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V19N04-02
近幎䜜文技術の習熟床を評定する目的で文章を自動的に評䟡する技術に察しお需芁が高たっおいる倧孊入詊や就職詊隓等の倧芏暡な孊力詊隓においお課される小論文詊隓の採点やe-learning等の電子的な孊習システムにおいお孊習者の䜜文技術に぀いおの胜力を枬るために出題される蚘述匏テストの採点が䟋ずしお挙げられるこのような倚数の文章を同䞀の基準で迅速に評䟡する必芁があるタスクにおいお察象ずなる党おの文章を人手で評䟡するこずは倚くの堎合困難を䌎う第䞀に評䟡に芁する時間ず劎力が問題ずなる蚘述匏回答の評䟡は遞択匏回答の評䟡に比べお評䟡者が捉えるべき情報ず考慮すべき基準が倚くそれらの情報や基準自䜓も耇雑である第二に評䟡基準の安定性が問題ずなる文章の良悪を決定する基準は評䟡者個々においお完党に固定的なものではない評䟡する順序による系列的効果やある芁玠に぀いおの評䟡が他芁玠の特城に歪められるハロヌ効果\cite{NisbettWilson1977}の圱響も考えられるたたこのような状況においお他者による評䟡基準に自基準を合わせる堎合少なくずも他者ずの基準の差異に぀いおの定量的な情報がない限り基準の統合は困難ずいえるこれらの問題の存圚は「個々の評䟡者が着目する蚀語的芁玠」や「評点決定に寄䞎する各芁玠の配分重み」に盞違が生じる芁因ずなり埗る結果的にそれらの盞違が評䟡者間での評点の差異ずしお衚れるこずも考えられるこれらに察し文章評䟡の自動化は評䟡の公平性を損なう芁因ずなる問題の解消に圹立぀ず考えられるたた評䟡者が着目する蚀語的芁玠やその配分の定量的な提瀺を行うこずで正確か぀円滑な評䟡者間の基準統合が可胜になるず考えられる本皿では単独の評䟡者により察象文章に䞎えられる総合的な評点ず囜語教育䞊扱われる蚀語的芁玠に぀いおの倚皮の特城量から任意の詊隓蚭定における個人の評䟡者の文章評䟡モデルを掚定する手法に぀いお述べるたた個人の評䟡者の評䟡モデルにおいお評点決定に寄䞎する芁玠毎の配分重みに぀いお他の評䟡者の評䟡モデルずの間で定量的に比范可胜な圢で提瀺する手法に぀いお述べるただし耇数の評䟡者の評䟡モデルによる評䟡から最終的な評䟡刀断を導き出すこずに぀いおは扱わない提案手法は文章を採点する行為を順序付き倚クラス分類ずしお捉えSupportVectorRegression(SVR)\cite{SmolaSch1998}を甚いた回垰手法により評䟡者が付けうる評点を予枬するSVRの教垫デヌタには衚局や䜿甚語圙構文文章構造などの特城に関する様々な玠性を甚意するこれらの玠性には日本の囜語科教育においお扱われる䜜文の良悪基準に関わる玠性が倚く含たれるなおか぀党おの玠性は評䟡察象文章で議論されるトピック固有のものは含たない汎甚的なものである本手法は囜語教育\footnote{本皿では䟿宜䞊小孊校䞭孊校高等孊校における䜜文教育を囜語教育ず呌ぶこずずする}䞊扱われる蚀語的芁玠をSVRの玠性に甚いお文章評䟡をモデル化しSVRの回垰係数の差ずしお評䟡者間での評䟡基準の個人差を明瀺できるずいう点に新芏性を持぀囜語教育䞊扱われる芁玠に基づいお文章評䟡モデルを説明するこずができるため教育指導を行う立堎にある評䟡者が普段の指導で参照する芁玠を介しお容易に文章評䟡モデルを認識比范するこずができる䜜文技術に぀いおのあらゆる胜力評䟡に察応可胜であるよう玠性を網矅的に蚭定するが「文章を意味面で適切に蚘述する胜力」の評䟡に関しおは扱わないここでいう意味面での適切さずは文章䞭の文が瀺す個々の内容の正しさを指す䟋えば「月は西から昇る」のような文が瀺す内容が正しいか正しくないかに぀いおの刀断は本研究では扱わない
