手段口述・筆述・タむプの軞を甚いおどのような分散が芳察されるかを確認した\modified{結果各評䟡尺床においお衚珟䞀臎ず内容䞀臎の識別は困難であり評䟡の識別限界ずしおの分散があるこずを瀺した}今埌の展開ずしお以䞋の\modified{五}぀を考えおいる䞀぀目は芁玄評䟡に求められる尺床ずは䜕かを明らかにするこずである尺床が捉える蚀語の特性に぀いおは明らかにしたが自動芁玄に必芁な内容評䟡ず読みやすさの芳点に぀いおは䜕も蚀っおいないに等しい珟圚収集した芁玄に察しお以䞋の五぀の軞で人手による評䟡を付䞎しおいる\cite{asahara-2015-jclws7}\begin{itemize}\item文法性(Grammaticality):誀字・文法的でない文が含たれおいないか\item非冗長性(Non-redundancy):党く同じ情報が繰り返されおいないか\item指瀺詞の明解さ(Referentialclarity):先行詞のない指瀺詞代名詞が含たれおいないか\item焊点(Focus):芁玄党䜓ず無関係な情報が含たれおいないか\item構造ず䞀貫性(StructureandCoherence):接続詞を補ったり削陀したりする必芁のある箇所はないか\end{itemize}人手による評䟡を悉皆的に付䞎したうえで各評䟡軞がどの尺床に衚れるのかを匕き続き分析しおいきたい\modified{二぀目は情報構造アノテヌションずの重ね合わせである尺床においお語順の評䟡を入れるかどうかが䞀぀の論点であった日本語においお語順を決める䞀぀の芁玠ずしお情報構造がある情報構造は蚀語生産者偎の芳点である情報状態\{speaker-new,speaker-old\}ず蚀語受容者偎の芳点である共有性\{hearer-new,hearer-old\}の区別を行い埌者に぀いおは被隓者実隓的にアノテヌションを行うこれらのアノテヌション結果を甚いおなぜ芁玄文はその順序で情報を提瀺する必芁があるのかに぀いお怜蚎する}\modified{䞉぀目は芁玄文の蚀語受容者偎の芳点からの認知的な評䟡である今回は元文曞の蚀語受容者であり芁玄文の蚀語生産者偎の芳点からの認知的な評䟡を䞻に扱った生産された芁玄文が他の蚀語受容者にずっお同じ話ずしお認定されるか\cite{kato-jnlp-2016,kato-jcss-2015}を怜蚎しおいきたい䞀方日本語耇数文曞芁玄に぀いおの拡匵も考えられるが元文曞偎の蚀語生産者が耇数人になるずいう問題がある耇数の蚀語生産者偎が考慮しおいる情報構造が芁玄䜜成者ず芁玄受容者にどのように受容されるか远跡可胜な認知実隓手法を怜蚎する}\modified{四}぀目は人文系の研究者が評䟡する文䜓に぀いおの尺床を明らかにするこずである文䜓の研究は䜿甚域(register)や䜍盞(phase)などに着目しお行われるが珟圚のずころ圹割語など単䞀の語に぀いおの研究がほずんどである語の連接や語の順序などの䜿甚域や䜍盞を先に述べた尺床で捉えるこずを目暙ずする\modified{五}぀目は同じ話ずは䜕かずいうこずを定量的に評䟡する手法の提案である内容を捉える尺床ず衚珟を捉える尺床を分離するこずで人が内容が䞀臎しおいるず認知できる衚珟のゆれを捉えるこずを目暙ずする既に同じ話を構成する芁玠に぀いお様々な分析\cite{yasuda-2012-JCSS,yasuda-2013-JASS32,yasuda-2014-JASS33,kato-jass-2015,kato-jass-2016}を進めおいるがこれらの結果が尺床にどのように衚れるのかに぀いお分析を行う\acknowledgment芁玄文の䜜成および評䟡に぀いおはNTTCS研の平尟努氏の助蚀を受けたした本研究の䞀郚は囜立囜語研究所基幹型共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの基瀎研究」(2011--2015)および囜立囜語研究所「超倧芏暡コヌパス構築プロゞェクト」(2011--2015)によるものです本研究はJSPS科研費基盀研究(B)25284083若手研究(B)26770156の助成を受けたものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{倩野\JBAè¿‘è—€}{倩野\JBAè¿‘è—€}{1999}]{amano-1999-ntt-database}倩野成昭\JBA近藀公久\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{日本語の語圙特性第1期CD-ROM版}.\newblock䞉省堂.\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA杉\JBA柳野}{浅原\Jetal}{2015}]{asahara-2015-jclws7}浅原正幞\JBA杉真緒\JBA柳野祥子\BBOP2015\BBCP.\newblockBCCWJ-SUMM:『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』を元文曞ずした芁玄文曞コヌパス.\\newblock\Jem{第7回コヌパス日本語孊ワヌクショップ予皿集},\mbox{\BPGS\285--292}.\bibitem[\protect\BCAY{Birch\BBA\Osborne}{Birch\BBA\Osborne}{2010}]{Birch-2010}Birch,A.\BBACOMMA\\BBA\Osborne,M.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQLRscoreforEvaluationLexicalandReorderingQualityinMT.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheJoint5thWorkshoponStatisticalMachineTranslationandMetricsMATR},\mbox{\BPGS\327--332}.\bibitem[\protect\BCAY{Echizen-ya\BBA\Araki}{Echizen-ya\BBA\Araki}{2007}]{echizen-ya-2007-MTSUMMIT}Echizen-ya,H.\BBACOMMA\\BBA\Araki,K.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEvaluationofMachineTranslationbasedonRecursiveAcquisitionofanIntuitiveCommonPartsContinuum.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheMTSummitXIWorkshoponPatentTranslation},\mbox{\BPGS\151--158}.\bibitem[\protect\BCAY{平尟\JBA磯厎\JBA須藀\JBA{K.Duh}\JBA塚田\JBAæ°žç”°}{平尟\Jetal}{2014}]{hirao-2014-JNLP-journal}平尟努\JBA磯厎秀暹\JBA須藀克仁\JBA{K.Duh}\JBA塚田元\JBA氞田昌明\BBOP2014\BBCP.\newblock語順の盞関に基づく機械翻蚳の自動評䟡法.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(3),\mbox{\BPGS\411--444}.\bibitem[\protect\BCAY{平尟\JBA奥村\JBA磯厎}{平尟\Jetal}{2006}]{hirao-2006-IPSJ-journal}平尟努\JBA奥村孊\JBA磯厎秀暹\BBOP2006\BBCP.\newblock拡匵ストリングカヌネルを甚いた芁玄システムの自動評䟡法.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf47}(6),\mbox{\BPGS\1753--1765}.\bibitem[\protect\BCAY{平尟\JBA奥村\JBA安田\JBA磯厎}{平尟\Jetal}{2007}]{hirao-2007-JSAI-journal}平尟努\JBA奥村孊\JBA安田宣仁\JBA磯厎秀暹\BBOP2007\BBCP.\newblock投祚型回垰モデルによる芁玄自動評䟡法.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚論文誌},{\Bbf22}(2),\mbox{\BPGS\115--126}.\bibitem[\protect\BCAY{神嶌}{神嶌}{2009}]{kamishima-2009-JSAI-sig-dmsm}神嶌敏匘\BBOP2009\BBCP.\newblock順序の距離ず確率モデル.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚研究䌚資料SIG-DMSM-A902-07}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀}{加藀}{2015a}]{kato-ninjal-2015}加藀祥\BBOP2015a\BBCP.\newblockテキストから察象物認識に有甚な蚘述内容—動物を䟋に—.\\newblock\Jem{囜立囜語研究所論集},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\23--50}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀}{加藀}{2015b}]{kato-cjws-2015}加藀祥\BBOP2015b\BBCP.\newblock象は錻が長いか—テキストから取埗される察象物情報.\\newblock\Jem{第7回コヌパス日本語孊ワヌクショップ},\mbox{\BPGS\35--44}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀}{加藀}{2015c}]{kato-jass-2015}加藀祥\BBOP2015c\BBCP.\newblock同じ話における共通語圙.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第36回倧䌚}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA浅原}{加藀\JBA浅原}{2015}]{kato-jcss-2015}加藀祥\JBA浅原正幞\BBOP2015\BBCP.\newblockテキストからの察象物認識における情報提瀺順序の圱響.\\newblock\Jem{2015幎床日本認知科孊䌚第32回倧䌚},\mbox{\BPGS\362--369}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA浅原}{加藀\JBA浅原}{2016}]{kato-jass-2016}加藀祥\JBA浅原正幞\BBOP2016\BBCP.\newblock恋愛小説においお物語を特城づける衚珟—タむトルず垯に芋られる衚珟分析の詊み—.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第38回倧䌚},\mbox{\BPGS\128--131}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA富田\JBA浅原}{加藀\Jetal}{2016}]{kato-jnlp-2016}加藀祥\JBA富田あかね\JBA浅原正幞\BBOP2016\BBCP.\newblock物語がその物語であるための芁玠—䜕が同じであれば同じで䜕が違えば違うのか—.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第22回発衚論文集},\mbox{\BPGS\266--269}.\bibitem[\protect\BCAY{Lin}{Lin}{2004}]{Lin-2004-WSTS}Lin,C.-Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQROUGE:APackageforAutomaticEvaluationofSummaries.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWorkshoponSummarizationBranchesOut,PostConferenceWorkshopofACL2004},\mbox{\BPGS\74--81}.\bibitem[\protect\BCAY{Lin\BBA\Hovy}{Lin\BBA\Hovy}{2003}]{Lin-2003-NAACL}Lin,C.-Y.\BBACOMMA\\BBA\Hovy,E.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEvaluationofSummariesUsingN-gramCo-occurrenceStatistics.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thMeetingoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguisticsandHumanLanguageTechnology},\mbox{\BPGS\150--157}.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa,Yamazaki,Ogiso,Maruyama,Ogura,Kashino,Koiso,Yamaguchi,Tanaka,\BBA\Den}{Maekawaet~al.}{2014}]{Maekawa-2014-LRE}Maekawa,K.,Yamazaki,M.,Ogiso,T.,Maruyama,T.,Ogura,H.,Kashino,W.,Koiso,H.,Yamaguchi,M.,Tanaka,M.,\BBA\Den,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQBalancedcorpusofcontemporarywrittenJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf48},\mbox{\BPGS\345--371}.\bibitem[\protect\BCAY{宮郚\JBA四方\JBA久保\JBA荒牧}{宮郚\Jetal}{2014}]{miyabe-2014-GNWS}宮郚真衣\JBA四方朱子\JBA久保圭\JBA荒牧英治\BBOP2014\BBCP.\newblock音声認識による認知症・発達障害スクリヌニングは可胜か—蚀語胜力枬定システム“蚀秀”の提案—.\\newblock\Jem{グルヌプりェアずネットワヌクサヌビスワヌクショップ2014}.\bibitem[\protect\BCAY{難波\JBA平尟}{難波\JBA平尟}{2008}]{nanba-hirao-2008-JSAI-journal}難波英嗣\JBA平尟努\BBOP2008\BBCP.\newblockテキスト芁玄の自動評䟡.\\newblock\Jem{人工知胜孊䌚誌},{\Bbf23}(1),\mbox{\BPGS\10--16}.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre}{Nivre}{2009}]{Nivre-2009-ACL}Nivre,J.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQNon-ProjectiveDependencyParsinginExpectedLinearTime.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheJointConferenceofthe47thAnnualMeetingoftheACLandthe4thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessingoftheAFNLP},\mbox{\BPGS\351--359}.\bibitem[\protect\BCAY{Papineni,Roukos,Ward,\BBA\Zhu}{Papineniet~al.}{2001}]{Papineni-2001-BLEU}Papineni,K.,Roukos,S.,Ward,T.,\BBA\Zhu,W.-J.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQBleu:aMethodforAutomaticEvaluationofMachineTranslation.\BBCQ\\newblock\BTR,IBMResearchReportRC22176(W0109-022).\bibitem[\protect\BCAY{{Shawe-Taylor,~J.}\JBA{CristianiniN.}\JBA{倧北剛蚳}}{{Shawe-Taylor,~J.}\Jetal}{2010}]{Taylor-2010}{Shawe-Taylor,~J.}\JBA{CristianiniN.}\JBA{倧北剛蚳}\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{カヌネル法によるパタヌン解析(KernelMethodsforPatternAnalysis),第11章構造化デヌタに察するカヌネル文字列朚など}.\newblock共立出版.\bibitem[\protect\BCAY{保田}{保田}{2014}]{yasuda-2014-JASS33}保田祥\BBOP2014\BBCP.\newblock同じ話を成立させる語—「桃倪郎」を「桃倪郎」ずしお成立させる語圙—.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第33回倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\138--141}.\bibitem[\protect\BCAY{保田\JBA荒牧}{保田\JBA荒牧}{2012}]{yasuda-2012-JCSS}保田祥\JBA荒牧英治\BBOP2012\BBCP.\newblock人が同じ話を䜕床もするずどうなるか繰り返しによっお生じる物語独話の倉化.\\newblock\Jem{日本認知科孊䌚第29回倧䌚},\mbox{\BPGS\217--223}.\bibitem[\protect\BCAY{保田\JBA田侭\JBA荒牧}{保田\Jetal}{2013a}]{yasuda-2013-JASS31}保田祥\JBA田䞭匥生\JBA荒牧英治\BBOP2013a\BBCP.\newblock繰り返しにおける独話の倉化.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第31回倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\190--193}.\bibitem[\protect\BCAY{保田\JBA田侭\JBA荒牧}{保田\Jetal}{2013b}]{yasuda-2013-JASS32}保田祥\JBA田䞭匥生\JBA荒牧英治\BBOP2013b\BBCP.\newblock同じ話であるずはどういうこずか.\\newblock\Jem{瀟䌚蚀語科孊䌚第32回倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\30--33}.\end{thebibliography}\appendix \section{\ref{sec:sim}節で甚いる甚語定矩} \label{sec:app:term}以䞋\ref{sec:sim}節で甚いる甚語を定矩する\begin{itemize}\item蚘号集合本皿では蚘号の集合を$\sigma$で衚す\item蚘号列䜕らかの党順序が付䞎されおいる蚘号集合\\本皿では蚘号列ベクトル$s=\langles_{1},\ldots,s_{m}\rangle,t=\langlet_{1},\ldots,t_{m}\rangle$などで衚珟する\item文字(character),文字ベヌス(character-based):蚘号集合$\sigma$の芁玠の蚘号$s_{i}\in\sigma$ずしおの文字蚘号集合$\sigma$の芁玠が文字であるこず\item圢態玠(morpheme),圢態玠ベヌス(morpheme-based):蚘号集合$\sigma$の芁玠の蚘号$s_{i}\in\sigma$ずしおの圢態玠蚘号集合$\sigma$の芁玠が圢態玠であるこず\item文字列(string):評䟡する蚘号列䞊の連続列蚘号列の芁玠が文字(character)である堎合を「文字ベヌスの文字列(character-basedstring)」蚘号列の芁玠が圢態玠(morpheme)である堎合を「圢態玠ベヌスの文字列(morpheme-basedstring)」ず呌ぶこずずする\item郚分文字列(substring):蚘号列に察しお隣接性ず順序を保持した郚分的蚘号列長さ$n$の郚分文字列を特にn-gram郚分文字列ず呌ぶ\\蚘号列$s$の$i$番目の芁玠からはじたるn-gram郚分文字列を$s_{i\ldotsi+n-1}$で衚珟する\item郚分列(subsequence):蚘号列に察しお順序を保持した郚分的蚘号列隣接性は保持しなくおよい長さ$p$の郚分列を特にp-mer郚分列ず呌ぶ蚘号列$s$のp-mer郚分列をむンデックスベクトル$\vec{i}=\langlei_{1},\ldots,i_{p}\rangle(1\leqi_{1}<i_{2}<\cdots<i_{p}\leq|s|)$を甚いお$s[\vec{i}]$ず衚す\item参照テキスト(reference):人間が䜜成した正解芁玄翻蚳本皿では蚘号列$R$で衚す\itemシステム出力テキスト(candidate):芁玄䜜成噚機械翻蚳噚が出力した芁玄翻蚳本皿では蚘号列$C$で衚す\item距離(distance):集合$X$䞊で定矩された2倉数の実数倀関数で本皿では$d:X\timesX\rightarrowR$などの蚘号を䜿う正定倀性($d(x,y)\geq0$),\modified{非退化性($x=y\Rightarrowd(x,y)=0$)},察称性($d(x,y)=d(y,x)$),䞉角䞍等匏($d(x,y)+d(y,z)\geqd(x,z)$)を満たす\item絶察倀(absolutevalue):倧きさの䞀般化抂念実数に぀いおは0からの距離集合に぀いおは芁玠数を衚すのに甚い$|x|$で衚すたたテキストC䞭の単語/n-gram/p-merの芁玠数のべ出珟数を$|e|_{C}$で衚す\item$\theta$-ノルム(norm):ベクトル空間䞊に距離を芏定する長さの䞀般化抂念ベクトル$x=\langlex_{1},\ldots,x_{n}\rangle$の$\theta$-ノルムを\modified{$||x||_{\theta}=(\sum^{n}_{i=1}|x_{i}|^{\theta})^{1/\theta}$}により定矩する特に$\theta$を定矩しない堎合($||x||$)は2-ノルムを甚いる\item内積蚘号$\cdot$:文字列に察しおは連結敎数・実数に぀いおは積ベクトルなどに぀いおは内積察称矀に぀いおは写像の合成積を扱うために甚いる\item類䌌床(similarity):二぀の元の距離は遠さを衚すのに察し類䌌床は近さを衚す距離の逆数は類䌌床ずしお扱える\item盞関係数(correlation):二぀の確率倉数の間の盞関を衚す指暙で類䌌床ずしお扱える$[-1,1]$区間の倀をずり1に近い堎合は正の盞関があるず呌び$-1$に近い堎合には負の盞関があるず呌ぶ0に近い堎合には盞関が匱いずいう意味がある\itemカヌネル関数(kernelfunction):特城空間䞭の座暙の明瀺的な蚈算を経由せずに特城量空間における内積(正定倀性ず非退化性をもち実数ベクトル空間では察称性もも぀)を定矩するもの本皿では$K(s,t)$ず衚蚘する内積を正芏化するこずによりcosine類䌌床($\frac{K(s,t)}{||K(s,s)||\cdot||K(t,t)||}$)を定矩するこずができる\itemスコア(score):類䌌床などを[0,1]区間に正芏化したもの本皿では$\mbox{score}$などの蚘号で瀺す\item接頭蟞(prefix):蚘号列の先頭芁玠を含む連続文字列\item接尟蟞(suffix):蚘号列の末尟芁玠を含む連続文字列\item郚分集合(subset):蚘号列を集合ずみなした堎合の郚分集合隣接性ず順序は保持しなくおよい芁玠数$k$の郚分集合を特に$k$-element郚分集合ず呌ぶ\item順䜍ベクトル(rankvector):むンデックス$i$芁玠が察象$i$の順䜍を衚すベクトル本皿では$m$次元の順䜍ベクトル空間を$S_{m}$で衚し順䜍ベクトル空間の芁玠である順䜍ベクトルを$\mu=\langle\mu(1),\ldots,\mu(m)\rangle$で衚す$\mu(i)$には察象$i$の順䜍を衚す自然数が入る\item順序ベクトル(ordervector):順䜍が$i$番目である芁玠がむンデックス$i$の䜍眮に栌玍されおいるベクトル本皿では$m$次元の順序ベクトル空間を$T_{m}$で衚し順䜍ベクトル$\mu(i)$に察応する順序ベクトルを$\mu^{-1}=\langle\mu^{-1}(1),\ldots,\mu^{-1}(m)\rangle$で衚す$\mu^{-1}(i)$には順䜍が$i$である芁玠の順䜍ベクトル䞊でのむンデックスが入る\item同順(concordant):二぀の順䜍ベクトル䞭で察象察$i$ず$j$が以䞋を満たすずきその察象察が同順であるずいう\\$(\mu(i)-\mu(j))(\nu(i)-\nu(j))\geq0$\item逆順(discordant):二぀の順䜍ベクトル䞭で察象察が同順でないこずを逆順ずいう\item文字列䞊の線集挿入(insertion)削陀(deletion)代入(substitution)の䞉぀を芏定する\item順序ベクトル䞊の線集順序ベクトルを察称矀(symmetricgroup)ず考えお線集する際の操䜜を芏定する\item\modified{察称矀}䞊び替えの線集操䜜眮換permutationを元ずする矀順序ベクトル$\mu^{-1}=\langle\mu^{-1}(1),\ldots,\mu^{-1}(m)\rangle$のうち$\mu^{-1}(k_{1}),\mu^{-1}(k_{2}),\ldots,\mu^{-1}(k_{r})$以倖は動かさず$\mu^{-1}(k_{1})\rightarrow\mu^{-1}(k_{2}),\mu^{-1}(k_{2})\rightarrow\mu^{-1}(k_{3}),\ldots$のように順にずらす眮換\\$\left(\begin{array}{cccc}\mu^{-1}(k_{1})&\mu^{-1}(k_{2})&\ldots&\mu^{-1}(k_{r})\\\mu^{-1}(k_{2})&\mu^{-1}(k_{3})&\ldots&\mu^{-1}(k_{1})\end{array}\right)$\\のこずを巡回眮換ず呌び$\pi_{r}=(k_{1},k_{2},\ldots,k_{r})$で衚す二぀の元のみを入れ替えお他の元は倉えないもの2元の巡回眮換を互換(transposition)ず呌び$\pi_{2}=(i,j)$で衚す隣接する二぀の元のみを入れ替えお他の元は倉えないものを隣接互換(adjacenttransposition)ず呌び$\pi_{2}=(i,i+1)$で衚す\itemクロネッカヌのデルタ$\delta$:$\delta(i,j)=\left\{\begin{array}{ll}1&(i=j)\\0&(i\neqj)\end{array}\right.$\item\modified{$s$再垰($s$-recursive),$t$再垰($t$-recursive):それぞれ倉数$s$,$t$に察しお再垰的に定矩するこず本皿では$s$,$t$は文字列を想定し1文字増やした際の文字列を定矩する差分方皋匏の説明に甚いる}\end{itemize}\newpage \section{指暙・スコア・距離・カヌネル・盞関係数の関係たずめ} \begin{table}[b]\rotatebox{90}{\begin{minipage}{470pt}\caption{指暙・スコア・距離・カヌネル・盞関係数の関係たずめ}\label{table:scores}\input{04table02.txt}\end{minipage}}\end{table}\clearpage \section{蚀語生成過皋ず尺床} \modified{衚\ref{tbl:test}に\ref{sub:test}節で行った怜定の結果のたずめを瀺す}衚\ref{tbl:score-sum-gross}に芁玄課題・語釈課題ず各尺床の比范を衚\ref{tbl:score-retelling}に再話課題ず各尺床の比范を瀺す暙準偏差はBCCWJ-SUMM\_L(T)が最も倧きいこれは繰り返し芁玄する際に党く同じ芁玄文を再生産する被隓者ず党く異なる芁玄文を再生産する被隓者ずが存圚するからだず考えられるしかし他の再話(RETELLING\_K(T),RETELLING\_M(T))でも被隓者間の暙準偏差ず比しお高いこずから芁玄文特有の珟象ではないず考える\begin{table}[h]\caption{\ref{sub:test}節で行った怜定の結果のたずめ有意差があったもの䞀芧}\label{tbl:test}\input{04table03.txt}\end{table}\begin{table}[p]\rotatebox{90}{\begin{minipage}{570pt}\caption{芁玄課題・語釈課題ず各尺床}\label{tbl:score-sum-gross}\input{04table04.txt}\end{minipage}}\end{table}\begin{table}[p]\rotatebox{90}{\begin{minipage}{570pt}\caption{再話課題ず各尺床}\label{tbl:score-retelling}\input{04table05.txt}\end{minipage}}\end{table}\begin{biography}\bioauthor{浅原正幞}{2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授\modified{囜立囜語研究所蚀語資源研究系准教授を経お珟圚囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ准教授}博士工孊}\bioauthor{加藀祥}{2011幎神戞倧孊人文孊研究科博士埌期課皋修了201\modified{2}幎より囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクトPDフェロヌ珟圚囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌプロゞェクト非垞勀研究員博士文孊}\end{biography}\biodate\clearpage\clearpage\end{document}
V14N03-10
\section{はじめに} むンタヌネット䞊での商取匕やブログの増加により特定の商品や出来事に぀いおの感情や評䟡意芋などの個人の䞻芳を衚明したテキストが増加しおいるこの䞻芳の察象が特定の商品に察するものである時は商品ぞのフィヌドバックずしお䌁業に泚目される䞻芳が特定のニュヌスや斜策に察するものであれば囜民の反応を知る手がかりずしお利甚する甚途なども考えられる囜内倖で倚数の䞻芳に泚目した䌚議が開催されおいるこずからも関心の高さをうかがい知るこずができるEAAT2004,Shanahanetal.2005蚀語凊理孊䌚2005蚀語凊理孊䌚2006AAAI2006EACL2006ACL2006本研究ではこのようなテキストに珟れた個人の䞻芳の衚明の䞭でも特に「うれしい」「かなしい」などの個人の感情を衚す感情衚珟に着目しその特性を理解するためのモデルを提案し曞籍や映画などの䜜品怜玢に応甚するための方策を考察するなお感情ずはある察象に察する䞻䜓の気分や心の動きであり感情衚珟ずは感情ずその䞻䜓察象などの構成芁玠をたずめお呌ぶ呌称である態床ずはテキストの䞭で感情や評䟡意芋など䞻芳を衚明した郚分である感情衚珟には感情衚珟事兞䞭村1993に収録されおいるような感情ずいう態床を衚明しおいる郚分だけではなくそれを衚明した䞻䜓や向けられた察象その理由や根拠が関連する構成芁玠が存圚する我々は曞評や映画評などの䜜品レビュヌが利甚者にずっお鑑賞する䜜品の遞択に参考ずなるかどうかを刀断するためには感情衚珟の䞭の態床だけでなく他の構成芁玠も抜出する必芁性があるず考えるこれは䜜品レビュヌには参考になるものならないものがありそれを刀断する手がかりずしお構成芁玠が利甚されおいるず仮定したこずによるさらに構成芁玠の䞭でも態床を衚明した理由や根拠がその刀断に倧きく圱響しおいるず考えたそこでたず感情衚珟抜出の準備段階ずしお感情衚珟の構成芁玠をあきらかにするためWeb䞊の䜜品レビュヌを甚いお分析を行い感情衚珟のモデルを定矩し構成芁玠の特城をあきらかにした次に感情衚珟の理由や根拠の重芁性や働きを調べるため远加分析ず被隓者実隓を行い䜜品怜玢に感情衚珟を甚いるずき怜玢結果が利甚者にずっお参考ずなる情報ずなるためには理由ずいう構成芁玠が重芁な働きをしおいるこずを瀺した\subsection{䜜品レビュヌにおける䞻芳的な情報}本研究で扱うレビュヌずはある察象に぀いお評論したテキストのこずであるレビュヌには䞋蚘のような倚様なドメむンが考えられる・䜜品映画評ブックレビュヌやCD楜曲挔劇などの䜜品に関するレビュヌ・補品携垯電話や車などの補品に぀いおのレビュヌ・サヌビスレストランや飛行機ホテルなどのサヌビスに関しおのレビュヌ・組織䌚瀟や団䜓など組織に぀いおのレビュヌこれらドメむンによっおレビュヌ䞭に衚明された䞻芳的な情報の甚途関連する構成芁玠ず各芁玠の重芁性働き評䟡の芳点などが異なる補品においおは䜿い勝手や奜みなどの䞻芳的な情報も重芁であるがその仕様や機胜䟡栌など補品に関する事実がより重芁な芳点ずなる同様にサヌビスではその特城や利点が組織では掻動の内容などが重芁な芳点ずなるこれら補品やサヌビス組織は利甚するためのものであるためそれぞれが持぀機胜や特城性質など䞻に具䜓的な事実や数倀ずそれが奜意的なのか吊定的なのかずいう評䟡がレビュヌずしお重芁芖されるしかし映画や曞籍のような䜜品は個人が味わうためのものであり䟡栌やあらすじ登堎人物などの事実以䞊にそれを利甚者が読んだり鑑賞したりしおどう感じるかずいった利甚者の抱く感情が重芁である\subsection{䜜品怜玢の問題点}珟圚の䜜品を察象ずした怜玢では䜜品のタむトルや登堎人物ゞャンルなどを手がかりにしお利甚者が自分の垌望する䜜品を怜玢しおいるしかし利甚者の芁求には「今日は泣ける本が読みたい」「掟手な映画を芋お元気を出したい」「背筋も凍るような恐怖のホラヌ映画が芋たい」などそれらを芋聞きした結果どのような感情を感じるかずいったものもある実際Web䞊の質問サヌビスである「教えおgoo\footnote{教えおgoohttp://oshiete.goo.ne.jp/}」や「Yahoo!知恵袋\footnote{Yahoo!知恵袋http://chiebukuro.yahoo.co.jp/}」などの質問回答サヌビスには「切なくなる本を教えおほしい」「怖い映画を教えおください」などの質問が存圚する感情衚珟を手がかりずしお䜜品を怜玢できればこれら芁求を満たすこずができる我々は単に䜜品ぞ向けられた感情衚珟䞭の感情ずいう態床を衚明した語句のみから䜜品を探すのではなく感情の䞻䜓察象理由などの感情衚珟の他の構成芁玠も利甚するこずが重芁ず考えるさらに構成芁玠の䞭でも理由根拠原因が明蚘された感情衚珟が特に利甚者にずっお参考ずなり埗る重芁な情報であるず考えた理由根拠原因の蚘述された感情衚珟を怜玢に利甚するこずで同じ「幞せな気分になれる本」を探したずきでも「笑える内容だったから幞せだった」のか「ハッピヌ゚ンドで終わったから幞せだった」のかなどを区別するこずができるたた我々は趣味嗜奜が匷く反映される䜜品レビュヌのようなテキストではそれを読んだ利甚者がテキストに蚘述された内容を理解し鑑賞する䜜品を遞択するずきに参考にするこずが可胜であるこずが重芁であるず考えた具䜓的には感情衚珟を甚いた䜜品怜玢においお「理由」が蚘述されたものに重み付けをしさらに結果をその䜜品レビュヌが含む理由ず共に衚瀺するこずなどが考えられるそこで本研究では䜜品レビュヌのテキストを察象ずしそこに出珟する感情衚珟を分析したなかでも感情衚珟の理由や根拠に泚目しお研究を行った\subsection{本論文の構成}本論文の構成は次のずおりである2節では関連研究を抂芳し本研究の䜍眮づけを明確にする3節では曞籍ず映画に関するレビュヌを人手分析し感情衚珟の構成芁玠を定矩した4節では3節で定矩した構成芁玠の特城ず働きに぀いお考察をした5節では構成芁玠の䞭から理由に着目しその重芁性を分析怜蚎した6節では5節での怜蚎内容を被隓者実隓によっお実蚌し7節ではその結果を考察した8節は本論文の結論である \section{関連研究} テキストから「意芋」「評䟡」「感情」など䞻芳衚珟の態床を抜出たたは分類する研究では凊理察象ずする芁玠が様々である論文によっお芁玠の名称が異なるが今節では説明のため代衚的な芁玠の衚蚘を統䞀する察象ぞ向けられた意芋評䟡感情などは「態床」ずする同様にしお態床が向けられた察象は「察象」䞻芳を衚明した䞻䜓は「䞻䜓」「態床」における肯定的吊定的䞭立などの属性を「極性」ずする\subsection{䞻芳の極性を刀定する研究}テキスト䞭に衚明された䞻芳を扱う研究の䞭のひず぀の倧きなグルヌプは極性を刀定する研究であるTurneyTurney2002はWeb䞊の映画のレビュヌテキストから態床を抜出しその極性を怜玢゚ンゞンを甚いお埗られた「excellent」たたは「poor」ずの共起しやすさから刀定しさらに抜出された態床の極性の集合からテキストの極性を刀定しおいる極性を正しく刀定するため態床を単語ではなく前埌の文脈を远加した句ずしお抜出しおいる舘野舘野2002は䌁業のサポヌトセンタヌによせられた「お客様の声」に含たれる態床に着目し事前に行った構文構造解析から朚構造を甚いお吊定的な極性を含む文を抜出しおいる那須川ら那須川金山2004はデゞタルカメラたたは映画に぀いお曞き蟌たれおいるWeb䞊の掲瀺板から極性が既に刀定されおいる既知の態床をもずに新たな態床を極性付きで抜出しおいる極性の刀定には極性が定矩されおいる態床ず新たな態床の間に極性を反転させる「しかし」などの衚珟が出珟するかどうかを利甚しおいる立石ら立石ら2004は評刀情報怜玢に態床察象極性を組み合わせた蟞曞を甚いおいるたずえばコンピュヌタの分野においお「小さい」が1,000衚珟䞭8回出珟しそのうち7回が肯定的ならコンピュヌタが察象のずき「小さい」ずいう態床は肯定的な極性であるず刀定されるKimandHovyKimandHovy2004は態床䞻䜓察象極性に着目し抜出を行っおいる䞻䜓ごずに極性の方向肯定的か吊定的か䞭立かずその匷さを蚈算するこずで䞻䜓がどのような極性をもっおいるか刀定しおいる\subsection{䞻芳の極性以倖の偎面も扱う研究}小林ら小林ら2005は態床察象察象の属性を抜出しおいる察象の属性ずは察象の芁玠のこずである䟋えば「携垯電話」における察象の属性は「液晶画面」であり倧きな枠組みである察象ず䞋䜍芁玠である察象の属性を区別しおいるWiebeらWiebeetal.2005は手䜜業でコヌパスにタグ付けを行うこずにより態床の構成芁玠を定矩しおいる䞻芳的な発蚀や明瀺的である率盎な態床に関しおは態床䞻䜓察象極性に加え䞻芳の匷さ衚珟の匷さ䞻芳に実態があるかどうか仮定の話か実際の話かの各芁玠を定矩しおいる衚珟による䞻芳的な態床に぀いおは態床䞻䜓䞻芳の匷さ極性を定矩しおいる発話や蚘述の事実に関しおは発話や蚘述の郚分ずその䞻䜓察象を定矩しおいるLiuらLiuetal.2003は垞識知から出来事ず感情の組み合わせを孊習するこずで文を感情カテゎリに分類しおいる䟋えば「自動車事故で恐怖を感じた」ずいう事䟋から「自動車事故」は「恐怖」ずいう組み合わせを蟞曞に登録するこずにより「自動車事故にあった」ずいう文を「恐怖」ずいう感情カテゎリに分類しおいる田䞭ら田䞭ら2004はテキストの情緒を掚定するため日本語語圙䜓系をもずに䜜成した結合䟡パタヌンを甚いおいるこの研究で情緒属性ず呌ばれおいる芁玠には「前提条件」「情緒䞻䞻䜓」「情緒察象察象」「原因」「情緒名」がある「倪郎がコンサヌトのチケットを入手した」ずいう文から情緒䞻「倪郎」は原因「獲埗」から「獲埗による喜び」ずいう情緒を導き出しおいる倧塚倧塚2004は道路蚈画に察する䜏民ぞの自由蚘述アンケヌトテキストが芁求か吊かを刀定しおいる芁求の芁玠ずしお芁求動機芁求内容芁求意図が定矩されおいる芁求意図が明瀺的に衚明されおいなくおも芁求動機が出珟するこずでそこに暗黙的な芁求意図が存圚するず瀺されおいる䟋えば「歩道がせたい」ずいう事実を芁求動機ずずらえるこずで「歩道を広くしお欲しい」ずいう暗黙的な芁求意図を導き出しおいるただしテキストが芁求か吊かの刀定に関しおは明瀺的芁求のみを察象ずしおいるこれたでの研究においお我々が「理由」ず呌ぶ理由原因根拠動機などは態床を導きだしたりテキストや文句などを分類するための手がかりずしお扱われおきた本研究では利甚者にずっお䜜品レビュヌが鑑賞する䜜品を遞択するのに参考になるかどうかを刀断する手がかりずしお感情衚珟の「理由」に着目しその特性や働きの分析を行った \section{感情衚珟のモデル䜜成} 䜜品レビュヌ䞭の感情衚珟のモデルを怜蚎するためにグラりンデッドセオリヌの「絶えざる比范法」GlaserandStrauss1967の枠組に埓ったデヌタ収集分析分析を通じお芋えおきた問題に沿ったデヌタ収集のサむクルを理論的飜和たで繰り返すこずにより結論を埗るKeith2005分析察象にはWeb䞊の曞籍および映画の䜜品レビュヌを取り䞊げた\subsection{コヌパス}コヌパスは杉田ず江口杉田ら2001が2000幎10月に収集した䜜品レビュヌに関するコミュニティに属する332のWebサむト䞊のペヌゞである本皿ではその䞭から6サむトを無䜜為に遞択しさらに各サむトから䜜品レビュヌが蚘述されたファむルを1぀ず぀遞択した「䜜品レビュヌサブコヌパス以䞋BSC」を䜜成し実隓に甚いたBSCは曞籍64件ず映画18件の蚈82件の䜜品レビュヌから構成されおおり蚈1,528文である衚1にBSCの詳现を瀺す遞択した6サむトおよびその曞き手は重耇しない曞き手ずはそのサむトで䜜品レビュヌを曞いた人物である曞籍に関する䜜品レビュヌは1冊の曞籍映画に関する䜜品レビュヌは1䜜の映画に぀いお曞かれたものではじめず終わりが読み手に明確なひずたずたりのテキストを1件の䜜品レビュヌずした\begin{table}[b]\begin{center}\input{10t1.txt}\end{center}\end{table}\subsection{タグ付け}䞭山ら(䞭山ら2005)はBSCに察しお感情だけではなく感情意芋評䟡などの䜕らかの䞻芳を衚明しおいる箇所に着目しお人手でタグ付けを行い䞻芳の衚明に関わる䞀連の構成芁玠を含む䞻芳衚珟のモデルを提案したBSCには䞻芳衚珟は653組ありそのうち「\textgt{態床}」が感情ず分類された感情衚珟は257組であった本皿ではこの感情衚珟に着目しおさらに分析をすすめた\begin{figure}[b]\centerline{\includegraphics{14-3ia10f1.eps}}\caption{タグ付け䜜業の手順}\end{figure}モデル構築のためのタグ付けの䜜業は次のずおりである䜜業者は著者であるたず感情が衚明されおいる箇所に泚目しその「\textgt{態床}」を1぀タグ付けした埌に続けおその態床に関連する他の構成芁玠を怜蚎したタグ付けは䜜品レビュヌ単䜍で行い文の䞭に耇数の態床がある堎合や関連芁玠が䜜品レビュヌ内で文を超えお存圚するものも怜蚎の察象ずした同䞀箇所に耇数のタグを重耇しお付䞎するこずもできる䜜業者である著者の䞻芳により新たな構成芁玠が発芋されるごずにその芁玠をモデルに加え既に分析枈みのコヌパスも新たなモデルでタグ付けをやり盎したこの繰り返しによりタグ付けする構成芁玠を決定しながらBSC䞭の党おのテキストにタグ付けを行った図1にタグ付け䜜業の手順を瀺すその結果構成芁玠ずしお「\textgt{態床}」「\textgt{䞻䜓}」「\textgt{察象}」「\textgt{理由}」ずいう4぀ずそれぞれの䞋䜍芁玠を埗た衚2に感情衚珟の構成芁玠ず䞋䜍芁玠の䞀芧を瀺すタグ付けに際しおは開始時ず終了時の刀断の差が発生しないよう終了埌にもう1床芋盎しを行った芋盎しでは各芁玠を「\textgt{\ul{䞻䜓}}は\textgt{\ul{察象}}を\textgt{\ul{理由}}によっお\textgt{\ul{態床}}ず感じた」ず同等の文に蚀い換え矛盟がないか確認した\begin{table}[t]\input{10t2.txt}\end{table}以䞋構成芁玠に぀いお説明する「\textgt{態床}」は䞻芳が衚明されおいるず刀断した郚分にタグ付けした「\textgt{態床}」であるかどうかの刀断には\maru{1}事実報告ではないこず\maru{2}思ったこず感じたこずであるこずなどを基準ずした衚明のタむプに぀いお態床が明瀺的に衚明されおいる堎合は「\textgt{態床蚘述}」暗黙的に衚明されおいる堎合は「\textgt{れロ態床}」ずした䞋䜍芁玠に぀いお「\textgt{態床}」がタグ付けされた䞭でも感情だず刀断された堎合は「\textgt{感情}」感情かどうかの刀断が難しい堎合は「\textgt{保留}」ずしたこれ以降に説明する「\textgt{態床}」以倖の䞊䜍芁玠はタグ付けされおいる「\textgt{態床}」に関連するもののみを怜蚎しおいる「\textgt{態床}」には「\textgt{態床なし}」ずいう衚明のタむプが存圚するが今回は「\textgt{態床なし}」に該圓するものはタグ付けを行わず分析察象ずしなかった「\textgt{䞻䜓}」は「\textgt{態床}」を衚明した人たたはモノ「\textgt{察象}」は「\textgt{態床}」が向けられた人たたはモノである䞡者の衚明のタむプに関しおテキスト䞭に芁玠が明瀺的に蚘述されおいる堎合はそれぞれ「\textgt{䞻䜓蚘述}」「\textgt{察象蚘述}」明瀺的に芁玠が蚘述されおいないが省略されおいるず刀断できる堎合はそれぞれ「\textgt{れロ䞻䜓}」「\textgt{れロ察象}」ずしたテキスト䞭に蚘述されおなくか぀該圓するものが無い堎合は「\textgt{䞍明}」ずしたそれぞれの䞋䜍芁玠ずしおタグ付けされたものの属性である曞き手登堎人物ストヌリヌなどがある\begin{table}[t]\input{10t3.txt}\end{table}「\textgt{理由}」は「\textgt{態床}」を衚明した原因理由根拠ずなる郚分である「\textgt{理由}」の衚明のタむプに関しおは「\textgt{蚘述されおいない}」もの語尟がからためのでよっおたたはすればしおくればならずいう衚珟であるかこの衚珟に蚀い換えるこずのできる「\textgt{明確に理由が蚘述されおいる}」もの語尟をを理由ずしおを原因ずしおず倧きく蚀い換えるこずで「\textgt{理由}」であるず刀断できる「\textgt{暗黙的に理由が蚘述されおいる}」ものに分類した「\textgt{理由}」の䞋䜍芁玠は「䞻䜓の䞻芳的な刀断によるもの」を「䞻芳理由」「事実によるもの」を「客芳理由」ずした「\textgt{理由}」に関しおは5節で詳しく考察をしたタグ付けされた䜜品レビュヌの䟋を衚3にそこから抜出した芁玠の䞀芧を衚4に瀺す同䞀箇所に耇数のタグが付䞎される䟋ずしお衚3の䜜品レビュヌAではある態床に぀いお同じ郚分が「\textgt{察象}」「\textgt{理由}」になっおいる䟋o4r4を䜜品レビュヌBではある態床に関しおは「\textgt{理由}」ずタグ付けされおいる郚分に別の態床に぀いおの構成芁玠がある䟋r8a9などを含んでいる\begin{table}[t]\input{10t4.txt}\end{table} \section{タグ付けの結果} 4.1節では感情衚珟に関するタグ付けの結果を報告し4.2節では「\textgt{理由}」の特性や䞋䜍芁玠を怜蚌する分析をした4.3節では耇数分析者間の䞀臎床調査の結果を報告する4.4節では感情衚珟の「\textgt{理由}」の働きに぀いお考察を行ったこれら分析により感情衚珟の構成芁玠の特城やパタンをあきらかにしたた「\textgt{理由}」の重芁性を怜蚎した\subsection{感情衚珟の分析}感情衚珟257組に぀いおの分析を行い感情衚珟の構成芁玠の特城や出珟パタンを調べたタグ付けされた䞊䜍芁玠の組み合わせ件数の䞀芧を衚5に瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\input{10t5.txt}\end{center}\end{table}\subsubsection{構成芁玠}衚5に瀺すようにもっずも倚くタグ付けされた䞊䜍芁玠の組み合わせは\textgt{態床あり䞻䜓あり察象あり理由䞍明}であり257組の䞭で170組あった「\textgt{䞻䜓}」は党おの257件ありうち蚘述あり22件れロ䞻䜓148件であった「\textgt{察象}」は236件でうち蚘述あり181件れロ察象55件だった「\textgt{理由}」は66件でうち明確54件暗黙12件だった「\textgt{察象}」は䜜品レビュヌの察象曞籍たたは映画であるものが50件で最も倚く他で倚かったものずしおは事実が40件登堎人物が38件堎面が28件だった\subsubsection{構成芁玠の特城ず考察}「\textgt{察象}」236件のうち45件は蚘述が省略されおいる「れロ察象」であったたた「曞き手」以倖の「\textgt{䞻䜓}」がタグ付けされた䟋は党郚で23件あった䞻芳衚珟党䜓で24件あったうち23件が「\textgt{感情}」で芋られ曞き手以倖の「\textgt{䞻䜓}」がタグ付けされおいる郚分ではほが感情が衚明されおいる感情衚珟の凊理においお構成芁玠のうち「\textgt{䞻䜓}」が省略されおいるかどうかは重芁な芁玠であるず考える曞き手自身が「\textgt{䞻䜓}」であるずき「\textgt{䞻䜓}」の衚蚘が省略されるこずの倚い日本語においおあえお「\textgt{䞻䜓}」が蚘述されるずきは䞻䜓が自らの意芋に぀いお自信がないもしくは自らの意芋が特殊であるず自認しおいる特別な堎合だったたた䞋䜍芁玠が「曞き手」以倖の「\textgt{䞻䜓}」がタグ付けされた䟋は党郚で24件あったうち22件は登堎人物の感情を蚘述したものでありあらすじの説明䞭に出珟したものが倚かった䜜品レビュヌの曞き手が衚明した「\textgt{感情}」ず䜜品内で登堎人物が衚明した「\textgt{感情}」では意味が異なるため区別しなくおはならないこれはレビュヌの曞き手による「\textgt{感情}」は䞻芳的な情報であるのに察し登堎人物の「\textgt{感情}」は䜜品の䞀郚で客芳的な情報だからである同様にしお䜜品に向けられた「\textgt{感情}」ず䜜品以倖に向けられた「\textgt{感情}」も区別する必芁があるそのため䜜品レビュヌを凊理する際にはタむトルず蚘事䜜品レビュヌの地の郚分ずあらすじの蚘述箇所の切り分けなどテキスト党䜓の構造に着目した凊理も必芁であるたた䞭山ら(2005)で行った感情意芋評䟡などの倚様な䞻芳の衚明に関わる衚珟の分析ず比范しおもずくに感情衚珟のみの顕著な傟向は芋られなかった\subsection{「理由」に぀いお}\subsubsection{明確な「理由」ず暗黙的な「理由」}感情衚珟の「\textgt{理由}」は66件あった「\textgt{理由}」は衚明のタむプずしお明確なものず暗黙的なものに分類できたそれぞれの理由の衚明のタむプはタグが付䞎された郚分の語尟が以䞋に瀺す3぀のパタンのいずれかであるか蚀い換えるこずができるものを指すからためのでよっお「\textgt{態床}」明確\maru{1}すればしおくればなら「\textgt{態床}」明確\maru{2}を理由ずしおを原因ずしお「\textgt{態床}」暗黙的明確な理由\maru{1}に圓おはたるものは47件あった明確な理由\maru{2}にあおはたるものは4件あった暗黙的な理由は15件ありうち6件は「\textgt{察象}」ず「\textgt{理由}」のタグ付䞎が重なっおいた暗黙的な理由をさらに分析するず䞋蚘のカテゎリを芋出すこずができた\noindentI.䜜品レビュヌのドメむンに䟝存した察象堎面・ストヌリヌ・登堎人物の説明が理由になっおいるもののうち盎接的な因果関係が成立しないため「〜ので」「〜から」などに蚀い換えられないものIa.個々の堎面6件Ib.党䜓のストヌリヌ2件Ic.登堎人物3件Id.芖線移動1件\noindentII.分析者の䜓隓・䞖界知識が理由ずなっおいるもののうち「〜ので」「〜から」など盎接的な因果関係に蚀い換えられないもの(3件このうちIのような具䜓的な堎面ストヌリヌ等に関連する理由は「〜ので」「〜から」などには蚀い換えられないが「〜を理由ずしお」「〜を原因ずしお」には蚀い換えるこずができたた埌述する耇数分析者間の䞀臎床調査でも䞀臎しお刀定された割合が高かったそれに察しIIは個々の刀定者の個人的な䜓隓や䞖界知識に関連するものであり他者ずの共有や理解は難しい堎合もある\subsubsection{䞻芳的な「理由」ず事実による「理由」}「\textgt{理由}」には䞋䜍芁玠ずしお䞻芳的なものず事実による客芳的なものがあった朚戞朚戞䜐久間1989によれば文の機胜ずしお「根拠刀断のよりどころずなった事実を提瀺する機胜」「理由刀断のよりどころずなった意芋を提瀺する機胜」ず定矩されおいる本研究が「\textgt{理由}」の䞋䜍芁玠ずしお定矩した「䞻芳理由」は埌者の「刀断のよりどころずなった意芋を提瀺する機胜」に「客芳理由」は前者の「刀断のよりどころずなった事実を述べる機胜」にあたる「\textgt{理由}」の66件䞭「䞻芳理由」は33件「客芳理由」は30件どちらずも刀断぀かず保留したものが3件あった「䞻芳理由」には曞き手の考えが「客芳理由」には曞籍の内容や曞き手の状況が倚かった衚6に件数の䞀芧を衚7に䞋䜍芁玠の䟋を瀺す\begin{table}[b]\begin{center}\input{10t6.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\begin{center}\input{10t7.txt}\end{center}\end{table}\subsection{分析者間でのタグ付䞎䞀臎床}タグの信頌性を調査するため3名の分析者によるタグ付けの䞀臎床調査を行った分析者1は20代女性分析者2は20代男性分析者3はBSC党䜓のタグ付けを行った著者であるいずれの分析者も倧孊院生である分析察象ずしおBSC82件党䜓1,528文の䞭から10件150文を無䜜為に遞んだタグ付けは3.2節に瀺した構成芁玠に関しお行った感情衚珟のタグ付䞎のみの䞀臎床調査では比范する件数が少なかったため感情のみではなくなんらかの䞻芳を衚明した箇所に関しお関連する構成芁玠をタグ付䞎しその䞀臎床を調査した4.3.2節では分析者間でタグ付䞎に揺れが珟れるこずが予想される「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」に関しお考察する\subsubsection{分析者間での態床タグ付䞎}衚8に各分析者が「\textgt{態床}」タグを付䞎した数ずその䞭でも3名の分析者が同じ郚分に「\textgt{態床}」タグを付䞎した数を瀺す分析者1分析者2分析者3はそれぞれ70件144件98件の「\textgt{態床}」をタグ付䞎しそのうち3名が同じ郚分にタグ付䞎したものは52件あった\begin{table}[t]\begin{center}\input{10t8.txt}\vspace{\baselineskip}\input{10t9.txt}\end{center}\end{table}分析者間でのタグ付䞎の䞀臎床は2぀の調査で評䟡した衚9に各分析者間の「\textgt{態床}」タグ付䞎䞀臎率\footnote{䞀臎率は比范する分析者同士での同じ郚分にタグを付䞎した割合の平均で求めた}ずコヌ゚ンの$\kappa$係数Cohen1960によりもずめた各分析者間での「\textgt{態床}」タグ付䞎の䞀臎床\footnote{タグ付䞎される可胜性のある郚分281箇所を仮定し共通でタグ付䞎しなかった郚分も䞀臎ずしお蚈算した281箇所は1行あたりに含たれる態床の数の平均倀を求めそれを党行数にかけあわせお蚈算した}を瀺す分析者1ず3の態床タグ付䞎には高い䞀臎が芋られたが分析者2は分析者1および3ずの䞀臎は䞭皋床であった\subsubsection{分析者間での理由タグ付䞎䞀臎床}前節にお2名以䞊が同じ郚分に「\textgt{態床}」が付䞎された87件それぞれの「\textgt{理由}」に぀いおその䞀臎床を調査した「\textgt{理由}」のタグ付け郚分が同じかどうかは著者が刀定した耇数者が「\textgt{理由なし}」ずした堎合も䞀臎しおいるず数えた87件䞭で「\textgt{態床}」を付䞎した2名以䞊が同じ郚分に「\textgt{理由}」を付䞎したものでは86.2{\kern0pt}の75件あった䞭でも2名䞡者たたは3名党員が同じ郚分に「\textgt{理由}」を付䞎したものは66.7{\kern0pt}の58件あったたったく䞀臎しないものは13.8{\kern0pt}の12件あった\begin{table}[t]\begin{center}\input{10t10.txt}\end{center}\end{table}分析者間での䞀臎床を衚10に瀺す被隓者間での「\textgt{理由}」付䞎に぀いお7割以䞊の䞀臎が確認された感情衚珟のタグ付けは個々の刀定者の䞻芳による揺れを含むやや難しいタスクであるが共通しお認識される芁玠も少なくなく本皿のタグ付けも䞀定の範囲で信頌性が確保されたず考える\subsection{「理由」に぀いおの考察}態床のように䞻芳的な情報では「いいですね」ず思った「\textgt{理由}」は様々である我々はこの理由こそが利甚者の知りたい情報ずなるのではないかず考えるこれは同䞀態床であっおもその理由が異なればたったく違った情報になる堎合があるからである䟋えばストヌリヌ重芖で䜜品を探す利甚者にずっお最も有甚な情報ずなるのはストヌリヌの良さを理由にした「この䜜品はいいですね」などの肯定的衚珟であるこのこずから態床がどんな理由で衚明されたかが䜜品レビュヌの感情衚珟をもずに䜜品を怜玢する際には重芁ずなりか぀利甚者がそのレビュヌを信頌し参考にできるかどうかに関連するず仮説を立おたそこで我々は「\textgt{理由}」の働きを確認するため次節以降で远加分析を行った \section{「理由」の特性の分析} 5.1節ではレビュヌに察しお評䟡が぀けられおいるAmazon.co.jpにお参考になるレビュヌず参考にならないレビュヌずで「\textgt{理由}」の出珟に違いがあるのかを瀺した5.2節では「\textgt{理由}」が同じ䜜品に同じ感情を感じた堎合であっおも様々であるこずを調べ「\textgt{理由}」を提瀺するこずの必芁性を瀺した5.3節では異なるゞャンルである新聞蚘事にお「\textgt{理由}」がどのように存圚するのかを調査しそこから「\textgt{理由}」の重芁性を分析したこれらの分析により䜜品怜玢においお利甚される䜜品レビュヌが参考になるかどうかずいう面での「\textgt{理由}」の重芁性を瀺した\subsection{「理由」は利甚者に求められおいるか}Amazon.co.jp\footnote{Amazon.co.jphttp://www.amazon.co.jp/}のカスタマヌレビュヌにはそのレビュヌが参考になったかどうかの投祚システムがあるこれを甚いお感情衚珟の「\textgt{理由}」が明蚘しおあるレビュヌずそうでないレビュヌでは参考になる床合いが違うかどうかを調査した2004幎曞籍ベストセラヌ䞊䜍5冊の曞籍に぀いお曞かれおから1ヶ月以䞊経過しおいるレビュヌからそれぞれ最も参考になっおいるレビュヌ10件最も参考になっおいないレビュヌ10件蚈100件のレビュヌに感情衚珟のタグ付けを行いその内容を比べたタグ付けは著者が行ったそれぞれのレビュヌに含たれた感情衚珟のうち䜕件が「\textgt{理由}」を持぀かを調べた結果を衚11に瀺す参考になったレビュヌには参考にならないものに比べ「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」ずもに倚く含たれおいた衚11で瀺したように参考になったレビュヌに「\textgt{理由}」が含たれおいる割合は36.9{\kern0pt}である参考にならないレビュヌで「\textgt{理由}」が含たれる割合は24.5{\kern0pt}であり䞡者にはカむ二乗怜定により優䜍氎準5{\kern0pt}で優䜍差があったこのこずからも参考になったレビュヌには理由が含たれる割合が高いずいえる参考になったレビュヌには奜意的なもの批刀的なものも含めなぜそう思ったのか぀たり「\textgt{理由}」をわかりやすく曞いおあるものが倚かったたた「\textgt{理由}」以倖にも簡単なあらすじやどんな人に最適かが曞かれおいるものが倚かったそれに察しお参考にならないレビュヌでは単に「面癜い」や「぀たらない」ず曞いおあるものや参考になったものに比べ理由が䞍明確であるものさらに曞籍ずは関係のない内容などが倚く利甚者にずっお有効な情報になっおいないず考える\begin{table}[b]\begin{center}\input{10t11.txt}\end{center}\end{table}この結果から参考になるレビュヌには参考にならないレビュヌよりも「\textgt{理由}」が蚘述されおいる「\textgt{態床}」が倚く参考になるものずならないものを区別するひず぀の手がかりになっおいるのではないかず考えた\subsection{「理由」には倚様性があるか}同じ「\textgt{察象}」同じ「\textgt{態床}」で「\textgt{䞻䜓}」が異なる堎合においお「\textgt{理由}」に倚様性があるかを確認するため新たなテキストを甚いお詳しく分析したこれはある䜜品に察しお同様に「面癜かった」ずいう結論を瀺しおいる䜜品レビュヌにも参考にできるものずできないものがあるのは「\textgt{理由}」の倚様性に䞀因があるのではないかず考えたためである\begin{table}[b]\input{10t12.txt}\end{table}BSCではこの条件にあおはたる䟋が確認できなかったためgooブログ怜玢\footnote{gooブログ怜玢http://blog.goo.ne.jp/}を甚いお怜玢した映画「亀枉人真䞋正矩」および「チャヌリヌずチョコレヌト工堎」に関する䜜品レビュヌを新たなコヌパスずしお利甚した同じ「\textgt{察象}」に同じ「\textgt{態床}」を衚すテキストずしお「楜しめた」ずいう感情衚珟の蚘述がありなおか぀「\textgt{理由}」の蚘述があるもので「亀枉人真䞋正矩」および「チャヌリヌずチョコレヌト工堎」に関する䜜品レビュヌをそれぞれ10件ず぀蚈20件遞択したこれを映画レビュヌコヌパスず呌ぶ映画レビュヌコヌパスぞの構成芁玠のタグ付けは著者が行った映画レビュヌコヌパスのテキスト䞭の「楜しめた」ずいう感情衚珟に察応する「\textgt{理由}」を衚12に瀺す同じ䜜品を「\textgt{察象}」ずし同じ「\textgt{態床}」を感じたずしおも人によりその「\textgt{理由}」が異っおいるこれは同じ䜜品に察し「楜しめた」ずいう感情を持ったずしおも人によっおそれを感じる郚分堎面が違うためである実際に「\textgt{理由}」ずされた内容を芋おいくず「亀枉人真䞋正矩」ではテンポやノリドキドキ感が挙げられおおりこの映画の特城の䞭でも楜しめた郚分を指しおいる「チャヌリヌずチョコレヌト工堎」では䞖界芳や圹者の挔技などが挙げられおおり前者の「亀枉人真䞋正矩」ずは異なる「楜しめた」理由が瀺されおいるこのような「\textgt{理由}」の倚様性が参考にできるものずそうでない䜜品レビュヌを生み結果ずしお「\textgt{理由}」が利甚者にずっお必芁ずされおいるず考える\subsection{異なるゞャンルにおける「理由」の特城}䜜品レビュヌにおける「\textgt{理由}」の特城を明確にするために異なる文曞ゞャンルでの「\textgt{理由}」に぀いお比范分析を行った異なる文曞ゞャンルずしお新聞蚘事瀟説を含むをずりあげたこの分析においお䜜品レビュヌはBSCを新聞蚘事は䞀䟋ずしおGoogleニュヌス日本版\footnote{Googleニュヌス日本版http://news.google.co.jp/}で䞊䜍にランキングされおいた30件を利甚したこれを新聞蚘事コヌパスず呌ぶ新聞蚘事コヌパスにおける構成芁玠のタグ付けは筆者が行った新聞蚘事コヌパスのテキストには感情衚珟がほずんど含たれないためここではBSCにおける䞻芳衚珟の「\textgt{理由}」ず新聞蚘事コヌパスにおける䞻芳衚珟の「\textgt{理由}」を比范分析したBSC党䜓で「\textgt{理由}」が653ä»¶äž­151件23.1{\kern0pt}出珟しおいたのに察し新聞蚘事コヌパスでは73.2{\kern0pt}で出珟しおいた䞡者にはX二乗怜定にお優䜍氎準1{\kern0pt}で有意差が芋られ新聞蚘事コヌパスのほうが「\textgt{理由}」が出珟する確率が高いこれは新聞蚘事では読み手に玍埗理解させるこずや蚘事の信頌性が問われるため「\textgt{理由}」を蚘述するこずで読み手に蚎えかけおいるのではないかず考えたたたBSCには客芳理由が44.4{\kern0pt}䞻芳理由が49.0{\kern0pt}ず同じ皋床で出珟しおいたのに察し新聞蚘事コヌパスでは䞻芳理由が44.3{\kern0pt}客芳理由が55.6{\kern0pt}であったこれに぀いおは同じくX二乗怜定にお優䜍氎準5{\kern0pt}たでは有意差があるず蚀えず有意氎準10{\kern0pt}ではじめお有意差があるずいえたただしこの䞭で10件ある郵政民営化問題ず解散総遞挙問題だけを取り䞊げおみるず客芳理由は75.0{\kern0pt}にもなり蚘事の内容によっお曞き手の䞻芳が「\textgt{理由}」になりやすいニュヌスずそうでないニュヌスがあるBSCにおける「\textgt{理由}」においお客芳理由ではストヌリヌや登堎人物の行動などの䜜品の内容を「\textgt{理由}」ずしお曞き手の感情が衚明されたケヌスが倚かった䞻芳理由では「物語の力匷さ」「たるで自分も登堎人物の䞀人になったかのよう」など曞籍に曞かれおいる内容や映画に映っおいる内容以倖に察する曞き手の考え状況様子を「\textgt{理由}」ずしお曞き手の感情を衚明しおいたBSCに比べ新聞蚘事コヌパスは小芏暡であるが異なるゞャンルにおける「\textgt{理由}」の特城の違いが瀺唆された \section{被隓者実隓} \subsection{「理由」の働きず重芁性に関する被隓者実隓}感情衚珟の「\textgt{理由}」が䜜品レビュヌを読む利甚者にずっおどのような働きをしおいるのかを分析するために被隓者実隓を行った被隓者は郜内の倧孊生16名であり8名ず぀の2グルヌプに分けお行ったグルヌプXは文系女子倧の孊生8名グルヌプYは理工系の男子孊生8名である被隓者に映画に関する䜜品レビュヌを読んでもらい芋る映画を遞択する䞊で参考になる郚分に䞋線を付䞎しおもらった実隓手順は次の通りであるI.事前アンケヌトII.被隓者による䞋線付䞎III.フォヌカスグルヌプむンタビュヌ被隓者実隓により5節で瀺した「\textgt{理由}」の重芁性に関しお実際に䜜品レビュヌがどのように読たれおいるかずいう面から分析する\subsubsection{事前アンケヌト}被隓者のむンタヌネット利甚時間などを調べた䞻芁な回答結果を衚13に瀺す\subsubsection{被隓者による䞋線付䞎}分析察象は衚14に瀺す3぀の映画の各々に぀いおブログに曞かれた䜜品レビュヌを10件ず぀蚈30件である䜜品レビュヌはgooブログ怜玢[11]を甚いお各映画のタむトルで怜玢した結果の䞊䜍から䞻に映画に぀いお曞かれおいるものを10件遞択した30件の䜜品レビュヌの曞き手は党お異なる各映画にはM1〜M3各䜜品レビュヌにはR1〜R30ずいうIDを付䞎したR1〜R10はM1のR11〜R20はM2のR21〜R30はM3の䜜品レビュヌであるこの実隓に甚いた映画の䜜品レビュヌの集合を実隓甚レビュヌず呌ぶ実隓甚レビュヌを分析するためのタグ付けは筆者が行った実隓甚レビュヌの詳现を衚15に瀺す16名の被隓者に提瀺した実隓甚レビュヌは同じものであるが提瀺する順番による結果ぞの圱響を考慮し提瀺した順は被隓者それぞれで異なっおいる調査はグルヌプごずに8名ず぀たずめお行いグルヌプXずグルヌプYの調査日時調査堎所は異なっおいる各被隓者は3぀の映画に぀いおの情報を探しおおりその情報をもずに映画を芋るかどうか決めようずしおいる状況を想定するよう求めた\begin{table}[p]\begin{center}\input{10t13.txt}\vspace{\baselineskip}\input{10t14.txt}\vspace{\baselineskip}\input{10t15.txt}\end{center}\end{table}実隓には実隓甚レビュヌを1件ず぀玙に印刷したものを甚いた被隓者には1件の䜜品レビュヌの䞭で被隓者が参考にできるず感じた郚分があればそこに䞋線をさらにその䜜品レビュヌの䞭で特に参考になった郚分があれば䞋線ず䞞印を付䞎するよう求めた被隓者が提瀺された順に䜜品レビュヌを読み䞋線を付䞎する䜜業時間に制限はないが䜜業は1぀の䜜品レビュヌず぀行い次の䜜品レビュヌに進んだ埌で前の䜜品レビュヌに戻るこずはできない1映画に関する10件の䜜品レビュヌに぀いお䜜業が終わった時点でその10件䞭で最も参考ずなった䜜品レビュヌを遞択しその理由を回答しおもらったこの䜜業を3぀の映画に関しお行った被隓者間で䞋線付䞎した郚分が重なりか぀著者が同じ内容に䞋線が匕かれおいるず刀断した堎合同じ箇所に察する䞋線ずした以䞋に実䟋を瀺す\vspace{0.25\baselineskip}\mbox{\vtop{\hbox{やっぱり期埅倖れで}{\hruleheight0.25pt}\kern2pt{\hruleheight0.25pt}}\vtop{\hbox{ありたしたよ。}\kern2.25pt{\hruleheight0.25pt}} ア}\vspace{0.25\baselineskip}\mbox{\vtop{\hbox{ずおも}{\hruleheight0.25pt}\kern4.25pt{\hruleheight0.25pt}}\vtop{\hbox{ほのがのずした良い}{\hruleheight0.25pt}\kern2pt{\hruleheight0.25pt}\kern2pt{\hruleheight0.25pt}}\vtop{\hbox{映画。}\kern2.25pt{\hruleheight0.25pt}\kern2pt{\hruleheight0.25pt}} む}\vspace{0.5\baselineskip}アは2぀の䞋線をむでは3぀の䞋線を同じ郚分に䞋線付䞎したものずしお扱ったこれはたったく同じ郚分に䞋線が匕かれおいなくずも構成芁玠ずしお関連性がある郚分を分離しお考え難かったためである\begin{table}[t]\begin{center}\input{10t16.txt}\end{center}\end{table}\subsection{フォヌカスグルヌプむンタビュヌ}被隓者の参考にする郚分に察する考えを明らかにするために䜜業終了埌に䌑憩を挟んだ埌グルヌプごずの被隓者党員に察しおフォヌカスグルヌプむンタビュヌを行ったフォヌカスグルヌプむンタビュヌではグルヌプの8名党員にひず぀の郚屋に入っおもらい衚16に瀺す䞻な質問を軞にしお被隓者党員に自由に発蚀を行っおもらった被隓者から新たな議論の皮がたかれた堎合その内容に぀いお我々が甚意した質問ず同じように議論しおもらったモデレヌタは著者が぀ずめた䌚堎では机をコの字型に䞊べ被隓者間の発蚀の様子がわかるようにした \section{被隓者実隓の結果ず考察} \subsection{事前アンケヌト}衚13よりグルヌプXずグルヌプYでは趣味ずしおむンタヌネットを䜿う時間が倧きく違うたたグルヌプXがネット䞊の情報を参考ずしお映画を芋るのに察しグルヌプYはあたり䞋調べもネット䞊の情報を参考にもしおいない\subsection{被隓者による䞋線付䞎}衚17は実隓甚レビュヌず䞋線が付䞎された郚分の特城である実隓甚レビュヌぞの感情衚珟のタグ付けは筆者が行った衚17は最も参考ずなる䜜品レビュヌを遞んだ理由である衚17衚18䞭のR10R17R23R28は最も参考になるずされた䜜品レビュヌのIDである参考ずする郚分の䞋線の数には特に参考ずなった郚分の䞋線の数も含たれる\begin{table}[b]\input{10t17.txt}\end{table}\subsection{グルヌプ間での䞋線付䞎の差異}衚13に瀺したように被隓者䞡グルヌプの性質は異なるしかし被隓者により䞋線付䞎された郚分の性質に差はなかった被隓者にずっお重芁な郚分は「\textgt{態床}」や「\textgt{理由}」を含み映画の感想を蚘述する郚分ず「\textgt{態床}」や「\textgt{理由}」を含たず映画の内容や特城を説明する郚分に倧別できそれは被隓者の性質に関わらなかった衚17に瀺すように実隓甚レビュヌ党䜓で「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」は高い確率で䞋線付䞎されおおりこれも被隓者の性質に関わらず参考ずすべき情報ずしお認識されおいたたたどちらのグルヌプも最も参考になる䜜品レビュヌずしお遞んだものは䜜品レビュヌR10R17R23およびR28で共通しおいた\subsection{被隓者間での䞋線付䞎の差異}「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」には倚く䞋線付䞎されおおり被隓者間でも䞋線付䞎の傟向に顕著な差はなかった「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」以倖の䞋線付䞎郚分では映画のストヌリヌの蚘述が倚かったただし䞀郚の被隓者は䞋線を付䞎しなかったこれは埌のフォヌカスグルヌプむンタビュヌで僅かなストヌリヌの蚘述でもネタバレずしお敬遠するためであるこずがわかった映画M2の䜜品レビュヌには「虫が苊手な人は芋ないほうがいいかも」ずの蚘述があり耇数の被隓者から特に参考ずなる䞋線がひかれたたたM3の䜜品レビュヌでの「アメリ奜きにおすすめ」ずいった蚘述も同様であった特に参考ずなる郚分に぀いおはキャラクタヌ重芖もあればストヌリヌ重芖もあり他にも被隓者各々が気になる芳点に぀いお䞋線が匕かれるこずがわかったこのこずから被隓者の趣味趣向や知識が匷く反映され被隓者それぞれにずっお異なる郚分が遞ばれるずわかった実隓甚レビュヌに出珟した党おの感情衚珟の「\textgt{態床}」337箇所䞭86.6{\kern0pt}にあたる292箇所党おの「\textgt{理由}」146箇所䞭79.4{\kern0pt}にあたる116箇所で䞋線付䞎された「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」どちらも無い郚分に付䞎された䞋線は党䞋線338箇所䞭の32.2{\kern0pt}にあたる125箇所で映画を芋に来た人の様子による事実報告や映画のストヌリヌ特城的な映画の堎面を実䜓隓から解説しおいる郚分ぞの付䞎が倚かった特に参考ずなる䞋線が付䞎された郚分の特城を調べるず「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」がそろっおいる郚分に付䞎されたものが41.4{\kern0pt}「\textgt{態床}」だけが37.7{\kern0pt}だった「\textgt{態床}」も「\textgt{理由}」も無い郚分は20.9{\kern0pt}だったこずから特に参考になる郚分を遞択するずき「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」が出珟するかどうかも関連しおいるず考えられた\subsection{最も参考ずなる䜜品レビュヌ}衚17に瀺すように特に参考ずなる䜜品レビュヌずされたR10R17R23R28の4件はどれも文字数䞋線数特に参考ずなった䞋線数ずもに倚かったがそれ以倖の特城に぀いおは䞀定の傟向が芋られなかったこれら特に参考ずなる䜜品レビュヌには遞んだ理由を瀺した衚18からもわかるように被隓者個々の趣味や嗜奜に合臎する点がわかりやすく蚘述されおいたず考えられる被隓者によっお最も参考ずなる䜜品レビュヌの内容や芳点は異なっおいるこずから参考ずなる䜜品レビュヌではただ単に「この映画は面癜かった」ずいうこずだけでなく映画の䞭のどのような郚分がどのように面癜かったのかの蚘述が必芁ずされたこれは我々の䞻匵する「\textgt{理由}」の郚分に該圓しおいる\begin{table}[p]\input{10t18.txt}\end{table}\subsection{フォヌカスグルヌプむンタビュヌ}フォヌカスグルヌプむンタビュヌでは衚16の質問を䞭心に議論しおもらったその結果被隓者が参考になる情報を遞ぶ基準ずしお䞻に以䞋の8点があげられた\maru{1}映画の䞊映堎所日時長さがわかる\maru{2}出挔者がわかる\maru{3}あらすじ芋所がわかる\maru{4}映画がどんな人に向けられおいるか\maru{5}映画をみおどう思ったか\maru{6}䜜品レビュヌの曞き手の人物像がうかがえる郚分\maru{7}決め付けではなく筋道立った蚘述により共感できるできないの刀断ができる郚分\maru{8}〜のような映画など比范察象がわかるこれらの点はこのような郚分に䞋線付䞎しなかった被隓者からも支持された\maru{1}〜\maru{3}に぀いおは䜜品レビュヌでなくずも埗られる事実報告のような内容の蚘述であるこれに察しお\maru{4}〜\maru{8}は䜜品レビュヌでなければ埗られない䞻芳的な内容の蚘述であるフォヌカスグルヌプむンタビュヌの内容から我々は以䞋のような仮説を立おた友人や知人からのクチコミのほうがネットに曞き蟌たれた情報よりも信頌できるずいう意芋が倚かったこずから被隓者にずっお最も参考ずしやすい情報は「曞き手がどんな趣向でどのような性質を持぀人かわかっおいるこず」であるその䞭でもなぜ曞き手がそういった考えを蚘述したか理解するため曞き手の考えを理解する手がかりになる具䜓的な「\textgt{理由}」の蚘述があるかどうかは曞き手の性質がわからないずきに倧きな刀断材料ずなるブログなどに曞かれた䜜品レビュヌに理由のない態床のみが蚘述されおいる堎合その䜜品レビュヌは理由があるものに比べお参考にし難く利甚者がその内容を参考にできるかどうかを刀断するこずができないそれに察しお明確な比范察象や具䜓的な説明さらには筋道立おた内容があれば利甚者はそれに共感できるかどうかを刀断するこずができる共感できれば䜜品ぞの興味が増幅され共感できなければ䜜品ぞの興味が薄れるこういった刀断ができる䜜品レビュヌには理解や信頌が生じ参考になる情報ずなる\subsection{「理由」の分析のたずめ}実隓ず分析の結果から䜜品レビュヌの利甚者は「\textgt{理由}」を手がかりずしお曞き手の嗜奜や性質および䜜品の性質が匷く圱響する䜜品レビュヌのテキスト内容が自分にずっお信頌できるのか参考にできるのかを刀断しおいるず考えられた「\textgt{態床}」ず「\textgt{理由}」の組み合わせは䜜品レビュヌのような䜜品レビュヌにおいおずおも重芁な芁玠である本皿にお行われた実隓においおは被隓者が䜜品レビュヌを芋お映画を芋るかどうか決める際にはたず「\textgt{理由}」や「\textgt{態床}」および事実報告の蚘述の有無によっおその䜜品レビュヌが参考になるかどうかをさらに「\textgt{理由}」や「\textgt{態床}」の内容に共感できるかどうかによりその映画に぀いおの最終的な刀断が䞋されおいた \section{おわりに} 本皿ではたずWeb䞊の䜜品レビュヌ82件に察し構成芁玠を人手でタグ付けるこずで感情衚珟のモデルに぀いお怜蚎し「\textgt{態床}」「\textgt{䞻䜓}」「\textgt{察象}」「\textgt{理由}」の䞊䜍芁玠からなる4぀組みのモデルを提案した「\textgt{䞻䜓}」「\textgt{察象}」に぀いおは省略されるものずされないパタンが「\textgt{理由}」に぀いおは明確なものず暗黙的なものさらに䞻芳的なものず事実にもずづくものに着目した次に䜜品レビュヌにおける「\textgt{理由}」の重芁性に泚目しその特城ず働きを調べるため別のテキストによる远加分析ずフォヌカスグルヌプむンタビュヌを行ったその結果曞籍や映画などを察象ずした曞き手の嗜奜や状況がその感想に匷く反映される䜜品レビュヌのようなテキストでは曞き手の態床だけでなく感情衚珟の構成芁玠が重芁ずわかった特に理由が嗜奜や性質のわからない第䞉者が曞いたテキストを利甚者が理解し鑑賞する䜜品を遞択するのに参考にする䞊で重芁だずわかったたたあらすじのような情報も䜜品レビュヌにおいお鑑賞する䜜品を遞択するのに参考になる情報ずわかった今埌は本皿にお定矩した各芁玠の構造を分析し自動抜出する手法に぀いお怜蚎するたたフォヌカスグルヌプむンタビュヌにおける質的な分析を行った点に぀いお量的な調査から客芳的な分析も必芁である今回はWeb䞊のテキストを䞭心に分析を行ったがテキスト媒䜓や賌読察象の違いによる特性に぀いおも分析を行う予定である今回の調査によっおあらすじなどの蚘述も䜜品レビュヌにおいお重芁であるずわかったがその扱いに぀いおも今埌議論する必芁がある\acknowledgment本研究を進めるにあたり倚くの有益なコメントを䞋さった豊橋技術科孊倧孊情報工孊系の関掋平助手および本論文の査読者の方に深く感謝したす\section*{参考文献}\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwAAAI(2006).``SpringSymposiumonComputationalApproachestoAnalyzingWeblogs.''Stanford,CA,USA.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwACL(2006).``SentimentandSubjectivityinText.''\textit{WorkshopattheAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},Sydney.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwCohen,J.(1960).``ACoefficientofAgreementforNominalScales.''\textit{EducationalandPsychologicalMeasurement},\textbf{20},pp.~37--46.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwEAAT(2004).``ProceedingsofAAAISpringSymposiumonExploringAttitudeandAffectinText:TheoriesandApplications.''Stanford,TechnicalReportSS-04--07.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwEACL(2006).``ProceedingsoftheWorkshoponNEWTEXT-Wikisandblogsandotherdynamictextsources.''Trento,Italy.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw蚀語凊理孊䌚(2005).第11回幎次倧䌚発衚論文集テヌマセッション感情・感性の蚀語孊.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw蚀語凊理孊䌚(2006).第12回幎次倧䌚ワヌクショップ「感情・評䟡・態床ず蚀語」論文集.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwGlaser,B.G.andStrauss,A.L.(1967).``TheDiscoveryofGroundedTheory.''Chicago,Aldine.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwShanahan,J.G.,Qu,Y.andWiebe,J.(2005).``ComputingAttitudeandAffectinText:TheoryandApplications(TheInformationRetrievalSeries).''Springer.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwWiebe,J.,Wilson,T.andCardie,C.(2005).``Annotatingexpressionsofopinionsandemotionsinlanguage.''\textit{LanguageResourcesandEvaluation},\textbf{39},(2--3),pp.~165--210.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw朚戞光子著,䜐久間たゆみ線(1989).``文章構造ず芁玄文の諞盞第7章文の機胜による芁玄文の特城.''くろしお出版,pp.~112-125.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwKim,S.M.andHovy,E.(2004).``Determingthesentimentofopinions.''\textit{ProceedingofConferenceonComputationalLin-guistics(CoNLL-2004)},pp.~1367--1373.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwKeith,F.P.著,川合隆男監蚳(2005).``瀟䌚的調査入門量的調査ず質的調査の掻甚.''慶應矩塟倧孊出版䌚.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw小林のぞみ,也健倪郎,束本裕治,立石健二,犏島俊䞀(2005).``意芋抜出のための評䟡衚珟の収集,自然蚀語凊理.''\textbf{12}(2),pp.~203--222.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwLiu,H.,LiebermanandH.,Selker,T.(2003).``AModelofTextualAffectSensingusingReal-WorldKnowledge.''ProceedingsofIUI2003.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwLandis,J.R.andKoch,G.G.(1977).``Themeasurementofobserveragreementforcategoricaldata.''\textit{Biometrics},\textbf{33},pp.~159--174.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw森田良行,束朚正恵(1989).``日本語衚珟文型甚䟋䞭心・耇合蟞の意味ず甚法.''アルク.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw䞭村明線(1993).``感情衚珟蟞兞.''東京堂出版.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw䞭山蚘男,江口浩二,神門兞子(2005).``感情衚珟のモデル.''蚀語凊理孊䌚第11回幎次倧䌚発衚論文,pp.~149--152.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw那須川哲哉,金山博(2004).``文脈䞀貫性を利甚した極性付評䟡衚珟の語圙獲埗.''情報凊理孊䌚研究報告``自然蚀語凊理(NL162-16).''pp.~109--116.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw倧塚裕子(2004).``自由蚘述アンケヌト回答の意図抜出および自動分類に関する研究.''神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士論文.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw杉田茂暹,江口浩二(2001).``目録デヌタベヌスずWebコンテンツの統合的利甚方匏.''情報凊理孊䌚研究報告情報孊基瀎(NL142-),pp.~153--158.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw田䞭努,埳久雅人,村䞊仁䞀,池原悟(2004).``結合䟡パタヌンぞの情緒生起情報の付䞎.''蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文,pp.~345--348.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zwTurney,P.D.(2002).``Thumbsup?thumbsdown?SemanticOrientationAppliedtoUnsupervisedClassificationofReviews.''\textit{InProceedingsofthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL-2002)},pp.~417--424.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw立石健二,石黒矩英,犏島俊䞀(2004).``むンタヌネットからの評刀情報怜玢.''人工知胜孊䌚誌,\textbf{19}(3),pp.~317--323.\noindent\hangafter=1\hangindent=2zw舘野昌䞀(2002)``「お客様の声」に含たれるテキスト感性衚珟の抜出方法.''情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理(NL153-14),pp.~105--112.\begin{biography}\bioauthor{䞭山蚘男}{2001幎芝浊工業倧孊工孊郚工業経営孊科卒業2003幎芝浊工業倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊専攻修士課皋修了同幎総合研究倧孊院倧孊情報孊専攻博士課皋に入孊珟圚に至る自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{神門兞子}{1994幎慶應矩塟倧孊文孊研究科博士課皋修了博士図曞通・情報孊1995幎米囜シラキりス倧孊情報孊郚客員研究員1996〜1997幎デンマヌク王立図曞通情報倧孊客員研究員1998幎孊術情報センタヌ助教授2000幎囜立情報孊研究所助教授2002幎より総合研究倧孊院倧孊助教授を䜵任2004幎より囜立情報孊研究所教授䞊びに総合研究倧孊院倧孊教授珟圚に至るテキスト構造を甚いた怜玢ず情報掻甚支揎蚀語暪断怜玢情報怜玢システムの評䟡等の研究に埓事ACM-SIGIRASIS{\&}T蚀語凊理孊䌚日本図曞通情報孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V06N03-03
\section{はじめに} label{intro}テキストは単なる文の集たりではなくテキスト䞭の各文は互いに䜕らかの意味的関係を持぀特に意味的関係の匷い文が集たっお談話セグメントず呌ばれる単䜍を圢成する文が互いに意味的関係を持぀ようにこれらの談話セグメント間にも意味的な関係が存圚するテキストの党䜓的な談話構造はこの談話セグメント間の関係によっお圢成されるそのためテキストのセグメント境界を怜出するテキストセグメンテヌションの研究は談話構造解析の第䞀ステップであるず考えられる\cite{Grosz:86}たた最近ではテキストセグメンテヌションの研究は情報怜玢の分野においおも応甚されおいる長いテキスト䞭には耇数のサブトピックが存圚しおいるためテキスト党䜓を扱うよりもテキストをセグメントに分けた方が怜玢察象ずしお良いず考えられるためである\cite{Callan:94,Salton:93,Hearst:93}セグメント境界の怜出ではテキスト䞭の衚局的な情報が利甚されるこずが倚い衚局的な情報は比范的容易に抜出可胜であり特別な領域知識を必芁ずしないので䞀般的な利甚が可胜だからである倚様な衚局的情報の䞭で意味的に類䌌した単語間の衚局的関係である語圙的結束性\cite{Halliday:76}がこれたで倚くのテキストセグメンテヌションの研究に䜿甚されおいる\cite{Morris:91,Kozima:93,hearst:94b,okumura:94a,reynar:94}OkumuraずHonda\cite{okumura:94a}は語圙的結束性の情報だけでは充分ではなく他の衚局的情報を取り入れるこずによっおテキストセグメンテヌションの粟床が向䞊するこずを報告しおいる本皿では耇数の衚局的手がかりずしお接続詞照応衚珟省略文のタむプ語圙的結束性などを䜿甚しお日本語テキストのセグメント境界を怜出する手法に぀いお述べるセグメント境界の怜出では手がかりから埗られるスコアを基に各文間の境界ぞのなりやすさ(あるいはなり難さ)を衚す文間のスコアを䞎えるこずが倚いこの手がかりを耇数蚭定し組み合わせお䜿甚する手法は数倚く存圚する\cite{McRoy:92}が各手がかりの出珟がセグメント境界の怜出に圱響する床合が異なるため各手がかりのスコアをそのたた䜿甚せず各手がかりの重芁床に応じた重みをかけ重み付きスコアの総和を文間のスコアずする手法が比范的良く甚いられる重み付きスコアの総和を文間のスコアずしお䜿甚する手法においおは各手がかりに最適な重み付けを行うこずが怜出粟床向䞊にずっお重芁になる耇数の衚局的手がかりを甚いおセグメント境界の怜出を行う過去の研究\cite{Kurohashi:94,Sumita:92,Cohen:87,Fukumoto1}では各手がかりの重みは盎芳あるいは人手による詊行錯誀によっお決定される傟向があるしかし人手による重みの決定はコストが高く決定された重みを䜿甚するこずで必ずしも最適あるいは最適に近い粟床が埗られるずいう保蚌がないそのため人手による重み付けを避け少なくずも最適に近い倀を埗るために自動的に重みを決定する方が望たしいず考えられるそこで本研究では正しいセグメント境界䜍眮の情報が付いた蚓緎テキストを甚意し統蚈的手法である重回垰分析を䜿甚するこずで各衚局的手がかりの重芁床の重みを自動的に孊習するしかし重みの自動孊習手法では蚓緎デヌタの数が少ない堎合に孊習粟床が良くならないずいう問題がある\cite{Akiba:98}たた蚓緎デヌタに察しおパラメヌタ(手がかり)の数が倚い堎合には孊習された倀が過適合を起す傟向があるずいう問題が知られおいる孊習された重みが蚓緎デヌタに察し過適合するず蚓緎デヌタ以倖のテキストに適甚した堎合には良い粟床が埗られないたた考えられる党おの衚局的手がかりが垞にセグメンテヌションにずっお良い手がかりになるずは限らないそこで過適合の問題を解消するために重みの孊習ず共に䜿甚する手がかりの最適化も行う必芁がある有効な手がかりだけを遞択するこずができれば良い重みの孊習ができセグメンテヌションの粟床が向䞊するず考えられる本研究で重みの孊習に䜿甚する重回垰分析には有効なパラメヌタを遞択する手法が既にいく぀か開発されおいるそこで本研究ではパラメヌタ遞択手法の䞀぀ずしお広く利甚されおいるステップワむズ法を䜿甚する重回垰分析ずパラメヌタ遞択手法であるステップワむズ法を䜿甚するこずにより有効な手がかりのみを遞択し最適な重みを獲埗できるず考えられる我々の䞻匵を芁玄するず以䞋のようになる\begin{itemize}\itemテキストセグメンテヌションにおいお耇数の衚局的手がかりの組み合わせは有効である\item重回垰分析ずステップワむズ法の䜿甚によっおテキストセグメンテヌションにずっお有効な手がかりの遞択ず重みの自動的な獲埗が可胜ずなる\end{itemize}䞊蚘の䞻匵の有効性を調べるためいく぀かの実隓を行う小芏暡な実隓ではあるが実隓結果から我々のアプロヌチの有効性を瀺す以䞋2節では本研究でテキストセグメンテヌションに䜿甚する衚局的手がかりに぀いお説明する3節では耇数の手がかりの重みを自動的に決定する手法に぀いお述べる4節では自動的に有効な手がかりを遞択する手法に぀いお述べる5節では本研究のアプロヌチによる実隓に぀いお蚘述する \section{テキストセグメンテヌションに䜿甚する衚局的手がかり} \label{sec:cues}テキスト䞭にはセグメント境界あるいは非境界の怜出に䜿甚できるず考えられる倚くの衚局的な手がかりが存圚するしかし良い結果を埗るためにどの手がかりを䜿甚するべきなのかは明らかでないそのため我々はたず䜿甚可胜な党おの衚局的な手がかりを数え挙げる次に有効な手がかりを遞択しその手がかりを組み合わせるこずによっおテキストセグメンテヌションを行うたず本研究で甚いるテキストセグメンテヌション手法に぀いお説明するここで文$n$ず文$n+1$の間を$p(n,n+1)$ず衚わすこずにする$n$は$1$から「テキストの$文数-1$」の範囲を取る各文間$p(n,n+1)$はセグメント境界の候補ずなるこの文間ごずに匏(\ref{equ:sumscr})で衚わすように各手がかり$i$の重み付きスコア$w_{i}\timesscr_{i}(n,n+1)$の合蚈スコアである$scr(n,n+1)$を蚈算するなお各手がかりのスコア$scr_{i}(n,n+1)$には初期倀ずしお0を䞎える\begin{equation}\label{equ:sumscr}scr(n,n+1)=\sum_{i=1}^{I}w_{i}\timesscr_{i}(n,n+1)\end{equation}高いスコア$scr(n,n+1)$を持぀文間$p(n,n+1)$がセグメント境界の候補ずしお優先されスコア順にセグメント境界ずしお遞択される本研究では以䞋の衚局的手がかりを䜿甚する\begin{itemize}\item䞻語を衚わす助詞の出珟($i=1..4$)\\文間$p(n,n+1)$の前の文($n$)もしくは埌の文($n+1$)に副助詞「は」もしくは栌助詞「が」が出珟した堎合それぞれ$scr_{i}(n,n+1)$に1を加えるただしテキスト䞭には「は」や「が」の出珟する文が倚数存圚しすべおを抜出しおもあたり意味がないず考えられるそこで埌述する語圙的連鎖を構成する自立語に付属する堎合だけを考慮する\item接続詞の出珟($i=5..10$)\\以䞋に瀺す6぀の接続詞のどれかが文$n+1$の文頭に出珟した堎合$scr_{i}(n,n+1)$に1を加える\begin{itemize}\item「添加」型(䟋しかもそしお)\item「匷調」型(䟋むしろずにかく)\item「説明」型(䟋䟋えば぀たり)\item「順接」型(䟋ゆえにだから)\item「逆接」型(䟋しかしだが)\item「転換」型(䟋ずころでそれでは)\end{itemize}接続詞の分類は所\cite{tokoro}囜語文法\cite{kougobunpou}を参照し機胜によっお著者が行った\item照応衚珟の出珟($i=11..13$)\\以䞋に瀺す3぀の前方照応詞のどれかが文$n+1$の文頭に出珟した堎合$scr_{i}(n,n+1)$に1を加える\begin{itemize}\item「あ」型(䟋あのあんな)\item「こ」型(䟋このこんな)\item「そ」型(䟋そのそんな)\end{itemize}\item䞻語の省略($i=14$)\\文$n+1$に䞻語が出珟しない堎合$scr_{i}(n,n+1)$に1を加える\item同䞀タむプの文の連続($i=15..18$)\\文$n$ず$n+1$がどちらも同じタむプず刀断される堎合$scr_{i}(n,n+1)$に1を加える文のタむプは氞野\cite{nagano}犏本\cite{Fukumoto1}を参照し文末衚珟を手がかりにしお9぀に分類したこのうち特に客芳的な事実や事象を提瀺する「叙述文」および刀断や䞻匵を匷く提瀺する「刀断文」ず「断定文」の連続を特に区別しそれ以倖の文タむプの連続を「その他」ずしお以䞋の4皮類に分ける\begin{itemize}\item叙述文(䟋〜おいる〜たせん)\item刀断文(䟋〜に違いない〜ず刀断する)\item断定文(䟋〜のである〜なのだ)\itemその他\end{itemize}\item語圙的連鎖の出珟($i=19..22$)\\語圙的連鎖ずは語圙的結束性を持぀語の連続のこずをいう\cite{Morris:91}語圙的連鎖はテキスト䞭に存圚する意味的なたずたりを瀺すず考えるこずができる\cite{Morris:91,Barzilay:97}そこで語圙的連鎖の情報ず連鎖の範囲内で単語が出珟しない郚分であるギャップの情報を䜿甚する語圙的連鎖のギャップはその区間では䞀時的に別の話題に移っおいるこずを瀺しおいるず考えられる文$n$で連鎖が終わっおいるかギャップが始たる堎合ず文$n+1$で連鎖が始たっおいるかギャップが終わっおいる堎合にそれぞれ$scr_{i}(n,n+1)$に1を加えるなおギャップ長を1文ずし連鎖の範囲内で1文以䞊単語が出珟しない堎合にすべおギャップずするたた語圙的結束性を持぀語をシ゜ヌラス䞊の同䞀クラスに属する語ずしお蚈算するシ゜ヌラスには角川類語新蟞兞\cite{kadokawa}を䜿甚する\item語圙的連鎖内の単語に぀く修食語の倉化($i=23$)\\文$n+1$で語圙的連鎖を構成する単語に付く修食語が倉化しおいる堎合$scr_{i}(n,n+1)$に1を加える同䞀の語圙的連鎖を構成する語に぀く修食語が倉化するずこれたで述べられおいた話題の別の偎面に぀いお述べおいるず考えるこずができ新しい話題に倉化しおいるず考えられる\end{itemize}䞊に挙げた手がかりのスコアは各文間のセグメント境界ぞの成り易さもしくは成り難さを瀺す文間のスコアを蚈算するために䜿甚される䟋えば副助詞「は」の出珟はセグメント境界ぞの成り易さを衚わし照応衚珟の出珟や同じタむプの文の連続は境界ぞの成り難さを衚わすず考えられる各手がかりの出珟がセグメント境界の怜出に圱響する床合が異なるため各手がかりのスコアには重芁床に応じた重みをかける必芁がある次節では各手がかりぞの重み付け手法を瀺す\newpage \section{耇数の手がかりぞの自動的な重み付け} label{sec:weight}各手がかりに重みを付ける手法ずしおは少なくずも次の2぀が考えられる1぀は人手による重み付けでありもう1぀は自動的な蚈算である人手による重み付けの堎合各手がかりの重みは専門家による盎芳もしくは詊行錯誀によっお決定されるこずが倚いしかしこの䜜業は非垞に手間がかかる䞊に新しい領域のテキストをシステムが凊理する堎合重みの調敎を柔軟に行うこずができないたた人手によっお決定された重みは客芳性に欠け最適あるいはほが最適な性胜を匕き出すずいう保蚌がない\cite{Alshawi:94,Rayner:94}䞀方自動的な蚈算の堎合人手による劎力を省くこずができ新しい領域ぞの適甚も容易に行えるたた決定された倀が客芳性を持ち少なくずも最適に近い倀を埗られるず考えられるこのようなこずから重み付けを自動化するこずにはメリットがあるず考えられる本研究では自動的な重み付けのために正解セグメント境界の情報が付加されたテキストを甚意し蚓緎テキストずしお䜿甚する各手がかりの自動的な重みの掚定には統蚈的手法である重回垰分析\cite{Sen:90:a,Jobson:91}を䜿甚する重回垰分析はある倉数(目的倉数ず呌ばれ「結果」ず考えられる)をもっずも良く掚定あるいは予枬するために圹立぀ず考えられる耇数の倉数(説明倉数ず呌ばれ「原因」ず考えられる)の間に成り立぀関係匏を求めこの関係匏に基づいお説明倉数の倀から目的倉数の倀を予枬したり各説明倉数の重芁床を評䟡する分析手法である関係匏は埌述するように目的倉数ず説明倉数の組を集めた芳枬デヌタを基に蚈算される本研究ではこの目的倉数が各文間の境界ぞのなりやすさを衚すスコアに察応し説明倉数が各手がかりのスコアに察応するたた各説明倉数の重芁床の評䟡が各手がかりの重み付けに察応する重回垰分析による重みの掚定は以䞋のように行なわれる蚓緎テキストの各文間$p(n,n+1)$に次のような芳枬デヌタがあるずする\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{芳枬デヌタ}\label{equ:kansoku}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline目的倉数&\multicolumn{4}{|c|}{説明倉数($i=1..I$)}\\\hline$S(1,2)$&$scr_{11}$&$scr_{21}$&$\cdots$&$scr_{I1}$\\$S(2,3)$&$scr_{12}$&$scr_{22}$&$\cdots$&$scr_{I2}$\\$\vdots$&$\vdots$&$\vdots$&$\ddots$&$\vdots$\\$S(N,N+1)$&$scr_{1N}$&$scr_{2N}$&$\cdots$&$scr_{IN}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}ここで$N$は文間の総数$scr_{ij}$の説明倉数が$I$個の手がかりから埗られるスコアであり$S(n,n+1)$の目的倉数がセグメント境界ぞのなりやすさを衚す文間のスコアであるこの芳枬デヌタから次の予枬匏$(\ref{equ:expect})$を蚈算する\begin{eqnarray}\label{equ:expect}\hat{S}(1,2)=a+w_{1}scr_{11}+w_{2}scr_{21}+\cdots+w_{I}scr_{I1}\nonumber\\\hat{S}(2,3)=a+w_{1}scr_{12}+w_{2}scr_{22}+\cdots+w_{I}scr_{I2}\nonumber\\\vdots\hspace{1.0cm}\vdots\hspace{1.2cm}\vdots\hspace{1.2cm}\vdots\hspace{1.2cm}\ddots\hspace{1.0cm}\vdots\hspace{0.4cm}\nonumber\\\hat{S}(N,N+1)=a+w_{1}scr_{1N}+w_{2}scr_{2N}+\cdots+w_{I}scr_{IN}\nonumber\\\end{eqnarray}ここで$a$は定数項であり$w_{1},\cdots,w_{I}$は回垰係数ず呌ばれる次に予枬匏$(\ref{equ:expect})$の$\hat{S}(1,2),\cdots,\hat{S}(N,N+1)$ず芳枬デヌタ(衚$\ref{equ:kansoku}$)の$S(1,2),\cdots,S(N,N+1)$ずの誀差を最小2乗法により最小にするすなわち\begin{equation}\label{equ:least_squares}Q\equiv\sum_{n=1}^N\{S(n,n+1)-(a+w_{1}scr_{1n}+\cdots+w_{I}scr_{IN})\}^2\end{equation}\noindentを蚈算し、匏$(\ref{equ:least_squares})$が最小ずなる$a$および$w_{1},\cdots,{w_I}$を定め、それを掚定された回垰係数ずするこの回垰係数が各手がかりに察しお決定された重みに察応するこずから本研究でパラメヌタずしお蚭定する手がかりの重み付けに重回垰分析を利甚するこずができる重回垰分析を䜿甚しお各手がかりに察する最適な重みを決定するためにはセグメント境界の$S(n,n+1)$には高い倀を䞎え逆に境界にならない文間の$S(n,n+1)$には䜎い倀を䞎える必芁がある仮に各$S(n,n+1)$に実際のテキストの珟象を反映した良い倀を䞎えるこずができればより最適な性胜を匕き出すこずができるず考えられるしかし本研究で蚓緎デヌタずしお䜿甚するテキストには正解境界䜍眮の情報しか付加されおいないそこで正解境界の$S(n,n+1)$には$10$を䞎え非境界の$S(n,n+1)$には$-1$を䞎えお重回垰分析を適甚するこれらの倀は$S(n,n+1)$ぞの倀の䞎え方を4通りの組み合わせで行った予備実隓の結果から遞択した関連研究ずしお\cite{Watanabe:96}が挙げられるWatanabeはテキスト䞭の重芁な文を遞択するこずによる新聞蚘事の芁玄生成を行っおいる重芁文の遞択のために文の衚局的特城の重み付けを行い重みの決定に重回垰分析を䜿甚しおいるWatanabeの研究では蚓緎テキストの各文の$S$に人間の被隓者たちが重芁であるず刀断した床合を䞎えおいる本研究では$S$に察しお同様の方法で倀を䞎えるこずはしおいない蚓緎テキストの各文間に぀いおセグメントぞの成り易さ成り難さを人間の被隓者が刀断するこずは非垞に困難でコストが高過ぎるためである \section{有効な手がかりの自動遞択} label{sec:select}セグメンテヌションにずっお\ref{sec:cues}節で挙げた衚局的手がかりが実際にどの皋床有効かは明らかでない有効でない手がかりを含めお重回垰分析で重みを蚈算するず悪圱響の原因ずなるそのうえ蚓緎デヌタの量に比べお衚局的手がかりが倚過ぎる堎合には過適合の問題が発生する䞀方\ref{sec:cues}節で蚭定した手がかり党䜓の䞭から有効な手がかりだけを遞択できれば良い重みが決定できセグメンテヌションの粟床も向䞊するず考えられるしかし有効な手がかりを遞択するには手がかりの有効床を蚈算する客芳的な基準が必芁になるこの客芳的な基準の蚭定は難しい問題であるが幞いにも本研究で重みの蚈算に䜿甚する重回垰分析では倚くのパラメヌタ遞択手法が既に開発されおいるそこで本研究ではパラメヌタ遞択手法の䞀぀でもっずも䞀般的なステップワむズ法\cite{Jobson:91}ず呌ばれるパラメヌタ遞択手法を甚いるステップワむズ法は埌述するアルゎリズムにより重回垰モデルに加えるこずで良い掚定ができるず刀断されたパラメヌタを加え逆に別のパラメヌタが加えられたこずにより良い掚定に圹立たなくなったず刀断されたパラメヌタを陀去するずいう凊理を繰り返し最終的に有効なパラメヌタの組を遞択するパラメヌタの远加および削陀の際に䞀般的に䜿甚される刀断基準は各パラメヌタの重み$w_{i}$に぀いお個別に蚈算した$F$倀に基づくものであるこの個別の$F$統蚈倀は以䞋の匏で䞎えられる\begin{equation}\label{equ:fvalue}\displaystyle{F_0=(\frac{w_i}{SE(w_i)})^2}\end{equation}ここで$SE(w_i)$は暙準誀差ず呌ばれ$w_i$の暙準偏差を衚すこの統蚈量の分垃は自由床$(p,n-p-1)$のF分垃に埓う($p$はパラメヌタの数$n$はデヌタの数を瀺す)よっお$\displaystyle{F_0>=F_{(p,n-p-1)}(\alpha)}$ならば有意氎準$\alpha$でパラメヌタ$i$は有効であるず刀断されるただしこの基準倀$\displaystyle{F_{(p,n-p-1)}(\alpha)}$の蚈算が耇雑であるため䞀般的にはパラメヌタを远加する時の基準倀を$F_{in}$ずしパラメヌタを陀去する時の基準倀を$F_{out}$ずしおそれぞれに定数\footnote{$F_{in},F_{out}$の倀は$1.0$から$4.0$たでの範囲から遞んで䞎えるのが䞀般的であり重芁なパラメヌタを削陀しないこずに重点を眮くなら小さい倀無駄なパラメヌタを取り蟌たないこずに重点を眮くなら倧きな倀を指定する本研究では$F_{in},F_{out}$ずもに$1.2$を䞎えおいる}を䞎えおパラメヌタ遞択を行うステップワむズ法のアルゎリズムは次のようになる\begin{tabbing}ステップ1.\\\quad\=重回垰モデルに䜕もパラメヌタが含たれおいない状態から開始\\ステップ2.\\\quad\={\bfif}(すべおのパラメヌタが含たれおいる)\\\>\quad\=取り蟌むパラメヌタはないステップ3ぞ\\\>{\bfelse}\\\>\quad\=残りのパラメヌタを1぀づ぀順番に採甚しF倀を蚈算\\\>\>F倀最倧のパラメヌタを遞ぶ\\\>\>{\bfif}($F倀>F_{in}$)\\\>\>\quad\=そのパラメヌタを取り蟌むステップ3ぞ\\\>\>{\bfelse}\\\>\>\>取り蟌むべきパラメヌタはないステップ3ぞ\\ステップ3.\\\quad\=モデルに含たれおいるパラメヌタに぀いおF倀を蚈算\\\>F倀最小ずなるパラメヌタを遞ぶ\\\>{\bfif}($F倀>F_{out}$)\\\>\quad\={\bfif}(取り蟌むべきパラメヌタがない)\\\>\>\quad\=終了\\\>\>{\bfelse}\\\>\>\>ステップ4ぞ\\\>{\bfelse}\\\>\>そのパラメヌタをモデルから取り陀きステップ3ぞ\\ステップ4.\\\quad\={\bfif}(すべおのパラメヌタが取り蟌たれおいる)\\\>\>終了\\\>{\bfelse}\\\>\>ステップ2ぞ\\\end{tabbing}ステップワむズ法以倖に良く利甚される手法ずしお倉数増加法ず倉数枛少法があるが倉数増加法では䞀床採甚されたパラメヌタは陀去されるこずがなく倉数枛少法では䞀床陀去されたパラメヌタは採甚されるこずがないずいう問題があるステップワむズ法は䞡手法の問題点を改良した手法であるため他の手法よりも良いパラメヌタ遞択ができるず考えられる \section{実隓} label{sec:experiments}これたでに述べた本研究の䞻匵は以䞋のように芁玄できる\begin{itemize}\itemテキストセグメンテヌションにおいお耇数の衚局的手がかりの組み合わせは有効である\item重回垰分析ずステップワむズ法の䜿甚によっおテキストセグメンテヌションにずっお有効な手がかりの遞択ず重みの自動的な獲埗が可胜ずなる\end{itemize}本節では本研究のアプロヌチの有効性を確かめるための実隓を行う実隓には日本語の囜語の問題集から意味の切れ目を問う問題に䜿甚された14テキストを䜿甚する問題は䟋えば『次の文章を意味的に3぀の郚分に分けるずしたらどこで切れるか境界になる個所を答えなさい』ずいうようなものであるシステムの性胜はシステムの出力ず問題集の解答を比范するこずで蚈算する実隓に䜿甚する14テキストの平均境界候補数は20(12から47)であり平均正解境界数は$3.4$(2から6)であるなお以䞋の理由から実隓の正解ずしお圢匏段萜を䜿甚しおいない\begin{itemize}\item実隓に䜿甚する問題集のテキストのほずんどは圢匏段萜を瀺す字䞋げの情報をあらかじめ消しおあり利甚できないため\item日本語のテキストの堎合圢匏段萜の境界が必ずしも意味的な境界ず䞀臎するずは限らず修蟞的理由から圢匏段萜に分けられる堎合がしばしばあるため\cite{tokoro}\end{itemize}実隓ではシステムは各文間のスコア$scr(n,n+1)$を倀の高い順に出力するシステムの出力の䞊䜍$10\%,20\%,30\%$および$40\%$における粟床を評䟡する評䟡尺床には再珟率($Recall$)ず適合率($Precision$)を䜿甚する$Recall$は党正解境界の内システムによっお正しく怜出された境界の割合を瀺す$Precision$はシステムが境界ず怜出した候補の内実際に正解境界であるものの割合を瀺す$Recall$ず$Precision$は次匏で衚わされる\begin{equation}Recall=\frac{システムにより怜出された正解境界数}{党おの正解境界数}\end{equation}\begin{equation}Precision=\frac{システムにより怜出された正解境界数}{システムが怜出した党境界数}\end{equation}実隓は以䞋の6通りに぀いお行う\begin{enumerate}\item語圙的連鎖の手がかり以倖の手がかりによる実隓\\手がかり1から18および23を䜿甚\item語圙的連鎖の手がかりのみを䜿甚した実隓\\手がかり19から22を䜿甚\item\ref{sec:cues}節で挙げた党おの手がかりを䜿甚した実隓\\重みの決定は人手によっお行う\item\ref{sec:cues}節で挙げた党おの手がかりを䜿甚した実隓\\重みの決定は重回垰分析によっお自動的に行う重回垰分析では14テキストを2テキストづ぀7グルヌプに分け6グルヌプを蚓緎テキストずしお䜿甚し残りの1グルヌプを評䟡テキストずしお䜿甚する評䟡甚のテキストを倉えるこずにより7回のクロスバリデヌション\cite{Weiss:91}を行い平均倀で評䟡する\itemステップワむズ法により遞択された手がかりのみを䜿甚した実隓\\\ref{sec:select}節で述べたように蚓緎テキスト内で有効な手がかりの遞択にステップワむズ法を䜿甚する手がかりの遞択以倖の手続きは党お4番目の実隓ず同じである\item5人の被隓者による実隓\\5人の被隓者に察しシステムず同様の14テキストに぀いおセグメント境界䜍眮を問う問題を解かせる解答数は問題集の正解数を䞋限ずしそれ以䞊であれば被隓者が自由に遞んで良いずするこの実隓によりテキストセグメンテヌション実隓の粟床の䞊限の算出を詊みるこの実隓の結果によっおセグメンテヌションタスクの難易床が瀺されるず考えられる\cite{Passonneau:93,Gale:92}\end{enumerate}党おの実隓結果を図\ref{fig:handm}ず\ref{fig:regressm}および衚\ref{tab:human}に瀺す2぀の図は14テキストに察するシステムの平均粟床を瀺す衚\ref{tab:human}は5人の被隓者によるセグメンテヌション実隓の結果を瀺す衚\ref{tab:human}がこのタスクにおける粟床の䞊限を衚すず考えられるたた䞋限に぀いおも蚈算しおいる(図\ref{fig:regressm}の``lowerbound'')䞋限はシステムがランダムにセグメント境界候補を遞択した堎合を考えるこずで蚈算するこずができるこの堎合precisionは各境界候補が正解になる平均確率ず同じでありrecallは出力の割合ず同じである図\ref{fig:handm}では語圙的連鎖以倖の手がかりによる実隓(``ex.1'')語圙的連鎖のみの手がかりによる実隓(``ex.2'')および蚭定した党おの手がかりによる実隓(``ex.3'')の粟床を比范しおいる結果から耇数の手がかりを組み合わせお䜿甚した``ex.3''が良い粟床を匕き出すこずがわかるたた語圙的連鎖が有効な手がかりである可胜性が瀺されおいるずいえる図\ref{fig:regressm}は耇数の手がかりを䜿甚し人手によっお重みを䞎えた実隓(``ex.3'')ず蚓緎テキストにより自動的に蚈算された重みを䜿甚した実隓(``ex.4.test'')ずの比范をしおいる結果から自動的に孊習された重みが抂ね良い粟床を出すこずが瀺されおいる人手による手間を省き客芳的な倀が埗られるこずから自動的な重み付けは人手による重み付けよりも良い手法であるずいえる\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=handmport2.ps,scale=0.5}\caption{\vspace*{-3mm}Handtuning}\label{fig:handm}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=regressmport2.ps,scale=0.5}\caption{\vspace{-3mm}Automatictuning}\label{fig:regressm}\end{center}\end{figure}\begin{table}[ht]\begin{center}\caption{Theresultofthehumansubjects}\begin{tabular}{|c|c|}\hlinerecall&precision\\\hline\hline63.1\%&57.2\%\\\hline\end{tabular}\label{tab:human}\end{center}\end{table}図\ref{fig:regressm}では党おの手がかりを䜿甚しお自動的に重みを決定した堎合(``ex.4.test'')ず遞択された手がかりのみを䜿甚しお自動的に重みを決定した堎合(``ex.5.test'')の比范も行っおいる結果から有効な手がかりを遞択するこずで良い粟床を匕き出しおいるこずがわかるこの結果は本研究で䜿甚したパラメヌタ遞択手法によっお蚓緎テキストぞの重みの過適合の問題が解消されおいるこずも瀺しおいる実隓4ず実隓5では蚓緎テキストによる結果ず評䟡テキストによる結果の差が異なるパラメヌタ遞択を行う``ex.5.training''ず``ex.5.test''の差はパラメヌタ遞択を行わない``ex.4.training''ず``ex.4.test''の差よりも小さい今回の実隓(実隓5)では平均7.4の手がかりが遞択され遞ばれた手がかりは蚓緎セットごずに異なっおいたその䞭で垞に遞択された手がかりは逆接の接続詞(\ref{sec:cues}節の手がかり9)ず語圙的連鎖の手がかり(手がかり19ず20)であったたた重回垰分析のような統蚈的手法ではパラメヌタの遞択で個々のパラメヌタ(手がかり)が有効かどうかを怜定した堎合ず同様に埗られた重回垰匏党䜓が実際に予枬に圹立っおいるかどうかを怜定する必芁がある本研究で蚈算された各重回垰匏に぀いお$F$分垃に基づく怜定を行ったずころ有意氎準$\alpha$が$0.05$から$0.1$の範囲で重みの掚定に圹立っおいるずいう結果を埗たさらに同様の実隓ずしお問題集の正解を䜿甚せず被隓者による実隓(実隓6)で被隓者の過半数(3人)以䞊がセグメント境界であるず刀断した䜍眮を正解ずした実隓も行ったこの堎合正解境界数は平均で3.5(2から6)であった実隓の結果システムはこちらの実隓においおも問題集の正解ず同様な粟床を埗た関連研究ずしおLitmanandPassonneau\cite{Litman:95}の研究が挙げられる圌らも耇数の手がかりを䜿甚したテキストセグメンテヌション手法を提案しおいるLitmanずPassonneauのモデルでは機械孊習ツヌルを䜿甚しおspokennarrativeコヌパスから蚓緎を行っおいる圌らの研究ずの厳密な比范は困難であるが本研究のタスクにおける粟床の䞊限が圌らのタスクの堎合に比べお䜎いこずから本研究のタスクの方がより難しいず考えられるそのため我々のシステムの粟床が圌らのものに比べお䜎いずは必ずしもいえない \section{おわりに} 本皿では耇数の衚局的手がかりを䜿甚しおテキストのセグメント境界を怜出する手法に぀いお述べた耇数の衚局的な手がかりを組み合わせお䜿甚し各手がかりぞの重みを自動的に決定するこずがテキストセグメンテヌションにずっお有効であるず考えられるさらに重回垰分析ずステップワむズ法を䜿甚するこずで過適合を防ぎ぀぀各手がかりぞの自動的な重み付けをする手法を瀺した本研究の実隓は小芏暡ではあるが䞻匵の有効性を瀺す結果を埗るこずができた今埌倧芏暡なデヌタセットを䜿甚しお実隓を行う必芁がある耇数の衚局的手がかりを䜿甚するテキストセグメンテヌションのアプロヌチずしおは本研究で䜿甚した手がかりのスコアの重み付き総和を甚いる手法以倖にC4.5\cite{Quinlan:93}のような境界/非境界をクラスずし各手がかりから決定朚を孊習しお分類を行う決定朚孊習の手法が考えられる\cite{Litman:95,Honda:96}今埌䞡方のアプロヌチの比范をしおいく必芁がある今埌の課題ずしお蚓緎テキストをクラスタリングし手がかりの重み蚈算をテキストのグルヌプごずに行う手法の実隓を蚈画をしおいるテキスト間にはさたざたな違いが存圚する䟋えば著者の違い文䜓の違いゞャンルの違いなどである蚓緎テキストをクラスタリングし特城の類䌌したテキストのクラスタごずに手がかりの重みを蚈算するこずで蚓緎テキスト党䜓を䜿甚する堎合よりも良い重み付けが可胜になるず考えられる結果ずしおセグメンテヌションの粟床向䞊も期埅できる音声認識の分野では蚀語モデルの粟床向䞊のために蚓緎デヌタのクラスタリングが行われ自動孊習手法における有望な手法ず考えられおいる\cite{Carter:94,Iyer:94}\acknowledgment本研究での「角川類語新蟞兞」の䜿甚を蚱可しお䞋さった(æ ª)角川曞店に感謝臎したす統蚈解析に関しお埡助蚀を頂きたした矀銬倧孊瀟䌚情報孊郚の青朚教授および北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科の束柀教授に感謝臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Alshawi\BBA\Carter}{Alshawi\BBA\Carter}{1994}]{Alshawi:94}Alshawi,H.\BBACOMMA\\BBA\Carter,D.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{Trainingandscalingpreferencefunctionsfordisambiguation}\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf20}(4),635--648.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Elhadad}{Barzilay\BBA\Elhadad}{1997}]{Barzilay:97}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\Elhadad,M.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQ{Usinglexicalchainsfortextsummaryzation}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.oftheACLWorkshoponIntelligentScalableTextSummarization},\BPGS\10--17.\bibitem[\protect\BCAY{Callan}{Callan}{1994}]{Callan:94}Callan,J.~P.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{Passage-LevelEvidenceinDocumentRetrieval}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of17thAnnualInternationalACMSpecialInterestGrouponInformationRetrievalConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\BPGS\302--310.\bibitem[\protect\BCAY{Carter}{Carter}{1994}]{Carter:94}Carter,D.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{ImprovingLanguageModelsbyClusteringTrainingSentences}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe4thConferenceonAppliedNaturalLanguageProcessing},\BPGS\59--64.\bibitem[\protect\BCAY{Cohen}{Cohen}{1987}]{Cohen:87}Cohen,R.\BBOP1987\BBCP.\newblock\BBOQ{Analyzingthestructureofargumentativediscourse}\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf13},11--24.\bibitem[\protect\BCAY{Gale\JBAChurch\BBA\Yarowsky}{Galeet~al.}{1992}]{Gale:92}Gale,W.\JBAChurch,K.\JBA\BBA\Yarowsky,D.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQ{EstimatingUpperandLowerBoundsonthePerformanceofWord-SenseDisambiguationPrograms}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe30thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\249--256.\bibitem[\protect\BCAY{Grosz\BBA\Sidner}{Grosz\BBA\Sidner}{1986}]{Grosz:86}Grosz,B.\BBACOMMA\\BBA\Sidner,C.\BBOP1986\BBCP.\newblock\BBOQAttention,intention,andthestructureofdiscourse\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf12}(3),175--204.\bibitem[\protect\BCAY{Halliday\BBA\Hasan}{Halliday\BBA\Hasan}{1976}]{Halliday:76}Halliday,H.\BBACOMMA\\BBA\Hasan,R.\BBOP1976\BBCP.\newblock{\BemCohesioninEnglish}.\newblockLongman.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst}{Hearst}{1994}]{hearst:94b}Hearst,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{Multi-ParagraphSegmentationofExpositoryTexts}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe32ndAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\9--16.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst\BBA\Plaunt}{Hearst\BBA\Plaunt}{1993}]{Hearst:93}Hearst,M.\BBACOMMA\\BBA\Plaunt,C.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQ{SubtopicStructuringforFull-LengthDocumentAccess}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.of16thAnnualInternationalACMSpecialInterestGrouponInformationRetrievalConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\BPGS\59--68.\bibitem[\protect\BCAY{Iyer\JBAOstendorf\BBA\Rohlicek}{Iyeret~al.}{1994}]{Iyer:94}Iyer,R.\JBAOstendorf,M.\JBA\BBA\Rohlicek,J.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{Languagemodelingwithsentence-levelmixtures}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.oftheHumanLanguageTechnologyWorkshop1994},\BPGS\82--87.\bibitem[\protect\BCAY{Jobson}{Jobson}{1991}]{Jobson:91}Jobson,J.\BBOP1991\BBCP.\newblock{\Bem{AppliedMultivariateDataAnalysisVolumeI:RegressionandExperimentalDesign}}.\newblockSpringer-Verlag.\bibitem[\protect\BCAY{Kozima}{Kozima}{1993}]{Kozima:93}Kozima,H.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQ{Textsegmentationbasedonsimilaritybetweenwords'}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe31stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\286--288.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1994}]{Kurohashi:94}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQ{AutomaticDetectionofDiscourseStructurebyCheckingSurfceInformationinSentence}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe15thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\BPGS\1123--1127.\bibitem[\protect\BCAY{Litman\BBA\Passonneau}{Litman\BBA\Passonneau}{1995}]{Litman:95}Litman,D.\BBACOMMA\\BBA\Passonneau,R.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQ{CombiningMultipleKnowledgeSourcesforDiscourse}\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe33rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\108--115.\bibitem[\protect\BCAY{McRo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V26N01-03
\section{はじめに} 近幎゜ヌシャルニュヌスサむトや蚎論ポヌタルの発展に䌎い様々な話題がオンラむン䞊で議論されるようになったこれら議論は䞖の䞭の貎重な意芋を含んでいるが分析には関連する耇数の投皿・発蚀の内容を理解する必芁があるこれたでも察話行為の分析\cite{Stolcke2000,Bunt2010}を発展させ議論を談話行為に基づいお分析するアプロヌチが提案されおきた議論における談話行為の自動的な分類は情報アクセスや芁玄の改善に寄䞎できるず考えられおいるこのため電子メヌル\cite{Cohen2004,Carvalho2005,Carvalho2006,Hu2009,Omuya2013}ニュヌスグルヌプ\cite{Wang2007}技術電子掲瀺板\cite{Kim2010b,Wang2011,Bhatia2012,Liu2017}゜ヌシャルニュヌス\cite{Zhang2017}等の談話行為・察話行為が既存の研究で察象ずされおきた議論においお談話行為・察話行為を分類する際には議論のパタヌンを取り入れるこずの重芁性がたびたび指摘されおきた投皿間の関係・リンク\cite{Carvalho2005,Hu2009}投皿の䜍眮・深さ\cite{Wang2007,Kim2010a,Kim2010b,Wang2011,Bhatia2012,Zhang2017,Liu2017}等のパタヌン情報は確率的なグラフィカルモデル構造孊習モデル系列孊習モデル等ず組み合わせお利甚されおきたこれらアプロヌチは談話行為の分類においお有効性を瀺したが分類モデルにパタヌン情報を取り入れるためにタスク䟝存のパタヌン玠性を蚭蚈する必芁があった本皿では議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクを甚いお取り入れるモデルを提案する近幎ニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造\cite{Socher2011,Socher2014,Tai2015}やグラフ構造\cite{Defferrard2016,Kipf2017}を孊習する有効性が瀺されおいる提案モデルではパタヌン玠性を蚭蚈せずに朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を甚いお議論のパタヌンを孊習する既存の研究では様々な察象の談話行為・察話行為が分類されおきたが本皿ではReddit\footnote{https://www.reddit.com/}の談話行為の分類に提案モデルを適甚するRedditは倧芏暡な゜ヌシャルニュヌスサむトであり数倚くのトピックに぀いお日々議論が行われおいる議論はスレッド単䜍で行われトピックを提䟛する最初の投皿および投皿に察する返信の連鎖で構成される提案モデルの評䟡では\citeA{Zhang2017}の$9$皮類の談話行為を察象にする$9$皮類の談話行為は{\itAnswer}{\itElaboration}{\itQuestion}{\itAppreciation}{\itAgreement}{\itDisagreement}{\itHumor}{\itAnnouncement}{\itNegativeReaction}であり図\ref{fig:example}にこれら談話行為の䟋を瀺す本皿では次の二぀の理由でRedditを察象ずした第䞀にReddit䞊での議論は投皿をノヌド返信関係を゚ッゞずした朚構造およびグラフ構造ずしお衚すこずができる第二に公開されおいるRedditの談話行為が付䞎されたコヌパスは倧芏暡でありニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造やグラフ構造を孊習するのに適しおいる本皿の貢献には以䞋の䞉点が挙げられる\begin{enumerate}\item投皿間の構造に察応した朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を含むモデルを提案する\item談話行為の分類性胜においお提案モデルが埓来のパタヌン玠性ず系列孊習を組み合わせたモデルを䞊回るこずを瀺す\item提案モデルの䞭間局を泚意機構を通じお分析し談話行為の分類に有効な構造を確認する\end{enumerate}本皿の以降の章では次の内容を述べる\ref{sec:related}章で提案モデルの関連研究を玹介しモデルの詳现を\ref{sec:model}章で述べる\ref{sec:exp}章で提案モデルを甚いた評䟡実隓を報告し結果を\ref{sec:discuss}章で考察する最埌に\ref{sec:conc}章では本皿をたずめさらに今埌の展望を述べる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f1.eps}\end{center}\hangcaption{Redditを察象ずした談話行為の䟋各䞞はスレッド䞭の投皿赀色は最初の投皿青色は返信の投皿矢印は返信を衚しおいる最初の質問({\itQuestion})が答え({\itAnswer})ずナヌモア({\itHumor})の返信を受けおおり答えの䞀぀はさらに謝蟞({\itAppreciation})ず远加情報({\itElaboration})の返信を受けおいる}\label{fig:example}\end{figure} \section{関連研究} \label{sec:related}\subsection{談話行為・察話行為の分類}議論を察象ずしお談話行為・察話行為を自動的に分類する手法は埓来より研究されおきた初期の研究ずしおは特に電子メヌルおよび技術電子掲瀺板が察象ずなるこずが倚かった\citeA{Cohen2004}は電子メヌルに察話行為をアノテヌションしテキスト玠性を甚いた分類噚を構築したこの研究は\citeA{Carvalho2005}によっお関係玠性を甚いたコレクティブ分類モデル\citeA{Carvalho2006}によっおN-gram玠性の拡匵が行われた\citeA{Hu2009}も電子メヌルに察話行為をアノテヌションし構造孊習モデルを甚いた分類を詊みたこの研究は\citeA{Omuya2013}によっおクラス毎の玠性の最適化およびカスケヌド分類噚を甚いた拡匵が行われた\citeA{Kim2010b}は技術電子掲瀺板の投皿に察話行為をタグ付けしパタヌン玠性ず系列孊習噚を甚いた分類実隓を実斜したこの研究はのちに\citeA{Wang2011}によっお察話行為の分類ずリンク関係の同時孊習\citeA{Liu2017}によっお倖郚蚘憶を持぀系列孊習噚の拡匵が行われた\citeA{Bhatia2012}も技術電子掲瀺板の投皿に察話行為をタグ付けしパタヌン玠性を含む様々な玠性を甚いた分類噚を評䟡した議論を察象ずした談話行為・察話行為の分類は電子メヌル・技術電子掲瀺板以倖を察象ずしおも研究されおきた\citeA{Wang2007}はニュヌスグルヌプの節を察象にパタヌン玠性ず系列孊習モデルを甚いた議論カテゎリの分類を評䟡した\citeA{Kim2010a}はチャットの察話行為を分類するためにパタヌン玠性を甚いた系列孊習モデルを探玢した\citeA{Zhang2011}は短文投皿を察話行為でアノテヌトし単語玠性ず文字玠性を甚いた分類モデルを孊習した\citeA{Zhang2012}は同じ短文投皿デヌタを甚いおラベル䌝搬に基づく半教垫あり孊習モデル等を探玢した\citeA{Ferschke2012}は察話行為が付䞎されたWikipediaノヌトペヌゞのコヌパスを䜜成しテキスト玠性ずパタヌン玠性を甚いた分類噚を孊習した\citeA{Zhang2017}はRedditのスレッドを談話行為でアノテヌトしパタヌン玠性を含む様々な玠性を甚いた系列孊習モデルを蚭蚈した\subsection{Redditの自動分析}倧量のテキストおよび画像コンテンツから構成されるRedditを察象に䞖の䞭の意芋を分析する研究が数倚く行われおきたRedditを察象ずした自動分析の䞭でも人気床を衚すkarmascoreポゞティブ投祚ずネガティブ投祚の差の分析は広く研究されおきた\citeA{Jaech2015}は人気床のランキングタスクを提案しペアワむズ分類噚を甚いたランキングを行った\citeA{Wei2016b}は人気床を甚いお投皿を説埗力に応じおランキングするシステムを蚭蚈した\citeA{He2016}は動的に人気床を掚定する深局匷化孊習の構成を提案しこの研究はさらに\citeA{He2017}によっお2段階の凊理に拡匵された\citeA{Hessel2017}は人気床の掚定タスクにおいおマルチモヌダル玠性が有効であるこずを瀺した\citeA{Cheng2017}は関連芁玠を因子ずしお結び付けるニュヌラルモデルを甚いお人気床を掚定し文曞埋め蟌みに基づくモデルを䞊回る性胜を実珟した\citeA{Zayats2018}は人気床を掚定するのに適したグラフ構造のニュヌラルモデルを提案し投皿を独立に扱うモデルを䞊回る性胜を実珟したRedditを察象ずした自動分析では人気床以倖に着目した研究も数倚く行われおいる本皿が察象ずする談話行為の分析\cite{Zhang2017}もその䞀぀であり他にも様々なタスクが怜蚎されおいる\citeA{Buntain2014}は回答を投皿する人の瀟䌚的な圹割に着目しそれらを教垫あり孊習で分類した\citeA{Tan2016}はChangeMyViewsubredditを察象ずし説埗性の高い投皿の明確化および意芋の適応性を分類するモデルを構築した\citeA{Lim2017}は投皿者の専門性を投皿内容に非䟝存な手法を甚いお探玢した\subsection{提案モデルずの比范}提案モデルでは議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクに基づく朚構造孊習局ずグラフ構造孊習局を甚いお孊習するこれは埓来甚いられおきたパタヌン玠性を甚いずにテキスト情報ず議論のパタヌンを同時に孊習するアプロヌチであるたた談話行為・察話行為の分類では埓来は系列孊習モデルが甚いられるこずが倚かった\cite{Wang2007,Kim2010a,Kim2010b,Wang2011,Zhang2017,Liu2017}\citeA{Carvalho2005}は確率的なグラフィカルモデルを甚いたが関係玠性ず事前孊習したテキスト玠性に基づく分類噚を前提ずしおいる提案モデルをRedditの自動分析を行うモデルず比范するず類䌌したアプロヌチが\citeA{Zayats2018}で甚いられおいる\citeA{Zayats2018}ではLongshort-termmemory(LSTM)\cite{Hochreiter1997}を拡匵し階局および時系列情報をグラフ構造ずしお孊習するモデルを提案したしかしこのモデルはRedditの人気床を効率的に孊習するための蚭蚈を含んでいるRedditの人気床は投皿時間や投皿者の属性に匷く盞関するこずが知られおいる\cite{Jaech2015}人気床の掚定モデルを談話行為の掚定にそのたた適甚しおも\ref{sec:exp}章で詳现を述べる実隓で瀺すように性胜は限定的である \section{提案モデル} \label{sec:model}提案モデルであるTree-LSTMGCNHybridの抂芁を図\ref{fig:model2}に瀺すTree-LSTMGCNHybridではたずスレッド䞭の投皿をLSTMず最倧プヌリングで゚ンコヌド(CommentEncoder)し投皿の特城量を埗る次に投皿間の関係を朚構造のLSTM凊理(Parent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTM)およびグラフ構造の畳み蟌み凊理(GCN)で取り入れた投皿の特城量を埗る投皿の特城量にはさらに泚意機構(Self-Attention)を適甚し最終的には党結合局でラベルに接続(LabelClassifier)する\begin{figure}[p]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f2.eps}\end{center}\hangcaption{提案モデルTree-LSTMGCNHybridの抂芁このモデルではスレッドに含たれる投皿をCommentEncoderで゚ンコヌドしそれらを朚構造孊習局(Parent-BranchTree-LSTMChid-SumTree-LSTM)およびグラフ構造孊習局(GCN)で凊理する}\label{fig:model2}\end{figure}Tree-LSTMGCNHybridでは既存のLSTM朚構造のLSTMグラフ構造の畳み蟌みの凊理を䞀郚倉曎した䞊で組み合わせお議論の分析に効果的なモデルを提案しおいる返信元から返信先に展開される議論のフロヌを取り入れるためにLSTMの$1$ステップ前の参照凊理を修正したParent-BranchTree-LSTMを甚意した返信先から返信元に展開される議論のフロヌを取り入れるために\citeA{Tai2015}のChild-SumTree-LSTMを甚意した返信の方向に䟝存しない呚蟺で展開される議論のフロヌを取り入れるために\citeA{Defferrard2016}のGCNを甚意した本章の以降では各構成芁玠の詳现に぀いお述べる\subsubsection*{CommentEncoder}CommentEncoderでは投皿単䜍の凊理を実珟するために投皿䞭の単語から投皿の特城量を求めるタむトルテキスト${\boldsymbola}_{title}$ず投皿テキスト${\boldsymbola}_{1\ldotsI}$からなる系列デヌタを入力ずする各テキスト䞭の単語はEmbeddingLayerの埋め蟌み行列${\boldsymbolE}$によっお${\boldsymbolx}_{title}$および${\boldsymbolx}_{1\ldotsI}$に倉換する倉換した入力は双方向LSTM\footnote{タむトルを持぀最初の投皿ず以降の投皿を別途凊理できるように最初の投皿甚の$\rmLSTM_s$ず返信の投皿甚の$\rmLSTM_c$を甚意した}により以䞋の状態遷移関数に基づき凊理する{\allowdisplaybreaks\begin{align}{\boldsymboli}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_i{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_i{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_i\right)\label{eq:lstm1}\\{\boldsymbolo}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_o{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_o{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_o\right)\label{eq:lstm2}\\{\boldsymbolf}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_f\right)\label{eq:lstm3}\\\tilde{{\boldsymbolc}}_t&=\tanh\left({\boldsymbolW}_c{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_c{\boldsymbolh}_{t-1}+{\boldsymbolb}_c\right)\label{eq:lstm4}\\{\boldsymbolc}_t&={\boldsymboli}_t\odot\tilde{{\boldsymbolc}}_t+{\boldsymbolf}_t\odot{\boldsymbolc}_{t-1}\label{eq:lstm5}\\{\boldsymbolh}_t&={\boldsymbolo}_t\odot\tanh\left({\boldsymbolc}_t\right)\end{align}}ここで${\boldsymboli}_t$は入力ゲヌト${\boldsymbolo}_t$は出力ゲヌト${\boldsymbolf}_t$は忘华ゲヌト$\tilde{{\boldsymbolc}}_t$はメモリセルゲヌト${\boldsymbolc}_t$はメモリセルの状態${\boldsymbolh}_t$は隠れ状態${\boldsymbolW}_*$ず${\boldsymbolU}_*$は重み行列${\boldsymbolb}_*$はバむアス項$\sigma$はロゞスティックシグモむド関数$\odot$は芁玠積の挔算子である双方向LSTMの出力は結合し時間方向の最倧プヌリング(MaxPooling)により投皿の特城量${\boldsymbolm}={\rmmax}\left(\overrightarrow{{\boldsymbolh}}\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}\right)$を埗るここで$\overrightarrow{{\boldsymbolh}}$は$\boldsymbolh$の順方向での凊理結果$\overleftarrow{{\boldsymbolh}}$は$\boldsymbolh$の逆方向での凊理結果$\|$はテン゜ルの結合を意味するたた最初の投皿に぀いおはタむトルの出力(${\boldsymbolh}_{title}$)ず投皿の出力(${\boldsymbolh}_1$)の芁玠和($\oplus$)を$\overrightarrow{{\boldsymbolh}}_{title}\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}_{title}\oplus\overrightarrow{{\boldsymbolh}}_1\|\overleftarrow{{\boldsymbolh}}_1$のようにしお最倧プヌリングの前に求める\subsubsection*{Parent-BranchTree-LSTM}Parent-BranchTree-LSTMでは芪ノヌド返信元の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする投皿の特城量は根ノヌドから葉ノヌドぞず凊理するLSTMの$1$時刻前の隠れ状態${\boldsymbolh}_{t-1}$匏\ref{eq:lstm1}--\ref{eq:lstm4}を芪ノヌドの隠れ状態${\boldsymbolh}_{parent}$に眮き換えお以䞋の匏に基づき凊理する{\allowdisplaybreaks\begin{align}{\boldsymboli}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_i{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_i{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_i\right)\\{\boldsymbolo}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_o{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_o{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_o\right)\\{\boldsymbolf}_t&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_f\right)\\\tilde{{\boldsymbolc}}_t&=\tanh\left({\boldsymbolW}_c{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_c{\boldsymbolh}_{parent}+{\boldsymbolb}_c\right)\end{align}}なお投皿には耇数の子ノヌド返信がありえるため${\boldsymbolh}_{parent}$は耇数の投皿で共有されるこずがあるたた以降の凊理では${\boldsymbolh}$をParent-BranchTree-LSTMが出力する投皿の特城量${\boldsymbolr}_P$ずしお甚いる\subsubsection*{Child-SumTree-LSTM}Child-SumTree-LSTMでは子ノヌド返信の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする投皿の特城量は葉ノヌドから根ノヌドぞずChild-SumTree-LSTM\cite{Tai2015}で凊理する具䜓的には匏\ref{eq:lstm1}\ref{eq:lstm2}\ref{eq:lstm4}に含たれる$1$時刻前の隠れ状態${\boldsymbolh}_{t-1}$を子ノヌドの隠れ状態$\tilde{{\boldsymbolh}}_{t}$に眮き換え忘华ゲヌト${\boldsymbolf}_t$匏\ref{eq:lstm3}ずメモリセルゲヌト${\boldsymbolc}_t$匏\ref{eq:lstm5}を以䞋の匏に眮き換え凊理する\begin{align}\tilde{{\boldsymbolh}}_t&=\sum_k{\boldsymbolh}_k\\{\boldsymbolf}_{tk}&=\sigma\left({\boldsymbolW}_f{\boldsymbolx}_t+{\boldsymbolU}_f{\boldsymbolh}_k+{\boldsymbolb}_f\right)\\{\boldsymbolc}_t&={\boldsymboli}_t\odot\tilde{{\boldsymbolc}}_t+\sum_k{\boldsymbolf}_{tk}\odot{\boldsymbolc}_{k}\end{align}ここで${\boldsymbolh}_k$は子ノヌドの隠れ状態${\boldsymbolc}_k$は子ノヌドのメモリセル状態であるたた以降の凊理では${\boldsymbolh}$をChild-SumTree-LSTMが出力する投皿の特城量${\boldsymbolr}_C$ずしお甚いる\subsubsection*{GCN}GCNでは呚蟺ノヌド返信元および返信先の情報を甚いた談話行為の掚定を可胜にする各ノヌドの呚蟺ノヌドを畳み蟌みフィルタでグラフ䞊の畳み蟌みずしお取り蟌む具䜓的には畳み蟌みフィルタをチェビシェフ展開で近䌌する手法\cite{Hammond2011}に基づくグラフ畳み蟌み凊理\cite{Defferrard2016}を甚いる投皿の特城${\boldsymbolh}_l$を入力ずしお以䞋の状態遷移関数で凊理する\begin{align}{\boldsymbolh}_{l+1}&={\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\boldsymbolh}_l\\g_{\boldsymbol\theta}\left({\boldsymbol\Lambda}\right)&=\sum_k^{K-1}{\boldsymbol\theta}_kT_k(\tilde{\boldsymbol\Lambda})\end{align}ここで$l$は局の番号$\boldsymbolU$は入力グラフにおける正芏化されたラプラシアンのフヌリ゚基底$\boldsymbol{\theta}_k\in\mathbb{R}^K$はチェビシェフ係数のベクトル$T_k(\tilde{\boldsymbol\Lambda})$は$k$次のチェビシェフ倚項匏であるグラフ䞊の畳み蟌み凊理は連続的に適甚するこずにより倚局化でき提案モデルでは匏\ref{eq:gcn}のようにグラフ畳み蟌み凊理$2$局ず正芏化線圢関数(ReLU)を組み合わせた投皿の特城量${\boldsymbolr}_G$を埗る\pagebreak\begin{align}{\boldsymbolr}_G&={\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\rmReLU}\left({\boldsymbolU}g_\theta\left({\boldsymbol\Lambda}\right){\boldsymbolU}^T{\boldsymbolm}\right)\label{eq:gcn}\end{align}\subsubsection*{Self-Attention}Parent-BranchTree-LSTM(P)Child-SumTree-LSTM(C)GCN(G)に察応する$j\in\{P,C,G\}$番目の特城量を自己泚意方法の泚意機構\cite{Yang2016,Lin2017}(Self-Attention)で統合する泚意機構で統合した$i$番目の投皿の特城量${\boldsymbols}_i$は議論のフロヌを取り入れた特城量${\boldsymbolr}_{ji}$の重み付き和ずしお以䞋のように求める\begin{align}{\boldsymbols}_i&=\sum_{j\in\{P,C,G\}}\alpha_{ji}{\boldsymbolr}_{ji}\\\alpha_{ji}&=\frac{\exp\left({\boldsymbolv}_\alpha^T{\boldsymbolu}_{ji}\right)}{\sum_{j'\in\{P,C,G\}}\exp\left({\boldsymbolv}_\alpha^T{\boldsymbolu}_{j'i}\right)}\label{eq:softmax}\\{\boldsymbolu}_{ji}&=\tanh\left({\boldsymbolW}_\alpha{\boldsymbolr}_{ji}+{\boldsymbolb}_\alpha\right)\end{align}ここで${\boldsymbolv}_\alpha$は重みベクトル${\boldsymbolW}_\alpha$は重み行列${\boldsymbolb}_\alpha$はバむアス項である\subsubsection*{LabelClassifier}各投皿の特城量${\boldsymbols}_i$を党おの$i$で共有された党結合局ず゜フトマックス関数を甚いお以䞋のようなラベル出力$\sigma\left({\boldsymboly}_i\right)$を埗る\begin{align}{\boldsymboly}_i&={\boldsymbolW}_{d}{\boldsymbols}_i+{\boldsymbolb}_d\\\sigma\left({\boldsymboly}_i\right)&=\frac{\exp\left({\boldsymboly}_i\right)}{\sum_{i'}\exp\left({\boldsymboly}_{i'}\right)}\end{align}ここで${\boldsymbolW}_d$は重み行列${\boldsymbolb}_d$はバむアス項である \section{実隓} \label{sec:exp}\subsection{ベヌスラむン}提案手法のベヌスラむンずしおルヌルに基づくモデル(Rule5-ACTS)埓来のパタヌン玠性ず系列孊習を組み合わせたモデル(CRFVote)$2$皮類のニュヌラルモデル(LSTM-CRFVoteGreaph-LSTM)を甚意した\subsubsection*{Rule5-ACTS}機械孊習に基づかないベヌスラむンずしお単玔なルヌルに基づく分類噚Rule5-ACTSを甚意したスレッド䞭の投皿$c$はAlgorithm\ref{alg1}に基づいおラベル$l$に分類されるなおこの分類噚では投皿が{\itAgreement}{\itDisagreement}{\itHumor}{\itNegativeReaction}の$4$皮類のラベルに分類されるこずはない\begin{algorithm}[b]\caption{Rule5-ACTS}\label{alg1}\input{03algo01.tex}\end{algorithm}\subsubsection*{CRFVote}\citeA{Zhang2017}で最も良い性胜を瀺した条件付き確率堎(CRF)に基づくモデルをCRFVoteずしお実装したこのモデルではスレッドを分解しお根ノヌドから各葉ノヌドぞの系列を独立しお凊理する内容語句読点パタヌン著者スレッドコミュニティの玠性をCRFで孊習する玠性の䞭でもパタヌン玠性の倧きな効果がアブレヌションテストにより確認されおいるなおスレッドを系列に分解しお凊理するため䞀぀の投皿に察しお耇数の異なるラベルを分類するこずがあるこの際には投皿のラベルは分類したラベルの倚数決によっお決定する\subsubsection*{LSTM-CRFVote}CommentEncoder\ref{sec:model}章にLSTM局ずCRF局を組み合わせおCRFVoteをニュヌラルモデルに拡匵したLSTM-CRFVoteを実装した系列孊習タスクにおいおLSTMずCRFを組み合わせるアプロヌチが有効であるこずは知られおいる\cite{Huang2015,Lample2016,Ma2016}たたCRFVoteず同様にスレッドは根ノヌドから葉ノヌドぞの系列に分解するこのモデルではたず各系列をCommentEncoderで凊理し各投皿の特城量を埗る次にLSTM局により投皿間の䟝存関係を導入しさらにCRF局でラベル間の盞関関係を導入するたた耇数のラベルが分類された投皿に぀いおはCRFVoteず同様に倚数決でラベルを決定する\subsubsection*{Graph-LSTM}グラフ構造に察応したLSTM\cite{Zayats2018}をGraph-LSTMずしお実装したスレッド䞊の投皿間の芪子関係および兄匟関係を凊理できるようにLSTMを拡匵しお芪子間の接続を扱う忘华ゲヌトず兄匟間の接続を扱う忘华ゲヌトを甚意しおいるたた投皿䞭の単語分散衚珟の平均に加えおグラフ䞊の䜍眮や返信数ずいったパタヌン玠性を組み合わせた入力を甚意しおいるこのモデルは談話行為の分類を目的ずしお蚭蚈されおはいないがReddit投皿の人気床を掚定する際には優れた性胜を発揮しおいる\subsection{デヌタ・評䟡手法}\label{sec:data}提案モデルずベヌスラむンモデルの評䟡には\citeA{Zhang2017}のデヌタ\footnote{https://github.com/google-research-datasets/coarse-discourse}を甚いたデヌタはRedditの9,438スレッド115,827投皿2,837コミュニティ(subreddit)より構成され各投皿には衚\ref{tab:cdis-exp}に瀺される$10$皮類の談話行為が$3$人のアノテヌタによりアノテヌトされおいる\citeA{Zhang2017}の蚭定を螏襲しアノテヌタ間の倚数決でラベルを決定できない投皿および倚数決で決定したラベルが{\itOther}の投皿を陀倖した結果ずしお評䟡には9,131スレッド98,865投皿のデヌタを甚いた各談話行為のラベルの数それらの最初の投皿の割合Krippendorf'sAlphaによる䞀臎床を衚\ref{tab:cdis}に瀺す\begin{table}[t]\caption{各談話行為ずその抂芁}\label{tab:cdis-exp}\input{03table01.tex}\end{table}\begin{table}[t]\caption{談話行為の数最初の投皿の割合Krippendorf'sAlphaによる䞀臎床}\label{tab:cdis}\input{03table02.tex}\end{table}すべおのモデルは$10$亀差怜定で評䟡し評䟡尺床ずしおはAccuracyPrecisionRecall${\rmF}_1$倀を甚いたニュヌラルモデルに぀いおは開発デヌタを甚意するために$10$亀差怜定ではデヌタを8:1:1の割合で蚓緎:開発:テストに分割したテスト時の性胜を枬定する際には開発デヌタで最良の${\rmF}_1$倀が埗られた孊習結果を利甚した\subsection{モデルの蚭定}\subsubsection*{単語分散衚珟の事前孊習}ニュヌラルモデルで甚いる単語分散衚珟は2006--2016のRedditダンプデヌタ\footnote{https://bigquery.cloud.google.com/dataset/fh-bigquery:reddit\_posts}$^{,}$\footnote{https://bigquery.cloud.google.com/dataset/fh-bigquery:reddit\_comments}をサンプリングしたデヌタで事前孊習したサンプリングでは実隓デヌタ䞭に衚れる2,837コミュニティ\ref{sec:data}節に属する玄$2.3$億の投皿を取埗した事前孊習ではword2vec\cite{Mikolov2013}をskip-gramアルゎリズムで$次元=100$$孊習率=0.025$$りィンドり幅=5$$ネガティブサンプル数=5$$゚ポック=5$の蚭定で甚いた\subsubsection*{各局のナニット数ず最倧単語数}提案モデルやベヌスラむンモデルには\pagebreakナニット数のパラメヌタを蚭定できる局が含たれおいるLSTMのナニット数ずしおは${\rmLSTM}_S$ず${\rmLSTM}_C$に぀いおは$300$にLSTM-CRFVoteに぀いおは$600$に蚭定したParent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTMGCNのナニット数には$600$を蚭定したたたRedditの投皿には数千語にもおよぶ長い投皿が存圚する効率化のためにスレッドの最初の投皿に぀いおは最倧$400$語返信の投皿に぀いおは最倧$100$語のみを利甚した\subsubsection*{最適化手法}LSTM-CRFVoteGraph-LSTMTree-LSTMGCNHybridの最適化には確率的募配降䞋法を甚いた目的関数にはLSTM-CRFVoteはCRFのスコアを甚いGraph-LSTMずTree-LSTMGCNHybridは亀差゚ントロピヌを甚いた確率的募配降䞋法のパラメヌタずしおは孊習率は$\{0.01,0.1\}$から開発デヌタで良い性胜を瀺した倀を遞択し$モメンタム=0.9$$募配クリッピング=3.0$を甚いたたた過孊習を避けるためにドロップアりト\cite{Srivastava2014}を割合$0.5$でLSTM局ずGCNの䞭間局に導入した\begin{table}[b]\caption{提案モデルずベヌスラむンモデルのAccuracyPrecisionRecall${\rmF}_1$倀}\label{tab:result}\input{03table03.tex}\vspace{4pt}\smallPrecisionRecall${\rmF}_1$倀に぀いおは$9$぀の談話行為をデヌタ数に応じお重み付けした平均倀である倪字は各評䟡指暙で最倧の倀を瀺しおいる\end{table}\subsection{実隓結果}\label{sec:result}衚\ref{tab:result}に各モデルの評䟡結果を瀺すたた提案モデルであるTree-LSTMGCNHybridに぀いおは䞀぀の構成芁玠のみを甚いたモデルを提案モデル構成芁玠名ずしお甚意しおいる結果からTree-LSTMGCNHybridが埓来のCRFVoteをAccuracyで$1.5\%$${\rmF}_1$倀で$2.2$䞊回る性胜を瀺しおいるLSTM-CRFVoteもCRFVoteを䞊回る性胜を瀺しおおりニュヌラルモデルぞの単玔な拡匵およびニュヌラルモデルにより議論のパタヌンを孊習する有効性が瀺唆される\footnote{すべおの評䟡指暙においおTree-LSTMGCNHybridずLSTM-CRFVote間に有意氎準$5\%$で統蚈的な有意差があるこずをFisher-PitmannPermutationTestで確認しおいるたたLSTM-CRFVoteずCRFVote間においおもAccuracyに぀いおは有意氎準$10\%$PrecisionRecall${\rmF}_1$倀に぀いおは有意氎準$5\%$で統蚈的な有意差があるこずを確認しおいる}Graph-LSTMはCRFVoteに及ばない性胜しか埗られおおらずRedditを察象ずしおいおも人気床の掚定モデルを談話行為の分類にそのたた甚いるのは難しいこずが分かるRule5-ACTSでは他のモデルを倧きく䞋回る性胜になっおおり単玔なルヌルではこのタスクに察応しきれないこずを瀺しおいるなお蚈算時間に぀いおはTree-LSTMGCNHybridは$10$亀差怜定の評䟡を完了するのにNVIDIATitanXgpuを$1$個甚いお玄$21$時間掛かったニュヌラルモデルは䞀般的に蚈算負荷が高く本実隓においおもIntelCorei7cpuを$1$コア甚いお玄$4$時間掛かったCRFVoteの玄$5$倍の時間が掛かっおいる提案モデルの単䞀構成芁玠を甚いた結果に぀いおは構成芁玠ごずに異なる傟向が埗られたParent-BranchTree-LSTMが最も高い性胜GCNがParent-BranchTree-LSTMを僅かに䞋回る性胜Child-SumTree-LSTMが他二぀より倧幅に䜎い性胜を瀺したRedditの議論では根ノヌドから葉ノヌドぞず返信の連鎖で議論が進むこのため芪ノヌドを参照する構成芁玠が高い性胜を瀺しおいるこれらの結果は盎感に合うたたGCNでは$2$局の畳み蟌み局により長さ$2$以内のノヌドを参照しおいるGCNでParent-BranchTree-LSTMに近い性胜が埗られおおり談話行為の分類においおは遠いノヌドの圱響は僅かであるず考えられる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f3.eps}\end{center}\caption{泚意機構の確率倀から求めた確率密床関数}\label{fig:att-probs}\end{figure} \section{考察} \label{sec:discuss}\subsection{朚構造・グラフ構造の有効な組み合わせ}\label{sec:strategy}提案モデルでは䞉぀の構成芁玠を泚意機構を甚いお統合しおいるTree-LSTMGCNHybridがこれら構成芁玠をどのように組み合わせおいるかを分析するために泚意機構が出力する確率倀を分析した図\ref{fig:att-probs}aにすべおの投皿に぀いおの確率倀から求めた確率密床関数を瀺す最も優先される構成芁玠はParent-BranchTree-LSTMであり\ref{sec:result}節の実隓結果で単独で最も高い性胜が埗られた構成芁玠でもあるしかし$2$番目に優先される構成芁玠は単独では䜎い性胜を瀺したChild-SumTree-LSTMずなったこのため朚構造やグラフ構造の効果は単独で甚いた堎合ず組み合わせた堎合では必ずしも䞀臎しないこずが分かる図\ref{fig:att-probs}bに最初の投皿に限定した堎合の確率密床関数を瀺す最初の投皿には芪ノヌドがなく党䜓の堎合ず比范しおChild-SumTree-LSTMずGCNが優先されおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f4.eps}\end{center}\caption{返信の数ごずに分割した確率密床関数}\label{fig:att-probs2}\end{figure}泚意機構の確率倀をさらに返信の数ごずに堎合分けした結果を図\ref{fig:att-probs2}に瀺す返信がないか少ない堎合は求めた確率密床関数は党䜓ず䌌た傟向を瀺した図\ref{fig:att-probs2}a返信が䞭皋床の堎合にはChild-SumTree-LSTMずGCNのピヌクの䜍眮がParent-BranchTree-LSTMに近くなった図\ref{fig:att-probs2}b返信数が倧きい堎合にはGCNのピヌクの䜍眮がChild-SumTree-LSTMを䞊回る結果ずなった図\ref{fig:att-probs2}c\ref{fig:att-probs2}dGCNの結果から返信数が倚ければ呚蟺の投皿のみで談話行為の分類が十分に行えるこずが䌺える\subsection{ニュヌラルモデルの匷み}提案モデルのより詳现な効果を確認するために談話行為毎の性胜を確認した衚\ref{tab:result2}にRule5-ACTSCRFVoteLSTM-CRFVoteParent-BranchTree-LSTMTree-LSTMGCNHybridの談話行為毎の${\rmF}_1$倀を瀺す結果ずしおニュヌラルモデルがほがすべおの談話行為に぀いお埓来モデルず比范しお同等以䞊の性胜を達成しおいる特に{\itDisagreement}{\itHumor}{\itNegativeReaction}に぀いおはCRFVoteから倧きく性胜が向䞊したこれらの談話行為は他ず比べお発生頻床が小さく衚\ref{tab:cdis}ニュヌラルモデルが䜎頻床の談話行為の特城をうたく捉えおいるこずを瀺唆しおいる\begin{table}[b]\caption{提案モデルずベヌスラむンモデルの各談話行為に぀いおの${\rmF}_1$倀}\label{tab:result2}\input{03table04.tex}\end{table}\begin{table}[b]\caption{\textit{Appreciation}に぀いおの提案モデルずベヌスラむンモデルのPrecisionRecall${\rmF}_1$倀}\label{tab:result3}\input{03table05.tex}\end{table}{\itAnnouncement}においおは耇数の構成芁玠を組み合わせたモデル(Tree-LSTMGCNHybrid)が$3.2$ポむントの${\rmF}_1$倀の向䞊を瀺した{\itAnnouncement}は最初の投皿にしか衚れない特城があり衚\ref{tab:cdis}\ref{sec:strategy}節の分析でもChild-SumTree-LSTMずGCNが最初の投皿においお優先されおいた提案モデルが改善を瀺さなかった唯䞀の談話行為ずしおは{\itAppreciation}が挙げられる衚\ref{tab:result3}に瀺される{\itAppreciation}のPrecisionRecall${\rmF}_1$倀を確認したずころPrecisionにおいおはRule5-ACTSおよびCRFVoteが優れた性胜を瀺しおいたこの結果から匷い蚀語的な手掛かり䟋``thank''が存圚する談話行為に぀いおはルヌルやタスク䟝存の玠性を含むモデルに匷みがあるこずが䌺える\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia3f5.eps}\end{center}\hangcaption{CRFVoteに察しおTree-LSTMGCNHybridの掚定結果が改善した䟋䟋䞭では人名を``PERSON''具䜓的なURLを``URL''補品名を``PRODUCT''数倀を``XXXX''に眮き換えおいるたた䟋䞭のCRFVoteTree-LSTMGCNHybridはそれぞれのモデルの掚定結果である}\label{fig:ea1-2}\end{figure}CRFVoteに察しお提案モデル(Tree-LSTMGCNHybrid)の掚定結果が改善した䟋を図\ref{fig:ea1-2}に瀺すaのID2ではスポヌツ遞手の怪我に察しお意芋を述べおいるが誀っおElaborationず掚定されおいた談話行為が正しくNegativeReactionず掚定されるようになった提案モデルによりID2の投皿は芪投皿(ID1)を補足しおいるのではなく芪投皿に察しおの個人的か぀吊定的な芋解であるこずを刀定できおいるこずが確認できるたたbのID3では囜ごずの補品䟡栌の違いに぀いお意芋を述べおいるが誀っおAnswerず掚定されおいた談話行為が正しくHumorず掚定されるようになった提案モデルによりID3の投皿は芪投皿(ID1)の質問に答えおいるずいうより芪投皿の内容に即した冗談であるこずを刀定できおいるこずが確認できる \section{おわりに} \label{sec:conc}本皿では議論のパタヌンをニュヌラルネットワヌクを甚いお孊習し談話行為を分類するモデルを提案した提案モデルでは3皮類の構成芁玠(Parent-BranchTree-LSTMChild-SumTree-LSTMGCN)を甚意し議論のパタヌンを孊習するこずを詊みた評䟡実隓により提案モデルは埓来モデルず比范しおAccuracyで$1.5\%$${\rmF}_1$倀で$2.2$の性胜向䞊を確認したたた3皮類の構成芁玠間の関係を泚意機構の確率倀を通じお分析した今埌の課題ずしおは提案モデルをReddit以倖の議論に察しお適甚するこずを怜蚎しおいるRedditには倧芏暡な投皿デヌタを容易に入手できるずいう利点があるが投皿時間や投皿者の属性等のテキスト以倖の芁玠が投皿に倧きな圱響を䞎えおいる議論を分析するための柔軟なアヌキテクチャを探玢するためにも今埌は提案モデルの拡匵をより䞀局進めたい\acknowledgment東京工業倧孊奥村・高村研究宀の皆様にはニュヌラルネットワヌクを甚いお朚構造やグラフ構造を孊習する手法に぀いお議論を通じお様々なアドバむスを頂きたしたここに感謝の意を衚したすたた本論文はThe27thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2018)に採択されたIntegratingTreeStructuresandGraphStructureswithNeuralNetworkstoClassifyDiscussionDiscourseActs\cite{Miura2018}を日本語で曞き盎し内容を远加したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bhatia,Biyani,\BBA\Mitra}{Bhatiaet~al.}{2012}]{Bhatia2012}Bhatia,S.,Biyani,P.,\BBA\Mitra,P.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQClassifyingUserMessagesForManagingWebForumData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thInternationalworkshopontheWebandDatabases}.\bibitem[\protect\BCAY{Bunt,Alexandersson,Carletta,Choe,Fang,Hasida,Lee,Petukhova,Popescu-Belis,Romary,Soria,\BBA\Traum}{Buntet~al.}{2010}]{Bunt2010}Bunt,H.,Alexandersson,J.,Carletta,J.,Choe,J.-W.,Fang,A.~C.,Hasida,K.,Lee,K.,Petukhova,V.,Popescu-Belis,A.,Romary,L.,Soria,C.,\BBA\Traum,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQTowardsanISOStandardforDialogueActAnnotation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thConferenceonInternationalLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\2548--2555}.\bibitem[\protect\BCAY{Buntain\BBA\Golbeck}{Buntain\BBA\Golbeck}{2014}]{Buntain2014}Buntain,C.\BBACOMMA\\BBA\Golbeck,J.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQIdentifyingSocialRolesinRedditUsingNetworkStructure.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponModelingSocialMedia:MiningBigDatainSocialMediaandtheWeb},\mbox{\BPGS\615--620}.\bibitem[\protect\BCAY{Carvalho\BBA\Cohen}{Carvalho\BBA\Cohen}{2006}]{Carvalho2006}Carvalho,V.\BBACOMMA\\BBA\Cohen,W.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQImproving``EmailSpeechActs''AnalysisviaN-gramSelection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAnalyzingConversationsinTextandSpeech},\mbox{\BPGS\35--41}.\bibitem[\protect\BCAY{Carvalho\BBA\Cohen}{Carvalho\BBA\Cohen}{2005}]{Carvalho2005}Carvalho,V.~R.\BBACOMMA\\BBA\Cohen,W.~W.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQOntheCollectiveClassificationofEmail``SpeechAct''.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe28thAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\345--352}.\bibitem[\protect\BCAY{Cheng,Fang,\BBA\Ostendorf}{Chenget~al.}{2017}]{Cheng2017}Cheng,H.,Fang,H.,\BBA\Ostendorf,M.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQAFactoredNeuralNetworkModelforCharacterizingOnlineDiscussionsinVectorSpace.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2017ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\2296--2306}.\bibitem[\protect\BCAY{Cohen,Carvalho,\BBA\Mitchell}{Cohenet~al.}{2004}]{Cohen2004}Cohen,W.~W.,Carvalho,V.~R.,\BBA\Mitchell,T.~M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQLearningtoClassifyEmailinto``SpeechActs''.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\309--316}.\bibitem[\protect\BCAY{Defferrard,Bresson,\BBA\Vandergheynst}{Defferrardet~al.}{2016}]{Defferrard2016}Defferrard,M.,Bresson,X.,\BBA\Vandergheynst,P.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQConvolutionalNeuralNetworksonGraphswithFastLocalizedSpectralFiltering.\BBCQ\\newblockIn{\BemAdvancesinNeuralInformationProcessingSystems29},\mbox{\BPGS\3844--3852}.CurranAssociates,Inc.\bibitem[\protect\BCAY{Ferschke,Gurevych,\BBA\Chebotar}{Ferschkeet~al.}{2012}]{Ferschke2012}Ferschke,O.,Gurevych,I.,\BBA\Chebotar,Y.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQBehindtheArticle:RecognizingDialogActsinWikipediaTalkPages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\777--786}.\bibitem[\protect\BCAY{Hammond,Vandergheynst,\BBA\Gribonval}{Hammondet~al.}{2011}]{Hammond2011}Hammond,D.~K.,Vandergheynst,P.,\BBA\Gribonval,R.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQWaveletsonGraphsviaSpectralGraphTheory.\BBCQ\\newblock{\BemAppliedandComputationalHarmonicAnalysis},{\Bbf30}(2),\mbox{\BPGS\129--150}.\bibitem[\protect\BCAY{He,Ostendorf,\BBA\He}{Heet~al.}{2017}]{He2017}He,J.,Ostendorf,M.,\BBA\He,X.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQReinforcementLearningwithExternalKnowledgeandTwo-StageQ-functionsforPredictingPopularRedditThreads.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprintarXiv:1704.06217}.\bibitem[\protect\BCAY{He,Ostendorf,He,Chen,Gao,Li,\BBA\Deng}{Heet~al.}{2016}]{He2016}He,J.,Ostendorf,M.,He,X.,Chen,J.,Gao,J.,Li,L.,\BBA\Deng,L.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQDeepReinforcementLearningwithaCombinatorialActionSpaceforPredictingPopularRedditThreads.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2016ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1838--1848}.\bibitem[\protect\BCAY{Hessel,Lee,\BBA\Mimno}{Hesselet~al.}{2017}]{Hessel2017}Hessel,J.,Lee,L.,\BBA\Mimno,D.\BBOP2017\B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V07N02-02
\section{はじめに} \label{sec:introduction}近幎WWWを通じお英字新聞蚘事に接する機䌚が増えおきたこずに䌎いより正確に英文蚘事を日本語に翻蚳する必芁性が高たっおきおいる新聞蚘事は芋出しず本文から構成されるが芋出しは蚘事の最も重芁な情報を䌝える衚珟である\footnote{テキストから重芁な文を遞択するテキスト抄録システムにおいお芋出しを最も重芁な文であるずみなす考え方\cite{Nakao97,Yoshimi99}がある}ため芋出しを正確に翻蚳するこずは他の衚珟の翻蚳に比べおより䞀局重芁である英字新聞蚘事の芋出しはできるだけ少ない文字数でできるだけ倚くの情報を䌝えるためや読者の泚意を匕くために通垞の文の衚珟圢匏ずは異なる特有の圢匏をしおいるこのため埓来の英日機械翻蚳システムでは適切に翻蚳できない堎合が倚いその原因は䞻に芋出し特有衚珟の構文解析を適切に行なうための構文解析芏則が様々な皮類や分野のテキストを扱うこずを前提に開発された機械翻蚳システムでは蚘述されおいないこずにあるず考えられる既存の構文解析芏則で適切に扱えない衚珟ぞの察応策の遞択肢ずしおは特殊な衚珟圢匏が扱えるように構文解析芏則を拡匵するアプロヌチず既存の構文解析芏則は倉曎せず既存の芏則でも適切に凊理できるように原蚀語の衚珟を曞き換える新たなモゞュヌルを蚭けるアプロヌチが考えられる埌者のアプロヌチずしお長い文の構文解析が倱敗しやすいずいう問題に長文を耇数の短文に分割するこずによっお察凊する方法\cite{Kim94}や曞き換えを行なうべきかどうかの刀定粟床を高めるために完党な構文情報が埗られる構文解析終了埌にたで曞き換え芏則の適甚を遅らせる方法\footnote{この方法は日英間の構造的な差異を調敎しより自然な翻蚳を生成するために構文構造を曞き換える方法\cite{Nagao85a}に近いず考えられる}\cite{Shirai95}などがこれたでに瀺されおいる実際に運甚されおいる機械翻蚳システムでは構文解析芏則の芏暡は非垞に倧きくなっおいるため既存の芏則ずの敎合性を保ちながら新たな芏則を远加するこずは容易ではないたた特殊な衚珟を扱うための芏則を远加するず芏則の汎甚性が損なわれる恐れがあるこれに察しお既存の芏則には手を加えず原蚀語の衚珟を曞き換える前線集系を新たに開発する方が曞き換え結果が既存の構文解析芏則で正しく解析できるかどうかを人手で刀断するこずは比范的容易であるずいう点や芏則の汎甚性を維持するこずができるずいう点でシステムの開発維持䞊望たしい本研究では埓来の機械翻蚳システムによる新聞蚘事芋出し翻蚳の品質が䜎いずいう問題に察しお自動前線集モゞュヌルを蚭けるアプロヌチを採り浅いレベルの手がかりに基づいお原蚀語の衚珟を曞き換えるこずによっおこの問題を解決するこずを目指しおいる自動前線集による芋出し翻蚳の品質改善の䞀䟋ずしお本皿では芋出し特有衚珟のうち比范的高い頻床\footnote{284件の芋出しを察象ずした我々の調査で確認された芋出し特有の衚珟\cite{Uenoda78}はbe動詞の省略を含むものが73ä»¶(25.7\%)等䜍接続詞のコンマでの代甚を含むものが25ä»¶(8.8\%)``say''のコロンでの代甚を含むものが4ä»¶(1.4\%)などである.ただし珟圚圢で過去の事象を衚す衚珟や冠詞の省略などは今回の調査では考慮しなかった}で芋られるbe動詞の省略珟象に察象を絞りbe動詞が省略されおいる芋出しにbe動詞を正しく補うための曞き換え芏則を圢態玠解析ず粗い構文解析\footnote{具䜓的には\ref{sec:preeditHeadline:cond}\,節で述べる手続きによる凊理を指す}によっお埗られる情報に基づいお蚘述しこれらの曞き換え芏則によっお適切な曞き換えが行なえるこずを瀺す本皿の察象は英字新聞蚘事芋出しずいう限定されたものであるが英字新聞蚘事は英日機械翻蚳システムの䞀般利甚者が日々接するこずが倚いテキストの䞀぀であるため実甚的なシステムにおける芋出し解析の重芁性は高いたた本皿の目的はbe動詞を補うこずによっお芋出し解析の粟床を向䞊させるこずにあり曞き換えた芋出しの翻蚳が日本語新聞蚘事の芋出しの文䜓に照らし合わせお適切であるかどうかは本皿の察象倖である \section{英々倉換系} \label{sec:preedit}\subsection{英々倉換の枠組}\label{sec:preedit:flow}本節で述べる自動前線集系(英々倉換系)を組み蟌んだ機械翻蚳システムにおける解析の流れを図\ref{fig:flow}\,に瀺すこのシステムでは圢態玠解析終了埌に英々倉換を実行しお英語衚珟を曞き換えた埌曞き換えた郚分の圢態玠解析を行ない衚珟党䜓の圢態玠解析結果を構文解析系に送る䞀床目の曞き換え結果に察する構文解析に倱敗した堎合\footnote{本皿では入力衚珟党䜓を芆う構文構造が生成できないこずを構文解析の倱敗ず呌ぶ}凊理の制埡は英々倉換に戻る再床英々倉換を行なう堎合には各曞き換え芏則に蚘述されおいる芏則の信頌床(埌述)に埓っお䞀床目の英々倉換では甚いなかった芏則を新たに適甚したり逆に䞀床目の凊理で行なった曞き換えを取り消したりする\footnote{二床目の構文解析に倱敗した堎合には断片的な構文構造を内郚衚珟ずする}\begin{figure}[htbp]\begin{center}\fbox{\epsfile{file=flow2.eps,width=0.6\columnwidth}}\end{center}\caption{解析の流れ}\label{fig:flow}\end{figure}英々倉換系での凊理は圢態玠解析結果に察しお先頭から順に曞き換え芏則の適甚条件ずの照合を行なっおいき適甚条件が満たされる郚分を順次曞き換えおいくこの英々倉換系は新聞蚘事芋出しの曞き換え専甚に蚭蚈したものではなく通垞の衚珟も察象ずした䞀般的な枠組である実際芋出し以倖の衚珟に察する曞き換え芏則ずしお挿入語句を識別する芏則や長い衚珟を分割する芏則などが蚘述されおいる\subsection{曞き換え芏則の圢匏}\label{sec:preedit:ruleformat}曞き換え芏則には次に瀺すように適甚条件ず曞き換え操䜜の他制埡情報ずしお適甚抑制芏則集合ず信頌床を蚘述するこずができる\[(\,識別番号適甚条件曞き換え操䜜適甚抑制芏則集合信頌床\,)\]曞き換え察象候補が適甚条件を満たすかどうかの刀定は曞き換え察象候補の圢態玠語圙属性や構文属性を調べる手続きを甚いお行なう曞き換え操䜜には英語衚珟を远加削陀眮換する操䜜ずシステム固有の線集蚘号を付加する操䜜がある実隓に甚いたシステムでは利甚可胜な線集蚘号ずしお倚品詞語の品詞を指定する蚘号や節や句の範囲や埓属先を指定する蚘号など54皮類が定矩されおいる線集蚘号の付加によっお解釈の曖昧性が枛るため解析の粟床ず速床の向䞊が期埅できるある芏則$R$に䞎えられおいる適甚抑制芏則集合は$R$の適甚を抑える他の芏則に関するメタ条件を衚し芏則$R$はその適甚抑制芏則集合に蚘述されおいる識別番号の芏則が既に適甚されおいる堎合には適甚されない芏則$R$の適甚抑制芏則集合には$R$の曞き換え察象ず重耇する郚分を曞き換えようずする芏則だけでなく曞き換え察象が$R$のものず重耇しない芏則を含めおもよい芏則にはその信頌性が高く芏則の適甚によっお翻蚳品質が向䞊するこずがほが確実な芏則もあれば信頌性があたり高くない芏則もある信頌床はこのようなこずを考慮しお信頌性があたり高くない芏則による悪圱響を抑えるために蚭定したものである各芏則にはその信頌性に応じおABCのいずれかの信頌床を䞎える信頌床Aの芏則は最初の構文解析の前に適甚し構文解析に倱敗しおもこの芏則による曞き換えは取り消さない芏則に信頌床Aを䞎えるのはこの芏則を適甚しないず構文解析に倱敗するこずがほが確実でありたずえこの芏則によっお曞き換えた衚珟の構文解析に倱敗しお断片的な構文構造しか埗られなかったずしおもこの芏則を適甚しない堎合の(断片的な)構文構造から生成される翻蚳よりも高い品質の翻蚳が生成されるず期埅される堎合である信頌床Bの芏則は最初の構文解析の前に適甚するが最初の構文解析に倱敗した堎合この芏則による曞き換えは取り消す信頌床Cの芏則は最初の構文解析の前には適甚せず最初の構文解析に倱敗した堎合に初めお適甚する簡単な曞き換え芏則の䟋を図\ref{fig:EtoE_rule}\,に瀺すこの芏則は新聞蚘事芋出しの曞き換え甚ではないが倒眮文の構文解析が倱敗するこずに察凊するためのものであるこの芏則は珟圚着目しおいる語が入力文の先頭語であり(\verb+p==1+)着目語の(现分類)品詞候補ずしお過去分詞の可胜性があるが名詞の可胜性がなくさらに着目語の盎埌の語が``is''であるずきに適甚されるこの適甚条件が満たされるず着目語の先頭文字を小文字に倉換し``Whatis''ずいう語句を着目語の盎前に挿入するこの凊理によっお䟋えば``AffiliatedistheparentcompanyofGlobeNewspaperCo.''ずいう文が``WhatisaffiliatedistheparentcompanyofGlobeNewspaperCo.''に曞き換えられる\begin{figure}[tbhp]\begin{RULE}{0.9\textwidth}\begin{verbatim}(301,(p==1&&word_class(p,past_participle)==TRUE&&word_class(p,noun)==FALSE&&word(p+1,"is")==TRUE),(to_lower(p),insert(p-1,"Whatis")),(),A)\end{verbatim}\end{RULE}\caption{曞き換え芏則の䟋}\label{fig:EtoE_rule}\end{figure} \section{英字新聞蚘事芋出しの調査} \label{sec:investigation}英字新聞蚘事の芋出しでは述語の時制や態などに関する情報の省略や冠詞の省略略語の䜿甚等䜍接続詞のコンマでの代甚など文字数を節玄するための様々な工倫がなされおいる\cite{Uenoda78}本研究ではこれら芋出し特有の珟象のうち時制情報などの省略に関連するbe動詞の省略珟象を扱うこずにしロむタヌ蚘事\cite{Lewis97}の芋出し284件を察象ずしお次の四項目の調査を行なった\begin{enumerate}\itembe動詞が省略されおいるのはどのような堎合か\label{enum:key}\itembe動詞が省略されおいる芋出しをそのたた我々の実隓システムで翻蚳した堎合の翻蚳品質はどの皋床か\label{enum:quality}\itembe動詞が省略されおいる芋出しにbe動詞が適切に補われた堎合項目(\ref{enum:quality})の翻蚳に比べおどの皋床品質が改善されるか\label{enum:improve}\item圢態玠語圙構文䞊のどのような珟象がbe動詞が省略されおいる芋出しずそうでない芋出しを区別する手がかりずなるか\label{enum:feats}\end{enumerate}本節では項目(\ref{enum:key})(\ref{enum:quality})(\ref{enum:improve})に぀いおの調査結果を瀺し項目(\ref{enum:feats})に぀いおは\ref{sec:preeditHeadline:cond}\,節で述べる\subsection{\protect\KEYの皮類}\label{sec:investigation:key}be動詞の省略は調査察象の芋出し284件のうち73件においお芋られた䞀般にbe動詞の省略は䞀぀の芋出しにおいお耇数箇所で行なわれうるがこれら73件の芋出しでは䞀箇所での省略しか行なわれおいなかった通垞の衚珟圢匏ではbe動詞ず結び付けられ党䜓で定圢述語ず解釈される衚珟をここでは\KEYず呌ぶ73件の芋出しに出珟した\KEYは受動態甚法の過去分詞to䞍定詞珟圚分詞叙述甚法の圢容詞前眮詞句耇合動詞の構成玠の六皮類であったここで耇合動詞の構成玠ずはbe動詞ず結合しお耇合動詞ずなる語句を意味し䟋えば``beup''における``up''などである各\KEYごずにそれが出珟した芋出しの䟋(䞊段)ず省略箇所に人手でbe動詞を補った衚珟(䞋段)さらに出珟件数を衚\ref{tab:stat}\,に瀺す衚\ref{tab:stat}\,では\KEYに䞋線を付し人手で補ったbe動詞を斜字䜓で瀺しおいる\begin{table}[htbp]\caption{be動詞が省略されおいる芋出しの䟋ず件数}\label{tab:stat}\begin{center}\begin{tabular}{|l||l|r|}\hline\multicolumn{1}{|c||}{\KEY}&\multicolumn{1}{|c|}{䟋}&\multicolumn{1}{|c|}{件数}\\\hline\hline過去分詞&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineACalabrianbank\underline{taken}overbycommissioners\headlineBCalabrianbank{\itwas}\underline{taken}overbycommissioners\label{HEADLINE2:taken}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&24\\\hlineto䞍定詞&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineAU.S.official\underline{tovisit}Japanastraderowgrows\headlineBU.S.official{\itis}\underline{tovisit}Japanastraderowgrows\label{HEADLINE2:visit}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&17\\\hline珟圚分詞&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineASenate\underline{preparing}fornewU.S.budgetbattle\headlineBSenate{\itis}\underline{preparing}fornewU.S.budgetbattle\label{HEADLINE2:preparing}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&12\\\hline圢容詞&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineAEarlygulfcashsoybeansslightly\underline{firmer}\headlineBEarlygulfcashsoybeans{\itare}slightly\underline{firmer}\label{HEADLINE2:firmer}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&11\\\hline前眮詞句&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineANoprospect\underline{insightofECbudgetaccord}\headlineBNoprospect{\itis}\underline{insightofECbudgetaccord}\label{HEADLINE2:insightof}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&6\\\hline耇合動詞の構成玠&\begin{minipage}{0.6\columnwidth}\vspace*{1mm}\begin{HEADLINE2}\headlineAPanAmFebruaryloadfactor\underline{up}\headlineBPanAmFebruaryloadfactor{\itwas}\underline{up}\label{HEADLINE2:up}\end{HEADLINE2}\vspace*{0mm}\end{minipage}&3\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&&73\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{埓来システムによる芋出し翻蚳の品質}\label{sec:investigation:quality}埓来システムによる芋出し翻蚳の問題点を明らかにしおおくためにbe動詞が省略されおいる73件の芋出しをそのたた我々の実隓システムで凊理しその結果を評䟡した評䟡の際に翻蚳のどの郚分を察象ずするかに関しお芋出し党䜓を察象ずするこずず\KEYに盎接関連がある郚分だけを察象ずするこずが考えられるここではbe動詞の省略が翻蚳品質に及がす圱響に関心があるため埌者の局所的な評䟡を行なった評䟡倀は合栌か䞍合栌かの二倀ずした合吊刀定は翻蚳が文法的であるかずいう芳点ず文法的な翻蚳の堎合翻蚳の意味が元の芋出しの意味ず䞀臎しおいるかずいう芳点から行なった翻蚳の文䜓が新聞蚘事芋出しずしお適切であるかどうかは考慮しなかった合栌ず認める翻蚳は文法的であり意味的に等䟡なものであるbe動詞が省略されいるこずが原因で文法的でないか意味的に等䟡でない翻蚳が生成された堎合は䞍合栌ずした\begin{table}[htbp]\vspace{-3mm}\caption{be動詞が省略されおいる芋出しの翻蚳品質}\label{tab:quality}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|}\hline\multicolumn{1}{|c||}{\KEY}&\multicolumn{1}{|c|}{合栌}&\multicolumn{1}{|c|}{䞍合栌}\\\hline\hline過去分詞&16&8\\to䞍定詞&1&16\\珟圚分詞&10&2\\圢容詞&6&5\\前眮詞句&2&4\\耇合動詞の構成玠&1&2\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&36&37\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}評䟡結果を衚\ref{tab:quality}\,に瀺す\KEY党䜓では合栌ず䞍合栌の件数はそれぞれ36件ず37件でほが同じであるが\KEY別に芋るず珟圚分詞の堎合には12ä»¶äž­10件が合栌したのに察しおto䞍定詞の堎合には17ä»¶äž­16件ずほずんどが䞍合栌ずなった\KEYが珟圚分詞である堎合にほずんどが合栌ずなるのは\KEYをその前方に存圚する名詞句に埓属させた解釈がbe動詞を補った堎合の翻蚳ずほが等しい意味を䌝えおいる堎合その解釈を合栌ずしたためである䟋えば衚\ref{tab:stat}\,の芋出し(H\ref{HEADLINE2:preparing})は本来be動詞を補っお(H\ref{HEADLINE2:preparing}')のように解釈されるべきであるが(H\ref{HEADLINE2:preparing})の翻蚳「新しい米囜の予算の戊いに備えお準備しおいる䞊院」は(H\ref{HEADLINE2:preparing}')の翻蚳「䞊院は新しい米囜の予算の戊いに備えお準備しおいる」ず意味的に等しいので合栌ずした他の\KEYに぀いおもこのような堎合には合栌ずした\KEYがto䞍定詞の堎合には\KEYをその前方の名詞句に埓属させるずbe動詞を補った堎合ずは意味が倧きく異なる翻蚳が生成された䞍合栌ずなった16件はすべおto䞍定詞が「$\cdots$するための」ず蚳され本来䌝えられるべき予定や運呜などの意味に解釈するこずができなかった䟋えば衚\ref{tab:stat}\,の芋出し(H\ref{HEADLINE2:visit})は予定を衚す文ず解釈しなければならないが(H\ref{HEADLINE2:visit})の翻蚳「日本を蚪問するための米囜の職員」はそのように解釈できない元の意味ず倧きく異なる意味を䌝える翻蚳が生成されたもう䞀぀の䟋は過去分詞圢ず解釈されるべき\KEYが定圢(珟圚圢たたは過去圢)ず解釈された堎合である䟋えば次の芋出し(H\ref{HEADLINE:sued})では``sued''が過去圢ずみなされ察象栌ず解釈されるべき``Three''が䞻栌ず解釈された\begin{HEADLINE}\headlineThree\underline{sued}overballvalvesforninemilepoint\label{HEADLINE:sued}\end{HEADLINE}芏則動詞や䞀郚の䞍芏則動詞の過去分詞圢は定圢ず衚蚘が同䞀であるためこのような誀りが生じる芋出しの件数は少なくない䞍合栌ず刀定された37件の芋出しを正しく翻蚳するためにはbe動詞を補わなければならないこれに察しお合栌ず認められた36件に぀いおはbe動詞を補った堎合の翻蚳ずほが等しい意味を䌝える翻蚳が生成されるので英日翻蚳の芋地からはbe動詞補完は可胜ではあるが必芁ではないずいう捉え方もできるかも知れないしかしこれら36件の芋出しも読者には通垞be動詞を補っお理解されるので本研究では芋出しの構文的解釈の芋地からbe動詞を補う察象に含める埓っお本皿ではbe動詞が省略された芋出しずはbe動詞を補うべき芋出しずbe動詞を補うこずができる芋出しを合わせたものを指しおいる\subsection{期埅される改善床}\label{sec:investigation:improve}be動詞を補うこずによっおどの皋床の品質改善が期埅できるかをあらかじめ確認しおおくために73件の芋出しに人手でbe動詞で補った衚珟を実隓システムで凊理しbe動詞が補われおいない芋出しの翻蚳ず比范した評䟡倀は改善同等改悪の䞉倀ずした\ref{sec:investigation:quality}\,節の評䟡で合栌ずなった芋出しの翻蚳が改善されおいるずはbe動詞を補うこずによっお\KEYずその前方の名詞句ずの構文的関係が改善されたこずを意味する䟋えば芋出し(H\ref{HEADLINE2:preparing})の翻蚳「新しい米囜の予算の戊いに備えお準備しおいる䞊院」ず比范しおbe動詞を補った衚珟(H\ref{HEADLINE2:preparing}')の翻蚳「䞊院は新しい米囜の予算の戊いに備えお準備しおいる」はより適切であるずみなす改善箇所ず改悪箇所の䞡方が存圚しおいる堎合あるいは改善も改悪も芋られない堎合には同等ずする\begin{table}[htbp]\caption{be動詞補完による翻蚳品質の改善床}\label{tab:improve}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{3}{|c|}{合栌}&\multicolumn{3}{|c|}{䞍合栌}\\\cline{2-7}\multicolumn{1}{|c||}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{\KEY}}&\multicolumn{1}{|c|}{改善}&\multicolumn{1}{|c|}{同等}&\multicolumn{1}{|c|}{改悪}&\multicolumn{1}{|c|}{改善}&\multicolumn{1}{|c|}{同等}&\multicolumn{1}{|c|}{改悪}\\\hline\hline過去分詞&14&0&2&7&1&0\\to䞍定詞&1&0&0&16&0&0\\珟圚分詞&9&0&1&1&1&0\\圢容詞&5&0&1&5&0&0\\前眮詞句&2&0&0&4&0&0\\耇合動詞の構成玠&1&0&0&2&0&0\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&32&0&4&35&2&0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}評䟡結果を衚\ref{tab:improve}\,に瀺す\ref{sec:investigation:quality}\,節の評䟡で合栌ずなった芋出し36件のうち32件ず䞍合栌ずなった芋出し37件のうち35件に぀いおより適切な翻蚳が埗られおいるこのこずから英々倉換によっおbe動詞を正しく補うこずができればシステムの既存郚分に倉曎を加えるこずなく芋出し翻蚳の品質が改善されるず期埅できるなお合栌ずなった芋出し36件のうち4件の翻蚳品質が䜎䞋しおいるがこの原因は蟞曞たたは構文解析芏則の䞍備であり本皿の䞻芁目的であるbe動詞の補完ずは盎接の関係はない \section{be動詞補完芏則の蚘述} \label{sec:preeditHeadline}be動詞補完粟床の評䟡指暙には補完挏れ件数の少なさを瀺す再珟率ず䞍芁な補完件数の少なさを瀺す適合率を甚いるが芏則の蚘述方針ずしお挏れを枛らすこずよりも䞍芁な補完を抑えるこずを重芖したその理由は䞍芁な補完が行なわれた堎合構文構造ず意味が倧きく倉化するため悪圱響が出るのに察しお\ref{sec:investigation:quality}\,節で述べたようにbe動詞が省略されおいる芋出し73件のうち36件に぀いおは補完挏れが生じた堎合でもある皋床の品質の翻蚳が埗られるこずなどである\subsection{適甚条件}\label{sec:preeditHeadline:cond}本研究で蚭定した適甚条件はbe動詞が省略されおいる芋出しずそうでない芋出しを区別する䞀般的な手がかりになりうる珟象を284件の芋出しにおいお分析した結果に基づいおおり以䞋で説明する圢態玠語圙構文䞊の四条件から䞻に構成されおいる適甚条件にはこれら䞀般的な条件の他に䟋えば``of''など特定の前眮詞で導かれる前眮詞句を凊理察象倖ずする条件など語圙に䟝存した個別条件も若干含たれる\subsubsection{\KEY前方での名詞句の存圚}be動詞が省略されおいる芋出しでは\KEYの前方に名詞句が存圚するより具䜓的には名詞句は衚\ref{tab:stat}\,の芋出し(H\ref{HEADLINE2:taken})などのように\KEYの盎前に珟れるか芋出し(H\ref{HEADLINE2:firmer})のように\KEYの盎前に副詞が存圚しその副詞の盎前に珟れる堎合がほずんどであるので次の条件\ref{COND:leftnp}\,を蚭ける\begin{COND}\cond\KEYCの盎前にあるいは\KEYC盎前の副詞の盎前に名詞句が存圚する\label{COND:leftnp}\end{COND}芋出しに珟れる名詞句は比范的単玔な構造をしおいるこずが倚いので次のような構造を持぀名詞句NPを怜出する手続きを蚘述した\begin{eqnarray*}\mbox{NP}&=&\mbox{NP0}\(\mbox{P}\\mbox{NP0})^?\\\mbox{NP0}&=&(\mbox{AV}^?\\{\mbox{AJ}|\mbox{Ven}|\mbox{Ving}\})^?\\mbox{N}^+\end{eqnarray*}ここでPAVAJVenVingNはそれぞれ前眮詞副詞圢容詞過去分詞珟圚分詞名詞を衚し䞊付き蚘号?ず+はそれぞれ䞀回以䞋䞀回以䞊の出珟を意味する\subsubsection{朜圚節ず競合する節の非存圚}be動詞ず\KEYCを組み合わせるず定圢述語が埩元されそれたで通垞の構文解析で節ず解釈できなかった郚分が節ず解釈できるようになるこのような節をここでは朜圚節ず呌ぶ朜圚節の䞻語になる名詞句は前述の条件\ref{COND:leftnp}\,を満たす名詞句である䟋えば衚\ref{tab:stat}\,の芋出し(H\ref{HEADLINE2:preparing})にbe動詞を補うず(H\ref{HEADLINE2:preparing}')のように定圢述語``{\itis}preparing''が埩元され芋出し党䜓が名詞句``Senate''を䞻語ずする䞀぀の節になるbe動詞補完の可吊を決める手がかりの䞀぀ずしお朜圚節ず構文的に競合する節の有無に着目するbe動詞が省略されおいる芋出し(H\ref{HEADLINE2:taken})ないし(H\ref{HEADLINE2:up})では朜圚節ず構文的に競合する節は存圚しないこれに察しお次の芋出し(H\ref{HEADLINE:lift})では朜圚節ず構文的に競合する節が存圚する\begin{HEADLINE}\headlineReaganhopestoliftJapansanctionssoon\label{HEADLINE:lift}\end{HEADLINE}この芋出しにおける朜圚節は``{\itare}tolift''を䞻蟞ずし``Reaganhopes''を䞻語ずする節であるがこの解釈は既存の定圢述語``hopes''を䞻蟞ずし``Reagan''を䞻語ずする通垞の節ずしおの解釈ず構文的に競合するこのような堎合には経隓的に通垞の節ずしおの解釈を優先するこずにする次の芋出し(H\ref{HEADLINE:lost})では``lost''の盎前にbe動詞を挿入するこずは構文的に䞍可胜であり``wascarrying''を䞻蟞ずする通垞の節ずしおの解釈しか蚱されない\begin{HEADLINE}\headlineVessellostinPacificwascarryinglead\label{HEADLINE:lost}\end{HEADLINE}芋出し䞭に節が存圚しおもそれが朜圚節ず構文的に競合しない堎合にはbe動詞を補う䟋えば衚\ref{tab:stat}\,の芋出し(H\ref{HEADLINE2:visit})には節``traderowgrows''が存圚するがこの節ず朜圚節``U.S.official{\itis}tovisitJapan''ずは節境界を瀺す接続詞``as''によっお分離されおおり競合しないので(H\ref{HEADLINE2:visit})は(H\ref{HEADLINE2:visit}')のように曞き換えるこのような考察に基づき朜圚節ず構文的に競合する節が存圚しない堎合に限り芋出しにbe動詞を補うこずにし次の条件\ref{COND:sbjpred}\,を蚭ける\begin{COND}\cond朜圚節ず構文的に競合する節が存圚しない\label{COND:sbjpred}\end{COND}\ref{sec:investigation:quality}\,節の芋出し(H\ref{HEADLINE:sued})では``sued''を過去分詞圢ず解釈しbe動詞を補った朜圚節``Three{\itwere}sued$\cdots$''ず``sued''を過去圢ず解釈した節``Threesued$\cdots$''が構文的に競合するこのように定圢ず同䞀衚蚘の過去分詞が\KEYCでありこの\KEYCを定圢ず解釈した動詞を䞻蟞ずする節が朜圚節ず構文的に競合する堎合には条件\ref{COND:sbjpred}\,ではなく埌述する条件\ref{COND:pastpart}\,に埓うものずする節境界は接続詞や関係詞やコンマなどの節境界暙識によっお明瀺されおいる堎合もあれば明瀺されおいない堎合もあるが接続詞で明瀺されおいる堎合のみを扱うさらに芋出しは高々二぀の節から構成されか぀䞀方が他方の䞭倮埋め蟌み節ではないものず仮定する条件\ref{COND:sbjpred}\,が満たされるかどうかを厳密に刀定するためには構文解析を行なう必芁があるがここでは次のような手順で行なう\setcounter{algocounter}{0}\begin{ALGO}\step芋出し䞭に節境界暙識の接続詞が存圚しそれによっお芋出しが二分される堎合そのうち着目しおいる\KEYCを含む郚分をステップ\ref{ALGO:sbjpred:parse}\,の凊理察象ずする節境界暙識が存圚しない堎合芋出し党䜓をステップ\ref{ALGO:sbjpred:parse}\,の凊理察象ずする\step凊理察象の先頭から順に述語になり埗る定圢動詞を探しおいくもし芋぀かればその述語候補ず人称数が䞀臎する名詞を䞻蟞ずする名詞句がその前方に存圚するかどうかを調べる\footnote{名詞句の怜玢は条件\ref{COND:leftnp}\,の刀定で甚いる手続きず同じ手続きを甚いお行なう}もしそのような名詞句が存圚すればそれを䞻語ずみなし条件\ref{COND:sbjpred}\,が満たされないものずするただし着目しおいる\KEYCが定圢ず同䞀衚蚘の過去分詞である堎合この\KEYCを定圢ず解釈した動詞を述語候補ずはしない\label{ALGO:sbjpred:parse}\end{ALGO}\subsubsection{過去分詞に関する条件}\KEYCに定圢か過去分詞圢かの曖昧性がある堎合\KEYCを定圢ず解釈すればこの\KEYCを䞻蟞ずし朜圚節ず構文的に競合する節が存圚するこずになるため条件\ref{COND:sbjpred}\,に埓うず芋出し(H\ref{HEADLINE:sued})などのようにbe動詞を補うべき芋出しにbe動詞が補われないこの曖昧性の解消をここでは\KEYC盎埌の名詞句の有無ず\KEYCの動詞型\cite{Hornby77}に基づいお行なう\KEYCを定圢ず解釈するこずは動詞の態を胜動ずみなすこずであり過去分詞圢ず解釈するこずは\KEYCずbe動詞を組み合わせお受動態ずみなすこずであるが\KEYCが動詞型ずしおSVOO型もSVOC型も持たない堎合\KEYCの目的語が存圚すれば受動態ず解釈するこずは構文的に䞍可胜であるここでは\KEYC盎埌の名詞句を目的語ずみなし\KEYCの盎埌に名詞句が存圚しなければ受動態ず解釈しおbe動詞を補う\KEYCが動詞型ずしおSVOO型かSVOC型を持぀堎合は\KEYCの盎埌に名詞句が存圚しおも受動態ず解釈できるこずがあるが正確に刀定するためには\KEYC盎埌の名詞句だけでなくさらにその埌方の名詞句の有無も認識する必芁がある定圢か過去分詞圢かの曖昧性に関しおは芋出しではほずんどの堎合埌者ず解釈しおいよいずいう経隓則\cite{Uenoda78}があるこずず粗い構文解析しか行なわない方針であるこずからここでは\KEYCがSVOO型かSVOC型を持぀ならばbe動詞を補うこずにし次の条件\ref{COND:pastpart}\,を蚭ける\begin{COND}\cond\KEYCに定圢か過去分詞圢かの曖昧性がある堎合\KEYCの盎埌に名詞句が存圚しないか\KEYCがSVOO型かSVOC型を持぀動詞である\label{COND:pastpart}\end{COND}この条件に埓えば芋出し(H\ref{HEADLINE:sued})では``sued''の盎埌にその目的語ずなる名詞句が存圚しないのでbe動詞が補われるたた次の芋出し(H\ref{HEADLINE:offered})では``offered''の盎埌に名詞句が存圚するが``offered''はSVOO型を持぀のでbe動詞が補われる\begin{HEADLINE}\headlineU.K.moneymarket\underline{offered}earlyassistance\label{HEADLINE:offered}\end{HEADLINE}\subsubsection{固定的衚珟の非存圚}\KEYCずその前方に存圚する名詞句が連語や慣甚句のように固定的な衚珟を構成する堎合be動詞を補わない方がよいず考えられるので次の条件\ref{COND:idiom}\,を蚭ける\begin{COND}\cond\KEYCが固定的衚珟の構成芁玠でない\label{COND:idiom}\end{COND}䟋えば次の芋出し(H\ref{HEADLINE:need})では``need''ずto䞍定詞の間に結び付きがあるず蟞曞に蚘述されおいるのでこの結び付きを優先する\begin{HEADLINE}\headlineNoneedtostateU.K.supportforsystem---Lawson\label{HEADLINE:need}\end{HEADLINE}ここでいう固定的衚珟ずは\KEYCの蟞曞項目たたは条件\ref{COND:leftnp}\,を満たす名詞句の䞻蟞の蟞曞項目に蚘述されおいる衚珟だけでなく``for$\cdots$to$\cdots$''や``too$\cdots$to$\cdots$''などのような盞関語句も含む埓っお䟋えばto䞍定詞が\KEYCでありその前方に``for''や``too''などの語が存圚する堎合be動詞を補わない\subsection{be動詞の屈折圢生成}\label{sec:preeditHeadline:inflex}適切なbe動詞補完を行なうためには䞻語候補の盎埌すなわち条件\ref{COND:leftnp}\,を満たす名詞句の盎埌にbe動詞を挿入すべきかどうかを刀定するだけでなく挿入する堎合にはbe動詞の屈折圢を決定する必芁がある屈折圢は人称数時制盞情報などに基づいお決めなければならないがここでは時制は珟圚ずし䞻語候補の䞻蟞の人称ず数に埓う区別だけを行なうこずにし``am''``are''``is''のいずれかずする新聞蚘事芋出しでは過去の事柄が珟圚圢で衚されるこずも少なくない\cite{Shirai97,Uenoda78}ので珟圚時制ずするこずはそれほど䞍自然ではないず考えられる\subsection{芏則の制埡情報}\label{sec:preeditHeadline:ctrl}調査察象の73件の芋出しでは耇数箇所でbe動詞が省略されおいる䟋は存圚しなかったこのため圢態玠解析結果に察しお先頭から順に適甚条件ずの照合を行なっおいきある\KEYCに関しおbe動詞補完が行なわれた堎合他の\KEYCに関する補完を行なわないようにするすなわち\ref{sec:preedit}\,節で述べたある\KEYCに関する芏則に䞎える適甚抑制芏則集合の芁玠はその芏則以倖のすべおの\KEYCに関する芏則の識別番号ずする芏則の信頌床はすべおのbe動詞補完芏則に぀いおBずしbe動詞を補った芋出しの構文解析に倱敗した堎合には補完を取り消しお元の衚珟に戻す \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment}本節ではbe動詞補完芏則䜜成のために調査した蚓緎デヌタの芋出し284件を察象ずしお行なった実隓の結果ず蚓緎デヌタずは異なる詊隓デヌタの芋出し312件を察象ずしお行なった実隓の結果を瀺しbe動詞補完が正しく行なえなかった芋出しに぀いおその原因を分析するさらに詊隓デヌタにおいお正しくbe動詞が補えた芋出しに぀いおその翻蚳品質がどの皋床改善されたかを怜蚌する\ref{sec:preeditHeadline:inflex}\,節で述べたようにbe動詞の屈折圢の決定は時制などを考慮せず䞻語候補の䞻蟞の人称ず数だけに基づいお行なっおいるこのため今回の評䟡ではシステムが生成したbe動詞ず人間が補ったbe動詞ずで人称ず数がそれぞれ䞀臎しおいれば時制などが適切でない堎合でも正解ずみなす\subsection{実隓結果}実隓結果を衚\ref{tab:result_rec_pre}\,に瀺す衚\ref{tab:result_rec_pre}\,によれば蚓緎デヌタで再珟率89.0\%適合率97.0\%の粟床が埗られ詊隓デヌタで再珟率81.2\%適合率92.0\%の粟床が埗られおおり比范的簡単な芏則でほが適切な補完が行なえおいる䞍芁な補完は蚓緎デヌタで2箇所詊隓デヌタで6箇所生じおいるがこれらは補完挏れ(蚓緎デヌタで8箇所詊隓デヌタで16箇所)に比べお少なく党䜓ずしおは䞍芁な補完の抑制を優先するずいう\ref{sec:preeditHeadline}\,節で述べた芏則蚘述における所期の目暙が達成されおいる\KEY別に芋るず蚓緎デヌタにおいおも詊隓デヌタにおいおも前眮詞句の堎合の適合率が最も䜎い\begin{table}\caption{実隓結果}\label{tab:result_rec_pre}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r@{}c|r@{}c|r@{}c|r@{}c|}\hline&\multicolumn{4}{|c|}{蚓緎デヌタ}&\multicolumn{4}{|c|}{詊隓デヌタ}\\\cline{2-9}\multicolumn{1}{|c||}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{\KEYC}}&\multicolumn{2}{|c|}{再珟率}&\multicolumn{2}{|c|}{適合率}&\multicolumn{2}{|c|}{再珟率}&\multicolumn{2}{|c|}{適合率}\\\hline\hline過去分詞&87.5\%&(21/24)&100\%&(21/21)&87.8\%&(36/41)&94.7\%&(36/38)\\to䞍定詞&100\%&(17/17)&100\%&(17/17)&88.2\%&(15/17)&88.2\%&(15/17)\\珟圚分詞&91.7\%&(11/12)&100\%&(11/11)&62.5\%&(5/8)&100\%&(5/5)\\圢容詞&81.8\%&(9/11)&90.0\%&(9/10)&69.2\%&(9/13)&90.0\%&(9/10)\\前眮詞句&83.3\%&(5/6)&83.3\%&(5/6)&66.7\%&(2/3)&66.7\%&(2/3)\\耇合動詞の構成玠&66.7\%&(2/3)&100\%&(2/2)&66.7\%&(2/3)&100\%&(2/2)\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&89.0\%&(65/73)&97.0\%&(65/67)&81.2\%&(69/85)&92.0\%&(69/75)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{倱敗原因の分析}蚓緎デヌタず詊隓デヌタのそれぞれに぀いお補完挏れず䞍芁な補完が生じた原因を調べた結果を衚\ref{tab:error_cause}\,に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{倱敗原因の分析}\label{tab:error_cause}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|r|}\hline&\multicolumn{2}{|c|}{蚓緎デヌタ}&\multicolumn{2}{|c|}{詊隓デヌタ}\\\cline{2-5}\multicolumn{1}{|c||}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{原因}}&\multicolumn{1}{|c|}{補完挏れ}&\multicolumn{1}{|c|}{䞍芁補完}&\multicolumn{1}{|c|}{補完挏れ}&\multicolumn{1}{|c|}{䞍芁補完}\\\hline\hline圢態玠解析&1&0&3&3\\条件\ref{COND:leftnp}&1&0&0&0\\条件\ref{COND:sbjpred}\,(倚品詞語)&2&1&2&0\\条件\ref{COND:sbjpred}\,(節境界)&3&0&7&0\\条件\ref{COND:pastpart}&0&0&0&1\\条件\ref{COND:idiom}&0&1&0&2\\その他の条件&1&0&4&0\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&8&2&16&6\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{補完挏れの原因}蚓緎デヌタで生じた8箇所での補完挏れのうち1箇所はキヌになるべき語が蟞曞未登録語であったこずによる圢態玠解析での問題であり残りの7箇所での補完挏れがbe動詞補完芏則の䞍備によるものであった7箇所のうち5箇所は条件\ref{COND:sbjpred}\,が満たされるかどうかの刀定を誀ったこずによるものであったその5箇所䞭2箇所は倚品詞語の品詞解釈を誀ったこずによるものであった䟋えば次の芋出し(H\ref{HEADLINE:down})ではこの堎合名詞ず解釈すべき``imports''を動詞ずみなし``U.S.sugar''をその䞻語ずみなす誀りが生じおいたため朜圚節ず競合する節が存圚するず解釈された\begin{HEADLINE}\headlineU.S.sugarimports\underline{down}inweek---USDA\label{HEADLINE:down}\end{HEADLINE}このような誀りに察しおは品詞掚定法\cite{Takeda93,Takeda95}を導入するこずによっお改善が可胜であるず考えられる5箇所䞭残りの3箇所に぀いおの原因は節境界が正しく認識できないこずにあった条件\ref{COND:sbjpred}\,の刀定で甚いた節境界認識手続きでは䞀郚の接続詞だけを節境界暙識ずみなしおいるために次の芋出し(H\ref{HEADLINE:unable})のように節境界がコンマによっお瀺される堎合に実際には二぀の節から構成される芋出しが䞀぀の節から成るず誀解釈され朜圚節``Africa{\itis}unabletopayitsdebts''ず競合しない節``OAUchiefsays''が競合するず刀定されおいた\begin{HEADLINE}\headlineAfrica\underline{unable}topayitsdebts,OAUchiefsays\label{HEADLINE:unable}\end{HEADLINE}詊隓デヌタで生じた16箇所での補完挏れの原因の内蚳は蟞曞未登録語など圢態玠解析での問題によるものが3箇所be動詞補完芏則の䞍備によるものが13箇所であった13箇所䞭9箇所は条件\ref{COND:sbjpred}\,の刀定誀りによるものでありその9箇所のうち7箇所に぀いおは節境界を正しく捉えられないこずが原因であった蚓緎デヌタにおいおも詊隓デヌタにおいおも条件\ref{COND:sbjpred}\,の刀定誀りが補完挏れの原因の半数以䞊を占めおいるのでこの刀定粟床の向䞊に重点的に取り組んでいく必芁がある\subsubsection{䞍芁な補完の原因}蚓緎デヌタで生じた2箇所での䞍芁な補完のうち1箇所は倚品詞語の品詞解釈を誀ったため実際には朜圚節ず競合する節を怜出するこずができなかったこずによるものであった残りの1箇所は慣甚句ず解釈すべき衚珟をそのように解釈できなかったものである詊隓デヌタにおいおbe動詞補完芏則の䞍備が原因で生じた3箇所での䞍芁な補完のうち1箇所は定圢か過去分詞圢かの曖昧性がある堎合過去分詞圢ず解釈するずいう経隓則に反する䟋であった残りの2箇所は慣甚句の解釈を誀ったものである\subsection{芏則の制埡情報に぀いお}\ref{sec:preeditHeadline:ctrl}\,節で述べたようにbe動詞補完は䞀芋出しに぀いお䞀箇所でしか行なっおいない蚓緎デヌタには二箇所以䞊でbe動詞が省略されおいる芋出しは含たれおいなかったが詊隓デヌタには次の芋出し(H\ref{HEADLINE:updown})のように二箇所でbe動詞が省略されおいる芋出しが2件含たれおおり埌方の\KEYに察しおbe動詞を補うこずができなかった\footnote{これら2件の芋出しでは節境界がコンマによっお瀺されおいるため耇数箇所での補完ができるように適甚抑制芏則集合を倉曎しおも条件\ref{COND:sbjpred}\,の節境界の認識が正しく行なえないこのため衚\ref{tab:error_cause}\,では「条件\ref{COND:sbjpred}\,(節境界)」に含めた}\begin{HEADLINE}\headlineSwissairJanuarytraffic\underline{up},revenue\underline{down}\label{HEADLINE:updown}\end{HEADLINE}be動詞補完芏則にはすべお信頌床Bを䞎えおいるため補完結果に察する構文解析が倱敗するず䞀床行なった補完が取り消されるが今回の実隓では取り消しが生じた芋出しは蚓緎デヌタ詊隓デヌタいずれにおいおも存圚しなかった\subsection{be動詞補完による翻蚳品質の改善床}be動詞を補うこずによっお実際にどの皋床の品質改善が達成されたかを確認するために詊隓デヌタにおいお正しくbe動詞が補えた67ä»¶\footnote{芋出し(H\ref{HEADLINE:updown})のように二箇所ぞの補完が必芁な2件を69件から陀く}の芋出しに぀いおbe動詞補完前ず補完埌の翻蚳を比范した.\ref{sec:investigation:improve}\,節の評䟡基準ず同じ基準で評䟡した結果を衚\ref{tab:improve_unknown}\,に瀺す衚\ref{tab:improve_unknown}\,によれば67件のうち61件に぀いお翻蚳品質が改善されおおりbe動詞補完による新聞蚘事芋出し翻蚳の品質改善効果が確認されたなお4件の品質䜎䞋の原因は実隓システムの既存郚分の䞍備でありbe動詞の補完ずは無関係である\begin{table}[htbp]\caption{詊隓デヌタでの翻蚳品質の改善床}\label{tab:improve_unknown}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r|r|r|}\hline\multicolumn{1}{|c||}{\KEY}&\multicolumn{1}{|c|}{改善}&\multicolumn{1}{|c|}{同等}&\multicolumn{1}{|c|}{改悪}\\\hline\hline過去分詞&32&2&2\\to䞍定詞&15&0&0\\珟圚分詞&3&0&1\\圢容詞&8&0&1\\前眮詞句&2&0&0\\耇合動詞の構成玠&1&0&0\\\hline\multicolumn{1}{|c||}{合蚈}&61&2&4\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{おわりに} 本皿では暙準的な衚珟を䞻な察象ずした機械翻蚳システムには適切な翻蚳を生成するこずが難しい英字新聞蚘事芋出しを通垞の衚珟に曞き換えるこずによっお翻蚳品質を改善する方法を瀺した芋出し特有の衚珟圢匏のうち比范的高い頻床で芋られるbe動詞の省略珟象に察凊するための芏則を蚘述し小芏暡ではあるが実隓を行なった結果詊隓デヌタに察しお再珟率81.2\%適合率92.0\%の粟床が埗られ提案した方法の有効性が確認できた今埌取り組むべき課題ずしお次のような点が挙げられる\begin{enumerate}\itembe動詞の省略珟象に次いで頻繁に芋られる芋出し特有の珟象はコンマが等䜍接続詞ずしお甚いられるこずでありこれが原因で適切な翻蚳が埗られないこずも倚いたた単にbe動詞を補うだけでは翻蚳品質の向䞊が䞍十分でありコンマを等䜍接続詞に曞き換える凊理も同時に行なっお初めお適切な翻蚳が埗られる芋出しも存圚する埓っおコンマに関する曞き換え芏則を蚘述するなど芏則の拡匵を行なう必芁がある\item提案した方法では蚘事本文から埗られる手がかりを利甚せずに曞き換えを行なっおいるしかしより高い粟床の曞き換えを実珟するためには蚘事の本文特に第䞀文から埗られる手がかりに基づく凊理を行なうこずが有効であるず考えられる䟋えば本皿では適切に行なえおいない時制や盞の決定に必芁な情報が本文䞭に明瀺されおいる可胜性は高い\item本皿では凊理察象の衚珟は新聞蚘事の芋出しであるこずを前提ずしお曞き換えを行なっおいるが提案した方法を実際の機械翻蚳システムに組み蟌んで利甚する堎合には凊理察象衚珟が新聞蚘事の芋出しであるかどうかを刀定する凊理を実珟する必芁がある\end{enumerate}\acknowledgment英々倉換系の初期の実装を行なっお頂いたシャヌプ(æ ª)゜フト事業掚進センタヌの関谷正明さん(珟圚同瀟蚭蚈技術開発センタヌ)ず議論に参加頂いた英日機械翻蚳グルヌプの諞氏に感謝したすたた本皿の改善に非垞に有益なコメントを頂いた査読者の方に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v07n2_02}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{吉芋毅圊}{1987幎電気通信倧孊倧孊院蚈算機科孊専攻修士課皋修了1987幎よりシャヌプ(æ ª)にお機械翻蚳システムの研究開発に埓事1999幎神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士課皋修了}\bioauthor{䜐田いち子}{1984幎北九州倧孊文孊郚英文孊科卒業同幎シャヌプ(æ ª)に入瀟珟圚同瀟情報システム事業本郚゜フト事業掚進センタヌ係長1985幎より機械翻蚳システムの研究開発に埓事}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N03-02
\section{研究背景} label{first}元来から日本は倖来語を受け入れやすい環境にあるずいわれおおり数倚くの倖囜の蚀葉を片仮名ずしお衚蚘しそのたた䜿甚しおいる近幎になり今たで以䞊にグロヌバル化が進展するず共に倖来語が益々増加する䞭倖来語の発音を片仮名衚蚘にしないケヌスが芋受けられる特に英語の堎合倖囜語の衚蚘をそのたた利甚するこずも増えおきおいるたた英単語などの頭文字を぀なげお衚蚘するいわゆる略語もよく利甚されるようになっおいる䟋えば「IC」ずいった英字略語がそれにあたるしかし英字略語は英単語の頭文字から構成される衚珟であるためたったく別のこずを衚珟しおいるにも関わらず同じ衚蚘になるこずが倚い先の英字略語「IC」には「集積回路」ずいう意味や高速道路などの「むンタヌチェンゞ」ずいう意味があるさらにはある業界ではこれらずはたた別の意味で䜿甚されるこずもあるこのように英字略語は䟿利な反面いわゆる䞀般的な単語よりも非垞に倚くの意味を有する倚矩性の問題を持぀そのため英字略語が利甚されおいる情報はすべおの人が容易にたた正確に把握できるずは蚀い難いそこで䟋えば新聞蚘事などでは蚘事の䞭で最初に英字略語が䜿甚される箇所においお括匧曞きでその意味を日本語で䜵蚘する凊理をずっおいるこずが倚いしかしよく知られおいる英字略語にはそのような凊眮がずられおいないなど完党に察凊されおいるわけではないたた蚘事䞭の最初の箇所にのみ䞊蚘のような凊眮がずられおおりそれ以降はその意味が䜵蚘されおいないこずが倚いそのため蚘事の途䞭から文曞を読んだり関連する蚘事が耇数のペヌゞに枡っお掲茉されおいる時に先頭のペヌゞではない郚分から蚘事を読んだりした堎合には最初にその英字略語が出珟した箇所を探さなくおはならず解読にはひず手間が必芁ずなり理解の劚げずなるさらに䞀般的な文章の堎合ではこのように英字略語の意味を䜵蚘するずいう凊眮をずる方が珍しいず蚀える \section{関連研究} label{positioning}䞊蚘を螏たえお本論文では英字略語の意味を掚定する方法に぀いお提案する本研究ず同様の䞻旚の研究には\cite{okazaki:07}の研究が報告されおいるこの方法では新聞蚘事などの文章では英字略語の意味を括匧曞きで䜵蚘する衚珟に着目し英字略語の意味の自動掚定を実珟しおいるしかしすべおの英字略語に察しおこのような衚珟が適甚されおいるわけではないそのためうたく自動掚定できない堎合があるたた\cite{yoshida:05}では片仮名衚蚘の倖来語を英語に埩元した埌に蟞曞を甚いお日本語蚳を獲埗する方法が提案されおいるしかし本方法では察象が片仮名に限定されおおりか぀倚矩性を有する語圙には察応できない問題があるさらに\cite{M.Stevenson:09}や\cite{N.Okazaki:10}は英字略語が頻出する生物医孊の分野に着目し医孊関連のデヌタベヌスから抜出したデヌタセットをもずに䜜成したコヌパスやクラスタリング技術を適甚するこずに加え語の共起情報を有効に掻甚するこずで英字略語の意味を掚定しおいるしかし本方法は医孊領域に特化した情報源を利甚しおいるからこそ語の共起情報が生物医孊に関する英字略語の曖昧性解消に察しお有効に機胜しおいるこずに加えお英字略語の意味を掚定する教垫デヌタを自動生成するために倧芏暡な文曞集合を必芁ずするこずから汎甚的に掻甚するこずは難しいたた英字略語を察象ずしおいるわけではないが単語語矩の曖昧性を解消する方法が研究されおいる\cite{R.Mihalcea:07}はWikipediaにおける各蚘事の参照情報であるハむパヌリンクを利甚するこずで䞀般的な単語ず圓該単語を含む文章を入力した際に圓該単語の曖昧性を解消し意味掚定を実珟しおいる本方法は品詞情報を利甚しお意味掚定を実斜しおおり有効に機胜する単語が限定圓該論文では曖昧性を有する普通名詞の意味掚定を実斜されるずいう問題がある他には文章内の単語を知識ベヌスの゚ントリにマッピングするこずで曖昧性を解消する技術(EntityDisambiguation)ずしお\cite{Y.Sun:15}はWikipediaから収集した情報をもずにニュヌラルネットワヌクを構築し入力単語ず入力文曞のペアず゚ントリ間の類䌌性を刀断しおいるしかし本方法は2぀のニュヌラルネットワヌクのトレヌニング及びメンテナンスが必芁であり察象領域などに応じた適切な運甚が芁求される䞀方埓来の情報怜玢でよく甚いられるベクトル空間モデル\cite{G.Salton:75}などでは文曞における単語の出珟頻床や統蚈情報などを利甚しお単語ず文曞間の類䌌性を刀断しおいるこのような方法は単語ず文曞内の各単語の衚蚘が䞀臎しない堎合は関連性がないずの仮定に基づいおいるそのため倚矩性を持぀単語をはじめ衚蚘揺れや類矩性を持぀ような単語に察しお意味の掚定を行うこずは困難であるそこで本論文では倚矩性を有する英字略語に察しお意味の掚定を実珟する方法を提案する提案方法では我々がすでに提案しおいるあらゆる語圙の意味的な近さを刀断できるメカニズムを組み合わせ英字略語の意味を掚定する具䜓的にはある抂念から様々な抂念を連想する語圙の抂念化凊理が可胜な抂念ベヌス\cite{kojima:02,hirose:02,okumura:07}及び䞖界で最も収録語数が倚いずされるWikipedia(りィキメディア財団)\nocite{Wikipedia}を䜿甚するさらに抂念化した語圙の意味的な近さを刀断するため関連床蚈算\cite{watabe:06}たたはEarthMover'sDistanceを応甚した文章間関連床蚈算方法\cite{fujie:09}を甚いるこれらを甚いお英字略語の倚矩性を解消し英字略語の本来の意味を掚定するこの技術により英字略語の意味を理解しやすくするこずができ情報怜玢や自動芁玄情報掚薊や自動翻蚳など倚くのアプリケヌションの性胜向䞊に加え知胜を有するロボットの研究開発における自然な知的察話の実珟に寄䞎するこずも期埅できる \section{提案方法の抂芁} \label{concept}図\ref{fig:concept}に提案方法である英字略語の意味掚定方法の抂略図を瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia2f1.eps}\end{center}\caption{英字略語の意味掚定方法の抂略図}\label{fig:concept}\end{figure}英字略語が含たれる文章を入力ずしお入力文章から英字略語を抜出する圓該英字略語をWikipediaで怜玢し意味が1぀であればその意味を出力する意味が耇数ある堎合にはそれらの意味ず入力文章ずの意味的な近さを刀断し最も近いず刀断した意味を決定するこの際圓該意味ず英字略語が含たれる文章の意味的な近さを刀断するために語圙の抂念化を行うなおここで述べる「意味」ずは英字略語の意味を衚珟する語぀たり英字略語のもずずなっおいる英単語の日本語での衚珟を「意味」ず定矩しおいる䟋えば前述した英字略語「IC」の意味を掚定する堎合「集積回路」や「むンタヌチェンゞ」ずいう語を「意味」ずしお出力する\ref{technology}章では本論文においお䜿甚した芁玠技術ずしお語圙を抂念化する方法ず抂念化した語圙の意味的な近さを刀断する方法に関しお詳现に説明する \section{䜿甚芁玠技術} \label{technology}\subsection{語圙の抂念化凊理}\label{conceptualization}\subsubsection{抂念ベヌス}\label{concept_base}抂念ベヌス\cite{kojima:02,hirose:02,okumura:07}ずは耇数の電子化囜語蟞曞などの芋出し語を抂念その語矩文に䜿甚されおいる自立語を抂念の意味特城を衚す属性ず定矩しお構築された倧芏暡なデヌタベヌスである本論文で䜿甚した抂念ベヌスは自動的に抂念および属性を構築した埌人間の垞識に沿った属性の远加や削陀を人手で行ったものであり抂念数は玄9䞇語である抂念ベヌスではある抂念$A$は$m$個の属性$a_i$ずその属性の重芁性を衚す重み$w_i$の察によっお構成されおおり以䞋のように衚珟するこずができるここで属性$a_i$を抂念$A$の䞀次属性ず呌ぶ\[\text{抂念A}=\{(a_1,w_1),(a_2,w_2),\cdots,(a_m,w_m)\}\]抂念ベヌスの倧きな特城ずしお属性である単語は抂念ずしお必ず定矩されおいる点があるこれにより抂念$A$の䞀次属性である属性$a_i$を抂念ずみなし曎に属性を導くこずができる抂念$a_i$から導かれた属性$a_{\mathit{ij}}$を元の抂念$A$の二次属性ず呌ぶ抂念ベヌスの具䜓䟋を衚\ref{table:concept_ex}に瀺す\begin{table}[b]\caption{抂念ベヌスの䟋}\label{table:concept_ex}\input{02table01.txt}\end{table}䟋えば衚\ref{table:concept_ex}のように抂念「医者」の䞀次属性である「患者」は抂念「患者」ずしおも定矩されおいるたたこの抂念「患者」の䞀次属性である「病人看病治療 」は元の抂念「医者」の二次属性ずいうこずになるこのように抂念ベヌスにより抂念の意味特城を定矩し連鎖できる構造を利甚するこずで語圙の意味の近さを評䟡できる詳现は\ref{evaluation_approach}節で説明する\subsubsection{未定矩語の抂念化}\label{unknown_word}前節で述べた通り抂念ベヌスは耇数の電子化囜語蟞曞などを甚いお構築されおおり倧芏暡か぀品質が高いずいうメリットがあるしかしすべおの語圙を網矅できおいないずいう欠点もあるそのため抂念ベヌスに登録されおいない未定矩語は抂念化されおおらず意味の近さを評䟡するこずはできないそこで未定矩語に぀いおはWeb䞊の蚀語情報を利甚し自動的に抂念化するこず\cite{tsuji:04,goto:08}で察凊する具䜓的にはWeb怜玢゚ンゞン(Google,Inc.)\nocite{google}により未定矩語をキヌワヌドずしお情報怜玢し怜玢結果の䞊䜍100件の怜玢結果ペヌゞの内容を取埗するその内容から抂念ベヌスに登録されおいる自立語のみを抜出しそれらを未定矩語の䞀次属性ずするたた䞀次属性に察する重みは情報怜玢の分野で広く甚いられおいる$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$\cite{tokunaga:99}の考え方を応甚するこずで算出する語の網矅性である$\mathit{tf}$倀は怜玢結果ペヌゞ$A$䞭に出珟する自立語$\mathit{Word}_{\mathit{A}}$の出珟頻床$\mathit{tfreq}\allowbreak(\mathit{Word}_{\mathit{A}},A)$を怜玢結果ペヌゞ$A$䞭のすべおの自立語の語数$\mathit{tnum}(A)$で割るこずで算出される算出匏は以䞋のようになる\[\mathit{tf}(\mathit{Word}_{A},A)=\frac{\mathit{tfreq}(\mathit{Word}_{A},A)}{\mathit{tnum}(A)}\]次に語の特定性である$\mathit{idf}$倀はStaticsWeb-InverseDocumentFrequency($\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$)倀を甚いる\cite{tsuji:04,goto:08}$\mathit{idf}$倀の算出には察象ずなる党文曞空間の情報が必芁になるしかしWebを利甚する堎合Web䞊のすべおの情報が必芁ずいうこずになり正確な$\mathit{idf}$倀を算出するこずは珟実的には䞍可胜であるそこで無䜜為に遞択した固有名詞1,000個をそれぞれキヌワヌドずしおWeb怜玢゚ンゞン(Google,Inc.)\nocite{google}で怜玢する続いお怜玢結果の䞊䜍10件の怜玢結果ペヌゞの内容を取埗するそしおそれらの内容に含たれるすべおの自立語の集合を疑䌌的なWebの党情報空間ずみなし$\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$倀を算出する$\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$倀の算出匏は以䞋のように定矩されるここで$N$は固有名詞1,000個を怜玢キヌワヌドずした際の各怜玢結果䞊䜍10件の合蚈ペヌゞ数($N=10,000$)$\mathit{df}(\mathit{Word}_{A})$は$\mathit{Word}_{A}$が出珟する怜玢結果ペヌゞ数である\[\mathit{SWeb\mathchar`-idf}(\mathit{Word}_{A})=\log\frac{N}{\mathit{df}(\mathit{Word}_{A})}\]この10,000ペヌゞから耇数の電子化囜語蟞曞などから抂念を抜出したデヌタベヌスである抂念ベヌスの収録語数である玄9䞇語を超える単語数が埗られたこずから獲埗した10,000ペヌゞをWebの党情報空間ずみなしおいるなお固有名詞の遞び方を倉えおも$\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$倀に倧きな倉化は芋られないこずが報告されおいる\cite{tsuji:04}以䞊に瀺した匏より自立語$\mathit{Word}_{A}$ぞ付䞎する重み$w$は次の匏で定矩される\[w=\mathit{tf}(\mathit{Word}_{A},A)\cdot\mathit{SWeb\mathchar`-idf}(\mathit{Word}_{A})\]぀たりある自立語の重みは網矅性を衚す$\mathit{tf}$倀ず特定性を衚す$\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$倀を掛け合わせるこずで䞎えられるWeb䞊の蚀語情報を利甚するため品質は抂念ベヌスより劣るずいうデメリットはあるがすべおの語圙を抂念化できるずいう倧きなメリットがあるたた\cite{tsuji:04,goto:08}などの研究成果からWeb情報を利甚しお未定矩語を抂念化する方法の有効性が確認されおおり本論文での凊理においおも十分な性胜を確保しおいるず考えられる\subsection{意味的関連性評䟡方法}\label{evaluation_approach}\subsubsection{関連床蚈算}\label{DoA}関連床蚈算ずは抂念ず抂念の関連の匷さを定量的に評䟡する蚈算である抂念間にある関連性を定量的に評䟡する方法ずしおベクトル空間モデルが広く甚いられおいるしかし本論文では抂念を定矩する属性集合ずその重みを含めた䞀臎床に基づいた関連床蚈算方匏を利甚するこれは関連床蚈算方匏が有限ベクトル空間によるベクトル空間モデルよりも良奜な結果が埗られるずいう報告がなされおいるためである\cite{watabe:01}本論文では重み比率付き関連床蚈算方匏を䜿甚する\cite{watabe:06}任意の抂念$A$$B$に぀いおそれぞれ䞀次属性を$a_i$$b_j$ずし察応する重みを$u_i$$v_j$ずするたた抂念$A$$B$の属性数を$L$個$M$個$(L\leqM)$ずするなお各抂念の䞀次属性の重みはその総和が1.0ずなるよう正芏化しおいる\begin{align*}A&=\{(a_i,u_i)\;\;|\;\;i=1〜L\}\\B&=\{(b_j,v_j)\;\;|\;\;j=1〜M\}\end{align*}このずき重み比率付き䞀臎床(DegreeofMatch)は以䞋のように定矩されるここで$\mathit{DoM}(A,B)$は抂念$A$$B$の重み比率付き䞀臎床である\begin{align*}\mathit{DoM}(A,B)&=\sum_{a_i=b_j}^{}\min(u_i,v_j)\\\min(\alpha,\beta)&=\left\{\begin{array}{ll}\alpha&(\beta>\alpha)\\\beta&(\alpha\geq\beta)\end{array}\right.\end{align*}この定矩は抂念$A$$B$に察し$a_i=b_j$ずなる属性抂念$A$$B$に共通する属性があった堎合共通する属性の重みの共通郚分぀たり小さい重み分のみ䞀臎するずいう考えに基づいおいる次に属性数が少ない方の抂念を$A$ずし$(L\leqM)$抂念$A$の属性を基準ずする\[A=\{(a_1,u_1),\cdots,(a_i,u_i),\cdots,(a_L,u_L)\}\]そしお抂念$B$の属性を抂念$A$の各属性ずの重み比率付き䞀臎床$\mathit{DoM}(a_i,b_\mathit{xi})$の和が最倧になるように䞊び替える\[B_x=\{(b_{x1},v_{x1}),\cdots,(b_\mathit{xi},v_\mathit{xi}),\cdots,(b_\mathit{xL},v_\mathit{xL})\}\]これによっお抂念$A$の䞀次属性ず抂念$B$の䞀次属性の察応する組を決める察応にあふれた抂念$B$の属性は無芖するただし䞀次属性同士が䞀臎するものがある堎合抂念衚蚘が同じ$a_i=b_j$は別扱いにするこれは抂念ベヌスには玄9䞇語の抂念が存圚し属性が䞀臎するこずは皀であるずいう考えに基づく埓っお䞀臎した属性の扱いを別にするこずで属性が䞀臎した堎合を倧きく評䟡する具䜓的には察応する属性の重み$u_i$$v_j$の倧きさを重みの小さい方にそろえるこのずき重みの倧きい方はその倀から小さい方の重みを匕きもう䞀床他の属性ず察応をずる䟋えば$a_i=b_j$で$u_i=v_j+\alpha$ずすれば察応を決定する箇所は$(a_i,v_j)$ず$(b_j,v_j)$であり$(a_i,\alpha)$はもう䞀床他の属性ず察応させるこのように察応を決め察応がずれた属性の組み合わせの数を$T$個ずする重み比率付き関連床ずは重み比率付き䞀臎床を比范する抂念の各属性間で算出しその和の最倧倀を求めるこずで蚈算する重み比率付き関連床(DegreeofAssociation)は以䞋の匏で定矩されるここで$\mathit{DoA}(A,B)$は抂念$A$$B$の重み比率付き関連床である\[\mathit{DoA}(A,B)=\sum_{i=1}^{T}\{\mathit{DoM}(a_i,b_\mathit{xi})\cdot(u_i+v_\mathit{xi})\cdot(\min(u_i,v_\mathit{xi})/\max(u_i,v_\mathit{xi}))/2\}\]以䞋重み比率付き䞀臎床を䞀臎床重み比率付き関連床を関連床ず略しこの関連床\cite{watabe:06}を甚いる関連床は抂念間の関連の匷さを0〜1の間の連続倀で衚す\subsubsection{EarthMover'sDistance}\label{EMD}前節においお抂念間の関連の匷さを評䟡する方法ずしお関連床蚈算に぀いお説明した関連床蚈算は関連性が高い順に属性の察応をずるこずで蚈算を行う぀たり1察1で察応をずる方法であるそのため䞡抂念に察しお少ない方の属性数分しか察応がずれない䟋えば抂念$A$が持぀属性が3語抂念$B$が持぀属性が100語であった堎合抂念$B$の属性97語は蚈算の察象倖ずなるそこで本論文では䞡抂念の属性数に差がある状況にも察応するため関連床蚈算に加えおM察Nで察応をずるこずができるEarthMover'sDistance(EMD)を甚いお意味的な関連性を評䟡する方法を利甚するEMDを甚いた意味的な関連性評䟡方法はヒッチコック型茞送問題\cite{A.J.Hoffman:63}需芁地の需芁を満たすように䟛絊地から茞送を行う際の最小茞送コストを解く問題で蚈算される距離尺床であるEMDを抂念間の関連性評䟡に適甚したものであるEMDは2぀の抂念間の関連性を定量的に衚珟するこずが可胜であり\cite{fujie:09}の研究によりその有甚性が報告されおいるEMDずは2぀の離散分垃があるずき䞀方からもう䞀方の分垃ぞの倉換を行う際の最小コストを指す離散分垃は圓該分垃を構成する芁玠ず重みの察の集合で衚珟されるコスト算出の際には倉換前の離散分垃の芁玠が持぀重みを䟛絊量倉換先の離散分垃の芁玠が持぀重みを需芁量ず考え芁玠間の距離を䟛絊量需芁量にしたがっお重みを運送するず考えるできるだけ短い距離でか぀需芁量に察しお効率的に重みを運送する経路がEMDずなるこれを抂念間の関連性評䟡に適応させる堎合抂念の䞀次属性を芁玠ずしお捉え䞀次属性の集合を離散分垃ず考えるある抂念の離散分垃を違う抂念の離散分垃ぞ倉換するず考えるずその際のコストが最小ずなる抂念が元の抂念に最も近い抂念ずなるこずから抂念間の関連性評䟡ぞ適甚するこずが可胜ずなるEMDを甚いた意味的な関連性評䟡方法に぀いお図\ref{fig:EMD}に瀺す簡略図を甚いお説明するある抂念$A$ず$B$があったずき抂念$A$を抂念$B$に倉換する際のコストを考えるそれぞれの抂念をそれらの䞀次属性$a_i$$b_j$の離散分垃ず考えるEMDでは倉換コストの算出を行う際に離散分垃を構成する芁玠同士の距離を甚いるEMDを甚いた意味的な関連性評䟡方法ではこの距離を䞀次属性同士の関連性であるず考え䞀臎床によっおこれを求める\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia2f2.eps}\end{center}\caption{EMDを甚いた意味的な関連性評䟡方法}\label{fig:EMD}\end{figure}属性$a_i$$b_j$の距離$\mathit{dis}(a_i,b_j)$は次の匏で衚される䞀臎床は関連性が高いず倀が倧きくなるたた䞀臎床の最倧倀は1であるため1から䞀臎床を匕いた倀を距離ずしおいる\[\mathit{dis}(a_i,b_j)=1-\mathit{DoM}(a_i,b_j)\]ここで図\ref{fig:EMD}の䟋における$a_1$ず$b_1$の間の倉換コスト$\mathit{cost}(a_1,b_1)$は次の匏で算出されるこれは$a_1$ず$b_1$の距離に重みを掛けたものである$a_1$ず$b_1$が持぀重みは同じく0.3であるため䟛絊量ず需芁量が合臎し$a_1$からの重みの運送はこの時点で終了する\[\mathit{cost}(a_1,b_1)=\mathit{dis}(a_1,b_1)\cdot0.3\]同様にコストの蚈算を行い最終的にすべおの運送経路のコストを足し合わせたものがEMDずなる図\ref{fig:EMD}の䟋では抂念$A$$B$間のEMDは次のように衚される\[\mathit{EMD}(A,B)=\mathit{cost}(a_1,b_1)+\mathit{cost}(a_2,b_2)+\mathit{cost}(a_2,b_3)\]以䞊の匏で算出されたEMDの最小倀を最適化蚈算で求め抂念間の関連性意味的な近さを算出しおいる \section{英字略語の意味掚定方法} \label{proposal_method}\subsection{英字略語の抜出}\label{extract}本論文で提案する英語略語の意味掚定方法の凊理察象ずしお扱う英字略語は英単語の頭文字から構成される衚蚘ずする䟋えば商品の型番や「W杯」のように蚘号や数字日本語などアルファベット以倖の文字が混じる衚蚘の堎合それらは英字略語ではないものずするたた1文字で構成される英字略語の堎合英単語の頭文字ではなく䟋えばS字カヌブの「S」のようにアルファベットの圢状などに起因する意味で䜿甚されるこずがある本研究は語圙の意味に着目し倚矩性を有する英字略語の意味掚定を目的ずしおいるたた英字略語は倧文字のアルファベットで構成されるこずが倚いため本論文では2文字以䞊の倧文字アルファベットのみで構成されおいる語を英字略語ずしお扱うこずずする入力ずしお受け付ける情報は英字略語が含たれおいる文章ずしその文章から2文字以䞊の倧文字アルファベットの矅列を英字略語ずしお抜出する\subsection{Wikipediaによる意味候補の怜玢}\label{search}\ref{extract}節で抜出した英字略語をWikipedia(りィキメディア財団)で怜玢する怜玢の結果圓該英字略語を説明する意味が1぀であった堎合にはその意味を出力する意味を耇数有する堎合には次節で述べる意味的な近さに基づく倚矩性の解消を行うためそれぞれの意味を抂念化する抂念化には\ref{concept_base}節で述べた抂念ベヌスず\ref{unknown_word}節で述べたWebを甚いた未定矩語の抂念化方法を甚いる今回\ref{experiment_condition}節にあるように英字略語の抂念化は新聞蚘事を甚いお実斜しおいるためWikipediaから取埗した意味候補の抂念化も新聞蚘事を利甚しお実斜したいが各意味候補が新聞蚘事に含たれおいるずは限らない䞀方Wikipedia内の情報は蟞曞的に構成されおおり新聞蚘事内の情報ずは系統が異なるそこで今回は新聞蚘事ず同様に雑倚な情報から構成されるWeb情報を利甚しお意味候補の抂念化を実斜するこずにした䞀䟋ずしお英字略語「IC」をWikipediaで怜玢した際の結果を衚\ref{table:IC}に瀺す英字略語「IC」の堎合13皮類の意味を有しおいた\begin{table}[b]\caption{英字略語「IC」をWikipediaで怜玢した際の結果}\label{table:IC}\input{02table02.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{Wikipediaから英字略語の意味候補を取埗する芏則}\label{table:rule}\input{02table03.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{蚭定したストップワヌドのリスト}\label{table:stopword}\input{02table04.txt}\end{table}Wikipediaから抜出した意味には圓該意味を説明・補助する情報䟋えば衚\ref{table:IC}の3番における「-」以降の蚘述が含たれるが圓該情報は意味の抂念化凊理における雑音ずなるそこでWikipediaから抜出した意味に衚\ref{table:rule}に瀺した芏則を䞊から順に適甚するこずで雑音を削陀するさらにWikipediaに掲茉されおいる意味の䞭には商品の型番やある皮のコヌドなど英字略語ではないアルファベットの矅列衚\ref{table:IC}の䟋では10番ず11番が倚数含たれおいるため衚\ref{table:stopword}に瀺したストップワヌドを適甚するこずで圓該意味を削陀した䞊で意味候補を取埗する\subsection{英字略語の倚矩性解消}\label{resolution}\ref{search}節で怜玢した英字略語が耇数の意味を有した堎合その倚矩性を解消する必芁がある具䜓的には\ref{search}節で抂念化された意味候補ず入力された英字略語を含む文章ずの意味的な近さを評䟡するこずで実珟するこの際抂念化された意味候補ず英字略語の意味的な近さを評䟡するため英字略語も抂念化する必芁がある入力された文章に含たれる自立語をすべお抜出しそれを英字略語の䞀次属性ず芋立おるこれにより英字略語を疑䌌的に抂念化できるなお英字略語の䞀次属性ずした自立語の䞭には抂念ベヌスに登録されおいる語ず登録されおいない語未定矩語が存圚する未定矩語に぀いおは\ref{unknown_word}節で説明した方法により抂念化を行うこの凊理により英字略語を抂念ずし䞀次二次ぞず属性を展開するこずができ意味的な近さを評䟡するこずが可胜になるなお英字略語を疑䌌的に抂念化する際䞀次属性ずしお抜出した自立語が未定矩語であった堎合圓該䞀次属性に察する重みは\ref{unknown_word}節で説明した未定矩語の抂念化における属性ぞの重み付けの考え方ず同様にしお付䞎する具䜓的には語の網矅性である$\mathit{tf}$倀は入力された文章$A$䞭に出珟する自立語$\mathit{Word}_A$の出珟頻床$\mathit{tfreq}(Word_A,A)$を文章$A$䞭のすべおの自立語の語数$\mathit{tnum}_A$で割ったもので算出される算出匏は以䞋のようになる\[\mathit{tf}(\mathit{Word}_A,A)=\frac{\mathit{tfreq}(\mathit{Word}_A,A)}{\mathit{tnum}_A}\]語の特定性である$\mathit{idf}$倀は$\mathit{SWeb\mathchar`-idf}$ではなくStaticsArticle-InverseDocumentFrequency($\mathit{SA\mathchar`-idf}$)を甚いるこれは疑䌌的な党文章空間の情報ずしお$\mathit{tf}$倀を算出する際に䜿甚した文章ず同じカテゎリゞャンルである文章集合を利甚する必芁があるためである$\mathit{SA\mathchar`-idf}$倀の算出匏は以䞋のように定矩されるここで$N$は利甚する文章集合の党文章数$\mathit{df}(\mathit{Word}_A)$はその文章集合の䞭で$\mathit{Word}_A$が出珟する文章数である\[\mathit{SA\mathchar`-idf}(\mathit{Word}_A)=\log\frac{N}{\mathit{df}(\mathit{Word}_A)}\]以䞊に瀺した匏より自立語$\mathit{Word}_A$ぞ付䞎する重み$w$は次の匏で定矩される\[w=\mathit{tf}(\mathit{Word}_A,A)\cdot\mathit{SA\mathchar`-idf}(\mathit{Word}_A)\]このように抂念化された英字略語ず意味候補ずの意味的な近さを\ref{evaluation_approach}節で説明した語圙の意味的な近さを評䟡する方法により評䟡するその結果最も意味的に近いず刀断された意味候補を英字略語の意味ずする \section{評䟡実隓} \label{evaluation_experiment}\subsection{実隓条件}\label{experiment_condition}本論文では新聞蚘事から英字略語を抜出し圓該英字略語が含たれおいる蚘事を入力文章ずするこずで評䟡を実斜した今回䜿甚した新聞蚘事は党囜玙1か月分玄12,000蚘事であり2文字以䞊の倧文字アルファベットの矅列が含たれる蚘事は玄3,700蚘事であった圓該玄3,700蚘事から衚\ref{table:stopword}に瀺したストップワヌドに該圓する略語ずしお意味がない文字列を含む蚘事を人手で削陀した䞊で無䜜為に129蚘事を抜出し評䟡実隓デヌタずしお䜿甚したなおその䞭で衚蚘が異なる英字略語の数は58個であった぀たり129皮類の英字略語の意味ず58皮類の英字略語の衚蚘が含たれる蚘事を評䟡実隓デヌタずしお䜿甚したたた圓該58個の英字略語の衚蚘をWikipediaで怜玢し衚\ref{table:rule}ず衚\ref{table:stopword}に瀺した芏則を適甚した結果707個の意味を取埗できた1぀の英字略語の衚蚘に぀き平均で12.2個最少で2個最倚で29個の意味が存圚提案方法により掚定した英字略語の意味が圓該英字略語を含む新聞蚘事における意味ず䞀臎した堎合を正答ずしお評䟡したなお意味の䞀臎に関する刀定は人手で実斜しおおりWikipediaから取埗した意味候補の䞭に正解ずなる候補が耇数含たれるこずもある䟋えば衚\ref{table:IC}における7番ず8番の候補「むンタヌシティ」は䞡方ずもペヌロッパにおける郜垂間列車を指しおおりどちらを遞択しおも正解ず刀定しおいる今回は評䟡の簡略化のため英字略語ずしお扱う2文字以䞊の倧文字アルファベットの矅列が1぀含たれる蚘事を評䟡察象ずしおいる\ref{resolution}節で述べた通り入力した文章を甚いお英字略語を疑䌌的に抂念化する際には\ref{unknown_word}節での考え方に基づき属性に重み付けを行う今回の実隓における入力察象は新聞蚘事であるそのため抂念ベヌスに登録されおいない未定矩語である䞀次属性に察する重み付けに必芁な$\mathit{SA\mathchar`-idf}$倀の算出には1か月分の新聞蚘事集合を䜿甚したこの1か月分の新聞蚘事集合から抂念ベヌスの収録語数である玄9䞇語を超える単語数が埗られたこずから圓該集合を疑䌌的な党文章空間の情報ずみなしおいる\subsection{比范方法}\label{comparative_approach}本節では本論文における提案方法の比范に䜿甚するベクトル空間モデル\cite{G.Salton:75}に぀いお述べるベクトル空間モデルは情報怜玢の分野で幅広く利甚されおいる怜玢モデルである各語の重みから構成されるベクトルずしお入力語ず文曞をそれぞれ衚珟し二぀のベクトルの成す角床の䜙匊によっお類䌌床を蚈算する点に特城があるベクトル空間モデルにおいお䜿甚される重みにはいく぀かの皮類があるが本評䟡では情報怜玢の分野で広く甚いられおいる$\mathit{tf}\cdot\mathit{idf}$\cite{tokunaga:99}を䜿甚する\ref{search}節で抂念化された英字略語を含む入力文章を$q$同様に抂念化された意味候補を$d_i$䞡者における自立語の語の総数異なりを$M$ずすれば入力文章$q$ず意味候補$d_i$はそれぞれ以䞋のような$M$次元のベクトルで衚珟できる\begin{align*}q&=(w_{q1},w_{q2},\cdots,w_\mathit{qM})\\d_i&=(w_{i1},w_{i2},\cdots,w_\mathit{iM})\end{align*}入力文章$q$に察する意味候補$d_i$の埗点$s_q(d_i)$は二぀のベクトルの䜙匊により求たる匏を以䞋に瀺す\[s_q(d_i)=\frac{\sum_{j=1}^{M}w_\mathit{ij}w_\mathit{qj}}{\sqrt[]{\mathstrut{\sum_{j=1}^{M}{w_\mathit{ij}^2}}}\:\:\sqrt[]{\mathstrut{\sum_{j=1}^{M}{w_\mathit{qj}^2}}}}\]\subsection{評䟡結果}\label{result}本論文では提案方法に察しお以䞋に瀺す3皮類の入力文章(ABC)および3皮類の関連性評䟡方法(123)぀たり合蚈9パタヌンの評䟡を行った\begin{itembox}[c]{評䟡方法入力文章}\begin{itemize}\item(A)英字略語を含む蚘事党䜓\item(B)英字略語を含む䞀文ずその前埌䞀文\item(C)英字略語を含む䞀文のみ\end{itemize}\end{itembox}\begin{itembox}[c]{評䟡方法関連性評䟡方法}\begin{itemize}\item(1)関連床蚈算関連床\item(2)EarthMover'sDistance(EMD)\item(3)ベクトル空間モデル(VSM)\end{itemize}\end{itembox}評䟡結果を衚\ref{table:result}に瀺す衚\ref{table:result}における数倀は正答率を瀺すなお\ref{positioning}章で玹介した先行研究\cite{okazaki:07,yoshida:05}は適甚可胜な英字略語に制玄条件英字略語の意味を括匧曞きで䜵蚘するこずが必芁片仮名衚蚘が必芁がある今回の評䟡で䜿甚した129蚘事に察しお圓該先行研究が適甚できた英字略語はそれぞれ35\%皋床であったためこれらの先行研究の正答率は最高でも35\%皋床ずなる\begin{table}[b]\caption{評䟡結果}\label{table:result}\input{02table05.txt}\end{table}衚\ref{table:result}より関連床蚈算はベクトル空間モデルよりも正答率が5--8\%高くEMDはベクトル空間モデルよりも正答率が8--12\%高くなっおおり提案方法が既存方法であるベクトル空間モデルよりも優れた結果を瀺したたたEMDは関連床蚈算よりも3--4\%ず若干ではあるが高い正答率を獲埗した他には入力文章が長い入力情報量が倚いほど高い正答率を埗おいるこずが分かる意味掚定結果の䞀䟋を図\ref{fig:result_sample_no1}図\ref{fig:result_sample_no2}図\ref{fig:result_sample_no3}に瀺す\begin{figure}[t]\includegraphics{24-3ia2f3.eps}\caption{英字略語の意味掚定結果䞀䟋その1}\label{fig:result_sample_no1}\end{figure}\begin{figure}[t]\includegraphics{24-3ia2f4.eps}\caption{英字略語の意味掚定結果䞀䟋その2}\label{fig:result_sample_no2}\end{figure}\begin{figure}[t]\includegraphics{24-3ia2f5.eps}\caption{英字略語の意味掚定結果䞀䟋その3}\label{fig:result_sample_no3}\end{figure}図\ref{fig:result_sample_no1}では英字略語AFCに察しおWikipediaから取埗した13個の意味候補から9぀のすべおのパタヌンにおいお正しい意味を掚定できおおり英字略語の意味を十分に理解できおいるこずが分かる次に図\ref{fig:result_sample_no2}では英字略語HDに察しお20個の意味候補から入力文章に英字略語を含む蚘事党䜓を䜿甚した堎合パタヌン(A)は正しい意味を掚定できた䞀方掚定に倱敗したパタヌンがある具䜓的にはベクトル空間モデルを䜿甚しか぀入力文章に英字略語を含む䞀文ずその前埌䞀文たたは英字略語を含む䞀文のみを䜿甚した堎合パタヌン(B)-(3)パタヌン(C)-(3)ず関連床蚈算を䜿甚しか぀入力文章に英字略語を含む䞀文のみを䜿甚した堎合パタヌン(C)-(1)に倱敗しおいる前者パタヌン(B)-(3)パタヌン(C)-(3)は単語の衚蚘をもずに関連性を刀断するベクトル空間モデルより単語の意味を考慮しお関連性を刀断する関連床蚈算やEMDが有効に機胜したためだず考えらえる埌者パタヌン(C)-(1)は関連性の高い属性を1察1で察応をずっお蚈算を行うために他の関連性の高い属性を陀倖する可胜性がある関連床蚈算よりすべおの属性を蚈算に利甚するEMDが有効に機胜したこずが考えられる最埌に図\ref{fig:result_sample_no3}では英字略語FBに察しお16個の意味候補から9぀のすべおのパタヌンにおいお正しい意味を掚定するこずができなかったこれは入力文章に金銭に関連する語が倚く含たれおいたため正しい意味である「フェむスブック」より金銭に関連する意味候補である「政府短期蚌刞」のほうが意味的に近いず刀定されたためだず考えられるWikipediaは珟存する蟞曞の䞭で収録語数が最も倚いずされるが提案方法は凊理の拠り所である蟞曞に登録されおいない単語には察応できないずいう問題があるこれは蟞曞を䜿甚する以䞊避けられない問題であるただし評䟡実隓で䜿甚したデヌタずは異なる100件の新聞蚘事を無䜜為に調査した結果Wikipediaに登録されおいない英字略語の出珟頻床は玄4.5\%であったよっお新聞蚘事に登堎するような比范的䞀般的な英字略語を察象ずする堎合Wikipediaに未登録の語があるこずに起因する正答率の䜎䞋は5\%皋床であるず考えられるなお今回実斜した評䟡に関しおはWikipediaに登録されおいない英字略語は評䟡実隓デヌタから陀倖しおいる \section{たずめ} \label{conclusion}本論文では英単語の頭文字から構成される衚珟である英字略語に焊点を圓おその意味を掚定する方法に぀いお提案した提案方法では英字略語の意味掚定を未知語の意味掚定ずみなし語圙の抂念化方法ず語圙の意味的な近さを評䟡できる関連性評䟡方法を䜿甚するさらに英字略語ゆえの情報の欠劂をWikipediaを蟞曞ずしお甚いお補完するこずで英字略語の倚矩性を解消し英字略語の本来の意味を掚定するこずを実珟した提案方法に察しお129件の新聞蚘事を入力文章ずしお評䟡を行った評䟡結果より最高で80\%近い正答率を瀺したこずに加え衚蚘に頌る比范方法より良奜な結果を埗るこずができた本論文で提案した技術により英字略語の意味を理解しやすくするこずができ情報怜玢や自動芁玄など倚くのアプリケヌションの性胜向䞊や知胜ロボットの研究開発における自然な知的察話の実珟に寄䞎するこずができるず考えられる今埌の研究課題ずしおは近幎盛んに研究が行われおいるWord2Vec\cite{T.Mikolov:13}のようなニュヌラルネットワヌクを応甚したベクトルモデルを適甚する方法の怜蚎が考えられるベクトルモデルを構築するために䜿甚する情報源を適切に遞択・構築するこずで抂念ベヌスそのものを拡匵性胜向䞊できる可胜性があるこのような怜蚎により語圙の抂念化凊理を発展させより円滑な自然蚀語凊理の実珟が期埅できる\acknowledgment本研究の䞀郚はJSPS科研費16K00311の助成を受けたものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{藀江\JBA枡郚\JBA河岡}{藀江\Jetal}{2009}]{fujie:09}藀江悠五\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2009\BBCP.\newblock抂念ベヌスずEarthMover'sDistanceを甚いた文曞怜玢.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf16}(3),\mbox{\BPGS\25--49}.\bibitem[\protect\BCAY{{Google,~Inc.}}{{Google,~Inc.}}{}]{google}{Google,~Inc.}\newblock\BBOQGoogle.\BBCQ\\newblock\Turl{http://www.google.co.jp}.\bibitem[\protect\BCAY{埌藀\JBA土屋\JBA枡郚\JBA河岡}{埌藀\Jetal}{2008}]{goto:08}埌藀和人\JBA土屋誠叞\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2008\BBCP.\newblockWebを甚いた未知語怜玢キヌワヌドのシ゜ヌラスノヌドぞの割付け手法.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf15}(3),\mbox{\BPGS\91--113}.\bibitem[\protect\BCAY{広瀬\JBA枡郚\JBA河岡}{広瀬\Jetal}{2002}]{hirose:02}広瀬幹芏\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock抂念間ルヌルず属性ずしおの出珟頻床を考慮した抂念ベヌスの自動粟錬手法.\\newblock\Jem{信孊技報},{\BbfNLC2001-93},\mbox{\BPGS\109--116}.\bibitem[\protect\BCAY{Hoffman}{Hoffman}{1963}]{A.J.Hoffman:63}Hoffman,A.~J.\BBOP1963\BBCP.\newblock\BBOQOnSimpleLinearProgramingProblems.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thSymposiuminPureMathematicsoftheAMS},\lowercase{\BVOL}~7,\mbox{\BPGS\317--323}.\bibitem[\protect\BCAY{小島\JBA枡郚\JBA河岡}{小島\Jetal}{2002}]{kojima:02}小島䞀秀\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2002\BBCP.\newblock連想システムのための抂念ベヌス構成法—属性信頌床の考え方に基づく属性重みの決定.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf9}(5),\mbox{\BPGS\93--110}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea}{Mihalcea}{2007}]{R.Mihalcea:07}Mihalcea,R.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQUsingWikipediaforAutomatricWordSenseDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofNAACLHLT},\mbox{\BPGS\196--203}.\bibitem[\protect\BCAY{Mikolov,Chen,Corrado,\BBA\Dean}{Mikolovet~al.}{2013}]{T.Mikolov:13}Mikolov,T.,Chen,K.,Corrado,G.,\BBA\Dean,J.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQEfficientEstimationofWordRepresentationsinVectorSpace.\BBCQ\\newblock{\BemarXivpreprint},{\BbfarXiv:1301.3781},\mbox{\BPGS\1--12}.\bibitem[\protect\BCAY{岡厎\JBA石塚}{岡厎\JBA石塚}{2007}]{okazaki:07}岡厎盎芳\JBA石塚満\BBOP2007\BBCP.\newblock日本語新聞蚘事からの略語抜出.\\newblock\Jem{第21回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集},{\Bbf2G4-4},\mbox{\BPGS\1--3}.\bibitem[\protect\BCAY{Okazaki,Ananiadou,\BBA\Tsujii}{Okazakiet~al.}{2010}]{N.Okazaki:10}Okazaki,N.,Ananiadou,S.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaHigh-qualitySenseInventoryforImprovedAbbreviationDisambiguation.\BBCQ\\newblock{\BemBioinformatics},{\Bbf26}(9),\mbox{\BPGS\1246--1253}.\bibitem[\protect\BCAY{奥村\JBA土屋\JBA枡郚\JBA河岡}{奥村\Jetal}{2007}]{okumura:07}奥村玀之\JBA土屋誠叞\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2007\BBCP.\newblock抂念間の関連床蚈算のための倧芏暡抂念ベヌスの構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf14}(5),\mbox{\BPGS\41--64}.\bibitem[\protect\BCAY{Salton,Wong,\BBA\Yang}{Saltonet~al.}{1975}]{G.Salton:75}Salton,G.,Wong,A.,\BBA\Yang,C.~S.\BBOP1975\BBCP.\newblock\BBOQAVectorSpaceModelforAutomaticIndexing.\BBCQ\\newblock{\BemCommunicationsoftheACM},{\Bbf18}(11),\mbox{\BPGS\613--620}.\bibitem[\protect\BCAY{Stevenson,Guo,Amri,\BBA\Gaizauskas}{Stevensonet~al.}{2009}]{M.Stevenson:09}Stevenson,M.,Guo,Y.,Amri,A.~A.,\BBA\Gaizauskas,R.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQDisambiguationofBiomedicalAbbreviations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponBioNLP},\mbox{\BPGS\71--79}.\bibitem[\protect\BCAY{Sun,Lin,Tang,Yang,\BBA\Wang}{Sunet~al.}{2015}]{Y.Sun:15}Sun,Y.,Lin,L.,Tang,D.,Yang,N.,\BBA\Wang,X.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQModelingMention,ContextandEntitywithNeuralNetworksforEntityDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe24thInternationalJointConferenceonArtificialIntelligence(IJCAI2015)},\mbox{\BPGS\1333--1339}.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞}{埳氞}{1999}]{tokunaga:99}埳氞健䌞\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{情報怜玢ず蚀語凊理}.\newblock東京倧孊出版䌚.\bibitem[\protect\BCAY{蟻\JBA枡郚\JBA河岡}{蟻\Jetal}{2004}]{tsuji:04}蟻泰垌\JBA枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2004\BBCP.\newblockwwwを甚いた抂念ベヌスにない新抂念およびその属性獲埗手法.\\newblock\Jem{第18回人工知胜孊䌚党囜倧䌚論文集},{\Bbf2D1-02},\mbox{\BPGS\1--4}.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA河岡}{枡郚\JBA河岡}{2001}]{watabe:01}枡郚広䞀\JBA河岡叞\BBOP2001\BBCP.\newblock垞識的刀断のための抂念間の関連床評䟡モデル.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf8}(2),\mbox{\BPGS\39--54}.\bibitem[\protect\BCAY{枡郚\JBA奥村\JBA河岡}{枡郚\Jetal}{2006}]{watabe:06}枡郚広䞀\JBA奥村玀之\JBA河岡叞\BBOP2006\BBCP.\newblock抂念の意味属性ず共起情報を甚いた関連床蚈算方匏.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf13}(1),\mbox{\BPGS\53--74}.\bibitem[\protect\BCAY{りィキメディア財団}{りィキメディア財団}{}]{Wikipedia}りィキメディア財団.\newblockりィキペディアフリヌ癟科事兞.\\newblock\Turl{https://jp.wikipedia.org}.\bibitem[\protect\BCAY{吉田\JBA遠間\JBA増山\JBA酒井}{吉田\Jetal}{2005}]{yoshida:05}吉田蟰巳\JBA遠間雄二\JBA増山繁\JBA酒井浩之\BBOP2005\BBCP.\newblock可読性の向䞊を目的ずした片仮名衚蚘倖来語の換蚀知識獲埗.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ88-D-II}(7),\mbox{\BPGS\1237--1245}.\end{thebibliography}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{埌藀和人}{2008幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科博士前期課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟知識情報凊理等の研究に埓事電子情報通信孊䌚䌚員}\bioauthor{土屋誠叞}{2007幎同志瀟倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋修了工孊博士2017幎同志瀟倧孊理工孊郚教授意味解釈等の研究に埓事蚀語凊理人工知胜情報凊理電子情報通信日本認知科孊䌚各䌚員}\bioauthor{枡郚広䞀}{1987幎北海道倧孊倧孊院工孊研究科博士埌期課皋䞭途退孊工孊博士2006幎同志瀟倧孊工孊郚教授抂念凊理等の研究に埓事蚀語凊理人工知胜情報凊理電子情報通信システム制埡情報粟密工孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V01N01-03
\section{はじめに} 埓来の構文解析法は基本的に句構造文法あるいは栌文法をその拠り所ずしおきた前者の考え方は局所的統合の繰り返しによっお文の構造を認識しようずいうものであるしかし実際にそのような方法で文を解析しようずするず芏則の数が非垞に倚くなりなおか぀十分な粟床の解析結果を埗るこずが困難であったたた栌文法の堎合は栌芁玠を決定するための意味玠が必ずしもうたく蚭定できずたたこの堎合も基本的には局所的な解析であるため十分な粟床の解析結果が埗られおいないこれらの問題を解決するためにはこれらの文法的枠組に加えお局所的蚘述ではずらえきれない情報を文䞭の広い範囲を同時的に調べるこずによっお取り出す必芁がある日本語文解析の困難さの原因の䞀぀である䞊列構造の範囲に関する曖昧性の問題もこのような「広い範囲を同時的に調べる」こずを必芁ずする問題の䞀぀である日本語文は特に長い文になればなるほど倚くの䞊列構造を含んでいる「〜し〜し〜する」のようにいわゆる連甚䞭止法によっお耇数の文を1文にたずめるこずができるこずは日本語文の特城でもあるそれ以倖にも名詞䞊列圢容詞䞊列や連䜓修食節の䞊列などが頻繁に珟れるこのような䞊列構造に察する埓来の解析方法は基本的には次のようなものであった\cite{Nagao1983,Agarwal1992}䟋えば「\ldots原蚀語を解析する\underline{凊理ず}盞手蚀語を生成する\underline{凊理を}\ldots」ずいう文では䞊列構造前郚の{\bf䞻芁語}である「\underline{凊理(ず)}」に察しおそれよりも埌ろにある名詞の䞭から最も類䌌しおいる名詞を探すずいう方法により埌郚の䞻芁語を決定しおいた(この堎合「\underline{凊理(を)}」が埌郚の䞻芁語)しかし䞊列構造においおは䞻芁語間だけではなく構造内の他の語の間(この䟋の堎合「原蚀語」ず「盞手蚀語」「解析する」ず「生成する」)にもさらに文節列の䞊び(「〜を〜する〜ず〜を〜する〜」)にも類䌌性が認められる堎合が倚くこれらの類䌌性を考慮するこずによっおより正確に䞊列構造を認識するこずができるそこで我々は䞊列構造の存圚を瀺す衚珟(名詞䞊列を瀺す助詞「ず」など)の前埌における最も類䌌床の高い文節列の察を音声認識などで広く䜿われおいるダむナミックプログラミングのマッチング法ず同様の考え方を甚いお発芋するずいう方法を考案しこのこずにより䞊列構造の高粟床な怜出が可胜であるこずを瀺した\cite{KurohashiAndNagao1992}本論文ではこのようにしお怜出した䞊列構造の情報を利甚しお構文解析を行なう手法を瀺す倚くの堎合いったん䞊列構造が発芋されるず文の構造は簡単化した圢でずらえるこずができるその結果単玔な係り受け芏則を適甚するだけで高粟床な構文解析が可胜ずなる本手法はたずえば倧芏暡なテキストを解析しおそこから新しい情報を取り出そうずするような堎合に特に有甚である察象テキスト䞭の専門甚語や専門的に䜿われおいる述語に぀いおそれらの盞互間の関係はそこで始めお提瀺された抂念であるかもしれないその堎合にはそのような抂念の盞互関係は蟞曞に蚘述されおおらず蟞曞䞭の意味蚘述に頌った解析は䞍成功ずなるたた倧芏暡なテキストを扱うのに十分であるような耇雑な文法芏則や詳现な栌蚘述を甚意するこずは実際には非垞に困難である新しい抂念は甚語盞互間のシンタックスによっお瀺されるのであるからシンタックスを尊重した解析が重芁であるたた本手法でうたく扱えない問題を敎理するこずによっお構文解析における本質的問題を明らかにするこずも重芁な問題であるこれたでの構文解析における曖昧性の議論では人間にずっおも曖昧であるような衚珟を取り䞊げたものが倚かったしかし埓来の構文解析法が十分でないずいう印象を人間に䞎えるのはそのような点ではなく人間であれば絶察にしないような郚分に䞍必芁な曖昧性を認識するためであるその原因がどこにあるかを調べるためには本手法のように高粟床でか぀決定論的に動䜜する道具立おが必芁である{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(90,70)\put(5,5){\framebox(80,60){ps/examp1.new.ps1}}\end{picture}\end{center}\caption{䞊列構造の掚定の䟋(䟋文1)}\label{fig:suitei_rei}\end{figure}} \section{䞊列構造の怜出ず文の簡単化} \subsection{䞊列構造の怜出の抂芁}\label{subsec:heiretu_kenshutu}1文䞭の䞊列する郚分は䜕らかの意味においお類䌌しおいるず考えるこずが出来るそこで類䌌性ずいう芳点から䞊列構造を怜出する方法を図\ref{fig:suitei_rei}を甚いお説明する(詳现は文献\cite{KurohashiAndNagao1992}参照)䞊列構造の存圚を機械的に認識するこずは比范的容易である{\bf名詞䞊列}は名詞の盎埌の読点や助詞「ず」・「や」などによっお認識でき{\bf述語䞊列}は述語自身が連甚圢であるこずや述語が助詞「が」などを䌎うこずによっお認識できる(このように䞊列構造の存圚を瀺す文節を{\bf䞊列のキヌ}ずよぶこずにする)問題ずなるのはそういった衚珟がある堎合にその前埌のどこたでが䞊列構造の範囲であるかずいうこずであるそこでたず文節間\footnote{前凊理ずしお入力日本語文を圢態玠解析し自立語ずそれに続く付属語を文節にたずめおいる}の類䌌床を品詞の䞀臎文字列の䞀臎シ゜ヌラスによる意味的な近さなどによっお定矩し党おの文節間に぀いおこの倀を蚈算した図\ref{fig:suitei_rei}の䞉角行列では察角芁玠は文節を(i,j)芁玠はi番目の文節ずj番目の文節の類䌌床を瀺しおいる次にいく぀かの連続した文節すなわち文節列盞互間の類䌌床を考えるそのために以䞋の甚語を定矩する\begin{description}\item[郚分行列]䞊列のキヌの右䞊郚分の行列(図\ref{fig:suitei_rei}では点線で囲たれた郚分)\item[パス]郚分行列の䞭の1番䞋の行の0以倖のある芁玠から1番巊の列のある芁玠たでの巊䞊方向ぞの芁玠の䞊び\item[パスのスコア]パスに含たれる芁玠の倀の総和パス内の芁玠の䞊びが真巊䞊方向からずれる堎合にはペナルティずしお倀を小さくする\end{description}パスに含たれる各芁玠の倀は䞊列のキヌの前埌にある2぀の文節間の類䌌床を瀺しおいるのでそれらの倀の総和であるパスのスコアはパスの巊偎の文節列ず䞋偎の文節列の間の類䌌床を瀺しおいるパスの方向のずれに察しおペナルティを䞎えるのはそれによっお文節数が同じぐらいの文節列間の類䌌床を盞察的に高くするためであるこのように考えるず文節列間の類䌌床をパスのスコアずいう圢で蚈算するこずができるようになるそこでダむナミックプログラミングの手法によっお䞊列のキヌに察する最倧スコアのパスを求めそのパスによっお瀺される最も類䌌床の高い文節列を䞊列構造の範囲ず考えるこずにする図\ref{fig:suitei_rei}の䟋では実線で囲たれた芁玠の䞊びが最倧スコアのパスずしお求たりこのパスによっお正しい䞊列構造の範囲が怜出される実隓ずしお30文字〜50文字50文字〜80文字80文字以䞊の各60文合蚈180文の日本語文に察しおこの手法を適甚したずころ82\%の䞊列のキヌに察しお正しい䞊列構造を怜出するこずができたこれは文献\cite{KurohashiAndNagao1992}で既に発衚したこの方法によっお求たった䞊列構造の範囲は{\bf前郚}ず{\bf埌郚}からなり前郚の最初の文節を{\bf起点文節}埌郚の最埌の文節を{\bf終点文節}ずよぶこずにする(以降本論文では{\bf前郚}{\bf埌郚}ずいう甚語は䞊列構造を構成する文節列を瀺すものずする)終点文節は前郚ず埌郚を分か぀䞊列のキヌ(前郚の最埌の文節)ず察応する文節でありパスの定矩からわかるようにこれら2぀の文節は類䌌床をもったものが遞ばれる䞀方䞊列構造の前郚ず埌郚にはそれぞれ䞊列のキヌず終点文節を修食しおいる文節列があり起点文節は前郚の修食郚分がどこたでであるかを瀺しおいるしかし前郚ず埌郚の修食郚分には正確な察応関係があるわけではなく起点文節は䞻にバランス(文節数の同じ文節列の類䌌床が高い)ずいう芳点から決定されるそのため起点文節は䞊列構造の始たりの䜍眮を必ずしも正確に瀺しおいるわけではないその最終決定は係り受け解析の段階で凊理する(\ref{subsec:enchou}節)なお怜出された䞊列構造のうち次の二぀の条件を満たすずくに類䌌床の高いものを{\bf匷䞊列}ずよぶこずにする\begin{itemize}\item前郚の文節数(n1)ず埌郚の文節数(n2)がほが等しい\item䞊列構造を䞎えるパスのスコアが高い\footnote{文献\cite{KurohashiAndNagao1992}で瀺したスコア蚈算のパラメヌタに察しおは30文の孊習サンプル(岩波情報科孊蟞兞のテキスト)の調査の結果具䜓的な条件を次のように䞎えた(前郚の文節数をn1埌郚の文節数をn2ずする)\begin{quote}{\bf文節数}:$\frac{4}{5}\leq\frac{n1}{n2}\leq\frac{5}{4}$を満たす{\bfスコア}:(n1$+$n2)$\times$4点以䞊である\end{quote}}\end{itemize}たずえば次の文の䞋線郚分は匷䞊列である\begin{quote}䟋文2:「もちろん、問題の倧郚分は、ある珟象を調べるのにどんなアルゎリズムが必芁かを正確に芋定めるこずであるが、コンピュヌタヌのアヌキテクチャがその開発の\underline{助けになるこずもあれば、}\underline{劚げになるこずもある。}」\end{quote}匷䞊列は以降の凊理においお他の䞊列構造ず若干異なった扱いをする{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(120,110)\put(5,5){\framebox(110,100){ps/kankei.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{䞊列構造間の関係}\label{fig:kankei}\end{figure}}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(150,55)\put(5,5){\framebox(140,45){ps/kankei\_rei.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{䞊列構造間の関係の䟋}\label{fig:kankei_rei}\end{figure}}\subsection{䞊列構造間の関係の敎理による文の簡単化}前節の凊理で埗られた䞊列構造の範囲に関する情報をたずめるこずによっお文の倧たかな構造を把握するこずができるこの凊理はたず二぀の䞊列構造間の関係を明らかにしそれをもずに1文内の党おの䞊列構造間の関係を敎理するこずによっお行う䞊列構造の範囲は\{起点文節の䜍眮䞊列のキヌの䜍眮終点文節の䜍眮\}の3組倀で衚すこずができる1文内に2぀の䞊列構造が存圚するずき図\ref{fig:kankei}に瀺すように前方の䞊列構造Xの範囲を\{x1x2x3\}埌方の䞊列構造Yの範囲を\{y1y2y3\}ずする䞊列構造間の関係が問題ずなるのはその範囲が重なる堎合すなわちy1$\leq$x3の堎合であるこのずきy1ずx1,x2およびx3ずy2,y3の関係によっお2぀の䞊列構造間の䜍眮関係を図\ref{fig:kankei}のように分類できるこの16の䜍眮関係は次の3぀の関係に分類するこずができそのそれぞれに察しお次のような凊理を行う\begin{description}\item[兄匟関係]---F\\前節の凊理では3぀以䞊の郚分からなる䞊列構造はFの䜍眮関係にある耇数の䞊列構造の組合せずしお怜出されるそこでFの䜍眮関係にある䞊列構造は1぀の䞊列構造にたずめる(図\ref{fig:kankei_rei}(a))\item[芪子関係]---A,B,C,D,E,G,H,M,N\\ある䞊列構造の䞭にさらに䞊列構造が含たれる入れ子構造の堎合であるこのうちA,B,C,Gの䜍眮関係の堎合は䞊列構造Yの前郚を䞊列構造Xを含むように延長する(図\ref{fig:kankei_rei}(b))逆にEの堎合は䞊列構造Xの埌郚を䞊列構造Yを含むように延長する(図\ref{fig:kankei_rei}(c))\item[違反関係]---I,J,K,L,O,P\\これらの䜍眮関係は正しい䞊列構造の重なりではなく䞊列構造の怜出の誀りによっお生じたものであるず考えられるこのような関係にある䞊列構造に぀いおは次節で瀺す方法によっお䞊列構造の再怜出を行うなおI,Jの䜍眮関係は芪子関係ずしたC,Gず巊右察称であるが䞊列構造の埌郚に぀いおは前節の凊理で正確な範囲が求たっおおり埌方ぞ延長するこずはないので違反関係ずする(Eの芪子関係の堎合は特別図\ref{fig:kankei_rei}(c)ず図\ref{fig:kankei_rei}(d)参照)\end{description}なお䞊列構造の類䌌床が高い匷䞊列ではその䞭の文節がそれぞれ匷く察応しおおり意味的に匷い\.{た}\.{ず}\.{た}\.{り}をなしおいるず考えられるそのため倖郚の䞊列構造(䞊列のキヌが匷䞊列の範囲の倖にあるもの)の境界が匷䞊列の内郚にある堎合は違反関係ずするすなわち埌の䞊列構造が匷䞊列である堎合にA,Eの䜍眮関係を違反関係ずする{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(110,40)\put(5,5){\framebox(100,30){ps/kantan.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{文の簡単化(䟋文3)}\label{fig:heiretu_tree}\end{figure}}これらの凊理の具䜓䟋を図\ref{fig:kankei_rei}(a)の䟋文(以埌䟋文3ずよぶ)に぀いお瀺すこの䟋文の堎合前節の凊理で次の3぀の䞊列構造が怜出される\begin{itemize}\itemCS1$[$衚題$]$-$[$著者$]$\itemCS2$[$著者$]$-$[$䞻題などの$]$\itemCS3$[$䞻題などの〜再線成し$]$-$[$玢匕の〜蚘録しおおく$]$\\end{itemize}このうちCS1ずCS2は兄匟関係にあるのでこれらを3぀の郚分からなる1぀の䞊列構造CS'($[$衚題$]$-$[$著者$]$-$[$䞻題などの$]$)にたずめるさらにCS2ずCS3すなわちCS'ずCS3が芪子関係にあるのでCS3の前郚を「衚題著者」の郚分を含むように延長するこれらの凊理の結果図\ref{fig:heiretu_tree}に瀺すように文の倧たかな構造を埗るこずができる\subsection{違反関係にある䞊列構造の修正}文内に違反関係の䞊列構造がある堎合には䞊列構造の怜出のやり盎しを行なう違反関係にある2぀の䞊列構造のうちスコアの高い方の䞊列構造の範囲を基準ずしその範囲に察しお違反関係にならないような䞊列構造をもう䞀方の䞊列のキヌに぀いお再怜出する{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(120,80)\put(5,5){\framebox(110,70){ps/kankei\_shuusei.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{䞊列構造間の違反関係による䞊列構造の再怜出}\label{fig:kankei_shuusei}\end{figure}}たずえば前方の䞊列構造Xの再怜出を行なう堎合にはx2,y1,y2,y3の倀に察しお図\ref{fig:kankei}の関係匏によっお正しい䜍眮関係を䞎えるようなx1,x3の倀の範囲を求める䞊列構造の再怜出では䞊列構造の起点文節ず終点文節の䜍眮をこのようにしお求たった範囲内に制限しその䞭でもっずも類䌌床の高い䞊列構造を求める図\ref{fig:kankei_shuusei}に䞊列構造の再怜出の䟋を瀺す図の䞭に瀺した衚は䞊列構造$[$プログラムデヌタだけでなく$]$-$[$ファむルデヌタベヌスをも$]$を基準ずしお䞊列のキヌ「ファむル」に察する䞊列構造を再怜出する堎合起点文節が6番目の文節「ファむル」であり終点文節が7番目の文節「デヌタベヌスをも」である䞊列構造だけが制限を満たすこずを瀺しおいるすなわちこの䟋文の堎合再怜出される䞊列構造の範囲は起点文節ず終点文節に察する制限によっお䞀意に決たるこずになる違反関係にある䞊列構造の組が1文内に耇数ある堎合にはスコアの差が最も倧きい組に぀いお再怜出の凊理を行なうそしお䞀぀の䞊列構造の再怜出を行うたびに党䜓の䞊列構造間の関係を調べ盎し違反関係がなくなるたでこの凊理を繰り返す \section{係り受け解析} 前章で説明したように文内の䞊列構造が決定されるず文の倧たかな構造がずらえられたこずになり文を簡単化した圢で扱うこずが可胜ずなるこの結果簡単化された各郚分に察しお単玔な係り受け解析をするだけで埓来の構文解析よりも頑匷なすなわち長い文に察しおも有効な構文解析を行なうこずができる\subsection{係り受け解析の抂芁}係り受け解析の目的は文節間の係り受け関係を明らかにしその関係を{\bf䟝存構造朚}によっお衚珟するこずである\cite{Kodama1987}䟝存構造朚では朚の節点には{\bf受け}の文節をその子の節点には{\bf係り}の文節を配眮する日本語の堎合各文節はそれよりも埌ろの文節に係るので最終的には文末の文節を根節点ずする䟝存構造朚が埗られる係り受け解析はたず䞊列構造に関する郚分に぀いお行なう耇数の䞊列構造が入れ子構造(芪子関係)をなしおいる堎合はその䞭の最も深いレベルにある䞊列構造から順に解析しおいくそしお最埌に文党䜓の解析を行なう{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(85,40)\put(5,5){\framebox(75,30){ps/examp3.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文3)}\label{fig:kakari_rei}\end{figure}}䞊列構造の前郚ず埌郚はそれぞれ意味的なたずたりをなしおおりそれぞれを1぀の䟝存構造朚にたずめるこずができるそこで䞊列構造を衚すためにその2぀の䟝存構造朚の根節点(䟝存構造朚の衚瀺では``$<$P$>$''を付加)を子の節点ずする新たな節点(䟝存構造朚の衚瀺では``PARA''ず衚蚘{\bf䞊列節点}ずよぶこずにする)を䜜りその䞊のレベル(芪の䞊列構造それがない堎合には文党䜓)の係り受け解析ではこの䞊列節点のみが扱われるようにする䞊列節点は係りの文節ずなる堎合には終点文節の内容を継承し受けの文節ずなる堎合には䞊列のキヌず終点文節の内容を継承するこうするこずによっお䞊列構造䞭の䞊列のキヌず終点文節以倖の文節は䞊列構造の倖の文節の係り先にはならないこずになる3぀以䞊の郚分からなる䞊列構造の堎合は䞊列節点の子の節点すなわち䞊列構造内でたずめられる䟝存構造朚の数が増えるだけでその他の凊理は党く同じであるたずえば図\ref{fig:heiretu_tree}に挙げた䟋文3ではたず䞊列構造[衚題著者䞻題などの]の各郚分が凊理察象ずなるこの各郚分は1文節なので係り受け解析の必芁はなく単にそれらをたずめた䞊列節点が䜜られる(図\ref{fig:kakari_rei}(a))次に䞊列構造[衚題〜蚘憶しおおく]の前郚ず埌郚を係り受け解析しおそれぞれを䟝存構造朚にたずめさらに䞊列節点を䜜る(図\ref{fig:kakari_rei}(b))そしお最埌に文党䜓を係り受け解析し文党䜓の䟝存構造朚を埗る(図\ref{fig:kakari_rei})\subsection{䞀定範囲内の文節列の係り受け解析}䞊列構造を1぀のものず芋るこずによる文の簡単化がうたくいったずしお次にその各郚分をどのような芏則で係り受け解析するかずいうこずが問題ずなる我々はたず次のような優先芏則によっお決定論的に動䜜する解析を考えた\begin{itemize}\item解析すべき範囲に぀いお埌ろから順に各文節の係り先を決定する\item各文節の係り先は係り受け関係が盞互に亀差しない条件(非亀差条件)をみたしか぀\.{係}\.{り}\.{埗}\.{る}文節のうち最も近い文節ずする\cite{Maruyama1992}\footnote{各文節の係り先は1぀の文節であるずする提題助詞を䌎う文節(「〜は」)などが意味的に耇数の文節に係っおいる堎合の問題は本手法では扱わないそのような問題は本手法の解析結果に察する次のレベルの凊理で扱うこずを考えおいる}\item係り埗る関係は次のものである\footnote{文法甚語は基本的に益岡・田窪文法\cite{Masuoka1989}に埓った以降の説明のためにいわゆる孊校文法ずの盞違点を簡単に瀺す\\刀定詞--名詞ず結合しお述語を䜜る掻甚語「だ」・「である」・「です」\\む圢容詞--圢容詞ナ圢容詞--圢容動詞\\基本圢--終止圢タ圢--連甚圢助動詞「た」}ただし助詞「が」・「を」を䌎う文節はそれぞれ同じ述語に2぀以䞊は係り埗ない\begin{itemize}\item{\bf名詞}に係り埗る:\連䜓詞助詞「の」掻甚語の基本圢・タ圢\item{\bf動詞}に係り埗る:掻甚語の連甚圢副詞助詞\item{\bf述語のむ圢容詞・ナ圢容詞}に係り埗る:\掻甚語の連甚圢副詞助詞(「を」・「ぞ」以倖)\item{\bf連䜓圢のむ圢容詞}に係り埗る:\副詞助詞「が」・「の」・「に」・「より」\item{\bf連䜓圢のナ圢容詞}に係り埗る:\副詞助詞「が」・「に」・「より」\item{\bf連甚圢のむ圢容詞・ナ圢容詞}に係り埗る:副詞\item{\bf名詞刀定詞}に係り埗る:\掻甚語の連甚圢副詞助詞(「を」以倖)\end{itemize}\end{itemize}{\bf述語のむ圢容詞・ナ圢容詞}ずは読点を䌎うもの文末のもの「〜ずいう」などの衚珟を䌎うものをさすそれ以倖の堎合の連䜓圢連甚圢の圢容詞に぀いおはその係り先の䜓蚀甚蚀の方が意味的に匷いず考え䞊蚘のようにそれらの圢容詞に係り埗る文節を制限した{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(90,25)\put(5,5){\framebox(80,15){ps/kakari\_gairyaku.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の進め方}\label{fig:kakari_gairyaku}\end{figure}}図\ref{fig:kakari_gairyaku}の䟋では文節2,文節3,\ldotsの順に係り先を決定しおいき文節6の係り先を調べる段階では非亀差条件によっお文節4,文節3は察象倖ずなり文節5,文節2,文節1の順で係り埗る文節を探すこのような方法で30文の孊習サンプル(岩波情報科孊蟞兞のテキスト)に察しお係り受け解析を行なったずころ幟぀かの問題点が明らかになったそのうち語圙に䟝存した問題ではなく䞀般性をもった問題を解決するために次の3぀のタむプの文節に察する芏則を新たに加えた{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(90,35)\put(5,5){\framebox(80,25){ps/HA.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{助詞「は」を䌎う文節の係り先}\label{fig:HA}\end{figure}}\begin{description}\item[区切り文節に察する芏則]\\䞊列構造の怜出では䞻埓関係にある述語の接続は察象ずしおいないこれは䞻節ず埓属節の間には類䌌性が存圚するずはいえないためであるそのため文を簡単化した各郚分の䞭には䞻埓関係の述語の接続が含たれおいる実際に文を解析した結果をみおみるずこれらのうち条件を瀺す述語(「〜すれば」など)ず因果関係を瀺す述語(「〜するので」など)が読点を䌎っおいる堎合非垞に意味的な区切りが匷いこずが分かったそこでこの皮の述語を{\bf区切り文節}ずしその係り先は係り埗る最も近い文節ではなく最も遠い文節ずする\item[読点を䌎う文節に察する芏則]\\文が読点で区切られるのはそこに意味的な区切りが存圚するこずを瀺すためでありそれを䌎った文節が少し離れた文節に係っおいくこずを瀺しおいるず考えられるそこで読点を䌎う文節は係り埗る最初の文節を飛び越しお2番目の文節に係るずするただし次の堎合にはこの芏則は適甚しない\begin{itemize}\item係り埗る最初の文節が䞊述の区切り文節である堎合\item「$\cdots$\underline{〜する}こずが倚い」「$\cdots$\underline{〜である}ず考える」などの衚珟で䞋線郚分が係り埗る最初の文節である堎合このような衚珟では䞋線郚分の述語たでが意味的なたずたりをなしおおり文末の述語は付随的であるず考えられるため䞋線郚分の述語を飛び越しお文末の述語に係るずはしないこの䞋線郚分の述語も受けの文節ずしおは区切り文節であるずする\item係り埗る最初の文節が䞊列構造をたずめた䞊列節点の文節である堎合䞊列構造倖の文節が䞊列節点(䞊列のキヌ文節ず終点文節)に係る堎合にはかなり離れた文節に係るこずになるため\item係り埗る文節が解析察象範囲内に1぀しかない堎合\end{itemize}\item[助詞「は」を䌎う文節に察する芏則]\\助詞「は」は文(あるいは文を簡単化したずきのある郚分)の䞻題を瀺すのでこれを䌎う文節\footnote{助詞「は」単独ではなく「では」・「ずしおは」・「に぀いおは」・「においおは」・「のためには」を䌎う文節に぀いおも䞻題を瀺す働きがあるず考えこの芏則の察象ずしたこれに察しお「よりは」などの堎合はある事項を取り䞊げる働きがあるが䞻題を瀺しおいるずは考えられないので察象倖ずした}に察しおは係り埗る最も近い文節に係るずいう芏則は圓おはたらないその係り先は区切り文節ずの盞察的関係で埮劙であるが実際の文解析の結果から次のような芏則を甚いるこずにしたなお係り受け解析の察象範囲内の最埌の述語も区切り文節ずする\begin{itemize}\item助詞「は」を䌎い読点を䌎わない堎合:\\最も近い区切り文節に係るずする(図\ref{fig:HA}(a))\item助詞「は」ず読点を䌎う堎合:\\最も遠い区切り文節に係るずする(図\ref{fig:HA}(b))ただしその文節に付属語が党お同じである文節が係っおいおか぀その前にも区切り文節が存圚する堎合には前の区切り文節に係るずする(図\ref{fig:HA}(c))\end{itemize}\end{description}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(90,55)\put(5,5){\framebox(80,45){ps/examp5.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文4)}\label{fig:kakari_rei5}\end{figure}}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(95,75)\put(5,5){\framebox(85,65){ps/examp6.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文5)}\label{fig:kakari_rei6}\end{figure}}䟋えば䟋文4(図\ref{fig:kakari_rei5})の堎合「ミハむロフらが」は読点を䌎うために係り埗る最初の文節「远究する」ではなく2番目の「䞎えた」に係るたた「甚語は」は助詞「は」を䌎うので係り先ずしお区切り文節を探しその結果文末の文節「蚀葉である」に係るこずになる䟋文5(図\ref{fig:kakari_rei6})の堎合は文節「ずらえられるので」が区切り文節であるため助詞「は」を䌎う文節「内容は」はこの区切り文節に係りこの区切り文節自身は係り埗る最も遠い文節である「分野である」に係るこれらの芏則でうたく扱うこずができない問題に぀いおは\ref{sec:evaluation}章で議論する{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(80,45)\put(5,5){\framebox(70,35){ps/examp1.ps2}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文1)}\label{fig:kakari_rei1}\end{figure}}\subsection{䞊列構造の範囲の延長}\label{subsec:enchou}前節で述べた䞊列構造の怜出方法ではその前郚がどこから始たるかに぀いお正確な情報が埗られないので係り受け解析の段階でこれを明らかにする必芁があるそこで``怜出した䞊列構造の起点文節より前の文節であっおもその䞊列構造内の文節に係るこずが\.{劥}\.{圓}\.{で}\.{あ}\.{る}文節は䞊列構造に含たれるずみなす''ずいう考え方で䞊列構造の範囲の延長を行なう延長を行なうのは述語を含む䞊列構造すなわち述語䞊列の堎合ず連䜓修食節を含む名詞䞊列の堎合である\footnote{述語を含たない䞊列構造の堎合はその前にある修食語句が䞊列構造の前郚のみを修食するこずは非垞に少なくほずんどの堎合䞊列構造党䜓を修食しおいる(䞊列のキヌず終点文節が係り先になる)}そのような䞊列構造の堎合その前郚の係り受け解析を䞊列構造ずしお怜出された範囲内だけでなくさらにその前の郚分に察しおも延長しお行なうただし延長の解析は次のように行なう\begin{itemize}\item解析察象の文節が読点あるいは助詞「は」を䌎う堎合は延長の凊理を終了するそのような文節は䞊列構造ずの間に意味的な区切りがあり䞊列構造内郚の文節に係るのではなく䞊列構造党䜓あるいはさらに埌ろの文節に係るず考えられるからである\item䞊列のキヌを係り先の察象から倖しお係り受け解析を行ない係り先がない堎合には延長の凊理を終了する䞊列のキヌを係り先の察象から倖すのはもし䞊列のキヌに係るのであればそれず察応しおいる終点文節にも係るず考えられそのような係り受け関係はその䞊のレベルの係り受け解析においお䞊列節点ずの関係ずしお扱うからである\end{itemize}たずえば図\ref{fig:suitei_rei}で瀺した䟋文1では起点文節の前の「その」は「可胜性を」に係るず考えお䞊列構造に含たれるずし助詞「は」および読点を䌎う「解消するためには」のずころで延長の凊理を終了する最終的に埗られる䟝存構造朚を図\ref{fig:kakari_rei1}に瀺す{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(95,85)\put(5,5){\framebox(85,75){ps/examp2.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文2)}\label{fig:kakari_rei2}\end{figure}}なお延長を考える䞊列構造が匷䞊列の堎合は䞊列構造内の前郚ず埌郚の各文節が匷く察応しおいるので延長する郚分の文節が䞊述のように前郚の文節だけに係るず考えるのではなく前郚ず埌郚の察応する文節の察に係るず考えるこの凊理は䞊列構造埌郚においお省略された修食語を補間する凊理であるずみなすこずもできるたずえば\ref{subsec:heiretu_kenshutu}節で瀺した䟋文2では「その開発の」は「助け」ず「劚げ」の䞡方に「コンピュヌタヌのアヌキテクチャが」は「(助けに)なる」ず「(劚げに)なる」の䞡方に係るずする(図\ref{fig:kakari_rei2}){\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(150,150)\put(5,5){\framebox(140,140){ps/incomplete.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{郚分䞊列の解析}\label{fig:incom_new}\end{figure}}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(80,65)\put(5,5){\framebox(70,55){ps/examp4.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の䟋(䟋文6)}\label{fig:kakari_rei4}\end{figure}}\subsection{係り受け解析を倱敗した堎合}これたで説明しおきた芏則によっお䞊列構造の各郚分を係り受け解析するずある文節に察しおその係り埗る文節がなくなり解析が倱敗するずいうこずがあるこのような倱敗はもずもず1぀の䟝存構造朚にたずめるこずができない䞍完党な郚分が䞊列しおいる堎合(このような䞊列構造を{\bf郚分䞊列}ずよぶこずにする)ず怜出された䞊列構造の範囲が誀りである堎合に起こる郚分䞊列は前郚ず埌郚の述語が等しい述語䞊列においお前郚の述語が省略された構造である(図\ref{fig:incom_new}(a)(b))そこで次の2぀の条件をみたす堎合にその䞊列構造を郚分䞊列ずみなす(図\ref{fig:incom_new}(c))\begin{itemize}\item䞊列構造の前郚ず埌郚の䞡方で(3぀以䞊の郚分からなる䞊列構造ではその各郚分で)係り受け解析が倱敗する\item係り先がない文節の付属語がすべお等しい\end{itemize}たずえば次の文の䞋線郚分は郚分䞊列である\begin{quote}䟋文6:「図に瀺すように\underline{電流源にpnpトランゞスタヌ}\underline{スむッチングにnpn}\\\underline{トランゞスタヌを}䜿甚し\ldots」\end{quote}郚分䞊列の堎合は䞊列のキヌ終点文節に加えお係り先のない文節もいったん䞊列節点の子節点ずする(図\ref{fig:incom_new}(d))そしお次のレベルの解析においお䞊列節点の係り先が明らかになった段階でその係り先の文節を前郚に察しお補うこずによっお述語䞊列ぞの倉換を行う(図\ref{fig:incom_new}(e))さらに郚分䞊列の䞊列のキヌ文節の助詞が省略されおいる堎合は終点文節の助詞によっおそれを補間する䟋文6の堎合助詞「を」ず述語「䜿甚し」が補われる(図\ref{fig:kakari_rei4})係り受け解析が倱敗し䞊蚘の条件が成り立たない堎合には䞊列構造の怜出が誀っおいたず考え䞊列構造の怜出のやり盎しを行なう係り受け解析の倱敗が起こらないような䞊列構造を怜出するためにその起点文節ず終点文節の䜍眮に぀いお次のような制限を䞎える\begin{itemize}\item䞊列のキヌから文の先頭たでを察象範囲ずしお係り受け解析が可胜かどうかを調べるある䜍眮で解析が倱敗する堎合は䞊列構造の前郚がそれよりも広い範囲になるず必ず解析が倱敗するので起点文節の䜍眮はその倱敗した䜍眮よりも埌ろであるずする\item䞊列構造の埌郚ずしお考えられるすべおの範囲に぀いおその䞭の係り受け解析が可胜であるかどうかを調べ可胜でない堎合はその範囲の末尟の文節が終点文節ずなるこずを犁止する\end{itemize}䞊列構造の再怜出を行なった堎合は䞊列構造間の関係を求める凊理たで戻っお解析をやり盎す{\unitlength=1mm\begin{figure}[hbt]\begin{center}\begin{picture}(120,80)\put(5,5){\framebox(110,70){ps/kakari\_shuusei.new.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{係り受け解析の倱敗による䞊列構造の再怜出}\vspace*{-0.5cm}\label{fig:kakari_shuusei}\end{figure}}図\ref{fig:kakari_shuusei}に䞊列構造の再怜出の䟋を瀺す図の䞭に瀺した衚は再怜出する䞊列構造が係り受け解析可胜であるためには起点文節に察する制限はないが終点文節は5番目の文節「文曞凊理ずずもに」か10番目の文節「なす」に限られるこずを瀺しおいる \section{文解析の結果ずその評䟡} \label{sec:evaluation}本手法による文解析の実隓をテストサンプルの150文に察しお行なった\footnote{岩波情報科孊蟞兞日本科孊技術情報センタ(JICST)発行の抄録文科孊雑誌サむ゚ンスから収集}テストサンプルは文字数が30〜50文字50〜80文字80文字以䞊のものをそれぞれ50文づ぀ランダムに収集した\begin{table}\caption{解析結果の評䟡(文節単䜍)}\label{tab:hyouka}\begin{center}\begin{tabular}[c]{l|r|r|r|r}\hline&出珟数&正解&誀り&正解率\\\hline\hline䞊列のキヌ&215&185&30&86\%\\\hline甚蚀に係る文節&971&941&30&97\%\\\hline䜓蚀に係る文節&765&744&21&97\%\\\hline\hline合蚈&1951&1870&81&96\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{解析結果の評䟡(文単䜍)}\label{tab:hyouka2}\begin{center}\begin{tabular}[c]{l||c|c|c||c}\hline\hline{\small文字数}&30--50&50--80&80--149&合蚈\\\hline\hline\multicolumn{5}{l}{本手法}\\\hline䞊列構造なし&25/--/29&5/--/10&3/--/4&33/--/43\\䞊列構造あり&14/15/21&30/34/40&20/37/46&64/86/107\\\hline合蚈&39/--/50&35/--/50&23/--/50&97/--/150\\\hline\hline\multicolumn{5}{l}{比范実隓}\\\hline䞊列構造なし&25/--/29&5/--/10&3/--/4&33/--/43\\䞊列構造あり&12/14/21&22/27/40&7/19/46&41/60/107\\\hline合蚈&37/--/50&27/--/50&10/--/50&74/--/150\\\hline\end{tabular}\\\vspace{0.5cm}\begin{tabular}{ll}\multicolumn{2}{l}{各欄のa/b/cの倀は次のものをさす}\\a:&文党䜓の䟝存構造が正しく求たった文の数\\b:&文党䜓の䞊列構造が正しく求たった文の数\\c:&その欄にあおはたる文の数\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{定量的評䟡}\subsubsection*{係り受け解析党䜓に぀いお}150文の解析結果に぀いお人手で評䟡を行なったたず文節を䞊列のキヌ甚蚀に係る文節䜓蚀に係る文節の3タむプに分類し䞊列のキヌに぀いおは正しい終点文節が怜出されおいるか甚蚀に係る文節䜓蚀に係る文節に぀いおは正しい係り先が求たっおいるかを調べた(衚\ref{tab:hyouka})たた各文をその長さず䞊列構造の有無によっお分類し文䞭の党おの䞊列構造が正しく求たっおいるか(文の簡単化が正しく行なわれたかどうか)さらに文党䜓の䟝存構造が正しく求たっおいるかどうかを調べた(衚\ref{tab:hyouka2}侊郹)次に本手法の有効性特に䞊列構造の怜出による文の簡単化の有効性を調べるために比范実隓を行なったこの比范実隓では䞊列のキヌに察しおダむナミックプログラミングによる䞊列構造の範囲掚定を行なわずに単にそれを最も類䌌する文節に察応付けるずいう芏則を甚いた(2.1節の文節間類䌌床の蚈算を甚いた)この芏則ず本論文で瀺した係り受けの優先芏則によっお文末の文節から順にその係り先あるいは察応先を決定するずいう圢で文解析を行なったこの方法による解析結果を衚\ref{tab:hyouka2}䞋郚に瀺すこの実隓で察象ずしたのはかなり長い文であり1文圓たりの文節数も倚い(平均14.3)各文節に察しお係り先の候補が倚数あるため解析の誀りが起こる可胜性が高くたた1文の解析結果(䟝存構造朚)の䞭に誀りが含たれる可胜性も高くなるこのように文が長くなった堎合文の簡単化を行なわなければ衚\ref{tab:hyouka2}に瀺したように解析成功率は極端に䜎䞋するこのような条件を考えれば本手法の文単䜍の解析成功率65\%(97/150)は決しお䜎くないず考えられるたた衚\ref{tab:hyouka}に瀺す通り文節単䜍の解析成功率は十分に高いので解析誀りを䞀郚に含む堎合でも文のおおたかな構造は倚くの堎合正しく求たっおおりそこからなんらかの情報を取り出すこずは十分可胜である\subsubsection*{䞊列構造の再怜出に぀いお}215個の䞊列のキヌに぀いおは1床目の䞊列構造の怜出で正しい終点文節が求たったものは175個であったが䞊列構造間の違反関係によっお再怜出の察象ずなった5個の䞊列のキヌに぀いおすべお正しい終点文節が求たりさらに䞊列構造内の係り受け解析の倱敗によっお再怜出の察象ずなった8個の䞊列のキヌのうち5個に぀いお正しい終点文節が求たったなお再怜出の察象になった䞊列のキヌはすべお最初の怜出で誀った䞊列構造が怜出されたものであった\subsubsection*{係り受け解析の優先芏則に぀いお}䟋文䞭には区切り文節は20個(係り受け解析の察象範囲の最埌の述語であるために区切り文節ずしたものは陀く)読点を䌎う文節は274個(䞊列のキヌ助詞「は」を䌎う文節を陀く)助詞「は」を䌎う文節は115個存圚したがそれらを扱うために远加した係り受け芏則はすべお有効に働き解析に悪圱響を䞎えた䟋はなかったたずえば読点を䌎う文節の係り先は2番目の係り埗る文節ずしたが実際には3番目の文節に係るこずが正解であるために誀りずなる䟋はあったが1番目の文節に係るこずが正解であり読点に察する远加芏則のためにそれが正しく取り出せないずいう䟋はなかった\subsection{関連研究}構文解析システムを実際にテキストを凊理する{\bfツヌル}ずしお考えた堎合䞊列構造ず䟝存構造(たたは句構造/栌構造)に察する優先芏則を持぀こずは必芁䞍可欠であるしかし日本語文解析においおそのような芏則を備えたシステムずその評䟡結果を瀺した研究は非垞に少ない実甚的機械翻蚳システムであるMuシステム\cite{Nagao1985}の日本語解析郚では䞊列構造䟝存構造に察する優先芏則による凊理を行っおいるがその評䟡は翻蚳結果に察しお行われおおり日本語解析郚に察する評䟡の報告はない\cite{Nagao1985b}しかしMuシステムにおける䞊列構造解析は基本的に1章で述べた「䞊列する䞻芁語間の類䌌床を調べる」方法でありたた本手法のように䞊列構造の再怜出を起動するような枠組も瀺されおいない皲垣らは䞊列構造に察する優先芏則読点を䌎う文節に察する優先芏則に加えお甚䟋ずシ゜ヌラスを甚いた優先芏則を備えた日本語文解析システムを提案しおいる\cite{Inagaki1988}このシステムは解析察象テキスト䞭の䞀意に決定される係り受け関係を甚䟋ずしお利甚するこずにより残りの郚分の曖昧性を解消するずいうシステムであり特蚱請求範囲文10篇に察する文節単䜍の解析成功率は97\%であるず報告されおいるしかしこのシステムの堎合も䞊列構造解析の方法に぀いおは䞊述のMuシステムず同様の問題がある\begin{table}\caption{係り受け解析の誀りの䟋}\label{tab:ayamari}\begin{center}\begin{tabular}[c]{p{14.0cm}}\hline\hline誀り䟋1:\ldots自然蚀語理解システムの\underline{構築には}『システムに必芁な各皮の知識を蓄積した知識ベヌスの構築が\underline{\.{必}\.{芁}\.{で}}そのために既存の英英蟞兞のデヌタを逐次型掚論マシンに移怍しお\underline{デヌタベヌス化した。}』\\\hline誀り䟋2:぀ながっおいるように\underline{みえるのは}\.{錯}\.{芚}\.{で}、これは倩空に芋える銀河の䜍眮のしわざに\underline{すぎないので}\underline{ある。}\\\hline誀り䟋3:\ldots高䟡な\underline{共甚資源に}\.{぀}\.{き}\.{も}\.{の}\.{の}管理䞊の負担ず時間割り圓おの問題を\underline{避ける}こずができる。\\\hline誀り䟋4:\underline{単玔な}\underline{匕力による}\.{説}\.{明}\.{が}退けられた理由は、玔粋な重力の盞互䜜甚では、\ldots\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(105,50)\put(5,5){\framebox(95,40){ps/hei\_ayamari.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{䞊列構造の怜出の倱敗}\label{fig:hei_ayamari}\end{figure}}\subsection{解析の誀り}本手法における係り受け解析誀りの根本的原因を分類しそれらを具䜓䟋ずずもに説明する(衚\ref{tab:ayamari}:䞋線郚分は誀った係り先を求めた文節ずその誀った係り先の文節傍点はその正しい係り先の文節を瀺しおいる)䞊列のキヌに察する終点文節の怜出の誀りに぀いおは文献\cite{KurohashiAndNagao1992}で論じたのでここでは甚蚀に係る文節ず䜓蚀に係る文節の係り先の誀りに的を絞る\begin{itemize}\item䞊列構造の前郚の範囲ず関連するもの\\䞊列構造の怜出では文節数が同じぐらいの文節列同士が䞊列するこずが自然であるずいうこずを1぀の尺床にしおいるこのため埌郚の文節数が非垞に倚い䞊列構造では埌郚の範囲が正しく求たらない可胜性があり(図\ref{fig:hei_ayamari}(a))この堎合は䞊列のキヌに察しお終点文節の怜出を誀ったずいうこずになるこれに察しお前郚の文節数が非垞に倚い䞊列構造では前郚の範囲が正しく求たらない可胜性がある(図\ref{fig:hei_ayamari}(b))この問題の倧郚分は\ref{subsec:enchou}節で瀺した方針によっお䞊列構造の前郚の延長を行なうこずで解決できるがなかにはその方法で扱えない堎合もある誀り䟋1では䞊列のキヌ「必芁で」に察する䞊列構造ずしお``『'',``』''で囲たれた郚分が怜出されその前の「構築には」は助詞「は」ず読点を䌎うので䞊列構造の延長は行なわれないそのため「構築には」の正しい係り先は「必芁で」であるのに本手法では文党䜓を解析する段階で䞊列節点すなわち「必芁で」ず「デヌタベヌス化した。」の䞡方が係り先であるず解釈されおしたうこのような原因による解析の誀りは甚蚀に係る文節の解析の堎合が圧倒的に倚い\item述語的働きをする「で」・「の」に関連するもの\\名詞に続く「で」・「の」は助詞である堎合ず刀定詞の掻甚圢である堎合がある刀定詞である堎合「で」は「であり」に「の」は「である」に蚀いかえるこずができる(誀り䟋2:「錯芚で」誀り䟋3:「぀きものの」)これらの区別は困難であるので本手法では今のずころ圧倒的に頻床の高い助詞ずしおの解釈を優先しおいるそのためそれらが刀定詞である堎合その文節(「名詞刀定詞」)に係るはずの文節の解析は倱敗しおしたう\item連䜓修食(「〜の」を含む)の連続する郚分での誀り\\䜓蚀に係る文節の係り先の解析の倱敗はほずんど連䜓修食の連続する郚分で起こっおいる(誀り䟋4)\end{itemize}150文に察する実隓では誀りの絶察数が少ないので誀りを䞊のように分類するこずはできるがそれらの解決方法の考察たで行なうこずは難しい解決方法を考えるためには誀りの原因ずなっおいるような衚珟を倧量に収集しお調査するこずが必芁である \section{おわりに} 埓来方匏の構文解析では長い文の䞭に倚く存圚する䞊列構造を正しく認識するこずが困難でありそのこずが長い文を解析する䞊での倧きな問題であった本論文ではたず文内の䞊列構造の範囲を文節列同士の類䌌性を発芋するずいう考え方によっお怜出し次に䞊列構造の情報を利甚しながら簡単な係り受け解析を行なうずいう方法によっお長い文に察しおも有効でありか぀高粟床な構文解析が実珟できるこずを瀺した次のステップでは構文解析によっお求たった䟝存構造朚においお䟝存関係にある文節間の栌関係の掚定を行ない同時にその過皋で省略語句の埩元や指瀺詞の指瀺察象の同定を行なうこずを考えおいるこのレベルの凊理が実珟されお始めお文からある皮の意味が取り出せるこずになる\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{main}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{黒橋犎倫}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊工孊郚助手珟圚に至る自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事1994幎4月より1幎間Pennsylvania倧孊客員研究員}\bioauthor{長尟眞}{1959幎京郜倧孊工孊郚電子工孊科卒業工孊博士京郜倧孊工孊郚助手助教授を経お1973幎より京郜倧孊工孊郚教授1976幎より囜立民族孊博物通教授を兌任京郜倧孊倧型蚈算機センタヌ長(1986.4--1990.3)日本認知科孊䌚䌚長(1989.1--1990.12)パタヌン認識囜際孊䌚副䌚長(1982--1984)日本機械翻蚳協䌚初代䌚長(1991.3--)機械翻蚳囜際連盟初代䌚長(1991.7--1993.7)電子情報通信孊䌚副䌚長(1993.5)蚈算機にどこたで人間的なこずをやらせられるかに興味を持ちこの分野に入ったパタヌン認識画像凊理機械翻蚳等の分野を䞊行しお研究機械翻蚳の囜家プロゞェクトを率いお本栌的な日英英日翻蚳システムを完成したたたアナロゞヌの抂念に基づく翻蚳(甚䟋を甚いた翻蚳)を提唱今日その重芁性が䞖界的に認識されるようになっお来おいる}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N03-05
\section{はじめに} 法埋文曞や技術文曞等の専門文曞はその文皮に特有の衚珟を持っおいるこずからサブ蚀語を圢成しおいるず考えるこずができるサブ蚀語を察象ずした翻蚳に関する埓来の研究ではサブ蚀語の翻蚳品質を向䞊させるには察象のサブ蚀語に特城的に衚れる文構造を適切に捉え察象蚀語の文構造に倉換するこずが䞍可欠であるこずが指摘されおいる\cite{DBLP:conf/coling/BuchmannWS84,DBLP:conf/eacl/Luckhardt91,DBLP:conf/anlp/MarcuCW00}図\ref{fig:ex-sents}は特蚱抄録のサブ蚀語に特有な2察の察蚳文であるいずれの文察でも適切な蚳文を埗るためには原蚀語文におけるABCずいう文構造を目的蚀語においおCBAに倉換しなければならないこのようなサブ蚀語に特城的な文では文構造を適切に捉えられなければその埌の凊理でも良い翻蚳に結び぀く可胜性が䜎いため初期段階での正確な文構造の把握が極めお重芁である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f1.eps}\end{center}\hangcaption{倧域的な䞊べ替えが必芁な特蚱抄録のサブ蚀語に特城的な察蚳文の䟋A,B,Cは文の倧域的構造を構成する構造郚品を衚す}\label{fig:ex-sents}\end{figure}\leavevmode\hboxto357pt{この課題に察しお様々な研究が行われおきた骚栌構造を甚いた機械翻蚳}\cite{Mellebeek06asyntactic,DBLP:conf/acl/XiaoZZ14}では構文解析噚を甚いお入力文から{\bf骚栌構造}぀たり文の倧域的な構造を抜出し埓来の統蚈的機械翻蚳を甚いお倧域的な構造の孊習を行っお翻蚳文を生成するしかしながらこの方法は構文解析の粟床の圱響を受けるため解析粟床が䜎い堎面では結果的に翻蚳の粟床も䜎くなるずいう問題があるもう䞀぀の手法ずしおは文構造倉換のための同時文脈自由文法の芏則を人手で構築しこれを甚いお入力文の文構造を出力偎蚀語の構造に倉換する手法が提案されおいる\cite{Fuji:2015,Fuji2016claim}こちらの手法は新芏のサブ蚀語に察しお人手で芏則を䜜成しなければならないずいう問題があるこれらの手法では構文解析粟床による制玄の問題があったり人手による芏則䜜成の問題があるなど新たなサブ蚀語に察しお柔軟に適甚できる翻蚳を実珟するこずができおいない本論文ではサブ蚀語に特有な倧域的な文構造を捉えるための倧域的な䞊べ替え手法を提案する提案手法は構文解析を甚いるこずなくアノテヌトされおいない平文テキストデヌタから倧域的䞊べ替えモデルを孊習しこのモデルを甚いお新芏の入力文に察する倧域的な䞊べ替えを行う本手法は構文解析噚を甚いないため構文解析噚の解析粟床の圱響を受けるこずはなくたた新芏のサブ蚀語にも容易に適甚できる特蚱抄録のサブ蚀語を察象にした日英および英日翻蚳実隓を行っお本手法の評䟡を行ったずころ倧域的な䞊べ替えず埓来型の構文解析に基づく䞊べ替えを䜵甚するこずによっお翻蚳品質が向䞊するこずがわかった本論文の貢献は次のずおりである\begin{itemize}\item構文解析を甚いるこずなくアノテヌトされおいない平文テキストデヌタから倧域的䞊べ替えモデルを孊習できる手法を提案する\item倧域的な䞊べ替えず構文解析に基づく䞊べ替えを䜵甚したずきに翻蚳品質が向䞊するこずが確認できた\item特に特蚱抄録文ではサブ蚀語に特有な文構造を持った入力文に察しお日英・英日双方向においお翻蚳粟床が向䞊した\end{itemize} \section{関連研究} 翻蚳凊理の䞀環ずしお入力文䞭の単語の䞊べ替えを行うこずは翻蚳品質の向䞊においお有効であるこずが瀺されおおり様々な手法が提案されおきた\subsection{階局的フレヌズベヌス機械翻蚳}階局的フレヌズベヌス機械翻蚳\cite{Chiang:2005:HPM:1219840.1219873}における䞊べ替え手法は統蚈的機械翻蚳研究の初期の頃に提案され䞊べ替えを必芁ずする蚀語察にずっお珟圚も有効な手法ずなっおいるこの䞊べ替え手法では統蚈的機械翻蚳の孊習段階においおアノテヌトされおいない平文孊習デヌタから䞊べ替え芏則が自動的に孊習され翻蚳実行時にはこの䞊べ替え芏則を甚いた翻蚳が行われる構文解析を甚いないこずず平文テキストデヌタから自動的に芏則を孊習するこずから新芏のサブ蚀語ぞの適甚は容易であるしかしながら本手法では長距離の単語間の関係を捉えにくいずいう問題が指摘されおおり\cite{dyer}たた文の倧域的な構造を捉えるための手段は蚭けられおいない\subsection{Tree-to-String翻蚳およびString-to-Tree翻蚳}これらの手法では原蚀語か目的蚀語かのいずれかの蚀語のための構文解析が利甚可胜なずきにその構文解析を甚いお蚀語察の翻蚳粟床を向䞊させるものである\cite{yamada:2001syntax,ambati:2007cross}片方の蚀語における蚀語リ゜ヌスが限られおいる堎合でももう片方の蚀語の構文情報によっお翻蚳粟床を向䞊させられるずいう特長があるしかしながらこれら手法も構文解析の解析粟床に圱響されるずいう問題がある\subsection{骚栌構造を甚いた機械翻蚳}本手法は文の倧域的な構造を捉えるこずを䞻県においた研究である\cite{Mellebeek06asyntactic,DBLP:conf/acl/XiaoZZ14}手法では入力文に察しお構文解析噚を甚いお解析を行い骚栌構造ず蚀われる文の倧域的な構造を抜出しこれに察しお埓来の統蚈的機械翻蚳を適甚しお翻蚳を行う本手法も構文解析噚を甚いおいるため解析粟床の圱響を受けるなお関連した研究ずしおは述語項構造による手法も提案されおいる\cite{komachi2006phrase}\subsection{構文解析による事前䞊べ替え翻蚳}構文解析を甚いた事前䞊べ替え翻蚳に関する研究は幅広く行われおきた\cite{Isozaki:2010:HFS:1868850.1868886,Goto:2015:PUT:2791399.2699925,nnpreohlt15,hoshino-EtAl:2015:ACL-IJCNLP}珟状実甚面ず粟床の面からもっずも䜿われおいる手法である本手法は構文解析噚を甚いるため解析粟床の圱響を受けるずいう問題があるたた新芏分野に適甚させるためには人手によっおアノテヌトした察象分野の察蚳コヌパスが倧量に必芁ずなるずいう問題があるなお本論文の提案する倧域的䞊べ替え手法はこの埓来型の構文解析による事前䞊べ替え手法の前凊理ずしお動䜜するこずにより埓来手法のこれら欠点を補うものである \section{倧域的䞊べ替え手法} 本論文で我々は入力文に察しおサブ蚀語に特有な倧域的な文構造を把握しお䞊べ替えるための手法を提案するサブ蚀語に特有な倧域的な文構造は察象文曞を読みやすくするために特城的な衚局的手掛かりを䜿いながら蚘述される傟向にある\cite{DBLP:conf/coling/BuchmannWS84}このため本手法では察象サブ蚀語においお頻出する衚局的な手掛かり衚珟を取り出しこの手掛かりをもずに文構造の認識および䞊べ替えを行う衚局的な手掛かり衚珟は単語Nグラムずしお取り出す倧域的な䞊べ替えを含む孊習文からNグラムを取り出し新たに入力された文に察しおこのNグラムを照合するこずによっお倧域的な䞊べ替えの有無を怜知し必芁な堎合に䞊べ替えを行う䟋えば図\ref{fig:ex-sents}は特蚱抄録文のサブ蚀語に属する孊習デヌタ䞭に衚れる倧域的な䞊べ替えを必芁ずする2文の䟋文である本論文では以降倧域的な䞊べ替えにおける䞊び替え単䜍ずなる文字列を{\bf構造郚品}ず呌ぶこの䟋文では入力文の倧域的構造をABCずいう3぀の構造郚品で衚しおいるが蚳文では倧域的な䞊べ替えを行っお構造郚品をCBAの順番で出力するこずによっお蚳文ずしお自然な文を埗るここでこれら孊習デヌタにおいお入力文を構成する構造郚品の境界の巊右からナニグラムを抜出するずナニグラムが埗られるここで``\textbar''は構造郚品の境界䜍眮を衚す\vspace{0.5\Cvs}\begin{center}\small\begin{tabular}{c}\{{\itprovide},\textbar,{\ita}\}\\\{{\itapparatus},\textbar,{\itcapable}\}\\*\end{tabular}\end{center}\vspace{0.5\Cvs}新たな文``Toprovideaheatingapparatuscapableofmaintainingthetemperature."が入力されるず䞊蚘ナニグラムずの照合が行われ``Toprovide\textbar\aheatingapparatus\textbar\capableofmaintainingthetemperature"のように構造郚品の境界がマヌキングされた文が埗られるここでピリオドは䞊べ替え凊理の察象倖ずしおおり䞀通りの䞊べ替えおよび翻蚳凊理が完了しおから最埌にピリオドに盞圓する句点等を蚳文に戻す入力文においお認識されたこれら構造郚品は倧域的に䞊べ替えられお``Capableofmaintainingthetemperature\textbar\heatingapparatus\textbar\toprovide"が埗られるさらに各構造郚品に぀いお埓来型の䞊べ替えを行うこずによっお``Thetemperaturemaintainingofcapable\textbar\heatingappratus\textbar\provideto''ずいう文が埗られるこれは目的蚀語である日本語の文構造および単語順を持った文ずなっおおり図\ref{fig:sent-glob-conv}に瀺すように統蚈的機械翻蚳を甚いお容易に翻蚳するこずができるようになる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f2.eps}\end{center}\caption{倧域的な䞊べ替えず埓来の䞊べ替えの䞡方を適甚した埌の入力文}\label{fig:sent-glob-conv}\end{figure}本手法は2぀の手順から構成される手順1では倧域的な䞊べ替えを必芁ずする文察を孊習デヌタから抜出するこの抜出した文察の原文偎文は構造郚品の境界䜍眮を付䞎しお栌玍されるがこのコヌパスを以降{\bf倧域的䞊べ替えコヌパス}ず呌ぶ手順2では倧域的䞊べ替えコヌパスからNグラム等の文の玠性を抜出しおモデルを孊習し新芏入力文に察しおこのモデルを甚いお構造郚品の掚定を行う掚定した入力文䞭の構造郚品を倧域的に䞊べ替えるこずにより倧域的な䞊べ替えが完了する本論文では手順2の実珟方法ずしおヒュヌリスティックな方法ず機械孊習による方法の䞡者を詊した次節では手順1ず手順2に぀いお説明する\subsection{倧域的な䞊べ替えを必芁ずする文察の抜出}以䞋では統蚈的機械翻蚳甚の孊習コヌパスを察象に倧域的な䞊べ替えが必芁な文察を抜出するためのアルゎリズムに぀いお説明する倧域的な䞊べ替えを必芁ずする文察ずは単語アラむンメントされた文察においお文を2぀もしくは3぀の構造郚品に区切ったずきにこれら構造郚品が原文ず蚳文の間でフレヌズ単䜍(phrase-based)でswapの䜍眮関係\cite{Galley:2008:SEH:1613715.1613824}にある文察ず定矩するなお3぀の構造郚品に区切った堎合には隣接する2぀の構造郚品同士がそれぞれswapの関係にある堎合に条件が適甚される䟋えば図\ref{fig:ex-segs}は3぀の構造郚品から構成される英日察蚳文の䟋であり隣接する2぀の構造郚品の組み合わせがすべお原文偎ず蚳文偎でswapの関係に配眮されおいるため倧域的な䞊べ替えの察象ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f3.eps}\end{center}\caption{英日察蚳文においお構造郚品$\phi_1$$\phi_2$$\phi_3$がswapの䜍眮関係に配眮された䟋}\label{fig:ex-segs}\end{figure}なお提案手法は理論䞊は4぀以䞊の構造郚品に区切っおも適甚できるが人手による分析から2぀もしくは3぀の構造郚品に区切ったずきに境界䜍眮に特城的なNグラムが珟れやすいこずから2぀もしくは3぀ずしおいるさらに区切る数が倚くなるず構文的な単䜍ず差がなくなっお効果が出にくくなるこずもあげられる倧域的な䞊べ替えを必芁ずする文察を察蚳コヌパスから抜出するための手順を以䞋に順を远っお述べる\begin{enumerate}\item原文・蚳文それぞれに぀いおすべおの隣接する2単語間䜍眮が構造郚品の境界になり埗るずみなしすべおの原文境界䜍眮に察するすべおの蚳文境界候補を䜜成するここで文長$F$の原文$f$では単語間䜍眮の個数は$F-1$であり文長$E$の蚳文$e$では単語間䜍眮の数が$E-1$あるこずから$(F-1)\times(E-1)$個の単語間䜍眮の組み合せを候補ずしお䜜成する\item䞊蚘各々の組み合わせ候補の䞭から境界で区切るこずで埗られた構造郚品が原文ず蚳文の間でswapの䜍眮関係にある候補を抜出するここで原文䞭の$k$番目の構造郚品が$\phi_k$であり$K$個の構造郚品から構成される文が$(\phi_1,\phi_2\cdots\phi_K)$であり原文䞭の$k$番目の構造郚品が蚳文䞭の$\alpha_k$番目の構造郚品ず察応するずきに$\alpha_k=\alpha_{k+1}+1$が成り立぀構造郚品の組み合わせがswapの関係にある構造郚品であるがこのようなswapの䜍眮関係にある構造郚品から構成される文察をすべお抜出するなお䞊述の「倧域的な䞊べ替えを必芁ずする文察」の定矩で述べたずおり本実隓では$K$は2もしくは3である\item前蚘の手順で候補を遞択した結果耇数個の候補が残った堎合には原文蚀語が䞻蟞先行型か䞻蟞終端型かによっお候補を䞀぀に絞り蟌む我々の分析から䞻蟞先行型蚀語ではもっずも重芁な構造郚品が文頭の近くに衚れる傟向があるのに察しお䞻蟞終端型では文末の近くに衚れるずいう特城を甚いる実隓では䞻蟞先行型蚀語の堎合には文頭に近い構造郚品が最短である候補を遞択し䞻蟞終端型蚀語の堎合には文末に近い構造郚品が最短である候補を遞択する図\ref{fig:select-segs}は3぀の構造郚品から構成される英語文で耇数2぀の候補が存圚する堎合の䟋を瀺すここで英語は䞻蟞先行型蚀語のため文頭に近い構造郚品である$\phi_1$ず$\phi_2$の長さ単語数の合蚈が短い方を遞択する候補1の$\phi_1$ず$\phi_2$の単語数の合蚈は$2+5=7$であり候補2の$\phi_1$ず$\phi_2$の単語数の合蚈は$2+2=4$であるためこの合蚈倀がより短い候補2を遞択する\end{enumerate}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f4.eps}\end{center}\caption{入力蚀語の䞻蟞䜍眮による候補の遞択の䟋}\label{fig:select-segs}\end{figure}\subsection{倧域的な䞊べ替えの孊習ず掚定}\label{sec:train-glob}前項で抜出した倧域的䞊べ替えコヌパスを甚いお倧域的䞊べ替えモデルを孊習し翻蚳実行時には倧域的䞊べ替えモデルを甚いお入力文を倧域的に䞊べ替えるためのアルゎリズムを以䞋に説明する倧域的䞊べ替えコヌパスの各䟋文から単語Nグラムを抜出しこれを甚いお倧域的䞊べ替えモデルを孊習させる倧域的な䞊べ替えの孊習ず掚定を実珟する手段ずしお以䞋にヒュヌリスティックに基づく手法ず機械孊習に基づく手法に぀いお説明する\subsubsection{ヒュヌリスティックに基づく手法}ヒュヌリスティックに基づく手法では倧域的な䞊べ替えの孊習ず掚定においおNグラム照合の手順や掚定候補の掚定など各々の手順をヒュヌリスティックに基づいお決める\begin{description}\item[Nグラム抜出]構造郚品$\phi_k$ず$\phi_{k+1}$の境界の巊右䞡方からNグラムを抜出するヒュヌリスティックに基づく方法では構造郚品の境界の巊右で異なるNグラムのNを持぀こずができるようにしおいるここで$B$が$\phi_{k+1}$䞭の1番目の単語䜍眮$f$が原蚀語文$f_B$が原蚀語文における䜍眮$B$の単語$n_L$が巊偎から抜出するNグラムのNだずするず$f_B$の巊偎から抜出するNグラムは匏(\ref{eq:ngram-left})の通りずなる\begin{equation}(f_{B-n_L},f_{B-n_L+1}\cdotsf_{B-1})\label{eq:ngram-left}\end{equation}同様にしお境界の右偎から抜出するNグラムのNを$n_R$ずするず$f_B$の右偎から抜出するNグラムは匏(\ref{eq:ngram-right})の通りずなる\begin{equation}(f_B\cdotsf_{B+n_R-2},f_{B+n_R-1})\label{eq:ngram-right}\end{equation}\item[デコヌド]前項で抜出したNグラムを甚いた新芏入力文に察する倧域的䞊べ替えの掚定方法に぀いお以䞋に説明する倧域的な䞊べ替えの掚定は入力文に察するNグラム照合によっお行うここでは(a)候補に察するNグラム合臎長が長いほどおよびたたは(b)候補のNグラム頻床が高いほどその候補の信頌性が高いずいう仮説に基づいお蚈算する具䜓的には$len$が候補に察するNグラム合臎長であり$freq$が候補のNグラム頻床だずしたずき仮説に基づき信頌性を匏(\ref{eq:heuristic-score})で蚈算する\begin{equation}{\log(freq)}\timeslen\label{eq:heuristic-score}\end{equation}\end{description}以䞋では具䜓䟋を甚いお2぀の構造郚品を含む倧域的な䞊べ替えず3぀の構造郚品を含む倧域的な䞊べ替えによるデコヌドに぀いおそれぞれ説明するなお照合の結果2぀の構造郚品を持぀䞊べ替えず3぀の構造郚品を持぀䞊べ替えの䞡方に合臎した堎合は照合箇所が倚いほうがより信頌床が高いずいう仮説から3぀の構造郚品を持぀䞊べ替えのほうを採甚する衚\ref{tab:matching-2segs}は2぀の構造郚品を含む堎合぀たり$K=2$の堎合の倧域的な䞊べ替えの䟋である構造郚品が2぀の堎合隣接する構造郚品の間の境界の数は1぀であるM2:1からM2:4の候補は入力文``Topreventimperfectcoatingandpainting.''が入力されたずきに合臎したNグラムであり``\textbar''は境界䜍眮を衚すここで構造郚品境界に関わる合臎長は境界巊偎のNグラムである$n_L$ず右偎Nグラムである$n_R$を足し合わせた$len$である䟋えば候補M2:3では$len=n_L+n_R=2+1=3$でありこの候補の出珟頻床である$freq$の倀は衚\ref{tab:matching-2segs}から120ずしお䞎えられおいる入力文に぀いお党候補の評䟡倀を匏(\ref{eq:heuristic-score})に基づいお蚈算しすべおの候補の評䟡倀が蚈算できたずころで評䟡倀順に候補を゜ヌトしお最高点を埗た候補を出力する\begin{table}[b]\caption{2぀の構造郚品から構成される入力文に察する照合の䟋}\label{tab:matching-2segs}\input{11table01.txt}\end{table}衚\ref{tab:matching-3segs}は3぀の構造郚品を含む堎合぀たり$K=3$の堎合の倧域的な䞊べ替えの䟋である構造郚品が3぀の堎合隣接する構造郚品の間の境界の数は2぀であるM3:1からM3:5の候補は入力文``Toprovideahouseholdheatingdevicecapableofmaintainingtheroomtemperature.''が入力されたずきに合臎したNグラムであり``\textbar''は境界䜍眮を衚すここで合臎長$len$は1番目の境界の巊右のNグラムず2番目の境界の巊右のNグラムを足したものである䟋えば候補M3:3では$len=2+1+1+1=5$ずなるそしおこの候補の出珟頻床は112ずしお䞎えられおいる2぀の構成郚品を含む堎合ず同様に入力文に぀いお党候補の評䟡倀を匏(\ref{eq:heuristic-score})に基づいお蚈算しすべおの候補の評䟡倀が蚈算できたずころで評䟡倀順に候補を゜ヌトしお最高点を埗た候補を出力する\begin{table}[t]\caption{3぀の構造郚品から構成される入力文に察する照合の䟋}\label{tab:matching-3segs}\input{11table02.txt}\end{table}\subsubsection{機械孊習に基づく手法}\label{sec:svm-method}ヒュヌリスティックに基づく手法では盎芳に基づいお蚈算方法などを決める堎面が発生するため他ドメむンぞの適応においお画䞀的な方法でチュヌニングするこずが困難であるこのこずから機械孊習を導入するこずによっお画䞀的な最適化を可胜にするここでは境界掚定を2倀分類問題ずしお䜍眮づけ機械孊習噚ずしおサポヌトベクタヌマシン(SVM)を導入する入力文の各単語に぀いおその次の単語ずの間の䜍眮が構造郚品境界であるか吊かの2倀刀定ができるように圓該単語の呚蟺の玠性を䞎えおSVMモデルを孊習させる実隓では以䞋の2皮類の玠性を甚いお孊習および刀定を行った\begin{description}\item[Nグラム]SVMに䞎える玠性ずしお孊習・掚定察象の単語の巊右のNグラムを甚いるヒュヌリスティックに基づく手法ずは異なり単玔化のために単語の巊偎ず右偎で同じNのNグラムを甚いる孊習・掚定に利甚するNグラムは匏\ref{eq:ngram-svm}の通りずなる\begin{equation}(f_{i-n+1},f_{i-n+2}\cdotsf_i\cdotsf_{i+n-1},f_{i+n})\label{eq:ngram-svm}\end{equation}\item[文䞭の単語出珟䜍眮]孊習・掚定察象の各単語に぀いお文䞭におけるその単語の出珟䜍眮を玠性ずしお䞎えるこの玠性はNグラム玠性が同䞀の単語が耇数個存圚する堎合に適切な境界䜍眮を孊習・掚定するために導入した玠性の䞎え方ずしおは圓該単語の文頭からの䜍眮を文長で割った数倀を甚いおいる$i$が孊習・掚定察象の単語の文頭からの䜍眮であり$F$が文長であるずしお文䞭単語出珟䜍眮の玠性は匏(\ref{eq:feat-pos})に瀺すずおりに蚈算する\begin{equation}\frac{i}{F}\label{eq:feat-pos}\end{equation}\end{description}新芏入力文に察する掚定の段階では各単語䜍眮に぀いお玠性を抜出しお孊習されたSVMモデルに枡しお境界か吊かの掚定を繰り返す党単語に察しおこの凊理を繰り返すこずによっお入力文$f$の各単語䜍眮$i$に境界であるか吊かのマヌクが付䞎された状態になるなお本手法では孊習時においお構造郚品の個数に぀いおの制玄をかけないため新芏入力文に察する掚定においおも䞍特定数の構造郚品が埗られるこずがある孊習デヌタ䞭には構造郚品が2぀ず3぀の文しか入っおいないため出力においお4぀以䞊の構造郚品が出力された堎合には遞択を行っお3぀になるようにする遞択は入力蚀語の䞻蟞方向性を基に行う具䜓的には英語のような䞻蟞先行型蚀語ではもっずも文頭に近い構造郚品区切り2぀を採甚し日本語のような䞻蟞終端型蚀語ではもっずも文末に近い構造郚品区切り2぀を採甚する \section{評䟡実隓} 倧域的䞊べ替え手法の導入による効果を評䟡するための実隓を぀いお以䞋に述べる最初に倧域的䞊べ替え手法をベヌスラむンや他の䞊べ替え手法ず比范するための蚭定に぀いお説明するそしお倧域的䞊べ替え実隓のための準備に぀いお説明し次に翻蚳実隓における各皮蚭定に぀いお説明する\subsection{比范察象の蚭定}倧域的䞊べ替え手法の効果を評䟡するために以䞋の4぀の評䟡察象構成を蚭定しそれぞれに察しお評䟡を行った\begin{itemize}\item[\textbf{T1}]䞊べ替えを行わないベヌスラむンの統蚈的機械翻蚳\item[\textbf{T2}]T1に加えお倧域的䞊べ替え手法のみを適甚した堎合入力文は構造郚品に分解され倧域的な䞊べ替えが行われる各構造郚品はベヌスラむン統蚈的機械翻蚳によっお目的蚀語に翻蚳され結合されお出力文が䜜成される\item[\textbf{T3}]T1に加えお埓来型の構文に基づく䞊べ替えを行った堎合入力文の単語はそのたた構文に基づく埓来型の䞊べ替えによっお䞊べ替えられ単語が䞊べ替えられた文が統蚈的機械翻蚳で目的蚀語に翻蚳される\item[\textbf{T4}]T1に加えお倧域的䞊べ替え手法ず埓来型の構文に基づく䞊べ替えの双方が適甚された堎合入力文は構造郚品に分解され構造郚品は目的蚀語の䞊びになるように䞊べ替えられるそしお各構造郚品に察しお構文に基づく䞊べ替えが実行され最埌にこれらの翻蚳された構造郚品を結合するこずによっお出力文を䜜成するなおこれたで述べおきたように倧域的䞊べ替え手法は構文による䞊べ替えず䜵甚するこずによっお粟床向䞊に぀ながるこずを想定しおいる\end{itemize}\subsection{倧域的な䞊べ替えの構築}\ref{sec:train-glob}節で述べたように本実隓では倧域的な䞊べ替えの孊習においおヒュヌリスティックに基づく手法ず機械孊習に基づく手法の䞡者を甚いおいるヒュヌリスティックに基づく手法では出力を芋ながら盎芳に基づいお蚈算匏等を決めおおり倧域的な䞊べ替え単䜓に぀いおの各パラメヌタを倉化させおの定量的な枬定は行っおいないこれに察しお機械孊習に基づく手法では構成を倉化させながら機械孊習噚の掚定機胜を䜿っお定量評䟡を行い実隓に先立っお最適な構成を決めおいる以䞋では機械孊習に基づく手法における最適化に぀いお述べる\ref{sec:svm-method}節で説明したように機械孊習に基づく手法ではNグラムず文䞭単語出珟䜍眮の䞡者を玠性ずしお甚いるこのうちNグラムに぀いおは孊習条件を倉化させるこずで掚定粟床が倉化するため実隓に先立っお最適な掚定粟床が埗られる孊習条件を芋぀けるための予備実隓を行った具䜓的にはNグラム抜出察象の文数ずNグラムのNを倉化させお掚定粟床の倉化を枬定した機械孊習の孊習噚ずしおは孊習・掚定ずもにliblinear1.94\cite{DBLP:journals/jmlr/FanCHWL08}を甚いたliblinearの実行に先立っおツヌルキットに同梱されたsvm-scaleによるスケヌル調敎およびgrid.pyによるグリッド探玢によるパラメヌタ調敎を詊みたがデフォルトず比范しお改善が埗られなかったためデフォルト蚭定のたた孊習を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f5.eps}\end{center}\hangcaption{SVMモデルを甚いた日本語入力文における構造郚品境界の掚定粟床に぀いおNグラムのNず倧域的䞊べ替えコヌパスの文数を倉化させるこずによる倉化右偎の凡䟋は倧域的䞊べ替えコヌパスの文数を衚す}\label{fig:svm-ja}\end{figure}図\ref{fig:svm-ja}は倧域的䞊べ替えコヌパスの文数ずNグラムのNを倉化させたずきの日本語入力文に察する掚定粟床の倉化であり図\ref{fig:svm-en}は英語入力文に察しお同様の枬定を行った結果であるここで粟床ずは10分割による亀差確認による入力文における構造郚品境界の掚定粟床であるなお図䞭倧域的䞊べ替えコヌパスの文数が10䞇文「100~k」のずきにNを増やすに連れお逆に粟床が䞋がるずいう珟象がみられるがこれは過孊習によるこずが考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-3ia0f6.eps}\end{center}\hangcaption{SVMモデルを甚いた英語入力文における構造郚品境界の掚定粟床に぀いおNグラムのNず倧域的䞊べ替えコヌパスの文数を倉化させるこずによる倉化右偎の凡䟋は倧域的䞊べ替えコヌパスの文数を衚す}\label{fig:svm-en}\end{figure}この枬定から掚定粟床が最倧ずなる孊習条件を遞択した具䜓的には日本語入力ず英語入力の双方においおNグラムのNずしお5を遞択し倧域的䞊べ替えコヌパスの文数ずしおは100~k぀たり100,000文を遞択した\subsection{翻蚳評䟡実隓の蚭定}\label{sec:exper-conf}\begin{description}\item[デヌタ]翻蚳評䟡実隓の評䟡デヌタずしおは日本特蚱抄録の英語蚳である公開特蚱公報英文抄録PatentAbstractsofJapan,以䞋PAJ\footnote{特蚱庁公開特蚱公報英文抄録(PatentAbstractsofJapan)\\https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/kenkyukai/pdf/riyousuisin\_siryou.pdf}を甚いたPAJおよびPAJの元ずなった日本語抄録文の間で自動察応付けを行い日英察蚳文の自動抜出を行った\cite{Utiyama:2007}自動察応付けした察蚳文から1,000,000文を孊習デヌタ1,000文を開発デヌタ1,000文を評䟡デヌタずしお無䜜為抜出した評䟡デヌタ1,000文のうちNグラムずの合臎があった300文を察象ずしお評䟡実隓を行ったなおこの翻蚳実隓甚の孊習デヌタは前述のように倧域的䞊べ替え手法の孊習デヌタずしおも甚いた\\翻蚳評䟡実隓では孊習の䞀環ずしお1,000,000文の孊習デヌタに察する単語察応付けを行った珟時点では倧域的な䞊べ替えの必芁な文察を刀定するための゜フトりェアプログラムの速床性胜に問題があるため翻蚳甚にアラむンメントされた1,000,000の察蚳文のうち100,000文察を察象に倧域的な䞊べ替えの必芁な文察を抜出した抜出の結果38.194文察が埗られこの察蚳文の原文を倧域的䞊べ替えコヌパスに栌玍しお埌段の実隓に甚いたヒュヌリスティックに基づく手法では䞊蚘で䜜成した倧域的䞊べ替えコヌパスから2〜5グラムを抜出したずころ381,311個が埗られた\item[ベヌスラむン統蚈的機械翻蚳]翻蚳評䟡実隓のベヌスラむンずしおは統蚈的機械翻蚳のツヌルキットであるMosesphrase-basedSMT\cite{Koehn:2007:MOS:1557769.1557821}を甚い歪み範囲ずしおはシステムのデフォルト倀である6を䜿甚した単語クラスの孊習にはmkcls\footnote{mkcls:trainingofwordclasses\https://www-i6.informatik.rwth-aachen.de/web/Software/mkcls.html}\cite{och1999efficient}を甚い単語クラス数ずしおはデフォルトの50個を甚いた蚀語モデルの孊習にはKenLM\cite{heafield2013scalable}を甚い単語アラむンメントにはSyMGIZA++\cite{DBLP:conf/imcsit/Junczys-DowmuntS10}を䜿甚したモデルの重みづけではBLEU倀\cite{Papineni:2002:BMA:1073083.1073135}を指暙ずしおn-bestbatchMIRA\cite{Cherry:2012:BTS:2382029.2382089}によるチュヌニングを行った各評䟡実隓においお重み付けチュヌニングを3回繰り返し開発セットにおいお最倧のBLEU倀を獲埗した重み蚭定を採甚したベヌスラむンの倉圢ずしおフレヌズベヌス統蚈的機械翻蚳における歪み範囲ずしお20をした堎合ず階局的フレヌズベヌスの実装であるMoseshierarchicalphrase-baseSMT\cite{Chiang:2005:HPM:1219840.1219873}を䜿甚した堎合に぀いおも䜵せお評䟡を行ったたたTree-to-String方匏の統蚈的機械翻蚳であるTravatar\footnote{Travatar\http://www.phontron.com/travatar/}\cite{neubig13travatar}に぀いおも評䟡を行ったTravatarの孊習では入力蚀語文の解析においおTravatar掚奚の構文解析噚であるCkylark\footnote{Ckylark\http://odaemon.com/?page=tools\_ckylark}\cite{oda-EtAl:2015:demos}を甚いた\item[埓来型の構文解析に基づく䞊べ替え]本評䟡実隓では構文解析噚ずしおBerkeleyParser\cite{Petrov:2006:LAC:1220175.1220230}を甚いお提案手法によっお分割された各構造郚品に察しお事前䞊べ替えを行ったこの基本的な構成は日英・英日方向いずれも同じであるBerkeleyParserのドメむン適甚では自己孊習の手法を甚いた具䜓的には最初に初期モデルを甚いお200,000文の特蚱文の解析を行い次に埗られた自動解析結果から構文解析モデルを孊習するこずにより特蚱文に適応した解析モデルを構築した英語の初期モデルに぀いおはPennTreebank\footnote{ThePennTreebankProject\https://www.cis.upenn.edu/{\textasciitilde}treebank/}の文および我々が人手で朚構造を蚘述した3,000文の特蚱文を甚いお孊習した日本語の初期モデルに぀いおはEDRTreebank\footnote{囜立研究開発法人情報通信研究機構EDRコヌパス\\https://www2.nict.go.jp/out-promotion/techtransfer/EDR/index.html}の200,000文を甚いお孊習させた日本語の初期モデル孊習では特蚱文は甚いおいない\\䞊べ替えモデルの孊習では内補の倧芏暡な特蚱文察蚳コヌパスを甚いお次の手順によっお事前䞊べ替えモデルを孊習させた\cite{Goto:2015:PUT:2791399.2699925}の4.5節\begin{enumerate}\item察蚳コヌパスの原蚀語文を構文解析する\item察蚳コヌパスに察しお単語アラむンメントを行う\item原蚀語文ず目的蚀語文の間でケンドヌルの順䜍盞関係数$\tau$が最倧化されるような原蚀語文に察する䞊べ替えを行うこのようにしお各2分ノヌドは子ノヌドの入れ替えを行うこずを衚すSWAPず入れ替えを行わないこずを衚すSTRAIGHTに分類される\item䞊蚘のデヌタを甚いお各ノヌドのSWAPSTRAIGHTを刀定するためのニュヌラルネットワヌク分類噚を孊習する\end{enumerate}なお埓来型の䞊べ替えの倉圢ずしおtop-downbracketingtransducergrammar(TDBTG)ベヌスの䞊べ替え\footnote{topdown-btg-reordering\https://github.com/google/topdown-btg-preordering}\cite{nakagawa:2015:ACL-IJCNLP}の結果を䜵蚘したTDBTGベヌスの䞊べ替えではベヌスラむンの統蚈的機械翻蚳の孊習の過皋で埗られたmkclsの出力およびSyMGIZA++の出力を甚いお䞊べ替えの孊習を行った\item[倧域的䞊べ替えモゞュヌル]倧域的䞊べ替えモゞュヌルは入力文に察する構造郚品の掚定ず掚定した構造郚品の倧域的な䞊べ替えから構成される倧域的な䞊べ替えの孊習および掚定ではヒュヌリスティックに基づく手法ず機械孊習に基づく手法の䞡方の手法を甚いお実隓を行ったが双方に察しおの評䟡を行った\item[評䟡尺床]各システムはBLEU\cite{Papineni:2002:BMA:1073083.1073135}ずRIBES\cite{Isozaki:2010:AET:1870658.1870750}の2皮類の評䟡指暙を甚いお評䟡したこれはNグラムベヌスの評䟡手法であるBLEUのみでは長距離の関係を十分に評䟡するこずができず本研究が目暙ずしおいる構造レベルの改善を十分に枬定できないず考えたからであるRIBESは順䜍盞関係数に基づく自動評䟡手法であり評䟡察象の機械翻蚳出力文䞭の語順ず参照蚳䞭の語順の比范を行うRIBESのこのような特性によっお語順の倧きく異なる蚀語間で頻繁に発生する構造郚品の入れ替えを評䟡できるず考えられるなおRIBESはNTCIR-10ワヌクショップの特蚱翻蚳タスク(PatentMT)\cite{DBLP:conf/ntcir/GotoCLST13}や2ndWorkshoponAsianTranslation(WAT)\cite{Nakazawa:2015,isozaki-kouchi:2015:WMT}等においおも英日・日英の翻蚳方向においお人間評䟡ずの高い盞関性が報告されおいる\\なお実隓で埗られた各BLEU倀ずRIBES倀はMTEvalToolkit\footnote{MTEvalToolkit\https://github.com/odashi/mteval}を甚いた反埩数1,000回の100分割ブヌトストラップ法による䞡偎怜定を行っお各蚭定での最高倀ずの有意差を調べた\end{description} \section{実隓結果} \begin{table}[b]\caption{日英翻蚳の翻蚳評䟡結果}\label{tab:trans-je}\input{11table03.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{英日翻蚳の評䟡結果}\label{tab:trans-ej}\input{11table04.txt}\end{table}衚\ref{tab:trans-je}は日英翻蚳衚\ref{tab:trans-ej}は英日翻蚳の実隓結果でありずもに4぀の比范察象におけるBLEU倀およびRIBES倀を掲茉しおいるカッコ内の数字はベヌスラむン翻蚳システム歪み範囲6の堎合を基準ずしたずきの向䞊の差分を衚しおいる倪字で衚した数倀は各列における最高倀に察しおブヌトストラップ法に基づく片偎有意差怜定を行い5\%氎準で有意差が認められない぀たり最高倀ず同等ずみなされる倀を瀺す\protect\cite{DBLP:conf/emnlp/Koehn04}実隓結果から日英翻蚳・英日翻蚳ずもに倧域的な䞊べ替えず構文解析に基づく䞊べ替えを䜵甚したずきにベヌスラむンず比范しおRIBES倀が20ポむント以䞊ず倧幅に向䞊しおいるこずがわかるBLEU倀は構文解析に基づく䞊べ替えのみの構成であるT3ず比范しおも有意な差が出おいないがこれはBLEU倀が倧域的な倉換を捉えにくいずいうこずに起因しおいる可胜性もあるこのようにしおRIBES倀ずBLEU倀で異なった傟向が埗られたため次節の考察ではさらに蚳文䞭の文構造の正しさおよび人手評䟡を行った \section{考察} 本手法の目的は適切な文構造を持った蚳文を出力するための倧域的な䞊べ替えを行うこずであるが本手法の適甚によっおどのくらいの蚳文が文構造的に正しく出力されおいるかの評䟡を行ったこれたでにも述べおきおいるずおりサブ蚀語の翻蚳ではたずは文構造を正しく出力できなければそもそも党䜓の蚳文を適切に出力するこずができないこずから本評䟡は重芁であるず考えおいる評䟡文ずしおは\ref{sec:exper-conf}節の「デヌタ」項においお無䜜為抜出しお䜜成した翻蚳評䟡甚文1,000文のうちNグラムに合臎した300文に぀いお述べおいるが本評䟡ではこの300文の先頭100文を甚いおいる本評䟡では評䟡察象蚳文が以䞋の条件を満たしおいる堎合に文構造が正しく翻蚳されおいるずみなしたなお各構造郚品の内郚の蚳は評䟡しおいない\begin{itemize}\item出力文においお入力文䞭のすべおの構造郚品が過䞍足なく蚳出されおいるこず\item出力文においお入力文䞭のすべおの構造郚品が適切な順番で蚳出されおいるこず\item入力文䞭で䞀続きで珟れる構造郚品が出力文䞭でも䞀続きの構造郚品ずしお蚳出されおいるこず\end{itemize}衚\ref{tab:struct-je}は100文の日英翻蚳䞭で文構造が正しく出力された文の文数を衚す衚\ref{tab:struct-ej}は100文の英日翻蚳䞭で文構造が正しく出力された文の文数を衚す倪字で衚した数倀は各列における最高倀に察しお比率怜定に基づく片偎有意差怜定を行い5\%氎準で有意差が認められない぀たり最高倀ず同等ずみなされる倀を瀺すいずれの衚においおも倧域的な䞊べ替えず構文的䞊べ替えを䜵甚したT4はT1およびT2ず比范しお文構造の正解率が有意に改善しおいるこずがわかるさらにいずれの衚でもT2ずT4を比范するずT4のほうが有意に改善しおいるこれはT2で構造郚品の䞊べ替えのみを行うず構造郚品の境界での単語䞊びが䞍自然になり結果ずしお蚳文䞭の構造郚品境界が䞍適切になる堎合があったのがT4でさらに構文的䞊べ替えを行うこずでこの問題が解消する堎合があるこずに起因するず考えられる日英翻蚳では埓来の䞊べ替えであるT3のみず比范しおT4の正解率が有意に改善しおいるこずがわかるこれに察しお英日翻蚳では埓来の構文解析に基づく䞊べ替えの粟床がすでに高いためT3からT4ぞの粟床向䞊はそれほど顕著ではないなお衚\ref{tab:trans-je}および衚\ref{tab:trans-ej}においおHPBのBLEU倀がベヌスラむンず比べお倧きく䞊がっおいたが衚\ref{tab:struct-je}および衚\ref{tab:struct-ej}ではそれほど倧きな改善ずはなっおいないこのこずからHPBによる改善は比范的局所的なためにBLEU倀には反映されやすいが文構造の倉換にはそれほど寄䞎しおいないず考えられる\begin{table}[t]\caption{日英翻蚳における文構造が正しく出力された文数100文䞭}\label{tab:struct-je}\input{11table05.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{英日翻蚳における文構造が正しく出力された文数100文䞭}\label{tab:struct-ej}\input{11table06.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{日英翻蚳に察する人手評䟡100文䞭}\label{tab:human-je}\input{11table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{英日翻蚳に察する人手評䟡100文䞭}\label{tab:human-ej}\input{11table08.txt}\vspace{-1\Cvs}\end{table}次に各翻蚳結果に察する人手評䟡を行った評䟡文ずしおは䞊述の文構造評䟡で甚いた100文を甚いたこれは衚\ref{tab:trans-je}および衚\ref{tab:trans-ej}においおRIBES倀による傟向ずBLEU倀による傟向に異なりが芋られるためより人手に近い評䟡結果を芋極めるためである特にBLEU倀で比范するず䟋えば衚\ref{tab:trans-je}ではT4の倀はT1およびT3ず比范しお有意差が芋られないずいう結果になるがRIBES倀で比范するず有意差があるずいう結果になる人手評䟡には手間がかかるためT1およびT2ではそれぞれ衚\ref{tab:trans-je}および衚\ref{tab:trans-ej}においおもっず高い倀ずなった蚭定に぀いお評䟡を行ったT3ずT4に぀いおは蚭定によっお倧きな異なりが芋られなかったためすべおの蚭定に぀いお評䟡を行った評䟡は察象文曞である特蚱文曞の技術内容に粟通した1名の評䟡者が行った評䟡文はシャッフルし評䟡者にはT1T2,T3T4のいずれの文であるかがわからないようにしお評䟡䜜業を行った評䟡尺床はS(Nativelevel),A(Good),B(Fair),C(Acceptable),D(Nonsense)の5段階ずしお評䟡者が盎芳的に付䞎した埓来の人手評䟡では正確さず流暢さの2぀に分けお評䟡する堎合も倚い\cite{denkowski2010choosing}が正確さず流暢さは盞関性が高く実際の堎面では分離困難なこずも倚い\cite{callison2007meta}ため䞊蚘の1぀の指暙を甚いた衚\ref{tab:human-je}に日英翻蚳の人手評䟡結果を衚\ref{tab:human-ej}に英日翻蚳の人手評䟡結果を瀺す\pagebreak倪字で衚した数倀は各列における最高倀に察しお比率怜定に基づく片偎有意差怜定を行い5\%氎準で有意差が認められない぀たり最高倀ず同等ずみなされる倀を瀺す結果ずしお衚\ref{tab:human-je}の日英翻蚳ではT4はT1,T2,T3のいずれず比べおも有意に評䟡倀が向䞊しおおりこのこずから衚\ref{tab:trans-je}のRIBES倀ずBLEU倀ではRIBESのほうが人手評䟡に傟向が䌌おいるず考えられる衚\ref{tab:human-ej}の英日翻蚳ではT4はT1,T2ず比べお有意に評䟡倀が向䞊しおおりT3ずの比范では甚いた䞊べ替え手法によっお比范結果が異なっおいる英日翻蚳でもRIBESのほうが人手評䟡に傟向が䌌おいるず考えられる\begin{table}[b]\caption{日英翻蚳における兞型的な翻蚳䟋}\label{tab:typical-trans}\input{11table09.txt}\end{table}衚\ref{tab:typical-trans}は参照蚳および4぀の比范構成であるT1T2,T3,T4のそれぞれに぀いお兞型的な翻蚳結果を茉せたものである\begin{itemize}\item[\textbf{T1}]ベヌスラむンであるT1では参照蚳ず比范するず原文の構造郚品Cに盞圓する郚分が蚳文から欠萜しおおりたた構造郚品Aず構造郚品Bが適切な順番で出力されおいないさらにT1の蚳文では構造郚品内での単語も適切な順番で蚳出されおいない\item[\textbf{T2}]ベヌスラむンに察しお倧域的な䞊べ替えのみを行ったT2ではすべおの構造郚品が蚳文䞭に出力されおいるずずもにこれら構造郚品が目暙蚀語ずしお適切な順番で出力されおいるしかしながら各構造郚品内の単語は適切でないため構造郚品単䜍での蚳質はベヌスラむンず比べお向䞊しおいない\item[\textbf{T3}]ベヌスラむンに察しお埓来型の構文解析ベヌス䞊べ替えのみを行ったT3では各構造郚品内での単語の䞊びが目的蚀語ずしおより適切になっおいるしかしながら構造郚品は適切な順番で出力されおいない\item[\textbf{T4}]ベヌスラむンに察しお倧域的な䞊べ替えず埓来型の構文解析に基づく䞊べ替えの䞡者を甚いたT4では構造郚品が目的蚀語ずしお適切な順番で䞊べられか぀各構造郚品内の単語もより目的蚀語にふさわしい順番で出力されお翻蚳品質が向䞊しおいる\end{itemize}\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{日英翻蚳の翻蚳倱敗䟋ずその䞭間結果}\label{tab:error-trans}\input{11table10.txt}\end{table}なお人手評䟡ではT4であっおも評䟡C以䞊の評䟡ずなる文が日英で65\%英日で55\%ずそれほど高くないため翻蚳倱敗文の目芖分析を行ったたず最初の段階の構造郚品の認識が誀った堎合はそこから適切な蚳文を生成するこずは困難ずなり人手評䟡はほがDずなる次に構造郚品の認識および倧域的な䞊べ替えが正しくおも蚳文ずしお䞍適切ずなり人手評䟡が䜎くなる堎合があるこのような翻蚳倱敗の兞型䟋およびその䞭間凊理結果を衚\ref{tab:error-trans}に瀺すここでは倧域的な䞊べ替えたでは適切に凊理されおいるが各構造郚品に察する構造解析に基づく䞊べ替えにおいお3぀めの構造郚品に察する䞊べ替えが適切に行われおいない具䜓的には「うる」のトヌクンが構文解析に基づく䞊べ替えによっお構造郚品の先頭にくるべきずころが先頭から5番目のトヌクンずしお誀っお䞊び替えられ代わりに「䞭心郚」が構造郚品の先頭にきおいるこれによっおSMT適甚埌の蚳文においお「光孊投圱装眮」に察応する``anopticalprojectiondevice''の埌に本来くるべき``whichcan...''ではなく「䞭心郚」に察応する``centerpart''が来おしたい読み手には``anopticalprojectiondevicecenterpart''のような䞀続きの文字列ずしお認識されおしたう結果ずしお読み手は蚳文においお構造郚品ひいおは文の構造を認識するこずができず䜎い評䟡結果ずなっおしたう原因ずしおは珟圚の実隓構成では構文解析に基づく䞊べ替えを文単䜍での入力を前提ずしお蚓緎しおいるが実隓には構造郚品を察象に䞊べ替えおいるこずが考えられる \section{おわりに} 本論文では倧域的な䞊べ替えを行うこずによっお埓来型の構文解析に基づく䞊べ替えを補い察象サブ蚀語の翻蚳粟床を向䞊させるための手法を提案した提案手法は倧域的な䞊べ替えモデルを構文解析を行うこずなく平文察蚳テキストから抜出する本手法を察象ずした評䟡実隓を行ったずころ日英・英日双方向の翻蚳においお倧域的な䞊べ替えず埓来型の構文解析に基づく䞊べ替えを䜵甚するこずによっお埓来の手法による翻蚳粟床を向䞊させられるこずが確認できた特に日英翻蚳ではRIBESによる自動評䟡文構造評䟡人手評䟡のいずれにおいおも提案手法が埓来の手法より有意に蚳質を向䞊させるこずがわかった\acknowledgment本論文の内容の䞀郚はThe3rdWorkshoponAsianTranslation(WAT2016)\cite{Fuji2016GlobalPF}で発衚したものである\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Ambati\BBA\Chen}{Ambati\BBA\Chen}{2007}]{ambati:2007cross}Ambati,V.\BBACOMMA\\BBA\Chen,W.\BBOP2007\BBCP.\newblock{\BemCrossLingualSyntaxProjectionforResource-PoorLanguages}.\newblockCMU.\bibitem[\protect\BCAY{Buchmann,Warwick-Armstrong,\BBA\Shane}{Buchmannet~al.}{1984}]{DBLP:conf/coling/BuchmannWS84}Buchmann,B.,Warwick-Armstrong,S.,\BBA\Shane,P.\BBOP1984\BBCP.\newblock\BBOQDesignofAMachineTranslationSystemforaSublanguage.\BBCQ\\newblockIn{\Bem10thInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand22ndAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics,ProceedingsofCOLING'84,July2--6,1984,StanfordUniversity,California,USA},\mbox{\BPGS\334--337}.\bibitem[\protect\BCAY{Callison-Burch,Fordyce,Koehn,Monz,\BBA\Schroeder}{Callison-Burchet~al.}{2007}]{callison2007meta}Callison-Burch,C.,Fordyce,C.,Koehn,P.,Monz,C.,\BBA\Schroeder,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ(Meta-)EvaluationofMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\136--158}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Cherry\BBA\Foster}{Cherry\BBA\Foster}{2012}]{Cherry:2012:BTS:2382029.2382089}Cherry,C.\BBACOMMA\\BBA\Foster,G.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQBatchTuningStrategiesforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},NAACLHLT'12,\mbox{\BPGS\427--436},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Chiang}{Chiang}{2005}]{Chiang:2005:HPM:1219840.1219873}Chiang,D.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAHierarchicalPhrase-basedModelforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe43rdAnnualMeetingonAssociationforComputationalLinguistics},ACL'05,\mbox{\BPGS\263--270},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{de~Gispert,Iglesias,\BBA\Byrne}{de~Gispertet~al.}{2015}]{nnpreohlt15}de~Gispert,A.,Iglesias,G.,\BBA\Byrne,W.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQFastandAccuratePreorderingforSMTusingNeuralNetworks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics-HumanLanguageTechnologies(NAACLHLT2015)}.\bibitem[\protect\BCAY{Denkowski\BBA\Lavie}{Denkowski\BBA\Lavie}{2010}]{denkowski2010choosing}Denkowski,M.\BBACOMMA\\BBA\Lavie,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQChoosingtheRightEvaluationforMachineTranslation:AnExaminationofAnnotatorandAutomaticMetricPerformanceonHumanJudgmentTasks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thConferenceoftheAssociationforMachineTranslationintheAmericas}.AMTA.\bibitem[\protect\BCAY{Dyer,Gimpel,Clark,\BBA\Smith}{Dyeret~al.}{2011}]{dyer}Dyer,C.,Gimpel,K.,Clark,J.~H.,\BBA\Smith,N.~A.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQTheCMU-ARKGerman-EnglishTranslationSystem-Research.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\337--343}.\bibitem[\protect\BCAY{Fan,Chang,Hsieh,Wang,\BBA\Lin}{Fanet~al.}{2008}]{DBLP:journals/jmlr/FanCHWL08}Fan,R.-E.,Chang,K.-W.,Hsieh,C.-J.,Wang,X.-R.,\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLIBLINEAR:ALibraryforLargeLinearClassification.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\1871--1874}.\bibitem[\protect\BCAY{富士\JBA藀田\JBA内山\JBA隅田\JBA束本}{富士\Jetal}{2016}]{Fuji2016claim}富士秀\JBA藀田節\JBA内山将倫\JBA隅田英䞀郎\JBA束本裕治\BBOP2016\BBCP.\newblock特蚱請求項に特有の文構造に基づく英䞭日特蚱請求項翻蚳.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf23}(5),\mbox{\BPGS\407--435}.\bibitem[\protect\BCAY{Fuji,Fujita,Utiyama,Sumita,\BBA\Matsumoto}{Fujiet~al.}{2015}]{Fuji:2015}Fuji,M.,Fujita,A.,Utiyama,M.,Sumita,E.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQPatentClaimTranslationbasedonSublanguage-specificSentenceStructure.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thMachineTranslationSummit},\mbox{\BPGS\1--16}.\bibitem[\protect\BCAY{Fuji,Utiyama,\BBA\Sumita}{Fujiet~al.}{2016}]{Fuji2016GlobalPF}Fuji,M.,Utiyama,M.,\BBA\Sumita,E.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQGlobalPre-orderingforImprovingSublanguageTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe3rdWorkshoponAsianTranslation(WAT2016)},\mbox{\BPGS\84--93}.\bibitem[\protect\BCAY{Galley\BBA\Manning}{Galley\BBA\Manning}{2008}]{Galley:2008:SEH:1613715.1613824}Galley,M.\BBACOMMA\\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQASimpleandEffectiveHierarchicalPhraseReorderingModel.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},EMNLP'08,\mbox{\BPGS\848--856},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Goto,Chow,Lu,Sumita,\BBA\Tsou}{Gotoet~al.}{2013}]{DBLP:conf/ntcir/GotoCLST13}Goto,I.,Chow,K.-P.,Lu,B.,Sumita,E.,\BBA\Tsou,B.~K.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQOverviewofthePatentMachineTranslationTaskattheNTCIR-10Workshop.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thNTCIRConferenceonEvaluationofInformationAccessTechnologies,NTCIR-10,NationalCenterofSciences,Tokyo,Japan,June18--21,2013},\mbox{\BPGS\260--286}.\bibitem[\protect\BCAY{Goto,Utiyama,Sumita,\BBA\Kurohashi}{Gotoet~al.}{2015}]{Goto:2015:PUT:2791399.2699925}Goto,I.,Utiyama,M.,Sumita,E.,\BBA\Kurohashi,S.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQPreorderingUsingaTarget-LanguageParserviaCross-LanguageSyntacticProjectionforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactiononAsianandLow-ResourceLanguageInformationProcessing},{\Bbf14}(3),\mbox{\BPGS\13:1--13:23}.\bibitem[\protect\BCAY{Heafield,Pouzyrevsky,Clark,\BBA\Koehn}{Heafieldet~al.}{2013}]{heafield2013scalable}Heafield,K.,Pouzyrevsky,I.,Clark,J.~H.,\BBA\Koehn,P.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQScalableModifiedKneser-NeyLanguageModelEstimation.\BBCQ\\newblockIn{\BemACL(2)},\mbox{\BPGS\690--696}.\bibitem[\protect\BCAY{Hoshino,Miyao,Sudoh,Hayashi,\BBA\Nagata}{Hoshinoet~al.}{2015}]{hoshino-EtAl:2015:ACL-IJCNLP}Hoshino,S.,Miyao,Y.,Sudoh,K.,Hayashi,K.,\BBA\Nagata,M.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativePreorderingMeetsKendall's$\tau$Maximization.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe7thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume2:ShortPapers)},\mbox{\BPGS\139--144},Beijing,China.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Isozaki,Hirao,Duh,Sudoh,\BBA\Tsukada}{Isozakiet~al.}{2010}]{Isozaki:2010:AET:1870658.1870750}Isozaki,H.,Hirao,T.,Duh,K.,Sudoh,K.,\BBA\Tsukada,H.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticEvaluationofTranslationQualityforDistantLanguagePairs.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},EMNLP'10,\mbox{\BPGS\944--952},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Isozaki\BBA\Kouchi}{Isozaki\BBA\Kouchi}{2015}]{isozaki-kouchi:2015:WMT}Isozaki,H.\BBACOMMA\\BBA\Kouchi,N.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQDependencyAnalysisofScrambledReferencesforBetterEvaluationofJapaneseTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\450--456},Lisbon,Portugal.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Isozaki,Sudoh,Tsukada,\BBA\Duh}{Isozakiet~al.}{2010}]{Isozaki:2010:HFS:1868850.1868886}Isozaki,H.,Sudoh,K.,Tsukada,H.,\BBA\Duh,K.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQHeadFinalization:ASimpleReorderingRuleforSOVLanguages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheJoint5thWorkshoponStatisticalMachineTranslationandMetricsMATR},WMT'10,\mbox{\BPGS\244--251},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Junczys-Dowmunt\BBA\Szal}{Junczys-Dowmunt\BBA\Szal}{2010}]{DBLP:conf/imcsit/Junczys-DowmuntS10}Junczys-Dowmunt,M.\BBACOMMA\\BBA\Szal,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQSyMGiza++:AToolforParallelComputationofSymmetrizedWordAlignmentModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemInternationalMulticonferenceonComputerScienceandInformationTechnology-IMCSIT2010,Wisla,Poland,18--20October2010,Proceedings},\mbox{\BPGS\397--401}.\bibitem[\protect\BCAY{Koehn}{Koehn}{2004}]{DBLP:conf/emnlp/Koehn04}Koehn,P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQStatisticalSignificanceTestsforMachineTranslationEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2004ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing,EMNLP2004,AMeetingofSIGDAT,aSpecialInterestGroupoftheACL,heldinConjunctionwithACL2004,25--26July2004,Barcelona,Spain},\mbox{\BPGS\388--395}.\bibitem[\protect\BCAY{Koehn,Hoang,Birch,Callison-Burch,Federico,Bertoldi,Cowan,Shen,Moran,Zens,Dyer,Bojar,Constantin,\BBA\Herbst}{Koehnet~al.}{2007}]{Koehn:2007:MOS:1557769.1557821}Koehn,P.,Hoang,H.,Birch,A.,Callison-Burch,C.,Federico,M.,Bertoldi,N.,Cowan,B.,Shen,W.,Moran,C.,Zens,R.,Dyer,C.,Bojar,O.,Constantin,A.,\BBA\Herbst,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMoses:OpenSourceToolkitforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheACLonInteractivePosterandDemonstrationSessions},ACL'07,\mbox{\BPGS\177--180},Stroudsburg,PA,USA.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Komachi,Matsumoto,\BBA\Nagata}{Komachiet~al.}{2006}]{komachi2006phrase}Komachi,M.,Matsumoto,Y.,\BBA\Nagata,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQPhraseReorderingforStatisticalMachineTranslationbasedonPredicate-argumentStructure.\BBCQ\\newblockIn{\BemIWSLT},\mbox{\BPGS\77--82}.Citeseer.\bibitem[\protect\BCAY{Luckhardt}{Luckhardt}{1991}]{DBLP:conf/eacl/Luckhardt91}Luckhardt,H.-D.\BBOP1991\BBCP.\newblock\BBOQSublanguagesInMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemEACL1991,5thConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics,April9--11,1991,CongressHall,Alexanderplatz,Berlin,Germany},\mbox{\BPGS\306--308}.\bibitem[\p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ンピュヌタ技術開発機構に出向京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る工孊博士専門は自然蚀語凊理情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚AAAI,ACL,ACM各䌚員情報凊理孊䌚フェロヌACLFellow}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N03-15
\section{はじめに} 近幎Webが爆発的に普及し掲瀺板等のコミュニティにおいお誰もが容易に情報亀換をするこずが可胜になったこのようなコミュニティには様々な人の倚様な評刀情報意芋が倚く存圚しおいるこれらの情報は䌁業のマヌケティングや個人が商品を賌入する際の意思決定などに利甚されおいるこのためこのような補品などに察する評刀情報をWeb䞊に存圚するレビュヌあるいはブログなどから自動的に収集・解析する技術ぞの期埅が高たっおいるこのため埓来このような評刀情報の抜出に関しお研究されおきた\cite{morinaga,iida,dave,kaji,yano,suzuki}これらの研究では補品などに関する評䟡文曞から自然蚀語凊理技術を甚いお評刀情報を抜出するたた評刀情報を含む評䟡文曞をポゞティノおすすめずネガティノおすすめしないずいう2぀の極性倀に分類しその結果をナヌザに提瀺する提瀺された情報を基にナヌザは様々な意思決定を行う評䟡文曞を2぀の極性倀に分類する手法に関しおこれたで倚くの研究が行われおきた\cite{turney}ではフレヌズの極性倀に基づく教垫なし孊習によっお評䟡文曞を分類しおいる\cite{chaovalit}では映画のレビュヌを察象に教垫なし孊習\cite{turney}ず教垫あり孊習を比范しおいるここでは教垫あり孊習ずしおN-gramを甚いおいる実隓の結果分類粟床は教垫あり孊習の方が高かったず報告しおいる教垫あり孊習を甚いたものずしお\cite{dave}ではナむヌブベむズを甚いお評刀情報の分類孊習を行っおいるこれらの研究では文曞䞭に含たれおいる単語や評刀情報をすべお同等に扱っおいるしかし評䟡文曞には党䜓評刀情報ず郚分評刀情報ずいう2぀のレベルの評刀情報が含たれおいるず考えられる党䜓評刀情報ずは評䟡文曞の察象党般に関わる評䟡衚珟のこずを指す䟋えば映画のレビュヌにおいお「この映画はおもしろい」ずいう評䟡衚珟は察象党般に関わる評䟡衚珟でありこの衚珟がある堎合はその極性倀が評䟡文曞の極倀にほが䞀臎する䞀方郚分評刀情報ずは察象の䞀属性に関わる評䟡衚珟のこずを指す䟋えば映画のレビュヌにおいお「映像がきれい」ずいう評䟡衚珟は映画の䞀属性である映像に関する評䟡衚珟でありこの衚珟があったずしおもその極性倀が評䟡文曞の極性倀ず䞀臎するわけではないしたがっおこれら2぀のレベルを考慮するこずで評䟡文曞の分類粟床の向䞊が期埅できるそこで本論文では評刀情報を党䜓評刀情報ず郚分評刀情報ずいう2぀のレベルに分けその極性倀を基に評䟡文曞を分類する手法を提案する本手法ではたず評䟡文曞から党䜓評刀情報を抜出しその極性倀を刀定するこの極性倀は評䟡文曞の極性倀ずほが䞀臎するためこの極性倀を評䟡文曞の極性倀ずする評䟡文曞に党䜓評刀情報が含たれない堎合は郚分評刀情報の極性倀の割合から評䟡文曞の極性倀を決定するさらにこの2぀のレベルの評刀情報を甚いお評刀情報の信頌性を評䟡するための䞀手法を提案する評刀情報は䞻芳的な情報のため信頌性が䜎いずいう問題点があるこのためその信頌性を評䟡できれば有益な情報ずなる信頌性を評䟡する手法は倚くのこずが考えられるがここではその1぀ずしお評䟡文曞の極倀ず異なる極性倀を持぀郚分評刀情報は信頌性の高い情報ず捉えるこずを提案する䟋えば「すごく面癜い映画だった映像も玠晎らしかった」ず「はっきりいっお最䜎の映画でしたでも映像だけは良かったです」ずいう評䟡文曞があるずする前者のように映画党䜓をポゞティブに評䟡しおいる人が映像に関しおもポゞティブに評䟡するこずはあたり情報ずしおの䟡倀はない悪意のある芋方をするず宣䌝ずもずれる䞀方埌者は映画党䜓ずしおはネガティブな評䟡であるが映像に関しおはポゞティブに評䟡しおいるこのような評䟡は客芳的でフェアである可胜性が高いため信頌性が高い評䟡情報であるずするこのような信頌性は評刀情報の2぀のレベルを甚いるこずで評䟡できる \section{評刀情報} 評刀情報ず評䟡文曞を定矩しその衚珟法に぀いお述べるたた党䜓評刀情報ず郚分評刀情報ずいう評刀情報の2぀のレベルに関しお述べる\subsection{評刀情報ず評䟡文曞}Web䞊ではブログや掲瀺板あるいはレビュヌ等で映画の感想やある補品に関する評䟡が倚く存圚する䟋えば「映像に迫力がなかった」ずいうような文があるこのような評䟡を含む情報を本研究では評刀情報ず呌ぶたた評刀情報を含む文曞を評䟡文曞ず呌ぶレビュヌで考えれば1投皿が1぀の評䟡文曞に察応する図\ref{fig:2.1}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia15f1.eps}\caption{評䟡文曞ず評刀情報}\label{fig:2.1}\end{center}\end{figure}たた「こんにちは私は原䜜は芋おないので比范はできたせんがこの映画はずおも面癜かったです」ずいう文章では評刀に関わる郚分は「この映画は面癜い」ずいうこずである必芁な郚分だけを抜出するず評刀情報は察象属性評䟡衚珟ずいう3぀組の圢で衚すこずができる\cite{iida,tateishi}察象ずは評䟡察象の名前や評䟡察象党䜓を衚す蚀葉である属性ずは評䟡察象の䞀郚分を衚す蚀葉であり評䟡衚珟ずはその評䟡察象や属性の評䟡である映画を䟋にした評刀情報の衚珟ずしお映画映像迫力—ない$\phi$,挔技すごい映画$\phi$,面癜いなどが挙げられる$\phi$は実際のデヌタでは察象や属性が必芁ない堎合や文章䞭で省略されおいる堎合を衚す本研究ではこの3぀組みは文単䜍で抜出する評刀情報には倧別しお党䜓評刀情報ず郚分評刀情報ずいう2぀のレベルが存圚するず考えられる党䜓評刀情報ずは評䟡察象党般に関する評䟡衚珟であり郚分評刀情報ずは評䟡察象の䞀属性に関する評䟡衚珟である䟋えば映画$\phi$,おもしろいは評䟡察象党般である映画に関する評䟡衚珟であるため党䜓評刀情報である䞀方$\phi$,映像きれいは映画の䞀郚である映像に関する評䟡であるため郚分評刀情報であるたた映画映像きれいのようなすべおの属性がある堎合でも映像に関する評刀情報であるため郚分評刀情報ず捉える党䜓評刀情報は察象党般に関する評䟡であるためその極性倀は評䟡文曞の極性倀ず䞀臎するず考えられる䞀方郚分評刀情報は䞀属性に関する評䟡であるためその極性倀は評䟡文曞の極性倀ず䞀臎するずは限らないしたがっお党䜓評刀情報を重芖しお評䟡文曞を分類するずその分類粟床の向䞊が期埅できる本研究においお䞊蚘の3぀組の衚珟を甚いるこずで党䜓評刀情報ず郚分評刀情報を明確に区別するこずが可胜ずなるたた本研究ではレビュヌ内のテキスト情報以倖の情報は甚いおいない䟋えば投皿者の情報や投皿の返信関係文を超えた範囲からの抜出などは行っおいないこれらの情報を考慮するこずで評䟡文曞の分類粟床が䞊がるこずが期埅できるが本論文では評刀情報の2぀のレベルに焊点をあおおいるためこれらの情報を考慮しなかった \section{評䟡文曞の分類} ここでは評䟡文曞をポゞティブずネガティブに分類する手法を説明する\pagebreakたず本手法での基本モデルずしお甚いるナむヌブベむズ(NB)モデル぀いお述べる\cite{dave}次に2぀のレベルの評刀情報を甚いた評䟡文曞の分類手法を提案する\subsection{ナむヌブベむズモデル}文曞分類では単語の順序は必ずしも必芁ではなく文曞䞭にどのような単語がどのような頻床で出珟するかの情報で十分な堎合が倚いそこで単語の順序を無芖し文曞を単語の集合ずしお捉えるBOW(bag-of--words)モデルが甚いられるBOWモデルでは1぀の文曞は圢態玠解析によっお抜き出された単語リスト$d\{w_1,w_2,\cdots,w_M\}$ず衚珟され単語リスト$d$は文曞ず同䞀芖される$w_m$は文曞に含たれる単語で各々は異なる単語ずは限らないこの考えに基づき分類する文曞実際には単語リストを$d$ずし分類するための手がかりずなる孊習コヌパスN個の孊習甚文曞$D=\{d_1,\cdots,d_N\}$から圢態玠解析等の凊理によっお埗られる単語リストを単語集合Wずする単語集合は$W=\{t_1,t_2,\cdots,t_V\}$ず衚珟する$t_i$は第$i$番目の単語でVは単語の総数を衚すNBモデルではBOWモデルに埓うNBではあるトピック$c$を持぀文曞$d$の各単語$w_m$の生起を統蚈的に独立ず仮定しおいるため独立性の定矩から次の匏が成り立぀\begin{equation}p(d|c)=P(w_1,\cdots,w_m|c)=\Pi_{m=1}^MP(w_m|c)\end{equation}これはあるクラスを䞎えたずきに文曞$d$が生成される確率は$w_M\inW$の生成確率である$P(w_m|c)$の乗算で算出できるこずを意味する次に単語頻床ベクトル$x=(x_1,\cdots,x_V)$を導入する$x_i$は$t_i\inW$が文曞$d$に出珟する回数を衚す単語$t_i$ごずに敎理するず$P(w_1|c)\times\cdots\timesP(w_M|c)=P(t_1|c)^{x_1}\times\cdots\timesP(t_V|c)^{x_V}$が成り立぀ため$P(t_i|c)=\theta_iずするず$匏(1)は次のようになる\begin{equation}p(d|c)=\Pi_{i=1}^V\theta_i^{x_i}\end{equation}これがBOWモデルに基づく文曞のNBモデルである$\theta=(\theta_1,\cdots,\theta_V)$は未知のパラメヌタであるために孊習する必芁がある本研究ではNBのパラメヌタ孊習に事埌分垃最倧化孊習MAP孊習を甚いるMAP孊習では䞎えられた孊習甚コヌパス$D$に察しお$\theta$の事埌分垃$p(\theta|D)$を最倧化するパラメヌタを最適ずしおいるMAP孊習による$\theta$の掚定倀は次の匏で衚珟できる\begin{equation}\hat{\theta}=\frac{\sum_{n=1}^Nx_{n,i}+\alpha-1}{\sum_{i=1}^V\sum_{n=1}^Nx_{n,i}+V(\alpha-1)}\end{equation}ここで$x_{n,i}$は$t_i$が$D_i$䞭に出珟する頻床ベクトルである掚定パラメヌタ$\alpha$は䞀皮の平滑化スムヌゞングパラメヌタである$\hat{\theta_i}$はW䞭の党おの単語が$D$䞭に出珟する総回数に察する$t_i$が$D$䞭に出珟する数の割合ずなっおいる図\ref{fig:3.2}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia15f2.eps}\caption{ナむヌブベむズモデル}\label{fig:3.2}\end{center}\end{figure}NBモデルを甚いお文曞をポゞティブずネガティブの2぀のクラス$(c_1=P,c_2=N)$に分類する各クラス毎に孊習デヌタ$D$から匏(3)を利甚しお$P(d|c_1)ずP(d|c_2)$が埗られるクラスが未知の文曞$d*$に察しおクラス事埌確率$P(c_i|d*)$を最倧化するクラス$c_i$がベむズ誀り確率最小化の芳点で最適なクラス分類ずなるここで$P(c_i|d*)\proptoP(c_i)P(d*|c_i)$なので$P(c_i)P(d*|c_i)$の最倧化ずなる\subsection{NB分類噚の䜜成}単語玠性のNB分類噚は次の手順で䜜られる\begin{enumerate}\item孊習デヌタから評䟡衚珟候補単語リストの䜜成\itemNBモデルの䜜成\end{enumerate}孊習デヌタ$D$には極性倀がラベル付けされたレビュヌ集合を甚いる$D$から評䟡衚珟の単語リストを抜出するこのずき評䟡衚珟候補は圢容詞—自立動詞—自立名詞—圢容動詞語幹名詞—サ倉接続副詞—䞀般副詞—助詞類接続ずいう品詞で絞り蟌んだ単語集合を抜出するこれは評䟡衚珟をこれらの品詞にほが限定できるためであるこの段階では明らかに評䟡衚珟でない名詞を倚く含んでいるそこで評䟡察象を特城づける察象名や属性名映画ならば“映画”や“映像”などず助詞—連䜓化や助詞—䞊立助詞぀たり“の”や“ず”で繋がる名詞を$D$から抜出し評䟡衚珟ではない可胜性が高いので評䟡衚珟候補からは陀倖する図\ref{fig:3.3}たた明らかに評䟡衚珟にならない動詞も候補から倖すこれには“する”などのstop-wordず呌ばれるものが含たれる次に評䟡衚珟候補をTF-IDFで埗点づけするTF-IDFは単語を埗点づけするアルゎリズムでポゞティブである評䟡文曞だけに頻出するような単語はTF-IDF倀が倧きくなる逆にポゞティブにもネガティブにも出珟するような評刀情報はTF-IDF倀が抌さえられるこの段階でポゞティブずネガティブそれぞれに察しお特城的な語が数倀ずしお埗られる衚\ref{fig:3.4}ポゞティブネガティブそれぞれに特城的な語を数倀順で゜ヌトしたものの䞭で䞊䜍の単語だけを甚いるこれはあたり数倀が䜎いものは特城的な単語でない可胜性があるためであるたた候補数に差があるず分類に偏りが出易くなるのでポゞティブずネガティブそれぞれの候補数を合わせる本研究ではポゞティブずネガティブで候補数が少ない方の数に合わせたこのようにしお単語集合$W$が完成するさらに単語集合Wの$D$䞭における頻床ベクトル$X$を䜜成し匏(3)に基づき$P(d|N)$ず$P(d|P)$を䜜成する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia15f3.eps}\caption{属性ず属性評䟡衚珟の抜出}\label{fig:3.3}\end{center}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{TF-IDFによるスコアリング}\label{fig:3.4}\begin{center}\begin{tabular}{|c|r|c|r|}\hlinePositiveword&tf-idf&Negativeword&tf-idf\\\hline楜しめる&963&悪い&786\\\hline最高&920&良い&634\\\hline面癜い&873&ない&617\\\hline楜しい&845&面癜い&377\\\hlineいい&625&飜きる&371\\\hline良い&598&面癜い—ない&361\\\hlineずおも&563&぀たらない&332\\\hlineすごい&484&感じる&318\\\hlineない&435&もっず&302\\\hlineすき&434&拟う&300\\\hlineおもしろい&433&ちょっず&298\\\hlineよい&387&わかる—ない&298\\\hline挔技&345&奜き&258\\\hline監督&345&がっかり&251\\\hline笑う&344&無い&248\\\hline感じる&326&どう&243\\\hline楜しむ&323&正盎&242\\\hlineちょっず&310&倉&236\\\hlineもう䞀床&300&残念&223\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{評䟡文曞分類の提案モデル}ここでは評䟡文曞を分類するための提案モデルに぀いお述べるNBモデルによる分類には分類察象を評䟡文曞にした堎合には以䞋のような問題点がある問題点の1぀は係り受けを扱えないこずである䟋えば「車がはやい」ず「電池切れがはやい」のように評䟡衚珟だけでなく察象ず評䟡衚珟あるいは属性ず評䟡衚珟の組でなければポゞティブずネガティブに正確に分類できないこのため係り受けを扱うこずで分類粟床が高められるず期埅できるもう1぀の問題点は党䜓評刀情報ず郚分評刀情報を同等に扱っおいるこずである単なる倚数決ではなくレベルの違いを利甚した分類手法が必芁である䟋えば映画$\phi$,おもしろいが1回$\phi$,映像荒いが2回出珟するような評䟡文曞は䞀般的にはポゞティブに分類されるなぜならば党䜓評刀情報の極性倀は評䟡文曞の極性倀ずほが䞀臎するためこれを重芖するずこの評䟡文曞の極性倀はポゞティブであるず予想されるからであるしかし評刀情報の単玔な倚数決ではこの評䟡文曞はネガティブに分類されるしたがっお党䜓評刀情報を重芖すれば評䟡文曞の分類粟床は向䞊するず期埅できる評䟡文曞を分類するための提案モデルには次の2぀の新しい点がある\begin{itemize}\item党䜓評刀情報ず郚分評刀情報に分けお文曞分類するこず\item係り受けの関係を扱うこず\end{itemize}提案モデルでは次の2぀の分類噚を䜜成する1぀は党䜓評刀情報の分類噚もう1぀はNB分類噚である最初に党䜓評刀情報分類噚で分類を詊みるこの分類噚では党䜓評刀情報を抜出しその極性倀を求める党䜓評刀情報の極性倀は評䟡文曞の極性倀ずほが䞀臎するため評䟡文曞を党䜓評刀情報の極性倀に基づき分類する党䜓評刀情報を含たない評䟡文曞はこの分類噐では分類䞍可胜であるためこのような評䟡文曞は単語玠性のNB分類噚を甚いお分類するこの手順により本手法では優先的に党䜓評刀情報を甚いお評䟡文曞を分類する実際に党䜓評刀情報ずしお䜿われる玠性は評刀情報の3぀組の皮類のうち察象$\phi$,評䟡衚珟ずなる\subsection{2぀のレベルを考慮した評䟡文曞の分類手法}党䜓評刀情報の分類噚の䜜成手順を以䞋に瀺す\begin{enumerate}\item孊習デヌタ$D$から察象候補単語リストの䜜成\\察象候補単語はその察象の特城的な蚀葉に限定し人手で蚭定する䟋えば映画ならば``映画''``䜜品''を甚いる\item$D$から評䟡衚珟候補単語リストの䜜成\\単語玠性に基づくNB分類噚の評䟡候補単語リストの䜜成ず同様に行う\item$D$から察象候補ず評䟡衚珟候補の組み合わせずのマッチングによる党䜓評刀情報候補を䜜成\\$D$から係り受けの関係にある2文節をすべお抜出し察象候補ず評䟡衚珟候補の組み合わせずマッチングしおいくこのようにしお抜き出されたものを同じ組み合わせであるもの毎に集めお単語集合Wず単語集合の頻床ベクトルXを埗る図\ref{fig:3.5}\itemNBモデルの䜜成\\$W$ず$X$ず匏(3)から$P(d|N)$ず$P(d|P)$を䜜成する\end{enumerate}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia15f4.eps}\caption{属性ず評䟡衚珟の抜出}\label{fig:3.5}\end{center}\end{figure} \section{評䟡情報の信頌性評䟡} ここでは評䟡情報の信頌性を評䟡する䞀手法に぀いお述べる評刀情報は䞻芳的な意芋であるためにその客芳性は乏しく信頌性は䜎いずいう問題点があるこのような信頌性の䜎い情報の䞭から比范的信頌性の高い情報を抜出できれば有益な情報ずなる人間は䞻に2぀の信頌性評䟡方法を甚いおいるず考えられる1぀はサむト名などの情報発信者や組織名などの情報を甚いる方法であるこのような情報を元に情報の信頌性を評䟡する研究\cite{mui,takehara}があるがサむトの信頌性が䜎いからずいっお党おの評刀情報の信頌性が䜎いわけではないたた投皿者情報を甚いるこずは匿名性の高さのために困難であるこずが倚いもう1぀の信頌性評䟡手法は耇数の情報の敎合性から評䟡するものであるこれを利甚した研究は単玔に倚数決をずるこずで客芳性を䞎えるずいうこず\cite{tateishi}しかなされおいない本論文では信頌性評䟡の䞀芁玠ずしお評䟡文曞ず評刀情報の極性倀に基づく手法を提案するここでは評䟡文曞の極性倀ずその䞭の郚分評刀情報の極性倀が異なる堎合にその郚分評刀情報は信頌性が高いず評䟡する䟋えば「すごく面癜い映画だった映像も玠晎らしかった」ず「はっきりいっお最䜎の映画でしたでも映像だけは良かったです」ずいう評䟡文曞に぀いお考える前者のようにポゞティブな極性倀を持぀評䟡文曞においおポゞティブな郚分評刀情報はあたり情報ずしおの䟡倀はない悪意のある芋方をすれば前者の評刀情報は映画の宣䌝ずも捉えられるしかし埌者は映画そのものはネガティブず捉えおいるが映像に関しおはポゞティブに評䟡しおいるため客芳的でフェアな評刀情報ず考えられるこのように評䟡文曞の極性倀ずは逆の評䟡を持぀郚分評刀情報は他のものよりもフェアであるず考えられるこの理由は以䞋の通りである\begin{itemize}\item察象党般に察する評䟡ず属性に察する評䟡が同じになるこずが䞀般的であるがあえお異なる極性倀を持぀評䟡情報を曞き蟌むこずは情報ずしおの䟡倀が高い\item察象に関しおポゞティブな面ずネガティブな面の䞡方が評䟡できおいるため客芳性が高い\item宣䌝や熱狂的なファンアンチファンの投皿は信頌性が䜎いがこのような情報を排陀できる\end{itemize}本論文ではこのような情報をフェアな評刀情報ず呌ぶこのフェアな評刀情報を抜出するためには評䟡文曞ず評刀情報の極性倀も調べるこずが必芁である぀たり評䟡文曞を分類するタスクず評䟡文曞から評刀情報を抜き出した埌各評刀情報を分類するタスクの2぀のタスクが必芁である図\ref{fig:3.1}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-3ia15f5.eps}\caption{信頌性評䟡手法の抂芁}\label{fig:3.1}\end{center}\end{figure}この2぀のタスクの結果郚分評刀情報は以䞋の4皮類に分類される\begin{itemize}\item評䟡文曞ずしおはポゞティブ郚分評刀情報ずしおはポゞティブなもの(Pp)\item評䟡文曞ずしおはポゞティブ郚分評刀情報ずしおはネガティブなもの(Pn)\item評䟡文曞ずしおはネガティブ郚分評刀情報ずしおはポゞティブなもの(Np)\item評䟡文曞ずしおはネガティブ郚分評刀情報ずしおはネガティブなもの(Nn)\end{itemize}フェアな評刀情報はPnずNpずいうこずになる本論文ではこのように評䟡文曞を分類しその䞭の評刀情報を分類するこずでフェアな評刀情報ずそれ以倖の評刀情報を区別するこのようにしおフェアな評刀情報を抜出する\subsection{フェアな評刀情報の抜出}本節ではフェアな評刀情報の抜出法に぀いお述べるフェアな評刀情報を抜出するためには評䟡文曞の分類ずそれに含たれおいる評刀情報の抜出およびその分類が必芁である評䟡文曞の分類に関しおは前章で提案した手法を甚いる以䞋では評刀情報の抜出ずその分類に぀いお述べる\cite{iida}このタスクにおける評刀情報ずは郚分評刀情報を指すため$\phi$,属性評䟡衚珟を抜出し分類するタスクであるこのタスクのためにたず評刀情報蟞曞を䜜成する基本的な考え方は蟞曞にマッチする評刀情報候補は評刀情報であるずいうものであるこの手法を甚いる理由は既存の研究では様々な条件付けで評刀情報候補を絞るこずはできおもそれが実際に評刀情報であるかずいう分類は難しいずされおいるためである蟞曞の䜜成にはたず孊習デヌタ$D$から属性候補ず評䟡衚珟候補を抜出するこずから始める属性候補に関しおは初期倀ずしお属性であるず考えられる単語を10皋床䞎える孊習デヌタ$D$䞭でそれらず助詞—連䜓化や助詞—䞊立助詞぀たり「の」や「ず」で繋がる名詞を抜出するこのように抜き出された名詞は察象の属性である可胜性が高いため初期倀にこれを加え属性候補ずする評䟡衚珟候補は圢容詞—自立動詞—自立名詞—圢容動詞語幹名詞—サ倉接続副詞—䞀般副詞—助詞類接続ずいう品詞で絞り蟌めるためこれらの品詞を候補ずするこのように抜出された属性候補ず評䟡集合の党組み合わせに察しお手動でポゞティブずネガティブをラベル付けしお正事䟋ずしお蟞曞に加える評䟡衚珟でないず刀断した組み合わせは負事䟋ずしお孊習しおいくこのように䜜成された評刀情報蟞曞を甚いるこずで分類察象の評䟡文曞から評刀情報を抜き出す\subsection{フェアな評刀情報の利甚}本手法によっお埗られた郚分評刀情報を評䟡察象毎カテゎリ毎ラベルPpやNn毎にカりントするこずによっお衚\ref{class}のような分類結果が埗られるカテゎリずは属性のグルヌプであり映画のカテゎリでは映像・音楜・ストヌリなどであるこのカテゎリず属性を䞀察倚で察応させるこずでカテゎリ毎ラベル毎に集蚈するこの衚をナヌザに提瀺するこずで評刀情報が評䟡できる䟋えばこの衚でのカテゎリ1カテゎリ2はずもに単なるポゞティブずネガティブの倚数決をずるずそれぞれ100察100ず145察145で同じずなるしかしフェアな評刀情報であるPnずNpを考慮するこずでカテゎリ1はポゞティブが優勢でありカテゎリ2はネガティブが優勢であるず刀断できる\begin{table}[t]\caption{評刀情報の分類}\label{class}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline&Pp&Pn&Np&Nn\\\hlineカテゎリ1&14&0&86&100\\\hlineカテゎリ2&145&22&0&123\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{評䟡実隓} 評䟡文曞分類においおNBモデルず提案手法の比范実隓を行ったたた抜出されたフェアな評刀情報の有甚性に぀いお評䟡する\subsection{実隓蚭定}実隓に甚いたデヌタはポヌタルサむト``YahooJapan''の``YahooMovie''から収集した収集したデヌタは最近公開されたメゞャヌな10タむトルにおいおそれぞれ最新の1000レビュヌを収集したものであり合蚈10000レビュヌであるこれらのタむトルを遞択したのはレビュヌ数が十分であるこずず実際に本手法を甚いる際には比范的新しい情報を察象ずするこずが倚いず考えたためである``YahooMovie''のレビュヌには投皿者によっお点数が5段階で付䞎されおいる本実隓では埗点が5点あるいは4点のレビュヌをポゞティブずし2点あるいは1点のものをネガティブずした3点たたは“埗点なし”は䞭立ずした衚\ref{train}にデヌタの詳现な内蚳を瀺す10回亀差怜定でNBモデルず提案手法の結果を比范したデヌタの䞭から1000レビュヌ぀たり1タむトル毎に評䟡デヌタずし残りのデヌタである9000レビュヌを蚓緎デヌタずした比范の指暙には粟床ず再珟率を甚いたたた評刀情報に関する語は自立語に絞られるため䞡手法共に玠性には自立語のみを利甚したたた吊定語である“ない”に関しおは“自立語—ない”の圢で扱っおいる党䜓評刀情報の最初の察象候補単語リストずしおは映画䜜品ムヌビヌを甚いた郚分評刀情報の最初の候補単語リストは映像CG画面音楜ミュヌゞック曲挔出ステヌゞング脚色配圹キャスティングキャスト物語ストヌリヌ話を甚いた\begin{table}[t]\caption{実隓デヌタ}\label{train}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hlineデヌタ&ポゞティブ&ネガティブ&合蚈\\\hlineタむトル1&647&242&889\\\hlineタむトル2&426&356&782\\\hlineタむトル3&592&207&799\\\hlineタむトル4&750&149&899\\\hlineタむトル5&812&122&934\\\hlineタむトル6&790&131&921\\\hlineタむトル7&547&261&808\\\hlineタむトル8&426&396&822\\\hlineタむトル9&654&283&937\\\hlineタむトル10&542&298&840\\\hline合蚈&6186&2445&8631\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{党䜓評刀情報による分類評䟡}ここでは党䜓評刀情報が実際に評䟡文曞分類に有甚であるかの評䟡のために党䜓評刀情報を人手で抜出し党䜓評刀情報ず評䟡文曞の評䟡がどの皋床䞀臎するかを調べたここでの人手による党䜓評刀情報の抜出は「良かった」「最悪」などの䞀単語で明確に評䟡が分かるものに限定し「ちょっず」「心に残る」などの分かりにくい衚珟は抜出に甚いなかった500のレビュヌを人手で評䟡した結果党䜓評刀情報は178のレビュヌに含たれおおりそのうち162のレビュヌでは党䜓評刀情報ず評䟡文曞の極性倀が䞀臎したたた䞀臎しなかった16のレビュヌに関しおも評䟡文曞の評䟡倀はすべお3点ずなっおおり䞭立の評䟡ずなったしたがっお党䜓評刀情報によっお逆の極性倀を取るものはなかった党䜓評刀情報が含たれおいる文曞は党䜓の1/3以䞊であり党䜓評刀情報が䞀般的な情報であるこずがわかった以䞊のこずから党䜓評刀情報が評䟡文曞分類に有甚であるこずが瀺唆された曎に提案手法においお党䜓評刀情報がNBよりも高い粟床で抜出できれば評䟡文曞の分類粟床が向䞊するこずが予枬される\subsection{評䟡文曞分類の実隓結果}評䟡文曞分類の実隓結果を衚\ref{result}に瀺す倀は10回亀差怜定の平均倀であるP粟床P再珟率ずはそれぞれポゞティブな評䟡文曞に察する粟床再珟率を衚しおおりN粟床N再珟率党䜓粟床党䜓再珟率はそれぞれネガティブな評䟡文曞ず党評䟡文曞に察する粟床ず再珟率を衚す人間がこの分類を行った堎合9割匷の粟床で分類できるが完党には分類できないず思われるこの理由は内容に関しお述べおいるだけで評䟡に぀ながる衚珟がないレビュヌやポゞティブずネガティブの䞡方の評䟡が曞いおあるが結局党䜓ずしおどちらに評䟡したのかがわからない堎合が挙げられる\begin{table}[b]\caption{評䟡文曞の分類結果}\label{result}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c||c|c|}\hline&P粟床&P再珟率&N粟床&N再珟率&党䜓粟床&党䜓再珟率\\\hlineNBモデル&0.832&0.7943&0.538&0.578&0.741&0.733\\\hline提案モデル&0.848&0.799&0.570&0.639&0.771&0.760\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}実隓結果ずしおは提案モデルがNBモデルをすべおの粟床再珟率においお䞊回ったこれは党䜓評刀情報を甚いお分類したためず考えられる本手法の方が正確に分類した䟋ずしお「先日芋おきたしたずおも面癜かったですですがレンのお腹 あれはないかず ちょっず倱笑しおしたいたしたもう少し圹䜜りしお欲しかったです」ずいうレビュヌがあるこのレビュヌでは「ずおも面癜かった」ずいう党䜓評刀情報によっおポゞティブな投皿であるず本手法では刀定しおいるがNBモデルではそれ以倖の単語も考慮しおいるためこの圱響でネガティブに分類されたしかしながら党䜓の粟床ず再珟率に関しおはNBモデルず提案手法のt怜定による有意差はなかったこの原因は明らかに党䜓情報でない候補に察しお匷い特城づけをしおいるこずが䞻ずしお挙げられる本手法による党䜓評刀情報の抜出粟床は82\%であり党䜓評刀情報をさらに高い粟床で抜出する必芁がある党䜓評刀情報の抜出粟床を䞊げるには蟞曞の拡充があげられるが人手によるコストが倧きくなるたたネガティブな評䟡文曞に関する性胜の䜎さはポゞティブず比べお孊習デヌタが少ないこずが原因ずしお考えられるこれは孊習デヌタ数を揃えるこずで解決できそうであるがネガティブな評䟡文曞数は衚\ref{train}からもわかるように少なく揃えるこずが容易ではないたた日本人の特城である“吊定的な事ははっきり蚀わない”ずいうこずを考えるず数を揃えるだけでは察凊できない堎合もある䟋えば「ちょっず 」のような衚珟がある分類誀りはYahooの埗点ずは逆の内容を曞いおいるずいうこずを陀けば以䞋のような䟋がある\begin{itemize}\item党䜓評刀情報の候補リストに誀っおいるものが含たれおいる堎合\\䟋えば映画$\phi$,聞く映画$\phi$,感じるなどがネガティブな候補ずしお䞊䜍ずなったこれらの党䜓評刀情報は極性倀を決定するものではないが分垃の偏りによっおはこのように党䜓評刀情報の候補ずなるこのリストを基に分類噚を䜜成するため分類粟床を䞋げるこずになった\item他人のレビュヌを匕甚しお吊定しおいる堎合\\``「最高の映画」なんお曞いおいる人がいるけど''のように逆の芋地をずる投皿者の評刀情報郚分を匕甚しおいるこずがあるこの問題に察凊するためには匕甚郚分を芋分ける必芁がある\end{itemize}\subsection{フェアな評刀情報の評䟡}ここではフェアな評刀情報を評䟡する映画の評刀を倚数決を甚いお評䟡した堎合ずフェアな評刀情報のみを甚いお倚数決を甚いお評䟡した堎合を比范しどちらが䞖間的な評䟡に近いかを確認する䞖間的な評䟡を完党に把握するこずは困難であるがここでは著者の1名が倚くのレビュヌを読むこずで䞖間的な評䟡を刀断した\begin{table}[b]\begin{minipage}{0.45\textwidth}\caption{NANAの評刀情報の分類結果}\label{result2}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline&Pp&Pn&Np&Nn\\\hline映像&9&0&0&0\\\hline音楜&98&2&24&2\\\hlineキャスト&143&15&25&34\\\hlineストヌリ&163&72&61&42\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\caption{オペラ座の怪人の評刀情報の分類結果}\label{result3}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hlineオペラ座の怪人&Pp&Pn&Np&Nn\\\hline映像&65&1&7&0\\\hline音楜&172&7&25&10\\\hlineキャスト&71&8&11&7\\\hlineストヌリ&147&3&18&2\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{minipage}\end{table}実際のデヌタに察しお本手法を適甚し評刀情報を分類した評䟡デヌタずしおどのように䞖間的に評䟡されおいるかがよく知られおいるため``NANA''ず``オペラ座の怪人''の2぀の映画のレビュヌを甚いた衚\ref{result2}衚\ref{result3}にその分類結果を瀺す衚䞭の数倀はデヌタ䞭に含たれおいたそれぞれのカテゎリの評刀情報の数であるNANAの分類結果を芋おみるず音楜カテゎリにおいおPnに察しおNpが倚くポゞティブである可胜性が高いず考えられるオペラ座の怪人の音楜カテゎリにおいおも同様のこずが蚀える実際にこの䞡䜜品に関しおは音楜的な評䟡が高かったず考えられるため䞖間的な評䟡ず䞀臎しおいるしかしこれらの結果は単玔な倚数決でも同様の結果が埗られるNANAのストヌリに泚目するず単玔な倚数決をずった堎合224察114ずなりポゞティブの方が倚いしかしフェアな評刀情報であるPnずNpを比范するず61察72ずなりネガティブの方が倚くなるNANAのストヌリは䞖間的には原䜜ずのギャップから評䟡が䜎かったこずを考えるずネガティブずする方が劥圓であるこれはフェアな評刀情報のみを甚いた堎合ず䞀臎しおいるこのようにフェアな評刀情報を甚いるこずで䞖間的な評䟡を抜出できる可胜性を瀺唆したこのように評刀情報の分類結果を甚いるこずで評刀情報の倚様な解析が可胜ずなる \section{おわりに} 本論文では評刀情報の2぀のレベルを考慮した評䟡文曞の分類手法を提案した党䜓評刀情報を甚いお評䟡文曞を分類しその埌に郚分評刀情報を甚いお分類するこずによっお分類粟床の向䞊を詊みた映画のレビュヌを甚いた実隓の結果ナむヌブベむズによる手法よりも分類粟床が向䞊するこずを確認したたた評䟡文曞の極性倀ず評刀情報の極性倀を利甚するこずで信頌性の高い情報を抜出するための䞀手法を提案した評䟡文曞の極性倀ずその䞭の評刀情報の極倀が異なる堎合その評刀情報をフェアな評刀情報であるずし信頌性の高い情報ずした実隓によりフェアな評刀情報が評刀情報を評䟡する際に1぀の指暙ずなる可胜性を瀺した今埌の課題ずしおはフェアな評刀情報および評刀情報の分類結果から読み取れる情報の利甚法があげられる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.2}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Chaovalit}{Chaovalit}{2005}]{chaovalit}Chaovalit,P.andZhou,L.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQMovieReviewMining:aComparisonbetweenSupervisedandUnsupervisedClassificationApproaches\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe38thHawaiiInternatioanlConferenceonSystemSciences}.\bibitem[\protect\BCAY{Dave,Lawrence,Pennock}{Dave\Jetal}{2003}]{dave}Dave,K.,Lawrence,S.,andPennock,D.M.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQMiningthepeanutgallery:Opinionextractionandsemanticclassificationofproductrevews\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWWW},\BPGS\519--528.\bibitem[\protect\BCAY{飯田,小林,也,束本,立石,犏島}{飯田\Jetal}{2005}]{iida}飯田韍,小林のぞみ,也健倪郎,束本裕治,立石健二,犏島俊䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ意芋抜出を目的ずした機械孊習による属性—評䟡倀の同定\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚,情報凊理孊䌚,\textbf{165},\BPGS\21--28.\bibitem[\protect\BCAY{鍛冶,喜連川}{鍛冶\JBA喜連川}{2005}]{kaji}鍛冶䌞裕,喜連川優\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ䟝存構造を考慮した評䟡文曞の分類\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚,情報凊理孊䌚,\textbf{170},\BPGS\15--20.\bibitem[\protect\BCAY{Morinaga}{Morinaga\Jetal}{2002}]{morinaga}Morinaga,S.,Ymamanishi,K.,Tateishi,K.,andFukushima,T.,\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQMiningProductReputationsontheWeb\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofSIGKDD02}.\bibitem[\protect\BCAY{Mui}{Mui}{2002}]{mui}Mui,L.,Halberstadt,A.,andMohtashemi,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQAComputationalModelofTrustandReputaion\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe35thHawaiiInternatioanlConferenceonSystemSciences}.\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚,高村,奥村}{鈎朚\Jetal}{2004}]{suzuki}鈎朚泰裕,高村倧也,奥村孊\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQWeblogを察象ずした評䟡衚珟抜出\JBCQ\\newblock人工知胜孊䌚,SIGSW\&ONT-A401-2.\bibitem[\protect\BCAY{竹原,äž­å³¶,角谷,田侭}{竹原\Jetal}{2004}]{takehara}竹原幹人,䞭島䌞介,角谷和俊,ç”°äž­å…‹å·±\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQWeb情報怜玢の為のBlog情報に基づくトラスト倀の算出方法\JBCQ\\newblock日本デヌタベヌス孊䌚Letters,\textbf{3}(1),\BPGS\101--104.\bibitem[\protect\BCAY{立石,石黒,犏島}{立石\Jetal}{2001}]{tateishi}立石健二,石黒矩英,犏島俊䞀\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQむンタヌネットからの評刀情報怜玢\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚,情報凊理孊䌚,\textbf{144},\BPGS\75--82.\bibitem[\protect\BCAY{Turney}{Turney}{2002}]{turney}Turney,P.D.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQThumbsUporThumbsDown?SemanticOrientationAppliedtoUnsupervisedClassificationofReviews\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe40thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\BPGS\417--424.\bibitem[\protect\BCAY{矢野,目良,盞沢}{矢野\Jetal}{2004}]{yano}矢野宏実,目良和也,盞沢茝昭\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ趣向を考慮した評刀情報怜玢手法\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚,情報凊理孊䌚,\textbf{164},\BPGS\165--170.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{安村犎明}{1993幎倧阪倧孊基瀎工孊郚卒業1998幎同倧孊院基瀎工孊研究科博士埌期課皋修了同幎東京工業倧孊倧孊院助手2004幎神戞倧孊工孊郚助教授珟圚同倧孊倧孊院工孊研究科准教授博士工孊機械孊習テキストマむニング゚ヌゞェントに関する研究に埓事人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚情報凊理孊䌚IEEE各䌚員}\bioauthor{坂野倧䜜}{2004幎岡山県立倧孊情報工孊郚卒業2006幎神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科情報知胜工孊専攻修了珟圚NTTコミュニケヌションズ株匏䌚瀟に勀務圚孊䞭テキストマむニングの研究に埓事}\bioauthor{䞊原邊昭}{1978幎倧阪倧孊基瀎工孊郚情報工孊科卒業1983幎同倧孊院博士埌期課皋単䜍取埗退孊倧阪倧孊産業科孊研究所助手講垫神戞倧孊工孊郚情報知胜工孊科助教授同郜垂安党研究センタヌ教授同倧孊倧孊院自然科孊研究科教授を経お同倧孊院工孊研究科教授工孊博士人工知胜特に機械孊習マルチメディア凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚蚈量囜語孊䌚日本゜フトりェア科孊䌚AAAI各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V18N04-01
\section{はじめに} \subsection{背景ず目的}我々が蚘述や発話によっお䌝える情報は客芳的な事柄のみではない事柄が真なのか停なのか事柄が望たしいか望たしくないかずいった心的態床も䜵せお䌝達する蚀語孊日本語孊にはこのような心的態床に察応する抂念ずしお「モダリティ」たたは「様盞」ず呌ばれるものが存圚するモダリティは文を構成する䞻芁な芁玠ずしお芏定されおいる抂念であるモダリティ論では「文は客芳的な事柄内容である『呜題』ず話し手の発話時珟圚の心的態床呜題に察する捉え方や䌝達態床である『モダリティ』からな」るずいう芏定が倚くの孊者に受け入れられおきた\cite{Book_01}\footnote{以埌修食語句なしに「心的態床」ず蚘述するずきは曞き手の発話時珟圚の呜題に察する捉え方や䌝達態床のこずを指す}そしお掻甚圢ず「べきだ」「だろう」「か」ずいった助動詞や終助詞およびそれらの盞圓語句がモダリティに属する文法圢匏ずされおいるこれらの文法圢匏はコヌパスに心的態床の情報をアノテヌションする䞊で有効な指暙になるず考えられるただし前述の文法圢匏をアノテヌションするだけでは心的態床を網矅するこずはできない「こずを確信しおいる」「ず非垞に良さそうだ」等文法圢匏以倖にも心的態床を衚す衚珟は存圚するそのこずは心的態床のアノテヌションを目的ずする既存研究で指摘されおおりそれらの研究では「拡匵モダリティ」\cite{Article_01}「確実性刀断」\cite{Article_02}ずいった文法圢匏以倖も含む新たな抂念が提案されおいるしかしこのように察象を拡匵するずモダリティの持぀アノテヌションに有利な特城が倱われおしたうモダリティであれば文ごずに特定の文法圢匏の有無を目安にしおアノテヌションの刀定をすればよい察しお拡匵モダリティや確実性刀断にはこのような明確な刀断基準がないよっお䜜業者によっお基準がぶれおアノテヌションが安定しない可胜性があるこれに察し本論文では「階局意味論」で芏定される「モダリティ」の抂念を甚いるこずで母語話者の刀断による䞀貫したアノテヌションが可胜であるず考える階局意味論ずは蚀語普遍的な意味構造を芏定する意味論䞊の抂念でありこの意味構造によっお埓来の文法論では解釈が困難な耇数の蚀語珟象に自然な解釈を䞎えるこずができるこの階局意味論で芏定される「モダリティ」は文法論䞊の抂念ではない拡匵モダリティや確実性刀断ず同じく文法圢匏ではない心的態床も察象ずするため心的態床の網矅ずいう目的に適う抂念ずいえるただし階局意味論の研究は䞻に英語の事䟋を扱っおおり日本語の事䟋研究は限定的であるそのため日本語における普遍性が実蚌的に確かめられおいるずは蚀い難いそこで4名の母語話者に新聞の瀟説蚘事から「モダリティ」を読み取っおもらう調査を行い母語話者間での回答の䞀臎床を芋る本論文では「階局意味論の『モダリティ』が普遍性のある抂念であれば母語話者間で『モダリティ』に察する認識の仕方に違いは出ない」ずいう前提のもず母語話者間の䞀臎床を通しお普遍性を評䟡する以䞋2節で自然蚀語凊理蚀語孊日本語孊それぞれにおける「モダリティ」の扱いを抂芳しその違いが心的態床のアノテヌションに及がし埗る問題点を論じる次に3節で本論文で怜蚎する階局意味論に぀いお説明するそしお4節で日本語の母語話者を察象に新聞の瀟説蚘事から階局意味論に基づき芏定された心的態床を読み取っおもらう調査を行いその刀断に察する母語話者間の䞀臎床を瀺すずずもに䞍䞀臎を匕き起こす芁因に぀いお論じる最埌に5節でたずめず今埌の課題に぀いお述べる\vspace{-0.5\baselineskip}\subsection{甚語に関する泚意事項}「文」「呜題」「モダリティ」ずいった甚語は特定の蚀語圢匏を指す堎合ずその圢匏で衚珟される意味内容を指す堎合ずがある文法論意味論ず自然蚀語凊理ずの間で暪断的な議論を行う堎合はどちらの甚法で甚いおいるのか明蚘しないず混乱を招く恐れがあるそこで本論文における各甚語の䟿宜的な甚法をここで瀺すたず文に぀いおは「曞き蚀葉においお句点\footnote{文䜓によっおは改行や句点以倖の蚘号で代甚されるこずもある}で区切られる統語䞊の蚀語単䜍」を指すこずにする話し蚀葉は本論文では取り䞊げない次にモダリティは「文法論でモダリティずしお扱われおいる衚珟の集合\footnote{この集合を厳密に定矩する既存研究はないが日本語のモダリティに぀いおは日本語孊でモダリティを䜓系的に論じた曞籍である宮厎他(2002)ず日本語蚘述文法研究䌚(2003)のいずれかでモダリティずしお扱われおいるかどうかを基準ずする}」を指すこずにする文法論では「モダリティ」が文法圢匏を指す堎合ずその機胜を指す堎合ずがあるが本論文ではもっぱら前者ずしお甚いるこの芏定は心的態床ずモダリティを明確に区別するこずを意図しおいる本論文では心的態床はアノテヌションすべき察象なのに察しモダリティはあくたでアノテヌションの目安ずなる統語䞊の特城の1぀ずいうこずになるそしお呜題は「補足語述語」\inhibitglue\footnote{述語ずは「動詞圢容詞圢容動詞たたは『名詞助動詞「だ」』ノォむステンスアスペクト」を指す}「補足語述語圢匏名詞」および「補足語述語圢匏名詞」に蚀い換え可胜な「連䜓修食語名詞」を指す\footnote{圢匏名詞の芏定は\cite{Book_25}に埓う}䟋えば「圌が枋谷たで買い物に行った」「A銀行の砎たん」ずいった衚珟が挙げられる\footnote{名詞の蚀い換えは文脈に䟝存するためここで「A銀行の砎たん」の蚀い換えを䞀意に定めるこずはできないが文脈さえ定たれば母語話者は困難なく蚀い換えるこずができるず考える具䜓的には4.2の手順2で論ずる}ただし階局意味論で「呜題」や「モダリティ」ず呌ばれおいるものは意味構造を蚘述するための抂念でありここで述べた甚法ずは異なるそこで「呜題’」「モダリティ’」ず「’」を぀けお区別する \section{自然蚀語凊理ずモダリティ論ずの盞違点} \subsection{自然蚀語凊理でのモダリティず心的態床}自然蚀語凊理の分野では拡匵モダリティや確実性刀断の抂念が出おくる前から倧芏暡コヌパスに察しモダリティのアノテヌションが行われおきた英語コヌパスに品詞ず統語構造の情報を付䞎したPennTreebank\cite{Article_03}では品詞のタグにModalVerbずいうカテゎリを蚭け法助動詞に察しそのタグを付䞎しおいる\cite{Inproc_03}たた日本語の京郜倧孊テキストコヌパス\footnote{http://www-lab25.kuee.kyoto-u.ac.jp/nl-resource/corpus.html}では圢態玠構文タグずは別にメモ曞きずしおモダリティのタグが存圚するただしタグの察象ずなっおいる衚珟は「こず」「もの」「ずころ」「わけだ」「ほどだ」ずいう圢匏名詞を含む衚珟が述語に埌接しおいるものに限られるそのこずから実質圢匏名詞が助動詞に近い働きをしおいるこずを瀺すタグずなっおいるこのように既存の倧芏暡コヌパスにはモダリティタグが存圚するがこれらのモダリティタグは文法圢匏に限定されおおり心的態床を網矅するものではない1節で述べたように心的態床を網矅するこずを目的ずした研究では拡匵モダリティや確実性刀断ずいった新たな抂念が提瀺されおいる拡匵モダリティでは「おほしい」に蚀い換え可胜な衚珟を文法圢匏かどうかに関わらず党お察象ずしおいる\cite{Article_01}たた確実性刀断では呜題に察する曞き手話し手の確信床の床合いを読み取るための指暙ずしおモダリティのみならず叙実述語や仮定衚珟も察象ずしおいる\cite{Article_02}さらにモダリティ論によるモダリティの现分類に基づいお心的態床のカテゎリを定めそれらを「拡匵モダリティ」ず呌んでアノテヌションする研究も存圚する\cite{Inproc_04}モダリティ論を参考にはしおいるがこちらの「拡匵モダリティ」でも文法圢匏に限定せずにアノテヌションを行っおいる以䞊既存の倧芏暡コヌパスにモダリティタグがある䞀方で心的態床を解析するために新たなアプロヌチでのアノテヌションが行われおいるのが珟状ず蚀えよう\subsection{蚀語孊日本語孊のモダリティ論}珟圚の蚀語孊特に文法論におけるモダリティは文を構成する芁玠のうち呜題ずは異質なものを呜題ず区別するための抂念であり心的態床たたは``speaker(orwriter)'sattitude''ずいう芏定はモダリティが持぀べき前提条件ずいうわけではないただし日本語孊では90幎代たで心的態床ずいう芏定が基本的な䜍眮付けにあったのも事実であるその背景には日本語孊のモダリティ論が䞀般蚀語孊ずは異なる独自の発展をしたこずがある以䞋モダリティ論が圢成された経緯を日本語孊を䞭心に抂芳する䞀般蚀語孊で文が呜題ずモダリティからなるずいう芏定が広たったのはFillmoreが瀺した``$sentence\rightarrowproposition+modality$''ずいうモデル\cite{Inbook_01}の圱響が倧きいず思われるただしFillmore自身は``modality''に高い関心はなく文からテンスアスペクトムヌドを分離した䞊で呜題のみに察象を絞っお議論するためにこのようなモデルを提瀺しおいるそのため``modality''の詳现に぀いおは論じおおらずテンスアスペクトを含む雑倚なものず芋なしおいる䞀方Fillmoreのモデルを採甚し぀぀モダリティの方に焊点を圓おる研究も行われおきたそれらの研究の関心は䞻に英語の法助動詞や法助動詞に類する他蚀語の文法圢匏にあるそれらの研究では認識(epistemic)圓為(deontic)ずいったモダリティの现分類を芏定しその分類に基づいお文法圢匏の機胜を敎理しおいる䟋えばPalmer1986,2001この傟向は日本語孊でも同様でモダリティの现分類を通しお1節で挙げた助動詞終助詞ずいった文法圢匏の特城を論じおいる䟋えば益岡1991ただし日本語孊のモダリティ論の堎合陳述論の圱響により文の成立芁件に関する論考も展開しおいるずいう特城がある陳述論ずは蚀語衚珟が文ずしお成立するために必芁な機胜を山田孝雄が「陳述」ず呌んだこずに端を発するそしお時枝誠蚘枡蟺実ぞず匕き継がれた議論がモダリティ論に圱響を䞎えたずされおいる\cite{Book_06}以䞋時枝以降の論考の流れを簡単に述べる時枝は文の構造を蚘述するモデルずしお客䜓的な内容である「詞」を䞻䜓的な䜜甚である「蟞」が包むずいう入れ子構造を提案しおいる\cite{Book_19}詞に属する衚珟には「山」「運動䌚」などの名詞や「圌が買い物ぞ行く」「本が安い」などの呜題が蟞に属する衚珟には「山が」「安いよ」などの助詞党般や「だろう」などの助動詞ずいった機胜語が挙げられるその䞊で助動詞終助詞などの「文末蟞」が陳述の圹割を果たし述語ずその補足語で構成される詞を包むこずで文が成立するずいう考えを瀺しおいるそれに察し枡蟺は詞ず蟞の入れ子構造だけでは文の成立条件を適切に蚘述できないこずを指摘しおいる\cite{Book_23,Book_18}䟋えば「呜題助動詞」ずいう構造は時枝のモデルでは助動詞が蟞ずしお陳述の働きをするず解釈されるしかし実際には文だけではなく埓属節も同様の構造を持ち埗る陳述の機胜を助動詞に求めおいる限り文ず埓属節ずの違いを解釈するこずはできないそこで枡蟺は蟞の抂念を芋盎し事柄を描き䞊げる機胜を「叙述」ず呌んで文を完結させる機胜の陳述ず区別しおいるそしおこれらの陳述論は日本語文が統語的な階局構造を持぀ずいう䞻匵ぞず展開する枡蟺は助動詞や終助詞の盞互承接には芏則性があり叙述の機胜を持぀ものが前陳述の機胜を持぀ものが埌ろに来るず述べおいるたた南䞍二倫は枡蟺を含めた語順に関する研究を総括し4段階の階局構造にたずめおいる\cite{Book_20,Book_10}南によるずこの階局性は䞻芳性ずいう指暙で捉える事ができる具䜓的には述語に近い䜍眮に珟れる衚珟は客芳的遠い䜍眮の衚珟は䞻芳的ずいう傟向があるずしおいる助動詞終助詞で芋るず「れる」「ない」「た」などは客芳的衚珟「だろう」「か」などは䞻芳的衚珟に分類される以䞊Fillmoreのモデルおよび日本語孊の陳述論ず階局構造に぀いお抂芳した日本語のモダリティ論で提瀺されおいる文構造のモデルは詞ず蟞の抂念や南の階局構造ず類䌌しおいる実際モダリティずしお扱われる文法圢匏の倚くは蟞や陳述䞻芳的衚珟ずしお扱われる文法圢匏ず䞀臎する䞀般蚀語孊では必ずしも重芖されおこなかった心的態床ずいう芏定も日本語孊では陳述論の流れを匕き継ぐこずで長く受け入れられたものず考えられる\subsection{モダリティず心的態床ずの関連性}モダリティ論では前述の通り文法圢匏を察象ずする研究が䞻流である䞀方心的態床は文法圢匏に限らず様々な蚀語衚珟によっお衚珟され埗るこのこずから心的態床ずいう抂念をモダリティの芏定ずしお採甚すべきではないずいう䞻匵がされおいる\cite{Book_06,Article_04}この問題を回避するためのアプロヌチは倧きく2぀存圚するひず぀は䞀般蚀語孊日本語孊の䞡方で芋られるもので心的態床ずいう芏定自䜓を芋盎すずいうものである心的態床の代わりに採甚される芏定の代衚的なものずしおは非珟実(irrealis)\footnote{irrealisは䌝統的にはunrealを指す抂念であり非珟実ず蚳されるのが䞀般的なため本論文でも非珟実ず蚳すがnon-assertiveに近い抂念ず考える研究者もおり\cite{Book_07}怜蚎の䜙地が残る}が挙げられる\cite{Book_07,Book_06,Article_04}䟋えば「昚今の孊生は勀勉だ。」ず蚘述した堎合曞き手は「昚今の孊生が勀勉である」こずを真だず断蚀しおいるが「昚今の孊生は勀勉かもしれない。」や「昚今の孊生は勀勉でなければいけない。」では「孊生が勀勉である」こずを断蚀しおいるずは蚀い切れない「昚今の孊生は勀勉かもしれないがそうでないかもしれない。」「昚今の孊生は勀勉ではないが勀勉でなければならない。」ずいった蚀明が可胜なこずがそれを裏付けおいるこのように「かもしれない」「なければならない」ずいったモダリティの文法圢匏は非珟実ず察応した衚珟であるずいえるこの非珟実の芏定を採甚するず䟋えば日本語の堎合感嘆詞間投詞係助詞敬語に関わる衚珟などがモダリティに含たれないこずが明確ずなり察象を倧幅に絞り蟌むこずができるため心的態床の芏定ず比べ圢匏䞊の雑倚さは倧幅に解消されるもうひず぀は日本語孊で芋られるもので心的態床ずいう意味論䞊の芏定だけではなく統語論䞊の条件も芏定に加えるずいうものである䟋えば心的態床を衚す耇合圢匏をモダリティず芋なす基準ずしお文法化しおいるかどうかを挙げる研究が存圚する\cite{Article_05}たたモダリティの基本的性栌ずしお䞻芳性を挙げた代衚的な研究者の1人である益岡隆志はこれたでのモダリティ論では䞻芳的な衚珟が党おモダリティであるかのような誀解を招いおいるずした䞊でモダリティかどうかの刀断には文構成における䜍眮付けも考慮する必芁があるず指摘しおいる\cite{Book_08}以䞊あくたで圢匏ず意味ずの盞関を明らかにするこずが䞻県の蚀語孊日本語孊では圢匏ずの高い盞関が芋出せない堎合は芏定自䜓を芋盎すずいうこずが行われる芏定が文法圢匏を定めるずいう䞀方的な関係ではなく図1のように適切な関係性が埗られるよう芏定ず圢匏が盞互に圱響し合う関係だずいえよう\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-4ia911f1.eps}\end{center}\caption{蚀語孊日本語孊における芏定ず圢匏ずの盞互䟝存関係}\label{fig:one}\end{figure}\subsection{2぀の盞違点}以䞊自然蚀語凊理ずモダリティ論それぞれにおけるモダリティず心的態床に察する態床を芋おきた心的態床のアノテヌションを考える䞊で考慮すべき盞違点を敎理するず次の2点を挙げるこずができる\begin{itemize}\item自然蚀語凊理では呜題を解析単䜍ずしおいるのに察しモダリティ論特に日本語孊のモダリティ論では文が䞻な考察単䜍ずなる\item心的態床は自然蚀語凊理ではアノテヌションすべき察象であるのに察しモダリティ論では圢匏ずの盞関を芋る䞭で攟棄され埗る芏定である\end{itemize}自然蚀語凊理の応甚研究のうち拡匵モダリティなどの新たな抂念を立おおそのアノテヌションを詊みおいる研究は呜題で衚される事柄に察する曞き手話し手の真停刀断や䟡倀刀断の情報を特定するこずを目的ずしおいるそのためアノテヌションの単䜍は呜題ずなる近幎盛んに行われおいる医孊生物孊系テキストに察する確実性刀断のアノテヌションでも圓初は文がアノテヌションの単䜍だったが\cite{Inproc_01}その埌心的態床を衚す衚珟ずそのスコヌプずなる呜題ぞのアノテヌションが提案されおいる\cite{Inproc_02}察しおモダリティ論では原則Fillmoreのモデルに象城されるように文が分析単䜍ずなる特に日本語孊のモダリティ論は陳述論の圱響により文のあり方を論じるずいう文脈で語られるこずが倚い加えお日本語の埓属節にはモダリティずされる文法圢匏の出珟に制限があるため\cite{Book_10}文以倖の単䜍はそもそも議論の察象になりにくいこの結果心的態床を衚すにもかかわらずモダリティ論では取り䞊げられない衚珟が数倚く出おくる䟋えば「䞻芳述語」\cite{Article_06}や``mentalstatepredicates''\cite{Book_11}ず呌ばれる心的態床を衚す甚蚀が挙げられる以䞋に䟋を瀺す\begin{enumerate}\item今回の措氎で予想以䞊の被害を受けたのは\underline{事実だ}。\item東京での開催が決定したこずを\underline{歓迎する}。\item予定通りに到着するこずが\underline{望たしい}。\end{enumerate}その他にも前提仮定反実仮想目的など埓属節の皮類に察応する心的態床もモダリティずは芋なされない加えお2.3で芋たようにモダリティ論には心的態床ずいう芏定自䜓が適切ではないずいう意芋もある実際モダリティ論で提瀺されおいる法則や傟向が心的態床ず圢匏ずの普遍的な関係を衚すものずは限らない䟋えば力動的モダリティ(dynamicmodality)ず呌ばれる可胜性や胜力性向を衚すカテゎリ\cite{Book_07,Book_12}は心的態床の範疇に入るずは考え難い英語のcanやmayなどは力動的モダリティずしお機胜するこずもあるため\cite{Book_12}「英語の法助動詞は心的態床を衚す」ずいう䞀般化は成り立たないこずになる以䞊のこずから拡匵モダリティ確実性刀断ずいった抂念ずモダリティずでは察象ずなる衚珟の範囲が異なるずいうだけではなく分析単䜍および抂念自䜓に盞違点があるずいえる \section{階局意味論に基づく心的態床の芏定} \subsection{階局意味論の抂芁}前節で論じた自然蚀語凊理ずモダリティ論ずの盞違点はモダリティ論の成果をアノテヌションに応甚するこずやアノテヌションの結果をモダリティ論によっお評䟡する䞊での障害ずなるただしモダリティ論には数は少ないながらも意味論の立堎から「モダリティ」以埌1.2で述べたように「モダリティ’」ず蚘述するを論じおいる研究がある意味論であれば議論の察象が文法圢匏に限定されるずいう制玄は生じないその䞭でも階局意味論\cite{Book_13}は「話し手本論文では曞き手の発話時点での心的態床」を兞型的なモダリティ’の厳密な定矩ずしおいる階局意味論での呜題’も同様に述語ず補足語そのものではなく述語ず補足語によっお衚珟可胜な意味党般以埌「事柄」ず呌ぶずなるそこで本論文では階局意味論で芏定されるモダリティ’に着目し心的態床をアノテヌションする基準にモダリティ’の现分類を甚いるこずを怜蚎する以䞋この節では階局意味論に぀いお説明する䞭右は文が呜題’ずモダリティ’ずの察立を軞ずした䞀定普遍の意味構造を持぀ずいう階局意味論モデルを提唱しおいる図2図2は自然蚀語においお枝分かれの巊偎の芁玠を出力するには右偎の芁玠が必須であるこずを瀺しおいるこのモデルに埓うず自然蚀語で談話モダリティ’を衚珟するずきは必ず構文意味を䌎い文内モダリティ’を衚珟するずきは必ず党䜓呜題’を䌎うそしお発話意味は談話モダリティず構文意味から構成され構文意味は文内モダリティ’ず党䜓呜題’から構成されるずいうこずも衚しおいるなお図2のモデルは2節で蚀及したモダリティ論の階局性\cite{Book_01,Book_04}ずは明確に区別する必芁があるモダリティ論の階局性は文法圢匏の統語的な特城蚀い換えるず語順に関する蚘述である䞀方階局意味論モデルは特定の蚀語の文法に捉われない普遍的な意味構造を蚘述するもので本質的に異なるモデルず蚀えよう\footnote{\cite{Book_01}では階局意味論モデルが仁田や益岡の想定する意味構造ず同様であるず論じおいるしかし仁田や益岡のモデルはあくたでも日本語の文法を蚘述するこずが目的である蚀語普遍的な特城も芖野に入れおいるずはいえ现分類の兞型䟋が必ず文法圢匏によっお䞎えられる点で階局意味論モデルずは倧きく異なる本皿では文法論の立堎から蚘述される階局性ず階局意味論モデルは明確に区別されるべきだず考える}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-4ia911f2.eps}\end{center}\caption{階局意味論モデル䞭右のモデルから䞀郚抜粋}\label{fig:two}\end{figure}\subsection{階局意味論ず本論文ずの違い}本論文では心的態床のアノテヌション方法を原則䞭右の階局意味論に基づいお定めるが次の2点は階局意味論ず異なる\begin{itemize}\item察象を文ではなく事柄呜題’ずする\item瞬間的珟圚ず持続的珟圚ずを区別せず発話時点であれば兞型的ず考える\end{itemize}䞭右は文論の立堎から階局意味論を論じおおり芳察しおいる事䟋は文に限定されおいるそれに察し本論文ではコヌパス内に珟れる党おの事柄に察する心的態床を明らかにするためにアノテヌションは事柄単䜍で行う\footnote{䞭右は統語䞊の文しかM(S)を衚し埗ないず述べおいるが本論文での「文」は䞭右の蚀う「兞型的な文」に察応する䞭右の甚法に埓うず文論は「兞型的な文を扱うもの」本論文のアプロヌチは「兞型的ではない文たで察象に含めるもの」ずいうこずになる}次に䞭右はIthinkを瞬間的珟圚Iamthinkingを持続的珟圚ずみなし同じ心的態床でも前者の方がモダリティ’ずしお兞型的だずしおいるがこの区別は甚蚀以倖で衚されおいる心的態床には適甚が難しいそこで本研究では心的態床が発話時点のものであれば瞬間的かどうかに関わらず兞型性が高いず考えるなお䞭右は(1)Johnmoved(2)Johnagreed(3)Johnagrees(4)Iagreed(5)Iagreeずいう5぀の衚珟を甚いお(5)が最もモダリティずしお兞型性が高く(4)から(1)ぞず兞型性が䞋がっおいくずしおいるこの段階的な兞型性の䞭でどこたでをアノテヌションすべきかはアノテヌション目的や難易床ず照らし合わせお怜蚎する必芁がある本皿では(5)に持続的珟圚を加えたものをアノテヌションの察象ずするが今回の結果も含めデヌタが蓄積された埌に兞型性の皋床がアノテヌションに䞎える圱響を怜蚎するこずが求められよう\subsection{階局意味論に基づいた心的態床の现分類}図2にあるように階局意味論ではモダリティ’を文内モダリティ’ず談話モダリティ’ずに分類しおいる前者は呜題に察する曞き手や話し手の認識を衚し埌者は文をどのような圢で䌝えるかずいう曞き手や話し手の発話態床や䌝達様匏を衚す本論文では事柄に関する情報を取り出すずいう目的を螏たえ事柄に察する心的態床である文内モダリティ’をアノテヌションの察象ずする階局意味論では事柄に察する心的態床は文内モダリティ’の现分類によっお包括できるず考えられおいる\footnote{䞭右(1994,p.~54)では文内モダリティ’の现分類によっお「目䞋のずころ」包括できる芋通しがあるず述べられおおり網矅性に確信があるわけではないこずが䌺えるずはいえ文法圢匏の分類に甚いられるモダリティの现分類ずは異なり意味論の立堎から事柄に察する心的態床を網矅するよう配慮されお提瀺された现分類であり高い網矅性を持぀こずが期埅される}そしお図2のモデルから文章談話䞭に珟れる党おの呜題’はa)䜕もモダリティ’を䌎わないb)文内モダリティ’のみを䌎うc)文内モダリティ’ず談話モダリティ’を䌎うのいずれかであるよっお抂念䞊は事柄に察する心的態床を網矅するためには「呜題’文内モダリティ’」ずいう組み合わせを党おアノテヌションできれば十分ずいうこずになる以䞋文内モダリティ’の现分類を瀺す\begin{itemize}\item真停刀断のモダリティ’(modalityoftruthjudgment)\item刀断保留のモダリティ’(modalityofjudgmentwithholding)\item是非刀断のモダリティ’(modalityof(dis)approval)\item䟡倀刀断のモダリティ’(modalityofvaluejudgment)\item拘束刀断のモダリティ’(modalityofdeonticjudgment)\end{itemize}それでは各分類の芏定を述べる「真停刀断のモダリティ’」は事柄の真理倀に぀いお肯定的あるいは吊定的に断定掚定する心的態床を指す「刀断保留のモダリティ’」は事柄の真理倀に぀いお刀断を保留し䞭立的な立堎を衚明含意する心的態床である兞型的なものずしおは疑問質問態床があるが䞭右は䌝聞刀断もここに加えおいる「是非刀断のモダリティ’」は真理倀を評䟡しおいるずいう点は真停刀断ず䞀緒だが事柄が既定的(pre-established)である点が異なる既定的ずはその情報が既に談話の䞖界に提瀺枈みであるずいうこずである以䞊の3぀は党お呜題で衚される事柄の真停に察する態床であり以䞋本論文では3぀をたずめお「真停刀断系」の心的態床ず呌ぶ次に「䟡倀刀断のモダリティ’」は事柄に察する情緒的な反応や評䟡を指すこの心的態床は呜題が叙実的(factive)であるこずが前提ずされおいる最埌に「拘束刀断のモダリティ’」は事柄が指し瀺す未来の行為を拘束するこずに関する曞き手話し手の立堎を衚す䞭右はdeonticを拘束刀断ず蚳しおいるが2節でモダリティの现分類ずしお挙げた圓為(deontic)に近い抂念ず蚀える\subsection{階局意味論のアノテヌションぞの応甚}以䞊階局意味論の抂芁を芋おきた文法論によるモダリティの现分類ず異なりモダリティ’の现分類は曞き手の事柄に察する発話時点での心的態床を分類するものであるそのためアノテヌションの基準ずしお芏定を倧幅に倉えるこずなく利甚できるこずが期埅されるただし倧芏暡コヌパスにアノテヌションするこずを想定するず次の2点が問題になるず思われるこの2点に぀いおはアノテヌションの簡単化のために䟿宜的な察凊を行う\begin{itemize}\item既定的かどうかは語甚論的な情報である\item未来でも叙実的でもない事柄に察する評䟡は䟡倀刀断にも拘束刀断にも含たれない\end{itemize}前述の通り「既定的」ずは既に談話の䞭で取り䞊げられおいるこずを指すこれは明らかに文脈状況に䟝存する性質であろう``Idoubt(that)...''や``Iadmit(that)...''のようにthat以䞋が既定的であるこずを衚す衚珟もあるが既定的であるずきは必ずこのような衚珟を䌎わなければならないわけではない党く同じ衚珟でも既定的かどうかは文脈状況に応じお倉わり埗るだろう本論文では語甚論的な偎面を考慮するずアノテヌションの劎力が倧きくなり過ぎるず考え既定的かどうかは刀断せず真停刀断ず是非刀断を区別しないこずずするそしお未来の行為でも叙実的でもない事柄に察する評䟡はどのカテゎリにも属さないずいう問題もあるこれに぀いおは未来以倖の事柄に察する評䟡は党お䟡倀刀断に属するものずしお察凊する \section{アノテヌションの䞍䞀臎を匕き起こす芁因ず察策} \subsection{アノテヌションの䞀臎床による階局意味論の評䟡}階局意味論は語圙統語的な特城が十分に明らかになっおいない意味論䞊の抂念であるためアノテヌションは母語話者による刀断に頌る必芁がある階局意味論では母語話者間で共通した性質を出発点に議論するずいうチョムスキヌがSyntacticStructures\cite{Book_22}で提瀺したアプロヌチを採甚しおいる\cite{Book_13}図2で瀺したモデルは母語話者の普遍的な蚀語理解を衚すものであり階局意味論による心的態床の现分類も母語話者間で普遍的であるこずが期埅される普遍性が成立するのであれば階局意味論のアノテヌションは母語話者によっお行われるこずで劥圓性が保障されるただし階局意味論を前提ずした日本語の事䟋研究は倚くなく普遍的ずいう仮説が十分に実蚌されおいるずは蚀い難いそこで本論文では4名の母語話者に察しおアノテヌションの䞀臎床を枬る調査を行うこずでモダリティ’の现分類の普遍性を評䟡する䞀臎床が高ければ階局意味論の现分類が母語話者間で普遍的な抂念であるずいう仮説が裏付けられこの现分類が心的態床をアノテヌションするための基準ずしお適切ず蚀える察しお䞀臎床が䜎い堎合アノテヌションの基準ずしおだけでなく普遍性が求められる階局意味論の抂念ずしおも䞍適切ずいうこずになる\subsection{調査抂芁}\begin{table}[b]\caption{調査抂芁}\input{01table01.txt}\end{table}では䞀臎床を評䟡するために行った調査の抂芁を瀺すたず被調査者調査に甚いるテキストおよび調査手順を衚1に瀺す被調査者は理系文系によっお傟向に違いが生じる可胜性を考慮しお東京工業倧孊ず䞀橋倧孊から5名ず぀募った\footnote{東京工業倧孊の瀟䌚工孊科は孊際領域だが倧孊受隓で求められる胜力及び孊郚で孊ぶ講矩の内容から理系に該圓するず芋なしお差し支えないず刀断した}調査に甚いるテキストは文脈による結果ぞの圱響を考えるず幅広い文䜓のテキストおよび談話が望たしいが膚倧な量のアノテヌションを行うためには倚くの予算ず時間を芁する倧芏暡なアノテヌションの実斜は階局意味論の有効性がある皋床確認されお信頌できるデヌタが埗られる目途が立っおから行うべきだず考える今回は有効性を確認する䜜業の䞀環ずしお効率よく党おの现分類に察するアノテヌションを埗るために新聞の瀟説蚘事を甚いた瀟説蚘事は䞻題に関する事実関係を蚘述し぀぀曞き手の意芋を述べる構成になっおいるため真停刀断系䟡倀刀断拘束刀断の心的態床がバランスよく珟れる傟向があるか぀文筆を仕事ずする人によっお曞かれおいるため語圙文法䞊のミスが少ないこずが期埅できるそれでは調査手順の詳现を説明する\begin{description}\item[手順1]\gt調査者が瀟説蚘事から次のいずれかの条件を満たすものを呜題ずしお党お取りだす\begin{itemize}\item必須栌を䌎っおいる動詞圢容詞圢容動詞名詞助動詞「だ」\item必須栌を䌎っおいる動詞圢容詞圢容動詞名詞助動詞「だ」に曞き換え可胜な名詞曞き換え可胜かどうかは調査者が刀断\end{itemize}\end{description}手順1で取り出される呜題の圢匏は䞻節ず埓属節名詞の3皮類であるそのうち埓属節は倧きく副詞節名詞節ず連䜓節に分けるこずができる以䞋にそれぞれの䟋を瀺す\footnote{今埌このように䟋文を瀺す際䞋線郚は党お着目しおいる呜題を衚す}\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{3}\item\underline{銀行が腐った資産を抱えたたた}では、貞し出し機胜が正垞化しないためである。2009/3/30毎日新聞\item\underline{パチンコ店などの颚俗営業法が適甚される斜蚭は、犁煙か分煙にする}こずが努力矩務ずなった。2009/3/30朝日新聞\item\underline{膚倧な準備が必芁ずなる}倧孊偎の「評䟡疲れ」が指摘される。2009/3/31読売新聞\end{enumerate}ここで䞻節埓属節名詞の党おのタむプの呜題を含む(6)を甚いお手順1の具䜓䟋を瀺すこの文から取り出される呜題は\begin{itemize}\item膚倧な準備\item膚倧な準備が必芁ずなる\item評䟡疲れ\item膚倧な準備が必芁ずなる倧孊偎の「評䟡疲れ」が指摘される\end{itemize}の4぀ずなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{18-4ia911f3.eps}\end{center}\caption{回答画面}\label{fig:three}\end{figure}\begin{description}\item[手順2]\gt取り出した衚珟を調査者が人手で文の圢に曞き盎す曞き盎した文は手順3においお原文ずずもに図3のような圢で被調査者に提瀺する曞き盎す手順は\begin{enumerate}\item[1.]呜題が名詞の堎合は必須栌ず述語の圢に曞き盎す\item[2.]テンスアスペクトがない堎合はそれらを補っおモダリティの文法圢匏ず接続助詞を取り陀いた䞊で終止圢ずする\item[3.]省略されおいる必須栌を補うただしテキスト内で明瀺されおおらずか぀補わなくおも文ずしお理解できる必須栌は補わないこの䜜業は原文に察しおも行う\end{enumerate}\end{description}ここで呜題が名詞の䟋を以䞋に瀺す名詞を呜題補足語述語圢匏名詞で曞き換えるずきどのように曞き換わるかは文章談話の䞊でないず決定できない䟋えば䞋の(7)(8)の䟋はこの文だけでは「アップ」「勝利」の䞻語を特定するこずはできないたた「アップ」や「勝利」が「する」なのか「した」なのかも定たらないその䞀方で文章談話の䞭で珟れる堎合文章談話の曞き手話し手がその蚀語の母語話者であり誠実に情報を䌝えようずしおいる限りそれを読んだり聞いたりした母語話者が䞻語やテンスが䜕かで迷うこずはたずない(7)(8)を文章の䞭でみるず「アップする」のは介護保険制床の改正に携わる人物で\footnote{瀟説内ではこの人物が誰かははっきりしないしかし瀟説内で法案の可吊が話題ずなる堎合䞻語が䜕かは必ずしも重芁でない本皿では䞻語が明確にならなくおも母語話者は(7)を呜題ずしお理解するものず考える}「勝利する」の䞻語は民䞻党掚薊の候補であるこずがわかる同時に「アップ」は未来の出来事なので「アップする」民䞻党の候補は実際には知事遞に勝利しおいないので「勝利したこず」では䞍自然ずなり「勝利するこず」が遞ばれるこのように名詞の曞き換えは調査者が母語話者ずしお文章を読んだずきの理解に基づいお行われる\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{6}\item\underline{報酬アップ}は介護人材の確保ず凊遇改善が狙いだ。2009/3/31毎日新聞\itemしかし、民䞻党は\underline{千葉県知事遞での勝利}を「政暩亀代ぞの第䞀歩」にしたいず考えおいた。2009/3/30産経新聞\end{enumerate}具䜓的には䞋線郚の名詞は手順2によっおそれぞれ「介護報酬をアップするこず」「民䞻党掚薊の候補が千葉県知事遞で勝利するこず」ず曞き盎される\begin{description}\item[手順3]\gt被調査者に集たっおもらい各呜題に察する心的態床を遞択肢圢匏で回答しおもらう\end{description}以䞋手順3の詳现を述べる調査は被調査者ずのスケゞュヌルを調敎し4回に分けお実斜した各䜜業では被調査者2人もしくは3人に1぀の郚屋に集たっおもらい各人に1台ず぀ノヌトパ゜コンを割り圓おる次に調査の䞻旚ず回答の手順を曞いた玙を配垃しそれを調査者が15分かけお音読するその内容を簡単に敎理するず\begin{itemize}\item日本語文で衚される情報には事実情報以倖にも曞き手や話し手の垌望たたは曞き手や話し手が䜕も刀断態床を瀺しおいない情報が存圚するこずを解説する\item各質問を䟋を甚いお説明するこの際曞き手に関するこずは䜕もわからないずいう前提で回答するよう指瀺する新聞の瀟説蚘事だずいうこずも䌝えない\item回答するのはあくたで曞き手の心的態床であり被調査者自身の知識や䟡倀芳に惑わされないよう泚意を促す\item各質問で曞き手の心的態床を読み取るこずができないずきは最埌の「わからない」に盞圓する遞択肢を遞ぶよう匷調する\item普段新聞や雑誌を読むずきず同じ感芚で文を読み盎芳的に回答するようお願いする\end{itemize}ずなる\footnote{配垃した玙ず回答画面の䟋をhttp://www.soc.titech.ac.jp/~sakano/modality/に掲茉しおいる}音読が終わった埌被調査者はパ゜コン画面に衚瀺される質問図3に答える画面には瀟説蚘事に茉っおいる元の文ずその䞭の呜題を調査者が文の圢に曞き盎したものそしお質問が衚瀺される最初の質問に答えお「次ぞ」を抌すず次の質問が衚瀺され再び回答するずいう䜜業の繰り返しずなる被調査者は最初1時間回答した埌5分䌑憩を挟み続けお40分回答する回答䞭ず䌑憩䞭に被調査者間で質問に関する情報のやり取りをするこずは犁止した以䞋衚2に各質問を掲茉する1぀の呜題に察する回答の流れは次のようになるたず質問1では呜題が発話時以前のものなら「事実かどうか」埌なら「将来事実ずなるかどうか」に察する曞き手の事実認識を答える\footnote{発話時以前かどうかは調査者が事前に人手で分類しおいる}回答が埗られた271個の呜題のうち発話時以前のものは191個発話時より埌のものは80個である質問1で4ず回答された堎合は質問2に進み1ず回答された堎合は質問3に進む質問2は質問1を補足する質問ずなっおいる本来刀断保留なら質問1で3が遞ばれるべきだが䌝聞の堎合問1で3が回答されない可胜性が高いず考え別途質問2を甚意した質問3は既定的かどうかの区別を意図した質問だが前述の通り本論文では考察の察象ずしない\begin{table}[t]\caption{各質問の説明}\input{01table02.txt}\end{table}そしお最埌に発話時点以前の呜題であれば質問4埌であれば質問5に進むここでは発話時以前なら叙実的なものずしお䟡倀刀断の察象になり発話時以埌なら未来の呜題ずしお拘束刀断の察象になるずいう前提を眮いおいる\subsection{䞀臎床の評䟡方法}本論文では䞀臎床の評䟡は䞀臎床によるアノテヌションの評䟡をFleissの$\kappa$係数\cite{Article_08}によっお行う以䞋Fleissの$\kappa$係数の前身であるCohenの$\kappa$係数\cite{Article_07}を抂説した埌Fleissの$\kappa$係数に぀いお簡朔に述べるCohenの$\kappa$係数ずは同じ察象に察し同じ名矩尺床で枬定した2぀のデヌタ間の䞀臎床を偶然による䞀臎の可胜性を排陀しお評䟡する指暙である\cite{Article_07}デヌタが実際に䞀臎した割合を$P(A)$2぀のデヌタが独立だった堎合に偶然䞀臎する割合を$P(E)$ずしたずきCohenの$\kappa$係数は次匏で衚される\[\kappa=\frac{P(A)-P(E)}{1-P(E)}\]このP(E)によっお偶然による䞀臎の分が修正される䟋ずしお同䞀の有暩者の集合に察し内閣を支持するかしないかの2択で去幎ず今幎の2回に枡り調査した状況を想定する調査の結果去幎今幎ずも党員から回答が埗られ去幎の内閣支持率が0.8今幎の内閣支持率が0.7去幎ず同じ回答をした人の割合が0.62だったずするこのずき$P(A)$が0.62ず6割以䞊であるにもかかわらずP(E)の倀も$0.8\times0.7+0.2\times0.3=0.62$であるためCohenの$\kappa$係数は0ずなるCohenの$\kappa$係数は$-1$から1の倀を取り0であれば2぀のデヌタ間には偶然による䞀臎しかないずいうこずになるそしおFleissの$\kappa$係数は$\frac{P(A)-P(E)}{1-P(E)}$ずいう蚈算匏は倉わらずデヌタが3぀以䞊の堎合でも蚈算できるように$P(A)$ず$P(E)$の蚈算方法を拡匵したものであるP(E)を蚈算する際デヌタ間が独立ずいう仮定に加えデヌタ間の等質性本論文では被調査者間の等質性の仮定も眮いおいるのが特城であるこれら$\kappa$係数を評䟡する基準ずしおは$0\le\kappa\le0.2$が䜎い䞀臎(pooragreement)$0.2<\kappa\le0.4$が軜床の䞀臎(fair)$0.4<\kappa\le0.6$が䞭皋床の䞀臎(moderate)$0.6<\kappa\le0.8$が盞圓な䞀臎(substantial)$0.8<\kappa\le1$がほずんど完党な䞀臎(almostperfect)ずいう目安が提瀺されおいるが\cite{Article_09,Book_24}この目安に客芳的な根拠があるわけではないあくたで参考皋床に0.20.40.60.8を1぀の評䟡ラむンずしお考えるたた心的態床のアノテヌションを行っおいる既存研究での$\kappa$係数も参考になるず思われる前述の「おほしい」に盞圓する拡匵モダリティ\cite{Article_01}では工孊郚の孊生3名に察しお調査を行い孊生間の䞀臎床をCohenの$\kappa$係数で評䟡したずころ0.480.640.47\footnote{Cohenの$\kappa$係数は2名間の䞀臎床しか枬るこずができないためA,B,Cの3名の結果からABACBCの3通り蚈算しおいる}ずいう結果が埗られおいるたたモダリティ論に基づいおカテゎリを定めた方の拡匵モダリティ\cite{Inproc_04}では2名の専門家によるマニュアルに埓った刀断の$\kappa$係数曞かれおいないがCohenず思われるを党カテゎリで求めた平均が0.71ずなっおいる\subsection{調査結果}最初に各现分類で実際に䞀臎した数ず割合{$P(A)$}を衚3に瀺す真停刀断系ず拘束刀断は3名以䞊䞀臎する割合が80\%を超えおおり高い䞀臎床のように芋えるが4.3で述べたように偶然䞀臎する確率が考慮されおいないそこで質問1ず2を合わせた\footnote{質問1の遞択肢で4が遞ばれた堎合それを質問2の回答に眮き換えおいる}真停刀断系質問4の䟡倀刀断質問5の拘束刀断に぀いおFleissの$\kappa$係数\cite{Book_15}を衚4に瀺す最初に衚4の2者間の䞀臎床においお孊校の違いの圱響を芋る6パタヌンのうち孊校が同じ者同士の$\kappa$係数は真停刀断系では45番目䟡倀刀断では16番目拘束刀断では35番目の倧きさずなっおおり孊校が異なる回答者間の係数ず比べ順䜍が高い傟向にあるずは蚀えないよっお以埌孊校間の違いは考慮せず4名における$\kappa$係数のみを考察する\begin{table}[t]\begin{minipage}[t]{.5\textwidth}\caption{回答が䞀臎した呜題数括匧内は\%}\input{01table03.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{.45\textwidth}\caption{モダリティの䞀臎床Fleissの$\kappa$係数}\input{01table04.txt}\end{minipage}\end{table}4名の$\kappa$係数を芋るず拘束刀断が玄0.70で既存研究\cite{Inproc_04}で瀺された0.71に近い倀を瀺しおいるが真停刀断系は玄0.49䟡倀刀断は玄0.28ず0.71を倧幅に䞋回っおいる単玔な比范はできないが\footnote{この0.71ずいう倀はモダリティ’ではなくモダリティの抂念に基づいたアノテヌションでありか぀詳现なマニュアルに基づいたものなので単玔比范はできない珟段階では今埌意味論のモデルに基づいた他のアノテヌションが行われた際に比范できるよう階局意味論に基づいた調査結果の䞀臎床を提瀺するこず自䜓に意矩があるず考える}真停刀断系ず䟡倀刀断に぀いおはもう1぀の既存研究\cite{Article_01}の䞀臎床ず比范しおも高いずは蚀えず普遍性があるず芋なすこずは難しい以䞋この点に぀いお考察する真停刀断系に぀いおは4.5で詳述するためここでは䟡倀刀断に぀いお論じる本論文では䟡倀刀断は本質的に母語話者にずっお刀断が難しい抂念であるず考えるそのこずを瀺唆するものに遞択肢3が挙げられる3は䞭右が䟋瀺しおいる「䞍思議に思う」「奇異に感ずる」「おもしろいこずに」「驚いたこずに」ずいった肯定的か吊定的かがはっきりしない䟡倀刀断を想定しお蚭けた遞択肢だがこれが䞀臎床を䞋げる芁因ずなっおいる4名の回答者のうち1人以䞊が3を遞んでいる呜題を陀倖しお$\kappa$係数を求めるず0.45ず0.28から倧幅に䞊昇するこのこずから遞択肢3で雑倚な䟡倀刀断をたずめお凊理しようずしたこずが䞀臎床を䞋げおいる䞀因になっおおり少なくずも䞭右本来の芏定のたたではアノテヌションの基準ずしお適切ずは蚀えないこずが予想される䞀臎床を䞊げるために䟡倀刀断を「正しさ」「面癜さ」ずいった刀断基準ごずに曎に现分類しアノテヌションする必芁があるず思われる\subsection{真停刀断系で䞍䞀臎を匕き起こす芁因ず察策}真停刀断系は䟡倀刀断ず異なりその刀断基準が真停に限られるにもかかわらず$\kappa$係数が拘束刀断ず比べお䜎い前述の医孊生物孊系テキストぞのアノテヌションでも扱われおいるように真停刀断系は自然蚀語凊理の分野で需芁の高い情報であるもしアノテヌションが難しいのであれば階局意味論の基準ずしおの劥圓性が疑われるこずになるそこでこの節では䞍䞀臎の芁因ずそれを解消するための方法に぀いお怜蚎するたずは13の「懞念も消えない」や14の「いけない」のような述語が曞き手もしくは他者の心的態床を衚す事䟋が䞀臎床を䞋げおいるず考えられる曞き手や他者の心的態床を衚す述語の䟋を衚5に瀺す\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{12}\item\underline{西束建蚭の違法献金事件が自民党議員偎に波及する{\gt懞念も消えない}}。2009/3/30読売新聞\item\underline{\mbox{AIGや金融界に察する批刀が{\gtいけない}}}ずいうのではない。2009/3/30毎日新聞\end{enumerate}å…š271個の呜題を述語が曞き手や他者の心的態床を衚す52個ず残りの219個ずに分けお$\kappa$係数を蚈算するず前者が0.26埌者が0.53ず倧きな差がみられる\begin{table}[b]\caption{心的態床を衚す述語}\input{01table05.txt}\end{table}4.2の手順2では品詞のみで述語を決定するため述語が心的態床を衚しおいるかどうかに関係なく1314の䞋線郚も呜題ずしお取り出されるしかし論理孊の芳点からはこれらの真停を問うこずができるのかどうかは非垞に難しい問題である心的態床を適切に扱うための䜓系が様盞論理の分野でいく぀か提案されおいるが\cite{Book_17}ただ暙準的な䜓系が確立されたずは蚀い難い論理孊者にずっおも扱いが難しい問題に察し母語話者間で䞀貫した回答が埗られるこずは期埅できないだろうよっお1314の䞋線郚のように述語が心的態床を衚す堎合真停刀断のアノテヌションの察象から倖すこずが適圓だず考える2぀目に取り䞊げるのは呜題に埌続する衚珟が他者の心的態床たたは条件\footnote{ここでは埓属節が䞻節の呜題が真であるための条件を衚す堎合のみならず䞻節が埓属節の呜題が真であるための条件を衚す堎合も含む}を衚す事䟋である1516の「考えを瀺した」「歎史的課題だ」は他者の心的態床1718の「れば」「には」は条件の䟋ずなる\begin{itemize}\item他者の心的態床\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{14}\item鳩山氏は\underline{衆院の解散盎前に党独自で行う遞挙情勢調査を芋極めお最終刀断する}{\gt考えを瀺した}。2009/3/31毎日新聞\item\underline{出先機関改革}は䞭倮省庁再線で積み残された{\gt歎史的課題だ}。2009/3/31読売新聞\end{enumerate}\item条件\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{16}\item\underline{政治ぞの囜民の信頌がなけ}{\gtれば}、今の経枈状況は乗り切れない。2009/3/31毎日新聞\item\underline{幎末の改革倧綱で具䜓的な成果を䞊げる}{\gtには}、政府は早い段階から、呚到に調敎を進める必芁がある。2009/3/31読売新聞\end{enumerate}\end{itemize}他者の心的態床や条件自䜓は確実性刀断の既存研究でも扱われおいるが\cite{Article_02,Article_06}今回の調査結果はこれらの衚珟が真停刀断系の䞀臎床を䞋げるこずを瀺しおいる271個の呜題のうちこれらの衚珟が埌続する38個では$\kappa$係数が0.27残りの233個では0.50ずなる他者の心的態床や条件が埌続する堎合曞き手の心的態床が明瀺的に衚されおいないそのため本来であれば遞択肢4が遞ばれるべきずころだが実際には曞き手の事実認識を類掚しおしたう堎合があるず思われる同様に「ず蚀われおいる」のような䌝聞を衚す衚珟が埌続する堎合も䞀臎床が䞋がる先ほどの38個の呜題に䌝聞も加えた52個では$\kappa$係数が0.26残りの219個では0.54ずなる䌝聞情報でも曞き手の心的態床が明瀺されおいないずいう点では共通し同様の結果を匕き起こすず思われる以䞊をたずめるず4.2の手順2で特定された呜題のうち\begin{itemize}\item述語が曞き手たたは他者の心的態床を衚すもの\item埌続する衚珟が他者の心的態床や条件䌝聞を衚すもの\end{itemize}に぀いおは真停刀断をアノテヌションする察象から倖すべきず考える䞡方を倖した残りの呜題175個で$\kappa$係数を求めるず0.58ず䞭皋床の䞀臎ず盞圓の䞀臎の境界ずなる0.6に近い倀を瀺す\subsection{意味論䞊の芏定を甚いるこずの䞀臎床ぞの圱響}階局意味論のような意味論䞊の芏定をアノテヌションの基準に採甚する狙いずしおモダリティや䞻芳述語ずいった客芳的な指暙が明瀺されない心的態床も母語話者の刀断によっお特定するこずが挙げられるこのずき客芳的な指暙がないず高い䞀臎床が埗られないのであればこの狙いを達成するこずはできないそこで4.2の手順2で特定した呜題を「(a)『䞻節』および『埌続する衚珟が語圙的に心的態床を衚す呜題』」ず「(b)それ以倖の呜題」ずに分け真停刀断系䟡倀刀断拘束刀断の$\kappa$係数を求め比范する\footnote{語圙的に心的態床を衚す衚珟ずは衚5で瀺すような衚珟のこずを指すこのずき各カテゎリの$\kappa$係数を求めるずきはそのカテゎリに該圓する衚珟のみを(a)に含める䟋えば真停刀断系の$\kappa$係数を求めるずきに係り先が拘束刀断を衚しおいおも(a)ではなく(b)ずする}なお真停刀断系に関しおは4.5で絞り蟌んだ175個の呜題を察象に蚈算する結果を衚6に瀺す真停刀断系ず䟡倀刀断では(a)ず(b)で䞀臎床にほずんど差が芋られない䞀方で拘束刀断では(a)の0.89の方が(b)の0.53ず比べお極めお高い倀を瀺しおいるこのこずから拘束刀断が他の刀断ず比べお䞀臎床が高いのはモダリティや䞻芳述語が瀺されおいる堎合の䞀臎床が極めお高いためだず考えられるその䞀方で(b)でも真停刀断系拘束刀断の䞡方で0.5以䞊ず䞭皋床の䞀臎床を瀺しおいるモダリティや䞻芳述語で明瀺的に心的態床が瀺されおいなくおも母語話者は䞀定の割合で䞀臎した理解を埗おいるこずが䌺える\begin{table}[b]\vspace{-0.5\baselineskip}\caption{圢匏䞊の特城の有無に応じた䞀臎床の違いFleissの$\kappa$係数括匧内は該圓呜題数}\input{01table06.txt}\vspace{-0.5\baselineskip}\end{table}ここで(b)のうち4名党員の回答が䞀臎しおいるもの真停刀断系105個䞭80個䟡倀刀断110個䞭35個拘束刀断47個䞭24個の芳察を通しおモダリティや䞻芳述語が存圚しなくおも䞀臎する芁因に぀いお怜蚎するたず真停刀断系だが最も倚い事䟋ずしお䞻節のモダリティの統語的な䜜甚域に埓属節の呜題が含たれおいるものを取り䞊げるこの事䟋は29個存圚する䟋ずしお19を瀺す\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{18}\itemずころが、\underline{閣僚折衝さえ開かれず}、䞭身の乏しい工皋衚になっおしたった。2009/3/31読売新聞\end{enumerate}日本語孊では䞻節のモダリティの䜜甚域に含たれるかどうかは埓属節の皮類に䟝存するずされおいる\cite{Article_10}䟋えば19のような連甚節は独立床が䜎く䜜甚域に含たれるがガ節は独立床が高く䞻節からの圱響を受けない埓属節の独立床には埓属節の内郚に補足語や付加語モダリティの文法圢匏ずいった成分を取り埗るかによっお3皮類䞻節を加えるず4皮類の分類が存圚する\cite{Book_10}19のような事䟋の心的態床を解析する堎合連甚節ガ節ずいった埓属節の皮類たたは南(1993)による4分類が玠性の1぀ずしお有効だず考えられる次に呜題が文の前提(presupposition)\cite{Book_07}を衚す事䟋が19個存圚する前提ずなる呜題は読み手に真ずしお受け取られる傟向があるず思われる既存研究で取り䞊げおいるのは20のように呜題が埓属節のものだが今回のデヌタでは19個のうち16個が21のように呜題が名詞の䟋だった今埌母語話者が名詞の呜題を前提だず認識する条件を明らかにするこずが求められる\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{19}\item朝日新聞の䞖論調査で、\underline{\mbox{86}もの人が小沢氏の説明では「䞍十分だ」ず答えた}のは圓然のこずだろう。2009/3/31朝日新聞\item\underline{森田氏の倧量埗祚}は政党党䜓ぞの䞍信感の裏返しずいっおもいいのだ。2009/3/31毎日新聞\end{enumerate}以䞊真停刀断系の事䟋は「埓属節の独立床」や「前提」のように文法論の抂念で解釈可胜なものが倚く芋られる察しお䟡倀刀断ず真停刀断の(b)は原則語甚論的な偎面を考慮する必芁があるず考えられる最初に取り䞊げるのは語圙的には心的態床ではないが語甚論的偎面たで考慮するず埌続する衚珟が心的態床を衚す事䟋であるこの事䟋は䟡倀刀断では4個拘束刀断では8個存圚する22に䟡倀刀断23ず24に拘束刀断の䟋を瀺す22の「圹立たない」や24の「蚀行䞍䞀臎が問われよう」は客芳的な事実を述べ぀぀吊定的な印象を䞎える衚珟であるこのずき心的態床ずしおの偎面が匷調されるかどうかは文脈に倧きく巊右される䞀方23の「結び぀けたい」は「テストの結果を比范する」こずが「教育斜策や孊習指導の改善」に繋がるこずを望んでいるこずからの掚論で「改善」を望んでいるずいう垰結が埗られるず思われるただし「テストの結果を比范する」以倖の方法では「改善」を望んでいない可胜性もありあくたで文脈に巊右される解釈ず蚀える\begin{enumerate}\setcounter{enumi}{21}\item公開が原則の囜立公文曞通ずいう組織はあっおも、\underline{そこぞ移される文曞が極めお少ない}から、あたり{\gt圹立たない}。2009/3/31朝日新聞\itemテストの結果を比范し、\underline{教育斜策や孊習指導の改善}に{\gt結び぀けたい}。2009/3/30読売新聞\item\underline{䞎党が出先機関改革をすべお衆院遞埌に先送りする}ようでは、{\gt蚀行䞍䞀臎が問われよう}。2009/3/31読売新聞\end{enumerate}たた䟡倀刀断では遞択肢4の「読み取るこずはできない」での䞀臎が26個拘束刀断では埌者では遞択肢3の「わからない」での䞀臎が15個ずそれぞれ半数以䞊を占めおいる盎感的には䟡倀刀断や拘束刀断を衚す衚珟がたったくないずきに「わからない」ず刀断するず思われるただし䟡倀刀断や拘束刀断を衚し埗る衚珟の有無はモダリティ䞻芳述語の他に22〜24のような語甚論的偎面も考慮しなければならないよっお「わからない」ず刀断するための基準も語圙文法䞊の特城だけにはずどたらないず思われる以䞊今回の調査によっお(b)でも真停刀断系拘束刀断に぀いおはある皋床䞀貫性のあるアノテヌションが可胜なこずが瀺されたずはいえアノテヌションの過皋はできる限りマニュアル化できた方が望たしいこれたでの文法論では扱われおいない新たな語圙統語的な特城を明らかにし客芳性を高めるこずも求められよう今埌(b)の事䟋を数倚く含んだ倧芏暡なタグ付きコヌパスを䜜成し倚倉量解析によっお語圙統語的な特城を掚定怜蚌するこずが望たれる \section{おわりに} 本論文ではたずモダリティ論ず自然蚀語凊理ずではモダリティず心的態床の扱いに盞違点があるこずを指摘した前者は心的態床ずいう芏定が必ずしも前提ではなく文論の枠内で圢匏ず意味ずの盞関を捉えるこずが䞻旚である䞀方埌者は呜題に察する心的態床を特定するこずが目的ずなるその䞊で本論文では心的態床をアノテヌションする基準ずしお階局意味論で提瀺されおいるモダリティ’の现分類を甚いるこずを怜蚎した階局意味論のモダリティ’は曞き手の発話時点の心的態床であるず定矩されおおり察象が文法圢匏に限定されないよっお心的態床をアノテヌションするずいう目的に適う抂念ず蚀えるただし階局意味論では日本語の事䟋を甚いた研究が少なく普遍性の実蚌が十分ではないそこで本論文では日本語を母語ずする倧孊の孊郚生に呜題に察する曞き手の心的態床を回答しおもらい母語話者間の䞀臎床を調査するこずで普遍性を評䟡したその結果拘束刀断は0.70ず高い$\kappa$係数を瀺し真停刀断系はi)述語が心的態床を衚す堎合ずii)埌続衚珟が他者の心的態床や条件節䌝聞である堎合アノテヌションの察象から倖すこずで0.58の倀を瀺した䞀方䟡倀刀断は0.28ず盞察的に䜎い䞭右が芏定する䟡倀刀断には「面癜さ」「奇劙さ」など耇数の刀断基準が混圚しおおり抂念を刀断基準ごずに现分化する必芁性があるず考えられるたた階局意味論に基づくアノテヌションでは語圙文法圢匏によっお明瀺的に心的態床が衚されない呜題も察象ずなるこのずき明瀺的な指暙がない事䟋に察しお䞀貫性のあるアノテヌションできないのであれば階局意味論を甚いる意矩が損なわれるそこで明瀺的な指暙がない事䟋に限定したずきの䞀臎床に぀いおも怜蚎を行ったその結果明瀺されおいない事䟋でも真停刀断系ず拘束刀断に぀いおは0.5以䞊の$\kappa$係数を瀺し母語話者は明瀺的な指暙がない事䟋でも䞀定の䞀臎床を持っおアノテヌションできるこずが確認されたなお今回の調査は10個の瀟説蚘事から呜題を抜き出したため回答者が同じテキスト内の呜題に觊れる頻床が倚くランダムに䞊び替えたずはいえ文脈の情報を排陀しきれたずは蚀い難いものずなっおしたったさらに瀟説の内容も日本の政治に関わるもので被調査者が少なからず知識を持っおいるず予想されるため被調査者間の知識の共通点や盞違点が回答に圱響を䞎えた可胜性もある今埌さらなる調査を行う際には語甚論的な偎面のコントロヌルをより培底しお行うこずが求められる\acknowledgment数倚くの有益な助蚀を頂いた査読者様調査に協力しお頂いた東京工業倧孊ず䞀橋倧孊の孊生10名およびプレ調査に協力しお頂いた坂野研究宀の埌茩2名に感謝を申し䞊げたす\nocite{*}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Chomsky}{Chomsky}{1957}]{Book_22}Chomsky,N.\BBOP1957\BBCP.\newblock{\BemSyntacticStructures}.\newblockMouton.\bibitem[\protect\BCAY{Cohen}{Cohen}{1960}]{Article_07}Cohen,J.\BBOP1960\BBCP.\newblock\BBOQAcoefficientofagreementfornominalscales.\BBCQ\\newblock{\BemEducationalandPsychologicalMeasurement},{\Bbf20}(1),\mbox{\BPGS\37--46}.\bibitem[\protect\BCAY{江口\JBA束吉\JBA䜐尟\JBA也\JBA束本}{江口\Jetal}{2010}]{Inproc_04}江口萌\JBA束吉俊\JBA䜐尟ちずせ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockモダリティ真停情報䟡倀情報を統合した拡匵モダリティ解析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚論文集},\mbox{\BPGS\852--855}.\bibitem[\protect\BCAY{Fillmore}{Fillmore}{1968}]{Inbook_01}Fillmore,C.~J.\BBOP1968\BBCP.\newblock{\BemUniversalsinLinguisticTheory},\BCH\Thecaseforcase,\mbox{\BPGS\1--88}.\newblockHolt,Rinehart\&WinstonofCanadaLtd.\bibitem[\protect\BCAY{Fleiss}{Fleiss}{1971}]{Article_08}Fleiss,J.~L.\BBOP1971\BBCP.\newblock\BBOQMeasuringnominalscaleagreementamongmanyraters.\BBCQ\\newblock{\BemPsychologicalBulletin},{\Bbf76}(5),\mbox{\BPGS\378--382}.\bibitem[\protect\BCAY{花園}{花園}{1999}]{Article_05}花園悟\BBOP1999\BBCP.\newblock条件圢耇合甚蚀圢匏の認定.\\newblock\Jem{國語孞},{\Bbf197}(1),\mbox{\BPGS\39--53}.\bibitem[\protect\BCAY{也\JBA井䜐原}{也\JBA井䜐原}{2002}]{Article_01}也裕子\JBA井䜐原均\BBOP2002\BBCP.\newblock拡匵モダリティの提案−自由回答から回答者の意図を刀定するために−.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術研究報告.NLC,蚀語理解ずコミュニケヌション},{\Bbf102}(414),\mbox{\BPGS\31--36}.\bibitem[\protect\BCAY{川添\JBA霊藀\JBA片岡\JBA戞次}{川添\Jetal}{2009}]{Article_02}川添愛\JBA霊藀孊\JBA片岡喜代子\JBA戞次倧介\BBOP2009\BBCP.\newblock確実性刀断に関わる意味的文脈アノテヌションの詊み.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告.自然蚀語凊理研究䌚報告},{\Bbf2009}(2),\mbox{\BPGS\77--84}.\bibitem[\protect\BCAY{Landis\BBA\Koch}{Landis\BBA\Koch}{1977}]{Article_09}Landis,J.~R.\BBACOMMA\\BBA\Koch,G.~G.\BBOP1977\BBCP.\newblock\BBOQThemeasurementofobserveragreementforcategoricaldata.\BBCQ\\newblock{\BemBiometrics},{\Bbf33},\mbox{\BPGS\159--174}.\bibitem[\protect\BCAY{Light,Qiu,\BBA\Srinivasan}{Lightet~al.}{2004}]{Inproc_01}Light,M.,Qiu,X.~Y.,\BBA\Srinivasan,P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTheLanguageofBioscience:FactsandSpeculationsandandStatementsinBetween.\BBCQ\\newblockIn{\BemHLT-NAACL2004Workshop:BioLINK2004andLinkingBiologicalLiteratureandOntologiesandDatabases},\mbox{\BPGS\17--24}.\bibitem[\protect\BCAY{牧野}{牧野}{2009}]{Article_06}牧野歊則\BBOP2009\BBCP.\newblock日本語の䞻芳衚珟の機胜的構造:客芳文ず䞻芳文(日本語凊理・文法).\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告.自然蚀語凊理研究䌚報告},{\Bbf2009}(36),\mbox{\BPGS\7--14}.\bibitem[\protect\BCAY{Marcus,Santorini,\BBA\Marcinkiewicz}{Marcuset~al.}{1993}]{Article_03}Marcus,M.~P.,Santorini,B.,\BBA\Marcinkiewicz,M.~A.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQBuildingalargeannotatedcorpusofEnglish:ThePennTreebank.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\313--330}.\bibitem[\protect\BCAY{益岡}{益岡}{1991}]{Book_05}益岡隆志\BBOP1991\BBCP.\newblock\Jem{モダリティの文法}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{益岡}{益岡}{2007}]{Book_08}益岡隆志\BBOP2007\BBCP.\newblock\Jem{日本語モダリティ探究}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{益岡\JBA田窪}{益岡\JBA田窪}{1992}]{Book_25}益岡隆志\JBA田窪行則\BBOP1992\BBCP.\newblock\Jem{基瀎日本語文法—改蚂版—}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1974}]{Book_20}南䞍二男\BBOP1974\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語の構造}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1993}]{Book_10}南䞍二男\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語文法の茪郭}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{宮厎\JBA安達\JBA野田\JBA高梚}{宮厎\Jetal}{2002}]{Book_01}宮厎和人\JBA安達倪郎\JBA野田晎矎\JBA高梚信倫\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{新日本語文法遞曞4モダリティ}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{䞭右}{䞭右}{1994}]{Book_13}䞭右実\BBOP1994\BBCP.\newblock\Jem{認知意味論の原理}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Narrog}{Narrog}{2005}]{Article_04}Narrog,H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQOndefiningmodalityagain.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageSciences},{\Bbf27}(2),\mbox{\BPGS\165--192}.\bibitem[\protect\BCAY{Narrog}{Narrog}{2009}]{Book_11}Narrog,H.\BBOP2009\BBCP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V17N04-07
\section{はじめに} \label{sect_intro}蚈算機の急速な普及に䌎い様々な自然蚀語凊理システムが䞀般に甚いられるようになっおいる䞭でも日本語の仮名挢字倉換は最も倚く利甚されるシステムの1぀である仮名挢字倉換の䜿いやすさは倉換粟床に倧きく䟝存するため垞に高粟床で倉換を行うこずが求められる近幎では倉換粟床の向䞊ずシステム保守の効率化を䞡立させるために確率的蚀語モデルに基づく倉換方匏である統蚈的仮名挢字倉換\cite{確率的モデルによる仮名挢字倉換}が広たり぀぀ある倉換粟床を向䞊させる䞊で問題ずなるのは倚くの蚀語凊理システムず同様未知語の取り扱いである統蚈的仮名挢字倉換では文脈情報を反映するための単語$n$-gramモデル入力である読みず出力である単語衚蚘の察応を取るための仮名挢字モデルの2぀のモデルによっお出力文候補の生成確率を蚈算し候補を確率の降順に提瀺するが未知語単語$n$-gramモデルの語圙に含たれない単語を含む候補の生成はできないこの問題に察凊しお倉換粟床を向䞊させる䞀般的な方法は仮名挢字倉換の利甚察象分野における未知語の読み・文脈情報を甚いたモデルの改善である仮名挢字倉換の利甚察象ずなる分野は倚岐に枡っおおり未知語の読み・文脈情報を含む察象分野の孊習コヌパスがあらかじめ利甚可胜であるずいう状況は少ないこのため情報の付䞎されおいない察象分野のテキストに必芁な情報を付䞎しお孊習コヌパスを新たに䜜成するずいうこずが行われるしかしながら未知語の䞭には読みや単語境界をテキストの衚局情報から掚定するこずが困難な単語が少なからず存圚するこのような堎合には察象分野の孊習コヌパスを䜜成するためにその分野に぀いおの知識を有する䜜業者が必芁ずなるなどコストの面で問題が倚い䞊蚘の問題を解決するために本論文ではテキストず内容の類䌌した音声を認識するこずで未知語の読み・文脈情報を単語ずその読みの組ずしお自動獲埗し統蚈的仮名挢字倉換の粟床を向䞊させる手法を提案する以䞋に手法の抂略を述べるたず情報の付䞎されおいない察象分野のテキストから未知語の出珟を考慮した単語分割コヌパスである疑䌌確率的単語分割コヌパスを䜜成し未知語候補の抜出を行う次に疑䌌確率的単語分割コヌパスから音声認識のための蚀語モデルを構築するずずもに未知語候補の読みを耇数掚定・列挙し発音蟞曞を䜜成するその埌蚀語モデルず発音蟞曞を甚いお察象分野の音声を認識し音声認識結果から単語ず読みの組の列を獲埗する最埌に獲埗した単語ず読みの組の列を統蚈的仮名挢字倉換の孊習コヌパスに远加しお蚀語モデルず仮名挢字モデルを曎新する実隓では統蚈的仮名挢字倉換のモデル構築に甚いる䞀般分野のコヌパスに獲埗した未知語の読み・文脈情報を远加しモデルを再構築するこずで倉換粟床が向䞊するこずを確認した本論文で提案する枠組みは察象分野のテキストず音声の自動収集が可胜であるずいう前提のもずで未知語に察しお頑健なモデルを構築するこずができるため統蚈的仮名挢字倉換の効率的か぀継続的な粟床向䞊に有効である \section{単語$n$-gramモデルずその応甚} \label{sect2_LM}確率的蚀語モデルずは任意の蚘号列\footnote{ここで述べる「蚘号」は凊理単䜍ずしおの蚘号であり文字や単語品詞など様々なものを考えるこずができる}に察しおその蚘号列がある自然蚀語から生成された確率を蚈算する枠組みを䞎えるためのモデルである\cite{確率的蚀語モデル}本節では最も䞀般的な確率的蚀語モデルの1぀である単語$n$-gramモデルずその応甚に぀いお述べる\subsection{単語$n$-gramモデル}\label{subsect:W-ngram}本項では確率的蚀語モデルずしお広く甚いられる単語$n$-gramモデルならびにモデルパラメヌタの掚定に぀いお述べる単語$n$-gramモデルは文を単語列$\Bdma{w}=\Conc{w}{h}$ずみなし単語の生起を($n-1$)重マルコフ過皋で近䌌したモデルであるすなわち単語$n$-gramモデルにおいおある時点での単語$w_{i}$の生起は盎前の$(n-1)$単語に䟝存するここで単語列$\Bdma{w}$の生成確率$M_{w,n}(\Bdma{w})$は以䞋の匏で䞎えられる\[M_{w,n}(\Bdma{w})=\displaystyle{\prod_{i=1}^{h+1}P(w_{i}|\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})}\]この匏で$w_{i}\;(i\leq0)$ず$w_{h+1}$はそれぞれ文頭ず文末を衚す特別な蚘号である蚀語モデル構築の際には孊習コヌパス内で芳枬されたデヌタの生じる確率を最倧にするように最尀掚定法でモデルパラメヌタを決定するこずが䞀般的である最尀掚定で単語$n$-gramモデルのパラメヌタ掚定を行う堎合はあらかじめ単語分割されおいるコヌパス内に出珟する単語$n$-gramの頻床を蚈数し以䞋の匏によっお単語$n$-gramの確率を求める\begin{align}\label{equation:para1}&\qquad\qquad&P(w_i)&=\cfrac{f(w_i)}{f(\cdot)}&(\text{if}\quadn=1)&\qquad\qquad&\\\label{equation:para2}&&P(w_{i}|\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})&=\cfrac{f(\Bdma{w}_{i-n+1}^i)}{f(\Bdma{w}_{i-n+1}^{i-1})}&(\text{if}\quadn>1)&&\end{align}匏(\ref{equation:para1})においお$f(w_i)$はコヌパス内の単語$w_i$の出珟頻床1-gram頻床を衚し$f(\cdot)$はコヌパス内における党おの単語の出珟頻床0-gram頻床を衚す匏(\ref{equation:para2})においお$f(\Bdma{w}_{i-n+1}^i)$はコヌパス内における連続する$n$単語の組の出珟頻床$n$-gram頻床を衚すここで未知語を含む単語列の生成確率を単語$n$-gramモデルで蚈算する堎合を考える未知語を含む単語列の生成確率が0ずなるこずを防ぐため未知語を衚す特別な蚘号$\UW$を甚意しおモデル構築の際に他の語圙゚ントリず同様に0より倧きい確率を䞎えおおく未知語を予枬するにはたず単語$n$-gramモデルにより$\UW$を予枬しさらにその衚蚘文字列$\Bdma{x}$を以䞋の文字$n$-gramモデルにより予枬する\[M_{x,n}(\Bdma{x})=\prod_{i=1}^{h'+1}P(x_{i}|\Bdma{x}_{i-n+1}^{i-1})\]ここで$x_{i}\;(i\leq0)$ず$x_{h'+1}$はそれぞれ語頭ず語末を衚す特別な蚘号である本項で述べた$n$-gramモデルの応甚ずしお文献\cite{統蚈的蚀語モデルずN-best探玢を甚いた日本語圢態玠解析法}では日本語や䞭囜語のように分かち曞きされない蚀語に察する圢態玠解析噚を提案しおいるたた文献\cite{N-gramモデルを甚いた音声合成のための読み及びアクセントの同時掚定}では文献\cite{統蚈的蚀語モデルずN-best探玢を甚いた日本語圢態玠解析法}で提案された手法の拡匵ずしお匏(\ref{equation:para1})(\ref{equation:para2})における$w_i$を単語読みアクセント品詞の4぀組に眮き換えた$n$-gramモデルによっおテキストの読みずアクセントの掚定を行うシステムを提案しおいる\subsection{統蚈的仮名挢字倉換}\label{subsect:KKC}本項では\cite{確率的モデルによる仮名挢字倉換}で提案されおいる確率的モデルを甚いた統蚈的仮名挢字倉換に぀いお述べる日本語の仮名挢字倉換システムは蚈算機のキヌボヌドからの入力蚘号列\footnote{入力蚘号列の蚘号ずはキヌボヌドから入力可胜なラテン文字蚘号仮名文字を衚す}$\Bdma{z}$を仮名挢字混じり文である文字列$\Bdma{x}$に倉換するここでは出力を文字列$\Bdma{x}$ずする代わりに単語列$\Bdma{w}$ずし入力蚘号列$\Bdma{z}$に察応する候補$\Bdma{w}$を以䞋に瀺す事埌確率$P(\Bdma{w}|\Bdma{z})$が倧きいものから順に列挙する\begin{equation}P(\Bdma{w}|\Bdma{z})=\cfrac{P(\Bdma{z}|\Bdma{w})P(\Bdma{w})}{P(\Bdma{z})}\end{equation}最尀の倉換結果$\hat{\Bdma{w}}$は$P(\Bdma{w}|\Bdma{z})$をベむズの定理により以䞋のように倉圢するこずで求めるこずができる\begin{equation}\label{equation:KKC}\hat{\Bdma{w}}=\argmax_{\Bdma{w}}P(\Bdma{z}|\Bdma{w})P(\Bdma{w})\end{equation}匏(\ref{equation:KKC})においお埌半の$P(\Bdma{w})$は蚀語モデルであり\ref{subsect:W-ngram}節で述べた単語$n$-gramモデルを甚いるこずができる前半の$P(\Bdma{z}|\Bdma{w})$は確率的仮名挢字モデルず呌ばれ単語列$\Bdma{w}$が䞎えられた際の入力蚘号列の生成確率を衚すここで述べおいる倉換モデルでは出力を文字列$\Bdma{x}$ではなく単語列$\Bdma{w}$ずみなしおいるため単語ず入力蚘号列ずの察応関係がそれぞれ独立であるず仮定するこずで$P(\Bdma{z}|\Bdma{w})$は以䞋の匏で衚される\begin{equation}\label{equation:PMg}P(\Bdma{z}|\Bdma{w})=\prod_{i=1}^{h}P(z_{i}|w_{i})\end{equation}ここで郚分入力蚘号列$z_{i}$は単語$w_{i}$に察応する入力蚘号列であり党䜓の入力蚘号列は$\Bdma{z}=\Conc{z}{h}$ずなる仮名挢字モデルのパラメヌタ掚定には単語ごずに入力蚘号列が付䞎されたコヌパスを甚い匏(\ref{equation:PMg})における確率$P(z_{i}|w_{i})$の倀は以䞋の匏によっお蚈算される\begin{equation}\label{equ_param_PM}P(z_{i}|w_{i})=\frac{f(z_{i},\;w_{i})}{f(w_{i})}\end{equation}ここで$f(z_{i},\;w_{i})$は単語ず読みの組の出珟頻床であり$f(w_{i})$は単語出珟頻床である\subsection{確率的単語分割コヌパス}\label{subsection:SSC}$n$-gramモデルの性胜はパラメヌタ孊習のためのコヌパスに倧きく䟝存するしかし決定的な単語分割を行うコヌパスを単語$n$-gramモデルのパラメヌタ掚定に甚いる堎合分割誀りによっお未知語の出珟頻床が0ずなっおいる可胜性があるこのようなコヌパスから構築される単語$n$-gramモデルは未知語に察する頑健性に欠けるため本項では確率的単語分割コヌパス䞊びにその近䌌である疑䌌確率的単語分割コヌパス\cite{擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良}の枠組みを甚いおこの問題に察凊する方法を述べる\subsubsection{確率的単語分割コヌパスを甚いた$n$-gram確率の掚定}\label{subsubsect:WBP}日本語の単語分割は入力文における各文字間に単語境界があるかどうかを決定する問題ずみなせる入力ずなるコヌパスを長さ$n_r$の文字列$\Bdma{x}_1^{n_r}=\Conc{x}{n_r}$ずしたずき確率的単語分割コヌパスは隣接する2文字$x_{i}$ず$x_{i+1}$の間に単語境界確率$P_{i}$を䞎えたものずしお定矩されるここでは確率的単語分割コヌパスを䜜成するために最倧゚ントロピヌモデルを甚いお単語境界確率の掚定を行う\cite{擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良}単語境界をある文字列境界が単語境界であるか吊かを決めるための玠性ずしお単語境界の呚蟺$x_{i-2}^{i+2}$の範囲の文字$n$-gram($n=1,2,3$)ず文字皮の情報を甚いるここで確率的単語分割コヌパス内での単語の扱いに぀いお述べる決定的に単語分割されたコヌパスにおいお単語0-gram頻床はコヌパス䞭の党単語数単語1-gram頻床はそれぞれの単語の出珟頻床である確率的単語分割コヌパスにおいおは単語0-gram頻床$f(\cdot)$はコヌパス䞭に珟れる党おの郚分文字列の期埅頻床ずしお以䞋の匏で定矩される\[f(\cdot)=1+\sum_{i=1}^{n_{r}-1}P_{i}\]たた確率的単語分割コヌパス䞭のある1箇所に珟れる単語$w$の期埅頻床$f(w)$は文字列$x_{i+1}x_{i+2}\cdotsx_{i+k}$が単語$w$である確率を以䞋に瀺す匏から蚈算するこずで埗られる\[f(w)=P_{i}\left[\prod_{j=1}^{k-1}(1-P_{i+j})\right]P_{i+k}\]これは$x_{i+1}$の巊偎$i$番目の文字列境界が単語境界$x_{i+1}x_{i+2}\cdotsx_{i+k}$の間にある文字列境界が単語境界ではない$x_{i+k}$の右偎が単語境界であるずいうずきに文字列$x_{i+1}x_{i+2}\cdotsx_{i+k}$が単語$w$である確率を瀺しおいる確率的単語分割コヌパス䞭における単語$w$ずその期埅頻床の扱いを図\ref{figure_sect2_SSC_freq}に瀺す$f(w)$は1箇所の$w$に察する期埅頻床なので単語1-gram期埅頻床はコヌパス䞭の党おの出珟にわたる期埅頻床の合蚈ずなる単語$n$-gram期埅頻床($n\geq2$)に぀いおも単語境界である確率$P_i$ず単語境界ではない確率($1-P_i$)から同様に期埅頻床の蚈算を行う単語$n$-gram確率は匏(\ref{equation:para1})(\ref{equation:para2})における$n$-gram頻床を$n$-gram期埅頻床ずしお掚定する以䞊に述べた確率的単語分割コヌパスから構築される単語$n$-gramモデルはテキスト䞭に出珟する党おの郚分文字列が語圙ずなるため未知語に察しお頑健なモデルずなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia8f1.eps}\end{center}\caption{確率的単語分割コヌパスにおける期埅頻床}\label{figure_sect2_SSC_freq}\end{figure}\subsubsection{疑䌌確率的単語分割コヌパス}\label{subsubsection:P-SSC}䞊述の確率的単語分割コヌパスを甚いお$n$-gram確率の掚定を行う堎合単語の出珟頻床を蚈算するために倚くの蚈算時間が必芁ずなる本節ではこの問題に察凊するために提案されおいる疑䌌確率的単語分割コヌパス\cite{擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良}の枠組みに぀いお述べるこれにより決定的に単語分割されたコヌパスを甚いお確率的単語分割コヌパスに近い$n$-gram確率を掚定するこずができか぀未知語に察する頑健性を保持するこずができる疑䌌確率的単語分割コヌパスは確率的単語分割コヌパスに察しお以䞋の凊理を最初の文字から最埌の文字たで($1\leqi\leqn_{r}$)行うこずで埗られる\begin{enumerate}\item文字$x_{i}$を出力する\item乱数$r_{i}(0\leqr_{i}<1)$を発生させ$P_{i}$ず比范する$r_{i}<P_{i}$の堎合には単語境界蚘号空癜を出力しそうでない堎合には䜕も出力しない\end{enumerate}これにより確率的単語分割コヌパスの特城をある皋床反映しか぀決定的に単語分割されたコヌパスを埗るこずができるこの凊理を1回行っお埗られるコヌパスにおいお文字列ずしおの出珟頻床が䜎い単語$n$-gramの頻床は確率的単語分割コヌパスから期埅頻床を蚈算した堎合ず倧きく異なる可胜性がある近䌌による誀差を枛らすためには䞊蚘の手続きを$M$回行っお埗られる単語分割コヌパス党おを単語$n$-gram頻床の蚈数の察象ずすればよいこのコヌパスを疑䌌確率的単語分割コヌパスず呌び$M$をその倍率ず呌ぶ \section{未知語ずその読み・文脈情報の自動獲埗} \label{sect3_Ext}本節では仮名挢字倉換の察象ずなる分野のテキストず音声を甚いお未知語の読み・文脈情報を自動獲埗し統蚈的仮名挢字倉換で甚いられる蚀語モデルならびに仮名挢字モデルの性胜を改善させる手法に぀いお述べる\subsection{提案手法の抂略}\label{subsect:ext_overview}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia8f2.eps}\end{center}\caption{提案手法の抂芁図}\label{figure_sect4_overview}\end{figure}本項では提案手法の抂略に぀いお述べる図\ref{figure_sect4_overview}に提案手法党䜓の抂芁を瀺す本研究では人手によっお読みず単語境界が付䞎されおいる䞀般分野のコヌパス$C_b$があらかじめ甚意されおいるものずするたた以䞋では䞀般分野のコヌパスから読みを取り陀いたコヌパスを䞀般分野の単語分割コヌパスず蚘述しその䞭に存圚する単語を既知語それ以倖の単語を未知語ず定矩する提案手法では以䞋に瀺す4段階の凊理により未知語の読み・文脈情報を未知語を含む単語ず読みの組の列ずしお音声認識結果から獲埗\footnote{音声認識には倧語圙音声認識システムJulius\cite{Julius.--.An.Open.Source.Real-Time.Large.Vocabulary.Recognition.Engine}を甚いる}し統蚈的仮名挢字倉換のモデルを曎新する\begin{enumerate}\item情報の付䞎されおいない察象分野のテキストから疑䌌確率的単語分割コヌパスを䜜成し未知語の候補ずなる単語以䞋未知語候補ず蚘述するの抜出を行う3.2項を参照\item疑䌌確率的単語分割コヌパスを甚いお音声認識のための蚀語モデルを構築するたた未知語候補の読みを耇数掚定し音声認識のための発音蟞曞を䜜成する3.3項参照\item準備した蚀語モデル発音蟞曞音響モデルを甚いお察象分野の音声を認識し音声認識結果から単語ず読みの組の列を獲埗する3.4項を参照\item獲埗した単語ず読みの組の列を統蚈的仮名挢字倉換の孊習コヌパスに远加しお蚀語モデルず仮名挢字モデルを曎新する3.5項を参照\end{enumerate}以䞋ではこれらの凊理に぀いお詳现を述べる\subsection{疑䌌確率的単語分割コヌパスを甚いた未知語候補の抜出}\label{subsect:ext_unk}たず獲埗察象ずなる未知語候補を単語境界の付䞎されおいない察象分野のテキストから抜出する本項では\ref{subsection:SSC}項で述べた疑䌌確率的単語分割コヌパスを甚いた未知語候補の抜出に぀いお述べる疑䌌確率的単語分割コヌパスは決定的に単語分割されたコヌパスの集合であるが党く同様の文であっおも単語境界に揺れが存圚するため未知語の分割誀りを抑制可胜であるしかしながらテキスト䞭に出珟する党おの郚分文字列が単語になり埗るずいう疑䌌確率的単語分割コヌパスの性質䞊䜎頻床の文字列は単語ずしお適切ではないものが倚いこのため出珟頻床閟倀を蚭定しお適切な未知語候補を抜出する以䞋では未知語候補「守屋」を抜出する堎合を䟋にずりその手続きを瀺す\begin{enumerate}\item䞀般分野の単語分割コヌパスから単語境界確率を掚定するためのモデル\ref{subsubsection:P-SSC}項を参照を構築し察象分野のテキストに単語境界確率を付䞎する{\tabcolsep=1.5pt\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|ccccccccccccccccccccc|}\hline$\cdots$&&昚&&日&&、&&\underline{守}&&\underline{屋}&&前&&次&&官&&が&&$\cdots$\\$\cdots$&0.8&&0.1&&0.9&&0.9&&0.4&&0.7&&0.8&&0.3&&0.8&&0.8&$\cdots$\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}}\item単語境界確率ず乱数の比范を行い倍率$M$の疑䌌確率的単語分割コヌパスを䜜成する\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\hline詊行1&$\cdots$昚日、\underline{守屋}前次官が$\cdots$\\詊行2&$\cdots$昚日、\underline{守屋}前次官が$\cdots$\\詊行3&$\cdots$昚日、守屋前次官が$\cdots$\\$\vdots$&$\vdots$\\詊行$M$&$\cdots$昚日、\underline{守屋}前次官が$\cdots$\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\item䜜成した疑䌌確率的単語分割コヌパス内に出珟する単語のうち頻床$F_{th}$以䞊の未知語䞀般分野のコヌパスに出珟しない単語を未知語候補ずしお抜出する\end{enumerate}次項では未知語候補の音声認識を行うための蚀語モデルず発音蟞曞に぀いお述べる\subsection{未知語候補を含む蚀語モデルず発音蟞曞の䜜成}\label{subsect:ucest}音声認識システムを甚いお未知語候補を正しい読みずずもに認識するためには未知語候補が語圙に含たれる蚀語モデルず発音蟞曞が必芁である本項では未知語候補を考慮した蚀語モデルならびに発音蟞曞の䜜成方法に぀いお述べるたず音声認識のための蚀語モデルを構築する倧語圙連続音声認識システムを甚いる堎合には察象分野のコヌパスず䞀般分野のコヌパスを甚いお察象分野に適合した蚀語モデルの構築を行うこずが䞀般的である\cite{Task.adaptation.in.stochastic.language.models.for.continuous.speech.recognition}\cite{N-gram出珟回数の混合によるタスク適応の性胜解析}本研究では\ref{subsect:ext_unk}項で䜜成した疑䌌確率的単語分割コヌパスを䞀般分野の単語分割コヌパスに远加し蚀語モデルを構築する次に未知語候補の読みを耇数掚定し既知語から䜜成された発音蟞曞に远加する読みの掚定は\ref{subsect:W-ngram}項の$n$-gramモデルにおける単語$w$を文字ずその読みの組に眮き換えた$n$-gramモデルによっお行う以䞋では未知語候補「守屋」を䟋にずっお説明する\begin{enumerate}\item単語を1文字ごずに分割しそれぞれの文字に぀いお単挢字蟞曞から埗られる読みを列挙する\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|ll|}\hline守&マモシュモリ\\屋&ダオク\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\item各文字の読みを組み合わせ可胜性のある単語の読みを列挙する\vspace{10pt}\cfbox{マモダ,マモオク,シュダ,シュオク,モリダ,モリオク}\vspace{10pt}\item文字ず読みの組を単䜍ずする$n$-gramモデルにより単語衚蚘からの読みの生成確率を蚈算する\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|rcr|}\hline$P(マモダ|守屋)$&$=$&$0.53$\\$P(モリダ|守屋)$&$=$&$0.22$\\$P(シュオク|守屋)$&$=$&$0.05$\\\multicolumn{3}{|c|}{$\vdots$}\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\item読みが付䞎されおいる䞀般分野のコヌパスから発音蟞曞を䜜成し(3)で掚定した未知語候補ず読みの組の䞭から確率の䞊䜍$L$個を远加するこの際$L$個の未知語候補ず読みの組の生成確率を反映させるため単語の読みごずの確率を発音蟞曞に蚘述する\footnote{䞊䜍$L$個の確率の合蚈が1ずなるように正芏化を行う}\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|rrr|rrr|}\hline\multicolumn{3}{|c|}{既知語}&\multicolumn{3}{c|}{未知語候補}\\\hline\multicolumn{3}{|c|}{$\vdots$}&\multicolumn{3}{c|}{$\vdots$}\\囜䌚&1.00&コッカむ&\underline{守屋}&0.53&マモダ\\前&0.50&れン&\underline{守屋}&0.22&モリダ\\前&0.50&マ゚&\underline{守屋}&0.05&シュオク\\\multicolumn{3}{|c|}{$\vdots$}&\multicolumn{3}{c|}{$\vdots$}\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\end{enumerate}䞊蚘の䟋における「守屋」の正しい読みは「モリダ」であるが(3)で述べた$n$-gramモデルによっお䞎えられる確率$P(モリダ|守屋)$は最倧ずならないため確率の比范による正しい読みの遞択は難しい次項では本項で䜜成した蚀語モデルず発音蟞曞を甚いた音声認識によっお未知語候補の正しい読みを遞択する方法に぀いお述べる\subsection{未知語の読み・文脈情報の獲埗}\label{subsect:ASR}前項の凊理で発音蟞曞䞭に列挙される未知語候補の読みの䞭に正しい読みが含たれおいる堎合には音声認識によっお未知語候補を含む単語ず読みの組の列が埗られるしかし前項の凊理で掚定した読みの倚くは誀った読みであるため音声認識の際に䌌た発音の単語を取り違え誀った読みの未知語候補を出力する可胜性があるこの問題に察凊するためここでは蚀語モデルならびに音響モデルの尀床を反映した事埌確率から蚈算される信頌床\cite{Confidence.measures.for.large.vocabulary.continuous.speech.recognition}\footnote{ある単語を含む党おの単語列候補音声認識結果の盞察的な尀床の比率をその単語の信頌床ずしお衚すなお本研究で甚いる音声認識システムJuliusに実装されおいる単語信頌床は信頌床蚈算の察象ずなる単語を含む最尀パスの確率で党䜓の確率の和を近䌌するこずによっお蚈算される\cite{2パス探玢アルゎリズムにおける高速な単語事埌確率に基づく信頌床算出法}}を甚いお認識結果における単語の文脈䞊の劥圓性を刀定するある単語の信頌床$CM$は0から1の間の倀で䞎えられ倧きい倀であるほど信頌性が高いずみなされる以䞋では音声認識を甚いお未知語の読み・文脈情報を単語ずその読みの列ずしお獲埗する手順を瀺す\begin{enumerate}\item察象分野のテキストず同様の話題を扱った音声ずその音声に適合した音声認識甚の音響モデルを甚意する\item(1)の音響モデルず\ref{subsect:ucest}項の凊理によっお埗られた蚀語モデルならびに発音蟞曞を甚いお(1)の音声に察し音声認識を行い単語読み単語信頌床の3぀組の列を出力する\vspace{-5pt}\begin{center}\begin{tabular}{|c|}\hline$\cdots$\underline{\mbox{守屋/モリダ/0.7}}前/れン/0.8事務/ゞム/0.8次官/ゞカン/0.9$\cdots$\\$\cdots$党䜓/れンタむ/0.4の/ノ/0.7守屋/シュダ/0.05が/ガ/0.8狭/セマ/0.9い/ã‚€/0.9$\cdots$\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\item音声認識結果のうち単語信頌床が$CM_{th}$以䞊の単語を抜出し連続する単語ずその読みの組の列を䜜成するなお単語信頌床が$CM_{th}$より小さい単語は抜出せずそれたでに抜出された単語ずその読みの列を独立した文ずみなす\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|c|}\hline$\cdots$\underline{\mbox{守屋/モリダ}}前/れン事務/ゞム次官/ゞカン$\cdots$\\$\cdots$党䜓/れンタむの/ノ\\が/ガ狭/セマい/ã‚€$\cdots$\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\end{enumerate}\subsection{統蚈的仮名挢字倉換のためのモデル構築}\label{subsect:mkmodel}仮名挢字倉換のモデル性胜を改善するには察象分野の孊習コヌパスを倧量に甚意するこずが重芁である人手によっお十分な量のコヌパスを䜜成するこずはコストの面で実甚的ではないためたずテキストの読み掚定を行うこずによっお察象分野のテキストに単語境界ず読みを自動的に付䞎するここでは\ref{subsect:W-ngram}項の匏(1)(2)においお単語$w$を単語ず読みの組に眮き換え読み掚定のための$n$-gramモデルを䞀般分野のコヌパス$C_b$から構築するこの結果埗られるコヌパスを$C_n$ずする䞀般的には情報の付䞎されおいない察象分野のテキストのみを倧量に入手可胜であるずいう状況が倚いため䞊述の読み掚定システムや圢態玠解析噚の利甚によっお倧芏暡なコヌパス$C_n$を䜜成し$C_b$ず$C_n$からモデルを構築するこずによっお倉換粟床を向䞊させるこずが可胜であるしかしながら$C_n$は䞀般分野のコヌパス$C_b$から構築されるモデルを甚いたシステムによっお単語境界や読みを付䞎されるため$C_b$の内郚に出珟しない未知語の情報をモデルに反映させるこずは難しいこの問題を解決するため提案手法では\ref{subsect:ASR}項の凊理によっお獲埗される未知語を含む単語ず読みの列をコヌパス$C_r$ずみなし$C_r$によっお未知語の読み・文脈情報をモデルに反映させ未知語の倉換粟床の向䞊を図る \section{評䟡} \label{sect:eval}本節では\ref{sect3_Ext}節で述べた提案手法の評䟡実隓に぀いお述べるたず\ref{subsect:ext_unk}項〜\ref{subsect:ASR}項で述べた手法に埓っお未知語の読み・文脈情報を単語ずその読みの組の列ずしお獲埗したその埌\ref{subsect:mkmodel}項で瀺した孊習コヌパスから統蚈的仮名挢字倉換の蚀語モデルならびに仮名挢字モデルを構築しお粟床評䟡を行い提案手法の有効性を怜蚌した\subsection{実隓で利甚するテキストず音声}\label{subsect:text_pre}本項では実隓を行う際にあらかじめ準備するデヌタならびに実隓の過皋で利甚するデヌタに぀いお述べる\subsubsection{テキスト}本実隓においお利甚するテキストコヌパスを以䞋に瀺す䞀般分野のコヌパス$C_b$には珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese;BCCWJ)\cite{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集}を甚いたBCCWJはあらかじめ単語分割がされおおり各単語に読みが付䞎されおいる\footnote{本研究では人手による修正が入ったコアデヌタのみを䜿甚しさらに掻甚語を語幹ず語尟に分割する等の倉曎を加えおいる}ここでBCCWJの内郚に出珟する党おの単語が既知語ずなる察象分野のテキストずしお2007幎11月2日から2008幎1月8日のうち68日間のりェブニュヌスを自動収集したものを甚いたこのりェブニュヌステキストには情報が付䞎されおいないためこのテキストに察しお\ref{subsect:mkmodel}項で瀺した手法を適甚するこずで単語分割ず読みの付䞎を自動的に行いコヌパス$C_n$を䜜成したたたりェブニュヌスのテキストは\ref{subsect:ext_unk}項で述べた疑䌌確率的単語分割コヌパスの䜜成に甚いた埌述する\ref{subsect:ex_ext}項の実隓により音声認識結果$C_r$ずしお単語ず読みの組の列が獲埗される$C_r$は$C_n$ず同様に仮名挢字倉換のためのモデル構築に甚いたテストセット$C_t$ずしお2008幎1月9日2008幎1月10日の2日間のりェブニュヌスを単語分割し読みを付䞎したものを甚いた\begin{table}[b]\caption{コヌパスの䞀芧}\input{08table01.txt}\label{table_corpus_suff}\end{table}以䞊に述べたテキストコヌパスの文数単語数文字数を衚\ref{table_corpus_suff}に瀺すなお衚\ref{table_corpus_suff}においお察象分野のテキストに察する自動読み掚定結果ならびに音声認識結果の単語数は各システムの出力結果から単語数を蚈数したものであるたた音声認識結果の出力から文境界を同定するこずは困難であるため単語数ず文字数のみを瀺す衚\ref{table_unkr_test}にテストセットにおける未知の1-gram率未知語率未知の2-gram率を単語を単䜍ずする堎合ず単語ず読みの組を単䜍ずする堎合のそれぞれに぀いお瀺す\begin{table}[t]\caption{テストセット$C_t$の未知$n$-gram率(\%)}\input{08table02.txt}\label{table_unkr_test}\end{table}\subsubsection{音声}読みを遞択するために甚いる音声ずしお収集したりェブニュヌス蚘事ず同時期に圓たる2007幎12月5日から2008幎1月8日の間に攟送された30分のニュヌス番組の合蚈17時間の音声を甚いたここで察象分野のテキストず音声の類䌌床ずしお音声の䞀郚の曞き起こし2008幎1月7日8日の2日分に察するパヌプレキシティを瀺す埌述する察象分野の疑䌌確率的単語分割コヌパスから単語3-gramモデルを構築し曞き起こしに察するパヌプレキシティを求めたずころ58.5ずなったこれは本実隓で甚いる疑䌌確率的単語分割コヌパスから構築される音声認識甚蚀語モデルは認識察象ずなる音声に察しお十分な単語予枬性胜を持っおいる察象分野の音声ず察象分野のテキストが十分に䌌おいるこずを瀺しおいる\subsection{未知語ずその読み・文脈情報の自動獲埗}\label{subsect:ex_ext}本項では察象分野のテキストず察象分野の音声を甚いた未知語ずその読み・文脈情報の自動獲埗に぀いお述べるたた凊理の途䞭段階で獲埗した未知語ずテストセット䞭の未知語を比范し各凊理における未知語の怜出粟床を瀺す\subsubsection{未知語候補の抜出}たず\ref{subsect:ext_unk}項で述べた手法に埓っお察象分野のテキストから疑䌌確率的単語分割コヌパスを䜜成し未知語候補の抜出を行ったここで疑䌌確率的単語分割コヌパスの倍率は$M=10$ずしたたた未知語候補を決定する際の閟倀は$F_{th}=50$ずしたたた察象分野のテキストの芏暡ず最終的に獲埗可胜な未知語の数ずの関係ずしお衚\ref{table_cov_cond}に未知語候補のテストセット$C_t$䞭の未知語に察する再珟率を瀺す衚\ref{table_cov_cond}では利甚するりェブニュヌスの日数ず疑䌌確率的単語分割コヌパスの倍率$M$を倉えるこずでテキストの芏暡を調節しそれぞれに぀いお再珟率を瀺したたた確率的単語分割コヌパスを䜜成せず決定的に単語分割を行った堎合の再珟率に぀いおも䜵せお衚\ref{table_cov_cond}に瀺した$C_t$内の未知語の集合を$UW_t$疑䌌確率的単語分割コヌパス内の未知語候補の集合を$UW_c$ずしコヌパス$C$における単語$w$の出珟頻床を$f(C,w)$ずするず再珟率は\[\cfrac{\displaystyle\sum_{w\inUW_t\capUW_c}f(C_t,w)}{\displaystyle\sum_{w\inUW_t}f(C_t,w)}\]で衚されるここで$\sum_{w\inUW_t}f(C_t,w)=2,772$である衚\ref{table_unkr_test}参照\begin{table}[t]\caption{察象分野のテキストから抜出した未知語候補の再珟率(\%)}\input{08table03.txt}\label{table_cov_cond}\end{table}衚\ref{table_cov_cond}から未知語の抜出を行う堎合には決定的な単語分割を行ったコヌパスではなく疑䌌確率的単語分割コヌパスを利甚するこずが有効であるこずがわかる\subsubsection{未知語候補を含む蚀語モデルず発音蟞曞の䜜成}\ref{subsect:ucest}項で述べた手法を甚いお音声認識甚の蚀語モデルず発音蟞曞を䜜成した本実隓で甚いる音声認識システムJuliusは蚀語モデルずしお順向き2-gramモデル逆向き3-gramモデルを必芁ずするここでは䞀般分野の単語分割コヌパス(BCCWJ)ず察象分野の疑䌌確率的単語分割コヌパスりェブニュヌスから単語衚蚘を単䜍ずする順向き2-gramモデルならびに逆向き3-gramモデルを構築した次に抜出した未知語候補の読みを文字ず読みの組を単䜍ずする2-gramモデルによっお掚定し生成確率の䞊䜍$L$個の単語ず読みの組を既知語から䜜成される発音蟞曞に远加した本実隓では$L=5$ずした䜜成した発音蟞曞の詳现を衚\ref{table_pron-dict}に瀺す\footnote{片仮名のように文字ごずの読み候補が少ない堎合もしくは単語長が短い堎合など5個たで読みの列挙を行うこずができない未知語候補が存圚するこのため未知語候補の゚ントリ数は単語数の5倍未満になるこずがあり埗る}蚀語モデルにおける語圙の総数は衚\ref{table_pron-dict}における既知語ず未知語候補の単語数を合蚈した数である20,712発音蟞曞の゚ントリ単語ず読みの組の総数は26,880ずなったここで$L$の倀の劥圓性を怜蚌するため$L$を倉えた堎合に埗られる未知語候補ず読みの組のテストセット$C_t$内の未知語ず読みの組に察する再珟率を衚\ref{table_cov_prondict}に瀺すコヌパス$C$における単語ず読みの組$u$の出珟頻床を$f(C,u)$未知語候補ず掚定された読みの組の集合を$UU_e$テストセット$C_t$内の未知語ず読みの組の集合を$UU_t$ずするず再珟率は\[\cfrac{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t\capUU_e}f(C_t,u)}}{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t}f(C_t,u)}}\]で衚されるここで$\sum_{u\inUU_t}f(C_t,u)=2,925$である衚\ref{table_unkr_test}参照衚\ref{table_cov_prondict}より$L\geq5$では再珟率に倧きな倉化が芋られないこずから$L$の倀を単玔に倧きくしおも最終的に獲埗可胜な未知語ず読みの組の量は倉わらないこずが予想されるたた$L$を倧きくするに埓っお誀った読みを持぀゚ントリがより倚く発音蟞曞に登録され認識誀りが増加する本実隓では以䞊の2点を考慮し$L=5$ずした\begin{table}[t]\caption{音声認識甚の発音蟞曞}\input{08table04.txt}\label{table_pron-dict}\end{table}\begin{table}[t]\caption{発音蟞曞に列挙された未知語候補ず読みの組の再珟率(\%)}\input{08table05.txt}\label{table_cov_prondict}\end{table}\subsubsection{未知語の読み・文脈情報の獲埗}䜜成した蚀語モデルず発音蟞曞を利甚し音声認識によっお読みを遞択し音声認識結果から未知語を含む単語ず読みの組の列を獲埗した音声認識システムにはJulius3.5.3を甚いたなおJuliusの動䜜に必芁ずなる音響モデルは連続音声認識コン゜ヌシアム2003幎床版゜フトりェア\footnote{http://www.lang.astem.or.jp/CSRC/}に同梱されおいる新聞蚘事読み䞊げ音声コヌパス(JNAS)から孊習された3,000状態64混合のPTMtriphoneモデル\cite{Phonetic.Tied-Mixture.モデルを甚いた倧語圙連続音声認識}を甚いた音声認識結果のうち単語信頌床が$CM_{th}$を超えおいる単語のみを抜出し単語ず読みの組の列を単語境界ず読みの付䞎されたコヌパス($C_r$)の圢で獲埗したこの際単語信頌床の閟倀は$CM_{th}=0.1$ずしたたた獲埗頻床の少ない未知語候補には音声認識誀りず考えられるものが倚かったため䞊蚘の閟倀による制限に加えお2回以䞊認識した未知語候補のみを獲埗した\footnote{アナりンサヌの発話のように音声が明瞭である郚分の認識粟床は80\%皋床蚘者発衚のように背景に雑音が倚く含たれる郚分の認識粟床は30\%皋床であった}$C_r$の単語数ならびに文字数は衚\ref{table_corpus_suff}で瀺した通りであるたた衚\ref{table_unkr_rec}に音声認識結果$C_r$の未知語率を瀺すここではテストセット$C_t$の未知語率衚\ref{table_unkr_test}参照ず同様に単語ならびに単語ず読みの組を単䜍ずした堎合の未知$n$-gram率を瀺すなお最終的に獲埗された未知語候補ず読みの組異なり数は872ずなった最埌に察象分野の音声の芏暡ず獲埗した未知語ず読みの組の数ずの関係を調べるため䜿甚するニュヌスの日数を倉曎した堎合の$C_t$に察する再珟率を衚\ref{table_cov_rec}に瀺す$C_r$内の未知語ず読みの組の集合を$UU_{r}$ずするず再珟率は\[\cfrac{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t\capUU_{r}}f(C_t,u)}}{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t}f(C_t,u)}}\]で衚される\begin{table}[t]\caption{音声認識結果$C_r$の未知$n$-gram率(\%)}\input{08table06.txt}\label{table_unkr_rec}\end{table}\begin{table}[t]\caption{音声認識結果内の未知語候補ず読みの組の再珟率(\%)}\input{08table07.txt}\label{table_cov_rec}\end{table}\subsubsection{獲埗した未知語ず読み・文脈情報の再珟率ず適合率}本実隓の目的は埌述する仮名挢字倉換の粟床評䟡においお音声認識結果$C_r$から獲埗した未知語ずその読み・文脈情報を利甚しおテストセット$C_t$を察象ずした仮名挢字倉換の倉換粟床を向䞊させるこずにある$C_r$を甚いお仮名挢字倉換のモデルを構築する堎合$C_t$ず$C_r$に共通しお出珟する未知語ず読みの組たたは単語を単䜍ずする未知の2-gramが倚いほど仮名挢字倉換の粟床が向䞊する\footnote{前者は\ref{subsect:KKC}項で述べた仮名挢字モデルの性胜に圱響し埌者は蚀語モデルの性胜に圱響する}以䞋ではそれぞれの再珟率ならびに適合率を瀺すたず$C_r$から獲埗した未知語ず読みの組の再珟率適合率を瀺す再珟率ならびに適合率はそれぞれ\[再珟率=\cfrac{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t\capUU_{r}}f(C_t,u)}}{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t}f(C_t,u)}}\quad,\qquad適合率=\cfrac{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t\capUU_{r}}f(C_r,u)}}{\displaystyle{\sum_{u\inUU_t}f(C_r,u)}}\]で衚される蚈算の結果再珟率は31.6\%適合率は38.2\%ずなった次に未知の2-gramの再珟率適合率を瀺すコヌパス$C$における単語2-gram($w_{i-1}^i$)の出珟頻床を$f(C,w_{i-1}^i)$テストセット$C_t$内の未知の単語2-gramの集合を$UB_t$音声認識結果$C_r$内の未知の単語2-gramの集合を$UB_r$ずするず再珟率ならびに適合率は\[再珟率=\cfrac{\displaystyle{\sum_{w_{i-1}^i\inUB_t\capUB_{r}}f(C_t,w_{i-1}^i)}}{\displaystyle{\sum_{w_{i-1}^i\inUB_t}f(C_t,w_{i-1}^i)}}\quad,\qquad適合率=\cfrac{\displaystyle{\sum_{w_{i-1}^i\inUB_t\capUB_{r}}f(C_r,w_{i-1}^i)}}{\displaystyle{\sum_{w_{i-1}^i\inUB_t}f(C_r,w_{i-1}^i)}}\]で衚される蚈算の結果再珟率は31.9\%適合率は25.5\%ずなった\subsection{統蚈的仮名挢字倉換による粟床評䟡}\label{subsect:eval_KKC}本項では\ref{subsect:mkmodel}項で挙げた孊習コヌパスを甚いお統蚈的仮名挢字倉換の粟床評䟡を行い提案手法の有効性を怜蚌する\subsubsection{実隓の条件}本実隓では䞀般分野のコヌパス$C_b$察象分野のテキストの自動読み掚定結果$C_n$音声認識結果$C_r$を甚いお統蚈的仮名挢字倉換のためのモデルを構築した各コヌパスの芏暡は\ref{subsect:text_pre}の衚\ref{table_corpus_suff}に瀺した通りである本実隓では3皮類のコヌパスを以䞋のように組み合わせお孊習コヌパスずし蚀語モデル単語2-gramモデルならびに仮名挢字モデルを構築した\begin{enumerate}\item$C_b$:ベヌスラむン\item$C_b+C_n$:テキストのみを甚いた手法既存手法\item$C_b+C_n+C_r$:テキストず音声に共通しお珟れる未知語の読み・単語文脈を反映させる手法提案手法\end{enumerate}統蚈的仮名挢字倉換システム党䜓の粟床を評䟡する基準ずしお文字単䜍の再珟率ず適合率を蚈算し(1)--(3)に぀いお比范を行った\pagebreakたた提案手法においお未知語の読みず単語文脈を共に利甚するこずの有効性を怜蚌するため(2)を基準ずしお$C_r$から蚀語モデル(LM)のみを曎新した堎合\footnote{$C_b+C_n+C_r$から蚀語モデルを構築し$C_b+C_n$から仮名挢字モデルを構築する}ず仮名挢字モデル(PM)のみを曎新した堎合\footnote{$C_b+C_n$から蚀語モデルを構築し$C_b+C_n+C_r$から仮名挢字モデルを構築する}に぀いおも倉換粟床の評䟡を行った本実隓における評䟡指暙ずしお文字単䜍の再珟率ず適合率を甚いるそれぞれの定矩を以䞋に瀺す\begin{align*}\mbox{再珟率}&=\cfrac{\mbox{正解文字数}}{\mbox{テストセット䞭の文字数}}\\\mbox{適合率}&=\cfrac{\mbox{正解文字数}}{\mbox{システムの出力した文字数}}\\\end{align*}\subsubsection{実隓結果ず考察}(1)--(3)で瀺した孊習コヌパスから構築されるモデルによる再珟率適合率を衚\ref{table_result}に瀺す\begin{table}[b]\caption{統蚈的仮名挢字倉換による評䟡(\%)}\input{08table08.txt}\label{table_result}\end{table}$C_b$を甚いる堎合ベヌスラむンの倉換粟床ず$C_b,C_n$を甚いる堎合既存手法の倉換粟床を比范した結果再珟率で8.94\%適合率で11.68\%の粟床向䞊が確認されたここで$C_n$ず$C_t$は同分野のコヌパスであり$C_b$は$C_n$に比范するず小芏暡なコヌパスであるためこの粟床向䞊は単玔に孊習デヌタの量を増やしたこずに起因するず考えられる次に$C_b,C_n$を甚いる堎合既存手法の倉換粟床ず$C_b,C_n,C_r$を甚いる堎合提案手法の倉換粟床を比范した結果仮名挢字倉換の粟床は再珟率で0.36\%適合率で0.48\%の改善が芋られた既存手法においおコヌパス$C_n$は察象分野の未知語を考慮しない手法で読みを付䞎されおいるため未知語の正しい分割ず読みの付䞎が行われず$C_b$ず$C_n$のみを甚いお構築されるモデルでは未知語の誀倉換が発生するしかし提案手法では\ref{subsect:ex_ext}項の実隓で埗られた$C_rを甚いお$未知語の読み・文脈情報をモデルに反映させるこずが可胜である䞊蚘の粟床増加は\ref{subsect:ex_ext}項で瀺した未知語の読み・文脈情報の獲埗の実隓で獲埗した未知語ず読みの組未知の2-gramの量に察応しおおりより倚くの未知語を獲埗するほど倉換粟床が向䞊するず考えられるたた$C_r$を远加するこずによる粟床向䞊の芁因を明らかにするため$C_b$ず$C_n$から構築したモデルによる倉換粟床を基準に$C_r$を利甚しお蚀語モデルず仮名挢字モデルを独立に曎新しお粟床を比范した蚀語モデルのみを曎新した堎合は再珟率適合率ずもに0.03\%の改善ずなり仮名挢字モデルのみを曎新した堎合は再珟率で0.17\%適合率で0.27\%の改善ずなった蚀語モデルのみを曎新する堎合未知語ず読み仮名挢字倉換における入力蚘号列ずの察応付けを行うこずが䞍可胜であるため未知語呚蟺の文脈が倉換粟床の向䞊にほずんど寄䞎しないこの際倉換粟床の向䞊に寄䞎する芁玠は$C_r$に珟れる既知語呚蟺の文脈情報のみでありか぀$C_n$に比范しお$C_r$の芏暡は非垞に小さいために粟床がほが倉化しおいないず考えられる仮名挢字モデルのみを曎新する堎合に぀いおは䞀定の粟床向䞊が芳察されたしかしながらある読みを持぀未知語に察し同じ読みを持぀既知語もしくは結合の結果同じ読みずなる既知語の連続が存圚するずいう状況では未知語を含む倉換候補の蚀語モデル確率は既知語を含む倉換候補の確率に比范しお小さくなる蚀語モデルず仮名挢字モデルの䞡方を曎新する堎合提案手法ずの粟床の差は䞊述の蚀語モデル確率の差に起因する最埌に提案手法を甚いるこずで未知語の倉換誀りが改善した䟋を瀺す\vspace{10pt}\begin{center}\begin{tabular}{|rl|}\hline$C_b+C_n$:&前事務次官の森やタケマサ\\$C_b+C_n+C_r$:&前事務次官の守屋歊昌\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{10pt}\ref{subsect:ext_unk}〜\ref{subsect:ASR}項においお䟋ずしお瀺した未知語守屋は本実隓においお実際に獲埗された未知語の䟋であり音声認識結果$C_r$を甚いるこずによっお未知語の誀倉換が改善されるこずを確認した以䞊の結果よりテキストず音声から獲埗される未知語の読み・文脈情報は統蚈的仮名挢字倉換システムの粟床向䞊に有効であるこずが確認された \section{関連研究} \label{sect5_rwork}第\ref{sect_intro}節で述べた通り人手によっお任意の分野における未知語の情報を収集するこずはコストの面で珟実的ではないこのため未知語に関する情報を自動獲埗する研究が倚く行われおいるたず圢態玠解析など自動単語分割を行うシステムにおいお単語蟞曞に未知語を远加するこずを目的ずした研究に぀いお述べる文献\cite{未知語の確率モデルず単語の出珟頻床の期埅倀に基づくテキストからの語圙獲埗}ではある文の自動単語分割候補における$N$-bestの盞察確率をそれぞれの候補においお出珟する未知語の出珟頻床の期埅倀ずしお䞎えるその埌出珟した未知語の䞭から䞀定の閟倀より倧きい出珟頻床の期埅倀を持぀未知語を獲埗しおいるたた単語分割の際には未知語を構成する字皮によっお9皮類の未知語タむプを定矩しそれぞれのタむプにおける単語長の分垃を考慮した未知語モデルを甚いるこずで未知語モデルの性胜向䞊を図っおいる圢態玠解析のため品詞を考慮しお未知語を獲埗する研究ずしお文献\cite{Word.Extraction.from.Corpora.and.Its.Part-of-Speech.Estimation.Using.Distributional.Analysis}ではコヌパス䞭に出珟する任意の郚分文字列$\alpha$に泚目し$\alpha$の前埌の文字から$\alpha$が未知語ずしお出珟する可胜性の高い品詞に属する確率を掚定しおいるその埌出珟頻床が䞀定倀以䞊か぀2文字以䞊の文字列$\alpha$を単語ずしお抜出しおおき圢態玠解析噚にかけた結果に蟞曞未登録語が含たれおいる文字列$\alpha$を未知語ずしお獲埗しおいる日本語は分かち曞きを行わない蚀語であるため自動単語分割噚や圢態玠解析噚においお必須ずなる未知語の情報は正しい単語単䜍であるこのため圢態玠解析噚のための未知語獲埗を行う研究では未知語の読みには蚀及しないこずが倚いしかしながら本研究では統蚈的仮名挢字倉換の粟床向䞊を目的ずしおいるため未知語の衚蚘ならびにその読みに関する情報を同時に獲埗するこずが望たしい文献\cite{自動未知語獲埗による仮名挢字倉換システムの粟床向䞊}では仮名挢字倉換を甚いる際の入力ずその倉換結果から未知語の獲埗ず蚀語モデルの曎新を行う手法を提案しおいるたた蚀語モデルの曎新を繰り返すこずで仮名挢字倉換システムの粟床が埐々に向䞊するず報告しおいるただしここで行われおいる実隓はナヌザによるシステムの利甚を想定したシミュレヌションであり本論文で扱う自動獲埗ずは性質が異なる音声認識の分野においおは未知語を原因ずする認識誀りの圱響を抑制するため単語より小さい単䜍の語圙であるサブワヌドを擬䌌的な単語ずし未知語をサブワヌドの連続ずしお認識する手法が提案されおいる\cite{単語N-gram蚀語モデルを甚いた音声認識システムにおける未知語・冗長語の凊理}\cite{Open.Vocabulary.Speech.Recognition.with.Flat.Hybrid.Models}\cite{New.Word.Acquisition.Using.Subword.Modeling}しかしながら日本語の音声認識においおサブワヌドは基本的に仮名文字列から構成されるためサブワヌドをそのたた未知語獲埗に甚いおも仮名挢字倉換ぞの寄䞎は䜎いず考えられる文献\cite{音声ずテキストを甚いた認識単語蟞曞の自動構築}では芏則を甚いおテキストから未知語の候補を抜出音声認識を甚いお読みを自動的に獲埗し発音蟞曞に远加する手法が提案されおいるこの手法はテキストず音声から未知語ず読みの情報を獲埗する点で本研究ず共通しおいるが未知語候補の抜出方法ず獲埗する情報の粒床が本研究ず異なる本研究では疑䌌確率的単語分割コヌパスを甚いるこずにより䞀貫した単語単䜍で蚀語モデルず発音蟞曞を䜜成するたた音声認識結果から未知語の読みだけではなく文脈情報を獲埗し統蚈的仮名挢字倉換で利甚する確率的蚀語モデル党䜓の性胜向䞊を図っおいる \section{結論} \label{sect6_conc}本論文では類䌌した話題を扱っおいるテキストず音声から未知語の読み・文脈情報を単語ず読みの組の列ずしお自動獲埗し統蚈的仮名挢字倉換の粟床向䞊に利甚する手法を提案した自動的に収集可胜なニュヌス蚘事ずニュヌス音声を甚いた実隓の結果音声認識結果から埗られる単語ず読みの組の列を孊習コヌパスずしお統蚈的仮名挢字倉換のモデルを孊習するこずによりシステム党䜓の粟床が向䞊するこずを確認した以䞊の結果からテキストず音声を甚いるこずにより仮名挢字倉換システムの効率的か぀継続的な粟床向䞊を行うこずが可胜であるこずが瀺された\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bisani\BBA\Ney}{Bisani\BBA\Ney}{2005}]{Open.Vocabulary.Speech.Recognition.with.Flat.Hybrid.Models}Bisani,M.\BBACOMMA\\BBA\Ney,H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQOpenVocabularySpeechRecognitionwithFlatHybridModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInterspeech2005},\mbox{\BPGS\725--728}.\bibitem[\protect\BCAY{Choueiter,Seneff,\BBA\Glass}{Choueiteret~al.}{2007}]{New.Word.Acquisition.Using.Subword.Modeling}Choueiter,F.~G.,Seneff,S.,\BBA\Glass,J.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQNewWordAcquisitionUsingSubwordModeling.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInterspeech2007},\mbox{\BPGS\1765--1768}.\bibitem[\protect\BCAY{䌊藀\JBA奜田}{䌊藀\JBA奜田}{2000}]{N-gram出珟回数の混合によるタスク適応の性胜解析}䌊藀地則\JBA奜田正玀\BBOP2000\BBCP.\newblockN-gram出珟回数の混合によるタスク適応の性胜解析.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ83-D-II}(11),\mbox{\BPGS\2418--2427}.\bibitem[\protect\BCAY{甲斐\JBA廣瀬\JBA䞭川}{甲斐\Jetal}{1999}]{単語N-gram蚀語モデルを甚いた音声認識システムにおける未知語・冗長語の凊理}甲斐充圊\JBA廣瀬良文\JBA䞭川聖䞀\BBOP1999\BBCP.\newblock単語N-gram蚀語モデルを甚いた音声認識システムにおける未知語$\cdot$冗長語の凊理.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(4),\mbox{\BPGS\1383--1394}.\bibitem[\protect\BCAY{北}{北}{1999}]{確率的蚀語モデル}北研二\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{確率的蚀語モデル}.\newblock蚀語ず蚈算4å·».東京倧孊出版䌚.\bibitem[\protect\BCAY{倉田\JBA森\JBA䌊東\JBA西村}{倉田\Jetal}{2008}]{音声ずテキストを甚いた認識単語蟞曞の自動構築}倉田岳人\JBA森信介\JBA䌊東䌞泰\JBA西村雅史\BBOP2008\BBCP.\newblock音声ずテキストを甚いた認識単語蟞曞の自動構築.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf49}(8),\mbox{\BPGS\2900--2909}.\bibitem[\protect\BCAY{Lee,Kawahara,\BBA\Shikano}{Leeet~al.}{2001}]{Julius.--.An.Open.Source.Real-Time.Large.Vocabulary.Recognition.Engine}Lee,A.,Kawahara,T.,\BBA\Shikano,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQJulius---anopensourcereal-timelargevocabularyrecognitionengine.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheEurospeech2001},\mbox{\BPGS\1691--1694}.\bibitem[\protect\BCAY{李\JBA河原\JBAæ­Šç”°\JBA鹿野}{李\Jetal}{2000}]{Phonetic.Tied-Mixture.モデルを甚いた倧語圙連続音声認識}李晃䌞\JBA河原達也\JBA歊田䞀哉\JBA鹿野枅宏\BBOP2000\BBCP.\newblockPhoneticTied-Mixtureモデルを甚いた倧語圙連続音声認識.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚論文誌},{\BbfJ83-D-II}(12),\mbox{\BPGS\2517--2525}.\bibitem[\protect\BCAY{李\JBA河原\JBA鹿野}{李\Jetal}{2003}]{2パス探玢アルゎリズムにおける高速な単語事埌確率に基づく信頌床算出法}李晃䌞\JBA河原達也\JBA鹿野枅宏\BBOP2003\BBCP.\newblock2パス探玢アルゎリズムにおける高速な単語事埌確率に基づく信頌床算出法.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告},2003-SLP-49-48,\mbox{\BPGS\281--286}.\bibitem[\protect\BCAY{Matsunaga,Yamada,\BBA\Shikano}{Matsunagaet~al.}{1992}]{Task.adaptation.in.stochastic.language.models.for.continuous.speech.recognition}Matsunaga,S.,Yamada,T.,\BBA\Shikano,K.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQTaskadaptationinstochasticlanguagemodelsforcontinuousspeechrecognition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheICASSP1992},\lowercase{\BVOL}~1,\mbox{\BPGS\165--168}.\bibitem[\protect\BCAY{森\JBA土屋\JBA山地\JBAé•·å°Ÿ}{森\Jetal}{1999}]{確率的モデルによる仮名挢字倉換}森信介\JBA土屋雅皔\JBA山地治\JBA長尟真\BBOP1999\BBCP.\newblock確率的モデルによる仮名挢字倉換.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(7),\mbox{\BPGS\2946--2953}.\bibitem[\protect\BCAY{森\JBA小田}{森\JBA小田}{2007}]{自動未知語獲埗による仮名挢字倉換システムの粟床向䞊}森信介\JBA小田裕暹\BBOP2007\BBCP.\newblock自動未知語獲埗による仮名挢字倉換システムの粟床向䞊.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\340--343}.\bibitem[\protect\BCAY{森\JBA小田}{森\JBA小田}{2009}]{擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良}森信介\JBA小田裕暹\BBOP2009\BBCP.\newblock擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf16}(5),\mbox{\BPGS\7--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Nagao}{Mori\BBA\Nagao}{1996}]{Word.Extraction.from.Corpora.and.Its.Part-of-Speech.Estimation.Using.Distributional.Analysis}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQWordExtractionfromCorporaandItsPart-of-SpeechEstimationUsingDistributionalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCOLING1996},\mbox{\BPGS\1119--1122}.\bibitem[\protect\BCAY{長野\JBA森\JBA西村}{長野\Jetal}{2006}]{N-gramモデルを甚いた音声合成のための読み及びアクセントの同時掚定}長野培\JBA森信介\JBA西村雅史\BBOP2006\BBCP.\newblockN-gramモデルを甚いた音声合成のための読み及びアクセントの同時掚定.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf47}(6),\mbox{\BPGS\1793--1801}.\bibitem[\protect\BCAY{æ°žç”°}{æ°žç”°}{1999a}]{統蚈的蚀語モデルずN-best探玢を甚いた日本語圢態玠解析法}氞田昌明\BBOP1999a\BBCP.\newblock統蚈的蚀語モデルずN-best探玢を甚いた日本語圢態玠解析法.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(9),\mbox{\BPGS\3420--3431}.\bibitem[\protect\BCAY{æ°žç”°}{æ°žç”°}{1999b}]{未知語の確率モデルず単語の出珟頻床の期埅倀に基づくテキストからの語圙獲埗}氞田昌明\BBOP1999b\BBCP.\newblock未知語の$\!\!\!$確率モデルず単語の出珟頻床の期埅倀に基づくテキストからの語圙獲埗.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(9),\mbox{\BPGS\3373--3386}.\bibitem[\protect\BCAY{小怋\JBA小磯\JBA冚士池\JBA原}{小怋\Jetal}{2008}]{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集}小怋秀暹\JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA原裕\BBOP2008\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集}.\bibitem[\protect\BCAY{Wessel,Schl{\"u}ter,\BBA\Ney}{Wesselet~al.}{2001}]{Confidence.measures.for.large.vocabulary.continuous.speech.recognition}Wessel,F.,Schl{\"u}ter,R.,\BBA\Ney,H.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQConfidenceMeasuresforLargeVocabularyContinuousSpeechRecognition.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonSpeechandAudioProcessing},{\Bbf9}(3),\mbox{\BPGS\288--298}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{笹田鉄郎}{2007幎京郜倧孊工孊郚電気電子工孊科卒業2009幎同倧孊院情報孊研究科修士課皋修了同幎同倧孊院博士埌期課皋に入孊珟圚に至る}\bioauthor{森信介}{1993幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1995幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻修士課皋修了1998幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電子通信工孊専攻博士埌期課皋修了工孊博士同幎日本アむ・ビヌ・゚ム株入瀟2007幎日本アむ・ビヌ・゚ム株退瀟同幎より京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ准教授珟圚に至る自然蚀語凊理ならびに音声蚀語凊理特に確率的蚀語モデルに関する研究に埓事1997幎情報凊理孊䌚山䞋蚘念研究賞受賞2010幎情報凊理孊䌚論文賞受賞}\bioauthor{河原達也}{1987幎京郜倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院修士課皋修了1990幎同博士埌期課皋退孊博士工孊同幎京郜倧孊工孊郚助手1995幎同助教授1998幎同倧孊情報孊研究科助教授2003幎同倧孊孊術情報メディアセンタヌ教授珟圚に至るこの間1995幎から1996幎たで米囜・ベル研究所客員研究員1998幎から2006幎たでATR客員研究員1999幎から2004幎たで囜立囜語研究所非垞勀研究員2001幎から2005幎たで科孊技術振興事業団さきがけ研究21研究者2006幎から情報通信研究機構短時間研究員音声蚀語凊理特に音声認識及び察話システムに関する研究に埓事1997幎床日本音響孊䌚粟屋朔孊術奚励賞受賞2000幎床情報凊理孊䌚坂井蚘念特別賞受賞情報凊理孊䌚連続音声認識コン゜ヌシアム代衚IEEESPSSpeechTC委員IEEEASRU2007GeneralChair蚀語凊理孊䌚理事を歎任情報凊理孊䌚音声蚀語情報凊理研究䌚䞻査日本音響孊䌚情報凊理孊䌚各代議員電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚IEEE各䌚員.}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N05-08
\section{はじめに} \label{sec:intro}\subsection{背景ず動機}参照結束性(referentialcoherence)ずは䞻題の連続性や代名詞化によっおもたらされる談話の局所的な繋がりの滑らかさである本研究の目的は参照結束性を匕き起こすメカニズムの定量的モデル化であるこの問題を扱う動機を以䞋に瀺す\begin{itemize}\item[1.]{\bf認知蚀語孊的動機:}談話参䞎者発話者,受話者;筆者,読者が高い参照結束性で繋がる衚珟解釈を遞択するのはどのような行動遞択メカニズムによるものだろうか~参照結束性の暙準的理論であるセンタリング理論\shortcite{grosz1983,grosz1995}はこの行動遞択メカニズムをモデル化しおいないずいう課題を残しおいる䞊蚘の問いに察する仮説ずしおHasidaetal.\citeyear{hasida1995}はゲヌム理論\shortcite{osbone1994,neumann1944}に基づく定匏化を提案したこの仮説を{\bf意味ゲヌム(MeaningGame)}ず呌ぶ意味ゲヌム仮説は日本語コヌパスで怜蚌された\shortcite{siramatu2005nlp}が日本語以倖の蚀語では未怜蚌である近幎語甚論や談話珟象などの蚀語珟象をゲヌム理論で説明しようずする研究が増えおいる\shortcite{parikh2001,rooij2004,benz2006}こずからも意味ゲヌム仮説が蚀語をたたぐ䞀般性を有するか吊かを実デヌタ䞊で怜蚌するこずは重芁な課題である\item[2.]{\bf工孊的動機:}察話システムや自動芁玄凊理では参照結束性が高い順序で発話や文を䞊べ理解しやすい談話構造を出力するこずが重芁であるそのためには発話$U_i$たでの先行文脈$[U_1,\cdots,U_i]$ず埌続発話$U_{i+1}$ずの間の参照結束性のモデル化が䞍可欠である工孊的に$U_{i+1}$の候補矀から1぀の候補を遞択する基準ずしお甚いるためには参照結束性の高い候補を遞択するためのメカニズムを定量的にモデル化しそのモデルによっお参照結束性の高さを定量的な倀ずしお掚定できるこずが望たしい぀たり本研究が目指す凊理の出力は{\bf先行文脈$[U_1,\cdots,U_i]$ず埌続発話$U_{i+1}$ずの間の参照結束性を衚す定量的な倀}であるこれを様々な蚀語の談話凊理システムから利甚可胜にするこずを目指す\end{itemize}本研究が扱う参照結束性ずいう談話珟象は談話参䞎者の認知的な負荷削枛ず密接に関連するもし談話参䞎者の負荷を削枛しようずする発話行動が様々な蚀語で参照結束性を匕き起こす基本原理ずなっおいるのならばその原理を定匏化するこずで蚀語をたたぐ䞀般性を備えた参照結束性のモデルを構築できるはずであるわれわれは意味ゲヌム仮説に基づいおセンタリング理論を䞀般化するずいうアプロヌチを螏襲するこずでそのような蚀語䞀般性を備えたモデルを構築できるず考えるこれによりゲヌム理論に基づく定量的・䜓系的な参照結束性の分析が様々な蚀語で可胜になるず期埅される\subsection{目的ず課題}本研究の目的は(1)「参照結束性はゲヌム理論の期埅効甚原理で説明できる」ずいう仮説\shortcite{hasida1996,siramatu2005nlp}を性質の異なる様々な蚀語の実デヌタを甚いお怜蚌し(2)それによっお蚀語䞀般性を備えた参照結束性の定量的モデルを構築するこずである\footnote{本研究の目的は照応解析の粟床向䞊ではないたた機械孊習を甚いた照応解析研究\shortcite{ng2004,strube2003,iida2004}は参照結束性を匕き起こす行動遞択メカニズムの解明を目指しおはいないので本研究ずは目的が異なる}.\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f1.eps}\caption{2぀の課題}\label{fig:issues}\vspace{-\normalbaselineskip}\end{center}\end{figure}本研究の目的のために重芁な2぀の課題を図\ref{fig:issues}および以䞋に瀺す\begin{itemize}\item[1.]{\bf蚀語独立な行動遞択原理のモデル化:}談話参䞎者はコミュニケヌションを阻害しない皋床に知芚的負荷の軜枛が芋蟌たれる衚珟ず解釈を遞択するこの行動遞択原理から様々な蚀語の䞊での参照結束性のメカニズムを説明できるずわれわれは予想するこの原理を意味ゲヌムのフレヌムワヌクに基づいお定匏化するこずで参照結束性の遞奜を談話参䞎者の知芚的な因子談話䞭で参照される実䜓に向ける泚意や参照衚珟を甚いる際の知芚的なコストからボトムアップにモデル化するそのモデルが参照結束性を説明できるか吊かを様々な蚀語の実デヌタで確かめる\item[2.]{\bf蚀語䟝存な特性を統蚈的に獲埗可胜なモデル化:}原理的には蚀語に独立な行動遞択機構があるにしおも衚局衚珟の知芚においおは各蚀語の特性に䟝存する蚀語的因子があるず考えられる具䜓的には談話参䞎者が実䜓に向ける泚意の床合顕珟性;salienceや参照衚珟を甚いる際の知芚的なコストは各蚀語に特有な蚀語衚珟に圱響されるはずである蚀語毎の手䜜業の蚭蚈を避けより粟緻に圓該蚀語に適応させるためには圓該蚀語のコヌパスからその特性を自動獲埗可胜なモデルが望たしいそのためには顕珟性や知芚コストを統蚈的に定匏化する必芁がある\end{itemize}\subsection{アプロヌチ}本皿では䞊で述べた2぀の課題に察しお以䞋のアプロヌチをずる\begin{itemize}\item[1.]{\bf参照結束性を匕き起こす行動遞択原理の蚀語をたたぐ䞀般性を怜蚌:}Hasida\citeyear{hasida1995},癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}の仮説ゲヌム理論に基づく参照結束性の定匏化が蚀語をたたぐ䞀般性を有するか吊かを怜蚌する具䜓的には性質が異なる2぀の蚀語である日本語ず英語のコヌパスを甚いお怜蚌実隓を行う\item[2.]{\bf蚀語䟝存な知芚的芁因を衚すパラメタを統蚈的に蚭蚈:}参照結束性に圱響する知芚的な芁因実䜓の顕珟性,参照衚珟を䜿う際の知芚コストは蚀語毎に特有な衚珟に圱響されるず考えられるのでこれらをコヌパスに基づく統蚈的なパラメタずしお蚭蚈する具䜓的には蚀語特有の衚珟に䟝存するパラメタ分垃を日本語ず英語のコヌパスから獲埗する実隓を行うこれにより統蚈的定矩の劥圓性を怜蚌する\end{itemize}以䞋\ref{sec:issues}章で埓来研究の抂芁ず問題点を説明し\ref{sec:ut}章では癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}のモデルを倚蚀語に適甚する際の問題点を解決する\ref{sec:verification}章では性質が異なる倧きく異なる2぀の蚀語である日本語ず英語のコヌパスを甚いモデルの蚀語䞀般性を怜蚌する\ref{sec:discussion}章では参照結束性の尺床ずしおの期埅効甚の性質および代名詞化の傟向に関する日本語ず英語の違いを考察する最埌に\ref{sec:conc}章で結論を述べる \section{埓来研究の抂芁ず問題点} \label{sec:issues}以䞋ではたずセンタリング理論による非定量的なモデル化の抂芁ず問題点を述べる次にその定量的な䞀般化である癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}のモデルの抂芁ず蚀語䞀般性に関する問題点および倚蚀語ぞの適甚のために解決する必芁のある問題点を述べる\subsection{センタリング理論}\paragraph{センタリング理論の抂芁}センタリング理論\shortcite{grosz1983,grosz1995}は参照結束性に関する暙準的理論であるセンタリング理論では局所的に共同泚意の焊点になっおいる実䜓を{\bf䞭心(center)}ず呌ぶ実䜓に察する共同泚意の床合すなわち実䜓の目立ち具合を{\bf顕珟性(salience)}ず呌ぶ顕珟性の順に文法圹割を順序付けするヒュヌリスティクスは{\bfCf-ranking}ず呌ばれる\shortcite{walker1994}Cf-rankingには蚀語によっお違いがあり日本語ず英語では以䞋のように定矩される\\\hspace{2mm}日本語:䞻題助詞ハ$\succ$䞻語助詞ガ$\succ$間接目的語助詞ニ$\succ$目的語助詞ヲ$\succ$その他\\\hspace{2mm}英語:~~~䞻語$\succ$目的語$\succ$間接目的語$\succ$補語$\succ$その他\\ただし${\itgram}_1\succ{\itgram}_2$は${\itgram}_1$の顕珟性が${\itgram}_2$より高いこずを衚す談話[U$_1$,U$_2$,$\cdots$,U$_n$]における各発話単䜍$U_i$の䞭心はCf-rankingの顕珟性順序に基づき以䞋の3぀の制玄によっお定矩される\begin{itemize}\item{\bf制玄1:}発話単䜍$U_i$は1぀の{\bf埌向き䞭心(backward-lookingcenter)}Cb($U_i$)を持぀\item{\bf制玄2:}{\bf前向き䞭心(forward-lookingcenters)}Cf($U_i$)の党芁玠は$U_i$で参照される\item{\bf制玄3:}Cb($U_i$)は$U_i$で参照される実䜓のうちでCf($U_{i-1}$)における顕珟性順序が最も高い\end{itemize}なおCf($U_i$)の芁玠のうち最も顕珟性順序が高い実䜓Cp($U_i$)は{\bf優先䞭心(preferredcenter)}ず呌ばれ埌続発話のCb$(U_{i+1})$の予枬であるず解釈されるこれらの制玄に基づき参照結束性は以䞋の2぀のルヌルで圢匏化される\begin{itemize}\item{\bfルヌル1:}Cf($U_i$)の芁玠のうち1぀でも代名詞化されるならCb($U_i$)は代名詞化される\item{\bfルヌル2:}隣接する発話単䜍察では以䞋のように䞭心の連続性が高い遷移ほど奜たれる\\~~~~~~~{\bfContinue}(Cb($U_i$)$=$Cb($U_{i+1}$),Cb($U_{i+1}$)$=$Cp($U_{i+1}$))\\~~~~$\succ${\bfRetain}~~~~(Cb($U_i$)$=$Cb($U_{i+1}$),Cb($U_{i+1}$)$\neq$Cp($U_{i+1}$))\\~~~~$\succ${\bfSmooth-Shift}(Cb($U_i$)$\neq$Cb($U_{i+1}$),Cb($U_{i+1}$)$=$Cp($U_{i+1}$))\\~~~~$\succ${\bfRough-Shift}~~(Cb($U_i$)$\neq$Cb($U_{i+1}$),Cb($U_{i+1}$)$\neq$Cp($U_{i+1}$))\end{itemize}ただし${\ittrans}_1\succ{\ittrans}_2$は遷移タむプ${\ittrans}_1$が${\ittrans}_2$よりも奜たれるこずを衚すルヌル1は「埌向き䞭心Cbは代名詞化されやすい」ずいう傟向を意味しルヌル2は「䞭心は連続しやすい」ずいう傟向を意味する図\ref{fig:coherence}にルヌル1,2に埓う䟋すなわち参照結束性の高い䟋ずルヌル1,2に埓わない䟋すなわち参照結束性の䜎い䟋を瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f2.eps}\caption{参照結束性が高い繋がり䜎い繋がりの䟋}\label{fig:coherence}\end{center}\end{figure}\paragraph{センタリング理論の問題点}センタリング理論を構成する制玄やルヌルに぀いおは研究者ごずに様々なバリ゚ヌションが提案されおいる\shortcite{poesio2004}それらの詊みは理論の改良を意図したものだが「なぜルヌル12を満たす衚珟が遞択されるのか」ずいう行動遞択原理の圢匏化が䞍十分ずいう点においおは改善されおいないこのこずから原理を欠いたたた際限なくヒュヌリスティクスのバリ゚ヌションが提案されおいくずいう状況が危惧されるこれに察しおわれわれは参照結束性を匕き起こす行動遞択機構のよりシンプルな定量的モデルが必芁であるず考える蚀い換えるずセンタリング理論は談話参䞎者の行動遞択原理から参照結束性のメカニズムを説明するモデルによっお䞀般化されるべきであるこの䞀般化により定量的な芳点からのより䜓系的な分析が可胜になるず期埅されるたたCf-rankingは蚀語䟝存な因子の䞀䟋であるがこれを各蚀語特有の文法圹割の䞊で蚭定するには人手が必芁である䞊その定矩には統蚈的根拠を欠くたずえばWalkerら\citeyear{walker1994}の日本語Cf-rankingにおける目的語ず間接目的語の順序は根拠が明らかでない\subsection{意味ゲヌムに基づくセンタリングモデル}\label{sec:mgcm}\paragraph{意味ゲヌムの抂芁}{\bf意味ゲヌム(MeaningGame)}\shortcite{hasida1995,hasida1996}ずは自然蚀語による意図的コミュニケヌションを耇数のプレむダヌによるゲヌムず芋なしゲヌム理論\shortcite{neumann1944,osbone1994}によっお数理的にモデル化する枠組である発話者を$S$,受話者を$R$,意味内容の集合を$C$,衚珟メッセヌゞの集合を$M$,発話者が意図した内容$c_S$,発話した衚珟$m$,受話者が解釈した内容$c_R$の䞉぀組$\langlec_S,m,c_R\rangle$の集合を$O=C\timesM\timesC$ずおき$S$ず$R$が$o=\langlec_S,m,c_R\rangle$を遞択する確率をPr$(o)$談話参䞎者$X$にずっおの$o$の効甚$o$が遞ばれるこずによっお$X$が埗る利埗をUt$(o,X)$ずするず$X$にずっおの{\bf期埅効甚}効甚の期埅倀は$$\sum_{o\inO}{\rmPr}(o){\rmUt}(X,o)$$ず衚され$X$は期埅効甚が倧きくなるような$o$を遞択しやすいこの行動遞択原理は{\bf期埅効甚原理}ず呌ばれゲヌム理論や意思決定理論で䞀般的な仮説であるたた以䞋の仮定を眮くず期埅効甚を最倧化する$o$がPareto最適解\footnote{どのプレヌダに぀いおも単独で戊略を倉えるこずによっお自分の利埗が高くならないようなプレヌダ達の戊略の組合せを(Nash)均衡ず蚀い党プレヌダにずっおより望たしい均衡がないような均衡をPareto最適であるず蚀う}ずなる\begin{itemize}\item{\bf確率Prに関する仮定:}${\rmPr}(o)$は$S$ず$R$の共有信念から定たるたた${\rmPr}(o)$の分垃自䜓が$S$ず$R$の共有信念に含たれる\item{\bf効甚Utに関する仮定:}${\rmUt}(S,o)$ず${\rmUt}(R,o)$の分垃に盞関があるすなわち${\rmUt}(S,o_1)>{\rmUt}(S,o_2)ならば{\rmUt}(R,o_1)>{\rmUt}(R,o_2)$が成り立぀\item{\bfコミュニケヌション成立に関する仮定:}垞に$c_S=c_R$であるすなわち意味内容の䌝達が必ず成功する\end{itemize}\noindentHasida\citeyear{hasida1996}はこの枠組に基づいお$S$による照応詞遞択および$R$による照応解消を定匏化するこずによりセンタリング理論のルヌル1が導けるこずを瀺した\paragraph{意味ゲヌムに基づくセンタリングモデルの抂芁}癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}はルヌル1の導出に関するHasidaの議論を以䞋のように定匏化するこずでセンタリング理論を䞀般化しその仮説を日本語の倧芏暡コヌパスを甚いお怜蚌したただし以䞋では発話単䜍$U_i$たでの先行文脈$[U_1,\cdots,U_i]$を${\rmpre}(U_i)$ず衚蚘する\begin{itemize}\item{\bf参照確率Prに関する仮定:}発話者$S$ず受話者$R$が先行文脈${\rmpre}(U_i)$を共有しこれを手がかりにしお埌続発話$U_{i+1}$で参照される実䜓$e_1,e_2,\cdots$を決定するずき埌続発話$U_{i+1}$で実䜓$e$が参照される確率${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$も$S$ず$R$の共有信念に含たれるこの確率を{\bf参照確率(referenceprobability)}ず呌び実䜓$e$の顕珟性を衚す量ず芋なせるセンタリング理論のCf-rankingに察応する\item{\bf知芚効甚Utに関する仮定:}埌続発話$U_{i+1}$に含たれる参照衚珟$w$を$S$が蚀う曞く知芚的なコストず$R$が聞く読む知芚的なコストを考えるず$S,R$双方にずっお代名詞の方が非代名詞よりも䜎コストなので$S$$R$双方にずっおの$w$の効甚ずしお共通の倀Ut($w$)を甚い$w$が代名詞のずき${\rmUt}(w)=2$,$w$が非代名詞のずき${\rmUt}(w)=1$ず仮定するこの効甚を{\bf知芚効甚(perceptualutility)}ず呌び参照衚珟$w$の簡略性を衚す量ず芋なせるセンタリング理論のルヌル1における代名詞/非代名詞の区別に察応する\item{\bfコミュニケヌション成立に関する仮定:}埌続発話$U_{i+1}$に含たれる参照衚珟$w_1,w_2,\cdots$ず実䜓$e_1,e_2,\cdots$ずの参照関係$\langlew_1,e_1\rangle,\langlew_2,e_2\rangle,\cdots$に぀いお$S$の意図ず$R$の解釈ずが必ず䞀臎する\end{itemize}\noindentこれら3぀の仮定の䞋で発話$U_{i+1}$の{\bf期埅効甚}${\rmEU}(U_{i+1})$は以䞋のように衚される\footnote{「$w_1$が$e_1$を参照する」ずいう事象ず「$w_2$が$e_2$を参照する」ずいう事象は互いに排反ではないので${\rmEU}(U_{i+1})$の定矩は厳密な意味での期埅効甚ずは異なるしかし「倧きな期埅効甚を持぀衚珟解釈が奜たれる」ずいう期埅効甚原理においおは耇数の候補を期埅効甚の倧小に基づいお遞択できるこずが重芁である${\rmEU}(U_{i+1})$がこの性質を満たすこずはHasidaetal.\citeyear{hasida1995}に䟋瀺されおいるので本皿では省略する}$${\rmEU}(U_{i+1})=\hspace{-1mm}\sum_{w\mbox{refersto}e\mbox{in}U_{i+1}}\hspace{-4mm}{\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w)$$この期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$を最倧化するような参照関係$\langlew,e\rangle$から成る$U_{i+1}$がPareto最適解ずなるので$U_{i+1}$の衚珟解釈の遞択メカニズムは単玔な期埅効甚原理に垰着できるその期埅効甚原理からセンタリング理論ルヌル1,2の䞀般化である以䞋の遞奜1a,1b,2が導かれる\begin{itemize}\item{\bf遞奜1a:}1぀の発話単䜍$U_{i+1}$が耇数の参照衚珟を含む堎合その䞭から${\rmUt}(w_1)>{\rmUt}(w_2)$であるような参照衚珟のペア$w_1,w_2$を遞びそれぞれ指瀺察象ずの組が$\langlew_1,e_1\rangle,\langlew_2,e_2\rangle$であるずき実䜓$e_1,e_2$の参照確率の倧小関係は${\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i))>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i))$になりやすいすなわち知芚効甚が高い参照衚珟$w_1$の方が参照確率が高い実䜓$e_1$を参照しやすい図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}\item{\bf遞奜1b:}照応詞$w$の効甚{\itUt$(w)$}ずその指瀺察象$e$の参照確率Pr$(e|{\rmpre}(U_i))$の間には正の盞関がある\item{\bf遞奜2:}より倧きな期埅効甚EU($U_{i+1}$)を持぀$U_{i+1}$が遞ばれやすい\end{itemize}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f3.eps}\caption{期埅効甚原理から導かれる遞奜1a,1b}\label{fig:crossed_or_uncrossed}\end{center}\vspace{-\normalbaselineskip}\end{figure}遞奜1aは期埅効甚原理から導かれセンタリング理論のルヌル1の䞀般化になっおいる図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}に瀺すように実䜓$e$をPrの降順に参照衚珟$w$をUtの降順に䞊べたずきに亀差しない参照関係(A)に䌎う期埅効甚${\rmEU_A}(U_{i+1})$の方が亀差する(B)に䌎う${\rmEU_B}(U_{i+1})$よりも垞に倧きくなるよっお期埅効甚原理より(A)の方が(B)よりも遞ばれやすいこのずき実䜓$e$がCbならば参照確率が高くなり参照衚珟$w$が代名詞ならば知芚効甚が高くなるこずから(A)はセンタリング理論のルヌル1を満たしおおりよっお遞奜1aはルヌル1の䞀般化であるこずがわかるただし(A)ず(B)の期埅効甚の差${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$が小さいず遞奜1aは匱く働き差が倧きいず遞奜1aは匷く働くず予想される遞奜1bは遞奜1aから導かれ遞奜1aの曎なる䞀般化になっおいる図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}の(A)が遞ばれやすいならば高い参照確率Prを有する目立っおいる実䜓$e$は高い知芚効甚Utを有する簡略化された参照衚珟$w$によっお参照されやすいはずであり${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$ず${\rmUt}(w)$には正の盞関があるず予想される遞奜2は期埅効甚原理そのものであるず同時にセンタリング理論のルヌル2の䞀般化になっおいるセンタリング理論のルヌル2における条件匏Cb($U_i$)$=$Cb($U_{i+1}$)が成り立぀ずきCbの参照確率が高くなるず同時に遞奜1bの予枬からCbを参照する照応詞の効甚も高くなるず考えられしたがっお珟圚の発話の期埅効甚が増すからであるたた条件匏Cb(U$_{i+1}$)$=$Cp(U$_{i+1})$が成り立぀ずきもやはりCbの参照確率ず効甚が高くなり期埅効甚が高くなるず考えられるさらにRetainずSmooth-Shiftは共に䞀方の条件匏のみが成り立぀遷移タむプであるがCbは既に芳枬されたセンタヌであるのに察しCpは次のセンタヌの予枬に過ぎないのでCb($U_i$)$=$Cb($U_{i+1}$)が成り立぀Retainの方がCb(U$_{i+1}$)$=$Cp(U$_{i+1})$が成り立぀Smooth-Shiftよりも期埅効甚が倧きくなるず予想されるこの癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}のモデルを本皿では{\bfMGCM(Meaning-Game-basedCentering\linebreakModel)}ず呌ぶMGCMにおける期埅効甚を構成する2぀のパラメタすなわち参照確率ず知芚効甚に぀いお以䞋に定矩ず算出方法を述べる\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw\textbf{参照確率(ReferenceProbability)の定矩}\\発話単䜍$U_i$たでの先行文脈${\rmpre}(U_i)$における実䜓$e$の玠性ベクトルが䞎えられた䞋で実䜓$e$が埌続する発話単䜍$U_{i+1}$で参照される条件付き確率Pr($e|{\rmpre}(U_i)$)で参照確率を定矩するこの確率は$U_i$における実䜓$e$の顕珟性を衚す\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw\textbf{参照確率の算出方法}\\実䜓$e$の顕珟性は先行文脈${\rmpre}(U_i)$においお$e$がどのように参照されおいるかに圱響される癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}が甚いた衚\ref{tab:features}の3぀の玠性{\itdist,gram,chain}は顕珟性に圱響するず考えられる玠性である{\itdist}は$e$が最埌に参照された発話単䜍から発話単䜍$U_{i+1}$ぞの距離を衚す{\itgram}は$e$の最埌に参照された発話単䜍における文法圹割を衚す文法圹割の皮類ごずの実数倀ずしおはたずコヌパス䞭の圓該文法圹割の名詞句を党お抜出しそのうち次の発話で参照されおいる割合Pr({\itgram})を甚いる{\itchain}は$U_i$たでに$e$が参照された回数を衚す{\itdistやchain}の蚭蚈で$\log$を甚いおいるのはりェヌバヌ・フェヒナヌの法則\shortcite{fechner1860}ずしお知られる人間の知芚の察数関数的性質を反映させるためである本皿でもこれら3぀の玠性から成る玠性ベクトルを甚いお参照確率を算出する\begin{table}[t]\begin{center}\caption{Pr$(e|{\rmpre}(U_i))$の蚈算で甚いる玠性}\label{tab:features}\input{08t01.txt}\end{center}\end{table}図\ref{fig:pr}は参照確率算出の基本的アむディアを衚しおいるコヌパス䞭のサンプルが3次元の玠性空間䞊で充分に密に分垃しおいるような理想的な堎合に限り図\ref{fig:pr}のような単玔な蚈算方法で参照確率を蚈算するこずができる以䞋ではたず最初に図\ref{fig:pr}の基本的アむディアを説明し次に珟実的な算出手法であるロゞスティック回垰分析を甚いる蚈算手法を説明する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f4.eps}\caption{Pr($e|{\rmpre}(U_i)$)蚈算の基本的アむディア}\label{fig:pr}\end{center}\end{figure}\begin{itemize}\item{\bf基本的アむディア:}仮に図\ref{fig:pr}の巊偎の発話$U_i$における``Tom''の参照確率\linebreakPr(``Tom''$|$pre($U_i$))を求めたいずするこのずきの察象事䟋(``Tom'',pre($U_i$))の玠性は以䞋のようになる\begin{itemize}\item[・]{\itdist=}$\log$(2+1)``Tom''が最埌に参照された$U_{i-2}$から$U_{i+1}$たでの間の発話数が2\item[・]{\itgram=}Pr(subject)``Tom''が最埌に参照された$U_{i-2}$での``Tom''の文法圹割がsubject\item[・]{\itchain}=$\log$(2+1)``Tom''が$U_i$たでに参照された回数が2\end{itemize}この玠性ベクトル[{\itdist=}$\log$(2+1),{\itgram=}Pr(subject),{\itchain}=$\log$(2+1)]ず同じ玠性ベクトルを持぀サンプル($e$,pre($U_j$))の集合をコヌパスから抜出するそのうち$e$が$U_{j+1}$で参照されおいるサンプルの割合が察象事䟋における``Tom''が$U_{i+1}$で参照される確率の近䌌倀ずなる\item{\bfロゞスティック回垰による参照確率の算出:}実際には察象事䟋ず党く同じ玠性ベクトルを持぀サンプルがコヌパス䞭に充分にあるずは限らないよっお䜕らかの内挿・倖挿法を甚いおデヌタスパヌスネスに察応する必芁があるそのため本皿では癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}ず同様にロゞスティック回垰によっお参照確率を算出する具䜓的にはサンプル($e$,pre($U_j$))の玠性{\itdist,gram,chain}を説明倉数ずしお甚い$e$が$U_{j+1}$で参照されるか吊か参照されるずき1,参照されないずき0を被説明倉数ずしお甚いるロゞスティック回垰では被説明倉数が1になる確率${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_j))$のロゞット$\log({\rmPr}/(1-{\rmPr}))$を以䞋のような説明倉数の線圢結合で衚す$$\log\frac{{\rmPr}(e|{\rmpre}(U_j))}{1-{\rmPr}(e|{\rmpre}(U_j))}=b_0+b_1{\itdist}+b_2{\itgram}+b_3{\itchain}$$ロゞスティック回垰モデルの事前孊習ではコヌパス䞭のサンプル($e$,pre($U_j$))で芳枬された説明倉数・被説明倉数の倀を孊習デヌタずしお䞎え最尀法によっお回垰重み$b_0,b_1,b_2,b_3$を求めるたた事前孊習したロゞスティック回垰モデルを甚いお新たな事䟋($e$,pre($U_i$))の参照確率${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$を蚈算するには玠性{\itdist,gram,chain}の芳枬倀を以䞋の回垰匏に代入すればよい$${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))=(1+{\rmexp}(-(b_0+b_1{\itdist}+b_2{\itgram}+b_3{\itchain})))^{-1}$$\end{itemize}\par\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw\textbf{知芚効甚(PerceptualUtility)の定矩}\\参照衚珟$w$が発話者から受話者ぞ䌝達される際の知芚的な負荷䜎枛の床合Ut($w$)を知芚効甚ずしお定矩するただし照応解消などの意味的解釈に䌎う認知的負荷は含たず衚局的な蚘号䌝達凊理発話,聞き取り;筆蚘,読み取りに䌎う知芚的な負荷のみを察象ずする\par\noindent\hangafter=1\hangindent=1zw\textbf{知芚効甚の算出方法}\\癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}は$w$が代名詞のずき${\rmUt}(w)=2$,$w$が非代名詞のずき${\rmUt}(w)=1$ずいう先隓的な仮定を眮いおいるのでこのたたでは知芚効甚をコヌパスから枬定するこずはできない\noindent認知的負荷を排陀しお知芚的負荷のみを甚いお効甚を蚭蚈する意図は図\ref{fig:issues}に瀺したように衚局の知芚実䜓の顕珟性ず名詞句䜿甚の知芚的コストからボトムアップに決定される行動遞択原理期埅効甚EU($U_{i+1}$)に基づく行動遞択により発話者の照応詞遞択および受話者の照応解消の過皋をモデル化するためである\footnote{なおセンタリング理論やMGCMが衚珟する参照結束性の遞奜は照応凊理過皋においお述語項構造や参照衚珟自身の遞択制限によっお䞊曞きされるよっお参照結束性の遞奜だけを甚いお照応解析しようずするアプロヌチは珟実的でなくそれは本研究の目的参照結束性の定量的モデル化の範疇倖である}衚\ref{tab:corresp}は参照確率知芚効甚期埅効甚がそれぞれセンタリング理論のどのルヌルに察応しおいるのかを瀺しおいる参照確率は顕珟性の尺床なのでセンタリング理論におけるCf-rankingに察応する知芚効甚は参照衚珟䌝達時の負荷䜎枛の尺床なのでセンタリング理論のルヌル1における代名詞化に察応する期埅効甚は参照結束性の尺床なのでセンタリング理論のルヌル2における遷移のランキングに察応する\begin{table}[t]\begin{center}\caption{センタリング理論ずMGCMの察応}\label{tab:corresp}\input{08t02.txt}\end{center}\end{table}MGCMにおける期埅効甚は$U_{i+1}$が発話者$S$から受話者$R$ぞ䌝達される際に「その䞡者にずっお参照関係の凊理発話者による出力ず受話者による予枬にかかる負荷削枛がどれだけ芋蟌めるか」ずいう期埅倀を衚す䟋えば顕珟性の高い参照確率の高い実䜓が埌続発話単䜍においお知芚コストの䜎い知芚効甚の高い衚珟によっお参照される堎合その埌続発話単䜍の期埅効甚は高くなる぀たりそのような埌続発話は認知的に䜎負荷であるず期埅されるので遞択されやすい\footnote{ただし意味ゲヌムではコミュニケヌションの成立意味内容䌝達の成功を仮定しおいるので「䌝えるべき意味内容があるのに䜕も発話しない」ずいう行動は遞択されない}蚀い換えるず期埅効甚が倧きくなるような$U_{i+1}$を遞択するこずによっお${\rmpre}(U_i)$ず$U_{i+1}$の間の高い参照結束性が実珟されおいるず予想されるたた察偶をずっお${\rmpre}(U_i)$ず$U_{i+1}$の間の参照結束性が䜎い堎合には期埅効甚が小さな$U_{i+1}$が遞択されおしたっおいるず予想されるこの期埅効甚原理は理論的には各蚀語に独立なので様々な蚀語においお参照結束性が高い談話構造が奜たれる理由を説明できるず予想されるたた工孊的には期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$は${\rmpre}(U_i)$ず$U_{i+1}$の間の参照結束性を衚す尺床ずしお様々な蚀語の䞊での談話凊理においお$U_{i+1}$の遞択基準ずしお䜿えるず期埅される\paragraph{意味ゲヌムに基づくセンタリングモデルの問題点}埓来のMGCM\shortcite{siramatu2005nlp}には以䞋の課題が残されおいる\begin{itemize}\item[1.]{\bf行動遞択原理の蚀語䞀般性が未怜蚌:}行動遞択のメカニズムずしおの期埅効甚原理は蚀語䞀般に関しお成り立぀ず予想されるが埓来MGCMは日本語のコヌパスでしか怜蚌されおいなかった「期埅効甚原理が参照結束性の背埌にある蚀語非䟝存な原理である」ずいう仮説を実際のデヌタで裏付けるために耇数の蚀語のコヌパスで怜蚌する必芁がある\item[2.]{\bf先隓的な知芚効甚の蚭蚈:}埓来のMGCMでは参照確率$w$の知芚効甚Ut($w$)は単玔か぀先隓的な仮定に基づいお定矩されおいた(Ut(代名詞)=2,Ut(非代名詞)=1)このような先隓的な蚭蚈では蚀語毎の参照衚珟の違いに察応できないたた代名詞非代名詞ずいう参照衚珟の分類は粗すぎるず考えられる各蚀語に適応させるためにもより现かい粒床に察応可胜な統蚈的定矩が必芁である\end{itemize}\noindent䞊蚘2における代名詞非代名詞ずいう分類の粗さの問題を以䞋の䟋で説明する\newenvironment{fminipage}{}{}\vspace{1\baselineskip}\begin{fminipage}{39zw}\noindent自民党は十䞀日次期衆院遞に向けた遞挙察策本郚本郚長・\underline{河野掋平総裁}の䌚合を開いた\\\underline{河野氏}は「新制床の䞋で戊い政暩奪還を目指すのが基本的な考え」ず匷調\\しかし$\left\{\begin{array}{lc}{\rm(a)}&\underline{φ}ハ\\{\rm(b)}&\underline{圌}は\\{\rm(c)}&\underline{河野氏}は\\{\rm(d)}&\underline{河野掋平総裁}は\\\end{array}\right\}$「い぀行われおも䞍思議ではない衆院遞」ずも述べ...\\\end{fminipage}\vspace{\baselineskip}䞋線郚は党お「河野掋平総裁」を参照しおいる(a)〜(d)は参照衚珟を倉化させた䟋であり原文では(a)のれロ代名詞が䜿甚されおいる埓来のMGCMの知芚効甚の定矩やセンタリング理論のルヌル1においおは(a)(b)の区別ず(c)(d)の区別が無かったしかし本来ならば(a)が最も知芚効甚が高い知芚コストが䜎い参照衚珟であり(b),(c),(d)ず知芚効甚が䜎くなるず考えられるモデルをより珟実に近づけるにはより詳现な知芚効甚の定矩が必芁である \section{改良MGCM:知芚効甚の統蚈的な定矩} \label{sec:ut}以䞋では知芚効甚を様々な蚀語のコヌパスから統蚈的に獲埗できるように定矩するこの新たな定矩を甚いたMGCMを本皿では{\bf改良MGCM}ず呌ぶ\subsection{知芚効甚ずは}参照衚珟の知芚効甚ずは前述したようにその衚珟を発話者・受話者間で䌝達する際の凊理発話,聞き取り;筆蚘,読み取りにかかる知芚的負荷の䜎さを衚す぀たり慣れなどの芁因によっお少ない知芚コストで凊理できる参照衚珟ほど高い知芚効甚を持぀ただしここでの知芚コストずは衚局的なシンボルの䌝達にかかる負荷のみを指し照応解消などの意味理解に䌎う負荷は含たない䜕故なら蚀語特有の衚珟に䟝存する知芚的凊理を2぀のパラメタ参照確率ず知芚効甚に割り圓おそこからボトムアップに構成される期埅効甚原理から蚀語独立な衚珟解釈の遞択メカニズムをモデル化するこずを意図しおいるからである\ref{sec:intro}章の図\ref{fig:issues}参照この知芚効甚を癜束ら\citeyear{siramatu2005nlp}は「代名詞の効甚は非代名詞の効甚よりも高い」ずいう単玔な仮定のみによっお定矩しおいた\subsection{知芚コストの統蚈的定矩}われわれは参照衚珟の知芚コストはその衚珟の頻床に基づいお蚈算できるず考える䜕故なら頻繁に䜿甚される参照衚珟ほど発話者・受話者はその衚局的䌝達凊理に慣れおゆくため知芚コストが䜎くなるためであるたた発話者・受話者が䞀旊その参照衚珟に慣れおしたうずその衚珟の䜿甚が知芚コストの削枛に繋がるので曎に頻繁に䜿甚されるようになるずも考えられるよっお参照衚珟$w$の知芚コストはコヌパスの各発話単䜍で$w$が照応詞ずしお䜿甚される確率$p(w)$に基づいお定矩できる具䜓的には「感芚量は物理量の察数に比䟋する」ずいうりェヌバヌ・フェヒナヌの法則\shortcite{fechner1860}に埓い以䞋のように$p(w)$の察数を甚いお$w$の知芚コストI($w$)を定矩する\begin{align*}{\rmI}(w)&=-\logp(w)\\&=-\log\frac{\#照応詞ずしおのw}{\#\rm党発話単䜍}~[{\rmnat}].\end{align*}぀たり知芚コストI($w$)を圓該発話単䜍で$w$が䜿甚されるずいう事象の自己情報量ずしお定矩するただし$[{\rmnat}]$は自然察数を甚いたずきの情報量の単䜍であり$1~[{\rmnat}]$=$\log_2e~[{\rmbit}]$である\subsection{知芚効甚の統蚈的定矩}\label{subsec:utdef}$w$の知芚効甚${\rmUt}(w)$を知芚コスト${\rmI}(w)$の削枛の床合ずしお定矩する知芚効甚${\rmUt}(w)$は非負の倀をずる尺床ずしお蚭蚈する必芁があるその理由を以䞋に瀺すMGCMでは期埅効甚EU($U_{i+1}$)を参照結束性の尺床ずしお蚭蚈する参照結束性が匷くなるのは参照確率顕珟性の高い実䜓$e$が知芚効甚の高い知芚コストの䜎い代名詞などの参照衚珟$w$によっお参照されるずきである期埅効甚EU($U_{i+1}$)は参照確率${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$ず知芚効甚${\rmUt}(w)$の積和なのでEU($U_{i+1}$)を参照結束性の尺床ずしお蚭蚈するためには\begin{align*}&{\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i))>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_1)>{\rmUt}(w_2)\\&\Rightarrow{\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_1)>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_2)\end{align*}ずいう条件が垞に満たされるように${\rmUt}(w)$を蚭蚈する必芁がある知芚効甚を非負の尺床ずしお蚭蚈した堎合${\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i))>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i))\ge0{\rmUt}(w_1)>{\rmUt}(w_2)\ge0$のずき垞に${\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_1)>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_2)$が成り立぀䞀方知芚効甚を負の倀ずしお蚭蚈した堎合${\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i))>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i))\ge00>{\rmUt}(w_1)>{\rmUt}(w_2)$のずき${\rmPr}(e_1|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_1)>{\rmPr}(e_2|{\rmpre}(U_i)){\rmUt}(w_2)$が成り立぀ずは限らない以䞊の考察より知芚効甚${\rmUt}(w)$を非負の倀をずる尺床ずしお蚭蚈する具䜓的には知芚コスト${\rmI}(w)$を逆転させた非負の尺床ずしお以䞋のように定矩する\[{\rmUt}(w)={\itUt}_0-{\rmI}(w).\]基準倀${\itUt}_0$は${\rmUt}(w)\ge0$を保蚌するための${\rmmax}~{\rmI}(w)$以䞊の定数である䞊蚘の議論よりこの条件${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$さえ満たされおいればEU($U_{i+1}$)は参照結束性を衚す尺床になるず予想されるただしこの条件は遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2ずの敎合性を保぀ためには必芁だが遞奜1a,1bには圱響しない䜕故なら遞奜2ずルヌル2が敎合するのは条件${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$が成立するずきのみであるず䞊蚘の議論から予想されるのに察し遞奜1a,1bの成立䞍成立を決める参照衚珟ペア$w_1,w_2$の知芚効甚の差${\rmUt}(w_1)-{\rmUt}(w_2)={\rmI}(w_2)-{\rmI}(w_1)$は${\itUt}_0$の倀に䟝存しないからであるよっお${\itUt}_0$の倀は遞奜2ずルヌル2の敎合性を基準ずしお決定すればよい具䜓的に本皿ではセンタリング理論のルヌル2における遷移タむプ順序(Continue$\succ$Retain$\succ$Smooth-Shift$\succ$Rough-Shift)ず期埅効甚EU($U_{i+1}$)ずのスピアマン順䜍盞関係数が最倧になるようにコヌパスから基準倀${\itUt}_0$を決定するこのように決定した${\itUt}_0$の倀は${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$を満たしおいるず予想されるたた仮に${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$を満たす範囲で${\itUt}_0$の倀を動かしたずしおも遞奜2ずルヌル2の敎合性は保たれるず予想される以䞊の統蚈的な定匏化によっお蚀語特有の衚珟に䟝存した知芚効甚の分垃を察象蚀語のコヌパスから獲埗可胜にした \section{日本語・英語の倧芏暡コヌパスによる怜蚌} \label{sec:verification}\paragraph{怜蚌実隓の䜍眮づけ}改良MGCMにおける各蚀語の特性の統蚈的獲埗ず期埅効甚原理に基づく行動遞択機構の蚀語䞀般性を倧きく性栌の異なる2぀の蚀語日本語ず英語のコヌパスで怜蚌する日本語コヌパスずしお毎日新聞の蚘事を英語コヌパスずしおWallStreetJournal(WSJ)の蚘事を甚いる衚\ref{tab:verification}に本節で行う怜蚌実隓の䜍眮づけを瀺す特に新芏性のある実隓は英語コヌパス䞊での怜蚌実隓ず統蚈的に定矩された知芚効甚${\rmUt}(w)$の獲埗に関する怜蚌実隓である\begin{table}[b]\begin{center}\caption{本皿の改良MGCM怜蚌実隓の䜍眮づけ}\label{tab:verification}\input{08t03.txt}\end{center}\end{table}\paragraph{前提ずなるコヌパスの仕様}毎日新聞コヌパスは1,356蚘事63,562述語節16,728照応詞から成るWSJコヌパスは2,412蚘事135,278述語節95,677照応詞から成るどちらのコヌパスにも圢態玠品詞係り受け構造照応の情報を衚すGDA(GlobalDocumentAnnotation)\shortcite{hasida1998gda}のタグが付䞎されおいる圢態玠品詞係り受け構造に関しおは自動的な解析結果を人手で修正したタグが付䞎されおいる照応に関しおは完党に人手によるタグが付䞎されおいる以䞋は毎日新聞の蚘事に察するアノテヌション䟋であるただし芋やすくするため圢態玠・品詞・现かい係り受けを衚すタグは省いおある\vspace{1\baselineskip}{\small\tt\noindent~<susyn="f">\\~~~<adpopr="topic.fit.agt">自民党は</adp>\\~~~<adp>十䞀日</adp>\\~~~<adpopr="obj">\\~~~~~<np>\\~~~~~~~<adp>\\~~~~~~~~~<n>次期衆院遞に向けた遞挙察策本郚</n>\\~~~~~~~~~<np>本郚長・<np\underline{id="KonoYohei"}>河野掋平総裁</np></np>の\hfill
\textcircled{\small1}\\~~~~~~~</adp>\\~~~~~~~<n>䌚合</n>\\~~~~~</np>を</adp>\\~~~<v>開い</v>た</su>\\\\~<susyn="f">\\~~~<adpopr="topic.fit.agt"><np\underline{eq="KonoYohei"}>河野氏</np>は</adp>\hfill
\textcircled{\small2}\\~~~<adpopr="cnt">「新制床の䞋で戊い政暩奪還を目指すのが基本的な考え」ず</adp>\\~~~<v>匷調</v></su>\\\\~<susyn="f">\\~~~<adp>しかし</adp>\\~~~<vp>\\~~~~~<adpopr="cnt">「い぀行われおも䞍思議ではない衆院遞」ずも</adp>\\~~~~~<v\underline{agt="KonoYohei"}>述べ</v>\hfill
\textcircled{\small3}\\~~~</vp>\\~~~<adpopr="obj">珟行制床での準備も怠らない構えを</adp>\\~~~<v\underline{agt="KonoYohei"}>瀺し</v>た</su>\hfill
\textcircled{\small4}}\vspace{1\baselineskip}䞊蚘の䟋の照応タグに぀いお説明するたず先行詞の゚レメント\textcircled{\small1}にはid属性({\ttid={\linebreak}"KonoYohei"})が付䞎されおいる省略以倖の照応詞を衚すために照応詞の゚レメント\textcircled{\small2}にeq属性({\tteq="KonoYohei"})が付䞎されおいるれロ代名詞などの省略を衚すために省略を受ける゚レメント\textcircled{\small3}\textcircled{\small4}に省略の栌を衚す関係属性{\ttagt="KonoYohei"},この堎合は䞻栌が付䞎されおいるWallStreetJournalの蚘事に察しおも同様の照応タグが付䞎されおいる\vspace{\baselineskip}{\small\tt\noindent~<susyn="b">\\~~~<qopr="cnt">``Wehavenousefulinformationonwhetherusersareatrisk,''</q>\\~~~<v>\\~~~~~<v>said</v>\\~~~~~<npopr="agt">\\~~~~~~~<persnamep\underline{id="DrTalcott"}>JamesA.Talcott</persnamep>\\~~~~~~~<adp>ofBoston'sDana-FarberCancerInstitute</adp>\\~~~~~</np></v>.</su>\\\\~<susyn="b">\\~~~<persnamep\underline{eq="DrTalcott"}opr="agt">Dr.Talcott</persnamep>\\~~~<v>\\~~~~~<v>led</v>\\~~~~~<npopr="obj">\\~~~~~~~<n>ateamofresearchers</n>\\~~~~~~~<adp>fromtheNationalCancerInstitute</adp>\\~~~~~</np></v>.</su>}\vspace{\baselineskip}\subsection{怜蚌実隓の準備}怜蚌実隓の準備ずしおサンプルの抜出ず参照確率のロゞスティック回垰モデル2.2節ロゞスティック回垰匏の回垰重み$b_0,b_1,b_2,b_3$の事前孊習を行うロゞスティック回垰モデルの事前孊習には統蚈゜フトりェアR\shortcite{Rsite,funao2005}を甚いるこのずき䞊蚘の人手で付䞎された照応タグを手がかりずしお甚いるただしKameyama\citeyear{kameyama1998}に埓い時制節・述語節を発話単䜍ず芋なす\\\paragraph{サンプルの抜出}たず発話単䜍列$[U_1,\cdots,U_n]$の各$U_i$に察し先行文脈${\rmpre}(U_i)=$\linebreak$[U_1,\cdots,U_i]$で参照されおいる実䜓を党お抜出するこのずき実䜓$e$ず先行文脈${\rmpre}(U_i)$の組すなわち($e,{\rmpre}(U_i)$)を1サンプルず芋なすサンプル($e,{\rmpre}(U_i)$)においお実䜓$e$が発話$U_{i+1}$で参照されおいる堎合そのサンプルをここでは「正䟋」ず呌ぶ$e$が$U_{i+1}$で参照されおいない堎合そのサンプルをここでは「負䟋」ず呌ぶ衚\ref{tab:samples}に毎日新聞ずWSJから抜出されたサンプル数を瀺す参照確率のロゞスティック回垰分析のためには正䟋ず負䟋を甚いる埌述する遞奜1a,1b,2の怜蚌には正䟋のみを甚いる\begin{table}[b]\caption{抜出されたサンプル数}\label{tab:samples}\input{08t04.txt}\end{table}\paragraph{参照パタヌンの抜出}参照確率のロゞスティック回垰のため各サンプル($e$,${\rmpre}(U_i)$)の参照パタヌンを抜出する本研究では衚\ref{tab:features}に瀺した玠性特城量によっお参照パタヌンを衚す\subsection{参照確率の蚀語䟝存特性の獲埗実隓}\label{sec:verify_salience}\paragraph{回垰モデルの事前孊習}参照確率Prの蚈算のためには2぀の準備が必芁であるたず\ref{sec:mgcm}節で瀺した参照確率のロゞスティック回垰匏$${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))=(1+{\rmexp}(-(b_0+b_1{\itdist}+b_2{\itgram}+b_3{\itchain})))^{-1}$$における{\itgram}に割り圓おる倀ずしお文法圹割ごずの参照確率の平均倀Pr({\itgram})を求めるPr({\itgram})はロゞスティック回垰は䜿わずにコヌパス䞭のサンプルを数えるだけで蚈算できる具䜓的にはたずコヌパス䞭の圓該文法圹割の名詞句を党お抜出しそのうち次の発話で参照されおいる割合をPr({\itgram})ずする回垰モデルを甚いる必芁がないのは各蚀語でよく䜿甚される文法圹割は十数皮類に限定できるのでデヌタスパヌスネスが生じないためである衚\ref{tab:sal_jpn},\ref{tab:sal_eng}にその結果を瀺す\begin{table}[b]\caption{文法圹割ごずの参照確率の平均倀Pr({\itgram})毎日新聞}\label{tab:sal_jpn}\input{08t05.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{文法圹割ごずの参照確率の平均倀Pr({\itgram})(WSJ)}\label{tab:sal_eng}\input{08t06.txt}\end{table}次にロゞスティック回垰分析における重み$b_i$をコヌパスから獲埗する凊理時間が膚倧になるのを避けるため衚\ref{tab:samples}の党サンプルを䜿うのではなく12,000サンプルをサブサンプリングしお回垰重みを事前孊習したその結果を衚\ref{tab:weights_jpn},\ref{tab:weights_eng}に瀺す\begin{table}[t]\begin{minipage}[t]{.5\textwidth}\caption{ロゞスティック回垰分析の回垰重み毎日新聞}\label{tab:weights_jpn}\input{08t07.txt}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{.47\textwidth}\caption{ロゞスティック回垰分析の回垰重み(WSJ)}\label{tab:weights_eng}\input{08t08.txt}\end{minipage}\end{table}以䞋衚\ref{tab:sal_jpn},\ref{tab:sal_eng},\ref{tab:weights_jpn},\ref{tab:weights_eng}が瀺す事前孊習結果の劥圓性を怜蚌する\paragraph{蚀語䟝存性の確認}日本語ず英語にはそれぞれに特有の文法圹割があるこのこずは衚\ref{tab:sal_jpn},\ref{tab:sal_eng}にも明らかでありたずえば日本語における䞻題係助詞の「ハ」のような文法圹割は英語には無いよっお必然的に日本語ず英語では文法圹割毎の参照確率の分垃も異なるはずである実際に衚\ref{tab:sal_jpn}ず衚\ref{tab:sal_eng}では参照確率の分垃文法圹割間の比における各蚀語の特性が芳察されたこのこずは参照確率の枬定における蚀語䟝存特性の獲埗の必芁性を瀺しおいる\paragraph{英語コヌパスから獲埗した参照確率の怜蚌}衚\ref{tab:sal_eng}の文法圹割順序は埓来のセンタリング理論のCf-rankingずの敎合性を瀺しおいるすなわちWSJコヌパスにおける䞻語目的語補語の間の順序がセンタリング理論におけるCf-rankingず䞀臎したこの結果は参照確率による顕珟性定矩の英語における劥圓性を瀺しおいるよっお衚\ref{tab:sal_eng}の倀を回垰分析に甚いるこずで文法圹割における顕珟性の英語特性を獲埗できるず考えられる次に図\ref{fig:dist_chain_refpr_wsj}にWSJコヌパスから埗られたロゞスティック回垰モデルを甚いた参照確率の掚定倀を瀺す文法圹割{\itgram}を䞻語に固定し距離{\itdist}ず参照回数{\itchain}を倉動させた堎合の参照確率の掚定倀をプロットしたたた衚\ref{tab:weights_eng}はWSJコヌパスから埗られたロゞスティック回垰モデルの回垰重みを衚しおいる衚\ref{tab:weights_eng}の玠性{\itdist}最近参照された箇所からの距離の回垰重み$b_1$は負の倀であったこれは「最近参照された実䜓ほど泚意が向かいやすい」ずいう知芋ず敎合し図\ref{fig:dist_chain_refpr_wsj}にもその傟向が珟れおいる玠性{\itgram}最近参照された箇所の文法圹割の回垰重み$b_2$は正の倀であったこれは䞊述したCf-rankingずの敎合性からしおも劥圓である玠性{\itchain}共参照連鎖の長さの回垰重み$b_3$は正の倀であったこれは「倚く参照された実䜓ほど泚意が向かいやすい」ずいう知芋ず敎合し図\ref{fig:dist_chain_refpr_wsj}にもその傟向が珟れおいるこれらの結果はWSJコヌパスから統蚈的に獲埗された英語の参照確率分垃の劥圓性を瀺しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f5.eps}\caption{{\itdist},{\itchain}による参照確率の掚定結果毎日新聞}\label{fig:dist_chain_refpr_mainiti}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f6.eps}\caption{{\itdist},{\itchain}による参照確率の掚定結果(WSJ)}\label{fig:dist_chain_refpr_wsj}\end{center}\end{figure}\paragraph{日本語コヌパスから獲埗した参照確率の怜蚌}癜束ら\citeyear{siramatu2005nlp}の結果ず同様に衚\ref{tab:sal_jpn}の文法圹割順序はセンタリング理論におけるCf-rankingず䞀臎したたた衚\ref{tab:weights_jpn}に瀺す回垰重みず図\ref{fig:dist_chain_refpr_mainiti}に瀺す参照確率の掚定結果も顕珟性に関する埓来の知芋ず敎合しおいたこれらの結果は毎日新聞コヌパスから統蚈的に獲埗された日本語の参照確率分垃の劥圓性を瀺しおいる\subsection{知芚効甚の蚀語䟝存特性の獲埗実隓}\label{sec:verify_cost}\paragraph{基準倀${\itUt}_0$のコヌパスに基づく決定}\ref{subsec:utdef}節で述べた議論から知芚効甚${\rmUt}(w)={\itUt}_0-{\rmI}(w)$は非負の倀ずしお蚭蚈する必芁があるそのためには条件${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$を満たすように基準倀${\itUt}_0$を蚭定する必芁があるがこの条件さえ満たされおいれば期埅効甚EU($U_{i+1}$)は参照結束性を衚す尺床ずなるず予想される本皿ではセンタリング理論ずの敎合性が最倧になるように基準倀${\itUt}_0$を定める\ref{subsec:utdef}節で述べたように${\itUt}_0$の倀に䟝存するのは改良MGCMの遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2ずの敎合性であり遞奜1a,1bは${\itUt}_0$の倀に圱響されないよっお遞奜2ずルヌル2の敎合性すなわち期埅効甚EU($U_{i+1}$)ずルヌル2の遷移タむプ順序(Continue$\succ$Retain$\succ$Smooth-Shift$\succ$Rough-Shift)ずのスピアマン順䜍盞関係数が最倧になるように基準倀${\itUt}_0$を定める\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f7.eps}\caption{知芚効甚Utの基準倀${\itUt}_0$のコヌパスに基づく決定}\label{fig:imax}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:imax}は基準倀${\itUt}_0$を倉動させおEU($U_{i+1}$)ず遷移タむプ順序のスピアマン盞関係数を蚈枬した結果である毎日新聞コヌパスでは${\itUt}_0=15.1$,WSJコヌパスでは${\itUt}_0=12.6$のずきそれぞれ最倧のスピアマン順䜍盞関係数を芳枬したよっおここでは基準倀${\itUt}_0$をこれらの倀に定めるこれらの倀は\ref{subsec:utdef}節の予想どおり条件${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$毎日新聞では${\rmmax}~{\rmI}(w)=11.06$,WSJでは${\rmmax}~{\rmI}(w)=11.82$を満たしおいるたた図\ref{fig:imax}の${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$の領域においおはスピアマン盞関係数はほが平坊になっおいるこの芳枬結果は「条件${\itUt}_0\ge{\rmmax}~{\rmI}(w)$さえ満たされおいれば期埅効甚EU($U_{i+1}$)が参照結束性を衚す尺床になるはずである」ずいう\ref{subsec:utdef}節の予想ず合臎する\begin{table}[b]\caption{参照衚珟ごずの知芚効甚毎日新聞}\label{tab:cost_jpn}\input{08t09.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{参照衚珟ごずの知芚効甚(WSJ)}\label{tab:cost_eng}\input{08t10.txt}\end{table}\paragraph{知芚効甚の事前枬定}毎日新聞コヌパスずWSJコヌパスに出珟する党おの参照衚珟$w$に぀いおその知芚効甚を蚈枬したただし耇数の圢態玠から成る参照衚珟に぀いおはその䞻蟞である圢態玠の出珟確率を甚いお知芚効甚を蚈算した衚\ref{tab:cost_jpn}\ref{tab:cost_eng}はそれぞれ毎日新聞ずWSJにおいお知芚効甚が䞊䜍ランクであった参照衚珟を瀺しおいるただし日本語のれロ代名詞英語の空範疇(emptycategory)はずもに省略された文法芁玠を指す甚語である空範疇は生成文法の甚語でありNP痕跡,pro定圢節の音圢を持たない䞻語代名詞,PRO䞍定圢節や動名詞の音圢を持たない䞻語代名詞,wh痕跡の4぀のタむプがあるずされる\shortcite{jeita2005}以䞋衚\ref{tab:cost_jpn}\ref{tab:cost_eng}が瀺す知芚効甚の枬定結果の劥圓性を怜蚌する\paragraph{蚀語䟝存性の確認}日本語ず英語にはそれぞれに特有の参照衚珟があるこのこずは衚\ref{tab:cost_jpn}ず衚\ref{tab:cost_eng}にも明らかであるよっお必然的に参照衚珟毎の知芚効甚の分垃も異なるはずである実際に衚\ref{tab:cost_jpn}ず衚\ref{tab:cost_eng}では知芚効甚の分垃参照衚珟間の比における各蚀語の特性が芳察されたこのこずは知芚効甚の枬定における蚀語䟝存特性の獲埗の必芁性を瀺唆しおいる\paragraph{日本語コヌパスから獲埗した知芚効甚の怜蚌}衚\ref{tab:cost_jpn}が瀺すように毎日新聞コヌパスではれロ代名詞省略の知芚コストが最も䜎くしたがっお知芚効甚が高かったたた「私」「その」などの指瀺詞・代名詞がランク䞊䜍を占め倧郚分の非代名詞は指瀺詞・代名詞よりも䜎い知芚効甚であった衚\ref{tab:cost_jpn}の䞋郚3行が瀺すずおりれロ代名詞指瀺詞・代名詞非代名詞ずいうカテゎリ毎の知芚効甚の平均は\[\text{れロ代名詞}>\text{指瀺詞・代名詞}>\text{非代名詞}\]ずなったこの順序は盎感的な負荷䜎枛の順序ず䞀臎しおおり劥圓である぀たり毎日新聞コヌパスで蚈枬された日本語の知芚効甚の劥圓性を瀺しおいる\paragraph{英語コヌパスから獲埗した知芚効甚の怜蚌}衚\ref{tab:cost_eng}が瀺すようにWSJコヌパスでは空範疇省略の知芚コストが最も䜎くしたがっお知芚効甚が高かったたた``it'',``he''などの代名詞がランク䞊䜍を占め倧郚分の非代名詞は代名詞よりも䜎い知芚効甚であった衚\ref{tab:cost_eng}の䞋郚3行が瀺すずおり空範疇代名詞非代名詞ずいうカテゎリ毎の知芚効甚の平均は\[\text{空範疇}>\text{代名詞}>\text{非代名詞}\]ずなったこの順序は盎感的な負荷䜎枛の順序ず䞀臎しおおり劥圓である぀たりWSJコヌパスで蚈枬された英語の知芚効甚の劥圓性を瀺しおいる\vspace{\baselineskip}以䞊により毎日新聞WSJの䞡コヌパスから蚀語特有の衚珟に䟝存した知芚効甚知芚コスト䜎枛の分垃を統蚈的に獲埗できるこずが瀺された\paragraph{知芚効甚の統蚈的定矩の効果}埓来の単玔か぀先隓的な知芚効甚の定矩Ut代名詞=2,Ut非代名詞=1は参照衚珟の分類が粗過ぎるこずが問題であった䟋えば\ref{sec:mgcm}節で瀺した䟋文では(a)れロ代名詞(φ)ず(b)代名詞「圌」(c)「河野氏」ず(d)「河野掋平総裁」の区別ができなかった衚\ref{tab:ut_example}は改良MGCMにおける知芚効甚の定矩に基づき毎日新聞コヌパスから統蚈的に獲埗した知芚効甚Ut$(w)$の倀であるこれにより(a)ず(b)(c)ず(d)の知芚効甚の違いが扱えるこずが瀺された\begin{table}[t]\caption{埓来の知芚効甚の定矩ずの比范}\label{tab:ut_example}\input{08t11.txt}\end{table}\subsection{改良MGCMの怜蚌}\label{sec:verify_coherence}MGCMはセンタリング理論のルヌル1,2の䞀般化である遞奜1a,1b,2を含んでいる.以䞋では期埅効甚原理から導出された遞奜1a,1b,2を日本語ず英語のコヌパスを甚いお統蚈的に怜蚌するこずにより期埅効甚原理が蚀語をたたいで成り立぀原理であるかを怜蚌する各遞奜の怜蚌では正芏分垃が仮定できないパラメタ同士の盞関やセンタリング理論における遞奜順序ずの盞関をずるのに適しおいるスピアマン順䜍盞関係数を甚いる䜕故ならスピアマン順䜍盞関係数は分垃を仮定しないノンパラメトリックな掚定により求たるからであるたた参考のために䞀般的に甚いられるピア゜ン積率盞関係数も芳枬する\paragraph{遞奜1aの怜蚌}遞奜1aはセンタリング理論のルヌル1の䞀般化であり期埅効甚原理から導かれる図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}においお垞に${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})>0$が成り立぀ので(A)の方が(B)より遞ばれやすいずいうのが遞奜1aであるただし(A)の遞ばれやすさは${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$の倧きさに圱響されるはずである぀たり期埅効甚原理から以䞋の予想が導かれる\vspace{\baselineskip}{\setlength{\leftskip}{1zw}\noindent遞奜1aの(A)ず(B)の期埅効甚の差${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$が倧きい参照衚珟ペアの堎合(A)が奜たれるずいう遞奜が匷く働き遞奜1a合臎率が100\%に近づくず予想される䞀方(A)ず(B)の期埅効甚の差がほどんど無い参照衚珟ペアの堎合は(A),(B)どちらの候補を遞んでも参照結束性に差が無いので(A)が奜たれるずいう遞奜が匱くしか働かず遞奜1a合臎率が50\%に近づくず予想される\par}\vspace{\baselineskip}\noindent以䞋ではこの予想を裏付ける芳枬結果が埗られるかどうかにより遞奜1aを怜蚌するたず怜蚌の準備ずしお図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}における($w_1$,$w_2$)のような同䞀発話単䜍内の参照衚珟ペアをコヌパスから抜出する次にコヌパスから抜出した参照衚珟ペアから(A)ず(B)の期埅効甚の差${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$を蚈算しその差の倧きさず実際の遞奜1a合臎率(A)が遞ばれおいる率の関係を芳枬する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f8.eps}\caption{遞奜1a:${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$ず遞奜適合率毎日新聞}\label{fig:pref1a_eu_mainiti}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:pref1a_eu_mainiti},\ref{fig:pref1a_eu_wsj}に実際の芳枬結果を瀺す(A)ず(B)の期埅効甚の差が3以䞊の参照衚珟ペアのみに限定するず遞奜1a合臎率は毎日新聞で0.825,WSJで0.822ずなり(A)が遞ばれる遞奜が匷いそれに察し(A)ず(B)の期埅効甚の差が0.5未満の参照衚珟ペアのみに限定するず遞奜1aの合臎率は毎日新聞で0.564,WSJで0.529ずなり(A)が遞ばれる遞奜は非垞に匱くなるこの結果は期埅効甚原理から導かれた䞊蚘の予想ず合臎するたた衚\ref{tab:pref1a_mainiti},\ref{tab:pref1a_wsj}は(A)ず(B)の期埅効甚の差ず遞奜1a合臎率ずの盞関係数を蚈算したものであるスピアマン順䜍盞関係数の芳枬結果では毎日新聞では0.833,WSJでは0.981ずいう匷い盞関を瀺しおいるこれは「参照結束性は期埅効甚原理によっお匕き起こされる」ずいう仮説の劥圓性を匷く支持する結果である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f9.eps}\caption{遞奜1a:${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$ず遞奜適合率(WSJ)}\label{fig:pref1a_eu_wsj}\end{center}\end{figure}\begin{table}[t]\caption{${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$ず遞奜1a合臎率ずの盞関毎日新聞}\label{tab:pref1a_mainiti}\input{08t12.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$ず遞奜1a合臎率ずの盞関(WSJ)}\label{tab:pref1a_wsj}\input{08t13.txt}\end{table}\paragraph{遞奜1bの怜蚌}遞奜1bは期埅効甚原理から導かれた遞奜1aの曎なる䞀般化であるもし遞奜1aの予想どおり図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}の(A)の方が(B)より遞ばれやすいのならば{\rmPr$(e|{\rmpre}(U_i))$}ず{\rmUt$(w)$}に正の盞関があるはずであるこれが遞奜1bであり定性的には顕珟性の高い実䜓$e$ほど知芚的に簡単な参照衚珟$w$で参照されやすいずいう傟向を衚すここで{\rmPr$(e|{\rmpre}(U_i))$}ず{\rmUt$(w)$}のスピアマン順䜍盞関係数を\begin{itemize}\item遞奜1aの(A)が遞ばれた参照衚珟ペアに限定しお蚈枬した盞関係数$\rho_A$\item(B)が遞ばれた参照衚珟ペアに限定しお蚈枬した盞関係数$\rho_B$\item党おのサンプルで蚈枬した盞関係数$\rho$\end{itemize}の3぀に分けお蚈枬するず図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}より明らかに$\rho_A$は正$\rho_B$は負になるはずであるこのずきもしコヌパス䞭のデヌタで遞奜1bが成り立぀のならば$$|\rho_A|>|\rho_B|,~\rho>0$$が芳枬されるず予想される䞀方もし遞奜1bが成り立たないのならば$$|\rho_A|\simeq|\rho_B|,~\rho\simeq0$$が芳枬されるず予想される以䞋では遞奜1bが成り立぀堎合の予想に合臎する芳枬結果が埗られるか吊かにより遞奜1bを怜蚌する\begin{table}[b]\caption{遞奜1b:${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$ず${\rmUt}(w)$の盞関毎日新聞}\label{tab:pref1b_mainiti}\input{08t14.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{遞奜1b:${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$ず${\rmUt}(w)$の盞関(WSJ)}\label{tab:pref1b_wsj}\input{08t15.txt}\end{table}衚\ref{tab:pref1b_mainiti},\ref{tab:pref1b_wsj}は実際に$\rho_A,\rho_B,\rho$を芳枬した結果である毎日新聞での芳枬結果は$\rho_A=0.540$,$\rho_B=-0.086$,$\rho=0.377$であったWSJでの芳枬結果は$\rho_A=0.454,\rho_B=-0.120,\rho=0.237$であったこの結果はコヌパス䞭のデヌタで遞奜1bが成り立たない堎合の予想ずは合臎せず遞奜1bが成り立぀堎合の予想ず合臎しおいたたた衚の95\%信頌区間が瀺すずおりこの倀は統蚈的に有意であるよっおこの結果は遞奜1bの劥圓性を裏付けるものである次に埓来のMGCMにおける単玔な知芚効甚Ut代名詞=2,Ut非代名詞=1ずの比范のため埓来の単玔なUtずPrずのスピアマン順䜍盞関係数を蚈枬した結果毎日新聞で0.358,WSJで0.236であった䞀方本皿で統蚈的に蚭蚈されたUtの堎合Prずのスピアマン順䜍盞関係数が毎日新聞で0.377,WSJで0.237であった衚\ref{tab:pref1b_mainiti},\ref{tab:pref1b_wsj})よっお本皿で瀺した知芚効甚の統蚈的蚭蚈を甚いるこずにより「顕珟性の高い実䜓$e$ほど知芚的に簡単な参照衚珟$w$で参照されやすい」ずいう傟向を人手による先隓的な蚭蚈ずほが同皋床以䞊に衚珟できるこずが確認できたなお順䜍盞関係数$\rho_A,\rho_B,\rho$の倀の意味に぀いおは\ref{sec:scale_validity}節で考察するたた毎日新聞コヌパスの方がWSJコヌパスよりも盞関係数が倧きかった理由に぀いおは\ref{sec:pron_ratio}節で考察する\paragraph{遞奜2の怜蚌}センタリング理論のルヌル2は4぀の遷移タむプの遞奜順序で衚されるここではルヌル2の遞奜順序に察する遞奜2EU$(U_{i+1})$が高い$U_{i+1}$が奜たれるの敎合性を怜蚌したその怜定の手順を以䞋に瀺す\begin{itemize}\item[1.]センタリング理論のCb($U_i$),Cb($U_{i+1}$),Cp($U_{i+1}$)を決定するCb,Cpの定矩に぀いおは2.1節を参照のこずただし以䞋のようにCf-rankingの代わりに参照確率を甚いる\\Cb($U_i$):$\bigcup_{k=1}^i{\rmCf}(U_k)$の芁玠のうちPr($e|{\rmpre}(U_{i-1})$)が最も倧きい実䜓\\Cb($U_{i+1}$):$\bigcup_{k=1}^{i+1}{\rmCf}(U_k)$の芁玠のうちPr($e|{\rmpre}(U_i)$)が最も倧きい実䜓\\Cp($U_{i+1}$):$\bigcup_{k=1}^{i+1}{\rmCf}(U_k)$の芁玠のうちPr($e|{\rmpre}(U_{i+1})$)が最も倧きい実䜓\item[2.]1に基づいおセンタリング理論のルヌル2ず同じ方法で遷移タむプ(Continue,Retain,Smooth-Shift,Rough-Shift)を決定する遷移タむプの定矩に぀いおは2.1節を参照のこず\item[3.]2で決定した4぀の遷移タむプごずに期埅効甚EU($U_{i+1}$)の平均を蚈算する\item[4.]Wilcoxonの順序和怜定により「ルヌル2の遷移タむプ間のEU($U_{i+1}$)平均の順序がルヌル2の順序(Continue$\succ$Retain$\succ$Smooth-Shift$\succ$Rough-Shift)ず䞀臎する」ずいう敎合性の統蚈的有意性を怜蚌するこれによりMGCMの遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2の敎合性を怜蚌する\item[5.]4぀の遷移タむプにルヌル2の順序を衚す倀(Continue:4,Retain:3,Smooth-Shift:2,Rough-Shift:1)を割り圓おた䞊でEU($U_{i+1}$)ずの盞関係数を蚈算するこの盞関係数が高いほどMGCMの遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2ずが敎合するず蚀える\end{itemize}衚\ref{tab:tran_jpn},\ref{tab:tran_eng}ず図\ref{fig:tran_eu_mainiti},\ref{fig:tran_eu_wsj}に手順3で蚈算した4぀の遷移タむプごずの期埅効甚EU($U_{i+1}$)の平均を瀺すたた図\ref{fig:tran_eu_mainiti},\ref{fig:tran_eu_wsj}にはEU($U_{i+1}$)の平均だけでなく分垃も瀺しおあるこのEU($U_{i+1}$)平均倀の順序は毎日新聞WSJの䞡コヌパスにおいおルヌル2の遷移タむプ順序ず䞀臎した\footnote{なおサンプル数がContinueずSmooth-Shiftに偏っおいるのは各サンプルにおいお4皮類の遷移がすべお遞択可胜ずは限らないためである\shortcite{kibble2001,siramatu2005nlp}他のセンタリング理論の研究においおもルヌル2の遷移タむプ順序ずサンプル数の倚さの順序は䞀臎しない\shortcite{iida1996,takei2000}}たた手順4のWilcoxonの順序和怜定の結果有意氎準$2.2\times10^{-16}$未満で遷移タむプ順序ずEU($U_{i+1}$)の平均順序は敎合しおいた曎に手順5での遷移タむプ順序ず期埅効甚EU($U_{i+1}$)ずの盞関係数の枬定結果95\%信頌区間を衚\ref{tab:pref2_mainiti},\ref{tab:pref2_wsj}に瀺すこれにより毎日新聞で0.639,WSJで0.482のスピアマン順䜍盞関係数が芳枬された衚の95\%信頌区間が瀺すように䞡コヌパスで芳枬された正の盞関は統蚈的に有意である\begin{table}[t]\caption{遞奜2:遷移タむプごずの期埅効甚EU($U_{i+1}$)の平均毎日新聞}\label{tab:tran_jpn}\input{08t16.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{遞奜2:遷移タむプごずの期埅効甚EU($U_{i+1}$)の平均(WSJ)}\label{tab:tran_eng}\input{08t17.txt}\end{table}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f10.eps}\caption{遞奜2:遷移タむプず${\rmEU}(U_{i+1})$の分垃毎日新聞}\label{fig:tran_eu_mainiti}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f11.eps}\caption{遞奜2:遷移タむプず${\rmEU}(U_{i+1})$の分垃(WSJ)}\label{fig:tran_eu_wsj}\end{center}\end{figure}たた埓来のMGCMにおける先隓的な知芚効甚の蚭蚈Ut代名詞=2,Ut非代名詞=1ず本皿における統蚈的な蚭蚈を比范するために埓来の知芚効甚を甚いおスピアマン順䜍盞関係数を枬定し毎日新聞で0.640,WSJで0.479ずいう結果を埗たこの倀は本皿の知芚効甚を甚いた堎合の倀ずほが等しいよっお統蚈的蚭蚈によっお獲埗した知芚効甚を甚いた堎合に参照結束性の尺床ずしおの期埅効甚が埓来の人手による蚭蚈ずほが同皋床の衚珟胜力を持぀こずが確認できた぀たり参照結束性の尺床ずしおのEU($U_{i+1}$)の劥圓性が日本語・英語の䞡コヌパスにおいお瀺された\begin{table}[t]\caption{遞奜2:遷移タむプ順序ず期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$ずの盞関係数毎日新聞}\label{tab:pref2_mainiti}\input{08t18.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{遞奜2:遷移タむプ順序ず期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$ずの盞関係数(WSJ)}\label{tab:pref2_wsj}\input{08t19.txt}\end{table}以䞊より䞡コヌパスにおいお改良MGCMの遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2ずの敎合性を確認できたこれは期埅効甚EU($U_{i+1}$)に基づく衚珟解釈の遞択原理が䞡蚀語で参照結束性を匕き起こす行動遞択原理ずなっおいるこずを瀺唆する \section{考察} \label{sec:discussion}\subsection{参照結束性の尺床ずしおの期埅効甚}\label{sec:scale_validity}本節では期埅効甚が参照結束性を衚す尺床ずしおの性質を満たすか吊かおよび期埅効甚原理が埌続発話$U_{i+1}$の衚珟解釈の遞択基準になっおいるか吊かを考察する\paragraph{遞奜1aの怜蚌結果からの考察}遞奜1aは期埅効甚原理から導かれる参照結束性の遞奜である\ref{sec:verify_coherence}節の図\ref{fig:pref1a_eu_mainiti},\ref{fig:pref1a_eu_wsj}では「図\ref{fig:crossed_or_uncrossed}の(A)ず(B)の期埅効甚の差が倧きいほど(A)を遞ぶ遞考が匷くなる」ずいう期埅効甚原理から導かれた予想を裏付ける怜蚌結果が埗られた具䜓的には${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})$ず遞奜1a合臎率のスピアマン順䜍盞関係数が毎日新聞で0.833,WSJで0.981ず非垞に匷い盞関を瀺した${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})\ge3$の堎合遞奜1a合臎率が毎日新聞で0.825,WSJで0.822ずなり${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})<0.5$の堎合遞奜1a合臎率が毎日新聞で0.564,WSJで0.529ずなっおいたこの結果は期埅効甚の差が$U_{i+1}$の遞択基準ずしおの性質を持ち参照結束性の差を衚すずいう仮説ず敎合するここで参照衚珟ペア党䜓で遞奜1aの合臎率を蚈算するず毎日新聞で0.622,WSJで0.605であった぀たり(B)が遞ばれおいる事䟋も党䜓の40\%ほど存圚したこれは(A)ず(B)の期埅効甚の差がわずかな参照衚珟ペア\footnote{参照衚珟ペア党䜓のうち${\rmEU_A}(U_{i+1})-{\rmEU_B}(U_{i+1})<0.5$のサンプルの割合は毎日新聞で65.0\%WSJで45.8\%である}もあわせお蚈算しおいるためであり期埅効甚の差が0.5以䞊に限るず合臎率が毎日新聞で0.729,WSJで0.670ずなり,(B)が遞ばれる事䟋が玄30\%に枛少したたた2以䞊に限るず合臎率が毎日新聞で0.808,WSJで0.772ずなり,(B)が遞ばれる事䟋が玄20\%に枛少した(A)ず(B)の期埅効甚の差がわずかな参照衚珟ペアでは(A)(B)どちらを遞んでも芋蟌める知芚コスト削枛量に差が無いため遞奜1aが匱くなるず考えられる癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}は述語項構造の遞択制限によっお遞奜1aが䞊曞きされる事䟋を瀺したが\ref{sec:verify_coherence}節の怜蚌結果を螏たえるず(A)ず(B)の期埅効甚の差がわずかな堎合ほど高頻床で遞択制限による䞊曞きが起こっおいるず考えられるこの考察は期埅効甚の差がわずかな候補間の遞択においおは期埅効甚原理よりも遞択制限の方が行動遞択原理ずしお匷いこずを瀺唆するが期埅効甚の差が参照結束性の差を衚すずいう仮説ずは矛盟しないでは(A)ず(B)の期埅効甚の差が倧きいにもかかわらず(B)が遞択されおいるのはどのような事䟋であろうかわれわれは段萜の倉わり目や話題の転換点においおは(B)のような期埅効甚が䜎い参照結束性が䜎い遷移が起こりやすいず予想する䜕故なら話題の転換点においおは顕珟性が高い実䜓ではなく新たな実䜓がトピックずしお参照される可胜性が高いからであるそのように文脈が切り替わる箇所では文脈を利甚した知芚コストの削枛ができないため参照結束性が䜎くなるず予想される以䞋に瀺す毎日新聞コヌパスの投曞蚘事における$U_{i+1}$は(A)ず(B)の期埅効甚の差が倧きいにもかかわらず(B)が遞択されおいた事䟋である\vspace{\baselineskip}\begin{fminipage}{39zw}\noindent$U_{i-5}:$私のクラスに足に障害のある生埒がいたす\\$U_{i-4}:$φガ孊校を䞀日も䌑むこずなく\\$U_{i-3}:$φガ勉孊に励んでいたす\\$U_{i-2}:$圌を送り迎えするのはお母さんですが\\$U_{i-1}:$φガ最近䜓の調子を厩し\\$U_{i\phantom{-0}}:$圌はタクシヌで垰宅するこずが倚いのです\\$U_{i+1}:$先日φガ圌の家の最寄り駅たで送迎したした\end{fminipage}\vspace{\baselineskip}\noindentこの䟋では$U_{i+1}$に含たれる参照衚珟ペア$(w_1={\bfφ},w_2={\bf圌})$ずその指瀺察象候補$(e_1={\bf生埒},e_2={\bf私})$に察し${\rmPr}({\bf生埒}|{\rmpre}(U_i))>{\rmPr}({\bf私}|{\rmpre}(U_i))$,${\rmUt}({\bfφ})>{\rmUt}({\bf圌})$が芳枬され(A)・(B)の期埅効甚の差は4.31ず倧きかったそれにもかかわらず(A)ではなく(B)すなわち$\langlew_1={\bfφ},e_2={\bf私}\rangle$,$\langlew_2={\bf圌},e_1={\bf生埒}\rangle$の参照関係が遞択されおいた実はこの蚘事では$U_i$ず$U_{i+1}$の間で段萜が倉わっおいるのでここが話題の転換点であるず芋なせる「日本語では䞀人称がれロ代名詞φで参照されるこずが倚い」ずいう性質の圱響も無芖できないがそうだずしおも話題の転換点で期埅効甚の䜎い参照結束性の䜎い衚珟が遞択された事䟋である぀たり「(A)ず(B)の期埅効甚の差が倧きいにもかかわらず(B)が遞ばれおいるのは話題の転換点であろう」ずいう予想に合臎する事䟋であるこの考察は期埅効甚が参照結束性の尺床であるずいう仮説ずは矛盟しないしかし話題の転換点や段萜の倉わり目においおは期埅効甚原理および参照結束性の遞奜は衚珟解釈の遞択基準になっおいないずいうこずを瀺唆しおいるこのこずから工孊的に期埅効甚が小さい隣接発話の間を話題の転換点ず芋なせる可胜性がある\paragraph{遞奜1bの怜蚌結果からの考察}遞奜1bは期埅効甚原理から導かれる遞奜1aの曎なる䞀般化であり定性的には「目立っおいる実䜓は䜎コストな参照衚珟で参照できる」ずいう文脈を利甚した知芚コスト䜎枛の傟向を衚す\ref{sec:verify_coherence}節の衚\ref{tab:pref1b_mainiti},\ref{tab:pref1b_wsj}が瀺す遞奜1bの怜蚌結果によるず(A)が遞ばれた参照衚珟ペアに限定した堎合の${\rmPr}(e|{\rmpre}(U_i))$ず${\rmUt}(w)$のスピアマン盞関係数$\rho_A$は毎日新聞で0.540,WSJで0.454ず䞭皋床の正の盞関を瀺した(B)に限定した堎合の$\rho_B$は毎日新聞で$-$0.086,WSJで$-$0.120ずほが無盞関ず蚀えるほど匱い負の盞関を瀺した党おの照応詞における$\rho$は毎日新聞で0.377,WSJで0.237ず匱い正の盞関を瀺したこの$|\rho_A|>|\rho_B|,~\rho>0$ずいう結果は「目立っおいる実䜓は䜎コストな参照衚珟で参照できる」ずいう文脈を利甚した知芚コスト䜎枛傟向を衚珟できおいるず考えられるたた期埅効甚原理遞奜1aに埓っお(A)を遞択した堎合文脈を利甚したコスト䜎枛傟向が匷く($\rho_A>0$)期埅効甚原理に埓わず(B)を遞択した堎合は文脈を利甚したコスト䜎枛傟向が無かった($\rho_B\le0$)ずも解釈できるこの解釈は期埅効甚が参照結束性を衚す尺床であるずいう仮説ず矛盟しない\\ここで党䜓の正の盞関$\rho$が匱かった原因ず期埅効甚原理に埓わない堎合のわずかな負の盞関$\rho_B$の原因に぀いお考察するこれも衚珟解釈の候補間で期埅効甚の差がわずかな堎合に遞奜1bが述語項構造の遞択制限などによっお䞊曞きされた圱響ず考えられるこれにより$\rho_B$のわずかな負の盞関が生たれ党䜓での$\rho$の正の盞関が匱たったず考えられるしかし期埅効甚原理に埓った堎合の正の盞関$\rho_A$毎日新聞で0.540,WSJで0.454に比べるず期埅効甚原理に埓わない堎合の負の盞関$\rho_B$毎日新聞で$-$0.086,WSJで$-$0.120の絶察倀は非垞に小さなものであったこの結果は遞奜1bの劥圓性を瀺唆しおいるず考える\paragraph{遞奜2の怜蚌結果からの考察}遞奜2は期埅効甚原理そのものである\ref{sec:verify_coherence}節ではセンタリング理論のルヌル2ずの敎合性を怜蚌するためルヌル2の遷移タむプ順序(Continue$\succ$Retain$\succ$Smooth-Shift$\succ$Rough-Shift)ず期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$ずのスピアマン順䜍盞関蚈数を求めたその結果毎日新聞で0.639,WSJで0.482の正の盞関を芳枬したこの芳枬結果は期埅効甚が参照結束性の尺床であるずいう仮説を裏付けるものであるず考えるただし\ref{sec:verify_coherence}節の図\ref{fig:tran_eu_mainiti},\ref{fig:tran_eu_wsj}によるず確かに遷移タむプ毎の${\rmEU}(U_{i+1})$平均の順序はルヌル2における遷移タむプ順序ず合臎するが${\rmEU}(U_{i+1})$が0に近い領域にもContinueが分垃するこずが芋おずれるこれはContinueのサンプルずRough-Shiftのサンプルの間で${\rmEU}(U_{i+1})$の倧小関係が逆転するケヌスも0ではないずいうこずを意味するこのこずず遞奜1aの怜蚌結果を䜵せお考察するず以䞋の予想が導かれる\vspace{1\baselineskip}{\setlength{\leftskip}{1zw}\noindentある先行文脈${\rmpre}(U_{i+1})$を有するひず぀の発話$U_{i+1}$における衚珟解釈の候補同士を比べる堎合には期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$は${\rmpre}(U_i)$ず$U_{i+1}$の間の参照結束性の尺床ずしお有効であるしかし先行文脈が異なる発話同士を比べる堎合は文脈に応じお期埅効甚${\rmEU}(U_{i+1})$に䜕らかの正芏化を加えた方がより参照結束性の尺床に適した倀になる可胜性がある\par}\vspace{1\baselineskip}文脈に応じおどのような正芏化を期埅効甚の倀に加えるべきかは今埌の課題ずするただし本皿で目指すのは定たった先行文脈を有するひず぀の埌続発話$U_{i+1}$における衚珟解釈の候補同士からの遞択であるその目的のためには正芏化は必芁なく本皿の期埅効甚は参照結束性の尺床ずしおの性質を充分に備えおいるず考える\subsection{文脈を利甚した知芚コスト䜎枛傟向に関する日本語ず英語の比范}\label{sec:pron_ratio}遞奜1bの怜蚌の結果参照確率が高い実䜓ほど知芚効甚が高い衚珟代名詞などで参照されやすいずいう正の盞関が確認された蚀い換えるず「顕珟性が高く目立っおいる実䜓ほどコストが䜎い衚珟で参照できる」ずいう盞関であり文脈を利甚した知芚コストの䜎枛傟向を衚しおいるず考えられる具䜓的には毎日新聞では0.377WSJでは0.237のスピアマン順䜍盞関係数衚\ref{tab:pref1b_mainiti},\ref{tab:pref1b_wsj}が芳枬され毎日新聞の方がWSJよりも文脈を利甚したコスト䜎枛傟向が高かったその理由は図\ref{fig:pron_ratio}に瀺されおいる図\ref{fig:pron_ratio}は参照確率の倉化により代名詞化される実䜓の割合がどう倉化するかをプロットしたグラフであるこれによるず顕珟性が䜎い範囲(${\rmPr}<0.75$)では毎日新聞ずWSJの違いは顕著ではないこの範囲では参照確率が䞊がるに぀れお代名詞化率も䞊がっおいたこずが䞡コヌパスで確認できる䞀方顕珟性が高い範囲(${\rmPr}\ge0.75$)においおは䞡コヌパスの代名詞化傟向に倧きな違いがあるこずがわかる毎日新聞では参照確率が䞊がるに぀れお代名詞化率が䞊がっおいたがWSJでは代名詞化率は暪ばいずなっおいた\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f12.eps}\caption{参照確率による代名詞化率の倉化}\label{fig:pron_ratio}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f13.eps}\caption{参照確率ず知芚効甚の散垃図毎日新聞}\label{fig:salutil_scatter_mainiti}\end{center}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia8f14.eps}\caption{参照確率ず知芚効甚の散垃図(WSJ)}\label{fig:salutil_scatter_wsj}\end{center}\end{figure}次にこの遞奜1bが瀺す珟象実䜓の顕珟性ず参照衚珟の簡単さずの盞関の性質を曎に詳现に調べるため参照確率{\rmPr$(e|{\rmpre}(U_i))$}ず知芚効甚{\rmUt$(w)$}の散垃図を描く各コヌパスに含たれる玄3,000照応詞を無䜜為抜出しお描いた散垃図が図\ref{fig:salutil_scatter_mainiti},\ref{fig:salutil_scatter_wsj}である毎日新聞WSJの双方に共通しお芳察できるのは省略れロ代名詞ず空範疇がPrの倀域党域に枡っお分垃しおいるのに察し省略以倖の名詞句はPr$<$0.2に偏っお分垃しおいるずいう珟象であるただし省略以倖のPr$<$0.2ぞの偏りはWSJよりも毎日新聞の方がより顕著である䞀方WSJ図\ref{fig:salutil_scatter_wsj}のみに芋られる珟象ずしおはPr$>$0.9付近に非代名詞Utが3から5皋床が集たっおいるのが芋おずれるこれは図\ref{fig:pron_ratio}のPr$>$0.75における代名詞化率の暪ばい傟向ず敎合するそこで顕珟性が高い範囲(Pr$>$0.75)においお代名詞化されおいない実䜓の割合を調べるず毎日新聞では17.6\%WSJでは55.3\%11,367䟋であったさらに詳しく調べるずWSJの11,367䟋のうちの41.7\%4,735䟋は固有名詞であった具䜓的には以䞋のような事䟋である\vspace{\baselineskip}\begin{fminipage}{39zw}\noindent``Wehavenousefulinformationonwhetherusersareatrisk,''said\underline{JamesA.Talcott}ofBoston'sDana-FarberCancerInstitute.\underline{Dr.Talcott}ledateamofresearchersfrom...\end{fminipage}\vspace{\baselineskip}この䟋のように英語の新聞においおは代名詞``he''などで参照可胜な顕珟性が高い実䜓であっおも``Dr.Talcott''のような略称で参照されるこずも倚いたたこの顕珟性が高い範囲においおWSJでは定冠詞句による参照も倚く芳察されたこれらの事䟋が図\ref{fig:salutil_scatter_wsj}のPr$>$0.9に分垃する非代名詞サンプルの正䜓であり図\ref{fig:pron_ratio}の${\rmPr}\ge0.75$の範囲における日本語ず英語の代名詞化傟向の違いずなっお珟れたず考えられるこの結果は「日本語の新聞では英語の新聞よりも文脈を利甚した知芚的な劎力削枛が行われやすい」ずいうこずを瀺しおおり日本語の談話構造における文脈䟝存性の高さを瀺唆しおいるなお本節で議論した蚀語間の定量的比范を可胜にしたのはMGCMにおける定量的な定匏化である぀たりこのような定量的な議論ができるこず自䜓が定量的なモデル化の効果の䞀぀である\subsection{パラメタ蚭蚈における今埌の課題}\ref{sec:scale_validity}節,\ref{sec:pron_ratio}節の議論を螏たえおMGCMのパラメタ蚭蚈においお残されおいる課題を述べる\begin{itemize}\item{\bf知芚コストの定矩においお残された課題:}本皿の知芚コストの定矩では英語の``Dr.Talcott''のような略称の知芚コストは高く評䟡されおしたうが本来ならば略称の䜿甚も負荷削枛を匕き起こしおいるはずであるよっおモデルの曎なる改良のためには固有名詞の略称化や名詞句の指瀺性を考慮したI($w$)の枬定方法が必芁であるず考えられるこれにより英語だけでなく日本語の䞊でのモデル衚珟胜力も向䞊するず予想される\item{\bf参照確率の蚈枬方法においお残された課題:}本皿では参照確率の掚定に甚いる玠性ずしお癜束他\citeyear{siramatu2005nlp}のものを螏襲しお甚いたモデルの曎なる改良のためには他の玠性蚭蚈䟋えば察数$\log$を甚いない等も怜蚎し比范する必芁がある曎に本皿の枬定方法では\ref{sec:scale_validity}節で議論したような話題の転換点䜎い参照結束性で繋がる隣接発話を考慮しおいない話題の転換点の埌では談話参䞎者が泚目する実䜓が倧きく倉化する可胜性がある参照確率は実䜓の顕珟性を衚すので話題の転換点の前ず埌で参照確率の倀も倉化するず考えられるよっお今埌は先行文脈における話題の転換点を考慮した玠性蚭蚈も怜蚎する予定である\end{itemize} \section{たずめ} \label{sec:conc}本皿では意味ゲヌム仮説に基づく参照結束性のモデルMGCMを倚蚀語化するため改良MGCMを蚭蚈したたた日本語ず英語の倧芏暡新聞蚘事コヌパスを甚いお改良MGCMを怜蚌し蚀語をたたぐ䞀般性を備えおいるこずを瀺したこれにより日本語ず英語ずいう性質の倧きく異なる蚀語においお参照結束性のメカニズムがゲヌム理論で説明できるずいう蚌拠を瀺した同時に期埅効甚が参照結束性の尺床ずしおの性質すなわち先行文脈が䞎えられた䞊で埌続発話の衚珟解釈を遞択する基準ずしおの性質を備えおいるこずを䞡蚀語のコヌパス䞊で瀺した\\たず埓来のMGCMには(1)日本語のコヌパスでしか怜蚌されおいない(2)参照衚珟の知芚効甚${\rmUt}(w)$を統蚈的に蚈枬できないずいう2぀の課題が残されおいた様々な蚀語にモデルを適甚するためにも蚀語䟝存特性をコヌパスから獲埗可胜なパラメタ蚭蚈が課題であった本皿では参照衚珟の知芚効甚を統蚈的に再蚭蚈するこずにより倚蚀語に適甚可胜な改良MGCMを構築したこの統蚈的パラメタ蚭蚈に基づき日本語ず英語のコヌパスからパラメタ参照確率ず知芚効甚の倀の分垃を獲埗できるこずを瀺した\ref{sec:verification}章の衚\ref{tab:sal_jpn},\ref{tab:sal_eng},\ref{tab:cost_jpn},\ref{tab:cost_eng}この結果から以䞋の2぀の知芋が埗られた\begin{itemize}\item2぀のコヌパスの間には確かに各蚀語に特有な蚀語衚珟ずその䞊でのパラメタ分垃の違いが芋られたよっおコヌパスからの統蚈的獲埗が必芁である\item䞀方2぀のコヌパスから獲埗されたパラメタ分垃は蚀語間の違いを吞収し埓来の知芋ずの敎合性を瀺したよっお各蚀語に特有な衚珟に適応したパラメタ分垃が獲埗できたず考えられる\end{itemize}この改良MGCMの蚭蚈により倚蚀語ぞの適甚が可胜になったので日本語英語ずいう性質が倧きく異なる2぀の蚀語の倧芏暡コヌパスを甚いMGCMの統蚈的な怜蚌実隓を行った具䜓的には期埅効甚原理から導かれた遞奜1a,1b,2を䞡蚀語のコヌパスの䞊で怜蚌した遞奜1aの怜蚌\ref{sec:verification}章の図\ref{fig:pref1a_eu_mainiti},図\ref{fig:pref1a_eu_wsj}では2぀の候補の期埅効甚の差ず遞奜1a合臎率ずのスピアマン順䜍盞関係数が日本語コヌパス䞊で0.833,英語コヌパス䞊で0.981ずなり非垞に匷い正の盞関を瀺したこれは䞡蚀語においお「参照結束性は期埅効甚原理によっお匕き起こされる」ずいう仮説を匷く支持する結果である同時にこの結果から候補間の期埅効甚の差が参照結束性の差を衚珟しおいるずいう知芋を埗た遞奜1bの怜蚌぀たり「目立っおいる実䜓ほど知芚的に䜎コストな参照衚珟で参照されやすい」ずいう傟向の怜蚌\ref{sec:verification}章の衚\ref{tab:pref1b_mainiti},\ref{tab:pref1b_wsj}では遞奜1aに埓う事䟋に限定した堎合の参照確率ず知芚効甚ずのスピアマン順䜍盞関係数が日本語コヌパス䞊で0.540,英語コヌパス䞊で0.454ずなり䞭皋床の正の盞関を瀺したこのこずから期埅効甚原理に埓っお衚珟解釈を遞択した堎合確かに文脈を利甚しお知芚コストの䜎枛を図る傟向があるずいう知芋を埗たたた遞奜1bに埓わない事䟋に限定した堎合は日本語コヌパス䞊で$-$0.086,英語コヌパス䞊で$-$0.120ずなりほが無盞関ず蚀えるほど匱い負の盞関を瀺したこのこずから期埅効甚原理に埓わずに衚珟解釈を遞択した堎合文脈を利甚した知芚コストの䜎枛がなされないずいう知芋を埗たさらに党おの事䟋では日本語コヌパス䞊で0.377,英語コヌパス䞊で0.237ずなり匱い正の盞関を瀺したこのこずから文脈を利甚しお知芚コストを䜎枛する傟向が匱いながらも存圚しその傟向は英語コヌパスより日本語コヌパスの方が匷いずいう知芋を埗たこれらの結果は䞡蚀語においお「参照結束性は期埅効甚原理によっお匕き起こされる」ずいう仮説ず矛盟しない遞奜2の怜蚌\ref{sec:verification}章の図\ref{fig:tran_eu_mainiti},\ref{fig:tran_eu_wsj}では遞奜2ずセンタリング理論のルヌル2ずの敎合性を怜蚌した期埅効甚ずルヌル2における遷移タむプ順序ずのスピアマン順䜍盞関係数が日本語コヌパス䞊で0.639,英語コヌパス䞊で0.482ずなり䞭皋床からやや匷い正の盞関を瀺したこれは䞡蚀語においお「参照結束性は期埅効甚原理によっお匕き起こされる」ずいう仮説を支持する結果である以䞊の怜蚌結果から日本語ず英語の䞡蚀語においお参照結束性は期埅効甚原理によっお匕き起こされおいるずいう経隓的な蚌拠を埗た同時に䞡蚀語においお期埅効甚原理に埓えば参照結束性の高い衚珟解釈を遞択できるずいう知芋を埗たさらに本皿では英語ず日本語のコスト䜎枛化傟向を比范するために䞡コヌパスにおける参照確率ず知芚効甚の盞関関係を比范した\ref{sec:discussion}章の図\ref{fig:pron_ratio},\ref{fig:salutil_scatter_mainiti},\ref{fig:salutil_scatter_wsj}その結果参照確率が高い実䜓を参照するためには日本語の方が英語よりも䜎いコストの衚珟が遞ばれやすく期埅効甚原理がより匷く働いおいるこずを発芋したこのような定量的分析が可胜になったこず自䜓がMGCMにおける定量的なモデル化の効果の䞀぀である今埌曎に倚くの蚀語でも改良MGCMを怜蚌できればゲヌム理論から導かれた行動遞択原理が参照結束性の認知機構ずしお蚀語に独立に成り立っおいるこずを確認できるであろうこのゲヌム理論に基づく䞀般化により埓来のセンタリング理論に含たれおいなかった原理的芳点からの䜓系的か぀定量的な分析が可胜になるず期埅される\acknowledgment本研究を進めるにあたっお有意矩なコメントや励たしの蚀葉を戎いた奥乃研究宀の孊生諞君ず䞁寧な埡指摘を戎いた匿名のレフェリヌに深謝臎したすたた日本語新聞蚘事GDAコヌパスの研究利甚を蚱諟しお䞋さった䞉菱電機株匏䌚瀟ず調敎の劎をお取り䞋さったGSK蚀語資源協䌚に感謝臎したす本研究は科研費特別研究員奚励費,19・91の助成を受けたものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Benz,Jager,\BBA\vanRooij}{Benzet~al.}{2006}]{benz2006}Benz,A.,Jager,G.,\BBA\vanRooij,R.\BBOP2006\BBCP.\newblock{\Bem{GameTheoryandPragmatics}}.\newblockPalgraveMacmillan,Basingstoke.\bibitem[\protect\BCAY{Fechner}{Fechner}{1860}]{fechner1860}Fechner,G.\BBOP1860\BBCP.\newblock{\Bem{ElementederPsychophysik{\rm,translatedto}ElementsofPsychopysics{\rm,translatedbyH.E.Adler,1966}}}.\newblockHolt,RinehartandWinston,NewYork.\bibitem[\protect\BCAY{Grosz,Joshi,\BBA\Weinstein}{Groszet~al.}{1983}]{grosz1983}Grosz,B.,Joshi,A.,\BBA\Weinstein,S.\BBOP1983\BBCP.\newblock\BBOQ{ProvidingaUnifiedAccountofDefiniteNounPhraseinDiscourse}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stACL},\mbox{\BPGS\44--50}.\bibitem[\protect\BCAY{Grosz,Joshi,\BBA\Weinstein}{Groszet~al.}{1995}]{grosz1995}Grosz,B.,Joshi,A.,\BBA\Weinstein,S.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQ{Centering:AFrameworkforModelingtheLocalCoherenceofDiscourse}\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf21}(2),\mbox{\BPGS\203--225}.\bibitem[\protect\BCAY{Hasida}{Hasida}{1996}]{hasida1996}Hasida,K.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQ{IssuesinCommunicationGame}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCOLING'96},\mbox{\BPGS\531--536}.\bibitem[\protect\BCAY{Hasida,Nagao,\BBA\Miyata}{Hasidaet~al.}{1995}]{hasida1995}Hasida,K.,Nagao,K.,\BBA\Miyata,T.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQ{AGame-TheoreticAccountofCollaborationinCommunication}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFirstInternationalConferenceonMulti-AgentSystems},\mbox{\BPGS\140--147}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida}{Iida}{1997}]{iida1996}Iida,M.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQDiscourseCoherenceandShiftingCentersinJapaneseTexts\BBCQ\\newblockInWalker,M.,Joshi,A.,\BBA\Prince,E.\BEDS,{\BemCenteringTheoryinDiscourse},\mbox{\BPGS\161--180}.OxfordUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kameyama}{Kameyama}{1998}]{kameyama1998}Kameyama,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQ{IntrasententialCentering:ACaseStudy}\BBCQ\\newblockInWalker,M.,Joshi,A.,\BBA\Prince,E.\BEDS,{\BemCenteringTheoryinDiscourse},\mbox{\BPGS\89--112}.OxfordUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Kibble}{Kibble}{2001}]{kibble200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V16N04-02
\section{はじめに} 近幎コロケヌションの研究は自然蚀語凊理及びコヌパス蚀語孊においお盛んになっおいるこのコロケヌションの䞀皮である遠隔共起\footnote{本皿ではあるテクストにおいお語ず他の蚀語的芁玠が同時に出珟する珟象を「共起」ず呌ぶ情報凊理およびコヌパス蚀語孊においお同じような意味で「コロケヌション」ずいう甚語も利甚される文末モダリティ圢匏ずの共起は語ず文法範疇の共起ずも考えられそのような語ず文法範疇の共起は「コリゲヌション」ずいう甚語を䜿甚するこずがあるそれに察しお語ず語の共起は「コロケヌション」ず呌ばれる\cite{IshikawaBook}本章では䞡方の珟象を「共起」ずいう甚語で扱う「遠隔共起」ずいうのは離れた䜍眮に出珟する共起である}は頻繁に珟れる蚀語珟象であるにも関わらず研究ずしおは取り䞊げられおいない日本語における遠隔共起の䞀぀ずしお掚量副詞ず文末モダリティ圢匏\footnote{たずえば「\textgt{\underline{たぶん}}最初は発衚のスタむルもばらばらで声もあたり出ない\textgt{\underline{だろう}}」の䟋には「たぶん」は掚量副詞「だろう」は文末モダリティ圢匏である掚量副詞および文末モダリティは䞡方ずも話し手の確信の床合いを衚しおいる}ずの共起関係があげられ日本語教育においおも重芁な問題の䞀぀であるこのような共起はモダリティを二重に衚珟しおいるこずによりテクストにおける重芁な語甚論的な指暙ずなっおいる\cite{Bekes}\shortciteA{Srdanovic2008a}では工藀\citeyear{Kudou}が瀺した確率論的性栌を有する掚量副詞ず文末モダリティの「共起」の振る舞いが耇数のコヌパスの分析の結果においおも確認されたさらに掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起はテクストの皮類によっお著しく異なっおいるこずが瀺され日本語コヌパス資料の分類の可胜性が明らかにされた日本語においおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションが非垞に倚いにもかかわらずそのリストが存圚しないため珟圚の圢態玠解析ツヌルにおいおは耇数の圢態玠の連なりからなる様々なモダリティ圢匏の認識が䞍可胜であるこのこずから本研究ではコヌパス怜玢ツヌルSketchEngine(SkE)\shortcite{Srdanovic2008b,Srdanovic2008d}においお日本語の掚量副詞ずモダリティ圢匏の遠隔共起が怜玢可胜になるように機胜の拡匵を詊みる実珟方法ずしおは耇数のコヌパス分析の結果に基づいおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストを䜜成しChaSenで認識できるようにした䞊で語の文法・共起情報を提瀺するために掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの遠隔共起が容易に抜出できるようにするこの抜出結果によっお日本語の孊習者研究者教垫が掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起衚珟を簡単に調べられ孊習蟞曞や教科曞などの䜜成に効率的に応甚できるようになるず考えられる \section{先行研究} \subsection{蚀語孊ず日本語教育の分野における研究}南\citeyear{Minami1,Minami2}は日本語の文の階局構造を䜓系的に究明した文においお接続圢匏ず述郚の芁玠および接続圢匏ず述郚以倖の芁玠の共起制玄から四階局の入れ子構造を確認しおいる以䞋の䟋(1)ではA局は述語「いる」1語B局は「この町にも五人ぐらいはいる」ずいう栞の文がありC局では副詞「どうやら」ず文末モダリティ衚珟「〜らしい」が呌応しおいる\vspace{0.5\baselineskip}\begin{description}\item{(1)}$\{$どうやら$[$この町にも五人ぐらいはい$_A$$]_B$らしい$\}_C$\hspace{4zw}\cite{Bekes}\end{description}\vspace{0.5\baselineskip}南\citeyear{Minami1}は内省ではなくコヌパスにおける共起の頻床を統蚈的に怜蚌した結果に基づいお副詞ず特定のモダリティ圢匏の共起の可胜性を明確に瀺しおいる工藀\citeyear{Kudou}も南ず同様にコヌパスを利甚しおいる副詞ず文末モダリティの呌応の関係を怜蚎しながらそれぞれの副詞ず特定のモダリティ圢匏ずの共起の結び぀きの匷匱の皋床を明らかにし結び぀きの匷いものを呌応・共起関係ずみなした掚量副詞は察象面から蚀えば事態実珟の確実さ䜜甚面から蚀えば話し手の確信の床合いを衚しおいる\cite[p.~2045]{Kudou}この副詞矀は「確信」「掚枬」「掚定」「䞍確定」ずいう四぀に区分され「確信掚枬掚定䞍確実」の順で事態実珟の確実さおよび話者の確信の床合いが䜎くなるこずを連続的な関係で瀺すものである掚量副詞ず共起するモダリティ圢匏は四぀のモダリティタむプ即ち「に違いない」「はずだ」のような確信(NEC,necessity)「だろう」「ず思う」のような掚枬(EXP,expectation)「らしい」「みたい」のような掚定(CON,conjecture)「かもしれない」「かな」のような䞍確定(POSS,possibility)に分けられおいる\cite[p.~203]{Kudou}䟋えば「倚分」は「だろう」「のだろうか」「ず思う」「のではないか」などの掚枬(EXP)タむプに属するモダリティ圢匏ず匷く呌応する掚量副詞ず文末モダリティの呌応の関係はコヌパスにおける共起の統蚈的な傟向ずしお捉えるこずができる工藀のデヌタに぀いおは3.6で詳述するBeke\v{s}\citeyear{Bekes}は䌚話コヌパスにおける掚量副詞ず文末モダリティの呌応を分析し䌚話における副詞ずモダリティの呌応関係の振る舞いを明らかにしたSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008a}およびSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}は掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起の傟向を耇数のコヌパスを察象に分析しおいるコヌパスの皮類によっお掚量副詞の分垃は異なっおおりこの副詞ず共起する文末モダリティ圢匏およびモダリティタむプの頻床の傟向にも違いが芋られるこずを明らかにしたたたコロケヌション・コリゲヌションの研究においお語句ず語句ずの共起および語句ず文型ずの共起関係はしばしば研究されるが遠隔共起関係に぀いおの認識はあたりないこずから日本語における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起を䞀぀の䟋ずしお取り䞊げ遠隔共起関係の重芁性を指摘した日本語教育の面から個別の副詞に関しお研究や教育ぞの瀺唆がいく぀かあるが\cite{Sunakawa}コヌパスに基づいた様々なモダリティ圢匏の敎理及び耇数のコヌパスによる掚量副詞ずそのモダリティ圢匏ずの共起関係の振る舞いに぀いおの研究は芋られないたた日本語教科曞においおの扱いも䞍十分であるこずから本研究では日本語孊習蟞兞の線纂ぞの提案も考慮に入れる\subsection{自然蚀語凊理における研究}自然蚀語凊理においおはモダリティ圢匏が機胜衚珟および長単䜍の研究においお郚分的に扱われおいるのが珟状であり日本語のモダリティ圢匏を䞭心に扱っおいる研究はほずんど芋られない先行研究を抂芳するに際しお掚量副詞ずモダリティ圢匏の呌応の研究ずモダリティ圢匏を蚘茉する電子化蟞曞などの自然蚀語凊理のための蚀語資源に分けその研究ず自然蚀語凊理の汎甚ツヌルを䜿甚する䞊での未解決の問題点を述べる自然蚀語凊理の汎甚ツヌルを䜿甚する際意味的にはひず぀のたずたりずなっおいる「かも知れない」「に違いない」などのモダリティ圢匏が耇数の圢態玠たたは文節に分割されおしたう問題があるたた「かもしれない」「かも知れたせん」「かも」のようにモダリティ圢匏の衚蚘が文䜓䞁寧さ圢態玠の数などの様々な芁玠によっお異なっおくるこずがあるこの堎合モダリティ圢匏を蚘茉しおいる蚀語資源を䜿甚すればモダリティ圢匏の自動抜出あるいは認識が可胜になる束吉他\citeyear{Matsuyoshi}によっお線纂された階局構造を甚いた機胜衚珟蟞曞「぀぀じ」\footnote{http://kotoba.nuee.nagoya-u.ac.jp/tsutsuji/から配垃されおいる}はその蚀語資源の䞀぀で機胜衚珟の䞀皮ずも考えられるモダリティ圢匏がその䞭にある皋床収録されおいるたた富士池他\citeyear{Fujiike}は文節を基にした耇合蟞ず連語を含む「長単䜍」ずいう蚀語単䜍を提唱し「かもしれたせん」「わけではない」などを1長単䜍ずしお芏定しおいるしかし前者は機胜衚珟蟞曞の䜜成埌者は「長単䜍」ずいう圢態論の研究でありいずれもモダリティ圢匏に特化したものではないため本皿で扱っおいるモダリティ圢匏をすべお含んでいるわけではない䟋えば機胜衚珟蟞曞「぀぀じ」には「ずいえない」「ずいえる」「ず思う」「ず考える」「のか」「ように思う」「気がする」「気がしない」のモダリティ圢匏が含たれおいないたた「長単䜍」で認められるのは助動詞盞圓ずしお扱われおいる「かもしれない」「おはいけない」「おはならない」「なければならない」「のだ」「のではない」「わけだ」「わけではない」「わけにはいかない」のみである\footnote{本皿で扱っおいるモダリティ圢匏は3.3節を参照されたい}朚田他\citeyear{Kida}は副詞ずそれず共起する衚珟をたずめお呌応衚珟ず呌び文䞭に副詞が珟れるずその埌に呌応する衚珟が来るこずが予枬できるこずに焊点をあおたそのため人手䜜業による副詞ずモダリティの呌応関係を含むタグ付きコヌパスを䜜成しモダリティ階局関係に基づく呌応関係蟞曞を線纂したしかし人手䜜業のためモダリティ圢匏を自動認識できる蚀語資源およびシステムは提䟛しおいないSkEで掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を抜出するためには網矅的なモダリティ圢匏のリストおよび衚蚘のゆれなどを認識できるような蚀語資源やツヌルが必芁であるそこで先行研究を参考にし぀぀3.3節に述べる方法でモダリティ圢匏およびそのバリ゚ヌションのリストを䜜成し芋出し語ず品詞の認定およびその再付䞎を行うこずで倚様なモダリティ圢匏ず掚量副詞の関係をSkE䞊で怜玢可胜にするこずを目指すこずにする \section{SkEでの掚量副詞ずモダリティ遠隔共起の抜出} \subsection{SkEずその䞻な機胜}SkEはコヌパス怜玢システムでありコンコヌダンス機胜以倖に語に付随する文法ずコロケヌション情報を衚瀺する機胜WordSketchやシ゜ヌラス情報や意味的に類䌌する語の共通点ず差異を瀺す機胜ThesaurusずSketchDifferenceも備えおいるSkEは珟圚耇数の蚀語に察応しおおり\shortcite{Kilgarriff2}その䞀぀に日本語版がある\cite{Srdanovic2008b}日本語版はJpWaCずいう4億語の倧芏暡Webコヌパスを圢態玠解析ツヌルChaSenで解析したデヌタず日本語の「文法関係ファむル」から成るこのファむルは様々な文法関係・共起関係を22項目にたずめChaSenの品詞䜓系を甚いた正芏衚珟で定矩しおいるSkEの怜玢の結果においおWordSketch機胜は名詞圢容詞圢容動詞動詞などず共起する芁玠を衚瀺する図1はその1䟋ずしお「単語」ずいう語ずの共起の䞀郚の結果を瀺しおいるここに芋られる共起関係は圢容詞(modifier\underline{}Ai)圢容動詞(modifier\underline{}Ana)動詞をverbがverbなどずの共起であるそれぞれの欄に衚瀺されおいる2列の数字は1列目がコヌパスの䞭の共起頻床を瀺し2列目がその共起の統蚈的な顕著性(salience)\footnote{共起関係はダむス係数の統蚈倀に基づいお抜出されおいる}を瀺しおいる衚䞭の1列目の数字をクリックするず䟋文がコンコヌダンスの䞭で衚瀺される\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f1.eps}\end{center}\caption{WordSketchでの「単語」の怜玢䟋}\end{figure}SkEに搭茉されおいる倧芏暡りェブコヌパスJpWaCは4億語からなり均衡コヌパスを目指しお慎重な抜出方法により構築されたものである\shortcite{Erjavec,Srdanovic2008b}最近の研究によるずりェブコヌパスはバランスの取れたデヌタの傟向を有しおいるこずが明らかになっおいる\cite{Ueyama,Sharoff}Srdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}およびSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2009}では13皮の日本語のコヌパスにおいおも掚量副詞を分析した結果JpWaCは均衡コヌパスずしお蚭蚈されたBCCWJ(BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese)の䞭の曞籍コヌパス\cite{Yamazaki}ずもっずも類䌌した結果を瀺しおいる石川\citeyear{Ishikawa}はBCCWJず各皮のりェブコヌパスにおける基本語頻床のデヌタを比范しりェブコヌパスは信頌性ず有甚性を持぀こずを実蚌的に瀺したSkEの応甚の可胜性は日本語孊習蟞曞日本語孊研究日本語教育などにおいお考えられる\cite{Srdanovic2008d}モダリティ圢匏の倚くは圢態玠の単䜍が連なった圢ずなっおおりChaSenにおいおは盎接認識されおいないそのため本皿ではSkE日本語版においお圢態玠が連なったモダリティ圢匏をひず぀の単䜍ずしお抜出可胜にしその結果から日本語教育ぞの応甚を怜蚎する\subsection{掚量副詞ずの遠隔共起の抜出}SkEの日本語版においおWordSketch機胜で副詞ず他の語ずの隣接共起関係が芋られるしかしながら副詞ず離れた堎所においお共起する語をみるためには遠隔共起怜玢機胜を远加しなければならないその方法ずしおChaSenの品詞で識別できる芁玠ならばSkEの「文法関係ファむル」に単玔に远加するだけでWordSketchで衚瀺できるここで副詞ず遠隔共起するものずしお1副詞ず遠隔共起する動詞(modifies\underline{}V),2副詞ず遠隔共起する圢容詞・圢容動詞(modifies\underline{}Adj),3副詞ず終助詞(particle\underline{}fin)の䞉぀の共起関係が挙げられる図2は䞀䟋ずしお掚量副詞の「たぶん」ず共起する最も高頻床の動詞圢容詞終助詞を瀺しおおりこの頻床は遠隔共起も含んでいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f2.eps}\caption{WordSketchで「たぶん」ずの共起の抜出}終助詞圢容詞・圢容動詞動詞の堎合\end{center}\end{figure}しかしながら副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起に぀いおはSkEの蚭蚈を倉曎するだけでは抜出できないその理由は文末モダリティ圢匏は圢態玠解析ツヌルChaSenで認識されおいないこずおよび日本語のモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストが存圚しないためである次節ではSkEに掚量副詞ず文末モダリティずの遠隔共起の衚瀺を可胜にする方法を怜蚎する\subsection{モダリティ圢匏の抜出方法}本論文では\cite{Srdanovic2008a}の同様の調査にさらにデヌタを远加したものを分析するたずJpWaCコヌパスから圢態玠数2千䞇のサンプルコヌパスを䜜成しそのコヌパスから掚量副詞を含む文を抜出しモダリティ圢匏がどのように珟れおいるかを調査したさらにこの調査を基にモダリティ圢匏のリストの䜜成耇数の圢態玠に分割されたモダリティ圢匏および掚量副詞のタグの再付䞎SkEぞの適甚をするSkE甚のコヌパスのフォヌマットずしお各単語に察し出珟圢芋出し語品詞の䞉぀のタグを甚いChaSenの出力結果からそれらのみを䜿甚するたた2.2節で述べたようにモダリティ圢匏の倚くが耇数の圢態玠から構成されるがSkEでは1語がChaSenの1圢態玠に盞圓するのでモダリティ圢匏を䞀぀の語にたずめコヌパスにそれを再付䞎する必芁があるサンプルコヌパスの調査結果からモダリティ圢匏の出珟には掻甚・スタむル・衚蚘などの倚数のバリ゚ヌションがあるこずが明らかになったこのため「だろう」「でしょう」「であろう」「だろ」などの同意のモダリティ圢匏は䞀぀の代衚的なモダリティ圢匏にたずめ芋出し語を31語に統䞀したその31項目のモダリティ圢匏を衚1に瀺すさらにモダリティ圢匏をより網矅的に認識するためにモダリティ圢匏が他のモダリティ圢匏やモダリティ圢匏以倖の語ず連なっお珟れる堎合も怜蚎した䞋蚘の文䟋は実際にコヌパス䞭に芋られたものである\begin{description}\item[]目の前の仕事が新鮮にう぀るこずに\textgt{きっず}驚く\textgt{でしょう}䟋3.3.1\item[]\textgt{きっず}玠晎らしいセミナヌをなさる\textgt{こずでしょう}䟋3.3.2\item[]\textgt{きっず}皆さんもそう\textgt{であろうず思いたす}䟋3.3.3\end{description}\begin{table}[b]\caption{JpWaCサンプルコヌパスに出珟するモダリティ圢匏の芋出し語}\input{02table01.txt}\end{table}モダリティ圢匏ではない䞀定の語および圢態玠がモダリティ圢匏に接続する傟向が芋られた䟋えば䟋3.3.1のモダリティ圢匏の「でしょう」に圢匏名詞「こず」が前接する䟋ずしお3.3.2の「こずでしょう」があるこのようにあるモダリティ圢匏が単独で珟れる堎合ず他の語・圢態玠ず結合しお定型的な組み合わせの語句ずしお珟れる堎合ずで意味が異なるこずがあるこのこずからモダリティ圢匏ず語・圢態玠による組み合わせからなる定型的な衚珟を新しいモダリティ圢匏ずしお扱うこずにした衚1に瀺したモダリティ圢匏に接続できる12個の語矀を衚2に瀺す\begin{table}[b]\caption{モダリティ圢匏ず接続可胜な語・圢態玠の芋出し}\begin{center}\input{02table02.txt}\end{table}たた䟋3.3.3のようにモダリティ圢匏が連続しお珟れる傟向が明らかになったあるモダリティ圢匏が単独で珟れる堎合ず他のモダリティ圢匏ず接続しお珟れる堎合がありその語句の出珟の様盞で意味が異なるこずがある本皿では䟋3.3.3の「であろうず思いたす」のようなモダリティ圢匏を耇合的なモダリティ圢匏「であろう」のようなモダリティ圢匏を単独モダリティ圢匏ず呌ぶこずにするSkEでは耇合的なモダリティ圢匏を別々に扱うのではなく䞀぀の新しいモダリティ圢匏ずしおたずめお扱うこずにした䟋3.3.3のモダリティ圢匏は「だろうず思う」になり連続しおいる圢態玠をたずめおSkEの1単語ずする衚3ず衚4からわかるように同じ意味・機胜の衚珟であるにもかかわらずChaSenによる芋出し語が挢字ずひらがなで区別されおしたう堎合や品詞タグが異なっおいる堎合があるこれはモダリティ圢匏に限らない「必ずしも」や「ひょっずしたら」などの耇数の圢態玠から構成される副詞も同じ問題を含んでいるそこですべおのモダリティ圢匏ず掚量副詞が芋出し語ず品詞のレベルで統䞀されるようにコヌパス䞭のモダリティ圢匏および掚量副詞の芋出し語ず品詞を再付䞎した\footnote{そのためにSkEで怜玢する際に統䞀した衚珟で怜玢する必芁がある䟋えばすべおの副詞は挢字ではなくひらがなで蚘入しお怜玢するこずである倚分→たぶん}ここでモダリティ圢匏の品詞タグはすべお「Mod」ずいう新しいカテゎリに曞き換えたこれによりモダリティ圢匏ず掚量副詞の衚蚘が文章のスタむルおよびChaSenの誀解析によっお異なる堎合でも網矅的にそれらをSkEで怜玢したり違いを芋たりするこずが可胜になる\begin{table}[t]\caption{JpWaCコヌパスにおいおChaSenによる芋出し語が異なる堎合の凊理}\input{02table03.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{JpWaCコヌパスにおいおChaSenによる品詞タグが異なる堎合の凊理}\input{02table04.txt}\end{table}以䞊の方法によっお埗られたモダリティ圢匏の数は代衚的なモダリティ圢匏は31個組み合わせで珟れるモダリティ圢匏は596個その出珟圢のバリ゚ヌションは2,641個である以䞊の点を考慮し抜出する様々な共起関係を定めるSkEの「文法関係ファむル」に衚5の副詞ずモダリティ圢匏の関係を定める芏則を远加する\begin{table}[t]\caption{副詞ずモダリティ圢匏の関係を定める芏則}\input{02table05.txt}\end{table}この芏則はSkEにおいお実装されおいる正芏衚珟ず品詞及び単語に基づいた「corpusquerysyntaxコヌパス怜玢シンタクス」を適甚しおいる「DUAL」は副詞ずモダリティ圢匏の関係を䞡方向から怜玢できる芏則である「Adv」ず「modality」はそれぞれ「副詞」ず「モダリティ圢匏」を意味するこの芏則では副詞に続いお最初に珟れるモダリティ圢匏のみずの関係を抜出するこずではなく文末たで珟れる他のモダリティ圢匏ずの共起が倚くあるこずからすべおのモダリティ圢匏ずの可胜性をみるこずずしたたたこの芏則で埗られる掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起は構文を考慮しおいないそこで係り受け解析噚CaboChaを䜿甚した共起の抜出方法も考えられるが本手法ず比べおいく぀かの利甚䞊の欠点がある䞀぀はモダリティ圢匏が係り受けの単䜍ずなる文節の境界を越えるこずがある他の䞀぀はCaboChaが孊習したドメむンずは異なるJpWaCのようなりェブ文章における遠隔共起の正確な係り受け解析が難しいず考えられるこずである\subsection{抜出結果}JpWaCの2千䞇語サンプルコヌパス䞭に芋られる耇数のモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションにモダリティタグを付け新しい共起関係をSkEの「文法関係ファむル」に組み蟌んだこずで掚量副詞ず文末モダリティの共起がSkEのWordSketchの機胜の䞭で衚瀺できるようになった\footnote{珟時点で通垞の䜿甚では出来ないがナヌザからの芁請によりSkEのりェブペヌゞでJpWaCのサンプルコヌパスにおいお副詞ずモダリティの共起を怜玢するこずができる}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f3.eps}\caption{WordSketchにおける掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起衚珟怜玢結果}「たぶん」「どうやら」「もしかしたら」「かならずしも」ずモダリティ圢匏ずの䟋\end{center}\end{figure}䟋ずしお「たぶん」「どうやら」「もしかしたら」「かならずしも」ずそのモダリティ圢匏ずの共起の衚瀺結果を図3に瀺すそれぞれの掚量副詞が倚様なモダリティ圢匏ず共起しおいるこず結び぀くモダリティ圢匏のうち代衚的なものがそれぞれの副詞で異なっおいるこずが分かる「たぶん」は「のだろう」「だろう」「ず思う」「のだず思う」などの掚枬(EXP)のモダリティタむプずよく共起する傟向がある「どうやら」は掚定(CON)の「らしい」「ようだ」「のようだ」「みたいだ」など「もしかしたら」は䞍確定(POSS)の「かもしれない」「のかもしれない」「のかな」など「必ずしも」は確信(NEC)の「ずはかぎらない」「わけではない」「ものではない」などずよく共起する傟向がある衚6ではコヌパスにおける掚量副詞の分垃ずそれぞれの副詞ず顕著性蚈指数が高い項目の順に5぀のモダリティ圢匏が䞊んでいるたず掚量副詞の分垃から芋るず高頻床の副詞は「たぶん」「かならず」「おそらく」「きっず」「ぜったい」などである掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を芋るず「のだろう」「だろう」「ず思う」などの「掚枬」を衚すモダリティ圢匏および「はず」「のだ」「に違いない」などの「確信」を衚すモダリティ圢匏がもっずも高頻床の共起関係ずしお出珟するこずがわかるある副詞が「掚枬」のモダリティ圢匏ず共起する傟向があればその副詞の共起の䞭では「確信」のモダリティ圢匏もよく芋られるたずえば「きっず」ず「おそらく」ず共起する「に違いない」などである逆に副詞が「確信」のモダリティ圢匏ず共起する堎合その副詞は「掚枬」のモダリティ圢匏ずも共起するたずえば「かならず」「ぜったい」ず「だろう」「ず思う」ずいう「掚枬」の文末圢匏が共起する堎合である\begin{table}[t]\caption{JpWaCのサンプルにおける高頻床の掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起関係}\input{02table06.txt}\end{table}JpWaCのサンプルデヌタず均衡コヌパスであるBCCWJの䞭の曞籍のコヌパスにおける掚量副詞の分垃ず掚量副詞ず文末モダリティの共起を比范した結果類䌌した分垃及び共起関係の傟向を瀺しおいるこずが明らかになった\cite{Srdanovic2009}SkEの䞭にあるWordSketch機胜だけでなくコンコヌダンスSketchDifferenceシ゜ヌラスなどの機胜においおも掚量副詞ずモダリティ圢匏に぀いお怜玢できるたずえば類䌌しおいる二぀の語の間の共起の傟向における共通点ず差異が閲芧できるSketchDifferenceずいう機胜では「たぶん」ず「きっず」を比范する際「きっず」は「のだろう」「に違いない」「こずだろう」「はず」ずの共起が倚く確信のモダリティタむプに近い性質が芋られる䞀方「たぶん」のほうは掚枬を衚す「ず思う」「のだず思う」「のではないかず」「ず思うのだ」ずよく共起するこずから「きっず」より掚量の床合いが䜎いず考えられる\subsection{SkEで抜出された掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の評䟡}本節ではWordSketchによる掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起の刀定の粟床を評䟡する掚量副詞ず共起する代衚的なモダリティタむプが四぀あり\cite{Kudou,Srdanovic2008a}それぞれのタむプから䞀぀の高頻床の副詞を評䟡のために遞択するたたそれぞれの副詞ず共起するモダリティの怜玢結果から四぀のモダリティ圢匏を遞びWordSketchに衚瀺するモダリティ圢匏のリストの最初から四番目たでの四項目コンコヌダンス機胜から遞んだこの副詞ず共起するモダリティ圢匏の10䟋文をランダムに取り出す埓っお合蚈160の䟋文を評䟡するこずずする遞択した䟋文に぀いお日本語教育専門家二名(A,B),自然蚀語凊理専門家䞀名(C)から評䟡を受ける遞択肢は「正副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しい」「副詞ずモダリティ圢匏の共起は郚分的に正しい」「誀副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しくない」でありコメントを蚘入できる欄もある\begin{table}[t]\caption{評䟡の結果}\input{02table07.txt}\end{table}衚7に芋られるように「正副詞ずモダリティ圢匏の共起は正しい」の回答から粟床は高く評䟡されおいるこずがわかる正しく評䟡されおいない䟋文ず評䟡者のコメントを芋るず以䞋のようなこずがわかる\begin{itemize}\item[1)]モダリティ郚分ずみなす郚分に誀解析ずなる䟋文がある\item[2)]日本語ずしお正しくない䟋文がある\item[3)]コヌパスには重耇する䟋文がある\item[4)]副詞ずモダリティ圢匏が共起しおいない䟋文がある\item[5)]衚瀺されおいるものずは異なる他のモダリティ圢匏ず共起しおいる䟋文がある\end{itemize}123は比范的修正が容易である1に぀いおは郚分的に抜出したモダリティ圢匏をバリ゚ヌションリストに远加するこずタグの付け方の改善で解決できるたた23に぀いおは正しくない文および重耇しおいる文の排陀を行うこずで凊理できる4ず5の原因は圢態玠解析の誀りに起因する耇数の文がコヌパスに入っおいる堎合ず構文が耇雑なため副詞が自動的に指定されたモダリティ圢匏ず共起しない堎合が考えられる今埌の課題ずしお構文䞭の呌応関係を瀺すための構文解析プログラムを改善する必芁がある\subsection{工藀デヌタずの比范}前節では共起項目怜玢結果の粟床が高いず評䟡されたこずを述べたがさらにこの結果を日本語研究における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の呌応関係に぀いおよく粟査された研究\cite{Kudou}ず比范する工藀によるず副詞ずモダリティ圢匏ずの呌応は皋床の問題だず考えられそれぞれの副詞は特定のモダリティタむプに属するモダリティ圢匏ずよく共起する傟向があるずしおいる図4たずえば「きっず」は確信のモダリティタむプに属する「する・のだ」「に違いない」などの圢匏ず最も共起する「おそらく」は掚枬の「だろう・たい」「ず思われる」「のではないだろうか」ず倚く共起する「どうやら」は確定の「らしい」など「もしかしたら」は䞍確定の「かもしれない」などず倚く共起する傟向が芋られる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia2f4.eps}\end{center}\caption{工藀による掚量副詞ず文末モダリティのコヌパス分析結果}\end{figure}本研究で抜出されたデヌタにも工藀のデヌタず同様に掚量副詞ず共起する四぀のモダリティタむプが芋られるこのデヌタにも掚枬ず確信のモダリティタむプずの共起は最も倚く芋られる工藀のデヌタに芋られる様々なモダリティ圢匏はJpWaCにも衚れるしかし副詞の頻床の順序およびそれぞれの副詞の共起傟向には差異も芋られる「きっず」ずの共起は確信のモダリティタむプより掚枬のモダリティタむプの方が倚く珟れる工藀のデヌタにはやや叀い甚語も珟れ䟋えば「さぞ」の頻床はJpWaCより頻床がかなり高いこの差異の理由はSrdanovi\'{c}etal.\citeyear{Srdanovic2008c}に耇数のコヌパスの分類結果で指摘されおいるようにコヌパスの皮類が異なるためである \section{日本語教育ぞの応甚} SkEは既に倚数の蚀語においお語孊教育蟞曞䜜成などに利甚されおおり\shortcite{Smrz,Smith,Kilgarriff1}日本語版も日本語教育などのために圹立぀システムになるず考えられる\cite{Srdanovic2008d}本研究で抜出できるようになった掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起に関する結果は日本語孊習のシラバス教科曞孊習蟞兞などの孊習資源を䜜成するために利甚できるたた抜出された共起関係は孊習者や教垫が授業䞭に参照したり授業の準備をしたりするためにも利甚できるさらに敎理したモダリティ圢匏ずモダリティ圢匏のバリ゚ヌションのリストが日本語教育のための蚀語凊理の資源など様々の目的のために利甚できる怜玢方法の面からみるずSkEで掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起に関しおいく぀かのメリットが芋られる1りェブ䞊で掚量副詞ず文末モダリティの共起が瞬時に効率的に抜出できる2共起に関しおの高頻床の情報ず統蚈的に重芁な共起情報が埗られ孊習項目に優先順䜍を付けるこずができる3SketchDifferenceの機胜においお類䌌しおいる副詞の共起関係の傟向における差異を簡単に把握できる4コンコヌダンス機胜で䟋文を现かく考察でき耇雑な遠隔共起も怜玢でき様々なコンコヌダンスオプションも利甚できる䞀぀の応甚の䟋ずしお日本語の孊習蟞兞の線集・改善案を具䜓的に怜蚎する抜出できるようになった掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起関係の結果を3皮の日本語孊習蟞兞ず比范する孊習者によく利甚されおいる和英蟞兞2皮『ゞヌニアス和英蟞兞』『ニュヌセンチュリヌ和英蟞兞』ず䞭玚レベル以䞊の日本語孊習者にずっお問題ずなる文型を網矅的に集めた蟞兞『日本語文型蟞兞』を察象ずする衚8はこれらの蟞兞においおどの掚量副詞の項目がカバヌされおいるかたた蚘茉されおいる各副詞の項目の䞭でその䟋文䞭にどのモダリティ圢匏が珟れおいるかを瀺しおいる\begin{table}[t]\caption{日本語蟞曞における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏ずの共起}\input{02table08.txt}\par\vspace{4pt}\small△副詞は蟞曞にあるが共起するモダリティ圢匏は蚘茉されおいない\\▲モダリティ圢匏が䟋文にある\\●モダリティ圢匏が他の衚珟ずしお蚀及されおいる\end{table}掚量副詞の分垃から芋るず和英蟞兞2皮には察象ずなるすべおの掚量副詞が珟われおいる「文型蟞兞」には珟われない副詞もある「あんがい」「おおかた」「こずによる」のような最も䜎頻床の副詞以倖にコヌパス䞭にかなり出珟しおいる「ぜったい」「ぜったいに」が珟われおいない本研究で抜出した結果によるずこの二぀の副詞はかなり出珟するこずから䞭玚以䞊の日本語孊習蟞兞にも含めるこずを考慮する必芁がある\footnote{\shortciteA{Srdanovic2009}の研究によるずこの副詞はむンフォヌマルの䌚話コヌパスでは非垞に高頻床で均衡コヌパスの曞籍ずJpWaC新聞コヌパス知恵袋のりェブコヌパスフォヌマルな䌚話コヌパスでもかなり頻床が高い}反察に「さぞ」「たいがい」はJpWaCのコヌパスにはあたり珟れない特に「さぞ」はやや叀い衚珟だず考えられる\footnote{この副詞は教科曞系のコヌパスでは頻床が非垞に高いが均衡コヌパスの曞籍では頻床が非垞に䜎い}掚量副詞ず共起するモダリティ圢匏に぀いおは和英蟞兞2皮の䟋文䞭にモダリティ圢匏が倚く珟れおいるしかしそれぞれの蟞兞で䟋文に珟れるモダリティ圢匏は異なっおおり特定の副詞ず共起する代衚的なモダリティ圢匏が足りない堎合もかなりあるたずえば「たぶん」には「かもしれない」「ものだ」の代わりに「のだろう」「ず思う」を入れた方がよいたた「おそらく」には「ず思う」「に違いない」も远加したほうが良いず考えられる「文型蟞兞」では掚量副詞のすべおの項目に網矅的にモダリティ圢匏が珟れおいるこずが評䟡できるしかしこの蟞兞においおもコヌパス䞭に高い頻床および高い顕著性で珟れるモダリティ圢匏のデヌタを導入するこずに぀いお怜蚎の䜙地があるたずえば「おそらく」ずいう副詞に関し「ものず思われる」のかわりに「のだろう」「こずだろう」「ず思う」のモダリティ圢匏を茉せたほうがよい「かならず」の項目では掚量のモダリティ圢匏が珟われおいないので「はずだ」「のだ」「だろう」「に違いない」を远加した方がよい\footnote{JpWaCにおける最も高頻床の副詞ずモダリティ圢匏の共起関係は均衡コヌパスの曞籍ず類䌌した結果が芋られる}以䞊の指摘は均衡コヌパスに基づく調査結果によるものであり䞀般的な日本語習埗を目的ずした蟞兞の䜜成のためのものであるしかしコヌパスの皮類によっお代衚的なモダリティ圢匏が異なるので\cite{Srdanovic2008a,Srdanovic2008c}孊習蟞兞にもこの調査結果を孊習目的に合わせお反映させるこずが望たしい䞀぀の䟋ずしお理系教科曞自然蚀語凊理の論文集のような理系の特定コヌパスの調査においお均衡コヌパスずは異なり「必ずしも」が他の掚量副詞より頻床が非垞に高いこずがわかったこのような結果を反映させるこずで蟞兞に特定目的の孊習をカバヌするこずが可胜ずなる \section{たずめず今埌の課題} 本皿では掚量副詞ず文末モダリティに関連する先行研究を調査した結果から代衚的なモダリティ圢匏に関する実蚌的な情報ず網矅的に䜜成されたモダリティ圢匏のリストが欠劂しおいるこずを明らかにした次にコヌパス怜玢システムSkEの䞻な機胜を玹介しSkEに掚量副詞ず文末モダリティ圢匏などの遠隔共起関係の機胜の远加を次の1〜4たでの手順で行った\begin{itemize}\item[1)]モダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストの䜜成\item[2)]ChaSenによるモダリティ圢匏の圢態玠解析の怜定ずモダリティ圢匏のタグの䜜成\item[3)]ChaSenで圢態玠解析されたコヌパスぞのタグの再付䞎モダリティ圢匏のタグの远加\item[4)]「文法関係ファむル」に副詞ずモダリティ圢匏の共起関係を定める芏則の远加\end{itemize}次にSkE䞭のWordSketchで抜出が可胜になった掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の評䟡を行い抜出された共起項目が高く評䟡されたこずを瀺したさらに埗られた結果を掚量副詞に぀いおの工藀の日本語研究ず比范し共通点ず差異を明らかにした最埌にSkEのWordSketch機胜で掚量副詞ずモダリティ圢匏の遠隔共起をどのように日本語教育に応甚できるかを怜蚎した具䜓的な䟋ずしお日本語孊習蟞兞における掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起の扱いを怜蚎した今埌の課題ずしおモダリティ圢匏ずそのバリ゚ヌションのリストをxml圢匏で䜜成りェブコヌパス以倖のデヌタに基づいおさらに改善するこずを目指すたた様々なコヌパスを利甚するこずで掚量副詞ず文末モダリティ圢匏の共起のデヌタをゞャンル別に比范するこずで日本語教育における目的別の孊習ぞの掻甚を考える\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Beke\v{s}}{Beke\v{s}}{2008}]{Bekes}Beke\v{s},A.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQJapanesesuppositionaladverbs:probabilityandstructureinspeaker-hearerinteraction.\BBCQ\\newblock{\BemLinguistica},{\Bbf48},\mbox{\BPGS\277--292}.\bibitem[\protect\BCAY{Erjavec,Srdanovi\'{c},\BBA\Kilgarriff}{Erjavecet~al.}{2007}]{Erjavec}Erjavec,T.,Srdanovi\'{c},I.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAlargepublic-accessJapanesecorpusanditsquerytool.\BBCQ\\newblockIn{\BemCoJaS2007}.\bibitem[\protect\BCAY{富士池\Jetal}{富士池\Jetal}{2008}]{Fujiike}富士池優矎\Jetal\BBOP2008\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』における長単䜍の抂芁.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成19幎床公開ワヌクショップ研究成果報告䌚予皿集},\mbox{\BPGS\51--58}.\bibitem[\protect\BCAY{石川}{石川}{2008}]{IshikawaBook}石川慎䞀郎\BBOP2008\BBCP.\newblock\Jem{英語コヌパスず蚀語教育}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{石川}{石川}{2009}]{Ishikawa}石川慎䞀郎\BBOP2009\BBCP.\newblock日本語基瀎研究における非統制型・統制型・媒介型WebasCorpusの可胜性—蚀語コヌパスにおける基本語頻床の安定性に぀いお.\\newblock\Jem{特定領域研究「日本語コヌパス」平成20幎床公開ワヌクショップサテラむトセッション予皿集},\mbox{\BPGS\29--38}.\bibitem[\protect\BCAY{朚田\JBA高梚\JBA也\JBA井䜐原}{朚田\Jetal}{2002}]{Kida}朚田敊子\JBA高梚克也\JBA也裕子\JBA井䜐原均\BBOP2002\BBCP.\newblock文構造の挞進的予枬を可胜にする日本語の諞特城の分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\65--68}.\bibitem[\protect\BCAY{Kilgarriff\BBA\Rundell}{Kilgarriff\BBA\Rundell}{2002}]{Kilgarriff1}Kilgarriff,A.\BBACOMMA\\BBA\Rundell,M.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQLexicalProfilingSoftwareanditsLexicographicApplications---aCaseStudy.\BBCQ\\newblockIn{\BemEURALEX2002Proceedings},\mbox{\BPGS\807--818}.\bibitem[\protect\BCAY{Kilgarriff,Rychly,Smr\v{z},\BBA\Tugwell}{Kilgarriffet~al.}{2004}]{Kilgarriff2}Kilgarriff,A.,Rychly,P.,Smr\v{z},P.,\BBA\Tugwell,D.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQTheSketchEngine.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.Euralex},\mbox{\BPGS\105--116}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀}{工藀}{2000}]{Kudou}工藀浩\BBOP2000\BBCP.\newblock副詞ず文の陳述のタむプ.\\newblock森山卓郎\JBA仁田矩雄\JBA工藀浩\JEDS,\Jem{日本語の文法3モダリティ},\mbox{\BPGS\161--234}.岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{束吉\JBA䜐藀}{束吉\JBA䜐藀}{2007}]{Matsuyoshi}束吉俊\JBA䜐藀理史\BBOP2007\BBCP.\newblock䜓系的機胜衚珟蟞曞に基づく日本語機胜衚珟の蚀い換え.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\899--902}.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1974}]{Minami2}南䞍二男\BBOP1974\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語の構造}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1993}]{Minami1}南䞍二男\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語文法の茪郭}.\newblock倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Sharoff}{Sharoff}{2006}]{Sharoff}Sharoff,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQOpen-sourcecorpora:usingthenettofishforlinguisticdata.\BBCQ\\newblock{\BemInternationalJournalofCorpusLinguistics},{\Bbf11}(4),\mbox{\BPGS\435--462}.\bibitem[\protect\BCAY{Smith,Chen,\BBA\Kilgarriff}{Smithet~al.}{2007}]{Smith}Smith,S.,Chen,A.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAcorpusquerytoolforSLA:learningMandarinwiththehelpofSketchEngine.\BBCQ\\newblockIn{\BemPracticalApplicationsinLanguageandComputers---PALC2007}.\bibitem[\protect\BCAY{Smr\v{z}}{Smr\v{z}}{2004}]{Smrz}Smr\v{z},P.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQIntegratingNaturalLanguageProcessingintoE-learning---ACaseofCzech.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheWorkshoponeLearningforComputationalLinguisticsandComputationalLinguisticsforeLearning,COLING2004},\mbox{\BPGS\106--111}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008a}]{Srdanovic2008a}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2008a\BBCP.\newblock\BBOQDistantCollocationsbetweenSuppositionalAdverbsandClause-FinalModalityFormsinJapaneseLanguageCorpora.\BBCQ\\newblockInTokunaga,T.\BBACOMMA\\BBA\Ortega,A.\BEDS,{\BemLKR2008,LNAI4938},\mbox{\BPGS\252--266}.Springer-VerlagBerlinHeidelberg.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Erjavec,\BBA\Kilgarriff}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008b}]{Srdanovic2008b}Srdanovi\'{c},I.,Erjavec,T.,\BBA\Kilgarriff,A.\BBOP2008b\BBCP.\newblock\BBOQAwebcorpusandword-sketchesforJapanese.\BBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf15}(2),\mbox{\BPGS\137--159}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c}\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}\BBA\Nishina}{2008}]{Srdanovic2008d}Srdanovi\'{c},I.\BBACOMMA\\BBA\Nishina,K.\BBOP2008\BBCP.\newblockコヌパス怜玢システムSketchEngineの日本語版ずその利甚方法.\\newblock\Jem{日本語科孊},{\Bbf23},\mbox{\BPGS\59--80}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2008}]{Srdanovic2008c}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock耇数のコヌパスに芋られる副詞ず文末モダリティの遠隔共起関係.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成19幎床公開ワヌクショップ研究成果発衚䌚予皿集},\mbox{\BPGS\223--230}.\bibitem[\protect\BCAY{Srdanovi\'{c},Beke\v{s},\BBA\Nishina}{Srdanovi\'{c}et~al.}{2009}]{Srdanovic2009}Srdanovi\'{c},I.,Beke\v{s},A.,\BBA\Nishina,K.\BBOP2009\BBCP.\newblockBCCWJにおける掚量副詞ずモダリティ圢匏の共起.\\newblock\Jem{科孊研究費補助金特定領域研究「日本語コヌパス」平成20幎床公開ワヌクショップ研究成果報告䌚予皿集},\mbox{\BPGS\237--244}.\bibitem[\protect\BCAY{砂川}{砂川}{2007}]{Sunakawa}砂川有里子\BBOP2007\BBCP.\newblock機胜語のコロケヌション1副詞ずの共起に぀いお.\\newblock\JTR,科孊研究費補助金特定領域研究日本語教育班第2回公開䌚議.\bibitem[\protect\BCAY{Ueyama\BBA\Baroni}{Ueyama\BBA\Baroni}{2005}]{Ueyama}Ueyama,M.\BBACOMMA\\BBA\Baroni,M.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAutomatedconstructionandevaluationofaJapaneseweb-basedreferencecorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCorpusLinguistics}.\bibitem[\protect\BCAY{山厎}{山厎}{2006}]{Yamazaki}山厎誠\BBOP2006\BBCP.\newblock代衚性を有する珟代日本語曞き蚀葉コヌパスの蚭蚈.\\newblock\Jem{囜立囜語研究所(2006)所茉},\mbox{\BPGS\63--70}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor[:]{Srdanovi\'{c}Irena}{1997幎ベオグラヌド倧孊文孊郚日本語孊科卒業2006幎リュブリャヌナ倧孊文孊郚䞀般蚀語孊・比范蚀語孊研究科修士課皋修了2009幎9月東京工業倧孊倧孊院瀟䌚理工孊研究科人間行動システム専攻博士課皋終了博士孊術蚀語凊理孊䌚日本語教育孊䌚䌚員}\bioauthor[:]{Hodo\v{s}\v{c}ekBor}{2007幎米囜メリヌランド倧孊カレッゞパヌク校人文孊郚日本語孊孊科卒業同幎リュブリャヌナ倧孊文孊郚䞀般蚀語孊・比范蚀語孊研究科修士課皋入孊2008幎東京工業倧孊倧孊院瀟䌚理工孊研究科人間行動システム専攻修士課皋入孊珟圚に至る蚀語凊理孊䌚䌚員}\bioauthor[:]{Beke\v{s}Andrej}{1971幎リュブリャヌナ倧孊理孊郚数孊孊科卒業1975幎倧阪倧孊倧孊院理孊研究科数孊専攻修士課皋修了1981幎筑波倧孊倧孊院人文瀟䌚科孊研究科文芞・蚀語専攻入孊1986幎同課皋修了1988幎リュブリャヌナ倧孊瀟䌚孊郚専任講垫2002幎同倧孊文孊郚正教授日本孊珟圚に至る文孊博士日本語教育孊䌚䌚員}\bioauthor{仁科喜久子}{1969幎東京女子倧孊・文理孊郚卒業1977幎同倧孊倧孊院文孊研究科修士課皋修了1986幎埌玉倧孊専任講垫1988幎東京工業倧孊助教授を経お1996幎同倧孊留孊生センタヌ教授瀟䌚理工孊研究科兌任珟圚に至る博士孊術蚀語凊理孊䌚日本語教育孊䌚教育工孊䌚䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}\jauthor{\affiref{tit}\affiref{lju}\and\affiref{tit}\affiref{lju}\and\\\affiref{lju}\and仁科喜久子\affiref{tit}}
V09N05-02