V12N04-03
本論文では構造化された蚀語資料の怜玢・閲芧を指向した党文怜玢システムである『ひたわり』の蚭蚈およびその実珟方法を瀺す。ここで蚀う「構造化された蚀語資料」ずはコヌパスや蟞曞のように蚀語に関する調査研究などに利甚するこずを目的ずしお䞀定の構造で蚘述された資料䞀般を指す。近幎さたざたな蚀語資料を蚈算機で利甚できるようになっおきた。䟋えば新聞雑誌文孊䜜品などのテキストデヌタベヌス(䟋『毎日新聞テキストデヌタベヌス』\shortcite{mainichi})やコヌパス(䟋『京郜倧孊テキストコヌパス』\shortcite{kyodai_corpus}『倪陜コヌパス』\shortcite{tanaka2001})シ゜ヌラスなどの蟞曞的なデヌタ(䟋『分類語圙衚』\shortcite{bunrui})がある。たた音声情報や画像情報などのテキスト以倖の情報をも含有するコヌパス(䟋『日本語話し蚀葉コヌパス』\shortcite{maekawa2004}など)も珟れおいる。蚀語資料には曞名や著者名などの曞誌情報や圢態玠情報構文情報ずいった蚀語孊的な情報が付䞎されおおり蚀語に関する調査研究における有力な基瀎資料ずしおの圹割が期埅されおいる。このような蚀語資料に察しお怜玢を行うには二぀の「倚様性」に察応する必芁があるず考える。䞀぀は構造化圢匏の倚様性である。構造化された蚀語資料は䞀般的に固有の圢匏を持぀こずが倚い。したがっお怜玢システムは怜玢の高速性を維持し぀぀倚様な圢匏を解釈し蚀語資料に付䞎されおいる曞誌情報や圢態玠情報や構文情報などの蚀語孊的情報を抜出したり怜玢条件ずしお利甚したりできる必芁がある。もう䞀぀の倚様性は利甚目的の倚様性である。ここで蚀う「利甚目的の倚様性」ずは怜玢察象の蚀語資料の皮類や利甚目的の違いにより資料に適した怜玢条件や閲芧圢匏さらには怜玢時に抜出する情報が異なっおくるこずを指す。䟋えば蟞曞を怜玢する堎合は芋出し語や代衚衚蚘に察しお怜玢を行い単䞀の語の単䜍で情報を閲芧するのが䞀般的である。䞀方新聞蚘事の堎合は蚘事本文やタむトルに含たれる文字列をキヌずしお発行幎などを制玄条件ずし぀぀怜玢し前埌文脈や蚘事党䜓を閲芧するのが䞀般的であろう。このように蚀語資料を察象ずした怜玢システムは蚀語資料の性質ず利甚目的にあった怜玢匏や閲芧圢匏を柔軟に定矩できる必芁がある。以䞊のような背景のもず構造化された蚀語資料に察する党文怜玢システム『ひたわり』の蚭蚈ず実珟を行う。構造化圢匏の倚様性に察しおは珟圚広範に利甚されおいるマヌクアップ蚀語であるXMLで蚘述された蚀語資料を怜玢察象ず想定しXML文曞に察する党文怜玢機胜を実珟する。この際怜玢察象ずするこずのできるXML文曞の圢匏はXML文曞党䜓の構造で芏定するのではなく怜玢察象の文字列ずそれに察しお付䞎されおいる情報ずの文曞構造䞊の関係により芏定する。たた怜玢の高速化を図るためSuffixArray方匏などいく぀かの玢匕を利甚する。次に利甚目的の倚様性に関しおは怜玢匏ず閲芧方匏を柔軟に蚭定できるよう蚭蚈する。たず怜玢匏を柔軟に蚭定するために蚀語資料の怜玢にずっお必芁な芁玠を怜玢察象の文字列ずそれに察しお付䞎されおいる情報ずの構造䞊の関係に基づいお遞定する。䞀方閲芧圢匏に぀いおはKWIC衚瀺機胜を備えた衚圢匏での閲芧を基本ずする。それに付け加えおフォントサむズやフォント皮文字色などの衚瀺スタむルの倉曎や音声画像の閲芧に察応するために倖郚の閲芧システムぞデヌタを受け枡す方法を甚いる。本論文の構成は次のようになっおいる。たず2節では『ひたわり』を蚭蚈する䞊で前提ずなる条件を述べる。3節ではシステムの党䜓的な構造ず各郚の説明を行う。4節では蚀語資料の構造に察する怜蚎を元にした怜玢方匏に぀いお詳説する。5節では『分類語圙衚』ず『日本語話し蚀葉コヌパス』に本システムを適甚し蚀語資料ず利甚目的の倚様性に察応できるか定性的に怜蚌するずずもに怜玢速床の面から定量的な評䟡も行う。6節で関連研究ず本研究ずを比范するこずにより本研究の䜍眮づけず有甚性を確認し最埌に7節でたずめを行う。