\section{はじめに} 機械翻蚳では統蚈ベヌスの翻蚳システムのようにコヌパスを盎接䜿甚するものを陀き倉換芏則などの翻蚳知識は䟝然ずしお人手による䜜成を必芁ずしおいるこれを自動化するこずは翻蚳知識䜜成コストの削枛や倚様な分野ぞの適応時の䜜業効率化などに有効である本皿では機械翻蚳特に察話翻蚳甚の知識自動獲埗を目的ずした察蚳文間の階局的句アラむメントを提案するここで蚀う句アラむメントずは2蚀語の察蚳文が存圚するずきその1蚀語の連続領域がもう1蚀語のどの連続領域に察応するか自動的に求めるこずである連続領域は単語にずどたらず名詞句動詞句などの句関係節などの範囲に及ぶためたずめお句アラむメントず呌んでいるここでは察象蚀語ずしお英語ず日本語に぀いお考えるたずえば\begin{itemize}\parskip=0mm\itemindent=20pt\item[E:]{\emIhavejustarrivedinNewYork.}\item[J:]{ニュヌペヌクに着いたばかりです}\end{itemize}\noindentずいう察蚳文があった堎合ここから\begin{itemize}\itemindent=20pt\parskip=0mm\item{\eminNewYork}$\leftrightarrow${ニュヌペヌクに}\item{\emarrivedinNewYork}$\leftrightarrow${ニュヌペヌクに着い}\item{\emhavejustarrivedinNewYork}$\leftrightarrow${ニュヌペヌクに着いたばかりです}\end{itemize}\noindentなどの察応郚分を階局的に抜出するこずを目的ずするこれを本皿では同等句ず呌ぶ同等句は2蚀語間の察応する衚珟を衚しおいるため甚䟋ベヌスの翻蚳システムの甚䟋ずするこずができるたた同等句同士は階局的関係を持぀ためこれをパタヌン化するこずにより文をそのたた保持する堎合に比べ甚䟋を圧瞮するこずもできる埓来このような句アラむメント方法ずしお\shortciteA{Kaji:PhraseAlignment1992,Matsumoto:PhraseAlignment1993,Kitamura:PhraseAlignment1997j,Watanabe:PhraseAlignment2000,Meyers:PhraseAlignment1996}などが提案されおきたこれらに共通するこずは\begin{enumerate}\labelwidth=25pt\itemsep=0mm\item構文解析(句構造解析たたは䟝存構造解析)ず単語アラむメントを䜿甚する\item構文解析噚が最終的に出力した結果を元に句の察応を取る\item単語同士の察応は内容語を察象ずする\end{enumerate}\noindent点であるしかし構文解析噚が出力した結果のみを䜿甚するず句アラむメントの結果が構文解析噚の粟床に盎接圱響を受ける特に埓来提案されおきた方匏は構文解析が倱敗するような文に関しお察策が取られおいないすなわち本皿で念頭においおいる話し蚀葉のような厩れた文が倚く珟れるものを察象ずするには䞍適切であるず考えられる本皿では構文解析ず融合した階局的句アラむメント方法を提案する具䜓的には構文解析倱敗時においおも郚分解析結果を組み合わせるこずにより郚分的な句の察応を出力するよう拡匵するたた内容語のみでなく機胜語の察応を取るこずにより句アラむメント粟床そのものの向䞊を目指す以䞋第\ref{sec-phrase-alignment}章では句アラむメントの基本手法に぀いお述べ第\ref{sec-parsing-for-pa}章では構文解析ずの融合を行う第\ref{sec-word-alignment-for-pa}章では本提案方匏に適合した単語アラむメントの機胜に぀いお述べ第\ref{sec-eval-alignment}章で提案方匏ず他の方匏ずの比范などの評䟡を行うなお本皿は\shortcite{Imamura:PhraseAlignment2001-2}を基に加筆修正したものである \section{階局的句アラむメントの基本方匏} \label{sec-phrase-alignment}察蚳文特に原蚀語を翻蚳しお察蚳を䜜成した堎合別語族の蚀語であっおも同じ皮類の句に翻蚳されるこずが倚いず考えられるたずえば動詞句``{\emarriveinNewYork}''は日本語も「ニュヌペヌクに着く」ずいう動詞句に翻蚳される堎合が倚いこのような性質を螏たえ我々は「察蚳文の連続領域が同じ情報を持ちか぀句の皮類が同じであればそれは同等な句ず芋なせる」ず仮定するこれを凊理可胜な衚珟で眮き換える必芁があるためここでは\begin{conditionlist}\item「同じ情報を持぀」→「2文間で察応づけられおいる単語に過䞍足がない」\label{cond-same-information}\item「句の皮類が同じ」→「構文カテゎリが同じ」\label{cond-same-category}\end{conditionlist}\noindentず解釈するこずずする䞊蚘2条件を満たす句を抜出するには以䞋の凊理手順ずなる(図\ref{fig-proc})\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-proc.eps,scale=0.812802}\caption{階局的句アラむメントの凊理フロヌ}\label{fig-proc}\end{center}\end{figure}\begin{enumerate}\labelwidth=25pt\itemたず日本語文英語文ずもに圢態玠解析構文解析を行う\item次に単語アラむメントを行い文間の単語レベルの察応をずるここでは$W$個の単語察(これを単語リンクず呌び$WL(\mbox{英語単語},\mbox{日本語単語})$ず衚珟する)が抜出されたずする単語アラむメント方法は特に統蚈ベヌスの方法が倚数提案されおいるため\footnote{たずえば\shortciteA{Melamed:WordAlignment2000,Sumita:WordAlignment2000}などを参照のこず}その方匏に぀いおは本皿では特に議論しない\item次に単語リンクのうち$i$個のリンク($1<i\leqW$)を遞択しそれらをすべお含みそれ以倖をたったく含たない構文解析朚のノヌドをすべお取埗する\label{num-get-node}\item入力文1のノヌドず入力文2のノヌドを比范し構文カテゎリが同じである堎合それを同等な句ず芋なすただし文たたは助動詞を含んだ動詞句が耇数取埗された堎合は最倧範囲を瀺すものをそれ以倖の堎合で同じ皮類の句が耇数取埗された堎合は最小範囲を瀺すものを取埗する\label{num-combination}\item凊理\ref{num-get-node},\ref{num-combination}をすべおの単語リンクの組み合わせに぀いお詊隓する\end{enumerate}\paragraph{凊理䟋(1)}たずえば英語``{\emIhavejustarrivedinNewYork.}''ずその日本語蚳「{ニュヌペヌクに着いたばかりです}」があったずする単語リンクが$WL(\mbox{\emNewYork},\mbox{ニュヌペヌク})$,$WL(\mbox{\emarrive},\mbox{着く})$の2぀あり構文朚が図\ref{fig-example1}のようであったずするず以䞋のずおり句の察応が取られる\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-ex1.eps,scale=0.858984}\caption{英語ず日本語の句の察応䟋}(䞊段が英語䞋段が日本語を蚀語間の実線は単語リンクを衚す以䞋同様)\label{fig-example1}\end{center}\end{figure}\begin{enumerate}\labelwidth=25pt\item葉に$WL(\mbox{\emNewYork},\mbox{ニュヌペヌク})$のみを含む(぀たり$WL(\mbox{\emarrive},\mbox{着く})$を含たない)英語構文朚䞊のノヌドず日本語構文朚のノヌドを比范し同じ皮類のノヌドがある堎合それを同等句ずするこの䟋では{\ttNP(1)}同士{\ttVMP(2)}同士のノヌドがそれに該圓する\item同様に葉に$WL(\mbox{\emarrive},\mbox{着く})$のみを含む英語ノヌドず日本語ノヌドを比范し同じ皮類のノヌドを同等句ずするこの䟋では{\ttVP(3)}同士のノヌドがそれに該圓する\item次に$WL(\mbox{\emNewYork},\mbox{ニュヌペヌク})$ず$WL(\mbox{\emarrive},\mbox{着く})$の䞡方を含むノヌドを比范し同じ皮類のノヌドを同等句ずするこの䟋では{\ttVP(4)}同士{\ttAUXVP(5)}同士{\ttS(6)}同士が該圓する\end{enumerate}埓っお最終的に衚\ref{tbl-alignment-result}に瀺す6぀の同等句が埗られる\begin{table*}\begin{center}\caption{句アラむメント結果䟋}\label{tbl-alignment-result}{\smalltable\begin{tabular}{c|ll}\hline\hline構文カテゎリ&英語句&日本語句\\\hline{\ttNP}&{\emNewYork}&{ニュヌペヌク}\\{\ttVMP}&{\eminNewYork}&{ニュヌペヌクに}\\{\ttVP}&{\emarrive}&{着く}\\{\ttVP}&{\emarriveinNewYork}&{ニュヌペヌクに着く}\\{\ttAUXVP}&{\emhavejustarrivedinNewYork}&{ニュヌペヌクに着いたばかりです}\\{\ttS}&{\emIhavejustarrivedinNewYork}&{ニュヌペヌクに着いたばかりです}\\\hline\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table*}本䟋は2぀の単語リンクが存圚する堎合であるが3単語の堎合はリンク1を含みリンク23を含たない句リンク12を含みリンク3を含たない句リンク123をすべお含む句のように組み合わせ的に句を取埗するこれにより同等句が階局的に埗られるなお英語ず日本語では圓然構文カテゎリは異なるが今回は䞡者の構文カテゎリを蚀語共通ず考えられる衚\ref{tab-phrase-type}に瀺すような7皮類に分類したこのような抜象化を行うこずにより異なる蚀語の構文カテゎリの比范が可胜ずなる\begin{table}\begin{center}\caption{構文カテゎリの分類}\label{tab-phrase-type}{\smalltable\begin{tabular}{ccl}\hline\hline句の皮類&蚘号&\multicolumn{1}{c}{備考}\\\hline名詞句&{\ttNP}&\\動詞句&{\ttVP}&\\助動詞付動詞句&{\ttAUXVP}&助動詞を含んだ動詞句\\連甚修食句&{\ttVMP}&甚蚀を修食する句\\連䜓修食句&{\ttNMP}&䜓蚀を修食する句\\独立句&{\ttINDP}&感動詞等\\文&{\ttS}&\\\hlineその他&&蚀語䟝存の句比范察象倖\\\hline\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table}\paragraph{凊理䟋(2)}蚀語が異なるず単語同士が察に察応できたずしおも品詞が異なるこずも倚いそのような句を構文カテゎリによる制玄なしで察応づけるず䞍自然に短い単䜍ずなり察蚳ずしお䞍適切になるず考えられるしかし本皿で述べる方匏では句の皮類が同じもののみを同等句ずしお取埗するため同等句が䞍自然に短くならない\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-ex2.eps,scale=0.91073}\caption{品詞が異なる堎合の察応䟋}\label{fig-example2}\end{center}\end{figure}たずえば英語``{\emBusinessclassisfullybooked.}''ず日本語「{ビゞネスクラスは予玄で䞀杯です}」から同等句を抜出するこずを考える(図\ref{fig-example2})単語アラむメントで$WL(\mbox{{\emfully}/ADV},\mbox{䞀杯/名詞})$,$WL(\mbox{{\embook}/V},\mbox{予玄/名詞})$の単語リンクが埗られたずしおもどちらか䞀方の単語リンクのみを含んで構文カテゎリが同じノヌドはないしかし䞡者を同時に含み同じ構文カテゎリを持぀ノヌドずしおは{\ttVP(2)}があるので``{\embefullybooked}''ず「{予玄で䞀杯です}」が同等句ずしお最初に抜出される\paragraph{凊理䟋(3)}意蚳の䟋を図\ref{fig-example3}に瀺すこの䟋では英語``{\emfly}''を日本語「{飛行機で行く}」ず蚳しおいるため䞡者は単語アラむメントで察応づけられおいないにも関わらず最終的な出力では英語``{\emflytoNewYorktomorrow}''ず日本語「{ニュヌペヌクに明日飛行機で行く}」が察応づけられおいる぀たり間接的に``{\emfly}''ず``{飛行機で行く}''が察応づけられるこのように本方匏では単語アラむメントで察応が取れないような意味的な翻蚳がされた句(蚀い換えるず単語の盎蚳でない句)もある皋床察応づけるこずができる\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-ex3.eps,scale=0.92316}\caption{意蚳の堎合の察応䟋}\label{fig-example3}\end{center}\end{figure}単語リンク䞍足のずきの句アラむメントに぀いおは\ref{sec-wa-accuracy}で詳现を述べる\newpage \section{句アラむメントず構文解析の融合} \label{sec-parsing-for-pa}\ref{sec-phrase-alignment}章で述べた方法は構文解析結果が䞀意に決たったず仮定しおいるしかし構文解析結果を䞀意に決定した埌に句アラむメント凊理を行うず句アラむメント結果が構文解析結果に盎接圱響されるたずえば構文解析噚が解析出来ない文は句アラむメント凊理を行えないたた誀った構文解析結果を元に句アラむメント凊理を行えば句アラむメント結果も誀る可胜性が高い構文解析゚ラヌは倧きく以䞋の2皮類に分類するこずができる\begin{itemize}\itemsep=0mm\item曖昧性の問題\\構文解析結果の候補が耇数ありそれを遞択ミスする堎合この堎合構文解析結果が誀ったものになる\item解析朚䜜成倱敗\\文法(曞き換え芏則)が䞍足しおおり文党䜓をカバヌする解析朚の䜜成に倱敗する堎合この堎合は通垞構文解析噚からの出力がない\end{itemize}このうち曖昧性は単蚀語の構文解析では必ず発生する問題である䞀方解析朚䜜成倱敗は皠密な文法を甚意すれば解決可胜であるしかし察話翻蚳をタヌゲットにする堎合文法的な厩れの倚い話し蚀葉を扱わなければならないずいう問題があるたた機械翻蚳のように耇数の蚀語を扱う堎合蚀語によっおツヌル・コヌパス等の敎備状況が異なっおいるためすべおの蚀語においお倱敗のない構文解析噚を甚意できる可胜性は䜎いもし甚意できない堎合は文法を人手で䜜成するしかなく解析朚䜜成倱敗は必ず起こりうる問題ずなる本提案方匏では以䞋の特城および手法を利甚しお句アラむメント凊理ず構文解析を融合させるこずにより曖昧性の問題解析朚䜜成倱敗の解決を図る\subsection{蚀語間の構造の類䌌性を利甚した曖昧性解消}\label{sec-disambiguation}個々の蚀語の構文解析で発生した曖昧性は2蚀語を察応づけるこずによりある皋床解消するこずができるこれは2蚀語間の構造の類䌌性を利甚するものである\cite{Kaji:PhraseAlignment1992,Matsumoto:PhraseAlignment1993}たずえば英語におけるPPアタッチメントの曖昧性は察応する日本語の構造が䞀意に決たるず解消するこずができる図\ref{fig-pp}での`{\emforbreakfast}'は点線の構文朚のように`{\emneed}'ず組み合わさっおVPを圢成するこずもできるし実線の構文朚のように`{\emroomservice}'ず組み合わせおNPを圢成するこずもできるしかし日本語の構造を解析するず`{朝食}'は`{ルヌムサヌビス}'ずずもにNPを圢成しおいるため英語に぀いおも同様に``{\emroomserviceforbreakfast}''で名詞句を構成しおいるず考えるのが劥圓である\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-pp.eps,scale=0.893807}\caption{PPアタッチメントの曖昧性解消䟋}\label{fig-pp}\end{center}\end{figure}この珟象は蚀語によっお曖昧性が発生しやすい条件が異なっおいるためそれら条件のANDを求めるこずにより曖昧性を解消できる堎合があるこずを瀺しおいるこのように2蚀語の構造が類䌌した時に高いスコアを出す評䟡関数を蚭定するこずにより曖昧性を評䟡・解消するこずができる今回は英語日本語の党ノヌド(非終端蚘号)に぀いお察応づけを行いその察応づけられたノヌド数ず単語リンク数の和を評䟡倀ずしお最倧スコアを持぀構造を採甚するこずずしたこれを本皿では{\bf句察応スコア}ず呌ぶ図\ref{fig-pp}では実線の構造では{\tt(1)NMP},{\tt(2)NP},{\tt(3)VP}同士が同等句ず刀定されるが点線の構造では同じ範囲の同等句は{\ttVP(1)}のみであるしたがっお実線の構造の句察応スコアは2だけ倧きくなりこちらの構造が採甚されるなお今回は単語アラむメントの結果は䞀意に決定しおいるがもしたずえば同じ単語が耇数回出珟するなど単語アラむメント結果自䜓に曖昧性がある堎合も句察応スコアが最倧ずなる単語リンクの組み合わせを探玢するこずにより䞊蚘評䟡尺床である皋床解消するこずができる\subsection{郚分解析結果の組み合わせによる解析倱敗ぞの察応}\label{sec-partial}本皿で述べる句アラむメントは構文解析噚ずしおチャヌトパヌザを甚いおいるこのパヌザは文法(曞き換え芏則)が䞍足しお解析朚の䜜成に倱敗する堎合通垞䜕も出力するこずはないがパヌサ内のアゞェンダに郚分解析結果を残しおいる぀たり郚分的ではあるが正しい句の候補がアゞェンダ内にあるずいうこずであるこれらを適切に組み合わせお甚いるこずができれば文法䞍足による解析倱敗に察応できるこの方法は特に文法的な厩れが倚い話し蚀葉で有効である\cite{Takezawa:Parsing1996j}組み合わせを行う際はその郚分朚が適切かどうか怜査する必芁があるがその評䟡基準に\ref{sec-disambiguation}節で述べた句察応スコアが利甚できるもちろん解析が成功した堎合(すなわち文党䜓が1぀の朚で衚珟できた堎合)はその解析結果を優先しなければならないためトヌタルの郚分朚数が少ない組み合わせを優先するよう\ref{sec-disambiguation}節の評䟡尺床を修正した最終的な評䟡尺床は以䞋のずおりずなる\begin{enumerate}\labelwidth=25pt\item2぀の入力文の句を比范し句察応スコアが最倧の句を察応する候補ずしお取り出す\item文党䜓に぀いお句の察応ノヌド数の総和をずり最倧ずなる句の列を解析結果ずしお採甚する\item同点の句列が耇数存圚する堎合は句の数が最小のものを解析結果ずする\end{enumerate}しかしすべおの郚分解析結果の組み合わせを詊した堎合組み合わせ数は指数的に増倧するこの問題を回避するため今回圢態玠解析で䜿われおいる2パスの探玢手法である前向きDP埌ろ向き$A^{*}$アルゎリズム\cite{Nageta:ForwardDPBackwardAStar1994}を䜿甚した\begin{figure*}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-search.eps,scale=0.893444}\caption{郚分解析結果組み合わせ探玢䟋}\label{fig-search}(䞉角は構文解析の郚分結果䞉角内の数字は句察応スコア\\網掛けは最終的に探玢された句を衚す)\end{center}\end{figure*}本探玢手法を甚いた郚分解析結果組み合わせ法に぀いお説明する(図\ref{fig-search}説明䞊片蚀語の句のみを瀺す)なおここで各郚分朚の句察応スコアは予め算出されおいるものずする\footnote{珟圚のむンプリメンテヌションでは2蚀語のすべおの郚分朚同士に぀いお句察応スコアを算出しその埌に探玢を行っおいるしたがっお句察応スコア算出には$\mbox{英語郚分朚数}*\mbox{日本語郚分朚数}$に比䟋した時間がかかる句察応スコアは郚分朚の䞋䜍ノヌドの句察応スコアを再垰的に加算したものであるので䞋䜍ノヌドからボトムアップに算出し重耇ノヌドの再蚈算を避けおいる}たず片蚀語(ここでは英語ずする)のすべおの郚分朚をラティス構造に配眮する前向き探玢時には動的蚈画法を甚いお始点から゚ッゞ$i(0\leqi\leq\mbox{圢態玠数}N)$たでの句察応スコアの最倧倀を算出するこれを䟿宜䞊芋積スコアず呌ぶこの時どの経路を通過したかは蚘録しない芋積スコアは始点から゚ッゞ$i$たでこのスコアで至る組み合わせが存圚するこずを瀺しおいる次に埌ろ向き探玢では$A*$探玢を甚いお最適な組み合わせを探玢するこのずき$A*$アルゎリズムのヒュヌリスティック関数倀ずしお芋積スコアを甚いる芋積スコアは最も粟床のよいヒュヌリスティック関数倀であるので無駄な経路をほずんど展開するこずなく最適経路を探玢するこのように本探玢手法を甚いるずビヌム探玢のように枝刈りをする必芁がなく圢態玠数にほが比䟋した時間で最適な英語句の列を埗るこずができそれに察応する日本語句の列も埗られるしかし぀の英語句に察応する日本語句は耇数の候補があるため䞀郚日本語句同士が重なる堎合があるそのため埌ろ向き探玢の経路展開時に日本語句列の範囲をチェックし重なりがある経路を展開しないずいう凊理が必芁ずなるその堎合展開䞭の経路が無効になる可胜性があるが$A*$探玢は展開䞭経路が無効ずなっおも次点の経路を展開するため探玢結果は句察応スコアの総和が最倧でか぀日本語句の列に重なりがない最適解ずなる \section{単語アラむメントに芁求される機胜} \label{sec-word-alignment-for-pa}\subsection{機胜語間機胜語--内容語察応}\label{sec-func-word}機胜語は様盞法などを衚しおいるため文の衚珟のバラ゚ティを衚すこずが倚いこれを無芖しおむやみに句の察応をずるず意味的には問題がないが衚珟䞊察蚳ずしお䞍適切なものが同等句ずしお抜出されるこずがある特に日本語では時制などたでが機胜語で衚されるためこれを扱うこずは重芁であるたずえば図\ref{fig-func-word}の䟋では$WL(\mbox{\emafter},\mbox{以降})$の察応がない堎合$WL(\mbox{\emthree},\mbox{䞉時})$のみを䜿っお``{\emthree}''ず``{䞉時以降}''ずいう{\ttNP(1)}を察応づけおしたうしかし$WL(\mbox{\emafter},\mbox{以降})$がある堎合{\ttNP(1)}ノヌドは単語リンクに過䞍足があるため察応づけられないこのように機胜語間たたは機胜語--内容語間察応を远加しお\ref{sec-phrase-alignment}章で述べた条件\ref{cond-same-information}の制玄を匷くするこずにより誀った同等句を抜出しにくくなり粟床を向䞊させるこずができる\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-func.eps,scale=0.928378}\caption{機胜語--内容語察応文の䟋}\label{fig-func-word}\end{center}\end{figure}\subsection{単語アラむメントの粟床ず句アラむメントの関係}\label{sec-wa-accuracy}珟圚のずころ単語アラむメントの適合率再珟率共に100\%の方匏は提案されおいないするず本方匏を実際に甚いる堎合は単語アラむメント誀りたたは䞍足が含たれおいるず考えるのが劥圓であるでは本方匏にずっおは適合率ず再珟率のどちらが重芁であるのか単語アラむメントの適合率が䜎䞋するず蚀うこずは再珟率を100\%に保っおいるず仮定するず䞍芁な単語リンクが含たれおいるずいうこずである\ref{sec-func-word}節でも述べたが本方匏は単語リンクが増加するず条件\ref{cond-same-information}の制玄が匷くなり抜出されるべき同等句が抜出されなくなるしかしこれはあくたで制玄が匷くなっおいるため誀った同等句の抜出は起こりにくい䞀方単語アラむメントの再珟率が䜎䞋した堎合蚀い換えるず本来あるべき単語リンクが䞍足した堎合は条件\ref{cond-same-information}の制玄が緩くなるそのため\ref{sec-disambiguation}節で述べたPPアタッチメントの曖昧性解消や動詞の有効範囲に曖昧性が生じるため誀った同等句を抜出しやすくなるこのように本方匏に適合する単語アラむメントは再珟率を重芖したもの蚀い換えるず少々䞍芁な単語リンクが含たれおいおも必芁な単語リンクがほずんど含たれおいるものであるこずが望たしい \section{実隓・評䟡} \label{sec-eval-alignment}\subsection{実隓条件}旅行䌚話に関する基本衚珟䟋文300文をランダムに取り出し句アラむメント実隓を行ったこの基本衚珟䟋文集は話し蚀葉を意識しお人間が䜜成したものであるそのため完党な話し蚀葉ずはなっおいないが曞き蚀葉に比べるず厩れた文䜓になっおいるたずえば``{\emYou'reverywelcome,sir,pleaseletmeknowifyouhaveanyproblems,I'llbehappytohelp}''のように感動詞や単文が接続詞・接続助詞なしで䞊んでいる文や栌助詞が抜けた文などが混じっおいるそのため準話し蚀葉コヌパスずしお本テストセットを䜿甚したテストセットの1文あたりの平均圢態玠数は英語8.95日本語8.81ず比范的短いその他の実隓条件は以䞋のずおりである\begin{itemize}\item圢態玠解析は機械タグ付け埌人手で修正したものを䜿甚した\item単語アラむメントは内容語に関しおは人手で単語リンクを䜜成し機胜語に関しおは予め䜜成した察蚳蟞曞を甚いお行った\item構文解析噚は基本的なボトムアップチャヌトパヌサを甚いた䜿甚した曞き換え芏則は文脈自由文法で英語286日本語254芏則である甚いた構文解析噚の本テストセット䞊での解析粟床を衚\ref{tbl-parsing-accuracy}に瀺す\footnote{ここでは\shortciteA{Collins:StatisticalParsing1997,Sekine:ApplePie1995,Charniak:StatisticalParsing2000}等の指暙を甚いた\begin{eqnarray*}\mbox{ラベル適合率}&=&\frac{\mbox{構文解析結果の正しいノヌド数}}{\mbox{構文解析結果の総ノヌド数}}\\\\\mbox{ラベル再珟率}&=&\frac{\mbox{構文解析結果の正しいノヌド数}}{\mbox{正解構文朚の総ノヌド数}}\\\\\mbox{亀差括匧数}&=&構成玠郚分朚の境界が構文解析結果ず正解構文朚の間で異なった数\end{eqnarray*}\vspace*{-10pt}}\footnote{文法を蚀語別に開発したが結果的に解析出力数が英語・日本語ずもに200文ずなった}英語構文解析噚の䞀぀である\shortciteA{Charniak:StatisticalParsing2000}\footnote{\ttftp://ftp.cs.brown.edu/pub/nlparser/}の堎合40単語以䞋の文でラベル適合率90.1\%,ラベル再珟率90.1\%ず報告されおおりそれに比べるず本解析噚の粟床はラベル再珟率が䜎いすなわち解析倱敗が倚いこれは前述の厩れた文を解析したためず文法を人手で䜜成しおいるためすべおの蚀語珟象をカバヌできなかったためである\item句アラむメント結果の第1候補に぀いお抜出された句をランダムに300句遞択しその正しさを文字列ずしお評䟡者が刀定した評䟡者は英語に堪胜な日本語ネむティブ日本語に堪胜な英語ネむティブ各名でその平均を算出した評䟡は以䞋の3段階で行った\begin{itemize}\itemsep=0mm\item[A:]正解英語から日本語ぞの翻蚳日本語から英語ぞの翻蚳どちらから芋おも可胜な蚳である\item[B:]間違いではないが文脈に䟝存するものこの文に限った堎合英語から日本語ぞの翻蚳たたは日本語から英語ぞの翻蚳のどちらかが可胜な蚳であるもの\item[C:]䞍正解英語から日本語ぞの翻蚳日本語から英語ぞの翻蚳どちらも誀り\end{itemize}\end{itemize}\begin{table*}\begin{center}\caption{実隓に䜿甚した構文解析噚の単䜓性胜}\label{tbl-parsing-accuracy}{\smalltable\begin{tabular}{ccc}\hline\hline&英語&日本語\\\hline文数&300&300\\解析出力数&200(67\%)&200(67\%)\\候補総数(1出力あたり)&836(4.18)&394(1.97)\\ラベル適合率&90.5\%&93.1\%\\ラベル再珟率&50.8\%&52.6\%\\1出力あたりの平均亀差括匧数&0.487&0.447\\亀差括匧なし文数&144(48\%)&160(53\%)\\\hline\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table*}\subsection{句アラむメント甚構文解析の効果}\paragraph{各機胜組み蟌み時の性胜の差異}たず以䞋の3方匏で句アラむメントの性胜を枬定した結果を衚\ref{tbl-accuracy}に瀺す同衚䞭の句数は評䟡者がそのランクず刀定した同等句数を評䟡者毎にカりントしたもので適合率は評䟡察象同等句(300句*2名)のうちの該圓ランクの同等句の割合を衚す\caselist{{\bf(提案方匏)}構文解析䞭にアゞェンダから候補を取り出し句察応スコアの総和が最も高くなる組み合わせを探玢した堎合}\label{case-part}\caselist{構文解析噚が党䜓を解析できた文のみに察しお第1候補を遞択し句アラむメントを行った堎合すなわち曖昧性の問題解析朚䜜成倱敗に察しお䜕も察凊しない堎合}\label{case-one}\caselist{構文解析噚が党䜓を解析できた文のみに察しおすべおの候補の組み合わせで句アラむメントを行い句察応スコアが最も高い結果を遞択した堎合すなわち句察応スコアを甚いお曖昧性解消を行った堎合に盞圓するCase\ref{case-one}ず比范するこずにより句察応スコアの効果を枬るこずができるたたCase\ref{case-part}ず比范するこずにより郚分解析の効果を枬るこずができる}\label{case-pscore}\begin{table*}\begin{center}\caption{各機胜組み蟌み時の同等句抜出数その粟床比范}\label{tbl-accuracy}{\smalltable\footnotesize\begin{tabular}{l|l|ccc|ccc}\hline\hline&&文数&解析出力数&抜出同等句数&\multicolumn{3}{|c}{同等句粟床}\\\cline{6-8}&&&&(1出力あたり)&ランク&句数&適合率\\\hline提案方匏&Case\ref{case-part}&300&296&1,676(5.66)&A&248+269&86.2\%\\&&&&&B&30+5&5.8\%\\&&&&&C&22+26&8.0\%\\\hline句アラむメン&Case\ref{case-one}&300&176&726(4.13)&A&249+270&86.5\%\\ト方法を倉え&&&&&B&30+8&6.3\%\\た堎合&&&&&C&21+21&7.0\%\\\cline{2-8}&Case\ref{case-pscore}&300&177&822(4.64)&A&264+267&88.5\%\\&&&&&B&18+3&3.5\%\\&&&&&C&18+30&8.0\%\\\hline単語アラむメ&Case\ref{case-content}&300&295&1,703(5.77)&A&240+258&83.0\%\\ント結果を倉&&&&&B&31+4&5.8\%\\化させた堎合&&&&&C&29+36&10.8\%\\\cline{2-8}&Case\ref{case-func-precision}&300&276&1,018(3.69)&A&245+266&85.2\%\\&WA適合率50\%&&&&B&17+0&2.8\%\\&WA再珟率100\%&&&&C&38+31&11.5\%\\\cline{2-8}&Case\ref{case-func-recall}&300&272&1,147(4.22)&A&209+230&73.2\%\\&WA適合率100\%&&&&B&21+4&4.2\%\\&WA再珟率50\%&&&&C&70+66&22.7\%\\\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table*}たずCase\ref{case-part}に぀いお抜出された同等句の粟床(ランクAのみ)を芋るず玄86.2\%ず比范的高い粟床で同等句を抜出しおいるCase\ref{case-one}ずCase\ref{case-pscore}を比范するずCase\ref{case-pscore}で抜出同等句数が増加しおいる句察応スコアは構造が異なる候補がある堎合できる限り句察応が倚い候補を遞択するため抜出同等句数が増加するしかし同等句の粟床を芋るずAランクでは若干向䞊した皋床である粟床がほが同じ理由は本方匏は本質的に誀った抜出を行いにくくCase\ref{case-one}における誀った構文解析朚のノヌドが無芖されたためず考えられるたたCase\ref{case-one}・Case\ref{case-pscore}ずCase\ref{case-part}の比范ではCase\ref{case-part}はほずんどすべおの文に察しお䜕らかの結果を出力しおいるそのため抜出同等句数も玄2倍ず増加しおいるが粟床はCase\ref{case-one}ず同皋床であるしたがっお句察応スコアは郚分解析結果の組み合わせ凊理においおも効果を衚しおいるずいえる郚分解析は非文法的な文に察しお特に有効であるため話し蚀葉で効果を発揮する\subsection{単語アラむメント粟床の圱響}単語アラむメント粟床が句アラむメントにおよがす圱響を調べるため単語リンクを倉えお実隓を行ったなお句アラむメント方法はすべおCase\ref{case-part}を䜿甚しおいる結果を衚\ref{tbl-accuracy}に瀺す\caselist{単語リンクを内容語のみに限った堎合Case\ref{case-part}ず比范するこずにより機胜語・内容語間察応の圱響を枬るこずができる}\label{case-content}\caselist{Case\ref{case-part}で甚いた単語リンクを正解(適合率再珟率双方ずもに100\%)ず芋なし単語アラむメントの適合率のみを50\%〜100\%に䜎䞋させた堎合぀たり䞍芁な単語リンクが含たれおいる堎合の圱響を枬るこずができる䞍芁な単語リンクはランダムに単語察を遞択し正解単語リンクに含たれおいないものを远加した単語アラむメント適合率(WA適合率)および再珟率(WA再珟率)は以䞋の匏で衚す}\label{case-func-precision}\vspace*{-10pt}\begin{eqnarray*}\mbox{WA適合率}&=&\frac{\mbox{正解単語リンク数}}{\mbox{正解単語リンク数}+\mbox{䞍芁な単語リンク数}}\\\\\mbox{WA再珟率}&=&\frac{\mbox{正解単語リンク数}-\mbox{削陀リンク数}}{\mbox{正解単語リンク数}}\end{eqnarray*}\vspace*{3pt}\caselist{単語アラむメントの適合率を固定にし再珟率のみを50\%〜100\%に䜎䞋させた堎合぀たり単語リンクが䞍足しおいる堎合の圱響を枬るこずが出来る削陀リンクは正解単語リンクからランダムに遞択した}\label{case-func-recall}\paragraph{機胜語察応の効果}Case\ref{case-part}ずCase\ref{case-content}の結果を比范するず内容語の単語リンクに限った堎合抜出同等句数が若干増加するが粟床は若干䜎䞋する念のためCase\ref{case-part}ずCase\ref{case-content}で異なった句アラむメント結果が埗られたもの321同等句からCase\ref{case-part}のみに珟れた50句Case\ref{case-content}のみに珟れた50句を取り出し日本語ネむティブ1名で再評䟡したずころA評䟡ずなったものはCase\ref{case-part}では36句(72\%)Case\ref{case-content}では14句(28\%)ず明らかな盞違が珟れたしたがっお機胜語察応を含めるこずにより句アラむメント粟床が向䞊するこずは確認された\paragraph{単語アラむメント粟床の圱響}Case\ref{case-func-precision}ずCase\ref{case-func-recall}の抜出同等句数の倉化を図\ref{fig-variable-word-accuracy}に瀺す適合率を倉化させた堎合再珟率を倉化させた堎合のどちらも単語アラむメント粟床が䜎䞋するず同じように抜出同等句数が枛少するがWA適合率が䜎䞋した方が抜出句数の䜎䞋が若干倧きい\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=fig/fig-prec-recall.eps,scale=0.629921}\caption{単語アラむメント粟床を倉化させたずきの抜出同等句数}\label{fig-variable-word-accuracy}\end{center}\end{figure}䞀方衚\ref{tbl-accuracy}を芋るずWA適合率を䜎䞋させおも同等句の粟床はほずんど倉化がなくWA再珟率を䜎䞋させた堎合は明らかに句アラむメント粟床も䜎䞋しおいるしたがっお\ref{sec-wa-accuracy}節で述べたように本提案方匏は単語アラむメントの適合率より再珟率の方が句アラむメントの粟床に圱響をおよがしやすいず蚀える぀たり本方匏に適合した単語アラむメントは少々誀りを含んでいおもできるだけ倚くの単語リンクを䞎える方が句アラむメントの粟床を向䞊させやすい\subsection{同等句抜出䟋}本提案方匏による同等句抜出䟋を衚\ref{tbl-proposed-examples}に瀺す\begin{table*}\begin{center}\caption{提案方匏の句アラむメント結果}\label{tbl-proposed-examples}{\smalltable\begin{tabular}{c|c|ll}\multicolumn{4}{c}{\bf(A)単文・感動詞の連続}\\\multicolumn{4}{l}{英語:Allright,Iunderstand,hereisyourpassportandticket.}\\\multicolumn{4}{l}{日本語:オヌケヌわかりたしたはいあなたのパスポヌトず航空刞です}\\\hline\hlineNo.&構文カテゎリ&英語句&日本語句\\\hline1&{\ttS}&{\emIunderstand}&{わかりたした}\\2&{\ttAUXVP}&{\emunderstand}&{わかりたした}\\3&{\ttVP}&{\emunderstand}&{わかる}\\4&{\ttS}&{\emhereisyourpassportandticket}&{あなたのパスポヌトず航空刞です}\\5&{\ttAUXVP}&{\emisyourpassportandticket}&{あなたのパスポヌトず航空刞です}\\6&{\ttVP}&{\embeyourpassportandticket}&{あなたのパスポヌトず航空刞です}\\7&{\ttNP}&{\emyourpassport}&{あなたのパスポヌト}\\8&{\ttNP}&{\emticket}&{航空刞}\\\hline\hline\multicolumn{4}{c}{}\\\multicolumn{4}{c}{}\\\multicolumn{4}{c}{\bf(B)栌助詞欠萜の文}\\\multicolumn{4}{l}{英語:Pleaseretrievemycoat.}\\\multicolumn{4}{l}{日本語:預けたコヌト出しおください}\\\hline\hlineNo.&構文カテゎリ&英語句&日本語句\\\hline1&{\ttS}&{\empleaseretrieve}&{出しおください}\\2&{\ttVP}&{\emretrieve}&{出す}\\3&{\ttNP}&{\emmycoat}&{コヌト}\\\hline\hline\end{tabular}}\end{center}\end{table*}䟋(A)は単文感動詞が接続詞接続助詞なしで連続しおいるため英語・日本語ずもに構文解析が倱敗した䟋であるしかし本方匏を甚いるず単文ずしお察応づけられる郚分に぀いおはその䞋䜍構造も含めお同等句ずしお抜出されるなお本来の英語構造は``[{\emyour}[{\empassportandticket}]]''ずなるべきずころ``[[{\emyourpassport}]{\emand}[{\emticket}]]''ず䞊列句の解析が誀っおいるためNo.7および8の同等句が抜出されおいる䞊列句は日本語・英語ずもに構造が曖昧な堎合が倚く䞡者の構造を比范しおも曖昧性が解消できないこずが倚い䟋(B)は日本語の栌助詞が欠萜した文であるこの堎合日本語の構文解析だけが倱敗するが郚分的な3぀の同等句を抜出するNo.1の同等句が{\ttS}ずしお抜出されるのは日本語の構文解析朚がそれ以䞊の倧きな構造を䜜成できないためであるしかし「預けたコヌト」が呌び掛けの意図で甚いられおいるず解釈した堎合䟋(A)ず同じように``pleaseretrieve''ず``出しおください''で察応づけられおいおも誀りではないこのように本方匏を甚いるず郚分的な同等句を出力するこずができる \section{関連研究} 蚀語間の構造同士の察応を取るこずにより句レベルの察応を階局的に取埗する方法ずしおは先行研究では以䞋のものが発衚されおいるたず句構造を基本ずする研究ずしおは\shortciteA{Kaji:PhraseAlignment1992}の方法がある単語レベルの察応を基に句構造のノヌド間の察応を取るもので筆者の研究の基ずなったものであるしかし構文カテゎリ制玄を䜿甚しおいないため単語リンクの䞡端が異なる品詞を持぀堎合䞍圓に短い単䜍で同等句を抜出する䟝存構造を基本ずする研究ずしおは\shortciteA{Matsumoto:PhraseAlignment1993,Kitamura:PhraseAlignment1997j,Yamamoto:PhraseAlignment2001j,Watanabe:PhraseAlignment2000,Meyers:PhraseAlignment1996}が挙げられる䟝存構造を基にする堎合ノヌドそのものが最小単䜍の名詞句動詞句副詞句等を衚しおいるため構文カテゎリ情報を甚いなくずもある皋床の句レベル察応を取るこずができるしかし\shortciteA{Kaji:PhraseAlignment1992}の手法ず同様の問題があるず考えられる\shortciteA{Wu:SimultaneousGrammar1995}は構文解析埌に構造の察応を取るのではなく予め蚀語間で察応づけられた構文解析芏則を甚意しおおき蚀語同時に解析を行うこずにより構文解析ず句レベルの察応づけを同時に行う手法を提案しおいるこの方法で予め甚意する必芁があるのは単語同士の察応芏則(終端蚘号同士の察応)である蚀い換えるず単語アラむメントのみを必芁ずするしかし単語同士の察応が十分぀くような盎蚳文では機胜するが構文制玄が匱いため意蚳等を含む䞀般的な察蚳文特に本皿で目指しおいる話し蚀葉には向かないず考えるたたいずれの方法も構文解析に倱敗する文の救枈策に぀いおは述べられおいない構文解析は文法蚭蚈者が意図したドメむンでの性胜は高いが別ドメむンに移行した堎合粟床が萜ちるものが倚い本手法は文法のカバレッゞが䜎いパヌザであっおも郚分解析結果を組み合わせるこずにより同等句を抜出しおいるため話し蚀葉以倖でも同等句抜出数ずいう点で有利である単語アラむメントの䜿甚方法ずいう芳点で䞊蚘研究を俯瞰するず\shortciteA{Kaji:PhraseAlignment1992,Watanabe:PhraseAlignment2000}は単語アラむメントを決定的に行っおいる䞀方\shortciteA{Matsumoto:PhraseAlignment1993,Kitamura:PhraseAlignment1997j,Meyers:PhraseAlignment1996}は単語類䌌床を導入し構造比范時のスコアずしおいる\shortciteA{Yamamoto:PhraseAlignment2001j}の研究は単語アラむメントを必芁ずしないずいう点が特城的であるこれは句レベルの察応候補を䜜成し重み付きダむス係数ずいう統蚈量を甚いお最良優先に察応を決定しお行くものである我々の提案手法は統蚈量をたったく甚いおいないのでこれず類䌌の統蚈量を埌凊理的に導入するこずにより同等句の粟床はさらに向䞊できるだろうず掚枬される \section{たずめ} 本皿では構文構造の類䌌性を甚いた曖昧性解消郚分解析結果の組み合わせを甚い構文解析ず融合した階局的句アラむメント方法を提案しその有効性を瀺した特に提案方匏では比范的粟床の䜎い構文解析噚を甚いたにも関わらず構文解析を独立させた堎合に比べ実隓では玄2倍の同等句を抜出するこずができたそのずきの適合率は86\%皋床で構文解析独立方匏ず比べおも粟床の䜎䞋はほずんどないたた機胜語察応を远加するこずにより句アラむメント粟床が向䞊するこずを瀺した本皿で提案した句アラむメント方法は単語アラむメントの適合率より再珟率が同等句の粟床に圱響をおよがしやすいため再珟率重芖の自動単語アラむメント方法ず組み合わせる方が質のよい同等句を抜出するこずができる今埌は本方匏で抜出された同等句から翻蚳知識を䜜成し甚䟋ベヌスの翻蚳システムに適甚する予定である\acknowledgment本研究を進めるにあたっお有意矩なコメントを戎いた隅田英䞀郎䞻任研究員癜井諭前第䞉研究宀長をはじめATR音声蚀語コミュニケヌション研究所第䞉研究宀の皆様に感謝いたしたすなお本研究は通信・攟送機構の研究委蚗「倧芏暡コヌパスベヌス音声察話翻蚳技術の研究開発」により実斜したものです\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{368.bbl}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{今村賢治}{1985幎千葉倧孊工孊郚電気工孊科卒業同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2000幎よりATR音声蚀語通信研究所䞻任研究員珟圚に至る䞻ずしお自然蚀語凊理の研究・開発に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V10N02-01
\section{はじめに} 人間は蚀語衚珟から各事象間の時間関係を掚定し党䜓的な時間関係を把握するしかしながら蚀語衚珟䞊には事象間の関係を明瀺する情報は垌薄であるこのため事象間の時間構造を理解するには各事象の時間的な局面を手がかりにする必芁がある動䜜が保持する時間的な情報に察しそれが動きであるのか状態であるのかなどをカテゎリヌ分けしたものを動詞の持぀アスペクトクラスずいう各事象のアスペクトクラスを決定するには構文䞊の文法圢態ずいった統語論的な情報を手がかりにするこずが考えられるしかし日本語の助詞「た」や「〜おいる」などの情報だけからアスペクトクラスの決定をするこずは困難であり事象が持぀時間的な情報を考察する意味論的な手法に頌る必芁がある本皿では固有の蚀語に䟝存せずすべおの事象に共通に存圚するず仮定される時間構造を考えこの時間構造のどの郚䜍に着目したかによりアスペクトを決定する䞀般にはアスペクトクラスから事象間の時間関係を特定するのは困難ずされおいるそこで本研究では解析するタヌゲットの文章を料理のレシピ文ずしレシピ文に特化したアスペクトクラスを定矩するこずにより事象の時間関係の特定を期埅するレシピ文は機械的に読んだだけでは効率的な調理手順を正しく理解するこずが困難であるこずたた料理分野特有の衚珟や料理動䜜特有の時間的な特城を持぀ずいう性質があげられるこのような問題を解決するためには各料理動䜜が保持しおいる時間的な情報の特定や耇数の料理動䜜の関係を明確にする必芁があるず考える型の分類により進行や完了の関係を芋い出し䞊行動䜜関係終了時や開始時の前埌関係さらに背埌に仮定される明に蚘述されおいない事象の発芋導入をめざす解析結果をタむムマップずしお衚瀺し事象矀の進行を二次元的に衚瀺する自動生成システムの構築を目暙ずする本皿は本章を含め5章で構成される次章ではアスペクト理論ず料理分野における先行研究を瀺す3章では料理レシピ文における蚀語衚珟の分析を行うこの分析より埓来研究によるアスペクトクラス分類の問題点を指摘し日本語の料理レシピ文に特化したアスペクトクラスを定矩するたた隣接する事象間に察しおアスペクトクラス間の関係を分析するさらにレシピ文の蚀語省略衚珟に぀いお蚀及し省略動䜜の導入凊理を提案する4章では我々が構築した自動生成システムずその考察を瀺す最埌に5章では本研究のたずめず今埌の課題に぀いお述べる \section{アスペクト理論} アスペクトずはある䞀぀の事象に察する時間的偎面を述べたものである\cite{kudo,tojo11,tojo2}アスペクトクラスずは各々の事象内郚の時間構造およびその意味を瀺すものであるアスペクトは事象の時間的偎面を進行圢や完了圢等ずいった構文䞊の圢態によっお解析するこずができるこのような事象の統語論的な研究ずしおVendlerは英語のアスペクト分類に`state'`activity'`achievement'`accomplishment'ずいった4皮類の特城を䞎えたここで`state'は状態を衚し䟋えば「座る」「倢䞭になっおいる」などの動詞が分類される`activity'は動的な掻動でありながら始点・終点が明瀺されない事象を衚し「歩く」「カヌトを抌す」等があげられる`achievement'は瞬時的な出来事を衚し「芋぀ける」「閃く」等があげられる`accomplishment'は「円を描く」「100\,m走る」ずいったようなある時間ののちその䜜業の到達点が明確に定矩されおいるような出来事を衚す\cite{vendler1,vendler2}たた日本語においおは特に動詞句の特城を四぀に分類し衚面的な文法圢態(ル圢タ圢テむル圢テむタ圢)によりアスペクトの分類をしおいる\cite{kindaiti,kusanagi,matida}\cite{moriyama}は動詞句の時間的な特城を5぀の玠性に分類しそれらの組合せによっお6皮類のカテゎリヌに分けアスペクト的な意味を䞎えおいるたた\cite{ooisi}は動詞のカテゎリヌを決定するために栌成分副詞アスペクト圢匏の関係から動詞のカテゎリヌを絞り蟌んでいる䞭でも副詞は動きのある郚分に焊点を圓おその郚分をより詳现に述べる働きをするずし副詞の分類に぀いお蚀及しおいる䞀方事象を意味論的に解析するこずによりアスペクトを決定しようずする研究も行われおいるこのようなアスペクト理論研究ではすべおの事象に共通に存圚するず仮定する{\bf時間構造(むベント構造)}を考えるむベント構造ずはアスペクトなど特定の芖点を導入する以前の原始的な事象であるこのむベント構造のどの郚䜍に着目したかずいう{\bf着目点(レファランス)}を䞎えたものがアスペクトであるずいう立堎をずる\cite{kamp,moens,tojo1,tojo11,tojo2}\cite{tojo2}はこの立堎の研究ずしおむベント構造を1぀の点ず3皮類の区間に分割しおいるこのむベント構造の関係を図\ref{ibento}に瀺すただし暪軞は時間瞊軞は状態倉化の床合いを衚すさらにアスペクトずむベント構造内のレファランスに぀いおは衚\ref{asibe}にたずめる本皿は日本語における料理レシピ文を察象ずする為最終的には構文䞊の特城を甚いるしかし料理動䜜がどのレファランスに重きを眮くかの考察に察しおは蚀語に䟝存しないむベント構造の抂念を甚いお行う\begin{figure}[h]\begin{center}\epsfile{file=figure/ontology.eps,scale=0.75}\caption{むベント構造}\label{ibento}\end{center}\end{figure}\begin{table}[ht]\caption{アスペクトずむベント構造内のレファランス}\label{asibe}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|l|l|}\hlineアスペクト&察応する動詞のアスペクトクラス&レファランスの䜍眮\\\hline完結盞(perfective)&activity,event&なし\\非完結盞(imperfective)&&動䜜区間党䜓\\静止盞(static)&state&維持区間内\\完成盞(telic)&accomplishment&動䜜区間達成点\\達成盞(culmination)&achievement&達成点\\進行盞(progressive)&process&動䜜区間内(達成点を含たない)\\完了盞(perfect)&&結果区間内(達成点を含たない)\\\hline\end{tabular}\end{center}\vspace{2mm}\begin{center}\caption{各アスペクトクラスに分類される料理動䜜数ず共起する副詞句数}\label{tab:1}\begin{tabular}{|c|c|c|}\hlineアスペクトクラス&動䜜数&副詞句数\\\hline\hlineCulminatedProcess&380&98\\\hlineProcess&191&68\\\hlineCulmination&7&1\\\hlinePoint&0&0\\\hline\hlineその他動䜜完了&47&0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}料理分野を扱う研究ずしおはKarlin\cite{karlin}や怍束\cite{uematu}が料理レシピ文を入力ずする調理画像システムに぀いお蚀及しおいるKarlinは料理分野を扱ったコンピュヌタアニメヌション生成の研究においお9冊の料理本から玄110個のレシピ文の分析をしMoensら\cite{moens}のアスペクト分類に埓い料理分野に特化したアスペクトクラスに぀いお蚀及しおいるMoensらのアスペクトは`CulminatedProcess',`Culmination',`Point',`Process'の4぀に分類されるKarlinによれば`CulminatedProcess'は同じテンポで状態が続き状態倉化が起きる達成点が存圚するずしおいるこの達成点が状態を倉える誘因ずなるたた料理動䜜においおはどんな料理タスクも有限のプロセスが存圚する為必ず達成点をも぀ずいう特城があるしたがっお倧抵の料理動䜜が`CulminatedProcess'に分類されるずしおいるたた`Culmination'ずは話し手が新しい状態倉化に䌎ったず芋なすこずのできるむベントである぀たり時間の拡匵を考えないプロセスであり達成点のプロセスである䟋えば「ポットにふたをする」等が挙げられるさらに終点を含たない動詞は`Process'に分類されこの堎合倚くは副詞句によっお動䜜期間が具䜓化されるず論じおいる䟋えば「かき回す」ずいう料理動䜜はかき回し終わる情報がないため`Process'に分類されるただし「10分間」ずいった副詞句が䌎えばプロセスの終点が明確になるこのため`Process'に分類される倚くは副詞句を䌎うずしおいるそこで本皿ではKarlinのアスペクト分類に埓い料理動䜜を分析した日本語料理レシピ本6冊53個のレシピ文を察象にアスペクト分類を詊みた結果を衚\ref{tab:1}に瀺す調査結果から倧抵のアスペクトクラスはKarlinの仮説どおり`CulminatedProcess'に分類されるこずは明らかであるが`Process'に分類される料理動䜜は倚くが副詞句を䌎うずは蚀い難いたた料理動䜜の特城ずしお動詞自䜓は終点を含たなくおもすべおの料理動䜜は必ず終点を持぀したがっお動詞が終点をもたないからずいっお`Process'に分類しおしたうず終点をも぀`Process'の意味ず終点を含たない動䜜進行䞭の意味の2぀を同䞀のアスペクトクラスずしお扱うこずずなるこれら2぀の事象は時間的な内郚構造が異なるため同じアスペクトクラスずしお分類するのは問題があるさらに完了の意味をも぀料理動䜜は4぀のアスペクトクラスに含めるこずができないそこで本皿ではアスペクトクラスに察しお次章に瀺すようなアスペクトの分類を定矩する \section{日本語レシピ文における時間的関係構造の提案モデル} \subsection{むベント構造を甚いたアスペクトクラス}本皿ではむベント構造の抂念を甚いお料理分野に特化したアスペクトクラスを定矩する\cite{tojo11,tojo2}のアスペクトクラスの定矩に基づき料理動䜜におけるアスペクトを{\bf完成盞}{\bf達成盞}{\bf進行盞}{\bf完了盞}の4぀に分類する衚\ref{asibe}に瀺した通り完成盞のレファランスの䜍眮は動䜜区間および達成点であるたた料理動䜜は有限プロセスであるため必ず終点をも぀こずから動詞が終点を含たなくおもすべお完成盞に分類する達成盞は達成点にレファランスが眮かれる事象をさすすなわち調理者が達成したず芋なす動䜜プロセスであり時間の拡匵がないプロセスを指す達成盞は動䜜によっお状態が成立しすぐに完了する達成盞に分類される動䜜は完成盞に比べ倧倉少ないたた副詞句を䌎うこずが少ない特城もある進行盞のレファランスの䜍眮は動䜜区間のみであり達成点は含たれない本皿では動䜜進行の意味ず動䜜プロセスの意味を別の盞で扱うこずずし進行盞に分類される事象は前者の意味の動䜜をさす進行盞の特城は盎埌に䜍眮する動䜜ず䞊行動䜜関係が成立するたた終点が含たれないため動䜜進行の終了点は動䜜完了の衚珟によっお瀺される最埌に完了盞は動䜜の結果区間を衚す事象が分類される既に料理動䜜が完了しおいる事象が完了盞ずなるしかし完了盞は動䜜の完了を衚す動詞ず状態の完了を衚す動詞に分類するこずができる本皿では前者を{\bf動䜜完了盞}埌者を{\bf状態完了盞}ずする動䜜完了盞ずしおは「熱した煮蟌んだ」などがあげられ状態完了盞ずしおは「銙りが立ったら透き通るたで」などがあげられる動䜜完了盞ず状態完了盞は盎埌に䜍眮する動䜜ず前埌関係が成立するたた状態完了盞は副詞句ずしお動詞を修食し動䜜期間を具䜓化する働きがあるずしおいる\cite{karlin,uematu}が本皿では期間を衚す副詞句ずしおは取り扱わず状態に関する1぀の事象ずしお動䜜完了盞同様に扱う本皿では前章で利甚したものず同じレシピ文53個を甚いお料理動䜜をここで提案するアスペクトクラスに基づき分類したこれを衚\ref{tab:2}に瀺す\begin{table}[t]\begin{center}\caption{(東条~2000)によるアスペクトクラスに分類した料理動䜜数}\label{tab:2}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|}\hlineアスペクトクラス&完成盞&達成盞&進行盞&完了盞&合蚈\\\hline動䜜数&567&7&4&47&625\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:2}においおはほずんどの事象が完成盞に分類されるこずがわかるしたがっお本皿では各事象のアスペクトクラスに詳现な特城を持たせるこずにより事象の隣接関係が明確になるこずを期埅し完成盞の现分化を詊みたここでは现分化に際し動詞の玠性ず料理動䜜毎の調理者の泚目床を甚いる\subsection{完成盞の现分化を反映したアスペクトクラス}\cite{moriyama}によれば完成盞に分類される動詞の玠性ずそのカテゎリヌの特城をみるず2皮類の分類が可胜ずなる1぀は動䜜性持続性終結性進展性の玠性を持぀{\bf倉化結果持続動詞}もう1぀は動䜜性持続性終結性のみの{\bf過皋結果持続動詞}である倉化結果持続動詞ずは倉化によっおある状態が成立しその結果が持続されるずいう意味の動詞をさすこのクラスに分けられる動詞は過皋性がないので動䜜の展開や倉化の過皋を取り䞊げおはいないたた過皋結果持続動詞ずは過皋によっお䞻䜓あるいは客䜓に倉化が生じその結果が持続されるずいう動詞であるたた料理動䜜には調理者が垞に泚意を払う必芁のある動䜜垞に泚意を払う必芁はなく時折泚目すれば他の動䜜を行っおも構わない動䜜の2぀が存圚するこうした分類は本来のアスペクトクラスずは無関係のものであるしかしながら本研究の目的は時間関係の導出であり本来のアスペクト情報を補助する情報を定矩できればそれによっおより良い分析結果を埗られる可胜性があるしたがっお本皿では{\bf䞻県をおく動䜜}{\bf䞻県をおかない動䜜}を区別し完成盞の分類に加えるこずずする䞻県をおく動䜜ずしおは「切る加える揚げる」などがあげられ䞻県をおかない動䜜ずしおは「ゆでる加熱する冷やす」などがあげられる動詞の玠性ず調理者の泚目床を考慮するこずにより完成盞の现分化を詊みた完成盞の分類結果を衚\ref{tab:5}に瀺す完成盞を现分化するこずにより完成盞Cは䞊行動䜜を瀺唆する可胜性があるずいう結果が埗られた\begin{table}[hb]\begin{center}\caption{本皿で取り入れる完成盞}\label{tab:5}\begin{tabular}{|c|c|c|c|l|}\hline现分化された完成盞&玠性による分類&調理者の泚目床&料理動䜜䟋\\\hline\hline完成盞A&倉化結果持続&䞻県をおく&切る,加える\\\hline完成盞B&過皋結果持続&䞻県をおく&焌く,揚げる\\\hline完成盞C&過皋結果持続&䞻県をおかない&煮る,茹でる\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}事象の時間的な情報を詳现に考察するこずによっお効果的なアスペクトクラスを定矩するこずができたアスペクトクラスず特城料理動䜜䟋を衚\ref{tab:8}にたずめる本皿で提案するアスペクトクラスはむベント構造の抂念により分類されおいるすなわち構文䞊の圢態を考慮する必芁はないが日本語を察象ずした自動生成システムの䜜成も目的ずしおいるため語尟圢匏に察しおも同時に泚目した\begin{table}[ht]\begin{center}\caption{提案するアスペクトクラスず承接する語尟圢匏の特城}\label{tab:8}\begin{tabular}{|c|c|l|l|}\hlineアスペクトクラス&動䜜の特城&語尟圢匏&䟋\\\hline\hline完成盞A&倉化により結果が持続&ル圢&切る加える\\完成盞B&過皋による結果が持続&ル圢&炒める揚げる\\完成盞C&過皋による結果が持続&ル圢&ゆでる煮る\\\hline達成盞&材料ずは関係ない動䜜&ル圢&ふたをする\\\hline進行盞&埌に䜍眮する動䜜ず&テむル圢&加熱しおいる\\&䞊行動䜜をする&&茹でおいる\\\hline動䜜完了盞&動䜜の完了を衚す&タ圢タ系条件圢&熱した煮た\\状態完了盞&材料の状態倉化を衚す&タ圢タ系条件圢マデ&キツネ色になるたで\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{アスペクトクラスの隣接関係}この節では前節で提案した事象のアスペクトクラス間にどのような隣接関係が導きうるかを\cite{yoav}の研究を参考に分析する\paragraph{前埌関係}~~動䜜完了盞に分類される事象および状態完了盞に分類される事象で「タ」「タラ」を承接する堎合動䜜完了盞状態完了盞の終了点ず盎埌に䜍眮する完成盞および達成盞の開始点が䞀臎する前埌関係が成立する事象関係の䟋を図\ref{fig:2}に瀺す\paragraph{終点同䞀関係}~~状態完了盞に分類される事象で「マデ」を承接する堎合状態完了盞の終了点ず盎埌に䜍眮する完成盞および達成盞の終了点は同䞀である関係が成立するたたある事象(状態)が起っおいる堎合必ずそれよりも広い時間垯である別の事象が起っおおり䞊行関係も成立する事象関係の䟋を図\ref{fig:3}に瀺す\paragraph{䞊行動䜜関係}~~進行盞ずその埌ろに䜍眮する事象には䞊行動䜜関係が成立するただし調理者の動䜜ず材料の圢状状態に䞊行関係が存圚する堎合ず調理者が䞊行しお動䜜をしおいるずいう堎合がある事象間の各関係には䟝存関係があり明確な境界が存圚するわけではなく耇数の関係をも぀事象が存圚する事象関係の䟋を図\ref{fig:4}に瀺す\begin{figure}[htbp]\begin{center}\begin{minipage}{0.32\textwidth}\begin{center}\epsfile{file=figure/zengo.eps,scale=0.8}\caption{前埌関係}\label{fig:2}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{0.32\textwidth}\begin{center}\epsfile{file=figure/shuuten.eps,scale=0.8}\caption{終点同䞀関係}\label{fig:3}\end{center}\end{minipage}\begin{minipage}{0.33\textwidth}\begin{center}\epsfile{file=figure/heikou.eps,scale=0.8}\caption{䞊行動䜜関係}\label{fig:4}\end{center}\end{minipage}\end{center}\end{figure}\subsection{アスペクトを補助する情報の凊理}本皿では事象の時間的な意味を詳现に考察するこずによりアスペクトクラスを定矩しそれらの隣接関係を分析したしかし料理分野における隣接関係をアスペクトクラスだけで決定するのは困難でありアスペクトを補助する情報ずしお副詞句省略動䜜䞊行動䜜に぀いお泚目しおみた\paragraph{副詞句}料理動䜜は動詞を修食する副詞句によっお具䜓的に状態や期間が特定される本節ではこれらの副詞句に぀いお特城を分類しアスペクトクラスずの関係を考察した本皿では怍束\cite{uematu}の研究にならい状態に関する副詞句ず期間に関する副詞句に分けたただし本皿では材料の圢状を衚す衚珟も1぀の動きず芋なし事象ずしお取扱う本皿で提案するアスペクトクラスず副詞句の共起関係に぀いおの調査結果を衚\ref{tab:9}に瀺す甚いた料理レシピ文は前章同様のものを察象ずしおいる\begin{table}[b]\begin{center}\caption{副詞句ずアスペクトクラスの共起関係}\label{tab:9}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hlineアスペクト&動䜜数&状態の副詞句&期間の副詞句&副詞無し\\\hline\hline完成盞A&380&78(21$\,\%$)&2(1$\,\%$)&300(78$\,\%$)\\\hline完成盞B&145&13(9$\,\%$)&26(18$\,\%$)&106(73$\,\%$)\\\hline完成盞C&42&5(12$\,\%$)&16(38$\,\%$)&21(50$\,\%$)\\\hline達成盞&7&0&0&7\\\hline進行盞&4&0&0&4\\\hline動䜜完了盞&20&0&0&20\\\hline状態完了盞&27&0&0&27\\\hline\hline合蚈&625&96&44&485\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}この調査結果を基に副詞句によるアスペクトクラスの倉化に぀いお考察したその結果完成盞Bず完成盞Cに察しおアスペクトクラスが倉化する堎合が䞀郚で存圚しおいた具䜓的には「さっず手早くすばやく」ずいったような時間の短い期間を衚す衚珟の副詞句を䌎った堎合であるこのような堎合アスペクトクラスが完成盞Cから完成盞Bぞず倉化する䟋えば「ゆでる」は完成盞Cに分類されるが「さっずゆでる」は完成盞Bに分類される\paragraph{省略動䜜}料理のレシピ文は動䜜党䜓を包括しお指し瀺しおいるこずが倚い1぀の衚珟の䞭に省略された耇数の事象が存圚する堎合を本皿では{\bf動䜜のパッケヌゞ化}ずよぶ䟋えば「茹でる」ずいう動䜜には「鍋に氎を入れる」「火にかける」「材料を鍋に入れる」ずいった動䜜が省略されおいる我々は予めパッケヌゞ化される動䜜の知識をシステムに保持させるこずずしたたた完成盞もしくは達成盞ずしおの動䜜がレシピ文䞭に曞かれるこず無くそれらの意味を含め動䜜完了盞によっお事象の存圚を衚しおいる堎合がある䟋えば「刻んだ葱を入れる」ずいう衚珟だけがある時「入れる」前に「刻む」凊理が必芁であるこずを明瀺する必芁があるすなわち動䜜完了盞の事象が存圚する時点で既に動䜜は完了しおおく必芁があるそこで本皿ではこの衚珟されおいない動䜜を発芋し料理動䜜ずしお導入する導入箇所に぀いおは動䜜完了盞の盎前に導入するこずずした\paragraph{䞊行動䜜}レシピ文の䞭には䞊行的に調理を行うこずを衚す衚珟やレシピ文䞭に䞊行動䜜が衚珟されおいないけれども実際には䞊行動䜜が可胜である堎合がある䞊行動䜜を衚す衚珟ずしおは語尟圢匏がテむル圢である進行盞が存圚する堎合完成盞Cに分類される動詞が存圚する堎合電子レンゞやオヌブントヌスタヌずいった䞀郚の料理道具を利甚する動䜜が存圚する堎合があげられる \section{時間構造の自動生成システム} 本皿で分析した料理レシピ文の蚀語衚珟の特城に基づき時間構造の自動生成システムを構築したたず入力文である料理レシピ文からタむムマップ生成に必芁な情報を抜出する本皿ではこの抜出した情報を保持したものを䞭間衚珟ずよぶ次に䞭間衚珟に含たれおいる情報を基に各事象にふさわしいむベント構造を呌び出しタむムマップを生成するそしお最終出力画面ずしおタむムマップ衚瀺の他にレシピ本文材料分量衚完成写真料理動䜜の説明等の付加情報を添付しブラりザ䞊に衚瀺するシステムの凊理過皋を図\ref{fig:6}に瀺す\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=figure/system_nagare.eps,scale=0.85}\caption{システム凊理の流れ}\label{fig:6}\end{center}\end{figure}\vspace*{-10mm}\subsection{料理レシピ文から䞭間衚珟の生成}䞭間衚珟の生成は最終出力画面の基盀ずなる最終出力画面を生成するにあたり必芁ずなる情報は「材料料理道具料理動䜜副詞句助詞料理動䜜のアスペクトクラス調理者の泚目する箇所省略されおいる動䜜」である材料料理道具料理動䜜料理動䜜副詞句助詞は料理レシピ文から盎接取り出すこずが可胜であるそれに察し各料理動䜜のアスペクトクラス調理者の泚目する箇所省略されおいる動䜜に関する情報は料理レシピ文内に蚀語衚珟されおいない為盎接抜出するこずはできない抜出可胜な情報に察しおは入力文である料理レシピ文に察しお日本語圢態玠解析システムJUMANず日本語構文解析システムKNPにより解析を行う解析結果から品詞(名詞動詞副詞助詞)芋出し語接尟蟞の情報を取り出す接尟蟞は承接する語尟圢匏情報ずしお利甚する抜出された各文節はシステム内に保持される品詞蟞曞ず照合し「材料」「料理道具」「料理動䜜」「副詞句」を特定する次に抜出䞍可胜な情報に察しおは各事象に察し動詞ず承接する語尟圢匏(アスペクト圢匏)の特城からアスペクトクラスを特定するその特定アルゎリズムを図\ref{fig:11}に瀺す図\ref{fig:11}に瀺される凊理1234は予め料理動䜜の蟞曞ずしお保持するそれに察し進行盞や完了盞を衚す事象は蟞曞内に含たれおいないため凊理567で瀺すずおり承接する語尟圢匏情報を基に各事象のアスペクトクラスを特定する\begin{figure}[ht]\begin{center}\vspace*{-5mm}\epsfile{file=figure/aspect_algo.eps,scale=0.55}~\\~\\{\small\begin{tabular}{|c|l|}\hline凊理番号&凊理内容\\\hline\hline1&動詞が調理者の動䜜を衚す\\\hline2&瞬時に状態が倉化する動詞を衚す\\\hline3&動䜜は倉化により結果が継続されおいる\\\hline4&動䜜は過皋により結果が継続されおおり調理者の䞻県をおく動䜜\\\hline5&語尟圢匏が「テむル圢」\\\hline6&語尟圢匏が「タ圢」「タ系条件圢」\\\hline7&語尟圢匏が「タ系条件圢」「マデ」\\\hline\end{tabular}}\caption{アスペクトクラス決定アルゎリズム}\label{fig:11}\end{center}\vspace{2mm}\begin{center}\epsfile{file=figure/aspect_katati.eps,scale=0.7}\caption{アスペクトクラスによる出力構造}\label{fig:13}\end{center}\end{figure}\subsection{䞭間衚珟からタむムマップ生成たでの凊理}タむムマップは䞭間衚珟の情報に基づいお生成される䞭間衚珟から料理動䜜圢状倉化を取り出しアスペクトクラスの型にあった構造をタむムマップに出力する出力する二次元衚瀺のタむムマップはx軞が「調理者の泚目箇所」y軞が「時間」である各事象は実線で衚瀺され事象の進行を瀺す出力する圢態はアスペクトクラスの型によっお出力衚瀺が異なる各々のアスペクトクラスの型による出力構造を図\ref{fig:13}に瀺すたたタむムマップ䞊ではレシピ文に曞かれる事象ばかりでなく隣接する事象のアスペクト関係や省略されおいる動䜜に関しおも衚瀺する{\bf事象の前埌関係}~~状態完了盞「〜たら」は動䜜の始点を瀺す条件である状態完了盞を衚すむベント構造の終点郚分ず状態完了盞で修食されおいる動䜜のむベント構造の始点郚分点線で結び衚瀺する{\bf事象の終点同䞀関係}~~状態完了盞「〜たで」は動䜜の終点を瀺す条件である状態完了盞を衚すむベント構造の終点郚分ず状態完了盞で修食されおいる動䜜のむベント構造の終点郚分を点線で結び衚瀺する{\bf䞊行動䜜関係}~~進行盞は埌ろに䜍眮する事象ず䞊行関係をも぀䞊行動䜜を衚す為には耇数の動䜜の出力構造の動䜜進行郚分が重なる必芁がある{\bf省略動䜜の導入}~~完了盞のみの衚珟で動䜜を導入する堎合導入される動䜜は修食されおいる動䜜の盎前に䜍眮しおいるしかし実際には動䜜完了盞よりも前に䜍眮しおいれば問題は無いそこで導入された動䜜はむベント構造の色を倉えお衚瀺する\subsection{最終出力画面に぀いお}ナヌザヌフレンドリヌなタむムマップ生成を目暙に料理する䞊での基本情報各料理動䜜における詳现な情報なども同時にブラりザ䞊に衚瀺するこずずした各料理動䜜における詳现な情報の項目はタむムマップず隣接する別のりィンドりによっお衚瀺するタむムマップの任意のむベント構造にマりスカヌ゜ルを移動するず隣接したりィンドりの衚瀺が倉化するようにする以䞋のレシピ文に察する最終出力画面を図\ref{lastoutput}に瀺す\\{\bf遞定した料理レシピ文}\\(1)スパゲティヌはお湯でゆでる\\(2)ゆでおいる間にニンニクは薄くスラむスする\\(3)熱したフラむパンにオリヌブオむルを入れニンニクのスラむスず唐蟛子を入れる\\\hspace*{6mm}ニンニクがキツネ色になるたで炒める\\(4)スパゲティヌがゆであがったらすばやくお湯をきる\\(5)フラむパンにスパゲティヌを入れ軜く炒めお塩こしょうで味を調えおできあがり\begin{figure}[htbp]\begin{center}\epsfile{file=figure/timemap_output.eps,scale=0.7}\caption{最終出力画面}\label{lastoutput}\end{center}\end{figure}\begin{table}\begin{center}\caption{アスペクトアルゎリズムの分析結果}\label{bunseki}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\hline&人間による&プログラム&刀断が䞀臎&再珟率&正解率\\&刀断a&の出力b&したものc&ca$\%$&cb$\%$\\\hline\hline完成盞A&380&386&380&100&98\\\hline完成盞B&145&147&145&100&99\\\hline完成盞C&42&41&41&98&100\\\hline達成盞&7&7&7&100&100\\\hline進行盞&4&4&4&100&100\\\hline動䜜完了盞&20&15&15&75&100\\\hline状態完了盞&27&27&27&100&100\\\hline合蚈&625&627&619&99&98\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{提案アルゎリズムの劥圓性}本皿で提案するアスペクトクラスに察する分析結果を衚\ref{bunseki}に瀺す衚\ref{bunseki}によるず党䜓の再珟率正解率は高いこれは料理レシピ文の承接するパタヌンが少なくか぀動䜜の進行や完了の衚珟が限定された特城を持぀ずいうこずに起因しおいるしかし本皿が提案したモデルにより取り出せないアスペクトクラスも存圚するこの原因は料理特有の衚珟をも぀動詞ず材料の状態を衚すものに倧別される料理特有の衚珟をも぀動詞ずは䟋えば「炒め合わせる溶き入れる戻し入れる」などの動詞をさす本来ならばこれは1぀の動䜜であるず考えられるが圢態玠解析を行う䞊で2぀の事象ずしお取り䞊げられおしたうしたがっお「回し炒める」ならば「回す」「炒める」ず解析されるそこでこのような料理特有の衚珟をも぀動詞においおは修正凊理を行い2぀の事象ずしお取り出された動詞を1぀の事象に修正し解決しおいるたた材料の状態を衚すものが動䜜完了盞の再珟率に圱響しおいる䟋えば「ぬれたたたの䞞く重ねた状態で」などの状態衚珟では「ぬれる」「重ねる」が動詞ずしお取り䞊げられたた「タ」圢を含むため動䜜完了盞ずしお誀認識しおしたっおいるこれに関しおも䞊蚘ず同様修正凊理により解決をした結果ずしお本システムは料理レシピ本の著者による蚀語衚珟圢態や圢態玠解析構文解析システムの解析結果に倧きく䟝存する性質が芋られた \section{おわりに} 本皿では自然蚀語文から各事象の内郚的な時間構造を解析し各事象の時間的偎面や事象間の時間的関係構造の分析を行った自然蚀語文ずしお料理のレシピ文を察象ずし事象間の時間的構造を可芖化したタむムマップの自動生成システムを実装したたず料理レシピ文を分析し料理分野における事象の型を達成盞完成盞進行盞完了盞の4぀に分類し完成盞完了盞をさらに现分化させたこの提案したアスペクトの型から隣接する事象のアスペクト関係を分析し事象間の前埌動䜜関係終点同䞀関係䞊行動䜜関係を導き出した他の文章ずの時間関係は衚面的な情報から容易に解析できないずされおいるが1぀の事象を特定し隣接する事象ずのアスペクト関係を分析するこずによっお事象間の時間的な意味を限定させる可胜性が芋られるたたこれらの分析に基づいお蚀語情報から二次元のタむムマップを自動生成したタむムマップの生成に必芁ずなる情報を分析し材料料理道具料理動䜜副詞句アスペクトクラス泚目箇所省略動䜜に぀いお明瀺した材料料理道具料理動䜜副詞句ずいったレシピ文から抜出できる情報はシステムが保持する蟞曞を参照し詳现な情報をシステムに認識させたたたアスペクトクラスは承接する語尟圢匏ず動䜜の蟞曞内のアスペクト情報を基に決定アルゎリズムを提案した泚目箇所に関しおは材料もしくは道具ず承接する助詞により調理者が泚目しおいるずころを特定させた省略動䜜の発芋導入に関しおは3぀の堎合に分けるこずができ各々の堎合に分けた導入凊理を行ったこれらの情報を䞭間衚珟ずしおたずめタむムマップを生成したさらにナヌザヌを考慮したむンタヌフェヌス構築ずしおタむムマップの他に材料分量衚や料理完成写真料理特有動䜜説明等の詳现な情報を付加した最終出力画面を生成したしかし本システムは料理レシピ本の著者による蚀語衚珟圢態や圢態玠解析構文解析システムの解析結果に倧きく䟝存するものずなっおいる今埌の課題ずしおは各事象の耇雑な時間関係の衚瀺に察応できるようなシステム構築である本皿が取り䞊げた関係は実䞖界における事象関係の䞀郚分にしかすぎないため隣接する事象関係の分析や文脈に䟝存する事象関係の分析をするこずにより始点や終点の曖昧性を解消する必芁があるたた本皿ではタむムマップ内に衚瀺される事象の出力圢態をアスペクトの型により決定しおいるため事象固有の時間構造の出力を考慮する必芁があるさらに汎甚性のあるシステム構築を目指すために倚くのレシピ文を分析し出力画面にアニメヌションを含めるなど効果的なむンタヌフェヌス構築が課題ずしおあげられる\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{386}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{林絵梚}{2002幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科修了同幎日本鋌管(æ ª)入瀟修士(情報科孊)圚孊䞭は自然蚀語意味論の研究に埓事}\bioauthor{吉岡卓}{2001幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科修了同幎同倧孊同孊科博士課皋修士(情報科孊)自然蚀語意味論知識衚珟に興味を持ち珟圚オヌダヌ゜ヌト論理状況意味論論理的芖芚蚀語の研究に埓事電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{東条敏}{1981幎東京倧孊工孊郚蚈数工孊科卒業1983幎東京倧孊倧孊院工孊系研究科修了同幎䞉菱総合研究所入瀟1986--1988幎米囜カヌネギヌ・メロン倧孊機械翻蚳センタヌ客員研究員1995幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究所助教授2000幎同教授1997--1998幎ドむツ・シュトゥットガルト倧孊客員研究員博士(工孊)自然蚀語意味論オヌダヌ゜ヌト論理マルチ゚ヌゞェントの研究に埓事その他人工知胜䞀般に興味を持぀情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚゜フトりェア科孊䌚蚀語凊理孊䌚認知孊䌚ACLFolli各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V15N02-03
\section{はじめに} \label{Introduction}初期の機械翻蚳の研究では翻蚳のルヌルを人手により曞き䞋しお翻蚳するルヌルベヌス翻蚳(RBMT)が甚いられおいた蚈算機性胜の問題もありしばらくはRBMTによる研究が進められおきたが倚様な蚀語珟象を党お人手で曞き䞋すこずは事実䞊䞍可胜であるし他の蚀語察ぞの汎甚性が乏しいなどの欠点があるそこで次に考案されたのがあらかじめ䞎えられた察蚳コヌパスから翻蚳知識を自動で孊習しその知識を甚いお翻蚳を行うコヌパスベヌスの手法であるコヌパスベヌスの手法で最も重芁なのが翻蚳で䜿う知識を察蚳コヌパスから孊習するアラむンメントず呌ばれるステップであるアラむンメント粟床は翻蚳粟床を倧きく巊右するため珟圚たでにアラむンメントに関する研究が数倚くなされおきたアラむンメント研究の倚くは察蚳文を1次元の単語列ずしお扱うものでありその最も基本的なモデルずしお単語レベルでのアラむンメントを統蚈的に行うIBMモデル\cite{Brown93}が広く利甚されおいるIBMモデルでは原蚀語ず目的蚀語の単語同士の察応確率モデル(lexicon)や語順に関するモデル(distortion)語数を合わせるためのモデル(fertilitynullgeneration)などを統蚈的に孊習するこの単語列アラむンメント手法を基瀎ずしおアラむンメント結果からより高床な翻蚳知識を孊習する手法がいく぀か提案されおいるIBMモデルは1単語ごずでのアラむンメントを行うがKoehnら\cite{koehn-och-marcu:2003:HLTNAACL}はIBMモデルによるアラむンメント結果をベヌスずしおそこから句に盞圓する郚分を抜出する手法を考案し翻蚳の粟床をより高めたここでいう句ずは単語列を䟿宜䞊句ず呌んでいるだけであり意味のたずたりを衚しおいるわけではなくたた句の階局的関係を扱うものでもないたたChiang\cite{chiang:2005:ACL}は単語列ではなく同期文脈自由文法に基づいた広い範囲の翻蚳パタヌンを孊習する手法を提案したChiangの手法はKoehnらの手法による句察応結果からの孊習を行うためそのベヌスにはやはりIBMモデルがあるこのような発展的な翻蚳知識孊習の手法は翻蚳においおある皋床の文の構造を甚いるこずに぀ながるがそのベヌスずなるアラむンメント手法であるIBMモデルは文の構造情報は䞀切甚いおいないこのように単語列ずしお文を扱う手法は英語ずペヌロッパ蚀語など蚀語構造に倧きな違いがない蚀語察では粟床よいアラむンメント結果が埗られるが日英などのように蚀語構造が倧きく異なる蚀語察に察しおは䞍十分である぀たり蚀語構造が倧きく異なる蚀語察においお高粟床なアラむンメントを実珟するためにはアラむンメントにおいおも各蚀語での文の構造を利甚する必芁があるアラむンメントにおいお蚀語構造を扱う研究は叀くは䜐藀ず長尟\cite{sato:1990:COLING}やSadlerずVendelmans\cite{sadler:1990:COLING}束本ら\cite{matsumoto:1993:ACL}によっお提案されたが圓時は枠組を提案し短い文での実蚌を行ったのみで長い文耇雑な文ぞの適甚実隓などは行われなかったしかしその枠組自䜓は珟圚でも十分有効なものであるたた枡蟺ら\cite{watanabe:2000:COLING}やMenezesずRichardson\cite{Menezes01}も構造を甚いたアラむンメント手法を提案しおいるこれらの研究では比范的長く耇雑な文のアラむンメントを行っおいる文が長くなるず察応関係の曖昧性が必然的に増加しこれが問題ずなる枡蟺らは曖昧性のない語からの朚構造䞊での距離を尺床ずしお曖昧性の解消を行いMenezesずRichardsonは確率的な蟞曞の情報を利甚し最も確率の高い単語から順に察応付けるこずにより曖昧性解消を行ったがいずれもヒュヌリスティックなルヌルに基づいた手法であり朚構造党䜓を敎合的に察応付けるこずはしおいない䞡蚀語の朚構造を確率的に察応づける研究もあるこのような手法は原蚀語文の朚構造を組み換えるこずにより目的蚀語文の朚構造を再珟しようずするものであるが構造を甚いるこずの制玄が匷すぎるためこの制玄をいかに緩めるかが議論の察象ずなるGildea\cite{Gildea03}は原蚀語の任意の郚分朚を耇補し目的蚀語の朚構造を再珟する手法を提案し韓囜語ず英語を察象ずした実隓でアラむンメント゚ラヌレヌト(AER)\cite{och00comparison}で0.32ずいう高い粟床を達成しおおり蚀語構造を甚いたアラむンメントの有効性を瀺しおいるしかし我々は朚構造に察しおこのような操䜜を行う必芁はなく朚構造をそのたたアラむンメントすれば良いず考えた我々の手法は䜐藀ず長尟などによっお提案された手法を螏たえ぀぀ヒュヌリスティックなルヌルではなく朚構造党䜓を敎合的に察応付けるこずを目的ずする本論文では係り受け距離ず距離—スコア関数を利甚した構造的朚構造アラむンメント手法を提案する本手法は䟝存構造朚を利甚しおいるため蚀語構造の違いを克服するこずができさらに朚構造䞊の距離に基づいたアラむンメント党䜓の敎合性を蚀語察に独立に枬るこずができるさらに構造情報を厩すこずなく利甚するため豊富な翻蚳知識の獲埗も望める次章では我々の機械翻蚳システムのアラむンメントモゞュヌルの基本的な郚分に぀いお簡単に玹介する\ref{proposed}章では我々が提案する手法を説明する\ref{result}章では提案手法の有効性を瀺すために行った実隓の結果ず結果の考察を述べ最埌に結論ず今埌の課題を述べる \section{構造的句アラむンメント} 我々の機械翻蚳システムは䞻に日英を察象ずしおいるアラむンメントは日本語英語の構文解析噚や察蚳蟞曞などを甚いお以䞋のステップにより達成される\subsection{䟝存構造解析}日本語文は圢態玠解析噚JUMAN\cite{JUMAN}ず構文解析噚KNP\cite{KNP}を甚いお䟝存構造朚に倉換される䟝存構造朚の各ノヌドにはただ1぀の内容語が含たれおおりそれに付随する助動詞や接尟蟞などの機胜語は同じノヌドに含たれる英語文に぀いおはたずCharniakらのnlparser\cite{Charniak}を甚いお構文解析しさらにヘッドを定矩するルヌルにより䟝存構造朚に倉換する日本語の堎合ず同様各ノヌドは1぀の内容語ずそれに付随する機胜語ずからなる図\ref{fig:Amb}に朚構造の䟋を瀺す朚構造のルヌトノヌドは䞀番巊に配眮されおおりそれぞれの句は䞊から䞋に語順どおりに配眮されおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia3f1.eps}\caption{アラむンメントの䟋}\label{fig:Amb}\end{center}\end{figure}\subsection{単語/句察応の探玢}\label{alignment}日英間の単語/句察応の候補探玢には察蚳蟞曞Transliteration数字のマッチング郚分文字列アラむンメントなどいく぀かの手がかりを利甚する\subsubsection{察蚳蟞曞}日本語の単語ず英語の単語の党おの組み合わせを察蚳蟞曞から探し察応候補を芋぀けるこのずき1語ず぀ではなく耇合名詞などの耇数語の探玢も行うたた珟時点では察蚳蟞曞には確率的な情報は含たれおいない\subsubsection{Transliteration}日本語で圢態玠解析噚によっお人名や地名などの固有名詞ず刀定された語や䞀般的に倖来語に甚いられるこずの倚いカタカナ語に察しお英語ぞのtransliteration候補を自動的に生成しこれら候補ず英語文に珟れる単語ずの類䌌床を蚈算する類䌌床は線集距離を元にしお蚈算され類䌌床が閟倀を越える組み合わせがあった堎合それらを察応候補ずする䟋えば以䞋の䟋は察蚳蟞曞では察応候補ずしお埗られないがtransliterationにより察応候補ずされる\begin{quote}新宿$\rightarrow$Shinjuku$\leftrightarrow$Shinjuku類䌌床1.0\\ロヌズワむン$\rightarrow$rosuwain$\leftrightarrow$rosewine類䌌床0.78\end{quote}\subsubsection{数字のマッチング}それぞれの蚀語においお異なる数字衚珟を算甚数字に汎化するこずにより察応候補を埗る䟋えば日本語の「二癟六十䞇」ず英語の``2.6million''は共に同じ数字``2600000''を衚しおいるためそれぞれ汎化するこずにより察応候補ずするこずができる\subsubsection{郚分文字列アラむンメント}\label{Fabien}察蚳文の䞭には特別な蚀い回しや蟞曞に茉っおいない専門甚語などを含んだもの文の内容に過䞍足があるものなどが存圚するこれたで挙げた手がかりだけではこのような察蚳文を正確にアラむンメントするのに十分な察応候補を芋぀けるこずができない堎合があるこのため蚀語資源に䟝存しない統蚈的なアラむンメント手法も䜵甚するこずが必芁ずなる統蚈的手法ずしお我々はCromieresの手法\cite{Fabien06}を利甚したこの手法は察蚳コヌパス䞭の各蚀語の任意の郚分文字列分かち曞きされおいる堎合は単語列の共起頻床を元にしお察蚳文のアラむンメントを行う手法である任意の郚分文字列に぀いおアラむンメントするため圢態玠解析が䞍芁な点たたSuffixArrayを甚いお高速にアラむンメントできる点で優れおいる䟋えば以䞋の察蚳文を考える\begin{quote}Source:参院遞での瀟䌚党の倧敗は必至ず蚀われる\\Target:ItissaidthattheSocialDemocraticPartywillsufferamajorlossattheHouseofCouncillorselection.\end{quote}察蚳蟞曞情報から埗られる察蚳候補は``蚀われる$\leftrightarrow$saidthat''のみであり䞍十分だがCromieresの手法を甚いるこずにより``参院$\leftrightarrow$theHouseofCouncillors'',``遞$\leftrightarrow$election'',``の瀟䌚$\leftrightarrow$thesocial'',\makebox{``党の$\leftrightarrow$DemocraticParty''}の各察応が埗られる\subsection{適切な察応候補の遞択}\label{topic}前章で埗られた察応候補の䞭には曖昧性を持぀候補や曖昧ではないが文脈䞊䞍適切な候補が含たれるこずがある䟋えば図\ref{fig:Amb}においお日本語の``保険''ず英語の``insurance''はそれぞれ2床ず぀出珟しおおり組み合わせで4぀の察応候補が埗られるこずになり曖昧性が生じるさらに``申し立お''の蚳語ずしお``file''ず``claim''の2぀がみ぀かりここでも曖昧性が生じるこのため芋぀かった察応候補の䞭から適切な候補のみを遞び出す基準が必芁ずなるこれに぀いおの詳现は\ref{proposed}章で述べる\subsection{未察応ノヌドの凊理}ここたでの凊理により察蚳文間にいく぀かの察応が芋぀かったがいく぀かのノヌドが察応付けられずに残る堎合があるこれらのノヌドは簡単なルヌルにより他の察応に䜵合するたず日本語英語ずもに名詞句内で未察応郚分があれば名詞句内の他の察応に䜵合しそれ以倖の未察応ノヌドはすべお芪ノヌドの察応に䜵合するただし節の区切りなどの倧きな区切りを越えおの䜵合は行わない \section{敎合性尺床に基づく構造的句アラむンメント} \label{proposed}察蚳文党䜓ずしお敎合的なアラむンメントを行うために任意の1組の察応に察しお{\bf敎合性スコア}を定矩する最も敎合的なアラむンメントは敎合性スコアの平均を最倧ずするような察応候補の組み合わせずしお埗られる\begin{equation}\argmax_{alignment}\frac{\sum^{n}_{i=1}\sum^{n}_{j=i+1}敎合性スコア(a_i,a_j)}{n(n-1)/2}\label{eq:sum}\end{equation}䞊匏で$a_i$ず$a_j$は互いに異なる任意の察応候補であり敎合性スコアは察応候補のペアに察しお定矩される敎合性スコアの定矩に぀いおは次章以降で詳しく述べる\subsection{アラむンメントの敎合性}アラむンメントの粟床を巊右するのは曖昧な察応や誀った察応が含たれるたくさんの察応候補の䞭からいかに正しいものを遞択するかであるこれを実珟するために察蚳文党䜓を敎合的に察応付けられるロバストな手法が必芁である英語ずペヌロッパ蚀語のように蚀語構造の䌌た蚀語察ならば広く研究されおいる統蚈的な手法でも高粟床にアラむンメントするこずが可胜であるが日本語ず英語では蚀語構造が倧きくこずなるため統蚈的な手法での高粟床なアラむンメントは難しいしかし我々のMTシステムは䟝存構造朚をベヌスずした深い蚀語凊理を行っおいるためリッチな情報を利甚しお蚀語構造の違いを吞収できるようなアラむンメントが可胜である我々の提案する手法を説明する前にアラむンメントの敎合性ずは䜕かを考えおみよう図\ref{fig:consistency}においおそれぞれの䞉角圢は各蚀語の朚構造䞊の節を衚しおおり2぀の朚構造にたたがっお匕かれた盎線の1぀1぀が察応候補を衚しおいるすべおの察応候補のうちで×印が蚘された候補が党䜓の敎合性を䜎䞋させおいるこずが芋お取れるこのような䞍敎合は芖芚的には明らかであるこの䞍敎合さを定量的に評䟡するために我々は䞀組の察応候補の朚構造䞊での{\bf距離}に泚目する図\ref{fig:consistency}の䟋で×印が蚘された候補ず他の1぀の候補ずに泚目するず原蚀語偎での2぀の盎線の距離は遠いのに察しお目的蚀語偎では非垞に近い句の䟝存情報を元にした朚構造䞊で議論するずこのようなこずが起こるこずは皀である぀たり䞀方の蚀語で構造的に近い句同士が他方の蚀語では遠くなるようなこずはほがありえないずいうこずであるこのようにあらゆる察応候補のペアの距離を適切に扱うこずにより党䜓的に敎合的なアラむンメントを埗るこずができるず考えられるこの距離を扱うために我々は次章で説明する{\bf敎合性スコア}を提案する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia3f2.eps}\caption{敎合性の䟋}\label{fig:consistency}\end{center}\end{figure}\subsection{敎合性スコア}敎合的なアラむンメントを埗るために䟝存構造朚䞊で敎合性スコアを定矩する敎合性スコアは2぀1組の察応候補に察しお蚈算され察応候補ペアの距離の関係が適切ならばプラスそうでなければマむナスのスコアずなるたず任意の察応候補ペア$a_i$($p_{Si}$,$p_{Ti}$)ず$a_j$($p_{Sj}$,$p_{Tj}$)に泚目する$p_{Si}$ず$p_{Ti}$はそれぞれ察応候補$a_i$によっお察応づけられおいる原蚀語目的蚀語の句を衚しおおり$p_{Sj}$ず$p_{Tj}$も同様である原蚀語偎の係り受け距離$d_S(a_i,a_j)$は$p_{Si}$ず$p_{Sj}$の間の朚構造䞊での距離ずしお定矩され目的蚀語偎に぀いおも同様に$d_T(a_i,a_j)$が定矩されるこの距離を甚いお敎合性スコアは以䞋のように蚈算される\begin{equation}敎合性スコア(a_i,a_j)=f(d_S,d_T)\end{equation}ここで$d_S$は$d_S(a_i,a_j)$を省略しお衚蚘したもので$d_T$も同様である$f(d_S,d_T)$は原蚀語偎ず目的蚀語偎の距離のペアをスコアに倉換する関数であり{\bf距離—スコア関数}ず呌ぶ係り受け距離ず距離スコア関数に぀いおは次章で詳しく述べる察蚳文党䜓のアラむンメントの敎合性は匏\ref{eq:sum}に衚されるようにあらゆる組み合わせの察応候補ペアの敎合性スコアの和ずしお定矩される正しい察応候補はその近くにある察応候補により支持されプラスのスコアが䞎えられさらに党䜓のアラむンメントの敎合性に寄䞎するここで近くにある察応候補ずは原蚀語偎目的蚀語偎ずもに距離が小さい察応候補ずいうこずである\subsection{係り受け距離}この章では係り受け距離$d_S$や$d_T$の蚈算方法を説明する最も単玔な蚭定ずしおはすべおの枝の距離を1ずし係り受け距離はあるノヌドから別のノヌドたでに通る枝の数ずするこずが考えられるしかしながら高床な蚀語凊理技術により埗られる知識を利甚しより粟床の高いシステムの構築を目指すこずは自然である日本語䟝存構造解析噚KNPおよび英語のCharniakのnlparserはそれぞれ係り受けタむプの情報を出力するこれらの情報を利甚しお係り受けタむプスコアを定矩するこのスコアは係り受けの匷さ぀たり枝の距離を衚しおおり係り受けの匷さが匷い区切りが匱いほど小さく係り受けの匷さが匱い区切りが匷いほど倧きくなるように蚭定する䟋えば耇号名詞内の圢態玠の区切りなどは係り受けが匷いのでスコアは小さく逆に節の区切りなどは係り受けが匱いのでスコアは倧きくなる係り受けタむプは高々30皮類皋床しかないため係り受けタむプスコアは人手により蚭定する図\ref{fig:dep_dist}にその䞀郚を瀺す日本語の係り受けタむプは南による分類\cite{Minami}に基づいお構文解析噚KNP\cite{KNP}が出力するものであるスコアの倀は䞻芳的に定矩したものであり正確に蚀語珟象を反映した倀ではない可胜性があるこの倀を自動孊習により蚭定するこずは今埌の課題である\begin{figure}[b]\begin{center}\input{03figure3.txt}\end{center}\caption{係り受け距離の定矩の䟋}\label{fig:dep_dist}\end{figure}係り受けタむプスコアを実際の察蚳文に適甚した䟋を図\ref{fig:exgood}に瀺す図\ref{fig:exgood}で各枝䞊のラベルが係り受けタむプを瀺しおおりその䞊の数字が係り受けタむプスコアである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia3f4.eps}\caption{係り受け距離ずスコアの䟋}\label{fig:exgood}\end{center}\end{figure}係り受け距離$d_S$や$d_T$はあるノヌドから別のノヌドたで最短ルヌトでたどるずきに通る枝の係り受けタむプスコアの和ず定矩する䟋えば図\ref{fig:exgood}でペア1の距離は日本語偎($d_S$)は``保険$\rightarrow$請求の''の枝を通るので$d_S=1$ずなり英語偎($d_T$)は``insurance$\rightarrow$anclaim''の枝を通るので$d_T=1$ずなるため$(d_S,d_T)=(1,1)$ずなる図で䞞で囲たれた数字のある枝を通る同様にペア2の距離は日本語偎はペア1ず同じで$d_S=1$だが英語偎は``insurance$\rightarrow$withtheoffice''``withtheoffice$\rightarrow$willhavetofile''``anclaim$\rightarrow$willhavetofile''の3぀の枝を通るので枝の距離を合蚈しお$d_T=7$ずなるため$(d_S,d_T)=(1,7)$ずなる図で四角で囲たれた数字のある枝を通る朚構造を甚いずに単玔な単語列ずしお芋た堎合2぀の``insurance''はどちらも``claim''から近いず刀断されおしたうため正しい曖昧性解消ができなくなるこのようなこずは他の䟋でもしばしば起こりうるこずであり朚構造を甚いるこずの利点がここで瀺される\subsection{距離—スコア関数}\label{function}距離スコア関数$f(d_S,d_T)$は2぀の距離の組$(d_S,d_T)$に察しおそれらの関係が適切かどうかを反映するスコアを䞎えるこの関数を蚭定するためにたず実際のデヌタにおける珟象を芳枬した正解のアラむンメントが付䞎された4䞇文の新聞蚘事察蚳コヌパス\cite{Uchimoto04}を甚いお距離の組の出珟頻床を係数した図\ref{fig:learn}に芳枬結果を瀺す状況がずらえやすいように別角床からの図を2぀瀺す瞊軞が頻床の察数であり2぀の暪軞は2぀の距離にそれぞれ察応する結果を芋るず距離が等しいペアの頻床は高く逆に距離に差があるペアの頻床が著しく䜎䞋するこずがわかるこの芳枬結果を螏たえお距離—スコア関数$f(d_S,d_T)$を人手で蚭定したこのずき以䞋の条件を満たすようにする\begin{itemize}\item$d_S$ず$d_T$が共に小さい堎合は泚目した察応候補の関係が適切であるず刀断できるのでプラスのスコアを䞎える\item$d_S$ず$d_T$が共に倧きい堎合距離10以䞊は察応候補は互いに関係性を持たないず刀断し0ずする\item$d_S$ず$d_T$の差が倧きい堎合は察応候補の関係が䞍適切であるず刀断できるのでマむナスのスコアを䞎える\end{itemize}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-2ia3f5.eps}\caption{芳枬された距離の組の頻床分垃}\label{fig:learn}\end{center}\end{figure}䟋えば図\ref{fig:exgood}においおペア1$(d_S,d_T)=(1,1)$にはプラスのスコアを䞎えるがペア2$(d_S,d_T)=(1,7)$に察しおはマむナスのスコアを䞎える\subsection{最適なアラむンメントの探玢}\label{new_align}アラむンメントの敎合性は匏\ref{eq:sum}に瀺したように党おの察応候補ペアの$f(d_S,d_T)$の和ずしお定矩されるたた最適なアラむンメントはこの和を最倧ずするアラむンメントであるしかしながら考えうる党おのアラむンメントのパタヌンをチェックしようずするず組み合わせ爆発を起こすので最適なアラむンメントの探玢は近䌌的に行うたずある1぀の察応候補$a_i$に察するスコアを以䞋のように定矩する\begin{equation}score(a_i)=\sum^{}_{j\neqi}敎合性スコア(a_i,a_j)\\\label{eq:individual}\end{equation}これにより党おの察応候補の1぀1぀に個別にスコアが蚈算されるここで最も高いスコアずなった察応候補は正しい察応であるず刀断し採甚する同時に採甚された察応ず衝突しおいる察応候補は棄华するそしお各察応候補のスコアを再蚈算し採甚・棄华を繰り返すこれをすべおの察応候補が採甚か棄华されるたで繰り返すこずにより近䌌的に最適なアラむンメントが埗られる \section{実隓ず考察} \label{result}\subsection{アラむンメント実隓}正解のアラむンメントが付䞎されおいる新聞蚘事の察蚳コヌパス\cite{Uchimoto04}からランダムに500文を遞びこれを甚いお日英察蚳文のアラむンメント実隓を行なったアラむンメントの評䟡単䜍は日本語は文字単䜍英語は単語単䜍ずした日本語の評䟡単䜍を単語単䜍ずしなかった理由は2぀ある1぀は我々の出力ず正解デヌタずで圢態玠解析のずれがある堎合があるこずであるもう1぀は我々の出力も正解デヌタもアラむンメントの単䜍は句なのだがそもそも䜕を句ずするかの定矩が定たっおいないため句の区切りにずれがあるこずであるこれらの理由から評䟡を単玔にわかりやすくするために日本語では文字単䜍で評䟡したなお我々の予備実隓により評䟡単䜍を文字単䜍ずしおも倧きな副䜜甚はないこずが瀺されおいる察蚳蟞曞ずしお研究瀟の和英蟞曞芋出し語数36\,K抜出した察蚳数214\,Kず同英和蟞曞芋出し語数50\,K抜出した察蚳数303\,Kを甚いた評䟡は適合率再珟率F倀により算出しさらにAER\cite{och00comparison}も求めたなお正解デヌタにはSure($S$)アラむンメントのみが付䞎されおおりPossible($P$)アラむンメントはない\cite{Och03}\footnote{Possible($P$)アラむンメントがない堎合$\mathrm{AER}=1\text{-}F-measure$ずしお蚈算される}実隓結果を衚\ref{tab:result_a}に瀺す``baseline''はすべおの枝の距離を1ずしさらに敎合性スコア$f=1/d_S+1/d_T$ずしお実隓したものである``uniformdist.''は枝の距離はすべお1だが敎合性スコアを\ref{function}章で定矩した関数により蚈算した堎合の結果である``proposed''は``uniformdist.''の枝の距離を係り受け距離に倉曎した結果である\begin{table}[b]\begin{center}\caption{アラむンメント実隓結果}\label{tab:result_a}\input{03table1.txt}\end{center}\end{table}比范実隓ずしお統蚈翻蚳のフリヌツヌルでありその粟床に定評のある``Moses''\cite{Moses}を利甚したアラむンメント実隓も行なったトレヌニングデヌタずしお毎日新聞4䞇察蚳文ず読売新聞25䞇文を利甚し日本語文に぀いおは圢態玠解析噚JUMANで圢態玠に分割したたた\ref{alignment}章で述べた郚分文字列アラむンメントのみでのアラむンメント粟床を``sub-string''に瀺したここでのトレヌニングデヌタはMosesず同じものを甚いたただし日本語の圢態玠分割は行っおいない``manual''は我々の出力を人手により修正したものでありアラむンメントの䞊限倀ず芋るこずができる䞊限倀が100にならないのは我々の出力ず正解デヌタずのアラむンメントの単䜍にズレがあるこずや正解デヌタ自䜓に誀りが含たれおいるこずがあるためである\subsection{考察}衚\ref{tab:result_a}より距離スコア関数を改善するこずによりF倀で2.7ポむントの粟床向䞊が芋られる実際の蚀語珟象を芳枬しそれを反映する関数の定矩を甚いるこずの劥圓性ずその効果の高さがこの結果から瀺された係り受けスコアを甚いるこずによりさらに玄1.5ポむント粟床向䞊したが距離スコア改善による向䞊に比べるず差が小さく係り受けスコアを甚いるこずの利点はそれほどないように芋える珟圚は係り受け距離は人手により蚭定されおいるがこの蚭定が実際の蚀語の特城を十分に反映しおいるかどうかずいう点で疑問が残る今埌係り受け距離を自動孊習などにより適切に蚭定するこずにより係り受け距離を利甚する効果がより顕著に衚れるものず思われる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-2ia3f6.eps}\caption{アラむンメントの改善䟋}\label{fig:result_ex}\end{center}\end{figure}距離スコア関数の改善ず係り受けスコアの利甚によりbaselineより4.22ポむントの粟床向䞊を達成した図\ref{fig:result_ex}に改善䟋を瀺す䟋では日本語の``叞法''に察しお英語では``judicial''が二床出珟しおおり曖昧性が発生しおいるbaselineではこの曖昧性解消に倱敗しおおりアラむンメントが䞍適切だがproposedでは正しく曖昧性解消が行われ正しいアラむンメントを埗るこずができたしかしながら日本語で``叞法''ずいう語が䞀床しか出おきおいないため正確には英語の``ourjudicialsystem''は未察応ずするのが適切であるこのような省略は逆の堎合を含めしばしば起こるこずであるため適切に扱う必芁があるこれに぀いおは今埌怜蚎する我々の提案手法では䟝存構造を甚いおおりその情報に匷く頌っおいる郚分が倧きいこのこずは今たで述べたずおり非垞に有効な手段であるが䞀方で䟝存構造解析の倱敗が容易にアラむンメントの倱敗に぀ながっおしたう日本語に぀いおは圢態玠解析(JUMAN)の粟床が99\%構文解析(KNP)の粟床が90\%であり高粟床ではあるが倱敗も10\%皋床は含たれるこずになる英語ではこれよりさらに粟床は䜎くなり特に䞊列構造などでの解析倱敗が目立぀このため我々が提案する敎合性尺床を利甚しお䟝存構造朚自䜓の修正を可胜にする枠組を考案する必芁があるこれによりアラむンメントの粟床向䞊が芋蟌めるだけでなく基瀎技術である構文解析技術ぞのフィヌドバックを図るこずも可胜ずなる``Moses''の結果は我々の結果に比べおかなり䜎いこれは\ref{Introduction}章で述べたように統蚈的な手法が蚀語構造の異なる蚀語察に察しおはあたり効果が発揮できないこずの衚れずいえる日本語ず英語では蚀語構造に倧きな違いがあり䟋えば日本語ではSOVの語順で文が構成されるが英語ではSVOの語順で文が構成されるこのような蚀語察に察しおは我々の手法のように蚀語凊理リ゜ヌスを甚いた深い文解析が必芁であるず蚀える``sub-string''の結果は``Moses''の結果ずほが同じであるが``sub-string''では圢態玠解析を行っおいないずいう点を考慮するず十分によい結果であるず蚀える特に適合率を芋るずMosesよりも良い結果でありこのこずは我々のアラむンメントで利甚するずきには有効である\begin{table}[b]\begin{center}\caption{他蚀語察でのアラむンメント粟床(AER)}\label{tab:result_b}\input{03table2.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:result_b}に関連研究で瀺された日英以倖の蚀語察におけるアラむンメント粟床を瀺すHLT-NAACL2003\cite{mihalcea-pedersen:2003:Partext}英語—フランス語ず英語—ロシア語ずACL2005\cite{martin-mihalcea-pedersen:2005:WPT}英語—ロシア語はそれぞれアラむンメントに関するワヌクショップでの結果でありそれぞれのワヌクショップでの最も良い粟床を蚘録した研究の倀である\cite{Gildea03}は英語ず韓囜語でのアラむンメント粟床の向䞊を目指したものであるたた最も基本的な統蚈的単語アラむンメントツヌルであるGIZA++\cite{rodriguez-garciavarea-gamez:2006:WMT}を甚いおそれぞれの蚀語察でアラむンメントした結果も瀺すすべおの倀はAERである衚\ref{tab:result_b}より英語—フランス語察でのアラむンメントは最も容易であり英語—韓囜語で最も難しいずいえるこれは蚀語構造の違いが英仏では小さいが英韓では倧きいこずからくるず思われる韓囜語は日本語に近いずいわれおおり日英ず同様アラむンメントが難しい我々の日英アラむンメントの結果をこれらの他蚀語察での結果ず比范しおも十分高粟床であるず蚀える \section{結論ず今埌の課題} 本論文では構造的句アラむンメントの粟床向䞊を目的ずし係り受け距離ず距離—スコア関数$f(d_S,d_T)$を甚いた新しいアラむンメント手法を提案したたた察蚳文党䜓のアラむンメントの敎合性を党おの察応ペアのスコア$f(d_S,d_T)$の和ずしお定矩し敎合性を定量的に評䟡する枠組を提案したこれにより構造的句アラむンメントの粟床向䞊を達成し基本的な統蚈的手法に比べおおよそ30ポむント高いアラむンメント粟床を実珟した実隓結果から蚀語構造の異なる蚀語察であっおも我々の手法は十分に高粟床なアラむンメントを行うこずができ関連研究での他の蚀語察での結果ず比范しおも遜色ない結果をあげた今埌我々の手法を日英以倖の蚀語察に察しおも適甚しその有効性を怜蚌したいたた係り受け距離ず距離—スコア関数は珟圚は人手により蚭定されおいるが実際の蚀語の特城をよりよく反映するモデルを構築しさらに他蚀語においお人手により蚭定するコストを抑えるために単蚀語コヌパスからパラメヌタを自動的に孊習する手法を考案する必芁があるアラむンメントの倱敗䟋の倚くは構文解析誀りによるものである珟圚の枠組では構文解析結果を完党に信頌しお敎合性を枬っおいるが我々の手法が十分に掗緎されたものになれば敎合性尺床に基づいお構文を修正できるような構文解析ずアラむンメントが互いに柔軟に圱響しあい互いの粟床向䞊を行えるような柔軟な枠組を䜜るこずが今埌の課題である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1993}]{Brown93}Brown,P.~F.,Pietra,S.A.~D.,Pietra,V.J.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQTheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation\BBCQ\\newblock{\BemAssociationforComputationalLinguistics},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\263--312}.\bibitem[\protect\BCAY{Charniak\BBA\Johnson}{Charniak\BBA\Johnson}{2005}]{Charniak}Charniak,E.\BBACOMMA\\BBA\Johnson,M.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQCoarse-to-Finen-BestParsingandMaxEntDiscriminativeReranking\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe43rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'05)},\mbox{\BPGS\173--180}\AnnArbor,Michigan.\bibitem[\protect\BCAY{Chiang}{Chiang}{2005}]{chiang:2005:ACL}Chiang,D.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAHierarchicalPhrase-BasedModelforStatisticalMachineTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe43rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'05)},\mbox{\BPGS\263--270}\AnnArbor,Michigan.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Cromieres}{Cromieres}{2006}]{Fabien06}Cromieres,F.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQSub-SententialAlignmentUsingSubstringCo-OccurrenceCounts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe44thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\13--18}.\bibitem[\protect\BCAY{Gildea}{Gildea}{2003}]{Gildea03}Gildea,D.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQLooselyTree-basedAlignmentforMachineTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe41stAnnualMeetingonAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\80--87}.\bibitem[\protect\BCAY{Koehn,Hoang,Birch,Callison-Burch,Federico,Bertoldi,Cowan,Shen,Moran,Zens,Dyer,Bojar,Constantin,\BBA\Herbst}{Koehnet~al.}{2007}]{Moses}Koehn,P.,Hoang,H.,Birch,A.,Callison-Burch,C.,Federico,M.,Bertoldi,N.,Cowan,B.,Shen,W.,Moran,C.,Zens,R.,Dyer,C.,Bojar,O.,Constantin,A.,\BBA\Herbst,E.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQMoses:OpenSourceToolkitforStatisticalMachineTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL),demonstrationsession}.\bibitem[\protect\BCAY{Koehn,Och,\BBA\Marcu}{Koehnet~al.}{2003}]{koehn-och-marcu:2003:HLTNAACL}Koehn,P.,Och,F.~J.,\BBA\Marcu,D.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQStatisticalPhrase-BasedTranslation\BBCQ\\newblockInHearst,M.\BBACOMMA\\BBA\Ostendorf,M.\BEDS,{\BemHLT-NAACL2003:MainProceedings},\mbox{\BPGS\127--133}\Edmonton,Alberta,Canada.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1994}]{KNP}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQASyntacticAnalysisMethodofLong{J}apaneseSentencesBasedontheDetectionofConjunctiveStructures\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf20}(4),\mbox{\BPGS\507--534}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi,Nakamura,Matsumoto,\BBA\Nagao}{Kurohashiet~al.}{1994}]{JUMAN}Kurohashi,S.,Nakamura,T.,Matsumoto,Y.,\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQImprovementsof{J}apaneseMorphologicalAnalyzer{JUMAN}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTheInternationalWorkshoponSharableNaturalLanguage},\mbox{\BPGS\22--28}.\bibitem[\protect\BCAY{Martin,Mihalcea,\BBA\Pedersen}{Martinet~al.}{2005}]{martin-mihalcea-pedersen:2005:WPT}Martin,J.,Mihalcea,R.,\BBA\Pedersen,T.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQWordAlignmentforLanguageswithScarceResources\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheACLWorkshoponBuildingandUsingParallelTexts},\mbox{\BPGS\65--74}\AnnArbor,Michigan.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Matsumoto,Ishimoto,\BBA\Utsuro}{Matsumotoet~al.}{1993}]{matsumoto:1993:ACL}Matsumoto,Y.,Ishimoto,H.,\BBA\Utsuro,T.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQStructuralMatchingofParallelTexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe31stAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\23--30}.\bibitem[\protect\BCAY{Menezes\BBA\Richardson}{Menezes\BBA\Richardson}{2001}]{Menezes01}Menezes,A.\BBACOMMA\\BBA\Richardson,S.~D.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQABest-firstAlignmentAlgorithmforAutomaticExtractionofTransferMappingsfromBilingualCorpora\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe39thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL)WorkshoponData-DrivenMachineTranslation},\mbox{\BPGS\39--46}.\bibitem[\protect\BCAY{Mihalcea\BBA\Pedersen}{Mihalcea\BBA\Pedersen}{2003}]{mihalcea-pedersen:2003:Partext}Mihalcea,R.\BBACOMMA\\BBA\Pedersen,T.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAnEvaluationExerciseforWordAlignment\BBCQ\\newblockInMihalcea,R.\BBACOMMA\\BBA\Pedersen,T.\BEDS,{\BemHLT-NAACL2003Workshop:BuildingandUsingParallelTexts:DataDrivenMachineTranslationandBeyond},\mbox{\BPGS\1--10}\Edmonton,Alberta,Canada.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Och\BBA\Ney}{Och\BBA\Ney}{2000}]{och00comparison}Och,F.~J.\BBACOMMA\\BBA\Ney,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAComparisonofAlignmentModelsforStatisticalMachineTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\1086--1090}\Saarbrucken,Germany.\bibitem[\protect\BCAY{Och\BBA\Ney}{Och\BBA\Ney}{2003}]{Och03}Och,F.~J.\BBACOMMA\\BBA\Ney,H.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQASystematicComparisonofVariousStatisticalAlignmentModels\BBCQ\\newblock{\BemAssociationforComputationalLinguistics},{\Bbf29}(1),\mbox{\BPGS\19--51}.\bibitem[\protect\BCAY{Rodr\'{i}guez,Garc\'{i}a-Varea,\BBA\G\'{a}mez}{Rodr\'{i}guezet~al.}{2006}]{rodriguez-garciavarea-gamez:2006:WMT}Rodr\'{i}guez,L.,Garc\'{i}a-Varea,I.,\BBA\G\'{a}mez,J.~A.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQSearchingforalignmentsinSMT.AnovelapproachbasedonanEstimationofDistributionAlgorithm\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsontheWorkshoponStatisticalMachineTranslation},\mbox{\BPGS\47--54}\NewYorkCity.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Sadler\BBA\Vendelmans}{Sadler\BBA\Vendelmans}{1990}]{sadler:1990:COLING}Sadler,V.\BBACOMMA\\BBA\Vendelmans,R.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQPilotImplementationofaBilingualKnowledgeBank\BBCQ\\newblockIn{\BemPaperspresentedtothe13thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\449--451}.\bibitem[\protect\BCAY{Sato\BBA\Nagao}{Sato\BBA\Nagao}{1990}]{sato:1990:COLING}Sato,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQTowardMemory-basedTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemPaperspresentedtothe13thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\247--252}.\bibitem[\protect\BCAY{Uchimoto,Zhang,Sudo,Murata,Sekine,\BBA\Isahara}{Uchimotoet~al.}{2004}]{Uchimoto04}Uchimoto,K.,Zhang,Y.,Sudo,K.,Murata,M.,Sekine,S.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{MultilingualAlignedParallelTreebankCorpusReflectingContextualInformationandItsApplications}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheMLR2004:PostCOLINGWorkshoponMultilingualLinguisticResources},\mbox{\BPGS\63--70}.\bibitem[\protect\BCAY{Watanabe,Kurohashi,\BBA\Aramaki}{Watanabeet~al.}{2000}]{watanabe:2000:COLING}Watanabe,H.,Kurohashi,S.,\BBA\Aramaki,E.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQFindingStructuralCorrespondencesfromBilingualParsedCorpusforCorpus-basedTranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\906--912}.\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1993}]{Minami}南䞍二男\BBOP1993\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語文法の茪郭}.\newblock倧修通曞店.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{䞭柀敏明}{2005幎東京倧孊工孊郚電子情報工孊科卒業2007幎同倧孊院修士課皋修了2007幎京郜倧孊倧孊院博士埌期課皋入孊機械翻蚳の研究に埓事}\bioauthor{黒橋犎倫}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊院博士課皋修了京郜倧孊工孊郚助手京郜倧孊倧孊院情報孊研究科講垫東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科助教授を経お2006幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授珟圚に至る自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事}\end{biography}\biodate\end{document}
V03N03-01
\section{はじめに} 自然蚀語凊理技術は単䞀文の解析等に関しおは䞀定の氎準に到達し文の生成技術を統合しお幟぀かの機械翻蚳システムが商甚化されお久しいこのような段階に達した珟圚においおは埓来問題ずされおきた圢態玠解析や構文解析ずは異なる以䞋のような課題が珟れおきおいる自然蚀語凊理システムは求められる分析性胜が向䞊するに぀れおそのシステムで甚いる蚀語知識ベヌス(文法芏則や蟞曞デヌタ)も次第に耇雑化巚倧化しおきたひずたび実働したシステムも利甚者が䜿い蟌むこずによっお既存の分析性胜では扱えない蚀語珟象ぞの察応に迫られる利甚者が増えるに埓っお新たな分析性胜が芁求される䞀方自然蚀語凊理システムを甚いる応甚分野はたすたす倚様化するこずが予想され応甚分野ごずにも新たな分析性胜が芁求される蚀語知識ベヌスにおいおも機胜の曎新が求められ远加ず修正の䜜業が発生するしかし䞀般に蚀語知識ベヌスの開発には倚数の人員ず倚くの時間を必芁ずするためその再構築にも手間を芁する応甚分野に適合するシステムを効率的に開発するためには融通性を持ち容易に修正できる文法芏則や蟞曞デヌタの䜜成技法ず䜜成された蚀語知識ベヌスの保守性の向䞊を図る必芁があるこの課題は応甚分野の倚様化に䌎う需芁ず芏暡が増倧する䞭でたすたす重芁ずなっおいる蚀語知識をコンピュヌタぞ実装する過皋での技術的な課題を論じた研究~\cite{吉村,神岡,奥}があるしかし文法芏則の蚘述の方法やノりハりの開瀺が芋られないどのようにしお芏則が芋぀けだされたのかずいう蚀語知識の構成過皋の研究は少なかった前述のように適甚分野の倚様化に応じお文法芏則の远加や修正を敎然ず実珟するには文法芏則の開発手続きを敎理するこずから取り組むべきである具䜓的には個々の文法芏則がどのような蚀語珟象に着目しお䜜成されたのかそしおその蚘述の手段すなわちどのような手続きで芏則化されたのかのノりハりを方法論的に明らかにするこずである本皿ではこの課題ぞの䞀解決策ずしお文法芏則の系統だった蚘述の方法を提案するさらに我々が提案した方法に埓っお䜜成した文法芏則に぀いお説明するたず圢態玠ず衚局圢態の抂念区分をした䞊で日本語の持぀階局構造に泚目した圢態玠の述郚階局䜍眮ずの関係から衚局での圢態の珟れ方を構文構造に結び付ける圢態構文論的な文法䜜成のアプロヌチを採甚し文法芏則の開発手続きを確立したこの文法芏則は機械凊理に適合した文法䜓系の䞀぀ずなっおいるその特城は(1)系統だった蚘述法に則り䜜成されたものであるこず(2)そのため工孊䞊文法芏則の開発䜜業手順に䞀般性が備わり誰がどのように文法芏則を䜜成するにせよある条件を満たすだけの蚀語の分析胜力を持った文法芏則を蚘述するこずができるなおもう䞀方の蚀語知識である蟞曞デヌタに぀いおもその知識構成過皋の把握が必芁であるが本皿では特に文法芏則に぀いおのみ着目する以䞋の第\ref{文法芏則の䜓系だった蚘述法}章では文法䜓系ず文法芏則の具䜓化の方法に぀いお述べ文法芏則を䜓系的に蚘述しおゆくための蚘述指針を提案する第\ref{文法芏則の蚘述の手順}章では提案した手続きに埓っお蚘述した文法芏則䟋を瀺す新聞テキストを甚いた分析実隓を通しお文法芏則の蚘述の手続きの䞀貫性を評䟡した第\ref{蚘述手続きの評䟡}章ではその詳现を報告する \section{文法芏則の䜓系だった蚘述法} \label{文法芏則の䜓系だった蚘述法}\subsection{文に぀いお}文法芏則は蚀葉に内圚するず芋られる衚珟ず解釈のためのきたりである珟実に我々が日々接する蚀語事実は倚皮倚様で加えお耇雑であるので蚀葉のきたりを包括的に䞔぀網矅的に説明する文法論は珟圚のずころ存圚しないそこでたず取り扱う文の範囲を蚭定する{\dg文}は蚘述する叙述内容を衚す郚分ずその叙述内容に察する話し手の刀断郚分が衚局の衚珟圢匏に珟れおいる蚀語衚珟ずする埓っお「うそ」「文法芏則の䜓系だった蚘述法」「そんなこず」ずいった䟋に芋るように叙述郚分がなく述語を含たない蚀語衚珟は本皿では文の範䞭\\に含めない「圌そこ行った(``圌がそこぞ行ったのだ''の意味)」「改革の流れ埐々に(``改革の流れが埐々に(Ί)''Ίがどのような述語をずるのかは文脈からしか刀断できない)」のように䞍完党な叙述衚珟であるものも陀倖する\footnote{文章衚珟は䞀般に描写文物語文説明文説埗文に分類するこずができる文章内容に基づいた分類である文の叙述の仕方の芋方に立぀ず文の圢匏の敎え方で区分できるこの区分によるず本皿の扱う{\dg文}以倖の皮類にはメモ䌝蚀掲瀺広告宣䌝文などがある論文などの専門的説明文に限るずタむトル郚分図衚などぞの泚釈章立おのための衚珟参考文献の蚘茉郚分を陀いた郚分は文字数にしおその割は本皿で扱う文である}\vspace*{-0.5mm}\subsection{文法蚘述のアプロヌチ}\vspace*{-0.2mm}文法芏則の蚘述には背景ずなる文法論(文法の考え方)が必芁である文法論を文の構成芁玠が持぀倖圢ずその結び付きの有様を探究するものであるずした時その構成法には二぀のアプロヌチがあるずいわれおいる\cite{森岡2}䞀぀には文法論で扱う構文的な機胜を単語の語圢にたで蚀及し䜓系を立おる方法(方法1)もう䞀぀は単語の語圢ずはそれほど密な関係を持ち蟌たずに䜓系を立おる方法(方法2)であるこうしたアプロヌチの違いず語のずらえ方の芖点によっおその䜓系がどのような品詞を認めどのような単語を認定するのかに違いが生じる品詞の皮類や単語の認定基準は文法䜓系の単語芳に䟝存しおいる文法芏則にはこのようなアプロヌチの違いに関する知識が関䞎しおおり暗黙の知識ずしお働いおいる構成法の違いは文法芏則の蚘述法の違いになっお珟れる䟋えば倖囜人向けの日本語教育の文法(䟋えば\cite{吉岡})は方法1に沿っお䜜られたものである日本語を母囜語ずする初孊者向けの文法(䟋えば\cite{枡蟺1})は抂ね方法2に沿っおいる䟋ずしお挙げるこずができる倖囜人向けの日本語教育の文法\cite{吉岡}では日垞䌚話の手段ずしお日本語の構造を説明するこずを䞻な目的ずするこうした文法䜓系の特城は話し手の意志䌝達や応答の仕方に泚目しおいるこずであるすなわち文䜓\footnote{叙述の䞭心ずなる述語が文法カテゎリヌに応じおその圢を倉えるこず䟋えば「だ」から「です」「たす」に芋られるような通垞態から䞁寧態ぞの倉化あるいは「〜する」から「〜しない」ぞのような肯定から吊定ぞの倉化を指す}に応じおどのように文の構成芁玠が倖圢ず結び぀くのか(文䜓に応じた構文的機胜)を重芖する䟋えば衚\ref{文䜓による掻甚圢の組織化の䟋}のような動詞の掻甚圢蚭定が可胜ずなり「たす」あるいは「た」ずいった語は助動詞ではなく動詞の掻甚圢の䞀郚ずなる衚珟䞊の機胜察立が「〜る」「〜た」のような衚局の圢の珟れ方にたで及んでいるこのように日垞䌚話ずしおの機胜察立が顕圚化しおいる文型を網矅的に調べおゆくこずで文法芏則を䜓系的に蚘述しおゆくこずが可胜である\vspace*{-0.3mm}\btb{文䜓による掻甚圢の組織化の䟋}\small\bt{|l|l|l|}\hline\mltclm{1}{䞭栞単䜍}&\mltclm{1}{掻甚圢}&\mltclm{1}{日垞䌚話䞊の機胜}\\\hline食べ&(食べ)\,--\,る&䞻䜓の珟圚の意思衚瀺の通垞䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,たす&䞻䜓の珟圚の意思衚瀺の䞁寧䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,た&䞻䜓が確認した意思衚瀺の通垞䜓\\\cline{2-3}&(食べ)\,--\,たした&䞻䜓が確認した意思衚瀺の䞁寧䜓\\\hline\et\etb\vspace*{-0.3mm}日本語を母囜語ずする初孊者に察する文法\cite{枡蟺1}では衚局の圢には比范的無関心に抜象化した構文単䜍(䟋えば文節)を蚭定しおその芁玠間の性質に基づいお文ずしおの結び付きを調べる掻甚圢の組織化(衚\ref{助動詞ずの接続の基準による掻甚圢の組織化の䟋}を参照)を芋るず語圢倉化ず構文的な機胜ずの関連があたりない\btb{助動詞ずの接続の基準による掻甚圢の組織化の䟋}\small\bt{|l|l|l|}\hline\mltclm{1}{䞭栞単䜍}&\mltclm{1}{掻甚圢}&\mltclm{1}{助動詞ずの接続のし方}\\\hline食&(食)\,--\,べ&「ない」「う」「よう」に連なる\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べ&「たす」「た」に連なる\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べる&蚀い切るかたち\\\cline{2-3}&(食)\,--\,べる&䜓蚀に連なるかたち\\\hline\et\etbこのように個々の文法論がそれぞれの立堎を持ちその立堎の芋方によっお蚀葉を分析するこずから分析の察象ずなる蚀語を䞀぀に限っおも幟぀かの文法論が存圚するすなわち文法芏則の構成過皋は文法論の構成法に䟝存しおいるず考えられる機械凊理を考えた時高床な掚論機構や語圙の意味にできるだけ䟝存しないように文法䜓系を構成するこずが望たしい衚局の圢の違いができるだけ構文に則する方法を採る日本語では(1)殊に述郚にあっお圢態玠の序列関係ず文法属性に関連があるこず(2)いわゆる孊校文法でいう掻甚の掻甚語尟に「う」「よう」「たい」などの無掻甚の助動詞を組み入れお再構成すれば述郚末尟の語圢倉化を構文的な機胜に結び付けるこずができるこずから本皿では方法の䜜成法を採る次節では方法に埓っお機械凊理に適した文法芏則蚘述のアプロヌチに぀いお述べる\subsection{文法芏則の圢態構文論的な䜜成法}\label{文法芏則の圢態構文論的な䜜成法}次に挙げる点に適うよう文法䜓系を構成する\smallskip\begin{itemize}\baselineskip1.2em\item文の内容蚘述に関連する芁玠を倖圢に珟れた圢態玠でずらえる\item叙述の時空間的な䜍眮関係を倖圢に珟れた圢態玠の䞭に芋぀ける\item曞き手の叙述の意図を圢態玠でずらえる\end{itemize}\smallskip{\noindent圢態玠はそれ自身で意味を担うこずのできる最小の単䜍\cite{森岡1}のこずであり語を構成する基本単䜍ずなっおいる}我々はこの圢態玠の衚局での珟れ方を重芖し単語の語圢にたで文法芏則を関䞎させる立堎で文法䜓系を構成する本皿ではこの構成法を{\dg圢態構文論}ず呌ぶ文の意味を近䌌する䞊蚘䞉点の特城が構文構造に関しおどのように具䜓化されおいるのかに着目するのである䞀般に文の䞀郚分が着目する衚珟内容を維持しながら別の文圢に倉わる堎合その倉化した郚分が文法芏則化の察象ずなる文型特城を担っおいる埓っお倉化圢態に察する圢態玠ず構文構造の盎接的な関係の発芋ず文型特城である文法䞊の働きを抜象化する過皋が文法芏則の䜜成過皋ずなるこの章では以䞋に構文構造に関䞎する圢態玠に぀いお述べたのち文法蚘述の手続きを敎理するための䜜成法の詳现を述べる\subsubsection{圢態玠の分類}\label{圢態玠}たず構文的意味を有する単䜍ずしおの圢態玠を分類する必芁がある森岡\cite{森岡1}は語の構成単䜍を圢態玠ずしお子现にその語構成法を芳察しおいる我々は森岡の圢態玠分類に埓いながら文の意味を近䌌する䞊述の䞉点の特城に぀いお構文構造ず圢態玠の関係を調べたそしお森岡\cite{森岡1}の基本の分類に基づき鈎朚\cite{鈎朚}を参考にしお蚀語珟象の抜象化に機胜的に働く圢態玠をたずめた付録の図\ref{圢態玠の分類䞀芧}に圢態玠の基本分類を瀺し付録の衚\ref{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}に蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠を瀺す\subsubsection{文構造の階局性ずその利甚}\label{階局}構文構造ず圢態玠の盎接的な関係から文法芏則の構成䞊の情報を埗るこずを基本ずするしかし文の構成を担う手がかりを衚局の圢態特城ばかりに求められないこずが䞋蚘の䟋からわかる\smallskip\begin{description}\baselineskip1.2em\item[(1)]「孊生は英語教育を求めおいない」\item[(2)]「孊生は英語教育を求めおいる」\item[(3)]「孊生は英語教育を求められおいる」\item[(4)]「孊生は英語教育を求めおいる」\end{description}\smallskip{\noindent吊定文(1)に察応する肯定文(2)ず受動文(3)に察応する胜動文(4)のうち(2)ず(4)は同じ文圢である}肯定文ず胜動文の圢態䞊の匁別ができない次に(1),(2),(4)䟋の「孊生は」の「は」は栌衚瀺機胜を有し䞻栌の語を珟しおいる䞀方(3)䟋の「孊生は」では「(が)孊生{\dgに}英語教育を求めおいる」{\noindentずいう意味で「孊生」が察栌を瀺すために「は」が利甚されおいる}このように構文的機胜を有する圢態玠は文法機胜に関し䞀察倚の察応関係を持぀こずで倚䟡倀ずなっおいる我々は文法䜓系の䜜成に意味知識や掚論機構を前提しないこずを既に述べおいる「求める」「英語教育」「孊生」ずいった語圙毎に意味知識を持ち蟌たずに「は」を䌎う語が䞻栌になるかもしくは察栌になるのかを衚珟し分けなければならない倚䟡倀の圢態玠を蚀語珟象の抜象化に応じお構文機胜に正しく結び付けるには䜕らかの衚瀺デバむスが必芁になるその働きは構文構造ず圢態玠の盎接的{\dgでない}関係を補完するこずにあるその察策ずしお我々は珟代日本語文法の研究成果~\cite{日本語1,日本,枡蟺,芳賀,寺村1,山口,南,䜐䌯}から埗られおいる文の段階性(階局)を利甚する文の段階(å±€)構造を本皿での文の定矩に埓っお倉曎した図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}に文の段階(å±€)構造を瀺す\bfg\vspace*{0mm}\epsfile{file=kaisou.eps}\vspace*{-0.1mm}\CAPLA{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}\vspace*{3mm}\vspace*{-0.3mm}\parbox{100mm}{\small日本語の述郚には図に瀺す局状構造があるずされる栌の階局は文の叙述に論理的な関係を蚭定した際にその論理関係の関䞎する芁玠が含たれる階局である䟋えば「AガBヲ食べ(ル)」ずいう述語があるずするこの堎合「食べる」ずいう述郚が䞭心語ずなり「が」ず「を」ずいう぀の栌芁玠が認められるこれらの芁玠は䞭心語に䟝存するノォむスの局は論理関係ずしお関䞎する栌芁玠がどのような芋方によっお叙述されおいるかを瀺す䞊の䟋ではに焊点を圓おるこずで「が(に)食べ{\dgられ}る」ずいう倖圢の特城が珟れる䟝存関係は栌関係ず倉わりはないが述郚の圢が圢態玠によっお倉わるので特城抜出が可胜ずなるアスペクトの局は叙述の時間の捉え方に関わる郚分である叙述党䜓を蚘述するのかあるいは叙述の時間的な倉化のある郚分を捉えお蚘述するのかを衚珟仕分ける局であるムヌドの局は叙述の時間衚珟に関わる郚分であっおその叙述が完了したこずなのかあるいは未完了の出来事かを衚珟仕分けるモダリティの階局は話し手の叙述の意図が瀺される}\end{figure}\vspace*{-1mm}\subsubsection{圢態玠ず圢態}\label{圢態玠ず圢態}\vspace*{-2mm}図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}に瀺す階局で䞍敎合なく文法機胜の働きが圢態ずの察応で明瀺できるように我々は局内にあっお構文的機胜を有する圢態玠の働きを決めるこずずしたテンスずかアスペクトなどの構文機胜は抜象的なものであるから垞に衚局文の圢が察応するずは限らないそこで構文機胜を有する圢態玠が衚局に珟れない堎合には圢態玠のむンスタンスずしお働くこずのできる圢態ずいう単䜍を導入する圢態を持った衚局には盎接珟れない圢態玠を認識的な圢態玠ず称する圢態を介しお圢態玠ず構文機胜を盎接的に結び付ける我々は必ずしも圢態玠が衚局䞊に珟れなくずも文を圢態玠連鎖ずしお扱うこずができるず仮定しおいる文の意味を近䌌する構文的意味に結び぀いお階局内で配眮される䜍眮に応じた文法機胜があるものず考え同じ圢態玠が耇数の構文機胜を担うこずはないものずした䟋文(2)は階局構造衚瀺をするず次の構造ずなる\vspace*{-1.5mm}\begin{center}\epsfile{file=rei.eps}\vspace*{-2.5mm}\figcap{䟋文の階局構造}{䟋文の階局構造}\end{center}図2においお(る)はアスペクト衚珟のル未完了ずムヌド衚珟のル叙述のふた぀の構文機胜を担っおいる衚局圢態の「る」は本皿の分析では䞀般にいわれる圢態玠ではなく圢態である倚䟡倀ずされる埓来の圢態玠は構文機胜を担う認識的な圢態玠(この䟋ではアスペクト圢態玠ずムヌド圢態玠)が構文機胜を実珟するために生じた衚局の珟れ぀たり圢態\footnote{䟋えば{\emgo}に察しおテンス圢態玠が機胜的に働くずその衚局の圢態は{\emwent}ずなる圢態玠解析ずは衚局の文字列を単語に区切るだけはない構文機胜を実珟する圢態玠を芋぀けるこずにありそれが認識的なものであった堎合には圢態を芋぀けるこずにある}であるずみる構文機胜が同じであるにもかかわらず圢態が違っおいる堎合があるこのように違う圢態が同じ文の階局に属する時それらは異圢態\footnote{圢は違うが同じ意味を持぀圢態「食べた」ず「読んだ」における「た」ず「だ」は異圢態ず呌ばれる圢は違っおいおも動詞で瀺される叙述内容が同じ過去・完了であるずいう意味を衚しおいる文の衚局の文字の䞊びは単なる圢態玠の連鎖ではなく圢態玠ず圢態もしくは呚りの蚀語環境によっお圢態が倉動した異圢態の䞊びからなる}であるずいう芋方をずるこうした分析により埓来倚䟡倀ずされた圢態玠の文内での働きを正しく捉えるこずができるこの圢態構文論的な䜜成法により蚀語珟象の抜象化に機胜的に働く圢態玠に曖昧性がなくなり構文構造ず圢態玠の間に盎接的な関係を蚭定するこずが可胜ずなるこの盎接的な関係の䞀芧が文法枠組に察応する線状に䞊ぶ圢態玠の圢の違いず盞互連鎖の仕方にだけ泚目するず曖昧ずなる蚀語珟象も文に階局構造を仮定するこずでそれを分析するための文法芏則を䜜成できる本章では構文構造ず圢態玠の盎接的な関係を抜象化する構文圢態論的な文法の考え方に぀いお述べた次にこの枠組に基づいた文法芏則の蚘述の方法に぀いお述べる \section{文法芏則の蚘述の手順} \label{文法芏則の蚘述の手順}䞀般に文法芏則の蚘述では文䞭で意味を担う圢態玠に結び぀いお繰り返し珟れる機胜圢態玠を利甚する圢態構文論的な䜜成法では文法芏則を蚘述する䜜業は文に内圚するずみられる階局のそれぞれの䜍眮に蚀語珟象を抜象化するために文に繰り返し珟れる圢態玠を配眮するこずである我々はこの手続きを敎理するこずで䜓系的な文法蚘述の手順を埗た\subsubsection*{構文的機胜を有する圢態玠の認定(P1)}語圙には実質的な内容面ず文法的な機胜面が備わっおいる意味が䌌通っおいる語圙の語圢の倉化の様子を調べるその様子から内容面が倉化しおも繰り返し起こる圢に着県するその圢を集めた語圙に共通する文法面の機胜を担う圢態玠ずする\subsubsection*{文の階局性の利甚(P2)}共通する文法面の機胜が耇数(圢態玠が倚矩)の堎合には文の階局構造を利甚する出珟する階局の違いに文法機胜の違いを察応させるこずによっお同じ圢態に異なる文法芏則を割り圓おる\footnote{䟋えば動詞の終止圢である「る」はテンスを衚珟するずももしくはアスペクトを瀺す機胜を有しおいるずもいわれおいるP2の手続きはこのような珟象に察凊するものであるこの䟋ではテンスを瀺す圢態玠ずアスペクトを担う圢態玠がそれぞれあり衚局䞊䞍可避的に同じ圢態を共有しおいるずみなす構文的には䞡者は違う階局で機胜するものずしお文法芏則を䜜成する}\subsubsection*{認識的な構文的機胜を有する圢態玠の認定(P3)}文法機胜䞊倖圢や階局に共通する圢態特城が珟れない堎合には文の衚局での珟れが{\dg芋えない}圢態玠を蚭ける次にこの圢態玠に構文機胜を割り圓おるこの構文機胜は蚀語珟象の抜象化に察応する必芁がある圢態玠ず衚局の圢態ずの察応をみいだす呚りの蚀語環境によっお圢態が倉化した異圢態があればそれを芋぀ける\subsubsection*{䟝存関係を定める(P4)}䟝存関係ずは文の構成芁玠が文階局のどのレベルで語圙の実質的な内容面ず結び぀いおいるかによっお衚珟する基本的に修食芁玠は被修食芁玠に䟝存する堎合修食芁玠の最も倖郭の階局ず同じ階局䜍眮に䟝存する係り受け関係に盞圓する䟋えば「ので」「のに」などの接続助詞はアスペクト局たでを含む述語の語圢倉化の䞭で繰り返し珟れる圢の圢態玠である連甚修食句ずしお䞻節に䟝存する堎合䞻節のアスペクト局郚分に䟝存するこれを暡匏的に衚したものが図\ref{䟝存関係の暡匏図1}$\sim$\ref{䟝存関係の暡匏図2}である\bfg\epsfile{file=izon1.eps}\vspace{0.5mm}\efg{䟝存関係の暡匏図1}述語はそれが衚珟する動きを成り立たせる䞊で構文䞊遞択的に必芁ずしおいる芁玠がある\cite{仁田}図\ref{䟝存関係の暡匏図1}に瀺す䟋では「AガBヲ求め(ル)」である図\ref{䟝存関係の暡匏図1}(a)の名詞句「英語教育を」は機胜圢態玠「を」でマヌクされおいるから述郚の階局構造(図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)})の栌芁玠を含む階局ず䟝存関係を構成する(図\ref{䟝存関係の暡匏図1}の(b))こうした甚蚀に内圚する論理的な関係構成に関わる芁玠は叙述に甚いる語圙の性質によっお決たる同時にその芁玠が語圢ずしおどのような圢態玠を取り埗るのかも語圙に䟝存しお決たるこの語圙性質は予め蟞曞に蚘茉しおおかなければならない\bfg\epsfile{file=izon2.eps}\vspace{0.3mm}\vspace*{-0.5mm}\efg{䟝存関係の暡匏図2}図\ref{䟝存関係の暡匏図2}は甚蚀に埌接する「い(る)」の䟝存先を瀺しおいる図\ref{䟝存関係の暡匏図2}(a)においお「英語教育を求めおいる」の機胜圢態玠「い(る)」は甚蚀で瀺される出来事の時間的な継続状態を瀺す(衚\ref{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠})この圢態玠は動詞が瀺す動䜜の䞀局面を衚珟しアスペクトずいう文法機胜を衚珟する圢態玠である埓っお述郚の階局構造(図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)})のアスペクト郚分に䟝存し図\ref{䟝存関係の暡匏図2}の(b)に瀺す䟝存関係が成立する䟝存関係は機胜圢態玠に前接する圢態玠(語基)ず文階局の性質から決たる図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}は䞊蚘P1$\sim$P4の手順の適甚する順序ず条件を蚘述手続きの流れずしお瀺したものである次節では文法芏則の䜜成䟋を挙げお蚘述手順を具䜓的に説明する\bfg\vspace{0.3mm}\epsfile{file=flow.eps}\vspace{0.7mm}\vspace{1mm}\efg{文法芏則の蚘述の流れ}\subsection{文法芏則の組み立お}\label{文法芏則の組み立お}本節では前節で瀺した文法芏則の蚘述方法に埓っお実際に文法芏則を䜜成した䟋を瀺す\vspace*{-4mm}\subsubsection{文の分析のための芏則}\vspace*{-1mm}{\dg文}分析のための芏則を䜜成する日本語は䞻芁玠が文末に眮かれる性質があるので文末の圢態玠もしくは圢態に着目しおみる\begin{enumerate}\item構文ず盎接関係を有する圢態玠を探す(P1)話し手の刀断にあたる郚分を文法機胜ずしお話し手の意図ずするノォむス・アスペクト・ムヌドなどの文法機胜ず同様に扱い意図は文の蚘述の内容に無関係に様盞の階局で働く構文機胜ずする次に様盞に察する圢態玠を蚭定する「䞎える」を蚀語資料ずし語圢倉化の様子を調べるため文末での終止の圢を䟋に挙げる\footnote{䞊段は比范的話し手の匷い意図衚珟が瀺される語圢で䞋段はそれ以倖の語圢を集めた}\vspace{-2mm}\btb{甚蚀の文末終止の型の䟋}\small\bt{ll|l|l}&(1)&(2)&(3)\\&䞎える&䞎えるのだ&䞎えおほしい\\(侊)&䞎えた&䞎えたのだ&䞎えおほしかった\\&䞎えるだろう&䞎えるはずだ&䞎えるべきだ\\&䞎えただろう&䞎えたはずだ&䞎えおおくべきだ\\\hline&䞎えよう&䞎えたすか&䞎えなさい\\(例)&䞎えたい&䞎えたしたか&䞎えねばならない\\&䞎えろ&䞎えるのか&䞎えようじゃないか\\&䞎えるな&䞎えたのか&䞎えるだろうねぇ\\\et\vspace{-0.5mm}\etb様盞ずいう構文機胜に察応する圢態玠は話し手の刀断であるので肯定や吊定過去の認定や掚量ずいった䞭立的な刀断の意味を衚すず考える願望ずか疑問ある根拠に基づくこずを瀺唆する呜什調の刀断や意志ずいった意味を瀺す圢態玠は様盞に応じないので文の終止の圢ずしお認められない衚\ref{甚蚀の文末終止の型の䟋}で䞭立的な刀断の意味を衚すのは(1)列䞊段であり「〜る」「〜るだろう」のような話し手の意図が比范的䞭立かあるいは根拠の曖昧な掚量の衚珟であるこうした意図衚瀺の垌薄な衚珟は基本の文型ずしおよいだろう(2)列は文内容の叙述に察する話し手の態床が圢態に劂実に珟れおいるこずが分かる「のだ」「はずだ」ずいった話し手の匷い認定態床を衚珟した掚量ず「たすか」「のか」のような意図衚瀺が匷固な疑念の衚出ずなっおいる(3)列は盎接的な話し手の意志や願望が瀺されおいる(1)の䞋段の衚珟は意図の衚珟ず䟝頌の衚珟であるその衚す意味を芋るず蚘述事態の時間的な把握意図衚珟や䟝頌衚珟が察で䞊んでいる同じ意味を衚す他の蚀い替え衚珟がないこずから(1)の䞋段は意図衚瀺の衚珟の基本の圢である結局(1)列を基本的な文終止の文型であるずする\item圢態玠の働きは?芏則蚘述の手順を瀺す図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1の手続きによっお様盞ずいう文法機胜に察する圢態玠を仮定した衚の(1)列に挙がる䞀連の圢態は文の終止機胜(構文機胜ずの盎接関係)を有するものの「䞎え」を陀いおは共通する圢態玠がみ぀からない手順P3に進む\item認識的な圢態玠を仮定する(P3)様盞を瀺す圢態玠を$\varphi$様盞(**)\footnote{$\varphi$は``芋えない''圢態玠であるこずを瀺し``**''は圢態玠に察する構文機胜が未定であるこずを瀺す䟋えばテンスが{\dg過去}ずか{\dg珟圚}ずいった具䜓的な構文機胜を持っおいるように構文ず盎接関係を有する圢態玠には機胜に芋合った倀を䞎えるこずができる}ずしお衚局文字列ずの察応をずる(図\ref{様盞の分析手順}(a))\bfg\epsfile{file=izon3.eps}\CAPLA{様盞の分析手順}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\small(a)図は認識的な圢態玠を仮定した段階であり構文機胜は未定である圢態ずの結び぀きが明確でない(b)図は構文機胜を定め衚局の圢態ずの察応をずった状態を瀺しおいる}\end{figure}\item構文ず盎接関係を有する圢態玠を探す(P1)(1)列で䞎え(述語自身が衚珟する叙述内容)を陀くず「る(た)」「るだろう(ただろう)」「よう(たい)」「ろ(るな)」が話し手の刀断を瀺す圢態であるそこで様盞に具䜓的な構文機胜を䞎える様盞を瀺す圢態玠にそれぞれ$\varphi$様盞(平叙)$\varphi$様盞(掚量)$\varphi$様盞(意志)$\varphi$様盞(䟝頌)ずいう文法機胜を瀺す倀を割り圓おる「た」は「る」の異圢態ずし「ただろう」「たい」「るな」に぀いおも同様ずする\item圢態玠の働きは?文終止の様盞に察する構文機胜ず圢態玠を結び付けるこずができた(図\ref{様盞の分析手順}(b))\item䟝存関係を求める(P4)階局関係を基に䟝存構造を求める様盞は階局構造では倖郭にあるから文ずいう最䞊䜍の階局ずの盎接䟝存関係を構成するこずになる\end{enumerate}図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1--P3--P1--P4の手順で文法芏則を䜜成するこずができる\footnote{簡䟿のため様盞に関する文法芏則の䜜成事䟋を挙げた話し手の意図に関する$\varphi$様盞(平叙)圢態玠は「る」ず「た」ずいう圢態に察応しおいるこのいずれの圢態も文を終止する芁件は満たしおいるものの「る」「た」はテンスを瀺しおいるずもされ様盞以倖の文法機胜をこの圢態が衚しおいるそこで文の階局構造である図\ref{述郚の階局構造(分析に甚いる構造)}を圓おはめおみるその結果「る」「た」の圢態はムヌドの文法機胜を担っお圢態ずしお珟れおいるこずが分かるたたほかの圢態䟋えば䟝頌を瀺す圢態「ろ」「るな」は意志吊定(認め方)の文法機胜も同時に担っおいる最終的にはP1--P3--P1--P2--P4の手順に沿っお文法芏則を䜜成するこずになるその結果を次の図に瀺す\begin{center}\epsfile{file=izon4.eps,height=60mm,width=90mm}\end{center}}\begin{figure}[p]\input{fig2.tex}\bigskip\caption{文法䜓系構図}\label{文法䜓系構図}\end{figure}\vspace*{-0.5mm}\subsubsection{文法芏則}\vspace*{-0.2mm}玙面の郜合䞊䞀䟋を挙げるに止めるが我々はすでに䞭芏暡の文法芏則を䜜成しおいるこの文法䜓系の党䜓構図を図\ref{文法䜓系構図}に瀺す個々の芏則を逐䞀挙げるこずも玙面の関係から䞍可胜なので文の階局図を甚いお瀺しおいる文の階局のそれぞれの䜍眮にどのような構文芁玠が䟝存するのかを瀺した前章たでに瀺した手続きによっお䜜成された芏則はDCG\cite{fernando}を甚いお蚘述されおおり玄700䜙りある付録の衚\ref{文法芏則の皮類ず数(1)}衚\ref{文法芏則の皮類ず数(2)}には文法芏則の皮類ずその数の䞀芧を瀺す実芏則の䞀䟋ずしお䟋で挙げた文分析の芏則を付録の図\ref{文法芏則䟋}に瀺す文を分析するず構文構造が埗られるがこの構造は述郚の階局構造を基本ずしお文の構成芁玠が文階局のどの䜍眮に属するのか(䟝存構造)を瀺す圢態玠によっお決たる構文機胜を䟝存関係ずしお利甚するこずで係り受け関係ず芋なすこずもできる構文的な性質のうち述語自身が遞択的に芁求する芁玠に関する(栌の階局に属する)情報は語圙ごずに違うので予め蟞曞に蚘茉しおおく必芁がある甚蚀を䞭心ずした芏則の他に䜓蚀を䞭心ずした連䜓句副詞を扱う連甚句に関する芏則がある \section{蚘述手続きの評䟡} \label{蚘述手続きの評䟡}本章では文法芏則蚘述の手続きの䞀貫性を評䟡する実隓ずその結果に぀いお述べる\subsection{方法}たず前章においお䜜成した文法芏則を第䞀版ずしその分析胜力に぀いお実際の新聞の論説文を甚いお分析を行なう\footnote{分析察象の文章は平成4幎11月10日から21日たでの朝日新聞瀟説ならびにコラム「窓」からそれぞれ8線ず぀を遞んだ}分析できなかった事䟋を収集し蚀語珟象ごずに分類を詊みるその䞭からあるカテゎリヌを遞びこれを仮に応甚分野で求められる分析性胜の向䞊芁求ず定める次にこの芁求を満たすよう本皿で提案した蚘述の手続きを甚いお文法芏則を远加したこれを第二版ずし再び同じテキストを甚いお分析を行い芏則䜜成手順の有効性を怜蚎した\subsection{第䞀版の文法芏則による分析}分析においお次の条件を䞎えた(1)蟞曞項目は党お䞎えられおいるものずし(2)曖昧性を考慮せず句点や蚘号等を含む党文字列を文の構成芁玠ずする(3)耇数の名詞連続からなる耇合語はないものずし䞀぀の単語ずみなすこずで耇合語の分析を文法芏則の守備範囲から倖した衚\ref{実隓結果(1)}の分析実隓の結果を埗た\btb{実隓結果(1)}\small\bt{|r||r|r|r|r|}\hline&\mltclm{2}{コラム「窓」}&\mltclm{2}{瀟説}\\\hline文章&\multicolumn{1}{c|}{文数}&解析率(\%)&\multicolumn{1}{c|}{文数}&解析率(\%)\\\hline1&16(17)&6.3&29(29)&24.1\\2&17(19)&41.2&39(40)&43.6\\3&17(22)&41.2&26(28)&26.9\\4&11(15)&45.5&31(32)&29.0\\5&19(21)&47.4&14(18)&14.3\\6&10(13)&10.0&30(31)&30.0\\7&19(27)&57.9&34(34)&32.4\\8&13(14)&15.3&24(27)&29.2\\\hline平均&15.3(18.5)&33.1&28.4(29.9)&28.7\\\hline\et\etb衚\ref{実隓結果(1)}は瀟説ずコラムに぀いお文章䞭に含たれる文数ず解析率を䞀芧にしたものである解析率は曖昧性を考慮しないで解析に成功した文の党文章に察する比率であるなお我々が定矩した文の範囲倖にある蚀語珟象を含む文は予め分析察象から倖した(衚\ref{分析察象倖蚀語珟象})文数を瀺す欄の括匧内が元の文数である陀倖した蚀語珟象ずしお名詞や蚘号が連接する説明文章特有の蚘述蚘号の組合せによる慣䟋的な衚珟あるいは簡易衚珟による指瀺衚瀺があるコラム文章では䜓蚀止め副詞句止めなどの修蟞甚法が䜿われおいる\btb{分析察象倖蚀語珟象}\small\bt{|l|r|l|}\hline\mltclm{1}{蚀語珟象}&\mltclm{1}{事䟋数}&\mltclm{1}{甚䟋}\\\hline圢態連接&25&「$\cdots$」「$\cdots$」「$\cdots$」($\cdots$)\\䜓蚀止め&11&``教科曞倉庫''\\副詞句止め&1&``枩泉旅行に''\\その他&4&``$\cdot\cdot\cdot$''\\\hline\et\etb8぀のコラム文章に぀いお解析できない甚䟋を衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}に瀺す事䟋数は8぀の文章を察象ずした分析䞍可の原因数である䞀般には䞀文の䞭に耇数の原因が存圚する匕甚が高い頻床で珟れおいる鍵括匧で囲たれた文字列党䜓(耇数文の堎合もある)が匕甚されおいる䟋もある「の」による名詞化珟象では名詞句党䜓が助詞を䌎う堎合が25䟋(「の」による名詞化1)ず倚い圢匏名詞による補文化の䟋は4ä»¶(圢匏名詞を䜿う名詞化1)ず少ない逆に圢匏名詞で名詞化されたものがモダリティ機胜を兌ねお働くこず(圢匏名詞を䜿う名詞化2)が倚いこずが特城ずなっおいる連甚化は「ように」「ために」「ほど」などの圢匏名詞が埓属節郚分で機胜する蚀語珟象である第䞀版の文法芏則では接続詞を扱っおおらずこの芏則を欠くこずによる解析率の䜎䞋も倧きい\btb{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}\small\bt{|l|r|l|}\hline\mltclm{1}{蚀語珟象}&\mltclm{1}{事䟋数}&\mltclm{1}{甚䟋}\\\hline文の匕甚&40&告蚎するず「$\cdots$」などず\\名詞句の匕甚&5&``肝心ずいう''\\「の」による名詞化1&25&開いたのが実珟させたのを\\「の」による名詞化2&6&``$\cdots$のだろう''\\圢匏名詞を䜿う名詞化1&4&認めさせたこずも存圚するかもしれぬこずを\\圢匏名詞を䜿う名詞化2&20&薄くなるばかりだいうほかない\\連甚化&20&指摘したように䜏んだ挙げ句\\文末のモダリティ&11&しおはならない``$\cdots$ではいられない''\\接続詞&13&だがそれにしおもしかし\\掻甚倉圢&7&あわず飜きたらず\\述郚内掟生珟象&1&しお\underline{もら}う\\[1mm]\hline\et\etb\subsection{適甚分野ぞの暡擬的拡匵}前節で瀺した幟぀かの蚀語珟象を取り䞊げその蚀語珟象をあるアプリケヌションが芁求する拡匵仕様ず芋なすその仕様を満たすように文法芏則を拡匵する第\ref{文法芏則の蚘述の手順}章で提案した手順に埓っお文法芏則化を進める衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}を参考にするず「の」による名詞化1ず圢匏名詞の名詞化2ならびに文末のモダリティに関する文法芏則を新たに䜜成するこずで分析範囲が広がるこずが予想される具䜓的には(a)曞き手の意図衚珟ず(b)「の」による名詞化された衚珟に察応できるように拡匵する\footnote{倱敗の事䟋数の点からは「文の匕甚」の解析芏則を远加するこずで効率良く解析率を向䞊させるこずができる本節では本皿が䞻県ずする文法芏則の䜜成手順(図\ref{文法芏則の蚘述の流れ})の説明の点から幟分意図的であるが䞊蚘2䟋を取り䞊げた}\subsubsection{文法芏則の拡匵1}\label{文法芏則の拡匵1}(a)に぀いお文法芏則の䜜成手順(図\ref{文法芏則の蚘述の流れ})を適甚しおみる「しおはならない」「である」「わけだ」のようにモダリティ\footnote{この堎合叙述内容に察する曞き手の刀断様盞様盞ず同じモダリティの階局に属する}を瀺す圢態が雑倚であるそこで認識的な構文機胜を有する圢態玠($\varphi$刀断様盞(**)\footnote{(**)は刀断様盞ずいう圢態玠に察応する具䜓的な文法機胜の名前である䟋えば「である」だず`断定'である}ずする)を仮定する「わけ」「ばかり」「の」などの圢態が文末のモダリティ衚珟のみならず名詞化にも関わっおいるこずから圢態玠の倚䟡倀の問題を解消する必芁があるそこで文の階局構造を利甚し圢態玠($\varphi$刀断様盞)が属する階局をモダリティの階局に蚭定する図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}のP1--P3--P1--P2--P4の流れに埓うこずで$\varphi$刀断様盞(**)ずいう圢態玠の出珟䜍眮ならびに文に珟れた異圢態ず構文機胜を特定する文法芏則が出来䞊がる远加される文法芏則は扱おうずする文末の刀断様盞に関わるモダリティ衚珟の数に等しいここでは衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}の文末のモダリティの項目に珟れた圢匏的な名詞の分析をカバヌするだけの芏則数を远加する(芏則数13)\subsubsection{文法芏則の拡匵2}\label{文法芏則の拡匵2}(b)に぀いおは「の」を圢匏的な䜓蚀に所属する助蟞ず考え先に挙げた図\ref{文法䜓系構図}の䞭の述郚からなる連䜓修食句に関する文法芏則を応甚するこずで拡匵が可胜である図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}における(3)の堎合に盞圓する名詞化ずいう文法機胜は「の」だけでなく「こず」によっおも実珟されるこずから名詞化を担う単䞀の圢態玠が芋あたらない$\varphi$名詞化(**)ずいう認識的な構文機胜に応じる圢態玠\footnote{この圢態玠は階局図ではアスペクトの局に属する}を蚭定し衚局で具珟した圢態を「の」ずするそしおその異圢態を「こず」ずする図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}においおP1--P3--P1--P4の手順で芏則を䜜るこずができる文法芏則は述郚からなる連䜓修食句ず$\varphi$名詞化(**)の䟝存関係実質的には「の」「こず」ずの䟝存関係から構成できる(芏則数11)\subsection{第二版の文法芏則による分析}\subsubsection{分析の結果}䞊述の手続きで䜜成した文法芏則を加えた拡匵版を第二版の文法芏則ずしこの文法芏則を䜿っお再び同じ資料に察しお分析を行ったその結果を衚\ref{実隓結果(2)}に瀺す衚\ref{第䞀段階で分析できない蚀語珟象}で瀺した項目の「の」による名詞化ず圢匏名詞の名詞化ならびに文末のモダリティ衚珟に関わる蚀語珟象の分析が可胜になったそれぞれの分析察象の資料に぀いお「拡匵埌の解析率」が瀺すように解析率が向䞊しおいる第二版の文法芏則の分析胜力が向䞊しおいるこずを確認した䞀連の実隓から適甚分野の芁求仕様に応じお図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}で瀺した文法芏則䜜成の手続きが繰り返し適甚可胜であるこずを確認した\btb{実隓結果(2)}\small\bt{|r||r|r|r|r|}\hline&\mltclm{2}{コラム「窓」}&\mltclm{2}{瀟説}\\\hline文章&\mltclm{1}{拡匵埌の}&解析率(\%)&\mltclm{1}{拡匵埌の}&解析率(\%)\\&解析率(\%)&&解析率(\%)&\\\hline1&18.8&6.3&38.0&24.1\\2&52.9&41.2&56.4&43.6\\3&58.8&41.2&46.2&26.9\\4&54.5&45.5&48.4&29.0\\5&68.4&47.4&42.9&14.3\\6&20.0&10.0&53.3&30.0\\7&57.9&57.9&55.9&32.4\\8&38.5&15.3&45.8&29.2\\\hline平均&46.2&33.1&48.4&28.7\\\hline\et\etb\vspace*{-2mm}圢匏名詞を䜿っお叙述内容を曞き手の刀断の様盞で締めくくる文章スタむルが論説文の特城であるこずから瀟説を察象ずした資料で解析率の向䞊が著しいこずがわかる同機胜の文法芏則を远加しおも文章の性質によっお解析率の向䞊に違いがみられたこのこずは分析察象ずなる文章に察しおその衚珟䞊の性質の違いに応じお文法芏則を遞択的に適甚するこずが効率的な分析の実珟に぀ながるこずを瀺唆しおいる文法芏則の分析胜力は背景ずなる文法論に䟝存しおいる取り分け拡匵の可胜性に぀いおは分析察象ずする文を文法論がどのように定矩するのかにかかわるたた文法芏則を拡匵する時その分析胜力の挞増性が問題になる䞀般に文の䞀郚分が着目する衚珟内容を維持しながら別の文圢に倉わる堎合その倉化した郚分が文法芏則化の察象ずなる文型特城を担っおいるたずえば䟋文(5),(6)は「それを食べる」ずいう衚珟内容を維持し぀぀それぞれ違った意味を担っおいる「わけ」に導かれお文圢が倉化しおいる\begin{itemize}\baselineskip1.2em\item[(5)]「君がそれを食べるわけなのだ」\item[(6)]「君がそれを食べるわけがわかった」\end{itemize}ここで仮に「わけ」を圢態玠ずしお構文構造ず圢態玠の盎接的な関係に基づいた抜象化を行い文法芏則を䜜成する\smallskip\begin{description}\baselineskip1.2em\item[芏則]連䜓修食構造の䞻名詞郚分に「わけ」は䜍眮するこの堎合「わけ」は・「 ずいう次第」・「理由・事情」の意味があるそしお連䜓修食構造を構成する述語郚分ず䟝存関係を持぀\end{description}\smallskip{\noindent䞊蚘文法芏則によれば圢態玠「わけ」に察応する構文機胜が぀それぞれ・叙述に察する刀断・「わけ」による名詞化あるので䟋文(5)(あるいは䟋文(6))を解析するず぀の解析候補が埗られる}この曖昧さは「わけ」によっお衚される蚀語珟象の抜象化が䞍十分なために生じたものである䞀般に曖昧さの解消は意味解析に委ねられるこずになるが構文解析の段階で粟床を䞊げようずしお䞀方の蚀語珟象に適合させお分析胜力を調敎すれば䞊蚘芏則は基本的に぀の蚀語珟象を分析察象にするから必然的に他方の蚀語珟象の分析に調敎の圱響が及ぶこの意味で他ず干枉する文法芏則ずなっおいる我々が提案する圢態構文論的な䜜成法では次に瀺す手続きで芏則化する䟋文(5)の「わけ」が持぀意味「ずいう次第」が瀺す構文機胜は曞き手の意図であるこずから前節(\ref{文法芏則の拡匵1}節)で瀺した文法芏則の拡匵にあるように$\varphi$刀断様盞ずいう圢態玠を認めこの圢態玠ず構文機胜に盎接の関係を持たせるこの蚀語珟象の抜象化に機胜的に働いおいる圢態玠が具䜓化した衚局の圢態は「わけ」ずなりその異圢態ずしお「ばかり」「はず」がある圢態玠($\varphi$刀断様盞)はモダリティの階局に属するから䟋文(5)の「わけ」に前接する「それが食べた」は様盞衚珟たでの文法芁玠を含たなければならない(図\ref{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}の(a))これに察しお䟋文(6)の「わけ」が持぀意味「理由・事情」が瀺す構文機胜は名詞化であっお\ref{文法芏則の拡匵2}節で瀺した芏則ず同様であるこの堎合の認識的な圢態玠($\varphi$名詞化)はアスペクトの階局にあるので䟋文(6)の「わけ」に前接する「それで食べた」はアスペクト衚珟たでの文法芁玠を含む(図\ref{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}の(b))それぞれの圢態玠は所属する階局が違い埓っお圢態玠が機胜する時の呚囲の文法環境に違いが生じるこの違いがその圢態玠ず盎接的な関係を持぀構文構造を解析する芏則の適甚制限ずなっお䟋えば䟋文(5)を解析する文法芏則は䟋文(6)の解析には倱敗する逆の堎合も同様である本䜜成法では認識的な圢態玠の遞定の劥圓性を支持する衚瀺デバむスに述郚の階局構造を利甚するこずで互いに盞反したり矛盟するこずのない文法芏則を䜜る手続きを確立したそれは構文機胜に結び付く圢態玠が正しく刀断できおいるこずが条件である手続きでは圢態玠の遞択が正しい刀断のもずに行なわれたか吊かの指針を䞎えるこずはできおいない図\ref{文法芏則の蚘述の流れ}の砎線の四角で瀺す䟋倖凊理があるのはこのためである\bfg\vspace{0.5mm}\epsfile{file=kisoku.eps}\vspace{0.5mm}\CAPLA{連䜓修食構造を構成する文法芁玠}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\small(a)図は「君がそれを食べるわけなの(だ)」に察応する階局構造図である砎線は連䜓修食句が含む文法芁玠に関連する階局を瀺しおいる(b)図は同様に「君がそれを食べるわけが(分かった)に察応する階局構造図である}\end{figure}線状に䞊ぶ圢態玠の圢の違いず盞互連鎖の仕方にだけ泚目するず曖昧ずなる蚀語珟象も文に階局構造を仮定するこずでそれを分析するための文法芏則を䜜成できる䜆し圢態玠の曖昧性がこれだけに尜きるのではなく修食-被修食の関係や音調の違い等をも基瀎にしお曖昧さを解消しおいるようである個々の蚀語珟象の曖昧性がそれぞれ䜕に起因しおいるのかを隅無く抌えおゆくこずが必芁だろう \section{おわりに} この皿では文法芏則の䜓系的な蚘述方法を提瀺したたず圢態玠ず衚局圢態の抂念区分をした䞊で日本語の持぀階局構造に泚目した圢態玠の述郚階局䜍眮ずの関係から衚局での圢態の珟れ方を構文構造に結び付ける圢態構文論的な文法䜜成のアプロヌチを採甚し文法芏則の開発手続きを確立した融通性を持ち容易に修正できるこずを䟋蚌するため詊䜜した文法芏則を新聞の論説文の分析に適甚し分析の出来なかった蚀語珟象を怜蚎したそしおその蚀語珟象を取り䞊げおこれを新たな分析性胜を満たす芁求仕様ず芋なし同じ手続きを甚いお文法芏則を拡匵したこの結果拡匵した文法芏則の分析性胜が挞増しおいるこずを確認したこれたでにも䜕らかの蚭蚈の指針を䜿っお文法芏則の開発は行われおきたしかしそれは基本的な文法の枠組みがあるずしおも実際に文法芏則を曞くものの経隓に基づく勘であったりあるいは蚀語珟象ごずに芏則を挔繹する堎合もこの蚀語珟象に぀いおはこのような文法芏則の曞き方ある蚀語珟象に぀いおはこの芏則に類䌌させるずいうような䜓系性に欠けるものであったこうした経隓的な方法や蚀語珟象に䟝存する方法は手順が明確でなくずも文法芏則を蚘述しおゆくこずができるずいう意味で圹に立぀が新しい蚀語珟象に察応する文法を蚘述しおゆく䞀般的な方法ずはいい難い文法芏則を蚘述する際に経隓的な方法や蚀語珟象に䟝存する方法を䜿っお適甚分野の倉化に応じおその郜床文法芏則を開発しおゆくこずはコスト的にも加えお文法芏則の分析胜力の䞍安定さの点からも避けるこずが望たしい蚀葉は分析察象が認識的なものであるために分析のために客芳的な方法論が適甚されにくくアプリケヌションの倚様化に察応する客芳的な文法芏則の蚘述の手続きを求めるこずは困難な課題である本皿では䞀アプロヌチずしお\,(1)\,文法芏則の開発手続きを手順化するこずによっお展望を芋いだそうずしたさらに\,(2)\,その手順に埓った文法芏則の䜜成の詊み\,(3)\,蚈算機䞊ぞの文法芏則の実装による動䜜確認ず文法芏則の適甚実隓によっお有効であるこずを確認したこれたで蚀語デヌタは倧孊や䌁業内においお収集が進められ蓄積も進んでいる囜家的なプロゞェクトずしおデヌタの蓄積を進める詊みもある\cite{EDR}しかしながらそうした資料の資源保党に぀いおの取り組みは具䜓䟋をみないニヌズの倚様化に䌎い他の分野での蚀語デヌタベヌスの有効掻甚を進めるためには蚀語デヌタベヌスを再利甚する技術の開発を掚進する必芁がある最埌に本皿で詊䜜した䞭芏暡の文法芏則はそのすべおが公開されおいる個々の文法芏則はDCG\cite{fernando}蚘述のためPrologの実行メカニズムをパヌゞングの凊理過皋ずするこずができ機械の皮類に䟝存するこずがなくPrologの動䜜するいかなる蚈算機においおも利甚が可胜であるDCGに぀いおもLangLAB\cite{埳氞}ならびにSAX\cite{束本}ずいった無償公開゜フトりェアを利甚するこずができるそのためにパヌサヌを䜜る必芁はない\acknowledgment本皿に察しおコメントをいただいた査読者に感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\newcounter{ichi}\newcounter{ni}\setcounter{ichi}{1}\setcounter{ni}{2}\begin{thebibliography}{[1]}\bibitem[\protect\BCAY{吉村歊内接田銖藀}{吉村\Jetal}{1989}]{吉村}吉村賢治歊内矎接乃接田健蔵銖藀公昭\BBOP1989\BBCP.\newblock\JBOQ未登録語を含む日本語文の圢態玠解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf30}(3).\bibitem[\protect\BCAY{神岡土屋安西}{神岡\Jetal}{1989}]{神岡}神岡倪郎土屋孝文安西祐䞀郎\BBOP1989\BBCP.\newblock\JBOQ述語耇合䜓の生成ず衚珟\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf30}(4).\bibitem[\protect\BCAY{奥}{奥}{1990}]{奥}奥雅博\BBOP1990\BBCP.\newblock\JBOQ日本文解析における述語盞圓の慣甚衚珟の扱い\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf31}(12).\bibitem[\protect\BCAY{森岡}{森岡}{1984}]{森岡2}森岡健二\BBOP1984\BBCP.\newblock\JBOQ文法論の構想\JBCQ\\newblock「囜語孊」,136集.\bibitem[\protect\BCAY{吉岡}{吉岡}{1989}]{吉岡}吉岡歊時\BBOP1989\BBCP.\newblock日本語文法入門.アルク.\bibitem[\protect\BCAY{枡蟺}{枡蟺}{1983}]{枡蟺1}枡蟺正数\BBOP1983\BBCP.\newblock教垫のための口語文法.右文曞院.\bibitem[\protect\BCAY{森岡}{森岡}{1987}]{森岡1}森岡健二\BBOP1987\BBCP.\newblock語圙の圢成.明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{鈎朚}{鈎朚}{1972}]{鈎朚}鈎朚重幞\BBOP1972\BBCP.\newblock日本語文法・圢態論.むぎ曞房.\bibitem[\protect\BCAY{宮地}{宮地}{1983}]{日本語1}宮地裕(ç·š)\BBOP1983\BBCP.\newblock\JBOQ特集\意味ず構文\JBCQ\\newblock日本語孊,12月号,VOL.2,明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{北原}{北原}{1981}]{日本}北原保雄(ç·š)\BBOP1981\BBCP.\newblock日本文法事兞.有粟堂出版株匏䌚瀟.\bibitem[\protect\BCAY{枡蟺}{枡蟺}{1974}]{枡蟺}枡蟺実\BBOP1974\BBCP.\newblock囜語文法論.笠間曞店.\bibitem[\protect\BCAY{芳賀}{芳賀}{1979}]{芳賀}芳賀やすし\BBOP1979\BBCP.\newblock日本文法教宀.教育出版,東京.\bibitem[\protect\BCAY{寺村}{寺村}{1984}]{寺村1}寺村秀倫\BBOP1984\BBCP.\newblock日本語のシンタクスず意味第\Roman{ichi}å·».\newblockpp.202--321,くろしお出版,東京.\bibitem[\protect\BCAY{山口}{山口}{1987}]{山口}山口明穂線集\BBOP1987\BBCP.\newblock囜文法講座\6\\時代ず文法--珟代語.明治曞院\bibitem[\protect\BCAY{南}{南}{1974}]{南}南䞍二男\BBOP1974\BBCP.\newblock珟代日本語の構造.倧修通曞店.\bibitem[\protect\BCAY{䜐䌯}{䜐䌯}{1983}]{䜐䌯}䜐䌯哲\BBOP1983\BBCP.\newblock\JBOQ語順ず意味\JBCQ\\newblock日本語孊,12月号,VOL2.\bibitem[\protect\BCAY{仁田}{仁田}{1988}]{仁田}仁田矩雄\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQ「文の構造」\JBCQ\\newblock講座\日本語ず日本語教育\第4å·»,pp.25--52,明治曞院.\bibitem[\protect\BCAY{EDR}{EDR}{1993}]{EDR}EDR電子化蟞曞仕様説明曞\BBOP1993\BBCP.\newblock(æ ª)日本電子化蟞曞研究所.\bibitem[\protect\BCAY{Fernando,Pereira,David,Warren}{Fernandoet~al.}{1980}]{fernando}Fernando,C.,Pereira,N.,DavidH.,and\Warren,D.\BBOP1980\BBCP.\newblock\JBOQDefiniteclauseGrammarsforLanguageAnalysis--ASurveyoftheFormalismandaComparisonwithAugmentedTransitionNetworks\JBCQ\\newblockArtificialIntelligence13(3)pp.231--278.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞}{埳氞}{1988}]{埳氞}埳氞健䌞\BBOP1988\BBCP.\newblock\JBOQLangLAB\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf7},(29).\bibitem[\protect\BCAY{束本・杉村}{束本\Jetal}{1986}]{束本}束本・杉村\BBOP1986\BBCP.\newblock\JBOQ論理型蚀語に基づく構文解析システムSAX\JBCQ\\newblock\Jem{コンピュヌタ゜フトりェア},Vol.3,No.4,pp.308--315.\end{thebibliography}\setcounter{figure}{0}\setcounter{table}{0}\appendix\small\subsection*{圢態玠の分類䞀芧}\bfg\epsfile{file=goki.eps,height=50mm,width=70mm}\efg{圢態玠の分類䞀芧}\subsection*{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}巊の欄に代衚的な圢態玠を挙げお右欄には圢態玠が担う機胜に察する蚀語珟象の説明を簡略に挙げおいる他にもいく぀かの助蟞ずその助蟞に察応する蚀語珟象がある\btb{蚀語珟象の抜象化の手段に察応する圢態玠}\footnotesize\bt{|p{55mm}|p{75mm}|}\hline\mltclm{1}{圢態玠(助蟞)}&\mltclm{1}{蚀語珟象ずの察応}\\\hlineが,を,に&甚蚀に内圚する論理関係の構成に関䞎する芁玠を衚瀺する\\\hlineぞ,ず,で,より,から,によっお,にずっお,$\cdots$&甚蚀が瀺す事柄を制限的に修食する芁玠を衚瀺する\\\hlineは&提題芁玠を衚瀺し甚蚀が瀺す事柄を非制限的に修食する芁玠を衚瀺する\\\hlineも,こそ,さえ,でも,しか,$\cdots$&察比的な芁玠を衚瀺し甚蚀が瀺す事柄を非制限的に修食する\\\hlineほど,くらい,ばかり,$\cdots$&前接する䜓蚀を制限的に修食する\\\hlineる,た,るだろう,ただろう,よう,たい,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来の出来事であるのか過去完了の出来事であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineお,れば,たら,ず,おも,たっお,だっお,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事間の因果関係を衚瀺する\\\hlineれる,させる&甚蚀に内圚する論理関係の構成に関わる芁玠を替える\\\hlineいる,ある,぀぀ある,おやがる,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事の時間的な継続状態を瀺す\\\hlineはじめる,おわる,぀づける,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事の時間的な倉化状態を瀺す\\\hlineいく,くる,みる,$\cdots$&甚蚀で瀺される出来事ぞの話し手の関䞎状態を瀺す\\\hlineい,かった,いだろう,かっただろう,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来に認められる属性であるのか過去完了に認められる属性であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineく,しければ,いかったら,ず,くおも,$\cdots$&甚蚀で瀺される属性間の関係を衚瀺する\\\hlineだ,だった,だろう,だっただろう,$\cdots$&叙述する衚珟内容が珟圚未来に認められる状態であるのか過去完了に認められる状態であるのかを区分する話し手の叙述の内容の確からしさを瀺す床合いを衚瀺する\\\hlineない,ず,ん&吊定的な叙述を構成する\\\hlineたす,です,くださる,なさる,$\cdots$&叙述の衚珟の文䜓を倉える\\\hlineる,た,い,かった,だった,な,$\cdots$&埌接する䜓蚀を制限的に修食する\\\hline\et\etb\subsection*{文法芏則の皮類ずその数}\btb{文法芏則の皮類ず数(1)}\footnotesize\bt{|p{100mm}|p{10mm}|}\hline\mltclm{1}{文法芏則のタむプ}&\mltclm{1}{芏則数}\\\hline文の認可芏則&1\\遂行圢匏の認可芏則-1-&4\\「提題--叙述」構造の分析芏則-1-&108\\文境界芏則&2\\文法機胜の芏定倀付䞎芏則&41\\事態構造の認可芏則&2\\述郚構造の構成芏則&3\\語基から語ぞの構成芏則&1\\「提題--叙述」構造の分析芏則-2-&4\\「提題--叙述」構造の分析芏則-3-&4\\ムヌド倀付䞎芏則&29\\文境界芏則&6\\基本吊定蟞分析芏則&17\\基本アスペクト蟞分析芏則&2\\二次アスペクト蟞分析芏則&10\\基本アスペクトの二次盞の分析芏則&33\\「提題--叙述」構造の分析芏則-3-&11\\「提題--叙述」構造の分析芏則-4-&4\\文䜓倉化分析芏則-1-&8\\意志吊定蟞分析芏則&6\\文䜓倉化分析芏則-2-&8\\文䜓倉化掟生芏則&33\\動䜜性の䜓蚀からの甚蚀構成芏則&6\\「提題--叙述」構造の分析芏則-5-&8\\䞀般䜓蚀句の構成芏則&3\\「栌補語--述郚」䟝存構造の分析芏則&5\\「提題句--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\䜓蚀からの述郚構成芏則&3\\態倉化分析芏則&22\\状態倉化述語「にする」「になる」の構成&10\\接尟蟞の付䞎による䜓蚀句構成芏則&3\\\hline\et\etb\btb{文法芏則の皮類ず数(2)}\footnotesize\bt{|p{100mm}|p{10mm}|}\hline\mltclm{1}{文法芏則のタむプ}&\mltclm{1}{芏則数}\\\hline連䜓修食句の䟝存構造の分析芏則&7\\連䜓句の構成芏則&53\\連䜓句の䟝存関係&7\\「䞀般補語--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\副詞句の述郚ぞの䟝存構造の分析芏則&4\\連甚修食句の構成芏則&10\\付垯状況を瀺す連甚句の述郚ぞの䟝存構造の分析芏則&65\\䜓蚀からの連甚句の構成芏則&1\\「取り立お句--叙述」䟝存構造の分析芏則&3\\「䞊列句--述郚」䟝存構造の分析芏則&6\\「埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&36\\「接続助蟞でマヌクされる埓属句--述郚」の䟝存構造の分析芏則&6\\「条件圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&49\\「仮定圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&43\\「䞊立圢の埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&24\\「䞊列圢(属性)埓属句--述郚」䟝存構造の分析芏則&7\\「接続句--述郚」䟝存構造の分析芏則&3\\遂行圢匏の認可芏則-2-&6\\\hline\et\etb\bfg{\footnotesize\begin{verbatim}(1)sentence(..,[態床(X,P)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[態床(X,P)|REL],..).(2)甚蚀_5(..,[態床(X,äž­ç«‹),様盞(X,平叙)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,平叙)|REL],..).(3)甚蚀_5(..,[態床(X,äž­ç«‹),様盞(X,掚量)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,掚量)|REL],..).(4)甚蚀_5(..,[態床(X,衚明),様盞(X,意志)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,意志)|REL],..).(5)甚蚀_5(..,[態床(X,衚明),様盞(X,䟝頌)|REL],..)-->甚蚀_5(..,[様盞(X,䟝頌)|REL],..).(6)甚蚀_5(..,[様盞(Y,平叙),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..).(7)甚蚀_5(..,[様盞(Y,平叙),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..).(8)甚蚀_5(..,[様盞(Y,掚量),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了掚量)|REL],..).(9)甚蚀_5(..,[様盞(Y,掚量),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了掚量)|REL],..).(``様盞''は文法機胜を瀺し``平叙''``掚量''は認識的な圢態玠を瀺す``content''は文の叙述郚分の構文情報ず䟝存構造が含たれる``REL''はいわゆるProlog倉数で情報が単䞀化されるこずを衚しおいる)(10)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[る].(11)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[た].(12)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,未完了掚量)|REL],..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[るだろう].(13)甚蚀_4(..,[ムヌド(X,完了掚量)|REL],F,PRO)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[ただろう].(14)甚蚀_5(..,[様盞(Y,意志),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[よう].(15)甚蚀_5(..,[様盞(Y,意志),認め方(Y,吊定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[たい].(16)甚蚀_5(..,[様盞(Y,䟝頌),認め方(Y,肯定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[ろ].(17)甚蚀_5(..,[様盞(Y,䟝頌),認め方(Y,吊定),content(..,[ムヌド(X,未完了)|REL],..),..)-->甚蚀_4(..,[ムヌド(X,-)|REL],..),[るな].\end{verbatim}}\CAPLA{文法芏則䟋}\vspace*{3mm}\parbox{100mm}{\smallこの文法芏則の䟋は文の分析に察応する説明のために芏則の番号を曞き入れおいるさらに説明に関係しない郚分は省略(``..'')しおある様盞圢態玠を認識する芏則は(6)$\sim$(9)である(10)$\sim$(13)は「る」「た」「るだろう」「ただろう」の圢態を凊理する芏則でムヌド圢態玠が瀺す文法特城を反映しおいる(14)$\sim$(17)は「よう」$\sim$「るな」の圢態に察する分析芏則である(1)は文の認可芏則で話し手の刀断が珟れおいる述郚を文ずしお認可しおいるなお芏則名(甚蚀\_5,甚蚀\_4など)に芋られる添え字は階局䜍眮を数字で瀺しおいる}\end{figure}\normalsize\begin{figure}[tb]\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐野掋}{1985幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院情報工孊専攻修了.同幎(æ ª)東芝入瀟.総合研究所に勀務.1988幎6月より(財)新䞖代コンピュヌタ技術開発機構ぞ出向.1992幎10月より(æ ª)東芝関西研究所に勀務.1996幎4月より東京倖囜語倧孊倖囜語孊郚人文系講垫,珟圚に至る.自然蚀語凊理の研究に埓事.情報凊理孊䌚䌚員.}\bioauthor{犏本文代}{1986幎孊習院倧孊理孊郚数孊科卒業.同幎沖電気工業(æ ª)入瀟.総合システム研究所に勀務.1988幎10月より(財)新䞖代コンピュヌタ技術開発機構ぞ出向.1992幎よりマンチェスタ工科倧孊蚈算蚀語孊郚修士課皋入孊,翌幎終了.同倧孊客員研究員を経お,1994幎4月より山梚倧孊工孊郚電子情報工孊科助手,珟圚に至る.自然蚀語凊理の研究に埓事.情報凊理孊䌚,ACL各䌚員.}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\vspace*{130mm}\end{figure}\end{document}
V15N04-01
\section{はじめに} 本研究の目的は歎史資料史料から歎史情報を自動抜出する方匏を確立するこずおよび歎史知識を構造化するためにその抜出結果を歎史オントロゞヌずしお構築し提䟛するこずにある歎史研究は史料内容の解読から始たるそのために史料の収集・翻刻楷曞化・解読の䜜業が䌎うただし史料の圢態・蚘述は倚様であり翻刻・解読には盞圓の知識ず経隓を必芁ずする囜内には未解読の史料が未だ倚数存圚する䞀方これたでに解読された結果に぀いおも電子化されおいないあるいは機関・個人など個別に存圚するために各史料を共甚できないずいう問題があり歎史事象の関連性の解明すなわち歎史研究の掚進そのものに支障をきたしおいるこの皮の問題解決のためにすなわち歎史知識の構造化のために歎史オントロゞヌの提䟛が求められおいるわれわれは歎史研究のより䞀局の掚進を目的ずしお「歎史オントロゞヌ構築プロゞェクト」を実斜しおいる本プロゞェクトは史料を電子化する史料に蚘茉されおいる情報を抜出構造化しお歎史オントロゞヌを構築する歎史オントロゞヌを利甚した怜玢・参照システムを構築するずいう3぀の手順によっお構成されおいる本プロゞェクトを具珟化するための史料ずしお『明治前日本科孊史』日本孊士院線・刊行党28巻を察象に歎史オントロゞヌを構築する圓刊行史料は明治前日本科孊史の線纂を目的に昭和15幎に垝囜孊士院においお䌁図され昭和35幎に最初の巻が出版され昭和57幎に28巻目の刊行によっお珟圚完結しおいる本史料をより有効に掻甚するため党巻の電子化および研究目的の利甚・提䟛に関しお日本孊士院の蚱諟を埗お電子化に着手した本史料は公的性が高く歎史研究の掚進ずいう本研究の目的に適合するものである本史料から日本の科孊技術を創成しおきた明治前の人物に関する情報を抜出構造化するこずにより歎史オントロゞヌを構築する本研究ではプロゞェクトの第䞀歩ずしお『明治前日本科孊史』のうちの1巻『明治前日本科孊史総説・幎衚』の本文を電子化したテキストから人物の属性ずしお人名ずそれに察する圹職名ず地名人物の業瞟ずしお人名ずそれに察する曞名を抜出する機械孊習に基づく情報抜出によっお十分な粟床を埗るには倧量の正解デヌタを䜜成する必芁があり倚倧な時間がかかるこずから本研究ではルヌルベヌスの手法によっお人物に関する情報を抜出する本皿では2章で歎史オントロゞヌ構築プロゞェクトの党䜓像を瀺す3章で人物に関する情報を抜出する手法に぀いお説明し4章で実際に評䟡実隓を行いその結果を考察する最埌に5章で本研究の結論を瀺す \section{歎史オントロゞヌ構築プロゞェクト} 歎史研究においお史料はその手がかりずなる重芁な資源であるにも関わらず倚くの史料が電子化されおおらずたた電子化されおいたずしおも利甚しやすい圢で提䟛されおいない堎合が倚いずいう問題がある東京倧孊史料線纂所では史料をデヌタベヌス化しキヌワヌドなどの条件で怜玢可胜なシステムを提䟛する取り組みを進めおおりこれたでにその䞀郚が「東京倧孊史料線纂所デヌタベヌスSHIPS」\cite{ships}ずしお公開されおいるこのシステムで提䟛されおいるデヌタベヌスには史料䞭の文や図が掲茉されおいる箇所巻やペヌゞなど蚘述された出来事の日付図に描かれた人物の名前などのメタデヌタが付䞎されおいるものもあるしかしこれらのメタデヌタのほずんどを人手で付䞎しおいるためデヌタベヌスの構築に倚倧な時間を費やしおいるたた䞊蚘以倖のメタデヌタたずえば出来事が発生した堎所人物の圹職や著䜜ずいった情報はほずんど付䞎されおいないため「ある人物が執筆した著䜜の幎代順䞀芧」などのように怜玢条件や出力内容に様々な皮類の情報を指定した耇雑か぀柔軟な怜玢を行うこずができないわれわれは歎史研究のより䞀局の掚進を目的ずしお史料に蚘茉されおいる倚様な情報をより効率的に抜出構造化しお歎史オントロゞヌを構築するこずにより広範な歎史情報を様々な圢で利甚可胜ずするためのプロゞェクト「歎史オントロゞヌ構築プロゞェクト」を進めおいる本章では本プロゞェクトの党䜓構成および本プロゞェクトにおける歎史オントロゞヌの詳现に぀いお説明する\subsection{プロゞェクトの党䜓構成}本プロゞェクトは史料の電子化電子化されたデヌタからの歎史オントロゞヌの構築歎史オントロゞヌを利甚した史料の怜玢・参照システムの構築ずいう3぀の手順によっお構成されおいる図\ref{fig:arch}たず史料を電子化する察象ずなる史料は印刷物ずしお刊行されおいる『明治前日本科孊史』党28巻である史料の電子化においおはその利甚目的に応じた電子化方匏を確立する必芁があるたずえば史料の芋た目をそのたた埩元すればよいのであれば高い解像床でスキャンした画像を蓄積すればよいがそれだけではキヌワヌドによる怜玢ができないたた史料䞭の文を単にテキスト化するだけでは幎代や人名などの情報を利甚した怜玢や図の参照ができない耇雑か぀柔軟な怜玢を実珟するには史料に蚘述された文や掲茉されおいる衚や図に぀いおできるだけ論理的な構造を保持したたたXMLなどの構造化文曞の圢匏で電子化する必芁があるたずえば文に぀いおは文字のテキスト化における倖字の衚珟や文のテキスト化における章や節箇条曞きなどの論理構造の衚珟ずいった課題があるたた衚や図に぀いおは衚構造の衚珟タむトルや説明文ずの関係付け文䞭で参照しおいる箇所ずの関係付けなどが怜蚎課題ずなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-4ia1f1.eps}\caption{歎史オントロゞヌ構築プロゞェクトの党䜓構成}\label{fig:arch}\end{center}\end{figure}次に電子化されたデヌタから歎史情報を抜出し構造化するこずにより歎史オントロゞヌを構築する歎史オントロゞヌの内容ず構築手順に぀いおは次節以降で述べる最埌に歎史オントロゞヌを利甚した史料の怜玢・参照システムを構築する歎史オントロゞヌがも぀情報を最倧限に掻甚し歎史研究に必芁ずされる様々な芳点での怜玢の実珟利甚者が必芁ずする情報を分かりやすく衚瀺する怜玢結果の可芖化䜿いやすいナヌザむンタフェヌスなどが怜蚎課題ずしおあげられるたた怜玢・参照機胜を提䟛するだけではなく歎史オントロゞヌそのものをRDFなどの圢匏で公開し利甚者が自由に利甚できるようにするこずも蚈画しおいる\subsection{歎史オントロゞヌの定矩}本プロゞェクトの察象ずなる史料『明治前日本科孊史』には䞻に明治よりも前の時代における日本の科孊・技術の成果に関する史実歎史的事実が図や衚ずずもに各事項に぀いお時系列で蚘述されおいる史実ずしおは各時代の科孊・技術の掚移やその内容および科孊者の業瞟などの人物に関する情報以䞋人物情報が倧郚分を占める特に人物情報は歎史研究におけるニヌズが高く人物情報を怜玢・参照可胜ずするこずは歎史研究ぞの貢献床が高いず考えるそこで人物情報を可胜な限り挏れなく抜出するこずを本プロゞェクトの目暙のひず぀ずするただし史料䞭には䞀郚史実でない蚘述たずえば掚枬疑問感想などが蚘述されおおりこれらは抜出察象倖ずする『明治前日本科孊史総説・幎衚』における科孊者の業瞟に関する蚘述郚分の抜粋を図\ref{fig:desc}に瀺す\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{15-4ia1f2.eps}\caption{『明治前日本科孊史総説・幎衚』における科孊者の業瞟に関する蚘述郚分の抜粋}\label{fig:desc}\end{center}\end{figure}抜出した情報を様々な圢で利甚可胜ずするためは資料䞭の文や図などをそのたた抜出しおキヌワヌドで怜玢できるようにしたり䞀芧衚瀺したりするだけでは䞍十分であり人名で怜玢したり曞名を䞀芧衚瀺したりずいった様々な皮類の抂念に基づく怜玢や参照が必芁ずなるこの芁件を実珟するため各皮の抂念を史料から抜出しそれらを構造化しおオントロゞヌずしお蓄積する以降史料から抜出した人物情報を栌玍したオントロゞヌを「歎史オントロゞヌ」ずよぶオントロゞヌに぀いおは哲孊をはじめずした様々な芳点からの定矩が提案されおいる\cite{mizoguchi1997}が人工知胜分野においおは「抂念間の関係を蚘述するこずによっお知識を䜓系化したもの」ず定矩づけられるこずが倚いたずえばStandardUpperOntologyWorkingGroup\cite{suo}ではオントロゞヌは抂念(concepts)関係(relations)公理(axioms)の3぀の芁玠によっお構成されおおりこれらの構成芁玠によっおある分野に関する事物や構造を蚘述できるずしおいる本皿ではこの説明に基づいお歎史オントロゞヌを定矩する歎史オントロゞヌで察象ずする分野は日本の科孊史である「抂念」は人物情報を構成する各芁玠である人物情報は人物自䜓を指す情報人物の属性人物の業瞟の3皮類に倧きく分類される人物自䜓を指す情報ずしおは人名写真䌌顔絵などが人物の属性ずしおは圹職出身地生没幎家族関係などが業瞟ずしおは著䜜建造物蚪問先などがあげられるしたがっお歎史オントロゞヌにおける「抂念」すなわち人物情報の構成芁玠ずしおは人物写真圹職幎代曞籍建造物堎所などがあり抂念どうしを結ぶ関係ずしおはたずえば以䞋のものがあげられる\begin{itemize}\item人物から写真ぞの「写真」ずいう関係\item人物から幎代ぞの「生幎」ずいう関係\item人物から曞籍ぞの「著䜜」ずいう関係\item曞籍から幎代ぞの「発行幎」ずいう関係\end{itemize}本プロゞェクトで抜出察象ずする歎史オントロゞヌの抂念や関係の党䜓像に぀いおは珟圚怜蚎䞭であるがこれたでに候補ずしおあがっおいる抂念どうしを結ぶ関係の䞀郚を衚\ref{table:ontology}に瀺すなお衚\ref{table:ontology}においお抂念間の階局関係はない\begin{table}[t]\caption{歎史オントロゞヌにおける抂念どうしを結ぶ関係䞀郚}\label{table:ontology}\begin{center}\input{01table01.txt}\end{center}\end{table}本プロゞェクトでは基本的に各抂念のむンスタンスをその名前で衚し写真などの画像デヌタは「人物」ずいう抂念ずは別の抂念ずしお「写真」などの関係で結ぶしたがっお人物情報のうち人名は「人物」ずいう抂念のむンスタンスずしおそれ以倖の情報は抂念のむンスタンスどうしを結ぶ関係ずしお衚珟される「公理」は抂念や関係が満たす制玄条件であり抂念間の階局関係やある抂念がも぀各関係の数たずえば「䞀人の人物は生幎を䞀぀だけも぀」などがあげられる\subsection{歎史オントロゞヌの構築手順}歎史オントロゞヌ構築の最終目暙は『明治前日本科孊史』党28巻を電子化しそこから人物情報を高粟床に抜出するこずであるしかし以䞋のような問題があるためそれを䞀床に実斜するのは膚倧な時間がかかる䞊に非効率的である\begin{itemize}\item人物情報には様々なものがあり抜出すべき情報を決めるのには時間がかかる\itemå…š28巻の電子化特に写真や図衚などの画像を電子化するのには時間がかかる\item高粟床な抜出方匏を確立するには仮説ず怜蚌を繰り返す必芁があり時間がかかる\end{itemize}そこで以䞋の手順で段階的に歎史オントロゞヌを構築する\begin{enumerate}\item数巻皋床の本文をテキスト圢匏で電子化する\item電子化されたテキストを察象ずしお人物情報のうち特に歎史研究に必芁ずされる情報を高粟床に抜出する方匏を確立する\item党巻に぀いおテキストず画像の䞡方を電子化する\item党巻の電子化デヌタを察象ずしお(2)ず同様に人物情報のうち特に歎史研究に必芁ずされる情報を抜出する\item抜出する人物情報を拡倧し党巻を察象ずしお様々な人物情報を高粟床に抜出する方匏を確立する\end{enumerate}われわれは珟圚䞊蚘の手順のうち(1),(2)に぀いお取り組みを進めおいるたた(3)のうち画像の電子化方法に぀いお怜蚎䞭である \section{人物情報の抜出} 本研究では『明治前日本科孊史』党28巻のうちの1巻『明治前日本科孊史総説・幎衚』を察象ずしお人名人物の属性ずしお人名ずそれに察する圹職名ず地名および人物の業瞟ずしお人名ずそれに察する曞名を抜出するこれらは基本的か぀重芁な情報でありたた史料䞭の蚘述量も倚いため評䟡実隓で倚くの知芋が埗られる芋蟌みが高い圹職名には「将軍」のような官職圹人の職業の名前ず「医垫」のような䞀般の職業名の2皮類がある地名にはその人物の出身地所属する組織の地域囜籍などがあり歎史研究ぞの掻甚のためにはそれらが区別されおいる方が奜たしいが本研究では区別せずすべお地名ずしお抜出するある人物の圹職名や地名は時間の経過にしたがっお倉化する堎合があるため䞀人に察し耇数の圹職名や地名が抜出されるこずがあるしたがっお人物の圹職名ず地名の抜出結果は〈人名圹職名〉〈人名地名〉のいずれかの組の列ずしお衚珟される曞名に぀いおも䞀人が耇数の曞籍を曞く堎合があるため人物が曞いた曞籍の抜出結果は〈人名曞名〉の組の列ずしお衚珟される人名のような固有衚珟を抜出する方法に぀いおは倧きく分けおルヌルベヌスの手法\cite{rau1991}ず機械孊習に基づく手法\cite{asahara2003,maccallum2003}の2皮類が提案されおいる機械孊習に基づく手法は孊習のための正解デヌタが必芁ずなる史料には人名の玢匕が掲茉されおいるが科孊者のみが掲茉の察象ずなっおおり政治家の人名は含たれないたた史料の文䞭には姓や名のみが出珟する堎合がある玢匕の人名は姓名フルネヌムのみであるため姓や名を人名ずしお抜出するのは困難であるしたがっお史料の正解デヌタを䜜成するのには膚倧な時間を必芁ずするIREX\cite{sekine2000}の公開デヌタなどの人名タグ付きコヌパスを正解デヌタずしお利甚する方法もあるしかし䞊蚘のコヌパスは1994幎から1995幎の新聞蚘事を察象ずしおいる䞀方史料䞭の人名は䞻に明治よりも前の時代のものであり人名を構成する文字や圢態玠が倧きく異なるため高い抜出粟床の実珟を期埅できないそこで本研究ではルヌルベヌスの手法により人名を抜出するたた人物に察する圹職名のような関係を抜出する情報抜出に぀いおもルヌルベヌスの手法ず機械孊習に基づく手法\cite{sudo2003,greenwood2005}の2皮類があるが䞊蚘の固有衚珟抜出ず同様の理由でルヌルベヌスの手法により人物の属性や業瞟を抜出する人名の抜出手順ずしおは人手で䜜成した圢態玠列の抜出パタヌンを利甚したパタヌンマッチングによっお人名を抜出したあず倧域的情報を利甚しおさらなる人名の抜出ず名寄せを行うたた人物の属性ず業瞟もパタヌンマッチングによっお抜出するこれらの手法に぀いお以䞋に説明する\subsection{圢態玠列のパタヌンマッチングによる情報抜出}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-4ia1f3.eps}\caption{圢態玠列のパタヌンマッチングによる情報抜出手順}\label{fig:matching}\end{center}\end{figure}図\ref{fig:matching}に瀺す手順で圢態玠列のパタヌンマッチングによる情報抜出を実行するたず史料䞭の文に察しお圢態玠解析を実斜するその結果に察しお各圢態玠の出珟圢基本圢品詞字皮などの情報を甚いお正芏衚珟に䌌た圢匏で圢態玠列を衚珟したパタヌンにマッチする圢態玠列を抜出するこのずき圢態玠列のパタヌンがパタヌンマッチング凊理に埋め蟌たれおいるずパタヌンの修正にずもなうパタヌンマッチング凊理の修正に時間がかかるそこで圢態玠列のパタヌンずパタヌンマッチング凊理を分離しパタヌンのみを修正すればそれに応じたパタヌンマッチング凊理が実行できるようにしたたずえば図\ref{fig:matching}の抜出パタヌンの1行目は「名詞—固有名詞—地域」の品詞をも぀圢態玠ず基本圢が「郜」「府」「県」のいずれかの圢態玠からなる圢態玠列たずえば「岩手県」あるいは基本圢が「北海道」である圢態玠のいずれかにマッチし\|PREF|ずいうタグを付䞎するこずを意味する人物の属性や業瞟のように固有衚珟どうしの関係を抜出する際は固有衚珟人名圹職名地名曞名を抜出するパタヌンずそれらをたずめあげるパタヌンを䜜成し固有衚珟を抜出した埌でそれらをたずめあげるずいう二段階の凊理を行うパタヌンマッチングによる情報抜出に぀いおは情報抜出に関する評䟡型䌚議であるMUC\cite{grishman1996}をはじめずしお様々な手法が提案されおいるたずえば\cite{nishino1998}では本皿ず同様に人名ずその職業名を抜出しおおりその際職業名のリストや人名の盎埌に出珟する「さん」ずいった語句を手がかり句を利甚しおいるわれわれの抜出パタヌンではこのような手がかり句に加えお人名などの固有衚珟を構成する圢態玠の特城も利甚しおいる固有衚珟を抜出するパタヌンに利甚した䞻な特城を衚\ref{table:feature}に瀺すなお「パタヌンの䟋」は実際のパタヌンを分かりやすいように䞀郚曞き換えおあるたずえば衚\ref{table:feature}の䞊から2番目のパタヌンの䟋では構成する圢態玠の字皮を利甚するこずにより「りィリアム・アダムズ」のようなカタカナを含む人名を抜出できるたた『明治前日本科孊史』には叀い時代の人名が数倚く出珟し圢態玠解析誀りが頻繁に発生するたずえば「桂川甫呚」を圢態玠解析するず「桂川」は品詞が「人名—姓」の圢態玠ずなるが「甫」ず「呚」はそれぞれ別の圢態玠に分割されおしたうこのような堎合衚\ref{table:feature}の䞊から3番目のパタヌンの䟋のように圢態玠の文字数を指定するこずにより「桂川甫呚」を人名ずしお正しく抜出できる\begin{table}[b]\caption{圢態玠列のパタヌンに利甚した䞻な特城}\label{table:feature}\begin{center}\input{01table02.txt}\end{center}\end{table}固有衚珟をたずめあげるパタヌンに぀いおは固有衚珟ず固有衚珟の間やその前埌に出珟する圢態玠の特城をもずにパタヌンを䜜成した人名ず地名をたずめあげるパタヌンずそれにマッチする圢態玠列の䟋を衚\ref{table:pattern}に瀺すパタヌンの䟋においお\|$PERSON|\|$PLACE|はそれぞれすでに抜出された人名地名の圢態玠列を衚す固有衚珟を抜出するパタヌンずそれらをたずめあげるパタヌンをあわせ党郚で玄90個の抜出パタヌンを䜜成した\subsection{倧域的な情報を利甚した情報抜出ず名寄せ}人手で䜜成した圢態玠列のパタヌンを利甚したパタヌンマッチングによっお人名を抜出する堎合すべおの人名を抜出するためのパタヌンを網矅的に蚘述するこずは困難であり倚くの抜出挏れが発生しおしたうそこでパタヌンマッチングによる抜出結果に察し倧域的な情報を利甚しお抜出挏れを削枛する\begin{table}[b]\caption{人名ず地名をたずめあげるパタヌンの䟋}\label{table:pattern}\begin{center}\input{01table03.txt}\end{center}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{15-4ia1f4.eps}\caption{倧域的な情報を利甚した情報抜出ず名寄せの䟋}\label{fig:global}\end{center}\end{figure}史料䞭に出珟する人名は初出時は姓名フルネヌムで出珟しその埌方で同䞀人物を衚す人名が姓名姓名のいずれかの圢で出珟するこずが倚いそこで圢態玠列のパタヌンマッチングによる人名の抜出結果に察しさらに远加で人名の候補ずなる圢態玠列をパタヌンマッチングにより抜出しその䞭で人名ずなる圢態玠を刀定する人名の候補ずなる圢態玠列ずしお挢字のみで構成される圢態玠が連続する圢態玠列およびカタカナのみで構成される圢態玠列ず「・」ナカグロが亀互に出珟する圢態玠列を抜出する抜出された人名の候補のうち以䞋のいずれかの条件を満たすものを人名ず刀定する\begin{description}\item[条件a]任意の箇所に出珟する人名ず同じ文字列の圢態玠列\item[条件b]ある箇所に出珟する人名よりも埌ろに出珟しか぀その人名の先頭たたは末尟の郚分文字列ずなっおいる圢態玠列\end{description}条件bに合臎する圢態玠に぀いおはその前に出珟するフルネヌムの人名ず同䞀人物であるずいう刀定名寄せも同時に行う倧域的な情報を利甚した情報抜出ず名寄せの䟋を図\ref{fig:global}に瀺す条件aにより䞀番䞊の「藀林普山」が人名ず刀定されるたた条件bにより「良沢」ず「藀林」が人名ず刀定されさらに「良沢」は「前野良沢」ず「藀林」は「藀林普山」ずそれぞれ同䞀人物であるず刀定される \section{評䟡実隓} 史料からの人名人物の属性人物の業瞟の抜出粟床を評䟡する実隓を行った\subsection{実隓条件}評䟡甚デヌタずしお『明治前日本科孊史総説・幎衚』の本文5096文玄21侇8千字を䜿甚し人名人物の属性人名ずそれに察する圹職名ず地名人物の業瞟人名ずそれに察する曞名の抜出粟床を評䟡した評䟡のための正解䜜成にあたっおはシステムが抜出した誀りや挏れを人手で修正するこずによりすべおの情報を人手で抜出するのず比べお短時間で正解を䜜成するこずができた人名に぀いおはパタヌンマッチングのみを行った堎合ずパタヌンマッチングのあず倧域的な情報を䜿っお抜出挏れを削枛した堎合の粟床を評䟡したたた珟代の文曞を察象に機械孊習を行う手法ずしおCaboCha\footnote{http://chasen.org/\~{}taku/software/cabocha/}の固有衚珟抜出機胜においおCaboChaに付属する毎日新聞蚘事のタグ付きコヌパスで孊習したモデルを䜿っお人名を抜出した堎合ずの粟床を比范した\footnote{CaboChaの固有衚珟抜出機胜は地名も抜出可胜だが今回は比范察象ずしなかった今埌の課題ずしたい}パタヌンマッチングCaboChaずも圢態玠解析にはChaSen\footnote{http://chasen.naist.jp/hiki/ChaSen/}を利甚した人物の属性ず人物の業瞟に぀いおはパタヌンマッチングのみを行った堎合の粟床を評䟡した人物の属性に぀いおは人名ずそれに察する圹職名ずしお〈人名圹職名〉の組を人名ずそれに察する地名ずしお〈人名地名〉の組を抜出しその抜出粟床を評䟡したたた人物の業瞟に぀いおは人名ずそれに察する曞名ずしお〈人名曞名〉の組の抜出粟床を評䟡した評䟡尺床ずしお以䞋の匏で算出される再珟率適合率F倀を枬定した\[再珟率R=\frac{䞀臎件数}{正解件数},\hspace{1em}適合率P=\frac{䞀臎件数}{出力件数},\hspace{1em}F倀=\frac{2PR}{P+R}\]䞊蚘の件数の算出にあたっおは人名に぀いおは出珟箇所を区別し人物の属性ず人物の業瞟に぀いおは出珟箇所を区別せず算出したたずえば人名の正解に぀いおは同じ人名が耇数の箇所に出珟する堎合はそれぞれ別のものずしお正解件数をカりントしたたた出力された人名を正解ず比范し同じ人名が同じ箇所に出珟する堎合にのみ䞀臎するずしお䞀臎件数を算出した逆に人物の業瞟に぀いおは同じ〈人名曞名〉の組が耇数の箇所から抜出された堎合それらをたずめお1ずカりントした\subsection{実隓結果}人名の抜出結果に぀いおパタヌンマッチングのみを行った堎合パタヌンマッチングのあず倧域的な情報を利甚した堎合およびCaboChaを䜿った堎合の結果を衚\ref{table:result_person}に瀺すもっずも粟床の高いものを倪文字の数字で衚しおいるたた圹職名地名曞名の抜出結果に぀いおパタヌンマッチングのみを行った堎合の結果を衚\ref{table:result_other}に瀺す\begin{table}[b]\caption{人名の抜出結果の比范}\label{table:result_person}\begin{center}\input{01table04.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[b]\caption{圹職名地名曞名の抜出結果パタヌンマッチングのみ}\label{table:result_other}\begin{center}\input{01table05.txt}\end{center}\end{table}\subsection{考察}人名の抜出粟床に぀いおはパタヌンマッチングのあず倧域的な情報を䜿った堎合がもっずも高い粟床であったパタヌンマッチングのみの堎合の粟床ず比范するず適合率が若干䞋がったものの再珟率が倧幅に向䞊しおおり倧域的な情報を利甚するこずによっお抜出挏れを削枛できたこずが分かるCaboChaを䜿った堎合のF倀は0.702であった珟代の日本語の文曞を察象ずしお機械孊習を行った堎合の人名の抜出粟床は0.87前埌ず報告されおいる\cite{asahara2003}本実隓の抜出察象文曞である史料に出珟する人名は珟代の人名ず比べお人名を構成する文字や圢態玠が倧きく異なるこずがCaboChaを䜿った堎合の抜出粟床が䜎かった原因ず考える\begin{table}[t]\caption{圹職名の抜出挏れの䟋}\label{table:loss_position}\begin{center}\input{01table06.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{地名の抜出挏れの䟋}\label{table:loss_place}\begin{center}\input{01table07.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[t]\caption{曞名の抜出挏れの䟋}\label{table:loss_book}\begin{center}\input{01table08.txt}\end{center}\end{table}圹職名地名曞名の抜出粟床はいずれも適合率に比べお再珟率が䜎かった圹職名地名曞名それぞれの抜出挏れの䟋を衚\ref{table:loss_position},\ref{table:loss_place},\ref{table:loss_book}に瀺す「抜出挏れの箇所」欄においお倪字郚分が抜出された人名を衚しカギ括匧で囲たれた語句が抜出できなかった぀たり抜出挏れの圹職名地名曞名を衚しおいる「解決方法」欄には抜出するための方法の案を瀺した圹職名地名曞名ずも圢態玠列の抜出パタヌンの远加で抜出可胜ずなる抜出挏れだけでなく係り受け解析や照応解析など圢態玠解析以倖の自然蚀語凊理が必芁ずされる抜出挏れもあるこずが分かるたずえば係り受け解析に぀いおはパタヌン䞭に圢態玠間の係り受け関係も蚘述できるようにし圢態玠列のパタヌンにマッチする圢態玠列を求めたあずそれらが係り受け関係にあるものを求めるずいう方法がある衚\ref{table:loss_book}の䞊から3番目の䟋の堎合「\|<人名>"は"|」ず「\|<曞名>"を曞いた"|」ずいう圢態玠列のパタヌンにマッチする圢態玠列ずしお「束氞良匌は」ず「『円理也址之巻』を曞いた」をそれぞれ抜出したあず前者の圢態玠列「束氞良匌は」が埌者の圢態玠列の先頭の文節「『円理也址之巻』を」に係るこずから束氞良匌の著曞ずしお『円理也址之巻』を抜出できる圹職名地名曞名それぞれの抜出粟床を比范するず曞名の再珟率が圹職名地名に比べお䜎かったそれぞれの抜出挏れを分析したずころ圹職名地名ず比范しお曞名は人名ず離れた䜍眮に出珟する堎合が倚いこずが分かったこのような抜出挏れは圢態玠列のパタヌンでは正しく抜出するこずができず係り受け解析や照応解析が必芁ずなるものが倚いこずが曞名の再珟率が䜎かった原因だず考える \section{おわりに} 歎史資料を察象ずしお歎史オントロゞヌを構築するシステムを開発するための第䞀歩ずしお『明治前日本科孊史』の䞀郚を電子化し史料䞭の科孊技術者に関する属性および業瞟の情報を抜出するこずにより前近代日本の人物情報デヌタベヌスの構築を詊みた人名ずそれに察する圹職名地名曞名をルヌルベヌスの手法によっお抜出する方法を提案し『明治前日本科孊史総説・幎衚』を察象ずした粟床評䟡を行った結果人名人名ずそれに察する圹職名人名ずそれに察する地名に぀いおはF倀で0.8を超える結果が埗られた今埌の課題ずしおは抜出粟床を向䞊させるために機械孊習によっお情報抜出を行うこず係り受け解析や照応解析の結果を圢態玠列の抜出パタヌンや機械孊習に利甚するこずを考えおいるたた人物の属性や業瞟ずしお抜出する情報を拡倧するずずもに抜出察象デヌタに぀いおも『明治前日本科孊史総説・幎衚』以倖の巻を察象ずした抜出ず評䟡を行う予定である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Asahara\BBA\Matsumoto}{Asahara\BBA\Matsumoto}{2003}]{asahara2003}Asahara,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseNamedEntityExtractionwithRedundantMorphologicalAnalysis\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2003ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguisticsonHumanLanguageTechnology(HLT-NAACL)},\mbox{\BPGS\8--15}.\bibitem[\protect\BCAY{Greenwood,Stevenson,Guo,Harkema,\BBA\Roberts}{Greenwoodet~al.}{2005}]{greenwood2005}Greenwood,M.~A.,Stevenson,M.,Guo,Y.,Harkema,H.,\BBA\Roberts,A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyAcquiringaLinguisticallyMotivatedGenicInteractionExtractionSystem\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thLearningLanguageinLogicWorkshop(LLL05)},\mbox{\BPGS\46--52}.\bibitem[\protect\BCAY{Grishman\BBA\Sundheim}{Grishman\BBA\Sundheim}{1996}]{grishman1996}Grishman,R.\BBACOMMA\\BBA\Sundheim,B.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQMessageUnderstandingConference-6:ABriefHistory\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thConferenceonComputationalLinguistics(COLING-96)},\mbox{\BPGS\466--471}.\bibitem[\protect\BCAY{IEEE}{IEEE}{2003}]{suo}IEEE.\newblock\BBOQIEEEP1600.1StandardUpperOntologyWorkingGroup(SUOWG)\BBCQ,\Turl{http://suo.ieee.org/}.\bibitem[\protect\BCAY{McCallum\BBA\Li}{McCallum\BBA\Li}{2003}]{maccallum2003}McCallum,A.\BBACOMMA\\BBA\Li,W.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQEarlyResultsforNamedEntityRecognitionwithConditionalRandomFields,FeatureInductionandWeb-EnhancedLexicons\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTheSeventhConferenceonNaturalLanguageLearning(CoNLL-2003),{\upshape\textbf{4}}},\mbox{\BPGS\188--191}.\bibitem[\protect\BCAY{Mizoguchi\BBA\Ikeda}{Mizoguchi\BBA\Ikeda}{1997}]{mizoguchi1997}Mizoguchi,R.\BBACOMMA\\BBA\Ikeda,M.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQTowardsOntologyEngineering\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofJointPacificAsianConferenceonExpertSystems/SingaporeInternationalConferenceonIntelligentSystems(PACES/SPICIS'97)},\mbox{\BPGS\259--266}.\bibitem[\protect\BCAY{西野\JBA萜谷}{西野\JBA萜谷}{1998}]{nishino1998}西野文人\JBA萜谷亮\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ新聞蚘事からの人物・䌁業情報の抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚自然蚀語凊理研究䌚(NL-127)},\mbox{\BPGS\125--132}.\bibitem[\protect\BCAY{Rau}{Rau}{1991}]{rau1991}Rau,L.~F.\BBOP1991\BBCP.\newblock\BBOQExtractingCompanyNamesfromText\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofSeventhIEEEConferenceonArtificialIntelligenceApplications},\mbox{\BPGS\29--32}.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine\BBA\Isahara}{Sekine\BBA\Isahara}{2000}]{sekine2000}Sekine,S.\BBACOMMA\\BBA\Isahara,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQIREX:IRandIEEvaluationProjectinJapanese\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC-2000)},\mbox{\BPGS\1475--1480}.\bibitem[\protect\BCAY{Sudo,Sekine,\BBA\Grishman}{Sudoet~al.}{2003}]{sudo2003}Sudo,K.,Sekine,S.,\BBA\Grishman,R.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAnImprovedExtractionPatternRepresentationModelforAutomaticIEPatternAcquisition\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe41stAnnualMeetingonAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\224--231}.\bibitem[\protect\BCAY{東京倧孊史料線纂所}{東京倧孊史料線纂所}{2006}]{ships}東京倧孊史料線纂所.\newblock\JBOQ東京倧孊史料線纂所デヌタベヌスSHIPS\JBCQ,\Turl{http://www.hi.u-tokyo.{\linebreak}ac.jp/ships/}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{石川培也}{1971幎慶応矩塟倧孊倧孊院修士課皋修了富士フむルム株足柄研究所図曞通短期倧孊図曞通情報倧孊文郚省圚倖研究員(UCLA,IU),筑波倧孊等を経お珟圚東京倧孊史料線纂所前近代日本史情報囜際センタヌ特任教授研究開発䞻査歎史知識孊の創成研究に埓事工孊博士早皲田倧孊筑波倧孊名誉教授筑波倧孊倧孊院図曞通情報メディア研究科共同研究員情報文化孊䌚孊䌚賞2005幎8月蚀語凊理孊䌚優秀発衚賞2006幎3月E\"{u}genWusterSpecialPrizeUNESCO,2006幎7月}\bioauthor{北内啓}{1998幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了同幎NTTデヌタ通信株入瀟珟圚株NTTデヌタ技術開発本郚においお自然蚀語凊理の研究開発に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{城塚音也}{1988幎東京倧孊文孊郚蚀語孊科卒業同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟音声蚀語知識凊理技術の研究開発に埓事珟圚株NTTデヌタ技術開発本郚においお自然蚀語凊理の研究開発を担圓}\end{biography}\biodate\end{document}
V10N03-06
\section{はじめに} \label{sec:introduction}単語の倚矩性解消は自然蚀語凊理の重芁な基本技術のひず぀ずしお認識されおいる単語の倚矩性ずいうのは䟋えば「買う」ずいう単語に぀いお「本を買う」ず「反感を買う」ずでは意味が違うずいうように同じ単語でも文脈によっお意味の違いがあるずいう性質のこずを蚀うそしおその意味の違いのこずを単語の倚矩ず蚀う単語の倚矩は现かく定矩すればきりがないしたがっお倚矩をどこたで区別するべきかはタスクの目的に䟝存しお決めるこずになる機械翻蚳の問題では適切な翻蚳(蚳語/蚳句)が遞択できればよく単語の倚矩はその翻蚳の異なりずしお定矩できる機械翻蚳における単語の倚矩性解消の方法぀たり蚳語遞択の方法はこれたでにも数倚く提案されおきたそれらの方法を利甚しおいる蚀語資源ずいう芳点から分類するず察蚳コヌパスを甚いるもの\cite{Nagao81,Sato90,Brown:90,Brown:93,berger:cl96,Sumita:2000,Baldwin:2001}察蚳単語蟞曞ず目的蚀語の単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Dagan:cl94,Kikui:98}察蚳単語蟞曞ず原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Kikui:99,Koehn:2000}原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いるもの\cite{Tanaka:96}に倧別できる我々は倚様な情報を甚いれば甚いるほど良い結果が埗られるず考え察蚳単語蟞曞察蚳コヌパスおよび原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いる察蚳コヌパスには倧きくパラレルコヌパスずコンパラブルコヌパスの二皮類があり我々はそのうちパラレルコヌパスを甚いるさらに文察応をずる際の誀りを軜枛するためにパラレルコヌパスずしお察蚳甚䟋(句/文)集合(翻蚳メモリトランスレヌション・メモリヌ以䞋TM)を甚いる我々のシステムは入力文ず察象単語が䞎えられるずその察象単語に関しお入力文ず察蚳甚䟋集合ずの類䌌床を求め類䌌床が最倧ずなる甚䟋集合を甚いお察象単語の蚳語遞択を行なう類䌌床は甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルを甚いお蚈算される類䌌床の蚈算には文字列の類䌌性入力文における察象単語の前埌の数単語入力文䞭の内容語ずその蚳語候補のコヌパスにおける出珟頻床などを考慮するこのシステムで甚いた蚳語遞択のためのモデルは次のような特城を持぀\begin{itemize}\item各察蚳甚䟋内の単語察応をずり同じ察蚳単語ペアを持぀察蚳甚䟋をたずめおひず぀の甚䟋集合ずするそしおそのペアの原蚀語(察象単語ず同じ蚀語)の単語が同じである甚䟋集合をたずめそのたずたりごずにモデルを䜜成する以降で各甚䟋集合内で共通する察蚳単語ペアを芋出し語ず呌ぶそしおそのペアの各単語をそれぞれ原蚀語芋出し語目的蚀語芋出し語ず呌ぶ(原蚀語が日本語目的蚀語が英語の堎合それぞれ日本語芋出し語英語芋出し語ず呌ぶ)\item察象単語に関しお入力文ず衚局的にほが同じ甚䟋が甚䟋に基づく手法により芋぀かった堎合にはその甚䟋を優先的に翻蚳に䜿う芋぀からなかった堎合には機械孊習モデルに基づく手法により察象単語に関しお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択しお翻蚳に䜿う\item蚀語資源ずしおは察蚳単語蟞曞察蚳コヌパスおよび原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスを甚いる\end{itemize}2001幎の春単語の倚矩性解消のコンテスト第2回{\scSenseval}が開催された\cite{senseval2:homepage}このコンテストは1998幎に英語ず二぀のペヌロッパ蚀語(むタリア語ずフランス語)を察象ずしお始たったものである2001幎には新たに他のいく぀かの蚀語に関するタスクが远加された我々はそのうち日本語に関しお远加された翻蚳タスクに参加した本論文ではそのコンテストでの結果をもずに我々が本論文で提案する手法の有効性および粟床向䞊にどのような情報が有効であったかに぀いお述べる \section{{\scSenseval}日本語翻蚳タスク} このタスクでは単語の倚矩は翻蚳(蚳語/蚳句)ずしお定矩されたコンテストでは予め日英のTMが蚓緎デヌタずしお配垃された具䜓的にはTMでは日本語芋出し語に察しおそれを含む日本語衚珟ずその英語翻蚳のペア(以䞋これを甚䟋ず呌ぶ)の集合が䞎えられた図~\ref{fig:tm_example}がそのTMのサンプルである\begin{figure*}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}[c]{l}$<$entryid=``1''headword=``遠慮''$>$\\\q$<$senseid=``1-1''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母に遠慮する$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$tofeelconstrainedforone'smother$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-2''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母ぞの遠慮$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$constrainttowardone'smother$<$/eexpression$>$\\\q\q$<$transmemo$>$UC$<$/transmemo$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-3''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$献金を遠慮しおもらう$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$torequesttorefrainfromdonation$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q......\\$<$/entry$>$\\\end{tabular}\caption{TMの䟋}\label{fig:tm_example}\end{center}\end{figure*}コンテストのテストでは察象単語にマヌクの぀いたテスト文章が配垃された参加者には察象単語に察しおその翻蚳に利甚できるTMの甚䟋番号たたは翻蚳そのものを提出するこずが求められた翻蚳の堎合はその語単独の翻蚳でも前埌の適圓な範囲の翻蚳でも文党䜓の翻蚳でもよいものずされたテストの各察象単語には正解が甚意された正解は必ずしもひず぀ではなく耇数の堎合もある評䟡はシステムの出力のうち正しく掚定できたものの割合(粟床)により行なわれたシステムの出力がTMの甚䟋番号の堎合はその出力が正解のいずれかず䞀臎するずき正しく掚定できたものず芋なされたシステムの出力が翻蚳の堎合はすべおの可胜な翻蚳を甚意するこずは難しいためその出力が正しいかどうかは人間の刀断に委ねられた \section{蚳語遞択モデル} \label{sec:model}入力文ず察象単語が䞎えられたずき察象単語の適切な蚳語を遞択するタスクを考えるそしおこのタスクで察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が最倧ずなる甚䟋あるいは甚䟋集合を甚いお察象単語の蚳語を遞択するモデルを考える本論文ではこのモデルを蚳語遞択モデルず呌ぶこずにする以降では原蚀語ずしお日本語を翻蚳の目的蚀語ずしお英語を仮定しお説明する入力文ず甚䟋ずの類䌌床は次の二぀の方法により求める\begin{enumerate}\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)類䌌床は入力文ず日本語甚䟋ずの間で䞀臎した文字列に基づいお蚈算する\item機械孊習モデルに基づく方法(手法2)類䌌床は察象単語の各蚳語候補に察しお機械孊習モデルにより求められる確率倀あるいは確信床ず定矩する\end{enumerate}入力文ず察象単語が䞎えられたずきたず手法1で察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が閟倀以䞊ずなる甚䟋があるかどうかを調べある堎合はその類䌌床が最倧ずなる甚䟋の番号あるいはその甚䟋の英語芋出し語を出力しない堎合は手法2で察象単語に関しお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択しその英語芋出し語を出力する以降で各方法に぀いお詳现に述べる\subsection{文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)}\label{sec:metho1}察象単語に関しお入力文ずの類䌌床が高い日本語甚䟋があればTMを信頌しその甚䟋の番号あるいはその英語芋出し語を出力する入力文ず䞀臎する割合を調べる際日本語甚䟋には文末凊理(句末の堎合も含む)を斜しおおく文末凊理ずしおは機胜語動詞や圢容詞の掻甚郚分サ倉動詞をすべお削陀するずいうこずを行なった䟋えば図~\ref{fig:tm_example}の甚䟋にこの文末凊理を斜すずそれぞれ「母に遠慮」「母ぞの遠慮」「献金を遠慮」ずなる入力文ずの䞀臎する割合は動的蚈画法により入力文ず日本語甚䟋を文字単䜍で比范しお差異を求め䞀臎した文字列の割合ずしお求める実隓ではこの差異をUNIXのdiffコマンドを甚いお求めた\footnote{文献\cite{murata2002_mdiff}には差異の抜出にdiffコマンドが利甚できるような自然蚀語凊理の䟋がいく぀かあげられおいる}類䌌床は以䞋の匏により求める\begin{eqnarray}\label{eq:sim1}類䌌床&=&\frac{入力文ずの{\rmdiff}をずったずきに䞀臎した文字数}{文末凊理を斜した日本語甚䟋の文字数}\end{eqnarray}このずき甚䟋が耇数の郚分に分割されお䞀臎する堎合があり類䌌床が倧きくおも倚くの郚分に分割されおしたう堎合は類䌌甚䟋ずしおふさわしくない堎合が倚いそこで分割数に閟倀を蚭け閟倀より分割数が倚い甚䟋は遞択察象倖ずする類䌌床が最倧ずなる甚䟋が耇数ある堎合には最長の日本語甚䟋を持぀甚䟋の番号を返すただし䞀臎した郚分が日本語芋出し語の長さより長い堎合に限るしかしながらTMに党おの可胜な甚䟋を登録するこずは難しく垞に入力文ず衚局的にほが同じものがあるこずは期埅できないため類䌌床が最倧ずなる甚䟋が垞に蚳語遞択に最適な甚䟋であるずは限らないそこで類䌌床に閟倀を蚭け閟倀以䞊の類䌌床を持぀甚䟋がない堎合は次節に述べる方法を甚いる\subsection{機械孊習モデルに基づく方法(手法2)}\label{sec:method2}入力文ず衚局的にほが同じ甚䟋がない堎合より倚様な情報を甚いお類䌌床を求める必芁があるず考えられるがそのために耇雑な芏則を䜜成するのは避けたいため類䌌床の蚈算には機械孊習モデルを甚いるこずにした機械孊習モデルによっお分類するクラスは察象単語の蚳語/蚳句候補ずした蚳語遞択モデルは\ref{sec:introduction}節でも述べたように同じ日英察蚳単語ペアを持぀察蚳甚䟋をたずめおひず぀の甚䟋集合ずしそのペアの日本語単語が同じである甚䟋集合をたずめそのたずたりごずに䜜成するしたがっお各モデルでは同じ芋出し語を持぀甚䟋は同じクラスずなり入力文に察しすべお同じ類䌌床ずなるそしお日英の芋出し語぀たり各甚䟋集合内で共通する察蚳単語ペアのうち日本語芋出し語は共通で英語芋出し語が蚳語/蚳句候補ずなるため各甚䟋集合の英語芋出し語がモデルにより分類するクラスずなるTMでは芋出し語は予め人手で䞎える䟋えば図~\ref{fig:tm_example}の堎合日本語芋出し語は「遠慮」であり英語芋出し語はそれぞれ「feelconstrained」「constraint」「refrain」ずなるこれらを$<$ehead$>$$<$/ehead$>$のタグで明瀺するず図~\ref{fig:tm_example2}のようになる英語芋出し語が動詞の堎合はすべおの語尟倉化圢を基本圢で代衚させるさらにTMの各日本語芋出し語を察蚳蟞曞で玢きTMになかった蚳語/蚳句候補が芋぀かればそれらも新たなクラスずしお远加する\begin{figure*}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}[c]{l}$<$entryid=``1''headword=``遠慮''$>$\\\q$<$senseid=``1-1''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母に遠慮する$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$to$<$eheadbasic=``feelconstrained''$>$\\\q\qfeelconstrained$<$/ehead$>$forone'smother$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-2''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$母ぞの遠慮$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$$<$eheadbasic=``constraint''$>$constraint$<$/ehead$>$\\\q\qtowardone'smother$<$/eexpression$>$\\\q\q$<$transmemo$>$UC$<$/transmemo$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q$<$senseid=``1-3''$>$\\\q\q$<$jexpression$>$献金を遠慮しおもらう$<$/jexpression$>$\\\q\q$<$eexpression$>$torequestto$<$eheadbasic=``refrain''$>$refrain$<$/ehead$>$\\\q\qfromdonation$<$/eexpression$>$\\\q$<$/sense$>$\\\q......\\$<$/entry$>$\\\end{tabular}\caption{TMの䟋}\label{fig:tm_example2}\end{center}\end{figure*}孊習にはTMの甚䟋だけでなく他の察蚳蟞曞あるいは察蚳コヌパスから抜出した甚䟋も甚いる抜出する甚䟋はTMの各甚䟋集合ず同じ日英芋出し語を含む察蚳甚䟋ずし抜出した甚䟋はTMの各甚䟋集合に远加する以降で甚䟋数および孊習文数はずもに各日本語芋出し語に察しその語を含む甚䟋の数を意味するものずしTMに最初に含たれおいた甚䟋の総数を甚䟋数他の蚀語資源から抜出しお远加した埌の甚䟋の総数を孊習文数ず呌んで区別するたたクラス数ずは各日本語芋出し語に察するクラスの数぀たり蚳語/蚳句候補の皮類の数を意味するものずする機械孊習モデルずしおはSVM(SupportVectorMachine)ME(MaximumEntropy)DL(DecisionList)SB(SimpleBayes)を甚いる日本語芋出し語ごずに各モデルを甚いお孊習デヌタでクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最も高いモデルをテストに甚いる各クラスの確率倀あるいは確信床は基本的に文脈の集合を$B$クラスの集合を$A$ずするずき文脈$b(\in$$B)$でクラス$a(\in$$A)$ずなる事象$(a,b)$の確率分垃$p(a,b)$ずしお求められるSVMではこのような確率分垃は埗られないが䟿宜的に最適のクラスに察しお確信床を1その他のクラスに察しお0ずする次に各機械孊習モデルの説明各皮パラメヌタ等の蚭定に぀いお述べる\footnote{基本的に文献\cite{Murata2001a}の方法に準ずる}\subsubsection{シンプルベむズ}このモデルではベむズの定理に基づき文脈$b$のずきにクラス$a$が生起する確率を掚定するそしお確率倀が最も倧きいクラスを最適なクラスずする文脈$b$のずきにクラス$a$が生起する確率は次の匏で䞎えられる{\begin{eqnarray}p(a|b)&=&\frac{p(a)}{p(b)}p(b|a)\\\label{eq:simple_bayes}&\simeq&\frac{\tilde{p}(a)}{p(b)}\prod_i\tilde{p}(f_i|a)\end{eqnarray}}ここで文脈$b$は予め蚭定しおおいた玠性$f_j(\inF,1\leqj\leqk)$の集合である$p(b)$は文脈$b$の生起確率で今回の堎合クラス$a$には䟝存せず定数のため蚈算しない$\tilde{p}(a)$ず$\tilde{p}(f_i|a)$はずもに孊習デヌタから掚定される確率でそれぞれクラス$a$の出珟の確率クラス$a$のずきに玠性$f_i$を持぀確率を意味する最尀掚定により求めた$\tilde{p}(f_i|a)$の倀は0になるこずが倚く匏(\ref{eq:simple_bayes})の倀が0になり本来求めるべきクラスが正しく求たらない堎合が倚いこのため本論文では次の匏によりスムヌゞングを行なう{\begin{eqnarray}\label{eq:simple_bayes2}\tilde{p}(f_i|a)=\frac{freq(f_i,a)+\epsilon*freq(a)}{freq(a)+\epsilon*freq(a)}\end{eqnarray}}ここで$freq(f_i,a)$ず$freq(a)$はそれぞれ玠性$f_i$を持ちか぀クラスが$a$である事䟋の個数クラスが$a$である事䟋の個数を意味する$\epsilon$は実隓で定める定数であり実隓では0.0001に固定した\subsubsection{決定リスト}このモデルでは玠性$f_i$ずクラス$a$の組を芏則ずしお予め定めた優先順序でリストに蓄えおおきリストで優先順䜍の高いずころから入力ず玠性が䞀臎する芏則を適甚しおクラスを求める\cite{Yarowsky:ACL94}本論文では優先順序ずしお次の匏で衚わされるものを甚いる{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list_order}\tilde{p}(a|f_i)\end{eqnarray}}これはある文脈$b$でクラス$a$を出力する確率$p(a|b)$がもっずも高いクラス$a$を解ずするこずず等䟡であり本論文では次の匏を甚いお最適なクラスを特定する{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list}p(a|b)=\tilde{p}(a|f_{max})\end{eqnarray}}ここで$f_{max}$は次の匏によっお䞎えられる{\begin{eqnarray}\label{eq:decision_list2}f_{max}=argmax_{f_j\inF}\max_{a_i\inA}\\tilde{p}(a_i|f_j)\end{eqnarray}}たた$\tilde{p}(a_i|f_j)$は孊習デヌタで玠性$f_j$を文脈ずするクラス$a_i$の出珟の割合である\subsubsection{最倧゚ントロピヌモデル}このモデルでは玠性$f_j(1\leqj\leqk)$の集合を$F$ずするずき匏(\ref{eq:constraint})を制玄ずし匏(\ref{eq:entropy})で衚わされる目的関数぀たり゚ントロピヌを最倧にするような確率分垃$p(a,b)$を求めその確率分垃にしたがっお求たる各クラスの確率のうち最も倧きい確率倀を持぀クラスを最適なクラスずする\cite{berger:cl96,ristad97,ristad98}{\begin{eqnarray}\label{eq:constraint}\sum_{a\inA,b\inB}p(a,b)g_{j}(a,b)\=\sum_{a\inA,b\inB}\tilde{p}(a,b)g_{j}(a,b)\\\for\\forallf_{j}\(1\leqj\leqk)\nonumber\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:entropy}H(p)&=&-\sum_{a\inA,b\inB}p(a,b)\log\left(p(a,b)\right)\end{eqnarray}}ただし$A,B$はそれぞれクラスず文脈の集合を意味し$g_{j}(a,b)$は文脈$b$に玠性$f_j$があっおか぀クラスが$a$の堎合1ずなりそれ以倖で0ずなる二倀関数であるたた$\tilde{p}(a,b)$は既知デヌタでの$(a,b)$の出珟の割合を意味する\subsubsection{サポヌトベクトルマシン}サポヌトベクトルマシンずは空間を超平面で分割するこずにより2぀のクラスからなるデヌタを分類する二倀分類噚のこずである2぀のクラスを正䟋負䟋ずするず孊習デヌタにおける正䟋ず負䟋の間隔(マヌゞン)を最倧にする超平面を求めそれを甚いお分類を行なう通垞は孊習デヌタにおいおマヌゞンの内郚領域に少数の事䟋が含たれおもよいずする拡匵(゜フトマヌゞン)や超平面の線圢の郚分を非線型ずする拡匵(カヌネル関数の導入)などがなされたものが甚いられるこれらの拡匵によりクラスを刀別するこずは以䞋の識別関数の出力倀が正か負かによっおクラスを刀別するこずず等䟡である\cite{SVM,kudoh_svm}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm1}f({\bfx})&=&sgn\left(\sum^{l}_{i=1}\alpha_iy_iK({\bfx}_i,{\bfx})+b\right)\\b&=&-\frac{max_{i,y_i=-1}b_i+min_{i,y_i=1}b_i}{2}\nonumber\\b_i&=&\sum^l_{j=1}\alpha_jy_jK({\bfx}_j,{\bfx}_i)\nonumber\end{eqnarray}}ここで${\bfx}$は識別したい事䟋の文脈(玠性の集合)を${\bfx}_{i}$ず$y_i(i=1,...,l,y_i\in\{1,-1\})$は孊習デヌタの文脈ずクラスを意味するたた関数$sgn(x)$は$x\geq0$のずきに1$x<0$のずきに$-1$ずなる二倀関数であり各$\alpha_i$は匏(\ref{eq:svm5})ず匏(\ref{eq:svm6})の制玄のもず匏(\ref{eq:svm4})の$L(\alpha)$を最倧にするものである{\begin{eqnarray}\label{eq:svm4}L({\alpha})&=&\sum^l_{i=1}\alpha_i-\frac{1}{2}\sum^l_{i,j=1}\alpha_i\alpha_jy_iy_jK({\bfx_i},{\bfx_j})\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm5}0\leq\alpha_i\leqC\,\,(i=1,...,l)\end{eqnarray}}{\begin{eqnarray}\label{eq:svm6}\sum^l_{i=1}\alpha_iy_i=0\end{eqnarray}}たた関数$K$はカヌネル関数ず呌ばれ様々なものが提案されおいるが本論文では次の匏で衚わされる倚項匏カヌネルを甚いる{\begin{eqnarray}\label{eq:svm3}K({\bfx},{\bfy})&=({\bfx}\cdot{\bfy}+1)^d\end{eqnarray}}ここで$C,d$は実隓的に蚭定される定数である本論文では$C$,$d$はそれぞれ1ず2に固定したサポヌトベクトルマシンは二倀分類噚であるためクラスの数が2であるデヌタしか扱えないがこれにペアワむズ手法を組み合わせるこずによりクラスの数が3以䞊のデヌタを扱えるようになる\cite{kudoh_chunk_nl2000}ペアワむズ手法ずはN個のクラスを持぀デヌタの堎合異なる二぀のクラスのあらゆるペア(N(N-1)/2個)を䜜り各ペアごずにどちらがよいかをサポヌトベクトルマシンなどの二倀分類噚で求め最終的にN(N-1)/2個の二倀分類噚のクラスの倚数決により最適なクラスを求める方法である実隓ではサポヌトベクトルマシン(TinySVM\cite{kudoh_svm}を利甚)ずペアワむズ手法を組み合わせお甚いた\subsubsection{玠性}䞊述のように文脈$b$は玠性の集合で衚わされる実隓に甚いた玠性は以䞋のものである\begin{enumerate}\item圢態玠情報(玠性集合1)入力文における察象単語の前埌䞉圢態玠ず぀に぀いおの文字列基本圢品詞(倧分類现分類)掻甚型掻甚圢\item最倧䞀臎ずなる甚䟋に関する情報(玠性集合2)入力文の文字列ず連続しお䞀臎する郚分が最倧ずなる甚䟋を調べその甚䟋の英語芋出し語および䞀臎した長さをそれぞれ玠性ずしお甚いる\item内容語ずその蚳語候補の出珟頻床(玠性集合3)たず各英語芋出し語(各クラス)ごずに次の六皮類の文集合を定矩する\begin{enumerate}\item文集合1:該圓する英語芋出し語を含む甚䟋においお日本語甚䟋を取り出した集合\item文集合2:該圓する英語芋出し語を含む甚䟋においお英語甚䟋を取り出した集合\item文集合3:文集合1の類䌌文の集合類䌌文は日本語の単蚀語コヌパスから抜出する\item文集合4:文集合2の類䌌文の集合類䌌文は英語の単蚀語コヌパスから抜出する\item文集合5:文集合1ず文集合3の和集合\item文集合6:文集合2ず文集合4の和集合\end{enumerate}ある甚䟋の類䌌文ずはその甚䟋の芋出し語ずその単語のたわりの文脈の䞀郚を含む文ずする入力文における各内容語ずその蚳語候補に぀いお䞊蚘の各文集合における出珟頻床を調べそれぞれ玠性ずしお甚いる内容語は入力文を圢態玠解析したずきに埗られる単語のうちその品詞が名詞動詞圢容詞副詞連䜓詞であるものずするただし察象単語は陀く内容語の蚳語候補は内容語を察蚳蟞曞で玢いたずきに候補ずしおあがる単語ずするこの玠性は文集合英語芋出し語内容語の出珟頻床の和の組み合せによっお衚わされ頻床の和がn回の堎合頻床1からnたでの玠性倀をも぀玠性がすべお芳枬されたず仮定する頻床は1以䞊のもののみ考慮する䟋えば入力文に芋出し語以倖の内容語がひず぀ありその内容語がクラス「buy」の文集合1に3回出珟した堎合には「文集合1buy1」「文集合1buy2」「文集合1buy3」の玠性が芳枬されたずするこの玠性により日英の各コヌパスにおいお芋出し語ず共起する単語の頻床を蚳語遞択の手がかりずしお考慮する\end{enumerate} \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment}\subsection{実隓の条件}\label{sec:test}入力評䟡は{\scSenseval-2}日本語翻蚳タスクのものに埓ったTMは320語のもの(1芋出し語に察する甚䟋数は玄20)が2001幎3月䞭旬に配垃されたこの䞭から40語(名詞20語動詞20語)がコンテストの察象単語ずしお遞択されそれぞれに぀いお30語(30出珟)ず぀テストデヌタが甚意された察象単語ののべ数は1,200語であった察蚳単語蟞曞および察蚳コヌパスずしおはニフティで利甚可胜な英蟞郎を甚いたここから察蚳甚䟋を抜出する際日英芋出し語が察応関係にないものを抜出しおしたった堎合でも抜出の際に怜玢語ずしお甚いた日英芋出し語が正しい察応関係にあるず仮定しお孊習に甚いた単蚀語コヌパスずしおは毎日新聞(1991幎から2000幎)日経新聞(1995幎から1999幎)産経新聞(1994幎から1999幎)LDCデヌタ(1994幎1995幎のデヌタでWallStreetJournalやAP通信ニュヌペヌクタむムズなど数幎分の新聞蚘事が含たれる)を甚いたコンテストでは手法1で類䌌床最倧ずしお遞択された甚䟋に぀いおはその甚䟋番号を手法2で類䌌床最倧ずしお遞択された甚䟋集合に぀いおはその英語芋出し語を出力しお提出した以䞋にその際の条件に぀いお述べる手法1における類䌌床の閟倀は1.0分割数の閟倀は0ずした手法2の圢態玠解析にはJUMAN\cite{JUMAN3.61}を甚いた手法2における類䌌文ずしおは日本語甚䟋に察しおは文末凊理を斜しお埗られる文字列を含む文を英語甚䟋に察しおは英語芋出し語を含む文を抜出した機械孊習モデルに぀いおは時間の制玄があったため単語によっおは孊習が終了しない堎合がありクロスバリデヌションにより最適なモデルを遞択するこずはできなかったコンテストで最終的に遞択したモデルの内蚳は以䞋の通りであった\begin{itemize}\itemSVM:23単語(名詞12動詞11)\itemDL:12単語(名詞8動詞4)\itemSB:5単語(動詞5)\end{itemize}\subsection{実隓結果}\label{sec:results}コンテストの結果を衚~\ref{tab:result}にあげる我々のシステムの粟床は63.4\,\%であった単語ごずの粟床ず甚䟋数孊習文数クラス数ずの関係は衚~\ref{tab:result2}の通りである\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{コンテストの結果}\label{tab:result}\begin{tabular}[c]{|l|l|}\hline参加システム&粟床\\\hlineAnonymX&79.1\,\%(949/1,200)\\AnonymY1&73.4\,\%(881/1,200)\\{\bfCRL-NYU}&{\bf63.4\,\%(761/1,200)}\\Ibaraki&62.6\,\%(751/1,200)\\Stanford-Titech1&49.1\,\%(589/1,200)\\AnonymY2&47.6\,\%(571/1,200)\\ATR&45.8\,\%(549/1,200)\\Kyoto&42.4\,\%(509/1,200)\\Stanford-Titech2&41.2\,\%(494/1,200)\\Baseline(Random)&36.8\,\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{単語ごずの粟床(コンテストの結果)}\label{tab:result2}\begin{tabular}[c]{|l@{}l@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|@{}r@{}|r@{}r@{}|r@{}r@{}|r@{}r@{}|}\hline単語&(読み)&\甚䟋&\å­Šç¿’æ–‡&\クラス&\孊習文数&å­Šç¿’&粟床&(手法&粟床&(手法1)&粟床&(手法2)\\&&数&数&数&/クラス&\モデル&&1+2)&&&&\\\hline䞀般&(ippan)&33&760&16&47.5&SVM&56.7\,\%&(17/30)&66.7\,\%&(2/3)&55.6\,\%&(15/27)\\䞀方&(ippou)&14&172&19&9.1&DL&23.3\,\%&(7/30)&---&&23.3\,\%&(7/30)\\今&(ima)&15&433&15&28.9&DL&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\意味&(imi)&22&419&18&23.3&SVM&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(1/1)&65.5\,\%&(19/29)\\æ ž&(kaku\_n)&8&1,007&8&125.9&SVM&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(3/3)&77.8\,\%&(21/27)\\蚘録&(kiroku)&18&608&11&55.3&SVM&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(1/1)&79.3\,\%&(23/29)\\囜内&(kokunai)&14&346&6&57.7&SVM&83.3\,\%&(25/30)&75.0\,\%&(3/4)&84.6\,\%&(22/26)\\蚀葉&(kotoba)&35&925&28&33.0&DL&80.0\,\%&(24/30)&0\,\%&(0/1)&82.8\,\%&(24/29)\\垂民&(shimin)&23&187&8&23.4&DL&50.0\,\%&(15/30)&100\,\%&(5/5)&40.0\,\%&(10/25)\\事業&(jigyou)&17&854&14&61.0&SVM&63.3\,\%&(19/30)&100\,\%&(7/7)&52.2\,\%&(12/23)\\時代&(jidai)&39&621&10&62.1&DL&83.3\,\%&(25/30)&100\,\%&(4/4)&80.8\,\%&(21/26)\\å§¿&(sugata)&28&139&19&7.3&SVM&46.7\,\%&(14/30)&80.0\,\%&(4/5)&40.0\,\%&(10/25)\\近く&(chikaku)&15&123&11&11.2&SVM&73.3\,\%&(22/30)&---&&73.3\,\%&(22/30)\\䞭心&(chushin)&15&392&16&24.5&SVM&56.7\,\%&(17/30)&---&&56.7\,\%&(17/30)\\花&(hana)&27&677&20&33.9&SVM&83.3\,\%&(25/30)&100\,\%&(2/2)&82.1\,\%&(23/28)\\反察&(hantai)&26&480&17&28.2&SVM&93.3\,\%&(28/30)&71.4\,\%&(5/7)&100\,\%&(23/23)\\堎合&(baai)&23&1,167&16&72.9&DL&86.7\,\%&(26/30)&---&&86.7\,\%&(26/30)\\前&(mae)&25&1,968&26&75.7&DL&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\胞&(mune)&30&368&26&14.2&DL&53.3\,\%&(16/30)&100\,\%&(3/3)&48.1\,\%&(13/27)\\問題&(mondai)&32&1,795&10&179.5&SVM&100\,\%&(30/30)&100\,\%&(2/2)&100\,\%&(28/28)\\\hline党名詞&&459&13,441&304&44.2&&69.3\,\%&($\frac{416}{600}$)&87.5\,\%&($\frac{42}{48}$)&67.8\,\%&($\frac{374}{552}$)\\\hline䞎える&(ataeru)&36&808&34&23.8&SVM&70.0\,\%&(21/30)&100\,\%&(3/3)&66.7\,\%&(18/27)\\蚀う&(iu)&32&2,248&21&107.0&DL&73.3\,\%&(22/30)&50.0\,\%&(1/2)&75.0\,\%&(21/28)\\受ける&(ukeru)&22&5,143&25&205.7&SB&20.0\,\%&(6/30)&50.0\,\%&(1/2)&17.9\,\%&(5/28)\\描く&(egaku)&12&271&14&19.4&SVM&76.7\,\%&(23/30)&100\,\%&(1/1)&75.9\,\%&(22/29)\\買う&(kau)&31&1,117&19&58.8&SVM&86.7\,\%&(26/30)&100\,\%&(3/3)&85.2\,\%&(23/27)\\曞く&(kaku\_v)&15&795&4&198.8&SVM&76.7\,\%&(23/30)&80.0\,\%&(4/5)&76.0\,\%&(19/25)\\聞く&(kiku)&25&536&14&38.3&SVM&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(3/3)&63.0\,\%&(17/27)\\超える&(koeru)&14&109&10&10.9&SVM&63.3\,\%&(19/30)&---&&63.3\,\%&(19/30)\\䜿う&(tsukau)&19&1,139&14&81.4&SVM&56.7\,\%&(17/30)&100\,\%&(1/1)&55.2\,\%&(16/29)\\䜜る&(tsukuru)&19&834&17&49.1&SB&10.0\,\%&(3/30)&100\,\%&(2/2)&3.6\,\%&(1/28)\\䌝える&(tsutaeru)&19&155&15&10.3&DL&80.0\,\%&(24/30)&100\,\%&(3/3)&77.8\,\%&(21/27)\\出る&(deru)&30&4,705&26&181.0&SB&3.3\,\%&(1/30)&100\,\%&(1/1)&0\,\%&(0/29)\\乗る&(noru)&23&712&17&41.9&DL&53.3\,\%&(16/30)&100\,\%&(8/8)&36.4\,\%&(8/22)\\図る&(hakaru)&17&3,184&17&187.3&SB&2.7\,\%&(8/30)&100\,\%&(8/8)&0\,\%&(0/22)\\埅぀&(matsu)&23&618&15&41.2&SVM&93.3\,\%&(28/30)&100\,\%&(1/1)&93.1\,\%&(27/29)\\守る&(mamoru)&16&522&19&27.5&SVM&46.7\,\%&(14/30)&100\,\%&(3/3)&40.7\,\%&(11/27)\\芋せる&(miseru)&20&285&12&23.8&SVM&90.0\,\%&(27/30)&100\,\%&(1/1)&89.7\,\%&(26/29)\\認める&(mitomeru)&10&929&13&71.5&DL&66.7\,\%&(20/30)&100\,\%&(1/1)&65.5\,\%&(19/29)\\持぀&(motsu)&59&1,835&23&79.8&SB&46.7\,\%&(14/30)&100\,\%&(3/3)&40.7\,\%&(11/27)\\求める&(motomeru)&10&481&22&21.9&SVM&43.3\,\%&(13/30)&100\,\%&(1/1)&41.4\,\%&(12/29)\\\hline党動詞&&452&26,426&351&75.3&&57.5\,\%&($\frac{345}{600}$)&94.2\,\%&($\frac{49}{52}$)&54.0\,\%&($\frac{296}{548}$)\\\hline合蚈&&911&39,867&655&60.9&&63.4\,\%&($\frac{761}{1,200}$)&91.0\,\%&($\frac{91}{100}$)&60.9\,\%&($\frac{670}{1,100}$)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}正解は各察象単語ごずにひず぀あるいは耇数䞎えられ各正解には察象単語の翻蚳に適切であるかどうかを考慮した耇数段階による評䟡が付䞎されおいる正解は以䞋の基準で◎○△の各段階に分けられた\begin{enumerate}\item正解がTMの甚䟋の堎合\begin{itemize}\item◎:翻蚳に利甚できる甚䟋の堎合日本語甚䟋の品詞時制単耇埮劙なニュアンス等は必ずしも䞀臎しない\item○:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳甚䟋ずしお䜿うこずは望たしくない甚䟋\item△:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳甚䟋ずしお盎接は䜿えない甚䟋\end{itemize}\item正解が翻蚳の堎合\begin{itemize}\item◎:翻蚳に利甚できる堎合品詞時制単耇埮劙なニュアンス等は必ずしも䞀臎しない\item○:評䟡単語のみに着目すれば劥圓な蚳語であるが翻蚳に䜿うこずは望たしくない堎合\end{itemize}\end{enumerate}コンテストの結果は䞀番緩い評䟡基準で評䟡したものである䞀番緩い評䟡基準ずは正解をゆるくずる(䞊蚘の基準でTMの◎○△翻蚳の◎○をすべお正解ずする)堎合䞀番厳しい評䟡基準ずは正解を厳しくずる(◎のみ)堎合を意味する䞀番厳しい評䟡基準で我々のシステムの出力を評䟡した堎合党䜓の粟床が50.6\,\%(607/1,200)その内蚳は手法1の粟床が82.0\,\%(82/100)手法2が47.7\,\%(525/1,100)であった衚~\ref{tab:result}から䞀番緩い評䟡基準で党䜓の粟床を比べるず䞊䜍の二システムずは10\,\%皋床以䞊の差があるが䞀番厳しい評䟡基準では我々のシステムの粟床は50.6\,\%(607/1,200)でAnonymY1システムの粟床50.2\,\%(602/1,200)ずほが同等であったたた䞀番緩い基準でも名詞党䜓に察する粟床は我々のシステムの粟床は69.3\,\%(416/600)でAnonymY1システムの粟床66.8\,\%(401/600)ず同等以䞊の結果が埗られおいる最も良かったAnonymXシステムの粟床59.0\,\%(708/1,200)には遠く及ばなかったが埌の\ref{sec:models_and_accuracy}節に瀺すように远加実隓により我々の手法で62.4\,\%(749/1,200)の粟床が埗られ朜圚的には66.0\,\%(792/1,200)の粟床が埗られる可胜性があるこずが分かったため結果のみから刀断するず我々のシステムはAnonymXシステムず同皋床以䞊の性胜であるずも考えられる手法そのものに぀いおはAnonymX,AnonymY1に぀いおは具䜓的な方法が明かされおいないため珟時点での比范はできない衚~\ref{tab:result2}からクラス圓たりの孊習文数の少ない名詞ずクラス圓たりの孊習文数の非垞に倚い動詞の蚳語遞択粟床が悪いずいった傟向が芋られる前者は孊習デヌタの䞍足が原因であるず考えられる埌者に぀いおはクラスの数が倚く日本語甚䟋は䌌おいるが異なるクラスに分類されおいるずいう堎合もありたた孊習デヌタが特定のクラスに偏っおいるずいうこずもなかったためベヌスラむンの粟床そのものが䜎い難しい問題であったず考えられる実際すべおの入力に察し察象単語ごずに垞に孊習デヌタで最も孊習文数の倚いクラスを出力するシステムを䜜成しお実隓したずころこれらの単語に察する粟床は䜎いこずが分かった\subsection{手法1ず粟床}\label{sec:method1_and_acc}手法1はTMを最も単玔に利甚した方法でありこの手法による粟床は高いこずが望たしい実隓(コンテスト)では手法1による粟床は91.0\,\%(91/100)であったこの手法により誀った䟋(正解ず䞀臎しなかった䟋)を衚~\ref{tab:error1}にあげる誀ったのは入力文ず日本語甚䟋ずの類䌌性だけから掚定するこずが困難だったためである類䌌床はすべお1であり\footnote{䟋えば入力文「お倩気情報の倧切さを䞀般の人に理解しおいただくこずが僕の䜿呜ず思っおいたす」ずTMの日本語甚䟋「䞀般の人」のdiffをずるず甚䟋の党おの文字列が入力文ず䞀臎し䞀臎した文字数は4ずなる日本語甚䟋の文字数も4であるため匏(\ref{eq:sim1})より類䌌床は1ずなる}日本語甚䟋そのものは類䌌しおいるず思われるが英語甚䟋はそれぞれひず぀ず぀しか䞎えられおおらず文脈からそれらの甚䟋を翻蚳ずしお甚いるのは䞍適切であるず刀断されたものず思われる手法1はTMの日本語甚䟋の文字列情報のみを甚いる方法であるためこのような堎合他の甚䟋を適切に遞択するこずはできない\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{手法1で誀った䟋}\label{tab:error1}\begin{tabular}[c]{|p{4.5cm}|l|l|}\hline入力文(内は察象単語)&システムにより遞択された甚䟋&正解甚䟋の\\&&英語芋出し語\\\hlineお倩気情報の倧切さを䞀般の人に理解しおいただくこずが僕の䜿呜ず思っおいたす&䞀般の人:ordinarypepople&general\\\hlineこれは「特」「䞊」「䞭」などに分けられる囜内産米の分類が「特」の堎合「䞀類米最䞊玚米のブレンド率が八〇以䞊」などず定められおいるのに準じた&囜内産:domestic&inthiscountry\\\hline昚幎暮れ欧州から䞀時垰囜したわが瀟の特掟員が新聞コラムに「蚀葉がなく生気もない」ず久しぶりに芋た日本の印象を぀づり「蚀葉を倱ったのは街角にひしめく自動販売機のせい」ず進行する倱語瀟䌚を嘆いおいた&蚀葉を倱う:toloseone'sabilitytospeak&language\\\hline䌑日で子䟛に無残な姿を芋せなくおすんだこずがせめおもの救い&姿を芋せる:toappear&look\\\hline圓面パリ倧䌚ハンガリヌ倧䌚などの招埅詊合が予定されおおり日本は囜際詊合ぞの䞍参加ずいう圢で反察の立堎を匷くアピヌルするこずになる&反察の立堎:contraryposition&opposition\\\hlineこれに察しおフランスは栞抑止力維持の立堎から珟時点での栞実隓の無条件犁止には以前から反察の立堎を衚明し特に䞭囜が昚幎十月に実隓を行ったこずもあっお延長ず亀枉期限をリンクさせるこずには匷く反発&反察の立堎:contraryposition&opposition\\\hline「米囜にも蚀うべきこずはっきり蚀う日本に」&はっきり蚀っお:franklyspeaking&say\\\hline教職員や孊生ら玄六癟人から盛倧な歓迎を受けた銖盞は「本圓に母校ずいうものはありがたいものです」ず倧いに気を良くしおいた&歓迎を受ける:tobewelcomed&receive\\\hline私は自分の呚りで起きたほのがのずした出来事を芋぀けおは原皿甚玙に曞いおいろいろなずころに送るのが倧奜きだ&玙に曞く:towriteonpaper&write\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}次に手法1が適甚された100察象単語に察し手法2を適甚したずきの粟床を調べた結果は49.3\,\%(34/69)であったただし100語のうち31語はTMの甚䟋に含たれる英語芋出し語ではなく察蚳蟞曞を玢いお埗られた英語芋出し語を遞択したため評䟡しおいない仮にこれらがすべお正解だったずしおも粟床は65\,\%(65/100)ずなるしたがっお手法1では適甚された語に察しおはかなり良い粟床が埗られるこずが分かる手法1で正しく手法2で蚳語遞択を誀ったものは30語でありそれらの語を含む入力文には慣甚的な衚珟が倚く芋られたそのうち手法1によっお適甚された甚䟋には次のようなものがあった以䞋で内は芋出し語を衚わす\begin{itemize}\item胞を匵る:tolookproud\item話に花が咲く:toengageinanimatedconversation\item䞀圹買う:tooffertohelp\item調子に乗る:tobecarriedaway\end{itemize}䞊蚘のような慣甚的な察蚳甚䟋を含む甚䟋集合はその集合に含たれる甚䟋数が少ないため孊習デヌタが䞍足し手法2で適切に遞択するこずは難しいこのように予め孊習デヌタが少ないず分かったクラス぀たり蚳語/蚳句候補は慣甚衚珟である可胜性が高いず考え個別にTMに甚䟋を远加するなどしおTMを充実させるのが効果的である可胜性が高いこの堎合TMに甚䟋を远加するだけでなく衚~\ref{tab:error1}にあげたような手法1による誀りもなくす必芁があるため珟状のTMを次の手順で倉曎する必芁があるず考えおいる\begin{enumerate}\item各日本語甚䟋の翻蚳ずしお可胜なものはすべお登録する\item日本語甚䟋が同䞀の甚䟋が耇数ありか぀その甚䟋を含む甚䟋集合内の甚䟋数が少ない堎合は日本語甚䟋間に違いが出るたでそれぞれの甚䟋の前埌の文脈を䌞ばす\end{enumerate}このようにTMの甚䟋を倉曎するこずにより衚~\ref{tab:error1}の誀りもほがなくなるず考えおいる\subsection{手法2ず粟床}\label{sec:method2_and_acc}手法2ではTMの甚䟋だけでなく他の蚀語資源から抜出した甚䟋も甚いるもしTMの甚䟋しか甚いなければ1クラスあたりの孊習文数は平均1.4ずなるこれでは機械孊習をするにはデヌタが少な過ぎ匷力な孊習モデルを甚いおも高い粟床は期埅できないちなみにコンテストに参加したシステムのうち䞊䜍の4システム以倖は配垃されたTM甚䟋のみを甚いおいた最高のもので50\,\%皋床の粟床であり他の蚀語資源を甚いたこずによる効果は10\,\%以䞊ず考えられる我々の手法でもTM甚䟋のみを甚いた堎合ず他の蚀語資源を甚いた堎合の結果を比范したずころ他の蚀語資源を甚いた堎合の方が6\,\%から7\,\%皋床良くなるこずが分かった他の蚀語資源を甚いるこずの有効性に぀いおは詳しくは\ref{sec:data_and_accuracy}節で述べる補匷した孊習デヌタでは1クラスあたりの孊習文数の平均は党䜓で60.9文(名詞44.2文動詞75.3文)であった基本的に孊習デヌタが少ない語に察しおはさらに他の蚀語資源を利甚しおデヌタを远加すればよいず考えられるしかし孊習文数が平均より倚いにもかかわらず粟床が平均より悪かったものはそれぞれ名詞が3語(そのうちSVMが2語DLが1語)動詞が5語(そのうちSVMが1語SBが4語)でありこの結果は単玔に孊習デヌタを増やしおも粟床が良くならない堎合があるこずを瀺しおいる1クラスあたりの孊習デヌタが倚いにもかかわらず粟床が良くなかった原因ずしおは以䞋のこずが考えられる\begin{enumerate}\itemSBモデルず玠性集合の盞性(4䟋)SBモデルによる粟床はすべお悪かったこれは実隓に甚いた玠性集合ずすべおの玠性を独立ず仮定しお扱うSBモデルの性質が合わなかったためであるず考えられる\item远加した孊習デヌタの質(4䟋)孊習デヌタの倚くは他の蚀語資源から抜出したものであるコンテストでは他の蚀語資源から察蚳甚䟋を抜出する際に日英の芋出し語が出珟しおいるかどうかだけを手がかりにしおいたそのため日英芋出し語が察応関係にないものも抜出しおいた䟋えばhaveやtakelookなど䞀般に出珟頻床が高く日本語に蚳したずきその蚳語に曖昧性のある単語が英語芋出し語である堎合には芋出し語間に察応関係がない察蚳甚䟋も倚く抜出しおしたうこの単語察応を考慮しおいなかったこずによる圱響は孊習の際に顕著に珟われる孊習モデルにおけるクラスは英語芋出し語で衚わされるそのため日英の芋出し語間に察応がずられおいないずひず぀の甚䟋に芋出し語ずなり埗る語が耇数皮類珟われるずきその甚䟋の芋出し語が特定できず曖昧になるその結果同じ甚䟋が耇数のクラスの正䟋ずしお甚いられるこずになりこの甚䟋を甚いお孊習したモデルでは正しくクラスを分類できなくなる今回の実隓でSVMなどで孊習が終了しなかったのはこのような䟋が倚くあったこずがひず぀の原因であるず考えおいる\end{enumerate}以䞊のような問題を解消し粟床を改善するには次のような察策を講じる必芁がある\begin{itemize}\itemモデル玠性の遞択方法を工倫する\item孊習デヌタを補匷する際他の蚀語資源から抜出した察蚳甚䟋における単語察応をずり日英芋出し語が察応関係にあるものだけを遞択するようにする\end{itemize}モデルの遞択方法に぀いおは圓初クロスバリデヌションによるモデル遞択を採甚する予定であったがコンテストの際には時間的な制玄のため実珟できなかったそこで孊習デヌタでクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最倧ずなるモデルを最適なモデルずしお遞択するようにし再実隓を行なったクラスである英語芋出し語は評䟡比范が容易になるようにTMの甚䟋のみから遞択した評䟡は次の二皮類の評䟡方法で行なった\begin{description}\item[評䟡方法1:]芋出し語による評䟡正解の甚䟋から日英芋出し語を取り出しこれを甚䟋番号の代わりに正解ずしお甚いお評䟡するコンテストの評䟡で正解が翻蚳のみからなるず仮定した堎合の評䟡方法に盞圓する䟋えば図~\ref{fig:tm_example2}においお「senseid」で衚される甚䟋番号の代わりに「headword」で衚される日本語芋出し語ず$<$ehead$>$$<$/ehead$>$で囲たれた英語芋出し語のペアを正解ずしお甚いる\item[評䟡方法2:]甚䟋番号による評䟡システムの出力を芋出し語ずする甚䟋集合からランダムに甚䟋を遞びその甚䟋番号の正吊で評䟡するコンテストの評䟡で正解がTMの甚䟋のみからなるず仮定した堎合の評䟡方法に盞圓する䟋えばシステムの入力が図~\ref{fig:tm_example2}の「headword」で衚される日本語芋出しであり出力が$<$ehead$>$$<$/ehead$>$で囲たれた英語芋出し語の堎合にこの芋出し語の代わりに「senseid」で衚される甚䟋番号をシステムの出力ずする同じ芋出し語を持぀甚䟋が耇数ある堎合はランダムに遞ぶ\end{description}孊習デヌタの数は21,650クラスの数は平均で11.0(441/40)であった孊習デヌタを先頭から順番に10個眮きに同じ集合に含たれるよう分割し各単語ごずに10分割のクロスバリデヌションをしお平均粟床が最倧ずなるモデルを遞択した結果遞択されたモデルの内蚳は次の通りであった\begin{itemize}\itemME:21単語(名詞14動詞7)\itemSVM:12単語(名詞4動詞8)\itemDL:7単語(名詞2動詞5)\end{itemize}結果は衚~\ref{tab:exp:cross_valid}の通りであった手法1での類䌌床および分割数の閟倀ずしおは孊習デヌタに察する粟床が最倧になったずきの倀぀たり1.0ず0およびテストデヌタに察しお最倧の粟床が埗られたずきの倀぀たり0.8ず1の二皮類をあげた閟倀が1.0ず0のずきの単語ごずの粟床ず孊習文数クラス数ずの関係は衚~\ref{tab:result3}の通りである\footnote{コンテストの時に比べお䞻蟞単語の定矩を倉曎したり远加甚䟋を抜出した察蚳蟞曞のバヌゞョンがあがったりしたため衚~\ref{tab:result2}に比べおクラス数や孊習文数が増えおいる堎合がある}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{クロスバリデヌションによりモデル遞択を行なったずきの粟床}\label{tab:exp:cross_valid}\begin{tabular}[c]{|c|c|c|r|r|}\hline手法&\multicolumn{2}{c|}{閟倀}&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-5}&類䌌床&分割数&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hline2&-&-&65.2\,\%(782/1,200)&61.1\,\%(733/1,200)\\1+2&1.0&0&65.8\,\%(789/1,200)&61.8\,\%(741/1,200)\\1+2&0.8&1&65.9\,\%(791/1,200)&62.0\,\%(744/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}[htbp]\footnotesize\begin{center}\caption{単語ごずの粟床(クロスバリデヌションによるモデル遞択時)}\label{tab:result3}\begin{tabular}[c]{|l@{}l|r|r|r|r|@{}r@{}r|@{}r@{}r|}\hline単語&(読み)&å­Šç¿’æ–‡&クラス&孊習文数&å­Šç¿’&\multicolumn{2}{c|}{手法1+2}&\multicolumn{2}{c|}{手法2}\\\cline{7-10}&&数&数&/クラス&モデル&評䟡1&評䟡2&評䟡1&評䟡2\\\hline䞀般&(ippan)&778&16&48.6&ME&15/30&12/30&16/30&13/30\\䞀方&(ippou)&135&10&13.5&SVM&4/30&4/30&4/30&4/30\\今&(ima)&413&11&37.5&ME&29/30&29/30&29/30&29/30\\意味&(imi)&298&9&33.1&ME&22/30&21/30&21/30&20/30\\æ ž&(kaku\_n)&742&4&185.5&SVM&16/30&16/30&14/30&14/30\\蚘録&(kiroku)&489&6&81.5&DL&29/30&24/30&29/30&24/30\\囜内&(kokunai)&255&5&51.0&ME&19/30&19/30&19/30&19/30\\蚀葉&(kotoba)&675&19&35.5&ME&30/30&30/30&30/30&30/30\\垂民&(shimin)&166&6&27.7&ME&25/30&21/30&25/30&21/30\\事業&(jigyou)&581&5&116.2&ME&21/30&21/30&18/30&18/30\\時代&(jidai)&613&12&51.1&ME&20/30&20/30&20/30&20/30\\å§¿&(sugata)&137&20&6.9&ME&9/30&9/30&10/30&10/30\\近く&(chikaku)&105&8&13.1&ME&15/30&14/30&15/30&14/30\\䞭心&(chushin)&326&9&36.2&ME&17/30&17/30&17/30&17/30\\花&(hana)&543&15&36.2&ME&23/30&23/30&23/30&23/30\\反察&(hantai)&457&11&41.5&ME&25/30&23/30&26/30&24/30\\堎合&(baai)&383&7&54.7&DL&22/30&16/30&22/30&16/30\\前&(mae)&824&15&54.9&SVM&10/30&10/30&10/30&10/30\\胞&(mune)&269&12&22.4&ME&17/30&17/30&17/30&17/30\\問題&(mondai)&1,848&9&205.3&SVM&22/30&21/30&21/30&20/30\\\hline党名詞&&10,037&209&48.0&-&390/600&367/600&386/600&363/600\\\hline䞎える&(ataeru)&565&18&31.4&DL&23/30&23/30&23/30&23/30\\蚀う&(iu)&1,276&19&67.2&DL&23/30&15/30&24/30&16/30\\受ける&(ukeru)&1,331&18&73.9&DL&11/30&11/30&12/30&12/30\\描く&(egaku)&189&6&31.5&SVM&17/30&17/30&17/30&17/30\\買う&(kau)&798&12&66.5&ME&25/30&25/30&24/30&24/30\\曞く&(kaku\_v)&796&2&398&ME&29/30&21/30&29/30&20/30\\聞く&(kiku)&453&9&50.3&ME&19/30&18/30&19/30&18/30\\超える&(koeru)&57&8&71.25&ME&24/30&24/30&24/30&24/30\\䜿う&(tsukau)&1,320&11&120.0&DL&28/30&26/30&27/30&25/30\\䜜る&(tsukuru)&702&14&50.1&SVM&20/30&20/30&20/30&20/30\\䌝える&(tsutaeru)&143&13&14.2&SVM&8/30&8/30&7/30&7/30\\出る&(deru)&608&22&27.6&SVM&5/30&5/30&5/30&5/30\\乗る&(noru)&611&12&41.9&ME&15/30&15/30&15/30&15/30\\図る&(hakaru)&127&8&50.9&ME&28/30&28/30&28/30&28/30\\埅぀&(matsu)&523&6&87.2&ME&29/30&23/30&29/30&23/30\\守る&(mamoru)&313&7&44.7&SVM&15/30&15/30&13/30&13/30\\芋せる&(miseru)&189&7&27.0&SVM&28/30&28/30&28/30&28/30\\認める&(mitomeru)&114&4&28.5&SVM&11/30&11/30&11/30&11/30\\持぀&(motsu)&1,320&30&44.0&DL&19/30&19/30&19/30&19/30\\求める&(motomeru)&178&6&29.7&SVM&22/30&22/30&22/30&22/30\\\hline党動詞&&11,613&232&50.1&-&399/600&374/600&396/600&370/600\\\hline合蚈&&21,650&441&49.1&-&789/1,200&741/1,200&782/1,200&733/1,200\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}クラスである英語芋出し語は䞊述のようにTMの甚䟋のみから遞択しおいるため衚~\ref{tab:result2}ず衚~\ref{tab:result3}を単玔に比范するこずはできないしかし今回の远加実隓で甚いたクラスはコンテストのずきに甚いたクラスに包含されるためコンテストの出力のうち远加実隓で甚いたクラスを出力したもののみを察象ずしお評䟡したここで察象ずなった単語は861語でありコンテストのずきの粟床は評䟡方法1で61.8\,\%(532/861)評䟡方法2で58.0\,\%(500/861)であり远加実隓での粟床は評䟡方法1で68.4\,\%(589/861)評䟡方法2で63.5\,\%(547/861)であったコンテストでモデル遞択を行えおいたら5\,\%皋床粟床が良かった可胜性がある二぀の評䟡基準により粟床が4\,\%皋床異なるのはコンテストで正解ずされた甚䟋における芋出し語ず同じものを含む甚䟋が必ずしもすべお正解に含たれおいるずは限らないためである぀たり評䟡方法1より評䟡方法2の方が厳しい基準ずなっおいるためである䟋えば「わがたたを蚀わず党力で頑匵りたい」ずいう入力文で察象単語が「蚀う」のずき\begin{itemize}\item蚀うたでもない:tobeneedlesstosay\end{itemize}ずいう甚䟋は正解に含たれおいたが\begin{itemize}\item蚀いたいこずを蚀う:tohaveone'ssay\end{itemize}ずいう甚䟋は同じ芋出し語「蚀う」ず「say」を持぀にも関わらず正解には含たれおいなかったこのような堎合評䟡方法1では「say」ず回答しおも正しいず評䟡されるが評䟡方法2ではさらに甚䟋を正しく遞択しお回答できないず正しいずは評䟡されないこのような芋出し語ず正解甚䟋ずのずれが確認されたのは14単語に぀いおであり残りの26単語に぀いおは芋出し語を含む甚䟋はすべお正解に含たれおいたずれがあった単語の内蚳は衚~\ref{tab:discrepancy}の通りである\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{芋出し語ず正解甚䟋ずのずれ}\label{tab:discrepancy}\begin{tabular}[c]{|ll|r|}\hline日本語芋出し語&(読み)&ずれがあったもの\\\hline乗る&(noru)&1\\曞く&(kaku\_v)&17\\䞀般&(ippan)&13\\蚘録&(kiroku)&15\\問題&(mondai)&4\\守る&(mamoru)&6\\近く&(chikaku)&1\\反察&(hantai)&3\\今&(ima)&2\\垂民&(shimin)&7\\䜿う&(tsukau)&2\\意味&(imi)&1\\蚀う&(iu)&19\\埅぀&(matsu)&20\\\hline合蚈&&111\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}この衚で「ずれがあったもの」ずはテストの察象単語30出珟のうち正解甚䟋の芋出し語ず同じものを含む甚䟋がひず぀でも正解に含たれなかった堎合の数のこずであるこのずれは芋出し語が同じでも文脈によっお意味が違う堎合があるこずを瀺しおいる察象単語の翻蚳に䜿える甚䟋を遞択するずいうタスクでは蚳語遞択以䞊の意味的な曖昧性解消を芁求しおいるず蚀えるだろう\subsection{玠性ず粟床}\label{sec:feature_sets_and_accuracy}この節では各玠性集合ず粟床ずの関係に぀いお述べる衚~\ref{table:exp:feature}に実隓に甚いた玠性集合の皮類ずそのずきに埗られた粟床をあげる「機械翻蚳モデル」の欄にはクロスバリデヌションによっお遞択された機械孊習モデルの数を衚わす手法1での類䌌床および分割数の閟倀はそれぞれ孊習デヌタに察する粟床が最倧になったずきの倀぀たり1.00ずした括匧内の数字は玠性集合をすべお甚いたずきに埗られた粟床からの増枛を衚わす衚~\ref{table:exp:feature}から玠性集合1は粟床向䞊に貢献しおいるこずが分かるが玠性集合2ず玠性集合3は粟床を䞋げる結果ずなっおいたこずが分かるこれは孊習デヌタの文数が平均49.1文(21,650/441)ず少なく過孊習に陥ったためず考えられる\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{各玠性集合を削陀したずきの実隓結果}\label{table:exp:feature}\begin{tabular}[c]{|l|c|l|l|c|c|c|c|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{玠性集合}&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}&\multicolumn{4}{c|}{機械孊習モデル}\\\cline{3-8}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}&SVM&ME&DL&SB\\\hlineすべお&2&65.2\,\%&61.1\,\%&12&21&7&0\\すべお&1+2&65.8\,\%&61.8\,\%&12&21&7&0\\1+2&2&66.8\,\%($+$1.6)&62.1\,\%($+$1.0)&20&15&5&0\\1+2&1+2&67.4\,\%($+$1.6)&63.1\,\%($+$1.3)&20&15&5&0\\1+3&2&63.1\,\%($-$2.1)&58.5\,\%($-$2.6)&3&22&15&0\\1+3&1+2&64.0\,\%($-$1.8)&59.7\,\%($-$2.1)&3&22&15&0\\2+3&2&62.8\,\%($-$2.4)&56.9\,\%($-$4.2)&0&26&14&0\\2+3&1+2&64.1\,\%($-$1.7)&58.6\,\%($-$3.2)&0&26&14&0\\1&2&68.2\,\%($+$3.0)&62.9\,\%($+$1.8)&15&10&14&1\\1&1+2&69.2\,\%($+$3.4)&64.3\,\%($+$2.5)&15&10&14&1\\2&2&65.4\,\%($+$0.2)&60.4\,\%($-$0.7)&0&35&3&2\\2&1+2&65.9\,\%($+$0.1)&61.3\,\%($-$0.5)&0&35&3&2\\3&2&57.5\,\%($-$7.7)&52.5\,\%($-$8.6)&1&24&12&3\\3&1+2&59.4\,\%($-$6.4)&54.9\,\%($-$6.9)&1&24&12&3\\\hline\end{tabular}\\\vspace*{1em}(手法1での閟倀類䌌床=1.0分割数=0)\end{center}\end{table}\subsection{モデルず粟床}\label{sec:models_and_accuracy}この節では耇数の機械孊習モデルから最適なモデルを遞択した堎合ず単独の機械孊習モデルを甚いた堎合ずの違いに぀いお述べるこれたでの実隓では個々の単語に察し耇数の機械孊習モデルからクロスバリデヌションによりモデルを遞択しおいたがすべお単䞀の機械孊習モデルを甚いた堎合ずの粟床の違いが明らかではなかったそこで手法2で各々の機械孊習モデルをそれぞれ単独で甚いた堎合の実隓を行なった玠性ずしおは前節で最も良い粟床が埗られた玠性集合1を甚いた手法1における類䌌床ず分割数の閟倀は孊習デヌタで最適倀ずなった1.0ず0に蚭定した䞀番緩い基準ず厳しい基準で評䟡した結果を衚~\ref{tab:exp:each_model1}ず衚~\ref{tab:exp:each_model2}にあげるこの衚で混合ずは耇数の機械孊習モデルから最適なモデルを遞択した堎合を意味する混合(䞊限倀)の行にあげた粟床は個々の単語ごずに耇数の機械孊習モデルからテストデヌタで最も良い粟床が埗られるモデルを遞択した堎合の粟床であり耇数のモデルを甚いる堎合の朜圚的な䞊限倀を意味しおいるたた最頻ずは垞に孊習デヌタで最も孊習文数の倚いクラスを出力するモデルを意味する\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{機械孊習モデル単独での粟床ずモデル遞択による䞊限倀(䞀番緩い基準)}\label{tab:exp:each_model1}\begin{tabular}[c]{|c|c|r|r|}\hlineモデル&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-4}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineSVM&2&70.3\,\%(843/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\SVM&1+2&71.1\,\%(853/1,200)&66.0\,\%(792/1,200)\\ME&2&68.4\,\%(821/1,200)&63.4\,\%(761/1,200)\\ME&1+2&69.0\,\%(828/1,200)&64.2\,\%(771/1,200)\\SB&2&67.8\,\%(813/1,200)&63.7\,\%(764/1,200)\\SB&1+2&68.6\,\%(823/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\DL&2&68.6\,\%(823/1,200)&63.4\,\%(761/1,200)\\DL&1+2&69.7\,\%(836/1,200)&64.8\,\%(778/1,200)\\混合&2&68.2\,\%(818/1,200)&62.9\,\%(755/1,200)\\混合&1+2&69.2\,\%(830/1,200)&64.3\,\%(771/1,200)\\最頻&-&64.0\,\%(768/1,200)&59.0\,\%(708/1,200)\\\hline混合(䞊限倀)&1+2&74.8\,\%(898/1,200)&70.2\,\%(842/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\begin{center}\caption{機械孊習モデル単独での粟床ずモデル遞択による䞊限倀(䞀番厳しい基準)}\label{tab:exp:each_model2}\begin{tabular}[c]{|c|c|r|r|}\hlineモデル&手法&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-4}&&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineSVM&2&61.6\,\%(739/1,200)&56.0\,\%(672/1,200)\\SVM&1+2&{\bf62.4\,\%(749/1,200)}&{\bf57.3\,\%(687/1,200)}\\ME&2&59.8\,\%(718/1,200)&54.8\,\%(657/1,200)\\ME&1+2&60.6\,\%(727/1,200)&55.7\,\%(668/1,200)\\SB&2&60.0\,\%(720/1,200)&55.8\,\%(670/1,200)\\SB&1+2&60.8\,\%(730/1,200)&56.9\,\%(683/1,200)\\DL&2&59.4\,\%(713/1,200)&54.1\,\%(649/1,200)\\DL&1+2&60.5\,\%(726/1,200)&55.5\,\%(666/1,200)\\混合&2&59.6\,\%(715/1,200)&54.2\,\%(650/1,200)\\混合&1+2&60.7\,\%(728/1,200)&55.7\,\%(668/1,200)\\最頻&-&53.3\,\%(640/1,200)&48.1\,\%(577/1,200)\\\hline混合(䞊限倀)&1+2&66.0\,\%(792/1,200)&61.2\,\%(735/1,200)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}これらの結果からこれたでの実隓で甚いおきたクロスバリデヌションによるモデル遞択の方法は単独の孊習モデル(SVM)を甚いる方法に比べお劣るこずしかし朜圚的には耇数のモデルを組み合わせるこずによりより良い粟床(5\,\%皋床良い粟床)が埗られるこずが分かる\subsection{孊習デヌタず粟床}\label{sec:data_and_accuracy}この節では他の蚀語資源から察蚳甚䟋を自動抜出しお甚いた堎合の効果に぀いお述べる孊習にそれぞれTM甚䟋のみを甚いた堎合他の蚀語資源から自動抜出した察蚳甚䟋のみを甚いた堎合すべお甚いた堎合の䞉皮類の比范実隓を行なった蚳語遞択モデルずしおはこれたでの実隓で最も粟床の良かった組み合わせのモデル぀たり手法1(類䌌床ず分割数の閟倀はそれぞれ1.0ず0に蚭定)ずSVMの組み合わせに玠性集合1を甚いた堎合のものを甚いた結果を衚~\ref{table:exp:data}にあげる評䟡は䞀番緩い基準で行なった\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{孊習デヌタを倉曎したずきの実隓結果}\label{table:exp:data}\begin{tabular}[c]{|l|l|l|}\hline孊習デヌタ&\multicolumn{2}{c|}{粟床}\\\cline{2-3}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法1}&\multicolumn{1}{c|}{評䟡方法2}\\\hlineTMのみ&64.0\,\%(768/1,200)&57.4\,\%(689/1,200)\\远加甚䟋のみ&64.4\,\%(773/1,200)&57.8\,\%(693/1,200)\\TMず远加甚䟋&71.1\,\%(853/1,200)&66.0\,\%(792/1,200)\\\hline\end{tabular}\\\vspace*{1em}(手法1での閟倀類䌌床=1.0分割数=0)\end{center}\end{table}衚~\ref{table:exp:data}よりTM甚䟋だけでなく他の蚀語資源から自動抜出した察蚳甚䟋も甚いた堎合により粟床が良くなるこずが分かる他の蚀語資源から察蚳甚䟋を抜出する際には日英の芋出し語が出珟しおいるかどうかだけを手がかりにしおいたため日英芋出し語が察応関係にないものも抜出しおしたっおいたが珟段階ではこの単語察応を考慮しおいなかったこずによる悪圱響よりも自動抜出した甚䟋が粟床向䞊ぞ貢献する床合いの方が顕著に勝っおいるず蚀えそうである今回甚いたTMは新聞蚘事から抜出した語句を元に人手で䜜成されたものでありコンテストの察象である新聞蚘事ず同じ特化したドメむンの知識ず考えられる䞀方自動抜出した甚䟋は䞀般的な察蚳蟞曞の甚䟋であり䞀般的なドメむンの知識であるず考えれる衚~\ref{table:exp:data}の結果は䞀般的なドメむンの知識ず特化したドメむンの知識が盞補的に圱響した結果であるずも蚀えるだろう \section{関連研究} \label{sec:related_works}これたでに察蚳コヌパスを甚いた統蚈的なあるいは機械孊習モデルに基づく蚳語遞択の手法が数倚く提案されおきた(䟋えば\cite{Brown:93,Hussein:94,HTanaka:94,berger:cl96}など)\footnote{テンスやアスペクトモダリティの翻蚳に機械孊習モデルに基づく手法を甚いた研究には文献\cite{Murata2001d}のものがある}我々も同様に機械孊習モデルに基づく手法を甚いおいるこれたでに提案されおきた手法ずの䞻な違いはSVMなど耇数の機械孊習モデルを利甚しおいる点ずそれらの機械孊習モデルず甚䟋に基づく手法ずを組み合わせお利甚しおいる点さらにこれたでの方法がすべおの単語に察し同じ機械孊習モデルを甚いおいるのに察しお我々は単語ごず(原蚀語芋出し語ごず)に異なるモデルを䜜成しその䞭から最適な機械孊習モデルを遞択しおいる点にある実隓ではクロスバリデヌションによる遞択は単独の孊習モデル(SVM)より劣るこずが分かったが朜圚的には耇数のモデルを組み合わせるこずによりより良い粟床(5\,\%皋床良い粟床)が埗られるこずも瀺した甚䟋に基づく手法ずしお我々が甚いたものはSato\cite{Sato92}が提案した手法に類䌌しおいる我々の手法ずの䞻な違いは類䌌床を蚈算する際に課す制玄であるSatoの手法では特に制玄は課しおいないが我々の堎合は入力文ず甚䟋ずがいく぀かの郚分に分割されお䞀臎する堎合にその分割数を制限する察象単語ず同じ芋出し語を持぀甚䟋に限定するなどの制玄を課しおいる実隓により前者の制玄を課すこずによっお良い結果が埗られるこずが分かったSatoの手法では文字列の䞊びの順序が異なる堎合でも䞀臎したず芋なす柔軟さがあるその柔軟性を我々の手法にも採り入れたい本論文で述べたTMあるいはそれず同様の察蚳甚䟋を蚳語遞択に甚いた研究ずしおはBaldwin\cite{Baldwin:2001}やSumita\cite{Sumita:2000}の研究があるBaldwinは原蚀語甚䟋の情報を甚いおTMから蚳語遞択に最も適した甚䟋を遞択する方法を提案した圌はbigramなどの文字列情報のみを甚いたずきが最も粟床良く類䌌した甚䟋を遞択できるず報告しおいる我々の方法でもbigramなどの文字列情報を玠性ずしお利甚するようにすれば粟床向䞊が期埅できるず考えおいるSumitaはTMの利甚方法ずいう点で我々ず類䌌した方法を提案しおいる圌の方法では我々の手法ず同様にTMの甚䟋を目的蚀語芋出し語ごずに甚䟋集合ずしおたずめお利甚しおいるそしお入力文ず甚䟋集合をそれぞれ怜玢質問文文曞ず考え情報怜玢でよく甚いられるベクトル空間モデルを甚いお入力文ず最も類䌌した甚䟋集合を遞択するこの手法では孊習は行なわれないが我々の手法では孊習により入力文ず察象単語に関しお最も類䌌した甚䟋集合を遞択するたた本論文では察蚳甚䟋の蚳語遞択ぞの利甚方法に関する知芋ずしお今回甚いたTMのように䞀芋出し語あたり30個皋床の䟋があればそれをもずに自動抜出した察蚳甚䟋ず䜵せお孊習に甚いるこずで粟床が向䞊するこずを瀺した機械翻蚳ではMarcu\cite{Marcu:2001}が甚䟋に基づく手法ず統蚈的機械翻蚳モデルを組み合わせお䞀文党䜓を翻蚳する手法を提案した統蚈的機械翻蚳モデルを甚いお入力文の最適な翻蚳を探玢する際に必ずしも最適解を探玢するのではなく入力文ず䞀臎するTM甚䟋があればそれを優先するずいう制玄を課すこずにより翻蚳粟床が向䞊したず報告しおいる我々の手法では甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルを組み合わせお䞀文党䜓の翻蚳ではなく各単語の蚳語遞択を行なうたたMarcuは完党䞀臎ずなる甚䟋のみを甚いおいるが我々はいく぀かの郚分に分かれお䞀臎する甚䟋や郚分䞀臎ずなる甚䟋も甚いおいる実隓ではこのような甚䟋も甚いた堎合に粟床が向䞊したこずから䞀文党䜓の翻蚳の際にも郚分䞀臎ずなる甚䟋を甚いるずより良い結果が埗られる可胜性が高いず考えおいる今埌我々の手法が䞀文党䜓の翻蚳の粟床にどれだけ貢献するかを調べたい \section{たずめ} \label{sec:conclusion}本論文では機械翻蚳における蚳語遞択の手法に぀いお述べた我々のシステムは入力文ず察象単語が䞎えられたずき察象単語に関しお入力文ず甚䟋(あるいは甚䟋集合)ずの類䌌床を求め類䌌床が最倧ずなる甚䟋(あるいは甚䟋集合)を甚いお察象単語の蚳語遞択を行なう類䌌床は入力文察象単語甚䟋に関する様々な情報を手がかりずしお考慮し甚䟋に基づく手法ず機械孊習モデルに基づく手法を組み合わせお求める孊習にはTMの甚䟋だけでなく他の察蚳蟞曞あるいは察蚳コヌパスから抜出した甚䟋を甚い孊習の際には原蚀語ず目的蚀語の間で互いに察応関係がない各単蚀語コヌパスから抜出した頻床情報なども考慮するコンテストでの結果および远加実隓の結果を分析しお分かったこずは以䞋の通りである\begin{itemize}\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)は慣甚的な衚珟を含む文などに察しお粟床が良かった\item察蚳甚䟋を自動的に収集しお孊習デヌタに远加するこずによりより良い粟床が埗られるこずが分かった\item文字列の類䌌性に基づく方法(手法1)ず機械孊習モデルに基づく方法(手法2)を組み合わせたずきに最も良い粟床が埗られた\end{itemize}今埌の課題ずしおは以䞋のこずを考えおいる\begin{itemize}\item孊習デヌタの質の改善他の蚀語資源から远加した察蚳甚䟋の英語芋出し語が日本語に蚳したずきその蚳語に曖昧性のある堎合にはデヌタの質が粟床に悪圱響を及がす堎合があった今埌察蚳甚䟋における単語察応をずり芋出し語間に察応関係があるもののみ遞択するようにし孊習デヌタの質を改善したい\item最適な機械孊習モデルの遞択方法の暡玢本論文では個々の単語に察しお最適な機械孊習モデルを遞択するために孊習デヌタにおいおクロスバリデヌションを行ない平均粟床が最倧ずなるモデルを最適なモデルずしお採甚したが単独のモデル(SVM)に劣るこずが分かった今埌最適なモデルの遞択を孊習モデルにより決定するstacking法などを適甚するなど最適なモデルの遞択方法を暡玢したい\item新たな玠性の導入ず遞択芋出し語ずそのたわりに出珟する単語の実デヌタにおける分垃をできるだけ反映させたモデルを䜜るために単蚀語コヌパスから抜出した単語の頻床情報を玠性ずしお利甚したしかし過孊習に陥り粟床を䞋げる結果ずなった今埌単蚀語コヌパスに関する情報で䜕が蚳語遞択に貢献する有甚な情報であるかを暡玢したい\end{itemize}\begin{flushleft}{\bf謝蟞}\end{flushleft}本研究を進めるにあたっおデヌタを利甚させお頂いた毎日新聞瀟日経新聞瀟産経新聞瀟ニフティLDCの各瀟に感謝するたた貎重なコメントを䞋さった査読者ならびに本特集号線集委員長である東京倧孊の黒橋犎倫先生に感謝の意を衚したい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{6}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{内元枅貎}{1994幎京郜倧孊工孊郚卒業1996幎同倧孊院修士課皋修了同幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人通信総合研究所研究員自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{関根聡}{1987幎東京工業倧孊応甚物理孊科卒同幎束䞋電噚東京研究所入瀟1990-1992幎UMISTCCLVisitingResearcher1992幎MSc1994幎からNewYorkUniversityComputerScienceDepartmentAssistantResearchScientist1998幎PhD同幎からAssistantResearchProfessor自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL䌚員}\bioauthor{村田真暹}{1993幎京郜倧孊工孊郚卒業1995幎同倧孊院修士課皋修了1997幎同倧孊院博士課皋修了博士工孊同幎京郜倧孊にお日本孊術振興䌚リサヌチ・ア゜シ゚むト1998幎郵政省通信総合研究所入所珟圚独立行政法人通信総合研究所䞻任研究員自然蚀語凊理機械翻蚳情報怜玢の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{井䜐原均}{1978幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1980幎同倧孊院修士課皋修了博士工孊同幎通商産業省電子技術総合研究所入所1995幎郵政省通信総合研究所珟圚独立行政法人通信総合研究所けいはんな情報通信融合研究センタヌ自然蚀語グルヌプリヌダヌ自然蚀語凊理機械翻蚳の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚日本認知科孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V03N02-04
\section{はじめに} 日本語の理解においお省略された郚分の指瀺察象を同定するこずは必須である特に日本語においおは䞻語が頻繁に省略されるため省略された䞻語の指瀺察象同定が重芁である省略された述語の必須栌をれロ代名詞ず呌ぶ䞻語は倚くの堎合述語の必須栌であるからここでは省略された䞻語をれロ䞻語ず呌ぶこずにするここでは特に日本語の耇文におけるれロ䞻語の指瀺察象同定の問題を扱う日本語の談話における省略珟象に぀いおは久野の分析\cite{久野:日本文法研究,久野78}以来蚀語孊や自然蚀語凊理の分野で様々な提案がなされおいるこの䞭でも実際の蚈算モデルずいう点ではcenteringに関連するもの\cite{Kameyama88,WIC90}が重芁であるしかしこれらは䞻ずしお談話に぀いおの分析やモデルであるしたがっお耇文に固有のれロ䞻語の指瀺察象同定ずいう芳点からすればきめの粗い点もある\cite{䞭川動機95,䞭川ので95}したがっお本論文では䞻ずしおノデカラで接続される順接耇文に぀いお耇文のれロ䞻語に固有の問題に぀いお扱うノデ文に぀いおは既に\cite{䞭川動機95,䞭川ので95}においお構文的ないしは語甚論的な芳点から分析しおいるそこでここでは意味論的芳点からの分析に぀いお述べる耇文は埓属節ず䞻節からなるので䞻節䞻語ず埓属節䞻語がある耇文の理解に䞍可欠なれロ䞻語の指瀺察象同定の問題は2段階に分けお考えるべきである第䞀の段階では䞻節䞻語ず埓属節䞻語が同じ指瀺察象を持぀かどうかすなわち共参照関係にあるかどうかの分析である第二の段階では第䞀段階で埗られた共参照関係を利甚しお実際のれロ䞻語の指瀺察象同定を行なうこのうち第䞀の共参照関係の有無は耇文のれロ䞻語の扱いにおいお固有の問題であり本論文ではこの問題に぀いお考察しおいくさお䞻語ずいう抂念は䞀芋極めお構文的なものであるが久野の芖点論\cite{久野78}で述べられおいるように実は語甚論的に匷い制限を受けるものである䟋えば授受補助動詞ダルクレルや受身文における䞻語などは芖点に関する制玄を受けおいるこのような制玄が耇文ずりわけノデ文においおどのように圱響するかに぀いおは\cite{䞭川動機95}で詳しく述べおいるここでは芋方を倉えお意味論的な芳点から分析するのでれロ䞻語の問題のうち芖点に係わる郚分を排陀しなければならないそこで胜動文においおは盎接䞻語を扱うが受身文においおは察応する胜動文の䞻語を考察察象ずするたた授受補助動詞の圱響に぀いおはここでの意味論的分析ず抵觊する堎合に぀いおは䟋倖ずしお扱うこずにするなおここでの意味論的分析の結果は必ずしも構文的制玄のように䟋倖を蚱さない固いものではない文脈などの圱響により芆されうるものでありその意味ではデフォヌルト芏則であるただしその堎合でも文の第䞀の読みの候補を䞎える点では実質的に圹立぀ものであろうさおこの論文での分析の察象ずする文は䞻ずしお小説に珟れる順接耇文(䞀郚週刊誌から採取)である具䜓的には以䞋の週刊誌小説に蚘茉されおいた党おの順接耇文を察象ずした\noindent週間朝日1994幎6月17日号6月24日号7月1日号\noindent䞉島由玀倫鹿鳎通新朮文庫1984\noindent星新䞀ようこそ地球さん新朮文庫1992\noindent倏目挱石䞉四郎角川文庫1951\noindent吉本ばななうたかた犏歊文庫1991\noindentカフカ/高橋矩孝蚳倉身新朮文庫1952\noindent宗田理殺人コンテクスト角川文庫1985\noindent宮本茝優駿(侊)新朮文庫1988\bigskipこのような察象を遞んだ理由は物理的な䞖界の蚘述を行なう文ばかりでなく人間の心理などを蚘述した文をも分析の察象ずしたいからである実際週刊誌よりは小説の方が人間の心理を衚珟した文が倚い傟向があるただし週刊誌においおも人間心理を蚘述した文もあるし逆に小説でも物理的䞖界の因果関係を蚘述した文も倚い次に分析の方法論に぀いお述べる分析の方法の䞀方の極は党お論文著者の蚀語的盎芳に基づいお䜜䟋を䞻䜓にしお考察する方法であるただしこの堎合非文性の刀断や指瀺察象に関しお客芳的なデヌタであるかどうか疑問が残っおしたう可胜性もないではないもう䞀方の極は倧芏暡なコヌパスに察しお人間の蚀語的盎芳に頌らず統蚈的凊理の方法で統蚈的性質を抜出するものである埌者の方法はいろいろな分野に関する十分な量のデヌタがあればある皋床の結果を出すこずは可胜であろうただし通垞文は察象領域や(小説新聞論文技術文曞などずいう)ゞャンルによっお性質を異にするそこでコヌパスから埗られた結果はそのコヌパスの採取元になるゞャンルに䟝存した結果になるこれらの問題点に加え単なる統蚈的結果だけではその結果の応甚範囲の可胜性や結果の拡匵性などに぀いおは䜕も分からないそこでここでは䞡極の䞭間を採るすなわちたず第䞀に筆者らが収録した小芏暡なコヌパスに察しおその分垃状況を調べるこずにより䜕らかの傟向を芋い出す次にこのようにしお埗られた傟向に察しお蚀語孊的な説明を詊みるこれによっお芋い出された傟向の劥圓性応甚や拡匵の可胜性が掚枬できる具䜓的には埓属節ず䞻節の述語の性質を基瀎に䞻節䞻語ず埓属節䞻語の䞀臎䞍䞀臎ずいう共参照関係を調べるこのような述語の性質ずしお動詞に関しおはIPAL動詞蟞曞~\cite{IPALverb}にある意味的分類ノォむスによる分類ムヌド(意志性)による分類を利甚する圢容詞圢容動詞に関しおはIPAL圢容詞蟞曞~\cite{IPALadj}にある分類ずりわけIPAL圢容詞蟞曞~\cite{IPALadj}にある意味分類のうち心理感情感芚を衚すものに関しおは快䞍快の玠性を属性の評䟡に関しおは良吊の玠性を利甚する䟋えば\enumsentence{淋しいので電話をかける}ずいう文では埓属節に「感情-䞍快」ずいう性質を䞎え䞻節に「意志的な胜動の動詞」ずいう性質を䞎えるたた䞻節䞻語ず埓属節䞻語の䞀臎䞍䞀臎に぀いおは人手で刀断するこのようにしお䞎える埓属節ず䞻節の性質および䞻語の䞀臎䞍䞀臎の組合せが実䟋文においおどのように分垃するかを調べそこに䜕か特城的な分垃が芋い出されればその原因に぀いお考察するずいう方法を採る \section{順接耇文の性質} label{node-kara}本節ではこの論文で察象ずしおいる順接耇文すなわちノデ文カラ文の意味論的性質に぀いおたずめおおく第䞀に順接耇文は因果性を蚘述しおおりその埓属節は原因理由を瀺しおいるしかしノデ文ずカラ文で埮劙な差があり\cite{日本語の耇文構造,カラノデ}それが䞻節䞻語ず埓属節䞻語の共参照関係に圱響を䞎える可胜性がある以䞋でノデ文ずカラ文の意味に぀いお説明する\bigskip\noindent{\dgノデ文:}埓属節ず䞻節ずも話し手の䞻芳的評䟡を離れお事実ずみなしおいるよっお因果性は蚘述された䞖界の䞭に内圚する぀たり因果性は䞻節の䞻語が埓属節の事態を評䟡した結果䜕らかの動䜜をしたり状態になったりするずいう圢で珟れるものである\noindent{\dgカラ文:}䞻節の内容も埓属節の内容も基本的には話し手が倖郚から評䟡したものであるしたがっおカラ文の堎合因果性はむしろ話し手によっお認識されたものであるずいえるもちろんノデ文ず同じく因果性がカラ文で蚘述された䞖界に内圚しおいる堎合も倚い\bigskip埌の節で述べるこずを先取りするず実際の䟋文を調べお埗られる芳察の劥圓性や拡匵性の怜蚎に圓たっおこれらのノデずカラの意味は䞭心的圹割を果たすただし目䞋のずころ䞻節䞻語ず埓属節䞻語の共参照関係に関しおは次のような考察ができるすなわちノデ文では䞻ずしお䞻節䞻語たたカラ文では䞻ずしお話し手ずいう差はあるもののいずれも埓属節で蚘述されおいる事態を芳察ないしは感芚し評䟡する人物がいるたたカラ文の話し手が䞻節䞻語になっおいる堎合も倚くノデ文ず同じように蚘述された䞖界に内圚する因果性を蚘述するこずも倚いよっお順接耇文であるノデ文党おおよびカラ文のかなりの郚分の性質ずしお次のこずがいえる\bigskip\noindent{\bf1.}埓属節に蚘述されおいる事態を倖郚から芳察可胜なら䞻節䞻語ず埓属節䞻語は䞍䞀臎でもよい\noindent{\bf2.}埓属節に蚘述されおいる事態を倖郚から芳察䞍可胜なら䞻節䞻語ず埓属節䞻語は䞀臎しなければならない\bigskipなお\cite{䞭川動機95,䞭川ので95}ではこの性質を利甚しおノデ文の共参照関係を語甚論的に分析しおいるこの論文では倖郚からの芳察可胜性ず述語の意味ずの関連に着目するこずになる \section{IPALの述語の玠性} label{section3}ここではIPALの動詞蟞曞\cite{IPALverb}および圢容詞蟞曞\cite{IPALadj}に蚘茉されおいる述語の玠性のうち本論文で利甚しおいるものに぀いおたずめおおくたず動詞の意味玠性ずしおは䞻ずしお次の2点に着目する\begin{enumerate}\itemノォむスによる以䞋の4分類胜動(䟋:殺す)盞互(䟋:䞊ぶ)䞭動(䟋:走る)受動(䟋:習う)\\泚意すべき点は胜動では䞻語から発する行為が他に及ぶ点であるしたがっお胜動の堎合は倖郚からの芳察可胜性が高い䞀方䞭動の堎合は䞻語の行為が他には及ばないから倖郚からの芳察可胜性は䜎いたた受動の堎合は䞻語自身は原則的にはなんの行為もしおいないわけで同じく倖郚からの芳察可胜性はさらに䜎いずいえる実際収録した䟋文の䞭に受動詞が䜿われおいるものはなかった\item意味的分類倧きくは状態ず動䜜に二分されさらに存圚所有移動などに现分される30皮類近い现分類があるのでここでは適圓にたずめた分類を甚いた\bigskip\hspace*{-3zw}\hspace*{-1mm}ただし郚分的には次の意志性に関する性質も利甚しおいる\item意志性による以䞋の分類1:呜什圢なし(䟋:そびえる)2:願望のみを衚す(䟋:咲く)以䞊のふた぀は垞に無意志である3a:呜什をも衚す(䟋:萜す)基本的には意志性があるが無意志の甚法もある3b:呜什を衚し意志性の甚法だけである(䟋:探す)1,2,3bのタむプは意志性の有無に぀いおは衚局的な語圙からだけで刀断できるしかし3aはその刀断は文脈などに䟝存するため意志性の有無を人手で刀断しなければならないそこで本論文では3aタむプに関しおは意志性の刀断を人手で行なった\itemこの他に各項(ガ栌ヲ栌ニ栌)の意味玠性などの情報も蚘茉されおいるがこれは察応する名詞の玠性などずも関連しおくるからここでは利甚しなかった\end{enumerate}\bigskip圢容詞圢容動詞に関しおは次のような玠性に着目する\begin{enumerate}\item評䟡属性の語矩の圢容詞は奜たしい状態を衚す堎合は「良」奜たしくない状態を衚す堎合は「吊」ず曞くどちらでもない堎合は単に「評䟡」ず曞くこずにする\item快・䞍快感芚や感情を衚す堎合話し手が快ず感じるものなら「快」䞍快に感じるものなら「䞍快」ず曞くどちらずもいえない堎合は「心理」ず曞くこずにする\end{enumerate}なお名詞\hspace{-0.3mm}$+$\hspace*{-1mm}ダは状態ずする圢容動詞かどうかは副詞「非垞に」を぀けられるかどうかでテストする \section{䟋文の分析} この節ではノデ文ずカラ文を䞻節䞻語ず埓属節䞻語が䞀臎䞍䞀臎の各々の堎合に぀いお埓属節の述語の性質ず䞻節の述語の性質を衚にした結果を瀺しそこから芳察される傟向に぀いお怜蚎する\subsection{埓属節が圢容詞圢容動詞である堎合の分垃}たず動詞は胜動䞭動盞互受動(実際は䟋なし)に粗く分類し圢容詞圢容動詞に関しおは前節で述べたように快䞍快心理良吊評䟡に现分類した分垃衚を瀺すたた以䞋では玛らわしくない堎合は䞻節䞻語ず埓属節䞻語が䞀臎する堎合を単に「䞻語の䞀臎」䞍䞀臎の堎合を単に「䞻語の䞍䞀臎」ず曞くこずにするなお以䞋の各衚の各デヌタにおいお数字1/数字2ずいう蚘述は数字1がノデ文の個数数字2がカラ文の個数を意味する衚のデヌタが空欄であるのは0/0すなわちノデカラ文ずも0個であるこずを衚すたた䟋文数はノデ文が187䟋カラ文が440䟋であるたた䞻語が䞀臎するのはノデ文が72䟋カラ文が142䟋䞻語が䞍䞀臎なのはノデ文が115䟋カラ文が298䟋で党䜓ずしおはノデ文ずカラ文は同じような傟向である\begin{center}\frame{\parbox{5mm}{\centering\shortstack{埓\\属\\節}}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|}&\multicolumn{12}{c}{䞻節}\\\hline&胜動&äž­å‹•&盞互&授受&䜿圹&å¿«&心理&䞍快&良&評䟡&吊&状態\\\hline\hline胜動&0/4&5/10&&&&&&&&0/2&0/1&0/3\\\hlineäž­å‹•&3/8&33/37&1/0&2/2&1/0&&0/1&2/2&&2/1&0/1&0/4\\\hline盞互&&1/0&&&&&&&&&&\\\hline授受&&2/1&&&&&&&&&&\\\hline䜿圹&&&&&&&&&&&&\\\hlineå¿«&&&&&&&&&&&&\\\hline心理&1/5&0/2&&0/1&&&0/2&&&0/2&&\\\hline䞍快&0/2&5/4&&0/1&&&&&&0/1&&\\\hline良&&1/1&0/1&&&&&&&&&\\\hline評䟡&1/2&6/7&&&&&&1/0&&&&0/1\\\hline吊&1/0&1/1&&&&&&&&&&\\\hline状態&1/6&1/13&1/2&&&&0/2&&&0/5&0/1&0/3\\%\hlinerevisedbyshirai\end{tabular}}\\ノデ文の合蚈72䟋/カラ文の合蚈142䟋\\衚1.圢容(動)詞の性質を现分した分垃(䞻語が䞀臎の堎合)\\\end{center}\vspace{1zh}\begin{center}\frame{\parbox{5mm}{\centering\shortstack{埓\\属\\節}}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|}&\multicolumn{12}{c}{䞻節}\\\hline&胜動&äž­å‹•&盞互&授受&䜿圹&å¿«&心理&䞍快&良&評䟡&吊&状態\\\hline\hline胜動&0/7&7/24&1/0&0/3&&&0/1&&0/1&0/12&&0/2\\\hlineäž­å‹•&9/31&48/62&&1/8&0/1&1/1&0/2&1/1&2/3&3/20&0/1&0/13\\\hline盞互&&1/0&&&&&&&&&1/0&\\\hline授受&0/1&1/2&&0/1&&&&&&&&\\\hline䜿圹&&&&&&&&&&0/1&&\\\hlineå¿«&&1/0&&&&&&&&&&\\\hline心理&0/3&1/0&0/1&0/1&0/1&&&&&0/1&&\\\hline䞍快&&3/1&&&&&&&&&&\\\hline良&&0/2&&&&1/0&&&&&&\\\hline評䟡&0/11&6/10&&&&&1/3&1/0&&0/2&0/1&0/2\\\hline吊&4/2&3/4&&&&&&&&1/1&&\\\hline状態&3/9&8/26&&2/2&&&0/2&0/1&2/1&1/5&&1/7\\%\hlinerevisedbyshirai\end{tabular}}\\ノデ文合蚈115䟋/カラ文合蚈298䟋\\衚2.圢容(動)詞の性質を现分した分垃(䞻語が䞍䞀臎の堎合)\\\end{center}以䞋ではこれらの衚から埗られる芳察およびそれに察する蚀語孊的な考察を行なうこれらの衚によるずたずノデ文では埓属節が胜動の動詞の堎合䞻節に圢容詞圢容動詞状態を衚す動詞がこないしかしこの珟象に぀いおもう少し深く考察しおみるたず䞻節ず埓属節の䞻語が䞀臎する堎合に぀いお考えおみようこの堎合埓属節で蚘述される自分の意志的な動䜜が原因ずなっお自分が持぀に至った感情や感芚を䞻節ずしお衚珟するこずはおかしいなぜならその動䜜自䜓が䞻節の䞻語の意志的なものでありその動䜜の結果をある皋床予想しおいるはずだからである䟋えば\enumsentence{\label{1}$?$人を殺したので恐ろしい}は䞻語が䞀臎ずするず解釈するず若干違和感があるただし䞍䞀臎ならおかしくないこれは次の文を芋ればより明らかであろう\enumsentence{\label{2}おずなしそうに芋えた隣人が人を殺したので私は恐ろしい}ではなぜ䞍䞀臎ではおかしくないか他人の動䜜であれば意志的な動䜜であっおもその動䜜に察する自分の感情や感芚を衚す圢容(動)詞で衚珟するこずは極ありふれたこずだからであるずころで自分の動䜜の結果に察する感情や感芚であっおもそれが予想倖に湧き䞊がっおきた堎合すなわち状態の倉化を衚す堎合は䞍自然ではない぀たり䞻節が動詞であれば蚱容できる衚珟ずなるであろう䟋えば\enumsentence{\label{3}人を殺したので恐ろしくなった}なら䞻語が䞀臎でも䞍䞀臎でもおかしくないさおこのような考察は埓属節の動詞の意志性だけを利甚しお導いおいるしたがっお埓属節の述語が胜動の動詞のみならず䞭動の動詞であっおも意志性のものであれば同じ制玄があるはずである実際䟋文を調べおみるずノデ文では䞭動の動詞の堎合でも意志性がある堎合は䞻語が䞀臎する䟋はない\begin{obs}\label{5}{\dgノデ文の堎合:}埓属節の動詞が意志性であり䞻節の述語が感情ないし感芚圢容(動)詞の堎合は䞻語が䞀臎しないただし䞻節の述語が動詞なら感情や感芚を衚す堎合でも䞻語が䞀臎しうる\end{obs}カラ文では衚12から分かるように埓属節が胜動の動詞あるいは䞭動の動詞で䞻節が圢容(動)詞の䟋が倚数ある䟋えば次のような䞀臎および䞍䞀臎の䟋である\enumsentence{\label{k1}赀ん坊は乳母にな぀いたから倧䞈倫だ}\enumsentence{\label{k2}䜕床远い払っおも぀いお来るから嫌だ}\ref{node-kara}節で述べたようにカラ文は埓属節䞻節ずもその話し手の立堎から評䟡されたものである぀たり䞻語にずっおはあずかり知らない二぀の事象を話し手が原因ず結果ず認識しお発話しおよいわけである䟋えば(\ref{k1})では䞻語である赀ん坊自身が倧䞈倫かどうか関知しおいるこずはこの文で蚀いたいこずではないあくたで原因ず結果ずいう認識は話し手がしたものであるしたがっお圢容(動)詞で蚘述するような静的な状態が䞻節で蚘述されか぀䞻語が䞀臎しおもよくなるわけであるしかし衚12を芋るず埓属節が胜動の動詞あるいは䞭動の動詞で䞻節が圢容(動)詞の堎合䞻語が䞀臎の堎合8䟋に察し䞍䞀臎の堎合42䟋ず䞍䞀臎が圧倒的に倚い自分自身が䜕かの動䜜をしたこずが理由になっお自分自身を評䟡したり感情を持ったりするずいう状態は考えにくいずいうこずは䞀般的にいえる䞀方自分自身の動䜜でなければそれを評䟡したりそれに察しお䜕らかの感情などを持぀こずはなんら䞍自然ではないよっおカラ文が話し手の芖点から因果性を認識するずいっおも䞻語は䞀臎しにくくなるのであろう\begin{obs}\label{5k}{\dgカラ文の堎合:}埓属節が胜動の動詞あるいは䞭動の動詞であり䞻節が圢容{\rm(}動{\rm)}詞だず䞻語は䞀臎しにくい\end{obs}次の芳察は衚12から盎接埗られたものである\begin{obs}\label{01}カラ文では埓属節が心理を衚す圢容{\rm(}動{\em)}詞の堎合は䞻語が䞀臎しやすい\end{obs}心理は本来䞻芳的であり䞻節の䞻語が他人の心理を読んで䜕かをするずいう事態は考えにくいずいう制限があるず考えられるしたがっおノデ文の堎合は䞻語の䞀臎は圓然予枬されるこずであるが話し手から因果関係を認識するカラ文においおも同様の制限が働いおいるのであろう䟋えば\enumsentence{\label{02}䌚いたいので/から䌚いに出かけた}のような文である衚12より次の芳察も埗られる\begin{obs}\label{10}ノデ文の堎合埓属節が䞍快あるいは吊だず䞻節は胜動あるいは䞭動の動詞である堎合が䞀臎䞍䞀臎のいずれの堎合も倚い\end{obs}䟋えば次のような䟋である\enumsentence{\label{20}苊しいので薬を飲む}この䟋のように䞍快な状態からの脱出するための意志的動䜜をする堎合に察応しおいる堎合が倚いただし埓属節が䞻節の䞻語に䞍快を䞎えおその結果䞻節が「怒る」などの無意志的な動䜜を蚘述する堎合もある実際ここで集めた䟋文を調べおみるず䞻節が意志的な動詞の堎合は䞀臎無意志的動詞の堎合は䞍䞀臎ずいう結果であるしたがっお芳察~\ref{10}を䞀歩進め次の考察が埗られる\begin{kousatu}\label{30}ノデ文では埓属節が䞍快の堎合䞻節が意志的な動詞なら䞻語は䞀臎し䞻節が無意志的な動詞なら䞻語は䞍䞀臎である\end{kousatu}䞻語が䞀臎の堎合は(\ref{20})が䟋文になるが䞍䞀臎の堎合は次のような䟋である\enumsentence{\label{31}盞手がひどく暪柄なのでがくはむっずした}䞀方埓属節が快あるいは良の堎合はその状態から脱出しようずいう意志は働かないので䞻節に意志性の動詞は来にくいず考えられる事実衚12ではこのような組合せの䟋はないただし党く䞍可胜かずいえばそうずも蚀い切れない䟋えば\enumsentence{\label{40}その宿を奜きだったのでもう䞀床泊りに出かけた}のように快あるいは良の状態を続けようないしは繰り返そうずいう堎合がありうる次に埓属節䞻節ずも述語が圢容(動)詞のノデ文に぀いお考えおみる衚12においおはこのようなケヌスは皀である䞀般的に圢容(動)詞は属性や状態を衚すある属性や状態が原因になっお䜕らの倉化もなしに別の属性や状態になるこずはないしたがっお埓属節ず䞻節の双方においお属性や状態が蚘述されるこずは考えにくいわけであるしかし党く䞍可胜ずいうわけではなく䞻語が䞀臎ず䞍䞀臎の䟋ずしお各々\enumsentence{\label{50}私はその手の話には興味がないのでうんざりだ}\enumsentence{\label{60}電車があたりに混雑しおいるので気分が悪い}のような䟋は可胜である実際実䟋でこのタむプの文はこのような䟋であったただしこれで党お尜きおいるずいうわけではなく䞻語が䞀臎の堎合ず䞍䞀臎の堎合に぀いおもう少し现かい分類を芋お考察しおみる必芁があるたず䞀臎の堎合だが同䞀の䞻語が矛盟する感情や評䟡を同時に持぀こずはありえないよっお次の考察が埗られる\begin{kousatu}\label{70}ノデ文では䞻語が䞀臎する堎合埓属節が快あるいは良か぀䞻節が䞍快あるいは吊ずいう組合せはありない同様に埓属節が䞍快あるいは吊か぀䞻節が快あるいは良ずいう組合せはありえない\end{kousatu}\vspace{-0.3mm}このような組合せは収集した䟋文にも存圚しないただし䞻語が䞍䞀臎だずある人にずっおの䞍快は別人(䟋えば敵)にずっおの快ずいう堎合もあるから考察~\ref{70}のような組合せは矛盟ではなく文ずしお可胜である䟋えば\enumsentence{\label{80}同僚のガヌルフレンドがあたりに矎しいので私はねたたしかった}などずいう文が可胜である䞀方カラ文では埓属節が圢容(動)詞によっお䞍快や吊を衚す䟋自䜓がほずんどない感情感芚などを衚す心理的な述語はそもそも䞻芳的であり圓事者(意味圹割ずしおは経隓者)自身の立堎からしか蚘述できないずされおいるカラ文が倖郚の話し手の立堎で蚘述しおいるこずを考えれば埓属節が䞻芳的な快・䞍快を衚す堎合が少ないこずは玍埗できるずころで埓属節が圢容(動)詞で評䟡の堎合䞻語の性質を調べるず次のような芳察が埗られた\begin{obs}\label{90}ノデ文カラ文ずも埓属節が圢容{\rm(}動{\rm)}詞で評䟡だず埓属節䞻語が無情物だず䞻語が䞍䞀臎である\end{obs}䟋えば\enumsentence{\label{92}玛争地域の出匵が倚いから家族が心配する}である埓属節䞻語が無情物ずくになにかの状況だったりするずその結果を被るのはその無情物そのものではなく呚りにいる人物や別の物であるなぜなら無情物は意志的に動䜜しないから無情物の評䟡が同䞀の無情物ぞの別の評䟡なり状態倉化なりを生むずは考えにくいよっお芳察~\ref{90}になるず考えられるこの芳察を少し拡匵しお考えるず埓属節の䞻語が有情物ずくに人間であっおもその動䜜なり様子なりが䞻節の䞻語ないしは話し手から芳察されたような堎合はやはり䞻語が䞀臎しない䟋えば\enumsentence{\label{91}あたりに参加者が倚いので驚いた}のような䟋はかなり倚いこのような䟋は埓属節だけを芋お䞻語の䞀臎䞍䞀臎を予想するこずは難しいが䞻節の動詞が感情を衚す堎合はあおはたる堎合が倚いよっお次のようになる\begin{kousatu}\label{94}埓属節の䞻語が有情物であっおも䞻節が感情を衚す述語の堎合は䞻語は䞀臎しない堎合がある\end{kousatu}実際の䟋文ではノデ文䞻語が䞀臎しない傟向が匷いこずが確かめられたがカラ文では次のような䞀臎の䟋も倚く必ずしもその傟向は芋られない\enumsentence{\label{95}自分のやり方に自信を持っおいるから他人の非難は気にならない}これもやはりノデずカラの意味の差によるず考えられる぀たりノデ文では䞻節䞻語が埓属節の事態を芳察しお䞻節に蚘述される感情を持぀わけだから䞻語は䞀臎しにくい䞀方カラ文では埓属節ず䞻節の因果関係は話し手の認識によるしたがっお䞻節の䞻語がある感情を持ったこずが実は䞻節の䞻語が埓属節の事態を芳察したこず以倖の経隓から埗られたものでも話し手が䞡者を因果関係にあるず認識しさえすればよいよっお䞻語が䞀臎しおも䞍郜合はないなおこれらの衚には珟れおいないが実際の䟋文においおノデ文には無意志の胜動の動詞(IPALの意志性による分類の1および2)は珟れないしかし実際には次のような䟋が可胜であろう\enumsentence{前回の詊合で勝ったので敵を䟮っおしたった}この䟋は䞻語が䞀臎しおいるが䞍䞀臎の䟋も容易に䜜れるよっお胜動の動詞の無意志性は今のずころ決定的な芁因ずは蚀えない\subsection{䞻節および埓属節の述語が動詞の堎合}前節の衚12から䞻節埓属節ずも動詞の堎合が非垞に倚いこずが分かるそこでこの節では䞻節埓属節ずも述語が動詞の堎合に぀いお怜蚎する動詞の分類は第~\ref{section3}節で述べた意味的分類を利甚するたた意志性に係わる芳察に぀いおは適宜説明しおいく以䞋の衚34に䟋文の分垃を瀺す\begin{center}\frame{\parbox{5mm}{\centering\shortstack{埓\\属\\節}}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|c|c|}&\multicolumn{9}{c}{䞻節}\\\hline&\makebox[7mm]{存圚}&\makebox[7mm]{関係}&\makebox[7mm]{単玔}&\makebox[7mm]{抜象}&\makebox[7mm]{動き}&\makebox[7mm]{生理}&\makebox[7mm]{知芚}&\makebox[7mm]{蚀語}&\makebox[7mm]{他}\\\hline\hline存圚所有&&&&1/0&1/3&&1/2&&1/0\\\hline関係認定&&&&&1/0&&&&\\\hline単玔状態&&&0/1&1/0&1/1&&1/0&&\\\hline抜象的関係&&&&1/0&0/2&&2/0&&\\\hline動き&&&&&5/14&1/2&1/8&0/2&\\\hline生理&&&&&0/1&&1/0&1/0&\\\hline知芚心理&&&&&6/4&2/0&7/6&2/1&\\\hline蚀語掻動&&&&&&&&&\\\hlineその他&1/0&&&&2/2&&1/0&1/0&0/1\\\end{tabular}}\\ノデ文合蚈42䟋/カラ文合蚈52䟋\\衚3䞻節埓属節ずも動詞であり䞻語が䞀臎する堎合の分垃\\\end{center}\vspace{2zh}\begin{center}\frame{\parbox{5mm}{\centering\shortstack{埓\\属\\節}}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|c|c|}&\multicolumn{9}{c}{䞻節}\\\hline&\makebox[7mm]{存圚}&\makebox[7mm]{関係}&\makebox[7mm]{単玔}&\makebox[7mm]{抜象}&\makebox[7mm]{動き}&\makebox[7mm]{生理}&\makebox[7mm]{知芚}&\makebox[7mm]{蚀語}&\makebox[7mm]{他}\\\hline\hline存圚所有&&&1/2&0/1&3/9&&4/5&0/2&0/3\\\hline関係認定&&&&0/1&0/1&&&&\\\hline単玔状態&1/0&&&&&&1/1&&\\\hline抜象的関係&0/1&0/1&&&1/2&&4/2&2/2&\\\hline動き&0/2&1/0&1/2&4/1&8/31&&8/7&1/6&4/3\\\hline生理&&&&&&&1/0&&\\\hline知芚心理&0/1&&0/1&0/1&1/2&0/1&0/3&0/1&1/1\\\hline蚀語掻動&&&&&5/1&2/0&4/5&2/1&0/1\\\hlineその他&1/0&&&0/1&3/8&&1/1&0/3&0/2\\\end{tabular}}\\ノデ文合蚈65䟋/カラ文合蚈120䟋\\衚4䞻節埓属節ずも動詞であり䞻語が䞍䞀臎の堎合の分垃\\\end{center}なお衚34で「動き」ずいう欄は意味玠性が移動ずりわけ出発垰着出珟発生蚭眮離脱着脱接觊加力および消滅生産もようがえの党郚をたずめたものであるたた「知芚心理」は知芚および心理ずいう意味玠性をたずめたものであるたず埓属節が存圚所有の堎合に぀いお説明する衚34には盎接珟れおいないがノデ文の䞍䞀臎の堎合8䟋すべおおよびカラ文の䞍䞀臎の堎合22䟋䞭21䟋は「ある」「いる」ずいう動詞である䟋えば次のような䟋である\enumsentence{\label{1001}䌚議があるので出かけた}\enumsentence{\label{1002}先客がいるのでがくは倖で埅っおいた}(アスペクト蟞である「おいる」「おある」ではなく本動詞の「いる」「ある」である)䞀方ノデ文では䞀臎の堎合は「ある」「いる」は党く珟れず「持぀」などの意志性を持ち埗る動詞であるたたカラ文では䞀臎の5䟋䞭4䟋が「ある」1䟋が「持぀」であったこの結果に぀いお少し考察しおみる「ある」の堎合通垞䞻語は有情物特に人間にはならないしたがっお䞻節䞻語が人間なら明らかに䞻語は䞍䞀臎になるただし䟋倖ずしお「子䟛がある」のような衚珟があるしかしこの堎合も䞋蚘の「いる」の堎合ず同じ理由で䞻語は䞀臎しないでは䞻節埓属節ずも同じ無情物でありうるかどうかに぀いお考えおみる石や本などの無情物がある堎所にあるこずが原因になっおそれ自䜓の状態倉化を匕き起こせるかどうかずいう問題であるこれは実際には可胜であっお䟋えば\enumsentence{\label{100}その食物は長い間冷蔵庫の倖にあったので腐った}などは可胜であるしたがっお䞍䞀臎は䞻節の䞻語が有情物の堎合に限られるであろう次に「いる」だがこれは明らかに有情物しか䞻語にならない䞻節の䞻語が無情物なら明らかに䞻語は䞍䞀臎だから䞻節の䞻語も有情物の堎合に぀いお考察すればよい䞻節の䞻語がその耇文が蚘述する状況に身を眮くのは自明であるしたがっおもし䞻語が䞀臎し埓属節で「いる」が䜿われるず䞊蚘の蚘述された状況に身を眮くずいう自明のこずをわざわざ埓属節で述べ立おるこずになり明らかに冗長であるのみならず原因を瀺す埓属節はなんの情報も䞎えおいないこずになるよっお䞻語は䞀臎しないずいう結論が埗られる䞊蚘の考察をたずめた次の考察は有甚であろう\begin{kousatu}\label{110}~\\1.埓属節の動詞が「ある」の堎合䞻節が有情物なら䞻語は䞀臎しない\\2.埓属節の動詞が「いる」の堎合䞻語は䞀臎しない\end{kousatu}衚から明らかに読みずれるノデ文における芳察ずしお次のものがある\begin{obs}\label{120}ノデ文の堎合埓属節が知芚思考あるいは心理を衚す動詞だず䞻語が䞀臎しやすい\end{obs}䟋えば次のような䟋がありうる\enumsentence{\label{121}がくはそのこずを知らなかったのでびっくりした}知芚思考心理などは本来䞻語の内的な状態でありそれを倖郚から芳察する特殊な状況がなければ知芚思考心理などの䞭動の動詞で衚される状態を経隓した人自身がそれを理由に䜕らかの動䜜なりをするずいうのが普通であろうしたがっお芳察~\ref{120}は䞀般的に成立するず考えおも良いただし知芚などを倖郚から芳察可胜ずする蚀語的衚珟ずしおは「そうだ」などの様盞の助動詞がありこのような堎合は芳察~\ref{120}の䟋倖ずなる䟋えば\enumsentence{\label{125}じっくり考えおいるそうなので我々ももう少し埅ずう}たた知芚の堎合䞻語が知芚の䞻䜓でない「芋える」「聞こえる」のような動詞がありこの堎合も䞻語の䞀臎ずいう点からは䟋倖である䟋えば\enumsentence{\label{122}がくはあこがれの倧陞が芋えたので感激した}ただし文法的なガ栌でなく知芚の䞻䜓を問題にするなら芳察~\ref{120}に類䌌の傟向が成立するしたがっおより掗緎するず次の方がよい\begin{kousatu}\label{123}埓属節が知芚思考あるいは心理を衚す動詞だず埓属節における知芚思考などの心理状態の䞻䜓{\rm(}意味圹割ずしおは経隓者栌{\rm)}が䞻節の䞻語に䞀臎する\end{kousatu}この芳察に぀いおは\cite{䞭川ので95}に詳しく述べられおいるなおカラ文の堎合は芳察~\ref{120}自䜓がノデ文の堎合ほど明確に成立しない぀たり埓属節の文法的ガ栌が知芚・思考の䞻䜓でない(\ref{122})のタむプの䟋が倚いもちろん埓属節の経隓者栌に泚目した考察~\ref{123}には倚くの䟋が圓おはたるがカラ文の堎合この考察にも反する次のような䟋が存圚する\enumsentence{\label{k121}圌らがやらないから私がやった}これらのこずはノデ文に比べおカラ文のほうが埓属節の事態を話し手の立堎からより客芳的に蚘述しおいるこずの珟れであろう぀たり本来䞻芳的な知芚などの心理的経隓をより客芳的に蚘述した堎合はカラ文を䜿うずいうこずであろう䞀方埓属節が蚀語掻動の堎合は次のような芳察が埗られる\begin{obs}\label{130}ノデ文カラ文の双方においお埓属節が蚀語掻動を衚す動詞だず䞻語は䞍䞀臎である\end{obs}䟋えば\enumsentence{\label{131}知らないず蚀ったのでそれ以䞊远求しなかった}本来蚀語掻動は倖郚に珟れる事象でありか぀他人を意識したものだから倖郚からの芳察可胜性が高く䞍䞀臎ずなるただし䟋倖的ケヌスずしお自分の発蚀を埌から振り返るような堎合は䞀臎するこずもできる䟋えば\enumsentence{\label{132}たずいこずを蚀ったので埌悔しおいる}では䞻語が䞀臎しおいるたた将来の発蚀を予想しおの文\enumsentence{\label{150}明日は長い時間しゃべるので今日は早めに䌑む}でも䞻語が䞀臎しおおりこれらは芳察~\ref{130}の䟋倖である次に埓属節で移動などを含む「動き」が蚘述されおいる堎合に぀いお怜蚎するこの堎合も蚀語掻動ず同じように考えられる぀たり「動き」も動䜜であるこずからしお倖郚に珟れる事象であり倖郚からの芳察可胜性が高いので蚀語掻動ず同じような傟向を瀺すず予想されるただし「動き」の堎合蚀語掻動ず異なるのは必ずしも他人を意識した動䜜だけではない点であるしたがっお䞻語の䞀臎は蚀語掻動ほど匷い制玄ではないず考えられるただしノデ文に限っおは集めた䟋文では䞻語が䞀臎する堎合5䟋は党お埓属節がタ圢であり䞻節ず埓属節の時刻が異なるよっお次のような芳察ずなる\begin{obs}\label{140}ノデ文では埓属節が動きを衚す動詞で䞻語は䞀臎だず過去圢{\rm(}タ圢{\rm)}である\end{obs}䟋えば次のような䟋がありうる\enumsentence{\label{141}朝早く出発したので昌のうちに到着した}ただし䞍䞀臎も党く䞍可胜ずいうわけではなく\enumsentence{\label{142}あたりにたくさんの人が来たので驚いた}のような䟋も䜜䟋できるカラ文では䞻語が䞍䞀臎の堎合の過去圢15䟋非過去圢33䟋䞻語が䞀臎の堎合の過去圢10䟋非過去圢15䟋で特段の傟向は芋られないしたがっおこのような珟象に関しおはノデ文ずの差が際だっおいる次に芳察~\ref{140}に関しお埓属節が動䜜動詞の堎合の時制の圱響に぀いお考察しおみる䞻節の䞻語が埓属節の衚す事態を知芚あるいは感芚し評䟡しおからそれに察応する行動を起こすしたがっお䞻節䞻語ず埓属節䞻語が䞀臎しおいる堎合は埓属節で蚘述された自分の自身の動䜜を評䟡する時間が必芁であるよっお埓属節の参照時刻は䞻節の参照時刻より以前になる日本語では埓属節のタ圢は䞻節の時刻より以前であるこずを瀺すよっお埓属節はタ圢になるのが䞀般的であるしかし次のような䟋文もある\enumsentence{アメリカぞ留孊するので/から英語の勉匷をした}この堎合でも留孊が決たったのは英語の勉匷をするより以前であるカラ文で埓属節が非過去圢で䞻語が䞀臎するのはこのようなタむプの文が倚いこの文のように䞻節ず埓属節の時刻の差は衚局だけからは分からないから䞊蚘の時制の圱響の分析を機械的に利甚するこずは困難であるもちろん䞍䞀臎なら䞻節ず埓属節の時刻に぀いお特に制玄はない \section{おわりに} 以䞊この論文では実䟋文の調査から埗られた芳察に蚀語孊的考察を加えるずいう方法で順接耇文の䞻節ず埓属節の䞻語の共参照関係に関するいく぀かの芳察を提案したこの芳察は蚈算機䞊ぞ日本語理解システムを䜜る際に耇文の省略された䞻語の指瀺察象を同定する堎合に盎接圹立぀蚀語孊的知識であるただしこのような応甚を考えるに圓たっおは考慮すべき問題点がいく぀かあるのでここではそれに぀いお述べる最埌にここたで述べおきたような研究をするにあたっおIPALの蟞曞を利甚する堎合の問題点に぀いお述べる動詞の意志性を利甚した分析を行ないこれはかなり有力であるこずが分かったしかし意志性の有無は1,2,3bタむプなら衚局の語圙から機械的に刀断できるが倚数存圚する3aタむプは意志無意志䞡方の可胜性があるので人手で刀断しなければならなかった意志性は文脈䟝存的である郚分も倚く自動的な刀定が難しいよっお機械的な凊理においおは倧きな問題になる次に問題であったのは倚数存圚するサ倉動詞の意味分類をどのように扱うかである動詞性接尟蟞スルだけでは意味分類を決定できないのでここではサ倉動詞を構成する名詞の意味分類によっお人手で刀断したこれは名詞の意味分類を蚘述した蟞曞が敎備されれば機械的にできるようになるであろうなお今回の分析では動詞句を構成しうる様盞助動詞クレルダルなどの芖点に関する衚珟に぀いおは考慮しなかったこれらに぀いおは\cite{䞭川動機95}においお䞻語の共参照関係にどのように圱響するかに぀いお分析しおいるが今回の述語の意味に基づく分析ずどのように関係するかたた共参照関係の決定ぞの寄䞎がどちらがどの皋床の割合かなどを怜蚎する必芁があるこのような怜蚎を経お順接耇文の理解システムの基本的蚭蚈を行なっおいくこずが今埌の課題ずしお重芁である\vspace*{7mm}\acknowledgment䟋文の収集および統蚈凊理に尜力しおくれた暪浜囜立倧孊の朚村啓䞀君俵正暹君山本恵理子さんに感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䞭川裕志}{1953幎生1975幎東京倧孊工孊郚卒業1980幎東京倧孊倧孊院博士課皋修了工孊博士珟圚暪浜囜立倧孊工孊郚電子情報工孊科教授自然蚀語凊理日本語の意味論・語甚論などの研究に埓事日本認知科孊䌚人工知胜孊䌚などの䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V26N01-01
\section{はじめに} \label{sec:intro}Universal\Dependencies\(UD)\\cite{mcdonald:2013}は蚀語間で共通のアノテヌション方匏を甚いお倚蚀語の構文構造コヌパスツリヌバンクを開発する囜際プロゞェクトである倚蚀語の構文構造コヌパスを構築する詊みはこれたでにも行われおいるが蚀語ごずに独自のアノテヌション方匏アノテヌション察象タグラベルなどが定矩されおいた\cite{hajivc-EtAl:2009:CoNLL-2009-ST}UDは党おの蚀語で共通のアノテヌション方匏を甚いるため異なる蚀語間の構文的察応関係が明瀺的に蚘述されるしたがっお倚蚀語構文解析噚の開発構文解析噚を甚いた倚蚀語アプリケヌションの凊理の共通化\cite{udpipe:2017}コヌパスを甚いた蚀語間比范\cite{noji:2015}などさたざたな研究開発に利甚されおおりさらに2017幎ず2018幎には囜際䌚議においお構文解析のsharedtaskが行われた\cite{zeman2017conll,udst2018:overview}2018幎6月珟圚玄60の蚀語で100以䞊のコヌパスが開発・公開されおおり囜際的には構文解析研究においおもっずも重芁なプロゞェクトの䞀぀ず認識されおいる日本語構文解析やその応甚の研究を囜際的な研究の俎䞊に茉せ囜際的な研究の流れに取り残されないようにするためにはUDに基づく日本語コヌパスの敎備が必須であるUDでは品詞UniversalPOSTags;以降はUPOSず衚蚘する\cite{petrov:2012:lrec}や䟝存関係ラベル(UniversalTypedDependencyRelation)があらかじめ定矩されおおり党おの蚀語のコヌパスはこれに埓ったアノテヌションを行うこずが求められるしかし\ref{sec:japanese}節以降で瀺すようにUDの仕様を各蚀語に適甚する際にタグやラベルが䞀意に決定できない事象が倚数存圚しUPOSや䟝存関係ラベルで各蚀語の実際のテキストデヌタをどのようにアノテヌトすべきかは自明でない日本語も䟋倖ではなく珟圚のUDの定矩を適甚するためには日本語の構文構造の特性や他の蚀語ずの察応関係を考慮しながら日本語甚のアノテヌション仕様を定矩する必芁がある著者らはUDにおいお日本語コヌパスを開発するこずを目指しお品詞および䟝存関係ラベルの仕様を策定しUDぞの自動倉換に必芁な蚀語資源を敎備し既存の日本語コヌパスをUDに準拠したコヌパスに倉換するプログラムの開発を進めUDずしおの正解デヌタの構築に努めおきたこのような努力にもかかわらず珟圚たでに開発しおきたデヌタは仕様の策定・倉換元の蚀語資源の敎備・倉換プログラムのいずれかに問題があるためにUDの仕様に完党に則したものに至っおいない残された問題に぀いおは定量的に評䟡するこずは困難であるが発芋次第仕様の倉曎・必芁な蚀語資源の敎備・倉換プログラムの修正を行いながら随時改善を行っおいる本皿ではこれたでに策定した日本語UDの定矩ずそれに至るたでの䞻芁な論点を玹介し特に問題ずなる䞊列構造の扱いに぀いお議論しながら今埌の日本語UDあるいはUD党䜓の改善に぀いお展望を述べるたず\ref{sec:ud}節でUDの抂芁に぀いお解説する\ref{sec:japanese}節ではUDに基づいた日本語の構文アノテヌションを行うための語の単䜍品詞䜓系䟝存構造ラベルの定矩に぀いお述べるしかしながらUD本䜓の仕様が蚀語暪断的に必ずしも敎合しおいないために日本語に適応する䞊で様々な問題がある本皿で述べる定矩に至るたでに䞻ずしお議論されおきた点を\ref{sec:discussion}節にお列挙しながら既存の蚀語資源やツヌルに情報が足りないものやUDの基準を日本語に適甚する際に問題が起きる事象に぀いお定矩を䞎えおいくなお未解決の問題に぀いお網矅的に蚀及するこずは困難であるためコヌパスにおける頻床が倧きい代衚的な問題に぀いおのみ觊れる\ref{sec:coord}節では䟝存構造朚で本質的にそのスコヌプを衚珟できない䞊列構造の扱いに぀いお議論する以䞊の定矩に埓っお開発されたUD日本語版の蚀語リ゜ヌスやその構築の手順や公開の状況を\ref{sec:resources}節にお玹介する\ref{sec:related}節で本皿に散圚する先行研究をたずめる\ref{sec:summary}節で今埌の展望に぀いお述べる \section{UniversalDependencies} \label{sec:ud}UniversalDependencies(UD)\cite{mcdonald:2013}は蚀語間で共通した構文構造アノテヌションを甚いた倚蚀語コヌパスの開発を目指しおいるデヌタ構造やアノテヌション䜜業を単玔化するためたたくだけた文や特殊な構造に察しお頑健にするために句構造(phrasestructure)ではなくすべおの構文構造を語の間の䟝存関係ず関係ラベルで衚珟する方針(lexicalism)を採甚しおいる語の品詞䜓系はGoogleUniversalPart-of-speechTags\cite{petrov:2012:lrec}を語の玠性はIntersetinterlinguaformorphosyntactictagsets\cite{Zeman2008}を䟝存関係ラベルはUniversalStanfordDependencies\cite{demarneffe:2014:LREC}を基ずし蚀語暪断性を高めるためにタグ・ラベルの統廃合が行われおいるなお党蚀語で共通の品詞や䟝存関係ラベルは固定されおいるが蚀語固有の珟象䟋えば栌暙識などを蚘述するための拡匵が認められおおり蚀語暪断的な情報を保ちながら蚀語固有の詳现なアノテヌションが可胜ずなっおいる品詞タグや䟝存関係ラベルの蚭蚈は必ずしも蚀語類型論などの蚀語孊に基づいおはおらずアノテヌションのしやすさやアプリケヌションでの利甚しやすさを考えおボトムアップに策定されおいるUDの基本理念を衚すものずしお以䞋の6぀の項目が瀺されおいる\cite{UDgithub}\renewcommand{\labelenumi}{}\begin{enumerate}\itemUDneedstobesatisfactoryonlinguisticanalysisgroundsforindividuallanguages.\itemUDneedstobegoodforlinguistictypology,i.e.,providingasuitablebasisforbringingoutcross-linguisticparallelismacrosslanguagesandlanguagefamilies.\itemUDmustbesuitableforrapid,consistentannotationbyahumanannotator.\itemUDmustbesuitableforcomputerparsingwithhighaccuracy.\itemUDmustbeeasilycomprehendedandusedbyanon-linguist,whetheralanguagelearneroranengineerwithprosaicneedsforlanguageprocessing.Werefertothisasseekingahabitabledesign,anditleadsustofavortraditionalgrammarnotionsandterminology.\itemUDmustsupportwelldownstreamlanguageunderstandingtasks(relationextraction,readingcomprehension,machinetranslation,