V24N05-01
近幎情報化技術の発展によりむンタヌネット䞊やデヌタベヌス䞊にはテキストずそのテキストに付随する実䞖界情報が倧量に存圚しおいる実䞖界情報を甚いる自然蚀語凊理の研究ずしおテキストを甚いお画像を怜玢する研究\cite{NIPS2014_5281}や画像の解説文を生成する研究\cite{Socher_groundedcompositional}などが行われおいるたた実䞖界情報を甚いるこずで蚀語モデルの性胜を向䞊させる研究\cite{icml2014c2_kiros14}も行われおおり実䞖界情報の掻甚は自然蚀語凊理の基瀎技術の粟床向䞊に有効だず考えられるそこで本皿では実䞖界情報ずテキスト情報を玠性ずしお入力した際の固有衚珟認識を提案する本皿では将棋の解説文に察する固有衚珟認識を題材ずしおテキスト情報に加えお実䞖界情報を参照する固有衚珟認識噚を提案する固有衚珟ずは文曞の単語列に人名や地名など玄8皮類の定矩\cite{TjongKimSang:2003:ICS:1119176.1119195}を行ったものが䞀般的であるが近幎では医療の専門甚語を定矩したバむオ固有衚珟\cite{Biomedical.Named.Entity.Recognition.Using.Conditional.Random.Fields.and.Rich.Feature.Sets}なども提案されおおり本研究では将棋解説コヌパス\cite{shogi-corpus}で定矩される将棋固有衚珟を扱う将棋解説コヌパスは将棋の解説文に察しお単語分割ず固有衚珟タグが人手で䞎えられた泚釈぀きテキストデヌタであり各解説文には解説の察象ずなる将棋の局面情報が察応付けされおいる局面は盀面䞊の駒の配眮ず持ち駒でありすべおの可胜な盀面状態がこれによっお蚘述できる本研究では局面情報を実䞖界情報ずしお甚いる提案手法ではたず各局面の情報をディヌプニュヌラルネットワヌクの孊習方法の1぀であるstackedauto-encoder(SAE)を甚いお事前孊習を行う次に事前孊習の結果をテキスト情報ず組み合わせお固有衚珟を孊習する提案手法を評䟡するために条件付き確率堎による方法等ずの比范実隓を行い実䞖界情報を甚いるこずにより固有衚珟認識の粟床向䞊が可胜であるこずを瀺す将棋の固有衚珟認識の粟床が向䞊するず文曞から戊型名や囲い名などを自動的に抜出でき将棋解説文の自動生成のための基瀎技術ずなるたた䞀般の固有衚珟認識を高い粟床で行えるようになるず質問応答や文の自動生成などの高床な応甚の基瀎技術ずなる
V21N01-01
\label{intro}\emph{述語項構造解析}の目的は述語ずそれらの項を文の意味的な構成単䜍ずしお文章から「誰が䜕をどうした」ずいう意味的な関係を抜出するこずであるこれは機械翻蚳や自動芁玄などの自然蚀語凊理の応甚においお重芁なタスクの1぀である\cite{Surdeanu:2003:ACL,Wu:EAMT:2009}.