).\end{enumerate}[1],[2]は蚀語孊的知芋を重芖するものであるが[3]--[6]は工孊的あるいは応甚的芖点からの芁請である各項目はそれぞれ劥圓な䞻匵であるがトレヌドオフの関係にありこれら党おを完党に満たすのは珟実的ではない実際にUDに基づく各蚀語のコヌパスを開発する際にはUDのアノテヌション方匏を各蚀語に適甚するための仕様を個別に策定する必芁がありその際にさたざたなトレヌドオフが存圚する日本語コヌパスを開発しおきた過皋でも倚くの蚀語珟象に぀いお問題点が芋぀かっおおり\ref{sec:discussion}節以降ではこれらの問題点を重点的に議論するUDの開発はコミュニティ駆動方匏が採られおおり各コヌパスの開発はボランティアに委ねられおいるアノテヌション方匏やコヌパス開発方法に関する議論は䞻にGitHub\cite{UDgithub}で行われおおりアノテヌション仕様や開発されたコヌパスさたざたな議論はすべおGitHub䞊で公開されおいるUDのアノテヌション方匏やプロゞェクトの進め方は珟圚も発展途䞊であり掻発な議論が続けられおいる以䞋ではUDで定矩されおいる語品詞䜓系䟝存関係ラベルに぀いお解説するなおUDには耇数のバヌゞョンが存圚するが本皿では2017幎以降の暙準であるUniversalDependenciesversion2に぀いお玹介する\subsection{語ず品詞䜓系}\label{subsec:pos}UDでは構文構造を衚すために単語間の䟝存関係を甚いるためアノテヌションの単䜍は「語」ずなるUDのアノテヌション仕様ではアノテヌション察象は\emph{構文的な語}(syntacticword)ずするこずが定められおおり分かち曞きにより瀺される\emph{正曞法的な語}(orthographicword)ずは必ずしも䞀臎しない䟋えば音韻的に融合したトヌクンフランス語の`au'などは構文的な語(`\`a'`le')に分解するこずが求められおいるただし構文的な語の定矩は述べられおおらず日本語のように語境界が明瀺されない蚀語における定矩は自明でないこの問題に぀いおは\ref{sec:japanese}節で詳述する\begin{table}[t]\caption{UniversalPOSTagsversion2の17皮の品詞タグセット}\label{tab:pos}\input{01table01.tex}\end{table}党蚀語の品詞を集玄するための䜓系ずしお衚~\ref{tab:pos}に瀺す17皮の品詞(UniversalPOSTagsversion2;UPOS)が定矩されおいる英語の堎合PennTreebankのタグずの察応付けをもっお品詞タグの定矩ずしおおり䟋えば\utag{ADJ}はPennTreebankにおける\utag{JJ}圢容詞,\utag{JJR}比范玚圢容詞\utag{JJS}最䞊玚圢容詞ず定矩されおいる衚~\ref{tab:pos}のほずんどは盎感的に理解できるが以䞋のものは泚意を芁する\begin{description}\item[\utag{ADP}]PennTreebankの\utag{IN}前眮詞等のうち埓属接続詞を陀いたもの\utag{TO}(to)のうち前眮詞ずなるもの\item[\utag{PART}]所有栌の`'s',吊定の`n't',䞍定詞の`to'のみ\item[\utag{CCONJ}]`and',`or'などの等䜍接続詞\item[\utag{SCONJ}]`when',`since'など副詞的に䜿われる埓属接続詞`that'などの補文暙識ず関係代名詞の`that'\item[\utag{AUX}]`can'などのモダリティの助動詞やbe動詞および受動態を瀺す`get'\end{description}UPOSはPennTreebankの品詞䜓系などず比べるずかなり粗い分類であるがこれは党蚀語で匁別が芳察されるカテゎリに限定したためず考えられる実際には各蚀語で品詞の现分類や性・数・時制・栌などの文法的属性が必芁ずなるがこれらは玠性(feature)ずしお別途アノテヌションするこずができるようになっおいる玠性も共通化されたリストが定矩されおいるが党おの蚀語の党おの玠性が網矅されおいるわけではないため蚀語ごずに拡匵するこずが認められおいる玠性は珟圚のずころ日本語コヌパスでは利甚しおいないため説明は省略する\subsection{䟝存関係ずラベル}\label{subsec:label}UDでは䞊蚘の品詞タグが付䞎された2語の間に方向を持った䟝存関係を付䞎しお構文構造を蚘述する文の䞻蟞({\sfroot})以倖の語はいずれか1語を修食する圢ずするため文党䜓は朚構造ずなる\begin{table}[p]\caption{UniversalDependenciesversion2の37皮の䟝存関係ラベルセット}\label{tab:dependency_types}\input{01table02.tex}\end{table}衚~\ref{tab:dependency_types}にUniversalDependenciesversion2で定矩されおいる䟝存関係ラベル37皮を瀺す読みやすさのために党ラベルを倧きく3぀のカテゎリに分けた「節レベルの䟝存関係」は䞻語や目的語など述語の項や修食語を衚す䟝存関係であり「名詞句レベルの䟝存関係」は名詞句を構成する修食語や機胜語を衚す䟝存関係であるそれ以倖のものは「その他の䟝存関係」にたずめた\begin{exe}\ex\label{sent:copula}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]He\&is\&a\&good\&teacher\&.\\\utag{PRON}\&\utag{AUX}\&\utag{DET}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{5}{1}{nsubj}\depedge{5}{2}{cop}\depedge{5}{3}{det}\depedge{5}{4}{amod}\deproot[edgeunitdistance=4ex]{5}{root}\depedge{5}{6}{punct}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:copula_ja}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]圌\&は\&良い\&先生\&です\&。\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{AUX}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=1.7ex]{4}{1}{nsubj}\depedge{4}{5}{cop}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\depedge{4}{6}{punct}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:copula_ru}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ОМ\&хПрПшОй\&учОтель\&.\\``He''\&``good''\&``teacher''\&.\\\utag{PRON}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{amod}\deproot{3}{root}\depedge{3}{4}{punct}\end{dependency}}\end{exe}UDの特城の䞀぀ずしお機胜語ではなく内容語を䞻蟞ずするこずが挙げられるしたがっお䟝存関係は内容語どうしあるいは内容語から機胜語の間に限られ原則ずしお機胜語間や機胜語から内容語ぞの䟝存関係は存圚しない\footnote{䟋倖ずしお\dt{flat}や\dt{goeswith}など非統語的関係を衚す際に機胜語間に䟝存関係を匵るこずがある}䌝統的な統語論では機胜語を䞻蟞ずする理論が䞻流であるためこのアノテヌション方匏には批刀もあるがこれにより栌を明瀺する蚀語ずしない蚀語でほが同じ䟝存構造朚で蚘述される述語項関係が盎接の䟝存関係で蚘述されるずいった利点があり蚀語暪断性や工孊的利点を重芖した遞択であるず蚀える兞型的な䟋ずしおコピュラ文の䟝存構造を(\ref{sent:copula}),(\ref{sent:copula_ja}),(\ref{sent:copula_ru})に瀺す英語UDの䟋(\ref{sent:copula})では`teacher'を䞻蟞(\dt{root})ずし`he'ず`teacher'の間に盎接の䟝存関係を付䞎するbe動詞を䞻蟞`he'ず`teacher'はそれぞれbeの䞻語ず補語ず捉える埓来の考え方ず異なるがこれにより日本語(\ref{sent:copula_ja})やコピュラを持たないロシア語(\ref{sent:copula_ru})などず内容語の䟝存構造を共通化できる䟋(\ref{sent:auxiliary})では`Ivan'は助動詞`will'ではなく本動詞`give'の䞻語ずしお\dt{nsubj}が付䞎されおいる前眮詞`to'を䌎う`Anna'は\dt{obl}で盎接`give'を修食し`to'は`Anna'の子ずなるこれにより述語ずの䜍眮関係で栌を衚珟する英語埌眮詞で栌を瀺す日本語(\ref{sent:auxiliary_ja})\footnote{ニ栌の扱いに぀いおは\ref{sub:issue_case}節に瀺す}名詞が栌倉化するロシア語(\ref{sent:auxiliary_ru})の間で内容語間の䟝存関係が同䞀のアノテヌションずなる\footnote{䜆し英語のtoAnnaは前眮詞を䌎うため斜栌(\dt{obl})ずなるなど蚀語間で完党な䞀臎が取れるずは限らない}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]Ivan\&will\&give\&a\&book\&to\&Anna\\\utag{PROPN}\&\utag{AUX}\&\utag{VERB}\&\utag{DET}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{PROPN}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{aux}\deproot{3}{root}\depedge{5}{4}{det}\depedge{3}{5}{obj}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{3}{7}{obl}\depedge{7}{6}{case}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary_ja}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]むノァン\&は\&本\&を\&アンナ\&に\&あげる\&だろう\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=2ex]{7}{1}{nsubj}\depedge{1}{2}{case}\depedge[edgeunitdistance=2ex]{7}{3}{obj}\depedge{3}{4}{case}\depedge{7}{5}{iobj/obl}\depedge{5}{6}{case}\deproot[edgeunitdistance=3.5ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\end{dependency}}\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:auxiliary_ru}\atcenter{\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ИваМ\&буЎут\&Ўать\&кМОгу\&АММе\\``Ivan''-NOM\&-FUT\&``give''\&``book''-ACC\&``Anna''-DAT\\\utag{PROPN}\&\utag{AUX}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{PROPN}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{2}{aux}\depedge{3}{4}{obj}\depedge{3}{5}{iobj}\deproot{3}{root}\end{dependency}}\end{exe} \section{日本語UDの定矩} \label{sec:japanese}本節ではUDの基準を日本語に適甚しどのように既存の蚀語資源やツヌルから倉換するかに぀いおの原則を定矩する具䜓的には以䞋のような方針で日本語UDアノテヌションの定矩を䞎える\begin{itemize}\item既存の蚀語資源から倉換芏則に基づいお生成する\item語の単䜍は囜語研短単䜍埌述を基本ずする\itemUDの品詞ラベルはUniDic品詞䜓系からの倉換により定矩する\item䟝存関係ラベルは既存の蚀語資源に含たれる情報から䞀意に決められる範囲で芏定する\end{itemize}UDは蚀語暪断で共通のアノテヌション方匏であるこずから各蚀語の䌝統的なアノテヌションずは異なる郚分が倚い各蚀語の䌝統的なアノテヌションにおいお耇数のラベルで識別される蚀語珟象がUDにおいお1぀のラベルに割り圓おられる堎合UDのアノテヌションでは隠蔜されおしたう可胜性があるたたアノテヌションの基準に慣れおいない初期の段階では人手によるUDのアノテヌションでは䞀貫性を保぀こずが困難になるず予想されるさらにUD本䜓のアノテヌション仕様にたびたび修正が行われるためにある特定の蚀語のUDのアノテヌションを䞀から行うこずは困難であるず考えられるこのような理由から日本語UDの蚀語資源を構築するにあたっおは工数をかけお人手により盎接アノテヌションを行う\footnote{倧芏暡なツリヌバンクの構築には倚倧な幎数を芁する䟋えばBCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}は構築には9幎を芁した}よりも既存のコヌパスの構文構造を掻甚しおUDのアノテヌション方匏に適合するように倉換するこずが珟実的である日本語UDのデヌタの敎備においおは既存の蚀語資源やツヌルの出力からの倉換が可胜であるこず䞀貫性を保持するこずを意識しながら語の単䜍の問題品詞䜓系䟝存構造ラベルの蚭蚈を進めたこれらは頻床・慣習・事埌の扱いやすさに基づいお決定したものでありUD本䜓の基準が曖昧なもの・既存の蚀語資源やツヌルの出力においお情報が足りないもの・倉換プログラムの䞍敎合による問題点を有するこれらの䞀郚に぀いおは4節・5節で蚀及する\subsection{語の定矩}\label{sub:issue_word}日本語は空癜による明瀺的な語の境界を持たないため{\bf語}(word)の区切りはUDのアノテヌションを䜜成する䞊で非垞に重芁である日本語UDを考えるにあたっおそもそも語ずは䜕であるかずいった議論を避けるずずもに既存の蟞曞やコヌパスをUDの圢匏に自動倉換できるこずを目指しUniDic\cite{den:2008:lrec,ogura:2011:book}の語圙項目すなわち『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014-LRE}の囜語研短単䜍を単語ずする方針ずした珟圚のずころ党おの日本語UDの蚀語資源は囜語研短単䜍に基づいたものになっおいる語の単䜍ずしお怜蚎されたものを知るためにBCCWJで芏定されおいる囜語研短単䜍(\ref{sent:SUW})・長単䜍(\ref{sent:LUW})・文節単䜍(\ref{sent:BUNSETSU})の違いをUDのアノテヌションに基づいお付䞎した䟝存構造ずずもに瀺す䟋文䞭単語を囲む角䞞四角は文節単䜍を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:SUW}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜\&・\&北京\&倧\&に\&留孊\&し\&、\&垰囜\&埌\&に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{PUNCT}\&\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{PUNCT}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=5ex]{12}{root}\wordgroup{1}{1}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{8}{*}\wordgroup{1}{9}{11}{*}\wordgroup{1}{12}{12}{*}\depedge{4}{1}{compound}\depedge{4}{2}{punct}\depedge{4}{3}{compound}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{4}{iobj}\depedge{6}{7}{aux}\depedge{6}{8}{punct}\depedge[edgeunitdistance=3.0ex]{12}{6}{advcl}\depedge{10}{9}{compound}\depedge{12}{10}{obl}\depedge{10}{11}{case}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研短単䜍(SUW)BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:LUW}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜・北京倧\&に\&留孊し\&、\&垰囜埌\&に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{PUNCT}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=5ex]{7}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{7}{*}\depedge{3}{1}{iobj}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{punct}\depedge[edgeunitdistance=3.0ex]{7}{3}{advcl}\depedge{7}{5}{obl}\depedge{5}{6}{case}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研長単䜍(LUW)BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{sent:BUNSETSU}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]䞭囜・北京倧に\&留孊し、\&垰囜埌に\&出産\\\utag{PROPN}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot[edgeunitdistance=3ex]{4}{root}\wordgroup{1}{1}{1}{*}\wordgroup{1}{2}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{2}{1}{iobj}\depedge{4}{2}{advcl}\depedge{4}{3}{obl}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【囜語研文節単䜍BCCWJ:PN1c\_00001を䞀郚改倉】\end{exe}\ref{sec:ud}~節で瀺した通りUDの仕様ではアノテヌションの単䜍は{\bf構文的な語}(syntacticword)に基づくずされおいる統語的に独立し音韻的に他の語に䟝存する接語(clitic)たでを語ずしお扱うずしおいるが実務䞊は統語的にも音韻的にも他の語に䟝存する接蟞affix,語の䞀郚ずの区別が問題ずなる空癜による分かち曞きがされず語が単䜍が確立しおいない日本語においおはUDの立堎に則る圢で圢態ず音韻ず統語の境界を芏定するこずは難しい囜語研の単䜍認定においおは「日本囜語倧蟞兞」を兞拠ずし囜語研最小単䜍の同ラベルの1回たでの結合による囜語研短単䜍を芏定しおいる他に音韻的な単䜍ずしお囜語研䞭単䜍を文節盞圓を構成する単䜍ずしお囜語研長単䜍を芏定しおいる囜語研短単䜍は斉䞀性を担保のため単語よりも短い圢態玠を解析の単䜍ずするが接語ず接蟞の区別は掻甚圢ずしお扱うか助動詞ずしお扱うかずしおのみ芏定しおいる䟋えば囜語研短単䜍は意志を衚す「う」「よう」は掻甚圢ずしおいる囜語孊や日本語を察象ずする蚀語孊では蟞曞の線纂そのものが語の単䜍認定に盞圓し語の単䜍に぀いお研究論文ずしお蚀及しおいるものは少ない構造䞻矩的芳点から日本語の構文的な語を芏定した事䟋\cite{Hattori:1960fuzoku,Miyaoka:2015go}がありたたグレゎリヌ・プリングルによるブログ蚘事\footnote{www.cjvlang.com/Spicks/udjapanese.html}は日本語UDにずっお適切な単䜍に぀いお詳现に議論しおいるしかしながらこれらの語の芏定は特定の解析噚や蚀語資源に基づいたものではなく芏定もないために実デヌタを構成するためには非珟実的な議論である蚀語類型論のHaspelmath\cite{Haspelmath:FLin2011}は斉䞀な単䜍を蚀語暪断的に芏定するこずは難しいずしおいるさたざたな議論はあるが理想的な語の単䜍を蟞曞により衚珟するか芏則により衚珟するかその双方をどう組み合わせお衚珟するかに぀いおの方法論は確立できおいないその䞭で我々は囜語研短単䜍をUDにおける語ず定めUDの䟝存構造ラベルに芏定されおいない圢態論的な䟝存構造ラベルに぀いお怜蚎を重ねおきた\subsection{日本語の品詞䜓系}\label{subsec:pos_j}英語版のUniversalPoSをPennTreebankの品詞䜓系ずの写像をもっお定矩しおいるのにならい日本語版はUniDic品詞䜓系(Denetal.2008;小怋他2011)\nocite{den:2008:lrec,ogura:2011:book}ずの察応をもずに品詞を定矩する日本語の自然蚀語凊理で䜿われおいる品詞䜓系ずしおIPADIC,JUMAN,UniDic品詞䜓系があるIPADICの品詞䜓系はIPA品詞䜓系をマルコフモデルに基づき圢態玠解析噚に実装するために適応したものであるたたJUMANの品詞䜓系は益岡・田窪の定矩した䜓系に基づいおいる\cite{masuokatakubo}UniDicは短単䜍・長単䜍の2局の単䜍に察しお異なる品詞䜓系を持っおいる䞀぀の立堎は文脈によらず語圙自䜓がずりうる党おの品詞を衚瀺する立堎で囜語研短単䜍がこれに盞圓する䟋えばサ倉名詞「勉匷」には`名詞-普通名詞-サ倉可胜'ずいう品詞が䞎えられるもう䞀぀の立堎は文脈に基づいお統語的な曖昧性を解消する立堎で囜語研長単䜍がこれに盞圓するUDのアノテヌションにおいおは前埌文脈や係り先の品詞を芋ながら囜語研短単䜍に察しお品詞の曖昧性解消を行う倉換芏則に基づきUD品詞ぞの写像を実珟する\ref{sub:issue_pos}~節で瀺す通り文脈に応じおサ倉名詞や圢状詞語幹を動詞や圢容詞ず刀定するこれらの操䜜を工孊的に実珟するために圢態玠解析甚蟞曞UniDicず圢態玠解析噚MeCabにより短単䜍を認定し長単䜍解析噚Comainuなどにより長単䜍を認定する二重圢態玠解析を行っおいる以䞋では日本語のUD品詞タグの定矩を䟋ずずもに瀺す\begin{description}\item[\utag{ADJ}]圢容詞䟋`倧きい'䜆し非自立ずなるものを陀く圢状詞\footnote{圢容動詞・ナ圢容詞などずも呌ばれる}䟋`\underline{豊か}だ'連䜓詞䟋`倧きな'䜆し\utag{DET}ずなるものを陀く\item[\utag{ADV}]副詞䟋`ゆっくり'UniDic品詞における「副詞」に加えお「名詞-普通名詞-副詞可胜」「名詞-普通名詞-サ倉圢状詞可胜」が副詞的に甚いられる堎合\item[\utag{INTJ}]感動詞䟋`あっ'\item[\utag{NOUN}]UniDic品詞における「名詞-普通名詞」「接尟蟞-名詞的」など䟋`パン'䜆し\utag{VERB},\utag{ADJ}ずしお䜿われるものを陀く\item[\utag{PROPN}]UniDic品詞における「名詞-固有名詞」䟋`北海道'\item[\utag{VERB}]動詞䟋`食べ'䜆し非自立ずなるものを陀く・「名詞-サ倉可胜」で動詞の語尟が付いたもの䟋`\underline{食事}する'\item[\utag{ADP}]栌助詞䟋`が'・副助詞䟋`しか'・係助詞䟋`こそ'\item[\utag{AUX}]助動詞䟋`た'・動詞圢容詞のうち非自立のもの䟋`しお\underline{いる}',`食べ\underline{にくい}'\item[\utag{CCONJ}]接続詞䟋`たた'\item[\utag{DET}]UniDicにおける「連䜓詞」の䞀郚䟋`この'`その'`あんな'`どんな'\item[\utag{NUM}]数詞䟋`5'\item[\utag{PART}]「助詞-終助詞」䟋`か'・「接尟蟞」䟋`衝撃\underline{的}だ'\item[\utag{PRON}]代名詞䟋`私'\item[\utag{SCONJ}]「助詞-接続助詞」䟋`お'・「準䜓助詞」䟋`行く\underline{の}が'\item[\utag{PUNCT}]「補助蚘号-句点読点括匧開括匧閉」\item[\utag{SYM}]UniDicにおいお蚘号・補助蚘号のうち\utag{PUNCT}・\utag{X}以倖のもの\item[\utag{X}]UniDicにおいおは空癜\end{description}これらの品詞タグはUniDicの品詞に加えおBCCWJ長単䜍の甚法・係り先品詞などの情報に基づいた倉換芏則により決定する\subsection{日本語の䟝存構造ずラベル}\label{subsec:dep_j}\ref{subsec:pos_j}~節で瀺した品詞ず同様にUDのラベルに基づいお察応する日本語の珟象ず䟋を蚘述しおいく\begin{exe}\ex\label{sent:nsubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]誰\&が\&あなた\&に\&出匵\&を\&呜じ\&た\&の\&です\&か\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{SCONJ}\&\utag{AUX}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge[edgeunitdistance=2.5ex]{7}{1}{nsubj}\depedge{3}{4}{case}\depedge{7}{3}{iobj}\depedge{5}{6}{case}\depedge{7}{5}{obj}\deproot[edgeunitdistance=4ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\depedge{7}{9}{mark}\depedge{7}{10}{aux}\depedge{7}{11}{aux}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{11}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~80】\end{exe}文節内においおは文節内の自立語䞻蟞ず他の構成芁玠ずの関係を定矩する文節間においおは文節間係り受けを各文節間の自立語䞻蟞に代衚させる(\ref{sent:nsubj})においお\dt{nsubj}は䞻栌で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{case}は名詞ず栌助詞の関係を衚す\dt{obj}は「を」で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{iobj}は「に」で係る名詞句䞻蟞ず述語の関係を衚す\dt{aux}は自立語に係る助動詞の関係を衚す\dt{mark}は節暙識を衚しこの䟋では圢匏名詞「の」が節暙識になる\dt{root}は係り受け朚の根を瀺すなお「に」に぀いおは\ref{sub:issue_case}~節で述べる通り間接目的栌盞圓の\dt{iobj}を割り圓おるのか斜栌盞圓の\dt{obl}を割り圓おるのかずいう問題がある\begin{exe}\ex\label{sent:nmod}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]教科\&曞\&の\&指瀺\&の\&ずおり\\\utag{NOUN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\depedge{4}{2}{nmod}\depedge{2}{1}{compound}\depedge{2}{3}{case}\depedge{6}{4}{nmod}\depedge{4}{5}{case}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{6}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~36】\end{exe}(\ref{sent:nmod})においお\dt{nmod}は名詞句䞻蟞から名詞句䞻蟞ぞの修食関係を衚すこの䟋では属栌の栌助詞「の」を介しお\dt{nmod}の関係を結んでいる\dt{compound}は耇合語の内郚構造の関係を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:csubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]高接\&さん\&は\&朝\&早く\&起きる\&の\&が\&苊手\&だ\\\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADV}\&\utag{ADV}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{flat}\depedge[edgeunitdistance=2.0ex]{9}{2}{dislocated}\depedge{2}{3}{case}\depedge{5}{4}{advmod}\depedge{6}{5}{advmod}\deproot[edgeunitdistance=3.0ex]{9}{root}\depedge{6}{7}{mark}\depedge{6}{8}{case}\depedge{9}{6}{csubj}\depedge{9}{10}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{8}{*}\wordgroup{1}{9}{10}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~182】\end{exe}(\ref{sent:csubj})においお\dt{dislocated}は䞻題を衚す「は」が述語に係る堎合に付䞎するが「は」の扱いに぀いおは\ref{sub:issue_case}節においおあらためお議論する\dt{advmod}は連甚修食句に付䞎するなお連甚修食節の堎合には\dt{advcl}を付䞎する\dt{csubj}は節䞻語に付䞎するが基本的には圢匏名詞「の」のみずしおそれ以倖の圢匏名詞「こず」「぀もり」「わけ」「はず」「よう」「もの」などは節䞻語ずみなさず内容語ずしお扱い\dt{nsubj}を付䞎するこの構造に぀いおは\ref{sub:issue_case}~節ず\ref{sub:issue_clause}節で詳しく述べる\begin{exe}\ex\label{sent:obl}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]鈎朚\&さん\&は\&かばん\&から\&曞類\&を\&取り出し\&た\\\utag{PROPN}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge[edgeunitdistance=2.2ex]{8}{2}{nsubj}\depedge{2}{1}{flat}\depedge{2}{3}{case}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{8}{4}{obl}\depedge{4}{5}{case}\depedge{8}{6}{obj}\depedge{6}{7}{case}\deproot[edgeunitdistance=3.2ex]{8}{root}\depedge{8}{9}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{7}{*}\wordgroup{1}{8}{9}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~17】\end{exe}(\ref{sent:obl})においお\dt{obl}は䞻語・目的語以倖の栌芁玠ず述語の関係に付䞎する\begin{exe}\ex\label{sent:ccomp}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]私\&の\&å®¶\&に\&来る\&ず\&蚀っ\&た\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nmod}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{3}{iobj}\depedge{7}{5}{ccomp}\depedge{5}{6}{case}\deproot{7}{root}\depedge{8}{7}{aux}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~185】\end{exe}(\ref{sent:ccomp})においお\dt{ccomp}は補文を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:amod}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]小さな\&力士\&が\&倧きな\&力士\&を\&぀りだし\&た\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{amod}\depedge{2}{3}{case}\depedge[edgeunitdistance=1.7ex]{7}{2}{nsubj}\depedge{7}{5}{obj}\depedge[edgeunitdistance=1.9ex]{5}{4}{amod}\depedge{5}{6}{case}\deproot[edgeunitdistance=3ex]{7}{root}\depedge{7}{8}{aux}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~99䞀郚修正】\end{exe}(\ref{sent:amod})においお\dt{amod}は連䜓詞による連䜓修食を衚す連䜓詞は\dt{amod}を付䞎するが圢容詞は圢容詞節を衚す\dt{acl}を付䞎する詳しくは\ref{sub:issue_clause}節で述べる\pagebreak\begin{exe}\ex\label{sent:fixed}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]私\&に\&ずっ\&お\&倧きな\&励み\&ず\&なっ\&た\\\utag{PRON}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&{AUX}\\\end{deptext}\depedge{8}{6}{obl}\depedge[edgeunitdistance=1.6ex]{8}{1}{obl}\depedge{2}{3}{fixed}\depedge{2}{4}{fixed}\depedge{1}{2}{case}\depedge{6}{7}{case}\depedge{6}{5}{amod}\deproot{8}{root}\depedge{8}{9}{aux}\wordgroup{1}{1}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{7}{*}\wordgroup{1}{8}{9}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【基瀎日本語文法p.~81】\end{exe}(\ref{sent:fixed})においお\dt{fixed}は耇単語機胜衚珟を衚す\begin{exe}\ex\label{sent:appos}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]米囜\&の\&党囜\&箙\&「\&USA\&TODAY\&」\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\&\utag{PROPN}\&\utag{PROPN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{1}{nmod}\depedge{4}{3}{compound}\depedge{4}{7}{appos}\depedge{7}{6}{compound}\depedge{7}{5}{punct}\depedge{7}{8}{punct}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{8}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【BCCWJ:PN1d\_00005】\end{exe}(\ref{sent:appos})においお\dt{appos}は同栌を衚す句読点のほか括匧などにも\dt{punct}を甚いる䞊列に関連するラベル\dt{conj},\dt{cc}に぀いおは\ref{sec:coord}節で述べる\dt{goeswith},\dt{vocative},\dt{list},\dt{parataxis},\dt{dep},\dt{clf},\dt{nummod},\dt{orphan}などに぀いおは割愛するその他日本語で甚いおいないラベルずしお\dt{xcomp},\dt{expl}がある \section{日本語特有の論点} \label{sec:discussion}\ref{sec:japanese}~節で述べた日本語の品詞タグや䟝存関係ラベルを定矩するにあたっおUDの基準を日本語の蚀語珟象に察しお適甚する際に問題ずなった日本語特有の論点に぀いお本節で瀺すたず品詞タグ付䞎における䟋倖凊理に぀いお\ref{sub:issue_pos}節で述べる次に\ref{sub:issue_case}~節では英語等の蚀語ず異なり構文䞊での区別が難しい「栌」に関連する䟝存関係ラベルの付䞎の方法に぀いお述べる\ref{sub:issue_clause}節では同様に䟝存関係ラベルの決定のために重芁ずなる「節」ず「句」の区別に関する議論をたずめるなお本節で議論する蚀語珟象はUD本䜓では明確な定矩が䞎えられおおらず他蚀語での仕様を網矅的に調査するこずも珟実的でないため蚀語暪断的な䞀貫性を保蚌する定矩を䞎えるものではない倉換元デヌタの情報日本語コヌパス内での䞀貫性応甚での䜿いやすさを基準に決められた定矩ず蚀える将来課題ずしお同じ問題を持぀他の蚀語ずの察照を進め蚀語間の䞀貫性を高めるように定矩を修正しおいきたい\subsection{品詞タグの䟋倖凊理}\label{sub:issue_pos}UDにおける品詞タグは構文の䞭での甚法よりも語圙に基づく傟向があり䟋えば英語の動詞がto䞍定詞や動名詞の圢で名詞ずしお振る舞う堎合には\utag{NOUN}でなく\utag{VERB}が甚いられるこれず同様に圢容詞を名詞化する「さ」や名詞を圢容詞化する「っぜい」などの品詞を倉換する接尟蟞を䌎う堎合も(\ref{sent:sa})の䟋に瀺す通り内容語の品詞タグをそのたた甚いるこずずする\begin{exe}\ex\label{sent:sa}\begin{xlist}\ex\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]かわい\&さ\\\utag{ADJ}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\ex\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]動物\&っぜい\\\utag{NOUN}\&\utag{PART}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\end{xlist}\end{exe}この方針により囜語研短単䜍の品詞の分類をUDの品詞タグに倉換するのが原則ずなるがその際に䟋倖的に考慮するこずずなった事象を以䞋に瀺す\subsubsection{サ倉動詞ず圢状詞}UniDic短単䜍の品詞䜓系ではサ倉動詞の語幹は「名詞-サ倉可胜」圢状詞の語幹は「名詞-圢状詞可胜」ずいう品詞になっおおりそれらが名詞ずしお扱われる堎合ず同䞀であるこれらをすべお名詞ずしお扱うこずは甚蚀を栞ずした情報抜出や構文解析たた他の蚀語ずのマッピングの際に支障ずなるず考え日本語UDの品詞タグではこれらが甚蚀ずしお振る舞う堎合にはそれぞれ\utag{VERB}\utag{ADJ}のタグを付䞎し(\ref{sent:suru})のような構造ずした\begin{exe}\ex\label{sent:suru}\begin{xlist}\ex\label{sent:surua}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]勉匷\&する\\\utag{VERB}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{aux}\\\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\ex\label{sent:surub}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]綺麗\&だ\\\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{aux}\\\wordgroup{1}{1}{2}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\end{xlist}\end{exe}サ倉動詞は栌芁玠や副詞などの芁玠を子に持぀ように圓然ながら甚蚀ずしおの振る舞いをするため「勉匷する」を䞀語の\utag{VERB}ずしたいずころであるしかし語の単䜍を囜語研短単䜍で統䞀するずいう原則を重芖しお内容語である「勉匷」の郚分が\utag{VERB}ずなる(\ref{sent:surua})の構造を採甚するに至った圢状詞に぀いおも同様に(\ref{sent:surub})のようになる\subsubsection{補助甚蚀}「走っお\underline{いる}」「来お\underline{ほしい}」の䞋線郚のように䞀般に独立の文節を構成しない補助甚蚀があるこれらはUniDicにおいおそれぞれ「動詞-非自立可胜」「圢容詞-非自立可胜」ずいった品詞が割り圓おられおおり短単䜍の品詞ずしおは「私が\underline{いる}」「飲み物が\underline{ほしい}」のような本動詞の堎合ずの区別がない日本語UDにおいおは䟝存構造を単玔にするためにも補助甚蚀は子芁玠を持たない機胜語ずみなしたいそのために\ref{subsec:pos_j}~節で瀺した二重圢態玠解析の結果を参照し自立語でないずみなされた甚蚀には「た」「れる」などの助動詞ず同じ品詞タグ\utag{AUX}を割り圓おた(\ref{sent:iru})の䟋では「いる」を機胜語\utag{AUX}ずみなし「ずっず」の係り先が「いる」である係り受けに亀差が生じるずいう可胜性を排陀した\begin{exe}\ex\label{sent:iru}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]ずっず\&パン\&を\&食べ\&お\&いる\\\utag{ADV}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{4}{1}{advmod}\depedge{4}{2}{obj}\depedge{2}{3}{case}\depedge{4}{5}{mark}\depedge{4}{6}{aux}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{1}{*}\wordgroup{1}{2}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{6}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋】\end{exe}\subsection{栌のラベルず助詞の分類}\label{sub:issue_case}日本語の句構造朚に基づくツリヌバンク\cite{Tanaka-2013}は栌関係や節構造などUDに必芁な統語関係の情報を含んでいるしかしながら日本語の文節に基づく係り受けツリヌバンクの倚くは栌関係などの統語関係の情報を含んでいない以䞋ではその制玄の䞋で䞀貫性を持぀䟝存関係ラベルを割り圓おるための蚭蚈を瀺す䞻語や目的語が語順によっお定たる英語ず異なり日本語は語順に自由床があり栌助詞などが栌を瀺唆するものの係助詞・副助詞が甚いられたり助詞が省略されたりする堎合があり栌芁玠に\dt{nsubj},\dt{obj},\dt{iobj}ずいった䟝存関係ラベルを割り圓おるのは簡単ではないUDは構文の情報を付䞎するものであっお深局栌など意味的なものをを瀺すものではないずいう立堎から原則ずしお栌助詞「が」を持぀名詞句に\dt{nsubj}を付䞎し栌助詞「を」を持぀名詞句に\dt{obj}を付䞎する栌助詞「に」の扱いは特に難しい\ref{fig:casemarker-4}に瀺す䟋のように時間や堎所を衚す堎合この䟋では時間栌「朝」には\dt{obl}その他の堎合䟋では目暙栌「孊校」に\dt{iobj}を付䞎すれば他の蚀語ずラベルを近づけるこずができるしかしながら文節に基づく係り受けアノテヌションから倉換する際にはこれらの深局栌の情報が䞍足しおいるこのため埌で述べるUDJapanese-GSDおよびUDJapanese-PUDにおいおは栌助詞「に」を持぀名詞句党おに\dt{iobj}を付䞎しUDJapanese-BCCWJおよびUDJapanese-Modernにおいおは\dt{obl}を付䞎しおいる述語項構造アノテヌションBCCWJ-PASなどが手に入る堎合には参照しお区別する必芁があるが珟圚は行っおいない\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-4}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]朝\&に\&å­Šæ ¡\&に\&行く\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot{5}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{5}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{1}{obl}\depedge{5}{3}{iobj}\depedge[edgebelow,textonlylabel,arcedge,edgestyle={denselydotted}]{5}{3}{GOAL}\depedge[edgebelow,textonlylabel,arcedge,edgestyle={denselydotted}]{5}{1}{TEMPORAL}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋「に」の曖昧性】\end{exe}UDの栌に関する䟝存関係ラベルは䞻語優勢蚀語向けに蚭蚈されおおり日本語のような䞻題優勢蚀語のアノテヌションを蚭蚈する際には困難が生じおいる䞻題に盞圓するラベルは蚭定されおおらず提題の係助詞「は」に぀いおは扱いが難しいUDでは「䞻題は\dt{disclocated}を付䞎するただし、それが䞻語でもある堎合は\dt{nsubj}を付䞎する」ず定矩されおいるこれを行うためには「は」の甚法を区別する必芁があり構文情報だけからはラベルを決定するこずができないそこで珟圚は以䞋のように近䌌的に「は」のラベルを付䞎しおいる(\ref{fig:casemarker-6})のように「が」が含たれず「は」が含たれる文に察しおは「は」が぀く名詞句を䞻語盞圓ずし䟝存関係ラベル\dt{nsubj}を付䞎する(\ref{fig:casemarker-3})のように䞀぀の文節の䞭に「に」ず「は」が共起する名詞句は栌助詞「に」の甚法に基づいお䟝存関係ラベル\dt{iobj}か\dt{obl}を付䞎する(\ref{fig:casemarker-2})のように「は」ず「が」が同じ述語に係り受け関係を持぀堎合には「は」が぀く名詞句に䟝存関係ラベル\dt{dislocated}を付䞎するしかし\dt{dislocated}は英語においお䞻題を明瀺する分裂文に甚いられるものである(\ref{fig:casemarker-5})のように日本語における分裂文には䟝存関係ラベル\dt{dislocated}が甚いられず節䞻語を衚す\dt{csubj}が甚いられる日本語の「は」は英語等においお\dt{dislocated}で衚される䟝存関係ずは異なるず考えられよりよいアノテヌション方法は怜蚎課題ずしお残されおいるなお「は」以倖の係助詞に぀いおは\dt{nsubj}ずの区別が求められおいないので栌が明瀺されおいる堎合䟋えば「にも」はそれに盞圓する䟝存関係ラベルを明瀺されおいない堎合には\dt{obl}を付䞎する\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-6}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&は\&きびしい\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{3}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋提題の「は」】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-3}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&に\&は\&問題\&が\&やさしい\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{6}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{1}{3}{case}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{1}{iobj}\depedge{6}{4}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋「には」】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]象\&は\&錻\&が\&長い\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\\\end{deptext}\deproot{5}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{4}{*}\wordgroup{1}{5}{5}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{case}\depedge{5}{1}{dislocated}\depedge{5}{3}{nsubj}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋象錻文】\end{exe}\begin{exe}\ex\label{fig:casemarker-5}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=0.3cm,rowsep=.1ex]錻\&が\&長い\&の\&は\&象\&だ\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{4}{mark}\depedge{3}{5}{case}\depedge{6}{3}{csubj}\depedge{6}{7}{aux}\deproot{6}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{5}{*}\wordgroup{1}{6}{7}{*}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋分裂文】\end{exe}\subsection{句ず節の区別}\label{sub:issue_clause}UDでは衚\ref{tbl:clause}に瀺すように子芁玠が語・句の堎合ず節の堎合ずで異なる䟝存関係ラベルを付䞎する蚭蚈になっおいる\begin{table}[b]\caption{UDの統語関係ラベルにおける語・句ず節の区別}\label{tbl:clause}\input{01table03.tex}\end{table}英語においおは圢容詞句名詞修食句(\ref{fig:amod_acl_en1})ず圢容詞節名詞修食節(\ref{fig:amod_acl_en2})ず明確に区別できる圢容詞は限定甚法に限っお\dt{amod}ずしおいるなお圢容詞の叙述甚法に぀いおは\dt{cop}が割り圓おられる\begin{exe}\ex\begin{xlist}\ex\label{fig:amod_acl_en1}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]Sam\&eats\&red\&meat\&.\\\utag{PROPN}\&\utag{VERB}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{nsubj}\depedge{2}{4}{obj}\depedge{4}{3}{amod}\deproot{2}{root}\depedge{2}{5}{punct}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【UD英語での圢容詞の限定的甚法\dt{amod}】\ex\label{fig:amod_acl_en2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]I\&have\&a\&parakeet\&named\&cookie\&.\\\utag{PRON}\&\utag{VERB}\&\utag{DET}\&\utag{NOUN}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\&\utag{PUNCT}\\\end{deptext}\deproot{2}{root}\depedge{2}{1}{nsubj}\depedge{2}{4}{obj}\depedge{4}{5}{acl}\depedge{5}{6}{xcomp}\depedge{4}{3}{det}\depedge{2}{7}{punct}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【UD英語での関係節\dt{acl}】\end{xlist}\end{exe}しかしながら日本語においおは句ず節の境界が曖昧であり明瀺的に区別しお䟝存関係ラベルを付䞎するこずが難しい䟋えば英語での圢容詞の限定的甚法にはラベル\dt{amod}が甚いられるが察応する日本語の珟象は甚蚀の連䜓圢を甚いた䜓蚀の修食である(\ref{fig:acl})は限定的甚法の䟋ではあるが(\ref{fig:acl1})は「タむトル」が「長い」ずいう䞻述の関係があり述語的甚法でもある䞀方(\ref{fig:acl2})は「車」ず「長い」の間に䞻述の関係がないために述語的甚法ではない\begin{exe}\ex\label{fig:acl}\begin{xlist}\ex\label{fig:acl1}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]タむトル\&の\&長い\&本\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{obl}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋連䜓修食節\dt{acl}】\ex\label{fig:acl2}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]車\&の\&長い\&列\\\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{4}{1}{nmod}\depedge{4}{3}{acl}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋連䜓修食節\dt{acl}】\end{xlist}\end{exe}このように日本語においお限定的甚法か述語的甚法かの二分化が難しく英語での圢容詞の限定的甚法(\dt{amod})ず関係節(\dt{acl})に盞圓する連䜓修食節ずの区別が明確でないアノテヌションの揺れを防ぐために圢容詞・圢状詞が栌を䌎わずに名詞を修食する堎合も含めお垞に\dt{acl}を甚いるこずずし\dt{amod}は連䜓詞による修食に限定した日本語の句ず節の境界は述語盞圓句が項を取りうるか吊かの芳点から識別するこずができるがれロ䞻語の問題もあり「節でない」こずを刀定するこずは困難であるそこで項を取りうるか吊かの芳点に基づく句か節かの刀定を攟棄し時制を垯びるかどうかの芳点\cite{有田2007}に基づき圢容詞・圢状詞においおは䞀埋に\dt{acl}ずし連䜓詞においおは䞀埋に\dt{amod}ずした同様に述語の連甚圢が他の甚蚀を修食する堎合も\dt{advcl}ずしお\dt{advmod}は副詞による修食の堎合のみに甚いた\begin{exe}\ex\label{fig:csubj}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]倪郎\&が\&怒ら\&れる\&の\&は\&いや\&だ\\\utag{PROPN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\&\utag{AUX}\&\utag{SCONJ}\&\utag{ADP}\&\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\\\end{deptext}\deproot{8}{root}\wordgroup{1}{1}{2}{*}\wordgroup{1}{3}{6}{*}\wordgroup{1}{7}{8}{*}\depedge{1}{2}{case}\depedge{3}{1}{nsubj}\depedge{3}{4}{aux}\depedge{3}{5}{mark}\depedge{3}{6}{case}\depedge{7}{3}{csubj}\depedge{7}{8}{aux}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋節䞻語\dt{csubj}】\end{exe}節䞻語は圢匏名詞「の」に察しお定矩する(\ref{fig:csubj})のように圢匏名詞「の」の品詞タグは\utag{SCONJ}ずし「の」を含む文節の䞻蟞「怒ら」の䟝存関係ラベルを\dt{csubj}ずする\begin{exe}\ex\label{fig:ccomp}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[columnsep=.3cm,rowsep=.1ex]きれい\&だ\&ず\&思う\\\utag{ADJ}\&\utag{AUX}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\deproot{4}{root}\wordgroup{1}{1}{3}{*}\wordgroup{1}{4}{4}{*}\depedge{1}{2}{aux}\depedge{1}{3}{case}\depedge{4}{1}{ccomp}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋節䞻語\dt{ccomp}】\end{exe}節補語は匕甚の「ず」に察しお定矩する(\ref{fig:ccomp})のように匕甚の「ず」には品詞タグ\utag{ADP}を付䞎し「ず」を含む文節の䞻蟞「きれい」の䟝存関係ラベルを\dt{ccomp}ずする\dt{xcomp}は䞻語が明瀺的に出珟する蚀語においお䞻語はないが述語性補語や節補語のみが出珟する(openclausalcomplement)ような動詞もしくは圢容詞に察しお定矩されるしかし日本語においおはそもそも䞻語が明瀺的に出珟しないためラベル\dt{xcomp}を甚いない \section{䞊列構造} \label{sec:coord}本節では䞊列構造の扱いに぀いお議論する日本語は文節単䜍に関係を付䞎した堎合には同栌や倒眮などの構造を陀いお垞に䞻蟞が右に来る構造䞻蟞埌眮になるしかしながらUDでは䞊列構造では垞に巊偎の芁玠が䞻蟞ずなるず芏定しおいる以䞋では名詞句の䞊列動詞句の䞊列に぀いおUDの原則ず珟圚の日本語コヌパスにおける構造を比范し今埌の方向性を述べる\subsection{名詞句の䞊列}\label{subsec:nominal}UDにおける䞊列構造のアノテヌションは巊偎が䞻蟞ずなる(\ref{sent:cc})はその原則に忠実に埓っお他の蚀語ず同様のアノテヌションを付䞎した時の名詞句䞊列の䟋である\begin{exe}\ex\label{sent:cc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]かわいい\&犬\&ず\&猫\&が\&走る\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{CCONJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\depedge{2}{1}{acl}\depedge{2}{4}{conj}\depedge{4}{3}{cc}\depedge{2}{5}{case}\depedge{6}{2}{nsubj}\wordgroup{1}{1}{1}{kawaii}\wordgroup{1}{2}{3}{inu}\wordgroup{1}{4}{5}{neko}\wordgroup{1}{6}{6}{}\deproot{6}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋UDの原則に基づく】\end{exe}\dt{conj}は䞊列構造の構成芁玠を結ぶ䟝存関係ラベルである\dt{cc}は接続衚珟「ず」品詞\utag{CCONJ}ずその右偎の構成芁玠ずを結ぶ仕様になっおいるこのように(\ref{sent:cc})の構造は日本語孊の研究者にずっおも構文解析噚を実装する研究者にずっおも非垞に扱いにくい構造であるず考えるそこで日本語のUDコヌパスを䜜成するにあたっお「犬ず猫」の関係は䞊列構造ではなく名詞句の修食の䞀圢態ずしお取り扱うこずずし(\ref{sent:nmodcc})の圢のアノテヌションを定めたここでは「ず」は名詞句「犬」の\dt{case}ずし「犬」ず「猫」は\dt{nmod}で結ぶこれによっお䞊列構造の巊偎を䞻蟞ずするUDの芏定に起因する問題を回避した\pagebreak\begin{exe}\ex\label{sent:nmodcc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]かわいい\&犬\&ず\&猫\&が\&走る\\\utag{ADJ}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{NOUN}\&\utag{ADP}\&\utag{VERB}\\\end{deptext}\depedge{4}{1}{acl}\depedge{4}{2}{nmod}\depedge{2}{3}{case}\depedge{4}{5}{case}\depedge{6}{4}{nsubj}\wordgroup{1}{1}{1}{kawaii}\wordgroup{1}{2}{3}{inu}\wordgroup{1}{4}{5}{neko}\wordgroup{1}{6}{6}{}\deproot{6}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋(\ref{sent:cc})珟圚のコヌパスの察凊方法】\end{exe}\subsection{動詞句の䞊列}\label{subsec:verbal}次に動詞句の䞊列に぀いお瀺す(\ref{sent:verbalcc})は「お」で接続する動詞句を巊䞻蟞原則に準じた䞊列構造ずしお衚珟したものである「食べ」ず「走る」を䞊列ずみなし巊構成芁玠を䞻蟞ずするず「食べ」が\dt{acl}により「人」に関連づけられる結果連䜓圢でない掻甚圢であるのに名詞を連䜓修食する\footnote{連䜓圢であるこずは子芁玠である最右の䞊列の構成芁玠を蟿らないず把握できない}ずいう極めお䞍自然な構造ずなる\begin{exe}\ex\label{sent:verbalcc}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}[rowsep=.1ex]食べ\&お\&走る\&人\\\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}\depedge{1}{2}{mark}\depedge{1}{3}{conj}\depedge{4}{1}{acl}\wordgroup{1}{1}{2}{}\wordgroup{1}{3}{3}{}\wordgroup{1}{4}{4}{}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋UDの原則】\end{exe}䞀方珟圚公開されおいる日本語UDのコヌパスでは基本的には述語間の関係に䞊列構造を認定しない(\ref{sent:verbalcc})の䟋のように「お」による接続を動詞の䞊列(\dt{conj})ずみなさず副詞句による修食(\dt{advcl})ずしおいる(\ref{sent:verbalcc3})この解釈により巊偎が䞻蟞ずなる構造を回避しより盎感的な構造ずしおいる英語の`eatandrun'ず異なり日本語では二぀の動詞が文法的に䞊列ではなく文法的芁玠は右偎の語だけに付䞎されるずいう性質がありさらに「お」で結ばれる関係は時間的な前埌関係などもあり埓属接続ずみなすのが自然であるこずからもこの察応は劥圓だず考えおいる\begin{exe}\ex\label{sent:verbalcc3}\atcenter{\begin{scriptsize}\begin{dependency}[labelstyle={}]\begin{deptext}食べ\&お\&走る\&人\\\utag{VERB}\&\utag{SCONJ}\&\utag{VERB}\&\utag{NOUN}\\\end{deptext}[rowsep=.1ex]\depedge{1}{2}{mark}\depedge{3}{1}{advcl}\depedge{4}{3}{acl}\wordgroup{1}{1}{2}{}\wordgroup{1}{3}{3}{}\wordgroup{1}{4}{4}{}\deproot{4}{root}\end{dependency}\end{scriptsize}}\\\hfill【䜜䟋(\ref{sent:verbalcc})珟圚のコヌパスの察凊方法】\end{exe}\subsection{䞊列構造に察する今埌の方向性}以䞊で芋た通りUDの䞊列構造の原則に基づいた日本語のアノテヌションは日本語孊的にも解析噚の芳点からも䞍自然な構造になっおしたう右偎の芁玠を䞻蟞ずする䞊列構造を含むコヌパスは怜蚌噚によりUDずしお劥圓でないずされおsharedtaskでの利甚ができなくなるため珟状で公開しおいる日本語のUDコヌパスでは名詞句の䞊列は名詞句の修食(\dt{nmod})動詞句の䞊列は埓属的な副詞節の修食(\dt{advcl})であるずみなしおこの問題を回避しおいるしかしながら蚀語暪断凊理や蚀語察照比范などの際に他蚀語ず察応する䞊列構造を\dt{conj}や\dt{cc}により衚珟をしたいずいう芁望もある同じ問題が韓囜語にも起きおいるこずが指摘されおおり\cite{Chun-2018}韓囜語UDのコヌパスが公匏のものず右䞻蟞型の非公匏なものに分化しおしたっおいる日本語ず韓囜語には文法的に類䌌点が倚いにもかかわらずUDコヌパスの構造がたったく䞀臎しないずいった問題が起きおいる巊䞻蟞原則は日本語や韓囜語のような䞻蟞埌眮の蚀語に぀いおは適甚が困難であるために䞊列構造における構造の方向性を蚀語ごずに定矩できるようUD本䜓のコミュニティに働きかけおいきたい \section{日本語の蚀語資源ず倉換} \label{sec:resources}\subsection{公開䞭のコヌパス}\label{subsec:resources}衚~\ref{tab:status}に瀺すずおり日本語UDのコヌパスずしお以䞋の資源が公開されおいる{\bfUDJapanese-BCCWJ}はBCCWJ\cite{Maekawa-2014-LRE}を倉換したUDのコヌパスである元のコヌパスは玄1億語からなり短単䜍・長単䜍・文節の人手のアノテヌションが付䞎されおいるさらに文節単䜍の䞊列構造を瀺すBCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}をUDぞの倉換の際に䜿甚しおいる\begin{table}[b]\caption{公開䞭の日本語UDのコヌパス}\label{tab:status}\input{01table04.tex}\end{table}{\bfUDJapanese-KTC}\cite{UD-LREC-2016}はNIIずNTTの共同研究により構築した句構造ツリヌバンクをもずに敎備されおいるKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}を倉換したUDのコヌパスである元テキストは京郜倧孊テキストコヌパス\cite{KTC}ず同じ毎日新聞の1995幎版であるKaedeTreebankは囜語研長単䜍ずUniDic品詞䜓系による圢態論情報が付䞎されおいる2018幎5月珟圚UDのVersion1の基準に準拠しおいる今埌UDのVersion2に察応させる予定である{\bfUDJapanese-GSD}はWikipediaの蚘事からなる以前はUDJapaneseず呌ばれおいたデヌタでCoNLL-2017のSharedTask\cite{zeman2017conll}に提䟛されたUDJapanese-GSDのVersion2.0の単語分かち曞きはIBMの単語分割噚により自動分割されたもので頻出する誀りを蟞曞登録により修正したものである文節単䜍の係り受け解析噚\cite{Kanayama00}による出力を機胜語に察する䞻蟞芏則\cite{UD-LREC-2016}により倉換したものである2017幎11月に公開されたVersion2.1では人手によるアノテヌションずの重ね合わせを行い修正を斜した{\bfUDJapanese-PUD}はUDJapanese-GSDず同様の方法で䜜成されたもので他蚀語ずの䞊行コヌパスずなっおいる{\bfUDJapanese-Modern}\cite{UD-Modern-JADH-2017}は『日本語歎史コヌパス明治・倧正線I雑誌』(CHJ)\cite{Ogiso-2017}に基づいたデヌタであるCHJはBCCWJず同じ基準で圢態論情報が付䞎されおいるたたBCCWJ-DepParaず同じ基準で文節係り受けず䞊列構造が付䞎されおおりUDJapanese-BCCWJず同じ手法でUD基準に倉換されるBCCWJずの違いずしお文語衚珟に基づく倒眮「曰」などや述語性連䜓詞「所謂」などがある\subsection{既存のコヌパスからの倉換}\label{subsec:conversion}\ref{sec:japanese}~節で述べた通りUDの日本語コヌパスは既存のコヌパスからの倉換に基づいお構成する構文構造のコヌパスにはBCCWJ\cite{Maekawa-2014-LRE}に文節ごずの係り受け関係を付䞎したBCCWJ-DepPara~\cite{Asahara-2016-ALR12}囜語研短単䜍による単語の単䜍で係り受けを付䞎したコヌパス\cite{mori:2014:lrec}句構造のツリヌバンク(TanakaandNagata2013;吉本呚小菅倧友Butler2013;ç”°äž­ä»–2014)\nocite{Tanaka-2013,yoshimoto:2013:NLP,ttanaka:2014:NLP}などがあるUD自䜓は単語単䜍の係り受け構造であるが節の単䜍を考慮しお䟝存関係ラベル\dt{acl},\dt{advcl},\dt{csubj},\dt{ccomp}などを付䞎したり䞊列構造のスコヌプを定めたりする必芁があるたた日本語のUDVersion2では栌関係のラベルは栌助詞により衚瀺された衚局栌で付䞎する栌助詞「が」=\dt{nsubj},栌助詞「を」=\dt{obj}などが係助詞「は」「も」などにより栌助詞が珟れない堎合や栌助詞「に」で衚瀺された芁玠を必須芁玠ずしお扱うか(\dt{iobj})随意的芁玠ずしお扱うか(\dt{obl})などの区別を行う必芁があるこずから倉換元のコヌパスに述語項構造の情報が含たれおいるこずが望たしいたた栌関係を含め内容語間の係り受け関係を捉える䞊では栌助詞や助動詞盞圓の機胜衚珟の耇合語「に察しお」「かもしれない」などをたずめお扱った方が郜合が良く囜語研長単䜍を導入するこずによりこれらを䞀぀の機胜語ずしお扱うこずも有甚であるこれらの情報を持぀コヌパスずしお句構造ツリヌバンクKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}ず文節係り受けのコヌパスBCCWJからの倉換によりUDのコヌパスが構築されおいる衚~\ref{tab:ud-conversion}に倉換元ずしたコヌパスずUD倉換に必芁な情報の取埗源を瀺しおいる以䞋にそれぞれの倉換の抂芁に぀いお述べる\begin{table}[b]\caption{既存コヌパスずUDぞの倉換に利甚した情報}\label{tab:ud-conversion}\input{01table05.tex}\end{table}\subsubsection{句構造ツリヌバンクからの倉換}日本語句構造ツリヌバンクKaedeTreebankでは圢態玠や句構造などのアノテヌションを参照するこずで日本語UDぞの自動倉換を行っおいるツリヌバンクは2分朚で構成されおおり巊右のラベルを比范しお䞻蟞を決定する䞻蟞芏則を各分岐に順に適甚するこずで䟝存構造に倉換するこずができる䟝存構造ラベルも各分岐ごずに呚蟺のノヌドのラベルを参照する倉換芏則を適甚するこずにより決定するこずができる図~\ref{fig:ex-constituent}は倉換元ずなる句構造の䟋を瀺しおいる図䞭の品詞ラベルは元のツリヌバンクのものからUPOSに倉換した結果ずなっおいる䞻蟞を決定するために各分岐に察しお衚\ref{tab:ex-headrule}で瀺されるような䞻蟞芏則を適甚しおいく䟋えば巊端の二぀のノヌド「赀い/\utag{ADJ}」「車/\utag{NOUN}」に関しお図䞭の芏則に埓うず「\utag{ADJ}」「\utag{NOUN}」の品詞の䞊びは右偎のノヌド「\utag{NOUN}」が䞻蟞ずなる図~\ref{fig:ex-constituent}で四角で囲たれたノヌドは各分岐における䞻蟞を瀺しおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f1.eps}\end{center}\caption{倉換元になる句構造の䟋}\label{fig:ex-constituent}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{䞻蟞芏則の䟋}\label{tab:ex-headrule}\input{01table06.tex}\end{table}䟝存関係ラベルの決定に぀いおは葉ノヌドにあたる語は党お䜕らかの䟝存関係ラベルを介しお他の語あるいは根ノヌドを䞻蟞ずしおいるので各葉ノヌドを起点ずしお行っおいくある葉ノヌドをDずするずDからDの䞻蟞ぞの䟝存関係ラベルはDから根ノヌドの方向にたどりDが䞻蟞ずならない最初のノヌドCCの巊の子ノヌドLCの姉効ノヌドHのようにそれぞれのラベルを参照した芏則により決定できる衚\ref{tab:ex-deplabelrule}は䟝存関係ラベル倉換芏則の䟋を瀺す図䞭の$\ast$は任意のラベルを衚しおいる䟋えば葉ノヌド「車」ず䞻蟞ずの䟝存関係ラベルを決定する堎合ノヌドDは「車/\utag{NOUN}」Cは「\utag{VP}」Lは「\utag{PP-OBJ}」Hは「\utag{SCONJ}」であるので衚\ref{tab:ex-deplabelrule}の3行目のルヌルから䟝存構造ラベルは\dt{obj}に決定される\begin{table}[b]\caption{䟝存関係ラベル倉換芏則の䟋}\label{tab:ex-deplabelrule}\input{01table07.tex}\end{table}図\ref{fig:ex-converted-results}は図\ref{fig:ex-constituent}の句構造に䞻蟞芏則䟝存関係ラベル倉換芏則を適甚しお倉換されたUDの䟋を瀺す\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f2.eps}\end{center}\caption{自動倉換された䟝存構造の䟋}\label{fig:ex-converted-results}\end{figure}\subsubsection{文節係り受けコヌパスからの倉換}BCCWJにアノテヌションされた文節係り受け情報に基づいたUD互換の蚀語資源を敎備したここでは抂略を述べるにずどめ詳现は文献\cite{Omura-WS-2017,Omura-WS-2018}を参照されたい最初にBCCWJのUniDic品詞䜓系からUPOSぞの倉換が行われるUPOSに倉換するにあたっおは前述したようにサ倉や圢状詞のように甚法に応じた品詞を必芁ずする堎合があるため短単䜍の品詞だけでなく長単䜍の品詞も参照しお倉換する衚\ref{fig:ex-bccwj-segment}の䟋では「所持」ずいう短単䜍に぀いお品詞は「名詞-普通名詞-サ倉可胜」でありUPOSでは\utag{NOUN}\utag{VERB}のいずれかに倉換される可胜性があるが長単䜍「所持し」の品詞「動詞-䞀般」を参照しお\utag{VERB}に倉換される\begin{table}[b]\caption{囜語研短単䜍長単䜍文節による分割ずUPOSの䟋}\label{fig:ex-bccwj-segment}\input{01table08.tex}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-1ia1f3.eps}\end{center}\caption{文節係り受けず倉換されたUDの䟋色の぀いおいる単語が文節の䞻蟞である}\label{fig:ex-bunsetsu-dep}\end{figure}単語間の䟝存構造はBCCWJ-DepParaが持぀文節間の係り受け情報を倉換するこずにより構築する\ref{subsec:dep_j}節で述べたように文節間係り受けを各文節間の自立語䞻蟞に代衚させるため文節間の係り受けは各文節の䞻蟞ずなる語の間の䟝存関係に倉換される図\ref{fig:ex-bunsetsu-dep}では2぀の文節「自動車を」「所持しおいる」間の係り受け関係がそれぞれの文節の䞻蟞である短単䜍「車」「所持」の間の䟝存関係に倉換されおいるたた文節内においおは文節内の自立語䞻蟞ず他の構成芁玠ずの関係を定矩するため原則ずしお各文節の䞻蟞にそれ以倖の語が䟝存関係をも぀構造に倉換される䟋えば図の「所持しおいる」の文節においおは「し」「お」「いる」の各語が文節の䞻蟞「所持」ずの䟝存関係を持぀構造に倉換されおいる䟝存関係ラベルは䞻蟞の品詞タグ短単䜍品詞修食語の品詞タグ栌助詞の情報などを参照した倉換芏則により倉換される䟋えば䞻蟞「所持」ず修食語「車」の間の䟝存関係ラベルは䞻蟞の品詞タグ\utag{VERB}修食語の品詞タグ\utag{NOUN}述語「所持」に察しお項「車」が栌助詞「を」ず䟝存関係があるこずの組み合わせにより\dt{obj}に倉換される以䞊自動倉換の䟋に぀いお述べたがここで挙げたコヌパス以倖でUDぞの自動倉換に必芁な党おの情報を網矅した蚀語資源は珟時点では非垞に限定的であるず考えられる既存コヌパスのアノテヌションを掻甚した自動倉換をベヌスにし぀぀\ref{sec:discussion}~節で挙げたような課題に察応するため新たなアノテヌションスキヌムに関するさらなる議論が必芁である\subsection{ラむセンスず著䜜暩}UDJapanese-BCCWJはBCCWJコヌパスから倉換されたものでアノテヌションはオヌプンラむセンスずしお提䟛されおいるしかし原文の入手にはDVDの賌入が必芁\footnote{https://pj.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}UDJapanese-KTCは毎日新聞95幎版に基づいおいるために利甚には毎日新聞デヌタを賌入する必芁があるアノテヌション自䜓はクリ゚むティブコモンズラむセンス(CCBY-SA)で利甚可胜である\footnote{http://www.nichigai.co.jp/sales/mainichi/mainichi-data.html}UDJapanese-GSDずUDJapanese-PUDデヌタはテキストも含めおオヌプンデヌタであるいずれもクリ゚むティブコモンズラむセンス(UDJapanese-GSD:CCBY-NC-SA,UDJapanese-PUD:CCBY-SA)で利甚可胜であるUDJapanese-Modernは『日本語歎史コヌパス』を元デヌタずしおおり元テキストの著䜜暩は倱効しおいるテキストも含めおクリ゚むティブコモンズ(CCBY-NC-ND)で利甚可胜 \section{関連研究} \label{sec:related}本節では本皿に散圚する関連研究に぀いお再掲しながらたずめる既存の日本語の句構造朚のツリヌバンクずしお囜立情報孊研究所ずNTTの共同研究により構築した句構造ツリヌバンクKaedeTreebank\cite{Tanaka-2013,ttanaka:2014:NLP}がある他にKeyakiTreebank\cite{Horn:2017}や開発䞭のNINJALParsedCorpusforModernJapanese(長厎バトラヌホヌンパルデシ吉本2018)\nocite{長厎:2018}がある既存の文節係り受けのツリヌバンクずしお京郜倧孊テキストコヌパス\cite{KTC}・BCCWJ-DepPara\cite{Asahara-2016-ALR12}・近代語コヌパスに察する係り受けアノテヌション\cite{浅原:2016}がある単語単䜍の係り受けのツリヌバンクずしお京郜倧孊の日本語係り受けコヌパス\cite{mori:2014:lrec}があるTwitterに察する日本語UDアノテヌションの研究も進められおいる\cite{Iso:2018}UDのコヌパス\cite{UDgithub}に関しおは関連研究が倚く日本語に近い蚀語である韓囜語に぀いおの研究にずどめる\cite{Chun-2018}は韓囜語のUDの蚀語資源に぀いお解説しおいるGoogleUDKoreanTreebank\cite{mcdonald:2013}・PennKoreanTreebank\cite{PennKTB}・KAISTTreebank\cite{KAISTTB}からのUD基準ぞの倉換に぀いお議論しおいるそのほかKoreanNationalCorpus\cite{KNC}からの倉換に関する議論もある\cite{Noh:2018}しかしながら韓囜語UDコヌパスでは文節に盞圓する単䜍をUDの語ずしおいるなど日本語のアノテヌション仕様ずは倧きな隔たりがあるこれは蚀語間でアノテヌション仕様をなるべく統䞀するずいうUDの目的から倖れおいる状態ず蚀える実際䞊列構造の巊䞻蟞に起因する問題など共有しおいる問題もある\cite{kanayama:2018}今埌は4節の日本語特有の問題を共有し盞互に情報を亀換しながらアノテヌション仕様を合わせおいくこずが期埅されるこのほか各論に察する関連研究に぀いおは玙面の郜合䞊割愛する \section{おわりに} \label{sec:summary}本皿ではUniversalDependencies日本語版の定矩を瀺したその際の方針や珟圚の状況は以䞋の通りである\begin{itemize}\itemUD本䜓の基準の倉曎に远随するために基本的に既存のアノテヌションデヌタからの倉換によりコヌパスを生成するUD本䜓の基準に倉曎があった堎合には倉換芏則の修正により察応する\item埓っお既存のアノテヌションデヌタに含たれる情報から倉換が可胜な粒床のタグ・ラベルを付䞎する\item珟圚のずころ語の単䜍を囜語研短単䜍で統䞀しおいる\item品詞タグはUniDic品詞䜓系ずUD品詞の察応付けに基づいお付䞎するサ倉動詞・圢状詞・補助甚蚀などの䞀郚の可胜性に基づく品詞䜓系に察しおは䟋倖的な芏定を䞎える\item䟝存関係は句構造朚もしくは文節係り受けからの倉換によっお認定する\item䟝存関係ラベルは既存のアノテヌションデヌタによっお決められない情報栌のラベル・句ず節の境界があるが倉換の可胜性・䞀貫性を重芖しお芏則を䞎える\item䞊列構造は本質的に係り受け朚ではそのスコヌプを決定できない堎合があるたたUD本䜓のほうで巊䞻蟞の原則を䞎えおいるが日本語や韓囜語などの䞻蟞埌眮蚀語に芪和性がない構造ずなっおいるこの点に぀いおは韓囜語UDコヌパスを敎備しおいる研究者ずずもにUD本䜓に察しお問題点を指摘しおいる\item様々な蚀語資源からUD日本語デヌタを構築し珟圚のずころチェコ語に次いで䞖界2䜍の芏暡のデヌタを公開しおいる\end{itemize}このようにUDの原則的定矩に埓い぀぀日本語の既存の蚀語資源ずの察応関係を意識しおいるこれたでは日本語の蚀語資源は独自の基準で研究されおきた面があり既存の蚀語資源ずUDの定矩では察応関係が自明でない点が倚い本皿で瀺した定矩においおも䞀貫性や倉換可胜性に課題が残っおおり今埌の議論により日本語の独自性ず蚀語暪断性を䞡立した䜓系の構築を目指すこの掻動により蚀語暪断的な研究や新たな応甚ぞの取り組みが加速されるこずが期埅される䟋えば耇数蚀語のUDコヌパスを利甚した構文解析噚の構築察蚳コヌパスに察しお付䞎したアノテヌションの比范UDの蚀語暪断性を利甚した機械翻蚳などの応甚が考えられる䞀方\ref{sec:discussion}~節で挙げた課題を芋おもUD党䜓の定矩が英語に特化しおいるず思われる点もあるUDを日本語ぞロヌカラむズするこずにずどたらず他の蚀語のコミュニティず連携しながらUD党䜓の発展に向けお情報発信しおいくこずが必芁ずなろう\acknowledgment研究開始時およびUDコヌパス構築・公開に関しお怍束すみれ氏の倚倧なる貢献がありたした森信介氏には研究の過皋でご助蚀をいただきたした本研究は囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ共同研究プロゞェクト「コヌパスアノテヌションの拡匵・統合・自動化に関する基瀎研究」によるものです本研究の䞀郚はJSPS科研費JP15K1288817H0091718H05521の助成を受けたした本皿はLREC-2016:UniversalDependenciesforJapaneseずLREC-2018:UniversalDependenciesVersion2forJapaneseで発衚したものを加筆修正したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{有田}{有田}{2007}]{有田2007}有田節子\BBOP2007\BBCP.\newblock\Jem{日本語条件文ず時制節性}.\newblock日本語研究叢曞フロンティアシリヌズ.くろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Asahara\BBA\Matsumoto}{Asahara\BBA\Matsumoto}{2016}]{Asahara-2016-ALR12}Asahara,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQBCCWJ-DepPara:ASyntacticAnnotationTreebankonthe`BalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese'.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe12thWorkshoponAsianLanguageResources(ALR12)},\mbox{\BPGS\49--58}.TheCOLING2016OrganizingCommittee.\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA高橋}{浅原\JBA高橋}{2016}]{浅原:2016}浅原正幞\JBA高橋雄倪\BBOP2016\BBCP.\newblock近代語コヌパスに察する統語アノテヌション基準の怜蚎.\\newblock\Jem{日本語孊䌚2016幎床秋季倧䌚}.\bibitem[\protect\BCAY{Choi,Han,Han,\BBA\Kwon}{Choiet~al.}{1994}]{KAISTTB}Choi,J.~D.,Han,Y.~S.,Han,Y.~G.,\BBA\Kwon,O.~W.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQKAISTTreeBankProjectforKorean:PresentandFutureDevelopment.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalWorkshoponSharableNaturalLanguageResources},\mbox{\BPGS\7--14}.\bibitem[\protect\BCAY{Chun,Han,Hwang,\BBA\Choi}{Chunet~al.}{2018}]{Chun-2018}Chun,J.,Han,N.-R.,Hwang,J.~D.,\BBA\Choi,J.~D.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQBuildingUniversalDependencyTreebanksinKorean.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2018)},\mbox{\BPGS\2194--2202}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{de~Marneffe,Dozat,Silveira,Haverinen,Ginter,Nivre,\BBA\Manning}{de~Marneffeet~al.}{2014}]{demarneffe:2014:LREC}de~Marneffe,M.-C.,Dozat,T.,Silveira,N.,Haverinen,K.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalStanfordDependencies:ACross-linguisticTypology.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2014)},\mbox{\BPGS\4585--4592}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Den,Nakamura,Ogiso,\BBA\Ogura}{Denet~al.}{2008}]{den:2008:lrec}Den,Y.,Nakamura,J.,Ogiso,T.,\BBA\Ogura,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAProperApproachtoJapaneseMorphologicalAnalysis:Dictionary,Model,andEvaluation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2008)},\mbox{\BPGS\1019--1024}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Haji{\v{c}},Ciaramita,Johansson,Kawahara,Mart{\'{\i}},M{\`{a}}rquez,Meyers,Nivre,Pad{\'{o}},{\v{S}}t{\v{e}}p{\'{a}}nek,Stra{\v{n}}{\'{a}}k,Surdeanu,Xue,\BBA\Zhang}{Haji{\v{c}}et~al.}{2009}]{hajivc-EtAl:2009:CoNLL-2009-ST}Haji{\v{c}},J.,Ciaramita,M.,Johansson,R.,Kawahara,D.,Mart{\'{\i}},M.~A.,M{\`{a}}rquez,L.,Meyers,A.,Nivre,J.,Pad{\'{o}},S.,{\v{S}}t{\v{e}}p{\'{a}}nek,J.,Stra{\v{n}}{\'{a}}k,P.,Surdeanu,M.,Xue,N.,\BBA\Zhang,Y.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQTheCoNLL-2009SharedTask:SyntacticandSemanticDependenciesinMultipleLanguages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thConferenceonComputationalNaturalLanguageLearning(CoNLL2009):SharedTask},\mbox{\BPGS\1--18}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Han,Ryu,Chae,yunYang,Lee,\BBA\Palmer}{Hanet~al.}{2006}]{PennKTB}Han,N.-R.,Ryu,S.,Chae,S.-H.,yunYang,S.,Lee,S.,\BBA\Palmer,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQKoreanTreebankAnnotationsVersion2.0.\BBCQ\\newblock\texttt{https://catalog.ldc.upenn.edu/LDC2006T09}.\bibitem[\protect\BCAY{Haspelmath}{Haspelmath}{2011}]{Haspelmath:FLin2011}Haspelmath,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQTheIndeterminacyofWordSegmentationandtheNatureofMorphologyandSyntax.\BBCQ\\newblock{\BemFoliaLinguistica},{\Bbf45}(1),\mbox{\BPGS\31--80}.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JBA小磯花絵\JBA冚士池優矎\JBA宮内䜐倜銙\JBA小西光\JBA原裕\BBOP2011\BBCP.\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』圢態論情報芏皋集第4版䞊䞋}.\newblock人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{倧村\JBA浅原}{倧村\JBA浅原}{2017}]{Omura-WS-2017}倧村舞\JBA浅原正幞\BBOP2017\BBCP.\newblock珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパスのUniversalDependencies.\\newblock\Jem{蚀語資源掻甚ワヌクショップ発衚論文集},\mbox{\BPGS\132--142}.人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{倧村\JBA浅原}{倧村\JBA浅原}{2018}]{Omura-WS-2018}倧村舞\JBA浅原正幞\BBOP2018\BBCP.\newblockUDJapanese-BCCWJの構築ず分析.\\newblock\Jem{蚀語資源掻甚ワヌクショップ発衚論文集},\mbox{\BPGS\161--175}.人間文化研究機構囜立囜語研究所.\bibitem[\protect\BCAY{Omura,Takahashi,\BBA\Asahara}{Omuraet~al.}{2017}]{UD-Modern-JADH-2017}Omura,M.,Takahashi,Y.,\BBA\Asahara,M.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencyforModernJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe7thConferenceofJapaneseAssociationforDigitalHumanities(JADH2017)},\mbox{\BPGS\34--36}.JapaneseAssociationforDigitalHumanities.\bibitem[\protect\BCAY{Petrov,Das,\BBA\McDonald}{Petrovet~al.}{2012}]{petrov:2012:lrec}Petrov,S.,Das,D.,\BBA\McDonald,R.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAUniversalPart-of-SpeechTagset.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2012)},\mbox{\BPGS\2089--2096}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{Straka\BBA\Strakov{\'{a}}}{2017}]{udpipe:2017}Straka,M.\BBACOMMA\\BBA\Strakov{\'{a}},J.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQTokenizing,POSTagging,LemmatizingandParsingUD2.0withUDPipe.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\88--99}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{田侭\JBAæ°žç”°\JBA束厎\JBA宮尟\JBA怍束}{田侭\Jetal}{2014}]{ttanaka:2014:NLP}田䞭貎秋\JBA氞田昌明\JBA束厎拓也\JBA宮尟祐介\JBA怍束すみれ\BBOP2014\BBCP.\newblock統語情報ず意味情報を統合した日本語句構造ツリヌバンクの構築.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第20回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\737--740}.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka,Miyao,Asahara,Uematsu,Kanayama,Mori,\BBA\Matsumoto}{Tanakaet~al.}{2016}]{UD-LREC-2016}Tanaka,T.,Miyao,Y.,Asahara,M.,Uematsu,S.,Kanayama,H.,Mori,S.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependenciesforJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2016)},\mbox{\BPGS\1651--1658}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Nagata}{Tanaka\BBA\Nagata}{2013}]{Tanaka-2013}Tanaka,T.\BBACOMMA\\BBA\Nagata,M.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQConstructingaPracticalConstituentParserfromaJapaneseTreebankwithFunctionLabels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thWorkshoponStatisticalParsingofMorphologicallyRichLanguage(SPML2013)},\mbox{\BPGS\108--118}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{{UniversalDependenciescontributors}}{{UniversalDependenciescontributors}}{2014}]{UDgithub}{UniversalDependenciescontributors}\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQUniversalDependencies.\BBCQ\\newblock{\hfill\hfill\linebreak\ttfamilyhttps://universaldependencies.github.io/docs/}.\bibitem[\protect\BCAY{吉本\JBA呚\JBA小菅\JBA倧友\JBA{Butler,A.}}{吉本\Jetal}{2013}]{yoshimoto:2013:NLP}吉本啓\JBA呚振\JBA小菅智也\JBA倧友瑠璃子\JBA{Butler,A.}\BBOP2013\BBCP.\newblock日本語ツリヌバンクのアノテヌション方針.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\924--927}.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman}{Zeman}{2008}]{Zeman2008}Zeman,D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQReusableTagsetConversionUsingTagsetDrivers.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC2008)},\mbox{\BPGS\213--218}.EuropeanLanguageResourcesAssociation.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman,Haji{\v{c}},Popel,Straka,Ginter,Nivre,\BBA\Petrov}{Zemanet~al.}{2018}]{udst2018:overview}Zeman,D.,Haji{\v{c}},J.,Popel,M.,Straka,M.,Ginter,F.,Nivre,J.,\BBA\Petrov,S.\BBOP2018\BBCP.\newblock\BBOQCoNLL2018SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2018SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\1--21}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Zeman,Popel,Straka,Haji{\v{c}},Nivre,Ginter,Luotolahti,Pyysalo,Petrov,Potthast,Tyers,Badmaeva,G{\"{o}}k{\i}rmak,Nedoluzhko,Cinkov{\'{a}},Haji{\v{c}}~Jr.,Hlav{\'{a}}{\v{c}}ov{\'{a}},et~al.}{Zemanet~al.}{2017}]{zeman2017conll}Zeman,D.,Popel,M.,Straka,M.,Haji{\v{c}},J.,Nivre,J.,Ginter,F.,Luotolahti,J.,Pyysalo,S.,Petrov,S.,Potthast,M.,Tyers,F.,Badmaeva,E.,G{\"{o}}k{\i}rmak,M.,Nedoluzhko,A.,Cinkov{\'{a}},S.,Haji{\v{c}}~Jr.,J.,Hlav{\'{a}}{\v{c}}ov{\'{a}},J.,et~al.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheCoNLL2017SharedTask:MultilingualParsingfromRawTexttoUniversalDependencies},\mbox{\BPGS\1--19}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{浅原正幞}{2003幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究博士埌期課皋修了2004幎より同倧孊助教2012幎より人間文化研究機構囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ特任准教授珟圚同准教授博士工孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚日本蚀語孊䌚日本語孊䌚各䌚員}\bioauthor{金山博}{2000幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科修士課皋修了同幎より日本アむ・ビヌ・゚ム株匏䌚瀟東京基瀎研究所に所属し自然蚀語凊理の基盀技術ず応甚に関する研究に埓事博士情報理工孊蚀語凊理孊䌚・電子情報通信孊䌚各䌚員}\bioauthor{宮尟祐介}{2000幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科修士課皋修了2001幎より同倧孊にお助手2007幎より助教2006幎同倧孊倧孊院にお博士号情報理工孊取埗2010幎より囜立情報孊研究所准教授2018幎より東京倧孊教授人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{田䞭貎秋}{1996幎倧阪倧孊倧孊院基瀎工孊研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2007幎〜2012幎西日本電信電話株匏䌚瀟研究開発センタ勀務珟圚日本電信電話株匏䌚瀟NTTコミュニケヌション科孊基瀎研究所にお自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{倧村舞}{2015幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了2017幎より人間文化研究機構囜立囜語研究所コヌパス開発センタヌ非垞勀研究員修士工孊蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\bioauthor{村脇有吟}{2011幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科博士埌期課皋修了博士情報孊同幎京郜倧孊孊術情報メディアセンタヌ特定助教2013幎九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究院助教2016幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科助教珟圚にいたるテキスト解析および蚈算蚀語孊に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{束本裕治}{1979幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎電子技術総合研究所入所1985〜1987幎財新䞖代コンピュヌタ技術開発機構に出向1988幎京郜倧孊助教授を経お1993幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授珟圚に至る2016幎9月より理研AIP知識獲埗チヌムPI兌務工孊博士情報凊理孊䌚フェロヌACLFellow}\end{biography}\biodate\end{document}
V10N02-05
\section{はじめに} 蚀語凊理においお宣蚀的な文法芏則に基づく自然蚀語文解析の研究・開発は䞍可欠のタスクである本皿ではLexicalFunctionalGrammar(LFG)に基づいた実甚的な日本語文解析システムに぀いお述べる本システムの第䞀の特城は粟緻な日本語文法芏則に基づく深い解析を行う点である第二の特城は実文を察象ずした評䟡が可胜な高い解析カバヌ率を達成しおいる点すなわち解析察象が口語的・非文法的文であっおも解析可胜な高い頑健性を持぀点である本システムの実装によりLFGに基づく日本語解析システムずしおは初めお文法機胜(grammaticalfunction)の情報を含めた解析粟床の評䟡実隓を行うこずが可胜ずなったさらに第䞉の特城ずしおLFGの解析結果が持぀蚀語普遍性の特城を掻かすため他蚀語のLFG文法ず高い敎合性・無矛盟性を保っおいる点を挙げるこずができる第䞀の特城を実珟するために日本語文法あるいは囜文法研究の知芋を参考にしおLFGのフォヌマリズムに基づく倧芏暡な文法蚘述を行ったもちろん蚀語珟象の圢匏化には様々な遞択肢がある本システムの構築に際しおは䞊蚘第二の特城および第䞉の特城を実珟するために(1)䞀般には非文法的ずみなされる文であっおもそれを排陀する遞択肢を採甚せずか぀(2)他の蚀語の解析結果ずの䞊行性を保持できる遞択肢を優先する方針で文法芏則の蚘述を行った本皿の構成は以䞋の通りである2章ではLFGおよび関連研究に぀いお述べる3章では䞊蚘第䞉の特城に関係する取り組みずしお我々が属しおいるParallelGrammarProjectでの掻動を抂芳する4章で日本語LFGシステムの構成を説明した埌5章では文法蚘述に぀いお述べる5.1節および5.2節においお䞊蚘(1)(2)の方針で蚘述した日本語文法芏則を説明する5.3節の冒頭で觊れおいる通り第䞀の特城ず第二の特城を䞡立するこずは極めお難しい5.3節ではOTマヌクず郚分解析の機胜を甚いおこの䞡立を実珟する手法に぀いお述べる6章では以䞊の枠組みで構築した日本語LFGシステムの評䟡結果を瀺し7章に今埌の課題を蚘す \section{LexicalFunctionalGrammar} LFGは自然蚀語文の解析を行うための文法理論であり\cite{B1978}によっおその抂念が提唱された埌\cite{KandB1982}によっお珟圚の圢の定匏化が完成したLFGに基づく解析では解析結果ずしおc(onstituent)-structureずf(unctional)-structureず呌ばれる2皮の構造を出力するc-structureは自然蚀語文の構造を文の圢態玠を䞊䜍のフレヌズぞず纏め䞊げるこずによっお朚構造ずしお衚珟するものである䞀方f-structureは文法機胜の抂念に基づき文の栌構造時制様盞話法等の意味情報を属性-属性倀のマトリックス構造で衚珟するものであるLFG理論ではSUBJ(ect)やOBJ(ect)等の文法機胜をいかなる蚀語の解析においおも有効であるず考え第䞀矩の未定矩芁玠ずしおの地䜍を䞎えおいる\cite{S1985}すなわち芋かけの衚珟は党く異なっおいたずしおも文法機胜の抂念はあらゆる蚀語においお共通に存圚するずいう立堎をずるこの立堎はArcPairGrammar\cite{JandP1980}やRelationalGrammar\cite{PandP1983}ConstructionGrammar\cite{Kay1998}ず共通するものである蚀語が異なれば同じ意味内容を衚珟する文であっおもその句構造すなわちc-structureは倧きく異なる䞀方で文法機胜に基づく構造であるf-structureの違いは倚くの堎合極めお小さいこずが知られおいる\cite{B1999a,D2001}蚀語解析システムの出力結果が蚀語を問わず䞀定であればあるほど倚蚀語を察象ずする蚀語凊理システムの構築に芁するコストは䜎枛するず考えられるこのような工孊的芳点からみるずf-structureの蚀語普遍性はf-structureを䞭間蚀語ずする機械翻蚳システム\cite{F1999}はもずより質問応答自然蚀語によるマンマシンむンタフェヌス文曞集合の内容䞀貫性保持\cite{E2002}等の自然蚀語凊理アプリケヌションを蚀語の壁を越えお実装する䞊で重芁な特城であるずいえる1章で述べた通り本皿で述べる日本語LFG文法ではこのf-structureが持぀蚀語普遍性の特城を損なわないこずを蚘述方針の䞀぀ずしおいるこれたでもLFGやHead-drivenPhraseStructureGrammar(HPSG)\cite{PandS1987,PandS1994}等の単䞀化文法に基づいた日本語の解析に関する研究は数倚く行われおいるしかし比范的最近たでf-structureのような玠性構造の単䞀化は倧きな蚈算量を芁する䜜業であるため倧芏暡な文法を甚いた解析の実行は困難であるずの認識があった\cite{hashida1997}さらに単䞀化文法の枠組みにおいお日本語の文法事項を網矅的に含み高いカバヌ率を実珟する文法芏則を蚘述するこずは容易ではないず指摘されおいる\cite{torisawa1999}しかしながら前者の解析効率の問題に関しおは\cite{MandK1993}\cite{NLE2000}等で提案されおいる解析アルゎリズムの進展によっお䞀定の解決策が埗られ぀぀あるたたこの前者の問題の解決は埌者の問題ずも倧きく関係しおいる単䞀化に基づく解析を実行するシステムは制玄充足問題を解決するシステムである制玄数すなわち文法芏則の数が倚くなるにしたがっお蚈算量の爆発が生じる前者の問題が解決されおいないこれたでの状況においおはシステムの制玄䞊倧芏暡な文法を蚘述し詊すこずが困難であったため高い解析カバヌ率を持぀文法の構築に焊点を圓おた研究には至らなかった前者の問題が解決される過皋にあり倧芏暡文法の蚘述に挑戊できる状態になっおきたのが珟圚の状況であるずいえる䟋えば\cite{mitsuishi1998}では意味衚珟出力を䌎わないものの極めお高い解析カバヌ率を持぀日本語HPSGシステムの報告がなされおいる䞀方\cite{otani2000}ではカバヌ率の問題は残るものの日本語文法の知芋に立脚した粟緻な解析を行うJapanesePhraseStructureGrammar(JPSG)システムの構成手法が提案されおいる \section{ParallelGrammarProject} 我々はParallelGrammar(ParGram)ず呌ばれるプロゞェクト掻動\cite{B1999b,B2002}の䞭で日本語LFG文法の蚘述を行っおいるParGramはLFGを共通の理論基盀ずしお英語ドむツ語フランス語ノルりェヌ語りルドゥヌ語デンマヌク語そしお日本語の各蚀語を解析するシステムの実珟を目暙ずしおいるParGramでは半幎に䞀床党蚀語の文法蚘述担圓者が集たっおミヌティング(ParGramMeeting)を開催し耇数蚀語間でf-structureの敎合性を可胜な限り高めるあるいは矛盟を回避する機䌚を継続しお持぀こずにしおいるすなわちf-structureの構成から属性・属性倀の甚法やネヌミングコンベンションに至るたでの詳现を議論しParGramの暙準仕様を決定する䜜業を行っおいる日本語LFG文法における肯定文吊定文疑問文受動文䞊眮衚珟等の基本的な構文に察しお出力されるf-structureはこのParGram暙準仕様\cite{B1999a}に準じおいるただしこの暙準仕様はf-structureの基本的な構成属性・属性倀に぀いおは党蚀語でほが合意がなされおいるが詳现な文法事項に関しおは珟圚も継続的に議論を続けおいる䟋えば属性のネヌミングレベルの仕様に関しおは圓初党蚀語で性別を瀺す属性ずしお䜿甚しおいた「GEND」を英語ず日本語のLFG文法では「GEND-SEM」ずし「GEND」ず区別するよう倉曎を行った英語ず日本語の文法では代名詞に察しお「GEND」属性を䞎えおいたがこれはドむツ語フランス語ノルりェヌ語りルドゥヌ語の䞀般名詞が持぀性別の抂念ずは本質的に異なるためである\begin{quote}\begin{itemize}\item[(1-a)]ゞョンは本をそのテヌブルに眮いた。\item[(1-b)]Johnputabookonthetable.\end{itemize}\end{quote}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=90.59mm\epsfbox{fig/fig2-1jp.eps}\caption{文(1-a)に察応するf-structure}\label{fig2-1jp}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=89.32mm\epsfbox{fig/fig2-1eng.eps}\caption{文(1-b)に察応するf-structure}\label{fig2-1eng}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=115.35mm\epsfbox{fig/fig2-2jp.eps}\caption{文(1-a)に察応するc-structure}\label{fig2-2jp}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=53.97mm\epsfbox{fig/fig2-2eng.eps}\caption{文(1-b)に察応するc-structure}\label{fig2-2eng}\end{figure}図\ref{fig2-1jp}に文1-aに察しお日本語LFGシステムが出力するf-structureを瀺す\footnote{図䞭の数字は各(郚分)f-structureに察しお割り振られた識別子であり数倀自䜓に意味はない}SUBJおよびOBJのPRED(icate)に自立語(「ゞョン」「本」)が挿入されおいるのに察しおOBL(ique)のPREDには栌助詞(「ニ」)が挿入されおいるこれは英語等のParGramが察象ずする欧米蚀語においおSUBJおよびOBJに察応する自立語が前眮詞を必芁ずしないのに察しおOBLやADJUNCTは前眮詞を䌎うこずに由来する日本語内での敎合性だけを考えればSUBJやOBJのPREDも栌助詞ずするあるいはOBLやADJUNCTのPREDも自立語ずするずいう文法を蚘述するこずが可胜であるしかしParGramにおいお他蚀語ずの敎合性比范のしやすさを重芖するずいう立堎から図\ref{fig2-1jp}に瀺したf-structureを出力する方針で文法蚘述を行った図\ref{fig2-1eng}はParGramの英語LFG文法を甚いお文(1-a)に察応する英語文1-bを解析した結果埗られるf-structureである基本的に図\ref{fig2-1jp}ず等しい構造を持っおいるこずが分かるなおc-structureに関しおはノヌド(grammaticalcategory)名に察する緩やかなネヌミングコンベンションの取り決めはあるもののどのような構造を定めるかは各蚀語の担圓者に任されおいる図\ref{fig2-2jp}図\ref{fig2-2eng}は文(1-a)(1-b)を解析した結果埗られるc-structureである䞡者の構造は党く異なっおいるこずが分かる \section{システム構成} ParGramでは共通のプラットフォヌムずしおXeroxLinguisticEnvironment(XLE)ず呌ばれるLFGの凊理系を䜿甚しおいるXLEはLFG理論の仕様をほが完党に実装したparserであるず同時にLFGの文法蚘述を行う際のデバック環境でありか぀f-structureから自然蚀語文を生成するgeneratorでもある\cite{KandW2000}XLEが持぀最も重芁な特城はその解析速床であるLFGではc-structureを構成するための句構造芏則(文脈自由文法芏則)ずf-structureを構成するために句構造芏則(の右蟺の各構成玠)に付䞎する機胜的泚釈(functionalannotation;functionalschemata)を同時に蚘述するXLEは句構造芏則に基づく解析凊理を実行した埌に凊理が必芁な機胜的泚釈を動的に決定するすなわち蚈算量の倧きい機胜的泚釈の凊理を遞択的に行うこずによっお解析速床の向䞊を実珟しおいる\cite{MandK1993}たた解析結果の排他性・独立性を考慮した単䞀化手法\cite{MandK1991}も高い解析効率に寄䞎しおいるXLEを採甚するこずによっお倧芏暡なLFG文法に基づく解析を実時間で行うこずが可胜ずなった図5は日本語LFGシステムの構成図であるたず日本語入力文が圢態玠解析システムに枡され埗られた圢態玠解析結果から入力文語圙芏則を生成する圢態玠解析システムには茶筌\cite{chasen}を䜿甚しおいる語圙芏則生成郚は玄40皮の語圙芏則テンプレヌトを持ち適切なテンプレヌトを遞択しお必芁項目を埋めるこずによっお各圢態玠の語圙芏則を動的に生成するテンプレヌトの遞択は各圢態玠の品詞および前埌の圢態玠の品詞を基に予め䜜成したルヌルによっお行うたた圢態玠解析凊理によっお埗られた圢態玠列はXLEぞの入力ずなる掻甚語に぀いおは終止圢をXLEぞの入力ずし掻甚圢は「M\_\_」(呜什圢)「K\_\_」(仮定圢)「Y\_\_」(連甚圢)等の特別な文字列を圢態玠盞圓ずしおXLEぞ枡すなお連甚圢を瀺す文字列は必芁に応じおXLEぞ枡すこずにした埌続する語が自立語ならばその掻甚圢が句耇合を行う結合子など䜕らかの統語的圹割を果たしおいるず刀断しその目印ずしお文字列を挿入する䞀方埌続する語が助動詞などの付属語ならば挿入を行わないこずによっお文法芏則を簡略化する\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=99.48mm\epsfbox{fig/fig2-3.eps}\caption{日本語LFGシステムの構成図}\label{keiyoushi3_1b}\end{figure}XLEによる入力圢態玠列の解析には䞊蚘の入力文語圙芏則に加えお予め甚意した基本語圙芏則動詞語圙芏則圢容詞語圙芏則圢容動詞語圙芏則および文法芏則を䜿甚する動詞語圙芏則圢容詞語圙芏則圢容動詞語圙芏則はIPAL蟞曞\cite{IPALa,IPALb}の結合䟡情報をベヌスに拡匵を行いLFGの芏則ずしお必芁な蚘述を远加したものである珟圚のずころ動詞語圙芏則は2,366の異なり語圙に察しお10,387の語圙芏則(41,115の機胜的泚釈)を含んでいる圢容詞語圙芏則および圢容動詞語圙芏則はそれぞれ302および67の異なり語圙に察しお810137の語圙芏則(1,891306の機胜的泚釈)を含んでいる基本語圙芏則は助詞助動詞代名詞接続詞等の基本語圙に加え接続助詞的な働きをする「間」「時」ずいった名詞等統語䞊重芁ず考えられる語の語圙芏則を独自に蚘述したものである珟状では407の異なり語圙に察しお954の語圙芏則(1,233の機胜的泚釈)を含んでいる文法芏則のサむズは積和暙準圢に倉換した堎合の項の総蚈が2,353であり1,223の機胜的泚釈を含む文法芏則の詳现は次章で説明するなお語圙芏則の䞭で入力文語圙芏則の優先順䜍は他の語圙芏則よりも䜎く蚭定しおある぀たり入力文語圙芏則は同じ語圙に察する芏則が既に存圚しおいる堎合䞊曞きされるこずになるこれは助詞助動詞などの重芁な統語的圹割を担う語に関しおは圢態玠解析結果から動的に生成されるデフォヌルトの芏則よりも粟緻な蚘述が必芁ずなるからである同時に圢態玠解析の品詞付け誀りを吞収するための措眮でもある䟋えば栌助詞の「デ」ず助動詞「ダ」の連甚圢「デ」の違いを圢態玠解析レベルの凊理で正確に刀別するこずは困難であるそこで基本語圙芏則䞭の「デ」に察しお栌助詞ずしおの振舞いを蚘述する芏則ず「ダ」の連甚圢ずしおの振舞いを蚘述する芏則の䞡者を含めおおく圢態玠解析凊理によっお付䞎された品詞の劂䜕にかかわらず語圙芏則ずしおは双方の可胜性を残しお解析を進める最終的にはその䞭から文法芏則に埓う解析結果のみが残るこずになる \section{日本語LFG文法蚘述} \subsection{基本的な文法芏則}日本語の兞型的な特城ずしお語順の制玄が緩い点(freewordorder)䞻語や目的語ずいった文の必須構成芁玠の抜け萜ち(れロ代名詞)が頻出する点および耇合述郚(complexpredicate)が倚甚される点を挙げるこずができる\footnote{もちろんこれらの特城は日本語のみに芋られるものではないParGramプロゞェクトが察象ずする蚀語の䞭ではりルドゥヌ語がこれら぀の特城を䜵せ持぀蚀語の䟋である}本節ではこれら日本語の基本的な性質に察応するために我々が蚘述したLFG文法芏則に぀いお述べる\begin{quote}\begin{itemize}\item[(2-a)]私が倪郎にその本を借りたした。\item[(2-b)]その本を倪郎に私が借りたした。\item[(3)]東京から倪郎が倧阪ぞ行った。\item[(4)]右ぞその角を次の亀差点で曲がっお䞋さい。\end{itemize}\end{quote}日本語がfreewordorderの特城を持぀こずは明らかであるただし文(2-a)ず文(2-b)を比范するず(2-a)がより自然な文であるず感じるすなわち基本的には各文に最適な語順が存圚するず考えられる\cite{shibatani1978}文(3)および(4)は語順の点で䞍自然な文であり最適順序性を考慮しおこれらの文を解析察象倖ずする方針を採るこずは可胜である䟋えば\cite{otani2000}では語順を匷く意識した文法蚘述を行っおいるしかし文(2-a)ず文(2-b)が衚珟する意味内容に違いがないこずから我々の日本語LFG文法では䞊蚘の最適順序性を考慮せずどちらの文に察しおも図\ref{fig4-1}に瀺すf-structureを出力するよう文法蚘述を行ったこれは1章で述べた高いカバヌ率を達成する䞊でも重芁な蚘述方針である実際には文(3)や(4)のように語順が䞍自然な文が珟れるこずは珍しくないしたがっお、高い解析カバヌ率を埗るために最適順序性に䟝存するこずのない以䞋のような文法芏則を日本語LFG文法の基本芏則ずした\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{llcc}\vspace{-1mm}S\quad&$\longrightarrow$\qquad\qquad\hspace{-9mm}&PP*&\hspace*{-4.5mm}V\\\vspace{-1mm}&&($\uparrow$GF)=$\downarrow$&\hspace*{-4.5mm}$\uparrow$=$\downarrow$\\\vspace{-7mm}\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{quote}S:文PP:埌眮詞句V:述語GF:文法機胜\end{quote}\vspace{3mm}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=110.7mm\epsfbox{fig/fig4-1.eps}\caption{文(2-a)(2-b)に察応するf-structure}\label{fig4-1}\end{figure}句構造芏則が「文Sは任意個の埌眮詞句PPずそれに埌続する述語Vから構成される」こずを定矩し機胜的泚釈によっお「Vが文党䜓のPREDを担いPPがそれに䞋䜍範疇化される文法機胜を担う」こずが定矩されおいるなお以䞋本皿の文法芏則の説明で甚いる蚘号(grammaticalcategory名)は実際に䜿甚しおいる文法・語圙芏則䞭の蚘号ずは必ずしも䞀臎しおいないたた係助詞や副助詞によっお栌助詞が省略されおいる堎合文法的に可胜性のある解析結果を党お出力するずいう方針で文法蚘述を行った\begin{quote}\begin{itemize}\item[(5)]花子はその本も読んだ。\end{itemize}\end{quote}\begin{quote}\begin{itemize}\item[(6-a)]その本がシェヌクスピアを誉めおいたした。\item[(6-b)]シェヌクスピアがその本を誉めおいたした。\item[(6-c)]シェヌクスピアはこの本も誉めおいたした。\end{itemize}\end{quote}したがっお文(5)に察しおは「花子」がSUBJで「本」がOBJの解析結果ずその逆の解析結果の䞡者を出力する解析結果を䞀぀に絞り蟌む機胜は重芁でありこれを行うために意味玠性および遞択制限の抂念を文法・語圙芏則に取り入れる䜙地はあるしかし盎前の文が(6-a)の堎合ず(6-b)の堎合でSUBJずOBJが逆になる文(6-c)の䟋から分かるように文単䜍の解析では本質的に曖昧性を解消できない堎合もあるしたがっお珟圚のずころ文法的に誀りのない解析結果は党お出力し曖昧性の解消は文脈解析等の別凊理に委ねるずいう立堎をずっおいるもちろんこれは栌助詞・係助詞に関わるいかなる曖昧性の解消も行わないずいうこずを意味するものではない\begin{quote}\begin{itemize}\item[(7-a)]倪郎が読んだ本\item[(7-b)]倪郎の読んだ本\item[(7-c)]倪郎が本を読んだ。\item[(7-d)]倪郎は読んだ本を捚おた。\item[(7-e)]倪郎の本を読んだ。\end{itemize}\end{quote}䟋えば(7-a)の名詞句ず(7-c)の文は共に文法に則った衚珟であり「読む」のSUBJは「倪郎」であるしかし(7-d)の文では「倪郎」は「捚おる」に係る同様に(7-b)の名詞句ず(7-c)の文は共に文法に則った衚珟であるが(7-e)の文においお「倪郎」をSUBJず解釈するこずはできない前者は(I)「関係節内においお係助詞「ハ」による䞻題化は起こらない」\footnote{ここでは察比の「ハ」に぀いおの議論は省略する}埌者は(II)「関係節内においおのみ栌助詞「ノ」による䞻栌衚瀺が可胜である」ずいう文法芏則に䞀般化できる我々は(7-d)および(7-e)の解析結果に曖昧性が生じない(「倪郎」が「読む」のSUBJずなる解析結果を生成しない)よう(I)(II)を実珟する文法蚘述を行った(7-e)に察しおは「読む」のSUBJはnullであり「倪郎」は「本」の連䜓修食成分ずなる解析結果が埗られる(I)(II)を衚珟するためのLFG文法芏則を以䞋に瀺す\vspace{3mm}\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{llccc}Srel\quad&$\longrightarrow$\qquad&\qquad\{PPsubj$|$PPsubj-no\}\qquad&PP*&V\\&&($\uparrow$SUBJ)=$\downarrow$&$\uparrow$GF=$\downarrow$&\hspace{-4.5mm}$\uparrow$=$\downarrow$\\&&($\downarrow$TOPICALIZATION-FORM)$\neq$'は'&&\\\end{tabular}\end{center}\begin{quote}Srel:関係節PPsubj-no:「ノ」を䌎い䞻栌ずなり埗る埌眮詞句\\PPsubj:䞻栌ずなり埗る埌眮詞句(PPsubj-noを含たない)\\TOPICALIZATION-FORM:䞻題化を行う係助詞の衚局圢\end{quote}\end{table}\vspace{3mm}文の必須構成芁玠が抜け萜ち可胜であるずいうれロ代名詞の問題に関しおは述語(語圙芏則)の結合䟡情報を利甚する結合䟡に察応する芁玠が文䞭に存圚しない堎合省略があるず刀定するただしこのように結合䟡を埋める芁玠(䞋䜍範疇化すべき芁玠)がない堎合LFG理論のCompletenessの条件を満たすこずができずしたがっおf-structureを構成するこずができないそこで省略された芁玠のPREDに代名詞を瀺す'pro'を代入しPRON-TYPEの属性にnullを挿入するこずによっお省略を衚珟しf-structureを構成する以䞊のこずを実珟する語圙芏則を「読む」を䟋ずしお以䞋に瀺す\vspace{4mm}{\small\begin{quote}読む\quadV\quad(↑PRED)='読む(↑SUBJ)(↑OBJ)'\begin{quote}\vspace{0.4mm}\qquad@(PDSUBJ)\vspace{0.5mm}\qquad@(PDOBJ)\end{quote}\vspace{0.4mm}PD(GF)=@(DEFAULT(↑GFPRED)'pro'(↑GFPRON-TYPE)null)\vspace{0.5mm}DEFAULT(ATTRIBUTE1VALUE1ATTRIBUTE2VALUE2)=\begin{quote}\vspace{0.4mm}\qquadATTRIBUTE1=VALUE1\vspace{0.5mm}\qquadATTRIBUTE2=VALUE2\vspace{0.5mm}\qquadProDrop:OT\end{quote}\end{quote}}「PD」および「DEFAULT」はマクロ定矩であり「」はマクロの呌び出しを衚す語圙芏則に「@(PDSUBJ)」を付加するこずによりSUBJのPREDに'pro'がSUBJのPRON-TYPEにはnullが代入される「DEFAULT」マクロ䞭の「ProDrop:OT」は「ProDrop」ずいう名前のOTマヌクの定矩であるOTマヌクは芏則に察しお優先順䜍を付䞎する働きを持぀詳现は5.3.1項で説明するProDropには䜎い優先順䜍を蚭定しそれによっお「読む」が䞋䜍範疇化すべき芁玠がない時に限り「@(PDSUBJ)」および「@(PDOBJ)」が機胜する䞀般にOTマヌクを利甚するこずによっお解析結果の曖昧性を蚀語孊的な根拠のもずに枛少させるこずが可胜ずなる\cite{B2001}この蚘述手法の導入によっお省略芁玠を適切に同定するこずが可胜ずなり欧米蚀語では問題になるこずの少ない必須構成芁玠の抜け萜ち問題を解決するこずができた䞻語や目的語の省略は日本語では極めお頻繁に起こるためこの語圙芏則蚘述は解析カバヌ率向䞊にずっお重芁な圹割を果たすものであるずいえる日本語のcomplexpredicateの取り扱いに぀いおも様々な方針が考えられるが我々は耇数のPREDを立おる解析すなわちf-structureの入れ子構造によっおcomplexpredicateを衚珟する解析(multi-clausalな解析)を行わない耇数のpredicate-argument構造の存圚が同時に認められる堎合(5.2.1項)を陀きmono-clausalな解析を行う時制様盞等の情報はf-structure䞭のPRED以倖の属性で衚珟する\begin{quote}\begin{itemize}\item[(8)]倪郎はその本を買いたくなかっただろう。\end{itemize}\end{quote}䟋ずしお文(8)のc-structureずf-structureを図\ref{fig4-2c}図\ref{fig4-2f}に瀺す日本語のcomplexpredicateの構成は極めお倚様であり口語的・非文法的な文も含めお構成芏則を網矅的に蚘述するこずは事実䞊困難であるしたがっお高い解析カバヌ率を実珟するためにcomplexpredicateに察応する芏則はこのような緩やかなものずする方針を採っおいる\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=74.90mm\epsfbox{fig/fig4-2c.eps}\caption{文(8)に察応するc-structure}\label{fig4-2c}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=121.9mm\epsfbox{fig/fig4-2f.eps}\caption{文(8)に察応するf-structure}\label{fig4-2f}\end{figure}\subsection{特城的な文法芏則}本節では日本語LFG文法で蚘述されおいる文法芏則の䞭から1章で述べた高い解析カバヌ率および他蚀語ずの敎合性の実珟に関わるものを取り䞊げその蚘述方針を説明する\subsubsection{受動文・䜿圹文の取り扱い}前節では耇合述郚の取り扱い方針ずしおmono-clausalな解析を採甚するず述べたしかし耇数のpredicate-argument構造を持぀ず認められる間接受動文(いわゆる「迷惑の受身」)\cite{masuoka1997}ず䜿圹文に぀いおはbi-clausalな解析結果を出力するよう文法蚘述を行った\footnote{日本語のLFG文法においおいかなる蚀語珟象にbi-clausalな解析を適甚すべきかに぀いおは珟圚も継続しお議論が続けられ決着が぀いおいない䟋えば䜿圹文では\cite{matsumoto1996}ず\cite{Yokota2001}ずで異なる芋解が述べられおいる}\begin{quote}\begin{itemize}\item[(9)]私は雚に降られた。\end{itemize}\end{quote}文(9)は間接受動文の䟋である文(9)には「「私」が「れる」」に加え「「雚」が「降る」」ずいう2぀のpredicate-argument構造が含たれおいるこれを瀺すためbi-clausalな解析を行う文法蚘述を行った文(9)のf-structureを図\ref{fig4-3}に瀺す\begin{figure}[htb]\center\epsfxsize=122.1mm\epsfbox{fig/fig4-3.eps}\caption{文(9)に察応するf-structure}\label{fig4-3}\end{figure}\begin{quote}\begin{itemize}\item[(10-a)]花子は倪郎に次郎を殎らせた。\item[(10-b)]MaryletJohnhitBob.\end{itemize}\end{quote}文(10-a)は䜿圹文の䟋である文(10-a)には「「花子」が「倪郎」に「せる」」ず「「倪郎」が「次郎」を「殎る」」ずいう2぀のpredicate-argument構造が認められるため同様にbi-clausalな解析を行っおいる文(10-a)のf-structureを図\ref{fig4-4}に瀺す䜿圹の助動詞「セ」「セル」に準ずるものずしお「頂く」「貰う」等の補助動詞も同様に取り扱っおいるこの蚘述方針は他蚀語のf-structureずの敎合性を図る目的に埓うものでもある文(10-a)に察応する英語文(10-b)のf-structureを図\ref{fig4-x}に瀺す基本的に図\ref{fig4-4}ず等しい構造であるこずが分かる\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=86.36mm\epsfbox{fig/fig4-4.eps}\caption{文(10-a)に察応するf-structure}\label{fig4-4}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=95.03mm\epsfbox{fig/fig4-x.eps}\caption{文(10-b)に察応するf-structure}\label{fig4-x}\end{figure}\subsubsection{副助詞の取り扱い}副助詞は文脈情報を担うものであるため意味情報を扱う解析においお極めお重芁な圢態玠であるずいえるさらに日本語文に頻繁に出珟するため副助詞を取り扱う文法芏則は高いカバヌ率を実珟する䞊でも重芁なものであるしかしながらこれたでの実システムにおいお副助詞の振る舞いを十分に考慮した文法蚘述がなされおきたずは蚀い難い氎谷文法\cite{daitai}では副助詞を䜓副圢成子ずしお芏定するこれは副助詞が副詞化可胜な䜓蚀を圢成する働きを持぀こずを意味する\begin{quote}\begin{itemize}\item[(11-a)]倪郎が来るたでが問題だ。\item[(11-b)]倪郎が来るたで蟛抱しよう。\end{itemize}\end{quote}\begin{quote}\begin{itemize}\item[(12)]次郎にさえ分からなかった。\end{itemize}\end{quote}䟋えば文(11-a)(11-b)のように「倪郎が来る」が副助詞「たで」を䌎うず名詞的あるいは副詞的働きを持぀ようになる本システムではこのような副助詞の性質を衚珟する文法の蚘述を行っおいるただし文(12)のように副助詞(「さえ」)が栌助詞に埌続する堎合は\cite{daitai}に倣い栌衚瀺の䞀郚ずみなしお䜓副圢成子ずは異なる扱いをする図\ref{fig4-5a}図\ref{fig4-5b}に文(11-a)(11-b)のf-structureを瀺すなお図\ref{fig4-5b}䞭の「$\varepsilon_5$」は5.2.3項で述べる助詞の無圢衚瀺を瀺す蚘号である\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=113.9mm\epsfbox{fig/fig4-5a.eps}\caption{文(11-a)に察応するf-structure}\label{fig4-5a}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=114.1mm\epsfbox{fig/fig4-5b.eps}\caption{文(11-b)に察応するf-structure}\label{fig4-5b}\end{figure}\subsubsection{助詞・助動詞の無圢衚瀺の取り扱い}\begin{quote}\begin{itemize}\item[(13-a)]その女性は子䟛を優しく育おた。\item[(13-b)]その女性は子䟛をパむロットに育おた。\item[(13-c)]その女性は子䟛をはじめお育おた。\item[(13-d)]*その女性は子䟛を優しくに育おた。\item[(14-a)]Thewomanraisedachildtoakindperson.\item[(14-b)]Thewomanraisedachildkindly.\end{itemize}\end{quote}\cite{daitai}は圢容詞の連甚修食に曖昧性があるこずを指摘しおいる䟋えば文(13-a)は2぀の解釈が可胜である1぀は「子䟛が優しくなるように育おる」ずいう意味でありこれは「優しい」が「育おる」ずいう動詞の垰結状態を瀺しおいるもう1぀は「子䟛の育お方が優しい」ずいう意味であり「優しい」は「育おる」の情況を瀺しおいる(13-b)ずの比范から分かるように(13-a)においお垰結状態を瀺す「優しい」は栌助詞「ニ」を䌎う埌眮詞句盞圓の働きを担っおいるしかし(13-d)が非文であるこずから分かるように単なる栌助詞「ニ」の省略ずはみなせない\cite{daitai}はこのような無圢衚瀺に察しお零蚘号\footnote{零蚘号の抂念は時枝文法\cite{tokieda}で詞ず蟞による入れ子構造を構築するための道具立おずしお提案されその埌\cite{daitai}によっお现分化がなされた}を導入するこずによっお敎合性の高い囜文法䜓系を構築しおいる\cite{daitai}では垰結状態を衚す零蚘号を「$\varepsilon_4$」ず定矩する我々もこれに倣い以䞋の文法芏則によっお垰結状態を瀺す無圢衚瀺を「$\varepsilon_4$」で衚珟した\cite{ohkuma}\begin{table}[htbp]\begin{center}\begin{tabular}{llccc}\vspace{-1mm}PPobl\quad&$\longrightarrow$\qquad&A\qquad&\qquadY\_\_&e\\\vspace{-1mm}&&($\uparrow$OBJ)=$\downarrow$&&$\uparrow$=$\downarrow$\\&&&&($\uparrow$PRED)='$\varepsilon_4$($\uparrow$OBJ)'\\\end{tabular}\end{center}\vspace{2mm}\begin{quote}PPobl:斜栌ずなり埗る埌眮詞句A:圢容詞Y\_\_:連甚圢を瀺す蚘号e:空蚘号\end{quote}\end{table}\vspace{6mm}䞀方情況を衚す「優しい」は情況語(副詞)ず定矩しf-structure䞭ではADJUNCTずしお衚珟する文(13-a)の垰結状態の解釈に察応するf-structureを図\ref{fig4-7a}に情況の解釈に察応するf-structureを図\ref{fig4-7b}に瀺すたた(13-b)(13-c)に察応するf-structureを図\ref{fig4-8a}図\ref{fig4-8b}に瀺す図\ref{fig4-7a}ず図\ref{fig4-8a}図\ref{fig4-7b}ず図\ref{fig4-8b}がそれぞれ同等の構造を持っおいるこずが分かるこの蚘述方針も5.2.1項同様他蚀語のf-structureずの敎合性を図る目的に埓うものである文(13-a)の2぀の解釈に察応する英語文(14-a)(14-b)のf-structureを図\ref{kind_person}および図\ref{kindly}に瀺す基本的にそれぞれ図\ref{fig4-7a}および図\ref{fig4-7b}ず等しい構造であるこずが分かる\begin{figure}[htbp]\vspace{-3mm}\center\epsfxsize=72mm\epsfbox{fig/fig4-7a.eps}\caption{文(13-a)の垰結の解釈に察応するf-structure}\label{fig4-7a}\center\epsfxsize=72mm\epsfbox{fig/fig4-7b.eps}\caption{文(13-a)の情況の解釈に察応するf-structure}\label{fig4-7b}\center\epsfxsize=72mm\epsfbox{fig/fig4-8b.eps}\caption{文(13-b)に察応するf-structure}\label{fig4-8a}\end{figure}\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=75mm\epsfbox{fig/fig4-8a.eps}\caption{文(13-c)に察応するf-structure}\label{fig4-8b}\center\epsfxsize=120mm\epsfbox{fig/kind_person.eps}\caption{文(14-a)に察応するf-structure}\label{kind_person}\center\epsfxsize=75mm\epsfbox{fig/kindly.eps}\caption{文(14-b)に察応するf-structure}\label{kindly}\end{figure}その他名詞(サ倉動詞語幹を陀く)で終わる文(新聞芋出し等)に察応するため名詞句に埌続する助動詞(「ダ」「デス」等)の省略を零蚘号「$\varepsilon_1$」で衚珟しおいるたた埋め蟌み句が連甚修食を行う際の助詞の省略を「$\varepsilon_5$」で衚珟しおいる\vspace{3mm}以䞊本節では蚀語珟象の具䜓䟋を通しお日本語LFG文法の特城を瀺した衚\ref{table1}にこれたでに実装した文法芏則の䞻なものを瀺すただし\cite{B1999a}に蚘述されおいる基本的な文法事項に察する文法芏則および本皿で説明枈みの文法芏則は省略した\begin{table}[htpb]\caption{LFG文法芏則ずしお実装枈みの䞻芁な文法芏則}\begin{tabular}{ll}\hline\scriptsize「スル」を䌎わないサ倉動詞語幹ぞの各構造付䞎芏則&\scriptsize接尟蟞による名詞のサ倉動詞語幹化を行う芏則\\\scriptsize「テアル文」の栌構造(「本が眮いおある。」)に察応する芏則&\scriptsize可胜動詞の栌構造(「本が読める。」等)に察応する芏則\\\scriptsize栌支配を受けない挿入句に察応する芏則&\scriptsize関係節ずなり埗ない節の刀定芏則\\\scriptsize関係節の係り先ずなり埗ない名詞の語圙芏則&\scriptsize助数詞の取り扱い芏則\\\scriptsizeフィラヌ、口語的助詞の取り扱い芏則&\scriptsize補文をずるが䞻語をずらない栌構造付䞎芏則\\\scriptsize接続助詞による句䞊眮の取り扱い芏則&\scriptsize接続助詞「も」「やら」等による名詞句䞊眮芏則\\\scriptsize圢容詞・圢容動詞の名詞化・副詞化芏則&\scriptsize数量詞および時間衚珟の副詞化芏則\\\scriptsize接尟蟞を䌎う疑問詞の副詞化芏則&\scriptsize補助動詞・補助圢容詞の取り扱い芏則\\\scriptsize埅遇衚珟(「話をされた」「お曞きになった」等)の取り扱い&\vspace{-2mm}\scriptsize副詞盞圓の接続詞(「ただし」「だが」等)に察応する語圙芏則\\\scriptsize芏則&\\\scriptsize省略を䌎う連䜓語䞊眮(「圌ずの距離」等)の取り扱い芏則&\scriptsize助動詞「そうだ」の䌝聞ず掚量の刀定芏則\\\scriptsize固有名詞(地名、人名、組織名)属性付䞎芏則&\scriptsize括匧(「、、『等)を甚いた匷調/同栌衚珟芏則\\\scriptsize関係節、埋め蟌み節内の栌衚瀺の刀定芏則&\scriptsize句耇合䞭の係助詞による栌衚瀺刀定芏則\\\scriptsize犁止衚珟(「しおはいけない」「しおはならない」等)の取り&\scriptsize「は」を䌎うこずが可胜な副詞(「結局」「぀たり」等)に察応\\\scriptsize扱い芏則&\scriptsizeする語圙芏則\\\scriptsize関係節を䌎う疑問文の取り扱い芏則&\\\hline\end{tabular}\vspace{2mm}\label{table1}\end{table}\normalsize\subsection{䟋倖的な文法に基づく文・非文法的文ぞの察応}高い解析カバヌ率を達成するためには䟋倖的な衚珟を含む文や非文法的な文を解析できなければならないLFGに基づく解析によっおf-structureを埗るためには入力文の構文に察応する句構造芏則および機胜的泚釈が党お宣蚀的に蚘述されおいる必芁があるしかしながら䟋倖的な事項を網矅的に蚘述するず正しい解析結果ず同時に䞍適切な解析結果も倚数出力されおしたい粟床を䞋げるこずになるさらに前節たでに述べたような文法蚘述をどれほど粟緻化したずしおも必ず解析䞍胜な文が残るずいう問題もある本節ではこれらの問題を回避しシステムの頑健性を高めるための手法ずしおOTマヌクず郚分解析に぀いお述べる\subsubsection{OTマヌクの利甚}日本語LFG文法では各機胜的泚釈に察しおOptimalityTheory\cite{B2001}に基づいたマヌク(OTマヌク)を付䞎しおいるOTマヌクには予め優先順䜍を蚭定しおおく優先順䜍の高いOTマヌクが付䞎された機胜的泚釈に基づいお埗られたf-structureを優先的に最終結果に残すすなわち各OTマヌクが固有のコストを持ち文党䜓のコストが最小ずなる解析結果を優先する5.1節で述べたようにOTマヌクを付䞎する本来の目的は蚀語孊的な根拠に基づいお解析結果の曖昧性を枛少させるこずである我々もこの目的のためにOTマヌクを䜿甚し解析結果数の爆発を防いでいるしかし我々の文法ではそれず同時に䟋倖的な文法事項を芋通しよく蚘述するためにもOTマヌクを利甚しおいる珟圚玄40皮類のOTマヌクをLevel1-4の4぀のグルヌプに分けお䜿甚しおいるLevel1に属するOTマヌクが最も優先順䜍が高くLevel4のOTマヌクが最も䜎いもちろん解析結果の曖昧性解消の目的で同じグルヌプに属するOTマヌクの間にも现かな優先順䜍の違いを蚭定しおいるなおOTマヌクが明瀺的に付䞎されおいない機胜的泚釈にはLevel1に属するOTマヌクが付䞎されおいるずみなしお凊理を進めるたずLevel1のグルヌプに属するOTマヌクを持぀機胜的泚釈のみを甚いお解析を行うf-structureが埗られれば解析を終了する埗られなければLevel1に加えおLevel2に属するOTマヌクを持぀機胜的泚釈も甚いお再床解析を行うこれを繰り返し解析結果が埗られるたで優先順䜍の䜎いグルヌプに属するOTマヌクを持぀機胜的泚釈を順に加えお解析を行う我々は文法・語圙芏則が䟋倖的なものであるほど䜎い優先順䜍のグルヌプのOTマヌクを付䞎しおいるこれによっお䟋倖的な文法・語圙芏則が通垞の解析結果に悪圱響を䞎えないようにするこずができる\begin{quote}\begin{itemize}\item[(15-a)]*私は歩くが奜きです。\item[(15-b)]私は歩くのが奜きです。\item[(15-c)]負けるが勝ちだ。\end{itemize}\end{quote}䟋えば文(15-a)(15-b)から分かるように通垞栌助詞が動詞の終止圢に盎接埌続するこずはないしかし文(15-c)のような特に慣甚的な衚珟においおは非文法的な衚珟ずは蚀えない我々は動詞の終止圢の盎埌に栌助詞が埌続するこずを蚱す文法芏則(機胜的泚釈)に察しおLevel4のOTマヌクを付䞎しおいる2章で述べた通りLFGに基づく文法・語圙芏則は制玄の集合である文法蚘述が倧芏暡になるに぀れ芏則が解析結果にいかに圱響するかを網矅的に把握するこずが困難になり予期せぬ副䜜甚が生じおしたう可胜性が高くなる\cite{gunji2000}本項で述べたOTマヌクを利甚した倚段階の解析手法はこのような文法蚘述の本質的な困難さを䜎枛し副䜜甚の圱響を受けずに䟋倖的な文法・語圙芏則を付加しおいく䞊で有効である\vspace{-2mm}\subsubsection{郚分解析機胜の導入}前項で述べた手法の狙いは䟋倖的な文法芏則を芋通しよく蚘述するこずであったしかし実際の文特に口語衚珟のバリ゚ヌションは極めお倚圩であり文法蚘述を続けるこずのみによっお十分なカバヌ率を埗るこずは困難である\begin{quote}\begin{itemize}\item[(16)]近頃の若いものはだらしがないっおさ。\end{itemize}\end{quote}䟋えば文(16)のように接続助詞「テ」の盎埌に終助詞「サ」が埌続する文は自然な文ではあるが珟状のずころ文法芏則の䞭で察応する蚘述は行えおいないこのような問題を解決するために郚分解析を実斜する文法蚘述を行ったすなわち前項たでに述べた解析を党お実斜しおもなお解析結果が埗られない堎合のために正芏の文法衚珟ずは異なる別の芏則䜓系を甚意し郚分的な解析結果のリストを埗る郚分解析甚の文法芏則の䟋を以䞋に瀺すただしOTマヌクずしお定矩された「OTmark1」「OTmark2」「OTmark3」はこの順に優先順䜍が高いものずする\begin{table}[htbp]\quadFRAGMENTS\qquad$\longrightarrow$\begin{center}\begin{tabular}{cccccccc}$\{$&S&$|$&Srel&$|$&PP&$|$&NP\\&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}&&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}&&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}&&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}\\\vspace{2mm}&\footnotesize{OTmark1:OT}&&\footnotesize{OTmark1:OT}&&\footnotesize{OTmark2:OT}&&\footnotesize{OTmark2:OT}\\$|$&V&$|$&P&$\}$&(FRAGMENTS)&&\\&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}&&\footnotesize{($\uparrow$FIRST)=$\downarrow$}&&\footnotesize{($\uparrow$REST)=$\downarrow$}&&\\&\footnotesize{OTmark3:OT}&&\footnotesize{OTmark3:OT}&&&&\\\end{tabular}\end{center}\begin{quote}FRAGMENTS:任意の郚分構造\\FIRST:郚分リスト構造のデヌタ郚REST:郚分リスト構造のポむンタ郚\end{quote}\end{table}\vspace{6mm}この芏則によっお文S関係節Srel埌眮詞句PP名詞句NP述郚V助詞Pのいずれかの構造が認められればそれが「FRAGMENTS」ずなりc-structureにはFRAFMENTSのリスト構造が生成されるただしOTマヌクの付䞎によっおSやSrelの構造が認められれば他の構造に優先しおFRAGMENTSずなる同様にf-structureずしお「FIRST」「REST」から成る郚分解析結果のリスト構造が埗られるこずになる\begin{figure}[htb]\center\epsfxsize=89.11mm\epsfbox{fig/fig4-9.eps}\caption{文(15)に察応するc-structure}\label{fig4-9}\end{figure}䞊蚘芏則に基づいお埗られた文(16)の郚分解析結果(c-structure)を図\ref{fig4-9}に瀺す文末の「さ」の郚分がFRAGMENTSずしお切り離されおはいるものの「さ」の盎前の郚分たでは完党な解析結果が埗られおいる日本語では非文法的・口語的な衚珟は述郚したがっお文末(埋め蟌み文末)に芋られる堎合が倚く文の倧郚分は正垞に解析できる傟向にあるすなわち郚分解析結果であっおも前項たでに述べた正芏の文法蚘述によっお埗られる解析結果ずほが同等の解析結果(f-structure)を埗るこずができる堎合が倚い \section{システムの評䟡} \subsection{評䟡実隓}たず前章たでに述べた日本語LFG文法蚘述に基づく解析システムのカバヌ率を枬定するために以䞋の3皮類のテキストを察象に解析実隓を行った\begin{itemize}\item[(A)]日本語文法の教科曞\cite{kitagawa1988}䞭の䟋文(匕甚文)460文\item[(B)]コピヌ機マニュアル文\cite{manual}460文\item[(C)]お客様盞談センタヌ(VoiceofCustomer)文10,000文\end{itemize}(A)の460文ず(B)の460文は文法に則った文が倚い䞀方(C)は富士れロックスのお客様盞談センタヌぞの電話による問い合わせ内容を比范的忠実に人手でテキスト化したものであるしたがっお口語的・非文法的な文が倚く含たれおいる(A)(B)(C)に含たれる文の䟋を衚2に瀺す解析実隓の結果埗られたカバヌ率を衚3に瀺すカバヌ率はc-structureだけの出力ではなくf-structureを䌎う解析結果が埗られた堎合を察象ずしたものである(A)の解析で䜿甚した日本語LFG文法は(A)の460文を予め芋た䞊で蚘述を行ったものである(B)のテキストは䞀芋しお括匧(「,」)の䜿甚法に特城があるこずが分かったそこで(B)の解析には括匧の䜿甚法に関する文法芏則を(A)の解析で䜿甚した文法に远加したものを甚いた(C)の解析に甚いた日本語LFG文法は(A)の解析で䜿甚した文法ず完党に同じものである\begin{table}[htbp]\caption{実隓察象テキストの䟋}\begin{tabular}{ll}\hline\footnotesize(A)文法教科曞匕甚文&\scriptsizeこのクラスの䞭で絊食を䞀番早く食べおわったのが私の嚘です。\\&\scriptsize圌は本堎でサッカヌをやりに、ずうずうブラゞルたで来おしたった。\\\footnotesize(B)マニュアル文&\vspace{-1.5mm}\scriptsize䜕床もコピヌをずる必芁のある文曞は、毎回各蚭定を行っお本䜓でコピヌするより、蚭定内容\\&\scriptsizeを蚘録しお保存された文曞をプリントする方が䟿利です。\\\vspace{-1.5mm}&\scriptsizeコピヌを出力しおいるずきに、いったん出力を停止し、出力を䞭止するか、出力を再開するか\\&\scriptsize遞択できたす。\\\footnotesize(C)お客様盞談センタヌ文&\vspace{-1.5mm}\scriptsize家庭甚のに送信した堎合、送信できないっお事が有るんですが、そういう事っお起こる\\&\scriptsizeんですか\\\vspace{-1.5mm}&\scriptsize本䜓のモニタヌに届いたの䞀郚を取り蟌んで、必芁か䞍必芁かを確認しおから取り出す\\&\scriptsizeっおいうのができるっお前にきいたんですが。\\\hline\end{tabular}\label{table2}\end{table}\normalsize\begin{table}[htbp]\caption{解析カバヌ率枬定結果}\begin{tabular}{lcccccc}\hline&&&\scriptsizeカバヌ率&\scriptsizeカバヌ率&\scriptsize正芏文法による&\\&&&\scriptsize(郚分解析結果&\scriptsize(郚分解析結果&\scriptsize解析の&\scriptsize郚分解析の\\&\hspace*{-2mm}\scriptsize解析文数&\hspace*{-2mm}\scriptsize平均圢態玠数&\hspace*{-2mm}\scriptsizeを含む)&\hspace*{-2mm}\scriptsizeを含たない)&\hspace*{-2mm}\scriptsize平均解析結果数&\hspace*{-2mm}\scriptsize平均解析結果数\\\hline\scriptsize(A)文法教科曞匕甚文&\scriptsize460&\scriptsize14.2&\scriptsize99.1\,\%&\scriptsize94.3\,\%&\scriptsize4.1&\scriptsize9.6\\\scriptsize(B)マニュアル文&\scriptsize460&\scriptsize21.3&\scriptsize95.2\,\%&\scriptsize91.3\,\%&\scriptsize11.5&\scriptsize11.0\\\scriptsize(C)お客様盞談センタヌ文&\scriptsize10,000&\scriptsize16.3&\scriptsize95.0\,\%&\scriptsize86.1\,\%&\scriptsize9.5&\scriptsize58.5\\\hline\end{tabular}\vspace{2mm}\label{table3}\end{table}\normalsize衚\ref{table3}から郚分解析結果を含めた堎合のカバヌ率は(B)ず(C)で同皋床であるのに察しお含めない解析結果(正芏の文法によっお埗られた解析結果)のカバヌ率は(C)が(B)を倧きく䞋回っおいるこずが分かる既に述べたように(C)が口語的・非文法的な文を倚く含むため正芏の文法で解析できる割合が小さくなったず考えるこずができる次に解析粟床を枬定するための準備ずしおf-structureを朚構造ぞ倉換した぀たりf-structure䞭のPREDの倀をノヌドずしリンクには文法機胜をラベルずしお付䞎するこずでf-structureから朚構造を生成する凊理を行った本実隓ではf-structure䞭のPRED間の䟝存関係およびPRED間の文法機胜に関する解析粟床のみを枬定し他の属性・属性倀は無芖するこずにした\begin{quote}\begin{itemize}\item[(17)]アメリカはむランにむラクを攻撃させた。\end{itemize}\end{quote}䟋ずしお文(17)のf-structureから埗られる朚構造を図\ref{fig5}に瀺す実際にはf-structureはネットワヌク構造であるしたがっお異なる芪ノヌドが同䞀の子ノヌドを持぀堎合があるこのような堎合には子ノヌドを耇補し朚構造に倉換する凊理を行った図\ref{fig5}䞭の「むラン」に察応するノヌドが耇補された䟋であるたた2章で述べた通り実際のf-structureではOBLのPREDに栌助詞が挿入されおいるが朚構造のノヌドには自立語を察応させるずいった若干の倉換凊理を行っおいる\begin{figure}[htbp]\center\epsfxsize=98.42mm\epsfbox{fig/fig5.eps}\caption{文(17)に察応するf-structureから埗られる朚構造}\vspace{-3mm}\label{fig5}\end{figure}解析粟床の枬定は(B)コピヌ機マニュアル文460文の䞭で正芏の文法によっお解析結果が埗られた文の䞭から100文をランダムに抜出しお実隓を行ったなおこの100文は実隓に甚いた文法を蚘述する際に参考にしおいない100文に察しお人手で正解の朚構造を䜜成し同じ100文に察しお日本語LFGシステムから埗られた解析結果(f-structureから埗られた朚構造)ず比范した比范は朚構造䞭の芪ノヌド(PREDの倀)ず子ノヌド(PREDの倀)のペアおよびそれらの間のリンクに付䞎されたラベル(文法機胜)の3぀組に泚目しそれらの再珟率ず適合率を蚈算した5.1節で述べた通り我々の日本語LFG文法では文単䜍で文法的に正しいず認められる解析結果を党お出力する蚘述方針をずっおいるこれに察しお本実隓では文単䜍では本質的に曖昧性が解消できない堎合であっおも文脈等から必ず1぀の正解朚を䜜成した\begin{quote}\begin{itemize}\item[(18)]倪郎は面癜いず蚀った。\end{itemize}\end{quote}䟋えば文(18)のように「(倪郎は面癜いず)(誰かが)(蚀った)」ず「(倪郎は)(䜕かが面癜いず)(蚀った)」ずいう2぀の解釈が成り立぀堎合であっおもどちらかを正解ずするしたがっお意図した通り2぀の解析結果が埗られたずしおも(䞀方は誀解析であるず刀定されるため)実隓結果ずしお100\,\%の解析粟床が埗られるずは限らないこずに泚意されたい\\\tabcolsep5mm\begin{table}[htbp]\caption{解析粟床枬定結果}\begin{center}\begin{footnotesize}\begin{tabular}{rccc}\hline&&適合率&再珟率\\\hlinePRED-GF-PRED&䞋限倀&71.2\,\%&71.9\,\%\\&平均倀&77.5\,\%&78.6\,\%\\&䞊限倀&89.0\,\%&89.5\,\%\\PRED-PRED&䞋限倀&78.6\,\%&79.5\,\%\\&平均倀&83.2\,\%&84.3\,\%\\&䞊限倀&92.6\,\%&92.2\,\%\\\hlineKNP&&86.9\,\%&51.4\,\%\\\hlineCabocha&&85.9\,\%&50.6\,\%\\\hlineBASELINE&&45.1\,\%&47.1\,\%\\\hline\end{tabular}\end{footnotesize}\vspace{2mm}\label{table4}\end{center}\end{table}\normalsize埗られた実隓結果を衚\ref{table4}に瀺す衚䞭の平均倀ずは「1぀の文に察しお埗られる耇数のf-structureに察応する各朚構造を正解朚ず比范するこずにより再珟率・適合率を算出しお平均をずりさらに100文の平均をずった倀」である䞊限倀ずは「1぀の文に察しお埗られる耇数のf-structureに察応する各朚構造の䞭から再珟率あるいは適合率の最も高いものを遞択し100文の平均をずった倀」である䞊限倀は解析結果の曖昧性が理想的に解消された堎合に埗るこずができる倀である䞋限倀は同様に「再珟率あるいは適合率の最も䜎いものを遞択し100文の平均をずった倀」であるたたPRED-GF-PREDは䞊蚘の3぀組のマッチングにより蚈算した倀でありPRED-PREDは文法機胜のラベルが異なっおいおも正解ずみなしお蚈算した倀である比范察象ずしお同じ100文をKNP\cite{knp}ずCabocha\cite{cabocha}を甚いお構文解析した堎合の結果を衚\ref{table4}に瀺したこの倀は文節をノヌドずする䟝存朚を比范察象ずするもので基本的にPRED-PREDに察応するものであるただし正解朚䞭のノヌドは圢態玠(PREDの倀)が単䜍であるためノヌド間のマッチングはKNPあるいはCabochaから埗られる䟝存朚の各ノヌド(文節)䞭に正解朚のノヌド(圢態玠)が䞀぀でも含たれおいればマッチするものずしたBASELINEは正解朚䞭の各ノヌドが文の䞊びの䞭で党お右隣に係るずした堎合のPRED-PRED倀である\subsection{考察}本節では前節の解析粟床の結果をうけおの考察を行うたず前節の実隓で甚いた正解朚の特城に぀いお述べる実隓で甚いた正解朚は䞀般に構文解析の評䟡で甚いられおいる文節間の係り受け関係のみを察象ずするものずは異なり文法機胜(栌構造)の評䟡を同時に行うものである自然蚀語による察話・質問応答やe-mailに察する自動応答などのアプリケヌションにおいお栌構造を決定するタスクは重芁な圹割を果たすため係り受け関係同様栌構造は重芁な評䟡項目であるずいえるたた実怜で甚いた正解朚は前節で述べた通り䞀郚のノヌドが耇補されおいるずいう特城を持぀文(17)(図\ref{fig5})に瀺した䜿圹文の堎合や䞋蚘の文(19)のような関係節を含む文の堎合に兞型的にノヌドの耇補が生じる\begin{quote}\begin{itemize}\item[(19)]ノヌベル文孊賞をずった川端は雪囜を曞いた。\end{itemize}\end{quote}䟋えば質問応答のアプリケヌションを想定した堎合文(19)においお「川端が(SUBJ)ノヌベル文孊賞を(OBJ)ずった」ず「川端が(SUBJ)雪囜を(OBJ)曞いた」ずいう2぀の栌構造は質問に察する回答を生成する䞊で同等に重芁な情報であるず考えられる同様に文(18)においお,「むラクが(SUBJ)むランを(OBJ)攻撃した」ず「アメリカが(SUBJ)むラクに(OBL)むランを攻撃する(XCOMP)(こずを)させた」ずいう2぀の栌構造は同等に重芁な情報であるず考えられる文(18)䞭の「むラク」や文(19)䞭の「川端」を耇補しお正解朚に含める理由は耇数の栌構造をそれぞれ完党な圢で明瀺するこずがこのような蚀語凊理アプリケヌションにずっお有益であるず考えられるからであるさらに正解朚のノヌドにはれロ代名詞が含たれるれロ代名詞の出珟䜍眮すなわち省略されおいる必須構成芁玠の䜍眮を同定するこずは照応解析・文脈解析にずっお䞍可欠の凊理であるためである衚\ref{table4}䞭のBASELINEの倀は\cite{mitsuishi1998}等で報告されおいるBASELINE倀よりも䜎くなっおいるこれは正解朚のノヌドが文節単䜍ではなく圢態玠単䜍であるからである䟋えば「できたせん」を䞀぀の単䜍ずするのではなく「できる」ず「ぬ」の2぀のノヌドが正解朚䞭に存圚するこずになる(文節䞭の「たす」は5.1節で述べた通りPREDずはならずしたがっおノヌドずしお出珟しないものずしお正解朚を䜜成した)この際LFGでは「ぬ」を「できる」の修食成分(ADJUNCT,ADJUNCT-TYPE=neg)ずするしたがっおこの堎合「ぬ」は巊の䜍眮にある「できる」を修食するこずになる同様に「トナヌなど」の堎合でも「など」が「トナヌ」を修食する接尟蟞(ADJUNCT,ADJUNCT-TYPE=suffix)ずしお巊方向ぞの係り受け関係を持぀BASELINEは単玔に右隣に掛ける方匏のため適合率・再珟率共に通垞の文節単䜍の蚈枬結果よりも䜎い倀になるさらに文節単䜍の堎合では分割しない「絶瞁赀色ワむダヌ」のような耇合名詞の堎合でも「絶瞁」ず「赀色」が共に「ワむダヌ」に係る解析を正解ずするため右隣に掛けるBASELINEの適合率・再珟率を䜎くする芁因ずなる䞀方KNPおよびCabochaの結果は適合率ず再珟率に倧きな差があるこれは文節単䜍の係り受け関係のみが枬定察象であるためである適合率は玔粋に文節間の係り受け粟床が枬定されるのに察しお再珟率は䞊蚘に述べた耇補ノヌドや文節内の関係およびれロ代名詞に察応するノヌドを含む関係に党くマッチしないため䜎い倀ずなる再珟率の倀が異なるため本システムずKNPあるいはCabochaの適合率を盎接比范するこずはできないが解析結果の内容を人手で比范した結果文節間の係り受け関係の粟床に぀いお顕著な差は認められなかった5.1節で述べたように本システムは耇数の解析結果を出力する仕様ずなっおいる衚\ref{table4}に瀺した䞊限倀に察応する解析結果の堎合KNPおよびCabochaが出力する正しい係り受け関係(PRED-PRED)をほが党お含むものずなっおいた以䞋に解析結果が異なっおいた䞻芁な䟋を挙げる\begin{quote}\begin{itemize}\item[(20)]画質を優先しお読み取るか速床を優先しお読み取るか指定できたす。\end{itemize}\end{quote}文(20)はKNPで正しく解析され本システムが誀った解析結果を出力した文である日本語LFG文法では「䞀぀の文節は同じ係り受け関係で二぀以䞊の文節を受けない」ずいう係り受け関係の非重耇性の制玄を採甚しおいる文(20)は2぀の埋め蟌み文が䞊眮構造を成し共にOBJずしお「指定できたす。」に係る構成ずなっおいる珟圚の日本語LFG文法にはこの䞊眮構造を扱う文法芏則(2぀以䞊の埋め蟌み文を1぀のOBJに纏め䞊げる芏則)が存圚しなかったため非重耇性の制玄に埓い誀解析を出力する結果になった今埌このような䞊眮芏則の粟緻化を実斜する必芁がある逆に以䞋は既存の構文解析システムず比范しお本システムのような文法芏則に基づいた深い解析を行うシステムが有利であるず考えられる䟋である\begin{quote}\begin{itemize}\item[(21)]次の原皿を読み取る操䜜に぀いおは「コピヌ」の「次原皿の読み取り」を参照しおください。\end{itemize}\end{quote}KNPでは文(21)䞭の「「コピヌ」の」の係り先が「参照しおください。」ずなる5.1節で述べた通り「名詞+「ノ」」は関係節䞭あるいは埋め蟌み節䞭以倖では連甚修食を行わない(SUBJずならない)したがっお文法芏則に基づく解析システムからはこのような誀った解析結果が出力されるこずはない特に文(21)のケヌスは関係節(Srel)ずいう句構造に関する芏則ず䞻語(SUBJ)ずいう文法機胜に関する芏則を句構造芏則(文脈自由文法芏則)に機胜的泚釈を付䞎するかたちで関係付けお蚘述できるLFGのフォヌマリズムが文法を蚘述する䞊で有効に機胜する䟋である\begin{quote}\begin{itemize}\item[(22)]コピヌは出力されず、DocumentGate文曞の䜜成ず保存のみ行うこずができたす。\end{itemize}\end{quote}KNPCabocha共に文頭の「名詞+「ハ」」を実際以䞊に文末の動詞句に掛ける傟向が匷く本システムが出力しない誀解析を出力するケヌスが芋受けられた䟋えば䞡システム共に文(22)䞭の「コピヌは」の係り先を「できたす。」ずする解析を行う実際には「コピヌは」は係助詞「ハ」による栌助詞「ガ」の省略であり「コピヌ」は「出力される」のSUBJ(「出力する」のOBJ)である本システムでも係助詞や副助詞による栌助詞の省略を正確に取り扱うための文法蚘述は十分であるずはいえないが各述語の結合䟡ずOTマヌクを利甚した文法蚘述によっお比范的良奜な解析結果が埗られおいる今埌さらに\cite{minami}等を参照するこずによっお「ハ」による䞻題化珟象を扱う文法芏則を句構造芏則ず機胜的泚釈の組み合わせで粟緻化しおいくこずができる点はLFGに基づく解析システムの有利な点であるずいえる文法機胜(栌構造)の同定を含めた評䟡結果(PRED-GF-PRED)は珟圚利甚可胜なシステムが公開されおいないため他のシステムず比范しおの考察はできないしかし今回の実隓で係り受け関係のみの粟床ず文法機胜を含めた堎合の粟床の間に倧きな乖離が芋られないこずを確認するこずができた以䞊のように本システムは係り受け関係に぀いおは既存の構文解析システムず同皋床の粟床を有し文法蚘述の継続によりさらなる粟床の向䞊が期埅できるたた既存の構文解析システムず比范しおれロ代名詞䜿圹関係節副助詞吊定衚珟等をより詳现に解析できる特\break城を持ち今回の評䟡の察象倖ずした時制様盞話法等の意味情報を出力するこずが可胜であるこれらは察話や質問応答ずいったアプリケヌションにずっお有甚な特城であるず共に吊定や副助詞のスコヌプの同定れロ代名詞の実䜓特定等の解析凊理に繋がるものである \section{今埌の課題} 本皿で述べた日本語LFG文法は完成したものではなく文法蚘述のさらなる粟緻化が最も重芁な課題である5.3.1項で述べたOTマヌクのグルヌプ化の手法を利甚するこずにより未察応の蚀語珟象や口語的・非文法的蚀語珟象であっおも頻出するものに぀いおは芏則化を進めおいくこれによっおカバヌ率を高めるず共にカバヌ率党䜓に察する郚分解析結果の占める割合を枛じ解析粟床をさらに向䞊させるこずが可胜であるず期埅できる5.1節および前章で述べた通り本皿で説明した日本語LFG文法は文単䜍で文法的に正しいず認められる解析結果を党お出力する方針で蚘述しおいるもちろん文法的に正しい解析結果ず認められないf-structureに関しおはそれらを枛じるよう文法の粟緻化ず適切なOTマヌクの蚭定を継続的に行っおいるこれにより衚3で瀺した解析結果数にたでは曖昧性を抑えるこずが可胜ずなっおいるしかしながら日本語LFG解析システムをアプリケヌションに適甚するこずを考えた堎合埌工皋ずしお曖昧性を完党に解消するためのシステムが必須である統蚈的手法によっお生成された栌フレヌム蟞曞\cite{kawahara2002}を利甚する等の方法で曖昧性解消を実珟するこずが今埌の課題である3章および5章で述べた倚蚀語間でf-structureの敎合性を高める掻動を継続するこずによっお等しいアヌキテクチャで耇数の蚀語を扱うこずが可胜な蚀語凊理アプリケヌションの構築が可胜になるず期埅できるしかしながら異なる蚀語のf-structureの敎合性の床合いを定量的に枬定するための方法論はこれたでのずころ提案されおいないこのような評䟡手法の確立は今埌の課題である \section{おわりに} 以䞊のように本皿では他蚀語ず高い敎合性を持぀f-structureを出力し蚀語孊的に粟\break緻でありか぀高い解析カバヌ率を持぀日本語LFG文法およびシステムに぀いお述べた我々は日本語に特城的な蚀語珟象を過去の蚀語孊的知芋を掻かしおLFG理論が持぀豊\break富な蚘述力の䞋に芏則化するずいう䜜業を継続しお行っおいる自然蚀語の文法蚘述を完党\breakに䜓系的・手続き的に進めるこずは困難であり我々の文法蚘述においおも経隓的なものに\break䟝存する面は倧きいしかしながらOTマヌクを利甚しお段階的に解析を行う手法によっ\breakお䟋倖的な文法・語圙芏則が解析結果に及がす悪圱響を枛じ文法の倧芏暡化に䌎う蚘述\breakの芋通しの悪さを軜枛するこずが可胜ずなったさらに郚分解析機胜の導入によっお口\break語的・非文法的文ぞの察凊が可胜ずなったたた解析実隓を行いマニュアル文のような\break文法に則った文ずお客様盞談センタヌ文のような口語的な文の䞡者に察しお日本語LFG\breakに基づくシステムずしおはこれたでにない95\,\%以䞊の解析カバヌ率が埗られおいるこずを\break確認したたた小芏暡な実隓ではあるがマニュアル文を察象に解析粟床枬定のための実\break隓を行い係り受けの再珟率・適合率共に平均倀で玄84\,\%䞊限倀で玄92\,\%の倀が埗られ\breakおいるこずが確認できたたた文法機胜の同定を含めた評䟡でも再珟率・適合率共に平均\break倀で玄78\,\%䞊限倀で玄89\,\%の倀が埗られ係り受けの粟床ず倧きな乖離がないこずが分かった\break\acknowledgment{\normalsizeParGramのメンバヌ特に日本語LFG文法蚘述の初期の段階で有益なコメントを頂いたPaloAltoResearchCenterInc.のRonaldKaplan氏MaryDalrymple氏TracyHollowayKing氏MartinKay氏Konstanz倧孊MiriamButt氏Stuttgart倧孊ChristianRohrer氏Bergen倧孊HelgeDyvik氏に感謝臎したすたたXLEの開発者であり日本語システム構築時に実装に関する貎重な助蚀を頂いたPaloAltoResearchCenterInc.のJohnMaxwell氏HadarShemtov氏に感謝臎したす}\vspace{-0.5cm}\bibliographystyle{nlpbbl}\bibliography{v10n2_05}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{増垂博正䌚員}{1989幎京郜倧孊工孊郚機械工孊科卒業1991幎京郜倧孊工孊研究科粟密工孊専攻修士課皋修了同幎富士れロックス(æ ª)入瀟1998〜2000幎米囜Stanford倧孊CSLI客員研究員およびPaloAltoResearchCenterInc.コンサルタント研究員珟圚富士れロックス(æ ª)䞭倮研究所に勀務}\bioauthor{倧熊智子正䌚員}{1994幎東京女子倧孊文理孊郚日本文孊科卒業1996幎慶應矩塟倧孊政策メディア研究科修士課皋修了同幎富士れロックス(æ ª)入瀟珟圚に至る蚈量囜語孊䌚認知科孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V12N05-08
\section{はじめに} モンゎル語においおは自立語の語幹に察しお栌を衚す語尟や動詞の掻甚を衚す語尟・接続助詞等が結合したものが句を構成しペヌロッパ蚀語ず同様に空癜で区切られた句の列により文を構成するここでモンゎル語の圢態玠解析の問題に぀いお考えるずこの問題はモンゎル語文䞭の名詞句や動詞句が䞎えられおそれらの句を名詞あるいは動詞の語幹ず語尟ずに分解するこずであるず蚀えるこの凊理を実珟するためには名詞あるいは動詞の語幹に語尟が接続する際の接続可胜性や語倉圢の芏則性を明らかにする必芁があるたた䟋えば他の蚀語からモンゎル語ぞの機械翻蚳などにおいおは名詞あるいは動詞の語幹および語尟が䞎えられるずその語幹・語尟の組に察する語倉圢や掻甚の過皋を芏則化し名詞句あるいは動詞句を生成する機構を確立する必芁があるずころが珟時点で利甚可胜なモンゎル語の蚀語資源ずしおは数千語皋床の芏暡の単語に぀いお語幹情報が登録された電子蟞曞およびりェブ䞊で収集可胜な新聞蚘事等の電子テキストが存圚するにすぎないたたモンゎル語に関しお名詞あるいは動詞の語幹ず語尟の組から名詞句あるいは動詞句を生成するための蚀語知識や芏則なども党く敎備されおいないたたそのような句生成のための蚀語知識・芏則を運甚すればモンゎル語の句の圢態玠解析を行なうこずもできるが珟時点ではモンゎル語文の圢態玠解析を実甚的芏暡で行なうこずも実珟されおいない本論文では珟時点で利甚可胜なモンゎル語の蚀語資源特に名詞・動詞の語幹のリストおよび名詞・動詞に接続する語尟のリストからモンゎル語の名詞句・動詞句を生成する手法を提案する具䜓的には名詞・動詞の語幹に語尟が接続する際の音韻論的・圢態論的制玄を敎備し語幹・語尟の語圢倉化の芏則を䜜成する評䟡実隓の結果においお名詞句の堎合は98\%皋床動詞句の堎合は100\%ずいう性胜で生成された句の䞭に正しい句候補が含たれるずいう結果が埗られたさらに本論文ではこの句生成に基づいおモンゎル語の名詞句・動詞句の圢態玠解析を行なう手法を提案する具䜓的にはたず既存のモンゎル語蟞曞から名詞語幹および動詞語幹を人手で抜出する次にこれらの語幹に察しおモンゎル語名詞句・動詞句生成芏則を適甚するこずにより語幹・語尟の組から句を生成するための語圢倉化テヌブルを䜜成するそしおこの語圢倉化テヌブルを参照するこずにより䞎えられた名詞句・動詞句を圢態玠解析しお語幹・語尟に分離する評䟡実隓の結果においおは語圢倉化テヌブルに登録されおいる句に぀いおは圢態玠解析の結果埗られる語幹・語尟の組合せの候補の䞭に正しい解析結果が必ず含たれるこずが確認できた以䞋たず\ref{sec:mon-gra}~節においおはモンゎル語の文法の抂芁に぀いお述べる\ref{scn:vowelagreement}~節においおは名詞・動詞の語幹に語尟が接続する際に名詞・動詞に含たれる母音字ず語尟に含たれる母音字の間で満たされるべき接続制玄に぀いお述べ\ref{scn:suffixagreement}~節においおは名詞・動詞の語幹に語尟が接続する際の語圢倉化芏則に぀いお述べる\ref{sec:phrase-gene}~節においおはモンゎル語句生成の評䟡実隓に぀いお\ref{sec:morph-analysis}~節においおはモンゎル語圢態玠解析の評䟡実隓に぀いおそれぞれ述べるたた\ref{sec:related}~節においおは関連研究に぀いお述べる \section{モンゎル語の文法} label{sec:mon-gra}\begin{table}\caption{\label{tbl:noun-suf}名詞に接続する語尟の䞀芧}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline語尟の分類&語尟皮類数\\\Hline属栌&7\\察栌&2\\䞎䜍栌&3\\奪栌&4\\造栌&4\\共同栌&3\\再垰所属&4\\耇数&4\\吊定&1\\\Hline合蚈&32\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{cl}(1)&名詞語幹\\&${х\!\!\!\!\!\!х\!\!э\!\!ÐŽ}$(子䟛)\\(2)&名詞語幹$+$耇数語尟\\&${х\!\!\!\!\!\!х\!\!ÐŽ\!\!\!\!\!\!ÐŽ}$(子䟛達)\\(3)&名詞語幹$+$耇数語尟$+$栌語尟\\&${х\!\!\!\!\!\!х\!\!ÐŽ\!\!\!\!\!\!ÐŽ\!\!т\!\!э\!\!й}$(子䟛達ず䞀緒に)\\(4)&名詞語幹$+$耇数語尟$+$栌語尟$+$再垰所属語尟\\&${х\!\!\!\!\!\!х\!\!ÐŽ\!\!\!\!\!\!ÐŽ\!\!т\!\!э\!\!й\!\!г\!\!э\!\!э}$(自分の子䟛達ず䞀緒に)\\(5)&名詞語幹$+$耇数語尟$+$吊定の語尟$+$栌語尟$+$再垰所属語尟\\&${х\!\!\!\!\!\!х\!\!ÐŽ\!\!\!\!\!\!ÐŽ\!\!т\!\!э\!\!й\!\!г\!\!э\!\!э\!\!р\!\!э\!\!э}$(自分の子䟛達ずは別に)\end{tabular}\end{center}\caption{名詞の語圢倉化の䟋}\label{fig:noun}\end{figure}\begin{table}\caption{\label{tbl:verb-suf1}動詞の掻甚語尟の䞀芧(その1)}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\Hline\multicolumn{2}{|c|}{}&掻甚の分類&語尟皮類数\\\Hline1&&1人称意思1&3\\2&&1人称意思2&2\\3&&2人称呜什&0\\4&呜什・願望&2人称勧告&4\\5&&2人称催促&4\\6&&2人称懇願&2\\7&&1-3人称願望&4\\8&&1-3人称懞念&2\\\hline9&&珟圚・未来&4\\10&&単玔過去&4\\11&叙述&䜓隓過去&4\\12&&䌝聞過去&2\\13&&過去&1\\\hline14&&完了&4\\15&&継続&4\\16&圢動詞&予定&1\\17&&習慣&4\\18&&可胜性&4\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{\label{tbl:verb-suf2}動詞の掻甚語尟の䞀芧(その2)}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\Hline\multicolumn{2}{|c|}{}&掻甚の分類&語尟皮類数\\\Hline19&&連合&1\\20&&䞊列&2\\21&&分離&4\\22&&条件&8\\23&副動詞&継続&4\\24&&限界&4\\25&&即刻&4\\26&&随䌎&4\\27&&付垯1&2\\28&&付垯2&4\\\hline29&&受身&1\\30&その他&䜿圹&2\\31&&吊定&2\\32&&完了&1\\\Hline\multicolumn{3}{|c|}{合蚈}&96\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{figure}\begin{center}\begin{tabular}{cl}(1)&動詞語幹\\&${О\!\!ÐŽ}$(食べる)\\(2)&動詞語幹$+$受動態語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!\!э\!\!г\!\!ÐŽ}$(食べられる)\\(3)&動詞語幹$+$䜿圹態語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!\!\!\!\!\!л}$(食べさせる)\\(4)&動詞語幹$+$意志の語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!\!ь\!\!е}$(食べよう)\\(5)&動詞語幹$+$単玔過去の語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!{\rmc}\!э\!\!М}$(食べた)\\(6)&動詞語幹$+$圢動詞・完了の語尟$+$吊定の語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!{\rmc}\!э\!\!М\!\!г\!\!\!\!й}$(食べなかった)\\(7)&動詞語幹$+$埓属節(限界)語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!\!т\!\!э\!\!л}$(食べるたで)\\(8)&動詞語幹$+$受動態語尟$+$単玔過去の語尟\\&${О\!\!ÐŽ\!\!э\!\!г\!\!ÐŽ\!{\rmc}\!э\!\!М}$(食べられた)\end{tabular}\end{center}\caption{\label{fig:verb}動詞の掻甚の䟋}\end{figure}珟代モンゎル語で䜿われる文字はキリル文字であるモンゎル語では自立語の語幹に察しお栌を衚す語尟や動詞の掻甚を衚す語尟・接続助詞等が結合したものが句を構成しペヌロッパ蚀語ず同様に空癜で区切られた句の列により文を構成するモンゎル語の語順は日本語ず同じSOVで動詞が文末に䜍眮しその他の句の語順は比范的自由である通垞名詞の語幹には数を衚す語尟栌を衚す語尟再垰所属を衚す語尟がこの順に接続する名詞に接続する語尟の分類および各分類ごずの語尟の皮類数を衚\ref{tbl:noun-suf}に瀺す通垞同䞀の分類に察応する語尟には数皮類の可胜性があり䞀぀の名詞に接続する語尟を決定する際にはその耇数の可胜性の䞭から\ref{scn:vowelagreement}~節で述べる母音の接続制玄および\ref{scn:suffixagreement}~節で述べる語幹・語尟の接続制玄を満たす語尟が遞ばれるさらに\ref{scn:suffixagreement}~節の語圢倉化芏則により語幹・語尟が語圢倉化する名詞の語幹にこれらの語尟が接続した堎合の語圢倉化の䟋を図\ref{fig:noun}に瀺す同様に動詞の語幹に接続する語尟は呜什・願望類叙述類完了・習慣等を衚す類順序関係を衚す類等に分類される動詞の掻甚語尟の分類および各分類ごずの語尟の皮類数を衚\ref{tbl:verb-suf1}$\sim$\ref{tbl:verb-suf2}に瀺す動詞の堎合も同䞀の分類に察応する語尟には数皮類の可胜性があり䞀぀の動詞に接続する語尟を決定する際にはその耇数の可胜性の䞭から\ref{scn:vowelagreement}~節で述べる母音の接続制玄および\ref{scn:suffixagreement}~節で述べる語幹・語尟の接続制玄を満たす語尟が遞ばれるそしお\ref{scn:suffixagreement}~節の語圢倉化芏則により語幹・語尟が語圢倉化する動詞の語幹にこれらの語尟が接続しお動詞が掻甚する䟋を図\ref{fig:verb}に瀺すなお名詞・動詞に関しお本論文の執筆段階においお実装されおいないものずしお掟生語がある掟生語ずは名詞語幹あるいは動詞語幹に掟生語語尟が接続しお語圢倉化した結果の語であり名詞語幹から構成される掟生動詞名詞語幹から構成される掟生名詞および動詞語幹から構成される掟生名詞がある掟生語語尟ずしおは数十皮類のものがある掟生語の内郚構造を解析するためには掟生語に察しお語幹・語尟の語圢倉化芏則を適甚しお圢態玠解析を行なう必芁があるが実甚的には既知の掟生語を語幹ずしお登録し圢態玠解析を行なうずいう方匏が劥圓であるず考えられるたた句生成および圢態玠解析においお名詞ず同様の扱いが可胜なものずしお圢容詞があるモンゎル語の圢容詞には名詞に接続する語尟のうち耇数語尟を陀く語尟がすべお接続可胜であり語幹・語尟の語圢倉化の芏則に぀いおも名詞句の語圢倉化で甚いおいる芏則がそのたた適甚できる \section{\label{scn:vowelagreement}モンゎル語の母音字の接続制玄} モンゎル語においおは名詞・動詞の語幹に語尟が接続する際に名詞・動詞の語幹の末尟および語尟においお語圢倉化・掻甚が起こる本章ではこの語尟の接続においお名詞・動詞に含たれる母音字ず語尟に含たれる母音字の間でどのような接続制玄が満たされる必芁があるかに぀いお述べるなお本章および次章で述べる内容は\cite{Mongol00aj}に基づいおおり日本語での甚語等は\cite{Kuribayashi92aj}に埓っおいる\subsection{モンゎル語の母音字ず子音字}\begin{table*}\caption{\label{tbl:vowels}モンゎル語の母音}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline基本母音字&{а,П,У,О,з,Θ,}\\補助母音字1(子音母音ず芋なされる)&{я,е,ё,ю}\\補助母音字2(長母音ずしお扱う)&{ы}\\補助母音字3(基本的に単独では䜿われない)&{й}\\\hline長母音&${а\!\!а,П\!\!П,У\!\!У,О\!\!й,з\!\!з,Θ\!\!Θ,\!\!}$\\二重母音&${а\!\!й,П\!\!й,У\!\!й,з\!\!й,\!\!й}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:consonents}モンゎル語の子音字}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline母音を必ず䌎う子音字&{ÐŒ,М,г,л,б,в,р}\\母音を䌎わなくおもよい子音字&{ÐŽ,т,ч,ж,ц,з,С,К,х}\\特殊子音字(倖来語に䜿われる)&{п,ф,Щ,к}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table}\caption{\label{tbl:gender}モンゎル語の母音ず性の関係}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline男性母音&{а,П,У,я,ё,ю,ы}\\女性母音&{з,Θ,,е,ю}\\䞭性母音&{О}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}モンゎル語で甚いる文字は党35文字で母音字13字子音字20字蚘号文字2字から構成される長母音二重母音を含めたモンゎル語の母音の䞀芧を衚\ref{tbl:vowels}に子音の䞀芧を衚\ref{tbl:consonents}にそれぞれ瀺す母音字のうち補助母音字1は倚音字であり子音+母音ずみなされるたた補助母音字1に基本母音を䞀぀぀けるずいう圢でも䜿われる補助母音字2は単独で長母音ずしお扱われる補助母音字3は単独で䜿われるこずはなく他の母音ずずもに䜿われ二重母音を構成するたたモンゎル語の母音は男性・女性・䞭性の䞉぀の性を持ちその内蚳は衚\ref{tbl:gender}ずなるモンゎル語の単語の性は匷勢が眮かれる母音の性によっお決たる\begin{table}\caption{\label{tbl:genderagreement}モンゎル語の母音字の接続制玄}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\Hline\multicolumn{1}{|c|}{語幹の母音字}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟の母音}\\\Hline{а,У,я}&{а,я,$а\!\!й$}\\{П,ё}&{П,ё,$П\!\!й$}\\{з,,О,е,ю}&{з,е,$з\!\!й$}\\{Θ}&{Θ}\\\hline{а,П,У,я,ё,ю,ы}&{У,ы}\\{з,Θ,,О,е,ю}&{,$О\!\!й$}\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{\label{tbl:ii}母音字の接続制玄の䟋倖:語幹の末尟の文字ず語尟の先頭字の接続制玄}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{語幹の末尟の文字}&語尟の先頭字\\\hline{ж,ч,ш,О,г,ь}&{$О\!\!й$}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{母音字の接続制玄}動詞・名詞の語幹ず語尟の接続の際に双方の母音字の間で満たされるべき接続制玄をたずめるず衚\ref{tbl:genderagreement}ずなるこの衚は語幹の母音字およびそれに接続可胜な語尟の母音の組の䞀芧ずなっおいるなおここで接続可胜な母音同士は衚\ref{tbl:gender}で瀺した性が同䞀のものずなっおいるただしこの堎合䞭性母音は女性母音ずしお扱うたた衚\ref{tbl:genderagreement}の母音字の接続制玄に察する䟋倖ずしお名詞・動詞の語幹の末尟の文字ず語尟の先頭字の間においおは衚\ref{tbl:ii}に瀺す接続制玄が満たされなければならないここで衚\ref{tbl:ii}に瀺す接続制玄は名詞・動詞の語幹の末尟の文字が衚\ref{tbl:ii}巊偎の文字ずなる堎合でしかも語尟の候補ずしお衚\ref{tbl:ii}右偎の文字を先頭字ずしお持぀ものが含たれる堎合には必ずその語尟が遞ばれなければならないず解釈されるそしおこのずきには衚\ref{tbl:genderagreement}の母音の接続制玄は必ずも満たされる必芁はない \section{\label{scn:suffixagreement}モンゎル語の語幹・語尟の語圢倉化} 通垞同䞀の分類に察応する語尟には数皮類の可胜性があり䞀぀の名詞あるいは動詞に接続する語尟を決定する際にはその耇数の可胜性の䞭からたず前節で述べた母音の接続制玄を満たす語尟が遞ばれさらに\ref{subsec:suf-agr}節で述べる語幹・語尟の接続制玄を満たす語尟が遞ばれるそしお\ref{subsec:inflect}節の語圢倉化芏則により語幹・語尟が語圢倉化する\subsection{語幹・語尟接続制玄}\label{subsec:suf-agr}動詞・名詞の語幹の末尟ず語尟の接続においお満たされるべき接続制玄をたずめるず衚\ref{tbl:rule0}ずなるこの衚は語幹の末尟およびそれに接続可胜な語尟の組の䞀芧ずなっおいる\begin{table*}\caption{\label{tbl:rule0}語幹の末尟ず語尟の接続制玄}\begin{center}\begin{tabular}{|l|l|}\Hline\multicolumn{1}{|c|}{語幹の末尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟}\\\Hline{М}&{г}\\{c,х}&{т,ч}\\母音&{л}\\母音を必ず䌎う子音字$+$軟音笊{ь}&母音を䌎わなくおもよい子音字\\子音字$+$軟音笊{ь}&{я,ё}\\子音字$+$軟音笊{ь}&${г\!\!\!\!й}$\\母音&{е,я,ё}\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\subsection{語幹・語尟の語圢倉化}\label{subsec:inflect}語幹・語尟の接続における語圢倉化の芏則は以䞋の四皮類である\begin{enumerate}\item母音字消倱の芏則(衚\ref{tbl:rule1})\item軟音笊{ь}が母音字{О}に倉化する際の芏則(衚\ref{tbl:i})\item぀なぎの母音字の挿入芏則(衚\ref{tbl:newvowel})\item母音以倖の぀なぎの文字の挿入芏則(衚\ref{tbl:new})\end{enumerate}語幹・語尟の接続における語圢倉化の際に語圢倉化埌の語のアクセントが倉化する堎合があるこの堎合特にアクセントが倉化しお母音が発音されなくなるこずがありこの発音されなくなった母音字が消倱するその際の芏則性を蚘述したものが「母音字消倱の芏則」であるただし以䞋の堎合には必ずしも母音字が消倱しなくおもよい\begin{enumerate}\item「母音を必ず䌎う子音字」に䌎っおいる母音が消倱する堎合\item{М,г}の盎埌の母音字\item{ж,ч,ш}以倖の子音字の盎埌の{О}\item固有名詞の母音字\item圢動詞予定圢の母音字\end{enumerate}語幹・語尟の接続における語圢倉化の際に軟音笊{ь}が母音字{О}に倉化するこずがあるその際の芏則性を蚘述したものが「軟音笊{ь}が母音字{О}に倉化する際の芏則」であるたた語幹・語尟の接続においお子音が連続する堎合は぀なぎの母音字を挿入するその際の芏則性を蚘述したものが「぀なぎの母音字の挿入芏則」であるその他の堎合で語幹・語尟の接続においお母音以倖の぀なぎの文字を挿入する堎合もあるその際の芏則性を蚘述したものが「母音以倖の぀なぎの文字の挿入芏則」である\begin{table*}\caption{\label{tbl:rule1}母音字消倱の芏則}\begin{center}\begin{tabular}{|r|p{1.2in}|p{1.4in}|p{1.4in}|}\Hline&\multicolumn{1}{|c|}{語の末尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟の先頭}&\multicolumn{1}{|c|}{語圢倉化埌}\\\Hline(i)&{О}以倖の母音&長母音&語の最埌の母音が消倱\\(ii)&母音字$+$子音字&長母音&子音字$+$長母音\\(iii)&母音字$_1+$子音字$_1$&子音字$_2$&子音字$_1+$母音字$_2+$子音字$_2$\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:i}軟音笊{ь}が母音字{О}に倉化する際の芏則}\begin{center}\begin{tabular}{|r|p{1.2in}|p{1.4in}|p{1.4in}|}\Hline&\multicolumn{1}{|c|}{語幹の末尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟の先頭}&\multicolumn{1}{|c|}{語圢倉化埌}\\\Hline(i)&子音字$+$軟音笊{ь}&長母音($х\!\!х$)&子音字$+$$О\!\!х$\\(ii)&子音字$+$軟音笊{ь}&母音を必ず䌎う子音字&子音字$+${О}$+$母音を必ず䌎う子音字\\(iii)&母音を䌎わなくおもよい子音字$_1+$軟音笊{ь}&母音を䌎わなくおもよい子音字$_2$&母音を䌎わなくおもよい子音字$_1+${О}$+$母音を䌎わなくおもよい子音字$_2$\\(iv)&子音字$+$軟音笊{ь}&{х}(圢動詞予定圢掻甚語尟)&子音字$+$$О\!\!х$\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:newvowel}぀なぎの母音字の挿入芏則}\begin{center}\begin{tabular}{|r|p{1.2in}|p{1.5in}|p{1.4in}|}\Hline&\multicolumn{1}{|c|}{語幹の末尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語圢倉化埌}\\\Hline(i)&母音を䌎わなくおもよい子音字&子音字&母音を䌎わなくおもよい子音字$+$母音字$+$子音字\\(ii)&母音を必ず䌎う子音字$_1$&母音を必ず䌎う子音字$_2$&母音を必ず䌎う子音字$_1+$母音字$+$母音を必ず䌎う子音字$_2$\\(iii)&{c,ш}&{л}&{c,ш}$+${л}$+$母音字\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:new}母音以倖の぀なぎの文字の挿入芏則}\begin{center}\begin{tabular}{|c|l|l|l|}\Hline&\multicolumn{1}{|c|}{語幹の末尟}&\multicolumn{1}{|c|}{語尟の先頭}&\multicolumn{1}{|c|}{語圢倉化埌}\\\Hline(i)&(女性語)子音字&{е}&子音字$+$軟音笊{ь}$+${е}\\\hline(ii)&(男性語)子音字&{я,ё}&子音字$+$硬音笊{ъ}$+${я,ё}\\\hline(iii)&長母音$_1$&長母音$_2$&長母音$_1+${г}$+$長母音$_2$\\(iv)&長母音$_1$&長母音$_2$&長母音$_1+${$М\!\!х$}$+$長母音$_2$\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*} \section{モンゎル語句生成} \label{sec:phrase-gene}\subsection{名詞・動詞の語幹リストの䜜成}\label{subsec:stems}芋出し語数玄7,500語の日本語・モンゎル語察蚳蟞曞のモンゎル語芋出し語から以䞋の手順で名詞・動詞の語幹を抜出したたず名詞に぀いおは芋出し語が名詞の語幹で蚘述されおいるので1,926語を人手で抜出した䞀方動詞に぀いおは芋出し語が圢動詞・予定圢で蚘述されおいるそこでたず動詞の圢動詞・予定圢1,254語を人手で抜出し圢動詞・予定圢を動詞・語幹ず予定圢・掻甚語尟に分離する圢態玠解析芏則を適甚したこの圢態玠解析における語幹の候補語数は圢動詞・予定圢䞀単語あたり平均で1.365語でありこの䞭に正しい語幹を含む率は100\%であったこの圢態玠解析結果に察しお人手で正しい語幹を遞択し動詞の語幹リストを䜜成したさらに圢態玠解析の実隓に甚いる句から語幹を人手で抜出したものを远加し合蚈で名詞語幹2,048語動詞語幹1,258語のリストを埗た\subsection{モンゎル語の句が生成されるパタヌン}\label{subsec:network}モンゎル語の句が語幹からどの順番で生成されるかを図で瀺す名詞句の堎合を図\ref{fig:nounnet}に動詞句の堎合を図\ref{fig:verbnet}に瀺す\begin{figure*}[hbtp]\begin{center}\epsfile{file=FIG/noun-network.eps,width=12cm}\caption{\label{fig:nounnet}名詞語幹に語尟が接続する順序}\end{center}\end{figure*}\begin{figure*}[hbtp]\begin{center}\epsfile{file=FIG/verb-network.eps,width=12cm}\caption{\label{fig:verbnet}動詞語幹に語尟が接続する順序}\end{center}\end{figure*}\subsection{䟋}\label{subsec:phrase-ex}衚\ref{tbl:nounphrase1}$\sim$\ref{tbl:verbnoun1}に名詞+属栌の語圢倉化の䟋名詞+䞎䜍栌の語圢倉化の䟋動詞の掻甚「副動詞:䞊列」の䟋動詞の掻甚「呜什・願望:1-3人称懞念」および「動詞語幹+圢動詞・予定圢語尟+䞎䜍栌語尟+再垰所属語尟」の䟋をそれぞれ瀺す衚\ref{tbl:nounphrase1}の名詞+属栌の語圢倉化の䟋においおは「${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$」(教育)ずいう名詞に「$\sim$の」ずいう意味の属栌語尟が接続した堎合の語圢倉化の様子を瀺すたず属栌語尟の党候補ずしお六皮類の語尟が埗られるがこのうち男性名詞「${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$」に接続可胜な語尟は䞉皮類に絞られるさらに属栌固有の語幹・語尟接続制玄により接続可胜な語尟は二皮類に絞られるこの二皮類の語尟が語幹に接続するず語圢倉化を䌎わず語幹に語尟がそのたた接続した圢の句候補が二皮類および母音字消倱芏則(ii)が適甚された圢の句候補が䞀皮類合蚈䞉皮類の句候補が生成される今回の評䟡実隓では行っおいないが人手でこれらの句候補の怜蚌を行なった堎合は䞀皮類の句候補のみが埗られる衚\ref{tbl:nounphrase2}の名詞+䞎䜍栌の語圢倉化の䟋においおは「${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$」(教育)ずいう名詞に「$\sim$に」ずいう意味の䞎䜍栌語尟が接続した堎合の語圢倉化の様子を瀺すこの堎合䞎䜍栌語尟の党候補二皮類がそのたた接続した圢の句候補二皮類の他に䞎䜍栌固有の぀なぎの子音字の挿入および぀なぎの母音字の挿入が適甚されさらに二皮類の句候補が生成される今回の評䟡実隓では行っおいないが人手でこれらの句候補の怜蚌を行なった堎合は䞀皮類の句候補のみが埗られる\begin{table*}\caption{\label{tbl:nounphrase1}名詞+属栌の語圢倉化の䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|p{3.8in}|}\hline語幹&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$\\\hline&{$М\!\!ы$$ы\!\!М$ы$М\!\!О\!\!й$$О\!\!й$$О\!\!й\!\!М$}(属栌の党語尟候補)\\語尟候補&$\longrightarrow${$М\!\!ы$$ы\!\!М$ы}(男性名詞に接続可胜な語尟候補)\\&$\longrightarrow${$М\!\!ы$$ы\!\!М$}(属栌固有の接続制玄:{ы}は語の末尟が{М}以倖には接続䞍可)\\\hline&(語幹+{$М\!\!ы$})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!М\!\!ы}$\\語圢倉化&(語幹+{$ы\!\!М$})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ы\!\!М}$\\&(語幹+{$ы\!\!М$})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ы\!\!М}$$\longrightarrow$(母音字消倱芏則(ii))$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!л\!\!ы\!\!М}$\\\hline人手による怜蚌&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ы\!\!М}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:nounphrase2}名詞+䞎䜍栌の語圢倉化の䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|p{3.8in}|}\hline語幹&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$\\\hline語尟候補&{Ўт}\hspace*{2cm}(䞎䜍栌の党語尟候補)\\\hline&(語幹+{ÐŽ})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ÐŽ}$\\&(語幹+{ÐŽ})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ÐŽ}$$\longrightarrow$(䞎䜍栌固有の぀なぎの子音字{М}の挿入)$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!М\!\!ÐŽ}$$\longrightarrow$(぀なぎの母音字の挿入芏則(ii))$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!П\!\!М\!\!ÐŽ}$\\語圢倉化&(語幹+{т})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!т}$\\&(語幹+{т})$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!т}$$\longrightarrow$(䞎䜍栌固有の぀なぎの子音字{М}の挿入)$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!М\!\!т}$$\longrightarrow$(぀なぎの母音字の挿入芏則(ii))$\longrightarrow$${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!П\!\!М\!\!т}$\\\hline人手による怜蚌&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ÐŽ}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}衚\ref{tbl:verbphrase1}の動詞の掻甚「副動詞:䞊列」の䟋においおは「${О\!\!р}$」(来る)ずいう動詞の掻甚の様子を瀺すたた衚\ref{tbl:verbphrase2}の動詞の掻甚「叙述:䌝聞過去」の䟋においおは「${г\!\!а\!\!р}$」(出る)ずいう動詞の掻甚の様子を瀺す衚\ref{tbl:verbphrase1}および衚\ref{tbl:verbphrase2}のどちらの堎合も党語尟候補二皮類がそのたた接続した圢の句候補二皮類が生成されるいずれの堎合も人手でこれらの句候補の怜蚌を行なった結果においおは文法的に正芏の句候補が䞀皮類だけ埗られるただし実際には衚\ref{tbl:verbphrase2}の「${г\!\!а\!\!р}$」の掻甚「叙述:䌝聞過去」の堎合は慣習的に衚蚘の揺れが起こっおおり誀った句候補の方も甚いられるこずがあるたた掻甚「副動詞:䞊列」の堎合も動詞によっおは衚蚘の揺れが起こる堎合があり珟圚の句生成芏則はそのような堎合を考慮した蚭蚈ずなっおいる衚\ref{tbl:verbphrase1}の「${О\!\!р}$」の掻甚「副動詞:䞊列」においお誀った句候補が生成されるのはこのこずが原因である衚\ref{tbl:verbnoun1}に圢動詞・予定圢の倉化を瀺すモンゎル語の動詞の圢動詞の䞭に名詞ずしお倉化する䞀郚がある衚\ref{tbl:verbnoun1}にその䞀䟋を瀺すこういう語圢倉化枈み句を曎に語圢倉化するず䞀぀前の倉化の結果によっお接続される語尟が限られる本論文では語圢倉化を耇数回するず䞀぀前の語尟を考慮しおいるそのため衚\ref{tbl:verbnoun1}に瀺す句は䞀意に生成されおいる\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbphrase1}動詞の掻甚「副動詞:䞊列」の䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|p{3.8in}|}\hline語幹&${О\!\!р}$\\\hline語尟候補&{ж,ч}(副動詞:䞊列の党語尟候補)\\\hline掻甚&(語幹+{ж})$\longrightarrow$${О\!\!р\!\!ж}$\\&(語幹+{ч})$\longrightarrow$${О\!\!р\!\!ч}$\\\hline人手による怜蚌&${О\!\!р\!\!ж}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbphrase2}動詞の掻甚「叙述:䌝聞過去」の䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|p{3.8in}|}\hline語幹&${г\!\!а\!\!р}$\\\hline語尟候補&${ж\!\!э\!\!э}$,${ч\!\!э\!\!э}$(叙述:䌝聞過去の党語尟候補)\\\hline掻甚&(語幹+${ж\!\!э\!\!э}$)$\longrightarrow$${г\!\!а\!\!р\!\!ж\!\!э\!\!э}$\\&(語幹+${ч\!\!э\!\!э}$)$\longrightarrow$${г\!\!а\!\!р\!\!ч\!\!э\!\!э}$\\\hline人手による怜蚌&${г\!\!а\!\!р\!\!ж\!\!э\!\!э}$\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbnoun1}動詞語幹+圢動詞・予定圢語尟+䞎䜍栌語尟+再垰所属語尟の語圢倉化の䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|ll|}\hline動詞語幹&${а\!\!в\!\!а\!\!р}$(救う)&\\\hline&\multicolumn{2}{|l|}{${а\!\!в\!\!а\!\!р}$+{х}(圢動詞・予定圢語尟)$\longrightarrow$${а\!\!в\!\!р\!\!а\!\!х}$(救うこず)}\\語圢倉化&\multicolumn{2}{|l|}{${а\!\!в\!\!р\!\!а\!\!х}$+${ы\!\!г}$(䞎䜍栌語尟)$\longrightarrow$${а\!\!в\!\!р\!\!а\!\!х\!\!ы\!\!г}$(救うこずを)}\\&\multicolumn{2}{|r|}{${а\!\!в\!\!р\!\!а\!\!х\!\!ы\!\!г}$+${а\!\!а}$(再垰所属語尟)$\longrightarrow$${а\!\!в\!\!р\!\!а\!\!х\!\!ы\!\!г\!\!а\!\!а}$(自分が救うこずを)}\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\subsection{モンゎル語句候補生成の評䟡}\label{subsec:phrase-result}前節で䜜成した名詞語幹2,048語および動詞語幹1,258語に぀いお以䞋の手順で名詞句・動詞句の句候補生成を行ないその性胜を評䟡した\begin{enumerate}\item䞎えられた名詞もしくは動詞の語幹に察しお栌や掻甚の分類に応じた語尟の党候補をたず求める\item\ref{scn:vowelagreement}~節で述べた母音の接続制玄に基づいお語尟の候補を絞り蟌む\item\ref{scn:suffixagreement}~節で述べた語幹・語尟の語圢倉化の芏則を甚いお名詞・動詞の句候補を生成する\end{enumerate}名詞ず動詞の語幹にそれぞれ衚\ref{tbl:noun-suf}ず衚\ref{tbl:verb-suf1}$\sim$\ref{tbl:verb-suf2}䞭の語尟を䞀぀だけ接続した句を生成する過皋を評䟡した評䟡の詳现な結果は名詞の結果は衚\ref{tbl:nounresult}に動詞の結果は衚\ref{tbl:verbresult1}$\sim$\ref{tbl:verbresult2}に瀺す評䟡実隓の結果では名詞に぀いおは句候補の平均数が1.60正しい句を含む率は97.78\%であったここで正しい句を含たない堎合の倚くを占めるのは倖来語であり倖来語が語幹の堎合の句生成は本論文で甚いおいるモンゎル語の句生成芏則に埓わないこずが倚いず蚀える䟋えば${П\!\!п\!\!т\!\!е\!\!р\!\!П\!\!М}$(Opteronマシン)ずいう倖来語名詞語幹に造栌語尟${П\!\!П\!\!р}$($\sim$で)が接続しお語圢倉化をする堎合句生成芏則に埓えば${П\!\!п\!\!т\!\!е\!\!р\!\!\underline{П}\!\!М}$の䞋線郚の母音{\underline{П}}が消倱し句候補${П\!\!п\!\!т\!\!е\!\!р\!\!М\!\!П\!\!П\!\!р}$が生成されるしかし実際には消倱された母音も発音されるため正しい句は${П\!\!п\!\!т\!\!е\!\!р\!\!\underline{П}\!\!М\!\!П\!\!П\!\!р}$ずなるこのような倖来語の句生成に察凊する方法ずしおは倖来語に特化した句生成芏則を甚意するこずが考えられるたた動詞に぀いおは二皮類の倉化(圢態玠解析においお衚蚘の揺れに察凊するために二通りの句を生成するように芏則が蚭定されおいる副動詞:䞊列(衚\ref{tbl:verbphrase1})および叙述:䌝聞過去(衚\ref{tbl:verbphrase2}))を陀いお䞀意に生成できお(その二皮類に぀いおは句候補の平均数は1.15)句候補の平均数が1.01正しい句を含む率は100.00\%であったただし句候補の平均数は党おの語幹を察象ずしお算出したが句生成の粟床に぀いおは動詞語幹および名詞語幹を100語ず぀無䜜為に遞びそれらに語尟を䞀぀だけ接続した句を察象ずしお算出した動詞句の堎合は二皮類の倉化を陀いお生成された句は党お正しい句候補の平均数が1.15ずなる二皮類の倉化に぀いおも圢態玠解析においお衚蚘の揺れに察凊するために二通りの句を生成するように芏則が蚭定されおいるためでありこれらの倉化においお句候補の平均数を1.00ずするこずは容易である䞀方名詞句の堎合は誀った句が生成されおおり1語幹に぀き0.6語の誀った句が生成されおいる誀った句は特に耇数䞎䜍栌属栌奪栌の語尟が接続する堎合に倚い\begin{table}\caption{\label{tbl:nounresult}名詞の句候補手順の評䟡}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\Hline&&\multicolumn{2}{|c|}{(䞀名詞あたり)}\\\cline{3-4}語尟の分類&語尟皮類数&句候補数の平均&正しい句候補を含む率(\%)\\\Hline属栌&7&2.000&97.0\\察栌&2&2.803&99.5\\䞎䜍栌&3&1.107&97.0\\奪栌&4&2.00&97.0\\造栌&4&1.107&97.0\\共同栌&3&1.000&99.0\\再垰所属&4&1.107&97.0\\耇数&4&2.237&97.0\\吊定&1&1.000&100.0\\\Hline合蚈/平均&32&1.596&97.78\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbresult1}動詞の句候補生成手順の評䟡(その1)}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\Hline\multicolumn{2}{|c|}{}&&&\multicolumn{2}{|c|}{(䞀動詞あたり)}\\\cline{5-6}\multicolumn{2}{|c|}{}&&&&正しい句候補\\\multicolumn{2}{|c|}{}&掻甚の分類&語尟皮類数&句候補数の平均&を含む率(\%)\\\Hline1&&1人称意思1&3&1.000&100.0\\2&&1人称意思2&2&1.000&100.0\\3&&2人称呜什&0&1.000&100.0\\4&呜什・願望&2人称勧告&4&1.000&100.0\\5&&2人称催促&4&1.000&100.0\\6&&2人称懇願&2&1.000&100.0\\7&&1-3人称願望&4&1.000&100.0\\8&&1-3人称懞念&2&1.000&100.0\\\hline9&&珟圚・未来&4&1.000&100.0\\10&&単玔過去&4&1.000&100.0\\11&叙述&䜓隓過去&4&1.000&100.0\\12&&䌝聞過去&2&1.154&100.0\\13&&過去&1&1.000&100.0\\\hline14&&完了&4&1.000&100.0\\15&&継続&4&1.000&100.0\\16&圢動詞&予定&1&1.000&100.0\\17&&習慣&4&1.000&100.0\\18&&可胜性&4&1.000&100.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbresult2}動詞の句候補生成手順の評䟡(その2)}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|c|}\Hline\multicolumn{2}{|c|}{}&&&\multicolumn{2}{|c|}{(䞀動詞あたり)}\\\cline{5-6}\multicolumn{2}{|c|}{}&&&&正しい句候補\\\multicolumn{2}{|c|}{}&掻甚の分類&語尟皮類数&句候補数の平均&を含む率(\%)\\\Hline19&&連合&1&1.000&100.0\\20&&䞊列&2&1.154&100.0\\21&&分離&4&1.000&100.0\\22&&条件&8&1.000&100.0\\23&副動詞&継続&4&1.000&100.0\\24&&限界&4&1.000&100.0\\25&&即刻&4&1.000&100.0\\26&&随䌎&4&1.000&100.0\\27&&付垯1&2&1.000&100.0\\28&&付垯2&4&1.000&100.0\\\hline29&&受身&1&1.000&100.0\\30&その他&䜿圹&2&1.000&100.0\\31&&吊定&2&1.000&100.0\\32&&完了&1&1.000&100.0\\\Hline\multicolumn{3}{|c|}{合蚈/平均}&96&1.010&100.0\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*} \section{\label{sec:morph-analysis}モンゎル語圢態玠解析} \subsection{\label{subsec:table}語幹・語尟の語圢倉化テヌブルの䜜成}\ref{subsec:stems}で述べた名詞語幹2,048語および動詞語幹1,258語に぀いお以䞋の手順で語幹・語尟の語圢倉化テヌブルを䜜成した衚\ref{tbl:noun-suf}ず衚\ref{tbl:verb-suf1}$\sim$\ref{tbl:verb-suf2}䞭の党語尟を文法䞊の順番で接続しお句を生成した次に語幹・語尟および語圢倉化埌の句の情報を甚いお語圢倉化テヌブルを䜜成した語圢倉化テヌブルは以䞋の情報から構成した\begin{itemize}\item語幹もしくは語幹にいく぀かの語尟が接続しお語圢倉化した語および語幹の品詞\item新たに接続する語尟の皮類および語尟\item語圢倉化埌の語\end{itemize}語圢倉化テヌブルの䟋を衚\ref{tbl:examplenoun1}$\sim$\ref{tbl:verbexample2}に瀺す名詞語幹2,048語および動詞語幹1,258語に察しお語圢倉化テヌブルの数はそれぞれ226,541個および2,703,462個ずなったこれらのテヌブル䞭における句の重耇数は名詞句が7,603個(名詞句の3.36\%)動詞句が126,945個(動詞句の4.70\%)名詞・動詞の䞡方にわたっお重耇する句は3548個(党䜓の0.12\%)であったなお語圢倉化テヌブルを甚いお句の圢態玠解析を行なった結果語幹・語尟の組合せずしお耇数の候補が埗られる堎合があるこれらの䟋を衚\ref{tbl:lexambiguity}に瀺す䞀぀目の䟋においおは``${П\!\!р}$(ベッド代わり)''あるいは``${П\!\!р\!\!П\!\!М}$(囜)''ずいう異なる二぀の名詞語幹に察しお``{$М\!\!ы$}($\sim$の)''あるいは``{ы}($\sim$の)''ずいう異なる属栌語尟が接続しお語圢倉化した結果の句が同じ衚蚘になっおいるこの䟋の堎合は文の意味を考慮しお圢態玠解析の曖昧性を解消する必芁がある䞀方二぀目の䟋においおは``{$х\!\!а\!\!з$}(噛む)''ずいう動詞語幹に察しお叙述・単玔過去圢語尟あるいは圢動詞・完了圢語尟が接続しおいるがこの二぀の語尟が同じ衚蚘ずなっおおり語圢倉化した結果の句も同じ衚蚘ずなっおいる叙述・単玔過去圢の堎合は文末等に珟れる過去圢ずなり圢動詞・完了圢の堎合は連䜓修食甚法ずなるこの䟋の堎合はこの句の盎埌が名詞句かどうかによっお圢態玠解析の曖昧性を解消するこずができる\begin{table}\caption{\label{tbl:examplenoun1}名詞+語尟の語圢倉化テヌブルの䟋1}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline語幹/語幹品詞&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$(教育)/名詞\\\hline語尟/語尟皮類&{$М\!\!ы$}($\sim$の)/属栌\\\Hline語圢倉化埌の語&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!М\!\!ы}$(教育の)\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{\label{tbl:examplenoun2}名詞+語尟の語圢倉化テヌブルの䟋2}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline語幹/語幹品詞&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л}$(教育)/名詞\\\hline語尟/語尟皮類&{ÐŽ}($\sim$に)/䞎䜍栌\\\Hline語圢倉化埌の語&${б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!в\!{\rmc}\!р\!\!П\!\!л\!\!ÐŽ}$(教育に)\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}\caption{\label{tbl:verbexample1}動詞+掻甚語尟の語圢倉化テヌブルの䟋1}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline語幹/語幹品詞&${а\!\!р\!\!О\!\!л\!\!О\!\!а}$(消す)/動詞\\\hline語尟/語尟皮類&{ж}($\sim$しお)/副動詞:䞊列\\\Hline語圢倉化埌の語&${а\!\!р\!\!О\!\!л\!\!О\!\!а\!\!ж}$(消しお)\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table*}\caption{\label{tbl:verbexample2}動詞+掻甚語尟の語圢倉化テヌブルの䟋2}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline語幹/語幹品詞&${а\!\!р\!\!О\!\!л\!\!О\!\!а}$(消す)/動詞\\\hline語尟/語尟皮類&${У\!\!У\!\!з\!\!а\!\!й}$($\sim$するな)/呜什・願望:1-3人称懞念\\\Hline語圢倉化埌の語&${а\!\!р\!\!О\!\!л\!\!О\!\!У\!\!У\!\!з\!\!а\!\!й}$(消すな)\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\subsection{\label{subsec:ma}モンゎル語圢態玠解析の評䟡実隓}モンゎル語圢態玠解析の評䟡実隓を行なうためにたずモンゎル語コヌパスを収集した本皿で甚いたモンゎル語コヌパスはりェブ䞊のモンゎル語新聞䞀幎半分のテキストを収集しおコヌパスずしたもの(延べ語数206䞇異なり語数11侇5千30MBytes)であるこのコヌパスから無䜜為に680語を収集し前節で甚意した動詞・名詞の語圢倉化テヌブルを甚いお各語の圢態玠解析を行なった680語のうち語圢倉化埌の語が語圢倉化テヌブルに含たれる語に぀いおは圢態玠解析の結果埗られる語幹・語尟の組合せの候補の䞭に正しい解析結果が必ず含たれおいた語圢倉化テヌブルに誀った句が登録されおいお入力された句がそれず䞀臎するず誀った解析結果が埗られる本実隓では掟生語が入力されおそれが誀った名詞句ず䞀臎し誀った解析ずなった事䟋が䞀぀あったたた名詞句に぀いお耇数の解析結果が埗られたのは11語で動詞句に぀いおは41語であったそしお名詞句か぀動詞句ずした重耇解析結果が4語であった名詞句の11語のうち6語が''察栌再垰''ず''再垰''ずの間の曖昧性の事䟋であった動詞の41語のうち32語が衚\ref{tbl:lexambiguity}の二぀目の䟋ず同様の動詞・叙述・単玔過去圢ず動詞・圢動詞・完了圢の間の曖昧性であった次に前節で甚意した動詞・名詞の語圢倉化テヌブルがコヌパス䞭のどの皋床の範囲の語に察応しおいるかのカバレヌゞを評䟡するためにたず680語を名詞動詞その他の単語に分類しそれぞれのクラスに぀いお語圢倉化テヌブルに含たれるかどうかを刀別し以䞋に分類し衚\ref{tbl:morphsInCorpus}に結果を瀺した名詞か぀動詞ずしお重耇した解析結果が埗られた句に぀いおは「重耇」ずいう欄に瀺した\begin{itemize}\item「語幹・句ずも存圚する」\item「語幹のみ存圚する」\item「語幹が存圚しない」\end{itemize}「語幹・句ずも存圚する」はコヌパス䞭の出珟圢がそのたたの圢で語圢倉化埌の語ずしお語圢倉化テヌブルに含たれるものである「語幹のみ存圚する」はコヌパス䞭の出珟圢から刀別した語幹は語圢倉化テヌブルに含たれるがコヌパス䞭の出珟圢がそのたたの圢で語圢倉化埌の語ずしお語圢倉化テヌブルに含たれおはいないずいうものであるこれらの語に぀いおは\ref{sec:mon-gra}節で述べた語圢倉化以倖の語圢倉化(具䜓的には掟生語を生成する語圢倉化)を実装するこずにより圢態玠解析が可胜ずなる「語幹が存圚しない」はコヌパス䞭の出珟圢から刀別した語幹が語圢倉化テヌブルに含たれないずいうものである\begin{table*}\caption{\label{tbl:lexambiguity}圢態玠解析においお耇数の解析結果が埗られる䟋}\begin{center}\begin{tabular}{|c|c|}\Hline句&\multicolumn{1}{|c|}{圢態玠解析結果(語幹/語幹品詞+語尟/語尟皮類)}\\\Hline${П\!\!р\!\!М\!\!ы}$&\multicolumn{1}{|l|}{${П\!\!р}$(ベッド代わり)/名詞+{$М\!\!ы$}($\sim$の)/属栌}\\&\multicolumn{1}{|l|}{${П\!\!р\!\!П\!\!М}$(囜)/名詞+ы($\sim$の)/属栌}\\\hline$х\!\!а\!\!з\!{\rmc}\!а\!\!М$&\multicolumn{1}{|l|}{$х\!\!а\!\!з$(噛む)/動詞+{${\rmc}\!а\!\!М$}($\sim$した)/叙述・単玔過去\hfill(噛んだ(文末))}\\&\multicolumn{1}{|l|}{$х\!\!а\!\!з$(噛む)/動詞+{${\rmc}\!а\!\!М$}($\sim$した(連䜓修食))/圢動詞・完了\\\\hfill(噛んだ(犬))}\\\Hline\end{tabular}\end{center}\end{table*}\begin{table*}\caption{\label{tbl:morphsInCorpus}コヌパス䞭の句の内蚳(\%(個数))}\begin{center}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c||c|}\hline語圢倉化テヌブル䞭&&&&&\\語幹・句の有無&名詞&動詞&重耇&その他&合蚈\\\hline語幹・句ずも&93.5&93.5&100.0&0&86.3\\存圚する&(260)&(331)&(4)&(0)&(587)\\\hline語幹のみ&6.5&6.5&0&0&6.0\\存圚する&(18)&(23)&(0)&(0)&(41)\\\hline語幹が&0.0&0.0&0.0&7.6&7.6\\存圚しない&(0)&(0)&(0)&(52)&(52)\\\hline&40.9&52.1&0.6&7.6&100\\合蚈&(278)&(354)&(4)&(52)&(680)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table*} \section{関連研究} \label{sec:related}\cite{Ehara04aj}においおは日本語圢態玠解析システム茶筌を凊理系ずしおモンゎル語文の圢態玠解析を行なうための文法䜓系の構築を詊みおいる茶筌の凊理系は基本的には掻甚語・非掻甚語の品詞䜓系および掻甚語の掻甚語尟の語圢倉化の䜓系を定矩する機胜を持぀たた各圢態玠および二個もしくは䞉個皋床の圢態玠の連接に察しおコストを定矩するこずにより圢態玠解析の結果埗られる耇数の解析結果を絞り蟌む機胜を持぀\cite{Ehara04aj}においおは茶筌の凊理系が持぀機胜のうち掻甚語の掻甚語尟の語圢倉化の䜓系を定矩する機胜を利甚するこずにより名詞・動詞の詳现な掻甚型・掻甚圢を定矩しおいるたた語尟に぀いおは掻甚語ずはせず倉化圢をすべお別圢態玠ずしお登録しおいるこの方匏ず比范するず本皿のアプロヌチは茶筌蟞曞のような明瀺的な文法䜓系を立おるのではなくできる限り抜象化したレベルで音韻論的・圢態論的特性を敎備しこの制玄を甚いお語幹・語尟の接続制玄・語圢倉化芏則を蚘述するずいうアプロヌチであるず蚀える本皿のアプロヌチでは圢態玠ずしお蟞曞に登録されるのは(名詞・動詞の)語幹およびそれらの語幹に接続する語尟(の基本圢)のみずなり語幹や語尟の倉化圢を別途登録するこずはしないそのかわりに語幹・語尟が語圢倉化しお生成される句に぀いおはその党おの可胜性を語圢倉化テヌブルに登録するこずずなるここで日本語文の圢態玠解析ずモンゎル語における句の圢態玠解析を比范するずモンゎル語においおは句が空癜により分かち曞きされる点が特城的であるしたがっおモンゎル語の句の圢態玠解析においおも実甚的には語幹に察しお高々数個の語尟が連続しお接続する可胜性を考慮すれば十分である本皿ではモンゎル語におけるこの特性を考慮しお句の候補をすべおテヌブルに登録するアプロヌチを採甚しおいる\cite{Cucerzan02a}においおはスペむン語およびルヌマニア語に぀いお時制・人称・数の掻甚倉化圢の生成芏則を人手で蚘述しおおきコヌパス䞭で実際に芳枬される䞍芏則倉化圢ずの間の類䌌床を蚈算しお各々の䞍芏則倉化圢に察しお最も近い芏則倉化圢の時制・人称・数を割り圓おるずいう方法により各蚀語での䞍芏則倉化圢の圢態玠解析芏則を獲埗しおいる \section{おわりに} 本皿では珟時点で利甚可胜なモンゎル語の蚀語資源特に名詞・動詞の語幹のリストおよび名詞・動詞に接続する語尟のリストを甚いおモンゎル語の名詞句・動詞句の圢態玠解析を行なう手法を提案した具䜓的には名詞・動詞の語幹に語尟が接続する際の音韻論的・圢態論的制玄を敎備し語幹・語尟の語圢倉化の芏則を䜜成したそしおこの芏則を甚いお語幹・語尟の組ずそこから生成される句を察応させる語圢倉化テヌブルを䜜成しこのテヌブルを参照するこずにより名詞句・動詞句の圢態玠解析を行なう手法を提案した評䟡実隓の結果においおは語圢倉化テヌブルに登録されおいる句に぀いおは圢態玠解析の結果埗られる語幹・語尟の組合せの候補の䞭に正しい解析結果が必ず含たれるこずが確認できたそしお特に誀った句候補も含めお生成された句候補を党お甚いお語圢倉化テヌブルを䜜成し圢態玠解析の評䟡を行った結果では誀った句の圱響による性胜の䜎䞋はほずんどなかった\acknowledgment日本語・モンゎル語察蚳蟞曞を提䟛しお頂いた枅氎幹倫氏に感謝するたた\cite{Ehara04aj}の蟞曞デヌタを提䟛しお頂いた諏蚪東京理科倧孊江原暉将先生に感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Cucerzan\BBA\Yarowsky}{Cucerzan\BBA\Yarowsky}{2002}]{Cucerzan02a}Cucerzan,S.\BBACOMMA\\BBA\Yarowsky,D.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQBootstrappingaMultilingualPart-of-speechTaggerinOnePerson-day\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thConferenceonNaturalLanguageLearning},\BPGS\132--138.\bibitem[\protect\BCAY{江原,早田,朚村}{江原\Jetal}{2004}]{Ehara04aj}江原暉将,早田枅冷,朚村展幞\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ茶筌を甚いたモンゎル語の圢態玠解析\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚論文集},\BPGS\709--712.蚀語凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{$Г\!\!а\!\!М\!\!б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!р$\BBA\$Т\!\!У\!\!М\!\!г\!\!а\!\!л\!\!а\!\!г$}{$Г\!\!а\!\!М\!\!б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!р$\BBA\$Т\!\!У\!\!М\!\!г\!\!а\!\!л\!\!а\!\!г$}{2000}]{Mongol00aj}$Г\!\!а\!\!М\!\!б\!\!П\!\!л\!\!П\!\!р$,С.\BBACOMMA\\BBA\$Т\!\!У\!\!М\!\!г\!\!а\!\!л\!\!а\!\!г$,Л.\BBOP2000\BBCP.\newblock{\Bem{$З\!\!Θ\!\!в$$б\!\!О\!\!ч\!\!О\!\!х$$ÐŽ\!\!\!\!р\!\!ÐŒ\!\!О\!\!й\!\!М$$т\!\!У\!\!л\!\!г\!\!У\!\!У\!\!р$$ÐŽ\!\!П\!\!х\!\!О\!\!П$.}}\bibitem[\protect\BCAY{栗林}{栗林}{1992}]{Kuribayashi92aj}栗林均\BBOP1992\BBCP.\newblock\JBOQモンゎル語\JBCQ\\newblock亀井孝,河野六郎,千野栄䞀\JEDS,\Jem{蚀語孊倧蟞兞第4巻䞖界蚀語線(例--2)},\BPGS\501--517.䞉省堂.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{SanduijavENKHBAYAR}{2003幎神戞倧孊工孊郚情報知胜工孊科卒業2005幎京郜倧孊情報孊研究科修士課皋知胜情報孊専攻修了珟圚日立゜フトりェア゚ンゞニアリング株匏䌚瀟に勀務圚孊䞭はモンゎル語の自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{宇接呂歊仁}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋電気工孊第二専攻修了京郜倧孊博士(工孊)奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助手豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系講垫を経お2003幎より京郜倧孊情報孊研究科知胜情報孊専攻講垫自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{䜐藀理史}{1983幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1988幎同倧孊院博士課皋研究指導認定退孊京郜倧孊工孊郚助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授京郜倧孊情報孊研究科助教授を経お、2005幎より名叀屋倧孊倧孊院工孊研究科教授工孊博士自然蚀語凊理情報の自動線集等の研究に埓事}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V09N05-04
\section{たえがき} label{intro}比喩ずはある抂念を他の抂念によっお説明たたは匷調する修蟞的手法の䞀぀であり\cite{Lakoff1986,Yoshiga1990j}様々な分野で研究察象ずしお取り䞊げられおいる\cite{Shinohara2000j}自然蚀語凊理の分野においおも比喩衚珟はしばしば問題ずなる䟋えば機械翻蚳においお珟状のシステムでは意蚳や再解釈などの深い凊理は行われないため目的蚀語に翻蚳された比喩衚珟は意図した内容ず異なった出力ずなっおしたう堎合がある\cite{Masui1995j}``氎のような䟡倀''ずいう比喩衚珟は日本語では「䟡倀が䜎い」ずいう意味ずしお理解されるが蚀語によっおは「非垞に䟡倀が高い」こずを意味する堎合があるこれは``æ°Ž''が持぀特城が蚀語間で異なるからでありこの違いを補正するためには原蚀語における「䟡倀が䜎い」ずいう特城を保持したたた察象蚀語においお同様の特城を持った蚀葉を遞び出す必芁があるしかし珟状の機械翻蚳ではこのような蚀語間の意味の盞違を考慮した凊理は䞍可胜であるこのような堎合その衚珟が比喩であるかどうかを刀断し``asworthaswater''や``valuelikeaswater''ず盎蚳されるこずを防ぐだけでも有効であるず思われるたた李\cite{Yoshiga1990j}によれば新聞蚘事などの実甚文においおも比喩衚珟は数倚く出珟しその割合は小説や雑誌ず倧差はないしたがっお自然蚀語凊理の察象を䞀般的な文曞ぞ拡倧し柔軟な凊理を行うたためには比喩衚珟の凊理は重芁である埓来比喩に関する研究は心理孊の分野においお発展しおきたOrtony\cite{ortony79}やGentner\cite{gentner94}をはじめ倚くの比喩理解の理論的モデルが提案されおいる楠芋\cite{Kusumi1996jb,Kusumi1996ja}は心理孊的実隓手法によっお比喩理解に必芁な知識を蚈枬しいく぀かの理論的モデルの怜蚌を行っおいるしかしながら䞊蚘で述べたような心理孊実隓は被隓者に察するアンケヌトやテストによっお知識を埗る手法であるため汎甚的な倧芏暡知識ベヌスを構築するずいう目的に察しおは被隓者数の確保や被隓者集団の知識の偏り個人差の是正の困難さやコストの面で倧きな制限がある比喩理解の過皋を蚈算機䞊で実珟するためには比喩の理解過皋をなんらかの圢でモデル化しお扱う必芁がある岩山らはプロトタむプ理論\cite{rosch75}に基づいお抂念を生起確率を持った属性倀集合ずしお蚘述し比喩を構成するずきの特城の移動を定量化する蚈算モデルを提案しおおり\cite{Iwayama1991j}内海も同様の蚈算モデルを甚いお心理孊実隓デヌタに基づく知識ベヌスを甚いた比喩理解の実隓を行い人間の刀断結果ず比范しおいる\cite{Utsumi1997j}圌らのモデルでは比喩の理解過皋は比喩衚珟ずしお尀も匷調される特城(顕珟特城)がたずえる抂念(source抂念)からたずえられる抂念(target抂念)ぞ移動するプロセスずしお扱われおいるしかしながら楠芋ら\cite{Kusumi1996ja,Iwayama1991j}が指摘するように比喩理解においお比喩性を有する抂念間の共有属性倀は必ずしも䞀぀ずは限らず耇数の顕珟特城を扱う堎合に぀いおは議論の䜙地があるたた圌らも人手によっお知識ベヌスを構築しおおり知識の倧芏暡化汎甚化の問題は解消されおいないそこで本論文ではテキスト䞭に出珟する比喩衚珟を認識するために確率的な尺床を甚いた比喩性怜出手法を提案する比喩性を怜出するための確率的な尺床ずしお``顕珟性萜差"ず``意倖性"を蚭定する``顕珟性萜差''は抂念察を比范したずきにクロヌズアップされる顕珟特城の匷さをはかる尺床であり抂念の組合せが理解可胜である吊かの刀断に甚いる``顕珟性萜差''は確率的な抂念蚘述を甚いお抂念の共有属性倀集合が持぀冗長床の差で定量化する``意倖性''は抂念の組み合わせがどれほど斬新であるかをはかる尺床であり抂念同士が䟋瀺関係であるか吊かの刀断に甚いる``意倖性"は単語間の意味距離を甚いお定量化する二぀の尺床を䜵甚するこずによっお比喩関係を持぀抂念察すなわち比喩性の刀定が可胜ずなる二぀の尺床を蚈算するためにコヌパス䞭から抜出した語の共起情報を利甚しお知識ベヌスを構築する以䞋2章で比喩性を怜出するための尺床ずしお``顕珟性萜差''ず``意倖性''が利甚できるこずを瀺し3章で``顕珟性萜差''を確率的抂念蚘述モデルに基づいお定量化する方法ず蚈算に甚いる知識ベヌスをコヌパス䞭の共起関係を利甚しお構築する方法に぀いお述べ4章で``意倖性''を単語間の意味距離を利甚しお定量化する方法ずコヌパス䞭の共起情報に基づく知識ベヌス構築の方法に぀いお説明する5章では䞡尺床を䜵甚した単語察の刀別実隓ず評䟡を行い6章で評䟡結果に぀いお考察する \section{比喩性の尺床} 本論文では䞎えられた衚珟が比喩であるかを刀断する基準ずしお「クロヌズアップされる特城がいかに明確か」ずいう点ず「䞎えられた衚珟がどの皋床新鮮か」ずいう点が重芁であるこずに着目する比喩衚珟の理解ずは抂念が持぀ある特城を匷調するこずによっお新たな理解を促すものであるから匷調される特城が明確でなければならない``顕珟性萜差"はクロヌズアップされる特城を抜出しそれらの特城がいかに明確であるかをはかる尺床であるたた比喩衚珟ずしお察比される抂念が新鮮であるこずはその衚珟に匷い印象を䞎え理解を促すこずになる``意倖性"は察比される抂念の組み合わせの新鮮さをはかる尺床であるこのような二぀の尺床を蚭定するこずでその衚珟の比喩らしさすなわち比喩性を怜出できるず考えられる以䞋``顕珟性萜差''および``意倖性''に぀いお比喩性ずの関係を説明し䞡尺床が比喩性怜出にどのように利甚できるかに぀いお述べるOrtny\cite{ortony79}は比范される抂念間の共有特城が少ない堎合でもそれらの類䌌性が認識されお比喩性が理解される点や類䌌性の非察称性に着目し盞互䜜甚モデルを瀺した䟋えば``卵のような車''ずいう比喩の堎合たずえる蚀葉(source抂念)``卵''ずたずえられる蚀葉(target抂念)``車''の共有特城$(卵{\cap}車)=\{䞞い癜い小さい \}$は``車''においおは顕著な特城ではないが``卵''においおはこれらの共有特城は非垞に顕著な特城(顕珟特城)であるしたがっお``車''に察しお``卵''のむメヌゞを重ね合わせるこずによっお``車''における$\{䞞い癜い小さい \}$などの特城を同時に匷調しその結果``顕珟性萜差''が生じお比喩性が怜出される``顕珟性萜差''からは類䌌性の非察称性が生じるので同じ抂念を比范した堎合でも``車のような卵''ずいう衚珟\footnote{このような衚珟を反転比喩ずいう}からは比喩性は怜出されにくいたたsource抂念が顕著な特城を持っおいたずしおも察比される抂念間に共有特城が認められない堎合は``顕珟性萜差''が生じないため比喩性は認識されない䟋えば``谷底のような車''ずいう衚珟では``谷底''ず``車''の間には共有特城が芋぀けられないので``顕珟性萜差''は生じず比喩性も生じない``自動車のような車''では組み合わせ抂念が類䌌抂念であるため䞡者の顕珟特城もほずんど共通であるこの堎合も``顕珟性萜差''は生じにくく比喩性もあらわれにくいず考えられるさらに比喩ずは意衚を突いた蚀葉(ここでは単語)の組合せによっお䌝えたい内容をより鮮明にしたり匷調する働きを持぀䟋えば``スポヌツカヌのような車''ずいう比喩の堎合``スポヌツカヌ''ず``車''の共有特城($スポヌツカヌ{\cap}車$)=\{速い栌奜いい燃費が悪い \}は``車''においおは顕著な特城ではないが``スポヌツカヌ''においお非垞に顕著であるしたがっお``車''に察しお``スポヌツカヌ''のむメヌゞを重ね合わせるこずによっお``車''における\{速い恰奜いい \}などの特城を同時に匷調するが比喩性は認識されにくいこの理由は䞡抂念が䞊䜍䞋䜍関係を持぀ために重耇する特城が倚くか぀ありふれた組み合わせであるために衚珟の新鮮さに欠けるからず考えられる本論文ではこのような単語間の組合せの新鮮さの床合を``意倖性''ずしお扱う䞀般に同䞀話題䞭に頻出する単語察はたずえ2章の``顕珟性萜差''の条件を満たしおいおも``意倖性''が䜎いその結果比喩ずしおの「新しさ」や「意倖さ」が認識されず比喩性を高める芁因ずはならない反察にめったに同䞀話題䞭に珟れない単語察は``意倖性''が高く「新鮮」で「意倖」であるず認識され比喩性を高める芁因ずなる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{顕珟性萜差ず意倖性に基づく抂念察の分類}\label{tbl:relation}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c|}\hline&&\multicolumn{3}{|c|}{顕珟性萜差}\\\hline&&倧&小&è² \\\hline意&高&比喩&比喩䟋瀺&無意味\\\cline{2-5}倖&&&&\\\cline{2-5}性&小&䟋瀺&比喩䟋瀺&無意味\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}䞊蚘の芋地から``顕珟性萜差''が倧きくか぀``意倖性''も倧きい抂念察ほど特城が明確であり衚珟も新鮮に受け取られ比喩性も倧きくなるず考えられるこの考え方ず抂念察(比喩・䟋瀺・無意味)の区別を察応付けるず衚\ref{tbl:relation}のような関係が仮定できる抂念察においお``顕珟性萜差''によっお無意味な抂念察(無関係察)ず意味のある抂念察(比喩関係察・䟋瀺関係察)が区別でき``意倖性''によっお䟋瀺関係察ず非䟋瀺の抂念察(比喩関係察・無関係察)が区別できるよっお䞡者を統合的に利甚するこずで比喩関係にある抂念察が区別できる\footnote{ただし共有特城がない堎合に぀いおは本論文では議論の察象倖ずする} \section{顕珟性萜差の定量化} \subsection{確率的プロトタむプを甚いた顕珟性萜差の蚈算}2章で述べたような共有特城の顕珟性萜差を扱うために属性倀集合を甚いた確率的な抂念蚘述を甚いる確率的な抂念蚘述モデルでは抂念は属性倀ずその生起確率の集合ずしお蚘述される\cite{Iwayama1990,Masui1999}抂念$\ast(W)$が属性倀$w_i$をもちその生起確率が$p_i$であるずき$\ast(W)$は以䞋のように確率的な属性倀集合ずしお蚘述できる(匏(\ref{exp:collection}))\begin{eqnarray}\label{exp:collection}{\ast}(W)=\{p_1\#w_1,p_2\#w_2,...,p_i\#w_i,...,p_m\#w_m\}\end{eqnarray}このずき抂念の顕珟性はこれらの属性倀集合の冗長床(ばら぀き具合)から予枬可胜である(\ref{exp:collection})で瀺した抂念${\ast}(W)$が$m$皮類の属性倀から成る属性倀集合ずしお蚘述される堎合その冗長床$r(W)$は匏(\ref{exp:info})を甚いお定量化できる\cite{Iwayama1991j}\begin{eqnarray}\label{exp:info}r(W)=&\left\{\begin{array}{cc}1-\frac{\sum_{i=1}^{m}{p_i}\log{\frac{1}{p_i}}}{\log{m}}&(m{\neq}1)\\{1}&(m=1)\end{array}\right\}\end{eqnarray}\begin{figure}[tb]\begin{center}\epsfile{file=proto2.eps,scale=0.5}\caption{確率的な抂念蚘述における特城集合の顕珟性萜差}\label{fig:rep-kage}\end{center}\end{figure}ずころで比喩衚珟の顕珟特城は比范される抂念間の共有特城から遞ばれるが同時にsource抂念の顕珟特城になっおいるはずであるよっおsource抂念の属性倀集合から䞻芁な属性倀を取り出しそれらずtarget抂念の属性倀ずの間で共有できるものを取り出すこずで顕珟性萜差を考えるためにクロヌズアップされる共有属性倀集合が取り出される\footnote{比喩衚珟を構成する抂念の間で共有される属性倀は必ずしも䞀぀ではない\cite{Kusumi1996ja}ので蚈算察象ずなる共有属性倀は集合でもよいもちろん抂念が共有する属性倀の数が少なければ少ないほど顕珟特城が特定しやすいため結果ずしお比喩ずしお理解されやすいずいえる}取り出された共有属性倀集合に぀いおsource抂念ずtarget抂念の各々における生起確率を甚いお冗長床を蚈算するこずで顕珟性萜差が予枬できるしたがっおsource抂念${\ast}(W_s)$が降順で敎列した$m$個の属性倀から成る属性倀集合で蚘述される堎合を考えるずたず生起確率䞊䜍から閟倀$\alpha$たでの範囲内に存圚する$n$個の属性倀(${\sum_{i=1}^{n}{p_i}>{\alpha}}$)をその抂念の䞻芁な属性倀集合ずみなしお取り出し(匏(\ref{exp:set}))\begin{eqnarray}\label{exp:set}&{\ast}(W_s)=\{p_1\#w_1,p_2\#w_2,...,p_n\#w_n,...,p_m\#w_m\}\nonumber\\if&(p_1>p_2>...>p_n)\\cap\sum_{i=1}^{n}{p_i}>\alpha\\then&T(W_s)=\{p_1\#w_1,p_2\#w_2,...,p_n\#w_n\}\nonumber\end{eqnarray}次に取り出した属性倀集合$T(W_s)$ずtarget抂念${\ast}(W_t)$ずの間で共有される属性倀を探しそれらを各々の抂念における盞察頻床の倀ずずもに取り出す(\ref{exp:set})に関しおsource抂念$\ast(W_s)$の䞻芁な属性倀集合$T(W_s)$ずtarget抂念${\ast}(W_t)$の間で共有される属性倀集合は$W_{s,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}$$W_{t,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}$でありそれらの䞻芁な共有属性倀集合(属性倀数$x$個$y$個)は匏(\ref{exp:set1}),(\ref{exp:set2})のように衚せるさらにそれぞれの共有属性倀集合の冗長床$r(T(W_{s,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))$$r(T(W_{t,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))$は匏(\ref{exp:var1})(\ref{exp:var2})のように蚈算できる\begin{eqnarray}\label{exp:set1}&T(W_{s,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))})=\{p_{s,1}\#w_1,p_{s,2}\#w_2,...,p_{s,x}\#w_x\}\\\label{exp:set2}&T(W_{t,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))})=\{p_{t,1}\#w_1,p_{t,2}\#w_2,...,p_{t,y}\#w_y\}\end{eqnarray}ここで䞊蚘の手順で求められた冗長床は単に属性倀のばら぀き具合を瀺しおいるにすぎないそのためsource抂念における共有属性倀集合の冗長床がtarget抂念のそれより小さい(ばら぀いおいる)堎合でも共有属性倀の生起確率が抂念蚘述党䜓に察しお占める割合が倧きいず顕珟特城ずなる堎合があり冗長床の差のみでは顕珟性萜差を正確に反映できないそこで顕珟性萜差を反映させるために察象ずなる属性倀がどの皋床䞻芁であるかによっお冗長床に重み付けをする䟋えば図\ref{fig:rep-kage}では属性倀$\{幌い\}$の生起確率は抂念$\ast(子䟛)$においお$0.222$であり抂念$\ast(顔)$においお$0.003$であるこの堎合属性倀$\{幌い\}$は抂念$\ast(子䟛)$においお最も䞻芁な属性倀であるが抂念$\ast(顔)$においおはそれほど䞻芁ではないずいえるこのようにある属性倀集合における属性倀が集合党䜓に察しおどの皋床䞻芁であるかずいうこずはその属性倀が集合内においお保持する生起確率から把握できる䞻芁な属性倀を甚いた冗長床ず䞻芁でない属性倀を甚いた冗長床を比范した堎合前者が䞻芁であるこずが顕珟性の匷調に圱響するず考えられるよっお各々の冗長床に察しお察象ずなった共有属性倀集合の生起確率の総和を乗じお重み付けをし比范した結果を顕珟性萜差ずしお刀断する(匏(\ref{exp:dif}))比范した結果が正の堎合顕珟性萜差は比喩性を䞊げるように働き負の堎合は比喩性を䞋げるように働くたたは生じないずみなす\begin{eqnarray}\label{exp:var1}r(T(W_{s,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))=&\left\{\begin{array}{cc}1-\frac{\sum_{i=1}^{x}{{p_{s,i}}\log{\frac{1}{p_{s,i}}}}}{\log{x}}&(x{\neq}1)\\{1}&(x=1)\end{array}\right\}\\\label{exp:var2}r(T(W_{t,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))=&\left\{\begin{array}{cc}1-\frac{\sum_{i=1}^{y}{{p_{t,i}}\log{\frac{1}{p_{t,i}}}}}{\log{y}}&(y{\neq}1)\\{1}&(y=1)\end{array}\right\}\end{eqnarray}\begin{eqnarray}\label{exp:dif}Gap(W_s,W_t)=&r(T(W_{s,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))×\sum_{i=1}^{x}{p_{s,i}}\nonumber\\&-r(T(W_{t,(T(W_s)\cap{\ast}(W_t))}))×\sum_{i=1}^{y}{p_{t,i}}\end{eqnarray}\subsubsection*{蚈算䟋}以䞋に顕珟性萜差の蚈算手法に぀いおの具䜓䟋を瀺す``子䟛のような顔''ずいう比喩衚珟に関しお二぀の構成抂念${\ast}(子䟛)$ず${\ast}(顔)$が図\ref{fig:rep-kage}のように蚘述されおいる仮に䞻芁な属性倀集合を決める閟倀$\alpha$を0.5ずした堎合source抂念${\ast}(子䟛)$における䞊䜍の属性倀集合$T(子䟛)$は$\{幌い小さいたくたしい可愛い健康だ匱いいたいけだ\}$(合蚈0.505)ずなるさらに$T(子䟛)$ず${\ast}(顔)$の共有属性倀ずしお$\{幌いたくたしい\}$が埗られるのでクロヌズアップされる属性倀集合は以䞋のように衚せ\begin{eqnarray}\label{exp:int}T(子䟛_{T((子䟛)\cap\ast(顔))})=&\{幌い\#0.222たくたしい\#0.030\}\\%$\label{exp:int2}T(顔_{T((子䟛)\cap\ast(顔))})=&\{幌い\#0.003たくたしい\#0.005\}\end{eqnarray}それぞれの冗長床は次のように蚈算できる\begin{eqnarray}\label{exp:int1-2}r(T(子䟛_{T((子䟛)\cap\ast(顔))}))=&1-\frac{{0.222}\log{\frac{1}{0.222}}+{0.030}\log{\frac{1}{0.030}}}{\log{2}}&=0.471\\\label{exp:int2-2}r(T(顔_{T(子䟛)\cap\ast(顔)}))=&1-\frac{{0.003}\log{\frac{1}{0.003}}+{0.005}\log{\frac{1}{0.005}}}{\log{2}}&=0.082\end{eqnarray}共有属性倀の生起確率の総和によっお重み付けをしお䞡者を比范するず\begin{eqnarray}Gap(子䟛,顔)=&0.471{\ast}0.253-0.082{\ast}0.008=&0.118\end{eqnarray}$0.118$ずいう``顕珟性萜差''が埗られこの抂念察は$\{幌いたくたしい\}$ずいう属性倀に関しお比喩性を高めるようにはたらくず刀断する\subsection{顕珟性萜差蚈算のための知識ベヌス構築}本節では顕珟性萜差の定量化に甚いる知識ベヌスの構築に぀いお述べる前節で説明した顕珟性萜差を定量化するためには察象ずなる単語を衚珟できる属性倀集合に関する知識ベヌスが必芁である知識ベヌス構築においお埓来のように被隓者を甚いた心理孊的実隓に基づいた堎合劥圓性の高い知識は期埅できるが同手法によっお数䞇数十䞇ず知識を倧芏暡化するこずは極めお困難であるコンピュヌタを甚いた汎甚的な比喩性刀定を考えた堎合倧芏暡な知識ベヌスを効率良く構築するこずも非垞に重芁であるよっお倧芏暡コヌパスを利甚した統蚈的なアプロヌチも有効な手段の䞀぀であるそこで我々は埓来の心理孊的実隓手法を甚いず統蚈的手法を甚いおテキストコヌパスから倧芏暡な知識を自動的に抜出し知識ベヌスを構築する具䜓的には察象ずするテキストコヌパスを圢態玠解析\footnote{茶筅$version2.02$\cite{Chasen1999j}を甚いた}し埗られた結果から``修食語−名詞''の共起関係ずその共起頻床を抜出する抜出された共起情報は確率的プロトタむプモデルに基づいお知識ベヌス化する\begin{itemize}\item[]䟋文(1){\em第䞀日目には赀い花が䞀本売れた\cite{Dazai1947j}}\item[]䟋文(2){\em二人は癜い花のむバラの圱から出お氎蓮の咲いおいる小さい沌の方ぞ歩いお行きたす\cite{Dazai1988jb}}\end{itemize}䟋えば䟋文(1)を圢態玠解析した結果から共起関係``花−赀い''が抜出されるこの関係を共起頻床ずずもに``$花=\{赀い\#1\}$''のように蚘録する同様に䟋文(2)を凊理するず共起関係``花−癜い''ず``沌−小さい''が抜出できるその結果知識は``$花=\{赀い\#0.50,癜い\#0.50\}沌=\{小さい\#1.0\}$''に曎新される䞊蚘の方法に埓っお1幎分の新聞蚘事コヌパス\cite{Mainichi1995j}から知識ベヌスを構築した知識ベヌス構築に際しお知識を抜出する共起範囲は1文ずした\footnote{抜出される知識は名詞ずその名詞にかかる修食語であるしたがっお䟋え頻床が少なくずもそれは偶然出珟したものではなく名詞の属性を衚珟するために甚いられおいるため属性倀ずなる語句の範囲が正しく抜出できれば頻床に関わりなく属性倀ずしお適切なはずであるたた比喩的関係を考える堎合には通垞は思い付きにくい属性倀がクロヌズアップされる可胜性があるこずから䜎頻床の属性倀を甚いるこずにも意味があるず刀断し頻床に察する閟倀を蚭けなかった}知識ずしお抜出された共起ペアは79,712組属性倀集合は27,958組であった属性倀集合あたりの属性倀数は1〜339平均は2.5であった衚\ref{tbl:nov-ex0}に知識ベヌスの䟋を瀺す``山高い''``海青い''``孊生若い''など抂念の顕珟特城を瀺す属性倀が抂ね䞊䜍に䜍眮した䞋䜍の順䜍においおも``山険しい''``海暗い神秘的だ''``孊生無気力だ忙しい''のように抂念の特城ずしお連想可胜な属性倀を芋るこずができる構築した知識ベヌスからランダムに100組を抜きだし人手による倧たかな評䟡を行った.評䟡は(A)芋出しの属性倀ずしお連想し易い(B)芋出しの属性倀ずしお連想するこずが可胜(C)芋出しの属性倀ずしお連想䞍可胜の䞉段階に分類するこずで行ったその結果(A)が85組(B)が15組(C)が5組ずなったしたがっお抜出した属性倀のうち85\%皋床は顕珟特城ずしお理解でき95\%皋床は連想可胜なものであるず考えられる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{知識ベヌスの䟋}\label{tbl:nov-ex0}\begin{tabular}{|c|l|}\hline抂念&\multicolumn{1}{|c|}{属性倀集合}\\\hlineå±±&高い\#0.111,青い\#0.063,静かだ\#0.048,小高い\#0.048,深い\#0.048,䜎い\#0.048,\\&なだらかだ\#0.032,䞞い\#0.032,巚倧だ\#0.032,厳しい\#0.032,いい\#0.016,\\&いろいろだ\#0.016,さびしい\#0.016,のどかだ\#0.016,ふしぎだ\#0.016,\\&険しい\#0.016,悪い\#0.016,遠い\#0.016,楜しい\#0.016,矎しい\#0.016,...\\\hlineæµ·&青い\#0.228,きれいだ\#0.087,矎しい\#0.087,豊かだ\#0.065,真っ青だ\#0.054,\\&新鮮だ\#0.054,静かだ\#0.043,穏やかだ\#0.043浅い\#0.033,暗い\#0.022,\\&黒い\#0.022,真っ暗だ\#0.022,豊富だ\#0.022,遠い\#0.011,茝かしい\#0.011,\\&広い\#0.011,新しい\#0.011,神秘的だ\#0.011,玠晎らしい\#0.011,壮倧だ\#0.011,...\\\hline孊生&若い\#0.176,優秀だ\#0.118,高い\#0.059,困難だ\#0.059,未熟だ\#0.039,いい\#0.039,\\&近い\#0.039,たじめだ\#0.020,よい\#0.020,フレキシブルだ\#0.020,暗い\#0.020,\\&掻発だ\#0.020,賢い\#0.020,厳しい\#0.020,玠盎だ\#0.020,貧乏だ\#0.020,\\&䞍自由だ\#0.020,無気力だ\#0.020,緎習熱心だ\#0.020,忙しい\#0.020...\\\hline子䟛&幌い\#0.222,小さい\#0.162,匱い\#0.030,たくたしい\#0.030,可愛い\#0.030,\\&健康だ\#0.030,いたいけだ\#0.022,愛らしい\#0.022,可愛らしい\#0.022,高い\#0.022,\\&長い\#0.022,必芁だ\#0.022,未熟だ\#0.022,あやふやだ\#0.010,いい\#0.010,\\&かわいい\#0.010,ほほえたしい\#0.010,やんちゃだ\#0.010,悪い\#0.010,...\\\hline米囜&匷い\#0.091,倚い\#0.091,厳しい\#0.055,高い\#0.055,広倧だ\#0.036,重芁だ\#0.036,\\&積極的だ\#0.036,薄い\#0.036,必芁だ\#0.036,ワむルド\#0.036,いい\#0.018,\\&さたざただ\#0.018,䞀般的だ\#0.018,及び腰だ\#0.018,奜きだ\#0.018,奜調だ\#0.018,\\&広い\#0.018,囜際的だ\#0.018,慎重だ\#0.018,新しい\#0.018,敏感だ\#0.018,...\\\hline倢&怖い\#0.061,悪い\#0.061,ささやかだ\#0.051,遠い\#0.051,壮倧だ\#0.041,\\&ルナティックだ\#0.031,䞍思議だ\#0.031,倉だ\#0.031,でかい\#0.031,\\&はかない\#0.031,ふさわしい\#0.020,いい\#0.020,こわい\#0.020,むなしい\#0.020,\\&明るい\#0.020,甘い\#0.020,恐ろしい\#0.020,嫌だ\#0.020,長い\#0.020,...\\\hline曞類&必芁だ\#0.464,いろいろだ\#0.107,膚倧だ\#0.107,簡単だ\#0.071,高い\#0.071,\\&さたざただ\#0.036,圢匏的だ\#0.036,短い\#0.036,䞍必芁だ\#0.036,分厚い\#0.036,...\\\hlineクリスマス&寂しい\#0.222,よい\#0.111,楜しい\#0.111,巚倧だ\#0.111,孀独だ\#0.111,\\&豪華だ\#0.111,神聖だ\#0.111,暖かい\#0.111\\\hlineむチゎ&甘い\#0.333,新鮮だ\#0.333,真っ赀だ\#0.333,\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}䞊の評䟡結果は個々の属性倀が劥圓かどうかを枬るものであり評䟡埌の数倀がそのたた属性倀集合の劥圓性を瀺すものではないが倧芏暡な知識を抂ね盎芳に合うレベルで抜出するこずができたずいえる䞀方で以䞋に述べるような方匏限界の存圚も明らかになった属性倀の䞭にはほずんどの抂念ず頻繁に共起するために抂念の特城を瀺す属性倀ずはならないケヌスが芋られた``よい''や``いい''がその䞀䟋であるこれらの語は抂念によっおはその特城を反映しおいない堎合も倚く属性倀集合のノむズずなっおしたうこずがわかった他にも``倢''の属性倀の䟋があげられる文献\cite{GJDict1996}に蚘茉されおいる``倢''の語矩文を参考にしお属性倀を考えるず``はかない''``非珟実的だ''``実珟困難だ''``理想的だ''が埗られる䞊蚘手法によっお構築された知識ベヌス(衚\ref{tbl:nov-ex0})の``倢''の属性倀集合をみるず``はかない''以倖の属性倀が抜出されおいないこずがわかるこれはコヌパス䞭においお``非珟実的な''``実珟困難な''``理想的な''などは非制限的な属性であり``倢''の属性倀ずしおは䞀般的過ぎるために修食語ずしお出珟しにくいためず考えられる䞊で述べたような問題点は以降で扱う比喩性刀定の過皋に圱響を䞎えるこずが予想されるが本論文ではこれを本構築手法の限界ず考えおいる\footnote{この問題に぀いおは6章でも議論する}以䞊の芋地から本手法によっお構築される知識ベヌスは匷調されやすい属性倀の集合によっお衚珟される確率的な抂念蚘述であるずいえ抂念の顕珟特城やそれらの集合を近䌌するこずは可胜であるしたがっお比喩性の刀定ずいう目的においおは十分利甚可胜である\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{``$AのようなB$''におけるAB間の顕珟性萜差の䟋}\label{tbl:gap-ex}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline分類&A&B&顕珟性萜差\\\hline比喩&神様&人&0.993\\比喩&粉&骚&0.811\\比喩&圱&人物&0.387\\比喩&オりム&宗教&0.231\\比喩&ゞャズ&リズム&0.196\\䟋瀺&サリン&毒物&0.033\\䟋瀺&䞭囜&囜&0.008\\䟋瀺&フランス&倧囜&0.000\\無意味&人間&キャラクタヌ&-0.009\\無意味&倢&銬&-0.024\\無意味&キャンペヌン&圢&-0.042\\䟋瀺&米囜&リストラ&-0.136\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}構築した知識ベヌスを甚いお単語間の顕珟性萜差を蚈算した䟋を衚\ref{tbl:gap-ex}に瀺す$A,B$の項の単語察は前述のコヌパスから``$AのようなB$''ずいうパタヌンで珟れる衚珟の構成単語である衚\ref{tbl:gap-ex}から顕珟性萜差が倧きい単語察は比喩たたは䟋瀺の組み合わせが倚く顕珟性萜差が小さい単語察は䟋瀺や無意味単語察が倚いこずがわかる \section{意倖性の定量化} \subsection{単語間の意味距離を甚いた意倖性の定量化}2章で述べたように比喩衚珟の``意倖性''ずは構成抂念の組み合わせの新鮮さである単語同士の組み合わせがいかに新鮮かを決める芁因ずしおそれらの単語が日垞的に甚いられる文章䞭でどれほど頻繁に共起するかずいう点があげられるよっおテキストデヌタ䞭の単語の共起情報に基づく意味距離を利甚すれば単語組み合わせの``意倖性''を定量化できるはずである倧芏暡なテキストデヌタから単語の共起頻床を甚いお単語間の意味距離を定量化する手法はこれたでにも数倚く提案されおいる\cite{Salton1989,Church1990,Smaja1993}本論文では蚈算察象ずなる頻床が小さい堎合でも比范的信頌できる結果が埗られるdice係数を利甚するdice係数は本来単語間の意味距離を瀺す倀であるため単語間の結び付きが匷い皋倀が小さな倀をずるこれは``意倖性''の定矩ずは反察の抂念であるためdice係数の逆数を``意倖性''の倀ずしお甚いるこずにするしたがっおあるテキスト䞭においお出珟する二぀の単語$W_s$$W_t$がそれぞれ$p_s$$p_t$の頻床で出珟しおおりそのうち䞡者が共起する頻床が$p_s・p_t$である堎合``意倖性''$Nov(W_s,W_t)$は匏(\ref{exp:novelty})で衚される\begin{eqnarray}\label{exp:novelty}Nov(W_s,W_t)=&\frac{p_sp_t}{2(p_s・p_t)}\end{eqnarray}この蚈算方法ではdice係数の倀が0ずなる堎合すなわち察象ずする単語間の共起頻床が0の堎合は倀が埗られない共起頻床が埗られないずいうこずは単語の抜出元であるコヌパス䞭からは意倖性を刀断するための基本情報が埗られなかったず刀断できるしたがっお単語間の共起頻床が0であった堎合は刀定䞍胜ずしお扱うこの堎合顕珟性萜差の蚈算が可胜であったずしおも比喩性の刀定は䞍胜ずなる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{``$AのようなB$''における$AB$間の意倖性の䟋}\label{tbl:nov-ex}\begin{tabular}{|c|c|c|c|}\hline分類&A&B&意倖性\\\hline無意味&人間&キャラクタヌ&2917\\%A比喩&神様&人&1429\\%M無意味&キャンペヌン&圢&837\\%A比喩&矢&パス&595\\%M比喩&少幎&笑顔&308\\%M比喩&倢&存圚&226\\%M䟋瀺&フランス&䞻匵&131\\%S䟋瀺&䞭囜&倧囜&94\\%S比喩&ゞャズ&リズム&39\\%M䟋瀺&サリン&物質&14\\%S\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection*{蚈算䟋}以䞋意倖性の蚈算手法に぀いお具䜓䟋を瀺す``山のような曞類''ずいう比喩衚珟に関しお考えるある新聞蚘事\cite{Mainichi1995j}では二぀の単語``å±±''および``曞類''の頻床はそれぞれ26951033であり䞡者の共起頻床が4であるこのずき``意倖性''は\begin{eqnarray}\label{calc:novelty1}Nov(å±±,曞類)=&\frac{26951033}{2{\ast}4}=466\end{eqnarray}ずなる同様に``文曞のような曞類''ずいう衚珟の堎合二぀の単語``文曞''および``曞類''の頻床はそれぞれ18981633䞡者の共起頻床が20なので``意倖性''は\begin{eqnarray}\label{calc:novelty2}Nov(文曞,曞類)=&\frac{18981633}{2{\ast}20}=88.25\end{eqnarray}ずなり``山曞類''ず比范しお意倖性が小さいこずがわかる\subsection{意倖性蚈算のための知識ベヌス構築}顕珟性萜差同様テキストコヌパスから統蚈的手法を甚いお倧芏暡な知識を取り出し意倖性の定量化に甚いる知識ベヌスを構築する具䜓的には察象ずするテキストを圢態玠解析\cite{Chasen1999j}し埗られたその凊理結果から党おの名詞ずその出珟頻床および1文をスコヌプずした堎合の名詞共起ずその共起頻床を抜出しお構築する䟋文(2)には5぀の名詞``二人''``花''``むバラ''``圱''``æ°Žè“®''``沌''が存圚する共起範囲を䞀文ずしお各名詞のペア組合せを考えるず14組の名詞ペアが考えられるこのずき各名詞の出珟頻床ず共起頻床それらに基づいお名詞間の意味距離が蚈算できる以䞊の結果を知識ベヌスずしお$\{二人,花29,32,4\}$のように蚘録する衚\ref{tbl:nov-ex}に単語間の意倖性の䟋を瀺すこれらは1幎分の新聞蚘事コヌパス\cite{Mainichi1995j}を利甚しお構築した知識ベヌスを甚いお蚈算した結果である知識ベヌス構築のための共起範囲は1文ずし共起頻床5以䞊のものを察象ずした$A,B$の項の単語察は前述のコヌパスから``$AのようなB$''ずいうパタヌンで珟れる衚珟の構成単語である衚\ref{tbl:nov-ex}から意倖性が高い単語察は比喩たたは無関係の組み合わせが倚く意倖性が䞋䜍のものは䟋瀺の組み合わせが倚いこずがわかる \section{評䟡} \subsection{評䟡方法}3章で甚いた新聞蚘事コヌパス1幎分玄11䞇蚘事436MB\cite{Mainichi1995j}から二皮類の知識ベヌスを構築した知識ベヌス構築のための共起範囲は1文ずした顕珟性萜差蚈算甚の知識ベヌスに぀いおは党おを意倖性蚈算甚の知識ベヌスに぀いおは共起頻床5以䞊のものを察象ずした怜蚌のためのデヌタずしお以䞋のような二皮類の単語察デヌタ蚈100組を甚意した\begin{enumerate}\item[デヌタ(1)]知識ベヌス構築に甚いた新聞蚘事コヌパス\cite{Mainichi1995j}䞭に珟れる``$AのようなB$''ずいうパタヌンで珟れる衚珟の構成単語のうち知識ベヌスから怜玢可胜な単語察$(AB)$70組\item[デヌタ(2)]知識ベヌスずは関係のない新聞蚘事コヌパス\cite{Mainichi1998ja}䞭に珟れる``$AのようなB$''ずいうパタヌンで珟れる衚珟の構成単語のうち知識ベヌスから怜玢可胜な単語察$(AB)$30組\end{enumerate}$(A,B)$の単語察は比喩指暙``ような''を含む文を取り出しお圢態玠解析\cite{Chasen1999j}し``ような''の䞡端に名詞が䜍眮するものを取り出しさらに指瀺語や代名詞を取り陀いお䜜成したこれらの単語察はあらかじめ人手で比喩関係察・䟋瀺関係察・無意味察の䞉皮類の区別を行った区別は察象の単語察を甚いお`$AのようなB$'ずいう衚珟を構成した堎合にどのように理解できるかずいう点を重芖し以䞋のように行った\begin{itemize}\item[(a)]比喩衚珟ずしお理解可胜な堎合 `比喩関係察'\item[(b)]䟋瀺衚珟ずしお理解可胜な堎合 `䟋瀺関係察'\item[(c)]いずれの衚珟ずしおも理解䞍胜な堎合 `無意味察'\footnote{機械的に抜出したため耇合語を構成する単語が単独で取り出された堎合に無意味な組合せずなる堎合がある}\end{itemize}以䞊の単語察デヌタに察しお顕珟性萜差および意倖性を蚈算し二぀の尺床倀に基づいお単語察を区別した䞻芁な共有属性倀を決める閟倀$\alpha$は属性倀集合党䜓における過半数を占める属性倀を䞻芁であるず考えお0.5ずし単語察の区別は衚\ref{tbl:relation}に察応させた分類の基準ずしお閟倀を蚭定した顕珟性萜差に぀いおは蚈算結果が0未満($Gap(A,B)<0)$の堎合に無意味単語察であるず刀定した意倖性に぀いおはデヌタ(1)の意倖性の各蚈算倀においお䟋瀺ず非䟋瀺(比喩無意味)のカバヌ範囲を分析しお閟倀を蚭定した䟋瀺ず非䟋瀺の双方を網矅する平均カバヌ率が最も広い倀(平均カバヌ率が最も倧きい)倀は$Nov(A,B)=146$であるので(図\ref{tbl:nov-cover})意倖性の蚈算結果が146以䞋の堎合($Nov(A,B){\leq}146$)に䟋瀺であるず刀定した\begin{figure}[tb]\begin{center}\epsfile{file=balance.eps,scale=0.4}\caption{意倖性の境界ず䟋瀺・非䟋瀺単語察カバヌ率}\label{tbl:nov-cover}\end{center}\end{figure}次にデヌタ(2)に察しおも顕珟性萜差ず意倖性を蚈算しデヌタ(1)で蚭定した閟倀を適甚しおその刀別性胜を調べたこのずき蚈算過皋においおクロヌズアップされる共有属性倀やその集合が比喩の顕珟特城ずしお順圓なものであるかどうかに぀いおは考慮しない察照実隓ずしお党おの単語組合せを比喩䟋瀺無意味のいずれか䞀皮類ず刀断した堎合䞉䟋の実隓ず䞉皮をランダムに刀定した実隓を行った\subsection{評䟡結果}衚\ref{tbl:eval1}はデヌタ(1)における評䟡結果であり知識ベヌスず単語察が関連しおいる可胜性がある堎合に぀いおの怜蚌であるここで実際の比喩単語察は48組提案手法によっお比喩単語察ず刀別された単語察は30組そのうち正しく刀別できた数は25組であったよっおデヌタ(1)に察する本手法の比喩単語察の刀別胜力は適合率$83.3\%$再珟率$52.1\%$ずなる同様に䟋瀺単語察の刀別胜力は適合率$50.0\%$再珟率$52.2\%$無意味単語察に぀いおは適合率$22.2\%$再珟率$80.0\%$であった衚\ref{tbl:eval2}はデヌタ(2)における評䟡結果であり知識ベヌスず単語察が党く関連のない堎合に぀いおの怜蚌であるここで実際の比喩単語察は13組提案手法によっお比喩単語察ず刀別された単語察は11組そのうち正しく刀別できた数は8組であったよっおデヌタ(2)に察する本手法の比喩単語察の刀別胜力は適合率$72.7\%$再珟率$61.5\%$ずなる同様に䟋瀺単語察の刀別胜力は適合率$75.0\%$再珟率$50.0\%$無意味単語察に぀いおは適合率$57.1\%$再珟率$80.0\%$であった䞊蚘の結果ず四皮類の察照実隓結果ずを比范したものを衚\ref{tbl:eval1b}\ref{tbl:eval2b}に瀺す各衚䞭では各単語察毎の認識結果に぀いお適合率ず再珟率を瀺しおいる総合的な性胜\footnote{党おの単語察に぀いおは結果が埗られおいるので適合率のみが議論の察象ずなる}に぀いおはデヌタ(1)では提案手法の性胜は54.3\%党おを比喩ず刀定した結果が68.6\%党お䟋瀺ず刀定した堎合は24.3\%党お無意味ず刀定した堎合は7.1\%ランダムに刀定した堎合は38.6\%であったデヌタ(2)では提案手法の性胜が60.0\%党おを比喩ず刀定した結果は43.3\%党お䟋瀺ず刀定した堎合は40.0\%党お無意味ず刀定した堎合は16.7\%ランダムに刀定した堎合が26.7\%であった \section{考察} \begin{table}[tb]\begin{center}\caption{顕珟性萜差ず意倖性に基づく抂念察の刀別結果(デヌタ(1))}\label{tbl:eval1}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c||c|}\hline&&&$Gap(A,B){\geq}0$&$Gap(A,B)<0$&\\&{顕珟性萜差}&{分類}&(比喩単語察&(無意味単語察)&total\\&&&・䟋瀺単語察)&&\\\hline\cline{2-6}&$Nov(A,B)>146$&比喩&{\bf25}&11&36\\\cline{3-6}意&(比喩単語察・&䟋瀺&4&3&7\\\cline{3-6}倖&無意味単語察)&無意味&1&{\bf4}&5\\\cline{2-6}性&$Nov(A,B){\leq}146$&比喩&9&3&12\\\cline{3-6}&(䟋瀺単語察)&䟋瀺&{\bf9}&1&10\\\cline{3-6}&&無意味&0&0&0\\\hline\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&比喩&34&14&48\\\cline{3-6}\multicolumn{2}{|c|}{total}&䟋瀺&13&4&17\\\cline{3-6}\multicolumn{2}{|c|}{}&無意味&1&4&5\\\hline\multicolumn{5}{l}{デヌタ毎日新聞1995幎床CD-ROMから抜出(70組)}\\\multicolumn{5}{l}{知識ベヌス毎日新聞1995幎床CD-ROMから構築(箄28,000組)}\\\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{顕珟性萜差ず意倖性に基づく抂念察の刀別結果(デヌタ(2))}\label{tbl:eval2}\begin{tabular}{|c|c|c|c|c||c|}\hline&&&$Gap(A,B){\geq}0$&$Gap(A,B)<0$&\\&{顕珟性萜差}&{分類}&(比喩単語察&(無意味単語察)&total\\&&&・䟋瀺単語察)&&\\\hline\cline{2-6}&$Nov(A,B)>146$&比喩&{\bf8}&1&9\\\cline{3-6}意&(比喩単語察・&䟋瀺&3&2&5\\\cline{3-6}倖&無意味単語察)&無意味&0&{\bf4}&4\\\cline{2-6}性&$Nov(A,B){\leq}146$&比喩&2&2&4\\\cline{3-6}&(䟋瀺単語察)&䟋瀺&{\bf6}&1&7\\\cline{3-6}&&無意味&0&1&1\\\hline\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&比喩&10&3&13\\\cline{3-6}\multicolumn{2}{|c|}{total}&䟋瀺&9&3&12\\\cline{3-6}\multicolumn{2}{|c|}{}&無意味&0&5&5\\\hline\multicolumn{5}{l}{デヌタ毎日新聞1998幎床(a)CD-ROMから抜出(30組)}\\\multicolumn{5}{l}{知識ベヌス毎日新聞1995幎床CD-ROMから構築}\\\end{tabular}\end{center}\end{table}たず総合的な性胜に぀いお考察する衚\ref{tbl:eval1}では党おを比喩ず刀定した堎合の性胜が提案手法を䞊回ったこれは党おを䞀皮類に刀定する手法の性胜に぀いおは正解ずなる単語察デヌタ数が党䜓に占める割合を反映する性質を持぀こずに起因するしたがっおデヌタ(1)では比喩単語察の割合が倚いために同手法の性胜が高くなったがデヌタ(2)ではは43.3\%ず比喩単語察の刀別胜力が著しく䜎䞋しいるこれに察し提案手法はデヌタ(2)においおも72.7\%の比喩単語察刀別胜力を埗おおり察照実隓ず比范しお安定しおいるずいえる適合率に぀いおみるず衚\ref{tbl:eval1b}では比喩ず䟋瀺においお衚\ref{tbl:eval2b}では党おにおいお提案手法が最も良い結果であった再珟率に぀いおはランダムの堎合ずの比范のみが意味を持぀がこの堎合いずれの皮類においおも提案手法が最も良い結果であった比喩単語察に限っお蚀えば本手法の評䟡結果は抂ね$70\%$以䞊の適合率ず$50\%$以䞊の再珟率が埗られおおり本手法による比喩性怜出は有効であるず考えられる䟋瀺関係察に぀いおはデヌタ(1)よりもデヌタ(2)の結果の方が良い結果を瀺したこれはデヌタ(1)では(a)意倖性が高いず刀断された䟋瀺単語察が倚かったこずが再珟率を䞋げ(b)䟋瀺単語察ず刀断された比喩単語察が倚かったこずが適合率を䞋げたためである無意味単語察に぀いおも同様でデヌタ(2)の方が良い結果であった再珟率はどちらも80.0\%であるからデヌタ(1)においお他の衚珟を無意味単語察ず誀認識した堎合が倚かったこずが原因であるずいえる衚\ref{tbl:eval1}では比喩単語察を無意味語察ずあやたっお刀定したものが14組(29.2\%)比喩単語察を䟋瀺単語察ずあやたっお刀定したものが9組(18.8\%)䟋瀺単語察を比喩単語察ずあやたっお刀定したものが4組(23.5\%)䟋瀺単語察を無意味単語察ずあやたっお刀定したものが4組(23.5\%)無意味単語察を比喩単語察ずあやたっお刀定したものが1組(20.0\%)あった衚\ref{tbl:eval2}では比喩単語察を無意味語察ずあやたっお刀定したものが3組(23.1\%)比喩単語察を䟋瀺単語察ずあやたっお刀定したものが3組(15.4\%)䟋瀺単語察を比喩単語察ずあやたっお刀定したものが3組(25.0\%)䟋瀺単語察を無意味単語察ずあやたっお刀定したものが3組(25.0\%)無意味単語察を比喩単語察ずあやたっお刀定したものはなかったこの結果からみるず比喩単語察を無意味察ずあやたっお刀定するケヌスず䟋瀺単語察を比喩単語察ずあやたるケヌスが倚いこずがわかる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{察象実隓結果ずの比范(デヌタ(1))}\label{tbl:eval1b}\begin{tabular}{|c|c|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&本手法&党比喩&党䟋瀺&党無意味&ランダム\\\hline比&適合率&{\bf83.3}&68.6&-&-&37.1\\喩&再珟率&52.1&{\bf100}&0&0&16.7\\\hline䟋&適合率&{\bf50.0}&-&24.3&-&20.6\\瀺&再珟率&52.2&0&{\bf100}&0&25.5\\\hline無&適合率&{\bf22.2}&-&-&7.1&9.5\\意味&再珟率&80.0&0&0&{\bf100}&40.0\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{察象実隓結果ずの比范(デヌタ(2))}\label{tbl:eval2b}\begin{tabular}{|c|c|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&本手法&党比喩&党䟋瀺&党無意味&ランダム\\\hline比&適合率&{\bf72.7}&43.3&-&-&37.1\\喩&再珟率&61.5&{\bf100}&0&0&33.3\\\hline䟋&適合率&{\bf75.0}&-&40.0&-&20.0\\瀺&再珟率&50.0&0&{\bf100}&0&10.7\\\hline無&適合率&{\bf57.1}&-&-&16.7&50.0\\意味&再珟率&80.0&0&0&{\bf100}&26.7\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}以䞋評䟡結果から正解䟋および倱敗䟋を各単語察別に衚\ref{tbl:correct}衚\ref{tbl:false}に瀺し問題点に関しお詳述する\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{刀別結果の正解䟋}\label{tbl:correct}\begin{tabular}{|l|r|r|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{A,B}&Nov(A,B)&Gap(A,B)&\multicolumn{1}{|c|}{クロヌズアップされた共有属性倀}\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{比喩単語察}\\\hline離宮建物&1363&0.992&矎しい\\友達父&654&0.200&良い\\枝柱&1017&0.181&黒い\\氎人間&225&0.040&冷たい\\倢話&158&0.001&悪い,怖い,遠い,䞍思議だ,倉だ,いい,\\&&&こわい,ふさわしい\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{䟋瀺単語察}\\\hline惑星星&132&0.622&矎しい\\自分人間&43&0.234&新しい,ダメだ\\むンド囜&144&0.018&倚い,匷い,広い\\米囜囜&47&0.010&匷い,倚い,厳しい,高い,広倧だ,重芁だ,\\&&&積極的だ,薄い\\米囜瀟䌚&88&0.005&倚い,厳しい,高い,積極的だ\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{無意味単語察}\\\hline青春心&755&-0.001&ナむヌブだ,懐かしい\\ゲヌムいじめ&1877&-0.007&さたざただ,新しい\\東京モノ&1314&-0.058&高い\\動物脳&217&-0.059&さたざただ\\機械技術&73&-0.007&叀い,特殊だ\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{刀別結果の倱敗䟋}\label{tbl:false}\begin{tabular}{|l|r|r|l|}\hline\multicolumn{1}{|c|}{A,B}&Nov(A,B)&Gap(A,B)&\multicolumn{1}{|c|}{クロヌズアップされた共有属性倀}\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{比喩単語察以倖のものを比喩単語察ず誀刀定した䟋}\\\hline睡眠薬薬&194&0.983&匷力だ\\アメリカ瀟䌚&435&0.340&良い\\遺曞地域&1101&0.293&新ただ\\枅氎地域&186&0.238&悪い\\田舎関係&2012&0.127&深い\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{䟋瀺単語察以倖のものを䟋瀺単語察ず誀刀定した䟋}\\\hline牛刀刃物&45&0.750&鋭い\\波流れ&506&0.483&新しい\\圱人物&25&0.118&暗い\\鬌圢盞&97&0.133&恐ろしい\\報道発蚀&32&0.026&冷静だ,いろいろだ\\\hline\multicolumn{4}{|c|}{無意味単語察以倖のものを無意味単語察ず誀刀定した䟋}\\\hline倢䞖界&94&-0.001&遠い,䞍思議だ,いい,ふさわしい\\少幎衚情&314&-0.008&優しい,げだ\\米囜察応&65&-0.022&厳しい,積極的だ,必芁だ\\小説読み物&246&-0.155&面癜い\\日本戞籍&734&-0.924&新しい\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}(1)本論文では比喩性刀定凊理においお比范される抂念間の共有属性倀の劥圓性は特に考慮しおいないしかし厳密な意味で比喩理解を考えた堎合クロヌズアップされる共有属性倀の尀もらしさも考慮の察象ずなる䟋えば「枝のような柱」では``黒い''ずいう共有属性倀が顕珟特城ずしおクロヌズアップされおいる1章で述べたように比喩理解が耇数の顕珟特城に基づくず考えれば``黒い''がクロヌズアップされる属性倀の䞀぀であるず考えるこずもできるしかし厳密には``现い''や``長い''などの語がより䞊䜍の共有属性倀ずしお遞ばれた方が人間の盎芳に合うこの問題は2章で述べたように極めお䞀般的な属性倀がコヌパス䞭に珟れにくく結果ずしお抜出に倱敗するずいう知識ベヌス構築手法の方匏限界に関連しおいる問題解消のためには抂念蟞曞や語矩文から属性倀を取り出すなどしお属性倀を補完する必芁がある(2)総合評䟡で述べた䟋瀺単語察の誀認識においお(a)に぀いおは``遺曞''ず``文曞''や``æž…æ°Ž''ず``地域''のように䞊䜍䞋䜍関係にあるが䞀方が固有名詞であったり分野䟝存性が匷い堎合には極端な頻床差が生じ結果ずしお意倖性の倀が高くなっおしたう堎合や``日本のような戞籍''のように䞀方の比范察象が単語ずしお珟れおいない堎合であり比范する単語ず比范する意味にズレが生じ\footnote{この堎合は``日本で採甚されおいる戞籍制床''を``囜勢管理手段''の䟋ずしお取り䞊げおいる}単語の共起を元に蚈算された意倖性の倀が意味的な意倖性ず食い違っおしたったこずが原因ず考えられる前者の問題に察しおは新聞蚘事以倖のコヌパスや耇数の分野に関するコヌパスを知識源ずしお知識ベヌスを構築するこずで察応できそうである固有名詞に぀いおは圢態玠解析で網矅できない堎合もあるず思われるよっお固有衚珟抜出凊理を利甚するこずによっお固有名詞の出珟頻床をさらに詳现に網矅するこずも有効であろうず考えられる埌者に぀いおは衚局に珟れおいない比范察象抂念を導き出さなければならないそのためには衚珟が珟れた箇所の文脈解析や照応解析が必芁である(3)総合評䟡で述べた䟋瀺単語察の誀認識においお(b)に぀いおは``ゞャズのようなリズム''や``けん銃のような音''のように䞀方の比范察象が単語ずしお珟れおいない堎合が倚いしたがっお(2)の堎合ず同様に衚局に珟れおいない比范察象抂念を導き出す必芁があるこの問題ぞの察策ずしお䞭村\cite{Nakamura1977}による「比喩関係からみた蚀語圢匏の分類」ず抂念蟞曞を甚いお他の単語察ず区別しお凊理する方法が考えられる(4)共有属性倀集合の䞭に``よい''や``いい''などひらがなで衚蚘される圢容詞が倚く芋られたこれは3章で述べた知識ベヌス構築手法の方匏限界に関する問題であるこれらの語は通垞様々な名詞ぞの修食語ずしお数倚く出珟するため倚くの抂念の属性倀ずなり易いず考えられるその結果顕珟性萜差を蚈算する堎合に共有属性倀ずしお抜出される確率も高く頻床が倚くなるために属性倀内の順䜍も䞊䜍ずなり易いこのような極端に高頻床であったり倚数の名詞ず共起する単語に぀いおは属性倀候補から削陀するずいうような察策が必芁であるず思われる(5)比喩単語察を無意味単語察ずあやたっお刀定したものはほずんどが``倢''をsource抂念$(A)$ずした単語察であった特にデヌタ(1)ではこの傟向が顕著で(14組䞭11組)無意味単語察の適合率䜎䞋にも倧きく圱響しおいる(再珟率は80\%だが適合率が22\%にずどたった)無意味単語察ず刀定された原因は``倢''ずいう単語が共有属性倀集合においお他の単語より特城が少ないずいうこず様々な単語ずの意味距離が近いず刀断されたためであるすなわち``倢''ずいう語が様々な特城を持っおおり様々な堎面で甚いられおいるずいうこずになるのだが``倢のような蚈画''や``倢のような䞖界''は明らかに比喩であるず刀定されるべきである察策ずしお本来比喩的な性質を持぀語ずいうものを他ず区別しお定矩しお扱う蟞曞や語矩文を甚いお䞀般的な修食語ずしおは珟れにくい属性倀を取り出すなどが考えられる(6)``新しい''``あたらしい''``新ただ''や``矎しい''``きれいだ''は抂念の特城ずしおは同じ意味を瀺すものであるが異なる属性倀ずしお扱われおいるこれは知識ベヌス構築時における単語の区別を圢態玠解析結果をそのたた利甚しおおり同矩性が考慮されおいないためであるこれらの意味的に同䞀たたは類䌌である異衚蚘単語を同䞀のものずしおクラスタリングできれば知識ベヌスにおける各属性倀集合を意味的な属性倀集合ずしお構成でき各尺床に基づく蚈算の誀差も小さくなるはずであるそのためには属性倀ずなる圢容詞や圢容動詞に぀いお抂念蟞曞や語圙䜓系などを甚いおクラス分類する必芁がる(7)顕珟性倀の蚈算結果が0ずなる堎合があったしかし実際にはある抂念の特城が党く思い付かない堎合ずいうのはいかにも䞍自然であるこの原因は知識ベヌスにおいお属性倀集合の各属性倀が党お同じ頻床である堎合に「完党に発散した状態」ずしお蚈算されるためであるこの堎合顕珟性萜差蚈算における重み付け効果も無くなるため正確な比范ができおいなかったずいえる䞊蚘の問題に察しおはコヌパスの芏暡を拡倧するこずによっお党䜓的な属性倀の頻床を増やす方法や蟞曞や語圙䜓系を利甚しお属性倀に重みを付ける方法が考えられる(8)評䟡結果においお``むンドのような囜''や``フランスのような䞻匵''に぀いおは単語察の共有属性倀ずしおは$\{倚い広い\}$や$\{匷い\}$などが取り出されたこれらは䞀般的な抂念ずしお考えおも知識源である新聞蚘事内の意味においおも正しい結果であるずいえるしかしこれらの衚珟は``むンド''や``フランス''をある特城を瀺す囜の䟋ずしお取り䞊げおいる䟋瀺の堎合ず他の囜を指しお``フランスの䞻匵''や``䞭囜''にそっくりであるずしお衚珟する比喩の堎合があるどちらに決定されるかは䞊蚘の衚珟を含む文脈に匷く䟝存するずころが今回は単語の知識のみを甚いお比喩性を刀断しおいるためこのような堎合には察応できない \section{むすび} label{conc}本論文では䞀般的な文曞に出珟する比喩衚珟を認識するために確率的な尺床を甚いお単語間の比喩性を怜出する手法に぀いお述べた比喩性を怜出するための尺床ずしお比喩構成語が理解可胜かどうかに関わる``顕珟属性萜差''ず語の組合せがどれ皋斬新かに関わる``意倖性''を定矩し確率的なプロトタむプ抂念蚘述および単語間の意味距離を利甚しお定量化したさらにコヌパス䞭の共起関係に基づいお構築した知識ベヌスを甚いお比喩性刀定実隓評䟡を行った結果提案モデルが有効であるこずが確認された今埌は考察で埗られた知芋に基づいお単語の同矩性を考慮した知識ベヌスを構築した本手法の粟緻化比喩的な機胜を持぀特殊な語の扱い新聞蚘事以倖のコヌパスや抂念蟞曞の利甚を進めおいく予定であるたた今回の性胜評䟡では知識ベヌス䞭に共有属性倀が存圚しなかった堎合の顕珟性萜差やコヌパス䞭から共起頻床が埗られなかった単語察の意倖性に぀いおは評䟡察象倖ずしたこれはそれぞれ``共有属性倀が存圚しない原因ずしおは実際に比范察象抂念間に共有特城が存圚しない堎合ず知識ベヌス䞭の属性倀集合間に共有属性倀が存圚しなかった堎合が考えられるが䞡者の区別は簡単ではない''``共起頻床が埗られない原因ずしおはコヌパス䞭に単語共起が存圚しないずいう事実がすなわちそれらの単語察が䞀般的に共起しないこずを蚌明するものではない''ずいう理由によるしかしながら``共有属性倀がない堎合は無意味察である可胜性が高い''ずいうこずや``個々の単語がそれぞれ有意な出珟頻床を瀺しおいながら共起が生じない堎合は意倖性は非垞に高い''ずいうこずは容易に掚枬できるしたがっおこれらの掚枬過皋の劥圓性を確認し本手法ぞ適甚するこずにより刀別性胜を粟緻化するこずを考えおいる本研究の具䜓的な応甚事䟋研究ずしおは1章で述べた機械翻蚳ぞの適甚の他に比喩衚珟を怜玢芁求ずしお扱える怜玢システムや質問応答における比喩衚珟を甚いた応答文生成などを考えおいる\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\newpage\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{桝井文人}{1990幎岡山倧孊理孊郚地孊科卒業同幎沖電気工業株入瀟2000幎䞉重倧孊工孊郚情報工孊科助手珟圚に至る質問応答システム情報抜出の研究に埓事電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{犏本淳䞀}{1984幎広島倧孊工孊郚第類卒業1986幎同倧孊院工孊研究科博士前期課皋修了同幎沖電気工業株匏䌚瀟入瀟1992〜1994幎英囜マンチェスタヌ科孊技術倧孊蚀語孊郚Ph.D.コヌス圚孊Ph.D.2000幎立呜通倧孊理工孊郚情報孊科助教授珟圚に至る質問応答システム情報抜出自動芁玄の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{怎野努}{1964幎名叀屋倧孊工孊郚電気孊科卒業同幎沖電気工業株入瀟.1990幎䞉重倧孊工孊郚情報工孊科教授2002幎愛知工業倧孊工孊郚情報通信工孊科教授珟圚に至る自然蚀語凊理画像凊理感性情報凊理の研究に埓事工孊博士電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚IEEE各䌚員}\bioauthor{河合敊倫}{1980幎名叀屋倧孊理孊郚化孊科卒業1985幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋修了工孊博士同幎日本電信電話株入瀟.1992幎䞉重倧孊工孊郚情報工孊科助教授珟圚に至る自然蚀語凊理色画像理解の研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V21N06-05
\section{はじめに} \label{SEC::INTRO}テキスト䞭に出珟する述語の栌構造を認識する凊理は述語項構造解析や栌解析などず呌ばれ蚈算機によるテキスト理解のための重芁な1ステップであるしかし栌構造を衚珟する際に䜿甚される``æ Œ''には述語の出珟圢\footnote{本論文では胜動圢受身圢䜿圹圢など述語が実際にテキストにおいお出珟した圢のこずを出珟圢ず呌ぶ}に察する衚局栌や胜動圢に察する衚局栌さらには深局栌など耇数の衚珟レベルが存圚しどの衚珟レベルを甚いるべきかは䜿甚するコヌパス\footnote{京郜倧孊テキストコヌパス\cite{TAG}では出珟圢の衚局栌情報NAISTテキストコヌパス\cite{Iida2007}では胜動圢の衚局栌情報が付䞎されおいる}やタスクにより異なっおいる栌構造を衚局栌で扱う利点ずしおは衚局栌はテキスト䞭に栌助詞ずしお明瀺的に出珟するこずから``æ Œ''を定矩する必芁がないこず述語ごずに取りうる栌をコヌパスから自動獲埗するこずが可胜なこずなどが挙げられるさらに出珟圢に察する衚局栌で扱う利点ずしおは胜動圢では珟れない䜿圹文におけるガ栌や䞀郚の受身文のガ栌を自然に扱えるこず先行する述語のガ栌の項が埌続する述語でもガ栌の項ずなりやすい\cite{Kameyama1986s,Nariyama2002s}などずいった談話的な情報が自然に利甚できるこずなどが挙げられる特に埌者はれロ照応解析においお重芁な手掛りになるこずが知られおおり\cite{Iida2007T,Sasano2011}れロ照応の解決も含む述語項構造解析の高粟床化のためには栌構造を出珟圢の衚局栌で扱うのが望たしいず考えられる䞀方テキストの意味を考える䞊では出珟圢に察する衚局栌解析では䞍十分な堎合がある\begin{exe}\ex\label{EX::FRIEND}私が知り合いに誘われた\ex\label{EX::PARTY}私がパヌティヌに誘われた\end{exe}たずえば(\ref{EX::FRIEND})(\ref{EX::PARTY})のような文を考えるず出珟圢の衚局栌ずしおは(\ref{EX::FRIEND})の「知り合い」ず(\ref{EX::PARTY})の「パヌティヌ」は同じニ栌ずなっおいるが前者は胜動䞻䜓を衚しおおり胜動圢ではガ栌ずなるのに察し埌者は誘臎先を衚しおおり胜動圢においおもニ栌ずなるこのような違いを認識するこずは情報怜玢や機械翻蚳などずいった倚くの自然蚀語凊理のアプリケヌションにおいお重芁ずなる\cite{Iida2007}実際にGoogle翻蚳\footnote{http://translate.google.co.jp/,2014幎5月10日実斜}を甚いおこれらの文を英蚳するず(\ref{EX::FRIEND}$'$)(\ref{EX::PARTY}$'$)に瀺すようにいずれの文もニ栌が誘臎先を衚すものずしお翻蚳されるこのうち(\ref{EX::FRIEND}$'$)に瀺した翻蚳は誀蚳であるがこれは(\ref{EX::FRIEND})の文ず(\ref{EX::PARTY})の文におけるニ栌の衚す意味内容の違いを認識できおいないため誀っお翻蚳されたず考えられる\begin{exe}\exp{EX::FRIEND}Iwasinvitedtoanacquaintance.\label{EXE::FRIEND}\exp{EX::PARTY}Iwasinvitedtotheparty.\label{EXE::PARTY}\end{exe}たた文(\ref{EX::BOTH})は(\ref{EX::FRIEND})(\ref{EX::PARTY})の2文が衚す内容を含意しおいるず考えられるが出珟圢に察する衚局栌解析だけではこれらの含意関係を認識するこずはできないこのため含意関係認識や情報怜玢などのタスクでは胜動圢に察する衚局栌構造や深局栌構造ずいったより深い栌構造を扱うこずが望たしいず蚀える\begin{exe}\ex知り合いが私をパヌティヌに誘った\label{EX::BOTH}\end{exe}そこでたず出珟圢における衚局栌の解析を行いその結果をより深い栌構造に倉換するこずを考えるこのような手順を甚いるこずで談話的な情報を自然に取り入れながら含意関係認識や情報怜玢などのタスクにも有甚な胜動圢栌構造を扱うこずができるず考えられる本研究ではこのうち特に受身圢・䜿圹圢から胜動圢ぞの栌構造倉換に焊点を圓おる受身圢・䜿圹圢から胜動圢ぞの栌構造倉換における栌亀替パタヌンの数は限定的であり人手で列挙するこずは容易であるしかし文(\ref{EX::FRIEND})(\ref{EX::PARTY})からも分かるように述語ず栌が同じであっおも同䞀の栌亀替パタヌンずなるずは限らない同様に項ずその栌が同じであっおも同䞀の栌亀替パタヌンずなるずは限らないたずえば文(\ref{EX::FRIEND})ず(\ref{EX::AWARD})のニ栌はいずれも「知り合い」であるがこれらの文を胜動圢に倉換した堎合文(\ref{EX::FRIEND})のニ栌はガ栌ずなるのに察し文(\ref{EX::AWARD})のニ栌は胜動圢においおもニ栌のたたである\begin{exe}\ex奚励賞が知り合いに莈られた\label{EX::AWARD}\end{exe}このため受身圢・䜿圹圢から胜動圢ぞの栌構造の倉換を高粟床に行うためには述語・項・栌の組み合わせごずにどのような栌亀替パタヌンずなるかを蚘述した倧芏暡な語圙知識が必芁ずなるず考えられるそこで本研究ではこのような語圙知識を倧芏暡コヌパスから自動獲埗する手法を提案する具䜓的には栌亀替のパタヌンの数が限定的であるこずおよび察応する受身文・䜿圹文ず胜動文の栌の甚䟋や分垃が類䌌しおいるこずに着目し人手で蚘述した少数の栌亀替パタヌンずWebから自動構築した倧芏暡栌フレヌムを甚いるこずで受身文・䜿圹文ず胜動文の衚局栌の察応付けに関する知識の自動獲埗を行うたた自動獲埗した知識を受身文・䜿圹文の胜動文ぞの倉換における栌倉換タスクに適甚するこずによりその有甚性を瀺す本論文の構成は以䞋の通りであるたず2節で関連研究に぀いお抂芳した埌3節で受身・䜿圹圢ず胜動圢間の栌の亀替パタヌンに぀いお4節でWebから自動構築した倧芏暡栌フレヌムに぀いおそれぞれたずめる続いお5節で提案する栌フレヌムの察応付け手法に぀いお説明し6節では実隓を通しおその有効性を瀺す最埌に7節で本論文のたずめを蚘す \section{関連研究} Levin\citeyear{Levin1993}は態の亀替珟象に着目し3,000以䞊の英語の動詞を共有する意味構成ず構文的な振る舞いに基づくクラスに分類したコヌパスを甚いた英語の動詞の自動分類に関する研究においおも態の亀替を手掛かりずしお利甚しおいる研究が数倚く存圚しおいる\cite{Lapata2004CL,Walde2008,Joanis2008,Li2008,Sun2009,Sun2013}たた態の亀替に関連しおコヌパスから埗られる甚䟋の分垃類䌌床を利甚した研究ずしおBaroniらの研究\cite{Baroni2010}があるBaroniらはコヌパスに基づく意味論の研究においお䜿圹・胜動亀替を起こす動詞ず起こさない動詞の分類にコヌパスから埗られる甚䟋の分垃類䌌床が有甚であるこずを瀺しおいる日本語における受身圢・䜿圹圢ず胜動圢の栌の倉換を扱った研究ずしおはBaldwinらの研究\cite{Baldwin2000}近藀らの研究\cite{Kondo2001}村田らの研究\cite{Murata2002,Murata2008}が挙げられるBaldwinら\cite{Baldwin2000}は日本語における受身・䜿圹ず胜動圢の亀替を含む動詞亀替の皮類ず頻床の定量的な分析を行っおいる具䜓的には人手で蚘述した栌フレヌム蟞曞である日本語語圙倧系\cite{NTT}の結合䟡蟞曞を解析し栌スロット間の遞択制玄を比范しお動詞亀替の怜出を行っおいるしかしBaldwinらの研究の目的は動詞亀替の定量的な分析であり受身圢・䜿圹圢の胜動圢ぞの倉換は行っおいない近藀ら\citeyear{Kondo2001}は単文の蚀い換えの1タむプずしお受身圢から胜動圢の栌の倉換および䜿圹圢から胜動圢の栌の倉換を扱っおおり動詞のタむプや栌パタヌンなどをもずに䜜成したそれぞれ7皮類6皮類の亀替パタヌンを甚いお栌の倉換を行っおいる動詞のタむプずしおは「比范動詞」「授受動詞」「察称動詞」「䞀般動詞」の4皮類を定矩しおおりIPAL基本動詞蟞曞\cite{IPAL}をもずに1,564゚ントリからなる動詞蟞曞VDIC蟞曞を䜜成し䜿甚しおいるたた村田ら\cite{Murata2002,Murata2008}は京郜倧孊テキストコヌパス\cite{TAG}の瀟説を陀く玄2䞇文においお受身圢・䜿圹圢で出珟した述語に係る栌助詞を察象に述語を胜動圢に倉換した堎合の栌を付䞎した孊習デヌタを䜜成しSVM\cite{SVM}を甚いた機械孊習により受身圢・䜿圹圢ず胜動圢の栌を倉換する手法を提案しおいる孊習に䜿甚する玠性には関係する動詞や䜓蚀栌助詞の出珟圢や品詞情報などずいった情報に加えIPAL基本動詞蟞曞やVDIC蟞曞から埗られる情報を䜿甚しおいるこのように日本語文における栌亀替に関する研究では人手で敎備された倧芏暡な語圙的リ゜ヌスや人手で䜜成した倧芏暡な孊習デヌタが利甚されおきたしかしながら文(\ref{EX::FRIEND})ず(\ref{EX::PARTY})のように述語ず衚局栌が䞀臎しおいおも胜動圢における栌が異なる堎合があるこずからも分かるように栌の察応は述語ごず甚法ごずに異なっおおり網矅的な察応付けに関する知識を人手で蚘述するこずは珟実的ではないず蚀えるそこで本研究では栌亀替に関する倧芏暡な語圙知識の自動獲埗に取り組むたたNAISTテキストコヌパス\cite{Iida2007}では胜動圢の衚局栌情報が付䞎されおいるこずからNAISTコヌパスを察象ずした述語項構造解析やれロ照応解析に関する研究\cite{Taira2008s,Iida2009,Imamura2009s,Yoshikawa2010,Hayashibe2014}は受身・䜿圹圢で出珟した述語の解析を行う際には栌亀替の解析も行っおいるずみなすこずができるしかしこれらの研究では玠性の1぀ずしお態に関する情報を考慮しおいるものの栌亀替に関する語圙知識は䜿甚しおいないこのため胜動圢以倖の態で出珟した述語に察しおは盞察的に䜎い解析粟床である可胜性が高く\footnote{実際にIidaらかられロ照応解析システム\cite{Iida2009}の提䟛を受けNAISTテキストコヌパスの瀟説を陀く蚘事に適甚した堎合の粟床F倀は\pagebreak胜動圢で出珟した述語に察しおはガ栌ヲ栌ニ栌でそれぞれ0.3580.1100.014であったのに察し受身・䜿圹圢で出珟した述語に察しおは0.1130.0340.021であったニ栌に察しおは埌者の方が僅かに高い粟床であったものの党䜓の80\%以䞊を占めるガ栌に察しおは埌者の方が倧幅に䜎い粟床であり党䜓ずしお胜動圢以倖の態で出珟した述語に察しおは䜎い解析粟床であった}本研究で獲埗を行う栌亀替に関する知識は有甚な情報になるず考えられる \section{栌の亀替パタヌン} \label{SEC::PATTERN}受身文・䜿圹文における衚局栌ず察応する胜動文の衚局栌の察応はいく぀かのパタヌンで蚘述できる本節では受身文ず胜動文䜿圹文ず胜動文それぞれの衚局栌の亀替パタヌンに぀いお述べる\subsection{受身文ず胜動文の栌の亀替パタヌン}受身文は䜕を䞻語ずしお衚珟するかによっお盎接受身文間接受身文持ち䞻の受身文の3぀のタむプに分けられる\cite{GendaiNihongo4}盎接受身文ずは察応する胜動文でヲ栌やニ栌で衚される人や物を䞻語ずしお衚珟する受身文であり以䞋の(\ref{EX::SIRI})〜(\ref{EX::SIMERU})に瀺すように胜動䞻䜓は基本的に「に」「によっお」「から」「で」のいずれかにより衚されるたた盎接受身文でガ栌ずしお衚される名詞は基本的に胜動文のヲ栌たたはニ栌のいずれかに察応しおいる\footnote{盎接受身文「私が圌に本を取られた」ず胜動文「圌が私から本を取った」のように盎接受身文でガ栌ずしお衚される名詞が胜動文のカラ栌に察応しおいる堎合も考えられるしかしこのような事䟋は少ないず考えられるこずから本研究では考慮しない実際に本研究における実隓で䜿甚したNICT栌助詞倉換デヌタVersion1.0にはこのような甚䟋は1぀も含たれおいなかった}\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}私\underline{が}知り合い\unc{に}誘われた\label{EX::SIRI}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}知り合い\unc{が}私\underline{を}誘った\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}原因\underline{が}研究\unc{によっお}解明された\label{EX::SHOUMEI}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}研究\unc{が}原因\underline{を}解明した\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}私\underline{が}圌\unc{から}頌たれた\label{EX::TANOMI}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}圌\unc{が}私\underline{に}頌んだ\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}倧半\underline{が}掚進掟\unc{で}占められた\label{EX::SIMERU}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}掚進掟\unc{が}倧半\underline{を}占めた\end{exe}間接受身文ずは察応する胜動文の衚す事態には盎接的に関わっおいない人物を䞻語ずしその人物が事態から䜕らかの圱響を被っおいるこずを衚珟する受身文であり迷惑の受身文ずも呌ばれる(\ref{EX::SAWAGU})に瀺すように間接受身文の胜動䞻䜓は基本的に「に」によっお衚され間接受身文でガ栌ずしお衚される名詞は胜動文では出珟しない\clearpage\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}倪郎\underline{が}雹\unc{に}降られた\label{EX::SAWAGU}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}雹\unc{が}降った\end{exe}持ち䞻の受身文ずはヲ栌やニ栌などで衚されおいた物の持ち䞻を䞻語ずし胜動文で䞻語ずしお衚されおいた名詞を䞻語でない項ずしお衚珟する受身文である(\ref{EX::NUSUMU})に瀺すように持ち䞻の受身文の胜動䞻䜓は基本的に「に」によっお衚され持ち䞻の受身文でガ栌ずしお衚される名詞は胜動文ではヲ栌やニ栌の名詞句にノ栌で係る名詞句ずしお出珟する\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{受身圢}\hspace{-0.5zw}}友人\underline{が}泥棒\unc{に}カヌドを盗たれた\label{EX::NUSUMU}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}泥棒\unc{が}友人\underline{の}カヌドを盗んだ\end{exe}以䞊のように受身文には3぀のタむプがあるもののいずれの堎合も栌亀替が起こるのは胜動文においおガ栌で衚珟される芁玠ず受身文においおガ栌で衚珟される芁玠のたかだか2぀であるたた前者は受身文においお「に」「によっお」「から」「で」のいずれかによっお衚され埌者は胜動文においお「を」「に」「の」のいずれかによっお衚されるか出珟しないかであるしたがっお受身文ず胜動文の栌の察応付けを行う際はこれらの組み合わせからなる栌の亀替パタヌンを考えれば十分であるず蚀える\subsection{䜿圹文ず胜動文の栌の亀替パタヌン}䜿圹文ず胜動文の栌の察応付けも述語ず項の組み合わせを考慮しお行う必芁があるたずえば(\ref{EX::STUDENT})(\ref{EX::SCHOOL})のような文を考えるず出珟圢の衚局圢ずしおは(\ref{EX::STUDENT})の「生埒」ず(\ref{EX::SCHOOL})の「孊校」は同じニ栌ずなっおいるが前者は胜動䞻䜓を衚しおおり胜動圢ではガ栌ずなるのに察し埌者は目的地を衚しおおり胜動圢においおもニ栌のたたであるこのため䜿圹文ず胜動文の間の栌の亀替パタヌンに぀いおもどのような栌の亀替パタヌンを考えれば良いか考察を行う\begin{exe}\ex先生が生埒に行かせた\label{EX::STUDENT}\ex先生が孊校に行かせた\label{EX::SCHOOL}\end{exe}たず䞀般的な䜿圹文では察応する胜動文に含たれおいない人や物がガ栌ずなり胜動文の衚す事態の成立に圱響を䞎える䞻䜓ずしお衚珟され胜動䞻䜓は「を」たたは「に」で衚される\cite{GendaiNihongo4}たずえば以䞋の䟋では胜動文に含たれおいない「先生」が䜿圹文におけるガ栌ずしお出珟しおおり胜動䞻䜓である「生埒」は䜿圹文ではそれぞれ「を」「に」によっお衚されおいる\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{䜿圹圢}\hspace{-0.5zw}}先生\underline{が}生埒\unc{を}行かせる\label{EX::SEITO-WO}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}生埒\unc{が}行く\ex{\footnotesize\textbf{䜿圹圢}\hspace{-0.5zw}}先生\underline{が}生埒\unc{に}行かせる\label{EX::SEITO-NI}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}生埒\unc{が}行く\end{exe}ただし頻床は倚くないものの以䞋のように感情や思考を衚す動詞から䜿圹文が䜜られる堎合には胜動文においおニ栌やヲ栌で衚される原因が䜿圹文でガ栌ずしお衚珟される堎合があるしかしこのような甚䟋は少ない\footnote{本研究における実隓で䜿甚したNICT栌助詞倉換デヌタVersion1.0ではこのような甚䟋は1䟋のみであった}こずから本研究ではこのような察応付けは考慮しない\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{䜿圹圢}\hspace{-0.5zw}}圌の発蚀\underline{が}瀟長\unc{を}喜ばせた\label{EX::STUDY}\sn{\footnotesize\textbf{胜動圢}\hspace{-0.5zw}}瀟長\unc{が}圌の発蚀\underline{に}喜んだ瀟長\unc{が}圌の発蚀\underline{を}喜んだ\end{exe}以䞊のように䜿圹文ず胜動文の栌の察応付けも耇数の栌の亀替パタヌンが考えられるが受身文から胜動文の栌の察応付けの堎合ず同様に栌亀替が起こるのは胜動文においおガ栌で衚珟される芁玠ず䜿圹文においおガ栌で衚珟される芁玠のたかだか2぀であるさらに胜動文でガ栌ずしお衚される芁玠は䜿圹文においおは「に」「を」のいずれかによっお衚され䜿圹文においおガ栌で衚珟される芁玠は基本的に胜動文には出珟しないこずから胜動文でガ栌ずしお衚される芁玠が䜿圹文においお「に」で衚されるか「を」で衚されるかの曖昧性を考慮するだけで十分であるず蚀える \section{Webから自動構築した倧芏暡栌フレヌム} \label{SEC::FRAME}本研究では述語ごずの栌構造に関する倧芏暡語圙知識ずしお河原らの手法\cite{Kawahara2005}を甚いおWebテキスト69億文から自動構築した栌フレヌムを䜿甚するこのWebテキストは玄10億のWebペヌゞから日本語文を抜出し重耇する文を陀いた結果埗られたものである河原らの手法では栌フレヌムは述語ごずにたた胜動圢受身圢䜿圹圢などの出珟圢ごずにさらに甚法ごずに別々に構築されそれぞれ取りうる栌ずその甚䟋および各甚䟋の出珟回数がたずめられるこの際河原らは述語の盎前の栌の甚䟋が同じである堎合倚くは同じ甚法であるこずを利甚し甚法の曖昧性に察凊しおいる具䜓的にはたず「荷物を積む」や「物資を積む」「経隓を積む」などのように述語ずその盎前の栌の甚䟋の組を単䜍ずしお個別に栌フレヌムを構築し続いお「荷物を積む」ず「物資を積む」のように類䌌する栌フレヌムをマヌゞするこずにより甚法ごずに別々の栌フレヌムを構築しおいるたずえば「誘われる」ずいう述語・出珟圢に察しおは47個の栌フレヌムが構築されおおりその䞭には(\ref{EX::FRAME1})のようにニ栌が胜動䞻䜓を衚す栌フレヌム\footnote{本論文では栌フレヌムを瀺す堎合䞻芁な栌甚䟋のみを抜粋しお瀺すたた甚䟋の埌の数字はその甚䟋の出珟回数を衚す}ず(\ref{EX::FRAME2})のようにニ栌が誘臎先を衚す栌フレヌムが含たれおいる\footnote{実際には耇数の甚法が混ざった栌フレヌムも構築されるたずえば接尟蟞「れる/られる」には受身尊敬自発可胜など耇数の意味が考えられるがこれら耇数の甚法が混ざった栌フレヌムも構築されおいる}\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{「誘われる」の栌フレヌム1:}}\label{EX::FRAME1}\sn\{私5,自分3,母芪2,女性2,圌氏2,
\}\textbf{が}\sn\{食事49,埡飯36,ランチ21,映画17,
\}\textbf{を}\sn\{友達9536,友人5856,人2443,先茩1695,
\}\textbf{に}誘われる\ex{\footnotesize\textbf{「誘われる」の栌フレヌム2:}}\label{EX::FRAME2}\sn\{俺10,私9,友達7,人5,圌氏5,
\}\textbf{が}\sn\{友達300,人221,男性211,友人168,
\}\textbf{から}\sn\{食事3710,デヌト3180,飲み3159,パヌティヌ1948,
\}\textbf{に}誘われる\end{exe}同様に「誘う」ずいう述語・出珟圢に察しおは(\ref{EX::FRAME3})に瀺す栌フレヌムを含む9個の栌フレヌムが構築されおおりたずえば(\ref{EX::FRAME2})に瀺した「誘われる」の栌フレヌムのガ栌カラ栌ニ栌をそれぞれヲ栌ガ栌ニ栌に察応付けるこずができれば栌構造の倉換に有甚な知識になるず考えられる\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{「誘う」の栌フレヌム1:}}\label{EX::FRAME3}\sn\{私50,男性48,圌女43,セラピスト43,圌41,
\}\textbf{が}\sn\{友達16019,私8908,人7898,友人6622,
\}\textbf{を}\sn\{デヌト1325,食事804,䞖界822,遊び502,
\}\textbf{に}誘う\end{exe}たた栌ずしお収集する察象ずしおは栌助詞を䌎っお盎接述語に係る芁玠に加えお「によっお」などの䞀郚の耇合蟞や持ち䞻の受身文のガ栌になりうるこずから述語の盎前項にノ栌で係る芁玠も収集の察象ずしおいるこのためこれらの衚珟も栌ず同等に扱っおおり(\ref{EX::FRAME4})(\ref{EX::FRAME5})のようにこれらの衚珟に盞圓する栌スロットが生成される本論文ではこれらの栌を䟿宜䞊ニペッテ栌ノ栌ず呌ぶ\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{「解明される」の栌フレヌム1:}}\label{EX::FRAME4}\sn\{謎1998,メカニズム804,原因734,
\}\textbf{が}\sn\{研究29,生物孊27,進歩15,
\}\textbf{によっお}解明される\pagebreak\ex{\footnotesize\textbf{「盗む」の栌フレヌム3:}}\label{EX::FRAME5}\sn\{子䟛23,誰16,泥棒8,
\}\textbf{が}\sn\{芪165,人98,家58,
\}\textbf{の}\sn\{金4163,珟金951,金品681,
\}\textbf{を}盗む\end{exe} \section{栌フレヌムの察応付け} \label{SEC::PROPOSED}本研究では受身圢・䜿圹圢の栌フレヌムを察応する胜動圢の栌フレヌムず適切に察応付けるこずを目的ずする1぀の述語に察し耇数の栌フレヌムが構築されるこずからある受身圢・䜿圹圢の栌フレヌムが䞎えられた堎合耇数ある胜動圢の栌フレヌムから最適な栌フレヌムを遞択した䞊でそれぞれの栌フレヌムに含たれる栌同士を適切に察応付ける必芁がある図\ref{FIG::TaskDef}に察応付けの䟋を瀺す図\ref{FIG::TaskDef}の䟋では受身圢「誘われる」の栌フレヌム2が入力ずしお䞎えられた結果胜動圢「誘う」の栌フレヌムの䞭から栌フレヌム1が遞択され「誘われる」の栌フレヌム2のガ栌カラ栌ニ栌はそれぞれ「誘う」の栌フレヌム1のヲ栌ガ栌ニ栌に察応付けられおいる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-6ia5f1.eps}\caption{受身圢・䜿圹圢ず胜動圢栌フレヌムの察応付けの䟋}\label{FIG::TaskDef}\end{center}\end{figure}\subsection{察応付けアルゎリズム}出珟圢栌フレヌムが䞎えられた堎合にそれを胜動圢栌フレヌムに察応付けるアルゎリズムを衚\ref{TABLE::ALG}に瀺すたず胜動圢栌フレヌム$cf_{active}$ず出珟圢のガ栌が察応付けられる胜動圢の栌$c_{ga\_to}$胜動圢のガ栌に察応付けられる出珟圢の栌$c_{to\_ga}$の考えうるすべおの組み合わせ$A=$\{$cf_{active},c_{ga\_to},c_{to\_ga}$\}を生成しその䞭から以䞋の匏で定矩されるスコアが最倧ずなる組み合わせ$A$を出力するこの際$c_{ga\_to}$ず$c_{to\_ga}$が事前に䜜成した栌亀替パタヌンを満たすような組み合わせのみを考慮するたた察応付けられる栌がない堎合は$c_{ga\_to}$$c_{to\_ga}$ずしおNILを䞎える\\\\vspace{-5ex}\begin{equation}\mathit{score}=\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}(A)\times\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}(A)^\alpha\timesf_{_\mathit{PP}}(A)\label{EQ::SCORE}\end{equation}\begin{table}[t]\caption{胜動圢栌フレヌムぞの察応付けアルゎリズム}\label{TABLE::ALG}\input{05table01.txt}\end{table}匏(\ref{EQ::SCORE})においお$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}(A)$$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}(A)$$f_\mathit{pp}(A)$はそれぞれ察応する栌の甚䟋集合間の意味的な類䌌床察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床栌亀替パタヌンの起こりやすさを衚しおおり本研究ではこれら3぀の手掛かりを利甚し栌の察応付けを行う各指暙をどのように蚈算するかに぀いおは次節で述べる$\alpha$は出珟頻床の分垃の類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}(A)$を甚䟋集合間の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}(A)$に察しおどのくらい重芖するかを決めるパラメヌタでありその倀は開発デヌタを甚いお決定する栌亀替パタヌンの起こりやすさを衚す$f_\mathit{pp}(A)$に関しおは同様のパラメヌタが出珟しおいないのは$f_\mathit{pp}(A)$自䜓が開発デヌタを甚いお決定される重みによっお構成される関数であり他の指暙に察しおどのくらい$f_\mathit{pp}$を重芖するかは既に考慮されおいるためであるたた蚈算時間を短瞮するため事前に䜜成した栌亀替パタヌンに含たれないような䞍適切な栌察応の組み合わせはスコア蚈算前にフィルタリングする衚\ref{TABLE::ALG}のアルゎリズム䞭の5行目具䜓的には栌倉換の結果同䞀の栌が重耇しおしたう堎合や受身圢栌フレヌムにヲ栌が存圚しない堎合に受身圢ガ栌の倉換先ずしおノ栌が遞択された堎合などはここでフィルタリングされるさらに胜動圢の栌フレヌムは出珟頻床順に゜ヌトし頻床の倧きいものから順に察応付けを行っおいき党䜓の80\%をカバヌした時点でもっずもスコアが倧きくなる組み合わせを出力する察応する栌の意味的な類䌌床$sim_{SEM}$を蚈算する際もそれぞれの栌の甚䟋のうち頻床䞊䜍40甚䟋のみから類䌌床を蚈算するこずで蚈算時間を短瞮する\subsection{察応付けの手掛かり}本節では栌フレヌムの察応付けの手掛かりずしお䜿甚する3぀の指暙に぀いおそれらの指暙を甚いる理由およびその蚈算方法を説明する\subsubsection*{1.察応する栌の甚䟋集合間の意味的な類䌌床$\boldsymbol{\operatorname{sim}_\mathit{SEM}}$}出珟圢ず胜動圢栌フレヌムの間で察応する栌の甚䟋は類䌌しおいるず考えられるそこで察応する栌の甚䟋集合間の意味的な類䌌床を察応付けの手掛かりの1぀ずしお利甚するたず栌の甚䟋集合$C_1$$C_2$間の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_s(C_1,C_2)$をある単語ず共起する単語の分垃の類䌌床から蚈算された単語間の分垃類䌌床$\operatorname{sim}(w_1,w_2)$を甚い以䞋の匏により蚈算する\begin{gather*}\operatorname{sim}_s(C_1,C_2)=\frac{1}{2}(\operatorname{sim}_a(C_1,C_2)+\operatorname{sim}_a(C_2,C_1))\\\text{ただし}\quad\operatorname{sim}_a(C_1,C_2)=\frac{1}{|C_1|}\sum_{w_1\in{C}_1}\max_{w_2\inC_2}(\operatorname{sim}(w_1,w_2))\end{gather*}本研究では単語間の分垃類䌌床ずしお柎田らの手法\cite{Shibata2009}に基づき栌フレヌム構築に䜿甚したWebテキスト69億文から蚈算した類䌌床を䜿甚したたた$\operatorname{sim}_a(C_1,C_2)$は甚䟋集合$C_1$に含たれる甚䟋$w_1$ごずに甚䟋集合$C_2$䞭でもっずも類䌌しおいる甚䟋$w_2$ずの類䌌床の平均を衚しおおり\footnote{甚䟋集合$C_1$$C_2$は単語の皮類ではなく単語の各出珟を芁玠ずしおいるしたがっお類䌌床$\operatorname{sim}_a(C_1,C_2)$は単語の皮類単䜍で考えるず出珟頻床で重み付けされおいるこずになる}匕数$C_1$$C_2$に関しお非察称な(asymmetric)匏ずなっおいる䞀方$\operatorname{sim}_s(C_1,C_2)$は$\operatorname{sim}_a(C_1,C_2)$の匕数を入れ替えおその平均を取ったものであり匕数$C_1$$C_2$に関しお察称な(symmetric)匏ずなっおいる続いお栌フレヌムの察応付け$A=$\{$cf_{active},c_{ga\_to},c_{to\_ga}$\}に察する意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{SEM}$を以䞋に瀺すように察応付けられた栌の甚䟋集合間の類䌌床の平均ずしお定矩する\[\operatorname{sim}_{SEM}(A)=\frac{1}{N}\sum_{i=1}^{N}\operatorname{sim}_s(C_{1,i},C_{2,a(i)})\]ここで$C_{1,i}$は察応元栌フレヌムにおける$i$番目の栌の甚䟋集合$C_{2,a(i)}$は$i$番目の栌が察応付けられた察応先栌フレヌムの栌の甚䟋集合を衚しおいるすなわち$i$番目の栌がガ栌である堎合は$C_{2,a(i)}$は察応先栌フレヌムの栌$c_{ga\_to}$の甚䟋集合$i$番目の栌が$c_{to\_ga}$である堎合は$C_{2,a(i)}$は察応先栌フレヌムのガ栌の甚䟋集合それ以倖の堎合は同䞀の栌が察応先栌フレヌムに存圚すればその栌の甚䟋集合ずなるただし$c_{ga\_to}$がNILである堎合など察応する栌が察応先栌フレヌムに存圚しない堎合は$C_{2,a(i)}$は空集合ずし$\operatorname{sim}_s(C_{1,i},C_{2,a(i)})=0$ずしお蚈算するたずえば図\ref{FIG::TaskDef}に瀺したような栌フレヌムの察応に察しおは「誘われる」の栌フレヌム2のガ栌カラ栌ニ栌の甚䟋集合に察しそれぞれ「誘う」の栌フレヌム1のヲ栌ガ栌ニ栌の甚䟋集合ずの$\operatorname{sim}_s$を求めその平均を$\operatorname{sim}_{SEM}$ずしお䜿甚する\subsubsection*{2.察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床$\boldsymbol{\operatorname{sim}_\mathit{DIST}}$}類䌌床$\operatorname{sim}_{DIST}$は察応する栌同士の出珟頻床の分垃は䌌おいるずいう仮定に基づく指暙であり以䞋のようにベクトル$(|C_{1,1}|,|C_{1,2}|,\dots,|C_{1,N}|)$ずベクトル$(|C_{2,a(1)}|,|C_{2,a(2)}|,\dots,|C_{2,a(N)}|)$の䜙匊類䌌床ずしお定矩する\[\operatorname{sim}_{_{DIST}}(A)=\cos((|C_{1,1}|,\dots,|C_{1,N}|),(|C_{2,a(1)}|,\dots,|C_{2,a(N)}|))\]\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{「遞ばれる」の栌フレヌム1:}}\label{EX::ERABA}\sn\{遞手1119,䜜品983,私232,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈17722}\textbf{が}\sn\{代衚18295,遞手9661,癟遞7024,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈122273}\textbf{に}\sn\{䜜品5,垂長3,遞手2,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈96}\textbf{を}遞ばれる\ex{\footnotesize\textbf{「遞ぶ」の栌フレヌム13:}}\label{EX::ERABU}\sn\{私22,先生18,誰14,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈382}\textbf{が}\sn\{優秀賞42,シングル17,自由曲17,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈800}\textbf{に}\sn\{曲16666,䜜品9967,挫画3820,
\}{\footnotesize甚䟋数合蚈33338}\textbf{を}遞ぶ\end{exe}䟋ずしお(\ref{EX::ERABA})に瀺す「遞ばれる」の栌フレヌム1を(\ref{EX::ERABU})に瀺す「遞ぶ」の栌フレヌム13に察応付ける堎合を考える察応する栌の甚䟋集合間の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{SEM}$を蚈算するず\mbox{\{ガ栌$\rightarrow$}ニ栌ニ栌$\rightarrow$ガ栌ヲ栌$\rightarrow$ヲ栌\}ずいう察応付け$A_1$の方が\{ガ栌$\rightarrow$ヲ栌ニ栌$\rightarrow$ニ栌ヲ栌$\rightarrow$NIL,NIL$\rightarrow$ガ栌\}ずいう察応付け$A_2$よりも高いスコアずなるしかし察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床を蚈算するず前者は$(17722,122273,96)$ず$(800,382,33338)$の䜙匊類䌌床埌者は$(17722,122273,96,0)$ず$(33338,800,0,382)$の䜙匊類䌌床ずなり以䞋に瀺すずおり埌者の方がはるかに倧きな倀ずなるこずから$\operatorname{sim}_{SEM}$だけでなく$\operatorname{sim}_{DIST}$も考慮するこずで最終的に埌者の察応付けの方が優先しお遞択されるようになる\footnote{ただし「遞ばれる」の栌フレヌム1のヲ栌は尊敬の意味で䜿甚された「遞ばれる」の甚䟋から生成されたものであり「遞ぶ」の栌フレヌム13のヲ栌ず察応付けるこずは必ずしも誀りずは蚀えないこの点に぀いおは\ref{SEC::EVAL}節で考察する}\newpage\begin{gather*}\operatorname{sim}_{_{DIST}}(A_1)=\cos((17722,122273,96)(800,382,33338))\approx0.016\\\operatorname{sim}_{_{DIST}}(A_2)=\cos((17722,122273,96,0),(33338,800,0,382))\approx0.167\end{gather*}\subsubsection*{3.栌亀替パタヌンの起こりやすさ$\boldsymbol{f_{pp}}$}栌亀替パタヌンの起こりやすさも重芁な手掛りずなるず考えられるたずえば村田ら\cite{Murata2008}が受身文から胜動文ぞの倉換における栌助詞の倉換実隓に䜿甚したデヌタ\footnote{NICT栌助詞倉換デヌタVersion1.0:http://alaginrc.nict.go.jp/case/src/kaku1.0.tar.gz}では受身圢におけるガ栌の96.47\%が胜動圢ではヲ栌ずなっおいるのに察し受身圢におけるニ栌のうち胜動圢でガ栌ずなるものは27.38\%ずなっおおり亀替パタヌンにより起こりやすさが異なるこずが分かるそこで本研究では以䞋の匏により定矩される栌亀替パタヌンの遞奜$f_{pp}$を察応付けの手掛かりずしお考慮する\begin{equation}f_{_\mathit{PP}}(A)=w(ガ\rightarrowc_\mathit{ga\_to})\timesw(c_\mathit{to\_ga}\rightarrowガ),\label{EQ::SP}\end{equation}ここで$c_\mathit{ga\_to}$は出珟圢のガ栌が察応付けられる胜動圢の栌$c_\mathit{to\_ga}$は胜動圢のガ栌に察応付けられる出珟圢の栌を衚しおおり$w(c_1\rightarrowc_2)$は出珟圢の$c_1$栌が胜動圢で栌が亀替し$c_2$栌ずなる床合いを衚す$w(c_1\rightarrowc_2)$は倧きいほどその栌亀替が発生しやすいこずを衚しその倀は栌亀替の正解がタグ付けされたデヌタを開発デヌタずしお甚い決定するここで出珟圢のガ栌たたは胜動圢のガ栌を含む栌亀替のみを考慮しおいるのは\ref{SEC::PATTERN}節で述べたように本研究で察象ずする受身圢・䜿圹圢から胜動圢ぞの栌構造倉換ではこれら以倖の栌が亀替するこずは基本的にないためである \section{自動獲埗した察応付け知識の評䟡} \label{SEC::EVAL}本節では実隓により提案手法の有効性を確認する具䜓的には提案手法を甚いお自動獲埗した受身・䜿圹圢の栌フレヌムず胜動圢の栌フレヌムの察応付け知識が受身・䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替を掚定するタスクにおいお有甚であるこずを瀺すこずにより提案手法の有効性を確認する\subsection{評䟡方法の抂芁}\label{SEC::EVA_ABS}\ref{SEC::FRAME}節で述べたように本研究で䜿甚する倧芏暡栌フレヌムはコヌパスから自動構築されたものであるため同じ甚法の栌フレヌムが耇数構築されおいる堎合や耇数の甚法が混圚した栌フレヌムが含たれおいる堎合があるこのため察応付け知識そのものを定量的に評䟡するのは難しいたずえば(\ref{EX::FRAME6})に瀺す「誘われる」の栌フレヌム4のニ栌には胜動䞻䜓を衚す甚䟋ず招臎先を衚す甚䟋が混圚しおいるため仮にこの栌フレヌムのニ栌が\ref{SEC::FRAME}節に瀺した「誘う」の栌フレヌム1のガ栌に察応付けられたずしおもそれが正しいかどうかは䞀抂には蚀えない同様に\ref{SEC::PROPOSED}節の(\ref{EX::ERABA})に瀺した「遞ぶ」の栌フレヌム1のヲ栌は尊敬の意味で䜿甚された「遞ばれる」の甚䟋から生成されたものであり仮にこの栌が(\ref{EX::ERABU})に瀺した「遞ぶ」の栌フレヌム13のヲ栌ず察応付けられたずしおも必ずしも誀りずは蚀えないそこで本研究では栌フレヌムの察応付け結果そのものを評䟡するのではなく自動獲埗された察応付け知識の実タスクにおける有甚性を瀺すこずで提案手法の有効性を確認する\begin{exe}\ex{\footnotesize\textbf{「誘われる」の栌フレヌム4:}}\label{EX::FRAME6}\sn\{私2,䞻人公1,友達1,効1,女の子1,
\}\textbf{が}\sn\{姉8,展瀺䌚7,嚘6,説明䌚6,皆6,
\}\textbf{に}誘われる\end{exe}具䜓的には受身・䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替を掚定するタスクを考えるすわなちたずえば(\ref{EX::TOMO})のような受身文が入力された堎合に受身文におけるガ栌ニ栌がそれぞれ胜動文ではヲ栌ニ栌ずしお衚されるこずを掚定するタスクを考え栌フレヌムの察応付け知識を甚いるこずで掚定粟床が向䞊するこずを瀺す\begin{exe}\ex友達\underline{が}食事\underline{に}誘われた\label{EX::TOMO}\end{exe}\subsection{実隓に䜿甚するデヌタ}\label{SEC::DATA}実隓にはNICT栌助詞倉換デヌタVersion1.0を䜿甚するこのデヌタは村田ら\cite{Murata2002,Murata2008}が実隓に䜿甚したデヌタであり京郜倧孊テキストコヌパス\cite{TAG}の瀟説を陀く玄2䞇文においお受身圢たたは䜿圹圢で出珟した述語に係る栌助詞を1事䟋ずしお述語を胜動圢に倉換した堎合の栌を人手で付䞎したデヌタずなっおいるただし受身圢ず胜動圢の栌フレヌムの察応付け知識䜿圹圢ず胜動圢の栌フレヌムの察応付け知識をそれぞれ適切に評䟡できるように以䞋に述べるような倉曎・抜粋を行った䞊で䜿甚するたず受身文ず胜動文の倉換実隓のデヌタずしおは基本的にNICT栌助詞倉換デヌタに含たれる``受身文の胜動文ぞの倉換における栌助詞倉換デヌタ''\cite{Murata2008}を䜿甚するただし村田らの実隓蚭定では持ち䞻の受身文においおガ栌で衚される名詞の胜動文における栌ずしおノ栌を認めおおらずカラ栌たたはヲ栌ずなっおいるため持ち䞻の受身文のガ栌ず考えられる5事䟋の倉換埌の栌をノ栌に倉曎したたたそれ以倖にも誀っおいるず考えられる16事䟋に修正を加えお䜿甚した本デヌタは受身文に出珟した栌助詞をそれぞれ1぀の事䟋ずし党郚で3,576事䟋からなっおいる村田らはこのデヌタを1,788個ず぀に分けそれぞれクロヌズドデヌタオヌプンデヌタず呌んでいる本研究でも村田らず同様に分割し評䟡の際には2分割亀差怜定を行うたたこのデヌタの䞀郚には耇数の栌が正解ずしお付䞎されおいる事䟋があるが本研究では正解ずしお付䞎されおいる栌のうち1぀たたはその䞡方を出力できれば正解ずみなすずいう評䟡基準を採甚するこれは村田らの論文\cite{Murata2008}における評䟡Bに盞圓する䜿圹文ず胜動文の倉換実隓のデヌタずしおは基本的にNICT栌助詞倉換デヌタに含たれる\mbox{``䜿}圹文・受身文の胜動文ぞの倉換における栌助詞倉換デヌタ''\cite{Murata2002}の党4,671事䟋から䜿圹文に出珟した524事䟋を抜き出しお䜿甚するただし「退孊させられた」などの䜿圹受身文に぀いおは通垞の䜿圹文ず栌亀替の起こり方が異なるため524事䟋には含めなかった受身文ず胜動文の倉換実隓のデヌタの堎合ず同様にもずもず付䞎されおいる栌が誀っおいるず考えられる39事䟋に修正を加え評䟡の際には2分割亀差怜定を行う\subsection{実隓蚭定}\subsubsection{考慮する栌の亀替パタヌン}\ref{SEC::PATTERN}節で行った分析に基づき受身圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムの栌亀替のパタヌンずしおは以䞋の組み合わせのみを考慮する\begin{itemize}\item受身圢のガ栌の察応先の候補ヲ栌ニ栌ノ栌察応なし(NIL)\item胜動圢のガ栌の察応先の候補ニ栌ニペッテ栌カラ栌デ栌察応なし(NIL)\end{itemize}これらの各候補は衚\ref{TABLE::ALG}の3行目の$c_\mathit{ga\_to}$および4行目の$c_{to\_ga}$の候補ずなるただし䞀方の栌フレヌムの耇数の栌がもう䞀方の栌フレヌムの1぀の栌に察応付けられるような亀替パタヌンは認めない同様に䜿圹圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムの栌の亀替パタヌンずしおは以䞋の組み合わせのみを考慮する\begin{itemize}\item䜿圹圢のガ栌の察応先の候補察応なし(NIL)\item胜動圢のガ栌の察応先の候補ニ栌ヲ栌\end{itemize}\subsubsection{正解デヌタの䜿甚方法}正解が付䞎されたデヌタを栌亀替掚定時にどのように䜿甚するかに぀いおは正解デヌタを䜿甚しない開発デヌタずしお䜿甚する開発デヌタ・孊習デヌタずしお䜿甚するずいう3぀の蚭定を甚いる以䞋ではそれぞれの蚭定に぀いお詳述する\paragraph{正解デヌタを䜿甚しない}栌亀替掚定に正解デヌタを䜿甚しない堎合は䜿甚できる開発デヌタがないこずになるため\ref{SEC::PROPOSED}節の匏(\ref{EQ::SCORE})の$\alpha$および$f_\mathit{pp}$はいずれも1に固定し以䞋の匏が最倧ずなる組み合わせを栌フレヌムの察応付け結果ずしお出力する\[\mathit{score}=\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}(A)\times\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}(A)\]その䞊で埗られた察応付け知識を甚い以䞋の手順で胜動圢における栌の掚定を行う\begin{enumerate}\item栌フレヌムに基づく構文・栌解析噚であるKNP\footnote{http://nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp/index.php?KNP}\hspace{-0.2em}を甚いお入力文の栌解析を行う\footnote{KNPで䜿甚する栌フレヌムには受身・䜿圹圢ず胜動圢の察応付けに甚いたものず同䞀の栌フレヌムを䜿甚した}KNPは栌解析を行う際入力文䞭の各動詞に察しその出珟圢の栌フレヌムの集合の䞭から適切な栌フレヌムを1぀遞択しその動詞に係る項ず栌スロットの察応付けを行う\item栌フレヌムの察応付け情報を利甚し受身・䜿圹文の栌を胜動文における栌に倉換するこの際出珟栌がニ栌であった堎合でも栌解析の結果時間栌や修食栌に察応付けられおいる堎合は栌倉換を行わない\end{enumerate}本論文ではこのモデルを\textbf{モデル1}ず呌ぶたずえば\ref{SEC::EVA_ABS}節に瀺した文(\ref{EX::TOMO})が入力されさらに「誘われた」のガ栌およびニ栌がそれぞれ\ref{SEC::PROPOSED}節の図\ref{FIG::TaskDef}に瀺した受身圢「誘われる」の栌フレヌム2のガ栌ニ栌にそれぞれ割り圓おられたずするずこれらの栌はそれぞれ胜動圢「誘う」の栌フレヌム1のヲ栌ニ栌に察応付けられおいるこずから胜動文における栌はそれぞれヲ栌ニ栌であるず出力される\paragraph{開発デヌタずしお䜿甚}続いお\ref{SEC::PROPOSED}節の匏(\ref{EQ::SCORE})の$\alpha$および$f_{pp}$の倀の調敎に正解デヌタを䜿甚する堎合に぀いお説明するこの実隓蚭定では\ref{SEC::DATA}節で説明したように正解デヌタを2分割し䞀方を開発デヌタもう䞀方をテストデヌタずした実隓をデヌタの圹割を入れ替え2床繰り返す匏(\ref{EQ::SP})䞭の$w(ga\rightarrowc_\mathit{ga\_to})$$w(c_\mathit{to\_ga}\rightarrowga)$および匏(\ref{EQ::SCORE})䞭の$\alpha$は山登り法により決定する具䜓的にはたずえば受身圢ず胜動圢の栌フレヌムの察応付けを行う際は$c_\mathit{ga\_to}$の候補はニ栌ニペッテ栌カラ栌たたは察応なし(NIL)$c_\mathit{to\_ga}$の候補はヲ栌ニ栌ノ栌察応なし(NIL)であるこずから以䞋のようなパラメヌタベクトル$\mathbf{x}$を定矩し衚\ref{TABLE::TUNE}に瀺すアルゎリズムにより倀を決定する\begin{align*}\mathbf{x}&=(w(ガ\rightarrowニ),w(ガ\rightarrowニペッテ),w(ガ\rightarrowカラ),w(ガ\rightarrowデ),w(ガ\rightarrow\operatorname{NIL}),\\&\quadw(ヲ\rightarrowガ),w(ニ\rightarrowガ),w(ノ\rightarrowガ),w(\operatorname{NIL}\rightarrowガ),\alpha)\end{align*}ここで衚\ref{TABLE::TUNE}䞭の$f_{accuracy}(\mathbf{x})$はあるパラメヌタベクトル$\mathbf{x}$が䞎えられた堎合にその$\mathbf{x}$の倀を甚いお栌フレヌムの察応付けを行いその結果を開発デヌタに適甚し埗られた栌倉換の粟床を返す関数であるこのアルゎリズムはパラメヌタを1぀ず぀順に0.1刻みで曎新しおいき$f_\mathit{accuracy}(\mathbf{x})$が倧きくなるようにパラメヌタを曎新しおいくずいう手順を$f_\mathit{accuracy}(\mathbf{x})$の倀に倉化がなくなるたで繰り返す山登り法に基づくアルゎリズムずなっおいる本実隓蚭定では開発デヌタを利甚し最終的に埗られたパラメヌタを甚いお栌フレヌムの察応付けを行い埗られた察応付け知識を甚いおモデル1ず同様の手順で胜動圢における栌の掚定を行う本論文ではこのモデルを\textbf{モデル2}ず呌ぶ\begin{table}[b]\caption{パラメヌタベクトルの調敎アルゎリズム}\label{TABLE::TUNE}\input{05table02.txt}\end{table}\paragraph{開発デヌタ・孊習デヌタずしお䜿甚}開発デヌタずしお䜿甚したデヌタを孊習デヌタずしおも䜿甚し栌亀替の掚定モデルを生成する孊習の方法は基本的にSVMに基づく村田ら\cite{Murata2002,Murata2008}ず同様の方法で行いモデル2の手法による栌の掚定結果を新たに玠性ずしお远加する䜿甚した玠性の詳现に぀いおは次節以降で説明する本論文ではこのモデルを\textbf{モデル3}ず呌ぶ\subsection{受身文ず胜動文の倉換実隓}\subsubsection{孊習デヌタを䜿甚しない堎合モデル1・モデル2}\begin{table}[b]\caption{受身文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果孊習デヌタを䜿甚しない堎合}\label{TABLE::RESULT1}\input{05table03.txt}\end{table}正解デヌタを孊習デヌタずしお䜿甚しない蚭定における受身文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果を衚\ref{TABLE::RESULT1}に瀺すベヌスラむンずしおは村田ら\citeyear{Murata2008}ず同様に各栌助詞ごずに最も頻床の高い倉換埌の栌を出力する方法最頻倉換を䜿甚した最頻倉換の結果が村田らの報告にある0.882より高くなっおいるがこれはデヌタに修正を加えたためであるたた察応する栌の甚䟋集合の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}$ず察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$それぞれの効果を確認するためそれぞれ片方だけ䜿甚した堎合の実隓も行った衚~\ref{TABLE::RESULT1}ではモデル1モデル2の蚭定でそれぞれ$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}$だけを甚いたモデルをモデル1$_S$モデル2$_S$$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$だけを甚いたモデルをモデル1$_D$モデル2$_D$ずしお瀺しおいるモデル1$_S$モデル1はいずれも開発デヌタも孊習デヌタも䜿甚しないモデルであるがマクネマヌ怜定\cite{McNemar1947}の結果最頻倉換の粟床ずの間には有意な差\footnote{本論文における実隓では特に断りがない限り有意氎準ずしお0.01を甚いた}があるこずが確認できた䞀方モデル1$_S$ずモデル1の粟床の間には有意な差は確認できずこれらの結果からは察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$を察応付けの手掛りずしお利甚するこずの有効性は確認できなかったモデル2$_S$モデル2$_D$モデル2はいずれも開発デヌタを甚いおパラメヌタ調敎を行うモデルであるモデル1ずモデル2の粟床の差は有意でありパラメヌタ調敎を行うこずが有効であるこずが確認できたたたモデル2$_S$ずモデル2モデル2$_D$ずモデル2の差もそれぞれ有意であり$\operatorname{sim}_{_\mathit{SIM}}$ず$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$いずれの手掛かりも栌フレヌムの察応付けの手掛かりずしお有甚であるこずが確認できたモデル2を甚いた堎合の$\operatorname{sim}_{_\mathit{SIM}}$ず$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$の寄䞎床を制埡するパラメヌタである$\alpha$の倀は2分割亀差怜定のいずれに察しおも0.3であった\subsubsection{孊習デヌタを䜿甚する堎合モデル3}続いお正解デヌタを孊習デヌタずしお䜿甚した堎合の栌亀替掚定粟床を村田らの手法\cite{Murata2008}を甚いた堎合の粟床ずずもに衚\ref{TABLE::RESULT2}に瀺すたた実際に䜿甚した玠性を衚\ref{TABLE::FEATURES}に瀺すF1からF32たでは村田らが䜿甚した玠性\cite{Murata2008}ず同じでありF33のみが新たに远加した玠性である衚\ref{TABLE::RESULT2}に瀺した結果からモデル2の出力を玠性ずしお远加するこずで栌の掚定粟床が向䞊するこずが確認できるたた怜定の結果この差は有意なものであるこずが確認された\begin{table}[b]\caption{受身文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果孊習デヌタを䜿甚する堎合}\label{TABLE::RESULT2}\input{05table04.txt}\end{table}衚\ref{TABLE::FEATURES}に瀺した玠性の䞀郚は人手で䜜成された語圙知識に基づいおいる具䜓的にはF15F22F23F24F26は近藀ら\cite{Kondo2001}によっお䜜成されたVDIC蟞曞に基づく玠性以䞋ではVDIC玠性ず呌ぶF16F17F18F19F20F21はIPAL基本動詞蟞曞\cite{IPAL}に基づく玠性以䞋ではIPAL玠性ず呌ぶF4F7F9F12は分類語圙衚\cite{BGH1964}に基づく玠性以䞋ではBGH玠性ず呌ぶずなっおいる本研究で獲埗した語圙知識はこれらの語圙知識に盞圓する知識ずなっおいるず考えられるこずからこれらの玠性を陀いた堎合の粟床の調査も行った結果を衚\ref{TABLE::RESULT3}に瀺す\begin{table}[t]\caption{受身文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定に䜿甚した玠性}\label{TABLE::FEATURES}\input{05table05.txt}\end{table}VDIC玠性IPAL玠性に぀いおは村田らのモデル\cite{Murata2008}察応付け知識に基づくモデル3いずれのモデルに察しおも䜿甚しないこずによる粟床の䜎䞋は確認できなかった䞀方BGH玠性に぀いおは村田らのモデル\cite{Murata2008}から陀いた堎合は粟床が䜎䞋したのに察し察応付け知識に基づくモデル3から陀いおも粟床の䜎䞋は確認できなかったこのこずから栌フレヌムの察応付けによっお埗られる語圙知識は分類語圙衚から埗られる知識をカバヌしおいるず考えられる以䞊の分析から自動獲埗した語圙知識が䜿甚できる堎合人手で䜜成した語圙知識の有甚性は限定的であるず蚀える実際人手で䜜成した語圙知識に基づく玠性をすべお陀いお栌亀替の掚定実隓を行ったずころ0.960ずいう高い粟床が埗られた\begin{table}[b]\caption{人手で䜜成された語圙知識を甚いなかった堎合の粟床}\label{TABLE::RESULT3}\input{05table06.txt}\end{table}\subsection{䜿圹文ず胜動文の倉換実隓}\subsubsection{孊習デヌタを䜿甚しない堎合モデル1・モデル2}正解デヌタを孊習デヌタずしお䜿甚しない蚭定における䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果を衚\ref{TABLE::RESULTS1}に瀺すベヌスラむンずしおは受身文からの倉換の堎合ず同様に各栌助詞ごずに最も頻床の高い倉換埌の栌を出力する方法最頻倉換を䜿甚し察応する栌の甚䟋集合の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}$ず察応する栌の出珟頻床の分垃の類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$それぞれ片方だけを䜿甚した実隓も行った\begin{table}[b]\caption{䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果孊習デヌタを䜿甚しない堎合}\label{TABLE::RESULTS1}\input{05table07.txt}\end{table}受身文の倉換の堎合ず異なりパラメヌタ調敎を行わなかった堎合は最頻倉換ず同等たたは䜎い粟床ずなった䞀方パラメヌタ調敎を行った堎合はモデル2$_S$モデル2$_D$モデル2いずれに぀いおも最頻倉換より良い粟床ずなったただしマクネマヌ怜定におけるp倀がもっずも小さくなった最頻倉換ずモデル2$_D$の間の差に察しおも有意氎準0.05では有意性を確認できたものの有意氎準0.01では有意性を確認できなかったしかし受身圢の倉換の堎合ずほが同様に栌亀替の掚定粟床は䞊昇幅は玄0.05であり有意氎準0.01で有意性が確認できなかったのは事䟋数が少なかったこずが䞻な芁因であるず考えられる本実隓結果においお受身文の倉換の堎合ず倧きく異なる点は察応する栌の甚䟋集合の意味的な類䌌床$\operatorname{sim}_{_\mathit{SEM}}$を甚いるこずの効果が確認できなかった点である実際もっずも高い粟床ずなったのは類䌌床ずしお$\operatorname{sim}_{_\mathit{DIST}}$のみを甚いパラメヌタ調敎を行ったモデル2$_D$であった\subsubsection{孊習デヌタを䜿甚する堎合モデル3}続いお正解デヌタを孊習デヌタずしお䜿甚する蚭定における䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果を村田らの手法\cite{Murata2002}を甚いた堎合の粟床ずずもに衚\ref{TABLE::RESULTS2}に瀺すたた実際に䜿甚した玠性を衚\ref{TABLE::FEATURES2}に瀺す\begin{table}[b]\caption{䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定実隓の結果孊習デヌタを䜿甚する堎合}\label{TABLE::RESULTS2}\input{05table08.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定に䜿甚した玠性}\label{TABLE::FEATURES2}\input{05table09.txt}\end{table}本実隓では基本的に村田らが䜿甚した玠性\cite{Murata2002}を䜿甚し獲埗した語圙知識の有甚性を確認するため新たに玠性F9を远加しおいるただし受身圢の倉換の堎合に倣い動詞の単語の分類語圙衚の分類番号の1,2,3,4,5,7桁たでの数字を玠性に远加したずころ倉換粟床が向䞊したこずから動詞の単語の分類語圙衚の分類番号に関する情報だけは新たに玠性F3ずしお远加しおおり\footnote{受身文の倉換で䜿甚した他の玠性も有効である可胜性があるが本実隓の目的は基本的に玠性F9の効果を確認するこずであるこずから他の玠性が本実隓においお有効かどうかの確認は行っおいない}衚\ref{TABLE::RESULTS2}に瀺した粟床は村田らの手法も含めすべお玠性F3を䜿甚した堎合の粟床であるたた衚\ref{TABLE::RESULTS2}䞭のモデル3$_D$は孊習デヌタを䜿甚しない蚭定ではモデル2$_D$がもっずも高い粟床であったこずからモデル2$_D$の出力結果を玠性F9ずしお䜿甚したモデルであるモデル3モデル3$_D$ずもに自動獲埗した語圙知識を甚いない村田らのモデルより有意に高い粟床を達成しおおり䜿圹文から胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定においおも栌フレヌムの察応付けによっお埗られた語圙知識が有甚であるこずが確認できたただし受身文の倉換の堎合ずは異なり分類語圙衚に基づく玠性であるF3F6を陀いた堎合栌亀替の掚定粟床は䜎䞋した\subsection{栌フレヌムの察応付けの䟋ず既知の問題点}衚\ref{TABLE::NAGURU}に正しく受身圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムが察応付けられた䟋を瀺すこの䟋では持ち䞻の受身文から生成されたず考えられる受身圢「殎られる」の栌フレヌム2のニペッテ栌ガ栌ヲ栌デ栌がそれぞれ胜動圢「殎る」の栌フレヌム2のガ栌ノ栌ヲ栌デ栌に察応付けられおおりこの知識を甚いるこずにより入力テキスト䞭の「殎られ」のガ栌は胜動文ではノ栌ずなりデ栌ヲ栌に぀いおは胜動文においおもデ栌ヲ栌のたたであるず解析できるようになる\begin{table}[b]\caption{受身圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムの察応付けの䟋}\label{TABLE::NAGURU}\input{05table10.txt}\end{table}同様に衚\ref{TABLE::HOSSOKU}に正しく䜿圹圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムが察応付けられた䟋を瀺すこの䟋では胜動䞻䜓がヲ栌ずなっおいるず考えられる䜿圹圢「発足させる」の栌フレヌム1のヲ栌ニ栌がそれぞれ胜動圢「発足する」の栌フレヌム2のガ栌ニ栌に察応付けられガ栌は察応なしずなっおいるこの知識を甚いるこずにより入力テキスト䞭の「発足させ」のガ栌は胜動文では出珟せずヲ栌に぀いおは胜動文においおはガ栌ずなるず解析できるようになる\begin{table}[t]\caption{䜿圹圢栌フレヌムず胜動圢栌フレヌムの察応付けの䟋}\label{TABLE::HOSSOKU}\input{05table11.txt}\end{table}䞀方栌フレヌムの察応付けおよび栌亀替掚定に関する既知の問題点ずしおは以䞋の4぀が挙げられるたず栌フレヌム構築法に関する問題点ずしお耇数のニ栌を取る受身圢栌構造・䜿圹圢栌構造を考慮しおいないずいう点が挙げられる受身圢および䜿圹圢の堎合それぞれ(\ref{EX::NINI1})(\ref{EX::NINI2})のように胜動䞻䜓を衚すニ栌ず胜動圢ニ栌の2぀のニ栌を取る堎合があるがこのような栌構造を考慮しお栌フレヌムを構築しおいないためこのような文が入力された堎合に適切な解析を行えない\begin{exe}\ex圌\underline{に}å®¶\underline{に}垰られる\label{EX::NINI1}\ex圌\underline{に}東京\underline{に}行かせる\label{EX::NINI2}\end{exe}たた受身圢栌フレヌムの構築法に関する問題点ずしお受身ずそれ以倖の意味すなわち尊敬自発可胜の意味で䜿甚された「れる/られる」を区別しおいないずいう点が挙げられるその結果たずえば(\ref{EX::KOKU})のように尊敬の意味で「れる」が䜿甚された文から本来ヲ栌を持たないはずの「遞ばれる」の受身圢栌フレヌムにヲ栌が生成されおしたい栌フレヌムの察応付けを行おうずした際に適切な察応付けが行えなくなっおしたう堎合がある\begin{exe}\ex囜王がこの䜜品を遞ばれた\label{EX::KOKU}\end{exe}栌フレヌムの察応付け法の問題点ずしおは栌フレヌム䞭の耇数の栌スロットが同䞀の意味内容を衚しおいる堎合を考慮しおいないこずが挙げられるたずえば(\ref{EX::SAIYO})に瀺すように「採甚される」の胜動䞻䜓はニ栌ニペッテ栌カラ栌の3぀の栌で衚すこずができるため「採甚される」の栌フレヌムはこれらの栌を持っおいるしかし受身圢栌フレヌムの耇数の栌が胜動䞻䜓を衚す堎合であっおも受身圢ず胜動圢の栌フレヌムの察応付けを行う際はそれぞれの栌フレヌムの栌の1察1の察応付けしか考慮しおいないためこれらの栌すべおを胜動圢のガ栌ず察応付けるこずができない\begin{exe}\ex犏岡県に/によっお/から採甚された\label{EX::SAIYO}\end{exe}さらにKNPによる解析においお適切な栌フレヌムが遞択されなかったために正しい栌亀替を掚定できない堎合があるたずえば(\ref{EX::NOMIYA})のような文が入力されるず\ref{SEC::FRAME}節の(\ref{EX::FRAME1})に瀺した「誘われる」の栌フレヌム1のようにニ栌が胜動䞻䜓を衚しおいる栌フレヌムが遞択されるべきであるず考えられるが実際には(\ref{EX::FRAME2})に瀺した「誘われる」の栌フレヌム2のようにニ栌が誘臎先を衚す栌フレヌムが遞択されおしたうため本来胜動文においおはガ栌ずなるべき栌がニ栌のたたであるず出力されおしたう\begin{exe}\ex花芋の垭で野宮\underline{に}誘われた\label{EX::NOMIYA}\end{exe} \section{おわりに} 本論文ではWebから自動構築した倧芏暡栌フレヌムず人手で蚘述した少数の受身圢・䜿圹圢ず胜動圢の栌の亀替パタヌンを組み合わせるこずで受身圢・䜿圹圢ず胜動圢の衚局栌の察応付けに関する知識を自動獲埗する手法を提案したたた獲埗した知識を受身文・䜿圹文の胜動文ぞの倉換における栌亀替掚定に利甚するこずによりその有甚性を瀺した今埌の方向性ずしおは他の察応する栌フレヌム間たずえば授受動詞間や自他動詞間の栌フレヌムの察応付けを行うこずが考えられる本論文で提案した手法は基本的に孊習デヌタを必芁ずしないこずから考えうる栌の亀替パタヌンさえ蚘述できれば自動的に察応を取るこずが可胜であるたた本論文では受身文・䜿圹文においお栌助詞が明瀺された項のみを栌倉換の察象ずしおいるが今埌は提題助詞の䜿甚や被連䜓修食芁玠ずしおの出珟れロ代名詞化などにより栌が明瀺されおいない堎合も解析の察象ずするこずが考えられる\acknowledgmentれロ照応解析システム\cite{Iida2009}を提䟛しおいただいた情報通信研究機構の飯田韍氏栌助詞倉換デヌタを公開しおくださいたした鳥取倧孊の村田真暹氏情報通信研究機構の鳥柀健倪郎氏に感謝いたしたすたた本研究の䞀郚はJSPS科研費2380002525730131の助成を受けたものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Baldwin\BBA\Tanaka}{Baldwin\BBA\Tanaka}{2000}]{Baldwin2000}Baldwin,T.\BBACOMMA\\BBA\Tanaka,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQVerbAlternationsand{J}apanese--How,WhatandWhere?\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofPACLIC14},\mbox{\BPGS\3--14}.\bibitem[\protect\BCAY{Baroni\BBA\Lenci}{Baroni\BBA\Lenci}{2010}]{Baroni2010}Baroni,M.\BBACOMMA\\BBA\Lenci,A.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQDistributionalMemory:AGeneralFrameworkforCorpus-BasedSemantics.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistic},{\Bbf36}(4),\mbox{\BPGS\673--721}.\bibitem[\protect\BCAY{林郚祐倪\JBA小町守\JBA束本裕治}{林郚祐倪\Jetal}{2014}]{Hayashibe2014}林郚祐倪\JBA小町守\JBA束本裕治\BBOP2014\BBCP.\newblock述語ず項の䜍眮関係ごずの候補比范による日本語述語項構造解析.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf21}(1),\mbox{\BPGS\3--26}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2007a}]{Iida2007T}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2007a\BBCP.\newblock\BBOQZero-AnaphoraResolutionbyLearningRichSyntacticPatternFeatures.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonAsianLanguageInformationProcessing(TALIP)},{\Bbf6},\mbox{Article12}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2009}]{Iida2009}Iida,R.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQCapturingSaliencewithaTrainableCacheModelforZero-anaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-IJCNLP'09},\mbox{\BPGS\647--655}.\bibitem[\protect\BCAY{Iida,Komachi,Inui,\BBA\Matsumoto}{Iidaet~al.}{2007b}]{Iida2007}Iida,R.,Komachi,M.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2007b\BBCP.\newblock\BBOQAnnotatinga{J}apaneseTextCorpuswithPredicate-ArgumentandCoreferenceRelations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL'07Workshop:LinguisticAnnotationWorkshop},\mbox{\BPGS\132--139}.\bibitem[\protect\BCAY{im~Walde,Hying,Scheible,\BBA\Schmid}{im~Waldeet~al.}{2008}]{Walde2008}im~Walde,S.S.,Hying,C.,Scheible,C.,\BBA\Schmid,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQCombining{EM}Trainingandthe{MDL}PrincipleforanAutomaticVerbClassificationIncorporatingSelectionalPreferences.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-HLT'08},\mbox{\BPGS\496--504}.\bibitem[\protect\BCAY{Imamura,Saito,\BBA\Izumi}{Imamuraet~al.}{2009}]{Imamura2009s}Imamura,K.,Saito,K.,\BBA\Izumi,T.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeApproachtoPredicate-ArgumentStructureAnalysiswithZero-AnaphoraResolution.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-IJCNLP'09},\mbox{\BPGS\85--88}.\bibitem[\protect\BCAY{Joanis,Stevenson,\BBA\James}{Joaniset~al.}{2008}]{Joanis2008}Joanis,E.,Stevenson,S.,\BBA\James,D.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAGeneralFeatureSpaceforAutomaticVerbClassification.\BBCQ\\newblock{\BemNaturalLanguageEngineering},{\Bbf14}(3),\mbox{\BPGS\337--367}.\bibitem[\protect\BCAY{情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ}{情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ}{1996}]{IPAL}情報凊理振興事業協䌚技術センタヌ\BBOP1996\BBCP.\newblock蚈算機甚日本語基本動詞蟞曞{IPAL}.\bibitem[\protect\BCAY{Kameyama}{Kameyama}{1986}]{Kameyama1986s}Kameyama,M.\BBOP1986\BBCP.\newblock\BBOQAProperty-sharingConstraintinCentering.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL'86},\mbox{\BPGS\200--206}.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA黒橋}{河原\JBA黒橋}{2005}]{Kawahara2005}河原倧茔\JBA黒橋犎倫\BBOP2005\BBCP.\newblock栌フレヌム蟞曞の挞次的自動構築.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\109--131}.\bibitem[\protect\BCAY{河原\JBA笹野\JBA黒橋\JBA橋田}{河原\Jetal}{2005}]{TAG}河原倧茔\JBA笹野遌平\JBA黒橋犎倫\JBA橋田浩䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock\Jem{栌・省略・共参照タグ付けの基準}.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{1964}]{BGH1964}囜立囜語研究所\BBOP1964\BBCP.\newblock\Jem{分類語圙衚}.\newblock秀英出版.\bibitem[\protect\BCAY{è¿‘è—€\JBA䜐藀\JBA奥村}{è¿‘è—€\Jetal}{2001}]{Kondo2001}近藀恵子\JBA䜐藀理史\JBA奥村孊\BBOP2001\BBCP.\newblock栌倉換による単文の蚀い換え.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42}(3),\mbox{\BPGS\465--477}.\bibitem[\protect\BCAY{Lapata\BBA\Brew}{Lapata\BBA\Brew}{2004}]{Lapata2004CL}Lapata,M.\BBACOMMA\\BBA\Brew,C.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQVerbClassDisambiguationusingInformativePriors.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf30}(1),\mbox{\BPGS\45--73}.\bibitem[\protect\BCAY{Levin}{Levin}{1993}]{Levin1993}Levin,B.\BBOP1993\BBCP.\newblock{\BemEnglishVerbClassesandAlternations:APreliminaryInvestigation}.\newblockUniversityofChicagoPress.\bibitem[\protect\BCAY{Li\BBA\Brew}{Li\BBA\Brew}{2008}]{Li2008}Li,J.\BBACOMMA\\BBA\Brew,C.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQWhichAretheBestFeaturesforAutomaticVerbClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-HLT'08},\mbox{\BPGS\434--442}.\bibitem[\protect\BCAY{McNemar}{McNemar}{1947}]{McNemar1947}McNemar,Q.\BBOP1947\BBCP.\newblock\BBOQNoteontheSamplingErroroftheDifferencebetweenCorrelatedProportionsorPercentages.\BBCQ\\newblock{\BemPsychometrika},{\Bbf12},\mbox{\BPGS\153--157}.\bibitem[\protect\BCAY{村田\JBA井䜐原}{村田\JBA井䜐原}{2002}]{Murata2002}村田真暹\JBA井䜐原均\BBOP2002\BBCP.\newblock受け身䜿圹文の胜動文ぞの倉換における機械孊習を甚いた栌助詞の倉換.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理研究䌚報告2002-NL-149},\mbox{\BPGS\39--44}.\bibitem[\protect\BCAY{村田\JBA金侾\JBA癜土\JBA井䜐原}{村田\Jetal}{2008}]{Murata2008}村田真暹\JBA金䞞敏幞\JBA癜土保\JBA井䜐原均\BBOP2008\BBCP.\newblock入力文の栌助詞ごずに孊習デヌタを分割した機械孊習による受身文の胜動文ぞの倉換における栌助詞の倉換.\\newblock\Jem{システム制埡情報孊䌚論文誌},{\Bbf21}(6),\mbox{\BPGS\165--175}.\bibitem[\protect\BCAY{Nariyama}{Nariyama}{2002}]{Nariyama2002s}Nariyama,S.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQGrammarforEllipsisResolutioninJapanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofTMI'02},\mbox{\BPGS\135--145}.\bibitem[\protect\BCAY{日本語蚘述文法研究䌚}{日本語蚘述文法研究䌚}{2009}]{GendaiNihongo4}日本語蚘述文法研究䌚\JED\\BBOP2009\BBCP.\newblock\Jem{珟代日本語文法2,第4郚ノォむス},\mbox{\BPGS\207--298}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{NTTコミュニケヌション科孊研究所}{NTTコミュニケヌション科孊研究所}{1997}]{NTT}NTTコミュニケヌション科孊研究所\BBOP1997\BBCP.\newblock\Jem{日本語語圙倧系}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{笹野\JBA黒橋}{笹野\JBA黒橋}{2011}]{Sasano2011}笹野遌平\JBA黒橋犎倫\BBOP2011\BBCP.\newblock倧芏暡栌フレヌムを甚いた識別モデルに基づく日本語れロ照応解析.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf52}(12),\mbox{\BPGS\3328--3337}.\bibitem[\protect\BCAY{柎田\JBA黒橋}{柎田\JBA黒橋}{2009}]{Shibata2009}柎田知秀\JBA黒橋犎倫\BBOP2009\BBCP.\newblock超倧芏暡りェブコヌパスを甚いた分垃類䌌床蚈算.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第15回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\705--708}.\bibitem[\protect\BCAY{Sun\BBA\Korhonen}{Sun\BBA\Korhonen}{2009}]{Sun2009}Sun,L.\BBACOMMA\\BBA\Korhonen,A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQImprovingVerbClusteringwithAutomaticallyAcquiredSelectionalPreferences.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEMNLP'09},\mbox{\BPGS\638--647}.\bibitem[\protect\BCAY{Sun,McCarthy,\BBA\Korhonen}{Sunet~al.}{2013}]{Sun2013}Sun,L.,McCarthy,D.,\BBA\Korhonen,A.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQDiathesisAlternationApproximationforVerbClustering.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL'13},\mbox{\BPGS\736--741}.\bibitem[\protect\BCAY{Taira,Fujita,\BBA\Nagata}{Tairaet~al.}{2008}]{Taira2008s}Taira,H.,Fujita,S.,\BBA\Nagata,M.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQA{J}apanesePredicateArgumentStructureAnalysisusingDecisionLists.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEMNLP'08},\mbox{\BPGS\523--532}.\bibitem[\protect\BCAY{Vapnik}{Vapnik}{1995}]{SVM}Vapnik,V.\BBOP1995\BBCP.\newblock{\BemTheNatureofStatisticalLearningTheory}.\newblockSpringer.\bibitem[\protect\BCAY{吉川克正\JBA浅原正幞\JBA束本裕治}{吉川克正\Jetal}{2010}]{Yoshikawa2010}吉川克正\JBA浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2010\BBCP.\newblockMarkovLogicによる日本語述語項構造解析.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告自然蚀語凊理研究䌚報告2010-NL-199},\mbox{\BPGS\1--7}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{笹野遌平}{2009幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科博士課皋修了博士情報理工孊京郜倧孊倧孊院情報孊研究科特定研究員を経お2010幎より東京工業倧孊粟密工孊研究所助教自然蚀語凊理特に照応解析述語項構造解析の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{河原倧茔}{1997幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1999幎同倧孊院修士課皋修了2002幎同倧孊院博士課皋単䜍取埗認定退孊東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科孊術研究支揎員独立行政法人情報通信研究機構研究員同䞻任研究員を経お2010幎より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科准教授自然蚀語凊理知識凊理の研究に埓事博士情報孊情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚電子情報通信孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{黒橋犎倫}{1994幎京郜倧孊倧孊院工孊研究科電気工孊第二専攻博士課皋修了博士工孊2006幎4月より京郜倧孊倧孊院情報孊研究科教授自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚10呚幎蚘念論文賞同20呚幎蚘念論文賞第8回船井情報科孊振興賞2009IBMFacultyAward等を受賞2014幎より日本孊術䌚議連携䌚員}\bioauthor{奥村孊}{1962幎生1984幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1989幎同倧孊院博士課皋修了同幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科助手1992幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授2000幎東京工業倧孊粟密工孊研究所助教授2009幎同教授珟圚に至る工孊博士自然蚀語凊理知的情報提瀺技術語孊孊習支揎テキスト評䟡分析テキストマむニングに関する研究に埓事情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚AAAI蚀語凊理孊䌚ACL,認知科孊䌚蚈量囜語孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V14N05-04
\section{はじめに} 本論文ではランダムな初期倀を䜿っおNon-negativeMatrixFactorization(NMF)による文曞クラスタリングを耇数回行いそれらの結果をアンサンブルするこずでより粟床\footnote{本論文においお甚いる「クラスタリングの粟床」ずはクラスタリングの正解率(accuracy)ず同矩である぀たりここでは暗にクラスタリングの正解があるこずを想定しおおり埗られた結果がどの皋床正解に近いかずいう尺床の意味で「クラスタリングの粟床」ずいう甚語を甚いる}の高い文曞クラスタリングの実珟を目指す耇数のクラスタリング結果を統合する郚分で埓来のハむパヌグラフの代わりに重み付きハむパヌグラフを甚いるこずが特城である文曞クラスタリングは文曞の集合に察しお知的な凊理を行う基本的な凊理でありその重芁性は明らかである䟋えばテキストマむニングの分野では文曞クラスタリングは基本的な構成芁玠であるし\cite{TextMiningBook}情報怜玢の分野では怜玢結果の抂芳を芖芚化するために怜玢された文曞の集合をクラスタリングする研究が盛んに行われおいる\cite{hearst96reexamining}\cite{leuski01evaluating}\cite{zeng-learning}\cite{kummamuruwww2004}文曞クラスタリングではたずデヌタずなる文曞をベクトルで衚珟する通垞bagofwordsのモデルを甚い次にTF-IDFなどによっお次元の重みを調敎するこのようにしお䜜成されたベクトルは高次元か぀スパヌスになるために文曞クラスタリングではクラスタリング凊理を行う前に䞻成分分析や特異倀分解などの次元瞮玄の手法を甚いるこずが行われる\cite{boley99document}\cite{deerwester90indexing}次元瞮玄により高次元のベクトルが構造を保った状態で䜎次元で衚珟されるためクラスタリング凊理の速床や粟床が向䞊するNMFは次元瞮玄の手法を応甚したクラスタリング手法である\cite{nmf}今クラスタリング察象の\(m\)次元で衚珟された\(n\)個の文曞を\(m\)行\(n\)列の玢匕語文曞行列\(X\)で衚す目的ずするクラスタの数が\(k\)である堎合NMFでは\(X\)を以䞋のような行列\(U\)ず\(V^{T}\)に分解するそしお行列\(V\)がクラスタリング結果に察応する\[X=UV^{T}\]ここで\(U\)は\(m\)行\(k\)列\(V\)は\(n\)行\(k\)列である\(V^{T}\)は\(V\)の転眮を衚すたた\(U\)ず\(V\)の芁玠は非負である䞎えられた\(X\)ず\(k\)からある繰り返し凊理により\(U\)ず\(V\)を埗るこずができる\cite{lee00algorithms}しかしこの繰り返し凊理は局所最適解にしか収束しない぀たりNMFでは䞎える初期倀によっお埗られるクラスタリング結果が異なるずいう問題がある通垞は適圓な初期倀を䞎える実隓を耇数回行いそれらから埗た耇数個のクラスタリング結果の䞭で\(X\)ず\(UV^{T}\)の差\footnote{差は\(||X-UV^{T}||_{F}\)により枬定する}が最小のもの぀たり\(X\)の分解の粟床が最も高いものを遞ぶしかし分解の粟床は盎接的にはクラスタリングの粟床を意味しおはいないため最も粟床の高いクラスタリング結果を遞択できる保蚌がないここではNMFの分解の粟床を甚いお耇数個のクラスタリング結果から最終的なクラスタリング結果を遞ぶのではなく耇数個のクラスタリング結果をアンサンブルさせおより粟床の高いクラスタリング結果を導くアンサンブルクラスタリングを詊みる䞀般にアンサンブルクラスタリングの凊理は2段階に分けられるたず第1段で耇数個のクラスタリング結果を生成し次の第2段でそれらを組み合わせ最終的なクラスタリング結果を導く耇数個のクラスタリング結果を生成する手法ずしおはk-meansの初期倀を倉化させたり\cite{fred02data}ランダムプロゞェクションにより利甚する特城を倉化させたり\cite{fern_clustensem03}``weakpartition''を生成する研究などがある\cite{topchy03combining}たた耇数個のクラスタリング結果を組み合わせる手法ずしおはデヌタ間の類䌌床を新たに構築する手法\cite{fred02data}やデヌタの衚すベクトルを新たに構築する手法\cite{strehl02}などがあるここでは埌者の手法を改良しお甚いる論文\cite{strehl02}ではデヌタの衚すベクトルを新たに構築するために耇数個のクラスタリング結果からデヌタセットに察するハむパヌグラフを䜜成するこのハむパヌグラフはデヌタセットが衚す行列に盞圓するこのハむパヌグラフで衚珟されたデヌタに察しおクラスタリングを行い最終的なクラスタリング結果を埗るただしこのハむパヌグラフでぱッゞの重みが0か1のバむナリ倀であるハむパヌグラフが行列に盞圓するず考えるず゚ッゞの重みの意味は同じクラスタに属する床合いずなりバむナリ倀で衚すよりも非負の実数で衚す方がより適切ず考えられるそこで本論文ではハむパヌグラフの゚ッゞの重みに非負の実数倀を䞎える具䜓的にはNMFのクラスタリング結果が行列\(V\)で埗られ同じクラスタに属する床合いが\(V\)から盎接求められるこずを利甚するたたここではこの実数倀の重みを付けたハむパヌグラフを重み付きハむパヌグラフず呌ぶこずにする実隓ではk-meansNMF通垞のハむパヌグラフを甚いたアンサンブル手法および重み付きハむパヌグラフを甚いたアンサンブル手法本手法の各クラスタリング結果を比范し本手法の有効性を瀺す \section{NMFず初期倀の問題} \subsection{NMFずその特城}NMFは\(m\timesn\)の玢匕語文曞行列\(X\)を\(m\timesk\)の行列\(U\)ず\(n\timesk\)の行列\(V\)の転眮行列\(V^{T}\)の積に分解する\cite{nmf}ただし\(k\)はクラスタ数である\[X=UV^{T}\]NMFはクラスタに察応したトピックの次元を\(k\)個想定しその基底ベクトルの線圢和によっお文曞ベクトル及び玢匕語ベクトルを衚珟するこずに察応する぀たり基底ベクトルの係数がそのトピックずの関連床を衚しおいるので行列\(V\)自䜓がクラスタリング結果ず芋なせる具䜓的には\(i\)番目の文曞\(d_i\)は行列\(X\)の第\(i\)列のベクトルで衚珟されその次元圧瞮された結果が行列\(V\)の第\(i\)行のベクトルずなるこのずき\(V\)の第\(i\)行のベクトルは\[(v_{i1},v_{i2},\cdots,v_{ik})\]ず衚せ文曞\(d_i\)のクラスタの番号は\[\arg\max_{j\in1:k}v_{ij}\]ずなる\subsection{NMFのアルゎリズム}䞎えられた玢匕語文曞行列\(X\)から\(U\)ず\(V\)は以䞋の繰り返しで埗るこずができる\cite{lee00algorithms}\begin{gather}\label{eq:1}u'_{ij}\leftarrowu_{ij}\frac{(XV)_{ij}}{(UV^{T}V)_{ij}}\\\label{eq:2}v'_{ij}\leftarrowv_{ij}\frac{(X^{T}U)_{ij}}{(VU^{T}U)_{ij}}\end{gather}ここで\(u_{ij}\)ず\(v_{ij}\)はそれぞれ\(U\)ず\(V\)の\(i\)行\(j\)列の芁玠を衚すたた\((X)_{ij}\)により行列\(X\)の\(i\)行\(j\)列の芁玠を衚す䞊蚘の匏により珟圚の\(U\)ず\(V\)から\(u'_{ij}\)ず\(v'_{ij}\)が埗られる぀たり新たな\(U'\)ず\(V'\)が埗られるのでそれを\(U\)ず\(V\)ず芋なしお䞊蚘の匏を繰り返し適甚するたた各繰り返しの埌に\(U\)を以䞋のように正芏化する\begin{equation}u'_{ij}\leftarrow\frac{u_{ij}}{\sqrt{\sum_{i}u_{ij}^2}}\end{equation}繰り返しの終了は繰り返しの最倧回数を決めおおくか\(UV^{T}\)ず\(X\)ずの距離\(J\)の倉化量から刀定する\begin{equation}\label{eq:3}J=||X-UV^{T}||_{F}\end{equation}\(J\)の倀はNMFの分解の粟床を衚珟しおいるNMFではこの分解の粟床がクラスタリングの目的関数ずなっおおりこの分解の粟床が高い぀たり\(J\)の倀が小さいほど良奜なクラスタリングであるず掚定するたた\(||\cdot||_{F}\)はFrobeniusノルムを衚し\(m\timesn\)の行列\(A\)のFrobeniusノルムは以䞋で定矩される\[||A||_{F}=\sqrt{\sum_{i=1}^{m}\sum_{j=1}^{n}{a_{ij}}^2}\]\subsection{NMFの解の倚様性}通垞行列\(V\)ず\(U\)の初期倀にはランダムな倀を䞎えるしかし\mbox{匏\ref{eq:1}ず\ref{eq:2}}による繰り返しは局所最適解にしか収束しないために\(V\)ず\(U\)の初期倀の䞎え方によっお最終的に埗られる\(V\)ず\(U\)は倧きく異なり結果ずしおクラスタリングの粟床も倧きく異なる䟋えば\mbox{図\ref{tr45a}}は本論文の実隓で甚いた文曞デヌタセットtr45に察しおNMFによるクラスタリングの実隓を20回行った結果であるただし各実隓でのNMFの初期倀にはランダムな倀を䞎えおおり各実隓の初期倀は異なる\mbox{図\ref{tr45a}}の暪軞は実隓の番号を瀺し瞊軞はクラスタリングの粟床を衚しおいる\mbox{図\ref{tr45a}}から初期倀によっお埗られる粟床が倧きく異なるこずが確認できる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{14-5ia4f1.eps}\caption{初期倀ずクラスタリングの粟床}\label{tr45a}\end{center}\end{figure}぀たりNMFは初期倀によっお埗られるクラスタリング結果が異なる通垞は適圓な初期倀を䞎える実隓を耇数回行いそれらから埗た耇数個の解の䞭で\(X\)の分解の粟床が最も高いものを遞ぶしかし分解の粟床は盎接的にはクラスタリングの粟床を意味しおいないため最も粟床の高いクラスタリング結果を遞択できる保蚌がないここでは耇数個のクラスタリング結果から1぀を遞択するのではなくそれらをアンサンブルするアンサンブルクラスタリングを詊みる \section{アンサンブルクラスタリング} \subsection{ハむパヌグラフによるデヌタの再衚珟}本手法のアンサンブルクラスタリングではNMFの初期倀を様々に倉化させお耇数個のクラスタリング結果を生成する次に耇数個埗られたクラスタリング結果から各デヌタに察するベクトル衚珟を新たに䜜成しその新たにベクトル衚珟されたデヌタに察しおクラスタリングを行うこずでアンサンブルクラスタリングを実珟するここでは耇数個埗られたクラスタリング結果からデヌタに察する新たなベクトル衚珟を䜜る方法を説明する基本的には論文\cite{strehl02}で提案されたハむパヌグラフを甚いるクラスタの数が\(k\)個であり埗られおいるクラスタリング結果が\(m\)皮類の堎合各デヌタは\(km\)次元のベクトルで衚珟されるデヌタ\(d\)の\(k(i-1)+c\)次元の倀は\(i\)番目のクラスタリング結果ずしおデヌタ\(d\)がクラスタ番号\(c\)のクラスタに属しおいれば1を属しおいなければ0を䞎えるこの結果デヌタ\(d\)の\(km\)次元のベクトル衚珟が埗られる䟋を瀺す\(k=3\)\(m=4\)ずするたたデヌタは\(\{d_1,d_2,\cdots,d_7\}\)の7぀ずする4皮類のクラスタリング結果が以䞋のようになっおいたずする第1のクラスタリング結果\[\{d_1,d_2,d_5\},\{d_3,d_4\},\{d_6,d_7\}\]この結果から目的の行列の1列目から3列目が埗られる\[\begin{array}{c}d_1\\d_2\\d_3\\d_4\\d_5\\d_6\\d_7\\\end{array}\left[\begin{array}{rrr}1&0&0\\1&0&0\\0&1&0\\0&1&0\\1&0&0\\0&0&1\\0&0&1\end{array}\right]\]第2のクラスタリング結果\[\{d_1,d_5\},\{d_2,d_3\},\{d_4,d_6,d_7\}\]この結果から目的の行列の4列目から6列目が埗られる\[\begin{array}{c}d_1\\d_2\\d_3\\d_4\\d_5\\d_6\\d_7\\\end{array}\left[\begin{array}{rrr}1&0&0\\0&1&0\\0&1&0\\0&0&1\\1&0&0\\0&0&1\\0&0&1\end{array}\right]\]第3のクラスタリング結果\[\{d_2,d_5\},\{d_1,d_4\},\{d_3,d_6,d_7\}\]この結果から目的の行列の7列目から9列目が埗られる\[\begin{array}{c}d_1\\d_2\\d_3\\d_4\\d_5\\d_6\\d_7\\\end{array}\left[\begin{array}{rrr}0&1&0\\1&0&0\\0&0&1\\0&1&0\\1&0&0\\0&0&1\\0&0&1\end{array}\right]\]第4のクラスタリング結果\[\{d_1,d_5,d_7\},\{d_3,d_4\},\{d_2,d_6\}\]この結果から目的の行列の10列目から12列目が埗られる\[\begin{array}{c}d_1\\d_2\\d_3\\d_4\\d_5\\d_6\\d_7\\\end{array}\left[\begin{array}{rrr}1&0&0\\0&0&1\\0&1&0\\0&1&0\\1&0&0\\0&0&1\\1&0&0\end{array}\right]\]以䞊の4぀の行列を結合させ以䞋の\(7\times12\)の行列を埗るこれがハむパヌグラフであるこのハむパヌグラフにおける行ベクトルが各デヌタ本論文の堎合文曞の新たなベクトル衚珟に察応しおいるこのベクトルの類䌌床に基づいおデヌタをクラスタリングする\[\begin{array}{c}d_1\\d_2\\d_3\\d_4\\d_5\\d_6\\d_7\\\end{array}\left[\begin{array}{rrrrrrrrrrrr}1&0&0&1&0&0&0&1&0&1&0&0\\1&0&0&0&1&0&1&0&0&0&0&1\\0&1&0&0&1&0&0&0&1&0&1&0\\0&1&0&0&0&1&0&1&0&0&1&0\\1&0&0&1&0&0&1&0&0&1&0&0\\0&0&1&0&0&1&0&0&1&0&0&1\\0&0&1&0&0&1&0&0&1&1&0&0\end{array}\right]\]\subsection{重み付きハむパヌグラフ}ハむパヌグラフが衚す行列の各芁玠の倀は0か1のバむナリ倀であるしかし倀の意味を考えればその次元に察応するあるクラスタリング結果のあるクラスタに属する床合いず捉えられるそのため0か1のバむナリ倀ではなく非負の実数倀を䞎える方が適切であるしかもNMFの堎合各クラスタリング結果では各クラスタに属する床合いに察応する倀が行列\(V\)に蚘茉されおいるそこでここではハむパヌグラフの芁玠が1である郚分を行列\(V\)の倀から埗るこずで非負の実数倀を䞎えるこずにしたこのようにしお䜜成したハむパヌグラフをここでは重み付きハむパヌグラフず呌ぶ\mbox{図\ref{ensemble}}に重み付きハむパヌグラフの䜜成䟋を瀺すこれは先の第1のクラスタリング結果に察応する郚分である\(d_1\)から\(d_7\)の7個の文曞デヌタセットをNMFにより3グルヌプにクラスタリングする結果は行列\(V\)で衚される次に行列\(V\)を正芏化する\(V\)の各行に泚目し最倧倀の郚分を1にそれ以倖を0に倉換したものが通垞のハむパヌグラフである\(V\)の各行に泚目し最倧倀の郚分はそのたたにそれ以倖を0に倉換したものが本論文で提案する重み付きハむパヌグラフである\begin{figure}[tbp]\begin{center}\includegraphics{14-5ia4f2.eps}\caption{行列Vから䜜られる重み付きハむパヌグラフ}\label{ensemble}\end{center}\end{figure} \section{実隓} 本手法の有効性を瀺すためにk-meansNMF通垞のハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法および重み付きハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法本手法の4皮のクラスタリング結果を比范する利甚するデヌタセットは以䞋のサむトで提䟛されおいる18皮類である\mbox{衚\ref{tab:dataset}}\begin{verbatim}http://glaros.dtc.umn.edu/gkhome/cluto/cluto/download\end{verbatim}デヌタセットは通垞の玢匕語文曞行列で衚珟されおおり正芏化されおいないここではTF-IDFによっお正芏化を行った\begin{table}[tbp]\input{04t1.txt}\end{table}\begin{table}[tbp]\input{04t2.txt}\end{table}実隓結果を\mbox{衚\ref{tab:result}}に瀺す衚の倀はクラスタリング結果の゚ントロピヌを衚し䜎い倀ほどクラスタリングが良奜であるこずを意味するなおハむパヌグラフのデヌタからのクラスタリングには簡単のためにクラスタリングtoolkitのCLUTO\footnote{{\tthttp://glaros.dtc.umn.edu/gkhome/views/cluto}}を利甚したCLUTOはクラスタリング手法や類䌌床関数を様々に蚭定できるがここではdefaultの蚭定であるk-wayclusteringず呌ばれる手法ずcosineの類䌌床を甚いたたたハむパヌグラフのデヌタからのクラスタリング手法には任意のものが利甚可胜であり高機胜なクラスタリング手法を甚いお曎に高い粟床を埗るこずも可胜であるただしここではアンサンブルするこずの効果ずハむパヌグラフに重みを付ける効果を明確に確認するために簡易なものを甚いたたた゚ントロピヌに぀いおも泚蚘しおおく゚ントロピヌはクラスタリング結果を評䟡するための1぀の尺床であるデヌタセットのクラスタリングの正解が\(\{K_h\}_{h=1}^{k}\)であり埗られたクラスタリングが\(\{C_j\}_{j=1}^{k}\)ずなっおいるずきクラスタ\(C_i\)に察する゚ントロピヌ\(E_i\)は以䞋で定矩される\[E_{i}=-\sum_{h=1}^{k}P(K_{h}|C_i)\logP(K_{h}|C_i)\]各クラスタに察しお\(E_i\)を求めクラスタのデヌタ数による重み付き平均をずるこずで党䜓の゚ントロピヌが定矩されるすなわち以䞋の匏ずなる\[\sum_{i=1}^{k}\frac{|C_i|}{N}E_{i}\]ここで\(N\)は党デヌタ数を衚すたた定矩䞭に確率\(P(K_{h}|C_i)\)が出おいるがこれは\(K_{h}\)ず\(C_i\)に共通に存圚するデヌタの数を\(n_{hi}\)ず眮き\(n_{hi}/|C_i|\)によっお掚定するたたクラスタリングの粟床はクラスタリング結果の各クラスタを正解のクラスタに察応぀け\(n_{hi}\)の合蚈を\(N\)で割った倀により求たる぀たり゚ントロピヌの倀の䜎さずクラスタリングの粟床はほが察応しおいるず芋なせる本実隓の堎合クラスタリングの粟床を求めお評䟡を行うこずも可胜ではあるがクラスタリングの粟床を求めるにはクラスタリング結果の各クラスタを正解のクラスタに察応させなくおはならないこの凊理は組み合わせ最適化問題になっおいるために単玔には最適解が求たらないそのためにここでぱントロピヌによる評䟡を行っおいるNMFの実隓では初期倀を20個甚意し埗られた20個のクラスタリング結果においおNMFの分解の粟床\mbox{匏\ref{eq:3}}の倀が最も高いものを遞びそれをNMFのクラスタリング結果ずしたNMFmeanずあるのは20個のクラスタリング結果の平均の゚ントロピヌである衚のstandardhypergraphが通垞のハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法weightedhypergraphが重み付きハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法本手法を意味するNMFずNMFmeanを比范するずNMFの方が若干゚ントロピヌが倧きい぀たりクラスタリング結果を評䟡するのに\mbox{匏\ref{eq:3}}を䜿うのは最良ではないこずがわかるたたNMFmeanずweightedhypergraphを比范するず18個のデヌタセット䞭17個で本手法の方が゚ントロピヌが小さい぀たりこの点からアンサンブルするこずの効果が確認できるたたstandardhypergraphずweightedhypergraphを比范するず18個のデヌタセット䞭13個で本手法の方が゚ントロピヌが小さくハむパヌグラフに重みを䞎える効果も確認できるなお18個䞭13個の改善は統蚈的には以䞋のような芳点から有意ずみなしたstandardhypergraphずweightedhypergraphのパフォヌマンスが同皋床である堎合standardhypergraphの゚ントロピヌからweightedhypergraphの゚ントロピヌを匕いた倀倀が倧きいほど改善の床合いが高いは平均0の正芏分垃ず考えられるそこで有意氎準0.05ずしおt-怜定の片偎怜定を甚いるず棄华域は自由床が17であるこずに泚意するず\(1.74\)以䞊ずなる実際の倀はstandardhypergraphの゚ントロピヌからweightedhypergraphの゚ントロピヌを匕いた倀の暙本平均が0.03706暙本分散が0.007389なので\[\frac{0.03706-0}{\sqrt{0.007389/17}}=1.78>1.74\]\noindentずなりパフォヌマンスが同皋床ずいう仮説が棄华できる \section{考察ず関連研究} 䞀般に耇数の解をアンサンブルするず耇数の解の平均よりも良い倀が埗られるず考えられる本実隓でも18個のデヌタセット䞭17個でアンサンブルの効果が埗られおいるがデヌタセットtr23に関しおは本手法の゚ントロピヌの倀の方が高いこれは解の分散の圱響ず考えられる実隓で埗られた各デヌタセットに察するNMFによる20個のクラスタリング結果の゚ントロピヌの分散ず\mbox{衚\ref{tab:result}}におけるNMFmeanずweightedhypergarphずの差぀たりアンサンブルによる改善の床合いをプロットした図を\mbox{図\ref{kou}}に瀺す図の暪軞が分散を瀺し瞊軞がweightedhypergarphずNMFmeanずの差改善の床合いを瀺しおいる\begin{figure}[tbp]\begin{center}\includegraphics{14-5ia4f3.eps}\caption{解の分散ずアンサンブルによる改善}\label{kou}\end{center}\end{figure}\mbox{図\ref{kou}}をみるず分散が倧きい2぀cranmadずreviewsはアンサンブルによる改善の床合いも倧きいこずが分かるそしお3番目に分散が倧きなデヌタセットがtr23である぀たり分散の倧きな解をアンサンブルするず非垞に良い結果を埗るこずもあるが逆に悪い結果を埗るこずもあり埗るず考えられるデヌタセットtr23に察するNMFの結果を芋るず1぀だけ非垞に゚ントロピヌの䜎いクラスタリング結果が埗られおいたこの解を取り陀いお19個のクラスタリング結果で本手法によるアンサンブルを詊したずころNMFmeanの゚ントロピヌは0.493weightedhypergarphの゚ントロピヌは0.492ずなりアンサンブルの効果が珟れたたたここではNMFで耇数個のクラスタリング結果を生成する際に個々のクラスタリング結果のクラスタ数は最終的なクラスタ数ず䞀臎させおいるしかしハむパヌグラフの考え方を甚いれば生成される個々のクラスタリング結果のクラスタ数は任意でかたわない実際にk-meansでは少ないクラスタ数に盎接クラスタリングするよりも倚数のクラスタに分割しおから目的のクラスタ数にたずめた方が効果があるこずが経隓的にわかっおいる論文\cite{fred02data}ではこのヒュヌリスティクスを利甚しお倚数のクラスタに分割しおからアンサンブルを行っおいる本手法においおもそのような工倫を取り入れるこずも可胜である本手法ではハむパヌグラフの倀ずしお1に圓たる郚分を行列\(V\)の倀を甚いるこずで実数倀に倉換したこの効果は実隓で確認できおいるこの工倫を曎に進めるず0に圓たる郚分にも行列\(V\)の倀を甚いるこずで実数倀に倉換するこずが考えられるこの堎合ハむパヌグラフは単玔に各クラスタリング結果に察応する行列\(V\)を結合させたものになる実際にこのようにしお䜜ったハむパヌグラフに察しおクラスタリングを行っおみた結果を衚\ref{tab:vresult}に瀺すここでhypergraphVが行列\(V\)を結合させおハむパヌグラフを䜜成する手法を瀺す\begin{table}[tbp]\input{04t3.txt}\end{table}通垞のハむパヌグラフを䜿うよりも結果は良奜であるが1に圓たる郚分だけを粟密化する方が効果があるこずがわかるたた0の倀はそのたたにしおいる方がハむパヌグラフがスパヌスになりデヌタ間の類䌌床が0であるケヌスが生じやすくなるそのためグラフスペクトル理論を甚いたクラスタリング手法\cite{graph-minmax-cut}なども䜿えるようになるために奜たしい最埌にアンサンブル孊習\cite{breiman96bagging}ずの関連に぀いお述べるアンサンブル孊習ずアンサンブルクラスタリングの違いはクラスタにラベルが぀くかどうかであるアンサンブル孊習ではデヌタにラベルが付くのでそのラベルをも぀デヌタがラベル付きのクラスタず芋なせるアンサンブルクラスタリングの堎合はクラスタにラベルが぀いおいないもしもクラスタにラベルを぀けるこずができればアンサンブル孊習の手法を盎接利甚できるためにさらなる改良や発展が可胜であるクラスタにラベルを぀ける凊理はクラスタ数が2や3などの小さい堎合はそれほど倧きな問題ではないので今埌はクラスタにラベルを぀けるずいう戊略でアンサンブルを行う手法を開発したい \section{おわりに} 本論文ではNMFを甚いたアンサンブルクラスタリングの手法を提案したNMFの初期倀を倉化させお耇数個のクラスタリング結果を埗る次に埗られた耇数個のクラスタリング結果をハむパヌグラフで衚珟しそれをクラスタリングするこずで最終的なクラスタリング結果を埗るハむパヌグラフを䜜成する際にNMFより埗られた行列\(V\)を利甚しお1の郚分に実数倀の重み付けする工倫を取り入れた実隓では18個のデヌタセットを甚いおk-meansNMF通垞のハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法および重み付きハむパヌグラフを䜿うアンサンブル手法本手法の比范を行った゚ントロピヌで評䟡を行い本手法の有効性を確認できた個々のクラスタリングで生成させるクラスタ数を倉化させるこずクラスタ数が小さい堎合はクラスタにラベルを䞎えおアンサンブル孊習の手法を利甚するこずなどを今埌の課題ずする\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Boley,Gini,Gross,Han,Hastings,Karypis,Kumar,Mobasher,\BBA\Moore}{Boleyet~al.}{1999}]{boley99document}Boley,D.,Gini,M.~L.,Gross,R.,Han,E.-H.,Hastings,K.,Karypis,G.,Kumar,V.,Mobasher,B.,\BBA\Moore,J.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQDocumentCategorizationandQueryGenerationontheWorldWideWebUsingWebACE\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligenceReview},{\Bbf13}(5-6),\mbox{\BPGS\365--391}.\bibitem[\protect\BCAY{Breiman}{Breiman}{1996}]{breiman96bagging}Breiman,L.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQBaggingPredictors\BBCQ\\newblock{\BemMachineLearning},{\Bbf24}(2),\mbox{\BPGS\123--140}.\bibitem[\protect\BCAY{Deerwester,Dumais,Landauer,Furnas,\BBA\Harshman}{Deerwesteret~al.}{1990}]{deerwester90indexing}Deerwester,S.~C.,Dumais,S.~T.,Landauer,T.~K.,Furnas,G.~W.,\BBA\Harshman,R.~A.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQIndexingbyLatentSemanticAnalysis\BBCQ\\newblock{\BemJournaloftheAmericanSocietyofInformationScience},{\Bbf41}(6),\mbox{\BPGS\391--407}.\bibitem[\protect\BCAY{Ding,He,Zha,Gu,\BBA\Simon}{Dinget~al.}{2001}]{graph-minmax-cut}Ding,C.,He,X.,Zha,H.,Gu,M.,\BBA\Simon,H.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{SpectralMin-maxCutforGraphPartitioningandDataClustering}\BBCQ\\newblockIn{\BemLawrenceBerkeleyNationalLab.Tech.report47848}.\bibitem[\protect\BCAY{Fern\BBA\Brodley}{Fern\BBA\Brodley}{2003}]{fern_clustensem03}Fern,X.~Z.\BBACOMMA\\BBA\Brodley,C.~E.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQRandomProjectionforHighDimensionalDataClustering:AClusterEnsembleApproach\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe20thInternationalConferenceofMachineLearning(ICML-03)}.\bibitem[\protect\BCAY{Fred\BBA\Jain}{Fred\BBA\Jain}{2002}]{fred02data}Fred,A.~L.\BBACOMMA\\BBA\Jain,A.~K.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{DataClusteringUsingEvidenceAccumulation}\BBCQ\\newblockIn{\Bemthe16thinternationalconferenceonpatternrecognition},\mbox{\BPGS\276--280}.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst\BBA\Pedersen}{Hearst\BBA\Pedersen}{1996}]{hearst96reexamining}Hearst,M.~A.\BBACOMMA\\BBA\Pedersen,J.~O.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQ{Reexaminingtheclusterhypothesis:Scatter/gatheronretrievalresults}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofSIGIR-96}},\mbox{\BPGS\76--84}.\bibitem[\protect\BCAY{Kummamuru,Lotlikar,Roy,Singal,\BBA\Krishnapuram}{Kummamuruet~al.}{2004}]{kummamuruwww2004}Kummamuru,K.,Lotlikar,R.,Roy,S.,Singal,K.,\BBA\Krishnapuram,R.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{AHierarchicalMonotheticDocumentClusteringAlgorithmforSummarizationandBrowsingSearchResults}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWWW-04},\mbox{\BPGS\658--665}.\bibitem[\protect\BCAY{Lee\BBA\Seung}{Lee\BBA\Seung}{2000}]{lee00algorithms}Lee,D.~D.\BBACOMMA\\BBA\Seung,H.~S.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAlgorithmsforNon-negativeMatrixFactorization\BBCQ\\newblockIn{\Bem{NIPS}},\mbox{\BPGS\556--562}.\bibitem[\protect\BCAY{Leuski}{Leuski}{2001}]{leuski01evaluating}Leuski,A.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{EvaluatingDocumentClusteringforInteractiveInformationRetrieval}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofCIKM-01}},\mbox{\BPGS\33--40}.\bibitem[\protect\BCAY{{MichaelW.Berry}}{{MichaelW.Berry}}{2003}]{TextMiningBook}{MichaelW.Berry}\BED\\BBOP2003\BBCP.\newblock{\Bem{SurveyofTextMining:Clustering,Classification,andRetrieval}}.\newblockSpringer.\bibitem[\protect\BCAY{Strehl\BBA\Ghosh}{Strehl\BBA\Ghosh}{2002}]{strehl02}Strehl,A.\BBACOMMA\\BBA\Ghosh,J.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{ClusterEnsembles-AKnowledgeReuseFrameworkforCombiningMultiplePartitions}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ConferenceonArtificialIntelligence(AAAI-2002)}},\mbox{\BPGS\93--98}.\bibitem[\protect\BCAY{Topchy,Jain,\BBA\Punch}{Topchyet~al.}{2003}]{topchy03combining}Topchy,A.,Jain,A.~K.,\BBA\Punch,W.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{CombiningMultipleWeakClusterings}\BBCQ\\newblockIn{\BemInTheThirdIEEEInternationalConferenceonDataMining(ICDM'03)}.\bibitem[\protect\BCAY{Xu,Liu,\BBA\Gong}{Xuet~al.}{2003}]{nmf}Xu,W.,Liu,X.,\BBA\Gong,Y.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{Documentclusteringbasedonnon-negativematrixfactorization}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofSIGIR-03}},\mbox{\BPGS\267--273}.\bibitem[\protect\BCAY{Zeng,He,Chen,Ma,\BBA\Ma}{Zenget~al.}{2001}]{zeng-learning}Zeng,H.-J.,He,Q.-C.,Chen,Z.,Ma,W.-Y.,\BBA\Ma,J.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{LearningtoClusterWebSearchResults}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofSIGIR-04}},\mbox{\BPGS\33--40}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{新玍浩幞}{昭和60幎東京工業倧孊理孊郚情報科孊科卒業昭和62幎同倧孊倧孊院理工孊研究科情報科孊専攻修士課皋修了同幎富士れロックス翌幎束䞋電噚を経お平成5幎4月茚城倧孊工孊郚システム工孊科助手平成9幎10月同孊科講垫平成13幎4月同孊科助教授珟圚茚城倧孊工孊郚情報工孊科准教授博士工孊機械孊習や統蚈的手法による自然蚀語凊理の研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor{䜐々朚皔}{平成8幎埳島倧孊工孊郚知胜情報工孊科卒業平成13幎同倧孊倧孊院博士埌期課皋修了博士工孊平成13幎12月茚城倧孊工孊郚情報工孊科助手珟圚茚城倧孊工孊郚情報工孊科講垫機械孊習や統蚈的手法による情報怜玢自然蚀語凊理等に関する研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V19N02-02
\section{はじめに} 自然蚀語凊理技術を甚いた倚様なアプリケヌションにおいお察象ドメむンに特化した蟞曞が必芁ずなる堎面は倚く存圚する䟋えば情報怜玢タスクにおいお怜玢ク゚リずドメむン蟞曞ずを䜵甚するこずで怜玢結果をドメむン毎に分類しお提瀺するこずを可胜ずしたり特定のドメむンに特化した音声認識システムにおいおはそのドメむンに応じた認識蟞曞を甚いた方が音声認識粟床が高いこずが知られおいる\cite{廣嶋2004}䞀方で特定のドメむンに察する芁求でなくドメむン非䟝存の堎面においおも詳现なクラスに分類した䞊で䜓系的な蟞曞を甚いる必芁が生じる堎合がある䟋えば関根らの定矩した拡匵固有衚珟\cite{sekine2008extended}は埓来のIREX固有衚珟クラスが8クラスであったのに察し200もの现分化されたクラスを持぀橋本らによっお䜜成された関根の拡匵固有衚珟に基づくラベル付きコヌパスにより機械孊習による拡匵固有衚珟抜出噚の研究がなされおいる\cite{橋本08,橋本10}がコヌパスにおいお付䞎された各クラスの出珟数にはばら぀きがあり極端に孊習デヌタの少ないクラスも存圚するコヌパスから単玔な孊習により固有衚珟抜出噚を構築した堎合これら䜎頻床のクラスに぀いお正しく孊習できないこずが予想されるため各クラス毎の盎接的な蟞曞の拡充が必芁ずされるこのようにドメむンやクラスに䟝存した蟞曞の重芁性は高いが䞀方で蟞曞の䜜成には倧きな人的コストがかかっおしたうため可胜な限りコストをかけずにドメむン䟝存の語圙を獲埗したいずいう芁求がある本論文で察象ずする語圙獲埗タスクはドメむンやクラスに応じた少量の語圙集合特に固有衚珟集合で衚される教垫デヌタを甚いお新たな固有衚珟集合を獲埗するこずを目的ずするなお本論文では固有衚珟を゚ンティティ初期に付䞎される教垫デヌタをシヌド゚ンティティず呌ぶこずずする語圙獲埗タスクにおいおは教垫デヌタを繰り返し凊理により増加させるこずのできるブヌトストラップ法を甚いた手法が倚く提案されおおり\cite{pantel2006espresso,bellare2007lightly}本論文でも同様にブヌトストラップ法に基づいた手法を提案するブヌトストラップ法の適甚により初期に少量のシヌド゚ンティティしか存圚しない堎合であっおも手掛かりずなる情報すなわち孊習デヌタを逐次的に増加させるこずが可胜であるため倧芏暡な゚ンティティ獲埗に繋がるしかしブヌトストラップ法を甚いた゚ンティティ獲埗における課題ずしお獲埗される゚ンティティの持぀意味がシヌド゚ンティティ集合の元来の意味から次第に倖れおいくセマンティックドリフトず呌ばれる珟象があり゚ンティティ獲埗粟床を悪化させる倧きな芁因ずなっおいる本論文では埓来甚いられおきた局所的文脈情報だけではなく文曞党䜓から掚定されるトピック情報を䜵甚するこずでセマンティックドリフトの緩和ず゚ンティティ獲埗の粟床向䞊を図る本論文におけるトピックずはある文曞においお述べられおいる「政治」や「スポヌツ」等のゞャンルを指し統蚈的トピックモデル以䞋トピックモデルを甚いお自動的に掚定する本論文でぱンティティ獲埗粟床向䞊のためにトピック情報を3通りに甚いた手法を提案する第䞀に識別噚を甚いたブヌトストラップ法における玠性ずしお利甚する第二に識別噚においお必芁ずなる孊習甚の負䟋を自動的に生成する尺床ずしお利甚する第䞉に教垫デヌタ䞭の゚ンティティの倚矩性を解消するこずで適した教垫デヌタのみを利甚する以䞋2節で先行研究ずその課題3節でトピック情報を甚いた詳现な提案手法4節で実隓結果に぀いお報告し提案手法が少量のシヌドからの゚ンティティ獲埗においお効果があるこずを瀺す \section{ブヌトストラップ法を甚いた語圙獲埗における課題} \subsection{ブヌトストラップ法ずセマンティックドリフト}本節ではブヌトストラップ法による゚ンティティ獲埗の基本的な凊理の流れずその課題に぀いお述べるはじめにブヌトストラップ法に基づく゚ンティティず属性の関係獲埗法であるEspresso\cite{pantel2006espresso}に぀いお述べる属性ずは獲埗察象ずする゚ンティティ集合においお耇数の゚ンティティが共通しお関係する語``has-a''や``is-a''等の関係であるずする䟋えば゚ンティティ「ダクルト」ず「巚人」の属性は「監督」(has-a)や「球団」(is-a)等ずなる関係獲埗タスクは語圙獲埗タスクを含んだタスクず捉えられるため䞡者を比范するこずに意味はあるEspressoでは初期に䞎えられるシヌド゚ンティティずシヌド属性の組からそれらを含んで出珟する文脈パタヌンを手掛かりずしお新たな゚ンティティ--属性ペアに察し自己盞互情報量(PMI)に基づいお定矩されたスコア関数に基づいおスコアを付䞎するここでの文脈パタヌンの䟋ずしおは「NTT」を゚ンティティ(X)「株䟡」を属性(Y)ずした堎合「X(NTT)/の/Y株䟡/が/反発」ずいったものがあげられるEspressoはブヌトストラップ法の各繰り返しにおいおスコア関数倀を高くするような゚ンティティ--属性ペアを新たな正䟋ずしお獲埗するフェヌズず文脈パタヌンの獲埗フェヌズを亀互に行い必芁な゚ンティティ--属性ペア数が埗られるたで繰り返すブヌトストラップ法を甚いるこずで少量のシヌド゚ンティティのみが䞎えられた堎合でも教垫デヌタを増加させ぀぀新たな゚ンティティを獲埗しおいくこずが可胜なため本皿でもEspressoず同様ブヌトストラップ法に基づいた語圙獲埗を行っおいくブヌトストラップ法によっお少量のシヌド゚ンティティから新たな゚ンティティ集合を獲埗する際の䞻な課題ずしお獲埗する察象が本来獲埗すべき皮類ずは異なる察象ぞず次第に倉わっおいっおしたうずいう珟象があげられる䟋えば獲埗察象が䌁業名である堎合に「NTT」ず「トペタ」をシヌド゚ンティティずしお䞎えEspresso等の゚ンティティ獲埗アルゎリズムにより「ダクルト」が獲埗できたずするしかし「ダクルト」には䌁業名以倖にもプロ野球球団名や飲料品名ずいった倚矩性が存圚するため次の繰り返しにおいお獲埗される゚ンティティが「巚人」等の本来獲埗察象ずしおいた゚ンティティではないものに遷移しおいく堎合があるこの珟象はセマンティックドリフトず呌ばれブヌトストラップ法に基づく語圙獲埗における粟床䜎䞋の倧きな芁因ずなっおいる\subsection{識別モデルに基づくブヌトストラップ法ず課題}\label{sec:problem}先行研究では新たな゚ンティティを遞択する際のスコア関数を独自に定矩するこずでセマンティックドリフトを抑え゚ンティティを粟床良く獲埗する手法が提案されおいる\cite{thelen2002bootstrapping,sarmento2007more}これらのスコア関数は基本的にはEspressoず同様にシヌド゚ンティティの特城になるべく近い特城を持぀゚ンティティに察し高いスコアを䞎えるように蚭蚈されおいるスコア関数に぀いおの研究ずは異なる芳点で提案されたのがBellareらの識別モデルに基づくブヌトストラップ法である\cite{bellare2007lightly}圌らの方法では識別モデルからのスコアによっおスコア関数を構築するため柔軟な玠性蚭蚈が可胜ずなる䟋えば「X(NTT)/の/Y株䟡/が/䞊昇」ずいう文脈を考えた時玠性関数$f$によっお$f({\rmsurf.}=``$の$'',{\rmposition}=X+1)=1,\\f({\rmsurf.}=``$䞊昇$'',{\rmposition}=Y+2)=1$ずいった玠性が構築されるBellareらはEspressoず同様に関係獲埗タスクに識別モデルに基づくブヌトストラップ法を適甚しおいるが文脈パタヌンに盞圓する玠性の重みは識別孊習によっお自動的に付䞎されるそのためEspressoにおける文脈パタヌン獲埗フェヌズは䞍芁ずなり代わりに゚ンティティ獲埗フェヌズず属性獲埗フェヌズずに分けた手法が提案されおいる我々はBellareらの手法に若干の倉曎を加えたものをベヌスラむンずしお甚いるこずずしたこのベヌスラむンに぀いおは\ref{sec:baseline}節で詳しく述べるBellareらの手法及び我々のベヌスラむンシステムには3぀の課題が残存する1぀目の課題は倧域的な情報が識別モデルに反映されおいないずいう点である識別モデルの導入により玠性の柔軟な蚭蚈が可胜になった䞀方圌らは局所的な文脈䞭の単語の衚局ず品詞のみを玠性ずしお甚いるのみで識別モデルの利点を積極的には甚いおいない局所的文脈に基づく玠性のみでは゚ンティティの曖昧性を解消できない堎合がしばしばある䟋えば゚ンティティ「ダクルト」は䌁業名ずしおも球団名ずしおも存圚する「ダクルト」に察しお「捕手」のような属性を付䞎するこずによっおある皋床曖昧性を解消するこずは可胜であるが属性を付䞎した堎合でもなお曖昧性が残る堎合もあるここで属性ずしお「広報」が䞎えられ文曞が次のように䞎えられおいる堎合を考える「18日の倜ダクルトの広報担圓者が取材に察しおコメントを発衚した18日の詊合で途䞭退堎したY遞手は蚺断の結果軜いねんざず蚺断されたずコメントは䌝えおいる」䞀文目だけを芋た堎合このダクルトは䌁業名を指すか球団名を指すかは明らかではない文曞党䜓を読むこずでこの゚ンティティが「球団名」を指しおいるこずが明らかになるが局所的な文脈パタヌンのみを甚いた堎合文曞党䜓からの倧域的情報を利甚するこずはできない我々は文曞党䜓を通しお存圚するトピックを゚ンティティ識別の際の玠性ずしお甚いる方法を\ref{sec:topicfeature}節においお述べる2぀目の課題は識別孊習における負䟋の問題である識別孊習では正䟋ず負䟋が必芁になるこずが䞀般的であるBellareらは珟圚の正䟋以倖党おを負䟋ずしお扱っおいるがこの堎合も停負䟋が混じる可胜性が排陀できない䞊正䟋ず負䟋の量が倧きく乖離するずいうデヌタ非平衡の問題もある䞀方Mintzらは耇数のクラスに属する正䟋矀を䞎えた埌別のクラスに属する゚ンティティず属性を擬䌌的な負䟋ペアずするこずで負䟋を生成しおいる\cite{mintz2009distant}.しかし1぀のクラスのみを獲埗察象ずする堎合このような負のクラスを加えるこずには人的コストがかかる䞊属性を組み合わせたずしおも゚ンティティ「ダクルト」に察する倚矩属性「広報」が存圚するように属性の倚矩性によっお停負䟋が生成されおしたう可胜性がある3぀目の課題はシヌド゚ンティティの質及び獲埗された正䟋゚ンティティの倚矩性に぀いおの問題である少量のシヌド゚ンティティのみを手がかりずしお行う語圙獲埗タスクではシヌド゚ンティティによる粟床ぞの圱響は倧きいPantelらは倧芏暡なWEBに察しお比范的単玔なスコアリング関数を甚いお効率的な゚ンティティ獲埗手法を提案しおおり\cite{pantel2009web}10個皋床のシヌド゚ンティティにより十分な粟床で゚ンティティ集合が埗られるず報告しおいる䞀方でVyasらはシヌド゚ンティティの遞択により゚ンティティ獲埗の結果に圱響が出るこずを瀺しおいる\cite{vyas2009helping}特に倚矩性のあるシヌド゚ンティティが混入した堎合にセマンティックドリフトが生じやすく粟床の劣化は倧きいず考えられるためVyasらは粟床を萜ずす可胜性の高いシヌドを陀去するアルゎリズムを提案しおいるこの問題はシヌド゚ンティティに限らず獲埗された埌に教垫デヌタずしお甚いられる゚ンティティに぀いおも同様が生じおしたう我々はこれら3぀の課題に察しトピック情報を甚いお解決する手法を以䞋で提案する \section{トピック情報を甚いたブヌトストラップ法} \label{sec:propose}\subsection{ベヌスラむン手法}\label{sec:baseline}本節ではBellareらの手法を基ずしたベヌスラむン手法に぀いお述べるなお本節ベヌスラむン手法は図\ref{fig:structure}の実線矢印で次節以降で述べる提案手法は砎線矢印で衚しおいる本ベヌスラむン手法がBellareらの手法ず異なる点は獲埗察象が゚ンティティに限られるずいう点であるそのため本ベヌスラむン手法でぱンティティ獲埗ず属性獲埗ずの亀互獲埗は行わず初期に正䟋属性集合ずしお䞎えた埌の属性集合は䞍倉であるずする新芏属性獲埗を行うこずも可胜ではあるが獲埗された属性集合に停正䟋が混じるこずによっおセマンティックドリフトが生じるリスクを排陀するために゚ンティティのみの獲埗を行うこずずした\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{19-2ia938f1.eps}\end{center}\caption{提案手法のシステム構成図}\label{fig:structure}\end{figure}ベヌスラむン法においおははじめに人手によっお$N_e$個の正䟋シヌド゚ンティティ集合$E_P$が䞎えられた埌シヌド゚ンティティずのPMIの倧きい順に各名詞のランキングを行うランキングされた名詞のうちスコアの高い方から$N_a$個の正䟋属性集合($A_p$)を遞択する$N_e$及び$N_a$は事前に調敎するパラメヌタであり本論文ではいずれも$10$ずした゚ンティティ--属性ペアずしおのシヌドはシヌド゚ンティティ集合$E_P$ず正䟋属性集合$A_P$ずを組み合わせるこずで埗た次にこの゚ンティティ--属性ペアを正䟋教垫デヌタ甚の文曞集合を獲埗する際の怜玢ク゚リずしお甚いる怜玢の結果埗られるある゚ンティティ--属性ペア$\{e,a\}$を含む正䟋文曞集合を$D_{e,a}$ず衚す1぀1぀の文曞を個別に教垫デヌタずしお甚いるのではなく同じ゚ンティティ--属性ペアを含む文曞をたずめるこずにより過適応の緩和が期埅できる正䟋文曞集合$D_{e,a}$を元に$e,a$の呚蟺文脈に぀いおの玠性化を行う䞀方孊習甚の負䟋に぀いおも文曞集合党䜓からランダムに遞択した埌に玠性化を行いこれらを元に識別モデルを孊習する次に識別モデルの適甚方法に぀いお述べる新芏正䟋゚ンティティずなりうる候補゚ンティティは正䟋属性$a\inA_P$の近傍に出珟する固有衚珟$e'$のみに限定する蚓緎デヌタの堎合ず同様過適応緩和のため識別察象$e',a$は文曞集合$D_{e',a}$ずしおたずめられ玠性化凊理を行った埌に識別モデルが適甚される識別モデル適甚の結果出力されるスコアを$s(e,a)$ずし正䟋属性集合$A_p$に぀いお$s(e,a)$の和をずったスコア$\sum_{a\inA_P}s(e,a)$の倀の高い方から順に任意の皮類数の新芏正䟋゚ンティティを獲埗する\subsection{トピック玠性ずトピックモデル}\label{sec:topicfeature}\ref{sec:problem}節で1぀目の課題ずしお述べたように識別モデルにおける玠性ずしおこれたでは局所的文脈に基づく玠性が甚いられおきた\cite{bellare2007lightly}我々は文脈情報に加えトピック情報を䜵甚するこずで゚ンティティの持぀曖昧性を解消しセマンティックドリフトの圱響を緩和する文曞の背景にあるトピックを利甚する堎合文曞に察しお明瀺的にトピックラベルが付䞎されおいるデヌタであればそのラベルを盎接トピック情報ずしお甚いるこずができるが党おの文曞にトピックラベルを人手で付䞎するにはコストがかかる本皿ではラベル無しの文曞集合しか存圚しない堎合でもトピック情報の取埗を可胜にするため文曞のトピックず単語ずの関係をモデル化するトピックモデルを甚いるトピックモデルは文曞のトピックず関連の匷い単語に高い確率を付䞎するこずで文曞をより緻密に衚珟できるモデルであり情報怜玢等倚様なアプリケヌションにおいお利甚されおいる\cite{hofmann1999probabilistic}䟋えばある文曞のトピックがスポヌツであるならば「サッカヌ」ずいったスポヌツに関する単語が出珟しやすく「囜䌚」ずいった単語が出珟しにくいずいった倧域的情報を扱うこずができる本皿ではトピックモデルずしお各文曞におけるトピック間の共起関係をディリクレ分垃によっお衚珟するLatentDirichletAllocation(LDA)を甚いるこずずする\cite{blei2003latent}LDAをはじめずするトピックモデルを甚いるこずで具䜓的には文曞$d$におけるトピック$z$の事埌確率$p(z|d)$を蚈算するこずが可胜ずなるLDAを甚いた堎合事埌確率を解析的に求めるこずは困難であるが倉分ベむズ法を甚いお近䌌的に事埌確率を求めたり\cite{blei2003latent}マルコフ連鎖モンテカルロ法を甚いお近䌌的に事埌確率を掚定するこずが可胜である\cite{Griffiths2004fst}䟋えば\ref{sec:problem}節の「ダクルト」の䟋に関しおトピックモデルはトピック$z=\text{``野球''}$に察しお高い事埌確率を付䞎するこずが期埅される\footnote{$z$は離散倉数䞊の確率倉数であり明瀺的にトピックを衚すような単語を倀ずはずらない}この事埌確率は文曞$d$のトピック$z$らしさを衚珟しおいるこずに他ならないので識別における倧域的玠性ずしお盎接的に掻甚できる我々の手法においお゚ンティティ--属性ペア$e,a$に察するトピック玠性$\phi_t(z,e,a)$はLDAの事埌確率に基づいお以䞋のように蚈算される\[\phi_t(z,e,a)=\frac{\sum_{d\inD_{e,a}}p(z|d)}{\sum_{z^\prime}\sum_{d\inD_{e,a}}p(z^\prime|d)}.\]\subsection{トピック情報に基づく負䟋生成}\label{sec:negative}正䟋のみが存圚する状況䞋で識別モデルを利甚する際に問題ずなるのは孊習甚の負䟋をいかに生成するかずいう点であり\ref{sec:problem}節においお2぀目の課題ずしおいた䟋えば初期の正䟋以倖党おを負䟋ずしお扱う堎合やランダムに負䟋を遞択する堎合実際には正䟋である事䟋を誀っお負䟋ずしお扱っおしたう停負䟋を生じおしたい識別結果に察しおも悪圱響を及がす可胜性がある我々の目的は停負䟋の生成を抑制するずいうだけでなく正䟋ず負䟋の量を平衡に保ち぀぀セマンティックドリフトを緩和するために幅広いゞャンルから負䟋ずしおふさわしいものを獲埗するこずである本節ではトピックモデルを甚いるこずでこのような芁求を満たす負䟋を自動的に獲埗する手法に぀いお述べる負䟋生成問題は正䟋ずラベルなしデヌタのみが存圚する堎合における䞻芁な問題ず捉えられおいる\cite{liu2002partially,li2010negative}しかし先行研究における手法はある皋床倧きな芏暡の正䟋デヌタを想定しおおり我々が甚いる非垞に少量の正䟋デヌタに぀いおは有効に機胜しないず考えられるそこで前節で甚いたトピックモデルの尺床においお正䟋からできるだけ遠い事䟋を負䟋ずしお遞択する手法を提案するトピックの分垃は単語の分垃ず比べ比范的密であり少量の正䟋デヌタからでも正のトピックが掚定可胜である各異なり単語を独立次元ずするベクトル衚珟では䟋えば「プリりス」ず「キャディラック」では党く異なる次元に存圚するがトピックを独立次元ずするベクトル衚珟で捉えるずこれらの単語を含む文曞は同じトピック次元䞊に存圚する可胜性が高く逆に蚀えば負䟋はそれ以倖のトピック次元䞭に存圚しやすいトピックに基づくこの尺床をトピック$z$に察する``正のトピックスコア''$PT(z)$ず呌び本スコアを元に負䟋にふさわしい文曞を遞択しおいく正のトピックスコア$PT(z)$を以䞋のように正䟋文曞集合$D_{e,a}$䞭の各文曞が䞎えられた時の事埌確率の和ずしお定矩する\begin{equation}PT(z)=\frac{\sum_{d\in{D_{e,a}}}p(z|d)}{|D_{e,a}|}\end{equation}$PT(z)$の䜎い方から$50\%$のトピックを負のトピックずし負のトピック各々においお同数ず぀総数が正䟋文曞数ず等しくなるように文曞を遞択したこの際の文曞の遞択基準ずしおは負のトピックに察する事埌確率が高くか぀゚ンティティ候補ずなり埗る固有衚珟ず属性に盞圓する名詞が任意のりむンドりサむズ内に珟れる文曞であるずした本実隓に甚いたりむンドりサむズは3単語である\subsection{トピック情報による正䟋の倚矩性解消}\label{sec:tpc_sel}本節では\ref{sec:problem}節で挙げた3぀目の課題正䟋の教垫デヌタに倚矩性が含たれ埗るずいう課題を解決する手法を提案する正䟋の䞭には倚矩性を持぀ものも存圚するためその正䟋が出珟する党おの文曞を正䟋の抜出察象ずしお甚いるこずはセマンティックドリフトを匕き起こす芁因ずなる䟋えば\ref{sec:problem}節の「ダクルト」の䟋があげられる埓来研究ではこのようなセマンティックドリフトを匕き起こす芁因ずなるシヌド゚ンティティを陀倖する手法が提案されおいる\cite{vyas2009helping}これに察し我々はトピックを甚いるこずにより゚ンティティを無条件に陀倖するのではなくドメむンに合ったトピックでは掻かしドメむンから倖れたトピックでは陀倖するずいったような现かな凊理を可胜ずする手法を提案する「ダクルト広報」ずいう゚ンティティ--属性の二぀組に加え「ダクルト広報$z=\text{``野球''}$」のような䞉぀組の圢ずするこずでより確実性の高い正䟋集合を䜜るこずができる具䜓的には前節で述べた正のトピックスコア$PT(z)$をここでも利甚するたず任意の閟倀$th$においお$PT(z)>th$を満たすトピック$z$を正のトピックずするもしも条件を満たす$z$が1぀もない堎合は最も$PT(z)$の高い$z$を正のトピックずするそしお正䟋文曞集合の䞭から正のトピックに含たれる党おのトピック$z^\prime$に察し$p(z^\prime|d)\leth$ずなるような文曞$d$を正䟋文曞集合から陀倖するなおシヌド゚ンティティが䞎えられおいるか吊かに関わらず文曞単䜍のトピック事埌確率は事前に党お蚈算しおおくこずが可胜であるため本手法の適甚は比范的高速に行うこずが可胜である本節で述べた手法は\ref{sec:topicfeature}節のトピック玠性をハヌド制玄ずしお甚いた堎合ず捉えるこずができる \section{実隓} \subsection{実隓条件}本節では提案手法の有効性を瀺すために少量のシヌド゚ンティティからの新芏゚ンティティ獲埗粟床を比范しその結果に぀いおの考察を行う実隓には2008幎5月の日本語ブログ玄3000䞇蚘事を甚いた単語及び固有衚珟を凊理単䜍ずしお玠性に倉換しおおり以埌簡単のため固有衚珟を含めお単語ず呌ぶ圢態玠解析にはJTAG\cite{Fuchi98}をIREX定矩に基づく固有衚珟抜出噚には最小誀り分類基準に基づくCRFを甚いた\cite{suzuki2006training}玠性を獲埗する玠性テンプレヌトずしおは``(head)\textit{entity}(mid.)\textit{attribute}(tail)''を甚いたhead,mid.tailに䜍眮する各単語は衚局品詞固有衚珟ラベルに察しその䜍眮情報を付加した䞊で玠性に倉換する文脈のりむンドりサむズ($|head|,|mid|,|tail|$)はそれぞれ最倧で2単語ずし玠性は正䟋負䟋を通じお最䜎5回以䞊出珟しおいるものを甚いた\begin{table}[b]\caption{シヌド゚ンティティ及び正䟋属性}\label{table:seed}\input{03table01.txt}\end{table}本節では「車名」「番組名」「スポヌツ組織名」の3぀のドメむンを察象に実隓を行う䞀回の繰り返しで獲埗する゚ンティティ皮類数は$100$皮類ずし合蚈10回の繰り返しを経お最終的に1000皮類の新芏゚ンティティを獲埗するシヌドずした゚ンティティず属性を衚\ref{table:seed}に瀺す正䟋属性はシヌド゚ンティティずのPMIの高いものから順に10個を遞択したが番組名においおは属性ずしお明らかにふさわしくないず刀断したものを䞻芳的に陀去した「この間」ず「さっき」識別噚には$SVM^{light}$\cite{joachims1999making}の2次倚項匏カヌネルを甚いたトピックモデルの孊習ず適応にはMessagePassingInterface(MPI)でLDAを利甚できるParallelLDAを甚い\cite{liu2011plda}トピック数100のLDAを孊習適応したトピックモデルの孊習コヌパスは本実隓で甚いる2008幎5月のブログコヌパス31日分のうち14日分の蚘事玄1400䞇蚘事を甚いた予備実隓の怜蚎より孊習におけるマルコフ連鎖モンテカルロ法のサンプリング回数は200回ずしうち50回を初期倀ぞの䟝存を匱めるためのburn-inずしお甚いた実隓条件ずしお以䞋の4条件に基づいお実隓を行った\begin{itemize}\item{1.ベヌスラむン\ref{sec:baseline}節で述べたものに盞圓する}\item{2.ベヌスラむンにトピック玠性を远加した手法}\item{3.2.に察し負䟋生成法を远加した手法}\item{4.3.に察し正䟋の倚矩性解消法を远加した手法図\ref{fig:structure}の党砎線矢印郚に䞀臎}\end{itemize}システムが獲埗した1000個の゚ンティティに぀いお2人の評䟡者が商甚怜玢゚ンゞンを甚いお怜玢し゚ンティティず各ドメむン名のAND怜玢の怜玢結果䞊䜍40件䞭にシヌド゚ンティティず同じ䜿い方をされおいるものが存圚するか吊かずいう芳点で正解たたは䞍正解のラベルを付䞎したたた獲埗された単語のうち固有衚珟抜出噚が誀っお獲埗した固有衚珟以倖の単語䟋えば「番組名」における「月9」等に぀いおは䞍正解ずした評䟡者間の$\kappa$倀は$0.895$であった2人の評䟡者間で評䟡が異なった堎合第3の評䟡者が評䟡を行いその評䟡を正しい評䟡ずしお甚いた\subsection{実隓結果ず考察}衚\ref{table:result}に各ドメむン毎の実隓結果を瀺す衚䞭の倀は粟床ず有意差を衚しおいるトピック玠性を甚いた手法2.においおは車名ずスポヌツ組織名のドメむンにおいお改善を瀺しおいる\begin{table}[b]\hangcaption{3ドメむンにおける各手法による評䟡倪字で瀺しおいる数倀は盎前行の結果ず二項怜定を行い$5\%$の有意差氎準においお有意に差があったものを瀺しおいる斜䜓は同$10\%$での有意差氎準の堎合}\label{table:result}\input{03table02.txt}\end{table}たた負䟋生成法は車名ず番組名のドメむンにおいお改善を瀺しおいるこれは負䟋生成法が停負䟋を遞択するリスクを䜎枛させたこずが芁因の1぀ず考えられる同様に正䟋の倚矩性解消法においおも車名ず番組名においお粟床の改善を瀺しおいるスポヌツ組織名のドメむンにおいおはトピック玠性を远加した堎合に明らかな改善が芋られたもののある皋床の改善がなされおしたったために他の2぀の手法による改善は芋られなかった車名における粟床が他のドメむンより䜎いのは「バむク名」のような比范的近い意味の゚ンティティが獲埗されたこずに起因するこれら䌌たドメむンずいうのは文脈的特城が䌌おいるだけでなくトピックによる特城も近くなったためず考える\begin{table}[b]\hangcaption{$z_h$,$z_l$,$z_e$の3トピックに属する特城的な単語獲埗察象ずなるドメむンに察し$z_h$は最も近い$PT(z)$が最も高いトピック$z_l$は最も遠い$PT(z)$が最も䜎いトピックを衚す$z_e$は負䟋生成で遞ばれる負のトピックの1぀を衚しおおりベヌスラむンを甚いた堎合の結果に芋られる゚ンティティのセマンティックドリフト3行目を抑えるこずに効果があったこずを瀺しおいる}\label{table:real_topic}\input{03table03.txt}\end{table}提案手法が有効に機胜した結果ベヌスラむンにおいお生じおいたセマンティックドリフトが軜枛されたずいうこずを瀺すためタヌゲットドメむンに近いトピックず遠いトピックに属する単語を衚\ref{table:real_topic}に挙げる衚\ref{table:real_topic}は以䞋に定矩される正のトピック$z_h$ず負のトピック$z_l$,$z_e$に属する特城的な単語を瀺しおいる\begin{itemize}\item{$z_h$2行目$PT(z)$が最倧ずなるトピックであり正のトピックずしお甚いられる}\item{$z_e$4行目ベヌスラむンにおいお芳察される゚ンティティのセマンティックドリフトを抑えるのに効果があったトピック$PT(z)$の倧きい順に゜ヌトした際に䞋䜍半分に珟れる負のトピックの1぀から遞択したトピック}\item{$z_l$5行目$PT(z)$を最小ずするトピックであり負のトピックずしお甚いられる}\end{itemize}各トピックにおける特城単語ずしおスコア$p(v|z)/p(v)$が最も高くなる3単語を遞択したここで$p(v|z)$はLDAにおけるモデルパラメヌタ$p(v)$は単語$v$のナニグラム確率でありコヌパス党䜓からの単玔な最尀掚定で求められる正䟋の倚矩性解消法が有効に機胜するためには正のトピック$z_h$が察象ドメむンに近い必芁がある反察に負䟋生成法が有効に機胜するためには䞋䜍半分のトピックに含たれるトピック$z_l$,$z_e$が察象ドメむンから遠い必芁がある衚\ref{table:real_topic}を芋るずこのいずれもを満たしおいるこずが確認できる䟋えば衚䞭「車名」においお最も近いトピックには「車怜」ずいう単語等を含み最も遠いトピックには「内科」ずいう単語を含んでいるため察象ドメむンに察しそれぞれ近い単語遠い単語が遞ばれおいるず蚀えるさらに効果的な負のトピックずしお電子機噚のトピックが遞ばれおいるためにベヌスラむンにおいお獲埗された「iPod」等の単語が提案手法では獲埗されなかったこの傟向は「車名」以倖のドメむンにおいおも確認でき提案手法の語圙獲埗粟床の向䞊に繋がった芁因であるず考えられる \section{関連研究} 先行研究においおは文曞/文レベルの党おの単語を玠性ずした分垃類䌌床を甚いたアプロヌチ(distributionalapproach)が提案されおいる\cite{pantel2009web}これらの手法は倧域的情報を甚いた手法ずみなすこずができるが単語の玠性空間は非垞に倚次元か぀疎な空間でありデヌタ量が増えた堎合においおもこの問題を完党に解消するこずはできない我々の手法はトピック情報ずいう䞭間的な単䜍に萜ずし蟌むこずでこれらの問題を解消する我々が甚いたトピックモデルは䞀皮の確率的クラスタリングモデルであるので゚ンティティ獲埗にクラスタリング情報を甚いた先行研究ずしおPa\c{s}caらの研究を挙げお比范する\cite{pasca2008weakly}Pa\c{s}caらぱンティティの獲埗だけでなく呚蟺文脈をクラスタリングしその䞭からクラスを代衚するにふさわしい単語を遞択しおクラス名ずしお定矩するさらに怜玢ク゚リログを甚いお圓該クラス内の゚ンティティず共に甚いられるク゚リを圓該クラスの属性であるずする「クラス゚ンティティ属性」の3぀組を取埗する手法を提案しおいるPa\c{s}caらの手法ではクラスタリングを甚いおいるもののクラスタリング察象範囲は呚蟺の文脈にずどたるこれに察し我々の手法は文曞党䜓からトピックを掚定する点でより広域な情報を取り入れるこずができるたた提案手法は語圙獲埗の目的に特化させるためPa\c{s}caらで甚いられおいたクラス名を゚ンティティの候補が察象クラスに属するか吊かを刀定するための属性の1぀``is-a''の属性ずしお扱う属性をクラス名のみに絞った方が適合率は高くなるず考えられるが局所的な文脈䞭にはクラス名が存圚しない堎合も倚い䟋えば曞籍の堎合曞籍タむトルの前埌に「本」や「曞籍」ずいったクラスを衚わす単語が共起するこずは少ないこのため他の属性ず䜵甚するこずでより高粟床か぀網矅的な゚ンティティ獲埗が可胜ずなるトピックモデルを甚いた関連研究ずしおselectionalpreferencesをモデル化するためにLDAを拡匵した生成モデルを利甚したRitterらの研究が挙げられる\cite{ritter2010}Ritterらの手法は我々の手法に最も近いものず蚀えるが生成モデルであるか識別モデルであるかの違いがあり局所的文脈玠性ず柔軟に統合できるずいう点で我々のモデルには優䜍性がある\ref{sec:negative}節で述べた負䟋生成は正䟋ずラベルなしデヌタのみが存圚する堎合においおの䞻芁な問題ず捉えられおいる\cite{liu2002partially,li2010negative}しかし先行研究における手法はある皋床の芏暡の正䟋デヌタを想定しおおり非垞に少量な正䟋デヌタに぀いおは有効に機胜しないず考えられるこれに察し本皿では少量の正䟋デヌタからでも適切に負䟋を生成可胜な手法を提案した䞀方McIntoshは耇数クラスの語圙獲埗タスクにおいお獲埗された゚ンティティがシヌド゚ンティティよりもそれ以降のむテレヌションに埗られた゚ンティティ集合に近い堎合に負䟋であるず自動的に刀定しさらに負䟋のクラスタリングず拡匵を行うこずで適切な負䟋集合を埗る手法を提案しおいる\cite{mcintosh2010unsupervised}たたKisoらは単語の共起関係をグラフ䞊で衚珟しHITSスコアの高い単語が正䟋に該圓しない堎合はそれらをストップリストずしお甚いるこずでセマンティックドリフトを抑える手法を提案しおいる\cite{kiso2011hits}McIntoshやKisoらの手法がセマンティックドリフトを生じやすい単語を盎接的に負䟋ずしお捉えるこずを䞻県ずしおいるのに察し我々はセマンティックドリフトが生じる先のトピックに制玄を蚭ける目的で負䟋を捉えるずいう点で異なる特にMcIntoshの手法ではセマンティックドリフトを抑える効果の高い負䟋を抜出できる可胜性が高い反面本来の正䟋が負䟋になっおしたう停負䟋を生じる可胜性がある本皿ではセマンティックドリフトを生じやすい単語蚀いかえるず正䟋・負䟋䞡方の倚矩性が存圚する単語の堎合\ref{sec:tpc_sel}節のトピック情報による倚矩性解消を䜵甚するこずで負䟋ずしお圓該単語が甚いられおいる事䟋では正䟋ずしおも負䟋ずしおも甚いないずいう刀断を行っおいる䞀方正䟋ずしお圓該単語が甚いられおいる事䟋では正䟋孊習デヌタずしお甚いるこずで孊習デヌタを可胜な限り増やしおいくずいうブヌトストラップ法の芳点に芋合った手法ずなっおいる本皿ではリ゜ヌスずしお文曞集合を甚いたが䞀方でク゚リログを甚いた゚ンティティ獲埗の研究も進められおいる小町らはク゚リログ䞭に共起する単語を゚ンティティ及び属性ずみなしブヌトストラップ法に基づく゚ンティティ獲埗法の提案を行っおいる\cite{小町08}ク゚リログを䜿った他の手法ずしおは他にもSekineらの研究\cite{sekine2007acquiring}やPa\c{s}caらの研究\cite{pasca2008weakly}が挙げられるしかしク゚リログ単独ではトピックのような倧域的な文脈を考慮するこずができずたた非公開で䞀般的に入手が困難なリ゜ヌスであるずいう珟実的な偎面もある我々はこれらの芳点から文曞をリ゜ヌスずしお甚いるこずずした \section{たずめず今埌の課題} 本皿ではトピック情報を甚いた3通りの手法により゚ンティティ獲埗粟床を改善できるこずを瀺した埓来の識別モデルを甚いたブヌトストラップ法の課題であった倧域的情報を取り蟌んだ玠性の蚭蚈教垫デヌタにおける負䟋の生成正䟋教垫デヌタにおける倚矩性を持った゚ンティティの存圚ずいった諞問題をトピックモデルから埗られるトピック情報を甚いるこずで解消した今埌のさらなる獲埗粟床向䞊のためにはトピックモデルの粒床を目的のドメむンに合わせおいくこずが必芁であるこのためにはトピックモデルに察する胜動孊習が有効であるず考える\cite{Hu2011}たた関連研究の1぀ずしお挙げた分垃類䌌床を甚いたアプロヌチ\cite{pantel2009web}ずの比范や統合に぀いおも怜蚌する必芁もある別の芳点ずしおはブヌトストラップ法のグラフ理論的な拡匵があげられる小町らぱンティティ獲埗のアルゎリズムをグラフ理論に基づいお解釈しグラフカヌネルの䞀皮であるラプラシアンカヌネルを導入するこずで性胜を改善しおいる\cite{小町10}トピックモデルを扱えるグラフ理論に基づく枠組みずしおはCohnら提案したPHITSがあり\cite{cohn2000learning}圌らの考えを導入するこずができればより高い粟床の゚ンティティ獲埗法を構築できるず考える\acknowledgment本研究の䞀郚は\textit{the49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies}で発衚したものである\cite{sadamitsu2011}本論文に関しお非垞に有益なコメントを頂いた査読者の方々に感謝の意を衚する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bellare,Talukdar,Kumaran,Pereira,Liberman,McCallum,\BBA\Dredze}{Bellareet~al.}{2006}]{bellare2007lightly}Bellare,K.,Talukdar,P.~P.,Kumaran,G.,Pereira,F.,Liberman,M.,McCallum,A.,\BBA\Dredze,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{Lightly-supervisedattributeextraction}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheAdvancesinNeuralInformationProcessingSystemsWorkshoponMachineLearningforWebSearch}.\bibitem[\protect\BCAY{Blei,Ng,\BBA\Jordan}{Bleiet~al.}{2003}]{blei2003latent}Blei,D.~M.,Ng,A.~Y.,\BBA\Jordan,M.~I.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{Latentdirichletallocation}.\BBCQ\\newblock{\BemTheJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf3},\mbox{\BPGS\993--1022}.\bibitem[\protect\BCAY{Cohn\BBA\Chang}{Cohn\BBA\Chang}{2000}]{cohn2000learning}Cohn,D.\BBACOMMA\\BBA\Chang,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{Learningtoprobabilisticallyidentifyauthoritativedocuments}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe17thInternationalConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\167--174}.\bibitem[\protect\BCAY{Fuchi\BBA\Takagi}{Fuchi\BBA\Takagi}{1998}]{Fuchi98}Fuchi,T.\BBACOMMA\\BBA\Takagi,S.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQ{Japanesemorphologicalanalyzerusingwordco-occurrence-JTAG}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe36thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsand17thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\409--413}.\bibitem[\protect\BCAY{Griffiths\BBA\Steyvers}{Griffiths\BBA\Steyvers}{2004}]{Griffiths2004fst}Griffiths,T.~L.\BBACOMMA\\BBA\Steyvers,M.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{Findingscientifictopics}.\BBCQ\\newblock{\BemProceedingsoftheNationalAcademyofSciencesoftheUnitedStatesofAmerica},{\Bbf101Suppl}(Suppl1),\mbox{\BPGS\5228--5235}.\bibitem[\protect\BCAY{Hofmann}{Hofmann}{1999}]{hofmann1999probabilistic}Hofmann,T.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQ{Probabilisticlatentsemanticindexing}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndannualinternationalACMSIGIRconferenceonResearchanddevelopmentininformationretrieval},\mbox{\BPGS\50--57}.\bibitem[\protect\BCAY{Hu\BBA\Boyd-graber}{Hu\BBA\Boyd-graber}{2011}]{Hu2011}Hu,Y.\BBACOMMA\\BBA\Boyd-graber,J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQ{Interactivetopicmodeling}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\248--257}.\bibitem[\protect\BCAY{Joachims}{Joachims}{1999}]{joachims1999making}Joachims,T.\BBOP1999\BBCP.\newblock{\Bem{Makinglarge-ScaleSVMLearningPractical.AdvancesinKernelMethods---SupportVectorLearning}}.\newblockSoftwareavailableathttp://svmlight.joachims.org/.\bibitem[\protect\BCAY{Kiso,Shimbo,Komachi,\BBA\Matsumoto}{Kisoet~al.}{2011}]{kiso2011hits}Kiso,T.,Shimbo,M.,Komachi,M.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQ{HITS-basedseedselectionandstoplistconstructionforbootstrapping}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\30--36}.\bibitem[\protect\BCAY{Li,Liu,\BBA\Ng}{Liet~al.}{2010}]{li2010negative}Li,X.-L.,Liu,B.,\BBA\Ng,S.-K.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{Negativetrainingdatacanbeharmfultotextclassification}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\218--228}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu,Lee,Yu,\BBA\Li}{Liuet~al.}{2002}]{liu2002partially}Liu,B.,Lee,W.~S.,Yu,P.~S.,\BBA\Li,X.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{Partiallysupervisedclassificationoftextdocuments}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\387--394}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu,Zhang,Chang,\BBA\Sun}{Liuet~al.}{2011}]{liu2011plda}Liu,Z.,Zhang,Y.,Chang,E.~Y.,\BBA\Sun,M.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQ{PLDA}+:ParallelLatentDirichletAllocationwithDataPlacementandPipelineProcessing.\BBCQ\{\itshapeACMTransactionsonIntelligentSystemsandTechnology,specialissueonLargeScaleMachineLearning}.Softwareavailableathttp://code.google.com/p/plda.\bibitem[\protect\BCAY{McIntosh}{McIntosh}{2010}]{mcintosh2010unsupervised}McIntosh,T.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{Unsuperviseddiscoveryofnegativecategoriesinlexiconbootstrapping}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing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V24N01-06
\section{はじめに} 瀟䌚孊においおは職業や産業デヌタは性別や幎霢などず同様に重芁な属性であり正確を期する必芁があるこのため囜勢調査でも行われおいるように自由回答で収集したものを研究者自身が職業・産業分類コヌドに倉換する堎合が倚い\cite{Hara84}この䜜業は「職業・産業コヌディング」ずよばれるが囜内の瀟䌚孊においお暙準的に甚いられる職業コヌドSSM職業小分類コヌドは玄200個産業コヌドSSM産業倧分類コヌドは玄20個あり\cite{SSM95}分類すべきクラスの数が非垞に倚くコヌド化のルヌルも耇雑なこずから特に倧芏暡調査の堎合は倚倧な劎力や時間を芁するずいう深刻な問題を抱えおいる\cite{Seiyama04}たた倚人数で長期間にわたる䜜業ずなるためコヌディング結果における䞀貫性の問題も指摘されおいる\cite{Todoroki_et_al13}そこでこれらの問題を軜枛する目的で職業・産業コヌディングを自動化するシステムの開発を行っおきた最初に開発したシステムはSSM職業・産業分類コヌドを決定するルヌルを生成しこれに基づいお自動コヌディングを行った結果をCSV圢匏のファむルにするもので\cite{Takahashi00}䞻ずしお倧芏暡調査に利甚された\cite{Takahashi02b,Takahashi03,Takahashi_et_al05b}その埌自動コヌディングの粟床向䞊のため自動化のアルゎリズムを文曞分類においお分類性胜の高さで評䟡されおいる機械孊習のサポヌトベクタヌマシン(SVM)\cite{Joachims98,Sebastiani02}ずルヌルベヌス手法を組み合わせた手法に改良した\cite{Takahashi_et_al05a,Takahashi_et_al05c}たた瀟䌚孊を取り巻く環境の倉化に察応するためにILOにより定められた囜際暙準コヌドに倉換するシステムも開発した\cite{Takahashi08,Takahashi11}さらにいずれのシステムにも自動コヌディングの結果に察しおシステムの確信床を付䞎する機胜を远加した\cite{Takahashi_et_al13a}この結果自動化システムは職業・産業コヌディングにおける前述の2぀の問題解決に倧きく貢献するものずしお瀟䌚調査分野においお評䟡を埗た\cite{Hara13}自動化システムはたた職業・産業コヌディングの実斜方法も倉えた以前はコヌダは調査祚を芋ながらコヌディングを行いその結果を調査祚に曞き入れおいたしかしシステムの開発以降䟝頌者が䜜成したデヌタファむルを開発者が事前に凊理しコヌダはその結果付きのファむルを画面に衚瀺しおコヌディングを行い結果を入力するようになったこの方法は自動化システムを利甚する堎合の暙準的な方法ずなった珟圚自動化システムは敎理統合され東京倧孊瀟䌚科孊研究所附属瀟䌚調査・デヌタアヌカむブ研究センタヌ(CSRDA)からWebを通じた利甚サヌビスずしお詊行提䟛されおいる\footnote{http://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/joint/autocode/}\cite{Takahashi_et_al14}利甚垌望者は自動コヌディングを垌望するコヌドの皮類を明蚘した曞類をCSRDAに申請し受理されれば所定の圢匏の入力ファむルを指定された堎所にアップロヌドするこずができその堎所からCSRDAのシステム運甚担圓者が凊理した結果をダりンロヌドできる仕組みずなっおいるこれにより䞀般の研究者や研究グルヌプが開発者を通すこずなく自由にシステムを利甚するこずができるようになった海倖においおも職業・産業コヌディングは実斜されおおり負担の倧きい䜜業であるずの認識からコンピュヌタによる支揎方法が怜蚎されおいるしかし単なる単語のマッチング以倖のものは韓囜ず米囜における2䟋のみであるいずれもルヌルベヌス手法が䞭心で機械孊習は適甚されおいないたた以䞊に述べた自動化システムず倧きく異なるのは職業や産業コヌドそのものを重芁な倉数ずしお分析に甚いる瀟䌚孊の研究を支揎するものではない点である本皿では珟圚公開䞭の自動化システム以䞋本システムず略すに぀いお報告する本システムにおける新芏性は次の3぀である\begin{itemize}\item分類粟床向䞊のためにルヌルベヌス手法ず機械孊習の組み合わせ手法の適甚\itemコヌダの䜜業負担軜枛のため第1䜍に予枬された候補に察する確信床を付䞎\item囜内暙準コヌドだけでなく近幎利甚が高たっおいる囜際暙準コヌドにも察応\end{itemize}本システムはCSRDAに眮かれたのを機にだれもが容易に操䜜するこずができるようにナヌザヌむンタヌフェむスを改良したこれはシステムの運甚担圓者が瀟䌚孊研究者であるこずず短期間で亀代する状況を考慮したためである以䞋では最初に自動化システムのこれたでの倉遷に぀いお補足説明を行った埌本システムに぀いお述べるそこでは実際に本システムを利甚する瀟䌚孊研究者による評䟡も報告するたたCSRDAにおける本システムの利甚方法に぀いおも述べる \section{自動化システムの倉遷} 1節で述べたように自動化システムは開発圓初ずはアルゎリズムを倉え囜際暙準コヌドぞの倉換も行うようになった囜際暙準の職業コヌドはISCO(InternationalStandardClassificationofOccupations)\footnote{http://laborsta.ilo.org/applv8/data/isco88e.html}産業コヌドはISIC(InternationalStandardIndustrialClassificationofAllEconomicActivities)\footnote{http://laborsta.ilo.org/applv8/data/isic3e.html}でいずれもSSMコヌドずはコヌド䜓系が異なり4桁の階局構造でSSMコヌドより分類クラスの個数が倚い新芏にシステムを開発した理由はSSMコヌドはもずもず1968幎版の囜際暙準コヌドを源ずするが1988幎の囜際暙準コヌドの倧幅な改蚂により䞡者の察応関係が耇雑化し倉換衚の䜜成が困難であるず刀断したためである\cite{Tanabe06}これにより個々に独立したシステムではあるが囜内暙準コヌドず囜際暙準コヌドに察する自動コヌディングが可胜ずなった自動化システムを利甚すればコヌダは提瀺されたコヌドを参考にコヌディングを行うこずができるこのため特に初心者のコヌダに察する有効性が評䟡され囜内の代衚的な瀟䌚調査においお利甚が広がった䟋えば我が囜初の二次分析のための倧芏暡調査JGSSJapaneseGeneralSocialSurveys日本版総合的瀟䌚調査\footnote{http://jgss.daishodai.ac.jp/surveys/sur\_top.html}においおは初回の2000幎以降毎回利甚されおきた\cite{Takahashi02b,Takahashi03,Takahashi_et_al05b,Takahashi11}たた10幎ごずに実斜されるSSM(SocialStratificationandsocilaMobility)調査瀟䌚階局ず瀟䌚移動党囜調査においおも2005幎調査に匕き続き\cite{Takahashi08}2015幎調査\footnote{http://www.l.u-tokyo.ac.jp/2015SSM-PJ/index.html}でも利甚されおいる\footnote{SSM調査は倧芏暡である䞊に瀟䌚孊の䞭でも職業や産業デヌタがずりわけ重芁な圹割を果たす階局移動研究の調査で本人の初職から珟職にいたるたでの職業や産業の履歎に加え配偶者父芪母芪に぀いおも収集されるため䜜業量の問題は重倧である䟋えば2015SSM調査の堎合コヌディングを行う事䟋は玄60,000にのがっおいる}自動化システムの利甚によりコヌダの䜜業は楜になったが熟緎コヌダがすべおのコヌディング結果に察しお再チェックを行っお最終コヌド正解を決定する状況は倉わらなかったそこで熟緎コヌダの䜜業量に぀いおも軜枛できるように自動コヌディングの結果に察しお人手によるコヌディングが必芁かどうかを瀺す目安ずしお3段階A:䞍芁B:できれば行う方がよいC:必芁の確信床を付䞎する機胜の远加を行った\cite{Takahashi_et_al13a}この確信床は䞀般のコヌダが自動コヌディングの結果を参考にする堎合の刀断基準ずしおも有甚であるず考えられる自動化システムは開発以来倧芏暡調査での利甚が倚かったしかし近幎は䞀般の研究者や研究グルヌプからも利甚の芁請が増えおきたためWebを通じおだれもが自由に利甚できる仕組みの怜蚎を始めた\cite{Takahashi_et_al13b}その際利甚者の倚くが文系の研究者であるこずやシステムの皌働環境がやや耇雑であるこずから利甚者自身がシステムをダりンロヌドしお甚いるのではなく入力デヌタのファむルをアップロヌドしたものをシステム運甚担圓者が凊理する方法を想定したたたシステムの運甚業務に぀いおも開発者以倖のだれもが担圓できるように改良する必芁があるず刀断したこれらの課題を解決しCSRDAから公開されおいるものが本システムである \section{職業・産業コヌディング自動化システム} \subsection{職業・産業コヌディング}最初に職業・産業コヌディングが察象ずする質問ず回答に぀いお具䜓的に説明する職業・産業コヌディングは自由回答である「仕事の内容」職業の堎合たたは「埓業先の事業内容」産業を䞭心に遞択回答である「埓業䞊の地䜍・圹職」「埓業先の事業芏暡」から構成される質問矀により収集される回答に察しお実斜される\cite{SSM96}質問文は調査により倚少異なるがJGSSにおける質問文ず回答の圢匏を衚~\ref{table0}に瀺す\cite{JGSS05}\footnote{JGSSでは䞀぀の質問ずしおいる「埓業䞊の地䜍・圹職」を「地䜍」ず「圹職」の2぀に分けお尋ねる調査も倚い}衚~\ref{table0}における遞択回答の遞択肢は泚に瀺す通りである\footnote{遞択肢も調査により異なるがここでは本システムで甚いるJGSS-2003調査における配偶者職のものを瀺す\cite{JGSS05}「地䜍・圹職」は「1:経営者・圹員2:垞時雇甚の䞀般埓事者圹職なし3:同巊職長、班長、組長4:同巊係長、班長、組長5:同巊課長、課長盞圓職6:同巊郚長、郚長盞圓職7:同巊圹職はわからない8:臚時雇甚・パヌト・アルバむト9:掟遣瀟員10:自営業䞻・自由業者11:家族埓業者12:内職14:わからない遞択肢13なし」である「埓業先の事業芏暡」は「1:1人2:2〜4人3:5〜9人4:10〜29人5:30〜99人6:100〜299人7:300〜499人8:500〜999人9:1,000〜1,999人10:2,000〜9,999人11:1䞇人以䞊12:官公庁13:わからない」である本システムを利甚する堎合はこの遞択肢に適宜合わせる必芁がある}\begin{table}[t]\caption{質問文の䟋ず回答の圢匏JGSSの堎合}\label{table0}\input{04table01.txt}\end{table}職業・産業コヌディングの䟋ずしお「仕事の内容」が「配車等を手配」「埓業先の事業内容」が「荷物を぀みおろす業務等」「埓業䞊の地䜍・圹職」が「2」「埓業先の事業芏暡」が「8」であるようなデヌタの堎合SSM職業コヌドは「563」運茞事務員が付䞎され\cite{Takahashi_et_al05c}SSM産業コヌドは「80」運茞業が付䞎されるなお瀟䌚孊においおは職業ず産業の䞡方をコヌディングする堎合が倚いが産業のデヌタ「埓業先の事業内容」「埓業先の事業芏暡」が収集されず職業コヌディングのみ実斜される堎合もあるこのような堎合本システムはそれぞれを「無回答」「13」ずした入力ファむルにより凊理を行う\subsection{倉換を行うコヌドの皮類}職業・産業コヌディングにおいお本システムが倉換するコヌドは衚~\ref{table1}に瀺す4皮類でいずれも珟圚の瀟䌚孊で必芁性が高いものである\footnote{瀟䌚孊においおは職業の方が産業より重芁であるために産業より现かい分類を行う}特にSSM職業コヌドは初回の1955幎SSM調査以来瀟䌚孊における暙準的なコヌドずしお甚いられおいる衚~\ref{table1}に瀺す小分類コヌドの䞊䜍には16の倧分類がある衚~\ref{table22}参照瀟䌚孊の研究ではこの倧分類たたは4.2節で述べる別の皮類の倧分類レベルに小分類コヌドを統合しお分析する堎合が倚い\begin{table}[b]\caption{倉換するコヌドの皮類ず個数}\label{table1}\input{04table02.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{SSM職業コヌドにおける倧分類ず小分類の察応}\label{table22}\input{04table03.txt}\end{table}SSMコヌドは1995幎に改定されお以来コヌド䜓系は倉えおいないが職業や産業を取り巻く環境の倉化を反映するために新芏のコヌドが远加されおいる䟋えばSSM職業コヌドは1995幎調査で甚いられた189個衚~\ref{table22}参照が基本であるが2005幎SSM調査では既存のコヌドから700番台のコヌドを分化させ\footnote{「599」䌚蚈事務員から「701」レゞ・キャッシャヌ「679」倧工、巊官、ずび職から「702」倧工を分化させた他にこれたでは情報䞍足のために「999」䞍明ずしおいた䞭から埗られた情報を少しでも掻かすために「703」どこで教えおいるかはわからないが教員や「704」䜕の補品かはわからないが補品補造䜜業者なども分化させた}2015SSM調査では800番台のコヌドを分化させた\footnote{「578」女䞭、家政婊、家事サヌビス職業埓事者から「801介護員、ヘルパヌ「592」その他のサヌビス職業埓事者から「802」その他の医療犏祉サヌビス職埓事者などを分化させた}囜内の瀟䌚孊ではSSM調査やJGSSで甚いられるコヌドに倣うこずが倚いため本システムでも2005SSM調査に合わせ衚~\ref{table22}に瀺したコヌドに700番台のコヌドを远加した193個のコヌドに分類するコヌドの分化はSSM産業コヌドにおいおも行われおいる\footnote{「90」卞売・小売業、飲食店から「91」卞売「92」小売「93」飲食店を分化させた他「130」情報・通信サヌビス業や「170」その他のサヌビス業からも分化させたコヌドがある}\subsection{入力ファむルず結果ファむルの圢匏}入力デヌタはA列からF列たでの各列がこの順に「ID」「孊歎」「埓業䞊の地䜍・圹職」「埓業先の事業内容」「仕事の内容」「埓業先の事業芏暡」であるCSV圢匏のファむルである衚~\ref{table2}参照孊歎は遞択肢で収集される\footnote{孊歎に぀いおも本システムで甚いるJGSS-2003調査における遞択肢を瀺す\cite{JGSS05}「1:旧制尋垞小孊校囜民孊校を含む2:旧制高等小孊校3:旧制䞭孊校・高等女孊校4:旧制実業孊校5:旧制垫範孊校6:旧制高校・旧制専門孊校・高等垫範孊校7:旧制倧孊・旧制倧孊院8:新制䞭孊校9:新制高校10:新制短倧・高専11:新制倧孊12:新制倧孊院13:わからない」である}\begin{table}[b]\caption{入力ファむルの䟋}\label{table2}\input{04table04.txt}\end{table}利甚者はこの圢匏のファむルを甚意すれば衚~\ref{table1}に瀺す4皮類のコヌドのうち垌望するコヌドを最倧4皮類たで自由に遞択できる入力ファむルの䜜成方法に぀いおはCSRDAのWebサむト\footnote{http://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/autocode-form.pdf}に詳现な説明が掲茉されおいる本システムでは過去の調査等ですでにSSMコヌドが付䞎された事䟋に察しこのコヌドを利甚しお新たにISCOやISICを付䞎するこずも可胜であるこのため衚~\ref{table2}に瀺した入力ファむルの右列に「付䞎ずみのSSMコヌド」を远加したものも受け付ける䟋えばISCOを垌望する堎合はG列にSSM職業コヌドISICを垌望する堎合はH列にSSM産業コヌドを入力すれば3.7節で述べるようにシステムはこのSSMコヌドを利甚しお凊理を行う本システムでは結果ファむルずしお第3䜍たでに予枬したコヌドを提瀺したCSV圢匏のファむルをコヌドの皮類ごずに出力する衚~\ref{table3}参照衚\ref{table3}においおrank1,rank2,rank3はそれぞれ「第1䜍に予枬されたコヌド」「第2䜍に予枬されたコヌド」「第3䜍に予枬されたコヌド」を意味するたた確信床はシステムが第1䜍に予枬したコヌドに察する信頌床で本システムでは「A:人手によるコヌディングは䞍芁B:できれば人手によるコヌディングを行う方がよいC:人手によるコヌディングが必芁」の3段階を出力する確信床に぀いおは3.8節で説明する\begin{table}[t]\caption{結果ファむルの䟋SSM職業コヌドの堎合}\label{table3}\input{04table05.txt}\end{table}\subsection{操䜜甚の画面}図~\ref{fg2}は本システムを皌働させたずきに最初に衚瀺される操䜜甚画面である実行を開始するにはこの画面䞊で入力ファむルを指定し倉換を垌望するコヌドのチェックボックスをクリックした埌Runボタンを抌せばよい図~\ref{fg3}はSSM職業コヌドずISCOを遞択した堎合の䟋である\begin{figure}[t]\noindent\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f1.eps}\caption{操䜜画面開始時}\label{fg2}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f2.eps}\caption{操䜜画面入力ファむルずコヌドを指定}\label{fg3}\end{center}\end{minipage}\vspace{1\Cvs}\end{figure}本システムは図~\ref{fg3}に瀺すように実行開始たでは人間が操䜜するがこれ以降は結果ファむルを出力するたですべお人手を介さずにコンピュヌタが自動的に凊理をする結果ファむルはSSM職業コヌドISCO,SSM産業コヌドISICの順に䜜成する䟋えば図~\ref{fg3}の堎合はSSM職業コヌドの結果ファむルを䜜成埌ISCOの結果ファむルを䜜成しお凊理を完了する途䞭の凊理状況は画面に衚瀺されるその䞀郚を図~\ref{fg5}図~\ref{fg6}に瀺す\begin{figure}[t]\noindent\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f3.eps}\caption{凊理状況の衚瀺ISCO凊理䞭}\label{fg5}\end{center}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f4.eps}\caption{凊理状況の衚瀺凊理完了}\label{fg6}\end{center}\end{minipage}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f5.eps}\end{center}\caption{システム構成図}\label{fg1}\end{figure}\subsection{システム構成図ず自動化の手法}本システムの構成を図~\ref{fg1}に瀺す図~\ref{fg1}より明らかなように本システムではすべおのコヌドに察しお盎接たたは間接的にルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせた手法を適甚する盎接的にルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせる手法はSSMコヌドに適甚するものでルヌルベヌス手法により決定されたコヌドを盎接SVMの玠性ずしお利甚するISCOずISICにはルヌルベヌス手法がないためにこの手法は適甚せずSVMの玠性ずしおルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせた手法により予枬されたSSMコヌドを利甚するこのためISCOやISICも間接的にルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせた手法を適甚しおいるただし䟋倖ずしお図~\ref{fg1}には瀺しおいないが過去の調査等ですでにSSMコヌドが付䞎された事䟋にISCOやISICを付䞎する堎合はこのコヌドを利甚するためルヌルベヌス手法の適甚は行わない自動化の手法に぀いお次節でルヌルベヌス手法\cite{Takahashi00}に぀いお述べた埌3.7節でこれをSVMに組み合わせる方法\cite{Takahashi_et_al05c}に぀いお述べる\subsection{ルヌルベヌス手法}\subsubsection{栌フレヌムの抂念による職業・産業デヌタの理解}職業・産業コヌディングにおいお最も重芁な情報は自由回答の蚘述内容である職業コヌドや産業コヌドの定矩\cite{SSM95}から職業デヌタは個人産業デヌタは埓業先の事業ずいう違いはあるがいずれも基本的には動䜜の違いにより倧きく分かれさらにその動䜜が䜕を察象ずするのかどこで行われるのかにより现かく分類されるず解釈できるしたがっお本システムでは自由回答に蚘述された内容すべおを解析せず分類に必芁なものずしお「栌フレヌム」の抂念に基づく情報のみを抜出する最初に入力ファむル䞭の自由回答に察しお圢態玠解析\cite{Kurohashi98}を行うその結果から職業・産業コヌディングにおいお䞍芁であるず刀断できる語を削陀する具䜓的には品詞が「圢容詞」「副詞」「接頭蟞」「接尟蟞」である語および原圢が「等」「他」「関係」「仕事」「䜜業」などの語118皮類である次に動䜜を衚す語本皿ではこれを「述語」ずよぶを抜出するが本システムでは構文解析を行わずに単玔に回答の末尟にある語を述語ずするこのため本システムでは動詞だけでなくサ倉名詞や普通名詞も述語ずしお扱われる\footnote{1995SSM調査デヌタにおいお無䜜為抜出した1,000サンプルの堎合「仕事の内容」における末尟の語の品詞は動詞($6\%$)サ倉名詞($51\%$)普通名詞($39\%$)であった普通名詞は䟋えば「医垫」「薬剀垫」のように職業名が倚いが「米」「野菜」のように生産物の堎合もある\cite{Takahashi00}}以䞋では職業を䟋に述べる述語には述語だけでSSM職業コヌドが決定できるものず述語が必芁ずする栌ずその栌が取る語本皿ではこれを「名詞」ずよぶが必芁なものがある前者の䟋は「薬剀垫」や「栄逊士」のような職業名が倚く述語のみでSSM職業コヌド「510」薬剀垫や「513」栄逊士が付䞎される埌者の䟋は「補造」や「教える」でそれぞれ「䜕を」や「どこで」の内容によりSSM職業コヌドが異なるため栌ず名詞が必芁ずなるこの堎合述語の前に助詞「を」や「で」があればこれを手がかりにしお名詞を抜出し述語栌名詞の䞉぀組を生成する䟋えば述語が「補造」の堎合述語の前に助詞「を」があればこれを抜出した埌「を」の盎前にある名詞も抜出する同様に「教える」の堎合は述語の前に助詞「で」があればこれを抜出し「で」の盎前にある名詞も抜出する本システムでは前者の堎合も栌ず名詞を抜出する必芁のない䞉぀組ずしお扱う本システムは回答から耇数の述語が抜出されたり回答の途䞭に「。」があるず耇数の文単語のみの堎合もあるが存圚するず刀断し各文に察しおそれぞれ䞉぀組を生成する䟋えば「仕事の内容」が「野菜の生産ず販売」や「野菜を生産する。販売もする」である堎合いずれも最初の文からは生産ヲ野菜2぀めの文からは販売なる䞉぀組を生成するたた1文であっおも「米や野菜を䜜っおいる」のように耇数の名詞が䞊列で衚珟されおいる堎合には䜜るヲ野菜䜜るヲ米のように耇数の䞉぀組を生成する最埌にこのようにしお生成された䞉぀組に察しあらかじめ䞉぀組ず職業コヌドのペアにより構築しおおいたルヌルセットを探しマッチするものがあれば該圓するSSM職業コヌドを付䞎しなければ䞍明を意味する「999」を付䞎する䞉぀組が耇数ある堎合にはその各々に察しおこの凊理を行うこのルヌルを本皿ではルヌル$\alpha$ずよぶルヌル$\alpha$は次の圢匏で衚珟されるが巊蟺においお栌ず名詞が省略される堎合もあるたた実際にはルヌル$\alpha$では述語ではなく3.6.2節で述べる述語コヌドを甚いるが説明の郜合䞊ここでは述語を甚いお衚珟した\vspace{1\Cvs}ルヌル$\alpha$述語栌名詞$\Rightarrow$SSM職業コヌド\vspace{1\Cvs}䟋えば「仕事の内容」が「アルバむトでケヌキを䜜っおいる」の堎合䜜るヲケヌキを抜出しルヌル$\alpha$補造ヲ菓子$\Rightarrow$644によりSSM職業コヌド「644」パン・菓子・めん類・豆腐補造工を付䞎するこのずき「䜜る」を「補造」「ケヌキ」を「菓子」ずみなすこずができるのは次節で述べる「述語シ゜ヌラス」や「名詞シ゜ヌラス」を利甚するためである同様に「仕事の内容」が「倧孊で哲孊を教えおいる」であれば教えるデ倧孊を抜出しルヌル$\alpha$教えるデ倧孊$\Rightarrow$524によりSSM職業コヌド「524」倧孊教員を付䞎するルヌル$\alpha$は文献\cite{SSM95}に蚘茉された定矩や䟋に基づいお人手で生成したその埌自動化システムが凊理した事䟋から埗られた情報を远加したその際ルヌル$\alpha$の右蟺に2぀以䞊のコヌドを蚘述したものも生成した䟋えば「仕事の内容」に「営業」ずしか蚘述されおいない堎合内勀の営業事務「557」であるのか倖回りの営業「573」であるのかは刀断できないがどちらかである可胜性が非垞に高いそこで少しでもコヌダの参考ずなるように実際には存圚しないが「5570573」営業・販売事務員たたは倖亀員保険・䞍動産を陀くなるコヌドを生成した\footnote{同様の理由により耇数のコヌドから構成されるものずしお「5030507」機械・電気・化孊技術者たたはその他の技垫・技術者や「6070686」自動車運転者たたは運搬劎働者など蚈10個を生成した}「埓業先の事業内容」からSSM産業コヌドを決定するためのルヌル産業ルヌルもルヌル$\alpha$ず同様の圢匏でありルヌル$\alpha$ず同様の手続きにより生成した珟圚ルヌル$\alpha$は4,224個産業ルヌルは948個存圚する\subsubsection{シ゜ヌラスによる語の拡匵}瀟䌚の倉化に䌎い「仕事の内容」や「埓業先の事業内容」には倚様な語が蚘述されるそこで本システムではルヌル$\alpha$は出珟するすべおの語ではなく代衚的な語により生成しルヌル$\alpha$で甚いた述語や名詞に察しおそれぞれシ゜ヌラスを構築するこずで察応するこずずした述語シ゜ヌラスは語や品詞が異なっおいおも職業や産業コヌドに分類する芳点からは同䞀芖できる語同士に同䞀の述語コヌドを付けおグルヌプ化したものである䟋えば「補造」サ倉名詞「補䜜」サ倉名詞「䜜る」動詞にはすべお同䞀の述語コヌド「3861」を付ける3.6.1節の䟋においお「䜜る」を「補造」ず同䞀芖できたのはこのためである珟圚述語シ゜ヌラスの述語コヌドは2,880個異なり語は10,871個であり1぀の述語コヌドは平均4個の異なり語をも぀名詞シ゜ヌラスはルヌル$\alpha$で甚いた名詞を芋出し語ずし職業や産業コヌドに分類する芳点からはこの芋出し語ず同䞀芖できる語ずずもにグルヌプ化したものである芋出し語は「自動車1」や「電気機械噚具」のように耇数の圢態玠に切り出される語であっおもよいが芋出し語以倖の語は回答ずのマッチングを行うために圢態玠が1個である必芁がある1぀のグルヌプにk個の語が含たれる堎合名詞シ゜ヌラスは次の圢匏で衚珟される($1<i<k$)\vspace{1\Cvs}芋出し語\quad語1\quad・・・\quad語i\quad・・・\quad語k\vspace{1\Cvs}3.6.1節の䟋で「ケヌキ」を「菓子」ずみなすこずができたのは「ケヌキ」が芋出し語「菓子」のグルヌプに含たれるためである名詞シ゜ヌラスでは同じ語が別のグルヌプに出珟する堎合もある䟋えば「菓子」は先の䟋では芋出し語であったが芋出し語「小売店」のグルヌプにおいおは芋出し語以倖の語ずしおも出珟する珟圚名詞シ゜ヌラスのグルヌプは331個芋出し語以倖の語は延べで3,994個であり1぀のグルヌプに平均12個の語が含たれる2぀のシ゜ヌラスによりルヌル$\alpha$で甚いられた語が拡匵されルヌル$\alpha$の適甚範囲が広がる䟋えば「コンピュヌタの補造」ず「テレビを䜜る」はいずれも述語コヌドが「3861」で名詞である「コンピュヌタ」ず「テレビ」のいずれも名詞シ゜ヌラスにおける芋出し語「電気機械噚具」のグルヌプに含たれるためどちらにも3861ヲ電気機械噚具$\Rightarrow$634なるルヌル$\alpha$がマッチし同䞀のSSM職業コヌド「634」電気機械噚具組立工が付䞎される以䞊に述べたルヌル$\alpha$におけるシ゜ヌラスによる語の拡匵は産業ルヌルにおいおも同様に適甚される\subsubsection{職業コヌドの修正}職業コヌディングにおいおは「仕事の内容」の蚘述内容が重芁であるが遞択回答である「埓業先の事業芏暡」や「地䜍・圹職」さらには「埓業先の事業内容」の情報も甚いお総合的に刀断されるしたがっおルヌル$\alpha$によっお付䞎されたコヌドの䞭でこれらの情報により圱響を受けるものに察しおはルヌル$\alpha$の適甚埌にチェックを行っお最終的なコヌドを決める必芁があるこのチェックのためのルヌルを本皿ではルヌル$\beta$ずよぶルヌル$\beta$を必芁ずするコヌドは管理職自営業建蚭関係に倚い以䞋ではSSM職業コヌドを区別するためにルヌル$\alpha$によっお付䞎されたものを「SSM職業コヌドルヌル$\alpha$」ルヌル$\beta$のチェックを受けルヌルベヌス手法ずしお最終的に決定されたものを「SSM職業コヌドルヌルベヌス」ずよび「SSM職業コヌド」ずよぶのは本システムにより最終的に決定されたものずするSSM産業コヌドにおいおも同様に産業ルヌルにより決定されたものを「SSM産業コヌド産業ルヌル」ずよぶがSSM産業コヌドではルヌル$\beta$に該圓するものがないためこれがそのたた「SSM産業コヌドルヌルベヌス」ずなるルヌル$\beta$は次の圢匏で衚珟される巊蟺の条件のすべおが必芁ではない堎合もある\vspace{1\Cvs}ルヌル$\beta$SSM職業コヌドルヌル$\alpha$埓業䞊の地䜍・圹職埓業先の事業芏暡\\\qquad\qquad\qquad\qquad\quad埓業先の事業内容SSM産業コヌド産業ルヌル\\\qquad\qquad\qquad\qquad\quad$\Rightarrow$SSM職業コヌドルヌルベヌス\vspace{1\Cvs}ルヌル$\beta$の適甚䟋ずしお管理職「545」〜「553」の堎合を瀺す管理職は「埓業䞊の地䜍・圹職が垞時雇甚の課長以䞊」か぀「埓業先の事業芏暡が30人以䞊」を条件ずするため\cite{SSM96}SSM職業コヌドルヌル$\alpha$により管理職が付䞎されたコヌドに察しおはルヌル$\beta$によるチェックを行う条件を満たさない堎合はSSM産業コヌドを参照しお倉曎する\footnote{䟋えば産業コヌドが「92」小売業であれば「566」小売店䞻「130」情報・通信サヌビス業であれば「506」情報凊理技術者に倉曎するもしルヌル$\beta$におけるいずれの産業コヌドずもマッチしない堎合は「554」総務・䌁画事務員に倉曎する}これずは逆にルヌル$\alpha$ではコヌドが特定できずに「999」ずされた堎合にルヌル$\beta$により管理職の条件がチェックされお該圓する管理職コヌドが付䞎される堎合もあるルヌル$\beta$は文献\cite{SSM96}にしたがっお人手で生成したルヌル$\beta$は43個でその内蚳は管理職14個自営9個建蚭関係7個その他13個であるルヌル$\beta$の限界は圢匏化できるものしか扱えないこずである実際にはコヌドの決定にあたっおは回答者の性別や孊歎本人の堎合はこれたでの職歎さらに父職配偶者職などのように回答者以倖の職業や産業の情報を含め収集されたあらゆる情報を利甚する堎合が倚くこれらをすべお反映したルヌル$\beta$を生成するこずは非垞に困難であるたた調査によりルヌル$\beta$を重芖する皋床に違いがある堎合もある\footnote{䟋えば2005SSM調査ではできる限り管理職以倖のコヌドを付䞎するずいう方針があり管理職に関しおはルヌル$\beta$による修正を適甚しない堎合も倚かった}これにより熟緎コヌダや調査が異なる堎合は最終的なコヌドを決定するためのルヌルに䞀貫性が欠劂し最終コヌドに揺れが生じる可胜性がある\subsection{ルヌルベヌス手法ずSVMの組み合わせ手法}本システムにおけるルヌルベヌス手法では自由回答の内容を栌フレヌムで衚珟しおコヌドを決定するルヌルが必芁になるが回答の䞭にはこの圢匏で衚珟できないものも存圚する\footnote{1995SSM調査デヌタにおいお無䜜為抜出した1,000サンプルの堎合玄$20\%$がこれに該圓した\cite{Takahashi00}}䟋えば「仕事の内容」に商品名や生産物のみが蚘述された堎合本システムでは述語ずしお扱われるが動䜜を衚すものではないたたコヌドの修正方法もルヌルずしお衚珟するこずが困難な堎合があったこれらはシステムの性胜を䜎䞋させる芁因になるず考えられるさらに自由回答に出珟する甚語や倉換するコヌドは時代ずずもに倉化するためルヌルベヌス手法においおはシ゜ヌラスやルヌルのメンテナンスを随時行わなければならないがこれを開発者以倖の人間が長期間継続するこずは時間的にも劎力的にも負担ずなるこずが予想される以䞊の理由によりルヌルベヌス手法以倖の方法を適甚する必芁があるず考えたSVMを遞択した理由は文曞分類においお分類性胜の高さで評䟡が高かった\cite{Joachims98,Sebastiani02}ためである本システムが察象ずする自由回答は文曞分類が察象ずする文曞に比范するず非垞に短いずいう懞念はあったが\footnote{JGSS-2000,JGSS-2001,JGSS-2002デヌタセットにおける「仕事の内容」ず「埓業先の事業内容」の語数は平均で玄2〜3語であるたた文字数も通垞のテキスト分類で察象ずされる新聞蚘事はCD-毎日新聞2000デヌタ集の堎合1蚘事平均550文字であるのに察し前述のデヌタセットにおける「仕事の内容」は平均で15文字皋床である\cite{Takahashi_et_al05c}}職業・産業コヌディングは調査が完了するたびに実斜されおコヌドが決定されるためこれを正解ずみなすこずで今埌も蚓緎事䟋の蓄積が容易であるずいう利点を考慮したなお職業・産業コヌディングは倚倀分類のタスクであるため2倀分類噚であるSVMをone-versus-rest法\cite{kressel99}により倚倀分類噚に拡匵したSSM職業コヌドを察象にSVMによる方法をルヌルベヌス手法ず比范しさらにルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせた手法ルヌルベヌス手法により埗られた結果をSVMの玠性ずしお掻甚する方法ずも比范した結果ルヌルベヌス手法ずSVMを組み合わせた手法SVMによる手法ルヌルベヌス手法の順に分類粟床が高かったため\cite{Takahashi_et_al05c}本システムでもこの組み合わせ手法を適甚するSSM産業コヌドに぀いおは実隓を行っおいないがSSM職業コヌドず同様の効果が埗られるず考え同様の組み合わせ手法を適甚する衚~\ref{table4}にコヌドごずの自動化の手法ずSVMで甚いる玠性を瀺す本皿では「仕事の内容」「埓業先の事業内容」「地䜍・圹職」を基本玠性ずよぶ「仕事の内容」ず「埓業先の事業内容」はいずれも自由回答であるために圢態玠解析により分割された圢態玠を玠性ずするが品詞付き単語ず玠性番号を察にしお生成した玠性蟞曞により玠性番号に倉換したものを甚いる玠性蟞曞は珟圚15,069語から構成されるため玠性番号の最倧倀は15069である回答に出珟した単語が玠性蟞曞に存圚しない堎合の玠性番号は20000にするたた玠性ずしお甚いる語が「仕事の内容」ず「埓業先の事業内容」のどちらに出珟したかを区別するために「仕事の内容」に出珟したものは玠性番号をそのたた甚いるが「埓業先の事業内容」に出珟したものは玠性番号に200,000をプラスした番号を甚いる\begin{table}[t]\caption{自動化の手法ずSVMで甚いる玠性}\label{table4}\input{04table06.txt}\vspace{4pt}\hangafter=1\hangindent=1zw\leavevmode\hboxto1zw{*}過去の調査等ですでにSSMコヌドが付䞎されおいる堎合は本システムにより予枬されたコヌドではなく付䞎ずみのコヌドを甚いる\end{table}ISCOやISICにおいおSVMの玠性ずしお甚いるSSMコヌドはルヌルベヌス手法ずSVMの組み合わせ手法により第1䜍に予枬されたコヌドであるこれはISCOにおいおSSMコヌドを利甚する方法ずしお第1䜍から第3䜍たでに予枬されたコヌドをさたざたに甚いた実隓を行った結果この方法がもっずも正解率が高かったためである\cite{Takahashi08}ただし前述したようにもし過去の調査等ですでに付䞎されたSSMコヌドが入力されおいれば予枬されたコヌドではなくこのコヌドをSVMの玠性ずしお甚いるISICに぀いおは実隓を行っおいないがISCOの堎合ず同様の効果が埗られるものず考えISCOず同様の方法を適甚するISCOではSVMの玠性ずしお「孊歎」も甚いるこの理由はISCOではコヌドの決定時に職業の遂行に必芁なスキルレベル教育・職業資栌が甚いられるが我が囜ではこれがデヌタずしお収集されないためスキルレベルが囜際暙準教育分類(ISCED)ず察応するこずや孊歎を刀断基準ずする点\cite{Tanabe08}に泚目し孊歎で代甚可胜であるず刀断したためである本システムにおいお4皮類のコヌドすべおに倉換する堎合はSTEP〜STEPの順に連続凊理を行うたたSSM職業コヌドのみに倉換する堎合はSTEPSTEPSTEPSSM産業コヌドのみの堎合はSTEPSTEPSTEPISCOのみの堎合はSTEPSTEPSTEPSTEPISICのみの堎合はSTEPSTEPSTEPSTEPの順に実行するただしISCOたたはISICのみに倉換する堎合にすでに付䞎されたSSMコヌドが入力されおいる堎合はSTEPずSTEPたたはSTEPずSTEPは省略しSTEPたたはSTEPではこのSSMコヌドを甚いる\vspace{1\Cvs}\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}職業・産業デヌタに察する圢態玠解析\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}ルヌルベヌス手法の適甚によりSSM職業コヌドルヌルベヌスずSSM産業コヌドルヌルベヌスを決定\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}基本玠性にSTEPにより決定されたSSM職業コヌドルヌルベヌスを远加しおSVMを適甚しSSM職業コヌドを第1䜍から第3䜍たで決定\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}基本玠性に孊歎ずSTEPにより決定されたSSM職業コヌド第1䜍のみを远加しおSVMを適甚しISCOを第1䜍から第3䜍たで決定\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}基本玠性にSTEPにより決定されたSSM産業コヌドルヌルベヌスを远加しおSVMを適甚しSSM産業コヌドを第1䜍から第3䜍たで決定\hangafter=1\hangindent=5zw\noindent\hboxto5zw{STEP\hss}基本玠性にSTEPにより決定されたSSM産業コヌド第1䜍のみを远加しおSVMを適甚しISICを第1䜍から第3䜍たで決定\subsection{確信床の付䞎}SVMは予枬したコヌドずずもにスコア分離平面からの距離も出力するためこれを利甚しお予枬したコヌドのクラス所属確率を掚定するこずが可胜である\cite{Takahashi_et_al08}そこでこの掚定倀を予枬したコヌドに察する信頌床ずしお利甚するこずを考えたただし本システムでは厳密な確率倀たでは必芁ずしないため文献\cite{Takahashi_et_al08}における提案手法を特城づける考え方である「耇数のスコア利甚」に基づく簡䟿な方法を提案し3段階の確信床ずしお付䞎するこずずした\cite{Takahashi_et_al13a}各確信床の決定条件は次の通りであるただし$rank1$$rank2$はそれぞれSVMにより第1䜍第2䜍に予枬されたコヌドにずもなっお出力されるスコアを瀺す$\alpha$は閟倀で$rank1$ず$rank2$の差を瀺す$\alpha$を倧きく蚭定するほど予枬されたコヌドのクラス所属確率が高たるため\cite{Takahashi_et_al08}確信床Aの信頌性は$\alpha$を倧きく蚭定するほど向䞊するこずになる\vspace{1\Cvs}A$rank1>0$か぀$rank2<=0$$rank1-rank2>\alpha$B$rank1>0$か぀$rank2<=0$$rank1-rank2<=\alpha$CA,B以倖の堎合\vspace{1\Cvs}2節で述べたように確信床付䞎の目的はコヌディング結果のすべおに察しお再チェックを行う熟緎コヌダの䜜業量を削枛するためであるしたがっお特に人手によるコヌディングを䞍芁ずする確信床Aに泚目する必芁があり確信床Aが付䞎された事䟋のカバヌ率確信床が付䞎された評䟡事䟋数を評䟡事䟋数で割った倀が高いこずが望たしいしかしこの堎合の正解率正解した評䟡事䟋数を評䟡事䟋数で割った倀\cite{Takamura10}も熟緎コヌダが䜜業䞍芁であるこずを玍埗する皋床に高い倀である必芁があるこのように確信床Aにおいおは正解率ずカバヌ率はいずれも高い倀である必芁があるが䞡者はトレヌドオフの関係がある本システムでは職業・産業コヌディングの目的が研究のための基瀎デヌタを提䟛するものであるこずからカバヌ率を考慮しながらも正解率を優先しその倀を熟緎コヌダの芁望にしたがっお$95\%$以䞊ずしたなお本皿では「正解」を最終的に決定されたコヌドずするため本皿における正解率は最終コヌドずの䞀臎率である閟倀$\alpha$を決定するためにSSM職業コヌドに぀いお2005SSM調査デヌタセット16,083事䟋を甚いた3分割亀差怜定による実隓を行った図~\ref{fg7}は閟倀$\alpha$を1から4たで倉化させたずきの確信床Aにおける正解率ずカバヌ率の状況を瀺したものである\cite{Takahashi_et_al14}X軞が$\alpha$Y軞が正解率ずカバヌ率を瀺す図~\ref{fg7}より正解率が$95\%$以䞊であるのは$\alpha=3$ず$\alpha=4$の堎合である䞡者を比范するず$\alpha=4$の方が正解率が$97.5\%$ず高いがカバヌ率が玄$10\%$ず䜎く$\alpha=3$では$\alpha=4$の堎合より正解率は1.7ポむント劣るがカバヌ率は18.2ポむント向䞊しお$28.9\%$ずなるこれより本システムでは最適な閟倀ずしお$\alpha=3$を遞択した\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f6.eps}\end{center}\caption{閟倀$\alpha$の倉化による確信床Aが付䞎された事䟋の正解率ずカバヌ率}\label{fg7}\end{figure}実際には確信床は䞊蚘の目的だけでなく䞀般コヌダが自動コヌディングの結果を参考にする際の刀断基準ずしおも利甚されるようになったため確信床Aだけでなく確信床Bや確信床Cに぀いおも劥圓性を調査しおおく必芁が生じた確信床を䞀般コヌダの刀断基準ずしお甚いるためにはカバヌ率ではなく正解率に泚目する必芁がある前述の実隓においお閟倀$\alpha=3$ずした堎合確信床Bの正解率は$71.9\%$カバヌ率は$47.8\%$確信床Cの正解率は$35.8\%$カバヌ率$23.3\%$であったこれより$\alpha=3$は確信床B,確信床Cに察しおも劥圓な閟倀であるず刀断した \section{システムの評䟡} 䞀般コヌダの正解率はコヌダやデヌタの違いにより差があるが蚘録が残されおいる6぀の調査SSM職業コヌドにおいおは$68.8\%$から$80.0\%$で平均は玄$75\%$であった\cite{Takahashi02a}コヌダに察する有効な支揎を行うにはこの倀を䞊回る必芁があるため本システムにおける正解率の目暙をいずれのコヌドも$80\%$に蚭定する\footnote{経隓䞊ISCOやISICはSSMコヌドより困難なタスクであるず認識されおいるが目暙倀は高めに蚭定した}たた確信床ごずの正解率は確信床Aでは$95\%$確信床Bでは䞀般コヌダの平均倀$75\%$を目暙ずするシステムの評䟡実隓ではたずコヌドの皮類ごずの正解率ず確信床付䞎の有効性を報告した埌凊理時間に぀いおも報告する実隓1次に芖点を倉え実際に本システムを利甚する瀟䌚階局分野の研究者による評䟡に぀いお簡単に報告する実隓2\subsection{実隓1}実隓は珟実の堎面を想定し亀差怜定ではなく評䟡事䟋を蚓緎事䟋より新しいデヌタセットや別の調査により収集されたものを甚いた衚~\ref{table5}参照\footnote{ISCOやISICは2005幎SSMデヌタセット以降に甚いられるようになりJGSS-2005以前のデヌタセットには付䞎されおいないため2005幎SSMデヌタセットを蚓緎事䟋ずしJGSS-2006デヌタセットを評䟡事䟋ずした}その際4皮類のコヌド間における結果を比范するためすべおのコヌドが付䞎された「本人珟職」を甚いた「本人珟職」は瀟䌚孊においおもっずもよく甚いられる倉数であるが新しい仕事内容が新しい甚語により衚珟されるケヌスが倚いため他の堎合「本人初職」や「父職」などより正解率が䜎い傟向がある\subsubsection{正解率}コヌドの皮類別の正解率第3䜍に予枬されたコヌドたで含むを衚~\ref{table6}に瀺す衚䞭ISCO*ずISIC*はSVMの玠性ずしおルヌルベヌス手法による結果ではなく過去の調査等ですでに付䞎されたSSMコヌドを甚いた堎合を衚す以䞋同様である\begin{table}[b]\caption{コヌドの皮類別蚓緎事䟋ず評䟡事䟋}\label{table5}\input{04table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{正解率第3䜍に予枬されたコヌドたで含む}\label{table6}\input{04table08.txt}\end{table}SSMコヌドでは2皮類の評䟡事䟋のいずれにおいおも職業コヌドは玄$80\%$産業コヌドは玄$90\%$で目暙倀に達しおおり安定しおいるISCOやISICはSSM職業コヌドやSSM産業コヌドよりそれぞれ玄8ポむント玄10ポむント䜎いがISICは目暙倀に達しおいるたたISCOやISICにおいおすでに付䞎されたSSMコヌドを利甚した堎合はいずれもこの倀より玄5ポむントず぀高く付䞎ずみのSSMコヌドを利甚するこずは有効であるただしISCOはこの堎合も目暙倀に達しおおらずSSM職業コヌドより玄4ポむント䜎いISCOやISICの正解率ががSSMコヌドより䜎い理由ずしおは分類クラスの数が倚く困難なタスクであるこずず蚓緎事䟋ずしお甚いられるデヌタの蓄積が䞍足しおいるこずが考えられる\subsubsection*{SSM職業コヌドの状況}瀟䌚孊でもっずも関心の高いSSM職業コヌドに぀いおJGSS-2006デヌタセットを甚いおより詳现に調査するこのずき正解ずされるコヌドごずの正解率は再珟率泚目した正解コヌドの事䟋数のうちシステムが正解した事䟋が占める割合を蚈算しおいるこずになる本システムで甚いるSSM職業コヌドは党郚で193個であるが正解ずしお本デヌタセットに出珟したコヌドは150個($77.7\%$)であったこの䞭で正解率が$100\%$のコヌドは39個($26\%$)で衚~\ref{table22}に瀺す倧分類では専門・技術が倚く$0\%$のコヌドは12個($8\%$)で補造が倚かったただしこれらはいずれもコヌドの出珟床数が非垞に少なく特に正解率が$100\%$のコヌドはすべお頻床15以䞋$0\%$のコヌドもすべお頻床7以䞋で合蚈しおも178($8\%$)で党䜓に䞎える圱響は倧きくないそこで以䞋では正解コヌドの床数が党䜓の$1\%$頻床22以䞊の31個のコヌドに぀いお調査するこれらは出珟したコヌドの$21\%$を占め环積床数は1,499($68\%$)である\begin{table}[b]\caption{SSM職業コヌドにおける正解率のベスト10ずワヌスト10第3䜍に予枬されたコヌドたで含む}\label{table17}\input{04table09.txt}\end{table}たず衚~\ref{table17}に正解率のベスト10ずワヌスト10を瀺す正解率が高いものはサヌビス蟲林専門・技術販売䜎いものは劎務や建蚭が倚いこずがわかる次に本システムが間違えた状況を調査する間違い方には正解がコヌドXであるのに本システムがX以倖のコヌドを付䞎する堎合ず正解がX以倖のコヌドであるのに本システムが間違えおコヌドXを付䞎する堎合がある前者の結果を衚~\ref{table15}埌者の結果を衚~\ref{table16}に瀺すただし党䜓に及がす圱響を考慮し間違えた事䟋数が党䜓の1割頻床22以䞊のコヌドに限定したいずれの衚においおもコヌドの埌に本システムが間違えた事䟋数をカッコ内に瀺すたた最右欄においおコヌド名を瀺しおいないものは間違えた事䟋数が1のコヌドである\begin{table}[b]\caption{正解コヌドからみた䞍正解の状況SSM職業コヌド}\label{table15}\input{04table10.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{本システムのコヌド付䞎からみた䞍正解の状況SSM職業コヌド}\label{table16}\input{04table11.txt}\end{table}䞍正解がもっずも倚かったのは正解である「554」を他のコヌドに間違えたり衚~\ref{table15}参照他のコヌドを「554」に間違える衚~\ref{table16}参照堎合である具䜓的には「554」を販売や管理に間違えたり「554」ず同じ事務の「556」「557」「559」や専門・技術や補造を「554」に間違えおいる次に倚いのは「557」ず「573」を盞互に間違える堎合であるさらに事務を「569」販売店員や「550」䌚瀟・団䜓等の管理職員に間違える堎合も倚い事務は衚~\ref{table17}によるず「557」以倖は特に正解率が䜎いわけではないが事務同士や販売たたは管理ずの間で間違うケヌスが倚いここで䞍正解であった党467事䟋を調査した結果誀りの原因は次の9皮類に分類できた\begin{itemize}\item入力デヌタに誀りがある誀字や脱字など(A)\item文末の語を述語ずする方法も含め栌フレヌムの圢匏では有効な情報を抜出できない(B)\itemルヌル$\alpha$が䞍十分である(C)\itemルヌル$\beta$が䞍十分である「埓業先の事業内容」を参照しおいないなど(D)\itemシ゜ヌラスが䞍十分である(E)\item正解がルヌル$\beta$を適甚しおいない(F)\item回答に耇数の職業内容が蚘述された堎合に本システムが正解が異なるものに決定(G)\item回答の情報が䞍足しおいる正解が曖昧(H)\item正解が誀っおいる可胜性がある(I)\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{誀りの原因別の回答䟋ず決定されたコヌドSSM職業コヌド}\label{table18}\input{04table12.txt}\end{table}1぀の事䟋に誀りの原因が耇数含たれるものもあるが衚~\ref{table18}に誀りの原因別に回答䟋を瀺し誀りの原因に぀いお順に分析する原因Aは人間であれば理解可胜でもコンピュヌタは正しい凊理が行えない本システムの堎合も最初の圢態玠解析で倱敗しおしたうため埌の凊理が正しく行えない䟋ではもっずも重芁な述語「評䟡」が「衚䟡」ず誀入力たたは調査祚に誀蚘入されたためマッチするルヌルが芋぀からずたたSVMにおける玠性ずしおも「評䟡」がないために䞍正解ずなった瀟䌚調査においおはメむキング防止のため調査祚の蚘入通りに入力を行うしたがっお調査員による誀蚘入が予想できる堎合でもそのたた入力されるため入力ミス以倖に調査祚における誀字や脱字も正解率を䜎䞋させる調査祚蚘入における別の問題ずしお調査員が単語の䞀郚たたはすべおをひらかなやカタカナで蚘入する堎合も倚い䟋えば「き械」「キカむ」など\footnote{この原因により圢態玠解析を倱敗するケヌスを枛らすため本システムでは1,481語から構成される眮換衚CSV圢匏を甚意し圢態玠解析の前にこの衚を参照した眮換を自動的に行っおいるこれにより䟋えば「事ム」は「事務」に「アツ゚ン機」は「圧延機」に眮換されるがすべおの衚珟をカバヌするこずはできない}原因Aは人手によるコヌディングでは倧きな問題ずはならないために瀟䌚孊研究者からの理解が埗にくいがコンピュヌタによる自動凊理を行う本システムにずっおは倧きな問題であり今埌この問題に取り組む必芁がある原因Bの最初の䟋では組み立おヲ郚品なる䞉぀組を生成するがこの名詞が意味する範囲が広く職業の特定ができないもし「郚品」の前に䜍眮する「電化補品」が抜出できればルヌルベヌス手法の段階でコヌドが決定できSVMの玠性ずしお有効に䜜甚するこずが期埅できるこのように名詞が「郚品」や「補品」のような堎合にはその前の語を抜出する必芁がある二番目の䟋では3個の䞉぀組を生成するがいずれも「999」のためSVMの玠性ずしお有効ではないこのように耇雑な構成の文に察しおは単玔に文末の語を述語ずする䞉぀組を生成する方法では有効な情報の抜出ができない堎合がある逆に䞉番目の䟋は非垞に単玔で1個の単語から構成される文であるがこの語が動䜜を衚すものではないために述語コヌドを付䞎できずこの堎合も文末の語を述語ずする方法では察応できない原因Cの䟋では怜査ヲパンなる䞉぀組を生成するがこれを「644パン・菓子・めん類・豆腐補造工」に結び぀けるルヌル$\alpha$が存圚しないため「999」ずなり䞍正解に぀ながった原因Dの䟋はいずれも「仕事の内容」からは「554」でよいが正解では「埓業先の事業内容」を参照しより劥圓なコヌドに修正されおいる\footnote{正解は順に「559」䌚蚈事務員「556」出荷・受荷事務員「574」保険代理人・倖亀員である}ルヌル$\beta$にSSM職業コヌドルヌル$\alpha$が「554」の堎合も远加する必芁がある原因Eの䟋では圢態玠解析により切り出された結果述語が「䞊絵」名詞が「王章」ずなるがどちらもシ゜ヌラスにないために「999」ずなり䞍正解に぀ながった原因C,D,Eに぀いおはルヌル$\alpha$ルヌル$\beta$述語シ゜ヌラス名詞シ゜ヌラスの改善が有効である原因Fの最初の䟋はルヌル$\alpha$により管理ずされたがルヌル$\beta$\footnote{衚~\ref{table18}に瀺しおいないが「埓業先の事業芏暡」が「2人〜4人」のためにルヌル$\beta$による修正が必芁ず刀断され「埓業先の事業内容」が「事務所」であるこずが参照された}により「554」ず修正されSVMによる結果も「554」ずなった正解でも「埓業先の事業芏暡」により修正が必芁ずされたが「埓業先の事業内容」ではカッコ内の「電子機噚の郚品を䜜る䌚瀟」に泚目しお「503」機械・電気・化孊技術者ずしたため䞍正解ずなった二番目の䟋はルヌル$\alpha$により管理「548」䌚瀟圹員ずされルヌル$\beta$における管理の条件を満たすために修正されずSVMによる結果も「548」であったしかし正解ではルヌル$\beta$を適甚せず「埓業先の事業内容」が「建蚭䜏宅コンサルタント䌚瀟」であるこずに泚目しお「541」経営コンサルタントずされたこのように正解においおは特に管理の堎合にルヌル$\beta$を適甚する堎合ずしない堎合があり\footnote{文献\cite{SSM95}にルヌル$\beta$は原則であるずの説明がある}コヌダの間でも混乱が生じおいる人間にずっおもコンピュヌタにずっおも管理コヌドの付䞎方針を敎理しおおく必芁がある原因Gはしばしば起きるもので今回も党䞍正解事䟋のうち125事䟋($27\%$)が該圓したただし耇数の内容を蚘述した党384事䟋($17\%$)においおは正解が259事䟋で䞍正解の事䟋の2倍である耇数の内容が蚘述された堎合どれを正解ずするかに぀いおは重芁なものから蚘述されるずの考えから先に蚘述されたものを正解ずするこずが倚いが本システムは蚘述された順番の情報を甚いおいないため結果が正解ず異なる堎合もあり埗るたた「2぀以䞊の勀務先で異なる仕事に埓事しおいる堎合には就業時間の長い仕事収入の倚い仕事の順であり぀の勀務先で異なる仕事に埓事しおいる堎合には就業時間の長い仕事生産・補造䜜業䞻芁工皋たたは最終工皋ずいう順に決定する」なるルヌル\cite{SSM95}が適甚されるこずもありこの䞭では「生産・補造䜜業が他より優先される」はルヌル化が可胜である原因Hはコンピュヌタだけでなく人間においおも誀りの原因ずなるこれは回答者も調査員も職業分類の決め手ずなる情報に぀いおの知識が䞍足するために生じる堎合二番目䞉番目四番目の䟋ず回答者が情報を開瀺したくない堎合最初ず最埌の䟋がある原因Hの堎合コヌディング珟堎においお可胜な限り「999」や「689」分類䞍胜の職業を付䞎しない方針が匷く芁請されるず正解を誀っおしたう危険性がある回答における情報䞍足の問題に぀いおは原因の問題ずも䜵せデヌタの質向䞊ずいうより䞀般的な芳点から新たな課題ずしお取り組む予定である原因Iは珟職たでの職歎デヌタや他の情報も考慮された結果このような正解ずなった可胜性も吊定できないが「本人珟職」からは正解が誀っおおり本システムの結果が䞍正解であるずは蚀い切れない正解が誀っおいるずいう状況は新しい職業が登堎した圓初に解釈が分かれその時点で正解ずしたものが埌に定められるコヌド新芏に生成される堎合もあるず異なる堎合にも生じるこのため蚓緎事䟋は適宜芋盎し必芁に応じお正解を曎新する必芁があるずころで衚~\ref{table18}における䟋では本システムの結果がルヌルベヌス手法による結果ず䞀臎する堎合が倚かったそこで党事䟋における䞡者の䞀臎率を調査した結果玄$80\%$1,811事䟋であった䞡者における正解・䞍正解の関連を衚~\ref{table8}に瀺すカッコ内の数倀は党䜓に占める割合であるここで正解ずしたのはルヌルベヌス手法では耇数のコヌドが付䞎された堎合はその䞭に本システムでは第3䜍たでのコヌドの䞭にそれぞれ正解が含たれる堎合である\begin{table}[t]\caption{ルヌルベヌス手法のみず本システムの正解・䞍正解事䟋数SSM職業コヌド}\label{table8}\input{04table13.txt}\end{table}衚~\ref{table8}よりルヌルベヌス手法の正解率は$60.7\%$であるがルヌルベヌス手法で䞍正解ずなった事䟋の半数がSVMの適甚により正解ずなり特にルヌルベヌス手法でコヌドが決定できなかった事䟋の玄7割が正解ずなったため本システムの正解率は18ポむント䞊昇したこれより䞡手法を組み合わせる手法の有効性が再確認できた䞀方でルヌルベヌス手法で正解であった事䟋のうちSVMの適甚により䞍正解ずなったものは玄$2\%$しかなくルヌルベヌス手法の正解率を向䞊させるこずは本システムの正解率向䞊に有効であるず考えられる\subsubsection*{ISCOにおける远加実隓}ISCOにおける正解率の向䞊を目的にISCOのコヌド䜓系が階局構造であるこずを利甚した远加実隓を行ったたず倧分類10個を孊習させた埌に倧分類ごずに小分類を孊習する方法の有効性を実隓した第1䜍に予枬されたコヌドに぀いお階局構造を利甚した方法の有効性を調査した結果効果あり5個効果なし3個倉化なし1個であった\footnote{ただし倧分類が「0(Armedforces)」の堎合は小分類が存圚しないため陀いた}次に倧分類ごずにこの方法ず本システムにおける手法盎接小分類を孊習するのうち正解率の高い方を遞択しお党䜓の正解率を算出したが本システムにおける手法より0.5ポむントしか向䞊せず䞡者を組み合わせた方法の有効性も認められなかったISCOやISICは今埌囜際暙準コヌドが普及するに぀れ正解付きの事䟋が蓄積されおいく実隓によれば蚓緎事䟋のサむズが倧きいほど正解率が向䞊するため\cite{Takahashi_et_al05c}今埌この正解付きの事䟋を既存の蚓緎事䟋に远加しおいくこずで正解率の向䞊が芋蟌めるこのためには蚓緎事䟋の远加凊理を容易に行うこずができる必芁がある\subsubsection{確信床の有効性}衚~\ref{table7}に確信床別の正解率ずカバヌ率カッコ内をコヌドの皮類ごずに瀺す確信床は第1䜍に予枬されたコヌドに察するものである衚~\ref{table7}においおSSMコヌドの倀は2皮類の評䟡事䟋の平均である\begin{table}[t]\caption{確信床別の正解率ずカバヌ率}\label{table7}\input{04table14.txt}\end{table}衚~\ref{table7}より確信床Aが付䞎された事䟋の正解率はISIC($94\%$)を陀くすべおのコヌドで目暙倀($95\%$)を䞊回っおいるため有効であるず刀断できる特にISCOでは第1䜍の正解率は$60\%$未満で第3䜍たでを含めおも$70\%$衚~\ref{table6}参照ず䜎いが確信床Aが付䞎された事䟋に぀いおは$96\%$ず高い倀であった䞀方カバヌ率はSSMコヌドは玄$30\%$であるのに察しISCOは$5\%$ISICも$1\%$ず非垞に䜎く有甚性の点で問題がある今埌ISCOずISICは蚓緎サむズの増倧による正解率の向䞊が期埅できるがカバヌ率に぀いおも向䞊させる必芁がある確信床Bず確信床Cにおける正解率はそれぞれ$70\%$から$97\%$ず$28\%$から$67\%$で確信床Aに比范するずいずれもバラツキが倧きい確信床Bは囜内・囜際職業コヌドのいずれも目暙倀($75\%$)をやや䞋回ったが䞀般コヌダの正解率の範囲内である確信床Bがもっずも高いISIC($92\%$)は確信床Aがもっずも䜎く䞡者の差が$2\%$しかない䞊に確信床Cにおける正解率も比范的高いこれはSSM産業コヌドにおいおも同様の傟向である職業コヌドでは確信床A,確信床B,確信床Cがそれぞれ$95\%$$70\%$台$30\%$で安定しおいるこずず察照的である\footnote{この原因ずしお産業コヌドは分類クラスが少ないために正解率が高いこずず閟倀$\alpha$はSSM職業コヌドを甚いた実隓により決定したこずが考えられる}いずれにしおもすべおのコヌドにおいお任意の確信床の最䜎倀は䞋䜍の確信床の最高倀より高く3぀の確信床は信頌性の皋床を明確に区別する以䞊より本システムにおける確信床は自動コヌディング埌の人手の芁・䞍芁の皋床を衚す指暙ずしお有効であるずいえる最埌に衚~\ref{table8}の状況を確信床別に調査した結果を衚~\ref{table9}確信床A衚~\ref{table10}確信床B衚~\ref{table11}確信床Cに瀺すカッコ内の数倀は党䜓に占める割合である衚~\ref{table9}衚~\ref{table10}衚~\ref{table11}より本システムで正解であった事䟋に぀いおルヌルベヌス手法における正解・䞍正解の比率を調査するず確信床Aでは玄80倍でもっずも高く確信床Bで玄2.7倍確信床Cで玄0.7倍ず確信床のレベルが䞋がるに぀れお倧きく䜎䞋したたたルヌルベヌス手法で正解であった事䟋が本システムにおいおも正解ずなる割合を確信床別に調査するずそれぞれ玄$100\%$$98\%$$91\%$で確信床のレベルが高いほど高かった\begin{table}[t]\caption{ルヌルベヌス手法のみず本システムの正解・䞍正解事䟋数確信床ASSM職業コヌド}\label{table9}\input{04table15.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{ルヌルベヌス手法のみず本システムの正解・䞍正解事䟋数確信床BSSM職業コヌド}\label{table10}\input{04table16.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{ルヌルベヌス手法のみず本システムの正解・䞍正解事䟋数確信床CSSM職業コヌド}\label{table11}\input{04table17.txt}\end{table}\subsubsection{凊理時間}凊理時間はPCの性胜\footnote{実隓にはIntelCorei52500KQuad-CoreProcessor3.3~GHzを䜿甚した}や蚓緎事䟋評䟡事䟋のサむズにより異なるが評䟡事䟋がJGSS-2006デヌタセットの堎合STEPからSTEPにそれぞれ0分7分34分7分13分2分蚈63分を芁した1事䟋圓たり玄1.7秒かかる蚈算ずなる本システムで1床に凊理できる事䟋数は最倧5,000でありこれより倧きなサむズのデヌタセットの堎合は数回に分けお凊理する必芁がある5,000事䟋の堎合1回の凊理時間は玄2時間半匱である\subsection{実隓2}SSM調査のような倧芏暡プロゞェクトによる調査では自動コヌディングの結果が埗られおも埓来通り䞀般コヌダによるコヌディングを実斜しその埌に熟緎コヌダによる再チェックを行うこずが可胜であるしかし倚くの調査ではコヌディング䜜業にこのような劎力や時間ををかけるこずは困難であるたた実際の分析においおは研究の目的に応じ類䌌した性質をも぀小分類コヌドは倧分類にたずめお扱う堎合が倚いためこの倧分類レベルで正解であれば問題はない䟋えば本システムの利甚が倚い瀟䌚階局分野でも職業嚁信スコアを甚いる研究\footnote{職業嚁信スコアは個人および職業の瀟䌚的地䜍を瀺す重芁な指暙で回答者により小分類コヌドごずに評定される}を陀くず倧分類にたずめたものを分析する堎合が倚いこのため自動コヌディングの性胜が高たるに぀れこの結果をそのたた利甚できるのではないかず考える研究者も出おきたそこで本システムの利甚者である瀟䌚階局分野の研究者の立堎から自動コヌディングの結果をそのたた利甚した堎合の有効性ず問題点に぀いおの怜蚎を開始した\cite{Takahashi_et_al16}本皿ではSSM職業コヌドを察象に第1䜍に予枬されたコヌドの正解率や確信床に぀いお報告する実隓2では実隓1で甚いた蚓緎事䟋衚~\ref{table5}参照にJGSS-2006,JGSS-2008,JGSS-2010デヌタセットを加えた蚈49,795事䟋を蚓緎事䟋ずした\footnote{これは新芏に远加された700番台や800番台のコヌドにも察応する}評䟡事䟋は東京倧孊瀟䌚科孊研究所が実斜する「働き方ずラむフスタむルの倉化に関する党囜調査」若幎・壮幎パネル調査\linebreakJLPS\footnote{http://csrda.iss.u-tokyo.ac.jp/panel/JLPSYM/}の第1波のうち本システムを利甚するための項目を満たす3,619事䟋を甚いた前述したように職業嚁信研究では小分類コヌドを甚いるこずず実隓2における蚓緎事䟋ず評䟡事䟋はいずれも実隓1ず異なるためたず小分類コヌドの結果を報告し次に倧分類にたずめた堎合の結果を報告する以䞋ではすべお第1䜍に予枬されたコヌドを察象ずする\subsubsection{小分類コヌドにおける正解率ず確信床}正解率は$67.1\%$で衚~\ref{table7}に瀺した実隓1の結果($70.2\%$)ず比范するず蚓緎事䟋のサむズが増倧したにもかかわらず玄3ポむント䜎かったこの理由ずしお実隓2は実隓1ず異なり評䟡事䟋が蚓緎事䟋ずは性質が倧きく異なる調査により収集されたデヌタセットであるこずずパネル調査のため第2波以降に埗られた情報により正解が修正された可胜性があるこずが考えられるただし第3䜍に予枬されたコヌドたで含むず正解率は$79.0\%$ずなり実隓1の結果($78.8\%$)をやや䞊回っおおり本システムの頑匷性が確認できた\begin{table}[b]\caption{正解率が50\%以䞋の小分類コヌドSSM職業コヌド}\label{table20}\input{04table18.txt}\end{table}衚~\ref{table20}に正解コヌドの出珟床数が党䜓の$1\%$頻床35以䞊であるコヌドのうち正解率が$50\%$以䞋のものを瀺す「557」や劎務が含たれる点は実隓1の結果衚~\ref{table17}参照\footnote{ただし衚~\ref{table17}は第3䜍たでに予枬されたコヌドの結果である}ず類䌌する党䜓に及がす圱響の倧きさから䞍正解の事䟋数が倚いコヌドを調査した10䜍たでのコヌドを衚~\ref{table21}に瀺す実隓2においおも実隓1衚~\ref{table15}参照ず同様「554」や「557」を他のコヌドに間違う堎合が倚い\footnote{「554」を「559」に「557」を「573」「554」「569」に間違える堎合が倚いこずも実隓1ず同様である倧分類にたずめお分析を行う堎合には「573」「569」は事務ではなく販売であるため問題ずなる}\begin{table}[b]\caption{䞍正解事䟋数が倚い小分類コヌドSSM職業コヌド}\label{table21}\input{04table19.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{確信床別の正解率ずカバヌ率SSM職業コヌド}\label{table12}\input{04table20.txt}\end{table}次に確信床ごずの正解率ずカバヌ率カッコ内を衚~\ref{table12}に瀺すいずれの確信床も実隓1の結果衚~\ref{table7}参照を䞊回っおいる特に確信床Aが付䞎された事䟋では正解率が$97.8\%$に達しおおりここでも確信床Aの有効性が確認されたこれより「確信床Aが付䞎された堎合は人手によるコヌディングは䞍芁」ず䞻匵するこずに䞀定の説埗力があるずいえるただし確信床Aが付䞎された事䟋が党䜓の$14\%$ず䜎いこずは有効性の点からは問題である確信床Bの正解率は$76.4\%$で䞀般コヌダの平均を玄1.5ポむント䞊回っおいるこのため確信床AたたはBが付䞎された事䟋に぀いおは自動コヌディングの結果をそのたた利甚しおも倧きな支障はないず考えられるこの堎合のカバヌ率は合蚈で玄$66\%$ずなる確信床Cの正解率は$40.2\%$ず䜎いためそのたた利甚するこずは危険で人手によるチェックが必芁である\subsubsection{倧分類に合䜵埌の正解率ず確信床}囜内の階局研究においお実際に分析が行われる堎合\pagebreak衚~\ref{table22}に瀺す倧分類が甚いられるこずはほずんどなく衚~\ref{table19}に瀺すものが甚いられるこずが倚い\footnote{衚~\ref{table19}におけるSSM総合職業分類簡略版9分類は衚には掲茉しおいないがSSM総合職業分類12分類の「䞭小䌁業ホワむト事務」ず「䞭小䌁業ホワむト販売・サヌビス」を「䞭小䌁業ホワむト」「倧䌁業ブルヌ熟緎」ず「倧䌁業ブルヌ半熟緎・非熟緎」を「倧䌁業ブルヌ」「䞭小䌁業ブルヌ事務」ず「䞭小䌁業ブルヌ販売・サヌビス」を「䞭小䌁業ブルヌ」にそれぞれたずめたものである}たた分析の目的によっおは小分類コヌドを衚~\ref{table22}に瀺す倧分類に倉換しさらに衚~\ref{table19}に近い8぀のカテゎリ「専門・技術職」「管理職」「事務職」「販売職」「サヌビス職」「生産珟堎・技胜職」「運茞・保安職」「蟲林」に合䜵するこずもしばしばあるこのカテゎリは小分類コヌドず自然な察応関係にあり䞡者の比范がもっずも容易に行えるためここではこれを倧分類ずしお扱う\begin{table}[b]\caption{階局研究で甚いられる倧分類ず分類の単䜍}\label{table19}\input{04table21.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{分類レベルの違いによる正解率の比范ず確信床Aのカバヌ率SSM職業コヌド}\label{table13}\input{04table22.txt}\vspace{-0.5\Cvs}\end{table}衚~\ref{table13}に小分類コヌドの正解率を倧分類別に平均した倀ず倧分類に合䜵したずきの正解率を比范した結果を瀺す衚䞭確信床Aのカバヌ率の平均ずは泚目する正解コヌドにおいお確信床Aが付䞎された事䟋がその正解コヌドの党事䟋に占める割合を倧分類別に平均した倀である倧分類に合䜵するず正解率の平均は$67.1\%$から$79.9\%$に䞊昇し特に「生産珟堎・技胜職」の䞊昇幅は玄24ポむントず倧きい「運茞・保安職」の䞊昇幅は玄4ポむントであるが確信床Aのカバヌ率は$34\%$ず高い逆に「管理職」では小分類でも倧分類合䜵埌でも$60\%$未満で䜎くたた確信床Aのカバヌ率も$0\%$であるこれより「管理職」が付䞎されたコヌドをそのたた甚いるのは危険でありコヌダも十分に泚意する必芁があるただし管理職の出珟率は$0.8\%$で党䜓に及がす圱響は倧きくない\footnote{正解コヌドの出珟床数は「事務職」933事䟋「生産珟堎・技胜職」802事䟋「専門・技術職」788事䟋「販売職」503事䟋「サヌビス職」378事䟋「運茞・保安職」140事䟋「蟲林」32事䟋「管理職」28事䟋の順である}たた「事務職」ず「販売職」も小分類での正解率が$70\%$未満ず䜎く倧分類合䜵埌も$80\%$に達しおいないこれら3぀に共通する特城ずしお職務が明確に限定されおいない職業を倚く含むこずが挙げられるこれは資栌ずの察応や必芁な技胜および職務が明確な「専門・技術職」の正解率が小分類でも高く倧分類合䜵埌にもっずも高くなるこずず察照的である衚~\ref{table14}に倧分類に合䜵埌の正解率を確信床ごずに瀺す小分類レベル衚~\ref{table12}参照ず比范するず倧分類合䜵埌はいずれの確信床も正解率が䞊昇し特に確信床Bでは10ポむント確信床Cでは20ポむント以䞊䞊昇する倧分類に合䜵するず確信床AたたはBが付䞎された事䟋の正解率は十分に高い倀ずなるため自動コヌディングの結果をそのたた利甚するこずが可胜である\begin{table}[t]\caption{倧分類に合䜵埌の確信床別の正解率}\label{table14}\input{04table23.txt}\end{table} \section{システムの利甚方法} 最埌に本システムの利甚方法に぀いお述べる利甚者は3.3節で述べた所定の圢匏の入力ファむルを準備しCSRDAのWebサむトを通じお図~\ref{fg4}に瀺す(1)〜(4)の手続きを行えば自動コヌディングの結果を埗るこずができる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-1ia4f7.eps}\end{center}\caption{Web公開版システム詊行提䟛䞭の利甚手順}\label{fg4}\end{figure}図~\ref{fg4}においおCSRDA自動化システムによる凊理ずは運甚担圓者が行う次の2぀である\begin{itemize}\itemシステムを皌働させお図~\ref{fg2}に瀺す操䜜画面を衚瀺させ図~\ref{fg3}に瀺すように指定堎所に眮かれた入力デヌタファむルず利甚者から垌望のあったコヌドを指定する\item本システムが出力した結果ファむルを指定堎所に眮く\end{itemize}なおCSRDAではセキュリティの点からシステム運甚担圓者は利甚者からの入力ファむルをe-mail等では受けずらずオンラむンストレヌゞ構築パッケヌゞ(Proself)\footnote{https://www.proself.jp/}を介する仕組みずしおいる \section{関連研究} \label{sec:kanren}ここでは韓囜ず米囜における自動化システムに぀いお述べる本システムずの倧きな違いはいずれも瀟䌚孊の研究支揎が目的ではなく職業や産業コヌドそれ自䜓が分析に甚いられる倉数ではないこずたた自動化のアルゎリズムに機械孊習を適甚しおいないこずである韓囜では2008幎に倧韓民囜統蚈庁においおWeb-basedAIOCS(AWeb-basedAutomatedSystemforIndustryandOccupationCoding)が開発された\cite{Jung_et_al08}Web-basedAIOCSはISCOやISICに由来する韓囜独自の職業コヌド442個や産業コヌド450個ぞの倉換を行う自動化のアルゎリズムは文献\cite{Takahashi00,Takahashi_et_al05a}を参考にしながらも凊理時間の問題からSVMは甚いずにルヌルベヌス手法最倧゚ントロピヌ法(MEM)情報怜玢技術(IRT)の3皮類を単独たたは埌の2぀をルヌルベヌス手法ず組み合わせた蚈6皮類が提案されおいるこの䞭で正解率が最も高いのはルヌルベヌス手法MEM,IRTをこの順に実行する方法で$76\%$である利甚方法は䞀問䞀答方匏でWebサむト䞊に䌚瀟名自由回答ビゞネスカテゎリ郚門圹職仕事の内容自由回答を入力するず同䞀画面に結果が衚瀺されるWeb-basedAIOCSにおける入力デヌタは本システムず類䌌するがファむルによる入出力に぀いおは䞍明で\footnote{ファむルによる入出力も可胜であるずの蚘述があるのみで説明がない}利甚も統蚈庁内郚に限定され䞀般に公開されおいない米囜ではこれたでCDCCentersforDiseaseControlandPrevention米囜疟病予防管理センタヌのWebサむト䞊に単語のマッチングを䞻ずするSOIC(StandardizedOccupation\&IndustryCoding)システム\footnote{http://www.cdc.gov/niosh/soic/SOIC.About.html}を公開し利甚者自身が゜フトりェアをダりンロヌドしお凊理を行っおいたSOICは1990幎のセンサス・コヌドに倉換するもので正解率は職業コヌド$75\%$産業コヌド$76\%$で職業コヌドず産業コヌドの䞡方では$63\%$であったCDCでは2000幎以降のセンサス・コヌドに察応するため2013幎にSOICを含むNIOCCS(TheNIOSHIndustry\&OccupationComputerizedCodingSystem)を構築した\footnote{http://wwwn.cdc.gov/niosh-nioccs/}NIOCCSにおける入力デヌタは職業や産業を蚘述したテキストのみでこれは本システムにおける自由回答郚分に該圓する自動化のアルゎリズムはルヌルベヌス手法で単語だけでなく知識に぀いおもデヌタベヌス化したものずのマッチングを行う知識の衚珟圢匏に぀いおの説明はないが本システムにおけるルヌル$\alpha$による凊理に該圓するず考えられるただし本システムではルヌル$\alpha$で決定されたコヌドをチェックするルヌル$\beta$が存圚するのに察しNIOCCSにはこれに該圓するものがないため「埓業䞊の地䜍」や「圹職」「埓業先の事業芏暡」も参照しお総合的か぀慎重な刀断を必芁ずする瀟䌚孊研究のためには厳密さに欠けるNIOCCSにおいおも本システムにおける確信床ず同様に自動コヌディングの結果に3段階(High,Medium,Low)の信頌床を付䞎するが機械孊習を適甚しないためその算出方法が本システムず異なるこずは明らかである\footnote{信頌床を算出するための根拠が䞍明でFrequentlyAskedQuestionsmの回答ずしおHighが$90\%$以䞊Mediumが$70\%$以䞊ずの説明があるだけであるカバヌ率も瀺されおいない}NIOCCSでは䞀問䞀答方匏ずファむルによる入出力が可胜であるSOICず異なり利甚者はシステムをダりンロヌドせずにNIOCCSのアカりントを取埗した䞊で凊理を䟝頌する点は本システムず共通するがマッチングを行うデヌタベヌスを2000幎2002幎2010幎の䞭から遞択できる機胜は本システムにはないものである本システムでは同䞀コヌド䜓系内におけるさたざたな版䟋えばSSM職業コヌドにおいお700番台や800番台のコヌドを含む含たないなどに察応するルヌルや蚓緎事䟋を耇数皮類甚意し利甚者の垌望に応じお版を遞択できる機胜の远加を予定しおいる \section{おわりに} 本皿では瀟䌚孊で掻甚されおいる職業・産業コヌディング自動化システムに぀いお珟圚CSRDAのWebから詊行提䟛されおいるシステムを䞭心に運甚・利甚方法も含めお述べた本システムは囜内囜際暙準の蚈4皮類の職業・産業コヌドぞの倉換を行うが瀟䌚孊においお重芁な職業コヌドの正解率は第3䜍に予枬されたものたで含め囜内暙準コヌドで玄$80\%$囜際暙準では$70\%$〜$75\%$であり正解率の向䞊が今埌の倧きな課題であるこのためもっずも利甚の倚い囜内暙準コヌドに぀いお誀り分析の結果に基づきルヌルベヌス手法におけるルヌルやシ゜ヌラスの芋盎しを行っおいるたたSVMで甚いられる蚓緎事䟋の正解の芋盎しも開始したさらに蚓緎事䟋のサむズを拡倧するため2015SSM調査における職業コヌディングの最終結果が決定された時点でこれを正解付き事䟋ずしお远加する予定である正解率は党䜓では満足できる皋床に高くないが確信床Aが付䞎された堎合は職業・産業のすべおのコヌドにおいお評䟡事䟋に関係なく$94\%$以䞊平均$97\%$で確信床Aを付䞎する有効性が確認できたただしこの堎合のカバヌ率は$1\%$〜$32\%$ず䜎いためカバヌ率の向䞊が今埌の課題である確信床Bや確信床Cが付䞎された堎合の正解率はそれぞれ$70\%$〜$97\%$平均$79\%$$28\%$〜$67\%$平均$42\%$で囜内・囜際に関係なく産業コヌドは職業コヌドを䞊回った瀟䌚孊研究者がもっずもよく利甚するSSM職業コヌドに぀いお実際の利甚状況を想定した倧分類レベルに合䜵するず正解率は第1䜍に予枬されたもので玄$80\%$ずなり確信床Aが付䞎された堎合は$99\%$ずなったたた確信床B,確信床Cが付䞎された堎合の正解率もそれぞれ$87\%$$62\%$ずなったこれより確信床Cが付䞎されない事䟋は本システムの結果をそのたた利甚できる可胜性がある今埌は別の皮類の倧分類に合䜵した堎合に぀いおも同様の調査を行った埌より高床な分析ずしお倚倉量解析に利甚された堎合に぀いおも調査する予定である囜内の瀟䌚孊においお甚いられる職業・産業コヌドは今埌の瀟䌚倉動に䌎いさらなる改倉が予想されるこれは個々のコヌドレベルにずどたらずコヌド䜓系が倉曎される可胜性もある実際SSM職業コヌドではすでにISCOに倣った4桁の階局的なコヌド䜓系が提案されおいる\cite{Miwa11}たたSSM産業コヌドも2015SSM調査ではISICずの関係を重芖しこれたでの倧分類コヌドから䞭分類コヌドに倉曎されたさらにISCOに぀いおも近い将来本システムで甚いたISCO-881988幎版からISCO-082008幎版に移行するこずが予想されこの動きはISICにおいおも同様であるず思われるこのような状況の䞭で新芏のコヌドたたはコヌド䜓系が珟行のものず単玔な察応関係にある堎合は問題ないがそうでない堎合には次のような察応を行う予定であるたずコヌド䜓系が倉曎されずに新芏のコヌドが远加される堎合は必芁に応じおコヌドを決定するルヌルや蚓緎事䟋の正解を修正するその際どの新芏コヌドを甚いるかが調査により異なる可胜性がある堎合にはさたざたな版を甚意し利甚者の垌望に応じお遞択できる機胜が必芁である本機胜は珟圚開発䞭である次にコヌド䜓系が新しく倉曎される堎合はこれに察応する正解付きの事䟋を蓄積し新芏の蚓緎事䟋を生成する必芁がある\cite{Takahashi16}職業・産業コヌディングは倧芏暡調査が終了するたびに正解付きの事䟋が倧量に埗られるずいう利点があるためこの事䟋から蚓緎事䟋を容易に生成するこずができる機胜があれば迅速な察応が可胜になる本機胜はほが完成しおおり本システムぞの远加を予定しおいる\acknowledgment日本版GeneralSocialSurveys(JGSS)は倧阪商業倧孊JGSS研究センタヌ文郚科孊倧臣認定日本版総合的瀟䌚調査共同研究拠点が東京倧孊瀟䌚科孊研究所の協力を受けお実斜した研究プロゞェクトである2005幎SSM調査デヌタの利甚に関しお2015幎SSM調査研究䌚の蚱可を埗た東倧瀟研パネル調査プロゞェクトにおける職業・産業コヌディングの粟床向䞊を目的ずしお職業・産業の自由蚘述デヌタの提䟛を受けた本研究はJSPS科研費25380640の助成を受けた\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{1995幎SSM調査研究䌚}{1995幎SSM調査研究䌚}{1995}]{SSM95}1995幎SSM調査研究䌚\BBOP1995\BBCP.\newblock\Jem{SSM産業分類・産業分類95幎版}.\bibitem[\protect\BCAY{1995幎SSM調査研究䌚}{1995幎SSM調査研究䌚}{1996}]{SSM96}1995幎SSM調査研究䌚\BBOP1996\BBCP.\newblock\Jem{1995幎SSM調査コヌド・ブック}.\bibitem[\protect\BCAY{原}{原}{1984}]{Hara84}原玔茔\BBOP1984\BBCP.\newblock\Jem{瀟䌚調査挔習}.\newblock東京倧孊出版䌚.\bibitem[\protect\BCAY{原}{原}{2013}]{Hara13}原玔茔\BBOP2013\BBCP.\newblock職業自動コヌディング.\\newblock\Jem{瀟䌚ず調査},{\Bbf11},p.3.\bibitem[\protect\BCAY{Joachims}{Joachims}{1998}]{Joachims98}Joachims,T.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTextCategorizationwithSupportVectorMachines:LearningwithManyRelevantFeatures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheEuropeanConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\137--142}.\bibitem[\protect\BCAY{Jung,Yoo,Myaeng,\BBA\Han}{Junget~al.}{2008}]{Jung_et_al08}Jung,Y.,Yoo,J.,Myaeng,S.-H.,\BBA\Han,D.-C.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQAWeb-basedAutomatedSystemforIndustryandOccupationCoding.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonWebInformationSystemsEngineering(WISE-08)},\lowercase{\BVOL}\3518,\mbox{\BPGS\443--457}.\bibitem[\protect\BCAY{Kressel}{Kressel}{1999}]{kressel99}Kressel,U.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQPairwiseClassificationandSupportVectorMachines.\BBCQ\\newblockInSch{\"o}lkopf,B.,Burgesa,C.J.~C.,\BBA\Smola,A.~J.\BEDS,{\BemAdvancesinKernelMethods*SupportVectorLearning},\mbox{\BPGS\255--268}.TheMITPress.\bibitem[\protect\BCAY{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{黒橋\JBAé•·å°Ÿ}{1998}]{Kurohashi98}黒橋犎倫\JBA長尟真\BBOP1998\BBCP.\newblock日本語圢態玠解析システムJUMANversion3.61.\\newblock\JTR,京郜倧孊倧孊院情報孊研究科.\bibitem[\protect\BCAY{䞉茪}{䞉茪}{2011}]{Miwa11}䞉茪哲線\BBOP2011\BBCP.\newblock\Jem{SSM職業分類・産業分類の改定に向けお科孊研究費補助金基盀研究A「珟代日本の階局状況の解明—ミクロ--マクロ連結からのアプロヌチ」研究成果報告曞別冊}.\bibitem[\protect\BCAY{倧阪商業倧孊比范地域研究所・東京倧孊瀟䌚科孊研究所}{倧阪商業倧孊比范地域研究所・東京倧孊瀟䌚科孊研究所}{2005}]{JGSS05}倧阪商業倧孊比范地域研究所・東京倧孊瀟䌚科孊研究所\BBOP2005\BBCP.\newblock\Jem{日本版GeneralSocialSurveys基瀎集蚈衚・コヌドブックJGSS-2003}.\bibitem[\protect\BCAY{Sebastiani}{Sebastiani}{2002}]{Sebastiani02}Sebastiani,F.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQMachineLearningAutomatedTextCategorization.\BBCQ\\newblock{\BemACMComputingSurveys},{\Bbf34}(1),\mbox{\BPGS\1--47}.\bibitem[\protect\BCAY{盛山}{盛山}{2004}]{Seiyama04}盛山和倫\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{瀟䌚調査法入門}.\newblock有斐閣.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2000}]{Takahashi00}高橋和子\BBOP2000\BBCP.\newblock自由回答のコヌディング支揎に぀いお—栌フレヌムによるSSM職業コヌディング自動化システム—.\\newblock\Jem{理論ず方法},{\Bbf15}(1),\mbox{\BPGS\149--164}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2002a}]{Takahashi02a}高橋和子\BBOP2002a\BBCP.\newblock職業・産業コヌディング自動化システムの掻甚.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚論文集},\mbox{\BPGS\491--494}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2002b}]{Takahashi02b}高橋和子\BBOP2002b\BBCP.\newblockJGSS-2000における職業・産業コヌディング自動化システムの適甚.\\newblock\Jem{日本版GeneralSocialSurveys研究論文集JGSSで芋た日本人の意識ず行動東京倧孊瀟䌚科孊研究所資料第20集},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\171--184}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2003}]{Takahashi03}高橋和子\BBOP2003\BBCP.\newblockJGSS-2001における職業・産業コヌディング自動化システムの適甚.\\newblock\Jem{日本版GeneralSocialSurveys研究論文集2JGSSで芋た日本人の意識ず行動東京倧孊瀟䌚科孊研究所資料第21集},{\Bbf2},\mbox{\BPGS\179--191}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2008}]{Takahashi08}高橋和子\BBOP2008\BBCP.\newblock機械孊習によるISCO自動コヌディング.\\newblock\Jem{2005幎SSM調査シリヌズ12瀟䌚調査における枬定ず分析をめぐる諞問題},{\Bbf12},\mbox{\BPGS\53--78}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2011}]{Takahashi11}高橋和子\BBOP2011\BBCP.\newblockISCO自動コヌディングシステムの分類粟床向䞊に向けお—SSMおよびJGSSデヌタセットによる実隓の結果—.\\newblock\Jem{JGSSResearchSeriesNo.8:日本版総合的瀟䌚調査共同研究拠点研究論文集11},{\Bbf11},\mbox{\BPGS\193--205}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋}{高橋}{2016}]{Takahashi16}高橋和子\BBOP2016\BBCP.\newblock\Jem{職業・産業コヌディング自動化システム平成25〜27幎床科孊研究費補助金基板研究(C)「瀟䌚調査の基盀を提䟛する自動コヌディグシステムのWeb提䟛その囜際化ず汎甚化」}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA須山\JBA村山\JBA高村\JBA奥村}{高橋\Jetal}{2005a}]{Takahashi_et_al05b}高橋和子\JBA須山敊\JBA村山玀文\JBA高村倧也\JBA奥村孊\BBOP2005a\BBCP.\newblock職業コヌディング支揎システム(NANACO)の開発ずJGSS-2003における適甚.\\newblock\Jem{日本版GeneralSocialSurveys研究論文集4JGSSで芋た日本人の意識ず行動},{\Bbf4},\mbox{\BPGS\225--242}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA高村\JBA奥村}{高橋\Jetal}{2005b}]{Takahashi_et_al05c}高橋和子\JBA高村倧也\JBA奥村孊\BBOP2005b\BBCP.\newblock機械孊習ずルヌルベヌス手法の組み合わせによる自動職業コヌディング.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\3--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Takahashi,Takamura,\BBA\Okumura}{Takahashiet~al.}{2005}]{Takahashi_et_al05a}Takahashi,K.,Takamura,H.,\BBA\Okumura,M.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticOccupationCodingwithCombinationofMachineLearningandHand-CraftedRules.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thInternationalConferenceonPacific-AsiaKnowledgeDiscoveryandDataMining(PAKDD'05)},\lowercase{\BVOL}\3518,\mbox{\BPGS\269--279}.\bibitem[\protect\BCAY{Takahashi,Takamura,\BBA\Okumura}{Takahashiet~al.}{2008}]{Takahashi_et_al08}Takahashi,K.,Takamura,H.,\BBA\Okumura,M.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQDirectEstimationofClassMembershipProbabilitiesforMulticlassClassificationusingMultipleScores.\BBCQ\\newblock{\BemKnowledgeandInformationSystems},{\Bbf19}(2),\mbox{\BPGS\185--210}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA田蟺\JBA吉田\JBA魏\JBA李}{高橋\Jetal}{2013a}]{Takahashi_et_al13a}高橋和子\JBA田蟺俊介\JBA吉田厇\JBA魏倧比\JBA李偉\BBOP2013a\BBCP.\newblock確信床付き職業・産業コヌディング自動化システムの開発ず公開.\\newblock\Jem{数理瀟䌚孊䌚第55回倧䌚報告芁旚集},\mbox{\BPGS\38--41}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA田蟺\JBA吉田\JBA魏\JBA李}{高橋\Jetal}{2013b}]{Takahashi_et_al13b}高橋和子\JBA田蟺俊介\JBA吉田厇\JBA魏倧比\JBA李偉\BBOP2013b\BBCP.\newblockWeb版職業・産業コヌディング自動化システムの開発.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚論文集},\mbox{\BPGS\769--772}.\bibitem[\protect\BCAY{高橋\JBA倚喜\JBA田蟺}{高橋\Jetal}{2016}]{Takahashi_et_al16}高橋和子\JBA倚喜匘文\JBA田蟺俊介\BBOP2016\BBCP.\newblock職業コヌディング自動化システム利甚に関する評䟡—瀟䌚階局研究を事䟋に—.\\newblock\Jem{数理瀟䌚孊䌚第61回倧䌚報告芁旚集},\mbox{\BPGS\31--36}.\bibitem[\protect\BCAY{Takahashi,Taki,Tanabe,\BBA\Li}{Takahashiet~al.}{2014}]{Takahashi_et_al14}Takahashi,K.,Taki,H.,Tanabe,S.,\BBA\Li,W.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQAnAutomaticCodingSystemwithaThree-GradeConfidenceLevelCorrespondingtotheNational/InternationalOccupationandIndustryStandard:OpentothePublicontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thInternationalConferenceonKnowledgeEngineeringandOntologyDevelopment(KEOD2014)},\mbox{\BPGS\369--375}.\bibitem[\protect\BCAY{高村}{高村}{2010}]{Takamura10}高村倧也\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{自然蚀語凊理シリヌズ1蚀語凊理のための機械孊習入門}.\newblockコロナ瀟.\bibitem[\protect\BCAY{田蟺}{田蟺}{2006}]{Tanabe06}田蟺俊介\BBOP2006\BBCP.\newblockISCOずSSM職業分類の盞違点の怜蚎—囜際比范調査における職業デヌタに関する研究ノヌト—.\\newblock\Jem{瀟䌚孊論考},{\Bbf27},\mbox{\BPGS\47--68}.\bibitem[\protect\BCAY{田蟺}{田蟺}{2008}]{Tanabe08}田蟺俊介\BBOP2008\BBCP.\newblockSSM職業分類ずISCO-88の比范分析.\\newblock\Jem{2005幎SSM調査シリヌズ12005幎SSM日本調査の基瀎分析—構造・趚勢・方法—},{\Bbf1},\mbox{\BPGS\31--45}.\bibitem[\protect\BCAY{蜟\JBA杉野}{蜟\JBA杉野}{2013}]{Todoroki_et_al13}蜟亮\JBA杉野勇\BBOP2013\BBCP.\newblock\Jem{入門瀟䌚調査法}.\newblock法埋文化瀟.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{高橋和子}{東京女子倧孊文理孊郚数理孊科卒2007幎東京工業倧孊倧孊院総合理工孊研究科博士課皋修了1993幎千葉敬愛短期倧孊専任講垫1997幎敬愛倧孊囜際孊郚専任講垫2001幎同助教授2008幎より同教授博士工孊蚀語凊理孊䌚数理瀟䌚孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員\\}\vspace{-0.5\Cvs}\bioauthor{倚喜匘文}{2005幎同志瀟倧孊文孊郚瀟䌚孊科卒瀟䌚孊専攻2011幎同倧孊倧孊院瀟䌚孊研究科瀟䌚孊科博士埌期課皋修了2012幎東京倧孊瀟䌚孊研究所助教2014幎法政倧孊瀟䌚孊郚瀟䌚孊科専任講垫2016幎より同准教授博士瀟䌚孊日本瀟䌚孊䌚囜際瀟䌚孊䌚日本教育瀟䌚孊䌚数理瀟䌚孊䌚各䌚員\\}\vspace{-0.5\Cvs}\bioauthor{田蟺俊介}{1999幎東京郜立倧孊人文孊郚卒瀟䌚孊専攻2005幎同倧孊倧孊院瀟䌚科孊研究科瀟䌚孊専攻博士課皋単䜍取埗退孊2007幎東京倧孊瀟䌚科孊研究所助教2009幎同准教授2013幎より早皲田倧孊文孊孊術院准教授博士瀟䌚孊日本瀟䌚孊䌚数理瀟䌚孊䌚アメリカ瀟䌚孊䌚各䌚員\\}\vspace{-0.5\Cvs}\bioauthor{李偉}{2015幎東京工業倧孊倧孊院理工孊研究科博士課皋単䜍取埗退孊2016幎株匏䌚瀟シヌビヌ゚ヌゞャパン入瀟\\}\end{biography}\biodate\end{document}
V06N04-01
\section{はじめに} 照応関係の理解は統語的・意味的レベルの問題であるずずもに談話レベルの問題でもあり照応衚珟ずその先行詞をどのように同定するかは蚀語理論にずっおも~\cite{sag}~\cite{tsujimura:1996}~\cite{imanishi:1990}工孊的な談話理解システムを構築する䞊でも重芁な課題である~\cite{nakaiwa:1996}~\cite{murata:1997a}~\cite{tanaka:1979}本皿では日本語の照応衚珟に぀いお発芋的ストラテゞヌheuristicstrategyが照応関係理解のプロセスでどのように関䞎するのかに぀いお心理蚀語孊的実隓を通しお考察する \section{人間の照応関係理解} \subsection{照応理解モデル}英語の照応関係理解に関しお行われおきおいるさたざたな実隓結果に基づいお~\cite{abe:1994}は照応関係理解過皋のモデル化を詊みおいる圌らは代名詞および名詞句による照応れロ代名詞に察するモデルを提案しおいるがそれらに共通したプロセスは抂ね次の図~\ref{fig:process}に瀺す通りである\begin{figure}[t]\begin{center}\epsfile{file=5.eps,height=88mm}\end{center}\caption{照応関係理解のプロセス}\label{fig:process}\end{figure}圌らは珟圚のモデルはただただ䞍十分であるずしおいるが筆者はこうしたモデルをさらに粟緻化するずいう意味で特に次のような問題を解決する必芁があるず考える\begin{itemize}\item制玄条件の蚭定がどのようなメカニズムで行われるのか\\先行文脈照応衚珟を取り巻く文脈から埗られる統語的情報や意味的情報が照応理解のプロセスにおいおい぀どのように利甚されるのかたた先行文脈が照応関係の候補決定および照応解決に察しおい぀どのような圱響を及がすのかに぀いおさらに調査する必芁がある\item照応関係の決定がい぀行われるのか\\指瀺察象があいたいな照応衚珟が認定された時点で即時的に指瀺察象が仮に決定されるのか文末あるいは以埌の凊理たで留保されお決定が遅れるのかを明らかにする必芁がある\item指瀺候補の遞択はどのようなメカニズムで行われるのか\\照応衚珟の指瀺察象候補が耇数ある堎合その候補からの遞択に働く原理を明確にする必芁がある\end{itemize}\footnotetext[1]{ここでいう「意味凊理」ずは照応衚珟をずりたく文脈の意味凊理を指す}\subsection{研究課題}本皿では照応衚珟の指瀺察象候補が耇数ある堎合に䞊蚘モデルの「制玄条件の蚭定」および「指瀺候補の遞択」がどのようなメカニズムで展開するのかに焊点を圓おお以䞋の点に぀いお考察する\begin{itemize}\item文脈によっお芏定される「䞻題」(topic)ずいう抂念が指瀺察象の候補絞り蟌みにどのような圱響を及がすのか\item日本語の代名詞の指瀺察象を同定するプロセスにおいおも英語に察しお提案されおいる発芋的ストラテゞヌである「䞻語割圓方略」SubjectAssignmentStrategyや「平行機胜方略」ParallelFunctionStrategyが甚いられるのか\end{itemize} \section{䞻題割圓方略(TopicAssignmentStrategy} \subsection{英語の照応関係における「䞻題」の圹割}代名詞の照応衚珟に関しお文文法レベルにおける統語的制玄だけでは代名詞ずその指瀺察象先行詞ずの間にある照応関係を説明するのに十分ではないそこで䞻題などの機胜構文論的な抂念を導入した説明がなされるこずがある理論的にも照応関係を決定する䞀぀の芁因ずしお䞻題ずいう抂念が倧きな圹割を果たしおいるこずが䞻匵されおいる~\cite{takami:1997}~\cite{takami:1987}~\cite{kanzaki:1994}䟋えば~\cite{takami:1997}は䞻題の抂念を甚いお次のような文の適栌性を説明するこずができるずしおいる\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(1)&a.John$i$tookoutMarytodinnerwhenhe$i$wenttoBoston.\\&b.$*$He$i$tookoutMarytodinnerwhenJohn$i$wenttoBoston.\\(2)&a.Whenhe$i$wenttoBoston,John$i$tookoutMarytodinner.\\&b.WhenJohn$i$wenttoBoston,he$i$tookoutMarytodinner.\\\end{tabular}\vspace{-2mm}\begin{flushright}\cite{takami:1997}\end{flushright}(1a)が適栌であるのは䞻節の䞻語であるJohnが同時に䞻題であるからであるそれに察しお(1b)では䞻節の䞻語が䞻題ではあるが代名詞になっおいるため䞍適栌ずなる蚀い換えるず䞻節が埓属節に先行する堎合代名詞が䞻節の䞻語になるこずはできないずころが(2b)が適栌であるのは埓属節ず䞻節が意味䞊独立した等䜍節ずしお解釈されJohnが意味䞊この文党䜓の䞻題ずしお解釈されるためであるずしおいる\subsection{日本語の照応関係における「䞻題」の圹割}蚀語類型論的な芳点から芋るず英語などの蚀語は「䞻語卓立蚀語」(subjectprominentlanguage)であり䞭囜語などは「䞻題卓立蚀語」(topicprominentlanguage)であり日本語はどちらの芁玠も倚く持っおいるず蚀われおいる~\cite{huang:1984}~\cite{li:1976}~\cite{kanzaki:1994}日本語には䞻題を瀺す暙識である助詞「は」がありもし助詞の情報が利甚されるずすれば日本語などの䞻題卓立の芁玠をもった蚀語には(3)に瀺す「䞻題割圓方略」ずでも蚀うべきストラテゞヌが利甚されるず仮定するこずができる\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(3)&䞻題割圓方略TopicAssignmentStrategy;TAS\\&代名詞には先行する文脈の䞭で「䞻題」である指瀺察象を割り圓およ\\\end{tabular}\vspace{3mm}次の䟋文を芋られたい\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(4)&a.倪郎が先週の金曜日健倪を殎りそしお圌は慌おお逃げた\\&b.倪郎は先週の金曜日健倪を殎りそしお圌は慌おお逃げた\\\end{tabular}\vspace{3mm}日本語では栌助詞「が」は䞻語を衚すのに察しお「は」は䞻題を衚すず蚀われおいる(4a)では文頭名詞句「倪郎」に「が」が付䞎されおいるこずから䞻語であるこずが瀺され埌続の「圌」ず同䞀指瀺的ずなっおいるたた(4b)では文頭名詞句「倪郎」に䞻題を瀺す「は」が付䞎されおおり埌続の「圌」ず照応が可胜であるこのような珟象などから\cite{kanzaki:1994}は(5)のような䞀般化を行っおいる\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(5)&文䞭の代名詞の照応\\&代名詞は話題\footnotemark[2]になっおいる句(節)の䞭の同䞀名詞句ず照応が可胜である\end{tabular}\vspace{3mm}\footnotetext[2]{「䞻題」「話題」ずは\cite{halliday:1985}の定矩に埓えば䞻題が文頭にくる芁玠であるのに察しお話題は必ずしも文頭にある必芁はないしたがっお䞻題は話題の䞀郚ずみなすこずができこの点を陀いおはほが同矩ず考えるこずができるしかし特にここでは厳密な区別は必芁ないので本皿では「䞻題」ずいう甚語を甚いるこずにする}䞻芁郚埌眮型蚀語(head-finallanguage)である日本語では文理解プロセスにおいお「助詞」が重芁な圹割を果たしそれが担う情報が利甚されおいる人間の文理解プロセスにおいおは䞻題を瀺す暙識である「は」ず䞻語を瀺す「が」の盞違が圱響を及がすず考えられるたたれロ代名詞の照応関係に぀いおも䞻題ずいう抂念が重芁な圹割を果たしおいるず考えられる\cite{takami:1997}は(6a)ず(6b)に芋られる文の適栌性の違いを䞻題ずいう抂念を甚いお説明しおいる\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(6)&a.$\phii$䌚瀟から垰ったずき父$i$は青い顔をしおいた\\&b.$*\phii$䌚瀟から垰ったずき父$i$が青い顔をしおいた\\\end{tabular}\vspace{3mm}(6a)が適栌であるのは「父」が䞻題を衚す「は」でマヌクされおいるため埓属節のれロ代名詞の先行詞ずも解釈されるからであるそれに察しお(6b)は「父」が䞭立叙述を衚す「が」でマヌクされおおりこの文には䞻題が明瀺されおいないこのような堎合埓属節のれロ代名詞の先行詞は通䟋話し手ず解釈される\subsection{Nagata(1991,1995)の実隓}日本語の照応理解に関する心理蚀語孊的実隓はそれほど倚くないがここでは日本語の照応関係理解の「䞻語の優䜍性」を䞻匵しおいる~\cite{nagata:1991}~\cite{nagata:1995}を取り䞊げその成果ず問題点に぀いお簡単に述べるこずにする~\cite{nagata:1991}では日本語の再垰代名詞「自分」が䞻語名詞句ず間接目的語のいずれも先行詞ずしうる統語的曖昧文を甚いおProbeRecognitionTaskを行ったプロヌブ語は再垰代名詞の盎埌か文末で呈瀺される\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(7)&倪郎$i$は花子$j$に自分$i/j$の家族の話ばかりされた\\\end{tabular}\vspace{3mm}(7)では統語的には「自分」は䞻語の「倪郎」も目的語の「花子」も先行詞ずしおずり埗るしかしプロヌブ語を呈瀺する䜍眮に関係なく文の䞻語名詞句が呈瀺された堎合の方が間接目的語を呈瀺した堎合よりも刀断時間が短いこずから䞻語の優䜍性を䞻匵しおいるさらに~\cite{nagata:1995}では日本語の再垰代名詞「自分」が䞻節䞻語ず埓属節䞻語のいずれも先行詞ずしうる統語的曖昧文を䜜成しどちらを先行詞ずするかに぀いお(8)のようなlogophoric文ずnon-logophoric文を甚いお同様の実隓を行った(8a)では䞻節の動詞は個人の芖点や思考感情意識の状態を反映する動詞であり再垰代名詞の指瀺察象は曖昧であるこのようなタむプの束瞛特性を含む文はlogophoric文ず呌ばれるそれに察しお(8b)では指瀺察象の曖昧さは芋られないこのような文はnon-logophoric文ず呌ばれる\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(8)&a.先生$i$は生埒$j$が自分$i/j$の誀りを芋぀けたずすぐに察した\\&b.先生$i$は生埒$j$が自分$*i/j$の誀りを芋぀けたずきすぐにほめた\\\end{tabular}\vspace{3mm}このような文を甚いた堎合はプロヌブ語を呈瀺する䜍眮に関係なく埓属節䞻語よりも䞻節䞻語が呈瀺された堎合の方が刀断時間が速い傟向が芋られたこの傟向は(8b)のように䞻節䞻語が先行詞ずしお䞍適切な堎合にも芋られたこずから䞻節䞻語の優䜍性を䞻匵したこのように英語における先行研究で指摘された「䞻語の優䜍性」が日本語でも確認されたず䞻匵されおいるが~\cite{nagata:1991}~\cite{nagata:1995}で甚いられた実隓刺激文は䞻語名詞句が「は」でマヌクされおおり指瀺察象候補を蚭定する段階で「䞻題の優䜍性」が圱響しおいる可胜性があるそこで䞻語の優䜍性ず䞻題の優䜍性ずを区別する実隓を行った\subsection{心理蚀語孊実隓}本皿の以䞋の節では次に瀺すような心理蚀語孊実隓の結果を報告する\vspace{-4mm}\subsubsection{被隓者}日本語を母語ずする倧孊生18名\vspace{-4mm}\subsubsection{実隓方法}\vspace{-2mm}実隓課題は以䞋に述べるSelf-PacedReadingTaskおよびProbeRecognitionTaskの皮類を甚意した被隓者は実隓の目的に぀いおの説明を受けた埌Self-PacedReadingTaskの緎習詊行を行った埌テスト問題を行い続いおProbeRecognitionTaskの緎習詊行を行った埌テスト問題をそれぞれ行った以䞋にそれぞれのTaskに぀いお詳述する\begin{itemize}\itemSelf-PacedReadingTask\\実隓文および内容理解を確認するQ\&Aはすべおコンピュヌタの画面䞊に文節ごずに呈瀺した最初に実隓手順を説明した埌実隓に慣れるための緎習を行った実隓では初期画面には「準備ができたら䜕かキヌを抌しお䞋さい」ずいう指瀺が数秒出おおり被隓者がスペヌス・キヌを抌すず画面䞭倮に*****マヌクが数秒間呈瀺されこの䜍眮に実隓文が呈瀺されるこずを瀺す実隓文はすべお文節ごずに呈瀺され被隓者の自己のペヌスで読み進めるに぀れお前の文節は消えおいく文の呈瀺が終わるず内容理解を確認するQ\&Aが珟れ被隓者は遞択肢の数字キヌ1たたは2を抌し最埌にリタヌン・キヌを抌すず぀の詊行が終了するQ\&Aは照応衚珟の先行詞を尋ねる問題でたずえば「〜したのは誰ですか倪郎健倪」ずいうような圢匏になっおいる被隓者はなるべく速く正確に読むようにか぀内容を理解するこずがもっずも倧切であるず蚀われたコンピュヌタには各被隓者の文節ごずの読解時間Q\&Aの遞択した解答および反応時間が自動的に蚘録された\itemProbeRecognitionTask\\実隓文の呈瀺方法はSelf-PacedReadingTaskず同じく文節ごずに自己のペヌスで読み進めるが文の途䞭で本実隓では代名詞の盎埌同じ画面にプロヌブ語タヌゲットぞの手がかりが呈瀺されその語が文䞭に存圚しおいたかどうかを刀断するプロヌブ語は代名詞が指瀺察象ずする人名である心理孊実隓における反応結果ここではプロヌブ語の刀断時間の䞀方がもう䞀方に比べお速い堎合速い方の人名が脳内で掻性化されおいるのではないかず解釈するこずができる~\cite{abe:1994}\end{itemize}\subsection{実隓照応理解における䞻題割圓方略}本実隓では3.2節の(3)に瀺した「䞻題割圓方略」ずいう発芋的ストラテゞヌが日本語の照応理解のプロセスで甚いられるのかどうかに぀いお怜蚌する\subsubsection{実隓刺激文}衚\ref{table:exam1s}に実隓で甚いられる刺激文の䟋を瀺したそれぞれ(a)の文は䞻語名詞句に助詞「が」が付䞎されおおり(b)の文は䞻語名詞句に助詞「は」が付䞎されおいるこのような基準でセット䜜成したなお文䞭の▲はProbeRecognitionTaskにおけるプロヌブ語の珟れる䜍眮を衚す\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{実隓1で甚いる刺激文}\label{table:exam1s}\begin{tabular}{cl}\hline(9)&a.倪郎$i$が花子に[健倪$j$が自分$i/j$を▲批刀した]ず蚀った\\&b.倪郎$i$は花子に[健倪$j$が自分$i/j$を▲批刀した]ず蚀った\\(10)&a.倪郎$i$が花子に[健倪$j$が自分自身$i/j$を▲批刀した]ず蚀った\\&b.倪郎$i$は花子に[健倪$j$が自分自身$i/j$を▲批刀した]ず蚀った\\(11)&a.倪郎$i$が[健倪$j$が自分$i/j$の車で▲東京ぞ行った]ず思っおいる\\&b.倪郎$i$は[健倪$j$が自分$i/j$の車で▲東京ぞ行った]ず思っおいる\\(12)&a.倪郎$i$が[健倪$j$が自分自身$i/j$の車で▲東京ぞ行った]ず思っおいる\\&b.倪郎$i$は[健倪$j$が自分自身$i/j$の車で▲東京ぞ行った]ず思っおいる\\(13)&a.倪郎$i$が先週の金曜日健倪$j$を殎りそしお圌$i/j$は▲次郎を殎った\\&b.倪郎$i$は先週の金曜日健倪$j$を殎りそしお圌$i/j$は▲次郎を殎った\\(14)&a.倪郎$i$が先週の金曜日健倪$j$を殎りそしお次郎は圌$i/j$を▲殎った\\&b.倪郎$i$は先週の金曜日健倪$j$を殎りそしお次郎は圌$i/j$を▲殎った\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{結果の予枬}それぞれの刺激文においお「が」を甚いた(a)の文よりも「は」を甚いた(b)の文でQ\&A反応においお「倪郎」を照応衚珟の先行詞ずしお割り圓おる反応が倚ければTASが甚いられおいるこずになるたた「が」を甚いた(a)の文よりも「は」を甚いた(b)の文でProbeRecognitionの刀断時間が短かければTASが甚いられおいるこずになる\subsubsection{結果ず考察}衚\ref{table:exam1r}にSelf-PacedReadingTaskにおける読解時間・Q\&A反応結果およびProbeRecognitionTaskにおける刀断時間(ms)PRT反応ず略蚘を瀺す\begin{itemize}\itemSelf-PacedReadingTask\\照応衚珟の先行詞を刀断するQ\&Aでは「は」が付䞎された堎合その反応率が増加する傟向が芋られた特に,(10)のように先行詞ずしお同䞀節内の名詞句をずる傟向の匷い「自分自身」に察しおも「は」による逆転が芋られたただ,(12)においおはむしろ「倪郎(は)」を先行詞ずする反応が枛少したがこれは「自分自身」がさらに深く名詞句の䞭にある「自分自身の車」こずが圱響した可胜性がある「が」が付䞎された名詞句よりも「は」が付䞎された名詞句で読解時間がかかる傟向が芋られ分散分析を行った結果それぞれの刺激文においお䞡者の間に有意差が芋られた(10a-b):$F(1,17)=11.214,p<0.05$;(11a-b):$F(1,17)=14.461,p<0.01$;(12a-b):$F(1,17)=143.831,p<0.01$;(13a-b):$F(1,17)=17.235,p<0.01$;(14a-b):$F(1,17)=5.612,p<0.05$この傟向は助詞「は」のも぀情報が利甚されおいるこずを瀺しおいるず考えられる\itemProbeRecognitionTask\\「が」を含む(a)の文では文によっおばら぀きが芋られ「健倪」の方が刀断時間が速い堎合もあるそれに察しお(a)の文に比べお「は」を含む(b)の文では䞀貫しおプロヌブ語ずしお「倪郎」が呈瀺された堎合の方が刀断時間が速かったこれらの結果は䞻題を衚す「は」の情報が利甚され照応理解のプロセスでTASが利甚されおいるこずを瀺しおいる\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{実隓1の結果}\label{table:exam1r}\begin{tabular}{|rl|r|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{読解時間}&\multicolumn{2}{c|}{Q\&A反応}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{実隓文}&倪郎がは&照応衚珟&倪郎&健倪&倪郎&健倪\\\hline(9)a&倪郎が\ldots自分を\ldots&14.77&21.60&13&5&1507&2272\\b&倪郎は\ldots自分を\ldots&17.37&17.15&17&1&1372&1547\\(10)a&倪郎が\ldots自分自身を\ldots&13.23&16.07&7&11&1598&1488\\b&倪郎は\ldots自分自身を\ldots&17.77&21.89&10&8&1367&1482\\(11)a&倪郎が\ldots自分の\ldots&13.07&28.65&3&15&1477&1488\\b&倪郎は\ldots自分の\ldots&17.07&19.65&8&10&1303&1627\\(12)a&倪郎が\ldots自分自身の\ldots&14.43&18.68&5&13&1513&1528\\b&倪郎は\ldots自分自身の\ldots&19.15&22.38&4&14&1340&1485\\(13)a&倪郎が\ldots圌は\ldots&13.36&12.48&12&6&1397&1888\\b&倪郎は\ldots圌は\ldots&17.34&12.19&13&5&1360&1400\\(14)a&倪郎が\ldots圌を\ldots&12.84&10.98&11&7&1445&1817\\b&倪郎は\ldots圌を\ldots&15.21&14.66&14&4&1323&1898\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{䞻語割圓方略および平行機胜方略} 実隓では照応衚珟の解釈に䞻題の効果があるこずを芋た次に英語における心理蚀語孊的実隓に基づいお提案されおいる他の発芋的ストラテゞヌが日本語の照応関係理解のプロセスで利甚されるかどうかに぀いお考察する\subsection{照応理解における䞻語割圓方略および平行機胜方略}英語における心理蚀語孊的実隓で「発芋的ストラテゞヌ」ずしお提案されおいるものに䞻語割圓方略SubjectAssignmentStrategyず平行機胜方略ParallelFunctionStrategyず呌ばれるものがあるこれらのストラテゞヌは抂略次のようなものである\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(15)&䞻語割圓方略SubjectAssignmentStrategy;SAS\\&代名詞がいかなる文法的䜍眮にあっおもそれには\\&先行する節䞭の䞻語䜍眮にある名詞句の解釈を付䞎\\&せよ\\(16)&平行機胜方略ParallelFunctionStrategy;PFS\\&代名詞には先行する節䞭で代名詞ず同じ文法的䜍\\&眮にある名詞句の解釈を付䞎せよ\\\end{tabular}\vspace{3mm}これらのストラテゞヌをめぐっお様々な心理蚀語孊的実隓が行われおきおいる~\cite{crawly:1990}CrawlyらはSASずPFSのどちらが利甚されおいるかに぀いお実隓を行った\vspace{3mm}\begin{tabular}{cl}(17)&a.JohnhitBillandheranaway.\\&b.JohnhitBillandMarykickedhim.\\\end{tabular}\vspace{3mm}圌らは(17a)の代名詞のみならず(17b)のような文においおも目的語代名詞には前節の䞻語名詞句を割り圓おるずいう結果からSASを支持する結果が埗られたずしたたた性別の手がかりがある堎合には䞡者のストラテゞヌ間には差が芋られないこずから発芋的ストラテゞヌの䜿甚は他に決定的な手がかりが存圚しない堎合に限られるずした䞀方~\cite{smyth:1994}はparallelな統語構造を持っおいる文ではPFSの䜿甚が促進されそれ以倖の構造においおはSASが促進されるこずを瀺したたたこれらのストラテゞヌは他の手がかりが存圚しないずきに掻甚されるこずも瀺したこのように英語に関する先行研究では矛盟する結果が埗られおいるので日本語の堎合に぀いお実隓を行うこずにした\subsection{実隓}本実隓では指瀺察象が曖昧な代名詞を甚いお日本語の照応理解のプロセスでSASあるいはPFSずいったストラテゞヌが甚いられるのかたた甚いられるずしたらSASかそれずもPFSなのかに぀いお調査する\subsubsection{実隓刺激文}衚\ref{table:exam2as}に実隓で甚いられる刺激文を瀺した実隓文には等䜍接続詞「そしお」によっお接続された第節の䞻語が代名詞の堎合䞻語代名詞条件ず目的語が代名詞の堎合目的語代名詞条件を蚭定した第節には同姓の人の人物が登堎し第節䞭の代名詞は人の人物のいずれも指瀺するこずが可胜であるなお文䞭の▲はProbeRecognitionTaskにおけるプロヌブ語の珟れる䜍眮を衚す\vspace{-3mm}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{実隓2で甚いる刺激文}\label{table:exam2as}\begin{tabular}{cl}\hline(18)&「が」䞻語代名詞\\&a.倪郎が健倪を殎りそしお圌は▲次郎を殎った\\&「が」目的語代名詞\\&b.倪郎が健倪を殎りそしお次郎は圌を▲殎った\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{-3mm}\subsubsection{結果の予枬}いずれのストラテゞヌが甚いられおも(18a)の「圌」は先行節の「倪郎」が指瀺察象ずしお優先されるこずが予枬されるそれに察しお(18b)ではSASが甚いられれば「倪郎」がPFSが甚いられば「健倪」を指瀺察象ずしお遞択するこずが予枬されるこれらはSelf-PacedReadingTaskのQ\&A反応およびProbeRecognitionTaskの反応時間から刀断するこずができるPRT反応では(18a)ではいずれのストラテゞヌを甚いた堎合でも「倪郎」の方が「健倪」に比べお反応時間が速いはずであるしかし(18b)ではSASが甚いられればプロヌブ語ずしお「倪郎」が呈瀺された方がPFSが甚いられれば「健倪」が呈瀺された方が反応時間が速いこずが予枬される\subsubsection{結果ず考察}衚\ref{table:exam2ar}にSelf-PacedReadingTaskにおける読解時間(Q\&A反応結果およびProbeRecognitionTaskにおける刀断時間(ms)PRT反応を瀺す\begin{itemize}\itemSelf-PacedReadingTask\\刺激文(18a-b)では前節の䞻語を先行詞ずする傟向が芋られたこの傟向は䞻語代名詞の堎合だけでなく目的語代名詞の堎合にも芋られたこずからSASを支持する結果が埗られた\itemProbeRecognitionTask\\たず(18a)では「健倪」(1032ms)よりも「倪郎」(930ms)がプロヌブ語ずしお呈瀺された堎合の方が刀断時間が速く䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=5.318,p<0.05$しかし(18b)ではこれずは逆の傟向が芋られ「倪郎」(770ms)よりも「健倪」(684ms)がプロヌブ語ずしお呈瀺された堎合の方が刀断時間が速く䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=16.878,p<0.01$\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{実隓2の結果}\label{table:exam2ar}\begin{tabular}{|rl|r|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{読解時間}&\multicolumn{2}{c|}{Q\&A反応}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{実隓文}&倪郎がは&照応衚珟&倪郎&健倪&倪郎&健倪\\\hline(18)a&倪郎が\ldots圌は\ldots&13.58&12.71&15&3&930&1032\\b&倪郎が\ldots圌を\ldots&12.71&12.83&17&1&770&684\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}以䞊のこずをたずめるずたずSelf-PacedReadingTaskにおけるQ\&A反応では照応衚珟の先行詞を前節の䞻語ずする反応が倚いこずからSASを利甚しおいるものず考えられるしかし(18b)に぀いおは実隓課題による結果の盞違が芋られたSelf-PacedReadingTaskにおけるQ\&A反応では「倪郎」を先行詞ずする反応が倚いがProbeRecognitionTaskでは「倪郎」に比べお「健倪」の方が刀断時間が速く照応衚珟が珟れた時点では被隓者の脳内で「健倪」が掻性化され「健倪」を先行詞ずしおいるこずが分かる぀たり埌者の実隓課題ではPFSを支持する結果が埗られたこうした䞍䞀臎は次のような理由によるものず考えられるSelf-PacedReadingTaskにおけるQ\&Aは䞀文を読み終えた埌に行われるため文末以降の文凊理を反映しおおり意味凊理や文脈凊理が行われた結果が反映しおいるず考えるこずができるしたがっおSelf-PacedReadingTaskの結果からは぀ねにSASが䜿甚されるず断定するこずはできず提瀺される文の意味内容によっおはPFSを支持する結果が埗られる可胜性もあるためどちらのストラテゞヌが甚いられるかを決定するのに有効な実隓課題ではなかった䞀方ProbeRecognitionTaskは照応衚珟が珟れた時点で先行詞ずしお䜕が掻性化されおいるかずいうリアルタむムでの凊理を反映しおいるそうするず照応衚珟の䜍眮では(18b)のような目的語代名詞の堎合には前節の目的語が暫定的に先行詞ずしお割り圓おられおいるず考えるこずができオンラむンではPFSが甚いられおいるこずになる \section{発芋的ストラテゞヌ間の盞互関係} 実隓では日本語の照応理解プロセスで「䞻題圹割方略」が甚いられるこずをたた実隓ではparallelな構造をも぀文では「平行機胜方略」が甚いられるこずを瀺す結果が埗られたしかし䞡者のストラテゞヌの関係は明らかになっおいない぀たりこの぀のストラテゞヌが競合する堎合どちらか䞀方が優先的に利甚されるずいうこずがあるのだろうかたたこれたで埗られた結果に぀いお他のストラテゞヌが関䞎しおいる可胜性はないのだろうか\subsection{その他の発芋的ストラテゞヌ}英語の照応理解では前節で觊れた「䞻語割圓方略」「平行機胜方略」以倖にもさたざたなストラテゞヌが提案されおいる䟋えば次のようないわゆる知芚䞊のストラテゞヌがある\vspace{3mm}\begin{flushleft}\begin{tabular}{cl}(19)&ファヌストメンション効果firstmentioneffect;FM\\&文の最初に蚀及された人物を代名詞の指瀺察象ずしお割り圓およ\end{tabular}\end{flushleft}\begin{flushright}\vspace{-2mm}~\cite{gernsbacher:1988}\end{flushright}\vspace{-2mm}\begin{flushleft}\begin{tabular}{cl}(20)&近接効果recencyeffect;RE\\&代名詞に最も近い䜍眮に珟れた人物をその代名詞の指瀺察象ずしお割り圓およ\\\end{tabular}\end{flushleft}\vspace{3mm}これたでの実隓で䞻題を衚す「は」でマヌクされた語が代名詞の先行詞ずしお解釈される堎合は(19)のストラテゞヌが利甚されお最初に蚀及した人物を割り圓おおいるずも考えられるたたparallelな構造をも぀文で目的語代名詞の堎合には先行する節の目的語が代名詞の先行詞ずしお解釈される珟象は(20)のストラテゞヌが利甚されおいる可胜性もある日本語の照応理解においおも以䞊のようなストラテゞヌが働く可胜性があるのでこれらの知芚䞊のストラテゞヌずの関係に぀いお怜蚎する必芁がある\subsection{予備実隓}耇数のストラテゞヌが競合する堎合利甚されるストラテゞヌに優先床があるのかどうかに぀いお詳现に調査する前に予備実隓を行った\subsubsection{実隓刺激文}実隓で取り䞊げた刺激文(18)は第節には䞻語を瀺す「が」を甚いた文であったがそれを䞻題を衚す「は」に眮き換えた刺激文(19)を甚いお比范実隓を行った予備実隓で甚いた䟋文を衚\ref{table:exam2bs}に瀺すなお参照の煩雑さを避けるため刺激文(18)を再床掲茉する\vspace{-3mm}\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{実隓2で甚いる刺激文}\label{table:exam2bs}\vspace{-2mm}\begin{tabular}{cl}\hline(18)&「が」䞻語代名詞\\&a.倪郎が健倪を殎りそしお圌は▲次郎を殎った\\&「が」目的語代名詞\\&b.倪郎が健倪を殎りそしお次郎は圌を▲殎った\\(19)&「は」䞻語代名詞\\&a.倪郎は健倪を殎りそしお圌は▲次郎を殎った\\&「が」目的語代名詞\\&b.倪郎は健倪を殎りそしお次郎は圌を▲殎った\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{-3mm}\subsubsection{結果の予枬}刺激文(18)ではPRT反応時間を枬定した結果䞻語代名詞の堎合には第節の䞻語を目的語代名詞の堎合には第節の目的語を提瀺した方が反応時間が速かったこずからオンラむンではPFSが利甚されおいるこずが分かったこれに察しお刺激文(19)では次のような予枬が成り立぀䞻語代名詞の(19a)ではPFSが甚いられおもTASが甚いられおもプロヌブ語ずしお提瀺される「健倪」に比べお「倪郎」の反応時間が速いこずが予枬されるしかし目的語代名詞の(19b)では「健倪」の反応時間が速ければPFSが甚いられたこずになり「倪郎」の反応時間が速ければTASが甚いられたこずになる\subsubsection{結果ず考察}実隓結果を衚~\ref{table:exam2br}に瀺す䞻題を瀺す「は」を甚いた刺激文(19a)では「健倪」1192msよりも「倪郎」747msがプロヌブ語ずしお呈瀺された堎合の方が刀断時間が速く䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=18.635,p<0.01$たた(19b)でも同様の傟向が芋られ(18b)ずは逆に「健倪」1062msよりも「倪郎」888msがプロヌブ語ずしお呈瀺された堎合の方が刀断時間が速く䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=6.231,p<0.05$すなわち(18a-b)ず(19a-b)の間には利甚されるストラテゞヌに違いが芋られたがこれはPFSずTASが競合する堎合TASが優先的に利甚されたず考えられる予備実隓の結果いく぀かのストラテゞヌが競合する堎合いずれかのストラテゞヌが優先しお利甚される可胜性があるこずが分かった\begin{table}\begin{center}\caption{実隓2の結果}\label{table:exam2br}\begin{tabular}{|rl|r|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{読解時間}&\multicolumn{2}{c|}{Q\&A反応}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{実隓文}&倪郎がは&照応衚珟&倪郎&健倪&倪郎&健倪\\\hline(18)a&倪郎が\ldots圌は\ldots&13.58&12.71&15&3&930&1032\\b&倪郎が\ldots圌を\ldots&12.71&12.83&17&1&770&684\\(19)a&倪郎は\ldots圌は\ldots&12.42&17.24&16&2&747&1192\\b&倪郎は\ldots圌を\ldots&12.82&15.00&18&1&888&1062\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{実隓3}実隓ではSASあるいはPFSずTASが競合する堎合どれが優先的に利甚されるか぀いお人間の知芚䞊のストラテゞヌであるFM,REの圱響ずあわせお調査する\subsubsection{実隓刺激文}衚\ref{table:exam3s}に実隓で甚いられる刺激文を瀺した前節ず埌節がパラレルな構造をも぀ように実隓文を䜜成した(a)を基本圢ずしお語順のかき混ぜscramblingによっお文法項の䜍眮を操䜜し前節の目的語を前眮した文(b)さらに前眮した目的語を䞻題化した文(c)を䜜成した実隓文(22),(23)さらに(22a-b),(22a-b)の「が」を「は」に眮き換えお(24a-b),(25a-b)を䜜成したなお文䞭の▲はProbeRecognitionTaskにおけるプロヌブ語の珟れる䜍眮を衚す\begin{table}[htbp]\caption{実隓3で甚いる刺激文}\label{table:exam3s}\begin{center}\begin{tabular}{cl}\hline(22)&䞻語代名詞\\&a.倪郎が健倪を殎ったそしお圌は▲逃げおいった\\&䞻語代名詞目的語前眮\\&b.健倪を倪郎が殎ったそしお圌は▲逃げおいった\\&目的語前眮䞻題化\\&c.健倪は倪郎が殎ったそしお圌は▲逃げおいった\\(23)&目的語代名詞\\&a.倪郎が健倪を殎ったそしお次郎は圌を▲殎った\\&目的語代名詞目的語前眮\\&b.健倪を倪郎が殎ったそしお次郎は圌を▲殎った\\&目的語前眮䞻題化\\&c.健倪は倪が殎ったそしお次郎は圌を▲殎った\\(24)&䞻語代名詞\\&a.倪郎は健倪を殎ったそしお圌は▲逃げおいった\\&䞻語代名詞目的語前眮\\&b.健倪を倪郎は殎ったそしお圌は▲逃げおいった\\(25)&目的語代名詞\\&a.倪郎は健倪を殎ったそしお次郎は圌を▲殎った\\&目的語代名詞目的語前眮\\&b.健倪を倪郎は殎ったそしお次郎は圌を▲殎った\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsubsection{結果の予枬}䞻語代名詞を含む(22)ではSASに埓えばいずれの堎合も代名詞の盎埌では「健倪」に比べお「倪郎」の反応時間が速いこずが予枬されるしかしTASに埓えば(22b),(22c)では「倪郎」に比べお「健倪」の反応時間が速くなるこずが予枬される目的語代名詞を含む(23)ではSASに埓えばいずれの堎合も代名詞の盎埌では「健倪」に比べお「倪郎」の反応時間が速いこずが予枬されるがPFSに埓えば(21a-b)では「健倪」の反応時間が速いこずが予枬されるしかし(22a)ず(23b)(24a)ず(25b)の間にそれぞれ反応時間の差が芋られないはずである\subsubsection{結果ず考察}衚\ref{table:exam3r}にSelf-PacedReadingTaskにおける読解時間・Q\&A反応結果およびProbeRecognitionTaskにおける刀断時間(msec)(PRT反応)を瀺す\vspace{0.5cm}\begin{itemize}\itemSelf-PacedReadingTask\\「が」を甚いた文のうち䞻語代名詞の刺激文(22)では(22a-c)のいずれの堎合にも代名詞には「倪郎」を割り圓おる傟向が芋られた目的語代名詞の刺激文(23)でも同様の傟向が芋られ(23a-c)のいずれの堎合にも代名詞には「倪郎」を割り圓おる傟向が芋られたたた「は」に眮き換えた文(24),(25)でも同様の傟向が芋られたこのこずはSASを支持する結果ずいえる\itemProbeRecognitionTask\\しかしProbeRecognitionTaskの結果では(22a)ではプロヌブ語ずしお「倪郎」(940ms)が呈瀺された堎合の方が「健倪」(981ms)が呈瀺された堎合よりも刀断時間が速いが(22b)ではプロヌブ語ずしお「健倪」(945ms)が呈瀺された堎合の方が「倪郎」(1063ms)が呈瀺された堎合よりも刀断時間が速く(22c)でも同様の傟向が芋られた目的語代名詞の(23)の堎合(23a)ではプロヌブ語ずしお「健倪」(1094ms)が呈瀺された堎合の方が「倪郎」(1238ms)が呈瀺された堎合よりも刀断時間が速く(23b)(23c)でも同様の傟向が芋られた(23a)に芋られた傟向から照応衚珟が珟れた䜍眮ではPFSが利甚されおいる可胜性がある\end{itemize}\begin{table}\vspace{-6mm}\begin{center}\caption{実隓3の結果}\label{table:exam3r}\begin{tabular}{|rl|r|r|r|r|r|r|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{読解時間}&\multicolumn{2}{c|}{Q\&A反応}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}\\\hline\multicolumn{2}{|c|}{実隓文}&倪郎がは&照応衚珟&倪郎&健倪&倪郎&健倪\\\hline(22)a&倪郎が健倪を\ldots圌は&15.17&19.87&12&6&940&981\\b&健倪を倪郎が\ldots圌は&12.08&24.24&11&7&1630&945\\c&健倪は倪郎が\ldots圌は&12.62&16.48&11&7&1234&840\\(23)a&倪郎が健倪を\ldots圌を&17.04&24.51&14&4&1238&1094\\b&健倪を倪郎が\ldots圌を&14.22&13.75&16&2&1448&1280\\c&健倪は倪郎が\ldots圌を&18.55&16.65&18&0&1020&727\\(24)a&倪郎は健倪を\ldots圌は&15.34&15.78&18&0&990&1006\\b&健倪を倪郎は\ldots圌は&14.05&15.30&15&3&1030&1417\\(25)a&倪郎は健倪を\ldots圌を&17.58&16.46&16&2&1013&1188\\b&健倪を倪郎は\ldots圌を&15.57&15.10&18&0&904&1106\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\vspace{0.5cm}TASの圱響やRE,FMの圱響などの関係に぀いおさらに詳现に比范怜蚎をおこなう衚〜衚14には比范怜蚎する文のそれぞれに぀いおPRT反応(ms)およびそれぞれの差が瀺されおいるなおPRT反応の䞋に瀺したストラテゞヌは圓該の反応時間がもう䞀方に比べお速い堎合にそのストラテゞヌが機胜しおいるず考えられるこずを瀺しおいる\vspace{-0.3cm}\begin{itemize}\itemREずSASが競合する堎合\\たずREずSASのいずれのストラテゞヌが甚いらるか怜蚎するREは(22a)でも(24a)でもより近い䜍眮にある「健倪」の反応時間が速いこずを」予枬するがSASはいずれの堎合も「倪郎」の反応時間が速いこずを予枬する衚\ref{table:ptr}にその結果を瀺したPRT反応時間(ms)を比范した結果(22a)では「健倪」よりも「倪郎」の刀断時間が速くREよりもSASが優䜍であるこずを瀺しおいる(24a)でも同様の傟向が芋られたが「倪郎は」は䞻語でもあり䞻題でもあるのでREよりもSAS,TASが優䜍であるこずを瀺しおいる党䜓ずしおはSASがREよりも優䜍なストラテゞヌであるず蚀える\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:ptr}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(22)a&倪郎が健倪を\ldots圌は&940&981&+41\\&&SAS&RE&\\\hline(24)a&倪郎は健倪を\ldots圌は&990&1006&+16\\&&SAS,TAS&RE&\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\itemFMずTASが競合する堎合\\次にFMずTASが競合する堎合に぀いお怜蚎しよう「健倪を」を文頭に移動した文に぀いおは(22b)では「倪郎」よりも「健倪」の刀断時間が速くSASよりもFM効果が優䜍であるこずを瀺しおいる(衚\ref{table:fmtas})同様の語順で「倪郎は」に眮き換えた(22b)では逆に「健倪」よりも「倪郎」の刀断時間が速くなったこずからFMよりもSAS,TASが優䜍であるず考えられるこれらの間にはそれぞれ有意差が芋られた(22b):$F(1,17)=209.503,p<0.01;(22b):F(1,17)=35.338,p<0.01$(22b)ず(22b)を比范するず「倪郎」ず「健倪」の刀断時間に逆転珟象が芋られたこずからTASがFMよりも優䜍なストラテゞヌであるず蚀える(22b)ず(22b)の間には「倪郎」および「健倪」の刀断時間に有意差が芋られた「倪郎」:$F(1,17)=108.532,p<0.01;$「健倪」:$F(1,17)=70.503,p<0.01$\end{itemize}\begin{table}\vspace{-5mm}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:fmtas}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(22)b&健倪を倪郎が\ldots圌は&1630&945&-685\\&&SAS&FM&\\\hline(22)b&健倪を倪郎は\ldots圌は&1030&1417&+38\\&&SAS,TAS&FM&\\\hlineå·®&&-600&+472&+1072\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\itemPFSずTASが競合する堎合\\次に目的語が代名詞ずなっおいる堎合の「が」ず「は」を比范する(衚~\ref{table:pfstas})「が」を甚いた(23a)では「倪郎」に比べお「健倪」の方が刀断時間が速くSASよりもPFSが甚いられおいる可胜性がある䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=6.801,p<0.01$しかし同様の語順で「倪郎は」に眮き換えた(25a)では逆に「健倪」よりも「倪郎」の方が刀断時間が速くなったこずからPFSよりもTASが優䜍であるず考えられる䞡者の間には有意差が芋られた$F(1,17)=5.389,p<0.01$\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:pfstas}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(23)a&倪郎が健倪を\ldots圌を&1238&1094&-168\\&&SAS&PFS&\\\hline(23)a&倪郎は健倪を\ldots圌を&1013&1188&+175\\&&SAS,TAS&PFS&\\\hlineå·®&&-225&+94&+319\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\itemPFS・SASずTASが競合する堎合\\(23b)では「倪郎」よりも「健倪」の刀断時間が速くSASよりもPFSが優䜍である可胜性がある(衚\ref{table:pfssastas})ただし「健倪」は文法機胜目的語においおは「圌」ずparallelであるが語順はparallelではないので玔粋なPFSが働いおいるかどうかは怜蚎の䜙地がある「倪郎は」に眮き換えた(23b)では「健倪」よりも「倪郎」の刀断時間が速くなったこずからPFSよりもSAS,TASが優䜍であるず考えられる(23b)では「倪郎」ず「健倪」の刀断時間の間に有意差が芋られた$F(1,17)=11.611,p<0.01$(23b)に比べお(25b)ではプロヌブ語が「倪郎」ず「健倪」のいずれの堎合にも刀断時間が速くなる傟向が芋られたこずからTASが圱響しおいるず蚀える(25b)ず(25b)の間では「倪郎」の刀断時間に有意差が芋られた$F(1,17)=34.414,p<0.01$\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:pfssastas}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(23)a&健倪を倪郎が\ldots圌を&1448&1280&-168\\&&SAS&PFS?&\\\hline(25)a&健倪を倪郎は\ldots圌を&904&1106&+202\\&&SAS,TAS&PFS?&\\\hlineå·®&&-544&-174&+370\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\itemFMずTASが競合する堎合\\目的語「健倪を」を文頭に移動した(22b)は䞊述した通りSAS効果よりもFMが優䜍であるこずを瀺す結果が埗られたさらに䞻題化しお「健倪は」ずした(22c)でも同様の傟向が芋られたこずからSASよりもFM,TASが優䜍であるず考えられる(22c)では「倪郎」ず「健倪」の刀断時間の間に有意差が芋られた$F(1,17)=12.191,p<0.01$プロヌブ語が「健倪」の堎合(22b)よりも(22c)の方で刀断時間が短くなったこずからTASがその差を瞮めたず蚀える(衚~\ref{table:fmtas2})\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:fmtas2}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(22)b&健倪を倪郎が\ldots圌は&1630&945&-685\\&&SAS&FM&\\\hline(22)c&健倪は倪郎が\ldots圌は&1234&840&-396\\&&SAS&FM,TAS&\\\hlineå·®&&-396&-105&+289\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\begin{itemize}\itemFMずPFSずTASが競合する堎合\\最埌に(23b)では䞊述した通りSASよりもPFSが優䜍である可胜性を瀺す結果が埗られた(23c)でも同様の傟向が芋られこのこずはSASよりもFM,PFS,TASが優䜍であるこずを瀺しおいる衚\ref{table:fmpfstas}(23c)では「倪郎」ず「健倪」の刀断時間の間に有意差が芋られた$F(1,17)=9.592,p<0.01$プロヌブ語が「健倪」の堎合(23b)よりも(23c)の方で刀断時間が短くなったこずからTASがその差を瞮めたず蚀えるこれらの間には有意差が芋られた$F(1,17)=41.179,p<0.01$\end{itemize}\begin{table}\begin{center}\caption{ProbeRecognitionTaskにおける平均刀断時間}\label{table:fmpfstas}\begin{tabular}{|r|l|c|c|c|}\hline\multicolumn{2}{|c|}{}&\multicolumn{2}{c|}{PRT反応(ms)}&\\\hline&実隓文&倪郎&健倪&å·®\\\hline(23)b&健倪を倪郎が\ldots圌を&1448&1280&-168\\&&SAS&FM,PFS&\\\hline(25)c&倪郎は健倪が\ldots圌を&1020&727&-293\\&&SAS&FM,TAS&\\\hlineå·®&&-428&-553&-125\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}以䞊の結果からこれらの結果からSASPFSなどのストラテゞヌずTASが競合する堎合TASが優先的に利甚されるず蚀えるたた知芚䞊のストラテゞヌであるREやFMなどの効果よりもTASが優䜍なストラテゞヌであるず蚀える \section{たずめず今埌の課題} 本皿では日本語の照応理解のプロセスにおいおいく぀かの発芋的ストラテゞヌが関䞎しおいるこずを芋おきた日本語の実隓ではparallelな構造を持぀文ではPFSが利甚されるこずが分かったたた英語のような「䞻語卓立蚀語」ずは異なり日本語ではSASあるいはPFSずTASが競合する堎合むしろTASが利甚されるこずが明らかになった぀たりこのこずはTASが他の発芋的ストラテゞヌよりもより優䜍な立堎にあるストラテゞヌであるこずを瀺唆するものであるこれは日本語が「䞻題卓立蚀語」の性質をもっおいるこずを瀺しおいる今埌は文脈情報ずの盞互䜜甚など照応関係の理解に圱響を及がすず思われる芁因を考慮しTASの優䜍性をさらに調査したいたた統語的制玄意味的制玄ず発芋的ストラテゞヌずの盞互関係に぀いおも考察したい\acknowledgment本皿の執筆にあたり倚くの貎重なご助蚀を賜った本皿査読者および倧阪倧孊の郡叞隆男教授(珟圚神戞束蔭女子孊院倧孊)䞉藀博助教授に深謝いたしたすたた有益なコメントを䞋さった倧阪倧孊倧孊院蚀語文化研究科の蚀語工孊研究䌚の諞氏にも感謝いたしたすなお本皿に残る誀怍や間違いはすべお筆者の責任である\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n4_01}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{暪川博䞀}{1994幎京郜教育倧孊倧孊院教育孊研究科修士課皋修了1996幎倧阪倧孊倧孊院蚀語文化研究科博士前期課皋修了1999幎同倧孊院蚀語文化研究科博士埌期課皋単䜍取埗満期退孊珟圚京郜教育倧孊京郜倖囜語倧孊非垞勀講垫心理蚀語孊応甚蚀語孊の研究に埓事関西英語教育孊䌚事務局長党囜英語教育孊䌚理事蚀語凊理孊䌚日本認知科孊䌚語孊ラボラトリヌ孊䌚倧孊英語教育孊䌚日本児童英語教育孊䌚などの䌚員}\bioreceived{受付}\vspace{-2mm}\biorevised{再受付}\vspace{-2mm}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V16N04-05
\section{はじめに} 近幎の科孊技術の進展にずもない工孊知は幟䜕玚数的に増倧したがその䞀方で工孊教育の珟堎においおは孊生が自分の興味に合わせお講矩・挔習を遞ぶこずが非垞に困難な状況になっおいる䟋えば東京倧孊工孊郚では玄900の講矩が開講されおおり孊科の枠を越えた講矩の履修が可胜であるが講矩の遞択に察する十分な知識が埗られる状況ずは蚀い難い孊生にずっおはa)自分の興味がどの講矩によっお教授されるか講矩の怜玢b)その講矩を受けるために習埗すべき講矩は䜕か講矩間関連の同定等を埗るこずが望たしいたた教員も同様に講矩党䜓の効率化のために講矩内容の重耇や講矩の抜けを知る必芁があり総じお講矩の党䜓像を俯瞰し各講矩間の関連性を知るこずが非垞に重芁ずなるこうした問題に察し我々は先より異なる分野における知識を効率的に抜出しか぀埗られた知識間の関連性から浮かび䞊がる新たな知の掻甚を支揎する「知の構造化」に関する研究開発を進めおきた\cite{Inproc_Mima_2006a,Article_Mima_2006b,Inproc_Yoshida_2007}「知の構造化」の䞻たる目的は知識を分析し可芖化技術により知の内容を明瞭にするこずでi)知識党䜓の構造を明らかにしii)知識の関連から隠れた知識や新たな知識を発芋するiii)知識の集䞭ず抜けを発芋するさらにはこれらによる知識の掻甚ず再利甚性を促すこずにある以䞊のような知の構造化の工孊教育分野における実践ずしお以䞋の目暙を達成するために工孊知およびカリキュラムの構造化ず可芖化に取り組んでいる\noindent\textgt{・セルフオリ゚ンテヌション可胜なシステムの構築}カリキュラムの党䜓像を構造化し可芖化するこずによっお孊生が孊ぶこずの盞察的䜍眮付けを理解し進むべき道を自ら指向できるようにする\noindent\textgt{・テヌラヌメむド教育の実珟}様々な異なるキャリアの孊生に察しお倚様なコヌス䞭から個々の目的に応じた最適なカリキュラムを効果的に提瀺するこれらの目暙を達成するために1)キヌワヌド怜玢によるアプロヌチおよび2)課題志向によるアプロヌチずいう二぀のアプロヌチでこの問題に察する取り組みを進め既に孊生ぞのサヌビス提䟛を行っおいる通垞キヌワヌド怜玢によるアプロヌチは有甚性が高く匷力な怜玢胜力を提䟛可胜であるが専門的知識の乏しい初孊者にずっおは適切な怜玢キヌワヌドを芋぀けだすこずが難しいずいう問題があるその䞀方Yahoo!等のむンタヌネット怜玢サむトでのディレクトリ怜玢に盞圓する課題志向によるアプロヌチではあらかじめ「環境」「゚ネルギヌ」等の孊科の枠に捕らわれない課題に即しお講矩を階局的に分類しそれらの取捚遞択により最終的な講矩の遞別が可胜ずなるため個別の科目に関する知識をそれほど必芁ずせずに各孊生の興味のある課題にあわせお講矩を怜玢するこずができるずいう利点がある双方共に䞀長䞀短があるが教逊課皋から専門課皋に枡る孊生の倚様なニヌズに応えるためにもキヌワヌド入力ず課題志向の䞡面から講矩を構造化・可芖化するこずが孊生ぞのサヌビス提䟛ずいう点からも重芁であるキヌワヌド入力からのアプロヌチずしお東京倧孊工孊郚ではMIMASearchシラバス構造化システムずしお既に孊生に向けサヌビスを提䟛しおいる本システムの特城は講矩内容以䞋シラバスのテキストを自然蚀語凊理技術により自動的に構造化し可芖化技術を利甚するこずで孊生ずの柔軟なむンタフェヌスを提䟛するこずにある孊郚孊生倧孊院生を察象ずした過去3幎に枡るアンケヌト調査の結果や幎々のアクセス数の䌞び等を始めずし怜玢の効率化等に察する良奜な評䟡を埗おいるなおMIMASearchに関する詳现は\cite{Inproc_Mima_2006a,Web_MIMA_Search}にあるため本皿では割愛する䞀方課題志向によるアプロヌチに関しおも埓来人手により課題別にシラバスを分類し構造化可芖化を行うこずで同様のサヌビスを提䟛しおおり先ず同様孊生からの良奜な評䟡を埗おいるしかしながら課題志向によるアプロヌチでは埓来の孊科や進孊コヌス単䜍での蚀わば分野内でのシラバス分類ず異なり倚くの堎合に分野の枠を越えたシラバスの分類が芁求される特に近幎急速に発展し぀぀ある「バむオテクノロゞヌ」「ナノテクノロゞヌ」「環境」「゚ネルギヌ」等の分野では孊際的耇合的融合的な方法で研究開発が行なわれおおりこれらの分類に関しおはより広範囲の知識を必芁ずするさらには「地球枩暖化」「環境資源の枯枇」「持続可胜な瀟䌚」等孊科のみならず孊郚の枠組みを超えた講矩や知識の぀ながりをずらえるこずが必芁な課題も存圚するその䞀方で近幎の工孊知の増倧ず现分化により講矩を受け持぀各教員が俯瞰的な芖点から自身の講矩を䜍眮付けるこずが困難な状況にあるずいえる䟋えば東京倧孊工孊郚の2008幎床シラバスにおいお「事前履修」「䞊行履修」「事埌履修」ずいう関連講矩を蚘述する項目があるが入力された関連講矩のうち玄34\%の蚘述に誀りがあり関連講矩をたどるこずできない状態にあるこれらの倚くはカリキュラムの再線によっお既に開講されおいない講矩名を参照しおいたり曖昧な蚘述のたたずなっおいるこずが原因ず芋られるが各教員が講矩の党䜓像を把握しシラバス間の関連を蚘述するこずが必ずしも容易ではないこずを瀺しおいるず思われる以䞊のように孊際的な研究が増加し課題志向別にシラバスを俯瞰する必芁性が高たっおいる䞀方で各教員は孊問分野の増倧・现分化により俯瞰的な芖点からシラバスを蚘述するこずが困難な状況にあるしたがっお客芳的・俯瞰的に課題志向別にシラバスを構造化するためには工孊知を俯瞰し分類するこずができる専門の人員が必芁ずなるそこで東京倧孊倧孊院工孊系研究科では珟圚数名の専門の教員が人手によりシラバスを粟査し分類䜜業を行っおいる\cite{Web_Kadaisikou}しかし幎床毎に曎新されるシラバスに察しお人手による分類を毎幎続けおいくこずは倧きなコストず時間を芁するよっおこの䜜業を可胜な限り自動化し効率的な手法を開発するこずが非垞に重芁な課題ずなるそこで本研究では課題志向によるシラバス構造化のアプロヌチに関しシラバス分類を半自動化するシステムを提案する本システムの特城は埓来党おの工皋を人手による手䜜業で行っおいたシラバス分類に察しその䞀郚を蚀語凊理による特城抜出及び機械孊習による自動分類を利甚するこずで党䜓の䜜業工皋を短瞮するこずにある以䞋本皿ではこれら課題志向によるシラバス構造化アプロヌチずしお我々のグルヌプで取り組んでいる課題志向別シラバス分類構造化システムに぀いおシステム構成実装及びテストデヌタを利甚した実隓評䟡を亀えお解説する \section{関連研究} 近幎倧孊における掻動状況を内倖ぞ呚知する目的でWebを利甚した情報公開が進んでおりInformationCommunicationTechnology(ICT)を掻甚した教育の䞀環ずしおシラバスの電子化ず公開が倚くの倧孊で取り組たれおいるさらにシラバスの公開から䞀歩すすんでMITをはじめずする䞻芁倧孊におOpenCourseWare(OCW)ずいう講矩ずその関連資料をむンタヌネット䞊に公開する取り組みもはじたっおいる\citeC{Web_OCW,Web_JOCW}たた䞀郚の倧孊ではシラバスを可芖化するシステムに関する研究・開発が行われおいる\cite{Article_Miyoshi_2006}これらのシステムでは講矩間の関連性を可芖化するこずによっお孊生が自ら履修蚈画を立おたり倚様なコヌス䞭から最適なキャリアパスを自ら指向するこずを目指しおいるが珟段階では比范的単玔な可芖化ずいう段階にずどたっおおりより深くシラバスを分析し構造化するこずが求められおいるシラバスの分類支揎に関する研究\cite{Article_Miyazaki_2005}ではナヌザ支揎のためには分類の根拠ずなった玠性甚語を含めた圢でナヌザぞ情報提瀺するこずが重芁であるず指摘されおおり通垞の文曞分類においお䞀般的に利甚されおいるサポヌトベクタヌマシン(SVM)や確率モデルがナヌザ支揎には向かないこずが議論されおいる珟時点では分類の刀定根拠を明確にする目的においおはSVMに比べお決定朚\cite{Inproc_Lewis_1994}等の手法のほうが有望であるず考えられるが近幎の研究ではSVMにおいおも刀定根拠の説明を行おうずする詊みが行われおいる\cite{Inproc_Itabashi_2008}尚本システムでは分類粟床の芳点からSVMを分類噚ずしお遞択したが分類の根拠を明瀺する目的においお可芖化時に玠性甚語を提瀺する等の工倫を行っおおり修正䜜業者からは修正に有益な情報であるずの評䟡を埗おいるしかしながらより倧芏暡の察象に察する分類・修正の堎合は\cite{Inproc_Itabashi_2008}ず同様の手法の導入も怜蚎する必芁があろう䞀方システム䞊は分類噚を倉曎できるようモゞュラリティを確保しお蚭蚈を行っおおり今埌の研究の進展および技術発展等を怜蚎し぀぀他の分類手法ぞ倉曎に柔軟に察応できるように実装を行っおいるたた本研究のようにあらかじめ課題を蚭定しお分類しようずするトップダりン型ではなくボトムアップ型の分類手法ずしお文曞クラスタリングによりシラバスを分類する研究も行われおいる\cite{Article_Nozawa_2005}文曞クラスタリングは分析の切り口が定たっおいない状況での分類や新たなカテゎリの発芋には有甚であり東京倧孊工孊郚においおもMIMASearchシラバス分類システム\cite{Inproc_Mima_2006a,Web_MIMA_Search}を開発し孊生に向けたサヌビスを提䟛しおいるたた孊生を䞻䜓ずしたボトムアップ型アプロヌチずしおフォヌク゜ノミヌを甚いた講矩遞択知識の抜出の詊みも行われおいる\cite{Inproc_Nishijima_2008}ただし孊生の芳点からの分類が孊生ぞの教育にずっお必ずしも適圓ずは限らないこず䟋えば単䜍取埗の容易さによる分類等や実際にサヌビスを行う際には孊生ぞのむンセンティブ付䞎の問題や䞍適切な内容の削陀に必芁なコスト等怜蚎すべき課題は倚い䞀方高等教育機関における教育内容・方法等の改善のための組織的な取り組みファカルティディベロップメントFDの制床化が近幎急速に進展しおおり教員の教育力向䞊のためにICTを掻甚したFDの実斜が求められおいる\cite{Techrep_NIME_2008}この点からもシラバスを構造化し党䜓を俯瞰するこずによっお講矩内容の重耇や抜けを発芋しFDの実斜に資するこずが期埅されおいるただICT掻甚教育の導入の際のデメリットずしお「システムやコンテンツを䜜成維持するための人員が䞍足しおいるこず」が最も高いず報告されおいるように\cite{Techrep_NIME_2008}シラバスを構造化するためには通垞人手によりあらかじめシラバスを分析・分類・敎理する必芁がありこれは倧きな人的コストず時間を必芁ずするしたがっおこの䜜業を可胜な限り自動化し効率的な手法を開発するこずが非垞に重芁な課題ずなる \section{システム構成} 図\ref{fig:system_overview}に本システムの構成を瀺す本システムではあらかじめ分類されたシラバスの情報をもずに未分類のシラバスを半自動的に各カテゎリに分類するこずを目的ずする以䞋に各コンポヌネントの抂芁を述べる\noindent\textgt{・特城抜出自動甚語認識}入力されたシラバスに察しお圢態玠解析および自動甚語認識を行いシラバス䞭から特城を抜出するなお本システムではシラバス䞭の「科目名」「講矩の目的」「理解すべき事項」「前提事項」「応甚先」「事前履修」「䞊行履修」「事埌履修」を察象ずしお名詞および甚語の抜出を行うこずずした関連研究で取り䞊げた文献\cite{Article_Miyazaki_2005}で報告されおいるようにナヌザ支揎を目的ずした分類システムでは分類の根拠ずなった甚語を含めた圢でナヌザぞ情報提瀺するこずが重芁である本システムでも同様の理由により分類の根拠をナヌザに明確にする目的でシラバス䞭に含たれる甚語を次項で述べるC/NC-value甚語認識を利甚しお抜出を行い可芖化の際に利甚するこずで可胜な限りナヌザに提瀺する\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f1.eps}\end{center}\caption{課題志向別シラバス分類システムの構成}\label{fig:system_overview}\end{figure}\noindent\textgt{・C/NC-value甚語抜出}本システムでは機械孊習・分類のための玠性の䞀郚ずしおC/NC-value甚語認識技術\cite{Article_Mima_2000}を基にした甚語の自動認識を利甚しおいるC/NC-value手法はテキストを入力ずし蚀語的な知識ず統蚈的な解析の䞡者を耇合的に利甚するこずで耇数の語からなる甚語を自動抜出する手法であるたずC-value手法では圢態玠のパタヌンず甚語の察象ドメむンにおける出珟頻床さらには甚語のネスティングに関する性質に泚目しスコア付けを行うこずで甚語の高粟床な自動認識を行うここでネスティングずは「乱数系列」ず「疑䌌乱数系列」の関係のようなある甚語がさらに長いたずたりの甚語に含たれおいる状態包含関係を瀺す具䜓的な手順ずしおはたず察象テキストを圢態玠解析し以䞋のようなパタヌンによっおフィルタリングを行う\clearpage\begin{quote}\begin{verbatim}[Filter1]Noun{2,}䟋疑䌌乱数系列仮想関数[Filter2](Prefix|Adv)(Noun|Adj|Suffix)+Noun+䟋党二重接続非同期通信[Filter3]PrefixNoun+Suffix䟋未定矩型再初期化\end{verbatim}\end{quote}䞊蚘のフィルタヌによっお察象テキスト䞭から文字列を切り出しこれを甚語の候補ずする次に甚語の候補それぞれの察象テキスト䞭における出珟頻床を蚈算しさらにこの出珟頻床から単語のネスティングに関する性質を利甚しお以䞋の匏によりC-valueを算出する\[C-value(a)=\begin{cases}\log_{2}|a|\cdotf(a)&\text{$a$がネストしおいない堎合}\\\log_{2}|a|\Bigl(f(a)-\frac{1}{P(T_a)}\sum_{b\inT_a}f(b)\Bigr)&\text{$a$がネストしおいる堎合}\end{cases}\]ここで\begin{quote}$a$は甚語の候補$|a|$は甚語の候補$a$の長さ圢態玠の個数$f(.)$は察象テキスト䞭の出珟頻床$T_a$は$a$を含む抜出された甚語の候補の集合$P(T_a)$は䞊蚘集合の芁玠数\end{quote}であるたたNC-value手法では候補ずなる甚語の実際の文章䞊でのコンテキスト前埌の文脈䞭にある語圙ずの共起の情報を甚いお甚語ずしおの確からしさ(termhood)の指暙を求め求たった指暙を基に候補ずなる甚語の再順序づけを行う本手法は日英䞡蚀語のテキストに察しお甚語抜出の実隓評䟡が行われおおり䞡蚀語共に高い粟床の認識が行える蚀語非䟝存性や異なる分野に察しおも同手法で比范的高粟床な甚語抜出が可胜なドメむン非䟝存性を持぀こずを特城ずするこの性質は本皿で提案する分野を越えお関連する講矩を抜出するずいう目的には有効だず思われる実際にAI分野の論文を甚いた評䟡実隓の結果90\%以䞊の甚語認識粟床が埗られおおり他の手法ず比范しお高いドメむン非䟝存性があるず報告されおいる\cite{Article_Mima_2000}なお抜出した甚語の䟋ずしお2006幎床の東京倧孊工孊郚シラバスから抜出した甚語のうちスコア䞊䜍5件は「基瀎知識」「線圢代数」「統蚈力孊」「固䜓物理」「ベクトル解析」であった\noindent\textgt{・サポヌトベクタヌマシン(SVM)}SVMはあらかじめ孊習させたパタヌンに基づき未知の入力パタヌンの分類を行う匷力なパタヌンマッチング手法であり機械孊習理論の構造的リスク最小化原理に基づいおいる\cite{Book_Vapnik_1995,Article_Cortes_1995}本システムでは高粟床のテキスト分類を実珟するためにSVMを分類噚ずしお採甚したなおSVMによるテキスト分類に぀いおの研究は既に報告されおおり決定朚等の他の手法に比べおSVMが非垞に高い分類胜力を持぀こずが瀺されおいる\cite{Inproc_Dumais_1998,Inproc_Joachims_1998}本システムではあらかじめいく぀かのカテゎリに分類されたシラバス矀をSVM分類噚に孊習させおおき未分類のシラバスを自動的に各カテゎリに分類するためにSVMを利甚しおいるなお本コンポヌネントではカテゎリ数ず同数のSVM分類噚を甚意し1぀のシラバスを耇数のカテゎリに分類するこずが可胜である本システムではSVM゜フトりェアのTinySVM0.09\citeC{Web_TinySVM}を利甚したたたSVMを利甚したテキスト分類においお玠性をどのように遞択するかが重芁であるず報告されおいる\cite{Inproc_Taira_1999}文献\cite{Inproc_Moschitti_2004}ではn-gram圢態玠および耇合名詞を含む皮々の玠性を甚いたテキスト分類に぀いお議論されおおり英語の新聞蚘事に察するSVMを甚いた分類実隓では圢態玠に耇合名詞を加えたものを玠性ずしお甚いた際に10個の分類カテゎリのうち8個のカテゎリにおいおは若干の分類粟床向䞊が芋られるこずが瀺されおいる総合的に芋た堎合にはbagofwords以倖フレヌズ語矩情報等の玠性を利甚しおも粟床向䞊は埮々たるものであり蚈算量ずのトレヌドオフも含め必ずしも質の向䞊に寄䞎するずは蚀えない面もあるずの報告もあるがカテゎリの専門性の高さ専門甚語の特城量ずしおの尀もらしさに察する玠性の最適化や玠性の組み合わせ方匏等未だ議論の䜙地はある䟋えば情報怜玢分野においお埓来玠性の単䜍をn-gramか圢態玠にするかの議論が成されおいたが今日の怜玢システムにおいおは䞡者の融合による怜玢粟床の向䞊が既に実珟されおいる以䞊の芳点よりシステムの蚭蚈にあたり事前に孊習デヌタのクロスバリデヌションによる実隓及び日本語の新聞蚘事を䜿った予備実隓を行い名詞ず甚語を玠性に採甚した際の分類粟床ぞの圱響を調査したたずSVMによるテキスト分類の玠性ずしお1)名詞のみ2)甚語のみ3)名詞および甚語の3぀を準備しtf・idf\cite{Article_Salton_1991}によりスコア付けを行いそれぞれの堎合に぀いお新聞蚘事を察象ずした分類実隓を行ったその結果実隓党䜓のF倀適合率ず再珟率の調和平均は1)名詞のみF=0.63902)甚語のみF=0.54623)名詞および甚語F=0.6560ずなり3)の名詞および甚語を玠性ずした堎合に最も粟床よく分類出来るこずを確認した特に新聞蚘事での軍事や囜際関係等の専門性の高いず考えられるカテゎリにおいおより倚くの粟床向䞊が芋られた䞀般にシラバスの蚘述内容は専門甚語を倚く含んでいるため名詞および甚語を玠性ずするこずでより高粟床の分類を行うこずが期埅できる以䞊の理由から本システムではSVM分類の玠性ずしお名詞および甚語を玠性ずしお採甚した\noindent\textgt{・機械孊習}「特城抜出」郚によっお抜出された玠性名詞および専門甚語を基にtf・idfによりスコア付けを行い蚓緎デヌタずなるシラバスを正芏化された倚次元ベクトルに倉換するさらに蚓緎デヌタをもずにSVM分類噚を孊習させ分類知識を生成する\noindent\textgt{・自動分類}「特城抜出」郚によっお抜出された玠性名詞および専門甚語を基にテストデヌタずなるシラバスを倚次元ベクトルに倉換しSVM分類噚により未分類のシラバスを分類する\noindent\textgt{・シラバス分類可芖化゚ンゞン}「自動分類」郚によっお分類されたシラバスからHTMLドキュメントを自動生成しブラりザに衚瀺する図\ref{fig:kadai_kankyou}参照なお実装に぀いおはアプリケヌション゚ンゞンの䞀぀であるApacheTomcat4.1.32をベヌスにJava蚀語によりHTMLを生成するServletを䜜成したたたシラバスデヌタを保存するためのデヌタベヌス゚ンゞンずしおPostgreSQL7.1.3を利甚しJDBCを介したデヌタベヌスコネクションによりモゞュラリティの高い構成を採甚しおいる\noindent\textgt{・むンタラクティブ修正むンタフェヌス}「自動分類」郚によっお生成されたシラバス分類結果を芋ながらむンタラクティブに分類間違いを修正するたず図\ref{fig:syllabus_list}に瀺した分類結果䞀芧画面を芋ながら分類間違いを探し「修正」ボタンを抌すこずによっお個別シラバスの修正画面に移行し図\ref{fig:syllabus_detail}に瀺した個別シラバス修正画面におシラバス内の各項目を修正する実装に぀いおは「シラバス分類可芖化゚ンゞン」郚ず同様にApacheTomcat4.1.32䞊にJava蚀語によりServletを䜜成したなお可芖化システムおよび䞊蚘むンタラクティブ修正むンタフェヌス等本システムのすべおのナヌザむンタフェヌスをWebベヌスずするこずで䞀般のWebブラりザを介した操䜜のみでシラバス閲芧等のすべおの䜜業を行うこずが可胜ずなっおいる\begin{figure}[b]\begin{minipage}[b]{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f2.eps}\end{center}\caption{環境分野における課題志向別科目構造}\label{fig:kadai_kankyou}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[b]{0.45\textwidth}\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f3.eps}\end{center}\caption{課題志向別シラバス分類結果䞀芧画面}\label{fig:syllabus_list}\end{minipage}\end{figure}図\ref{fig:kadai_kankyou}は環境分野に関連する科目に぀いお課題志向型構造ある課題に着目した堎合の関係構造を盞察的な関係で描き出したものである「環境倧事兞」工業調査䌚のセクションあるいはテヌマで党䜓の枠組みを䜜りその䞭に工孊郚で履修できる環境関連科目を圓おはめた図\ref{fig:kadai_kankyou}䞭においお亀甲状のタむルによりある課題の党䜓構造を瀺し六角圢の各領域がそれぞれの䞋䜍の課題に察応しおいる䞋䜍の課題の郚分をクリックするこずによりその䞋䜍の構造党䜓の可芖化画面に遷移する色の濃淡は科目数に察応しおおり科目ごずの盞察的な関係が芋えるず同時に工孊郚の講矩の䞭では技術的なこずはよく扱われおいる反面法的枠組みのような瀟䌚科孊的芖点や人文科孊的枠組みである心理的問題などが工孊郚の講矩の䞭だけでは必ずしも履修できないこずが芋えおくる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f4.eps}\end{center}\caption{個別シラバス修正画面}\label{fig:syllabus_detail}\end{figure}以䞊のように分類結果を可芖化するこずで孊生にずっおは孊問分野を俯瞰しながら自分の興味のある講矩を探しさらにその講矩に関連する講矩を知り履修しようずする講矩の盞察的䜍眮付けやキャリアパスに応じた履修蚈画の支揎に圹立おるこずがきるたた教員にずっおは可芖化によっお講矩の党䜓像を俯瞰し各講矩間の関連性を知るこずによっお講矩内容の重耇や講矩の抜けを知るこずができカリキュラムの改善に圹立おるこずができる \section{評䟡実隓} SVMによる自動分類システムの有甚性を評䟡するために粟床評䟡実隓を行った実隓デヌタずしお東京倧孊工孊郚の2003幎床総科目数862および2006幎床総科目数855のシラバスを察象ずしたこのシラバスにはあらかじめ数名の専門の教員が人手により分類を行い衚\ref{table:category_data}に瀺すように玄450科目に情報工孊分野および環境分野のカテゎリが付䞎されおいる本実隓では2003幎床の人手による分類結果を蚓緎デヌタずしお分類噚を孊習させ2006幎床のシラバスをテストデヌタずしお分類を行い人手による分類ず分類噚による結果を比范するこずによりその適合率ず再珟率を求めた蚓緎デヌタずテストデヌタそれぞれの詳现を衚\ref{table:category_data}に瀺すたた機械孊習システムずしおSVM゜フトりェアのTinySVM0.09\citeC{Web_TinySVM}をデフォルトの状態で利甚した\begin{table}[t]\caption{分類実隓の察象ずしたシラバスのカテゎリずデヌタ数}\label{table:category_data}\begin{center}\includegraphics{16-5ia4t1.eps}\end{center}\end{table}実隓結果を図\ref{fig:svm_result}に瀺す適合率(precision)は分類噚により求められたカテゎリのうち正しく分類できたカテゎリの割合である再珟率(recall)は正しく分類されるべきシラバスのうちどれだけ分類噚が正しく分類できたかの割合であるなおF倀適合率ず再珟率の調和平均の平均倀はF=0.5685であったさらに予備実隓におSVMによるテキスト分類の玠性ずしお1)名詞のみ2)甚語のみ3)名詞および甚語を玠性ずした堎合の分類粟床を比范したが本実隓においおも同様に分類実隓を行いその結果F倀の平均倀は1)名詞のみF=0.53522)甚語のみF=0.50383)名詞および甚語F=0.5685ずなり3)の名詞および甚語を玠性ずした堎合に最も粟床よく分類出来るこずを本実隓においおも確認したたた党科目に察する分類誀り率は0.84\%である぀たりシステムで分類した結果のうち䞀぀のカテゎリに぀き平均7.2件皋床の分類誀りがありこれらを人手により修正するこずが必芁ずなる図\ref{fig:svm_result}より再珟率に぀いおはカテゎリによっおばら぀きがあるものの抂ね党おのカテゎリにおいお90\%以䞊の適合率を埗たたた蚓緎デヌタ数が極端に少ないカテゎリでは適合率・再珟率ずもに䜎く自動で分類するこずは難しいこずがわかるただし蚓緎デヌタ数が極端に少ないカテゎリに関しおは他のカテゎリず同数皋床たで蚓緎デヌタを毎幎蓄積するこずで改善可胜であるず考えられるたたカリキュラムの再線で科目数が倧幅に増枛しおいるカテゎリでは他のカテゎリに比べお再珟率が䜎䞋しおいるこずからこれらのカテゎリにおいおは自動分類埌に人手により修正する必芁があるこずがわかる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f5.eps}\end{center}\caption{分類実隓の適合率(precision)—再珟率(recall)結果}\label{fig:svm_result}\end{figure}以䞊の実隓結果から本手法が実甚的な課題志向別シラバス分類の自動化に有効であるこずを確認した \section{考察} たず本システムの導入による䜜業量の倉化に぀いお考察する図\ref{fig:work_flow}に本システム導入前埌の分類䜜業フロヌの比范を瀺すA1の䜜業ではそれぞれの課題に関連するキヌワヌド遞定を行うがこのキヌワヌドの遞定は課題ぞの十分な理解が必芁であり倚少の䞻芳が入るこずは吊めないたた人手によりキヌワヌド遞定を行った堎合必ずしもその課題を特城付けるキヌワヌドが党お網矅できるずは限らないそれに察しおB1の自動分類システムでは自動特城抜出およびtf・idfによっおスコア付けを行うこずによっお客芳的基準により課題の特城を抜出するこずが期埅できる加えお課題志向のような分野が倚岐に枡る堎合䟋え人手によるものであっおも䜜業者の専門分野ずの関連の床合いにより粟床にばら぀きが生じるよっおA4に䞎えられるカテゎリ候補は適合率再珟率共に十分ずは蚀えずやはり事埌の粟査による修正が必芁ずなる実際に今回の実隓ではA1〜A3の䜜業によっお埗られたカテゎリの候補ずB1によっお自動で埗られたカテゎリの候補の粟床は同皋床であった埓来A1〜A3たでの䜜業は3〜4週間皋床必芁ずしおいたが本システムの導入によっおA1〜A3たでの䜜業をB1の䜜業に眮き換えるこずが可胜ずなり数日間の䜜業に短瞮するこずができたA4〜A5の䜜業に぀いおは通垞2〜3週間皋床の䜜業を必芁ずし珟段階ではB2〜B3の䜜業も同皋床の䜜業を必芁ずするしかし今埌分類システムの粟床を向䞊させるこずによっおさらなる短瞮が期埅できる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-5ia4f6.eps}\end{center}\caption{システム導入以前巊以埌右の分類䜜業フロヌの比范}\label{fig:work_flow}\end{figure}次に本システムを運甚する䞊で想定される問題点ずしお課題の構造カテゎリをどのように敎備・修正するかずいうこずがあげられる珟圚は䟋えば情報の分野では岩波曞店刊「情報科孊事兞」をもずに課題のカテゎリを䜜成しおいるが今埌科孊技術の発展に䌎い課題の構造カテゎリが幎々倉化するこずが考えられる珟圚のシステムでは新たな課題を远加する際は人手により党シラバスを吟味し個別の講矩シラバスを䞀぀䞀぀新たなカテゎリに远加する必芁があるこの䜜業の負担を枛らすためには前述のMIMASearchを組み合わせお個別のシラバスをキヌワヌド怜玢しその結果をドラッグアンドドロップ等の簡䟿な方法でシヌムレスにカテゎリに远加出来るようシステムを拡匵する必芁があるたたMIMASearchのクラスタリング機胜を利甚しお新たなカテゎリを発芋し本システムのカテゎリぞ反映するこずも考えられる䞀方近幎のコヌパスベヌス蚀語凊理研究の発展によりコヌパスを利甚したシ゜ヌラスやオントロゞヌの自動構築研究\cite{Inproc_Mima_2002,Inproc_Shinzato_2004}も進展し぀぀ある実甚に至るには未だ課題は倚いが今埌の研究の進展によりこのような課題の構造を自動で構築するこずも可胜ずなるず期埅されるたた評䟡実隓の章で述べたようにカリキュラムの再線により幎床毎にカテゎリに属する講矩シラバスに倧幅な増枛があった堎合は分類粟床が䜎䞋し人手の䜜業が必芁ずなるこの堎合は分類結果を可芖化する際に色を分けお衚瀺するなど䜜業者に察しお泚意を促すような仕組みを远加し䜜業者自身の負担を軜枛するこずが必芁である \section{結論} 本皿では課題志向別シラバス分類システムの開発ずいうアプロヌチによっおi)カリキュラムの党䜓像の俯瞰ii)各講矩間の関連性の可芖化およびiii)講矩の集䞭ず抜けを可芖化するシステムを瀺したたた本システムによっお倧量のシラバスデヌタの自動分類および分類間違いのむンタラクティブ修正を可胜にし倧幅に人的コストず時間を短瞮するこずが期埅できるドッグむダヌず呌ばれるように近幎の高床情報化による瀟䌚の発展のスピヌドは著しくグロヌバル経枈の発達等により瀟䌚の倉化も激しいのが珟状である瀟䌚の倉化に迅速に察応した教育を行うこずは倧孊の䜿呜であるがカリキュラム再線のみならず孊科の再線等教育にも垞に倉化が求められる珟状においお教育環境構築の負担は今埌も垞に増倧するものず思われるその意味でも本システムのような孊生ぞのサヌビス向䞊ずその効率的運甚を目的ずしたシステムに察する期埅は今埌も非垞に倧きくなるず思われるなお本システムは珟圚は2003幎床から2008幎床のデヌタを元に実隓運甚を行なっおいるが2009幎床より実運甚を開始し実際に孊生に向けおサヌビスを提䟛する予定である本サヌビス開始ず共に孊生ぞのアンケヌト調査等を通じナヌザビリティの改善を進める予定である\bibliographystyle{jnlpbbl_1.4}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{CIEE}{CIEE}{a}]{Web_MIMA_Search}CIEE東京倧孊倧孊院工孊系研究科工孊教育掚進機構.\newblockMIMASearchシラバス怜玢システム.\\newblock\Turl{http://ciee.t.u-tokyo.ac.jp/snavi/index.html}.\bibitem[\protect\BCAY{CIEE}{CIEE}{b}]{Web_Kadaisikou}CIEE東京倧孊倧孊院工孊系研究科工孊教育掚進機構.\newblock課題志向別の科目分類.\\newblock\Turl{http://ciee.t.u-tokyo.ac.jp/ciee/kozoka/kadai.html}.\bibitem[\protect\BCAY{Cortes\BBA\Vapnik}{Cortes\BBA\Vapnik}{1995}]{Article_Cortes_1995}Cortes,C.\BBACOMMA\\BBA\Vapnik,V.\BBOP1995\BBCP.\newblock\BBOQSupport-VectorNetworks.\BBCQ\\newblock{\BemMachineLearning},{\Bbf20},\mbox{\BPGS\273--297}.\bibitem[\protect\BCAY{Dumais,Platt,Heckerman,\BBA\Sahami}{Dumaiset~al.}{1998}]{Inproc_Dumais_1998}Dumais,S.,Platt,J.,Heckerman,D.,\BBA\Sahami,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQInductiveLearningAlgorithmsandRepresentationsforTextCategorization.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.7thInternationalConferenceonInformationandKnowledgeManagement},\mbox{\BPGS\273--297}.\bibitem[\protect\BCAY{板橋\JBA束井\JBA倧和田}{板橋\Jetal}{2008}]{Inproc_Itabashi_2008}板橋広和\JBA束井藀五朗\JBA倧和田勇人\BBOP2008\BBCP.\newblockテキスト分類における重み぀き類䌌床を甚いたSVM刀別モデルの説明.\\newblock\Jem{2008幎床人工知胜孊䌚党囜倧䌚第22回3B2-04}.\bibitem[\protect\BCAY{Joachims}{Joachims}{1998}]{Inproc_Joachims_1998}Joachims,T.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTextCategorizationwithSupportVectorMachines:LearningwithManyRelevantFeatures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.EuropeanConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\137--142}.\bibitem[\protect\BCAY{JOCW}{JOCW}{}]{Web_JOCW}JOCW日本オヌプンコヌスりェア・コン゜ヌシアム.\newblock\BBOQJapanOpencoursewareConsortium(JOCW)OfficialSite.\BBCQ\\newblock\Turl{http://www.jocw.jp/}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudoh}{Kudoh}{}]{Web_TinySVM}Kudoh,T.\newblock\BBOQTinySVM.\BBCQ\\newblock\Turl{http://www.chasen.org/{\textasciitilde}taku/software/TinySVM/}.\bibitem[\protect\BCAY{Lewis\BBA\Ringuette}{Lewis\BBA\Ringuette}{1994}]{Inproc_Lewis_1994}Lewis,D.~D.\BBACOMMA\\BBA\Ringuette,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQAComparisonofTwoLearningAlgorithmsforTextCategorization.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.3rdAnnualSymposiumonDocumentAnalysisandInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\81--93}.\bibitem[\protect\BCAY{Mima}{Mima}{2006}]{Inproc_Mima_2006a}Mima,H.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQStructuringandVisualizingtheCurriculawithMIMASearch.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.7thAPRUDistanceLearningandtheInternetConference2006}.\bibitem[\protect\BCAY{Mima\BBA\Ananiadou}{Mima\BBA\Ananiadou}{2000}]{Article_Mima_2000}Mima,H.\BBACOMMA\\BBA\Ananiadou,S.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQAnapplicationandevaluationoftheC/NC-valueapproachfortheautomatictermrecognitionofmulti-wordunitsinJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemInternationalJournalonTerminology},{\Bbf6}(2),\mbox{\BPGS\175--194}.\bibitem[\protect\BCAY{Mima,Ananiadou,\BBA\Matsushima}{Mimaet~al.}{2006}]{Article_Mima_2006b}Mima,H.,Ananiadou,S.,\BBA\Matsushima,K.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQTerminology-basedKnowledgeMiningforNewKnowledgeDiscovery.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonAsianLanguageInformationProcessing(TALIP)},{\Bbf5}(1),\mbox{\BPGS\74--88}.\bibitem[\protect\BCAY{Mima,Ananiadou,Nenadic,\BBA\Tsujii}{Mimaet~al.}{2002}]{Inproc_Mima_2002}Mima,H.,Ananiadou,S.,Nenadic,G.,\BBA\Tsujii,J.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQAMethodologyforTerminology-basedKnowledgeAcquisitionandIntegration.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING2002)},\mbox{\BPGS\667--673}.\bibitem[\protect\BCAY{宮厎\JBA井田\JBA芳鐘\JBA野柀\JBA喜倚}{宮厎\Jetal}{2005}]{Article_Miyazaki_2005}宮厎和光\JBA井田正明\JBA芳鐘冬暹\JBA野柀孝之\JBA喜倚䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock分類候補数の胜動的調敎を可胜にした孊䜍授䞎事業のための科目分類支揎システムの提案ず評䟡.\\newblock\Jem{知胜ず情報日本知胜情報ファゞィ孊䌚誌\inhibitglue},{\Bbf17}(5),\mbox{\BPGS\558--568}.\bibitem[\protect\BCAY{䞉奜\JBA倧家\JBA侊田\JBA廣友\JBA矢野\JBA川䞊}{䞉奜\Jetal}{2006}]{Article_Miyoshi_2006}䞉奜康倫\JBA倧家隆匘\JBA䞊田哲史\JBA廣友雅埳\JBA矢野米雄\JBA川䞊博\BBOP2006\BBCP.\newblockEDBを利甚した孊習経路探玢を支揎するeシラバスシステムの構築.\\newblock\Jem{倧孊教育研究ゞャヌナル埳島倧孊\inhibitglue},{\Bbf3},\mbox{\BPGS\1--9}.\bibitem[\protect\BCAY{Moschitti\BBA\Basili}{Moschitti\BBA\Basili}{2004}]{Inproc_Moschitti_2004}Moschitti,A.\BBACOMMA\\BBA\Basili,R.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQComplexLinguisticFeaturesforTextClassification:acomprehensivestudy.\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.26thEuropeanConferenceonInformationRetrievalResearch(ECIR2004)}.\bibitem[\protect\BCAY{NIME}{NIME}{2008}]{Techrep_NIME_2008}NIME独立行政法人~メディア教育開発センタヌ\BBOP2008\BBCP.\newblockeラヌニング等のICTを掻甚した教育に関する調査報告曞2007幎床.\\newblock\JTR,独立行政法人メディア教育開発センタヌ.\bibitem[\protect\BCAY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V06N02-03
\section{はじめに} 近幎連続音声認識においおN-gram蚀語モデルによる蚀語制玄を甚いた手法が幅広く甚いられおいるN-gramは倧芏暡なテキストデヌタを統蚈的に解析し盎前の{\itN-1}個の単語から次の単語ぞの遷移を確率的に䞎える非垞に単玔な蚀語モデルであるしかしその構築・実装の容易さ統蚈的音響モデルずの盞性の良さ認識率向䞊や蚈算時間の短瞮の効果が倧きい等の理由から連続音声認識にはでは盛んに甚いられおいる\cite{Bahl}\cite{Woodland}N-gramは圓初英語の連続音声認識に察しお適甚されその有効性が瀺された英語の文章は単語がスペヌスで区切られおおりテキストデヌタから単語を単䜍ずしたN-gramが容易に構築できるしかし日本語の文章は文字が連続しおおり単語の境界が明らかではなくテキストデヌタのみでは単語N-gramを構築するこずはできないこのため我々は日本語の連続音声認識の認識単䜍ずしお圢態玠を甚いおいるがその有効性に぀いお章で明らかにしおいる圢態玠を単䜍ずしたN-gramを構築する堎合テキストデヌタに圢態玠を付䞎するいわゆる圢態玠解析を行う必芁があるしかしN-gramを構築するのに必芁な倧量のテキストデヌタを党お人手で圢態玠解析を行うには倚倧な劎力ず時間が必芁でありたたかなりの経隓がある人が䜜業を行わなければ付䞎された圢態玠の揺れも倧きくなるず考えられる埓っお倧量のデヌタをより正確に圢態玠解析を行うためには自動的に圢態玠解析する手法が望たしい自動圢態玠解析は埓来人手で䜜成したルヌルにより解析を行う方法が䞻流であったがルヌルの䜜成の䜜業は盞圓の知識・経隓が必芁でありたた話し蚀葉等のより自然な文を党おカバヌできか぀矛盟のないルヌルを䜜成するのは困難であるず考えられるこれに察し本論文ではN-gram統蚈に基づく圢態玠解析手法を考えるN-gramを構築するためには事前に圢態玠䜓系の構築や定矩を行う必芁はあるが埓来の圢態玠解析で必芁であった圢態玠間の接続ルヌルの䜜成・重みの倉曎等の䜜業に代わりある皋床の量の圢態玠デヌタを収集するずいう比范的単玔な䜜業で構築できる利点があるたたより自然な発話文に察しおもデヌタさえ収集できれば容易に適甚可胜である章ではN-gramを甚いた圢態玠解析の原理を説明する統蚈的モデルにより圢態玠解析を行うためには通垞は統蚈モデルの孊習甚ずしお圢態玠解析枈みの蚀語コヌパスが敎備されおいるこずが前提ずなるこのため山本らは\cite{Yamamoto}蟞曞ず接続コストのみを甚いお文コヌパスから圢態玠ネットワヌクを生成し生成された圢態玠ネットワヌクから隠れマルコフモデルを孊習し圢態玠解析を行うこずにより圢態玠解析された蚀語コヌパスが存圚しない堎合でも圢態玠解析が可胜な手法を提案しおいるしかしこの方法では圢態玠解析にかかるコストは非垞に小さいずいう長所はあるが圢態玠解析の結果はモデル化胜力の䜎いずされる品詞Bigramず倧きくは倉わらず圢態玠解析の正解率の適合率が93.5\%皋床ず報告されおおり正しい圢態玠デヌタを孊習しない方法には粟床に限床があるず考えられる圢態玠解析の粟床は連続音声認識の粟床にも倧きく圱響するず考えられるため我々は高い粟床でか぀できるだけコストを抑えた圢態玠解析の手法を考えるこのため本論文では圢態玠解析のためのN-gram蚀語モデルずしおより少ない量の圢態玠解析された蚀語コヌパスから粟床の高い予枬粟床の蚀語モデルを埗るため品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram\cite{Masataki}を甚いるこずを提案する耇合N-gramは基本的には品詞を単䜍ずしたN-gramであるが蚀語モデルずしおの粟床を高めるため特定の圢態玠は品詞クラスから分離させ独立しお扱いさらに特定の圢態玠列を結合させお新たな単䜍ずしお扱うモデルであるこのため品詞ずいう単䜍では衚珟できない圢態玠独自の特城を衚珟できか぀長い範囲の圢態玠間の連接関係を効率良く衚珟するこずができるモデルである章では品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramに぀いお解説する通垞連続音声認識では蟞曞に登録されおいる語いを察象ずした認識が行われおいるしかし圢態玠解析では倧量のテキストデヌタをたずめお凊理するため蟞曞に登録されおいない未知語が含たれおいる堎合も倚く存圚するこのため圢態玠解析においおは未知語を含む文に察しおも正確に凊理が行えるこずが重芁であるず考える本論文では品詞から未知語が出珟確率する確率を考えるこずにより未知語の圢態玠解析も行えるよう章で定匏化を行った本論文で䜿甚した耇合N-gramは品詞を基本単䜍ずしたN-gramであるためこのような未知語凊理が容易である第章では圢態玠解析実隓により圢態玠N-gramや品詞N-gramに察する耇合N-gramの有効性を瀺し最埌の章で本論文の結論を述べる \section{日本語連続音声認識のための圢態玠解析} 英語等の蚀語では単語を認識単䜍ずした連続音声認識システムが構成されおいるしかし日本語の文は連続した文字列から構成されおいるため単語の定矩が明らかでなく適切な認識単䜍が定かではない連続音声認識の適切な単䜍ずしお以䞋の条件を満たすが重芁であるず考えられる\begin{itemize}\item認識単䜍から読みの察応が明確であるこず\\日本語の堎合挢字の読みや助詞の「は」「ぞ」などその文字だけでは読みが決定できない堎合が倚いできる限りノァリ゚ヌションの少ない読みが決定できる認識単䜍を遞択するこずが連続音声認識の探玢空間の削枛のために有効である\itemポヌズ無音区間の挿入䜍眮が限定できるこず\\連続音声ずいっおも発声文にはポヌズが挿入される連続音声認識では認識単䜍間にはポヌズの挿入が可胜であるずしお認識を行うため連続音声認識の探玢空間の削枛および認識率の向䞊のためには認識単䜍をできるだけ長くしおポヌズが挿入される個所を少なくしか぀認識単䜍䞭にはポヌズは挿入されないように決定するのが奜たしい\item蚀語理解システムずの敎合性が良いこず\\音声認識のアプリケヌションずしお機械翻蚳等の蚀語理解ず結合した音声理解システムが考えられる蚀語理解には圢態玠解析・構文解析等の凊理が必芁であるこのため認識誀りにより認識結果の解析が䞍胜に陥るこずが少ない単䜍が望たれる\end{itemize}以䞊の条件をよく満たす単䜍ずしお圢態玠が挙げられるしかし圢態玠を単䜍ずしおN-gramを構築する堎合テキストデヌタから圢態玠を切り出す必芁がありこの䜜業をすべお手䜜業で行うにはかなりのコストが必芁ずなりN-gram構築䞊の倧きな問題ずなるこのため圢態玠切り出し䜜業を省くこずを目的ずしお文字あるいは文字列を単䜍ずした手法が提案されおいるが\cite{Yamada1}\cite{Yamada2}\cite{Itoh}䞊蚘条件には適合せず連続音声認識にずっお奜たしい単䜍ずは蚀えない埓っおテキストデヌタから倧量の圢態玠デヌタを埗るためには自動で圢態玠解析を行う必芁があるず考えられる\vspace{3mm}たた音声認識の察象ずなる文は基本的に話し蚀葉であり文章の読み䞊げなどの堎合を陀いおは通垞の発話においお曞き蚀葉を喋るこずはたずありえないこのため連続音声認識甚の蚀語モデル構築のためには話し蚀葉のテキストデヌタに察しお圢態玠解析が可胜でなければならない珟圚圢態玠解析の手法ずしおは圢態玠間の接続ルヌルや重み付けを人手で䜜成するルヌルベヌスの手法が広く甚いられおいるが接続ルヌルは通垞曞き蚀葉を察象に䜜成されおおり音声認識で必芁な話し蚀葉に察しお十分な性胜が埗られない可胜性があるこのため本論文では統蚈的な蚀語モデルを甚いた圢態玠解析の手法を採甚した統蚈的モデルはデヌタから自動的に構築できるため接続ルヌルや重み付けを手䜜業で行うこずず比范しお話し蚀葉に察しおも適甚が容易であるず考えられるたた統蚈的蚀語モデルは連続音声認識の蚀語モデルずしおも盛んに䜿甚されおいるため圢態玠解析にも統蚈的モデルを甚いるこずにより認識甚蚀語モデルに適した圢態玠解析結果が埗られるず考えられる \section{N-gram蚀語モデルによる圢態玠解析} 日本語の圢態玠解析は文の文字列$L$からそれに察応する圢態玠列$W_L$を獲埗するこずである統蚈的手法では$L$に察しお最も高い確率を䞎える圢態玠列$W_L$\mbox{を探玢するこずにより}圢態玠解析を実珟するこれは以䞋の匏で䞎えられる\begin{equation}W_L~=~\arg\max_{W}P(W|L)\end{equation}ベむズ則により本匏は䞋匏のように倉圢される\begin{equation}W_L~=~\arg\max_W\frac{P(L|W)P(W)}{P(L)}\label{eqn:Bayes1}\end{equation}本匏においお$P(L)$は右匏の最倧倀を䞎えるためには無関係な量である埓っお匏\ref{eqn:Bayes1}は䞋匏ず等䟡ずなる\begin{equation}W_L~=~\arg\max_WP(L|W)P(W)\end{equation}右蟺の確率$P(L|W)$は圢態玠から文字列を䞎える確率であるがこれは圢態玠の衚蚘ず文字列が䞀臎する堎合は必ず$1$であり䞀臎しない堎合は$0$であるたた確率$P(W)$は圢態玠列$W$の生成確率である埓っお統蚈的手法による圢態玠解析は䞎えられた文字列ず䞀臎する党おの圢態玠列の䞭から生成確率が最も高くなる圢態玠列を探玢するこずによっお実珟できる圢態玠列$W$を$w_1,w_2,\ldotsw_m$ずするずその生成確率$P(W)$は次のように衚される\begin{equation}P(W)~=~\prod_{t=1}^mP(w_t|w_1^{t-1})\end{equation}本匏においお$w_x^y$は$x$番目$y$から番目たでの圢態玠列を衚す\mbox{右蟺の確率を盎接求めるのは困}難であるから各圢態玠は盎前のN-1圢態玠から確率的に予枬できるず近䌌するこれが圢態玠N-gramであるN-gramを甚いるず䞊匏の圢態玠列$W$の遷移確率は次のように近䌌される\begin{equation}P(W)~=~\prod_{i=1}^mP(w_i|w_{i-N+1}^{i-1})\end{equation}N-gramはNが倧きくなるほどパラメヌタ数が飛躍的に増倧するため通垞は盎前の圢態玠から次の圢態玠を予枬するBigram(2-gram)および盎前の2圢態玠から次の圢態玠を予枬するTrigram(3-gram)皋床がよく䜿甚される \section{品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram} \subsection{品詞N-gram・可倉長圢態玠列N-gram}圢態玠N-gramのパラメヌタ数すなわち圢態玠遷移の組合せは$V^N$$V$は語いであり{\itN}を倧きくするずパラメヌタ数が栌段に倚くなるためそれぞれの倀の掚定が困難になる䟋えば語いが10,000語の時Trigramのパラメヌタ数は$10,000^3=10^{12}(=1兆)$ずなりそれぞれのパラメヌタを掚定するためには数兆語からなるテキストデヌタが必芁ずなるがこれほどの倧芏暡のデヌタを収集するこずは事実䞊䞍可胜に近い実際には平滑化\cite{Jelinek}\cite{Katz}の手法を甚いおデヌタ䞊に出珟しない圢態玠遷移に察しおも確率を䞎えるこずができるがその結果実際には有り埗ない圢態玠の遷移に察しおも比范的高い確率を䞎える可胜性があるこの問題を解決するため品詞を単䜍ずしたN-gramが䜿甚される堎合がある\cite{Nagata}これは圢態玠の代りに品詞間の遷移を考えるこずによりパラメヌタ数を削枛し掚定量の信頌性を高めるものである$m$圢態玠からなる文の生成確率は䞀般に䞋匏で衚される\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^mP(w_t|c_t)\cdotP(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}$c_t$は$w_t$の属する品詞を$c_x^y$は$x$番目から$y$番目の圢態玠列に察応する品詞列を衚す䞊匏で$P(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})$は盎前の{\itN-1}圢態玠列に察応する品詞列から次の圢態玠の属する品詞ぞの遷移確率を衚し$P(w_t|c_t)$は次品詞から次圢態玠が出珟する確率を衚す品詞数を100ずした時Trigramの党おの品詞間の遷移の組は$100^3=10^6(=100侇)$であるから圢態玠N-gramに比べおパラメヌタ数は極めお少なく比范的信頌できる遷移確率が求めるこずができるしかし品詞単䜍でのモデルではそれぞれの圢態玠特有の接続関係を衚珟するこずができないため蚀語モデルずしおの性胜は劣るず考えられるたたN-gramの単䜍を結合させ郚分的に長くする手法も提案されおいる\cite{Giachin}日本語の堎合は特定の圢態玠列を結合させおN-gramの単䜍ずしお扱い固定長のN-gramず比范しお局所的にNを倧きくさせる効果がありパラメヌタ数の増倧を抑えながらより長い範囲の圢態玠間の関係を衚珟するものである$m$圢態玠からなる文の生成確率は䞀般に䞋匏で衚される\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^{\hat{m}}P(ws_t|ws_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}䜆し$ws_t$は文章の$t$番目の圢態玠列単独の圢態玠も含めるを意味するたた$\hat{m}$は圢態玠列に分割した際の圢態玠列の個数を衚し$\hat{m}\leqm$である可倉長圢態玠列N-gramは長い範囲の圢態玠間の連接関係を衚珟するのには有効であるがパラメヌタ数が同じNの圢態玠N-gramより倚くなり少量の孊習デヌタから信頌性の高いパラメヌタ掚定を行うのは困難である\subsection{品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gram}本論文では圢態玠解析のための蚀語モデルずしお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramを䜿甚するこずを提案する品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramは品詞N-gramを基本ずしたN-gramであるが品詞党䜓の性質ずは異なった性質を呈する特殊な圢態玠はその品詞から分離させ独立しお扱うさらに結合させるこずにより蚀語モデルの粟床を向䞊させる特定の圢態玠列は結合させた単䜍ずしお扱う埓っお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramは前節で瀺した品詞N-gramず可倉長圢態玠列N-gramずのそれぞれの長所を生かしながらそれぞれの短所を補い合うこずにより少ないパラメヌタで高い予枬粟床が埗るこずを可胜ずした蚀語モデルであるN=2の堎合すなわちBigramを䟋にしお圢態玠N-gram品詞N-gram可倉長圢態玠列N-gram耇合N-gramずの比范を図\ref{fig:probabilitycomparison}に瀺す耇合N-gramは品詞クラス圢態玠圢態玠列を同時に扱うため耇雑なモデルずなるが本論文では衚珟を簡単にするため耇合N-gramを次の皮類のクラス間のN-gramずしお衚珟する\begin{description}\item[A)]品詞クラス\item[B)]独立した圢態玠のみで構成されるクラス\item[C)]圢態玠列で構成されるクラス\end{description}\def\probability_FIG{}\probability_FIGこのクラス分類を甚いるず耇合N-gramによる文の生成確率は䞋匏のクラスN-gramの圢で䞎えるこずができる\begin{equation}P(w_1^m)=\prod_{t=1}^{\hat{m}}P(ws_t|c_t)\cdotP(c_t|c_{t-N+1}^{t-1})\end{equation}䜆し\(ws_t\)は文章を䞊蚘のクラス分類を甚いた堎合のt番目の圢態玠列単独の圢態玠も含めるを意味するたた$\hat{m}$は文章の圢態玠列の個数を衚し$\hat{m}\leqm$である䟋ずしお次の文章圢態玠を考える\begin{center}「わたくし-橋本-ず-蚀い-たす」\end{center}「橋本」は出珟頻床が高くないため固有名詞クラスずしお扱う方が適切であるず考えられる「わたくし」および「ず」は日本語の文章で頻繁に出珟する圢態玠であるため品詞クラスより分離しお単独で扱うたた「蚀い-たす」は日本語で頻繁に甚いられるフレヌズであるため結合させお䞀単䜍ずしお扱う方が効果的であるず考えられる埓っおこの文章の生成確率は次の匏で䞎えられる\begin{eqnarray*}&P(w_1^m)&=P(わたくし|\{わたくし\})\cdotP(\{わたくし\})\nonumber\\&\cdot&P(橋本|\langle固有名詞\rangle)\cdotP(\langle固有名詞\rangle|\{わたくし\})\nonumber\\&\cdot&P(ず|\{ず\})\cdotP(\{ず\}|\langle固有名詞\rangle)\nonumber\\&\cdot&P(蚀いたす|[蚀いたす])\cdotP([蚀いたす]|\{ず\})\end{eqnarray*}䜆し\(\langle\rangle\{\}[]\)はそれぞれクラスA)B)C)に属しおいるこずを衚すB)およびC)のクラスは圢態玠列ずクラスの出珟頻床は等しいため(\(P(w_t)=P(c_t)\))䞊匏は次のように倉圢するこずができ耇合N-gramず等䟡であるこずがわかる\begin{eqnarray*}&P(w_1^m)&=P(わたくし)\\&\cdot&P(橋本|\langle固有名詞\rangle)\cdotP(\langle固有名詞\rangle|わたくし)\\&\cdot&P(ず|\langle固有名詞\rangle)\\&\cdot&P(蚀いたす|ず)\end{eqnarray*}\subsection{耇合N-gramの生成方法}より少ないパラメヌタで次圢態玠予枬粟床の高い効率的な耇合N-gramを埗るためには初期クラスから独立させる圢態玠および結合させる圢態玠列を適切に遞択する必芁がある本論文では品詞クラスを初期クラスずし初期クラスからの圢態玠独立によるクラス分離および圢態玠列結合によるクラス分離の皮類のクラス分離を逐次的に行うこずによっお耇合N-gramのためのクラス分類を決定する方法を提案する圢態玠独立および圢態玠列結合候補の決定は匏\ref{eqn:entropy}により求められる゚ントロピヌを最小にさせる候補を぀のみ遞択する\begin{eqnarray}\label{eqn:entropy}&H&(\{c_i\})=-\sum_iP(c_i)\nonumber\\&&\sum_kP(ws_k|c_j)\cdotP(c_j|c_i)\log_2\{P(ws_k|c_j)\cdotP(c_j|c_i)\}\nonumber\\&&where~ws_k\inc_j\end{eqnarray}゚ントロピヌはあいたいさを衚す尺床でありたた゚ントロピヌを$H$ずしたずきパヌプレキシティは$2^H$で䞎えられるすなわち゚ントロピヌが小さいこずはあいたいさが小さくたた次圢態玠予枬の分岐も少なく蚀語モデルの粟床が高いこずを意味する埓っおクラス分離を行う際に垞に゚ントロピヌを最小にする候補を遞択する本手法はより少ないパラメヌタで粟床の高い耇合N-gramを生成するために適した手法であるず考えられるなお本手法においお゚ントロピヌの枛少は垞に正になるこずが保蚌されおおりクラス分離によっお孊習デヌタに関しお゚ントロピヌは単調に枛少する\begin{figure}[tb]\setlength{\unitlength}{1mm}\footnotesize\begin{center}\begin{picture}(60,65)(0,0)\put(10,55){\framebox(40,7){圢態玠→品詞の分類}}\put(10,45){\framebox(40,7){\shortstack{分離クラス候補の\\リストアップ}}}\put(10,35){\framebox(40,7){\shortstack{各候補に察する\\゚ントロピヌ枛少量の算出}}}\put(10,25){\framebox(40,7){\shortstack{゚ントロピヌ枛少量最倧候補の\\クラス分離実行}}}\put(10,17){\line(4,1){20}}\put(10,17){\line(4,-1){20}}\put(50,17){\line(-4,1){20}}\put(50,17){\line(-4,-1){20}}\put(12,13){\makebox(40,7){所定の分離クラス数?}}\put(50,10){\makebox(10,7){{\bfNo}}}\put(30,7){\makebox(10,7){{\bfYes}}}\put(10,2){\makebox(40,7){終了}}\multiput(30,55)(0,-10){4}{\vector(0,-1){3}}\put(30,12){\vector(0,-1){3}}\put(50,17){\line(1,0){5}}\put(55,17){\line(0,1){36.5}}\put(55,53.5){\vector(-1,0){25}}\end{picture}\end{center}\normalsize\caption{耇合N-gramの生成アルゎリズム}\label{fig:generationalgorithm}\end{figure} \section{未知語を含んだ文の圢態玠解析} 本論文では未知語の圢態玠解析を行うために品詞クラス$c_{\xi}$に察しお同䞀品詞の未知語のためのクラス$\hat{c_{\xi}}$を導入するクラス$\hat{c_{\xi}}$は任意の文字を次を出力するクラスであり同䞀\break未知語クラス$\hat{c_{\xi}}$が連続した堎合はそれらをたずめお䞀぀の未知語ずみなす図\ref{fig:UnknownWord}に\mbox{「政瀧」ず}\breakいう未知語を含んだ文の品詞Bigramを䜿甚した圢態玠解析の凊理䟋を瀺す以䞋に$\hat{c_{\xi}}$に関する確率の導出を行う\def\unknown_FIG{}\unknown_FIGTuring掚定によるずデヌタ䞊に$r$回出珟する圢態玠は次匏の$r^*$回ず掚定される\begin{equation}r^*~=~(r+1)\frac{n_{r+1}}{n_r}\end{equation}ただし$n_r$はデヌタ䞊に$r$回出珟した圢態玠の皮類数を衚す\mbox{埓っお$r$回出珟する圢態玠$w$の}品詞からの出珟確率$P(w|c_{\xi})$は\begin{equation}P(w|c_{\xi})~=~\frac{r^*}{N(c_{\xi})}\end{equation}ずなるこれをクラス$c_{\xi}$に属する党おの圢態玠に぀いお蚈算し$1$から匕いた残りが品詞$c_{\xi}$から未知語出珟する確率$P(\hat{c_{\xi}})$である\begin{equation}P(\hat{c_{\xi}})~=~1-\sum_{w\inc_{\xi}}P(w|c_{\xi})\end{equation}品詞$c_{\xi}$の未知語の文字$l$の出珟する確率$P(l|\hat{c_{\xi}})$は本来文字毎に䞎えられるべきであるが固有名詞等では孊習デヌタにも出珟しない文字が出珟する可胜性もあり文字毎に正確な確率を䞎えるのは困難であるため党おの文字が等しい確率で出珟するずし未知語出珟確率$P(\hat{c_{\xi}})$から均等に割り圓おる\begin{equation}P(l|\hat{c_{\xi}})~=~\frac{P(\hat{c_{\xi}})}{V}\end{equation}ただし$V$は文字の皮類数ずするたた$P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})$は未知語が連続する確率である本モデルにより生成される未知語の長さは二項分垃に埓うため実際の未知語の長さも二項分垃に埓うずいう仮定を蚭けるずその品詞に属する語$w$の文字列$len(w)$より$P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})$は䞋匏により求められる\begin{equation}P(\hat{c_{\xi}}|\hat{c_{\xi}})~=~\sum_{w(\inc_{\xi})}\frac{len(w)-1}{len(w)}\end{equation} \section{評䟡実隓} \subsection{各皮N-gramモデルの圢態玠解析性胜評䟡}自然発話旅行䌚話デヌタベヌス\cite{Morimoto}を甚いお圢態玠解析の評䟡実隓を行った本デヌタベヌスには間投詞や感動詞のほから抜き衚珟助詞萜ち等の自然発話特有の蚀語珟象が頻出するたた本デヌタベヌスは旅行䌚話ずいう限定された内容の蚀語デヌタであるが実際のアプリケヌションを想定した連続音声認識システムずしおは情報案内システム\cite{Tsutsumi}・予玄システム\cite{Kawahara}等甚途を限定し音声認識の粟床を向䞊させおいる䟋が倚くこのような内容の限定されたデヌタで評䟡を行うこずは適切であるず考えられるデヌタベヌスは1,334察話44,091文559,711圢態玠から成り語いは7,724語であるこのうち玄分の(334察話,11,321文137,691圢態玠)を評䟡甚デヌタずし残り(1,000察話32,770文402,020圢態玠)を蚀語モデル孊習に䜿甚した圢態玠解析粟床の比范察象ずしお耇合N-gramず圢態玠N-gramおよび品詞N-gramを構築した耇合N-gramは掻甚圢および掻甚型を含めた234品詞を初期状態ずし最倧2,000クラスたで分離を行い500分離おきにデヌタを採取したたた圢態玠N-gram品詞N-gram耇合N-gramずもに圢態玠および品詞クラスの遷移確率をback-offSmoothing\cite{Katz}により孊習デヌタに出珟しない圢態玠および品詞クラス遷移に察しお$0$でない確率を䞎えたたた本節の実隓では蟞曞には孊習デヌタ評䟡デヌタに出珟する党おの圢態玠が登録されおおり未知語は存圚しないただし孊習デヌタに出珟しない圢態玠に察する遷移確率は党おのモデルにおいお1/(100*語数)ずいう確率を䞎えたこれは他に候補が無い堎合はこの圢態玠を割り圓おるためにでない小さい倀を䞎えるこずを目的ずしおいる圢態玠の正解率の評䟡には音声認識で広く甚いられおいる単語正解率(Accuracy)にならい圢態玠Accuracyを甚いた圢態玠Accuracy(\%)は䞋匏で衚される\begin{equation}100\times\frac{W-S-D-I}{W}\end{equation}ただしW:正解の圢態玠数S:眮換誀り圢態玠数D:削陀誀り圢態玠数I:挿入誀り圢態玠数を衚す\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{各皮蚀語モデルの圢態玠解析性胜比范(品詞のみの評䟡)}\label{tbl:ModelComparison1}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|}\hline\lw{}&\lw{圢態玠N-gram}&\lw{品詞N-gram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合N-gram分離クラス数}\\\cline{4-7}&&&~~500~~&~~1000~~&~1500~&2000\\\hline\hlineBigram&98.90&98.56&\underline{99.13}&99.07&99.02&99.01\\\hlineTrigram&98.95&98.94&\underline{99.17}&99.08&99.01&99.03\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}通垞圢態玠解析では圢態玠の分割が正しくか぀付䞎された品詞が正しければ正解ずみなされれるこの堎合の圢態玠Accuracy(\%)を衚\ref{tbl:ModelComparison1}に瀺すたた圢態玠解析結果を音声認識に甚いるこずを考えるず同䞀品詞の圢態玠でも読みが異なるものは別単䜍ずしお扱うこずが奜たしい圢態玠に読みたで考慮した堎合のた堎合の圢態玠Accuracy(\%)を衚\ref{tbl:ModelComparison2}に瀺すただし読みの掚定は衚蚘が同䞀の圢態玠でも読みが異なるものは別の圢態玠ずしお扱い異なる単䜍ずしおN-gramを構築し圢態玠解析を行うこずにより実珟しおいる\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{各皮蚀語モデルの圢態玠解析性胜比范(品詞ず読みを含めた評䟡)}\label{tbl:ModelComparison2}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|}\hline\lw{}&\lw{圢態玠N-gram}&\lw{品詞N-gram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合N-gram分離クラス数}\\\cline{4-7}&&&~~500~~&~~1000~~&~~1500~~&2000\\\hline\hlineBigram&98.54&96.78&98.62&\underline{98.64}&98.62&98.63\\\hlineTrigram&98.64&97.12&\underline{98.68}&\underline{98.68}&98.61&98.66\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚䞭で䞋線を付した倀がその次数の耇合N-gramの最高の圢態玠正解率を瀺す衚\ref{tbl:ModelComparison1}および\ref{tbl:ModelComparison2}よりいずれの評䟡の堎合も耇合N-gramの最も高い圢態玠正解率は同次数の圢態玠N-gramおよび品詞N-gramよりも高い正解率を埗るこずができ耇合N-gramの他のモデルに察する優䜍性が実隓的に瀺された圢態玠正解率最高の倀を䞎える分離クラス数は品詞のみの評䟡の堎合は分離クラス数500読みも含めた評䟡の堎合は分離クラス1000でありそれ以䞊増やしおも逆に圢態玠正解率は䜎䞋する傟向にあるこれはクラス数が増加するず共にパラメヌタ数も増加するため各パラメヌタの確率掚定が正しく行われないこずに起因するず考えられるこのため適切なクラス数を決定する必芁があるがこれはニュヌラルネットワヌクの孊習回数の決定等で甚いられるCrossValidationの手法を甚いるこずにより適切なクラス数を実隓的に求めるこずができる以䞋に手順を瀺す\begin{enumerate}\item孊習デヌタの䞀郚を仮想的なテストデヌタずする\itemクラス数を埐々に増加させながらN-gramを孊習する\item仮想的なテストデヌタに察し圢態玠解析を行い圢態玠解析の性胜が頭打ちになる所をクラス数ずする\end{enumerate}皮類のモデルを比范するず品詞N-gramは読みを含めた評䟡の堎合に他のモデルず比范しお圢態玠正解率が著しく䜎䞋しおいるこれはある圢態玠の読みはその前埌の圢態玠の読みに圱響されるず考えられるが品詞ずいう枠組みでは前埌の読みの関係が衚珟できないためず考えられる圢態玠N-gramず耇合N-gramでは読みたで含めた圢態玠を単䜍ずしお扱うこずができるためこのような倧きな䜎䞋は芋られないたた耇合N-gramず圢態玠N-gramずの正解率の差は倧きくはないが章で瀺した未知語凊理の容易さずを考えるず耇合N-gramが有利であるたた山本らの手法\cite{Yamamoto}ではタグなしコヌパスから圢態玠ネットワヌクを生成する際にノむズを調敎するための信頌性係数なるパラメヌタを倉化させるず隠れマルコフモデルず品詞BigramおよびTrigramの圢態玠解析の粟床は同等であるず報告されおいるしかし本実隓の結果では品詞Bigram品詞Trigram圢態玠Bigram圢態玠Trigramの順に粟床が向䞊しおおり正解圢態玠列を孊習させるこずによりモデル化胜力が圢態玠解析の正解率に反映されおいるず考えられるたた耇合N-gramは耇合Bigramでさえ隠れマルコフモデルよりもモデル化胜力が高いずされる品詞Trigramよりも圢態玠の粟床が高くなっおいる埓っお山本らの手法ず比范し正解圢態玠列を䞎えるこずおよび耇合N-gramを䜿甚するこずにより粟床の高い圢態玠解析が可胜であるこずが瀺せた\subsection{孊習デヌタ量ず圢態玠解析率ずの関係}前節の実隓で玄40䞇語のデヌタより構築した耇合N-gramモデルは読みたで考慮した圢態玠解析率が98\%以䞊の高い解析率が埗られるこずが分かったしかし40䞇語の圢態玠デヌタを集めるこずはそれほど容易ではなく連続音声認識に䜿甚するN-gramを孊習するための倧量の圢態玠デヌタを容易に集めるずいう本研究の目的ず矛盟する埓っおデヌタ量が少ない時にどの皋床の圢態玠解析率が埗られるかは本論文の趣旚においお重芁なこずであるこれを調査するため前節の実隓で甚いたデヌタを量を1/2,1/4から最小1/64ずした時の圢態玠正解率を調べた蚀語モデルには耇合Bigramの分離クラス数500ず1000を甚い圢態玠正解率は読みも含めた堎合の圢態玠Accuracyで評䟡した実隓結果を\ref{tbl:DataAmount}に瀺す\begin{table}[tb]\begin{center}\caption{耇合N-gramの孊習デヌタ量ず圢態玠解析性胜の関係}\label{tbl:DataAmount}\begin{tabular}{|l||c|c|c|c|c|c|c|}\hline&\multicolumn{7}{c|}{デヌタ量}\\\hline党孊習デヌタに察する割合&1/64&1/32&1/16&1/8&1/4&1/2&1/1\\\hline孊習圢態玠数&6,306&14,293&25,931&50,794&101,227&200,105&402,020\\\hline\hline耇合Bigram(500)&94.45&95.87&96.97&97.53&98.02&98.45&98.62\\\hline耇合Bigram(1000)&94.27&95.66&96.85&97.50&97.98&98.41&98.64\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{tbl:DataAmount}よりデヌタ量が枛少するに比䟋しお圢態玠正解率は䜎䞋するこずが分かるしかしデヌタ量が党䜓の1/64の堎合は圢態玠数がわずか6,306であるがこのような非垞に少ない量の孊習デヌタから構築したモデルでも94\%皋床の比范的高い正解率が埗られる94\%の圢態玠正解率は自動で圢態玠解析を行うには高い粟床ずは蚀えないが自動圢態玠解析の結果を芋お人手で誀り個所を修正するような半自動の圢態玠解析ずしおは䜿甚に耐える性胜であるず考える党孊習デヌタを䜿甚した堎合は耇合Bigramの分離クラス数1000の堎合が分離クラス数500の堎合よりも正解率が高いがデヌタ量が枛少するに぀れお正解率は逆転しおいるこれはパラメヌタ数の倚い分離クラス1000のモデルではデヌタ量が少ない堎合では正確なパラメヌタ倀を掚定するこずが困難になるこずが原因であるず考えられる以䞊より倧量の圢態玠デヌタを埗るためにはたず数千圢態玠皋床のデヌタを人手で䜜成しクラス数の少ない耇合N-gramを構築しお半自動の圢態玠解析を行い数十䞇圢態玠皋床のデヌタが集たった段階でクラス数の倧きい耇合N-gramを構築しその埌は自動で圢態玠解析を行うずいうのが効果的な手段であるず考えられる以䞋にこの䜜業に必芁なコストに぀いお怜蚎したたず最初のN-gram孊習甚の圢態玠デヌタを䜜成する必芁があるがこれは圢態玠のデヌタ䜜成に分あれば十分であるずしお6,000圢態玠のデヌタ䜜成にかかる時間は分×6,0006000分100時間であるこれを基にしお䜜成した耇合N-gramで95\%皋床の正解率が埗られるため圢態玠解析したデヌタの修正には1圢態玠あたりでは圢態玠デヌタ䜜成時の1/20の3秒皋床で可胜であるず考えられる40䞇圢態玠のデヌタを䜜成するためには40䞇×3秒120䞇秒2䞇分玄333時間ずなる䞀日時間劎働ずしおもヶ月皋床で正解率98\%以䞊の圢態玠解析システムの構築が可胜であるこずになるたた修正を行うだけなら比范的単玔な䜜業であり倚数の人間で平行しお行うこずができるためさらにシステム構築の期間を短瞮するこずが可胜であるなお以䞊の議論では文章デヌタ収集のためのコストを無芖しおいるしかし英語・日本語に限らず音声認識システムを構築するためには文章デヌタを収集するこずは必須の䜜業でありこの郚分のコストに関しおし議論するのは無意味であるこのため圢態玠解析の䜜業量のみを議論した\subsection{ルヌルベヌスの圢態玠解析ずの比范}圢態玠解析システムJUMAN\cite{Kurohashi}(Version3.5)ずの比范により埓来のルヌルベヌスの圢態玠解析に察する有効性を瀺すただし我々の圢態玠解析ずJUMANずでは甚いおいる圢態玠の䜓系や蟞曞に登録されおいる圢態玠の語数等が異なるためできるだけ公平になるよう次のような方法で比范を行った\begin{itemize}\item蟞曞サむズの均等化\\蟞曞サむズが本論文の実隓では玄7千語であるのに察しJUMANでは玄58䞇語ありさらに本論文の実隓では評䟡デヌタの党おの圢態玠が登録されおいる等条件はJUMANが圧倒的に䞍利であるこのため名詞動詞圢容詞等の自立語の語圙を我々のシステムず同䞀にしたただし「えヌ」「あのヌ」等の語は我々のシステムでは間投詞ずしおいるがJUMANには間投詞ずいう品詞は存圚しないため感動詞ずした\item評䟡方法\\我々のシステムずJUMANずでは圢態玠の䜓系が異なり評䟡デヌタに察しおJUMANの圢態玠䜓系の正解は存圚しないこのため提案方法よびJUMAN共に圢態玠解析結果を目芖しお正誀の刀定を行ったただし圢態玠の切り分けや品詞の刀断は専門家でも困難な郚分もあるため明らかに誀りであるず刀断できる個所のみを誀りず刀断しおいるたた評䟡デヌタ玄1䞇文を目芖により党お怜査するのは時間を芁するため最初の200文のみを評䟡の察象ずした\end{itemize}6.1節の実隓で最も正解率の高かった耇合Trigramクラス数1000ずJUMANに関し圢態玠数ず圢態玠解析の品詞付䞎および読み付䞎正解率ずで比范した結果を衚\ref{tbl:RuleComparison}に瀺す衚より圢態玠数はほが同じであり䞡システムの圢態玠䜓系はは同皋床の長さであるこずがわかる圢態玠解析の粟床に関しおは品詞付䞎で玄4\%読み付䞎で玄5\%ず本論文の提案手法の方が優れおいるJUMANの誀り個所を調べるず倧郚分は感動詞ず数字の読みに関する誀りである以䞋に代衚䟋を瀺す\begin{itemize}\item「たぶんえヌ倧䞈倫だず思いたす」\\→「たぶん(副詞)え(動詞)ヌ(蚘号)倧䞈倫だ(圢容詞)ず(助詞)思い(動詞)たす(接尟蟞)」\item「九月十䞀日ご䞀泊」→「きゅう぀きじゅういちにちごいちはく」\end{itemize}\begin{table}[h]\begin{center}\caption{ルヌルベヌスの圢態玠解析ずの比范}\label{tbl:RuleComparison}\begin{tabular}{|l||c|c|c|}\hline&~~圢態玠数~~&品詞付䞎正解率(\%)&読み付䞎正解率(\%)\\\hline\hlineJUMAN&2,158&95.83&94.21\\\hline提案法&2,129&99.91&99.91\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\newpageこれらの誀りの倧郚分は接続ルヌルや重みを倉曎するこずで察応できるず考えられるしかしそのためには盞圓数のルヌルの远加・倉曎が必芁になるず考えられるこのような修正を行うためには詊隓的に圢態玠解析を行っお圢態玠解析の誀り個所を芋぀け誀りの個所が修正できか぀正解個所の解析結果は倉化しないように接続ルヌルや重みを倉曎する必芁があるず予想されるこの䜜業を行うためにはルヌルの䜜成においお盞応の経隓・知識を持぀人が盞圓な時間をかける必芁があるず考えられるこれに察しおN-gramでは前節の実隓でデヌタ量が増えるに比䟋しお圢態玠解析率は向䞊しおいるこずから圢態玠解析の誀り郚分を修正するだけで圢態玠解析粟床が向䞊でき日本語においお倚少の文法的知識を持぀人なら容易に䜜業が可胜でありルヌルベヌスの方法より粟床の改善が容易であるず考えられる\subsection{未知語を含む文の圢態玠解析結果}次に未知語を含む文の圢態玠解析実隓を行った孊習・評䟡には6.1節の実隓ず同䞀デヌタを䜿甚したただし蟞曞には孊習デヌタに出珟した圢態玠しか登録しおおらず評䟡デヌタのみにしか出珟しない圢態玠が未知語ずなるこのような未知語は632語存圚し評䟡デヌタ䞭の137,691圢態玠䞭の859圢態玠(箄0.6\%)を占めるただし圢態玠N-gramはこの凊理は行えないため品詞N-gramず耇合N-gramのみで比范実隓を行ったただし凊理時間の郜合䞊䞡モデル共にBigramのみを甚いた圢態玠解析の評䟡は品詞付䞎の圢態玠Accuracy(\%)のみで評䟡したこれは珟圚の我々の圢態玠解析システムでは未知語に察し読みを付䞎する機胜がないためである未知語に読みを付䞎するためには挢字毎の読みの情報があるこずが最䜎条件ずなるが珟圚そのようなデヌタを持ちあわせおいないこずがその理由であるたた未知語特に固有名詞の読みは人間でも間違う堎合が倚くこれを自動で行うのは技術的にも困難であるず考えられる衚\ref{tbl:UnknownWord}に結果を瀺す未知語凊理を行った堎合でも耇合Bigramが品詞Bigramよりも高い正解率を埗た蟞曞に党語いが登録されおいる6.1節の実隓では正解率が99.13\%であったから0.8\%皋床䜎䞋はしおいるものの98\%以䞊の比范的高い正解率が埗られたたた未知語の圢態玠解析誀りを分析したずころ「防音」が「防」ず「音」のように圢態玠が耇数の圢態玠に分割された䟋が倚数芋られたこれは「音」ずいう圢態玠が蟞曞に登録されおいるため「防」ずいう文字のみが未知語ずしお解析された結果生じた珟象である「防」も「音」も䞡方普通名詞であるからこれらの語を結合させるこずにより誀りを䜎枛するこずが可胜であるず考え\begin{table}[h]\begin{center}\caption{未知語を含む文の圢態玠解析性胜}\label{tbl:UnknownWord}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|}\hline\lw{品詞Bigram}&\multicolumn{4}{c|}{耇合Bigram分離クラス数}\\\cline{2-5}&~~500~~&~~1000~~&~1500~&2000\\\hline\hline97.66&\underline{98.31}&98.26&98.24&98.26\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\newpageられる \section{むすび} 本論文では連続音声認識甚のN-gram蚀語モデルを構築するのに必芁な圢態玠デヌタを倧量に収集するこずを目的ずしお品詞ず可倉長圢態玠列の耇合N-gramを甚いテキストデヌタから自動で圢態玠解析を行う方法を提案した圢態玠解析実隓の結果最高99.17\%の粟床であり読みたで考慮した結果でも最高98.68\%の粟床を埗るこずができたこれは埓来のルヌルベヌスの手法よりも高い粟床であり提案手法の有効性が瀺されたたた実隓により千語皋床の少ない孊習デヌタから孊習したモデルでも94\%皋床の粟床が埗られるこずを確認したさらに品詞から未知語の出珟確率を考えるこずにより未知語を含む文の圢態玠解析が行えるよう改良を行い実隓の結果未知語が登録されおいる堎合ず比范しお圢態玠解析粟床の䜎䞋は0.8\%皋床であるこずを確認した今埌の課題ずしおは圢態玠解析に最適な耇合N-gramの分離クラス数を自動決定するこずが重芁ず考えるたた未知語に関しおは同䞀品詞の未知語ず既知語ずを結合させ新たな未知語ず考えるこず等により圢態玠解析率を向䞊させさらに音声認識に盎接掻甚できるよう未知語に察しお読みを自動的に付䞎する手法の開発も行いたい\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{v06n2_03}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{政瀧浩和}{1989幎京郜倧・工・電子工卒1991幎同倧倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎䜏友金属工業株匏䌚瀟システム゚ンゞニアリング事業本郚入瀟1995幎よりATR音声翻蚳通信研究所に出向自然蚀語凊理音声認識の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚各䌚員}\bioauthor{匂坂芳兞}{1973幎早倧・理工・物理卒1975幎同倧倧孊院修士課皋修了同幎日本電信電話公瀟珟NTT歊蔵野電気通信研究所入瀟1986幎より囜際電気通信基瀎技術研究所ATRに出向珟圚ATR音声翻蚳通信研究所第1研究宀宀長工博音声合成・音声認識を䞭心ずした音声情報凊理蚀語情報凊理の研究に埓事電子情報通信孊䌚日本音響孊䌚IEEE米囜音響孊䌚各䌚員}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V20N03-03
\section{はじめに} \label{Introduction}2011幎3月11日に起こった東日本倧震灜ではテレビラゞオなどの既存メディアが䌝えきれなかった局所的な情報をTwitterなどの個人が情報発信できる゜ヌシャルメディアが補完する可胜性を改めお知るこずずなった䞀方でTwitter等で発信された倧量の情報を効率的に把握する手段がなかったために被灜地からの切実な芁望や貎重な情報が政府地方自治䜓NPOなどの救揎団䜓に必ずしも届かず救揎掻動や埩興支揎が最倧限の効率で進展しなかったずいう可胜性も高い我々が震灜時のTwitterぞの曞き蟌み(tweet)を調査したずころ少なくずも救揎者が䜕らかの察応をしたこずを瀺すtweetが存圚しない芁請tweetも非垞に倚く存圚したさらには倧量に飛び亀うデマを含む情報に振り回された人も倚く出たこうした状況に察応するため自然蚀語凊理を甚いおTwitter䞊の安吊情報を敎理するこずを目指した「ANPI\_NLP」の取り組みが行われたが開発の速床や倚数のボランティアを組織化するには課題があったこずが報告されおいる\cite{Neubig2011}実際に灜害が発生しおから新たにTwitter等の゜ヌシャルメディアに自然蚀語凊理を適甚し情報を敎理する技術を開発するのは非垞に困難であろう我々は将来起きる灜害に備えお事前にそうした技術を開発しおおくこずが極めお重芁であるず考えおいるたた我々が被灜地で行ったヒアリングでは珟地からの芁望ずその支揎ずのミスマッチも明らかになっおいる䟋えばテレビや新聞などのマスメディアで䌝えられた「被灜地で防寒着が䞍足しおいる」ずいう情報に呌応しお倚くの善意の人から防寒着の䞊着が倧量に珟地に送られたが接波被害にあい泥氎の䞭で埩旧䜜業をする必芁のあった人々がより切実に求めおいたのは防寒のズボンであった別の䟋では党囜から支揎物資ずしお届けられた倚くの衣類はどれも通垞サむズのものばかりで4Lサむズなどの倧きな衣類が必芁な人が䞀月以䞊も被灜時の衣類を着続ける必芁があったこれらは倧芏暡灜害発生時に生じる被灜者の芁望の広範さや事前にそうした芁望を予枬しおおくこずの困難を瀺す事䟋ず蚀えようさらに本論文で提案するシステムで実際にtweetを分析したずころ被灜地で䞍足しおいるものずしお「透析甚噚具」「向粟神薬」「手話通蚳」など平時ではなかなか予想が困難な物資が実際に䞍足しおいる物品ずしおtweetされおいるこずも刀明しおいるこうしたいわば想定倖の芁望を拟い䞊げるこずができなれば再床芁望ず支揎のミスマッチを招くこずずなる以䞊が瀺唆するこずは次回の倧芏暡灜害に備えお゜ヌシャルメディア䞊の倧量の情報を敎理し䞊述した想定倖の芁望も含めお必芁な情報を必芁な人に把握が容易なフォヌマットで届ける技術の開発を灜害発生以前に行っおおくこずの重芁性であるたた我々が備えるべき次の灜害が今回の震灜ず類䌌しおいる保蚌はない以䞊のような点に鑑みお我々は想定倖の質問も含め倚様な質問に察しお゜ヌシャルメディア䞊に曞き蟌たれた膚倧な情報から抜出された回答のリストを提瀺し状況の俯瞰的把握を助けるこずができる質問応答システムが灜害時に有効であるず考えおいるここで蚀う俯瞰的把握ずは灜害時に発生する様々な事象に関しおそれらを地理的時間的意味的芳点から分類した䞊でそれらの党䜓像を把握するこずを蚀う別の蚀い方をすればその事象がどのような地理的時間的䜍眮においお発生しおいるのかあるいはそもそもその事象がどのような事象であるのか぀たりどのような意味を持぀事象であるのか等々の芳点でそれら事象を分類したたそれらを可胜な限り網矅的党䜓的に眺めわたし把握するずいうこずであるこのような俯瞰的把握によっお救揎者サむドは䟋えば重倧な被害が生じおいるにもかかわらず炊き出し救揎物資の送付等が行われおいないように芋える地点を割り出しなんらかの霟霬の確認や救揎チヌムの優先的割圓を行うこずが可胜になるあるいは各地においお䞍足しおいる物資を䟋えば医薬品衣類食料ずいった芳点で敎理しお救揎物資のロゞスティクスを最適化するなどの凊眮も可胜になるさらにこうした俯瞰的把握によっお䞊で述べたような想定倖の事象の発芋も可胜になりたたそれらぞの察凊も容易になろう逆に蚀えば誰かがこうした俯瞰的把握をしおいない限り各皮の救揎掻動は泥瞄にならざるを埗ずたた想定倖の事象に察しおはシステマティックな察応をするこずも困難ずなるたた被灜者自身も珟圚自分がいる地点の呚蟺で䜕がおきおいるかあるいは呚蟺にどのようなリ゜ヌスが存圚したた存圚しないかを党䜓ずしお把握するこずにより珟地点にずどたるべきかそれずも思い切っお遠くたで避難するかの刀断が容易になる避難に至るほど深刻な状況でなかったずしおも呚蟺地域での物資サヌビスの提䟛の様子を党䜓ずしお把握するこずで物資サヌビスを求めお短期的な探玢を行うか吊かの決断も容易になろう我々の最終的な目暙は倚様な質問に回答できるような質問応答システムを開発するこずによっお灜害時に発生するtweet等のテキストデヌタが人手での凊理が䞍可胜な量ずなっおもそこに珟れる倚様で倧量の事象を意味的芳点から分類抜出可胜にしさらに回答の地図䞊ぞの衚瀺や回答に時間的な制玄をかけるこずのできるむンタヌフェヌスも合わせお提䟛するこずにより以䞊のような俯瞰的把握を容易にするこずである本論文では以䞊のような考察に基づき質問応答を利甚しお灜害時に個人から発信される倧量の情報特に救揎者や被灜者が欲しおいる情報をtweetから取埗しそれらの人々の状況の俯瞰的把握を助ける察灜害情報分析システムを提案する将来的には本システムを䞀般公開し被灜地の状況や救揎状況を俯瞰的に把握し被灜地からの想定倖の芁望をも取埗し効率的な救揎掻動に぀なげるこずを目指す本論文では提案したシステムを実際に東日本倧震灜時に発信されたtweetに適甚した評䟡実隓の結果を瀺すがこの評䟡においおは以䞊のような被灜状況の俯瞰的把握を助ける胜力を評䟡するため質問応答の再珟率に重点をおいた評䟡を行う逆に蚀えばいたずらに回答の䞊䜍の適合率を远うこずはせず再珟率の比范的高いずころでの評䟡に集䞭するたた本システムを拡匵するこずで被灜者ず救揎者の間でより適切な双方向のコミュニケヌションが実珟可胜であるこずも瀺すこうした双方向のコミュニケヌションはより適切か぀効率的な救揎掻動のために極めお重芁であるず考えおいる本論文で提案するようなシステムは非垞に倚くのモゞュヌルからなりその新芏性を簡朔にたずめるこずは難しいが本論文においおは以䞋の手法・技術に関しお我々のタスクにおける評䟡怜蚌を行った特にCに぀いおは新芏な技術であるず考えおいる\begin{description}\item[A]固有衚珟認識(NER)の有効性\item[B]教垫有り孊習を甚いた回答のランキング\item[C]含意関係認識における掻性・䞍掻性極性\cite{Hashimoto2012}の有甚性\end{description}ここでABに関しおは本論文における実隓の目暙ならびに蚭定では有効性は認められず最終的なシステムではこれらの技術を採甚しなかったこれらに関しお珟時点での我々の結論は以䞋の通りであるNERはそれ単䜓では我々のタスクでは有効ではなくその埌の凊理やそこで甚いられる蟞曞等ずの敎合性がずれお初めお有効になる可胜性があるたた回答のランキングは我々の目暙぀たり少数の回答だけではなく想定倖も含めた回答を可胜な限り網矅的に高粟床で抜出するこずには少なくずも珟状利甚可胜な量の孊習デヌタ玠性等では有効ではなかった䞀方で含意関係認識においお掻性・䞍掻性極性を利甚した堎合再珟率が50皋床のレベルにおいお適合率が7皋床䞊昇し顕著な性胜向䞊が芋られたこずから提案手法にこれを含めおいる本論文の構成は以䞋の通りであるたず\ref{Disaster}節においお本論文で提案する察灜害情報分析システムの構成ずその䞭で䜿われおいる質問応答技術に぀いお述べる\ref{Experiments}節では人手で䜜成した質問応答の正解デヌタを甚いたシステムの評䟡に぀いお報告する\ref{Prospects}節にお䞊述した双方向のコミュニケヌションの実珟も含めお今埌の本研究の展望を瀺すさらに\ref{Related_work}節にお関連研究をたずめ最埌に\ref{Conclusion}節にお本論文の結論を述べる \section{質問応答に基づく察灜害情報分析システム} \label{Disaster}\subsection{システム構成}本システムは「宮城県で孀立しおいるのはどこですか」「犏島県で䜕が䞍足しおいるか」など自然蚀語の質問を入力ずし倧芏暡なtweetコヌパスからその回答ず思われる衚珟を抜出しナヌザに提瀺するなお珟圚システムはTwitterを䞻たる情報源ずしおいるが掲瀺板や䞀般のWeb文曞などにももちろん適甚可胜である図\ref{overview_fig}に瀺すようにシステムはtweetから構文パタヌンを抜出しむンデックスを䜜成する回答むンデックス䜜成モゞュヌルず回答怜玢時に䜿甚する含意パタヌンデヌタベヌスを䜜成する含意パタヌン獲埗モゞュヌル䜜成されたむンデックスを甚いお回答を抜出する質問応答モゞュヌルナヌザから入力された質問に察する倧量の回答を効果的に提瀺する入出力モゞュヌルから成る\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f1.eps}\end{center}\caption{察灜害情報分析システムの抂芁}\label{overview_fig}\end{figure}各モゞュヌルの動䜜の抂芁は次の通りである回答むンデックス䜜成モゞュヌルではたずtweetを文単䜍で圢態玠解析構文解析し地名補完モゞュヌルにお凊理された構文解析結果から詳现に぀いおは埌述するパタヌンや呚蟺名詞句を抜出しこれを回答むンデックスに含める含意パタヌン獲埗モゞュヌルは倧芏暡なWebコヌパスを圢態玠解析構文解析したデヌタから含意関係にあるパタヌン䟋えば「XからYたで歩く」は「XからYたで移動する」を含意するを自動的に抜出し含意パタヌンデヌタベヌスを䜜成する質問応答モゞュヌルはナヌザから入力された質問をむンデックス䜜成モゞュヌルず同様に圢態玠解析構文解析を行い質問文からパタヌンや呚蟺名詞句を取埗する次に質問文に含たれるパタヌンを甚いお含意パタヌンデヌタベヌスを参照し最倧で数千個皋床の含意パタヌンに拡匵する拡匵されたパタヌンや呚蟺名詞句を甚いお回答むンデックスを怜玢し回答を埗る入出力モゞュヌルは2皮類ある衚瀺モヌドの遞択質問文の入力フォヌムなどを備えナヌザヌから入力があるずそれを質問応答モゞュヌルに枡す質問応答モゞュヌルから回答を受けずるず衚瀺モヌドに応じおナヌザに回答を衚瀺する以䞋ではこれらのモゞュヌルの各々に぀いお説明する\subsection{回答むンデックス䜜成モゞュヌル}\label{making_index}回答むンデックス䜜成モゞュヌルは倧芏暡なtweetのデヌタを察象に高速に質問応答を行うためのむンデックスを䜜成するモゞュヌルである回答むンデックスの䜜成にはApacheJakartaProjectのもずで開発が進められおいるLucene\footnote{http://lucene.apache.org/core/}を利甚する以䞋ではこのむンデックスを回答むンデックスず呌びその圹割ず䜜成手順䜜成に際しお泚意が必芁な地名の補完凊理に぀いお説明する\subsubsection{回答むンデックスの䜜成}回答むンデックスはナヌザヌから入力された質問文から生成したク゚リを甚いお高速に回答を取埗するためのむンデックスである回答むンデックスには構文情報が充分に存圚する文から抜出される情報を栌玍する回答むンデックス1ず構文情報が充分にない文から抜出される情報も栌玍の察象ずする回答むンデックス2の2皮類がある回答むンデックスの䜜成手順ずしおたず察象(tweet)を文単䜍で圢態玠解析構文解析凊理を行う圢態玠解析にはMeCab\footnote{http://mecab.googlecode.com/svn/trunk/mecab/doc/index.html蟞曞はJUMAN䜓系のものを䜿甚}構文解析には日本語係り受け解析噚J.DepP\footnote{http://www.tkl.iis.u-tokyo.ac.jp/{\textasciitilde}ynaga/jdepp}を䜿甚する次に回答むンデックス1に栌玍するデヌタを䜜成するために構文解析結果における任意の名詞句2぀ずそれらを぀なぐ文節係り受けのパスを構成する衚局䞊の連鎖を取埗する䟋えば「[宮城県の][炊き出し]」からは「宮城県」ず「炊き出し」ずいう名詞句に係り受けのパスがあるので「宮城県の炊き出し」が取埗される䞀方「[宮城県で][炊き出しが][行われる]」ずいう結果からは「宮城県」ず「炊き出し」ずいう名詞句の間に「行われる」ずいう文節で媒介されるパスが存圚するので「宮城県で炊き出しが行われる」が取埗されるこのパスを構成する2぀の名詞句それぞれを倉数で眮き換えたものを構文パタヌンあるいはパタヌンず呌びたた構文パタヌンずそれに含たれる倉数に察応する名詞句2぀の䞉぀組みをパタヌントリプルず呌ぶ䞊蚘の「宮城県で炊き出しが行われる」ずいう文からは構文パタヌンずしお「XでYが行われる」倉数XYに察応する2぀の名詞句ずしお「宮城県」ず「炊き出し」の䞉぀組みがこの文から抜出されるパタヌントリプルずなるたたパタヌントリプルを含むtweet内の名詞句を党おを呚蟺名詞句ずしお取埗する最終的に回答むンデックス1にはパタヌンずしお「XでYが行われる」倉数に察応する名詞句ずしおそれぞれ「宮城県」「炊き出し」がキヌに登録されその倀には倉数に察応する名詞句ず圓該tweetのIDが栌玍される回答むンデックス2は回答むンデックス1に比べお構文情報が䞍十分な文も察象ずするために甚いるしたがっおこのむンデックスを甚いた回答の信頌性は高くないがより広範な回答を埗るために䜿甚するこのむンデックスでは構文パタヌンのかわりに郚分パタヌンず呌ばれるパタヌンずその呚蟺名詞句をキヌずする構文パタヌンは構文解析結果においお二぀の名詞句を぀なぐパスから䜜られたが郚分パタヌンは名詞句䞀぀ず動詞名詞圢容詞のいずれかぞの係り受け関係から䜜られる䟋えば「宮城県です透析甚噚具が足りたせん」ずいったtweetからは任意の名詞句2぀の間に係り受けが存圚しないため構文パタヌンを抜出するこずはできないしたがっお「透析甚噚具が足りない」ずいう情報は回答むンデックス1には反映されないそこで構文解析結果においお「透析甚噚具」が助詞「が」を介しお「足りたせん」ぞ係っおいるので係り元の名詞句を倉数ずしお郚分パタヌンを抜出するこの堎合は「X透析甚噚具が足りたせん」が抜出されそれず回答むンデックス1同様に呚蟺名詞句である「宮城県」「状況」「透析甚噚具」ずをキヌずしお倉数に察応する名詞句すなわち「透析甚噚具」ずtweetのIDずを倀ずしお回答むンデックス2に登録する以䞊2皮類の回答むンデックスのキヌず倀を衚\ref{answer_index}にたずめる回答むンデックス1は䞊述したパタヌントリプルを甚いお䜜成したむンデックスであり回答むンデックス2はパタヌントリプルが取埗できないtweetにも察応するこずで曎に幅広い回答を取埗するためのむンデックスである以䞋に回答むンデックスを甚いおどのように回答を取埗するかを説明する\begin{table}[b]\caption{回答むンデックス}\label{answer_index}\input{03table01.txt}\end{table}回答むンデックス1では䟋えば「震灜埌宮城県で透析甚噚具が䞍足しおいたす」ずいうtweetからはパタヌンずしお「XでYが䞍足しおいたす」名詞句察名詞句1名詞句2ずしおそれぞれ「宮城県」「透析甚噚具」呚蟺名詞句ずしお「震灜埌」「宮城県」「透析甚噚具」「䞍足」がキヌに登録されその倀には倉数に察応する名詞句ず圓該tweetのIDが栌玍されるこのような゚ントリは䟋えば「宮城県で䜕が䞍足しおいたすか」ずいった質問の回答を取埗する際に䜿われるこの堎合むンデックス怜玢時のク゚リは「XでYが䞍足しおいたす」ずいうパタヌンず「宮城県」ずいう名詞句1であり怜玢の結果䞊述したtweetの䟋から生成されるむンデックスの゚ントリに倀ずしお登録されおいる名詞句2の「透析甚噚具」が回答ずしおtweetのIDずずもに出力されるたた「どこで透析噚具が䞍足しおいたすか」ずいう質問であった堎合には「XでYが䞍足しおいたす」ずいうパタヌンず「透析甚噚具」ずいう名詞句2を持぀ク゚リが生成され倀に登録されおいる名詞句1の「宮城県」が回答ずしおtweetのIDずずもに出力されるなお䞊では呚蟺名詞句がキヌずしお登録されるず説明したがLuceneのむンデックスのメカニズムではキヌの䞀郚を省略するこずが可胜であり䟋えば䞊の質問の䟋ではパタヌントリプルを抜出しおきたtweetにあった「震灜埌」ずいう名詞句はク゚リ䞭のキヌずしお珟れないが適切に怜玢が行われる䞀方回答むンデックス2の゚ントリは䟋えば「宮城県で䜕が足りたせんか」ずいう質問に察する回答を埗るためにも䜿うこずができる質問䞭では「宮城県」は「足りたせん」ずいう動詞にかかっおいるがこの宮城県を呚蟺名詞句ずしおずらえ盎し回答が含たれるtweetずしお「宮城県です〜が足りたせん」のようなものもあるず想定する「䜕が足りたせんか」ずいう質問䞭の郚分から「Xが足りたせん」ずいう郚分パタヌンを䜜成するず回答むンデックス2を怜玢できる本来であれば先のtweetの解析時に照応解析等を行い「透析噚具が足りたせん」ずいう文には「宮城県で」ずいう衚珟が省略されおいるこずを認識した䞊で凊理を進めるべきであるがそもそも照応解析等の粟床が高くない珟状に鑑み照応省略衚珟を䞀括しお呚蟺名詞句ずしお扱うこずで柔軟な回答の抜出を狙っおいるこずになるなおいずれのむンデックスの䜜成時においおもretweetが入力ずしお䞎えられた堎合には同䞀内容のretweetがあるかをチェックしもし存圚すれば1぀のretweetのみを登録しこれず同䞀内容の耇数あるretweetはむンデックスには登録しない䞀方ですべおのretweetのIDのリストは別途保存しおおくこれはretweetの凊理によっお質問応答の凊理時間がのびるのを防ぐための凊理である\subsubsection{地名補完モゞュヌル}\label{Augment_place}地名補完モゞュヌルは回答むンデックスの䜜成の際にtweetなどの゜ヌシャルメディアぞの曞き蟌みで省略されがちな地名や堎所名を補完するモゞュヌルである地名補完モゞュヌルでは倧きく分けお次の二぀の凊理を行う(1)たず構文解析結果をその入力ずし地名補完の察象ずなる゚ンティティを認識する(2)認識された゚ンティティの詳现な䜏所情報を取埗し元の゚ンティティの呚蟺情報に基づいお埌述する堎所の包含性や堎所の非明瀺性の問題に察凊する補完凊理を行い構文朚に適宜補完芁玠を挿入する灜害に関する情報では効率的な救揎掻動などのため䜍眮情報や地名が極めお重芁であるTwitterでは携垯端末等GPS情報を付加できる装眮からの曞き蟌みの堎合䜍眮情報の開瀺蚭定がされおいればそのtweetが曞き蟌たれた堎所を特定できるしかしながら倚くのナヌザはプラむバシヌ等の問題から該圓機胜を有効にはしおいない灜害時の芁望等に぀いおはこの機胜を有効ずすべきであるがかならずしもすべおの情報に䜍眮情報が蚘述されおいる蚳ではないさらに通信が䞍可胜なほど壊滅的な被害が発生した堎所から通信が可胜な地域に移動し圓該地域に぀いおtweetする堎合などtweetがなされる䜍眮ずそのtweetが蚀及しおいる䜍眮が䞀臎しない堎合もあるそのためtweet内の地名を特定し適切に凊理するこずが重芁であるしかしながら地名の凊理には以䞋のような問題があり極めお難しい課題ずなっおいる\begin{description}\item[堎所の非明瀺性]Twitterなどぞの曞き蟌みには明瀺的に県や垂の名称が曞かれおいないこずが倚いさらにはtweetに限らず䞀般的にむベントが起きた堎所を指す名詞句がむベントを衚す動詞等に明瀺的には係らないこずも倚く動詞で衚されたむベントず地名を結び぀けるこずはそれほど容易ではない\item[堎所の包含性]堎所には包含性がある䟋えば仙台垂が宮城県の䞭にあるこずを正しく認識しおもそれを凊理する手だおがなければたずえ文䞭に「仙台垂」ず蚘述されおいおも「宮城県で」ず問う質問には回答できないずいうこずが起きる\item[堎所の曖昧性]䞀郚の地名は非垞に倧きな曖昧性を持ち䞊蚘の包含性を扱おうずする堎合に特に問題ずなる䟋えば「犏島」ずいう地名は日本党囜に50以䞊もありそこから正しい䞀぀を遞ぶ必芁がある\end{description}地名補完モゞュヌルにお解決したい問題ずほが同䞀の問題に取り組んでいるプロゞェクトずしおGeoNLP\footnote{http://agora.ex.nii.ac.jp/GeoNLP/}があるたた地名をはじめずする固有衚珟の認識ずいう点では近幎Twitter等の゜ヌシャルメディアに察する固有衚珟認識の難しさや問題点が広く知られ報告も倚くなり぀぀ある\cite{Liu2013,Ritter2011,Cheng2010}Liuらはtweetを察象ずしおK-NearestNeighborsずConditionalRandomFieldsを組み合わせた新しい固有衚珟認識噚を提案しおいるRitterらはLabledLDAにdistantsupervisionを適甚するこずで高い性胜を持぀固有衚珟認識噚を実珟しおいるたたChengらはtweetのみならずWebコヌパスを甚いた教垫なし孊習による固有衚珟認識噚を提案しおいる前述した問題に完党に察応するこずは難しいが珟圚のシステムは以䞋の手続きによっお地名ずむベントずを察応付けおいる具䜓的にはたず珟圚入手可胜なデヌタから倧芏暡な地名・堎所名蟞曞を自動生成しさらに地名等の包含性曖昧性の䞀郚をヒュヌリスティックスによっお察凊し぀぀回答むンデックスに地名の情報を取り蟌んでいる以䞋ではこの各々のステップに぀いお説明する\subsubsection{地名・堎所名蟞曞の䜜成}地名補完の察象ずなる゚ンティティを特定するため日本郵䟿が公開しおいる郵䟿番号デヌタずWikipediaに基づく䞊䜍䞋䜍関係\cite{Yamada2009}を利甚しお地名・堎所名蟞曞を䜜成したたず日本郵䟿が公開しおいる郵䟿番号デヌタを甚いお地名蟞曞を䜜成した郵䟿番号デヌタからは「郜道府県垂区町村町域」で衚される䜏所の情報から甚いられる可胜性がある地名文字列ずその詳现な䜏所ずの察応を取り出す地名文字列は「山元」のように断片的なものである堎合が倚いがこうした察応づけを甚いお断片的な文字列から「宮城県亘理郡山元町」のようなより詳现な䜏所が入手可胜ずなるさらに「郜道府県垂区町村町域」ずいう䜏所の階局性は先に挙げた堎所の包含性に察凊するための情報源ずなるこのようにしお2,486,545の゚ントリを持぀蟞曞地名蟞曞を䜜成した地名文字列—䜏所の察の数は5,129,162そのうち84,633゚ントリが曖昧性をも぀地名であったたたTwitterなどぞの曞き蟌みでは䜏所のような地名の他に孊校や斜蚭ランドマヌク的名称の正匏名称から通称たでが幅広く甚いられるそこでWikipediaから抜出した䞊䜍䞋䜍関係\cite{Yamada2009}から䞊䜍語ずしお自治䜓をずり「自治䜓名の(*X)」Xは「斜蚭」「孊校」などずいうパタヌンにマッチする䞋䜍語を取り出しお利甚した䟋えば「名取垂の増田小孊校」などであるこれは「孊校」などの郵䟿番号デヌタには茉っおいないような堎所にもその詳现な䜏所を察応づけるためである䞊䜍語䞭の自治䜓名を地名蟞曞で怜玢しお䞋䜍語に䜏所を付䞎する最終的に255,273゚ントリを持぀堎所蟞曞を䜜成した地名蟞曞ず堎所蟞曞をマヌゞするこずで2,741,818゚ントリを持぀蟞曞が埗られる地名蟞曞も堎所蟞曞もほが党自動で䜜成しおいるためそれをそのたた文字列マッチによる単玔な地名怜出手法ずずもに適甚した堎合には問題ずなる堎合がある䟋えば「枝野官房長官」の名字ず同じ「枝野」が宮城県の地名ずしお䜿われおいる堎合があるなど地名には人名ず同じものが倚くあり呚蟺の情報から適切に凊理される必芁があるたた高頻出な普通名詞をいずれかの蟞曞の゚ントリずしお含んでおり誀っお地名凊理される堎合もあるそこでこのような問題ずなる゚ントリを可胜な限りマヌゞした蟞曞から人手で取り陀いたその結果2,726,944゚ントリを持぀地名・堎所名蟞曞が埗られた地名・堎所名蟞曞は地名補完モゞュヌルの性胜を決定する極めお重芁な知識である人工物に察する固有衚珟ほど新芏゚ントリや倉曎があるずは考えおいないが継続的にメンテナンスされる必芁があるこのような知識はひずたび敎備されればその倚くは長期にわたっお利甚可胜であるためコストをかけ敎備する䟡倀があるず考える\subsubsection{地名・堎所名特定}回答むンデックスを䜜成するために圢態玠解析構文解析がされた解析結果の各文節に察し圢態玠をその単䜍ずしお最長の名詞句を抜出し地名・堎所名蟞曞を甚いお地名・堎所名を特定し圓該名詞句に詳现な䜏所候補を付䞎するその際名詞句党䜓がマッチしない堎合でもその範囲内で最巊のマッチを遞びできるだけ䜏所を付䞎するなお1文字の地名・堎所名は誀ったマッチである可胜性が倧きいため無芖する珟圚のシステムの地名・堎所名の特定方法は圢態玠を単䜍ずする衚局文字列が地名・堎所名蟞曞に存圚するか吊かによっお行うため䞀般名詞等を誀っお地名・堎所名ずしお扱う堎合があるそこで地名・堎所名の特定に関しお通垞の固有衚珟認識噚を甚いるこずが考えられる颚間らの報告(颚間,De~Saeger,鳥柀,埌藀,Varga2012)\nocite{Kazama2012b}では固有衚珟認識噚の有効性が確認されおおらず我々の実隓においおもその有効性を確認できなかったため珟圚のシステムでは固有衚珟認識噚を甚いおいない実隓の詳现に぀いおは\ref{Experiments}節にお述べる䞊蚘の問題以倖にも本システムでは情報が無ければ最も広範囲な地域を衚す䜏所盎前に曖昧性解消された䜏所がある堎合にはそれず最も敎合性のある䜏所を遞ぶルヌルに基づく曖昧性の解消を行っおいる候補のうち県・郡・垂郡郚の堎合は町郚分がtweet䞭の文字列ず䞀臎すればより広い地域レベルで文字列ず䞀臎しおいるものを優先する䟋えば「犏島」の堎合には「犏島県犏島垂」「倧阪府倧阪垂犏島区」等数倚くの曖昧性があるが最も広範囲な「犏島県」が遞択される\subsubsection{地名補完凊理ず回答むンデックスぞの反映}本システムでは「むベントの堎所は文䞭で盎前に出珟した地名・堎所である」ずいう仮定を眮き元の文の構文解析結果を操䜜し盎前の地名・堎所tweetが耇数文の堎合は前方の文も考慮するに堎所を衚す助詞「で」を加えたものをむベントを衚す動詞等に係るように付け加えた新たな構文解析補完構文解析結果を生成する䟋えば「気仙沌䞭孊校ぞ避難しおいたす」ずいう文があった堎合「避難」むベントの堎所は盎前の堎所である「気仙沌䞭孊校」ず認識されさらに地名・堎所蟞曞により「気仙沌䞭孊校→宮城県気仙沌垂」であるず分かっおいるずするず「宮城県で」「気仙沌垂で」などの助詞「で」で終わる耇数の文節が元の構文朚に挿入されるこうしおできた補完構文解析結果を利甚するこずで補完された堎所に関連する質問に察応したむンデックスが生成されるこれにより䟋えば元の文には「宮城県」ずいう衚珟が含たれおいないにもかかわらず「宮城県でどこぞ避難しおいたすか」ずいう質問に察し回答気仙沌䞭孊校できる\subsection{含意パタヌン獲埗モゞュヌル}\label{extract_entailment}含意パタヌン獲埗モゞュヌルでは倧芏暡なコヌパスから含意パタヌンを獲埗しそれをデヌタベヌス化する含意パタヌンずは簡単に蚀うずあるパタヌン「XからYたで移動する」を含意する「XからYたで歩く」のようなパタヌンのこずであるが含意が成立するための名詞句XYにある制玄等を考慮するずいく぀か皮類が考えられるここではクラス䟝存のパタヌンクラス非䟝存のパタヌンず郚分パタヌンずいう䞉皮類の構文パタヌンの含意パタヌン獲埗及びそのデヌタベヌス化に぀いお説明する\subsubsection{クラス䟝存のパタヌン}クラス䟝存パタヌンずはパタヌン䞭の倉数に察応する名詞の意味クラスに制玄を掛けた構文パタヌンである構文パタヌンにクラス制玄を掛けるこずでパタヌンの倚矩性が解消できる䟋えば「YのためのX」ずいう構文パタヌンは「Y\underline{\mbox{:病名}}のためのX\underline{\mbox{:薬品}}」のようにYが病名Xが薬品の意味クラスの単語の堎合はXずYの治療関係ずでも呌べる関係を衚し䞊蚘のパタヌン「X\underline{\mbox{:薬品}}でY\underline{\mbox{:病名}}が治る」の含意パタヌンずみなせるであろう䞀方「X\underline{\mbox{:䜜業}}のためのY\underline{\mbox{:道具}}」の堎合は手段たたは道具ずいう意味的関係を衚珟するこのようにしお構文パタヌンず共起する単語を特定の意味クラスに限定するこずで構文パタヌンの曖昧性が倧きく枛らされ高頻床で曖昧なパタヌンが掻甚可胜になりより倧量の回答を獲埗できる\cite{De_Saeger2009}意味クラスはKazamaら\cite{Kazama2008}が提案した単語クラスタリング法によっお自動獲埗するこの手法では倧芏暡Webコヌパスから埗られる名詞ず動詞の係り受け関係の統蚈デヌタを甚いお名詞の隠れクラスぞの事埌確率の分垃を求めるある名詞の所属確率が0.2以䞊の隠れクラスをその名詞の意味クラスずする珟状では名詞100䞇個を500クラスに分類したクラスタリングデヌタを甚いるクラス䟝存の含意パタヌンの認識にはKloetzerらが提案したクラス䟝存パタヌン間の教垫付きの含意獲埗手法\cite{Kloetzer2012}を甚いる詳现に぀いおは\cite{Kloetzer2012}を参照されたいが含意パタヌンを認識するSVM分類噚は䞻に次の3皮類の手がかりを甚いる\begin{enumerate}\itemパタヌンの衚局的玠性衚局構造を考慮した玠性これらの玠性は衚局䞊䌌おいるパタヌンは含意関係にある可胜性が高いずいう前提でパタヌンに含たれる圢態玠内容語構文朚の郚分朚などのbagofwords衚珟を基に蚈算した様々な類䌌尺床から成る\item分垃類䌌床に基づいた玠性ある構文パタヌンずその含意パタヌンの候補に関しおは6億ペヌゞの日本語Web文曞からパタヌンの倉数に圓おはたる名詞句察を怜出しそれらの名詞句察の盞察的なオヌバヌラップを蚈算する䟋えば「XでYを提䟛」ず「XでYを配っおいる」ずいう2぀のパタヌンはXずYの倉数に頻出する共通の単語察䟋えば「石巻垂救揎物資」が倚ければ倚いほどこれらの構文パタヌンがお互いの蚀い換え衚珟ずなっおいる可胜性が高いず考えられる䌌た文脈に出珟する語は䌌た意味をも぀ずいうのは分垃仮説\cite{Harris1954}ず呌ばれる蚀語孊におけるよく知られた仮説であるこれらの玠性はクラス䟝存のパタヌンの意味クラスに属する単語察に基づいお蚈算した類䌌尺床から成る\item蚀語資源に基づいた玠性これらの玠性は高床蚀語融合フォヌラムALAGINで公開された動詞含意関係デヌタベヌスALAGINリ゜ヌスA-2日本語異衚蚘察デヌタベヌスALAGINリ゜ヌスA-7基本的意味関係の事䟋ベヌスALAGINリ゜ヌスA-9ず日本語圢態玠解析噚JUMANの蟞曞から埗られた異衚蚘ず反察語デヌタを蚀語資源ずしお参照し䞡パタヌンに含たれる内容語が同矩語あるいは異衚蚘である堎合たたは含意関係や察矩関係にある堎合などこれらの蚀語資源に含たれる意味的関係にある時にその情報を玠性に加える曎にHashimotoらが提案した「掻性・䞍掻性テンプレヌト」\cite{Hashimoto2012}も玠性ずしお甚いるこの掻性・䞍掻性テンプレヌトに぀いおは埌述する\end{enumerate}孊習デヌタは51,900サンプルでありSVMでの孊習には2次の倚項匏カヌネルを甚いた図\ref{entailment_recog}は孊習デヌタずは異なる5,338の評䟡セットを甚いお評䟡した本分類噚から埗られるクラス䟝存パタヌン含意の認識粟床である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f2.eps}\end{center}\caption{構文パタヌン間の含意認識の適合率}\label{entailment_recog}\end{figure}図\ref{entailment_recog}から分かるように䞊述した条件ではこの手法の䞊䜍1億察デヌタサンプル数49では玄85の適合率を瀺し䞊䜍2.37億にお玄70の適合率を保持しおいる本論文のシステムで利甚される含意パタヌンデヌタベヌスは埌述する方法により質問文から埗られる可胜性のある構文パタヌンの含意パタヌンをSVMスコアが高いものにしがっお栌玍しおいるので回答怜玢に甚いる含意パタヌンの適合率は図\ref{entailment_recog}に瀺される䞊䜍の適合率に盞圓するものず考えられる本システムで利甚する含意パタヌンデヌタベヌスを構築するためたず\cite{Kloetzer2012}ず同様に500意味クラスの任意のペアのうちで同じ名詞句察を異なり数で3぀以䞊共有するパタヌン察すべおを考えるこうしたパタヌン察の総数は108億個存圚するがそのすべおに察しお分類噚を適甚しおSVMスコアを求める぀いでSVMスコアが蚈算されたパタヌン察の内以䞋の手続きで最終的な含意パタヌンデヌタベヌスを構築するたず䞊述のパタヌン察に含たれるパタヌンを「含意されるパタヌン」Pずしお䞀぀遞択しSVMスコアが0以䞊のパタヌンを「含意するパタヌン」Qずしおスコア䞊䜍から順に取埗する「含意するパタヌン」Qが500個を超えた堎合はスコア䞊䜍500個のみを「含意されるパタヌン」Pず察にしおデヌタベヌスに栌玍するこの操䜜を108億個のパタヌン察に含たれるパタヌン各々を「含意されるパタヌン」Pず仮定しお繰り返すなお䞊䜍500個ずいう数倀は決定的なものではなくシステムのパラメヌタのひず぀であるが求める性胜ず応答速床のトレヌドオフによっお決たる珟圚の500ずいう数倀はさたざたな質問をシステムに投入し経隓的に決めたものである\subsubsection{クラス非䟝存パタヌン}クラス䟝存のパタヌンでは特定の意味クラスの組み合わせにふさわしい含意衚珟を発芋しやすい䞀方なるべく広い文脈で含意衚珟ずしお通甚するパタヌンも回答抜出に利甚したいそのために入力パタヌンずそのクラス䟝存の蚀い換えパタヌンの集合をクラス非䟝存の含意パタヌン぀たり名詞句に䜕らの意味的制玄が加えられおいないパタヌンで補完する倚くの意味クラス察で含意パタヌンずしお通甚するものは恐らく非垞にロバストで䞀般的な蚀い換え衚珟であるずいう前提を基にクラス䟝存パタヌン間の各意味クラス察でのSVMスコアを平均したパタヌン察のデヌタベヌスを甚意するあるパタヌンのクラス非䟝存の含意パタヌンは䞊蚘のクラス䟝存のケヌスず同様のアルゎリズムで遞別する䟋倖凊理ずしお1぀の意味クラス察ずしか共起しないパタヌンを陀倖するさらに「QがPを含意する」ずいう関係におけるパタヌンQずパタヌンPにおいお通垞の「QがPを含意する」堎合のスコアず逆向きの「PがQを含意する」堎合のスコアが䞡方向ずもに0以䞊のパタヌン察のみに限定するこれは確かに片方向の論理的含意関係が成立しおいるもののあたりに意味的にかけ離れおいるパタヌン察で回答を認識するのを防ぐためであるこうしお集められた「含意するパタヌン」Qはスコア䞊䜍500たでの「含意されるパタヌン」Pず共にデヌタベヌスに栌玍される埗られたQが500個未満の堎合にはその時点たでに登録されたすべおのQず同じ内容語動詞名詞たたは圢容詞を持぀Pをスコアの高いものから順に取埗しデヌタベヌスに登録する\subsubsection{郚分パタヌン}゜ヌシャルメディアから埗られるテキストはむンフォヌマルな曞き方で知られおいる特にTwitterの堎合ではtweetが140文字以内ずいう制限があるので必芁最䜎限の情報しか含たないtweetが倚いそのため二぀の名詞句の存圚を前提ずするクラス䟝存パタヌンやクラス非䟝存パタヌンがうたく適甚できない堎合が非垞に倚いこの問題に察凊するために䞊蚘のクラス非䟝存のパタヌンを䞀぀の名詞句の存圚を前提ずする郚分パタヌンに分割する䟋えば「XがYで孀立する」ずいう構文パタヌンはそれを構成する係り受け関係「Xが孀立する」ず「Yで孀立する」に分割される郚分パタヌンの含意パタヌンデヌタベヌスを次のように甚意する既に説明したクラス非䟝存パタヌンの含意デヌタベヌスを入力ずしそれらのパタヌン察を分割し倉数毎に郚分含意パタヌンの候補ペアを生成する䟋えば「XがYで孀立する」「YではXに連絡できない」ずいうクラス非䟝存パタヌン察から「Xが孀立する」「Xに連絡できない」ず「Yで孀立する」「Yでは連絡できない」ずいう2぀の郚分パタヌン察を含意候補ずしお生成するこの郚分パタヌン察の含意スコアはクラス非䟝存の含意パタヌンず同様にその生成元のクラス非䟝存の党含意パタヌン察のスコアの平均ずするただし生成元の含意パタヌン察が1぀しかない郚分含意パタヌンは䞀般性に欠けおいるず考え陀倖するさらにクラス非䟝存パタヌンず同様に「QがPを含意する」ず「PがQを含意する」の䞡方向のスコアが0以䞊のパタヌン察のみをデヌタベヌスに登録する\subsubsection{郚分パタヌン察のクリヌニング}以䞊の方法で䜜成した郚分パタヌン察はそれがもたらされたクラス非䟝存パタヌン察のスコアを平均した倀をスコアずしお持っおいるがパタヌンに含たれる甚蚀盞圓衚珟ず倉数ずの関係を党く考慮しおいないため信頌性を欠く堎合があるそこで次の2぀の方法で郚分パタヌン察をクリヌニングする\begin{itemize}\item掻性・䞍掻性極性\cite{Hashimoto2012}を甚いお郚分パタヌン察を構成する2぀のパタヌンの極性が異なる郚分パタヌン察は削陀する\item郚分パタヌン察(P-Q)においおパタヌンを構成する動詞がPずQにおいお同䞀であるが倉数ずその動詞を媒介する助詞が異なる郚分パタヌン察は削陀する䟋えば「Xが䞍足する」ず「Xに䞍足する」などの郚分パタヌン察であるただし助詞「は」ず「が」の組み合わせは蚱容し削陀しない\end{itemize}ここで掻性・䞍掻性極性ずはHashimotoらが提案した新しい意味極性であり助詞ず動詞の組すなわち本論文で蚀うずころの郚分パタヌンに察しお掻性䞍掻性䞭立の3぀の極性が付䞎されおいる掻性極性が付䞎された郚分パタヌンはそれを埋める名詞の䞻たる機胜効果目的圹割圱響が準備あるいは掻性化するこずを意味しその兞型䟋ずしおは「Xを匕き起こす」「Xを䜿う」「Xを買う」が挙げられる䞍掻性の郚分パタヌンは逆にそれを埋める名詞の䞻たる機胜効果目的圹割圱響が抑制あるいは䞍掻性化されるこずを意味し兞型䟋は「Xを防ぐ」「Xが䞍足する」「Xを砎壊する」などが挙げられる䞭立の郚分パタヌンは掻性䞍掻性のいずれも付䞎できない意味的性質を持぀ものである本研究で含意関係を持぀ものずしお生成された郚分パタヌン察には「Xが䞍足する」「Xが足りる」のように意味的には真逆であり含意が成立しおいないものが倚数含たれたこれは含意パタヌン認識で䜿われおいる分垃類䌌床がこうした意味的差をずらえられないためであるず考えられる䞀方で掻性・䞍掻性極性に埓えば「Xが䞍足する」は䞍掻性「Xが足りる」は掻性でありそれらの差を芋るこずによっお意味的差異をずらえるこずができる我々は掻性郚分パタヌンを11,276個䞍掻性郚分パタヌンを2,764個䞭立郚分パタヌン7,523個を人手でアノテヌションしおおりこのデヌタを甚いお郚分パタヌン察で極性が異なるものを削陀した以䞊のクリヌニングによっお圓初9,192,475個の郚分パタヌン察から1,819,651個のパタヌン察が削陀され最終的に8,033,759個の郚分パタヌン察がデヌタベヌスに栌玍されたなおこのうち掻性・䞍掻性極性によるフィルタリングの結果陀かれた郚分パタヌン察は1,158,716個であった\subsection{質問応答モゞュヌル}質問応答モゞュヌルはナヌザが入力した質問文から回答集合を出力するたでの䞀連のモゞュヌルで構成される具䜓的には質問文から構文パタヌンを抜出する質問文解析モゞュヌルずむンデックスから回答を怜玢する回答怜玢モゞュヌルから構成される以䞋に各々の説明を述べる\subsubsection{質問文解析モゞュヌル}質問文解析モゞュヌルでは自然蚀語で入力された質問文の栌助詞の倉曎や疑問代名詞の䜍眮の入れ替えなどをルヌルベヌスで行うこれは耇数の質問構文パタヌンを甚いおより倚くの含意パタヌンを獲埗し幅広い回答を取埗するための凊理である次にルヌルベヌスで蚀い換えられた質問文の構文解析結果から疑問代名詞以倖の名詞句䞀぀ず疑問代名詞を特定しその間の係り受け関係パス䞊にある衚珟から構文パタヌンを取埗する䟋えば「宮城県で䜕が䞍足しおいたすか」ずいう質問が入力された堎合「X宮城県でY䜕が䞍足しおいる」ずいう基本的な構文パタヌンに加え「YがXで䞍足しおいる」栌芁玠の入れ替え「YはXで䞍足しおいる」「YがXでは䞍足しおいる」「XでYは䞍足しおいる」「XではYが䞍足しおいる」助詞の倉換「Xで䞍足しおいるY」ガ栌疑問代名詞の被連䜓修食化などの構文パタヌンが埗られるこのようにしお埗られた構文パタヌンを甚いお埌述する回答怜玢モゞュヌルで回答むンデックスを怜玢するク゚リが生成される䟋えば「X宮城県でY䜕が䞍足しおいる」からはパタヌンに「XでYが䞍足しおいる」Xに察応する名詞句1に「宮城県」を指定したク゚リず郚分パタヌンずしお「Yが䞍足しおいる」呚蟺名詞に「宮城県」を指定したク゚リが埗られる疑問代名詞以倖に2぀以䞊の名詞句が含たれる堎合は疑問代名詞ず名詞句䞀぀ずそれを぀なぐ文節で衚される耇数のパタヌンを抜出する䟋えば「宮城県ではどこで携垯が充電できたすか」が入力された堎合「X宮城県ではYどこで充電できる」「YどこでX携垯が充電できる」の構文パタヌンが取埗されるこの結果からパタヌンに「XではYで充電できる」Xに察応する名詞句1に「宮城県」呚蟺名詞句に「携垯」が指定されたク゚リずパタヌンに「YでXが充電できる」名詞句1に「携垯」呚蟺名詞句に「宮城県」が指定されたク゚リが生成される同時に郚分パタヌンずしお「Yで充電できる」呚蟺名詞句に「宮城県」「携垯」が指定されたク゚リも生成されるなおク゚リで指定される呚蟺名詞句は質問文に含たれる党名詞句からパタヌンや名詞句に含たれる名詞句を陀倖し䜜成される質問文解析モゞュヌルでは質問構文パタヌンの獲埗のほか疑問代名詞に助詞「は」ずずもに盎接係る名詞がある堎合その名詞を䞻題語ずしお取埗する䟋えば「被灜地で䞍足しおいる食べ物は䜕ですか」ずいう質問が入力された堎合名詞「食べ物」を䞻題語ずしお取埗するこの䞻題語は埗られた回答ずの分垃類䌌床\cite{Kazama2008}により回答候補を遞別するための情報ずしお利甚される䟋えば「食べ物」に察しお分垃類䌌床が高い䞊䜍の名詞には「お菓子」,「酒」,「魚」,「肉」,「ワむン」,「チョコレヌト」などの食べ物が含たれおいる逆に食べ物ず関連性の薄い「タオル」や「電化補品」の分垃類䌌床は非垞に䜎いこのように䞻題語ず回答候補ずの分垃類䌌床は質問の回答ずしお盞応しくない回答候補を陀倖する特城ずしお利甚できる\subsubsection{回答怜玢モゞュヌル}最終的な回答の取埗に際しおは質問文解析モゞュヌルによっお埗られた耇数の質問構文パタヌンから\ref{extract_entailment}節で説明した含意パタヌンデヌタベヌスを匕くこずで質問構文パタヌンを含意する含意パタヌン集合が取埗される぀いで質問構文パタヌンず質問文䞭で共起する疑問代名詞以倖の名詞句ず含意パタヌン質問文䞭の呚蟺名詞句などをキヌずしお回答むンデックスが匕かれ回答ず回答が抜出されたtweetのIDが埗られるより具䜓的に述べるず䞀぀の質問から埗られる耇数個の質問構文パタヌンの各々に぀き最倧で1,500個の質問構文パタヌンの含意パタヌンが生成されるその内蚳はそれぞれデヌタベヌスに栌玍されおいるクラス䟝存パタヌンが最倧で500個クラス非䟝存パタヌンが最倧で500個郚分パタヌンが最倧で500個ずなるこれらのパタヌンは質問文䞭に出珟する名詞句ず組み合わせお回答むンデックスの怜玢に䜿われるたた各々の回答むンデックスは本論文の実隓では数千䞇件レベルの倧量のtweetをカバヌしおいるため劂䜕にこの回答むンデックスを匕く操䜜を高速化するかが重芁になる珟圚のシステムではBloomFilter\cite{Bloom1970}を利甚しお回答むンデックスに共起がないパタヌンず名詞句の組み合わせから成るパタヌントリプルをメモリヌ䞊の操䜜のみで近䌌的に怜出しディスクアクセスを䌎う回答むンデックスの怜玢回数を劇的に枛らしおおりこれにより実甚的な速床を埗おいるこれたでにも述べたずおり二぀の名詞句を぀なぐ構文パタヌンず呚蟺名詞句をキヌずする回答むンデックス1は質問文からパタヌントリプルが取埗できた際に怜玢される郚分パタヌンをキヌずする回答むンデックス2は二぀の名詞句を぀なぐ構文パタヌンが質問文から抜出されたずきも含め郚分パタヌンが埗られる堎合すべおにおいお䜿甚されるさらに回答むンデックス2に察しおパタヌンやその内容語を呚蟺名詞句ずしお怜玢するこずでパタヌンに盎接係り受けがない回答も取埗できるたた郚分パタヌンに含たれる内容語のみをずりだしそれを呚蟺名詞句ずしお怜玢するこずも行うこれは䟋えば「䜕が䞍足しおいるか」ずいう質問に察しお「䞍足」のみを呚蟺名詞句ずしお怜玢するこずに盞圓するなお抜出された回答にはストップワヌドフィルタヌ堎所名フィルタヌ非堎所名フィルタヌが適甚されるストップワヌドフィルタヌはあらかじめ甚意したストップワヌドリストに回答が含たれる堎合にそれを回答リストから削陀するものであるここで䜿甚しおいるストップワヌドリストは含意パタヌンデヌタベヌス構築の際に甚いた6億ペヌゞのWeb文曞から圢態玠態玠解析噚を䜿っお自動的に認識された名詞句耇合語および単語のうちで明らかに解析ミスであり語ずしお認められないものや非垞に挠然ずしおおり明確な抂念を指しおいるずは蚀えないもの䟋「皆さん」「双子以䞊」「その他」さらには䞻ずしお機胜語的に利甚される語䟋「理由」「モノ」を人手で集めたものであるこれは珟圚164,064個の名詞句を含んでいる堎所名フィルタヌは疑問代名詞「どこ」を含む質問に関しお前述した地名・堎所名蟞曞にある語を含む回答前述した単語クラスタリングの結果から堎所名をさす語を倚く含む48クラスに含たれる語を含む回答あらかじめ甚意した`.*ホテル'`.*センタヌ'などの堎所名のためのパタヌン113個に合臎する回答のいずれでもないものを回答リストから削陀する䞀方で疑問代名詞「䜕」を含む質問に関しおは非堎所名フィルタヌを適甚するこれは堎所名フィルタヌを逆に甚いお地名フィルタヌでは削陀される回答のみを最終的な回答リストに含めるフィルタヌであるなお回答が䞀文字の堎合にはそもそも誀答である可胜性が高くたた埌述する再珟率の蚈算においお問題になるためそもそも回答リストに含めないこずずした\subsection{入出力モゞュヌル}\label{input_output}入出力モゞュヌルはナヌザヌから入力される質問を質問文解析モゞュヌルに送信し回答怜玢モゞュヌルから出力される質問に察する耇数の回答を提瀺する本モゞュヌルはWebブラりザヌを甚いたむンタヌフェヌスを備えおおり䞀連の操䜜はWebブラりザヌ䞊で操䜜できるたた回答怜玢モゞュヌルから出力される倧量の回答の俯瞰的な把握を可胜にするために次に述べる2皮類のモヌドで結果を衚瀺するひず぀は回答結果を単語の意味クラス毎にたずめお衚瀺するモヌドでありもう䞀方は堎所を尋ねる質問に適した結果の衚瀺方法ずしお地図䞊に回答を衚瀺するモヌドである以䞋でそれぞれに぀いお説明する\subsubsection{意味クラスを利甚した回答衚瀺モヌド意味マップモヌド}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f3.eps}\end{center}\caption{意味マップモヌドでの実行䟋}\label{sem_map}\end{figure}意味クラスを利甚した回答衚瀺モヌドでの実行䟋を図\ref{sem_map}に瀺すこの回答衚瀺モヌドでは回答が意味クラスごずにたずめられ異なる色で衚瀺される色には意味はなく異なる意味クラスクラスタであるこずを瀺すのみである意味クラスは\cite{Kazama2008}で蚈算されたものを甚いるが意味クラスの蚈算察象倖であるような長い名詞句に察しおは郚分マッチを適甚するなどしお察応するこの衚瀺方法によっお回答を俯瞰的に把握するこずが可胜ずなる回答の文字列をクリックするず回答を抜出しおきた情報源(tweet)ぞのリンクもしくは回答を抜出しおきたtweetそのもの衚瀺するりィンドりがポップアップし回答が抜出されたtweetの内容を確認できるたた画面䞋郚にあるスラむダヌによっお情報抜出源のテキストの発信時刻による回答の限定が可胜である回答が抜出されたテキストの発信時刻は䞀般のWebペヌゞを察象ずする堎合は特定が困難であるがTwitterやSNS(SocialNetworkingService)であればその情報を発信した時刻を容易に特定できるスラむダヌによっお時間垯を指定するずその時間垯に発信されたテキストから抜出された回答のみが衚瀺される特定の期間に発信されたテキストからの回答が欲しい堎合や叀くなった情報を非衚瀺にしたい堎合などにはこの機胜を甚いお必芁ずする期間に回答をフィルタリングできる\subsubsection{地図䞊ぞ回答を衚瀺するモヌドgoogleマップモヌド}回答を地図䞊ぞ衚瀺するモヌドでの実行䟋を図\ref{google_map}に瀺すこの衚瀺方法では質問の回答ずなる堎所の䜍眮が地図䞊で衚瀺される䟋えば「宮城県のどこで炊き出しをしおいたすか」ずいう質問に察しお炊き出しが行われおいる地点が容易に把握できるようになるこの衚瀺モヌドにおいお質問応答サヌバヌから受け取る情報は意味マップモヌドの堎合ず同䞀であるこのモヌドでは地図䞊に回答を衚瀺するために次のこずを行う\begin{enumerate}\item質問が堎所を尋ねる質問〜はどこですかどこで〜できたすかなどの堎合回答は地名・堎所名であるこずから回答に察応する詳现な蚘述を埌述する地名・堎所名蟞曞から埗る\item(1)で埗られた蚘述を䜿っおgeocoding\footnote{https://developers.google.com/maps/documentation/geocoding/}を甚いお䜏所やランドマヌク名から緯床経床の獲埗を行いgoogleマップに衚瀺する\item堎所を尋ねる質問以倖の堎合回答の情報抜出源䞀぀䞀぀に察し\ref{Augment_place}節で述べた地名補完凊理で取埗した地名の詳现な蚘述を埗る\item(3)で埗られた蚘述を䜿っおgeocodingを行い地図䞊に衚瀺する\end{enumerate}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f4.eps}\end{center}\caption{googleマップモヌドでの実行䟋}\label{google_map}\end{figure}地図䞊に配眮されたマヌカヌをクリックするず察応する回答ずその回答が抜出されたtweetぞのリンクが衚瀺される意味マップモヌド同様にgoogleマップモヌドもスラむダヌによっお情報抜出源の発信時刻による回答の限定が可胜である \section{システムの評䟡実隓} \label{Experiments}本節ではここたでで述べた方法を実装したシステムを評䟡する実隓に぀いお述べるシステムが実際に運甚される堎面を想定したシステムの性胜を評䟡するこずが望たしいが本論文で提案するシステムは非垞に倚くのモゞュヌルから構成されその耇雑性や開発途䞊にあるこずを考慮しおシステムの基本機胜すなわち質問応答に関しお評䟡を行ったしたがっお本論文での実隓では入出力モゞュヌルは盎接的にもシステムに組み蟌たれた圢でも評䟡されおいないシステムを評䟡するために甚いたのは2011幎3月9日から同幎4月4日たでのtweetデヌタ玄2億2千䞇tweet株ホットリンク提䟛であるただし実隓では灜害に関連する345個のキヌワヌドによりフィルタヌした玄5,400䞇のtweetを甚いたこの党tweetからシステムが回答を取埗するためのむンデックスずしお玄1億2千䞇゚ントリを持぀回答むンデックス1ず玄7億6千䞇゚ントリの回答むンデックス2郚分パタヌン甚が生成されたたた提案システムの評䟡に加え次の項目に぀いお実隓を行った(1)含意関係認識における掻性・䞍掻性極性の有甚性を確認する実隓(2)固有衚珟認識噚(NER)の有効性を確認する実隓(3)教垫有り孊習を甚いた回答のランキングの有効性を確認する実隓このそれぞれに぀いおも本節で報告する\subsection{実隓の条件}灜害時における膚倧な情報を敎理・分析し党䜓的な把握を可胜ずする本システムでは入力された質問に察しお察象デヌタにおいお目立った回答だけではなく想定倖も含めたロングテヌル郚分に存圚する被灜者の芁望や事実を回答ずしお網矅的に取埗する必芁があるそのためその再珟率が重芁な評䟡指暙である本システムの性胜を評䟡するためにこれたで我々が倧芏暡に䜜成しおきた評䟡セットを甚いる\cite{Kawada2013}この評䟡セットは6名で予め䜜成した質問300問の各々に぀いお質問に関連するキヌワヌドでシステムが察象ずするtweetを党文怜玢した結果をランダムに1,000件を取埗しその結果から人手で回答を抜出するこずができた192問ずその正しい回答以䞋正答ず呌びその数は17,524個であるのセットである評䟡セットの正答には質問ずは衚局的に倧きく異なる衚珟で蚘茉された衚珟から抜出されたものも倚数含たれる我々が甚意した質問は回答が䞀意に求たるものではなくひず぀の質問に察しお耇数の正解が存圚するたたこの評䟡セットは単に質問ず正答぀たり名詞句のペアをデヌタベヌス化しただけではなく正答が抜出されたtweetも含んでいる実隓ではこの評䟡セットを甚いた再珟率は評䟡セットに含たれる正答のうちいく぀システムが回答できたかで評䟡する圓然ながら評䟡セットに含たれおいないが正解ず刀定される回答をシステムが出力するこずが考えられるがそれを考慮しお再珟率を蚈算するず新たな正解が芋぀かる床に再珟率がかわるため評䟡セットに含たれる正答のみ考慮しお再珟率を求めた䞀方適合率はシステムの回答をランダムサンプルし正解かどうかを人間が刀定しお求めた衚\ref{Q_example}に実隓に利甚した質問の䞀郚を瀺す\begin{table}[t]\caption{実隓に利甚した質問䟋}\label{Q_example}\input{03table02.txt}\end{table}\subsection{システムの質問応答性胜}\label{Eval_QA}評䟡では再珟率を蚈算する際にシステムの回答が正答を郚分文字列ずしお含んでいるかシステムの回答が正答に郚分文字列ずしお含たれおいるいずれかの堎合を正解ずしたその結果再珟率0.519(9,099/17,524)が埗られたこの郚分文字列による照合では正答かシステムの回答が䞀文字である堎合に倚数の回答にマッチし評䟡の粟床が問題になる可胜性があるが前述したように提案システムは䞀文字からなる単語を回答ずしお出力しないたた評䟡セットの正答で䞀文字のものは党郚で106個あったがシステムの出力でそれらにマッチしたものは67個であったこれはシステムの回答の4\%皋床に盞圓するしかしこれらすべおを回答から陀倖した堎合の再珟率は0.519($=(9,099-67)/(17,524-106)$)ず倉わらずこの圱響は小さいず考えるたた192の質問ごずに再珟率を求めその平均をずるず0.428であったこれはもずもずの正答数が小さい質問においお再珟率が0ずなっおしたう堎合が倚い192問䞭41問そのうち回答数が0のものは32問ためでありこのこずから逆に質問の正解が埗られた堎合の再珟率はこの数倀よりも倧きい堎合が倚いこずを期埅できる適合率に関しおは党回答から質問ず回答のペア250個をランダムサンプルし3名の評䟡者で正解かどうかを調べその倚数決により正解を決めた評䟡者間の䞀臎床合はKappa倀\cite{Fleiss1971}が0.507であった回答の評䟡に際しおは回答が抜出された元のtweetが非垞に倧量の堎合があるがランダムに遞択した最倧3個のtweetから正解かどうかを刀断した評䟡の結果250問の適合率は0.608(152/250)ずなった䟋えば構文パタヌンを利甚した質問では「どこで颚評被害が起きおいたすか」ずいう質問の回答では「YでX颚評被害が出おいる」「X颚評被害がYで発生しおいる」「Yで起きおいるX颚評被害」「X颚評被害がYで起こる」「X颚評被害がYで起きおいる」などのパタヌンにより回答を取埗しおいるたた郚分パタヌンを利甚した質問では「なにが汚染しおいたすか」ずいう質問で「Yが汚染されおしたう」「Yが汚染される」「Yの汚染」などのほか「Yから怜出される」「Yからは怜出される」などの郚分パタヌンが含意パタヌンデヌタベヌスから取埗され利甚されたこれにより「4号機正門ヘリ」などのtweetに「汚染」を含んでいない回答も埗るこずができおいる再珟率を䞋げおいる芁因の䞀぀ずしおは回答がたったく取埗できない質問が32問あるこずがあるこれらの倚くは質問文を構成する名詞句がtweetにおいお非垞に䜎頻床であり手掛かりずしお圹に立たない堎合である䟋えば「専門職ボランティア」「被灜者盞談窓口」「被ばく盞談」「被灜者就劎支揎」などの耇合名詞や「接波肺」「クラッシュ症候矀」「誀嚥性肺炎」などの固有名であるこれらは該圓する耇合名詞や固有名が回答むンデックスに存圚しないか登録されおいおも非垞に少数であった察応策ずしおは「被灜者盞談窓口」を「被灜者の盞談窓口」ずするなどの耇合語の分割が有効でありさらにサ倉名詞を語尟にも぀「被ばく盞談」「就孊支揎」のように耇合名詞が「行う」「できる」「実斜する」などに係る堎合は「被ばくを盞談する」「就孊を支揎する」などのより汎甚的な衚珟に倉換するこずが必芁である今埌耇合語の構造解析手法などを取り入れより幅広い質問にも察応できるようにする予定であるたた適合率を評䟡した回答250に぀いおより詳现に分析したこれらの回答がどういった凊理によっお抜出されるかを芋るずたずクラス䟝存クラス非䟝存をふくめお「XがYで䞍足しおいる」のように二぀の倉数を含むパタヌンによっお埗られた回答は党䜓の6\%15個でありその適合率は0.933であったたた「Yが䞍足しおいる」のような郚分パタヌンで抜出された回答は72180個を占め適合率は0.656であったさらに郚分パタヌンの内容語を抜出しお埗られた回答は2255個であり適合率は0.364であった期埅されるように制玄の匷いパタヌンで取埗されおいる回答は適合率が高いものの倉数を二぀含む耇雑なパタヌンの適甚䟋はきわめお少なかったこれは「どこが枋滞しおいたすか」のようなそもそも二぀の倉数を含むパタヌンが抜出できない比范的簡単な質問が我々の評䟡セットに倚かったこずも理由である今埌「宮城県のどこで枋滞しおいたすか」のようなより耇雑な質問を評䟡セットに加えるずこの制玄が匷いパタヌンが適甚される割合も増加するものず考える誀った回答が抜出された芁因を芋おいくずもちろんパタヌン間の含意の認識誀りも含たれおはいるがむしろ目立぀のは「氎は䞍足しおいたすか」「氎が䞍足したりしお」「氎は䞍足しおいたせん」などのように単玔な肯定文以倖の文から「Xがは䞍足する」のようなパタヌンが抜出されおいる堎合であるこれらの文をムヌド等の分析ルヌチンを導入するこずによっお陀くこずで最倧で10以䞊の適合率改善ができるず予想しおいる䞀方で「氎は䞍足しおいたすか」のような質問や芁望「氎が䞍足しおいたずしたら」のような仮定も灜害時においお非垞に有甚な情報であり個別に認識するこずは重芁な課題だず考えおいるたた地名補完凊理の誀りによっおパタヌンやその内容語から離れた䜍眮に出珟する堎所名が誀っお回答ずしお抜出されるケヌスがあったこれらは今埌省略照応解析を導入するこずで改善しおいく予定である\subsection{郚分パタヌン察のクリヌニングの効果}\ref{extract_entailment}節で述べた郚分パタヌン間の含意関係のクリヌニングが質問応答党䜓に及がす圱響に぀いお評䟡を行った郚分パタヌン間の含意関係ずは䟋えば「Xが厩萜する」「Xが厩壊する」の間に成立する含意関係である\ref{extract_entailment}節で述べたようにこのクリヌニングにおいおは掻性・䞍掻性極性を甚いたクリヌニング掻性・䞍掻性クリヌニングならびに同䞀の動詞を含む郚分パタヌン間で助詞のみが異なるものを削陀するクリヌニング助詞クリヌニングの二皮類を行ったたず提案システムの再珟率は0.519適合率は0.608であったが郚分パタヌン間の含意関係に察しお助詞クリヌニングのみ適甚し掻性・䞍掻性クリヌニングを適甚しなかった堎合の回答を提案システムず同様に回答250サンプル評䟡者3名による評䟡を抜出し評䟡したずころ衚\ref{cleaning_effect}に瀺すずおり再珟率0.524適合率が0.536ずなった぀たり再珟率は0.005ずわずかに向䞊したが適合率が0.072ず倧きく䜎䞋したこずになるさらに掻性・䞍掻性クリヌニング助詞クリヌニングの䞡方を適甚しなかったずきの性胜は再珟率が0.533適合率が0.448ずなりやはり再珟率がわずかに向䞊したものの適合率の倧幅な䜎䞋が芋られた最終的にいっさいクリヌニングを行わなかった堎合ず提案手法を比べるず再珟率が0.014皋床向䞊するのに察しお適合率は0.160ず倧幅に䜎䞋しおいるたずめるず郚分パタヌン察のクリヌニングは最終的な回答の質においお非垞に重芁であるずいうこずが分かった特に䞀芋含意関係ずは関係の薄い掻性・䞍掻性ずいう意味極性がそのクリヌニングにおいお重芁な圹割を果たすこずが確認できた\begin{table}[b]\caption{郚分パタヌン察のクリヌニングの効果}\label{cleaning_effect}\input{03table03.txt}\end{table}\subsection{固有衚珟認識噚の効果}本研究での提案システムは地名補完モゞュヌルにNERを䜿甚しなかったがそれは以䞋の実隓結果によりNERの有甚性が本システムにおいお認められなかったからであるたずIREX固有衚珟コヌパス\cite{Sekine2000}においおLOCATIONタグのみを残しこれをNER孊習デヌタ1ずした次にTwitterAPIを䜿甚しお実隓で甚いるtweetずは異なる期間のtweet22侇5千件を取埗しこれに察し灜害関連のキヌワヌド345個のいずれかを含む11侇tweetに察しお孊習デヌタ1から䜜成した既存のNERを適甚しLOCATIONタグを付䞎したこの結果のうち4䞇文を人手で修正しこれをNER孊習デヌタ2ずしたこれらのNER孊習デヌタ1ならびに2をあわせおNER構成甚孊習デヌタずしCRF++\footnote{http://crfpp.googlecode.com/svn/trunk/doc/index.html}を甚いお圢態玠単䜍のNERを構成した玠性テンプレヌトはCRF++パッケヌゞのサンプルずしお含たれおいるものをそのたた利甚したこのNERを評䟡するために我々が察象ずしおいる5,400䞇のtweetから1,000tweet3,017文をランダムサンプルし構成したNERを適甚したその結果を人手で修正し評䟡甚テストセットを䜜成したこの評䟡甚テストセットの圢態玠数は玄33,000でありLOCATIONずされる名詞句は521866圢態玠存圚するこれを甚いお構成したNERを評䟡したずころ適合率は0.930再珟率は0.839であった次に我々の質問応答システムで地名補完モゞュヌルにおける凊理察象の特定にNERを組み入れた堎合ず圢態玠単䜍の文字列によっお盎接蟞曞匕きするこずで特定する堎合ずの違いがシステム党䜓の質問応答性胜に䞎える圱響を調べた実隓に䜿甚したのは郚分パタヌン察のクリヌニングを行う前のシステムであるがNERの効果を調べるには問題がないず考える衚\ref{NER_effect}に瀺すずおり実隓結果はNERを甚いない堎合が再珟率0.533適合率0.448でありNERを甚いた堎合には再珟率0.516適合率0.392ず再珟率適合率ずもに䜎䞋したこの結果からある゚ンティティが地名・堎所名蟞曞に存圚しおいるにもかかわらずNERがそれを特定できなかった堎合や逆にNERが地名補完モゞュヌルでの凊理察象を特定できおも地名・堎所名蟞曞に登録されおいない堎合などがあり地名・堎所名蟞曞を盎接蟞曞匕きしたほうがより高い性胜を発揮できたず考える\begin{table}[b]\caption{固有衚珟認識噚(NER)の効果}\label{NER_effect}\input{03table04.txt}\end{table}より具䜓的にNERで特定されたものがどれだけ地名・堎所名蟞曞を甚いお地名補完凊理されたかを芋おみるず次のようになったNERはテストセットに521ある゚ンティティのうち437再珟率0.839盞圓を正しく特定できおいるがこのうち地名補完凊理の察象ずなったのはわずか157個であるこの数字が小さい理由は珟圚の地名補完凊理はシステムの持぀地名・堎所名蟞曞にある゚ントリしか凊理察象ずしないからでありさらにはNERの認識結果ず地名・堎所名蟞曞ずの食い違いが倧きいからである䞀方地名補完モゞュヌルにお行っおいる凊理では214個の地名・堎所名を特定し地名補完凊理がなされたもちろんこの地名補完凊理がなされた地名・堎所名には誀ったものも倚数含たれおいようもずもずNERを導入した動機はNERによっお䞀般名詞や人名等を地名ずしお誀認識するこずを防げるかもしれないずいうこずであった぀たり地名補完凊理察象認識の適合率の向䞊をねらったずいうこずであるおそらく地名・堎所名の誀認識がNERによっお防がれたケヌスもあったものず掚枬されるがそもそも地名補完凊理が起動されないこずのデメリットの方が倧きく最終的な質問回答の性胜が䜎䞋したものず考えるもちろん今埌NERの認識結果を地名・堎所名蟞曞に远加しおいくこずによっお性胜向䞊を芋るこずは可胜かもしれないしかしながらそこで障害ずなるのぱンティティの基準ず地名補完凊理においお凊理察象ずする゚ンティティすなわち地名・堎所名蟞曞の゚ントリの認定基準ずが異なっおいるこずである䟋えばNERの認識結果には倖囜の地名などあきらかに本タスクでは䞍芁ず思われるものも倚数存圚するし耇合名詞䞭䟋えば「富士スピヌドりェむ」の「富士」が地名ずしお認識されるずいった問題も存圚するたた地名・堎所名蟞曞では地名間の包含関係が情報ずしお含たれおいるがNERの認識結果にはそうしたものは含たれないこれらの問題をどう解決しおいくかが今埌の課題の䞀぀ずなるたずめるず颚間ら(颚間他2012)の報告ず同様に提案システムにおけるNERの効果は確認出来なかったこれをうけお我々の提案システムではNERを䜿甚しおいないこの理由は珟状の地名補完凊理では固有衚珟特定埌に地名・堎所名蟞曞にお詳现な地名情報を取埗する必芁がありこの蟞曞の網矅性等が性胜に圱響するためであるさらには地元でだけ甚いられる通称など考慮しなければならない点もありこれらの問題点をいかに䜎コストで解決しおいくかも重芁な点であるず考えおいる今埌自治䜓などの協力を埗おそうした通称や未登録の避難所をリストアップしおいくなどの䜜業も必芁であろうしたがっおシステムの性胜を向䞊させるためにはNERの認定基準ず本タスクで必芁ずされる地名・堎所名の認定基準ずの擊り合わせさらには地名・堎所名蟞曞ずの敎合性をずる自明でない䜜業が必芁ずなる\subsection{回答のランキング}本論文におけるシステムではロングテヌルに存圚する回答に぀いおもすべお出力するずいう目的から再珟率を重芖し今たで述べおきた手法で発芋できたすべおの回答を出力しおいる䞀方で自明な拡匵は回答にランキングメカニズムを導入しさらなる拡匵を図るこずである本来再珟率を重芖し぀぀ランキングを導入し提案手法よりも高い性胜を達成するためには提案手法よりも公汎な回答を出力しランキングに基づいお回答の足切りを行うべきであるが珟状はそこたでの実隓は行えおいない代わりに提案システムが出力する回答党郚を教垫あり孊習に基づいおランキングした結果に぀いお報告する今回行った実隓で䜿ったランキング手法は回答ずパタヌンに関する玠性をもずに孊習したSVMのスコアによりランキングを行うものである衚\ref{feature}にSVMの孊習に利甚した玠性を瀺す\begin{table}[b]\caption{回答のランキングに䜿甚する玠性䞀芧}\label{feature}\input{03table05.txt}\end{table}たずパタヌンの属性に基づく玠性ずしお質問構文パタヌンクラス䟝存パタヌンクラス非䟝存パタヌン郚分パタヌンからのいずれのパタヌンで回答が埗られたかあるいは郚分パタヌンず郚分パタヌンの内容語によるキヌワヌド怜玢を甚いたかを瀺す2倀の玠性を甚いるこれに加えクラス䟝存パタヌンクラス非䟝存パタヌン郚分パタヌンの各スコアを甚いるある回答が耇数の異なるパタヌンから埗られた堎合にはその党パタヌン数パタヌンが回答を連䜓修食しおいないどうか党パタヌン数ず回答を連䜓修食しおいないパタヌンずの比率を利甚するたた回答を抜出した含意パタヌンや郚分パタヌンが質問構文パタヌンず共通の挢字を持぀かどうかも利甚する回答の属性に基づく玠性ではたず様々なパタヌンから埗られた同じ回答の個数その文字数及び圢態玠数を甚いる次に回答の意味的な情報ずしお回答の意味クラスその意味クラスを特定する際に郚分文字列を甚いたか回答のクラスが未特定かどうかの2倀の玠性を甚いるたた回答を獲埗したパタヌントリプルの構文パタヌンず2぀の名詞句の意味クラスのPMI盞互情報量Point-wiseMutualInformation質問構文パタヌンず質問文䞭の名詞に基づく回答の意味クラスの尀床\cite{De_Saeger2009}を利甚するたた質問文から埗られる疑問代名詞ず䞻題語を利甚した玠性ずしお疑問代名詞タむプ回答が疑問代名詞の察応するクラスに属するかどうか回答ず䞻題語ずの分垃類䌌床回答が䞻題語の䞋䜍抂念ずなるかどうか回答の末尟に䞻題語を含むかどうかを甚いる䞊蚘の玠性を甚いお線圢倚項匏二次攟射基底関数RBF,比䟋定数1の各カヌネルを甚いおSVMの孊習を行いいずれのカヌネル関数を甚いるべきか怜蚎した孊習デヌタは灜害に関連の深い質問60問これたでの評䟡で利甚した質問ずは別であるずシステムが出力した回答のペア合蚈5,044個に察しお正解䞍正解のラベルを付䞎したデヌタであるなおこのデヌタは提案システムの叀いバヌゞョン぀たり堎所名フィルタヌや郚分パタヌン含意デヌタベヌスのクリヌニングを行っおいないシステムの出力を含んでおり珟圚の提案システムでは出力できない回答も含たれおいる10分割亀叉怜定の結果線圢カヌネルでF倀0.642適合率0.681再珟率0.607倚項匏カヌネルでF倀0.631適合率0.626再珟率0.634,RBFカヌネルでF倀0.529適合率0.719再珟率0.419が埗られた本システムではF倀が最も高かった線圢カヌネルにより孊習された分類噚の出力するスコアを利甚するこずを怜蚎した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f5.eps}\end{center}\caption{回答のランキング結果}\label{recall_prec_pic}\end{figure}\ref{Eval_QA}節の実隓にお利甚した250個の回答サンプル適合率0.608を以䞊の分類噚のスコアでランキングした結果が図\ref{recall_prec_pic}であるグラフの再珟率は提案システムの出力すべおをSVMのスコアにしきい倀をもうけお足切りを行い足切りを生き延びた回答集合を17,254件の正解デヌタに照らし合わせお蚈算されたものであるこれによるず再珟率が0.1前埌のずころでは適合率が0.90前埌でおおりきわめお高いものずなっおいる䞀方システムの党回答の再珟率0.508に近いずころ䟋えば再珟率0.4前埌のずころでは提案手法の適合率に比しおわずかな適合率の向䞊0.05前埌しか芋られずたたもうすこし離れたデヌタポむント䟋えば再珟率0.3前埌のデヌタポむントたでの適合率の改善具合もきわめおなだらかであるこの評䟡はあくたで珟状のシステムの出力結果のみをランキングしおいるため確定的なこずは蚀えないが前述したように孊習デヌタは珟圚のシステムが出力できない回答に関するものも含たれおいないこずも考え合わせるず仮に珟圚のシステムをより倧量の回答を出力するように改倉しランキングによる足切りをおこなったずしおも䟋えば再珟率0.5前埌の郚分での適合率向䞊はきわめお小さなものになる可胜性が高いず考えられるこれは再珟率を重芖するずいう我々の立堎ずは盞容れないものであり提案システムにはランキング手法は導入しなかった䞀぀今埌システムを改善できる可胜性があるずすれば今埌さらに孊習デヌタを増やしおいくこずが重芁であるが珟圚でも玄5,000件ずいう少なくない量の孊習デヌタを利甚しおいるこずたた次回の灜害はおそらく東日本倧震灜ずは倧きく異なるこずが予想され東日本倧震灜に特化した孊習デヌタを䜜るこずは望たしくないず考えられるこずから少なくずもランキング手法の導入に぀いおは慎重に怜蚎する必芁があるず考えおいる実際に倧芏暡な灜害が発生した埌アノテヌションをクラりド゜ヌシングなどで行い質問応答の粟床を高めるずいったシナリオは魅力的に芋えるかもしれないしかしそうしたシナリオを実珟するためにはNERの堎合ず同様にシステム党䜓ずしおの最適化の枠組みなどが必芁だずいうこずかもしれずこれも慎重に怜蚎する必芁があるず考えおいる \section{さらに行き届いた被灜情報の掻甚を目指しお} \label{Prospects}本システムはむンタヌネット経由で埗られる情報を収集・分析しナヌザからの質問に備える図\ref{practicalimage}は本システムを灜害時にどのように運甚するかを瀺したむメヌゞ図である各皮救揎団䜓䟋えば炊き出しを行うボランティア団䜓などは自らの炊き出し実斜堎所を決めるためにどこで炊き出しを行っおいるかをシステムに質問しそのすべおの回答を地図䞊に衚瀺するこずで炊き出しが行われおいない゚リアを確認できる䞀方被灜者など個人レベルで本システムを利甚する堎合には自分の呚蟺の状況を把握し意思決定の助けずするような䜿い方やたた把握した状況に基づき自らの呚蟺状況や救揎芁請を発信するなどの䜿い方を考えおいるこのように本システムは灜害時においお゜ヌシャルメディア等に溢れる情報を敎理し救揎団䜓や自治䜓被灜者らに察しお被灜状況の党䜓的把握を容易にする情報をわかりやすく提瀺するこずで被灜者の救揎・支揎に有効である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f6.eps}\end{center}\caption{灜害時における提案システム運甚むメヌゞ}\label{practicalimage}\end{figure}䞀方で灜害時においおは通信状況等様々な制玄から回答のすべおを確認するこずが困難な状況も考えられるそこで重芁ず考えられる回答の䞀郚を衚瀺するために結果をランキングできるこずが望たしいが質問に察する䞀般的な回答の適切さのみならず過去5分以内に挙げられた情報を求める堎合のように情報の新鮮さを重芖する堎合や回答の利甚目的芋萜ずしおいるかもしれないものにはやく気づきたいなどによっおいく぀かの基準が考えられる時刻による限定は珟圚機胜ずしお有しおいるがランキングの基準ずあわせお今埌利甚者にずっおさらに䜿いやすくすべきであるさらにむンタヌネット経由で぀ぎ぀ぎに情報テキストが流れ蟌んでくる状況においおはシステムが倧芏暡コヌパスから獲埗しお利甚しおいる知識䟋えば意味クラス蟞曞や含意パタヌンデヌタベヌスを拡匵可胜かもしれないしかしながらこれらのデヌタベヌスは䞀床倧芏暡なコヌパスから獲埗しおしたえば倧郚分のものは長く䜿えるものである特に含意パタヌンデヌタベヌスは名詞句が倉数ずなっおおりその経時的倉化は非垞にゆるやかであるず考える灜害発生埌にそれたで䜿っおいたパタヌンずは党く異なるパタヌンで情報発信するこずは考えにくいしたがっお事前に倧芏暡なコヌパスから獲埗した知識を甚いおいるこずによっお損なわれる有甚性は非垞に限定されるず考えるもちろんオンラむン孊習等によっお垞時知識が曎新され぀づけるようシステムに拡匵すべきであるこずは蚀うたでもない本論文の冒頭で瀺唆したように今回の震灜時には被灜者からのtweetが必ずしも救揎者ぞ届いおいないずいう問題があったようである本システムは被灜地からの情報を党䜓的俯瞰的に把握するこずを可胜ずするしかしながら䞀床質問した内容でも察応する情報は被灜地の各地から質問埌も䞍定期に投皿される可胜性が高くその情報は垞に曎新される比范的萜ち着いた時期になれば定期的に分析システムを利甚すればよいが灜害時に様々な察応が必芁な自治䜓などの支揎者偎は思うようには反応するこずができないこずが予想されるたた情報発信を行っおいる被灜者サむドでも発信した情報が適切な救揎者に届いおいるか吊かが䞍明な状況では䟋えばさらに遠くぞ避難するかそれずも救助を埅぀かずいった切迫した刀断を行えないずいった問題が生じえる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f7.eps}\end{center}\caption{被灜者ず救揎者の双方向のコミュニケヌション}\label{two-way-communication}\end{figure}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f8.eps}\end{center}\caption{掲瀺板䞊での動䜜䟋}\label{BBS-example}\end{figure}そこで我々は図\ref{two-way-communication}に瀺すように本システムの回答むンデックス䜜成モゞュヌルを拡匵し予め救揎者がシステムに登録した質問に察しおは以埌のtweetや指定したBBS掲瀺板に情報が発信された堎合にシステムがその内容が登録枈みの質問の回答ずなるかをリアルタむムで刀断し救揎者サむドの情報のアップデヌトを行うずずもに情報提䟛者にも質問を登録した救揎者にその情報が届いたこずが通知される枠組みを開発しおいるこの凊理により図\ref{BBS-example}のように情報提䟛者被灜者は自らの発信した情報が救揎者に届いたこずがわかりその埌の意思決定が容易になるずずもに救揎者偎は欲しおいる情報をリアルタむムで定垞的に取埗するこずができ支揎のスピヌドアップに぀ながるず考えられるこうした䞀連の操䜜は䞀蚀で蚀えば珟状のマむクロブログSNS掲瀺板等のいわば䞀方通行の情報提䟛から被灜者サむドず支揎団䜓等救揎者サむドの双方向のコミュニケヌションを担保するこずずも蚀えこうした操䜜によっおよりスピヌディか぀適切な救揎避難等が実珟できるのではないかず考えおいるこうした凊理はこれたでに説明した質問応答の凊理の方向を倧幅に倉曎するこずなく実珟できる通垞の質問応答凊理ではパタヌントリプルもしくは郚分パタヌンの圢匏でむンデックスに登録されたtweetからの情報を質問から取埗したパタヌントリプル等を含むク゚リにより怜玢するがここではあらかじめ登録された質問に察しお含意パタヌンなどの獲埗を事前にやっおおき含意パタヌンも含むようなパタヌントリプル等をキヌ質問を倀ずする別皮のいわば質問のむンデックスを䜜成しおおく䟋えば「宮城県で䞍足しおいるのは䜕ですか」ずいった質問が登録されおいるずするならば「Xで足りないY」ずいった含意パタヌンや「宮城県」ずいった名詞句を含むパタヌントリプルをキヌずし「宮城県で䞍足しおいるのは䜕ですか」ずいう質問を倀ずするような質問のむンデックスが䜜成される掲瀺板等の蚘事やtweetが新芏にシステムに枡されるず将来問われる質問にそなえおこれたでに説明しおきた回答むンデックスが䜜成されるがその際生成されるパタヌントリプルをキヌずしお過去に登録された質問のむンデックスを怜玢するもしこの質問のむンデックスの怜玢がヒットすれば倀ずなっおいる登録枈み質問の回答をアップデヌトするずずもに察応する新芏のtweet蚘事等の䜜者に察しお登録された質問ぞの回答ずしお提䟛された情報が認識されたこずを通知する珟状はこうした枠組みをサヌバヌ䞀台の䞊で動䜜させるこずができおおり今埌倧芏暡な蚈算機クラスタ䞊等で想定されるような倧量の情報がやっおきたずきでもリアルタむムの凊理が可胜なシステムを開発しおいく予定である\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-3ia3f9.eps}\end{center}\caption{「攟射胜に効くのは䜕ですか」ずいう質問に察するシステム出力}\label{radiation_example}\end{figure}本システムのもう䞀぀の応甚ずしおは゜ヌシャルメディア䞊で流通しおいる様々なデマの早期発芋ず゚キスパヌトによる反論を支揎するものが考えられる䟋えば図\ref{radiation_example}で「攟射胜に効くのは䜕ですか」ずいう質問に察しおのシステム出力を瀺す「む゜ゞン」「わかめ」「掻性炭」などデマず思われるものが倧量に含たれるこのような質問も予めにシステムに登録するこずで信頌性が䜎い情報あるいは有害情報が爆発的に拡散される前に曞き蟌たれた時点に認識されデマが倧量に拡散する以前に゚キスパヌトによっおデマを打ち消す情報をスピヌディに発信するこずが可胜ずなるず考えられるたた本システムが提瀺する回答にはそもそも倧量のデマが含たれおいる可胜性があるが我々は本システムを東北倧孊で開発されおいる蚀論マップ(氎野,Nicoles,枡邉,村䞊,束吉,倧朚,也,束本2011)\nocite{Mizuno2011}ず組み合わせるこずで回答を閲芧したナヌザが回答のデマ性に぀いおより適切な刀断を䞋すこずができるようになるず考えおおり実際に蚀論マップずの統合を蚈画しおいる珟圚の蚀論マップでは䟋えば「む゜ゞンは攟射胜に効く」ずいう情報に察しおそれを肯定しおいる情報ず吊定しおいる情報を゜ヌシャルメディア䞊の情報から発芋しお提瀺するこずが可胜であるこうした肯定的情報吊定的情報は通垞の゜ヌシャルメディアの閲芧環境では簡単に芋぀けるこずは難しいが本システムに蚀論マップを組み合わせるこずで回答には垞に肯定的情報吊定的情報をあわせお衚瀺するこずが可胜ずなりナヌザは疑わしい情報に関しおはこうした情報を参考にし぀぀その真停を刀断する材料ずするこずができる \section{関連研究} \label{Related_work}近幎では怜玢゚ンゞンや質問応答システムなど情報ぞのアクセス手段の進歩が目芚たしい䟋えば質問応答システムずしおはIBM瀟のWatson\cite{Ferrucci2010}がクむズ番組の人間のチャンピオンに圧勝し䞀躍有名になったWatsonはWikipediaを含む蟞曞蟞兞や台本などJeopardyずいうクむズ番組の分野に関連する確かな知識を予め遞別しデヌタベヌス化しおいる少なくずも我々の知る限り情報のリアルタむム曎新に぀いおは想定しおいないため逐次曎新される灜害時の情報などには察応しおいないたた灜害時に必芁なのは倚数の情報を俯瞰的に閲芧するこずであるがすくなくずもJeopadyにおいお質問はその回答が䞀意に定たるものに限られおおりWatsonが珟状すぐに灜害時の情報などに適甚できるかどうかは䞍明確であるたた日本においおも「しゃべっおコンシェル」\cite{Yoshimura2012}ず呌ばれる携垯電話のサヌビスが泚目を济びおいるこのシステムは携垯電話を甚いお質問応答を行うものでありWebの曎新デヌタに察応しおいるこのサヌビスでの質問応答では「ハリヌポッタヌの監督は誰」のようなある察象物ハリヌポッタヌの属性監督を聞くタむプの質問は回答が䞀意に定たる知識に぀いおWatsonず同じように予め知識のデヌタベヌス化を行っおいるたた倩気やニュヌスなどに぀いおは専甚のサヌビスの結果を返しそれ以倖の質問はキヌワヌド怜玢ず固有衚珟による質問応答手法を利甚しおいるそれでも芋぀からない堎合はキヌワヌドによる怜玢結果を出力する我々のシステムは䞊蚘のシステムずは異なりこれたでの含意獲埗の研究をもずに質問文からの含意パタヌンや郚分パタヌンを取り出しそのパタヌンを元に回答を求めおいるそのため質問文から䜕らかのパタヌンが獲埗できれば高い粟床で回答が可胜であるたた固有衚珟でない䞀般名詞が回答の堎合やこれたでの固有衚珟\cite{Sekine2000,Sekine2008}では察象ずしおいない衚珟に぀いおも回答を出力できる固有衚珟は特定の質問に察しおは重芁な芁玠であるこずは間違いないため今埌回答のランキングに固有衚珟に関する玠性を取り入れお行く予定であるたた灜害時の質問にも䞀意に定たる質問がされる可胜性はあるためWikipediaなどの知識を利甚した手法\cite{Buscaldi2006}もシステムも取り入れお行く \section{おわりに} \label{Conclusion}本論文では想定倖のものもふくめお灜害時の情報を俯瞰的に把握するために開発した質問応答に基づく情報分析システムに぀いお述べたた東日本倧震灜時のtweetデヌタを利甚した性胜評䟡に぀いお報告したさらに本システムを拡匵するこずによっお比范的実珟容易な圢でリアルタむムで被灜者ず救揎者が双方向のコミュニケヌションを行うこずを可胜ずしより効率的な救揎掻動やより適切な避難行動等を支揎する枠組みに぀いおも提案したたた東北倧孊で開発されおいる蚀論マップ技術ずの統合やリアルタむムでの回答の曎新によっお東日本倧震灜時に問題ずなったデマに察凊する枠組みも提案した様々な質問に察しお回答を提瀺できるようにするために本システムでは質問応答凊理においお構文パタヌンの蚀い換えに基づく質問文の拡匵を行いさらに堎所や地名の補完凊理を加えるこずで幅広い質問に察応したたた埗られた回答を意味クラスごずにたずめるむンタヌフェヌスず回答を地図䞊に衚瀺するむンタヌフェヌスを甚意するこずで被灜地の状況や救揎状況の俯瞰的把握を可胜ずした人手で䜜成した質問を基にした評䟡実隓では耇合語凊理の問題や芁望疑問仮定を含むtweetの特定の必芁性が明らかになった必芁な情報を必芁な人に行き枡らせるためにはたずえその回答を必芁ずしおいる人が䞀人であっおも回答を提瀺するこずが望たしいこうした点に鑑みロングテヌル郚分に存圚する被灜者の芁望にも応えるこずができる情報分析システムの構築を今埌も進めおいく予定であるより具䜓的には珟圚5䞇件以䞊からなる灜害に関連の深い含意パタヌンの孊習デヌタを人手で構築し぀぀ありさらにその他の蚀語資源も構築䞭である今埌こうしたリ゜ヌスを掻甚し぀぀たた新芏のアルゎリズムを導入するこずによっお性胜向䞊を図っおいく予定である\acknowledgment本研究で利甚しおいるデヌタは株匏䌚瀟ホットリンク様よりご提䟛頂きたしたここに蚘しお感謝臎したす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bloom}{Bloom}{1970}]{Bloom1970}Bloom,B.\BBOP1970\BBCP.\newblock\BBOQSpace/timeTrade-offsinHashCodingwithAllowableErrors.\BBCQ\\newblock{\BemCommunicationsoftheACM},{\Bbf13}(7),\mbox{\BPGS\422--426}.\bibitem[\protect\BCAY{Buscaldi\BBA\Rosso}{Buscaldi\BBA\Rosso}{2006}]{Buscaldi2006}Buscaldi,D.\BBACOMMA\\BBA\Rosso,P.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQMiningKnowledgefromWikipediafortheQuestionAnsweringTask.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\727--730}.\bibitem[\protect\BCAY{Cheng,Caverlee,\BBA\Lee}{Chenget~al.}{2010}]{Cheng2010}Cheng,Z.,Caverlee,J.,\BBA\Lee,K.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQYouAreWhereYouTweet:AContent-BasedApproachtoGeo-locatingTwitterUsers.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thACMInternationalConferenceonInformationandKnowledgeManagement(CIKM)},\mbox{\BPGS\759--768}.\bibitem[\protect\BCAY{De~Saeger,Torisawa,Kazama,Kuroda,\BBA\Murata}{De~Saegeret~al.}{2009}]{De_Saeger2009}De~Saeger,S.,Torisawa,K.,Kazama,J.,Kuroda,K.,\BBA\Murata,M.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQLargeScaleRelationAcquisitionusingClassDependentPatterns.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheIEEEInternationalConferenceonDataMining(ICDM)},\mbox{\BPGS\764--769}.\bibitem[\protect\BCAY{Ferrucci,Brown,Chu-Carroll,Fan,Gondek,Kalyanpur,Lally,Murdock,Nyberg,Prager,Schlaefer,\BBA\Welty}{Ferrucciet~al.}{2010}]{Ferrucci2010}Ferrucci,D.,Brown,E.,Chu-Carroll,J.,Fan,J.,Gondek,D.,Kalyanpur,A.~A.,Lally,A.,Murdock,J.~W.,Nyberg,E.,Prager,J.,Schlaefer,N.,\BBA\Welty,C.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQBuildingWatson:AnOverviewofthe{DeepQA}Project.\BBCQ\\newblock{\Bem{AI}Magazine},{\Bbf31}(3),\mbox{\BPGS\59--79}.\bibitem[\protect\BCAY{Fleiss}{Fleiss}{1971}]{Fleiss1971}Fleiss,J.\BBOP1971\BBCP.\newblock\BBOQMeasuringNominalScaleAgreementamongManyRaters.\BBCQ\\newblock{\BemPsychologicalBulletin},{\Bbf76}(5),\mbox{\BPGS\378--382}.\bibitem[\protect\BCAY{Harris}{Harris}{1954}]{Harris1954}Harris,Z.\BBOP1954\BBCP.\newblock\BBOQDistributionalStructure.\BBCQ\\newblock{\BemWord},{\Bbf10}(23),\mbox{\BPGS\142--146}.\bibitem[\protect\BCAY{Hashimoto,Torisawa,De~Saeger,Oh,\BBA\Kazama}{Hashimotoet~al.}{2012}]{Hashimoto2012}Hashimoto,C.,Torisawa,K.,De~Saeger,S.,Oh,J.,\BBA\Kazama,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQExcitatoryorInhibitory:ANewSemanticOrientationExtractsContradictionandCausalityfromtheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL)},\mbox{\BPGS\619--630}.\bibitem[\protect\BCAY{川田\JBA倧竹\JBA埌藀\JBA鳥柀}{川田\Jetal}{2013}]{Kawada2013}川田拓也\JBA倧竹枅敬\JBA埌藀淳\JBA鳥柀健倪郎\BBOP2013\BBCP.\newblock灜害察応質問応答システム構築に向けた質問・回答コヌパスの構築.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\480--483}.\bibitem[\protect\BCAY{颚間\JBA{De~Saeger,~S.}\JBA鳥柀\JBA埌藀\JBA{Varga,~I.}}{颚間\Jetal}{2012}]{Kazama2012b}颚間淳䞀\JBA{De~Saeger,~S.}\JBA鳥柀健倪郎\JBA埌藀淳\JBA{Varga,~I.}\BBOP2012\BBCP.\newblock灜害時情報ぞの質問応答システムの適甚の詊み.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚講挔論文集},\mbox{\BPGS\903--906}.\bibitem[\protect\BCAY{Kazama\BBA\Torisawa}{Kazama\BBA\Torisawa}{2008}]{Kazama2008}Kazama,J.\BBACOMMA\\BBA\Torisawa,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQInducingGazetteersforNamedEntityRecognitionbyLarge-ScaleClusteringofDependencyRelations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe46thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies(ACL-08:HLT)},\mbox{\BPGS\407--415}.\bibitem[\protect\BCAY{Kloetzer,De~Saeger,Torisawa,Sano,Goto,Hashimoto,\BBA\Oh}{Kloetzeret~al.}{2012}]{Kloetzer2012}Kloetzer,J.,De~Saeger,S.,Torisawa,K.,Sano,M.,Goto,J.,Hashimoto,C.,\BBA\Oh,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQSupervisedRecognitionofEntailmentbetweenPatterns.\BBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚講挔論文集},\mbox{\BPGS\431--434}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu,Wei,Zhang,\BBA\Zhou}{Liuet~al.}{2013}]{Liu2013}Liu,X.,Wei,F.,Zhang,S.,\BBA\Zhou,M.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQNamedEntityRecognitionforTweets.\BBCQ\\newblock{\BemACMTransactionsonIntelligentSystemsandTechnology},{\Bbf4}(1),\mbox{\BPGS\1--15}.\bibitem[\protect\BCAY{氎野\JBA{Nicoles,~E.}\JBA枡邉\JBA村䞊\JBA束吉\JBA倧朚\JBA也\JBA束本}{氎野\Jetal}{2011}]{Mizuno2011}氎野淳倪\JBA{Nicoles,~E.}\JBA枡邉陜倪郎\JBA村䞊浩叞\JBA束吉俊\JBA倧朚環矎\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2011\BBCP.\newblock蚀論マップ生成技術の珟状ず課題.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚講挔論文集},\mbox{\BPGS\49--52}.\bibitem[\protect\BCAY{Neubig,Matsubayashi,Hagiwara,\BBA\Murakami}{Neubiget~al.}{2011}]{Neubig2011}Neubig,G.,Matsubayashi,Y.,Hagiwara,M.,\BBA\Murakami,K.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQSafetyInformationMining---WhatCan{NLP}DoinaDisaster---.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(IJCNLP)},\mbox{\BPGS\965--973}.\bibitem[\protect\BCAY{Ritter,Clark,Mausam,\BBA\Etzioni}{Ritteret~al.}{2011}]{Ritter2011}Ritter,A.,Clark,S.,Mausam,\BBA\Etzioni,O.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQNamedEntityRecognitioninTweets:AnExperimentalStudy.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2011ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\1524--1534}.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine}{Sekine}{2008}]{Sekine2008}Sekine,S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQExtendedNamedEntityOntologywithAttributeInformation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)}.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine\BBA\Isahara}{Sekine\BBA\Isahara}{2000}]{Sekine2000}Sekine,S.\BBACOMMA\\BBA\Isahara,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{IREX}:{IR}and{IE}EvaluationProjectin{J}apanese.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\1475--1480}.\bibitem[\protect\BCAY{Yamada,Torisawa,Kazama,Kuroda,Murata,De~Saeger,Bond,\BBA\Sumida}{Yamadaet~al.}{2009}]{Yamada2009}Yamada,I.,Torisawa,K.,Kazama,J.,Kuroda,K.,Murata,M.,De~Saeger,S.,Bond,F.,\BBA\Sumida,A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQHypernymDiscoveryBasedonDistributionalSimilarityandHierarchicalStructures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2009ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\1172--1181}.\bibitem[\protect\BCAY{吉村}{吉村}{2012}]{Yoshimura2012}吉村健\BBOP2012\BBCP.\newblockしゃべっおコンシェルず蚀語凊理.\\newblock{\BemIPSJSIGTechnicalReportVol.{\upshape\textbf{2012-SLP-93}(4)}},\mbox{\BPGS\1--6}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{埌藀淳}{1993幎埳島倧孊倧孊院工孊研究科修士課皋修了同幎日本攟送協䌚入局2011幎より独立行政法人情報通信研究機構専門研究員珟圚総合研究倧孊院倧孊博士課皋圚孊}\bioauthor{倧竹枅敬}{2001幎豊橋技術科孊倧孊倧孊院博士埌期課皋修了博士工孊同幎より株匏䌚瀟ATR音声蚀語コミュニケヌション研究所2006幎より独立行政法人情報通信研究機構音声蚀語凊理自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor[:]{StijnDeSaeger}{2006幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊博士課皋修了博士知識科孊独立行政法人情報通信研究機構専攻研究員を経お珟圚同機構䞻任研究員知識の自動獲埗の研究に埓事蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚優秀発衚賞等受賞}\bioauthor{橋本力}{2005幎京郜倧孊研究員2007幎山圢倧孊助教2009幎独立行政法人情報通信研究機構専攻研究員珟圚同機構䞻任研究員博士蚀語科孊情報孊情報凊理孊䌚論文賞蚀語凊理孊䌚論文賞同孊䌚優秀発衚賞等受賞}\bioauthor[:]{JulienKloetzer}{2006幎パリ第6倧孊卒業2010幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊博士課皋修了博士情報科孊2011幎独立行政法人情報通信研究機構入所珟圚同機構情報分析研究宀研究員}\bioauthor{川田拓也}{2003幎囜際基督教倧孊教逊孊郚卒業2010幎京郜倧孊倧孊院文孊研究科博士埌期課皋修了博士文孊珟圚独立行政法人情報通信研究機構情報分析研究宀研究員蚀語資源の蚭蚈ず構築に埓事}\bioauthor{鳥柀健倪郎}{1995幎東京倧孊倧孊院理孊系研究科䞭退同幎同専攻助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お珟圚独立行政法人情報通信研究機構・情報分析研究宀宀長及び情報配信基盀研究宀宀長博士理孊日本孊術振興䌚賞など受賞}\end{biography}\biodate\end{document}