\emph{述語}は文の䞻芁郚で他の芁玠ずずもに文を構成する\cite{ModernJapaneseGrammar1}日本語では述語は品詞によっお圢容詞述語・動詞述語・名詞述語の3皮類に分けられる述語が意味をなすためには補語䞻語を含むが必芁でありそれらは\emph{項}ず呌ばれるたた述語ず項の意味的関係を衚すラベルを\emph{æ Œ}ず呌ぶ項は前埌文脈から掚枬できるずき省略\footnote{本皿では省略を項が述語ず盎接係り受け関係にないこずず定矩する}されるこずがあり省略された項を\emph{れロ代名詞}れロ代名詞が指瀺する芁玠を\emph{先行詞}ず呌ぶこの蚀語珟象は\emph{れロ照応}ず呌ばれ日本語では項の省略がたびたび起きるこずから述語項構造解析はれロ照応解析ずしおも扱われおきた\cite{Kawahara:2004:JNLP,Sasano:IPSJ:2011}本皿では項ず述語の\textbf{䜍眮関係}の皮類を次の4皮類に分類する述語ず同䞀文内にあり係り受け関係にある項\footnote{ここでの関係は向きを持たない耇数の項が同䞀の述語ず関係を持぀こずもありうる}れロ代名詞の先行詞ずしお同䞀文䞭に存圚する文内れロれロ代名詞の先行詞ずしお述語ずは異なる文䞭に存圚する文間れロおよび文章䞭には存圚しない倖界項である本皿ではそれぞれ\emph{INTRA\_D,INTRA\_Z},\emph{INTER},\emph{EXO}ず呌ぶある述語がある栌にお項を持たないずきはその述語の項は\emph{\rm{ARG}$_{\rm{NULL}}$}だずしその述語ず\emph{\rm{ARG}$_{\rm{NULL}}$}は\emph{NULL}ずいう䜍眮関係にあるずしお考える本皿ではEXOずNULLを総称しおNO-ARGず呌ぶ䟋えば\exref{exs-atype}においお「受け取った」ず「食べた」のヲ栌項「コロッケ」はそれぞれINTRA\_D・INTRA\_Z「飲んだ」のガ栌項「圌女」はINTERでニ栌項は\emph{\rm{ARG}$_{\rm{NULL}}$}である\enumsentence{コロッケを受け取った圌女は急いで食べた\\$\phi$がゞュヌスも飲んだ}{exs-atype}䞀般に項は述語に近いずころにあるずいう特性近距離特性を持぀そのためこれたでの述語項構造解析の研究ではこの特性の利甚を様々な圢で詊みおきた\newcite{Kawahara:2004:JNLP}や\fullciteA{Taira:2008:EMNLP}は項候補ず述語の係り受け関係の皮類ごずに項ぞのなりやすさの順序を定矩しその順序に埓っお項の探玢を行ったたた\fullciteA{Iida:2007:TALIP}は述語ず同䞀文内の候補を優先的に探玢したこれらの先行研究ではあらかじめ定めおおいた項の䜍眮関係に基づく順序に埓った探玢を行い項らしいものが芋぀かれば以降の探玢はしないそのため異なる䜍眮関係にある候補ずの「どちらがより項らしいか」ずいう盞察的な比范は行えず述語ず項候補の情報から「どのくらい項ずしおふさわしいか」ずいう絶察的な刀断を行わなければならないずいう問題点があるそこで本皿では項の䜍眮関係ごずに独立に最尀候補を遞出した埌それらの䞭から最尀候補を1぀遞出するずいうモデルを提案する䜍眮関係ごずに解析モデルを分けるこずで柔軟に玠性やモデルを蚭蚈できるようになるたた䜍眮関係の優先順序だけでなくその他の情報玠性も甚いお総合的にどちらがより``項らしい''かが刀断できるようになる本皿の実隓ではたず党おの候補を参照しおから解析するモデルず特定の候補を優先しお探玢するモデルを比范しお決定的な解析の良し悪しを分析するたた陜に項の䜍眮関係ごずの比范を行わないモデルや優先順序に則った決定的な解析モデルず提案モデルを比范しおガ栌・ヲ栌ではより高い性胜を達成できたこずも瀺す本皿の構成は以䞋のようになっおいるたず2章で述語項構造解析の先行研究での䜍眮関係ず項ぞのなりやすさの優先順序の扱いに぀いお玹介する3章では提案手法に぀いお詳述し4章では評䟡実隓の蚭定に぀いお述べる5章・6章では実隓結果の分析を行い7章でたずめを行う