V17N05-03
\section{たえがき} 本研究では子䟛の曞き蚀葉コヌパスの収集の取組みずその掻甚方法の可胜性に぀いお述べる自然蚀語デヌタに関する情報が詳しくたずめられおいる奈良先端科孊技術倧孊院倧孊束本裕治研究宀\cite[\texttt{http://cl.aist-nara.ac.jp/index.php}]{Web_NAIST}で情報提䟛されおいる公開ツヌル・デヌタによるず珟圚共有されおいる囜内の蚀語資源には囜立囜語研究所により䜜成された分類語圙衚小孊校・䞭孊校・高校教科曞の語圙調査デヌタ珟代雑誌九十皮の甚語甚字党語圙日本経枈新聞や毎日新聞・朝日新聞などの新聞蚘事デヌタ囜立囜語研究所で䜜成された珟代雑誌九十皮の甚語甚字党語圙IPALなど各皮蟞曞の文䟋集源氏物語・埒然草や青空文庫など著䜜暩の消滅した叀い文孊䜜品デヌタなどが挙げられる党お列挙するこずはできないもののいずれも調査察象が教科曞や新聞雑誌蟞曞文孊䜜品などに偏っおいるコヌパスが倚い子䟛の発話資料を共有する取組みであるCHILDESには日本も参加しおいるものの日本語を䜿う子䟛のコヌパスは非垞に少ない子䟛の蚀葉コヌパスの珟状ずしお海倖には䞻に\begin{enumerate}\itemChildLanguageDataExchangeSystem(CHILDES)英語をはじめ29ヶ囜語の発話デヌタが収められおいる倧芏暡コヌパス\itemVocabularyofFirst-GradeChildren(MOE)延べ286,108語異語数6,412語の小孊1幎生5歳から8歳329名の話し蚀葉のデヌタ\itemThePolytechnicofWalesCorpus(PoW)6歳から12歳の児童120名より収集された玄65,000語の話し蚀葉コヌパス\itemTheBergenCorpusofLondonTeenagerLanguage(COLT)ロンドンの13歳から17歳の少幎少女の自然な䌚話を録音した玄50䞇語のコヌパス\end{enumerate}\noindentがある(1)〜(4)のコヌパスはどれも話し蚀葉コヌパスであり子䟛の曞き蚀葉コヌパスはほずんど存圚しないたた子䟛の発話資料を共有する取組みであるCHILDESには日本も参加しおいるものの日本においおは子䟛の話し蚀葉コヌパス曞き蚀葉コヌパスどちらもほずんど存圚しない電子コヌパスの䜜成においおはコンピュヌタに機械的にテキストを収集させる方法が䞀般的である特定の幎霢で䜿甚される曞き蚀葉の電子コヌパスを䜜成するためにはどの幎霢の人が曞いたテキストなのか刀断する必芁があるがコンピュヌタではその刀断が困難であるそのため手䜜業によっお集めざるをえず倚倧な手間ず劎力を必芁ずするこれが子䟛の曞き蚀葉電子コヌパスがほずんど存圚しない理由のひず぀であるず考えられるたた研究者が収集した子䟛の曞き蚀葉資料に基づく研究結果を事䟋研究の域を越えお普遍的なものにするためにはその資料を共有できるようにするこず特に電子化された蚀語資源ずしお公開するこずが必芁ず考えられるがその際に立ちはだかる問題の䞀぀ずしお著䜜暩の保護がある本研究ではWeb䞊に公開されおいる䜜文を収集するこずによっお子䟛の曞き蚀葉コヌパスの䜜成を行ったしかしWeb䞊で甚䟋を探しお芋るだけでなくその元になった文章を自分のPCにダりンロヌドしダりンロヌドした本人が䜿甚するだけでなくその資料を研究グルヌプで耇補しお共有する堎合は問題になるそのため著䜜暩凊理が必芁になるこのように子䟛の曞き蚀葉コヌパスの収集ず利甚には倚倧な劎力ず泚意すべき問題があるが日本の子䟛の曞き蚀葉コヌパスが蚀語資源ずしお共有されれば日本語の䜿甚実態の幎霢別掚移の分析や子䟛の蚀葉に特城的に珟れる蚀語圢匏の分析など囜語教育や日本語研究での利甚はもちろんのこず認知発達瀟䌚孊など関連分野ぞの貢献などさたざたな応甚の可胜性があるそこで本研究では子䟛の曞き蚀葉コヌパスずしおWeb䞊に公開されおいる小孊生の䜜文デヌタを収集し曞き蚀葉コヌパスずしおたずめたプロセスず結果の報告を行いそのコヌパスの実甚䟋に぀いお述べる \section{小孊生の䜜文デヌタの収集} \vspace{-0.5\baselineskip}\subsection{収集手順}収集は2004幎〜2005幎にかけお行った調査察象ずなる党囜4,950校の小孊校のWebサむトをひず぀ひず぀蚪れそれぞれのテキストが子䟛の曞いたテキストかどうかを目で刀断したWeb䞊でのキヌワヌド䜜文テキストなど怜玢や文郚科孊省のサむトの利甚なども怜蚎したが倚くの小孊校が登録しおいる点ずサむトの内容により「Yahoo!きっず」(\texttt{http://kids.yahoo.co.jp/})の小孊校カテゎリを調査察象ずするこずにした「Yahoo!きっず」ずは株匏䌚瀟Yahoo!Japanが運営しおいる子䟛向けポヌタルサむトであるトップペヌゞから小孊校カテゎリを遞択するず登録しおいる党囜の小孊校のWebサむトに進むこずができるこれらをひず぀ひず぀蚪れ小孊校が公開しおいる児童の䜜文を総圓りで収集した各䜜文が実際に児童の曞いたテキストかどうか䜕幎生が曞いたテキストかに぀いおは目で刀断した(1)は収集したテキストの䟋である䞋線は著者によるものである\vspace{0.5\baselineskip}\begin{quote}(1)3月6日に、\underline{がくたちのために\mbox{「6幎生を送る䌚」}を䞋玚生が開いおくれたした。}䜓育通ぞ入堎する時、「地䞊の星」の音楜がかかる䞭、\underline{䞀〜五幎生が拍手をしお迎えおくれたした。}がくたちが䞻圹なので、かなりドキドキしたした。がくは、「去幎の6幎生もこんなにドキドキしよったんやなヌ。」ず思いながら、みんなの前に6幎生が䞊びたした。最初にゲヌムをしたした。ゲヌムは校内りォヌクラリヌです。1〜6幎生の瞊割り班で、校内に隠れおいる5幎生を芋぀けおゲヌムをクリアし、シヌルず蚀葉の曞いたカヌドをもらいたす。カヌドをならべお文章にするゲヌムです。がくは1回も1䜍になったこずがないので今日こそ1䜍になるぞず思いたした。ゲヌムがスタヌトしたした。みんないっきにスタヌトしたした。がくは自分の班に「卓球宀に行こう。」ず蚀いたした。さっそく5幎生はカヌテンにかくれおいたした。ここではボヌリングをしたした。みんな䞊手に転がしお残り䞀個になりたした。最埌はがくの投げる番できんちょうしたした。ゆっくり転がすず党郚圓たっお「よっしゃヌ」ずみんな倧喜びしたした。シヌルを䞀぀ゲットしおカヌドをもらいたした。他にも次々ずクリアしおいきたした。ゲヌムの内容は、校内のすな時蚈ず鏡の数を圓おるずか、぀み朚を十個積み䞊げるずかです。党郚クリアしお䜓育通にいくず、がくらが䞀䜍でした。僕たちの班みんな倧喜びでした。班で蚘念写真をずっおもらいたした。䌚の最埌に圚校生から莈る蚀葉をもらいたした。卒業生のそれぞれの良いずころを1〜5幎生に蚀っおもらいたした。ずおもうれしくお、心に残る䌚になりたした。(URL\texttt{http://www.kochinet.ed.jp/osaki-e/02/6/0306okurukai/newpage9.htm})\\\end{quote}このテキストでは䞋線郚の文脈の぀ながりから6幎生が曞いた文章であるこずがわかるこのような文脈もしくは「この䜜文は3幎生によっお曞かれたものです」ずいったような明確な提瀺によっお刀断しテキストをひず぀ず぀収集した様々な芳点からの解析の可胜性を考えWebに掲茉されおいるデヌタにはあえお特別な凊理は斜さずにコヌパスずしお登録した䜜成したコヌパスの情報は以䞋の通りであるテキストのファむル圢匏はプレヌンテキスト(\texttt{.txt})䜿甚文字コヌドはShiftJIS䜿甚改行コヌドはCR-LFである本文栌玍情報は衚\ref{tbl:corpus_form}の圢匏によりWebペヌゞで確認された項目のみ掲茉した量的情報は衚\ref{tbl:corpus_stats_1}および衚\ref{tbl:corpus_stats_2}の通りである\begin{table}[p]\caption{コヌパスの本文栌玍情報}\label{tbl:corpus_form}\input{04table01.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{コヌパスの量的情報(1)}\label{tbl:corpus_stats_1}\input{04table02.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{コヌパスの量的情報(2)}\label{tbl:corpus_stats_2}\input{04table03.txt}\end{table}なお圢態玠数の算出においおは党テキストに察しお圢態玠解析を行い党圢態玠数を集蚈した圢態玠解析には日本語圢態玠解析システムである茶筌(ChaSen)version2.1forWindowsであるWinChaを䜿甚した収録語数123䞇語を超える本コヌパスは子䟛の蚀葉コヌパスずしお代衚的なCOLTの玄50䞇語ず比范しおも教育研究利甚䟡倀の高いコヌパスず蚀えるさらに収集されたテキストは孊幎別にフォルダに分類するずずもに県別にもフォルダに分類しおいる県別のテキスト数は衚\ref{tbl:corpus_prf_num}の通りである以䞊より囜語教育・日本語研究ずの関係で語や文法の孊幎別䜿甚実態の掚移の分析のみなならず県別デヌタによる方蚀研究や性別による比范分析を行うこずができるさらにタむトルごずに䜜文を分類すれば子䟛が家族や未来環境問題など瀟䌚のこずに぀いおどのように考えおいるかずいったこずに぀いお調査するなどさたざたな応甚的研究にも圹立぀可胜性がある\begin{table}[t]\caption{コヌパスの県別テキスト数}\label{tbl:corpus_prf_num}\input{04table04.txt}\end{table}\subsection{著䜜暩凊理}収集したデヌタを䞊述のような教育研究のために広く圹立おるこずができるようにするために著䜜暩法䞊の問題を凊理するよう取り組んだ著者が所属しおいる倧孊の知的財産郚ず「文化庁発行の著䜜暩暙準テキスト」によれば収集した䜜文デヌタの利甚法に぀いおは次の可胜性があるたず䜕も著䜜暩凊理を行わない堎合収集した䜜文を分析するこずは著䜜暩法䞊問題なく䜜文の匕甚も䞀定の芁件文化庁発行の著䜜暩暙準テキスト「8著䜜物などの䟋倖的な無断利甚ができる堎合」蚘茉を満たせば䟵害しないずされるしかし䜜文の耇補に぀いおは授業の教材ずしおの耇補などを陀いおは著䜜暩耇補暩を䟵害するずされる本研究で収集したデヌタはWeb䞊に公開されおいる䜜文であるため出兞を明蚘すれば本研究論文䞭に匕甚するこずは問題ないず考えられるしかし収集した䜜文デヌタを䞊述のような教育研究のために広く圹立おるには耇補暩の問題を解消する必芁がある䜜文の著䜜暩者は原則䜜文を曞いた児童本人であり未成幎者の堎合その保護者に垰属するしかし䜜文をWebサむトに公開する段階で小孊校偎が保護者に蚱可を埗お小孊校長に暩利が移行しおいる可胜性があるず考えられた䜜文を曞いた児童の保護者党員ず盎接連絡を取るこずは困難であるため小孊校長に連絡をずるこずを詊みた著者が所属しおいる倧孊の知的財産郚門ず盞談の䞊䜜成した文曞を䜜文をWeb䞊に公開しおいる小孊校の校長宛に郵送し䜜文文章をデヌタベヌスに採録し公開及び解析に甚いるこずを蚱可するかどうかその際孊校名の公開をするかどうかに぀いおの可吊を尋ね孊校長名のサむンを頂戎し䞀郚を孊校に保管し䞀郚を返送しおもらった本来䜜文の著䜜暩は䜜文を曞いた児童ないしは保護者に垰属するため児童によっお曞かれた文章をホヌムペヌゞに公開する段階で小孊校の方で保護者の同意を埗おいない堎合には保護者の蚱可を埗おいただけるよう䟿宜を図っおもらえるように䟝頌したコヌパスに収録した10,006テキストの公開元ずなっおいる党265校の小孊校長宛に䞊述の内容の文曞を郵送したその結果129校から返信があり74校からデヌタベヌスぞの掲茉ず公開の蚱諟を埗るこずができた掲茉・公開が蚱可された䜜文を栌玍しおいるファむル数は3,706であるが今埌協力的な小孊校のホヌムペヌゞの䜜文が掲茉されおいるペヌゞを随時閲芧し曎新された䜜文があれば远加収集し再床蚱可を埗るなどのプロセスを経おより倧きい蚀語資源ずしおゆく可胜性があるず思われる以䞋では本コヌパスを実際に䜿甚しお分析を行った実甚䟋に぀いお述べる \section{蚀語孊的利甚子䟛のオノマトペ孊幎別䜿甚実態の掚移} \subsection{日本語のオノマトペ}オノマトペずは仏語の``onomatop\'{e}e''もしくは英語の``onomatopoeia''に盞圓する田守ら(田守,スコりラップ1999)\nocite{Bk_TamAl}によるずオノマトペはさたざたに定矩されおおりその定矩は実に倚様であるがそれらに共通しおいる考え方はオノマトペず考えられおいる語圙の圢態ず意味の関係が恣意的ではなく䜕らかの圢で音象城的に結び぀いおいるずいうこずである䟋えば「がたん」ずいう語は䞀般に珟実の音を真䌌たものであるず考えられおいる「げらげら」「びりっ」「ひらひら」などの語はそれぞれ擬声語・擬音語・擬態語ず呌ばれる田守らが指摘するようにこれらの抂念が日本語においおオノマトペずいう蚀語範疇ず実際に察応するかどうかは本来怜蚎が必芁であるが本研究では擬声語・擬音語・擬態語をたずめお䟿宜的にオノマトペず呌ぶ飛田ら\cite{Bk_HidAl}は倖界の物音や人間・動物の声を衚珟する方法はいろいろあるが\break具象的な珟実から抜象的な蚀葉に至るたでには(1)類䌌の音・声で察象の音・声を暡倣する(2)音・声による察象の音・声の衚珟(3)「映像」による察象の音・声の衚珟(4)文字による察象の音・声の衚珟(5)擬音語ずいうような5぀の段階を螏んでいるずしおいる本研究ではこれらの5぀のうち(5)にあたるものを擬音語ずするたた本研究では物音ず人間・動物の声を分けずに実際に音が出おいるものの衚珟ずいう芳点でひずたずめにし音の出おいない衚珟である擬態語ず察をなすものずしお擬声語を区別せずに擬音語ずしお扱うこずにした飛田らは擬態語に関しおも音や声の衚珟ずたったく同様に倖界の様子や心情の衚珟に(1)類䌌の様子で察象の様子を暡倣する(2)音・声による察象の様子の衚珟(3)「映像」による察象の様子の衚珟(4)文字による察象の様子の衚珟(5)擬態語ずいう5぀の段階があるずしおいる本研究ではこれらの5぀のうち(5)にあたるものを擬態語ずした擬音語は倖界の物音や人間・動物の声を衚し擬態語は倖界の様子や心情を衚すず述べおきたがその区別はそう簡単ではない「雚がザヌザヌ降っおいるよ」ずいう発話においお話者が軒䞋にいれば確かにザヌザヌで衚珟される珟実音は聞こえおくるため擬音語ずいうこずができる䞀方建物の䞭からガラス窓越しに芋るずきなどはザヌザヌずいう音は聞こえなくずも話者は激しく降る雚の様子が芋えれば「ザヌザヌ降っおいる」ず衚珟するだろうこの堎合この「ザヌザヌ」は雚が激しく降る様子を衚す擬態語ずいうこずになるこのように元は倖界の音を衚す衚珟だったものがその様子をも衚す衚珟になったずき擬音語ず擬態語を区別するこずは容易でないばかりかあたり意味のないこずにもなる以䞊のこずを螏たえ本研究では『珟代擬音語擬態語甚法蟞兞』\cite{Bk_HidAl}を参考にし擬音語擬態語たた擬音語ずも擬態語ずもずるこずができる語の3぀のパタヌンに分類し調査・分析を行った\subsection{オノマトペ䜿甚の孊幎別掚移調査手順}䜜成した小孊生の䜜文コヌパスには各孊幎のテキスト数に倧きな差が芋られるためオノマトペ䜿甚の孊幎別掚移を芳察するにあたりオノマトペの出珟絶察数ではなく出珟率による比范を行ったその出珟率算出の際の母数には10,006テキストの圢態玠の数を甚いるこずにしたそこで各孊幎の党テキストに察しお圢態玠解析を行い圢態玠に分けその数を集蚈した圢態玠解析には日本語圢態玠解析システムである茶筌(ChaSen)のversion2.1forWindowsであるWinChaを䜿甚した解析䟋を以䞋に瀺す\\\begin{quote}(2)\textbf{原文}時間がた぀に぀れおひじきは、ぐんぐんぞっおいきたす。ひじきの倪さも现くなっおいきたす。(URL\texttt{http://www4.i-younet.ne.jp/\~{}smihama/hijiki/hijiki10.html})\textbf{圢態玠に分けた文}時間/が/た぀/に぀れお/ひじき/は/、/ぐんぐん/ぞっ/お/いき/たす/。/ひじき/の/倪/さ/も/现く/なっ/お/いき/たす/。\textbf{圢態玠数}24語\\\end{quote}オノマトペを集蚈するにあたり集蚈の察象ずなるオノマトペの電子デヌタ化を行ったオノマトペには『珟代擬音語擬態語甚法蟞兞』\cite{Bk_HidAl}の芋出し語1,064語を甚いそれらを手䜜業で打ち蟌んだたたその際擬音語をオノマトペ1擬態語をオノマトペ2擬音語ずも擬態語ずもずれる語をオノマトペ3ずいう3぀の分類情報も付加しオノマトペ蟞曞を䜜成した飛田らは元は倖界の音を衚す衚珟だったものがその様子をも衚わす衚珟になったずき擬音語ず擬態語を区別するこずは容易でないし意味がないずしこのような語は「〜の音や様子を衚す」ずいう蚘述の仕方で統䞀するずしおいるたた音や声のみを衚珟する擬音語は「〜の音声を衚す」ずし様子や心情のみを衚珟する擬態語は「〜の様子を衚す」ずしおいる本研究でもこれらの蚘述を参照し䞋䟋のように各衚珟を分類した\begin{quote}\textbf{オノマトペ1}擬音語きヌんぱんぶヌん\textbf{オノマトペ2}擬態語するするころころどきどき\textbf{オノマトペ3}擬音語擬態語がヌんどんどんばしばし\end{quote}䜜成したオノマトペ蟞曞を甚いおコヌパスからオノマトペを抜出し出珟数ず皮類数の集蚈を孊幎別に行ったオノマトペはひらがなずカタカナで衚珟されるがその二぀の衚珟方法に違いが芋られなかったため同じオノマトペであればひらがなずカタカナを区別せずに集蚈を行ったたた集蚈の方法ずしおはPerlを䜿甚した集蚈の際1文字から4文字のものに関しおは(3)や(4)のようにオノマトペでないものが抜出される可胜性があったそのためコヌパスから抜出されたオノマトペのうち4文字以䞋のものに぀いおは䞀぀䞀぀目芖で確認を行い誀っお抜出されたものを陀去しおいった\\\begin{quote}(3)\textbf{誀抜出䟋}抜出すべき語ぱく私は谷口君の所ぞ行った時に、梅干䜜り甚の塩がすっごくしょっ\underline{ぱく}お倧粒だった。(URL\texttt{http://www.agri.gr.jp/kids/sakubun/2000/sakubun17.html})\end{quote}\vspace{1\baselineskip}\begin{quote}(4)\textbf{誀抜出䟋}抜出すべき語ガヌ䟋えば、がくが倧奜きなハンバヌ\underline{ガヌ}は、パンの材料の小麊の八九、牛肉は六四を茞入しおいる。(URL\texttt{http://kids.yahoo.co.jp/docs/event/sakubun2004/contest/sakubun}\\\texttt{03.html})\end{quote}\subsection{結果}\begin{table}[b]\caption{オノマトペの集蚈結果}\label{tbl:ono_count}\input{04table05.txt}\end{table}子䟛の䜜文コヌパスから抜出されたオノマトペの出珟数ず皮類を衚\ref{tbl:ono_count}に瀺すここでオノマトペの出珟数皮類数ずはAずいうオノマトペが4぀Bずいうオノマトペが3぀抜出された堎合出珟数は7皮類の数は2ずなる以䞊の結果から出珟数ず皮類の数を党圢態玠数で割りそれぞれ衚\ref{tbl:ono_freq}に瀺されるように出珟率を求め図\ref{fig:ono_freq_change}から図\ref{fig:ono_freq_class}のようにグラフ化したグラフの暪軞は孊幎を瞊軞は出珟率を衚しおいるただし皮類の数は孊幎が䞊がるに埓い䞊昇する党圢態玠数ず比䟋しないため皮類の数を甚いた出珟率に぀いおは参考皋床ずしお蚘茉する図\ref{fig:ono_freq_change}より出珟数は3幎生たで増えそれ以降は枛少しおいるこずがわかるたた4幎生以降は倉化が少ない\begin{table}[b]\caption{オノマトペの出珟率[\%]}\label{tbl:ono_freq}\input{04table06.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-5ia4f1.eps}\caption{オノマトペ党䜓の孊幎掚移}\label{fig:ono_freq_change}\end{center}\end{figure}オノマトペの分類別での出珟率をグラフ化した図\ref{fig:ono_freq_change}から顕著であるのは擬音語ずしおの甚法オノマトペ1は孊幎を通しお少なく擬態語ずしおの甚法オノマトペ2が倚いずいうこずである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia4f2.eps}\caption{オノマトペの分類別孊幎掚移出珟数のみ}\label{fig:ono_freq_class}\end{center}\end{figure}\subsection{考察}オノマトペ䜿甚の孊幎別掚移を芳察しおいくにあたりオノマトペの出珟率の倉化芁因ずしおオノマトペで衚されおいたこずが意味の類䌌するオノマトペ以倖の衚珟で衚わされるようになるこずがあるのではないかず考えたそのため以䞋の手順により盞互に意味が類䌌するオノマトペず圢容詞の出珟率を孊幎別に比范するこずを詊みた五感を衚す圢容詞34語楠芋1995のうち意味が類䌌するオノマトペが存圚する「明るい」「うるさい」「臭い」「柔らかい」など20語を抜出察象ずする圢容詞ずしたそれぞれの圢容詞ず意味が類䌌するオノマトペは䟋えば「明るい」を『日本語倧シ゜ヌラス』の玢匕で怜玢しそのカテゎリ内にあるオノマトペ「きらきら」「ぎらっ」「ぎらぎら」ずした各圢容詞に察応するオノマトペが数倚く芋られたため各圢容詞ずのAND怜玢によりGoogle怜玢゚ンゞンにかけ怜玢件数が倚い順にオノマトペを3個遞定した怜玢は2009幎10月12〜20日にかけお行ったその結果圢容詞20個に぀き3個のオノマトペ合蚈60個のオノマトペが抜出察象ずなった遞定された圢容詞ずオノマトペに぀いおはそれぞれの孊幎別の出珟数ずずもに付録1に蚘茉するこれらの圢容詞ずオノマトペを孊幎別に分類されたコヌパスから抜出し各々の出珟数を集蚈した抜出にはgrepコマンドを䜿甚したたた衚蚘ゆれ・品詞掻甚などに察応するために正芏衚珟を甚いお抜出した䟋えば/$(明る|あかる)(かろ|かっ|く|い|けれ|かれ)$/埗られた出力結果に぀いお目芖で確認し誀抜出・誀怜玢を陀去し぀぀集蚈したその埌圢容詞ずオノマトペのそれぞれに぀いお孊幎別に集蚈された総出珟数を圢態玠数で割り孊幎ごずの出珟率を埗た結果は衚\ref{tbl:adj_ono_freq}ず図\ref{fig:adj_ono_change}に瀺す\begin{table}[b]\caption{圢容詞ずオノマトペの出珟率[\%]}\label{tbl:adj_ono_freq}\input{04table07.txt}\end{table}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-5ia4f3.eps}\caption{圢容詞ずオノマトペの出珟率掚移}\label{fig:adj_ono_change}\end{center}\end{figure}オノマトペの出珟率が3幎生を境に枛少する原因ずしおオノマトペで衚されおいたこずが意味の類䌌するオノマトペ以倖の衚珟で衚わされるようになるこずがあるのではないかず考え意味が類䌌する圢容詞の出珟率ずの比范を行ったしかし圢容詞の出珟率もオノマトペず同様の掚移を瀺し予想通りの結果ずはならなかったそこで次にオノマトペの出珟率の倉化芁因を探るため千葉倧孊倧孊院安郚朋䞖準教授による小孊校の教科曞にみられるオノマトペに関する調査報告\cite[\texttt{http://www.u-gakugei.ac.jp/}\break\texttt{\~{}taiken/houkoku013.pdf}]{Web_Abe}をもずに考察する安郚はオノマトペが小孊校及び䞭孊校の囜語教科曞にどのように珟れるかを調査しおいる平成16幎床の小・䞭孊校囜語教科曞党お各5皮類を察象ずしお調査した結果各孊幎のオノマトペ総数においお最も倚いのが䞭孊1幎の1,041で小孊2幎は582であるこずから小孊2幎の出珟数の倚さが特城的であるずしおいる安郚によれば小孊2幎で各教科曞が「音をあらわすこずば」や「かたかなで曞くこずば」を孊習するこずによるものである平成10幎告瀺の小孊校孊習指導芁領における囜語では第1孊幎・第2孊幎の〔蚀語事項〕「む文字に関する事項」アに「平仮名及び片仮名を読み、曞くこず。たた、片仮名で曞く語を文や文章の䞭で䜿うこず。」ずあるずのこずであるたた『小孊校孊習指導芁領解説囜語線』にはその項目の解説ずしお「指導に圓たっおは、擬声語や擬態語、倖囜の地名や人名、倖来語などに぀いお、文や文章の䞭での実際の甚䟋に数倚く觊れながら、片仮名で曞く語が䞀定の皮類の語に限られるこずに気付くようにする。」ずあるずいうこずから各教科曞でオノマトペを扱う孊習が展開されおいるず考えられるずしおいる本研究による小孊生の䜜文にみられるオノマトペの出珟率が2幎生で顕著に高いずいう結果はこの小孊生の教科曞に぀いおの調査結果ず敎合性があるさらに安郚は教科曞においおは物事を描写する際に小孊校䜎孊幎から䞭孊幎頃たでは「オノマトペを䜿甚しお描写するもの」あるいは「オノマトペを䜿っお描写するこずが望たしい」ず認識されおおり高孊幎以降になるず次第に「オノマトペ以倖の方法で描写するもの」あるいは「オノマトペ以倖の方法で描写するのが望たしいもの」ずしお認識されおいるずしおいるこの調査結果に぀いおも小孊生の䜜文においおオノマトペの出珟率が高孊幎で枛少しおいるずいう本研究の解析結果は敎合性がある本研究による䜜文にみられるオノマトペの出珟率の解析結果は教科曞による孊習指導の成果あるいは子䟛の曞き蚀葉ぞの圱響を定量的に瀺しおいるずいえる以䞊より本コヌパスを甚いるこずにより小孊生が䜿甚する蚀語衚珟の孊幎別䜿甚実態の掚移を分析するこずができ囜語の孊習指導の効果指暙ずしお蚀語習埗や囜語教育ぞ貢献できるこずが瀺されたたた本コヌパスを甚いおオノマトペず共感芚比喩の䞀方向性仮説の関係性に぀いお蚀語孊的芳点からより詳现な分析を行った研究ずしお坂本\cite{Art_Sak}があり本コヌパスの有効性はすでに瀺され぀぀ある \section{瀟䌚孊的利甚の可胜性} \subsection{調査察象ず手順}䜜文には小孊生が考えおいるこずが反映されおいるこずから本コヌパスは䜕らかの瀟䌚孊的テヌマに぀いお小孊生が考えおいるこずを調査するためにも利甚できるのではないかず考え珟代の小孊生が家族に぀いおどのような捉え方をしおいるのかをコヌパスから探っおみるこずにした本コヌパスの幅広い応甚の可胜性を瀺唆したい2.1節に蚘茉したが男子が曞いた党䜜文数は2,642女子が曞いた党䜜文数は3,023男女の別の蚘茉がない䜜文数が4,341の合蚈10,006䜜文である性別男・女・蚘茉なしに分類されたコヌパスに察しお家族に関する単語家族語を抜出し各々の出珟数を集蚈した単語の抜出にはgrepコマンドを䜿甚した衚蚘ゆれの察応のため怜玢パタヌンにそれぞれ衚\ref{tbl:search_pat}䞭の怜玢パタヌンずしお蚘茉しおいる正芏衚珟を甚いた埗られる出力結果には「母」から「酵母」「倖反母趟」「パパ」から「パパむダ」「はは」から「芋るのははじめお」や「わははは」など抜出察象ずする家族語ず関連のない語が抜出される堎合があるこのような䟋は目芖で確認し出力結果からは陀倖しお集蚈した\begin{table}[t]\caption{怜玢パタヌン}\label{tbl:search_pat}\input{04table08.txt}\end{table}ただしこのようなテキストの抜出方法では蚘述された文章が䜜文を曞いた本人の家族に぀いお述べおいる文なのかどうかが刀別できない実際(5)や(6)の䟋のように自分の家族以倖の人を指しおいるものも倚く芋られたため目芖によりこのような文章を削陀した該圓郚分に䞋線を匕いた\\\begin{quote}(5)私は、ミニトマトを怍えたした。土がぐにゃぐにゃで足が぀かなかったけど぀いたずこもあったよ。\underline{創麻君のお母さん}ずか、\underline{勇人君のお母さん}が優しく教えおくれおずっおも嬉しかったです。(URL\texttt{http://www.agri.gr.jp/kids/sakubun/2000/sakubun13.html})\end{quote}\vspace{1\baselineskip}\begin{quote}(6)垰るずき、ある家族にあっお、ふくろをもっおいたので「䜕に぀かうんだ」ずわたしのお父さんがききたした。答えたのは、\underline{むこうのお母さん}でした。「これにホタルを぀かたえおかうんだよ」ず蚀ったので、お父さんは、どなっおしたいたした。(URL\texttt{http://www.nagano-ngn.ed.jp/higashjs/activities.html})\\\end{quote}以䞊の手続きの結果䜜文を曞いた本人の家族に関しお曞かれたず明確に刀別できた䜜文を栌玍したファむル数以䞋䜜文ファむル数および男女別の内蚳は衚\ref{tbl:corpus_file_num}の通りずなった家族に぀いお曞かれおいる党䜜文䞭で父母に぀いお蚀及されおいる䜜文ずそれ以倖の家族に぀いお蚀及されおいる䜜文ずの比率の差の怜定を行ったずころ1\%氎準で有意差がみられた($\chi^2=(1,N=5,665)=46.650,p<.001$)このこずから子䟛にずっお䞡芪の圱響が倧きいこずわかる\begin{table}[t]\caption{家族に関する䜜文ファむル数内蚳}\label{tbl:corpus_file_num}\input{04table09.txt}\end{table}男女ずもに母芪に぀いお蚀及しおいる䜜文が最も倚く次に父芪に぀いお蚀及しおいる䜜文が倚いこずがわかる男子が曞いた䜜文に占める母芪に぀いお蚘述した䜜文ず父芪に぀いお蚘述した䜜文の比率の差の怜定を行ったずころ1\%氎準で有意差がみられた($\chi^2=(1,N=1,374)=7.166,p<.001$)同様に女子が曞いた䜜文に占める母芪に぀いお蚘述した䜜文ず父芪に぀いお蚘述した䜜文の比率の差の怜定を行ったずころ1\%氎準で有意差がみられた($\chi^2=(1,N=1,374)=18.576,p<.001$)たた父に぀いお蚘述した䜜文における男女の比率も母に぀いお蚘述した䜜文における男女の比率も比范したが5\%氎準で有意差はなかったこのこずから男子ず女子のどちらの方がより母芪に぀いお蚘述しやすいかずいった傟向はみられなかった\subsection{分析}亀口\cite{Bk_Kam}は小孊生の暙準的な家族のむメヌゞを研究するにあたり兄匟姉効や祖父母などが同居しおいるかどうかに関わらず芪子の関係に限定しお研究を行っおいる前節で述べたように䜜文コヌパス䞭でも父芪ず母芪に関する蚘述を含む䜜文ファむル数が顕著に倚い本研究では家族のむメヌゞを探る䞊で子䟛が父芪や母芪ずのかかわりをどのように捉えおいるかずいう点に着目したコヌパスから抜出された自分の父母に぀いお蚘述しおいる䜜文を栌玍しおいるファむルに぀いお男女どちらが蚘述しおいるものか父母ず䜕らかのやりずりをしおいるかどうかそのやりずりの盞手ややりずり自䜓に察する自分の䜕らかの感情・評䟡や行動を蚘述しおいるかどうかずいう芳点から分類を行った\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-5ia4f4.eps}\caption{父芪ずの関係性}\label{fig:rel_father}\end{center}\end{figure}分類したファむルに぀いお父芪ず母芪それぞれずのやりずりず子䟛の感情・評䟡や行動の共起関係を比范しおみたそしお父芪ず母芪ずのやりずりずそれに察する子䟛の感情・評䟡や行動に぀いおの関係性の芖芚化を詊みた手順ずしおはたず抜出された母芪ず父芪に぀いおの蚘述からやりずりず子䟛の感情・評䟡や行動に関する郚分を抜き出しやりずりず子䟛の感情・評䟡や行動の芁玠の頻床ずそれぞれの芁玠間の共起頻床を集蚈した結果は付録2に瀺すここでやりずりもしくは子䟛の感情・評䟡や行動の芁玠が蚘述されおいなかった堎合は0ずした抜出されたやりずりず子䟛の感情・評䟡や行動の関係で䞀床しか出おこない事䟋は削陀し頻床2以䞊のものを芖芚化する察象芁玠ずしたただし䟋えば図\ref{fig:rel_father}においお父芪が子䟛を「怒る」ずいうやりずりにおいおは子䟛の「怖い」ずいう感情・評䟡ずの共起頻床ず「奜き」ずいう感情・評䟡ずの共起頻床はそれぞれ1であるが「怒る」ずの関係から出おいる矢印は2本ずなるためこのような堎合は芖芚化しおいる芖芚化においおはたず父芪ず母芪それぞれずのやりずりを矢印の線で぀ないだたたやりずりは実線の円で衚珟した次にやりずりず共起関係にある子䟛の感情・評䟡や行動を同じように矢印で぀ないだ子䟛の感情・評䟡や行動は点線の円で瀺したやりずりに関する蚘述がなかった子䟛の感情・評䟡や行動に぀いおは父芪や母芪ず盎接矢印で぀ないだ矢印ず共起頻床の倀の関係性は図䞭に凡䟋ずしお瀺した父芪ずの関係性の芖芚化結果を図\ref{fig:rel_father}母芪ずの関係性の芖芚化結果を図\ref{fig:rel_mother}に瀺す父芪ず母芪䞡者ずの関係で共通しお重芁なやりずりは「蚀う」であるこずがわかるただし埌でも考察するが母芪の堎合の方がより匷い結び぀きが瀺されおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia4f5.eps}\caption{母芪ずの関係性}\label{fig:rel_mother}\end{center}\end{figure}たず父芪ずの関係性の芖芚化結果を䞭心に考察する父芪ずの関係においお興味深いこずずしおは母芪ずのやりずりでは挙げられおいない「遊ぶ」ずいうやりずりの芁玠に぀いお「楜しい」「嬉しい」「おもしろい」ずいう子䟛の感情が結び぀いおいるこずがわかる父芪ず遊ぶこずは子䟛にずっお重芁なコミュニケヌションであるこずがうかがえる亀口\cite{Bk_Kam}も父母ずもに子䟛ずの絆の圢成にはスキンシップが重芁であるこずを述べおおり䞭でも父芪においおはやや乱暎に子䟛を宙に投げお受け止め肩車をするなど子䟛を興奮させお喜ばせる類の筋肉を䜿う身䜓接觊が倧切であるずしおいる母芪の堎合には「しゃべる」「聞く」ずいった蚀語的なやりずりに察しお「楜しい」ずいう感情が結び぀いおいるのに察し父芪の堎合には「蚀う」「教える」ずいった蚀語的なやりずりに察しおは「楜しい」ずいう感情が結び぀いおいないたた「遊ぶ」ずいうやりずりは「ビデオに撮っおもらう」ずいった「楜しい」ずいう感情ず結び぀いおいるその他のやりずりよりも匷く「楜しい」ずいう感情ず結び぀いおいるこのような本研究の分析結果は亀口の考察を裏付けるものずいえる次に図\ref{fig:rel_mother}に瀺す母芪ずの関係性の芖芚化結果をもずに考察する党䜓ずしお母芪ずのやりずりは倚様でありその倚様なやりずりから子䟛が䜕らかの反応を瀺しおいるこずがわかる特に母芪の「蚀う」ずいう行為は子䟛の䜜文に非垞に倚くみられ数倀的にも「蚀う」は子䟛ず母芪ずのやりずり党䜓の玄25\%を占めおいるこのこずは子䟛にずっお母芪の発蚀が倧きな圱響力をもっおいるこずを瀺唆しおいるさらにこの「蚀う」ずいう母芪ずのやりずりに察しお「うれしい」ずいう子䟛の感情が非垞に匷く結び぀いおいる「蚀う」は他の様々な子䟛の感情評䟡行動ずも関係性があるこずも確認され子䟛にずっお母芪ずの䌚話が重芁であるこずが瀺されたたた「嬉しい」ずいう子䟛の感情は母芪ずのやりずりの様々な行為ず結び぀いおいるこずもわかる父芪ずの関係性ず母芪ずの関係性を比范しおみるずやりずりの倚様性は母芪の堎合の方が倚く父芪が16皮類であるのに察し母芪では25皮類あるたた各やりずりから子䟛の感情評䟡行動が喚起されおいる堎合も父芪より母芪の堎合の方が倚く父芪では11皮類なのに察し母芪では21皮類に䞊りほが党おの母芪ずのやりずりに察しお䜕らかの反応が瀺されおいる特に母芪ずのやりずりから「うれしい」ずいう感情に結び぀いおいる堎合が非垞に倚く母芪が䜕かを「蚀う」ず「うれしい」ずいう感情が喚起されおいるこのように芖芚化し党䜓像を比范しやすくするこずにより各芁玠の数や広がりが母芪の方が倧きく子䟛ずの関係性の匷さず倚様性が倧きいこずを確認できた以䞊の分析結果から小孊生の䜜文コヌパスを分析するこずによっおなかなか把握しにくい子䟛ず子䟛をずりたく様々なもの瀟䌚ずの関係子䟛の心の䞭を垣間芋るこずもできるこずを瀺した \section{むすび} 日本の子䟛の曞き蚀葉コヌパスは非垞に少ないずいう珟状に着目し本研究では党囜4,950校の小孊校のWebサむトを蚪問し公開されおいる䜜文に぀いお各テキストが子䟛の曞いたテキストであるこずや孊幎などの情報を確認の䞊䜜文デヌタの収集を行ったたた2.2節で述べた著䜜暩凊理によっお収集したコヌパスが教育研究のために広く利甚されるようにするための取り組みを行った収集したコヌパスの利甚の可胜性は倚岐にわたるず期埅されるが本研究では倧人よりも子䟛の蚀語䜿甚においお豊富で倚様な䜿甚が芳察されるず予想されるオノマトペに着目しその孊幎別の䜿甚実態の掚移に぀いお調査したその結果オノマトペの出珟率は2幎生が最も高くその埌は孊幎が䞊がるに぀れ枛少しおいくこずが確認できた本研究による䜜文にみられるオノマトペの出珟率の解析結果は教科曞で甚いられるオノマトペに関する先行研究による調査結果ず敎合性があり小孊校での囜語孊習指導の成果を定量的に瀺しおいるずいえるさらにコヌパスの瀟䌚孊的応甚の可胜性を瀺唆するため子䟛ず父母ずの関係性に぀いお調査し父母ずのやりずりずそれに察する子䟛の反応ずの関係性が母芪の堎合の方が匷いこずなどを瀺した日本の子䟛の曞き蚀葉を収集し分析した本研究が蚀語孊教育孊的研究はもちろんのこず瀟䌚孊など関連分野ぞ幅広く貢献できるこずを願う\acknowledgment本皿に察しお有益なご意芋ご指摘をいただきたした査読者の方に感謝いたしたすたた本研究の開始時に助蚀くださった叀牧久兞氏ず著者の研究宀に所属し本コヌパスの収集線纂に協力しおくれた児玉公人君2004幎床所属䜐々朚倧君2005幎床所属氎越寛倪君2007幎床所属小野正理君ず枅氎祐䞀郎君2010幎床珟圚所属に感謝いたしたすなお本コヌパスに぀いおのお問い合わせは\texttt{http://www.sakamoto-lab.hc.uec.ac.jp/}をご参照䞋さい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{安郚}{安郚}{\protect\unskip}]{Web_Abe}安郚朋䞖.\newblock安郚朋䞖「䜓隓掻動ず蚀語教育」第2章小・䞭孊校囜語教科曞にみられるオノマトペ.\\newblock\Turl{http://www.u-gakugei.ac.jp/{\textasciitilde}taiken/houkoku013.pdf}.\bibitem[\protect\BCAY{亀口}{亀口}{2003}]{Bk_Kam}亀口憲治\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{家族のむメヌゞ}.\newblock河出曞房新瀟.\bibitem[\protect\BCAY{束本}{束本}{}]{Web_NAIST}束本裕治.\newblock自然蚀語凊理孊講座奈良先端科孊技術倧孊院倧孊束本裕治研究宀.\\newblock\Turl{http://cl.aist-nara.ac.jp/index.php}.\bibitem[\protect\BCAY{坂本}{坂本}{2009}]{Art_Sak}坂本真暹\BBOP2009\BBCP.\newblock小孊生の䜜文にみられるオノマトペ分析による共感芚比喩䞀方向性仮説再考.\\newblock\Jem{日本認知蚀語孊䌚第10回倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\155--158}.\bibitem[\protect\BCAY{田守\JBAロヌレンス・スコりラップ}{田守\JBAロヌレンス・スコりラップ}{1999}]{Bk_TamAl}田守育啓\JBAロヌレンス・スコりラップ\BBOP1999\BBCP.\newblock\Jem{オノマトペ—圢態ず意味—}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{飛田\JBA浅田}{飛田\JBA浅田}{2001}]{Bk_HidAl}飛田良文\JBA浅田秀子\BBOP2001\BBCP.\newblock\Jem{珟代擬音語擬態語甚法蟞兞}.\newblock東京堂出版.\end{thebibliography}\clearpage\makeatletter\setcounter{section}{0}\setcounter{subsection}{0}\renewcommand{\thesection}{}\makeatother \section{付録} \subsection{オノマトペの集蚈結果}3.4節の考察で甚いた五感圢容詞ずオノマトペの集蚈結果を衚\ref{tbl:adj_ono_num}に瀺す\subsection{芖芚化のためのやりずりず子䟛の感情評䟡行動の分類結果}4.2節の分析で図\ref{fig:rel_father}および図\ref{fig:rel_mother}を芖芚化するための父芪ないし母芪ずのやりずりず子䟛の感情・評䟡や行動に関する集蚈結果を衚\ref{tbl:rel_father}および衚\ref{tbl:rel_mother}に瀺す\vspace{1\baselineskip}\input{04table10.txt}\clearpage\begin{table}[t]\begin{flushright}\hfill\begin{minipage}{95pt}\caption{父芪の分類結果}\label{tbl:rel_father}\end{minipage}\par\scalebox{0.78}{\input{04table11-1.txt}}\end{flushright}\vspace*{20pt}\hfill\begin{minipage}{95pt}\caption{母芪の分類結果}\label{tbl:rel_mother}\end{minipage}\scalebox{0.78}{\input{04table12-1.txt}}\end{table}\clearpage\begin{table}[t]\vspace{18pt}\scalebox{0.78}{\input{04table11-2.txt}}\vspace*{20pt}\vspace{18pt}\scalebox{0.78}{\input{04table12-2.txt}}\end{table}\clearpage\begin{biography}\bioauthor{坂本真暹正䌚員}{1998幎東京倧孊倧孊院総合文化研究科蚀語情報科孊専攻博士課皋修了博士孊術同幎同専攻助手に着任2000幎電気通信倧孊電気通信孊郚講垫2004幎同孊科助教授を経お2010幎より同倧孊倧孊院情報理工孊研究科総合情報孊専攻准教授日本認知蚀語孊䌚日本認知科孊䌚電子情報通信孊䌚CognitiveScienceSociety等各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V09N01-05
\section{はじめに} \label{sec:intro}機械翻蚳などの倚蚀語間システムの構築においお察蚳蟞曞は必芁䞍可欠でありその品質がシステム党䜓の性胜を巊右するこれらに甚いられる察蚳蟞曞は珟圚人手によっお䜜成されるこずが倚いしかし人手による䜜成には限界があり品質を向䞊するためには膚倧な劎力が必芁であるこず蟞曞の蚘述の䞀貫性を保぀こずが困難であるこずが問題ずなるこのこずからコヌパスから自動的に察蚳蟞曞を䜜成しようずする研究が近幎盛んに行われおいる\cite{gale_91,kaji_96,kitamura_96,fung_97,melamed_97}本論文では最倧゚ントロピヌ法を甚いお察蚳コヌパス䞊に察蚳単語察の確率モデルを掚定し自動的に察蚳単語察を抜出する手法を提案する本論文では察蚳関係にある単語の組を察蚳単語察ず呌ぶ最倧゚ントロピヌ法は䞎えられた制玄の䞭で゚ントロピヌを最倧化するようなモデルを掚定するずいう最倧゚ントロピヌ原理に基づいおおり未知デヌタに察しおも確率倀をなるべく䞀様に配分するため自然蚀語凊理においおしばしば問題ずなるデヌタスパヌスネスに比范的匷いずいう特城を持っおいるこのため構文解析\cite{ratnaparkhi_97,wojciech_98,uchimoto_99}文境界の同定\cite{reynar_97}動詞の䞋䜍範疇化モデル\cite{utsuro_97b}などに応甚されおいるたた我々の手法は既存の察蚳蟞曞を必芁ずせず文察応の付いた察蚳コヌパスさえあれば察蚳コヌパスの分野を限定するこずなく察蚳単語察を抜出できるずいう特城を持぀本論文の構成は以䞋の通りである\ref{sec:ME_method}節では最倧゚ントロピヌ法に぀いお説明し\ref{sec:MEdict}節では最倧゚ントロピヌ法を甚いお察蚳単語察を抜出する手法を述べる\ref{sec:experiment_discussion}節では我々が提案した手法の有効性を瀺すために行った実隓の結果ずそれに察する考察を述べ関連研究ずの比范を行う\ref{sec:future}節でたずめを述べる \section{最倧゚ントロピヌ法} \label{sec:ME_method}䞀般に確率モデルは履歎ずその時の出力の関係を既知のデヌタから掚定される確率分垃によっお衚すこの際履歎の皮類を倚くすればより正確に出力を予枬するこずができるが履歎の皮類を倚くしすぎるずそれぞれの履歎における既知デヌタの数が少なくなりデヌタスパヌスネスに陥っおしたう最倧゚ントロピヌ法では履歎ず出力の関係を玠性関数で衚しそれぞれの玠性関数に関しお既知デヌタにおける確率分垃の期埅倀ず掚定すべき確率分垃の期埅倀が等しくなるずいう制玄のもずで確率分垃の゚ントロピヌが最倧ずなるようなモデルを掚定するこの操䜜は既知デヌタにおいお出珟しなかったものあるいは皀であったものに察しおも䞀様分垃に近づいおいくずいうこずを意味しおおりこのため最倧゚ントロピヌ法はデヌタスパヌスネスに察しお比范的匷いずされおいるこの性質は蚀語モデルのように既知デヌタにおいお党おの事象を扱うこずが難しい珟象を扱うのに適したものであるず蚀える最倧゚ントロピヌ法では以䞋のように確率分垃を掚定する$X$を履歎の集合$Y$を出力の集合ずする時既知デヌタの集合$\{(x_i,y_i)\|\x_i\inX,y_i\inY\}$から確率分垃$P(y|x)$を掚定するこずを考えるたず求めたい確率モデルの統蚈的特性(玠性)によっお集合$X\timesY$を二぀の集合に分割する2倀関数$f:X\timesY\rightarrow\{0,1\}$を定矩するこのような関数は玠性関数ず呌ばれるこの時既知デヌタにおける確率分垃$\tilde{P}(x,y)$に関する$f$の期埅倀ず掚定すべき確率分垃$P(y|x)$に関する$f$の期埅倀が等しくなるずいう制玄を䞎える\begin{equation}\label{eq:constraint}\sum_{x,y}\tilde{P}(x,y)f(x,y)=\sum_{x,y}P(x)P(y|x)f(x,y)\end{equation}蚈算量の芳点から右蟺の$P(x)$の代わりに$\tilde{P}(x)$で近䌌するこずが倚いここで$\tilde{P}(x,y)$,$\tilde{P}(x)$は既知デヌタにおける$(x,y)$,$x$の出珟頻床$c(x,y)$,$c(x)$から埗られる盞察頻床を甚いる\[\tilde{P}(x,y)=\frac{c(x,y)}{\sum_{v,w}c(v,w)}\]\[\tilde{P}(x)=\frac{c(x)}{\sum_vc(v)}\]モデル化の過皋においお重芁であるず思われる$n$個の玠性関数$f_i$がある時すべおの$f_i$に぀いお匏(\ref{eq:constraint})を満たすような確率分垃は䞀般的には耇数存圚するためこれらの䞭から最も䞀様な確率分垃を遞択するのが自然である条件付き確率分垃$P(y|x)$の䞀様性の数孊的な尺床ずしおは条件付き゚ントロピヌがよく甚いられこれを最倧ずする確率分垃が求めるべき確率分垃ずなる\begin{equation}\label{eq:cond_entropy}H(P)=-\sum_{x,y}\tilde{P}(x)P(y|x)\logP(y|x)\end{equation}このような確率分垃は唯䞀存圚し以䞋のような$\lambda_i$をパラメヌタずする圢匏で衚すこずができる\begin{eqnarray}\label{eq:gibbs}P_\lambda(y|x)=\frac{1}{Z_\lambda(x)}\exp\left(\sum_i\lambda_if_i(x,y)\right)\\Z_\lambda(x)=\sum_y\exp\left(\sum_i\lambda_if_i(x,y)\right)\nonumber\end{eqnarray}パラメヌタ$\lambda_i$の掚定にはImprovedIterativeScalingアルゎリズム\cite{berger_96}などが甚いられる \section{最倧゚ントロピヌ法による察蚳単語察の抜出} \label{sec:MEdict}本節では最倧゚ントロピヌ法を察蚳単語察の抜出に適甚する手法を述べるたず確率分垃の事象の定矩を行い次に察蚳単語察の確率分垃を掚定する際に甚いる玠性関数を定矩する最埌に埗られた確率分垃を甚いお察蚳単語察を抜出する手法を述べる\subsection{事象の定矩}\label{sec:problem_setting}原蚀語のコヌパス$X$,目的蚀語のコヌパス$Y$が察蚳ずなっおおりそれらの間で単語間の察蚳関係が芳枬されたずするこの時芳枬倀から埗られる同時出珟確率は以䞋の匏で衚される\begin{equation}\label{eq:em_joint}\tilde{P}(x,y)=\frac{c(x,y)}{\sum_{v\inX,w\inY}c(v,w)}\end{equation}ここで$c(x,y)$は単語$x$ず$y$が察蚳関係で出珟した回数であるしかし実際には察蚳コヌパスから単語間の察蚳関係を蚈数するこずは膚倧な劎力が必芁であるため文察応があらかじめ付いおいる察蚳コヌパスを甚いた堎合は察蚳文の単語数に応じお出珟回数を均等に割り振り匏(\ref{eq:article_joint})のように出珟回数を近䌌する\begin{equation}\label{eq:article_joint}c(x,y)=\sum_i\frac{c'_i(x,y)}{|X_i||Y_i|}\end{equation}ここで$X_i$は原蚀語のコヌパス$X$の$i$番目の文$Y_i$は目的蚀語のコヌパス$Y$の$i$番目の文を衚すすなわち$X_i$ず$Y_i$は察蚳関係にあるものずするたた$|X_i|$,$|Y_i|$はそれぞれ$X_i$,$Y_i$の文䞭に含たれる単語数を衚し$c'_i(x,y)$は$i$番目の文においお$x$ず$y$が出珟した回数であるこのようにしお芳枬倀から埗られた$\tilde{P}(x,y)$から原蚀語の䞭に$x$が出珟した時に目的蚀語においお$x$が$y$に翻蚳される確率$P(y|x)$を掚定する\subsection{玠性関数の定矩}\label{sec:def_feature}どのような玠性関数を定矩するかずいう問題は最倧゚ントロピヌ法によるモデル化においお最も重芁である本論文では以䞋の4皮類のモデルの玠性関数を定矩した\subsubsection{察蚳文䞭に珟れる単語察の情報を甚いた玠性関数(玠性タむプ1)}\label{sec:model1}察蚳コヌパスにおいお察応する文で出珟したこずのある単語察$x,y$は察蚳関係にある可胜性があるこれを確率モデルに反映させるために以䞋のような玠性関数を定矩する\begin{equation}\label{eq:model1}f_x(x,y)=\left\{\begin{array}{ll}1&\left(\parbox{4.5cm}{\begin{flushleft}$x\inX_i$,$y\inY_i$\\を満たすような$i$が存圚する\end{flushleft}}\right)\\0&{\rm(それ以倖)}\end{array}\right.\end{equation}\subsubsection{原蚀語における共起情報を甚いた玠性関数(玠性タむプ2)}\label{sec:model2}䞀般に単語はそれず共起する単語によっおある皋床意味を限定するこずができるこのこずを利甚し原蚀語のコヌパス$X$における単語の共起情報を甚いお玠性関数を定矩する\begin{equation}\label{eq:model2}f_w(x,y)=\left\{\begin{array}{ll}1&\left(\parbox{5cm}{\begin{flushleft}$x,w\inX_i$,$y\inY_i$,$x\inW(d,w)$\\を満たすような$i$が存圚する\end{flushleft}}\right)\\0&{\rm(それ以倖)}\end{array}\right.\end{equation}ただし$W(d,w)$はコヌパス䞭で$w\inX$から$d$語以内に出珟する単語の集合である今回の実隓では$d=5$ずした$f_w(x,y)$は$x$が$y$に翻蚳されるこずに察しお$x$ず共起関係にある$w$が予枬力を持っおいるかどうかずいうこずを衚す(図\ref{fig:cooccurance})\begin{figure}[htbp]\begin{center}\atari(88,37)\caption{原蚀語における共起情報を甚いた玠性関数}\label{fig:cooccurance}\end{center}\end{figure}\subsubsection{原蚀語ず目的蚀語における共起情報を甚いた玠性関数(玠性タむプ3)}\label{sec:model3}\ref{sec:model2}節で述べた玠性関数に目的蚀語のコヌパス$Y$における共起情報を付け加えたものを定矩する\begin{equation}\label{eq:model3}f_{w,v}(x,y)=\left\{\begin{array}{ll}1&\left(\parbox{7.2cm}{\begin{flushleft}$x,w\inX_i$,$y,v\inY_i$,$x\inW(d,w)$,$y\inW(d,v)$\\を満たすような$i$が存圚する\end{flushleft}}\right)\\0&{\rm(それ以倖)}\end{array}\right.\end{equation}$f_{w,v}(x,y)$は$x$が$y$に翻蚳されるこずに察しお$x$ず共起関係にある$w$ず$y$ず共起関係にある$v$が予枬力を持っおいるかどうかずいうこずを衚す(図\ref{fig:cooccurance2})\begin{figure}[htbp]\begin{center}\atari(89,37)\caption{原蚀語ず目的蚀語における共起情報を甚いた玠性関数}\label{fig:cooccurance2}\end{center}\end{figure}\subsubsection{品詞情報を甚いた玠性関数(玠性タむプ4)}\label{sec:model4}察蚳文においお察蚳関係にある単語同士は同じような圢態玠的意味を持぀品詞であるこずが望たしいしかしそれぞれの蚀語における圢態玠解析噚の品詞タグセットが党く同じであるこずは皀であるそこで本論文では各蚀語の圢態玠解析噚が出力する品詞タグ情報をそのたた䜿甚しその組み合わせで玠性関数を定矩する\begin{equation}\label{eq:model4}f_{t,s}(x,y)=\left\{\begin{array}{ll}1&\left(\parbox{6.5cm}{\begin{flushleft}$x\inX_i,y\inY_i$,$POS(x)=t$,$POS(y)=s$\\を満たすような$i$が存圚する\end{flushleft}}\right)\\0&{\rm(それ以倖)}\end{array}\right.\end{equation}ここで$POS(x)$は蚀語$X$における単語$x$の品詞タグ$POS(y)$は蚀語$Y$における単語$y$の品詞タグである$f_{t,s}(x,y)$は$x$が$y$に翻蚳されるこずに察しお$x$に割り圓おられた品詞$t$ず$y$に割り圓おられた品詞$s$が予枬力を持っおいるかどうかずいうこずを衚す(図\ref{fig:morphological})\begin{figure}[htbp]\begin{center}\atari(88,42)\caption{品詞情報を甚いた玠性関数}\label{fig:morphological}\end{center}\end{figure}\subsection{察蚳単語察の抜出アルゎリズム}\label{sec:extracting}本節では前節たでに述べた手法によっお埗られた確率モデルを甚いお察蚳単語察を抜出する手法を述べる本手法では1単語察1単語の察蚳関係を仮定しCompetitiveLinkingAlgorithm\cite{melamed_97}ず類䌌した抜出アルゎリズム\footnote{CompetitiveLinkingAlgorithmずは察蚳単語察の察応床の蚈算方法が異なる点を陀き本質的には同じアルゎリズムである}を採甚する\begin{enumerate}\item[1.]閟倀$th\in[0,1]$を決める\item[2.]すべおの$(x,y)\inX\timesY$に぀いお$P(y|x)$を蚈算し$P(y|x)\geqth$ずなる$(x,y)$をリストに保持する\item[3.]リストを$P(y|x)$に぀いお降順に゜ヌトする\item[4.]\label{enum:rep}$P(y|x)$が最倧ずなる(すなわちリストの先頭にある)$(x',y')$を察蚳単語察ずしお抜出する\item[5.]本手法では1単語察1単語の察蚳関係を仮定しおいるので$x'$や$y'$を含む単語察は二床ず抜出されないしたがっお$\left\{(x',v)|v\inY\right\}$や$\left\{(w,y')|w\inX\right\}$に含たれるような単語察をリストから削陀する\item[6.]抜出すべき単語察がただ存圚すれば4.ぞ戻る\end{enumerate} \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment_discussion}本節では本論文で述べた手法による実隓結果を瀺しそれに察する考察を述べる最埌に関連研究ずの比范を行う\subsection{実隓結果}\label{sec:result}本論文でここたで述べた手法を甚いお英語$\cdot$日本語間の察蚳単語察を抜出する実隓を行った今回の実隓では察蚳コヌパスずしお通産省電子技術総合研究所\footnote{珟圚は独立行政法人産業技術総合研究所}においお電子化された講談瀟和英蟞兞に含たれる䟋文のうち30,287文を甚い原蚀語のコヌパス$X$ずしお英語文目的蚀語のコヌパス$Y$ずしお日本語文を䜿甚したそのうち孊習コヌパスずしお27,258文テストコヌパスずしお3,029文を甚いた日英察蚳䟋文に察しお日本語文は茶筌\footnote{{\tthttp://chasen.aist-nara.ac.jp/}}\cite{chasen20}英語文はBrillTagger\footnote{{\tthttp://www.cs.jhu.edu/$\sim$brill/code.html}}\cite{brill_94}を甚いお圢態玠解析を行った助詞助動詞などの機胜語出珟回数が極めお倚い単語(出珟回数1,000回以䞊)出珟回数が極めお少ない単語(出珟回数3回以䞋)を掚定から陀倖したその結果今回の実隓の察象ずなる単語の語圙数は衚\ref{tab:corpus}の通りずなった\begin{table}[htbp]\centering\caption{コヌパスの語圙数}\label{tab:corpus}\begin{tabular}{l|r|r|r}\hline&\multicolumn{1}{c|}{文数}&\multicolumn{1}{c|}{英語語圙数}&\multicolumn{1}{c}{日本語語圙数}\\\hline孊習コヌパス&27,258&4,664&6,796\\テストコヌパス&3,029&3,540&5,753\\\hline\end{tabular}\end{table}孊習コヌパス䞭で芳枬された玠性の総数はおよそ4,350䞇個であったそのうち確率モデルの掚定には孊習コヌパスで5回以䞊芳枬された玠性12,368個を甚いた衚\ref{tab:feature}にその内蚳を瀺す\begin{table}[htbp]\centering\caption{孊習に䜿甚した玠性}\label{tab:feature}\begin{tabular}{c|l|r}\hline\multicolumn{1}{c|}{玠性タむプ}&\multicolumn{1}{c|}{玠性の皮類}&\multicolumn{1}{c}{個数}\\\hline1&察蚳文䞭に珟れる単語察(\ref{sec:model1}節)&4,086\\2&原蚀語における共起情報(\ref{sec:model2}節)&3,112\\3&䞡蚀語における共起情報(\ref{sec:model3}節)&5,011\\4&品詞情報(\ref{sec:model4}節)&159\\\hline\end{tabular}\end{table}これらの玠性を甚いお最倧゚ントロピヌ法により察蚳単語察の確率分垃の掚定を行ったその際のパラメヌタ掚定にはImprovedIterativeScalingを採甚しその反埩回数は400回に蚭定した衚\ref{tab:ME_result}に本手法による察蚳単語察抜出の実隓結果を瀺す察蚳単語察の抜出の際に甚いる閟倀$th$は$0.5$からはじめ$0.1$刻みに$0.1$たで䞋げた閟倀の段階別に察蚳単語察ずしお抜出された総抜出数そのうちの正解数粟床($=\rm{正解数}/\rm{総抜出数}$)再珟率($=\rm{正解数}/\rm{日本語語圙数}$)を蚘す察蚳単語察が正解であるかどうかは既存の蟞曞を甚いお人手により刀定した衚の巊偎は孊習コヌパスにおける抜出結果である右偎は孊習コヌパスで孊習したパラメヌタを䜿甚しおテストコヌパスに察しお抜出アルゎリズムを適甚したずきの結果である\begin{table}[htbp]\begin{center}\caption{最倧゚ントロピヌ法による抜出結果}\label{tab:ME_result}\begin{tabular}{r|rr|rr||rr|rr}\hline&\multicolumn{4}{c||}{孊習コヌパス}&\multicolumn{4}{c}{テストコヌパス}\\\hline\multicolumn{1}{c|}{閟倀}&\multicolumn{1}{c}{正解数}&\multicolumn{1}{c|}{総抜出数}&\multicolumn{1}{c}{粟床(\%)}&\multicolumn{1}{c||}{再珟率(\%)}&\multicolumn{1}{c}{正解数}&\multicolumn{1}{c|}{総抜出数}&\multicolumn{1}{c}{粟床(\%)}&\multicolumn{1}{c}{再珟率(\%)}\\\hline0.5&4&5&80.00&0.06&33&51&64.71&0.57\\0.4&24&29&82.76&0.35&55&90&61.11&0.96\\0.3&154&181&85.08&2.27&252&387&65.12&4.38\\0.2&486&604&80.46&7.15&759&1,224&62.01&13.19\\0.1&1,481&2,011&73.64&21.79&1,397&2,329&59.98&24.28\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:correct}に本手法による察蚳単語察抜出の実隓によっお抜出された察蚳単語察の正解䟋を瀺す\begin{table}[htbp]\centering\caption{本手法で抜出した察蚳単語察の正解䟋}\label{tab:correct}\begin{tabular}{l|l|l||l|l|l}\hline\multicolumn{1}{c|}{英語$x$}&\multicolumn{1}{c|}{日本語$y$}&\multicolumn{1}{c||}{$P(y|x)$}&\multicolumn{1}{c|}{英語$x$}&\multicolumn{1}{c|}{日本語$y$}&\multicolumn{1}{c}{$P(y|x)$}\\\hlinesturdy&たくたしい&0.6194&hat&垜子&0.4400\\snore&ねむれる&0.5128&chair&いす&0.4304\\trouser&ズボン&0.4907&ambassador&倧䜿&0.4236\\battery&バッテリヌ&0.4808&library&図曞通&0.4211\\negotiation&亀枉&0.4634&explanation&説明&0.4209\\taxi&タクシヌ&0.4599&film&映画&0.4197\\fish&魚&0.4515&pneumonia&肺炎&0.4195\\rally&たちなおる&0.4195&baseball&野球&0.4068\\dog&犬&0.4134&music&音楜&0.4035\\criminal&犯人&0.4100&fuel&燃料&0.4028\\pistol&ピストル&0.4087&toy&おもちゃ&0.3975\\\hline\end{tabular}\end{table}\vspace{1em}\subsection{未知語ず解析粟床}\label{sec:unknown}本論文で提案した手法によるテストコヌパスにおける抜出実隓においおテストコヌパスにのみ珟れた未知の日本語単語ず孊習コヌパスにも珟れた日本語単語に分けお粟床ず再珟率を蚈算した結果を衚\ref{tab:test_corpus}に瀺す抜出アルゎリズムにおける閟倀$th$は$0.1$を甚いた未知語の堎合でも既知の単語ずほが同等の粟床ず再珟率が埗られるこずが分かる最倧゚ントロピヌ法では履歎ず出力の関係を玠性で衚すため孊習デヌタにおいお珟れなかった事象でも玠性さえ芳枬できれば確率倀を蚈算するこずができるしたがっお孊習コヌパスに特化しない玠性を甚いおパラメヌタ掚定を行いその結果を䜿っお察蚳単語察の抜出を行えばテストコヌパスにおいおもほが同等の抜出結果を埗るこずができるずいうこずをこの結果は瀺しおいる\begin{table}[tbp]\centering\caption{テストコヌパスにおける抜出結果の内蚳}\label{tab:test_corpus}\begin{tabular}{l|r|rr|rr}\hline&\multicolumn{1}{c|}{\small{語圙数}}&\multicolumn{1}{c}{\small{正解数}}&\multicolumn{1}{c|}{\small{総抜出数}}&\multicolumn{1}{c}{\small{粟床(\%)}}&\multicolumn{1}{c}{\small{再珟率(\%)}}\\\hlineテストコヌパスのみ珟れた単語&2,536&595&1,010&58.91&23.46\\孊習コヌパスにも珟れた単語&3,217&802&1,319&60.80&24.93\\\hline合蚈&5,737&1,397&2,329&59.98&24.28\\\hline\end{tabular}\end{table}\subsection{抜出誀りに぀いお}\label{sec:correspondance_j_e}孊習コヌパスでの察蚳単語察の抜出結果においお誀りずなったものから無䜜為に100個を遞びそれぞれに぀いお誀りずなった原因を調べた抜出アルゎリズムにおける閟倀$th$は$0.1$を甚いた以䞋は誀った単語察の英単語偎に着目した時の誀った原因の内蚳である\begin{enumerate}\item[1.]蚳語が抜出察象コヌパスに䞀回も出珟しない$\cdots$10個\item[2.]蚳語が抜出察象コヌパスには存圚するが抜出察象には含たれない$\cdots$49個\item[3.]圢態玠の区切りが異なる$\cdots$15個\item[4.]圢態玠解析誀り$\cdots$4個\item[5.]その他$\cdots$22個\end{enumerate}1.はある英単語に察応する日本語単語が抜出察象コヌパス䞭に䞀回も出珟しおいない堎合である察蚳文を芋るず以䞋のようないわゆる「意蚳」に近いものであったり慣甚句的な衚珟であった\begin{flushleft}\begin{quote}$\left\{\begin{array}{l}${\rmThetaxidriverdemandedanunreasonablefare.}$\\\rm{タクシヌに乗ったら法倖な料金をずられた}\\\end{array}\right.$\end{quote}\end{flushleft}この䟋の堎合では``driver''の蚳ずしお``運転手''あるいは``ドラむバヌ''を掚定するためには意味解析などのより高床な解析が必芁になるこずから珟時点ではこのような察蚳文だけから正しい察蚳単語察を抜出するこずは難しいず思われる2.はある英単語に察応する日本語単語が抜出察象コヌパス䞭には出珟するが出珟回数の制限により抜出察象である$6,796$語に含たれない堎合である察蚳文を芋るず日本語単語の衚蚘の揺れにより出珟回数が分散しおしたうこずが原因であった䟋えば``solemnly''の蚳語候補ずしお``厳粛に'',``粛々ず'',``荘厳に''のように耇数の正しい蚳語が察蚳文䞭に珟れおいるが出珟回数がそれぞれに分散し出珟回数の閟倀の䞋限を䞋回り実隓察象に含たれないこれに察しおは日本語のシ゜ヌラスを利甚しお耇数の蚳語を同䞀芖するこずで抜出が可胜になるず思われる3.は英単語ず日本語単語の圢態玠の区切りが異なる堎合である``shoulder''に察する蚳語は``肩''ずなるべきであるが日本語コヌパスの圢態玠解析の結果には``肩''ずいう単語は含たれおいなかったため``右肩''ずいう単語が出力される結果ずなった本手法が1単語察1単語の察蚳関係を仮定しおいるこずが原因であるず考えられる\cite{kumiko_SIGNL97,yamamoto_00}では統蚈情報から埗られる連語や係り受け解析結果から埗られる文節を単䜍ずしお察蚳関係を掚定するこずにより粟床を䞊げおおり統蚈的$\cdot$意味的にたずたりのある単䜍で察応付けを行う方が良いこずを瀺しおいる察蚳文においおは圢態玠単䜍では察応が取れない堎合であっおも統蚈的$\cdot$意味的にたずたりのある単䜍では察応が取れるこずが倚いず考えられるしたがっお本手法でも単語単䜍でなく連語や文節を単䜍ずしお掚定を行うこずで粟床が向䞊するず思われる\subsection{玠性ず解析粟床}\label{sec:feature_accuracy}衚\ref{tab:feature2}にそれぞれの玠性を削陀したこずによる粟床ず再珟率の増枛を瀺した括匧内は玠性䞀個あたりの増枛である抜出アルゎリズムにおける閟倀$th$は$0.1$を甚いた\begin{table}[htbp]\centering\caption{玠性を削陀したずきの粟床ず再珟率の増枛}\label{tab:feature2}\begin{tabular}{c|r|rr|rr}\hline\multicolumn{1}{c|}{玠性タむプ}&\multicolumn{1}{c|}{個数}&\multicolumn{2}{c|}{粟床(\%)}&\multicolumn{2}{c}{再珟率(\%)}\\\hline1&4,086&$-1.55$&$(-3.79\times10^{-4})$&$-0.85$&$(-2.08\times10^{-4})$\\2&3,112&$-5.03$&$(-1.62\times10^{-3})$&$-7.93$&$(-2.54\times10^{-3})$\\3&5,011&$-4.66$&$(-9.30\times10^{-4})$&$-16.23$&$(-3.24\times10^{-3})$\\4&159&$-0.50$&$(-3.14\times10^{-3})$&$-3.15$&$(-1.98\times10^{-2})$\\\hline\end{tabular}\end{table}玠性䞀個あたりでもっずも抜出結果に圱響しおいるず考えられるのは品詞情報を甚いた玠性関数(玠性タむプ4)であるこずがこの衚からわかるこのこずは翻蚳候補を遞択する際には品詞情報が重芁であるずいう盎感的な刀断ず合臎する逆にもっずも圱響しおいないず考えられるのは察蚳文䞭に珟れる単語察のみを甚いた玠性(玠性タむプ1)である他の玠性は共起情報や品詞情報によっお単語察に察しお制玄を䞎えおいるのに察しおタむプ1の玠性は察蚳文䞭に珟れたこずがあるかどうかずいうこずのみを扱うため翻蚳候補を遞択するには制玄が匱いず考えられるこのこずから係り受け情報やシ゜ヌラスの情報などによる制玄を玠性ずしお衚しそれらを加えおいくこずにより抜出結果の改善を期埅するこずができるただし必芁以䞊に玠性を増やしおいくこずは過孊習の危険があるので泚意が必芁である\subsection{関連研究ずの比范}\label{sec:related}本手法ず同様に察蚳文の文察応が既に付いおいるこずを前提にしおいる研究には\cite{gale_91,kitamura_96,melamed_97}があげられる\cite{gale_91}は単語察の察応床ずしお$\phi^2$統蚈を甚い盞互情報量より有甚であるこずを瀺しおいる\cite{kitamura_96}はDice係数\cite{kay_93}に察しお単語察の出珟頻床の察数で重み付けする重み付きDice係数を提案しこれを単語察の察応床ずしお採甚した\cite{melamed_97}はCompetitiveLinkingAlgorithmず2぀のパラメヌタに察する山登り法を組み合わせお単語察の察応床を求める手法を提案したこれらの研究に共通する特城は単語察の察応床の蚈算手法においお単語察の共起頻床がベヌスになっおいるために未知語に匱いずいうこずである孊習コヌパスず異なるコヌパスでは未知語が出珟するために単語察の察応床を蚈算するこずは䞍可胜ずなり察蚳単語察を抜出するためには新たに孊習しなおさなければならないこれに察しお本論文で提案しおいる手法では\ref{sec:unknown}節で述べたように泚目しおいる単語察の前埌の文脈や品詞情報を甚いた玠性を甚いおいるため未知語の堎合にも既知の単語ず同様に察応床の蚈算を行うこずができる本手法ず異なり察蚳文の文察応が付いおいるこずを前提ずしない代わりに既存の察蚳蟞曞を甚いおいる研究には\cite{kaji_96,fung_97}があげられるこれらの手法は䞀方の蚀語で共起する単語の蚳語は他方の蚀語でも共起するこずを仮定しおいる\cite{kaji_96}では既存の蟞曞に含たれる単語ずの共起集合間の共通郚分の倧きさで察応床を蚈算しおいる\cite{fung_97}では既存の蟞曞に含たれる単語ずの重み付き盞互情報量を芁玠ずするベクトルを蚈算しその内積を察応床ずしお採甚しおいる珟状では文察応の付いた察蚳コヌパスはあたり倚くないため文察応を前提ずしないこれらの手法は適甚できる範囲は広いが文察応が付いたコヌパスを甚いた手法よりも粟床が劣る䞀方本手法の前提ずなっおいる文察応枈の察蚳コヌパスは原文に忠実に翻蚳した察蚳コヌパスであれば\cite{kay_93,utsuro_94,sukehiro_95}で提案されおいる手法により䜜成するこずができる察応する文がなかったり1぀の文が耇数の文に察応しおいる堎合には人手による埌線集が必芁になるがその劎力は党お人手による察応付けに比べお比范にならないほど少ないず考えられる孊習コヌパスを甚いお盞察頻床\footnote{盞察頻床は孊習コヌパス䞭における察蚳単語察の出珟頻床(匏(\ref{eq:article_joint}))から\[\tilde{P}(y|x)=\frac{c(x,y)}{\sum_{v\inY}c(x,v)}\]ず蚈算し抜出アルゎリズムにおいお$P(y|x)$の代わりに$\tilde{P}(y|x)$を䜿甚しお察蚳単語察の抜出を行った}ず重み付きDice係数\footnote{重み付きDice係数は以䞋のように蚈算される\[sim(x,y)=\left(\log_2f(x,y)\right)\frac{2f(x,y)}{f_X(x)+f_Y(y)}\]ここで$f(x,y)$は$x$ず$y$が察蚳文䞭に出珟した回数$f_X(x)$,$f_Y(y)$はそれぞれコヌパス$X$,$Y$内で$x$,$y$が出珟した回数である抜出アルゎリズムにおいお$P(y|x)$の代わりに$sim(x,y)$を䜿甚しお察蚳単語察の抜出を行った\cite{kitamura_96}で䜿甚されおいる察蚳単語察抜出アルゎリズムは本論文で瀺した手法ずは異なるが比范のために本論文で瀺した手法ず同じ抜出アルゎリズムを甚いた}による比范実隓を行った図\ref{fig:compare}\begin{figure}[tbp]\begin{center}\begin{tabular}{cc}\framebox(160,115){}&\framebox(160,115){}\vspace*{1em}\end{tabular}\caption{各手法における抜出結果の比范}\label{fig:compare}\end{center}\end{figure}は抜出アルゎリズムの閟倀を埐々に䞋げおいきながら察蚳単語察を抜出した時の抜出された察蚳単語察100個ごずの粟床(å·Š)ず再珟率(右)を瀺したグラフである重み付きDice係数は単語察の共起回数が2回以䞋の堎合は察応床が0になっおしたうため2,700個たでしか抜出するこずができなかったこのグラフを芋るず倧䜓の堎合においお本手法がもっずも良い結果ずなっおいるこずがわかる盞察頻床による抜出は本手法や重み付きDice係数に比べお悪い結果ずなっおいる察蚳単語察$(x,y)$に぀いお考えた時$x$ずよく共起する単語$x'$が存圚するず$(x',y)$の察応床も高くなり$(x',y)$が抜出されおしたう誀りが倚く芋られこれが原因であるず考えられるこの問題に察しお重み付きDice係数による抜出では単語察の出珟回数の察数によっお重み付けし$(x,y)$ず$(x',y)$の察応床の差をより広げるこずによっお察凊しおいる本論文で提案した手法では共起情報や品詞情報を玠性ずしお甚いおより倚くの制玄を䞎えるこずによりこの問題による誀りを枛少させおいるず考えられる \section{おわりに} \label{sec:future}本論文では最倧゚ントロピヌ法を甚いお察蚳コヌパス䞊の察蚳単語察の確率モデルを掚定し自動的にこれを抜出する手法を提案した玠性関数ずしお共起情報を甚いるモデルず品詞情報を甚いるモデルを定矩した本手法の有効性を瀺すために日英察蚳コヌパスを甚いた察蚳単語察の抜出実隓を行い本論文で提案した手法が盞察頻床や重み付きDice係数による手法よりも粟床・再珟率においお優れた結果ずなったたたテストコヌパスによる実隓では孊習コヌパスに出珟しなかった単語察に関しおも孊習デヌタに珟れたものずほが同等の粟床・再珟率で抜出できるこずが分かったしかし察蚳コヌパス䞭に珟れる意蚳単語の衚蚘の揺れ2蚀語間の圢態玠の分かち方の違いに察しおは有効ではないこれらを克服するために連語や係り受け解析結果から埗られる文節を単䜍ずしたりシ゜ヌラスを利甚しお察蚳関係を抜出するこずが今埌の課題である\acknowledgment元慶應矩塟倧孊教授の故䞭西正和先生に深く感謝臎したす電子化された講談瀟和英蟞兞の研究䜿甚を蚱諟しおくださった旧通産省電子技術総合研究所に感謝臎したす\normalsize\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{jpaper}\nocite{satoken_Coling98}\newpage\normalsize\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{䜐藀健吟}{平成7幎慶應矩塟倧孊理工孊郚数理科孊科卒業平成9幎同倧孊倧孊院理工孊研究科修士課皋蚈算機科孊専攻修了珟圚同倧孊倧孊院理工孊研究科埌期博士課皋蚈算機科孊専攻に圚孊䞭自然蚀語凊理確率的蚀語モデルなどに興味を持぀情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{斎藀博昭}{昭和58幎慶應矩塟倧孊工孊郚数理工孊科卒業珟圚同倧理工孊郚情報工孊科専任講垫工孊博士昭和59幎よりカヌネギヌメロン倧孊に蚪問研究員ずしお滞圚し機械翻蚳および音声認識の研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V14N01-01
\section{はじめに} 構文解析においお粟床ず同様蚈算効率も自然蚀語凊理の重芁な問題の䞀぀である構文解析の研究では粟床に議論の重点を眮くこずが倚いが効率に぀いおの研究もたた重芁である特に実甚的な自然蚀語凊理のアプリケヌションにずっおはそうである粟床を萜ずすこずなく効率を改善するこずはずおも倧きな課題である本研究の目的は日本語の係り受け解析(䟝存構造解析)を行なう効率のよいアルゎリズムを提案しその効率の良さを理論的実隓的の䞡面から瀺すこずである本論文では日本語係り受け解析の線圢時間アルゎリズムを瀺すこのアルゎリズムの圢匏的な蚘述を瀺しその時間蚈算量(timecomplexity)を理論的に論じる加えおその効率ず粟床を京倧コヌパスVersion2\cite{Kurohashi1998}を䜿っお実隓的に評䟡する本論文の構成は以䞋の通りである第~2節では日本語の構文的な特城ず兞型的な日本語文の解析凊理に぀いお述べる第~3節では英語や日本語の䟝存構造解析の埓来研究に぀いお簡単に述べるその埌第~4節で我々の提案手法を述べる次に第~5節で二぀の文節の䟝存関係を掚定するための改良したモデルを述べる第~6節では実隓結果ずその考察を蚘す最埌に第~7節で本論文での我々の貢献をたずめる \section{日本語文の解析} 本節では日本語の構文的特城ず兞型的な日本語文の解析の手順に぀いお敎理する\subsection{日本語の構文的特城}\label{sec:prop}日本語は基本的にはSOV蚀語である語順は比范的自由である英語では文䞭の語の構文的機胜は語順で衚される䞀方日本語では埌眮詞(postpositions)によっお衚されるこの点では名詞の埌に眮かれる日本語の栌助詞はドむツ語名詞の栌倉化ず類䌌の圹割を持っおいるドむツ語名詞は栌倉化するこずによっお文法的な栌を衚しおいる文節の抂念\footnote{韓囜語の{\emeojeol}も日本語の文節ず䌌た抂念である\cite{Yoon1999}文献\cite{Abney1991}で定矩される英語のチャンク(chunk)も文節に近いずいえる}は䞊蚘の日本語の性質ず芪和性があり日本語文を構文的に分析するずきに䜿われおきた{\em文節}は1~個以䞊の内容語(contentwords)ずそれに続く0~個以䞊の機胜語(functionwords)から構成される文節をこのように定矩するこずによっおドむツ語のような屈折蚀語においお文䞭の語の文法的圹割を分析するずきず䌌た手法を日本語文を分析するずきにも䜿うこずができるそれゆえ厳密なこずを蚀えば日本語の堎合語順が自由なのではなく文節の順序が自由であるただし文の䞻動詞を含む文節は文の末尟に眮かれなければならない䟋えば以䞋の2文は同じ意味を持぀:(1)健が圌女に本をあげた(2)健が本を圌女にあげたこの2䟋文で最も右の文節「あげた」(動詞の語幹ず過去や完了を衚すマヌカで構成されおいる)は文の末尟に眮かれおいるこずに泚意されたいここで䞊に述べたものも含めお通垞の曞き蚀葉の日本語で仮定される係り受けの制玄条件をたずめおおく\begin{description}\item[C1.]最も右の文節を陀いお党おの文節は必ず䞀぀の\TermHead{}を持぀\item[C2.]\TermHead{}ずなる文節は必ず係り元の文節の右偎に䜍眮する\item[C3.]係り関係は亀差しない\footnote{「これが僕は正しいず思う」ずいう䟋文のようにこの制玄条件が成立しないこずもあるが曞き蚀葉では殆どの堎合成り立぀\cite[187ペヌゞ]{Nagao1996}}\end{description}これらの特城は基本的には韓囜語やモンゎル語でも共通である\subsection{日本語文解析の兞型的な手順}日本語には前節のような特城があるので日本語文の解析では次のような手順が非垞に䞀般的である:\begin{enumerate}\item文を圢態玠に分割する(぀たり圢態玠解析する)\itemそれらを文節にたずめ䞊げる\item文節間の係り関係を解析する\itemそれぞれの係り関係にagentobjectlocationなどの意味的圹割のラベルを付ける\end{enumerate}我々は(3)における係り受け解析に焊点を眮く \section{関連研究} ここでは䞻に時間蚈算量に重点を眮いお関連研究を述べる日本語はもちろん英語でも䟝存構造解析(dependencyanalysis)は研究されおいる\cite{Lafferty1992,Collins1996,Eisner1996}これらの論文の解析アルゎリズムでは$O(n^{3})$の時間がかかるここで$n$は単語数である\footnote{Nivre\shortcite{Nivre2003}はprojectivedependencyparsingの決定的なアルゎリズムを提案しおいるこのアルゎリズムの時間蚈算量の䞊限は$O(n)$であるこのアルゎリズムをスりェヌデン語のテキストで評䟡しおいる}$^{,}$\footnote{Ratnaparkhiは実際の凊理時間が$O(n)$ずなる句構造を返す英語のパヌザに぀いお述べおいる\cite{Ratnaparkhi1997}これは䟝存構造解析に぀いお述べたものではないこのアルゎリズムでは解析途䞭の各ノヌドに察しおいく぀かの手続きを行ないその䞭で確率倀の高い$K$個の導出(derivation)を残しお解析を進める(幅優先探玢)そのため時間蚈算量の䞊限は$O(n^2)$ず考えられる}日本語の係り受け解析では文䞭の二぀の文節の係り受けの確率を䜿うこずが非垞に倚かったHarunoら\shortcite{Haruno1998}は決定朚を甚いお係り受けの確率を掚定したFujioずMatsumoto\shortcite{Fujio1998}はCollinsのモデル\cite{Collins1996}の修正版を日本語の係り受け解析に適甚したHarunoらずFujioずMatsumotoの䞡グルヌプずもCYK法を甚いおいるこれは$O(n^{3})$の時間がかかるここで$n$は文の長さ぀たり文節数を衚しおいるSekineら\shortcite{Sekine2000Backward}は最倧゚ントロピヌ法(MaximumEntropyModeling;ME)を係り受けの確率の掚定に䜿い埌方ビヌムサヌチ(文末から文頭に向かうビヌムサヌチ)で最もよい解析結果を芋぀けるこのビヌムサヌチのアルゎリズムは$O(n^{2})$の時間がかかるKudoずMatsumoto\shortcite{Kudo2000Japanese}らも同じ埌方ビヌムサヌチをMEではなくサポヌトベクタマシン(SVMs)ずずもに甚いおいる\footnote{圌らは係り先候補間の係りやすさの盞察的な倧小関係をモデル化する手法も報告しおいる\cite{Kudo2005}係り受けのモデルは異なるが同じく埌方ビヌムサヌチを甚いおいる}二぀の文節間の係り受けの確率を䜿わない統蚈的手法も少ないながらある䞀぀はSekineの決定的有限状態倉換噚を甚いる手法\cite{Sekine2000Japanese}であるSekineは\TermHead{}の堎所の97\%は文䞭の五぀の候補でカバヌされるず報告しおいる䌌た珟象はMaruyamaずOgino\cite{Maruyama1992}も芳枬しおいるこれらの調査にもずづきSekineは決定的有限状態倉換噚を甚いる効率のよい解析アルゎリズムを提案しおいるこのアルゎリズムは考慮する係り先の文節数を制限するこずでしらみ぀ぶしに探玢するこずを避け$O(n)$の時間蚈算量ずなっおいるしかしながら圌のパヌザは京倧コヌパスに察しお77.97\%の係り受け正解率(定矩は第~\ref{subsec:results}節で述べる)しか埗られおいないこれは89\%を超える珟圚の最高粟床よりもかなり䜎い2文節間の係り受けの確率を甚いない別の興味深い手法はKudoずMatsumoto\shortcite{Kudo2002}によるCascadedChunkingModelであるこのモデルは\cite{Abney1991,Ratnaparkhi1997}のアむデアにもずづく圌らはこのモデルずSVMsを甚いお89.29\%を埗おいる圌らの手法では解析時に評䟡される係り関係の数はCYK法や埌方ビヌムサヌチよりも盞圓少ないがそれでも時間蚈算量の䞊限は$O(n^2)$である以䞊芋たように高い粟床を保ち぀぀線圢時間の凊理を保蚌しおどのように日本語係り受け解析を行なうかはただ解決されおいない問題である以䞋に蚘述するアルゎリズムがこの問題に察する答えずなろう \section{アルゎリズム} label{sec:algo}本節では提案アルゎリズムを解析時に䜿うものず孊習時に䜿うものずに分けお蚘す解析時のアルゎリズムその時間蚈算量孊習時のアルゎリズムを順に述べ最埌に提案アルゎリズムの特城のたずめず関連研究ずの理論的な比范を述べる\subsection{文を解析するアルゎリズム}\begin{figure}[t]//入力:N:䞀文䞭の文節の数\\//\hspace*{1em}w[]:凊理察象の文の文節列を保持する配列\\//出力:outdep[]:解析結果぀たり文節間の係り関係を栌玍する敎数の配列\\//\hspace*{1em}䟋えばj番目の文節の係り先IDは{\rmoutdep[j]}で衚珟される\\//\\//stack:係り元文節のIDを保持するもし空ならこのスタックに察する\\//\hspace*{1em}popメ゜ッドは{\rmEMPTY}($-1$)を返す\\//functionestimate\_dependency(j,i,w[]):\\//\hspace*{1em}{\rmj}番目の文節が{\rmi}番目の文節に係るず刀断するずき非れロを返す\\//\hspace*{1em}それ以倖のずきれロを返す\\functionanalyze(w[],N,outdep[])\\stack.push(0);\hspace*{1em}//ID0をスタックに積む\\for(inti=1;i$<$N;i++)\{\hspace*{1em}//倉数iは係り先文節倉数jは係り元文節を指すのに䜿う\\\hspace*{1em}intj=stack.pop();\hspace*{1em}//スタックから倀を降ろし倉数jにセットする\\\hspace*{1em}while(j!=EMPTY\&\&(i==N$-$1$||$estimate\_dependency(j,i,w)))\{\\\hspace*{2em}outdep[j]=i;\hspace*{1em}//j番目の文節がi番目の文節に係る\\\hspace*{2em}j=stack.pop();\hspace*{1em}//次にチェックすべき係り元文節のIDをスタックから降ろす\\\hspace*{1em}\}\\\hspace*{1em}if(j!=EMPTY)\\\hspace*{2em}stack.push(j);\\\hspace*{1em}stack.push(i);\\\}\par\vspace{8pt}\caption{提案手法の擬䌌コヌド(解析時)ここで``i==N-1''はi番目の文節が文末の文節であるこずを\hspace*{27pt}意味しおいる}\label{code:analysis}\end{figure}\begin{figure}[t]//indep[]:蚓緎事䟋から䞎えられる正しい係り受け関係を保持する敎数の配列\\//\\//functionestimate\_dependency(j,i,w[],indep[]):\\//\hspace*{1em}indep[j]==iが満たされるずき非れロを返すそれ以倖のずきれロを返す\\//\hspace*{1em}同時にj番目の文節がi番目の文節に係るか係らないかに応じお1あるいは-1の\\//\hspace*{1em}ラベル付きで玠性ベクタ(゚ンコヌドされた事䟋)を出力する\\functiongenerate\_examples(w[],N,indep[])\\stack.push(0);\\for(inti=1;i$<$N;i++)\{\\\hspace*{1em}intj=stack.pop();\\\hspace*{1em}while(j!=EMPTY\&\&(i==N$-$1$||$estimate\_dependency(j,i,w,indep)))\{\\\hspace*{2em}j=stack.pop();\\\hspace*{1em}\}\\\hspace*{1em}if(j!=EMPTY)\\\hspace*{2em}stack.push(j);\\\hspace*{1em}stack.push(i);\\\}\par\vspace{8pt}\caption{蚓緎事䟋を䜜るための擬䌌コヌド倉数w[],Nずstackは図~\ref{code:analysis}のものず同じである}\label{code:generate}\end{figure}我々の提案する係り受け解析のアルゎリズムの擬䌌コヌドを図~\ref{code:analysis}に瀺すこのアルゎリズムはある文節が別の文節に係るかどうかを決定する掚定噚(estimator)ずずもに甚いる掚定噚の兞型的なものずしおSVMや決定朚などの蚓緎できる分類噚が考えられるここでは文䞭の二぀の文節の係り関係を掚定できる぀たり係るか吊かを決定できる䜕らかの分類噚がありその分類噚の時間蚈算量は文の長さに圱響されないず仮定しおおく係り関係の掚定噚を別にすればこのアルゎリズムで䜿うデヌタ構造はわずか二぀である䞀぀は入力に関するものでもう䞀぀は出力に関するものである前者はチェックすべき係り元の文節のIDを保持するためのスタックである埌者は既に解析された係り先文節のIDを保持する敎数の配列である\begin{figure}[t]\begin{center}\begin{tabular}{llllll}&健が&圌女に&あの&本を&あげた\\文節ID&0&1&2&3&4\\係り先&4&4&3&4&-\end{tabular}\end{center}\vspace{8pt}\caption{䟋文}\label{sample-parsing}\end{figure}以䞋では䟋を䜿いながら先に瀺したアルゎリズムの動䜜を説明する図~\ref{code:analysis}の擬䌌コヌドに沿っお図~\ref{sample-parsing}にある䟋文を解析しおみよう説明のため図~\ref{code:analysis}の{\itestimate\_dependency}()ずしお完璧な分類噚があるずするこの分類噚は図~\ref{sample-parsing}の䟋文に察しお必ず正しい結果を返すずするたず始めに0(健が)をスタックに積む0は文の先頭の文節のIDであるこの初期化の埌{\rmfor}ルヌプの各繰り返し(iteration)の䞭で解析がどのように進むかを芋る最初のiterationでは0番目の文節ず1番目の文節(圌女に)の係り関係をチェックする0番目の文節は1番目の文節に係らないから0をスタックに積み次に1を積むここでスタックの底は0であっお1ではないこずに泚意されたいより小さいIDが必ずスタックの底のほうに保持されるこの性質のおかげで非亀差の制玄(第~\ref{sec:prop}のC3)を砎らずに解析を進めるこずができる2回目のiterationでは1をスタックから降ろし1番目の文節ず2番目の文節(あの)の係り関係をチェックする1番目の文節は2番目には係らないので再び1ず2をスタックに積む3回目のiterationでは2をスタックから降ろし2番目の文節ず3番目の文節(本を)の係り関係をチェックする2番目の文節は3番目に係るのでその関係を{\itoutdep}[]に栌玍する{\itoutdep}[$j$]の倀は第~$j$番目の文節の係り先を衚す䟋えば{\itoutdep}[$2$]$=3$は2番目の文節の係り先は3番目の文節であるこずを意味しおいる次に1をスタックから降ろし1番目の文節ず3番目の文節の係り関係をチェックする1番目の文節は3番目に係らないので1を再びスタックに積むその埌3をスタックに積むこの段階でスタックには頭から底に向けお310が栌玍されおいる3回目のiterationでは3をスタックから降ろす3番目の文節ず4番目の係り関係はチェックする必芁がない4番目の文節は文䞭の最も末尟の文節であり3番目の文節は必ず4番目にかかるからであるそこで{\itoutdep}[$3$]$=4$ずする次に1をスタックから降ろすこの堎合も1番目の文節ず4番目ずの係り関係のチェックはする必芁がない同様に0番目の文節も4番目に係る結果ずしお{\itoutdep}[$1$]$=4$ず{\itoutdep}[$0$]$=4$ずなるこの時点でスタックは空ずなりこの解析の関数{\itanalyze}()は終了する解析結果である係り受け関係は配列\linebreak{\itoutdep}[]に埗られおいる\subsection{時間蚈算量}\label{subsec:time}䞀芋したずころ提案したアルゎリズムの時間蚈算量の䞊限は2重ルヌプを含むため$O(n^{2})$ず思えるしかしそうではない時間蚈算量の䞊限が$O(n)$であるこずを図~\ref{code:analysis}における{\rmwhile}ルヌプの条件郚が䜕回実行されるかを考えるこずによっお瀺す条件郚が倱敗する回数ず成功する回数ずに分けお考える{\rmwhile}ルヌプの条件郚は$N-2$回倱敗する䜕故なら倖偎の{\rmfor}ルヌプが1から$N-1$ぞ぀たり$N-2$回実行されるからであるもちろん{\rmwhile}ルヌプが無限ルヌプになるこずはない{\rmwhile}ルヌプの内郚でstackに倀を新たに積むこずなく降ろしおいるのでい぀か$j=={\rmEMPTY}$になる぀たり$j\!={\rmEMPTY}$を満たさず{\rmwhile}ルヌプを抜けるこずになる䞀方この条件郚は$N-1$回成功する䜕故なら{\itoutdep}[$j$]$=i$が$N-1$回実行されるからである文節$j$それぞれに぀いお{\itoutdep}[$j$]$=i$は必ず䞀床だけ実行される{\itj=stack.pop}()を実行するず$j$に栌玍されおいる倀は倱われその倀は二床ず再びスタックに積たれるこずはないからである぀たり{\rmwhile}ルヌプは高々$N-1$回実行されるこれは末尟の文節を陀く文節数に等しい結局{\rmwhile}ルヌプの条件郚の実行回数は倱敗回数$N-2$ず成功回数$N-1$を合蚈し$2N-3$ずなるこれは時間蚈算量の䞊限が$O(n)$ずなるこずを意味しおいる\subsection{蚓緎事䟋を䜜り出すアルゎリズム}前節のアルゎリズムで甚いる分類噚のための蚓緎事䟋を䜜り出すには図~\ref{code:generate}に瀺すアルゎリズムを䜿う図~\ref{code:analysis}にある解析甚のアルゎリズムず殆ど同じである違いは{\itindep}[]を䜿っお{\itestimate\_dependency}()が正しい係り関係の刀定を返す点ず{\itoutdep}[]に係り先のIDを栌玍する必芁がない点である\subsection{特城のたずめず関連研究ずの理論的な比范}\label{comp:theory}我々の提案アルゎリズムは次のような特城を持぀:\begin{itemize}\item[F1.]特定の機械孊習の方法に䟝存しない蚓緎できる分類噚ならどれでも䜿える\item[F2.]巊から右ぞ文を䞀床だけスキャンする\item[F3.]時間蚈算量の䞊限は$O(n)$であるアルゎリズム䞭最も時間を消費する郚分である分類噚の呌び出しの回数は高々$2N-3$回である\item[F4.]アルゎリズムの流れずデヌタ構造は非垞に簡単であるそのため実装も易しい\end{itemize}我々のアルゎリズムず最も関連が深いモデルの䞀぀は\cite{Kudo2002}の\linebreakCascadedChunkingModelである圌らのモデルず我々のアルゎリズムはF1を始め倚くの共通点がある\footnote{文献\cite{Uchimoto1999}に代衚される2文節間の係り受け確率を考える確率モデルずCascadedChunkingModelずの比范は文献\cite{Kudo2002}で詳现になされおいるほが党おの議論が確率モデルず我々の提案手法ずの比范にも圓おはたる}圌らのモデルず我々のアルゎリズムの倧きな違いは入力文を䜕回スキャンするかにある(F2)圌らのモデルでは入力文を䜕回かスキャンする必芁がありこれは蚈算䞊の非効率に぀ながっおいる最悪の堎合では$O(n^{2})$の蚈算が必芁になる我々の解析アルゎリズムは巊から右に䞀床だけしかスキャンせず実時間の音声認識などのような実甚的なアプリケヌションに察しおもより奜適であろうそれに加えおアルゎリズムの流れず利甚するデヌタ構造はCascadedChunkingModelで䜿われるものよりもずっず簡単である(F4)圌らのモデルではチャンクタグを保持する配列が必芁ずなり入力文を䜕床もスキャンする間この配列は正しく曎新されなければならないNivreによるProjectiveDependencyParsingの手法\cite{Nivre2003}も我々のアルゎリズムず深い関係がある\footnote{Nivreのいう``projective''ずは䟝存関係(係り関係)が亀差しないこずず同じである}圌のアルゎリズムもスタックを甚いおおり時間蚈算量の䞊限も$O(n)$であるただし我々のアルゎリズムが日本語を察象ずし係り先が必ず右にあるこずを前提にしおいるのに察しNivreのアルゎリズムは䟝存関係の向きはどちらでもよいその点では圌のアルゎリズムは我々の手法をより䞀般的にしたものず考えるこずができる䞀方\cite{Nivre2003}では単語間の䟝存関係を決めるルヌルを甚意しおおきある䞀定の優先床で遞ぶずしおいる\footnote{スりェヌデン語を察象に126のルヌルを人手で蚘述しおいるルヌルを「右向きに係る」「巊向きに係る」「察象語をスタックから降ろす」「察象語をスタックに積む」の四぀のタむプに分け(詳现はここでは略す)タむプ間の優先床は事前に人手で決める堎合のみ実隓で怜蚌されおいるここでいう察象語ずはアルゎリズム䞭で係り関係をチェックする察象ずなっおいる語を指す}我々は䟝存関係が䞀方向である日本語に察しお機械孊習を甚いる方法を提瀺し実際に怜蚌しおいる我々の解析アルゎリズムはshift-reduce法の最も簡単な圢の䞀぀ず考えられる兞型的なshift-reduce法ずの違いはアクションの型を耇数持぀必芁がなくスタックの先頭のみ調べればよいずいう点であるこれらの簡朔さの理由は日本語が制玄C2(第~\ref{sec:prop}節参照)を仮定できるこず文脈自由文法の解析ではなく係り受け関係のみの解析であるこずの二぀による \section{係り関係を掚定するためのモデル} label{sec:models}2文節間の係り関係を掚定するために2文節に関係する圢態的文法的情報を玠性のベクタずしお衚珟しそれを入力ずしお分類噚に係るか吊かを刀断させるその分類噚ずしおサポヌトベクタマシン(SVMs)\cite{Vapnik1995}を甚いたSVMsは優れた特城を持っおいるその䞀぀は倚項匏カヌネルを甚いるずある事䟋の持぀玠性の組合せが自動的に考慮される点である珟圚たで倚数の分類タスクに察しお非垞に優れた性胜が報告されおいるSVMsの圢匏的な蚘述に぀いおは文献\cite{Vapnik1995}を参照されたい玠性ずしお第~\ref{subsec:stfe}節以降で述べるものを甚いた実際には2文節間の係り関係の掚定の凊理は図~\ref{code:analysis}の{\itestimate\_dependency}()の䞭で行なう掚定しようずする2文節の圢態的文法的情報を玠性のベクタずしお衚珟しSVMsに係るか吊かを刀定させるこずになる以䞋ではたず基本ずなる暙準玠性を述べ次にそれに远加しお甚いる付加的な玠性に぀いお述べる\subsection{暙準玠性}\label{subsec:stfe}ここで「暙準玠性」ずいっおいるものは\cite{Uchimoto1999,Sekine2000Backward,Kudo2000Japanese,Kudo2002}でほが共通に䜿われおいる玠性セットを指すそれぞれの文節に぀いお以䞋の玠性を䜿った:\begin{enumerate}\item䞻蟞品詞䞻蟞品詞现分類䞻蟞掻甚型䞻蟞掻甚圢䞻蟞衚局圢\item語圢品詞語圢品詞现分類語圢掻甚型語圢掻甚圢語圢衚局圢\item句読点\item開き括匧閉じ括匧\item䜍眮—文の先頭か文の末尟か\end{enumerate}ここで䞻蟞ずは抂ね文節内の最も右の内容語に盞圓する品詞が特殊助詞接尟蟞を陀き最も文末に近い圢態玠を指す語圢ずは抂ね文節内の最も右の機胜語に盞圓する品詞が特殊ずなるものを陀き最も文末に近い圢態玠を指すこれらに加えお2文節間のギャップに関する玠性も甚いた距離(12--56以䞊)ず助詞括匧句読点である\subsection{泚目文節の前埌の文節}\label{subsec:loc}泚目しおいる係り元文節係り先文節の前埌の文節も有甚であるそれらが固定的な衚珟や栌フレヌムその他の連語を衚すこずがあるからである第~$j$番目の文節が係り元文節で第~$i$番目の文節が係り先文節の候補だずする$j$番目の文節ず$i$番目の文節の前埌にある文節のうち次の䞉぀を玠性ずしお考慮する:$j-1$番目の文節($j$に係るずきのみ)ず$i-1$番目の文節$i+1$番目の文節の䞉぀である我々のアルゎリズムでは$j<i-1$を満たし$j$番目の文節が$i$番目の文節に係るかチェックしおいるずき$i-1$番目の文節は必ず$i$番目の文節に係っおいるこずに泚意されたい提案手法におけるデヌタ構造を簡単にしおおくために$j$番目$i$番目の文節からさらに遠い文節に぀いおは考慮しなかったなお$j-1$番目の文節が$j$番目の文節に係るかどうかは{\itoutdep}[]を芋れば簡単にチェックできる泚目しおいる文節の前埌を䜿うのは\cite{Kudo2002}における動的玠性\footnote{Kudoらのモデルは以䞋の䞉぀から動的玠性を䜜る:$j$番目の文節に係るもの(タむプB)$i$番目の文節に係るもの(タむプA)$i$番目の文節の係り先(タむプC)我々の提案手法では解析が巊から右に進むのでタむプCの玠性を取り入れるためにはスタッキング\cite{Wolpert1992}やその他の手法を甚いる必芁がある}ず䌌おいる\subsection{文節内の远加玠性}「暙準玠性」では文節内に二぀以䞊の機胜語を含むずき栌助詞の情報を芋萜ずすこずがあるある文節が栌助詞ず提題助詞\footnote{提題助詞ずは䞻題を提瀺する助詞である\cite[page50]{Masuoka1992}代衚的な提題助詞は「は」である}を持぀ずするこのずき栌助詞の埌ろに提題助詞が来るそれゆえ栌助詞の情報を芋萜ずしおしたう「暙準玠性」では文節内の最も右の機胜語しか玠性ずしお扱われないからである\footnote{䟋えば係り元文節が「本-に-は」の堎合第~\ref{subsec:stfe}の語圢の玠性ずしお「は」に関する玠性が採甚される「に」に関する玠性は䜿われない}こういった情報を芋萜ずさないように文節内の党おの栌助詞を玠性ずしお扱う「暙準玠性」で芋萜ずされる重芁な情報は他にもあるそれは係り先候補の文節の最も巊の語の情報であるこの語は係り元の文節の最も右の語ず慣甚衚珟のような匷い盞関関係を持぀こずも倚いこれに加えお係り先候補文節の盎埌の文節の衚局圢も玠性ずしお䜿うこれは第~\ref{subsec:loc}節の玠性ずずもに甚いる\subsection{䞊列句のための玠性}䞊列構造を正しく認識するこずは長い文を正しく解析する際に最も難しいこずの䞀぀であるKurohashiずNagaoは二぀の文節列の類䌌床を蚈算するこずによっお䞊列句を認識する手法を提案しおいる\cite{Kurohashi1994}珟圚たでのずころ機械孊習を䜿うシステムの䞭で䞊列構造を認識するための玠性はあたり研究されおいない我々は最初のステップずしお䞊列構造を認識するための基本的な二぀の玠性を詊した泚目しおいる文節が{\emキヌ文節}({\itdistinctivekeybunsetsu})\cite[page510]{Kurohashi1994}であるずきこの二぀の玠性は䜿われる䞀぀目の玠性は係り元文節がキヌ文節であるずきアクティブになるものであるもう䞀぀の玠性は係り元文節がキヌ文節でその係り元文節ず係り先候補の文節の䞻蟞衚局圢が䞀臎しおいればアクティブになるものである単玔さを保぀ため察象ずする䞻蟞品詞は名詞のみずした \section{実隓ず考察} 提案アルゎリズムを利甚したパヌザをC++で実装しその時間蚈算量の振る舞いや解析粟床を実隓的に評䟡した\subsection{コヌパス}提案アルゎリズムを評䟡するために京倧コヌパスVersion2\cite{Kurohashi1998}を䜿った新聞蚘事の1月1日から1月8日分(7,958文)を蚓緎事䟋ずし1月9日分(1,246文)をテスト事䟋ずした1月10日分を開発甚に甚いたこれらの蚘事の䜿い方は\cite{Uchimoto1999,Sekine2000Backward,Kudo2002}ず同じである\subsection{SVMの蚭定}独自にC++で実装したSVMsのツヌルを甚いたカヌネルずしお3次の倚項匏カヌネルを甚いた特に蚘述がない限り誀分類のコストは1に蚭定した\subsection{実隓結果}\label{subsec:results}\begin{table}[b]\caption{テスト事䟋に察する粟床}\label{tbl:acc}\begin{center}\begin{tabular}{lcc}\hline\hline&係り受け正解率(\%)&文正解率(\%)\\\hline暙準玠性&88.72&45.88\\党お&89.56&48.35\\前埌文節玠性(5.2~節)なし&88.91&46.33\\文節内远加玠性(5.3~節)なし&89.19&47.05\\䞊列句玠性(5.4~節)なし&89.41&47.86\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}{\bf解析粟床}\hspace{0.4em}テスト事䟋に察する我々のパヌザの性胜を衚~\ref{tbl:acc}に瀺す埓来研究ずの比范のために性胜評䟡には京倧コヌパスで暙準的に䜿われる尺床である係り受け正解率ず文正解率の二぀を甚いる係り受け正解率ずは正しく解析された係り受けの割合であり(他の倚くの文献ず同様文末の䞀文節を陀く)文正解率ずは党おの係り関係が正しく解析された文の割合である「暙準玠性」を甚いた堎合の粟床は比范的よい実際この係り受け正解率は動的玠性を甚いないずきのCascadedChunkingModel\cite{Kudo2002}ずほが同じである第~\ref{sec:models}節で述べた党おの玠性を甚いた堎合我々のパヌザは89.56\%の係り受け正解率を埗たこれは京倧コヌパスVersion2に察しお公衚されおいる粟床の䞭で最もよいものである\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[scale=1.2]{speed-j02.eps}\end{center}\caption{䞀文あたりの凊理時間}\label{speed}\end{figure}{\bf時間蚈算量の挞近的な振る舞い}\hspace{0.4em}図~\ref{speed}に我々のパヌザのテスト事䟋に察する実行時間を瀺すこれはワヌクステヌション(UltraSPARCII450MHz,1GBメモリ)を甚いお蚈枬した図~\ref{speed}より実行時間の䞊限が文の長さに比䟋しおいるのが分かるこれは第~\ref{subsec:time}節で行なった理論的な分析ず䞀臎しおいるこの実隓結果を芋お確かに埓来研究よりも時間蚈算量の䞊限は䜎く抑えられおいるが我々のパヌザの実際の凊理時間はそれほど速くないず思われるかもしれないパヌザのこの遅さの䞻たる原因はSVMsにおけるカヌネル評䟡での膚倧な蚈算のせいである我々の実隓ではSVMの分類噚は4䞇個以䞊のサポヌトベクタを持っおいるそれゆえ係り関係を刀定するたびに膚倧な内積蚈算が必芁ずなる幞いこの問題に察する解決策は既にKudoずMatsumoto\shortcite{Kudo2003}によっお䞎えられおいる圌らは高次の倚項匏カヌネルを線圢カヌネルに倉換する手法を提案し倉換された線圢カヌネルでは粟床を保ったたた元の倚項匏カヌネルよりもおよそ30から300倍高速だったず報告しおいる圌らの手法を我々のパヌザに適甚すれば凊理時間も十分高速化されるだろう圌らの手法を甚いればどのくらい我々のパヌザの速床が改善されるか粗く芋積もるために線圢カヌネルを甚い同じテスト事䟋に察しおパヌザを走らせおみた図~\ref{speed:lin}に線圢カヌネルを甚いたパヌザの凊理時間を瀺すなお蚈枬には倚項匏カヌネルを甚いた堎合ず同じマシンを䜿った3次の倚項匏カヌネルを䜿う堎合に比べお盞圓に高速である非垞に長い文であっおも0.02秒以内で解析が行なえおいる加えおこのパヌザのスピヌドばかりでなく粟床も我々が期埅した以䞊だった係り受け正解率は87.36\%文正解率は40.60\%に達したこれらの粟床は玠性の組合せを人手で遞択しお远加しおいるパヌザ\cite{Uchimoto1999}よりもわずかに良い\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics[scale=1.2]{speed-lin-j02.eps}\end{center}\caption{線圢カヌネルを䜿った堎合の䞀文あたりの凊理時間誀分類のコストは0.0056}\label{speed:lin}\end{figure}\subsection{関連研究ずの比范}\label{sec:relatedwork}我々のパヌザず関連研究におけるパヌザずを時間蚈算量ず粟床の点から比范する比范のサマリを衚~\ref{tbl:comp}に瀺す我々のアルゎリズムずSVMsず組み合わせたものが時間蚈算量の点から優れた性質を持ち加えおトップレベルの粟床が埗られおいる\begin{table}[t]\caption{関連研究ずの性胜の比范KM02=KudoandMatsumoto2002,KM00=KudoandMatsumoto\hspace*{27pt}2000,USI99=Uchimotoetal.1999,andSeki00=Sekine2000.提案アルゎリズムをStack\hspace*{27pt}DependencyAnalysisず蚘述}\label{tbl:comp}\begin{center}\begin{tabular}{l|l|c|c}\hline\hline&アルゎリズム/モデル&\multicolumn{1}{c|}{時間蚈算量}&係り受け正解率(\%)\\\hline本論文&StackDependencyAnalysis(SVMs)&$n$&89.56\\&StackDependencyAnalysis(linearSVMs)&$n$&87.36\\\hlineKM02&CascadedChunkingModel(SVMs)&$n^2$&89.29\\KM00&埌方ビヌムサヌチ(SVMs)&$n^2$&89.09\\USI99&埌方ビヌムサヌチ(ME)&$n^2$&87.14\\Seki00&決定的有限状態倉換噚&$n$&77.97\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}文献\cite{Kudo2002}ずの比范は第~\ref{comp:theory}の蚘述にゆずるUchimotoら\shortcite{Uchimoto1999}は最倧゚ントロピヌ法ず埌方ビヌムサヌチを甚いおいる文献\cite{Sekine2000Backward}によれば解析時間は$n^{2}$に比䟋するずのこずであるこれに察し我々のパヌザは線圢時間で文を解析し粟床もよい工藀ず束本\cite{Kudo2005}の「盞察モデル」のパヌザ\footnote{京倧コヌパスVersion2に察する粟床が䞍明なため衚~\ref{tbl:comp}にはあげおいない}も埌方ビヌムサヌチを甚いおいるので時間蚈算量ずいう点ではUchimotoらのパヌザず同様である文献\cite{Kudo2005}では「盞察モデル」のパヌザは京倧コヌパスVersion3.0に察しお係り受け正解率91.37\%を埗CascadedChunkingModelは91.23\%を埗たず報告されおいる我々のパヌザは京倧コヌパスVersion2においおCascadedChunkingModelの粟床を0.27ポむント䞊回っおいるこずを考えるず我々のパヌザず「盞察モデル」パヌザずの差も倧きなものではないず刀断できる\footnote{「盞察モデル」がCascadedChunkingModelよりも長距離の文節間の係り受けF倀が䞊回っおいる\cite{Kudo2005}こずは泚目に倀する我々の提案手法もCascadedChunkingModelず同様盎埌に係りやすいずいう性質を利甚しおいるため「盞察モデル」のほうが提案手法よりも長距離の文節間の係り受けF倀がよい可胜性が高い}たた我々ず同様Sekine\shortcite{Sekine2000Japanese}も線圢時間で凊理が進む非垞に高速なパヌザを提案しおいる圌の手法は埌方から係り先を決定しおいく係り元の文節の語圢の情報ず係り先候補(5぀たで)の䞻蟞の情報から係り先を䞀぀に決める決定的有限状態倉換噚を甚いおいる係り元の語圢や5぀の係り先候補の䞻蟞の情報を现かく区別するず状態(state)の数が倚くなりすぎ倧量のメモリを消費するため係り元の語圢の状態を40に係り先の䞻蟞の状態を18に限定しおいる品詞や掻甚圢の情報のみ利甚しおいるこのため粟床が倧きく犠牲になっおいる \section{おわりに} 我々は線圢時間で凊理を行なう日本語係り受け解析のアルゎリズムを提案した京倧コヌパスVersion2に察しお実隓を行ない時間蚈算量ず解析粟床を調べた時間蚈算量の䞊限は$O(n)$であるこずが確認でき解析粟床も埓来報告されおいるものを䞊回った粟床の差は埓来研究で報告されおいるものず倧きくないため粟床面からの優䜍性は結論できないが本研究で(1)提案アルゎリズムが理論的にも実隓的にも時間蚈算量の䞊限が$O(n)$で抑えられおいるこずず(2)時間蚈算量を抑え巊から右ぞ䞀床しかスキャンしないにも関わらずトップレベルの粟床が埗られるこずの二぀を瀺せた意矩は倧きいず考える埌方の文節を盎接考慮しない提案アルゎリズムに䞀定の限界があるこずは明らかであるが係り先ずしお考慮する文節の数を増やしおも粟床が向䞊するずは限らずその解決は単玔ではない我々はスタッキングにより粟床が向䞊しないか怜蚎したいず考えおいるたた䞊列構造の認識に぀いおもよりよいモデルを提案したい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.1}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Abney}{Abney}{1991}]{Abney1991}Abney,S.~P.\BBOP1991\BBCP.\newblock\BBOQParsingbyChunks\BBCQ\\newblockInBerwick,R.~C.,Abney,S.~P.,\BBA\Tenny,C.\BEDS,{\BemPrinciple-BasedParsing:ComputationandPsycholinguistics},\mbox{\BPGS\257--278}.KluwerAcademicPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Collins}{Collins}{1996}]{Collins1996}Collins,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQANewStatisticalParserBasedonBigramLexicalDependencies\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofACL-96},\mbox{\BPGS\184--191}.\bibitem[\protect\BCAY{Eisner}{Eisner}{1996}]{Eisner1996}Eisner,J.~M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQThreeNewProbabilisticModelsforDependencyParsing:AnExploration\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-96},\mbox{\BPGS\340--345}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujio\BBA\Matsumoto}{Fujio\BBA\Matsumoto}{1998}]{Fujio1998}Fujio,M.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyStructureAnalysisbasedonLexicalizedStatistics\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEMNLP-1998},\mbox{\BPGS\88--96}.\bibitem[\protect\BCAY{Haruno,Shirai,\BBA\Ooyama}{Harunoet~al.}{1998}]{Haruno1998}Haruno,M.,Shirai,S.,\BBA\Ooyama,Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQUsingDecisionTreestoConstructaPracticalParser\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING/ACL-98},\mbox{\BPGS\505--511}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2000}]{Kudo2000Japanese}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyStructureAnalysisBasedonSupportVectorMachines\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEMNLP/VLC2000},\mbox{\BPGS\18--25}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2002}]{Kudo2002}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyAnalysisusingCascadedChunking\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCoNLL-2002},\mbox{\BPGS\63--69}.\bibitem[\protect\BCAY{Kudo\BBA\Matsumoto}{Kudo\BBA\Matsumoto}{2003}]{Kudo2003}Kudo,T.\BBACOMMA\\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQFastMethodsforKernel-basedTextAnalysis\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofACL-03},\mbox{\BPGS\24--31}.\bibitem[\protect\BCAY{工藀\JBA束本}{工藀\JBA束本}{2005}]{Kudo2005}工藀拓\JBA束本裕治\BBOP2005\BBCP.\newblock\JBOQ盞察的な係りやすさを考慮した日本語係り受け解析モデル\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf46}(4),\mbox{\BPGS\1082--1092}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1994}]{Kurohashi1994}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQASyntacticAnalysisMethodofLong{J}apaneseSentencesBasedontheDetectionofConjunctiveStructures\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf20}(4),\mbox{\BPGS\507--534}.\bibitem[\protect\BCAY{Kurohashi\BBA\Nagao}{Kurohashi\BBA\Nagao}{1998}]{Kurohashi1998}Kurohashi,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQBuildinga{J}apaneseParsedCorpuswhileImprovingtheParsingSystem\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofthe1stLREC},\mbox{\BPGS\719--724}.\bibitem[\protect\BCAY{Lafferty,Sleator,\BBA\Temperley}{Laffertyet~al.}{1992}]{Lafferty1992}Lafferty,J.,Sleator,D.,\BBA\Temperley,D.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQGrammaticalTrigrams:AProbabilisticModelofLinkGrammar\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.oftheAAAIFallSymp.onProbabilisticApproachestoNaturalLanguage},\mbox{\BPGS\89--97}.\bibitem[\protect\BCAY{Maruyama\BBA\Ogino}{Maruyama\BBA\Ogino}{1992}]{Maruyama1992}Maruyama,H.\BBACOMMA\\BBA\Ogino,S.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQAStatisticalPropertyof{J}apanesePhrase-to-PhraseModifications\BBCQ\\newblock{\BemMathematicalLinguistics},{\Bbf18}(7),\mbox{\BPGS\348--352}.\bibitem[\protect\BCAY{益岡隆志\JBA田窪行則}{益岡隆志\JBA田窪行則}{1992}]{Masuoka1992}益岡隆志\JBA田窪行則\BBOP1992\BBCP.\newblock\Jem{基瀎日本語文法---改蚂版---}.\newblockくろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{長尟真\JBA䜐藀理史\JBA黒橋犎倫\JBA角田達圊}{長尟真\Jetal}{1996}]{Nagao1996}長尟真\JBA䜐藀理史\JBA黒橋犎倫\JBA角田達圊\BBOP1996\BBCP.\newblock\Jem{自然蚀語凊理}.\newblock岩波曞店.\bibitem[\protect\BCAY{Nivre}{Nivre}{2003}]{Nivre2003}Nivre,J.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQAnEfficientAlgorithmforProjectiveDependencyParsing\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofIWPT-03},\mbox{\BPGS\149--160}.\bibitem[\protect\BCAY{Ratnaparkhi}{Ratnaparkhi}{1997}]{Ratnaparkhi1997}Ratnaparkhi,A.\BBOP1997\BBCP.\newblock\BBOQALinearObservedTimeStatisticalParserBasedonMaximumEntropyModels\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofEMNLP-1997},\mbox{\BPGS\1--10}.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine}{Sekine}{2000}]{Sekine2000Japanese}Sekine,S.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQJapaneseDependencyAnalysisusingaDeterministicFiniteStateTransducer\BBCQ\\newblockIn{\BemProc.ofCOLING-00},\mbox{\BPGS\761--767}.\bibitem[\protect\BCAY{Sekine,Uchimoto,\BBA\Isahara}{Sekineet~al.}{2000}]{Sekine2000Backward}Sekine,S.,Uchimoto,K.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2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V20N01-01
\section{はじめに} \label{sec:intro}近幎のWebの発展は目芚たしいものがありBlogや掲瀺板のように個人が気軜に自分の意芋や感想を曞き蟌める堎が増えおいる特に商品賌入サむトやオヌクションサむトなどでは実際に商品を賌入したりサヌビス提䟛を受けたナヌザが感想を曞き蟌めるナヌザレビュヌ甚ペヌゞを提䟛しおいる堎合も倚くレビュヌは商品やサヌビスの朜圚的賌入者にずっお貎重な情報源のひず぀になっおいるレビュヌの件数が増加すればそれだけ倚くの感想を読む機䌚を埗るこずになるが商品やサヌビスによっおは䜕癟件から䜕千件もレビュヌが存圚するこずもあるこの堎合レビュヌの内容をすべお把握するこずは困難であるがこのような問題に察しお埓来からレビュヌを自動的に分類したり意芋を集玄する研究が盛んに行われおいる\cite{sa2}意芋の集玄に関する研究の䟋ずしお䟋えばHuら\cite{hu}は評䟡芖点(opinionfeatures)ずいう抂念に基づいおレビュヌ集合内の意芋を集玄する手法を提案しおいるここで評䟡芖点ずは評䟡察象すなわち商品やサヌビスの郚分や属性のこずであり䟋えば評䟡察象ずしおデゞタルカメラの特定の商品「デゞタルカメラ$X$」があったずするず「画質」や「解像床」などがその評䟡芖点ずなるHuらはレビュヌ集合からナヌザ評䟡が肯定たたは吊定ずなる評䟡芖点を自動抜出し\begin{itemize}\itemデゞタルカメラ$X$\begin{itemize}\item画質肯定253吊定6\item解像床肯定134吊定10\item...\end{itemize}\end{itemize}のような集玄結果を生成する手法を提案したここで集玄結果内の数倀は頻床を衚しおおりデゞタルカメラ$X$の画質に察しおは253件の肯定評䟡を瀺すレビュヌがあったこずを意味するこのような評䟡芖点の半自動抜出に基づく研究は他にも小林ら\cite{kobayashi}やLiuら\cite{liu}Jakobら\cite{jakob}等があるしかしながらこれらの先行研究では基本的に評䟡芖点を挏れなく列挙するこずが目的ずなっおいるため結果ずしお数倚くの評䟡芖点が出力されどの評䟡芖点が評䟡察象にずっお重芁であるかがわからないずいう問題があるたた実際に集玄結果ずしおナヌザに評䟡芖点を提瀺するこずを考えた堎合にも重芁床に応じお提瀺する評䟡芖点に順序を䞎えたり取捚遞択できるこずが望たしい本論文ではこのような背景に基いお䞊蚘の先行研究など䜕らかの方法によっお埗られた倚数ある評䟡芖点に察しそれらをある重芁床に埓っおランキングする課題を新たに考えランキングに適した手法に぀いお怜蚎する\sec{uniq_aspect_ranking}重芁床の考え方にはいろいろ考えられるが本論文ではナヌザは商品賌入の際に耇数の競合商品を暪䞊びで比范するこずが倚い事を螏たえ次のように考えるすなわち競合する耇数の評䟡察象に察しおこれらの䞭で他の評䟡察象からある特定の評䟡察象を差別化できるような評䟡芖点ほど重芁であるず考えそのような評䟡芖点に高い重芁床を割り圓おるこずを考える以降本論文ではこのような評䟡芖点のこずを特城的評䟡芖点ず呌ぶ䟋えばあるナヌザが出匵の際に利甚する宿泊斜蚭を探しおおり幟぀か探し圓おたずする宿泊斜蚭$X$$Y$$Z$しかしどの斜蚭も倀段や立地条件が䌌たり寄ったりでありどれを遞ぶか悩んでいるこのような状況においお提案手法を甚いお各斜蚭のレビュヌから特城的評䟡芖点を芋぀け出し斜蚭$X$は特に宿泊利甚者の間で「朝食バむキング」が人気であり斜蚭$Z$だけが「たくら」にこだわっおいるこずを自動抜出するこずができればこういった情報を優先的にナヌザに提瀺する手段を提䟛するこずができるず考えおいるなお\sec{experiment}の評䟡実隓では実隓デヌタずしお宿泊斜蚭予玄サむトから埗られた宿泊斜蚭に぀いおのレビュヌデヌタを甚いおいるそのため以降においおも提案手法の説明に䟋を甚いる堎合は宿泊斜蚭を評䟡察象ずする䟋を甚いるたたレビュヌはその数だけ曞き手が存圚するこずから評䟡芖点の異衚蚘が生じやすいそこで本研究では評䟡芖点のランキングに際しおクラスタリングによっお異衚蚘の圱響を考慮したランキングの補正手法を提案しランキングずクラスタリングを䜵甚するこずで評䟡芖点の構造化をおこなう\sec{cl}本論文の貢献をたずめるず以䞋のようになる\begin{itemize}\item[1]埓来手法によっお倚数抜出される評䟡芖点を構造化しお提瀺する際その構造化ずしお特定の評䟡察象を他から差別化できるような評䟡芖点が重芁であるず考えその重芁床に埓っおランキングするこずを提案しおいる点\item[2]䞊蚘ランキング課題に利甚できる具䜓的な尺床ずしお\sec{uniq_aspect_ranking}で説明する察数尀床比に埓った尺床を適甚しその有効性を実隓的に怜蚌しおいる点\item[3]たた䞊蚘ランキング課題では異衚蚘問題が発生するためその解決策ずしお評䟡芖点をクラスタリングするこずの提案および具䜓的なクラスタリング手法を甚いおその有効性を実隓的に怜蚌しおいる点\end{itemize}本論文の構成は以䞋の通りであるたず\sec{relation}で関連研究に぀いお述べ続く\sec{uniq_aspect_ranking}ず\sec{cl}で評䟡芖点をランキングするための提案手法に぀いお述べる\sec{experiment}で評䟡実隓に぀いお述べた埌\sec{owarini}で本論文をたずめる \section{関連研究} \label{sec:relation}本論文ず関連するレビュヌを凊理察象ずする研究課題を時系列順に远っお抂芳する関連研究ずしおたず取り組たれた課題はレビュヌをその内容に埓っお肯定か吊定かに分類する課題である\cite{turney,pang,mullen}しかし文曞単䜍レビュヌ単䜍で分類するだけでは「䜕がどう良いか」がわからない点が問題ずされたそこでこの問題を解決するために文曞内で具䜓的に評䟡されおいる事柄すなわち評䟡芖点を特定する研究が行われるようになった\cite{hu,liu,kobayashi2,jakob}しかし前節でも述べたようにこれら手法では評䟡芖点が倚量に出力されるこずから出力される評䟡芖点矀を䜕らかの方法で構造化するこずに関心が集たるようになった具䜓的な構造化の手法ずしおこれたで評䟡芖点矀をグルヌピングする手法やランキングする手法が提案されおいる\cite{zhai,yu}グルヌピングする手法では「butterypower」ず「butterylife」ずいった同䞀あるいは類䌌の評䟡芖点を同じグルヌプに所属させお合わせおナヌザに提瀺するこずでナヌザの可読性を向䞊させるこずを狙うこのような手法ずしお䟋えばZhaiら\cite{zhai}は事前に人手で定矩した評䟡芖点クラスに各評䟡芖点を自動分類する手法を提案しおいるより具䜓的にはNigamら\cite{nigam2000a}によっお提案された半教垫あり孊習手法に「同じ語を含む評䟡芖点は同じ評䟡芖点クラスになりやすい」ずいった情報を制玄ずしお取り蟌む手法を提案しおいるこの手法のように評䟡芖点を分類しお構造化する堎合あらかじめ定矩した通りの構造化ができる利点がある䞀方で想定しおいない評䟡芖点のクラスが必芁になった堎合の察応にかかる負荷が高いずいう欠点がある次に評䟡芖点をランキングする手法では事前に定めたある芳点に埓っお各評䟡芖点にスコアを付けスコアの倧きさに基いお評䟡芖点を順番に䞊べおナヌザに提瀺するこずを考えるこれによっおナヌザは芳点に合臎する評䟡芖点のみを遞択的にすばやく確認するこずが可胜になるこのような研究ずしおYuら\cite{yu}の研究があるYuらはたずレビュヌには評䟡察象に察する総合的な評䟡点(rating)が曞き手によっお䞎えられおいるこずを前提ずするそしおこのようなレビュヌの䞭でナヌザから倚く蚀及されおおりか぀総合的な評䟡点の決定にもっずも圱響を䞎える評䟡芖点が重芁な評䟡芖点であるず仮定しそのような評䟡芖点をランキングする手法を提案しおいる論文䞭では重芁な評䟡芖点の䟋ずしお評䟡察象が「iPhone3GS」である堎合「moisturesensor」ずいう評䟡芖点よりも「battery」や「speed」などの評䟡芖点がより重芁であるず述べおいる評䟡芖点をランキングするずいう点で芋た堎合本研究は䞊述のYuらの研究ず䌌おいるしかしYuらの手法ではレビュヌに付䞎された総合的な評䟡点を説明付ける評䟡芖点に関心があるそのため評䟡察象ごずに独立に評䟡芖点のランキングをおこない評䟡察象間を比范するこずは念頭にない䞀方本研究では耇数の評䟡察象に察しお評䟡察象間の違いを明確に衚すこずができる評䟡芖点に関心がありYuらずは目的が異なっおいる \section{提案手法} \label{sec:uniq_aspect_ranking}\subsection{評䟡芖点}提案手法の説明の前にここで評䟡芖点ずいう甚語に぀いお敎理しおおく本論文における評䟡芖点は基本的にはHuら\cite{hu}や小林ら\cite{kobayashi,siten}の定矩に埓っおいる埌述する評䟡実隓では評䟡察象が宿泊斜蚭であるのでそのこずを螏たえるず本論文における評䟡芖点は\begin{itemize}\item宿泊斜蚭に察する意芋の焊点ずなる宿泊斜蚭の構成物や属性あるいは宿泊斜蚭ぞの宿泊ずいう経隓から生じる宿泊斜蚭に察する意芋の焊点ずなるもの\end{itemize}であるず蚀い衚せる䟋えば宿泊斜蚭の立地情報「駅前」「海沿い」や斜蚭が提䟛する蚭備に関する情報「颚呂」「加湿噚」斜蚭のサヌビス「バむキング」「接客態床」等が具䜓的な評䟡芖点ずなるたた評䟡芖点の衚珟圢匏は単䞀単語「バむキング」だけでなく耇合語「朝食バむキング」や句「朝食のバむキング」などの堎合もある本研究では以䞊の圢匏は評䟡芖点ずしお認めおいるが凊理の郜合䞊以䞋に瀺すように連䜓修食節を䌎う堎合は修食郚を陀倖しお扱った䞋蚘䟋の堎合䞋線郚は評䟡芖点ずしお認めたがどちらの䟋でも「メニュヌが新しくなった」は評䟡芖点には含めおいないなお衚珟圢匏の特定は以䞋のようにおこなった単語の特定には圢態玠解析噚MeCab\footnote{\url{http://mecab.sourceforge.net/}}を䜿甚した耇合語に぀いおはMeCabで解析埌名詞が連続しおいる箇所を耇合語ずしお特定しおいる句に぀いおは珟圚は「名詞の名詞」ずいうパタヌンで特定しおおり他の圢は想定しおいないただし䞊蚘パタヌンの名詞は名詞連続に眮換可胜ずした\begin{itemize}\itemメニュヌが新しくなった\underline{朝食バむキング}が良かった\itemメニュヌが新しくなった\underline{朝食のバむキング}が良かった\end{itemize}\subsection{評䟡芖点ランキング}\label{sec:llr}提案手法に぀いお述べるたず䜿甚する蚘号および評䟡芖点のランキング課題を以䞋のように定矩する評䟡察象の集合を$\mathcal{O}=\{o_1,o_2,...,o_{|\mathcal{O}|}\}$ずする党おの評䟡察象に察する党おのレビュヌの集合を$\mathcal{R}$ずし$\mathcal{R}$の芁玠であるレビュヌの䞭に曞かれた評䟡芖点(token)の系列を$\mathcal{V}=\langlev_1,v_2,...,v_n\rangle$$\mathcal{V}$の異なり芁玠(type)の集合を$\mathcal{U}=\{u_1,u_2,...,u_m\}$($m\len$)ずする䟋えば以䞋のようなそれぞれ1文ず2文からなる短い2぀のレビュヌを芁玠ずする集合$\mathcal{R}$があり各文の䞋線郚が評䟡芖点であったずするず系列$\mathcal{V}$ず集合$\mathcal{U}$は次のようになる\begin{itemize}\item$\mathcal{R}=\big\{\text{``このホテルは\underline{\mbox{朝食$_{1}$}}ず\underline{颚呂}が良い'',``\underline{\mbox{朝食$_{2}$}}が矎味しいたた来たいです''}\big\}$\item$\mathcal{V}=\bigl\langle\text{朝食$_{1}$,颚呂,朝食$_{2}$}\bigr\rangle$\item$\mathcal{U}=\big\{\text{朝食,颚呂}\big\}$\end{itemize}この時ある評䟡察象$o_k$に関しお評䟡芖点をランキングするアルゎリズムを次の\algo{alg1}ずするこのアルゎリズムが瀺しおいる通り$\mathcal{U}$の芁玠$u_j$がランキングの察象である本論文では曖昧性を排陀するために以降$u_j$のこずを単に評䟡芖点ず呌び評䟡芖点$u_j$が$\mathcal{R}$内で出珟したものを評䟡芖点トヌクンず呌ぶ\begin{algorithm}[h]\caption{評䟡芖点ランキング}\label{algo:alg1}\begin{algorithmic}\STATE{INPUT~~~$o_k\in\mathcal{O}$評䟡察象\\~~~~~~~~~~~~~~~$\mathcal{U}$評䟡芖点集合}\end{algorithmic}\begin{algorithmic}[1]\FOR{$u_j\in\cal{U}$}\STATE$s[u_j]=score(o_k,u_j)$\ENDFOR\RETURN$\mathcal{U}の各芁玠u_jをs[u_j]の降順に敎列$\end{algorithmic}\end{algorithm}䞊蚘の\algo{alg1}で自明でない郚分は評䟡察象$o_k$における評䟡芖点$u_j$の重芁床を決定するスコア関数$\mathit{score}(o_k,u_j)$のみである本研究ではこのスコア関数ずしお以䞋のような察数尀床比(\textit{Log-LikelihoodRatioLLR})に基づく尺床を提案するこれは内山ら\cite{uchiyama}が特定分野における単語の特城床を枬る尺床ずしお提案したものを評䟡芖点ランキング課題に適甚したものである以䞋内山ら\cite{uchiyama}を参考にしながら䞊蚘尺床の詳现に぀いお述べるたず始めにある評䟡察象$o_k$ず評䟡芖点$u_j$が䞎えられた際レビュヌ䞭で芳枬された評䟡芖点トヌクン$v$に関する確率倉数$W_j$ず$T_k$を以䞋のように定矩する\begin{align}W_j&=\begin{cases}1&vは評䟡芖点u_jのレビュヌ内での出珟である\\0&otherwise\end{cases}\label{eq:w}\\T_k&=\begin{cases}1&vが芳枬されたのは評䟡察象o_kのレビュヌ内である\\0&otherwise\end{cases}\end{align}ここで評䟡芖点トヌクン$v_i$($1\lei\len$)に察応する確率倉数$W_j$$T_k$の倀をそれぞれ$w^i_j$$t^i_k$ずするず$\mathcal{V}$から次のような確率倉数の倀の組みで衚された系列$\mathcal{V}_{jk}=\bigl\langle\langlew^1_j,t^1_k\rangle,\langlew^2_j,t^2_k\rangle,...,\langlew^n_j,t^n_k\rangle\bigr\rangle$が新たに埗られるこの時それぞれの評䟡芖点トヌクンが確率的に独立であるず仮定するず$\mathcal{V}_{jk}$の生起確率は次匏で衚される\begin{equation}Pr(\mathcal{V}_{jk})=\prod_{i=1}^{n}Pr(W_j=w^i_j,T_k=t^i_k)\end{equation}\begin{table}[b]\vspace{-1\Cvs}\caption{トヌクン集合の集蚈衚}\input{01table01.txt}\end{table}たた各トヌクンを倉数$W_j$$T_k$の倀ごずに出珟頻床を集蚈\pagebreakするこずを考え各頻床を\tab{kankei}のようにそれぞれ$a$$b$$c$$d$で衚すこずにするここで$a+b+c+d=n$である以䞊の準備のもず次の察数尀床比を考える{\allowdisplaybreaks\begin{align}LLR_0(o_k,u_j)&=\log\frac{Pr(\mathcal{V}_{jk};H_{dep})}{Pr(\mathcal{V}_{jk};H_{indep})}\nonumber\\&=\sum_{i=1}^{n}\log\frac{Pr(W_j=w^{i}_j,T_k=t^{i}_k;H_{\mathit{dep}})}{Pr(W_j=w^{i}_j,T_k=t^{i}_k;H_{\mathit{indep}})}\label{eq:llr0}\end{align}}ここで$H_\mathit{dep}$および$H_\mathit{indep}$は以䞋のような確率倉数に関する仮説である\begin{itemize}\item$H_\mathit{dep}$:確率倉数$W_j$ず$T_k$ずは互いに䟝存しおいる\item$H_\mathit{indep}$:確率倉数$W_j$ず$T_k$ずは互いに独立である\end{itemize}\eq{llr0}においお$H_\mathit{indep}$の䞋では\[Pr(W_j=w^i_j,T_k=t^i_k;H_\mathit{indep})=Pr(W_j=w^i_j)Pr(T_k=t^i_k)\]が成り立぀たた各皮の確率は\begin{align*}Pr(W_j=1,T_k=1;H_\mathit{dep})&=\frac{a}{n},\quadPr(W_j=1,T_k=0;H_\mathit{dep})=\frac{b}{n}\\Pr(W_j=0,T_k=1;H_\mathit{dep})&=\frac{c}{n},\quadPr(W_j=0,T_k=0;H_{dep})=\frac{d}{n}\\Pr(W_j=1)&=\frac{a+b}{n},\quadPr(W_j=0)=\frac{c+d}{n}\\Pr(T_k=1)&=\frac{a+c}{n},\quadPr(T_k=0)=\frac{b+d}{n}\end{align*}で掚定するこの尺床は2぀の確率倉数$W_j$ず$T_k$ずが䟝存しおいるずいう条件および独立であるずいう条件の䞋でデヌタが芳枬される確率の比の察数を衚しおおり$W_j$ず$T_k$の䟝存性が高い皋倧きな倀をずるもしある評䟡芖点がどの評䟡察象にも共通するような䞀般的な芖点であれば評䟡芖点トヌクンはどの評䟡察象のレビュヌ䞭にも同じように出珟するず考えられるすなわち$W_j$ず$T_k$ずは互いに独立であるず考えられ䞊蚘尺床は小さな倀をずる䞀方である評䟡芖点が特定の評䟡察象にのみ特城的な出珟を瀺すようであれば$W_j$ず$T_k$ずは䟝存しおおり䞊蚘尺床は倧きな倀をずる぀たりこの尺床をスコア関数ずするこずで特定の評䟡察象に特城的な評䟡芖点に察しお倧きなスコアを割り振るこずができるただし䞊蚘尺床はある評䟡芖点が特定の評䟡察象に察しお特城的に蚀及される堎合ず特城的に蚀及されない堎合を区別できないそのためどちらの状況であっおも倧きな倀をずっおしたうそこで蚀及される堎合ずされない堎合を区別できるよう実際には以䞋のように補正しお利甚する\pagebreak\begin{equation}LLR(o_k,u_j)=sign(ad-bc)LLR_{0}(o_k,u_j)\label{eq:finalrank}\end{equation}ただし\begin{equation}sign(z)=\begin{cases}+1&z>0\\-1&\mathit{otherwise}\\\end{cases}\end{equation}である \section{異衚蚘問題ぞの察応} \label{sec:cl}\subsection{異衚蚘問題}\label{sec:clustering_summary}レビュヌではナヌザの数だけ曞き手が存圚しおおり同じ抂念が述べられおいたずしおもナヌザによっお異なる単語が䜿われるこずがしばしばある䟋えば䟡栌に぀いお䜕かを述べたいずきにあるナヌザは「䟡栌」ず衚蚘したが別ナヌザは「料金」や「倀段」等別の単語を䜿うこずがあるたたレビュヌは評䟡察象ずいう自明な文脈をも぀文曞であるため同じ評䟡察象のもずでナヌザが共有しおいるであろう情報がしばしば省略衚蚘される傟向があり䟋えば最寄り駅の「東京駅」を単に「駅」ず衚蚘するナヌザ等その衚蚘はナヌザによっおさたざたに倉化する䞀般的にこのような異衚蚘の問題や衚蚘揺れの問題以䞋単に異衚蚘の問題ず呌ぶはよく知られおいるが評䟡芖点のランキング課題に察しおも悪圱響を䞎えおいるず考えられる前節で述べた提案尺床では評䟡芖点の出珟頻床の情報を甚いおいるが異衚蚘が考えられる評䟡芖点に぀いおは異衚蚘の数だけ頻床が分散しおカりントされおしたいその結果それらの評䟡を誀っおしたう以䞋ではこの異衚蚘問題の圱響を回避する手法に぀いお述べる本手法は評䟡芖点をクラスタリングするこずによっお同じ意味あるいは類䌌した意味の評䟡芖点をクラスタにたずめ䞊げクラスタ情報に基いおランキングを補正する手法はクラスタ情報をランキングに反映させる方法によっお事前凊理法ず事埌凊理法の2぀に分かれる\fig{clustering}以䞋ではたず2぀の手法に぀いお述べその埌各手法の䞭で甚いるクラスタリング手法に぀いお述べる\subsection{事前凊理法ず事埌凊理法}事前凊理法\fig{clustering}の(b)ではランキングの前に評䟡芖点のクラスタリングを実斜し同䞀の意味あるいは類䌌した意味の評䟡芖点をクラスタにたずめ䞊げるそしお同じクラスタずなる芖点矀をひず぀の評䟡芖点であるように扱い出珟頻床を数えるこずで察数尀床比を蚈算しランキングをおこなう\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-1ia960f1.eps}\end{center}\caption{ランキングの補正手法の抂略}\label{fig:clustering}\end{figure}具䜓的には\sec{llr}で導入した\eq{w}の評䟡芖点トヌクンに関する確率倉数$W_j$を次の\eq{w2}のように再定矩しおスコア関数を蚈算するこずでクラスタ情報をランキングに反映させるただし䞋蚘の匏䞭の$v$ず$u_j$は\eq{w}ず同様評䟡芖点トヌクンず評䟡芖点をそれぞれ意味する\begin{equation}W_j=\begin{cases}1&\text{$v$は評䟡芖点$u_j$のレビュヌ内での出珟である}\\1&\text{$v$は$u_j$ず同じクラスタに属する評䟡芖点のレビュヌ内での出珟である}\\0&\mathit{otherwise}\end{cases}\label{eq:w2}\end{equation}事埌凊理法\fig{clustering}の(c)ではランキングを先に行いその埌クラスタリングによっお埗られたクラスタ情報に埓っおランキング結果を補正する具䜓的にはある評䟡芖点$u_j$がクラスタ$C(u_j)$に所属する堎合を考えるずランキングに䜿甚するスコア関数\eq{finalrank}で埗られた倀に察しお次の\eq{finalrank2}を蚈算する\begin{equation}\mathit{LLR}\_\mathit{cluster}(o_k,u_j)=\frac{1}{|C(u_j)|}\sum_{u_l\inC(u_j)}\mathit{LLR}(o_k,u_l)\label{eq:finalrank2}\end{equation}\eq{finalrank2}が瀺すように事埌凊理法では元の重芁床をクラスタ内で平均化した倀を重芁床ずしお採甚する\subsection{評䟡芖点クラスタリング}\label{sec:clustering_mothod}次に䞊蚘の補正手法で甚いるクラスタリングに぀いお述べるクラスタリングのアルゎリズムは以䞋に瀺す暙準的なアルゎリズム\cite{clustering}を採甚するただしアルゎリズム内で利甚される評䟡芖点間の類䌌床尺床に぀いおは以䞋で述べるシ゜ヌラスに基づく類䌌床においおナヌザレビュヌの特性を螏たえお拡匵を斜した尺床を新たに採甚するなおクラスタリングの議論をおこなう堎合䞀般には距離や非類䌌床を定矩するこずが倚いが説明の䟿宜䞊ここでは類䌌床を定矩しおいる点に泚意されたい以䞋クラスタリング・アルゎリズムに぀いお抂芁を述べた埌評䟡芖点間の類䌌床尺床に぀いお述べるクラスタリングには以䞋に瀺す3぀のアルゎリズムを採甚したいずれも凝集型の手法でありもっずもクラスタ間類䌌床の高い2぀のクラスタをボトムアップに再垰的に䜵合しながらクラスタリングを進める点が共通しおいるがクラスタ間類䌌床の定矩が異なる単連結法(\textit{singlelinkagemethod})はクラスタ$C_i$ず$C_j$の芁玠間の類䌌床$\mathit{wsim}(k,s)$の䞭で最倧の類䌌床をクラスタ間の類䌌床$\mathit{csim}(C_i,C_j)$ずする\begin{equation}\label{eq:single}\mathit{csim}(C_i,C_j)=\max_{k\inC_i,s\inC_j}\mathit{wsim}(k,s)\end{equation}完党連結法(\textit{completelinkagemethod})はクラスタ$C_i$ず$C_j$の芁玠間の類䌌床の䞭で最小の類䌌床をクラスタ間の類䌌床ずする\begin{equation}\label{eq:complete}\mathit{csim}(C_i,C_j)=\min_{k\inC_i,s\inC_j}\mathit{wsim}(k,s)\end{equation}たた矀平均法(\textit{groupaveragemethod})はクラスタ$C_i$ず$C_j$の各芁玠間の平均類䌌床をクラスタ間の類䌌床ずする\begin{equation}\label{eq:group}\mathit{csim}(C_i,C_j)=\frac{1}{|C_i||C_j|}\sum_{k\inC_i}\sum_{s\inC_j}\mathit{wsim}(k,s)\end{equation}次に評䟡芖点間の類䌌床$\mathit{wsim}(k,s)$に぀いお説明する評䟡芖点間の類䌌床には以䞋で述べる3皮類の類䌌床尺床を䜵甚したなおどの類䌌床も0以䞊1以䞋の倀をずり同じ評䟡芖点が入力ずなった堎合に察しお最倧倀$1$を返す($\mathit{wsim}(k,k)=1$)\subsubsection{シ゜ヌラスに基づく類䌌床}2぀の単語$k$ず$s$の類䌌床を求める手法ずしおシ゜ヌラスに基づく類䌌床があるこれは次匏のように定矩される\cite{nagao}\begin{equation}\label{eq:thesaurus}\mathit{wsim}'_\mathit{the}(k,s)=\begin{cases}\frac{2×d_\mathit{share}(k,s)}{d(k)+d(s)}&(k,s\inT)\\0&(\mathit{otherwise})\\\end{cases}\end{equation}ここで$d(k)$ず$d(s)$は階局構造をなすシ゜ヌラス䞭での圓該単語の䜍眮する深さをあらわし$d_\mathit{share}(k,s)$は階局構造における単語$k$ず単語$s$の共通祖先ノヌドが䜍眮する深さの最倧倀をあらわすたた$T$はシ゜ヌラスに含たれる芋出し語の集合である䞀般にシ゜ヌラスは人手により構築されおいるこずからシ゜ヌラスの芋出し語に含たれる単語間の類䌌床を枬るにはこの尺床は有甚ず蚀えるしかし今回察象ずしおいる評䟡芖点には「斜蚭管理」ずいったシ゜ヌラスには登録されにくい耇合語なども含たれおいるため䞊蚘尺床そのたたでは倚数の評䟡芖点間の類䌌床が$0$ずなっおしたう問題があるそこで本論文では類䌌床が求められる評䟡芖点ペアの被芆率を䞊げるために以䞋のように拡匵した類䌌床を採甚する\begin{equation}\label{eq:thesaurus_k}wsim_{the}(k,s)=\begin{cases}\mathit{wsim}'_\mathit{the}(k,s)&(k,s\inT)\\\frac{1}{|k|}\sum_{i=1}^{|k|}\mathit{wsim}'_\mathit{the}(k_i,s)&(k\notinT,s\inT)\\\frac{1}{|s|}\sum_{j=1}^{|s|}\mathit{wsim}'_\mathit{the}(k,s_j)&(k\inT,s\notinT)\\\frac{1}{|k||s|}\sum_{i=1}^{|k|}\sum_{j=1}^{|s|}\mathit{wsim}'_\mathit{the}(k_i,s_j)&(k\notinT,s\notinT)\end{cases}\end{equation}ここで圢態玠解析によっお各評䟡芖点を圢態玠に分割したものをそれぞれ$k_1,\ldots,k_{|k|}$$s_1,\ldots,s_{|s|}$で衚しおおり拡匵版では埓来の匏で類䌌床が求められない堎合は察象を分割しお類䌌床を求めおいるこずがわかる䟋えば匕数$k$が「斜蚭管理」である䟋を考えるここで「斜蚭管理」はシ゜ヌラスに含たれおおらずたたもう䞀方の匕数$s$はシ゜ヌラスに含たれる䜕らかの単語であるずするこの堎合の類䌌床蚈算は\eq{thesaurus_k}の2行目によっおおこなわれ「斜蚭管理」を「斜蚭」ず「管理」に分割させた埌それぞれの圢態玠に察しお\eq{thesaurus}の$\mathit{wsim}'_\mathit{the}()$ぞ問合せを実行し個別に$s$ずの類䌌床を求めるそしお問合せ結果の平均を「斜蚭管理」ず$s$ずの間の類䌌床であるずする\eq{thesaurus_k}では分割操䜜によっおシ゜ヌラスの゚ントリずの照合率が改善され類䌌床が求められない事䟋数を削枛させる効果が期埅できる\subsubsection{衚局文字列に基づく類䌌床}次に䞊蚘のシ゜ヌラスに基づく類䌌床尺床を補完するために評䟡芖点の衚局文字列に基づく類䌌床を考える本研究では最長共通郚分文字列\textit{LCS}(\textit{longestcommonsubsequence})\cite{hirschberg}に基づく以䞋の類䌌床尺床を採甚する\begin{equation}\mathit{wsim}_\mathit{lcs}(k,s)=\frac{2\times\mathit{LCS}(k,s)}{|k|+|s|}\label{eq:lcs}\end{equation}ここで$\mathit{LCS}(k,s)$は$k$ず$s$の最長共通郚分文字列の長さであり䞊匏はその倀を$k$$s$それぞれの文字列の長さを基に正芏化しおいる衚局文字列に基づく類䌌床は「焌きたおパン」ず「焌き立おパン」のような郚分的な挢字衚蚘ずひらがな衚蚘の違いや「バむキング」ず「朝食バむキング」のような文字数の比范的倚いカタカナ列からなる評䟡芖点の類䌌性を枬る際に特に効果的であるず期埅できる䟋えば6文字で構成される「焌きたおパン」ず「焌き立おパン」がそれぞれ$k$ず$s$である䟋を考える䞡者の違いはひらがな「た」ず挢字「立」の1文字だけでありその他は各文字の順序等すべお同じであるこの堎合$\mathit{LCS}(k,s)=5$で$\mathit{wsim}_\mathit{lcs}(k,s)=10/12$ずなり高い類䌌床が埗られるLCSの代わりに䞍連続になる郚分文字列の圱響を考慮した文字列カヌネル\cite{lodhi}を甚いた予備実隓も行ったがLCSずほが同様の実隓結果を埗たそのため\sec{experiment}の実隓ではLCSを甚いた結果のみ報告する\subsubsection{文脈情報に基づく類䌌床}類䌌床を補完するもう䞀぀の方法ずしお評䟡芖点が珟れる文脈の情報に基づく類䌌床を考えるこれは䞀般に䌌た意味をも぀単語は䌌た文脈に珟れやすいず蚀われおおりこの性質に埓っお単語が珟れる呚蟺文脈を基に類䌌床を求める手法である本研究では代衚的な手法の䞀぀である次匏のコサむン類䌌床を採甚する\cite{lin}\begin{equation}\label{eq:context}\mathit{wsim}_\mathit{cos}(k,s)=\frac{\boldsymbol{v}_{k}\cdot\boldsymbol{v}_{s}}{||\boldsymbol{v}_{k}||||\boldsymbol{v}_{s}||}\end{equation}ここで$\boldsymbol{v}_k$ず$\boldsymbol{v}_s$はそれぞれ$k$ず$s$の文脈に珟れる単語から構成される単語頻床ベクトルであるたたここでは圓該の評䟡芖点に察応するすべおの評䟡芖点トヌクンから文脈情報を獲埗しそれらの情報からひず぀のベクトルを䜜成する文脈情報に基づく類䌌床は「東京駅」ず「駅」や「最寄り駅」のような文脈に䟝存した評䟡芖点の類䌌性を枬る際に特に効果的であるず期埅できる\subsubsection{各皮類䌌床の統合}ここたで述べたように各類䌌床尺床はそれぞれ異なる情報に基いおおり互いに盞補関係にあるず蚀えるそこでクラスタリングの際は各類䌌床尺床を単独で甚いるのではなく次匏のように統合しお甚いる事ずする\begin{equation}\mathit{wsim}(k,s)=\max\{\mathit{wsim}_\mathit{the}(k,s),\\mathit{wsim}_\mathit{lcs}(k,s),\\mathit{wsim}_\mathit{cos}(k,s)\}\label{eq:sim_mix}\end{equation} \section{評䟡実隓} \label{sec:experiment}\subsection{実隓条件}実隓には代衚的な宿泊斜蚭予玄サむトのひず぀である楜倩トラベル\footnote{\url{http://travel.rakuten.co.jp/}}に曞き蟌たれた\pagebreakレビュヌを甚いた楜倩トラベルに登録されおいる宿泊斜蚭のうち郜内近蟺に立地しおいる11斜蚭を察象ずし各斜蚭ごずに100レビュヌを実隓に䜿甚したたた䞊蚘レビュヌ矀から人手で評䟡芖点を抜出しお実隓の入力デヌタずしお甚いるこずにしさらにそこから特城的評䟡芖点を人手で遞び出し評䟡甚デヌタずしお甚いたこの䜜業によっお埗られた評䟡芖点は斜蚭あたり平均101個であり埗られた特城的評䟡芖点は斜蚭あたり平均12.1個であるデヌタの信頌性を怜蚌するために2名の䜜業者$A$ず$B$によっおデヌタ䜜成をおこない特城的評䟡芖点ず刀定する際の䞀臎床を以䞋の蚈算匏で求めた\begin{equation}\mathit{agreement}(X,Y)=\frac{\text{$X$ず$Y$が共に特城的であるず刀定した評䟡芖点の数}}{\text{$X$が特城的であるず刀定した評䟡芖点の数}}\end{equation}刀定の䞀臎床は$\mathit{agreement}(A,B)=0.72$ず$\mathit{agreement}(B,A)=0.77$ずなりこの結果から䜜業者間の刀定はある皋床䞀臎しおいるこずが確認できるたた事䟋分析から以䞋のような事䟋においお刀定が䞀臎しない傟向があるこずが確認できた\begin{itemize}\item評䟡芖点に異衚蚘がある堎合䜜業者が共に特城的であるず刀定した評䟡芖点に異衚蚘がある堎合䜜業者による異衚蚘の認定䞍足から䞀郚の評䟡芖点が特城的であるず刀定されない\item連続量を䌎う評䟡芖点の堎合䟋えば「駅前で良かった」や「駅に近く良かった」のような最寄り駅からの近さに぀いおの蚀及があった堎合どの皋床の距離であれば特城的な評䟡芖点であるず刀定するかに぀いおは䜜業者の䞻芳に拠る郚分が倚い\end{itemize}なお䞀臎床の枬定に$\kappa$倀を甚いるこずも考えられるしかし次の理由から今回は実態を把握するのに適しおいないず考え$\kappa$倀の採甚を芋送ったすなわち本実隓で甚いたデヌタは特城的でない評䟡芖点が党䜓の9割皋床を占めおいるが$\kappa$倀ではこれらに察しお䜜業者が共に特城的でないず刀定した堎合も䞀臎床に反映されるためであるシ゜ヌラスに基づく類䌌床を蚈算するためのシ゜ヌラスには分類語圙衚\cite{bunrui}を甚いたたた文脈情報に基づく類䌌床では予備実隓の結果から経隓的に窓枠を5ず定め察象の前埌5単語を文脈情報ずしお利甚したただし単語情報はMeCabによっお文脈を圢態玠解析するこずで獲埗しその際品詞が「助詞」「助動詞」「蚘号」である堎合は窓枠のカりント察象から陀倖した実隓においおスコア関数ずしお察数尀床比を実際に蚈算する際はラプラススムヌゞング\cite{map}を適甚したスコア関数のベヌスラむンずしお\textit{TF}および\textit{TF-IDF}\cite{map}に基づく関数を甚いた䞀般に\textit{TF},\textit{TF-IDF}は文曞ごずに単語ぞ重み付けする際に利甚されるしかしここでは文曞ごずの差異ではなく斜蚭ごずの差異に泚目したいため次匏のようにある斜蚭に察する党レビュヌをひず぀の文曞ずしお扱う\subsubsection{TF法}\vspace{-1\abovedisplayskip}\begin{equation}\mathit{TF}(o_k,u_j)=\text{斜蚭$o_k$の党レビュヌにおける評䟡芖点}u_jの出珟頻床\label{eq:tf}\end{equation}これは蚀い換えるず\tab{kankei}の$a$のみをスコア関数ずしお考慮するこずに等しい\subsubsection{TF-IDF法}\vspace{-1\abovedisplayskip}\begin{equation}\mathit{TF-IDF}(o_k,u_j)=\mathit{TF}(o_k,u_j)×\log(\frac{|D|}{DF(u_j)}+1)\label{eq:tfidf}\end{equation}$|D|$は䞀般的な定矩では文曞数であるが䞊蚘で述べたように今回は斜蚭数に等しい$DF(u_j)$はレビュヌに評䟡芖点$u_j$が珟れた斜蚭数である評䟡尺床には情報怜玢のランキング課題の評䟡によく利甚される\textit{MeanAveragePrecision}(\textit{MAP})を甚いた\textit{MAP}は次匏で定矩される\cite{map}\begin{equation}\mathit{MAP}=\frac{1}{|\mathcal{O}|}\sum_{o_k\in\mathcal{O}}\frac{1}{|\mathcal{A}_k|}\sum_{\hat{u}_j\in\mathcal{A}_k}\mathit{Precision}(\mathit{rank}(o_k,\hat{u}_j))\label{eq:map}\end{equation}ここで$\mathcal{O}$は評䟡察象の集合であり$\mathcal{A}_k$は評䟡察象$o_k$のレビュヌから人手によっお埗られた特城的評䟡芖点の集合である$\mathit{rank}(o_k,\hat{u}_j)$は$o_k$䞭のある特城的評䟡芖点$\hat{u}_j$が䜕らかのランキング手法によっお䞎えられた順䜍を瀺しおおり$\mathit{Precision}(\mathit{rank}(o_k,\hat{u}_j))$はその順䜍たでの出力結果における適合率である぀たりここではひず぀の評䟡察象が情報怜玢におけるひず぀の怜玢課題に盞圓するものず芋なされお評䟡される\subsection{実隓結果}\label{sec:experiment1}\begin{table}[b]\caption{実隓結果異衚蚘を考慮しない堎合}\label{tab:ranking_result}\input{01table02.txt}\end{table}たず異衚蚘問題ぞの察応を考慮しない堎合の結果に぀いお述べるこの結果を\tab{ranking_result}に瀺す\tab{ranking_result}から提案手法\textit{LLR}がベヌスラむン手法\textit{TF}および\textit{TF-IDF}よりも性胜が向䞊するこずが確認できた\textit{TF}では\eq{tf}からもわかるように比范すべき他斜蚭の評䟡芖点に関する情報を党く考慮しおいないそのためもっずも䜎い性胜になったず考えられる次に\textit{TF-IDF}では$\mathit{DF}(u_j)$によっお他斜蚭の情報をある皋床考慮するこずができるがその情報は出珟の有無のみである䞀方の\textit{LLR}では評䟡芖点の他斜蚭での出珟頻床に関する情報も反映できおおりこの差が\tab{ranking_result}の結果に繋がったず考えられる\tab{ranking_result}の結果に察しお「手法間の\textit{AveragePrecision}に差がない」ずいう垰無仮説を立お察応のある䞡偎$t$怜定を実斜したその結果\textit{LLR}法ず\textit{TF}法および\textit{LLR}法ず\textit{TF-IDF}法のどちらずの間でも有意氎準$1\%$で統蚈的有意差が確認できた\begin{table}[b]\caption{評䟡芖点ランキングの結果䟋異衚蚘を考慮しない堎合}\label{tab:ranking_top}\input{01table03.txt}\end{table}\tab{ranking_top}に実隓デヌタ䞭の3぀の宿泊斜蚭におけるランキング結果の䟋を瀺す䞋線にボヌルド䜓の評䟡芖点が正しい特城的評䟡芖点をあらわすたた括匧内は出珟頻床\textit{TF}倀である評䟡芖点の右に``''印があるものに぀いおはその評䟡芖点が含たれおいた文脈の䞀郚を䟋ずしお\tab{ranking_top_example}に瀺す\tab{ranking_top}の事䟋の芳察から\textit{TF}では「郚屋」や「立地」「察応」など䞀般的で出珟頻床が高くなりやすい語が䞊䜍を占めおおりそれらの䞀郚が誀りずなっおいたその䞀方で\textit{LLR}では「歊道通」などの出珟頻床は決しお高くないが察象斜蚭に固有な評䟡芖点の順䜍がベヌスラむンよりも䞊がっおおり提案手法では他斜蚭ずの比范がうたく機胜しおいたこずがわかるしかし\tab{ranking_top}の芳察によるず「パン」ず「朝食のパン」のように宿泊者から芋れば同䞀の事物ず考えられるものが異なる順䜍ずしお珟れおおりたた\tab{ranking_top}から倖れた䞋䜍の評䟡芖点に目を向けるず12䜍に「クロワッサン」50䜍には「焌き立おパン」などが含たれおおり異衚蚘が生じおいるこずも同時に確認できた\begin{table}[t]\caption{評䟡芖点を含む文脈の䟋}\label{tab:ranking_top_example}\input{01table04.txt}\end{table}そこで次に\sec{cl}で述べた補正手法によっお異衚蚘問題に察応した堎合の結果に぀いお述べる3぀のランキング手法\textit{TF}\textit{TF-IDF}および\textit{LLR}に察しお補正手法を適甚した実隓をおこなったが\textit{TF}\textit{TF-IDF}が\textit{LLR}を䞊回るこずがなかったため以䞋では\textit{LLR}に察しお補正手法を適甚する堎合の結果を䞭心に述べる補正手法を適甚した結果を\fig{ranking_result_be}ず\fig{ranking_result_af}に瀺す\fig{ranking_result_be}が事前凊理法の結果であり\fig{ranking_result_af}が事埌凊理法の結果である各図においお瞊軞は\textit{MAP}を瀺し暪軞は以䞋で述べる類䌌床ぞの閟倀を瀺しおいる凝集型クラスタリングではデンドログラムず呌ばれるクラスタをノヌドずする朚を生成するが各クラスタにはその子ノヌドの情報から蚈算される類䌌床が付随しおいる本実隓ではこの類䌌床に閟倀を蚭け類䌌床が閟倀以䞋になったずきに䜵合を停止させおクラスタリング結果を埗るこずにし閟倀を倉化させながらそれぞれの\textit{MAP}を蚈枬した今回の堎合類䌌床の倀が$1.0$ずなる事䟋が存圚しおいなかったため暪軞巊端の結果はクラスタリングを行わない堎合の結果\tab{ranking_result}の$0.574$ず同䞀ずなっおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-1ia960f2.eps}\end{center}\caption{実隓結果異衚蚘を考慮する堎合事前凊理法}\label{fig:ranking_result_be}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{20-1ia960f3.eps}\end{center}\caption{実隓結果異衚蚘を考慮する堎合事埌凊理法}\label{fig:ranking_result_af}\end{figure}\fig{ranking_result_be}\fig{ranking_result_af}共に党䜓的な傟向ずしお類䌌床の閟倀を$1.0$から䞋げるに埓い\textit{MAP}が䞊昇しおいくこずからクラスタリングを斜すこずに䞀定の効果があるこずが確認できるがある類䌌床を契機に䞋降に転ずるこずがわかるこのような結果は次の理由によるず考えられるすなわちもずもず党おの評䟡芖点においお異衚蚘が存圚するわけではないためクラスタリングすべき評䟡芖点も郚分的ずなる今回のようにボトムアップにクラスタリングを進めた時ある点でクラスタリングすべき評䟡芖点のたずめ䞊げが終了しこの時点が最適なクラスタ数ずなり最良の\textit{MAP}倀を埗るしかしそれ以降は本来クラスタリングすべき評䟡芖点に察するたずめ䞊げではなくなるため本来の目的ずは逆に過䜵合が生じるこずになり性胜が悪化するず考えられる\textit{MAP}倀が䞋降するタむミングがクラスタリング手法によっお倧幅に異なるがこの違いはクラスタリング手法に起因しお必然的に生じる結果であるず考えられるすなわち単連結法\eq{single}は類䌌床の最倧倀に基いお䜵合を進めるためノヌドに付随する類䌌床が3手法の䞭で最も速く倧きくなり\textit{MAP}倀も最も速く䞋降しおいく完党連結法\eq{complete}は逆に類䌌床の最小倀に基いおいるため\textit{MAP}倀の䞋降が最も遅いたた類䌌床の平均倀に基づく矀平均法\eq{group}は䞊蚘䞡者の䞭間に䜍眮しおいるず蚀える\begin{table}[b]\caption{評䟡芖点ランキングの結果䟋異衚蚘を考慮した堎合}\label{tab:ranking_top2}\input{01table05.txt}\end{table}クラスタリングを斜した堎合のランキング結果の䟋を\tab{ranking_top2}に瀺す䟋瀺しおいる宿泊斜蚭は\tab{ranking_top}ず同じであり\tab{ranking_top2}においお䞋線にボヌルド䜓の評䟡芖点が正しい特城的評䟡芖点をあらわすたた各衚の右列がクラスタ情報である衚の芳察からクラスタリングによっお異衚蚘がたずめ䞊げられおいるこずが確認できるたた宿泊斜蚭Aのようにクラスタリング前は「パン」「朝食のパン」ずいう情報しかわからなかった状態においお「クロワッサン」のように詳现な情報を補う効果も事䟋によっお期埅できるこずがわかった同様の芳点で\tab{ranking_top2}以倖の事䟋を芳察しおみるずクラスタリング前は「野菜」ずいう評䟡芖点のみが䞊䜍にランクされおいたがクラスタリングによっお野菜が「春野菜」であるこずが補えたりクラスタリング前は「壁」のみであったものがクラスタリングによっお「防音」の壁であるこずが補える䟋が存圚しおいた\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{20-1ia960f4.eps}\end{center}\caption{類䌌床尺床ごずの性胜}\label{fig:ranking_sim}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{クラスタリングによっお構成された評䟡芖点の異衚蚘クラスタの䟋}\label{tab:cluster}\input{01table06.txt}\end{table}最埌に3皮類の類䌌床を統合した効果を確認する\fig{ranking_sim}に3皮類の類䌌床尺床を単独で甚いた堎合の結果および類䌌床を統合した堎合の結果を瀺す類䌌床尺床以倖の実隓蚭定は先皋の結果で最良の$MAP$倀ずなった蚭定すなわち矀平均法でクラスタリングし事埌凊理法でランキングを補正する手法を適甚したたたクラスタリングによっお構成されたクラスタの䟋を\tab{cluster}に瀺す衚の各行においおそのクラスタを構成した類䌌床尺床に「◯」印を付けおいるたた2぀以䞊の類䌌床尺床で同じクラスタが構成されおいた堎合は類䌌床の倀が最も高い類䌌床尺床に「◯」印を付けおいる\fig{ranking_sim}からどの類䌌床尺床も統合結果の最良倀を䞊回るこずはなくこのこずから類䌌床を統合するこずの効果が確認できたただし今回䜿甚したデヌタに察しお人手でクラスタリングを斜した結果を甚いおランキングを補正したずころ\textit{MAP}倀は$0.713$たで向䞊した぀たりクラスタリング手法および統合手法に察する改善の䜙地が残されおいるこずが瀺唆される \section{おわりに} \label{sec:owarini}本論文ではレビュヌ集合から埗られる倚数の評䟡芖点を重芁床に埓っおランキングする課題を考え察数尀床比の考え方に基づく意芋集玄のための重芁床を提案したたたクラスタリングをおこなう事で評䟡芖点の異衚蚘の問題に察凊する手法を提案しそれらの有効性を評䟡実隓を通しお怜蚌したその結果単玔な出珟頻床に基づく\textit{TF}法や\textit{TF}法に出珟文曞数の情報を加えた\textit{TF-IDF}法よりも察数尀床比に基づく提案手法を甚いた方がランキング性胜が向䞊するこずたたクラスタリングによっお評䟡芖点の異衚蚘の問題を改善するこずができるこずを確認した今埌の課題ずしお以䞋の項目が挙げられるたず本論文では意芋集玄のための重芁床ずしお察数尀床比の考え方に埓った尺床に぀いおその有効性を怜蚌したしかし単語の重み付け尺床は本論文で議論した3぀の尺床以倖にも埓来から提案されおいるためそれらの尺床に぀いおも今埌意芋集玄に適した尺床であるかどうか怜蚎しおいきたい本論文の冒頭で玹介したHuらの研究\cite{hu}のように䞀般にレビュヌから抜出された評䟡芖点にはその芖点に察するナヌザの評䟡肯定評䟡か吊定評䟡が付随しおいるが珟圚の提案手法では評䟡情報は無芖しおいるそこで評䟡芖点ぞの評䟡情報を重芁床に反映させる手法を怜蚎するこずが考えられる䟋えば評䟡察象間における肯定評䟡ず吊定評䟡の分垃の異なり方に応じお重芁床を修正するこずなどが考えられる\sec{experiment}の評䟡実隓では提案した補正手法によっお評䟡芖点の異衚蚘の問題に察凊するこずでランキングの性胜が改善できるこずを確認したしかし評䟡芖点の異衚蚘を発芋する手法に関しおは今埌他手法も含めたさらに詳现な怜蚎が必芁である他手法ずしおは䟋えば分類語圙衚のかわりに日本語WordNet\cite{isahara2008a}を甚いた手法やたたシ゜ヌラス等の既存の蚀語知識に頌らない教垫あり孊習に基づく類矩語怜出法\cite{mauge2012a}の怜蚎などが考えられるたた異衚蚘ずは逆に倚矩の評䟡芖点に察する察応も今埌必芁であるず考えられる䟋えば評䟡実隓の際に䜿甚した宿泊斜蚭のレビュヌの䞭には宿泊斜蚭ぞの送迎に利甚される乗り物ずしおの「バス(bus)」ず郚屋にある入济蚭備ずしおの「バス(bath)」があるが珟圚これらは「送迎バス」ずいうように明瀺的な修食を䌎わない限り区別しお扱われおいない今埌は異衚蚘ず同様に倚矩語ぞの察応に぀いおも怜蚎したい\acknowledgment本研究の䞀郚は科孊研究費補助金課題番号23300053のもずで実斜されたたた実隓にあたり楜倩トラベル株匏䌚瀟から斜蚭レビュヌデヌタを提䟛しお頂いたここに蚘しお感謝の意を衚したす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Hastie,Tibshirani,\BBA\Friedman}{Hastieet~al.}{2001}]{clustering}Hastie,T.,Tibshirani,R.,\BBA\Friedman,J.\BBOP2001\BBCP.\newblock{\BemTheElementsofStatisticalLearning}.\newblockSpringer.\bibitem[\protect\BCAY{Hirschberg}{Hirschberg}{1977}]{hirschberg}Hirschberg,D.~S.\BBOP1977\BBCP.\newblock\BBOQAlgorithmsforthelongestcommonsubsequenceproblem.\BBCQ\\newblock{\BemJournaloftheAssoclauonforComputingMachinery},{\Bbf24}(4),\mbox{\BPGS\664--675}.\bibitem[\protect\BCAY{Hu\BBA\Liu}{Hu\BBA\Liu}{2004}]{hu}Hu,M.\BBACOMMA\\BBA\Liu,B.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMiningOpinionFeaturesinCustomerReviews.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thNationalConferenceonArticialIntelligence},\mbox{\BPGS\755--760}.\bibitem[\protect\BCAY{Isahara,Bond,Uchimoto,Utiyama,\BBA\Kanzaki}{Isaharaet~al.}{2008}]{isahara2008a}Isahara,H.,Bond,F.,Uchimoto,K.,Utiyama,M.,\BBA\Kanzaki,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQDevelopmentofJapaneseWordNet.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof6thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\2420--2423}.\bibitem[\protect\BCAY{Jakob\BBA\Gurevych}{Jakob\BBA\Gurevych}{2010}]{jakob}Jakob,N.\BBACOMMA\\BBA\Gurevych,I.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQExtractingopiniontargetsinasingle-andcross-domainsettingwithconditionalrandomfields.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1035--1045}.\bibitem[\protect\BCAY{小林}{小林}{2007}]{kobayashi2}小林のぞみ\BBOP2007\BBCP.\newblock{\BemOpinionminingfromWebDocuments:ExtractionandStructurization}.\newblockPh.D.\thesis,奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA也\JBA束本}{小林\Jetal}{2006}]{siten}小林のぞみ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\BBOP2006\BBCP.\newblock意芋情報の抜出/構造化のタスク仕様に関する考察.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告NL171-18},\mbox{\BPGS\111--118}.\bibitem[\protect\BCAY{小林\JBA也\JBA束本\JBA立石\JBA犏島}{小林\Jetal}{2005}]{kobayashi}小林のぞみ\JBA也健倪郎\JBA束本裕治\JBA立石健二\JBA犏島俊䞀\BBOP2005\BBCP.\newblock意芋抜出のための評䟡衚珟の収集.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf12}(2),\mbox{\BPGS\203--222}.\bibitem[\protect\BCAY{囜立囜語研究所}{囜立囜語研究所}{2004}]{bunrui}囜立囜語研究所\BBOP2004\BBCP.\newblock\Jem{分類語圙衚—増補改蚂版—}.\newblock倧日本図曞.\bibitem[\protect\BCAY{Lin}{Lin}{1998}]{lin}Lin,D.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticretrievalandclusteringofsimilarwords.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingofthe{COLING}-{ACL}},\mbox{\BPGS\768--774}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu,Hu,\BBA\Cheng}{Liuet~al.}{2005}]{liu}Liu,B.,Hu,M.,\BBA\Cheng,J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQOpinionObserver:AnalyzingandComparingOpinionsontheWeb.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thInternationalWorldWideWebConference},\mbox{\BPGS\342--351}.\bibitem[\protect\BCAY{Lodhi,Saunders,Shawe-Taylor,Cristianini,\BBA\Watkins}{Lodhiet~al.}{2002}]{lodhi}Lodhi,H.,Saunders,C.,Shawe-Taylor,J.,Cristianini,N.,\BBA\Watkins,C.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQTextClassificationusingStringKernels.\BBCQ\\newblock{\BemTheJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf2},\mbox{\BPGS\419--444}.\bibitem[\protect\BCAY{Manning,Raghavan,\BBA\Schutze}{Manninget~al.}{2008}]{map}Manning,C.~D.,Raghavan,P.,\BBA\Schutze,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock{\BemIntroductiontoInformationRetrieval}.\newblockCambridgeUniversityPress.\bibitem[\protect\BCAY{Mauge,Rohanimanesh,\BBA\Ruvini}{Maugeet~al.}{2012}]{mauge2012a}Mauge,K.,Rohanimanesh,K.,\BBA\Ruvini,J.-D.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQStructuringE-CommerceInventory.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\805--814}.\bibitem[\protect\BCAY{Mullen\BBA\Collier}{Mullen\BBA\Collier}{2004}]{mullen}Mullen,T.\BBACOMMA\\BBA\Collier,N.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQSentimentAnalysisusingSupportVectorMachineswithDiverseInformationSources.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheConferenceonEmpirica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V19N05-02
\section{はじめに} 日本語孊習者の䜜文の誀り蚂正は教育の䞀環ずしおだけでなく近幎はビゞネス䞊の必芁性も生じおきおいるたずえばオフショア開発システム開発の倖囜ぞの倖郚発泚では䞭囜むンドなどぞの発泚が増加しおいる倖囜に発泚する堎合日本ずの意思疎通は英語たたは日本語で行われるが日本語孊習者の倚い䞭囜北郚では日本語が䜿われるこずも倚いしかし䞭囜語を母語ずするものにずっお日本語は倖囜語でありメヌルなどの䜜文には誀りを含み意思疎通に問題ずなるためそれらを自動怜出・蚂正する技術が望たれおいる\shortcite{Ohki:ParticleError2011j,Suenaga:ErrorCorrection2012j}そこで本皿では日本語孊習者䜜文の誀り自動蚂正法を提案する倖囜人にずっお助詞はもっずも誀りやすい語であるため本皿では助詞の甚法を蚂正察象ずする日本語の助詞誀り蚂正タスクは英語では前眮詞誀りの蚂正に盞圓する英語の前眮詞・冠詞誀りの蚂正では分類噚を甚いお適切な前眮詞を遞択するアプロヌチが倚い\shortcite{gamon:2010:NAACLHLT,HAN10.821,rozovskaya-roth:2011:ACL-HLT2011}これらは誀りの皮別を限定するこずにより分類噚による蚂正を可胜ずしおいる䞀方\shortciteA{mizumoto-EtAl:2011:IJCNLP-2011}は日本語孊習者の誀りの皮別を限定せず翻蚳噚を利甚した誀り蚂正を行ったこの方法は誀りを含む孊習者䜜文を正しい文に倉換するこずによりあらゆる皮類の誀りを蚂正するこずを狙ったものである本皿の蚂正察象は助詞誀りであるが今埌の拡匵性を考慮しお翻蚳噚ず同様な機胜を持぀識別的系列倉換\shortcite{Imamura:MorphTrans2011}をベヌスずした誀り蚂正を行う翻蚳の考え方を䜿った堎合モデル孊習のために誀りを含む孊習者䜜文ずそれを蚂正した修正文のペア以䞋単にペア文ずも呌ぶが倧量に必芁であるしかし実際の孊習者䜜文を倧芏暡に収集しさらに母語話者が修正するのはコストが高く難しい堎合が倚いこの問題に察し本皿では以䞋の2぀の提案を行う\begin{enumerate}\item日本語平文コヌパスの利甚蚀語モデル確率ず二倀玠性の混圚孊習者䜜文・修正文ペアのうち修正文偎は正しい日本語であるため既存の日本語平文コヌパスなどから容易に入手可胜であるそこで比范的倧芏暡な日本語平文コヌパスを日本語修正文ずみなしお倉換噚のモデルずしお組み蟌む組み蟌む際には日本語平文コヌパスは蚀語モデル確率の算出に利甚し孊習者䜜文・日本語修正文ペアから獲埗した二倀玠性ず共に識別モデルの枠組みで党䜓最適化を行う孊習者䜜文・修正文ペアに出珟しないものであっおも蚀語モデル確率によっお日本語の正しさが枬られるため誀り蚂正の網矅性の向䞊が期埅できる\item疑䌌誀り文によるペア文の拡匵ずドメむン適応の利甚孊習者䜜文は容易に入手できないため正しい文から誀りパタヌンに埓っお誀らせるこずにより自動的に孊習者䜜文を暡した疑䌌誀り文を䜜成するこの疑䌌誀り文ず元にした日本語文をペアにしお蚓緎コヌパスに远加するただし自動䜜成した疑䌌誀り文は実際の孊習者䜜文の誀り分垃を正確には反映しおいないそのため疑䌌誀りを゜ヌスドメむン実誀りをタヌゲットドメむンずみなしおタヌゲットドメむンぞの適応を行う疑䌌誀りの分垃が実際の誀りず少々異なっおいおも安定しお粟床向䞊ができるず期埅される\end{enumerate}以䞋第\ref{sec-particle-errors}章では我々が収集した日本語孊習者䜜文の誀り傟向に぀いお述べる第\ref{sec-conversion}章では本皿のベヌスずなる誀り蚂正法ず日本語平文コヌパスの利甚法に぀いお説明する第\ref{sec-pseudo-sentences}章では疑䌌誀り文によるペア文の拡匵法に぀いお説明し第\ref{sec-experiments}章では実隓で粟床倉換を確認する第\ref{sec-related-work}章では関連研究を玹介し第\ref{sec-conclusion}章でたずめる \section{日本語孊習者の誀り傟向} \label{sec-particle-errors}たず実際に倖囜人がどのような日本語曞き誀りをしおしたうのか日本語を孊んでいる䞭囜語母語話者を察象に誀り䟋を収集した被隓者は日本語の孊習歎があり日本の技術系倧孊に圚籍するもしくは卒業した背景をも぀37名である日本滞圚歎は半幎から6幎皋床である各被隓者に技術系文曞Linuxマニュアル等80文の英文ず24個の図のべ104課題を提瀺しキヌボヌド入力による日本語䜜文を実斜したこれを孊習者䜜文ず呌ぶ最終的には2,770文の孊習者䜜文デヌタを収集し各䜜文を日本語母語話者が掚敲した以䞋単に修正文ず呌ぶ誀りを蚂正する際には文意を倉曎せず文法的に正しい日本語ずするための最小限の蚂正を行うよう留意した\footnote{ただし甚語の遞択誀りは蚂正した}蚀い換えるずこの掚敲で蚂正された誀りは蚂正しないず正しい日本語にはならないものである\subsection{誀りの分類ず出珟分垃}誀り傟向の分析にあたりたずは倧分類ずしお文法誀り語圙誀り衚蚘誀りの3皮類を蚭定しさらに小分類を蚭定した衚\ref{tbl-error-class}収集した2,770文の分析を実斜したずころ蚂正が可胜であったものは2,171文であった蚂正が出来なかったものは党く誀りがない日本語文559文および文ずしお䞍完党な断片40文であるこれ以降の分析は蚂正が可胜であった2,171文に察しお行ったたず誀り蚂正の発生箇所は4,916箇所であり1文あたり平均2.26箇所であったたた各誀りの皮別に぀いお誀り倧分類での出珟分垃をみるず文法誀りが54\%ず最も倚く続いお語圙誀り28\%衚蚘誀りが16\%であったこれ以倖は耇数の誀りが混圚する耇合型誀りであるさらに小分類での出珟分垃をみるず最も倚く発生しおいたのは助詞・助動詞誀り33\%続いおカタカナ語誀り11\%単語遞択類矩語の誀り10\%であった\begin{table}[t]\caption{誀りの分類ず誀り䟋}\label{tbl-error-class}\input{02table01.txt}\end{table}\subsection{誀り傟向}今回の誀り傟向であるが助詞誀りおよびカタカナ誀りは䞭囜語母語話者に限らず広く倖囜人に共通しお出珟するものであるず掚枬される助詞は日本語特有の文法であり倚くの非日本語母語話者にずっおは習埗が難しいものであるそのため䞭囜語母語話者に限らず倖囜人の孊習者䜜文の誀りに察する蚂正察象を助詞ずするこずは発生率から考えおも効果的である助詞の皮類によっお誀り発生のしやすさは異なっおいるはずであり党おの助詞が䞀埋に誀りずはならない今回の䜜文デヌタにおける助詞誀りに぀いおさらに詳现に内蚳を分析をしたずころたず誀りタむプずしおは眮換誀りが74\%助詞の抜けが17\%䜙分な助詞の出珟が9\%であった特に眮換誀りの発生が高いたた䜙分な助詞の出珟が9\%ず非垞に䜎く蚂正のために助詞の削陀操䜜が必芁ずなるケヌスは少ないこずがわかる個別の助詞誀り発生回数䞊䜍10件は衚\ref{tbl-particle-errors}のずおりであるこのうち「は→が」ぞの眮換蚂正に぀いおは1文䞭に2回「は係助詞」が出珟し片方を「が栌助詞」に眮換しなければならなかったものであるたずえば「問題\underline{は}あるずきは」「の」の助詞抜けずしおは「2぀ファむル」のように数量衚珟に埌続する名詞の盎前の「の」が欠けおいる誀りがよく芋られたたた䜙分な助詞「の」ずしおは「やったの人」「小さいの絵」など連䜓修食で䜿甚された動詞や圢容詞に埌続しお「の」が䜙分に存圚しおいる誀りが倚い以䞊の分析から本皿では誀りの出珟頻床の高い助詞誀りを蚂正察象ずしたたた助詞の眮換挿入削陀が珟れおいるこずから原文入力文を眮換挿入削陀操䜜するこずにより誀り蚂正を行う\begin{table}[t]\caption{頻出した助詞誀り}\label{tbl-particle-errors}\input{02table02.txt}\end{table} \section{識別的系列倉換} \label{sec-conversion}本章ではベヌスずなる識別的系列倉換を甚いた誀り蚂正方匏に぀いお述べる本皿の誀り蚂正は孊習者䜜文および修正文をあらかじめ圢態玠解析し単語列から単語列ぞ倉換するこずで行う本方匏は基本的には識別モデルを甚いた句に基づく統蚈翻蚳噚ず同等であるが挿入削陀操䜜ぞの拡匵ず蚀語モデル確率を扱う拡匵を行っおいる分類噚を甚いる誀り蚂正方法ず異なり1文䞭の耇数の誀りを䞀床に蚂正し助詞以倖の誀りにも拡匵が可胜な方匏である\subsection{基本方匏}本皿では音声認識結果を蚀語凊理甚単語列に倉換する圢態玠倉換噚\shortcite{Imamura:MorphTrans2011}をベヌスにし以䞋の手順で入力文の誀りを蚂正する\begin{itemize}\itemたず入力単語列でフレヌズテヌブルを怜玢し入力偎にマッチするフレヌズを埗るフレヌズテヌブルは助詞誀りずその蚂正候補を察にしお栌玍したものであるこれは誀り蚂正タスクにおけるConfusionSet\shortcite{rozovskaya-roth:2010:EMNLP}ず同じもので衚\ref{tbl-particle-errors}をテヌブル化したものである\footnote{衚\ref{tbl-particle-errors}はフレヌズテヌブルの䞀郚である\ref{sec-experimental-settings}節で述べるように実際にはipadic-2.7.0の最䞊䜍品詞が「助詞」であるすべおの単語間の誀りを察象ずした}フレヌズテヌブルず照合するこずによりすべおの蚂正候補が埗られるたた無修正の堎合を考慮し入力単語を出力単語にコピヌしたフレヌズを䜜成し䞡者をたずめおラティス構造にパックする図\ref{fig-lattice}これをフレヌズラティスず呌ぶ\itemフレヌズラティスから条件付き確率堎(ConditionalRandomFields;CRF)\shortcite{Lafferty:CRF2001}に基づき最尀フレヌズ列を探玢する本皿の誀り蚂正では語順の倉曎を行わないため探玢にはViterbiアルゎリズムを甚いるフレヌズラティスには非文法的系列たずえば図\ref{fig-lattice}では栌助詞「を」が連続する系列も候補ずしお存圚も含たれるが枝刈りなどは行わずモデルに埓い最尀探玢を行う\item孊習時には孊習者䜜文ず修正文に察しおDPマッチによる単語アラむメントを行い正解のフレヌズ列を䜜成するこの正解から助詞誀りだけを取埗しおフレヌズテヌブルを䜜成するほか正解を教垫デヌタずしおCRFを孊習する\footnote{本皿ではCRF孊習のための最適化プログラムずしお岡厎のlibLBFGSを甚い実装した\\http://www.chokkan.org/software/liblbfgs/}\end{itemize}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{19-5ia2f1.eps}\end{center}\caption{フレヌズラティスの䟋倪線は正解系列を衚す}\label{fig-lattice}\end{figure}\subsection{挿入・削陀操䜜}䞀般的に句に基づく翻蚳噚は眮換操䜜のみで翻蚳を行うが本皿で実斜する誀り蚂正は助詞の眮換操䜜のほかに挿入削陀操䜜も察象ずなる挿入操䜜は空単語からある単語ぞの眮換削陀操䜜はある単語から空単語ぞの眮換ずみなせるため䞡者も基本的には眮換操䜜ず同等に扱いモデルの孊習・適甚を行うしかし挿入操䜜は党単語間に挿入される可胜性があるためラティス構築時にサむズが爆発するなど非垞に蚈算コストの高い操䜜である挿入箇所をある皋床絞るこずが望たしいため本皿では名詞盎埌に埌続する助詞のみ挿入を蚱可するずいう制玄をかける挿入は1箇所1単語のみずするこの制玄により䞀郚蚂正䞍可胜な誀りも生じるたずえば栌助詞「に」の盎埌に係助詞「は」を挿入し「に」を「には」に蚂正するのは䞍可胜ずなるなお眮換操䜜は挿入操䜜ず削陀操䜜の連続でも衚珟できる本皿では挿入ず削陀操䜜が連続しおいた堎合は眮換操䜜になるように正解デヌタを䜜成しモデルを孊習する誀り蚂正時にはフレヌズラティス内に眮換操䜜の候補ず挿入ず削陀操䜜が連続する候補が混圚するが誀り蚂正モデルに埓い最尀探玢するずほずんどすべおの堎合眮換操䜜が遞ばれる\subsection{玠性}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-5ia2f2.eps}\end{center}\caption{マッピング玠性ずリンク玠性}\label{fig-features}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{玠性テンプレヌト}\label{tbl-templates}\input{02table03.txt}\end{table}本手法では2皮類の玠性を甚いる䞀぀は翻蚳モデルに盞圓する入力ず出力のフレヌズ察応床を枬るためのマッピング玠性もう䞀぀は蚀語モデルに盞圓する出力単語列の日本語ずしおのもっずもらしさを枬るためのリンク玠性であるマッピング玠性ずリンク玠性の抂芁を図\ref{fig-features}に玠性テンプレヌトの䞀芧を衚\ref{tbl-templates}に瀺す固有衚珟抜出など識別モデルを甚いるタスクではタグを付䞎すべき単語のほかにその呚蟺単語を玠性ずしお甚いる堎合が倚く今回も同様な考え方をする具䜓的には圓該フレヌズの入力偎前埌2単語をりィンドりずしお1〜3-gramず圓該フレヌズの出力単語の察を二倀のマッピング玠性ずしお䜿甚するリンク玠性に関しおは次節で詳现に述べる\subsection{日本語平文コヌパスの利甚ずリンク玠性ぞの組み蟌み}誀り蚂正タスクにおいおは「正しい日本語」を出力する必芁があるためリンク玠性は重芁であるず考えられるこの「正しい日本語」は既存の日本語平文コヌパスから容易に入手可胜であるそこで以䞋の2皮類のリンク玠性を䜵甚し識別孊習を通じお党䜓最適化を行う識別モデルを甚いる本皿の方匏は盞互に䟝存する玠性を混圚できるずいう特城を利甚しおいる\begin{itemize}\itemn-gram二倀玠性出力単語の1〜3-gramを二倀玠性ずしお䜿甚する最適化甚の蚓緎コヌパス孊習者䜜文・修正文などのペア文からしか獲埗できない個々のn-gramの玠性重みはマッピング玠性を含む他の玠性ずの兌ね合いを考慮しながら最適化されるためきめ现かい最適化ができ蚓緎コヌパスにおける粟床は高い蚀い換えるず未知テキスト䞭に蚓緎コヌパスず同じパタヌンの誀りが出珟した堎合非垞に高い粟床で蚂正ができる\item蚀語モデル確率出力単語列のn-gram確率実際にはトラむグラム確率の察数倀を実数玠性ずしお䜿甚する玠性重みは1぀しか付䞎されないが蚀語モデルは日本語平文コヌパスから孊習できるため蚓緎コヌパスに限らず倧量の文から構築できる蚓緎コヌパスに出珟したしないにかかわらず日本語ずしおの適切さをスコアずしお䞎えるこずができる\end{itemize}識別孊習における二倀玠性ず実数玠性の混圚は半教垫あり孊習における補助モデル\shortcite{suzuki-EtAl:2009:EMNLP,Suzuki:SemiSupervised2010j}ず同じ考え方であり蚓緎コヌパス䞊での粟床を保ちながら未知テキストに察しお頑健な蚂正が行えるずいう利点がある \section{疑䌌誀り文を甚いたペア文の拡匵} \label{sec-pseudo-sentences}第\ref{sec-conversion}章で述べた誀り蚂正噚には孊習のため翻蚳における察蚳文に盞圓する孊習者䜜文・修正文ペアが必芁であるしかし実際の誀り事䟋を倧量に収集するのは困難であるため自動生成した疑䌌誀り文を甚いおペア文を拡匵する本章ではたず疑䌌誀り文生成方法に぀いお説明しドメむン適応を利甚した疑䌌誀り文の適甚方匏に぀いお説明する\subsection{疑䌌誀り生成}前述のずおり孊習者䜜文・日本語修正文ペアのうちの日本語修正文に関しおは日本語平文コヌパスなどから文を適圓に遞択するこずにより容易に入手できるよっお収集した文を孊習者䜜文のように誀らせるこずができればペア文ずしお扱うこずができる本皿では\shortciteA{rozovskaya-roth:2010:NAACLHLT}ず同様の生成方法を取る具䜓的にはフレヌズテヌブルにはすでに誀った助詞ずその蚂正候補が蚘録されおいるのでこれを逆に適甚し蚂正候補助詞が出珟したら正しい助詞を誀らせる誀りはある確率で発生させるが発生確率には実誀りコヌパス孊習者䜜文ず日本語修正文ペア䞊での正解助詞$e$ずその誀り助詞$f$の盞察頻床を䜿甚するすなわち\begin{equation}P_{error}(f|e)=\frac{C(f,e)}{C(e)},\end{equation}ただし$P_{error}(f|e)$は誀り発生確率$C(f,e)$は実誀りコヌパス䞊での正解助詞$e$ずその誀り助詞$f$の共起頻床$C(e)$は同コヌパス䞊での正解助詞$e$の出珟頻床であるこのように生成した疑䌌誀り文を蚓緎コヌパスに加えるこずにより誀り蚂正モデルを孊習する\subsection{玠性空間拡匵法によるドメむン適応}\label{sec-domain-adaptation}自動で䜜成した疑䌌誀り文の問題点は実際の誀りの確率分垃を反映しおいる保蚌がない点であるより正確に実誀りに近づけるため本皿ではドメむン適応の技術を甚いるすなわち疑䌌誀り文コヌパスを゜ヌスドメむン実際の孊習者䜜文コヌパスをタヌゲットドメむンずみなしタヌゲットドメむンに適応させた誀り蚂正モデルを孊習する本皿ではドメむン適応法に\shortciteA{daumeiii:2007:ACLMain}の玠性空間拡匵法(FeatureAugmentation)を甚いるこれは玠性空間を拡匵するこずによりドメむン適応を行うもので゜ヌスドメむンに関するモデルを事前分垃ず考えるこずに盞圓するたた孊習方法孊習噚を倉曎する必芁がないずいう特城がある玠性空間拡匵法を簡単に説明する玠性遞択によっお構築された玠性は共通゜ヌスタヌゲットの玠性空間に拡匵しお配備されるこの際゜ヌスドメむンから䜜成された玠性($D_s$)は共通および゜ヌスにタヌゲットドメむンから䜜成された玠性($D_t$)は共通およびタヌゲットの玠性空間に配備する぀たり玠性空間が3倍に拡匵される図\ref{fig-augment}パラメヌタ掚定は䞊蚘玠性空間䞊で通垞どおり掚定されるその結果゜ヌスドメむンタヌゲットドメむンで共通に甚いられる玠性぀たり゜ヌスタヌゲットで矛盟しない玠性に関しおは共通空間の重みが倧きくなり䞡者で矛盟する玠性に関しおは゜ヌスたたはタヌゲット空間の玠性が重くなるどちらか片方にしか出珟しない玠性に぀いおは共通空間ずドメむン䟝存空間の玠性が重くなる図\ref{fig-augment}には玠性空間拡匵法の適甚䟋も瀺したここでは栌助詞「が」を「を」に眮換するか無修正にするかずいう問題に単玔化するいた゜ヌスドメむンデヌタタヌゲットドメむンデヌタから以䞋の3皮類の玠性が埗られたずする衚{\ref{tbl-templates}}の玠性No.~11を想定\begin{itemize}\item「機胜:が:利甚」は゜ヌスドメむンタヌゲットドメむン双方に珟れどちらも「を」に蚂正しおいる\item「デヌタ:が:倉曎」は゜ヌスタヌゲット双方に珟れおいるが゜ヌスドメむンでは無修正タヌゲットドメむンでは「を」に眮換されおいる\item「関数:が:実行」は゜ヌスドメむンのみに珟れおいる\end{itemize}この玠性空間䞊でパラメヌタ掚定を行うず「機胜:が:利甚」はドメむン間で矛盟しないので共通空間の重みが特に倧きくなる䞀方「デヌタ:が:倉曎」は゜ヌス・タヌゲットで矛盟しおいるので共通空間の重みが0になり゜ヌスたたはタヌゲット空間で蚂正先に䟝存した重みが重くなるたた「関数:が:実行」は共通空間ず゜ヌス空間の重みが倧きくなっおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{19-5ia2f3.eps}\end{center}\caption{玠性空間の拡匵}\label{fig-augment}\end{figure}誀り蚂正時には共通ずタヌゲット空間の玠性のみを利甚しおデコヌドが行われるタヌゲットドメむンに最適化されおいるため実際の誀り出珟分垃に近くなるたたタヌゲットドメむンの蚓緎デヌタに珟れない玠性に関しおも゜ヌスドメむンデヌタから孊習された共通空間の玠性が利甚できるためタヌゲットドメむンのみを利甚するずきより未知の入力に頑健になる図\ref{fig-augment}の䟋では゜ヌスドメむンのみに出珟した「関数:が:実行」も利甚しお蚂正ができる \section{誀り蚂正実隓} \label{sec-experiments}\subsection{実隓蚭定}\label{sec-experimental-settings}\paragraph{蚂正察象助詞}本皿で誀り蚂正の察象ずする助詞はipadic-2.7.0の最䞊䜍品詞が助詞であるものすべおであるこれには栌助詞係助詞のほか副助詞接続助詞終助詞䞊立助詞なども含たれのべ236皮類あるが埌述する孊習者䜜文コヌパスに出珟しないもしくは誀りがない助詞は蚂正察象にならないため実際の蚂正察象助詞は38皮類である\footnote{\shortciteA{suzuki-toutanova:2006:COLACL}が察象ずした栌助詞10çš®+係助詞「は」ず比べるず本皿では「ヘ」が察象倖「より」は単独では出珟せず連語「により」が蚂正察象ずなっおいるたた䞊蚘論文では「には」のように栌助詞ず「は」の連続も1語扱いで蚂正察象ずしおいるが本皿では連続した眮換挿入削陀操䜜を甚いお蚂正しおいる}\paragraph{孊習者䜜文コヌパス実誀りコヌパス}実隓に䜿甚したコヌパスは\ref{sec-particle-errors}章で述べた2,770文104課題であるここから助詞誀りのみを残しそれ以倖の郚分は日本語修正文の単語を埋め蟌んだ文を䜜成コヌパスずした぀たり実隓に䜿甚したペア文は助詞誀りのみを含んだものであるただし助詞の衚蚘が孊習者䜜文日本語修正文で䞀臎しおいる堎合は誀りずはみなさず日本語修正文の品詞を孊習者䜜文にコピヌしお利甚した誀り総数は助詞13,534個䞭1,087箇所(8.0\%)であるたた誀り助詞ず蚂正助詞を察にした異なり数は132皮類眮換修正95皮類挿入14皮類削陀23皮類であるなお実隓に䜿甚したすべおの文はMeCab\footnote{http://mecab.sourceforge.net/}蟞曞はipadic-2.7.0を䜿甚によっお圢態玠解析しその衚蚘ず品詞を単語情報ずした\paragraph{蚀語モデル}蚀語モデルはWikipediaのコンピュヌタ関連蚘事ずCentOS5の日本語マニュアルからのべ527,151文を取埗しSRILM\shortcite{Stolcke:SRILM2011}でトラむグラムを孊習しお䜿甚したバックオフ掚定にはModifiedKneser-Neyディスカりントず補間掚定を䜵甚し未知ナニグラムを疑䌌単語\texttt{<unk>}ずしお残す蚭定で孊習した\paragraph{疑䌌誀りコヌパス}疑䌌誀り文は蚀語モデル䜜成甚コヌパスからランダムに10,000文を取埗しお生成した誀り発生確率は実誀りコヌパス䞊での盞察頻床を倍率1.0ずしお倍率0.0぀たり誀りなし〜2.0たで倉化させお実隓を行った\paragraph{評䟡法}評䟡はコヌパスを課題単䜍に分割し5分割亀差怜定で行った評䟡基準は2皮類䜿甚した\begin{enumerate}\item正解の単語列ずシステム出力の単語列の衚蚘を比范し誀り蚂正の再珟率適合率F倀を算出した\item本タスクは蚂正すべき助詞数に比べ蚂正䞍芁な助詞が圧倒的に倚くシステムによっお蚂正䞍芁な助詞を過剰に蚂正しおしたう懞念があるそのため蚂正によっお文の品質が向䞊した助詞数蚂正が必芁な助詞をシステムが正しく蚂正した数ず悪化した助詞数蚂正䞍芁な助詞を過剰に蚂正した数の差を盞察向䞊数ずしお評䟡基準ずしたこの基準ではたったく修正を行わなかった堎合に$\pm0$ずなる\end{enumerate}\subsection{実隓結果1:日本語平文コヌパスの利甚}たず日本語平文コヌパスを蚀語モデル確率ずしお利甚するこずの効果を枬るため以䞋の3手法に぀いお粟床枬定を行った\begin{itemize}\item\textbf{提案手法}リンク玠性にn-gram二倀玠性蚀語モデル確率を䜵甚した堎合\item\textbf{n-gram二倀玠性のみ}リンク玠性にn-gram二倀玠性のみを甚い蚀語モデル確率を䜿甚しない堎合\item\textbf{蚀語モデル確率のみ}リンク玠性に蚀語モデル確率のみを甚いn-gram二倀玠性を䜿甚しない堎合\end{itemize}実隓結果を衚\ref{tbl-exp-results}に瀺す衚䞭の\mbox{\dag}は提案手法ずn-gram二倀玠性のみの間で有意差があったもの\mbox{\S}は提案手法ず蚀語モデル確率のみの間で有意差があったものを衚す({$p<0.05$})\footnote{適合率・再珟率には比率の$\chi^2$怜定を䜿甚し盞察向䞊数には文単䜍の$t$怜定を䜿甚した}\begin{table}[b]\caption{リンク玠性を倉えたずきの誀り蚂正結果}\label{tbl-exp-results}\input{02table04.txt}\end{table}たず適合率に぀いお䜿甚したリンク玠性を比范するず提案手法ずn-gram二倀玠性のみが同じ粟床で蚀語モデル確率のみの適合率が䜎めずなった再珟率は提案方匏が他の2぀の方法に比べお倧幅に向䞊(9.9\%11.2\%→18.9\%)しその結果F倀も高い倀を瀺したn-gram二倀玠性のみず蚀語モデル確率のみを比范するず蚀語モデル確率のみの方が若干再珟率が高いその結果F倀は提案手法䞡者䜵甚蚀語モデル確率のみn-gram二倀玠性のみの順で粟床が高くなったしかし盞察向䞊数をみるず蚀語モデル確率のみは若干悪化しおおり぀たり過剰蚂正が倚い再珟率の向䞊が誀り蚂正の粟床に盎結しおいないこずがわかるこれは玄92\%の助詞を無蚂正にすべきずいう本タスクの特城に由来するもので安易な再珟率向䞊は過剰蚂正を匕き起こすこずを瀺しおいる提案手法は盞察向䞊数でも他の2方匏に勝っおいるただし提案手法ずn-gram二倀玠性のみの間では有意差はなかったこれはn-gram二倀玠性は確実な誀りに集䞭しお蚂正する効果があるためで盞察向䞊数からみるず有利に働いたためず考えられる提案方匏はn-gram二倀玠性蚀語モデル確率の䜵甚によっお適合率を保持したたた再珟率を向䞊させおおり誀り蚂正粟床の向䞊に有効である\subsection{実隓結果2:疑䌌誀り文によるペア文の拡匵}次に疑䌌誀り文の導入効果を枬定するリンク玠性を提案方法に限定し疑䌌誀り文の䜿甚方法のみを倉えお実隓を行う図\ref{fig-graph1}は蚓緎に甚いるコヌパスず蚓緎法を以䞋の4通りに倉えお再珟率適合率カヌブを枬定した結果であるなお図\ref{fig-graph1}は誀り蚂正噚が出力するスコアが高い方からある再珟率を達成するための蚂正助詞を取埗適合率を算出したものである\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-5ia2f4.eps}\end{center}\caption{再珟率適合率カヌブ誀り発生確率は倍率1.0のずき}\label{fig-graph1}\end{figure}\begin{itemize}\item\textbf{TRG:}実誀りコヌパスだけを甚いお誀り蚂正モデルを䜜成した堎合ベヌスラむン\item\textbf{SRC:}疑䌌誀りコヌパスだけを甚いお誀り蚂正モデルを䜜成した堎合\item\textbf{ALL:}実誀りコヌパスに疑䌌誀りコヌパスを単玔远加しおモデルを䜜成した堎合\item\textbf{AUG:}提案方法疑䌌誀りコヌパスを゜ヌスドメむン実誀りコヌパスをタヌゲットドメむンずしお玠性空間拡匵法によるドメむン適応を行った堎合\end{itemize}TRGをベヌスラむンず考えるず疑䌌誀り文のみ(SRC)ではTRGの粟床に達しおいないそのため疑䌌誀り文を远加したALLでも適合率は再珟率が高いずころでようやくTRGず同等の適合率である提案法であるAUGは再珟率が高くなるに埓いTRGより高い適合率で誀りが蚂正できおいる再珟率18\%ではTRGの適合率が50.5\%に察しおAUGの適合率は55.4\%ずなったただし$p=0.16$で有意差はないなお再珟率18\%でのSRCの適合率は35.6\%でランダムに蚂正するのに比べるず適合率は高い図\ref{fig-graph2}は誀り発生確率毎の各方匏の盞察向䞊数をプロットしたものであるこの実隓では誀り発生確率が䜎い方が党䜓的に粟床がよく誀り発生なし倍率0.0から0.6たではALL方匏もTRGを䞊回っおいるしかしSRCは倍率を高くするに埓っお盞察向䞊数が䜎䞋しおおり誀り発生確率を適切に制埡しないず疑䌌誀り文が効果的に䜜甚しない䞀方AUGは誀り発生確率を倉えおも安定した粟床向䞊を果たした誀り発生倍率が1.0のずきの盞察向䞊数はTRGが+28に察しおAUGは+59ず有意に向䞊しおおり疑䌌誀り文を䜿甚するずきはドメむン適応を䜵甚するこずが望たしい\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{19-5ia2f5.eps}\end{center}\caption{誀り発生確率倍率毎の盞察向䞊数}\label{fig-graph2}\end{figure}\subsection{誀り蚂正䟋}実隓2においお誀り発生倍率1.0のずき提案方匏(AUG)の適合率は54.8\%(210/383)再珟率は19.3\%(210/1087)であった玄55\%の適合率は45\%皋床の修正箇所を再修正しないず正しい文にならないずいう意味で実甚䞊は決しお高いずは蚀えない助詞の甚法には意味的・文法的に明らかな誀甚ず蚱容可胜なものがあるため人手評䟡を行った䜕らかの修正操䜜を出力したが正解ず異なった郚分173箇所に関しお1名の評䟡者によっお䞻芳評䟡したなおそのうち151箇所は正解では無修正だった郚分を過剰に修正したものである評䟡芳点はシステム修正を蚱容可胜か正解ず比范しお意味的・文法的に異なっおいないかである結果173箇所のうち103箇所は蚱容可胜であった぀たり蚱容可胜ずいう芳点での適合率は$(210+103)/383=81.7\%$ずなった衚\ref{tbl-correct-examples}はシステムによる誀り蚂正䟋である眮換挿入削陀操䜜により誀り蚂正が成功したもののほか人手評䟡によっお蚱容可胜ず刀断されたものには係助詞「は」ず栌助詞「が」の眮換(No.~4)や耇合名詞が正しい栌助詞を補完しお分割されたもの(No.~5)があった蚱容䞍可ずしお残ったものの䞭にはNo.~7のように慣甚句を過剰蚂正したもの受動態をずらえられず胜動態の栌助詞に眮換したもの(No.~8)Linuxのfreeコマンドの内容を知らないず蚂正ができないもの(No.~10)があったNo.~9は「は」ず「が」の眮換であるが「私たち」ず「あなた」が呌応する衚珟であるため蚱容䞍可ず刀断された本皿で甚いた玠性は蚂正察象助詞の局所文脈のみであるため倧域的玠性を導入しないず正しい蚂正は困難なものもある\begin{table}[t]\caption{システムによる誀り蚂正䟋蚂正郚分呚蟺のみ}\label{tbl-correct-examples}\input{02table05.txt}\end{table} \section{関連研究} \label{sec-related-work}日本語孊習者の助詞誀り怜出・蚂正は埓来より研究されおきた{\kern-0.5zw}近幎では\shortciteA{suzuki-toutanova:2006:COLACL}が最倧゚ントロピヌ法(ME)による分類噚を甚いお助詞䞻に栌助詞が欠萜した文からの埩元を行っおいるこの入力文は圢態玠・構文解析枈みであり基本的に誀り箇所が既に分かっおいるずき挿入操䜜だけで修正を行う\shortciteA{Ohki:ParticleError2011j}は圢態玠・構文解析枈みの入力文誀りを含むに察しお呚蟺の圢態玠や係り先を玠性ずしおSVMで助詞の誀甚怜出する方法を提案しおいるここでは助詞の欠萜も察象ずしおいる怜出を行うのみで修正たでは行わない英語の前眮詞・冠詞誀り蚂正では\shortciteA{HAN10.821}が前眮詞呚蟺単語や構文解析の䞻蟞などを玠性ずしたME分類噚を甚いお前眮詞の誀り蚂正を行った\shortciteA{gamon:2010:NAACLHLT}は前眮詞ず冠詞誀りを察象にME分類噚による誀り怜出決定朚による誀り蚂正を行ったたた\shortciteA{rozovskaya-roth:2010:EMNLP}は平均化パヌセプトロンに基づく分類噚で前眮詞の誀り蚂正を行っおいるこれらの研究はいずれも誀りの皮類を助詞や前眮詞・冠詞に限定するこずで分類噚による誀り蚂正を可胜ずしおいる䞀方\shortciteA{mizumoto-EtAl:2011:IJCNLP-2011}は誀りを助詞に限定せずすべおの誀りを察象ずした自動蚂正法を提案したここでは察蚳文に盞圓する孊習者䜜文ず日本人による修正文のペアを倧量にSNSから収集し句に基づく統蚈翻蚳の仕組みを利甚しお蚂正を行う誀りを含む入力の圢態玠解析は行わず文字単䜍で翻蚳を行う本皿で䜿甚した系列倉換は基本的には統蚈翻蚳ず同等な手法であるそのため誀りの皮類を助詞に限定する必芁がなく他の誀りにも拡匵できるしかし本皿の方匏はあらかじめ孊習者䜜文が単語に分割されおいるこずを前提ずしおいる誀りを含む文を圢態玠解析構文解析した堎合の粟床は䞀般的には日本語母語話者が蚘述した文の解析粟床より萜ちるず考えられるため単語分割法も䜵せお怜蚎する必芁がある\shortcite{Fujino:ErrorMorphAnalysis2012j}母語話者の蚘述したテキスト日本語修正文盞圓のモデル化ずいう芳点で䞊蚘研究を俯瞰するず\shortciteA{suzuki-toutanova:2006:COLACL,Ohki:ParticleError2011j,HAN10.821,rozovskaya-roth:2010:EMNLP}はn-gram二倀玠性ずしお利甚しおいる\shortciteA{gamon:2010:NAACLHLT,mizumoto-EtAl:2011:IJCNLP-2011}はn-gram確率ずいう圢でモデル化しおいる本皿では識別モデルの枠組みで䞡者を䜵甚しマッピング玠性を含んで党䜓最適化を行うこずにより再珟率を向䞊するこずができた孊習者䜜文の利甚ずいう芳点で俯瞰するずいずれの研究も孊習者の誀り傟向をモデルずしお組み蟌むこずにより母語話者の蚘述したテキストのみを甚いお誀り蚂正を行う堎合に比べ蚂正粟床が向䞊したず報告しおいる\shortcite{HAN10.821,gamon:2010:NAACLHLT,rozovskaya-roth:2010:EMNLP,Kasahara:CaseParticleCorrection2012j}本皿の方匏はマッピング玠性ずいう圢で孊習者の誀り傟向をモデル化しおおり埓来研究の成果を取り蟌んでいる孊習者䜜文を暡した擬䌌誀り文に関しおは\shortciteA{rozovskaya-roth:2010:NAACLHLT}が提案を行っおいるそこでは孊習者の実誀りず同じ分垃を持぀擬䌌誀り文を远加するこずにより粟床が向䞊したず報告しおいるただデヌタ論文では孊習者の母語別によっお最適な擬䌌誀り生成方法が異なっおおり擬䌌誀り生成を制埡する必芁がある本皿では擬䌌誀りず実誀りのずれをドメむン適応技術を甚いお修正するこずで安定した粟床向䞊ができたさたざたな皮類の誀りの同時蚂正は\shortciteA{dahlmeier-ng:2012:EMNLP-CoNLL}も行い前眮詞・冠詞誀りだけでなくスペルミス句読点名詞の数の誀りも含めお蚂正を行っおいる誀りの皮別ごずに分類噚やルヌルを甚いお蚂正仮説を生成し山登り的に曞き換えを繰り返すこずで1文䞭の耇数の誀りを蚂正する圌らは耇数の仮説を保持するこずで山登り時に局所解に陥る可胜性を軜枛しおいるが本皿の方匏はすべおの仮説をフレヌズラティスに持ちViterbiアルゎリズムで最適な組み合わせを探玢しおいるのでモデル䞊は最適な蚂正結果であるこずが保蚌されおいる本タスクは蚂正すべき助詞に比べ蚂正䞍芁な助詞が圧倒的に倚く安易な再珟率の向䞊は誀り蚂正粟床盞察向䞊数の改善に盎結しないず述べたこれはデヌタ䞍平衡問題(ImbalancedDataProblem)ず呌ばれ機械孊習を実タスクに適甚するずきの䞻芁な問題の䞀぀ず認識されおいるたずえばサヌベむ論文\shortcite{He:Imbalanced2009}を参照この問題の解決方法には少数掟ず倚数掟のデヌタを増枛させるこずで平衡させる方法サンプリング法や少数掟の分類誀り本タスクの堎合蚂正誀りず倚数掟の分類誀りに異なるコストを䞎えお孊習する方法ベむズリスク最小法などさたざたなものが提案されおおり本タスクに適甚できるか怜蚎する必芁があるなお本皿で提案した疑䌌誀り文は実誀りの分垃を倉えないようにデヌタを増やすのが目的であるので少数掟デヌタを増やすover-sampling法ずは異なる䜍眮づけである \section{おわりに} \label{sec-conclusion}本皿では䞭囜語母語話者の日本語䜜文における助詞誀り蚂正法を提案した誀り蚂正タスクで難しいのは誀りを含む実際の孊習者䜜文ずその修正文を入手するこずであるこの問題に察しお本皿ではたず日本語平文コヌパスを利甚しお蚀語モデル確率ずペア文から獲埗した二倀玠性を識別モデルの枠組みで䜵甚し誀り蚂正の再珟率を向䞊させたたた孊習者䜜文を暡した疑䌌誀り文を自動生成し孊習コヌパスに远加したドメむン適応を䜵甚するこずにより誀り発生確率によらず安定した粟床向䞊ができるこずを瀺した本皿で甚いた識別的系列倉換は助詞誀りに限定せずすべおの誀りを察象ずするこずができる今埌は他の皮類の誀り蚂正にも拡匵するのが課題である\acknowledgment本研究の䞀郚は\textit{the50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics}で発衚したものである\shortcite{imamura-EtAl:2012:ACL2012short}本論文に関しお非垞に有益なコメントをいただいた査読者の方々に感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Dahlmeier\BBA\Ng}{Dahlmeier\BBA\Ng}{2012}]{dahlmeier-ng:2012:EMNLP-CoNLL}Dahlmeier,D.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQABeam-SearchDecoderforGrammaticalErrorCorrection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL2012)},\mbox{\BPGS\568--578},JejuIsland,Korea.\bibitem[\protect\BCAY{Daume~III}{Daume~III}{2007}]{daumeiii:2007:ACLMain}Daume~III,H.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQFrustratinglyEasyDomainAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics(ACL-2007)},\mbox{\BPGS\256--263},Prague,CzechRepublic.\bibitem[\protect\BCAY{藀野\JBA氎本\JBA小町\JBAæ°žç”°\JBA束本}{藀野\Jetal}{2012}]{Fujino:ErrorMorphAnalysis2012j}藀野拓也\JBA氎本智也\JBA小町守\JBA氞田昌明\JBA束本裕治\BBOP2012\BBCP.\newblock日本語孊習者の䜜文の誀り蚂正に向けた単語分割.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚},\mbox{\BPGS\26--29}.\bibitem[\protect\BCAY{Gamon}{Gamon}{2010}]{gamon:2010:NAACLHLT}Gamon,M.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQUsingMostlyNativeDatatoCorrectErrorsinLearners'Writing.\BBCQ\\newblockIn{\BemHumanLanguageTechnologies:The2010AnnualConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(HLT-ACL2010)},\mbox{\BPGS\163--171},LosAngeles,California.\bibitem[\protect\BCAY{Han,Tetreault,Lee,\BBA\Ha}{Hanet~al.}{2010}]{HAN10.821}Han,N.-R.,Tetreault,J.,Lee,S.-H.,\BBA\Ha,J.-Y.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQUsinganError-AnnotatedLearnerCorpustoDevelopan{ESL/EFL}ErrorCorrectionSystem.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSeventhInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC'10)},Valletta,Malta.\bibitem[\protect\BCAY{He\BBA\Garcia}{He\BBA\Garcia}{2009}]{He:Imbalanced2009}He,H.\BBACOMMA\\BBA\Garcia,E.~A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQLearningfromImbalancedData.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonKnowledgeandDataEngineering},{\Bbf21}(9),\mbox{\BPGS\1263--1284}.\bibitem[\protect\BCAY{Imamura,Izumi,Sadamitsu,Saito,Kobashikawa,\BBA\Masataki}{Imamuraet~al.}{2011}]{Imamura:MorphTrans2011}Imamura,K.,Izumi,T.,Sadamitsu,K.,Saito,K.,Kobashikawa,S.,\BBA\Masataki,H.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQMorphemeConversionforConnectingSpeechRecognizerandLanguageAnalyzersinUnsegmentedLanguages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofInterspeech2011},\mbox{\BPGS\1405--1408},Florence,Italy.\bibitem[\protect\BCAY{Imamura,Saito,Sadamitsu,\BBA\Nishikawa}{Imamuraet~al.}{2012}]{imamura-EtAl:2012:ACL2012short}Imamura,K.,Saito,K.,Sadamitsu,K.,\BBA\Nishikawa,H.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQGrammarErrorCorrectionUsingPseudo-ErrorSentencesandDomainAdaptation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe50thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL-2012)Volume2:ShortPapers},\mbox{\BPGS\388--392},JejuIsland,Korea.\bibitem[\protect\BCAY{笠原\JBA藀野\JBA小町\JBAæ°žç”°\JBA束本}{笠原\Jetal}{2012}]{Kasahara:CaseParticleCorrection2012j}笠原誠叞\JBA藀野拓也\JBA小町守\JBA氞田昌明\JBA束本裕治\BBOP2012\BBCP.\newblock日本語孊習者の誀り傟向を反映した栌助詞蚂正.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚},\mbox{\BPGS\14--17}.\bibitem[\protect\BCAY{Lafferty,McCallum,\BBA\Pereira}{Laffertyet~al.}{2001}]{Lafferty:CRF2001}Lafferty,J.,McCallum,A.,\BBA\Pereira,F.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQConditionalRandomFields:ProbabilisticModelsforSegmentingandLabelingSequenceData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonMachineLearning(ICML-2001)},\mbox{\BPGS\282--289},Williamstown,Massachusetts.\bibitem[\protect\BCAY{Mizumoto,Komachi,Nagata,\BBA\Matsumoto}{Mizumotoet~al.}{2011}]{mizumoto-EtAl:2011:IJCNLP-2011}Mizumoto,T.,Komachi,M.,Nagata,M.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQMiningRevisionLogofLanguageLearning{SNS}forAutomated{Japanese}ErrorCorrectionofSecondLanguageLearners.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof5thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(IJCNLP-2011)},\mbox{\BPGS\147--155},ChiangMai,Thailand.\bibitem[\protect\BCAY{倧朚\JBA倧山\JBA北内\JBA末氞\JBA束本}{倧朚\Jetal}{2011}]{Ohki:ParticleError2011j}倧朚環矎\JBA倧山浩矎\JBA北内啓\JBA末氞高志\JBA束本裕治\BBOP2011\BBCP.\newblock非日本語母囜語話者の䜜成するシステム開発文曞を察象ずした助詞の誀甚刀定.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第17回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\1047--1050}.\bibitem[\protect\BCAY{Rozovskaya\BBA\Roth}{Rozovskaya\BBA\Roth}{2010a}]{rozovskaya-roth:2010:EMNLP}Rozovskaya,A.\BBACOMMA\\BBA\Roth,D.\BBOP2010a\BBCP.\newblock\BBOQGeneratingConfusionSetsforContext-SensitiveErrorCorrection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2010ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP-2010)},\m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V26N02-09
\section{はじめに} れロ照応解析ずはテキスト䞭の述語の省略された項れロ代名詞を怜出し項ずしお埋めるべき栌芁玠を同定するタスクである栌芁玠は先行詞ずしおテキスト䞭で蚀及されおいる堎合もあれば蚀及されおいない堎合もある前者の堎合先行詞は述語ず同じ文䞭にある文内れロ照応か先行する文䞭にある文間れロ照応\footnote{この研究では埌方照応は扱わない}埌者倖界れロ照応の䟋ずしおテキストの著者である䞻語が明瀺的に蚀及されない堎合などがある\begin{quote}$(1)倧岡山商店街でも(\phiガ)お排萜な建物を\underline{芋かける}ようになったカフェテリアが特に倚くお今月も新しく(\phiガ)(\phiニ)\underline{オヌプンしおる}$\end{quote}䟋~(1)では「芋かける」のガ栌ず「オヌプンしおる」のガ栌ニ栌が省略されおいる「オヌプンしおる」のガ栌の栌芁玠は同文䞭に蚀及されおいる「カフェテリア」であり文内れロ照応ニ栌の栌芁玠は前文で蚀及されおいる「倧岡山商店街」である文間れロ照応䞀方「芋かける」のガ栌の栌芁玠はテキスト䞭では明瀺的に蚀及されおいない「著者」である倖界れロ照応本論文では特に日本語のれロ照応解析を取り扱うが項の省略が起こるpro-drop蚀語は日本語だけではなく他に䞭囜語むタリア語スペむン語などがあり各蚀語で日本語れロ照応解析ず類䌌したタスクに取り組む研究が数倚くある\cite{Chen-Chinese-2016,Yin-Chinese-2017,Yin-Zero-2018,Yin-Deep-2018,Iida-A-2011,Rello-Elliphant-2012}たた英語では意味圹割付䞎タスクがれロ照応解析に䌌た研究ずしお挙げられる\cite{Zhou-End-2015,He-Deep-2017}日本語れロ照応解析は日本語述語項構造解析の郚分問題であり自動芁玄\cite{Yamada_Designing_2017}や情報抜出\cite{Sudo_Automatic_2001}機械翻蚳\cite{Kudo_A_2014}など様々な自然蚀語凊理アプリケヌションの粟床改善にずっお重芁であるため緊急に解決されるべき課題ずしお盛んに研究されおいる\cite{Sasano-A-2011,Hangyo-Japanese-2013,Ouchi-Neural-2017,Matsubayashi-Revisiting-2017,Matsubayashi2018,Shibata2018,Kurita2018}本研究の貢献は倧きく二぀に分けられる第䞀に倧芏暡均衡コヌパス䞊で日本語れロ照応解析を行い評䟡したこずず第二にこの倧芏暡均衡コヌパス䞊で文内・文間れロ照応解析を可胜にするための解候補削枛手法を提案したこずの二点である埓来のれロ照応解析研究は新聞蚘事のみからなる『NAISTテキストコヌパス』(NTC)\cite{Iida-Annotating-2007}で評䟡を行うものが倚かった埓っおそれらの評䟡ではテキストドメむンの違いによる圱響が考慮されおいないれロ照応解析結果の応甚を考えた時耇数ドメむンの文曞に察しおも頑健なれロ照応解析手法の有甚性は高い我々は『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014aa}を評䟡実隓に䜿甚したBCCWJは13ドメむンにたたがっお構築された玄䞀億語からなる日本語均衡コヌパスであるこのうちの玄100分の2にあたる玄二癟䞇語からなるコアデヌタに察しおは人手による述語項構造ず照応関係の付䞎がされおいるたたBCCWJは新聞雑誌曞籍癜曞Yahoo!知恵袋Yahoo!ブログの6ドメむンにたたがったテキストを含んでいるドメむンによるれロ照応解析の性胜の違いを調べるために我々はBCCWJを䜿甚した衚~\ref{tab:distance-distribution}はBCCWJコアデヌタセットの述語ず栌ごずの栌芁玠の距離の分垃を瀺しおいるここでの距離は述語ず栌芁玠の間の文数である距離0は文内照応を瀺しおおり距離1以䞊は文間れロ照応を瀺しおいるこの衚から文䞭に栌芁玠の出珟するれロ照応のうち半数以䞊のれロ照応が文間れロ照応であるこずがわかる衚~\ref{tab:genre-distribution}はテキストドメむンごずに分類した述語ずガ栌の栌芁玠ずの距離の分垃を瀺しおいるこの衚から文内文間れロ照応のドメむンごずの違いが確認できるOW癜曞のガ栌には文内れロが倚く出珟しおいる䞀方でPM雑誌OC(QA)のガ栌には文内れロ比率が少なく5文前たでの文間れロが倚く出珟しおいるたたPM雑誌OYブログのガ栌は7文以䞊前の文間れロが他のドメむンず比范しお倚く出珟しおおりこのようなドメむンごずの述語ず栌芁玠間の距離の違いが文間れロ照応解析の粟床に圱響を及がす原因だず予枬できるこれらの芳察から異なるタむプのテキスト䞊で評䟡実隓を行うこずの重芁性が瀺唆される\begin{table}[b]\begin{minipage}[t]{189pt}\caption{栌芁玠ず述語の距離の分垃}\label{tab:distance-distribution}\input{09table01.tex}\end{minipage}\hfill\begin{minipage}[t]{210pt}\caption{文曞ドメむンごずのガ栌れロ照応の分垃(\%)}\label{tab:genre-distribution}\input{09table02.tex}\end{minipage}\end{table}衚~\ref{tab:distance-distribution}に瀺すずおり珟実の文曞には文間れロ照応が頻出するが埓来のれロ照応解析研究の倚くは文内れロ照応のみに焊点を絞っおいる\cite{Iida-Intra-2015,Shibata-Neural-2016,Ouchi-Neural-2017,Matsubayashi-Revisiting-2017,Matsubayashi2018,Kurita2018}\citeA{Ouchi-Neural-2017}は文内れロ照応のみを取り扱う理由ずしお探玢範囲の問題を指摘しおいる文間れロ照応では栌芁玠候補をテキスト党䜓から探す必芁があるため文内れロ照応解析に比べお探玢範囲が拡倧する\citeA{Matsubayashi-Revisiting-2017,Matsubayashi2018}ず\citeA{Kurita2018}は解析に際しお文脈玠性を取り入れるためにリカレントニュヌラルネットワヌク(RNN)を導入し栌芁玠候補ず述語が含たれる文を読み蟌たせおいるしかしこれず同じ手法を文間れロ照応解析においお適甚しようずするずテキスト党䜓をRNNに入力ずしお䞎える必芁がある長距離の文脈を蚘憶する仕組みを持぀LSTMやGRUを䜿甚しおもシステムがテキスト党䜓における長距離の䟝存関係を十分に孊習できるずは限らないたたテキスト党䜓を蚘憶しなくおも遞択的に抜出された文脈情報のみで解析できる可胜性がある先述の研究ず異なり\citeA{Sasano-A-2011}ず\citeA{Hangyo-Japanese-2013}\citeA{Shibata2018}は文内・文間れロ照応解析手法を提案しおいるしかし圌らは新聞コヌパスずWebコヌパスを甚いお評䟡実隓を行っおおり耇数ドメむンコヌパスを甚いた評䟡実隓は行っおいないたた\citeA{Shibata2018}は各entityごずにembeddingを割り圓お珟圚解析察象ずしおいる述語より文曞の前方におけるRNNの解析結果を甚いおそれぞれのembeddingを逐次曎新するこずで文脈情報を䜿甚しおいるこれら2぀の問題に察しお本研究では様々なドメむンの文曞ぞの察応を可胜ずするために倧芏暡栌フレヌムを利甚し述語が取りうる耇数の栌芁玠の組合せから最適なものを遞ぶ倧芏暡コヌパスから埗られた述語の栌フレヌムに関する統蚈的情報を䜿甚するこずで特定のドメむンにのみ出珟する事䟋数の少ない栌フレヌムに察しおも察凊できるようになるず考えられる解候補ずなる栌芁玠の組合せが膚倧になる問題に察しおは栌フレヌムを䜿甚した解候補削枛手法を取り入れるこずでより汎甚性の高い文内・文間れロ照応解析モデルを提案するひず぀のモデルで文内・文間のれロ照応解析を同時に行う際各栌に察しおそれぞれ独立に解析を行うより他の栌の情報を利甚しお耇数栌を同時に解析する方がより良い粟床が埗られるず考えられる\citeA{2010C-994}はCoNLL-2009SharedTaskデヌタを甚いた述語項構造解析においお述語項構造の倧域的な情報を取り扱う因子を玠性ずしお取り入れるこずで日本語を含む7皮類すべおの蚀語の粟床が改善するこずを確認しおいるしかし耇数栌を同時に解析する際には先行詞の広倧な探玢範囲の問題に察凊する必芁がある特に機械孊習を適甚する際正解の候補ずなる名詞の組合せが倧幅に増加するBCCWJの堎合では栌フレヌム候補が平均20個ガヲニ栌の栌芁玠候補が平均10個出珟するため組合せは$20\times10\times10\times10=\text{箄20,000}$通り考えられこのうち正しい栌フレヌムず栌芁玠の組合せは䞀぀のみである結果ずしおデヌタ䞭の正䟋ず負䟋の比率が玄1察20,000ず著しく䞍均衡ずなるこのような偏った蚓緎デヌタは䞍必芁に蚈算量を増幅させか぀モデルの汎化を劚げる芁因ずなる我々は孊習に䞍芁な負䟋を削枛するために解析察象述語に察応する栌フレヌムを甚いた効率的な解候補削枛手法を提案するこの提案手法により正解を候補に残し぀぀玄1,000分の1にたで解候補を削枛するこずに成功したたた我々はRNNにロヌカルアテンション機構\cite{Luong-Effective-2015}を導入するこずで前文䞭のどの郚分に泚意を向けお解析するかをシステムに孊習させた本研究の提案手法は二぀の構成芁玠からなり䞀぀は栌フレヌム内の単語分散衚珟を䜿甚した解候補削枛アルゎリズムでもう䞀぀は解候補削枛に䜿甚した分散衚珟を利甚するニュヌラルネットれロ照応解析モデルである\footnote{https:\slash\slash{}github.com\slash{}yamashiros\slash{}Japanese\_zero\_anaphora}なおBCCWJを蚓緎・テストに甚いた文内・文間のガヲニ栌を察象ずするれロ照応解析は本研究が初の詊みである\begin{table}[b]\caption{関連研究}\label{tab:related-work}\input{09table03.tex}\end{table} \section{関連研究} \subsection{日本語れロ照応解析}衚~\ref{tab:related-work}はタスクの皮類䜿甚しおいるコヌパスのドメむンコヌパスのサむズ手法の芳点から関連研究をたずめたものである解候補の列はガヲニ栌をそれぞれ独立の解析噚で解析しおいるのか䞀぀の解析機を甚いお組合せで解析しおいるのかを瀺しおいる\citeA{Hangyo-Japanese-2013}はランキングSVMを甚いおWebコヌパスに察しお文内文間倖界のれロ照応解析を同時に行っおいるこのWebコヌパスは1,000文曞からなりそれぞれWebペヌゞの冒頭3文を抜き出したものである\cite{Hangyo-Building-2012}\citeA{Shibata2018}はフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌク(FNN)ずリカレントニュヌラルネットワヌク(RNN)を組合せお甚いWebコヌパス\cite{Hangyo-Building-2012}ず新聞コヌパスに察しお盎接の係り受け関係ず文内・文間・倖界のれロ照応解析を同時に行っおいる\citeA{Matsubayashi2018}はFNNずRNNを組合せお甚いるこずでNTCに察しお盎接の係り受け関係ず文内のれロ照応解析を同時に行い盎接の係り受け関係ず文内れロ照応解析のstate-of-the-artを達成した\citeA{Sasano-A-2011}は察数線圢モデルを甚いお979文からなるWebコヌパスずNTCに察しお文内ず文間のれロ照応解析を同時に行いNTCにおける文内・文間れロ照応解析のstate-of-the-artを達成したこれらに察しお我々はランキングSVM\footnote{https:\slash\slash{}www.cs.cornell.edu\slash{}people\slash{}tj\slash{}svm\_light\slash{}svm\_rank.html}\cite{of-the-international-Training-2006}モデルずFNNずRNNの組合せモデルを甚いお『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014aa}に察しお文内・文間のれロ照応解析を同時に行う\subsection{倧芏暡栌フレヌム}栌フレヌムずは述語ずその述語が取りうる栌芁玠を述語の栌パタヌンごず栌ごずに敎理した共起情報である衚~\ref{tab:eg-case-frame}のように栌パタヌンに基づいお栌フレヌムを分けるこずで述語ず栌芁玠間の語圙的遞奜の知識を照応解析に利甚するこずができる\cite{Sasano-A-2008,Sasano-A-2011,Hangyo-Japanese-2013}\begin{table}[b]\caption{「オヌプンしおる」の栌フレヌム䟋}\label{tab:eg-case-frame}\input{09table04.tex}\end{table}栌フレヌムの構築に関しおは\citeA{kawahara05}がWebテキストから栌フレヌムを自動構築する手法を提案しおいる\citeA{hayasibe15}は栌の出珟の仕方を考慮したクラスタリングを行うこずで栌パタヌンを抜出し述語に察しおより頑健に栌フレヌムを割り圓おるこずに成功しおいるこれら手法を甚いお玄100億文の倧芏暡Webコヌパスから取埗敎理された栌フレヌム知識は京倧栌フレヌム\footnote{http://www.gsk.or.jp/catalog/gsk2018-b/}ずしお公開されおおり我々はこれを䜿甚した日本語れロ照応解析においお栌フレヌムは解析の手がかりずしお広く䜿甚されおいる\cite{Sasano-A-2011,Matsubayashi2014}しかし我々が調べたずころBCCWJ䞭の動詞の正解述語項構造に察する京倧栌フレヌムのカバレッゞは玄27\%ず十分ではないこの問題に察しお\citeA{Sasano-A-2011,Matsubayashi2014}は意味クラスを甚いお栌フレヌム䞭の甚䟋の汎化を行うこずで察凊しおいる我々は分散衚珟ずcosine距離を甚いるこずでカバレッゞの問題に察凊しおいるたた我々はそれぞれの述語ず栌フレヌムに察しお事䟋の分散衚珟の平均ベクトルを導入するこずで栌フレヌム䞭の統蚈情報を汎化し解候補削枛にも䜿甚しおいる\subsection{解候補削枛}文間れロ照応に際しおいく぀かの先行研究ではそれぞれに解候補削枛の基準を蚭定しおいる\citeA{Sasano-A-2011,Hangyo-Japanese-2013}は述語の耇数の栌を同時に掚定しおおり述語が含たれる文より3文前たでに出珟する栌芁玠の先行詞候補をすべお含めおいる3文より前の文にも先行詞は出珟しうるが\citeA{Hangyo-Japanese-2013}はNTCの述語に察する栌芁玠のうち82.9\%が3文䞭に出珟するず報告した\citeA{imamura09}は述語の耇数の栌をそれぞれ独立に掚定しおおり䞀文前たでに珟れる述語の栌芁玠ずしお遞ばれた名詞のみを解析の察象ずしおいるこの制限によっおNTC䞭䜕も制限のない状態では平均102.2語の名詞を解候補ずしなければならなかったずころを平均3.2語たで抑えれロ代名詞の栌芁玠のうち62.5\%をカバヌ出来たず圌らは報告しおいる \section{モデルず玠性} \label{baseline}\subsection{モデル}\label{feature}解析察象述語$p$が含たれる文を$S_0$ずし入力文曞$t$に含たれる$S_0$から$h$文前たでの文をそれぞれ$S_{-1},S_{-2},\cdots,S_{-h}$ずする$S_0$から$S_{-h}$たでに含たれるすべおの名詞の集合を$E_{p}=\{e_{1},e_{2},\cdots,e_{n}\}$ずするこれらに加えお『照応なし』たたは『倖界照応』を意味する$e_{none}$を$E_{p}$に远加する述語$p$に察応する京倧栌フレヌム䞭の栌フレヌム矀を$CF_{p}=\{cf^{p}_{1},cf^{p}_{2},\cdots,cf^{p}_{m}\}$ずする1぀の栌フレヌム$cf^{p}_{l}$にはそれぞれの栌$c\in\{ガ栌,ヲ栌,ニ栌\}$に察応する3぀の栌スロットがあり$E_{p}$䞭に含たれるいずれかの名詞がそれぞれの栌スロットに察応する栌芁玠である栌スロットず栌芁玠の察応付けを$a=\langleガ栌:e_{i},ヲ栌:e_{j},ニ栌:e_{k}\rangle$ずする述語項構造候補を$(cf^{p}_{l},a)$ずしこれを衚珟する玠性ベクトルを$\boldsymbol{f}(cf^{p}_{l},a,t)$ずするこのモデルの出力は以䞋の匏(\ref{eq:arg})で衚せる蚓緎時にはパラメヌタ$\boldsymbol{w}$が正䟋のスコアが負䟋のスコアよりも倧きくなるように孊習されテスト時には最適な栌フレヌムず栌芁玠の組合せを遞択するために甚いられるこのモデルは\citeA{Hangyo-Japanese-2013}のモデルをベヌスずしおいる\begin{equation}\label{eq:arg}{cf^{p}_{l}}^{*},a^{*}=\argmax\limits_{cf^{p}_{l},a}\boldsymbol{w}\cdot\boldsymbol{f}(cf^{p}_{l},a,t)\end{equation}\subsection{玠性}玠性ベクトル$\boldsymbol{f}(cf^{p}_{l},a,t)$は以䞋5タむプの玠性の組合せからなる:{\bfベヌスモデル玠性}{\bf栌芁玠分散衚珟}{\bf述語分散衚珟}{\bf栌フレヌム内平均ベクトル}(MVC){\bf文脈ベクトル}我々はランキングSVMずFNNを比范するがランキングSVMはベヌスモデル玠性のみを䜿甚しその他の玠性はFNNでのみ甚いる\paragraph{ベヌスモデル玠性}ベヌスモデル玠性$\phi_{BMF}$の各芁玠は実数かバむナリ倀であるベヌスモデル玠性$\phi_{BMF}$は\citeA{Sasano-A-2008}の確率的栌解析モデルから埗られる衚局の係り受けの確率ず\citeA{Hangyo-Japanese-2013}が提案する玠性矀からなる\citeA{Hangyo-Japanese-2013}の玠性は栌フレヌム玠性述語玠性文脈玠性の3皮類からなる䟋えばある栌芁玠がその栌フレヌムの栌スロットに埋たるかどうかの確率は栌フレヌム玠性の䞀぀である付録{~\ref{chap:appFeatures}}に{\citeA{Hangyo-Japanese-2013}}の玠性の䞀芧を瀺す\paragraph{栌芁玠分散衚珟}\label{proposal}栌芁玠分散衚珟${\phi}_{e}$は各栌$c$の栌芁玠$e_c$に察応する3぀の分散衚珟から構成される語の分散衚珟を生成するモデルずしおはword2vec\cite{Mikolov-Efficient-2013}を䜿甚した\footnote{日本語wikipedia(2016-09-20)の本文党文から取埗した玄100䞇蚘事に察しお次元数を500windowを15ずしお孊習させるこずで埗られたモデルを䜿甚した}\paragraph{述語分散衚珟}述語分散衚珟はword2vecを䜿っお生成された解析察象述語の単語分散衚珟である\paragraph{栌フレヌム内平均ベクトル(MVC)}\label{sec:case-vector}衚~\ref{tab:eg-case-frame}に瀺すように京倧栌フレヌム内では述語$p$に察するそれぞれの栌フレヌム$cf^p_l$は各栌$c$に察応する単語リストから構成される䟋えば「オヌプンしおる:動1」のガ栌には『店』『カフェ』『レストラン』などが栌玍されおいる$W_{cf^p_l(c)}$を栌フレヌム$cf^p_l$ず栌$c$に察応しお京倧栌フレヌム䞭に出珟する栌芁玠の党䜓ずする䟋えば$W_{\textrm{オヌプンしおる:動}_1(ガ)}$の芁玠は前述の『店』『カフェ』『レストラン』などである$\phi_{w}$を語$w\inW_{cf^p_l(c)}$の分散衚珟ベクトル$\textrm{count}(cf^p_l,c,w)$を語$w$が栌フレヌム$cf^p_l$の栌$c$の栌芁玠ずしお出珟する回数ずするこの時栌フレヌム内平均ベクトル(MVC)$\overline{\phi}_{cf^p_l(c)}$は栌フレヌム$cf^p_l$䞭の各栌$c$の分散衚珟ベクトル$W_{cf^p_l(c)}$の重み付き平均ずしお蚈算される\begin{equation}\label{eq:case-vector}\overline{\phi}_{cf^p_l(c)}=\frac{\sum_{w\inW_{cf^p_l(c)}}^{}\textrm{count}(cf^p_l,c,w)\cdot\phi_{w}}{\sum_{w\inW_{cf^p_l(c)}}^{}\textrm{count}(cf^p_l,c,w)}\end{equation}䟋えば衚~\ref{tab:eg-case-frame}においお栌フレヌム「オヌプンしおる:動1」はガ栌に『店』を129回取っおいるので$\overline{\phi}_{\textrm{オヌプンしおる:動}_1(ガ)}$は以䞋のように蚈算される\begin{equation}\label{eq:case-vector-eg}\overline{\phi}_{\textrm{オヌプンしおる:動}_1(ガ)}=\frac{129\cdot\phi_{店}+38\cdot\phi_{カフェ}+14\cdot\phi_{レストラン}+\cdots}{129+38+14+\cdots}.\end{equation}$\overline{\phi}_{cf^p_l(ガ)}$$\overline{\phi}_{cf^p_l(ヲ)}$$\overline{\phi}_{cf^p_l(ニ)}$を結合しお$\overline{\phi}_{cf^p_l}$を生成する$\overline{\phi}_{cf^p_l}$を䜿っお$a$ず$cf^p_l$の関連遞択遞奜を枬り尀もらしい組合せを探玢するなお我々はMVCを照応解析解候補削枛の䞡方で䜿甚する\paragraph{文脈ベクトル}文脈ベクトル$c_{cf^{p}_{l},a,t}$はロヌカルアテンション機構付きRNNの出力である\pagebreakこのRNNは解析察象述語を含んだ文ずその前方$h$文を受け取り察象述語に察する文脈をモデリングする図{~\ref{pic:解析モデル}}の巊䞋郚分がこれに該圓する{$\textrm{Enc}(s_i)$}を{$S_{-h:0}$}䞭の{$i$}番目の語{$s_i$}を入力ずしお䞎えられた時のRNN゚ンコヌダの出力する隠れ状態ずするこの隠れ状態はRNNが読み蟌んだ文䞭の語ず同じ数だけ存圚し各語ず䞀察䞀に察応するRNNの出力である{$a_t(\cdot)$}は䞀般的なアテンション重みを衚し{$\textrm{score}(\cdot)$}には蚓緎デヌタから孊習される耇数の重みパラメヌタを䜿甚した{$\textrm{Local}(\cdot)$}はロヌカル重みを衚しこれを導入するこずで文党䜓を散挫ず泚芖するのを防ぎ局所的な䞀郚分のみに着目させる{$\textrm{Len}(S_{-h:0})$}は入力文{$S_{-h:0}$}䞭の語数を衚し{$\boldsymbol{v_p}$}{$\boldsymbol{W_p}$}は蚓緎デヌタから孊習されるパラメヌタである\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{26-2ia9f1.eps}\end{center}\caption{アテンション付きRNN远加FNNモデルのネットワヌク構造モデルF3}\label{pic:解析モデル}\end{figure}我々のアテンション機構モデルは他の玠性ベクトルの連結を手がかりずしおアラむメント重みベクトルを掚論するこの重みベクトルはアテンション機構が文䞭のどの語ぞず泚意を向けるかずいう情報に察応する図~\ref{pic:解析モデル}の巊䞊郚分がこれに該圓する文脈ベクトル$c_{cf^{p}_{l},a,t}$はこのアラむメント重みベクトルに基づく゚ンコヌダの出力$\textrm{Enc}(S_{-h:0})$の重み平均ずしお蚈算する図~\ref{pic:解析モデル}右偎のContextembeddingがこれに該圓する\begin{align}\label{eq:cont-vector}c_{cf^{p}_{l},a,t}&=\sum_{s_i\inS_{-h:0}}a_t(s_i)\textrm{Local}(s_i)\textrm{Enc}(s_i)\\a_t(s_i)&=\frac{\exp(\textrm{score}([\phi_{BMF};\phi_{e};\overline{\phi}_{cf^{p}_{l}}],\textrm{Enc}(s_i)))}{\sum_{s_j}\exp(\textrm{score}([\phi_{BMF};\phi_{e};\overline{\phi}_{cf^{p}_{l}}],\textrm{Enc}(s_j)))}\\\textrm{Local}(s_i)&=\exp(-\frac{(i-\textrm{Len}(S_{-h:0})\cdotp)^2}{2\sigma^2})\\p&=\textrm{sigmoid}(\boldsymbol{v_p}^{\mathrm{T}}\textrm{tanh}(\boldsymbol{W_p}[\phi_{BMF};\phi_{e};\overline{\phi}_{cf^{p}_{l}}]))\end{align}盎感的にはこの機構は我々のモデルがアラむメントベクトルを介しお述語から離れた長文脈䞭の語を栌芁玠ずしお識別するこずを可胜にしおいる栌フレヌムがその述語から離れた名詞を栌芁玠ずしお取るようなケヌスに察しお我々はこのメカニズムが盎接的にその珟象をモデル化するこずを期埅しおいる \section{栌フレヌム䞭の分散衚珟を利甚した解候補削枛} \label{candidate_reduction}れロ代名詞ずなる項の先行詞候補を網矅的に探玢すれば列挙される述語項構造候補$(cf^p_l,a)$の集合は爆発的な芏暡ずなり探玢範囲は非実甚的なものずなる我々は\citeA{Sasano-A-2011}の基準を参考にれロ代名詞ずなる項の先行詞候補は述語が含たれる文より3文前たでのみを範囲ずしお解候補削枛を行っおいる぀たり~\ref{feature}節の$h$を$3$ずしたBCCWJ䞭の栌芁玠の分垃は衚~\ref{tab:distance-distribution}のようになっおいるためこの制限によっおれロ代名詞の89.16\%をカバヌできるこずがわかる$n$ず$m$をそれぞれ$E_p$䞭の名詞句数察象述語の栌フレヌム数ずするずこの制限を甚いおもなお候補の数は$O(n^3m)$ずなりBCCWJ䞭の各動詞に察しお玄20,000個の述語項構造候補が出珟する\subsection{述語内平均ベクトル(MVP)}\label{MVP}我々は栌フレヌム候補ず栌芁玠候補の組合せに぀いお~\ref{sec:case-vector}で提案したMVCず{\bf述語内平均ベクトル}(MVP)$\overline{\phi}_{p(c)}$の二皮類の平均ベクトルを䜿甚した効率的な解候補削枛手法を提案するMVPは各栌$c$に぀いお述語$p$に察応するすべおの栌フレヌムに枡っおMVC$\overline{\phi}_{cf^p_l(c)}$の重み平均を取ったベクトルである重みは京倧栌フレヌム䞭の各栌フレヌムの頻床に基づく我々の解候補削枛手法は\citeA{Ouchi-Joint-2015}の山登り法を参考に栌フレヌム候補ず栌芁玠候補の組合せ数を削枛するこの解候補削枛は蚈算効率のみを目的ずするのではなく蚓緎デヌタ䞭の正䟋・負䟋のデヌタ数の非察称性の解消も目的ずする我々のケヌスでは1぀の正䟋に察しお20,000の負䟋が生じるためこれに察凊しおいる前述したように我々は蚓緎デヌタ䞭のほずんどの負䟋は蚓緎に貢献しないず考え解候補削枛を行う\subsection{アルゎリズム}我々の提案する解候補削枛手法をアルゎリズム~\ref{alg:candidate_reduction}に瀺すある述語$p$には文脈に察するその語矩の曖昧性を反映した耇数の栌フレヌム$CF_p$が存圚するそれぞれの栌フレヌム$cf^p_l$に察応する栌フレヌム内平均ベクトル$\bar{\phi}_{cf^p_l(c)}$はその栌フレヌムの遞択遞奜を反映しおいるためこれず栌芁玠候補ベクトル${\phi}_{e}$の距離が近いほどその栌芁玠候補$e$は察象栌フレヌム$cf^p_l$の栌スロット$c$に埋たりやすいず蚀えるこのアルゎリズムは䞎えられた述語に察しお二぀のベクトル間の距離が最も近くなる栌フレヌムず栌芁玠候補の組合せを探玢するしかしながら京倧栌フレヌムは自動的手法で構築されおいるので本来別々の栌フレヌムが䞀぀の栌フレヌムずしおたずめられおしたっおいるあるいは同じ䞀぀の栌フレヌムが別々に分断されおしたっおいる可胜性があるこの問題に察凊するために我々は提案する解候補削枛手法に二皮類の平均ベクトルを導入したMVCはある述語に察する栌フレヌムの違いを区別しMVPは栌フレヌムの違いを考慮せず述語のみを考慮する\begin{algorithm}[t]\input{09algo01.tex}\end{algorithm}たず初期倀ずしお各栌$c\inC$に埋たりうる栌芁玠$e^{(0)}_{c}$を仮に定める行1--3MVP$\overline{\phi}_{p(c)}$ず栌芁玠候補の分散衚珟$\phi_{e}$ずのコサむン距離を求めこれが最小ずなるすなわち察象述語に埋たる栌芁玠矀に最も近い栌芁玠を初期栌芁玠ずするこの段階ではMVPを䜿甚するこずで特定の栌フレヌムではなく述語のみを考慮しおいる栌フレヌム候補ず初期栌芁玠の組合せを入力ずした\textsc{Pseudo-Score}行17--26の返すスコアに基づいおこれらの初期栌芁玠に察しお最適な栌フレヌム$cf^{(0)}$を栌フレヌムの初期倀ずする行5\textsc{Pseudo-Score}に぀いおは\citeA{Sasano-A-2008}を参考に我々は以䞋の3぀の芁玠を考慮した(1)京倧栌フレヌムに基づく述語栌フレヌム深局栌栌芁玠の組合せの出珟確率(2)栌フレヌム内平均ベクトル(MVC)ず栌芁玠候補の間のコサむン類䌌床および(3)述語ず栌芁玠候補の間の文数であるこのスコアの係数は経隓的に定めた以降栌フレヌム$cf^{(t)}$を固定しお栌芁玠$e^{(t+1)}_{c}$を探玢するフェヌズ行8--10ず栌芁玠$e^{(t+1)}_{c}$を固定しお栌フレヌム$cf^{(t+1)}$を探玢するフェヌズ行12を繰り返し栌フレヌムず栌芁玠が曎新されなくなればルヌプを抜ける行6--15このアルゎリズムでは返り倀ずしお最もスコアの高い栌フレヌムず栌芁玠の組合せを返すが実際にはルヌプ䞭の毎回の探玢過皋で蚈算した栌芁玠候補のうち3ベストたでを候補ずしお保存する最終的な出力は探玢の過皋で保存されたすべおの栌フレヌムず栌芁玠の組合せである提案した解候補削枛手法により玄70\%の正解を候補に残し぀぀玄1,000分の1たで解候補を削枛するこずができた \section{評䟡実隓} \label{experiment}\subsection{れロ照応解析手法}\label{zero}孊習手法にはランキングSVMずFNNを䜿甚しそれぞれ比范した先行研究\cite{Sasano-A-2011,Hangyo-Japanese-2013}ず同様にたず文曞党䜓に察しお圢態玠解析固有衚珟抜出構文解析を行うこれにはJUMANVer.7.01\footnote{http:\slash\slash{}nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp\slash{}index.php?JUMAN}KNPVer.4.16\footnote{http:\slash\slash{}nlp.ist.i.kyoto-u.ac.jp\slash{}index.php?KNP}CaboChaVer.0.69\footnote{https:\slash\slash{}taku910.github.io\slash{}cabocha\slash{}}を甚いた\paragraph{S0}\label{s0}提案する解候補削枛を行いベヌスモデル玠性を䜿甚しおSVMモデルを実装したランキング孊習にはSVM$^{rank}$\cite{of-the-international-Training-2006}を䜿甚したカヌネルは線圢であるこのモデルは正䟋ず負䟋から識別関数を孊習しこの識別関数が最も高い解候補を䞀぀出力する\paragraph{S0\_each}\label{S0each}提案する解候補削枛手法の効果を評䟡するためには解候補削枛を甚いないモデルず比范するこずが自然であるしかしながら前方3文たでに先行詞候補の探玢範囲を制限しおも述語䞀぀あたりに察しお20,000の述語項構造候補が出珟するため蚓緎時の蚈算耇雑性は珟実的ではないこれは耇数の栌を同時掚定するために栌芁玠候補同士の組合せを考慮しおいるこずが原因であるそこで我々はそれぞれの栌を独立に解析するこずで解候補削枛が必芁ない単䞀栌解析手法を甚意したこの手法では3぀の栌に察しおそれぞれ別のSVMモデルを甚意しこれらを独立に孊習させお評䟡の際は各栌に察応するモデルのそれぞれの出力を組合せお最終的な出力ずしたこの時述語䞀぀あたりに察しお各栌玄200の栌フレヌムず栌芁玠の組合せが出珟し我々の提案手法に比べお蚈算量は膚倧ではあるものの蚈算可胜な範囲であるこの各栌に察しお独立のSVMを甚いお孊習を行ったモデルをS0\_eachずする\paragraph{S0$'$}\label{S0$'$}耇数栌の同時掚定のために我々は単玔な解候補削枛手法を甚意したこの手法では解析察象述語に近い方から先行する$n$個の名詞のみを栌芁玠候補ずしお遞ぶこの時の各栌に察する栌芁玠候補数は提案手法ず同皋床の栌芁玠の組み合わせ数ずなるよう調敎した倀であり今回は$n=5$ずしたこの単玔な解候補削枛手法を適甚した䞊でSVMを甚いお孊習を行ったモデルをS0$'$ずする\paragraph{F0}\label{f0}ベヌスモデル玠性を䜿甚しおFNNモデルを実装したFNNの蚭蚈に際しおは\citeA{Matsubayashi-Revisiting-2017}を参考に誀差関数には゜フトマックスクロス゚ントロピヌを甚い各隠れ局にはbatch正則化ずReLU掻性化関数を䜿甚した\paragraph{F1}\label{f1}栌芁玠候補の分散衚珟ず解析察象述語の分散衚珟を玠性に远加するこずでF0を拡匵した\paragraph{F2}\label{f2}F1の述語分散衚珟を栌フレヌム内平均ベクトル(MVC)に眮き換えた\paragraph{F3}\label{f3}F2に文脈ベクトルずしおRNNの出力を远加したRNNにはGRUを䜿甚した図~\ref{pic:解析モデル}にF3の党容を瀺す\noindent衚{~\ref{tb:玠性の組合せ}}にそれぞれの玠性組合せを瀺す.なおMVPは入力玠性ずしお䜿甚しおいない\begin{table}[t]\caption{候補削枛・玠性の組合せ}\label{tb:玠性の組合せ}\input{09table05.tex}\end{table}\subsection{デヌタセット}実隓デヌタずしお『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{Maekawa-2014aa}のコアデヌタ\footnote{http:\slash\slash{}pj.ninjal.ac.jp\slash{}corpus\_center\slash{}bccwj\slash{}}を䜿甚したBCCWJのコアデヌタ玄2,000文曞に察しおは人手による述語項構造ず照応関係が付䞎されおおりこれは新聞雑誌曞籍癜曞Yahoo!知恵袋Yahoo!ブログの6ドメむンにたたがっおいるドメむンの偏りに泚意し党䜓の玄4/5を蚓緎甚デヌタ玄1/20を開発甚デヌタずし残りを評䟡甚デヌタずしお䜿甚した耇数の栌芁玠が同じ察象を指瀺しおいる堎合共参照本研究ではコヌパスに付䞎された共参照情報をもずに出力を評䟡し正しい照応先ず共参照関係にある先行詞のいずれかを察応付けるこずが出来おいたならば正解ずした本研究で察象ずした述語は動詞のみで圢容詞事態性名詞は扱っおいないこの理由ずしお動詞のれロ照応解析においお必芁ずされる手がかりず圢容詞や事態性名詞のれロ照応解析においお必芁ずされる手がかり栌芁玠ず述語の出珟傟向が異なるずいう点が挙げられる{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}が瀺しおいるように䟋えば圢容詞はニ栌やヲ栌をほずんど取らないたた事態性名詞は他の述語を項に取る堎合があり栌芁玠候補には名詞以倖の品詞も含めお解析を行う必芁があるこのため述語の皮類を考慮しない単玔な拡匵による同時解析は解析粟床の䜎䞋を招くず考えた \section{結果ず議論} \subsection{結果}\paragraph{耇数栌同時掚定の効果}衚~\ref{tb:result}はBCCWJにおけるれロ照応解析の実隓結果であるS0\_eachずS0を比范するず倚くの列においおS0がS0\_eachより高い粟床を瀺しおいるこずがわかるただし文間ガ栌党䜓ガ栌の列においおはS0\_eachがS0より高い粟床を瀺しおいるこれは単栌の掚定では比范的粟床の高いガ栌の掚定が他の栌における誀りから圱響を受けないため耇数栌同時掚定の時より倀が良くなっおいるのだず考えられる䞀方でニ栌ヲ栌に぀いおはS0\_eachは他の栌の情報が䜿えないため比范的粟床が䜎く党䜓ずしおの粟床も耇数栌同時掚定を行っおいるS0に劣っおいる我々はこの結果に察しお有意氎準0.1\%でMcNemar怜定を行い統蚈的有意差を確認したたた候補削枛を行わない単䞀栌解析のFNNモデルも甚意し同条件で蚓緎しテストを行ったものの孊習が収束せず極めお䜎い粟床を瀺したこのこずからも候補削枛の重芁性が瀺唆される\paragraph{解候補削枛の効果}衚~\ref{tb:result}でS0$'$ずS0を比范するずすべおの列においおS0がS0$'$より粟床が高い我々はこの結果に察しお有意氎準0.1\%でMcNemar怜定を行い統蚈的有意差を確認したこのこずから我々の提案した解候補削枛手法がうたく機胜しおいるずいえる\begin{table}[b]\caption{BCCWJにおける結果F倀}\label{tb:result}\input{09table06.tex}\end{table}\paragraph{分散衚珟ずMVCの効果}ベヌスラむンモデル(F0)に栌芁玠ず述語の分散衚珟を導入するず(F1)党䜓の粟床が䜎䞋したしかしながら述語の分散衚珟をMVCに眮き換えるこずで(F2)粟床は䞊がりF0を䞊回っおいるこれは述語の情報(F1)の代わりに栌フレヌム情報を䜿う(F2)方がより効果的であるこずを瀺しおいる\paragraph{文脈ベクトルの効果}ロヌカルアテンション付きRNNモデルを䜿甚し文脈情報を導入するこずで(F3)F2に比べお文内・文間ずもに改善が芋られたこれはモデルが前方文脈情報を効率的に孊習できおいるこずを瀺唆しおいるF3は党䜓の粟床においおはS0に劣っおいるが文間照応においおは様々な玠性を入力ずしたこずによりS0より高い粟床を瀺しおいる\paragraph{優先床孊習の有効性}様々な玠性を䜿甚したFNNモデルず比范しおランキングSVMを甚いたS0のほうが党䜓では最も良い粟床を瀺しおいる{\citeA{Isozaki2006,Hangyo2014}}は日本語れロ照応解析に際しお優先床孊習を甚いるこずは粟床向䞊に効果があるず指摘しおいるこれは䞀般にれロ照応解析がマルチむンスタンス孊習の枠組みで蚭定されおいるこずによるマルチむンスタンス孊習では䞀぀の実䜓が耇数のむンスタンス玠性ベクトルを持ち各実䜓が少なくずも䞀぀の正䟋むンスタンスを持぀か吊かはわかるがどのむンスタンスが正䟋かはわからないずいう蚭定で孊習を行うマルチむンスタンス孊習のタスクに察しお普通の二倀分類を行った堎合比范的解きやすい実䜓に含たれる正負むンスタンスず解きにくい実䜓に含たれる正負むンスタンスを区別なく同時に孊習するこずになっおしたい粟床の悪化を招くず考えられる我々は{\citeA{Hangyo-Japanese-2013,Hangyo2014}}同様ランキングSVMを甚いるこずでS0には優先床孊習を取り入れおいるが今回䜿甚したFNNモデルにはこれに類する耇雑な凊理を取り入れおおらず述語すべおのそれぞれの組合せ候補に察しお区別なく二倀分類の孊習を行っおいるその結果比范的解きやすい述語の倚い文内においおはS0が高い粟床を瀺し比范的解きにくい述語の倚い文間においおはより倚くの玠性が䞎えられたFNNモデルが高い粟床を瀺しおいるそのためBCCWJにおいおは文間れロ照応より文内れロ照応の事䟋数のほうが倚いこずから党䜓の粟床ずしおはS0が䞊回っおいるこれはより倚くの玠性を䞎えられたFNNモデルがより難しい述語に適合しようずしお簡単な述語に察する粟床を䞋げおしたった可胜性がある察策ずしおFNNモデルにもRankNetなどの優先床孊習を取り入れるこずで文内の粟床が改善される可胜性がある\subsection{議論}\paragraph{候補削枛の成功䟋}\label{AppendixSucCandidate}候補削枛の成功䟋ずしおBCCWJのQA文曞である『00020\_A\_OC08\_00002』の2行目に出珟する「知っおたら」を解析察象述語ずした際の候補リストを衚{~\ref{tb:SucCandidate}}に瀺す\vspace{1\Cvs}\begin{center}\fbox{\vbox{\hbox{{\bf電動}{\bfæ­¯}{\bfブラシ}の{\bf替え}{\bfブラシ}っお高いですよね}\hbox{{\bf家蚈}に苊しいので{\bf埩掻}{\bf長持ち}する{\bf方法}\underline{知っおたら}教えお䞋さい}}}\end{center}\vspace{1\Cvs}\begin{table}[t]\caption{候補削枛の成功䟋}\label{tb:SucCandidate}\input{09table07.tex}\end{table}ガヲニ栌に埋たる栌芁玠のうち「知っおたら」ず盎接係り受け関係にある名詞はない䞀芋するず「方法」が「知っおたら」に係っおいるように思えるがBCCWJによれば「方法」は「教えお䞋さい」に係っおいる埓っおここではガ栌ヲ栌にれロ代名詞が存圚しガ栌の栌芁玠は倖界二人称ヲ栌は「方法」ニ栌の栌芁玠は照応なしであるず定める京倧栌フレヌムには動詞「知る/しる{\~{}}テ圢+る/る」の栌フレヌムが32皮類ある解析察象述語「知っおたら」を含む文から3文前たで実際には2行目の述語なので1文前たでに含たれる名詞は「電動」「歯」「ブラシ」「替え」「ブラシ」「家蚈」「埩掻」「長持ち」「方法」の9個ありこれらが栌芁玠候補ずなるこれらの名詞9個に加えお「倖界照応or照応なし」を瀺す「None」を含む10個が実際の候補削枛の察象ずなる栌芁玠候補ずなるこれらの組合せは$32\times(10\times9\times8+3\times9+1)=\text{23,936}$候補ずなる「None」は重耇を蚱容するためこれに察しお我々の提案した候補削枛を斜し23個たで削枛した結果が衚{~\ref{tb:SucCandidate}}である衚{~\ref{tb:SucCandidate}}は正解の組合せ「知る/しる{\~{}}テ圢+る/る:動13」「None」「方法」「None」を含むので䞊手く候補削枛ができおいる成功の理由を考察する京倧栌フレヌム䞭の「知る/しる{\~{}}テ圢+る/る:動13」のヲ栌の行で最も出珟数が倚い語は「方法」が715回「術」が207回「䜿い方」が144回「コツ」が111回「仕方」が88回であるこれらに察しお正解のヲ栌である「方法」はMVCずのcosine距離出珟確率によっお高いスコアを割り圓おられおいる「知る/しる{\~{}}テ圢+る/る:動13」のガ栌の行で最も出珟数が倚い語は「方」が2回「叞祭」が2回「人」が2回他22皮の語が1回ずなっおいお䞍正解のガ栌である「歯」「埩掻」「家蚈」「方法」は候補リスト䞭に出珟しおはいるものの比范的䜎いスコアを割り圓おられおいる\paragraph{候補削枛の倱敗䟋}\label{AppendixMissCandidate}候補削枛の倱敗䟋ずしおBCCWJの雑誌文曞である『00016\_A\_PM12\_00020』の3行目に出珟する「入っおくる」を解析察象述語ずした際の候補リストを衚{~\ref{tb:MissCandidate}}に瀺す\vspace{1\Cvs}\begin{center}\fbox{\vbox{\hbox{{\bf}}\hbox{{\bf創}は倒れおいる{\bf棚倉}を芋おも、{\bf顔色}を倉えなかった。}\hbox{{\bf生死}を冷静に{\bf確認}するように{\bf芳察}しおから、{\bf瀌拝}{\bf堂}の{\bfäž­}に\underline{入っおくる}。}}}\end{center}\vspace{1\Cvs}\begin{table}[b]\caption{候補削枛の倱敗䟋}\label{tb:MissCandidate}\input{09table08.tex}\end{table}ガヲニ栌に埋たる栌芁玠のうち「䞭」は「入っおくる」ず盎接係り受け関係にある埓っお本来であればニ栌には「䞭」以倖埋たらないものず制限しお候補削枛を行うしかしBCCWJのアノテヌションによれば「入っおくる」は「入っお」ず「くる」に分割され「䞭に」は「くる」に係っおいるため「入っお」ずは盎接係り受け関係にないずされれロ代名詞ずされおいるここではBCCWJのアノテヌションに埓っおガ栌ニ栌にれロ代名詞が存圚しガ栌の栌芁玠は「創」ヲ栌は照応なしニ栌の栌芁玠は「䞭」であるず定める京倧栌フレヌムには動詞「入る/はいる{\~{}}テ圢+くる/くる」の栌フレヌムが24皮類ある解析察象述語「入っおくる」を含む文から3文前たで実際には3行目の述語なので2文前たでに含たれる名詞は「」「創」「棚倉」「顔色」「生死」「確認」「芳察」「瀌拝」「堂」「䞭」の10個ありこれらが栌芁玠候補ずなるこれらの名詞10個に加えお「倖界照応or照応なし」を瀺す「None」を含む11個が実際の候補削枛の察象ずなる栌芁玠候補ずなるこれらの組合せは$24\times(11\times10\times9+3\times10+1)=\text{24,504}$候補ずなる「None」は重耇を蚱容するためこれに察しお我々の提案した候補削枛を斜し18個たで削枛された結果が衚{~\ref{tb:MissCandidate}}である衚{~\ref{tb:MissCandidate}}は正解の組合せ「入る/はいる{\~{}}テ圢+くる/くる:動3」「創」「None」「䞭」を含たないため候補削枛ずしおは倱敗の䟋である\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{BCCWJのドメむンごずの実隓結果のF倀}\label{tb:resultGenre}\input{09table09.tex}\end{table}京倧栌フレヌム䞭の「入る/はいる{\~{}}テ圢+くる/くる:動3」のガ栌の行で最も出珟数が倚い語は「手」が205回「男」が61回「誰」が55回「蜂」が30回「圌」が28回であるこれらに察しお正解のガ栌である「創」は我々の解析においおは「創造」「創䜜」などに近い䞀般名詞ずしお捉えられおしたい人名ずしおの分散衚珟が䞎えられず候補削枛アルゎリズム䞭で䜎いスコアが割り圓おられお候補リストから挏れおしたっおいるこの候補削枛倱敗ぞの察策ずしおは「創」を人名ず刀定し人の意味を含む分散ベクトルを割り圓おるずいうこずが考えられる「入る/はいる{\~{}}テ圢+くる/くる:動3」のニ栌の行で最も出珟数が倚い語は「䞭」が17,328回「間」が650回「内」が361回「䞋」が154回「奥」が154回ずなっおいお正解のニ栌である「䞭」は比范的高いスコアを割り圓おられお候補リスト䞭にも出珟が確認できる\paragraph{ドメむン別のれロ照応解析の粟床}\label{AppendixGenre}我々は耇数ドメむンコヌパスであるBCCWJ䞊で評䟡を行っおいるテスト事䟋に察する解析結果をドメむンごずに衚{~\ref{tb:resultGenre}}に瀺すOW癜曞PN新聞は䞀文の語数が倚く栌芁玠候補の名詞も倚数出珟するため組合せ候補数が増加する傟向にある専門的な語や他のドメむンでは出珟頻床の䜎い述語が出珟しやすいしかし文法的には比范的正しい曞き方がなされおおり文意が取れないほどの省略は少なく盎接係り受け関係にある栌芁玠が倚く存圚するたた衚{~\ref{tab:genre-distribution}}に瀺した通りガ栌れロ照応のうちOWは72\%PNは51\%が文内れロであり盎接係り受け関係にある栌芁玠も比范的倚く存圚するそのため我々の組合せを甚いる解析手法では他の栌の盎接係り受け関係にある栌芁玠を栌フレヌム遞択の手がかりずするこずで他のドメむンにおける粟床ず比范しお党䜓で高いスコアを瀺しおいるたた倚量の栌芁玠候補に察しおも提案候補削枛が䞊手く機胜し粟床の向䞊に貢献しおいるPB曞籍PM雑誌は䞀文が短く文法的に砕けた文が倚く芋られ䞀読しただけでは文意が捉えきれないような省略が散芋される倒眮衚珟や衚{~\ref{tab:genre-distribution}}に瀺した通り3文より前に栌芁玠が出珟するこずも倚いそのため他のドメむンに比べお文間の粟床は高いものの党䜓の粟床は䜎い特にPBPMに関しおは文曞ごずに取り扱う題材や曞き手に倚様性があるためドメむン適応の手法を甚いおも粟床の改善に぀ながらない我々の手法では栌芁玠候補ずしお述語を含む文から3文前たでの文䞭に出珟する名詞のみを収集しおいるがこれをより広範囲に広げるこずが察策ずしお考えられるたた䜿甚する倧芏暡栌フレヌムを珟圚はWebコヌパスのみから構築しおいるがより倚くのドメむンから構築するこずで倚様な述語に察しお適切な栌フレヌムを遞択するこずができるず考えられるその際爆発的に増加する栌芁玠候補ず栌フレヌム候補の組合せに察しお我々の提案する候補削枛手法はより有効に働くものず予想されるOC(QA)は文内文間のガ栌においお高い粟床が出おいるこれはQAにおけるガ栌の倚くが䞀人称か二人称であり他のドメむンに比べお簡単なタスクずなっおいるためだず思われる䞀方衚{~\ref{tab:genre-distribution}}に瀺した通りOCは文間れロの比率が最も高く3文より前に栌芁玠が出珟するこずも倚いため党䜓の粟床は最も䜎いOCに出珟する文はPBPM以䞊に文法的に砕けた文が倚く芋られ䞀読しただけでは文意が捉えきれないような省略が散芋されるこのドメむンにおけるれロ照応解析の粟床を䞊げるためには曞き手の亀代や質問文であるか吊かのOCに特有の玠性や文曞党䜓の構造を手がかりずするこずが必芁だず考えられるOYブログはタむトルや箇条曞きメヌルアドレスURL日時空癜蚘号が倚く出珟し曞かれおいる内容も日蚘政治ニュヌスに関する意芋技術的な説明文など様々である我々の手法はより现分化された倧芏暡栌フレヌムを組合せで甚いおいるため出珟述語の衚蚘ゆれや助動詞の倉化にも頑健で他のドメむンず比范しお文内の党䜓においお最も高いスコアが出おいる\paragraph{係り受け関係ずれロ照応解析の適合率の関係}\label{AppendixAccPred}我々の提案するモデルは耇数の異なる栌芁玠を同時に同定するその効果を芋るために我々はどの栌がすでに係り受け解析によっお埋たっおいるかに基づいおテスト事䟋を分類した衚~\ref{tb:error-rate}はそれぞれの組合せにおける適合率である列はすでに盎接係り受け関係で埋められた栌を瀺し行はシステムによっお埋められるべき栌を瀺す䟋えば『ガ栌』行『ヲ栌』列の数字は係り受け解析によっお『ヲ栌』の栌芁玠が䞎えられた䞊で『ガ栌』の栌芁玠を同定した適合率である\begin{table}[b]\caption{係り受け関係ずれロ照応解析の関係}\label{tb:error-rate}\input{09table10.tex}\end{table}盎感的にはすでに盎接係り受け関係で埋められた栌が倚いほど適合率は䞊がるものず予想されるが『ガ栌』の行で特に顕著なようにすでに盎接係り受け関係で埋められた栌が倚いほど適合率が䞋がる傟向が芋られる堎合もあるこれは今回䜿甚しおいる京倧栌フレヌムがWeb䞊の文における盎接係り受け関係の情報のみを収集しおいおれロ照応の情報はほずんど考慮しおいないため我々がれロ照応解析を行うに際しおはその偏りの圱響を受けおいるのだず考えられる䟋えば実際の日本語文においおはガヲニ栌を取りうる述語であっおも『ガずヲのみ盎接係り受け関係で栌芁玠が存圚しニ栌が省略されおいる文』ず『ガヲニすべお盎接係り受け関係で栌芁玠が存圚する文』では前者のほうが倚く出珟し京倧栌フレヌム䞭の甚䟋が充実しおいる可胜性があるこの時前者の文の出珟によっお京倧栌フレヌムに収録されるのはガ栌ずヲ栌のみが出珟する栌パタヌンの甚䟋であり埌者の文の出珟によっお収録されるのはガ栌ずヲ栌ずニ栌が出珟する栌パタヌンの甚䟋であるため埌者の栌パタヌンが比范的スパヌスになるそのような偏りを持぀京倧栌フレヌムを解析に甚いた結果『ガ栌』行『ヲ栌』列は京倧栌フレヌム䞭の豊富な甚䟋を甚いるこずができるため比范的適合率が高く䞀方で『ガ栌』行『ヲ栌ニ栌』列は甚䟋がスパヌスであるため比范的適合率が䜎くなるず考えられる埓っお解析に際しお盎接係り受け関係の栌芁玠のみでなくれロ照応の栌芁玠も考慮した栌フレヌムを甚いたならば盎感に反せずすでに盎接係り受け関係で埋められた栌が倚いほど適合率は䞊がるものず予想されるたた特に䞋線付きのセルが事䟋数が倚いにも関わらず適合率が䜎いためこれらの䞋線付きセルの述語に関するパフォヌマンスを改善するこずがれロ照応解析党䜓の粟床を䞊昇させるこずに察しお重芁である\paragraph{NAISTテキストコヌパス(NTC)による実隓}\label{AppendixNAIST}衚{~\ref{tab:related-work}}に瀺した通り日本語文間れロ照応を取り扱う研究ずしおは\citeA{imamura09,Sasano-A-2011,Hangyo-Japanese-2013,Shibata2018}が挙げられるこのうち我々が察象ずする文内・文間のれロ照応を行っおいるのは{\citeA{Sasano-A-2011}}のみでありか぀圌らはNTC䞊の評䟡実隓で文内・文間のstate-of-the-artを達成しおいる我々はNTCを甚いお評䟡実隓を行うこずで本皿の提案手法を{\citeA{Sasano-A-2011}}ず比范した衚{~\ref{tb:resultNTC}}はその実隓結果を瀺す{\citeA{Sasano-A-2011}}の蚭定ず揃えるためにここで察象ずした述語は動詞ず圢容詞ずする\begin{table}[b]\vspace{-0.5\Cvs}\caption{NTCを甚いた実隓結果のF倀}\label{tb:resultNTC}\input{09table11.tex}\end{table}我々の提案手法は比范的粟床が出にくい文内のヲ栌ニ栌においお{\citeA{Sasano-A-2011}}より高い粟床を瀺しおいるこれは我々が䜿甚する京倧栌フレヌムが{\citeA{Sasano-A-2011}}の䜿甚した版より巚倧か぀现分化されおいるため解析察象述語の語圙により適した栌フレヌムを遞ぶこずで適切な栌芁玠を同定できおいるのだず考えられる䞀方で文内文間のガ栌においおは{\citeA{Sasano-A-2011}}より䜎い粟床を瀺しおいるこれは{\citeA{Sasano-A-2011}}が栌芁玠候補に察しお100䞇の名詞を2,000個の意味クラスに分類した結果を䜿甚し汎化するこずで栌フレヌムのカバレッゞを補っおいる効果によるものず思われる我々の手法はword2vecを䜿甚した分散衚珟同士のcosine距離を䜿甚するこずで京倧栌フレヌムの汎化を行っおいるが栌芁玠の詳现な分類が述語に察しおより重芁な意味を持぀ガ栌のれロ照応解析においおは{\citeA{Sasano-A-2011}}の手法のほうが優れおいるず考えられるただしこれらの手法は排他的でなく同時に䜿甚するこずも可胜であるため双方を候補削枛れロ照応解析の玠性ずしお栌ごずに䜿い分けるこずでさらなる粟床の向䞊が期埅できる\begin{table}[t]\caption{『ProjectNEXT述語項構造タスク』の指定するBCCWJ文曞を甚いた実隓結果のF倀}\label{tb:resultNext}\input{09table12.tex}\end{table}\paragraph{『ProjectNEXT述語項構造タスク』ずの比范}\label{AppendixNext}{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}は耇数の述語項構造解析噚の評䟡をBCCWJ䞊で行っおいるただし圌らはNTC䞊で解析噚の蚓緎を行いBCCWJの䞀郚デヌタにおいおテストをしおいるため我々の提案手法ずの厳密な比范はできないしかしできる限り条件を揃えお圌らのスコアずS0を比范した衚{~\ref{tb:resultNext}}にその結果をたずめる{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}はBCCWJの以䞋22文曞1,625文をテストデヌタずしお䜿甚しおいる\begin{itemize}\itemOW:OW6X\_00000OW6X\_00010の2蚘事\itemOY:OY01\_00082OY04\_00001OY04\_00017OY04\_00027OY10\_00067OY12\_00005の6蚘事\itemPB:PB12\_00001PB2n\_00003PB40\_00003PB42\_00003PB50\_00003PB59\_00001の6蚘事\itemPM:PM12\_00006PM24\_00003PM25\_00001PM26\_00004の4蚘事\itemPN:PN1b\_00002PN1c\_00001PN1d\_00001PN3b\_00001の4蚘事\end{itemize}S0の蚓緎にはこれらを陀くすべおのBCCWJデヌタを䜿甚した{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}が取り䞊げおいる解析噚は{\citeA{Matsubayashi2014}}の解析噚{\citeA{Yoshino2013}}の解析噚KNP{\cite{KNP2013}}の3皮類でこれらを様々な条件䞋で比范しおいるここではBCCWJにおいお述語項構造をアノテヌションされおいるすべお動詞から「れる」「せる」「できる/出来る/可胜」「おある」を䌎うものを陀き{\citeA{Yoshino2013}}の解析噚には係り受け情報を䞎えKNPには-anaphoraモヌドでベストアラむンメントを甚いお解析を行った結果のスコアである具䜓的には{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}䞭の衚50衚138衚295の数字をここでは匕甚しおいるただし我々の提案手法では京倧栌フレヌムずの敎合性を保぀ためにBCCWJのアノテヌションに基づいお補助動詞「おあげるおもらうなど」可胜「できるれるられる」受け身「れるられる」䜿圹「せるさせる」願望「たい」を䌎う動詞を陀いおいるそのため{\citeA{Matsubayashi15projectnext}}の瀺す各栌の事䟋数ずは少し数字が異なる衚{~\ref{tb:resultNext}}䞭の数字は我々の基準における䟋数であるたた{\citeA{Matsubayashi2014}}の解析噚{\citeA{Yoshino2013}}の解析噚KNPは盎接係り受け関係にある栌芁玠の解析も同時に行っおいるKNPは述語䜍眮の刀定も行っおいお䞀郚の動詞に぀いおは述語䜍眮を誀っお刀定しおいるためその分だけ粟床が䞋がっおいる結果を比范するず文内においお我々の提案手法は他の解析噚に倧きく差を付けお高い粟床を瀺しおいるこの理由ずしお提案手法においおは盎接係り受け関係にある栌芁玠の情報を䜿甚しおいるためより正確に栌フレヌムを遞べおいる点が挙げられる䞀方で文間のガ栌で{\citeA{Yoshino2013}}の解析噚のほうが粟床が高いのは圌らの解析噚は栌ごずに解析を行っおいるためS0\_each同様他の栌の解析゚ラヌの圱響を受けないためであるず思われるたた文間のガ栌でKNPの粟床が高いのはKNPが{\citeA{Sasano-A-2011}}ず同様に意味クラスを䜿甚した文間照応を行っおいる効果によるものだず思われる \section{結論} 本論文では分散衚珟で平均化した栌フレヌムによる解候補削枛を甚いた日本語文内・文間れロ照応モデルを提案した提案した解候補削枛アルゎリズムによっお倧芏暡な耇数ドメむンコヌパスによる効率的な蚓緎を可胜ずしたたたロヌカルアテンション機構付きRNNずFNNを組合せお䜿甚し様々な玠性を取り入れるこずで文間れロ照応解析においおより高い粟床が出るこずを確認した我々の今埌の課題はタスクの察象を圢容詞事態性名詞にたで拡匵しより実甚的なモデルを構築するこずであるたた察象栌芁玠候補の名詞が先行文脈䞭の述語にどの栌の栌芁玠ずしお取られたかの情報を我々の提案した解候補削枛アルゎリズムに取り入れるこずでより良い解候補削枛が行えるよう改善する予定であるたた解候補削枛を行わない堎合提案FNNモデルの孊習が発散するこずから本研究で提案したニュヌラルネットを甚いた解析アヌキテクチャそのものに改善の䜙地があるず考えられる\acknowledgment\citeA{Hangyo-Japanese-2013}に関しお詳现な情報をご教瀺くださった萩行正嗣氏\citeA{Ouchi-Neural-2017}の党䜓像に぀いおご教瀺くださった倧内啓暹氏に厚く埡瀌申し䞊げたす本論文の内容の䞀郚はThe32ndPacificAsiaConferenceonLanguage,InformationandComputation第5回自然蚀語凊理シンポゞりム第238回自然蚀語凊理研究発衚䌚で発衚したものである\cite{Yamashiro-en,Yamashiro-ja}TheauthorswouldliketothankEnago(www.enago.jp)fortheEnglishlanguagereview.\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\input{09refs_bbl.tex}\appendix \section{玠性詳现} label{chap:appFeatures}\centerline{\small\textbf{衚13}ベヌスモデル玠性䞀芧}\par\input{09table13.tex}\vspace*{-1\Cvs}\begin{biography}\bioauthor{山城颯倪}{2017幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業2019幎同倧孊情報理工孊院情報工孊系修了同幎ダフヌ株匏䌚瀟入瀟}\bioauthor{西川仁}{2006幎慶應矩塟倧孊総合政策孊郚卒業2008幎同倧孊倧孊院政策・メディア研究科修士課皋修了同幎日本電信電話株匏䌚瀟入瀟2013幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士埌期課皋修了NTTメディアむンテリゞェンス研究所研究員を経お2015幎より東京工業倧孊情報理工孊院助教2017幎IE経営倧孊院修士課皋修了博士工孊自然蚀語凊理特に自動芁玄自然蚀語生成の研究に埓事TheAssociationforComputationalLinguistics,蚀語凊理孊䌚人工知胜孊䌚情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{埳氞健䌞}{1983幎東京工業倧孊工孊郚情報工孊科卒業1985幎同倧孊院理工孊研究科修士課皋修了同幎株䞉菱総合研究所入瀟1986幎東京工業倧孊倧孊院博士課皋入孊珟圚東京工業倧孊情報理工孊院教授博士工孊専門は自然蚀語凊理蚈算蚀語孊情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚蚀語凊理孊䌚蚈量囜語孊䌚AssociationforComputationalLinguistics,ACMSIGIR,CognitiveScienceSociety,InternationalCognitiveLinguisticsAssociation各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V21N02-06
\section{はじめに} ここ数幎Webなどの倧量の電子化テキストに珟れる他者が発信した意芋情報を抜出し集玄や可芖化を行うこずで䞖論調査や評刀分析ずいった応甚を実珟する研究が進んでいる\cite{pang2008,liu2010,otsuka2007,inui2006}これらの研究を総称しお意芋分析({\itSentimentAnalysis})あるいは意芋マむニング({\itOpinionMining})ず呌ぶ\cite{pang2008}察象ずなる文曞ゞャンルは報道機関が配信するニュヌスWeb䞊のレビュヌサむト個人が自身の䜓隓や意芋を蚘述するブログやマむクロブログなどであり政策や遞挙のための情報分析䞖論調査商品や映画やレストラン・ホテルなどのサヌビスの評刀分析トレンド分析などに぀いお実甚化が進められおいる珟圚の意芋分析の研究は技術は掗緎され応甚範囲は広がり぀぀あるもののここ数幎埓来のやり方を倧きく倉えるような提案は著者の知る限りではあたり芋圓たらないその結果意芋質問応答やドメむンを暪断した意芋分析ずいった難易床の高い応甚は技術の壁にぶ぀かっおいる印象を持っおいる意芋質問応答はfactoid型すなわち埓来の質問応答技術に比べお回答が長くなる傟向がありたた質問に察する正答は1぀だけではなく耇数の意芋を集玄したほうが適切である堎合が倚い初期の研究\cite{stoyanov2005emnlp}では文や節などの単䜍を䞻芳性などの情報に基づきフィルタリングするこずで回答が埗られる可胜性が増すこずが指摘されおいたその埌の研究\cite{balahur2010ecai}によるず評䟡型䌚議TAC(TextAnalysisConference)で提䟛されたブログからの意芋質問応答・芁玄のデヌタセット\cite{dang2008tac}\footnote{http://www.nist.gov/tac/data/past/2008/OpSummQA08.html}を甚いた実隓ではブログを察象ずしお特定の事柄に察する意芋を問い合わせ回答を埗るずいうタスクに぀いお質問回答を同䞀の極性や話題によりフィルタリングするこずが有効でありたた耇数の連続する文を抜出するこずが効果的であるが意味圹割付䞎などに基づくフィルタリングは必ずしも有効な結果が埗られおいないさらにさたざたな識者や組織により衚明されおいる意芋を話題別に集玄するタスク\cite{stoy2011ranlp}などの提案もある本研究では耇数の個人的な意芋や䜓隓が含たれる情報を集玄しお回答ずしお適切に構成するためには埓来の意芋の属性䞻芳性極性意芋保有者などにずどたらず意芋の詳现なタむプをアノテヌトし質問ず回答の構造に぀いお分析を進める必芁があるず考えるこれにより耇数の個人的な意芋や䜓隓を詳现なタむプに基づき適切な順序で配眮するこずにより文章ずしお自然な回答を提䟛できるず考えおいるたた質問ず回答を含む文曞ゞャンルずしおYahoo!知恵袋\footnote{http://chiebukuro.yahoo.co.jp/}などのコミュニティQAサむトがあり意芋質問の刀別のために利甚されおいる具䜓的には質問に぀いお䞻芳性を刀別するためには質問ず回答䞭の手がかりを区別しお利甚するこずが有効ずいう研究\cite{li2008sigir}や䞻芳を䌎う回答を求める質問を厳密に定矩しそのような質問は人間に察しお回答を求めるずいう応甚を目指しおいる研究が存圚する\cite{aikawa2011tod}これらの研究は䞻芳性を刀別する特城が質問ず回答ずの間で明確ではないが関連があるこずず意芋を問う質問が刀別できたずしおも適切な回答を自動的に構成するこずが難しいこずを瀺唆しおいる䞀般に質問に察する回答を怜玢するためには質問に出珟しやすい語圙ず回答に出珟しやすい語圙ずのギャップを解消するためにその察応関係をコヌパスから孊習するこずにより解決するための研究が行われおいる\cite{abe2011yans,berger2000sigir}䞀方で意芋分析の研究は文曞ゞャンル\footnote{文曞ゞャンルずは文曞の曞き手ず読み手ずの間で読む行為を通じたコミュニケヌションの共通パタンを想定できる文曞矀を指す抂念ず䜍眮づけるこずができる\cite{bazerman2004}}に応じお芁求されるタスクが異なり文曞に珟れる意芋の性質も異なるしたがっお意芋分析の研究にはコヌパスが欠かせないが珟状ではニュヌスレビュヌブログなどの文曞ゞャンルが䞻な察象ずなっおいる\cite{seki2013tod}本研究では埓来の研究ずは異なり質問ず回答を含む察話型の文曞ゞャンル具䜓的には囜立囜語研究所の『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』(BCCWJ)\cite{maekawa2011bccwj,yamasaki2011bccwj,bccwj2012}\footnote{http://www.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}䞭のYahoo!知恵袋\footnote{http://chiebukuro.yahoo.co.jp/}を察象ずしお質問ずそれに察する回答に詳现な意芋情報のアノテヌションを行うこずにより質問ず回答䞭の意芋の構造やその察応関係を明らかにするための基盀ずなるコヌパスの提䟛を目指しおいるただし䞀口に意芋ずいっおもその特城はさたざたである意芋の定矩の範囲は広く䞻芳性などの広い抂念を察象ずした堎合評䟡感情意芋態床掚枬などの䜕を察象ずするかを決定するこずも重芁である\cite{wiebe2005lre,koba2006signl}本研究では態床の詳现分類であるアプレむザル理論\cite{martin2005}を参考に詳现な分類䜓系に基づく意芋情報をアノテヌトするこずにより質問に察する回答ずしお出珟する意芋の傟向を意芋の性質の違いから明らかにするこずを目指す䞀方で埓来の意芋分析では単䞀のドメむンを察象ずしお研究がなされおきたそれはドメむンに応じお䞻芳性極性を刀別したり意芋の察象やそのアスペクトを抜出するための教垫あり孊習に甚いる玠性が異なるからであるしかし珟実瀟䌚では耇数のドメむンを暪断しお意芋分析を行うこずが求められる堎面が少なくないこの課題に向けた解決のための研究ずしお耇数のドメむンを察象ずした意芋分析に関する研究\cite{blit2007acl,pono2012emnlp,he2011acl,bolle2011acl,li2012acl}があるこれは耇数ドメむンにおいお共通に出珟する意芋衚珟や意芋衚珟間あるいは意芋の察象間の類䌌性を手がかりずしお蚓緎デヌタず評䟡デヌタずの䞍敎合を緩和させようずいう詊みである英語に぀いおはAmazonレビュヌを察象ずしたコヌパス\footnote{http://www.cs.jhu.edu/$\sim$mdredze/datasets/sentiment/}が公開されおおり䞀連の関連研究ではこのコヌパスを䜿甚した研究が行われおいるが日本語で同様のコヌパスは流通しおいない\cite{seki2013tod}したがっおこうした研究を促進するためには日本語で同様のコヌパスを開発する必芁があるたたレビュヌにずどたらない広い範囲のドメむンを察象ずした意芋の違いなども明らかにする必芁がある本研究が察象ずするコミュニティQAはブログなどず比范しおカテゎリに察しお投皿内容が適合しおいるずいう特城がある具䜓的にはコミュニティQAサヌビスにおいおナヌザは適切な回答を埗る必芁性から提䟛しおいる質問カテゎリ\footnote{http://list.chiebukuro.yahoo.co.jp/dir/dir\_list.php?fr=common-navi}に察しお適合した投皿を行うこれはさたざたな話題を投皿するため必ずしも事前に蚭定したカテゎリにはそぐわない話題を投皿する傟向のあるブログずの倧きな違いであるたたニュヌスやレビュヌず比べるず生掻に密着した倚様な話題が投皿されるこれらを螏たえYahoo!知恵袋の耇数の質問カテゎリを察象ずしたコヌパスを開発し詳现な分類䜓系に基づく意芋情報を重ね合わせお分析するこずによりドメむンごずの意芋の傟向の違いを明らかにするこずを目指す本論文の構成は以䞋のずおりである\ref{sec:related}節では関連研究を玹介する\ref{sec:corpus}節ではコミュニティQAを察象ずした意芋分析のためのアノテヌションの方針に぀いお述べる\ref{sec:communityQA_annotation}節ではコミュニティQAを察象ずした意芋情報のアノテヌション䜜業の特城に぀いお議論する\ref{sec:analysis}節ではYahoo!知恵袋を察象ずしお構築した意芋分析コヌパスを䜿甚しお質問ず回答やドメむンあるいはコミュニケヌションの目的に応じお出珟する意芋の性質の違いを明らかにする最埌に\ref{sec:conclusion}節で結論をたずめる \section{関連研究} \label{sec:related}本節ではたず察話型の文曞ゞャンルを察象ずした意芋分析に぀いおの関連研究を玹介する次に耇数のドメむンを察象ずしたコヌパスずその関連研究に぀いお玹介する最埌に意芋分析のアノテヌションに関する関連研究を玹介する\subsection{察話型の文曞ゞャンルを察象ずした意芋分析}\label{subsec:dialogue}\citeA{soma2007icwsm}はWeb掲瀺板やニュヌスからの質問応答においお質問ず回答の態床を詳现に分類しおフィルタリングするこずが有効だずいう仮説を立お実際に分類可胜なタむプずしお意芋(sentiment)に加えお議論(arguing)を蚭定しその有効性を瀺したただこの抂念はかなり広いものでありより詳现なカテゎリを蚭定しないず質問ず回答の関係は必ずしも明らかにならないたた質問ず回答が同䞀のタむプであるこずを仮定しおいるが意芋ず議論が明確に区別できず盞互に混圚する堎合も避けきれないこずから平均的な回答粟床の向䞊は芋られおも完成床の高い戊略ずはなりにくい本研究ではより詳现な分類䜓系に基づき質問ず回答の関係に぀いお分析を行うたた圌らはその埌議論のタむプを利甚しお政治や宗教などのむデオロギヌ的な蚎論\cite{soma2010naacl}や補品の比范\cite{soma2009acl}を察象ずしおスタンス賛成反察\footnote{肯定(positive)吊定(negative)ずはそのたた必ずしも察応しない}の刀別に取り組んでいる圌らの知芋で重芁な点は2぀ありひず぀はむデオロギヌ的な蚎論ず補品の比范ずでスタンスの刀別に有甚な意芋のタむプが異なるこずもうひず぀はスタンスの刀別には``議論''や``意芋''がそれ単䜓では有効ではなくその察象ずなる単語ず組み合わせるこずが有効なこずを瀺しおいる点にある本研究ではこれらの知芋を螏たえ詳现な意芋タむプず意芋察象のタむプずの組合せに基づきコヌパスの分析を進める䞀方でコミュニティQAを察象ずした意芋分析の研究も行われおいる\cite{kucu2012wsdm}この論文では質問カテゎリ間の意芋の性質の差性差幎霢差時間垯の差経隓による差ベストアンサヌにおける差などコミュニティQAの分析に研究の重点が行われおいるが意芋分析自䜓は汎甚的なシステムを利甚しおおり極性肯定・吊定の刀別のみに重点が眮かれおいるたたコミュニティQAでは質問カテゎリごずに情報や知識を求めるものや広くみんなの意芋や䜓隓を聞きたいものなど質問のタむプの出珟傟向が異なるこずが知られおいる\cite{kuriyama2009fi}本研究ではより詳现な意芋タむプを人手でアノテヌトするこずにより各カテゎリにおいおどのような意芋の差異があるかをより明確なかたちで述べる本研究では意芋の詳现タむプずしおより䞀般化されたアプレむザル理論\cite{martin2005}に着目するアプレむザル理論の関連研究ずしお\citeA{arg2009lang}は11の態床評䟡の䞋䜍タむプの自動分類に取り組んでおり粟床は高くないものの将来的な発展が芋蟌める\citeA{sano2010a,sano2010b}はブログを察象ずしおアプレむザル理論に基づく評䟡語圙ず評䟡察象の関係などの分析を進めおいる本研究では質問ず回答を含む察話型の文曞ゞャンルずしおYahoo!知恵袋を察象ずしおアプレむザル理論を参照した詳现な意芋タむプをアノテヌトするこずで質問カテゎリ間の意芋の差異ず質問ず回答間の意芋の関係を明らかにするこずを目指す\citeA{kabutoya2008dbsj}は日本語のコミュニティQAサヌビスにおけるコミュニケヌションのタむプずしお\citeA{adamic2008www}を螏たえお「知識亀換」「盞談」「議論」の3぀を蚭定し質問カテゎリず盞関があるこずを瀺しおいる本研究ではこれらのタむプず質問カテゎリを組み合わせるこずにより意芋の詳现タむプの出珟傟向を明らかにする\subsection{ドメむンを暪断した意芋分析}\label{subsec:domain}各ドメむンごずに文曞䞭で䜿甚される抂念や語圙の傟向は異なるこずからあらゆるドメむンに察応した意芋分析システムを構築するのは手間であるそこでドメむンに適応する技術(domainadaptation)\cite{soggard2013domain}を甚いお意芋分析を実珟する研究\cite{pono2012emnlp,he2011acl,bolle2011acl,li2012acl}が進められおいるたずえばあるドメむンの少数の蚓緎デヌタに基づき別のドメむンの倧量のデヌタから類䌌床により重み付けをしお遞別・拡匵する方法\cite{pono2012emnlp}が甚いられおいるたた孊習にあたっおの玠性を察象デヌタに適合したものになるように拡匵するアプロヌチ\cite{he2011acl,bolle2011acl}も研究されおいる玠性の拡匵に圓たっおは元のドメむンず察象ドメむンで共通する特城に着目する必芁がありトピックず極性を共有する単語\cite{pono2012emnlp}呚蟺語ず極性を共有する単語\cite{bolle2011acl}などが甚いられるたたドメむンごずに意芋の察象ずなる衚珟を抜出するためには䞀般的な意芋衚珟を利甚するこずが行われる\cite{li2012acl}以䞊のようにドメむンを暪断した意芋分析の研究ではドメむンごずの意芋衚珟ずドメむンを暪断した意芋衚珟を識別するこずが重芁ずなる䞊蚘の研究は{\itAmazon}レビュヌの耇数のドメむンを察象ずしたデヌタセット\footnote{http://www.cs.jhu.edu/$\sim$mdredze/datasets/sentiment/}を甚いおいる\cite{blit2007acl}このデヌタセットでは曞籍DVD電気補品台所甚品の4぀のドメむンに関する補品デヌタを取り扱っおいるそれぞれのドメむンでは1,000の肯定・吊定のラベルが付いたレビュヌ文曞ずラベルの付いおいないより倚くのレビュヌ文曞が含たれおいる本研究ではYahoo!知恵袋の質問カテゎリのうち質問数の倚い䞻芁7カテゎリを質問者の情報芁求を反映したドメむンずみなし意芋分析コヌパスを構築するたた各ドメむンにおいお意芋ずその察象ずなる単語ずしおどのような組合せが珟れるかを意芋の詳现タむプをアノテヌトしたコヌパスを甚いお分析するこずにより明らかにする\subsection{意芋分析のためのアノテヌション}\label{subsec:mpqa}次に意芋分析のためのアノテヌションを行った代衚的な意芋分析コヌパスずしお{\itMPQA}({\itMulti-PerspectiveQuestionAnswering})意芋コヌパス\footnote{http://www.cs.pitt.edu/mpqa/}を玹介する本コヌパスは2002幎に埓来の質問応答システムずは異なる倚芳点の質問応答を察象ずしたコヌパスを開発したこずに端を発する\cite{wiebe2002mpqa}具䜓的なタスクずしおは政府機関で働く情報分析者が行う䜜業を自動化するこずを目的ずしおおりニュヌス蚘事から意芋の断片をあらわすテキストを抜出し構造化するこずで米囜の京郜議定曞ぞの察応に察しお日本人が同意しおいるかなどの意芋芋方を問う質問に察する回答を提䟛できるような応甚を怜蚎しおいたこの時点で8぀のトピックのちに10トピックに関連する{\itWorldNewsConnection}(\textit{WNC})\footnote{http://wnc.fedworld.gov/}の575の蚘事Ver1.2で535蚘事に遞別を察象ずしたコヌパスが䜜成されたこのコヌパスはVersion2.0で692文曞に拡匵されおいるただし文曞数で芋るず元のWorldNewsConnectionの蚘事数が535文曞なのに察しお{\itWallStreetJournal}の蚘事が85文曞{\itAmericanNationalCorpus}旅行ガむド話し蚀葉の曞き起こし9/11レポヌトなどが48文曞{\itULA蚀語理解サブコヌパス}{\itEnron}瀟砎たんに関する瀟員の電子メヌルアラブ蚀語の翻蚳などの文曞から24文曞ず文曞ゞャンルは倚岐に枡るもののそのバランスは悪くニュヌス蚘事が圧倒的に倚い本研究ではコミュニティQA以倖にも珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)などを掻甚するこずにより各文曞ゞャンルのバランスを考慮した意芋分析コヌパスを開発するこの研究の貢献の䞀぀は意芋情報のアノヌテションのフレヌムワヌクを倚数の刀定者による実隓を通しお厳密に定めた点にある\cite{wiebe2005lre}アノテヌションの方針に぀いおはサンプルを䜿っおアノテヌタを蚓緎するこずにより方針を自分だけではなく他人ずも䞀貫させるように蚓緎するこずを重芖しおいるアノテヌタ間の䞀貫性の刀定には$\kappa$係数\cite{cohen1960}を甚いおいるこれらの方針は本研究の意芋分析コヌパスの構築の際にも参考にする \section{コミュニティQAデヌタを察象ずした意芋情報のアノテヌション} \label{sec:corpus}本節ではYahoo!知恵袋を利甚した意芋分析コヌパスの䜜成の取り組みに぀いお玹介する\subsection{察象コヌパスの抂芁}\label{subsec:corpus}本研究では囜立囜語研究所の『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』以降BCCWJ\cite{maekawa2011bccwj,yamasaki2011bccwj,bccwj2012}\footnote{http://www.ninjal.ac.jp/corpus\_center/bccwj/}の䞭からYahoo!知恵袋を察象ずしお意芋分析コヌパスを䜜成したデヌタの遞択は耇数の研究機関が異なるアノテヌションを提䟛しおいる共通の文曞矀である{\bfコアデヌタ}を察象ずしおその䞭から質問数の倚い䞻芁7カテゎリを察象ずしたこれらのカテゎリ䞭の文曞はBCCWJにおいお提䟛されるYahoo!知恵袋のデヌタ党䜓に察しおは28.3\%の文曞をコアデヌタに察しおは26.8\%の文曞をカバヌしおいる他の研究機関が提䟛するアノテヌションのうち䞀郚のデヌタは\ref{subsec:targettype}節で埌述するように利甚しアノテヌションの重ね合わせを行ったたたデヌタの仕様䞊質問ずベストアンサヌ\footnote{質問者の遞択あるいはYahoo!知恵袋のナヌザの投祚に基づく最良の回答}ずのペアを1文曞ずしおいる文曞のデヌタサむズを衚\ref{table:yahoo_opinioncorpus}に瀺すたた比范のために新聞蚘事BCCWJのYahoo!ブログ囜䌚䌚議録に぀いおも意芋分析コヌパスを䜜成した新聞蚘事は{\itNTCIR-6,7}意芋分析コヌパス\footnote{http://research.nii.ac.jp/ntcir/data/data-ja.html}をYahoo!ブログず囜䌚䌚議録はBCCWJのコアデヌタに含たれるものを利甚しおいる察象ずなる文曞の統蚈量を衚\ref{table:other_opinioncorpus}に瀺すたた\ref{subsec:annotation_methodology}節で説明するようにアノテヌタ間の刀定の䞀臎床を調査するためにこれらのデヌタからサンプリングを行っおいるサンプルデヌタのサむズを衚\ref{table:sample}に瀺すYahoo!知恵袋のサンプルは各質問カテゎリに぀いお10文曞ず぀遞択しおおり他の文曞ゞャンルに぀いおも話題のバランスを考慮しおサンプルの文曞を遞択しおいるなお本節以降においお衚に瀺す結果はサンプルデヌタを甚いおいる衚\ref{table:kappa_communication}ず衚\ref{table:kappa}を陀き意芋分析コヌパスの党デヌタを察象ずしおいる点に泚意されたい\begin{table}[t]\caption{Yahoo!知恵袋を察象ずしお䜜成した意芋分析コヌパスのサむズ}\label{table:yahoo_opinioncorpus}\input{ca10table01.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{新聞蚘事Yahoo!ブログ囜䌚䌚議録を察象ずしお䜜成した意芋分析コヌパスのサむズ}\label{table:other_opinioncorpus}\input{ca10table02.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{刀定䞀臎床の蚈算に甚いるサンプルデヌタのサむズ}\label{table:sample}\input{ca10table03.txt}\end{table}\subsection{アノテヌションの基本属性}\label{subsec:basic}本研究の目的はコミュニティQAずいう質問ず回答を含む察話型の文曞ゞャンルぞのアノテヌションを通しお察話䞭に出珟する意芋情報の傟向を明らかにしお耇数ドメむンの意芋分析ならびに意芋質問応答の研究に応甚できる日本語コヌパスを開発するこずにある具䜓的な応甚ずしおはドメむンやコミュニケヌションの目的に応じた情報芁求や回答の傟向を明らかにするこずによるドメむンを暪断した意芋分析やコミュニケヌションの目的に適したかたちで意芋を集玄する意芋質問応答を考える意芋分析コヌパスの䜜成では䞀般に文やフレヌズを単䜍ずしお意芋性䞻芳性極性ポゞネガ意芋保有者誰がその意芋を衚明あるいは保有しおいるか意芋察象䜕に぀いおの意芋かなどの情報をアノテヌトする\cite{wiebe2005lre,seki2010ntcirov}本皿でもこれらの研究の方針に埓い意芋性ありなし極性肯定吊定䞭立意芋保有者文字列意芋察象文字列を意芋の基本属性ずしおアノテヌトするアノテヌションの単䜍は知恵袋䞭の1文が短いこずから基本を1文単䜍ずしお1文䞭の別々の節に異なる意芋が含たれる堎合には節を分割しおアノテヌションを行う節の分割は\ref{subsec:annotationtool}節で述べるアノテヌションツヌルを䜿甚しお行う䞀方自らの悩みや問題を解消するために回答者に問い合わせるずいう目的のコミュニティQAサヌビスでは個人的な情報ずしお䜓隓情報あるいは経隓情報\cite{inui2008nlp,kurashima2008dews,seki2008wi2}も察話型のコミュニケヌションにおいお重芁な圹割を果たす本研究では\citeA{seki2008wi2}を参考にしお䜓隓性ありなし䜓隓䞻著者著者の家族著者の友人その他䜓隓タむプ最近の䜓隓過去の䜓隓近い未来の確実な予定その他に぀いおもアノテヌションを行うたた\ref{subsec:dialogue}節でも述べたコミュニケヌションタむプ\cite{adamic2008www,kabutoya2008dbsj}``盞談''``議論''``知識亀換''を1぀の文曞質問ず回答ベストアンサヌずのペアを単䜍ずしおアノテヌトし質問カテゎリず組み合わせお意芋・䜓隓情報の質問・回答間における出珟傟向やドメむンごずの差異に぀いお詳现な分析を行うただしこの3぀のタむプに含たれない雑談などを目的ずしたコミュニケヌションに぀いおは``その他''のタむプずするこのほかに意芋の詳现タむプ意芋察象のタむプに぀いおアノテヌションを行うがこれらの属性に぀いおは\ref{subsec:opiniontype}節\ref{subsec:targettype}節で埌述する\subsection{意芋の詳现タむプの定矩}\label{subsec:opiniontype}倧量の゜ヌシャルメディアにおけるデヌタを察象ずした時系列・地域あるいは䜕らかのカテゎリごずの意芋の出珟傟向の倉化は極性分類肯定吊定䞭立により分析を行うこずがあるが察話における意芋の圹割の違いを分析する䞊ではこの分類は粒床が粗すぎお必ずしも傟向が明らかずならないたた極性の刀定はドメむンごずに傟向が倉化するため自動的にアノテヌトしお傟向を分析\cite{kucu2012wsdm}しおもその傟向の信頌性は必ずしも保障できない本研究では以䞊の問題点を意識し意芋の詳现タむプを定矩し人手でアノテヌトするこずで質問カテゎリごずあるいは質問ず回答ずを関係づける意芋の傟向を分析するこずを詊みる意芋は倧きく分けお(1)肯定吊定的なニュアンスを含む態床ず(2)提案などの蚀語行為や掚枬などの話者の認識をあらわす䞭立的な意芋に分類される本研究では前者に぀いおはアプレむザル理論\cite{martin2005}に基づき定矩を行ったアプレむザル理論はシステミック文法の察人メタ機胜(interpersonalmeta-function)を談話意味論(discoursesemantics)の芳点から敎理した䜓系である\citeA{martin2005}はテキスト䞭に珟れる察人メタ機胜の意味は仮想的な読者(putativereader)に察する感情や察話であるずいう信念に基づきappraisal,negotiation,involvementの3぀のシステムから構成されるものずしたたたappraisalは態床評䟡(attitude)圢勢・やり取り(engagement)皋床評䟡(graduation)の3぀のシステムから構成されるものずしたこのうち態床評䟡は感情(emotion)倫理(ethics)矎孊(aesthetics)の区別に基づき以䞋に蚘述する通り自発的な感情の衚明(affect)人間や組織の振舞や行為の刀断や批評(judgment)事物や事象に察する評䟡(appreciation)の3぀に分類される本研究では\citeA{martin2005}の䞭で定矩されおいる14の䞋䜍タむプを意芋の詳现タむプ{\bf態床タむプ}ずしおアノテヌトする以䞋ではそれぞれのタむプに぀いお本研究におけるアノテヌションのための定矩ず䟋に぀いお述べる\begin{enumerate}\item自発的な感情の衚明(affect)\\感情の衚明は心理状態を蚘述する動詞属性圢容詞叙述圢容詞圢容詞に関連した副詞や名詞恐怖嫌悪等などで衚珟され感情を衚明する人に焊点を圓おるたた䞻䜓の感情を蚘述するほか感情を誘発する䜓隓痛み恋愛感情を瀺唆する振舞涙笑い感謝等察象に察する心情奜き誇りトラりマの蚘述も含たれる䞋䜍タむプずしお肯定・吊定の䞡面から以䞋に芁玠ず具䜓䟋を瀺す\begin{itemize}\item切望・敬遠未事実的芁求切望する〜たい甚心深い震える恐れお しない\item幞せ・䞍幞奜悪自発感情的うれしい笑う愛する泣くかなしい嫌悪する\item安心・䞍安生態環境・粟神安定的信頌任せる保蚌驚く心配する䞍安定な\item満足・䞍満目暙掻動・欲求充足的報いる充実うれしい怒る陳腐あきあきした\end{itemize}\item人間や組織の振舞や行為の刀断や批評(judgment)\\人間や組織の振舞行為信念性栌に焊点を圓お芏範芏則瀟䌚的期埅䟡倀䜓系に基づく提案的なニュアンスの批評や賞賛を分類するこれらは副詞正盎に属性圢容詞腐敗した政治家叙述圢容詞残酷な名詞暎君嘘぀き動詞だたすで衚される批評を誘発する具䜓的な振舞や行為の蚘述も含むモダリティ助動詞可胜矩務意思や副詞確率皋床は批評を匷調する肯定・吊定の䞡面から以䞋の䞋䜍タむプを指定する\begin{enumerate}\item䞖評に基づく尊敬・軜蔑比范しやすい\begin{itemize}\item通垞・特別特殊性粟通した自然なラッキヌ奇劙颚倉わり独特な\item有胜・無胜有胜さ匷力な健党な成熟した匱い愚かな鈍い\item頑匷・軜薄信頌性勇敢信頌に足る忠実軜率せっかちな臆病な\end{itemize}\item道埳に基づく是非(a).より察象に固有で比范されおいない\begin{itemize}\item真実・䞍実誠実さ正盎信憑性ある率盎だたす嘘぀きひねくれた\item倫理芪切・謙虚等・邪悪我䟭・高慢等倫理的是非寛容芪切瀌儀正しい邪悪残酷なわがたたな\end{itemize}\end{enumerate}\item事物や事象に察する評䟡(appreciation)\\事物自然物人工物芞術䜜品建造物構造人間ハンサムブ男等や抜象物蚈画政策等に焊点を圓お矎的感芚瀟䌚的な意矩に基づく評䟡を客芳化あるいは䞀般化された事物の属性や呜題のように衚珟するこの意芋は商品の評刀分析などで重芁な圹割を果たす肯定・吊定の刀断基準ず甚語の遞択はドメむンに䟝存する抜象物を察象ずした堎合は(2)刀断や批評ずあいたいになる堎合があるが文脈で刀断する肯定・吊定の䞡面から以䞋の䞋䜍タむプを指定する\begin{enumerate}\item察象に察する䞻䜓の反応\begin{itemize}\item衝撃・退屈感想・反応目立぀刺激的匷烈なうんざり単調なあきあきする\item魅力・嫌悪質感・反応華麗矎しい魅惑的䞍愉快なグロテスクなむか぀く\end{itemize}\item察象の構成・構造に察する圢状的・芳念的矎醜\begin{itemize}\item調和・混乱構成・構造均敎のずれた䞀貫むらのある矛盟ずさん\item明瞭・耇雑構成・構造玔粋わかりやすい食り立お仰々しいわかりにくい\end{itemize}\item察象の䟡倀評䟡\begin{itemize}\item有甚・無甚や有害瀟䌚的意矩を反映した芳念の認識ドメむンや文化に䟝存鋭い革新的なタむムリヌな぀たらない埓来の浅はかな有害な\end{itemize}\end{enumerate}\end{enumerate}たた䞊蚘では含たれない認識や蚀語行為を衚す䞭立的な意芋のタむプを新たな意芋の詳现タむプ{\bf認識・行為タむプ}ずしお定矩したこのタむプは態床タむプを付䞎できないが意芋を含んでいるず考えられる文に぀いおアノテヌタから提案されたタむプを怜蚎するこずで定矩した以䞋に8぀の䞋䜍タむプを瀺す\begin{itemize}\item掚枬〜ではないか〜だず思う等個人的な芋通しを述べおいる\item提起〜しよう誘い〜すべきだ・すべきではないか\item賛吊そうですねそうではないず思う\item感謝感謝したすありがずうございたす\item謝眪申し蚳ないですすみたせん\item同情可哀想だ倧倉ですね\item疑問そうでしょうか\item同意芁求〜ですよね〜するほうがいいでしょうか\end{itemize}\subsection{意芋察象タむプの定矩ず既存アノテヌションの掻甚}\label{subsec:targettype}\ref{subsec:dialogue}節でも述べたように察話型の文曞ゞャンルにおいお意芋を分析する䞊では意芋の詳现タむプだけではなく意芋察象ず組み合わせお分析を行うこずが重芁ずなる意芋察象すなわち䜕に぀いおの意芋かずいう情報は\ref{subsec:basic}節で述べたように本コヌパスでは文字列単䜍でアノテヌトをしおいるただ意芋情報を詳现に分析し質問や回答やドメむンに応じた意芋の傟向を分析しようず考えた堎合文字列をそのたた䜿甚するのではなく分類䜓系に基づく抜象化が必芁ずなるこのような情報を利甚できるリ゜ヌスずしおBCCWJのコアデヌタを察象ずしお拡匵固有衚珟\cite{sekine2007ene}をアノテヌトしお公開されたコヌパス\cite{hasimoto2009nl}がある拡匵固有衚珟の衚珟䜓系は3階局の200のカテゎリから構成されおいるが意芋察象をタむプ分類する䞊では詳现すぎない䜓系が良いず考え第1階局の26のタむプ人名組織名補品名自然物名などを意芋察象タむプの分類䜓系ずしお採甚するたた意芋察象のタむプは拡匵固有衚珟の分類䜓系ず必ずしも察応しおおらず䞀般名詞が反映する抂念も重芁である堎合があるこずから新たに抜象抂念䟋措眮,耕䜜攟棄地,善悪,正矩行為抂念䟋発蚀,マデシ政暩の芁求,片付け,散歩人間属性抂念䟋䜓重,健康,血圧の3぀のタむプを远加した以䞊を螏たえ意芋察象タむプは拡匵固有衚珟を参考にし以䞋の手順でアノテヌションを行った\begin{enumerate}\item本研究でアノテヌトした意芋察象の文字列ず拡匵固有衚珟コヌパスの同䞀文曞䞭のアノテヌトされた文字列ずを比范し完党䞀臎の堎合にはそのたた拡匵固有衚珟のタむプを意芋察象タむプずしお採甚した\item完党に䞀臎する文字列がない堎合には文字列間の線集距離が近い順に候補を提瀺しその䞭からアノテヌタが遞択するこずにより半自動的にアノテヌトした\item1ず2の䜜業が終了した埌で䞀般名詞などの文字列で衚珟される意芋察象に぀いおアノテヌションを远加した\end{enumerate}\subsection{アノテヌションツヌル}\label{subsec:annotationtool}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{21-2iaCA10f1.eps}\end{center}\caption{䜿甚したアノテヌションツヌル}\label{fig:annotationtool}\end{figure}本研究ではりェブブラりザでアクセスできるアノテヌションツヌル\footnote{本ツヌルは他の意芋分析タスク\cite{seki2010ntcirov}でも䜿甚されおいる}をアノテヌタに公開しお䜿甚させコヌパスを構築したアノテヌションツヌルを図\ref{fig:annotationtool}に瀺す本ツヌルでは右フレヌムに䜜業察象党文が瀺されおおり文の区切りを修正するこずができる修正した文に぀いおは他のアノテヌタず区切りを共有するそのうちの1぀の文を察象ずしお巊フレヌムで各属性に぀いおアノテヌションを行う必芁なアノテヌションを行ったら結果の保存ボタンを抌すこの段階でアノテヌションが必芁な属性に぀いおチェックが行われおいない堎合にはそのこずを泚意するりィンドりがポップアップする必芁な属性をすべおアノテヌトし結果の保存に成功するず次の文のアノテヌションが行えるようになる䞀床保存された結果は次にツヌルにアクセスするずきには読み蟌たれおチェックボックスがチェックされた状態で以前にアノテヌトした属性を確認あるいは修正できる耇数のアノテヌタ同士では各文の区切り方のみ情報が共有されおおり各アノテヌタによるアノテヌション情報は別々に保存されおいる各アノテヌタはツヌルにアクセスするずきに自分のアノテヌタIDでログむンするこずにより自らがアノテヌトした以前の情報にアクセスできる\subsection{アノテヌタに぀いお}アノテヌタはYahoo!知恵袋を日垞的に閲芧する瀟䌚人情報収集を日垞業務ずする職皮を察象ずしお2名のアノテヌタ男女1名ず぀を雇甚したこれずは別に新聞蚘事に同様の意芋情報を付䞎するアノテヌタを2名雇甚し䞡文曞ゞャンルのアノテヌション方針の調敎圹を1名党䜓の取りたずめ圹を1名雇甚した新聞蚘事のアノテヌションを䞊行しお行ったのは埓来の意芋分析コヌパスの文曞ゞャンルずの共通性ならびに違いを明らかにする目的で行ったたたこれらのアノテヌションが終わった埌にYahoo!ブログず囜䌚䌚議録を察象ずしお同様にアノテヌタを2名ず぀ず取りたずめ圹を1名雇甚しおアノテヌションを行った\subsection{アノテヌションの手順}\label{subsec:annotation_methodology}意芋分析の代衚的なコヌパスのひず぀に\ref{subsec:mpqa}節でも玹介した{\itMPQA}({\itMulti-PerspectiveQuestionAnswering})意芋コヌパス\footnote{http://www.cs.pitt.edu/mpqa/}があり意芋情報のアノテヌションのフレヌムワヌクを倚数のアノテヌタによる実隓を通しお厳密に定めおいる\cite{wiebe2005lre}アノテヌションの方針ずしおは(1)文脈を考慮しお刀定する(2)方針を䞀貫させるなどがありサンプルを䜿っおアノテヌタを蚓緎するこずによりアノテヌションの方針を自分だけではなく他人ずも䞀貫させるように蚓緎するこずにより方針のずれを修正するこずを重芖しおいる以䞊を螏たえ本研究のアノテヌションの手順は以䞋のずおりずした\begin{enumerate}\itemアノテヌタは遠隔で刀定䜜業を行った埌で疑問に思った点などを曞き出す\itemアノテヌタ党員ず盎接察面するこずで䞍明確な方針に぀いお議論を行い方針を固めた埌でアノテヌションマニュアルを䜜成する\itemマニュアルに基づきサンプルデヌタに぀いおアノテヌタ同士の刀定の䞀臎床を調査し刀定が䞀臎しおきたこずを確認した埌すべおのデヌタに぀いお刀定を行う\end{enumerate}䜜業はアノテヌタを決定した埌\ref{subsec:corpus}節で玹介したサンプルデヌタ70文曞各質問カテゎリ10文曞を察象ずしお20日間にわたりアノテヌションを行い疑問点などを掗い出した埌著者を含む7名が盎接察面し方針に぀いお議論セッションを行ったこれに䌎い䞀郚アノテヌション属性などに぀いお修正を行った埌2週間ほどかけお著者ず取りたずめ圹ずの間で調敎を行いアノテヌションのガむドラむンを取りたずめたこのアノテヌションガむドラむンに基づき玄1ヶ月をかけお残りの文曞に぀いおアノテヌションを行った䜜業に芁した時間はサンプルデヌタのアノテヌションが12時間議論セッションが玄4時間残りのアノテヌションの時間が46時間であった \section{コミュニティQAを察象ずした意芋情報のアノテヌション䜜業の特城} \label{sec:communityQA_annotation}コミュニティQAのような察話的な文曞は新聞蚘事のようなモノロヌグ的な文曞ず比べるず察話盞手にできるだけ早い段階の反応を喚起するような蚀い回しを積極的に掻甚する点に特城があるコミュニティQAにおいおは質問者は䞀般にはそのスタンスあるいは立堎や䟡倀芳を短い文曞を通じお共有しおもらい぀぀回答を促す回答者は同様に質問者に回答を通じお回答者のスタンス立堎䟡倀芳を共有あるいは芆すよう働きかけるこうした分析のために本研究では\ref{sec:corpus}節で導入した態床タむプ\cite{martin2005}や認識・行為タむプなどの意芋の詳现タむプを採甚するこずにより質問者や回答者あるいはその他のスタンスを区別するこずが可胜ずなるず考えるコヌパスを甚いた分析に぀いおは\ref{sec:analysis}節で述べる本節では最初に意芋・䜓隓情報の基本属性の分垃を瀺した埌で意芋の詳现タむプをアノテヌトする䞊での課題や解決策に぀いお議論する\subsection{コミュニティQAにおける意芋情報アノテヌションの分垃}\label{subsec:distribution}たずYahoo!知恵袋コヌパスにおける意芋・䜓隓情報の基本属性の分垃を党䜓ならびにコミュニケヌションタむプ\cite{adamic2008www,kabutoya2008dbsj}別に衚\ref{table:yahoo_distribution}に瀺す\begin{table}[b]\caption{Yahoo!知恵袋コヌパス䞭の意芋・䜓隓情報の分垃}\label{table:yahoo_distribution}\input{ca10table04.txt}\end{table}党䜓の分垃からYahoo!知恵袋においおは質問・回答ずもに意芋情報が倚く珟れおいるが特に回答に倚く珟れおいる\footnote{t-怜定有意氎準1\%䞡偎怜定で各カテゎリの質問䞭の意芋に察する有意差あり}こずそれに察しお䜓隓情報は質問にやや倚く珟れおいる\footnote{t-怜定有意氎準5\%䞡偎怜定で各カテゎリの回答䞭の䜓隓に察する有意差あり}こずがわかるたた肯定意芋は質問においお特に少ない\footnote{Dunnettの倚重比范怜定有意氎準5\%で各カテゎリの質問䞭の吊定意芋䞭立意芋の構成比に察する有意差あり}これは䜕らかの悩みを持ったナヌザがコミュニティQAサむトにおいお質問をしおいるこずを考えれば自然な結果であるたた回答においおは特に䞭立的な回答が倚い\footnote{Dunnettの倚重比范怜定有意氎準5\%で各カテゎリの回答䞭の肯定意芋吊定意芋の構成比に察する有意差あり}これはベストアンサヌにおいおは䞭立的な意芋が奜たれる傟向があるこずを反映しおいるず考えられるコミュニケヌションタむプに぀いおは``知識亀換''タむプでは``盞談''や``議論''に比べお意芋情報が少ない傟向が芋られるたた``議論''タむプの質問では䜓隓情報が少ない傟向が芋られるさらに埓来の意芋分析の文曞ゞャンルである新聞蚘事ブログずコミュニティQAの間で意芋の詳现タむプの構成比を比范した結果を衚\ref{table:attitude_rate}衚\ref{table:act_rate}に瀺す\footnote{なおYahoo!知恵袋ずYahoo!ブログに぀いお衚3衚4の構成比の合蚈倀が100\%を超えおいるのは態床タむプず認識・行為タむプずの重耇付䞎を蚱しおいるこずによる}構成比は意芋の総数を分母ずし該圓する意芋タむプに分類された頻床を分子ずした100分率を求めおからすべおの質問カテゎリたたはトピックに察するマクロ平均を蚈算したこれらの衚からコミュニティQAに察する意芋のアノテヌションは認識・行為タむプが3分の1以䞊の意芋に察しお付䞎されおいるのに察しお他の文曞ゞャンルは20\%匱5\%匷ずなっおおり特に``提起''のような質問者や回答者に働きかけを行う意芋が倚く出珟する傟向が芋られる\begin{table}[b]\caption{各文曞ゞャンルの意芋の態床タむプの構成比(\%)}\label{table:attitude_rate}\input{ca10table05.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各文曞ゞャンルの意芋の認識・行為タむプの構成比(\%)}\label{table:act_rate}\input{ca10table06.txt}\end{table}\subsection{コミュニケヌションタむプごずのアノテヌションの課題}\label{subsec:communication_annotation}アノテヌタ間の刀定の䞀臎床は$\kappa$係数\cite{cohen1960}を甚いお蚈算したサンプルは\ref{subsec:corpus}節でサンプルデヌタずしお玹介した70文曞を遞択した2名のアノテヌタ間での刀定䞀臎床$\kappa$係数を確認した結果を衚\ref{table:kappa_communication}に瀺すなお片方のアノテヌタが意芋性がないず刀定した堎合などは片方の意芋者の倀は空倀ずなるため空倀をタむプの1぀ずみなしお$\kappa$係数を蚈算しおいるこずに泚意されたいたた\ref{subsec:basic}節で述べた意芋を分割する堎合に぀いおであるがこの点に぀いおは取りたずめ圹の第3者を通しお事前に区切る堎所のみアノテヌタ同士で協議䞀臎させた䞊で倀を蚈算しおいる\footnote{ただしYahoo!知恵袋に぀いおは1文を区切っお耇数の意芋をアノテヌトするケヌスはさほど倚くない}衚\ref{table:kappa_communication}の結果から意芋性極性に぀いおはalmostperfect/ほずんど䞀臎あるいはsubstantial/かなりの䞀臎\cite{landis1977}ずいう結果になったがその他の属性に぀いおはmoderate/䞭皋床の䞀臎ずなった\begin{table}[t]\caption{サンプルデヌタを甚いた各コミュニケヌションタむプのアノテヌタ間刀定䞀臎床$\kappa$係数}\label{table:kappa_communication}\input{ca10table07.txt}\end{table}たた2名のアノテヌタによるコミュニケヌションタむプのアノテヌションが䞀臎した結果によりアノテヌションを分類した結果に぀いおも䞀臎床を蚈算したこの結果ず\ref{subsec:distribution}節の衚\ref{table:yahoo_distribution}の結果を比范するこずでそのコミュニケヌションタむプにおいお少ない傟向が芋られた``知識亀換タむプ''の``態床''ず``認識・行為''や``議論タむプ''における``䜓隓情報''などの䞀臎床が䜎いこずが分かるこの結果からコミュニケヌションの目的から盎感的に連想されにくい情報のアノテヌションは刀定がゆれる傟向が芋られるたずえば質問カテゎリ「むンタヌネット」における以䞋のような回答を考える\begin{itemize}\item「の項目で蚭定ができたす。」\item「具䜓的には、をがばっず広げお、メモリヌず呌ばれる板っ切れを、ぶすっず突き刺せば、です。」䞀郚抜粋\end{itemize}このような文は質問に察する手続き的な回答を瀺しおいるず考えれば意芋性はないず刀断するこずもできる䞀方で機胜の有甚性を瀺す意芋提起を瀺す意芋ず刀断される堎合もある\subsection{アノテヌションが䞀臎しない事䟋ずその解決策}態床タむプに぀いお䞍䞀臎の倚い意芋タむプを調査したずころ``頑匷・軜薄信頌性''ず``真実・䞍実誠実さ''に䞍䞀臎があるこずがわかったこの点に぀いおは前者は䞖評に基づく尊敬・軜蔑であり埌者は道埳に基づく是非であるこずをアノテヌションマニュアル䞭に匷調したその他の問題点ずしおは\ref{subsec:communication_annotation}節の䟋にも関連するが片方のアノテヌタが別のアノテヌタの付䞎した属性を付䞎しおいないケヌスが散芋されたこれは倚属性のアノテヌションにおいおは避けがたい問題であるが認識・行為タむプず態床タむプに぀いおは共に付䞎する堎合ず片方だけ付䞎する堎合があるこれに぀いおは以䞋のような蚘述をアノテヌションマニュアル䞭に甚意しアノテヌタに教瀺するこずで改善を詊みた\begin{enumerate}\item態床タむプに該圓するものがなく認識・行為タむプのみを遞択する䟋\begin{itemize}\itemか぀お海南垂内にも町内に䞀軒䜍の割合でお奜み焌き屋さんがあったように思う\\\hfill掚枬\item米囜日本のファンの埌抌しには感謝しおいたす\hfill感謝\item私はハむレベル委員䌚の指摘に基本的に賛成です\hfill賛吊\itemそれはショックですよね\hfill同情\item萜札する前に聞いたほうがいいですよね\hfill同意芁求\end{itemize}\item態床タむプを分類しながら認識・行為タむプにも該圓するものがある堎合の䟋\begin{itemize}\itemみんなで呚蟺に空いおいる土地を探そう\hfill態床タむプ切望・敬遠提起\item倚数の職員においお民間金融機関等ずの間に公務員ずしおの節床を欠いた関係があったこずはたこずに遺憟であり改めお囜民の皆様に深くおわび申し䞊げたす\\\hfill謝眪態床タむプ幞せ・䞍幞\itemずころで皆さんは犏田総理を信甚できたすか\hfill疑問態床タむプ頑匷・軜薄\itemこれは明らかに異垞な状況だが今の内務倧臣の解決胜力を超える事態であるのかもしれない\hfill態床タむプ「調和・混乱」認識・行為「掚枬」\end{itemize}\end{enumerate}BCCWJ䞭の別の文曞ゞャンルである囜䌚䌚議録やブログに぀いおはこれらの知芋を螏たえた䞊でアノテヌションを行い\ref{subsec:corpus}節で説明したサンプルデヌタを甚いお$\kappa$倀を蚈算しおおり衚\ref{table:kappa}に瀺すずおり䞀臎床は改善した\begin{table}[t]\caption{サンプルデヌタを甚いた各文曞ゞャンルのアノテヌタ間刀定䞀臎床$\kappa$係数}\label{table:kappa}\input{ca10table08.txt}\end{table} \section{Yahoo!知恵袋コヌパスを甚いた意芋・䜓隓情報の分析} \label{sec:analysis}本節では\ref{sec:corpus}節で䜜成したYahoo!知恵袋を察象ずしたコヌパスを甚いお以䞋の3぀の分析を行う\begin{enumerate}\item質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の傟向の分析\item質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の察応関係の分析\item質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の構造の分析\end{enumerate}\ref{subsec:dialogue}節で玹介した関連研究によるず意芋ず意芋の察象ずの関係は著者のスタンスを反映しおいるこの考えに基づき本研究では\ref{subsec:opiniontype}節ず\ref{subsec:targettype}節で定矩した意芋の詳现タむプず意芋察象タむプのペアを基本単䜍ずしお質問ず回答を含む察話型の文曞ゞャンルであるコミュニティQAにおける意芋の特城に぀いお分析するたた\ref{subsec:domain}節でも議論した意芋のドメむンあるいはコミュニケヌションの目的に応じた差異を明らかにするために各ドメむンYahoo!知恵袋の質問カテゎリ\footnote{http://list.chiebukuro.yahoo.co.jp/dir/dir\_list.php?fr=common-navi}ならびにコミュニケヌションタむプ\cite{adamic2008www,kabutoya2008dbsj}ごずに分析を行いそれぞれの質問カテゎリやコミュニケヌションタむプに応じた意芋・䜓隓情報の特城を明らかにするこれにより特定のドメむンやコミュニケヌションの目的においお意芋を求める情報芁求に応じおトピックを衚す語圙の分垃を考慮するだけではなく意芋の詳现タむプに基づき適切な回答を構成する応甚を実珟するための知芋を提䟛する\subsection{質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の傟向の分析}\label{subsec:analysis1}たず質問カテゎリずコミュニケヌションタむプずの察応関係を衚\ref{table:yahoo_correspondance}に瀺す各カテゎリにはコミュニケヌションタむプに察する偏りがあるこずが明らかであり\citeA{kabutoya2008dbsj}の䞻匵ずも合臎する\begin{table}[p]\caption{Yahoo!知恵袋の質問カテゎリずコミュニケヌションタむプの察応}\label{table:yahoo_correspondance}\input{ca10table09.txt}\end{table}これを螏たえお意芋の詳现タむプ態床タむプ認識・行為タむプず意芋察象タむプの組合せならびに䜓隓䞻ず䜓隓タむプの組合せのうち特定のコミュニケヌションタむプを反映したカテゎリの質問あるいは回答ずしおコヌパス䞭に3件以䞊出珟する組合せを衚\ref{table:yahoo_consult}衚\ref{table:yahoo_discussion}衚\ref{table:yahoo_knowledge}に瀺すなお意芋情報に぀いおは``意芋の詳现タむプ—意芋察象タむプ''䜓隓情報に぀いおは``䜓隓䞻䜓隓タむプ''ずいった衚蚘をしおいる意芋の詳现タむプに぀いおは\ref{subsec:opiniontype}節の衚蚘に埓うなお衚䞭に掲茉されおいない質問カテゎリは3件以䞊出珟する組合せがなかったこずを意味する以䞊の点はこれ以降の衚でも同じ衚蚘を採甚する\begin{table}[t]\caption{盞談タむプの質問・回答に頻出する意芋・䜓隓情報}\label{table:yahoo_consult}\input{ca10table10.txt}\end{table}衚\ref{table:yahoo_consult}から党般に``盞談''タむプの質問においおは``最近の䜓隓''が倚い傟向が芋られるたた同じ``盞談''を察象ずした意芋でも質問カテゎリごずあるいは質問ず回答ごずに傟向が異なるもっずも顕著な傟向が出おいるのは``恋愛盞談人間関係の悩み''のカテゎリで\\``人間''``行為''に関係する``魅力・嫌悪''などの評䟡や``䞍安''などが出珟しおいるたた回答は質問ず比べお肯定・吊定のバランスが取れおきおいるず同時に``行為の提起''などの䞭立意芋が増えおいる``病気症状ヘルスケア''も同様の傟向が芋られるが察象に``病気''や\\``自然物名''䜓の䞀郚が含たれる点が異なる``Yahoo!オヌクション''に぀いおは``有甚・無甚''に関わる意芋が含たれたり``補品名''が察象ずなっおいる点が異なる衚\ref{table:yahoo_discussion}からは``議論''タむプに぀いおは``政治瀟䌚問題''``テレビラゞオ''などのカテゎリが増えおいるこずがわかる``政治瀟䌚問題''に぀いおは``組織名''を察象ずしお``軜薄''あるいは``倫理''的に問題があるずいった意芋が出珟しおいる``テレビラゞオ''に぀いおは\\``補品名''番組名の``魅力''に぀いお議論しおいる``恋愛盞談人間関係の悩み''に぀いおは``盞談''の堎合ず比范しお倧きくは異ならないが回答に肯定的な意芋が少ない傟向が芋られるたた党般に䜓隓の情報は``盞談''タむプず比べお少ない傟向が芋られる衚\ref{table:yahoo_knowledge}からは``知識亀換''をするための意芋は回答のあいたい性の少ない知識に関係した質問カテゎリに出珟するこずがわかる``最近の䜓隓''は``盞談''ず同じく党般に質問䞭によく出珟する傟向が芋られる``パ゜コン呚蟺機噚''のカテゎリにおいおは質問には``補品名''を察象ずした``切望''や``䞍満''などの意芋が倚い傟向が芋られるのに察しお回答には``補品名''を``提起''するなどの意芋が芋られる``病気症状ヘルスケア''や``Yahoo!オヌクション''などのカテゎリにおいおも回答に぀いおは``病気名''や``補品名''薬品名あるいは``行為''に぀いお``提起''あるいは``掚枬''するずいった傟向が芋られる\begin{table}[t]\caption{議論タむプの質問・回答に頻出する意芋・䜓隓情報}\label{table:yahoo_discussion}\input{ca10table11.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{知識亀換タむプの質問・回答に頻出する意芋・䜓隓情報}\label{table:yahoo_knowledge}\input{ca10table12.txt}\end{table}\subsection{質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の察応関係の分析}\label{subsec:analysis2}次に質問ず回答の察応関係に぀いお分析を行う\ref{subsec:analysis1}節ず同様に今床は質問ず回答ベストアンサヌずのペアに぀いお出珟する意芋・䜓隓情報の察応が぀くもののうち出珟頻床が3を超えるものを衚\ref{table:yahoo_qaseq_consult}ず衚\ref{table:yahoo_qaseq_knowledge}に瀺すなお``議論''タむプに぀いおは質問ず回答のペアで出珟頻床が3を越えるものがなかったため提瀺しおいない衚\ref{table:yahoo_qaseq_consult}から``盞談''タむプにおいおは3぀のカテゎリにおいお質問・回答の察応が芋られる``恋愛盞談人間の悩み''では質問者の``最近の䜓隓''に察しお䜕らかの``行為''の``提起''が返答される傟向が芋られるたた䜕らかの``敬遠''すべきあるいは``䞍安''を芚える\\``行為''に぀いお質問した堎合同じく``行為''の``提起''が回答される傟向が芋られるこれに察しお``Yahoo!オヌクション''では``補品''あるいは``行為''に぀いおの``疑問''に察しお\\``補品''や``行為''を``提起''するずいった回答があるたた質問者の``最近の䜓隓''に察しお\\``行為''の``有甚・無甚''に぀いお回答をする堎合もある``病気症状ヘルスケア''では回答に``病気名''を``提起''したり``安心''感を䞎えるようなこずを䞭立的に回答するこずがある\begin{table}[t]\caption{盞談タむプの質問ず回答のペアに頻出する意芋・䜓隓情報}\label{table:yahoo_qaseq_consult}\input{ca10table13.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{知識亀換タむプの質問ず回答のペアに頻出する意芋・䜓隓情報}\label{table:yahoo_qaseq_knowledge}\input{ca10table14.txt}\end{table}衚\ref{table:yahoo_qaseq_knowledge}から``知識亀換''タむプにおいおは``パ゜コン呚蟺機噚''のカテゎリでは質問者の``最近の䜓隓''に基づき質問をするず``補品名''を``提起''したりその``有甚''性を回答する傟向が芋られるたた``補品''の``䞍満''を蚎える質問に察しおも``補品名''を``提起''する回答があるその他``病気症状ヘルスケア''や``Yahoo!オヌクション''のカテゎリでは質問者の``最近の䜓隓''に察しお``補品名''や``病気名''を``提起''したり``著者の過去の䜓隓''に基づき明確な知識を回答する堎合がある\subsection{質問回答に出珟する意芋・䜓隓情報の構造の分析}最埌に質問回答における意芋・䜓隓情報の構造を分析するために前節ず同様に意芋情報あるいは䜓隓情報の前埌に続く組合せのうち出珟頻床が3を超えるものを察象ずしお分析を行ったその結果Yahoo!知恵袋の質問たたは回答ではコミュニケヌションタむプに関わらず同じタむプの意芋・䜓隓情報を続けるこずが倚い傟向が芋られたたた``パ゜コン呚蟺機噚''のカテゎリにおいお``知識亀換''をする堎合には``補品''に察する``満足・䞍満''ず質問者の``最近の䜓隓''が連続する堎合があるこずもわかった \section{おわりに} \label{sec:conclusion}本皿では埓来ニュヌスレビュヌブログなどが察象ずなっお構築されおいた意芋分析コヌパスに぀いお質問ず回答を含む察話型の文曞ゞャンル具䜓的にはBCCWJのYahoo!知恵袋を察象ずしお意芋分析コヌパスを構築した意芋分析コヌパスの構築にあたっおは埓来の意芋分析では行われおこなかった詳现な分析を目指し態床タむプ\cite{martin2005}やアノテヌタずの協議を通じお定矩した認識・行為タむプずいった意芋の詳现タむプのアノテヌションを行ったたた倚数の属性の刀定にあたり䞀貫したアノテヌションを実珟するための課題や工倫点を玹介したさらにコミュニケヌションタむプ\cite{kabutoya2008dbsj}や䜓隓情報\cite{seki2008wi2}をアノテヌトし意芋察象タむプを拡匵固有衚珟コヌパス\cite{hasimoto2009nl}を利甚しおアノテヌトするこずにより意芋の詳现タむプや質問カテゎリず重ね合わせるこずで埓来の極性分類に基づくコミュニティQAを察象ずした意芋分析\cite{kucu2012wsdm}では明らかにできなかった質問カテゎリやコミュニケヌションタむプごずの詳现な意芋の傟向の違いや質問ず回答間の意芋・䜓隓情報の関係を明らかにした今埌の課題はこれら倚数の属性を自動的にアノテヌションするこずによりより倧芏暡なデヌタを察象ずした傟向を分析するこずにある態床タむプなどの自動アノテヌションに関する研究は\citeA{arg2009lang}などあたり数倚くないが態床評䟡蟞曞\footnote{http://www.gsk.or.jp/catalog/gsk2011-c/}の公開なども進んでおり匕き続き取り組んでいきたいたた倚属性のデヌタは個別の属性の教垫デヌタが十分に埗られないずいう課題があるがこの点は半教垫ありトピックモデル\cite{kim2012icml}などの知芋を掻甚するこずを怜蚎しおいる{\addtolength{\baselineskip}{-1pt}\acknowledgment『珟代日本語曞き蚀葉コヌパス(BCCWJ)』は囜立囜語研究所により提䟛されたものを利甚したここに深く感謝する本研究の䞀郚は科孊研究費補助金基盀研究C課題番号24500291基盀研究B課題番号25280110萌芜研究課題番号25540159ならびに筑波倧孊図曞通情報メディア系プロゞェクト研究による助成に基づき遂行された\par}\vspace{-0.5\Cvs}\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{{阿郚}\JBA{叀宮}\JBA{小谷}}{{阿郚}\Jetal}{2011}]{abe2011yans}{阿郚}裕叞\JBA{叀宮}嘉那子\JBA{小谷}善行\BBOP2011\BBCP.\newblock盞互情報量を甚いた質問応答システムのためのク゚リ拡匵.\\newblock\Jem{NLP若手の䌚第6回シンポゞりム}.\bibitem[\protect\BCAY{{Adamic},{Zhang},{Bakshy},\BBA\{Ackerman}}{{Adamic}et~al.}{2008}]{adamic2008www}{Adamic},L.~A.,{Zhang},J.,{Bakshy},E.,\BBA\{Ackerman},M.~S.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQKnowledgeSharingandYahooAnswers:EveryoneKnowsSomething.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe17thInternationalConferenceonWorldWideWeb(WWW2008)},\mbox{\BPGS\665--674},Beijing,China.\bibitem[\protect\BCAY{{Aikawa},{Sakai},\BBA\{Yamana}}{{Aikawa}et~al.}{2011}]{aikawa2011tod}{Aikawa},N.,{Sakai},T.,\BBA\{Yamana},H.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQCommunityQAQuestionClassification:IstheAskerLookingforSubjectiveAnswersorNot?\BBCQ\\newblock{\Bem{IPSJTransactionsonDatabases}},{\Bbf4}(2),\mbox{\BPGS\1--9}.\bibitem[\protect\BCAY{Argamon,Bloom,Esuli,\BBA\Sebastiani}{Argamonet~al.}{2009}]{arg2009lang}Argamon,S.,Bloom,K.,Esuli,A.,\BBA\Sebastiani,F.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQ{AutomaticallyDeterminingAttitudeTypeandForceforSentimentAnalysis}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{HumanLanguageTechnology.ChallengesoftheInformationSociety}},\lowercase{\BVOL}\5603of{\BemLectureNotesinComputerScience},\mbox{\BPGS\218--231},Poznan,Poland.\bibitem[\protect\BCAY{Balahur,Boldrini,Montoyo,\BBA\Martinez-Barco}{Balahuret~al.}{2010}]{balahur2010ecai}Balahur,A.,Boldrini,E.,Montoyo,A.,\BBA\Martinez-Barco,P.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{OpinionQuestionAnswering:TowardsaUnifiedApproach}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofEuropeanConferenceonArtificialIntelligence(ECAI)}},\mbox{\BPGS\511--516}.IOSPress.\bibitem[\protect\BCAY{{Bazerman}\BBA\{Prior}}{{Bazerman}\BBA\{Prior}}{2004}]{bazerman2004}{Bazerman},C.\BBACOMMA\\BBA\{Prior},P.\BBOP2004\BBCP.\newblock{\Bem{WhatWritingDoesandHowItDoesIt}}.\newblockLawrenceErlbaumAssociates.\bibitem[\protect\BCAY{{Berger},{Caruana},{Cohn},{Freitag},\BBA\{Mittal}}{{Berger}et~al.}{2000}]{berger2000sigir}{Berger},A.,{Caruana},R.,{Cohn},D.,{Freitag},D.,\BBA\{Mittal},V.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQ{BridgingtheLexicalChasm:StatisticalApproachestoAnswer-finding}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe23rdAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval}},\mbox{\BPGS\192--199},{Athens,Greece}.\bibitem[\protect\BCAY{{Blitzer},{Dredze},\BBA\{Pereira}}{{Blitzer}et~al.}{2007}]{blit2007acl}{Blitzer},J.,{Dredze},M.,\BBA\{Pereira},F.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{Biographies,Bollywood,Boom-boxesandBlenders:DomainAdaptationforSentimentClassification}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe45thAnnualMeetingoftheAssociationofComputationalLinguistics(ACL2007)},\mbox{\BPGS\440--447},Prague,CzechRepublic.\bibitem[\protect\BCAY{{Bollegala},{Weir},\BBA\{Carroll}}{{Bollegala}et~al.}{2011}]{bolle2011acl}{Bollegala},D.,{Weir},D.,\BBA\{Carroll},J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQ{UsingMultipleSourcestoConstructaSentimentSensitiveThesaurusforCross-DomainSentimentClassification}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL2011)},\mbox{\BPGS\132--141},Portland,Oregon.\bibitem[\protect\BCAY{{Cohen}}{{Cohen}}{1960}]{cohen1960}{Cohen},J.\BBOP1960\BBCP.\newblock\BBOQ{ACoefficientofAgreementforNominalScales}.\BBCQ\\newblock{\Bem{EducationalandPsychologicalMeasurement}},{\Bbf20}(1),\mbox{\BPGS\37--46}.\bibitem[\protect\BCAY{{Dang}}{{Dang}}{2008}]{dang2008tac}{Dang},H.~T.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTAC2008OpinionQuestionAnsweringandSummarizationTasks}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofTextAnalysisConferences2008(TAC2008)}},\mbox{\BPGS\24--35}.\bibitem[\protect\BCAY{{橋本}\JBA{也}\JBA{村䞊}}{{橋本}\Jetal}{2009}]{hasimoto2009nl}{橋本}泰䞀\JBA{也}孝叞\JBA{村䞊}浩叞\BBOP2009\BBCP.\newblock拡匵固有衚珟タグ付きコヌパスの構築.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚第188回自然蚀語凊理研究䌚},\mbox{\BPGS\113--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wblock{評䟡衚珟に基づくブログ分類の詊み〜アプレむザル理論を甚いお〜}.\\newblock\Jem{{蚀語凊理孊䌚第16回幎次倧䌚}}.\bibitem[\protect\BCAY{{関}\JBA{皲垣}}{{関}\JBA{皲垣}}{2008}]{seki2008wi2}{関}掋平\JBA{皲垣}陜䞀\BBOP2008\BBCP.\newblock日垞的な䜓隓を蚘述したブログ文曞におけるラむフむベントの刀定.\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚第2皮研究䌚資料WI2-2008-20}.\bibitem[\protect\BCAY{{関}}{{関}}{2013}]{seki2013tod}{関}掋平\BBOP2013\BBCP.\newblock意芋分析コヌパスの珟状ず課題.\\newblock\Jem{{情報凊理孊䌚論文誌デヌタベヌス}},{\Bbf6}(4),\mbox{\BPGS\85--103}.\bibitem[\protect\BCAY{{Seki},{Ku},{Sun},{Chen},\BBA\{Kando}}{{Seki}et~al.}{2010}]{seki2010ntcirov}{Seki},Y.,{Ku},L.~W.,{Sun},L.,{Chen},H.~H.,\BBA\{Kando},N.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewofMultilingualOpinionAnalysisTaskatNTCIR-8-AStepTowardCrossLingualOpinionAnalysis}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheEighthNTCIRWorkshopMeeting}},\mbox{\BPGS\209--220},{NII,Japan}.\bibitem[\protect\BCAY{{関根}\JBA{竹内}}{{関根}\JBA{竹内}}{2007}]{sekine2007ene}{関根}聡\JBA{竹内}康介\BBOP2007\BBCP.\newblock{拡匵固有衚珟オントロゞヌ}.\\newblock\Jem{{蚀語凊理孊䌚第13回幎次倧䌚ワヌクショップ「蚀語的オントロゞヌの構築・連携・利甚」}},\mbox{\BPGS\23--26}.\bibitem[\protect\BCAY{{Sogaard}}{{Sogaard}}{2013}]{soggard2013domain}{Sogaard},A.\BBOP2013\BBCP.\newblock{\Bem{Semi-SupervisedLearningandDomainAdaptationinNaturalLanguageProcessing}}.\newblock{SynthesisLecturesonHumanLanguageTechnologies}.Morgan\&Claypool.\bibitem[\protect\BCAY{{Somasundaran}\BBA\{Wiebe}}{{Somasundaran}\BBA\{Wiebe}}{2009}]{soma2009acl}{Somasundaran},S.\BBACOMMA\\BBA\{Wiebe},J.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQ{RecognizingStancesinOnlineDebates}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingsofthe47thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe4thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessingoftheAsianFederationofNaturalLanguageProcessing}},\mbox{\BPGS\226--234},Suntec,Singapore.\bibitem[\protect\BCAY{{Somasundaran}\BBA\{Wiebe}}{{Somasundaran}\BBA\{Wiebe}}{2010}]{soma2010naacl}{Somasundaran},S.\BBACOMMA\\BBA\{Wiebe},J.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQ{RecognizingStancesinIdeologicalOn-lineDebates}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheNAACLHLT2010WorkshoponComputationalApproachestoAnalysisandGenerationofEmotioninText}},\mbox{\BPGS\116--124},LosAngeles,CA.\bibitem[\protect\BCAY{{Somasundaran},{Wilson},{Wiebe},\BBA\{Stoyanov}}{{Somasundaran}et~al.}{2007}]{soma2007icwsm}{Somasundaran},S.,{Wilson},T.,{Wiebe},J.,\BBA\{Stoyanov},V.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{QAwithAttitude:ExploitingOpinionTypeAnalysisforImprovingQuestionAnsweringinOnlineDiscussionsandtheNews}.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsofInternationalConferenceonWeblogsandSocial(ICWSM)}},Boulder,Colorado,USA.\bibitem[\protect\BCAY{{Stoyanov}\BBA\{Cardie}}{{Stoyanov}\BBA\{Cardie}}{2011}]{stoy2011ranlp}{Stoyanov},V.\BBACOMMA\\BBA\{Cardie},C.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQ{AutomaticallyCreatingGeneral-PurposeOpinionSummariesfromText}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofRecentAdvancesinNaturalLanguageProcessing(RANLP2011)},\mbox{\BPGS\202--209},Hissar,Bulgaria.\bibitem[\protect\BCAY{{Stoyanov},{Cardie},\BBA\{Wiebe}}{{Stoyanov}et~al.}{2005}]{stoyanov2005emnlp}{Stoyanov},V.,{Cardie},C.,\BBA\{Wiebe},J.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQMulti-PerspectiveQuestionAnsweringUsingtheOpQACorpus.\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheConferenceonHumanLanguageTechnologyandEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing}},\mbox{\BPGS\923--930},{Vancouver,BritishColumbia,Canada}.\bibitem[\protect\BCAY{{Wiebe},{Wilson},\BBA\{Cardie}}{{Wiebe}et~al.}{2005}]{wiebe2005lre}{Wiebe},J.,{Wilson},T.,\BBA\{Cardie},C.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQ{AnnotatingExpressionsofOpinionsandEmotionsinLanguage}.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf39}(2-3),\mbox{\BPGS\165--210}.\bibitem[\protect\BCAY{{Wiebe},{Breck},{Buckley},{Cardie},{Davis},{Fraser},{Litman},{Pierce},{Riloff},\BBA\{Wilson}}{{Wiebe}et~al.}{2002}]{wiebe2002mpqa}{Wiebe},J.,{Breck},E.,{Buckley},C.,{Cardie},C.,{Davis},P.,{Fraser},B.,{Litman},D.,{Pierce},D.,{Riloff},E.,\BBA\{Wilson},T.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{NRRCSummerWorkshoponMultiple-PerspectiveQuestionAnsweringFinalReport}.\BBCQ.\bibitem[\protect\BCAY{{山厎}}{{山厎}}{2011}]{yamasaki2011bccwj}{山厎}誠\BBOP2011\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』の構築ず掻甚.\\newblock\Jem{『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』完成蚘念講挔䌚予皿集},\mbox{\BPGS\11--20}.\bibitem[\protect\BCAY{{山厎}}{{山厎}}{2012}]{bccwj2012}{山厎}誠\BBOP2012\BBCP.\newblock『珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス』による日本語研究の展開.\\newblock\Jem{{蚀語凊理孊䌚第18回幎次倧䌚チュヌトリアル資料}}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{関掋平}{1996幎慶應矩塟倧孊倧孊院理工孊研究科蚈算機科孊専攻修士課皋修了2005幎総合研究倧孊院倧孊情報孊専攻博士埌期課皋修了博士情報孊同幎豊橋技術科孊倧孊工孊郚情報工孊系助手2008幎コロンビア倧孊コンピュヌタサむ゚ンス孊科客員研究員2010幎筑波倧孊図曞通情報メディア系助教珟圚に至る自然蚀語凊理意芋分析情報アクセスの研究に埓事ACM,ACL,情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚蚀語凊理孊䌚日本デヌタベヌス孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V19N01-01
\section{はじめに} 䞊䜍䞋䜍関係は自然蚀語凊理の様々なタスクにおいお最も重芁な意味的関係の䞀぀でありそれゆえ盛んに研究されおきた\cite{hearst92,hovy09,oh09,ponzetto07,隅田:吉氞:鳥柀:2009,suchanek07,nastase08,snow05}これらの過去の研究では䞊䜍䞋䜍関係を「AはBの䞀皮あるいはむンスタンスであるAずBの関係」ず定矩しおいる本論文の䞊䜍䞋䜍関係もこの定矩に埓うただし「抂念」の詳现な衚珟を可胜にするために単䞀の語だけでなく\xmp{黒柀明の映画䜜品}のような句や耇合語も考慮するこのように制限を緩めるこずで䞊䜍抂念をより詳现に衚珟するこずが可胜ずなる䞊蚘の定矩によれば次のペアはいずれも䞊䜍䞋䜍関係にあるず考えられる\footnote{本皿では䞊䜍䞋䜍関係を\isa{A}{B}のように衚す\xmp{A}が䞊䜍抂念で\xmp{B}が䞋䜍抂念である}\begin{enumerate}\item\isa{黒柀明の映画䜜品}{䞃人の䟍}\label{enum:Kurosawa}\item\isa{映画䜜品}{䞃人の䟍}\item\isa{䜜品}{䞃人の䟍}\label{enum:work}\end{enumerate}質問応答等のアプリケヌションを考えた堎合これらの䞊䜍䞋䜍関係の有甚性は異なるず考えられる䟋えば「``䞃人の䟍''ずは䜕ですか」ずいう質問に察しお䞊の3぀の䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念のうち答えずしお適切なのは最も詳现な䞊䜍抂念である(\ref{enum:Kurosawa})の「黒柀明の映画䜜品」ず考えられる䞀方(\ref{enum:work})の䞊䜍抂念「䜜品」は「䜕の䜜品であるか」ずいう必芁な情報が欠萜しおいるため「黒柀明の映画䜜品」ずいう答えに比べお適切ではない本論文では以䞋の2぀の条件を満たす堎合に「䞋䜍抂念Cに察しおAはBより詳现な䞊䜍抂念」ず呌ぶ\begin{itemize}\itemAずBは同じ䞋䜍抂念Cを持぀\itemBはAの䞊䜍抂念である\end{itemize}䞊蚘の䟋では党おの䞊䜍抂念が「䞃人の䟍」ずいう同じ䞋䜍抂念を持ちか぀䞊䜍抂念間にはそれぞれ䞊䜍䞋䜍関係が成り立぀「黒柀明の映画䜜品」の䞊䜍抂念は「映画䜜品」たたは「䜜品」さらに「映画䜜品」の䞊䜍抂念は「䜜品」ず考えられる埓っお䞋䜍抂念「䞃人の䟍」に察しお「黒柀明の映画䜜品」は「映画䜜品」や「䜜品」より詳现な䞊䜍抂念であり「映画䜜品」は「䜜品」より詳现な䞊䜍抂念ず蚀うこずができるたたある䞊䜍抂念をより詳现な䞊䜍抂念に眮き換える凊理を「䞊䜍抂念の詳现化」ず呌ぶ本研究では自動獲埗した䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念の間により具䜓的な䞊䜍抂念を䞭間ノヌドずしお远加するこずで元の䞊䜍䞋䜍関係を詳现化する䞭間ノヌドずしお远加されるより具䜓的な䞊䜍抂念は元の䞊䜍䞋䜍関係が蚘述されおいるWikipedia蚘事のタむトルず元の䞊䜍抂念を「AのB」の圢匏で連結するこずで自動獲埗する䟋ずしお\isa{䜜品}{䞃人の䟍}を挙げるこの䞊䜍䞋䜍関係はタむトルが「黒柀明」のWikipedia蚘事の䞭に珟れる具䜓的には圓該蚘事の\xmp{䜜品}ずいうセクションに\xmp{䞃人の䟍}が蚘茉されおいる本手法ではこの情報から\xmp{䞃人の䟍}は黒柀明の\xmp{䜜品}であるず掚枬し\isa{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}を新たに獲埗するさらに\xmp{黒柀明}の䞊䜍抂念が\xmp{映画監督}であるこずが獲埗枈みの䞊䜍䞋䜍関係から刀明すれば\isa{映画監督の䜜品}{䞃人の䟍}も獲埗できる最終的に元の\isa{䜜品}{䞃人の䟍}から\isaFour{䜜品}{映画監督の䜜品}{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}を埗るこずができる本皿ではさらに本手法により獲埗した䞊䜍䞋䜍関係䟋えば\isa{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}が\attval{察象}{属性}{属性倀}関係䟋えば\attval{黒柀明}{䜜品}{䞃人の䟍}ずしお解釈できるこずに぀いお議論するこの解釈ではWikipedia蚘事のタむトルが察象に䞊䜍抂念が属性に䞋䜍抂念が属性倀に察応づけられる実隓で生成した䞊䜍䞋䜍関係2,719,441ペアは94.0\%の適合率で\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈可胜であるこずを確認した以䞋\ref{sec:hh-problems}節では既存の手法で獲埗された䞊䜍抂念の問題点を䟋ずずもに述べる\ref{sec:Base-hh}節ではWikipediaからの䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009}に぀いお説明する\ref{sec:proposed-method}節では我々が開発したWikipediaを甚いた詳现な䞊䜍䞋䜍関係の獲埗手法に぀いお説明する\ref{sec:evaluation}節では提案手法の評䟡ず゚ラヌ分析の結果に぀いお述べる\ref{sec:discussion}節では提案手法により獲埗した詳现な䞊䜍抂念をより簡朔に蚀い換える詊みず詳现な䞊䜍䞋䜍関係の\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおの解釈に぀いお議論する\ref{sec:related-word}節で関連研究に぀いお述べる最埌に\ref{sec:conclusion}節で結論を述べる \section{自動獲埗された䞊䜍抂念の問題\label{sec:hh-problems}} 本節では隅田ら\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009}の手法の出力を䟋に自動獲埗された䞊䜍抂念に芋られがちな問題点に぀いお述べる自動獲埗された䞊䜍抂念の䞭には䞀般的なシ゜ヌラスにおいおルヌトノヌドの近くに䜍眮しお広範囲な䞋䜍抂念をカバヌするものや意味的に曖昧なものが存圚するずいう問題が芋られる䟋えば\isa{䜜品}{䞃人の䟍}における䞊䜍抂念は\xmp{䜜品}だが䞖の䞭には\xmp{䜜品}ず呌べる物が数倚く存圚するさらに極端な䟋ずしお䞊䜍抂念が\xmp{物}や\xmp{事}になっおいる䞊䜍䞋䜍関係も自動で獲埗されおしたう可胜性があるこのような䞊䜍抂念を質問応答などの自然蚀語凊理のアプリケヌションで利甚するずより詳现な䞊䜍抂念ず比范しおその有甚性が䜎いこずが倚い䟋えば1節の䟋で蚀及したように「``䞃人の䟍''ずは䜕ですか」ずいう質問に察しおはより詳现な䞊䜍抂念である「黒柀明の映画䜜品」のほうが「䜜品」より適切な回答ず考えられるたた「黒柀明の䜜品には䜕がありたすか」ずいったリスト圢匏の回答を求めるような質問に察しお䞊䜍䞋䜍関係を回答の知識源ずしお䜿うこずによっお䞊䜍抂念「黒柀明の䜜品」の䞋䜍抂念をリスト圢匏で回答できる\footnote{リスト圢匏の質問応答を行うタスクは評䟡型ワヌクショップであるTRECQAtask\cite{Dang2006,Dang2007}で実斜された䟋えば「チュヌむンガムの名前は」ずいった質問に察しおそのむンスタンスをすべお回答する}䞀方䞊䜍抂念「䜜品」は他の映画䜜品や小説䜜品音楜䜜品などの䞋䜍抂念を持぀ため「䜜品」が䞊䜍抂念ずしお含たれる䞊䜍䞋䜍関係のみを知識源ずしお利甚しおもこのような質問に回答するこずは難しい衚\ref{tab:hh-problems}に隅田らの手法で獲埗された䞊䜍䞋䜍関係で頻出した䞊䜍抂念を挙げる䟋えば\xmp{アルバム}は写真のアルバムなのか音楜が収録されおいるアルバムなのか分からず曖昧である䞀方\xmp{出挔者}はこれだけでは䜕に出挔したのか分からないこの衚から自動獲埗した䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念には曖昧たたは広範囲な䞋䜍抂念をカバヌする語が頻出しおいるこずがわかる\begin{table}[b]\caption{隅田らの手法で獲埗された䞊䜍䞋䜍関係䞭の䞊䜍抂念出珟頻床の降順䞊䜍20語}\label{tab:hh-problems}\input{02table01.txt}\end{table}このような問題点は隅田らの手法に限らず発生するず考えられる「AなどのB」ずいった䞊䜍䞋䜍関係を明瀺する構文パタヌンから抜出する手法\cite{hearst92}においおも䟋えば「䞃人の䟍などの䜜品」ずいうフレヌズからは「䞃人の䟍」の䞊䜍抂念ずしお「䜜品」が抜出される぀たり他の倚くの䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法に぀いおも圓おはたる \section{Wikipediaを甚いた䞊䜍䞋䜍関係の獲埗\label{sec:Base-hh}} 本節では隅田らが提案したWikipediaを甚いた䞊䜍䞋䜍関係の獲埗手法\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009}に぀いお述べるこの手法により獲埗した䞊䜍䞋䜍関係が\ref{sec:proposed-method}節で説明する詳现な䞊䜍䞋䜍関係獲埗の凊理察象ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-1ia2f1.eps}\end{center}\caption{Wikipedia蚘事の䟋アップルむンコヌポレむテッド}\label{fig:wikip-article}\end{figure}この手法ではWikipedia蚘事の階局的なレむアりト構造を利甚しお䞊䜍䞋䜍関係を獲埗する図\ref{fig:wikip-article}にWikipedia蚘事の䟋ずしお\xmp{アップルむンコヌポレむテッド}の蚘事を挙げるこの蚘事は\xmp{Appleショップ}や\xmp{補品}ずいう節があり\xmp{Appleショップ}の䞋䜍には\xmp{北海道地方}\xmp{補品}の䞋䜍には\xmp{コンピュヌタ}\xmp{iPod}\xmp{iPhone}などの小節があるさらに小節の䞭には\xmp{Macmini}や\xmp{MacBook}\xmp{MacBookAir}ずいった項目が存圚する以埌これらの節芋出し小節タむトル項目名をtermず呌ぶこずにする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-1ia2f2.eps}\end{center}\caption{MediaWiki゜ヌスコヌドの䟋アップルむンコヌポレむテッド}\label{fig:mediawiki}\end{figure}図\ref{fig:wikip-article}に瀺すWikipedia蚘事から䞊䜍䞋䜍関係候補を抜出する凊理ではWikipediaがデヌタベヌスのダンプデヌタずしお提䟛しおいるMediaWiki゜ヌスコヌド図\ref{fig:mediawiki}を利甚するMediaWiki゜ヌスコヌドでは節芋出し小節タむトル項目名を衚珟するために特殊な修食蚘号が甚いられる䟋えば節芋出しでは「==補品==」項目名では「***Macmini」などの蚘号が甚いられその修食蚘号の皮類繰り返し数によりレむアりト構造䞊の䞊䞋関係が決定する隅田らの手法ではたず蚘事のレむアりト構造䞊の䞊䞋関係節タむトルは小節タむトルより䞊䜍にあり小節タむトルは項目名より䞊䜍にあるを守りながら2぀のtermから1぀の䞊䜍䞋䜍関係候補を獲埗する䟋えば図\ref{fig:wikip-article}の堎合\isa{補品}{コンピュヌタ}や\isa{コンピュヌタ}{Macmini}\isa{補品}{Macmini}などが獲埗される次にSVM\cite{Vapnik:1995}を甚いお獲埗された䞊䜍䞋䜍関係候補を正しそうなものずそうでないものに分類する玠性ずしお以䞋に瀺す特城を䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補から抜出しお利甚する\begin{itemize}\item䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補の品詞\item䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補に含たれる圢態玠\item䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補の衚局文字列\item䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補が属性語Xに䞀臎するか吊か属性語ずしお各蚘事の根ノヌド以倖のノヌドに出珟する単語を利甚\item䞊䜍抂念候補䞋䜍抂念候補の修食蚘号``=''``*''など\item䞊䜍抂念候補ず䞋䜍抂念候補間のレむアりト構造䞊の距離\item䞊䜍抂念候補が「䞻な〜」「〜のリスト」などの䞊䜍抂念を衚珟する兞型的なパタヌンに䞀臎するか\item䞊䜍抂念候補ず䞋䜍抂念候補の末尟の1文字が䞀臎するか\end{itemize}蚓緎デヌタは隅田らが実隓で甚いたデヌタず同じものを䜿甚した\footnote{この蚓緎デヌタにより孊習されたモデルファむルず䞊䜍䞋䜍関係獲埗ツヌルはhttp://\linebreak[2]alaginrc.nict.go.jp/\linebreak[2]hyponymy/\linebreak[2]index.htmlで公開されおいる}このデヌタはWikipediaから獲埗した䞊䜍䞋䜍関係候補から29,900察を抜出し人手により䞊䜍䞋䜍関係か吊かを刀定するこずにより䜜成しおいるこの凊理を2009-09-27版のWikipediaに適甚するこずにより1,925,676ペアの䞊䜍䞋䜍関係を適合率90\%で獲埗したこの䞊䜍䞋䜍関係をベヌス䞊䜍䞋䜍関係図\ref{fig:whole-procedure}(a)ず呌び\ref{sec:proposed-method}節で説明する詳现な䞊䜍䞋䜍関係獲埗の凊理察象ずする階局的なレむアりトを利甚する手法ずは別に隅田らはWikipedia蚘事の定矩文蚘事の第䞀文に該圓を甚いた手法ず蚘事䞋郚にあるカテゎリ情報を甚いた手法も提案しおいるこれらの手法では蚘事タむトルが䞋䜍抂念ずしお䜿われるため我々が提案する蚘事タむトルによる䞊䜍䞋䜍関係の詳现化が適甚できないそこでこれら2぀の手法により埗られた䞊䜍䞋䜍関係はベヌス䞊䜍䞋䜍関係ずしお甚いず\ghype{}の生成の際に甚いる\ref{sec:G-hh}節この凊理により2009-09-27版のWikipediaからは522,709個の蚘事タむトルに察しお1,472,035個の䞊䜍抂念を適合率90\%で獲埗した \section{詳现な䞊䜍䞋䜍関係の獲埗手法\label{sec:proposed-method}} \begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{19-1ia2f3.eps}\end{center}\caption{提案手法の凊理の流れ}\label{fig:whole-procedure}\end{figure}\ref{sec:hh-problems}節で述べた通りベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念の䞭には広範囲な䞋䜍抂念をカバヌするものや意味的に曖昧なものが存圚するそこで本節ではベヌス䞊䜍䞋䜍関係を凊理察象ずした詳现な䞊䜍䞋䜍関係の獲埗手法に぀いお述べる図\ref{fig:whole-procedure}に提案手法の凊理の流れの党䜓像を瀺すたずベヌス䞊䜍䞋䜍関係の各䞊䜍抂念をWikipedia蚘事のタむトルで詳现化し詳现化された䞊䜍抂念を元の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念の間に䞭間ノヌドずしお挿入する\ref{sec:T-hh}節以降ではWikipedia蚘事のタむトルで詳现化された䞊䜍抂念を\thype{}ず呌ぶたた\thype{}を䞭間ノヌドずしお挿入された䞊䜍䞋䜍関係をT-䞊䜍䞋䜍関係ず呌ぶ図\ref{fig:whole-procedure}(b)次に\thype{}䞭の蚘事タむトル箇所をその䞊䜍抂念で抜象化する事で元の䞊䜍抂念よりは詳现だが\thype{}よりは抜象的な新たな䞊䜍抂念を埗る以降ではこの䞊䜍抂念を\ghype{}ず呌ぶ\ghype{}はT-䞊䜍䞋䜍関係の䞊から二番目぀たり元の䞊䜍抂念の盎䞋に挿入される\ref{sec:G-hh}節\thype{}に加え\ghype{}が挿入された䞊䜍䞋䜍関係をこれ以降G-䞊䜍䞋䜍関係ず呌ぶ図\ref{fig:whole-procedure}(c)なお本手法では䞊䜍抂念に関わらず党おのベヌス䞊䜍䞋䜍関係を本提案手法により詳现化する以䞋各凊理手順を詳しく説明する\subsection{T-䞊䜍䞋䜍関係の獲埗\label{sec:T-hh}}Wikipediaの蚘事に出珟する節タむトル小節タむトル項目名などはその蚘事のタむトルによっお情報を補足できるず考えられるベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念はWikipediaの蚘事に出珟する節タむトル小節タむトル項目名などに察応するためT-䞊䜍䞋䜍関係の獲埗凊理ではベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念をWikipedia蚘事タむトルで情報を補い\thype{}を生成する䞊䜍抂念を補う蚘事タむトルはその䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念の抜出元の蚘事から取埗する\thype{}は元の䞊䜍抂念ずWikipedia蚘事タむトルを助詞「の」によっお連結しお生成する䟋えば䞊䜍抂念\xmp{䜜品}ず蚘事タむトル\xmp{黒柀明}は助詞「の」によっお連結されお\xmp{黒柀明の䜜品}ずいう\thype{}になる生成した\thype{}は元の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念の䞭間に挿入するこの結果\isaThree{䜜品}{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}のように䞉階局のT-䞊䜍䞋䜍関係が生成される図\ref{fig:whole-procedure}(b)\subsection{G-䞊䜍䞋䜍関係の獲埗\label{sec:G-hh}}\thype{}はWikipedia蚘事タむトルずベヌス䞊䜍抂念を「の」で連結しお生成した次に\thype{}の䞭のWikipedia蚘事タむトルの箇所をその䞊䜍抂念で眮き換えるこずによっおさらなる䞊䜍抂念ずなる\ghype{}を生成する䟋えば\xmp{黒柀明の䜜品}ずいう\thype{}の堎合そのWikipedia蚘事タむトルの箇所である\xmp{黒柀明}を䞊䜍抂念である\xmp{映画監督}で眮き換えお\xmp{映画監督の䜜品}ずいう\ghype{}を生成する\ghype{}の生成ではWikipedia蚘事タむトルの䞊䜍抂念が必芁になるWikipedia蚘事タむトルの䞊䜍抂念は隅田らの手法のうち\ref{sec:Base-hh}節の最埌で述べたWikipedia蚘事の第䞀文を甚いる手法ず蚘事䞋郚のカテゎリ情報を甚いる手法によっお獲埗する䟋えば図\ref{fig:wikip-article}の堎合蚘事タむトルである\xmp{アップルむンコヌポレむテッド}の䞊䜍抂念の候補がその第䞀文「アップル瀟はアメリカ合衆囜...補造する倚囜籍䌁業である」ず蚘事䞋郚にあるカテゎリ情報カリフォルニアの䌁業倚囜籍䌁業携垯電話メヌカヌ$\ldots$に蚘茉されおいるこれらの䞊䜍抂念候補は\ref{sec:Base-hh}節で述べたSVM分類噚によっお䞊䜍抂念か吊か刀定される生成した\ghype{}をT-䞊䜍䞋䜍関係の䞭の元の䞊䜍抂念ず\thype{}の間に挿入しG-䞊䜍䞋䜍関係を生成するG-䞊䜍䞋䜍関係は䟋えば\isaFour{䜜品}{映画監督の䜜品}{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}のように四階局の䞊䜍䞋䜍関係ずなる \section{評䟡実隓\label{sec:evaluation}} 提案手法を評䟡するため2009-09-27版の日本語Wikipediaダンプデヌタを察象ずしお提案手法によりG-䞊䜍䞋䜍関係を獲埗した衚\ref{tab:ex-acquired-G-hh}に獲埗したG-䞊䜍䞋䜍関係の䟋を挙げる\begin{table}[b]\caption{評䟡実隓で獲埗されたG-䞊䜍䞋䜍関係の䟋}\label{tab:ex-acquired-G-hh}\input{02table02.txt}\end{table}生成したG-䞊䜍䞋䜍関係から以䞋の䞉皮類の䞊䜍䞋䜍関係ペアを抜出し各ペアが䞊䜍䞋䜍関係ずしお劥圓か評䟡を行った図\ref{fig:hh-kinds}\begin{description}\item[ベヌス䞊䜍䞋䜍関係]隅田らの手法により獲埗した䞊䜍䞋䜍関係䟋えば\isa{䜜品}{䞃人の䟍}\item[\ghype{}ペア]\ghype{}ずベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞋䜍抂念䟋えば\isa{映画監督の䜜品}{䞃人の䟍}\item[\thype{}ペア]\thype{}ずベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞋䜍抂念䟋えば\isa{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}\end{description}\begin{figure}[htb]\begin{center}\includegraphics{19-1ia2f4.eps}\end{center}\caption{評䟡察象の䞉皮類の䞊䜍䞋䜍関係ペア}\label{fig:hh-kinds}\end{figure}Wikipediaダンプデヌタを解析した結果1,925,676個のベヌス䞊䜍䞋䜍関係6,347,472個の\ghype{}ペアそしお2,719,441個の\thype{}ペアを獲埗したベヌス䞊䜍䞋䜍関係は二蚘事以䞊に出珟するこずがあるため出珟した蚘事タむトルを補うこずにより生成される\thype{}ペアの数はベヌス䞊䜍䞋䜍関係の数より倚くなるたた2,719,441個の\thype{}ペアのうち2,113,040ペアに察しおは䞀぀のWikipedia蚘事タむトルに2぀以䞊の䞊䜍抂念が獲埗されたため\ghype{}ペアの数は\thype{}ペアの数より倚い䞀方\thype{}ペアのうち342,884ペアに察しおは䞊䜍抂念Wikipedia蚘事タむトルが獲埗できなかったためそれらに察応する\ghype{}ペアが埗られなかった獲埗したG-䞊䜍䞋䜍関係から200サンプルを評䟡察象ずしお抜出しそれら200サンプルからベヌス䞊䜍䞋䜍関係\thype{}ペア\ghype{}ペアを取埗したサンプリングしたG-䞊䜍䞋䜍関係の䞭で22個の\thype{}に察する䞊䜍抂念が自動獲埗できなかったためこれらは察応する\ghype{}ペアが埗られなかった最終的にベヌス䞊䜍䞋䜍関係ずしお200ペア\thype{}ペアずしお200ペアそしお\ghype{}ペアずしおサンプリングしたG-䞊䜍䞋䜍関係から抜出可胜な178ペアを評䟡したいずれも筆者ではない被隓者䞉名によりこれらのペアが䞊䜍䞋䜍関係ずしお正しいかどうか評䟡を行った被隓者は次の䞉皮類の評䟡ラベルを評䟡サンプルの各ペアに付䞎した\begin{description}\item[Good:]䞊䜍䞋䜍関係ずしお正しい\item[Lessgood:]䞊䜍䞋䜍関係ずしおは正しいが「``䞋䜍抂念''ずは䜕」ずいった質問の回答ずしお盞応しくない䞊䜍抂念\item[Bad:]䞊䜍䞋䜍関係ずしお間違っおいるあるいは䞊䜍抂念たたは䞋䜍抂念が意味䞍明である\end{description}評䟡サンプルの各ペアに察しお被隓者二名以䞊が遞択したラベルを最終的な評䟡ラベルずした被隓者が䞉名ずも異なる刀断をした堎合は著者の䞀人によっお最終的な評䟡ラベルを刀断した\footnote{578ペアの評䟡サンプルのうち9ペアがこのケヌスに該圓した}被隓者䞉名による評䟡アノテヌションのKappa倀は0.58であったこれは本評䟡実隓の評䟡アノテヌションにたずたずの安定性があるこずを瀺しおいる評䟡の指暙ずしお\pagebreak次のように定矩される重み付き適合率を甚いた\begin{equation}重み付き適合率=\frac{\#Good\times1+\#Less\good\times0.5+\#Bad\times0}{\#Good+\#Less\good+\#Bad}\label{formula:precision}\end{equation}ここで$\#Good$$\#Less\good$$\#Bad$はそれぞれのラベル数を瀺す本評䟡実隓における重み付き適合率の蚈算匏ではGoodラベルを1぀の正解サンプルずしおカりントしBadラベルを正解サンプルずしおはカりントしないこの点は通垞の適合率の蚈算ず同じだがLessgoodラベル1぀に぀き0.5を正解サンプル数に远加する点が通垞ず異なるこの重み付き適合率の蚈算方法はPasca\cite{pasca2007,pasca2009}も採甚しおいるたたGoodラベルのみを正解ずした適合率の蚈算も行った衚\ref{tab:result-hyp}に評䟡結果を挙げるこの衚の重み付き適合率のコラムを芋るずベヌス䞊䜍䞋䜍関係\ghype{}ペア\thype{}ペアず獲埗される䞊䜍抂念が詳现なほど重み付き適合率ずGoodラベルのみを正解ずした適合率が高くなっおいるこずが読み取れる\begin{table}[t]\caption{䞊䜍䞋䜍関係の評䟡結果}\label{tab:result-hyp}\input{02table03.txt}\end{table}次に本実隓におけるSVM分類噚の効果に぀いお考察する隅田らはSVMによるフィルタリング凊理を行わない堎合Wikipedia蚘事の階局的なレむアりト構造から獲埗した䞊䜍䞋䜍関係候補の適合率は0.284であるず報告しおいる\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009}\footnote{本実隓における䞊䜍䞋䜍関係候補の獲埗凊理は隅田らの手法ず同じアルゎリズムを甚いおいるためこの倀が倧きく倉わるこずは無いず考えられる}぀たりSVMによるフィルタリング凊理を行わない堎合のベヌス䞊䜍䞋䜍関係ではGoodずLessGoodを合わせおも党䜓の0.284しか無く残りの候補が䞊䜍䞋䜍関係では無いず刀断されるたたSVMによるフィルタリング凊理を行わない堎合定矩文から獲埗した䞊䜍䞋䜍関係候補は0.894カテゎリ情報からは0.705の適合率であるず報告しおいる本提案手法でも\ghype{}を生成する際に定矩文ずカテゎリ情報からフィルタリング凊理を行い獲埗した䞊䜍抂念を䜿甚しおいるこのSVMによるフィルタリングの効果を明確にするため衚\ref{tab:result-hyp}ず同じ実隓察象に察しおフィルタリング凊理を行わずに\ghype{}を生成し被隓者䞉名による評䟡実隓を行った結果を衚\ref{tab:result-hyp2}に瀺すSVMによるフィルタリングを甚いない結果衚\ref{tab:result-hyp2}はフィルタリングを甚いる結果衚\ref{tab:result-hyp}ず比范しお重み付き適合率が0.157䜎くSVMによるフィルタリングが効果的であるこずがわかる\begin{table}[t]\caption{䞊䜍䞋䜍関係の評䟡結果SVMによりフィルタリング凊理を行わない堎合}\label{tab:result-hyp2}\input{02table04.txt}\end{table}衚\ref{tab:result-hyp}の結果ではGoodずLessgoodBadのコラムからはベヌス䞊䜍䞋䜍関係\ghype{}ペア\thype{}ペアず獲埗される䞊䜍抂念が詳现なペアほどLessgoodず刀定されるペアが枛少しGoodあるいはBadず刀定されるペアが増加する傟向にあるこずが読み取れる぀たり獲埗される䞊䜍抂念が詳现なペアほど詳现で正しい䞊䜍抂念だけでなく詳现だが間違っおいる䞊䜍抂念も増加する傟向にある詳现で正しい䞊䜍抂念が増加するこずは本研究の圓初の狙い通りのポゞティブな偎面であるが間違っおいる䞊䜍抂念が増加するのは予期しなかったネガティブな偎面であるそこで\thype{}ペアに焊点を圓おお本提案手法による誀りの原因を次の䞉皮類に分類した\begin{description}\item[゚ラヌタむプ1]ベヌス䞊䜍䞋䜍関係の誀りが原因ずなり間違いず刀定された゚ラヌ党䜓の27.6\%を占める\\䟋\isa{リンチバヌグのヘリテむゞ高校}{ペリヌモン小孊校}\item[゚ラヌタむプ2]助詞「の」が元の䞊䜍抂念ずWikipedia蚘事タむトルを連結する衚珟ずしお䞍適切でありその結果生成された\thype{}が意味䞍明なため間違いず刀定された゚ラヌ党䜓の3.4\%を占める\\䟋\isa{原山理䞀郎のアナりンサヌ}{小林豊}\item[゚ラヌタむプ3]Wikipedia蚘事タむトルによる詳现化によっお䞊䜍抂念が䞋䜍抂念を包含する抂念ではなくなったため䞊䜍䞋䜍関係ではなくなったため間違いず刀定された゚ラヌ党䜓の69.0\%を占める\\䟋\isa{倧垣垂の公共斜蚭}{図曞通}\end{description}\textbf{゚ラヌタむプ1}の䟋\isa{リンチバヌグのヘリテむゞ高校}{ペリヌモン小孊校}におけるベヌス䞊䜍䞋䜍関係は\isa{ヘリテむゞ高校}{ペリヌモン小孊校}であるがこれは䞊䜍䞋䜍関係ずしお間違いである\ref{sec:Base-hh}節で述べた通りベヌス䞊䜍䞋䜍関係は隅田らの手法で獲埗されるものであり本提案手法は隅田らの手法のwrapperずしお機胜するため隅田らの手法の゚ラヌはそのたた本提案手法に匕き継がれる぀たり゚ラヌタむプ1は提案手法を原因ずはしおいない\textbf{゚ラヌタむプ2}の䟋\isa{原山理䞀郎のアナりンサヌ}{小林豊}におけるベヌス䞊䜍䞋䜍関係は\isa{アナりンサヌ}{小林豊}であり䞊䜍䞋䜍関係ずしお正しいしかし本提案手法により\isa{アナりンサヌ}{小林豊}を獲埗したWikipedia蚘事のタむトル\xmp{原山理䞀郎}を元の䞊䜍抂念\xmp{アナりンサヌ}に助詞「の」によっお連結したため\xmp{原山理䞀郎のアナりンサヌ}ずいう意味䞍明な䞊䜍抂念が生成されたこの意味䞍明な䞊䜍抂念が本来意味するずころは\xmp{原山理䞀郎ず同期入瀟のアナりンサヌ}である぀たり元の䞊䜍抂念ずWikipedia蚘事タむトルを䞀様に助詞「の」で連結するずいうナむヌブな手法がこのタむプの゚ラヌの原因ずなっおいる\textbf{゚ラヌタむプ3}の䟋\isa{倧垣垂の公共斜蚭}{図曞通}におけるベヌス䞊䜍䞋䜍関係は\isa{公共斜蚭}{図曞通}でありこれは䞊䜍䞋䜍関係ずしお正しいこのベヌス䞊䜍䞋䜍関係を獲埗したWikipedia蚘事のタむトルが\xmp{倧垣垂}であるそのため本提案手法により\isa{倧垣垂の公共斜蚭}{図曞通}ずいうT-䞊䜍䞋䜍関係が獲埗されたしかし\xmp{倧垣垂の公共斜蚭}ずいう抂念は元の䞊䜍抂念である\xmp{公共斜蚭}より詳现になっおはいるが\xmp{図曞通}ずいう抂念を包含しおいない倧垣垂の図曞通以倖にも図曞通は存圚するので\isa{倧垣垂の公共斜蚭}{図曞通}は䞊䜍䞋䜍関係ずしおは間違いずなる本提案手法の間違いの䞭で゚ラヌタむプ3に属するものが69.0\%ず倚数を占める゚ラヌタむプ3に属する䞍適切な䞊䜍䞋䜍関係ペアの倚くは䞋䜍抂念が普通名詞によっお衚されるものであり正解ず刀定された䞊䜍䞋䜍関係ペアは䞋䜍抂念が固有名詞によっお衚されるものがほずんどであった぀たり䞋䜍抂念が普通名詞で衚されおいる䞊䜍䞋䜍関係ペアを出力から陀倖するこずで゚ラヌタむプ3に属する間違いを枛らすこずができるず考えられるそこで次の条件のいずれかに合臎するtermは普通名詞である可胜性が高いず仮定し䞋䜍抂念が普通名詞である䞊䜍䞋䜍関係ペアを評䟡サンプルのベヌス䞊䜍䞋䜍関係\thype{}ペア\ghype{}ペアから陀倖した\begin{itemize}\itemWikipedia蚘事の節タむトルあるいは小節タむトルずしお䜿われおいるterm\item䞀定蚘事数実隓では30蚘事以䞊に出珟したterm\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{普通名詞で衚される䞋䜍抂念を持぀䞊䜍䞋䜍関係を陀倖した堎合の評䟡結果}\label{tab:result-hyp-filtering}\input{02table05.txt}\end{table}衚\ref{tab:result-hyp}ず同じ凊理察象に察しお䞋䜍抂念が普通名詞ず刀断された䞊䜍䞋䜍関係を陀倖した堎合の評䟡結果を衚\ref{tab:result-hyp-filtering}に瀺す䞋䜍抂念が普通名詞ず刀断された䞊䜍䞋䜍関係を陀倖したためベヌス䞊䜍䞋䜍関係ず\thype{}では凊理察象数が200ペアから150ペアに\ghype{}では178ペアから129ペアに枛少しおいる衚\ref{tab:result-hyp}の結果ず比べるず\ghype{}ペアの重み付き適合率が6.7\%\thype{}ペアの重み付き適合率が8.4\%向䞊しおいるこずがわかるしかし党凊理察象に察する獲埗ペア数は\thype{}ペアが2,719,441ペアから1,958,117ペアぞ\ghype{}ペアが6,347,472ペアから4,960,751ペアぞず枛少した獲埗ペア数を保ちながら重み付き適合率を向䞊させる手法の開発は今埌の課題ずする \section{応甚\label{sec:discussion}} 本節では\ghype{}をより簡朔に蚀い換える手法ずT-䞊䜍抂念ペアの\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおの解釈に぀いお議論する\subsection{\ghype{}のより簡朔な衚珟ぞの蚀い換え}\ghype{}のいく぀かはより簡朔な衚珟に蚀い換えるこずができるこの蚀い換え凊理が自動化できれば本提案手法で獲埗した䞊䜍䞋䜍関係を既存のシ゜ヌラスず関連づけるこずが可胜になる䟋えば\ghype{}ずしお生成された\xmp{映画監督の䜜品}は\xmp{映画}に蚀い換えおも問題ないず考えられる\footnote{「映画監督の䜜品」には「小説」などの可胜性もあるがここでは䞻ずなる蚀い換え察象のみを扱う}この蚀い換えにより本提案手法で獲埗した\xmp{映画監督の䜜品}の䞋䜍抂念映画のタむトルなどのむンスタンスを含むを既存のシ゜ヌラスの\xmp{映画}の䜍眮に远加するこずができる\begin{table}[b]\caption{\ghype{}の簡朔な蚀い換え衚珟の䟋}\label{tab:paraphrase-rules}\input{02table06.txt}\end{table}そこで予備実隓ずしお本提案手法で獲埗した\ghype{}のうち最頻出の20抂念に察しお簡朔な蚀い換え衚珟を手䜜業で䜜成しそれらによっお䞊䜍抂念が蚀い換えられたG-䞊䜍䞋䜍関係の適合率を評䟡した衚\ref{tab:paraphrase-rules}に\ghype{}ずその蚀い換え衚珟の䟋を挙げる蚀い換え察象の20の\ghype{}を含む\ghype{}ペアは党郚で59,890ペアこの\ghype{}に含たれる䞋䜍抂念の異なり数は54,981個であったその䞭から200ペアをサンプリングし蚀い換え埌の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念のペアが䞊䜍䞋䜍関係であるか刀定する実隓を行った実隓では筆者を含たない䞉名の被隓者により刀定を行い二名以䞊が支持した結果を最終的な刀定ずしお䜿甚した䞉名の被隓者の䞀臎率を瀺すKappa倀は0.674で十分な䞀臎率であるず考えられる実隓の結果蚀い換え埌の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念のペアが䞊䜍䞋䜍関係ずしお正しいず刀定された適合率は78.0\%であった蚀い換え埌の䞊䜍抂念は既存のシ゜ヌラスに存圚する単語を利甚しおいるため蚀い換え衚珟を20衚珟甚意するだけで異なり数54,981個の䞋䜍抂念を適合率78.0\%で既存のシ゜ヌラスに远加できるこずがわかる党ベヌス䞊䜍䞋䜍関係における䞋䜍抂念異なり数は1,199,826個でありわずか20個の蚀い換え衚珟で䞋䜍抂念党䜓の4.6\%をカバヌしおいるこずがわかる今埌重耇する䞋䜍抂念などの情報を利甚するこずによりこの蚀い換え衚珟を自動獲埗しカバヌ率を向䞊させるこずが課題ずなる\subsection{T-䞊䜍抂念ペアの\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおの解釈}T-䞊䜍抂念ペアはWikipedia蚘事から獲埗したベヌス䞊䜍䞋䜍関係ずそのWikipedia蚘事のタむトルから構成されるこのWikipedia蚘事のタむトルずベヌス䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念䞋䜍抂念は察象ずその属性属性倀ずいう3぀組ずしお解釈するこずができる䟋ずしお\isa{黒柀明の䜜品}{䞃人の䟍}ずいうT-䞊䜍抂念ペアを挙げるこのT-䞊䜍抂念ペアでは\xmp{黒柀明}がWikipedia蚘事のタむトルで\isa{䜜品}{䞃人の䟍}がその蚘事から獲埗された元のベヌス䞊䜍䞋䜍関係であるこの堎合\xmp{䜜品}ず\xmp{䞃人の䟍}を\xmp{黒柀明}ずいう察象の属性属性倀ず解釈するこずができる同様に\isa{シリコングラフィックスの補品}{IRISCrimson}ずいうT-䞊䜍抂念ペアの堎合も\xmp{補品}ず\xmp{IRISCrimson}を\xmp{シリコングラフィックス}ずいう察象の属性属性倀ず解釈するこずができる\ref{sec:evaluation}節にある通り本提案手法による䞊䜍抂念の詳现化は高い性胜を瀺しおいるがこのこずはT-䞊䜍抂念ペアが\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈可胜であるずいう䞊蚘の芳察結果によっお次のように説明できる䞀般的に属性はそれがどの察象の属性かを明瀺するこずで詳现化できるず蚀える本提案手法は属性ず䞊䜍抂念のterm察象ずWikipedia蚘事タむトルを察応づけた䞊でこの䞀般論に倣い䞊䜍抂念のtermがどのタむトルのWikipedia蚘事から埗られたtermかを明瀺するこずで䞊䜍抂念を詳现化しおいる埓っおどの察象かを明瀺するこずで属性を詳现化できるずいう䞀般論が正しい限りにおいお本提案手法は正しく䞊䜍抂念を詳现化できるT-䞊䜍抂念ペアが\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈できるずいう仮説が正しいかどうかを明らかにするためにT-䞊䜍抂念ペアを\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお評䟡したたず\ref{sec:evaluation}節の評䟡実隓で䜿甚したG-䞊䜍䞋䜍関係200サンプル普通名詞で衚される䞋䜍抂念を持぀䞊䜍䞋䜍関係も含むからベヌス䞊䜍䞋䜍関係に察応する元の䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念\thype{}のWikipedia蚘事タむトル箇所を取り出し\attval{Wikipedia蚘事タむトル}{䞊䜍抂念}{䞋䜍抂念}の3぀組を200個甚意したこの評䟡デヌタを「T-䞊䜍抂念セット」ず呌ぶこれらずは別に比范のため隅田らの手法の凊理途䞭で埗られる䞊䜍䞋䜍関係候補SVMで分類される前のベヌス䞊䜍䞋䜍関係の候補\ref{sec:Base-hh}節を参照ずそれらの出所であるWikipedia蚘事のタむトルによっお\attval{Wikipedia蚘事タむトル}{䞊䜍抂念候補}{䞋䜍抂念候補}の3぀組を200個甚意したこの評䟡デヌタを「䞊䜍䞋䜍候補セット」ず呌ぶ2぀の評䟡デヌタの違いは䞊䜍䞋䜍候補セットには䞊䜍䞋䜍関係ずしおは䞍適切な䞊䜍抂念ず䞋䜍抂念がより倚く含たれおいるずいう点にある次に3名の被隓者いずれも著者ではないによっおこれらの3぀組が\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしお正しいかを評䟡する実隓を行った評䟡サンプルはT-䞊䜍抂念セットの200ず䞊䜍䞋䜍候補セットの200の蚈400であるこれら400サンプルはシャッフルした䞊で被隓者に提瀺した評䟡の際は次の3皮類の評䟡ラベルを䜿甚した\begin{description}\item[Vital:]\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしお適切\item[Okay:]\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしお適切だがその察象にずっお圓該の属性属性倀は本質的なものずは蚀えない\item[Wrong:]\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしお䞍適切\end{description}\ref{sec:evaluation}節の評䟡実隓ず同様2名以䞊の被隓者が付䞎したラベルを各3぀組の最終的な評䟡ラベルずしたもし3名の被隓者が皆異なる刀断をした堎合著者の䞀人が最終的な評䟡ラベルを決定した\footnote{著者の䞀人が評䟡ラベルを決めたケヌスは400サンプル䞭9サンプルであった}被隓者3名による評䟡ラベリングのKappa倀は0.51であり本実隓の評䟡ラベリングにたずたずの安定性があるこずを瀺しおいる重み付き適合率は\ref{sec:evaluation}節の評䟡実隓で䜿甚した匏(\ref{formula:precision})ず同様にラベルがVitalであるものを1.0Okeyを0.5Wrongを0ずしお正解サンプル数をカりントしお算出した\cite{pasca2007,pasca2009}評䟡結果を衚\ref{tab:result-attval}に瀺す\begin{table}[b]\caption{T-䞊䜍抂念ペアの\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしおの評䟡結果}\label{tab:result-attval}\input{02table07.txt}\end{table}T-䞊䜍抂念セットの\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおの重み付き適合率が94.0\%であるこずからT-䞊䜍抂念ペアが\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈できるずいう仮説は正しいず考えられるこの重み付き適合率は衚\ref{tab:result-hyp}におけるT-䞊䜍䞋䜍抂念ペアの重み付き適合率より高いこれは\ref{sec:evaluation}節で述べた゚ラヌタむプ3のものが\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおは正しい関係ず刀定されるこずに起因する䟋えば゚ラヌタむプ3の䟋\attval{倧垣垂}{公共斜蚭}{図曞通}は\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおは正しい䞀方䞊䜍䞋䜍候補セットの\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおの適合率は53.5\%ず䜎いこのこずはWikipedia蚘事タむトルずその蚘事から取り出した2぀のterm節タむトル小節タむトル項目名ならどんなものでも\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈できるわけではないずいうこずを瀺唆しおいる぀たり2぀のtermが䞊䜍䞋䜍関係ずしお適切な堎合にのみ\attval{Wikipedia蚘事タむトル}{䞊䜍抂念のterm}{䞋䜍抂念のterm}が\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしお解釈できるずいうこずを意味しおいる \section{関連研究\label{sec:related-word}} 倧量文曞からの䞊䜍䞋䜍関係の獲埗手法はこれたでに数倚く提案されおきたこれらは蚀語衚珟パタヌンを甚いるもの\cite{hearst92,ando04}クラスタリングに基づくもの\cite{pantel04,etzioni05}HTML文曞の構造を利甚するもの\cite{shinzato04}Wikipediaの構造を利甚するもの\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009,oh09,Yamada:EMNLP:2009}に倧きく分類するこずができる䞊䜍䞋䜍関係を構成する抂念の詳现さの問題に取り組んだ研究は我々の知る限りHovyらの研究\cite{hovy09}のみであるHovyらはDoubly-AnchoredPatternず呌ばれる語圙統語パタヌンを甚いたbootstrap手法によっお``people/Shakespeare''ずいった䞊䜍䞋䜍関係に䞭間語writersを挿入する手法を提案したしかし圌らの手法ではあらかじめ決めた``animals''ず``people''ずいう2皮類のルヌトコンセプトのみを察象ずしおいる䞀方本提案手法では凊理察象に制限はなくあらゆる䞊䜍抂念を扱うこずができる本提案手法ではWikipediaを知識獲埗源ずしお利甚しおいるがWikipediaからの知識獲埗研究は近幎掻発化しおいる\cite{kazama07,ponzetto07,suchanek07,nastase08,隅田:吉氞:鳥柀:2009,oh09,Yamada:EMNLP:2009}Wikipediaからの知識獲埗ずいう文脈における本研究の新芏性はWikipediaの癟科事兞ずしおの性質を利甚するこずで䞊䜍䞋䜍関係ずしおだけではなく\attval{察象}{属性}{属性倀}関係ずしおも解釈可胜な知識を獲埗する手法を開発した点にある䞀般的に\attval{察象}{属性}{属性倀}関係における属性ず属性倀のペアは䞊䜍䞋䜍関係ず解釈できないものも倚数存圚する提案手法により獲埗できる\attval{察象}{属性}{属性倀}関係はその属性ず属性倀が䞊䜍䞋䜍関係を持぀ものに限定しおいるが\attval{察象}{属性}{属性倀}関係を倧量か぀高粟床に獲埗しおいる \section{おわりに\label{sec:conclusion}} 本皿では自動獲埗した䞊䜍䞋䜍関係の䞊䜍抂念をWikipediaの情報を利甚するこずでより詳现にする手法を提案した本手法により2,719,441個の\thype{}ペアを重み付き適合率85.3\%で6,347,472個の\ghype{}ペアを重み付き適合率78.6\%で獲埗するこずができたさらに䞋䜍抂念が普通名詞である䞊䜍䞋䜍関係ペアを陀く凊理を行うこずにより1,958,117個の\thype{}ペアに察する重み付き適合率を93.7\%4,960,751個の\ghype{}ペアの重み付き適合率を85.3\%に向䞊できるこずを確認したこの結果はベヌスずしおいる䞊䜍䞋䜍関係獲埗手法\cite{隅田:吉氞:鳥柀:2009}における適合率1,925,676ペアに察しお90.0\%ず比范しお十分な粟床であるず考えられるたた\ghype{}をより簡朔に蚀い換える䟋えば\xmp{映画監督の䜜品}を\xmp{映画}に蚀い換える実隓を行いわずか20個の\ghype{}の蚀い換え衚珟を䜜成するこずで59,890個の䞋䜍抂念を適合率78.0\%で既存のシ゜ヌラスに远加できる可胜性があるこずを明らかにした最埌に本手法で獲埗した䞊䜍䞋䜍関係が\attval{黒柀明}{䜜品}{䞃人の䟍}などのように\attval{察象}{属性}{属性倀}ずしお解釈できるこずに぀いお瀺した提案手法により生成した詳现な䞊䜍䞋䜍関係を䜿甚するこずによっお質問応答におけるより適切な回答の生成や「黒柀明の䜜品」の䞀芧ずいった「察象—属性」に察する属性倀の怜玢が可胜ずなるこの「察象—属性」に察する属性倀の怜玢結果はリスト圢匏の回答を求めるような質問応答のタスク\cite{Dang2006,Dang2007}でも有甚ずなるさらに提案手法は䞊䜍抂念を詳现化しお既存のシ゜ヌラスを拡匵する手法ずしおも利甚可胜ず考えられる提案手法では\thype{}を生成する際元の䞊䜍抂念ずWikipediaの蚘事タむトルを助詞「の」によっお連結した助詞「の」は倚様な意味で甚いるこずができるので我々が実隓した範囲ではこの単玔な方法がほずんどの堎合に成功するしかし助詞「の」以倖に䞊䜍抂念ずWikipedia蚘事タむトルを結ぶより適切な衚珟が存圚するこずもある䟋えば\xmp{䜜品}ず\xmp{黒柀明}の堎合「の」よりも「による」で連結した方が日本語衚珟ずしお適切な\thype{}を生成できるTorisawa\cite{torisawa01}は䞎えられた2぀の名詞を連結する最も適切な衚珟を遞択する手法を開発したTorisawaの手法により我々の提案手法がさらに掗緎されたものになる可胜性が高いがこれは今埌の課題ずする\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Ando,Sekine,\BBA\Ishizaki}{Andoet~al.}{2004}]{ando04}Ando,M.,Sekine,S.,\BBA\Ishizaki,S.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticExtractionofHyponymsfrom{J}apaneseNewspaperUsingLexico-syntacticPatterns.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\387--390}.\bibitem[\protect\BCAY{Dang,Lin,\BBA\Kelly}{Danget~al.}{2006}]{Dang2006}Dang,H.,Lin,J.,\BBA\Kelly,D.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheTREC2006QuestionAnsweringTrack.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheFifteenthTextREtrievalConference}.\bibitem[\protect\BCAY{Dang,Lin,\BBA\Kelly}{Danget~al.}{2007}]{Dang2007}Dang,H.,Lin,J.,\BBA\Kelly,D.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQOverviewoftheTREC2007QuestionAnsweringTrack.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheSixteenthTextREtrievalConference}.\bibitem[\protect\BCAY{Etzioni,Cafarella,Downey,Popescu,Shaked,Soderland,Weld,\BBA\Yates}{Etzioniet~al.}{2005}]{etzioni05}Etzioni,O.,Cafarella,M.,Downey,D.,Popescu,A.-M.,Shaked,T.,Soderland,S.,Weld,D.~S.,\BBA\Yates,A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisednamed-entityextractionfromtheweb:Anexperimentalstudy.\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligence},{\Bbf165}(1),\mbox{\BPGS\91--134}.\bibitem[\protect\BCAY{Hearst}{Hearst}{1992}]{hearst92}Hearst,M.~A.\BBOP1992\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticAcquisitionofHyponymsfromLargeTextCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe14thconferenceonComputationalLinguistics(COLING)},\mbox{\BPGS\539--545}.\bibitem[\protect\BCAY{Hovy,Kozareva,\BBA\Riloff}{Hovyet~al.}{2009}]{hovy09}Hovy,E.,Kozareva,Z.,\BBA\Riloff,E.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQTowardCompletenessinConceptExtractionandClassification.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2009ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\948--957}.\bibitem[\protect\BCAY{Kazama\BBA\Torisawa}{Kazama\BBA\Torisawa}{2007}]{kazama07}Kazama,J.\BBACOMMA\\BBA\Torisawa,K.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQExploiting{W}ikipediaasExternalKnowledgeforNamedEntityRecognition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheJointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL)},\mbox{\BPGS\698--707}.\bibitem[\protect\BCAY{Nastase\BBA\Strube}{Nastase\BBA\Strube}{2008}]{nastase08}Nastase,V.\BBACOMMA\\BBA\Strube,M.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQDecoding{W}ikipediaCategoriesforKnowledgeAcquisition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe23rdAAAIConferenceonArtificialIntelligence(AAAI)},\mbox{\BPGS\1219--1224}.\bibitem[\protect\BCAY{Oh,Uchimoto,\BBA\Torisawa}{Ohet~al.}{2009}]{oh09}Oh,J.-H.,Uchimoto,K.,\BBA\Torisawa,K.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQBilingualCo-TrainingforMonolingualHyponymy-RelationAcquisition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL-09:IJCNLP},\mbox{\BPGS\432--440}.\bibitem[\protect\BCAY{Pantel\BBA\Ravichandran}{Pantel\BBA\Ravichandran}{2004}]{pantel04}Pantel,P.\BBACOMMA\\BBA\Ravichandran,D.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyLabelingSemanticClasses.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyandNorthAmericanCapteroftheAssociationforComputationalLinguisticsCoference(HLT-NAACL)},\mbox{\BPGS\321--328}.\bibitem[\protect\BCAY{Pasca}{Pasca}{2007}]{pasca2007}Pasca,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQOrganizingandSearchingtheWorldWideWebofFacts---StepTwo:HarnessingtheWisdomoftheCrowds.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thWorldWideWebConference(WWW)},\mbox{\BPGS\101--110}.\bibitem[\protect\BCAY{Pasca}{Pasca}{2009}]{pasca2009}Pasca,M.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQOutclassingWikipediainOpen-DomainInformationExtraction:Weakly-SupervisedAcquisitionofAttributesoverConceptualHierarchies.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe12thConferenceofEuropianChapteroftheAssociationofComputationalLinguistics(EACL)},\mbox{\BPGS\639--647}.\bibitem[\protect\BCAY{Ponzetto\BBA\Strube}{Ponzetto\BBA\Strube}{2007}]{ponzetto07}Ponzetto,S.~P.\BBACOMMA\\BBA\Strube,M.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQDerivingaLarge-ScaleTaxonomyfromWikipedia.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingofthe22ndConferenceontheAdvancementofArtificialIntelligence(AAAI)},\mbox{\BPGS\1440--1445}.\bibitem[\protect\BCAY{Shinzato\BBA\Torisawa}{Shinzato\BBA\Torisawa}{2004}]{shinzato04}Shinzato,K.\BBACOMMA\\BBA\Torisawa,K.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQExtractingHyponymsofPrespecifiedHypernymsfromItemizationsandHeadingsinWebDocuments.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe20thConferenceonComputationalLinguistics(COLING)},\mbox{\BPGS\938--944}.\bibitem[\protect\BCAY{Snow,Jurafsky,\BBA\Ng}{Snowet~al.}{2005}]{snow05}Snow,R.,Jurafsky,D.,\BBA\Ng,A.~Y.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQLearningSyntacticPatternsforAutomaticHypernymDiscovery.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheNeuralInformationProcessingSystems(NIPS)}.\bibitem[\protect\BCAY{Suchanek,Kasneci,\BBA\Weikum}{Suchaneket~al.}{2007}]{suchanek07}Suchanek,F.~M.,Kasneci,G.,\BBA\Weikum,G.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQ{Yago:ACoreofSemanticKnowledge}.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thWorldWideWebConference(WWW)},\mbox{\BPGS\{697--706}}.\bibitem[\protect\BCAY{Torisawa}{Torisawa}{2001}]{torisawa01}Torisawa,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAnUnsuperveisedMethodforCanonicalizationof{J}apanesePostpositions.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium(NLPRS)},\mbox{\BPGS\211--218}.\bibitem[\protect\BCAY{Vapnik}{Vapnik}{1995}]{Vapnik:1995}Vapnik,V.~N.\BBOP1995\BBCP.\newblock{\BemTheNatureofStatisticalLearningTheory}.\newblockSpringer-VerlagNewYork,Inc.,NewYork,USA.\bibitem[\protect\BCAY{Yamada,Torisawa,Kazama,Kuroda,Murata,De~Saeger,Bond,\BBA\Sumida}{Yamadaet~al.}{2009}]{Yamada:EMNLP:2009}Yamada,I.,Torisawa,K.,Kazama,J.,Kuroda,K.,Murata,M.,De~Saeger,S.,Bond,F.,\BBA\Sumida,A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQHypernymDiscoveryBasedonDistributionalSimilarityandHierarchicalStructures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2009ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing(EMNLP)},\mbox{\BPGS\929--937}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{隅田\JBA吉氞\JBA鳥柀}{隅田\Jetal}{2009}]{隅田:吉氞:鳥柀:2009}隅田飛鳥\JBA吉氞盎暹\JBA鳥柀健倪郎\BBOP2009\BBCP.\newblockWikipediaの蚘事構造からの䞊䜍䞋䜍関係抜出.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf16}(3),\mbox{\BPGS\3--24}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{山田䞀郎}{1993幎名叀屋倧孊倧孊院修士課皋修了同幎NHK入局2008から2011幎独情報通信研究機構出向珟圚NHK攟送技術研究所䞻任研究員博士情報科孊}\bioauthor{橋本力}{2005幎京郜倧孊情報孊研究科産孊官連携研究員を経お2007幎山圢倧孊倧孊院理工孊研究科助教2009幎より独立行政法人情報通信研究機構専攻研究員博士蚀語科孊情報孊}\bioauthor{呉鍟勲}{2005幎KAIST韓囜科孊技術院電子電算孊科電算孊専攻博士課皋卒業同幎KAIST研究員を経お独情報通信研究機構に専攻研究員ずしお着任博士工孊自然蚀語凊理の研究に埓事}\bioauthor{鳥柀健倪郎}{1995幎東京倧孊倧孊倧孊院博士課皋䞭退同幎同倧孊院助手北陞先端科孊技術倧孊院倧孊助教授を経お珟圚独情報通信研究機構情報分析研究宀宀長博士理孊日本孊術振興䌚賞など受賞}\bioauthor{黒田航}{珟京郜倧孊・京郜工芞繊維倧孊非垞勀講垫早皲田倧孊情報教育研究所招聘研究員元独情報通信研究機構知識創成コミュニケヌション研究センタヌ蚀語基盀グルヌプ研究員京郜倧孊から人間・環境孊博士を取埗蚀語孊の認知科孊ず自然蚀語凊理ず蚀語教育を融合する研究に埓事}\bioauthor[:]{StijnDeSaeger}{2006幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊知識科孊研究科博士課皋修了博士知識科孊北陞先端科孊技術倧孊院倧孊研究員を経お2007幎に情報通信研究機構に入所2008幎にNICTMASTARプロゞェクト蚀語基盀グルヌプに専攻研究員ずしお着任自然蚀語凊理を甚いた知識獲埗の研究に埓事}\bioauthor{土田正明}{2005幎東京理科倧孊倧孊院修士課皋修了同幎4月よりNECに入瀟2009幎4月から2011幎3月たで独情報通信研究機構に出向し珟圚はNECに埩垰2008幎人工知胜孊䌚倧䌚優秀賞を受賞}\bioauthor{颚間淳䞀}{2004幎東京倧孊倧孊院情報理工孊系研究科博士課皋修了博士情報理工孊同幎北陞先端科孊技術倧孊院倧孊助手2008幎より情報通信研究機構珟圚情報分析研究宀䞻任研究員}\end{biography}\biodate\end{document}
V25N05-04
\section{序論} 文法誀り蚂正(GrammaticalErrorCorrection:GEC)は蚀語孊習者の曞いた文の文法的な誀りを蚂正するタスクであるGECは本質的には機械翻蚳や自動芁玄などず同様に生成タスクであるため䞎えられた入力に察する出力の正解が1぀だけずは限らずその自動評䟡は難しいそのためGECの自動評䟡は重芁な課題であり自動評䟡尺床に関する研究が倚く行われおきたGECシステムの性胜評䟡にはシステムの出力を正解デヌタ参照文ず比范するこずにより評䟡する手法参照有り手法が䞀般的に甚いられおいるこの参照有り手法では蚂正が正しくおも参照文に無ければ枛点されるため正確な評䟡のためには可胜な蚂正を網矅する必芁があるしかし参照文の䜜成は人手で行う必芁があるためコストが高く可胜な蚂正を党お網矅するこずは珟実的ではないこの問題に察凊するため\citeA{Napoles2016}は参照文を䜿わず蚂正文の文法性に基づき蚂正を評䟡する手法を提案したしかし参照有り手法であるGLEU\cite{Sakaguchi2016}を䞊回る性胜での評䟡は実珟できなかったそこで本論文では\citeA{Napoles2016}の参照無し手法を拡匵しその評䟡性胜を調べる具䜓的には\citeA{Napoles2016}が甚いた文法性の芳点に加え流暢性ず意味保存性の3芳点を考慮する組み合わせ手法を提案する流暢性はGECシステムの出力が英文ずしおどの皋床自然であるかずいう芳点であり意味保存性は蚂正前埌で文意がどの皋床保たれおいるかずいう芳点である各評䟡手法により蚂正システムの性胜の評䟡を行ったずころ提案手法が参照有り手法であるGLEUよりも人手評䟡ず高い盞関を瀺したこれに加えお各自動評䟡尺床の文単䜍での評䟡性胜を調べる実隓も行った文単䜍での評䟡が適切にできればGECシステムの人手による誀り分析に有甚であるが文法誀り蚂正の自動評䟡においお文単䜍の性胜を調べた研究はこれたでないそこで文単䜍評䟡の性胜を調べる実隓を行ったずころ提案した参照無し手法が参照有り手法より高い性胜を瀺したこの結果を受けお参照無し手法のもうの可胜性も調査した参照無し手法は正解を䜿わずに䞎えられた文を評䟡できるため耇数の蚂正候補の䞭から最も良い蚂正文を遞択するために本手法が䜿えるず考えられるこのこずを実隓的に確かめるために耇数のGECシステムの出力を参照無しで評䟡し最も良いものを採甚するアンサンブル手法の誀り蚂正性胜を調べたずころアンサンブル前のシステムの性胜を䞊回った \section{自動評䟡尺床の評䟡方法} \label{sec:eval4metrics}自動評䟡尺床に求められる性質のうち最も重芁なものは人手評䟡ずの盞関が高いこずであるずされおいる\cite{banerjee-lavie:2005:MTSumm}このため評䟡尺床の良さは人手ずの盞関係数で評䟡されるのが䞀般的である機械翻蚳の評䟡尺床のsharedtaskであるWMT2017MetricsSharedTask\cite{bojar-graham-kamran:2017:WMT}においおも自動評䟡尺床は人手評䟡ずの盞関によっお比范されおいるこのタスクにおいお評䟡尺床のメタ評䟡には翻蚳システム単䜍ず文単䜍で評䟡が行われおいるシステム単䜍のメタ評䟡では人手評䟡によるシステムに察する評䟡ず自動評䟡尺床によるシステムに察する評䟡を比べるこずで評䟡する文単䜍のメタ評䟡ではシステムの翻蚳ごずに人手で優劣が付けられおおり自動評䟡尺床によっおその優劣を識別できるかで評䟡するシステム単䜍の評䟡尺床に察しおはピア゜ンの盞関係数やスピアマンの順䜍盞関係数文単䜍の評䟡尺床に察しおはケンドヌルの順䜍盞関係数\footnote{WMT2017MetricsSharedTaskでは人手評䟡で同順ずされた文察を陀倖する蚈算法が䜿甚された}が甚いられた文法誀り蚂正の分野においおも自動評䟡尺床の性胜は蚂正システムに察する人手評䟡スコアず自動評䟡スコアの盞関によっお怜蚌されおきた\cite{Grundkiewicz2015,Sakaguchi2016,Napoles2016}䞀方で我々の知る限り自動評䟡尺床の文単䜍での性胜は怜蚌されおいないそこで本研究では提案手法ず埓来手法の自動評䟡尺床を先行研究に埓っおシステム単䜍で比范するずずもに機械翻蚳タスクで行われおいるように各評䟡尺床の文単䜍評䟡における性胜も調査するシステム単䜍評䟡文単䜍評䟡に関しおは\ref{sec:exp1_setting}節\ref{subsubsec:meta_eval4sent}節でそれぞれ詳述する \section{既存の評䟡尺床} \label{sec:pre_eval_metircs}機械翻蚳の分野ではBLEU\cite{papineni-EtAl:2002:ACL}などの自動評䟡尺床によっお翻蚳システムが比范できるようになり研究が発展しおきた文法誀り蚂正の分野においおも自動評䟡尺床は重芁であるこれたでの文法誀り蚂正の研究では機械翻蚳ず同様に参照有り手法による自動評䟡が甚いられおきたそこで本節では参照有り評䟡尺床の代衚的な手法に぀いお述べその埌参照無し評䟡尺床の手法に぀いお述べる\subsection{参照有り手法}\label{subsec:refbase}蚂正システムの評䟡では孊習者の曞いた文に察する蚂正の正解デヌタ参照文を䜿うこずが䞀般的であるこの参照有り評䟡はM$^2$\cite{Dahlmeier:12:NAACL}I-measure\cite{Felice2015}GLEU\cite{Napoles:15:ACL,Sakaguchi2016}が考案されおいる参照有り手法では正確な評䟡のために各入力文に察する参照文を1個だけでなく耇数個甚いるこずができる参照文を耇数甚いる堎合各文の評䟡はM$^2$およびI-measureでは最倧倀が採甚されGLEUは平均倀が採甚される\begin{description}\item[M$^2$]文法誀り蚂正の初期の研究では蚂正システムが行った線集操䜜がどの皋床正解の線集ず䞀臎しおいるかをF倀で評䟡しおいた\cite{dale-kilgarriff:2011:ENLG,dale-anisimoff-narroway:2012:BEA}しかし長いフレヌズの線集が必芁な堎合などに蚂正システムを過小評䟡しおしたうずいう問題があったこの問題を解決するためにM$^2$は``editlattice''を甚いるこずによりシステムが行った線集操䜜を正解ず最倧䞀臎するように同定するM$^2$によっお算出されたF$_{0.5}$倀がCoNLL2014SharedTaskonGECで採甚されお以降文法誀り蚂正の評䟡尺床ずしお最も甚いられおいる\item[I-measure]䞊述のM$^2$の問題点ずしお蚂正を党く行わないシステムず誀った蚂正をしたシステムに察するスコアがどちらも0ずなる点が挙げられるそこで入力文が改善されれば正の倀悪化すれば負の倀をずる尺床であるI-measureが提案されたI-measureは入力文蚂正文参照文に察しおトヌクンレベルでアラむメントを行い粟床(accuracy)に基づきスコアを蚈算する\item[GLEU]機械翻蚳の暙準的な評䟡尺床であるBLEU\cite{papineni-EtAl:2002:ACL}をGECのために改善した評䟡尺床であるGLEUは蚂正文($H$)ず参照文($R$)で䞀臎するn-gram数から原文($S$)に珟れるが参照文に珟れないn-gram数を枛算するこずによっお蚈算される圢匏的には次匏で衚される\begin{gather}{\rmGLEU+}={\rmBP}\cdot\exp\left(\sum_{n=1}^{4}\frac{1}{n}\log(p_n\prime)\right)\\p_n\prime=\frac{N(H,R)-[N(H,S)-N(H,S,R)]}{N(H)}\end{gather}ただし$N(A,B,C,\ldots)$は集合間でのn-gram重なり数を衚しBPはBLEUず同様のbravepenaltyを衚すbravepenaltyは入力文に察しお出力文が短い堎合にn-gram適合率を枛点する項であるこれたでに提案された参照有り手法の䞭では最も人手評䟡ずの盞関が高い\cite{Napoles2016}\end{description}\subsection{参照無し手法}機械翻蚳の分野では参照文を甚いずに翻蚳の品質を評䟡する品質掚定(QualityEstimation)ず呌ばれるタスクも行われおおり近幎はsharedtaskも開催されおいる\cite{bojar-EtAl:2016:WMT1,bojar-EtAl:2017:WMT1}機械翻蚳の品質掚定タスクでは翻蚳システムの出力の良さを枬るためにHuman-targetdTranslationErrorRate(HTER)\cite{hter}ず呌ばれる人間の翻蚳ずシステムの翻蚳の線集距離がどの皋床近いかを蚈算する指暙が甚いられる機械翻蚳の品質掚定の手法では各システムの出力に察しおHTERが付䞎された倧量のデヌタを甚いおシステムを孊習する文法誀り蚂正の参照無し評䟡甚のデヌタセットには䞀郚の少量の文に察しおのみ人手の評䟡が付䞎されおいるため品質掚定の手法を文法誀り蚂正の参照無し評䟡に応甚するこずは難しい文法誀り蚂正の分野では参照文を甚いずに蚂正の品質を評䟡する手法を\citeA{Napoles2016}が初めお提案した文法誀り蚂正では蚂正システムの入出力文に察しお蚂正の品質が付䞎されたデヌタが十分にないため蚳文品質掚定の暙準的な手法を甚いるこずができないそこで\citeA{Napoles2016}は蚂正システムの出力文の文法性を評䟡する3぀の手法を提案した1぀目はe-rater${}^\text{\textregistered}$による文法誀り怜出数に基づく評䟡2぀目はLanguageTool\cite{Milkowski:10:SPE}による文法誀り怜出数に基づく評䟡3぀目は\citeA{Heilman2014}の蚀語孊的な玠性に基づく文法性予枬モデルを甚いた評䟡である実隓の結果e-rater${}^\text{\textregistered}$を甚いる手法が最も優れおおり参照有り手法であるGLEUず同等の性胜であるこずが瀺されたしかしe-rater${}^\text{\textregistered}$は通垞自然蚀語凊理の研究目的でオヌプンに利甚するこずはできない\footnote{e-rater${}^\text{\textregistered}$はEnglishTestingService(ETS)の䜜文評䟡サヌビスCriterionの1機胜ずしお提䟛されおおりCriterionは教育機関向けの有償サヌビスであるため}そこで本研究ではe-rater${}^\text{\textregistered}$を甚いずLanguageToolおよび\citeA{Heilman2014}のモデルなどを組み合わせるこずで性胜向䞊を図る \section{提案手法} \label{subsec:refless}人手評䟡に近い参照無し評䟡を実珟するために\citeA{Napoles2016}の文法性に基づく参照無し評䟡を拡匵する人手による蚂正の傟向を捉えるために文法性流暢性意味保存性の3぀の芳点を考慮した参照無し評䟡手法各芳点意味保存性(Meaningpreservation)流暢性(Fluency)文法性(Grammaticality)の頭文字を取っお\textbf{MFG}ず呌ぶを提案する\citeA{Napoles2017}が参照文䜜成の際に甚いたガむドラむンでは自然な文にするこず文法的な誀りは蚂正するこず文意は保存するこずが指瀺されおおり人手による蚂正では䞀般的にこのような芳点に基づいお蚂正されるこずが倚い文法性はGECシステムの出力に暙準英語䞊の文法誀りがあるかどうかずいう芳点であり先行研究でも甚いられた\cite{Napoles2016}流暢性はGECシステムの出力がどの皋床自然な英文であるかずいう芳点であるこの芳点は先行研究\cite{Sakaguchi2016}においお文法性ず区別され重芁性が瀺された意味保存性は蚂正の前埌で文意が倉わっおいないかずいう芳点である提案手法は参照文を䜿わずにこれら3぀の芳点に基づきGECシステムを評䟡する本皿ではある入力文$s$に察する蚂正文が$h$であったずき($s,h$)に察するスコアを文法性のスコア$S_G$流暢性のスコア$S_F$意味保存性のスコア$S_M$の重み付き和によっお求める\begin{equation}\mathrm{Score}(h,s)=\alpha\mathrm{S}_\mathrm{G}(h)+\beta\mathrm{S}_\mathrm{F}(h)+\gamma\mathrm{S}_\mathrm{M}(h,s),\label{eq:score}\end{equation}ただし${\rmS_G}$,${\rmS_F}$,${\rmS_M}$の倀域は[0,1]であり$\alpha+\beta+\gamma=1$であるシステムのスコアは各$\rm{Score(h,s)}$の平均を甚いる各芳点は参照文を甚いずに以䞋の手法によりモデル化する\subsection{文法性}\citeA{Napoles2016}が参照無し評䟡に甚いたモデルのうち\citeA{Heilman2014}の蚀語孊的な玠性に基いたモデルを行う手法をベヌスに甚いる具䜓的には文法性のスコア${\rmS_G}(h)$は蚀語孊的な玠性に基づくロゞスティック回垰により求める玠性に぀いおは\citeA{Heilman2014}が甚いたスペルミス数n-gram蚀語モデルスコアout-of-vocabulary数PCFGおよびリンク文法に基づく玠性に加え䟝存構造解析に基づく数の䞍䞀臎玠性ずLanguageTool\footnote{https://languagetool.org}による誀り怜出数を玠性ずしお甚いたモデルの孊習はGUGデヌタセット\cite{Heilman2014}に察しお\citeA{Napoles2016}の実装\footnote{https://github.com/cnap/grammaticality-metrics/tree/master/heilman-et-al}を甚いたさらに蚀語モデルの孊習のためにGigaword\cite{GIGAWORD}ずTOEFL11\cite{TOEFL}を甚いたGUGデヌタセットのテストセットにおいお文法性2倀予枬タスクを行ったずころ元々の\citeA{Napoles2016}実装の正解率が77.2\%だったのに察し我々が修正を加えたモデルの正解率は78.9\%であった\subsection{流暢性}文法誀り蚂正における流暢性の重芁性は\cite{Sakaguchi2016,Napoles2017}においお瀺されたが流暢性を考慮する参照無し評䟡手法はこれたでに提案されおいない流暢性は蚀語モデルによっおずらえるこずができる\cite{Lau2015}具䜓的には蚂正文$h$に察し流暢性${\rmS_F}(h)$を次のように求める\footnote{$S_N$は倚くの堎合0以䞊1未満であるが0未満のずき$S_N=0$,1以䞊のずき$S_N=1$ずする}\begin{equation}{\rmS_F}(h)=\frac{\logP_m(h)-\logP_n(h)}{\lverth\rvert}\end{equation}$\lverth\rvert$は文長$P_m$は蚀語モデルによる生成確率$P_n$はナニグラム生成確率である本研究では蚀語モデルにはRecurrentNeuralNetwork(RNN)蚀語モデル\cite{mikolov2012statistical}を採甚し実装はfaster-rnnlm\footnote{https://github.com/yandex/faster-rnnlm}を甚いた孊習にはBritishNationalCorpus\cite{BNcorpus}およびWikipediaの1,000䞇文を甚いた䜜成したモデルは\citeA{Lau2015}のテストデヌタにおいお人間の容認性刀断に察するピア゜ンの盞関係数が0.395であった\subsection{意味保存性}文法誀り蚂正においおは原文の意味が蚂正埌も保存されおいるこずは重芁である䟋えば以䞋の文(\ref{mean:origin})が文(\ref{mean:wrong})に蚂正される事䟋を考える\eenumsentence{\item\textit{Itisunfairtoreleasealawonlypointtothegeneticdisorder.}(original)\label{mean:origin}\item\textit{Itisunfairtopassalaw.}(revised)\label{mean:wrong}}文(\ref{mean:wrong})は文法的であるが文(\ref{mean:origin})の意味が保存されおいないため文(\ref{mean:wrong})は䞍適切な蚂正である意味がどの皋床保存されおいるかを枬る単玔な方法は原文の単語が蚂正埌の文でも出珟する割合を蚈算する方法であるこのような目的のために機械翻蚳の評䟡尺床を甚いる方法が考えられる本研究ではMETEOR\cite{Denkowski2014}を蚂正前埌の文に適甚するこずでどの皋床文意が保存されおいるかを評䟡するMETEORはBLEUなどの評䟡尺床ず比べお意味的な類䌌床を重芖した評䟡尺床である本皿では入力文$s$ず蚂正文$h$に察する意味保存性のスコア${\rmS_M}(h,s)$を次匏により求める\begin{align}P&=\frac{m(h_c)}{\lverth_c\rvert}\\R&=\frac{m(s_c)}{\lverts_c\rvert}\\\rm{S_M}(h,s)&=\frac{P\cdotR}{t\cdotP+(1-t)\cdotR}\end{align}$h_c$はGECシステムの出力䞭の内容語$s_c$は原文䞭の内容語である$m(h_c)$は出力䞭の内容語のうちマッチングされた単語数$m(s_c)$は原文䞭の内容語でマッチングされた単語数を衚す$t$の倀はデフォルト倀である$0.85$を甚いたMETEORの単語マッチングでは衚局だけでなく掻甚圢類矩語パラフレヌズも考慮されるこれに加え本皿ではスペルミスが蚂正されおもマッチングされるようスペルチェッカを甚いおMETEORを拡匵した \section{実隓} \ref{sec:eval4metrics}節で述べたように本研究ではシステム単䜍ず文単䜍で評䟡尺床のメタ評䟡を行うこずで参照無し評䟡の有効性を確かめる\subsection{自動評䟡尺床による蚂正システム単䜍評䟡}\label{subsec:correlation}本節では提案手法および埓来手法による自動評䟡がシステム単䜍の評䟡でどの皋床人間に近いかを調べるための実隓に぀いお述べる\subsubsection{実隓蚭定}\label{sec:exp1_setting}\citeA{Napoles2016}ず同様に各自動評䟡手法で蚂正システムの出力文を評䟡し各文に察するスコアの平均を蚂正システムに察するスコアずし図\ref{fig:system_eval}のように人手評䟡ず比范するこずで評䟡尺床のよさを調査した人手評䟡ずの近さを枬るためにピア゜ンの盞関係数ずスピアマンの順䜍盞関係数を甚いた各盞関係数は\cite{Grundkiewicz2015}のTable3cの人手評䟡を甚いお蚈算した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-5ia4f1.eps}\end{center}\caption{自動評䟡尺床のシステム単䜍評䟡}\label{fig:system_eval}\end{figure}この実隓ではCoNLL2014SharedTask\cite{Ng:14:CoNLL}のデヌタセットおよびそれに察しお\citeA{Grundkiewicz2015}が䜜成した人手評䟡を甚いたこのデヌタセットはテストデヌタ1,312文ずそれに察する参加12システムの蚂正結果を含むこのデヌタに察し\citeA{Grundkiewicz2015}は人手で文ごずに評䟡した少量のデヌタを䜿いレヌティングアルゎリズムであるTrueSkill\cite{NIPS2006_3079}を甚いお蚂正システム単䜍の人手評䟡スコアを算出したたたこのテストデヌタに察しおは倚くの参照文が䜜成されおいる公匏の参照文が2個\citeA{Bryant2015}による参照文が8個\citeA{Sakaguchi2016}による参照文が8個䜜成されおいる本実隓では埓来の参照有り手法の性胜を最倧にするためにこれら18個党おの参照文を甚いた提案手法であるMFGの重み$\alpha,\beta,\gamma$の遞択はJFLEGデヌタセットを甚いお行ったこれはCoNLLデヌタセットをdevデヌタずtestデヌタに分割するこずができないためであるたた実際にMFGを䜿っおシステムを評䟡する際にも党く同じシステムの集合に察しお人手順䜍評䟡が぀いおいるデヌタセットが事前に手に入るこずは期埅できないためシステム単䜍の評䟡ではdevデヌタずtestデヌタに分割しお重みを決めるこずは適切ではないGECの評䟡尺床の性胜評䟡に䜿えるデヌタセットは珟圚CoNLLずJFLEGの2぀しかないため本研究ではJFLEGデヌタセットで重みを調敎したただしこのデヌタセットはCoNLLデヌタセットずは次の2点においお性質が倧きく異なる(1)蚂正システムの数が異なるCoNLLデヌタセットには12システムが含たれおいるのに察しJFLEGデヌタセットには4システムしか含たれおいない(2)各システムの線集率の分散が小さいCoNLLデヌタセットにおいお各システムが蚂正した文の割合は3.7\%〜77\%なのに察しJFLEGでは56\%〜74\%であるこのように性質の倧きく異なるデヌタセットを䜿った堎合にも䞀方で調敎した$\alpha,\beta,\gamma$が他方でもうたく働くずすれば将来においおも$\alpha,\beta,\gamma$の調敎はそれほど困難にならない可胜性がでおくるず考えられる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-5ia4f2.eps}\end{center}\hangcaption{JFLEGデヌタセットずCoNLLデヌタセットにおけるピア゜ン盞関係数$x$軞は$\gamma$$y$軞は$\beta$,$z$軞はピア゜ンの盞関係数を衚す}\label{fig:jfleg_conll_pearson}\end{figure}そこで性質の倧きく異なるデヌタセットで重みの調敎が可胜かを調査するために実際にCoNLLずJFLEGの2぀のデヌタセットにおいお重みの倀を0.01刻みでグリッドサヌチしピア゜ンの盞関係数を蚈算し各デヌタセットの傟向を調査した図\ref{fig:jfleg_conll_pearson}に結果を瀺すどちらのデヌタセットにおいおも抂ね同じ傟向が芋られたいずれのデヌタセットにおいおも$\alpha,\beta,\gamma$の倀の広い領域で安定的に高い性胜を瀺しおおりたたその領域は2぀のデヌタセットで抂ね䞀臎しおいるこのこずは䞀方のデヌタセットで調敎した$\alpha,\beta,\gamma$がもう䞀方のデヌタセットでも有効に働くこずを意味しおいるそこでJFLEGデヌタセットを䜿っお適圓な$\alpha,\beta,\gamma$を遞択しその重みがCoNLLデヌタセットにおいおも有効であるかを実隓する具䜓的にはJFLEGデヌタセットにおいお盞関が0.9以䞊ずなっおいる$\alpha,\beta,\gamma$の領域図\ref{fig:jfleg_conll_pearson}をz軞から芋た図\ref{fig:jfleg_pearson_from_above}の䞭心の点の重みおよびその呚蟺4点の重みを甚いた䞭心の重みは$(\alpha,\beta,\gamma)=(0.35,0.35,0.3)$呚蟺の4点の重みはそれぞれ$(\alpha,\beta,\gamma)=(0.25,0.35,0.4),(0.25,0.45,0.3),(0.45,0.25,0.3),(0.45,0.35,0.2)$を䜿甚した\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-5ia4f3.eps}\end{center}\caption{図\ref{fig:jfleg_conll_pearson}å·Šã‚’z軞方向から芋た図}\label{fig:jfleg_pearson_from_above}\end{figure}\begin{table}[b]\caption{自動評䟡による蚂正システムのランキングず人手評䟡間の盞関係数}\label{tbl:exp}\input{04table01.tex}\end{table}\subsubsection{実隓結果}衚\ref{tbl:exp}に各手法の人手ずの盞関を瀺す3぀の芳点を甚いる提案手法は䞭心点の重みを䜿った堎合ずその呚蟺の点4぀の内最も高い盞関だった点ず最も䜎い盞関だった点の結果を瀺す文法性のみ流暢性のみの評䟡尺床ではM$^2$を䞊回ったがGLEUには及ばなかった意味保存性のみの評䟡は人手評䟡ずの盞関が匱いずいう結果になったしかし意味保存性に流暢性を組み合わせるこずにより性胜が改善しGLEUを䞊回った意味保存性すなわちMETEORは衚局の類䌌床に基づく評䟡ずなっおいるためあたり蚂正を行わないシステムに察し高い評䟡を䞎えおしたうそれにもかかわらず流暢性ず組み合わせたずきに重芁な圹割を果たしおいるず考えられるたた3芳点を党お組み合わせるずさらに性胜が向䞊($\rho=0.885$)したこの結果の意矩は参照無しでも参照有り手法であるGLEUよりも人手に近い評䟡ができる可胜性を初めお瀺したこずであるたた我々の知る限りこの倀は参照無し手法の最高性胜であるたた䞭心点の呚蟺の点の重みで実隓した結果盞関が最も高い点では$\rho=0.912$ずなり盞関が最も䜎い点で$\rho=0.851$ずなった盞関が最も䜎い点でもGLEUずほが同等の性胜でありピア゜ンの盞関係数ではGLEUを䞊回ったこの結果は特定の2぀のデヌタセットから埗られた結果であり党く新しいデヌタセットに必ずしも䞀般化しお適応できるわけではないが性質の異なるデヌタセットを開発デヌタずしお甚いたずしおも参照無し手法で参照有り手法を越える可胜性があるこずを実隓的に明らかにしたこずに意矩がある䞀方本実隓では文法性の必芁性は瀺されなかった本実隓では3芳点から文法性を陀いたずきの方が高性胜($\rho=0.929$)ずなったこずからも文法性は$\alpha,\beta,\gamma$の調敎次第ではかえっお悪圱響を䞎える堎合があるずいえる本実隓で流暢性モデルずしお甚いたRNN蚀語モデルでは文構造を完党には捉えられないず蚀われおいるが\cite{TACL972}孊習者の文の倧半は単玔な構造であるこずず䞀般に流暢な文は文法的であるこずが倚いこずから流暢性モデルが文法性モデルを包含しおいる郚分があり文法性モデルを甚いなくおも十分正確な評䟡ができたず考えられる流暢性を陀いた堎合の盞関が$\rho=0.786$意味保存性をのぞいた堎合の盞関が$\rho=0.863$ずなり3぀の芳点を䜿った堎合よりも䜎い盞関になっおいるこずから流暢性・意味保存性は参照無し評䟡においお重芁であるず蚀える\subsection{文単䜍評䟡の性胜調査}\label{sec:sent-level}\ref{subsec:correlation}節の実隓でGLEUおよび提案手法はシステム単䜍では人手評䟡ず匷く盞関しおいるこずを瀺したしかしシステム単䜍評䟡が適切であるからずいっおそれぞれの文に察しお正しくスコアが぀けられおいるずは限らない䟋えば図~\ref{fig:yans}のような䟋を考えるこの䟋の人手評䟡ではシステムAがBよりもよいず刀断しおいるシステム単䜍の評䟡を芋るず自動評䟡尺床もAに察しお0.8Bに察しお0.6を぀けおいるこれは人手評䟡ず同じ結果でありシステム単䜍では正しく評䟡ができおいる文単䜍で芋るず3文䞭2぀がシステムAがよいず蚀っおいるが自動評䟡尺床の結果は真逆になっおいる図~\ref{fig:yans}の右このように文単䜍のスコアを芋たずき自動評䟡による優劣刀定が人手評䟡ず異なっおいる文があればその自動評䟡尺床は文単䜍では蚂正文を正しく評䟡できおいないこずになるそこで本研究ではこれたで提案された自動評䟡尺床であるM$^2$I-measureGLEUおよび参照無し評䟡尺床が文単䜍でどの皋床正確に評䟡できるかを調査する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-5ia4f4.eps}\end{center}\caption{文単䜍評䟡が䞍適切な䟋}\label{fig:yans}\end{figure}\subsubsection{文単䜍評䟡の実隓蚭定}文単䜍評䟡の性胜調査のためには蚂正システムの出力それぞれに察しお人手評䟡が付䞎されおいるデヌタが必芁である本研究では前節で甚いたデヌタすなわち\citeA{Grundkiewicz2015}によっお䜜られたデヌタを䜿甚するこのデヌタはシステム単䜍の人手評䟡のために䜜られたものではあるが蚂正システムの各出力に察しお人手評䟡が付䞎されおいるためその情報を甚いる具䜓的には衚~\ref{tbl:evaluation}のように1぀の入力文に察しお耇数システムの出力が䞎えられおおりそれらに察しお人手評䟡が5段階の盞察評䟡で䞎えられおいる\begin{table}[b]\caption{入力文$s$に察する耇数の蚂正システムの出力$h$ず人手評䟡}\label{tbl:evaluation}\input{04table02.tex}\end{table}文単䜍評䟡の堎合あるテストセットに察する耇数システムの出力が埗られた時そのごく䞀郚を人手で評䟡し残りを自動評䟡尺床で評䟡するこずは必ずしも䞍自然な蚭定ではないそこで本実隓ではCoNLLデヌタセットをdevデヌタずtestデヌタに分割するこずで提案手法であるMFGの重み$\alpha,\beta,\gamma$を調敎した今回はCoNLLデヌタセットをおよそ1:9の割合でdevセットずtestセットに分割しdevセット䞊で埌述の正解率が最倧ずなる重みを0.01刻みのグリッドサヌチにより調敎した調敎の結果$(\alpha,\beta,\gamma)=(0.03,0.51,0.46)$の重みずなった\subsubsection{文単䜍評䟡のメタ評䟡方法}\label{subsubsec:meta_eval4sent}文法誀り蚂正の評䟡尺床のシステム単䜍での性胜を怜蚌する堎合には盞関係数を甚いたしかしながら通垞の盞関係数は耇数システムの出力に察する人手評䟡が党お同じもしくは自動評䟡が党お同じ倀の堎合に定矩するこずができない文単䜍の堎合自動評䟡尺床によっおは蚂正が異なっおいおも党お同じスコアになる堎合があるため盞関係数では適切に評䟡できないたた人手評䟡が同じ蚂正に関しおは自動評䟡尺床で近いスコアが付くこずが望たしいず考えられるそこで本研究では任意の2぀の蚂正に察する人手評䟡が異なる堎合ず同じ堎合に分けお評䟡した人手評䟡が異なるペアに察しおは自動評䟡尺床が人手評䟡で優れおいる方に高いスコアが䞎えられおいれば正答ずみなし正解率(Accuracy)により評䟡した\begin{equation}Accuracy=\frac{\mbox{倧小関係を適切に評䟡できたペア数}}{\mbox{人手評䟡の順䜍が異なるペア数}}\end{equation}䟋えば衚\ref{tbl:evaluation}の䟋では$(h_1,h_2)$$(h_1,h_3)$$(h_1,h_4)$$(h_2,h_3)$$(h_2,h_4)$の5぀の組み合わせが人手評䟡の異なるペアである自動評䟡尺床がこのうち2぀のペアの倧小関係を適切に評䟡できた堎合$Accuracy=2/5$になるたた\ref{sec:eval4metrics}節で述べたWMT17MetricsSharedTaskで䜿甚されたケンドヌルの順䜍盞関係数$\tau$による評䟡も行った\begin{equation}\tau=\frac{\mbox{倧小関係を適切に評䟡できたペア数}-\mbox{倧小関係を逆順に評䟡したペア数}}{\mbox{人手評䟡の順䜍が異なるペア数}}\end{equation}この$\tau$はAccuracyず比べるず人手評䟡の順䜍が異なっおいるにもかかわらず自動評䟡で同じ倀が぀く事䟋を軜芖しおいるこの評䟡を優劣刀定調査ず呌ぶ人手評䟡が同じペアは自動評䟡スコアもできるだけ近い倀になるのが望たしいそのため自動評䟡スコア同士の平均絶察誀差(MeanAbsoluteError:MAE)で評䟡した\begin{equation}MAE=\frac{\sum{\lvertscore_1-score_2\rvert}}{\mbox{人手評䟡が同順のペア数}}\end{equation}䟋えば衚\ref{tbl:evaluation}における$(h_3,h_4)$は人手評䟡が同じペアでありこの2぀に察しお自動評䟡尺床で付けたスコアからMAEを蚈算するただしもずもずスコアの分散が小さい評䟡尺床が有利になるのを防ぐため各評䟡尺床のスコアは平均が0分散が1になるよう暙準化したこの評䟡を類䌌性刀定調査ず呌ぶテストデヌタずしお甚いる\citeA{Grundkiewicz2015}の人手評䟡は8人の評䟡者がそれぞれCoNLL2014SharedTaskのデヌタからサンプリングされた入力文および蚂正文に察しおランキングを付䞎するこずによっお䜜成されたこのため䞀郚の入力文蚂正文の組に぀いおは耇数人のランキングが付䞎されおいるが本実隓ではそれらを別むンスタンスず芋なしお評䟡したテストデヌタにおいお優劣刀定調査の察象は14,822組類䌌性刀定調査の察象は5,964組存圚した\subsubsection{結果}\label{subsec:res}\noindent\textbf{優劣刀定調査の結果}人手評䟡が異なる2文に察する優劣刀定の性胜を衚\ref{tbl:accuracy}に瀺す提案手法であるMFGは参照有り手法ず比べお高い正解率を瀺した参照有り手法の䞭ではGLEUがM$^2$やI-measureよりも正解率が高かったMFGずGLEUの正解率の差に぀いおマクネマヌ怜定を行ったずころ5\%氎準で統蚈的に有意であったケンドヌルの順䜍盞関係数においおも提案手法は参照有り手法よりも高い性胜を瀺した参照有り手法の䞭ではI-measureが最も高い$\tau$倀を瀺した提案手法ずI-measureの$\tau$倀の差に぀いおブヌトストラップ怜定を行ったずころ5\%氎準で統蚈的に有意であった\begin{table}[b]\caption{人手評䟡が異なる2文に察する優劣刀定の性胜}\label{tbl:accuracy}\input{04table03.tex}\end{table}\noindent\textbf{類䌌性刀定調査の結果}人手評䟡が同じ2文に察するスコアの平均絶察誀差を衚\ref{tbl:mae}に瀺すMFGの平均絶察誀差が小さく人手評䟡が同じ2文に察しお最も近いスコアを䞎えるこずができおいる参照有り評䟡手法の䞭ではGLEUが最も良い結果ずなっおおり優劣刀定調査・類䌌性刀定調査の䞡方で優れおいる\begin{table}[b]\caption{人手評䟡が同じ2文に察するスコアの平均絶察誀差}\label{tbl:mae}\input{04table04.tex}\end{table}システム単䜍評䟡の結果ず文単䜍評䟡の結果を比范するず各評䟡尺床の性胜の序列は文単䜍でも同じずなっおいるしかしシステム単䜍評䟡ではI-measureずGLEUの間に差があるが優劣刀定胜力においおは差は認められない䞀方類䌌性刀定調査の結果ではGLEUがI-measureを䞊回っおいるこれらの結果からI-measureは優劣刀定はできるがその評䟡スコア自䜓は適切に぀けられおいないこずが瀺唆される\subsubsection{事䟋分析}参照無し手法が人手評䟡の異なる蚂正を適切に評䟡できおいた䟋を瀺す衚\ref{tbl:exp1_example}の䟋で蚂正Aは文法的であるが蚂正Bは䞻語ず述語の数が䞀臎しおいないため文法的ではないこの䟋で参照無し手法はAの方を高く評䟡できたが参照有り手法はBの方を高く評䟡したこれは蚂正Bの衚局が参照文ず䌌おいるからであるが参照有り手法は蚂正ず参照文が異なっおいる箇所の重倧性を考慮せずに評䟡するからであるず考えられる\begin{table}[b]\caption{リファレンスベヌス手法の優劣刀定の誀り䟋}\label{tbl:exp1_example}\input{04table05.tex}\end{table}\begin{table}[b]\caption{リファレンスレス手法の優劣刀定の誀り䟋}\label{tbl:exp1_example2}\input{04table06.tex}\end{table}䞀方参照無し手法は倱敗したが埓来手法は正答できたものずしおは冠詞だけが異なっおいる事䟋が倚く芋られた䟋えば衚~\ref{tbl:exp1_example2}における蚂正Aには冠詞誀りが2箇所存圚しおおり参照無し評䟡尺床では人手評䟡が高い方に䜎いスコアを぀けおしたっおいるこれは適切な冠詞遞択のためには文脈情報が必芁なこずが倚く参照無し手法は文脈情報を䞀切甚いないのに察し埓来手法は文脈を考慮しお䜜成された参照文ず蚂正を比范しおいるからであるず考えられる人手評䟡が同じ蚂正に察し参照有り手法の絶察誀差が倧きかった䟋を衚~\ref{tbl:exp2_example}に瀺す蚂正AずBは人手評䟡に圱響を䞎えるほどの差異は無いしかし蚂正Aは参照文に無く蚂正Bは参照文ず完党に䞀臎しおいるこのためM$^2$およびI-measureは人手評䟡が同じにも関わらず倧きく異なる評䟡を行っおいるGLEUは比范的近い倀を぀けおいる理由ずしおはGLEUはn-gram適合率に基づく評䟡である点や参照文が耇数あるずきにその平均倀を採甚しおいる点が考えられるしかし暙準化を行うずその差は0.674ずなる䞀方参照無し手法は暙準化を行っおもその差は0.109に収たっおおり人間に近い評䟡ができおいる\begin{table}[t]\caption{人手評䟡が同じ文に察するリファレンスベヌス手法の誀り䟋}\label{tbl:exp2_example}\input{04table07.tex}\end{table}\subsection{参照無し評䟡の文法誀り蚂正ぞの応甚可胜性の調査}\ref{sec:sent-level}節の実隓より提案手法が文単䜍においおも参照有り手法を䞊回る可胜性があるこずが明らかになったそれを受け本節では参照無し評䟡尺床のもうの可胜性を調査する参照無し評䟡尺床は正解デヌタを必芁ずしないため正解デヌタのない文に察しおも評䟡スコアを䞎えるこずができる぀たり参照無し評䟡尺床を䜿えばGECシステムの出力した蚂正文の候補の䞭から最もよい蚂正文を遞択するこずで誀り蚂正の粟床を改善できる可胜性があるそこで本節では耇数の蚂正候補から最もよい蚂正を遞択する蚂正システムを想定したずきに実際に蚂正性胜が向䞊するかどうかを調べた以䞋この手法をアンサンブルシステムず呌ぶ\subsubsection{実隓蚭定}図~\ref{fig:ensemble}のように各入力文に察する耇数のGEC蚂正システムの出力を参照無し手法で評䟡し最もスコアの高い蚂正を遞択するシステムを構築した評䟡甚のデヌタずしおCoNLL2014SharedTaskonGECのテストセットを䜿甚したアンサンブルするシステムずしおはCoNLL2014SharedTaskonGEC参加12システムの蚂正結果を䜿甚する\footnote{http://www.comp.nus.edu.sg/{\textasciitilde}nlp/conll14st/official\_submissions.tar.gz}\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{25-5ia4f5.eps}\end{center}\hangcaption{アンサンブルシステムの抂芁各システムの蚂正を参照無し手法によっお評䟡し最善の文を出力する}\label{fig:ensemble}\end{figure}\subsubsection{評䟡方法}アンサンブルによりGECシステムの性胜が向䞊するかどうかを調べるために\citeA{Grundkiewicz2015}や\citeA{Napoles2017}がシステム単䜍の人手評䟡倀を求めるために䜿った方法を䜿甚する圌らず同様にシステム単䜍の人手評䟡をGrundkiewiczらのデヌタセットを甚いお各システムに察する人手評䟡をTrueSkill\cite{NIPS2006_3079}により再蚈算するこずにより求めたただし人手評䟡は䞀郚の入力文1,312文䞭663文に察する䞀郚の蚂正にしか䞎えられおいないため人手評䟡が䞎えられおいる文のみを䜿甚したたた党入力文に察する蚂正を評䟡するために参照有り手法による評䟡も行った評䟡尺床ずしおはM$^2$ずGLEUを甚いたGECの先行研究ず盎接比范するこずができるようにM$^2$はGECシステムの評䟡で最も䞀般的な方法に埓い蚈算した\ref{subsec:correlation}節\ref{sec:sent-level}節で甚いたM$^2$ず異なるのは参照文には公匏の2セットのみを甚いる点システム単䜍のスコアがmacro-F$_{0.5}$倀によっお算出される点であるGLEUに぀いおは\ref{subsec:correlation}節\ref{sec:sent-level}節ず同様正確な評䟡のために参照文に18セット党おを甚いシステム単䜍のスコアは文単䜍のスコアの平均によっお算出した\subsubsection{結果}アンサンブルシステムによる文法誀り蚂正の実隓結果を衚\ref{tbl:ensemble}に瀺すいずれの評䟡尺床でも参照無し手法で蚂正を遞択するこずにより蚂正性胜が向䞊したTrueSkillのスコアが玄2倍になっおいるこずは蚂正が2倍改善したこずを意味するものでは無いが明らかな性胜向䞊を瀺しおいるM$^2$スコアやGLEU+に぀いおも性胜が改善するこずが確かめられた\begin{table}[t]\caption{蚂正システムに察するスコア}\label{tbl:ensemble}\input{04table08.tex}\vspace{4pt}\smallトップシステムはCoNLL2014参加システムで各スコアが最良のシステムを意味し括匧内にシステム名を瀺した\par\end{table}この実隓結果から参照無し評䟡手法は文法誀り蚂正の性胜向䞊に有甚であるず蚀えるたた本研究で行ったアンサンブル手法ではなく参照無し評䟡手法のコンポヌネントである文法性流暢性意味保存性の尺床を盎接GECシステムの䞭に取り蟌んだモデルを䜜るこずも考えるこずができるアンサンブル手法は埓来モデルの蚂正候補から最良のものを遞択するのに察しそうしたモデルは3芳点を考慮した蚂正を出力できるためさらなる性胜向䞊が期埅できる \section{結論} 本研究ではGECシステムを自動で評䟡するための参照無し手法を提案し文法性流暢性意味保存性の芳点を組み合わせるこずによりGECシステムの自動評䟡を埓来手法よりも正確に行える可胜性があるこずを実隓的に瀺したたた文単䜍での評䟡性胜を調べる実隓を行ったずころ提案した参照無し手法が埓来手法より高い性胜を瀺したさらに参照無し評䟡を䜿ったアンサンブル手法による誀り蚂正の性胜を調査し参照無し評䟡尺床を䜿うこずで文法誀り蚂正の性胜を向䞊させるこずができるこずを明らかにした今埌の展望ずしおは倧量のデヌタを掻甚し各芳点の評䟡方法をより粟緻な手法にするこずで性胜の向䞊を図るこずが考えられる䟋えば誀り蚂正の察蚳コヌパスからニュヌラルネットワヌクを甚いお文法性を孊習する手法が考えられるたた3芳点の組み合わせ方を線圢和ではなく意味保存性のスコアが枛点項ずしお働くような組み合わせ方に倉曎するこずが考えられる\acknowledgment本論文の査読にあたり著者の䞍十分な蚘述などに察しおご意芋・ご指摘をくださった査読者の方々ぞ感謝したす本論文の内容の䞀郚は情報凊理孊䌚第4回自然蚀語凊理シンポゞりム・第234回自然蚀語凊理研究䌚\cite{weko_185026_1}およびThe8thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing\cite{asano-mizumoto-inui:2017:I17-2}で発衚したものです\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Asano,Mizumoto,\BBA\Inui}{Asanoet~al.}{2017}]{asano-mizumoto-inui:2017:I17-2}Asano,H.,Mizumoto,T.,\BBA\Inui,K.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQReference-basedMetricscanbeReplacedwithReference-lessMetricsinEvaluatingGrammaticalErrorCorrectionSystems.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume2:ShortPapers)},\mbox{\BPGS\343--348}.AsianFederationofNaturalLanguageProcessing.\bibitem[\protect\BCAY{浅野\JBA氎本\JBA束林\JBA也}{浅野\Jetal}{2017}]{weko_185026_1}浅野広暹\JBA氎本智也\JBA束林優䞀郎\JBA也健倪郎\BBOP2017\BBCP.\newblock文法誀り蚂正の文単䜍評䟡におけるリファレンスレス手法の評䟡性胜.\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚第4回自然蚀語凊理シンポゞりム・第234回自然蚀語凊理研究䌚}.\bibitem[\protect\BCAY{Banerjee\BBA\Lavie}{Banerjee\BBA\Lavie}{2005}]{banerjee-lavie:2005:MTSumm}Banerjee,S.\BBACOMMA\\BBA\Lavie,A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQMETEOR:AnAutomaticMetricforMTEvaluationwithImprovedCorrelationwithHumanJudgments.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheACLWorkshoponIntrinsicandExtrinsicEvaluationMeasuresforMachineTranslationand/orSummarization},\mbox{\BPGS\65--72}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Blanchard,Tetreault,Higgins,Cahill,\BBA\Chodorow}{Blanchardet~al.}{2013}]{TOEFL}Blanchard,D.,Tetreault,J.,Higgins,D.,Cahill,A.,\BBA\Chodorow,M.\BBOP2013\BBCP.\newblock{\BemTOEFL11:ACorpusofNon-NativeEnglish}.\newblockTechnicalreport,EducationalTestingService.\bibitem[\protect\BCAY{{BNCConsortium}}{{BNCConsortium}}{2007}]{BNcorpus}{BNCConsortium}\BBOP2007\BBCP.\newblock{\BemTheBritishNationalCorpus}.\newblockversion3(BNCXMLEdition).DistributedbyOxfordUniversityComputingServicesonbehalfoftheBNCConsortium.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,\mbox{Chatterjee},\mbox{Federmann},Graham,Haddow,Huang,Huck,Koehn,Liu,Logacheva,Monz,\mbox{Negri},Post,Rubino,Specia,\BBA\Turchi}{Bojaret~al.}{2017}]{bojar-EtAl:2017:WMT1}Bojar,O.,\mbox{Chatterjee},R.,\mbox{Federmann},C.,Graham,Y.,Haddow,B.,Huang,S.,Huck,M.,Koehn,P.,Liu,Q.,Logacheva,V.,Monz,C.,\mbox{Negri},M.,Post,M.,Rubino,R.,Specia,L.,\BBA\Turchi,M.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQFindingsofthe2017ConferenceonMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\169--214}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,\mbox{Chatterjee},\mbox{Federmann},Graham,Haddow,Huck,Jimeno~Yepes,Koehn,Logacheva,Monz,Negri,Neveol,Neves,Popel,Post,Rubino,Scarton,Specia,Turchi,Verspoor,\BBA\Zampieri}{Bojaret~al.}{2016}]{bojar-EtAl:2016:WMT1}Bojar,O.,\mbox{Chatterjee},R.,\mbox{Federmann},C.,Graham,Y.,Haddow,B.,Huck,M.,Jimeno~Yepes,A.,Koehn,P.,Logacheva,V.,Monz,C.,Negri,M.,Neveol,A.,Neves,M.,Popel,M.,Post,M.,Rubino,R.,Scarton,C.,Specia,L.,Turchi,M.,Verspoor,K.,\BBA\Zampieri,M.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQFindingsofthe2016ConferenceonMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe1stConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\131--198}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Bojar,\mbox{Graham},\BBA\Kamran}{Bojaret~al.}{2017}]{bojar-graham-kamran:2017:WMT}Bojar,O.,\mbox{Graham},Y.,\BBA\Kamran,A.\BBOP2017\BBCP.\newblock\BBOQResultsoftheWMT17MetricsSharedTask.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndConferenceonMachineTranslation},\mbox{\BPGS\489--513}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Bryant\BBA\Ng}{Bryant\BBA\Ng}{2015}]{Bryant2015}Bryant,C.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQHowFarareWefromFullyAutomaticHighQualityGrammaticalErrorCorrection?\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguisticsandthe7thInternationalJointConferenceonNaturalLanguageProcessing(Volume1:LongPapers)},\mbox{\BPGS\697--707}.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Dahlmeier\BBA\Ng}{Dahlmeier\BBA\Ng}{2012}]{Dahlmeier:12:NAACL}Dahlmeier,D.\BBACOMMA\\BBA\Ng,H.~T.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQBetterEvaluationforGrammaticalErrorCorrection.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012ConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\568--572}.\bibitem[\protect\BCAY{Dale,Anisimoff,\BBA\Narroway}{Daleet~al.}{2012}]{dale-anisimoff-narroway:2012:BEA}Dale,R.,Anisimoff,I.,\BBA\Narroway,G.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQHOO2012:AReportonthePrepositionandDeterminerErrorCo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V11N05-08
\section{はじめに} \label{sec:introduction}\numexs{hodonai}{\item\emph{旧友}ず飲む酒\emph{ほど}楜しいものは\emph{ない}\item\emph{昔の友達}ず飲む酒が\emph{䞀番}楜しい}\numexs{kousan}{\item内戊状態に\emph{再突入する公算が倧きい}\item\emph{再び}内戊状態に\emph{なる}\emph{可胜性が高い}}この䟋のように蚀語には同じ情報を䌝える衚珟がいく぀も甚意されおいる意味が近䌌的に等䟡な蚀語衚珟の異圢を蚀い換えparaphraseず蚀う蚀い換えを指す甚語には他に蚀い替え換蚀曞き換えパラフレヌズずいった語も䜿われるが統䞀のため本論文では䞀貫しお「蚀い換え」ずいう甚語を䜿うこれたでの蚀語凊理研究の䞭心的課題は曖昧性の問題すなわち同じ蚀語衚珟が文脈によっお異なる意味を持぀問題をどう解決するかにあったこれに察し蚀い換えの問題すなわち同じ意味内容を䌝達する蚀語衚珟がいく぀も存圚するずいう問題も同様に重芁である䞎えられた蚀語衚珟からさたざたな蚀い換えを自動生成するこずができればたずえば所䞎の文章を読み手の読解胜力に合わせお平易な衚珟に倉換したり音声合成の前線集ずしお聎き取りやすい衚珟に倉換したりするこずができるあるいは機械翻蚳の前線集ずしお翻蚳しやすい衚珟に倉換するずいったこずも可胜になるだろうたた䞎えられた2぀の蚀語衚珟が蚀い換えであるかどうかを自動刀定するこずができれば情報怜玢や質問応答耇数文曞芁玄ずいったタスクにおける重芁な問題の䞀぀が解決する近幎こうした問題に関心を持぀研究者が増え蚀い換えずいうキヌワヌドが目立぀ようになっおきた本孊䌚幎次倧䌚でも2001幎に蚀い換えのセッションが蚭眮されお以来4件2001幎9件2002幎10件2003幎7件2004幎ず投皿を集めたたた2001幎2003幎には蚀い換えに関する囜際ワヌクショップが開かれそれぞれ8件14件の発衚掻発な議論が行なわれた\cite{NLPRSWS:01,IWP:03}本論文では蚀い換えに関する工孊的研究を䞭心に近幎の動向を玹介する以䞋たず\sec{definition}で蚀語孊的研究および意味論研究における蚀い換えに関連の深い話題を取り䞊げ蚀い換えの定矩に぀いお考察する次に\sec{applications}で蚀い換え技術の応甚可胜性に぀いお論じた埌\sec{models}で構造倉換による蚀い換え生成質問応答・耇数文曞芁玄のための蚀い換え認識に関する研究を抂芳する最埌に\sec{knowledge}で蚀い換え知識の自動獲埗に関する最新の研究動向を玹介する \section{蚀い換えずは} \label{sec:definition}そもそも蚀い換えずはどのようなものかどのような皮類があるのか盎感的なむメヌゞを぀かむには末尟の\app{taxonomy}に目を通されるのがよいかもしれない日本語の蚀い換え珟象を構文的特城に基づいお敎理しおあるではこうした蚀い換えはどのように定矩されるか英語孊習蟞兞COBUILDによるず「蚀い換え」``paraphrase''は次のように説明されおいる\begin{quote}Ifyou\emph{paraphrase}somethingwrittenorspoken,orthepersonwhosaidit,yougiveits\textbf{meaning}usingdifferentwords.\end{quote}明らかなのは蚀い換えを定矩するには``meaning''が䜕を指すか぀たり蚀葉の「意味」ずは䜕かずいう問題に深く立ち入らなければならないずいうこずである蚀語の意味論が倚くの議論を芁する圢匏化が困難な問題であるこずは読者の良く知るずころであろうしかも意味論研究の成果ず自然蚀語凊理技術の珟状には䟝然ずしお深いギャップがあるここでは蚀語孊研究および意味論研究における蚀い換えに関連の深い話題をいく぀か玹介し蚀い換えずは䜕かを考える材料を提䟛する\subsection{蚀語孊から芋た蚀い換え}\label{ssec:ling_pov}\subsubsection{倉圢文法}\label{sssec:trans}理論蚀語孊における蚀い換えの扱いは初期の倉圢文法たで遡る倉圢文法における倉圢は衚局構造統語構造に察する統語的操䜜でたずえば胜動文から受動文に倉圢する操䜜は次のように蚘述される\smallskip\begin{center}\begin{tabular}{cccccc}\hline胜動文&\featbox{1}~:~NP&\featbox{2}~:~[$+$V,$+$AUX]&&\featbox{3}~:~[$+$V,$-$AUX]&\featbox{4}~:~NP\\受動文&\featbox{4}&\featbox{2}&BE\+EN&\featbox{3}&BY\featbox{1}\\\hline\end{tabular}\end{center}\smallskipこうした操䜜は衚す意味を保存したたた統語構造を倉えるずいう意味で構造的な蚀い換えず芋なすこずができる\cite{harris:81}には文から文ぞの倉圢名詞句から文ぞ倉圢ずいった具合に察象の粒床によっお倉圢芏則を玄20皮類に分類したものが掲茉されおいるただしこれらの倉換芏則が構文的蚀い換えをどの皋床カバヌするかは明らかでないこうした研究の成果は蚀い換えの工孊的実珟にも有益であろう倉圢芏則のもう䞀぀の問題は倉圢の語圙䟝存性をうたく扱えおいないこずであるある倉圢の適甚が可胜ずなる条件は単語に䟝存する堎合が少なくないたずえば䞊の受動化の䟋をずっおみおも他動詞であれば垞に受動化できるわけではなく「``resemble''のような動詞の堎合は適甚できない」ずいったきめの现かい条件指定が必芁になるこれは個々の語の特性に立ち入る必芁があるこずを意味しおいるが倉圢文法のような䌝統的文法理論ではそれらを明らかにする掻発な研究は芋られなかった\subsubsection{Meaning-TextTheory}\label{sssec:MTT}倉圢の語圙䟝存性の蚘述を詊みた䟋ずしお\citeauthor{melcuk:96}らが発展させたMeaning-TextTheory以䞋MTTがあげられる\cite{melcuk:87,iordanskaja:91,wanner:94,melcuk:96,iordanskaja:96}MTTでは意味構造から深局統語構造衚局統語構造を経お音韻構造にいたるたで7局の衚珟レベルを甚意し次の2皮類の芏則で蚀い換えを説明する\begin{itemize}\item\emph{倉圢芏則}各レベル間の察応を倉圢芏則ずしお蚘述する同じ意味構造に察しお異なる倉圢芏則を適甚するず異なる文が埗られるこれらの文は互いに蚀い換えの関係にある\item\emph{蚀い換え芏則}同じレベルの衚珟どうしの間で起こる倉圢を蚀い換え芏則ずしお蚘述する蚀い換え芏則を適甚するず蚀い換えが埗られる\end{itemize}倉圢芏則ず蚀い換え芏則の語圙䟝存性の蚘述には語圙関数lexicalfunctionを甚いる語圙関数ずは語の共起関係を蚘述するための道具でたずえばある動詞$X$に察しおその名詞圢を返す$S_{0}(X)$ずある動詞の名詞圢$Y$に察しお元の動詞圢の䞻語を同じく䞻語ずするような機胜動詞を返す$Oper_{1}(Y)$ずいう2぀の語圙関数を組み合わせるず\refex{MTTrule}のような深局統語構造の蚀い換え芏則によっお\refex{MTTex}のような蚀い換えを蚘述するこずができる\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip000.eps}\caption{MTTにおける蚀い換え芏則の䟋\cite{iordanskaja:96}}\label{fig:MTTrule}\end{center}\end{figure}\numex{MTTrule}{$X_{verb}$\quad{\lra}\quad$S_{0}(X)+Oper_{1}(S_{0}(X))$\fig{MTTrule}のような構造を仮定\\($S_{0}(\emph{decrease}_{verb})=\emph{decrease}_{noun}$,$Oper_{1}(\emph{decrease}_{noun})=\emph{show}$)}\numexs{MTTex}{\item[s.]Employment\emph{decreasedsharply}inOctober.\item[t.]Employment\emph{showedasharpdecrease}inOctober.}\citeA{melcuk:96}によるず蚀語の蚘述に必芁な語の共起関係は60皮類の蚀語独立な語圙関数でカバヌできるずしおおりそれらの関数を組み合わせお衚珟する\fig{MTTrule}のような蚀い換え芏則もたた蚀語に䟝存しない䞀般的な芏則で蚘述するただし実際には個々の蚀語の語圙に぀いお語圙関数の倧芏暡な蟞曞が必芁ずなるが残念ながらそうした蟞曞はいただ存圚しない\subsubsection{蚀い換えの構成性}倉圢文法やMTTにおける蚀い換えの扱いでもう䞀぀重芁な原理は蚀い換えの構成性であるたずえば次の\refex{synonym+casealt}の蚀い換えは\emph{purchase}{\ra}\emph{buy}ずいう語圙的な蚀い換えず\emph{$X$beVERB-\textsc{pp}by$Y$}{\ra}\emph{$Y$VERB$X$}のような䞀般的な態亀替の芏則を組み合わせによっお蚘述できる\numexs{synonym+casealt}{\item[s.]Thiscar\emph{waspurchasedby}him.\item[t.]He\emph{bought}thiscar.}明らかに蚀い換えをよりプリミティブな倉圢に分解しお蚘述するアプロヌチは分解せずに蚘述するアプロヌチに比べるず理論的にも工孊的にも理にかなっおいるただし前者を採甚するこずにしおもそれ以䞊分解できないプリミティブな蚀い換えにはどのような皮類があるのかそれらは網矅的に数えあげられるのかたたそもそも分解の可吊を刀断する基準を明確に芏定できるかずいう問題が残るたずえばMTTの研究者らはこれらを究明すべき䞭心的な問題の䞀郚ず考え前述のように蚀い換え芏則や語圙関数ずしおその成果を圢にしおきたしかし語圙関数の定矩が厳密性を欠くなど䞍十分な点も倚く倧芏暡な評䟡も詊みられおいないのが珟状である\subsubsection{蚀い換えの蚀語暪断性}蚀い換えの蚀語暪断的共通性の解明も泚目すべき蚀語孊的知芋の䞀぀であるMTTではフランス語や英語など耇数の蚀語の蚀い換えを察比させるこずによっお蚀語に䟝存しない蚀い換え芏則を芏定しようずしおきた\citeA{melcuk:96}によるずすべおの蚀語の蚀い換えは60皮類の語圙関数を組み合わせた蚀い換え芏則で蚘述できるずされるこうした成果が本圓に正しいかどうかは十分な経隓的評䟡による蚌明を埅たねばならないが少なくずも蚀い換えのモデル化に関しお有益な知芋を提䟛しおいるこずは間違いない経隓的方法ず組み合わせた倧芏暡な調査も報告されおいるたずえば\citeA{kageura:04:b}は日本語ず英語の各々で同じ蚀い換え珟象ずくに耇合語を䞭心ずした専門甚語の蚀い換えを取り䞊げ\refex{compound-parallel}のような日英各々の蚀い換え芏則集合\cite{jacquemin:97,yoshikane:03}を甚いお䞡蚀語における蚀い換え可胜性の共通性を調査しおいる\footnote{\refex{compound-parallel}の蚀い換え芏則においお$N_{i}$は名詞$V_{i}$は動詞$X_{i}$は任意の内容語$V(N_{i})$は名詞$N_{i}$の動詞圢を衚す}\numexs{compound-parallel}{\item[j.]抂念孊習{\ra}抂念を孊習する$X_{1}$$N_{2}${\ra}$X_{1}$``を''$N_{2}$する\item[e.]wordcategory{\ra}categorizewords$N_{1}$$N_{2}${\ra}$V(N_{2})$$N_{1}$}圌らは事䟋から挔繹的に50〜60個の倉換芏則を䜜成しこれを甚いおある技術甚語集の6割匷の耇合専門甚語に察する䞡蚀語同時の蚀い換えを可胜にしおいるほかにも\refex{cleft-parallel}のような分裂文の蚀い換え\cite{sunagawa:95,dras:99:a}や\refex{lvc-parallel}のような機胜動詞結合の蚀い換え\cite{muraki:91,iordanskaja:91,dras:99:a,fujita:04:d}などもさたざたな蚀語に共通の蚀い換え珟象である\numexs{cleft-parallel}{\item[j.]\emph{収録されおいるのは}玄千人の人物\emph{だ}\\{\ra}玄千人の人物\emph{が収録されおいる}\item[e.]\emph{Itwashisbestsuitthat}Johnworetothedancelastnight.\\{\ra}Johnwore\emph{hisbestsuit}tothedancelastnight.}\numexs{lvc-parallel}{\item[j.]\emph{䜏民の匷い芁請を受け}廃棄物凊理堎の建蚭を䞭止した\\{\lra}\emph{䜏民にから匷く芁請され}廃棄物凊理堎の建蚭を䞭止した\item[e.]Employment\emph{showedasharpdecrease}inOctober.\\{\lra}Employment\emph{decreasedsharply}inOctober.}蚀い換えの定匏化・類型化にはこうした蚀語暪断的芖点からの分析が欠かせない\subsubsection{蚀い換えの機胜論的説明}人間は蚀い換えるそれはなぜだろうかこの疑問に察する答えはいく぀か考えられる\citeA{walker:93}は蚀い換えによっお意思の疎通をはかっおいるず指摘しおいるたた\citeA{takatsuka:99}はテクニカルコミュニケヌションの立堎から第二蚀語孊習者にずっお有甚な語圙的蚀い換えに着目し蚀い換えの機胜ずしお次のような項目をあげおいる\begin{itemize}\item第二蚀語の孊習者が自らの蚀語胜力を補う\item盞手の理解を促進させるために自分の先行発話を蚀い換える\item意味を確認するために盞手の発話を蚀い換える\end{itemize}䞊の䟋のようなコミュニケヌションの促進ずいう機胜の他にも蚀い換えは瀟䌚的関係を保持する道具ずしお甚いられる\citeA{kunihiro:00}は䌚話の盞手のメンツを傷぀けるこずを避ける婉曲衚珟仲間ずの連䜓性を保぀集団語ずしお蚀い換えが甚いられるず述べおいる自治䜓䌁業のサヌビス窓口やアナりンサヌ向けのマニュアルにも瀟䌚的に䞍適切な衚珟の䜿甚を避けるような項目が蚭けられおおり代替衚珟蚀い換えが提瀺されおいるこずもある\subsection{意味が同じであるずは}\label{ssec:equivalence}\subsubsection{真理倀意味論的意味の同䞀性}倉圢文法やMTTを含む倚くの珟代文法理論では意味構造深局構造が同䞀であれば同矩であり蚀い換えであるず仮定しおおりこれが蚀い換えの定矩になっおいるここで蚀う意味ずは語あるいは蚀語衚珟の内包的な意味intensionを指す本論文では内包的意味の同䞀性に基づく蚀い換えを以䞋で述べる参照的蚀い換えや語甚論的蚀い換えず区別するために\emph{語圙・構文的蚀い換え}lexicalandstructuralparaphraseず呌ぶ内包的意味が同䞀かどうかの刀断は真理倀意味論モデル論的意味論を仮定するず考えやすい堎合が少なくない真理倀意味論では意味を真理倀ぞの写像ず芋なしお定匏化するたずえば「本」の意味は個䜓$x$が本であれば真本でなければ停を返す真理関数`本'$(x)$で䞎えられるこれによるず二぀の衚珟があるずきそれぞれの真理関数においお任意の個䜓の写像先の真理倀が぀ねに同じであればたたそのずきに限りそれらの意味は同䞀である「曞籍」の関数`曞籍'$(x)$を真にする個䜓の集合すなわち曞籍ずいう抂念の倖延extensionが「本」のそれず同じであれば「曞籍」ず「本」は意味が同じずいえるよく知られるようにこうした芋方は「倪郎が本を読む」のような呜題を衚す衚珟にも拡匵できるただしこうした真理倀意味論が蚀葉の意味を衚珟するのに十分でないこずは明らかであり真理倀意味論の問題に関する議論は枚挙にいずたがない以䞋蚀い換えの定矩に深く関連する問題に぀いお論じる\subsubsection{蚀倖の意味}倉圢文法では前述のように胜動文ず受動文の察は同じ意味構造を持぀ず仮定した誰が䜕をどうしたかずいう呜題郚分の意味は同じず考えお良いだろうこうした仮定はたずえばより最近の䞻蟞駆動句構造文法Head-drivenPhraseStructureGrammar;HPSGにも受け継がれおいるしかし胜動文ず受動文は話者の芖点が違っおいたりどの情報を匷調するかあるいはどの情報が新情報かずいった情報構造の違いがあるので文脈によっおは眮換できない珟圚の文法理論が仮定する意味衚珟はこうした意味の違いを十分に扱えおいないこうした問題は最も基本的なものに芋える単語間の蚀い換えにも芋られるたずえば前述のように「曞籍」ず「本」は真理倀意味論的意味すなわち指瀺的意味denotationはほが同じだが厳密にはフォヌマリティなどの暗瀺的意味connotationいわゆるニュアンスあるいは蚀倖の意味の違いがありい぀でも眮き換えられるわけではない蚀語は同矩語を嫌う\cite{clark:92}同じ意味を持぀語があったずしおも語甚論的な力が䜜甚しお次第に違う意味ずくに違うニュアンスを垯びるようになるしたがっお実際には完党に意味が同じで垞に眮換可胜な同矩語はたれである蚀い換えず認められる衚珟察の倚くになんらかの意味の違いがあるずすればただちに蚀い換え察の意味の差にはどのような皮類がありどのように蚘述すればよいかずいう問題が出おくるこれに぀いおはすでに倚くの蚀語孊的蓄積\cite{halliday:94,miyajima:95:a,miyajima:95:b,kageyama:01}があるものの党貌はただ遠く芋えないさらにこうした蚀い換え察が所䞎の文脈で眮換可胜であるためには意味の差がその文脈で無芖できるものなくおはならないしたがっお蚀い換えの理論化には蚀い換え察の意味の差分が所䞎の文脈に照らしお無芖できるかどうかを刀別する機構の説明が必芁である\subsubsection{参照の同䞀性}語の意味に関する哲孊的考察のなかで叀くから論じられおきたように蚀語衚珟の内包的意味が同じであるこずはその衚珟の参照察象が同䞀であるこずず必ずしも䞀臎しないたずえばFregeの「宵の明星」「明けの明星」の䟋は有名である「宵の明星」ず「明けの明星」は同じ参照察象を持぀が明らかに内包的意味は異なる䞡者が蚀い換え可胜眮換可胜ずなる文脈を考えるのは容易でないこのように参照察象が同䞀であるこずは蚀い換え可胜であるための十分な条件にはならないただし内包的意味が違っおいおも参照の同䞀性に基づいお蚀い換えるこずができる堎合がある兞型的なのは次の䟋のような参照衚珟の蚀い換えである\cite{sato:99}\numexs{semantic_paraphrase1}{\item[s.]去幎の出来事\item[t.]1998幎の出来事}\numexs{semantic_paraphrase2}{\item[s.]筆者の考え\item[t.]䜐藀の考え}こうした蚀い換えは特定の倧域的文脈談話の状況でのみ成り立぀もので内包的意味の同䞀性に基づく蚀い換えずは区別するべきである本論文ではこの皮の蚀い換えを\emph{参照的蚀い換え}referentialparaphraseず呌ぶ\subsubsection{語甚論的効果の同䞀性}先に意味の同䞀性を真理倀意味論的に捉えた堎合を議論したが真理倀意味論の欠陥を螏たえお状況論的意味論や蚀語行為理論が登堎した経緯から容易に掚枬されるように真理倀意味論に基づいお蚀い換えを論じるのには限界があるその䞀぀が語甚論的効果の同䞀性に基づく蚀い換えである蚀葉の語甚論的効果ずは話者がそれを発するこずによっお達成できるず期埅するコミュニケヌションの目的である次の䟋のように同じ語甚論的効果を持぀発話は蚀い換え可胜である\cite{sato:99,kawamura:00}\numexs{pragmatic_paraphrase1}{\item[s.]どなたかgccの゜ヌスのありかをご存知ないでしょうか\item[t.]gccの゜ヌスが眮いおあるftpサむトを教えおください}\numexs{pragmatic_paraphrase2}{\item[s.]Willyoubreakthisbill?\item[t.]Iwanttousethatvendingmachine.}これらの蚀い換えは仮に内包的意味が真理倀意味論的に䞎えられたずしおも同じではない\citeA{sato:99}はこうした蚀い換えを語甚論的蚀い換えず呌んでいる本論文でもこれに倣い語甚論的効果の同䞀性に基づく蚀い換えを\emph{語甚論的蚀い換え}pragmaticparaphraseず呌ぶ\bigskip以䞊の議論をたずめるず蚀い換えには少なくずも語圙・構文的蚀い換え参照的蚀い換え語甚論的蚀い換えの3皮類がある参照的蚀い換えは蚀葉が発せられた文脈や談話の状況を参照する必芁があるたた語甚論的蚀い換えは明らかに代衚的な珟代文法理論で仮定しおいる意味論を超えるものであるこのうち工孊的実珟が最も容易に芋えるのは語圙・構文的蚀い換えである実際蚀い換えに関する工孊的研究のほずんどが察象をこの語圙・構文的蚀い換えに限定しおいる以䞋本論文でも語圙・構文的蚀い換えに話題をしがる \section{蚀い換え技術の䜿い方} \label{sec:applications}蚀い換え技術の甚途は広い蚀い換えの実珟方法に話をすすめる前にさたざたな蚀い換えが自動化できるようになるずどのような䜿い方ができるかを敎理しおみよう\subsection{人間のために蚀い換える}電子化文曞デヌタの爆発的な増加を背景にそうした文曞を利甚者や利甚圢態に適した圢に自動線集する技術の必芁性が説かれるようになっお久しい冒頭の䟋のように高霢者や子䟛倖囜人障害者など利甚者の蚀語胜力にあわせお読みやすい平易な文面になおすタスク\cite{carroll:98:a,canning:99:a,inui:01:a,higashinaka:02,inui:03:a}はそのような線集の䞀䟋であるたたニュヌス原皿から字幕を生成したりWebの文曞を携垯端末に衚瀺したりニュヌスを街頭や新幹線の電光掲瀺板に衚瀺したい堎合は1行圓たりの字数を考慮しおコンパクトな衚珟に蚀い換える技術が必芁になる\cite{robin:96,kondo:97:a,fukushima:99,mikami:99,ehara:00,kataoka:00,masuda:01:a,SatoDai:04:a,ikeda:04}蚀い換え技術は人間が文曞を曞く珟堎でも有甚である読みやすい文曞を曞くスタむルを統䞀する芏定の語圙ず構文を䜿っお制限蚀語文曞を曞くずいった䜜業を支揎する掚敲支揎でも読みにくい文や制限蚀語に合わない文を自動的に適切な文に蚀い換える技術が必芁ずされおいる\cite{hayashi:91,takahashi:91:a,takeishi:92,dras:99:a,mitamura:01}同様のこずは機械翻蚳や芁玄など機械が文章を生成する堎合にもいえる機械が出力した文章をチェックし適栌でない衚珟があれば自動的に修正するずいった埌線集\cite{knight:94:a,mani:99:a,nanba:00:a}が実珟するずありがたいたた人間が芁玄する堎合は原文にはない衚珟をうたく䜿っお内容をたずめるこずができるがこれなども蚀い換えの䞀皮ずいえそのような蚀い換えをいかに自動化するかが自動芁玄の重芁な課題になっおいる\cite{kondo:97:a,okumura:99:a,kataoka:00,okumura:02:a}\subsection{蚀語の機械凊理のために蚀い換える}\label{ssec:for_machine}蚀い換えた結果を消費するのは人間ばかりずは限らない蚀い換えは入出力が同䞀蚀語であるこずからさたざたな蚀語凊理アプリケヌションの䞭に郚分タスクずしお組み蟌むこずができる機械翻蚳では前線集段階で機械凊理に適した蚀語衚珟にあらかじめ曞き換えおおくず蚳質が䞊がる\cite{shirai:95:a,kato:97:a,yoshimi:00:b}この前線集を自動化する詊みがすでに倚数報告されおいる\cite{kim:94:a,shirai:95:a,chandrasekar:96:a,nyberg:00,yoshimi:00:a,yoshimi:00:b,imamura:01,YamamotoKazuhide:02:c}機械翻蚳の他にも手話ぞの翻蚳のための前線集手話に倉換しやすい衚珟に蚀い換える\cite{adachi:92:a,tokuda:98}や音声合成のための前線集耳で聎きずりやすい衚珟に蚀い換えるなど前線集ずしおの蚀い換え技術の朜圚的応甚範囲は広い蚀語には同じ内容を指す衚珟がいく぀も甚意されおいる\cite{sato:01:a}の䟋を匕こう\numexs{お名前}{\itemお名前をお願いしたいのですが\\{\ra}Couldyoutellmeyourname,please?\itemお名前を頂戎するこずはできたすか\\{\ra}Couldyoutellmeyourname,please?}\refexs{お名前}{a}ず\refexs{お名前}{b}はだいたい同じ意味の発話で同じ蚳文を圓おるこずができるしたがっお(a)を翻蚳できる人なら(b)も翻蚳できるだろうしかし翻蚳システムが(a)ず(b)の同矩性を理解できずそれぞれ別々に翻蚳しようずするず(a)は翻蚳できるが(b)は翻蚳できないずいったこずになりかねないその堎合でも仮に前線集段階で(b)を(a)に蚀い換えるこずができれば翻蚳システムも察応できるこずになる前線集が機械翻蚳に効果的ず考えられるのは蚀語が持぀このような衚珟の倚様性を前線集段階で吞収できるこずが期埅されるためである蚀語衚珟の倚様性が機械凊理を難しくしおいる䟋は翻蚳にずどたらない文曞集合に察する情報怜玢や質問応答では怜玢芁求や質問に䜿われる蚀語衚珟ずそれに該圓する蚘述の蚀語衚珟が異なれば単玔なキヌワヌド照合ではうたく応答できないこれに察したずえば\numexs{verification}{\item《著䜜名》の著者は《人名》だ\item《人名》が《著䜜名》を発衚する}ずいう2぀の蚀い回しが広い意味での蚀い換えの関係になっおいるこずを認識できれば「『坊ちゃん』の著者は誰ですか」のような質問の答えを情報源ずなる文曞䞭の「倏目挱石が『坊ちゃん』を発衚した明治39幎は$\ldots$」のような蚘述から探し出すこずができる怜玢質問拡匵termexpansionはその近䌌的な解決策の䞀぀であるがより掗緎された同矩性刀定すなわち蚀い換えの認識の仕組みが必芁であるこずは明かでありすでにさたざたな詊みが報告されおいる\cite{jacquemin:97,hikasa:99:a,anick:99:a,hirata:00:a,shiraki:00:a,tomuro:01:a,ravichandran:02,hermjakob:02,sasaki:02,duclaye:03,moldovan:03,takahashi:03:c,yoshikane:03}たた情報抜出においお倚様な蚀い換え衚珟から同じ情報を抜出する問題\cite{sekine:01,shinyama:02,shinyama:03}や耇数文曞芁玄においお個々の文曞から抜出したパッセヌゞの䞭に同じ情報を冗長に䌝える蚘述がないかどうかを刀定する問題\cite{mckeown:99,barzilay:99,ueda:00,narimatsu:02,barzilay:03:c}なども同様に蚀い換え認識の問題ずいえる\subsection{蚀い換えを研究の道具ずしお䜿う}\label{ssec:as_tools}蚀い換え技術は蚀語凊理研究の道具ずしおも䜿える可胜性がある盎接的な䜿甚䟋の䞀぀に機械翻蚳システムの評䟡甚正解翻蚳䟋の自動生成がある機械翻蚳の研究では評䟡甚の各原文に察しお耇数の正解翻蚳䟋を甚意しシステムの出力を評䟡するのが䞀般的になっおきたたずえばBLEU~\cite{papineni:02:b}ず呌ばれる自動評䟡手法では豊富な正解䟋を甚意するこずが評䟡結果の信頌性を確保するのに必芁なこずが分かっおいるしかしながらいく぀もの正解翻蚳䟋を人手で䜜るのはコストが高いこうした背景から代衚的な正解䟋からその他の翻蚳䟋を蚀い換え生成によっお自動的に入手する詊みがいく぀か報告されおいる\cite{pang:03,kanayama:03}\clearpage \section{蚀い換えの実珟方法} \label{sec:models}\sec{applications}で述べたように蚀い換えの工孊的な凊理は倧きく生成ず認識の2皮類に分けられる蚀い換え生成は䞎えられた蚀語衚珟からその蚀い換えを生成する䜜業であり\sec{applications}で述べたように機械翻蚳の前線集や埌線集文章読解の支揎などさたざたな応甚がある蚀い換え生成は蚀語衚珟を入力ずする生成ずいう意味でテキストからのテキスト生成text-to-textgenerationの䞀皮ず蚀うこずができるこれに察し自然蚀語生成の文脈では同䞀の意味構造からさたざたな蚀い換えを生成する䜜業を指しお「蚀い換え生成」ず呌ぶこずがある䞡者は盞互に深く関係しあう問題であり独立な問題ずしお考えるべきではないが混乱を避けるため本論文ではもっぱらテキストからのテキスト生成の意味で蚀い換え生成ずいう甚語を䜿う蚀い換え生成は意味を保存しながらある蚀語衚珟を別の意味衚珟に倉換するずいう意味で同䞀蚀語内の翻蚳ず芋なすこずができる逆に蚀い換えの方を広く捉えお翻蚳は異なる蚀語間をたたぐ蚀い換えであるず蚀っおもよい本節ではたず\ssec{MT}で蚀い換え生成の研究を歎史の長い機械翻蚳研究ず察比させながら玹介し\ssec{vsMT}で機械翻蚳研究では顕圚化しなかった新しい問題を論じる以䞋「蚀い換え生成」ず「機械翻蚳」を区別するためそれぞれを狭い意味で甚いるすなわち「蚀い換え生成」は意味を保存したたた同䞀蚀語内の別の衚珟に倉換する䜜業「機械翻蚳」は意味を保存したたた他の蚀語の衚珟に倉換する䜜業を指す䞀方蚀い換え認識は2぀の異なる蚀語衚珟が蚀い換えかどうかを刀別する䜜業であり情報怜玢や質問応答耇数文曞芁玄などの応甚があるこの問題は䞀方から蚀い換えを生成しお他方に到達できるかを調べる問題ず芋なせるので蚀い換え生成ず裏衚の関係にあるずいえる\ssec{recognition}ではこの点を論じる\subsection{同䞀蚀語内翻蚳ずしおの蚀い換え生成}\label{ssec:MT}\subsubsection{機械翻蚳ず蚀い換え生成}蚀い換え生成の研究が機械翻蚳研究の長い歎史から孊べるこずは倚いたずえば統語構造倉換ず意味構造倉換の長所短所甚䟋ベヌス翻蚳や統蚈的翻蚳などの経隓的手法の有効性察蚳コヌパスからの翻蚳知識獲埗の可胜性ずいった議論は蚀い換えにもほずんどそのたた圓おはたる実際蚀い換え生成の実珟方法に関するこれたでの提案や詊みの倚くはこうした既存の機械翻蚳技術からのアナロゞヌに基づいおいるむしろ凊理方匏などの方法論的議論に関するかぎり蚀い換え生成の研究はこれたでのずころ機械翻蚳技術の埌远いの域をほずんど出おいないずさえいえる\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip001.eps}\caption{MTTに基づく翻蚳ず蚀い換えの統合モデル\cite{lavoie:00}}\label{fig:lavoie}\end{center}\end{figure}蚀い換えず翻蚳の共通性をうたく切り取っお圢にした䟋ずしお\citeA{lavoie:00}の翻蚳ず蚀い換えの統合モデル\fig{lavoie}は象城的であるこのモデルではMTT\sssec{MTT}を参照に基づいおたず入力文から深局の䟝存構造衚珟深局統語構造衚珟;DSyntSを生成するこの䞭間衚珟を他蚀語の䞭間衚珟に構造倉換トランスファしおから生成するず翻蚳になり同蚀語内の別の䞭間衚珟に倉換しお生成するず蚀い換えになる䞭間衚珟には蚀語に䟝存しない共通の衚珟圢匏を甚いるので蚀い換えにせよ翻蚳にせよ同じ゚ンゞンを䜿っお構造倉換するこずができる蚀い換えず翻蚳の違いは構造倉換に甚いる倉換知識倉換パタヌンが違うだけである\subsubsection{構造倉換トランスファ方匏}\label{sssec:transfer}既存の蚀い換えの実珟方法の倚くは機械翻蚳のトランスファ方匏に察応するただし機械翻蚳ず異なっお入力文の党䜓を倉換する必芁はないため察象ずする蚀い換えの皮類ごずにその珟象を捉えるのに郜合の良い倉換レベルを蚭定しおいお実珟可胜性を調査するずいうスタむルの研究が倚いたずえば蚀い換えの察象が語や句のような比范的局所的な堎合は衚局レベルでの局所的な眮換によっお蚀い換えを生成できる可胜性があるが埋め蟌み文を䞻節から切り離したり䞻蟞が亀替するような蚀い換えを実珟するためには少なくずも䟝存構造や句構造などの統語レベルのトランスファが必芁になる\begin{description}\item[衚局レベル]単語を同矩語に蚀い換える堎合や慣甚衚珟のような芁玠が省略されにくく語の間に別の語が割り蟌たない衚珟を蚀い換える堎合単玔な文字列眮換でも蚀い換えを生成できるこのレベルの蚀い換えには完党に語圙化された衚珟察が甚いられる実珟䟋ずしおは単語から単語ぞの眮き換え\cite{edmonds:99,fujita:01,lapata:01:b,pearce:01}数語の単語列から同じく数語の単語列ぞの蚀い換え\cite{barzilay:01,barzilay:02,pang:03,shimohata:03:c,quirk:04}慣甚衚珟の蚀い換え\cite{fujita:03:c}などがあげられる\item[統語レベル]蚀い換え生成モデルの䞭には䟝存構造を前提ずしおいるものも倚い統語レベルのトランスファでは\app{taxonomy}に瀺すようなさたざたな皮類の蚀い換えが実珟可胜になるたずえば\citeA{kurohashi:99:b}\citeA{kaji:01}のモデルでは文節レベルの係り受け構造を甚いおいるそしお「AのB」{\lra}連䜓節\cite{kurohashi:99:b}内容語の蚀い換え\cite{kaji:03:b}機胜動詞結合の蚀い換え\cite{kaji:04:a}などを実珟しおいる䞀方\citeA{takahashi:01:c}は蚀い換えの察象が文節以䞊の単䜍であっおもその圱響が文節よりも小さなレベルに及ぶこずに着目し圢態玠レベルの䟝存構造を採甚しおいるたた機胜語列や係り受けの順序などを衚珟するための蚘述蚀語を提䟛し䟝存構造レベルのトランスファ芏則の䜜成を支揎しおいる\item[意味レベル]\sssec{MTT}で玹介したMTTの深局統語構造レベルでの蚀い換えは項の順序を区別しお語圙関数を定矩するなど䟝存構造や句構造から意味的なレベルに䞀歩螏み蟌んだ構造倉換を仮定しおいるその他動詞の栌圹割栌芁玠間の関係を捉えるためにより意味に螏み蟌んだ䟋ずしお語圙抂念構造LexicalConceptualStructure;LCSを甚いた耇合動詞の蚀い換え\cite{takeuchi:02}機胜動詞結合の蚀い換え\cite{fujita:04:d}があげられる\end{description}\subsubsection{ピボット方匏}\label{sssec:pivot}機械翻蚳のピボット方匏盞圓のアプロヌチも芋られる\cite{meteer:88,huang:96,brun:03}この方匏では察象領域や捕らえるべき情報を限定しお専甚の意味構造を定矩し察象テキストをその構造に圓おはめるこずで蚀い換えを生成するこうした研究では情報抜出の技術を甚いお入力から意味構造の芁玠を抜出する技術や意味構造から衚局衚珟を生成する技術が各々独立に論じられおいるたずえば\citeA{brun:03}は薬品デヌタベヌスの分析に基づいお7皮類の述語--項構造を定矩し\refex{brun1}の䟋のようにこの領域専甚の意味衚珟ずしお甚いおいる\numexs{brun1}{\itemAcetoneisamanufacturedchemicalthatisalsofoundnaturallyintheenvironment.\item\texttt{SUBSTANCE(acetone).PHYS\_FORM(acetone,chemical).\\ORIGIN(acetone,natural,theenvironment,in).\\ORIGIN(acetone,man-made,NONE,NONE).}}機械翻蚳の堎合ず同様ピボット方匏では䞭間意味衚珟の蚭蚈ず管理が問題になるため領域を十分に限定しお過床に耇雑な意味の問題をうたく避ける必芁がある\subsubsection{蚀い換え知識の衚珟方法}\label{sssec:representation}蚀い換え知識の衚珟方法に぀いおは蚀い換え関係にある衚珟察を衚局の単語列たたは構文朚の察ずしお衚珟する堎合が倚い\sssec{trans}で玹介した倉圢文法の操䜜は統語レベルの蚀い換え知識ずみなせるし\sssec{MTT}で玹介したMTTにおける蚀い換え芏則も䟝存構造の察からなる文法を甚いお蚀い換えを衚珟しおいる䟋もある\citeA{dras:99:a}は朚接合による同期文法SynchronousTreeAdjoiningGrammar;STAG\cite{abeille:90,shieber:90}を甚いお蚀い換え知識を衚珟しおいる同期文法の枠組みでは入力文の解析ず同時に解析に甚いられる文法のそれぞれに察応同期する文法が組み合わさり解析終了ず同時に出力が埗られる\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip002.eps}\caption{耇数単語列アラむンメントによっお生成される単語ラティス\cite{pang:03}}\label{fig:lattice}\end{center}\end{figure}その他蚀い換えの関係にある耇数の文を耇数単語列アラむンメントMulti-SequenceAlignment;MSAずいうアルゎリズムを甚いお\fig{lattice}のような1぀の単語ラティスで衚珟する詊みもある\cite{barzilay:02,barzilay:03:a,pang:03}これは英語のように語順の制玄が比范的匷い蚀語ならではのアプロヌチである\subsection{機械翻蚳ず䜕が違うのか}\label{ssec:vsMT}\subsubsection{応甚暪断的技術ずしおの蚀い換え}翻蚳が異蚀語間の同矩衚珟であるのに察し蚀い換えは同䞀蚀語内の同矩衚珟であるこのこずのおかげで蚀い換え生成・認識技術は単䞀蚀語を察象ずするさたざたな蚀語凊理アプリケヌションぞの利甚が期埅できる別の蚀い方をすれば蚀い換え技術は圢態玠・統語解析のような芁玠技術をさたざたな応甚に぀ながる応甚暪断的なミドルりェアであるず考えおもよい\ssec{for_machine}の䟋\refex{お名前}をもう䞀床考えよう機械翻蚳の前線集で「お名前を頂戎するこずはできたすか」を「お名前をお願いしたいのですが」に蚀い換えるこずが有益なのは翻蚳システムが前者を正しく凊理できず埌者を正しく凊理できる堎合であるしかしこの議論には少し誀魔化しがあるこの議論が成り立぀ためには蚀い換えシステムが「お名前を頂戎するこずはできたすか」ずいう文を正しく解析し正しく蚀い換える胜力を持っおいなければならないしかし䞊で述べたように翻蚳ず蚀い換え生成は本質的には同じ問題を扱う技術なのでもし「お名前を頂戎するこずはできたすか」の蚀い換えが技術的に可胜なのであればその技術を翻蚳システムに組み蟌んで䞡方の入力を正しく翻蚳するシステムを䜜るこずも原理的には可胜なはずである逆に翻蚳システムにずっお解析が困難な文は蚀い換えもやはり困難なはずであり翻蚳の問題の䞀郚を前線集に移したずしおも問題の難しさは倉わらないそれでも翻蚳の前線集に蚀い換え技術を䜿う詊みが合理的に芋えるのは耇雑な既存の翻蚳システムの䞭身を觊らずに枈むずいった短期的な利益のためばかりでなくこの技術が広く応甚暪断的でだからである翻蚳ずいう䞀぀の応甚技術から蚀い換えずいう応甚暪断技術を切り出す詊みず蚀っおもよいこのように蚀い換え技術が応甚暪断的であるこずは埓来の機械翻蚳研究では芋過ごされおきた重芁な特城であるこれたでの蚀い換えの研究では特定の応甚蚀語蚀い換えを想定しお知識が構築されおきたしかし今埌は知識やシステムのポヌタビリティを考慮し\begin{itemize}\item蚀い換えのための知識をどのように敎理し分割し蚘述しおおけば応甚暪断的な再利甚性が高くなるかを怜蚎し\itemその成果にもずづいお実際に蚀い換えの凊理や知識を実珟し\itemそれらの郚品を組み合わせお新しい甚途に察応できる仕組みを䜜る\end{itemize}ずいう努力を重ねる必芁がある\subsubsection{問題解決型タスクずしおの蚀い換え}\label{sssec:problem_solving}蚀い換え生成では蚀い換えるべき察象を遞択しなければならないずいう問題もある翻蚳では原文のすべおの構成芁玠を目的蚀語に倉換するずいう暗黙の前提があった\cite{verbmobil:00,EBMT:03}䞀方蚀い換えは「なんらかの目的を満たす衚珟ぞの倉換」\cite{YamamotoKazuhide:01}であるため「原文のどの郚分を蚀い換えるべきか」を目的に照らしお刀断しその郚分だけを遞択的に倉換する必芁がでおくるたずえば原文を平易な衚珟に蚀い換えお文章の読解を支揎するずいった甚途の堎合原文のたたでナヌザが理解できる郚分は蚀い換える必芁がないしむしろ蚀い換えない方がよい\cite{dras:99:a,inui:01:a,inui:03:a}\sec{definition}で述べたように蚀い換えは倚くの堎合原文の意味を厳密には保存できないため䞍必芁な蚀い換えは原文の情報を過床にねじたげおしたう恐れがあるからである\citeauthor{dras:99:a}は原文を蚀い換えるたびに話し手が䌝えたい情報や埮劙なニュアンスなど原文のなんらかの情報がかならず損われるため人間の曞いたテキストを蚀い換える際は目的を満たす範囲で蚀い換えの皋床を最小限に抑えるべきだず指摘しおいるそしおそのような蚀い換えを「倖郚から䞎えられた制玄を満たすために仕方なくやる蚀い換え」ずいう意味で``reluctantparaphrasing''ず呌んでいるこれをもう少し䞀般化するず蚀い換え生成は「なんらかのテキストの評䟡基準が䞎えられたずき原文から基準を満たさない蚀語衚珟を抜出し満たす衚珟に蚀い換える」ずいう問題解決型のタスクず芋なせる評䟡基準は蚀い換えの目的によっお異なるだろう読解支揎の堎合は「人間倖囜人子䟛障害者特定のナヌザなどにずっおのテキストの読みやすさ」が基準になる\cite{carroll:98:a,canning:99:a,inui:01:a,higashinaka:02,inui:03:a}が機械翻蚳の前線集では「解析・翻蚳の容易性」\cite{shirai:95:a,kato:97:a,yoshimi:00:b}音声合成text-to-speechsysthesisの前線集では「聎芚理解の容易性」ずいうこずになるたた特定の語圙ず構文を基準ずしお䞎えるず制限蚀語ぞの蚀い換え\cite{mitamura:01}ずいうタスクになり曞き蚀葉から話し蚀葉ぞの倉換\cite{kaji:04:c}などの応甚䟋がある以䞊から蚀い換え生成技術は次の2぀の郚分技術に集玄できるこずがわかる\begin{itemize}\item\emph{蚀い換え候補生成}䞎えられた蚀語衚珟に察しお蚀語的に適栌な皮々の蚀い換えを網矅的に生成する技術\item\emph{テキスト評䟡}䞎えられた評䟡基準に基づいおテキストを評䟡する技術\end{itemize}蚀い換え候補生成が通垞の意味での機械翻蚳にほが盞圓するずすればテキスト評䟡は蚀い換えになっお初めお顕圚化される問題であるずいえる\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip003.eps}\caption{蚀い換え候補生成ずテキスト評䟡}\label{fig:gen-and-eval}\end{center}\end{figure}テキスト評䟡の必芁性はすでに䜕人もの研究者が指摘するずころである\citeA{YamamotoKazuhide:01}は「察象特定」「仮説生成」「仮説遞択」\citeA{murata:01:c}は「倉換transformation」「評䟡evaluation」ず呌んでいるたた\citeA{mitamura:01}も制限蚀語ぞの蚀い換えを「checking」「rewriting」に分けおいるこれらはいずれもほが同じ分け方ず芋およい䞡者の組み合わせ方にはいろいろ考えられる最も単玔には次のような3段階のカスケヌド型のモデルが考えられる\fig{gen-and-eval}\begin{itemize}\item[1.]テキストを評䟡し蚀い換えの察象を遞択する\item[2.]遞択された察象から可胜な蚀い換えを網矅的に生成する\item[3.]生成された候補を評䟡し最適解を出力する\end{itemize}もちろんそのような単玔な`generateandtest'方匏に蚈算量的な問題がある堎合は評䟡基準に察する原文の「違反の仕方」に応じお蚀い換えの皮類を絞り蟌むずいったいわば「蚀い換えプランニング」のような機構を怜蚎しおもよい\citeA{dras:99:a}が詊みたように制玄䞋での最適化問題ずしお定匏化する方向も考えられる蚀語生成のセンテンスプランニングを制玄充足問題ずしお定匏化した\citeA{beale:98}のアプロヌチも参考になるず思われるたた読解支揎などの堎合評䟡基準にナヌザの読解胜力の個人差ナヌザモデルを反映するこずができればナヌザに適応的な支揎も可胜になるだろういずれにせよテキスト評䟡ず蚀い換え候補生成を切り離した蚭蚈はテキストの評䟡基準を取り替えるこずによっおさたざたな甚途の違いを吞収できより汎甚的な枠組みを提䟛するこずができる点で有利である\subsection{蚀い換えの認識}\label{ssec:recognition}蚀い換えの認識は質問応答や情報怜玢の䞭心的な郚分問題の䞀぀である\cite{shiraki:00:a,kurohashi:01,lin:01,ravichandran:02,sasaki:02,hermjakob:02,duclaye:03,moldovan:03,takahashi:03:c,takahashi:04:a}\citeA{takahashi:04:a}はNTCIRQACトラック\cite{fukumoto:02}で甚いられた質問文ず人手で䜜成した質問の合蚈玄400問ずそれに察する解答文曞の関係を分析しおいるそれによるず質問ず解答を結び付ける倉換操䜜の玄85\%が含意・前提条件などの掚論を含む広矩の蚀い換えず芋なせるたた耇数文曞芁玄ではむベント間の関係を把握したり冗長な芁玄を避けたりするために異なる文曞䞭で同じ内容を指す郚分類䌌郚分を同定する必芁がある\citeA{barzilay:99}はTopicDetectionandTrackingコヌパス\cite{allan:98}䞭の同じ内容を瀺す文の察200組を分析し語圙・構文的蚀い換えによっお玄85\%の文察を結び付けるこずができるず述べおいるこの文脈でも蚀い換えの認識に関するいく぀かの手法が提案されおいる\cite{mckeown:99,barzilay:99,ueda:00,narimatsu:02,barzilay:03:c}蚀い換えの認識のアプロヌチは倧きく2皮類に分けられる1぀目は語圙・構文的倉換の到達可胜性を調べるアプロヌチで䞎えられた2぀の蚀語衚珟のうち䞀方を語圙・構文的に蚀い換えお他方に到達できるか吊かを刀別する2぀目は意味レベルの照合を明瀺的に扱うアプロヌチで2぀の蚀語衚珟の各々をピボット的な意味衚珟に倉換しそれらが䞀臎するか吊かを刀別する以䞋それぞれの代衚的な研究を玹介する\subsubsection{語圙・構文的倉換に基づく蚀い換えの認識}語圙・構文的倉換に基づく方法の䟋は\citeA{ueda:00}の耇数文曞芁玄アルゎリズムに芋るこずができる圌らの方法では耇数の入力文曞を䟝存構造の郚分朚の集合ずしお衚珟しその䞭から入力文曞に共通に出珟する郚分朚を取り出すこずで耇数文曞芁玄を生成するただし文曞によっおは同じ情報が別の衚珟で蚀語化されおいる可胜性があるので同矩なすなわち蚀い換えの関係にある郚分朚どうしも共通の郚分朚ずしお扱う必芁がある圌らが扱った蚀い換えは\refex{ueda1}のような類矩語䞊䜍語ぞの蚀い換えおよび\refex{ueda2}\refex{ueda3}のような構文的な亀替などである\numexs{ueda1}{\item[s1.]\emph{ホりレン゜り}からダむオキシンが怜出された\item[s2.]\emph{癜菜}からダむオキシンが怜出された\item[t.]\emph{野菜}からダむオキシンが怜出された}\numexs{ueda2}{\item[s.]軜量の携垯\emph{電話が}\emph{フヌバヌ瀟によっお}\emph{発売される}\item[t.]\emph{フヌバヌ瀟が}軜量の携垯\emph{電話を}\emph{発売する}}\numexs{ueda3}{\item[s.]å…šè§’\emph{スペヌスが}シンタックス\emph{゚ラヌを}\emph{起こす}\item[t.]å…šè§’\emph{スペヌスで}シンタックス\emph{゚ラヌが}\emph{起きる}}圌らのアプロヌチは\citeA{mckeown:99,barzilay:99}の手法ず次の点で共通する\begin{itemize}\item埓来のbag-of-words的な手法に替えお郚分構文構造を導入し類䌌床をより正確に芋積もる\cite{mckeown:99}\itemWordNet~\cite{WN:90}のsynsetや動詞のクラス\cite{levin:93}を甚いお郚分構造間の同矩性を刀定する\cite{mckeown:99,barzilay:99}\item各皮亀替などの構文的な蚀い換えを芏則ずしお実装し衚珟の倚様性を吞収する\cite{barzilay:99}\end{itemize}\citeauthor{ueda:00}は語圙・構文的倉換によっお生成された郚分朚にペナルティを課すこずで倉換によっお生じる元文ずの情報のずれを考慮しおいるそしお倉換によるペナルティず文曞間での共通性から各郚分朚の重芁床を蚈算し䞊䜍数個の郚分朚を芁玄生成に甚いおいるこのアルゎリズムは入力ずなる$n$文の各々に぀いお可胜なすべおの蚀い換えを生成するこずで耇数の文曞間で共通に出珟しか぀蚀い換え回数が少ない衚珟を効率良く遞択しおいるこうした語圙・構文的倉換に基づく方匏では入力衚珟の蚀い換え方が組み合わせ的な数に膚らむ可胜性があるので倉換の皮類に制限を加えるあるいは効率的な探玢法を導入するずいったなんらかの察策が必芁になるたずえば\citeA{takahashi:03:c}は質問応答の文脈で山登り法探玢を実珟する枠組みを提案しおいる圌らのアルゎリズムでは質問ず解答候補文曞の䞡方に蚀い換えを適甚し最も類䌌床が高い$\langle$質問解答候補$\rangle$の組を優先しお繰り返し蚀い換えるたた\citeauthor{ueda:00}のように語圙・構文的倉換にペナルティを課す堎合はそれによっお探玢空間が抑えられる\subsubsection{意味衚珟に基づく蚀い換えの認識}ある衚珟の含意や前提条件などの掚論は統語構造䞊よりも意味衚珟䞊で扱う方が知識蚘述や倉圢操䜜の実珟ずいう点で郜合が良いしかし意味衚珟に基づいお蚀い換えを認識するにはやはり意味衚珟の蚭蚈が問題になるここでは質問応答の文脈でのアプロヌチをいく぀か玹介する\citeA{ravichandran:02}は質問応答では倚くの堎合質問に察しお特有の衚珟パタヌンが解答になるずいうこずに着目しおいるたずえば\refexs{ravi1}{a}ず\refexs{ravi1}{b}は``Mozart''の誕生幎を瀺す異なる衚珟だが\refexs{ravi2}{a}\refexs{ravi2}{b}のように固有衚珟を抜象化するずどちらも「ある人物の誕生幎」に関する\refex{ravi3}のような意味衚珟に察する衚珟のパタヌンず芋なすこずができる\numexs{ravi1}{\itemMozartwasbornin1756.\itemMozart(1756-1791)$\ldots$}\numexs{ravi2}{\item$\langle$\emph{name}$\rangle$wasbornin$\langle$\emph{birthdate}$\rangle$\item$\langle$\emph{name}$\rangle$($\langle$\emph{birthdate}$\rangle$-}\numex{ravi3}{\textsc{birthdate}~(\emph{name},\emph{birthdate})}圌らはTREC2001~\cite{voorhees:01}における質問の分析によっお䞊の誕生幎に関する質問を含む6぀の質問タむプを遞択しそれぞれを衚すような兞型的な衚珟パタヌンをWebから自動収集しおいる質問に察する解答ずしおは単玔に䞊のような衚珟パタヌン䞭の質問察象の固有衚珟のスロットに察応する衚珟が出力されるたずえば``WhenwasMozartborn?''ずいう質問は\refex{ravi3}の意味衚珟に察応付けられ同時に$\langle$\emph{birthdate}$\rangle$が解答を瀺す固有衚珟スロットだず同定される質問文䞭の固有衚珟``Mozart''を甚いお怜玢した文曞䞭に\refexs{ravi1}{a}のような\refex{ravi2}䞭の衚珟パタヌンに察応する衚珟が芋぀かればその文曞ず質問は\refex{ravi3}ずいう意味衚珟においお等䟡だず認識され``1756''が解答ずしお取り出される\citeA{sasaki:02,moldovan:03}は質問ず解答候補文曞を論理圢匏LogicalFormを意味衚珟ずするこずで蚀い換えの関係にある文間の統語レベルの違いを捚象し質問ず解答候補文曞の察応付けを可胜にしおいる\refexs{sasaki1}{\textsc{lf}}は\citeauthor{sasaki:02}の質問応答システムSAIQA-Isに\refexs{sasaki1}{q}ずいう質問文を入力したずきに埗られる論理圢匏である\numexs{sasaki1}{\item[q.]WhereisthecapicalcityofJapan?\item[\textsc{lf}.]\texttt{COUNTRY(Y1:'Japan'),R(Y1,Y2),'city'(Y2:'capitalcity'),\\LOCATION(Y3:Z);ORGANIZATION(Y3:Z),R(Y2,Y3)}}SAIQA-Isではさらに解答が埗られなかったずきのみ``\emph{WorldCup}''{\ra}``\emph{W-Cup}''のような同矩語レベルの蚀い換えを適甚し解答を再床探玢する䞀方\citeauthor{moldovan:03}のシステムLogicProverはWordNet~\cite{WN:90}を甚いお論理圢匏䞭の䞀郚の語を同矩語・䞊䜍語に眮き換えるだけでなく論理圢匏レベルで掚論に関する曞き換え凊理を斜しお質問ず解答候補文曞の照合を詊みる \section{蚀い換え知識の獲埗} \label{sec:knowledge}蚀い換えの生成や認識を実甚芏暡で実珟するには蚀い換えに関する知識を既存の資源から効率的に獲埗する手段の開発が必須である本節では蚀い換え知識の獲埗に関するこれたでの詊みを翻蚳や情報抜出のための知識獲埗技術に照らしお玹介する\subsection{既存の語圙資源を蚀い換えに利甚する}\label{ssec:existent}\subsubsection{シ゜ヌラスを䜿っお同抂念語に蚀い換える}蚀い換えに利甚できる語圙資源ず蚀うずたず思い浮ぶのはシ゜ヌラスであるたずえばWordNet~\cite{WN:90}\footnote{\uri{http://www.cogsci.princeton.edu/\~{}wn/}}やEDR日本語単語蟞曞\cite{EDR:95}\footnote{\uri{http://www2.crl.go.jp/kk/e416/EDR/J\_index.html}}には非垞に现かい意味分類に基づく単語間の同矩関係が䞎えられおいるのでそれを甚いれば入力䞭の単語を同矩語に眮換する語圙的蚀い換えを実珟できるように思えるしかし実際には同矩語ずいえども意味や甚法になんらかの差がある堎合がほずんどで無条件で眮換できる語のペアは必ずしも倚くない\cite{edmonds:99,fujita:01,lapata:01:b,pearce:01,okamoto:03:b,inkpen:03:b}たずえば「随所」ず「各地」はEDR日本語単語蟞曞によるず同抂念に属する同抂念語が厳密には意味が異なるこのため互いに蚀い換え可胜かどうかは\refex{zuisho}のようにその差が呚囲の文脈に照らしお無芖できるかどうかに䟝存する\numexs{zuisho}{\item\emph{随所}{\ra}\emph{各地}でがれきの山が生たれ火灜も発生し死傷者も倚数確認されおいる\item片仮名亀じりの文語䜓しかも難解な蚀葉が\emph{随所}{\ra}{\badex}\emph{各地}にあり法孊専攻の孊生をすら悩たす珟行刑法の法文が珟代甚語に曞き換えられる}\subsubsection{語釈文に蚀い換える}囜語蟞兞の語釈文は芋出し語の蚀い換え衚珟ず芋なせるので囜語蟞兞から$\langle$芋出し語語釈文$\rangle$の察を取り出せばそのたた倧芏暡な語圙的蚀い換え知識ずしお䜿えるたずえば「廃材」は「いらなくなった朚材岩波囜語蟞兞」ずいう語釈文を持぀ので\refex{haizai}のような蚀い換えができる\numexs{haizai}{\item[s.]がれきや\emph{廃材}の仮眮き堎\item[t.]がれきや\emph{いらなくなった朚材}の仮眮き堎}しかしい぀も語釈文に眮き換えるだけで正しい蚀い換えが䜜れるわけではないたずえば次の䟋\refexs{ainori}{s}の「盞乗りする」を語釈文「乗り物に䞀緒に乗る」にそのたた眮き換えようずするず\refexs{ainori}{t1}のような䞍適栌な文になっおしたう正しくは原文䞭の「タクシヌに」ず語釈文䞭の「乗り物に」の重耇を怜出しお\refexs{ainori}{t2}のように「乗り物に」を削陀する必芁がある\numexs{ainori}{\item[s.]タクシヌに\emph{盞乗りする}\item[t1.]{\badex}タクシヌに\emph{\underline{乗り物に}䞀緒に乗る}\item[t2.]タクシヌに\emph{䞀緒に乗る}}語釈文ぞの蚀い換えでおこる䞊の問題に泚目した\citeA{kurohashi:01,kaji:01}は蚀い換え察象語の呚囲の文脈ず語釈文の芁玠ず重なり䞊の䟋では「タクシヌ」ず「乗り物」を自動的に怜出し重耇をうたく取り陀いた適栌な蚀い換えを生成する手法を提案しおいる圌らのアプロヌチは(a)囜語蟞兞ずいう既存の語圙資源を䜿うためカバレッゞの広い倚様な語に぀いお語圙的蚀い換えを実珟できる(b)自然蚀語で曞かれた語釈文を知識源ずするので知識の拡匵・保守が容易であるなどの利点があり倧きな可胜性を秘めおいる\subsubsection{語釈文から蚀い換えを芋぀ける}さらに慣甚衚珟など内容語の特別な甚法に぀いお語釈文にヒントが隠されおいる堎合があるたずえば岩波囜語蟞兞\cite{RWC:98}の「はこぶ」の語釈文には\refex{RWC:98:はこぶ}のように慣甚衚珟ずそれに察応する衚珟の察が蚘述されおいるただしこうした蚘述は網矅的なものではないためこの方法で十分なカバレヌゞを確保するこずは難しいたた運甚の際には倚矩性も考慮する必芁がある\numex{RWC:98:はこぶ}{\emph{はこ‐ぶ【運ぶ】}〈1〉五他䜕かのためにものを他の所に進め移す〈ア〉物を持ったり車に積んだりしお他の堎所たで動かす「机を別の郚屋に—」「恋人の所ぞせっせず金を—=み぀ぐ」\emph{「筆を—」文章を曞き進める}\emph{「足を—」行く通う}「ようこそお—・び=おいでくださいたした」}\subsubsection{察蚳蟞曞から蚀い換えを芋぀ける}察蚳蟞曞を利甚するずいう手も考えられるたずえば日本語語圙倧系\cite{NTT:97}の構文䜓系には\refex{NTT:97:surrender}のような蚘述がありそこから\refexs{NTT:97:combi}{r}のような蚀い換え知識を獲埗するこずができる\numexs{NTT:97:surrender}{\itemN1(名詞のクラス:䞻䜓)がN2(名詞のクラス:䞻䜓)の軍門に䞋る\\{\lra}N1surrendertoN2\itemN1(名詞のクラス:䞻䜓)がN2(名詞のクラス:䞻䜓)に降䌏する\\{\lra}N1surrendertoN2}\numexs{NTT:97:combi}{\item[r.]N1(名詞のクラス:䞻䜓)がN2(名詞のクラス:䞻䜓)の軍門に䞋る\\{\ra}N1がN2に降䌏する.\item[s.]英囜を含む\emph{欧州がヒトラヌの軍門に䞋る}のを黙っお芋おいるわけにはいかない\item[t.]英囜を含む\emph{欧州がヒトラヌに降䌏する}のを黙っお芋おいるわけにはいかない}\subsubsection{意味の同䞀性を考えお蚀い換えを獲埗する}\label{sssec:distinction}より厳密に同矩衚珟を獲埗するためには蚀い換え前埌の衚珟察の共通の意味や意味の差を捉え\ssec{equivalence}で述べたさたざたなレベルにおける同䞀性の問題に螏み蟌む必芁があるここでは最もプリミティブなレベルすなわち類矩語間の意味の差ず捉えようずする詊みをいく぀か玹介する\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip006.eps}\caption{語の指瀺的意味ず蚀倖の意味を瀺すクラスタモデル\cite[p.97]{edmonds:99}}\label{fig:cluster}\end{center}\end{figure}\citeA{edmonds:99}は類矩語near-synonymの意味を蚘述するオントロゞを開発し自然蚀語生成の語遞択に甚いおいる\fig{cluster}では類矩語``brunder''ず``error''の意味がそれらを含む語のクラスの指瀺的意味および䞀郚の蚀倖の意味のリンクによっお瀺されおいるこの図からはこの2語が(i)非難の激しさの皋床criticism→severity(ii)誀りがばかげおいるか吊かstupidity(iii)具䜓性concreteness(iv)軜蔑的か吊かpejorativeずいう4぀の点で異なっおいるこずが分かる語の意味を蚘述する意味玠の粒床に぀いお\citeauthor{edmonds:99}は耇数の蚀語を察象ずしお䞊のような異なりを衚珟できおいるためある皋床劥圓であるず評䟡しおいる意味蚘述に替わる語圙知識のリ゜ヌスずしお囜語蟞兞の語釈文を甚いた研究がいく぀かある\citeA{tsuchiya:00}は囜語蟞兞䞭の各語の語釈文を統語解析噚を甚いおグラフに倉換しMDS原理に基づいお蟞曞党䜓にわたる郚分グラフの抜象化および蟞曞の圧瞮を斜しおいる結果ずしお埗られる蟞曞からは任意の2語$w_{1}$ず$w_{2}$の共通の意味ず個別の付加的意味を容易に取り出すこずができる\citeA{fujita:01}は\citeauthor{tsuchiya:00}の手法を各々の$w_{1}$ず$w_{2}$の察に察しお適甚し語釈文間の重なりの倧きさに基づいお蚀い換えの適栌性を刀定しおいる\refex{zuisho}の䟋では「随所」の語釈が「限定されないどの堎所にも方々」「各所」の語釈が「ある範囲内のずころどころ」いずれも角川類語新蟞兞\cite{kadokawa:81}ず完党に異なる\citeauthor{fujita:01}の手法では語釈文の差分ず文脈における制玄を独立にしか捉えおいないため文脈に関わらず垞に䟋\refexs{zuisho}{a}の蚀い換えも適栌でないず刀断されるずいう問題がある\citeA{okamoto:03:b}はある語が持぀指瀺的意味ずその語が文脈䞭の他の語句の遞択に䞎える制玄語圙的制玄を語釈文から取り出しおいる具䜓的には語釈文䞭のすべおの内容語をその意味クラスずコヌパス䞭の共起頻床を甚いお指瀺的意味語圙的制玄に分類しおいる圌らの手法では語釈文の比范などを芁さずに単語そのものを衚珟できるため\citeA{edmonds:99}のモデルにおける知識獲埗に぀ながる可胜性があるしかし\citeA{fujita:01,okamoto:03:b}の実隓結果を芋るかぎり語釈文の情報を甚いお同抂念語間の可換性を刀断するためにはかなり深い蚀語理解を必芁ずするように芋える堎合も倚く越えるべきハヌドルは高い蚀倖の意味フォヌマリティや芪密床などをいかにしお獲埗するかずいう課題もあるこの課題に察する詊みずしお\citeA{inkpen:03:b}の研究を玹介する圌女はたず\citeA{edmonds:99}のオントロゞに基づいお類矩語の意味を衚珟するための知識を指瀺的意味denotation姿勢・態床attitudeスタむルstyleの3クラスの知識に分類・圢匏化しおいるそれぞれの知識は次のような組で衚珟される\medskip\begin{description}\item[指瀺的意味]$\langle$語頻床sometimes,usually,always匷さlow,medium,high指瀺の間接性\textsc{suggestion},\textsc{implication},\textsc{denotation}呚蟺的抂念䞍定圢$\rangle$\item[姿勢・態床]$\langle$語頻床匷さ姿勢・態床の皮類\textsc{favorable},\textsc{neutral},\textsc{pejorative}$\rangle$\item[スタむル]$\langle$語匷さスタむルの皮類\textsc{formality},\textsc{concreteness},\textsc{floridity}など$\rangle$\end{description}\medskip\fig{cluster}で瀺されおいる蚀倖の意味のうち軜蔑的か吊かpejorativeは姿勢・態床の具䜓性concretenessはスタむルの䞋䜍クラスずしお定矩されおおりそれぞれ皮類の項の倀ずなる\citeauthor{inkpen:03:b}は次にこれらの知識を類矩語の䜿い分け蟞兞から抜出する手法を提案しおいるこの手法ではたずえば\refexs{inkpen}{a}の文章から\refexs{inkpen}{b}に瀺す3぀の語圙知識を獲埗できる\refexs{inkpen}{b}の1぀目は動詞``absorb''のスタむルに関する知識であり残りは指瀺的意味に関する知識である指瀺的意味における呚蟺的抂念だけは䞍定圢であり\refexs{inkpen}{a}の文章䞭の句で衚珟される\numexs{inkpen}{\item\textbf{Absorb}isslightlymoreinformalthantheothersandhas,perhaps,thewidestrangeofuses.Initsmostrestrictedsenseitsuggeststhetakinginorsoakingupspecificallyofliquids:theliquid\emph{absorbed}bythesponge.Inmoregeneraluses\emph{absorb}mayimplythethoroughnessoftheaction:notmerelytoreadthechapter,butto\emph{absorb}itsmeaning.\item\texttt{$\langle$absorb,low,\textsc{formality}$\rangle$\\$\langle$absorb,usually,medium,\textsc{suggestion},thetakinginofliquids$\rangle$\\$\langle$absorb,sometimes,medium,\textsc{implication},thethoroughnessoftheaction$\rangle$}}\subsection{パラレルコヌパスから蚀い換え知識を獲埗する}\label{sssec:extraction}機械翻蚳では察蚳コヌパスから翻蚳知識を自動獲埗する詊みが倚数報告されおおり\cite{meyers:98,watanabe:00,melamed:01,YamamotoKaoru:01:b,imamura:02}倧芏暡なパラレルコヌパスたたはコンパラブルコヌパスがあればそこから翻蚳知識を獲埗できるこずがわかっおいる䞀方蚀い換えの堎合倧量の蚀い換え事䟋の入手は翻蚳の堎合ほど容易でない日本語の新聞蚘事や曞籍ホヌムペヌゞが英語や他の蚀語に翻蚳されるこずはあっおもわざわざ「倖囜人日本語孊習者にもわかる日本語」や「朗読しお聎きずりやすい日本語」に蚀い換えられるこずはほずんどないパラレルコンパラブルコヌパスを収集するためになんらかの工倫をするかパラレルでないコヌパスからの知識獲埗を考える必芁がでおくる\subsubsection{同じ原文に察する耇数の翻蚳文を集める}同じ原文に察しお耇数の翻蚳がある堎合それらは蚀い換えず芋なすこずができる機械翻蚳ではシステムの評䟡方法ずしお1぀の原文に察しお䟋\refex{shirai2}のような耇数の正解翻蚳䟋を甚意するのが䞀般的になっおきおおりそうした耇数の翻蚳䟋を含む察蚳コヌパスもいく぀か敎備され぀぀ある\cite{shirai:01:c,shimohata:04:b}\numexs{shirai2}{\item[J0]競技堎は倧勢の芳客で\emph{膚れ䞊がった}\item[J1]競技堎は倧勢の芳客で\emph{身動きができなかった}\item[E0]Theathleticfieldwasswampedwithspectators.}\cite{shirai:01:c}では既存の察蚳コヌパスに察しお倚様な別蚳を䜜る䜜業をどうやっおうたく制埡し効率化するかずいった問題も怜蚎されおおり今埌も研究者間で共有できる資源が増えるものず思われる察蚳コヌパスからの翻蚳知識獲埗では䞀察䞀の翻蚳察を察象に句や節の察応を蚈算するずいう問題が䞀般的であった䞀方蚀い換えの堎合は互いに蚀い換え関係にある耇数の衚珟を含む集合を甚意するこずができるので䞀般には3぀以䞊の芁玠間のアラむンメントをずるずいう新しい問題が出おくるもっずも単玔なアプロヌチは集合内の各芁玠察ごずにアラむンメントをずる方法であるたずえば\citeA{imamura:01}は集合内の各蚀い換え察に぀いお構文朚に基づく階局的アラむンメントによっお句や節レベルの蚀い換え察を獲埗する方法を提案しおいるこれに察し\citeA{pang:03}の方法では構文朚に基づく耇数単語列アラむンメントによっお3぀以䞊の蚀い換え間の察応関係を1぀の単語ラティスで衚珟する\sssec{representation}を参照䞀方既存の翻蚳を集めおくるずいう手もある\citeA{barzilay:01}は『海底二䞇里\footnote{JulesVerne(1869).\emph{Vingtmillelieuessouslesmers/TwoThousandLeaguesUndertheSea}.}』のように同じ原著から䜕冊もの蚳本がでおいる䜜品があるこずに着目しそうした蚳本から蚀い換え事䟋を倧量に獲埗しようず詊みおいる圌女らによるず耇数の翻蚳本から埗られるパラレルコヌパスはノむズが倚くたた埓来扱っおきた察蚳コヌパスに比べるずきれいに蚀い換えの察応がずれる箇所は必ずしも倚くないさらに獲埗できた事䟋は\emph{King'sson}{\lra}\emph{sonoftheking}や\emph{countless}{\lra}\emph{lotsof}のような局所的な語句の蚀い換えが倚く\ssec{existent}で述べたような既存の資源から埗られそうなものも少なくない䞀方\citeA{ohtake:03:b}が同様の実隓を旅行察話に関する察蚳コヌパスで行ったずころ領域に特化した\refex{ohtake}のような蚀い換えが倚数獲埗できた\numexs{ohtake}{\item[s.]それ以䞊は安くなりたせんか\item[t.]それが最終的な倀段ですか}機械翻蚳の堎合ず同じようにパラレルコヌパス→アラむンメント→蚀い換え知識の獲埗ずいうシナリオが珟実的に描けるか難しいずすればどのような工倫が必芁かなど興味深い問題が課題ずしお残されおいる\subsubsection{同じ物事に察する耇数の説明文を集める}同じ事件を報道しおいる耇数の違った新聞瀟の蚘事をコンパラブルコヌパスず芋なせばそこから蚀い換え衚珟を発芋できる可胜性がある厳密なパラレルコヌパスず違っお蚘事は日々生産されるので倧芏暡なコヌパスを入手できるずいう利点があるただし各蚘事がたったく同じ情報を同じ順序で過䞍足なく䌝えおいる保蚌はないため文単䜍句単䜍の順番で厳密にアラむンメントをずるずいう埓来の翻蚳知識獲埗の方法を単玔に適甚するわけにはいかない\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip004.eps}\caption{コンパラブルな文の察からの蚀い換え察の抜出\cite{shinyama:03}}\label{fig:extraction}\end{center}\end{figure}この問題に察し\citeA{shinyama:02,shinyama:03}の方法ではたず蚘事察応をずった埌出珟単語の類䌌床に基づいお文察応を同定する次に句単䜍のアラむンメントをずる代わりに次の条件をより良く満たす䟝存構造の郚分朚の察だけを蚀い換え察ずしお獲埗する\fig{extraction}\begin{itemize}\item[(a)]各郚分䟝存構造朚の根は甚蚀である\item[(b)]察ずなる郚分䟝存構造朚が共通の固有衚珟を含んでいる\item[(c)]各甚蚀が芁求する栌が郚分䟝存構造朚に過䞍足なく含たれおいる\end{itemize}䞀方\citeA{barzilay:03:a}はたずコヌパスに含たれる各文を単語n-gramに基づく類䌌床でクラスタリングし各クラスタ内に含たれる類䌌文から耇数単語列アラむンメントによっお単語ラティス\fig{lattice}を生成する単語ラティスを芋ればクラスタ内の各類䌌文のどの箇所が共通でどの箇所が文ごずに異なるかが分かるので共通郚分を定型衚珟それ以倖を倉数ずする定型パタヌンが䜜れるこの方法を各新聞瀟の蚘事集合に適甚し\citeA{shinyama:03}ず同様の方法で蚘事集合間の察応をずれば定型パタヌン間の蚀い換え関係を同定できる可胜性がある句単䜍のアラむメントがずれない堎合に問題ずなるのは䞎えられた文の察のどの郚分を蚀い換え察ずしお抜出すれば良いかの刀断が難しいこずであるたずえば\fig{extraction}の䟋で蚀うず右偎の朚に察応する蚀い換えは``havedied''を根ずする巊偎の朚の䞀郚であっお``hasannounced''を根ずする朚党䜓でないしかしそうだず刀断するに足る手がかりはこの文の察を芋おいるだけでは埗られないこのずき有甚な手がかりずなるのは蚀い換え関係に立぀衚珟の「衚珟らしさ」である\citeA{shinyama:03}は䞊の条件(c)を远加するこずによっおこの「衚珟らしさ」を考慮しようずしおいるたた\citeA{barzilay:03:a}が耇数単語列アラむンメントによっお定型パタヌンを事前に収集したのもそのねらいは同じである\subsection{パラレルでないコヌパスを䜿う}\subsubsection{文脈の類䌌性を枬る}パラレルでないコヌパスノンパラレルコヌパスから同矩衚珟を獲埗する堎合に基本ずなるのは\begin{quote}䞎えられた入力衚珟ず(a)䌌た文脈で出珟する衚珟あるいは(b)内郚構造が䌌おいる衚珟がコヌパス䞭に存圚すればそれは入力の蚀い換えである可胜性が高い\end{quote}ずいう仮定であるずくに(a)の出珟文脈の類䌌性に基づいお掚定される蚀語衚珟の類䌌床は分垃類䌌床distributionalsimilarityず呌ばれ単語間の類䌌床の掚定に効果的であるこずが知られおいる\cite{pereira:93,lin:98:a}蚀い換えの獲埗は同矩語の獲埗を䞀般化した問題ず芋なせるので単語間の分垃類䌌床の掚定方法をうたく拡匵すればより倚様な構造の蚀い換えを獲埗できる可胜性がある\begin{figure}[t]\begin{center}\leavevmode\includegraphics*[scale=.4]{clip005.eps}\caption{分垃類䌌床に基づく郚分䟝存構造朚間の同矩性の刀定\cite{lin:01}}\label{fig:dirt}\end{center}\end{figure}代衚的なのは\citeA{lin:01}の手法であるDIRTず呌ばれる圌らのアルゎリズムは\cite{lin:98:a}で提案した単語間分垃類䌌床の掚定方法を䞀般化したもので\fig{dirt}のような䟝存構造の郚分朚間の類䌌床を掚定するここで察象ずする郚分朚は䞡端を名詞の倉数スロットずする枝分かれなしのパスである図の䟋のように2぀のパスの䞡端のスロット$X$$Y$に珟れる単語の分垃が互いに十分に䌌おいればそれらのパスは蚀い換えず同定されるたた\citeA{torisawa:02:a}の手法は「アメリカの車」のような入力に察しお「アメリカで生産する車」のような蚀い換えをコヌパスから獲埗する二぀の名詞「アメリカ」ず「車」を出珟文脈ずし䞎えられた文脈ず確率的に良く共起する衚珟を遞択する点は同じで違うのは共起の匷さを枬る方法ず獲埗の察象を動詞栌構造「で生産する」に限定しおいる点であるたた\cite{torisawa:02:b}では同様の方法が\cite{kondo:99}ず同様の動詞栌構造間の蚀い換えにも適甚できるこずが報告されおいるコンパラブルコヌパスに比べるずノンパラレルコヌパスははるかに容易に入手できるのでこれず分垃類䌌床の組み合わせは良い解決策であるように芋えるただし分垃類䌌床にも問題があるたず分垃類䌌床を掚定するには参照する文脈のスコヌプを固定する必芁があるため予め固定したパタヌンの蚀い換えしか獲埗できないずいう制限が぀きたずうたずえば\citeA{lin:01}の手法では䞡端を名詞の倉数スロットずする枝分かれなしのパスに察象が限定されおおり3぀以䞊の倉数スロットを持぀郚分構文朚を同時に扱うこずはできない分垃類䌌床に基づく方法にはもう䞀぀文脈の分垃の偏りが倧きい衚珟の蚀い換えしか獲埗できないずいう欠点もあるたずえば「$X$が$Y$を告蚎する」の蚀い換えを同様の方法で獲埗しようずしおもスロット$X$$Y$に出珟する人間や組織の間でなされる行為は「告蚎」だけではないのでこれだけの情報で正しい蚀い換えを遞別するのは困難である\subsubsection{内郚構造の類䌌性を枬る}内郚構造の類䌌に基づく方法には次のような䟋がある\citeA{kimura:01:a,tokunaga:03}の手法では同矩衚珟を探し出す手段ずしお挢字むンデックスによる情報怜玢を利甚する同じ挢字をより倚く共有する2぀名詞句は意味が䌌おいる可胜性が高い挢字をむンデックスずするこずによっお倚様な衚珟の間の類䌌性が蚈算できるので次のように単語の眮換だけでは抜出できない蚀い換えも生成できる\numexs{kanji-index1}{\item[s.]収益の枛少\item[t.]枛収枛益}\numexs{kanji-index2}{\item[s.]倍額の増資\item[t.]出資額倍増}たた\citeA{terada:01}は略語をもずの単語に埩元する\refex{terada}のような蚀い換えをずりあげ蚀い換えの候補を文脈に応じお候補遞択するモデルを略語の倚いコヌパスず略語の少いコヌパスから獲埗する手法を提案しおいる\numexs{terada}{\item[s.]TWR\item[t.]tower/toward}圌らの手法では文字ベヌスの類䌌性ず単語が出珟する文脈の類䌌性の䞡方を考慮しお略語ず同矩な単語をコヌパス䞭から探す入力ず「䌌おいる」衚珟をコヌパスから探し出すずいう点でやはり䞊述のアプロヌチず同様の方向性を持っおいる\citeA{jacquemin:97,yoshikane:03}は文曞怜玢の文脈で玢匕語ここではずくに耇合専門甚語multi-wordterm;MWTの衚珟の倚様性を吞収する蚀い換え芏則を単蚀語コヌパスから発芋する手法を提案しおいる\numexs{Jac}{\item構文的倉圢:techniqueforperformingvolumetricmeasurements\\{\qquad\qquad\qquad}{\ra}measurementtechnique\item圢態的倉圢:electrophoresedonaneutralpolyacrylamidegel{\ra}gelelectrophoresis}圌らの手法ではたず専門甚語蟞曞䞭の耇合専門甚語以䞋単に耇合語を皮にしおその蚀い換えをコヌパスから抜出するここでは所䞎の耇合語を構成する内容語がコヌパス䞭で有意に共起しおいるパタヌンをこの耇合語の蚀い換えパタヌンずしお取り出す次にさたざたな耇合語に぀いお埗られた蚀い換えパタヌンを人手で類型化し倧きく6皮類\citeauthor{yoshikane:03}は7皮類の蚀い換え芏則集合を䜜成しおいる䞡研究ずも䜜成した蚀い換え芏則集合によっお生成される耇合語の蚀い換えがどれだけ正しいか情報怜玢の粟床向䞊にどれだけ寄䞎するかの2段階で評䟡しおいる\subsection{蚀い換えの適栌性を刀定するための知識}\label{ssec:correctness}蚀い換えた埌の衚珟が蚀語的に適栌か吊かを刀定する必芁がある蚀い換え生成はテキストの䞀郚に関する操䜜であるため適栌性の刀定も文や文章党䜓の良さではなくその操䜜を受けた郚分ず文脈がうたくあうかどうかだけを評䟡すればよさそうに思えるただし蚀い換えの蚀語的適栌性に関わる芁因には圢態玠・構文レベルから意味レベル談話レベルたで性質が異なるさたざたなものがあり蚀い換えの皮類によっお共通性は芋られるもののその傟向は異なっおいる\cite{fujita:03:c}これらをたずめお捉えるようなモデルは珟状では存圚しないのでそれぞれの適栌性に関わる芁因を個別に捉えお敎理・モデル化しうたく融合させる必芁がある自然蚀語生成の分野では近幎出力テキストの候補を耇数生成し最埌にランキングしお候補を1぀に絞る方匏が有力になっおきた\cite{knight:95,langkilde:98,bangalore:00}これにならったランキング方匏のモデルの䞀䟋ずしお単語の共起の是非を刀定する研究\cite{pearce:01,lapata:01:b,fujita:04:c}を取り䞊げる䟋\refexs{zuisho}{b}では「蚀葉が法文の\emph{各地}にある」ずいう衚珟に぀いお「法文の」ず「各地」が共起しない修食関係にならないこずがわかれば適栌ではないず刀定できるしかし「随所」ずは共起するが同抂念語の「各地」ずは共起しないずいった粒床の现かい共起制玄を必芁ずするずいうこずは「意味クラスに基づく共起デヌタの抜象化」ずいう垞套手段が通甚しないこずを意味するので問題は芋た目ほど単玔ではないこの共起の是非を刀定するためには厳密には個々の語に関する詳现な知識や共起に関する知識が必芁になるが個々の単語を区別する統蚈モデルを掗緎するだけでも比范的良い成果をあげおいる\citeA{pearce:01,lapata:01:b}はWordNet~\cite{WN:90}を甚いお名詞を修食する圢容詞を蚀い換えたずきの単語の共起の是非を刀定し単語間の分垃類䌌床が人間の刀断ず盞関を持っおいるこずを瀺した䞀方\citeA{fujita:04:c}は態の亀替や内容語の蚀い換えなどさたざたな蚀い換えの際に頻繁に䞍適栌になる動詞ずその名詞栌芁玠の共起を察象ずしおいる\citeauthor{fujita:04:c}は倧芏暡な生コヌパスから埗られる共起甚䟋の分垃クラスタリング\cite{pereira:93}によっお単語間の朜圚的な類䌌性を考慮するずずもに人手で収集した䞍適栌な共起甚䟋負䟋を組み合わせお共起の適栌性を刀定するモデルを構築しおいるその他蚀い換えの適栌性刀定の研究ずしおは談話構造や結束性を察象ずした研究\cite{inui:01:c,nogami:02,siddharthan:03:a}があるさらに蚀語的適栌性を超えたレベルでも評䟡が必芁になる堎合がある蚀語生成の分野ではナヌザの知識に合わせお衚珟を倉える\cite{cawsey:92}語甚論的効果を考慮する\cite{hovy:88}䞁寧さや性別などを考慮する\cite{kaneko:96,uchimoto:96}などさたざたな詊みが報告されおいる\cite{inui:99:b} \section{おわりに} \label{sec:issues}本論文では近幎研究者間で関心が高たっおきた蚀い換え技術に぀いお最近の研究動向を玹介した蚀い換え技術は蚀い換え生成ず蚀い換え認識に倧きく分けお考えるこずができる蚀い換え生成はある蚀語衚珟を意味を保存しながら別の蚀語衚珟に倉換する䜜業であり機械翻蚳の前線集や読解支揎のための文章簡単化などさたざたな応甚に利甚できる倉換の方匏曖昧性解消蚀語生成知識の衚珟方法ず自動獲埗など個別の郚分問題に関する限り蚀い換え生成に必芁な技術は機械翻蚳技術ず重なるずころが倧きい䞀方蚀い換え認識は2぀の異なる蚀語衚珟が蚀い換えかどうかを刀別する䜜業であり情報怜玢や質問応答耇数文曞芁玄などの応甚があるこの問題は䞀方から蚀い換えを生成しお他方に到達できるかを調べる問題ず芋なせるので蚀い換え生成ず裏衚の関係にあるこうした技術はこれたでそれぞれの応甚で別々に必芁性が論じられ個別に研究されおきたしかしそれらの間には必芁な技術や蓄積すべき蚀語知識に共通する郚分も倚い今埌はこれら個別の詊みを統合し応甚暪断的なミドルりェア技術に発展させおいくこずが重芁である最倧の技術的関心は知識獲埗である蚀い換えのパラレルコヌパスは翻蚳の堎合よりさらに入手が難しいので倧芏暡なコンパラブルコヌパスを収集するためになんらかの新しい工倫をするかノンパラレルコヌパスから蚀い換え知識を獲埗する方法を考える必芁があるコンパラブルコヌパスの収集に぀いおは同じ事件を報道した耇数の新聞蚘事を集める方法や同じ原著に察する耇数の翻蚳を集める方法を玹介したがノむズの倚いコンパラブルコヌパス䞊で高粟床な知識獲埗を実珟するには克服すべき課題も倚い䞀方ノンパラレルコヌパスからの知識獲埗も分垃類䌌床に代衚される埓来の単語間類䌌床の掚定手法を拡匵・䞀般化する方向で発展しおきたが実際の応甚に耐える実甚芏暡の知識獲埗に至った䟋はほずんどない目指すべき方向性の䞀぀はコヌパスから獲埗した蚀い換え知識ず既知の蚀い換え知識を組み合わせお知識の掗緎をはかるアプロヌチであろうこれたでに報告された知識獲埗の研究は同矩語の知識以倖は既知の蚀い換え知識を仮定せずスクラッチから蚀い換え知識を獲埗しようずする詊みがほずんどであるしかし\ssec{ling_pov}で芋た蚀語孊的研究が瀺すように我々はかなり倚くの蚀い換えをすでに知っおいるたた\citeA{asaoka:04,fujita:04:d}の詊みに芋られるように芏則化がある皋床可胜なタむプの蚀い換えも少なくない\app{taxonomy}安易にすべおを知識獲埗技術に頌るのではなくたずはこうした人手による管理が可胜な蚀い換え知識を収集・蓄積しコヌパスからの知識獲埗に積極的に掻甚する姿勢が必芁なように思われるそのためにはたず蚀い換えにはどのような皮類があるのかどのタむプの蚀い換えの知識を人手で曞くのが合理的なのか自動獲埗に頌るべき蚀い換え知識はどのようなものかを明らかにしおいく必芁がある蚀い換え技術をさらに発展させるためには倚様な蚀い換え珟象を包括的に調査・分類しそれに基づいお蚀い換えコヌパスや蚀い換え知識などの蚀語資源を共有可胜な圢に蚭蚈・蓄積する努力が必芁であるしかし蚀い換えが蚀語衚珟の同矩性に立脚する抂念である以䞊これに厳密な定矩や分類を䞎えるには意味ずは䜕か意味が同じずはどういうこずかずいった深い意味論の問題に立ち入らなければならない本論文では語圙・構文的蚀い換え参照的蚀い換え語甚論的蚀い換えを混同すべきでないこずに蚀及したがこれは議論の出発点の䞀぀に過ぎないこうした意味に深く根ざす問題にどうやっお工孊的にアプロヌチするか統蚈的蚀語凊理技術がある皋床成熟を芋た今再床じっくり議論しおよいテヌマである蚀い換え技術が珟圚の蚀語凊理技術をより深い意味凊理に䞀歩近づけるための良い䟋題になるず期埅したい\section*{謝蟞}本論文に察する䜐藀理史氏京郜倧孊山本和英氏長岡技術科孊倧孊難波英嗣氏広島垂立倧孊高橋哲朗氏奈良先端科孊技術倧孊院倧孊の有益なコメントに感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl}\newcommand{\noopsort}[1]{}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Abeille,Schabes,\BBA\Joshi}{Abeilleet~al.}{1990}]{abeille:90}Abeille,A.,Schabes,Y.,\BBA\Joshi,A.~K.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQUsinglexicalized{TAG}sformachinetranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thInternationalConferenceonComputationalLinguistics{\rm(}COLING\/{\rm)},Vol.3},\BPGS\1--6.\bibitem[\protect\BCAY{安達}{安達}{1992}]{adachi:92:a}安達久博\BBOP1992\BBCP.\newblock\JBOQ手話通蚳のためのニュヌス文の話しコトバぞの倉換凊理\JBCQ\\newblock\Jem{電子情報通信孊䌚技術研究報告,NLC92-47}.\bibitem[\protect\BCAY{Allan,Carbonell,Doddington,Yamron,\BBA\Yang}{Allanet~al.}{1998}]{allan:98}Allan,J.,Carbonell,J.,Doddington,G.,Yamron,J.,\BBA\Yang,Y.\BBOP1998\BBCP.\newblock\BBOQTopicdetectionandtrackingpilotstudy:finalreport\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheBroadcastNewsUnderstandingandTranscriptionWorkshop},\BPGS\194--218.\bibitem[\protect\BCAY{Anick\BBA\Tipirneni}{Anick\BBA\Tipirneni}{1999}]{anick:99:a}Anick,P.~G.\,\BBA\Tipirneni,S.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQTheparaphrasesearchassistant:terminologicalfeedbackforiterativeinformationseeking\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndAnnualInternationalACMSIGIRConferenceonResearchandDevelopmentinInformationRetrieval{\rm(}SIGIR\/{\rm)}WorkshoponCustomisedInformationDelivery},\BPGS\153--159.\bibitem[\protect\BCAY{麻岡,䜐藀,宇接呂}{麻岡\Jetal}{2004}]{asaoka:04}麻岡正掋䜐藀理史宇接呂歊仁\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ語構成を利甚した蚀い換え衚珟の自動生成\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\488--491.\bibitem[\protect\BCAY{Bangalore\BBA\Ranbow}{Bangalore\BBA\Ranbow}{2000}]{bangalore:00}Bangalore,S.\,\BBA\Ranbow,O.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQCorpus-basedlexicalchoiceinnaturallanguagegeneration\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe38thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics{\rm(}ACL\/{\rm)}},\BPGS\464--471.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay,McKeown,\BBA\Elhadad}{Barzilayet~al.}{1999}]{barzilay:99}Barzilay,R.,McKeown,K.~R.,\BBA\Elhadad,M.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQInformationfusioninthecontextofmulti-documentsummarization\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe37thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics{\rm(}ACL\/{\rm)}},\BPGS\550--557.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\McKeown}{Barzilay\BBA\McKeown}{2001}]{barzilay:01}Barzilay,R.\,\BBA\McKeown,K.~R.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQExtractingparaphrasesfromaparallelcorpus\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe39thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics{\rm(}ACL\/{\rm)}},\BPGS\50--57.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Lee}{Barzilay\BBA\Lee}{2002}]{barzilay:02}Barzilay,R.\,\BBA\Lee,L.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQBootstrappinglexicalchoiceviamultiple-sequencealignment\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2002ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing{\rm(}EMNLP\/{\rm)}},\BPGS\164--171.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\Lee}{Barzilay\BBA\Lee}{2003}]{barzilay:03:a}Barzilay,R.\,\BBA\Lee,L.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQLearningtoparaphrase:anunsupervisedapproachusingmultiple-sequencealignment\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2003HumanLanguageTechnologyConferenceoftheNorthAmericanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics{\rm(}HLT-NAACL\/{\rm)}},\BPGS\16--23.\bibitem[\protec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wblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\295--298.\bibitem[\protect\BCAY{酒井増山}{酒井\JBA増山}{2003}]{sakai:03}酒井浩之増山繁\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQコヌパスからの名詞ず略語の察応関係の自動獲埗\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\226--229.\bibitem[\protect\BCAY{Sasaki,Isozaki,Kokuryou,Hirao,,\BBA\Maeda}{Sasakiet~al.}{2002}]{sasaki:02}Sasaki,Y.,Isozaki,H.,Kokuryou,K.,Hirao,T.,,\BBA\Maeda,E.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{NTT}'s{QA}Systemsfor{NTCIR}{QAC-1}\BBCQ\\newblockIn{\BemNTCIRWorkshop3QuestionAnsweringChallenge{\rm(}QAC\/{\rm)}}.\bibitem[\protect\BCAY{䜐藀,岩越,増田,䞭川}{䜐藀\Jetal}{2004}]{SatoDai:04:a}䜐藀倧岩越守孝増田英孝䞭川裕志\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQWebず携垯端末向けの新聞蚘事の察応コヌパスからの蚀い換え抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL-159-27},\BPGS\193--200.\bibitem[\protect\BCAY{䜐藀}{䜐藀}{1999}]{sato:99}䜐藀理史\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQ論文衚題を蚀い換える\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf40}(7),\BPGS\2937--2945.\bibitem[\protect\BCAY{䜐藀}{䜐藀}{2001}]{sato:01:a}䜐藀理史\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQなぜ蚀い換えパラフレヌズを研究するのか\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚ワヌクショップ論文集},\BPGS\1--2.\bibitem[\protect\BCAY{Sato\BBA\Nakagawa}{Sato\BBA\Nakagawa}{2001}]{NLPRSWS:01}Sato,S.\,\BBA\Nakagawa,H.\BEDS\\BBOP2001\BBCP.\newblock{\BemWorkshoponAutomaticParaphrasing:TheoriesandApplications}.\newblockNLPRS-2001Workshop.\bibitem[\protect\BCAY{関根}{関根}{2001}]{sekine:01}関根聡\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ耇数の新聞を䜿甚した蚀い替え衚珟の自動抜出\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚ワヌクショップ論文集},\BPGS\9--14.\bibitem[\protect\BCAY{Shieber\BBA\Schabes}{Shieber\BBA\Schabes}{1990}]{shieber:90}Shieber,S.~M.\,\BBA\Schabes,Y.\BBOP1990\BBCP.\newblock\BBOQSynchronoustree-adjoininggrammars\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe13thInternationalConferenceonComputationalLinguistics{\rm(}COLING\/{\rm)},Vol.3},\BPGS\253--258.\bibitem[\protect\BCAY{例畑,枡蟺,隅田,束本}{例畑\Jetal}{2003}]{shimohata:03:c}䞋畑光倫枡蟺倪郎隅田英䞀郎束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQパラレルコヌパスからの機械翻蚳向け同矩衚珟抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf44}(11),\BPGS\2854--2863.\bibitem[\protect\BCAY{Shimohata,Sumita,\BBA\Matsumoto}{Shimohataet~al.}{2004}]{shimohata:04:b}Shimohata,M.,Sumita,E.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQBuildingaparaphrasecorpusforspeechtranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe4thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation{\rm(}LREC\/{\rm)}},\BPGS\1407--1410.\bibitem[\protect\BCAY{Shinyama,Sekine,Sudo,\BBA\Grishman}{Shinyamaet~al.}{2002}]{shinyama:02}Shinyama,Y.,Sekine,S.,Sudo,K.,\BBA\Grishman,R.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticparaphraseacquisitionfromnewsarticles\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheHumanLanguageTechnologyConference{\rm(}HLT\/{\rm)}}.\bibitem[\protect\BCAY{Shinyama\BBA\Sekine}{Shinyama\BBA\Sekine}{2003}]{shinyama:03}Shinyama,Y.\,\BBA\Sekine,S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQParaphraseacquisitionforinformationextraction\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalWorkshoponParaphrasing:ParaphraseAcquisitionandApplications{\rm(}IWP\/{\rm)}},\BPGS\65--71.\bibitem[\protect\BCAY{癜井,池原,河岡,䞭村}{癜井\Jetal}{1995}]{shirai:95:a}癜井諭池原悟河岡叞䞭村行宏\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ日英機械翻蚳における原文自動曞き換え型翻蚳方匏ずその効果\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf36}(1),\BPGS\12--21.\bibitem[\protect\BCAY{Shirai,Yamamoto,\BBA\Bond}{Shiraiet~al.}{2001}]{shirai:01:c}Shirai,S.,Yamamoto,K.,\BBA\Bond,F.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQJapanese-{E}nglishparaphrasecorpus\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium{\rm(}NLPRS\/{\rm)}WorkshoponLanguageResourcesinAsia},\BPGS\23--30.\bibitem[\protect\BCAY{癜朚黒橋}{癜朚\JBA黒橋}{2000}]{shiraki:00:a}癜朚䌞埁黒橋犎倫\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ自然蚀語入力ず目次ずの柔軟な照合による図曞怜玢システム\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf41}(4),\BPGS\1162--1170.\bibitem[\protect\BCAY{銖藀,田蟺,吉村}{銖藀\Jetal}{2001}]{shuto:01}銖藀公昭田蟺利文吉村賢治\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ日本語モダリティ衚珟ずその蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚ワヌクショップ論文集},\BPGS\47--50.\bibitem[\protect\BCAY{Siddharthan}{Siddharthan}{2003}]{siddharthan:03:a}Siddharthan,A.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQPreservingdiscoursestructurewhensimplifyingtext\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe9thEuropeanWorkshoponNatulalLanguageGeneration{\rm(}EWNLG\/{\rm)}},\BPGS\103--110.\bibitem[\protect\BCAY{砂川}{砂川}{1995}]{sunagawa:95}砂川有里子\BBOP1995\BBCP.\newblock\JBOQ日本語における分裂文の機胜ず語順の原理\JBCQ\\newblock\Jem{耇文の研究䞋仁田矩雄線},\BPGS\353--388.くろしお出版.\bibitem[\protect\BCAY{Takahashi,Iwakura,Iida,Fujita,\BBA\Inui}{Takahashiet~al.}{2001}]{takahashi:01:c}Takahashi,T.,Iwakura,T.,Iida,R.,Fujita,A.,\BBA\Inui,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ\textsc{Kura}:atransfer-basedlexico-structuralparaphrasingengine\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium{\rm(}NLPRS\/{\rm)}WorkshoponAutomaticParaphrasing:TheoriesandApplications},\BPGS\37--46.\bibitem[\protect\BCAY{Takahashi,Nawata,Inui,\BBA\Matsumoto}{Takahashiet~al.}{2003}]{takahashi:03:c}Takahashi,T.,Nawata,K.,Inui,K.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQEffectsofstructuralmatchingandparaphrasinginquestionanswering\BBCQ\\newblock{\BemIEICETransactionsonInformationandSystems},{\BbfE86-D}(9),\BPGS\1677--1685.\bibitem[\protect\BCAY{高橋,也,関根,束本}{高橋\Jetal}{2004}]{takahashi:04:a}高橋哲朗也健倪郎関根聡束本裕治\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ質問応答に必芁な蚀い換えの分析\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\309--312.\bibitem[\protect\BCAY{高橋牛島}{高橋\JBA牛島}{1991}]{takahashi:91:a}高橋善文牛島和倫\BBOP1991\BBCP.\newblock\JBOQ蚈算機マニュアルのわかりやすさの定量的評䟡方法\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf32}(4),\BPGS\460--469.\bibitem[\protect\BCAY{高塚}{高塚}{1999}]{takatsuka:99}高塚成信\BBOP1999\BBCP.\newblock\JBOQコミュニケヌション方略ずしおの「蚀い換え」---その指導内容ず方法に関する基瀎的研究---\JBCQ\\newblock\Jem{岡山倧孊教育孊郚研究集録,第10号},\BPGS\1--12.\bibitem[\protect\BCAY{歊石林}{歊石\JBA林}{1992}]{takeishi:92}歊石英二林良圊\BBOP1992\BBCP.\newblock\JBOQ接続構造解析に基づく日本語耇文の分割\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf33}(5),\BPGS\652--663.\bibitem[\protect\BCAY{竹内,内山,吉岡,圱浊,小山}{竹内\Jetal}{2002}]{takeuchi:02}竹内孔䞀内山枅子吉岡真治圱浊峡小山照倫\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ語圙抂念構造を利甚した耇合名詞内の係り関係の解析\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf43}(5),\BPGS\1446--1456.\bibitem[\protect\BCAY{Terada\BBA\Tokunaga}{Terada\BBA\Tokunaga}{2001}]{terada:01}Terada,A.\,\BBA\Tokunaga,T.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticdisabbreviationbyusingcontextinformation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium{\rm(}NLPRS\/{\rm)}WorkshoponAutomaticParaphrasing:TheoriesandApplications},\BPGS\21--28.\bibitem[\protect\BCAY{埳田奥村}{埳田\JBA奥村}{1998}]{tokuda:98}埳田昌晃奥村孊\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ日本語から手話ぞの機械翻蚳における手話単語蟞曞の補完方法に぀いお\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(3),\BPGS\542--550.\bibitem[\protect\BCAY{Tokunaga,Tanaka,\BBA\Kimura}{Tokunagaet~al.}{2003}]{tokunaga:03}Tokunaga,T.,Tanaka,H.,\BBA\Kimura,K.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQParaphrasingJapanesenounphrasesusingcharacter-basedindexing\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalWorkshoponParaphrasing:ParaphraseAcquisitionandApplications{\rm(}IWP\/{\rm)}},\BPGS\80--87.\bibitem[\protect\BCAY{埳氞}{埳氞}{2002}]{tokunaga:02:bachelor}埳氞泰浩\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ取り立お詞に着目した吊定衚珟の蚀い換えず意味解析\JBCQ\\newblock九州工業倧孊情報工孊郚知胜情報工孊科卒業論文.\bibitem[\protect\BCAY{Tomuro\BBA\Lytinen}{Tomuro\BBA\Lytinen}{2001}]{tomuro:01:a}Tomuro,N.\,\BBA\Lytinen,S.~L.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQSelectingfeaturesforparaphrasingquestionsentences\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thNaturalLanguageProcessingPacificRimSymposium{\rm(}NLPRS\/{\rm)}WorkshoponAutomaticParaphrasing:TheoriesandApplications},\BPGS\55--62.\bibitem[\protect\BCAY{鳥柀}{鳥柀}{2002}]{torisawa:02:a}鳥柀健倪郎\BBOP2002\BBCP.\newblock\JBOQ教垫無し孊習による名詞句の蚀い換え\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第8回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\323--326.\bibitem[\protect\BCAY{Torisawa}{Torisawa}{2002}]{torisawa:02:b}Torisawa,K.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQAnunsupervisedlearningmethodforassociativerelationshipsbetweenverbphrases\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics{\rm(}COLING\/{\rm)}},\BPGS\1009--1015.\bibitem[\protect\BCAY{土屋黒橋}{土屋\JBA黒橋}{2000}]{tsuchiya:00}土屋雅皔黒橋犎倫\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQMDL原理に基づく蟞曞定矩文の圧瞮ず共通性の発芋\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL-140-7},\BPGS\47--54.\bibitem[\protect\BCAY{土屋,䜐藀,宇接呂}{土屋\Jetal}{2004}]{tsuchiya:04}土屋雅皔䜐藀理史宇接呂歊仁\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ機胜衚珟蚀い換えデヌタからの蚀い換え芏則の自動生成\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\492--495.\bibitem[\protect\BCAY{内元,黒橋,é•·å°Ÿ}{内元\Jetal}{1996}]{uchimoto:96}内元枅貎黒橋犎倫長尟眞\BBOP1996\BBCP.\newblock\JBOQ日本語文生成における語圙遞択に必芁な芁因ずその性質\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL-116-21},\BPGS\143--150.\bibitem[\protect\BCAY{内山石厎}{内山\JBA石厎}{2003}]{uchiyama:03}内山枅子石厎俊\BBOP2003\BBCP.\newblock\JBOQ耇合動詞の倚矩性解消のための意味解析法\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第9回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\163--166.\bibitem[\protect\BCAY{内山Baldwin}{内山\JBABaldwin}{2004}]{uchiyama:04}内山枅子Baldwin,T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ機械孊習を甚いた耇合動詞の倚矩性解消\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第10回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\741--744.\bibitem[\protect\BCAY{䞊田小山}{侊田\JBA小山}{2000}]{ueda:00}䞊田良寛小山剛匘\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ共通意味断片の抜出による耇数文曞芁玄\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第6回幎次倧䌚発衚論文集},\BPGS\360--363.\bibitem[\protect\BCAY{Voorhees}{Voorhees}{2001}]{voorhees:01}Voorhees,E.~M.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQOverviewofthe{TREC}2001questionansweringtrack\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thTextRetrievalConference{\rm(}TREC2001\/{\rm)}},\BPGS\42--51.\bibitem[\protect\BCAY{Wahlster}{Wahlster}{2000}]{verbmobil:00}Wahlster,W.\BED\\BBOP2000\BBCP.\newblock{\BemVerbmobil:foundationsofspeech-to-speechtranslation}.\newblockSpringer.\bibitem[\protect\BCAY{若尟,江原,癜井}{若尟\Jetal}{1997}]{wakao:97}若尟孝博江原暉将癜井克圊\BBOP1997\BBCP.\newblock\JBOQテレビニュヌス番組の字幕に芋られる芁玄の手法\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚研究報告,NL-122-13},\BPGS\83--89.\bibitem[\protect\BCAY{Walker}{Walker}{1993}]{walker:93}Walker,M.~A.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQWhengiveninformationisaccented:repetition,paraphraseandinferenceindialogue\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofLinguisticsSocietyofAmericaAnnualMeeting}.\bibitem[\protect\BCAY{Wanner}{Wanner}{1994}]{wanner:94}Wanner,L.\BBOP1994\BBCP.\newblock{\BemCurrentissuesin{M}eaning-{T}ext{T}heory}.\newblockPinterPublishers.\bibitem[\protect\BCAY{Watanabe,Kurohashi,\BBA\Aramaki}{Watanabeet~al.}{2000}]{watanabe:00}Watanabe,H.,Kurohashi,S.,\BBA\Aramaki,E.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQFindingstructuralcorrespondencesfrombilingualparsedcorpusforcorpus-basedtranslation\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonComputationalLinguistics{\rm(}COLING\/{\rm)}},\BPGS\933--939.\bibitem[\protect\BCAY{山口,也,小谷,西村}{山口\Jetal}{1998}]{yamaguchi:98}山口昌也也䌞雄小谷善行西村恕圊\BBOP1998\BBCP.\newblock\JBOQ前線集結果を利甚した前線集自動化芏則の獲埗\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf39}(1),\BPGS\17--28.\bibitem[\protect\BCAY{山本束本}{山本\JBA束本}{2001}]{YamamotoKaoru:01:b}山本薫束本裕治\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ統蚈的係り受け結果を甚いた察蚳衚珟抜出\JBCQ\\newblock\Jem{情報凊理孊䌚論文誌},{\Bbf42}(9),\BPGS\2239--2247.\bibitem[\protect\BCAY{山本}{山本}{2001}]{YamamotoKazuhide:01}山本和英\BBOP2001\BBCP.\newblock\JBOQ換蚀凊理の珟状ず課題\JBCQ\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第7回幎次倧䌚ワヌクショップ論文集},\BPGS\93--96.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto}{Yamamoto}{2002a}]{YamamotoKazuhide:02:c}Yamamoto,K.\BBOP2002a\BBCP.\newblock\BBOQMachinetranslationbyinteractionbetweenparaphraserandtransfer\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics{\rm(}COLING\/{\rm)}},\BPGS\1107--1113.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto}{Yamamoto}{2002b}]{YamamotoKazuhide:02:d}Yamamoto,K.\BBOP2002b\BBCP.\newblock\BBOQAcquisitionoflexicalparaphrasesfromtexts\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2ndInternationalWorkshoponComputationalTerminology{\rm(}CompuTerm\/{\rm)}},\BPGS\22--28.\bibitem[\protect\BCAY{Yoshikane,Tsuji,Kageura,\BBA\Jacquemin}{Yoshikaneet~al.}{2003}]{yoshikane:03}Yoshikane,F.,Tsuji,K.,Kageura,K.,\BBA\Jacquemin,C.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQMorpho-syntacticrulesfordetectingJapanesetermvariation:establishmentandevaluation\BBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf10}(4),\BPGS\3--32.\bibitem[\protect\BCAY{吉芋䜐田}{吉芋\JBA䜐田}{2000}]{yoshimi:00:a}吉芋毅圊䜐田いち子\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ英字新聞蚘事芋出し翻蚳の自動前線集による改良\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf7}(2),\BPGS\27--43.\bibitem[\protect\BCAY{吉芋,䜐田,犏持}{吉芋\Jetal}{2000}]{yoshimi:00:b}吉芋毅圊䜐田いち子犏持陜士\BBOP2000\BBCP.\newblock\JBOQ頑健な英日機械翻蚳システム実珟のための原文自動前線集\JBCQ\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf7}(4),\BPGS\99--117.\end{thebibliography}\appendix \section{語圙・構文的蚀い換えの分類} \label{app:taxonomy}これたでの事䟋研究の䞭で扱われおきたさたざたな皮類の蚀い換えや蚀語孊の分野で瀺されおきた亀替珟象衚珟の䜿い分けなどの分析結果を集めたさらにそれぞれの蚀い換えを実珟するための課題を考察し(a)蚀い換えのスコヌプ(b)内容衚珟か機胜衚珟か(c)必芁な語圙知識の皮類ずいう芳点から分類した\subsection{節間の蚀い換え}\label{ssec:category1}2぀以䞊の節にたたがる蚀い換えである\refex{dc2mc}\refex{cleft}のような蚀い換えでは䞻題が倉曎するためそれにずもなっお察応する名詞述語衚珟が必芁になる䞀方\refex{adv_clause}\refex{conjunction}のような蚀い換えでは節間の修蟞的関係を衚す接続詞を改めお遞択しなければならないこのように節間の蚀い換えでは節間の順序や関係が倉化するため結束性の評䟡が必芁になる\numexs{dc2mc}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{連䜓節䞻節化}~\cite{chandrasekar:96:a,dras:99:a,nogami:01}\item[s.]昚幎区制斜行70呚幎ずいう倧きな節目を\emph{迎えた本区}は新たな10幎に向けお順調な区政運営をスタヌトいたしたした\item[t.]昚幎\emph{本区は}区制斜行70呚幎ずいう倧きな節目を\emph{迎えたしたそしお}新たな10幎に向けお順調な区政運営をスタヌトいたしたした}\numexs{cleft}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{分裂文から非分裂文ぞの蚀い換え}~\cite{sunagawa:95,dras:99:a}\item[s.]今週圓遞した\emph{のは}奈良県の男性\emph{でした}\item[t.]今週\emph{は}奈良県の男性\emph{が}圓遞し\emph{たした}}\numexs{adv_clause}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{連甚節・䞊列節の分割}~\cite{takeishi:92,kouda:01,mitamura:01}\item[s.]情報化に向けおの前向きな意芋が倚くを占めおいたす\emph{が}情報栌差などの䞍安もみられたす\item[t.]情報化に向けおの前向きな意芋が倚くを占めおいたす\emph{しかし}情報栌差などの䞍安もみられたす}\numexs{conjunction}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{接続衚珟の蚀い換え}~\cite{miyajima:95:b}\item[s.]甚玙は各事務所に眮いおありたす\emph{から}どしどし意芋をお寄せください\item[t.]甚玙は各事務所に眮いおありたす\emph{ので}どしどし意芋をお寄せください}\subsection{節内の蚀い換え}\label{ssec:category2}\refex{comparison}の䞻題亀替や\refex{voice_alternation}の栌亀替など操䜜の察象が節内で閉じおいる蚀い換えである倉換パタヌンのバリ゚ヌションはそれほど倚くなく人手で曞き尜くせる皋床のように芋えるが倉換パタヌンによっおは適甚の可吊が語に䟝存するためその刀断に必芁な語圙知識をいかにしお発芋・構築するかが課題ずなるたた芖点のような察人関係的意味や䞻題陳述構造のような文脈レベルの意味が倉化するためこれを捉えるモデルを圢匏化する必芁もある\numexs{negation}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{吊定衚珟の蚀い換え}~\cite{hayashi:91,kondo:01,iida:01,tokunaga:02:bachelor}\item[s.]返信\emph{しない}ず申蟌みは取り消され\emph{たす}\item[t.]返信\emph{する}ず申蟌みは取り消され\emph{たせん}}\numexs{comparison}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{比范衚珟の蚀い換え}~\cite{kondo:01,saito:02:b}\item[s.]\emph{隣町は我が町より}山林資源が\emph{乏しい}\item[t.]\emph{我が町は隣町より}山林資源が\emph{豊かだ}}\numexs{voice_alternation}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{態・䜿圹の亀替}~\cite{yamaguchi:98,kondo:01,murata:02}\item[s.]今幎は湟岞などの郜垂基盀の\emph{敎備が}\emph{行われたした}\item[t.]今幎は湟岞などの郜垂基盀の\emph{敎備を}\emph{行いたした}}\numexs{transitivity_alternation}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{動詞亀替自他}~\cite{levin:93,kageyama:01,kondo:01}\item[s.]無制限な個人情報の収集に䞀定の\emph{制限を}\emph{加える}\item[t.]無制限な個人情報の収集に䞀定の\emph{制限が}\emph{加わる}}\numexs{locative_alternation}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{動詞亀替壁塗り堎所栌}~\cite{levin:93,kageyama:01,ogawa:04}\item[s.]課長は\emph{倧きな杯に}\emph{日本酒を}満たした\item[t.]課長は\emph{倧きな杯を}\emph{日本酒で}満たした}\numexs{lightverb}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{機胜動詞結合の蚀い換え}~\cite{oku:90,muraki:91,iordanskaja:91,morita:94,dras:99:a,kaji:04:a,fujita:04:d}\item[s.]\emph{䜏民の熱心な芁請を受け}工事を䞭止した\item[t.]\emph{䜏民に熱心に芁請され}工事を䞭止した}\numexs{donatory}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{授受の構文の蚀い換え}~\cite{masuoka:94,inui:99:a}\item[s.]区民の健康保持の立堎から枅掃掻動を\emph{頑匵っおくれおいる}\item[t.]区民の健康保持の立堎から枅掃掻動を\emph{頑匵っおいる}}\numexs{enable_verb}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{可胜動詞の蚀い換え}~\cite{miyajima:95:a,inui:99:a}\item[s.]電車は蟌んでいたけど吊革に\emph{掎たれた}\item[t.]電車は蟌んでいたけど吊革に\emph{掎たるこずができた}}\numexs{mod_alternation}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{修食芁玠の亀替}~\cite{miyajima:95:b}\item[s.]ブロックレンガなど\emph{倧きくお}重いものはひも掛けをしおそのたた出しおください\item[t.]ブロックレンガなど\emph{倧きく}重いものはひも掛けをしおそのたた出しおください}\numexs{quantity}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{数量詞の遊離}~\cite{muraki:91}\item[s.]\emph{䞀件の}開瀺請求がありたした\item[t.]開瀺請求が\emph{䞀件}ありたした}\subsection{内容語の耇合衚珟の蚀い換え}\label{ssec:category3}耇数の内容語が耇合衚珟を圢成する堎合接続詞や栌助詞共通の動詞などの関係は明瀺的には珟れないこの隠れおいる関係を明瀺的に瀺すように蚀い換えれば䞋蚘s{\ra}t読解支揎ずいう目的に察しおは有効だず考えられる䞀方芁玄のような応甚には耇合衚珟ぞの蚀い換え䞋蚘t{\ra}sの方が有効であるこれらの蚀い換えの可吊は構成玠ずなる内容語からそれらの関係耇合衚珟における結び付き方が容易に連想できるかどうかにも䟝存する\numexs{compound_word}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{耇合名詞の分解・構成}~\cite{sato:99,kimura:02,takeuchi:02,ohashi:04}\item[s.]\emph{区政斜行70呚幎}ずいう倧きな節目を迎えたした\item[t.]\emph{区の行政が斜行されおから70呚幎}ずいう倧きな節目を迎えたした}\numexs{relative_clause}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{「の」{\lra}連䜓節}~\cite{kurohashi:99:b,kataoka:00,torisawa:02:a}\item[s.]奈良県知事遞ぞの\emph{出銬の挚拶}を行った\item[t.]奈良県知事遞ぞの\emph{出銬を衚明する挚拶}を行った}\numexs{compound_verb}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{耇合動詞の分解・構成}~\cite{uchiyama:03,uchiyama:04}\item[s1.]人に\emph{頷きかける}\item[t1.]人に\emph{向かっお頷く}\item[s2.]倕飯を\emph{食べ過ぎた}\item[t2.]倕飯を\emph{必芁以䞊に食べた}}\subsection{機胜語モダリティの蚀い換え}\label{ssec:category4}機胜語盞圓衚珟助詞・助動詞やモダリティのレベルの蚀い換えは䞊で瀺した蚀い換えに比べお語圙的な性栌が匷く局所的な情報を参照するだけで蚀い換えられるものも倚いこのレベルの蚀い換えを実珟するには同矩の機胜語モダリティ衚珟をグルヌプ化しお蟞曞を敎備するずずもに個々の蚀い換えで生じる意味差分をどのように蚈算するかが課題ずなる\numexs{functional_expression}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{機胜語盞圓衚珟の蚀い換え}~\cite{morita:89,iida:01,kurokawa:03:master,matsuyoshi:04:a,tsuchiya:04}\item[s.]\emph{垂民はもずより}党囜に誇れるものにしおいきたい\item[t.]\emph{垂民だけでなく}党囜に誇れるものにしおいきたい}\numexs{move_emphasis}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{取り立お助詞の移動}~\cite{kinsui:00,tokunaga:02:bachelor}\item[s.]ご飯は食べずに蟛いおかずを\emph{食べおばかり}いた\item[t.]ご飯は食べずに蟛い\emph{おかずばかりを}食べおいた}\numexs{delete_emphasis}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{助詞による特城づけの削陀}~\cite{morita:94}\item[s.]人口は䞀時10䞇人を\emph{超えこそしたが}今は7䞇人たで枛少しおいる\item[t.]人口は䞀時10䞇人を\emph{超えたが}今は7䞇人たで枛少しおいる}\numexs{modality}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{䌝達のモダリティ}~\cite{miyajima:95:a,inui:99:a,shuto:01}\item[s.]秋には玅葉を芋に倚くの人が\emph{集たるずいう}\item[t.]秋には玅葉を芋に倚くの人が\emph{集たるそうだ}}\numexs{honorifics}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{敬語衚珟の蚀い換え}~\cite{ohtake:01:b,ohno:03}\item[s.]お支払いの方は\emph{いかがなさいたすか}\item[t.]お支払いの方は\emph{どうなさいたすか}}\numexs{changing_style}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{文䜓の倉換}~\cite{oizumi:03,kaji:04:c}\item[s.]䞍本意\emph{だが}仕方\emph{ない}\item[t.]䞍本意\emph{ですが}仕方\emph{ありたせん}}\subsection{内容語句の蚀い換え}\label{ssec:category5}内容語の蚀い換え衚珟は個々の単語ごずに蚘述する必芁があるためパラレルコヌパスのアラむンメントシ゜ヌラス䞭の同抂念語囜語蟞兞の語釈文などの既存の資源から機械的に収集する手段が怜蚎されおいる\sec{knowledge}\numexs{oneword_noun}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{名詞の蚀い換え}~\cite{fujita:01,pearce:01,YamamotoKazuhide:02:d,okamoto:03:b}\item[s.]倪平掋を䞀望する桂浜公園の\emph{䞘陵}に完成\item[t.]倪平掋を䞀望する桂浜公園の\emph{高台}に完成}\numexs{oneword_verb}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{動詞の蚀い換え}~\cite{kondo:97:a,kondo:99,kaji:01,torisawa:02:b,kaji:03:b}\item[s.]譊官が犯人を\emph{逮捕する}\item[t.]譊官が犯人を\emph{捕たえる}}\subsection{慣甚衚珟の蚀い換え}\label{ssec:category6}構成語の倉圢では生成できない特有の蚀い回しの蚀い換えは蚀い換え衚珟察を蟞曞に蓄える必芁がある\numexs{idiom}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{慣甚句}~\cite{morita:94,mitamura:01}\item[s.]「ひかり郜垂」ずしお\emph{脚光を济びる}こずずなりたした\item[t.]「ひかり郜垂」ずしお\emph{泚目される}こずずなりたした}\numexs{acronym}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{衚蚘のゆれ略語}~\cite{wakao:97,terada:01,sakai:03}\item[s.]倚くの垂民が\emph{原発}の建蚭に反察しおいる\item[t.]倚くの垂民が\emph{原子力発電所}の建蚭に反察しおいる}\numexs{metonymy}{\item[]\hspace{-6mm}\emph{換喩}\item[s.]\emph{シェむクスピアを}読む\item[t.]\emph{シェむクスピアが曞いた本を}読む}\newcommand{\email}[1]{}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{也健倪郎}{1967幎生1995幎東京工業倧孊倧孊院情報理工孊研究科博士課皋修了同幎より同研究科助手1998幎より九州工業倧孊情報工孊郚助教授1998幎〜2001幎科孊技術振興事業団さきがけ研究21研究員を兌任2001幎より奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科助教授珟圚にいたる博士工孊自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACL各䌚員\email{[email protected]}}\bioauthor{藀田節}{1977幎生2000幎九州工業倧孊情報工孊郚卒業2002幎同倧孊倧孊院情報工孊研究科博士前期課皋修了同幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士課皋入孊珟圚にいたる自然蚀語凊理特にテキストの自動蚀い換えの研究に埓事情報凊理孊䌚ACL各孊生䌚員\email{[email protected]}}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V01N01-01
\section{はじめに} テキストや談話を理解するためには{\bf文章構造}の理解すなわち各文が他のどの文ずどのような関係({\bf結束関係})で぀ながっおいるかを知る必芁がある文章構造に関する埓来の倚くの研究\cite[など]{GroszAndSidner1986,Hobbs1979,Hobbs1985,ZadroznyAndJensen1991}では文章構造の認識に必芁ずなる知識たたそれらの知識に基づく掚論の問題に重点がおかれおいたしかしそのような知識からのアプロヌチには次のような問題があるず考えられる\begin{itemize}\item蟞曞やコヌパスからの知識の自動獲埗あるいは人手による知識ベヌス構築の珟状をみれば量的/質的に十分な蚈算機甚の知識が䜜成されるこずはしばらくの間期埅できない\item䞀方オンラむンテキストの急増にずもない文章凊理の技術は非垞に重芁になっおきおいる\cite{MUC-41992}そのため珟圚利甚可胜な知識の範囲でどのような凊理が可胜であるかをたず明らかにする必芁がある\item珟圚の自然蚀語凊理のタヌゲットの䞭心である科孊技術文では文章構造理解の手がかりずなる情報が衚局衚珟䞭に明瀺的に瀺されおいるこずが倚い科孊技術の専門的内容を䌝えるためにはそのように明瀺的衚珟を甚いるこずが必然的に必芁であるずいえる\end{itemize}このような芳点から本論文では衚局衚珟䞭の皮々の情報を甚いるこずにより科孊技術文の文章構造を自動的に掚定する方法を瀺す文章構造抜出のための重芁な情報の䞀぀は倚くの研究者が指摘しおいるように「なぜなら」「たずえば」などの{\bf手がかり語}である\cite[など]{Cohen1984,GroszAndSidner1986,Reichman1985,Ono1989,Yamamoto1991}.しかしそれらだけで文章党䜓の構造を掚定するこずは䞍可胜であるこずから我々はさらに2぀の情報を取り出すこずを考えたそのひず぀は同䞀/同矩の語/句の出珟でありこれによっお{\bf䞻題連鎖}/{\bf焊点-䞻題連鎖}の関係\cite{PolanyiAndScha1984}を掚定するこずができるもうひず぀は2文間の類䌌性で類䌌性の高い2文を芋぀けるこずによっおそれらの間の{\bf䞊列/察比}の関係を掚定するこずができるこれらの3぀の情報を組み合わせお利甚するこずにより科孊技術文の文章構造のかなりの郚分が自動掚定可胜であるこずを瀺す\begin{table}\caption{結束関係}\vspace{0.5cm}\begin{center}\begin{tabular}{lp{11cm}}\hline\hline{\bf䞊列}&{\ttSi}ず{\ttSj}が同䞀たたは同様の事象状態などに぀いお述べられおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS4-3ずS4-6)\\{\bf察比}&{\ttSi}ず{\ttSj}が察比関係にある事象状態などに぀いお述べられおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS3-3ずS3-4)\\{\bf䞻題連鎖}&{\ttSi}ず{\ttSj}が同䞀の䞻題に぀いお述べられおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-13ずS1-19).\\{\bf焊点-䞻題連鎖}&{\ttSi}䞭の䞻題以倖の芁玠(焊点芁玠)がSjにおいお䞻題ずなっおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-12ずS1-13).\\{\bf詳现化}&{\ttSi}で述べられた事象状態たたはその芁玠に぀いおの詳しい内容が{\ttSj}で述べられおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-16ずS1-17).\\{\bf理由}&{\ttSi}の理由が{\ttSj}で述べられおいる(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-13ずS1-14).\\{\bf原因-結果}&{\ttSi}の結果{\ttSj}ずなる(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-17ずS1-18).\\{\bf倉化}&{\ttSi}の状態が{\ttSj}のものに(通垞時間経過に䌎い)倉化する(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-11ずS1-12).\\{\bf䟋提瀺}&{\ttSi}で述べられた事象状態の具䜓䟋の項目が{\ttSj}で提瀺される(䟋:付録\ref{sec:text}のS1-13ずS1-16).\\{\bf䟋説明}&{\ttSi}で述べられた事象状態の具䜓䟋の説明が{\ttSj}で行なわれる\\{\bf質問-応答}&{\ttSi}の質問に察しお{\ttSj}で答が瀺される(䟋:付録\ref{sec:text}のS4-1ずS4-2).\\\hline\end{tabular}\\({\ttSi}はある結束関係で接続される2文のうちの前の文{\ttSj}は埌ろの文を指す)\end{center}\label{tab:CRelations}\end{table}{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(140,120)\put(5,5){\framebox(130,110){ps/ds.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{文章構造の䞀䟋}\label{fig:DSExam}\end{figure}} \section{文章構造のモデルず結束関係} 埓来文章構造のモデルずしおはその基本単䜍の結束関係(2項関係)を再垰的に組み合わせるこずによる朚構造(文章構造朚)が䞀般的に甚いられおきた\cite[など]{Cohen1984,Dalgren1988,GroszAndSidner1986,HallidayAndHassan1976,Hobbs1979,Hobbs1985,LockmanAndKlappholz1980,Mann1984,PolanyiAndScha1984,Reichman1985,ZadroznyAndJensen1991}しかし䜕をその基本単䜍ずするかたた基本単䜍間にどのような結束関係を考えるかに぀いおは研究者ごずに独自の定矩が䞎えられおきた本論文では文章構造の自動抜出の可胜性を瀺すこずを第䞀矩的に考え句点で区切られた文を基本単䜍ずするもっずも単玔な文章構造モデルを採甚する\footnote{耇文内の節の間にもある皮の結束関係が存圚するず考えられるがその問題に぀いおは本手法の発展させるかたちで別の機䌚に扱う}䞀方結束関係ずしおどれだけのものを考えればよいかずいう問題は察象ずするテキストの皮類に倧きく䟝存する\cite{Reichman1985}たずえば物語文などでは過去の事象間の時系列の関係が䞭心ずなるが科孊技術文や論説文などではそのような関係はほずんどみられない本論文では埓来の研究で扱われおきた皮々の結束関係のうち察象ずする科孊技術文の構造を説明するために必芁なものずしお衚\ref{tab:CRelations}に瀺すものを考える(付録\ref{sec:text}に瀺した実隓文の文章構造を図\ref{fig:DSExam}に瀺す\footnote{図\ref{fig:DSExam}䞭初期節点ずは文章構造の初期状態ずしお䞎えられるもので実際の文には察応しない初期化関係はこの初期節点ずの間の特別の関係であるこれらの詳现は3.1節で述べる}){\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(120,75)\put(5,5){\framebox(110,65){ps/assump.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{文章構造モデルに察する仮定}\label{fig:Assump}\end{figure}}さらに文章構造モデルに察しお以䞋の仮定を行なうこずにする\begin{quote}{\bf新たな文(入力文)はそれたでの文章構造朚の右端の節点に察応する文のいずれかに接続される}\end{quote}これは「新しい䞻題が導入された埌は叀い䞻題に関する詳しい説明は参照されない」ずいうこずを意味する(図\ref{fig:Assump})蚈算量の点で有効でありたた科孊技術文の堎合盎芳的に劥圓であるず考えられたこずからこの仮定を採甚した\footnote{\begin{tabular}[t]{@{}cc@{}}\begin{tabular}[t]{@{}p{8cm}@{}}S1ずS2が䞊列/察比以倖の結束関係(Rs)を持ちS2ずS3が䞊列あるいは察比の関係(Rc)を持぀堎合S1ずS3が関係Rsを持぀こずが掚論できるこの時その次の文のS4はS1ずS3だけでなくS2ずの間に䜕らかの結束関係を持぀こずも考えられる前に瀺した文章構造モデルに察する仮定のもずでこのS2ぞの接続を蚱すようにするためS3はRsの関係によっおS1に接続する(図a)のではなく単にRcの関係でS2に接続する(図b)こずにする\\\end{tabular}&\begin{tabular}[t]{@{}c@{}}\null\\[-12pt]{\unitlength=1mm\begin{picture}(60,35)\put(5,5){\framebox(50,25){ps/footnote.ps}}\end{picture}}\end{tabular}\end{tabular}}なお本論文で扱う実隓テキスト(箄200文)の各章(9ç« )に぀いおはこの仮定のもずでそれぞれに適圓な文章構造朚を考えるこずが可胜であった以䞋ではある入力文に察しおそれが接続される文を{\bf接続文}たた接続文になり埗る文章構造朚の右端の節点に察応する文を{\bf接続候補文}ずよぶこずにする \section{文章構造の自動抜出} {\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(140,85)\put(5,5){\framebox(130,75){ps/ns\_cs.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{3぀の衚局情報による接続候補文ぞの結束関係の埗点付け}\label{fig:NS_CS}\end{figure}}\subsection{抂芁}前節で瀺したモデルに基づくず文章構造の解析は入力文章を前から1文づ぀順に凊理し各文(入力文)に察しお適切な接続文ず適切な結束関係を決定するずいう問題になるこの凊理を行うために衚局衚珟䞭の次の3぀の情報に着目する\begin{itemize}\item皮々の結束関係を瀺す手がかり衚珟\item䞻題連鎖たたは焊点-䞻題連鎖関係における同䞀/同矩の語/句の出珟\item䞊列/察比関係にある2文の間の類䌌性\end{itemize}以降に瀺す方法によっお入力文ず接続候補文に察しおこれらの情報を自動的に抜出し察応する結束関係ぞの確信床に倉換するこずができるこの凊理によっお入力文ず各接続候補文ずの間のすべおの結束関係に察する確信床を蚈算し最終的に最倧の確信床をも぀接続候補文ず結束関係を遞択する(図\ref{fig:NS_CS}).文章構造には初期状態ずしお{\bf初期節点}(文には察応しない)を䞎えこの初期節点ず入力文の間の{\bf初期化}関係に䞀定の確信床を䞎えおおく(入力文ず初期節点の組に぀いおは䞊で述べた情報の抜出凊理は行なわない)いずれの接続候補文に察しおもこの倀よりも倧きな確信床を持぀結束関係が存圚しない堎合にはその入力文は初期節点に接続されるずするこれはその入力文が新しい段萜の始たりの文であるような堎合に察応する以䞋各情報に察しおそれらを抜出し結束関係ぞの確信床に倉換する方法を説明する{\unitlength=1mm\begin{table}\caption{手がかり衚珟に察するルヌル}\label{tab:HR}\begin{center}\begin{picture}(130,140)\put(5,5){\framebox(120,130){table1}}\end{picture}\end{center}\end{table}}\subsection{手がかり衚珟の抜出}皮々の結束関係を瀺す手がかり衚珟を取り出しその関係ぞの確信床を埗るためにヒュヌリスティック・ルヌルを甚意したルヌルは以䞋のものからなる\begin{itemize}\item{\bfルヌルの適甚条件}:\begin{itemize}\item{\bfルヌルの適甚範囲}(どれだけ離れた接続候補文たでルヌルを適甚するか)\item{\bf接続候補文ずその接続文ずの結束関係}\footnote{ある入力文に察する凊理を行なう時点ではそれより前の郚分の文章構造はすでに決定されおいるそこで接続候補文がどのような結束関係でそれ以前の文(接続候補文の接続文)ず接続されおいるかずいうこずをルヌルの適応条件ずするこずができる}\item{\bf接続候補文の䟝存構造のパタヌン}\item{\bf入力文の䟝存構造のパタヌン}\end{itemize}\item{\bf察応する結束関係ず確信床}\end{itemize}接続候補文ず入力文のパタヌンはそれぞれの文の䟝存構造解析結果に察しお適甚される\cite{KurohashiAndNagao1994}この凊理は䟝存構造朚に察する柔軟なパタヌン照合機胜を甚いお実珟したそこでは䟝存構造朚ずその構成芁玠である文節(単語の䞊び)に察するパタヌンが正芏衚珟論理和論理積吊定などによっお指定できる\cite{MurataAndNagao1993}ルヌルは各接続候補文ず入力文の組に察しお適甚され条件郚が満たされれば察応する結束関係に指定された確信床の埗点が䞎えられる(耇数のルヌルがマッチした堎合確信床の埗点は加算されおいく)ルヌルの䞀䟋を衚\ref{tab:HR}に瀺す(すべおのルヌルを付録\ref{sec:rule}に瀺す)たずえばルヌルa(衚\ref{tab:HR})は入力文が「なぜなら」で始たる堎合その入力文ず盎前の接続候補文の間の理由関係に埗点を䞎える(ルヌルの適甚範囲が1であるので盎前の接続候補文ずの間の関係に察しおのみ埗点が䞎えられる)ルヌルb(衚\ref{tab:HR})の堎合は条件郚で同䞀の語の出珟を指定しおおり盎前の接続候補文だけでなく他の接続候補文に察しおも適甚されるルヌルc(衚\ref{tab:HR})では条件ずしお「接続候補文ずその接続文ずの結束関係」を指定しおいるこのルヌルは「䟋提瀺関係によっお具䜓䟋が導入されれば次にその䟋の説明が続く堎合がある」こずを衚珟しおいるルヌルd(衚\ref{tab:HR})は時制の倉化を手がかりずしお文章構造の区切れを怜出するためのルヌルで連続する2文の時制が珟圚から過去に移行する堎合その間の党おの結束関係の確信床を指定された倀だけ枛少させるこのペナルティの倀によっお入力文が盎前の文以倖の接続候補文ぞ接続されるこずが優先される{\unitlength=1mm\begin{figure}\begin{center}\begin{picture}(130,65)\put(5,5){\framebox(120,55){ps/tf.ps}}\end{picture}\end{center}\caption{䞻題連鎖関係焊点-䞻題連鎖関係の確信床}\label{fig:TF}\end{figure}}{\unitlength=1mm\begin{table}\begin{center}\caption{䞻題郚分非䞻題郚分語/句の䞀臎に察するルヌル}\label{tab:TDCRule}\begin{picture}(140,155)\put(5,5){\framebox(130,145){table2}}\end{picture}\end{center}\end{table}}\subsection{語連鎖の抜出}䞀般に文は䞻題を瀺す郚分(䞻題郚分)ずそれ以倖の郚分(非䞻題郚分)に分けるこずができる2぀の文が同じ䞻題に぀いお述べられおいる堎合それら2文は䞻題連鎖関係にあるずするこの関係は2぀の文の䞻題郚分に同䞀/同矩の語/句(以䞋これを{\bf語連鎖}ずよぶ)が珟れおいるこずで発芋できる䞀方ある文の䞻題以倖の芁玠がその埌の文の䞻題ずなるような結束関係を焊点-䞻題連鎖関係ずよぶこずにする(この時埌の文で䞻題ずなる芁玠は前の文においお焊点芁玠であるず考えられるため)この関係は2文間の䞻題郚分から非䞻題郚分ぞの語連鎖を調べるこずで発芋できるしかし倚くの堎合䞀぀の入力文に察しお各接続候補文ずの皮々の関係を支持する耇数の情報が存圚するそのため単に語連鎖を発芋するだけでなくその連鎖の匷さに応じお䞻題連鎖関係あるいは焊点-䞻題連鎖関係に確信床を䞎えるこずが必芁ずなるそこで䞻題郚分非䞻題郚分の各語に察しお文䞭での重芁床に応じた埗点を䞎えたた同䞀/同矩の語/句の照合に察しおもその䞀臎床に応じた埗点を定矩したその䞊で連鎖する2語/句のそれぞれの文での重芁床の埗点ずその䞀臎床の埗点の総和を語連鎖の埗点ずしこれを䞻題連鎖関係あるいは焊点-䞻題連鎖関係に確信床ずしお䞎えるずいうこずを行った(図\ref{fig:TF})これらの凊理は䟝存構造に察するパタヌンず埗点からなるルヌルを適甚するずいう圢で実珟した(ルヌルの䞀䟋を衚\ref{tab:TDCRule}に瀺す)ルヌルa,b(衚\ref{tab:TDCRule})は䞻題を瀺す助詞「は」を䌎う語ずその修食語/句にルヌルc,d(衚\ref{tab:TDCRule})は条件節内の語に䞻題郚分ずしおの埗点を䞎えるここでは䞻題郚分の䞭でもっずも重芁であるず考えられる助詞「は」を盎接ずもなう語に最倧の埗点を䞎えおいるルヌルe(衚\ref{tab:TDCRule})は「〜Aがある」ずいう文のAに察しお非䞻題郚分の芁玠ずしお高い埗点を䞎えるこのような文䜓ではAが重芁な新情報でありこの語が以降の文で䞻題ずしお取り䞊げられる(焊点-䞻題連鎖関係が存圚する)堎合が倚いルヌルf,g,h(衚\ref{tab:TDCRule})は語/句の䞀臎に察しお埗点を䞎えるルヌルであるここでは「XのY」のような句の䞀臎(ルヌルg)に察しおは単なる語の䞀臎(ルヌルf)よりも高い埗点を䞎える語連鎖の怜出における最倧の問題は著者が単に同䞀の語/句を繰り返すのではなく埮劙に異なった衚珟によっおそのような連鎖を瀺す傟向にあるずいう問題であるシ゜ヌラスの利甚ルヌルh(衚\ref{tab:TDCRule})などによっおそのような衚珟の䞀郚は怜出可胜であるが怜出できない埮劙な衚珟は倚数存圚するそれらの取扱いに぀いおは本論文の範囲倖ずした\subsection{2文間の類䌌床の蚈算}䞊列/察比の結束関係にある2文の間にはある皮の類䌌性が認められるしかしそれらは文党䜓に぀いおの類䌌性であるためこれたでに瀺したような文䞭の比范的狭い郚分を調べるルヌルを適甚するこずでは怜出できないそこで1文内の䞊列構造の範囲を調べるために開発したダむナミックプログラミングによる類䌌性怜出の方法\cite{KurohashiAndNagao1992b}を拡匵するずいうこずを行ったこの方法では任意の長さの文節列間の類䌌床を蚈算するこずが可胜であるそこではたず文節間の類䌌床を品詞の䞀臎語の䞀臎シ゜ヌラス蟞曞䞭での語の近さなどによっお蚈算しその䞊でそれらの文節間の類䌌床を組み合わせるこずによっお文節列間の類䌌床を蚈算するこの手法は䞊列構造の構成芁玠を決定するために1文内の句/節間の類䌌床を蚈算するものずしお開発したこれを2文間(入力文ず接続候補文)の類䌌床を蚈算するように拡匵するこずはその2文を連結しそれらが仮想的に䞊列構造を構成するず芋なすこずによっお簡単に実珟するこずができるこのこずによりその仮想的䞊列構造の構成芁玠である2文間の類䌌床をたったく同じ枠組みで蚈算するこずができるからである最終的にはこの方法によっおえられた類䌌床を2文の長さの和によっお正芏化した倀をそれらの間の䞊列関係ず察比関係の確信床に加算する \section{実隓ず考察} \subsection{実隓方法ず結果}実隓には科孊雑誌サむ゚ンスのテキスト「科孊技術のためのコンピュヌタヌ」(Vol.17,No.12)を甚いた(付録\ref{sec:text}にその䞀郚を瀺す)実隓文はあらかじめ章ごずに分割し(å…š9章1章は平均24文)文章構造の掚定は章単䜍で行なった実隓は以䞋の手順で行なったたずはじめの3章に察しお䞻題郚分/非䞻題郚分の重芁床のルヌル語/句の照合ルヌル手がかり衚珟のルヌルを䜜成しできるだけ正しい文章構造が求たるようにそれらの埗点を人手で調敎した\footnote{これたでに衚付録等で瀺したルヌルの埗点はこの調敎埌のものであるたたあらかじめ初期節点ずの初期化関係に䞎えおおく確信床は10点ずした}2文間の類䌌床の蚈算に぀いおは単に䞊列構造怜出のシステムを甚いただけで埗点付けの調敎/倉曎は行なわなかった次に残りの6章に察しお手がかり衚珟のルヌルだけを远加しその新しいルヌルセットによっお残り6章に察する解析実隓を行なったこれらの実隓結果を衚\ref{tab:Experiment}に瀺すここでは各入力文に察しお正しい接続文ず正しい結束関係たた結束関係が䞻題連鎖たたは焊点-䞻題連鎖の堎合はその正しい語連鎖が求たった堎合を正解ずした結束関係ごずの解析結果の集蚈では解析倱敗のものに぀いおはその正しい結束関係の欄に分類したなお残りの6章に察するルヌルを远加した新しいルヌルセットでもずの3章を解析したずころ解析結果は党く同じであった\begin{table}\caption{実隓結果}\begin{center}\begin{tabular}{l|rr|rr}\hline\hline&\multicolumn{2}{c|}{孊習サンプル}&\multicolumn{2}{c}{テストサンプル}\\結束関係&\multicolumn{2}{c|}{(はじめの3ç« )}&\multicolumn{2}{c}{(残りの6ç« )}\\\cline{2-5}&正解&誀り&正解&誀り\\\hline初期化&7&1&6&2\\䞊列&10&1&15&2\\察比&6&1&2&2\\䞻題連鎖&13&1&21&5\\焊点-䞻題連鎖&10&4&37&14\\詳现化&9&1&9&1\\理由&3&0&1&0\\原因-結果&2&0&6&0\\倉化&3&0&0&0\\䟋提瀺&1&0&0&0\\䟋説明&3&0&2&0\\質問-応答&1&0&1&0\\\hline合蚈&68&9&100&26\\&\multicolumn{2}{c|}{(正解率88\%)}&\multicolumn{2}{c}{(正解率79\%)}\\\hline\end{tabular}\\\vspace{5pt}(各章のはじめの文は必ず初期化関係ずなるのでこの衚からは陀倖した)\end{center}\label{tab:Experiment}\end{table}これらの結果から科孊技術文の堎合衚局衚珟䞭の情報をうたく取り出すこずができればその文章構造のかなりの郚分が自動的に掚定可胜であるこずがわかる手がかり衚珟に぀いおの汎甚性のあるルヌルセットを甚意するためにはかなりの芏暡のテキストを察象ずしたルヌル䜜成䜜業が必芁であるず思われるしかし手がかり衚珟に関するルヌルの倚くは排他的なものずしお蚘述するこずができるので本実隓においおそうであったように新しく远加したルヌルがもずのルヌルず競合しお副䜜甚を起こすずいうこずは非垞に少ないず予想される\subsection{解析䟋ず考察}たず文章構造掚定の経緯の具䜓䟋を瀺す付録のS1-11からS1-20たでの文章は以䞋に瀺す情報によっお図\ref{fig:DSExam}-aに瀺す構造に倉換された\begin{description}\item[S1-11--初期化$\rightarrow$初期節点]---S1-10ずの関係に察するペナルティ(付録\ref{sec:rule}ルヌル1)他の接続候補文ずの間に倧きな確信床をも぀結束関係がないため初期節点に接続される\item[S1-12--倉化$\rightarrow$S1-11]---過去から珟圚ぞの時制の倉化ず手がかり語「しかし」(ルヌル40)\item[S1-13--焊点-䞻題連鎖$\rightarrow$S1-12]---「合成による分析」ず「合成法」の連鎖\item[S1-14--理由$\rightarrow$S1-13]---手がかり衚珟「からである」(ルヌル34)\item[S1-15--詳现化$\rightarrow$S1-14]---手がかり衚珟「わけである」(ルヌル20)\item[S1-16--䟋提瀺$\rightarrow$S1-13]---手がかり衚珟「〜の䟋ずしお」(ルヌル41)\item[S1-17--詳现化$\rightarrow$S1-16]---盎前の䟋提瀺関係(ルヌル26)\item[S1-18--原因-結果$\rightarrow$S1-17]---手がかり衚珟「その結果は」(ルヌル36)\item[S1-19--䞻題連鎖$\rightarrow$S1-13]---「合成法」の連鎖\item[S1-20--倉化$\rightarrow$S1-19]---S1-12ず同様\end{description}たた付録のS4-1からS4-7たでの文章は以䞋の手順で図\ref{fig:DSExam}-bに瀺す構造に倉換された\begin{description}\item[S4-2--質問-応答$\rightarrow$S4-1]---手がかり衚珟「〜か」(ルヌル43)\item[S4-3--焊点-䞻題連鎖$\rightarrow$S4-2]---「連星」の連鎖\item[S4-4--焊点-䞻題連鎖$\rightarrow$S4-3]---「枩めるこずがある」ず「この過皋」の連鎖(ルヌル19)\item[S4-5--焊点-䞻題連鎖$\rightarrow$S4-4]---「栞融合」の連鎖\item[S4-6--䞊列$\rightarrow$S4-3]---s4-3ずの類䌌床ず手がかり衚珟「たた」(ルヌル5)\item[S4-7--䞊列$\rightarrow$S4-6]---類䌌床による埗点が高いため誀っおS4-6ずの䞊列関係が掚定された正解はS4-6ずの焊点-䞻題関係である\end{description}接続詞「しかし」はS1-12S1-20のように倉化関係を瀺す手がかり語であるだけでなくS3-4のように察比関係を瀺す堎合もあるこの区別はこの手がかり語ず他の情報を組み合わせお調べるこずによっお可胜ずなるすなわちS1-12S1-20の堎合は過去から珟圚ぞの時制の倉化を芋るこずによっお倉化関係を掚定するこずができる䞀方S3-3ずS3-4の間には高い類䌌床(埗点23)があるためこれず手がかり語「しかし」によっお察比関係が掚定できる(これに察しおS1-11ずS1-12の類䌌床は0S1-19ずS1-20の類䌌床は3である).連続する2文間の結束関係だけでなく離れた2文間の関係も皮々の情報によっお正しく掚定するこずが可胜である䟋えばS1-16S1-12間の䟋提瀺関係は衚局衚珟䞭の手がかり語によっおS1-19S1-13間の䞻題連鎖関係は語連鎖によっおたたS4-6ずS4-3の䞊列関係は2文間の類䌌床によっおそれぞれ正しく掚定されおいるS4-7に぀いおは正しい結束関係が掚定できなかったここではS4-6の「枩床が䞊昇する」こずによっお生じる「熱」がS4-7で䞻題ずなっおいるすなわち掚論を介した焊点-䞻題連鎖関係が存圚しおいるこのように結束関係の掚定に掚論を必芁ずするような問題は本論文では察象ずしなかったこのような問題を含めお実隓テキストの解析誀りの原因は次のように分類できるなお孊習サンプルテストサンプルずもに解析誀りの原因の皮類は同じものであった\begin{enumerate}\item語連鎖の抜出に぀いお\\3.3節でも述べたように䞻題連鎖/焊点-䞻題連鎖関係を瀺す語連鎖にはシ゜ヌラスやある皮のパタヌン(衚\ref{tab:TDCRule}のルヌルhなど)を甚いるだけでは怜出䞍可胜なものがある䞊蚘のS4-7はその䞀䟋であるたた逆に䞻題連鎖/焊点-䞻題連鎖関係を瀺すものではない同䞀語句の出珟に察しお埗点が䞎えられそれが他の正しい関係の掚定の劚げずなる堎合がある\item2文間の類䌌床の蚈算に぀いお\\たずえば\begin{quote}「銀河の䞭には、互いに近接しおいお、橋がかかっおいるように芋えるものがある。しかし倧倚数の銀河は、ほが察称的な枊巻き圢、あるいは単玔な円圢たたは楕円圢をしおいる。」\end{quote}ずいう察比関係の2文では同䞀/同矩の単語も少なく構造(品詞の䞊び)的にも䌌おいないため我々の方法では高い類䌌床が䞎えられないこのような堎合䞊列/察比関係が正しく掚定されないずいうこずになるたた逆に䞊列/察比関係にない2文でも同䞀の語を倚数含んでいるような堎合高い類䌌床が䞎えられ誀っおそれら2文間の䞊列/察比関係が掚定されおしたう堎合がある\item詳现化関係に぀いお\\詳现化関係ではたずえば次の䟋のように手がかり衚珟ずいえるものが存圚しない堎合がある\begin{quote}「こうした終局的な型は、初期条件に巊右される。遭遇時の速床や傟きの角床を少し倉えるだけで、耇雑な䜓の動きは倧幅に倉わる。」\end{quote}このような2文間の詳现化関係は本手法では正しく掚定できない\end{enumerate}衚\ref{tab:Experiment}に瀺すずおり解析誀りの倧郚分は䞊列/察比関係䞻題連鎖/焊点-䞻題連鎖関係に぀いおの誀りでこれらの倚くは䞊の1,2の原因が組み合わさっお生じたものであるたずえば埮劙な衚珟の語連鎖が抜出できない堎合に別の䞍適圓な文ずの間の高い類䌌床によっお䞊列/察比関係が掚定されおしたったずいうような堎合であるなお本論文では同䞀著者のテキストを孊習サンプルテストサンプルずしお実隓を行なった皮々のテキストに察しお本手法の有効性を怜蚌するこずは今埌の課題であるしかし科孊技術文の本質的目的がその内容を正確に䌝えるこずであるずいうこずを考えれば著者・テキストによっお文䜓に差があるずしおもそれは本手法の粟床に倧きな圱響を䞎えるほどのものではないず考えられる \section{結論} 本論文では手がかり衚珟語連鎖文間の類䌌性ずいう衚局衚珟䞭の3぀情報に基づいお文章構造を自動的に掚定する手法を瀺した科孊技術文の堎合これら3぀の衚局的情報を組み合わせお利甚するこずにより知識に基づく文理解ずいう凊理を行なわなくおも文章構造のかなりの郚分が掚定できるこずがわかった埮劙な衚珟による語連鎖の扱い手がかり衚珟に぀いおの汎甚性のあるルヌルセットの䜜成などの問題を克服すれば倧芏暡なテキストに察しお文単䜍でなく文章単䜍の凊理を実珟するこずが可胜ずなるだろう\bibliographystyle{jtheapa}\bibliography{main}\appendix{ \section{実隓テキスト} label{sec:text}\noindent{\bf「科孊技術のためのコンピュヌタヌ」}(サむ゚ンスVol.17,No.12)\\(以䞋Si-jのiは章番号jは文番号を瀺す)\vspace{0.5cm}\noindent{\bfS1-1}:コンピュヌタヌによる高速蚈算は科孊研究の方法を、劇的に倉え぀぀ある。\begin{center}$\vdots$\end{center}{\bfS1-10}:たずえば、重力に関するニュヌトンの法則はすでによく理解されおおり、倪陜系の正確な蚈算モデルが存圚するこずから、蚈算機実隓によっお、火星がなければ地球の軌道がどう倉わるか、ずいった問題を解くこずもできる。\\{\bfS1-11}:これたでの理論家は、近䌌的な結果を蚈算しお、珟実の䞖界ず比范できるようにするために、極端な単玔化を匷いられるこずが倚かった。\\{\bfS1-12}:しかし科孊者が利甚できる蚈算機の胜力が増倧した぀の結果ずしお、研究方法は埓来の近䌌法から“合成による分析”ぞず移行し぀぀ある。\\{\bfS1-13}:合成法は、「あるシステムの各郚分の間の盞互䜜甚の基本過皋はわかっおいるが、圓のシステムの现かな構成はわからない」ずいう堎合に䜿われる。\\{\bfS1-14}:それにより、未知の構成を合成によっお決定したり、可胜な構成を考えお、その結果を詊しおみるこずも可胜だからである。\\{\bfS1-15}:そうした結果を実隓から埗られる现かなデヌタず぀き合わせおみれば、芳察の結果を最もよく説明できる構成を遞ぶこずができるわけである。\\{\bfS1-16}:䞖玀以来の合成法の有名な䟋ずしお、倩王星の軌道に芋られる䞍可解な摂動を理解しようずした詊みをあげるこずができる。\\{\bfS1-17}:研究者たちは倪陜系に仮想の惑星を加え、満足のいく摂動が埗られるたで、その軌道のパラメヌタヌを倉化させおいった。\\{\bfS1-18}:その結果は、予想された䜍眮の近くでの海王星の発芋ずいう成果に盎接結び぀いたのである。\\{\bfS1-19}:この合成法が適甚できるのは、過去には、比范的単玔な堎合に限られおいた。\\{\bfS1-20}:しかし、高速蚈算機の登堎により、合成法は、䌝統的な近䌌解析に次ぐ地䜍を確実に占めようずしおいる。\begin{center}$\vdots$\end{center}{\bfS3-3}:぀の恒星あるいは惑星間に働く重力の盞互䜜甚は、玙ず鉛筆で容易に蚈算するこずができる。\\{\bfS3-4}:しかし、個の物䜓間の盞互䜜甚すなわち䜓問題ずなるず、その運動方皋匏は手におえないものになっおしたう。\begin{center}$\vdots$\end{center}{\bfS4-1}:倩文孊者はこの皮の衝突になぜ興味をも぀のだろうか。\\{\bfS4-2}:その答えは、“熱”を発生させるのに連星が挔じおいる圹割にある。\\{\bfS4-3}:連星ず単星が衝突する際、連星は瞮んで小さくなり、単星に゚ネルギヌを䞎え、その呚囲の星の集団を枩めるこずがある。\\{\bfS4-4}:この過皋は、原子栞が衝突しお融合し、より重い原子栞になる際、゚ネルギヌを攟出する栞融合ずよく䌌おいる。\\{\bfS4-5}:栞融合は、倪陜を含む恒星を光らせるメカニズムである。\\{\bfS4-6}:たた、遭遇によっお連星の軌道が瞮小し、そのために高密床の星団の䞭栞の枩床が䞊昇するこずも考えられる。\\{\bfS4-7}:この熱は、星が絶えず沞隰しおいる星団の衚面における熱損倱ず釣り合うこずのできるものである。\\ \section{手がかり衚珟のルヌル} label{sec:rule}\noindentA欄:Oははじめの3章に察しお䜜成したルヌルNは残りの6章に察しお䜜成したルヌル\\適甚範囲:$\ast$は制限なし\\パタヌン:\{a$|$b\}は「aたたはb」を瀺す\vspace{5pt}\noindent\begin{tabular}{@{}r|c|lr|p{9cm}@{}}\hline\hlineNo.&A&結束関係&確信床&適甚範囲:$\langle$接続可胜文の結束関係・パタヌン$\rangle$$\langle$入力文のパタヌン$\rangle$\\\hline1&O&$\ast$&$-$15&1:$\langle$〜(甚蚀:珟圚圢)$\rangle$$\langle$〜(甚蚀:過去圢)$\rangle$\\2&O&$\ast$&$-$20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜(副助詞「は」なし)〜だ(刀定詞)$\rangle$\\3&O&$\ast$&$-$20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜がある$\rangle$\\4&O&䞊列&10&$\ast$:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜さらに〜$\rangle$\\5&O&䞊列&15&$\ast$:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜たた〜$\rangle$\\6&O&䞊列&40&$\ast$:$\langle$[䞊列関係]$\rangle$$\langle$〜さらに〜$\rangle$\\7&N&䞊列&5&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$そしお〜$\rangle$\\8&N&䞊列&15&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$しかも〜$\rangle$\\9&N&䞊列&30&$\ast$:$\langle$第〜$\rangle$$\langle$第〜$\rangle$\\\hline\end{tabular}\noindent\begin{tabular}{@{}r|c|lr|p{9cm}@{}}\hline\hlineNo.&A&結束関係&確信床&適甚範囲:$\langle$接続可胜文の結束関係・パタヌン$\rangle$$\langle$入力文のパタヌン$\rangle$\\\hline\vspace*{-1mm}10&N&䞊列&40&$\ast$:$\langle$[䞊列関係]$\rangle$$\langle$〜最埌に〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}11&O&察比&15&$\ast$:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜䞀方〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}12&O&察比&15&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜しかし〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}13&O&察比&15&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜その代わり〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}14&O&察比&30&1:$\langle$[察比関係]$\rangle$$\langle$〜さらに〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}15&N&察比&15&$\ast$:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜察照的に〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}16&N&察比&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$むしろ〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}17&N&察比&40&$\ast$:$\langle$[察比関係]$\rangle$$\langle$〜最埌に〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}18&O&焊点-䞻題連鎖&30&1:$\langle$〜(動詞)\{こずがある$|$こずができる$|$(文末)\}$\rangle$$\langle$(名詞修食圢態指瀺詞)\{方法$|$成果\}〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}19&N&焊点-䞻題連鎖&30&1:$\langle$〜(動詞)\{こずがある$|$こずができる$|$(文末)\}$\rangle$$\langle$(名詞修食圢態指瀺詞)\{技法$|$段階$|$過繋$|$サヌビス$|$扱い\}〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}20&O&詳现化&20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜わけだ$\rangle$\\\vspace*{-1mm}21&O&詳现化&20&1:$\langle$〜(数詞)〜分類\{できる$|$される\}$\rangle$$\langle$〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}22&O&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$\{すなわち$|$぀たり$|$いずれにせよ\}〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}23&O&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$この堎合〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}24&O&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜ずする$\rangle$\\\vspace*{-1mm}25&O&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$実際〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}26&O&詳现化&40&1:$\langle$[䟋提瀺関係]$\rangle$$\langle$〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}27&N&詳现化&20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$たず〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}28&N&詳现化&20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$第䞀〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}29&N&詳现化&20&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$最初の〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}30&N&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$事実〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}31&N&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$ここで〜\{は$|$が\}〜だ$\rangle$\\\vspace*{-1mm}32&N&詳现化&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$ここで〜(甚蚀:条件圢)〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}33&O&理由&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$なぜなら〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}34&O&理由&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜からだ$\rangle$\\\vspace*{-1mm}35&N&理由&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$〜\{に$|$にも\}よる$\rangle$\\\vspace*{-1mm}36&O&原因-結果&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$その\{結果$|$結果は\}〜$\rangle$\\\vspace*{-1mm}37&N&原因-結果&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$\{したがっお$|$このため$|$そのため$|$こうするこずによっお$|$そうするこずによっお\}〜$\rangle$\\38&N&原因-結果&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$\{こう$|$そう\}しお〜こずにより〜$\rangle$\\\hline\end{tabular}\noindent\begin{tabular}{@{}r|c|lr|p{9cm}@{}}\hline\hlineNo.&A&結束関係&確信床&適甚範囲:$\langle$接続可胜文の結束関係・パタヌン$\rangle$$\langle$入力文のパタヌン$\rangle$\\\hline39&N&原因-結果&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$\{こう$|$そう\}しお〜(甚蚀:条件圢)〜$\rangle$\\40&O&倉化&30&1:$\langle$〜\{いた(接尟蟞)$|$(圢容詞過去圢)\}$\rangle$$\langle$\{しかし$|$ずころが\}〜$\rangle$\\41&O&䟋提瀺&30&1:$\langle$〜X〜$\rangle$$\langle$〜Xの䟋ずしお〜\{ある$|$あげる\}$\rangle$\\42&O&䟋説明&30&1:$\langle$〜$\rangle$$\langle$たずえば〜$\rangle$\\43&O&質問-応答&30&1:$\langle$〜か$\rangle$$\langle$〜$\rangle$\\\hline\end{tabular}}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{黒橋犎倫}{1989幎京郜倧孊工孊郚電気工孊第二孊科卒業1994幎同倧孊院博士課皋修了同幎京郜倧孊工孊郚助手珟圚に至る自然蚀語凊理知識情報凊理の研究に埓事1994幎4月より1幎間Pennsylvania倧孊客員研究員}\bioauthor{長尟眞}{1959幎京郜倧孊工孊郚電子工孊科卒業工孊博士京郜倧孊工孊郚助手助教授を経お1973幎より京郜倧孊工孊郚教授1976幎より囜立民族孊博物通教授を兌任京郜倧孊倧型蚈算機センタヌ長(1986.4--1990.3)日本認知科孊䌚䌚長(1989.1--1990.12)パタヌン認識囜際孊䌚副䌚長(1982--1984)日本機械翻蚳協䌚初代䌚長(1991.3--)機械翻蚳囜際連盟初代䌚長(1991.7--1993.7)電子情報通信孊䌚副䌚長(1993.5)蚈算機にどこたで人間的なこずをやらせられるかに興味を持ちこの分野に入ったパタヌン認識画像凊理機械翻蚳等の分野を䞊行しお研究機械翻蚳の囜家プロゞェクトを率いお本栌的な日英英日翻蚳システムを完成したたたアナロゞヌの抂念に基づく翻蚳(甚䟋を甚いた翻蚳)を提唱今日その重芁性が䞖界的に認識されるようになっお来おいる}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V24N03-07
\section{はじめに} \label{sec:intro}統蚈的機械翻蚳(StatisticalMachineTranslation:SMT\cite{brown93smt})で高い翻蚳粟床\footnote{SMTシステムの性胜を評䟡する堎合評䟡甚原蚀語コヌパスの翻蚳結果が目暙ずなる正解蚳にどの皋床近いかを瀺す自動評䟡尺床を翻蚳粟床の指暙ずするこずが倚く本皿では最も代衚的な自動評䟡尺床ず考えられるBLEUスコア\cite{papineni02}を甚いお評䟡する}を達成するには孊習に甚いる察蚳コヌパスの質ず量が䞍可欠である特に質の高い察蚳デヌタを埗るためには専門家による人手翻蚳が必芁ずなるが時間ず予算の面で高いコストを芁するため翻蚳察象は厳遞しなければならないこのように正解デヌタを埗るための人手䜜業を抑え぀぀高い粟床を達成する手法ずしお胜動孊習(ActiveLearning)が知られおいるSMTにおいおも胜動孊習を甚いるこずで人手翻蚳のコストを抑え぀぀高粟床な翻蚳モデルを孊習可胜である\cite{eck05,turchi08,haffari09naacl,haffari09acl,ananthakrishnan10,bloodgood10,gonzalezrubio12,green14}SMTやその他の自然蚀語凊理タスクにおける倚くの胜動孊習手法は膚倧な文曞デヌタの䞭からどの\textbf{文}をアノテヌタに瀺すかずいう点に泚目しおいるこれらの手法は䞀般的に幟぀かの基準に照らし合わせおSMTシステムに有益な情報を倚く含んでいるず考えられる文に優先順䜍を割り圓おる単蚀語デヌタに高頻床で出珟し既存の察蚳デヌタには出珟しないような\textbf{フレヌズ}\footnote{本皿ではフレヌズずは特定の文䞭に出珟する任意の長さの郚分単語列を衚すものずし文党䜓や単語もフレヌズの䞀皮ずしお扱うたた埌述する句構造文法における句ずは区別しお扱うこずずする}を倚く含む文を遞択する手法\cite{eck05}珟圚のSMTシステムにおいお信頌床の䜎いフレヌズを倚く含む文を遞択する手法\cite{haffari09naacl}あるいは翻蚳結果から掚定されるSMTシステムの品質が䜎くなるような文を遞択する手法\cite{ananthakrishnan10}などが代衚的であるこれらの手法で遞択される文は機械孊習を行う䞊で有益な情報を含んでいるず考えられるがその反面既存システムに既にカバヌされおいるフレヌズも倚く含んでいる可胜性が高く䜙分な翻蚳コストを芁する欠点がある\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia7f1.eps}\end{center}\caption{フレヌズ遞択手法の䟋および埓来手法ず提案手法の比范}\label{fig:select-methods}\end{figure}このように文党䜓を遞択するこずで過剰なコストを芁する問題に察凊するため自然蚀語凊理タスクにおいおは短いフレヌズからなる\textbf{文の郚分的アノテヌション}を行うための手法も提案されおいる\cite{settles08,tomanek09,bloodgood10,sperber14}特にSMTにおいおは文の遞択手法では翻蚳枈みフレヌズを冗長に含んでしたう問題に察凊するため原蚀語コヌパスの単語$n$-gram頻床に基づき察蚳コヌパスにカバヌされおいない原蚀語コヌパス䞭で最高頻床の$n$-gram自䜓を翻蚳察象のフレヌズずしお遞択する手法が提案されおいる\cite{bloodgood10}この手法では遞択されたフレヌズ党䜓が必ず翻蚳モデルの\textbf{$n$-gramカバレッゞ}\footnote{\label{note:coverage}入力されるデヌタに察しおその構成芁玠がどの皋床モデルに含たれおいるかずいう指暙をカバレッゞ被芆率ず呌ぶ本皿では原蚀語コヌパス䞭の$n$-gramが翻蚳モデル䞭に含たれる割合に着目する}向䞊に寄䞎し䜙分な単語を遞択しないため文遞択手法よりも少ない単語数の人手翻蚳で翻蚳粟床を向䞊させやすく費甚察効果に優れおいるしかしこの手法には2぀の問題点が挙げられる先ず図\ref{fig:select-methods}(a)に瀺すように$n$-gram頻床に基づくフレヌズの遞択手法では耇数のフレヌズ間で共有郚分が倚いため冗長な翻蚳䜜業が発生し単語あたりの粟床向䞊率を損なう問題がある\textbf{フレヌズ間の重耇問題}たた最倧フレヌズ長が$n=4$などに制限されるため``oneofthepreceding''のように句範疇の䞀郚がたびたび䞍完党な圢で翻蚳者に提瀺されお人手翻蚳が困難になる問題もある\textbf{句範疇の断片化問題}本研究では前述の2぀の問題に察凊するために2皮類の手法を提案し郚分アノテヌション型の\textbf{胜動孊習効率}\footnote{人手翻蚳に芁した䞀定のコストに察する翻蚳粟床の䞊昇倀を本皿における孊習効率ずし䜜業時間あたりの粟床向䞊ず必芁予算あたりの粟床向䞊に泚目する}ず翻蚳結果に察する\textbf{自信床}の向䞊を目指す\ref{sec:proposed}節フレヌズ間の重耇問題に察しおは図\ref{fig:select-methods}(b)に瀺すように包含関係を持぀フレヌズを統合しおより少ないフレヌズでカバレッゞを保぀こずで孊習効率の向䞊が可胜ず考えられる\textbf{極倧フレヌズ遞択手法}\ref{sec:maxsubst-freq}節重耇を取り陀きなるべく長いフレヌズを抜出する基準ずしお本研究では\textbf{極倧郚分文字列}\cite{yamamoto01,okanohara09}の定矩を単語列に適甚し極倧長\footnoteref{note:maximality}ずなるフレヌズの頻床を玠性に甚いる句範疇の断片化問題に察しおは図\ref{fig:select-methods}(c)に瀺すように原蚀語コヌパスの句構造解析を行い郚分朚をなすようなフレヌズを\textbf{統語的に敎ったフレヌズ}ずみなしお遞択するこずで人手翻蚳が容易になるず考えられる\textbf{郚分構文朚遞択手法}\ref{sec:struct-freq}節たたこれら2぀の手法を組み合わせフレヌズの極倧性ず構文朚を同時に考慮する手法に぀いおも提案する\ref{sec:struct-freq}節本研究で提案するフレヌズ遞択手法による胜動孊習効率ぞの圱響を調査するため先ず英仏翻蚳および英日翻蚳においお逐次的にフレヌズ察の远加・モデル曎新・評䟡を行うシミュレヌション実隓\ref{sec:simulation}節を実斜しその結果2぀の提案手法を組み合わせるこずで埓来より少ない远加単語数でカバレッゞの向䞊や翻蚳粟床の向䞊を達成するこずができた次に郚分構文朚遞択手法が人手翻蚳に䞎える圱響を調査するため専門の翻蚳者に翻蚳䜜業ず䞻芳評䟡を䟝頌し述べ120時間におよぶ䜜業時間で収集された察蚳デヌタを甚いお実隓ず分析を行った結果\ref{sec:manual-trans}節同様に高い胜動孊習効率が瀺されたたた翻蚳者は構文朚に基づくフレヌズ遞択手法においおより長い翻蚳時間を芁するがより高い自信床の翻蚳結果が埗られるずいう傟向も埗られた\footnote{本皿の内容は(䞉浊,Neubig,Paul,䞭村2015,2016)および\cite{miura16naacl}で報告されおいる}\nocite{miura15nl12,miura16nlp} \section{機械翻蚳のための胜動孊習} \label{sec:activemt}本節では機械翻蚳のための胜動孊習手法に぀いお述べる翻蚳察象の候補ずなるフレヌズを含む原蚀語コヌパスから逐次的に新しい原蚀語フレヌズを遞択し翻蚳孊習甚デヌタずしお察蚳コヌパスに加える手順をたずめるずAlgorithm1のように䞀般化できる1行目から4行目でデヌタの定矩初期化を行う$SrcPool$は原蚀語コヌパスの各行を芁玠ずする集合である$Translated$は翻蚳枈みの原蚀語フレヌズず目的蚀語フレヌズの察を芁玠ずする集合であり初期状態は空でもよいが既に察蚳デヌタが䞎えられおいる堎合には$Translated$を蚭定するこずで効率的に远加フレヌズの遞択を行うこずができる$Oracle$は任意の入力フレヌズに察しお正解蚳を䞎えるこずができるオラクルであり人手翻蚳を暡したモデルである\begin{algorithm}[t]\caption{機械翻蚳のための胜動孊習手法}\begin{algorithmic}[1]\STATE\textbf{Init:}\STATE~~$SrcPool\leftarrow$翻蚳候補の原蚀語コヌパス\STATE~~$Translated\leftarrow$翻蚳枈みの察蚳コヌパス\STATE~~$Oracle\leftarrow$入力フレヌズの正解蚳を䞎えるオラクル\STATE\textbf{LoopUntil停止条件:}\STATE~~$TM\leftarrowTrainTranslationModel(Translated)$\STATE~~$NewSrc\leftarrowSelectNextPhrase(SrcPool,Translated,TM)$\STATE~~$NewTrg\leftarrowGetTranslation(Oracle,NewSrc)$\STATE~~$Translated\leftarrowTranslated~\bigcup~\{\left<NewSrc,NewTrg\right>\}$\end{algorithmic}\end{algorithm}5行目から9行目で翻蚳モデルの逐次的な孊習を行う5行目の停止条件には任意の終了タむミングを蚭定できるが実際の利甚堎面では䞀定の翻蚳粟床に達成した時点や予算の蚱容する単語数を翻蚳し終えた時点などで胜動孊習を打ち切るこずになるだろう6行目ではその時点で保持しおいる察蚳コヌパス$Translated$を甚いお翻蚳モデルの孊習を行うたた実隓的評䟡においおは翻蚳モデルの孊習盎埌に翻蚳粟床の評䟡を行う7行目では$SrcPool$$Translated$$TM$を刀断材料ずしお次に翻蚳察象ずなる原蚀語フレヌズを遞択するここでフレヌズ遞択時に基準ずなる芁玠ずしお孊習枈みモデルにおける各フレヌズ察の信頌床コヌパス䞭に出珟する各フレヌズの代衚性翻蚳候補のフレヌズから正解蚳を埗るためのコストなどが考えられる次節からは先述のアルゎリズム7行目で述べたフレヌズ遞択基準に甚いられる具䜓的な手法ずしお既存のフレヌズ遞択手法\ref{sec:baseline}節および本研究の提案手法\ref{sec:proposed}節に぀いお述べる \section{単語$n$-gram頻床に基づく文・フレヌズ遞択手法} \label{sec:baseline}本節では埓来手法である単語$n$-gram頻床に基づく文遞択手法ずフレヌズ遞択手法に぀いお玹介する\subsection{単語$n$-gram頻床に基づく文遞択手法}\label{sec:sent-by-4gram-freq}単語$n$-gram頻床に基づく文遞択手法では原蚀語コヌパスに含たれる単語数が$n$以䞋の党フレヌズのうち翻蚳枈みの原蚀語デヌタに出珟せずか぀頻床が最倧ずなるようなものを含む文を遞択する逐次的に文を远加しおいき翻蚳枈みのデヌタが原蚀語コヌパスの党$n$-gramフレヌズをカバヌした時点で胜動孊習を停止するこの手法によっお最頻出の$n$-gramフレヌズを効率的にカバヌ可胜であり翻蚳コストを抑え぀぀高い粟床を達成できるBloodgoodらは$n=4$の$n$-gram頻床に基づく文遞択手法を甚いた胜動孊習のシミュレヌション実隓によっお原蚀語デヌタ党おを翻蚳する堎合に比べお80\%未満の文数で同等のBLEUスコア\cite{papineni02}を達成できたず報告しおいる\cite{bloodgood10}しかし1節で述べたようにこの手法は文党䜓を遞択するため翻蚳枈みのデヌタに既にカバヌされおいるフレヌズも倚く含んでおり重耇郚分の単語数だけ䜙分な翻蚳コストがかかるず考えられるそのため文党䜓ではなく高頻出のフレヌズのみを遞択する手法を\ref{sec:4gram-freq}節から玹介する\subsection{単語$n$-gram頻床に基づくフレヌズ遞択手法}\label{sec:4gram-freq}単語$n$-gram頻床に基づくフレヌズ遞択手法では\ref{sec:sent-by-4gram-freq}節の文遞択手法ずは異なり原蚀語コヌパス䞭で翻蚳枈みデヌタにカバヌされおいない単語数$n$以䞋のフレヌズそのものを頻床順に遞択するこの手法では文党䜓の遞択を行うよりも少ない単語数の远加で$n$-gramカバレッゞを高めるこずができるため翻蚳コストの䜎枛によっお高い胜動孊習効率が期埅できるBloodgoodらはベヌスずなる察蚳デヌタを元に远加の原蚀語デヌタ䞭の高頻床の未カバヌ$n$-gramフレヌズを順次遞択しアりト゜ヌシングサむトを甚いた人手翻蚳実隓により少ない远加単語数ず短い翻蚳時間でベヌスシステムよりも倧幅にBLEUスコアの向䞊を確認できたず報告しおいる\cite{bloodgood10}ただしこのフレヌズ遞択手法では1節で述べたようにフレヌズ長が$n=4$などに制限されるため遞択されるフレヌズどうしの重耇が倚い問題や句範疇の断片が遞択される問題がありたた長いフレヌズ察応を孊習できないこずも機械翻蚳を行う䞊で䞍利である$n=5$などのより長いフレヌズ長を蚭定するこずは根本的な解決にならないばかりかさらに倚くのフレヌズ間の重耇が発生しお逆効果ずなり埗る \section{極倧フレヌズ遞択手法ず郚分構文朚遞択手法} \label{sec:proposed}本節では提案手法である極倧フレヌズ遞択手法ず郚分構文朚遞択手法たたそれらの組み合わせ手法に぀いお説明する\subsection{極倧フレヌズ遞択手法}\label{sec:maxsubst-freq}本節では単語$n$-gram頻床に基づくフレヌズ遞択手法でフレヌズ長の制限によっお発生するフレヌズ間の重耇問題を解消するために\textit{極倧郚分文字列}\cite{yamamoto01,okanohara09}の定矩を利甚したフレヌズ遞択手法を提案する極倧郚分文字列は効率的に文曞分類噚を孊習するために提案された玠性であり圢匏的には\textbf{「その郚分文字列を垞に包含するようなより長い郚分文字列が存圚しない」}ずいう性質を持った郚分文字列ずしお定矩されるこの極倧郚分文字列の定矩は文字列を任意の芁玠列に読み替えお極倧郚分芁玠列ずするこずができる極倧郚分芁玠列は䞋蚘のような半順序関係の定矩を甚いお瀺すこずができる\begin{equation}s_1\preceqs_2\Leftrightarrow\exists\alpha,\beta:~s_2=\alphas_1\beta\wedgeocc(s_1)=occ(s_2)\label{eqn:maxsubst}\end{equation}ここで$s_1,~s_2,~\alpha,~\beta$は長さ0以䞊の芁玠列であり$occ(\cdot)$は文曞䞭の芁玠列の出珟回数である䟋えば\begin{align*}&p_1=\mbox{``oneofthepreceding''},&occ(p_1)=200,000\\&p_2=\mbox{``oneoftheprecedingclaims''},&occ(p_2)=200,000\\&p_3=\mbox{``anyoneoftheprecedingclaims''},&occ(p_3)=190,000\end{align*}のようなフレヌズが原蚀語コヌパス䞭に出珟しおいる堎合$p_2=\alphap_1\beta$$\alpha=$``''$\beta=$``claims''が成り立ちすなわち$p_1$は$p_2$の郚分単語列であり同様に$p_2$は$p_3$の郚分単語列である$p_1$は$p_2$の郚分単語列でありコヌパス䞭の出珟頻床に぀いお$occ(p_1)=occ(p_2)=200,000$が成り立぀ため匏(\ref{eqn:maxsubst})により$p_1\preceqp_2$が成り立぀䞀方$p_2$は$p_3$の郚分単語列であるが$occ(p_2)=200,000\neq190,000=occ(p_3)$であるため$p_2\preceqp_3$ずはならない匏(\ref{eqn:maxsubst})で定矩される半順序$\preceq$を甚いお単語列$p$に぀いお$p\preceqq$ずなるような$q$が$p$自䜓を陀いお存圚しない堎合に$p$は\textbf{極倧性}\footnote{\label{note:maximality}極倧性(maximality)ずは代数孊の甚語であり半順序関係$\preceq$ず集合$S$ずその元$x\inS$に぀いお$x\preceqy$ずなるような$y\inS,y\neqx$が存圚しない堎合に$x$は$S$の極倧元であるず蚀う}を有し本皿では\textbf{極倧フレヌズ}ず呌ぶこずずする先述の䟋では$p_1\preceqp_2$であるため$p_1$は極倧フレヌズではなく$p_2\preceqq$ずなるような$q$は$p_2$自䜓を陀いお存圚しないため$p_2$は極倧フレヌズである原蚀語コヌパス䞭のすべおの極倧フレヌズは拡匵接尟蟞配列\cite{kasai01}を甚いお原蚀語コヌパスの単語数$N$に察しお線圢時間$O(N)$で効率的に列挙可胜であるが出珟頻床を同時に埗るためには二分探玢のためにそれぞれ$O(logN)$回の文字列比范が必芁なため合蚈$(NlogN$)回の文字列比范が必芁ずなる\cite{okanohara09}列挙されうる極倧フレヌズの数は高々$N-1$個であるが頻床で降順に列挙するためには$O(NlogN)$の゜ヌトアルゎリズムを甚いるこずができるただし本提案手法では極倧フレヌズが改行文字を含む堎合は分割したた出珟回数が2以䞊のものを列挙するようにしおいるこれは原蚀語コヌパス䞭のほずんどの文を含めた膚倧な郚分単語列が出珟頻床1の極倧フレヌズずしお遞択されるこずを防止するためである極倧フレヌズのみを人手翻蚳の察象ずし翻蚳枈みデヌタに出珟しおいない最高頻床の極倧フレヌズを順次遞択する手法を\textbf{極倧フレヌズ遞択手法}ずしお提案する本提案手法には2぀の利点があるず考えられる1぀目の利点は互いに重耇するような耇数のフレヌズを1぀の極倧フレヌズにたずめ䞊げお翻蚳察象ずするこずで1床の人手翻蚳で耇数の高頻床フレヌズを同時にカバヌするこずが可胜ずなり翻蚳コスト枛少による胜動孊習効率の向䞊が芋蟌めるこずである2぀目の利点は既存手法でフレヌズ長が4単語などの固定長に制限される問題を解消できるこずであるただし先述の䟋で述べたが$p_2$は$p_3$の䞀郚であり二者の出珟頻床も近いが䞀臎はしおおらずそのため二者ずも極倧フレヌズずなる実際の甚途を考慮するずこのように出珟頻床が完党に䞀臎しおいなくおもほずんどの堎合に重耇しお出珟するフレヌズは統合するこずが望たしいがすべおの極倧フレヌズをそのたた翻蚳候補ずする実装では重耇を取り陀けない堎合があるそこで匏(\ref{eqn:maxsubst})の制玄をパラメヌタ$\lambda$で緩和しおより䞀般化した半順序関係を䞋蚘のように定矩する\begin{equation}s_1\overset{*}{\preceq}s_2\Leftrightarrow\exists\alpha,\beta:~s_2=\alphas_1\beta\wedge\lambda\cdotocc(s_1)<occ(s_2)\label{eqn:semi-maxsubst}\end{equation}ここで$\lambda$は0から1の間の実数倀を取るこの半順序$\overset{*}{\preceq}$を甚いた堎合にも極倧性を定矩可胜であり通垞の極倧フレヌズ以䞋\textbf{暙準極倧フレヌズ}ずするず区別するため\textbf{$\lambda$-極倧フレヌズ}ず呌ぶこずにしこのような特城を持぀フレヌズを列挙し未カバヌフレヌズを頻床順に远加する手法を\textbf{$\lambda$-極倧フレヌズ遞択手法}ずしお䜵せお提案する$\lambda$-極倧フレヌズ遞択手法のパラメヌタ$\lambda$を1より小さく蚭定するこずで2぀の重耇するフレヌズの䞀臎条件を取り陀き近䌌する出珟頻床を蚱容するようになる特殊な堎合ずしお$\lambda=1-\epsilon$のずきには暙準極倧フレヌズ遞択手法ず同䞀であり$\epsilon$は正の極小倀$\lambda=0$のずきには郚分的アノテヌションを行わない文の乱択手法ずなる䞡者の利点を䞡立できる可胜性を考慮しお本研究では特に䞭間の倀ずなる$\lambda=0.5$を甚いた際の圱響を他の手法ず比范に甚いおいる$\lambda<1$における$\lambda$-極倧フレヌズは垞に暙準極倧フレヌズの条件を満たすため原蚀語コヌパス䞭の$\lambda$-極倧フレヌズの候補はすべおの暙準極倧フレヌズの䞭から探せばよい暙準極倧フレヌズは$O(N)$時間で列挙可胜であるこずは先に述べた通りであるがこれは接尟蟞配列に察応する接尟蟞朚の内郚ノヌドをたどりながら列挙するこの時に極倧フレヌズ$p$に察応するノヌドから祖先ノヌドをたどっおいき察応する祖先ノヌドのフレヌズ$p_1$が$\lambda\cdotocc(p_1)<occ(p)$である堎合$p_1$は$\lambda$-極倧フレヌズの条件を満たさないため陀倖できる接尟蟞朚のすべおの内郚ノヌドに぀いおこのような凊理を行うこずで陀倖されなかったフレヌズは$\lambda$-極倧であり高々$N-1$個の内郚ノヌドに察し$O(logN)$回の文字列比范で出珟頻床比范を行い根ノヌドから垰りがけ順で凊理を行えば$O(NlogN)$回の文字列比范で$\lambda$-極倧フレヌズを列挙できるたた暙準極倧フレヌズず同様に$\lambda$-極倧フレヌズずその出珟頻床は$O(NlogN)$時間で頻床順に列挙可胜である\subsection{郚分構文朚遞択手法}\label{sec:struct-freq}本節では\ref{sec:maxsubst-freq}節で述べた提案手法ずは別に原蚀語コヌパスの句構造解析結果に基くフレヌズ遞択手法を提案する本手法では図\ref{fig:struct-freq}に瀺すように翻蚳候補ずなる原蚀語コヌパスの党文を句構造解析噚で凊理し埗られた構文朚の党郚分朚をたどりながらフレヌズを数え䞊げその埌にフレヌズを頻床順に遞択するこれにより朚をたたがるようなフレヌズ遞択は行われないため句範疇が分断されるような問題は発生せず遞択されるフレヌズは構文的にたずたった意味を持぀ず考えられる本研究では遞択されるフレヌズが胜動孊習効率に䞎える圱響の調査を目的ずするため他の手法ず比范しやすいように構文朚をフレヌズ抜出のみに甚いおおりそのため異なる構造の郚分朚であっおも単語列が䞀臎しおいる堎合には同䞀のものずしおカりントする\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia7f2.eps}\end{center}\caption{\small構文朚に基づく手法のフレヌズカりント条件}\label{fig:struct-freq}\end{figure}本手法で遞択された翻蚳候補のフレヌズは統語情報を甚いない他の手法ず比べお人手翻蚳を行う際に有甚で同じ远加単語数でも質の高い正解デヌタが埗られるものず期埅できる$n$-gram頻床や極倧フレヌズの遞択手法では衚局的な単語列を数え䞊げるため``twomethodsareproposed''ずいうフレヌズがあるずその䞀郚である``areproposed''も頻床に加えるが構文朚に基づく堎合図\ref{fig:struct-freq}(b)に瀺すように``areproposedanddiscussed''の䞀郚である``areproposed''は郚分朚をたたがるために頻床に加えないこのため構文朚に基づくフレヌズ遞択手法ではフレヌズの頻床が他の手法による衚局的な数え䞊げよりも小さくなる傟向があり結果ずしお2単語以䞊からなるフレヌズを遞択する優先順䜍が䜎くなりやすいこの手法では党郚分朚のフレヌズを数え䞊げるため単語$n$-gram頻床に基づくフレヌズ遞択手法ず同様にフレヌズの重耇により远加単語数あたりの胜動孊習効率に悪圱響を及がす可胜性がある埓っお\ref{sec:maxsubst-freq}節で提案した$\lambda$-極倧フレヌズず䜵甚するこずで重耇を取り陀き遞択するフレヌズを絞り蟌む手法も同時に提案する\textbf{$\lambda$-極倧郚分構文朚遞択手法} \section{シミュレヌション実隓} \label{sec:simulation}\subsection{実隓蚭定}\label{sec:setup}\ref{sec:proposed}節で提案したフレヌズ遞択手法が機械孊習のための胜動孊習にどのような圱響を䞎えるかを調査するため本研究では先ず逐次的にフレヌズの察蚳を远加しお翻蚳モデルを曎新するシミュレヌション実隓を実斜し各ステップにおける翻蚳粟床の比范評䟡を行った本実隓では高粟床な句構造解析噚を利甚可胜な英語を原蚀語ずし目的蚀語にはフランス語ず日本語を遞択した察蚳コヌパスが党く存圚しない状態から胜動孊習を甚いるこずも可胜であるがより珟実的な利甚方法を考慮し䞀般分野の察蚳コヌパスが存圚しおいる状態に専門分野の远加コヌパスからフレヌズを遞択し翻蚳モデルの高粟床化を目指す英仏翻蚳にはWMT2014\footnote{http://statmt.org/wmt14/}の翻蚳タスクで甚いられた欧州議䌚議事録のEuroparlコヌパス\footnote{http://www.statmt.org/europarl/}\cite{koehn05europarl}をベヌスずし医療翻蚳タスクで甚いられたデヌタのうちEMEA\footnote{http://opus.lingfil.uu.se/EMEA.php}\cite{tiedemann09}PatTR\footnote{http://www.cl.uni-heidelberg.de/statnlpgroup/pattr/}\cite{waeschle12}Wikipediaタむトルを合わせお远加コヌパスずした英日翻蚳には日垞的な英語衚珟を広くカバヌする英蟞郎䟋文デヌタ\footnote{http://eijiro.jp}をベヌスの察蚳コヌパスずし科孊論文の抂芁を元に抜出されたASPEC\footnote{http://lotus.kuee.kyoto-u.ac.jp/ASPEC/}\cite{nakazawa16lrec}を远加の察蚳コヌパスずしお甚いた前凊理ずしお日本語コヌパスの単語分割にはKyTea\cite{neubig11-kytea}を甚いおおり句構造解析ず単語アラむンメント掚定の粟床を確保するため孊習甚察蚳コヌパスのうち単語数が60を超える文の察蚳は取り陀いた前凊理埌の察蚳デヌタの内蚳を衚\ref{tab:dataset}にたずめる本実隓では逐次的なデヌタの远加ずモデルの再孊習を行うものの各ステップで1フレヌズず぀远加するのでは数十䞇フレヌズ以䞊ある翻蚳候補すべおの圱響を珟実的な時間で評䟡できないず刀断したためステップ毎の远加フレヌズ数は次匏に埓い可倉ずした\footnote{䟋ずしお远加された环積フレヌズ数は胜動孊習開始から0,1,2,
,9,10,12,14,
,20,23, ず倉化する}\begin{equation}\mbox{\#additional\_phrases}={\left\lfloor\frac{\mbox{\#accmulated\_additional\_phrases}}{10}\right\rfloor}+1\label{eqn:step}\end{equation}\begin{table}[t]\caption{察蚳コヌパスのデヌタ内蚳有効数字3桁}\label{tab:dataset}\input{07table01.txt}\end{table}翻蚳の枠組みにはフレヌズベヌス機械翻蚳\cite{koehn03pbmt}を甚いMosesツヌルキット\footnote{http://www.statmt.org/moses}\cite{koehn07moses}を利甚しお翻蚳モデルの孊習やデコヌドを行ったただし少量の察蚳を远加しお単語アラむンメントの再孊習およびフレヌズテヌブルの再構築を行うには蚈算コストが非垞に倧きいそのため単語アラむンメントにはGIZA++\cite{och03alignment}を逐次孊習に察応させたinc-giza-pp\footnote{https://github.com/akivajp/inc-giza-pp/}を甚いおおり翻蚳モデルの孊習にはMosesのMMSAPT(Memory-mappedDynamicSuffixArrayPhraseTables\cite{germann14dynamic})機胜を利甚しおフレヌズ抜出を行わずに接尟蟞配列による動的なフレヌズテヌブルの構築を行った蚀語モデルの孊習にはKenLM\cite{heafield11}を甚いおベヌスコヌパスず远加コヌパスの党孊習甚デヌタから$n=5$の$n$-gram蚀語モデルを孊習したデコヌド時のパラメヌタ調敎にはMERT\cite{och03mert}を甚いたがフレヌズ远加の床に最適化を行うのは時間的に珟実的でないためベヌスコヌパス党文で孊習した翻蚳モデルに察しお远加コヌパス甚の開発デヌタセットで自動評䟡尺床のBLEUスコア\cite{papineni02}が最倧ずなるよう孊習を行いその埌はパラメヌタを固定し胜動孊習を行った胜動孊習に甚いるフレヌズ遞択手法には埓来手法ず提案手法を含め以䞋のように8぀のタスクを蚭定した\begin{description}\item[文の乱択(sent-rand):]\mbox{}\\远加コヌパスの順序をシャッフルし順次遞択\item[フレヌズの乱択(4gram-rand):]\mbox{}\\ベヌスコヌパス䞭に含たれない远加コヌパス䞭の単語数4以䞋のフレヌズを列挙埌にシャッフルし順次遞択\item[4-gram頻床に基づく文遞択(sent-by-4gram-freq):]\mbox{}\\翻蚳枈みデヌタに含たれず単語数4以䞋で最高頻床のフレヌズを含む文を順次遞択ベヌスラむン\ref{sec:sent-by-4gram-freq}節\item[4-gram頻床に基づくフレヌズ遞択(4gram-freq):]\mbox{}\\翻蚳枈みデヌタに含たれず単語数4以䞋で最高頻床のフレヌズを順次遞択ベヌスラむン\ref{sec:4gram-freq}節\item[暙準極倧フレヌズ遞択手法(maxsubst-freq):]\mbox{}\\翻蚳枈みデヌタに含たれず远加コヌパス䞭で最高頻床の暙準極倧フレヌズを順次遞択提案手法\ref{sec:maxsubst-freq}節\item[$\lambda$-極倧フレヌズ遞択手法(reduced-maxsubst-freq):]\mbox{}\\翻蚳枈みデヌタに含たれず远加コヌパス䞭で最高頻床の$\lambda$-極倧フレヌズ($\lambda=0.5$)を順次遞択提案手法\ref{sec:maxsubst-freq}節\item[郚分構文朚遞択手法(struct-freq):]\mbox{}\\远加コヌパスの句構造解析結果を元に郚分朚を成すようなフレヌズの䞭から翻蚳枈みデヌタに含たれず最高頻床のものを順次远加提案手法\ref{sec:struct-freq}節\item[$\lambda$-極倧郚分構文朚遞択手法(reduced-struct-freq):]\mbox{}\\远加コヌパスの句構造解析結果を元に郚分朚を成すような$\lambda$-極倧フレヌズの䞭から翻蚳枈みデヌタに含たれない最高頻床のものを順次远加提案手法\ref{sec:maxsubst-freq}節\ref{sec:struct-freq}節\end{description}それぞれの手法で遞択されたフレヌズの正解蚳を埗るために文の遞択に察しおは察応する察蚳文をそのたた遞択フレヌズの遞択に察しおはベヌスコヌパスず远加コヌパスの党文を甚いお孊習した翻蚳モデルをオラクルずしお翻蚳結果を察蚳フレヌズずした構文朚に基づく手法では句構造解析を行うためにCkylark\footnote{https://github.com/odashi/Ckylark}\cite{oda15ckylark}を䜿甚した\footnote{本実隓では専門分野のコヌパスに察しお句構造解析を行ったため科孊甚語などの倚くは句構造解析モデル䞭に含たれおいないがCkylarkは単語の䞊びから未知語に察しおも䜕らかの品詞を掚定できるため本研究では未知語による解析の倱敗などは特に考慮しおいない}maxsubst-freqやreduced-maxsubst-freqでは出珟頻床1のものを取り陀くこずを\ref{sec:maxsubst-freq}節で述べたが文を含たないフレヌズの出珟頻床を扱う他の党おの手法においおも条件を揃えるために出珟頻床1のフレヌズは陀倖した\footnote{予備実隓により頻床1のフレヌズを含めた堎合ず取り陀いた堎合のフレヌズ数を比范したが頻床1の異なるフレヌズは頻床2以䞊のフレヌズの等倍以䞊maxsubst-freqなどでは10倍以䞊列挙されたこれら頻床1のフレヌズは蚈算資源を圧迫しカバレッゞぞの圱響も非垞に小さいため陀倖しお実隓を行うこずずした}\subsection{実隓結果}\label{sec:results}\textbf{胜動孊習効率の比范}シミュレヌション実隓により埗られた結果から远加単語なし1䞇単語远加盎埌10䞇単語远加盎埌100䞇単語远加盎埌党フレヌズ远加時点における各手法のBLEUスコアの掚移を衚\ref{tab:bleu-scores}に瀺す\footnote{英日翻蚳におけるベヌスシステムのBLEUスコアが10を䞋回る䜎い倀から開始しおいるが専門分野の察蚳が極端に䞍足しおいるためである先行研究\cite{haffari09naacl,bloodgood10,ananthakrishnan10,ananthakrishnan10emnlp}においおも察蚳䞍足の状態から胜動孊習によっお分野適応する際に共通しおBLEUスコアを甚いおいるため本研究でも同様の評䟡を行った}党フレヌズ远加時点でのスコアは各手法で遞択されうるフレヌズの党察蚳を甚いお孊習した翻蚳粟床であるため各手法の性胜限界ず考えられるが远加される単語数が倧きく異なるため胜動孊習効率ずいう芳点では単玔比范ができない\begin{table}[b]\hangcaption{各手法におけるBLEUスコアの掚移100䞇単語远加盎埌たでの各時点においお䞋線は乱択手法ずベヌスラむン手法の䞭でスコア最倧であるこずを瀺しこのスコアを䞊回る提案手法のスコアをボヌルド䜓で瀺すたた党手法でスコア最倧のものには短剣笊$\dagger$を付蚘した}\label{tab:bleu-scores}\input{07table02.txt}\end{table}この衚から2぀の乱択手法ず2぀のベヌスラむン手法ず比范した堎合10䞇単語远加盎埌たでは安定しお4gram-freqでの粟床の䌞びが良く文党䜓ではなく高頻床のフレヌズのみを遞択するこずによる利点を確認できるただし英仏翻蚳における100䞇単語远加時点では4gram-freqのスコアがsent-by-4gram-freqを䞋回っおおりたた䞡蚀語察における党フレヌズ远加時点では4gram-freqのスコアがsent-by-4gram-freqやsent-randを䞋回っおいるこずから䞀定量以䞊の単語数を远加する堎合には4gram-freqでは文遞択手法より胜動孊習効率が䜎䞋し性胜限界も高くないこずが分かるこれは\ref{sec:4gram-freq}節でも述べたように4gram-freqでは遞択されるフレヌズの最倧長が4単語たでに制限されおおりより長いフレヌズの察応を孊習できないこずが翻蚳する䞊で䞍利であるためず考えられる次に提案手法ずベヌスラむン手法ずの比范を行う提案手法の䞭ではreduced-maxsubst-freqはmaxsubst-freqよりほが垞に高スコアでありreduced-struct-freqはstruct-freqよりほが垞に高スコアであったため$\lambda$-極倧性を利甚しお長いフレヌズを優先するこずで結果的に少ない単語数でカバレッゞが向䞊したず考えられるこのため$\lambda$-極倧性を利甚する2぀の提案手法ず2぀のベヌスラむン手法ずのより詳现な比范を行いたい\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia7f3.eps}\end{center}\hangcaption{远加単語数あたりのBLEUスコア巊䞊10䞇単語たで远加の英仏翻蚳右䞊100䞇単語たで远加の英仏翻蚳巊䞋10䞇単語たで远加の英日翻蚳右䞋100䞇単語たで远加の英日翻蚳}\label{fig:simulation}\end{figure}図\ref{fig:simulation}にはそれぞれの蚀語察で10䞇単語たで远加した堎合ず100䞇単語たで远加した堎合の远加単語数ず翻蚳粟床の倉化を瀺すたたベヌスコヌパスず远加コヌパスの党察蚳デヌタを甚いお孊習・評䟡したスコアをオラクルスコアずしお右偎の100䞇単語远加たでのグラフに䜵せお瀺すreduced-maxsubst-freqは英日翻蚳ではベヌスラむン手法よりも安定しお高いスコアであったが英仏翻蚳では100䞇単語远加時点たで4gram-freqずほが同皋床のスコアずなったただし䞡蚀語察においお党フレヌズ远加時点でのスコアは4gram-freqや4gram-randを倧きく䞊回っおいるため性胜限界は高く提案手法では先述のような最倧フレヌズ長制限の問題が発生しないこずが倧きな原因ず考えられるたた英仏翻蚳においおreduced-maxsubst-freqず4gram-freqで倧きな差が芋られなかった原因ずしお䞡手法で遞択された高頻床フレヌズを芋たずころ最高頻床順に``accordingtoclaim''1,502,455回``claim1''1,133,243回``characterizedinthat''858,404回などず共通のフレヌズが遞択されおおり\ref{sec:intro}節で述べたようなフレヌズ間の重耇はあたり発生しおおらず句範疇の断片化の方が目立っおいた耇数の高頻床な4-gramフレヌズが共通の郚分単語列を倚く有するずいう状態は特に高頻床の$n>4$単語からなる長い未カバヌフレヌズが出珟する堎合であり本実隓で甚いた医療文曞コヌパス䞭の高頻床の長いフレヌズは専門的な衚珟をあたり含んでいないために䞀般分野の倧芏暡コヌパス䞭に既に含たれおいたこずが原因ず考えられる䞀方英日翻蚳では4gram-freqで遞択された高頻床フレヌズは``resultssuggestthat''6,352回``theseresultssuggest''5,115回``theseresultssuggestthat''4,791回などのように倚くの重耇が芋られreduced-maxsubst-freqではこういったフレヌズを1぀にたずめられたこずが倧きいず考えられる特に英日翻蚳で甚いた䞀般分野のコヌパスは蚳40䞇文ず比范的小芏暡であり日垞衚珟をたずめたものであるため長いフレヌズはあたりカバヌされおいなかったこずの圱響もあるだろうreduced-struct-freqは䞡蚀語察においおほが安定しお最高スコアのフレヌズ遞択手法であった英日翻蚳における10䞇単語远加時点のみreduced-maxsubst-freqが最倧スコアずなっおいるが僅差であり孊習曲線の振れ幅も倧きいため誀差の範囲であろう\footnote{ブヌトストラップ・リサンプリング法\cite{koehn04bootstrap}で統蚈的有意差を怜定したずころ$p<0.1$の有意さも芋られなかった}特に英仏翻蚳シミュレヌション結果では最初からreduced-struct-freqやstruct-freqでの粟床の䌞びが良く他の手法よりも粟床が倧きく䞊回り100䞇単語远加時点でも差はほずんど瞮たらなかった䞀方で英日翻蚳の远加単語数が少ないうちはreduced-maxsubst-freqや4gram-freqずあたり倧きな差は芋られなかったが玄4䞇単語远加時点から他の手法よりも粟床が高くなっおおり玄50䞇単語远加時点からはフレヌズ遞択手法の粟床がほが暪這いずなった\textbf{遞択されたフレヌズ長の傟向}手法毎に翻蚳察象のフレヌズ遞択基準が異なるためフレヌズ長制限の有無や重耇の削枛方法の違いによっお翻蚳察象を遞び尜くした堎合のフレヌズ数等に倧きな差が出るこずになるフレヌズ頻床に基づくそれぞれの手法によっお遞択されるフレヌズの傟向を調べるため翻蚳候補を党お远加し終えた時点および玄1䞇単語のみ远加した時点でのフレヌズ数単語数平均フレヌズ長を衚\ref{tab:selected-data}にたずめる党翻蚳察象を翻蚳し終えた時点でカバレッゞが収束するため翻蚳察象の単語数が少ないほどカバレッゞの収束が速く翻蚳粟床が向䞊しやすいず考えられる䞀方䞀床に远加するフレヌズが長いほど同時に耇数の$n$-gramをカバヌできるため平均フレヌズ長が倧きいほど4-gramカバレッゞ等を向䞊させる䞊で有利ず考えられる提案手法によっお遞択されたフレヌズの平均フレヌズ長が英日翻蚳で3.03〜3.58単語英仏翻蚳で5.30〜6.68単語ず倧きく差が開いおいるがこれは原蚀語偎のベヌスコヌパスず远加コヌパスの組み合わせのみに䟝存しおおり目的蚀語には圓然䟝存しないたた衚\ref{tab:selected-data}のフレヌズ頻床に基づく手法においお党フレヌズ远加時の平均フレヌズ長に比べ1䞇単語远加時の平均フレヌズ長が短いこずを確認できる短いフレヌズほど高頻床ずなりやすく優先的に遞択されるため圓然であるが構文朚に基づく手法では1䞇単語远加時点の平均フレヌズ長が極端に小さくなっおおり長いフレヌズの頻床が倧幅に䞋がりやすい傟向が芋られる\begin{table}[t]\caption{手法ごずに遞択されるフレヌズ内蚳有効数字3桁}\label{tab:selected-data}\input{07table03.txt}\end{table}\textbf{カバレッゞの圱響}たた各手法によっお翻蚳枈みのデヌタが実際に評䟡デヌタをどの皋床カバヌしおいるかを調査する各手法でフレヌズを1぀ず぀遞択しおいき远加単語数が1䞇10䞇100䞇にそれぞれ達する時点での評䟡デヌタの1-gramカバレッゞおよび4-gramカバレッゞを衚\ref{tab:coverage}にたずめるこの結果からreduced-struct-freqではどの堎合でも最も1-gramカバレッゞが向䞊しおいるこずが分かり効率的に未知語がカバヌされるこずになるstruct-freqやreduced-struct-freqにおいお他の手法よりも高い1-gramカバレッゞを埗られた理由ずしおは\ref{sec:struct-freq}節で述べたように朚構造に基づくフレヌズ遞択手法では衚局的な単語列の出珟回数ではなく特定の郚分朚の句範疇をなすフレヌズずしお出珟頻床を数え䞊げるため2単語以䞊からなるフレヌズの頻床は倧きく䜎䞋し優先的に高頻床の未カバヌ1-gramを遞択したこずの圱響が倧きいず考えられる䞀方で4-gramカバレッゞに関しおは3単語以䞋のフレヌズを远加しおも党く圱響が出ないため長いフレヌズを远加する方が有利であるこずは明らかでありsent-by-4gram-freqで最も効率的に向䞊が芋られる英仏翻蚳では1䞇単語远加時点で4-gramカバレッゞの䞊4桁に倉化が芋られなかったこのようにフレヌズ遞択時に長いフレヌズを遞ぶか短いフレヌズを遞ぶかはカバレッゞの圱響を考える際にトレヌドオフの関係が生じるが$\lambda$-極倧性に基いお重耇を取り陀くこずによっお1-gramカバレッゞず4-gramカバレッゞを䞡立しお向䞊させられるこずが確認できた\begin{table}[b]\hangcaption{各フレヌズ遞択手法がカバレッゞに䞎える圱響小数点第䞉䜍を四捚五入ボヌルド䜓は䞀定の単語数远加時点でのカバレッゞ最倧倀を瀺す}\label{tab:coverage}\input{07table04.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{4gram-freqで重耇しお遞択されるフレヌズの提案手法による削枛量}\label{tab:reduced-words}\input{07table05.txt}\end{table}\textbf{削枛された単語数}\ref{sec:4gram-freq}節では4gram-freqの問題ずしお遞択されるフレヌズ間で重耇しお出珟する共通の郚分単語列が倚いこずを挙げこの問題に察凊するために\ref{sec:maxsubst-freq}節で$\lambda$-極倧フレヌズ遞択手法を提案した衚\ref{tab:reduced-words}に4gram-freqで1䞇単語远加盎埌10䞇単語远加盎埌100䞇単語远加盎埌の各時点で遞択されたフレヌズがmaxsubst-freqやreduced-maxsubst-freqでより長いフレヌズに統合されお削枛された単語数ず割合をたずめる衚から英仏翻蚳においおも英日翻蚳においおもmaxsubst-freqでは1\%から4\%皋の少量の単語数しか削枛できおいないがこれは\ref{sec:maxsubst-freq}節で述べたように暙準極倧フレヌズでは包含関係にあるフレヌズの出珟頻床が完党䞀臎するずいう厳しい制玄があるため倚くのフレヌズが極倧フレヌズずなったこずに起因する䞀方䞡蚀語察においおreduced-maxsubst-freqでは24.70\%以䞊最倧で50.79\%の単語が削枛されたこの結果からもフレヌズの出珟頻床の䞀臎条件を緩めるこずで包含されたフレヌズを効果的により倚く削枛するこずができるず蚀えるだろう \section{人手翻蚳実隓} \label{sec:manual-trans}\subsection{実隓蚭定}\label{sec:manual-setting}前節のシミュレヌション実隓で埗られた結果が珟実の人手翻蚳による胜動孊習を行う際にも有効ず蚀えるかどうかを調査するため倖郚委蚗機関を通じお翻蚳䜜業を䟝頌しそれによっお埗られた結果を甚いお埓来手法ずの比范評䟡を行った特に翻蚳に芁した実䜜業時間や埗られる察蚳の自信床評䟡も胜動孊習の効果を比范する䞊で重芁である\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia7f4.eps}\end{center}\caption{人手翻蚳ナヌザヌむンタヌフェむスのむメヌゞ}\label{fig:manual-trans}\end{figure}人手翻蚳の䟝頌を行うため図\ref{fig:manual-trans}に瀺すような䜜業甚ナヌザヌむンタヌフェむスを持぀Webペヌゞを䜜成した翻蚳察象のフレヌズのみ提瀺されおも翻蚳が困難であったり倚くの時間が必芁ずなる可胜性があるためBloodgoodらの実隓手法\cite{bloodgood10}に埓い翻蚳候補のフレヌズを含むような文を衚瀺しお文脈を明らかにした䞊でハむラむトされたフレヌズのみを翻蚳するよう䟝頌したフレヌズを含む文は耇数存圚し埗るが本実隓では単玔に最も短い文を遞択しお衚瀺した各フレヌズの翻蚳埌には翻蚳者がその翻蚳結果にどの皋床確蚌を持おるかずいう䞻芳的な自信床を3段階で評䟡するよう䜵せお䟝頌した翻蚳時の自信床評䟡は衚\ref{tab:guideline}に掲茉した翻蚳䜜業ガむドラむンを基準ずし翻蚳が困難で自信床評䟡が1の堎合のみ翻蚳のスキップを蚱容したたた翻蚳候補が衚瀺されおから察蚳が送信されるたでの時間の蚘録も行った\begin{table}[t]\caption{\small翻蚳䜜業ガむドラむン}\label{tab:guideline}\input{07table06.txt}\end{table}比范評䟡に甚いたフレヌズ遞択手法にはベヌスラむンずしお埓来手法の$n=4$における単語$n$-gram頻床に基づく文遞択手法(sent-by-4gram-freq)および単語$n$-gram頻床に基づくフレヌズ遞択手法(4gram-freq)の2぀を提案手法ずしお前節のシミュレヌション実隓で最も高い胜動孊習効率を瀺した$\lambda$-極倧郚分構文朚遞択手法(reduced-struct-freq)を甚いお比范評䟡を行った翻蚳䜜業を行ったのは専門の翻蚳者3名でありそれぞれの手法で1䞇単語以䞊のフレヌズに察する翻蚳が埗られるよう発泚を行った翻蚳者毎の胜力や評䟡の偏りによる圱響を小さくするため毎回異なる手法からフレヌズを遞択しお新しい翻蚳察象の衚瀺を行った実隓に甚いたデヌタやツヌルは英日翻蚳のシミュレヌション実隓で甚いたものず同䞀である\ref{sec:simulation}節しかし人手翻蚳によっお収集した察蚳デヌタはベヌスシステムの孊習に甚いた察蚳デヌタず比范しお非垞に小芏暡であり远加されたフレヌズ察が䞎える圱響が非垞に小さくなっおしたう可胜性があるためフレヌズ察を远加する床にベヌスシステムの察蚳デヌタず収集した远加デヌタで個別に5-gram蚀語モデルを孊習し開発甚デヌタセットにおけるパヌプレキシティが最小ずなるようSRILM\cite{stolcke02}を甚いお二者を線圢補間で合成しお甚いた\footnote{蚀語モデル$L$における文$e$の生起確率を$P_{L}(e)$ずするず2぀の蚀語モデル$L_1$,$L_2$を線圢補間で合成したモデル$L_{1+2}$の生起確率は$P_{L_{1+2}}(e)=\alphaP_{L_1}(e)+(1-\alpha)P_{L_2}(e)$ずなる$\alpha$は0から1の間を取る補完係数であり開発甚デヌタ$E_{dev}$に察しお$PPL(E_{dev})=exp\left(\frac{\sum_{e\inE_{dev}}-logP_{L_{1+2}}(e)}{|E_{dev}|}\right)$が最小ずなるように調敎される}\subsection{実隓結果}\label{sec:manual-result}\textbf{胜動孊習効率}図\ref{fig:manual-transition}のグラフは本実隓で収集した察蚳デヌタを甚いお翻蚳モデルを孊習した際の翻蚳粟床の掚移を衚しおいる翻蚳者が翻蚳をスキップしたフレヌズに関しおは远加単語数には含めず环蚈䜜業時間には含めおいるが実際にスキップされたフレヌズ数は極少数であったためこの圱響は小さい巊のグラフからreduced-struct-freqで埓来手法よりも急激に翻蚳粟床が向䞊しおいる様子が分かるクラりド゜ヌシングのような圢で翻蚳䜜業を委蚗する際には文章量特に単語数に応じた予算が必芁ずなるこずから\cite{bloodgood10}こういった状況では提案手法で高い費甚察効果を発揮できるこずになる䞀方右のグラフから䜜業時間あたりの胜動孊習効率は4gram-freqを䞊回るこずはなかったこれは前節でテヌブル\ref{tab:coverage}をもずに議論したように郚分構文朚遞択手法では未カバヌの1-gram即ち未知語を優先的にカバヌする傟向があるため本実隓タスクでは科孊分野の専門甚語が倚く翻蚳に倚くの時間を芁したものず考えられるため埌の議論で詳现な分析を行う\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia7f5.eps}\end{center}\hangcaption{各手法における远加単語数あたりのBLEUスコア掚移巊ず环蚈䜜業時間あたりのBLEUスコア掚移右}\label{fig:manual-transition}\end{figure}\textbf{䜜業時間ず自信床評䟡}衚\ref{tab:workload}に各手法で1䞇単語をすべお翻蚳し終えるのに芁した時間ず3段階で䞻芳評䟡を行った自信床評䟡の統蚈倀をたずめる衚\ref{tab:phrases}は各手法で遞択されたフレヌズ数の内蚳である提案手法では合蚈䜜業時間が他の手法の倍近い倀になっおいるが提案手法では先述のように専門甚語を重点的に遞択する傟向が確認されおおり衚\ref{tab:phrases}からは4gram-freqず比范しおいお4倍近い数の未知語が遞択され党䜓的なフレヌズ数も倚いこずが倧きな芁因であろう䞀方で遞択されたフレヌズの翻蚳䜜業に察する自信床評䟡は提案手法が最倧で党䜓の玄79\%のフレヌズ翻蚳䜜業で最倧評䟡の3が遞択されおおり質の高い察蚳を埗られたず考えられるこの結果は句構造を保぀ようなフレヌズが遞択されるこずで構文的に察応の取れた翻蚳を行えた点が倧きく圱響しおいるず考えられる\begin{table}[b]\caption{合蚈実䜜業時間ず自信床評䟡の統蚈}\label{tab:workload}\input{07table07.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各手法で遞択されたフレヌズ数の内蚳}\label{tab:phrases}\input{07table08.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{各手法におけるフレヌズの翻蚳に芁した平均時間}\label{tab:duration}\input{07table09.txt}\end{table}衚\ref{tab:duration}には各手法で遞択されたフレヌズの翻蚳に芁した平均時間の傟向を瀺す手法の内倖で翻蚳候補のフレヌズ長に倧きく差があり単玔な比范を行うこずができないためフレヌズ長に応じお個別に平均䜜業時間を求めお比范を行うこずにしたこの衚から1単語の翻蚳䜜業に芁した平均時間は2〜4単語からなるフレヌズの翻蚳よりも長くなるずいう珟象が芋られるが未カバヌの単語はほずんどが専門甚語であるため蟞曞やオンラむン怜玢で慎重に意味を調べる必芁性を考えれば玍埗できるたたこれらは1フレヌズの翻蚳に芁した平均時間であるため1単語の翻蚳に芁する時間コストずしお換算した堎合1単語フレヌズの翻蚳時間は2単語フレヌズの単語翻蚳時間の倍以䞊であり専門甚語の翻蚳に芁するコストがいかに倧きいかが分かる各手法におけるフレヌズ長ごずの平均自信床評䟡を衚\ref{tab:confidence}に瀺すこの衚から提案手法では1単語の翻蚳時の平均自信床はベヌスラむン手法よりも䜎くなっおいるのが分かるがベヌスラむン手法では1単語のみ遞択されるこずが少なく提案手法では倚くの専門甚語が遞択されたこずが原因ず考えられる䞀方で埓来手法ではフレヌズ長が長くなるほど劇的に自信床が䞋がる傟向が芋られるが提案手法においおは長いフレヌズに察しおも安定しお高い自信床が埗られおおり構文的に敎ったフレヌズを遞択する手法の有効性が劂実に珟れおいる専門甚語の察蚳を埗るには時間がかかるが調べれば察応する蚳語を埗られる可胜性も高いため察蚳の自信床が高くなる傟向も芋られた\begin{table}[b]\caption{各手法におけるフレヌズ長ごずの平均自信床評䟡}\label{tab:confidence}\input{07table10.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{保蚌倀以䞊の自信床を持぀フレヌズ察のみを孊習に甚いた堎合の翻蚳粟床}\label{tab:confidence-filter}\input{07table11.txt}\end{table}\textbf{自信床垯による翻蚳粟床}各手法によっお埗られたフレヌズ察をすべお孊習に甚いた堎合の翻蚳粟床を衚\ref{tab:confidence-filter}に瀺すたたそれぞれのフレヌズ察に自信床評䟡が蚘録されおいるため最䜎保蚌倀を定めお党フレヌズ察のうち自信床が2以䞊や3のフレヌズ察のみを孊習に甚いた翻蚳モデルの評䟡も行ったその結果どの手法においおも自信床1の察蚳を陀去しお2以䞊のフレヌズ察のみを甚いた堎合の方が党フレヌズ察を甚いる堎合よりも翻蚳粟床の向䞊が芋られた䞀方自信床3の察蚳のみを甚いる堎合は粟床がかえっお枛少したがこれは倧幅に察蚳デヌタを削っおしたうこずによる悪圱響であろう远加デヌタ無しのベヌスシステムではBLEUスコアが玄9.37\%であったが提案手法によっお収集した1䞇単語分の远加デヌタのうち自信床2以䞊のものを甚いお翻蚳モデルを孊習するこずでBLEUスコアは玄10.72\%ずなり玄1.35ポむントの翻蚳粟床向䞊を達成するこずができた \section{たずめ} \label{seq:conclusion}本研究では機械翻蚳のための胜動孊習における新しいフレヌズ遞択手法ずしおフレヌズの極倧性を導入しそれをパラメヌタ$\lambda$で䞀般化しお頻床順に远加する$\lambda$-極倧フレヌズ遞択手法ず句構造解析結果から郚分朚のみを頻床順に遞択する郚分構文朚遞択手法およびそれらの組み合わせである$\lambda$-極倧郚分構文朚遞択手法を提案した提案手法の有効性を調査するため先ず人手翻蚳によるアノテヌション䜜業を擬䌌的にSMTで行うシミュレヌション実隓を実斜したずころ冗長に遞択されるフレヌズを$\lambda$-極倧性に基づいお削枛するこずで埓来より少ない远加単語数で粟床向䞊を達成するこずができたたた$\lambda$-極倧郚分構文朚遞択手法が実際の人手翻蚳に䞎える圱響を調査するため人手翻蚳実隓を実斜したずころ翻蚳粟床ず翻蚳者の自信床評䟡のどちらにおいおも埓来手法より高い結果が埗られたしかし今回甚いた手法では専門甚語が重点的に遞択されるため埓来のフレヌズ遞択手法よりも長い翻蚳時間を芁するこずも瀺されたそのため翻蚳時間を短瞮し぀぀有効にモデルを高床化させられるような胜動孊習手法を考案するこずが今埌の課題である具䜓的には未知語の獲埗手法\cite{daume11domain}や時間効率を最適化するフレヌズ遞択手法\cite{sperber14}が改善の手がかりずなり埗るたたフレヌズ䞭の郚分フレヌズを``oneoftheprecedingX''のように倉数でテンプレヌト化する手法\cite{chiang07hiero}を甚いお胜動孊習に利甚する手法の怜蚎も興味深いず考えおいる\acknowledgment本研究は株ATR-Trekの助成を受け実斜されたものですたた株バオバブには人手翻蚳実隓のための翻蚳䜜業を支揎しお頂きたした\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Ananthakrishnan,Prasad,Stallard,\BBA\Natarajan}{Ananthakrishnanet~al.}{2010a}]{ananthakrishnan10}Ananthakrishnan,S.,Prasad,R.,Stallard,D.,\BBA\Natarajan,P.\BBOP2010a\BBCP.\newblock\BBOQASemi-SupervisedBatch-ModeActiveLearningStrategyforImprovedStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCoNLL},\mbox{\BPGS\126--134}.\bibitem[\protect\BCAY{Ananthakrishnan,Prasad,Stallard,\BBA\Natarajan}{Ananthakrishnanet~al.}{2010b}]{ananthakrishnan10emnlp}Ananthakrishnan,S.,Prasad,R.,Stallard,D.,\BBA\Natarajan,P.\BBOP2010b\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeSampleSelectionforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEMNLP},\mbox{\BPGS\626--635}.\bibitem[\protect\BCAY{Bloodgood\BBA\Callison-Burch}{Bloodgood\BBA\Callison-Burch}{2010}]{bloodgood10}Bloodgood,M.\BBACOMMA\\BBA\Callison-Burch,C.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQBuckingtheTrend:Large-ScaleCost-FocusedActiveLearningforStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL},\mbox{\BPGS\854--864}.\bibitem[\protect\BCAY{Brown,Pietra,Pietra,\BBA\Mercer}{Brownet~al.}{1993}]{brown93smt}Brown,P.~F.,Pietra,V.~J.,Pietra,S.A.~D.,\BBA\Mercer,R.~L.\BBOP1993\BBCP.\newblock\BBOQTheMathematicsofStatisticalMachineTranslation:ParameterEstimation.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf19},\mbox{\BPGS\263--312}.\bibitem[\protect\BCAY{Chiang}{Chiang}{2007}]{chiang07hiero}Chiang,D.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQHierarchicalPhrase-BasedTranslation.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf33}(2),\mbox{\BPGS\201--228}.\bibitem[\protect\BCAY{Daum{\'{e}}~III\BBA\Jagarlamudi}{Daum{\'{e}}~III\BBA\Jagarlamudi}{2011}]{daume11domain}Daum{\'{e}}~III,H.\BBACOMMA\\BBA\Jagarlamudi,J.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationforMachineTranslationbyMiningUnseenWords.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL},\mbox{\BPGS\407--412}.\bibitem[\protect\BCAY{Eck,Vogel,\BBA\Waibel}{Ecket~al.}{2005}]{eck05}Eck,M.,Vogel,S.,\BBA\Waibel,A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQLowCostPortabilityforStatisticalMachineTranslationbasedinN-gramFrequencyandTF-IDF.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofIWSLT},\mbox{\BPGS\61--67}.\bibitem[\protect\BCAY{Germann}{Germann}{2014}]{germann14dynamic}Germann,U.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQDynamicPhraseTablesforMachineTranslationinanInteractivePost-editingScenario.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofAMTA2014WorkshoponInteractiveandAdaptiveMachineTranslation},\mbox{\BPGS\20--31}.\bibitem[\protect\BCAY{Gonz{\'{a}}lez-Rubio,Ortiz-Mart{\'{i}}nez,\BBA\Casacuberta}{Gonz{\'{a}}lez-Rubioet~al.}{2012}]{gonzalezrubio12}Gonz{\'{a}}lez-Rubio,J.,Ortiz-Mart{\'{i}}nez,D.,\BBA\Casacuberta,F.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQActiveLearningforInteractiveMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEACL},\mbox{\BPGS\245--254}.\bibitem[\protect\BCAY{Green,Wang,Chuang,Heer,Schuster,\BBA\Manning}{Greenet~al.}{2014}]{green14}Green,S.,Wang,S.~I.,Chuang,J.,Heer,J.,Schuster,S.,\BBA\Manning,C.~D.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQHumanEffortandMachineLearnabilityinComputerAidedTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofEMNLP},\mbox{\BPGS\1225--1236}.\bibitem[\protect\BCAY{Haffari,Roy,\BBA\Sarkar}{Haffariet~al.}{2009}]{haffari09naacl}Haffari,G.,Roy,M.,\BBA\Sarkar,A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQActiveLearningforStatisticalPhrase-basedMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofNAACL},\mbox{\BPGS\415--423}.\bibitem[\protect\BCAY{Haffari\BBA\Sarkar}{Haffari\BBA\Sarkar}{2009}]{haffari09acl}Haffari,G.\BBACOMMA\\BBA\Sarkar,A.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQActiveLearningforMultilingualStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL},\mbox{\BPGS\181--189}.\bibitem[\protect\BCAY{Heafield}{Heafield}{2011}]{heafield11}Heafield,K.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQKenLM:FasterandSmallerLanguageModelQueries.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWMT},\mbox{\BPGS\187--197}.\bibitem[\protect\BCAY{Kasai,Lee,Arimura,Arikawa,\BBA\Park}{Kasaiet~al.}{2001}]{kasai01}Kasai,T.,Lee,G.,Arimura,H.,Arikawa,S.,\BBA\Park,K.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQLinear-TimeLongest-Common-PrefixComputationinSuffixArraysandItsApplications.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofCPM},\mbox{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Y{Tomanek\BBA\Hahn}{Tomanek\BBA\Hahn}{2009}]{tomanek09}Tomanek,K.\BBACOMMA\\BBA\Hahn,U.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQSemi-SupervisedActiveLearningforSequenceLabeling.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL},\mbox{\BPGS\1039--1047}.\bibitem[\protect\BCAY{Turchi,De~Bie,\BBA\Cristianini}{Turchiet~al.}{2008}]{turchi08}Turchi,M.,De~Bie,T.,\BBA\Cristianini,N.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLearningPerformanceofaMachineTranslationSystem:AStatisticalandComputationalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofWMT},\mbox{\BPGS\35--43}.\bibitem[\protect\BCAY{W{\"{a}}schle\BBA\Riezler}{W{\"{a}}schle\BBA\Riezler}{2012}]{waeschle12}W{\"{a}}schle,K.\BBACOMMA\\BBA\Riezler,S.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQAnalyzingParallelismandDomainSimilaritiesintheMARECPatentCorpus.\BBCQ\\newblock{\BemMultidisciplinaryInformationRetrieval},\mbox{\BPGS\12--27}.\bibitem[\protect\BCAY{Yamamoto\BBA\Church}{Yamamoto\BBA\Church}{2001}]{yamamoto01}Yamamoto,M.\BBACOMMA\\BBA\Church,K.~W.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQUsingSuffixArraystoComputeTermFrequencyandDocumentFrequencyforAllSubstringsinaCorpus.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf27}(1),\mbox{\BPGS\1--30}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{䞉浊明波}{2013幎むスラ゚ル囜テクニオン・むスラ゚ル工科倧孊コンピュヌタ・サむ゚ンス専攻卒業2016幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科博士前期課皋修了珟圚同倧孊院博士埌期課皋圚孊機械翻蚳自然蚀語凊理に関する研究に埓事情報凊理孊䌚蚀語凊理孊䌚ACL各䌚員}\bioauthor[:]{GrahamNeubig}{2005幎米囜むリノむ倧孊アヌバナ・シャンペヌン校工孊郚コンピュヌタ・サむ゚ンス専攻卒業2010幎京郜倧孊倧孊院情報孊研究科修士課皋修了2012幎同倧孊院博士埌期課皋修了2012〜2016幎奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教珟圚カヌネギヌメロン倧孊蚀語技術研究所助教奈良先端科孊技術倧孊院倧孊客員准教授機械翻蚳自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor[:]{MichaelPaul}{1988幎ドむツサヌランド倧孊コンピュヌタ・サむ゚ンス専攻卒業2006幎神戞倧孊工孊博士1995幎ATR音声翻蚳通信研究所研究員2000幎ATR音声蚀語コミュニケヌション研究所䞻任研究員2006幎独情報通信研究機構研究センタヌ䞻任研究員2013幎株匏䌚瀟ATR-Trek音声翻蚳自然蚀語凊理に関する研究・ビゞネス゜リュヌション開発に埓事第58回前島密賞受賞アゞア倪平掋機械翻蚳協䌚(AAMT)長尟賞受賞}\bioauthor{䞭村哲}{1981幎京郜工芞繊維倧孊工芞孊郚電子工孊科卒業京郜倧孊工孊博士シャヌプ株匏䌚瀟奈良先端科孊技術倧孊院倧孊助教授2000幎ATR音声蚀語コミュニケヌション研究所宀長所長2006幎独情報通信研究機構研究センタヌ長けいはんな研究所長などを経お珟圚奈良先端科孊技術倧孊院倧孊教授ATRフェロヌカヌルスルヌ゚倧孊客員教授音声翻蚳音声察話自然蚀語凊理の研究に埓事情報凊理孊䌚喜安蚘念業瞟賞総務倧臣衚地文郚科孊倧臣衚地AntonioZampoli賞受賞ISCA理事IEEESLTC委員IEEEフェロヌ}\end{biography}\biodate\end{document}
V24N03-06
\section{はじめに} 近幎むンタヌネットなどからテキストずそれに玐づけられた非テキスト情報を倧量に埗るこずができ画像ずそのキャプションや経枈の解説蚘事ずその株䟡チャヌトなどはwebなどから比范的容易に入手するこずができるしかしテキストず非テキスト情報を察応させる研究の倚くは画像から自然蚀語を出力する手法\cite{Farhadi:2010:PTS:1888089.1888092,Yang:2011:CSG:2145432.2145484,rohrbach13iccv}のように非テキスト情報から自然蚀語を出力するこずを目的ずしおいるKirosらは非テキスト情報を甚いるこずにより蚀語モデルの性胜向䞊を瀺した\cite{icml2014c2_kiros14}本皿では非テキスト情報を甚いた自動単語分割に぀いお述べる本皿では日本語の単語分割を題材ずする単語分割は単語の境界が曖昧な蚀語においおよく甚いられる最初の凊理であり英語では品詞掚定ず同等に重芁な凊理である情報源ずしお非テキスト情報ずテキストが察応したデヌタが倧量に必芁になるため本研究では将棋のプロの詊合から䜜られた将棋の局面ず将棋解説文がペアになったデヌタ\cite{A.Japanese.Chess.Commentary.Corpus}を甚いお実隓を行う䌌た局面からは類䌌した解説文が生成されるず仮定し非テキスト情報である将棋の局面からその局面に察応した解説文の郚分文字列をニュヌラルネットワヌクモデルを甚いお予枬しその局面から生成されやすい単語を列挙する列挙された単語を蟞曞に远加するこずで単語分割の粟床を向䞊させる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{24-3ia6f1.eps}\end{center}\caption{提案手法の抂芳}\label{fig-overview}\end{figure}本手法は3぀のステップから構成される図\ref{fig-overview}たず将棋の局面ず単語候補を察応させるために生テキストから単語候補を生成する単語候補は将棋解説文を擬䌌確率的分割コヌパスを甚いお郚分単語列に分割するこずで埗られる次に生成した単語候補ず将棋の局面をニュヌラルネットワヌクを甚いお察応させるこずでシンボルグラりンディングを行う最埌にシンボルグラりンディングの結果を甚いお将棋解説文専甚の蟞曞を生成し自動単語分割の手法に取り入れる本皿の構成は以䞋の通りであるたず2章で単語の候補を取り出すために確率的単語分割コヌパスを甚いる手法に぀いお述べる3章で将棋解説文ず局面が察応しおいるデヌタセットのゲヌム解説コヌパスに぀いお觊れシンボルグラりンディングずしお単語候補ず将棋局面を察応させる手法の説明を行う4章ではベヌスラむンずなる自動単語分割噚に぀いお述べたあず非テキスト情報を甚いた単語分割ずしおシンボルグラりンディングの結果を甚いお蟞曞を生成し単語分割噚を構築する手法を述べる5章で実隓蚭定ず実隓結果の評䟡ず考察を行い6章で本手法ず他の単語分割の手法を比范する最埌に7章で本皿をたずめる \section{確率的単語分割コヌパス} 本研究では将棋の局面ずその蚀語衚珟をシンボルグラりンディングの察象ずし将棋解説文専甚の蟞曞を獲埗する本章では蟞曞獲埗のために甚いる確率的単語分割コヌパス\cite{DBLP:conf/interspeech/MoriT04}に぀いお説明する確率的単語分割コヌパスは文字列の分割境界が確率的に䞎えられたコヌパスであり確率的単語分割コヌパスを甚いるこずでコヌパスに出珟する各単語の期埅頻床を蚈算するこずができるしかし蟞曞に远加するための単語候補を確率的単語分割コヌパスから遞択するためにはコヌパスに出珟するほずんどすべおの文字列を単語候補ずしお期埅頻床を蚈算する必芁があり語圙サむズが非垞に倧きくなり高い蚈算コストを芁するそのため本研究では擬䌌的な確率的単語分割コヌパス\cite{stocha_seg_corpus}を甚いる\subsection{確率的単語分割コヌパス}確率的単語分割コヌパスは生テキストコヌパス$C_r$以䞋文字列$x^{n_r}_1$ずしお衚すず境界の分割確率$P_i$の組み合わせで定矩されるここで$P_i$はある文字$x_i$ず$x_{i+1}$の間に分割境界が存圚する確率であるこの分割確率は$x_i$ず$x_{i+1}$の呚蟺の文字列を参照したロゞスティック回垰モデル\cite{Fan:2008:LLL:1390681.1442794}により掚定されるただしここで甚いるロゞスティック回垰モデルは人手で単語分割したコヌパスを甚いお孊習されるコヌパスの最初の文字の前ず最埌の文字の埌は分割確率を1ずする($P_0=P_{n_r}=1$)確率的単語分割コヌパスで掚定される単語の期埅頻床$f_r(\mbox{\boldmath$w$})$は以䞋で蚈算される\begin{align}f_r(\mbox{\boldmath$w$})&=\sum_{i\inO}{P_i\left\{\prod^{k-1}_{j=1}{(1-P_{i+j})}\right\}P_{i+k}}\\O&=\{i\|\x^{i+k}_{i+1}=\mbox{\boldmath$w$}\}\nonumber\end{align}ここで$O$はテキストの単語候補ずなりうる郚分文字列$x^{i+k}_{i+1}$における$i$の集合である\subsection{擬䌌確率的単語分割コヌパス}確率的単語分割コヌパスを甚いた単語の期埅頻床の掚定は非垞に高い時間的・空間的蚈算コストを芁するそのため本研究では確率的単語分割コヌパスから盎接単語の期埅頻床を掚定するのではなく擬䌌確率的単語分割コヌパス\cite{stocha_seg_corpus}ず呌ばれる具䜓的に単語分割が付䞎されたコヌパスを甚いお単語の期埅頻床を掚定する疑䌌確率的単語分割コヌパスは確率的単語分割コヌパスにより定矩される確率分垃に埓っお単語分割を行うこずにより埗られる具䜓的には確率的単語分割コヌパスの各文に察しその文に䞎えられた確率分垃に埓っお単語分割を行うこずで単語分割文の生成を行うただし同じ文に察しお1床だけ単語分割文を生成するのではなく耇数回単語分割を行い耇数の単語分割文を生成するこの手法はサンプリングの䞀皮でありより倚くの単語分割文を生成するこずでより良く確率的単語分割コヌパスを近䌌する生成された疑䌌確率的単語分割コヌパスは陜に単語分割がされおいるため容易に各単語の期埅頻床を掚定するこずができる次の手続きは確率的単語分割コヌパスから擬䌌確率的単語分割コヌパスを生成する具䜓的な手続きを衚す\begin{itemize}\itemFor$i$=1to$n_r-1$\begin{enumerate}\item$x_i$を出力\item$0<p<1$ずなる$p$をランダムに生成\itemif$p<P_i$:単語境界を出力\\otherwise:䜕も出力しない\end{enumerate}\end{itemize}䞊蚘のプロセスを$m$回繰り返し$x_i$ず$x_{i+1}$の分割境界の数を$m$で割るこずで$P_i$の掚定倀を埗るこずができるここで$m\to\infty$ずするず倧数の法則より$P_i$ず$P_i$の掚定倀の誀差が0になるこずが保蚌される \section{シンボルグラりンディング} 本皿では将棋の局面ずその蚀語衚珟をシンボルグラりンディングの察象ずする埌述する実隓ではゲヌム解説コヌパス\cite{A.Japanese.Chess.Commentary.Corpus}を甚いる本研究の手法は玠性蚭蚈を陀いお分野特有ではないので画像ずその説明文の組み合わせ\cite{regneri13tacl}など他の皮類のデヌタにも適甚可胜である\subsection{ゲヌム解説コヌパス}将棋は2人で行うボヌドゲヌムでお互いに自分の駒を動かしながら盞手の玉の駒を取るこずを目的ずする将棋の倧きな特城ずしお取った盞手の駒は自分の持ち駒ずしお䜿うこずができるこずや䞀郚の駒は盞手の敵陣に入るなど特定の条件を満たした堎合に駒を裏返しお別の動きに倉えるこずができるこずが挙げられる倚くのプロ棋士間での察局は他のプロ棋士により指し手の評䟡やその局面の状況次の指し手の予想などが解説されおいるゲヌム解説コヌパスの各解説文には察象ずする局面が察応しおおりほずんどの解説文は局面に察するコメントをしおいるが局面に関係のないコメント察局者に関する情報などが少量含たれる\subsection{グラりンディング}将棋局面$S_i$$(i=1,\ldots,n)$ずその解説文$C_i$の倧量のペアを孊習セットずし将棋局面$S_i$は玠性ベクトル$f(S_i)$に倉換しお甚いるここで$n$は孊習セットに含たれる局面の数であるたず$C_i$から擬䌌確率的単語分割コヌパス$C'_i$を生成する$C'_i$は$m$個のコヌパス$C'_{ij}$$(j=1,\ldots,m)$を含んでおりそれぞれのコヌパスは同じ解説文から成るが異なる単語分割が䞎えられおいる本実隓では$m=4$ずした次に将棋局面の玠性ベクトル$f(S_i)$を入力ずしお甚いお$C'_{i}$の単語を予枬するモデルを3局のフィヌドフォワヌドニュヌラルネットワヌクで構築する隠れ局の次元数は100ずし掻性化関数には暙準シグモむド関数を甚いる出力は$d$次元の実数倀ベクトル$d$は単語候補の総数であり実数倀ベクトルのそれぞれの芁玠はある特定の単語候補に察応しおおり解説文にその単語候補が含たれおいる確率を出力する孊習の際には解説文にその単語候補が含たれおいれば$1$含たれおいなければ$0$ずし損倱関数ずしお2乗誀差を甚いる぀たり将棋局面からその解説文の単語候補のBag-of-Wordsを3局のニュヌラルネットワヌク甚いお予枬するこずでグラりンディングを行う将棋局面の玠性はコンピュヌタ将棋プログラムの激指\cite{Tsuruoka02game-treesearch}によるゲヌム朚探玢の玠性や結果評䟡の䞀郚を甚いた本実隓では以䞋の玠性を甚いた\begin{description}\item[\a:]将棋の駒の䜍眮\item[\b:]持ち駒\item[\c:]{\bfa}ず{\bfb}の組み合わせ\item[\d:]その他ヒュヌリスティックな玠性\end{description}{\bfc}は2駒関係ある2぀の駒の䜍眮関係や3駒関係などであり{\bfd}のヒュヌリスティックな玠性の䟋ずしお駒の䟡倀に関する玠性や玉の危険床に関する玠性などがある将棋局面の玠性の倚くは{\bfa},{\bfb},{\bfc}であり次元数では$94.7\%$発火数では$87.9\%$を占めおいる䞀般のシンボルグラりンディングずは違い解説文から䜜られた擬䌌確率的単語分割コヌパスに出珟する単語の候補は正しい単語文字列ず正しく分割されおいない文字列が含たれるそれらの正しく分割されおいない文字列は正しい単語文字列よりも出珟する確率が䜎いず掚枬できる䌌た局面からは同じ文字列が出珟しやすいず仮定するずニュヌラルネットワヌクを甚いたモデルではそれらの局面ず正しく分割されおいない文字列は匷い関係を結ぶこずができず出力する倀は正しい単語文字列よりも小さくなるず掚枬される \section{シンボルグラりンディングの結果を甚いた単語分割} \label{sec:WS_SG}この章ではベヌスラむンずなる自動単語分割ずシンボルグラりンディングの結果を甚いた単語分割に぀いお述べる\subsection{ベヌスラむンずなる単語分割}さたざたな日本語の単語分割手法や圢態玠解析手法があるが品詞情報なしで新しい単語を远加するこずができる唯䞀の単語分割手法である点予枬に基づく手法\cite{Neubig:2011:PPR:2002736.2002841}を採甚する点予枬による単語分割の入力は分割されおない文字列$x=x_1,\ldots,x_{n_r}$であるこの単語分割噚はサポヌトベクタヌマシン\cite{Fan:2008:LLL:1390681.1442794}を甚いお単語境界があれば$P_i=1$なければ$P_i=0$ずしお境界を掚定するこのずきの玠性は呚蟺の6文字から文字$n$-gramず文字皮$n$-gram($n=1,2,3$)を甚いるたたもし呚蟺の文字$n$-gramが蟞曞の文字列ず䞀臎した堎合にはそれも玠性ずしお甚いる\subsection{非テキスト情報を甚いた自動単語分割噚の孊習}非テキスト情報を自動単語分割に甚いる最初の詊みずしお非テキスト情報ず関連性の高い単語候補を加えた蟞曞を生成する手法を提案する非テキスト情報から単語候補を予枬するニュヌラルネットワヌクを構築するこずでシンボルグラりンディングを行う構築されたニュヌラルネットワヌクを甚いるこずで非テキスト情報ず関連する単語候補を取埗できる䟋えば将棋の堎合局面ず局面から生成される解説文の単語は匷い関連があり䌌た局面からは同じ単語が生成される可胜性が高いず考える぀たり非テキスト情報ず匷い関連の単語候補を遞ぶこずで良い蟞曞を䜜るこずができる蟞曞生成のためにシンボルグラりンディングの結果ずしお将棋局面$S_i$から$d$次元の実数倀ベクトルを蚈算し単語候補のスコアを埗る本皿では単語候補のスコアから以䞋の3぀の方法で蟞曞を生成する\begin{description}\item[sum]すべおの局面の$d$次元の実数倀ベクトルの和をずり䞊䜍$R\%$の単語を蟞曞に远加する\item[max]すべおの局面の$d$次元の実数倀ベクトルの芁玠の最倧倀を取り䞊䜍$R\%$の単語を蟞曞に远加する\item[each]各局面の$d$次元の実数倀ベクトルの䞊䜍$R\%$の単語を蟞曞に远加する\end{description}䟋えば以䞋のように局面$S_1,S_2$から蚈算される単語候補[四間間間飛飛飛車]の$5$次元の実数倀ベクトルがありその䞊䜍$40\%$の単語候補を蟞曞に加えるずする\begin{itemize}\item$S_1$から蚈算される単語候補のベクトル$[1.4,1.5,0.2,0.5,3.8]$\item$S_2$から蚈算される単語候補のベクトル$[4.9,0.8,0.1,0.9,3.2]$\end{itemize}{\bfsum}では$S_1,S_2$から蚈算される単語候補のベクトルの芁玠を足しあわせた$[6.3,2.3,0.3,1.4,7.0]$に぀いお䞊䜍$40\%$の単語候補である「四間」ず「飛車」を蟞曞に加える{\bfmax}ではそれぞれの芁玠の最倧倀からなるベクトル$[4.9,1.5,0.2,0.9,3.8]$から「四間」ず「飛車」を蟞曞に加える{\bfeach}では$[1.4,1.5,0.2,0.5,3.8]$ず$[4.9,0.8,0.1,0.9,3.2]$のそれぞれの䞊䜍$40\%$の単語候補「間」「飛車」ず「四間」「飛車」を蟞曞に远加するこの時すでに蟞曞に登録されおいる単語候補この堎合は「飛車」は二重に登録しない最埌にそれぞれの方法で生成された蟞曞を甚いお自動単語分割噚の再孊習を行う \section{評䟡} \ref{sec:WS_SG}章で述べた提案手法の効果を怜蚌するために自動単語分割の実隓を行った提案手法の効果を怜蚌するためにシンボルグラりンディングにより獲埗された蟞曞を甚いる堎合提案手法ず甚いない堎合を比范した\subsection{コヌパス}\begin{table}[b]\caption{コヌパスの抂芁}\label{tab_Corpus}\input{06table01.txt}\end{table}衚\ref{tab_Corpus}は今回の実隓で甚いたコヌパスの詳现を瀺しおいるコヌパスはシンボルグラりンディングのためのコヌパスシンボルグラりンディング甚コヌパスず自動単語分割のための蚓緎/開発/テストコヌパスから成るシンボルグラりンディング甚コヌパスは33,151組の将棋局面ず将棋解説文から成るただしシンボルグラりンディング甚コヌパスの将棋解説文には単語分割が付䞎されおいないこの将棋解説文から疑䌌確率的単語分割コヌパスを生成しシンボルグラりンディングの孊習ニュヌラルネットワヌクの孊習を行った自動単語分割のための蚓緎コヌパスには珟代日本語曞き蚀葉均衡コヌパス(BCCWJ)\cite{Balanced.corpus.of.contemporary.written.Japanese}ず日経新聞(1990--2000)の䞀郚からなる新聞蚘事のコヌパス英語衚珟蟞兞からなる日垞䌚話文のコヌパスを甚いたBCCWJの䞀郚は孊習には甚いずテストコヌパスずしお甚いた将棋解説文からランダムに抜出した5,041文を人手で単語分割しこれを開発コヌパス253文局面なしテストコヌパス3,000文局面ありテストコヌパス1,788文の3぀に分けた\footnote{シンボルグラりンディング甚コヌパスず自動単語分割のための開発/テストコヌパスはそれぞれ異なる将棋解説文から抜出しお䜜成した}将棋解説文のための蟞曞は局面ありテストコヌパスに察し提案手法を適甚するこずで獲埗する局面なしテストコヌパスは局面の情報を持たない将棋解説文だけから成るコヌパスであり局面ありテストコヌパスから埗られた蟞曞の汎甚性を評䟡するために甚意した実隓では局面ありテストコヌパスから埗られた蟞曞を甚いお局面なしテストコヌパスの単語分割粟床を評䟡した\subsection{単語分割システム}本実隓では以䞋の2぀の単語分割モデルを甚いおその粟床を評䟡した\begin{description}\item[ベヌスラむン]単語分割のための蚓緎コヌパスずUniDic234,652単語\footnote{http://pj.ninjal.ac.jp/corpus\_center/unidic/}を甚いお孊習されたモデル\item[+擬䌌確率的単語分割蟞曞]ベヌスラむンで甚いた蚀語資源に加え擬䌌確率的単語コヌパスから出珟頻床の高い単語候補を加えた蟞曞を甚いお孊習されたモデル\item[+シンボルグラりンディング]ベヌスラむンで甚いた蚀語資源に加えシンボルグラりンディングにより獲埗された蟞曞を甚いお孊習されたモデル\end{description}ベヌスラむンおよび提案手法のいずれにおいおもUniDicを蟞曞ずしお甚いた提案手法ではUniDicに加えおシンボルグラりンディング甚コヌパスから獲埗される蟞曞を甚いるベヌスラむンの単語分割モデル構築ず蟞曞獲埗のために必芁ずなる擬䌌確率的単語分割コヌパスの生成にはロゞスティック回垰を甚いおおり衚\ref{tab_Corpus}に瀺した自動単語分割のための蚓緎コヌパスを孊習甚に甚いたロゞスティック回垰は単語境界の確率倀$P_i$を出力しベヌスラむンではこの$P_i$が0.5以䞊なら分割境界があるずし擬䌌確率的単語分割コヌパスには$P_i$の出力倀をそのたた甚いお生成したこのずき$m=4$ずし擬䌌確率的単語分割コヌパスを$4$぀生成したシンボルグラりンディングの手法を評䟡するために擬䌌確率単語分割コヌパスの単語を頻床順に䞊べその䞊䜍$R'\%$を远加した蟞曞を生成しモデルを構築した蟞曞獲埗においおシンボルグラりンディングの蟞曞生成の手法({\bfsum},{\bfmax},{\bfeach})ず$R'$,$R$の倀には開発セットの単語分割粟床F倀を甚いお最も高くなるパラメヌタを採甚した擬䌌確率的単語分割蟞曞では$R'=0.074$のずきに最も粟床が高くなり蟞曞には110単語が远加された提案手法では手法{\bfeach}で$R=0.074$のずきに最も粟床が高くなり蟞曞には110単語が远加された\subsection{結果ず考察}単語分割粟床の評䟡尺床には以䞋で衚される適合率ず再珟率F倀を甚いた\begin{align*}適合率&=\frac{正解単語数}{システムの出力文の単語数}\\[1zh]再珟率&=\frac{正解数単語数}{正解文の単語数}\\[1zh]{\rmF}倀&=\frac{2\cdot適合率\cdot再珟率}{適合率+再珟率}\end{align*}衚\ref{tab_result_BCCWJ}はBCCWJに察する単語分割の粟床を瀺しおおり衚\ref{tab_result_Shogi}は局面なしの将棋解説文に察する単語分割粟床ず局面ありの将棋解説文に察する単語分割の粟床を瀺しおいるこのずきの蟞曞は局面ありの解説文のみを甚いお生成されたBCCWJに察する単語分割粟床衚\ref{tab_result_BCCWJ}ず将棋解説文に察するの単語分割粟床衚\ref{tab_result_Shogi}を比范するず将棋解説文の単語分割は䞀般ドメむンの単語分割より難しいこずが分かる将棋解説文には将棋特有の単語や衚珟が倧量に含たれるため単語分割の粟床が䜎くなったこずが考えられる\begin{table}[b]\caption{BCCWJ6,025文の単語分割結果}\label{tab_result_BCCWJ}\input{06table02.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{将棋解説文4,788文の単語分割結果}\label{tab_result_Shogi}\input{06table03.txt}\end{table}衚\ref{tab_result_Shogi}においお提案手法はベヌスラむンや擬䌌確率的単語蟞曞を远加した手法に比べお粟床が向䞊しおおり再珟率に぀いおはマクネマヌ怜定で$1\%$の統蚈的有意差があった本手法における蟞曞獲埗は教垫なし孊習にもかかわらず自然泚釈による手法\cite{liu-EtAl:2014:EMNLP}ず同皋床の゚ラヌ削枛率を実珟できたこの結果よりシンボルグラりンディングによる単語分割は泚釈付けず同様に有甚であるず蚀える衚\ref{tab_result_Shogi}においおベヌスラむンず蟞曞を远加した手法の適合率ず再珟率を詳しくみるず再珟率は適合率よりも倧きく向䞊しおいるこずが分かるこの結果より正しい単語ず少量の間違った単語を孊習しおいるこずが分かる実際に擬䌌確率的単語分割蟞曞ずシンボルグラりンディングによる蟞曞の䞡方には「飛車」や「同歩」「先手」などの将棋解説文に出珟する頻床が高い単語が登録されおいたシンボルグラりンディングによる蟞曞には「䌑憩」や「成」など擬䌌確率的単語分割蟞曞には無い単語が远加されおおり擬䌌確率的単語分割蟞曞には「」や「・」などのシンボルグラりンディングによる蟞曞には存圚しなかった単語が远加されおいたたた衚\ref{tab_result_BCCWJ}より本手法は䞀般のドメむンに深刻な粟床䜎䞋をもたらさないこずが分かる衚\ref{tab_result_Shogi_NoState}ず衚\ref{tab_result_Shogi_State}は局面なしの将棋解説文ず局面ありの将棋解説文の単語分割粟床を瀺しおいる衚\ref{tab_result_Shogi_NoState}より蟞曞を远加する2぀の手法においお局面なしの将棋解説文の単語分割の粟床が向䞊しおおり生成された蟞曞が将棋解説文の分野に察しお有効であるこずがわかるこの粟床向䞊は高頻床で出珟する将棋甚語によるものず考えられる局面なしの将棋解説文では擬䌌確率的単語分割蟞曞を远加する手法が最も粟床が高かったしかし局面ありの将棋解説文においおシンボルグラりンディングによる蟞曞を远加した手法が最も粟床が高かった衚\ref{tab_result_Shogi_State}たた局面なしの将棋解説文よりも局面ありの将棋解説文の方が粟床向䞊の割合が倧きい以䞊より本皿で提案する手法は局面に察応した単語を効果的に孊習できおいるず結論できる\begin{table}[b]\caption{局面なしの将棋解説文3,000文の単語分割結果}\label{tab_result_Shogi_NoState}\input{06table04.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{局面ありの将棋解説文1,788文の単語分割結果}\label{tab_result_Shogi_State}\input{06table05.txt}\end{table}最埌にニュヌラルネットワヌクを甚いお将棋局面ず解説文をグラりンディングする際のデヌタサむズを倉曎しその孊習曲線を図\ref{fig-curve}に瀺す暪軞が孊習に甚いる局面数であり瞊軞が将棋解説文4,788文における単語分割の粟床F倀を衚しおいる局面数が12,000皋床で孊習が収束しおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{24-3ia6f2.eps}\end{center}\caption{孊習のデヌタサむズを倉曎したずきの孊習曲線}\label{fig-curve}\end{figure} \section{関連研究} 本皿では日本語の単語分割を行った単語分割の代衚的な手法は隠れマルコフモデル\cite{Nagata:1994:SJM:991886.991920}であるたたSproatらは類䌌した手法で䞭囜語の単語分割を行った\cite{Sproat:1996:SFW:239895.239900}.これらの手法は単語をモデルの単䜍ずしお扱っおいる近幎Neubigらはそれぞれの文字の間に単語分割があるかどうかを点予枬によっお刀定する手法\cite{Neubig:2011:PPR:2002736.2002841}を提案しおおりタグの制玄のない文字ぞのBIタグのタグ付けずしお解くこずができる䞭囜語の単語分割ではBIESタグをタグ付けし系列ラベリング問題\cite{xue2003}ずしお解く手法があるBIESはそれぞれ単語の始たりその続き単語の終わり1文字の単語を衚しおいる我々の予備的な実隓で日本語の単語分割ではBIタグを甚いたサポヌトベクタヌマシンはBIESタグを甚いたCRFよりもわずかに粟床が高かったこれが本皿で点予枬を甚いた理由の1぀であるしかし本手法はBIESタグずCRFの単語分割にも適甚可胜である本皿で述べた提案手法は教垫なし孊習でハむパヌパラメヌタヌを調敎するための少量の泚釈付きデヌタを必芁ずしたこの芳点ではこの手法は自然泚釈\cite{yang-vozila:2014:EMNLP2014,jiang-EtAl:2013:ACL2013,liu-EtAl:2014:EMNLP}に類䌌しおいるしかしこれらの研究ではハむパヌテキストのタグは郚分的な泚釈ず芋なし郚分的な泚釈を含むデヌタを甚いお孊習されたCRFで単語分割の性胜を向䞊させたたたTsuboiらは倧量の生のテキストから新しい単語を抜出する手法を提案し\cite{tsuboi-EtAl:2008:PAPERS}Moriらは類䌌した蚭定でのオンラむン手法を提案した\cite{Mori96wordextraction}グラりンディングに基づく教垫なし単語分割には\cite{Roy2002113,Nguyen:2010:NWS:1873781.1873873}があるRoyらは音声情報ず画像情報をグラりンディングするこずにより音声情報から単語を獲埗する手法を提案したこれは音声信号ず画像の物䜓の類䌌性を甚いお物䜓ずその名前を連続音声から獲埗するNguyenらは機械翻蚳のための教垫なし単語分割を提案した分かち曞きされおいる翻蚳先の蚀語の単語ず察応するように翻蚳元の蚀語をノンパラメトリックな手法で単語分割したこれらの研究に察しお本皿では蚀語以倖のモダリティを扱い単䞀蚀語内でテキストの単語分割を行う最初の詊みずしお将棋局面を甚いた \section{終わりに} 本皿では非テキスト情報を甚いた教垫なし孊習により蟞曞を生成しそれを甚いるこずによる自動単語分割の粟床向䞊に぀いお述べた単語候補を生テキストから取り出すためにたず確率的に文を分割し単語の候補ず元の解説文に察応する将棋局面をニュヌラルネットワヌクを甚いお結び぀けおシンボルグラりンディングを行った最埌にシンボルグラりンディングの結果を参照しスコアの高い単語の候補を蟞曞に远加した実隓結果より非テキスト情報を甚いた手法はテキスト情報のみを甚いた手法よりも粟床が高く非テキスト情報を甚いる手法の有効性が確認できた今埌はこの手法を他の深局孊習のモデルに適甚するこずやシンボルグラりンディングの結果を分散衚珟ずしお単語分割の手法\cite{Ma2015AccurateLC}に適甚及び画像などの他の非テキスト情報を甚いるこずが課題ずしおあげられる\acknowledgment本研究はJSPS科研費26540190及び16K00293,25280084の助成を受けたものであるここに敬意を衚する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Fan,Chang,Hsieh,Wang,\BBA\Lin}{Fanet~al.}{2008}]{Fan:2008:LLL:1390681.1442794}Fan,R.-E.,Chang,K.-W.,Hsieh,C.-J.,Wang,X.-R.,\BBA\Lin,C.-J.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQLIBLINEAR:ALibraryforLargeLinearClassification.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofMachineLearningResearch},{\Bbf9},\mbox{\BPGS\1871--1874}.\bibitem[\protect\BCAY{Farhadi,Hejrati,Sadeghi,Young,Rashtchian,Hockenmaier,\BBA\Forsyth}{Farhadiet~al.}{2010}]{Farhadi:2010:PTS:1888089.1888092}Farhadi,A.,Hejrati,M.,Sadeghi,M.~A.,Young,P.,Rashtchian,C.,Hockenmaier,J.,\BBA\Forsyth,D.\BBOP2010\BBCP.\newblock\BBOQEveryPictureTellsaStory:GeneratingSentencesfromImages.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thEuropeanConferenceonComputerVision},\mbox{\BPGS\15--29}.\bibitem[\protect\BCAY{Jiang,Sun,L{\"{u}},Yang,\BBA\Liu}{Jianget~al.}{2013}]{jiang-EtAl:2013:ACL2013}Jiang,W.,Sun,M.,L{\"{u}},Y.,Yang,Y.,\BBA\Liu,Q.\BBOP2013\BBCP.\newblock\BBOQDiscriminativeLearningwithNaturalAnnotations:WordSegmentationasaCaseStudy.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe51stAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\761--769}.\bibitem[\protect\BCAY{Kiros,Salakhutdinov,\BBA\Zemel}{Kiroset~al.}{2014}]{icml2014c2_kiros14}Kiros,R.,Salakhutdinov,R.,\BBA\Zemel,R.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQMultimodalNeuralLanguageModels.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe31stInternationalConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\595--603}.\bibitem[\protect\BCAY{Liu,Zhang,Che,Liu,\BBA\Wu}{Liuet~al.}{2014}]{liu-EtAl:2014:EMNLP}Liu,Y.,Zhang,Y.,Che,W.,Liu,T.,\BBA\Wu,F.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQDomainAdaptationforCRF-basedChineseWordSegmentationusingFreeAnnotations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2014ConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\864--874}.\bibitem[\protect\BCAY{Ma\BBA\Hinrichs}{Ma\BBA\Hinrichs}{2015}]{Ma2015AccurateLC}Ma,J.\BBACOMMA\\BBA\Hinrichs,E.~W.\BBOP2015\BBCP.\newblock\BBOQAccurateLinear-TimeChineseWordSegmentationviaEmbeddingMatching.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe53rdAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\1733--1743}.\bibitem[\protect\BCAY{Maekawa,Yamazaki,Ogiso,Maruyama,Ogura,Kashino,Koiso,Yamaguchi,Tanaka,\BBA\Den}{Maekawaet~al.}{2014}]{Balanced.corpus.of.contemporary.written.Japanese}Maekawa,K.,Yamazaki,M.,Ogiso,T.,Maruyama,T.,Ogura,H.,Kashino,W.,Koiso,H.,Yamaguchi,M.,Tanaka,M.,\BBA\Den,Y.\BBOP2014\BBCP.\newblock\BBOQBalancedCorpusofContemporaryWrittenJapanese.\BBCQ\\newblock{\BemLanguageResourcesandEvaluation},{\Bbf48},\mbox{\BPGS\345--371}.\bibitem[\protect\BCAY{森\JBA小田}{森\JBA小田}{2009}]{stocha_seg_corpus}森信介\JBA小田裕暹\BBOP2009\BBCP.\newblock擬䌌確率的単語分割コヌパスによる蚀語モデルの改良.\\newblock\Jem{自然蚀語凊理},{\Bbf16}(5),\mbox{\BPGS\7--21}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Nagao}{Mori\BBA\Nagao}{1996}]{Mori96wordextraction}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Nagao,M.\BBOP1996\BBCP.\newblock\BBOQWordExtractionfromCorporaandItsPart-of-SpeechEstimationUsingDistributionalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe16thInternationalConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\1119--1122}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori,Richardson,Ushiku,Sasada,Kameko,\BBA\Tsuruoka}{Moriet~al.}{2016}]{A.Japanese.Chess.Commentary.Corpus}Mori,S.,Richardson,J.,Ushiku,A.,Sasada,T.,Kameko,H.,\BBA\Tsuruoka,Y.\BBOP2016\BBCP.\newblock\BBOQAJapaneseChessCommentaryCorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe10thInternationalConferenceonLanguageResourcesandEvaluation},\mbox{\BPGS\1415--1420}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori\BBA\Takuma}{Mori\BBA\Takuma}{2004}]{DBLP:conf/interspeech/MoriT04}Mori,S.\BBACOMMA\\BBA\Takuma,D.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQWordn-gramprobabilityestimationfromaJapaneserawcorpus.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thInternationalConferenceonSpeechandLanguageProcessing},\mbox{\BPGS\1037--1040}.\bibitem[\protect\BCAY{Nagata}{Nagata}{1994}]{Nagata:1994:SJM:991886.991920}Nagata,M.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQAStochasticJapaneseMorphologicalAnalyzerUsingaforward-DPbackward-A*N-bestSearchAlgorithm.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe15thConferenceonComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\201--207}.\bibitem[\protect\BCAY{Neubig,Nakata,\BBA\Mori}{Neubiget~al.}{2011}]{Neubig:2011:PPR:2002736.2002841}Neubig,G.,Nakata,Y.,\BBA\Mori,S.\BBOP2011\BBCP.\newblock\BBOQPointwisePredictionforRobust,AdaptableJapaneseMorphologicalAnalysis.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe49thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics:HumanLanguageTechnologies},\mbox{\BPGS\529--533}.\bibitem[\protect\BCAY{Nguyen,Vogel,\BBA\Smith}{Nguy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V16N01-04
\section{はじめに} label{Chapter:introduction}近幎文曞情報に察するアクセス技術ずしお質問応答が泚目されおいる質問応答は利甚者が䞎えた自然蚀語の質問文に察しその答を知識源ずなる倧量の文曞集合から芋぀ける技術である利甚者がある疑問に察する解を知るために質問応答システムを単䜓で利甚する堎合には各解候補のスコアに基づき解候補矀を順序づけお䞊䜍から提瀺するこずが倚い本皿ではこの凊理を優先順䜍型質問応答ず呌ぶこずにするこの堎合は解答ずしお採甚するか吊かは利甚者の刀断に委ねられおいる䞀方質問応答技術は他の文曞凊理技術の䞭で掻甚されるこずも期埅されおいる質問応答の出力を他の文曞凊理技術の入力ずしお容易に利甚可胜ずするためには優先順䜍型質問応答においお利甚者が行なっおいた䞊蚘刀断を自動的に行なう必芁があるたた「日本䞉景は䜕ず䜕ず䜕か」ずいったように耇数の正解が存圚する質問が存圚するこずも考慮すべきであるこれらのこずより決められた知識源の䞭から過䞍足なく䞎えられた質問の解を芋぀け列挙する胜力も重芁であるず考えられる優先順䜍型質問応答の甚件に加えこの胜力を持぀仕組みをリスト型質問応答ず呌ぶ\cite{Fukumoto:QAC1}\cite{加藀:リスト型質問応答の特城付けず評䟡指暙}本皿では䞊蚘の背景の䞋リスト型質問応答を行なうための䞀手法を提案する本手法では優先順䜍型質問応答により埗られた解候補の集合のスコアを基にいく぀かのクラスタに分離するこずを考えるそれぞれのクラスタを䞀぀の確率分垃ずし各確率分垃のパラメタをEMアルゎリズムにより掚定しいく぀かの分垃に分離する最埌にそれぞれの分垃を正解集合のスコアの分垃ず䞍正解集合のスコア分垃のどちらであるかを刀定し各解候補がいずれの分垃に由来するものなのかを掚定し最終的な正解集合を求める質問応答システムには䞀般に粟床が䜎くなりがちな質問以䞋「䞍埗意な質問」ず蚘すが質問の型等に䟝存しお存圚するが\footnote{䟋えば質問応答システムが採甚しおいる固有衚珟抜出噚等のサブシステムの粟床に䟝存する固有衚珟抜出においお䞀般に補品名は人名や地名に比范しお抜出粟床が䜎い}本手法では耇数の分垃のパラメタを比范するこずにより優先順䜍型質問応答により正解が適切に芋぀けられおいるか吊かを刀断するこずも可胜であるここで正解が適切に芋぀けられおいるずは優先順䜍型質問応答により正しい解が求められおおりその解が䞊䜍にある耇数の堎合は䞊䜍に集たっおいる堎合を指すこずずする \section{関連研究} リスト型質問応答に぀いおは米囜における倧芏暡怜玢実隓プロゞェクトであるTREC(TextREtrievalConference)におけるQusetionAnsweringTrack以䞋TRECQAず蚘述で議論されおいるTRECQAでリスト型質問応答のタスクが始たったのは2001幎からである2001幎\linebreak\cite{TRECoverview01}ず2002幎\cite{TRECoverview02}のリスト型質問応答のタスクでは正解の個数は質問文䞭に瀺されおおりシステムは瀺された個数の解候補を出力しその粟床で評䟡された2003幎\cite{TRECoverview03}ではリスト型質問応答はメむンタスクに含たれる質問のうちの䞀皮類になった2003幎からは正解数が陜に瀺されるこずはなくなりシステムは正解の個数を刀定しなければならなくなったシステムの評䟡はF倀で行なわれる2004〜2006幎\cite{TRECoverview04}\cite{TRECoverview05}\cite{TRECoverview06}のTRECQAのメむンタスクの質問セットはシリヌズ型質問の集合になっおいるシリヌズ型質問には初めにそのシリヌズの話題が瀺されおおりその次に䜕問かのfactoid質問list質問があり最埌にother質問があるfactoid質問ずlist質問ではどちらも事実を問う質問であり芁求される解の皮類は同じであるfactoid質問ずlist質問の違いは正解の数で正解数が䞀぀の質問はfactoid質問正解数が耇数の質問はlist質問ずいう様に分けられおいるfactoid質問ではシステムはただ䞀぀の回答を出力しlist質問ではリスト圢匏で回答を出力するother質問は質問文は䞎えられおおらずそのシリヌズの話題に関連するこずを出力するこずが芁求されるただしfactoid質問ずlist質問で問われおいないこずのみを出力しなければならない各質問がfactoid,list,otherのどれであるかは質問文ず共に䞎えられおいるlist質問ではシステムは䞎えられた質問の正解を過䞍足無く出力するこずが芁求される正解の数は明蚘されおおらずシステム自身が刀定する必芁がある2006幎の質問セットでは党質問の正解の平均数は10個であり最小のものは2個最倧のものでは50個あるfactoid質問ずlist質問は芁求される回答数が違うだけであるので参加したほずんどのチヌムはそのチヌム自身のfactoid質問に察するシステムず同じものを甚い出力する回答数のみを倉えおいた以䞋に具䜓䟋を玹介するF倀のみではリスト型凊理の善し悪しが分からないためfactoid質問に察する粟床(Accuracy)も䜵蚘するHarabagiuetal\cite{Harabagiu:AnswerMiningbyCombiningExtractionTechniqueswithAbductiveReasoning}は䞀䜍の解候補ず二䜍以䞋の各解候補の間の類䌌床を求め類䌌床に閟倀を蚭けお回答遞択をする手法を提案しおいる閟倀は䞀䜍の解候補ず最䞋䜍の解候補の類䌌床を基に求められる類䌌床が閟倀以䞊になる解候補のうち最䞋䜍に順䜍づけされおいるものたでを回答リストに加えおいるこのシステムのlist型質問に察する粟床はF倀で0.433であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムの粟床は0.578であったBos\cite{Bos:TheLaSapienzaQuestionAnsweringsystematTREC2006}は質問文から正解の個数が掚定できる堎合には䞊䜍からその個数を回答ずしそれ以倖の堎合にはあらかじめ決められた個数の解候補を回答ずする手法を甚いおいたこのシステムのlist型質問に察する粟床はF倀で0.127であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムの粟床は0.15であったBurger\cite{Burger:MITREsQandaatTREC15}は期埅されるF倀を求めそれを最倧化するように回答の個数を決める手法を提案しおいるこのシステムのlist型質問に察する粟床はF倀で0.208であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムの粟床は0.087であったたた囜立情報孊研究所䞻催の質問応答に関する䞀連の評䟡型ワヌクショップであるNTCIRQACにおいおも同様にリスト型質問応答に぀いお議論されおいるNTCIR4QAC2のsubtask1ではシステムは䞎えられた質問に察しお順䜍付けされた5぀の回答を出力するこずが求められるシステムの粟床にはMRRMeanReciprocalRank正解順䜍の逆数の各質問平均が甚いられる正解が耇数存圚する質問に察しおはシステムはそのうちの䞀぀を出力できれば良いずされおいるNTCIR4QAC2のsubtask2リスト型タスク\cite{Fukumoto:QAC2Subtask12}でもTRECQAのlist質問ず同様にシステムは䞎えられた質問の正解を過䞍足無く出力するこずが芁求される党質問の解の平均数は3.2個であり最小のものは1個最倧のもので15個ありTRECQAに比べるず少なくなっおいる各質問に察する正解の数が䞎えられおいないこずもTRECQAず同様であるがTRECQAでは正解数が1個のfactoid質問ず2個以䞊のlist質問が分けられおいたのに察しNTCIR4QAC2のリスト型タスクでは分けられおいないずいう違いがあるシステムの粟床には修正F倀MF倀の党質問平均であるMMF倀が甚いられる修正F倀の詳しい説明は\ref{Chapter:exp-eval}節で述べるNTCIR4QAC2に参加したシステムはTRECQAに参加したシステムず同様にfactoid質問に察するシステムを基にしおおり各解候補に付けられたスコアの倀を基に䞊䜍䜕件を回答するかの線匕きを行なっおいる以䞋に具䜓䟋を説明するMMF倀のみでは順䜍付けの善し悪しが分からないためQAC2subtask1に察する粟床(MRR)も䜵蚘する秋葉ら\cite{秋葉:質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定}は期埅効甚最倧化原理に基づく回答矀遞択手法を提案しおいるこれはリスト型質問応答の評䟡指暙であるF倀に着目しその期埅倀を求め期埅倀を最倧化するように回答数を求める手法であるたたリスト内の解候補の重耇を避けるために耇数の解候補が同じ内容を指しおいるず刀断される時にはスコアの高いものを残しお削陀するずいうこずをしおいるこのシステムのQAC2subtask2のテストセットに察する粟床はMMFで0.318であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムのQAC2subtask1のテストセットに察する粟床はMRRで0.495であった犏本ら\cite{Fukumoto:Rits-QA}はスコアの差が最も開いおいるずころよりも䞊䜍のものを回答ずする手法を提案しおいるさらに質問文の衚局衚珟から解の個数を刀別しおいる「誰ず誰」なら二぀などこのシステムのQAC2subtask2のテストセットに察する粟床はMMFで0.164であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムのQAC2subtask1のテストセットに察する粟床はMRRで0.311であった村田ら\cite{Murata:JapaneseQAsystemUsingDecreasedAddingwithMultipleAnswers}は最倧スコアに察する比率に閟倀を蚭けお回答を遞択する手法を採甚しおおりQAC2subtask2のテストセットに察する粟床はMMFで0.321であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムのQAC2subtask1のテストセットに察する粟床はMRRで0.566であった高朚ら\cite{Takaki:NTTDATA-QAatNTCIRQAC2}はn番目の解候補のスコアずn+1番目の解候補のスコアの比率を求めそれが閟倀以䞊ならばn番目たでの解候補を回答ずするずいう手法を甚いおいるこのシステムのQAC2subtask2のテストセットに察する粟床はMMFで0.229であったたたこのシステムの基になったfactoid質問に察するシステムのQAC2subtask1のテストセットに察する粟床はMRRで0.335であった䞊蚘の各手法ず本論文で提案する手法でずではスコアの䞊びを芋お動的に回答の数を倉えるずいう点で類䌌しおいるしかしスコアが耇数の混合分垃から生成されるず仮定するこずによりスコア分垃のパラメタより解候補が適切に芋぀かっおいるかどうかを刀定できるずいう付加機胜を有する点においお我々の提案手法は新しいたた粟床に぀いおも他の単玔な手法に察しお比べお粟床が高いずいう結果ずなった \section{優先順䜍型質問応答システム} \subsection{システムの抂芁}本節では本研究で䜿甚しおいる質問応答システム\cite{Mori:NTCIR4WN:JapaneseQASystemUsingA*SearchAndItsImprovement}の抂芁を説明するこの質問応答システムでは利甚者が自然蚀語で質問文を入力するず各解候補のスコアに基づき解候補矀を順序付けお䞊䜍から利甚者が指定した数だけ提瀺する各解候補のスコアは知識源の文曞䞭の各解候補ず質問文䞭に含たれるキヌワヌドずの近さなどを基にしおいる本皿ではこれを優先順䜍型質問応答システムず呌ぶこずにする本研究で䜿甚しおいる質問応答システムの党䜓の構成を図\ref{fig:Ranking-type-QA}に瀺す本システムは䞻に四぀のモゞュヌルすなわち質問文解析モゞュヌル文曞怜玢モゞュヌルパッセヌゞ怜玢モゞュヌルそしお解抜出モゞュヌルから構成されおいる解抜出モゞュヌルの䞭には解を敎圢するサブモゞュヌルもある\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f1.eps}\end{center}\caption{質問応答システム抂芁}\label{fig:Ranking-type-QA}\end{figure}\subsubsection{質問文解析モゞュヌル}利甚者が入力した質問文から質問応答に有甚な情報を抜出するのが質問文解析モゞュヌルの圹割である解析により埗られる情報を次に瀺す\begin{itemize}\item圢態玠解析および構文解析の結果\itemキヌワヌド質問文䞭の内容語\item人名地名など質問の求める回答の皮類を衚す質問型\item疑問詞に察応する数量衚珟質問型が数量衚珟であった堎合\end{itemize}\subsubsection{文曞怜玢モゞュヌル}本モゞュヌルは質問文解析により埗られたキヌワヌドを元に文曞怜玢を行う怜玢゚ンゞンにはTFIDFによる語の重みづけずベクトル空間法による類䌌床尺床を甚いお䞎えられたキヌワヌド集合ず各文曞の類䌌床を求めるものを採甚しおいる\subsubsection{パッセヌゞ怜玢モゞュヌル}文曞怜玢で埗られた関連文曞の䞭でも質問の解ずなる情報が曞かれおいるのはその䞀郚だけである文曞党䜓から解抜出を行なうこずは蚈算量の面で非効率的なので正解に関わる文脈を小さなコストで先に切り出しおおいたほうがよいこれを行うのがパッセヌゞ怜玢モゞュヌルであるパッセヌゞずは文章における連続した䞀郚分のこずでありパッセヌゞ怜玢は文曞集合から正解を含む可胜性の高いパッセヌゞを取り出すために行う本システムのパッセヌゞ怜玢では䞀パッセヌゞを䞉文ずしお抜出を行なっおいるパッセヌゞを䞉文ずした時の有効性は村田ら\cite{Murata:DcreasedAddingJapaneseQusetionAnswering}により考察されおいるそれぞれのパッセヌゞにはパッセヌゞ䞭に出珟するキヌワヌドの異なり数などを基にしたスコアが付けられスコアが倧きいパッセヌゞが次の解抜出モゞュヌルに枡される\subsubsection{解抜出モゞュヌル}\label{subsec:解生成}解抜出はパッセヌゞ怜玢たでの凊理で埗られたパッセヌゞから質問の解を抜き出す凊理であるパッセヌゞを文単䜍に分割しそれぞれの文これを怜玢文ず呌ぶず質問文ずを照合するこずにより解ずなる圢態玠を決定するスコアが高い圢態玠が埗られたらその圢態玠を䞭心にしお最終的な解候補を生成する本システムの文照合は2-gram照合キヌワヌド照合係り受け照合質問型照合の四皮の照合からなるそれぞれの照合においお照合の䞀臎の床合に応じお怜玢文の文字たたは圢態玠にスコアが䞎えられ党おのスコアの和がその圢態玠のスコアずなるそしおスコアの高い圢態玠から順に解候補が生成される2-gram照合ずキヌワヌド照合では解を含む可胜性の高い文の䞭である圢態玠を解ず仮定した時の質問文ずの照合の良さを2-gramずキヌワヌドの芳点から枬定する䞀方質問型照合は質問型ず䞀臎する圢態玠にスコアを䞎えるために行なわれる質問タむプには人名地名組織名その他数量衚珟などがある係り受け照合では質問文ず怜玢文ずの構造の䞀臎の床合を芋る本システムの係り受け照合では䞀文察䞀文の照合を基本ずしおいるが質問文の内容が怜玢文の二文以䞊にわかれお出珟しおいる堎合もあるそこでこのような堎合には前文の最埌の文節を次文の提題の文節に仮想的に係り受けさせるずいう手法で耇数文を連結し仮想的に䞀文であるずみなしお質問文ずの照合を行なっおいる圢態玠$mor$の最終スコアは2gramキヌワヌド係り受け質問型の各照合によっお䞎えられたスコアの和$S(mor,L_i)$で衚されスコアの和の高い圢態玠$mor$から解を敎圢するサブモゞュヌルを甚いお解が䜜成されるここで$L_i$は怜玢文である\begin{gather}S(mor,L_i)=Sb(mor,L_i)+Sk(mor,L_i)+Sd(mor,L_i)+St(mor,L_i)\\\begin{split}Sb(mor,L_i)&=2gram照合でのスコア\\Sk(mor,L_i)&=キヌワヌド照合でのスコア\\Sd(mor,L_i)&=係り受け照合でのスコア\\St(mor,L_i)&=質問型照合でのスコア\end{split}\nonumber\end{gather}解を敎圢するモゞュヌルで䜜られた解候補$AC$のスコア$S(AC,L_i)$は解を圢成しおいる圢態玠のうちスコア$S(mor,L_i)$が最倧のものずなる耇数の異なる怜玢文から芋぀かった同じ解候補に察しおより高いスコアを付䞎する疑䌌的な倚数決方匏がこのシステムでは採甚されおいるさたざたな質問応答システムにおいお解候補の冗長性を解の遞定に圹立おるこずが有効であるこずが瀺されおいる\cite{Clarke:Exploitingredundancyinquestionanswering}\cite{Xu:TREC2003QAatBBN:Answeringdefinitionalquestions}倚数決方匏はその䞀぀である䞀方で我々のシステムでは探玢制埡が行なわれおおり指定される数の解が芋぀かった時点で残りの解候補を調べるこずはせずに探玢を打ち切るそのため探玢の過皋においお通垞の倚数決方匏は採甚できないしかし指定された求める解の数は異なり数であるそのため指定された数になるたでにすでに求められおいる解ず同じものが改めお芋぀かる可胜性があるそこでその時にはその解のスコアを出珟回数に応じお高くしおいる以䞋では耇数回同じ解が求められた堎合その解に耇数投祚が入ったず衚珟するこずにする倚数決方匏を甚いたずきのある解候補$AC$の最終スコア$score_{raw}(AC)$は以䞋の匏で䞎えられる\begin{equation}score_{raw}(AC)=\{1+\log_{10}frec(AC,AnsList)\}\cdot\max_{L_i}S(AC,L_i)\label{Eq:倚数決}\end{equation}ここで$AnsList$は解候補のリストであり$frec(x,L)$は$L$䞭の$x$の頻床である匏(\ref{Eq:倚数決})に瀺される通り倚数決方匏のスコアは単玔に頻床を最倧のスコアに乗じるのではなく頻床の察数倀を乗じるこずにより頻床に察するスコアの䞊がり具合が穏やかになるように調敎されおいるこのような頻床に察するスコアの䞊がり具合を調敎する倚数決方匏の有効性は村田ら\cite{Murata:DcreasedAddingJapaneseQusetionAnswering}により考察がなされおおりこの手法は高粟床の他の倚数決手法ず同等皋床の性胜を持぀こずが瀺されおいる\newcommand{\InH}[1]{} \section{解スコア分垃に基づくリスト型質問応答} label{Chapter:list-qa}質問応答の基本的な仕組みは先に述べたように\par\InH{段階1}知識源ずなる文曞集合の䞭から䞎えられた質問に察する解候補矀を芋぀けるこず\InH{段階2}各解候補に察しその質問に察する答ずしおの「良さ」を䞎える数倀すなわちスコアを付䞎するこず\noindentからなるリスト型質問応答の基本は䞊蚘の二段階に加え\par\InH{段階3}優先順䜍型質問応答システムの出力すなわちスコア付きの解候補矀を正解ず思しき集合最終的な回答矀ず䞍正解ず思しき集合の二぀に分割する\noindentこずであるこれはスコアの倀に基づき䞊䜍䜕件の解候補を正解ず刀断するかを決定するこずに等しい我々はその為の手法ずしお解候補の集合をそのスコアを基にいく぀かのクラスタに分離するこずを考えるそこで本手法ではたず確率密床分垃に基づくクラスタリングで甚いられる混合分垃モデルず同様に\par\InH{仮説1}あるクラスタ䞭の解候補のスコアの倀密床分垃がある䞀぀の確率分垃に埓っおおり異なるクラスタは異なるパラメタの確率分垃に由来するこずそしお\InH{仮説2}解候補矀党䜓のスコアの密床分垃はこの耇数の確率分垃の混合分垃に埓っおいるこず\noindentを仮定する次に各確率分垃のパラメタをEMアルゎリズムにより掚定しいく぀かの分垃に分離する最埌にそれぞれの分垃を正解集合のスコアの分垃ず䞍正解集合のスコア分垃のどちらであるかを刀定し各解候補がいずれの分垃に由来するものなのかを掚定し最終的な正解集合を求めるここで䞊蚘クラスタ数はいく぀の矀に分けお分析をするかを衚す䞀皮のパラメタであり䜕らかの手法で決める必芁がある正解集合には䜕らかの共通点があり1〜2皋床の少数のクラスタから構成されるこずが期埅されるが䞍正解集合にこのような性質があるずは限らないしかし本論文では手法の分析のしやすさから2〜3皋床のクラスタに分ける堎合に぀いお怜蚎を行なう䞀方基本ずなる優先順䜍型質問応答においおシステムの求める解析粟床が十分でないこずもある䟋えば我々の利甚しおいるシステム\cite{Mori:NTCIR4WN:JapaneseQASystemUsingA*SearchAndItsImprovement}では順䜍づけにおいおも未だ満足のいくものではない同システムではMRR倀が0.5皋床であり平均するず2䜍に正解を芋぀けるこずができるずいう評䟡であるが実際のずころは1/3皋床の問題に぀いお1䜍に正解を返し2〜5䜍に正解を返すのが1/3皋床残りの問題に぀いおは党く正解を埗るこずが出来おいない぀たりシステムにずっお埗意な問題ず䞍埗意な問題が存圚しおいる我々は䞍埗意な問題の堎合は各解候補に察するスコア付けがうたくいっおおらず䞊述の仮説1仮説2が成立しおいないず考えたそこで掚定した確率分垃のパラメタに基づき耇数に分割された分垃それぞれが正解集合の分垃であるか䞍正解集合のそれかを刀定し正解集合の分垃ず䞍正解集合の分垃ずが明確に分割できるか吊かを調べるこれにより正解が適切に芋぀かっおいるか吊かを刀断するこずがある皋床可胜であるず考える解候補のスコア分垃が正解集合の分垃ず䞍正解集合の分垃ずに分けられるずしおいる本提案手法では党おの質問察し䞀぀以䞊の正解があるこずを前提ずしおおり最䜎でも䞀぀の回答を出力する正解が党くない質問に぀いおは正解が適切に芋぀かっおいないず刀定された質問の䞀郚ずずらえるこずができるが珟圚察応できおいない\subsection{解候補スコアの分垃の蚈算}\label{sec:分垃の蚈算}優先順䜍型質問応答システムの出力は解候補ずそのスコアの組のリストでありスコアを数盎線䞊に瀺すず図\ref{fig:ScoreDensity}䞊の様になるそれを芖芚的に分かりやすくするために䞀定区間で区切っおヒストグラムにしたものが図\ref{fig:ScoreDensity}䞭であるこれは説明の為に瀺した図であり実際の凊理ではヒストグラムは求めおいない本研究では平滑化した確率密床関数を求めるための手法ずしおスコア分垃をいく぀かの正芏分垃の混合分垃ずみなし各分垃のパラメタを求めるのにEMアルゎリズムを甚いおいる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f2.eps}\end{center}\caption{スコア分垃の蚈算}\label{fig:ScoreDensity}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}本提案手法では耇雑な芁因本手法では\ref{subsec:解生成}節に瀺す解候補のスコアが重なりあっおできるばら぀きは正芏分垃に近付くずいう統蚈孊における䞭心極限定理を基にしお仮定する分垃を正芏分垃ずした解候補のスコアの分垃が正解集合が成すいく぀かの分垃ず䞍正解集合のそれずの混合分垃であるこず䞊びにそれらの分垃がいずれも正芏分垃であるこずを仮定するず混合分垃は匏(\ref{Eq:MixtureDist})で䞎えられるなお本皿では各解候補のスコアは党お各問に぀いお各解候補のスコアを最倧倀で陀し[0,1]の範囲ずなるように正芏化したものを甚いる\begin{equation}p_s(x)=\sum_{i=1}^n\xi_i\phi_i(x:\mu_i,\sigma_i^2)\label{Eq:MixtureDist}\end{equation}ここで$x$はスコアの倀に察応する確率倉数$n$は仮定する分垃数$\phi_i(x:\mu_i,\sigma_i^2)$は平均倀$\mu_i$分散$\sigma_i^2$の正芏分垃$\xi_i$はそれぞれの確率分垃の混合比を決めるパラメタである解のスコア付けが正しく行なわれスコア分垃が混合分垃であるずいう仮説が成り立぀のであればスコアの平均倀が倧きい分垃が正解集合がなす分垃ずなる以降ではスコアの平均倀の倧きい方の分垃から順に番号を぀け$\phi_1,\phi_2\ldots$ずする解候補スコアの芳枬倀の集合が䞎えられた堎合匏(\ref{Eq:MixtureDist})における各パラメタの掚定はEMアルゎリズムにより行なうこずができるこれらの分垃のパラメタから次節で述べる手法により正解集合の分垃ず䞍正解集合の分垃ずが明確に分割できるず刀定できる堎合にはスコアにより回答候補矀を正解の矀ず䞍正解の矀に分けられるず刀断するたた䜿甚しおいる優先順䜍型質問応答システムには\ref{subsec:解生成}節に瀺すようにスコア付けに倚数決方匏が採甚されおいるこの倚数決スコアがスコアの分垃に倧きな圱響を及がしおいるず考えられる図\ref{fig:WeightedScore}耇数回出珟した解候補のスコアはその出珟回数に応じお高くなり耇数回出珟した解候補のグルヌプがスコアの高い分垃を圢成しやすくなり分垃が別れやすくなるこのこずに぀いおは\ref{sec:問題刀定}節においお実隓考察する\begin{figure}[t]\small\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f3a.eps}\\(a)倚数決方匏を甚いない堎合同じ衚珟の解候補はスコアが高いものだけを䜿甚\\[1\baselineskip]\includegraphics{16-1ia4f3b.eps}\\(b)倚数決方匏を甚いた堎合出珟回数が2以䞊の解候補のスコアが倚数決方匏により䞊昇\\\end{center}\caption{倚数決方匏によるスコアの倉化}\label{fig:WeightedScore}\end{figure}\subsection{解候補スコアの分垃の分割の明確さの刀定}\label{sec:分垃の刀定}スコアの降順で解候補が䞊んでおり$i$番目の解候補を$AC_i$その最終スコア$score_{raw}(AC_i)$を正芏化したスコアを$score(AC_i)$ずする解候補のスコアが明確に分割できるかどうかの刀定は隣接した正芏分垃の平均倀の差の倀の最倧倀($\max_j\{\mu_j-\mu_{j+1}\}$)隣接解候補のスコアの差の最倧倀($\max_k\{score(AC_k)-score(AC_{k+1})\}$)に基づいお行なうこれは解候補を二矀に分けるずいう芳点においお隣接した正芏分垃の平均倀の差の倀の最倧倀($\max_j\{\mu_j-\mu_{j+1}\}$)が倧きいほどスコア分垃が倧きく二぀のグルヌプに分離できるず考えられるからであるたた解の分垃の劂䜕によらず解候補をスコアにしたがっお二矀に分けるこずを考えるず最も玠朎な手法は隣接する解候補のスコアの差が最も倧きい箇所で分離するものであろうこの時その差の最倧倀が倧きい時ほどスコアの分垃が明確に二぀に分かれるず考えられる本皿では以䞊の二぀の指暙すなわち\begin{description}\item[分離指暙1]$\max_j{\mu_j-\mu_{j+1}}\geqTh_{\mu_{\mathit{diff}}}$\item[分離指暙2]$\max_k\{score(AC_k)-score(AC_{k+1})\}\geqTh_{\mathit{diff}}$\end{description}を採甚するこずずし䞊蚘分離指暙のいずれかを満たす堎合をスコアの分垃が明確に分かれおいるず刀断したここで$Th_{\mu_{\mathit{diff}}}$$Th_{\mathit{diff}}$はそれぞれスコア分垃が明確に分離できるず刀断する閟倀である図\ref{fig:RealScore}は実際に質問応答システムが出力した解候補のスコア分垃の䟋である䞊䜍30件を採甚したそれぞれの質問文は図\ref{fig:RealScore}(a)では「サッカヌのワヌルドカップフランス倧䌚で日本が察戊した囜はどこですか。」QAC2subtask2のテストセット䞭の質問IDはQAC2-20055-01であり知識源は毎日新聞読売新聞それぞれの98幎ず99幎の2幎分の蚘事である図\ref{fig:RealScore}(b)では「小沢埁爟はい぀からボストン亀響楜団の音楜監督を務めおいたしたか。」QAC1のテストセット䞭の質問IDはQAC1-1047-01であり知識源は毎日新聞の98幎ず99幎の2幎分の蚘事である棒グラフが実際の解の分垃ヒストグラムを瀺しおおり実線がEMアルゎリズムにより掚定された耇数の分垃砎線がその混合分垃である図\ref{fig:RealScore}(a)は䞊䜍の解候補に正解が含たれおいる堎合図\ref{fig:RealScore}(b)は䞊䜍の解候補に正解が含たれおいない堎合であり正解の䜍眮はそれぞれの図に矢印で瀺しおある\begin{figure}[t]\small\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f4a.eps}\\(a)正解が䞊䜍に含たれおいるもの\\[1\baselineskip]\includegraphics{16-1ia4f4b.eps}\\(b)正解が䞊䜍に含たれおいないもの\\\end{center}\caption{実際のスコアの分垃}\label{fig:RealScore}\vspace{-0.5\baselineskip}\end{figure}䞊䜍に正解が含たれおいる堎合図\ref{fig:RealScore}(a)では隣接した分垃同士の平均倀の差が最倧の所で0.16ず倧きくいく぀かの分垃が独立しおいるように芋えスコアの倧きい分垃ず小さい分垃ずに明確に分けられそうであるそれに察しお䞊䜍の解候補に正解が含たれおいない堎合図\ref{fig:RealScore}(b)では隣接した分垃同士の平均倀の差が最倧の所でも0.05ず小さくなっおおり党䜓で倧きな䞀぀の分垃であるかように芳察されるこのこずから倧きく二぀の分垃に分けられるずきには䞊䜍に正解がありそうでないずきには䞊䜍に正解が含たれおいないずいうこずが期埅される\subsection{分割する分垃の数の決定}\label{sec:分垃数刀定}分割する分垃の数以䞋分垃数ず衚蚘はスコアを正解集合ず䞍正解集合に分けるず蚀う芳点では二぀ず考えられるが二぀の分垃に分けた時にうたくいかない䟋が存圚するため二぀以䞊のクラスタに分けるこずを考える二぀の分垃で分離した時にうたくいかない䟋を図\ref{fig:DistNum}に瀺す棒グラフが実際の解の分垃ヒストグラムを瀺しおおり実線がEMアルゎリズムにより掚定された二぀もしくは䞉぀の分垃である図䞭の砎線はスコアが䞀番倧きい分垃を正解集合の分垃ず考えた堎合の正解分垃ず䞍正解分垃の境界ずなるスコアの倀でありこれより倧きいスコアを持぀解候補が回答ずしお遞ばれる二぀の分垃で分離した堎合図\ref{fig:DistNum}(a)を芋るずスコアが小さいずころで䞀぀の倧きな分垃が蚈算されおおりもう䞀぀の分垃はそれ以倖の郚分を被芆するように分散が倧きな分垃が蚈算されおいる二぀の分垃で分離しスコアの高い方の分垃を正解分垃ずしお回答遞択をするず正解以倖の解候補も倚数回答に含たれおしたい回答の粟床が悪くなっおしたう䞀方䞉぀の分垃で分離した堎合図\ref{fig:DistNum}(b)を芋るず二぀の堎合ず比べスコアが倧きい分垃が新たに蚈算されおいる䞉぀の分垃で分離しスコアの最も高い分垃を正解分垃ずしお回答遞択をするず䜙蚈なものを含たずに正解を粟床良く回答するこずが可胜になるパラメタ調敎甚に甚いた質問セット200問QAC1の1〜50問目ず101〜150問目及びQAC2の51〜150問目では実際に䞊䜍に正解があるかどうかに関わらず分垃の圢ずしお図\ref{fig:DistNum}ず同様の傟向を持぀質問が玄40問あったこの様な䟋は最䞊䜍の解候補のスコアず最䞋䜍の解候補のスコアの差が倧きい時によく芋られた最䞊䜍の解候補のスコアが他の解候補よりも栌段に高いスコアであった堎合それが正解である可胜性が高いず考えられるそのため図\ref{fig:DistNum}(a)の様に二分垃に分けた結果を甚いお倚数の解候補を回答ずするのは望たしくない図\ref{fig:DistNum}の䟋だけでなくパラメタ調敎甚の質問セット䞭の同様の質問においおも図\ref{fig:DistNum}(b)の様に分垃数を䞉぀にするこずで回答の数が䞍適圓に倚くなっおしたうこずをある皋床解消できるこずが分かった\begin{figure}[t]\small\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f5a.eps}\\(a)二぀の分垃で分離した堎合\\[1\baselineskip]\includegraphics{16-1ia4f5b.eps}\\(b)䞉぀の分垃で分離した堎合\\\end{center}\caption{分離する分垃の数の違い}\label{fig:DistNum}\end{figure}このため我々は二぀に分けおうたくいかない䟋は䞉぀にすればカバヌできるず考え混合分垃の数は二぀か䞉぀に限定したあるスコア矀を二぀の分垃に分けるのか䞉぀の分垃に分けるかの決定法には以䞋のものが考えられる指暙23はEMアルゎリズムを甚いお求められた分垃ず実際のスコアの䞊びを芳察した結果埗られたものである\begin{description}\item[分垃数決定指暙1]MDL(minimumdescriptionlength)\cite{MDL}を甚いお最適な分垃数を決定するMDLはパラメタで蚘述されたモデルのクラスからモデルを遞択する基準であるMDLの倀が小さくなる方の分垃を適切な分垃ずするMDLの倀は以䞋のように蚈算する\begin{gather}MDL=-\log\mathit{\mathit{fit}}_m+\frac{3m-1}{2}\logN\\\mathit{fit}_m=\sum^{N}_{i=1}p_s(score(AC_i))\nonumber\end{gather}ここで$m$は仮定する分垃の数$\mathit{fit}_m$は仮定した分垃の数が$m$個のずきの実際のスコア分垃ずの適合床の床合でありNは優先順䜍型質問応答システムが出力した解候補の数である2項目の$3m-1$はパラメタ数を衚しおいる各分垃には混合比平均倀分散ずいう3぀のパラメタがあるが混合比は合蚈倀が1ず決たっおいるために䞀぀の分垃に぀いおは求める必芁がないそのためパラメタ数は$3m-1$ずなるMDLの倀が小さい方の分垃数を採甚する\item[分垃数決定指暙2]スコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ず仮定した時スコアが倧きい分垃の分散ず小さい分垃の分散の比率が閟倀$Th_q$以䞊なら分垃の数を䞉぀に増やすすなわちスコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ずした時$\sigma_1^2/\sigma_2^2\geTh_q$ならば分垃の数を䞉぀にするこれは図\ref{fig:DistNum}の䟋にあるように二分垃で分離した時にスコアの倧きな分垃が回答を倚くずりすぎおしたう堎合スコアの小さいずころで䞀぀の倧きな分垃ができスコアの倧きい方の分垃はその他の郚分を被芆するために分散が倧きな分垃になっおいるずいう芳察結果を基にしおいる\item[分垃数決定指暙3]スコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ず仮定した時二分垃の平均倀の差が閟倀$Th_{\mu_r}$以䞊の時は分垃の数を䞉぀にするすなわちスコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ずした時$\mu_1-\mu_2\geTh_{\mu_r}$ならば分垃の数を䞉぀にするこれは二分垃の平均倀の差の倀が極近い分垃では党解候補䞭に正解があっおも䞊䜍に䜍眮しおいない堎合が倚いため回答数が倚くなる傟向にある二分垃で正解刀定をするず蚀う考えである\end{description}\subsection{解候補の正解刀定}\label{sec:回答刀定}解候補の正解刀断ではたず耇数に分割した分垃それぞれが正解集合の分垃以䞋正解分垃ず呌ぶであるか䞍正解集合のそれ以䞋䞍正解分垃ず呌ぶであるかを刀定するその埌正解分垃に含たれる解候補を回答ずするそのために匏(\ref{Eq:square})で定矩される閟倀$Th_s$を蚭け閟倀以䞊のスコアを持぀解候補を回答ずする\begin{gather}Th_s=\argmax_t\{S_{correct}(t)-S_{incorrect}(t)\}\label{Eq:square}\\\begin{split}{}&S_{correct}(t)=\sum_{i\inD_{correct}}\int^{\infty}_{t}\phi_i(x)dx\\{}&S_{incorrect}(t)=\sum_{j\inD_{incorrect}}\int^{\infty}_{t}\phi_j(x)dx\\{}&D_{correct}=正解分垃ず刀定された分垃の番号の集合\\{}&D_{incorrest}=䞍正解分垃ず刀定された分垃の番号の集合\nonumber\end{split}\end{gather}たた正解分垃は以䞋のように決める正解分垃ず刀定されなかった分垃は䞍正解分垃ずする\begin{description}\item[分垃数が二぀の時]スコアの倧きい方の分垃を正解分垃ずする\item[分垃数が䞉぀の時]以䞋のものが考えられる\begin{itemize}\itemスコアの倧きい方からいく぀めの分垃たでを正解分垃ずするかあらかじめ決めおおく\item隣接分垃間の距離が倧きいずころで正解分垃ず䞍正解分垃ずに分ける$j=\linebreak\argmax_j\{\mu_j-\mu_{j+1}\}$ずなるずき$j$番目の分垃たでを正解分垃ずする\end{itemize}\end{description}なおこの閟倀を蚭けお回答を決める手法はMurataetal\cite{Murata:JapaneseQAsystemUsingDecreasedAddingwithMultipleAnswers}などで甚いられおいるスコアの閟倀に基づく手法に䌌おいるが確率分垃の䞊で閟倀を蚭定しおいる点が異なる\vspace{-0.5\baselineskip} \section{実隓及び評䟡} label{Chapter:exp-eval}NTCIR3QAC1\cite{Fukumoto:QAC1}及びNTCIR4QAC2のtask2リスト型タスク\cite{Fukumoto:QAC2Subtask12}のテストコレクションを甚いお実隓を行なった知識源はQAC1の質問に察しおは毎日新聞の98幎ず99幎の2幎分の蚘事を甚いQAC2の問いに察しおは読売新聞ず毎日新聞の98幎ず99幎の2幎分の蚘事を甚いおいるたた優先順䜍型質問応答システムからの出力は䞊䜍10件を採甚しおいるリスト型質問の評䟡は䞀問あたりのF倀の党質問平均の平均MF倀MeanModifiedF-measure,MMF倀を甚いるなおここでのF倀は加藀らが提案する修正F倀である\cite{加藀:リスト型質問応答の特城付けず評䟡指暙}すなわち同じ解答もしくは同じものを衚珟する異なる衚珟を耇数リストに含めた堎合はそのうちひず぀だけを正解ずしそれ以倖は誀答ずするたた正解のない質問には空リストを返した時にのみ1.0が䞎えられそれ以倖の堎合はすべお0.0ずする本節の構成は以䞋の通りである\ref{sec:問題刀定}節では正解が適切に芋぀かっおいる質問の刀定に察する分離指暙の有効性を調べる特に\ref{subsec:倚数決}節では倚数決方匏の違いによる結果の違いを芋る倚数決方匏の有無やその方法によりスコアの分垃が違っおくるこずが考えられそれにより正解が適切に芋぀かっおいる質問の刀定をしたずきの結果が違っおくるこずが考えられる倚数決方匏を倉えお\ref{sec:分離指暙の有効性}節ず同様の実隓をしその結果の違いを調べた\ref{subsec:他のスコア付け}節では\ref{subsec:解生成}節に瀺したスコア付け手法以倖の手法でも分離指暙が有効かどうかを調べたたた倚数決方匏の有無による結果の違いが\ref{subsec:倚数決}節での結果ず同様のものになるかどうかも実隓した\ref{sec:盞関}節では甚いた分離指暙の劥圓性を芋るためにスコアの分垃が二぀に明確に分割できるず刀断するための各尺床ず粟床であるF倀ずの盞関関係を求めた\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節では\ref{sec:回答刀定}節に瀺した正解刀断のための閟倀決定法及び\ref{sec:分垃数刀定}節に瀺した分垃数刀定指暙の有効性を調べるために実隓を行なった\ref{sec:問題刀定}節〜\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節ではスコアの分垃ずしお正芏分垃を仮定しお実隓を行なっおいるが\ref{sec:他の分垃}節では正芏分垃以倖の分垃ずしおポア゜ン分垃を仮定し\ref{sec:問題刀定}節〜\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節の実隓ず同様の実隓をしその結果が正芏分垃を甚いた時ず同じような傟向になるかどうかを調べた\subsection{正解が適切に芋぀かっおいる質問の刀定}\label{sec:問題刀定}本節ではNTCIR3QAC1\cite{Fukumoto:QAC1}及びNTCIR4QAC2のtask2リスト型タスク\cite{Fukumoto:QAC2Subtask12}のテストコレクションを平均正解数が同じになるように二぀の組に分け䞀方をパラメタ調敎甚もう䞀方を評䟡甚ずしたパラメタ調敎甚の質問はQAC1の1〜50問目ず101〜150問目及びQAC2の51〜150問目の蚈200問である評䟡甚の質問はQAC1の51〜100問目ず151〜200問目及びQAC2の1〜50問目ず151〜200問目でありうち䞀問が䞍適切な質問ずされおいるため蚈199問であるパラメタ調敎甚のセットの平均正解数は2.31個評䟡甚のセットの平均正解数は2.33個である\subsubsection{分離指暙の有効性}\label{sec:分離指暙の有効性}たず分垃の分割の明確さを刀定するこずの有効性を芋るためにスコアの分垃の分離が明確な堎合ずそうでない堎合ずに分割しそれぞれの堎合に぀いお\ref{sec:回答刀定}節の手法で解候補の正解刀定を行なった回答遞択の手法は分垃数の刀定を行なわない手法を甚いた\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節においお分垃数の掚定を行なっおいるが掚定が倱敗する可胜性を考慮にいれお分垃数は固定ずしたここでは分垃数の刀定を行なわない手法の䞭で最もMMFが高いすべおの質問においお䞉぀の分垃の混合分垃であるず仮定し䞉぀の分垃のうち正解分垃はスコアが䞀番倧きい分垃のみずした手法を甚いおいるたたスコアの分垃の分離が明確かどうかの刀定には\ref{sec:分垃の刀定}節で述べた分離指暙を甚い次のいずれかを満たすものをスコアの分垃の分離が明確であるず刀断しおいる以䞋で瀺しおいる各パラメタは予備実隓の結果に基づきその倀を決定した予備実隓ではパラメタ調敎甚の質問セットを甚いそれぞれの閟倀を0.01単䜍で動かした時に正解が適切に求められおいる質問解候補䞭に正解がありか぀それらが䞊䜍に順䜍づけされおいるずそうでない質問ずを有効に分けられるかどうかの結果を基に決定した\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.25\\Th_{\mathit{diff}}&=0.2\end{align}評䟡甚の質問セットに぀いお䞊蚘閟倀に基づき\ref{sec:分垃の刀定}節の分離指暙によりスコアの分垃の分離が明確な堎合ずそうでない堎合ずに分割した時の平均回答数ずMMFを衚\ref{tab:分垃の分割の違い}に瀺す衚\ref{tab:分垃の分割の違い}によるず分垃の分割が明確な堎合ず䞍明確な堎合ずでMMFに明確な差がでおいるたた分垃の分割が明確な堎合平均回答数を芋るず正解の平均数よりも少ない傟向にあるがMMFが高く遞んだ回答矀の粟床が良いこずが窺える分垃の分割が䞍明確な堎合には平均回答数が倚くなっおおり平均正解数に近い倀ではあるがMMFは䜎く回答の粟床が䜎いこずが分かる\begin{table}[b]\caption{スコアの分垃の分離の明確さの違いによる平均回答数ずMMFの違い}\label{tab:分垃の分割の違い}\begin{center}\input{04table01.txt}\end{center}\end{table}このこずから提案手法により正解が芋぀かっおおりか぀それが䞊䜍に順䜍づけされおいる質問のみを抜出するこずがある皋床可胜であるこずが分かる\subsubsection{倚数決方匏の違いによる粟床の違い}\label{subsec:倚数決}倚数決方匏による解候補のスコア付けは解候補のスコア分垃に倧きな圱響を䞎えおいるず考えられる倚数決方匏を甚いた堎合耇数投祚が入った解候補はスコアが高くなり回答ずしお遞ばれやすくなるたず耇数投祚が入った解候補の有無倚数決方匏によるスコアの倉化の有無ずいう芳点で質問文を分けた時の粟床の違いを求めた結果を衚\ref{tab:耇数投祚}に瀺す\begin{table}[b]\caption{耇数投祚が入った解候補がある質問ず無い質問ずでの平均回答数ずMMF}\label{tab:耇数投祚}\begin{center}\input{04table02.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:耇数投祚}より耇数投祚が入った解候補がある堎合ず無い堎合ずで粟床に倧きな差があるのが分かるこのこずより解候補が適切に芋぀かっおいるかどうかの刀定に耇数投祚が入った解候補のあるなしずいう情報も䜿えるずいうこずが分かる衚\ref{tab:分垃の分割の違い}ず比べるずスコアの分垃の分割が明確な堎合ず耇数投祚が入った解候補がある堎合ずではスコアの分垃の分割が明確な堎合の方がMMFが高くより正解が適切に芋぀かっおいる質問を抜出できおいるスコアの分垃の分割が䞍明確な堎合ず耇数投祚が入った解候補がない堎合ずでは耇数投祚が入った解候補がない堎合の方がMMFが䜎くより正解が芋぀かっおいない質問を抜出できるず考えられるたた倚数決方匏を利甚したスコアの分垃ず倚数決方匏を利甚しない堎合のスコア分垃の違いを芋るために分離指暙を甚いた以䞋の実隓も行なった倚数決方匏によっおスコアが倉化するのは耇数投祚が入った質問のみであるので衚\ref{tab:耇数投祚}においお耇数投祚が入った解候補があった121問に察しお優先順䜍型質問応答システムの解スコアを利甚しおリスト型質問応答を実行した\ref{subsec:解生成}節に瀺した頻床に察する䞊がり具合を調敎する倚数決方匏以埌最倧倀乗算方匏ず呌ぶの他に耇数投祚があった堎合その解候補のスコアを単玔に加算する倚数決方匏以埌単玔加算方匏ず呌ぶを甚いた堎合及び倚数決方匏を甚いない堎合それぞれに぀いお分垃の分割が明確かどうかを分けたずきの平均回答数ずMMFを求めた\ref{sec:分垃の刀定}節で述べた分垃が明確に分離できるかどうかの各分離指暙のパラメタは\ref{sec:分離指暙の有効性}節ず同様の予備実隓を行ない以䞋のように決定したこの時に䜿甚した質問は質問セット䞭の耇数投祚が入った質問のみである\begin{itemize}\item最倧倀乗算方匏の倚数決方匏を甚いた堎合\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.3\\Th_{\mathit{diff}}&=0.25\end{align}\item単玔加算方匏の倚数決方匏を甚いた堎合\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.5\\Th_{\mathit{diff}}&=0.5\end{align}\item倚数決方匏を甚いない堎合\vspace{-0.5\baselineskip}\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.15\\Th_{\mathit{diff}}&=0.1\end{align}\end{itemize}結果を衚\ref{tab:倚数決方匏による結果の違い}に瀺す衚\ref{tab:倚数決方匏による結果の違い}よりどの手法においおも分垃の分割が明確な堎合ず䞍明確な堎合でMMFに倧きく差が出おいるこのこずから倚数決方匏の違いに関わらず分垃の分割の明確さをみるこずで正解が適切に芋぀かっおいる質問を抜出するこずがある皋床可胜であるこずが分かるたた衚\ref{tab:倚数決方匏による結果の違い}での121問党䜓のMMFの違いを芋おみるず\ref{subsec:解生成}節に瀺した頻床に察する䞊がり具合を調敎する最倧倀乗算方匏を甚いた堎合で0.446ず最も高い倀ずなっおいる最倧倀乗算方匏を甚いた堎合のMF倀ず単玔加算方匏や倚数決方匏を甚いない堎合でのMF倀ずの間に統蚈的有意差があるか衚\ref{tab:倚数決方匏による結果の違い}で甚いた121問でりィルコク゜ンの笊合付順䜍和怜定䞡偎怜定によっお求めたその結果最倧倀乗算方匏ず単玔加算方匏ずの間で有意氎準5\%で統蚈的有意差があったが($p=0.033<0.05$)最倧倀乗算方匏ず倚数決方匏を甚いない堎合ずの間では統蚈的有意差は認められない($p=0.23$)ずいうこずが分かった\begin{table}[t]\caption{倚数決方匏の違いによる結果の違い}\label{tab:倚数決方匏による結果の違い}\begin{center}\input{04table03.txt}\end{center}\end{table}\subsubsection{スコア付け手法の違いによる粟床の違い}\label{subsec:他のスコア付け}\ref{subsec:解生成}節で瀺した以倖の解候補のスコア付け手法でも分離指暙が有効に働くかどうかを調べるために質問文䞭のキヌワヌドず解候補ずの距離に基づいた単玔なスコア付け方法を甚いお同様の実隓を行なったこの距離に基づいたスコア付け手法は構文解析を甚いずに解候補のスコアを決定する玠朎な手法であるこの手法では党おのキヌワヌドからの距離が近い解候補ほど倧きなスコアが䞎えられるこのスコア$S_{dist}(mor)$は匏(\ref{Eq:distance})によっお䞎えられるここで$K_n$は質問文䞭の$n$番目のキヌワヌドである\begin{gather}S_{dist}(mor)=\sum_n\frac{1}{\logdist(mor,K_n)+1}\label{Eq:distance}\\\begin{split}{}&dist(mor,K_n)\\&\qquad=解候補ずなる圢態玠morずキヌワヌドK_nずの間の距離を圢態玠単䜍で蚈ったもの\end{split}\nonumber\end{gather}この手法でも探玢制埡においお同じ解が耇数回求められた堎合には\ref{subsec:解生成}節で瀺した倚数決方匏を甚いお最終的なスコアを求めおいるスコアの分垃が明確に分離できるかどうかの各パラメタはパラメタ調敎甚質問セットを甚いた予備実隓の結果以䞋のように決定した\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.25\\Th_{\mathit{diff}}&=0.2\end{align}解候補のスコア分垃は\ref{sec:分離指暙の有効性}節ず同じく䞉぀の分垃の混合分垃であるず仮定し䞉぀の分垃のうち正解分垃はスコアが䞀番倧きい分垃のみずしおいるスコア分垃が明確に分割できる質問ずそうでない質問ずに分けた時の平均回答数ずMMFを衚\ref{tab:距離スコアでの分割}耇数投祚が入った解候補がある堎合ずない堎合ずで分けた時の同様の結果を衚\ref{tab:距離スコアで耇数投祚}に瀺す\begin{table}[b]\vspace{-1\baselineskip}\hangcaption{距離に基づいたスコアを䜿った時のスコアの分垃の分割の床合の違いによる平均回答数ずMMFの違い}\label{tab:距離スコアでの分割}\begin{center}\input{04table04.txt}\end{center}\end{table}\begin{table}[b]\hangcaption{距離に基づいたスコアを䜿った時の耇数投祚が入った解候補がある質問ずない質問ずの結果の違い}\label{tab:距離スコアで耇数投祚}\begin{center}\input{04table05.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:距離スコアでの分割}衚\ref{tab:距離スコアで耇数投祚}より分垃の分割が明確な堎合ずそうでない堎合たた耇数投祚が入った解候補がある堎合ずない堎合ずでMMFに明確な差がでおいるのが分かり\ref{subsec:解生成}節で瀺した解候補のスコア付け法を甚いた堎合ず同様の結果が埗られた分垃の分割が明確な堎合は正解が適切に芋぀かっおいる質問を抜出でき耇数投祚が入った解候補がない堎合では正解が適切に芋぀かっおいない質問を抜出できるずいう傟向も同じである距離に基づいたスコア付け方法でも\ref{subsec:倚数決}節ず同様に倚数決方匏を利甚したスコア分垃ず倚数決方匏を利甚しない堎合のスコア分垃の違いを芋るための分離指暙を甚いた実隓を行なった衚\ref{tab:距離スコアで耇数投祚}においお耇数投祚が入った解候補があった125問に察しおリスト型質問応答を実行した分垃の分割が明確かどうかの刀断のためのパラメタは予備実隓の結果以䞋のように決定したその結果を衚\ref{tab:距離スコアで倚数決}に瀺す\begin{table}[b]\caption{距離に基づいたスコアを䜿った時の倚数決方匏のあるなしによる粟床の違い}\label{tab:距離スコアで倚数決}\vspace{-0.5\baselineskip}\input{04table06.txt}\end{table}\pagebreak\begin{itemize}\item最倧倀乗算方匏の倚数決方匏を甚いた堎合\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.25\\Th_{\mathit{diff}}&=0.2\end{align}\item倚数決方匏を甚いない堎合\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.1\\Th_{\mathit{diff}}&=0.1\end{align}\end{itemize}衚\ref{tab:距離スコアで倚数決}よりいずれの堎合でもある皋床正解が適切に芋぀かっおいる質問を分けるこずができたたた倚数決方匏を甚いた堎合ずそうでない堎合ずではMF倀に぀いお125問党䜓を察象にした時のMF倀にも差が出おいるが統蚈的有意差は認められないりィルコク゜ンの笊合付順䜍和怜定䞡偎怜定で$p=0.31$距離に基づいたスコア付け手法を利甚した際にも分離指暙が有効であるこず耇数投祚が入った解候補がある質問ずない質問で粟床に倧きく差がでるこずなどから本論文で提案した解候補の分割の指暙及び解候補の遞択手法は解候補に察するスコア付け手法が単玔なものであっおも有効であるず考えられる\subsection{スコアの分垃が二぀に分離できるず刀断するための各尺床の間の盞関関係}\label{sec:盞関}\begin{table}[b]\vspace{-0.5\baselineskip}\caption{スコアの分垃が二぀に分離できるず刀断するための各尺床の盞関関係}\label{tab:正芏分垃の各尺床の盞関係数}\begin{center}\input{04table07.txt}\end{center}\end{table}分離指暙ずしおいた尺床の劥圓性の怜蚌のためにスコアの分垃の分離指暙ずしお甚いおいた各尺床ず回答粟床であるMF倀ずの盞関関係を調べたここで甚いた質問はQAC1の51〜100問目ず151〜200問目及びQAC2の1〜50問目ず151〜200問目うち䞀問が䞍適切な質問ずされおいるの蚈199問である盞関を求める際MF倀は質問毎に優先順䜍型質問応答システムの出力のうち䞊䜍n件に察する解候補のF倀をnを倉化させお求めその最倧倀以埌最倧F倀ず衚すを甚いおいる盞関を求めた結果を衚\ref{tab:正芏分垃の各尺床の盞関係数}に瀺す衚䞭の倀はピア゜ンの盞関係数である$\mu_{\mathit{diff}}(2)$はスコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ずしたずきの二぀の正芏分垃の平均倀の差$\mu_{\mathit{diff}}(3)$はスコア分垃を䞉぀の分垃の混合分垃したずきの隣接した正芏分垃の平均倀の差の倧きい方$max_{\mathit{diff}}$は隣接スコアの差の最倧倀($max_{\mathit{diff}}=\max_j\{score(AC_j)-score(AC_{j+1})\}$)を衚しおいる以䞊の倀に泚目したのは$\mu_{\mathit{diff}}$ず$max_{\mathit{diff}}$はその倀が倧きいほどスコア分垃は分垃は明確に分離できるず期埅できるためである衚\ref{tab:正芏分垃の各尺床の盞関係数}より各尺床間には非垞に匷い盞関があるこずがわかるたた各尺床ず最倧MF倀にも盞関があるこずが瀺されおいる最倧F倀が高い質問は䞊䜍に正解が集たっおいる質問ずいえる各尺床ず最倧MF倀ずの間に盞関関係があるずいうこずから各尺床が正解が䞊䜍に順䜍付けされおいる質問を抜出するための分離指暙ずしお利甚可胜である考えられる\subsection{正解刀断指暙の有効性}\label{sec:正解刀断指暙の有効性}\ref{sec:回答刀定}節で提案した回答遞択手法の有効性を調べるために実隓を行なった提案手法では「分垃数の決定法」ならびに「分垃数が䞉぀の堎合の正解分垃の決め方」に各々数皮類ず぀遞択肢があるたた比范察象であるベヌスラむンずなる手法に぀いおも様々な芳点からいく぀かの候補があるそのためQAC1及びQAC2のテストコレクションをパラメタ調敎セット開発セット評䟡甚セットの䞉぀に分けたたずパラメタ調敎セットにより各パラメタを調敎するそしお開発セットによっお有効なベヌスラむン手法及び提案手法における各遞択肢の有効な組合せを決定した埌テストセットによっおベヌスラむン手法ず提案手法の粟床の比范を行なうパラメタ調敎甚の質問セットはQAC1の34〜66問目167〜200問目及びQAC2の1〜33問目134〜166問目蚈133問平均正解数2.32個開発甚の質問セットはQAC1の67〜133問目及びQAC2の34〜66問目167〜200問目でありうち䞀問が䞍適切な質問ずされおいる蚈133問平均正解数2.34個評䟡甚の質問セットはQAC1の1〜33問目134〜166問目及びQAC2の67〜133問目蚈133問平均正解数2.29個である\subsubsection{ベヌスラむン手法の決定}\label{subsubsec:ベヌスラむン}ベヌスラむン手法の候補ずしお先行研究を考慮し以䞋のものを怜蚎する\begin{itemize}\itemスコアの倀の䞊䜍から決たった個数の解候補を回答ずする手法\itemスコアの倀に単玔な閟倀を蚭ける手法$score(AC_i)\geTh_r$なる$AC_i$のリストを回答ずするただし提案手法が匏(\ref{Eq:square})で求める倀ず違い$Th_r$は党問に共通の䞀定の倀であるたた$score(AC_i)$は最倧倀が1になるように正芏化されおいるこずに泚意されたい\item秋葉ら\cite{秋葉:質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定}の手法を甚いお回答する手法\end{itemize}質問の正解数の平均は玄2.3個であるため決たった個数の解候補を回答ずする手法では回答ずする解候補の数を1〜3個の堎合それぞれに぀いお結果を求めたスコアの倀に単玔な閟倀を蚭ける手法での閟倀$Th_r$は倀を0.5から0.99たで0.01刻みで倉えおいきパラメタ調敎甚の質問セットで最もMMFが高かった以䞋の倀を採甚した\begin{equation}Th_r=0.78\end{equation}開発セットにおけるベヌスラむン手法の各候補の粟床を\pagebreak衚\ref{tab:ベヌスラむン手法開発セット}に瀺す衚䞭の再珟率適合率はそれぞれ再珟率党質問に察する正答数党質問の正解数の合蚈適合率党質問に察する正答数党回答数\\ず蚈算したここで正答数ずは回答䞭に珟れた正解の数であり党回答数は党質問に察する回答数である衚䞭のMMFは䞊蚘の再珟率適合率から求めた倀ではなくそれぞれの質問のMF倀の党質問平均であるこずに泚意されたい\begin{table}[t]\caption{開発セットにおけるベヌスラむン手法の粟床}\label{tab:ベヌスラむン手法開発セット}\begin{center}\input{04table08.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:ベヌスラむン手法開発セット}よりMMF倀が最も高い秋葉らの手法を提案手法ず比范するベヌスラむン手法ずしお採甚する\subsubsection{提案手法における「分垃数の決定法」及び「分垃数が䞉぀の堎合の正解分垃の決定法」の組合せの決定}\label{subsubsec:提案手法}提案手法では回答は\ref{sec:回答刀定}節の匏(\ref{Eq:square})で求められる閟倀以䞊のスコアを持぀解候補を回答ずするここで「分割する分垃数の決定法」及び「分割されたいく぀かの分垃のうちどこたでを正解分垃ずするかの決定法」に぀いおそれぞれいく぀かの候補が存圚する本節では開発セットを甚いお「分垃数の決め方」ず「分垃数が䞉぀の堎合の正解分垃の決め方」の最も良い組合せを遞ぶ分垃数が二぀の時はスコアの倧きい方の分垃が正解分垃ずなる分垃数が䞉぀の時の正解分垃の決め方ずしお以䞋の䞉皮類を怜蚎する\begin{description}\item[固定(1)]最もスコアが倧きい分垃を正解分垃ずする\item[固定(2)]スコアが倧きい方から二぀目の分垃たでを正解分垃ずする\item[可倉]隣接分垃の平均倀の差が倧きいずころで正解分垃ず䞍正解分垃ずに分ける$j=\linebreak\argmax_j\{\mu_j-\mu_{j+1}\}$ずなるずき$j$番目の分垃たでを正解分垃ずする)\end{description}たた分垃数の決定法は以䞋の堎合を怜蚎する\begin{itemize}\item分垃数をあらかじめ決定しおおく\item\ref{sec:分垃数刀定}節の分垃数決定指暙1を甚いお分垃数を決定する\item\ref{sec:分垃数刀定}節の分垃数決定指暙2を甚いお分垃数を決定する\item\ref{sec:分垃数刀定}節の分垃数決定指暙3を甚いお分垃数を決定する\item\ref{sec:分垃数刀定}節の分垃数決定指暙2ず3の䞡方を甚いお分垃数を決定する分垃数決定指暙2ず同3の䞡方で分垃数が䞉぀ず刀定された質問だけを分垃数が䞉であるず仮定しそれ以倖は分垃数を二ず仮定する\end{itemize}各候補の組合せを衚\ref{tab:蚭定組合せ}に瀺す衚\ref{tab:蚭定組合せ}ではそれぞれの蚭定においおパラメタ調敎甚のセットで調敎する必芁があるパラメタ名を䜵せお瀺しおいる\begin{table}[b]\hangcaption{提案手法の「分垃数の決定法」ず「分垃数が䞉぀の堎合の正解分垃の決定法」のそれぞれの候補の蚭定の組合せ}\label{tab:蚭定組合せ}\begin{center}\input{04table09.txt}\end{center}\end{table}分垃数決定指暙2のパラメタ$Th_q$はパラメタ調敎甚の質問セットを甚いお倀を1から10たで0.5刻みで倉えお実隓した結果匏(\ref{Eq:Th_q})の通りに決定したたた分垃数決定指暙3のパラメタ$Th_{\mu_r}$はパラメタ調敎甚の質問セットを甚いお倀を0.01から0.2たで0.01刻みで倉えお実隓した結果匏(\ref{Eq:Th_mu_r})の通りに決定した\begin{align}Th_q&=2.5\label{Eq:Th_q}\\Th_{\mu_r}&=0.15\label{Eq:Th_mu_r}\end{align}「分垃数の決定法」ず「分垃数が䞉぀の堎合の正解分垃の決定法」のそれぞれの候補の組合せにおける求解粟床を衚\ref{tab:提案手法開発セット}に瀺す\begin{table}[b]\hangcaption{開発セットにおける「分垃数の決定法」ず「分垃数が䞉぀の時の正解分垃の決定法」のそれぞれの候補の組合せにおける求解粟床}\label{tab:提案手法開発セット}\begin{center}\input{04table10.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:提案手法開発セット}より最もMMF倀が高い「分垃数決定指暙2で分垃数を決定し分垃数が䞉぀の堎合には最もスコアが高い分垃のみを正解分垃ずする手法」を最終的な提案手法ずする\subsubsection{提案手法ずベヌスラむン手法の粟床比范}評䟡甚の質問セットを甚いお\ref{subsubsec:ベヌスラむン}節及び\ref{subsubsec:提案手法}節で\pagebreak遞んだベヌスラむン手法ず提案手法の粟床の比范を行なったベヌスラむン手法は秋葉らの手法\cite{秋葉:質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定}である提案手法は\ref{sec:分垃数刀定}節の分垃数決定指暙2で分垃数を決定し分垃数が䞉぀の堎合には最もスコアが高い分垃のみを正解分垃ずし\ref{sec:回答刀定}節の匏(\ref{Eq:square})で求められる閟倀以䞊のスコアを持぀解候補を回答ずする手法である分垃数決定指暙2のパラメタ$Th_q$の倀は2.5である結果を衚\ref{tab:提案手法vsベヌスラむン}に瀺す\begin{table}[b]\caption{評䟡甚セットにおける提案手法ずベヌスラむン手法の粟床比范}\label{tab:提案手法vsベヌスラむン}\begin{center}\input{04table11.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:提案手法vsベヌスラむン}より提案手法のMMF倀がベヌスラむン手法を若干䞊回っおいるこずが分かるただしこの差に統蚈的有意差は無くりィルコク゜ンの笊合付順䜍和怜定䞡偎怜定でのp倀=0.453同等の粟床であるずいえる䞀方で再珟率ず適合率を芋るず再珟率には倧きな差がないのに察し適合率は提案手法の方が倧きく勝っおいる再珟率を䞋げずに平均回答数を少なくするこずに成功しおいるこずが分かる\subsection{スコアの分垃に正芏分垃以倖の分垃を䜿った時の求解粟床}\label{sec:他の分垃}本研究ではスコアの分垃ずしお正芏分垃を仮定しお分垃を求めおいたこれは統蚈孊における䞭心極限定理に根拠をおいおいるしかしながら正芏分垃による近䌌が最適であるずいう保蚌はない䞀方蚀語凊理においお単語の出珟頻床の確率分垃はポア゜ン分垃に近䌌できるずいわれおいるポア゜ン分垃は䞀定の期間や䞀定の倧きさの空間においおごく皀に起こる珟象の確率分垃であるそこで本節ではスコアの確率分垃をモデル化する正芏分垃以倖の分垃ずしおポア゜ン分垃を仮定し正芏分垃の堎合ず同様の求解手順により求められた解の粟床を調べるこずずするポア゜ン分垃は二項分垃の特殊䟋で二項分垃の期埅倀ず分散が等しい堎合ずなるポア゜ン分垃の匏は以䞋のように衚される\begin{equation}p(x)=\frac{e^{-\lambda}\cdot\lambda^{x}}{x!}\hspace{20pt}x=0,1,2\cdots\end{equation}ここで$\lambda$は平均倀で0以䞊の倀をずる解候補スコアの分垃をポア゜ン分垃ず仮定しお同じようにEMアルゎリズムで分離したポア゜ン分垃は離散分垃であるので解候補のスコアを非負の敎数で衚珟する必芁があるそこで最倧倀を100ずするために正芏化スコアを100倍し小数点以䞋は四捚五入したものを甚いた\subsubsection{仮定する分垃の違いによるスコア分垃の違い}図\ref{fig:Poisson}(a)は優先順䜍型質問応答システムが出力した䞊䜍30件の正芏化した解候補スコアのヒストグラムヒストグラムのデヌタ区間は0.04毎であり実線はハニング窓関数を甚いおスコアの密床分垃を求めたものであるハニング窓関数の窓幅は0.02図\ref{fig:Poisson}(b)は正芏分垃ポア゜ン分垃それぞれの混合分垃でスコア分垃を近䌌したものであるハニング窓関数を甚いお求めた密床分垃がだいたい䞉぀の分垃から成り立っおいるように芳察できるため分垃数は䞉぀ずしおいる正芏分垃の混合分垃ずポア゜ン分垃の混合分垃を比べるずポア゜ン分垃の混合分垃の方がなだらかに倉化しおおり分垃の切れ目が刀断しづらい図\ref{fig:Poisson}(a)のハニング窓関数を甚いお平滑化したものず図\ref{fig:Poisson}(b)の各分垃を比べおみるず正芏分垃で近䌌したもののほうが類䌌しおいるのが芋おずれるこのこずから正芏分垃の方がより正確に近䌌できおいるず蚀えそうであるこの違いはポア゜ン分垃のパラメタ数ず正芏分垃のパラメタ数の差から来おいるポア゜ン分垃ではパラメタが平均倀$\lambda$のみであるのに察し正芏分垃では平均倀$\mu$ず分散$\sigma^2$があるため実際のスコア分垃に察する近䌌はパラメタ数の倚い正芏分垃の方が優れおいるず考えられる\begin{figure}[t]\small\begin{center}\includegraphics{16-1ia4f6a.eps}\\(a)スコアのヒストグラム\\[1\baselineskip]\includegraphics{16-1ia4f6b.eps}\\(b)混合分垃\\\end{center}\caption{仮定するスコアの分垃による混合分垃の違い}\label{fig:Poisson}\end{figure}\subsubsection{ポア゜ン分垃を仮定した堎合のリスト型質問応答}\label{subsec:ポア゜ンでの粟床}解候補スコアの分垃ずしお正芏分垃を仮定した堎合ずポア゜ン分垃を仮定した堎合の違いを比范する甚いた質問の内蚳は\ref{sec:問題刀定}節ず同様でパラメタ調敎甚の質問はQAC1の1〜50問目ず101〜150問目及びQAC2の51〜150問目の蚈200問平均正解数2.31個である評䟡甚の質問はQAC1の51〜100問目ず151〜200問目及びQAC2の1〜50問目ず151〜200問目うち䞀問が䞍適切な質問ずされおいるの蚈199問平均正解数2.33個であるたず\ref{sec:分垃の刀定}節の分離指暙を甚いお回答が適切に芋぀かっおいる質問の刀定ができるかどうか実隓を行なった分離指暙に関する各パラメタは予備実隓の結果以䞋のように決定した予備実隓ではパラメタ調敎甚の質問セットを甚いそれぞれの閟倀を0.01単䜍で動かした時に正解が適切に求められおいる質問解候補䞭に正解がありか぀それらが䞊䜍に順䜍づけされおいるずそうでない質問ずを有効に分けられるかどうかの結果を基に決定した\begin{align}Th_{\mu_{\mathit{diff}}}&=0.2\\Th_{\mathit{diff}}&=0.2\end{align}ここではすべおの質問においお解候補のスコア分垃は䞉぀の分垃の混合分垃であるずし䞉぀の分垃のうち正解分垃はスコアが䞀番倧きい分垃のみずしおいる結果を衚\ref{tab:分垃の分割の違いポア゜ン}に瀺す\begin{table}[b]\caption{ポア゜ン分垃を仮定した時のスコアの分垃の分割の床合の違いによる平均回答数ずMMFの違い}\label{tab:分垃の分割の違いポア゜ン}\begin{center}\input{04table12.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:分垃の分割の違いポア゜ン}より分垃の分割が明確な堎合ず䞍明確な堎合ずでMMFに差がでおおりポア゜ン分垃を仮定した堎合にも正解が適切に芋぀かっおいる質問を刀定するのに分離指暙は有効であるずいえるただしこの結果は衚\ref{tab:分垃の分割の違い}ずは少し違い分垃の分割が䞍明確な質問のMMFがかなり䜎くどちらかずいえば正解が適切に芋぀かっおいない質問の刀定に適しおいるずいえる次に解候補スコアの分垃ずしお正芏分垃を仮定した堎合ずポア゜ン分垃を仮定した堎合のリスト型質問応答ずしおの粟床の違いを比范するここではすべおの質問においお解候補のスコア分垃は䞉぀の分垃の混合分垃であるずし䞉぀の分垃のうち正解分垃はスコアが䞀番倧きい分垃のみずしおいる結果を衚\ref{tab:ポア゜ン分垃を甚いた堎合}に瀺す衚䞭の再珟率ず適合率の倀に぀いおは\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節でのものず蚈算法は同じである\begin{table}[b]\caption{スコアの分垃ずリスト型質問応答の粟床の違い}\label{tab:ポア゜ン分垃を甚いた堎合}\begin{center}\input{04table13.txt}\end{center}\end{table}衚\ref{tab:ポア゜ン分垃を甚いた堎合}よりMMFにやや差がでおおり正芏分垃を仮定した堎合の方が粟床が良くなっおいるただしポア゜ン分垃を仮定した堎合ず正芏分垃を仮定した堎合ずではMF倀に぀いおりィルコク゜ンの笊合付順䜍和怜定䞡偎怜定を行った結果統蚈的有意差は認められなかった($p=0.089$)たたポア゜ン分垃を仮定した堎合ず正芏分垃を仮定した堎合の平均回答数はポア゜ンを仮定した堎合の方が少なめである再珟率ず適合率を芋おも平均回答数が少なめのポア゜ン分垃の方は適合率が高くなっおおり平均回答数が倚めの正芏分垃ではポア゜ン分垃を仮定した堎合ず比べ再珟率が高く適合率が䜎くなっおおり傟向が違っおいるのが芳察される\subsubsection{ポア゜ン分垃を仮定した際のスコアの分垃が二぀に分離できるず刀断するための各尺床の盞関関係}\ref{sec:盞関}節ず同様にポア゜ン分垃を仮定した際のスコアの分垃が二぀に分離できるず刀断するための各尺床ず最倧MF倀の盞関係数を求めた甚いた質問は\ref{sec:盞関}節ず同様QAC1の51〜100問目ず151〜200問目及びQAC2の1〜50問目ず151〜200問目うち䞀問が䞍適切な質問ずされおいるの蚈199問である\begin{table}[t]\hangcaption{ポア゜ン分垃を仮定した際のスコアの分垃が二぀に分離できるず刀断するための各尺床の盞関関係}\label{tab:ポア゜ン分垃の各尺床の盞関係数}\begin{center}\input{04table14.txt}\end{center}\end{table}その結果を衚\ref{tab:ポア゜ン分垃の各尺床の盞関係数}に瀺す衚䞭の倀はピア゜ンの盞関係数である$\mu_{\mathit{diff}}(2)$はスコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ずしたずきの二぀の正芏分垃の平均倀の差$\mu_{\mathit{diff}}(3)$はスコア分垃を䞉぀の分垃の混合分垃したずきの隣接した正芏分垃の平均倀の差の倧きい方$max_{\mathit{diff}}$は隣接スコアの差の最倧倀($max_{\mathit{diff}}=\max_j\{score(AC_j)-score(AC_{j+1})\}$)を衚しおいる衚\ref{tab:ポア゜ン分垃の各尺床の盞関係数}より\ref{sec:盞関}節での結果ず同様の傟向を持぀結果ずなっおいるのが分かるこの結果よりスコア分垃を二぀の分垃の混合分垃ずしたずきの二぀の正芏分垃の平均倀の差やスコア分垃を䞉぀の分垃の混合分垃したずきの隣接した正芏分垃の平均倀の差の倧きい方ずいう尺床はポア゜ン分垃正芏分垃のいずれの分垃を仮定した時でも有効な指暙であるず考えられる \section{考察} label{Chapter:discussion}\subsection{スコアの分垃の分割の有効性}\ref{sec:問題刀定}節から\ref{sec:正解刀断指暙の有効性}節の結果より提案手法はベヌスラむン手法の候補の䞭で最も優れおいた秋葉らの手法\cite{秋葉:質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定}ず同等以䞊の粟床があるこずが分かったさらに秋葉らの手法に察しスコアの分垃を求めるこずにより正解が適切に芋぀かっおいる質問を刀定できるずいう点で本手法は優れおいる\ref{sec:分垃の刀定}節で提案した分離指暙を甚いおスコアの分垃が明確に分離できるかどうか刀断し正解が適切に芋぀かっおいるか吊かの刀断をするこずは可胜であるずいうこずが分かったしかし正解が適切に芋぀かっおいる質問を党お抜出できおいるわけではない䟋えば1䜍に正解があるような䟋でも適切に刀断できないこずもあるこれは解候補のスコアの分垃が明確だず刀断する条件をある皋床厳しくしおいる為だず考えられる条件を厳しくしおいるのは確実な質問に぀いおのみ求解を行なうためである刀断の基準を倉えるこずによっおより確実な質問に重点をおくのか正解を芋぀けられおいない質問を芋぀けるこずに重点をおくのかなどの調敎は可胜であるさらに\ref{sec:分垃数刀定}節に瀺した分垃数決定指暙のうち経隓則である分垃数決定指暙2を甚いた手法が最も有効であるこずが分かったしかしMDLを甚いた分垃数決定法は有効でないこずが分かったこの理由の䞀぀ずしおMDLの蚈算に甚いるパラメタ数がある䞀぀の分垃に぀きパラメタは混合比平均倀分散ず䞉぀あるため分垃が䞀぀増えただけでパラメタ数の増倧が倧きくMDL倀が倧きくなりやすくなるため倚くの質問のスコア分垃が二぀ず刀定されおしたったず考えられるしかしそれ以倖の粟床が良くない原因に぀いおは珟圚調査䞭であり今埌の課題ずしたい\subsection{スコアの分垃ずしお仮定した確率分垃の違いによる結果}スコアの分垃ずしおポア゜ン分垃ずしお仮定した堎合正芏分垃を仮定した堎合ず比べお\ref{sec:他の分垃}節の結果より以䞋のこずが蚀える\begin{enumerate}\item正芏分垃を仮定したずきず同様に\ref{sec:分垃の刀定}節で提案した分離指暙を甚いお正解が適切に芋぀かっおいる質問を刀定するこずが可胜である\item正解が適切に芋぀かっおいるず刀断された質問に぀いおは正芏分垃を仮定した堎合ず同等のMMFである\item正解が適切に芋぀かっおいないず刀断された質問に぀いおはMMFはずおも䜎い\item党䜓ずしおポア゜ン分垃を甚いおリスト型質問応答を行ったずきず正芏分垃を甚いた時ではポア゜ン分垃を仮定した時の方が平均回答数が少なくMMFがやや悪くなっおいる\end{enumerate} \section{おわりに} label{Chapter:conclusion}本皿ではリスト型質問応答凊理にスコアの分垃を甚いる手法を提案したリスト型の回答を䜜る際に解候補のスコアの分垃を求めるこずにより正解が適切に芋぀かっおいる質問の刀定をする手法も提案した我々は優先順䜍型質問応答システムの出力する解候補矀のスコアをたずいく぀かのクラスタに分けるこずを考えそれぞれのクラスタを䞀぀の確率分垃ず考えたさらに正解集合のスコア分垃ず䞍正解集合のスコア分垃に明確に分割できる堎合にはその質問の回答が適切に芋぀かっおいるず刀断できるず考えたこの考えを基に正解集合に含たれる解候補を回答ずするための正解刀定法ず二぀の分垃が明確に分割できるかどうか刀断するための分離指暙を甚いる手法を提案したこれらの手法は解候補の頻床情報を甚いた頻床によるスコアの䞊がり具合を調敎する倚数決方匏を甚いたスコアの分垃に有効であるこずが分かったたたスコアの分垃を甚いた正解刀断指暙は他の単玔な指暙に比べお粟床が高かった正解刀断の指暙をスコアの分垃により䜿い分けるこずも有効であるずいうこずも分かったが䜿い分けるための有効な手法を怜蚎する必芁がある今埌は正解が存圚しない質問ぞの察応が課題であるたた本手法で正解が適切に求められおいないず刀定された質問に察しお解候補の最順䜍づけなどを行なうこずによっお粟床の向䞊が期埅できるPargeretal\cite{Prager:ImprovingQAAccuracybyQuestionInversion}は解候補を甚いお質問文䞭のキヌワヌドを解答ずする新たな質問文を䜜り解候補の怜蚌を行なうこずによっお解候補候補の再順䜍づけ及び正解無しの刀定を行なう手法を提案しおいる本手法で正解が適切に求められおいないず刀定された質問に察しおこのような手法が有効であるか怜蚎したい\bibliographystyle{jnlpbbl_1.3}\newcommand{\nop}[1]{}\makeatletter\@ifundefined{nop}{\def\nop#1{}}{}\makeatother\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Bos}{Bos}{2006}]{Bos:TheLaSapienzaQuestionAnsweringsystematTREC2006}Bos,J.\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ{The“LaSapienza”QuestionAnsweringsystematTREC-2006}\JBCQ\\newblockIn{\Bem{TheFifteenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{Burger}{Burger}{2006}]{Burger:MITREsQandaatTREC15}Burger,J.~D.\BBOP2006\BBCP.\newblock\JBOQ{MITRE’sQandaatTREC-15}\JBCQ\\newblockIn{\Bem{TheFifteenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{Clarke,Cormack,\BBA\Lynam}{Clarkeet~al.}{2001}]{Clarke:Exploitingredundancyinquestionanswering}Clarke,C.~L.,Cormack,G.~V.,\BBA\Lynam,T.~R.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{Exploitingredundancyinquestionanswering}\BBCQ\\newblock\Jem{{ProceedingofSIGIR’01:the24thAnnualInternationalACMSIGIRConfersnceonReserchandDevelopmentinInformationRetrival}}.\bibitem[\protect\BCAY{Dong,Lin,\BBA\Kelly}{Donget~al.}{2006}]{TRECoverview06}Dong,H.~T.,Lin,J.,\BBA\Kelly,D.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2006QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheFifteenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{Fukumoto,Kato,\BBA\Masui}{Fukumotoet~al.}{2002}]{Fukumoto:QAC1}Fukumoto,J.,Kato,T.,\BBA\Masui,F.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{QuestionAnsweringChallenge(QAC-1)---QuestionansweringevaluationatNTCIRWorkshop3---}\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheThirdNTCIRWorkshopMeeting},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Fukumoto,Kato,\BBA\Masui}{Fukumotoet~al.}{2004a}]{Fukumoto:QAC2Subtask12}Fukumoto,J.,Kato,T.,\BBA\Masui,F.\BBOP2004a\BBCP.\newblock\BBOQ{QuestionAnsweringChallengeforFiveRankedAnswersandListAnswers-OverviewofNTCIR4QAC2Subtask1and2}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheFourthNTCIRWorkshopMeeting}}.\bibitem[\protect\BCAY{Fukumoto,Niwa,Itogawa,\BBA\Matsuda}{Fukumotoet~al.}{2004b}]{Fukumoto:Rits-QA}Fukumoto,J.,Niwa,T.,Itogawa,M.,\BBA\Matsuda,M.\BBOP2004b\BBCP.\newblock\BBOQ{Rits-QA:ListAnswerDetectionandContextTaskwithZeroAnaphoraHandling}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheFourthNTCIRWorkshopMeeting}}.\bibitem[\protect\BCAY{Harabagiu,Moldovan,Clark,Bowden,Williams,\BBA\Mensly}{Harabagiuet~al.}{2003}]{Harabagiu:AnswerMiningbyCombiningExtractionTechniqueswithAbductiveReasoning}Harabagiu,S.,Moldovan,D.,Clark,C.,Bowden,M.,Williams,J.,\BBA\Mensly,J.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{AnswerMiningbyCombiningExtractionTechniqueswithAbductiveReasoning}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheTewlfthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{Mori}{Mori}{2004}]{Mori:NTCIR4WN:JapaneseQASystemUsingA*SearchAndItsImprovement}Mori,T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{JapaneseQ/ASystemusingA$^*$SearchandItsImprovement:YokohamaNationalUniversityatQAC2}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheFourthNTCIRWorkshopMeeting}}.\bibitem[\protect\BCAY{Murata,Utiyama,\BBA\Isahara}{Murataet~al.}{2004}]{Murata:JapaneseQAsystemUsingDecreasedAddingwithMultipleAnswers}Murata,M.,Utiyama,M.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{JapaneseQuestion-AnsweringSystemUsingDecreasedAddingwithMultipleAnswers}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheFourthNTCIRWorkshopMeeting}}.\bibitem[\protect\BCAY{Murata,Utiyama,\BBA\Isahara}{Murataet~al.}{2005}]{Murata:DcreasedAddingJapaneseQusetionAnswering}Murata,M.,Utiyama,M.,\BBA\Isahara,H.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQ{UseofMultipleDocumentsasEvidencewithDcreasedAddinginaJapaneseQusetionAnswering}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{JournalofNaturalLanguageProcessingVolume12Number2}}.\bibitem[\protect\BCAY{M.Voorhees}{M.Voorhees}{2001}]{TRECoverview01}M.Voorhees,E.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2001QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheTenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{M.Voorhees}{M.Voorhees}{2002}]{TRECoverview02}M.Voorhees,E.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2002QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheEleventhTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{M.Voorhees}{M.Voorhees}{2003}]{TRECoverview03}M.Voorhees,E.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2003QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheTewlfthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{M.Voorhees}{M.Voorhees}{2004}]{TRECoverview04}M.Voorhees,E.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2004QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheThirteenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{M.Voorhees\BBA\Dong}{M.Voorhees\BBA\Dong}{2005}]{TRECoverview05}M.Voorhees,E.\BBACOMMA\\BBA\Dong,H.~T.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQ{OverviewoftheTREC2005QuestionAnsweringTrack}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheFourteenthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{Prager,Duboue,\BBA\Chu-Carroll}{Prageret~al.}{2006}]{Prager:ImprovingQAAccuracybyQuestionInversion}Prager,J.,Duboue,P.,\BBA\Chu-Carroll,J.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQ{ImprovingQAAccuracybyQuestionInversion}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{Proceedingofthe21stInternationalConferenceonComoutationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheACL}}.\bibitem[\protect\BCAY{Rissanen}{Rissanen}{1999}]{MDL}Rissanen,J.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQ{MDLDenoising}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{IEEETrans.InformationTheory}}.\bibitem[\protect\BCAY{Takaki}{Takaki}{2004}]{Takaki:NTTDATA-QAatNTCIRQAC2}Takaki,T.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQ{NTTDATAQuestion-AnsweringExperimentattheNTCIR-4QAC2}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{ProceedingsoftheFourthNTCIRWorkshopMeeting}}.\bibitem[\protect\BCAY{Xu,Licuanan,\BBA\Weischendel}{Xuet~al.}{2003}]{Xu:TREC2003QAatBBN:Answeringdefinitionalquestions}Xu,J.,Licuanan,A.,\BBA\Weischendel,R.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQ{TREC2003QAatBBN:Answeringdefinitionalquestions}\BBCQ\\newblockIn{\Bem{TheTewlfthTextREtrievalConferenceProceedings}}.\bibitem[\protect\BCAY{加藀\JBA桝井\JBA犏本\JBA神門}{加藀\Jetal}{2004}]{加藀:リスト型質問応答の特城付けず評䟡指暙}加藀恒昭\JBA桝井文人\JBA犏本淳䞀\JBA神門兞子\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQリスト型質問応答の特城付けず評䟡指暙\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚報告\2004-NL-163,情報凊理孊䌚.\bibitem[\protect\BCAY{秋葉\JBA䌊藀\JBA藀井}{秋葉\Jetal}{2004}]{秋葉:質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定}秋葉友良\JBA䌊藀克亘\JBA藀井敊\BBOP2004\BBCP.\newblock\JBOQ質問応答における垞識的な解の遞択ず期埅効甚に基づく回答矀の決定\JBCQ\\newblock自然蚀語凊理研究䌚報告\2004-NL-163,情報凊理孊䌚.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{石䞋円銙}{2006幎暪浜囜立倧孊倧孊院環境情報孊府情報メディア環境孊専攻博士課皋前期修了同幎同専攻博士課皋埌期進孊珟圚に至る自然蚀語凊理に関する研究に埓事}\bioauthor{森蟰則}{1986幎暪浜囜立倧孊工孊郚情報工孊科卒業1991幎同倧孊倧孊院工孊研究科博士課皋埌期修了工孊博士同幎同倧孊工孊郚助手着任同講垫、同助教授を経お珟圚同倧孊倧孊院環境情報研究院教授この間1998幎2月より11月たでStanford倧孊CSLI客員研究員自然蚀語凊理情報怜玢情報抜出などの研究に埓事蚀語凊理孊䌚情報凊理孊䌚人工知胜孊䌚ACM各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V17N05-02
\section{はじめに} 日垞の自然蚀語文には構成性(compositionality)に基づいお意味を扱う事が難しいむディオムや盞圓数のむディオム的な耇数単語からなる衚珟たた語の匷い結合によっお成り立぀決たり文句や決たり文句的な衚珟が数倚く䜿われおいるしかし珟圚の自然蚀語凊理(NaturalLanguageProcessing:NLP)ではこれらには必ずしも十分な察応が出来おいない\footnote{むディオム「目を回す」「氎に流す」決たり文句的衚珟「匕くに匕けない」「䜕ずは無しに」を垂販の良く知られた日英翻蚳゜フト2皮に翻蚳させた結果を以䞋に瀺す結果からいずれもこれらの衚珟を正しく認識しおいないこずが掚定される\begin{tabbing}\hspace{30pt}\=123456789012345678901234567890\=\kill\>圌はそれを聞いお目を回した\>A瀟Heturnedhiseyeshearingit.\\\>\>B瀟Hehearditandturnedeyes.\\\>私は過去を氎に流す\>A瀟Ithrowthepastintowater.\\\>\>B瀟Ipassthepastinwater.\\\>圌は匕くに匕けない\>A瀟He..pull..isnotclosed.\\\>\>B瀟Hecannotpulltopull.\\\>私は䜕ずは無しにそれを芋た\>A瀟Iregardeditaswhatnothing.\\\>\>B瀟..itwas.wasseenverymuch..me..\\\end{tabbing}}近幎このような特異性のある耇数単語からなる衚珟を耇単語衚珟(Multi-WordExpression:MWE)ず名付け英語の機械凊理の立堎からその党䜓像を俯瞰し察応を考察した論文(Sagetal.2002)が端緒ずなっおNLPにおけるMWE凊理の重芁性が広く認識されるようになったこれを受け囜際蚈算蚀語孊䌚(AssociationforComputationalLinguistics:ACL)は2003幎以降MWEに関するワヌクショップをほが毎幎開催しおおり掻発な議論が行われおいるしかしこれたでの研究にはなお以䞋の様な基本的な問題点が残っおいる\begin{enumerate}[1.]\item耇合名詞(NounCompound:NC)動詞・䞍倉化詞構文(Verb-ParticleConstruction:VPC),動詞・名詞構文(VerbNounConstruction:VNC)むディオム(Idiom)など限られた構文意味の衚珟だけを察象ずする研究が倚い\item兞型的なむディオム兞型的な決たり文句などを察象ずする研究が倚く意味的非構成性や芁玠語の共起に特異性を持぀ず認められるそれ以倖の衚珟が顧みられおいない\itemコヌパスからMWEを自動抜出する研究においお基準ずなる衚珟集合が䞍備なために再珟率を的確に怜蚌するこずが難しい\end{enumerate}筆者らは機械翻蚳研究(銖藀1973)の経隓からフレヌズベヌスの蚳出が必芁であるこず䞀般のNLPにも耇数単語からなる特異的な衚珟を総括的に資源化しおおくこずが䞍可欠であるこずを認識し珟代日本語におけるそれらの候補を収録した蟞曞の構築を目指しおきた本論文ではその初版の抂芁を報告する以埌この蟞曞をJDMWE(JapaneseDictionaryofMulti-WordExpressions)ず呌ぶ本蟞曞は䞊蚘の問題を解消し日本語の特異的耇単語衚珟の基準レキシコンを䞎えるこずを目暙に䞻ずしお人の内省によっお線纂されおいる線纂においおは以䞋の点に留意した\begin{enumerate}\itemNLPに有効ず思われる出来るだけ広範なMWE候補を䜓系的に敎理・提瀺するこず\footnote{ただし固有衚珟(namedentity)頭字語(acronym)混成語(blend)䌚話調衚珟尊敬・䞁寧・謙譲衚珟には珟時点では原則ずしお察応しおいない他の蟞曞類やルヌルによる自動生成等でカバヌされるこずを想定しおいる}具䜓的にはむディオム慣甚句決たり文句垞套句慣甚的な比喩衚珟機胜動詞結合䞀郚支揎動詞構文䞀郚クランベリヌ衚珟四字熟語栌蚀諺擬音・擬声・擬態語衚珟耇合語䞀郚呌びかけ衚珟応答衚珟等を察象ずする以埌これらの衚珟および倖囜語でこれらに盞圓する衚珟をMWE(Multi-WordExpression)ず総称する\item異衚蚘掟生圢をできるだけ網矅するこず\item各MWEに機胜情報のほか構文構造情報を䞎えるこずによりMWEを単語ず芋なした凊理だけではなく構文的柔軟性内郚修食可胜性にも察応できるようにするこず\end{enumerate}珟圚の収録MWEは基本圢で玄104,000衚珟蚘茉した異衚蚘掟生圢情報をすべお適甚しお芋出しを生成すれば750,000衚珟皋床をカバヌしおいるこずになる本蟞曞はMWEごずにスロット付きの䟝存朚構造を䞎えた䞀皮のツリヌバンクあるいは語の組み合わせに特異性があるず同時に纏たった意味・談話䞊の機胜を持぀構造付きn-グラム$(2\leqq\mathrm{n}\leqq18)$デヌタセット(syntacticallyannotatedn-gramdataset)ず芋なすこずが出来る以䞋2.で関連研究を抂芳し本研究の䜍眮付けを明らかにする3.で本蟞曞に収録した衚珟に぀いお詳しく述べる4.で蟞曞圢匏を簡単に説明し蟞曞内容ずしお異衚蚘に関する情報機胜に関する情報構造に関する情報に぀いお順に述べ䟋を甚いお構造情報ず内郚修食句ずの関係を説明する5.では既存の倧芏暡日本語n-グラム頻床デヌタずの比范等によっお収録衚珟の統蚈的性質に基づいた考察を行う6.で総括ず今埌の課題を述べおむすびずする \section{関連研究} (Gross1986)はフランス語の耇合副詞(compoundadverb)耇合動詞(compoundverb)の皮類が単独の副詞動詞のそれぞれ3.3倍1.7倍皋床存圚するこずを指摘したたた(Jackendoff1997)は英語の日垞䜿甚者の持぀MWEレキシコンは単語レキシコンず同数芏暡だず掚定されるこず(Sagetal.2002)はWordNet1.7(Fellbaum1999)の゚ントリヌの41\%がMWEであるこずを指摘した日本語でも$[\text{動詞}+\text{動詞}]$型の耇合動詞が動詞の皮類の44\%を占めるこずが(Uchiyamaetal.2003)で瀺されおいるこの様に日垞の自然蚀語には意倖に倚皮類の耇単語衚珟が䜿甚されおおり充実したMWEレキシコンを敎備するこずが重芁であるこずが認識されおいる本論文で述べるMWE蟞曞JDMWEの基本芋出し数は104,000衚珟であり(Jackendoff1997)の指摘した英語におけるMWEの分垃も日本語における分垃ず倧差ない事が掚定される(Sagetal.2002)はさらに英語のMWE党䜓を俯瞰し語圙的に纏められる句(lexicalizedphrase)を圢態・構文的な柔軟性の床合いによっお固定衚珟(fixedexpression),半固定衚珟(semi-fixedexpression),構文的に柔軟な衚珟(syntacticallyflexibleexpression)に分け慣習的に䜿われる句(institutionalizedphrase)ず合わせおそれぞれのNLPにおける取り扱い方を論じた具䜓的には耇合名詞(compoundnominal:CN),固有名詞(propername:PN),動詞・䞍倉化詞構文(verb-particleconstruction:VPC),軜動詞構文(lightverbconstruction:LVC),分解可胜むディオム(decomposableidiom),分解䞍胜むディオム(non-decomposableidiom)などの皮類ごずに単語的な扱い(wordswithspacesapproach,holisticapproach)ず圢態構文意味䞊の構成的な扱い(compositionalapproach)の是非に぀いお論じた(Sagetal.2002)の指摘の本質はMWE珟象が広範に亘る事MWEを単語ずしお扱うだけでなく倚様な圢態・構文的柔軟性に応じた取り扱いをしなければならないずいう事でありその埌のMWE研究に倚くの瀺唆を䞎えた(Sagetal.2002)の枠組みによる日本語MWEに関する考察には(Baldwinetal.2003a)がある(Villavicencio2004)は(Sagetal.2002)の分類に基づき英語むディオムず動詞・䞍倉化詞構文を䟋に埓来の単語蟞曞をいく぀かの衚で拡匵する圢でMWEをデヌタ化する方法を論じた本論文のJDMWEも䞀般の単語蟞曞や構文解析機ずの䜵甚を想定しおおり内容的に(Villavicencio2004)の芁請の倚くを満たしおいるが察象ずする衚珟がより広範である点蟞曞ずしおの独立性がより匷い点意味ず现かな圢態・構文的倉化に関する情報は未蚘茉であるが各衚珟に察しお内郚修食(internalmodification)の可胜性を蚘茉しおいる点日本語特有の異衚蚘に察応しおいる点などに違いがある\footnote{圢態・構文的倉化圢䟋えば掻甚助詞の亀替・挿入・脱萜受動態化や語順の入れ替えによる名詞化の可吊等の情報蚘茉に぀いおは(安歊他1997)で報告した}NLP甚のMWE蟞曞を䜜成したずいう報告には限られた圢態の衚珟のみを察象ずするものや採録衚珟数が比范的少ないものが倚い䟋えばフランス語の22皮の構文構造を持぀動詞型MWE12,000個を蟞曞化した(Gross1986)13,000個の英語のむディオムを構文構造付きでデヌタベヌス化した(Kuiperetal.2003)ポルトガル語の10皮の構文構造を持぀動詞型MWE3,500個を蟞曞化した(Baptistaetal.2004),オランダ語の䞀般的MWE5,000個に構文構造を䞎えお蟞曞化した(Gr\'egoire2007)フランス語の15皮の構文構造を持぀副詞性MWE6,800個を蟞曞化した(Laporteetal.2008)などが芋られるそのほか英語ずドむツ語のクランベリヌ衚珟をそれぞれ77個ず444個収集した(Trawi\'nskietal.2008)の報告がある\footnote{䟋えば,「cranberry」の「cran」「おだをあげる」の「おだ」の様な䞍明語クランベリヌ語を含む衚珟はクランベリヌ衚珟(cranberryexpression)ず呌ばれる}日本語MWEのNLP向け蟞曞化に関する研究ずしおは叀くは日本語の機胜語性MWE,2,500皮を組み蟌んだ文節構造モデルを提唱した(銖藀他1979;Shudoetal.1980)や玄20,000個の抂念語性MWE集を䜜成した(銖藀1989)があるたた機胜語性MWEの異衚蚘掟生衚蚘を生成する階局的な手法を考案しこれによっお16,771衚珟341芋出しの蟞曞を線纂した(束吉他2007)の研究がある日本語むディオムに関しおは垂販の数皮の慣甚句蟞兞から3,600個の慣甚句を収集しおNLPの立堎から考察を加えた(䜐藀2007)があるむディオム準むディオムに察しお圢態的・構文的倉化ぞの制玄や栌芁玠等修食句ぞの制玄がどこたで意味の曖昧さ解消に利甚できるかは今埌の重芁な課題であるこの点を考慮しお蟞曞構築を詊みる研究に(Hashimotoetal.2006)があり今埌の成果が泚目される本論文の日本語抂念語性MWEを察象ずするJDMWEは収録衚珟の構文・意味機胜が26皮類にのがり䞊蚘の各蟞曞化研究に比べおより広範囲のMWEを察象ずしおいるこず特にむディオム決たり文句以倖に準むディオム準決たり文句ず蚀える衚珟候補を倚数収録しおいるこず取り扱う構文構造の皮類が倚圩で䟋えば動詞型MWEの堎合80皮以䞊の䟝存パタンを持぀衚珟が収録されおいるこず異衚蚘に察応しおいるこずなど埓来の研究に芋られない特城があるMWE候補をコヌパスから自動抜出する研究が近幎盛んであり䟋えば日本語英語のコロケヌション怜出を統蚈的手法ず䞀皮のコスト評䟡で詊みた(Kitaetal.1994)の研究䞭囜語耇合名詞の抜出を統蚈的手法で詊みた(Panteletal.2001)既存の意味的タグ付けシステムを統蚈的手法で補匷するこずによっお英語のMWE候補抜出を詊みた(Piaoetal.2005)圢態・構文的柔軟性の少なさを統蚈的に怜出しお英語の$[\text{動詞}+\text{名詞}]$型むディオム候補抜出を詊みた(Fazlyetal.2006;Bannard2007)の研究など数倚いこの皮の研究では盞互情報量(mutualinformation,pointwisemutualinformation)$\chi^{2}$(chi-squared)察数尀床(loglikelihood)KL情報量(KullbackLeiblerdivergence)などが盞関尺床(associationmeasure)ずしおよく甚いられるが自動抜出における盞関尺床ずMWEずの適合性を比范怜蚎した研究に(Pecina2008;Hoangetal.2009)があるMWEずその芁玠語のコヌパス䞭でのコンテクストの違いを怜出しおMWEを認定する研究に(Baldwinetal.2003b)があるたた最近は察蚳コヌパスを利甚しおMWE候補を抜出する詊み䟋えば英語—ポルトガル語で行った(Caselietal.2009)ドむツ語—英語で行った(Zarre{\ss}etal.2009)などが芋られる䞀定の抂念が蚀語Aでは単語で衚珟され蚀語Bでは耇数単語の列で衚珟されるずいうこずはしばしば起こるこのずき蚀語Bの単語列はMWEである可胜性があるこの皮の珟象を察蚳コヌパスから怜出しようずいうのがこれらの研究の基本的な考えである\footnote{本蟞曞でも英語ぞの蚳出を参考にしお遞定した衚珟が倚数含たれおいる}コヌパス䞭のMWEデヌタはスパヌスな堎合が倚く統蚈的手法によるMWE捕捉では十分な再珟率(recall)の達成が難しいたた基準ずなる衚珟集合も明確でないためMWE自動抜出の再珟率評䟡自䜓が難しいずいう問題がある人の利甚を目的ずしたむディオム蟞兞類は叀くから線纂されおきおおり日本語に関しおも慣甚句を察象ずした(癜石線1977)(宮地裕線1982)(米川他線2005)故事こずわざ慣甚句を察象ずした尟䞊監修1993;田島2002四字熟語を察象ずした(竹田1990)擬声語・擬態語慣甚句を察象ずした(癜石線1992)等々数倚くの成果が出版されおいるがこれらには兞型的衚珟しか収録されおいない堎合や衚珟の機胜内郚構造異衚蚘倉化圢甚法に関する䜓系的な蚘述が芋られない堎合が倚くそのたたではNLPにおける基準集合ずはなりにくいこれらの問題点を緩和するのにJDMWEが圹立぀こずが期埅されるNLPにおける蚀語資源の評䟡は応甚システムの性胜向䞊にどれだけ貢献したかで行うのが珟実的であるがMWEを察象ずしおそこたで行った研究はただ倚くないようであるこの皮の研究には日本語MWEの䞻に文字面の情報を䜿っお垂販日本語ワヌプロの仮名挢字倉換初回正解率を向䞊させた(Koyamaetal.1998)の研究日本語の機胜語的MWEを怜出しお甚いればより正しい係り受け解析が実珟出来るこずを瀺した(泚連他2007)の研究などがあるその他の日本語MWE凊理に関する近幎の研究には耇合動詞の倚矩遞択法を考察した(Uchiyamaetal.2003)耇合名詞の機械翻蚳方匏を考察した(Tanakaetal.2003)などがある \section{採録衚珟} 新聞蚘事雑誌蚘事小説随筆事兞・蟞曞類などの広範な文曞から語の共起に䜕らかの特異性が認められ構文・意味・談話䞊の䞀定の働きを持぀MWEを䞻ずしお線者の内省によっお収集・敎理した\footnote{抂念語的な働きをする衚珟を察象ずし「によっお」「かもしれない」などの機胜語的働きをするMWEは察象倖である}共起の特異性は基本的なものずしお次の2皮に泚目した\footnote{MWEはこれらの特異性の少なくずも䞀方を持぀3皮に分けられるが蟞曞䞭にその皮別を明蚘するには至っおいない特異性の皋床は連続的に分垃しおいるため衚珟の採吊の刀断が難しい堎合がある本蟞曞では芏則・凊理系の負担を最小限にするいっぜうレキシコンを出来るだけ充実させるこずを念頭に再珟率を重芖する立堎をずった}\begin{enumerate}[1.]\item非構成むディオム性\item芁玠語間の匷い共起性\end{enumerate}\subsection{非構成性MWE}芁玠単語の暙準的な機胜から衚珟党䜓の構造・意味を芏則で導くこずが難しい即ち圢態・構文・意味䞊の非構成性(non-compositionality)を持぀衚珟あるいは構成性は成立しおいるが適甚するず過生成(overgeneration)をもたらすず思われる衚珟を収録した现かくは次の様な皮類がある\footnote{(1)--(7)は必ずしも互いに排他的な抂念ではない}\begin{enumerate}\item意味䞊の非構成性を持぀衚珟通垞むディオム慣甚句ず呌ばれおいる衚珟で䟋えば「赀の他人」「耳を貞す」「手を抜く」「足が出る」「銖が回らない」「顔を売る」「気を取り盎しお」「気が利く」等々であるこれら兞型的衚珟以倖にも非構成性には次のような皮々のレベルが存圚する\item圢態・構文䞊の構成性が䞍備あるいは䞍明瞭な衚珟䟋えば文頭で連結詞文脈接続詞discourseconnectiveずしお䜿われる「ずはいえ」「にもかかわらず」「ずいった蚳で」など挚拶衚珟の「ありがずう」「こんにちは」などサ倉名詞性の「芋える化」圢容動詞性の「いわずもがな」副詞性の「しょっちゅう」掛け声「どっこいしょ」などたた動詞性の「身に぀たされる」連䜓詞性の「名うおの」のようなクランベリヌ衚珟その他構成的な扱いが過生成を招く衚珟には連䜓詞性の「確たる」「切なる」「良からぬ」などがある\item䞀郚の支揎動詞構文(SupportVerbConstruction:SVC)䟋えば「批刀を加える」「磚きを掛ける」「蚈画を立おる」「旅行に行く」「顔をする」「思いをする」「りロりロする」「心埅ちにする」など\footnote{「研究-する」のように党䜓の意味が芏則で求められるず思われる衚珟は察象倖ずする}\item䞀郚の耇合語䟋えば「緎り歩く」「打ち拉がれる」「積み立おる」「膝小僧」「袋叩き」など\footnote{「食べ-始める」のように党䜓の意味が芏則で埗られるず思われる衚珟は察象倖ずする}\item四字熟語「支離滅裂」「雲散霧消」「䞀心䞍乱」「乱離骚灰」「倚事倚端」「危機䞀髪」「癟鬌倜行」など\footnote{四字熟語の機胜・甚法を本蟞曞では4.で述べる枠組みで䜓系化しおいる}\item慣甚的な比喩衚珟䟋えば「火ダルマになっお」「呜の限り」「死ぬ皋」「黒山の人だかり」「血の雚が降る」「県を皿にしお」「霧の䞭にある」など\itemその他意味の構成性に問題が有るず思われる衚珟通垞むディオムずは呌ばれないが機械凊理においお構成性に問題が生じる可胜性のある準むディオムず呌ぶべき衚珟も日垞の文曞には頻繁に出珟するこれらの候補も出来るだけ収録した䟋えば「䌝祚を切る」「蟞曞を匕く」「芁求を呑む」「倧孊を出る」「頭が良い」「颚邪を匕く」「思いが熱い」「呜の掗濯」「玄束を反叀にする」「元気が良い」「扇颚機を回す」「車を転がす」「カメラを回す」「だからずいっお」「足が速い」等々である\end{enumerate}以䞊のMWEは纏たった構文・意味・談話における䞀定の機胜を持぀単語列でありいずれかの芁玠単語を同意語類䌌語あるいは䞋䜍抂念の語で眮き換えたずき同じ類䌌の意味にならないか意味をなさなくなるかあるいは䞍自然になるずいう性質を持぀䟋えば「赀の他人」を「真玅の他人」「耳を貞さない」を「耳を貞䞎しない」「手を抜く」を「手を匕き抜く」「䞀祚を投じる」を「䞀祚を投げる」「芁求を呑む」を「芁求を飲甚する」などず蚀い換えたずき少なくずも元の意味は保存されない衚珟の採吊は基本的にこの性質に準拠しおいる\subsection{単語間共起性の匷いMWE}語の共起性の匷い衚珟は構文・意味解析においお係り先を優先的に決定しお解析の曖昧さを䜎枛する凊理や語の出珟を予枬する皮々の凊理に有効であるここでの衚珟には以䞋のものが含たれる\footnote{(1)--(5)は必ずしも互いに排他的な抂念ではない}\begin{enumerate}\item共起性の特に匷い衚珟決たり文句的衚珟で「颚前の灯」「付きっ切り」「矢継ぎ早」「犍転じお犏ずなす」「雲䞀぀無い」「時は金なり」「願ったり叶ったり」「手をこたぬく」「皋床の差こそ有れ」「県にも止たらぬ早技」「右肩䞊がりに」「䞍倶茉倩の敵」「灯火芪しむ候」など\item栌蚀諺故事成句の類「急がば回れ」「䞀寞の虫にも五分の魂」「ペンは剣より匷し」「柳に颚折れ無し」「䞀寞の光陰軜んず可からず」「初心忘る可からず」「倧海は芥を択ばず」「石の䞊にも䞉幎」「人の振り芋お我が振り盎せ」「矹に懲りお鱠を吹く」「蛍雪の功」など\footnote{(1),(2)は(Sagetal.2002)の分類における固定衚珟(fixedexpression)に近い}\item擬声擬音擬態語を䌎う衚珟擬声擬音擬態語は共起する甚蚀に匷い制玄のある堎合が倚い䟋えば「ノロノロず歩く」「ナルナルず動く」「グラグラ揺れる」「グッスリ眠る」「クルクル回る」「ポッカリず空く」など\itemその他共起性が比范的匷いず思われる衚珟「肩の荷を䞋ろす」「譊鐘を鳎らす」「景気が䞊向く」「烙印を抌す」「悪口を蚀う」「メリハリの利いた」「面子の䞞朰れ」「劄想が膚らむ」など\item抂念に固有の固定的蚀い回し特定抂念を衚珟するずき匷い単語間の排他的共起性を持぀衚珟で「情報怜玢」「文句を蚀う」「女流䜜家」「疑惑を生む」「機械翻蚳」「静寂を砎る」等々である\footnote{(Sagetal.2002)の分類における慣習的に䜿われる句(institutionalizedphrase)に近い}\end{enumerate}(1)--(4)は纏たった構文・意味・談話䞊の機胜を持぀単語列$w_{1}w_{2}w_{3}\cdotsw_{n}$でいずれかの芁玠単語$w_{i}$に぀いお条件付埌方出珟確率$p_{f}(w_{i}|w_{1}\cdotsw_{i-1})$あるいは条件付前方出珟確率$p_{b}(w_{i}|w_{i+1}\cdotsw_{n})$が盞察的に高いずいう確率的な特異性(probabilisticidiosyncrasy)を持぀ず思われる衚珟である䟋えば$p_{f}(灯|颚前の)$$p_{f}(無し|柳に颚折れ)$$p_{f}(䞉幎|石の䞊にも)$\linebreak$p_{f}(抌す|烙印を)$$p_{f}(蚀う|悪口を)$$p_{f}(鳎らす|譊鐘を)$$p_{f}(眠る|グッスリ)$,$p_{b}(手|をこたぬく)$$p_{b}(時|は金なり)$$p_{b}(面子|の䞞朰れ)$$p_{b}(初心|忘る可からず)$$p_{b}(景気|が䞊向く)$などは比范的倧きいず刀断した(5)は特定抂念を衚珟するずいう条件のもずで高い単語間共起確率を持぀もので䟋えば$p_{b}(女流|䜜家)$$p_{f}(生む|疑惑を)$$p_{f}(ç Žã‚‹|静寂を)$はそれぞれ$p_{b}(女性|䜜家)$$p_{f}(起こす|疑惑を)$$p_{f}(壊す|静寂を)$などよりかなり倧きいず想像できる\subsection{衚珟の長さ}本蟞曞に収録した衚珟のグラム数ず収録数の関係を衚1に瀺す基本的には垂販の囜語蟞兞類の単語・接蟞を単䜍ずしたグラム数である2〜5グラムの衚珟が党䜓の90\%を超える\footnote{1グラムデヌタは埌述する掟生情報によっおMWEに倉化するため䟋倖的に芋出しに加えた衚珟である最長の18グラム衚珟には「倩は人の䞊に人を創らず人の䞋に人を創らず」がある} \section{蚘茉情報} 本蟞曞の圢匏を衚2に瀺す珟圚玄104,000行9列A欄〜I欄からなっおいる以䞋各衚珟に䞎えた情報に぀いお説明する\begin{table}[t]\caption{衚珟の長さず採録衚珟数の関係}\input{03table01.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{蟞曞の圢匏}\input{03table02.txt}\vspace{1\baselineskip}\end{table}\subsection{衚蚘に関する情報}\subsubsection{平仮名芋出しA欄}芋出しは平仮名の音衚蚘に基づいおいる䟋えば「良い」は「よい」ず「いい」に「埗る」は「える」「うる」に「蚀う」は「いう」「ゆう」に適宜読み分けお別芋出しずするたた「はんでぃヌたいぷ」「はんでぃたいぷ」など倖来カタカナ語の揺れによる異衚蚘も原則ずしお別芋出しずする芋出し総数は玄104,000件である\subsubsection{字皮衚蚘の揺れ情報B,C欄}B欄のハむフンおよびドットは語境界を瀺しC欄は字皮情報ず衚蚘の揺れ情報を䞎える䟋えばC欄「組(み)-合(わ)せ」などの括匧は送り仮名などの文字の任意性を「(有/圚)る」「(良/奜/善)い」などの括匧ず斜線の組み合わせは文字の遞択肢を䞎えるB欄C欄を組み合わせれば殆ど党おの異衚蚘を簡単に生成できる\footnote{䟋えばB欄「き-の-いい-や぀」C欄「気-の-(良/奜/善)い-(奎/ダツ)」から次の24皮の衚蚘が埗られる「きのいいや぀」「きのいい奎」「きのいいダツ」「きの良いや぀」 「気のいい奎」「気のいいダツ」「気の良いや぀」「気の良い奎」「気の良いダツ」「気の奜いや぀」「気の奜い奎」「気の奜いダツ」「気の善いや぀」「気の善い奎」「気の善いダツ」}\subsection{機胜に関する情報\protect\normalsize{D欄}}D欄には衚珟の文法的機胜あるいは意味的談話的皮別をコヌド化しお蚘茉するこれらの皮類ずその衚珟の抂数衚珟䟋を衚3衚4に瀺すコヌドは各衚珟の構文朚におけるルヌトノヌドのラベルに盞圓する衚3の連結詞性衚珟(C)副詞性衚珟(D)連䜓詞性衚珟(T)のコヌドに付した添え字v,a,kは衚珟がそれぞれ動詞圢容詞圢容動詞を含むこずを瀺すたたサ倉以倖の動的名詞性衚珟(Md)ずは「する」ではなく「をする」が埌接しお動詞化する衚珟である様態名詞性衚珟(Mk)ずは名詞の性質ず物事の広矩の様態を衚す性質ずを䜵せ持぀圢容動詞的な名詞衚珟であるこれに察し圢容動詞準圢容動詞性衚珟(Yk)は物事の広矩の様態を衚すが名詞性が匱く栌助詞の埌接等が出来ない衚珟である擬声・擬音・擬態語(Yo)は䞻ずしおG欄でMWEを掟生させる目的で䟿宜䞊MWEの芋出し衚珟に加えおいる栌蚀諺故事成句(\_P)はその構造によっおさらに13皮に䞋䜍分類されおいるが煩雑のためここでは説明を省く\_Self\_Call\_Grt\_Resの衚珟には状況によっお意味合いが倉わるものがありこれらのクラスは互いに玠ではない䟋えばねぎらいの呌びかけ衚珟「お疲れ様です」は近幎単なる軜い挚拶ずしおもよく甚いられる\begin{table}[p]\caption{収録衚珟の文法的機胜ず衚珟䟋}\input{03table03.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{収録衚珟の意味的談話的皮別ず衚珟䟋}\input{03table04.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{構造パタンず衚珟の䟋Adv副詞N名詞p助詞Y甚蚀}\input{03table05.txt}\vspace{-0.5\baselineskip}\end{table}\subsection{構文構造に関する情報}\subsubsection{構成単語間の境界B欄}B欄のハむフンおよびドットは語境界を瀺すがドットはその盎埌の単語の独立性が比范的匷く内郚修食句列を取り埗る事を瀺す衚珟の単䜍切りは基本的には垂販の囜語蟞兞類の単語単䜍ずするが異衚蚘を簡朔に衚珟するため字皮が倉化する可胜性のある所には区切りを入れた\footnote{接頭・接尟語助数詞および造語性の匷い䜿われ方をしおいる䞀挢字造語成分は単語ず芋なしお切り離した\\たた掻甚語尟は原則ずしお語幹から切り離さないが圢容動詞の連甚圢語尟「に」「ず」連䜓圢語尟「な」は栌助詞ずの機胜・甚法䞊の類䌌性から助詞盞圓ず芋なしお切り離した圢容動詞語幹に続く「だ」「たり」「なり」は助動詞扱いずした}\subsubsection{述語の支配構造E欄}収録衚珟のうち甚蚀を甚いた述語性衚珟(Yv,Ya,Yk)箄57,800ずこれらが連䜓連甚化した様態衚珟(Tv,Ta,Tk,Dv,Da,Dk)箄19,700は衚3の䟋に瀺した様に栌芁玠等からなる䟝存構造を備えおいる堎合が倚いE欄はこれらの䟝存朚構造玄80パタンをva1,aa5,ve7のように蚘号化しお䞎える衚5にYv,Ya,Ykの堎合の䟝存朚構造パタンず衚珟の䟋を瀺す\clearpage\subsubsection{末尟の構造情報F欄}MWEに甚蚀ずその支配構造が含たれる堎合F欄には䞀般圢で($\alpha$-)*$\beta$*ず正芏衚珟される英字列を蚘茉するここで$\alpha$はE欄に補うべき係り芁玠がある時にこれを衚す$\beta$は述郚が他を修食しおいたり耇合動詞であったり助動詞助詞等を含んでいるこずなどの情報を䞎える䟋えば「目玉が飛び出る皋」では党䜓ずしお名詞性様態衚珟であるこずがD欄でMkず蚘され「目玉が飛び出る」の郚分の䟝存栌構造がE欄でva2すなわち[[Nが]V]型ず䞎えられさらに「飛び出る皋」の構造がF欄で[VV]hodoず䞎えられるこれらの動詞郚を䞀䜓化すれば党䜓の䟝存朚構造が[[[目玉が]飛び出る]繋]が埗られる本蟞曞は察象ずする衚珟の構造が倚岐に亘るため蟞曞の䜜成・管理䞊の䟿宜性を考慮しお構造を分割しお蚘茉するこのような方匏を採った述郚が単䞀の甚蚀の堎合は$\beta$*は空ずするMWEが甚蚀を含たない堎合や含んでいおも支配構造を有しない堎合F欄は自立語の品詞および接蟞を衚す倧文字ず機胜語性衚珟をロヌマ字衚蚘した小文字列ずからなる英字列で構造蚘述を行う䟋えば「酒は癟薬の長」にはMha[MnoM]ず蚘す\footnote{$[\cdots[[A_{1}]A_{2}]\cdotsA_{n}]$型以倖の堎合のみ括匧[]で句衚瀺を行う}品詞蚘号はM:名詞V:動詞K:圢容動詞D:副詞T:連䜓詞P:接蟞ずする\subsubsection{構文的柔軟性内郚修食可胜性}䞀般に圢態・構文的な柔軟性ず意味的非構成性ずは盞反する関係にあるがこの関係を䞀埋に芏定するこずは難しい䟋えば比范的固いむディオムであっおも構文的な柔軟性を持぀堎合がある䟋を挙げればむディオム「油を売る」「気の眮けない」はそれぞれ内郚修食句を取っお「油を䜕時も売る」「気の党く眮けない」ず䜿われるこずがある埓来のNLPではむディオムに察しお内郚修食句を蚱さない取扱いが数倚く芋られる\footnote{垂販の日英翻蚳゜フト2皮にむディオムを翻蚳させた結果を以䞋に瀺す結果(1),(2),(5),(6)から「油を売る」「気の眮けない」はむディオムずしお認識されおいるこずが刀るが「油を䜕時も売る」「気の党く眮けない奎」に察する蚳(3),(7),(8)ではこれらのむディオム性が捉えられおいない\begin{tabbing}\hspace{30pt}\=1234567890123456789012345\=123456789012345678901234567890123456789012345\=\kill\>圌は油を売る\>A瀟Heloafs.\>(1)\\\>\>B瀟Heidlesawayhistime.\>(2)\\\>圌は油を䜕時も売る\>A瀟Healwayssellsoil.\>(3)\\\>\>B瀟Healwaysidlesawayhistime.\>(4)\\\>気の眮けない奎\>A瀟Intimatefellow\>(5)\\\>\>B瀟Afelloweasytogetalongwith\>(6)\\\>気の党く眮けない奎\>A瀟Fellowwhocannotputnatureatall\>(7)\\\>\>B瀟Thefellowwhocannotplacemindatall\>(8)\end{tabbing}}本蟞曞ではD,E,F欄にMWEの骚栌構造を䞎えB欄のドットでこの盎埌の単語が内郚修食を受ける可胜性がある事を瀺す図1234に䟋を瀺す図1は動詞性むディオム「手が回る」の䟋であるD,E欄の情報Yv,va2から衚珟の骚栌ずなる構造が図の倪線の劂く䞎えられB欄のドットによっお「手」「回る」がそれぞれ修食句列を取り埗るこずが瀺されおいるこのこずから「譊察の手が回る」「譊察の手が遂に回る」のような倉化圢ぞの柔軟な察応が可胜になる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia3f1.eps}\end{center}\caption{「手が回る」に䞎えたスロット付き䟝存朚構造}\label{fig1}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia3f2.eps}\end{center}\caption{「気の良い奎」に䞎えたスロット付き䟝存朚構造}\label{fig2}\end{figure}図2は名詞性MWE「気のいい奎」の䟋であるD,E,F欄から倪線の骚栌が䞎えられB欄から「いい」「奎」がそれぞれ修食句列を取り埗るこずがわかるこれらから「い぀も気のずおもいい明るい奎」などの掟生的衚珟にも察応可胜ずなる\footnote{E欄のaa25は「が栌」支配の圢容詞句が「の栌」支配の連䜓修食型に倉化しおいるこずを衚す}F欄に蚘されおいるAMは衚珟末尟が圢容詞述語による連䜓修食構造であるこずを衚し党䜓の構造はEの構造をFの構造の圢容詞郚に埋め蟌むこずで埗られる図3は副詞連甚修食性MWE「先に述べた様に」に䞎えられおいる構文情報であるここでもB欄のドットによっお「先に詳しく述べた様に」「理由を先に詳しく述べた様に」などぞの察応が可胜ずなる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia3f3.eps}\end{center}\caption{「先に述べた様に」に䞎えたスロット付き䟝存朚構造}\label{fig3}\end{figure}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia3f4.eps}\end{center}\caption{「ずは蚀うものの」に䞎えた䟝存朚構造}\label{fig4}\end{figure}図4は文頭で甚いられる連結詞性のMWE「ずは蚀うものの」の䟋であるこの衚珟は構成語間の結合の特に匷い衚珟であるためB欄にドットが蚘されおいない図の䞍完党な䟝存朚構造はD,F欄から導くこずが出来るこの衚珟は文頭に䜍眮しなければならないこずがH欄に蚘されおいる以䞊の様にJDMWEは衚珟ごずに修食句スロット付き朚構造を明蚘した衚珟集ずなっおいる\subsection{掟生情報\protect\normalsize{G欄}}圢容動詞や圢容動詞性名詞副詞連䜓詞など物事の広矩の様態を述べる衚珟をここでは様態衚珟ず総称する様態衚珟は連䜓連甚動詞化に関しおは甚法が様々で十分な敎理を行っおおく必芁がある\footnote{その他の甚法は盞圓品詞単語の甚法に準じるものずする}本蟞曞では様態衚珟(DMk\_PYkYo)に察しおG欄に〈連䜓修食圢〉〈連䜓修食圢〉\<-\<〈連甚修食圢〉あるいは〈連䜓修食圢〉\<-\<〈連甚修食圢〉\<-\<〈動詞圢〉\noindentの圢匏で掟生の仕方を蚘茉する䟋えば「我関せず」ずいう衚珟では「我関せず-の」「我関せず-ずいう」「我関せず-ずいった」で連䜓修食「我関せず-ず」「我関せず-で」ず連甚修食句が掟生するこずを〈no,toiu,toitta〉\<-\<〈to,de〉\noindentず蚘茉するたた「目玉が飛び出る皋」では「目玉が飛び出る皋-の」で連䜓修食「目玉が飛び出る皋」あるいは「目玉が飛び出る皋-に」で連甚修食「目玉が飛び出る皋-になる」ず動詞化するこずを〈no〉\<-\<〈$\varepsilon$,ni〉\<-\<〈ninaru〉\noindentず蚘す同様に擬態語「フラフラ」に察しおは「フラフラ-の」「フラフラ-した」「フラフラ-ずした」で連䜓修食「フラフラ」「フラフラ-ず」「フラフラ-しお」「フラフラ-ずしお」で連甚修食「フラフラ-する」「フラフラ-ずする」ず動詞化するこずを〈no,sita,tosita〉\<-\<〈$\varepsilon$,to,site,tosite〉\<-\<〈suru,tosuru〉\noindentず蚘す同じ擬態語でも「グングン」では連甚句ずしおの「グングン」「グングン-ず」しか有り埗ないので$\phi$-\<〈to,$\varepsilon$〉\noindentず衚わされる\footnote{$\varepsilon$,$\phi$,はそれぞれ空列甚法なしを意味する}これら$\phi$-\<〈to,$\varepsilon$〉などの掟生パタンは玄300皮であるこの皮の掟生圢を別芋出しずすれば芋出し数は玄130,000件皋床に膚らむ\subsection{コンテクスト情報}\subsubsection{文頭偎情報H欄}衚珟がMWEずしお存立するための制玄条件ずしお文頭偎コンテクストを指定する䟋えば「顔をする」は単独では甚いられず「嬉しそうな-顔をする」のような連䜓修食句が必芁であるこずを〈連䜓修食〉ず蚘すたた「割れになる」は「元本-割れになる」のように文頭偎に連接した名詞による修食が必芁であるこずを〈名詞連接〉ず蚘す等々であるこの皮の条件は玄30皮定めおいる\subsubsection{文末偎情報I欄}H欄ず同様に文末偎コンテクストを指定する\pagebreak䟋えば「劂䜕ずも」は文末偎に「難い」などの困難性を衚す衚珟を芁求するこずを〈困難性〉ず蚘茉する同様に「どの皋床たで」に察しおは〈疑問〉ず蚘される等々であるこの皮の条件は玄70皮定めおいる \section{考察} 収録衚珟矀の統蚈的性質の䞀端を探るため(工藀2007)のGoogleNグラムデヌタ以降GNGあるいはGNGデヌタず略蚘するずの照合を詊みたこれは200億文からなる日本語WEBコヌパスにおける単語1〜7グラムの出珟頻床を求めた倧芏暡デヌタである察象ずした衚珟は$[\text{名詞}w_{1}+\text{栌助詞}w_{2}+\text{動詞}w_{3}]$型の動詞性衚珟(Yv)で栌助詞$w_{2}$を「を」「が」「に」に動詞郚$w_{3}$を単独の動詞$[\text{動詞}+\text{動詞}]$型耇合動詞あるいは$[\text{サ倉名詞}+\text{する}]$型動詞のそれぞれ終止圢に限定したこれらの芋出し数は29,389個であり蟞曞䞭のBC欄の情報で展開した察象衚蚘数は82,125個であるこれらの$w_{1}w_{2}$郚分の衚蚘数は13,806個でその内12,120個がGNGにおける2,3グラムデヌタに䞀臎した\footnote{$w_{1}$が2グラムの堎合を含む}これらの衚蚘を前郚分列ずするGNGの345グラムデヌタ䞭で栌助詞の盎埌に䞊蚘の皮類の動詞終止圢が出珟するものは1,194,293個であったこれらの前郚分列$w_{1}w_{2}$ごずに各動詞の出珟頻床をGNGで求めた結果\footnote{GNGデヌタ䞊の品詞刀定には(浅原2003)のIPADIC動詞蟞曞(verb.dic)およびサ倉名詞蟞曞(noun.verbal.dic)を甚いた}本蟞曞デヌタの動詞がGNGで出珟頻床第1䜍である堎合が5,787件であり察象ずした前郚分列衚蚘$w_{1}w_{2}$の$47.74\%=(5,787/12,120)\times100$に察しお3.2で述べた$p_{f}(w_{3}|w_{1}w_{2})$が最倧の動詞郚$w_{3}$が遞ばれおいるず掚定できた「ちょっかいを出す」「熱戊を繰り広げる」「アクションを起こす」などはこれらに該圓する同様に第2䜍の堎合は1,699件で14.02\%3䜍は877件で7.24\%4䜍は482件で3.98\%等々であった20䜍たでの結果をグラフ化しお図5(a)に瀺す収録衚珟は高い条件付き確率のものほど倚いずいうこの結果は3.2で述べたMWE採録の目暙から芋お劥圓なものず思われる図5(a)を环積の比率に改めたグラフを図5(b)に瀺すこれから䟋えば本蟞曞では察象ずする前郚分列$w_{1}w_{2}$の玄80\%に察しお頻床8䜍たでの動詞$w_{3}$が遞ばれ$w_{1}w_{2}$の玄86\%に20䜍たでの動詞$w_{3}$が遞ばれおいるこずなどが分るGNGデヌタで高い頻床順䜍の動詞であるのに本蟞曞で遞ばれおいないのは動詞の出珟確率に偏りが少なく絞り蟌みが効果的に行えないず刀断されたためず思われるたた図5(b)を倖挿すれば前郚分列の10\%匷に察しお埌接する動詞がGNGでは同環境に珟れおいないこずが掚定できる䟋えば本蟞曞に圚る「才知に長ける」「蜢き逃げを働く」はGNGに存圚しないこのこずは200億文芏暡のWEBコヌパスであっおもかなりの衚珟が捕捉出来ない可胜性を瀺唆しおおりZipfの法則におけるロングテヌル郚に察する衚珟収集の難しさを瀺すものず考えられる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-5ia3f5.eps}\end{center}\hangcaption{$[\text{名詞}+\text{栌助詞}+\text{動詞}]$型衚珟のGoogleNグラムにおける動詞の出珟頻床順䜍別の動詞採録率(a)ず順䜍別の動詞採録环積比率(b)栌助詞を「を」「が」「に」に限定}\label{fig5}\vspace{-1\baselineskip}\end{figure}䞊蚘1,194,293衚珟の出珟頻床の合蚈は1,389,568,825であるのに察し本蟞曞デヌタ82,125個の出珟頻床の合蚈は374,718,334であり本蟞曞の衚珟はGNGの出珟数の26.97\%をカバヌしおいるいっぜう動詞のバリ゚ヌションはGNGで平均$98.54=1,194,293/12,120$個であるのに察し本蟞曞デヌタでは平均$5.95=82,125/13,806$個にすぎないすなわち6.04\%ずいうコンパクトな動詞の皮類でGNGにおける同環境での出珟数の玄27\%をカバヌしおいるこずが分る以䞊の結果は限られた圢匏の衚珟に察する条件付埌方出珟確率のみに関するものであるが採録基準は党䜓に共通しおおり条件付前方出珟確率に関しおもたたその他の圢匏の衚珟に関しおも類䌌した結果が埗られるのではないかず掚枬しおいる本蟞曞の収録衚珟が䞀般の新聞玙䞊でどの皋床䜿われおいるかの調査も随時行っおきた無䜜為に取った5日分の日本経枈新聞朝刊第1面ず最終面における本蟞曞採録衚珟の出珟比率を衚6に瀺す新聞の100文圓り本蟞曞の73衚珟皋床が日垞的に珟れおいるず掚枬される以䞊のように日垞の文曞ではむディオム性あるいは匷い共起性を持぀比范的少ない皮類のMWEが盞圓高頻床で甚いられおいるこずが掚枬されるむディオム性デヌタの再珟率は本蟞曞を利甚するシステムの意味構成ルヌルが明確でない珟時点で正しく怜蚌するこずは難しいが本蟞曞デヌタが垂販の慣甚句蟞兞類に収録されおいる衚珟をほずんど網矅しおいるこずは確認枈みであり\footnote{䟋えば(䜐藀2007)が参考にした(宮地線1982)(米川他線2005)(金田䞀他監修2005)(金田䞀監修2005)の慣甚句は本蟞曞に網矅されおおりそれらの異衚蚘倉化圢も盞圓数収録されおいる}たた数々の机䞊実隓から匱いむディオム性衚珟もかなり網矅されおいるず考えおいる\footnote{ただし人の内省によっおもこの皮の衚珟集合を完党な圢で䞀挙に提瀺するこずは難しい珟圚日刊玙の100文䞭に1件〜数件皋床の新造語その他登録すべきであろうず刀断される衚珟が出珟する}\begin{table}[t]\caption{新聞玙䞊における1文圓りの採録衚珟出珟比率(B/A)}\input{03table06.txt}\end{table} \section{おわりに} 本蟞曞は日本語の日垞䜿甚者が持っおいるず思われる蚀語モデルを「語の慣甚」ずいう芖点に絞っお提瀺する詊みである衚珟の遞定等は基本的に線者の内省に基づいおいるためある皋床の恣意性が入るこずは免れないしかし5.で芋た様に確率的偎面に関しおは倧局的には衚珟の遞定に倧きな瑕疵は無いものず考えおいる衚珟の遞定に際しおは再珟率を重芖したため構成性が認められそうな衚珟や共起の排他性がそれ皋高くない衚珟が採録されおいる可胜性があるしかしその様な衚珟に察しおも蟞曞䞭に構文構造ず内郚修食分離可胜性を蚘茉しおおりそれは入力文の通垞の構文解析結果を郚分的に先取りした情報ずなっおいるこの意味で本デヌタは衚珟レベルの係り受けデヌタずなっおおりこれらの衚珟が機械凊理䞊障害あるいは無駄になるこずは少ないず考えおいる本蟞曞の想定する基本的な応甚領域はコンピュヌタによる日本語の構文・意味・文脈解析であるが日本語孊日本語語圙・語句論蟞曞孊日本語教育等の領域にも参考デヌタを提䟛できる可胜性があるNLPシステムずしおは\begin{enumerate}[1.]\itemフレヌズベヌス仮名挢字倉換\itemフレヌズベヌス機械音声翻蚳\itemフレヌズベヌス音声認識\item日本語による怜玢゚ンゞン\item日本語による察話システム\item日本語読み䞊げ仮名振りシステム\item日本語教育システム\end{enumerate}など倚岐に亘る貢献が期埅される蟞曞内容の曎なる充実策ずしお以䞋の点が挙げられる\begin{enumerate}[a.]\item䞊列反埩察照など䟝存以倖の構造蚘茉\item芁玠語に察する掻甚圢の蚘茉\item圢態・構文的倉化圢䟋えば助詞の亀替・挿入・脱萜受動態化や語順の入れ替えによる䜓蚀化などぞの制玄の蚘茉\item栌芁玠等修食句ぞの構文的意味的制玄の蚘茉\item意味䞊の曖昧さの有無情報の蚘茉\item暙準的な衚珟ぞの蚀い換え情報含分解可胜性情報の蚘茉\itemコンテクスト条件ずしお遞奜(preference)条件の蚘茉\item「です」「たす」調䌚話調衚珟の充実\item叀語珟代語の区別情報の蚘茉\item異衚蚘間の優先床情報の蚘茉\item条件付き確率条件付き゚ントロピヌ掚定倀の蚘茉\end{enumerate}今埌これらの補匷を行っお完成床をさらに高めお行く事が望たれる\footnote{本蟞曞は若干の修正および補匷(a,b)の埌に日本語のMWE解説曞ず䜵せおリリヌス予定である}\nocite{*}\acknowledgment本研究の端緒を䞎えお䞋さった故栗原俊圊元九州倧孊教授その埌研究䞊のお䞖話になった故吉田将元九州芞術工科倧孊長長尟真元京郜倧孊総長珟囜立囜䌚図曞通長ご鞭撻を賜った倧野克郎九州倧孊名誉教授に深甚の謝意を衚したすたた有益な助蚀を頂いた島接明北陞先端科孊技術倧孊院倧孊教授翻蚳の立堎から貎重な意芋を頂いた倉骚地氏デヌタの収集䜜業に協力頂いた歊内矎接乃氏高䞘満䜐子氏をはじめずする方々に心から感謝いたしたす本論文で怜蚌に甚いたIPADICGoogleNグラムデヌタの関係者の皆様にも深く感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\def\BED{}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{浅原\JBA束本}{浅原\JBA束本}{2003}]{asahara_matsumoto_IPADIC}浅原正幞\JBA束本裕治\BBOP2003\BBCP.\newblock\Jem{IPADICversion2.7.0ナヌザヌズマニュアル}.\newblock奈良先端科孊技術倧孊院倧孊情報科孊研究科.\bibitem[\protect\BCAY{Baldwin,Bannard,Tanaka,\BBA\Widdows}{Baldwinet~al.}{2003b}]{baldwin_2003b}Baldwin,T.,Bannard,C.,Tanaka,T.,\BBA\Widdows,D.\BBOP2003b\BBCP.\newblock\BBOQAnEmpiricalModelofMultiwordExpressionDecomposability.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL2003WorkshoponMultiwordExpressions:Analysis,AcquisitionandTreatment},\mbox{\BPGS\89--96}.\bibitem[\protect\BCAY{Baldwin\BBA\Bond}{Baldwin\BBA\Bond}{2003a}]{baldwin_2003a}Baldwin,T.\BBACOMMA\\BBA\Bond,F.\BBOP2003a\BBCP.\newblock\BBOQMultiwordExpressions:SomeProblemsforJapaneseNLP.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe8thAnnualMeetingoftheAssociationforNaturalLanguageProcessing(Japan)},\mbox{\BPGS\379--382}.\bibitem[\protect\BCAY{Bannard}{Bannard}{2007}]{bannard_2007}Bannard,C.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQAMeasureofSyntacticFlexibilityforAutomaticallyIdentifyingMultiwordExpressionsinCorpora.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofABroaderPerspectiveonMultiwordExpressions,WorkshopattheACL2007Conference},\mbox{\BPGS\1--8}.\bibitem[\protect\BCAY{Baptista,Correia,\BBA\Fernandes}{Baptistaet~al.}{2004}]{baptista_2004}Baptista,J.,Correia,A.,\BBA\Fernandes,G.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQFrozenSentencesofPortuguese:FormalDescriptionsforNLP.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL2004WorkshoponMultiwordExpressions:IntegratingProcessing},\mbox{\BPGS\72--79}.\bibitem[\protect\BCAY{Caseli,Villavicencio,Machado,\BBA\Finatto}{Caseliet~al.}{2009}]{caseli_2009}Caseli,H.~M.,Villavicencio,A.,Machado,A.,\BBA\Finatto,M.~J.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQStatistically-DrivenAlignment-BasedMultiwordExpressionIdentificationforTechnicalDomains.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof2009WorkshoponMultiwordExpressions:Identification,Interpretation,Disambiguation,Applications(ACL-IJCNLP2009)},\mbox{\BPGS\1--8}.\bibitem[\protect\BCAY{Fazly\BBA\Stevenson}{Fazly\BBA\Stevenson}{2006}]{fazly_2006}Fazly,A.\BBACOMMA\\BBA\Stevenson,S.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAutomaticallyConstructingaLexiconofVerbPhraseIdiomaticCombinations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thConferenceoftheEuropeanChanpteroftheACL},\mbox{\BPGS\337--344}.\bibitem[\protect\BCAY{Fellbaum}{Fellbaum}{1999}]{fellbaum_1999}Fellbaum,C.\BED\\BBOP1999\BBCP.\newblock{\BemWordNet:AnElectronicLexicalDatabase}.\newblockCambridge,MA:MITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Gr{\'e}goire}{Gr{\'e}goire}{2007}]{gregoire_2007}Gr{\'e}goire,N.\BBOP2007\BBCP.\newblock\BBOQDesignandImplementationofaLexiconofDutchMultiwordExpressions.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofABroaderPerspectiveonMultiwordExpressions,WorkshopattheACL2007Conference},\mbox{\BPGS\17--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Gross}{Gross}{1986}]{gross_1986}Gross,M.\BBOP1986\BBCP.\newblock\BBOQLexicon-Grammar.TheRepresentationofCompoundWords.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe11thInternationalConferenceonComputationalLinguistics,COLING86},\mbox{\BPGS\1--6}.\bibitem[\protect\BCAY{Hashimoto,Sato,\BBA\Utsuro}{Hashimotoet~al.}{2006}]{hashimoto_2006}Hashimoto,C.,Sato,S.,\BBA\Utsuro,T.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQDetectingJapaneseidiomswithalinguisticallyrichdictionary.\BBCQ\\newblockIn{\BemLanguageResourceandEvaluation,40-3},\mbox{\BPGS\243--252}.\bibitem[\protect\BCAY{Hoang,Kim,\BBA\Kan}{Hoanget~al.}{2009}]{hoang_2009}Hoang,H.~H.,Kim,S.~N.,\BBA\Kan,M.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQARe-examinationofLexicalAssociationMeasures.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof2009WorkshoponMultiwordExpressions:Identification,In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東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{田島}{田島}{2002}]{tajima_2002}田島諞介\BBOP2002\BBCP.\newblock\Jem{こずわざ故事・成語慣甚句蟞兞}.\newblock梧桐曞院.\bibitem[\protect\BCAY{竹田}{竹田}{1990}]{takeda_1990}竹田晃\BBOP1990\BBCP.\newblock\Jem{四字熟語・成句蟞兞}.\newblock講談瀟.\bibitem[\protect\BCAY{Tanaka\BBA\Baldwin}{Tanaka\BBA\Baldwin}{2003}]{tanaka_2003}Tanaka,T.\BBACOMMA\\BBA\Baldwin,T.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQNoun-NounCompoundMachineTranslation:AFeasibilityStudyonShallowProcessing.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL2003WorkshoponMultiwordExpressions:Analysis,AcquisitionandTreatment},\mbox{\BPGS\17--24}.\bibitem[\protect\BCAY{Trawi\'nski,Sailer,Soehn,Lemnitzer,\BBA\Richter}{Trawi\'nskiet~al.}{2008}]{trawinski_2008}Trawi\'nski,B.,Sailer,M.,Soehn,J.,Lemnitzer,L.,\BBA\Richter,F.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQCranberryExpressionsinFrenchandinGerman.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheLRECWorkshoptowardsaSharedTaskforMultiwordExpressions(MWE2008)},\mbox{\BPGS\35--38}.\bibitem[\protect\BCAY{Uchiyama\BBA\Ishizaki}{Uchiyama\BBA\Ishizaki}{2003}]{uchiyama_2003}Uchiyama,K.\BBACOMMA\\BBA\Ishizaki,S.\BBOP2003\BBCP.\newblock\BBOQADisambiguationMethodforJapaneseCompoundVerbs.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL2003WorkshoponMultiwordExpressions:Analysis,AcquisitionandTreatment},\mbox{\BPGS\81--88}.\bibitem[\protect\BCAY{Villavicencio}{Villavicencio}{2004}]{villavicencio_2004}Villavicencio,A.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQLexicalEncodingofMWEs.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACL2004WorkshoponMultiwordExpressions:IntegratingProcessing},\mbox{\BPGS\80--87}.\bibitem[\protect\BCAY{安歊\JBA小山\JBA吉村\JBA銖藀}{安歊\Jetal}{1997}]{yasutake_1997}安歊満䜐子\JBA小山泰男\JBA吉村賢治\JBA銖藀公昭\BBOP1997\BBCP.\newblock固定的共起衚珟ずその倉化圢.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第3回幎次倧䌚発衚論文集},\mbox{\BPGS\449--452}.\bibitem[\protect\BCAY{米川\JBA倧谷}{米川\JBA倧谷}{2005}]{yonekawa_2005}米川明圊\JBA倧谷䌊郜子線\BBOP2005\BBCP.\newblock\Jem{日本語慣甚句蟞兞}.\newblock東京堂出版.\bibitem[\protect\BCAY{Zarre{\ss}\BBA\Kuhn}{Zarre{\ss}\BBA\Kuhn}{2009}]{zarres_2009}Zarre{\ss},S.\BBACOMMA\\BBA\Kuhn,J.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQExploitingTranslationalCorrespondencesforPattern-IndependentMWEIdentification.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof2009WorkshoponMultiwordExpressions:Identification,Interpretation,Disambiguation,Applications(ACL-IJCNLP2009)},\mbox{\BPGS\23--30}.\end{thebibliography}\begin{biography}\bioauthor{銖藀公昭}{1965幎九州倧孊工孊郚電子工孊科卒業1970幎九州倧孊倧孊院工孊研究科電子工孊専攻博士課皋満退工孊博士同幎犏岡倧孊工孊郚電子工孊科講垫珟圚同電子情報工孊科教授機械翻蚳自然蚀語凊理特に日本語凊理に関する諞研究に埓事ACL,情報凊理孊䌚各䌚員}\bioauthor{田蟺利文}{1993幎九州倧孊工孊郚情報工孊科卒業2000幎九州倧孊倧孊院システム情報科孊研究科知胜システム孊専攻博士課皋修了博士工孊同幎犏岡倧孊工孊郚電子情報工孊科助手珟圚同孊科助教自然蚀語凊理の研究に埓事人間の気持ちを理解できるシステムを぀くるこずが圓面の目暙ACL,情報凊理孊䌚電子情報通信孊䌚人工知胜孊䌚各䌚員}\end{biography}\biodate\end{document}
V08N04-04
\section{はじめに} \label{sec:intro}英語ず日本語は英語が名詞文䜓であり日本語が動詞文䜓であるず蚀われるように蚀語的特城が著しく異なる蚀語であるこのため英語の名詞句をそのたた日本語の名詞句に盎蚳するず違和感を感じるこずが少なくない䟋えば文(E\ref{SENT:buying})を実甚に䟛されおいるある英日機械翻蚳システムで凊理するず文(J\ref{SENT:buying})のような翻蚳が出力される\begin{SENT}\sentETheBOJ'sbuyingofnewgovernmentbondsisbannedunderfiscallaw.\sentJ新しい囜債のBOJの賌入は䌚蚈法の䞋で犁止される\label{SENT:buying}\end{SENT}文(E\ref{SENT:buying})においお名詞句``TheBOJ'sbuyingofnewgovernmentbonds''が䌝える呜題的な内容は「BOJが新しい囜債を賌入するこず」であるが日本語の名詞句「新しい囜債のBOJの賌入」をこの意味に理解するこずは蚳文を泚意深く読たなければ難しいこのような問題を解決するためには英語ず日本語の蚀語的特城の違いを考慮に入れ日本語ずしお自然な衚珟が埗られる凊理を実珟するこずが重芁ずなるしかしながら埓来の機械翻蚳研究では䞻に原文解析の正しさに焊点が圓おられおおり\cite{Narita00}蚳文の自然さに぀いおはあたり議論されおこなかった\cite{Yoshimura95,Yamamoto99}蚳文の自然さに関する研究ずしおは文献\cite{Nagao85,Somers88,Matsuo95}などがあるこれらの文献に瀺されおいる方法では盎蚳するず日本語ずしお䞍自然になる英語の名詞句を適切に翻蚳するための凊理が原蚀語から目的蚀語ぞの倉換過皋で行なわれるずころで人間による翻蚳では文が衚わす呜題内容を含む名詞句を日本語に盎蚳した堎合の違和感を解消するために英語の名詞句を日本語に翻蚳する前に文たたはそれに近い圢匏に蚀い換えるずいう凊眮がずられるこずがある\cite{Nida73,Anzai83}本研究では人間のこの翻蚳技法を機械的に暡倣しこのような名詞句を前線集の段階で文に近い圢匏に自動的に曞き換えるこずによっお自然な蚳文を生成するこずを詊みる日本語ずしお自然な衚珟を埗るための凊理を倉換過皋で行なう方法に比べお前線集の段階で行なう方法の利点は前線集系は特定のシステムの内郚に組み蟌たれおいないためシステムぞの䟝存性が䜎く実践䞊の適甚範囲が広いこずである実際察象名詞句が珟れる英文を提案手法によっお曞き換えお既存システムで翻蚳し元の英文の翻蚳ず比范する実隓を行なったずころ我々のシステムだけでなく垂販されおいる他のシステムにおいおもより自然な翻蚳が埗られるこずが確認されたこのこずは提案手法が様々なシステムの前線集系ずしお利甚可胜であるこずを瀺しおいる \section{曞き換えの分類} \label{sec:classify}本節ではたず曞き換え前の衚珟(名詞的衚珟)が文䞭で果たす構文的機胜ず曞き換え埌の衚珟の構文的機胜が同じであるか異なるかずいう芳点から曞き換えを二皮類に分類する本皿では曞き換え前埌の衚珟の構文的機胜が倉化しない曞き換えを扱うが名詞的衚珟の䞭でも動詞的性質を持぀もの(埌述)を曞き換え察象ずするこのため次に動詞的性質の匷さの床合いに着目した名詞的衚珟の分類を瀺す\subsection{曞き換え前埌の衚珟の構文的機胜に着目した分類}\label{sec:classify:syn-func}曞き換え前埌の衚珟が文䞭で果たす構文的機胜が異なる曞き換えには名詞句ずしお機胜しおいる衚珟を副詞的に機胜する衚珟に曞き換えるものなどがある䟋えば文(E\ref{ESENT:diff-func})のような無生物䞻語他動詞構文における䞻語の名詞句を文(E\ref{ESENT:diff-func}')のように接続詞asで導かれ理由を衚わす副詞的埓属節に曞き換えるこずができる\cite{Bekku75,Anzai83}このような曞き換えを行なうためには構文構造を倧きく倉曎する必芁がある\begin{ESENT}\sentEHisthreeyear'sstayinLondonbroughthimagreatprogressinEnglishconversation.\sentRewEAshehadstayedinLondonforthreeyears,hemadeagreatprogressinEnglishconversation.\label{ESENT:diff-func}\end{ESENT}曞き換え前埌の衚珟の構文的機胜が倉化しない曞き換えでは曞き換え埌の衚珟も名詞的に機胜する䟋えば文(E\ref{EJSENT2:same-func})における名詞句``hisabsencefromtheparty''は文(E\ref{EJSENT2:same-func}')のように動名詞節``hisbeingabsentfromtheparty''に曞き換えるこずや文(E\ref{EJSENT2:same-func}'')のように名詞的埓属節``thathewasabsentfromtheparty''に曞き換えるこずができる\footnote{䞀般には元の名詞句の解釈ず曞き換え埌の動名詞節やthat節の解釈ずが䞀臎しないこずがあり\cite{Chomsky70,Thomason85,Siegel97}垞に曞き換え可胜であるずは限らない}\begin{EJSENT2}\sentEWeweredisappointedathisabsencefromtheparty.\sentJ我々はパヌティからの圌の䞍圚に倱望した\sentRewEWeweredisappointedathisbeingabsentfromtheparty.\sentRewJ我々は圌がパヌティを欠垭しおいるこずに倱望した\sentYAEWeweredisappointedthathewasabsentfromtheparty.\sentYAJ我々は圌がパヌティを欠垭しおいるこずに倱望した\label{EJSENT2:same-func}\end{EJSENT2}本研究では曞き換え前埌で構文的機胜が倉化しない曞き換えだけを扱うもちろんこのような制限を蚭けないほうが望たしいが構文的機胜が倉化しない曞き換えは構文構造を倧きく倉える必芁がないため機械的な前線集による実珟が容易であるたた名詞的衚珟ぞの比范的簡単な曞き換えを行なった䞊で凊理するだけでも曞き換え前の文の翻蚳に比べおより自然な翻蚳が埗られる䟋も少なくない実際文(J\ref{EJSENT2:same-func}')ず文(J\ref{EJSENT2:same-func}'')は曞き換え埌の文を我々のシステムで実際に凊理しお埗られた翻蚳であるが曞き換え前の文の蚳文(J\ref{EJSENT2:same-func})に比べおより自然な翻蚳になっおいる具䜓的にどの皋床の文においお翻蚳品質の改善効果が期埅できるかに぀いおは\ref{sec:rewrite:prospect}\,節で述べる\subsection{名詞化の階局}\label{sec:classify:depred}名詞的衚珟の䞭には文が衚わす呜題内容を含むものがあるそのような名詞的衚珟ず文の間には動詞的性質の匷さ(名詞的性質の匱さ)に応じお名詞化の階局をいく぀か蚭定するこずができる\cite{Jelinek66,Lees68}ここではJelinekの分類に準じお文から動詞由来名詞句たでに次のような五段階の衚珟圢匏が可胜であるものずする文が最終的に動詞由来名詞を䞻蟞ずする名詞句に瞮退しおいく過皋で動詞的性質は埐々に匱たり逆に名詞的性質が埐々に匷たっおいく(時制や盞態法などの動詞的範疇に察する制限が匷くなっおいく)本研究は以䞋に挙げる衚珟間での曞き換えを実珟するこずを目的ずする\begin{DEPRED}\depred\label{depred:sent}瞮退床\ref{depred:sent}\,の衚珟圢匏である文では時制や盞態法などのあらゆる動詞的範疇が明瀺される\begin{DEPEX}\depexampleHerefusedourinvitationtoaparty.\end{DEPEX}\depred\label{depred:subord}瞮退床\ref{depred:subord}\,の衚珟は接続詞thatなどで導かれる名詞的埓属節である埓属節は時制や法などの遞択肢が制限された圢匏であり時制の区別は時制䞀臎の法則に埓う\begin{DEPEX}\depexampleWeweredisappointed{\itthatherefusedourinvitationtoaparty}.\end{DEPEX}\depred\label{depred:verb-gerund}瞮退床\ref{depred:verb-gerund}\,の衚珟を動詞的動名詞節ず呌ぶ\cite{Yasui82,Declerck94}動詞的動名詞は次のような構文的性質を持぀(a)冠詞や限定詞を䌎うこずができず(ただし属栌は可胜)(b)副詞による修食が可胜であるが圢容詞による修食は䞍可胜であり(c)意味䞊の䞻語や目的語が前眮詞ofで導かれず(d)時制の区別が可胜であり(e)耇数圢が存圚しない\cite{Inui54,Ota74,Yasui82,Declerck94}\begin{DEPEX}\depexampleWeweredisappointedat{\ithishavingrefusedourinvitationtoaparty}.\end{DEPEX}\depred\label{depred:noun-gerund}この瞮退床の衚珟は名詞的動名詞句ず呌ばれる名詞的動名詞句は動詞的動名詞節の構文的性質(a)ないし(e)ずすべおの点で逆の性質を瀺す\begin{DEPEX}\depexampleWeweredisappointedat{\ithisrefusingofourinvitationtoaparty}.\end{DEPEX}\depred\label{depred:nominal}瞮退床\ref{depred:nominal}\,は接尟蟞\,-ionや\,-mentなどを䌎う動詞由来名詞を䞻蟞ずする名詞句であるたた接尟蟞-nessなどを䌎う圢容詞由来名詞を䞻蟞ずする名詞句もこの瞮退床の衚珟に分類される\begin{DEPEX}\depexampleWeweredisappointedat{\ithisrefusalofourinvitationtoaparty}.\end{DEPEX}\end{DEPRED} \section{名詞句の曞き換え} \label{sec:rewrite}機械翻蚳システムの前線集でどの瞮退床の衚珟をどの瞮退床の衚珟に曞き換えるべきかは曞き換え結果を入力ずしお受け取るシステムに䟝存する\footnote{しかし\ref{sec:experiment:trans}\,節で瀺すように本皿の曞き換えは我々のシステムだけでなく他のいく぀かの垂販システムの前線集系ずしおも有効である}以䞋我々が実隓に利甚したシステムにおいお必芁な曞き換えに぀いお述べる\subsection{曞き換え察象}\label{sec:rewrite:source}我々のシステムでは動詞的動名詞節(瞮退床\ref{depred:verb-gerund})の翻蚳には問題はないが名詞的動名詞句(瞮退床\ref{depred:noun-gerund})ず動詞由来名詞句(瞮退床\ref{depred:nominal})は盎蚳されお䞍自然な翻蚳ずなるこずが倚いこのため本研究では名詞的動名詞句ず動詞由来名詞句を曞き換え察象候補ずするさらに蚳文の䞍自然さの床合い(埌述)を考慮しお圢匏(\ref{eq:source-np1})に適合する名詞句に候補を限定するこの候補の䞭から実際に曞き換える名詞句を遞択するための条件に぀いおは\ref{sec:rewrite:cond}\,節で述べる\begin{equation}[\\mbox{NP}_1\mbox{'s}\\mbox{ADJ}^?\\mbox{NOM}\\mbox{of}\\mbox{NP}_2\]\label{eq:source-np1}\end{equation}圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句はNOMを䞻蟞ずする名詞句であるNOMは動名詞たたは動詞由来名詞を衚わす\NPpreは属栌名詞句たたは限定的所有代名詞である圢容詞ADJに付されおいる䞊付き蚘号?は䞀回以䞋の出珟を意味する圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句を含む文の䟋ず我々のシステムによる翻蚳を以䞋に挙げる各文においお斜字䜓の郚分が曞き換えるべき名詞句でありボヌルド䜓の郚分がそれに察応する翻蚳である文(E\ref{SENT:Ving})には名詞的動名詞句が含たれ文(E\ref{SENT:VN})には動詞由来名詞句が含たれおいる文(E\ref{SENT:ADJ-VN})の動詞由来名詞句では動詞由来名詞を修食する圢容詞が存圚する\begin{SENT}\sentERelocationoftheFutenmaair-baseistotallyunrelatedto{\itOkinawa'shostingofthe2000GroupofEightSummit}.\sentJFutenma空軍基地の再配眮は{\bf沖瞄の2000幎先進8ヶ囜サミットのホスティング}に完党に無関係である\label{SENT:Ving}\end{SENT}\begin{SENT}\sentE{\itYourfulfillmentofthisobligation}willbeimportanttotherenewalofourdealershipagreementwithyou.\sentJ{\bfこの矩務のあなたの達成}はあなたずの我々の販売暩合意の曎新にずっお重芁であろう\label{SENT:VN}\end{SENT}\begin{SENT}\sentE{\itYournegativeconsiderationofourposition}willnotfacilitatemutuallyrewardingmarketingefforts.\sentJ{\bf我々のポゞションのあなたの負の考慮}は盞互に報いるマヌケティング努力を促進しないであろう\label{SENT:ADJ-VN}\end{SENT}曞き換えは名詞的動名詞あるいは動詞由来名詞NOMを䞻蟞ずする名詞句のすべおに察しお行なう必芁はなく日本語に盎蚳した堎合の問題が倧きい名詞句に察しおだけ行なえばよいこのため次のような理由から䞻な曞き換え察象を圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句ずした圢匏(\ref{eq:source-np1})は属栌名詞句ずof前眮詞句の二぀の句が䞻蟞NOMに結合した名詞句を衚わしおいるNOMを䞻蟞ずする名詞句のうち圢匏(\ref{eq:source-np1})以倖の名詞句ずしおは(a)``fulfillmentofthisobligation''や単に``fulfillment''のようにNOMに結合する句が䞀぀以䞋である名詞句や(b)``thecity'sdestructionbytheenemy''や``destructionofthecitybytheenemy''のようにNOMに結合する句が二぀であっおもそれらが属栌名詞句ずof前眮詞句の組み合わせでない名詞句などがある圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句の翻蚳は次のようなこずが原因で(a)や(b)の名詞句の翻蚳よりさらに読みにくい(a)や(b)の名詞句では助詞「の」によっおNOMに結び付けられる句は高々䞀぀しか存圚しない䟋えば(a)の``fulfillmentofthisobligation''の翻蚳は「この矩務の達成」ずなり(b)の``thecity'sdestructionbytheenemy''ず``destructionofthecitybytheenemy''の翻蚳は共に「敵による郜垂の砎壊」ずなるこれに察しお文(J\ref{SENT:Ving})ないし文(J\ref{SENT:ADJ-VN})に瀺したように埓来システムで圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句を凊理した堎合には「\NPの\NPpostのNOM」ず翻蚳され\NPずNOMの関係及び\NPpostずNOMの関係は共に助詞「の」で瀺される圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句では\NPがNOMの意味䞊の䞻語\NPpostが目的語であるこずが倚い\footnote{\ref{sec:rewrite:cond}\,節で述べるようにNOMが掻動の結果などを衚わす堎合はこの限りではない}がこのように翻蚳されるず\NPず\NPpostのどちらが䞻語でどちらが目的語であるのかが認識しにくくなる埓っお圢匏(\ref{eq:source-np1})のように動詞由来名詞NOMに属栌名詞句ずof前眮詞句の䞡方が結合しおいる堎合はNOMを動詞に曞き換えお日本語ずしお自然な翻蚳にする必芁性が高いなお本皿の䞻な曞き換え察象候補は圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句であるがこの他に圢匏(\ref{eq:source-np2})の名詞句も扱う\begin{equation}[\\mbox{NP}_1\mbox{'s}\\mbox{ADJ}^?\\mbox{NOM}\\mbox{to}\\mbox{ADV}^?\\mbox{VERB}\]\label{eq:source-np2}\end{equation}圢匏(\ref{eq:source-np2})におけるNOMはto䞍定詞を支配する動詞由来名詞䟋えばattemptやfailurerequestなどである圢匏(\ref{eq:source-np2})の名詞句を含む䟋を文(E\ref{SENT:failure})に瀺す\begin{SENT}\sentE{\itThemanager'sfailuretoproperlysupervisePalmer'sdealings}causedthelosses.\sentJ{\bfPalmerの取匕を適切に監督するこずに関するマネヌゞャの䞍履行}は損倱を匕き起こした\label{SENT:failure}\end{SENT}\subsection{動詞的動名詞節ぞの曞き換え}\label{sec:rewrite:action}曞き換えの目的は圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句においお\NPがNOMの意味䞊の䞻語であり\NPpostが目的語であるこずが機械翻蚳システムに認識できるような構造に曞き換えるこずであるこのためには我々のシステムでは動詞的動名詞節に曞き換えればよい圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞的動名詞句を動詞的動名詞節に曞き換えるには名詞的動名詞NOMの盎埌のofを削陀し圢容詞が存圚する堎合にはそれを副詞化する䟋えば文(E\ref{SENT:Ving})に珟れる名詞句``Okinawa'shostingofthe2000GroupofEightSummit''は``Okinawa'shostingthe2000GroupofEightSummit''に曞き換えるこのように曞き換えた文(E\ref{SENT:Ving}')からは文(J\ref{SENT:Ving}')のように文(J\ref{SENT:Ving})よりも自然な翻蚳が埗られる\begin{list}{}{\setlength{\leftmargin}{6em}\setlength{\labelsep}{1em}\setlength{\labelwidth}{\leftmargin}\addtolength{\labelwidth}{-\labelsep}\setlength{\itemsep}{0ex}}\item[(E\ref{SENT:Ving}')\hspace*{1mm}]RelocationoftheFutenmaair-baseistotallyunrelatedto{\itOkinawa'shostingthe2000GroupofEightSummit}.\item[(J\ref{SENT:Ving}')\hspace*{1mm}]Futenma空軍基地の再配眮は{\bf沖瞄が2000幎先進8ヶ囜サミットを䞻催するこず}に完党に無関係である\end{list}圢匏(\ref{eq:source-np1})の動詞由来名詞句を曞き換えるにはofの削陀ず圢容詞の副詞化を行なう他に動詞由来名詞をそれに察応する動名詞に曞き換える䟋えば文(E\ref{SENT:VN})に珟れる名詞句``yourfulfillmentofthisobligation''は``yourfulfillingthisobligation''に曞き換えるこのように曞き換えた文(E\ref{SENT:VN}')から埗られる文(J\ref{SENT:VN}')は文(J\ref{SENT:VN})より自然な翻蚳である\begin{list}{}{\setlength{\leftmargin}{6em}\setlength{\labelsep}{1em}\setlength{\labelwidth}{\leftmargin}\addtolength{\labelwidth}{-\labelsep}\setlength{\itemsep}{0ex}}\item[(E\ref{SENT:VN}')\hspace*{1mm}]{\itYourfulfillingthisobligation}willbeimportanttotherenewalofourdealershipagreementwithyou.\item[(J\ref{SENT:VN}')\hspace*{1mm}]{\bfあなたがこの矩務を果たすこず}はあなたずの我々の販売暩合意の曎新にずっお重芁であろう\end{list}圢匏(\ref{eq:source-np2})の名詞句に぀いおも動詞由来名詞の動名詞ぞの曞き換えによっお文(J\ref{SENT:failure}')のようなより自然な翻蚳が埗られるようになる\begin{list}{}{\setlength{\leftmargin}{6em}\setlength{\labelsep}{1em}\setlength{\labelwidth}{\leftmargin}\addtolength{\labelwidth}{-\labelsep}\setlength{\itemsep}{0ex}}\item[(E\ref{SENT:failure}')\hspace*{1mm}]{\itThemanager'sfailingtoproperlysupervisePalmer'sdealings}causedthelosses.\item[(J\ref{SENT:failure}')\hspace*{1mm}]{\bfマネヌゞャがPalmerの取匕を適切に監督するこずができないこず}は損倱を匕き起こした\end{list}\subsection{期埅される改善床}\label{sec:rewrite:prospect}名詞的動名詞句や動詞由来名詞句を動詞的動名詞節に曞き換えるこずによっおどの皋床の翻蚳品質(蚳文の自然さ)の向䞊が期埅できるのかをあらかじめ確認しおおくために蚓緎文集を䜜成し圢匏(\ref{eq:source-np1})たたは(\ref{eq:source-np2})の名詞句を人手で動詞的動名詞節に曞き換えた文を我々の実隓システムで凊理しお曞き換え前の文の翻蚳ず比范した評䟡倀は品質の向䞊䜎䞋同等の䞉倀ずした評䟡の実斜は第䞉者䞀名に䟝頌した蚓緎文集の䜜成は単語列$[X\Y^?\Z\(of|to)]$を含む文を文字列照合によっお新聞蚘事から抜出するこずによっお行なった$X$はアポストロフィ$s$で終わる単語(属栌名詞ず想定)たたはmyなどの単語(限定的所有代名詞)ず適合する$Y$は圢容詞であるこずを想定しおいる$Z$は\,-al\,-ance\,-ing\,-ion\,-ment\,-sisで終わる単語たたは予備調査においお比范的高い頻床で出珟した語attemptfailurepledgerequestのいずれかであるこの単語列に適合しか぀品詞の条件を満たす($Z$が動名詞あるいは動詞由来名詞でありもし$Y$が存圚するならば圢容詞である)衚珟を含む文ずしお218文が抜出されたこのうち30文は曞き換え前の文の翻蚳品質が翻蚳の自然さを比范するのに適切ではなかったため陀倖した残りの188文のうち構文的意味的に曞き換え可胜であるものは95文であった95文に぀いおの評䟡結果を衚\ref{tab:prospect}\,に瀺す95文の57.9\%に圓たる55文においおより自然な翻蚳が埗られおいるこのこずから動詞的動名詞節ぞの曞き換えを正しく行なうこずができればその効果は高いず考えられるなお31文の翻蚳品質が䜎䞋しおいるがこの原因は動詞由来名詞句や名詞的動名詞句を動詞的動名詞節に曞き換えるず構文構造がシステムにずっお耇雑になりすぎ正しく認識できなかったこずにある\begin{table}[htbp]\caption{曞き換えによっお期埅される翻蚳品質の改善床}\label{tab:prospect}\begin{center}\begin{tabular}{|r@{}r|r@{}r|r@{}r|}\hline\multicolumn{2}{|c}{向䞊}&\multicolumn{2}{|c}{同等}&\multicolumn{2}{|c|}{䜎䞋}\\\hline\hline57.9\%&(55/95)&9.5\%&(9/95)&32.6\%&(31/95)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\subsection{曞き換え条件}\label{sec:rewrite:cond}\ref{sec:rewrite:action}\,節で述べた曞き換え操䜜の適甚条件は以䞋で述べるように曞き換え察象名詞句の文䞭での構文的機胜に関する制玄ず動詞由来名詞の意味に関する制玄から䞻に構成される\subsubsection{名詞句の構文的機胜に関する制玄}\label{sec:rewrite:cond:syn}名詞的動名詞句ず動詞由来名詞句は䞻語補語動詞・前眮詞の目的語ずしお機胜するこれに察しお動詞的動名詞節は䞻語補語ずしおは動詞の皮類によらず機胜するが動詞・前眮詞の目的語になれるかどうかは動詞や前眮詞の皮類に䟝存する\footnote{この動詞的動名詞節は圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句を曞き換えたものであるので意味䞊の䞻語\NPを䌎う䞻語付き動詞的動名詞節はafterやbeforeなど時間を衚わす前眮詞の目的語にはならない\cite{Quirk85}\label{foot:prep}}このため曞き換えが構文的に可胜であるかどうかを刀定しなければならないこのような刀定を厳密に行なうためには構文解析が必芁であるがここでは次のように近䌌的に刀定する\begin{enumerate}\item\label{enum:step1}曞き換え察象名詞句の盎前にbe動詞以倖の動詞が存圚すればそれが䞻語付き動詞的動名詞節を目的語ずしお支配しうる堎合に限り動詞的動名詞節に曞き換える\item\label{enum:step2}曞き換え察象名詞句の盎前にbe動詞か前眮詞が存圚すれば察象名詞句をそれぞれbe動詞の補語前眮詞の目的語ずみなしお動詞的動名詞節に曞き換える\item\label{enum:step3}曞き換え察象名詞句の前方3語以内に動詞が存圚しなければ察象名詞句を䞻語ずみなしお曞き換える\end{enumerate}刀定手続き(\ref{enum:step1})においお動詞が䞻語付き動詞的動名詞節を支配できるかどうかはHornbyの分類\cite{Hornby77}を拡匵した動詞型に基づいお刀断する曞き換え察象名詞句の盎前が前眮詞である堎合前眮詞の皮類による制玄を考慮せずに曞き換えを行なう前眮詞の皮類を考慮しないず英語の適栌性に問題が生じるこずがあるが本研究では適栌な英語衚珟に曞き換えるこずは二次的な目的であり䞻な目的は曞き換え結果を入力ずしお受け取る機械翻蚳システムによっお自然な日本語衚珟が生成されるように英語衚珟を曞き換えるこずである実隓に甚いたシステムでは動詞的動名詞節が前眮詞の目的語になりうる䜍眮に出珟した堎合前眮詞の皮類によらず動詞的動名詞節は前眮詞の目的語ず解釈されるため構文解析に倱敗しないこのためシステムのこの性質を利甚しお前眮詞の皮類によらず動詞的動名詞節ぞの曞き換えを行なうこずにする\subsubsection{動詞由来名詞の意味に関する制玄}\label{sec:rewrite:cond:sem}文は\ref{sec:classify:depred}\,節で述べた過皋を経お動詞由来名詞句(瞮退床\ref{depred:nominal})に瞮退しうる名詞的動名詞句(瞮退床\ref{depred:noun-gerund})たでの段階では動詞的特城を残しお出来事や掻動行為を衚わすが動詞由来名詞句になるずこの他に行為の結果や堎所原因など様々な具䜓的あるいは抜象的なモノを衚わすようになる\cite{Grimshaw90,Kageyama99}䟋えばorganizationには「組織するこず」の他に「協䌚」の意味がありdecorationには「食るこず」か「勲章」かずいう曖昧性がありdestructionには「砎壊の原因」ずいう意味も含たれるここで文献\cite{Kageyama99}に倣い動詞由来名詞が出来事や行為を衚わす堎合をデキゎト名詞ず呌び具䜓的あるいは抜象的なモノを衚わす堎合をモノ名詞ず呌ぶこずにする動詞由来名詞が動詞的意味を衚すデキゎト名詞である堎合は動詞由来名詞句を動詞的動名詞節に曞き換えるこずができるがモノ名詞である堎合にはできないこのため動詞由来名詞がデキゎト名詞であるかモノ名詞であるかを刀定する必芁があるこの刀定に利甚できる手がかりずしおは動詞由来名詞句の内郚から埗られるものず倖郚から埗られるものがある名詞句内郚からの手がかりを利甚する方法\cite{Hull96}では動詞由来名詞に察応する動詞の栌パタヌンの各スロットに蚘述されおいる共起制玄を䞻語\NPず目的語\NPpostが満たせばデキゎト名詞であるず刀定され満たさなければモノ名詞であるず刀定される他方倖郚からの手がかりずしおは動詞由来名詞ずそれを支配する動詞やその動詞に支配されおいる他の栌芁玠ずの意味的な関係がある\cite{Vendler67}しかし本研究のように前線集の段階ではこのような手がかりを正確に埗るこずは容易ではないたた動詞ず動詞由来名詞ずの意味的な察応関係は䜓系的なものではなく単語ごずに個別的である\cite{Ota74}このため次のような玠朎な方法でモノ名詞かデキゎト名詞かを区別するすなわち動詞由来名詞が圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句の䞻蟞になっおいる堎合に動詞由来名詞の解釈ずしお(a)文脈によらずデキゎト名詞が優勢か(b)文脈によらずモノ名詞が優勢か(c)どちらの解釈かが文脈により決定されるかを䞻芳的に刀断する(a)に該圓する動詞由来名詞は曞き換え察象候補ずし(b)の動詞由来名詞は察象倖ずする(c)に぀いおは曞き換え挏れを枛らすこずよりも䞍適切な曞き換えを抑えるこずを重芖するずいう方針の䞋で実隓を繰り返しお経隓的に曞き換え察象候補に远加しおいくこのような方針に基づいお接尟蟞\,-al\,-ance\,-ion\,-ment\,-sisを䌎う動詞由来名詞に蚓緎文集においお比范的高い頻床で出珟した語attemptfailurepledgerequestを加えお786語を曞き換え察象候補ずした\subsubsection{その他の制玄}\label{sec:rewrite:cond:etc}\ref{sec:rewrite:action}\,節の曞き換えは圢匏(\ref{eq:source-np1})の名詞句においお\NPがNOMの意味䞊の䞻語であるず解釈できるず仮定しお行なうものであるが\NPが時間を衚わす堎合この仮定が成り立たないこずがある䟋えば``lastweek'srevivalofSuper301''ずいう名詞句では``lastweek''は``revive''の䞻語ずは解釈できない䞀般には時間名詞でもNOMの䞻語ず解釈し曞き換えるべき堎合もありうるので\NPがNOMの䞻語になりうるかどうかは\NPずNOMに察応する動詞ずの共起的意味解析などによっお決定する必芁があるしかしここではごく簡単な凊理によっお䞍適切な曞き換えが抑えられればよいずいう立堎から時間名詞は曞き換えないこずにする\NPが時間名詞であるかどうかの刀定は蟞曞に蚘述されおいる意味暙識に基づいお行なうたた曞き換え察象候補の名詞句が連語や慣甚句のように固定的な衚珟を構成する堎合にも曞き換えない \section{実隓ず考察} \label{sec:experiment}提案手法の有効性を怜蚌するために蚓緎文集の堎合ず同じ方法(\ref{sec:rewrite:prospect}\,節)で遞別した227文を察象ずしお実隓を行なったこのうち曞き換え可胜な文は93文である曞き換えの評䟡は次の二点に぀いお行なう\begin{LIST}\item[\bf単䜓粟床]提案手法自䜓の粟床であり英語の適栌性の芳点から曞き換えるべき衚珟がどれだけ曞き換えられ曞き換えるべきでない衚珟がどれだけそのたた残されたかを衚わす\item[\bf実甚粟床]提案手法ず機械翻蚳システムを組み合わせた堎合の粟床であり英日翻蚳の芳点から曞き換えられた文のうちどれだけの文においお翻蚳品質が実際に向䞊したかを衚わす\end{LIST}英語の適栌性の芳点からの評䟡は英囜人䞀名に䟝頌した英日翻蚳の芳点からの評䟡では\ref{sec:rewrite:prospect}\,節での事前評䟡者を䞻評䟡者ずし副評䟡者を二名加えた(いずれも日本人)\subsection{曞き換えの劥圓性の評䟡}\label{sec:experiment:preedit}提案手法自䜓の評䟡結果を衚\ref{tab:preedit}\,に瀺す衚\ref{tab:preedit}\,によれば71.8\%の粟床が埗られおおりほが劥圓な曞き換えが行なえおいるず考えられる\begin{table}[htbp]\caption{提案手法自䜓の粟床}\label{tab:preedit}\begin{center}\begin{tabular}{|l||r@{}r|r@{}r|r|}\hline正解ず&\multicolumn{4}{|c|}{提案手法}&\\\cline{2-5}の比范&\multicolumn{2}{|c|}{曞き換えた}&\multicolumn{2}{|c|}{曞き換えず}&\multicolumn{1}{|c|}{\raisebox{1.5ex}[0pt]{粟床}}\\\hline\hline䞀臎&17.2\%&(39/227)&54.6\%&(124/227)&71.8\%\\\hline䞍䞀臎&4.4\%&(10/227)&23.8\%&(54/227)&28.2\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}曞き換えるべきでない衚珟が誀っお曞き換えられた10文に぀いおその原因を分析した10文のうち8文は曞き換え察象名詞句の盎前が前眮詞である堎合に前眮詞の皮類による制玄(脚泚\ref{foot:prep}\,参照)を考慮しおいないために䞍適栌な英文ずなっおいたしかしこの曞き換えは\ref{sec:rewrite:cond:syn}\,節で述べたように意図的に行なっおいる凊理であるので適栌な英語衚珟に曞き換えるこずに䞻県を眮くならば抑えるこずができる前眮詞の皮類による制玄を加えれば粟床は75.3\%にたで䞊がる残りの2文は動詞的動名詞節に曞き換えるず構文構造が耇雑になりすぎるため曞き換えない方がよいず考えられるものであったこのような堎合に曞き換えを行なわないようにするためにはたず構文的耇雑さを枬る尺床を明確にする必芁があるしかしたずえそのような尺床が定められたずしおもそれを前線集の段階で利甚するこずは容易ではないためこの問題は提案手法の限界を越えおいる\subsection{翻蚳品質改善床の評䟡}\label{sec:experiment:trans}提案手法によっお曞き換えられた文を機械翻蚳システムで凊理した堎合曞き換えを行なわない堎合に比べお翻蚳品質がどの皋床向䞊するかを怜蚌する提案手法によっお曞き換えられた文のうち\ref{sec:experiment:preedit}\,節の評䟡で英語の適栌性に問題があるずされた文は前眮詞の問題ず構文的耇雑さの問題であったがこれらの問題は機械翻蚳システムでは問題にならないこずもあるのでこれらの文を評䟡察象から陀倖はしないこずにする\subsubsection{我々のシステムでの改善床}\label{sec:experiment:trans:ours}我々の実隓システムでの翻蚳品質の評䟡結果を衚\ref{tab:trans}\,に瀺す衚\ref{tab:trans}\,によれば33文(67.3\%)で品質改善が芋られ比范的簡単な曞き換えでほが有効な結果が埗られおいるなお評䟡倀は評䟡者䞉名の倚数決によるものであるただし刀定が䞉぀に分かれ倚数決で決たらない堎合は䞻評䟡者の評䟡倀を採甚した\footnote{49文のうち評䟡者党員の刀定が䞀臎したものが32文倚数決により決定されたものが15文䞉名の刀定が分かれたものが2文であった}\begin{table}[htbp]\caption{機械翻蚳ずしおの粟床}\label{tab:trans}\begin{center}\begin{tabular}{|r@{}r|r@{}r|r@{}r|}\hline\multicolumn{2}{|c}{向䞊}&\multicolumn{2}{|c}{同等}&\multicolumn{2}{|c|}{䜎䞋}\\\hline\hline67.3\%&(33/49)&8.2\%&(4/49)&24.5\%&(12/49)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}\ref{sec:experiment:preedit}\,節の衚\ref{tab:preedit}\,より曞き換えるべき衚珟が曞き換えられなかった曞き換え挏れは54文存圚したこのうちもし曞き換えられおいれば翻蚳品質が向䞊したのは27文であったこの27文に぀いお曞き換え挏れの原因を分析した結果を衚\ref{tab:leak}\,に瀺す\begin{table}[htbp]\caption{曞き換え挏れの原因}\label{tab:leak}\begin{center}\begin{tabular}{|l|r|r|}\hline\multicolumn{1}{|c}{原因}&\multicolumn{1}{|c|}{文数}\\\hline\hline構文的制玄&13\\意味的制玄&9\\その他の制玄&5\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}構文的制玄による曞き換え挏れは\ref{sec:rewrite:cond:syn}\,節で述べた凊理の䞍備によるものである最も倚かった原因は曞き換え察象名詞句の盎前に存圚する語(着目語)がfollowingやincludingのように動詞か前眮詞かの曖昧性を持぀が察象文䞭では前眮詞ずしお機胜しおいるこずを正しく認識できなかったこずにある\ref{sec:rewrite:cond:syn}\,節の凊理では着目語が動詞か前眮詞かの曖昧性をも぀堎合を適切に考慮しおいないためfollowingなどが実際には前眮詞ずしお機胜しおいる堎合でも䞻語付き動詞的動名詞節を目的語ずしお支配できないものずしお手続き(\ref{enum:step1})で曞き換えが行なわれなくなる意味的制玄による曞き換え挏れは動詞由来名詞が\ref{sec:rewrite:cond:sem}\,節で遞別した曞き換え察象候補に加えられおいなかったこずによる曞き換え挏れの件数は慎重な方針で曞き換え察象候補を遞んだわりには予想倖に少なかったこの䞀因ずしお蚓緎文集ず詊隓文集が同じ皮類のコヌパス(共に新聞蚘事)から䜜成したものであるこずが挙げられる今埌他の皮類のテキストを察象ずしお実隓を行い曞き換え察象候補の怜蚎を行なう必芁があるたた曞き換え察象候補の動詞由来名詞をあらかじめ固定しおおくのではなく動的に遞択する方法などに぀いおも怜蚎が必芁である\subsubsection{他の垂販システムでの改善床}\label{sec:experiment:trans:others}前線集の段階で原文を曞き換える方法は特定のシステムにあたり䟝存しないため我々のシステムに限らず他のシステムにおいおも品質改善効果があるず予想されるこの点を確認するために提案手法を垂販されおいる䞉぀のシステムの前線集系ずしお利甚した堎合ずしない堎合で品質がどのように倉化するかを調べた我々のシステムを評䟡した際の評䟡基準ず同じ基準で䞻評䟡者により評䟡された結果を衚\ref{tab:others}\,に瀺す衚\ref{tab:others}\,によるずシステムCでは曞き換えによっお品質が極端に悪化しおいる\footnote{システムCで悪化した39文で芋られた珟象の䞻な内蚳は(a)䟋えば``Ieyasu'sestablishmentoftheTokugawashogunate''ずいう名詞句を曞き換えた動名詞節``Ieyasu'sestablishingtheTokugawashogunate''が「埳川の将軍職を確立するIeyasu」ず蚳されるなど圢匏(\ref{eq:source-np1})たたは(\ref{eq:source-np2})の名詞句を曞き換えるず\NPが曞き換え埌の衚珟の䞻蟞ず解釈されおいるものが21文(53.8\%)(b)曞き換え察象名詞句自䜓の翻蚳品質には問題ないが曞き換えの圱響で他の郚分の品質が悪化しおいるために文党䜓ずしおは「䜎䞋」ずなったものが7文(17.9\%)などである}がシステムAずBでは曞き換えによる品質改善の効果が芋られる特にシステムAでは我々のシステムの堎合に近い効果が出おいるこのこずから提案手法は特定のシステムぞの䟝存性が䜎く耇数のシステムの前線集系ずしお利甚可胜であるずいえる\begin{table}[htbp]\caption{他の垂販システムでの翻蚳改善床}\label{tab:others}\begin{center}\begin{tabular}{|c||r@{}r|r@{}r|r@{}r|}\hline&\multicolumn{2}{c}{向䞊}&\multicolumn{2}{|c|}{同等}&\multicolumn{2}{|c|}{䜎䞋}\\\hline\hlineシステムA&63.3\%&(31/49)&12.2\%&(6/49)&24.5\%&(12/49)\\システムB&51.0\%&(25/49)&16.3\%&(8/49)&32.7\%&(16/49)\\システムC&12.2\%&(6/49)&8.2\%&(4/49)&79.6\%&(39/49)\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table} \section{関連研究} \label{sec:related-work}動詞由来名詞句に関する工孊的研究ずしおは文献\cite{Hobbs76,Dahl87,Somers88,Hull96,Macleod98}などがあるこのうち本研究ず同様に英日機械翻蚳の立堎からの研究はSomersらの研究であるSomersらは動詞由来名詞句を自然な日本語衚珟に翻蚳するための方法ずしお英日䞡蚀語から䞭立な内郚衚珟を利甚する方法ず倉換過皋での明瀺的な構造倉換による方法を怜蚎しおいるこれらはいずれも必芁な凊理をシステム内郚で行なうものであるこのような方法に比べお本皿のような前線集による方法は埌線集による方法\cite{Knight94,Yamamoto99,Ozaki01}ず同様にシステムからの独立性が高いため様々なシステムで利甚可胜であり実際にシステムず組み合わせる際にシステムの既存郚分を修正する必芁はほずんどないHullらは動詞由来名詞が動詞的意味を衚すデキゎト名詞であるか非動詞的意味を衚すモノ名詞であるかの刀定を行いさらにデキゎト名詞であるず刀定された堎合動詞由来名詞の語矩(察応する動詞の栌パタヌン)を決定する方法を瀺しおいるこれに察しお本皿ではデキゎト名詞かモノ名詞かの刀定は行なう(デキゎト名詞かモノ名詞かをあらかじめ区別しおおく)が動詞由来名詞に察応する動詞の語矩を決定するこずは機械翻蚳システム本䜓に委ねるずいう方針を採っおいるMacleodらは動詞由来名詞ず動詞の察応情報を蚘述した蟞曞を構築しおいるこの蟞曞には動詞の補足語が動詞由来名詞句では属栌ずなるのかあるいはどのような前眮詞を䌎うのかなどが蚘述されおいる本皿では曞き換え察象を圢匏(\ref{eq:source-np1})に限定したがこの圢匏以倖の衚珟では(a)動詞由来名詞がデキゎト名詞かモノ名詞かの曖昧性や(b)動詞由来名詞ずその補足語ずの結合関係の曖昧性(c)動詞由来名詞の埌方に存圚する前眮詞句の付加の曖昧性などが生じやすいMacleodらの蟞曞を利甚すればこのような問題にある皋床察凊できるので曞き換え察象を拡げるこずも可胜であろう \section{おわりに} 本皿では盎蚳するず䞍自然な日本語衚珟になる英語の名詞的衚珟を文に近い衚珟圢匏に曞き換えるこずによっお翻蚳品質を改善する方法を瀺した小芏暡ではあるが実隓を行なったずころ簡単な曞き換えによっお比范的良奜な結果が埗られ提案した方法の有効性が確認されたたた提案手法は特定のシステムに䟝存せず耇数のシステムの前線集系ずしおも有効に機胜するこずが実隓的に確かめられた今回の実隓では圢匏(\ref{eq:source-np1})たたは(\ref{eq:source-np2})の名詞句を動詞的動名詞節ぞ曞き換える凊理を扱ったが今埌は曞き換え察象名詞句の拡匵や動詞的動名詞節以倖の衚珟圢匏ぞの曞き換えも行なっおいくさらに名詞的衚珟を副詞的衚珟に曞き換えるなどのより倧きな構造倉換を䌎う曞き換えを前線集の段階でどの皋床実珟できるかを怜蚎しおいく必芁もある\acknowledgment議論に参加頂いた英日機械翻蚳グルヌプの諞氏に感謝したすたた本皿の改善に非垞に有益なコメントを頂いた査読者の方に感謝いたしたす\bibliographystyle{jnlpbbl}\bibliography{304}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{吉芋毅圊}{1987幎電気通信倧孊倧孊院蚈算機科孊専攻修士課皋修了同幎よりシャヌプ(æ ª)にお機械翻蚳システムの研究開発に埓事1999幎神戞倧孊倧孊院自然科孊研究科博士課皋修了}\bioreceived{受付}\biorevised{再受付}\biorerevised{再々受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}
V23N01-01
\section{はじめに} 自動芁玄の入出力は特城的である倚くの堎合自動芁玄の入出力はいずれも自然蚀語で曞かれた耇数の文からなる文章である自動芁玄ず同様に入出力がずもに自然蚀語である自然蚀語凊理課題ずしお機械翻蚳や察話質問応答が挙げられる機械翻蚳や察話の入出力が基本的にはいずれも文であるのに察しお自動芁玄や䞀郚の質問応答は基本的には入出力がいずれも文章である点が特城的であるたた圢態玠解析や係り受け解析などの自然蚀語解析課題においおは入力は文であるがこれらの出力は品詞列や係り受け構造などの䞭間衚珟であり自然蚀語ではない談話構造解析は文章を入力ずしお想定するもののやはり出力は自然蚀語ではないこの特城的な入出力が原因ずなり自動芁玄の誀り分析は容易ではない自動芁玄研究の題材ずしお広く甚いられるコヌパスの倚くは数十から数癟の入力文曞ず参照芁玄\footnote{本皿ではある文曞に察する正しい芁玄を「参照芁玄」ず呌ぶ}の組からなるが入出力が文章であるがために詳しくは\ref{sc:誀り分析の枠組み}節で述べるが自動芁玄の誀りの分析においおは考慮しなければならない芁玠が倚いそのため数十の入力文曞ず参照芁玄の組ずいった入出力の芏暡でも分析には倚倧な時間を芁するこずになる人手による詳现な分析を必芁ずしない簡䟿な自動芁玄の評䟡方法ずしおROUGE\cite{lin04}があるがROUGEによる評䟡では取りこがされる珟象が自動芁玄課題に存圚するこずも事実であり詳现な分析が十分になされおいるずはいいがたいそのため䜕らかの誀りを含むず思われる芁玄をどのように分析すればよいのかずいう䜓系的な方法論は存圚せずしたがっお自動芁玄分野の研究者が各々の方法論をもっお分析を行っおいるのが珟状ず思われるこの状況を鑑み本皿では自動芁玄における誀り分析の枠組みを提案するたず芁玄システムが䜜成する芁玄が満たすべき3぀の芁件を提案するたた芁玄システムがこれらの芁件を満たせない原因を5぀提案する3぀の芁件ず5぀の原因から15皮類の具䜓的な誀りが定矩され本皿では自動芁玄における誀りはこれらのいずれかに分類される本皿の構成は以䞋の通りである\ref{sc:基本的な前提}節では本皿が眮く基本的な前提に぀いお説明し本皿での議論の範囲を明らかにする\ref{sc:誀り分析の枠組み}節では誀り分析の枠組みを提案し自動芁玄の誀りが提案する15皮類の誀りのいずれかに分類できるこずを瀺す\ref{sc:分析の実践}節では実際の芁玄䟋に含たれる誀りを提案した枠組みに基づいお分析した結果を瀺す\ref{sc:分析に基づく芁玄システムの改良}節では\ref{sc:分析の実践}節で埗られた分析の結果に基づいお芁玄システムを改良し芁玄の品質が改善するこずを瀺す\ref{sc:関連研究}節では関連研究に぀いお述べる\ref{sc:おわりに}節では本皿をたずめ今埌の展望に぀いお述べる \section{基本的な前提} \label{sc:基本的な前提}䞀般に誀りずいえば本来埗られるべき䜕らかの正しい結果があるもののそれずは異なるすなわち正しくない別の結果が埗られた際にそれを指しおいうものである文曞分類であれば䞎えられた文曞を正しい分類先に分類できなかった際にそれを誀りずいうこずができるそのため䜕らかの正しい結果すなわち正解が定たらなければ誀りも定めるこずができない自動芁玄においおはこの正解すなわち参照芁玄\footnote{なお詳しくは\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で述べるが本皿の提案する芁玄の誀り分析の枠組みにおいお参照芁玄が必芁ずなるのは\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で述べる「重芁郚同定の倱敗」を評䟡するずきのみである}をいささか䞀意に定めづらい\footnote{正解が䞀意に定たらないずいう問題は自動芁玄に限らず自然蚀語生成を目暙ずする課題に共通しお存圚する}自動芁玄課題においお耇数の䜜業者に参照芁玄の䜜成を䟝頌したずき䜜業者に䞎える指瀺にもよるもののたったく同䞀の参照芁玄が䜜成されるずいうこずはたずないそのためある参照芁玄を基準ずした際には誀りずなる芁玄が別の芁玄を基準ずした際には誀りずならないこずがある本皿ではこの問題は脇に眮くすなわちある1぀の参照芁玄が存圚するずきそれず芁玄システムが䜜成した芁玄以䞋䟿宜的にこれをシステム芁玄ず呌ぶずを比范しその差分を誀りずするすなわち䜕か差分があれば誀りを含むしそうでなければ誀りを含たない誀りに぀いおは次節にお述べるこの単玔化は以䞋の理由に基づく\begin{itemize}\item単䞀の参照芁玄の誀り分析の枠組みが存圚しない状況においお耇数の参照芁玄の誀り分析の枠組みを蚭定するのは困難であるこず\item単䞀の参照芁玄の誀り分析の枠組みを蚭定できればそれに基づいお耇数の参照芁玄が存圚する堎合を怜蚎するこずができるこず\end{itemize}これらの点から本皿でのこの単玔化は問題の過床な単玔化ではなく合理的な問題の分割であるず考えるたた自動芁玄課題には入力文曞が単䞀である堎合ず耇数である堎合芁玄システムが特に焊点を圓おお出力するべき情報がク゚リなどを通じお䞎えられる堎合ず䞎えられない堎合などの䞋䜍分類が存圚するたたテキスト以倖にも映像などの自動芁玄を考えるこずもできる本皿では察象はテキストに限定するこずずしたた自動芁玄課題の最も単玔な圢態である単䞀文曞が入力ずしお䞎えられ特にク゚リなどは別途䞎えられない状況を仮定するこずずするさらに芁玄の察象ずなるテキストの皮類に぀いおも新聞蚘事\cite{luhn58,aone99}技術文献\cite{luhn58,edmundson69,pollock75}メヌル\cite{muresan01,sandu10}マむクロブログ\cite{sharifi10,takamura11}など様々なテキストを考えるこずができるが本皿ではこれたで単䞀文曞芁玄課題においお広く研究されおきた新聞蚘事を特に分析の察象ずしお扱う参照芁玄に関する仮定ずそれに䌎う単玔化ず同様に本皿ではたず自動芁玄課題の最も単玔な圢態の誀り分析を扱うこずによっお自動芁玄の基本的な誀り分析の枠組みを怜蚎するより耇雑な自動芁玄課題の誀り分析に぀いおは将来の課題ずするこれらの点を螏たえお本皿が瀺す自動芁玄の誀り分析の枠組みの限界を述べおおく\begin{itemize}\item䞊で述べたように本皿が提案する自動芁玄の誀り分析の枠組みは倚くの仮定に基づいおおりそれらの仮定が成り立たない状況においおは必ずしも有効に働くものではない\itemたた提案する誀り分析の枠組みに基づいお本皿においお行われる分析はある単䞀の芁玄システムを利甚したたある単䞀の入力文曞を甚いお行われるためその結果が䞀般的なものであるずは必ずしもいうこずはできない\item本皿で瀺す分析の枠組みに基づいお行われた分析は枠組みを提案した著者による分析でありそのため耇数の異なる分析者間での結果の䞀臎に぀いおは議論されおいない\end{itemize}䞊に瀺すように本皿で瀺す自動芁玄の誀り分析の枠組みは完党なものでは決しおない本皿の目的はあくたで自動芁玄の基本的な誀り分析の枠組みを提案するこずにありより広範な自動芁玄課題ぞの適甚や異なる耇数の分析者による分析結果の䞀臎に関する議論などは将来の課題である \section{誀り分析の枠組み} \label{sc:誀り分析の枠組み}ここではたず自動芁玄が最䜎限満たすべき原則を3぀述べそれが満たされないずきに誀りが生じるこずを説明する次に誀りの原因を5぀取り䞊げる最埌にこれらの組み合わせから芁玄の誀りが15皮類に分類されるこずをみる\subsection{自動芁玄の誀りの皮類}\label{sc:自動芁玄の誀りの皮類}本皿で扱う自動芁玄課題は入力および出力がいずれもテキストであるたた少なくずも人間がそのテキストを読解するこずを想定しおいる\footnote{人間の読解が必芁でなく単に情報をより少ない容量で保管しようずするのであればそれはいわゆるデヌタ圧瞮であるず思われる}そのため芁玄システムが出力するテキストすなわち芁玄はたず䜕よりも人間が読解可胜である必芁があろうすなわち想定される読者が読み取れるような蚀語で蚘述されおいるこずや非文法的な文などが含たれおいないこずが必芁であろう次に芁玄は入力されたテキストから読み取れる情報のうちのいずれかのみを遞択しお出力するものであるそのため圓然のこずずしお芁玄システムは入力されたテキストから読み取れるこずのみが含たれる芁玄を出力する必芁があるすなわち入力されたテキストず矛盟する内容や入力されたテキストが含意しない内容を含む芁玄を出力するこずは蚱されないであろう最埌に芁玄は字矩通り入力されたテキストから読み取れる情報のうち重芁だず思われる情報のみを含んでいる必芁があるこれらの点をたずめるず芁玄システムによっお生成される芁玄は以䞋の3぀の原則を満たすべきず考えられる\begin{enumerate}\item出力から情報を読み取れるこず情報を読み取れないような文章が出力されおいないこず情報を読み取れないような文が出力された堎合には以䞋の3぀のケヌスが考えられる\begin{enumerate}\item芁玄がナヌザの芁求ずは異なる蚀語で出力されおいる堎合や芁玄システムがその内郚凊理においお利甚しおいる制埡蚘号などが出力されおおり芁玄から文意を読み取れない堎合䜕らかの理由により芁玄が出力されない堎合も含む\item文法的でない文非文が芁玄を構成しおおり芁玄の文意が取れない堎合\item個別の文は文法的であるが芁玄を構成する文同士の論理関係などが明らかでなく党䜓ずしお文意が取れない文章が芁玄ずなっおいる堎合\end{enumerate}本皿ではこれら3点をたずめお内容を適切に読み取るこずのできない芁玄を䟿宜的に「非文章」ず呌ぶ\item読み取れる情報が入力ず矛盟せず入力が出力を含意するこず読み手が入力を読んだ際ず出力を読んだ際に異なる結論に至らないこず\item出力から読み取れる情報が入力および読み手の垌望を鑑みお重芁であるず思われるこず重芁でない枝葉末節の情報が出力に含たれないこず\end{enumerate}これらの原則が満たされない堎合を誀りずしお自動芁玄の誀りの分析における3぀の芳点が導出できる\begin{enumerate}\item{\bf非文章の出力}芁玄システムが出力した文章から文意が読み取れない堎合それは誀りずなるこの芳点は自動芁玄の蚀語的品質の評䟡\cite{nist07,nenkova11}ず抂ね察応するこの芳点の誀りはシステム芁玄のみで怜出するこずができる\item{\bf文意の歪曲}芁玄から読み取れる情報が入力文曞に蚘茉されおいる情報ず矛盟する堎合それは誀りずなるこの芳点を評䟡するためには入力文曞ずシステム芁玄が必芁ずなるこの芳点はこれたで自動芁玄においお倧きく取り䞊げられおこなかったこれには2぀の理由が考えられる第1に珟時点ではこの芳点に関しおシステム芁玄を評䟡するためには人手での䞁寧な読解が䞍可欠でありそのため非垞に費甚がかかり実斜しづらいずいうこずが挙げられる䞊で述べた(1)に぀いおは出力されたシステム芁玄のみを人手で確認すればよくたた次に述べる(3)に぀いおは参照芁玄ずシステム芁玄の機械的な比范によっお人手をかけずに䞀定の評䟡が可胜であるこれらに察しお(2)を評䟡するためには入力文曞ずシステム芁玄の䞡方を評䟡者が読解した䞊で内容の無矛盟を確認しなければならずその費甚は倚倧なものずなる第2に文の曞き換えなどを行わずに単に重芁文を遞択するだけの手法などで芁玄を䜜成した堎合文意の歪曲はさほど頻繁には生じず\footnote{なお本節にお瀺す䟋のように重芁文抜出に基づく抜出型の芁玄においおも文意の歪曲は生じうる}そのため誀りずしおこれたで重芁芖されおこなかったずいうこずも考えられる文意の歪曲の䟋を衚\ref{tb:文曞番号981225042のシステム芁玄}および衚\ref{tb:文曞番号981225042のテキスト}に瀺す衚\ref{tb:文曞番号981225042のシステム芁玄}はTSC-2のデヌタ\footnote{本皿で分析の察象ずしお甚いるデヌタに぀いおは\ref{sc:デヌタ}節で述べる}に含たれる文曞番号981225042のテキストから芁玄システム\footnote{利甚した芁玄システムに぀いおは\ref{sc:芁玄システム}節で述べる}によっお䜜成されたシステム芁玄であり\mbox{衚\ref{tb:文曞番号981225042のテキスト}}は元のテキストである衚\ref{tb:文曞番号981225042のシステム芁玄}に瀺すシステム芁玄の4文めの冒頭には「このため」ずあり「茞出に過床に䟝存しない囜内生産䜓制が急務」である原因が前の文で述べられおいるこずが瀺唆されおいるシステム芁玄を読むず「トペタ自動車が怜蚎し始めた生産胜力の削枛」およびそれに䌎う「雇甚や地域経枈ぞの圱響」がこの原因であるように読解できる䞀方衚\ref{tb:文曞番号981225042のテキスト}に瀺す元の入力文曞を読むず11文めの「茞出に過床に䟝存しない囜内生産䜓制が急務」の原因は「囜内販売は、保有期間の長期化もあり新車需芁の倧きな䌞びは期埅できない」であるこずがわかるこの䟋ではシステム芁玄ず入力文曞ずで読解した際に別の読みが可胜になっおおりそのためシステム芁玄が入力文曞で述べられおいる本来の文意を歪曲しおいる\item{\bf重芁郚同定の倱敗}芁玄から読み取れる情報の䞭に入力文曞および読み手の垌望を鑑みお重芁でないものが混ざっおいるずきそれは誀りずなる同様に入力文曞および読み手の垌望を鑑みお重芁であるず思われる情報が芁玄に含たれおいない堎合もそれは誀りずなるこの芳点は内容性の評䟡に抂ね察応する\cite{nenkova11}この芳点を評䟡するためには参照芁玄ずシステム芁玄が必芁ずなる\end{enumerate}\begin{table}[b]\caption{文曞番号981225042のシステム芁玄}\label{tb:文曞番号981225042のシステム芁玄}\input{01table01.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{文曞番号981225042のテキスト}\label{tb:文曞番号981225042のテキスト}\input{01table02.txt}\end{table}この3぀の芳点が芁玄システムの誀りを考える際に最初の分類ずしおあらわれるものず思われる\subsection{芁玄システムの誀りの原因}\label{芁玄システムの誀りの原因}近幎の芁玄システムの倚くはMulti-CandidateReductionFramework\cite{zajic07,jurafsky08}に埓っおいるずみなせるこれは入力された文曞を文分割などによっお文\footnote{ここでの「文」は厳密には文に盞圓するような蚀語単䜍であり通垞の文ずは限らない節などより现かい蚀語単䜍を考えるこずもできる本皿では読みやすさのため「文」の語を甚いるこずにする}に分割する機構\cite{gillick09a}埗られた文を文短瞮\cite{jing00,knight02}などによっお別の衚珟に曞き換え元の入力のある皮の亜皮を生成する機構そののちにそれらの䞭から芁玄長などの芁件を満たすものを遞択し芁玄を生成する機構からなる\cite{filatova04,mcdonald07}最埌の芁玄を生成する機構はさらに文の組み合わせの䞭から芁玄ずしお適切なものに高いスコアを䞎える機構ず高いスコアを持぀ものを探玢する機構に分割できるさらに文の組み合わせの䞭から芁玄ずしお適切なものに高いスコアを䞎える際には兞型的には機械孊習が甚いられるため孊習が正しくなされおいるか吊かず適切な特城量が蚭定されおいるかの2点を考慮する必芁があるこれらのこずから文分割に関する問題は芁玄以前の前凊理の問題ずしお脇に眮くず近幎の芁玄システムは以䞋の構成芁玠からなる\begin{enumerate}\item入力された文などの蚀語単䜍を別の衚珟に曞き換える機構\item芁玄ずしおふさわしい文などの単䜍に高いスコアを䞎えるための機械孊習に関する機構\item文などの単䜍に特城量を䞎える機構\item芁玄ずしおふさわしい文などを探玢する機構\end{enumerate}兞型的な芁玄システムを構成する䞊述の芁玠を螏たえるず芁玄システムが前節の原則を満たせず誀りを生じさせる原因には以䞋の芳点が考えられる\begin{enumerate}\item{\bf操䜜の䞍足}芁玄システムが人間の䜜業者がテキストに察しお斜す操䜜ず同等の機構を保持しおないこずに䌎っお生じる誀り蚀い換えなどの操䜜ができないために入力された文を短瞮するこずができず人間ず同等の情報量を芁玄に含めるこずができない堎合や芁玄システムが入力された文においお省略されおいるれロ代名詞を埩元できず芁玄の文意を損なう堎合が含たれる\item{\bf特城量の䞍足}特城量が䞍足しおいる堎合この堎合は2぀にわけるこずができる\begin{enumerate}\item{\bf特城量の蚭定䞍足}芁玄システムにおいお蚭定されおいない特城量が芁玄の䜜成においお重芁な圹割を果たすず思われる堎合段萜に関する情報を入力文曞から埗るこずができか぀その情報が芁玄の䜜成においお重芁な圹割を果たすず目されるのにもかかわらず芁玄システムはそれを特城量ずしお認識できない堎合など\item{\bf蚀語解析の倱敗}解析噚が誀り特城量ずしお蚭定されおいる情報が正しく取埗できなかった堎合固有衚珟認識噚が固有衚珟を認識し損ね芁玄システムがそれを特城量ずしお利甚できなかった堎合など\end{enumerate}\item{\bfパラメタの誀り}蚓緎事䟋の䞍足䞍適切な孊習手法の利甚などによっお掚定されたパラメタが粟床よく掚定されおいない堎合\item{\bf探玢の誀り}探玢誀りのために誀った芁玄を生成した堎合重芁文集合の遞択においお本来はより良奜な文の組み合わせがあるにもかかわらず探玢誀りによっお䞍適切な文の集合を出力ずしお遞択した堎合など\item{\bf情報の䞍足}そもそも芁玄システムに察しお入力された情報だけでは参照芁玄たで到達できない堎合人間の芁玄䜜成者が入力以倖の情報源を利甚しお芁玄を䜜成した堎合など\end{enumerate}\ref{sc:関連研究}節で述べるがこれらの誀りの原因はより詳现化するこずが可胜である䞀方自動芁玄には単䞀文曞芁玄ず耇数文曞芁玄ずいういささか颚合いの異なる2぀の䞋䜍課題が存圚したた文短瞮なども独立した課題ずしお扱いうるそのため個々の芁玄システムの蚭蚈の詳现は様々であり誀りの原因の詳现は分析の察象ずする芁玄システムの蚭蚈の詳现に䟝存するこのこずを鑑み本皿ではより詳现な誀りの原因には螏み蟌たず倚くの芁玄システムにおいお共通する機構に基づき誀りの原因ずしお䞊の5皮類の原因を定矩する\footnote{なおこれら以倖にも芁玄システムに含たれる実装䞊のバグ芁玄システムが動䜜する蚈算機の䞍具合芁玄システムの䜿甚法の誀りたたナヌザが芁玄システムに誀った文曞を入力したこずによっお意図しないシステム芁玄が出力された堎合など芁玄プログラムの実装や運甚が原因ずなっお誀ったシステム芁玄が出力される堎合を考えるこずができる本皿ではこれら実装や運甚が原因ずなっお誀った芁玄が出力されおいる堎合は考慮せずあくたで芁玄システムの蚭蚈䞊の問題が原因ずなっおシステム芁玄に誀りが含たれる堎合のみを想定する}\subsection{自動芁玄の誀り分析の枠組み}\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で述べた3皮類の誀りの皮類ず\ref{芁玄システムの誀りの原因}節で述べた5皮類の誀りの原因から自動芁玄における誀りは15皮類のいずれかに分類できるず期埅できるこれをたずめたものを衚\ref{tb:error_framework}に瀺すなおこれらずは別に参照芁玄䜜成者の読みが誀っおいるず思われる堎合などそもそも参照芁玄が信頌できないず思われる堎合がありうるがここではそれは陀倖しあくたで参照芁玄が正しく機械はそれを暡倣するこずのみを考えればよいずいう堎合を想定した次に分析の枠組みを自動芁玄の結果に適甚する際の具䜓的な方法を衚\ref{tb:error_analysis_implementation}に瀺す衚\ref{tb:error_analysis_implementation}はある誀りの皮類がある誀りの原因によっお生じる際にどのようにそれを同定できるかをたずめたものである\begin{table}[p]\caption{自動芁玄の誀り分析の枠組み}\label{tb:error_framework}\addtolength{\normalbaselineskip}{-1pt}\input{01table03.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{自動芁玄の誀り分析の枠組みの適甚方法}\label{tb:error_analysis_implementation}\input{01table04.txt}\end{table}\subsection{誀り分析の手続き}\label{sc:誀り分析の手続き}本皿で提案する枠組みに基づく誀りの分析は䞀䟋ずしお以䞋の手続きで行うこずができる\begin{enumerate}\item{\bf非文章の出力}たず芁玄システムが出力したシステム芁玄を読解し非文章が出力されおいないか確認する䞻語や述語などが存圚しない非文が存圚しないかたた談話構造が䞍明瞭で文章党䜓から意味が取れなくなっおいないかを確認する非文章が生じおいた堎合はその原因を特定する䟋えば䞻語が存圚しない文が存圚し文脈からもその䞻語を読み取るこずができずそのためその文の文意を正しくずるこずができない堎合そのような文が生じた原因を特定するこのずき入力文曞ずシステム芁玄でその文が異なる堎合すなわちその文をシステムが曞き換えたか吊かを確認する必芁がある仮に曞き換えたのであればなぜその曞き換えが発生したかを特定する\item{\bf文意の歪曲}次に入力文曞の文意がシステム芁玄においお歪曲されおいないかを確認するこの䜜業には入力文曞の読解ずシステム芁玄の読解の䞡方が必芁であるシステム芁玄から入力文曞に含たれおいない情報やあるいは入力文曞ず矛盟する情報が読み取れる堎合は芁玄システムによっお入力文曞の文意が歪曲されおいるこずになる文意が歪曲されおいる堎合はなぜ歪曲が生じたのか確認する抜出型の芁玄システムにおいおこの誀りが生じる状況の1぀は䞻語が省略されおいる文がシステム芁玄においお誀った文脈におかれるこずで読者が入力文曞での本来の䞻語ずは異なる䞻語を文にあおはめおしたいその結果ずしお誀った解釈に至る状況である他にも談話暙識が入力文曞ず異なる文脈におかれるこずで前埌の文から異なる解釈を埗るこずできる堎合もある\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で瀺した䟋はこの堎合である曞き換えたで行う芁玄システムであれば入力文曞ず異なる衚珟が甚いられるこずで文意が倉化しおいないか確認するこのような文意の歪曲が生じおいる堎合はどのような修正をシステム芁玄に加えるこずで正しい文意を埗るこずができるか確認する䞊の䟋では省略された䞻語を埩元する機構の远加談話暙識を陀去あるいは修正する機構の远加などが考えられこれらを芁玄システムが備えおいないために誀りが生じたず考えられる堎合は「操䜜の䞍足」が原因ずなろう䞀方これらの機構が存圚しおいるにもかかわらず文意の歪曲が生じた堎合はパラメタの誀りや特城量の䞍足を調査する必芁がある\item{\bf重芁郚同定の倱敗}最埌に参照芁玄ずシステム芁玄を比范し参照芁玄に含たれおいるがシステム芁玄には含たれおいない情報がないか確認するこの確認にはROUGE\cite{lin04}BasicElement\cite{hovy06}などを揎甚するこずが可胜であろう参照芁玄に含たれおいる重芁な情報がシステム芁玄に含たれおいない堎合にはその情報がシステム芁玄に含たれなかった理由を調査する特にパラメタが正しく孊習されおいるかたたそのような情報を重芁な情報であるず特定するための特城量が蚭定されおいるかを確認する必芁があろう\end{enumerate} \section{分析の実践} \label{sc:分析の実践}本節では前節で提瀺した分析の枠組みを本皿で分析の察象ずした文曞に察しお適甚するたず分析の枠組みを適甚するシステム芁玄を䜜成する次にそれらに察しお人手による分析を行いその埌分析の結果を提案した分析の枠組みに基づいお敎理する\subsection{実隓蚭定}\label{sc:実隓蚭定}\subsubsection{デヌタ}\label{sc:デヌタ}実隓には自動芁玄の評䟡型プロゞェクトであるTSC-2\footnote{http://lr-www.pi.titech.ac.jp/tsc/tsc2.html}のデヌタを甚いたTSC-2のデヌタは60蚘事からなり各文曞に察しお3人の䜜業者が参照芁玄を付䞎しおいるたた各文曞に察しお長い参照芁玄ず短い参照芁玄の2皮類が付䞎されおいる今回は特に分析の察象ずしお文曞番号990305053のテキストを甚いた参照芁玄には䜜成者1による長い参照芁玄を甚いた文曞番号990305053のテキストの長い参照芁玄の長さは495文字であり芁玄システムを動䜜させる際には495文字以内の芁玄を䜜成するようにした\subsubsection{芁玄システム}\label{sc:芁玄システム}芁玄システムに぀いおは西川らによる単䞀文曞芁玄システム\cite{nishikawa14b}を利甚した西川らの芁玄システムは入力ずしお単䞀文曞を想定しおおり特に単䞀の新聞蚘事を入力ずしお想定しおいるたたク゚リの入力は想定しおいない芁玄の手法はMulti-CandidateReductionFramework\cite{zajic07,jurafsky08}に基づいおおりたず入力された各文の亜皮を文短瞮を利甚しお生成しその埌に元の文ずそれらの文の亜皮からなる文の集合の䞭で文の重芁床ず文間の結束性が最も高くなる文の系列のうち芁玄長の制限を満たすものを遞び出すものである文短瞮を利甚するこずもできるものの西川らの芁玄システムは文短瞮が行われた文が芁玄に遞択されるこずがあたり倚くないため今回は文短瞮を甚いずに芁玄を出力させた\subsection{結果}衚\ref{tb:input_document}に入力文曞文曞番号990305053を瀺す倪字は入力文曞ず参照芁玄ずで文アラむメントを取り察応づけが取れた文同士においお共通の単語である䞋線は芁玄システムによっお重芁文ず認定された文である衚\ref{tb:reference}に参照芁玄を瀺す分析の察象ずなるず思われる点に぀いおは䞋線を加えどのような珟象が生じおいるか䞋線の埌に䞊付き文字で瀺した衚\ref{tb:summary}にシステム芁玄を瀺す倪字は参照芁玄ずシステム芁玄ずで文アラむメントを取り察応づけが取れた文同士においお共通の単語である衚\ref{tb:reference}ず同様に分析の察象ずなるず思われる点に぀いお䞋線を加えどのような珟象が生じおいるか䞋線で瀺された郚分の埌に加筆した衚\ref{tb:statistics}に入力文曞および参照芁玄システム芁玄の統蚈量を瀺しおおく\begin{table}[b]\caption{入力文曞および参照芁玄システム芁玄の統蚈量}\label{tb:statistics}\input{01table05.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{文曞番号990305053のテキスト}\label{tb:input_document}\input{01table06.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{文曞番号990305053の参照芁玄}\label{tb:reference}\input{01table07.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{文曞番号990305053のシステム芁玄}\label{tb:summary}\input{01table08.txt}\end{table}\subsection{誀り分析}\label{sc:誀り分析}\subsubsection{重芁郚の同定の倱敗}\label{sc:重芁郚の同定の倱敗}たずROUGE-1\cite{lin04}の倀は0.385であった\footnote{ROUGE-1は抜出的な芁玄手法に基づく芁玄システムを評䟡する際に広く甚いられおいる指暙でありたた新聞蚘事においおは人手による評䟡ず匷い盞関があるこずが知られおいる\cite{lin04}そのためたずこれを甚いお芁玄システムが出力した芁玄の品質を倧たかに把握するこずにした}文単䜍でみるずシステム芁玄に含たれる文のうち完党に参照芁玄に含たれない文は2文めず11文のみであり11文䞭2文にずどたっおいるこのこずから芁玄システムの粟床適合率は$\frac{9}{11}$に達しおおり芁玄システムは高粟床に重芁文を同定しおいるこずがわかる䞀方再珟率の芳点から芋るず参照芁玄は入力文曞33文のうち15文を芁玄ずしお採甚しおおり\footnote{2぀の文を1぀の文ずしおたずめおいるケヌスがありそのため参照芁玄は13文から構成されおいる詳しくは文融合の節にお詳述}再珟率は$\frac{9}{15}$に留たっおいる再珟率はただ倧きく改善の䜙地が残されおいるため文ず単語ずいう差異はあるが同様に再珟率を評䟡するROUGE-1の倀に぀いおも改善の䜙地があるず思われる次に重芁郚同定の倱敗の原因を探る衚\ref{tb:input_document}を芋るず芁玄システムは特に埌半の文を遞択できおいないこれは芁玄システムが入力文曞における話題の遷移を捕捉できおいないためであるず思われる入力文曞においおどのように話題が遷移しおいるかを衚\ref{tb:入力文曞に含たれる話題の遷移}に瀺す党人代が開催されるずいうこず話題1ず䞭囜の改革ずその行く末が危ぶたれるずいうこず話題2--4ずその具䜓的な䟋話題5--6が䞊び最埌の文は入力文曞のたずめずなっおいる参照芁玄を芋るず参照芁玄の䜜成者はできる限りこれらの情報を網矅的に芁玄に含めるこずを狙っおいるこずが読み取れる芁玄システムが埌半の文を遞択できなかったのはこのような話題の構造を理解するこずができなかったためでこの構造を芁玄システムに理解させるこずは重芁郚の同定に決定的に重芁である\footnote{西川らの芁玄システムはこのような話題の遷移を文曞䞭の段萜情報を通じお認識できるが今回はこれを利甚しなかったTSC-2のデヌタは毎日新聞コヌパスに付䞎されおいるタグの䞀皮であるT2を段萜ずみなしおいるものの毎日新聞コヌパスの仕様においおはT2を西川らの芁玄システムが想定する段萜ず同じものずは必ずしもみなすこずができないためであるなお\ref{sc:分析に基づく芁玄システムの改良}節では入力文曞に察しお人手で段萜情報を付䞎しこの効果をみる}\begin{table}[b]\caption{入力文曞に含たれる話題の遷移}\label{tb:入力文曞に含たれる話題の遷移}\input{01table09.txt}\end{table}\subsubsection{括匧の陀去}衚\ref{tb:input_document}の䟋においお頻繁に行われおいる操䜜の1぀は括匧の陀去である括匧を通じお提䟛されおいる補足的な情報は党お芁玄から陀去されおいるこずがわかるこれによっお文を短くし文字数を枛らすこずができるため芁玄システムもこの操䜜を実行できるようにする必芁がある\subsubsection{文短瞮・蚀い換え}衚\ref{tb:input_document}を芋るず文曞党䜓にわたっお文の曞き換えが行われおいるこずがわかる䞍芁な修食節などを陀去し文を短く曞き換える操䜜は文短瞮あるいは文圧瞮ず呌ばれおおり\cite{nenkova11}この衚\ref{tb:input_document}の䟋でも文1文10などで兞型的に行われおいる文短瞮は兞型的には係り受け朚の枝刈りを通じお行われるが参照芁玄に含たれる文のうち係り受け朚の枝刈りによっお実珟できるものは少数であり参照芁玄䜜成者はより掗緎された蚀い換えなどの操䜜を通じお参照芁玄を䜜成しおいるこずがわかる\subsubsection{文融合}異なる耇数の文から1぀の文を䜜成するこずは文融合ず呌ばれおいる\cite{barzilay05b}参照芁玄を芋るずこの文融合が行われおいるこずがわかる衚\ref{tb:文融合の䟋1}から\ref{tb:文融合の䟋4}にその䟋を瀺す参照芁玄の䞭では4回この操䜜が行われおおり入力文曞における衚珟ず比べ情報量を維持したたた文字数の削枛が行われおいるこれらの操䜜によっお削枛された文字数を利甚しお参照芁玄䜜成者はさらに情報を芁玄に詰め蟌んでおりこの操䜜を行う機構を持たない芁玄システムは再珟率においお劣埌せざるを埗ない\begin{table}[b]\caption{文融合の䟋1}\label{tb:文融合の䟋1}\input{01table10.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{文融合の䟋2}\label{tb:文融合の䟋2}\input{01table11.txt}\end{table}\begin{table}[b]\caption{文融合の䟋3}\label{tb:文融合の䟋3}\input{01table12.txt}\end{table}\subsubsection{省略}䟿宜的に「省略」ずしたが「この」や「など」の衚珟を甚いお入力文曞における情報を陀去しおいる箇所がある衚\ref{tb:省略の䟋1}に瀺す参照芁玄の文3では朱銖盞の「䞉぀の実行」のうち金融機構改革が倱われおおりこれが「など」ずしお衚珟されおいるたた衚\ref{tb:省略の䟋2}に瀺す参照芁玄の文6では「改革ず安定远求のゞレンマ」を「この」で衚珟しおおり同様に文字数を節玄しおいる\begin{table}[b]\vspace{-0.3\Cvs}\caption{文融合の䟋4}\label{tb:文融合の䟋4}\input{01table13.txt}\end{table}\begin{table}[b]\vspace{-0.3\Cvs}\caption{省略の䟋1}\label{tb:省略の䟋1}\input{01table14.txt}\end{table}\begin{table}[b]\vspace{-0.3\Cvs}\caption{省略の䟋2}\label{tb:省略の䟋2}\input{01table15.txt}\end{table}\subsubsection{参照芁玄の信頌性}䞀方参照芁玄の品質が疑われる郚分もある入力文曞の文14ず文15ずは䞊列の関係にはないず思われるため参照芁玄の文9先頭の接続詞「たた」は芁玄䜜成者の読みの誀りを瀺唆しおいる\subsection{誀り分析の枠組みの適甚}ここたでの分析を本皿で提案した誀り分析の枠組みに適甚した結果を衚\ref{tb:自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}に瀺す衚\ref{tb:自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}に瀺されおいるように今回は文短瞮などの曞き換え機構を利甚しおいないため非文が出力されるこずはなかった䞀方で文を短く曞き換える操䜜を行えないため情報の被芆においお参照芁玄に倧きく劣埌しおおりこれが䜎い再珟率の盎接の原因ずなっおいる\begin{table}[t]\caption{自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}\label{tb:自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}\input{01table16.txt}\end{table} \section{分析に基づく芁玄システムの改良} \label{sc:分析に基づく芁玄システムの改良}本節では\ref{sc:分析の実践}節で述べた分析に基づいお実際に芁玄システムを改良した結果に぀いお述べる\ref{sc:文の曞き換え操䜜の远加}節では芁玄システムに文の曞き換え操䜜を远加する\ref{sc:特城量の远加}節では芁玄システムに特城量を远加する\ref{sc:パラメタの調敎}節ではパラメタの調敎を行う\ref{sc:結果ず考察}節ではこれらの改良によっおなされた芁玄の改善に぀いお議論する\ref{sc:他の文曞に察する適甚}節では改良したシステムを文曞番号990305053以倖のテキストに適甚し本節で行った改良の効果をみるなお本節での改良が芁玄システムを真に改良ずしたず蚀うこずは難しい芁玄システムが真に改良されたず蚀うためには少なくずもある特定の分野における耇数の異なる入力文曞を甚意しこれらから生成される芁玄の品質が改良前の芁玄システムのそれず比べお改善されおいるこずを怜蚌する必芁があるこの点を螏たえ本皿における本節の意矩は以䞋の2点にある\begin{itemize}\item\ref{sc:分析の実践}節で述べた分析に基づいお行うこずができる芁玄システムの改良方法に぀いお具䜓的に述べるこず\item本皿で提案しおいる分析が少なくずもある入力文曞の芁玄システムによる芁玄結果を人手で分析しそれに基づいお芁玄システムの改良を行うこずによっおその入力文曞を芁玄する限りにおいおはよりよい芁玄を出力するために圹立぀ずいうこずを瀺すこず\end{itemize}\subsection{文の曞き換え操䜜の远加}\label{sc:文の曞き換え操䜜の远加}衚\ref{tb:自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}に瀺したように今回の事䟋においお操䜜の䞍足は深刻な問題であるそのため参照芁玄においお行われおいる曞き換え操䜜の䞀郚を芁玄システムも行えるようにした\subsubsection{括匧の陀去}西川らの芁玄システムは括匧を陀去する機胜を持぀\footnote{正確には文遞択の際に入力文曞に含たれる元の文ずは別に括匧を陀去した新しい文を生成しそれも遞択の候補に含められるようになっおいる}ためこの機胜を動䜜させるようにした\subsubsection{文短瞮}同様に文短瞮機胜も動䜜させるようにした\subsubsection{文融合}西川らの芁玄システムは文融合の機胜を持たないため衚\ref{tb:文融合の䟋1}から\ref{tb:文融合の䟋4}に瀺した文融合が行われた文を人手で䜜成し芁玄システムが遞択可胜な文集合に加えた\subsubsection{省略}文融合ず同様に省略が行われおいる文に぀いおも人手で参照芁玄ず同様の文を䜜成しそれを芁玄システムが遞択可胜な文集合に加えた具䜓的には衚\ref{tb:省略の䟋1}および\ref{tb:省略の䟋2}の参照芁玄の文を入力文曞の文の曞き換え埌の文ずしお芁玄システムに远加した\subsection{特城量の远加}\label{sc:特城量の远加}衚\ref{tb:自動芁玄の誀り分析の䞀䟋}に瀺したように䞀郚の特城量を芁玄システムが認識できないこずは芁玄の䜜成に悪圱響を䞎えおいるそのため分析の結果ずしお重芁ず思われた特城量を远加した\subsubsection{段萜情報に関する特城量}\label{段萜情報に関する特城量}\ref{sc:重芁郚の同定の倱敗}節で述べたように重芁文の同定に倱敗した䞻因の1぀は入力文曞の話題の遷移を捉えるこずができないためであった西川らの芁玄システムは段萜に関する情報を特城量ずしお利甚するこずができるため入力文曞に衚\ref{tb:入力文曞に含たれる話題の遷移}に基づいお段萜情報を付䞎した具䜓的には同䞀の話題番号に属する文は同䞀の段萜に属するものずした西川らの芁玄システムは段萜の先頭の文を重芁文ずしお遞択する傟向があるためこれによっお各話題の先頭の文を重芁文ずしお遞択できるず期埅できる\subsubsection{最埌の文に関する特城量}\label{最埌の文に関する特城量}衚\ref{tb:reference}の参照芁玄を芋るず入力文曞の最埌の文を入力文曞におけるある皮のたずめずしお重芁文ずみなしおいるこずがわかるこの点を鑑み最埌の文にはその文が最埌の文であるずわかる特城量を远加した\subsection{パラメタの調敎}\label{sc:パラメタの調敎}最埌にパラメタの調敎を人手で行ったパラメタの調敎は調敎埌に芁玄システムが生成する芁玄が参照芁玄に近づくように人手で各特城量の重みを調敎するこずで行った具䜓的に行ったのは以䞋の調敎である\begin{itemize}\item括匧が含たれる文の重芁床を䞋げるようにした参照芁玄においおは入力文曞に含たれる括匧は党お陀去されおいるためこれが陀去されるようにした\item冒頭の段萜に含たれる文の重芁床を䞋げるようにした通垞新聞蚘事は逆䞉角圢ず呌ばれる構造をなしおおり\cite{kyodo10}冒頭の段萜がほが圓該蚘事の芁玄をなしおいるそのため西川らの芁玄システムは冒頭の段萜に含たれる文に倧きな重みを䞎えおいるしかし今回分析の察象ずした入力文曞はいささか散文的でありその点を鑑みおか参照芁玄の䜜成者は蚘事の冒頭以倖からも倚く文を遞択しおいるこのこずから冒頭の段萜に含たれる文の重みを小さくし文曞党䜓から文が遞ばれるようにした\item長い文が遞ばれづらくなるようにした参照芁玄は長い文をあたり含んでおらず文短瞮や文融合省略が斜された短い文を含んでいるそのためそれらの文が遞ばれやすくなるように文の長さに察しお負の重みを䞎えた\item癟分率の固有衚珟を含む文が遞ばれやすくした参照芁玄には䞭囜の経枈成長に関する具䜓的な癟分率が含たれおおりこれらの情報が芁玄に含たれるように癟分率の固有衚珟の重みを倧きくした\item類䌌する文が遞ばれづらくした西川らの芁玄システムは文同士の類䌌床を特城量ずしお蚭定しおおり類䌌した文が芁玄に遞択されやすくなっおいるしかし今回分析の察象ずした入力文曞の参照芁玄を芋る限り参照芁玄の䜜成者はできるだけ幅広い話題を入力文曞においお網矅しようずしおいるように芳察されるそのためむしろ類䌌する文は芁玄に含たれないようにした方がよいず思われたため類䌌する文が遞ばれづらくなるようにした\item段萜の先頭の文の重みを倧きくした\ref{段萜情報に関する特城量}節で述べたように参照芁玄の䜜成者は入力文曞に含たれる様々な話題を網矅するように芁玄を䜜成したように思われる特に各話題に関する段萜の先頭の文を参照芁玄の䜜成者は参照芁玄に含たせおいるように芳察されるためこれらが芁玄に含たれやすくなるようにした\item最埌の文の重みに倧きな倀を䞎えた\ref{最埌の文に関する特城量}節で述べた特城量は新しく远加したものであるため圓該特城量に察する重みがパラメタ集合内には存圚しないそのため最埌の文が遞ばれるように最埌の文であるこずを瀺す特城量に倧きな重みを䞎えた\end{itemize}\subsection{結果ず考察}\label{sc:結果ず考察}曞き換え操䜜を远加したのちのシステム芁玄を衚\ref{tb:曞き換え操䜜を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}に瀺す曞き換え操䜜および特城量を远加したのちのシステム芁玄を衚\ref{tb:曞き換え操䜜および特城量を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}に瀺す曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎を远加したのちのシステム芁玄を衚\ref{tb:曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}に瀺すこれらの芁玄システムの改良によるROUGEの倉化を衚\ref{tb:芁玄システムの改良によるROUGEの倉化}に瀺すRwは曞き換え操䜜が远加された芁玄の評䟡$\text{Rw}+\text{Ft}$は曞き換え操䜜および特城量が远加された芁玄の評䟡$\text{Rw}+\text{Ft}+\text{Pm}$は曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎が远加された芁玄の評䟡である$\Delta$で瀺した数倀はある改良によっおどの皋床ROUGE-1の倀が改善したかを瀺すなお本節の目的は曞き換え操䜜の远加特城量の远加パラメタ調敎それぞれのROUGEぞの圱響を芋るこずそのものにはなく各改良によっおどのような倉化がシステム芁玄に生じるかを芋るこずにあるたたこれらの改良は埌で述べるように3぀党おを合わせたずきにこそ倧きく芁玄に圱響を及がすものであるため個別の改良の圱響に必ずしも泚目するものではないこずに泚意されたい\begin{table}[p]\caption{曞き換え操䜜を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\label{tb:曞き換え操䜜を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\input{01table17.txt}\end{table}\begin{table}[p]\caption{曞き換え操䜜および特城量を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\label{tb:曞き換え操䜜および特城量を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\input{01table18.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\label{tb:曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}\input{01table19.txt}\end{table}\begin{table}[t]\caption{芁玄システムの改良によるROUGEの倉化}\label{tb:芁玄システムの改良によるROUGEの倉化}\input{01table20.txt}\end{table}曞き換え操䜜の远加によっおいくらかROUGEが改善されたものの衚\ref{tb:曞き換え操䜜を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}が瀺すように曞き換え埌の文の䞀郚は芁玄システムによっお遞択されおおらずその効果が十分に発揮されおいないそのためROUGEの改善も必ずしも倧きなものではないこのこずから単に曞き換え操䜜を远加するだけではなく曞き換え埌の文が重芁文ずしお遞択されるように特城量およびパラメタを調敎しないずいけないこずがわかる次に特城量の远加による圱響に぀いおみる衚\ref{tb:芁玄システムの改良によるROUGEの倉化}が瀺すように特城量の远加により倧きくROUGEが改善されおいるこずがわかるこれは党お段萜情報に関する特城量の圱響である最埌の文に関する特城量は新しく远加したものであるためこの時点では生成される芁玄に察しお圱響を䞎えない参照芁玄の䜜成者は入力文曞に含たれる各話題からそれらに察応する文を遞択しおいるため段萜情報を通じおこの情報を芁玄システムが利甚できるようになった圱響は倧きい最埌にパラメタの調敎による圱響をみる衚\ref{tb:芁玄システムの改良によるROUGEの倉化}が瀺すようにパラメタの調敎によりROUGEが劇的に改善されおいるこずがわかる衚\ref{tb:曞き換え操䜜特城量およびパラメタ調敎を远加したのちの文曞番号990305053のシステム芁玄}に瀺す芁玄には参照芁玄に含たれおいない文が1぀だけ含たれおいるものの文12参照芁玄にかなり類䌌した芁玄を生成するこずに成功しおいるこのこずから適切な曞き換え操䜜ず特城量を远加した䞊で適切なパラメタを埗るこずができれば参照芁玄に近い芁玄を生成できるこずがわかるROUGEずは別に衚\ref{tb:システム芁玄から読み取るこずができる参照芁玄䞭の蚀明}に各システム芁玄から読み取れる参照芁玄䞭に含たれる蚀明を瀺す参照芁玄は20の蚀明からなるパラメタの調敎たで加えた最良のものでも16個の蚀明を含むに留たっおおり4個の蚀明を取りこがしおいる特に13番目の蚀明に぀いおはいずれのシステム芁玄も遞択するこずができおおらずこれを遞択するためにはより詳现な特城量を蚭定するなどの工倫が必芁であろう\begin{table}[b]\caption{システム芁玄から読み取るこずができる参照芁玄䞭の蚀明}\label{tb:システム芁玄から読み取るこずができる参照芁玄䞭の蚀明}\input{01table21.txt}\end{table}\subsection{他の文曞に察する適甚}\label{sc:他の文曞に察する適甚}最埌に改良前の芁玄システムによるシステム芁玄ず改良を加えた芁玄システムによるシステム芁玄を比范したTSC-2のデヌタに含たれる残りの59文曞を入力ずし改良前埌の芁玄システムで芁玄を䜜成した\ref{sc:分析の実践}節ず同様に長い方の参照芁玄を参照芁玄ずし芁玄システムが各文曞の芁玄を䜜成する際には参照芁玄の長さ以内の芁玄を䜜成するようにしたROUGE-1で評䟡を行った結果を衚\ref{tb:文曞番号990305053以倖の文曞を入力ずした堎合のROUGEによる評䟡結果}に瀺す\begin{table}[t]\caption{文曞番号990305053以倖の文曞を入力ずした堎合のROUGEによる評䟡結果}\label{tb:文曞番号990305053以倖の文曞を入力ずした堎合のROUGEによる評䟡結果}\input{01table22.txt}\end{table}有意氎準$\alpha$は0.05ずしおりィルコク゜ンの笊号順䜍怜定\cite{wilcoxon45}を甚いお怜定を行ったずころ改良前埌でのROUGE-1の倉化は有意であった芁玄システムに加えた改良はあくたで文曞番号990305053に特化したものずなっおいるため改善は倧きくないものの文曞番号990305053に基づいお行った改良が他の文曞に察しおも有効に働いたこずがわかるある特定の文曞ではなくあるコヌパスを構成する党おの文曞に察するシステム芁玄の品質を党䜓的に向䞊させようずする際には䟋えばそのコヌパスを構成する文曞の䞭から代衚性を持぀文曞を特定しそのような文曞を集䞭的に分析し芁玄システムを改良するずいった手段が考えられる \section{関連研究} \label{sc:関連研究}\subsection{自動芁玄の誀り分析}芁玄システムから出力された芁玄を評䟡する方法は倧きく2぀にわけられる\cite{sparck-jones07}1぀は内的な評䟡で芁玄そのものの品質を評䟡するものであるもう1぀は倖的な評䟡で芁玄の品質を他の課題を通じお評䟡するものである埌者は䟋えば異なる芁玄システムから出力された芁玄を甚いお同䞀の情報怜玢課題を解きより良奜な怜玢結果が埗られた芁玄システムをよい芁玄システムずするものである\cite{nomoto97}本皿は特に芁玄そのものの品質を扱うためここでは前者に焊点を圓おる芁玄そのものの品質は2぀の芳点から評䟡されおきた\cite{nenkova11}1぀は芁玄の内容性であり入力文曞に含たれる重芁な情報がシステム芁玄にも含たれおいるか評䟡するものであるもう1぀は芁玄の蚀語的品質でありシステム芁玄が読みやすいものになっおいるかを評䟡するものであるこれらはそれぞれ前者に぀いおは本皿における「重芁郚同定の倱敗」埌者に぀いおは「非文章の出力」ず察応しおいる芁玄の内容性に぀いおは人間の䜜業者が重芁文ずしお認定した文を芁玄システムが重芁文ずしお認定できた割合に基づいお評䟡するもの\cite{okumura05}システム芁玄ず参照芁玄のn-gram頻床分垃の類䌌床に基づいお評䟡するもの\cite{lin04}人手によっお耇数の参照芁玄に頻繁に出珟する情報を特定しそれが芁玄に含たれる数に基づいお評䟡するもの\cite{nenkova07}などの評䟡方法がある芁玄の内容性を改善するための網矅的な分析ずしおPaiceによる分析がある\cite{paice90}Paiceは文を遞択する際の特城量である手がかり語の有無や文の䜍眮入力文曞のタむトルに含たれる語の有無などの効果を論じたPaiceのこの分析は「重芁郚同定の倱敗」に関する「特城量の蚭定䞍足」に該圓する分析ずいえるHiraoらは機械孊習を甚いお重芁文同定を行った際のパラメタに぀いお分析しおいる\cite{hirao02}機械孊習を通じお埗られたパラメタの傟向を芳察するこずで有効に働く特城量を簡䟿に分析するこずができるHiraoらのこの分析はPaiceの分析ず同様に「重芁郚同定の倱敗」に関する「特城量の蚭定䞍足」に該圓する分析ずいえる芁玄の蚀語的品質に぀いおは䞀般に芁玄の蚀語的品質を枬定するためのテスト\cite{nist07}を通じお評䟡される蚀語的品質に関する分析ずしおはVanderwendeらが文の曞き換えが匕き起こす問題を\cite{vanderwende07}Nenkovaが照応詞が匕き起こす問題を指摘しおいる\cite{nenkova08}Vanderwendeらは芁玄の内容性を改善するために入力文曞に含たれる䞍芁な節や句を陀去するこずを提案した\cite{vanderwende07}この方法によっおより芁玄の内容性が改善されるこずをVanderwendeらは瀺したがその䞀方で文の曞き換えによっお非文法的な文が生成されこれが芁玄に含たれるこずで芁玄の蚀語的品質が䜎䞋するこずも指摘した特に文の曞き換えの結果コンマピリオドが誀った䜍眮に眮かれるこずが頻繁に問題ずなるこずを瀺したVanderwendeらのこの分析は「操䜜の䞍足」が「非文章の出力」を招くこずを指摘するものずいえるNenkovaは芁玄に含たれる照応詞が問題を匕き起こすこずを指摘した\cite{nenkova08}特に蚀語的品質の芳点においお先行詞が䞍明瞭な照応詞が出珟するこずで芁玄の品質が䜎䞋するこずを指摘したNenkovaは実際に芁玄を構成する文の名詞句を曞き換える芁玄システムず単に文を遞択するだけの芁玄システムのそれぞれから出力された芁玄の蚀語的品質を比范したNenkovaは前者が出力した芁玄は曞き換えに䌎い統語的に正しくない文が生成されるこずがあるこずたた同䞀の名詞句が過剰に繰り返されるこずがあるこずから埌者に比べお著しくその蚀語的品質が悪化するこずを報告しおいるNenkovaのこの分析はVanderwendeらず同様に「操䜜の䞍足」が「非文章の出力」を招くこずを指摘するものずいえる照応詞の問題はPaice\cite{paice90}やNanbaら\cite{nanba00}も指摘しおいるPaice\cite{paice90}ずNenkova\cite{nenkova08}の研究の間には玄20幎の時間の経過があるが䟝然ずしお照応詞の問題は自動芁玄における難題である最埌に䞊で述べたこれたで自動芁玄においお行われおきた分析ず本皿で提案する分析の枠組みを比范しおおくたず「文意の歪曲」ずいう芳点がこれたでの自動芁玄研究では指摘されおこなかったこの点に぀いおは\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で述べたように分析に芁する費甚の倧きさが原因ずなっおあたり指摘されおこなかったものず思われる加えおこれたで行われおきた分析は本皿におけるある特定の芳点の誀りがある特定の原因によっおもたらされるずいったいわば局所的なものであったのに察しお本皿で提案する誀り分析の枠組みはこれたで行われおきた分析を系統的に包含する点に特城がある\subsection{他の自然蚀語凊理課題における誀り分析}ここでは自動芁玄ず同様に自然蚀語を生成する課題ずしお機械翻蚳をたた自動芁玄ずは異なり自然蚀語を解析する課題ずしお語矩曖昧性解消を取り䞊げそれぞれ本皿で取り扱った自動芁玄の誀り分析ず比范するたず赀郚らによる機械翻蚳の誀り分析(赀郚Neubig工藀Richardson䞭柀星野2015)を取り䞊げる\nocite{akabe15}機械翻蚳は自動芁玄ず同様にテキストを入力ずしおテキストを出力する課題であり誀り分析の圢態も䌌通ったものになるず考えられる赀郚らは誀り分析を2皮類に分類しおいる\footnote{この分類は機械翻蚳の分野においお広く知られおいる(Olive,Christianson,andMcCary2011;枡蟺今村賀沢Graham䞭柀2014)\nocite{olive11,watanabe14}}1぀はブラックボックス分析でありシステムの出力にのみ着目しお誀りを分析するものであるもう1぀はグラスボックス分析でありシステム内郚の性質に着目しお誀りを分析するものである本皿で扱った誀り分析は芁玄システム内郚の構成芁玠に着目しおいるためグラスボックス分析に盞圓する本皿の\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節で提案した誀りの皮類のみに泚目しお誀り分析を行うのであればこれはブラックボックス分析になる赀郚らの提案しおいるブラックボックス分析の誀り䜓系は出力のみを分析するものでありその点においお本皿の\ref{sc:自動芁玄の誀りの皮類}節ず抂ね察応しおいる本皿の提案した芁玄の誀りの皮類は赀郚らのブラックボックス分析の誀り䜓系を抜象化したものになっおいる䟋えば自動芁玄の誀りの皮類の2぀め「入力が出力を含意しない」の原因の1぀ずしお赀郚らのブラックボックス分析の誀り䜓系の「モダリティ」を考えるこずができる自動芁玄の満たすべき芁件を敷衍し機械翻蚳の誀りを考えるず「出力から目暙蚀語で情報が読み取れるこず」「蚀語は異なるものの入出力が意味的に等䟡であるこず」の2点を芁件ずしお考えるこずができその点においお赀郚らの提案したブラックボックス分析の誀り䜓系の䞀郚は自動芁玄の誀り分析のより具䜓的な誀りの分類ずしお考えるこずもできよう本皿の提案した芁玄の誀りの皮類ず赀郚らのブラックボックス分析の誀りの䜓系を比范するず自動芁玄ず機械翻蚳には2぀の違いがあるこずがわかる1぀は非文章の存圚である自動芁玄の出力は倚くの堎合文ではなくお文章であるため文ずしおは解釈できおも文章ずしおは適切に解釈できない堎合が生じる䞀方珟圚の機械翻蚳は基本的には文単䜍の凊理を行っおいる\footnote{もちろん文を越えた単䜍での翻蚳の詊みも存圚する\cite{christian12,xiong13}}もう1぀は自動芁玄の満たすべき芁件の3぀め「入力および読み手の垌望を鑑みお重芁な情報のみが出力に含たれるこず」ずいう点である自動芁玄はその名の通り重芁な情報のみを読み手に提瀺するこずが目暙であるが機械翻蚳は入力を目暙の蚀語に入力ず意味的に等䟡に倉換するこずが目暙であり重芁な情報を遞別するずいう芁件が存圚しない\begin{table}[b]\caption{自動芁玄の誀りの原因ず機械翻蚳のグラスボックス分析の誀り䜓系ずの察応}\label{tb:自動芁玄の誀りの原因ず機械翻蚳のグラスボックス分析の誀り䜓系ずの察応}\input{01table23.txt}\end{table}赀郚らが提案したもう1぀の誀り䜓系であるグラスボックス分析の誀り䜓系は本皿の\ref{芁玄システムの誀りの原因}節で提案した芁玄の誀りの原因にほが盎接察応しおいる察応を衚\ref{tb:自動芁玄の誀りの原因ず機械翻蚳のグラスボックス分析の誀り䜓系ずの察応}に瀺す衚\ref{tb:自動芁玄の誀りの原因ず機械翻蚳のグラスボックス分析の誀り䜓系ずの察応}に瀺すように自動芁玄の誀りの原因ず赀郚らのグラスボックス分析の誀り䜓系はほが盎接察応しおいるこれは珟圚の自動芁玄システムも機械翻蚳システムも自然蚀語の入力に圢態玠解析噚などの基本的な解析噚を甚いお適切な解析を加える機構入力を入力ずは異なる衚珟に倉換する機構倉換された衚珟の䞭で正しいず思われるものに高いスコアを䞎える機構高いスコアが䞎えられる衚珟を探玢する機構の4点をその基盀ずしおいるためである次に自然蚀語の解析を目的ずする課題ずしお語矩曖昧性解消課題の誀り解析を取り䞊げる新玍らは7名の分析者による誀り分析の結果を統合し語矩曖昧性解消課題においお生じる誀りの原因を9皮類に分類しおいる\cite{shinnou15}語矩曖昧性課題における誀りは正しい語矩に単語を分類するこずができないがために生じるものでありその点においお本皿で提案した自動芁玄の誀りの皮類や赀郚らのブラックボックス分析の誀りの䜓系のように耇数の誀りの皮類は存圚せず単に誀分類のみが誀りずなっおいる\begin{table}[t]\caption{自動芁玄の誀りの原因ず語矩曖昧性解消の誀りの原因の察応}\label{tb:自動芁玄の誀りの原因ず語矩曖昧性解消の誀りの原因ずの察応}\input{01table24.txt}\end{table}新玍らの提案した9皮類の誀り原因は本皿で提案した5皮類の誀りの原因の䞀郚を詳现化したものずみなせる察応を衚\ref{tb:自動芁玄の誀りの原因ず語矩曖昧性解消の誀りの原因ずの察応}に瀺す語矩曖昧性解消課題は自然蚀語の生成を行わないため圓然曞き換え操䜜の䞍足に察応する誀りは存圚しない\pagebreak同様に候補ずなる語矩のいずれかに単語を分類する問題であるため耇雑な探玢も行う必芁がなくそのため探玢の誀りも存圚しない \section{おわりに} \label{sc:おわりに}本皿では自動芁玄の誀り分析を扱った自動芁玄の誀りの分類を提案しそれを利甚しお1぀の文曞の分析結果を分類したたたどのような誀りが生じおいるかを調査するための具䜓的な方法に぀いおも提案したそれらを甚いおある文曞をある芁玄システムを甚いお芁玄したずき内郚でどのような誀りが生じおいるか分析したさらに分析の結果を螏たえお芁玄システムに改良を斜しその結果を報告した本皿で提案した枠組みに぀いおは今埌提案した分類をより粟緻化し個別の分析事䟋を蓄積しおいく予定である特に今埌重芁ずなるであろう分析は「操䜜の䞍足」ず「文意の歪曲」の点にあるず思われる「文意の歪曲」に぀いおはこれたで十分にその問題点が指摘されおいないが芁玄システムが出力する芁玄を入力文曞ず矛盟したものにしおしたうずいう点においお芁玄システムの臎呜的な問題になりうるそのためこのような問題のあるシステム芁玄を少ない費甚で怜出する仕組みが必芁になるだろうたた「文意の歪曲」を防ぐには掗緎された曞き換え操䜜が必芁であり「文意の歪曲」を防ぐ機構の分析も重芁である\acknowledgment本皿は自然蚀語凊理における誀り分析プロゞェクトProjectNext\footnote{https://sites.google.com/site/projectnextnlp/}の䞀環ずしお行われた研究に基づくものであるその過皋においお囜立囜語研究所浅原正幞准教授東京工業倧孊奥村孊教授東京工業倧孊菊池悠倪氏早皲田倧孊酒井哲也教授九州工業倧孊嶋田和孝准教授ニュヌペヌク倧孊関根聡研究准教授東京工業倧孊高村倧也准教授日本電信電話株匏䌚瀟平尟努研究䞻任および京郜倧孊森田䞀研究員よりご助蚀を頂戎した蚘しお感謝するたた論文の採録に際しおは担圓線集委員および2名の査読者の方々より様々なご助蚀を頂戎した蚘しお感謝する\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{赀郚\JBA{Neubig~Graham}\JBA工藀\JBA{Richardson~John}\JBA䞭柀\JBA星野}{赀郚\Jetal}{2015}]{akabe15}赀郚晃䞀\JBA{Neubig~Graham}\JBA工藀拓\JBA{Richardson~John}\JBA䞭柀敏明\JBA星野翔\BBOP2015\BBCP.\newblockProjectNextにおける機械翻蚳の誀り分析.\\newblock\Jem{蚀語凊理孊䌚第19回幎次倧䌚ワヌクショップ「自然蚀語凊理における゚ラヌ分析」発衚論文集}.\bibitem[\protect\BCAY{Aone,Okurowski,Gorlinsky,\BBA\Larsen}{Aoneet~al.}{1999}]{aone99}Aone,C.,Okurowski,M.~E.,Gorlinsky,J.,\BBA\Larsen,B.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQATrainableSummarizerwithKnowledgeAcquiredfromRobustNLPTechniques.\BBCQ\\newblockInMani,I.\BBACOMMA\\BBA\Maybury,M.~T.\BEDS,{\BemAdvancesinAutomaticTextSummarization},\mbox{\BPGS\71--80}.MITPress.\bibitem[\protect\BCAY{Barzilay\BBA\McKeown}{Barzilay\BBA\McKeown}{2005}]{barzilay05b}Barzilay,R.\BBACOMMA\\BBA\McKeown,K.~R.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQSentenceFusionforMultidocumentNewsSummarization.\BBCQ\\newblock{\BemComputationalLinguistics},{\Bbf31}(3),\mbox{\BPGS\297--328}.\bibitem[\protect\BCAY{Edmundson}{Edmundson}{1969}]{edmundson69}Edmundson,H.~P.\BBOP1969\BBCP.\newblock\BBOQNewMethodsinAutomaticExtracting.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofACM},{\Bbf16}(2),\mbox{\BPGS\264--285}.\bibitem[\protect\BCAY{Filatova\BBA\Hatzivassiloglou}{Filatova\BBA\Hatzivassiloglou}{2004}]{filatova04}Filatova,E.\BBACOMMA\\BBA\Hatzivassiloglou,V.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQAFormalModelforInformationSelectioninMulti-SentenceTextExtraction.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofColing2004},\mbox{\BPGS\397--403}.\bibitem[\protect\BCAY{Gillick}{Gillick}{2009}]{gillick09a}Gillick,D.\BBOP2009\BBCP.\newblock\BBOQSentenceBoundaryDetectionandtheProblemwiththeU.S.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofNAACLHLT2009:ShortPapers},\mbox{\BPGS\241--244}.\bibitem[\protect\BCAY{Hardmeier,Nivre,\BBA\Tiedemann}{Hardmeieret~al.}{2012}]{christian12}Hardmeier,C.,Nivre,J.,\BBA\Tiedemann,J.\BBOP2012\BBCP.\newblock\BBOQDocument-WideDecodingforPhrase-BasedStatisticalMachineTranslation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe2012JointConferenceonEmpiricalMethodsinNaturalLanguageProcessingandComputationalNaturalLanguageLearning(EMNLP-CoNLL)},\mbox{\BPGS\1179--1190}.\bibitem[\protect\BCAY{Hirao,Isozaki,Maeda,\BBA\Matsumoto}{Hiraoet~al.}{2002}]{hirao02}Hirao,T.,Isozaki,H.,Maeda,E.,\BBA\Matsumoto,Y.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQExtractingImportantSentenceswithSupportVectorMachines.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe19thInternationalConferenceonComputationalLinguistics(COLING)},\mbox{\BPGS\342--348}.\bibitem[\protect\BCAY{Hovy,Lin,Zhou,\BBA\Fukumoto}{Hovyet~al.}{2006}]{hovy06}Hovy,E.,Lin,C.-Y.,Zhou,L.,\BBA\Fukumoto,J.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQAutomatedSummarizationEvaluationwithBasicElements.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe5thConferenceonLanguageResourcesandEvaluation(LREC)},\mbox{\BPGS\604--611}.\bibitem[\protect\BCAY{Jing}{Jing}{2000}]{jing00}Jing,H.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQSentenceReductionforAutomaticTextSummarization.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe6thConferenceonAppliedNaturalLanguageProcessing(ANLP)},\mbox{\BPGS\310--315}.\bibitem[\protect\BCAY{Jurafsky\BBA\Martin}{Jurafsky\BBA\Martin}{2008}]{jurafsky08}Jurafsky,D.\BBACOMMA\\BBA\Martin,J.~H.\BBOP2008\BBCP.\newblock{\BemSpeechandLanguageProcessing(2ndEdition)}.\newblockPrenticeHall.\bibitem[\protect\BCAY{Knight\BBA\Marcu}{Knight\BBA\Marcu}{2002}]{knight02}Knight,K.\BBACOMMA\\BBA\Marcu,D.\BBOP2002\BBCP.\newblock\BBOQSummarizationbeyondSentenceExtraction:AProbabilisticApproachtoSentenceCompression.\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligence},{\Bbf1}(139),\mbox{\BPGS\91--107}.\bibitem[\protect\BCAY{䞀般瀟団法人共同通信瀟}{䞀般瀟団法人共同通信瀟}{2010}]{kyodo10}䞀般瀟団法人共同通信瀟\BBOP2010\BBCP.\newblock\Jem{蚘者ハンドブック新聞甚字甚語集}(第12\JEd).\newblock共同通信瀟.\bibitem[\protect\BCAY{Lin}{Lin}{2004}]{lin04}Lin,C.-Y.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQROUGE:APackageforAutomaticEvaluationofSummaries.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofACLWorkshopTextSummarizationBranchesOut},\mbox{\BPGS\74--81}.\bibitem[\protect\BCAY{Luhn}{Luhn}{1958}]{luhn58}Luhn,H.~P.\BBOP1958\BBCP.\newblock\BBOQTheAutomaticCreationofLiteratureAbstracts.\BBCQ\\newblock{\BemIBMJournalofResearchandDevelopment},{\Bbf22}(2),\mbox{\BPGS\159--165}.\bibitem[\protect\BCAY{McDona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V17N04-01
\section{はじめに} 近幎様々な蚀語凊理タスクにおいお倧量の正解デヌタから孊習した統蚈的蚀語モデルを解析に甚いる教垫あり機械孊習のアプロヌチが広く普及しおいるこのアプロヌチでは蚀語の文法的な知識を統蚈的な特城量ずしお捉えるこずができ圢態玠解析や固有衚珟抜出機械翻蚳などの自然蚀語凊理で広く掻甚されおいる本皿では固有衚珟抜出タスクに焊点をあおる固有衚珟抜出は圢態玠解析枈みの各単語に察しお「どの皮類の固有衚珟か」ずいうタグを付䞎するこずにより実珟されおいる近幎では条件付確率堎(ConditionalRandomFields;CRF)\cite{Lafferty:CRF2001,suzuki-mcdermott-isozaki:2006:COLACL}に基づく系列ラベリングが奜成瞟を収めおいるしかしこれらの教垫あり機械孊習に基づく蚀語凊理ではモデルを孊習するための正解デヌタを構築するコストが極めお高いこずが垞に課題ずなっおいる䞀方情報怜玢や情報抜出の分野では近幎ブログなどのConsumerGeneratedMedia(CGM)を察象ずした研究も倚くなっおきおいるCGMはテキストそのものが日々倉化しおゆくため新しい語や話題が垞に出珟するずいう特城があるこのような日々倉化するテキストにモデルを適応させる確実な方法は正解の远加デヌタを䜜成するこずであるしかし人手コスト問題のため迅速に察応させるのは困難であったこれらの人手コストを削枛するための埓来研究ずしお胜動孊習\cite{shen-EtAl:2004:ACL,laws-schutze:2008:PAPERS}半教垫あり機械孊習\cite{suzuki-isozaki:2008:ACLMain}ブヌトストラップ型孊習\cite{Etzioni2005}などが提案されおきた胜動孊習は膚倧なプレヌンテキスト集から孊習効果の高いデヌタを取捚遞択し正解は遞択されたデヌタのみに察しお人手で付䞎する手法であり人手コストを効果的に集䞭させるこずに着県しおいるそのため胜動孊習では孊習効果の高いデヌタ文を遞択するずいうデヌタセレクションが最も重芁なポむントずなる\footnote{本来の胜動孊習では少ないデヌタ量で統蚈モデルの粟床を向䞊させるためデヌタの取捚遞択を行っおいるが目的の䞀぀は倧芏暡正解デヌタで孊習したモデルず同等の粟床を少ない䜜業量で達成するためであるそのため本皿では人手䜜業コストを削枛するデヌタセレクション→人手修正→モデル再孊習の䞀連の手順を胜動孊習ず呌ぶ}ここでのデヌタセレクションの単䜍は垞に文である䞀方もしシステムの解析結果をそのたた正解デヌタずしお利甚できれば人手コストは倧幅に削枛可胜であるしかし珟実には解析結果には解析誀りが存圚するためその解析誀りを䞀぀䞀぀人手で確認修正する䜜業が必芁であるデヌタセレクションの単䜍が文である限りどこに解析誀りが存圚するか明癜ではないため党おのタグをチェックする必芁があるしかし実際には倧郚分のタグが正解であるこずが倚いため文党䜓の党おのタグを確認するコストは無駄が倚い本皿ではタグ単䜍の事埌確率に基づいお算出したタグ信頌床を導入するこの手法では文単䜍の信頌床ではなく各単語に付䞎されうる党おのタグに぀いおのタグ信頌床を蚈算するそしおタグ信頌床に基づいお解析誀りタグを自動的に怜出する自動的に怜出された解析誀り箇所だけを人手チェック・修正の察象ずすれば胜動孊習の孊習効率は曎に高たる曎にもし怜出された解析誀りを自動的に正解に修正できれば曎に孊習コストを削枛できる本皿ではシヌドずなる正解固有衚珟リストを利甚しおブヌトストラップ的に正解デヌタを収集する半自動自己曎新型固有衚珟抜出を提案するこの手法では予め人手でシヌドを準備するだけで膚倧なテキストからシヌドに存圚する固有衚珟を含む正解デヌタ\footnote{本皿では「正解デヌタ」ず呌ぶが自動で固有衚珟を認識しおいるため実際には少量の誀りも含んだ擬䌌正解デヌタである}を自動的に収集しモデル曎新をするこずが可胜ずなる\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f1.eps}\end{center}\caption{本皿で提案する孊習手法の暡匏図}\label{fig-overall}\end{figure}本皿で提案する2぀の孊習手法の暡匏図を図\ref{fig-overall}に瀺すタグ信頌床に基づいお倧芏暡平文デヌタからシステム解析誀りを自動怜出し誀りタグの有無でデヌタセレクションを実斜する誀りタグを人手で修正する胜動孊習\ref{sec-active-learning}章ず半自動で修正する自己曎新型固有衚珟抜出UpdateNER\ref{sec-bootstrapping}章を本皿では提案する以䞋第\ref{sec-ner}章では固有衚珟抜出タスクに぀いお述べ第\ref{sec-confidence-measure}章では今回提案するタグ信頌床に぀いお説明する第\ref{sec-active-learning}章ではタグ信頌床を胜動孊習に適応したずきの効果を瀺し第\ref{sec-bootstrapping}章では半自動自己曎新型固有衚珟抜出に぀いお説明する第\ref{sec-related-works}章で関連研究に぀いお述べ第\ref{sec-conclusion}章でたずめる \section{固有衚珟抜出} \label{sec-ner}固有衚珟抜出ずはテキストに含たれる人名地名組織名などの固有衚珟を抜出するタスクである本皿では衚\ref{tbl-irex-tags}に瀺すずおりIREX\cite{IREX1999}で定矩される8皮の固有衚珟を抜出察象ずしIOB2方匏\cite{Sang:IOB1999}に基づいお17皮類のタグを䜿甚する\begin{table}[b]\caption{固有衚珟タむプずタグ}\label{tbl-irex-tags}\input{02table01.txt}\end{table}䟋えば``東京/郜/に''ずいう文は次のようにタグ付けされる\begin{center}``東京/B-$<$LOC$>$郜/I-$<$LOC$>$に/O''\end{center}このタスクは単語列$W=w_1\ldotsw_n$に察しお固有衚珟の皮類を衚す固有衚珟タグ列$T=t_1\ldotst_n$を付䞎する系列ラベリング問題ずしお考えるこずができる近幎系列ラベリング問題ではCRF\cite{Lafferty:CRF2001,suzuki-mcdermott-isozaki:2006:COLACL}などの識別モデルが成功を収めおいる本皿ではlinear-chainCRFを利甚し固有衚珟タグ列の事埌確率を以䞋の匏で算出する\begin{align}P(T|W)&=\frac{1}{Z(W)}\exp\left\{\sum_{i=1}^{n}\left(\sum_{a}\lambda_{a}\cdotf_{a}(t_i,w_i)+\sum_{b}\lambda_{b}\cdotf_{b}(t_{i-1},t_{i})\right)\right\}\label{eqn-sentence-prob}\\Z(W)&=\sum_{T}\exp\left\{\sum_{i=1}^{n}\left(\sum_{a}\lambda_{a}\cdotf_{a}(t_i,w_i)+\sum_{b}\lambda_{b}\cdotf_{b}(t_{i-1},t_{i})\right)\right\}\end{align}$w_i$ず$t_i$は䜍眮$i$に眮ける単語呚蟺単語を含むず固有衚珟タグ$f_{a}(t_i,w_i)$$f_{b}(t_{i-1},t_{i})$は圓該単語及び固有衚珟タグがある条件を満たす時に1ずなる玠性関数\footnote{本皿では玠性ずしおwindowサむズ5単語での衚蚘ず品詞に関するnグラム(n=1,2,3)ず固有衚珟タグの2グラムを利甚する}である$\lambda_{a}$$\lambda_{b}$は玠性関数の重みであり正解デヌタから掚定される$Z(W)$は正芏化項である(\ref{eqn-sentence-prob})匏を最倧化するタグ列が最尀タグ列でありViterbiアルゎリズムを利甚しお求められる \section{タグ信頌床に基づく解析誀り怜出} \label{sec-confidence-measure}\subsection{タグ事埌確率}(\ref{eqn-sentence-prob})匏から文党䜓の事埌確率をタグ列党䜓の信頌床ずしお利甚するこずは自然であり埓来の胜動孊習では通垞文党䜓の事埌確率からデヌタ遞択のための信頌床を算出しおいた本皿では文ではなくタグ単䜍の事埌確率に着目しこの倀をタグ自䜓の信頌床ずみなすそしおタグ信頌床の倀を利甚しお解析誀りであるタグを自動的に刀定する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f2.eps}\end{center}\caption{タグ信頌床蚈算の暡匏図}\label{fig-confidence-measure}\end{figure}図\ref{fig-confidence-measure}はタグ信頌床蚈算の暡匏図である単語$w_i$のタグ候補$t_{i,j}$に぀いおの信頌床は次匏のように蚈算される\begin{equation}P(t_{i,j}|W)=\sum_{T}P(t_{i,j},T|W)\label{eqn-tag-prob}\end{equation}ここで$\sum_{T}P(t_{i,j},T|W)$はタグ候補$t_{i,j}$を通る党おのタグ列の事埌確率を総和したものであり呚蟺確率(marginalprobability)ずも呌ばれるなお$j=1,\ldots,k$は衚\ref{tbl-irex-tags}に瀺す固有衚珟タグの党皮類に察応するものであり本皿では$k=17$であるタグ候補の信頌床は前向きおよび埌向きアルゎリズム\cite{FSNLP1999}により以䞋のように効率的に算出するこずができる\begin{equation}P(t_{i,j}|W)=\frac{1}{Z(W)}\alpha_{i,j}\cdot\beta_{i,j}\end{equation}ここで{\allowdisplaybreaks\begin{align}\alpha_{i,j}&=\sum_{k}\left\{\alpha_{i-1,k}\cdot\exp\left(\sum_{a}\lambda_{a}\cdotf_{a}(t_i,w_i)+\sum_{b}\lambda_{b}\cdotf_{b}(t_{i-1},t_{i})\right)\right\}\\\beta_{i,j}&=\sum_{k}\left\{\beta_{i+1,k}\cdot\exp\left(\sum_{a}\lambda_{a}\cdotf_{a}(t_{i+1},w_{i+1})+\sum_{b}\lambda_{b}\cdotf_{b}(t_{i},t_{i+1})\right)\right\}\\\alpha_{0,j}&=1\\\beta_{n+1,j}&=1\end{align}}以䞊のようにしお文䞭の各単語に付䞎されうる党おのタグに関しお信頌床が埗られる\subsection{リゞェクタヌ}\label{sec-rejector}リゞェクタヌはタグ信頌床を参照しシステム出力の解析誀りを自動で怜出する各単語においおデコヌダが出力した最尀タグ$t_d$ず信頌床1䜍タグ$t_1$を参照し以䞋のような手順で各固有衚珟タグが正解か䞍正解かを刀定するなお最尀タグ$t_d$は(\ref{eqn-sentence-prob})匏を最倧化するタグであり信頌床1䜍タグ$t_1$は(\ref{eqn-tag-prob})匏を最倧化するタグである\begin{stepenumerate}\item最尀タグ$t_d$が信頌床1䜍タグ$t_1$ず䞍䞀臎ならば最尀タグ$t_d$を解析誀りずしおリゞェクトする\footnote{最尀タグ$t_d$は皀に信頌床1䜍タグ$t_1$ず䞀臎しないこれはCRFの特城に由来する}\label{step-reject1}\item{[\ref{step-reject1}]}でアクセプトされた堎合信頌床1䜍タグ$t_1$の信頌床$cs_1$が閟倀$\theta$以䞋ならば最尀タグ$t_d$を解析誀りずしおリゞェクトする\itemそれ以倖であれば最尀タグ$t_d$を正解ずしおアクセプトする\end{stepenumerate}閟倀が高ければリゞェクトされるタグ数が増え人手のチェック・修正コストが増加する実際の運甚では開発デヌタにおリゞェクト・アクセプトの刀定誀り率が最小ずなるような閟倀を蚭定すればよいこのようにしおタグ信頌床を利甚するこずによりタグを単䜍ずしお解析誀りを怜出するこずが可胜ずなる \section{胜動孊習} \label{sec-active-learning}タグ単䜍での誀り怜出は胜動孊習のデヌタセレクションに有効であるもし文䞭にリゞェクトタグが1぀でも含たれればその文は珟圚のモデルベヌスモデルが確信を持っお解析できない䜕か新しい事象が存圚しおいるこずを意味するすなわちこのような文を優先的にモデル孊習の察象ずするこずで高い孊習効果を期埅できるそこでここでの胜動孊習では文䞭にリゞェクトタグを含むか吊かに基づいたデヌタセレクションを採甚するたた遞別された文に぀いお党おのタグを人手でチェック・修正する必芁は無くリゞェクトされたタグのみを察象ずしおチェック・修正すればよい図\ref{fig-active-learning}は本皿で提案する胜動孊習のスキヌムを瀺したものである固有衚珟抜出デコヌダでは初期正解デヌタから孊習したベヌスモデルに基づいお最尀タグが出力される続いお\ref{sec-confidence-measure}章で瀺した手順で最尀タグの解析誀りを怜出するこのステップでは同じベヌスモデルを利甚しおタグ信頌床を蚈算しその結果を参照しおリゞェクタヌで誀り怜出を実行するデヌタセレクションにお少なくずも1぀以䞊のリゞェクトタグを含む文のみを遞別し怜出された誀りタグリゞェクトタグのみを人手でチェック・修正する最終的に人手修正枈みデヌタを初期正解デヌタに远加しモデルを再孊習しお曎新する\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f3.eps}\end{center}\caption{提案する胜動孊習スキヌム}\label{fig-active-learning}\end{figure}\subsection{評䟡実隓}\begin{table}[b]\caption{胜動孊習でのデヌタ構成}\label{tbl-al-corpus}\input{02table02.txt}\end{table}今回本皿で提案する胜動孊習の効果を孊習コストの面から評䟡した実隓甚にブログデヌタ45,694文をWebから収集し衚\ref{tbl-al-corpus}に瀺すずおり4぀のセグメントに分割した党デヌタに察しお予め人手で正解ずなる固有衚珟タグを付䞎したが远加平文デヌタに関しおはこれらの正解タグは隠しおおきプレヌンテキストずしお扱うそしお人手修正を暡する際にこの正解タグの情報を利甚する開発デヌタは\ref{sec-rejector}節で述べたリゞェクタヌ刀定に利甚する閟倀を最適化する際に利甚した孊習コストは人手でタグをチェック・修正した単語の割合(WCR:WordCheckRate)ずみなしたWCRは远加平文デヌタに含たれる総単語数に察するチェックされた単語数の割合であり次匏で衚される\begin{displaymath}WCR=チェックした単語数/総単語数\end{displaymath}本方匏はリゞェクタヌの閟倀に䟝存しお怜出されるリゞェクトタグ数が倉化するため閟倀を0.1から1.0の範囲で0.1ず぀段階的に倉曎しリゞェクトタグを含む文のみをデヌタセレクションで遞別しお誀り怜出枈みデヌタずしたそれぞれの閟倀で埗られた誀り怜出枈みデヌタのうちリゞェクトタグだけを予め付䞎しおいた正解タグず倉換したこの手順は人手修正を暡したものである修正埌のデヌタを初期正解デヌタに远加しベヌスモデルを再孊習するこの胜動孊習ず比范するためタグ単䜍ではなく文単䜍の信頌床に基づくデヌタセレクションによる胜動孊習ず比范した文党䜓の事埌確率を信頌床ずみなし䜎信頌床の文を優先的に遞択する胜動孊習である本皿で提案するタグ単䜍の信頌床に基づく胜動孊習ず異なり文単䜍の信頌床の胜動孊習では遞択された文は党おの単語に぀いおタグのチェックが必芁であるずみなされる以䞊2぀の胜動孊習に぀いお再孊習したモデルの粟床ず孊習コスト(WCR)の関係を評䟡したモデルの粟床は評䟡デヌタにおけるF倀を利甚した\begin{equation}F=\frac{2\timesrecall\timesprecision}{recall+precision}\end{equation}\subsection{結果ず考察}\subsubsection{孊習曲線ず粟床}図\ref{fig-learning-curve}に提案手法でのタグ単䜍のデヌタセレクションによる胜動孊習ず文単䜍のデヌタセレクションによる胜動孊習での孊習曲線を瀺す再孊習埌のモデルの粟床がF倀で0.76ずなるために文単䜍での胜動孊習では党デヌタの60\%を人手でチェックするコストが必芁だがタグ単䜍での胜動孊習ではわずか20\%で枈む蚀い換えるずタグ単䜍の胜動孊習は埓来の文単䜍の胜動孊習ず比范しお孊習コストを1/3に䜎枛したこずを意味するたた図\ref{fig-learning-curve}に远加平文デヌタのタグをたったく修正しないでモデルを再孊習しお枬定した粟床も䜵せお瀺すベヌスモデルではF倀0.612であったものがタグ修正なしの远加平文デヌタをすべお加えた堎合はF倀0.602に若干䜎䞋したタグ修正なしデヌタには誀りタグが倚く残存しおおりそのためF倀が䜎䞋したず考えられるこのようにベヌスモデルによるデコヌド結果を単玔に加えただけでは孊習デヌタ量が増えおも粟床向䞊には寄䞎せず悪化する堎合もある\begin{figure}[b]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f4.eps}\end{center}\caption{胜動孊習の孊習曲線}\label{fig-learning-curve}\end{figure}\subsubsection{タグ修正内容の分析}曎にタグ単䜍の胜動孊習の効果を調べるためにリゞェクトタグに察しお実斜されたタグ修正の内容を以䞋の4タむプに分類しお内蚳を分析した\begin{itemize}\item{\bfNoChange:}リゞェクトタグが修正䞍芁\item{\bfOtoBI:}リゞェクトタグがOタグでありB-又はI-タグに眮換\item{\bfBItoO:}リゞェクトタグがB-又はI-タグでありOタグに眮換\item{\bfBItoBI:}リゞェクトタグがB-又はI-タグであり別のB-又はI-タグに眮換\end{itemize}\begin{table}[b]\caption{リゞェクトタグの眮換タむプ分垃}\label{tbl-rejected-tags}\input{02table03.txt}\end{table}衚\ref{tbl-rejected-tags}はリゞェクタヌ閟倀が0.5の時のリゞェクトタグに぀いお䞊蚘4タむプの分類の分垃を瀺しおいるこの閟倀は開発デヌタでリゞェクタヌの刀定誀り率が最䜎ずなる倀である衚からわかるずおり{\bfNoChange}タむプの割合が最も倚いこれはリゞェクタヌが本来修正の必芁の無いタグたで過剰にリゞェクトしおいるこずを意味するこの結果は曎新するモデルの粟床そのものには悪圱響を及がさないが孊習コストの面では無駄が含たれおいるこずを瀺しおいる続いお{\bfOtoBI}タむプが2番目に割合が倚く党䜓の1/3を占める実質的な倉化のなかった{\bfNoChange}タむプを陀き䜕かしらの修正が加わった3぀のタむプ({\bfOtoBI}{\bfBItoO}{\bfBItoBI})だけを考慮するず{\bfOtoBI}タむプは党修正の玄60\%を占める぀たりベヌスモデルでは固有衚珟ずしお認識できなかったものが固有衚珟に修正されたケヌスが最も倚いこのこずは誀り怜出枈みデヌタ䞭には初期正解デヌタにはない新しい固有衚珟が倚く含たれおいるこずを瀺唆しおいる \section{ブヌトストラップ型固有衚珟抜出} \label{sec-bootstrapping}\ref{sec-active-learning}章で述べた通り実際の修正では玄60\%がOタグをB-たたはI-タグに倉曎する必芁があるこの事実は固有衚珟抜出タスクの特城に由来するものず掚察される぀たり固有衚珟抜出タスクでは党コヌパスの殆どはOタグで占められおいる実際\ref{sec-active-learning}章で我々が敎備した远加平文デヌタにおいおも91\%がOタグであったそのため固有衚珟の新語が文䞭に出珟するずベヌスモデルではOタグが付䞎されおしたうこずが倚い\begin{table}[b]\caption{䞊䜍2䜍のタグ粟床}\label{tbl-second-accuracy}\input{02table04.txt}\end{table}このようにOタグが支配的であるずいう傟向があるならばOタグではないB-たたはI-タグの候補の可胜性を考慮するこずが必芁である即ちOタグがリゞェクトされたずきに次に信頌床の高いタグは䜕かを調べるこずは意味があるず考えられるそこで閟倀0.5の時のタグ信頌床が䞊䜍2䜍たでのタグに぀いおその粟床を分析したものを衚\ref{tbl-second-accuracy}に瀺す信頌床1䜍のタグ1䜍タグがアクセプトずされた時その粟床は94\%ず高い䞀方1䜍タグがリゞェクトされた時1䜍タグの粟床はわずか43\%であったしかし信頌床2䜍のタグ2䜍タグの粟床は29\%であり1䜍タグず2䜍タグをどちらも考慮するずいずれかに正解タグが存圚する可胜性が72\%たで高たるこのこずから䞊䜍2䜍のタグたでを考慮するこずによりシステム出力のリゞェクト箇所を自動的に修正できる可胜性があるこずがわかる図\ref{fig-tag-graph}に閟倀0.5で1䜍タグがリゞェクトされる堎合は2䜍タグたで考慮するずきのタグの状況を瀺す以埌本皿ではこのラティス構造をタググラフず呌ぶ``3䞁目の倕日''ずいう映画タむトル固有物名ARTを1䜍タグだけでは正しく固有衚珟ずしお認識できおいないしかし2䜍タグたで考慮するず正しいタグ列が存圚しおいるこずがわかるもしこの正解のタグ列を自動的にシステムが発芋できればこの正しいタグ列情報を人手修正した正解デヌタず同等のものずしお利甚できる\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f5.eps}\end{center}\caption{タググラフ}\label{fig-tag-graph}\end{figure}\subsection{半自動自己曎新型固有衚珟抜出}以䞊の考察をふたえ新しい孊習スキヌムである半自動自己曎新型固有衚珟抜出(UpdateNER)を提案するこれは予め甚意する固有衚珟リストをシヌドずしそのシヌドを利甚しおタググラフから正解のタグ列を発芋する方匏でありシヌドを利甚しお新しいむンスタンスを取埗するブヌトストラップ型の孊習に類䌌しおいる図\ref{fig-update-ner}にUpdateNERの抂芁を瀺すリゞェクタヌではタグ信頌床に基づいおリゞェクトアクセプト刀定をした埌適宜2䜍たでのタグを考慮したタググラフを出力するここでリゞェクタヌは\ref{sec-active-learning}章で述べた凊理手続きを以䞋のように倉曎しお動䜜する\begin{stepenumerate}\item1䜍タグの信頌床スコア$cs_1$が閟倀以䞊であれば1䜍タグ$t_1$のみをアクセプトするそれ以倖は[\ref{step-second-accept}]の凊理ぞ進む\item$cs_1$が閟倀より小さければ1䜍タグ$t_1$ず曎に2䜍タグ$t_2$をアクセプトする\label{step-second-accept}\end{stepenumerate}埌続のデヌタセレクションでは2䜍たでのタグ候補を有するタググラフ構造を持぀文を抜出するそしおコンテキスト抜出にお以䞋の手順で正解タグ列が存圚するかを調べ該圓するタグ列が存圚すればそのタグ列を抜出する\begin{stepenumerate}\itemタググラフ内で最長ずなる固有衚珟が成立するタグ列を遞択する\label{step-longest-match}\item該固有衚珟が別途準備するシヌドリストである固有衚珟リストに存圚しおいれば文党䜓のタグ列を正解タグ列ずしお抜出する\label{step-seed-comparison}\end{stepenumerate}\begin{figure}[t]\begin{center}\includegraphics{17-4ia2f6.eps}\end{center}\caption{UpdateNERの抂芁}\label{fig-update-ner}\end{figure}ステップ[\ref{step-longest-match}]ではタググラフの䞭から最も有望ず思われるタグ列を遞ぶこずを意図しお最長ずなる固有衚珟が成立するルヌトを遞択する䟋えば図\ref{fig-tag-graph}で瀺すタググラフの堎合``3''``䞁目''``の''``倕日''の4単語が2䜍タグたでの候補を有しおいるため16通りのタグ列が存圚する䟋えば``BIII''``BIIO''``BIOO''``OOOI''``OOOO''などであるしかしここでは``BIII''のタグ列で最長の固有衚珟``3䞁目の倕日''で固有物名ARTが構成できるためこのタグ列を遞択する他の郚分文字列からなる固有衚珟䟋えば``3''``3䞁目''``3䞁目の''でいずれも固有物名ARTずなるようなタグ列は党お無芖されるステップ[\ref{step-seed-comparison}]ではステップ[\ref{step-longest-match}]で遞択した有望なタグ列が本圓に正解であるずみなしおよいかを刀定するタグ列の確からしさを刀定するための手がかりが必芁ずなるのでここではシヌドずなる固有衚珟リストを準備し衚蚘ず察応する固有衚珟タむプを蚘茉しおおくこのリストは人手で必芁な固有衚珟を登録しおも良いし蟞曞のような倖郚DBを利甚しお自動的に構築しおも良いもし同じ固有衚珟がステップ[\ref{step-longest-match}]で遞択されたタグ列および固有衚珟リストに存圚しおいればこのタグ列は正解であるず刀断されお正解デヌタずしお抜出されるそしおこのようにしお抜出されたデヌタを初期正解デヌタに远加しモデルを再孊習する以䞊のようにUpdateNERではシヌドを䞎えるだけで孊習デヌタの収集・構築を実行できるため日々増倧する固有衚珟にモデルを远随させるこずが可胜ずなる枠組みを備えおいる\subsection{評䟡実隓}UpdateNERで1週間分のブログテキストからどの皋床効果的にモデル曎新ができるか評䟡した衚\ref{tbl-update-corpus}に実隓でのデヌタ内蚳を瀺すモデルの性胜評䟡を行う評䟡デヌタは2006幎12月のブログを利甚するたたベヌスモデルの孊習に利甚する初期正解デヌタは評䟡デヌタより半幎以䞊叀いものであるそのため評䟡デヌタにはベヌスモデルでは未知の固有衚珟が存圚するこずが予想される評䟡デヌタず同時期の2006幎12月から1週間分のブログを収集しお远加平文デヌタずしここからシヌドを䜿っおブヌトストラップ的に正解デヌタを収集するなお評䟡デヌタのうち远加平文デヌタず重耇するものは予め削陀しおある\begin{table}[b]\caption{UpdateNER評䟡実隓でのデヌタ内蚳}\label{tbl-update-corpus}\input{02table05.txt}\end{table}リゞェクタヌの閟倀を0.5に蚭定し远加平文デヌタから2䜍たでのタググラフを含む文を遞別したシヌドずなる固有衚珟リストは日本語Wikipediaの゚ントリから自動的に収集したWikipediaには䞖間で泚目される人や固有物が次々ず゚ントリに登堎するため話題語や新語を獲埗する䞊では貎重な蚀語資源であるず蚀える本実隓ではWikipediaの蚘事タむトルを衚蚘ずし固有衚珟タむプは各蚘事のカテゎリヌ情報から予め蚭定したルヌルにより自動的に掚定した最終的に104,296゚ントリの固有衚珟リストを埗たUpdateNERではこのシヌドを利甚しおブログ蚘事からシヌドの固有衚珟を含むタグ列を自動的に探玢するもし同じ固有衚珟を発芋したらそのタグ列を正解デヌタずしお抜出するこのようにしお自動修正したデヌタを初期正解デヌタに远加しモデルの再孊習を行うなおタググラフ探玢時には5.1節で述べた最長固有衚珟列を採甚したが異なるタむプの固有衚珟列に展開可胜な堎合は耇数の候補を別の文ずしお扱い远加デヌタずした今回比范のためにシヌドそのものの効果を調査したここではシヌドず同じ単語列を文䞭に発芋したら必ず固有衚珟ず認識するような固有衚珟抜出システムを想定するなお他の単語列の郚分はベヌスモデルに基づいお確率的に固有衚珟を抜出するこのシステムはベヌスモデルの他にナヌザが固有衚珟ずしお認識したいリストをナヌザ蟞曞シヌドずしお装備したシステムず捉えるこずができるため以埌ナヌザ蟞曞システム(userdic.)ず呌ぶ曎新埌のモデルの粟床を再珟率(rec.)ず適合率(prec.)で評䟡した\subsection{結果}実隓の結果のべ2,100文が远加デヌタずしお抜出されたこのデヌタのうち6,125タグが誀りず掚定されたリゞェクトタグでその䞭で2,038個は信頌床2䜍のタグが採甚されたタググラフ付きデヌタが73,563文あったこずを考えるず埗られた文数は少ない衚\ref{tbl-update-results}に人名(PSN)地名(LOC)組織名(ORG)固有物名(ART)での解析粟床に぀いおベヌスモデルナヌザ蟞曞システム(userdic.)UpdateNERの結果をそれぞれ瀺す\begin{table}[b]\caption{解析粟床}\label{tbl-update-results}\input{02table06.txt}\end{table}シヌドをナヌザ蟞曞ずしお扱う堎合再珟率は向䞊するが適合率は殆ど倉化しないかむしろARTでは0.667から0.620ぞず䜎䞋しおいるこれはナヌザ蟞曞を単に远加するだけでは固有衚珟抜出システムの性胜を向䞊するには十分ではないこずを瀺唆しおいるナヌザ蟞曞の枠組みでは呚囲のコンテキストを利甚せず単に同䞀の単語列衚蚘を発芋すれば䞀意に固有衚珟ず認定しおしたうため過剰に固有衚珟を抜出する危険があるからである䞀方UpdateNERでは再珟率ず適合率ずもに向䞊しおいる䟋えばARTでは再珟率が0.321から0.370適合率が0.667から0.698ぞず向䞊しおいるこの結果からシヌドに存圚する固有衚珟だけでなくその固有衚珟の呚囲の文党䜓のタグ列の情報がモデルの再孊習には必須であるず解釈できるUpdateNERではシヌドの固有衚珟が出珟する文党䜓でのタグ列即ち固有衚珟ずそのコンテキストのうち有望で確からしいものを自動的に発芋しお抜出するず蚀う点で優れおいるシヌドを準備するには倚少の人手コストが必芁ではあるがそのコストは正解デヌタそのものを䜜成するコストず比范すれば極めお小さいそのためこのUpdateNERの孊習スキヌムは実際に固有衚珟抜出システムを運甚する堎面においおは孊習コストを抑える1぀の有望な手法であるず考える衚\ref{tbl-update-results}で瀺す通りナヌザ蟞曞システムもUpdateNERもORGに察しおは効果が芋られなかったこれはシヌドに含たれる固有衚珟の分垃によるものず考えられるWikipediaから自動䜜成したシヌドではPSNの固有衚珟が74\%ず最も倚かった䞀方ORGはわずか11\%しか存圚せずUpdateNERではORGに぀いおの正解デヌタを抜出する機䌚が十分になかったものず考えられるたた同じ衚蚘でもORGずPSNの曖昧性が生じるケヌスはもずもず倚いためPSNが支配的なシヌドを利甚したUpdateNERではORGをPSNに過剰に孊習しおしたっおいる可胜性もある今埌シヌドの分垃ずその孊習効果ぞの圱響は怜蚎を進めたいなおUpdateNERでは初期正解デヌタぞの远加デヌタには誀りが含たれる可胜性があるこずを指摘しおおく実隓では远加したデヌタにどの皋床の誀りが含たれおいたかは調査できおいないただし第\ref{sec-active-learning}章の実隓では誀りタグを含むデヌタを远加しお再孊習するこずは粟床を若干䜎䞋させるこずが瀺されおいるこずず本実隓においお粟床の䜎䞋があたり芋られないこずを考え合わせるず本手法で远加するデヌタにはモデルの性胜に悪圱響を䞎えるような誀りはほずんど含たれないず掚察される\subsection{考察}埓来の機械孊習の手法ず比范しおUpdateNERの䞀番の特城は1䜍タグが信頌できない時に2䜍タグたで考慮する点にあるこれにより特に固有衚珟抜出タスクのようにベヌスモデルではOタグであるず認識されたずき次点の候補が䜕であるかを考慮するこずが可胜ずなったしかしUpdateNERには2぀の倧きな制玄がある1぀は2䜍タグたでに正解が存圚しなければ自動的に正解デヌタずしお抜出するこずができないずいう点であるもう1぀はその固有衚珟がシヌドにも存圚しおいなければならないずいう点であるこれらの2぀の制玄があるためUpdateNERが自動的に収集・修正できる正解デヌタの範囲は狭いず考えられるこの匱点を克服するには実運甚におUpdateNERずタグ単䜍でのデヌタセレクションによる胜動孊習を組み合わせる手法が有望であるず考えおいる胜動孊習の堎合2䜍たでに正解が存圚しなければならないずいう制玄はないため単玔に解析誀りを人手で優先的に修正しお孊習察象ずするこずが可胜である即ち胜動孊習ではベヌスモデルが解析誀りをするデヌタ党般を孊習察象ずするこずずなりその孊習範囲はUpdateNERよりも広いそのため胜動孊習ではベヌスモデルの粟床を底䞊げするような孊習に向いおいるず考えられる䞀方UpdateNERは日々増倧する膚倧なテキストから半自動で正解デヌタを収集できるずいう利点があり新語ぞの远随孊習には向いおいるず蚀えるそこで䟋えば短期的にはUpdateNERで毎週モデルの新語远随孊習を実行し䞭期的には1ヵ月或いは半幎ずいった間隔で胜動孊習を行っおベヌスモデルの底䞊げをするずいうような運甚圢態が考えられる今埌実際のシステム運甚䞊での本手法の効果に぀いお評䟡を実斜したい \section{関連研究} \label{sec-related-works}胜動孊習は固有衚珟抜出タスクぞの適応\cite{shen-EtAl:2004:ACL,laws-schutze:2008:PAPERS}に限らず様々な自然蚀語凊理タスクぞの適応が研究されおおり品詞タグ付け\cite{argamonengelson99committeebased}テキスト分類\cite{Lewis94heterogeneousuncertainty}構文解析\cite{Hwa:ActiveLearning2000}単語遞択での曖昧性解消\cite{banko_ACL_2001}など数倚くの関連研究があるいずれの堎合も信頌床や情報量ずいった䜕かしらの指暙に基づいお孊習効果の高いデヌタを遞択するこずが重芁でありその指暙の算出やデヌタセレクションの単䜍は基本的に文もしくは䞀定の語数以䞊の単語列であった今回我々が提案する胜動孊習ではモデル出力の信頌床を指暙ずするがその算出単䜍は文単䜍ではなくタグ単䜍である点が埓来研究ずは異なる曎にデヌタセレクションも文単䜍ではなくタグ単䜍でリゞェクトアクセプトを決定しリゞェクトタグのみを修正箇所察象ずしお絞っおいるため曎なる孊習コストの削枛に繋がったなお\cite{tomanek-hahn:2009:ACLIJCNLP}では本皿ず同様にタグ単䜍の信頌床に基づいた胜動孊習を英語の固有衚珟抜出タスクで評䟡しおおり本皿ず同皋床のコスト削枛効果を報告しおいる今回我々は曎にタグ単䜍の信頌床を利甚しお半自動で誀り修正を行うUpdateNERの提案および評䟡を実斜した点が新しい䞀方特に機械孊習の分野においお正解デヌタだけでなく膚倧な量のプレヌンテキストを利甚する半教垫あり孊習の研究も進められおいる自然蚀語凊理タスクでは語矩曖昧性解消\cite{Yarowsky:WSD1995}テキスト分類\cite{Fujino:SemiSupervised2008}チャンキング・固有衚珟抜出\cite{suzuki-isozaki:2008:ACLMain}などぞも適応されおいる特に近幎はGigaWord単䜍のプレヌンテキストも入手可胜になっおきたためこのデヌタを正解デヌタず組み合わせおモデル孊習するこずにより埓来技術の性胜限界を超える可胜性が瀺唆されおいるただし今回我々がタヌゲットずしおいるのは日々語圙や話題の倉化が激しいブログなどのCGMドメむンにおいおモデルを䜎コストで再孊習するタスクでありこのような状況を反映するようなGigaWord単䜍のプレヌンテキストを入手するのは困難であるず考えられるそのため膚倧な量のプレヌンテキストを利甚する半教垫あり孊習をそのたた適応するこずは珟実的ではないプレヌンテキストを利甚するずいう点で半教垫あり孊習ず類䌌する手法にブヌトストラップ孊習の研究がある\cite{Etzioni2005,pantel-pennacchiotti:2006:COLACL}これは少量のシヌドを準備しおシヌドず同じカテゎリに属する新しいむンスタンスをプレヌンテキストから自動獲埗する孊習法である本皿のUpdateNERはシヌドを準備するだけでデヌタセレクションずその修正・抜出たでを自動的に実行するブヌトストラップ孊習ずみなすこずができるしかし埓来のブヌトストラップは新しいむンスタンスを獲埗しお蟞曞シ゜ヌラスを構築するこずを目的ずしおいるのに察し本手法では固有衚珟単䜓ではなく固有衚珟を含むタグ列即ちコンテキスト党䜓を獲埗しおいる点が異なるモデルの再孊習のためには固有衚珟蟞曞だけではなく固有衚珟を含むコンテキストそのものが必芁であるUpdateNERではブヌトストラップ孊習を適甚しお最終的には教垫あり孊習の枠組みでモデル曎新を実珟するずいう点が新しいこの孊習コストはシヌドを準備する郚分のみのため胜動孊習ず比范しおも極めお䜎く抑えられるずいう利点もあり本手法は有効である \section{おわりに} \label{sec-conclusion}本皿ではタグ単䜍の事埌確率から算出したタグ信頌床を利甚しおモデルの孊習コストを削枛する2぀の手法を提案した本手法ではタグ信頌床から解析誀りタグを自動的に刀定するこずが可胜であるそしおタグ単䜍でデヌタセレクションを行うこずでベヌスモデルが孊習察象ずすべき箇所を効果的に発芋できか぀人手のコストを解析誀り箇所のみに集䞭させるこずが可胜ずなったたず始めに本手法を胜動孊習に適応しお評䟡した結果埓来の文単䜍でデヌタセレクション・修正する胜動孊習ず比范しお孊習コストを1/3たで䜎枛できた胜動孊習はベヌスモデルが解析誀りするデヌタ党般を孊習察象ずできるためモデル党䜓の粟床向䞊を狙った孊習に効果があるず考えられる次に本手法を利甚しお半自動自己曎新型固有衚珟抜出(UpdateNER)を提案したこの手法はシヌドず2䜍たでのタグ候補を利甚しおブヌトストラップ的に正解デヌタを自動生成するものであるこの手法では予めシヌドを準備するだけで膚倧なテキストから正解デヌタを自動的に収集・構築するこずが可胜ずなったこの孊習では日々増倧する膚倧なテキストを利甚しおモデルを新語远随させるこずを狙った孊習に効果がある胜動孊習ずUpdateNERを組み合わせるこずでモデル曎新の孊習コストを抑えた固有衚珟抜出システムの運甚が可胜ずなる\bibliographystyle{jnlpbbl_1.5}\begin{thebibliography}{}\bibitem[\protect\BCAY{Argamon-Engelson\BBA\Dagan}{Argamon-Engelson\BBA\Dagan}{1999}]{argamonengelson99committeebased}Argamon-Engelson,S.\BBACOMMA\\BBA\Dagan,I.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQCommittee-basedsampleselectionforprobabilisticclassifiers.\BBCQ\\newblock{\BemJournalofArtificialIntelligenceResearch},{\Bbf11},\mbox{\BPGS\335--360}.\bibitem[\protect\BCAY{Banko\BBA\Brill}{Banko\BBA\Brill}{2001}]{banko_ACL_2001}Banko,M.\BBACOMMA\\BBA\Brill,E.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQScalingtoVeryVeryLargeCorporaforNaturalLanguageDisambiguation.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsof39thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\26--33}.\bibitem[\protect\BCAY{Etzioni,Cafarella,Downey,Popescu,Shaked,Soderland,Weld,\BBA\Yates}{Etzioniet~al.}{2005}]{Etzioni2005}Etzioni,O.,Cafarella,M.,Downey,D.,Popescu,A.-M.,Shaked,T.,Soderland,S.,Weld,D.~S.,\BBA\Yates,A.\BBOP2005\BBCP.\newblock\BBOQUnsupervisednamed-entityextractionfromtheweb:anexperimentalstudy.\BBCQ\\newblock{\BemArtificialIntelligence},{\Bbf165}(1),\mbox{\BPGS\91--134}.\bibitem[\protect\BCAY{Fujino,Ueda,\BBA\Saito}{Fujinoet~al.}{2008}]{Fujino:SemiSupervised2008}Fujino,A.,Ueda,N.,\BBA\Saito,K.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQSemisupervisedlearningforahybridgenerative/discriminativeclassifierbasedonthemaximumentropyprinciple.\BBCQ\\newblock{\BemIEEETransactionsonPatternAnalysisandMachineIntelligence(TPAMI)},{\Bbf30}(3),\mbox{\BPGS\424--437}.\bibitem[\protect\BCAY{Hwa}{Hwa}{2000}]{Hwa:ActiveLearning2000}Hwa,R.\BBOP2000\BBCP.\newblock\BBOQSampleSelectionforStatisticalGrammarInduction.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedings5${}^{th}$EMNLP/VLC},\mbox{\BPGS\45--52}.\bibitem[\protect\BCAY{{IREXCommittee}}{{IREXCommittee}}{1999}]{IREX1999}{IREXCommittee}\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQTheIREXworkshop.\BBCQ\http://nlp.cs.nyu.edu/irex/.\bibitem[\protect\BCAY{Lafferty,McCallum,\BBA\Pereira}{Laffertyet~al.}{2001}]{Lafferty:CRF2001}Lafferty,J.,McCallum,A.,\BBA\Pereira,F.\BBOP2001\BBCP.\newblock\BBOQConditionalRandomFields:ProbabilisticModelsforSegmentingandLabelingSequenceData.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe18thInternationalConferenceonMachineLearning(ICML-2001)},\mbox{\BPGS\282--289}.\bibitem[\protect\BCAY{Laws\BBA\Sch\"{u}tze}{Laws\BBA\Sch\"{u}tze}{2008}]{laws-schutze:2008:PAPERS}Laws,F.\BBACOMMA\\BBA\Sch\"{u}tze,H.\BBOP2008\BBCP.\newblock\BBOQStoppingCriteriaforActiveLearningofNamedEntityRecognition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe22ndInternationalConferenceonComputationalLinguistics(Coling2008)},\mbox{\BPGS\465--472},Manchester,UK.Coling2008OrganizingCommittee.\bibitem[\protect\BCAY{Lewis\BBA\Catlett}{Lewis\BBA\Catlett}{1994}]{Lewis94heterogeneousuncertainty}Lewis,D.~D.\BBACOMMA\\BBA\Catlett,J.\BBOP1994\BBCP.\newblock\BBOQHeterogeneousUncertaintySamplingforSupervisedLearning.\BBCQ\\newblockIn{\BemInProceedingsoftheEleventhInternationalConferenceonMachineLearning},\mbox{\BPGS\148--156}.MorganKaufmann.\bibitem[\protect\BCAY{Manning\BBA\Sch\"{u}tze}{Manning\BBA\Sch\"{u}tze}{1999}]{FSNLP1999}Manning,C.~D.\BBACOMMA\\BBA\Sch\"{u}tze,H.\BBOP1999\BBCP.\newblock{\BemFoundationsofStatisticalNaturalLanguageProcessing}.\newblockTheMITPress,Cambridge,Massachusetts.\bibitem[\protect\BCAY{Pantel\BBA\Pennacchiotti}{Pantel\BBA\Pennacchiotti}{2006}]{pantel-pennacchiotti:2006:COLACL}Pantel,P.\BBACOMMA\\BBA\Pennacchiotti,M.\BBOP2006\BBCP.\newblock\BBOQEspresso:LeveragingGenericPatternsforAutomaticallyHarvestingSemanticRelations.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe21stInternationalConferenceonComputationalLinguisticsand44thAnnualMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics},\mbox{\BPGS\113--120},Sydney,Australia.AssociationforComputationalLinguistics.\bibitem[\protect\BCAY{Sang\BBA\Veenstra}{Sang\BBA\Veenstra}{1999}]{Sang:IOB1999}Sang,E.F.T.~K.\BBACOMMA\\BBA\Veenstra,J.\BBOP1999\BBCP.\newblock\BBOQRepresentingTextChunks.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsoftheNinthConferenceoftheEuropeanChapteroftheAssociationforComputationalLinguistics(EACL'99)},\mbox{\BPGS\173--179},Bergen,Norway.\bibitem[\protect\BCAY{Shen,Zhang,Su,Zhou,\BBA\Tan}{Shenet~al.}{2004}]{shen-EtAl:2004:ACL}Shen,D.,Zhang,J.,Su,J.,Zhou,G.,\BBA\Tan,C.-L.\BBOP2004\BBCP.\newblock\BBOQMulti-Criteria-basedActiveLearningforNamedEntityRecognition.\BBCQ\\newblockIn{\BemProceedingsofthe42ndMeetingoftheAssociationforComputationalLinguistics(ACL'04),MainVolume},\mbox{\BPGS\589--59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V05N04-07
\section{はじめに} 連続音声認識においおN-gramず呌ばれる統蚈的手法に基づいた蚀語モデルが広く䜿甚されおおり(Bahl,JelinekandMercer1983),限られた探玢空間䞊で認識粟床を向䞊させるためには信頌できる単語連鎖統蚈倀を埗るための倧量のデ−タを甚いお,倧きな倀に蚭定されたN-gramを甚いるのが効果的である.しかし,倧量のデヌタを甚意するこずは非珟実的であり,実際には小さい倀であるbi-gramやtri-gramなどを甚い単語や単語など局所的な単語連鎖にのみ制玄を䞎えお䜿甚しおいる.埓っお,単語N-gramモデルを甚いた認識誀りには,単語以䞊,実際にはから単語以䞊からなる長い単語連鎖郚分から刀断すれば䞍自然なものが倚い.音声察話や音声翻蚳システムを実珟するためには䞊蚘のような認識誀りの特城を考慮した䞊で,認識誀り文を解析できる手段が必芁ずなる.埓来,文脈自由文法に則っお非文法的な文を解析する手法が提案されおおり(SaitouandTomita1988;Mellish1989),䞀郚の音声認識誀り文の解析にも有効であるこずが確認されおいるたたそれを音声翻蚳システムに導入した䟋も玹介されおいる(Lavie,Gates,Gavalda,Mayfield,WaibelandLevin1996a).これらは入力文䞭に解析できない郚分があったずきその郚分を削陀,あるいは他の単語を挿入眮換しながら解析を続行するこずにより音声認識誀り文の解析を可胜にしおいる.しかしこの方法は基本的には,誀認識さえなければ文党䜓を文法で蚘述するこずが可胜であるこずを前提ずしおいる.実際の自然発話文に頻繁に出珟するず思われる文法蚘述が困難な文を十分に解析できないのが問題ずなる.䞀方,文党䜓を文法で蚘述するこずが困難であるず思われる自然発声文の解析を可胜ずするために発声の際のポヌズで区切られた単䜍を郚分ずしお,文党䜓を郚分毎に分け,各々の郚分文を郚分朚で蚘述し,この郚分朚を列挙したもので文党䜓を蚘述する方法も提案されおいる(竹沢,森元1996b).この方法は自由発話文の解析を可胜ずする䞊で効果的な方法である.しかし䞊蚘郚分朚もN-gramモデルず同様に,局所的な䞀郚分文の範囲で解析を行なうものであり認識凊理で䞍足しおいる「長い単語連鎖からなる倧局的な蚀語的制玄」を補うものではない.埓っお局所的には既に制埡されおいる認識誀り文を誀りであるず刀断できず,誀ったたた解析しおしたうずいう問題がある.さらにこれら埓来の解析方法は文脈自由文法による文法的制玄を基本ずしおいるが,意味的な敎合性を刀断した解析ではないため,文の「䞍自然さ」を刀断するには䞍十分であるず考えられる.我々は,自由発話文の音声認識誀り文を解析するためには文法以倖の制玄を積極的に甚いお,認識誀り文から正しく認識された郚分を特定するしくみを新たに導入し,特定された郚分のみを察象ずしお,たたは特定されなかった郚分を修埩しながら,文を解析するこずが必芁であるず考えおいる.そこで本論では,その第歩ずしお,単語N-gramのNの範囲を越えた倧局的な郚分を察象に,その意味的な自然性を刀断するこずにより認識結果文から正しく認識された郚分のみを特定する方法を提案する.以䞋章ではこの正解郚分特定法に぀いお述べ章では日英翻蚳システムを甚いた正解郚分特定法の評䟡結果に぀いお報告する \section{正解郚分特定法} \subsection{ConstituentBoundaryを甚いた自由発話文の解析}自由発話文の翻蚳をめざしお倉換䞻導型機械翻蚳TransferDrivenMachineTranslation以䞋TDMTず蚘述するず呌ぶ音声翻蚳手法が提案されおいる(叀瀬,隅田,飯田1994a).TDMTでは,自由発話文に頻繁に出おくる文法蚘述の困難な蚀い回しを取り扱うために,実際の自由発話文に珟われる皮々の単語間の䟝存関係を衚珟パタヌンずしお蚘述し,これらの衚珟パタヌンずその察蚳ずを蓄積しおおく.実際の翻蚳の際には,入力された文に類䌌した衚珟パタヌンを遞択し,その察蚳パタヌンを甚いお翻蚳を行う.この衚珟パタヌンには次の特城がある.\vspace{0.5cm}\begin{itemize}\item[特城]衚珟パタヌンは衚珟を決定するマヌカヌず倉数から構成されおおり,マヌカヌは機胜語,倉数は内容語である堎合が倚い.たずえば「京郜のホテル」ずいう孊習文における衚珟パタヌンは「の」ずなり,この際のマヌカヌは「の」,倉数及びは「京郜」ず「ホテル」ずなる.このように倚くの衚珟パタヌンは,倉数に盞圓する内容語間の䟝存関係を,マヌカヌに盞圓する機胜語で衚しおいるこずになる.\item[特城]衚珟パタヌンの単䜍は,話し蚀葉の意味を理解する䞊での最小単䜍であるこずを基本ずするため,パタヌンの長さは単語から句,文たで様々である.この単䜍をconstituentboundary(CB)ず呌ぶ.\end{itemize}\vspace{0.5cm}入力文に類䌌した衚珟パタヌン候補は耇数遞択されるこずがある.その䞭から最も適切な孊習パタヌンを遞択するために,孊習された衚珟パタヌンの倉数に盞圓する単語ず入力文の単語間ずの意味的な類䌌性を調べ,入力文に含たれる単語ず最も類䌌した単語を含んでいる衚珟を遞択しおいる(隅田,叀瀬,飯田1994b).この意味的距離は意味シ゜ヌラス蟞曞に埓っお算出される.この最適衚珟パタヌンの探玢は,left-to-rightのボトムアップ探玢凊理にお行なわれる.埓っお,もし文党䜓に盞圓する衚珟パタヌンが探玢できなくおも,郚分文に盞圓する衚珟パタヌンは探玢可胜である(FuruseandIida1996c).\subsection{正解郚分の特定法}䞊蚘のCBによる解析法で甚いた衚珟パタヌンず解析結果を甚いお認識結果文から正しく認識された郚分のみを特定する方法を提案する.正解郚分の特定に䞊蚘解析法を甚いる長所を以䞋に述べる.\vspace{0.5cm}\begin{itemize}\item[(a)]文脈自由文法に基づいた文法芏則では話し蚀葉も音声認識誀りも同様に解析が困難であるため,䞡者の区別が぀かない堎合が倚かったが䞊蚘解析法では実際の話し蚀葉の衚珟を孊習するこずにより,解析できない郚分を音声認識誀りず刀断できる可胜性がある.\item[(b)]䞊蚘解析法で扱う衚珟パタ−ンはN-gramの個以䞊の単語からなるものも倚くある.この衚珟パタヌン単䜍で文の自然性を刀断するこずで,N-gramよりさらに倧局的な郚分を評䟡できる枠組である.\item[(c)]解析をボトムアップに行っおいるため文党䜓が解析できなくおも郚分的な解析が可胜である.\end{itemize}\vspace{0.5cm}音声認識の際に考慮されおいない「倧局的な郚分」からの「意味的な䞍自然さ」を刀断するために,具䜓的には,「入力文ず孊習文ずの単語は意味的類䌌性」ず「぀の衚珟パタ−ンの圢態玠長」に泚目しお正解郚分を特定する.正解郚分特定条件は次の぀である.\vspace{0.5cm}\begin{quote}\begin{itemize}\item[条件]ある入力文䞭の衚珟パタヌンが音声認識誀りを含んでいる堎合には孊習パタヌン内の単語ずの意味距離倀は倧きくなるず予想される意味距離倀が䞀定倀より小さい衚珟パタ−ンを正解郚分ずする\item[条件]単語N-gramにより制埡された認識結果は,N個以䞋の単語からなる郚分に぀いおは既に制埡されおおり,結果が正解であるか誀りであるかに無関係に「自然」な系列である堎合が倚い.埓っお,N+1個以䞊からなる範囲から刀断しお「自然」である堎合のみ,正解郚分ずする.\end{itemize}\end{quote}\vspace{0.5cm}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=example.ps,width=80mm}\end{center}\vspace{-4mm}\caption{正解郚分特定䟋}\label{fig:example}\end{figure}\subsection{正解郚分の特定手順}なるべく倧局的な郚分から優先しお正解郚分の特定を行なうために,ボトムアップに行なわれた解析結果を,トップダりンに刀断しながら特定しおいく.具䜓的には,次の手順で正解郚分の特定を行なう.\vspace{0.5cm}\begin{itemize}\item[手順]長い語句の範囲の衚珟パタヌンから順にその意味的距離を刀断し,意味的距離が閟倀より小さい堎合は,その範囲に含たれる党おの郚分を正解郚分ずする.\item[手順]もし意味的距離が閟倀より倧きい堎合には,その郚分のどこかに誀りが含たれおいるずみなしお,より小さい郚分の衚珟パタヌンに぀いお(手順)の凊理を繰り返す.\item[手順]この凊理が繰り返され,非垞に短い語句の範囲での局所的な語句からなる衚珟パタヌンを扱うに至る堎合は,察象ずなる短い郚分は,他の郚分ず䟝存関係がなく文党䜓から芋お䞍自然な郚分であるず刀断する.そこで,解析範囲に含たれおいる圢態玠数に䞋限閟倀を蚭け,解析範囲が现分化されおその圢態玠数が閟倀に達した堎合には,意味的距離がたずえ小さくでも,その郚分を誀り郚分ず刀断する.\end{itemize}\vspace{0.5cm}図\ref{fig:example}に正解郚分特定䟋を瀺す.これは単語bi-gramを甚いた音声認識結果文を解析した䟋である.たず音声認識結果に察しボトムアップな解析を行なうこずで,いく぀かの郚分文に察し衚珟パタヌンが適応され,結果ずしお,図\ref{fig:example}に瀺したような構造ず意味的距離倀が埗られたずする.ここでたずえば,圢態玠数の䞋限閟倀をbi-gramのNより぀倧きい,意味的距離の䞊限閟倀を0.2ずするず,この結果は次のように凊理される.この結果では,「料金」が「料決た」ず誀認識しおいるため,文党䜓ずしおの解析は倱敗しおいる.そこで,解析できた郚分で最も倧きい衚珟パタヌンである「゚゚それぞれおいくらなんですか」の意味的距離0.4を閟倀ず比范する.この堎合は閟倀を䞊回っおいるので,この範囲のどこかに誀りがあるずみなし,䞀段階小さな衚珟パタヌン「それぞれおいくらなんですか」を凊理する.この郚分の意味的距離0.005は閟倀より小さいので,この郚分は党お正解郚分ず特定する.ただ,刀断しおいない残りの「料決た」の郚分の意味的距離は閟倀より小さいものの,この範囲に含たれる圢態玠数が,圢態玠数閟倀の未満であるので,この郚分は誀った郚分ず刀断する. \section{評䟡} \begin{figure}\begin{center}\hspace{10mm}\epsfile{file=struct_fine.ps,width=100mm}\end{center}\caption{音声翻蚳システム抂芁}\label{fig:struct}\vspace{-2mm}\end{figure}実際の音声翻蚳システムに䞊蚘の正解郚分特定法を導入し,特定された郚分のみの郚分翻蚳が可胜な音声翻蚳システムを構築した.図\ref{fig:struct}にシステムの抂芁を瀺す.音声認識結果文はたず原蚀語解析郚に入力され,解析郚は文党䜓,たたは郚分文の構造ず意味距離倀を出力する.これらを甚いお正解郚分を特定し,特定された郚分文のみを目的蚀語倉換郚に入力し翻蚳を行なう.このシステムを甚いお,本正解郚分特定法にお特定された郚分文やその翻蚳結果文を出力し,これらを以䞋の芳点から評䟡した.正解郚分特定率.特定された郚分のみを提瀺した堎合の党䜓文に察する文理解率特定された郚分のみを翻蚳した堎合の翻蚳文理解率音声認識手法ずしお,音玠ず単語bi-gram蚀語モデルを䜿ったマルチパス探玢でワヌドグラフを出力する連続音声認識方匏(Shimizu1996d)を甚いた.デヌタベヌスには旅行䌚話デヌタベヌス(Morimoto1994c)の䞭の䌚話分話者119文を甚いた.本方法は正解郚分をトップダりンに特定するため,正しい文が入力され文党䜓が埓来の解析にお成功した堎合には,埓来ず同様,文党䜓を出力する.特定された郚分のみを出力するこずの効果を評䟡するため,ここでは,この119文を甚いお音声認識実隓を行ない,誀認識した70文のみを評䟡に䜿甚した.\subsection{正解郚分特定率}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=eval_rate1.ps,width=80mm}\end{center}\vspace{-3mm}\caption{圢態玠数の閟倀ず正解郚分特定率ずの関係}\label{fig:rate1}\end{figure}\begin{figure}\begin{center}\epsfile{file=eval_rate2_fine.ps,width=80mm}\end{center}\caption{意味的距離の閟倀ず正解郚分特定率ずの関係}\label{fig:rate2}\end{figure}本方法の正解郚分の特定性胜を確認するために正解であるず特定した郚分に含たれる正解単語の再珟率及び適合率を調べ正解郚分の特定を行う前の音声認識結果文の再珟率及び適合率ず比范した\[{\rm再珟率}=\frac{\mbox{結果文に含たれる正解単語数}}{\mbox{正解文の総単語数}}\]\[{\rm適合率}=\frac{\mbox{結果文に含たれる正解単語数}}{\mbox{結果文の総単語数}}\]正解郚分の特定に䜿甚した意味的距離の閟倀ず぀の衚珟パタヌンに含たれる圢態玠数の䞋限閟倀ずを様々に倉えた堎合の性胜の違いも合わせお評䟡した.図\ref{fig:rate1},図\ref{fig:rate2}に瀺された再珟率,適合率より,次の結果を埗た.\vspace*{0.5cm}\begin{itemize}\item[結果1-1]どのような閟倀の条件䞋でも正解単語適合率は92\%を䞊回っおおり特定する前の認識結果ず比范しおも玄15\%前埌向䞊しおいる特定した郚分が正解である信頌性は高い.\item[結果1-2]正解単語再珟率は20\%前埌䜎䞋しおおり本方法が特定しきれない正解郚分も倚い.\item[結果1-3]圢態玠数の閟倀に぀いおは,閟倀が倧きくなるほど適合率は向䞊する.特に閟倀が以䞊の堎合は,閟倀がの堎合ず比べお適合率は倧きく向䞊しおいる.本実隓では音声認識時に単語bi-gramを甚いおおり,たずえ誀った単語であっおも単語連鎖間だけを取り䞊げるず自然なものが倚い.閟倀がの堎合は誀った単語連鎖を正解郚分ず特定しおしたったこずが,以䞊の堎合に比べお適合率が䜎かった原因である.\item[結果1-4]圢態玠数の閟倀が以䞊になるず再珟率が極端に䜎䞋する.\item[結果1-5]意味的距離の閟倀に぀いおはその倀が小さくなるほど再珟率は高く適合率が䜎くなる傟向があるしかし閟倀の違いによる性胜の違いは,圢態玠数の閟倀を倉化させた時に比べお少ない\item[結果1-6]意味的距離の閟倀が0.2以䞋になるず適合率は埐々に䜎䞋する.\end{itemize}\newpage本方法は,孊習された衚珟パタヌンに基づく解析結果から正解郚分を特定ため,たずえ正しく認識された単語であっおも,衚珟パタヌンず適合しなければ正解郚分ず特定されず,再珟率は䜎くなっおいる.しかし,本方法による適合率は高く,これは特定された郚分が実際に正解単語である信頌性は高いこずを瀺しおいる.埓っお,単語N-gramにより制玄された認識結果から正解郚分を特定するために,孊習パタヌン及び入力パタヌンに出珟する単語間の意味的類䌌性を甚いる本方法は,高い信頌床で正解郚分を特定するのに有効であるず考えられる.たた,正解郚分特定性胜は圢態玠数閟倀の倉動に察しおは敏感であり,たずえば,音声認識時の蚀語モデルの制玄範囲より小さい倀に閟倀を蚭定するず適合率は䜎䞋する.蚀語モデルの制玄範囲を越えた圢態玠数閟倀を甚いるこずが必芁である.\vspace{-3mm}\subsection{特定郚分文からの文理解率}\vspace{-1mm}\begin{table}\caption{正解郚分特定前埌の文理解率の違い}\label{tab:eval_under}\begin{center}\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|}\hlineレベル&(L1)&(L2)&(L3)&(L4)&(L5)\\\hline\hline特定前&19.6\%&22.0\%&23.0\%&35.5\%&0.0\%\\\hline特定埌&20.3\%&22.6\%&36.8\%&15.2\%&5.4\%\\\hline\end{tabular}\end{center}\end{table}本正解郚分特定法が,文の意味を理解する䞊で有効かどうかを確認する.ここでは,音声認識誀り郚分を含んだ文党䜓を提瀺した堎合特定前ず,本正解郚分特定法により特定された郚分のみを提瀺した堎合特定埌ずの,各々の文理解床を評䟡した.圢態玠数および意味距離倀の閟倀は,前章の実隓での最適倀(3ず0.2)を蚭定した.評䟡方法は,特定前及び特定埌の各々の結果文ずそれに盞圓する正解文を比范しお,次の段階の評䟡レベルを結果文に䞎えるものである.評䟡は日本人名で行なった.段階の評䟡レベル内容を以䞋に瀺す.\begin{itemize}\item[(L1)]正解ず比べお同じ意味であるず理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L2)]少し䞍自然だが,意味は理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L3)]党䜓の意味はわからないが,郚分的には理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L4)]間違えた意味にずっおしたう.\vspace*{-2mm}\item[(L5)]正解郚分がない.\end{itemize}各レベルにおける名の平均回答数を評䟡結果を衚\ref{tab:eval_under}に瀺す.次のこずがわかった.\begin{itemize}\item[結果2-1]本方法にお特定された郚分のみ提瀺するこずで,誀った意味に解釈される文が半分以䞊枛少した.(L4)が35.5\%→15.2\%\item[結果2-2]本方法にお特定された郚分のみ提瀺するこずで,正しく意味が䌝えられた文は増加したが,その割合は僅かである.(L1)ず(L2)の和が41.6\%→42.9\%\end{itemize}本正解郚分特定法により特定された郚分のみを提瀺するこずは,認識誀り文がそのたた誀った意味に解釈されおしたう問題を軜枛する効果があった.しかし,より正しい意味を䌝えるための効果は僅かであった.これは,正しい郚分のみ提瀺しなくおも,評䟡者が誀った文を自ら蚂正しながら読むこずで,正しい意味を理解できるこずを瀺しおいる.\subsection{翻蚳正解率に察する効果}次に,本正解郚分特定法が,翻蚳結果に及がす圱響を確認する.ここでは,音声認識誀り郚分を含んだ文党䜓を翻蚳した堎合特定前ず,本正解郚分特定法により特定された郚分のみを翻蚳した堎合特定埌ずの,各々の翻蚳文理解床を評䟡した.閟倀の条件は前章ず同様に蚭定した.評䟡方法は,特定前及び特定埌の各々の結果文の翻蚳結果文ずそれに盞圓する正解文をに察する翻蚳結果文ずを比范しお,次の段階の評䟡レベルを翻蚳結果文に䞎えるものである.評䟡は英䌚話胜力の高い日本人名で行なった.評䟡レベルを以䞋に瀺す.(L1)から(L4)たでは,前章の文理解率を評䟡する評䟡基準ず同じである.(L5)は,特定された郚分がない,たたは翻蚳過皋で凊理が倱敗するずいう理由で,翻蚳結果が出なかったずきに盞圓する.\begin{itemize}\item[(L1)]正解ず比べお同じ意味であるず理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L2)]少し䞍自然だが,意味は理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L3)]党䜓の意味はわからないが,郚分的には理解できる.\vspace*{-2mm}\item[(L4)]間違えた意味にずっおしたう.\vspace*{-2mm}\item[(L5)]翻蚳ができない.\end{itemize}\begin{table}\caption{正解郚分特定前埌の翻蚳率の違い}\label{tab:eval_trans}\center\begin{tabular}{|c||c|c|c|c|c|}\hlineレベル&(L1)&(L2)&(L3)&(L4)&(L5)\\\hline\hline特定前&11.9\%&0\%&0\%&2.4\%&85.7\%\\\hline特定埌&25.7\%&16.7\%&26.6\%&21.0\%&10.0\%\\\hline\end{tabular}\end{table}各評䟡レベルにおける回答数の名の平均倀を評䟡結果を衚\ref{tab:eval_trans}に瀺す.次の結果が埗られた.\begin{itemize}\item[結果3-1]埓来11.9\%であった翻蚳正解率が,本特定法の導入埌は玄倍の25.7\%に向䞊しおいる.\item[結果3-2]本正解郚分特定法の導入前は,85.2\%の文が翻蚳できなかったが,本特定法の導入埌は,69\%(L1)25.7\%(L2)16.7\%(L3)26.6\%の文に察し,正しいかもしくは郚分的にも理解できる翻蚳文を出力できた.\item[結果3-3]本正解郚分特定法の導入前は,誀った意味に翻蚳されるこずはほずんどなかったが,本特定法の導入埌は,誀蚳文が21\%に増加した.\end{itemize}以䞊の結果は,本正解郚分特定法が翻蚳結果に及がす効果は倧きく,埓来ほずんど翻蚳できなかった誀認識文の玄割に察し,郚分的にも意味を理解できる翻蚳文を出力可胜であるこずを瀺しおいる.たた,文党䜓を翻蚳できなくおも,内容の理解に必芁な語が認識されおいれば,その郚分のみを翻蚳するこずで,ほが正しく理解できる翻蚳結果が出力できおいた.この結果は,特定されなかった郚分の修埩を怜蚎する際には,特定されない郚分を党お修埩する必芁ななく,必芁な単語のみの修埩で十分であり,堎合によっおは,修埩の必芁がないものも倚いこずをを瀺唆しおいる.先に述べたように,本正解郚分特定法による特定郚分の適合率は高く,特定された郚分はほずんどが実際に正解郚分である.しかし郚分翻蚳結果は,特定された原蚀語郚分の順序で盞圓する郚分翻蚳結果を䞊べお提瀺しおいるため,各郚分文は適切に翻蚳されおいたずしおも,郚分文系列から刀断するず誀った意味に翻蚳される堎合があり,誀蚳文が増加しおいる原因はここにある.このような誀蚳に関しおは,今埌解決しおいく必芁がある.最埌に次章にお,䞊蚘の翻蚳結果の分析を通しお,本正解郚分特定法の音声翻蚳に及がす効果ず悪圱響に぀いお考察する.\vspace{-2mm} \section{考察} \vspace{-2mm}埓来の翻蚳でも,誀認識文の11.9\%に察しおは正しく翻蚳するこずができおいる.これは䜿甚した翻蚳システムTDMTが,話し蚀葉に察応するために助詞や䞀郚の文末衚珟が欠萜した蚀い回しを孊習しおおり,認識誀りがこれらの脱萜誀りであった堎合にでも正しく解析できたためである.しかし,実際の話し蚀葉には存圚しないような蚀い回しに誀認識した堎合には,翻蚳するこずができなかった.本正解郚分特定法の導入により,効果が芋られた誀認識文の特城は,䞻に以䞋のものである.\begin{itemize}\item[(a)]衚珟パタヌン間の挿入誀り\item[(b)]文末の蚀い回しの誀り\item[(c)]N個以䞊の単語からなる䞍自然な衚珟ぞの誀り\item[(d)]孊習デヌタに皀な衚珟ぞの誀り\end{itemize}たた,誀認識ではないが,埓来翻蚳できなかった文が,本方法にお翻蚳可胜になったものに,次ののもがある.\begin{itemize}\item[(e)]耇数文からなる発話\end{itemize}たた逆に,本正解郚分特定法を導入するこずで誀蚳しおしたった文の䞻な特城は,次のものである.\begin{itemize}\item[(f)]文末の,人称,ç«‹å Ž,肯定文か吊定文か,などを決定する衚珟の誀り\end{itemize}以䞋に,䞊蚘の各々の項目を実際の䟋を甚いお説明する.\subsection{衚珟パタヌン間の挿入誀り}\begin{table}\caption{挿入誀りに察する郚分翻蚳結果䟋}\label{tab:ex_error1}\center\begin{tabular}{|l|l|}\hline入力文&電話番号は五二䞃九です\\&(Thetelephonenumberisfivetwosevennine)\\\hline認識結果&電話番号は\underline{っお}五二䞃\underline{あっ}九です\\\hline正解郚分特定結果&電話番号は....五二䞃......\\\hline郚分翻蚳結果&Thetelephonenumber....fivetwoseven......\\\hline\end{tabular}\end{table}自由発話文では,「ええ」や「あ」や「ん」などの冗長語が倚く話されるため,音声認識では,これらの単語を認識単語ずしお登録しおいる堎合が倚い.ずころが,日本語の冗長語は,短音玠で構成されおいるものが倚く,認識時には,他の単語の䞀郚が,床々,冗長語ず誀っお認識されおしたう傟向がある.さらに,冗長語は文党䜓のどこで話されるかが予枬しにくく,単語N-gramの枠組では制埡しにくい性質がある.これらの理由で,音声認識結果では,この冗長語の挿入誀りが頻繁に起こる.衚\ref{tab:ex_error1}は冗長語の挿入誀りのために,埓来の翻蚳凊理では翻蚳できなかった認識誀り文の䟋である.正解郚分を特定しお翻蚳するこずで,「電話番号は」や「五二䞃」などの翻蚳結果を出力するこずができおいる.ただし,「九です」は,冗長語「あっ」の挿入のために,他の郚分ずは独立しおいる圢態玠の局所的な郚分であるずみなされ,正解郚分ず特定するこずができなかった.\subsection{文末衚珟の誀り}\begin{table}\caption{文末での眮換誀りに察する郚分翻蚳結果䟋}\label{tab:ex_error2}\center\begin{tabular}{|l|l|}\hline入力文&郚屋の予玄をお願いしたいんですけれども.\\&(Iwouldliketoreservetheroom.)\\\hline認識結果&郚屋の予玄をお願いしたい\underline{ねすずも}\\\hline正解郚分特定結果&郚屋の予玄をお願いしたい......\\\hline郚分翻蚳結果&......wouldliketoreservetheroom\\\hline\end{tabular}\end{table}間接的な衚珟や䞁寧な衚珟が文末で話されるこずが頻繁にあり,文末の発声が䞍明瞭な堎合は,この郚分で認識誀りが起こるこずも倚い.しかし,これらの衚珟が聞き取れなくおも問題なく文の内容が理解できるこずも倚く,そのような堎合には,文末に至るたでの郚分のみを翻蚳するこずで,ほが意味が理解できる翻蚳文を出力するこずができる.衚\ref{tab:ex_error2}は文末での䞁寧な衚珟の郚分で音声認識誀りを起こした䟋である.前半郚のみを特定し翻蚳するこずで,意味の理解できる翻蚳結果を出力するこずができおいる.ただしこの䟋の堎合は,文末衚珟が人称を決定しおいるため,䞻語の「I」を翻蚳するこずはできなかった.\subsection{N個以䞊の単語からなる䞍自然な衚珟ぞの誀り}\begin{table}\caption{倧局的にみお䞍自然な衚珟に察する郚分翻蚳結果䟋}\label{tab:ex_error3}\center\begin{tabular}{|l|l|}\hline入力文&お郚屋のご垌望はございたすか?\\&(Doyouhaveanypreferencefortheroom)\\\hline認識結果&\underline{芪子}のご垌望はございたすか?\\\hline正解郚分特定結果&..gokibouwagozaimasuka\\\hline郚分翻蚳結果&Doyouhaveanypreference..?\\\hline\end{tabular}\end{table}単語N-gramにおけるN個の単語を越えた倧局的な範囲で刀断した時に,䞍自然であるず思われる認識誀りは,認識時には発芋されない.本方法で正解郚分を特定するこずにより,このような誀りを発芋できる利点がある.衚\ref{tab:ex_error3}は,入力文の「お郚屋」を「芪子」ず誀っお認識した䟋である.しかしこの䟋では,単語bi-gramで制埡されおいる単語の連鎖間の関係には䞍自然さはなく,文頭に「芪子」ず話すこずも,「芪子」「の」の連鎖で話すこずも䞍自然ではない.しかし,「芪子」「の」「ご垌望」の連鎖でみるず,その内容は少し䞍自然である.本正解郚分特定法を甚いるず,「芪子のご垌望」の意味的距離倀が閟倀を越えるこずから,「芪子の」が陀去され「ご垌望はございたすか」のみ翻蚳するこずができる.\subsection{孊習デヌタに皀な衚珟ぞの誀り}\begin{table*}\caption{孊習デヌタに皀な衚珟に察する郚分翻蚳結果䟋}\label{tab:ex_error4}\center\begin{tabular}{|l|l|}\hline入力文&鈎朚盎子ず蚀いたす\\&(IamNaokoSuzuki)\\\hline認識結果&鈎朚盎子ず\underline{い}たす\\&(IstaywithNaokoSuzuki)\\\hline正解郚分特定結果&鈎朚盎子ず....\\\hline郚分翻蚳結果&....NaokoSuzuki\\\hline\end{tabular}\end{table*}本翻蚳システムは甚䟋䞻導型のアプロヌチを採甚しおおり,䞀般に構造的たたは意味的に曖昧性を含む文が入力されおも,既に孊習された衚珟パタヌン採甚するこずで,その曖昧性を解消するこずができる.そのために,認識誀りの結果,孊習デヌタには存圚しないが䞀般には䞍自然ではない文に誀っおしたった堎合でも,誀ったたた翻蚳は行なわず,正解郚分を特定しお郚分的にのみ翻蚳するこずができる.衚\ref{tab:ex_error4}は,入力文䞭の「蚀い」が「い」ず誀認識した䟋である.しかし,認識結果の「鈎朚盎子ずいたす」は,䞀般的には自然な文であり,誀りを刀断するこずは難しい.しかし,本旅行案内タスクの孊習デヌタには皀な文であるため,意味距離倀が閟倀を越えおしたい,「鈎朚盎子ず」の郚分のみを翻蚳するこずができた.\subsection{耇数文からなる発話文の翻蚳}音声認識結果に誀りがなくおも,䞀発話に耇数の文が含たれおいる堎合には,埓来の翻蚳システムでは文の境界を解析できないため,翻蚳結果を出力できなかった.本方法を甚いるこずで,各文を独立に翻蚳するこずが可胜ずなるため,結果的には,文境界を怜出しお各文を翻蚳した堎合ず同じ結果を出力するこずが可胜ずなる.たずえば䞀発話ずしお「わかりたした,ありがずうございたした」ず発声した堎合,埓来の翻蚳システムでは,結果を出力できなかったが,本郚分翻蚳を行なうこずで,「Isee,thankyouverymuch」ず翻蚳するこずができた.\subsection{正解郚分のみを翻蚳するこずによる誀蚳}\begin{table*}\caption{文末衚珟の認識誀りに察する郚分翻蚳の誀蚳䟋}\label{tab:ex_error5}\center\begin{tabular}{|l|l|}\hline入力文&郜合で泊たれなくなった\\&(Ican'tstayforsomereason)\\\hline認識結果&郜合で泊たれなった\\\hline正解郚分特定結果&郜合で泊たれ..\\\hline郚分翻蚳結果&..canstayforsomereason\\\hline\end{tabular}\end{table*}文末での,肯定文か吊定文か,あるいは,平叙文か疑問文か,を決定する衚珟が認識誀りを起こした堎合,本方法で特定された郚分文のみ翻蚳するこずで,違った意味に解釈される翻蚳文を出力しおしたうこずがある.衚\ref{tab:ex_error5}の䟋は,入力文䞭の「なく」ずいう吊定を衚す助動詞が,認識されず欠萜しおしたった䟋である.結果的に,「郜合で泊たれ」のみが特定され,正しくは,「cannot」ず吊定文ずしお翻蚳されるべきものが,「can」ず肯定文ずなり,逆の意味に翻蚳されおしたった. \section{たずめ} 自由発話文における音声認識誀り文を解析するために,予め孊習された話し蚀葉の衚珟パタヌンず入力文における衚珟パタヌンずの意味的類䌌性を甚いお,認識結果文から正しく認識された郚分を特定する手法を提案した.さらに,本正解郚分特定機胜を音声翻蚳システムに導入し,音声認識結果の正解郚分のみを郚分翻蚳するシステムを構築した.本正解郚分特定率の評䟡は,本方法が特定した郚分の96\%が実際に正解郚分であり,高い信頌床で正解郚分を特定できるこずを瀺しおいた.たた,本正解郚分特定法が文の意味の理解に及がす効果を評䟡した.認識結果から特定された郚分のみを提瀺するこずは,誀りを含んだ認識結果をそのたた提瀺するよりも誀った意味に理解しおしたう割合を半分以䞊軜枛する効果があった.さらに,特定した正解郚分のみを郚分翻蚳するこずで,埓来翻蚳できなかった誀り文の玄割に察しお,正しいか郚分的にも正しい意味が理解できる翻蚳文を出力できる効果が瀺された.このこずは,音声認識誀り文に察しお誀り郚分を党お修埩しなくおも,必芁な郚分のみの修埩,堎合によっおは修埩を行なわなくおも,意味の通じる音声翻蚳が可胜であるこずを瀺唆しおいる.今埌は,音声認識誀り文に察する高品質な翻蚳をめざしお,十分に意味が理解できなかったり,誀った翻蚳結果を出力した翻蚳結果に察しお,特定できなかった郚分の修埩察策を怜蚎する予定である.\begin{thebibliography}{}\bibitem[]{}Bahl,L.R.,Jelinek,F.,andMercer,R.L.(1983).``AMaximumLikelihoodApproachtoContinuousSpeechRecognition,''{\itIEEETrans.onPatternAnalysisandMachineIntelligence},179-199.\bibitem[]{}Furuse,O.andIida,H.(1996c).``IncrementalTranslationUtilizingConstituentBoundaryPatterns''{\itproc.ofCOLING'96},412-417.\bibitem[]{}叀瀬蔵,隅田英䞀郎,飯田仁(1994a).``経隓的知識を掻甚する倉換䞻導型機械翻蚳''情報凊理孊䌚論文誌,Vol.35(3),414-425.\bibitem[]{}Lavie,A.,Gates,D.,Gavalda,M.,Mayfield,L.,Waibel,A.andLevin,L.(1996a).``MultilingualTranslationofSpontaneouslySpokenLanguageinaLimitedDomain''.{\itProc.of16thICCL},442-447.\bibitem[]{}Mellish,C.S.(1989).``Somechart-basedtechniquesforparsingill-formedinput.''{\itproc.oftheAnnualMeetingoftheACL},102-109.\bibitem[]{}Morimoto,T.,etal.(1994c).``ASpeechandlanguagedatabaseforspeechtranslationresearch''{\itProc.ofICSLP'94},1791-1794.\bibitem[]{}Saitou,H.andTomita,M.(1988).``Parsingnoisysentences,''{\itproc.ofCOLING'88},561-566.\bibitem[]{}Shimizu,T.,Yamamoto,H.,Masataki,H.,Matsunaga,S.andSagisaka,Y.(1996d).``Spon\-taneousDialogueSpeechRecognitionusingCross-wordContextConstrainedWordGraphs''{\itproc.ofICASSP'96},145-148.``\bibitem[]{}隅田英䞀郎,叀瀬蔵,飯田仁(1994b).``英語前眮詞句係り先の甚䟋䞻導あいたい性解消''電子通信孊䌚論文誌D-II,Vol.J77-D-II(3),557-565.\bibitem[]{}竹沢寿幞,森元逞(1996b).``郚分朚に基づく構文芏則ず前終端蚘号バむグラムを䜵甚する察話音声認識手法''電子通信孊䌚論文誌D-II,Vol.J79-D-II(12),2078-2085.\end{thebibliography}\begin{biography}\biotitle{略歎}\bioauthor{脇田由実(非䌚員)}{1982幎,九州芞術工科倧孊音響蚭蚈孊科卒業.同幎,束䞋電噚株入瀟.束䞋電噚音響研究所,䞭倮研究所を経お94幎より,株゚む・ティ・アヌル音声翻蚳通信研究所に出向.音声認識凊理,音声翻蚳凊理の研究に埓事.98幎より,束䞋電噚株䞭倮研究所に戻り,珟圚,音声蚀語凊理関連の研究開発に埓事.日本音響孊䌚,電子通信孊䌚,各䌚員.}\bioauthor{飯田仁(正䌚員)}{1972幎,早皲田倧孊理工孊郚数孊科卒業.74幎同倧孊院修士課皋(æ•°å­Šå°‚æ”»)修了.同幎.日本電信電話公瀟歊蔵野電気通信研究所入瀟.日本電信電話株匏䌚瀟基瀎研究所を経お86幎より゚む・ティ・アヌル自動翻蚳電話研究所に出向.同研究所終了に䌎い93幎より゚む・ティ・アヌル音声翻蚳通信研究所に再出向.珟圚,音声察話の理解・翻蚳の研究に埓事.95幎床科孊技術庁長官賞受賞.96幎床科孊技術情報センタヌ賞受賞.蚀語凊理孊䌚,情報凊理孊䌚,電子情報通信孊䌚,人工知胜孊䌚,日本認知科孊䌚,ACL各䌚員.}\bioauthor{河井淳(非䌚員)}{1991幎,倧阪垂立倧孊理孊郚物理孊科卒業.同幎,株東掋情報システム入瀟.93幎より,株音声翻蚳通信研究所に出向.3幎半の出向期間を終え,珟圚は株東掋情報システムに勀務.自然蚀語凊理,音声認識凊理関連の研究開発に埓事.珟圚,機械翻蚳システムの開発などに埓事.}\bioreceived{受付}\bioaccepted{採録}\end{biography}\end{document}